P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
101回国会衆議院1984/02/23

社会労働委員会 第2号

発言数
13
登壇者
7
会派数
1
開催日
1984/02/23

会議録

有馬元治自由民主党・新自由国民連合

○有馬委員長 これより会議を開きます。  厚生関係の基本施策に関する件並びに労働関係の基本施策に関する件について調査を進めます。  この際、厚生大臣及び労働大臣から、それぞれ所信を表明したいとの申し出がありますので、順次これを許します。渡部厚生大臣。

渡部恒三自由民主党・新自由国民連合厚生大臣

○渡部国務大臣 先般の中曽根内閣の改造により、厚生大臣に就任いたしました渡部恒三であります。  社会労働委員会の開会に当たり、一言ごあいさつを申し上げます。  厚生行政は、本格的な高齢化社会を目前に控え、厳しい局面を迎えておりますが、委員の先生方の常日ごろからの種々の御配慮をいただき、深く感謝をいたしております。  私は、厚生行政には全くの素人でありますが、委員の先生方の御指導をちょうだいして一生懸命頑張りますので、よろしく御指導のほどをお願いいたします。  所信表明をさせていただきます。  今日、我が国の経済は、多くの西欧先進国がインフレと失業のはざまで苦しんでいる中で、二度にわたる石油ショックを乗り越え、物価の安定を基礎としつつ、持続的な安定成長の軌道を歩み続けております。  しかし一方で、人口の高齢化は刻々と進んでおり、二十一世紀の初頭である昭和七十五年には現在の西欧諸国の水準に達し、戦後生まれの団塊の世代も昭和九十年代には確実に老人の仲間入りをいたします。  政治の原点は、人間が人間らしく健康で長生きのできる社会基盤をつくり上げることですが、かつてない高齢化社会を迎える我が国においては、国民だれもが、障害のある人も、病に悩む人も、生きがいのある生活を送ることのできる社会の実現へ向けて総力を傾けなければなりません。  このような観点から厚生行政を見直すとき、まず第一に、社会保障の各制度について、将来にわたって国民生活の基盤として揺るぎのないものとするよう、その再編整備を進めていくことが必要であります。  第二に、障害者、寝たきり老人など恵まれない立場にある人々に対しては、温かい配慮を忘れてはなりません。福祉社会は、制度や予算の拡充だけによって支えられるものではなく、児童、老人や障害者などを取り囲む家庭や地域社会の思いやりや連帯があって、初めて実現されるものであります。心と物との調和こそが目指されなければなりません。  昭和五十九年度予算編成に当たっても、このような基本的認識に立って、高齢化社会にふさわしい効率的で公平な制度の確立を図るとともに、障害者、寝たきり老人など恵まれない立場におる方々に対する予算の確保に最大限の努力をいたしました。  以下、昭和五十九年度における主要な施策について申し述べます。  保健医療の問題については、人口の高齢化による成人病の増加など、疾病構造の変化と科学技術の進歩による医学医術の高度化等に伴い、逐年、国民医療費が急激に増加しており、今日、健康づくり、地域医療の確保などを含む総合的な施策の展開が強く求められております。  医療保険制度については、このような現状を踏まえ、将来にわたってすべての国民がよい医療を安心して受けられるように、医療費の規模を適正な水準にとどめるとともに、給付と負担の両面にわたる公平化を図るため、所要の改革案を御提案申し上げております。  この改革案では、右の観点に立って医療費適正化対策を推進するほか、被用者保険本人の給付割合を改めるとともに、退職者医療制度の創設を図ることとしております。  さらに、医療制度改革の第一歩として、地域医療計画の策定等を内容とする医療法改正案を今国会に再提出するとともに、適正な規模の医師数の設定について、将来の医療需要の動向を踏まえた検討に着手することとしております。  予防や健康づくり対策については、特に四十歳からの健康づくりを目指す老人保健事業に重点を置き、対前年度比三七%増の予算を確保するとともに、保健所運営費については、保健所の自主的な運営を促進するため、補助方式の改正を行うこととしております。昭和五十九年度を初年度とする対がん十カ年総合戦略のための経費についても、特に配慮をいたしたところであります。  国民め老後を支える年金制度については、人口高齢化のピークを迎える二十一世紀においても、制度の健全かつ安定的な運営を図っていくための基盤を確立することが現下の最重要課題であります。  このため、制度間格差を是正するとともに、年。金世代と現役世代とのバランスを確保するとの基本理念に立って、年金制度の改革を行う考えであります。  具体的には、基礎年金の導入による制度体系の再編成、給付と負担の適正化、婦人の年金権の確立などを主な内容とする制度改革案を取りまとめ、今国会に、国民年金、厚生年金保険及び船員保険の三制度の改正法案を提出することといたしております。  社会福祉につきましては、私は、恵まれない立場にある方々に対しては、いささかも福祉の後退とならないようにする決意であります。  とりわけ、本年は障害者福祉対策に力を入れることとしております。年金制度の改革に加え、特別障害者手当の創設などにより、障害者の所得保障については大幅な改善を図るとともに、厚生年金の事後重症制度の改善を行うこととしております。さらに、身体障害者の範囲の拡大、施設の再編を初めとする福祉施策を展開することとしております。  児童福祉につきましては、母子保健対策、保育対策の充実、児童館の増設など、児童をはぐくむ健全な環境の整備に努めてまいりたいと考えております。  また、児童扶養手当制度については、臨調答申等を踏まえ、近年の離婚の急増等母子家庭を取り巻く状況の変化を考慮し、母子家庭の生活の安定と自立の促進を通じて、児童の健全な育成を図るための福祉の制度として見直すこととしております。  援護施策につきましては、戦傷病者戦没者遺族等に対する年金の額の引き上げなどを行うほか、中国残留孤児対策を推進するなど、その一層の充実強化に努める所存であります。  また、社会保険関係地方事務官制度につきましは、臨調答申の趣旨に沿い、これを廃止し、社会保険関係事務は、原則として国において処理することとするための所要の法律案を提出することとしております。  このほか、厚生行政は、原子爆弾被爆者対策、水道、廃棄物に関する施設整備、環境衛生関係営業の振興、医薬品、食品、家庭用品の安全確保対策など、ひとときもゆるがせにできない施策ばかりであります。  今私たちは、二十世紀の最後の四半世紀に立っております。私は、皆様の御指導、御鞭撻を得ながら、医療保険制度の改革を初めとする懸案の諸問題の解決に、全力を挙げて取り組んでまいる所存でありますので、何とぞよろしくお願いいたします。(拍手)

有馬元治自由民主党・新自由国民連合

○有馬委員長 坂本労働大臣。

坂本三十次自由民主党・新自由国民連合労働大臣

○坂本国務大臣 労働大臣の坂本三十次でございます。  社会労働委員会の御審議に先立ち、今後の労働行政について所信を申し述べ、委員各位を初め、国民の皆様の御理解と御協力をお願い申し上げます。  労働行政が対象とする人と勤労は、資源の乏しい我が国において、経済と社会の発展と繁栄を支える礎であります。したがって、労働行政は、我が国の将来に深くかかわる重要な行政であり、我が国の経済と社会が来るべき二十一世紀においていかなる姿のものとなっているかは、今後の労働行政が進める政策のあり方にかかっていると言っても過言ではありません。  私は、この重責を担うに当たり、勤労者の雇用の安定と福祉の向上を願う国民の皆様の労働行政に対する期待と信頼にこたえ、国民の心をみずからの心としつつ、全力を挙げてまいる決意であります。  今や、労働行政を取り巻く内外の環境は著しく変貌しつつあります。すなわち、経済成長速度が鈍化する中で、本格的な高齢化社会が急速に到来するとともに、マイクロエレクトロニクス等の新たな技術革新が広範に進展し、また、サービス経済化の進展、第三次産業の増大、婦人労働者の増大等、産業構造、就業構造の変化が進んでおります。他方、国際関係の面でも、我が国の国際的地位が向上するに伴い、労働の分野においても、我が国の果たすべき役割は著しく増大しております。私は、このような変化の機会を的確にとらえ、将来にわたり勤労者の雇用の安定と福祉の向上を実現することが労働行政に課せられた現下の重要な課題であると確信しており、この課題に対して大局を忘れることなく、積極的かつ機敏に取り組んでまいりたいと考えております。  私は、このような見地に立ち、次の事項に重点を置いて、行政を進めてまいる所存であります。  第一は、雇用対策の積極的推進であります。  雇用の安定を確保し、労働者が安んじて働けるようにすることは、国政の最重要課題であります。最近の雇用失業情勢を見ますと、なお厳しさを残しているものの、景気の回復を背景として改善の動きが出てきております。政府は、今後適切かつ機動的な経済運営により、景気の着実な拡大を図ることとしており、労働省としても、こうした改善の動きを確実なものとするため、雇用対策を積極的に推進してまいります。  まず、高年齢者の方々につきましては、高齢化社会を迎え、その高い就業意欲を生かし、安定した雇用就業機会を確保することが重要となってきております。このため、六十歳定年の一般化の早期実現に向けて指導援助に取り組んでいるところでありますが、目標年次である昭和六十年度は目前に迫っており、その達成に一層努力をしてまいります。また、高齢化の波は、今後六十歳台前半層に移行し、これらの高年齢者が大幅に増加するものと見込まれておりますので、その多様な就業希望に応じた雇用就業機会を確保するための援助助成措置の充実を図ってまいります。  また、近年、産業界においては、マイクロエレクトロニクス等の新たな技術革新が急速かつ広範に進展しておりますが、これらの技術革新と雇用の問題につきましては、これまでの調査研究の成果を踏まえつつ、労使その位の関係者の意思疎通を促進するとともに、技術革新の進展に応じた能力開発対策を進めてまいります。  さらに、構造的な不況に陥り、雇用失業情勢がより厳しいものとなっている業種、地域につきましては、昨年成立した特定不況業種・特定不況地域関係労働者の雇用の安定に関する特別措置法に基づき、失業の予防、再就職の促進等の対策を進めてまいります。  雇用保険制度につきましては、雇用失業構造の変化に対応して、失業者の再就職の促進を図るとともに、制度の不合理な面を是正し、将来にわたる制度の健全かつ機能的な運営を確保することとしており、今国会にそのための法律案を提出することといたしておりますので、よろしく御審議をお願いいたします。  なお、就業構造の変化、就業形態の多様化に対応した労働力需給システムの整備の一環として、労働者派遣事業の問題につきましても、法制化の検討を進めているところであります。  第二は、婦人の職場進出の増大、職業意識の変化に対応する婦人労働対策であります。  近年、女子雇用者は、雇用者全体の三分の一を超えており、職業生活においてその能力を有効に発揮できるようにすることが重要となってきているとともに、婦人差別撤廃条約の批准のため、国内法制等諸条件の整備に努めることが「国連婦人の一〇年」後半期の重点課題とされております。このため、雇用における男女の機会の均等と待遇の平等を確保するための法制の整備が必要であると考えております。法制の整備の内容については、現在、婦人少年問題審議会において検討が進められているところでありますが、その結論を待って、関係法案を今国会に提出する所存でありますので、よろしく御審議をお願いいたします。  また、最近家庭の主婦層を中心に著しく増加しているパートタイム労働については、雇用の安定、労働条件の確保等を目的とする総合対策を盛り込んだパートタイム労働対策要綱を作成することとし、この要綱に基づき、労使に対する啓発指導に努めるとともに、パートバンクの増設により職業紹介体制の充実に努めてまいります。  第三は、安全で衛生的な労働環境の実現と労働福祉の増進を図るための施策であります。  労働災害は、本来あってはならないものであり、労働者の安全と健康を確保することは、あらゆる労働福祉の基本であります。昭和五十九年度は、労働災害の着実な減少を図ることを主眼として策定した第六次労働災害防止計画の第二年度に当たり、引き続き目標の達成に向けて、労働災害防止対策を積極的に推進するほか、中高年齢労働者の総合的な健康の保持増進対策、新たな技術革新に対する労働安全衛生面での対応等を進めてまいります。  また、豊かで安定した生活を実現するため、財形持ち家個人融資制度の普及促進、週休二日制の普及等を進めてまいります。  第四は、障害者等特別の配慮を必要とする人々に対する施策であります。  障害者の方々が社会的に自立するためには、その能力を十分に生かし、職業につくことが肝要であります。このため、身体障害者雇用率の達成指導、職業能力の開発向上等により、雇用機会を確保するための対策を積極的に推進するとともに、いまだに困難な状況にある重度障害者等に重点を置いて、第三セクター方式による重度障害者雇用企業等を育成するなどの雇用対策を進めることとしております。  また、臨時行政調査会の答申に基づき、現在雇用促進事業団が行っている身体障害者雇用納付金関係業務については、身体障害者雇用促進協会に全面的に移管することとしており、今国会にそのための法律案を提出することといたしておりますので、よろしく御審議をお願いいたします。  第五は、労使の相互理解と信頼を強化し、労使関係の安定を図るための環境づくりの推進であります。  我が国の労使関係は、相互理解を基調として、我が国の社会の安定と経済の発展に大きな貢献をしてきたところであり、国際的にも高く評価されております。  さらに、今日のように、労働問題を取り巻く環境が著しく変化している時期にあっては、これまでに形成されてきた良好な労使関係を維持し、発展させていくことが、重要な課題であります。  このためには、今後とも労使の率直な対話を一層促進し、その信頼関係を維持していくことが重要でありますので、産業労働懇話会を初め各種レベルにおける労使の話し合いの促進に努めてまいります。  第六は、国際社会における我が国の地位にふさわしい労働外交の推進であります。近年、アジア諸国等の開発途上国では、産業社会の発展を担う人材の育成が重視され、労働の分野においても、我が国への協力の要請が高まってきております。労働省としても、開発途上国の期待にこたえ、海外技術協力における官民協力体制を確立すること等によって、開発途上国に対する技術協力を積極的に進めてまいります。  また、先進工業国、開発途上国を問わず、我が国の安定した労使関係に対する関心が高まっております。他方、貿易摩擦が激化する背景として、我が国の労働事情について各国の誤解があることが指摘されております。このため、米国等の若手中堅の労働組合指導者を我が国に招聘する制度を創設すること等により、労働関係者の国際交流を積極的に進めるとともに、開発途上国の労働問題に対する我が国労使による協力を推進し、相互理解の促進に努めてまいります。  最後に、行政改革の積極的推進であります。  現下の最大の課題である行政改革については、先般、「行政改革に関する当面の実施方針について」が閣議決定されたところでありますが、労働省としても、この方針に沿って、社会経済情勢の変化に対応した総合的な行政を展開するため、中央及び地方の機構改革を進めてまいります。すなわち、本省内部部局につきましては、政策の企画立案機能の強化等を目的として再編整備を行うこととしております。また、地方組織につきましては、臨時行政調査会の答申の趣旨に沿って、職業安定関係地方事務官制度を廃止するとともに、都道府県労働局の設置等を行うこととし、そのための法律案を今国会に提出することといたしておりますので、よろしく御審議をお願いいたします。  以上、労働行政の推進について私の所信の一端を申し述べました。私は、額に汗して働く勤労者がそれにふさわしく報われるようにすることが労働行政に与えられた大きな使命であると考え、この信条にのっとり、労働行政を進めてまいる所存であります。重ねて皆様方の御理解、御協力をお願いを申し上げます。(拍手)

有馬元治自由民主党・新自由国民連合

○有馬委員長 次に、厚生、労働両政務次官からそれぞれ発言を求められておりますので、順次これを許します。湯川厚生政務次官。

湯川宏自由民主党・新自由国民連合厚生政務次官

○湯川政府委員 厚生政務次官の湯川宏でございます。  ただいま大臣から申し上げましたように、厚生行政は多くの課題を抱えておりますが、私は、委員各位の御協力をいただいて、大臣を補佐し、来るべき高齢化社会においても、有効で安定した社会保障制度の確立を図るため、努力してまいる所存でございます。  何とぞよろしく御指導、御鞭撻を賜りますようお願いいたします。(拍手)

有馬元治自由民主党・新自由国民連合

○有馬委員長 塚原労働政務次官。

塚原俊平自由民主党・新自由国民連合労働政務次官

○塚原政府委員 このたび労働政務次官を拝命いたしました塚原俊平でございます。  労働行政の重要性につきましては、先ほど大臣から申し上げたとおりでございますが、私は、労励行政に対する国民の大きな期待にこたえるよう、全力を尽くして職責を全うしたいと考えております。  何とぞ委員各位の御指導、御鞭撻を賜りますようお願いを申し上げまして、ごあいさつといたします。よろしくお願いいたします。(拍手)

有馬元治自由民主党・新自由国民連合

○有馬委員長 次に、昭和五十九年度厚生省関係予算の概要について説明を聴取することといたします。黒木会計課長。

黒木武弘厚生省大臣官房会計課長

○黒木政府委員 昭和五十九年度厚生省所管予算の概要につきまして、お手元の資料に従いまして御説明を申し上げます。  昭和五十九年度の予算額は、総額で九兆二千四百九十一億四千百万円でございます。前年度予算額に対しまして、額で千八百七十六億七千三百万円の増、率で二二%の伸びとなっております。  次のページは、厚生省予算を主要経費別に掲げたものでございます。一番下の欄の右端をごらんいただきますと、厚生省予算額の一般会計総予算額に対します構成比を出してございますが、一八・三%となっております。  次の目次のページを二枚ほど飛ばしていただきまして、一ページから、主な予算の内要につきまして御説明を申し上げます。  まず第一に、福祉対策の関係予算でございます。  在宅老人福祉対策につきましては、総額で百七億六千六百万円でございます。特に要援護老人対策に重点を置きまして、家庭奉仕員の増員を図りますとともに、新たに痴呆性老人対策費を計上いたしまして、痴呆性老人の施設受け入れの促進を図るなど、施策の充実を図ってまいります。  二ページの在宅身体障害者対策につきましては、総額で七百三十五億八千九百万を計上いたしております。補装具の給付費目といたしまして、新たにリクライニング式車いすの取り入れを行いますとともに、社会参加促進対策といたしまして、メニュー事業の追加等を行うことにいたしております。三ページにまいりまして、障害者に対し給付いたします日常生活用具につきまして新規種目の取り入れを行いますほか、福祉手当につきましては手当額を五十九年六月からこれを引き上げることにいたしております。また、法改正関係といたしまして、身体障害者の範囲の拡大等を内容といたします身体障害者福祉法の改正を五十九年十月実施で、また重度障害者手当の創設を六十一年度実施で予定をいたしております。  四ページの在宅心身障害児(者)対策につきましては、総額で六百八十八億一千六百万を計上いたし、各種の福祉対策の強化拡充を図っているところでございます。一番下に掲げてございます特別児童扶養手当につきましては、手当額を一級、二級それぞれ五十九年六月から引き上げることといたしております。  五ページの保育対策につきましては、総額二千七百八十四億四千二百万を計上いたしておりますが、障害児保育の対象児童数の増を図りますほか、新規事項といたしまして、乳幼児健全育成相談事業を行うことにいたしております。  次に、母子・寡婦等福祉対策につきましては、総額二千五百六十二億一千百万円を計上いたしております。母子寡婦福祉貸付金につきましては貸付原資の追加を行いますほか、新たに、児童扶養手当制度の改正に伴う児童扶養資金を創設いたすことにいたしております。六ページにまいりまして、児童扶養手当につきましては、所得制限による手当額の三段階制、都道府県負担の導入等を内容といたします改正を五十九年十一月から行うことにいたしまして、所要の額を計上いたしております。  次に、児童健全育成対策につきましては、総額で六百八十九億六千六百万となっております。児童館五十カ所、次の七ページの児童センター八十カ所を新設いたしますほか、新たに、子供家庭相談事業を実施することにいたしております。  七ページの中ほどの、低所得者援護対策の柱でございます生活保護制度につきましては、一兆一千三百九十四億四千六百万を計上いたしております。生活扶助基準につきまして二・九%の引き上げを行いますとともに、少人数世帯の処遇充実、男女の消費実態に対応した男女差の縮小等の改善を図りますほか、不正受給の一掃等生活保護適正化対策の推進を行うことにいたしております。・  八ページにまいりまして、中ほどの社会福祉施設の整備と運営につきましては、総額で八千六百十一億一千二百万を計上いたしております。  まず施設の整備関係では、新規事項といたしまして、痴呆性老人処遇技術研修施設の整備、養護老人ホームに併設する小規模特別養護老人ホームの整備及び身体障害者福祉ホームの整備を行うことといたしております。次に施設の運営費関係でございますが、四十四時間勤務体制の計画的実施のための措置を講じております。九ページにまいりまして、下の方に掲げてございますが、入所者処遇改善のため、一般生活費の引き上げ及び老人ホームの費用徴収上限額の引き上げ等を行うことにいたしております。  十ページにまいりまして、第二として保健医療対策関係予算でございます。  まず老人保健対策でございますが、総額七千五十八億六千九百万を計上いたしております。  医療につきましては、老人医療給付費補助金として、老人医療に要します費用の二割を計上いたしております。  保健事業につきましては重点的に予算措置を講じているところでございますが、健康診査費等につきまして大幅増額を図りますとともに、保健事業の実施に必要な老人保健基盤整備につきましても拡充することにいたしております。  十一ページでございますが、中ほどの母子保健対策につきましては、総額で百四十四億七千五百万円でございます。小児がんであります神経芽細胞腫の検査等の新規事業を実施することにいたしております。  十二ページにまいりまして、健康づくり対策でございます。総額七十三億九千三百万円を計上いたしまして、幅広く健康づくりめ施策を推進することといたしております。  十二ページにまいりまして、がん対策でございます。総額で二百三十六億六千三百万円となっております。  特に、五十九年度を初年度といたします対がん十カ年総合戦略をスタートさせることにいたしまして、新規に研究費等の経費を計上いたしております。  十四ページにまいりまして、難病対策につきましては、総額六百二十億六千五百万でございます。特定疾患治療研究費の対象疾患の増及び小児慢性特定疾患治療研究費の対象範囲の拡大を図ることといたしております。  中ほどの循環器疾患対策等につきましては、専門医療機関等の整備を行うことといたしております。  次の精神衛生対策につきましては、精神障害回復者の社会復帰を促進するための対策等を強化することといたしております。  十五ページにまいりまして、救急・へき地医療等地域医療対策でございます。  救急医療対策につきましては、総額百四十九億一千二百万円を計上いたしまして、初期救急から二次、三次までの救急医療体制を整備することといたしております。  十六ページにまいりまして、まず、僻地医療対策につきましては、僻地中核病院等の計画的整備を進めますとともに、地域医療計画の推進を行うこととして、所要の経費を計上してございます。  中ほどの保健衛生・医療施設等の整備につきましては、総額で百二十五億三百万を計上し、各種施設の整備を行うことといたしております。  末尾の、看護婦等の養成等確保対策につきましては、総額五百二億二千一百万でございます。その主なものは、次の十七ページの、看護婦等の処遇改善の経費でございます。  次に、保健所運営費につきましては寸総額三百三十二億四百万円でございますが、その補助方式につきましては、保健所の自主的運営を促進するために、人件費等につきまして交付金方式に変更することといたしております。したがいまして、従来の保健所運営費補助金につきましては、これを交付金と補助金に区分して、それぞれ所要額を計上いたしております。  十八ページは、第三として医療保険制度の関係予算でございます。  まず、政府管掌健康保険につきましては、五十九年七月から本人の自己負担割合を一割に改めますとともに、日雇い労働者に対します健康保険制度の適用等の制度改正を実施することにいたしまして、国庫補助金繰り入れとして六千十六億四千四百万円を計上いたしております。  旦展労働者健康保険につきましては、五十九年七月から健康保険の体系に取り入れることに伴い、五十九年六月分までの国庫負担金を計上いたしております。  国民健康保険助成費につきましては、退職者医療制度の創設、国庫補助金の合理化等の制度改正を五十九年七月から実施することといたしまして、総額一兆九千九百十八億八千八百万円を計上いたしております。  十九ページを飛ばしていただいて、二十ページにございます第四といたしまして、年金制度の関係予算でございます。  年金給付費国庫負担金につきましては、二兆四千二百四十五億九千五百万円を計上いたしております。  まず、年金額につきましては特例的に二%引き上げることといたしまして、その実施時期を例年より繰り上げて、厚生年金及び船員保険は五十九年四月から、拠出制国民年金は五十九年五月から実施することにいたしております。福祉年金につきましても、特例的に年金額の改善を五十九年六月から実施することにいたしております。その額は、老齢福祉年金月額を二万五千六百円に、障害福祉年金月額を一級三万八千四百円、二級二万五千六百月にそれぞれ引き上げることといたしております。  また、末尾に掲げてございますように、五十九年八月から障害年金の事後重症制度の改善も行うことにいたしております。  二十一ページは、第五として、その他の重要施策でございます。  まず、国際保健医療協力等につきましては、世界保健機関、WHOへの拠出あるいは分担金等の増額を行うこととして、所要の予算を計上してございます。  次に、戦傷病者戦没者遺族等の援護対策でございます。総額で一千四百四十八億三千四百万円を計上いたしておりますが、中国残留孤児対策等を推進いたしますとともに、末尾から次のページに掲げておりますように、遺族年金につきまして、恩給見合いで年金額の引き上げを行うことにいたしております。二十二ページにまいりまして、併発死した方の遺族に対する遺族年金等につきましても、遺族加算による改善を行うことといたしております。また、戦傷病者妻特別給付金として、昭和五十四年に交付されました国債の最終償還を終えたものに対しまして、引き続き額面二万円の国債を二年償還で継続支給を行うことといたしております。  次に、環境衛生関係営業対策につきましては、都道府県環境衛生営業指導センターをほぼ全県に設置すること等に伴う所要の予算を計上いたしております。  原爆被爆者対策につきましては、総額九百九十一億七千一百万円を計上いたしております。各種手当につきましては、それぞれ手当額を引き上げることにいたしております。  次のページを飛ばさせていただきまして、二十四ページでございますが、地域改善対策でございます。総額四百五十四億五千八百万円を計上いたしまして、施設整備及び各種事業を推進することといたしております。  次に、医薬品・食品等の安全対策でございます。それぞれ最近における実情を踏まえた安全対策を強化することといたしております。  二十五ページの血液、麻薬・覚せい剤等対策につきましては、それぞれ各対策の推進強化を図ることとして、所要の予算を計上してございます。  次に、生活環境施設の整備でございます。公共事業費の枠内で、総額一千五百六十七億五千七百万円を計上いたしております。  簡易水道の整備、水道水源の確保と水道の広域化の推進を図りますほか、二十六ページにございます廃棄物処理施設の整備等を行うことにいたしております。  最後に、二十六ページの下の方に掲げてございますが、研究開発につきましては、各種の研究費の主なものをここにまとめて掲げてございます。  なお、二十八ページ以下に各特別会計の歳入歳出予算等の一覧表をつけてございますが、この説明は省略させていただきます。  以上でございます。

有馬元治自由民主党・新自由国民連合

○有馬委員長 次に、昭和五十九年度労働省関係予算の概要について説明を聴取することといたします。若林会計課長。

若林之矩労働省大臣官房会計課長

○若林政府委員 お手元の資料に従いまして、労働省関係昭和五十九年度主要予算案の概要について御説明申し上げます。  初めに、昭和五十九年度労働省の予算規模について御説明申し上げます。一ページでございます。  五十九年度労働省関係一般会計は四千九百三億円で、前年度に比しまして四十七億七千万円の減、一%相当減となっております。労働保険特別会計は、労災勘定が一兆六千二百八十億円で、対前年度比三・三%増、雇用勘定は一兆九千五百六十億円で、対前年度比六・五%増となっております。また、石炭並びに石油及び石油代替エネルギー対策特別会計は百八十二億円で、対前年度比一・五%減でございます。  以上を合計いたしますと、労働省予算全体では四兆九百二十五億円で、前年度に比しまして四・二%増となっております。  これを主要事項について申し上げますと、二ページのとおりでございますが、これは三ページ以下の主要事項内訳と重複いたしますので、三ページから、新規施策を中心にいたしまして御説明を申し上げます。  労働省予算の柱の第一は、高齢化社会の進展に対応した総合的な労働対策でございます。  昭和五十九年度の予算の作成に当たりましては、六十歳台前半層の雇用就業対策に最重点を置き、このための新規政策予算を幾つか計上いたしております。  すなわち、第一は、短時間勤務の形態による雇用延長に対する高年齢者雇用確保助成金の適用でございまして、三ページ目の一番下に書いてございます。六十歳定年制を有する企業が、六十歳に到達した労働者について引き続き雇用延長いたします場合、フルタイム勤務のケースにつきましては、高年齢者雇用確保助成金制度が適用されるわけでございますが、六十歳台前半層につきましては短時間勤務希望者も多いことにかんがみまして、この制度を短時間勤務のケースについても適用することにいたしまして、助成金を支給しようとするものでございます。  四ページへまいりまして、第二は、一番上のところにございます定年退職者等雇用促進助成金の創設でございます。定年等により退職いたしました六十歳台前半層の労働者を、事業主の再就職あっせんにより受け入れました企業に、助成金を支給しようとするものでございます。  第三は、高齢短時間労働者雇用助成金の創設でございます。これは、雇用保険を受給しております六十歳台前半層の労働者を、公共職業安定所の紹介により短時間勤務労働者として雇い入れました事業主に、助成金を支給しようとするものでございます。  なお、シルバー人材センターにつきましては、五十八年度の二百二十団体から二百三十五団体に、十五団体増加をいたしております。  一ページ飛んで六ページに進ませていただきます。第二の柱は、産業構造・就業構造の変化に対応した労働対策でございます。  その第一は、MEを中心とした技術革新の進展への対応でございますが、五十九年度は、部門別雇用安定労使会議を設置いたしまして、労使その他関係者の意思疎通の促進を図るための予算を計上いたしております。  また、雇用職業総合研究所を拡充強化いたしまして、技術革新の動向等産業情報の的確な把握分析が行える体制を強化することといたしております。  七ページにお進みいただきまして、2のところでございますが、第三次産業化の進展等への対応でございます。  第三次産業は、その業態が多様でございますし、しかも小零細企業が多いという実態にかんがみまして、自主的な労働条件の改善を促進するための予算を計上いたしております。具体的には、自主的労働条件改善モデル集団の指定と労働条件改善アドバイザーの設置等によって、指導援助を進めたいと考えております。  次に、八ページへまいります。第二の柱の三番目は、3のところに書いてございます。パートタイム労働に関する総合対策でございます。  対策の第一は、(1)にございますように、パートタイム労働対策要綱の策定どこれに基づく労使への啓発指導でございます。予算面では、次のページの一番上にございますが、パートバンクの増設等を行うことといたしております。  次に、十ページヘ違ませていただきます。第三の柱は、雇用失業情勢に即応した雇用対策でございます。  五十八年七月に施行されました特定不況業種・特定不況地域関係労働者の雇用の安定に関する特別措置法関係の予算が平年度化されましたことによりまして、この一のところの予算が大幅な増額となっております。  次に、十一ページヘ進ませていただきます。6のところでございますが、雇用保険制度につきましては、高年齢受給者の多様な就業ニーズヘの対応、受給者の就職促進を図るとともに、今後における制度の機能の維持及び健全な運営の確保を図りますため、所要の改正を行うことといたしまして、これに基づいた予算を計上いたしております。  一二ページへまいります。第四の柱は、労働者の安全と健康を確保するための施策でございます。  一時に多数の死傷者を出します爆発火災による重大災害が発生していることにかんがみまして、化学品製造工程等における爆発災害防止対策の確立を図ることといたしました。その一環として、一番上のところでございますが、産業安全研究所に化学安全実験棟を設置することといたしております。  十三ページをお開きいただきたいと思います。5のところでございますが、産業医科大学に大学院及び研究所を設置するなど、産業医学の振興を図ることといたしております。  十四ページでございますが、第五の柱は、経済社会の変化に対応した能力開発対策でございます。  高等職業訓練校の職業訓練短期大学校及び技能開発センターへの転換を引き続き進めるなどによりまして、技術革新の進展に対応した能力開発を推進することといたしまして、所要の予算を計上いたしております。  一ページ飛びまして十六ページでございますが、第六の柱は、職業生活の充実と労働者福祉対策でございます。  労働時間対策につきましては、引き続き週休二日制実施の条件づくり等に努めてまいることといたしております。  また、賃金福祉対策につきましては、財形持家個人融資制度の活用を促進するなどによりまして、労働者の財産形成を推進いたしますとともに、最低賃金制度の推進、それから未払い賃金立てかえ払い限度額の引き上げなどの施策を講ずることといたしておりますが、十七ページの4のところをごらんいただきますと、勤労者のための福祉施設の整備の関係になっておりまして、この関係の施策を引き続き進めてまいりたいと考えております。  十八ページにまいりまして、第七の柱は、雇用における男女の機会の均等及び待遇の平等の確保対策でございます。  雇用における男女の機会の均等及び待遇の平等を確保するための法的整備を推進いたしますとともに、育児休業制度を普及促進いたしますため、育児休業奨励措置の充実等を図っております。十八ページの2のところに書いてあるとおりでございます。  一ページ飛ばしていただきまして、二十ページをごらんいただきたいと思います。第八の柱は、障害者等特別の配慮を必要とする人々に対する施策でございます。  まず、1の総合的な心身障害者対策につきましては、引き続き重度障害者に重点を置いて雇用対策を推進することといたしております。五十九年度につきましては、二十一ページの一番上の、重度障害者雇用企業に対します融資制度を創設することといたしております。また、そのページの(4)でございますが、医療から社会復帰までの一貫した総合リハビリテーション施設の設置計画を推進することといたしまして、五十九年度から医療部門の建設を開始する予算を組んでございます。  それから、二十二ページの7のところでございますが、同和関係住民等の雇用対策につきましては、事業主に対する啓蒙啓発の強化を中心に、施策の充実を図っております。  二十三ページの11、中国引揚者の雇用対策でございますが、これにつきましては、中国引揚者を公共職業安定所の紹介により雇用いたしました場合に、新たに特定求職者雇用開発助成金を適用することといたしまして、対策の拡充を図っております。  13の失業対策諸事業につきましては、失業対策制度調査研究報告の趣旨に沿いまして、引き続き事業の適正な運営に努めることといたしております。  二十四ページをお開きいただきたいと思いますが、第九の柱は、経済社会の変化のもとでの労使関係の安定でざいます。  産業労働懇話会の開催等による労使コンセンサスの形成促進に引き続き努めますとともに、労使関係の実情に関します調査研究を実施することといたしております。  二十五ページ、第十の柱は、変動する国際社会に即応する労働外交でございます。  我が国の産業労働事情に対します国際的な理解を深めて、貿易摩擦等将来におきます問題解決に資しますため、新規事業といたしまして、米国を中心に、海外の若手中堅労組指導者を招聘いたしまして、実地視察や現場での意見交換を行う機会を提供いたします若手労組指導者国際交流事業を実施することといたしております。この予算関係は、二十四ページの中ほどの2というところに書いてございます。  引き続き二十五ページで、開発途上国に対します国際協力・交流の推進も重要でございまして、このため、開発途上国の労働問題に対します労使による協力事業を拡充することといたしております。さらに、海外職業訓練協力センターの建設完了に伴いまして、同センターの運営を開始いたしまして、民間企業の行う海外職業訓練協力に対する援助事業を推進することといたしております。  以上をもちまして、労働省の予算の説明とさせていただきます。

有馬元治自由民主党・新自由国民連合

○有馬委員長 以上で、両大臣の所信表明並びに両省の昭和五十九年度予算の概要についての説明は終わりました。  次回は公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後零時五十八分散会

国会会議録検索システムで原文を見る ↗