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101回国会衆議院1984/04/17

科学技術委員会 第10号

発言数
81
登壇者
12
会派数
4
開催日
1984/04/17

会議録

大野潔公明党・国民会議

○大野委員長 これより会議を開きます。  科学技術振興の基本施策に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。小川新一郎君。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 最近の科学技術の目覚ましい発展に伴って、開発、研究、利用という分野に分かれて、今少し混乱が起きているのではないかという考えすらするわけでございます。科学技術庁が主管とし本委員会が主管とする問題は開発であり、研究である。その後の利用については、それぞれの省庁またはそれぞれの機関、産業団体等の分野においてこれを利用していくのは当然だと思うのでございますが、そこにおいて、我々がその主体である研究開発が誤った方向に利用されたり、またはそのことによって無用な混乱を巻き起こしたり、そこにはメリットとデメリットが交差し、産業界の思惑等々、またこの間のVANのように郵政省と通産省の争い、こういった問題がございますが、それよりもっと大きな問題を抱えておる科学技術でございます。我々が開発研究したものが人類に貢献し、私たちの平和と幸せのために活用されなければならない科学技術が、人類大量殺りくに向かうような軍事兵器に回される、こういった問題が今や大きな政治問題化されていることは大臣も御案内のとおりでございまして、私は、ここで科学技術基本法の制定を考えなければならないのではないかという考えを持っておる一人でございます。  特に、科学技術の進歩発展、巨大化、総合化等によって経済、社会に与える影響が大きくなればなるほど、国の内外を問わず、我が国の科学技術政策の基本理念を明確にする必要があるのではないか。このために、国民的コンセンサスと国際的支持を受けるような科学技術基本法を本委員会で提案し、また国の施策としてこれを本会議にかけていただきたい、こういう考えを持っておる一人でございますが、御所見を承りたいと思います。

岩動道行自由民主党・自由国民会議科学技術庁長官

○岩動国務大臣 仰せのとおり、今日ほど科学技術が非常に急速な勢いで新しい分野に展開されておる時代はなかったと思います。また、これからもさらに飛躍的な科学技術の新しい時代が到来してくるものと思います。  そういう中におきまして、科学技術は非常に分野が広くなり細分化され、深化されてきております。一方、社会的、経済的なニーズ、国家的なニーズ、こういうことを考えました場合には、どうしても科学技術の振興は極めて大事な分野として総合的にこれを考えることが必要であることは、もう申すまでもないことでございます。しかも、長期的な観点からもこれに対応しなければならない。  そこで御指摘の、ただいま科学技術基本法というお話もございましたが、これにつきましては、私どももかつてそのような構想で昭和四十三年に、御案内のように法案を国会に提出をいたした経緯がございます。しかしながら、この法案は審議未了に終わってしまいました。ただ、審議未了で、それならばそれでいいかと申しますと、そうではないということで、私どもはそのような長期的な総合的な科学技術の振興をしていかなければいけないということで、科学技術会議というものを活用し、そしてこの科学技術会議で総合的な長期的な対策を講ずる、こういう体制をつくって進んできております。その基本的な考え方に従って、関係省庁もそれぞれの分野でそれぞれの研究開発を進める、そしてまた利用の方に結びつけていく、こういう方針で今日まで進めてきておりますし、今後とも科学技術会議を中心として総合的な、基本的な、長期的な計画で科学技術の進展を図ってまいりたい、かように考えておるところでございます。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 フランスでは、フランスの研究・技術開発の方向づけ及び計画化に関する法律、いわゆる科学技術振興法が昭和五十七年七月に制定されております。フランスの科学技術基本法をどのように評価しているかということが、私のお尋ねの一つでございます。  今、科学技術会議を中心としてというお話がございましたが、その問題が今混乱を巻き起こしているというのも、昭和四十三年にわざわざ提案なされております基本法がつぶされておるということ、審議未了になっておるということ、これが原因であるということを私は指摘しているのでございます。また、人材や予算の増加の計画的な問題についての混乱を防ぐためにはどうしても基本法が必要であるという認識のもとに、四十三年に御提案をなさっておりながらそれがつぶされておって、またさらに科学技術会議を中心としてやっていくというようなことは、科学技術に対する後退ではないでしょうか。私は、このフランスの科学技術基本法の評価とあわせて、どうしてもこれは提案していただきたいと思いますし、我々もこれを審議するにやぶさかではございませんから、お願いします。

岩動道行自由民主党・自由国民会議科学技術庁長官

○岩動国務大臣 大変貴重な御提言でございますが、何と申しましても、総理大臣を中心として内閣の統一性のもとに、非常に広い分野にわたる科学技術でございますので、やはりこのような各方面の最高の有識者を中心とした科学技術会議というものは大きな役割を果たしてまいると考えております。と同時に、いろいろな国、今お示しのフランスの例等も十分参酌しながら、また国会でいろいろな御意見もございますので、そういうものを踏まえながら機動的に科学技術会議というものを活用することが、現在の日本においては最も弾力的で、しかも機敏な対応ができるのではないか、かように考えております。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 どうも大臣と私との議論がすれ違うのは、科学技術会議を中核としているからこそ進歩することに対して私は否定しているのではないのです。このことによって、利用する立場における法律が余り多岐にわたるために問題になるのだから、基本法という総括的にまとめるための法律を通した上で、そこから科学技術会議を中核としてこの基本法をもとにした運営というものをやっていくならば、もっとよりよく実を結ぶのではないかという提案でございます。  これは出すのですか、出さないのですか。

岩動道行自由民主党・自由国民会議科学技術庁長官

○岩動国務大臣 はっきり申しますと、今直ちに出すというお答えができないのはまことに申しわけございませんが、科学技術会議の先生方にもまたいろいろな国会の御論議というものを十分にお伝え申し上げて、また政府としても、総合的に長期的な計画はどう進めるかという進め方についてはなお勉強をさせていただきたいと思います。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 そうしますと、これは総理大臣または閣僚会議、閣議の中に、こういった委員会における重要な要求については出すお考えと理解してよろしいのですか。

岩動道行自由民主党・自由国民会議科学技術庁長官

○岩動国務大臣 まず私自身勉強させていただきたいと思っております。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 これはまことに大臣のお言葉としては後退した御意見だと思うのですが、四十二年といえばもう十五年もたっておりますね。十五年もたっている問題が研究しなければならないなどということ自体、科学的ではない、進歩的ではないと断言せざるを得ない。どうかひとつこの点は前向きに我々の希望、また科学全体の問題として当然基本法があるべきである。基本法のないところに科学技術会議を幾ら運営しても、利用の面やその他の面で混乱を起こす。今私が指摘しておるのでございますので、どうかひとつ前向きに御検討いただきたいと思います。  そこで、宇宙開発についてでございますけれども、ことしの二月二十三日改定いたしました我が国の宇宙開発政策大綱の中で、「今後十五年間に実施について検討すべきシリーズ」として、宇宙ステーション、木星型惑星探査計画、宇宙パイロット工場、理工学宇宙実験室、有人宇宙船及び有人軌道間輸送機については、今後どのように検討していくのか、その見通しについてお尋ねいたします。

福島公夫科学技術庁研究調整局長

○福島政府委員 お答えいたします。  宇宙開発政策大綱におきましては、「今後十五年間に実施について検討すべきシリーズ」ということでそれだけを取り上げてまとめてございます。この中に、御指摘のように、宇宙ステーションあるいは木星型惑星探査計画、宇宙パイロット工場等のプロジェクトの名前が挙げられておりますが、これらは、今日の状態ではまだその技術的見通しが明らかでなく、実施についての検討が今後の課題とされたものでございます。これらのシリーズにつきましては、基礎的研究の状況あるいは国際的な動向等を勘案しながら順次検討していきたいと考えている次第でございます。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 新しい大綱の中では、特に米国が提唱いたしております宇宙基地計画は当面する大型国際プロジェクトであり、我が国としてもこれに対応できるように検討を進めることが必要であるとなっておりますが、具体的にはどのような手順とスケジュールで検討し、いつごろまでに正式参加するかどうか結論をお願いする次第でございますが、ただいま私が申し上げました、ことしの二月二十三日改定した宇宙開発政策大綱とどういう関係性を持つのか、このために我々の大綱がおくれるようなことがないのかあるのか、予算的にはどうなのか、この辺のところをお尋ねします。

福島公夫科学技術庁研究調整局長

○福島政府委員 アメリカの計画で宇宙基地計画というものはことし年頭教書で発表されたわけでございますけれども、これに関しまして三月にベッグズ長官が来られましていろいろ御説明いただいたわけでございます。  その考え方によりますと、本計画への参加の決定は、いわゆる予備設計というものを十月から二年間にわたりまして始めるわけでございますが、できればそれまでに間に合うように意思表示をしていただけることを希望するというふうにベッグズ長官が言っております。また、六月にロンドンでサミットが行われますが、その際、アメリカ側としては議題の一つとして提案する意向であるというふうに聞いております。  したがいまして、そういうものに対して我々としては、アメリカのそういった希望、スケジュールというものを念頭に置きながら、宇宙開発委員会の意見を聞いて、あるいは財政事情等も勘案しながら決めていきたい、こういうふうに考えております。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 六月にレーガン大統領がサミットで各国首脳に協力を要請する、これは間違いないですね。そうしますと、中曽根総理はこれを受けるわけですね。それに対して中曽根総理の最終回答はいつなのか。十一月にNASAが宇宙基地の予備設計でメーカーの選定作業を開始すると言っております。そうなってまいりますと、私ども日本としては中曽根総理に全権をゆだねるわけでございます。  アメリカの宇宙基地計画に参加することになれば、我が国が独自で行う方針になっていた有人宇宙実験とか小型宇宙基地の開発計画はおくれるのではないか。また、我が国の自主技術の開発と国際協力の分野との区分を明確にしなければならない。こんがらがってしまうおそれが出てまいります。しかし、国際協力が優先するということであるならば、十月に総理がどのような御返事をなさるのかは科学技術庁で草案を練らなければならない。しかも十一月には、NASAの宇宙開発基地の予備設計でもうすべてその開発する会社、メーカーの選定作業までアメリカでは答弁する用意ができていると言っている。この辺のところ、いかがですか。

福島公夫科学技術庁研究調整局長

○福島政府委員 おっしゃるとおりでございまして、このスケジュールは大変忙しいスケジュールになっております。私ども、先ほど申し上げましたように、六月のサミットあるいは十月から始まる予備設計の前という二つのタイミングというものを合わせまして、総理大臣の方がデシジョンできるような形の作業を進めていきたいと考えて現在作業中でございます。  先生の御質問の中に、我が国独自の有人宇宙活動というのがおくれるのではないかという趣旨のことがございましたけれども、この政策大綱を改正したときも、この宇宙開発というのは非常に多額の資金と多くの人材、長期間というものを必要としますので、我が国としては、自分の資金と自分の自主技術だけでもってやっていく分野と、それから国際協力というものを通じてやっていく方が効率的であるというものとを分けて考えまして、有人宇宙活動につきましては、むしろ国際協力を通じて日本の技術というものも涵養していきたい、その方がむしろ早道であるというふうに考えて、こういうふうな決定をしているわけでございます。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 有人宇宙基地計画における我が国の参加については、欧州宇宙機関、ESAに倣って、契約方式ではなく正式協定によるべきではないのかと私は思うのでございます。また、我が国の持ち分や協力範囲の分担も明示するとともに、平和利用目的に限られることの担保を要求する必要があると思うのであります。この宇宙有人基地計画が、即そのまま軍事計画にすりかえられたり、アメリカの対ソ戦略の中に我が国の宇宙開発計画が組み込まれるようなことがあったのでは、これは我が国の安全保障上大変重大な問題になってまいります。  しかも、このアメリカの宇宙基地計画に参加する場合の日本の負担は約二千億と言われておる。一体この金はどうやって捻出するのか。また、どのような規模でこの二千億を調達し、アメリカに応分の負担をしなければならないのか。  これは、もしもこれが軍事目的に大きく利用されるようなことになれば、私は、日米の宇宙安全保障条約、軍事条約にまで発展する可能性を秘めた大切な協力問題であることをこの際、大臣にお願いしておきたいわけでございますので、この二千億の金の出方、出し方、処置の仕方、そしてアメリカとは契約方式ではなくて正式協定にしていただきたい、こういった問題をお願いしたいと思います。

福島公夫科学技術庁研究調整局長

○福島政府委員 私の方から、多少の御説明を申し上げたいと思います。  先生おっしゃられましたようなこと、すべて我々も非常に関心を持っているところでございまして、それらの担保につきましては、当然のことながら何らかの形で確認しなければいけないと考えております。それで、その確認をどういう方法でやるかということは、現在まだ外交ルートを通じた折衝というものはやっておりませんけれども、やはり何らかの文書、例えば協定とか覚書とかという形になるのではないかと考えております。  なお、資金につきましては、財政事情等もこれありまして、まだ幾らぐらいかかるかということはなかなか言えないわけでございますけれども、先生も御高承のとおり、ベッグズ長官が日本に来たときに、アメリカは八十億ドル出す、だからそれに対して一〇%か一五%くらい日本も出してくれという話も来ております。ヨーロッパには一五%か二〇%出せとか、カナダには数億ドル期待しておるとかという話はございますが、これはいずれもベッグズさん自身が言っているように、その国がいろいろと検討して決める問題であるということになっております。確かに相当の金額でございますので、簡単に今すぐこれが調達できるということではございませんけれども、将来への大きな投資という意味で、今後いろいろな方々と相談し財政当局と相談しながら、科学技術振興費として出していかなくちゃならぬと考えております。  それから、軍事利用につきましては私ども最も気を使っているところでございまして、今回のはベッグズさんが言っておりますようにあくまでも民生用の宇宙基地計画である。宇宙基地計画にかかわる技術というものが、将来アメリカにおいては確かに国防の方にも移る可能性があるということは我々も聞いております。そのためにも、今回のあくまでも民生用であるということの確認、これは従来もとっておりますし、また今後も念を押していくつもりでございますけれども、今回の宇宙基地につきましては、確かに国防省が関心を持つような計画でないということは我々確信しております。  なお、日本が何らかの形で参加した場合にも、その技術というものはアメリカの宇宙基地本体と非常にクリーンな、完全に技術が切り離してできるような形でクリーンなインターフェースというものを考えておりますので、将来その技術が一方的に軍の方に伝わるということはあり得ないというように考えております。  そういう点ひっくるめまして、担保をとるために、何らかの形でアグリーメントというものはやる必要があると考えておる次第でございます。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 これは当然サミットの重要議題の一つでございますので、ただいま申し上げた問題を中曽根総理に、重要な担保として何らかの覚書もしくは正式文書にして必ずとっていただきたい。大臣、これはお約束できるでしょうか。

岩動道行自由民主党・自由国民会議科学技術庁長官

○岩動国務大臣 今局長が御説明申し上げたようなことでございますが、私どもはあくまでも平和利用という理念に徹して参加をしていくべきものだと考えておりまして、いろいろな具体的な計画またその後の利用については、ベッグズ長官が来たときにも、また大統領からの親書につきましても、すべてが民生用である、商業用として投資をすべきものだ、こういう基本的な考え方、さらにまた、その八十億ドルも国防予算から出てないというようなこともございますので、基本的には平和利用という考え方で進んでいくことが十分できると私どもは思っております。  なお、具体的にどのような方法が最もその平和利用の担保になるかということについては、十分に検討してまいりたいと思っております。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 六月でございますので、今もう四月半ばを過ぎているわけでございます。この二千億の金の出し方は、ただいま科学技術振興費ということで出るのですけれども、財政緊迫上、これは中曽根内閣の財政問題を揺るがすような問題にはならないのですか。

岩動道行自由民主党・自由国民会議科学技術庁長官

○岩動国務大臣 従来の科学技術予算は、なかなか窮屈な中、マイナスシーリングの中でもまずまずの計上をしてもらっております。そこへ今度新しく宇宙基地計画の予算ということになりますと、従来の枠の中でおさめられるかどうか、大変難しい問題が出てくると思っております。また、この計画を具体的にどう進めるかは、年次計画というものも出てくると思いますので、一時的に千億、二千億という金が要るというものでもないだろうと思っております。その辺はさらに具体的に子細に検討して、そして財政の許す限り私どもは前向きに対応してまいりたい。財政当局ともこれから十分に話をしたい。まず、その意義を認識することが大事であろうと思っております。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 余り歯切れがいい答弁じゃないのですけれども、これは大事な問題でございます。大臣の御答弁を聞いておりますと、どうも慎重な御答弁で結構なんでございますけれども、科学というのは非常に速いスピードで進んでおります。まして、宇宙有人ステーションをキーステーションとする日本とアメリカとの接点の問題については、本委員会でもたもたしている間に、頭越しにアメリカと内閣総理大臣がそれこそどんなお約束をしてぐるかわからないような状態にあるからこそ、本委員会の果たす重大な役割に責任と自覚を持たなければならないという立場に立って、こうやって大臣のバックアップの質問をしているのですから、私はもう少し明確な御答弁を要求しても不思議じゃないと思うのですね。こういうことが委員会で審議の課題に上ったということが、要するにアメリカに対する一つの大きな歯どめにもなり、アクセルとブレーキの使い分けにもなるわけですから、ひとつ御理解をいただいた御答弁をお願いしたいと思うのです。  そこで、核ジャックの問題についてちょっとお尋ねしたいのですが、核物質の防護、PPの国内法制化の問題についてです。  昨年秋来日したオーストラリア国会議員の外遊団は、豪州産のウランが平和目的以外に使用されるならウランの輸出を減少すると、PPについての危惧の念を表明したと伝えられておりますが、これは事実ですか。

辻一彦無所属

○辻政府委員 お答え申し上げます。  昨年十月にオーストラリアの議員団が日豪議員交流のために来日いたしました。その際、科学技術庁も関与したことがございます。私、その受け入れ側のヘッドといたしまして関係課長とともに対応したわけでございますが、御指摘のような、ウランが平和目的以外に使われるなら輸出を減らすといったような発言はございませんでした。しかしながら、核拡散防止についてはかなり関心を示しておりましたので、私どもの方から、我が国の平和利用担保の措置でございます保障措置とか核物質防護の体制についての現状説明を行ったわけでございます。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 確かに、そのものずばりでそう言ったかどうかわかりませんけれども、その話のニュアンスの中にはそういうことが含まれているということを私どもは聞いているわけです。そして、我が国の原子力発電所から出てくる使用済み核燃料の再処理を大幅に海外に依存しておる現状では、核物質防護条約批准のための国内法の整備を急ぐべきではないでしょうか。これも私は大臣に対するバックアップの質問ですから、明快な御答弁をお願いしたいと思います。

辻一彦無所属

○辻政府委員 我が国の原子力の利用に当たりましての核物質防護の問題につきましては、昭和五十五年に取りまとめられました原子力委員会の核物質防護専門部会報告書というものに沿いまして、事業者に周知徹底を図ってきておりまして、現在実施されております核物質防護対策については、国際的な水準、すなわちインフサーク・二二五というIAEAのガイドラインが出ておるわけでございますが、そこに書いてあります水準を十分満足している状況で実施されているのが現状でございます。御指摘の原子力委員会決定におきましては、関係行政機関において必要に応じて核物質防護にかかわる法令体制整備を図ることとされておりますけれども、これを受けまして、現在科学技術庁の部内でも検討を進めているところでございます。  一九八〇年に署名のために開放されました核物質防護条約、これは発効要件といたしまして二十一カ国が批准をすれば発効をする、こういうことになっておるのでございますが、この条約の批准状況は、現在世界で八カ国でございまして、直ちにこれが発効するというような事態は想定されていないのが現状でございます。また、その他の国際関係、二国間関係等の状況におきましても、核物質防護の法令整備を緊急に行わなければ核燃料の安定的な確保が図れないというような状況に立ち入っている現状ではないのでございますけれども、御指摘のように、今後引き続きこれらの国際動向に留意しながら国内の法制整備につきましても対応を検討してまいりたい、かように考えているところでございます。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 これも非常にスローモーな御答弁だと思うのですけれども、まあ二十一カ国中八カ国しかやっていないんだからまだまだ慌てることはないんだ。しかし、昭和五十六年三月に原子力委員会、委員長は科学技術庁長官であります、この原子力委員会が「法令整備等の体制整備を図ること。」を決定しているのですが、もう三年以上たっている。これは「007」の映画じゃございませんけれども、いっこういう事態が発生するかわからないような我が国の原子力の安全性問題の一環として、輸送とか再処理の問題に対する事後の処置とか、こういった問題におけるところの防護ガイドラインがないということは、日本のような無資源国家で、原子力をどう活用していくかという大事な国策を二分して争われている国家においては、当然この問題はもう早くテーマに上げなければならぬ問題だと私は認識している一人であります。なぜかと申しまするならば、どこの国においても、原子力を使用した方がいい、平和利用に活用した方がいい、しかしまだ安全が確実に確定していない現段階においてはまだ保留した方がいい、または後退させた方がいい、こういう世論が今春き起こっている中、また外国においてはスリーマイル島事件のような問題が起きているときに、私はこの問題は早急に検討しなければならぬと思いますので、私の方から考えたことを三つ申し上げます。  仮称、核物質防護法のような新法の制定を目指すのか、二番目は原子炉等規制法などの一部改正を目指すのか、三番目は法改正などは行わず政令で行うのか。この三点に絞って私考えてみたのでございますけれども、PP国内法制化に対する科学技術庁としての今の対応、取り組み方についての御答弁を聞いておりますと、この三点はいずれも該当してないやに私ども受けとめますので、いかがお計らいまた御検討なさっておるのかお尋ねします。

辻一彦無所属

○辻政府委員 先ほど申し上げましたように、我が国のPP対策の現状につきましては、先ほど申し上げたIAEAの定めました国際的基準に従って、現に発電所その他の施設においてPP措置というものがとられているところでございます。しかしながら、罰則関係につきましては、現行の法令ではできない部分もございます。核物質防護条約を批准するということになりますれば、しかるべきその関連の法律改正は必要であろうと思います。  御指摘のように法律の立て方といたしまして、現行法令の一部改正でいくかあるいは独立立法をつくるかという問題が残るわけでございますが、その問題については、先ほど申し上げましたように現在検討中でございまして、今後も引き続き鋭意検討を進めてまいりたいと思っております。  御指摘のうちの第三点の、政令で行うという点につきましては、私どもとしては、やはり最小限の立法措置が必要ではないか、かように考えております。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 大臣、本委員会に付託されている法案はたった一件であります。私どもは一生懸命法案審議に参加をしようと意気込んでいる議員でございます。特に一年生である方々、また新しく本委員会に参った方々、たった一本の法律案しか出ない、これは原子力や科学技術に対するバロメーターのほかり方の一つとして、非常に前向きではないと私は思わざるを得ないのでございます。  そこで、今申し上げましたPP条約第七条では、各締約国においては国内法によって処罰を科することができるようにするとなっている。今お尋ねいたしますと、検討している、検討していると言っている。どこで何を検討したかの御説明が全然ない。もしもこの第七条、締約国において国内法における処罰を科することができるということを検討している証拠があるならば、核物質の使用、貯蔵、輸送だけでなく、PP上の犯罪処罰規定を盛り込むことになる法務省との意見調整は一体何回行ったか、検討している段階の中で。まずその一つをお尋ねしたいのです。一体何回、いつやられたか。

辻一彦無所属

○辻政府委員 これにつきましては、核物質防護条約が署名のために開放された以降、時宜に応じまして打ち合わせが行われていたと思いますが、かなり歴史の古いことでございまして、何回行われたという数字を私今存じておりません。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 昭和五十六年三月からこの三年間、一回も行われていない。それで検討している、検討している。我々には検討しているという証拠を一つも示していただけない。こういう態度では、こういう重大な問題をあえて御提案するように、委員会として、私個人としましても大臣をバックアップする姿勢で質問しているわけでございますから、前向きに慎重に検討している、かつ前進していると言っても、我々が納得できるような説明が得られない限り何とも表現のしょうがないわけでございます。  アメリカ、フランス、西ドイツ、カナダなどの主要各国の核物質防護に関する法制化の状況はどのようになっているかということでございますが、アメリカは核物質防護のための規制を原子力規制委員会が制定しております。フランスは産業省が定める関係法令等で規定しております。西ドイツは原子力の平和利用及び危険防止に関する法律で規定しております。事業者の防護措置を事前に審査するためには、各段階を踏まえながらこういった法律で規制されております。カナダにおいては、核物質の生産、輸送、保有等に関して原子力管理委員会が制定いたしております。我が国としても早急に国内法の制定を行わなければならないと思いますが、大臣、御所見をお願いします。

岩動道行自由民主党・自由国民会議科学技術庁長官

○岩動国務大臣 大変大事な問題と認識をいたしております。また、原子力委員会の決定というものは重いものでございますので、この際改めて私どもも真剣に取り組んでまいりたいと思います。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 真剣ということは、何らかの成果が出るということでございますか。

岩動道行自由民主党・自由国民会議科学技術庁長官

○岩動国務大臣 核物質の安全をしなければいけないということは極めて大事なことでございまするし、日本の治安の問題、そしてまた国際的にもいろいろ関連するところもございますので、十分に諸般の情勢を検討しつつこの問題に対応するということでございます。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 よろしくお願いします。  次に、原子力の研究、開発、利用についての諸問題についてお尋ねします。低レベルの放射性廃棄物の処理処分問題については今後どうするかという点であります。特に、年間ドラム缶にして五万本の低レベルの廃棄物の処理が各原子力開発の電力会社にゆだねられているわけでございます。  そこでお尋ねしたいのは、この五万本のドラム缶の中に詰められる内容でございますが、このまま続けていくのか、いわゆるすそ切り、どこで切ってこれを原子力の問題から切り離すのか、政府の考え方はいかがでございましょうか。

中村守孝科学技術庁原子力局長

○中村(守)政府委員 お答えさせていただきます。  先生御指摘のように、現在原子力発電所等で発生します低レベル放射性廃棄物、いろいろ作業に使います紙、布等の可燃性の固体がございますし、いろいろ不燃性の固体、雑固体等もございます。さらには、その廃液を外に放出する際に、これを濃縮してスラッジという形で発電所の中に置いておくということがございますが、そういったものはいずれもコンクリートとまぜてドラム缶に詰めるあるいはそのままドラム缶に詰めておる、それから発電所の中で焼却をして減容をしてドラム缶の中に詰めているというようなことで、現在発電所の構内に貯蔵されておるわけでございますが、いずれにいたしましても、最終的には陸上処分と海洋処分という二つの方法をそれぞれ併用して行っていこうということを考えているわけでございます。  海洋処分につきましては、既にいろいろな調査研究もかなり行いまして、国内法令も整備し、環境への影響のための安全評価等も行ってきておりますし、さらには、これはやはり海洋投棄になりますと国際協調のもとに進めなければならないということがございますので、そのための国際条約へ加盟するといったような形でいろんな実施準備を進めてきておるところでございますが、まだ国際的なコンセンサスあるいは国内の漁民の方々を初めとする皆様方のコンセンサスというのが得られていない状況でございますので、こういった関係者の理解を得て、試験的な海洋処分を行おうという状況にございます。  特に、国際的な理解を深めるということで、廃棄物等の海洋投棄を規制するためのロンドン条約の締約国協議会議というものが現在持たれておりまして、ここで安全性に関する科学的検討も開始しておるところでございますので、我が国としては、こうした会議にも積極的に参加して、現在この討議に参加しておるところでございまして、この結果を得てまたさらに本格的な海洋投棄への準備を進めていきたいと思っておるわけでございます。  それから陸地処分につきましても、既に安全評価手法の整備をいろいろと進めているところでございますが、この処分技術を実証的に試験をしてみたいということで、こういったことから皆様方の御理解も深めていった上で処分の方へ移っていくということが必要でないかと考えておりまして、そういう準備も進めておるところでございます。  なお、その陸地処分につきましては、当面は発電所構内にある廃棄物を構外に集中的かつ長期的に貯蔵するというような施設を設けまして、そこで放射能がかなり低減をしてしまう時期まで貯蔵しておくということが一つの現実的な対応策ではないかということで、現在、政府におきましても、この敷地外貯蔵の具体的なイメージづくりをいたしておりますし、その点の安全性について、この敷地外貯蔵について実証的な試験を行うことを受け入れてくれるような地点につきまして御説明をするというような努力をいたしております。現実にこれを実施いたしますのはやはり電気事業者でございますので、具体的なこういう敷地外貯蔵のサイトにつきましては、電気事業者サイドにおきまして、各地にそのいい地点がないかということで現在探しておるところでございます。  それから第二に、先生御指摘の、言葉は適当でないかもしれませんが、いわゆるすそ切りという問題でございますが、原子力施設から発生する放射性廃棄物の中には極めて低いレベルのものもございますし、また、長い間には放射能が低減してまいりまして、一般の自然にございます放射能とほとんど変わらないレベルにまで下がっていくということが十分あり得るわけでございますが、こういったような廃棄物をどのように処分するか。いつまでも一般的なごみとは別に、放射性廃棄物だからといって、放射能が低いにもかかわらず特別な取り扱いをするということは合理的ではないのではないかということで、これらを合理的に処分することを考えなければいけないのじゃないか。そういうことで、五十七年六月に原子力委員会の原子力開発利用長期計画を策定したわけでございますが、この策定の過程におきましてこの問題もいろいろ議論いたしまして、合理的な処分方策を確立をすべきであるということがこの長期計画に盛り込まれました。これを具体化するために、現在、原子力委員会の放射性廃棄物対策専門部会を設けまして昨年来検討をいたしております。本年末には結論を得るように、今鋭意審議を進めておるところでございます。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 大変明確な指針が打ち出されているわけでございます。  そこで、電力会社の施設外廃棄についての問題で、核燃料サイクル施設として三つあると思います。濃縮、再処理、低レベル、この三つのサイクル施設をつくってリサイクルするわけですが、電気事業連合会では、青森県の下北半島に大規模な半地下式貯蔵庫及びそのリサイクル施設及び「むつ」の関根浜新港に伴う新しい施設、こういった問題で原子力の集中管理体制を置くような態勢が今九電力によって進められているやに聞いておりますが、これは事実なんですか。

中村守孝科学技術庁原子力局長

○中村(守)政府委員 お答えいたします。  現在、現実的に立地が進められておりますのは、先生御指摘の中で、原子力船「むつ」のための関根浜の港の建設工事に着手しているということと、他には新型転換炉の発電所を下北半島の大間というところに建設すべく現在調査が進められております。さらに、下北半島の太平洋側に東通村というのがございますが、そこに東京電力と東北電力によりまして原子力発電所を建設するということが大分前から計画されておるわけでございます。  最近に至りまして、先生御指摘の核燃料施設関係ということで、ウラン濃縮の施設、低レベルの廃棄物の貯蔵施設、それから再処理工場、この三つの施設につきまして青森県下に立地できないだろうかということで、電気事業者サイドでいろいろな検討を進めてまいりました。  核燃料施設につきましては、私どもが電気事業連合会から聴取しているところでは、この十八日、あすになりましょうか、電気事業連合会としてこの問題をどう扱うかについて御検討をなさるというように聞いておりまして、具体化に向けて一つのステップが進められるという状況にあると聞いております。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 大臣、この問題は非常に大きな問題でございます。予算においても千億を超すという相当な予算、一兆円規模だと聞いておりますが、国としては、この九電力、要するに電事連のこの考え方についてどのように評価をし、またこれに対して賛同なさっていられるのでしょうか。これは大臣にちょっとお尋ねしておきます。

岩動道行自由民主党・自由国民会議科学技術庁長官

○岩動国務大臣 まず、日本の原子力平和利用、特に発電の問題でございますが、発電関係の方は大変順調に、計画はある程度縮小されつつも順調に進んで、その稼働率も大変高く、安全性も完全に確保されながらやっております。問題は、核燃料サイクルがまだ完全にできてないというところにあろうかと思います。そういう意味で、私どものこれからの原子力政策の一つの大きな課題は、核燃料サイクルの確立ということになろうかと思います。そういう観点で、事業者の方で核燃料サイクルの基地、施設をどこに求めてつくっていくかということについては重大な関心を持っております。しかし、これは第一義的にはやはり事業者がまずお決めになることでございますので、私どもはその成り行きを注目いたしているというところでございます。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 そうすると、電気事業連合会から正式に科学技術庁にあてて、下北半島太平洋岸の今原子力局長が御説明いただいた地点における施設についての要請、また青森県知事の見解等々は、政府としてはまだ掌握してないのですか。

岩動道行自由民主党・自由国民会議科学技術庁長官

○岩動国務大臣 その点につきましては、昨日電事連の平岩会長が私のところにお見えになりました。そして、先ほど局長が申し上げましたように、明日の電事連の会議においてこの問題について具体的に検討していくということで、一つの予告的な御報告を承りました。これに対しては、私どもは承ったわけでございますが、先ほど申したように、核燃料サイクルの確立は大変大事であるということで重大な関心を持ってその御報告を承ったわけでありまして、これを了承するとか、あるいはまた青森県の知事から具体的にこの問題についてのお話はまだ承っておりません。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 そうすると大臣としては、この問題については話が煮詰まれば了承する、こう理解してよろしいのですか。

岩動道行自由民主党・自由国民会議科学技術庁長官

○岩動国務大臣 そういう大きな核燃料サイクルの確立という、原子力の平和利用の方向でその話が次第に具体化していくことは歓迎すべきことであると認識いたしております。しかしこれは、いま下北半島というお話でございましたけれども、この地域については、何といいましても地元の理解と御協力がなければできないものであろう考えておるところでございます。  また、地点がどこになるかも、私まだつぶさに聞いておりませんけれども、その地点によっては、また国土開発計画とも関連してくるような大変幅の広い問題もございますし、また関係省庁としては通産省というものもございますので、私どもは今社長会の明日の成り行きを見守っているということでございます。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 そこで、低レベルの廃棄物について、現在は焼却して詰めているのか、そのままドラム缶に詰めているのか。私どもの研究によりますと、これは圧縮しますと五分の一ないしは十分の一の体積に固形化される、小さくなっちゃうんですね。そうすると、毎年五万本当ておりますドラム缶は一万本程度になる。私はこういうことを、原子力問題として中川長官のときに提案をしたわけでございます。固形化をしてコンクリート詰めにし、それを鉛の板で覆えば放射能が出ないという私どもの実験成果によってこれを出したわけです。  ところが、これに対する御答弁がなされないわけなんですね。しかも、丸いドラム缶で積み上げるということは、積み上げていく間に空間が出るわけです。これを四角い固形のもので積み上げていきますと、きっちりとした積み上げができるわけでございまして、管理においてもこれは非常に簡単であり、その蓄積の量においても簡素化になる。しかもすそ切りの問題がまだ御検討中でございます中においては、これからどんどん続いていくであろう原子力廃棄物の一つの段階として、鉛の板で覆えば放射能が軽減され、もしくは出ないという証明をした実験というものを私はお願いしておるにもかかわらず、この問題における数字、もしくは私が今御説明しておりますような圧縮方式による問題については御説明をいただかなかったのでございますが、これはひとつ御検討をしていただきたい。これは要望でございます。今すぐ御答弁をいただかなくても結構でございます、今すぐはできないと思いますから。  そこで、原子力船「むつ」の実験計画はどのようになっているかという問題であります。これは法案がかかりますから、そのときまた各党委員の先生方から詳しく質疑があると思いますが、その第一段階といたしまして、「「むつ」の取扱いについては、今後政府・自民党において検討することとしているので、現在、「むつ」の実験計画として確定したものはない。」とあります。  ところが、ことしの一月二十九日付の東奥日報によりますと、一月二十八日に大臣は、「むつ」はあくまでも実験を継続、その後の廃船を含めた一連の長期計画にいささかの変更もないことを強調しておられます。一体「むつ」はどのような実験をするのか、やめるのか、自民党の返答を待つだけなのか、この辺のところを明確にしていただきたいのであります。「むつ」も、自分の使命は一生かかって実験して、私どもの仏法の言葉で言いますと成仏という言葉でございます。このまま灰になって、自分の使命を達成していかないで、うやむやのままであっちにさまよい、こっちにさまよっておったのでは、これは亡霊となってしまいます。どうかひとつ、「むつ」のためにも明確な御答弁をはなむけとして委員会が示さなければならないと思う一人でございます。特に、その責任にある長官があいまいもこ、優柔不断、ただ自民党の言葉だけ待っていたのでは、「むつ」は成仏できません。どうかひとつ、この辺の御答弁をお願いしたい次第であります。

中村守孝科学技術庁原子力局長

○中村(守)政府委員 お答えさせていただきます。  予算委員会への資料提出の御要求につきましては、政府として公式なものという形でお出しすることができませんでしたので、そのような形にさせていただいたわけでございますが、御承知のように「むつ」における舶用炉の研究開発のあり方につきましては、各方面からさまざまな御議論が寄せられていることを踏まえまして、現在政府においても検討を進めておるところでございます。この検討に当たりましては、国会での御議論はもちろんのことでございますが、各方面からの御意見をいろいろ広くちょうだいいたしまして、検討を進めてまいりたいと考えておるわけでございます。  先ほど大臣についての御発言がございましたが、この点は若干新聞の方が正確でないわけでございまして、あたかも当時、原子力船「むつ」の計画が研究中止というぐあいに決まったかのような印象を与える風潮でございましたので、そういうことではなくて、まだこれから検討するんだということを御説明なされたのがああいう形になったわけでございます。  実験計画でございますが、そういう意味で、現在私ども政府としての公式のものを持ち合わせていないわけでございますが、原子力船「むつ」につきましては従来からいろいろな実験計画を検討をしてまいっておりまして、原子力船についての原子力委員会での基本計画に基づきまして、原子力船事業団が具体的な計画を固めておったわけでございます。そういう意味で従来の計画について申し上げさせていただきますれば、当然のことでございますが、まだ「むつ」は現在官庁検査中でございますので、その官庁検査の、核反応を起こす以前の冷態停止の状態からいろいろな機能を検査いたしまして、それが設計条件とどう違っているかというようなことも技術的な成果の一つとして試験されるわけでございますし、その後出力試験を行いまして、安全性について問題ないということを確認した後、実験航海に出るわけでございます。  実験航海に出ました段階におきましては、各種の海象条件のもとで陸上実験では得られない三次元の振動、動揺あるいは急激な負荷変動が存在するというようなことがございますから、そういった際の炉特性に関するデータを得る、船体の炉のビヘービアについてのデータを得るということでございまして、このデータを将来の舶用炉の研究開発に役立てたいということを計画しております。この実験航海は約二年ほどを予定しておりまして、でき得れば将来さらに炉心を取りかえてその経験を積みたい、こういうような計画を持っておったわけでございます。  今後の検討に当たりましては、この計画も一つの検討材料でございます。そういう意味で、これは従来のものでございまして、まだ現在私どもは公式のものを持ち合わせていないということでございます。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 そういうわけですね。ですから、どうするかということなんです。そのことは法案審議のときに御決定をいただきたいと思いますが、新聞に出ている決意は大臣、いささかも変わらないわけですね。

岩動道行自由民主党・自由国民会議科学技術庁長官

○岩動国務大臣 小川先生のおっしゃるのは、たしか一月二十九日付の東奥日報、これは青森県の地元紙でございますが、私がそのときに申し上げたのは、こういう真意で申し上げたのです。  つまり、予算編成の段階で各方面からいろいろな御議論もあるので、この際「むつ」による舶用炉の研究を継続するかどうかは今後党内としても検討するんだということで、政府もそれを了承して、したがって八月末までに専門家の意見等各方面からの御意見を聞いて決めていこう。ところが、その結果が外には、ほとんどのマスコミではもう「むつ」は廃船になるんだという報道ぶりになってしまいました。そこで私は、そうじゃないのですよ、やめるのかあるいは継続するのか、そのことはこれから検討するのであって、したがって中止ということではないということを申し上げたわけです。それが継続ということに非常に強く出たということでございますので、御了解をいただきたいと思います。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 よく了解いたしました。  そこで私は、もう一問全然変えた問題で、時間がございませんから簡単に申し上げます。体外受精についてお尋ねします。  体外受精によって誕生した実例は、世界的にはどのくらいあるのか、我が国においてはどのくらいあるのか。そのうち染色体異常、水頭症、口唇裂、生殖器の異常はどのくちいあったのか。体外受精による出産と通常の出産による奇形児の発生率はどのように違うのか。現在、体外受精を実施中の大学はどことどこか。また、これらはすべて不妊症患者の同意を得て実験したのかどうか。子宮がんの婦人の子宮から卵子をとり、それをある精子と結合させるような行為を患者に全く無断で許可なしに行っている実例があったのかどうかということでございます。これらの大学ではすべて、治療として許される範囲と人道上許されない範囲を定めるための生命倫理委員会を設置しているのかどうか。また、これらの大学では生命倫理のガイドラインを制定しているのかどうか。また、受精卵についての遺伝子組みかえは時期尚早であると私は思っておりますが、安全性と社会的合意が得られない限り許されるべきでないという私どもの考え方と、宗教界におけるところの生命倫理の問題、生命とは尊厳であり永遠であるという生命哲学の論理に対して、科学論理で対抗的に説得ができるのかどうか。こういった疑問点が多々あるわけでございますが、時間が参りましたので、今箇条的に申し上げましたことを御答弁いただいて、終わらせていただきます。

小林秀資厚生省児童家庭局母子衛生課長

○小林説明員 現在、体外受精で出生をした事例は世界十一カ国で約三百例、これは昭和五十八年六月現在の書物による報告でございますけれども、大体それで全体把握ができているのではないかと私は思っております。それから我が国の体外受精の出生例は、現在全部で五例でございます。  次に、奇形についてでございますけれども、体外受精によって奇形の頻度が高くなるという報告は、今のところ私は見ておりません。それから、日本で生まれた五例については奇形はございませんでした。  以上でございます。

佐藤國雄文部省大学局医学教育課長

○佐藤説明員 お答えいたします。  現在のところ、関係者の説明によれば、我が国の大学で体外受精の臨床研究をしているところは、東北大学、山形大学、富山医科薬科大学、徳島大学、慶応義塾大学、東海大学、東京歯科大学、兵庫医科大学、以上の八大学でございます。  なお、先生御指摘の徳島大学において患者の同意をとらないで実験をしたのではないかというお話の件でございますが、徳島大学からの報告にふりますと、これは、体外受精の臨床応用に先立ちまして基礎研究をいたしました。その基礎研究の段階で、昭和五十七年三月から五十八年一月の間に、大学の附属病院それから徳島県内の三病院の協力のもとに、病気等で摘出をされました標本の卵巣や不妊症等の場合に得られた卵子を使いまして基礎実験をいたしました。その場合、医学部附属病院における症例の多くにつきましては、患者の同意を得て採取したというふうに私どもは聞いておりますが、なお先生御指摘のようなことがございますので、私どもといたしましては、やはり生命倫理にかかわる問題でございますから、国立大学の医学部長会議等を通じまして指導をしてまいりたいと思っております。各大学とも、臨床研究にわたって治療をしておるところにつきましては、日本産科婦人科学会の定めました憲章といいますか、そういったものに従いまして実際の治療をしているところでございまして、これは当然のことながら患者の同意は必要でございますし、必ず法律的に結婚をされた御夫婦の了解をとって行う、こういうことになっております。

小川新一郎公明党・国民会議

○小川(新)委員 以上をもって終わらせていただきますが、この問題については後日また深く追求させていただきます。ありがとうございました。

大野潔公明党・国民会議

○大野委員長 工藤晃君。

工藤晃日本共産党・革新共同

○工藤(晃)委員 前回も私はアメリカの宇宙基地計画の問題で伺いましたが、時間が大変少なかったもので、その続きの質問をやります。  最初の問題は、科学技術庁の三浦審議官、おいでになっておりますか。四月十日、記者会見されたということで、そこで宇宙基地計画への参加条件について確認事項を発表したということでありますし、十三日には経団連宇宙開発推進会議で報告をするという報道もありましたが、その基本条件というのは一体何なのか、当委員会におきましても明らかにしていただきたいと思います。

三浦信科学技術庁長官官房審議官

○三浦説明員 お答え申し上げます。  今回、私が宇宙基地に関しまして訪米いたしましたのは、NASAの宇宙基地計画の関係者と会いまして、我が国の参加構想の検討に必要な追加情報の提供を求めることを目的としたものでございました。米国におきましては、国際協力に関する方針はまだ政府部内で検討中ということでございまして、現段階における考え方を聞いてまいったわけでございます。  その結果について申し上げますと、宇宙基地計画予算については現在アメリカの議会において審議中でございますけれども、NASAとしては、予備設計のときに参考となる宇宙基地の構成について検討中であること、また、企業との予備設計の契約のための提案要請書を準備中であることがわかりました。また、NASA側としては、宇宙基地への外国の参加につきましては、参加する部分については参加国が開発、製作、維持等すべてに責任を持つ参加形式を考えていること、こういうことが明らかになったということでございます。  以上でございます・

工藤晃日本共産党・革新共同

○工藤(晃)委員 四月十一日の日本経済新聞に伝えられました参加の基本条件として一から十四まで書かれておりますが、これは大体そういう内容なんですか。それに比べて、今の説明は大変簡単過ぎるように思いましたが。

三浦信科学技術庁長官官房審議官

○三浦説明員 今おっしゃられたのは、四月十一日の日経産業新聞における記事のことかと思いますけれども、ここに書いてありますのは、私が向こうに行きましてNASAの考え方について聞いてまいりました細かい質問についての答えを大体書いてあるものというふうに承知しております。基本条件というような感じのものではございませんで、こちら側が参加の構想をまとめるに際して必要な追加情報について聞いてまいったということでございます。

工藤晃日本共産党・革新共同

○工藤(晃)委員 それならば、基本条件というものでなしに追加情報である。そういうことでは、我々が大変関心を持っている平和利用をどう確保するか、そういうことは全く議題にならなかったし、答えはなかったということですか。

三浦信科学技術庁長官官房審議官

○三浦説明員 平和利用の問題につきましては、ベッグズ長官が訪日の際に、宇宙基地は米国の民生宇宙プログラムとして計画されているという説明がございまして、今回私が訪米の際に得た説明も同じでございます。

工藤晃日本共産党・革新共同

○工藤(晃)委員 では長官に伺いたいわけでありますが、今回のレーガン政権の宇宙基地計画というのは、当然のこととして、レーガン大統領が八二年七月四日に発表した米国の国家宇宙政策とちゃんとしたかかわりがあると思いますが、レーガンの国家宇宙政策というのは一体何を打ち出しており、どういうことに特徴があるのか、その辺の認識について伺いたいと思います。

福島公夫科学技術庁研究調整局長

○福島政府委員 中身でございますので、私の方から説明させていただきます。  米国の国家宇宙政策というのは、アメリカの十年間の宇宙活動の方向を大統領が示したものということでございまして、一九八二年七月四日に発表されております。  その中身の主なところをちょっと御紹介させていただきますと、目標としまして六項目ございます。アメリカの国家安全保障の強化、アメリカの宇宙でのリーダーシップの維持、宇宙開発を通じた経済的、科学的利益の確保、民生目的の宇宙活動へのアメリカ民間の投資及び参加の拡大、国益に合った国際協力活動の促進、それから宇宙の自由維持のための他国との協力というのがその目標になっておりまして、そのためのいろいろな原則あるいは作業をやっていこうということになっております。

工藤晃日本共産党・革新共同

○工藤(晃)委員 六つの点についてはそのとおりだと思いますけれども、この国家宇宙政策の大変注目された点というのは、真っ先にアメリカの安全保障の強化、次にアメリカの宇宙でのリーダーシップの強化ということをうたいまして、そのプログラムとしては確かに民生用と国防用に分かれておりますけれども、相互の密接な関係ということが強調されております。それはまた、具体的にはNASAと国防省との密接な関係ということが出ているということに特徴があると思うわけであります。  そういうときに、今度の宇宙基地計画は、なるほど民生用であるということを言っても、これはレーガン大統領が提案したことでありますし、この国家宇宙政策と無関係でこれが出てくるわけではありませんから、この宇宙基地計画それ自体が第一の目標にもかなうような方向で進められるということは、当然我々は考えなければならない、これはもう常識であろうと思います。  それに加えて、私は前回も少し取り上げたわけでありますが、ベッグズ長官からも取材したりした内容をもって、例えばイギリスの「ネーチャー」の八三年八月十八日-二十四日号、それと最近では、アメリカの航空宇宙情報を伝える雑誌としてよく知られている「エービーエーション・ウイーク」の八四年一月三十日号が、いずれも共通したある一つの内容を伝えている。というのは、この有人宇宙基地に対して国防省は関心を示してないようだけれども実は大変な関心を示しているということが、どちらにも指摘してあります。「エービエーション・ウイーク」の方から言いますと、設計段階からこれが軍事目的に使われるときに妨げにならないようなものにするようにNASAといろいろ連絡をとっているということが伝えられております。それから前回も指摘したことでありますが、ベッグズ長官が日本で説明したときにも、有人宇宙ステーションが同時に二つの無人のステーションをセットしておくという中に、一つは極軌道のものがありますけれども、「ネーチャー」誌も「エービエーション・ウイーク」誌も共通して、国防省が大変関心を持っているのはこの極軌道の方であるということで、「エービエーション・ウイーク」によりますと、この極軌道の衛星を使いますとともかく地球上まんべんなく写真も撮れるということですから、非常に関心を強めているということです。  こういうことを私たち総合して考えますと、一つはレーガン大統領の国家宇宙政策というものがあり、それから現実にベッグズ長官が日本で説明されたときも、ここで開発されたものが国防省に使われることは確実であると言われるような内容も示しておりますし、そしてまた「ネーチャー」や「エービエーション・ウイーク」が伝えたようなことも極めて可能性高く考えられる、こういうことになっていると思うわけです。ですから、政府としては、そういう内容を持っている可能性があるということを具体的に知りつつも、あえてこれに参加する、こういう姿勢なのか。また、そういうことを知りつつも、今度結ばれるであろう何らかの協定とか文書の交換によって、日本のここへの参加の形態は軍事的目的には絶対に利用されないという確実な保証が得られる自信があるのだ、そういうふうに考えられるのか。その込もう少しはっきりさしていただきたいと思うわけです。

福島公夫科学技術庁研究調整局長

○福島政府委員 先生御指摘のとおり、アメリカにおきましては、NASAに限らず、アメリカの政府の資金で開発されたものはあらゆるものが使えるとなっております。したがいまして、NASAの技術というものが将来国防省に使われるという可能性はもちろんあるわけでございます。しかし、この点につきまして、いわゆる宇宙基地計画、これは将来宇宙基地という技術をどこが使うかという問題と、今回の宇宙基地というものと、やはり切り離して考えなくちゃならないと我々考えております。  今回の宇宙基地につきましては、再三申し上げておるとおり、八十億ドルという金はすべてNASAの金で、民生用の金で出ておるわけでございます。この中で、先生が先ほど仰せられましたフリーフライヤーというか、あるいは無人プラットホームといいますか、低傾斜角用のが一つと極軌道用のが一つ入っております。これも計画の段階で、前にも御答弁申し上げましたが、はっきりこれをつくるかどうかということはまだわかっておりませんけれども、つくるとすれば八十億ドルの中でつくるというふうに聞いております。それで、これはいずれもいわゆる民生用の地球観測用のものであり、あるいは宇宙物理用のものであるというように説明を受けております。  今回の宇宙基地計画に日本が参加する場合、先ほど三浦審議官からの報告もございましたように、アメリカが本来開発する、我々コアモジュールと呼んでいるのでございますけれども、いわゆる本体との間で判然としたクリーンなインターフェースというものを持った、一つの例えばジャパン・モジュールというような形で参加していきたいと申しておりますのは、今回は完全民生用でございますけれども、万一この技術がそっくり国防省の方にトランスファーされて、国防用のものに使われる可能性もあるかもしれないということがございますので、その際には、これはベッグズ長官もはっきり言っておりますけれども、日本の技術で付加した部分あるいはヨーロッパの技術で付加した部分は、その技術を持ち込んだところと相談をしてそれを出すか出さないかは決めるということになっておりまして、私どもはそのときに当然その部分だけは外していただくということを考えておるわけでございます。この点につきましては、今後の何らかの覚書あるいは交換公文となりましょうか、そういう中でも明快にしていかなければならぬし、いけると考えておる次第でございます。

工藤晃日本共産党・革新共同

○工藤(晃)委員 それでもう一度、三浦審議官の新聞で伝えられた記事の中にも、日本のモジュールをアメリカが借りて使う場合もありますね。ですから、非常にクリーンでカットされてあると言うけれども、実際に何日間使えるか、これはいろいろ予算や何か関係あると思いますが、そういうことで、この中というのは一体のものだと考えるのが常識だと思うのですね。  そしてまた、私繰り返しますが、レーガン大統領のこういう国家宇宙政策に照らして、そういうものが前提になって出てきているものでありますから、そしてその中で、さっき言ったように民生用も軍事用も分かれた計画であるけれども緊密な関係があるというものでありますから、そういうものに臨むときに、今大事な平和利用に限るという我が国の宇宙政策を傷つけないために、長官として、この問題では絶対そういうことが起きないようにするという決意をぜひ述べていただきたいと思うわけであります。

岩動道行自由民主党・自由国民会議科学技術庁長官

○岩動国務大臣 宇宙開発に関する法律上の平和利用ということ、また国会の御決議も十分に体して対応してまいりたいと思っております。

工藤晃日本共産党・革新共同

○工藤(晃)委員 この問題ではまだまだいろいろ疑問が残りますが、この問題でもう少しはっきりさせておきたいのは、先ほども問題にされた予算の問題です。宇宙基地計画、さしあたって最低限八十億ドル、こういう言い方をしておりますね。それでまた、これも報道によりますと、十年後には百五十億ドルぐらいになるかもしれない、こういう話もあります。その中で日本が一〇%ないし一五%、八十億ドルに見合うものとすれば二千億円から三千億円である、こういうことですが、これが将来膨らむ可能性があるのではないかということが一つ。  それからその前に、これは大変初歩的なことでありますが、日本の出す二千ないし三千億円というのはこの八十億ドルの内数としての数なのかどうか、その辺も答えてください。

福島公夫科学技術庁研究調整局長

○福島政府委員 お答えいたします。  最初に、まず日本が参加する部分が内数か外数がということに関しましては、これははっきり外数でございます。日本だけじゃなくて、ヨーロッパが参加する部分もカナダが参加する部分も外数ということになっております。  それからなお、最初の御質問の資金でございます。これは本当に先生がおっしゃるように大変なお金でございますので、これは今すぐ出せますよとも、将来また第二期、第三期というのでございますか、そういうふうに膨らんでいったときにも日本もどんどん膨らむのかということにつきましては、少なくとも今我々の頭にあるのはその一期のことで頭がいっぱいでございまして、このお金をどうして出すかということも大変な問題でございますので、財政当局ともよく相談しながらやっていきたいと考えておる次第でございます。

工藤晃日本共産党・革新共同

○工藤(晃)委員 この計画に参加するということでつき合いで予算が膨らむという見通しもある。こういうことも考えに入れて、先ほども取り上げられたことでありますが、一方では日本の自主的な技術開発をやらなければいけないということをともかく今掲げ出しているというとき、予算の配分の上でかなり影響が出てくることも考えられるわけですね。だから、これに参加するということをもう少し冷静に、さっき言った軍事利用の面はもちろんでありますが、プラスとマイナス考えないとまずいのではないかということを強く考えるわけです。これは私の意見でありますが。  それと関連して、アメリカとの科学技術協力のあり方で振り返ってみるべき具体的な事例がある。例えばエネルギー分野で、ごく最近のことでありますが、日米科学技術協力の一つとして行われた石炭液化のSRCⅡ計画、この結末はぜひはっきりさせて、こういうものを踏まえて、こういう計画に参加するかどうかを考えていく必要があるのではないか。私は五十五年四月八日、ちょうど商工委員会におきましてこのSRCI計画についてかなり厳しく批判を行ってきた者としまして、その結末について当然どこかで聞かなければならないと思って伺うわけでありますが、SRCI計画は一体どうして中断に至ってしまったのか、この点、きょうは通産省にお願いしたいと思いますが、お答え願いたいと思います。

安藤勝良資源エネルギー庁石炭部炭業課長

○安藤説明員 お答えいたします。  この石炭液化につきましては、五十五年七月に米国、西独が進めておりました事業に日本も参加するということで決定したわけでございます。その後、五十六年の二月にレーガンのいわゆる一般教書におきまして、従来進めておりましたエネルギー省から合成燃料公社の方に移管するというような声明の発表もございました。その背景にはいろいろ事情があったやに聞いておりますが、最大のポイントといたしまして、当初十九億ドル程度の総コストであると言われていたものが倍近いコストアップになるというようなことから、大幅に事情が変わった、こういう事情もございまして、米国といたしましては一たんこれをターミネートするというような形で、このプロジェクトの取り扱いについてどうかというような意向表明があったわけでございます。  その後、西独も含めて三国間でいろいろ協議をいたしまして、日本といたしましてもこれに参加を決定していたこともございまして、何か代替案が本当にないものかどうかということから、主体国であります米国の方等に声をかけましていろいろ検討を願ったわけでございますが、いい方法もないということから、六月に至りまして、三国間の協議に基づきまして中止のやむなきに至ったわけでございます。

工藤晃日本共産党・革新共同

○工藤(晃)委員 その場合、SRCⅡへの予算というのは我が国としてどのくらい組んだのか。それから、サンシャイン計画の石炭液化の予算はその当時どのくらいだったか。

安藤勝良資源エネルギー庁石炭部炭業課長

○安藤説明員 今申しましたように、当初、全体で総コスト十九億ドルの予算ということでございまして、日本の参加比率二五%でございますから、約五億ドル弱という日本の負担が予想されたわけでございます。もちろん年度、年度の予算につきましては、それぞれその年にかかるコスト見合い額から四分の一の日本の負担金について予想される予算額を計上していたということでございます。

工藤晃日本共産党・革新共同

○工藤(晃)委員 今のをもう少し私の調べた範囲内で申しますと、五十五、五十六年度には二百二十四億円の予算を組んで、そのときのサンシャイン計画の石炭液化、サンシャイン計画の方はこれまで独自にやらなければならないという計画でやってきた、その方の百八億円の二倍になるような、そういう予算の配分がゆがみが出てきてしまって、そのあげく、事実上日本としても、まだ全額出し終わったわけじゃありませんけれども、中断ということになってしまった、そういうことなんですね。  ですから私は、このSRCIの計画中止を決めたのは、何といっても決定的なのはレーガン大統領なんでありますし、そのレーガン大統領の新しい計画の提案に対して我々がどうしようかというときに、やはりアメリカ側が国益追求でこういうことをやった例もあるということをはっきり見て、もっと冷静に対処する必要がある。少なくともこういうことを後に、何か日米首脳会談でこのアメリカのやり方に対して日本側が苦情を言ったとか抗議をしたということも全然聞いておりません。  なおつけ加えて言うならば、このSRCⅡも、実は七八年五月の日米首脳会談、福田首相とカーター大統領との会談から始まる問題でありますので、まさに日米首脳間の取り決めからこういうものが出てきたわけであります。そういうことだけに、大統領が変わると計画が変わってしまう、そうすると中止になるというようなことが現にあっただけに、この計画に、何かバスに乗りおくれないようにするためということで先走るのではなしに、さっき言った我が国の宇宙開発政策、あくまでも平和目的に限るという立場と、同時に科学技術政策が宇宙面でも自主的な技術を打ち立てるという方向を貫けるような立場をはっきりさせて臨まないとまずいのではないか、そういうことを再度申し上げまして、この点についても長官の御意見を伺いたいと思います。

岩動道行自由民主党・自由国民会議科学技術庁長官

○岩動国務大臣 石炭液化の問題は、諸般のいろいろな事情そしてまた世界的なエネルギー事情等特殊な事情があったので、我々としてもやむを得ないものと私自身も認識しておりますが、今度の宇宙基地計画は単に日本一国だけの問題ではなくて、ヨーロッパのいろいろな国も入ってきてやることでございまするし、これは米国の中でも特にレーガンだけの発想ということではなしに、超党派で米国全体としての大きな計画でございますので、私どもは十分に信頼性を持ってこれに対応するということで臨みたいと思っております。

工藤晃日本共産党・革新共同

○工藤(晃)委員 SRCⅡの場合も、日本とヨーロッパからは西ドイツ、そしてアメリカというんですね。決して日米だけではない。もちろん日米科学技術協定ですか、それに基づいてやられたものでありますが、その点ははっきりさせて、その点からいえば変わりない、このように考えます。  それで、時間もありませんので次の問題に移りたいと思いますが、技術評価、テクノロジー・アセスメントということで、我が国がこのテクノロジー・アセスメントの体制を具体的につくっていかなければいけないのじゃないか、それがないために今科学技術をめぐっていろいろな問題がある。早い話、「むつ」も結局廃船するかどうかは自民党が決める、そう聞こえるようなことになってしまっている。そういうような決め方でいいのかどうかという問題もあります。  それで、今問題になっている原子力をとっても宇宙をとっても生命科学をとっても、あるいはコンピューターや電気通信技術の進歩をとっても、非常に急速な展開を続けているわけで、そこで数々の新しい問題にぶつかっていくわけですが、これに対して私たちが技術評価、テクノロジー・アセスメントというのをしっかりやっていかないと大変大きな問題が出てくる。なぜテクノロジー・アセスメントが必要か。私は四つ大事だと考えているわけで、この点についてぜひ長官の御意見も伺いたいわけであります。  一つは、技術革新というのは常に二つの面を持っている。一つは、言うまでもなく人類の進歩を推し進めるということですが、同時に新しい災いをもたらす可能性もある。それがいつも問題になる、一つは軍事的利用であり、当委員会にも来られた参考人の方がこぞって先端技術は同時に軍事技術であると論破されているわけでありますが、そういう問題がある。二つ目も、よく知られていますいろいろな有害性、公害、災害、安全を脅かす、健康を破壊する、環境を破壊するという問題。そしてこれにつけ加えて言うなら、社会経済的な影響で悪い影響、例えばロボットがどんどん入ってくると失業がふえるのではないかとか、コンピューターとか今の高度情報化社会ということになるとプライバシーがどうなるのかという問題。だから、必ず進歩の面とそういう災いをもたらすという面を伴うから、技術革新が進むときにこの両面をはっきりと冷静に見てどういう態度をとるか決めていかなければならない、これが一つの点であります。  それからもう一つの点は、今の技術革新は、新しい発見、科学上の発見が非常に急速に次々出てくるというだけでなしに、その発見から実用化あるいは商業化に至るタイムラグが非常に短くなってきている。そのために新しいことが話題になって、最初は小規模ですが、あれよあれよといううちに非常に大規模にやられるようになって、そしてそこで公害が起きたり災害が起きたりする、こういう問題も考えなきゃいけない。  それからもう一つ、三つ目として考えているのは、「むつ」ももう六百億円使ったとかいうことになりますけれども、一つ一つのプロジェクトにかなり大規模な予算が使われるが、一たび予算が獲得されプロジェクトが認められてしまうと、ともかくこれはどんどん続けるのだ、惰性の原理みたいなのが働いていくけれども、そういうことでいいのか。やはりこれは国民の税金ではないか。科学技術関係の予算が適正に配分されるためには、一度進んだプロジェクトであっても途中でもっと見直していく、こういうことをやっていれば「むつ」みたいなことも起きなかったのではないかという理由もあると思います。  四つ目の理由として、私も前回強調しました、あくまでも基礎的な研究が発展して、自主的な研究があって、その上にいろいろ応用とか商業化が進むという形で進んでいるかどうか、こういう点がどうしても必要である。  以上のような理由から技術評価、テクノロジー・アセスメントというものが打ち立てられるようなことにしていかなければいけないのじゃないか、このことをまず長官に伺いたいと思います。

岩動道行自由民主党・自由国民会議科学技術庁長官

○岩動国務大臣 おっしゃることはみんなごもっともであると思います。何と申しましても科学技術が人類のための幸せと平和に役立たなければいけないのであって、科学技術はやはり人間が考え人間がつくっていく、そしてそれを人間が活用するということでなければならないと思います。そういう意味において、そのような観点から科学技術の全体の進め方を考えるという必要があろうと思います。  と同時に、先ほどロボットのお話もございましたけれども、ロボットが進んで、すし屋に行ってロボットが握ったすしを私どもは果たして食いたいと思うかどうか。恐らくはいと言って手を挙げる人はだれもいないのじゃないでしょうか。つまりそこには人間性がない。やはり職人の生き生きとした張りのある中でうまいすしを食う、そこに人間としての血の通いもあり、心の通いもある。そういうようなことで、科学技術が発展すればするほど人間が主体となっていかなければならない。こういう観点から、すべてのことをまずそのスタートにしなければいけない、かように私は考えておるわけでございます。  また具体的に、いろいろな技術評価の問題は大変大事でございます。従来とも私どもはやってまいりました。しかし、今後ともそのような、例えばライフサイエンスといったようなものが発展しますと人間とのかかわりが非常に深くなってまいります。そういうことから宗教の問題、倫理の問題、その国の文化の問題等々ございますので、そういうようなこともこれから十分に念頭に置きながらやっていく。そういう中で、どのような方法でやるかという方法論につきましては今後十分に検討しなければならないと思っておりますが、なお詳細につきましては担当の局長の方から御答弁申し上げます。

赤羽信久科学技術庁計画局長

○赤羽(信)政府委員 四点にわたりまして御指摘いただきました。実は、研究開発を新しいものに取りかかりそれを推進する各段階におきまして、我々としましても常に議論してきた点を御指摘いただいたような感じでございます。そういう意味では全く御指摘のとおりと存じます。  少し分けて考えますと、公害、災害、安全、こういう問題がかつて提起されました。これはやはりそういうことを十分考える方法論と申しますか、あるいはそういった考え方の雰囲気自身が足りなかったのかなという反省を我々いたすわけでございます。  一つには、外国の技術を買ってきたために、そういう問題を十分検討する余裕がなかった、あるいは我が国の成長が非常に速かったために、小さい間は問題が少ないのが、大きくなったために問題が大きくなった、そういったいろいろな要素を今や反省しているわけてございます。幸いにしまして、後から追いかけて、相当のものが解決できたと言ってよろしいのではないかと思います。ただし、技術開発の面から見ますと、そういう後追いの対策をするくらいなら、初めからもっと合理的なプロセスが予想される、そっちを追うべきであったであろう、そういうことを総合的に考えるのが進歩の激しい、しかも御指摘のような社会経済への影響が大きい今日の科学技術を考える本当の態度ではないかということも議論されておりまして、そういうことを本格的に考えるのが、また科学技術政策を考える科学技術会議を初めとしましていろいろな研究開発に責任を持ちます機関の責任であろうかと存じます。  また、別途御指摘いただきました、大型投資が惰性で行ってしまうということでございます。この大型投資を始めるというときが特に大事でございまして、その点、第一点、第二点について十分考えると同時に、スタートした後も、我々の言葉でチェック・アンド・レビューということをよく申しますが、そういうことをきちんとやりまして、惰性に過ぎることがないようにしなければならない。今まではやや研究開発投資も伸びてまいりました。その段階では、一つの小さいパイをどっちにウエートを置いて分けるかという判断が若干弱かったかと思われますけれども、これからは厳しく配分の判断ということも考えていかなければならないわけでございます。特に基礎研究からしっかり盛り上げていくということ、お金の配分の点についても先生御指摘のとおりと思います。十分参考にさせていただきましてやってまいりたいと存じます。

工藤晃日本共産党・革新共同

○工藤(晃)委員 長官は技術評価をやってきたと言われますけれども、やはり技術評価を包括的に制度的にやるということになっていなかったのじゃないか。例えば原子力の問題をとりまして、先ほど長官は要するに再処理がおくれていると言われましたけれども、そういうのは現象としてはそうかもしれません。しかし、私の考えでは、やはり原子力発電を始める以上、炉の安全を確保すると同時に、そこから出てくる使用済み核燃料の再処理の問題だとかあるいは廃棄物の処理、その技術の確立というのはもっと先に出ていて、それで確かめられてから進めばいいけれども、今動燃の東海村の再処理工場というのは事実上動かないような状態になっているし、第二再処理工場をつくると言うけれども、アメリカの民間の再処理というのはどれもうまくいっていなくて中止しているような状態で、一体どこから技術を持ってきてどうするのか、全く心もとない状態で原子力発電だけが進む。こういうこと全体に対してやはり技術評価をして、進み方をもう少しどうかするというところがないというのが問題じゃないかと思うのです。  それで、もう時間がなくなりましたので、一つだけ、アメリカの技術評価の体制として議会にある技術アセスメント局、OTA、この制度がどうなっていて、どういう仕事をやっているのか述べ保ていただきたいと思います。

赤羽信久科学技術庁計画局長

○赤羽(信)政府委員 OTA、普通我が国では技術評価局、技術評価室などと訳されておりますけれども、アメリカの議会に直属の機関として創設されたものでございます。これはテクノロジー・アセスメント法、これが目的としますかなり大きなものだったわけでございますけれども、それに基づいて昭和四十七年に議会の直属の機関として創設されました。  OTAの行います仕事は、議会から要請されましたテーマにつきまして、技術の利用から将来的に予想される影響、これを比較、評価、検討し、議会に報告するという性格のものでございます。  機構といたしましては三つの課に分かれておりまして、第一がエネルギーや材料、国際安全保障、第二が健康及び生命科学、第三が科学情報、天然資源、こういったものを扱うものとなっていると聞いております。

工藤晃日本共産党・革新共同

○工藤(晃)委員 機構は大体そういうことでありますが、私もここへ七九年の年次報告を持ってきておりますが、ともかく取り上げている問題というのは非常に広範にわたって、今ありましたようにそれこそ宇宙から海洋から交通問題から、あるいは電気通信の問題から、国民の健康にかかわる保健の問題、遺伝の問題、さらには商業的な国際経済も含むような問題もすべて含んでやっている。そういうのと、さっき私が例を挙げました、原子力がこのままでいくとどうなるのかという問題だとか、最近は軽水炉はとても望みがないというような報告を一つ出しておりますね。そういうものも出てくるし、同時に、例えば今家畜にやっている飼料の中に入ってくる抗生物質が人体の健康にどういう影響があるか、そういう問題も広く取り上げられている。  実は、今国民が実際関心を持っている科学技術の問題というのは、そういう問題なのです。それがすべて取り上げられていくようなテクノロジー・アセスメントの体制が日本にはないのじゃないかと言ったのは実はそのことで、この問題は、もちろん国会の中につくるのが一番いいと私は思いますが、それにかわるようなもっといい方法があるかどうかも含めて真剣に検討しなければいけないということを最後に提案して、長官の意見を伺いたいと思います。

岩動道行自由民主党・自由国民会議科学技術庁長官

○岩動国務大臣 この問題は、私どもも大変重要な問題だと認識をいたしておりまして、いろいろな方法論もまた検討しなければならない。一方、このようなことと行政改革というものとどうかみ合わせるかというような問題もあろうかと思いますので、慎重に検討させていただきたいと思います。

工藤晃日本共産党・革新共同

○工藤(晃)委員 終わります。

大野潔公明党・国民会議

○大野委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。    午後零時二十二分散会

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