災害対策特別委員会 第8号
- 発言数
- 182 件
- 登壇者
- 27 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1984/07/26
会議録
○佐藤委員長 これより会議を開きます。 災害対策に関する件について調査を進めます。 この際、災害対策の基本問題に関する小委員長から発言を求められておりますので、これを許します。小委員長高鳥修君。
○高鳥委員 災害対策の基本問題に関する小委員会におきましては、従来から災害対策の基本的諸問題について調査を進めてまいったところであります。 地震防災対策強化地域における地震対策緊急整備事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律は、大規模地震対策特別措置法に基づき、地震防災対策強化地域内の住民の生命、身体、財産を守るため、第九十一回国会、本小委員会の起草により、五年間の時限立法として本委員会の委員会提出法律案として制定されたもので、明六十年三月三十一日をもってその有効期限が切れることになっております。 本法に基づき、地震対策緊急整備事業が鋭意推進されてまいったところでありますが、これら事業は本法の有効期限内に達成することは困難と予想されるところであります。このため、本日、災害対策の基本問題に関する小委員会におきまして、地震対策緊急整備事業を引き続き推進するため、本法の有効期限を延長することとし、次の通常国会において所要の措置をとることに申し合わせを行った次第であります。 右、御報告申し上げます。
○佐藤委員長 これにて小委員長の報告は終わりました。 —————————————
○佐藤委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。 本件調査のため、本日、日本道路公団理事加瀬正蔵君に参考人として御出席を願い、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○佐藤委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 —————————————
○佐藤委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。馬場昇君。
○馬場委員 まず、質問の機会を与えていただきました委員長並びに委員の皆様に、心からお礼を申し上げたいと思います。 熊本県の五木村が、六月の二十九日、豪雨によります山崩れ、土石流によりまして、五戸が流失して十四名のとうとい命が亡くなりましてから、ちょうど一カ月になろうとしておるわけでございます。私は、この月曜日、七月二十三日、災害が出ましてから二十日ぐらいたっております現地を訪ねてまいりました。 五木村は、五木の子守歌の里として知られておりますし、清流、渓谷美、秘境と言われ、非常に自然の美しいところでございますが、大部分のところはそのようにきれいでございましたが、役場に行ってみますと、さすがに二十日以上の救援復旧作業という中で、役場の人たち、大変疲れの色を隠すことができないような状態でございました。現地にも行ったのですが、生々しい原爆のケロイドを見るような感じが実はしたところでございます。 御存じのように、五木村はダムができますものですから、ダムに沈む秘境の里なんか言われ、非常に過疎が進んでおりまして、昭和五十五年に三 千人以上おった人口が今日二千六百人しかいません。過疎がどんどん進んでいく、ダムに沈む村とさえ言われるわけでございまして、そういうときにこういう災害を受けたのですから、ここに孫子の代まで住んでいいのだろうかというような村人の不安も確かにありましたが、役場の人を中心に、何としてもこの災害から立ち直って、ひとつ新しい村づくりをやろうという意欲も出ておったのを見て心強く感じたわけでございますが、そういうことを基点にしながら質問をいたしたいと思います。 まず第一に、災害救助法の適用をしていただいたわけでございますけれども、その災害救助法によりますところの救援の状況を厚生省の方からまずお伺いしたいと思います。
○近藤説明員 お答えいたします。 御承知のように、六月二十九日に災害が発生した当日に災害救助法を適用いたしまして救助を実施してきたわけでございますけれども、その内容といたしましては、主なものといたしましては避難所の設置をいたしまして被災住民たちに避難をしていただいたわけでございます。その避難した方々に対しまして炊き出し等を行ってきたわけでございます。 それから、行方不明者の捜索ということでございますが、一名の方がまだ残っておりまして、消防団を中心に捜索をしていただいているわけでございますけれども、アクアラングの専門家等も雇いまして懸命に作業していたわけでございますし、昨日も消防団、役場の職員百八十名が捜索を行ったわけでございますけれども、いまだに見つからないということでございます。今後ともさらに捜索を続けるというふうな由でございます。 それから、全壊世帯が五戸あったわけでございますけれども、この人たちに対しまして二戸の仮設住宅を設置しております。一戸につきましては、これは全員死亡ということでございます。それから、一つの世帯は村営住宅に入っていただく。それから、もう一つの世帯では十八歳の職業訓練校の寮に入っている方がいらっしゃいますので、これは祖母とおじさんの家に休日に行くというふうなことで、二世帯につきまして仮設住宅をつくったわけでございます。 それから、災害弔慰金を死者の遺族に対しまして支給いたしておりまして、これは全部支給済みでございます。ただ、行方不明者につきましては今後ということでございます。 以上でございます。
○馬場委員 災害救助法を直ちに適用していただいて、緊急に手を打っていただいたわけでございますが、今言われましたように、あと一名の人が三十日の夜、行方不明になって、はっきりしていないわけでございまして、現地では何としてもこの人の捜索というのを早くやって見つけたいというので今第一の仕事として頑張っておられるわけでございますが、今聞きますと、全力を挙げてその捜索をやっておるということでございますので、早く見つかりますように、これをぜひさらに進めていただきたいと思うのです。 それから、現地へ行きましたら、五戸流失でございましたが、一戸は今言われましたように全員死亡でございますので、あと四戸生存者がおるわけですが、仮設住宅が二戸だ、四戸流失したのに何で二戸しか住宅をつくってくれないんだ、こういうような不満、さらに希望がございました。しかし、今聞きますと村営住宅にとかおばあちゃんの家にというようなことで、住まいに困らないような措置をとっていただいておるようでございますが、仮設住宅二戸ですから、あと二世帯分については住まいに困らないような指導をぜひやっていただきたいということを重ねて要望申し上げておきたいと思います。 そこで、被災現場の竹ノ川地区でございますけれども、この竹ノ川地区の復旧計画というのはどういう計画をつくって、そして、どう進めておられるのか、お伺いいたしたいと思います。
○吉國政府委員 お尋ねは、崩壊した山地並びに林道についての復旧事業についてのお尋ね……。
○馬場委員 違います。これは林道じゃありません。竹ノ川地区、そこが土石流で埋まっているわけですが、そこで五戸流失したわけです。そこの部分の、竹ノ川地区の五戸の住居の復旧計画でございます。——じゃ、ちょっと担当を決めてください。さっき答えようとされた部分から先に質問しますから。 さきの質問はちょっと後で答弁してもらうことといたしまして、すぐ、林野庁で災害緊急治山事業を計画されたわけですが、これはどういう計画か、そして、いつごろから緊急災害治山事業をやられるのか、そして、いつごろ完成するのか、そのことからお答えください。
○吉國政府委員 山地の災害復旧につきましては、ただいま先生からお話ございましたように、緊急治山事業として早急に復旧をしたいというふうに考えておる次第でございまして、七月四日に事業費一億八百万円の内示を終了いたしております。事業内容といたしましては、設計等のための調査、それからコンクリート土どめ工、水路工、緑化工、こういうふうなものが主になるというふうに考えておるわけでございます。調査に既に入っておりまして、工事本体につきましては八月中に契約を行いたいというふうに考えておるわけでございます。完了のめどとしては年度内に完了させたいというふうに考えておるところでございます。
○馬場委員 そういたしますと、ここの災害の緊急治山事業ですが、今言われました一億八百万で工事をいたしますと、ここの復旧は終わった、治山の部分は終わった、こう考えておられるわけですか。
○吉國政府委員 そのとおりでございます。
○馬場委員 関連しますので、次にちょっと進んでからまた申し上げますけれども、林道の復旧計画というのはどうなさるおつもりですか。
○吉國政府委員 林道の災害復旧につきましては、去る七月十八日に緊急査定を終了いたしておりまして、先ほどお尋ねのございました緊急治山事業の実施と十分調整を図りながら、これも八月中に入札を行って年度内に完成できるように、現地におきまして地元と御相談して準備を進めておるという段階でございます。
○馬場委員 林道復旧計画の予算はどうなっておるのかということではまず予算、どうですか。
○吉國政府委員 事業費として査定決定を見ております額は一千八百万円でございます。
○馬場委員 この前もちょっとお尋ねしたのですけれども、この竹ノ川地区というのは六百年ぐらい前から人が住んで、三十八年水害のときに家を流された人たちが、ここは大丈夫だと言って仮設住宅をつくったところ、二十年たって、仮設住宅から自分で努力して新しい家をつくった、そういう人が全部一家流失、亡くなっておられるということもあるのですが、ここは全然安心だという地点でした。ところが、林道をつくって、だから土砂崩れがあってこういう被災が起こったのだという林道犯人説というのがあります。それから、ここの五木村というのは九六%ぐらいが山林ですから、耕地は一%ぐらいしかない、だから、もう林道というのは村の生命線です。だから、林道は犯人じゃないんだ、こういう意見もありまして、林野庁が派遣いたしました学者は林道は犯人じゃないんだ、ところが熊大の先生が調査に行きまして、林道が犯人だ、今こういう両説があるのです。 そういう中で、それは村を一丸として復旧しなければならぬということですから、村に対立を持ち込むような議論は今すべきじゃないと私はこの前も言ったのですけれども、しかし、問題にしたいのは、林構事業の林道、林道施設の場合には林道技術指針というものをおたくでつくって指導しておられるわけでございますが、私はこの林道技術指針というのがずさんじゃないかとまず思います。だから、そういうものの上に立った予算が非常に少ない。だから、今至るところで、スーパー林道を含めまして、あなた方が指導されてつくった林道はほとんど山崩れがあっておるということは御存じのとおりでございます。 そういう意味で、この林道技術指針というものをもう少し充実しなければいけないのじゃないか、これを充実したらまた予算を余計つけなければいけないのじゃないか、こういうことも考えておるわけでございますし、今千八百万というお金の額を聞いて、これならばもうずさんきわまる林道の復旧工事だとしか思えません。これは応急工事ですか、それともこの林道を恒久的に、千八百万円ですればこれでおしまいだ、こう考えておられるのか。林道技術指針というものの改正、さらに予算をそれにつける。今度は応急措置か恒久措置か。今度の林道復旧はどちらですか。
○吉國政府委員 この工事は恒久的な事業として考えておるわけでございます。先生現地に詳しいと存じますが、崩れた斜面にまさに林道が走っておるわけでございまして、両方を一体的に施工するという考え方でございますので、林道の復旧事業として整理をいたしております額は一千八百万円でございますが、治山事業の中にもこの林道の機能なり安全性を確保する部分が必然的に含まれてくる、こういう関係になっておるということを御理解いただきたいというふうに思うわけでございます。 なお、今後の一般的な林道の安全施工という観点から技術指針についてのお話がございました。私ども、林道の技術指針におきましては、各面から安全性を確保するという基準を設けておるつもりでございますけれども、今後さらに各地の実情に応じまして、御指摘のような必要があるというような面が出てまいりましたら、そういった点については今後検討を進めてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
○馬場委員 ここで余り議論する時間もございませんけれども、やはり私は、林道をつくる技術指針を初め非常にずさんだというふうな気がいたします。そういうことで、至るところの山崩れもあっておるというぐあいに思うのですけれども、ここで議論いたしません。ぜひ検討してもらいたいと思いますが、少なくともここの原因調査、何で崩れたんだという原因調査は、ことしの末にこういうことだという結果が出ることになっておるわけですね。原因調査がはっきり出ないのに恒久的な林道をつくってしまうと、土台が間違ったところにまた恒久的な林道になってしまうということになります。あそこにはいろいろ、阿蘇の火山灰による灰石の土地だ、崩れやすいんだとかなんとかと言われてもおるわけです。原因がことしの末にわかるのに工事は今から恒久的なものをつくってしまうということではちょっとおかしいのではないかという気もするわけでございますが、時間がございませんので、この前申し上げました今の竹ノ川地区の林道、嶽線ですね、これは五十五年から始まって千八百メートルですが、これをつくるときの計画、林道技術指針に基づきますところの計画、調査、そして設計、施工、これは村がやりまして県がそれを審査して、おたくがこれで補助金を出すわけですが、こういう書類というのはみんな上がってきていると思うのです。これを提出しなさいということをこの前言いましたら、田中次長は御説明申し上げますと約束をしたんだが、まだ全然資料を持ってきていない。これはぜひ急いでその資料を持ってきていただいて、こういうところの原因を調査する一つの資料にもなると思いますので、ぜひそういうような資料を早く出していただきたいということを要望を申し上げておきたいと思います。これはどうですか。
○吉國政府委員 ただいまの資料の点でございますが、地元の事業でございますので、地元の方と御相談をして必要な書類について御説明を申し上げたいと思います。
○馬場委員 先ほど保留いたしました竹ノ川地区の住居の復旧計画というのはわかりましたか。
○杉岡政府委員 この災害によりまして不幸にも五棟の住宅が損壊したわけでございますが、これの復興につきましては、村づくりの一環として今後、町等におきまして計画を立てられ、県を通して関係の省庁に出てまいるわけでございます。例えば住宅の復旧等につきまして、要望があれば災害の住宅融資といったようなこともあるわけでございます。まだ町の方からも具体的な要望は聞いておりませんが、早急に町あるいは県を通しまして、関係省庁、いろんな面で絡んでまいりますので、我々も積極的にそれに対応してまいりたいというふうに考えております。
○馬場委員 今何か町とおっしゃいましたが、あそこは村ですからね。認識不足ですよ。 そこで、ちょっと具体的に、この間行ったときに聞いたのですが、五戸流失したところというのはずっと堤防よりも下の段にあるのですよ。行きましたら、今度その堤防とずっと同じくらいに地上げをしたいと村の役場の助役さんや課長さんがおっしゃる。そして、きちんとした屋敷にして、そこにまた家をつくってもらいたい。そういたしますと、そこにお墓が大分あるのですよ。その墓も掘ってどこかにまた墓地として移さなければならぬ。こういうことをしたいんだ。そういうことについて、災害復旧工事という形で国とか県の補助をぜひお願いしたいということを地元の人は言っていましたけれども、これについてはいかがでございますか。
○杉岡政府委員 先ほどは五木村を町と申し上げまして、まことに申しわけございませんでした。 五木村の復興計画につきまして、ただいま馬場先生のお尋ねの件等につきましても、具体的な要望等が出てまいった段階におきまして、関係省庁いろいろと絡んでくると思いますので、関係省庁と十分緊密な連絡をとりながら、十分復興に対応できるように処置してまいりたいというふうに考えております。
○馬場委員 今の点、ひとつよろしくお願い申し上げておきます。 建設省にお伺いいたしますけれども、これもこの前ちょっとお尋ねしたのですけれども、五木村のこの災害等を見て、去年が島根県であれだけ土石流による災害が出たわけです。おととしは長崎県であの大災害が出たわけです。これはほとんど全部梅雨末期の集中豪雨による被害でございまして、二度続けて出たのですが、その後、きちんと対策を立てておれば、五木村のこういう災害は防げたんじゃないかということで非常に残念に思ったし、あの教訓を生かしておれば予測もできたんじゃないか、こういうぐあいに思いまして、非常に残念に思っておるのですけれども、長崎水害の後に熊本県は、この五木村ほか全県でやったのですが、五木村には四十七カ所の急傾斜地崩壊危険地域がある、それをリストアップいたしまして調査をしておったわけです。この竹ノ川地区もそれに入っておったわけです。ところが、実際問題として、五木村は三カ所しか危険地帯として指定されていないわけです。五木村は山奥にあるわけですから、全部の村が急傾斜地崩壊危険地域だというぐあいに指定をする、そういうつもりでやはり防災工事をしなければいかぬのじゃないか、こう私は思うのですが、私権がいろいろかかわって難しい点もあると思いますけれども、少なくとも村からそういう要望が出たところにつきましては、いち早く指定して防災工事をやっていただかなければならぬと思うのですが、そういう点について、この災害の後、急傾斜地崩壊危険地帯の指定問題、防災工事の問題についていかが検討なさっておりますか、お尋ねいたします心
○成田説明員 ただいま先生御指摘のように、五木村では四十七カ所の急傾斜地崩壊危険箇所がございまして、既に三カ所危険区域として指定をいたしております。 建設省としましては、都道府県に対しまして、急傾斜地の崩壊による災害から人命を守るということで、急傾斜地崩壊危険区域の指定の促進、それから警戒避難態勢の充実について指導しているところでございます。急傾斜地崩壊危険区域の指定は、地元市町村長の意見を聞きまして都道府県知事が行うものでございますが、先ほど先生もおっしゃいましたように、私権の制限を伴う等のためになかなか思うように進捗いたしていないのが状況でございます。 五木村の危険箇所の指定につきましては、今回 の災害にかんがみまして、特に熊本県と協議し、危険度あるいは保全対象等を勘案いたしまして、さらに住民の理解を得ながら、順次指定をするように指導してまいりたいというように考えております。
○馬場委員 これは私権だけではなしに、やはり国の予算というものにかかわっているんじゃないかと思います。熊本県でも二千五、六百カ所そういう申請というものはあるのに、年に二、三十カ所しか指定していないのですね。そういう点、五木は特にこういうこともありましたし、地元があるいは私権も解消して申請したら、ぜひ緊急に指定して、防災工事を施してもらいたい、こういう希望を申し上げておきたいと思います。 しかし、防災工事が終わるまで待ったらまた災害が起こる可能性もあるわけですが、あそこの地域というのは五千年ぐらいの歴史を持っておる五木村なんですよ。ところが、河川のはんらんで毎年のように被害はありますけれども、山崩れで被災したというのは今までほとんどなかった。だから、河川に対する警戒は非常によくできているのですけれども、山のがけ崩れに対する警報、警戒態勢もノーマークですよ。ゼロですよ。だから、こういうことが起きたわけですが。熊本県全体をとってみましても、役場と村落が無線連絡、緊急警戒態勢、避難態勢の連絡がとれているところは、九十八市町村の中で四十四市町村ぐらいしかない。あとは何にもできておりません。この五木村も、警戒もノーマーク、連絡も全然とれない、そういう中でこういう悲惨な状態が起こったのです。 これは消防庁だと思いますが、やはり何としても役場とそれから集落ごとの無線連絡でもとれる防災無線網といいますかも含めながら、そういう警戒、防災、警報態勢というのは緊急にやらなければならぬと思うのですが、いかが考えておられますか。
○島崎説明員 災害時において的確な応急対策を実施するためには、迅速かつ的確な情報の収集、伝達が極めて重要でございまして、消防庁におきましては従来から雨量情報、予警報の収集、伝達あるいは住民に対する警戒、避難情報の伝達など、情報の収集、伝達態勢に万全を期するよう指導しておるところでございます。この情報伝達の媒体といたしまして、先生御指摘のように、防災行政無線が極めて有効であることは、最近の災害事例からも明らかでございます。 消防庁といたしましては、昭和五十三年度から補助制度を創設いたしまして、逐年予算の充実を図ってきたところでございますが、今後とも災害危険の高い地域を中心に積極的にその整備促進を図ってまいりたいと考えております。
○馬場委員 五木は、今最後の方におっしゃいました高い地点ですか。具体的に五木についてはどう検討なさっておられますか。
○島崎説明員 五木村につきましては、村そして県の方からのそういう要望がありましたら、消防庁としては前向きに考えていきたいというふうに考えております。
○馬場委員 実はちょっと現地に行って聞いたのですが、建設省の方にお尋ねしたいのですけれども、これはお尋ねでなくて要望しておきますが、建設省はダムをあそこにつくるものだから、たくさん雨量計なんかあちこちに据えている。ところが、そういうデータをくれと言ってもなかなかくれない。いろいろダム反対闘争があったものだから、データを出すと何か反対闘争に利用されるのではないかと思っているんじゃないかと地元の人は言っているのですけれども、資料提供を求めてもなかなか建設省はくれない、おかしいじゃないかというような話もありますから、これは地元の声としてまず伝えておきます。 そこで、川辺川ダム建設工事についてお尋ねをしたいと思うのですが、この川辺川ダムの今後の工事のスケジュールはどういう段取りで進めようと考えておられるのか、まずお伺いいたします。
○志水説明員 お答えいたします。 このダムは四十四年度に建設事業に着手をいたしまして、五十六年の四月までに相良村、それから五木村の水没関係者の大半と補償基準を妥結をいたしまして、昭和五十八年度までに水没対象世帯五百二十八世帯のうち二百九十三世帯、土地三百二ヘクタールのうち九十九ヘクタールの契約を完了いたしております。従来から本ダムの建設に反対をしておられました五木村水没者地権者協議会の関係者の皆さん方からこのダムの基本計画の取り消しと河川予定地の取り消しを求める訴訟が……
○馬場委員 ちょっと済みません、時間がありませんから、経過報告はいいですから、今後の段取りをおっしゃってください。
○志水説明員 わかりました。 全面的に皆様方の御協力が得られる段階になりましたので、今後は地元関係者の理解と協力を得ながら水没関係者の移転代替地の造成を初め、生活再建に係りますつけかえ道路、それから工事用道路等を中心に工事を進めまして、早期に本体工事にかかれるよう努力してまいりたいと考えております。
○馬場委員 本体工事をいつやるとか、いつ完成とかというのは諸条件、予算の関係もあろうと思いますので今ここで答弁できないと思いますが、今言われましたダム建設に伴う立村計画、先ほど言いましたように、五木村はダムに沈む秘境の里なんて言われておる。ダムによる過疎が進んでどうなるんだろう、先ほど言いました孫子の代までここは村として存立するのか、こういう心配さえ実はあるわけでございますが、今言われました、ここで五百世帯ぐらいこのダムに沈むわけですけれども、もう既に百七十世帯ぐらいは村を離れているわけです。三千人ぐらいおりました人口が二千六百人になっておる。まだ離れつつあるわけです。そういう中で五百世帯沈むわけで、離れていない人はここに住むわけでしょうけれども、私は集団移転地域をこの間見てまいりましたら、だれもあんなところは行かぬと言っているのです。坪六万円もする。そして見て、全然住みつくようなところと私も考えませんでしたが、本当に残る人が安心して喜んで住めるような立村計画というのが、このダム、特に水没する世帯等について不十分じゃないかというようなことを考えてまいりました。 それから、あそこは九六%が山林で、一%しか耕地はないわけですね。そういう中で三百ヘクタールくらい、山林も、もちろん宅地、水田、畑地、原野も含めて沈むわけですけれども、そういう耕地等の確保とかこういう点も非常に不十分でございまして、時間も余りありませんので、立村計画というものは現地の人の意見を十分聞いて、今行ったら非常に現地の人の感情とそぐわない計画があるようでございますので、ぜひひとつ現地の意見を聞いてやってもらいたいと思います。 それから、洪水調整をこのダムはするわけですけれども、時間がありませんのでこれも一言で答えてください。過去梅雨期に集中豪雨がいつもあるのですけれども、これの増水がこの調節によってもう過去のような洪水は出ないように調節がこの川辺川ダムでできるのですか。
○志水説明員 川辺川ダムは、御承知のように、計画洪水流量毎秒三千五百二十トンを三千三百二十トン調節をいたしまして二百トンを放流するということで非常に大きな計画を持っております。したがいまして、過去の最大のものに対しましては下流は十分安全に対処できます。
○馬場委員 かんがいにつきましても、過去のかんがい用水、さらにその他の既得水利等についてもこのダムで支障はございませんね。
○志水説明員 かんがいにつきましても、容量で千七百万トンの容量を確保することにいたしておりまして、同地区の三千四百ヘクタールの農地に対しまして補給をいたすことにいたしておりまして、これも十分可能、大丈夫でございます。
○馬場委員 そこで、今この流水の正常な機能の維持がこの多目的ダムの一つの目的になるわけでございますけれども、実は下流の人吉市、こういうところは、これは熊本の商大に調査を依頼して 調べたのですけれども、昭和五十四年の調査ですけれども、人吉市民の所得が五百三十五億円、そのうちこの球磨川に依存しておる依存度が百三十九億円、人吉の経済の三〇%はこの球磨川に依存しておるのです。そういう調査結果が出ておるわけです。 その球磨川は、それじゃ何に依存しておるかといいますと、まず、あそこでアユが非常にたくさんとれる。そのアユにまず第一。第二は、有名な日本三急流の一つですから球磨川下り。このアユの漁業、さらに球磨川下り、こういうものが経済を三〇%維持している、こういう状況になっておるわけで、この球磨川がどう変わるかによって存亡の危機にも瀕するわけでございますけれども、そこでお伺いしたいのですが、まず水質の保全。この水質の保全というのは、私どもが熊本大学なんかの先生方に調査されたのを聞きますと、大体ダムをつくる前とダムをつくった後は四、五倍濁度というのがふえるのじゃないか。これだけ濁りますともうアユがすめなくなってしまう、こういう危険性もあるのですが、このダムによります水質の保全という点については、アユはすめますか。
○志水説明員 川辺川ダムは、治水、利水上、この地域にとって非常にかけがえのない、流域の発展にとりましてかけがえのないダムでございます。これを一つ念頭に置いていただきまして、私どもとしても、ダムには選択取水設備を設け、その適正な運用を図る等によりまして、下流の水質が悪化しないように努力をしてまいりたい、このように思っております。
○馬場委員 後で答えてください。 悪化しないようにというのは、現在の水質が維持できるのですか、現在の水質が維持できるようにやろうとしておるのかということと、もう一つは、舟下り、球磨川下りの問題ですが、この間、地元の人が、毎秒三十三トンで舟下りをしたら、やっぱり何か五、六カ所以上舟底が底につかえる、こういうことで、おたくの基本計画によりますと、人吉地点の流量が一秒に三十トン以内のとき、川辺川ダムの流水量は貯留しないものとする、こういうぐあいに三十トンは保持するというぐあいな計画になっているのですけれども、地元はこれを三十五トンにしてください、こういうような要望が出ておるはずです。これは三十五トンにはできないのですか。前のと二つ。
○志水説明員 まず、前半の問題でございますが、水質の問題は、既にこの川筋に市房ダムができておりまして、特に水質は上流の流域の土壌の地質とか、これらが非常に大きな影響をいたしますが、特に市房ダムにつきましては、下流でそのような水質の問題が起きておるとは聞いておりません。したがいまして、川辺川ダムにつきましても、私どもが考えておりますようないろいろ設備をし、適正な運用を図っていくことによって、アユがすめるような形になるんではないか、私たちもぜひそうしたい、このように思っております。 それから、先ほどの下流の維持流量の件でございますが、御指摘の件につきまして、人吉市の関係者から要望のあることは承知をいたしております。しかしながら、この件は川辺川ダムの計画に変更を伴うことになりますので非常に困難ではございますが、御要望につきましても、関係者と今後話し合っていきたい、このように思っております。
○馬場委員 時間が参りましたので、もう最後、一つ要望を申し上げて終わりたいと思うのですけれども、さっき言いましたように、やはりこのダムというのは多目的ダムでございまして、言いましたように、流水の正常な機能の維持、このことが先ほど言いましたように、下流地域の経済に物すごい影響を持っておるわけでございます。そういう意味で、十分今の水質の保全だとか、あるいは球磨川の舟下りに支障を起こさないようにと住民は物すごく強い要望を持っているわけでございます。 そこで、一つだけ最後に申し上げてみたいと思うのですけれども、実は私がこの質問をするというようなことが伝わりましたら、すぐ、建設省のだれがどうしたと言いませんけれども、そういう質問をすると、あるいは人吉市に今度、最近、清流球磨川を守る市民会議、これは市当局、議会あるいは商工会、農業団体あるいは婦人団体、すべてを網羅して球磨川の清流を守る市民会議というのができて、今言いましたように、あと五トン、放流の水をふやしてくれ、汚濁を防止してくれという全市を挙げての署名運動が今起こりつつあるのです。そういうのが起こると、こういうことを言いふらしておるやつがおる。そんなことを地元で言うと、堤防のかさ上げをせねばならぬ。かさ上げすると、また五木村とかあるいは相良村が沈んで大変なことになる。そうすると、五木村とか相良村は、そんなことをされたら大変だ。全然根も葉もないことを言いながら、上流と下流を対立させようとしておる。こういうことがありまして、そういう運動をするとダムの建設がおくれるんだ、あるいはそういうことをすると補助金が出なくなるんだ、そういうことを言いふらして、騒ぐと補助金が出ませんよとか、こういうことを建設省の人が言うということで、村の人々、上流、下流が対立し、動揺しておる、こういう状態がございますから、それは要望があるところ、どんどん言って話し合うのは民主主義の原則ですから、それを市民とか地域の人を惑わすようなことを絶対言わぬように、しないように、ぜひ厳重に、どこでだれがどうしたということは言いませんから、ひとつ注意をしていただきたい、こういうぐあいに思います。 あそこの球磨川というのは本当に豊かな流れを持っております。川の底まで実は魚が見えるんですよ、今。そういう清流でございますし、日本三急流ですから、岩をかむような流れ、これがあの球磨川。人吉地域の人はこの球磨川というものを母なる川と言っておる。これをやっぱり自分の孫子の代まで守り、送り続けたい、そういう願望を非常に持っておるわけですから、そういう人たちの要望というのは、そういうデマとかあるいは圧力を加えなくて十分吸い上げて意見を聞いて、この川辺川ダムの完成に向かって頑張っていただきたいということを最後に申し上げまして、少し時間超過して済みませんでしたけれども、私の質問を終わります。 どうもありがとうございました。
○佐藤委員長 次に、薮仲義彦君。
○薮仲委員 きょうだだいま御質問ございましたように、ことしもまた台風シーズン、雨の被害があっては困るのでございますが、そういうシーズンがやってまいります。こういう台風シーズンに備えまして、我々この災害対策の委員の一人として懸念される問題を何点かきょう取り上げまして、長官のお考え、十分な対策を要望したいと思うのであります。きょうは特に限られた時間でございますが、数多くの問題がございますので、関係の政府委員の皆さん方、どうか要点を簡潔にお答えいただくよう、最初にお願いする次第でございます。 きょう私が長官の所見をお伺いしたいのは、一つは、昨年発生したことでございますが、台風時に高速道路が、ひどいときには三十時間渋滞いたしました。またことしもそういうことが起きないということはございませんので、可能性は十分あるわけでございます。こういう逃げ道のない高速道路で二十時間、三十時間拘束をされるということがどれほど危険であり、大きな問題を抱えているか。この対策は、やはり地震防災上の観点も含めまして十分長官に御検討いただきたい。 それからもう一つは、やはりただいま御質問ございましたが、一番心配するのは土石流でございます。現在こういう財政事情でございますので土石流の対策が完全に進まないのであったならば、少なくとも土石流で人命を失うことのないような避難のマニュアルについて長官はどうお考えになるか。現在建設省、国土庁の持っておる法律というのは、建設省は五戸あるいは国土庁は十戸の集団移転といいますか、そういう移転の予算は持っております。そういう法律は持っております。しかし問題は、それより小規模の急傾斜地のがけ崩 れあるいは危険地に対して現在何ら具体的な対策が講じられません。行政官庁として、ことしもまたあのがけの下で危険な生活を送っている人を、危ないよ、危ないよと言いながら手をこまねいているということは、私は好ましくないと思います。やはりここで国土庁に防災局もできたことでございますから、そういう小規模の災害をどうするか。これは当然大蔵省に言うと、大蔵省は——よくわかります、これは。個人の資産形成にかかわるような防災事業に国が手を出す必要はいかがなものか。確かに財政当局の考えは、考えとして私はわかりますけれども、しかし、それで行政側が見逃しておいていいかどうかになると、私は非常に問題だと思います。この土石流それから急傾斜地の小規模の被害に対してどう長官は対処なさるおつもりか。 また三番目は、先ほども小委員長からお話がございましたとおり、現在小委員会においては激特の基準の見直しをやっておりますけれども、これは災害が起きる都度、地方団体から激特の見直しをしてほしい、特に公共土木にかかわる部分については重要である、見直しをしてほしいということで御意見がございます。これは今論議をしている最中でございますので、きょうは長官の御意見を伺って、さらにこの論議を詰めるために、長官の見解をお伺いしたい。特にこの災害についての一番の壁は、激特の指定基準を見直す、例えばそれは国費を上げようということでしょう。でも、やはり財政当局はその分は交付税で面倒を見ておりますよ、こういう言い方をします。しかし、現在の地方財政というものは、いわゆる公債による負担というものが非常に多くなっております。それはいわゆる投資的な事業というものがだんだん制約されていく財政事情にあります。これをどう判断するかということが今最終的な問題にはなろうかと思いますが、こういう点をきょうは長官にお伺いしたいと思っておりますので、時間の許す限り順次質問してまいりますので、どうか明快な結論をいただきたいと思うのでございます。 最初に、高速道路の問題から質問したいと思うのでございますが、昨年の台風五号で昨年の八月十六、十七日の二日間、高速道路上は完全に麻痺しました。インター閉鎖、ひどいところは二十数時間、三十時間近い渋滞になりましたし、短いところでも十時間、特に沼津などは十七日の午前三時から十四時間インターが閉鎖されました。 そして、どういうことが起きるかといいますと、これは長官も察しがつかれるように、まず食糧の問題、医療の問題、あるいはまた、こういう事態でございますので医療といっても急病人が発生したら一体どうなるのだ、につちもさっちもいきません。さらには、トイレの問題をどうするのか。こういうことはこの限られた高速道路という枠の中ですから、人家から離れているところもございます。非常に救援に困難でございます。しかも、情報量は少ないということで、車の中に閉じ込められた方は非常に困るわけです。しかも、季節は八月の暑いさなか。これがまた雨の中であったり、豪雪の中であったり、そうなったときには一体どうなるのだろう。これから日本の国全体がモータリゼーション、高速道路網がしかれてまいります。これは単に東名高速道路の問題ではなく、今後高速道路網が発達すればするほど全国的な課題として検討してもらわなければならないのではないか。建設省や道路公団、そして警察当局が、昨年の例を大きな教訓として今後どう対応をなさるのか、きょうはその見解を伺っておきたいと思うのでございます。 それで、特に具体的な問題としてそのとき言われたのは、腎臓の病気を持っている方が、透析をしなければ生命の危険にさらされる、しかし車が動かない、二時間、三時間、それが十時間になってまいりますと、今度は生命にかかわってまいります。こうなると、今のような状態でほっておくことは許されなくなってまいります。地震もありますし、土石流で道路がとまる場合もございますし、こういう高速道路に起因する災害についてどう対処するか。各関係の方々から、この教訓を生かして食糧、飲料水、トイレあるいはガソリン、急病の場合どうするか、こういうことについて、道路公団が一番のあれでございましょうから、まず道路公団の見解をお伺いしたいと思います。
○加瀬参考人 先生御指摘のように、昨年の八月十六日から十七日にかけまして、ちょうどこれはお盆の帰省ラッシュと台風の五号、六号というものが一週間近く滞留したという関係で、一番長いところでは延べ三十時間十分の通行どめが余儀なくされました。この結果、通行者に大変迷惑をおかけしたということについては、私どもとしても極めて残念に思っておるところでございます。 それで、私ども昨年の災害に照らしまして、やはり一番問題は、ちょうどお盆の帰省ラッシュと重なったわけで、皆さん必要があってお出かけになっているのかと思いますが、雨が降りますと、日本のような山岳地を高速道路が走っているという場合には、例えば連続降雨量で三百ミリ以上でも安全だという道路はめったにございません。それから、連続雨量が八十ミリを超えて時間雨量が四十ミリを超えますと大概危険が予想されるわけでございます。そういうところでは通行どめをすることによる人命の安全の確保ということが第一義でございますので、そういう私どもがやむを得ず交通規制を行わざるを得ないという必要性と規制基準につきまして、私どもとしてももうちょっと前向に利用者の皆様方にPRする必要があるのじゃないか、こういった点を反省しております。もちろん高速道路の構造上の安全性の確保によります最大限の交通確保ということは必要でございますが、そういった事前のPRによりまして、その日に必ずしも動く必要のない方にはなるべく高速道路の利用を思いとどまっていただくというようなことが必要になるのではないかと思っております。 それから、さらに今御指摘のような病人等に対する措置といたしましては、例えば高速道路にはインターチェンジ以外に出入箇所がないわけでございますが、緊急車が出入するための緊急開口部というものを東名高速道路の場合に四十カ所ほど、名神で二十数カ所設けております。この今の運用の仕方は、緊急自動車をお持ちの方は公的機関でございます。警察とか消防でございますので、そういった方々がかぎをお持ちになって、そのかぎを使って開口部をあける、こういう運用をしておりますが、特に病人等の発生の緊急時に、例えば救急車に御協力いただいてそういう開口部をあけるような方法はないかどうか、あるいはせっかく設けてある開口部でございますので、これを有効に利用する方法があるかないか、そういった点、せっかく先生御指摘でございますので、至急関係機関と協力して詰めてみたいと思っております。 食糧等の確保につきましては、やはり高速道路というのは線で長いものでございますから、全体に間に合うような食糧の確保というようなことは、炊き出しみたいなことは無理かと思いますが、ただサービスエリア等でそういう際には余分に食糧を備蓄するとか、あるいは営業時間を延長するとか、そういったような対応は可能でございますので、これは去年の教訓にかんがみまして、ことしは早速そういう事態に対応できるように対処してまいりたいと考えております。 あとトイレその他の問題につきましては、やはり線で長うございますので、どの程度できるのか、今のところちょっと見当がつかないのですが、勉強は継続してみたいと思っております。
○薮仲委員 これは発生しますと、道路公団だけではとても処理し切れない大きな問題だと私は思うのです。きょうは建設省お見えだと思うのでございますが、建設省、それから当然警察庁になると思いますけれども、どうかいろいろ御協議いただきまして、こういう問題をどうするかということを専門的に一度検討していただきたい。九月一日はちょうど防災の日でございますけれども、地震もさることながら、こういう高速道路上の問題について、実際に起きたことを想定していわゆる救難活動をどうするか、この点の検討を早急に始 めていただきたいと思うのです。これは建設省にもお伺いしたいと思うのでございますが、高速道路のある一定の距離に何カ所か救難のための拠点を設けるとか、あるいはまた自治体別に御協議をいただいて、ここで起きたときには、神奈川県分は神奈川県、静岡県分は静岡県とか、やはり地方自治体との御協議がないと必ずしも事柄は円滑に進まないと思うのです。だから、道路の問題だからといってそうはいきませんので、これはやはり地方自治体との協議の場をどう設けるか、これは重要な事柄だと思うのです。特にさっきおっしゃられたように、食糧であるとかトイレの確保が困難、これは困難では済まされない大変な問題なんですよ。これは我々の場合はさておいて、小さな赤ちゃんとか御婦人の場合は重大な問題になってまいりますので、どうしようもないということでは済まないこともございます。赤ちゃんのミルクをどうするとかそういうこともありますから、やはり一つのプロジェクトをつくって関係の方にお集まりいただいて、地方自治体はどうする、警察はどうする、建設省はどうするという問題をお願いをして協議の場をつくっていただくように進めていただきたいと私は思うのです。 特に、私が今指摘しますから建設省にお答えいただきたいのですが、今インターチェンジからしか出られないという道路構造になっておるのです。三十時間も高速道路上に置いておくことがいかぬのであって、理論的には平場に出せば少なくともいろんな逃げ道はあるわけです。高速道路上の一般道路と接しているところ、これは何カ所もあるのです、私も東名高速をよく走りますけれども。あるいはまた、サービスエリアとかあるいはパーキングエリアがございます。そういう平場のところへ脱出できるような箇所をもう一度検討なさって、あそこの中から出られないようにするのではなくて、緊急時には一般道路と接しているところはどんどん出す。それから、パーキングエリアやサービスエリアも一般の道路に逃げられるところもあるわけですから、どうやったら逃げられるか、そういう箇所を何カ所か検討して、まず高速道路上で三時間なり五時間なり滞留、三時間ぐらいなら待つとして、十時間ぐらいになるような人はいろいろと逃げ道をつくってあげる、そして高速道路上に長時間滞留しないことがいろんな問題の解決に一番いいと私は思うのです。ですから、これは建設省が道路構造上どうなのか検討していただきたいと思うのですが、この辺の建設省の御見解を伺いたい。 もう一つは、御承知のように、高速道路の真ん中、分離帯がありますけれども、何カ所かに一カ所の抜け道があるわけですね。あれによって、じゃ下り線が渋滞したら上り線に逃がしてやればいい、いろいろあるかもしれません。それも研究していただきたいと思う。また、むしろそういう逃げ場所がなかったら、小さな車だったら逆走すればいいわけです。高速道路では一方通行になっておるわけですけれども、インターを閉鎖すれば車が来ないわけですから。これは警察にお伺いしたいのですが、むしろ逆走させたらどうだ、小さな車は逆に前のインターまで戻して出してあげれば十時間滞留する必要はないと思うのです。大きな、十一トンとか、車を運んでいるような低床ボディーのキャリアカーなんかは長過ぎてUターンできないかもしれない。しかし、少なくとも一般の乗用車はUターンは可能です、高速道路上で。また、ああいう大きな車だってサービスエリアなんか使えば十分Uターンできるわけですから、十時間、二十時間と滞留させないで、もしも逃げ道がなければインターから逆走しても出させるというようなことも警察当局として何らか御検討いただきたい、こう思うのでございます。 今の点、建設省と警察当局から、検討しなさいということで、結論は求めませんけれども、いかがですか。
○高見説明員 緊急車のために高速道路の一般道路と接続させている箇所が、先ほど公団から説明ございましたが、東名で言いますと上下四十カ所ございます。それで現在は緊急車だけが使うようにしているのですが、異常時の渋滞が相当長時間かかるという場合には、今先生が御指摘になられましたように、一般の車も使えるように可能かどうかということを関係機関とよく相談しまして研究してまいりたいと思います。 それから、中央分離帯には現在二キロに一カ所ごと開口可能なところがございますが、これも工事用とか、あるいは緊急の場合緊急車しか使わないようにしております。これも対向車線に車を出すのに相当誘導時間がかかりますので、そういった点も含めて今後検討していきたいと考えております。
○日下部説明員 お答えいたします。 高速道路の本線で交通事故あるいはその他いろいろな障害が発生した場合、著しい渋滞が生ずるということは先生御指摘のとおりでございます。そういう場合には一応その障害個所の手前のインターチェンジにおきまして流入規制を行います。同時に、障害が長時間に及ぶというような場合にはインター間閉鎖をいたしまして反対車線をクリアした上で、先ほど建設省からもお話ありましたように、おおむね二キロピッチで設けられております中央分離帯の開口部をあけて一応Uターンさせる方法をとることが必要であるというふうに考えております。 先生御承知のとおり、五十四年の七月十一日、日本坂トンネルにおきまして車両火災事故が発生したわけですが、その際にもトンネルの東、静岡側六百メートル地点にあります開口部をあけましてトンネル内とトンネルの外に停止しておった車両をバックで誘導いたしまして、開口部から上り車線に誘導し、Uターンをさせたという事例がございます。 なお、一般道路に直接通ずる開口部四十カ所あるということでございますけれども、こういった場合には開口部を利用して一般道路へ流出させるということが一番いいと思うのでございますけれども、そんなことでこの開口部につきましても、昨年開通いたしました中国縦貫道、それから東北縦貫道等につきましては、公団側に一般道路との非常開口部をつくっていただくようにかなり要望しておるところでございます。 なお、東名、名神の場合は大型車等が非常に多いわけでございまして、普通乗用車の場合はできるわけですが、大型車等の場合には一般的には本線上でのUターンが不可能である。したがって、開口部のあるところまでバックで逆行させて反対車線にUターンさせる方法が現状では最もいいのではないかというように考えております。
○薮仲委員 きょうはもっといろいろやりたいのですが、ほかの問題がございますのでやめておきます。 私は、警察庁には逆走も考えてくれと言っておきました。小さな車なら十分逆走できるわけですから、そういう点も検討課題に入れていただきたいし、道路公団にお願いしたいのは、今問題がもっとたくさんあるのですが、きょうはやめておきますが、こういう問題を含めて関係の省庁との、いわゆるそういう渋滞を想定したときの、どこでどういう判断を下すか、マニュアルをつくっておく必要があると思うのです。ここで起きたらこう、この区間内のここで起きたらこうだという臨機応変の対応がないとこういう事態になると思うのです。ですから、こういう台風であるとか土石流とかいろいろなことで渋滞が起きたときに、もしもここの区間で起きればこういう措置を第一段階こう、第二段階こう、第三段階こうというようなマニュアルを早急におつくりいただきたいと思うのです。公団だけではできませんけれども、この間私がお願いしたように、建設省とか自治省とか警察庁、協力をしていただきたいと思う。そして、きちっとした対策を早急に検討いただきたいと思うのでございますが、道路公団、検討してくれますか。
○加瀬参考人 間もなくまた台風シーズンになりますし、至急検討してみたいと思っております。
○薮仲委員 大臣、途中で中座なさったわけでございますけれども、私が質問したのはそういうよ うな趣旨でございまして、高速道路上に密閉されますと、健康被害等いろいろと問題が起きますので、脱出できるんだったら平場へどんどん逃がしてほしいし、また起きたときのいろいろな対策を今道路公団に要請いたしましたけれども、国土防災の見地から長官の指導の中でそういうことが円滑に行われるようにお願いしたいと思うのでございますが、いかがでございましょう。
○稻村国務大臣 日本の国土は大変自然災害の多いところでございまして、特に高速道路等々は経済の動脈と申しますか、土砂崩れであるとかあるいは土石流、こういった問題が大変大きな影響を及ぼします。また、これは高速道路ばかりじゃありませんけれども、そういう意味で、先ほど来理事の方からいろいろお話をしておりましたが、これは道路公団だけで片づくものでもありませんので、関係各省庁とよく緊密な連絡をとり合って災害に対して完璧な対策をとってまいりたい、私はこういうふうに思っています。
○薮仲委員 どうか大臣の指導によりまして、ことしの台風シーズンに問題なく高速道路上は処理できるように、心から重ねてお願いをいたして、この問題を終わっておきます。 ちょっと激特に入る前に、地元の長島ダムが今大きなダム工事をやっておるわけでございますが、長島ダムの現在の進捗、ごく簡単で結構でございますが、見通し、それから特に地元で一番要請の強いのは、あそこに井川線という鉄道が通っております。あれを将来の観光も兼ねてアプト式の鉄道にしてほしいという強い要望がございますが、これは建設省が鋭意御努力をしていただいておると伺っております。私もこの委員会で何回か取り上げた課題でございますが、現在どういう見通しになっているか、それもあわせて御答弁いただきたいと思います。
○志水説明員 長島ダムは、先生御承知のとおり、現在水没家屋につきましては八四%、土地につきましては六三%の買収が終わっておりまして、また工事用道路も千頭からダムサイト間を中心に工事を実施中でございます。また、今お話ありましたように、このダムの建設に伴いまして大井川鉄道の井川線の一部が水没いたしますので、これをつけかえることが必要でございます。今後とも残る水没関係者等との補償交渉に努めまして、工事用道路あるいは大井川鉄道の井川線のつけかえ工事等を鋭意進めまして、ダム本体工事の早期着手に備えてまいりたい、このように考えております。 特に井川線のつけかえの問題につきましては、ちょうどつけかえ区間が四・八キロございまして、そのうちダムサイト付近の約一・五キロメートルが非常な急勾配となりますために、ループ式だとかあるいはアプト式等での対応が必要でございまして、これにつきましては地元の要望もありまして、この区間をアプト式とすることを前提に現在鉄道所有者であります中部電力株式会社とこの基本協定を結ぶべく鋭意折衝中でございまして、基本協定がまとまり次第、つけかえ工事に着手してまいりたいと考えております。
○薮仲委員 どうか、地元の強い要請もございますので、ダムによって離村あるいは水没する皆さん方の願いでもございますので、建設省としても、その次への大きな夢を描いている地元の大きな希望をかなえていただくように重ねてお願いいたしておきます。 それでは、時間も余りございませんので、きょうは激甚指定の問題について長官のお考えをここで伺っておきまして、さらに論議を進めさせていただきたいと思うわけでございます。現在、問題点として幾つかあるわけでございますが、簡単に数字だけまず御返事をいただきたい。 昭和三十六年までは、災害に対して発生災害個別に対応をしておったわけでございますが、三十七年から激甚法が制定されました。ここで一番問題になりますのは、A項、B項とあるわけでございます。A基準の公共土木それから農地等の災害復旧それから中小企業関係の復旧があるわけでございますが、このA項の査定見込み額が、例えば公共土木で言えば査定見込み額が全国標税の四%を超えた場合にA項に該当する、それから農地の場合の災害復旧は、査定見込み額が全国の農業所得推定額の〇・五%を超えればA項はクリアする、それから中小企業関係は、同じようなことで中小企業の被害額が全国中小企業所得推定額の百分の〇・二をクリアすればA項に該当する、こうなっている。しかし、ここで問題は、査定見込み額の物価上昇と全国標税の伸びが同じバランスで伸びてくるのであれば、これは当然問題はないわけでございますが、この査定見込み額と全国標税の収入額に大きな乖離があることによって、標税の額がふえてくればそれだけ被害がよほど大きくないと指定されないという問題が出てまいります。 ここで長官に御理解いただくために、今申し上げた査定見込み額と全国標税の倍率ですね、何は何倍、査定額は何倍、標税は何倍という倍数で結構ですから、公共土木、農地、中小企業、数字だけ言ってください。
○杉岡政府委員 お答えいたします。 昭和三十七年に激甚災害の指定基準をつくったわけでございますが、そのときから現在昭和五十八年におきます伸びは、まずただいま先生の御指摘になりました全国標準税収入でございますが、倍率は十八・五倍でございます。それから、全国の農業所得の推定額でございますが、これは三・三倍。それから、全国の中小企業の所得推定額でございますが、これが二十倍ということでございます。なお、土木総合工事費の指数、いわゆるデフレーターでございますが、これが三・九ということになっております。
○薮仲委員 それからもう一点は、三十六年までは個別に災害特例法で対処しておったわけでございますが、そのときに衆議院と参議院の地行における附帯事項があるわけでございます。この激特の法制に当たって附帯事項として決定されておりますことは、それまでの間に発生した災害というものの年間発生率の六〇・五%をカバーしておった、ですから、この指定率を下回らないように指定されなければならないということが、手元の地行の委員会における附帯事項に載っているわけでございますが、六〇・五の指定率を下回らない、こういう理解の仕方でよろしいんですか。
○杉岡政府委員 その当時におきます附帯決議に関しましては、ただいま先生の御指摘のとおりでございます。
○薮仲委員 それでは、従来の特例法のとき、確かに今おっしゃったように六〇・五%だった、これを新しい激特の指定基準に直したときに何%になりますか、その当時の三十年から三十六年の間では。
○帆足説明員 お答えいたします。 三八・三%でございます。
○薮仲委員 三十年から三十六年の七年間を激特の新しい法律でやった場合に何%になりますかということですよ。六三・八じゃありませんか。
○帆足説明員 失礼いたしました。 六三・八%でございます。
○薮仲委員 そうですね。この年間の指定率が少なくとも六〇・五を下回らない、新しい法律でいけば当時のものは六三・八になるのでよろしいだろうということでこの法律が制定された。これがまず第一前提です。 そこで、今もう一度お伺いしますから、簡単に言ってください。 昭和三十七年この新しい法律ができてから四十四年まで八年間、私の方に建設省の資料がありますから、数字をちょっと確認の意味でこちらで申し上げますが、その間は指定率が四一・二、それから四十五年から五十四年の十年間の指定率は四〇・一、四十九年から五十八年、これは今御答弁になった三八・三、こういう数字が建設省の資料として私の方にあるのですが、この指定率、間違いございませんか。
○帆足説明員 お答えいたします。 間違いございません。
○薮仲委員 それでは、もう一つお伺いしますけ れども、全部聞きたいんですけれども、全部言うと大変でしょうから一つだけ言いましょう。これはやはり資料が今できていますから聞きますけれども、四十五年から五十四年の十年間を五十六年に換算しますと、逆に指定率は何%になりますか。
○帆足説明員 二九・九%でございます。
○薮仲委員 長官、今数字をずらっと申し上げたのはなぜかといいますと、この法律ができたときに年間の指定率は六〇・五を下回らないようにしようということで始まったわけです。ところが、始まって今約三十年近くたつわけでございますが、その間に指定率が年々下がってくる。当初の三十七年から四十四年は四一・二%、四十五年から五十四年は四〇・一、四十九年から五十八年は三八・三というように、当初目標にした六〇・五の半分とは言いませんけれども、ずっと下がってきてしまっています。五十六年換算すれば二九・九というように指定がどんどん下がってきています。やはりこれは相当法律が、当時の附帯決議どおり運用されないんじゃないかという問題点がまず一つございます。大臣、これ御記憶いただきたいと思います。 それから、これも簡単にお答えいただきたいのですが、激甚法を制定したときに、いわゆる広域的な本激と局地的な局激と、こういろいろお分けになったと思うのですが、少なくとも広域的な災害の代表的なものとして、私の住んでおる静岡県の昭和三十三年の狩野川台風を例にして考えて、これを最低限として考えよう、それから局地的な激甚は三十二年の諫早の水害を例にして、これを最低限として考えよう、こう言って法案が作成されたと思いますけれども、この点間違いございませんか。間違いないかどうか。
○杉岡政府委員 激甚法が制定されます前にいろいろと特例法がございましたが、そういったものを全部勘案しながら激甚法が制定されたものというふうに記憶しております。
○薮仲委員 今私の言った狩野川台風と諫早の水害が一つのレベルでしようということはどうなんですか。間違いないはずですよ。
○杉岡政府委員 先生のおっしゃるとおりでございます。
○薮仲委員 なるべく質問にすかっと一発で答えていただきたいのです。大体こっちは資料を持っていますからね。 それで、お伺いしますけれども、数字はもうこちらで言います、一々調べていると大変でしょうから。昭和三十三年の狩野川台風の当時の被害額は百九十八億です。これがちょうどそのときの全国の標税のどのくらいになるかというと四・一五です。これは建設省の資料に載っていますからお調べください。それから、これを五十六年換算しますと一千三十七億になるわけです。これは当時のその年の全国の標税に対して〇・六七です。ということは、もうこの狩野川台風は五十六年換算するとA基準に該当しないのです。個別法のときは確かに指定されたのが、五十六年換算するともう狩野川台風は指定されない。 これは建設省にお願いしておいたのですけれども、これを五十八年換算すると、被害額と全国標税のパーセントは何%になりますか。——国土庁でもどちらでもいいです。時間がないからわかっている方が早く答えてください。
○杉岡政府委員 五十八年につきましては〇・六でございます。
○薮仲委員 長官、これも一つ問題なんですね。当時法律を制定したとき、狩野川台風を最低限としてこれ以上の災害にはかかるようにしようということでやったんです。ところが、今申し上げたとおり、五十八年換算ですと〇・六と、標税から比べますと被害額が四%をはるかに下がってしまうわけです。そうすると、狩野川台風ぐらいの被害が今起きてもこの激特法は作動しない、発動しないわけです。そうしますと、全然激特の指定にならないわけです。 これも時間の関係でちょっと申し上げますと、じゃ、もっと申し上げますと、さっき十年間というのを四十五年から五十四年のオーダーでとりました。この間に建設省所管の全災害が百三十件起きたんです。これで百三十災害のうち四%を超えた災害は、A項にかかわる災害はわずかに二つしがなかったと思うのですけれども、間違いございませんか。——二つしかないはずです。これは建設省の資料を手元にいただいておりますからね。この二災害をまた五十六年換算に換算し直しますと、実際に四%を超えている災害というのは一つの災害、昭和四十七年の梅雨前線の被害、これは五十六年換算で六千三百八億になるんです。十年間に百三十災害があって、四十七年の六千億を超えた災害、そのたった一つしかA基準に該当しない。そうなってくると、この激特の指定というものは一体どうなんだ。百三十も災害が起きてA項に該当するのはたった一つじゃないか。じゃB項には少なくともこうだという意見1きょうは資料を持っているんですけれども時間がございませんから、A項だけでやってまいります。 こうなってまいりますと、A項に該当する災害というのは、五十八年換算すれば、この表もありますように六千八百九十六億、約七千億近い災害が起きないと激特は指定にならないわけです。この七千億というのは一体どうかというと、例えばここに五十六年の標税が載っているのがあるんです。五十六年で北海道、東北六県の標準税収入の合計が六千八百五十一億なんです。それから中国、四国地方の九県の標税の合計が五千九百四十億、これは六千億に満たないんです。こんな数県の標税を足したぐらいの大災害が発生しない限り現在の激特はA項では微動だにしない。ということは、衆参両院で、当然長官もこれには深くかかわり合いがあったと思うのでございますが、立法の趣旨、当時法律をつくったときに六〇・五%はカバーしよう、そして災害復旧はなるべく早く円滑に行われて、被害を受けた方々の人心を安定させなければならぬということで始まったこの激特の指定が今全然作用しない、こういう問題は大変大きな課題だと思うんです。 もう時間が参りましたのでB項は飛ばしまして、自治省が来ていると思いますから自治省に見解を伺って、最後に長官の御答弁をいただいて終わりたいと思うのです。災害復旧は一体どういう形で行われているか、これは自治省から小委員会の方へ資料が提出されましたように、実際は一般財源によって災害復旧がなされるのではなくして、むしろ公共土木にかかわる補助の災害復旧事業の実態は、地方負担が年々ふえておりますが、地方負担のうち一般財源がわずかに五%とか六%とか一けた台で、実際の災害復旧には地方債を発行する、地方債によって九〇%台の災害復旧が行われる現状です。財政当局に言えば、何言っているんだ、いわゆる財特でかさ上げの部分がなくなった分は特交なり交付税で賄っているからいずれにしたって地方は困らないんだ、こう言うと思うんです。きょうは大蔵省を呼んで聞きたいんですけれども、時間がないからやめておきます。確かにそれは論理としてはそのとおりです。でも、実際地方自治体として二〇%からの公債を返還していかなければならない、十のうちの二割はだめよとなってくると、いわゆる投資的な事業は何もできない。行政サービスが果たしてこれで十分に対応できるかということは、私は問題だと思うのです。 そういう点で、やはりこの財特が今全然動かないという問題は、地方財政当局にとっては交付税あるいは特交で手当てしてもらうから十分ということは言わぬと思うのですが、現状についてどうお考えか、自治省の御見解をお伺いしたいのです。
○木下説明員 激甚の指定基準が少なくなったことが地方財政にどう影響しているかという点であろうかと存じますが、確かに公共土木にかかわります災害復旧事業費の地方債への依存度というのが年々伸びているわけでございます。これにつきましては、地方債の災害復旧事業費に係る元利償還費につきましては一定部分が交付税措置されるということは事実でございますが、その意味で、 例えばトータルとして地方負担がないではないかというような議論もあるかもしれませんけれども、やはり交付税というのは地方団体共有の財源でございまして、一定のパイの中での配分だということで、なかなかそういうことも言えないんではないか、そういう見方はちょっと地方財政にとっては厳し過ぎるんじゃなかろうかということも私ども考えているところでございます。
○薮仲委員 最後になりますが、長官、ちょっときょうは駆け足で問題点を指摘して、非常に御理解いただけない部分があったかと思うのでございますが、いずれにいたしましても、現在の激特のA項、B項もそうでございますけれども、非常に災害が発生したときに発動しにくい、要件が厳し過ぎるんじゃないかということで、現在小委員会でも鋭意論議を詰めておるところでございますけれども、やはり防災の総元締めの国土庁といたしまして、いつも災害が起きますと長官のところに陳情が、激特の指定をお願いしたいという問題で、あろうかと思います。農業や中小企業についてはある程度かかりやすいというのが数字の上で出ているわけでございますが、公共土木については財政上の諸般の事情もこれあることは十分我々は承知しておるところでございますけれども、災害復旧を円滑にし、地方財政を豊かにするために何らかの見直しが必要ではないか、こう考えておりますけれども、長官いかがでございましょうか。
○稻村国務大臣 先ほどからお話を聞いておりまして、大分つくったときと社会経済の変化があると私は受けとめております。そういう意味から激特、激甚災害というのは、災害を受けたところでは命の綱と申しますか、大変希望が多いわけです。そういう意味から、これは見直すべきところは見直して、やはり正しい運用によって災害といったものに対する皆さんの協力というのはぜひ必要ではなかろうか、こういうふうに私は思いますので、今ここで見直すというようなことを申し上げることにはちょっとあれですが、この変化が大変大きいわけでありますから、見直すべきところは見直す必要がある、私はこういうふうに受けとめております。
○薮仲委員 終わります。ありがとうございました。
○佐藤委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時三十二分休憩 ————◇————— 午後一時二十六分開議
○佐藤委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。横手文雄君。
○横手委員 私は、我が国の防災に対する政策あるいは対策につきまして若干御質問を申し上げ、国土庁を初め各省庁の御答弁をお願いを申し上げる次第であります。 まず、大臣に御質問いたします。 さきに国土庁に防災局が設置されました。行政改革のさなかであり、このことは国民の防災に対する要望の強さ、さらにはその国民的要望にこたえられた国土庁の決意のあらわれであろうと思いますが、防災局が設置されたことの意義について、まず大臣の御見解をお伺いをいたします。
○稻村国務大臣 七月一日から国土庁に防災局が設置をされました。今おっしゃったとおり、こういう行革のさなかにありまして防災局が設置をされた。ちょうど国土庁創立十周年を迎えたという意義もありまして、国民の声にこたえた、国民の防災の関心の高まりにこたえることができたということで、大変引き締まる思いでこれを受けとめておるわけであります。 そこで、防災局ができまして、もちろん国土庁の中には連絡網の整備の問題であるとか各省庁に対する連絡の機能というものがいまだかつてないくらいに整備されております。また、こういう時期に人員の増加も見ることができまして、いよいよ防災問題に各省庁の協力を得て完全な体制をとる必要がある、こういうような考え方で受けとめておるわけであります。
○横手委員 さらに、この防災局には、災害予防に関する施策の企画、立案、調整等を行うことを目的とする防災調整課が新たに設置をされました。 もとより災害予防に対する住民の願いにこたえるものでありましょうが、これは各省庁、地方自治体等多面的に関連するものであります。それらが一体的活動の中に初めてこの防災活動の実効はあらわれてくるものと思います。 防災調整課は具体的にどのようなことを行われるのか、お伺いをいたします。
○杉岡政府委員 従来の防災関係の課は、防災企画課、業務課、震災対策課という三課でございましたが、このたび、先生が御指摘になりましたように、防災調整課ができたわけでございます。 この調整課におきましては、防災白書の作成あるいは防災の意識の高揚、知識の普及、こういった業務のほかに、災害予防に関します企画、立案、推進、あるいは災害予防、非常に各省庁の災害予防に関する仕事があるわけでございますが、こういった関係省庁の事業の調整といった仕事をこの調整課で行うことといたしておるわけでございます。特に、当面、風水害等の災害があった場合に、土砂災害の被害が相当あるわけでございます。我々といたしましては、この土砂災害対策、こういった災害予防ということで、この面について特に重点的に取り組んでまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
○横手委員 申し上げてまいりましたように、災害予防、これは大変大事なことでございますし、国の基本に関することであろうと思います。大臣並びに局長の方から決意のほどをお伺いをいたしまして、期待をするところでございますが、少し気になりますのは、今回の防災局の設置に当たって、国土庁の設置法の改正によるものではありませんので、国土庁そのものの権限の拡大は特にないのではないか、本当に国の災害対策の充実強化を図ることができるのだろうか、こういうことであります。少し意地悪な見方をすれば、同じ権限の範囲内でこれを分け合ったにすぎないというような見方もあるわけでございますが、これは私の杞憂でありましょうか。こういった点について、国土庁の方の見解をお伺いをいたします。
○杉岡政府委員 国土庁の災害対策に対する仕事の内容でございますが、これは、国土庁設置法によりまして、まず国の災害対策、防災に対する企画、立案及び推進ということでございます。それからもう一つは、防災に関する関係の行政機関の調整事務、これが第二点でございます。それから第三点は、災害対策基本法あるいは大規模地震対策特別措置法といったような法律に基づきまして、内閣総理大臣が本部長等々、その仕事があるわけでございますが、この内閣総理大臣の事務の補佐事務といったのが、現在設置法によりまして機能を与えられておるわけでございます。この仕事は非常に広範な事務であるわけでございます。 今回防災局ができまして、その組織、先ほど言いましたように、調整課ができ、また課長クラスの防災企画官四人がふえる、あるいは定員も九名の増になるというような体制が強化されたわけでございます。我々、この組織及び体制によりまして、我が国土庁の防災に関する調整機能、これを十分発揮いたしまして、災害対策におきます総合的なあるいは統一的な施策の立案、推進、あるいは、一たん災害があった場合には、迅速かつ的確に対応をとるというようなふうに対処してまいりたいというふうに考えております。
○横手委員 それでは、今日までの国土庁の権限、範囲、あるいはやらなければならないことがたくさんあった、そして新たに防災局が設置をされた、そのことは、国土庁が今までやらなければならなかったことに全部が全部手が届いていなかった、これらの問題について、今後それらを網羅し、さらに強化していくためにこの局は設置をされ、あるいは課の新設をされた、こういう意味に受け取ってよろしいわけですか。
○杉岡政府委員 災害に関します施策の推進、これは非常に広範にわたるものでございます。今まで国土庁におきましても、災害対策の推進につきまして各般の努力をいたしてきたわけでございます。しかし、防災対策につきましてはさらにいろいろな分野があるわけでございまして、特に例えば災害予防といったような問題、いろいろな事務があるわけでございます。そういった面につきまして、今後は防災局ができまして関係省庁と緊密な連絡をとりながら災害対策をさらに進めていくということでございます。
○横手委員 次に、住民の防災意識の高揚、啓蒙についてお伺いをいたします。 昨年五月の日本海中部地震の際、津波に対する認識が十分でなかったということがよく言われるのであります。いや、むしろ、地震の際には山崩れが怖いから海の方へ逃げろ、こういう意識が支配的であった、その結果あのような多くの人身被害を起こしてしまった、そこにもその一因があった、こういうぐあいに言われておるわけでございますが、一方、浦河地震のときには、建築物の被害があれだけ大きかったにもかかわらず一件の火災も起こらなかった。そのことは、私ども現地に行ってまいりましたけれども、日ごろから、ぐらっときたら火を消せ、このことが住民の皆さん方に周知徹底をし、それが確実に行われたということをこの目で見てまいりました。また、不幸にして災害が発生した場合、人身被害を食いとめることができた実例は、まだほかにもたくさんあります。つまり、日常からの備えや心構えは、災害時において生死を分ける決定的な要因であると言っても過言ではありません。しかし、このことを徹底されるということは不断の努力の中で初めて可能であります。 国土庁としてこれらの問題についてどのように取り組んでおられるのか、このことについて御質問いたします。
○杉岡政府委員 防災に対します対策といたしまして、国あるいは公共団体等がいろいろな面で対策をとることは当然でございます。また、住民の方々も、やはり防災に関する知識を持っていただきまして、あるいは災害があったときにはどのような心構えをとっておくかということを常日ごろから勉強しておくということが非常に大事なことであろうかと思っております。 そういう面におきまして、我々は、この災害対策の非常に大きな対策の一つといたしまして、防災意識の高揚、あるいは防災知識の普及、こういった面に力を入れているわけでございます。いろいろな面におきまして、例えばテレビ、新聞等々におきまして、防災意識の高揚あるいは防災知識の普及を図っております。また、例えば風水害の前あるいはこの前の津波等があった場合に、それに対する心構え等々を通達を発しまして、そして関係公共団体等から住民の方々に防災意識の高揚あるいは防災知識の普及というのを推進をいたしておるわけでございますが、特に重点的に行っておりますのは、八月三十日から防災週間を設けまして、その中で重点的に防災意識の高揚あるいは知識の普及といったものを行っておるわけでございます。特に大きな手段といたしましては、総合防災訓練、これは住民の方々の避難訓練あるいはいろいろなパニックを防ぐための混乱防止訓練、こういったようなものを含みました総合防災訓練を行いまして、防災意識の高揚に努めておるわけでございます。
○横手委員 国としても、この住民の防災意識の高揚あるいは災害時における、そのときに自分の命を守るためにいかなる処置をとるべきか、こういうことが徹底をしていくということが大変大事なことであり、そのことのために努力をしておられるわけでございますが、ただ、私はいろいろな災害地を回ってまいりました。そのときにつくづくと感じますのは、これは国も積極的に行っていかなければなりませんけれども、しかし、つぶさにそのことを一戸一戸のうちに、一人一人に徹底させるということはなかなか大変なものであります。したがって、これを実現せしめるためには、県から市町村へ、さらに町内会へと小単位の指導がぜひ必要だと思いますが、これに対して消防庁、いかなる対策を講じておられるのであろうか。さらに、その効果、実態、これらについていかに把握しておられるか、このことをお伺いをいたします。
○島崎説明員 災害時におきます住民の自主的な防災活動、これにつきましては、自分たちの地域は自分たちで守るという連帯意識に基づきまして、地域ぐるみで組織的に行われることが重要であると考えております。このため消防庁では、地域ごとの自主防災組織の育成強化に力を入れておるところでございまして、その活動の拠点施設としてのコミュニティー防災センターの整備、これは防災資機材の整備等でございますが、これに対しての助成等も行っております。それで、地域の自主防災組織としての組織率でございますが、全国的には約三割程度までの結成がなされておりまして、今後ともこの組織率を高めるような努力をしてまいりたい、こういうふうに考えております。
○横手委員 全国的に今組織の達成率三割、こういうことでございますが、これは見ようによってはいろいろな見方があろうと思いますけれども、私は大変寂しい数字ではあるまいか、こういうぐあいに思うわけであります。したがって、そのでき上がっている組織、それぞれの地域はいかにしてでき上がってきたのか、いかにしてそれが維持をされているのか、こういったものをやっぱり深く追求をして、それらを参考にしながら、もっともっと全国的に広げていくということが大変大事だと思いますけれども、その点についていかがですか。
○島崎説明員 先ほど全国的には約三割と申し上げましたが、高いところでは、例えば静岡県の九三・三%あるいは山梨県の九三・一%というふうに非常に高いところもございますが、一方、組織率が一〇%未満のところ、こういうところも二十県程度あるわけでございまして、地域によって差が非常に著しいというのが現状でございます。今後これを高めるに当たりましては、やはり県、市町村、消防機関、そういうところが一体となりまして、普及啓発に努力をする、そういうことのほか、さらにその底辺組織としての地域の防災組織の意識の高揚のためには、婦人防火クラブ、あるいは少年消防クラブ、こういうふうなものの組織を高めることも大事でございます。こういうものの全般的なものについて指導を徹底してその組織率を高め、自主防災組織の体制の強化、こういうものを図っていきたいと考えております。
○横手委員 今具体的に県の名前等も挙げられて、その達成率、組織率等が非常に高いところも言われたわけでございますが、やはり東海沖地震等が予測をされる、そういったことに備えて、あるいは群発地震も起こっておるということにかんがみ、地域の皆さん方のこれに対する取り組む姿勢、こういったものと消防庁を初め皆さん方の指導が相まって非常に高い率を示しているものだ、こういうぐあいに考えられるわけでございます。したがって、やればできるんだということがここではっきり言えるのではないか、こう思うわけであります。したがいまして、こういう高いところがある。そういうところについては、住民の皆さんの協力と国の機関あるいは地方の機関、それぞれのところが相まってやると達成率が大変高いということを十分に認識をしていただいて、やればできるということの前提に立って、これからも頑張っていただきたいと思う次第であります。 さらに、先ほど答弁の中で少し触れられましたけれども、九月一日の防災の日を中心として防災週間が近づいてまいっておりますけれども、先ほど、これらの防災意識の高揚等についてこの週間を利用したいというような決意も述べられたわけでございますけれども、本年度のこの防災週間に対する計画はいかがなものでございますか。
○杉岡政府委員 八月三十日から防災週間が行われるわけでございます。その前に、防災意識の高揚を図るということから、広く一般の方々から公 募をいたしまして、そのデザインによりまして防災切手を八月二十三日に発行いたすことにいたしております。これによりまして防災というものの意識が非常に高揚されるというふうに我々は期待をいたしておるわけでございます。 また、防災フェア’84、これを八月の二十四日から八月の二十九日まで六日間、東京で開催をいたすことといたしております。これは、地震の知識の普及あるいは家庭におきます防災対策につきましての市民の心構え等、幅広くこれを展示するということによりまして、防災の知識あるいは意識、こういったものの普及、高揚を図ってまいりたいというふうに考えております。 それから、防災週間の中心にあります九月一日、これは防災の日でございます。この日におきましては、国、地方公共団体におきまして総合的な防災訓練を実施をいたすわけでございます。国、地方公共団体における本部訓練、こういったものをすると同時に、住民の方々に御参加をいただきまして避難訓練あるいは混乱を防止する訓練等々の訓練を実施いたしまして、防災の意識あるいは知識の高揚、普及を図ってまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
○横手委員 特に効果あるものになりますように御期待を申し上げます。 次に、防災無線網についてお伺いをいたします。災害時における情報手段として防災無線が極めて有効であります。それは、災害による伝送路の損傷が少ないこと、あるいは被災地に可搬式移動無線局を持ち込むことが可能であること等から明らかでございます。国、地方においてもこの普及がかなり進んでいるとお聞きをいたしておりますが、その普及整備状況、今後の拡充計画等について、まず国の中央防災無線の整備状況について国土庁にお伺いいたします。
○杉岡政府委員 中央防災無線網につきましては、昭和五十三年から整備を始めたわけでございます。昨年末、五十八年度におきまして、全部で三十八の防災行政機関あるいは公共機関、こういったものの整備が行われたわけでございます。本年度五十九年度におきまして、さらに十を追加いたします。これによりまして、いわゆる災害対策基本法に言います関係行政機関、防災関係に携わる行政機関、それから公共機関、指定公共機関、これは在京の公共機関でございますが、これが全部一応整備されるということでございます。こういった、これは固定局を中心とした整備でございまして、これを我々はフルに活用して情報の収集あるいは伝達、こういったものに使いまして、災害対策に万全を期するということで対処しておる次第でございます。
○横手委員 関連をいたしまして、消防庁に二、三お伺いをいたしますが、中央においてはそれらの多くの機関を動員をして整備が行われているところでございますが、国と県を結ぶ防災無線、県と市町村を結ぶ防災無線の整備状況についてどうなっているのかお伺いいたしますが、これは、整備する、そういう施設を持つだけでは片手落ちであり、これが三百六十五日、二十四時間、いついかなるときでもやはり作動する、こういったことが同時に整備されていかなければならない問題であろうと思うのであります。 これは新聞報道でございますけれども、ことしの五月、ある県で災害一周年を迎えて防災訓練を行った際に防災無線の作動がしなかったというようなことが報道されているのであります。災害は、ある日突然にやってまいります。ところが、この地においては予測をされていて、そして、この日に訓練をするということはもう前もって決まっていたわけであります。にもかかわらず、これが十分に作動しなかったということは、これは一体全体どうなっておるんだろうということを国民の皆さん方に大きな衝撃を与えた事件ではなかったかと思うのでございますが、この点について消防庁の見解と、機能発揮をさせるその体制を維持するこれらの指導体制についてお伺いをいたします。
○島崎説明員 まず、防災無線の整備の状況でございますが、県と市町村をつなぐ防災行政無線につきましては、現在三十九県で設置されておりまして、現在整備中が二県でございます。 それから、これらの運用につきましては、先ほど先生がおっしゃったようなこともたまさかあるわけでございますが、やはり防災行政無線の運用、それから、せっかくつくった施設でございますから、これが完全に災害時に効果を発するよう常日ごろの訓練、それに関する運用マニュアル、こういうものが非常に重要であることは御指摘のとおりでございます。それで、消防庁といたしましても、これの運用マニュアル、そういうものについて今後さらに研究して、県及び市町村を指導してまいりたいというふうに考えております。
○横手委員 ちょうど議論の最中にまた地震が来たようでございますけれども、災害の発生時に住民の命を守るということは、何にもかえがたい大変重要なことであります。そのときに最も威力を発揮するのが防災無線ということが言われております。市町村内の住民に対する災害情報を流す防災行政無線がいかに重要であったか。このことは、三宅島の噴火時にあれだけの集落がほぼ全滅に近い、溶岩の下敷きになってしまった、こういった中にあっても、人身の被害、死傷者ゼロであった。このことはまさに世界の注目を集めたところでございますけれども、しかし、それは決して偶然ではなかった。日ごろの訓練ができていた、そして、この防災無線が十分に作動した、そして、住民の皆さん方がそれに完全に従ったというところに私は、あの勝利といいましょうか、見事な人命の救助があったことだろうと思います。 また、山陰地方の豪雪の際に、私も三隅町に行ってまいりました。まさに町全体が壊滅的な打撃でございました。町全体があの土石流の下に埋もれていたのでございますけれども、このときにも人身の災害がなかった。あのときに町長さんが我々調査団に対して繰り返し繰り返し言っておられたのは、私はマイクを放しませんでした、叫び続けましたということを涙ながらに語っておられたわけでございますが、そういった状況を見ましたときに、私は、これらの無線の威力というものに今さらのように驚いたわけでございますが、これらについて今後さらに拡充整備する方針であろうと思いますけれども、いかがになっておりましょうか。
○島崎説明員 御指摘のように、住民の避難勧告、指示の伝達等につきまして防災行政無線は極めて有効である。このことは、これまでの災害等における防災行政無線の働きにより明らかなことは先生御指摘のとおりでございます。そういう意味で、消防庁といたしましても五十九年度予算で、予算枠の拡大、補助限度額の引き上げ等を行ったわけでございますが、今後とも予算枠の確保を図りますとともに、積極的かつ計画的に施設整備の促進を図りたいと考えております。
○横手委員 時間がありませんので先を急ぎます。建設省にお伺いいたします。 五十九年度の建設省の中で、新規事業として実施される総合土石流対策モデル事業についてであります。この事業を総合土石流対策と銘打って始められたその背景と事業の内容、モデルとして選定された地区名とその理由、この事業を通じてもたらされるであろうその期待する効果とその実効の見通し、さらにはそういった実効を踏まえて今後の普及、定着の方針、これらの問題について建設省にお伺いいたします。
○設楽説明員 お答え申し上げます。 総合土石流対策モデル事業でございますが、総合土石流対策ということで私ども土石流に対する対応を考えておるわけでございますが、工事をやって土石流を防止するというのが第一義でございますが、御承知のように、非常にたくさん危険渓流がございまして、これにすべて即対応するというわけにまいらないものですから、ソフト面での対応をいたしまして、少なくとも人命の損傷を防ぎたいということから始めたわけでございます。 五十九年度におきまして実施いたします総合土石流対策モデル事業でございますが、これは直轄 事業で全国四地区を選定いたしまして実施することといたしております。これは土石流発生のおそれのある地区に土石流発生監視装置、雨量計を改良したものでございますが、これを設置いたしまして、これによって得られました情報を警戒、避難を実施します市町村に提供して関係住民に伝達していただくというようなことを考えておるわけでございます。 この全国の四カ所でございますが、長野県の安曇村の上高地でございます。これは、非常に夏の期間、不特定多数の方が入るというようなことで選んでおります。それから次は、岐阜県の中津川市でございますが、ここは過去においても非常に土石流の災害が多発しておりまして、そういったことからこの地区を選んでおります。それから三番目が、兵庫県の神戸市でございますが、ここは御存じのように、非常に都市化が進んでおりまして、人家密集それから斜面がきついというようなことで選んでおります。四番目は、鹿児島県の鹿児島市の桜島の中でございますが、野尻町の地先で考えております。ここは、御承知のように、桜島の火山活動によって非常に土石流が多発しているということで、この四地区を選んでおるところでございます。 地区の設定に当たりましては、やはり情報を私どもで提供いたしましてもそれから先伝達を確実にしていただけるといういわゆる受け皿がないとなかなかできないものでございまして、そういったことも念頭に置きましてこういった地区を選んでおるわけでございます。 それから、今後でございますが、この四地区での実施状況を踏まえまして検討を進めてまいりまして、さらに拡大していきたいというふうに考えております。
○横手委員 そういったことで全国四カ所を選んでとりあえず始めてみたということでございますが、それらの問題と、今繰り返し述べておられましたように、観測データとそれから土石流発生が予測をされるその時点、限界といいましょうか、それとその地域住民への伝達網の確立、こういったことは大変大事なことだと思います。それらの問題について具体的にいかになされておるのか、お伺いいたします。
○設楽説明員 ただいま申し上げました総合土石流対策事業の実施に当たりましては、国、これは直轄のモデル事業でございますので工事事務所が当たっておりますが、工事事務所と府県の砂防課、地元の市町村、こういったものによりまして実施に関する連絡会議をつくりまして、そこでいろいろ検討して、実際に住民まで伝達するにはどういう方法をとるかというようなことを中で検討して実施するようにいたしております。
○横手委員 その調査のハードな部分については、先ほど説明がありましたように、雨量計等によって雨の量あるいは雨が降ってくるその強さ、こういったものを観測しながら、危険が発生した場合にはそれを住民に知らせ、適切な処置をとらせるということでございますが、それを予測をするためにそこに小範囲をつかまえるレーダー等についても設置をされておるというようなぐあいに聞いておりますが、その関係はどうなっておりますか。
○設楽説明員 お答えいたします。 監視装置を設置いたします場合には、その付近におきます過去においての降雨の実態あるいは災害の実態、そういったものを過去の資料から推測いたしまして、それを監視装置に覚えさせておいて、そういったパターンの雨が降った場合には警報が出るというような仕組みになっておるわけでございます。
○横手委員 時間が参りましたので、最後に、大臣にお伺いをいたします。 今お聞きいただきましたように、国土庁初め各省庁は防災事業の確立のためにいろいろと御努力をいただいております。また、新たな事業に向かって意欲を燃やし、あるいは既設のものをさらに充実強化していく、こういったことでございます。国民として大変頼もしい限りでございます。しかし、これを推進するためには多額の費用が用意されなければなりません。今も答弁の中でそれらのことが述べられたわけであります。こういった中にあって、長官は、災害は別だということを日ごろおっしゃっております。私もそう思います。まして予防はもっと大事なことではあるまいか、このように考えるわけであります。私たちは多くの被災地を訪ねてまいりましたが、そのときに決まって聞かされることは、もしダムがつくられていたら、もし砂防堤がきちっとしていたら、もう少し堤防がしっかりしていたら、もうと早くにこのことがわかっていたら、この災害の発生がもう少し早くわかれば、こういうようないわゆる後になって悔やむということをたくさん聞くわけでございます。転ばぬ先のつえ、備えあれば憂いなし、このことを私どもも子供のころからよく聞かされてまいりました。大変いい言葉だと思いますが、この言葉を唱えるばかりでなくして実行なさる、これがやはり政治であろうと思います。 迫り来る六十年度予算編成に向けて、防災のかなめの大臣として防災関係の予算確保に取り組んでおられることでございましょうが、大臣の決意をお伺いをいたしまして、私の質問を終わります。
○稻村国務大臣 予算の獲得の問題については、御承知のように、大変厳しい折からであります。しかしながら、各省庁にひとつうんと御協力をしてもらって、また特にこの委員会等々にも御協力を願って、もう最大限の予算を獲得するということで全力を注いでまいりたい、こういうふうに思っております。
○横手委員 ぜひ御健闘を御期待を申し上げまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。
○佐藤委員長 次に、中川利三郎君。
○中川(利)委員 ここに一冊の本がございます。「わだつみのうた」という本でございますが、これは昨年の五月二十六日、あの秋田県の男鹿半島加茂青砂海岸であっという間に十三名のいたいけな子供たちが波にのまれてしまった、その子供たちをしのんだ鎮魂の本でございますけれども、御承知のとおり、あの秋田沖地震の中ではそうした子供たちを含めまして百四名のとうとい犠牲者が出ました。あれから一年を超えたわけでありますけれども、秋田ではお盆を迎えようとしております。私は、あの子供たちや犠牲者の心からの冥福をお祈りするとともに、再びあのようなことはあってはならない、こういうことを念頭に置きながら、二、三の問題について当局にお伺いするのでございます。 まずその第一番は気象庁でありますが、津波の高さの測定は気象庁でやっている検潮儀というものでやられておるわけでありますが、津波速報もこの記録がニュースに流されるわけでありますね。ところが、あの津波被害を出した日本海中部地震、深浦では五十五センチ、秋田湾で四十センチ、能代では二メートルを記録した後とまってしまいました。これは重大なことでございまして、公式記録がないということにもなります。つまり、津波の実際の高さをはかれるそういうものではなかったということが明らかにされているのでありますが、そうであれば、せっかくニュースを流す際に、どこそこでは何センチだ、しかし実際はもっと高い波が来ているかもしれない、そういう報道をしなければならないはずなんですね。この点気象庁はどのようにお考えなのか、お答えいただきたいと思います。
○小長説明員 お答えいたします。 御指摘のとおりに、日本海の中部地震津波におきましては、検潮所の記録とそれから実際の水位というものにはかなりの大きな差がございました。我々、津波の観測は、基本的には検潮儀で行っておりまして、周期や波の始まり、そういうものについては非常に正確なデータが得られておりますが、実際の場合、波高につきましては、地形の影響とかはい上がり等のために、これより相当高いこともあります。そのことは十分理解した上で津波の警報を行っているわけですが、ただいま 御指摘のように、発表形式につきましては大いに検討を要することだと考えております。 以上です。
○中川(利)委員 いずれにいたしましても、そういう問題があるということもこれは重大でありますから、やはり今後の改善というか、そういう問題を十分ひとつ考えていただかなければなりません。 同時に、国土地理院にお伺いしたいのですが、来ていますね。海上保安庁の測量船、「拓洋」という測量船がありますが、この地震の震源域で最近異常な隆起を観測した、こういうことで地元の新聞では大きく報道されているわけでありますが、地震予知連にもその問題を出したいと言っているわけでありますね。地震予知連の事務局として国土地理院が担当しているわけでありますが、これが地震とどのように関係をしているのか、あるいはしておらないのか、ぜひ検討して解明してもらわなければならないと思うのですね。この点について地理院の御見解を承りたいと思います。
○春山説明員 地震予知連絡会は、関係機関、研究機関その他の間の情報の交換、それから、その情報に基づきます総合的判断、こういったものを目的としております。 ただいまの件に関しましては、海上保安庁に問い合わせました結果、測量船が帰るのを待って資料の解析を行い、解析結果については地震予知連絡会に報告する、このような回答を得ております用地震予知連絡会としては、この報告を待ちまして十分検討していきたい、このように考えております。
○中川(利)委員 いずれにいたしましても、海底では異常な隆起だ。最高千二百メートル、三つの山ができたというわけでありますから、この点については重ねてそういう検討をお願いしたいと思うわけであります。 それから、建設省にお伺いするのでありますが、建設省その他の省庁三省共同で、五十九年、六十年二カ年間で、日本海の津波対策について調査を進める意向だ、これも新聞その他で報道されているわけでありますが、中身はどのようなものか、簡単で結構ですからお聞かせいただきたいと思います。
○谷本説明員 お答えいたします。 昭和五十八年五月の日本海中部地震によります津波の来襲は、秋田、青森両県を中心にいたしまして、近年大きな津波の来襲のなかった日本海沿岸に大きな被害をもたらしたわけでございます。 この津波は浅海域のものでございまして、三陸沖等の津波とは異なった特性を示しております。このため建設省、運輸省及び水産庁の三省庁におきまして、本年度は秋田、青森、山形の三県を調査対象地域といたしまして、津波の実態の調査、それから被害原因の調査、津波の特性の調査、土地利用形態の調査等々の基礎調査を実施するとともに、津波のメカニズムの解明を行うことによりまして、防災施設を中心とした総合的な津波防災対策の基本方針を策定しようと考えておるところでございます。
○中川(利)委員 御承知だと思いますが、秋田であれだけ津波の被害が出たということは、従来から津波被害がなかった、歴史をさかのぼれば十分あったわけでありますけれども、そういう状態になれば、山へ逃げるのじゃなくて海へ逃げるということが一般的な常識にあったわけでありまして、そういう面では、今回のあの一年前の問題が大変な教訓になったと思うわけであります。三省共同で調査に乗り出すわけでありますから、ひとつ県民の期待あるいは国民の期待にこたえるような、そういう実態を踏まえるやり方をぜひともしていただきたいと思うわけであります。 同時に、建設省にあわせてお聞きするのでありますが、秋田県では初めて海岸の津波警報、つまり安全情報伝達施設を五十九年度につけることになっているということを聞いているわけでありますけれども、どういう状態になっているか、一言お答えいただきたいと思います。
○谷本説明員 お答えいたします。 安全情報伝達施設は、海岸環境整備事業を実施しております海岸で、特に津波等の来襲するおそれのある海岸におきまして海水浴客など海岸の利用者の安全を確保するため、津波警報等の情報を正確かつ迅速に伝達することを目的としたものでございまして、本施設を利用して伝達される情報は気象庁から発令される警報等でございます。この警報を見ますと、津波であるとか高潮であるとかというふうなことになるわけでございます。 なお、昭和五十九年度におきましては、秋田県若美町の琴浜海岸におきましてこの事業を実施することにしております。
○中川(利)委員 今度は自治省にお聞きするのでありますが、能代市、これも大変な災害を受けたところでありますが、ここでは水道、ガスの被害で二億二千万円もの赤字をつくってしまいました。財政が厳しくなっている中で重大なのは、こうしたガス、水道の災害復旧の起債が三年据え置き十五年償還、こういうことになっておるわけであります。ところが、一般起債を見ますと五年据え置きの二十年返還、こういうことでありますから、災害の方がより条件が悪くなっているのですね。これはどうもおかしいじゃないか。ほかにそういう例があるかどうかわかりませんが、これはどうしても改善していただかなければならないと思うのですが、いかがですか。
○吉田説明員 水道事業等の災害復旧事業債につきましては、従前、十年償還の起債になっているところでございまして、この考え方は、災害により被害を受けた施設の機能を原状回復するためのものでありまして、被災施設の耐用年数の残存期間内にその償還を行うことが望ましい、こうした観点から十年という期間が設けられていたところでございます。 つきましては、昨年の日本海中部地震関係におきます被害、あるいは集中豪雨がありました地域における公営企業関係における被害の状況、あるいは起債の状況等を勘案いたしまして、当該事業の経営に及ぼす状況等総合的に考慮いたしまして、この十年を十五年としたわけでございます。
○中川(利)委員 あなたの説明はわかりますけれども、一般起債が五年据え置きの二十年償還で、片っ方は何だかんだと言いますけれども、これは三年据え置きの十五年償還にしてやった、こういうことでありますが、何か私は理屈が合わないと思うのですが、ひとつこの点について、時間の関係もありますから答弁は要りませんけれども、十分考えていただきたいと思います。 次は、大潟村の復旧問題についてお聞きするのでありますが、御承知のように、大潟村というのはあの八郎潟を埋め立ていたしまして干拓をしてつくった村でございます。この堤防の総延長五十二キロの八〇%があの大地震のためにもう大変な被害を受けたということは御存じだと思います。私も当日そこへ走っていったりなんかいたしましたけれども、この中央堤防の一部では一・四メートル、百四十センチ、ぽんと一挙に陥没いたしまして、そういう状況ですから堤防の一番てっぺんと水面との差がわずか一メートル足らずだった。もう一触即発、村全体が水浸しになる、こういう危険な状況にまで紙一重という状態になったということも皆さん御存じだと思うのです。普通の場合でも、この大潟村の場合は毎年一年間に十センチずつ沈下しているのです。ですから、十年間になりますと一メートル沈下するわけです。だから、十年ごとに一メートルずつ堤防をかさ上げしている。これが大潟村の宿命なわけであります。 そういうことで、堤防の存在というものはまさに村の生命線でございますし、そういう意味から、私たちは単なる原状復旧ではなくて抜本的な改良復旧、こういうものを主張してまいったわけであります。今、復旧の現状、見通し、そういうものについてどうなっているのか、この点お答えいただきたいと思います。
○帆足説明員 お答えいたします。 日本海中部地震によりまして被災しました八郎潟の堤防は、昭和五十八年度の災害復旧助成事業として採択されまして、復旧延長九十九キロメー トル、そのうち中央干拓堤防五十一キロメートル、周辺干拓堤防四十八キロメートル、総額約三百四十五億円の事業費をもって現在鋭意復旧中でございますが、五十九年度末の事業費累計で二百四十九億円、進捗率にいたしまして七二%となるわけでございます。中央干拓堤防はほぼ概成いたしまして、周辺の干拓堤防は約五〇%の進捗を図る予定にしてございます。なお、個々の復旧につきましては八郎潟堤防震災復旧技術検討委員会を設立いたしまして、その中で技術的な十分の検討をいたしまして復旧工法を決めてございます。
○中川(利)委員 大変いいことを聞いたわけであります。堤防の被害額が百三十八億と言われておったのですが、今お話聞きますと、その復旧のために三百四十五億の予算を使うんだ、こういうお話ございましたね。これはそれなりに大変いいことだと思って私、評価いたします。年々あの大潟村には水害が起こっているわけでありますが、何が主な原因かといいますと、あの堤防にじわじわと浸透してくる浸透水が問題だ、主な原因だと言われておるわけであります。ですから、私、きのう工法の話を聞いたところによりますと、矢板をびっしり何キロにもわたって湖岸の堤防に埋める、これも一つの非常にいいやり方だと思いますけれども、それだけでいいのかどうかという問題もあると思うのですね。確かに一歩前進した、大変いいことだと私は思うのです。矢板は縦になっていますから横の力には弱いと私は思うのですね。そういう意味からするならば、仏つくる以上は、ワイヤでアンカーを取りつけるとか、もう一歩踏み込んだ対応ができないのかどうか この点をひとつお聞きしたいと思います。
○帆足説明員 お答えいたします。 御指摘のような問題もございまして、矢板のみではなく、押さえ盛り土、それからドレーン等併用して対応するようにやっております。
○中川(利)委員 それでは、軟弱地盤の問題についてお聞きしたいのでありますが、ここに国公労連の提言というものがございます。国公労連はいわば国家公務員の労働組合ではございますが、「日本海中部地震−被害の特徴と防災報告」、その提言が去年の十月発表されたわけでありまして、これを拝見いたしますと、日本海中部地震、私あの言葉は嫌いですけれども、秋田沖地震ですね、「何が被害を拡大したか」という一番冒頭に、最大の問題は過去の教訓が生かされていないことだということを挙げているんですね。「このように過去の教訓が生かされず、全く同じような軟弱地盤の地域に新しい住宅が建てられていたり、全く同様の工法で港がつくられていたのである。なかには、市が住宅地として造成し分譲していた所さえあった。行政の責任はきわめて大きいというべきであろう。」こういう意味のことが書いてあるわけであります。 この問題について私は前回の災害委員会の質問でもお聞きしたのでありますが、宅地で大変な被害を受けた、押しなべて軟弱地盤ですね。そこで例の流砂現象だとか液状化の問題が発生しておりまして、メカニズムとしてももう解明され尽くしているわけですね。過去、新潟沖地震あるいは宮城県地震、いろいろありまして、前回私が質問申し上げたような対応をやっておれば秋田沖地震もあれだけの被害を出さなくても済んだ、こう思うのでありますけれども、今の状態の中ならば、また地震が起これば同じような状況が繰り返されるだろうと思うのですね。前回の質問からしばらくの日にちもたっております。あの当時、当局は研究し、あるいは認識を深めて対応したいというような言葉で、逃げたというと言葉は悪いわけでありますが、そういう状況でありますが、どのような対応を研究したのか、お聞かせいただきたいと思います。
○深沢説明員 お答えいたします。 先般、四月の委員会で先生から御指摘がございました。具体的にこれこれの団地はどうだ、こういうことで御指摘があったわけでございまして、十数カ所の団地も御指摘がございました。それらにつきまして我々調査してみたわけでございます。 宅地造成といいましてもいろいろな方式でやられておることは御存じだと思いますが、我々所管しております都市計画法に基づきます開発許可に基づいての宅地造成もございますし、その他の法令に基づきます造成あるいは法令の規定に基づかない造成等いろいろな造成がございますけれども、先ほどの調べました十数カ所の中で、都市計画法に基づきます開発許可を受けて造成した宅地につきまして地盤沈下等があったのかないのか、それによる建物等の被害がなかったかということにつきましては、都道府県の方から特にそういったところにおいての被害というものは聞いてないというような報告も受けているわけでございます。とはいいましても、今申しましたようにいろいろな造成によりまして宅地がつくられるということでございまして、その中には住民の苦情もある、あるいは裁判等で係争中のものもあるというように聞いておるところでございますし、あるいはそういう事例も承知しているところでございます。 我々は今これらにつきまして詳細いろいろ調査、分析をしつつあるところでございますけれども、今後ともこの問題につきましては、被害実態を踏まえまして、建築規制等の関係部局等もございますし、その他の関係部局もございますので、それらの部局とも緊密な連絡を図りながら引き続き研究をしてまいりたい、かように考えております。
○中川(利)委員 あなた、何を言っているのですか。新潟沖のときも宮城県沖のときも、軟弱地盤に集中してそういう宅地がほとんどやられているということは歴史的な事実なんですね。秋田県の地震の際もそういうものは十分御承知のはずでありまして、前回の答弁よりもまた後退しているようなことであるということは、全く私は、今度地震があったら同じようなことが、ああいう流砂現象、液状化がそういうところに集中して起こる。ですから私は、それを放置しておる、そういうことは聞いておらないとか、ただ事情はわかっておるという程度で済ますとすれば、国家が国家の名前において犯罪を犯すということになると思うのですよ。こんなことを許すということはできないと思うのです。 そういう点で、今行政自体が、例えば都市計画法の三十三条の七号によってちゃんと規制を受けておるはずだとか、ちゃんとチェックしておるはずだとおっしゃるけれども、その行政当局自体がどんどんそういう沼地なんかを開発して、分譲して売って、そこがみんなやられているというのですね。だからこそ今の裁判の問題だとかいろんな問題が出てきているわけでありまして、秋田県の能代市の実例を申しますと、例えば出戸沼という沼に宅地を開発しておるのですよ。この沼はどういう沼かというと、出戸沼には市街地の下水が流れ込んで、夏になると悪臭を放っていた。市議会でもしばしば公害問題が論議されていた時期で、このまま沼として残しておけない状態にあった。だから、宅地開発をするというのです。そういう認識が一般化しているのですよ。その被害が、私はまだそこまでは、ただそういう真相があることはわかるけれども、何も問題がないようなことで済まされるかというのですね。 この前も申しましたけれども、人間の買い物の中で最大のものは、宅地とその上に建つ建物なんですよ。建物だけはあれこれちゃんと規制がありますけれども、地盤については何ら、きのうまで田んぼであっても盛り土をすればそれがチェックなしにOKされる状態ですね。ここを直せということで、この前も私は、支持力だとか地耐力だとか、あるいはN値だとか沈下量の上限だとか宅造後の地盤の安定期間を設定することだとか、いろいろ提言を申し上げたわけでありますが、この点について、今の御答弁の限りでは、何ら私は考えていないと思うのですね。私は、これは国土庁長官にぜひとも見解をお聞きしたいのでありますが、こういうことでいいのかということを改めて大臣からお聞き申し上げます。
○稻村国務大臣 建設省では鋭意地盤について調査を進めておるところでございまして、必ず結論が、あるいは軟弱地盤に対する施工法等の問題が、結論が出てくるものであろう、こういうふうに確信をしております。
○中川(利)委員 今の大臣の御答弁もありましたけれども、その程度の認識の中で、どれだけ人々が泣いているか。公共事業では進捗率何%だ、皆さん立派なことをおっしゃっている。その限りで私はいいと思うのですよ。しかし、その裏腹の関係で、そういったくさんの人々の問題を投げやりにされておるということについて、これは緊急な課題だということで、私は今後も引き続き追及していきたいと思いますが、今その後遺症がどれだけになっているかということを、例えば秋田県能代市の日本海中部地震における住宅復旧状況のアンケートを市役所がとったものでありますが、震災一年後になって、五月末に全半壊住家を対象にしたものでございますけれども、完全復旧をしたうちは半分に満たないということですね。応急修理のまま、そのまま住んでおるのは残り全部がそうだ。 なぜ応急修理のままでそういう状態になっているかといいますと、その理由は、資金の借り入れのめどがつかない、三三・九%、資金の借り入ればできても自己資金が不足だ、三〇・四%などのほか、保証人がいない、返済能力がない、既に借入金があるなど、資金手当ての理由が大半だ。中には、地盤が不安定で復旧困難、移転を考えているという人もいる、こういうあれがありますけれども、いわば当局が、例えば都市計画法の第三十三条の七号に一言それを挿入して基準を書けば、こういういいかげんなことがなされないで済むし、たくさんの人々が液状化に泣かなくても済むことなのです。そういうことがわかりながら、あえてこういう現状を皆さんがお続けさせているということについて、私は本当に怒りを持って皆さんを追及したいと思うわけであります。 ですから、例えば能代の市民の方は、この前の罹災で倒壊してしまったうちが、つい二、三年前になけなしの月給の中からローンで払って、それが丸々残っているのです。そうして倒壊した。また何とかしなければならない。また借金でしょう。乏しい月給の中からそれを払っていかなければならないということはできないですよ。 時間がないから具体的な数字は挙げませんけれども、そういう状態が放任されたままであるということ、その原因をつくっているのは、そういう法律的なあるいは体制的な手だてを全くとらないところに最大の問題があるということを私は指摘しなければならないと思います。今のままでは、今度地震が起これば必ず同じことが、そういう軟弱地盤に、地耐力の弱いところに液状化が起こると思いますが、今度起こらないですか、そこのところをはっきり担当の方からお聞きしたいと思います。
○深沢説明員 お答えいたします。 起こらないか、こう言われますと、まあどういう被害が、どういう地震が起こってどういう地形のところにどうなるかということは全く想像がつきませんけれども、いずれにいたしましても、我々は開発許可に当たりまして、三十三条の基準に沿いましてしかるべくしっかりと指導してまいりたい、かように考えております。
○中川(利)委員 三十三条をちゃんと指導するといっても、三十三条を末端で守らなければいけない地方行政の機関が、自分でそういう状態の宅地造成を土地公社を使ってしておる。それが全国どこでも見られることなんです。そこで問題があるということを私は指摘しているのですよ。それを指導して云々なんというようなことでいいのかどうかということです。どういう形態の地震が起こるかわからない。 では、具体的に言いましょう。今のような状態で、秋田県沖のような地震が起こった場合、どこに起こるかわかりませんが、あなた方の今のような行政の態度でそういったくさんの被害者が出ないという、そういうことを保証できますか。
○深沢説明員 お答えいたします。 私が保証するというわけにはなかなかまいりませんけれども、我々としてはできる限り精いっぱいの行政として努力をしてまいりたい、かように考えております。
○中川(利)委員 あなた方、精いっぱいの努力をしてまいりたい、新潟のときも同じことを言いました。宮城県沖のときも同じことを言いました。秋田県沖のときも、今回じことを言っています。そうして、法改正を含めて行政的なそういうものは何もやらなかった。これは事実だと思うのですね。ですから、必ず起こるでしょう。今も同じ答弁をしている。だから私は、国が犯罪を犯しているのと同じことじゃないかということを申し上げているのです。少し言い過ぎかもわかりませんが、これはどうしてもその問題を、別に金がかかるわけじゃないのですから、皆さんがそこに、その入れ物に対して、乗っかる上物じゃなくて、その一番大事な、そこを支えるものに対して、個人から言えば大変な金をかけてやって、それがいいかげんな地盤であった、そこに悲劇の発端があるわけでありまして、そこに集中的な被害が発生するわけでありまして、大概の問題は、そこは行政が開発したところにそういうふうに集中して起こっているわけでありますから、ここのところをはっきりしない以上、何をあなた方いいこと、立派なこといっぱい並べても何ら問題の解決にならないと思うのですね。私のこの見解は誤りかどうか、大臣にお伺いしたいと思います。——私がお聞きしているのでありますが、質問の内容もよくおつかみになっていらっしゃらない。そのこと自体が命のこういう防災行政あるいは地震行政、こういうものに対する当局の姿勢の一つのあらわれだというふうに私は理解しなければならないと思うのですが、時間がないから次の方へまいります。 しかし、一言長官、私が言ったことはこういうことです。問題は、今のような姿勢である限り、ただ指導する、指導すると言ったって、指導するあなた方の対象がそういうことやっているわけですから、何らこれは徹底しておらないし、ですから、あらゆる商品は、すべて商品である以上は基準があるわけですから、そこだけ全然ぶっ飛ばしておくということ、これはちゃんとしない限り今のような災害は必ず起こるだろう。だから、そこを直すということが、私の言っていることが誤りかどうか、ここをあなたからひとつ教えていただきたいということです。
○稻村国務大臣 中川さん、緊急の用事がありまして今秘書官と話をしておったところでありまして、あなたの質問をなおざりにしておったというわけじゃございません。流れ弾でして、大変失礼をいたしました。 そこで、今建設省の答弁等々聞いておりまして、やはり災害に遭った人たちの心境というか、災害に遭った人たちの気持ちにもう少し入って——軟弱地盤に対する問題というのは、これは実際のところ大変難しいんです。しかしながら、難しいといっても一年たった今日でありますから、一年のうちに相当の進歩をしておるものだと私は思いますが、積極的にやはり結論を、なかなか結論は難しいと思いますが、その結論を出して、皆さんに安心をして生活をしていただくように最大の努力をいたしたい。特に私はサボっておるわけではございません。災害対策の責任者をやっておるわけでございますから、毎日毎日このことについて全知全能を尽くしておるということを御報告を申し上げておきます。
○中川(利)委員 大臣が災害担当の国務大臣であると同時に、私は災害対策特別委員でありますから、今後ともこの問題については何回でも私は正義のためにも国民のためにも道理のためにも、それをできるまで追及していきたいと今思っているわけであります。 最後に聞きたいことは、島根県の昨年の七月二十三日に起こりました集中豪雨ですね。あの豪雨が起こったときは、政府の役人もみんな飛んで行った。あれから一年、一体どうなったか、私、こ のことがむしろ重要だと思いまして、あそこにいらっしゃる中林先生と二人で、つい最近、七月六日、七日、あの山陰豪雨被害一周年を前にして、調査団として現地に入りました。その状況についてお聞きしたいのでありますが、三隅町では災害後二百人ほど人口が減っています。何とか災害を食いとめて、復旧して、これ以上の過疎化が進まないように、そういう切実な訴えが三隅町だけでなくてどの町に行ってもありましたけれども、これらの地域では、災害復旧工事で何千人もの作業員が入ってきて今盛んにやっている。結構なことですよ。何千台ものダンプが走り回っている。これも結構なことですが、災害復旧の進捗を望むとともに、環境対策あるいは通学の子供の安全対策、こういうものまでひとつ要求されてきたということですね。 特に、益田市では、先ほども論議になりました防災無線を整備したい、百二十カ所ぐらいにスピーカーをつけて無線で放送するということで、二カ年で事業費一億三千万円を今計画していらっしゃいます。ここでは、防災無線は単年度事業であるが、ぜひ二年分の事業として補助対象にしていただきたい、こういう要望がございました。この点について今お答えいただきたいと思うのであります。 もう一つには、国は災害復旧を三、五、二、こういうことでやっていますね。初年度は三、二年目は五、三年目は二ですね。市長さんは、そういうやり方でなくて初年度七でやってくれ、国はそういう積極的なことは言っていますけれども、実際は決まりきった交付月にしか金はおりてこないと言うのです。そのために借金して発注しているというのですね。五十八年十二月で借金は二十億円にもなった、その利息がかかることになる、したがって概算交付のようなことをやるべきだ、何とか概算交付でやってもらえないだろうか。確かに国はそういう積極的な発言はしているわけでありますから、実際もそういうふうにやってほしいのだ、こういうことをおっしゃっているわけであります。その点は一体どうなのか、ひとつ防災無線の関係では消防庁からお伺いしたいと思います。
○島崎説明員 市町村防災無線の整備に対する補助につきましては、事業が二カ年にわたる場合でございましても単年度に限って助成をしております。益田市におきましては、県から聞いておるところによりますと、既に本年度、市の単独事業で施設の一部の整備に着手しておりまして、来年度の事業分について補助の要望をするというふうな意向のように聞いております。したがいまして、消防庁としては今後地元県、市と相談しながら対応してまいりたいと考えております。
○帆足説明員 お答えいたします。 当年災害につきましては極力早急に査定業務を終えるよう心がけているのでございますが、発生時期の遅いものにつきましては例年十二月までかかっております。したがいまして、その他の事務的な業務については極力迅速に対応してまいりたいと思います。それから、過年災につきましては年度当初に交付をいたしております。そういうことで、できるだけ急いでやってまいりたいと思います。
○中川(利)委員 益田その他の問題につきまして、本当に私、自分で現地を見てまいったわけでありまして、一年でこういう状態か。確かにたくさん人が入っていますし、やっていることはわかりますが、まだ惨たんたるものですね。ひとつ積極的に町あるいは市の対応、そういう相談に乗って頑張っていただきたいと思います。 時間ですから、これで終わらしていただきます。ありがとうございました。
○佐藤委員長 次に、渡辺嘉藏君。
○渡辺(嘉)委員 災害対策特別委員会で質問の機会をお与えいただきまして、委員長初め委員の皆さんに感謝を申し上げる次第です。 五十一年九月十二日朝十時二十八分、長良川が安八町で破堤をいたしまして、水防活動中の富田善光さん、当時五十五歳が亡くなられました。そして、数千世帯が水害を受けたことは御案内のとおりであり、本委員会も現地視察をされたことに感謝を申し上げます。 本件につきまして、住民訴訟が安八町と墨俣町と二つに分かれて提訴をされたわけです。 そこで、法務大臣にお聞きをいたしたいわけですが、岐阜地裁の判決は、五十七年十二月十日、安八町の訴訟団には丸池、パイピング等を原因とする人災説、そして住民勝訴、五十九年五月二十九日、墨俣のそれには未改修堤であるという天災説、長雨、異常降雨等で、住民敗訴。同じ水害でシロとクロと相反する結果が出たわけであります。特に、前者の判決文を読み上げたのは渡辺剛男裁判長、後者の判決文を読み上げたのもこれまた渡辺剛男裁判長、同一人物であります。国民が目を疑い、耳を疑うのは当然であります。司法は一体であると考え、司法に対して絶大な信用を持っていた国民から司法不信の声が当然上がったのであります。 これについて法務省の見解をまず求めます。
○根岸政府委員 ただいまの判決につきましては、実は私の所管外のことでございますので、的確なお答えができないわけでございますけれども、ただ私が聞いておりますには、その両方の判決の間に他の水害に関する最高裁の判決も出ておるということでございまして、その最高裁の判決の影響があったかどうかはっきり申し上げられないわけでございます。かつ、一般的に申し上げまして、訴訟は、それぞれの訴訟で出される証拠関係も違ってまいりますし、事実関係が違ってまいることも間々あると存じます。したがいまして、同種の事件につきまして同じような裁判官が裁判したとしても、必ずしも同一の結論になるとは限らないというふうに考えておるわけでございます。ただ、これは今お尋ねの二つの判決について特に申し上げているわけではありませんで、一般論として申し上げているというふうにお聞きいただきたいと思いますが、そういうことでございます。
○渡辺(嘉)委員 法務省の訟務局に訟務検事というものがおられるわけですね。この仕事は何ですか。それから、行政訟務第一課長の仕事は何ですか。
○根岸政府委員 法務省の中に訟務局というのがございますが、国の利害に関係のある訴訟についての法務大臣の権限等に関する法律に基づきまして、いわば国を当事者とする訴訟につきましては、法務大臣が国を代表するということになっております。さらに、法務大臣は、所属の職員で指定する者にその訴訟を行わせることができるという法律の規定がございます。これに基づきまして、国を当事者とする訴訟につきまして、その訴訟を遂行するという役目を持っておるわけでございます。 なお、特定の課の所掌について今お尋ねでございましたけれども、恐らく行政訴訟に関することを担当しておるであろうと思っておりますが、現在はっきり規定を持っておりませんので、私としてはお答えできかねるわけでございます。
○渡辺(嘉)委員 今御答弁を承ったわけですが、担当が直接的でないということも前提にあったわけですが、私も申し上げてあったわけですから、その担当の方がおいでになるなり、あるいはその総括責任者がおいでになるべきだと思うのですけれども、その点甚だ不満なんです。 それと、時間がありませんので、続けて申し上げておきますが、今おっしゃいました、同じ裁判でもそのときの証拠の状態、あるいはまた同じことでも証拠の出し方によってシロと出、クロと出る、いろいろ出るとおっしゃる。これは一般論としてわかっても、裁判というものは少なくとも社会的な尺度として、物差しとして私どもは見ておるわけです。生じた出来事が正しかったのか正しくなかったのか、いいのか悪いのか、そういう意味の社会の尺度だと思っているのですね。そうすると、ある人があるときにはかったら十センチ、あるときは十五センチだ、そういうことはあり得ぬと思うのです。少なくとも国民の側から見たら あり得ないと思うことが起きたのです。そういうような意味で、一般論といえどもそれが違うということはあり得ないと思うこと。 いま一つ、おっしゃったのは、最高裁の判決は大東判決だと思うのですが、これを読んでみますと大分違うのです。原因はかなり違うのです。現象も違うのです。溢水したのじゃないのです。後から申し上げますが、これは溢水しておるのです。だから、中身が全然、全然と言ったらおかしいですが、破堤の原因が違うのです。だから、それに引きずられることはあり得ない。私はそう思うのです。 そこで、渡辺裁判長は、今おっしゃった国の利害に関する、国の立場に立って行政訴訟等をやられる訟務検事をやっておいでになるわけですね。昭和五十年の四月から五十五年の四月まで、訟務検事をやっておる。そして、行政訟務第一課長をやっていらっしゃる。これは間違いありませんか。
○根岸政府委員 間違いありません。 なお、申しわけないことでございますが、実は裁判官と検察官の人事交流についてお聞きになるということで、私は当初訟務局長あたりが適当かと思ったのでございますが、そういう抽象的なお話なので特に私が参ったわけでございまして、まことに失礼いたしました。
○渡辺(嘉)委員 私は総括的な意味で人事交流と申し上げて、その中身は具体的に言わなかったのです。これは言うのがいいのか悪いのか、私の方もちょっと判断に迷ったからなんです。しかし、少なくとも人事交流に関するなら、すそ野の広いいろいろな応対は当然考えていらっしゃると思ったからです。 そこで続けますが、この渡辺裁判長は有名な家永教科書第二訴訟、伊方原発訴訟等の国側の代理人をやっていらっしゃるわけですが、そうですが。
○根岸政府委員 私は存じておりません。
○渡辺(嘉)委員 これは明らかにそういうことを記載しておる文書が出ておるわけですが、おたくの方は、それをごらんになって否定されますか、どうですか。 それといま一つ、この当時もう既に安八、墨俣の水害訴訟は提起されておりますから、訟務局へは当然その都度いろいろな協議なり意見具申なりあるいはまた意見の徴収なり相談に行っていらっしゃると思うのですが、こういう点は関与しておられたかどうか。
○根岸政府委員 二つのお問いですが、私としては両方とも存じておりません。
○渡辺(嘉)委員 何でしたら、わかる人に来てもらってもいいんですけれどもね。そういうような意味で、権威のある災害委員会の質疑にお答えをいただきたい、こう思うわけです。 そこで、昭和四十七年十二月七日、法務局の訟務部長会議で、訟務部長はこういうことを述べていらっしゃる。裁判官から検事になり、検事から裁判官へ、このことは決して悪いことじゃない、むしろ裁判官になる人にもこういう経験が貴重なものになる、私どものサイドから言うならいいことなんだ、こういうことを述べていらっしゃるのですね。こういうことになりますると、裁判官と行政、検察庁との交流は癒着と映らないか。私の目にはそう映るのです。憲法で司法の独立を宣言しておる、明らかにしておるわけですが、この考え方に抵触するんじゃなかろうか。とともに、国民はこの事実を知ったときに、裁判で幾らやってもあかんわい、こういう司法不信が起きたことも事実なんですけれども、これに対してどのようにお考えになりますか。
○根岸政府委員 特定の会同におきましてどのような指示と申しますか、がなされたかは私は存じておらないわけでございます。ただ、いわば検事と裁判官の交流が行われているということは事実でございまして、これは訟務だけの面には限っておりません。現場の検察庁と現場の裁判所との間に交流は行われておりますが、先ほどおっしゃいました会同での話にもありましたけれども、私は人事交流自体が決して好ましくないものであるというふうには考えておりません。 それは二つの意味があるわけでございますけれども、一つは、法曹としていろいろな経験を積むことは決してむだではないのではないかということと、法務省の職務の中には裁判官としての知識、経験が極めて有用な領域もありまして、そのためにも裁判官にこれらの分野で活躍してもらうことが必要であるということもあるわけでございます。もちろん私、委員と御議論するようなつもりはございませんけれども、例えば刑事事件で被告人の弁護を専門にやっておられる方が裁判官になることが決して不適当だというふうにも考えておりませんで、いわば法曹等をいたしまして一定の資格を持った者は当然法律専門家といたしまして良識と自覚を持って、それぞれの立場が変わっても、その職場職場において自分の信念に基づいて厳正、公正に事件の処理に当たるものであるというふうに確信しておる次第でございます。
○渡辺(嘉)委員 ここでそれの理論的な話し合いをしておりますと時間が経過いたしますのでいたしませんが、しかし今おっしゃったようなそういう文章表現でなくて一般的に、今まで国の代理人で住民訴訟を受ける立場で五年間頑張ってきたその方が、今度がらっと裁判所へ行って住民訴訟を裁く立場になった。だれが考えたってそんなものは行政庁側に有利になる先入観が体のどこかにある、こういうふうに受け取るのは当たり前だろうと思うのです。そういうことはむしろ避けるべきじゃなかろうか、私はそう思うのです。これがやはり司法に対する国民の信頼を得る道である、こう考えるわけです。 ところが、こういうことは昭和四十六年までは余りなかったんです。四十六年の以後ふえるんです。四十六年までは大体年平均八・六人。ところが、四十六年以後は年に平均約三十人、これだけが動き始めた。このことは横田正俊先生、有名な最高裁の長官の辞任と軌を一にしておるのです。昭和五十六年には四十七人の多きに達しております。 私はこういうことがどしどし行われて、行政訴訟の対象になっていた国側の人が今度は裁判長になってそれを裁く、こういうようなことは決して国民に信頼感を与えないし、法曹一元化の趣旨にも反すると思うのです。この法曹一元化のための意見書も私は読みましたが、これはそういうことを考えて出しておらないのです。この意味から見て私はこの癒着状態は決してよくない、かように考えるわけです。このような意味から、この際私はこういう極端なやり方は是正されるべきだと思うのですが、どうですか。
○根岸政府委員 先ほど申し上げましたように、私どもは裁判官と検察官の交流あるいは裁判官から訟務検事に来られるということが必ずしも悪いことだというふうには考えておりません。訟務事務を円滑に遂行するためにも必要なこととしてやっておるのでございまして、委員のようなお考えを持つ方もあるいはあるのかも存じませんけれども、私どもといたしましては特に意図的に裁判官に対してへんぱな考えを植えつけようという考えでやっておるわけでもございませんし、現状からすればやはり交流は続けていくことになると考えておるわけでございます。
○渡辺(嘉)委員 これで時間を食いますと次の本論がまた時間がなくなりますので、この点は後ほどまた必要な場で申し上げたい、質疑もいたしたい、こう思っております。少なくとも今申し上げたような具体的な事実から見て、国民の側としては司法不信を招くようなそういう癒着はやめていただくのが司法を守る道ではなかろうかと考えるわけですが、その点はひとつお含みいただきたいと思います。 次に、建設大臣並びに建設省にお伺いをいたしたいわけです。この破堤いたしました日は、雨も上がりまして水も引き始め、計画高水位からは二メートルほども低い時点で破堤をいたしました。建設省は、これは異常な長雨、降雨による堤防に対する浸潤によって崩れたんだ、あわせてこの堤 防は未改修であったんだ、だから責任はない、こういうように言っておられます。 そこで、まず第一にお伺いしたいことは、この堤防は昭和初期に大改修をいたしました。そして、完全に近いとだれしも思う姿で新築をされたのであります。地元も私どももみんな完成堤だと思っていた、その堤防がこのように長雨の浸潤で崩れたということになりますると、住民にとりましては安住の地がなくなる。 現在私の手元に参りました改修のための基本計画を見てみますると、これがそうなんですが、この中の一部が長良川に関することです。これは木曽川三川の基本改修計画です。これには河口から五十キロから三十キロまでの間の長良川はかくあるべきだと書いてある。わずかに二カ所にあるだけなんです。こういう大ざっぱと言ったらおかしいんですけれども、総括的な基本計画なんです。この基本計画に基づいてまだ未改修だというようなことになりますると、まさに私ども国民として安心して寝てもおれないというのが実感なんですが、この基本計画に基づいて未改修の堤防は建設省所轄で全国にどれだけあるか。長良川についてはどうあるか。これを一遍明らかにしていただきたい。
○井上(章)政府委員 昭和五十八年度末現在におきます全国の直轄河川のいわゆる要改修堤防延長は、総計で一万三千二百キロメーターでございます。このうち工事実施基本計画のとおり改修完了いたしておりますいわゆる完成堤防の延長はおよそ五千七百キロメーターでございます。したがいまして、完成率は四三%でございますが、今日なお約七千五百キロメーターの堤防がこの工事実施基本計画に照らしていわゆる未完成の状態にあるわけでございます。 ところで、長良川でございますが、これは五十八年度末で調査いたしましたところ、総延長は約百十キロメーターでありますが、完成率で申し上げますとおよそ五〇%、およそ半分は完成堤防になっておるということでございます。
○渡辺(嘉)委員 ここにそういうスケッチをいただいたわけですがね。これは木曽三川のスケッチで、改修、未改修分をこの図の上に明らかにしてもらった。そういたしますと、これを見ておりますと、このグリーンのところ、ちょっと見えぬと思いますが、遠目なら見えると思うのですけれども、グリーンのところは完成だ、オレンジ色のところは未完成だ、こういうことなんです。これを見たら、あれよあれよ、こんなところも未完成だ、びっくりしたのです、これは。これは中部地建から正式にいただいたものです。 そうすると、ここにまた写真があるのですが、これも後でお見せしますが、この一枚が完成しておる方で、一枚が完成しておらない方ですけれども、これはちょっと見たってわからないのです。だれが見たってわからない。両方とも立派にできておる堤防なんです。ところが、片一方は未完成堤で片一方は完成堤の境で私は写したのです。そうすると、これはもう具体的にここからここまでは完成しております、ここからここまでは未完成です、未完成ですから破堤してもしようがないですよということを国民に明らかにしていてもらわなければ、それこそ不安でしようがない。 この点についてはちょうど国土庁長官もおられますが、どうですか。国土を保全されており、防災を担当していただいておるわけですが、そういう点で、この際堤防に明らかに完成堤と未完成堤の部分を表示すべきだと思うのですが、どうですか。
○井上(章)政府委員 堤防の完成率は先ほど御説明したとおりでございます。ただ、特に長良川のような大河川の堤防で考えてみますと、日本の大河川の改修の歴史というのは非常に古うございまして、藩政時代からあったわけでございまして、逐次増強型で整備されてきているという状況でございます。したがって、その堤防は外見は同じでございましても、それぞれその築造当時の能力といいますのは区々であります。したがいまして、私どもは河川の上流から河口まで一貫して同一の安全度を確保するという建前で工事実施基本計画をつくっているわけでございます。したがって、この工事実施基本計画、先ほど非常に大ざっぱという御指摘がございましたが、実は最も基本的なことがあそこで定められておりまして、あれに基づきまして改修計画で堤防の大きさとか個別具体の施設についての計画が立てられ、それに基づいて改修工事を進めて逐次完成堤防にしていく、こういうことでございますので、ただいま改修途上という観点から見ますと、各堤防、機能的にいろいろ区分されるわけでございますが、それぞれその設置いたしました時点に照らしますと、目的を持ち、また、それが完全に機能を果たしますように維持され、管理されておるというふうに私どもは理解いたしております。しかも、この工事実施基本計画が完成いたしましても、これはいわゆるあらゆる気象、あらゆる水象に対してすべて万全というものではございませんで、あくまでもその工事実施基本計画を策定いたしますときの一つの考え方、例えば百分の一の確率を持つ洪水でありますとか、そういったことに基づいてつくられますので、完成堤防だから絶対安全、未完成堤防だから絶対不安全というような区分はなかなかされにくいのではないかというふうに考えておるわけでございます。 したがいまして、私どもはそれぞれについてそういった標識あるいは一般の方々に判別できるような標識というものはつくっていないわけであります。しかし、実際それがどの程度安全か不安全かということにつきましては、できるだけ私どもは国民の皆様にも知っていただきたいという趣旨で、実は各県で水防計画というのをつくっておりますが、この中で重要水防箇所を掲示をいたしまして、それぞれ機能を表示して、そういった水防活動の際の資料として使っていただいておるというようなことでございます。
○渡辺(嘉)委員 今の水防危険箇所の表示、これは私はそれはそれなりに意味があり、大事なことだと思うのです。しかしながら、それは全部こういうふうな形で載っていないのですよ。だから、ここからここまでは完成してありました、ここからここまでは完成しておりませんよということを堤防に表示しておく。今よく建物なんかでも、これはどこどこの還元融資ですよと親切に表示してある。そのくらいの表示だけじゃ、それこそ人命にかかわる問題の堤防の未完成なんです。僕はこの際、明らかに表示すべきだと思います。あわせて、それなら完成堤が破堤したときには当然これは国が全部責任を負われるわけですね。
○井上(章)政府委員 先ほども申し上げましたように、工事実施基本計画は一つの気象条件、一つの洪水事象を想定いたしまして、それに対応して河川全体のバランスのとれた安全率を持った計画を立て、それをいろんな施設に反映させるということでございますので、完成堤防でありますと将来起こり得るあらゆる気象条件に全く安全ということとはまた違ったものでございます。
○渡辺(嘉)委員 未完成だから破堤しても責任はない、完成でも何とも言えない、こんな国民の信頼を損なうような答弁を私は本当は聞くつもりはないのです。 では、一つ一つもう少し聞きますが、この新堤の大改修をやられたときに、旧堤がありました。その旧堤が、ここに図で明らかにしたように、丸池がありました。その丸池を包んで湾曲していたので、その旧堤を削り取って、そして、あそこにある新堤を真っすぐにした。だから、この出っ張っている部分を削って丸池の上に築堤をされた、これは間違いありませんね。
○井上(章)政府委員 先ほども申し上げましたように、長良川は古い改修の歴史がございます。逐次増強型で整備されております。この新堤といいますのは昭和の初年に行われた事業を指すのだと思いますが、これを築造いたします際に、それまでにございました、いわゆるそれが旧堤だと思いますが、それの法線形状がその当時の改修の行い方として、非常に小さい堤防でございましたので、非常に蛇行しておるものでございますので、 それを法線形状を整正いたしまして、これは法線の形状そのものは非常にその堤防の安全上重要な役割を果たしますので、そういった形で整正しながら旧堤をかさ上げ、腹づけをして施工したものでございます。したがって、この当該破堤地点が削り取ったかどうかということは実はわからないわけでございますが、一部整正という形での変更はあったものではないかというふうに考えられます。
○渡辺(嘉)委員 この池の上に堤防をこういうふうにつくられたわけです。それで、丸池は堤防によって半分埋まったのです。その堤防を新築するときに、この丸池の中は、水深四メーター、五メーター、底なしという表現まであったくらいのものなんですが、なめ泥が一メーター以上もあったと言われているのですけれども、そのなめ泥はさらって築堤されましたか。
○井上(章)政府委員 実はもう六十年近い歳月を経た昔の工事内容でございますので定かでないわけでございますが、いろいろ当時の関係者にお聞きするとかそういうことで調査いたしましたところ、この丸池の対策につきましては、土砂を片側に押し土しながら埋め立てをして、堤防のりじりより二十メーターほどの平場を設けたというふうに、これは裁判で証言もされておることでございますが、そういうふうに私どもは理解をいたしておるところでございます。 その際、なめ泥がどうであるかということでございますが、五十年間もし堤防の下に一部残っておりましたとしても、それは自然転圧があったわけでございまして、どろどろしたいわゆるヘドロのようなものが堤防の下に存在したまま五十年経過したというようなことは全くあり得ないことではなかろうかと思います。
○渡辺(嘉)委員 今おっしゃった寄せて堤防をつくった、これは寄せていらっしゃらないんです。これは、裁判所における当時の現場監督が証言された言葉には、そのまま上から埋めていったと言うんです、四段の小段をつくってそのまま埋めていったと言うんです。寄せたんじゃないのです。 それから今、二十メートルの平場をつくったとおっしゃる。二十メートルの平場をつくったということを再三私どもも聞いたのですが、それなら、もし本当につくったとおっしゃるなら、その設計書、事業予算をこの際明らかにしてもらいたいのです。
○井上(章)政府委員 先ほどもお話し申し上げましたように、本件の堤防の施工は昭和の初年でございました。今日その設計書は残っておりません。 で、堤防工事の際に丸池内に二十メーター程度の平場をつくったと私が申し上げましたのは、当時の堤防工事に携わった者の証言、あるいは昭和四十三年に実は私どもはここで横断測量をしておるわけでございますが、その測量図等から推定いたしておるものでございます。
○渡辺(嘉)委員 この二十メートルの平場については、建設省は、こういう丸池を埋めてつくったものだから危険があるので、ほかのところは二メーターの犬走りだけで済ませたが、ここだけはあの点線で引いたように池の中に平場を二十メーターつくったと強硬に主張されたのです。ところが、現場監督の人に私が聞いても地元の方に聞いても、この平場はないんです。 ここに昭和三十五年当時の航空写真がある。この航空写真には平場はないんです。いいですか、平場はできておらない。そして、建設省の現場監督の方が平場をつくったとおっしゃるものですから、私は聞きに行った。そうしたら、平場をきちっと二十メーターつくったのではなくて、池だから、泥を入れるとざらざら崩れてしまう、だから、その先っぽが二十メーターぐらいになったんだろう。四メーターも五メーターも池の中へ埋めれば泥は勾配でそのくらい行くでしょう。だから、これは平場をつくったんじゃないのです。だから、平場をつくっておらないのにつくった、つくったと建設省はなぜ言わなければならぬのか、これをひとつ御答弁を願います。
○井上(章)政府委員 当時の設計書がないということは先ほど御説明したとおりでございますが、しかし、これは内務省の直轄工事でございます。堤防をつくるのは、堤防によって洪水を安全流下させるための目的でつくるわけでございますから、その地点が周辺と比較して特に安全が損なわれるような形でつくられることは、当時の技術力からいたしても絶対にあり得ないことだと思います。 そういうことで、当時の状況をいろいろな、例えばこれは裁判でも証言されたことでございますが、高橋証人等、これは当時の内務工手でこの工事を監督された方でございますが、その人たちの証言をもとにして、私どもは、この丸池内に二十メーター程度の平場がつくられたということはごくあり得ることであり、当然のことであろうと考えておる次第でございます。
○渡辺(嘉)委員 古いから書類がないというようなことは逃げ口上だと私は思うのです、こんな大事なことで。 そこで、この証言集を読んでみても、最初はそう言ってらっしゃるのですが、だんだんおかしくなっておる。それで、私はじかに聞きに行ったのです。そうしたら、きちっと二十メーターつくったんじゃない、こっちから泥を入れれば池だからざらざらざらと行くんだ。私は当然だと思った。四十三年の実地測量を私も見ました。あれは何のことはない、堤防そのものを測量して、ざらざらと行っておるだけなんです。平場をつくったような姿じゃない。それほど大事な平場なら、ここの航空写真にも載っておるように、それが沈下して消えてしまったのだから、なくなってしまったのだから、当然建設省は、大事な平場を、ここは危ないからと思って直轄でつくったのなら、なくなったと気がついたときになぜ補修工事をやらなかったのですか。
○井上(章)政府委員 先ほどの航空写真のことでございますが、あの航空写真からはそれは見受けられませんが、それはあの丸池の水面下になっておるからであろうかと思います。昭和四十三年に実施した測量図からもそういうことになっております。
○渡辺(嘉)委員 私はその測量図も見たのですが、測量図には堤防をかいてあって、ざらざらざらっとかいてあるだけで、それで終わりなんですよ。その先っぽをかいてありゃせぬのですよ。だから、建設省は平場をつくった、つくったと言うけれども、この判決文はここに明らかに書いてある。そういうものは、以上のとおりであるから、いろいろな事実から判断して、被告の堤防のり先幅約二十メートルの平場があった旨の主張は理由がない、こういうことで却下しておるのです。そういうありもせぬものをつくった、つくったと言うが、のり先を固めるのですから大事なものなのです。片っ方は池ですから、のり先を固めるために大事なものなら、なぜその間に補修をしないのか。これは建設省の証人に立った本人も裁判所も言っておるのです。六メーターから七メーター、ざらざらざらっと池の方へ、地中に沈んでいた。二十メーターが七、八メーターになったら補修するのが本当じゃないですか。なぜやらなかったのですか。
○井上(章)政府委員 この堤防は昭和の初めにつくられたものでございます。その後、私ども今日まで管理をいたしておるわけでありますが、常に堤防の機能につきましては管理を怠らないよう努めておるところでございます。 それで、私どもがその堤防の機能について最も実体的に把握できますのは、私どもは実物載荷と言っておりますが、実際洪水が起きたときであります。その洪水が起きたときの挙動によりましていろいろな現象が起きます。それは、つまるところ、その堤防の構造なり、私どもが地中にあって見ることのできない事柄をつまびらかにする唯一の手段でございます。したがって、それらをもとにいたしまして私どもはいろいろ補強策を講じており、また、危険と思われるところにつきましてはそれなりの対応をしてきたはずでございます。 本件堤防のこの箇所について考えますと、これはもう裁判等でるる御説明してあることでありますので先生も十分御承知と思いますが、過去、この堤防築造以来全くそのような挙動を示さなかったということが何よりもこの堤防が築造当時において十分な機能を持った堤防であったことの証左であると私どもは判断いたしておるわけでございます。 それから、この丸池の平場があったかなかったかということは、これは証言でもいろいろな人のいろいろな証言がございます。それは確かでございます。しかしながら、何といいましても、今日までこの堤防は、平場があるなしということよりも、この堤防そのものの機能について十分実証的に確保されてきたというふうに私どもはこの堤防が破堤するまで考えておったということでございます。
○渡辺(嘉)委員 時間がありませんので先へ進みますが、洪水がないとわからない、これは、この堤防が強いか弱いか、なかなか実験ができませんから、私は洪水が一番いい経験則を与えると思う。これは当然なんです。建設省も主張していらっしゃる。それはいいのですけれども、少なくとも洪水が来て切れたら生命、財産に影響があるのです。洪水が来るまでわかりません。やむを得ない事情はあるにしても、そういう逃げ言葉でこれが認められるなら、ああそうかそうか、やむを得なかろう、少なくとも私はそんなものが建設省の河川管理の原則ではないと思うのですね。 その意味で私が特に申し上げるのは、ここで切れたのは、建設省がおっしゃるように、今まではよかった、今度だけは流れた。それは当たり前だ、しょっちゅう流れない。ところが、ここは昔から切れ所だと言われていた。そして、丸池はだからそのときの切れ所の掘削堀でできた池だと言われている。それを埋めてつくった。そこで、先ほど局長がおっしゃったなめ泥も五十年たったから固まっておった。それは固まるでしょう。しかし、なめ泥はなめ泥なんです。永久にコンクリートにはならない。真土にもならない。やはり透水性を持って非常に不安定なもの。だから、岐阜市の合渡でふたしてしまったら漏水が起きた、調べてみたらそこになめ泥があった。改修されたんです。この前千七十五万円かけて改修したばかりなんです。そういうなめ泥説等を、おたくの方は、もう時間がたったからいいんだ、固まった、こういうふうなことは決して許されることじゃない。 そこで、この際聞きたいわけですが、まず第一は、もう一遍聞きますが、二十メートルの平場があったということは、当時の現場の責任者の方がそういうふうにおたくらに説明をしたから、だから二十メートル平場説を言われたのかどうか。私はそんなあいまいなことは許されぬと思う。私はその証人にも聞いたから。それが一つ。 それから二つ目には、こういう旧堤はかたい堤防と言われていたが、このかたい堤防、ここだけは削られている。ほかは包み込んで堤防つくっておるが、ここは削っておるのです。だから、弱くなって切れたと言われております。 それから、なめ泥をさらえなかったので、今申し上げたような脆弱面があった。 そして、いま一つ大事なことは、地下の浸透水、ガマが池の中にしょっちゅうふえている。だから、パイピング現象によってこれらが、いろいろなものが重層化して破堤につながった。だから、水が引いた段階で切れたんだ。決してこれは単なる雨が降って浸潤してやむを得ないものではない、この天災説は建設省の逃げ口上だ、私どもはこういうふうに考えるわけですが、この点もう一度御答弁をいただきたい。
○井上(章)政府委員 これは二つの裁判で原因説についていろいろ争われてきたところでございます。私どもが両方の裁判におきまして終始一貫説明いたしてまいりました私どもの破堤原因について改めて申し上げますと、それは、本件破堤はその後の調査によって、一つは、高い水位で長時間にわたって継続した洪水、二つ目は、長時間の強い堤体上への降雨の外的要因が堤防に作用したこと、三つ目は、堤体直下の地盤表層の難透水性層の不連続の内的要因の存在が本件のように異常に長期化した洪水のため影響したこと、これによる浸潤破堤であるというふうに考えております。
○渡辺(嘉)委員 もう時間ありませんから最後ですが、建設省は洪水が来なければわからぬけれども、しかし、あらゆる万全な管理監督をして、そして万全を期しておる、こうおっしゃったんですが、もう一遍聞きますけれども、それならなぜこの二十メートルの必要な平場が消滅していたんですか、消えていたんですか。なぜ補修をしなかったか、これがまず一点。 それから、基本計画に基づいて、そして河川の完全改修に努力していらっしゃるわけですが、これはそれならばこれからどの程度かかったら完全に改修できるのか。 それから、最後になりますが、この二十メートルの平場があった、こういうことをどうしても主張していらっしゃるわけですが、ところが、これはこの工事に携わった人がなかったと言うのです。つくらなかった、こう言っておるのです。ただ、泥を埋めたらざらざらざらっと斜めにずり落ちていく、これは当たり前のことなんです。そういう意味ではあった、こういうことを言っていらっしゃるわけですが、事実に反するような、事実にないようなことまで言って国民と争う建設省の姿は国民のための建設省ではない、事実は事実として明白にして、その反省の上に立って河川改修は万全を期すべきだと私は思うのです。 こういうような意味で、この際最後の御答弁と、それから重ねてお願いいたしますが、国土庁長官おられますので、今お聞きのとおりなんですが、その表示の問題も含めまして、それぞれから御答弁をいただきたい、こう思います。
○井上(章)政府委員 この丸池の平場につきましては、裁判におきましても一つの争点であったわけでございますが、私どもはこの平場は築造当時存在したし、また、この破堤が起きるまで存在しておったというふうに確信いたしております。(渡辺(嘉)委員「だって、ないじゃないですか」と呼ぶ)しかし、それはその水面下についてはわからないわけでございます。(渡辺(嘉)委員「水面下でも五、六メーターしかないと明らかに言っておるじゃないか。見に行った人が皆言っておる。五、六メーターしかない」と呼ぶ)四十三年の測量図を見ますと、少なくとも十七メーターまでは観測されておるわけでございますから、したがって、それが私どもの言う平場でございます。(渡辺(嘉)委員「そんなの、うその測量図じゃないか。四十三年のものがうそのじゃないか」と呼ぶ)四十三年の測量図につきましては、書証で出しておりますので、ごらんいただきたいと思います。 それから、基本計画がいつまでに完成するかということでございますが、これにつきましては私ども、今日のような財政事情のもとにおきまして確たる答弁は、大変申しわけないことでございますが、できません。かつて私どもは、昭和七十五年までにある程度概成させたいというような考え方を持ったこともございますが、当初のもくろみから見ますと、今日大幅に私どもの工事の進捗がおくれておりますので、今日では何とも申し上げかねるわけでございます。 それから、建設省といたしましては、これらの裁判で係争いたしておりますことにつきましては、あくまでも事実に基づいて私どもの主張を申し上げておるわけでございますので、その点何とぞ御了解をいただきたいと思います。
○稻村国務大臣 建設省は、特に河川局は、河川改修については全力を注いでおりますので、ぜひひとつ御理解を賜りたい、こういうように思っております。
○渡辺(嘉)委員 質問は以上で終わります。御答弁ありがとうございました。 それにしても、建設省といい、また国土庁長官の今の答弁もはなはだ不親切な答弁だと私は承って、この問題はまた後日いろいろだださなければならぬ点もありますので、質問を以上で終わります。 ありがとうございました。
○佐藤委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後三時三十八分散会