環境委員会 第15号
- 発言数
- 7 件
- 登壇者
- 3 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1984/08/07
会議録
○竹内委員長 これより会議を開きます。 環境保全の基本施策に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、これを許します。中村茂君。
○中村(茂)委員 私は、我が国の環境行政というものを見た場合に、環境行政そのものが後追い行政になっているというふうに思うわけであります。公害が出た、それ、それに対して対応していく。もともと環境行政というのは、環境破壊を未然に防止していく、この対応が非常におくれているわけであります。その歯どめをかけていくのがアセスメント法案ではないか、こういうふうに私は思うわけであります。ですから、この法案の制定の仕方、中身、立派なものをつくることによって環境破壊を未然に防止していく、こういう任務をアセス法は持っているというふうに思うのです。 昭和五十六年の四月の九十四国会で環境影響評価法が提出されました。昨年の総選挙でこれが廃案になりました。その間二年七カ月、国会は七回開かれております。その七回の国会の中で成立しなかったわけであります。なぜ成立しなかったか、これは財界、経済界、このアセスを通すことによって裁判が非常に多くなるのじゃないか、そのことは、こういう法案は困るということを意味しているわけであります。そうして公害対策に余分の金を使っていくということは、負担が多くなり、そして経済の活性化にも影響してきてしまう、こういう強い意見のあったことは我々も承知しております。そういう動きと、与党である自民党との調整がつかなかった、したがって、この法案をすぐ上げるということには難色があった。 一方、野党について見てみますと、若干の意見の相違はございましたけれども、これを制定する過程で政府部内の建設省、通産省、さまざまな意見があった。その調整の中で後退した案になって出てきている。言えば、このアセスは当初よりも相当後退しているのではないか。また、地方には条例等ができていますけれども、このアセスはその条例をも抑える結果になってしまう。そういうことを考えてみた場合に、当初の環境庁の案のような、もっと規制を強めていくという方向でいかなければ、環境の破壊について事前に防止していくことはできないのではないか、そういう立場で、野党はそれぞれ自分の党の考え方をあらわした法案を提出したわけであります。言いかえれば、自民党のマイナスと野党のプラスで、プラス・マイナス・ゼロで法案は結局成立しなかった。こういう経過になっているというふうに私は思うのです。 この国会に至って長官が、廃案になっておりますから、新たに環境アセスの法案を提出いたします、このように天下に、国民に約束したわけであります。しかし、今になって考えてみますと、先ほど申し上げた前回までの国会でのそれぞれの党の立場というものに変化がないわけであります。その問題点が解消されていないわけであります。ですから、必然的に提案ということになかなか至らない、こういう経過に私はなっているというふうに思うのです。 六月の初めでありますけれども、与党である自民党の環境、地方行政、商工、交通、建設の五部会でこの法案の提出について論議した結果、現在の段階では再提出はなかなか難しい、こういう論議が行われたということを私どもは承知しております。ということになれば、政府を支える与党、そしてこの法案の成立について、または再提出について強く反対している経済界、そのことを表明するように、この国会が終われば財界と長官が懇談会をつくって環境行政について理解を求めるということを行うということを私どもは新聞報道で知りました。ですから、その裏書きを長官自身が行っているではないか、こういうふうに思うわけであります。 いずれにいたしましても、与党と野党でそれぞれ見方が違っている。法案について違っている。その問題点を解消しないでまた再提出するという約束をしてきた。ですから根っこの方の問題点を解消しないでどんなに約束してもこういう結末になるのではないか、こういうふうに私は思わざるを得ません。ですから障害を除去するために長官がこれから努力されるということなら、やはり私どもは、前に出した法案をそのまま出すということなら、私どもの考え方は変わっていないわけでありますから、その後退を指摘せざるを得ません。次に出す法案は私どもの意見も十分取り入れて再提出する、こういう腹をきちっと長官に決めていただかなければ、再提出してもまたさまざまな問題が出てきてしまう。ですから双方あわせてその障害について長官の努力を強く要請して、今までの経過を御説明願いたいというふうに思います。 以上であります。
○上田国務大臣 お答えを申し上げます。 環境影響評価法案が今の段階に至るもなお提出できないでいるということにつきましては、大変に遺憾の意をまず表明をいたします。 さて、この影響評価法でございますが、私が今国会の当初に提出をさせていただきたいと考えておりますということを申し上げて、この提出のための手続に当たっていったのでございますが、何分政府・与党が一体になって出さなければなりませんので、与党の方にこの提出のための調整をお願いいたしたのでございますが、その調整がまだできておらないのが現在の状況でございます。与党の方におきましても、今その折衝をなお続けていただいておるところでございます。 アセスが公害の未然防止であるということにつきましては、これは与党の方におきましても、どなたも皆認めていただいておるのでございます。しかしながら、各地域は皆事情が違うんだから、地域に応じて条例、要綱その他をお決めになればいいではないか、こういうような意見がございますし、なかなか意見のすり合わせができておらないというのが今の状況でございます。それから各省におきましても、おのおの通達をお出しになっておられるのでございますが、その通達の内容も異なっておるのが今の状況でございます。これをすり合わせていかなければいけないというようなことも今の問題点にあるわけでございまして、なかなかこの法案に対しての意見が一致しないというのが今の状況でございます。こういうことにつきまして、今後も、党の方におきましても明日おやりをいただくということでございますので、私どもはその結果を、必ず提出ということでお待ちをいたしておるのでございます。 それから、経済界との話し合いをおまえは考えておるということを言っておるではないかという御質問でございます。もちろん、環境庁は広く御意見をお聞きをしなければいけない。広く御意見を私どもお聞きをして、そして環境行政を進めていかなければならないと考えておりますので、環境委員会をおつくりをいただいておる全国的な組織と申しますか、そういったようなところ、例えば今、経済界もそうでございますけれども、弁護士会などもおつくりをいただいております。そういうところに対しまして、一年に一回かその程度の会合を持って、そしてお互いに意見を交換をさせていただきたい、こういう趣旨で私が経済界に申し入れたのでございます。なお、弁護士会とは環境庁発足のときから既に話し合いをやっております。 そういうことでやらせていただいておるのでございまして、今後もさらに、法案の提出につきましては、政府の方と党との協議を進めさせていただきたいと私どもは考えておるものでございます。 ————◇—————
○竹内委員長 この際、御報告申し上げます。 今国会、本委員会に付託されました請願は、新宿御苑内子供プール再開に関する請願外十二件であります。本請願の取り扱いにつきましては、理事会で協議いたしましたが、委員会での採否の決定は保留することになりましたので、さよう御了承願います。 なお、本日までに本委員会に参考送付されました陳情書は、お手元に配付いたしましたとおり、湖沼の水質改善対策の強化に関する陳情書外五件であります。念のため御報告申し上げます。 ————◇—————
○竹内委員長 次に、閉会中審査申し出の件についてお諮りいたします。 馬場昇君外二名提出の水俣病問題総合調査法案 岩垂寿喜男君外二名提出の環境影響事前評価による開発事業の規制に関する法律案 並びに 環境保全の基本施策に関する件 公害の防止に関する件 自然環境の保護及び整備に関する件 公害健康被害救済に関する件 公害紛争の処理に関する件 以上の各案件につきまして、議長に対し、閉会中審査の申し出をするに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○竹内委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 次に、閉会中の委員派遣承認申請の件についてお諮りいたします。 閉会中審査案件が付託され、委員派遣の必要が生じました場合には、議長に対し、委員派遣承認申請を行うこととし、その取り扱いにつきましては、委員長に御一任願うことといたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○竹内委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 本日は、これにて散会いたします。 午前十一時十四分散会