災害対策特別委員会 第9号
- 発言数
- 16 件
- 登壇者
- 2 名
- 会派数
- 2
- 開催日
- 1984/08/08
会議録
○佐藤委員長 これより会議を開きます。 災害対策に関する件について調査を進めます。 この際、災害対策の基本問題に関する小委員長から発言を求められておりますので、これを許します。小委員長高鳥修君。
○高鳥委員 災害対策の基本問題に関する小委員会におきましては、三月一日の小委員会設置以来、数回にわたり、災害対策の基本的諸問題について鋭意、調査を進めてまいったところであります。 この際、本小委員会における調査の経過等につきまして御報告申し上げたいと存じます。 まず第一は、激甚災害指定基準の見直し問題についてであります。 最近の主要災害について、公共土木施設等に係る激甚災害指定状況を見ますと、過去十年間の災害復旧事業費の査定見込み額がおおむね一千億円を超えた主要災害十六のうち、激甚指定されたものは六災害にすぎません。中でも査定見込み額が全国の都道府県及び市町村の標準税収入額の総額の四%を上回るA基準に該当いたしましたものは、昭和五十一年の台風十七号及び豪雨による災害の一件にすぎず、現在ではこのA基準は名存実亡であります。 そもそも激甚災害指定基準は、昭和三十年から三十六年までの災害特例法の実績を踏まえ、その間の特例法の指定率(被害報告額ベースで六〇・五%)を下回らない基準を設けるよう、激甚法審議の際、附帯決議がなされており、これを踏まえて昭和三十七年に中央防災会議において決定された経緯があります。ところが、昭和四十九年から五十八年までの間における激甚指定率は三八・三%となっており、激甚法制定当時に意図された指定率(六三・八%)を大幅に下回っています。 このように公共土木施設等に係る激甚災害指定が減少した最大の原因は、標準税収入額の伸びと土木工事費の伸びとの乖離によるものと考えられます。昭和三十七年対五十八年では標準税収入額は実に一八・五二倍となりましたが、土木総合工事費は三・九倍にすぎません。 一方、農業所得推定額を基準にとっている第五条(農地等の災害復旧事業等に係る補助の特別措置)、第六条(農林水産業共同利用施設災害復旧事業費の補助の特例)等農業関係の激甚災害指定の状況を見ますと、昭和三十七年から五十八年までの間、農業所得は三・四倍に過ぎず、土木総合工事費の伸び率(三・九倍)と大差がないことから、激甚法制定当時に意図された指定率は現在においても維持されております。 公共土木施設等に係る災害復旧事業費の財源構成は、昭和三十七年には七九%が国庫支出金であり、四十四年までは七〇%台を維持してきましたが、五十七年には六七・九%まで低下しております。また、農林水産業施設等の災害復旧事業費に係る国庫支出金の構成比はおおむね昭和三十六年当時のレベルを維持しており、この点からも公共土木施設等に係る激甚災害指定率の低下の影響を明確に看取できるのであります。 ところで、標準税収入額が伸びたことにより地方財政が豊かになったのであるから、地方の負担がふえるのは当然であるという意見もあります。しかし、地方財政の状況について見ますと、昭和三十七年と五十七年の決算の対比では、投資的経費の構成比は義務的経費の増大により約六ポイント下回っており、また、一般財源の使途で見ても災害復旧事業を含む投資的経費への充当割合は減少しております。つまり、マクロ的に見た地方財政の現状は、義務的経費の増大のため投資的経費が相対的に圧縮され、さらに、この圧縮された投資的経費の地方負担分については、地方債に大きく依存して実施せざるを得ないといった状況にあります。 このように近年の地方財政は地方債に大幅に依存していることから、地方公共団体の公債費負担比率は著しく増高しており、地方財政は極めて厳しい状況にあります。 以上のとおり、当小委員会のこれまでの調査検討の結果、公共土木施設等に係る激甚災害指定基準は、昭和三十七年の法制定当時と比べると、標準税収入額が著しく伸びたため、現状では極めて指定要件が厳しくなっており、速やかに是正する必要があると考えられます。以上であります。 当小委員会におきましては、これまでの検討経緯を踏まえつつ、引き続き公共土木施設等に係る激甚災害指定基準のあり方について調査検討を行うことといたしたいと存じます。 なお、本件調査のため、小委員会において配付いたしました資料は、本日の会議録の末尾に参照掲載されますよう委員長にお願いいたしたいと存じます。 引き続きまして、桜島火山対策につき御報告いたします。 本件につきましては、当小委員会において、鹿児島県から出されました要望事項を中心に検討してまいりました。 まず、桜島及びその周辺の国、県道整備に係る事業費の枠拡大についてでありますが、避難時において道路が果たす機能の重要性にかんがみ、今後とも事業費の拡大に努め、地元の整備要望箇所等を十分把握し、事業を積極的に実施する必要があると考えます。 第二に、住民の避難誘導等のための情報通信システムの整備についてであります。要望は、島内の各戸受信体制の確立を図ることを趣旨とするものでありますが、当面、鹿児島市及び桜島町における防災行政無線の整備拡充が望まれるところであり、地元からの要望を踏まえ、関係省庁において積極的に対応する必要があると思います。 第三は、砂防、治山事業費の枠拡大であります。これらの事業につきましては、関係省庁において鋭意実施されているところでありますが、土石流による被害が頻発している実態にかんがみ、予算枠を拡大し、事業の一層の進捗を図る必要があると考えます。 第四は、降灰除去事業に係る補助率の引き上げについてであります。現在、都市排水路、公園及び宅地については二分の一、道路については降灰量に応じ、二分の一ないし三分の二、公共下水道、都市下水路については三分の二の補助率が適用されております。要望は、これら補助率を一律に三分の二とすべきであるというものであります。 この点における実績を調べましたところ、道路につきましては、現実的にはほとんど三分の二の補助率が適用されており、都市排水路、公園については実績がほとんどないなどから見て現行の制度に大きな支障はないものと思われますが、降灰被害が恒常的なものであるということを踏まえれば、今後の発生状況を見ながら実情に即した対策を検討する必要があると思います。 第五は、県管理の国、県道及び臨港道路における降灰除去事業の補助対象化であります。この要望につきましては、事業の実績その他から見て、補助対象とすることは現状においては困難であると考えます。 第六は、路面清掃車の購入に当たっては、取得価格の二分の一を対象として補助が行われており、実質的な補助率は四分の一ないし三分の一となるわけであります。 路面の降灰除去については、今後、関係機関において十分協議し、国、県、市町村それぞれが所有している路面清掃車等の集中的な運用を図るなど、一層効率的に事業を実施していくことが望まれるところであります。 第七は、公共下水道及び都市排水路の降灰除去事業に係る補助基準の見直しであります。この点につきましては、実態を十分調査し、検討する必要があると思われます。 第八は、既設公民館における降灰防除施設の整備に係る補助についてでありますが、施設自体の耐用年数が迫っているということであり、建てかえ要望が出てきた際には、要望の趣旨を踏まえ、関係省庁において積極的に対処されるものと考えております。 第九は、防災営農施設整備事業の事業費拡大であります。この事業につきましては、今年度から第四次の計画が始まったところでありますが、要望の趣旨を踏まえ、一層の努力が望まれるところであります。 第十は、トンネルハウスの事業対象化でありますが、関係機関で協議の上、事業対象化を図る方向で検討が進められているところであります。 第十一は、耐久性の強い被覆資材等の開発及びビニール張りかえの補助対象化であります。耐久性の強いビニール資材の開発については、関係省庁において調査に着手すべく検討がなされており、その結果に期待をかけたいと思います。また、ビニールハウスの張りかえについては耐久性の強いビニール資材の開発を待って、補助の対象化を検討されるよう望むところであります。 第十二は、流出軽石対策でありますが、海面における清掃事業の助成につき、地元の意向を踏まえ、適切に対処されるものと考えております。 第十三は、火山ガス等による健康影響に関する監視体制等の確立についてであります。この問題に関しましては、既に行われた諸調査の結果を踏まえ、鹿児島県において監視を続けているところでありますが、火山活動が活発化している現状にかんがみ、地元とも密接な連携を保ち、住民の健康に遺憾なきを期すべきであります。 同じく火山ガスによる農作物被害に関する調査の実施についてでありますが、関係省庁において、県が行う調査につき助成が行われることとなっているところであります。 以上の点については、小委員会において政府側の対策を促したところであり、今後とも政府の一層の努力が望まれるところであります。 以上のほか、七月二十一日の爆発による火山弾対策については、政府側におかれて最善を尽くして対応されるよう望むところであります。 なお、現在の桜島火山対策の全面的な検討を行うことを目的として、桜島火山対策懇談会が国土庁に設置されたところであり、年内に提言が取りまとめられるようでありますので、その趣旨を踏まえて、政府において施策の一層の推進が図られることを望むものであります。 以上、御報告いたします。
○佐藤委員長 これにて小委員長の報告は終わりました。 小委員長並びに小委員各位にはまことに御苦労さまでございました。 この際、お諮りいたします。 ただいま小委員長のお申し出にございました激甚災害指定基準に関する資料につきましては、本日の会議録に参照掲載いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○佐藤委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 —————————————〔激甚災害指定基準に関する資料は本号末尾に掲載〕 ————◇—————
○佐藤委員長 請願の審査を行います。 本会期中、当委員会に付託になりました請願は、本日の請願日程に掲載してありますとおり百十九件であります。 本日の請願日程全部を議題といたします。 まず、審査の方法についてお諮りいたします。 各請願の内容につきましては、文書表で御承知のことと存じます。また、先ほどの理事会におきまして慎重に御検討いただきましたので、この際、各請願について紹介議員からの説明聴取等は省略し、直ちに採決いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○佐藤委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 これより採決いたします。 本日の請願日程中、第一〇七ないし第一一九の各請願は、いずれも採択の上、内閣に送付すべきものと決するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○佐藤委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ただいま議決いたしました各請願に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○佐藤委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 —————————————〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○佐藤委員長 なお、本会期中、当委員会に参考のため送付されました陳情書は、豪雪の災害対策に関する陳情書外五件であります。念のため御報告申し上げます。 ————◇—————
○佐藤委員長 次に、閉会中審査に関する件についてお諮りいたします。災害対策に関する件について、議長に対し、閉会中審査の申し出をいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○佐藤委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 次に、閉会中審査案件が付託されました場合の各件についてお諮りいたします。 まず、本会期中に設置いたしました災害対策の基本問題に関する小委員会につきましては、閉会中も引き続き存置することにいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○佐藤委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 なお、小委員及び小委員長は従前どおりとし、その辞任の許可及び補欠選任等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○佐藤委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 次に、閉会中、委員会及び小委員会において、参考人の出席を求め、意見を聴取する必要が生じました場合には、参考人の出席を求めることとし、その人選及び出席日時等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○佐藤委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 次に、閉会中審査のため、委員派遣の必要が生じました場合には、議長に対し、委員派遣の承認申請をいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○佐藤委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 なお、派遣委員の氏名、員数、派遣地、期間、その他所要の手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○佐藤委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 本日は、これにて散会いたします。 午前十時五十二分散会 ————◇—————