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101回国会衆議院1984/04/13

外務委員会 第7号

発言数
222
登壇者
17
会派数
5
開催日
1984/04/13

会議録

中島源太郎自由民主党・新自由国民連合

○中島委員長 これより会議を開きます。  千九百八十三年の国際熱帯木材協定の締結について承認を求めるの件、出版物の国際交換に関する条約の締結について承認を求めるの件及び国家間における公の出版物及び政府の文書の交換に関する条約の締結について承認を求めるの件の各件を議題といたします。  これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。高沢寅男君。

高沢寅男日本社会党・護憲共同

○高沢委員 初めに熱帯木材についてお尋ねをし、出版物の国際交換は後でまたお尋ねをいたしたいと思います。  今まで我が国はいろいろの商品協定に加入をしておりますが、しかし今回の熱帯木材ほど我が国の貿易シェアが高いものはないと思います。そういう点におきまして、この国際熱帯木材協定というものはその最大の輸入国である日本にとっては非常に重要な協定である、こう思うわけでありますが、今回この協定に我が国が参加するその意義あるいはそのメリットをまず総論的にお尋ねをしたいと思います。

恩田宗外務省経済局次長

○恩田政府委員 先生御指摘のとおり、我が国は熱帯木材の最大の輸入国でございまして、世界の貿易量の半分近くを日本が輸入しているわけでございます。したがいまして、熱帯木材の生産国と消費国が協力して、長期的な意味で価格と供給の安定を図り、木材の国際貿易の健全な発展を図る、こういうことを目的とするこの協定に我が国が加わることは大変大きなメリットがあるというふうに考えられるわけでございます。  また熱帯木材の主要な生産国は発展途上国でございますが、日本の隣国であるASEAN諸国に集中しておりまして、インドネシア、マレーシア、フィリピンで世界の熱帯木材、南洋材と言っておりますが、輸出の八〇%をこれらの諸国が行っているわけでございます。これらの諸国にとっては木材貿易は国民経済的に極めて重要でございまして、この協定に参加し、その枠組みの中で協力することは、発展途上国、特にASEANに対する我が国の友好関係の維持という観点からも意義があるのではないかと考えられます。  最後でございますが、また特に重要でございますが、この協定はUNCTADの一次産品総合計画の具体的な成果という意義がございまして、これに参加することは日本の南北問題に対する積極的な姿勢を示す意味でも意義があるのではないかと考えられます。

高沢寅男日本社会党・護憲共同

○高沢委員 今の御答弁にありました昭和五十一年のUNCTADの第四回総会、ここで一次産品総合計画が採択され、それに基づいて五十二年以来今まで七年間、この協定の作成のための時間がかけられたわけですが、今言われたこの協定自体は生産国の立場、消費国の立場、その相互の利益を図る、その利益を調整する、こういうふうな立場があったかと思いますが、しかしその調整のためにはまた大変お互いの立場のぶつかり合いというふうな点があったかと思うのですが、この七年間という長い交渉の経過の中で、生産国の立場からはどういう問題が出され、消費国の立場からはどういう問題が出され、それが結局こういうふうに落ちついてきた、こういう討議の経過の御説明もひとつそれぞれの問題点に関連しながらお聞きをしたいと思います。

恩田宗外務省経済局次長

○恩田政府委員 先生御指摘のとおり、七年有余の時間があるわけでございますが、その大部分の時間は予備的な調査、交渉というか、意見の交換というようなことに使われておりまして、実際上の条約交渉会議自体は昨年の三月と十一月の二回で行われ、終了しております。したがって、この条約が特にもめた条約である、こういうふうには私どもは考えておりません。しかしながら、御指摘のとおり生産国と消費国の立場には利害関係の対立がございますので、幾つかの点について交渉の途中で問題点として浮かび上がったものもございます。  まず第一には、この協定自身で伝統的な商品協定に盛られております緩衝在庫をつくるかどうかという点についていろいろな意見が出されたわけでございます。ただ木材の性格からして、これを貯蓄するということはかなりお金がかかる、また商品の質が下がるということで、最終的には生産国側から立木のままで置いておいた方が木材として在庫で所有するよりはいいという主張がございまして、消費国側もこれに合意したということで、緩衝在庫ではなくて市場価格に直接介入しない形の研究開発であるとか情報の交換であるとかという他の方法による価格安定の方途を見出そうということで、議論がそちらの方に行きまして、では具体的に何をやるかということについて、また生産国と消費国との間では意見の違いがございました。生産国は当然、この機関を通じてできるだけ木材の輸出収入の増大を図る、そのためにできるだけ協定のカバーの範囲を広くしていろいろなことをやろう、こういうのが希望でございました。消費国の方は、木材の貿易というものの実態から考えて、こういう国際機関があらゆることをやるわけにはいかない、ある意味では市場の自由な需要に任せなければいかぬということがございまして、いろいろな議論の結果、現在のような結果になったわけでございます。  それからまた機構の設立については、まず意思決定の際の投票の配分であるとか、また委員会の数、例えば委員会の数ですと生産国側はできるだけたくさんの委員会をつくってできるだけたくさんのことをやりたい、消費国側は余りたくさん委員会をつくって余りやっても限度があるのではないか、こういうふうな形であるとか、また対象の木材を生産国側はあらゆる木材に適用したい、消費国側は原材料に近い形の木材に限定したらどうか、このような問題について議論がありましたが、最終的には双方の妥協によりまして現在のような形になったわけでございます。

高沢寅男日本社会党・護憲共同

○高沢委員 この協定に緩衝在庫の規定が入らなかった理由というのも、今の御説明でよく理解ができるわけでありますが、そういたしますと、ではその他の方法で木材価格の安定ということを図るということで今御答弁がありましたが、最近の統計資料というふうなもので見ると、熱帯木材価格というのは横ばい、あるいはずっと下降傾向というふうなことをたどっておるわけであります。この原因、あるいはまたそういう熱帯木材の価格動向が日本の国産木材の価格というものに当然連動してくるのではないのか、こう考えられるわけですが、その辺の国産木材価格との関連というふうなものを、現状としてどういうふうに把握されておるか、またその価格の安定対策としてはその両面をにらみながらどういうふうな対策をとるべきことが考えられるのか、それらの点をお尋ねしたいと思います。

三澤毅林野庁林政部林産課長

○三澤説明員 お答えします。  最近の木材価格の動向でございますけれども、御案内のとおり一つには住宅新設の着工の減退、それから同時に木造住宅率の低下という問題がございまして、我が国の木材需要はこのところ急激に冷え込んでおるところでございます。これらの影響を受けまして、我が国の国内における木材価格は総じて横ばいないしは低下、下落傾向、こんな推移で来ておったわけでございます。特に熱帯木材、いわゆる南洋材につきましては本年に至りまして産地国における天候の不順、したがって生産の停滞というような問題がございまして、一時的な価格の上昇、こういうことが実は出ております。しかしながら、その先におきます川下における需要というものが依然として活発でないことから、残念ながら川下における価格を押し上げるような力は現在働いていない、そういう状況になっておりまして、このところ動静を見ておりますけれども、その後、産地国における天候状況等の回復もあり、生産も順調と聞いておりますので、おおむね落ちついていくもの、こんなふうに考えております。  状況は以上でございます。

高沢寅男日本社会党・護憲共同

○高沢委員 この協定の第二十条に特別勘定の規定があります。この協定の特別勘定のための資金は一次産品のための共通基金の第二勘定から調達することができる、こういうことが二十条では規定されているわけであります。  さてそこで、それでは一次産品の共通基金というものはどうか、こう見ると、これは昭和五十五年の六月にこういう基金を創設することは決まってはいるけれども、まだ発効していない、こういう状態であるわけです。これが発効しないと、国際熱帯木材機関の運営にも非常に大きな資金の欠陥が生ずるじゃないのかというふうなことが考えられるわけですが、その関係がどうかということと、この一次産品共通基金が実際に実現するめどというものは一体どんなふうに考えられるのか、将来の展望でありますが、その辺を含めて御説明をお願いをしたいと思います。

恩田宗外務省経済局次長

○恩田政府委員 共通基金と熱帯木材機関との関係でございますが、先生御指摘のとおり協定の二十条によりまして特別勘定をつくる、特別勘定というのはいろいろなこの機関の事業を行うために必要な資金の勘定でございますが、その中には、それの資金源としては共通基金と国際金融機関と加盟国の各国から任意の拠出ということになっております。  実際上の問題といたしましては、やはり共通基金からの資金の融通を期待しているというところが非常に多いのではないかと思われますが、協定発効後、理事会が開催されまして、これらの問題についてのさらに具体的なかかわり方の対応については発効後協議され決められていく問題であるというふうに考えております。

遠藤哲也外務省国際連合局審議官

○遠藤説明員 それでは、私の方から共通基金の発効の見通しにつきまして御説明申し上げます。  ことしの三月一日の数字でございますけれども、現在この一次産品共通基金の協定の批准国が七十になっております。それから、七十カ国の拠出金を全部合わせましたのが四四%になっております。ところが協定の発効要件というのは、まず批准国、締約国が九十以上なくてはいけないということで、したがいまして依然として二十カ国不足しておるわけでございます。それから資本の方でございますけれども、七十カ国全部合わせますと先ほど申した四四でございますけれども、協定発効の要件としては三分の二ということでこれも二〇%強ぐらいの不足がございます。協定が発効しますためには、まず批准国の数からいきますとあと二十カ国、したがいまして数の点では発展途上国からの批准が期待されるわけでございます。それからお金の方でございますけれども、これは何といいましても、大拠出国であるアメリカの場合、一五・八%、それからソ連が五・七八%という数字になっておりますけれども、こういったような大口拠出国の批准というのが期待されるわけでございます。  こういうような状況を踏まえまして、例えば日本としましては、国連総会とかあるいはUNCTADの一次産品委員会、あるいはUNCTAD総会自体で早くこの協定の締約国になってくれるように呼びかけてまいりまして、去年の六月にUNCTADの総会がユーゴでございましたときに、日本の首席代表の安倍大臣からも、この一次産品共通基金の早期発足を呼びかけたわけでございますが、ちょうどそのUNCTADから現在までの時点をとりますと、批准国の数は二十一カ国ふえております。したがいまして、この傾向は非常にいいのでございますけれども、しかしまだ何といいましても先ほど申したように、締約国の数でもあるいはお金の点でも不足がございますので、日本といたしましては二国間あるいは多数国間を通じましてこの協定の早期発効ということを訴えてまいりたいと思っております。

高沢寅男日本社会党・護憲共同

○高沢委員 共通基金のことは後ほどまたお聞きをしたいと思いますが、その前に、今の第二十条、特別勘定、共通基金の第二勘定から、こういうほかに、先ほど恩田次長の御説明のとおり、今度は地域金融機関及び国際金融機関、この資金ということもこれまた期待されているわけでありますが、この地域金融機関、国際金融機関、この方からの、この国際協定が資金を調達する展望というか可能性ということはどんなふうに考えられますか。

恩田宗外務省経済局次長

○恩田政府委員 これは、例えばアジア開発銀行とかあるいは第二世銀であるとか、あるいはいろいろなことを考えているんだと思いますが、これらの機関が融資を決定するに当たっては、融資先の機関の活動状況であるとかあるいはそのプロジェクトのよしあし等をかなり慎重に検討するのではないかと思われるわけです。したがって、熱帯木材機関が非常に多数の国の参加によって健全な発達をしていく、こういうことになれば、当然これらの機関からの融資も期待できるのではないかと考えられるわけでございますが、現在のところまだ協定自体が発効しておりませんので、ちょっと見通しを申し上げるのはあれでございますが、協定自体としては、それからも融資というか資金の供与を得るんだ、こういうことを期待しているということであろうかと思います。

高沢寅男日本社会党・護憲共同

○高沢委員 その次に、今度は任意拠出がありますね。この任意拠出ということでは、例えば我が国、先ほど言いましたこの協定との関係では非常に大きなシェアを占める日本でありますから、我が国としてはこの任意拠出という面で相当の役割を果たすというふうなことは、この機関が発足した場合には当然出てくるということになるのかどうかですね、いかがでしょう。

恩田宗外務省経済局次長

○恩田政府委員 我が国は先ほど申し上げましたように、当初からこの機関のメリットというか意義を認めておりまして、協定作成に当たっても議長を出す等積極的な協力を行ってきております。したがって、御承認を得てこの協定に参加した場合は、当然我が国の協力というのは積極的であり前向きであるということになるんだろうと思いますが、具体的に、任意拠出をするかどうかという問題については、協定発効後この機関の運営状況等を見てから判断していく、そういうような問題ではないかと考えております。

高沢寅男日本社会党・護憲共同

○高沢委員 その点は発効がこれからだから当然かと思いますが、ただ、この協定が発効してそうした機関ができた場合には、特に例えば生産国側から日本に対してこういう任意拠出の非常に強い希望が出されるというふうに予測して間違いないかと思いますが、いかがでしょうか。

恩田宗外務省経済局次長

○恩田政府委員 我が国は非常に重要なメンバーになるということでございますので、生産国側からそのような期待が出てくるということは予想されることであろうかと思います。

高沢寅男日本社会党・護憲共同

○高沢委員 この協定の持つ、つまりASEAN諸国との非常に重要な我が国の関係を裏づける協定であるわけですから、そういう場合には、これはひとつ大臣にお尋ねをしたいと思うのですが、この協定が発効し、機関が動き始める、そして生産国といえばフィリピンなりあるいはインドネシアなりマレーシア、こういう国々から日本に対して積極的な任意拠出の要請が出てくるというふうな段階には大いに前向きにこたえていくということになろうかと思いますが、いかがですか。

安倍晋太郎自由民主党・新自由国民連合外務大臣

○安倍国務大臣 全般的にはやはり日本は南北問題に対して熱意を持っておりますから、こうした要請には全体的にはこたえるという姿勢が大事だろうと思います。

高沢寅男日本社会党・護憲共同

○高沢委員 共通基金の問題にもう一度戻りますが、先ほど、またこれに参加していない大口の拠出国、アメリカあるいはソビエト等々のことが御指摘ありましたが、アメリカがこれに参加する見通しはどうなのか、あるいはまた今アメリカが消極的な態度をとっていることの理由、それからもう一つは、今度はソビエトが参加する見通しはどうか、そういうふうなことについて、この際お尋ねしたいと思います。

遠藤哲也外務省国際連合局審議官

○遠藤説明員 まずアメリカでございますけれども、アメリカはこの協定に一九八〇年に署名はいたしております。問題は批准でございますけれども、アメリカは、批准をするためには、つまりこの共通基金が実効あるものとなるためには、十分な数の国際商品協定ができて、その商品協定がこの一般共通基金と連携をとることが必要である、もしそのような状況になればアメリカとしても批准手続を進める用意があるということを、ちょうど三年前でございますけれども昭和五十六年の第三十六回の国連総会でもアメリカ代表の方から明らかにしております。  日本としましては、もちろんアメリカの参加というのは非常に重要でございますので、これはマルチの場のみならず、例えば去年六月のASEANの拡大外相会議がバンコクで開かれました際にも、安倍外務大臣の方からシュルツ国務長官に対しまして、直接アメリカが早期締約国になることを要請する旨の申し入れを行っておりますし、今後とも二国間あるいは多数国間の場を通じましてアメリカに対しては働きかけてまいりたい、こういうふうに思っております。  次にソ連でございますけれども、ソ連はこの協定ができ上がりましたときに、ソ連の分担率というものが多いのじゃないかということ、ちなみにソ連の分担率は五・七八%でございますけれども、これが多いというような問題提起をしておりますし、あとは若干私の想像でございますけれども、ソ連のいわゆる南北問題に対する独特の立場、こういったことがソ連の批准に至っていない大きな理由ではないかと思っております。

高沢寅男日本社会党・護憲共同

○高沢委員 今の御説明で、アメリカの共通基金への参加の一種の前提条件として、国際商品協定がたくさんできて、そしてその商品協定の運用がこの共通基金との関係で十分働くような状態になれば、こういう前提のお話が今あったわけですが、相手はアメリカのことだからここで遠藤さんがすぐどうこうとはいかぬかもしれませんが、私は逆に言えば、共通基金に参加して、共通基金が働く状態になるということがまたその他の、今までも相当商品協定はできてはおりますが、さらに今後いろいろな必要な商品協定ができていくために、むしろそちらの方が必要な前提条件じゃないのか、こんなふうに考えるわけです。これは原因と結果の関係がもしれませんが、そういうふうな認識を対アメリカの関係で我が方から、この共通基金の早期発足、それにはアメリカも参加するようにというお話し合いをされてきた従来の経過があるのか、またされるお考えがあるのか、いかがでしよう。

遠藤哲也外務省国際連合局審議官

○遠藤説明員 先生今おっしゃいましたようにどちらが先かという問題と同時に、それから、あるいは両方一緒にやってもいいのじゃないかということもございますし、日本としましては、とにかくアメリカにこの基金に早く入ってほしいと言うと同時に、まだ成立しておりません国際商品協定につきましてはこれを進めていく、こういういわゆる二重路線といいますか、これでもって今後とも、さっき申し上げましたようにアメリカにも働きかけてまいりたい、こう思っております。

高沢寅男日本社会党・護憲共同

○高沢委員 この問題のスタートがUNCTADの会議から始まったわけですが、さてそのUNCTADからアメリカが脱退するというような報道があるわけでありますけれども、アメリカではそういうことを検討しているということが実際にあるのかどうか、あるいはどういう理由でそういうアメリカの態度が出てくるのか、これをお尋ねしたいと思います。

遠藤哲也外務省国際連合局審議官

○遠藤説明員 先生今言われましたように、確かにアメリカがUNCTADから脱退するというような報道があるのでございますけれども、まず、ちょっと理屈っぽいようでございますが、UNCTADは国連機関の一部でございまして、したがいまして、いわゆる法律的な意味でのUNCTADからの脱退ということはないわけでございます。国連から脱退しない限りないわけでございます。  しかしながら、アメリカが現在のUNCTADの状況に対していろいろな問題点を持ち、不満を持っていることは事実でございます。例えばUNCTADのいわゆる過度の政治化とか事務の不能率さ、あるいは事務局の仕事のやりぶり等々につきましての問題を提起しておりまして、したがって、そういったような問題をどういうふうに克服してUNCTADを本当の意味での南北間の対話の場にできるかということをアメリカは検討中でございまして、そのアメリカの問題提起等々も踏まえまして、現在、UNCTADのまずは西側先進諸国の間において、さっき申し上げましたようなどういうふうにしたらいいかという検討作業が始まったところでございます。  UNCTADというのは重要な機関でございますし、現存の一番普遍的な南北対話の場であるので、このUNCTADのいわゆる改善というものにつきまして日本としても努力してまいりたい、こう思っております。

高沢寅男日本社会党・護憲共同

○高沢委員 今の御説明で、国連から脱退しない限りUNCTADからの脱退ということは法的にあり得ないのだということはよくわかりました。そうすれば、恐らくアメリカも今国連から脱退ということは私もないと思う。ないと思うけれども、実際にはUNCTADの予算の二五%をアメリカが拠出しているという現状があるわけです。そうすると、この拠出金について、脱退はしないが、金を出すのはしばらくストップするぞ、金を出すのは減らすぞというような手を使ってくることはないのかどうか、またそういうことになったら、UNCTADの運営として大変重大な支障が生ずることになるのではないか、こう思いますが、いかがですか。

遠藤哲也外務省国際連合局審議官

○遠藤説明員 ちょっと先生申しわけないのでございますけれども、UNCTADは国連の機関の一部でございまして、したがって、そのUNCTADそのものへの拠出ということはなくて、国連への拠出の一部分がUNCTADの事業経費等々に流れていく、こういう体制をとっているものでございますから、拠出金の問題につきましては、UNCTADは国連全体の一部というふうにお考えいただければと思っております。

高沢寅男日本社会党・護憲共同

○高沢委員 はい、その点もわかりました。  そうすると、先ほどのUNCTADの改革についていわば先進国側として我が国も参加した形で話し合いをしている、こういうお話がありましたが、このUNCTADのどういう点が気にくわぬというのか、どういう点が欠陥であって、ではそれをどういうふうに直そうというのか、そういうアメリカなり西欧諸国なりあるいはそれに日本も参加している、そういう問題になっている点はどういうことか、お尋ねします。

遠藤哲也外務省国際連合局審議官

○遠藤説明員 この問題まだ研究の緒についたばかりでございますけれども、例えば一つの問題点として提起されておりますのは、現在UNCTADではいわゆるグループ交渉システムといいますか、要するに西側は西側、先進国は先進国あるいは発展途上国、G77と言っておりますけれども、実際上は百以上あるのでございますが、しかし先進国の中にもいろいろ問題ございますし、他方発展途上国の中にもいろいろ問題というか利害関係等々もあり、果たしてそういったようなグループ間交渉というのが本当の意味での南北対話、発展途上国の問題の解決に役に立つのかどうか、こういうような問題が一つでございます。  それから、事務能率の問題でございますけれども、これは非常に事務的になって恐縮でございますけれども、どうもペーパーばかりができてきて本当の意味の問題の研究がなされてないのではないか、こういったような問題を現在まずリストアップして、それから、ではどうしたらいいのかということに取りかかろうということで、先ほど申しましたようにまだ研究の緒についたばかりでございまして、日本としても何とか研究を進めてかつもちろん発展途上国との間に協議を進めてよりいい形のUNCTADにしていきたい、こういうふうに思っているわけでございます。

高沢寅男日本社会党・護憲共同

○高沢委員 グループ間の交渉システムをどうしたらいいか、ちょっと私はこうしたらいいということを今言えるだけの知識はありませんが、例えば今事務能率の問題にも触れましたが、事務能率となれば今国連の職員は一番たくさん出しているのはアメリカじゃないかと思いますしあるいは西欧諸国じゃないかと思います。日本はもっと出すべきだ、日本の場合には実際に国連に出している拠出金の比率に比べて日本人で国連の職員になっている人はまだ少ない、人材をもっと出すべきだ、こう言われているわけでありますが、そういうような先進国から出されている国連の職員というものが、今UNCTADの事務上の非能率ということを言われましたが、それならばそういうところを改善するための積極的な役割も当然あるべきじゃないのか、できるのじゃないか、こう思うわけですが、こういうところはいかがですか。

遠藤哲也外務省国際連合局審議官

○遠藤説明員 先生おっしゃるとおりでございまして、UNCTADの事務局内部の問題もございます。しかしながら、何といっても事務局でございまして、結局は我々加盟国がどういうふうに方向づけを与えるかということが当然のことながら一番大切な問題でございまして、加盟国側としましてはもちろん事務局内でもしっかりやってくれというと同時に、ガイダンスをどういうふうにして与えるかということを検討してまいりたいと思っております。

高沢寅男日本社会党・護憲共同

○高沢委員 先ほど、熱帯木材の国際機関の特別勘定の資金が国際金融機関からも期待できる、こういうことが出たわけですが、その国際金融機関の代表的なものとしては第二世銀というものがあると思うわけです。この第二世銀の第七次増資についてアメリカが非常に出資を渋ったところから、本来ならば百六十億ドルの増資という当初の計画であったのが結局九十億ドルというところで終わってしまったというようなことが伝えられておるわけでありますが、この事実関係の御説明をお願いしたいと思うのと、先ほどのUNCTADのことにも結局関連しますが、第二世銀に対するこういう消極的なアメリカの態度は、全体としてこういう国際開発機関に対するアメリカの態度が非常に消極的になってきておることを示しているのじゃないか、こう思いますが、いかがでしょうか。

木幡昭七外務省大臣官房外務参事官

○木幡説明員 お答え申し上げます。  第二世銀の第七次増資につきましては先生ただいま御指摘のとおりでございまして、実際の増資規模は九十億ドルとすることで本年の一月合意を見たわけでございます。しかしながら、当初の事務局案は百六十億ドルでございまして、したがいまして、当初予定よりも大分低いところで落ちついたということでございます。この点につきましては、アメリカがどうしてもこの高いレベルには応じなかったことも先生の御指摘のとおりでございます。  そこで、今足りない分をどういうふうにして補うかということでいろいろ検討が進められているわけでございます。当然のことながら、世銀の事務当局が具体案を取りまとめるということで作業をしているわけでございますが、その過程におきましていろいろ新聞等に伝えられておりますように、アメリカを除いて追加を考えられないかというような案も出てきておりますが、その点につきましてはまだ検討中でございまして、我が方としてはやはり主要なメンバーであるアメリカを含めてメンバー国すべてが参加し得るような仕組みが一番いいということで話し合いを続けている段階でございます。

高沢寅男日本社会党・護憲共同

○高沢委員 この外務委員会でも以前議論になったことがあるわけですが、それはアメリカのレーガン政権のこの種の国際協力に対する姿勢が問題になったわけであります。たしか、アメリカがジャマイカに対する援助ということが出てきて、我が国もアメリカとの協調関係でジャマイカに援助したというような問題がございまして、当時レーガン政権の国際協力あるいは援助の一種の戦略は、いわば二国間の援助に集中していく、その二国間の援助の相手の国がアメリカの世界戦略というものから見て非常に協力的なあるいは非常に重要なというふうな判断のされるところには二国間でぐっと金を集中するというようなやり方をして、今言いましたような国連機関とか第二世銀とか、本来一番望ましい形であるマルチのいろいろな国際協力の方へは非常に金を絞ってくる傾向が議論になったことがございます。そういうふうなレーガン政権の行き方としては、我が国としてもそれでは困るということをアメリカにも物を言うべきではないかということが議論になったことがあるわけでありますが、このレーガン政権のそういう傾向について、今私が申し上げたような判断について大臣はどういうふうな御判断をお持ちか、お尋ねをしたいと思います。

安倍晋太郎自由民主党・新自由国民連合外務大臣

○安倍国務大臣 アメリカは全体としては国連の機関であるとか国際機関に対しては世界の中で最も高い比率で出資、協力をしてきておるわけであります。また、その比率は依然として第一位であることは変わりないのですが、今おっしゃるように、最近のアメリカの傾向としてはこうした国際機関に対するよりも、二国間の協力関係を重視する姿勢がにじみ出ておることは私も事実のように、そういうふうな傾向にあると思わざるを得ないわけでございまして、したがって第二世銀等に対する出資が、あるいはIMF等もそうですが、どうしても消極的になっておるわけでございます。これはアメリカ自体の世界戦略といいますか、そういうものから出ているかもしれないと思っております。日本は日本の経済協力の立場があるわけで、アメリカとは基本的にも違っている点があるわけです。しかし、アメリカの最近の状況としてはそういう傾向にあるということは認めざるを得ないのじゃないかと思う。しかし、アメリカはやはり第一位ですから、牽引力ですから、アメリカに頑張ってもらわないと、ほかの国がなかなか自分たちだけで維持していくことは困難ですから、頑張ってもらわなければならぬ。そこで、私たちも、日本の場合は特にアメリカに次いで大体第二位くらいの協力をしているわけですから、第一位としてのアメリカがそれなりの責任を果たしてもらうということが日本も協力しやすいわけであります。したがって、私もアメリカの要人、特にシュルツ国務長官その他関係の閣僚等に会うたびに、こうしたアメリカの経済協力についてはやはりマルチの分が我々非常に大事だと思うので、第二世銀だとかIMFとかそういうマルチ関係についてもこれまでどおりあるいはこれまで以上にひとつ重視をして出していただきたいということを要請を続けてずっときておるわけでございます。  アメリカ政府は全体的な枠組みは崩したくないという感じは持っておりますが、今までの援助が一体どういうふうに有効的な作用をなしたかということで議会等の突き上げも相当あって、アメリカ政府もそう簡単に踏み切れないという点もあって、今のところは国際機関に対する協力が完全にいっているというふうには思えないわけで、日本としては引き続いてアメリカに対して要請は続けてまいりたい、こういうふうに思っております。

高沢寅男日本社会党・護憲共同

○高沢委員 これは多少歴史的に振り返ってみれば、第二次大戦が終わるときに当時の連合国、アメリカはその中心であったわけですが、そういうところが中心になって国際連合という国際機関が創設されるということで、国連のスタートというふうな時期を振り返ってみれば、何か国連の中で問題になる、そして採決をするというふうな場合には圧倒的にアメリカの立場が国連加盟国のほとんど大多数に支持されるというような時代がずっと続いたわけですね。そのころはソビエトの方はとにかく盛んに拒否権を発動するというような時代であったわけです。その後いろいろな発展途上国が次々に生まれてきて、そして国連の加盟国になってくる。今や国連の加盟国も非常に数もふえてきたというふうになってきたときに、数の点で言えば発展途上国がやはり一番多数を占めるという状態になった。そこでアメリカ側からすれば、国連というものにおれはこれだけ金出している、ところが最近の国連は何かの採決でいつもアメリカの思うような結果が出てこないというふうなことになってきたときに、もう国連に金を出すのはばからしいじゃないのかというふうなところへ心理的にはきているのじゃないか、こんな感じがいたします。これはもう少し極端に孤立主義の傾向が進んでくると、それじゃ脱退してしまえ、それでUNCTADの脱退論とかあるいは例のILOから一度出て戻りましたけれども、今度ユネスコも抜けるというようなそんな傾向が全体として出ておるのじゃないか、こういう感じがいたします。その辺、先ほど大臣としてはとにかくアメリカにもっと国連の中でしっかりとした役割を果たすようにと話をしていくとは言われたわけですが、しかし、今言ったような歴史の流れというものを見るとそういう一つの心配というものが出てくるような気が私はしますが、もう一度大臣、御所見いかがでしようか。

安倍晋太郎自由民主党・新自由国民連合外務大臣

○安倍国務大臣 私も去年国連総会へ出てみまして、やはりアメリカが国連というものに対して、ニューヨークに本部があるのですけれども、だんだんと懐疑的になってきたということはいろいろの角度から感じたわけでありまして、金はもう一番出しておる、協力もしておる、それにもかかわらずアメリカに対して理解をしてもらえない、そうして国連の一票はあくまで一国一票であって、そういう点でアメリカの姿勢というものが批判こそされても支持する面においてだんだんと弱くなってきている、非常に残念だという空気があるわけなんですね。  そういうところから、戦後の世界の中でこれほどアメリカは協力したにもかかわらず、最近では国連の動きというのは、アメリカからすれば大変政治的になって、そしていわば偏向ということもあるような状況になってアメリカに対して理解が薄れているというのは残念だ、その残念だという気持ちがだんだんと高じて、そうして場合によってはもう国連を相手にしない、余り役に立たないというふうな極端な議論すらアメリカの中で論じられる、こういうふうなことになっておりますが、しかし日本としましては、こういう傾向がだんだんと高まっていくということは非常に残念なことでありまして、やはり国連の世界における役割というのは依然として大きい。確かに平和維持機構等に対する力というものが十分でない、まどろっこしい点はありますけれども、しかし今は、国連が分裂するとか国連からアメリカが脱退するとかそういうことになったら、これはせっかくの世界の平和の秩序というものが基本的に崩れる可能性もあるわけですから、私たちは何としても国連がこれからも安定して、そうして発展をしていくということを期待をし、そのために協力も日本としてはしたい。そして肝心のアメリカが、これからそうしたただ単に感情だけに左右されてどうだこうだということではなくて、長い将来というものを見越して、多少はアメリカ自身としても気に入らないところがあるかもしれぬけれども、やはり国連の発展ということにひとつ力を尽くしていただきたい、こういうふうに私は思っております。そういう点でアメリカの政府ともときどき話し合いを率直にいたすこともあるわけでございます。

高沢寅男日本社会党・護憲共同

○高沢委員 私としては、今国連の多数の国がアメリカの思うような方向で評決を協力してくれないということには、そちらの側からすれば、アメリカが発展途上国の立場なりその要求なりというものをもっと理解する立場に立てばアメリカはまた当然多数派になるわけで、そういう点でアメリカ自体も自分の政策選択をむしろ十分反省すべきじゃないのか、こんなふうに思います。  しかしそれはそれとして、先ほどの木幡参事官の御説明の中で、フランスがアメリカとも別にそういう国際的な機関を必要とするのじゃないのかというふうな議論も出ているというふうなことを言われましたが、これは新聞報道によれば恐らくフランスの提案ではないか、こう思うわけです。新聞報道によれば、フランス政府がつい最近、日本とかあるいはほかのヨーロッパ諸国に対して、もうアメリカを外した形で途上国援助のための特別基金を創設したらどうだということを提案した、こうニュースでは出ているわけですが、我が国の外交ルートでそんなようなフランスからの申し入れが来ているのかどうか、このことをまず事実の関係でお尋ねしたいと思います。

木幡昭七外務省大臣官房外務参事官

○木幡説明員 私どももこれは四月十二日の新聞で拝見したところでございます。実際の動きはあるやに聞いておりますが、外交ルートで正式に聞いているということではございません。  それから、新しく国際機関のようなものをつくるということではございませんで、先ほど申し上げました、第二世銀の出資分の不足をどのようにして各国が負担したらいいか、その検討の過程において、アメリカを入れるのか、アメリカがどうしても応じないのであればやむを得ずアメリカを除いてもその他の国で出資をすべきではないか、そのような形での議論がなされた、このように承知いたしております。

高沢寅男日本社会党・護憲共同

○高沢委員 そうすると、そういうふうな具体的な提案がフランスから外交ルートで来た場合、我が国としてはそれにどう対応するのでしょうか。アメリカを外してやるのはまずい、こういう立場で対応されるのか、もうこの段階に来ればやむを得ぬ、アメリカが参加しなくともそれじゃ我々でそうした出資の増大をやろうじゃないかというふうな対応をされるのか、あるいはもう一度アメリカに対して、そういうふうなアメリカが外れるような事態ではまずいからやはりあなたも出しなさい、こういうふうなことでやられるのか、いかがでしょうか。

木幡昭七外務省大臣官房外務参事官

○木幡説明員 やはりアメリカは大口の拠出国でございましたので、私どもといたしましては、重要なアメリカを除いて何か決めるというよりは、やはりアメリカも含めてすべての関係国が拠出する形で話し合いをまとめたい、このように考えているところでございます。ちなみに、西ドイツなども我が方のこのような考え方と同じ考えを有していると承知いたしております。

高沢寅男日本社会党・護憲共同

○高沢委員 そういたしますと、大臣、今のようなそういうアメリカとのお話し合いは、何か五月にOECDの閣僚会議があるともお聞きしますし、あと六月にはロンドン・サミットもありますが、そういうような場で今のようなことは話題になる、あるいは話題にするというふうにお考えでしようか。

安倍晋太郎自由民主党・新自由国民連合外務大臣

○安倍国務大臣 今先進国の中でアメリカを除いてそうした多数国援助で特別にやろうというふうなことを論じられた経緯もありませんし、私は日本からそういう問題を持ち出す必要もないと思います。もしフランスからでもそういう話が出ましたときは、先ほどお話がありましたように、アメリカという大口の出資国、協力国を除いてその他の国だけでやるということは、これから先のことを考えると大変不安がつきまとうわけですから、アメリカも一緒に含めたこれまでどおりの協力体制を維持していくべきじゃないか、私はそういうふうに思いますし、まだアメリカとの間の糸が切れているわけではもちろんありませんから、アメリカもこれまで一緒にやってきているわけですし、また第二世銀だってアメリカはアメリカなりに出資に協力しているわけです。ただ、その金額について問題があるということですから、アメリカも一緒に含めて今後問題を検討するということが必要じゃないか、こういうふうに思っております。そういう姿勢で問題があったときは臨みたいと思います。

高沢寅男日本社会党・護憲共同

○高沢委員 今大臣の言われた方向で私も当然そうあるべきだと思いますが、それを具体的化するために、先ほど言ったOECDの閣僚会議で、フランスが何かそう盛んに言っているらしいから、日本だって少し会議をリードする意味で日本からそういう問題を提起することは、サミットあるいはOECDの会議でもむしろあっていいのではないかと私は思うのですが、いかがですか。

安倍晋太郎自由民主党・新自由国民連合外務大臣

○安倍国務大臣 その場の状況を見まして、フランスがそういうことを出してくるかどうかも見届けなければならぬと思うのです。あえて、何といいますか平地に乱を立てるような必要もないし、フランスは独自な援助政策路線を持っておりますし、フランスの考え方としてあり得ないわけではないと思うのですが、しかし、フランスの動きを見ながら判断したらいいのではないか。そのときは今申し上げましたような点で日本がイニシアチブをとることも世界のために必要でもあろう、こういうふうに思います。

高沢寅男日本社会党・護憲共同

○高沢委員 そういう場合には、もうアメリカを除けば日本が今や出資比率ではトップに立つような段階に来ていますから、むしろ積極的にそうされるべきだと思います。  もう一度熱帯木材協定の方に戻りまして、この協定の目的の(e)のところに「加盟生産国の工業化を促進するため、また、それにより当該加盟生産国の輸出収入を増加させるため、当該加盟生産国における熱帯木材の加工の増進及び加工度の向上を奨励すること。」こういうことがございます。これは具体的に言えば、丸太で出すのではなくて、その生産国において合板にするとか板にするとか柱にするとかいうふうにいろいろ加工して出すということを意味している、私はこう思いますが、インドネシアから我が国に対してもう丸太では出しませんよ、こういうふうなことが出されているやに聞いておりますが、その辺の経過と、その場合、そういう加工製品というもののこれからの輸出におけるインドネシアの考え方というものはどうか、お尋ねをしたいと思います。

三澤毅林野庁林政部林産課長

○三澤説明員 インドネシアの丸太輸出規制につきましては、御案内のとおり木材資源の保護それから国内木材加工業の育成、こういう観点から、七九年以来丸太輸出規制を順次強化してきておりまして、一九八五年、つまり来年のうちには丸太輸出を全面的に禁止する、こういう政策を打ち出しておるところでございます。したがいまして、今後インドネシアからの丸太の輸出につきましてはかなり厳しくなる、こういうふうに認識しております。したがいまして、後はこのインドネシアが禁止された場合に、現在主要な供給地域でありますマレーシアのサバ州あるいはサラワク州、ここにますます依存度が高まる、こういうことに実はなっておるわけでございます。  そこで、お話ございましたように、国内の加工度を高めるということは資源保有国、つまり生産国一様の願いでございまして、そういう動き、そういう考え方というのは今後もますます強くなるであろう、こう思っております。したがいまして、私どもは国内産業との調和をいかに図りながら国際的な調和をもっていくか、そういうことに思いをいたしながら今後の産業というものを考えていきたい、かように考えるところでございます。

高沢寅男日本社会党・護憲共同

○高沢委員 消費国である日本としては、木材を輸入する業界ではやはり丸太で入れて、こちらで加工してというところに大きなメリットがあるわけです。それが今度は丸太はだめですよ、製品で買ってくれというようになってきたときに、我が国の消費国としてのいろいろなメリットに非常に大きな、今言われた影響が生じてきますが、その場合の業界のあり方というふうなものを含めて見通しをもう一度お聞きしたいと思います。

三澤毅林野庁林政部林産課長

○三澤説明員 御指摘のとおりでございまして、ただいまのところ、先ほど申し上げましたように住宅を初めとする木材需要が低迷しておりますので、幸か不幸かそう大きな問題に至らない、こういう状況で推移しているところでございます。  今後の産業のあり方につきましては、一つには他の南洋材丸太の供給地域、つまりパプアニューギニアとかあるいは他の地域等にも幅広に給源を考えるということ。それからもう一つは、私ども南洋材と申せば大体ラワン材ということですぐ頭にきますようにラワンが中心でございましたけれども、そのほかで今まで使ってない樹種というものもあるわけでございまして、そういうものを考える、これが一つ。それからもう一つは、南洋材だけに頼るのではなくて、いわゆる北半球にございます針葉樹、こういったものからも合板ができるわけでございます。こういった樹種の転換を図る等いろいろな方策を講じていかなけれぱならない、こういうふうに思っております。事実、国内におきましては既に代替材としてのラワン以外の樹種の使用、あるいは北米の松を使うというようなことについても既に一部試験的に実施されておりまして、そういったものをもろもろ考えながらやっていきたい、かように考えておるところでございます。

高沢寅男日本社会党・護憲共同

○高沢委員 この協定の目的の(f)にはこう書いてありますね。「産業用熱帯木材の造林及び森林経営活動を支援し及び発展させるよう加盟国を奨励すること。」それから(h)では「熱帯林及びその遺伝資源の持続的利用及び保全並びに関連地域の生態学的均衡の維持を目的とした国内政策の発展を奨励すること。」こんなふうな目的がありますが、これはごく端的に言えば、要するに南方における緑の確保ということにつながってくると私は思うわけです。我が国は非常に大きな輸入国であるわけですが、最近は緑が次々と失われていくということが、これは全地球的な問題として論議されております。聞くところによれば、日本が木材を買いに入る、そして大きな木を切って出す、出せばそこに道ができる、道ができると今度は現地の農民がどんどんそこへ入ってきて森を焼いて、焼き畑農業をやって、そこで緑がなくなる。こういう循環になっている。したがって、日本が木材を買うことが直接の原因ではないが、しかし日本が木材を買うことによって現地の焼き畑農業がやりやすい条件ができてしまうというようなことが伝えられるわけです。そういう点において、南方において緑が失われていくということを防いで、逆に緑をもっとふやしていくという方向に向かって我が国が造林政策、あるいは林業としての造林だけではなくて、現地に林と農の結びつきをうまく考えたそういうふうな形の緑確保の一種の農業政策のそういう協力や指導というふうなものは大いにやるべきではないか、こう思うわけですが、いかがでしようか。

木幡昭七外務省大臣官房外務参事官

○木幡説明員 御指摘のとおり、焼き畑農業が開発途上国におきまして森林資源枯渇の最大の原因であるということは各方面から指摘されているところでございます。我が国といたしましては、開発途上国からの要請もございますので、これまでも森林の造成とかあるいは保全等につきまして種々協力を行ってきたところでございます。特にタイとかインドネシア等においていろいろなプロジェクト方式の技術協力等が行われている現状でございます。  そこで、御指摘の林業、農業を組み合わせた形での協力等につきましては、具体的にはいわゆるアグロフォレストリーというような形での協力が今緒につきつつあるわけでございます。これは先生御案内のとおり、農民に植林を義務づける一方で、他方、例えば二年間というような期間を限ってそこにトウモロコシその他の栽培を認める、そのような形の協力についてインドネシア等で我が方は現実に協力を進めているところでございます。

高沢寅男日本社会党・護憲共同

○高沢委員 それでは次に、出版物に関する条約の方の質問に移りたいと思います。  まずこの二条約ですが、一九五八年の十二月のユネスコ総会で採択された、こういうふうなことを聞くわけですが、最初に、やはり総論として今までのユネスコの活動の概要と、それからそのユネスコの活動に対して、それに関連して我が国はどういうふうな活動を進めてきたか、こういうふうなところをまずお尋ねをしたいと思います。

遠藤哲也外務省国際連合局審議官

○遠藤説明員 先生御案内のとおり、ユネスコはその名のとおり要するに教育、科学、文化の分野における国際協力の促進ということで、ユネスコはこれまでにもそういった分野で非常に数え切れないぐらいの大きな活動、業績を上げてきていると思います。  そこで、それと関連いたしまして、具体的に日本がユネスコに対してどういうふうな協力活動をしてきたかということで、それを二点に分けて申し上げたいと思います。  まず一つは、ユネスコの中心機関はもちろん総会、事務局であるわけでございますけれども、実際の具体的な立案等々は執行委員会という機関がやっておりますが、日本がユネスコに入りましたのはちょうど昭和二十六年でございますが、それ以降継続して執行委員会のメンバーとしまして予算とかあるいは活動計画の策定等々に従事してきておるわけでございます。  そこで、そういったことを踏まえまして、それじゃ具体的に日本がどういうふうな協力をユネスコにしてきたかということでございますが、主なものだけ御説明さしていただきたいと思いますが、大きく分けまして教育の分野と科学の分野と、それから文化の分野と三つに分けられるかと思います。  まず最初に教育関係でございますけれども、例えばアジア地域教育刷新計画というのがございますが、この計画に対しましては、日本としては専門家の派遣とかあるいは研修団の受け入れ等々をやっております。またユネスコ・アジア文化センターというものが、これは東京にございますけれども、ここの文化センターを通じましてアジア地域のいわゆる文盲撲滅のために共通の教材の作成等を行っております。  それから次に科学関係でございますけれども、これは非常に広い海洋学であるとか生物学であるとか、そういったような非常に多くのゼミナールとか情報交換あるいは共同研究が行われておりまして、これに対しても日本は積極的に参加をしているわけでございます。  それから、三番目の文化関係でございますけれども、遺跡の修復というのがユネスコの非常に大きな文化関係での仕事でございまして、特にアジア関係ではインドネシアのボロブドールの修復に対しましても日本としては協力しておりますし、また、モヘンジョダロの遺跡の修復につきましても、日本としては目下協力中でございます。  それから最後に、いわゆる情報関係の分野でございますけれども、世界の情報の流れをよくするためには何よりも発展途上国の人づくりあるいはインフラの整備ということが重要でございまして、これに対しましても昨年から日本が年間三十万ドルの拠出を行いまして、協力をいたしております。

高沢寅男日本社会党・護憲共同

○高沢委員 私が調べたところでは我が国のユネスコに対する分担金、これは五十八年度は約五十億あったわけです。五十九年度の今度のユネスコ分担金は約二十九億、半分ではありませんが、かなり大幅に分担金の予算が減っておる、こういうことなんですが、これはどういうわけでそうなったのか、お尋ねしたいと思います。

遠藤哲也外務省国際連合局審議官

○遠藤説明員 お答え申し上げます。  ユネスコの予算というのは二年制をとっておりまして、ことしから新しい年度に入ったわけでございますが、前、つまり八二年と八三年の日本の分担率そのものは九・四八%だったのでございますけれども、ことしから始まりましたユネスコの会計年度につきましてはこれは一〇・一九%と、分担率自身はまず上がっておるわけでございます。  それじゃ、なぜ、先生御指摘のようにユネスコの分担金自体が減ったのかという点でございますが、実はユネスコの予算総額自身が、これはドル表示でやっているわけでございますけれども、これが八三年から八四年にかなり減額しているわけでございます。これは実はユネスコの必要経費のうち、ちょっと正確な数字はございませんけれども、約七割くらいがフランスというかフランス・フランの地域でもって使われておるということがございまして、したがいまして、ドルとフランス・フランの為替変動の問題あるいは円とドルとの為替変動の問題、そういうことが影響してまいりまして、実は実質的にはユネスコの予算というのは約四%ぐらい去年からことしにふえておるのでございますけれども、それがドル表示になりましたときには逆にかなりの減が行われておる。したがいまして、先ほど御説明しましたように、分担率は若干ふえたにもかかわらず、そういったような状況でもって日本の分担金は減っておるのだ、こういう状況でございます。

高沢寅男日本社会党・護憲共同

○高沢委員 今のようなそういうユネスコ予算の実情は初めてお聞きしましたが、これはかなりドル、フラン、円、こういう国際通貨の交換比率というか、どっちが、円が高いか安いかとかドルが強いか弱いかとかいうような関係でそうなった、ユネスコ自体の事業は決して縮小になってない、こういうことですか。

遠藤哲也外務省国際連合局審議官

○遠藤説明員 そのとおりでございまして、ユネスコ自身の予算の実質的な額というのは、去年と比べましてことしは約四%くらい増ということになっております。

高沢寅男日本社会党・護憲共同

○高沢委員 はい、それはわかりました。  ユネスコでこれから作成されると予定される条約ではどんなものが今議題になっているでしょうか。どんなものが予想されますか。

遠藤哲也外務省国際連合局審議官

○遠藤説明員 お答え申し上げます。  現在、さしあたりまして来年のユネスコ総会、実はユネスコ総会、二年に一回でございますけれども、来年総会が開かれるわけでございますが、まずそこで採択される予定の条約はございません。しかしながら、現在作成というか準備中あるいは検討中の条約の若干を御説明申し上げたいと思いますが、一つは職業技術教育に関する条約というのが目下研究中でございます。それから自然災害からの文化遺産の保存に関する条約あるいは勧告、これにつきましても目下検討中でございます。それから民間伝承の保護に関する条約あるいは勧告、形態まではよくわかりませんけれども、こういった問題につきましても今検討中でございますし、あるいは公有著作物の保護に関する勧告または条約の作成につきましても、それの可否も含めまして目下検討中でございまして、これは若干の例示でございますけれども、今検討中のものは全部で六件くらいございます。

高沢寅男日本社会党・護憲共同

○高沢委員 このB条約の第四条を拝見しますと、この条約の「締約国は、国の交換機関又は中央交換当局に対し、交換すべき資料を入手するための必要な権限及び交換の任務を遂行するための十分な資力を与える。」こうなっております。我が国では交換機関、中央交換当局と言えば国立国会図書館、こうなるわけですが、この条約に参加するということによって国立国会図書館の権限というか予算というか、そういうふうなものがどうなるのか、まず現状がどうであって、そしてこの条約の参加によってどうなるのかということの関連を御説明願いたいと思います。

斉藤邦彦外務省大臣官房外務参事官

○斉藤(邦)政府委員 両方の条約についてのお尋ねと考えますので、分けて御説明したいと思います。  まず出版物の国際交換に関する条約の方でございますが、第三条に交換機関に関する規定がございます。ここに、締約国は、国内諸機関及び団体の間の出版物の交換の発展及び調整に関しまして、交換すべき資料の送付、交換の可能性についての助言及び情報提供、それから重複資料の交換の奨励に関する任務を国の交換機関に委任することができるとされております。したがいまして、我が国におきましては国立国会図書館が国の交換機関でございますので、国立国会図書館は我が国において委任される範囲におきまして、これらの任務を行う権限が付与されることとなる次第でございます。  次に、公の出版物の交換条約におきましては、ただいま御指摘の第四条に規定がございます。国の交換機関が同条約上の交換の任務を遂行し、締約国は、国の交換機関に対しまして、交換すべき資料を入手するための必要な権限及び交換の任務を遂行するための十分な資力を与えることとされております。したがいまして、我が国におきましては、この条約を締結するためには国立国会図書館に対しましてこれらの権限及び資力を与えなければならないと考えております。  現状についてのお尋ねも含まれていたと存じますが、現在我が国におきましては、国立国会図書館法におきまして国立国会図書館は既に国際的な出版物の交換を行っておりますので、実態面におきまして今まで行われていなかったことがこの条約を締結する結果によって行われるようになる、そういう急激な変化というものは予想されておりません。

高沢寅男日本社会党・護憲共同

○高沢委員 今の御説明では、この条約に参加することによって必要な権限あるいはそのための資力を与えるとなっているが、今まで既にそういう交換の機能も果たしてきたし、そのために必要な予算もついてきた、したがって、今度のこの条約参加によって何か国立国会図書館法の改正をするとか特別な予算を計上するとかというふうなことは必要がない、従来やってきたことをさらに発展させるということでいいのだ、こういうふうに理解していいのですか。

斉藤邦彦外務省大臣官房外務参事官

○斉藤(邦)政府委員 そのとおりでございます。

高沢寅男日本社会党・護憲共同

○高沢委員 そうすると、今までやってきたという場合、国際交換のための予算は大体どのくらい今までついてきたのですか。

三塚俊武国立国会図書館総務部長

○三塚国立国会図書館参事 国際交換資料を送付する予算は図書館資料の購入予算の中に計上しております。昭和五十八年度で申し上げますと、当初ベースで六百万円、補正後で五百八十九万五千円でございます。  以上でございます。

高沢寅男日本社会党・護憲共同

○高沢委員 ただいまの御説明で今までもこの機能を果たしてきた、こういうふうなことの御説明であったわけですが、さて、ユネスコの一九五八年の総会でこの二条約が採択されて、ことしまで二十六年たつわけです。そうすると、二十六年たって今この両条約に我が国は参加するというふうなことになるわけですが、しかしお聞きしてみると、今までなくたってやってきましたよ、今度加入したから特別こういう変化というのは別にありませんよというふうなお話ですが、そうすると、二十六年たった昔のものに今ここで参加するということは、一体なぜそんなふうになったのか、その辺をちょっと御説明願いたいと思います。

遠藤哲也外務省国際連合局審議官

○遠藤説明員 今先生がおっしゃいましたように、かつ、国立国会図書館の方から御説明がありましたように、今までも実は国立国会図書館を中心としまして、ある程度の委託交換であるとかあるいは公の出版物等々につきましても交換が現実的に行われてきたのはそのとおりでございます。しかしながら、やはりそういったものに法律的というか国際的な枠組みを与えて、一層それに弾みをつけていく、こういうことがこの条約の御審議をいただいておる理由でございまして、そうした弾みをつけたいということがまず基本的にあるわけでございます。  他方、なぜ二十六年間も置いておいたのかという点でございますけれども、この条約自身がつくられましたときから、政府としましてもなるべく早く、この趣旨自身は非常に結構な条約でございますし、締結の可能性について検討したのでございますけれども、最初はどうも締結国の数も必ずしも多くもなく、やり方、この条約ができて現在の状況とどういうふうに関係というか調整がつくのか等々についての状況が必ずしも明らかではなかったということもあり、御審議をいただく時期が延びてしまったわけでございますけれども、他方、やはりこういう御時世になりまして、こういうものについてはもうちょっとしっかりした枠組みと、それからよりそれを活発にしていくべきではないかということの機運も高まりましたし、他方、再来年でございますか、東京で図書館関係の国際図書館連盟の大会が開かれるというような機運もございますし、そういったようなことも受けまして、今国会で御承認いただくべく提出申し上げた次第でございます。

高沢寅男日本社会党・護憲共同

○高沢委員 遠藤審議官の御説明、私は聞きながらいささか苦しかったのではないか、こう思いますが、今言われた昭和六十一年に国際図書館連盟の大会が東京で開かれる。私が思うのに、この大会があるのに我が国はまだ参加していないというのではぐあいが悪い、この際入ろうというようなことで、この国会に出てきたということではないかと思いますが、その国際図書館連盟の六十一年の大会というのはどういう性格の、どういう目的のどんな大会かということのひとつ御説明をお聞きしたいと思います。

三塚俊武国立国会図書館総務部長

○三塚国立国会図書館参事 今先生から御質問がありました国際図書館連盟の第五十二回大会が昭和六十一年東京で開催されることになっております。これにつきましては、日本図書館協会を中心といたしまして各種の図書館団体、それからまた当館等の同連盟の加盟機関の代表によって五十八年七月に国際図書館連盟東京大会組織委員会というものをつくりまして、同委員会のもとに実行委員会及び専門委員会等の下部組織が設置されまして、同大会の準備、運営等の具体的な協議が現在進められております。  当館といたしましては、昭和五十八年十二月に、同大会の準備とか運営に積極的に協力しようということでございまして、国際図書館連盟東京大会協力事務局というのを館内に設置いたしました。  同大会の総合テーマといたしましては、「二十一世紀の図書館」ということを提案するようになっております。  また、主催機関といたしましては、IFLA東京大会組織委員会及び日本図書館協会がこれに当たりまして、協力後援機関として、当館、文部省、それから東京都が挙げられております。  開催時期は、昭和六十一年八月二十四日から同三十日まででございますして、参加予定国は大体八十カ国、千名の参加が予想されております。

高沢寅男日本社会党・護憲共同

○高沢委員 今お聞きしますと第五十二回大会。そうすると、大会というものが非常に回数を重ねてきておるということがこの五十二回でわかるわけですが、日本でこの種の大会が開かれるというのは初めてですか。過去にもあったのですか。

三塚俊武国立国会図書館総務部長

○三塚国立国会図書館参事 初めてでございます。

高沢寅男日本社会党・護憲共同

○高沢委員 私は、自分自身もよく国会図書館にお世話になる、こういう立場でございまして、今回のこういう両条約への参加というふうなことを一つの契機にして、国立国会図書館というふうなものの役割、それに対する評価というものはますます高めていかなければいかぬ、こう考えるわけですが、そういう立場で国立国会図書館は各方面の活動をされていると思います。国会議員との関係とか、各種行政機関の関係とか、一般国民の関係、あるいは国際交換、いろいろな分野で活躍をされておると思いますが、その活躍の現状をこの際ひとつ概括的にお聞きをしたいと思います。

三塚俊武国立国会図書館総務部長

○三塚国立国会図書館参事 当館が行っております図書館サービスを大別いたしますと、四つに分けることができるかと思います。  その一つは、国政審議のためのサービスでございまして、国会議員の方がみずから当館の中にございます議員閲覧室やあるいは議員研究室で資料を閲覧され、調査研究される場合のほか、立法活動に必要な各種資料の提示、質問に対する回答、依頼された調査等を行い、さらに先生方の御要求に基づきまして、国会に提出された法案の分析、または法案起草の援助等も行っております。特に、先生方からの調査依頼は、多岐にわたっているばかりでなく、早急な回答を求められる場合が多うございますので、その処理には十分な配慮を行っております。また、このようなサービスに万全を期するため、政治、経済、社会等の諸分野においてその時期に問題となる可能性のある事項については、あらかじめプロジェクトチームを編成いたしまして予測的な調査を実施するとともに、必要に応じまして総合実態調査を実施し、その成果を刊行物として先生方に配付させていただいております。  第二には、国の行政、司法各部門の機関に対しまして図書館サービスを行っていることでございます。現在、三十三館の支部図書館との間で資料収集の分担、文献の貸借及び調査活動の協力などを行っております。  第三は、国民へのサービスでありますが、館内での図書館資料の閲覧や複写利用のほか、当館に来館される人々のみでなく、遠隔地の方々からの電話あるいは文書によるいわゆるレファレンスサービスも行っております。  また、直接当館に来られない地方の人々のために、全国の公共図書館、専門図書館、大学図書館等を通じまして当館の資料の貸し出しを行っております。  また、唯一の国立図書館といたしまして、納本等により収集いたしました全出版物を保存するとともに、外国の主要な出版物を購入または国際交換により入手いたしまして、一般の利用に供しております。  このほか、当館所蔵資料の目録を刊行し、国内の図書館の利用に役立てております。  第四に、当館は、世界各国の図書館と国際的な図書館協力を行っております。これは政府出版物等の交換、文献の相互貸借及び書誌情報の交換等でございます。  以上が、当館の図書館サービスの概要でありますが、これらの図書館サービスをより迅速に処理いたしますために、昭和四十六年コンピューターを導入いたしまして、書誌・索引類等の編さんに当たるとともに、昭和五十二年からは納本その他の方法により収集した国内の刊行資料の情報を一般に提供しております。  以上であります。

高沢寅男日本社会党・護憲共同

○高沢委員 今ずっと御説明をお聞きしましたが、出版社が本を出版する、その場合には国立国会図書館へ納本するというあれがございますが、それと別に、国立図書館としてこの本が欲しいということで、今度は欲しいという本を買う。買うとなれば、そのための金が要りますね。そういうふうなある特定の資料を入手するために金を出す、こういう側面も当然あろうかと思いますが、それはどんなふうな状況になっていますか。

三塚俊武国立国会図書館総務部長

○三塚国立国会図書館参事 お答えいたします。  当館の資料の購入について申しますと、一つは、先ほど申し上げました納本によって収集する図書に支払う納入出版物代償金と、それからその次には、図書館資料購入費というのがございます。それから第三に、科学技術関係資料購入費、それから四番目に、先生方の立法資料に役立つための立法資料購入費というのがございます。この四つの購入予算の中で、これはどうしても当館として必要であるというものは購入いたしておるのが現状でございます。

高沢寅男日本社会党・護憲共同

○高沢委員 今説明された購入、大体どのくらいの予算をかけておられますか。

三塚俊武国立国会図書館総務部長

○三塚国立国会図書館参事 約十億円弱でございます。

高沢寅男日本社会党・護憲共同

○高沢委員 わかりました。  そこで、この際、荒尾館長にお尋ねをしたいと思いますが、今国会図書館は非常に大きな別館建設の工事をされております。あれができ上がりますと、国会図書館の機能はまた格段に拡充され発展する、こう私は思うわけです。先ほども二十一世紀と、こういうお話がありましたが、そういう将来へ向かっての国立国会図書館の事業の発展プランというふうなものをこの機会にひとつ御説明を願いたいと思います。

荒尾正浩国立国会図書館長

○荒尾国立国会図書館長 お答えいたします。  先ほど来私どもの方から御答弁申し上げているとおり、国立国会図書館は、国会議員の方々の職務の遂行に資するとともに、行政、司法各部門並びに広く一般国民に対して奉仕しておりますが、我が国における唯一の国立図書館でございます。そして、国内の出版物は網羅的に全部収集、保存しておりますし、できる限り海外の資料も収集して、広く国民の利用に供する責務を負っておるわけでございます。  ただいまお話しの、目下建築中の別館が完成いたしますと、書庫の収蔵スペースは現在の書庫の二倍を超えることになりますので、資料の整理、保存のみならず、図書館運営全般に万全を期することが可能となります。  先生御承知のように、我が国におきましてはコンピューター技術や通信技術は極めて速い速度で発展いたしておりまして、特に、従来から困難とされておりました漢字処理技術も目覚ましく発展しております。これらの技術の発達は図書館技術に全面的に応用可能なものでございまして、別館の完成時期にはこれらを大いに取り入れまして、当館に課せられましたサービスを質、量ともに充実発展させてまいりたいと思っております。  私どもは、国の中央図書館として、国際社会の中で我が国の一大情報センターとなるべく、図書館奉仕をより一層推進してまいりたいと考えております。

高沢寅男日本社会党・護憲共同

○高沢委員 もうあと時間がわずかです。それではここで、この両条約のもとになるユネスコ関係でもう一度御質問して終わりたいと思います。  これも新聞報道でありますが、アメリカがユネスコを脱退するということをことしの一月一日付で通告をした、こういうふうに報道されております。その経過あるいはその理由というものはいかがでしようか。

遠藤哲也外務省国際連合局審議官

○遠藤説明員 アメリカが脱退通告をユネスコの事務局長にいたしましたのは去年の十二月二十八日でございます。  脱退の通告に至った理由でございますけれども、私は、大きく分けまして三つあろうかと思います。一つは、ユネスコがどうも過度に政治化していっているのではないか、つまり、ユネスコの本来の権限分野を越えた政治問題が取り上げられるに至っているのではないかというのが一つでございます。もう一つは、どうも自由社会への敵対的な姿勢がとられているのではないか。これはもうちょっと具体的に申し上げますと、例えば新世界情報秩序等々の樹立の動きがあって、どうも情報の流れに対して国家の統制を加えようなんという動きが傾向として見られるのではないか、この点が第二番目でございます。第三番目に、どうもユネスコ予算というものが無制限に膨張する傾向にある。こういったような政治化の傾向、自由社会への敵対的な姿勢、予算問題、大きく申し上げまして三つの理由を挙げておるわけでございます。

高沢寅男日本社会党・護憲共同

○高沢委員 二番目に言われた新世界情報秩序というのは、ちょっとその内容をまた説明してください。どういうあれでしょうか。

遠藤哲也外務省国際連合局審議官

○遠藤説明員 この新世界情報秩序のそもそもの出てまいりました背景と申しますのは、どうも現在の世界では情報の流れというもの、つまり世界のニュースというものが先進諸国の報道機関によって独占されていて、いわゆる情報の流れには非常に大きな南北の格差がある、したがいまして、そういったような南北の格差を埋めるためには新世界情報秩序の樹立が必要ではないか、こういうふうなことを発展途上国側が言っているわけでございます。  さてそれでは、その新世界情報秩序の中身でございますけれども、実は具体的にはまだ固まったものではございません。しかしながら、例えば情報の独占の排除であるとか、ジャーナリストの自由と責任であるとか、文化の独自性の尊重であるとかといったような幾つかの点が挙げられているのでございますけれども、これはまだ固まった内容ではございません。そこで、問題はこういったような抽象的な字句ではなくて、こういった中身を具体化する対応とか過程において、情報の流れ、マスメディアに対して国家の権力が介入していく、国家の統制につながるのではないかというふうな懸念を西側諸国は抱いておるわけでございます。

高沢寅男日本社会党・護憲共同

○高沢委員 例えばソビエトとか中国とかああいう国は皆、新華社通信あるいはタス通信、いわば国営ですね、そういうような社会主義国のあり方。それから発展途上国で、例えばインドネシアならばアンタラ通信というのですか、そういうふうなその国の通信社がありますね。発展途上国でもやはり国営形態をとっているケースが多いわけですか。そういうことが今御説明のそういう通信の自由という原則に反する、こういうことがアメリカの新世界情報秩序に対する不満の原因になっておる、こういうことと理解していいのですか。

遠藤哲也外務省国際連合局審議官

○遠藤説明員 お答え申し上げます。  若干答弁が前後するようでございますけれども、確かに先生おっしゃいますように発展途上国の若干の国は自分の国営通信社なり何なりを持っているのは事実でございますけれども、発展途上国の方の不満と申しますか問題点は、例えば先進国側が持っておる通信社は発展途上国の通信社より力が圧倒的に強くて、結局は情報の流れというものに格差がある、これを是正したいというのが発展途上国側の希望であるわけでございます。これに対しまして先進国側は、南北格差の是正というものはある程度わかるけれども、具体化の段階において、例えば今若干話題になっておりますのは、報道に対して規範コードをつくろうなんという動きがあるわけでございます。そういったものが下手をすると国家権力によって情報の流れを、この情報はいかぬのだとかこれはいいのだとかいうふうな選別に使われやしないか、そういうふうな懸念が西側諸国にあるわけでございます。

高沢寅男日本社会党・護憲共同

○高沢委員 今の御説明を聞きながら私も、かつて日本ではアメリカ占領軍のプレスコードというのがあって、この報道はよろしい、これはいけないと、実際上随分検閲制度があったのをちょっと思い出しました。しかし、発展途上国の側からそうした、今説明されたような、そもそも情報のいろいろな手段に格段の差があるというふうなことはひとつ是正してやるような、先進国側としてはそういう大局的な態度が必要だと思いますね。  そういう点において、何かアメリカのみならずイギリスもユネスコから脱退というふうな話が出ているやに聞きますが、その事実関係と、そして日本としてはそういうアメリカに対し、あるいはもしイギリスもそうならばイギリスに対して、そういう脱退というようなことはやめなさい、このユネスコをむしろ内部にあってより発展させる役割を果たすべきじゃないのかということをまた大いに日本からの意見として述べていくというふうな基本的な態度が必要じゃないかと思いますが、最後にそれを聞いて終わりたいと思います。

遠藤哲也外務省国際連合局審議官

○遠藤説明員 アメリカの動きにつきましては先ほど御説明申し上げたとおりでございますけれども、イギリスも、実は四月三日にイギリスの海外開発大臣の名前におきましてユネスコの事務局長に対して、ユネスコ問題につきましての意見書が提出されたわけでございます。この意見書の中身というのは、ユネスコには随分改革されるべき点がある、例えばプログラムの選定、作業計画の選定でも優先順位がはっきりつけられてないとか、あるいは予算もどうもふえ過ぎる、それから中央集権化が非常に強く、ユネスコ経費の非常に多くの部分がパリの本部で使われておる、こういうふうな幾つかの点を指摘しまして、どうも改善の要があるのではないか。それでイギリス政府としては、ことし末までに何らかの改善がユネスコでなされることを期待しておる、そういったことを踏まえて、ことし末の時点でイギリスとしてはユネスコの方針をもう一回レビューしてみたい、ここからが実は問題なんですけれども、もしその改善が見られなければイギリスとしてはユネスコにとどまることが困難となるということを言っておるわけでございます。したがいまして、イギリスの場合はアメリカとは違いまして、問題点があるぞ、もしそれがなかなか改善されなければイギリスとしてもユネスコに対して非常に苦しい立場に置かれる云々、こういうことでかなり程度の差があろうと思います。  そこで、次に日本でございますけれども、日本はやはりユネスコの今までやってきた功績それから本来ユネスコが果たすべき役割というものは非常に高く評価しておりまして、アメリカのユネスコ脱退通告につきましては、アメリカの指摘しておる点はある程度わからないでもないけれども、しかしそういったユネスコの改善というものは内部にあって内部改革でいくべきではないか、したがってユネスコにはとどまってほしいというふうな働きかけをアメリカにはやってきておるわけでございます。  イギリスの方でございますけれども、このユネスコの改革問題というものは、現在ユネスコの先進諸国の中でじゃあどうしたらいいかということを協議中でございまして、これがある程度まとまりましたならば、これは当然のことながら志を同じくするような発展途上国の国々とも相談しユネスコの改善に努めていきたいと思うのでございますけれども、そういった過程におきましてイギリスにも十分に私どもの意のあるところを伝え、むしろ内部改革の必要ということを訴えていきたい、こういうふうに思っております。

高沢寅男日本社会党・護憲共同

○高沢委員 その線でひとつ頑張ってもらいたいと思います。  終わります。

中島源太郎自由民主党・新自由国民連合

○中島委員長 次に、古川雅司君。     〔委員長退席、石川委員長代理着席〕

古川雅司公明党・国民会議

○古川委員 ただいま議題になっております三件に関連をいたしまして若干質問を進めさせていただきます。  最初に、出版物の国際交換に関する条約をA条約として、公の出版物及び政府の文書の交換に関する条約、これをB条約としてお伺いを進めてまいります。  現在ユネスコ加盟国の総数は百五十数カ国というふうに承知をいたしておりますけれども、ユネスコの総会で採択をされたこの二条約の締結国は提案理由の説明によりましてもA条約が三十九カ国、B条約が四十一カ国となっております。これは余りにも少ないという感じを受けるわけでございますけれども、今後の締緒国となり得る国としてはどういうところが考えられるか、大体日本が最後の締結国となるというような感じなのか、その辺のところをお示しいただきたいと思います。

遠藤哲也外務省国際連合局審議官

○遠藤説明員 先生、今ユネスコの加盟国は全部で百六十一なのでございますけれども、百六十一に比べまして三十九なり四十一というのは確かに非常に少ない点はまさにその御指摘のとおりだろうと思います。私どもとしましては、日本が入った後、日本は今まで入っていなかったものでございますから、おまえ入れ入れ、そういうことを言える立場にないのでございまして、日本が入りました暁には日本としましても多くの国に呼びかけていきたい。例えば先ほどお話しの再来年の東京で開かれます図書館大会等々の場も通じてもうちょっと多くの国がこれに入るように呼びかけていきたいと思っております。  それじゃどういう国が対象になり得るかという点でございますけれども、私ども日本が地理的にも一番近いアジアの国からの参加というのが実は少ないわけでございます。したがいまして、そのアジアの諸国に対してはぜひともこの条約に加入していただいて、こういうたことのフレームワークの中で図書の交換を推進してまいりたいということで、日本が入りました暁には今後とも努力してまいるつもりでございます。

古川雅司公明党・国民会議

○古川委員 A条約のみあるいはB条約のみという締結国があるわけでございますが、それぞれの国の事情もあるとは思いますけれども、これはどういうことなのか、日本はやはり両条約の締結国とならなければならないのか、その辺はいかがでございますか。

遠藤哲也外務省国際連合局審議官

○遠藤説明員 お答え申し上げます。  最初、まずAに入ってBに入っていない国がブラジル、マラウイという二カ国ございます。片方、Bに入ってAに入っていない国でございますけれども、これは四カ国ございまして、中央アフリカとイラクとソロモンとスリランカの四カ国であるわけでございます。  それで、なぜこういうふうになったかというのは必ずしも事情を明らかにしないのでございますけれども、一つ考えられますことは、A条約というのはいわゆる一般的な条約であって、それ自身図書の交換を奨励するというかなり一般的な条約である。他方Bの方は、国の出版物あるいは政府の出版物はこれをやりなさいということでもって中央機関にそれを指示するという、いわば強制的な要素のある条約でございまして、そういったような違いが国情を反映しまして、この三十九と四十一、中身も若干違う差になったのではないかと思われるわけでございます。  他方日本としましては、やはり一般的な条約であるAに入り、さらに特定の具体的なことを決めておるB条約に入ることが最も望ましいのではないか、かつ、少なくとも日本のような国につきましてはそうすべきではないか、こういうふうに考えているわけで、したがいまして両方あわせて御審議を願っておる次第でございます。

古川雅司公明党・国民会議

○古川委員 我が国のユネスコ分担金を予算書で見てまいりますと、五十六年度が四十一億九千六百四十万円、五十七年度が四十三億二千三百六十万円、五十八年度が約五十億円、そして五十九年度になりますと約二十九億円となっているわけでございますが、この五十九年度の急激な減額というのはどういう理由なのか、その点ひとつお示しをいただきたいと思います。

遠藤哲也外務省国際連合局審議官

○遠藤説明員 本件についてはこのようにお答えいたしたいと思います。  まず、ユネスコの分担率自身は去年からことしにかけましてむしろ若干上がったわけでございます。したがいまして、当然、だから日本の分担金が上がってしかるべしという点にはなるわけでございますけれども、他方、ユネスコの予算というのがドル表示になっておるわけでございます。ところがユネスコの実際の経費の使用は、ちょっと金額的には私必ずしも正確じゃないかとも思いますけれども、約七割ぐらいがフランスを中心とするところで使われておる、こういうようなこともございまして、実はユネスコの予算自身は去年からことしにかけて約四%ぐらいの増額を見たわけです。  他方、日本の方の分担率もふえておるということであるわけでございますが、ドルとフランあるいはドルと円の為替変動の理由によりまして、本来ならふえてしかるべしなのが、日本のドル表示あるいは予算を御審議いただく円表示となりますと実はこれはかなりの減額を見た、こういうことでございまして、これは圧倒的に多くの理由がドル、円、フランという為替変動の理由による減額でございます。

古川雅司公明党・国民会議

○古川委員 そうしますと、近来の我が国のユネスコの分担金、この分担率というのは大体どのくらいになっているのでございましょうか。主要国の分担率とあわせて、ひとつ御答弁をいただきたいと思います。

遠藤哲也外務省国際連合局審議官

○遠藤説明員 お答え申し上げます。  ユネスコの予算というのは二年度制予算をとっておりまして、至近年であります一九八二年から八三年の予算におきます日本の分担率は九・四八%であったわけです。八四年から八五年につきましてはそれが一〇・一九%に上がっております。他方、ほかの先進国はどうかという点でございますけれども、これは日本のさっき申し上げました一〇・一九に対します分担率でございますけれども、アメリカは二五%で頭打ちということになっております。したがいまして、アメリカ二五%それから第二位がソ連でございまして一〇・四一%、それから第三位が日本でございまして一〇・一九%、四番目が西ドイツ八・四四、五番目がフランスの六・四三というふうな順番かつその比率になっております。

古川雅司公明党・国民会議

○古川委員 わかりました。  条約の中身に入ってまいりますけれども、この二条約の条文の中に非常に類似をした用語がかなり使われておりまして、例えば「国の交換機関」それから指定される「中央当局」、「中央交換当局」それから「締結国の交換当局」それから「交換当事者」、この二条約は採択から二十六年、効力を発しましてからもう二十三年という年月の隔たりもあるわけでございますが、この使い分けは今日においても何ら支障がないのか、我が国に当てはめてお答えいただければ幸いです。

斉藤邦彦外務省大臣官房外務参事官

○斉藤(邦)政府委員 御指摘のとおり類似の用語が用いられております。例えば出版物の国際交換に関する条約におきましては、「交換機関」とか「中央交換当局」とかあるいは「交換当局」こういう名前が用いられております。しかしながら、これらの用語を用語の言葉ぶりにとらわれて解釈いたしますといろいろ不都合が生じてくると考えております。したがいまして、その解釈、その内容につきましてはそれぞれの条文に則しまして判断することになるわけでございますけれども、本質的にはそれぞれ用語が違っているからといってその意味する内容が異なるという事情にはないと考えております。

古川雅司公明党・国民会議

○古川委員 我が国はまだ加盟国にはなっていないわけでありますけれども、これまで政府あるいは国会図書館としてA条約第九条に言う「情報及び調書」をユネスコから送付をされたということについてはいかがでございましよう。されているのかどうか、この辺はいかがですか。

遠藤哲也外務省国際連合局審議官

○遠藤説明員 先生今御指摘の第九条のユネスコがつくります調書でございますけれども、これは大体二、三年に一回ぐらいつくっておりまして、これにつきましては日本も送付を受けております。

古川雅司公明党・国民会議

○古川委員 まだ加盟国になっていないけれども、送付は受けているということでございますか。

遠藤哲也外務省国際連合局審議官

○遠藤説明員 そのとおりでございます。

古川雅司公明党・国民会議

○古川委員 A条約の十条で規定をしております国の交換機関の創設または組織化のためにユネスコが援助を与えるという条文があるわけでございますが、これは実際にはどういう場合にどういう締結国に対して行われるのか、今日まで実績があるのかどうか、その点いかがでございますか。

遠藤哲也外務省国際連合局審議官

○遠藤説明員 まず先生の御質問を二つに分けまして、一つはどういうふうな援助があり得るのかという形態と、もう一つはこれまでにその実績があったかどうかという二点でございますが、まず第一点のユネスコによる援助につきましては、私は、これはかなり発展途上国が念頭に置かれているのではないかというふうに思うわけでございます。と申しますのは、発展途上国が交換センターなり交換機関をつくるときにはやはりそういったようなスタッフの訓練とか、あるいはどういうことをしたらいいのかといういわゆる情報の提供、そういったものにつきましてユネスコからそういった国に対して情報とか資料あるいはコンサルタントの派遣、こういうふうなことが行われ得る、こういうことの規定がAにつきましては第十条、Bにつきましては第十二条の趣旨ではなかろうかと思うわけでございます。  それじゃ具体的にそういうふうなケースがあったのかということにつきましては、申しわけございませんけれども、この点、私ども承知しておりません。

古川雅司公明党・国民会議

○古川委員 はい、結構でございます。  B条約の二条で政府当局の命令と費用で作成されるものは公の出版物及び政府文書とみなすということになっているわけでございますが、議会の会議録、裁判所の判決集、こういったものもこうした公の出版物及び政府文書に入るのではないかと思うわけであります。どうして政府命令によって作成されたものとみなされることになるのか。この条項については、我が国にとっては明らかに当てはまらないのじゃないかという感じを受けるわけでございますけれども、我が国にとってどう考えていけばいいのか、その辺をひとつお示しをいただきたいと思います。

遠藤哲也外務省国際連合局審議官

○遠藤説明員 第二条の第一項の先生御指摘のところでございますけれども、日本の場合は議会の文書というのは国会の経費により国会によってつくられるものであって、これを政府の文書とみなすということには当たらないと思います。しかし、この条約に挙げております対象というのは一つの例示でございまして、それじゃ日本の国会の議事録はどうなるのかということでございますけれども、この例示には確かに入らないと思います。しかしながら、条約に基づきます実際上の交換におきましては、条約の例示に当てはまりませんけれども、むしろ日本の判断としてそういうものを交換の対象にいたしていいのではないか、こういうふうに思っております。これは例示でございますから、日本政府の独自の判断によって広げることはこの条約の全体の趣旨にははまるのではないか、こういうふうに思っております。     〔石川委員長代理退席、委員長着席〕

古川雅司公明党・国民会議

○古川委員 いずれにいたしましても、この二条約は採択から二十六年を経過してなぜ今我が国が締結国にならなければならないか、大体この二つの条約に入らなくてもそう大きな支障はないのではないかという感じも受けるわけでございますが、どうもメリットがはっきりいたしません。けさほど来の御答弁で八六年、昭和六十一年に国際図書館連盟の大会が東京で行われる、そのためにどうしてもこの条約に入っておいた方がいいという意味の御答弁もございましたが、最後に、この国際図書館連盟の大会を迎える大会のホスト役としての役割、またこの大会に対する政府の評価、この点についてお伺いをいたしておきたいと思います。

三塚俊武国立国会図書館総務部長

○三塚国立国会図書館参事 お答えいたします。  今御質問ございました国際図書館連盟の五十二回大会が昭和六十一年に東京で開かれる予定でございます。  その国際図書館連盟の東京大会を迎えるに当たりまして、日本図書館協会を中心といたしまして各種の図書館団体、それから当館等の同連盟に加入しております機関の代表によって、五十八年七月に国際図書館連盟東京大会組織委員会というものが発足いたしまして、同委員会のもとに実行委員会及び専門委員会等の下部機構が設置されまして、同大会の準備、運営等の具体的な協議が進められております。  当館といたしましては、昭和五十八年十二月に同大会の準備、運営に積極的に協力いたすために国際図書館連盟東京大会協力事務所というものを設置いたしました。  同大会のテーマでございますが、「二十一世紀の図書館」をIFLA本部に提案することが決定され、同大会の開催要綱が決められております。  主催機関といたしましては、IFLA東京大会組織委員会と日本図書館協会が当たりまして、その協力、後援機関といたしまして当館、文部省及び東京都が挙げられております。  開催時期は、昭和六十一年八月二十四日から同三十日まででございまして、参加予定国は約八十カ国というふうに見込んでおります。

古川雅司公明党・国民会議

○古川委員 では次に、国際熱帯木材協定に関しまして質問を進めてまいります。  先ほども御議論がありましたが、インドネシア政府が一九七九年以来丸太の輸出規制などを次々に行っているわけでございます。現在のインドネシアの木材輸出政策というのは一体どういう状況なのか。このインドネシアと同じような規制を行っている国がほかにもあるのかどうか。そしてまた、インドネシア政府が一九八六年から丸太の全面輸出禁止の方針を打ち出しているということを聞いておりますけれども、その見通しはいかがでございますか。  また、さらにつけ加えますと、それによる我が国の受ける影響はいかがなものか、どうお考えになっているか、その点をお示しいただきたいと思います。

恩田宗外務省経済局次長

○恩田政府委員 先生御指摘のとおり、インドネシアは資源保存、それから木材加工工業育成という観点から一九七九年以来丸太の輸出規制をいろいろな形で行ってきております。当初は丸太の輸出を全生産量の四割に制限するということから始めまして、一九八○年からは国内向けと輸出向けを分けまして、その比率を二対一にするという制限をやりました。最後には、御指摘のとおり、一九八五年には全面禁輸という方針をとっております。  それで、日本としてはインドネシアの熱帯木材、その最大の供給国であったわけでございますので、これにより多大の影響を受けるわけでございます。したがって、政府としては従来よりインドネシアに対してこの規制を緩和するようにいろいろな機会を通じて働きかけたわけでございます。同時に、インドネシアの森林資源の保存政策に寄与するために調査であるとか技術協力であるとか、こういうことも行ってきたわけでございますが、インドネシアの政府のとっているこの資源保存政策、それから木材加工産業をぜひインドネシアに育成したという方針はかなり強いものがあるように承知しておりますので、今後ともこの問題についてはインドネシア政府に働きかけを続ける方針でございますが、その見通しについては必ずしも楽観できないような状況であるということでございます。  他のアジア諸国については、タイ、インド、フィリピン、マレーシア等、それぞれの国に応じまして、それぞれの態様あるいは程度においていろいろな形の規制が行われております。例えばタイについては昭和五十二年以来原材料としての木材の輸出を禁止しておりますし、また、マレーシアについても、現在非常に大量の木材を日本に輸出してきているわけでございますが、一応枠を設けるとか、いろいろな形の政策が行われておるという状況でございます。

古川雅司公明党・国民会議

○古川委員 いろいろと働きかけを続けていらっしゃるという御答弁でございました。こうした木材輸出国が輸出規制あるいは全面的な輸出禁止という方向に今後進んだ場合、これはそういう働きかけ、二国間交渉だけで解決できるのか、それ以外の方法というのは考えられるのかどうか。その点はいかがでございましょう。

恩田宗外務省経済局次長

○恩田政府委員 二国間交渉を除きますと、あとは多国間の話し合いということをあるいはお考えかと思いますが、一国の森林資源というものに対する政策は一国が固有に発動する傾向のかなり強いものでございますし、また、先ほどお話のありました開発途上国の一般的な新経済秩序というか、そういうものによって代表されるナショナリズムというものは、かなり資源にも資源ナショナリズムという形で及んできておりまして、これは国際的な話し合い等々でその政策が大きな影響を受けていくということにするにはかなりの難しい問題があるのじゃないかというふうに考えております。

古川雅司公明党・国民会議

○古川委員 こういう木材の輸出の規制あるいは全面輸出禁止という方向をとっていこうとする国、これはただいま議題になっております熱帯木材協定に加盟ができるのかどうか。また、加盟国となってこういう行為を次々に進めていった場合に、果たして商品協定としての木材協定の意義を保ち続けることができるのかどうか、その点はどうお考えでございますか。

恩田宗外務省経済局次長

○恩田政府委員 この協定は一般に熱帯木材の価格と供給の安定を図るために生産国と消費国が協力する枠組みをつくるというのが目的でございますが、その中にも、この協定を作成する過程においては生産国側の希望、すなわち、できるだけ加工度を高めて輸出したいという希望、そういう希望をも十分考慮した形で議論していこう、この機関を運用していこう、こういうことになっております。他方、もちろん消費国側の希望としての原材料のままの木材の輸入という需要もあるわけでございますから、そういう両方の要望、意向、需要、そういうものは今後国際機関、この機関を運用する過程において双方で話し合いながら運営していく、こういうことになるのではないかというように考えられます。

古川雅司公明党・国民会議

○古川委員 ただいまの御答弁の中にも資源ナショナリズムのお話が出てまいりましたが、森林資源が最近枯渇化の進行が非常に大きな国際問題にもなっております。環境保全という見地からもこの問題については深刻に考えなければならない、このように思うわけでございますが、アメリカの国務省発表の「西暦二〇〇〇年の地球」という報告書がかつてございました。このままでは二十一世紀までに全熱帯林の四〇%が失われるというふうに報告をいたしておりますし、一九八二年の五月に開催されました国連環境計画特別会議におきましても世界の環境保全の観点から警鐘が鳴らされているところでございます。  森林資源の枯渇化の原因にはいろいろと挙げられると思うのでございます。一つには乱伐による森林の破壊ということも挙げられると思いますが、熱帯木材の大口輸入国としての日本、この枯渇化の原因と森林保護のために我が国の果たす責任というものはかなり大きいものではないかというように考えるわけでございますが、その点どのように受けとめていらっしゃいますか。

木幡昭七外務省大臣官房外務参事官

○木幡説明員 御指摘のとおり、大変森林の問題は難しい問題でございます。私どもはかねてからこの問題につきまして開発途上国からの要請を受けまして、具体的な例を一、二挙げさせていただきますと、例えばタイにおける木材生産技術訓練、それに絡んでの造林とか、あるいはインドネシアの南スマトラの森林造成等々、協力をしてきたところでございます。特に、また国連環境計画等の国際機関を通じた協力もございますし、我が国の二国間の協力と相まって、応分の協力を今後とも進めてまいりたい、このように考えております。

古川雅司公明党・国民会議

○古川委員 一般に言われておりますことは、熱帯木材の年間における世界の貿易量が八二年で約七十億ドル、日本はこの世界生産量の約四六%を輸入をしているというふうに伝えられております、これは国内需要の六五%が輸入に頼っておりまして、外材の輸入の五〇%に当たるというふうに指摘されているわけでございますが、日本のこの膨大な輸入量、これが熱帯木材につきましてもその森林資源の枯渇化につながっている、その量的な日本の占める輸入量との関連においてどうお考えでございますか。

恩田宗外務省経済局次長

○恩田政府委員 確かに、熱帯木材において日本の占める地位というのは、消費国としての地位というのは圧倒的に多うございます。したがって、それに応じた日本としての関心、またそれに応じた広い意味での国際的な責任というものはあろうかと思うわけです。したがって、今回のこの協定を作成するに当たっても日本としては極めて積極的な協力あるいはリーダーシップをとってやってきたわけでございます。もちろん、この失われつつある森林資源の消滅を防ぐというのは大変な事業でございまして、あらゆる努力を関係国がしなければならないわけでございますが、この機関を通ずる協力以外にも、国連環境計画あるいはFAO、こういう国際機関を通じてもぜひ努力を傾けていかなければならぬというふうに考えております。特に、東南アジア諸国に対しては我が国の隣国でございますので、特に密接に関係があるということで、先ほどお答え申し上げましたように、二国間ベースの経済技術協力においてもこの分野における協力を強化していく必要がある、かように考えております。

古川雅司公明党・国民会議

○古川委員 この森林資源の破壊でございますが、毎年熱帯林だけでも千八百万から二千万ヘクタールが失われていっている、このようにも伝えられているわけでございます。これは木材の採取ということだけが破壊の原因のすべてではないということも言われておりまして、焼き畑農耕であるとか放牧であるとかあるいは薪炭材の採取であるとか、いろいろ原因はございましようけれども、ここに、国連環境計画アジア・太平洋地域事務所長のレーナルト・レサカ氏が昨年、アジア熱帯林連続講座に出席のために来日をされて、そのときのレサカ氏の発言に、この熱帯林保護のための日本の役割、協力というものを非常に強調をしていらっしゃいます。  その発言によりますと、「教育機関をつくって、各国から専門家を集め、乱伐を防ぐ訓練をすることだ。そして、技術、知識、資本を提供して、アジア各国の自然保護活動に援助をすること。」の必要ということを説いておられるわけであります。さらにこの協定の審議に当たりまして大事だと思うことは、日本は「木材輸入量を減らすことも大切だ。」ということを発言をしておられるわけでございますが、このレサカ所長の発言をどう受けとめていかれるか、この点をひとつ御答弁をいただきたいと思います。

恩田宗外務省経済局次長

○恩田政府委員 日本は木材輸入を減らしていくべきである、こういう御趣旨の内容だったと思うのでございますが、実はその発言の資料、ちょっと私読んでおりませんのであれでございますが、一般的に申し上げますと、日本の木材輸入というのは少しずつ減ってきておるわけでございます。これはもちろん国内における需要が減っているという問題、それから現地における生産資源が減っているという問題、いろいろな問題があると思いますが、木材というのは一国の経済に占めるシェアが非常に多うございますので、産業政策としては、あるいは農水省あるいはその他の省庁の御関係かと思いますが、やはりいろいろな問題を考慮しなければいかぬ。その際には日本としては世界にとって森林資源を保全していくということは重要であるということは十分念頭に置いて国際協力という精神からこれに対処すべきだ、かように考えております。

古川雅司公明党・国民会議

○古川委員 その点は私も非常に難しい問題であるということはよく理解をいたしております。ただ、こうした世界の生産量の四六%を占める非常に大口の輸入国であるという立場から、これら輸出国が今後熱帯林の再生に対して日本に援助を求めるその要請の度合いというのは非常に濃くなっていくと思われるわけです。東マレーシア・サバ州から現地特派員の報道によりますと、ボルネオ島ベンコカ半島に面積六万四千五百ヘクタールの大規模植林計画が進められている、サバ州政府がこの計画に対して日本の資金援助を要請をしているということでございますが、そういう要請を受けたかどうか。そしてまた日本の技術協力とそれに必要な資金、約三十億円の円借款を求めているというように聞いておりますが、この点はいかが受けとめていらっしゃいますか。こうした援助問題についてはこれからも出てくるのではないかと思いますけれども、熱帯林の再生に対する我が国の熱意と申しますか、姿勢を示す一つの試金石になるのではないかと思いますけれども、いかがでございましょう。

木幡昭七外務省大臣官房外務参事官

○木幡説明員 御指摘の計画はマレーシアのサバ州における造林事業と現地住民の再入植とを組み合わせた大規模な計画であると存じますが、これにつきましては、現在のところ資金援助の要請は寄せられておりません。ただ、既に本件計画対象地域五万ヘクタールの一部でございます一万五千ヘクタールにおける事業化可能性の調査要請が先方から参っておりまして、この調査を五十八年度において、技術協力の一環といたしまして、国際協力事業団が今引き続き調査を実施している、こういう段階でございます。  それから、このような大規模植林計画に対するその他の諸国からの資金援助等の要請はあるのかということでございますが、現在のところはまだそれはございません。

古川雅司公明党・国民会議

○古川委員 以上お伺いしました問題点につきまして大臣の御見解をひとつ伺っておきたいのでございますが、こうした熱帯木材林のいわゆる資源の保護、また既に乱伐によって砂漠化しつつあるこうした地域に対する今後の日本のとるべき態度、また援助の方向等、外務大臣としてのお立場から御見解を伺っておきたいと思います。

安倍晋太郎自由民主党・新自由国民連合外務大臣

○安倍国務大臣 先ほどから答弁で事務当局も述べておりますように、我が国は南北問題を基本的には重視しておりまして、やはり南の発展に対しまして積極的な姿勢で臨むという考えで諸問題に取り組んでおります。この問題につきましても、我が国は最も大きい輸入国であります。さらにまた、相手の国の立場も十分踏まえなければならぬことは当然のことでありまして、そういう意味におきまする相手の資源の確保につきましては、またこれまでも農業協力、資金協力、技術協力等で砂漠化を防ぐための協力もやってまいっておりますが、今後ともそうした面には積極的に取り組んでまいりたいと思っております。  全体的には、この協定が承認をされますことによって、熱帯木材の世界の取引関係の秩序というものが維持される、そして非常に安定した形でこういう問題が進んでいく、そういう中で開発途上国に対する日本の役割というものを徐々に、そしてまた的確に果たしていくということで取り組んでまいる考えてあります。

古川雅司公明党・国民会議

○古川委員 次に、これも先ほど来ずっと御議論が進んでいたところでございますが、一次産品共通基金の早期発効のために我が国の果たす役割について、これはぜひ重ねて御決意のほどを伺っておきたいのでございます。  まず、大口でありますアメリカを加盟させることであるというふうに私は思うわけでございますが、アメリカ、ソ連あるいは西ドイツ、そういった未加盟の諸国の共通基金の分担の割合はどのぐらいになっておりますでしょうか。

遠藤哲也外務省国際連合局審議官

○遠藤説明員 まず、ちょっと順序不同でございますけれども、一番大きなアメリカが――先生申しわけございませんが、ちょっと資料を探しましてすぐお答え申し上げます。――どうも失礼しました。アメリカが一五%、それからソ連が――ちょっと先生申しわけございませんが、すぐ調べます。

古川雅司公明党・国民会議

○古川委員 いずれにしても大口のアメリカを加盟させることが大事だと思いますが、その点はいかがでございますか。

遠藤哲也外務省国際連合局審議官

○遠藤説明員 先生とうも失礼いたしました。  最初の御質問は、アメリカが一五・七一%、それから二番目が日本でございますが七・二八%、ソ連が五・七八%、西ドイツが五・六%でございます。(古川委員「もう一つ質問しました」と呼ぶ)  この協定が発効しますためには、数とお金が要るわけでございまして、まずお金の点につきましては、現在四四%まできております。しかしながら、この協定が発効しますためには三分の二が要りますので、あと二〇%強というのがまだ不足いたしております。したがいまして、この二〇%強を補充しますためには、アメリカは一五・七一%でございますから、アメリカの加盟というのは、必要不可欠とまでは申さないまでも非常に重要な要素でございます。  そこで、私どもとしましては、アメリカに何とかこの協定に早く入ってもらいたいという観点から、これまでも国連総会であるとかUNCTADの一次産品委員会あるいはUNCTAD総会等々のマルチの場を通じましてアメリカに呼びかけておりますとともに、二国間におきましても、例えば昨年の六月バンコクで開かれましたASEANの拡大外相会議の際にも、安倍外務大臣からシュルツ国務長官に向かって、この共通基金へのアメリカの早期参加ということを強く要請したわけでございます。今後ともこの努力というものは、マルチ及びバイの場を通じて重ねてとってまいりたいと思っております。

古川雅司公明党・国民会議

○古川委員 そこで、質問は重複をするわけでございますが、アメリカは今再加入をいたしましたけれども、かつてはILOから脱退をし、昨年はユネスコ脱退を通告をし、さらにUNCTADからも脱退しそうなことをにおわせているわけでございまして、これは、自分の思うようにならない、自分の気に食わなければこうした国際機関からすべて脱退をしよう、それが嫌ならばアメリカの言い分を聞け、こういう非常にひねた姿勢ではないかと思うわけでございます。これは一面から言えば、いわば恫喝外交と言えるのではないか。  日本がこの協定に加盟して、今御答弁がありましたとおりアメリカの加盟がどうしても必要不可欠であるということならば、日本政府としてもかなり強硬な姿勢でアメリカの加盟を迫らなければならない。アメリカの外交姿勢とあわせて、今後どうアメリカに対処していかれるのか、これは大臣の御答弁も含めてお願いいたしたいと思います。

安倍晋太郎自由民主党・新自由国民連合外務大臣

○安倍国務大臣 アメリカがユネスコから脱退をする、あるいはまたUNCTADには今後参加をしない、これは決まっておるわけではありませんが、そういうことも言われておるわけであります。また、共通基金に対しまして消極的な態度でありますが、これは何もアメリカがひねた態度でやっておるということではないのだろうと思います。アメリカはこれまで積極的に国連をつくってまいりましたし、あるいはまた国連を育てて今日の発展をもたらした最大の功労者というのはアメリカではないかと思うわけであります。それだけに大きな、最大の負担をいたしておるわけでございます。  最近アメリカにおいても、やはり財政面においていろいろと困難が起こってきております。そういう中で、ユネスコであるとか、かつてはILOであるとかそういう国際機関の活動というものが、どうしてもアメリカから見ると相当政治的な面が強調され過ぎて、アメリカの考えるところとは違った方向へ進んでおる。そういう点についての不満というものがアメリカの国内あるいは政府、議会の中でだんだんと募りまして、これがまた例えば今のユネスコからの脱退というところに進んでおるわけでございます。  私ども日本としましては、アメリカに次いで協力をしておるわけでありまして、日本は何としても国連中心という立場をとっておりますし、そして何とか国連が機能を回復し、発展をすることを願っております。あるいはまた国際機関がそれなりの役割を十分果たすことを願っておる。こういう立場から、むしろそうしたマルチの場を積極的に活用するという姿勢でございますが、アメリカに対しましてもマルチの場あるいはバイの場において、今まで最大の貢献をしてきて最大の力を持つアメリカがこういう場から抜け出るということはかえって国際秩序というものを混乱することになるので、何とかとどまって、積極的に解決に努力してもらいたい、それが大国アメリカとしての責任じゃないかということを言っておるわけでございます。  アメリカはユネスコから脱退すると言いますが、しかしこれは何も永久に脱退するということではないと思います。やはりユネスコ自体のいろいろな問題点があります。我々が日本から見てみましても、予算の使い方とかあるいは中のいろいろな運営の問題であるとかそういう問題点がありますから、そういう点が改革をされ、改善をされればアメリカがまた戻ってくる可能性は十分ある、私はこういうふうにも思っております。その役割を日本が果たしていかなければならない、そしてアメリカが脱退したら早く復活をさせなければならない、そういうふうに思っておりますし、全体的にはやはり大事な問題ですから、日米関係の友好というものを基本にいたしまして、これからも日米間で十分話し合って、アメリカに対しても今後の積極的な対応を求めてまいりたい、そして国際社会の中で、日本も一緒になって努力を重ねる状況に持っていきたいものである、こういうふうに考えております。

古川雅司公明党・国民会議

○古川委員 私はやはり、アメリカの外交というのは、自分の意のままにならないから脱退をする、それが嫌なら言うことを聞けという姿勢が底流に強くあることは否定できないと思うわけであります。こうしたアメリカの国際機関への消極的な態度について、ただいま大臣から、アメリカの経済情勢やあるいは政治状況を踏まえて、非常に御理解のある御発言があったわけでございます。反面、アメリカの世界戦略的あるいは軍事的な援助への肩入れについては、フィリピンの例などを見てもわかりますけれども、こういうものと対比をいたしますと、もう少し日本も毅然たる態度でアメリカに対して反省を促していく。この木材協定につきましてもそういう姿勢で臨むべきではないか、このように思うわけでございますが、重ねていかがでございましょうか。

安倍晋太郎自由民主党・新自由国民連合外務大臣

○安倍国務大臣 アメリカはアメリカなりの国としての基本方針があるわけでございますし、これをアメリカが進めるということについて、日本がとやかく言う立場にはない。アメリカは、今おっしゃるような世界戦略という面がアメリカの中で強調され、それが援助の一つの形となってあらわれることも、これはまたそれなりのアメリカの基本方針であろうと思うわけであります。  日本は、日本なりの援助の基本方針というものがありまして、人道主義であるとかあるいはまた相互依存関係に配慮するということが日本の経済協力の基本でありまして、日米間でいろいろと援助問題を話し合ってみましても、そういう点で一つの開きというものを感ずるわけでございます。  しかし、いろいろと基本的な考え方の差はありますけれども、とにかくともに世界の経済の安定を図っていこう、あるいはまた平和を確保していこう、そういう意味での基本的な態度というものについてはアメリカもそうでありますし、日本もそうであろうというふうに思うわけです。  ただ、そういう中での今の援助問題等にしましても、どちらかというと二国間を重んじて、多国間について、マルチの方に少し消極的になってきた。こういう点は日本にとりましても、将来の世界の、特に開発途上国等に対する積極的な姿勢を先進国がとるという立場からすれば、物足りない気持ちは十分持っておりますので、その点についてはアメリカにも常に我々は主張をし、そしてアメリカの積極的な努力というものを求めておりますし、今後ともこの姿勢で対応してまいる決意であります。

古川雅司公明党・国民会議

○古川委員 この共通基金が効力を発しませんと、一次産品総合計画の一環として今後作成をされる商品協定すべてに影響を残していくと思うわけでございます。今後の商品協定としてはどういうものが予定をされておりますか。

恩田宗外務省経済局次長

○恩田政府委員 一次産品総合計画のもとで十八の品目が上がっておりまして、それらの品目について新たにできるだけ商品協定を締結する等努力をしていく、こういうことになっております。それで、まだ商品協定が成立していないものはバナナ、ボーキサイトその他、品目としては十近くございますが、これらのものについてはそれらの品目それぞれの需給状況であるとか、生産国、消費国の利害関係であるとかあるいは貿易の実態がどうなっているか、こういうことによるものが多うございまして、これらのことを総合的に判断いたしますと、残った品目については商品協定締結が今直ちに進むという状況がなかなか見えてきてない、現在関係国の間で検討は進められておりますが、近い将来に採択されるであろうというふうな見通しがある商品は、今のところは見当たらない状況でございます。

古川雅司公明党・国民会議

○古川委員 最後に、この国際熱帯木材機関の本部の誘致について数カ国が立候補していると言われておりますが、我が国はこの本部誘致のメリットはお考えになっていないのか。  また、こうした国際機関の本部はこれまですべて日本以外に置かれているわけでございますけれども、熱帯木材は、先ほど申し上げましたとおり約半分を輸入しているわけでございまして、日本としては積極的に動くべきなのかどうか、その辺の御判断、さらにこの熱帯木材協定は研究開発など四つの分野で国際協力を行うことになっていますが、いずれもどういう研究開発をしようとするのかこれから具体的にお詰めになると思いますが、プロジェクトの話し合いあるいは資金の見積もり等について専門会議が持たれたと聞いておりますが、その辺を若干お答えいただきまして、私の質問を終わります。

安倍晋太郎自由民主党・新自由国民連合外務大臣

○安倍国務大臣 熱帯木材機関本部の本邦への誘致について申し上げさせていただきます。  我が国は従来から一貫して一次産品問題を含む南北問題全体に対しまして関心を有し、国連等の場で積極的に取り組んできておるわけであります。特に熱帯木材については我が国一国だけで世界の主要輸入国の輸入総量の四〇%以上を占め、我が国としても熱帯木材貿易の安定的な発展に大きな関心を有しており、今後熱帯木材に関する産消国間の協力に積極的に貢献したいと考えておるわけであります。また他方、我が国には南北問題を扱う国連機関の本部は今のところ皆無でありまして、我が国が一次産品に関する南北協力につき積極的な役割を果たすためにもこの国際熱帯木材機関本部を我が国に誘致したいと考えておるわけです。現在は大体七カ国ぐらいが立候補しております。イギリス、フランス、ベルギー、オランダ、ギリシャあるいはまたインドネシアそういう国が立候補しておりまして、なかなか激戦でありまして、もちろんまだ見通しがついていないわけでございますが、今後とも努力を重ねまして何とか当選するように持っていきたい、こういうふうに考えておるわけであります。  また、あとの質問については事務当局から答弁させます。

恩田宗外務省経済局次長

○恩田政府委員 この協定のもとで行われます研究開発のプロジェクトの問題でございますが、昨年の六月に予備会議が開かれておりまして、事業計画概要というものがつくられております。その内容は、大体四十二のプロジェクトを挙げておりまして、総経費としては一億五百万米ドルでございます。例示的に申し上げますと、東南アジア関係でございますと伐採後の森林、これをどうしたらいいかという調査を進めようとか、現在未利用である樹種、これを利用できるような方法はないだろうかとか、農業と林業が共存し得るような方法がないだろうかとか、植林して森林を再開発するテクニックはないか、あるいは苗の育成技術を開発する方法はないだろうかとかいろいろなものが挙がっておりまして、全部で四十二、そういうことになっております。

古川雅司公明党・国民会議

○古川委員 終わります。

中島源太郎自由民主党・新自由国民連合

○中島委員長 次に、木下敬之助君。

木下敬之助民社党・国民連合

○木下委員 千九百八十三年の国際熱帯木材協定の締結承認に関して幾つかの質問をいたします。  最初にお伺いいたしますが、昨年あたりから世界経済は先進国を中心に全体として世界的不況から脱却しつつあるのではないか、このように見られますが、大臣はこの点どのような見通しに立っておられますか。

安倍晋太郎自由民主党・新自由国民連合外務大臣

○安倍国務大臣 今アメリカの経済が相当な勢いで景気の回復をいたしておりまして、昨年以来ことしの状況では六、七%の実質成長を言う向きもあるほど景気が上向きになっていることは間違いがないわけでありまして、日本の輸出が伸びておるのもアメリカの景気に支えられていると言ってもいいわけでございますが、いわばアメリカが世界の不況脱出の機関車的な役割りをしておるわけですが、同時にまたイギリス、西ドイツの景気回復も進んでおるわけであります。残念ながらフランスとかイタリアはまだ景気の回復が顕著には見られないということで、ヨーロッパは相当跛行的な状況にあると思いますが、アメリカがこのような勢いで伸びておる、そして物価も安定しておる、こういう状況から見まして世界経済の全体に一つの明るい展望をもたらしていることは事実でございます。これが今後開発途上国等に漸次いい影響として出てくるのではないか、こういうふうに考えております。

木下敬之助民社党・国民連合

○木下委員 今回の景気回復は全体としては今言われたような状況で上昇してきている、しかし国別、地域別にはまだまだ格差も大きく、開発途上国では多額の累積債務を抱え、インフレに悩む国々が多く、困難な状態が続いております。今回の景気回復を持続せしめて、その波及効果により開発途上国経済の自律的回復を促し、世界経済を拡大均衡に向かわせることが当面の大きな課題である、このように考えます。我が国の開発途上国に対する経済協力政策を見直す必要がないのか、政府の考えをお伺いいたします。

安倍晋太郎自由民主党・新自由国民連合外務大臣

○安倍国務大臣 おっしゃるように先進国では景気回復が相当確実に出ておりますが、まだ開発途上国の景気回復にまでつながっていない。これまでの第二次石油ショックの後遺症が深刻な影を残しておりまして、例えば開発途上国の累積債務といった問題も容易ならざる状況にあるわけでございます。そういう状況でございますから、南北問題というのは今日の世界経済の中で最も大きなウエートを占める課題でありまして、恐らく今度のサミットでもこの南北問題が議論になると思うわけでございますが、日本としましては、御承知のように先進国の中では最も積極的に南北問題に対応してまいる、共通基金等の創設についても日本はこれを進めてまいったわけでございますし、あるいはまた南に対する開発援助あるいは累積債務の克服等についても積極的な取り組み方を政府はしてまいったわけでございますが、今後とも南北問題は大事である、特に重要なウエートを占めてきつつあるということで、日本のこの基本的な姿勢を堅持してさらにこれを具体的に進めてまいる、同時に日本だけではなくて、他の先進国にも南北問題の重要さを訴えて、ともに手を携えて南北問題に対応していく、こういう努力をしていきたい、こういうふうに思っております。

木下敬之助民社党・国民連合

○木下委員 我が国の場合は景気は上向いてきているとは言ってもまだ本格的なものじゃないし、財政赤字の増大による百兆円を超えた国債発行残高のことを考えると大変なことである、このように思いますけれども、世界経済の安定的な発展のため、今一部先進国の中に援助疲れというか、こういう風潮も見られるように思うのですが、こういった風潮を放置することなく先進諸国と協調して政府開発援助の拡充を図るべきだ、このように考えます。また、貿易、投資等の促進を図り、開発途上国の自立する基盤整備の自助努力に対していろいろな支援措置を講ずることが必要ではないかと考えますが、どうでしょうか。

安倍晋太郎自由民主党・新自由国民連合外務大臣

○安倍国務大臣 我が国は八一年からODAの倍増計画を策定いたしまして、これは内外に対しても表明をいたしまして、努力も重ねておるわけですが、予算の面では五十九年の九・七%、日本全体の予算の中では特に伸ばしていただいたような状況ですが、実際のODAの実績の支出ベースから見ますと、円ドルのレートの関係等もありましてあるいは多国間援助が進まないということもあって、むしろマイナスということになっておりますのは大変残念ですが、しかし、基本的にはこの倍増ベースを維持して、その目標を失わずに取り組んで努力してまいりたい、このように私は思っております。これは南北問題に対する日本の積極的な姿勢というものを象徴的にあらわすものですから、何としてもこの努力目標を掲げて、そして努力を重ねてまいりたい、こういうふうに思うわけでございます。  同時に、こうした援助の中で、やはり円借款による援助もありますあるいはまた技術協力という面もあるわけでございまして、そういう面は、特に技術協力等は今おっしゃるように相手の国の自立経済を達成させるという意味においては一つの大きな役割を果たすことになっておるのじゃないか、こういうふうに私は思っております。相手の国の開発発展あるいは民生の向上、そういうものに本当に積極的に役に立つような日本の地についた経済協力が必要であろう。そして、これはまたおっしゃるような相手の国の自立を助けるものでなければならない、そういうふうに思って、そういう角度からも日本としての努力を続けておるというわけで、そういう点では、私は日本の経済協力というものは最近においては全く地についたものになってきた、相手の国や国民に非常に歓迎されるような方向になってきていることを非常に喜んでいるものであります。

木下敬之助民社党・国民連合

○木下委員 そのODAの倍増の公約の実現というのは数字で見ると相当大変なようでございますけれども、今のところ実現に向けて御努力される、そのとおりだと思っております。開発途上国の輸出収入の確保、債務返済能力の向上等を図るために、開発途上国の輸出の大部分を占める一次産品価格の安定を図ることが強く要請されております。そういった効果を期待しての今回の国際熱帯木材協定であるわけでありますが、本当に効果が上がる、このように考えているのかどうか、お伺いいたしたいと思います。

恩田宗外務省経済局次長

○恩田政府委員 確かに先生御指摘のとおり、この協定は価格安定のための直接価格メカニズムに介入し得るような緩衝在庫であるとかそういうものがございませんので、そういう意味で言いますと、この協定の実施によって直ちに直接的に熱帯木材の輸出が促進されるということにはならないかと思います。しかし、この協定は今まで利用されていなかった木材を研究開発して利用することができないだろうかとか、あるいは木材市場に関する情報をできるだけ交換するとか、あるいは生産の状況に関する実態を把握するとか、あるいはまた長期的には発展途上国の木材確保に関する工業の育成の問題であるとか、あるいは森林経営の改善等々いろいろな開発に関する処置、価格に関する処置でなく開発部分に関する処置を行うことになっておりますので、私どもとしては、この枠組みを通じて生産国、消費国が協力することによって長期的には熱帯木材の生産国の輸出増大と同時に、安定し健全な国際貿易が維持されるよう期待しているところでございます。

木下敬之助民社党・国民連合

○木下委員 今回の国際熱帯木材協定はUNCTADの一次産品総合計画のもとで作成された商品協定の三番目のものである、そういうことですが、七九年の国際天然ゴム協定そして八二年のジュート国際協定は、それぞれ当初期待された効果を上げている、このように政府は評価しているのかどうか、お伺いいたしたいと思います。

恩田宗外務省経済局次長

○恩田政府委員 天然ゴム協定でございますが、これは八〇年の十月に発効したわけでございます。当時暫定発効でございましたが、当時はいわゆる協定で定めている価格帯を突き抜けて上の方に天然ゴムの価格があったわけでございます。その後に世界不況がありまして価格が急速に下落し、介入価格よりも下の方の価格に下がったことがございました。それ以来、この協定に基づきまして緩衝在庫の買い操作を行ったわけでございます。その結果、もちろん天然ゴムに対する需要がふえたということもございましたが、そのような操作の結果、価格は上昇しておりまして、今協定で定められている価格帯の上の方にとどまっているという状況でございます。私どもはこれは、この天然ゴムに関する商品協定がかなりの効果を発揮している、このように判断しております。  ジュートの協定につきましては本年一月に発効したばかりでございまして、この協定の効果につきましては今後この協定の運用状況を見てから判断すべきものではないか、このように考えております。

木下敬之助民社党・国民連合

○木下委員 大体そういうことだと思います。  今回の熱帯木材協定のようなこういった個別の商品協定の締結とあわせて、一次産品共通基金の発効が期待されております。期待されているというより共通基金の発効がなければ協定の本当の効果は上がらないのではないか、このように言えると思います。この未発効のままの一次産品共通基金の発効の見通し並びにこの発効を求めてUNCTADはどのような働きを示しているのか、お伺いいたしたいと思います。

遠藤哲也外務省国際連合局審議官

○遠藤説明員 最初の御質問の、状況、見通しでございますけれども、ことしの三月一日現在で一次産品共通基金協定の批准をしております国は七十カ国、それからこれらの七十カ国の全部の拠出額を合わせますと約四四%でございまして、協定発効の要件は国につきましては九十、それから資金、資本につきましては三分の二でございますから、国につきましてはまだ二十不足、資金につきましてはこれもやはり二〇%強不足ということになっております。したがいまして、これが発効するためには、まず批准国につきましては発展途上国、これの批准が非常に強く望まれるわけでございます。それから資本の方につきましては、何といいましてもアメリカ側の一五%強の負担割合になっておりますし、ソ連が七%強ということで、そういったような大口拠出国であるアメリカ、ソ連の批准というものがお金の点では殊に望まれるわけでございます。  そこで、昨年の六月にユーゴでUNCTAD総会が開催されまして、ここでもこの一次産品共通基金の発足につきましての、早期発効についての要請がなされたわけでございますけれども、幸いにしまして第六回UNCTAD、去年の六月から現在までにつきまして批准国の数はなかり伸びてきております。六月から現在までに合計いたしまして二十一カ国が新しい批准国となっております。したがいまして、数につきましてはもう少し努力をしてこの数をふやしていきたい、こういうことでございます。  なお資本の方につきましては、何よりも第一の大口拠出国であるアメリカの本件協定への加入について、今後とも日本としましても多数国間の場あるいは二国間の場を通じて要請してまいりたいと思っております。  第二番目のUNCTADはどうかということでございますけれども、UNCTADも、そういうような日本を含めまして関係国の働きかけによりまして、一次産品委員会あるいはUNCTAD総会等々におきましてもこの共通基金の早期批准を要請する決議が採択されております。この決議の結果もあってだとは思いますけれども、先ほど申しましたように過去十カ月くらいで数につきましては二十一カ国増加しておりますので、今後とも私ども努力をしてまいりたい、こういうふうに思っております。

木下敬之助民社党・国民連合

○木下委員 これまでの委員会での審議を聞いておりましても、この問題、アメリカの決断みたいなものに相当絞られているような感じもいたしております。どうか日本もそのアメリカの決断に任せたままでいい格好だけして終わっているのではなくて、ちゃんとアメリカに対する姿勢も含めて実効あるようやっていただきたいと思います。  効果が上がるための条件とか周辺の問題はそのくらいにしまして、中身について少しお伺いいたしたいと思います。  この協定は、世界の木材資源の確保という観点からはどういう意義があると考えているのか、お伺いいたします。

恩田宗外務省経済局次長

○恩田政府委員 この協定の「目的」の中に、これは一番最後でございますが、「熱帯林及びその遺伝資源の持続的利用及び保全並びに関連地域の生態学的均衡の維持を目的とした国内政策の発展を奨励すること。」ということでございまして、この協定の一つの目的が熱帯森林資源が安全に確保されるように、こういうことになっております。  具体的にどのようなことをやっていこうとしているのかということにつきましては、研究開発関係でいろいろなプロジェクトが案としては現在存在するわけでございますが、これは協定発効後理事会がおいおい決定して、いろいろな作業をやっていくことになろうか、かように考えております。

木下敬之助民社党・国民連合

○木下委員 世界の森林資源の枯渇に関して、森林経営の指導等を通じて日本が貢献できる道は広がるのか、どのように考えておられますか。

恩田宗外務省経済局次長

○恩田政府委員 先ほど申し上げましたように、この協定が発効した場合は造林であるとか森林経営、これに関する研究開発等が国際協力のもとに行われることになっております。もちろんそのほかにも新たな造林技術の開発等、いろいろな問題について木材資源確保につながるような項目についての試みがなされると思います。我が国は、既に国内において相当の造林の経験がございます。また、もちろん日本と熱帯地方との気候の差あるいは条件の差等があるとは思いますが、我が国の蓄えてきた森林資源保全確保、これにつながる技術及び人材を今後とも国際協力の精神にのっとりましてできるだけ提供していきたい、かように考えております。

木下敬之助民社党・国民連合

○木下委員 木材資源の確保保全とか森林経営、造林とかいろいろおっしゃられて、しかし一口に言ってもいろいろあるわけで、熱帯の自然林の大木は、私の聞くところによりますと、一度切った後にまた簡単に植樹しておけば大きく育つとかそういったものではなくて、人為的に造林することは非常に難しいように聞いておるのですが、この南洋材の造林技術というのはどこまで研究されて確立されているのか、教えていただきたいと思います。

野村靖林野庁指導部計画課長

○野村説明員 我が国の熱帯地域におきます造林技術に関する研究につきましては、農林水産省の熱帯農業研究センターが林野庁の林業試験場の研究員を熱帯地域の国々に派遣いたしまして、相手国の研究機関とともに共同研究を行うという形で実施をしております。  昭和五十年度から昭和五十四年度までの間にフィリピン大学、マレーシア森林研究所と共同しまして熱帯地域における育林技術に関する研究を実施いたしました。また昭和五十五年度以降フィリピン大学と共同してフタバガキ科樹種の更新並びに竹の造林に関する研究及び熱帯地域における早生樹種に関する研究などを実施しております。  これまでの研究によりまして造林適地の判定法あるいは造林樹種の特性、一部害虫の防除法などが明らかになりまして、現地で活用されているものもございますが、やはり未解明な部分が多うございまして、さらに研究を進める必要があろうか、かように考えております。

木下敬之助民社党・国民連合

○木下委員 細かいことが全部確立とか皆わかったということになるわけはないと思いますけれども、大まかにいって、さっき言ったように一応見通しとして、切っちゃって枯渇しておると言われておるああいう大木が再現できる道がもう開けておるわけですか。

野村靖林野庁指導部計画課長

○野村説明員 森林の更新につきましては、一つは天然更新と申しまして天然力を活用した更新方法がございます。それから人工で苗木を植えまして更新する人工植栽、人工更新というような方法がございまして、大径木を切った後に天然力を活用しまして、天然下種更新と申しておりますが、これによって再生を図るというような方法。それから先ほど申し上げましたような人工植栽による方法、いろいろございますが、やはり造林技術と申しますのは現地におけるシステムの技術でございまして、先ほど研究協力について申し上げたわけでございますけれども、御案内のように熱帯の森林の回復につきましては国際協力事業団の事業を通じまして林野庁がこれを支援するという形、プロジェクト技術協力という形で幾つかの国々で造林の回復についての協力を行っております。  こういう現場での技術協力の過程を通じまして、こういった更新の確立に努めておる次第でございます。

木下敬之助民社党・国民連合

○木下委員 ちょっと日本の林業について触れてみたいと思います。  私は平素から国土の保全、水資源の涵養、環境の浄化等のこういった山林の持つ機能の重要性というのを強く認識している者です。今日本の林業は悪条件と闘いながら必死に生き残っておる、こういう状況であろうと思いますが、徐々に山から人が撤退しつつあり、このままでは森林は存在すれど林業は存在せずという時代が近い将来来るのではないか、このように思われてなりません。健全な林業の存在していない放置された山では、先ほど述べたような国土保全等の重要な山林の機能が十分には果たせない、このように思います。  台風とか集中豪雨で被害を受けた山林に二つの特徴がある、このように聞きました。その一つは、当たり前のことですが、急傾斜地であること、もう一つは除間伐がほとんど行われてない、このように言われます。どうしてそんなことがわかったんだと私聞きましたら、その人は製材業をされている人ですが、災害で崩れた山の倒れた木が製材に回ってくる、その木を見ると、みんなそれらが除間伐のなされてない木ばかりだ。こういうことから考えて、除間伐されてない山というのは災害を招くんではないか、こういうふうにその方はおっしゃっておるんですね。私もその話を聞いて本当にそうだなと思ったんですが、こういったことを調べたことはあるのか。このことを証明するような統計とか出てはいませんか。教えていただきたいと思います。

野村靖林野庁指導部計画課長

○野村説明員 山地災害につきましては、降雨等の誘因あるいは地形、地質等の素因が複雑に作用して発生するものだと考えております。  ただいま先生御指摘のように、森林の持つ国土保全の機能を効果的に果たすためには除伐あるいは間伐等の森林の適正な施業を確保していくということも重要でございまして、各種の林業の施業、手だてを講じてまいりまして公益機能あるいは経済機能の確保に努めていきたい、こういうふうに考えているところでございます。

木下敬之助民社党・国民連合

○木下委員 今の考えはいいと私は思うのですけれども、一遍きちっと調査して答えをいただけませんか。この方はそういう体験の中から、除間伐されていないところは災害が起こりやすいのだという本人なりの結論を引き出している。だから、統計をとったりいろいろ調べて、本当にそういうことになるのかどうかはっきりさせていただきたいと思いますが、どうですか。

野村靖林野庁指導部計画課長

○野村説明員 先ほど申し上げましたように、山地災害が非常に複雑な要因によって発生をするということでございまして、またこれは現地の態様によっていろいろ変わってこようかと思います。直ちに除伐あるいは間伐が直接の誘因に結びつくかどうかということは現地の実態に応じて変わってまいるかと思いますが、いずれにいたしましても、除伐なり間伐を適正に実施していくということは森林の健全化を図る意味において重要でございます。  そういうように、経済的な意味でも公益的な意味でも除伐、間伐が必要だということでございますけれども、ただいま先生御質問のように、それがどのように災害の発生と結びつくのかという問題は、大変難しい面もございますが、今後いろいろと研究させていただきたいと思います。

木下敬之助民社党・国民連合

○木下委員 ぜひともきちっと答えを出してもらいたいと思います。メカニズムはわからないけれども、少なくとも統計としてそうなるとか何らかの答えを、これは一つの問題提起でございますから、製材業者がそう言うのですから、崩れた山から運んでくるものはみんなそうだ、その業者のそこだけそうなのか、全国的に本当にそうなのか、私どもだけでは調べが進みませんので、どうぞはっきりさせていただきたいと思います。ただ、今も一言われましたように、関係があるのじゃないかと思われる点はたくさんあるのだと思います。除間伐していくことが林業としてそこの生産性だけの問題じゃない重要な問題をはらんでいる、そういったことがほぼ明らかになりつつあるのじゃないかと私は思いますので、論議の中心としてそこをはっきり踏まえて質問が進められますようにぜひとも答えを出していただきたいと思います。  ほぼそういったことは言えると私は思うのですが、そういう中で国土保全、災害防止のために対策が必要なわけです。除間伐をどうやったら進められるかということを考えていかなければならぬと思いますが、これは幾ら災害、国土保全に関係があるからといって国で全部やるわけにはいかないし、何しろ国内林業の健全な育成が国土保全上不可欠な要素である、このようになっていくであろうと思います。そういう意味で、本当は林業がもっと健全に育っていただきたいわけですが、今のような外材の大量な安価な輸入が続けば日本の林業は必ず滅びる、このように断言する林業者がたくさんいます。この際、そういう林業育成の立場から、外材輸入はある程度制限して国内林業の育成を図る必要があるのではないか、このように思いますが、いかがでしょうか。

三澤毅林野庁林政部林産課長

○三澤説明員 我が国の木材需給全体を見てみますと、六十数%が海外に依存している現状でございます。そして、なおかつ我が国の森林、林業の実情からいたしまして、当分の間は相当量の木材を海外に依存せざるを得ない状況にございます。  そこで、先生御指摘のとおり、輸入が国内市場を圧迫することがあっては好ましくないわけでございますので、私どもといたしましても需要に見合った適切な輸入が行われることがぜひ必要であると考えている次第でございます。  しかしながら、この場合に、強権的な方法によって輸入を制限するとか規制するとかいう話になりますと、御案内のとおり、現在各国から市場開放等を求められている国際経済環境でございますから、これは困難でございますし、また適切でもないと考えられる次第でございます。  したがいまして、私どもといたしましては、これまで対外的には、米国、カナダあるいはその他の主要産地国との間で幅広い情報及び意見交換の場を持ってきたところでございまして、また国内的には、需要と供給が結びつくように短期需給見通しの作成、あるいはそれを公表し関係業界に対しても周知させるということで木材需給の安定に資する、そういう努力を払ってきたところでございます。今後とも、国内林業を圧迫しないという意味で木材需給の一層の安定は必要だと思いますので、そのように努力してまいりたいと考えている次第でございます。

木下敬之助民社党・国民連合

○木下委員 本条約との関係等いろいろあると思いますが、外材輸入を制限できないですか。これは今六十数%で、もっとこの後も輸入し続けなければならぬ。それはもうわかり切ったことです。当然なんですが、今の需要等いろいろ考えまして、この六十数%というのは多過ぎるのではないか、どのくらいの輸入でいくのがいいと考えているか、この輸入を制限することはできないのかという観点でもうちょっとお答えいただきたいと思います。

三澤毅林野庁林政部林産課長

○三澤説明員 今、国内の資源というのは、一千万ヘクタールの造林地ができまして育ちつつある状況でございます。しかも、大半といいますかほとんどが三十五年生以下の若い林齢でございまして、現在おおむね九千万立方余の国内的な需要があるわけでございますけれども、これを賄うことはとてもできません。一方、産出国、つまり海外の資源供給国におきましては、もともと資源を自国で加工し輸出したいという要望もございますし、そういう意味から、今我が国は丸太を輸入してそれを加工するという体制でやっているわけでございますけれども、そういうことに対してもかなりのいろいろな難しい要因も出てまいっております。  そういう意味からいたしますと、私どもが国内だけを考えて輸入を規制することにつきましてはなかなか困難ではないか、端的に申し上げれば、輸入規制をすべきではないと考えている次第でございます。

木下敬之助民社党・国民連合

○木下委員 生産国の方から緩衝在庫といったものが言われていると思います。景気の変動等で一遍に波を食うことなくある程度在庫を持ってほしい、そのことについてもどう考えておるかお伺いいたしたいし、また、その緩衝在庫を持つことは国内に出すものを調整するということですから、そういう意味で国内の林業者育成のために、輸入はそう制限できないにしても国内に出すものを在庫として抱えながら調整していくことはできないのか、お伺いいたしたいと思います。

恩田宗外務省経済局次長

○恩田政府委員 御審議をお願いしていますこの国際熱帯木材協定を審議する過程におきまして、緩衝在庫という考え方はもちろん議論されたわけでございますが、結局、木材というものの性格上在庫というものになかなかなじまない、置いておくとすぐ品質が悪くなる、品質を悪くならなくするためにはかなり相当のお金がかかるということもございまして、むしろ生産国側から緩衝在庫は現実的でないという考え方が強く出された経緯がございます。いずれにいたしましても、現在の協定では緩衝在庫というのはいろいろな意味からいって現実的ではないということになっておるのではないかと考えます。  また、先ほどの輸入の何らかの形での制限ができないかという問題につきましては、我が国が今一般的にとっています貿易政策、それから我が国が諸外国に約束しております国際的な義務、国際機関あるいは条約その他から考えまして、輸入制限という前提に立った措置というのはなかなか難しいのではないか。そうしますと、やはりこういうふうな国際的な協力の枠組みができておるわけでございますから、不当に安い木材が日本にどんどん入り込んできて日本の林業がそれによって打撃を受けることのないように、そういう問題も含めて話し合いの場で解決していくということが必要かと思います。一方的に日本政府の措置として制限をする、これは現実的ではないのではないか、かように考えております。

木下敬之助民社党・国民連合

○木下委員 日本の側だけの立場の利益だけじゃないと思うのですよ。生産国の方だって、資源が一遍に安く出てしまって後が枯渇したって何にもなりませんから、そんな大きな意味を持っての姿勢からの本協定だと思うのですね。そんな目で見たときに、何らかの調整がある、方法があると私は思います。特に今在庫には適さないといったって切らないままほっておけば、これはもう在庫に適さないどころか太るぐらいですから。今急に結論が出る問題じゃないでしょうけれども、いろいろな方法が考えられるのじゃないかと思います。基本的に、外務大臣どうですか。国内の林業の問題は、単なる経営の問題とか、日本に将来にわたって、ただ木材が確保できればいい、そういった問題だけじゃなくて、国土保全という大変大きな立場からこれは絶対に必要なものである。今ほかの輸入制限できないという諸条件も大切なことでありますけれども、てんびんにかけたときに、私は国土保全というのは非常に重い問題である、このように思いますが、大臣どうですか。この問題をどのように考えられますか。

安倍晋太郎自由民主党・新自由国民連合外務大臣

○安倍国務大臣 これは外務大臣という立場で申すのもどうかと思いますが、確かにおっしゃるように、我が国の森林資源は国土保全という面は非常に大きいと私も存じております。したがって、こうした国土保全を考え、さらにまた、森林資源の確保という点から林業政策は進められておる、こういうふうに理解しております。

木下敬之助民社党・国民連合

○木下委員 外交面で当たる大臣だからこそ、日本のそういったものをどのくらい踏まえて当たっていただけるかというところが私の一番お聞きいたしたいところでございました。どうぞよろしくお願いいたします。  今中曽根総理は、教育は国家百年の大計であるということで一生懸命取り組んでおられます。山林を治するのはもっと長い年月をかけて基本をきちっとしっかり積み上げていかなければ、結局先で後悔しても追っつかない、このように思いますので、ぜひとも検討されることを望みたいと思います。  国内における木材需要喚起も林業育成の大変重要なことですが、そのため今後政府はどのような対策を打ち出すつもりか、お伺いいたしたいと思います。

三澤毅林野庁林政部林産課長

○三澤説明員 国内の木材需要は、御案内のとおり、最近における住宅需要の低迷、加えて木造住宅の率の低下ということで大変低迷し、そのため我が国の木材産業は大変な不況下に至っているわけでございます。  そこで、私どもといたしましては、木材をもっと使っていただく、そういうことを積極的にやらなければならない、こういうことで関係省でございます建設省とも連携をとりながら、公営木造住宅の推進あるいは補助事業等におきまして、例えば我が農林水産省におきます畜産の事業における畜舎等のそういったものにもっと木材を使うあるいはその他の施設等にも木材を使う、こういうふうなことをし、さらにまた、これは建設省の方の御協力も得ながら、例えば新しい部材の使い方、私ども大断面集成材などと難しいことを言っておりますけれども、要すれば集成材の大きなものを使いまして大きな木造の建築物をつくることが可能なようにする、あるいは木造の三階建ての高さ制限等もそれによって緩和していただく、こういうような努力もしているところでございまして、今後とも木材需要の一層の拡大に努めていきたい、こう考えております。特に五十九年度におきましては、木材をもっと消費者に身近に御理解をいただくというようなことから、私どもといたしましても利用促進というような対策事業を考えているところでございまして、それらを通じ、また地域にそういった展示の施設等もするなどいろいろな努力をしながら、木材の需要の拡大に努めていきたい、こう考えておるところでございます。

木下敬之助民社党・国民連合

○木下委員 いろいろな角度からの環境づくり、そして直接的に他省庁との関係のあることも、積極的に林野庁の方も取り組んでいただきたい、このように思います。  建設省においでいただいておりますから、二点ほど伺いたいと思います。  公営住宅とか住宅供給公社住宅、こういったものにもっと木造のものをふやし、そしてそれらに必ず国産材を使用するよう指導することはできないのか、こういった点と、建築基準法等を見直して、先ほども触れられましたが、木造建築でつくれるものの範囲を広げることはできないか、このように思います。木造の三階建てですばらしい家がありますね。随分たってもびくともしない、あんなもの近ごろ新しいのは見かけておりませんけれども、どういったところに制限があってできないのか。技術も発達して立派なものができると思いますので、ぜひとも検討いただきたいと思います。

蓑原敬建設省住宅局住宅建設課長

○蓑原説明員 公営住宅、公社住宅等の建設につきましては、木材に関連する地域の住宅関連産業の育成等にも配慮しながらやってまいっておりまして、例えば木造の公営住宅はそういう現地の木材を使いながらやる。あるいは地域住宅計画推進事業というのがございまして、そういう総合的な施策の中で現在も進めております。私どもといたしましては、地域の実情であるとか流通の実態等から見まして、先生御指摘のように地場の住宅生産の振興のための諸施策との連携を図りながら、今後とも木造の住宅の推進を図ってまいりたい、こういうふうに思っております。

木下敬之助民社党・国民連合

○木下委員 昭和五十七年、五十八年の二カ年にわたって、国内木材産業の不振に対処するため、木材産業再編整備緊急対策事業が行われておりました。こんなことをまた再び行うべきではないか。そしてまた、国内木材産業の合理化のために長期計画をつくってやらなければならぬのじゃないか、このように思います。いずれにしても日本の林業は、先ほども申し上げましたが、農業と同様に山村人口の都市流出が著しくて、後継者不足とか老齢化とかも顕著な問題となっており、大変厳しい状態で将来が本当に心配されておりますので、どうぞ本協定の趣旨を生かすとともに、日本の林業育成ということも正面に据えて取り組まれることを強く要望して、この質問に関してはもう時間がございません。  また、時間がなくなってしまいましたので、出版物の国際交換に関する条約につきましてはもう質問ができませんが、一言。  これを進めていくと、国会図書館、相当膨大な量の書籍が収蔵されていく。今既に新しくつくっているのが、たしか六十一年ごろに新しいものもできるとお聞きいたしておりますし、それにまたどんどん収蔵していってもこれは切りのあるもので、大変だろうと思います。ここまで発達してきた世の中ですから、できるだけマイクロコピー等で小さくして収蔵するような方向で検討されることを期待いたしまして、もう時間が参りましたので私の質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。

中島源太郎自由民主党・新自由国民連合

○中島委員長 次に、岡崎万寿秀君。

岡崎万寿秀日本共産党・革新共同

○岡崎委員 すでに各委員からも質問がありましたので、私は問題を絞って質問したいと思います。  まず、出版物交換条約に関してですが、この二つの条約が昭和三十二年の第十回のユネスコ総会で採択されてから二十六年たっていますが、その間、日本にこの条約に参加することを要請されたことはなかったでしょうか。

遠藤哲也外務省国際連合局審議官

○遠藤説明員 お答え申し上げます。  先生の御質問は、諸外国からということでございますか、それとも――日本の国内的には、ごく最近でございますけれども、図書館あるいは関係団体あるいは超党派でおつくりになっておられます図書議員連盟等々からこの条約を早く批准しろというような御要請は受けておりますが、国際的に諸外国からの要請につきましては私ども承知いたしておりません。

岡崎万寿秀日本共産党・革新共同

○岡崎委員 二十六年前、この条約が採択されるときは日本も当然参加したわけです。政府の説明によりましても、この条約というのは国際文化の交流にとって非常に積極的に貢献するものだというふうに強調されていますし、私もそういうふうに思います。政府委員の答弁でも、アジア諸国にも日本の方から参加を呼びかけたいというふうにも言われました。それならばなぜもっと早く締結をして出版物の国際交流の、弾みという表現を使われましたね、弾みに日本がなぜイニシアチブをとられなかったのか、やらなかったその理由として、どうもこれまでの答弁はすっきりしないのです。これは大臣にお願いできますか。

遠藤哲也外務省国際連合局審議官

○遠藤説明員 私から最初にちょっとお答え申し上げたいと思いますが、図書の交換は、自主的な交換であれ政府間の交換であれ委託交換であれ、現実には現在がなりの程度が行われてきておるわけでございます。したがいまして、この条約ができてからちようど二十六年でございまして、この条約の趣旨には日本も非常に賛成であるわけでございますし、なるべく早く加入したいという意向は持っていたのでございますけれども、何分にも締約国の数が当初の段階においては必ずしも多くなかったというような事情、それから先ほど申しましたように、現実的にはかなりの程度の交換が行われておるというようなこと等々の理由がございまして、したがいまして、国会の御承認のための御審議がおくれたことは、はっきりした答弁じゃございませんけれども残念であった、こういうふうに思っております。しかしながら、この条約批准のための機運が上がってきた昨今、ぜひ今国会ではお願いしたい、こういうふうに思っておるわけでございます。

岡崎万寿秀日本共産党・革新共同

○岡崎委員 残念であったということですからこの程度にしておきましょう。  これは確認のためにお尋ねしますけれども、二つの条約を締結した場合に、この条約で言う交換当局、これは当然国立国会図書館になりますね。

斉藤邦彦外務省大臣官房外務参事官

○斉藤(邦)政府委員 そのとおりでございます。

岡崎万寿秀日本共産党・革新共同

○岡崎委員 条約の趣旨からいいまして、これまでも国会図書館というのは多くの委託交換をやってきたわけですが、これからますます積極的にこういう需要がふえていく、またいかせなくちゃいけないというように思うわけですね。その際、これは今現在というよりも今後の問題ですが、今は行政改革でいろいろと予算、機構が削減されている中ですけれども、この条約を締結するからには、国会図書館に対してそれを保障する十分な予算、体制を組まれるということだろうと思いますけれども、そういうふうに理解してよろしゅうございますか。

三塚俊武国立国会図書館総務部長

○三塚国立国会図書館参事 この条約の締結によりまして国際交換が増大し、仮に増額要求をしなければならない事態に立ち至りましたならば、そのときの財政事情等を勘案しながら財政当局と相談させていただきたいと思います。

岡崎万寿秀日本共産党・革新共同

○岡崎委員 この条約に基づいて出版物の国際交換が行われるわけですが、当然これは対等、平等の原則に基づいて行われるべきでありますし、国際間の条約の中にも、第一条に相互主義がうたわれているわけです。ところがもう一方の出版物の条約にはそのことが書かれていませんけれども、これはどういう事情なんでしょうか。

斉藤邦彦外務省大臣官房外務参事官

○斉藤(邦)政府委員 公の出版物の交換条約の方の第一条に「相互主義に基づき」と書いてございますが、これは、この条約に基づきまして行います交換が片方の当事国のみに寄与することのないよう配慮が払われるべきであるという趣旨でございます。他方、もう一方の条約に相互主義に基づきという言葉がございませんが、これは必ずしもそのどちらか一方が得をしてもいいという趣旨ではございませんで、この条約の目的からいたしまして当然当事国すべてがそれぞれ利益を受けるべきものだと存じますけれども、国家間の直接の交換を定めます公の出版物の条約におけるほど相互主義に基づきという規定の必要性が少ないという考慮から、単にあえて規定しなかったという状況だろうと考えております。

岡崎万寿秀日本共産党・革新共同

○岡崎委員 わかりました。  この相互主義の理解ですけれども、これは分量上の問題と同時に内容的にもそうであると思いますけれども、そのように理解してよろしゅうございますか。

斉藤邦彦外務省大臣官房外務参事官

○斉藤(邦)政府委員 この規定があるからといって、交換します出版物の分量ないし内容が等しくなればならないという趣旨ではなくて、この条約から受けます利益が相対的にそれほどつり合いのとれないものでなければいいという趣旨であろうと考えます。

岡崎万寿秀日本共産党・革新共同

○岡崎委員 いずれにせよ、相互主義ですから、利益がつり合いがとれているということは今言われたとおりなんです。そうしますと、この条約に加盟している、例えばアメリカやスウェーデンなどは情報公開法が既に施行されておりますし、それに基づく政府文書等も発行されているわけです。我が方はまだ情報公開法がありませんし、そういう点ではいささか不均衡になるというふうに考えます。政府としても、この出版物交換の二条約を締結するに当たって、我が国においても情報公開法を急いでつくる、そういう積極的な姿勢が必要だと思いますが、この点いかがでしょうか。

枝村純郎外務省大臣官房長

○枝村政府委員 外務省といたしましては、御承知のとおり昭和五十一年以来、外交記録の公開については自主的に、三十年くらいをめどに進めておるわけでございます。  情報公開の問題というのは、最近の行革大綱等でも取り上げられております。これは政府全体として御検討いただいていることだと思います。その政府の方針が決まりますれば、外務省としてはむしろ先駆けてそういうことをやっておりますので、当然応分の寄与をする、そういうつもりでございます。

岡崎万寿秀日本共産党・革新共同

○岡崎委員 外務省としても、こういう条約を締結するわけですから、積極的に働きかけて情報公開法を実現されるようにしてもらいたいと思います。  さて、今言われました先駆けておやりになっている外務省の資料公開ですね、これに関連してお尋ねしますけれども、三十年たったら大体公開の原則だというふうに言われておりますが、実際は一年、二年おくれることはざらで、これはマスコミ等にも指摘されています。人手不足などの理由を挙げられていますけれども、これは理由にはならぬと思うのですね。国民の知る権利にこたえる、この点からこういうおくれは速やかに改善するというふうにお約束願いたいと思いますが、いかがでしょうか。

枝村純郎外務省大臣官房長

○枝村政府委員 先ほど申し上げましたように、三十年たちましたものを公開していくというのが原則でございますが、同時にこれは、私ども公開の準備をする立場からも、また御利用いただく立場からも、事項別、案件別にある程度まとまったところでやる、こういうことでやっております。その点が一つあるわけでございます。  もう一つは、御指摘のとおり人的な体制と申しますか、外務省全体の人手不足という点がこういう点にも影響しておりまして、私どもが希望しておりますよりは若干おくれぎみでございます。しかし、なるべく早く公開するように今後とも鋭意努力いたすつもりでございます。

岡崎万寿秀日本共産党・革新共同

○岡崎委員 おっしゃるように、鋭意改善してもらいたいと思うのです。  ところで、その中身なんですが、これはアメリカと比較しても削除の部分が大変多いし、どこが削除されたかさっぱりわからぬという実情にありますね。これもマスコミ等でも指摘されていることですが、既にこれは七回公開されていますけれども、例えば一九五一年二月のダレス・アメリカ代表団と日本との会談メモですが、これは十項目ありますけれども、そのうち三項目が表題を含めてごっそり削られているのですよ。何が表題だったのか、もちろんいろいろ国際関係がありますので、すべて削除してはいけないとは申しませんけれども、せめて表題ぐらいは残すのが資料価値を高める上からでも当然ではないかというふうに考えるわけです。また、各所に削除があっても、どこが削除されたのかわからぬ。国民からするならば、何が削除されたのか、また公開が見送られた文書は何なのか、そういうことはやはりはっきりさせてもらいたい。これは当然日本の戦後史を見る上でも重要な記録でございますので、そういう点などを改善してもらいたいと思いますが、外務当局、いかがでしょうか。

枝村純郎外務省大臣官房長

○枝村政府委員 私どもも、文書公開の建前からいたしまして、その趣旨からいたしまして、なるべく公開する、これは基本にいたしておるわけでございます。ただ、最初にこの方針を打ち出しますときから定めておりますように、国の重大な利益が害される場合、あるいは個人の利益、例えばプライバシーとかというようなことが損なわれる場合に削除しているということでございまして、それほど大きな削除は行っていない、また行わないようになるべく公開ということが私ども審査する場合の建前でございます。  ただ、それでも削除するものがあることは御指摘のとおりでございますが、今御指摘のような、じゃ削除したらせめて表題を残せとか、どこでどういうことを削除したのかはっきりさせよ、こういうことになりますと、今申し上げましたような、なるべく最小限にしておる、しかしどうしても削除しなければならない、それはそれだけの理由があるわけでございまして、これを明示するということはいささか難しいのじゃないか、かように考えるわけでございます。

岡崎万寿秀日本共産党・革新共同

○岡崎委員 削除は削除で結構です、今のように国益の問題、プライバシーの問題がありましたら。しかし、資料という点から見ますと、削除箇所を明らかにしないとそれがすべてであるかのように受け取るわけですね。外国でもそうしているところが多いし、日本の場合でもそうしたからといって国益やプライバシーが侵されるわけじゃございませんので、その辺の改善は当然やるべきだと思いますが、もう一度どうでしょう。

枝村純郎外務省大臣官房長

○枝村政府委員 そのあたりはいろいろ私どもも検討し、考慮した結果、現在のような方式をとっておるわけでございまして、簡単にここでその再検討をするとか考えるとかということは、ちょっと御勘弁をいただきたいと思います。

岡崎万寿秀日本共産党・革新共同

○岡崎委員 いろいろと検討した結果と言いますから、問題があったから検討されたのでしょうから、ここで言わなくてもやはり検討願いたいというふうに考えます。  関連しまして、沖縄の米軍占領下にありましたときのアメリカ民政府関係の資料の公開問題について質問いたします。  GHQ文書などとともにアメリカ民政府関係の資料というのは、日本の戦後史をつづる上でも、研究する上でも欠くことのできない重要な文書であることは当然でございます。ところが、この大半というのがアメリカの国立公文書館に内蔵されていまして、この資料公開が各方面から強く今日要請されております。この問題については既にこの国会でも取り上げられまして、例えば昭和五十六年十一月四日の参議院行政改革特別委員会で当時の中山沖縄開発庁長官は、次のように答弁されております。「明年迎える十周年記念として、米国政府に外務省を通じてこういうふうな貴重な資料を日本のために提供していただくように交渉を近く始めたいと考えております。」これは当時の中山沖縄開発庁長官の答弁でございます。また、お亡くなりになりましたけれども、園田元外務大臣の方も、「きわめて大事な問題でありますから、全力を挙げてやりたいと考えております。」このように国会で答弁なすっているわけですね。安倍外務大臣、当然このようなお立場に立たれていると思いますけれども、いかがでございましょうか。

山下新太郎外務省大臣官房審議官

○山下(新)政府委員 大臣が話される前に、ちょっとこれまでの経緯等を御説明させていただきたいと思います。  今先生御指摘のとおりの答弁が中山大臣あるいは園田大臣からございましたことは、私ども当然のことながらよく存じている次第でございます。  アメリカの施政権下にありました沖縄の例の民政府関係の文書の収集につきましては、御指摘のとおり十年来国会でも何度も議論をいただいておりまして、かつ、昨年だったかと思いますが、質問主意書等もいただいている経緯がございます。そういうものを受けまして私どもいろいろ御相談をいたしました結果、国会図書館がいろいろ専門的知識もお持ちでございますので、これを国会図書館におやりいただくという方向で今事が進んでおります。  ただ、私どもが聞いておりますところでは、国会図書館は先ほど先生がおっしゃいましたように、現在、占領当時の最高司令部関係の文書の収集に当たっておられるという状況であると伺っております。私どもといたしましては、図書館がそういう作業を終わられまして民政府関係の収集を始められるという際には、無論、可能な限りの御協力を申し上げるという立場で考えている次第でございます。

安倍晋太郎自由民主党・新自由国民連合外務大臣

○安倍国務大臣 今、山下審議官が説明をいたしました趣旨に沿いまして、また、これまでの外務大臣の答弁の線に従って対処してまいりたいと思います。

岡崎万寿秀日本共産党・革新共同

○岡崎委員 園田外務大臣は、全力を挙げてやりたいというふうに言われているわけですね。外務省は全力を挙げておやりになったかどうか。これまで努力されたことについては今話がありましたけれども、これは国立国会図書館に任せている。側面からいろいろと協力はされているかもしれませんけれども、これではアメリカ政府の方のいろいろな壁を開くことはなかなかできないというふうに思うわけです。この点外務省の姿勢が、外務大臣自身が全力を挙げてやりたいと言われたことについて沿ってやられたかどうか、もう一回御答弁願いたいと思います。

山下新太郎外務省大臣官房審議官

○山下(新)政府委員 御承知かと存じますが、アメリカ側におきましてもこのような情報に関しまして、大統領命令と申しますか行政命令がございます。一二三五六号という行政命令がございまして、これによりますと、琉球列島米国民政府関係の文書につきましては三十年たたないと秘の指定を解除しないといったような規制がございます。こういうこともございますので、私どもとしましては、その辺のことも考慮しつつ、また我が方といたしまして、その任に当たります国会図書館で十分な準備もおできになっていよいよ実施されるということになれば、先ほど申し上げましたようにできる限りの努力をしたい、こういうふうに考えている次第でございます。

岡崎万寿秀日本共産党・革新共同

○岡崎委員 三十年といいますと、この文書公開の起点を一九七二年の沖縄復帰から計算すると今世紀のうちにはできないことになるわけです。つまり、二〇〇二年にならなければ公開されない。現実にGHQの資料などは二十五年で公開しているわけですね。私たちは、こういう戦後史をつづる上で重要な資料、日本の一部である沖縄の占領当時のいろいろな資料につきましては、起点を沖縄の復帰時点に求めるのではなくて、例えばGHQ文書と同じように講和条約によって日本が独立したとき、少なくとも一九五二年に起点を設けるように交渉する必要があると思うのですね。そうしますと、それ以前のものについてはもう既に収集できることになるわけですから、こういうことについて、これは戦後史の問題として非常に重要な内容を含んだ資料でございますので、できるだけ速やかに公開されるように、国会図書館任せではなくて、全力を挙げて外務省も当たる。先ほど園田元外務大臣のような方向で安倍外務大臣もやりたいとおっしゃいましたが、そのような方向として受け取ってよろしゅうございますか。

安倍晋太郎自由民主党・新自由国民連合外務大臣

○安倍国務大臣 何分にもこれは相手のあることですから、それから今も答弁がありましたように、相手の立場とか制約とかいうものもあるわけで、そういう中での外交交渉ですから、ただこちらが一生懸命やるからといってそれで解決できるものじゃないと思いますけれども、しかし情報の公開という点につきましてはできるだけ外務省としても努力はしてみたい、こういうふうに思います。

岡崎万寿秀日本共産党・革新共同

○岡崎委員 それでは、先ほど政府委員の方が答弁されているように、図書館に任せて側面からじゃなくて、外務省としても私は園田さんのように全力を挙げてというふうに言ってほしいのですけれども、できるだけやるというふうに理解してよろしゅうございますね。

安倍晋太郎自由民主党・新自由国民連合外務大臣

○安倍国務大臣 ですから、先ほども申し上げましたように、相手の立場もあるわけでございますから、そういうものも考えなければならぬと思いますが、外務省としましては、こうした情報公開、これの与える役割というものは私自身も承知をしておりますし、できるだけ努力を重ねてまいる考えてあります。

岡崎万寿秀日本共産党・革新共同

○岡崎委員 それでは、外務省自身としてもできるだけ努力を重ねたいというふうに大臣御答弁なさいましたので、そのことを強く希望したいというふうに考えます。  時間もありませんので、次の国際熱帯木材協定に質問を移したいと思います。  この協定の目的である熱帯木材生産国の輸出収益の安定と消費国への供給の安定の確保、これは当然でございますが、安定的な供給という点から見まして現実に今何が障害になっているのか、どう理解されているのか、当局の御所見を伺いたいと思います。

恩田宗外務省経済局次長

○恩田政府委員 木材の価格と供給の安定を図る、これは熱帯木材に関する国際貿易が生産国及び消費国の双方にとって健全で有利なような形の状況をつくり出す、こういう趣旨で使われている言葉でございますが、現在例えば日本が具体的にある国から木材を輸入することにっいてどのような障害があるか、こういうことになりますと……(岡崎委員「供給の安定に絞って」と呼ぶ)供給の安定ということになりますと、もちろん供給国である生産国の熱帯木材の資源の保全から始まりまして、またその生産されました木材が安定的に輸出され得るような状況を確保する、かような意味もあるかと思います。

岡崎万寿秀日本共産党・革新共同

○岡崎委員 それでは、資源の保全というものの最大の問題点は何かというふうに私は聞きましたので、そのように理解してよろしゅうございますね。それでいいですね。――では、話を進めます。  それで、これは「食料政策研究」という雑誌、一九八一年一月号に当時の林野庁の山口課長が論文を書いていますが、これは資源保全の問題にかかわることですのでお聞き願いたいと思います。それによりますと、「フィリピンは、かつてはたいへんな輸出国であったが、実をいうと日本への輸出のため伐採しすぎたため資源が枯渇し、輸出量が激減している。」「インドネシアは比較的資源が多く、まだゆとりがある。しかし、マレーシアのサバ州はほとんどフィリピンに近い状態になっていて、今の輸出量がいつまで続くかあやぶまれる。」このように山口課長は言っていますけれども、こういう状況について大臣はどうお考えでしょうか。

安倍晋太郎自由民主党・新自由国民連合外務大臣

○安倍国務大臣 それは専門家がいろいろと事情を調査して、その結論として述べておるわけでしょうから相当正確なものだと思っております。木材輸入は日本が高度成長、そういう時期を通じまして積極的に東南アジアの地帯から入れたということも事実であろう、こういうふうに思います。

岡崎万寿秀日本共産党・革新共同

○岡崎委員 大臣もお認めになるような実情なんですね。としますと、この主要生産国、マレーシア、フィリピン、インドネシア、ここに伐採や製材などで進出している日本の企業はどういうものがございますか。

恩田宗外務省経済局次長

○恩田政府委員 ただいま農林省関係者はちょっとここにおりませんが、外務省としては具体的にどのような業者が現在いるかということについて把握した資料を持っておりませんので、後ほどまた先生の方に御相談にお伺いいたします。

岡崎万寿秀日本共産党・革新共同

○岡崎委員 それでは私の方で調べたのを申し上げますと、これは東洋経済の特集号です。マレー。シアには伊藤忠商事、それから三菱商事、フィリピンは丸紅、三井物産、三菱商事、インドネシアには伊藤忠商事、三菱商事等です。ごらんのようにすべてが大商社でございます。そうしますと、先ほど山口課長も言っているように、資源が枯渇するようにこういう生産国の木材資源を伐採し荒廃をさせている責任の一半はここに進出しているこれらの大企業にもあると思うのです。  ところで、お聞きしますけれども、今論議しています国際熱帯木材協定によってこういう実情が改善されるものかどうか、この点についてはいかがでしようか。

恩田宗外務省経済局次長

○恩田政府委員 この協定によりますと、関係国はこの熱帯森林資源の保全に関連してさまざまな研究及び開発のための協力を行っていくことになっております。もちろん現在まだ発効しておりませんので、どの程度の多数の諸国がどの程度の意欲を持って参加するかということはまだはっきりしたことは申し上げられないわけでございますが、今までの協定の交渉を通じての各国の熱意ということから想像いたしまして、もちろん余り大きなことを期待することはできないかと思いますが、先生御指摘のような問題についても各国ができるだけ知恵を出し合って研究開発対策をとっていこう、こういうことになろうかというふうに考えております。

岡崎万寿秀日本共産党・革新共同

○岡崎委員 私は各国の努力を聞いたのじゃなくて、今このような状況になっているのは日本の大商社に相当責任があるということを言っているわけです。この協定のどの条項がそういうことを規制することになるのか、そういう問題を解決することになるのか、お示し願いたいと思います。

恩田宗外務省経済局次長

○恩田政府委員 現在行われております東南アジア諸国における熱帯木材の伐採自体は、相手国政府の規制のもとに業者によって行われているわけでございます。しかも、多くの場合は相手国政府によって伐採に伴う造林の義務も課せられているわけでございますが、熱帯木材協定自体は各国がその国内における森林の伐採に関する規則、規定、その強制等々については直接これに介入し得るような仕組みにはなっていないということでございます。

岡崎万寿秀日本共産党・革新共同

○岡崎委員 生産国の政府の規制のもとでさえも先ほど読んだような枯渇の状態を日本の商社がつくり出しているということを私たちは考えなくてはいけないと思うのです。先ほどから質問もあり答弁もあるように、ASEAN諸国の熱帯木材の最大の輸入国は日本であります。それがまた最大の開発国にもなっているわけですので、日本の責任は極めて重大だろうと思います。先ほどの答弁の中でも二国間ベースでもやると言われましたが、これは日本が独自ででも植林や造林事業に対して援助する必要があると思いますが、この点、大臣、いかがでございましょうか。

安倍晋太郎自由民主党・新自由国民連合外務大臣

○安倍国務大臣 東南アジア諸国の森林資源が荒廃した、これについては日本の、特に日本の商社の責任であろう、こういうことですが、確かに間接的には日本の商社を通じての輸入、木材の伐採ということで資源の枯渇が始まったことは言えるかもしれませんが、先ほども答弁がありましたように、直接的には、その国の森林資源に対する政策というのはその国が決めるわけですから、その国の政策の問題であろうと私は思っておるわけです。しかし、いずれにしてもああいうふうな荒廃した状況が起こった、そういうことに対してはこれを救うための措置をその国自身も行わなければならぬと思います。また、日本も東南アジアに対しましては積極的な経済協力をいたしておるわけですから、そういう中での農業協力、林業協力、技術協力、そうした面での協力を進めまして、森林資源の確保といいますか、これからの造成に対して日本なりに努力し、協力をしなければなるまい、また、しておるわけでありますし、今後とも努力を重ねてまいらなければならない、こういうふうに思うわけであります。

岡崎万寿秀日本共産党・革新共同

○岡崎委員 間接的には日本の責任もお認めになったわけだし、今後とも努力するということでございますので、その一つとしまして日本の大商社、これがそれぞれ相手国の規制を受けながらやってはいるのでしようけれども、経済本位に伐採などがなされて、それが事実上資源枯渇につながっているわけでございますので、政府の指導としましても、こういう大企業に対しては伐採だけではなくて同時に植林、造林もやるように、こういう木材生産国に対する援助をやるような指導を進められる必要があると思いますが、この点はいかがでございましょうか。

安倍晋太郎自由民主党・新自由国民連合外務大臣

○安倍国務大臣 私は、実態がどういうふうになっているのかよく承知しないのにここで言うのは軽率な面もあるかもしれませんが、日本の商社が向こうから伐採をして木材を買うという場合には相手国の指示に従ってやっていると思います。ですから、植林その他の義務というものがあれば、それは日本の商社もちゃんと果たした上でのことではないだろうか、こういうふうに思っております。相手国の政策を無視したり、約束を無視して日本の企業がやっているということはないと私は思うわけでございます。ただ、全体的に資源がだんだん枯渇するという状況ですから、日本も経済協力の中で十分これらの資源の確保のための協力体制はこれから進めていかなければならない、私は当然そういうふうに考えるわけであります。

岡崎万寿秀日本共産党・革新共同

○岡崎委員 もう時間が来ましたので、今言われた方向で大いに努力してもらい、あわせて大商社に対しても改善指導が必要だと私は思います。そのことを強調しまして、終わらせてもらいます。

中島源太郎自由民主党・新自由国民連合

○中島委員長 これにて各件に対する質疑は終了いたしました。  次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後二時六分散会

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