運輸委員会 第19号
- 発言数
- 183 件
- 登壇者
- 32 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1984/08/01
会議録
○福家委員長 これより会議を開きます。 陸運、海運、航空及び日本国有鉄道の経営に関する件等について調査を進めます。 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。 本日、港湾に関する件について、石油公団理事松村克之君、また航空に関する件について、新東京国際空港公団副総裁松本操君をそれぞれ参考人として出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○福家委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
○福家委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。関山信之君。
○関山委員 きょうは、曲がり角にある海運問題についてお尋ねをいたしたいと思うわけでありますが、何分にも素人でございまして、総論的なことをお尋ねをしておきたいと思うのであります。 ことしの四月九日、運輸大臣が海造審に「今後の外航海運政策はいかにあるべきか」という諮問をされたわけでありまして、まさに海運の問題は今海造審の論議にゆだねられておるわけでありますけれども、この時期に改めて運輸省がこうした諮問を行った問題意識とでも申しましょうか、那辺にあるのか、私もまだ一年生でございまして、経過も十分に承知をいたしておりませんので、この際、冒頭お伺いをいたしておきたいわけであります。
○仲田政府委員 海運造船合理化審議会に対しまして、四月九日に運輸大臣より諮問を行った次第でございます。 その趣旨は、我が国は四面を海に囲まれておりまして、資源のほとんどを外国に依存しなくてはならない、また、それを加工した工業製品を輸出するということも我が国の宿命であるわけでございます。こういうような状況のもとに安定した海上輸送を確保するということは、経済それから国民生活の維持発展に必要不可欠である。しかしながら、我が国の海運は現在、こういうような使命を負いながら、種々の構造的な問題に直面しているわけでございます。 すなわち、まず国際的な観点から申しますと、一つには、発展途上国による海運への政府介入の動きがだんだん強くなってきたわけでございます。さらには、この問題は定期船同盟行動規範条約というものに実を結びまして、これが既に効力を発生いたしております。さらには、共産圏諸国の国営海運というものが採算を度外視して世界じゅうに進出してきております。さらには、今までの伝統的な海運政策、すなわち海運自由の原則に基づく伝統的な政策に対して、米国が独自の海運政策をとっておりまして、これが海運の秩序を乱す動きを出しているわけでございます。 こういうように総括的に見まして、国際海運秩序、数世紀も続いてまいりました一つの国際海運の秩序というものを、近年、極めて揺るがすような国際的な動き、ただいま申し上げましたような動きが複雑に出てきているということが一つの情勢の変化かと思います。 二番目には、これは原因は我が国の方にございまして、我が国をめぐる海上貨物流動というものが、石油危機を二度経まして、経済成長率の鈍化、また産業構造の変化、さらには極東の中進国の発展という形の中で、特に対米貿易の貨物流動が変化しております。こういうような我が国の海上貨物流動が最近変化しているという状況が第二番目でございます。 三番目には、以上の国際的な変化の結果でもございますが、我が国の海運企業というものから見ますと、世界的な不況の中でその経営状況はまた急激に悪化しております。これは、一つには日本船の国際競争力の低下、また船員の過剰等の困難な問題に直面するという結果になっているわけでございます。 このような状態のもとにおきまして、従来の海運政策というものは、およそ二十年間、海運集約体制というものと、それから定期航路運営体制というものががっちり組み込まれておりまして、この中で日本海運が動いてきたわけでございますが、ただいま申し上げましたような情勢の変化に応じて、こういうような体制も見直しが必要ではないかというような問題意識が出てきたわけでございます。 このような状況にかんがみまして、外航海運のあり方について、それでは中長期的な視点に立って、今までの日本海運の体制に抜本的に検討を加える必要があると判断いたしまして、本年四月九日に海運造船合理化審議会に対して、「今後の外航海運政策はいかにあるべきか」ということで諮問をいたしたわけでございます。
○関山委員 中長期的に抜本的に変えるという最後のお言葉があったわけでございますけれども、その中身についてはおいおい伺うとして、去る七月二十日、海の記念日に例年どおり海運白書が発表となっておるわけですけれども、ことしの白書の特徴といいましょうか、昨年とどのような部分が変わっているのか、ひとつごく簡単に御説明をいただければありがたいと思います。
○仲田政府委員 ことしの海運白書の特色は一言で申しますと、ただいま申し上げました海運造船合理化審議会に諮問をいたしましたその問題意識を、海運白書に実ははっきりと書いてありまして、我が国の外航海運をめぐる状況が一段と厳しさを増しております中で、今後の外航海運の健全な発達を図っていくためには、当面、構造的な問題として、国際海運秩序の変化、それから海上貨物流動の変化、日本船の国際競争力の低下、海運企業の経営上の問題、海運集約体制、定期航路運営問題及び近海海運問題、こういうような問題を摘出いたしまして、適切な対応策を見出していく必要がある、こういう問題意識に立ちまして、これらの問題点の指摘、分析ということに重点を置いたわけでございます。
○関山委員 白書というのは大体例年同じようなパターンで、中身もそう特別な新しい事態でも起きない限りは極端にころころ変わるものではない。事実、私も、昨年の五十八年の白書と五十九年の白書をそれぞれ並べて拝見をさしていただいたわけですが、中身も問題意識もそう大筋変わっているとは思えない。ただ、非常に目立ちますことは、五十八年の白書の第一部Ⅵ章の第一節ということになるのでしょうか、「日本船の意義」という部分が、これは完全にすっぽり落ちてしまっているわけですね。これはなぜですか。
○仲田政府委員 今まで白書でしばしば繰り返すように、日本船の意義、日本海運の意義というのを触れてきたわけでございますが、従来の日本船の意義というものにつきましては、安全保障的な観点からの重要性という考え方が非常に強かったわけでございます。 もちろん、これ自身は私ども、それなりの評価をしているわけでございますが、ことしの白書をつくるに当たりましては、先ほど申し上げました、海運造船合理化審議会にもお諮りして、将来の日本海運はどうあるべきかという基本的な見直しを頭に描いておりましたので、この辺の部分は、安全保障議論というのは一つございますが、それ以外の議論という日本船の意義というのも、これは非常に大きな意義があるという御意見もございますし、我々は安全保障議論だけに限ってよろしいかどうかということについてはいろいろ問題がございますので、特にこの点を強調しなかったということであろうかと思います。
○関山委員 仲田局長は、今、安全保障上の観点と、こうおっしゃっているわけですが、昨年の白書を拝見いたしますと、四点ほどにわたって日本船の意義というものが指摘をされておるわけでありますね。今おっしゃった安全保障という意味がどういう意味なのか。 従来は、経済安全保障、あるいは昨年の白書ではそれは総合安全保障といったような言葉に変わっておるわけでありますけれども、いずれにいたしましても、貿易立国を建前にしている我が国が、いわば経済あるいは社会の総合的な維持を図っていくために、そういう観点から日本船が必要だとするまず第一のこの指摘は今日といえども、今どういう御議論がどこであろうと、留保すべき問題ではないと思うのですね。石油、石炭、鉄鉱石、木材、羊毛、綿花、小麦、それこそ主要な資源がほとんど外国に依存をせざるを得ないという数字は昨年の白書では冒頭に掲げられて、しかもこういう海上貨物の輸送において果たすべき日本船の役割というものをまず第一に掲げておるわけでありまして、その点は、今何も改めてそういう認識について変えなければならない、あるいは留保しなければならない、それはありませんね。 〔委員長退席、浜野委員長代理着席〕
○仲田政府委員 御指摘のとおり、日本海運の重要性の意義の中の最も大切なものとして、先生の御指摘のような安全保障の議論というのは依然としてございます。それは私どもも同じように認識しておりますが、現在の海造審等で審議されている一つの考え方と申しますか、日本船の意義、これは海造審の審議の中心になるわけでございますが、この考え方の中には、もちろんそれは必要ではあるが、例えば日本船がいかにコストが高くても、外国船に対して国際競争力がないというような状態でも保持すべきかどうかという一つの極めてぎりぎりの議論、それから、いや、そうではなくて、日本船というものはもともときちんとした形で運航されればそれなりの国際競争力は持っている、努力すれば経済ベースに十分乗るのであって、あえてここで安全保障の議論まで展開せずに、経済性の議論によって日本海運の強さを示すこともできるであろう、こういうような議論も実は出てきているわけでございます。 そういうようないろいろな考え方の上に立って、将来の日本の商船隊の意義と申しますか、日本船の意義というものを我々は考えていかなくちゃいけないということで、今海造審で御審議をいただいているわけでございます。
○関山委員 海造審はわかるのですけれども、日本船の意義については、今申し上げました総合安全保障上の意義だけではなくて、二番目に外航海運の産業としての意義ですね。 申し上げるまでもなく、基幹産業としてのウエートも、二兆五千億ばかりの運賃収入を上げておるわけでありますから、大変なウエートを持っている。同時にまた、雇用問題としても、日本の優秀な船員の確保という問題は大変大きい、あるいは造船業界への影響も大きい。こういう点で日本船の意義というものもこれまた、第二番目の問題として昨年の白書は指摘をしている。三番目に国際収支構造の適正化への寄与、四番目には環境保全あるいは安全確保上の意義、この四つの日本船の意義というのは、どういう議論があろうと、その現状認識そのものを変えなければならない理由はさらにない。 しかも、最初に申し上げた総合安全保障上の意義などについては、つい昨年の二月に「総合安全保障に係る運輸政策のあり方」ということで、きちっとした方針なども出ているわけでございますから、私は、海造審がどうのこうのというのではなくて、改めてこの辺の現状といいますか、日本船の意義についての認識にはこれは変わりはない、しかし、問題は問題として議論すべきだ、こういうふうに整理をいたしませんといかぬのじゃないかと思って、あえて伺うわけでありますが、ここは大臣いかがでございましょうか。今申し上げた、従来ずっと指摘をしてまいりました日本船の意義の各項目について――大臣どこかへ行っちゃったので局長で結構ですけれども、その点は、海造審の議論がどうあろうと、従来指摘してきた観点については今ペンディングにする理由は何もないじゃないか、この点はひとつ明確にしておいていただきたい。
○仲田政府委員 運輸省といたしましては、周囲を海に囲まれた、重要資源を海外に依存する我が国にとって、海上輸送の確保は極めて重要な問題であるという認識については、今までと全く変わっておりません。したがいまして、我が国の商船隊の中核は、日本人船員が乗り組む日本船であることが必要であるということを基本に置いてあります。しかしながら、そのためには日本船の国際競争力の回復を図るということが必要でございますので、これから労使の一層の努力、それから船員制度の近代化、こういうような具体的な施策の推進が必要であると考えております。
○関山委員 私は、何遍申し上げてもその最後のくだりに戻ってくるところに、ことしの白書において日本船の意義というものを外したことについて極めて意図的なものを感ぜざるを得ないのです。 先ほど来申し上げておりますように、その認識と将来あるべき海運政策のありようというのは、当然、切り離して議論をしなければならない問題だと思うのです。日本船の意義を強調しながらも、なお、ではどうして日本海運を立て直していくかということはもちろんあるでしょう。しかし、その前段の認識として、日本船の意義そのものが否定されることはないじゃないですか、こう伺っているわけです。しかも、ことしの白書であえてこの時点で「日本船の意義」を外したことについては、大変意図的なものを覚えるものでありますから、あえて伺っているのです。 大臣が席に戻られましたから、重ねてその点をお伺いしたいと思うのですけれども、海造審の議論は議論で結構です、それは後ほど伺います。私が伺っているのは、昨年来ずっと指摘をされてきた日本船の意義、この四つのテーマについてあえてもう一遍申し上げれば、総合安全保障上の意義あるいは産業上の存在意義、それから国際収支構造における適正化への寄与、そして環境保全、安全確保上の意義、この四つの意義を持っているというそのことの認識について変わりはないのですね。
○細田国務大臣 ちょっと中座をさせていただきましたので、失礼をいたしました。 日本船の持っておる意義というものについては、私は御指摘があって気がついたわけでございますが、私ども昨年のいわゆる海運白書の指摘の意義は何ら変わっておらない、かように思います。保持に日本船がこれからどうあるべきかということについては、恐らく海造審の答申の中でも非常に大きなウエートを持っておるものになる、かように私は存じております。 今年の白書でこれを省略といいますか、抜いたという意味につきましては、ちょっと私もよく調べておりませんので調べたいと思いますが、理屈としてとにかくこれが非常に変わったということではない、私はかように認識いたしておる次第でございます。
○関山委員 大臣、明確なお答えで、前へ進ませていただきますが、そういうことになりますれば、以上申し上げたような状況認識というのは、この間海造審でいろいろ御議論が続いておるわけでありますけれども、一番新しい五十六年の海造審の海運対策部会ワーキング・グループの中間答申というものがございます。これを下敷きにして昨年の海運白書は、その前の年も恐らくそうなんだろうと思いますけれども、私は両方拝見をしまして、この日本船の意義についての認識が書かれている、いわばこの中間報告をダイジェストしたものが白書に記載をされているというふうに読み取れるわけであります。 このワーキング・グループの中間答申というものも、今のお答えに沿って論理的に言えば、これは当然再確認をしておくといいましょうか、そういうものとして、これはまた海造審の議論と絡められると困るのですが、従来の論議の経過として改めて確認をされるべきものじゃないか、こういうふうに思うわけですが、いかがでしょうか。
○仲田政府委員 先生御指摘の中間報告は、五十六年八月七日の「海運造船合理化審議会海運対策部会ワーキング・グループ検討結果中間報告」ということかと思いますが、実は、現在やっております海造審の議論自体が、この中間報告では不十分ではないか、この考え方は見直しが必要ではないかという発想から始まったわけでございまして、もちろん、この中間報告に書いてありますことすべてが変わるという話ではございません。先ほど先生が御指摘になりましたような日本海運というものの重要性、いろいろな面から重要であるという点については、いささかも変わるわけではございませんが、こういう物の考え方の一つのウエートの置き方とか将来に対する見通し、日本の商船隊はどの程度船を持つべきかというようなことにつきましては、現在の海造審でやはり基本的な見直しを行っていくというのが、我々の基本的な姿勢でございます。
○関山委員 今のお答えで、少なくとも今までの議論は踏まえた上での見直しというふうに改めて受けとめておきたいと思います。 そこで、先ほど来のお答えの中にも若干出てきているわけですけれども、一方で、日本船は何としても維持確保しなければならない。しかし、取り巻く国際環境というものはまことに厳しい。しかも主体的には、大変経営の弱体化でありますとか、あるいは国際競争力の低下だとかといったような問題があって、国際競争に勝つためには、手っ取り早く外国用船をした方がいいのじゃないかといったようなことが一方にある。この間、日本船をどの程度の水準に維持をするか、あるいは外国用船のウエートをどう位置づけていくのかというジレンマが今あって、今回、日本船の意義というものを白書からすっぽり抜いてしまったことも、従来日本船を大事だというふうに考えてきたそのウエートを横へ置いて、改めて手っ取り早く外国用船への転換を図るというようなことになったのでは大変だと思って、実は私はこの白書についての議論をきょう申し上げておるわけであります。 このジレンマを解くためには、確かに海造審の議論にゆだねるということも大事なことでありましょうし、それは一つの方法だと思うのですけれども、何もここで初めて日本海運の問題が出てきているわけではございません。確かに冒頭局長がおっしゃいましたように、状況の変化というのは絶えず進むわけですが、抜本的に基本的にという言葉をお使いになりますけれども、既にそのことは、従来のさまざまな海造審の御議論など文書で拝見をいたしましても、そういう問題意識はっとにあるわけです。 ですから、私は、運輸省自身がこの時点での明確な運輸省自身の方針を持つべきだと思いますし、特に諮問第六十九号、今申し上げました昭和五十一年に諮問がなされて五十五年に答申が出された、事実上三年間かけてこの議論がされておるわけでありますけれども、この諮問は、その表題も「今後長期にわたる我が国外航海運政策はいかにあるべきか」、まさに「長期に」と、こう言っておるわけです。そして、この答申を拝見いたしましても、先ほど来お話がありました、今日改めて海運が置かれている客観情勢についての認識もあるわけですね。国際競争に勝つためにという意味では、船員費の問題などがいろいろ議論されておりますけれども、これについても、船員制度近代化委員会で一生懸命努力を積み重ねてきているわけですね。何もやっていないわけじゃない。やっていないところか、大いにいろいろなことをやっておるわけです。 にもかかわらず、私が大変気になりますのは、海造審の議論というのは非公開だそうでありまして、私も今そこでどのような議論がされているのかわからないのですけれども、かなり乱暴な議論ということはありませんでしょうけれども、例えば「海上の友」というのに、コラムの中で、ちょっと拝見をいたしておりますと、「今回の特色は、船員対策に集中しているという。」、「いろいろの印刷物を通してみる限りでは、要は、日本海運はぜい肉を落とし、混乗を促進し、外国用船を増加させて、国際競争力をつけよ、ということにつきるようである。」。一方では、シーレーン問題、シーレーン問題といいますか、きょうイラン・イラク戦争の問題も後ほど先輩議員がお尋ねをいたしますけれども、こういう問題も、危険な状態になると日本船員はさっぱりそういうところへ行こうとしないじゃないかという話が出てみたり、ともかく、手っ取り早く外国船員でも使ったらどうかというような議論が進んでいるようであって、まさに、先ほど申し上げた総合安全保障部会の資料などを見ながらも、あるいは日本船の意義などを従来議論されたことなどを踏まえても、これは将来に向けて日本海運というものを守っていく上では、「船員をもっともっと大事にしてほしいものである。」、こんな議論をされたのでは、「日本人船員だって人である。頭にくるというものであろう。」といったようなものを拝見をいたしますと、海造審というのは一体どういう議論をしているのだろうかということにもなるわけです。 こんなことでは、日本船員はたまったものじゃありませんし、従来の議論の経過を踏まえれば、ここはむしろ運輸省自体が、このジレンマを克服していくための施策というものについて、内部的な対応にもっともっと苦しまなければならないのじゃないか。ただ外側の議論に任せればいいという問題意識で今対処すべきことなんだろうかというふうに考えますので、その辺のお考えについてお伺いしておきたいと思います。
○仲田政府委員 運輸省自身が苦しまなければいけないのじゃないかという御指摘、まさにそのとおりでございまして、実は、海運造船合理化審議会で片や非常に激しい議論が行われておりますが、運輸省といたしましては、その中で、どういうような形でこれを取りまとめていくかということで、事実非常に苦しんでいるところでございます。 海運造船合理化審議会での議論と申しますのは、御承知のとおり、もちろん船会社の代表もおります。これは、いると言っても、二人入っているだけでございます。また、船員側を代表いたしましての労働者代表も二人入っております。これはワーキング・グループの話でございますが、そのほかはほとんど、第三者と申しますか、利害関係者ではございますが、鉄鋼の代表とか、荷主関係の方々、それから銀行関係、金融関係の方々、それからプレス、新聞関係の方々、こういう方々がたくさんお集まりいただいて、衆知を絞っているわけでございまして、今先生が御指摘のような、その記事にありますような極端な議論が絶対ないとは申しませんが、そういうようなペースで海造審の審議が進んでいるということは絶対にございませんので、そういうふうに御承知おき願いたいと思います。 私どもも、これからは、今まで日本の船員が果たしてきた役割、特に昭和五十二年以来、労働側としても積極的に船員制度の近代化に取り組んでまいりまして、外国ですと二十五名ないし三十名乗っている船が、既に十七名までの少数精鋭化、そういう職務体制を編み出しているわけでございます。そういうような日本船員しかやらなかったという努力、外国ではこういう例がございません。これは船会社はもちろんでございますが、ほかの方々、関係の方々も非常に評価しておりまして、やはりこういうような一つの協調というものを基盤にしながら、これからの日本海運のあり方を考えていけば、将来は決して暗いものではない、明るい将来が開ける、そういうふうに考えております。
○関山委員 重ねて伺いますけれども、いずれにいたしましても、今回の海造審に向けて運輸省のサイドとしては、日本商船隊を縮小する、あるいは日本船のウエートを低めるといういわば問題意識を持って諮問をしておるのではない、このことはお答えいただけますか。
○仲田政府委員 私どもは、日本船を縮小し、日本商船隊を縮小する、外国用船にゆだねるということを目的にして、そういう目的のためにこの審議会を開いたわけではございません。もちろん、商船隊の規模がどのくらいになるかということは、将来の貿易量、この三年ばかりずっと横ばいでございますが、こういうようなものの見通し、それから日本の産業構造がどうなっていくかというようなこととも兼ね合いがありまして、結果的にどういう数字になるかということは別でございますが、我々が日本商船隊の縮小をねらって海造審で議論しているという事実は全くございません。
○関山委員 明確に答えていただきまして、結構です。あえてお伺いいたしましたのも、前の海運局長、犬井さんが先般、毎日新聞に書かれておって、「日本商船隊全体をどの程度の規模に縮小するか討議してもらっている。」なんという発言があるものですから、これはひとつ大臣、しかとその辺はお立場をはっきりしておいていただきたいと思います。 それでは、時間も余りなくなってきてしまいましたので、簡単にお聞かせをいただきたいと思うのですが、便宜置籍船の問題が今、UNCTADでいろいろと議論をされているようでありまして、これも議論のさなかでありますから、なかなか見当はつけにくい部分でありましょうけれども、ごく簡単にお尋ねいたします。 UNCTADの全体の会議の見通しはどうかということと、従来いろいろな議論が繰り返されておりますし、きょうもとても時間がなくてこの問題で中身の議論はできませんが、いずれにいたしましても便宜置籍船の問題というのは、国際的な趨勢から見ても、あるいは今日、日本船の維持、確保という観点からいたしましても、あるいは造船対策上も、これはひとつこの辺で運輸省としても一定のこの問題に対する対応を改めるべき時期が来ているのじゃないだろうか。特に、発展途上国の自立を抑えたり、南北間の対立を深めるというようなことは、外交上の観点からいたしましても、これはやはり考えなければならない問題でありますし、ぜひともそういう立場にお立ちをいただきたいという観点から、御質問を申し上げておきたいと思うわけですが、なお、時間の通告が来ましたから、あわせお聞かせいただきたいと思います。 この問題とは全く異にするわけですが、今回の白書の特徴について冒頭、お伺いをいたしましたけれども、形式の上で際立った違いは、ことしの白書はまさに運輸省海運局から運輸省そのものに発行者がかわった。発行者といいますと、海運局も運輸省だということになるかもしれませんが、発行者名が変わったわけであります。これは今回の運輸省の体制の変化に伴ってのことでありましようが、この白書のありようというものは、来年以降も踏襲されていくのかどうか。 それから、同時にまた、従来ともそういう面ではいささか問題があった部分だと思うのですけれども、きょうは深い議論ができませんでしたが、船員行政あるいは船舶行政、これとのかかわりなしには海運行政というものは語れないわけでありまして、いわばそういう整合性を持った白書として新しくつくりかえられていく。ことしは過渡期でありましょうけれども、そうなっていくのであろうな。まさに政策官庁への脱皮、こう言って運輸省の皆さん、張り切っていらっしゃるわけでありますから、そういうものになるのかなという期待も込めて、この問題についてもお答えをいただいておきたいと思います。
○仲田政府委員 初めの御質問に対しましてお答えいたします。 船舶登録要件に関する国連会議というのが現在開かれておりますが、この内容につきましては先生よく御存じで、詳しくは申し上げませんが、この会議の目的は、便宜置籍船の排除ということを目的とした登録条件の強化をねらっているわけでございますが、我が国を含む先進諸国の方は、そういうやり方が必ずしも世界経済の順調な発展に好ましいわけではなく、また、発展途上国の利益にもならないという立場に立っております。 まだ、南北間の意見の対立が非常に激しいのでございますが、我が国といたしましては、やはり労働に関する各国の実情に応じた政策の裁量範囲とか、資本の自由、移動の自由ということを制限しようとすることには、基本的に問題があると考えておりますので、発展途上国の方の要求の妥当性とか、また世界経済、日本経済に与える影響等を勘案の上、また、先進国の中のグループの一員として先進国の動静も見きわめつつ、実は慎重に対処いたしたいと考えておる次第でございます。 二番目の海運白書の問題でございますが、これは昭和三十年に初めてできまして、海の記念日にこれが発表されるという行事が定着しておりまして、海の関係の方は非常にこの海運白書というものを期待し、また、これに対する愛着というものを持っているわけでございます。これから、運輸省が組織改正の結果、これをどういうふうにするかということは、現在の時点においてまだ実は決めていないのでございますが、いろいろな局にまたがりますし、また、またがるとどこがやるか、どういうような衣がえをするかということも含めまして、この次の海の記念日まではっきりと問題の決着をいたしたいと思いますが、海の関係の方々に言わせますと、こういうものが今後もずっと引き続いてどこかで発行されるということを強く期待している向きもあるようでございます。
○関山委員 時間が来ましたので終わりますが、不十分な部分は同僚議員に譲ります。ありがとうございました。
○浜野委員長代理 田並胤明君。
○田並委員 それでは、第一点、六十年度の国家予算編成に向けての運輸省の重点施策は何かということについて、まずお伺いをしたいと思います。 六十年度、来年度の国の予算編成の第一段階ともいうべき概算要求基準というのが昨日、七月三十一日に閣議で了解をされたと報じられております。 その内容を見ますと、去る七月二十五日に提出をされました行革審の意見書がそのベースになっているわけでありますが、内容は、本当に本年度に引き続き大変厳しい内容になっております。つまり、経常部門で前年度対比マイナス一〇%、投資部門で前年度対比マイナス五%、総体的な予算の伸びもこれまでにない大変低い伸びになるようでありますが、しかし、この概算要求基準の中身を見てみますと、私どもとしては聖域化をしないはずの防衛費が七%も伸びてしまう、それに引きかえて文教であるとかあるいは厚生予算、これらが引き続いてマイナスあるいはほぼ横ばい、こういう内容になっておりまして、この概算要求基準そのものについては批判があるのですが、きょうはそのことはさておいて、運輸問題についてのみ絞ってお聞きをしたいわけです。 いずれにしても、この概算要求基準の決定を受けて今度は各省庁とも、八月末に向けての概算要求の骨格づくりに入るわけであります。運輸省としてはどのような方針で、こういう厳しい概算要求基準の枠の中で来年度予算編成に取り組もうとするのか、重点施策というものについてどういうお考えなのかということについてぜひお聞きをしたいわけであります。 運輸省の本年度、五十九年度の一般会計予算は、対前年度比マイナス三・四%というこれまた大変厳しい内容でございましたが、そういう厳しい内容であるにもかかわらず、国鉄再建の問題あるいは交通基盤施設の整備、地方公共交通の確保など、安全で利便性の高い運輸行政というものを実現しようあるいは政策官庁に脱皮しようということで、二十一世紀に向けての運輸省の行政というものが、重点施策として七項目ほど決められて、今日予算執行がされているわけであります。 ところが、来年度の概算要求基準を見てみますと、先ほども申し上げましたように、本年度よりももっと厳しい内容になるわけでありますから、そうなりますと、運輸省が今日まで進めております国鉄再建、あるいは特に過疎バスの対策も含めた地方公共交通の確保、あるいは大都市圏における輸送力増強、今関山委員が質問いたしました海運行政を中心とする運送行政の充実、さらに整備新幹線の建設促進などという、運輸行政に求められている国民のニーズにこたえられた運輸行政というものは、来年度も期待できるのだろうかどうだろうか。 もちろん、今の国の財政の厳しい内容はわかっております。だからこそ、伸ばせということはなかなか言い切れないにしても、昨年もマイナス三・四%、場合によるとことしは、来年度の予算編成の段階で運輸省予算はさらに切り込まれてくるのではないかという危惧を持ちますし、そうなりますと、国民のニーズにこたえられる運輸行政というものは果たして可能なのかどうか、政策選択をどうしても迫られるような事態というものが来るのではないだろうか、このようにも思いますので、これらの点をひっくるめて、ぜひ来年度の予算編成に向けての運輸省の重点施策とその決意のほどを、まずもってお聞かせ願いたいと思います。
○永光政府委員 今先生の御質問にありましたように、昨日、昭和六十年度の概算要求につきまして、経常部門経費で一〇%、投資部門経費で五%削減ということを骨子といたします閣議了解がございました。 確かに昭和六十年度の予算要求につきましては、前年度、五十九年度に引き続いてさらに厳しいというふうに我々も考えております。その中にありまして運輸省としまして、今も先生がおっしゃいますとおりでございまして、重要事項としまして、国民的課題であります国鉄の再建問題、あるいは地方の地域住民の方々の足を確保するという意味での都市交通あるいはローカル交通の維持整備の問題、さらに、空港、港湾の運輸関係の社会資本の充実あるいは海運、船員対策の推進と申しますか、その他気象観測あるいは海上保安等の整備充実等、多岐にわたる我々の行政の中で、どういう格好でこの予算と取り組んでいくかということで頭が痛いわけでございますが、我々としましては、この苦しい中でも重点的な予算要求の配分を行いまして、何とか運輸行政として国民のニーズに対応するような形で編成をいたしたいということで、現在、省では各局を挙げて、今申しましたような各項目につきましての重要施策ということを頭に置きながら、鋭意検討をいたしておる段階でございます。 さらに、先生御案内のように、新しい組織をつくりましたので、将来の運輸政策を展開するための基盤となりあるいは芽となるような新しい政策というものも検討中でございまして、昨日政府の方針が決まりましたので、その枠の中で苦しいながらも重点的に予算編成を行って国民運輸に対する期待に何とかこたえるべく編成をいたしたい、かように考えております。
○田並委員 概算要求基準の段階ですから、何を重点にして具体的に予算編成をしていくかということについては、まだまだはっきりしたものはないと思うのですが、私どもとしては、昨日各省庁に対して一斉に、昭和六十年度の国の予算編成に向けての重点的な要望事項も出しておりますので、これらも十分しんしゃくをして、ぜひ運輸省としても来年度の予算編成に生かしていただく、このことをひとつ強く要望しておきたいと思います。 次に移ります。 第二点目は、東北・上越両新幹線が来年の三月に上野開業になる予定でございますが、ところが開業と同時に、今までの例で、東海道線なんかの例を引くまでもなく、新幹線が開業になりますと在来の特急、急行というのが減らされます。既に国鉄の方では、五十九年の五月に「昭和六十年三月期ダイヤ改正にかかわる実施計画概要について」、こういうものを私どもに説明をしていただきましたが、これによりますと、新幹線上野開業を機に、在来の当該線区の特急、急行を一部を除いて廃止をするということが、実は明確にうたわれているわけであります。 現在どのくらいの特急、急行の本数を廃止をしようと考えておるのか、このことをまずお聞きをしたいと思いますし、また、これは新幹線に乗るように誘導的にとる施策の一つだとは思うのですが、そのことによって、在来の特急、急行を減らして、今度は普通電車を増発をさせるという恐らく構想だろうと思うのですが、特急、急行を減らした分を、でき得れば、高崎線、東北線というのは御案内のように、東海道線あるいは中央線、総武線、常磐線に走っておるような快速電車が走っておりません、高崎線、東北線とも複々線になっておらないという隘路があるために、快速電車が非常に困難だというのはよくわかるのでありますが、この特急、急行をもし廃止するのだったら、それにかわってぜひ快速を走らせたらどうか、このようにも思いますので、これらの点を総合的にひとつお考えをお聞かせを願いたいと思います。
○須田説明員 お答え申し上げます。 今お話がございましたように、明年の春に上野に新幹線が乗り入れてまいりました場合に、在来線の特急、急行のかなりなものを廃止をさしていただくということで考えております。 現在、高崎線と東北線、大宮のところで見まして、大体昼間の特急、急行が片道五十本ぐらいございますけれども、そのうち、信越線に入るものを除きまして、若干例外はございますけれども、二十本内外のものは恐らく廃止をさせていただくことになると思っております。したがいまして、当然在来線の高崎線でございますとか東北線の線路があくわけでございますので、その線路の余力を使いまして増発をするということは当然考えております。今、私どもまだ作業中でございますので、最終的な案を詰めたわけではございませんが、今のところ、やはりローカル列車の増発にできるだけこの余力を充てたいというふうに思っております。 と申しますのは、大宮から北の方の小山方あるいは熊谷方面に参りますと、非常に駅の間隔が長うございますのと、それぞれの駅に相当数の乗りおりのある駅が並んでおりまして、快速電車を入れるということもあり得るのでございますが、かなりとめる駅を限定することが難しいんじゃないかと思っております。したがいまして、大宮以南は快速運転をしておるわけでございますので、むしろ途中の駅にも御利用いただけますような、そういった普通列車の増発ということに力を注ぐべきではないかとも思っておりまして、そういった特急、急行の廃止であきました余力につきましては、今運転しております中距離電車の増発を行う方向で勉強いたしておるような状況でございます。 ただ、まだダイヤの最終決定までには時間もございますので、今の先生の御意見等も十分念頭に置きながら、なお議論を詰めてまいりまして、極力沿線のお客様に御便利なダイヤにするような努力をこれからもいたしてまいりたい、このように考えております。
○田並委員 今の国鉄の答弁の中で、もうちょっと説明してもらいたいのは、今大宮で片道五十本程度の特急、急行が走っておる、信越線を除いて一部廃止をするということになると、大体二十本くらい廃止になるのじゃないかということなんですが、ひとつ東北線と高崎、上越線とちょっと分類をしてどの程度なのかということを聞かしてもらいたいということ。 もう一つは、それが廃止をした後、中距離電車の増発に振り向けたいということなんですが、これは大体廃止をした本数に見合うくらいの本数を考えておるのかどうかです。それだけじや本当は困るのであって、それよりもっと、多分ダイヤの中にすきができるはずなんですね、これらをひっくるめて――私、今熊谷に住んでおりますが、通っていますけれども、日中になりますと、普通列車というのは大体四十分から一時間ですよ。東京までわずか一時間くらいで来るところが、そういう状態です。もっともっと入る余地があると思うのですが、ぜひそれらも念頭に入れて輸送力の増強を図ってもらいたいのですが、あわせて快速電車の運行についても可能な限りひとつ検討してほしい、このように思うのです。 前段のひとつ御回答を願います。
○須田説明員 まず、現在の本数を申し上げますと、東北本線関係では、昼間の特急、急行が現在、片道十八本入っております。それから上越線の方に参りますものが十四本、それから軽井沢、つまり高崎線から信越線に入りますものが二十三本ございますので、合わせますと五十五本くらいになるだろうと思います。 まだ、これからダイヤ改正の案を詰めてまいりますので、およその骨子が決まっておるだけでございますので、本数は決まっておりませんが、信越線関係のものは、高崎線でお乗りかえいただくということが現実的ではございませんので、ほぼこの本数どおり残さざるを得ないと思っておりますことと、それから東北線あるいは上越線につきましても、沿線の皆様の御要望である程度のものは例外的に残すものがございますので、そういったことを考えまして、またこれは本数は正直言って決まっておりません。片道約二十本くらい減らすことになるだろうというふうに申し上げたわけでございます。 なお、今先生御指摘のように、このあきをどうするかということでございますが、できるだけ今の中距離電車の増発に振り向けることにいたしております。 それから、先生が先ほどおっしゃいました昼間一時間列車がないという時間帯、確かにございますが、これは線路の保守間合いをとっておったからでございますが、この保守間合いをとります時間も再検討いたしておりますので、今後はそのようなデータイムに非常に長い時間列車の来ないようなことがないように考えてまいりますし、これから本数をどうするか、あるいは今先生の御指摘の快速列車をどうするか等は、まだローカル列車の詰めはこれからでございますので、その中で検討させていただきますが、一応中距離電車の増発を中心に考えているということを申し上げておきたいと存じます。
○田並委員 それでは、先ほど私が言ったようなことも含めてぜひ御検討を願って、ひとつ沿線住民の輸送力の確保のために一層の努力をお願いをしたいと思うのです。 次に、同じく国鉄川越線の問題についてお伺いをしたいのです。今の問題といい、これから申し上げる川越線の問題といい、また、その次に出る第二常磐線の問題といい、首都圏における人口過密の地区の輸送力の増強という観点で、ローカルとはまた違った意味での輸送力の増強というものが非常に迫られておるということでの質問でございますので、ぜひよろしく回答のほどもお願いをしたいのです。 川越線の電化、一部複線化につきましては、例の通勤別線との絡みでこれが決定をされたわけであります。ところが今、大宮-川越間の複線化が、六十年の三月までに果たしてできるのかどうかという重要な岐路に立たされていると思うのですね。というのは、実は六十年の三月までに電化ができませんと、通勤別線が川越線に入ってこられない、こういう結果になるのじゃないかと思うのです。 もちろん、今車両基地の用地確保の問題であるとか諸般の事情で、はっきりした答えが努力をするという回答だけで、六十年三月の新幹線開業と同時に通勤別線を走らせますという確約まで国鉄の方はしてないので、どうも非常に不本意なのですが、それにしても六十年三月、来年の三月までに川越線を電化してもらいませんと、これははっきり言って、当初国鉄が約束をした上越・東北両新幹線の上野開業と同時に通勤別線を走らせるということについて、さらに後退をすることになりますから、これはぜひとも六十年三月までに電化をするという当初の方針どおり積極的に進めてもらいたいというふうに思います。その考えをお聞かせ願いたいというのが一つです。 それともう一つ、当面複線化については大宮と日進の間、要するに車両基地との関連で日進までという話なのでしょうが、大宮から川越までの全線複線化、これについての見通しも二つ目としてお聞かせを願いたいと思うのです。 それともう一つは、川越線の先へ行きますと、今度は例の八王子-高崎間を走っております八高線というのがあります。この八高線の高麗川から八王子までの間の電化促進をしていただきますと、一つの首都圏の外環状線、かなり外の外の環状線になりますが、というような役割を果たすことになるのではないだろうかというふうに考えまして、地元の方でもかなりの強い要望がありますから、これらの見通しを含めて、以上三点についての国鉄の考え方をお聞かせ願いたいと思います。
○岡田説明員 お答え申し上げます。 まず、第一点の川越線の電化の問題でございますが、川越線の電化につきましては、大宮-高麗川間三十・六キロにつきまして、千五百ボルトの直流電化を行うということで、五十九年五月に運輸大臣の認可をいただきまして、今鋭意工事を進めているわけでございます。 その開業の時期につきましては、先生からもお話しございましたように、川越線の川越の手前にございます南古谷に通勤別線の車両基地をもっていくということに、五十七年の秋に方針を変更いたしましてそのように決定をいたしまして、以降南古谷の車両基地の用地買収に全力を挙げている状況でございます。いずれにいたしましても、この南古谷の車両基地の用地買収が通勤別線の開業時期の死命を制している問題でございますけれども、今お話しございましたように、新幹線と同時開業ということを目途にして鋭意進めているところでございます。いずれにいたしましても、川越線、大宮-高麗川間の電化につきましては、通勤別線が開業するときに同時に電化開業をするということで工事を進めております。 それから、第二点目にお話しございました大宮-日進間あるいは川越線の大宮-川越間の複線化の問題でございますが、これは当面の輸送力増強を考えまして、南古谷に車両基地ができる、その車両基地に入出区する線路もある、一方、特に川越線のうち大宮-川越間については、近年輸送量もかなり増加をしてきておりますので、そのために輸送力の増強も行う必要がある、そういうもろもろの観点から考えまして、当面、最もネックでございます大宮-日進間を複線化することによって、通勤時間帯におきますところの大宮-川越間の輸送力の増強が相当できるということで、大宮-日進間に限定をいたしまして、これも先ほどの電化と同時に、五十九年五月に運輸大臣の認可をいただいて、鋭意工事を進めているところでございます。 なお、川越線の大宮-川越間の複線化の問題につきましては、川越線全体の線区が、外延化しつつある首都圏の中の大都市交通線区として将来発展が期待できる線区でもございますので、この区間の複線化の問題につきましては、電化開業をしました後の輸送需要の動向等を見きわめながら、引き続き前向きに取り組んでいきたいというふうに考えております。 また第三点目の八高線、八王子-高麗川間の電化についてでございますが、八王子-高麗川間、延長三十一・一キロございます。いずれにいたしましても、東京駅を中心といたしました四十キロ圏内にございまして、この八高線の沿線につきましても、その沿線人口は川越線と同様、非常に高い伸び率を示している地区でございます。そういった意味で、今回の電化計画の中では、八王子-高麗川間の電化は見送らざるを得ないということといたしたわけでございますけれども、今後の沿線の地域開発の状況、輸送需要の動向を勘案しながら、検討してまいりたいというふうに考えております。
○田並委員 もう一回お聞かせ願いたいのですが、大宮-川越間の電化の見通し、時期を確認したいのです。
○岡田説明員 川越線の電化につきましては、大宮-川越間あるいは川越-高麗川間ということに区切って開業するというつもりはございませんで、大宮と高麗川間を同時に電化開業したいというふうにまず考えております。 それで、その川越線の電化開業の時期でございますが、南古谷の車両基地の完成、すなわち通勤別線の開業時には同時に、川越線の電化開業いたしたいというふうに考えております。それでは、具体的にいつだということにつきましては、通勤別線の開業につきまして、現在、東北新幹線と同時開業ということを目途にいたしまして鋭意工事を進めておりますので、それと合わせて今の川越線、大宮-高麗川間の全線の電化開業を考えておるということでございます。
○田並委員 いずれにしても、来年の三月の同時開業という方向に向けて全力投球でやっていただきたい。前にもお願いしたとおりですので、ぜひその点はよろしくお願いしたいと思います。 次に移ります。次は第二常磐線の関係です。 第二常磐線は、現在の常磐線の混雑緩和と、さらに筑波学園都市と都心を直結する必要等々の理由で、現在運政審で審議中と聞きます。年内に答申が出るようなお話でございますが、特に私がお聞きをしたいのは、関係をする都県、東京、千葉、埼玉、茨城、この一都三県が運政審のヒアリングの際にルートについて要望しているわけです。千葉の先生がいて申しわけないのですが、千葉県を除きますと東京、埼玉、茨城とも、都心から千葉を経由して埼玉へ入って茨城県の水戸へ結ぶ、こういうルートの要望をヒアリングの際に実はやっているわけであります。 特に埼玉県の場合は、三郷市、八潮市という県南の東部地域というのが、人口急増で東京への通勤、通学者の増加が非常に著しいわけであります。できれば、ぜひ都心直通の新線整備が強く望まれておるところでございますので、このルート決定に当たっては、運政審で今審議をしているわけですので、運輸省がどうこう言うわけにはなかなかいかないと思うのですが、そういうような事情を十分に考慮して運政審答申の中に生かされるような方策を、私としては強く望みたいわけですが、この点についてのお考えを第一点、お聞かせを願いたいと思うのです。 それとあわせて、第二常磐線の車両基地の予定地が今どこになるのかわかりませんが、御案内のように、武蔵野線の三郷市にあります武蔵野ヤード、これがことしの三月の貨車輸送の変更に伴いまして、どうも半分ぐらいヤードがあきができているような状況です。ですから、川越線の南古谷みたいにまた新たに土地を買ってやるなんということになりますと、今の赤字がさらに大変なことになるわけでありますから、こういう遊休地と目されるところを活用して、武蔵野線の車両基地の選定をするべきじゃないか。三郷にできれば、当然埼玉のルートということができるわけでありますので、一石二鳥にも三鳥にもなみような効果があると思いますので、この辺も含めて国鉄の方で早急に検討をして選定をすべきだ、このように思いますが、いかがでしょうか。
○服部政府委員 お答え申し上げます。 第二常磐線を含めました、将来の首都圏の鉄道網の整備構想につきましての運輸政策審議会の場での審議状況につきましては、おおむね先生ただいま御指摘のとおりの状況にございます。 〔浜野委員長代理退席、委員長着席〕 今後、路線網策定ワーキング・グループの場を中心にいたしまして、具体的な線引きの作業に入っていくわけでございますが、その過程におきまして、第二常磐線のルートにつきましては、今先生御指摘のとおり、関係の自治体によりまして若干考え方が違っておりますので、そのあたりの調整の問題にも十分意を用いながら、今後の作業が進められていくことを期待したいというふうに思っております。これは国鉄の方からお答えすべき問題かもわかりませんけれども、武蔵野ヤードの件につきましては、運政審の答申が出ましてそれから先、具体的に整備の主体が決まりましたそのまた先の話でもございますので、今の段階で具体的なことを申し上げるのは差し控えるべきであろうかと思いますけれども、ただいまの先生の御指摘も十分胸にとめておきたいというふうに考えております。
○田並委員 今の第二常磐線の関係は、以上で私の質問は終わらしていただきますが、今局長の方からも答弁がありましたように、県南東部の人口急増地区、しかも東京への通勤、通学者が著しく増加をしている地区でございますので、千葉も含めて都心から千葉、埼玉、茨城、こういう路線で第二常磐線の整備ができるように強く要望しておきたいと思います。 次に珍らしてもらいますが、次も東京外郭環状線、これは仮称でございますが、この構想について国鉄にお聞かせ願いたいと思うのです。 国土庁の方で、東京を軸とする周辺の核都市の育成策という方向を打ち出したのです。この核都市を育成をする一環として、核都市間の広域交通網を整備をすべきではないかということを、今六都県首脳会議というのが東京を中心にしてございまして、いわゆる首都圏サミットと言っているのですが、この首都圏サミットの中で、今申し上げたような核都市間を結ぶ広域交通網の整備を、国土庁がやっている核都市の育成策の一環として実施をしてもらいたい、こういう要望が非常に強いわけです。 中身は、現在の西船橋から東京都かの府中本町まで行っている武蔵野線を、今度は府中本町から南武線を経由して川崎まで結ばしてもらう。川崎から今度その先は西船橋まで京葉線、現在貨物線として建設中だそうですが、この京葉線を結びつけて、東京を取り巻く外環状線として循環線みたいな形で結びつける新しい線をひとつ設置したらどうだ、整備をしたらどうだろうか、こういう中身でございます。 先ほど申し上げましたように、この目的は、首都圏を取り囲む核都市間の広域輸送とあわせて、核都市の育成強化、基盤整備という観点でこういう提言をするわけでありますが、国鉄として当地域の輸送力増強も含めた考えとして、こういう考え方を持っておられるかどうか、これをひとつお聞かせを願いたいと思います。
○岡田説明員 今御提案のございました首都圏の環状線構想についてでございますけれども、先ほどお話がございました運輸政策審議会におきましては、現在、在来線の有効活用ということも含めて、多角的にいろいろなことから検討、審議をされておられるところでございまして、国鉄といたしましても、それらの御提案をいろいろ拝聴してまいりたいし、また、それを国鉄の施策に生かしてまいりたいというふうに考えているわけでございます。 今具体的に御提案がございました大環状線につきまして、先生も御承知のように、首都圏の外延化というのは大変な勢いで進んでおりまして、この武蔵野線についても、建設当初においては旅客輸送の面では輸送量も非常に少なかったわけでございますが、近年非常に混雑をしてきているという状況でございますので、こういった首都圏大環状構想というのも、大変貴重な御意見として検討を進めてまいりたいと考えております。 なお、やや専門的になりますけれども、具体的に申し上げますと、今の武蔵野線を府中本町において南武線とつなぎますためには、ホームの配線をかなりの金をかけて直す必要があるという問題がございます。 それからもう一点、川崎においてですが、南武線で入ってまいりますと、南武線のままですと川崎に横づけになってしまいまして、ここが終着のターミナルという形になりますので、それをいわゆる外環状線の方に結ぼうといたしますと、川崎のホームを通らない、川崎の駅を通らない形で入ってまいるということになりますので、その辺について……。 もう一つは、大井ターミナルから新砂町方の区間については、現在まだ比較的開発のおくれている地域でございますので、今後のこの地域の開発状況等を勘案して十分勉強させていただきたいと考えております。
○田並委員 おおよその事情についてはわかっているつもりなんですが、今の常務理事が言われたことで私の方で一つ要望しておきたいのは、確かに川崎から東京貨物ターミナルを通って西船橋へ行くということになりますと、今のままではかなり困難な事情があると思うのです。ですから、第一期工事として武蔵野線と南武線を結ぶ、とりあえず西船橋から府中本町を通って川崎、横浜方面まで結びつける、こういう路線を第一期工事としてやって、最終的に第二期工事としてさらに川崎から西船橋まで、東京貨物ターミナルを経由して西船橋まで結ぶという湾岸鉄道というのでしょうか、これを構想していくべきではないか、このように思うのです。 国鉄の経営形態はいろいろ出ておりますが、首都圏近郊あるいは地方を含めて国鉄としてやるべきことはまだまだかなりあると思うのです、乗客のニーズにこたえた路線の新設であるとか建設というのは。単に国鉄の経営形態の論議だけでなくて、国鉄の将来のあり方というものを含めた検討の中にこれらも含めて、ぜひひとつやってもらいたい、このことを強く要望をしておきたいと思います。 時間がなくなりましたので、この問題は以上で終わらせてもらいますが、次に地下鉄七号線と十三号線の関係についてお聞かせを願いたいと思うのです。 七号線は、都内の部分の目黒-岩淵間、これは五十九年の四月二十日に既に事業免許になったのですが、都市交通審議会の答申路線であります、この先の埼玉県の浦和市東部までの免許申請の状況が現在どうなっているのか、これは公団の方に聞かなければいけないことなんでしょうが、運輸省の方としてどのようにつかんでおるか、これをお聞かせ願いたいということ。 また、浦和市では市長が先頭になりまして、この地下鉄七号線の車庫立地の受け入れまで表明をして、協力をするという段階に来ているわけです。京浜東北線あるいは高崎線、東北線、今度の通勤別線、とにかく県南中央部というのはかなりの国鉄線が予定をされておりますけれども、あるいは入ってきておりますが、それでもなおかつ、どうにもならない状況で、この地下鉄七号線を熱望しているわけでありますから、それにこたえて運輸省の方としても公団の方に御指導方をお願いしたい、こういう気持ちでございます。 それとあわせて十二号線、これは営団成増から和光、そして志木、これを結ぶ東武東上線との相互乗り入れによる十三号線でございますが、これについても当初、営団成増から和光市間が六十年、来年の秋の完成予定、和光-志木間が六十年度末、したがって六十一年の三月末完成予定という計画でこの工事が進められておりますが、残念ながら大変工事の進捗状況がおくれております。おくれている理由として、この営団への国庫補助率の補助額の拡大、さらに鉄建公団に対しての予算の確保、これらが必要なのではないかというふうに思うのですが、これらをひっくるめて、この七号線と十二号線についての運輸省の取り組み状況について、営団に対する指導についての内容をお聞かせを願いたいと思います。
○服部政府委員 まず七号線の延伸の問題でございますけれども、先生御案内のように十五号答申の中では、岩淵町から川口市中央部、ここまでがいわゆる実線でもって線引きがされておりまして、計画路線に相なっております。それから、川口市の中央部から先、浦和市の東部に至る区間につきましては、経由地留保ということで点線でもって計画路線が示されておる、こういう実態でございますが、現在の状況は、その川口市中央部から先のいわゆる点線の部分につきまして、実際にどういうふうな経由地を経て浦和市東部に至るべきであるか、あるいはさらにその浦和市から先、またさらに北の方にどういうふうに延伸を図るべきか、あるいはそうした場合に、この七号線の延伸部分につきましての整備、経営の主体をどういうものにすべきかというようなことにつきまして、埼玉県を中心といたしますあの地域の各自治体の方々が、鋭意協議を進められているというような状況でございます。なお、このことは先ほど申しました、現在進められております運輸政策審議会の審議とも無関係ではないというふうに私は考えております。 それから十二号線でございますが、先生御指摘のように営団の成増から和光の間、それから東武鉄道が行っております和光から先、志木の間の複々線化工事、これはいずれも予定をいささか大幅に上回っておくれているという状況でございますが、今後とも両者に対します建設資金のあっせんの強化等の努力を通じまして、その促進を図ってまいりたいというふうに考えております。
○田並委員 以上で終わります。
○福家委員長 小林恒人君。
○小林(恒)委員 前段で同僚議員の方から、運輸省がことし七月二十日に発行いたしました「日本海運の現況」について概括的な御質問がございました。私は、まず冒頭に外務省にちょっとお尋ねをしておきたいのでありますが、近年における危険水域、特にペルシャ湾における船舶の航行問題、爆撃をされたとかあるいは攻撃をされたとかということが再々報道されておりますけれども、ペルシャ湾状況について概括的な御説明をまず求めたいと思います。
○渡辺説明員 お答え申し上げます。 ペルシャ湾情勢は、御承知のとおり、イラン、イラクによる相互のタンカー攻撃というようなことが最近行われておりますけれども、これは一九八〇年の九月に始まりましたイラン・イラク戦争の一環として、戦域が従来の陸上からペルシャ湾の方に広がってきたということでございます。 その理由といたしましては、従来は陸上での戦闘が主体であったわけでございますけれども、実は戦争の初期に、イラクの石油積み出し港がイランによって爆撃されまして以来、イラクの原油の輸出がペルシャ湾からできないという状況になったわけでございます。ところが、それに対しましてイランの方はどうかと申しますと、カーグ島という石油積み出しのための島、基地がございまして、そちらはイラクの攻撃によってほとんど被害を受けていない、そこからイランの方は自由に石油を輸出できるということで、イラクといたしましては、戦争をやめるためには何よりもイランの石油輸出能力を減殺して、そこから得られる石油収入を減らして、それによってイランの戦意をそぐとかあるいは戦闘遂行能力をさげるとか、そういう作戦に出ざるを得ないとイラクとしては考えるに至ったわけでございます。その結果、カーグ島週辺に戦争海域という一種の立入禁止区域を設けまして、その地域に入る船舶についてはイラクとしては安全を保障しませんということを言いまして、特にことしの三月の末以降、イラクによるタンカー攻撃が極めて活発に行われるようになったわけでございます。 それに対しまして、イラン側は、自分の港に入ってくるタンカーだけが攻撃を受けるのでは不公平だ、だからイランとしてもある種の報復あるいは警告的な措置をとるということで、アラブのサウジアラビアとかクウェートとかそういったところに向かうタンカーに対して、何度か報復攻撃を行ってきたという状況でございます。 ただ、ごく最近の情勢に限って申しますと、若干相互のタンカー攻撃というのは抑制された形になっております。これが現状でございます。
○小林(恒)委員 おおよそ理解いたしますけれども、伝え聞くところによりますと、ペルシャ湾内に我が国の船舶が、タンカー、貨物船等を加えると約三十隻程度は常時存在をする、こういう状況の中で私ども大変心配いたしますのは、当然タンカーの場合、大半をこの地域にゆだねている原油輸送、こういった問題の国内経済に与える影響、こういったものは大変大きいわけで、加えて、船舶並びに船員に対する航行の安全という意味では、どうも最近の状況を見ておりますと、正確な意味での航行安全施策、これは具体的には運輸省の側の役割かなという気がしないではありませんけれども、外交ルートを通じて具体的にどのような施策を講じてこられたのか、この点についてお伺いをしておきたいと思います。
○渡辺説明員 先生御指摘のとおり、ペルシャ湾における安全航行確保の問題は、我が国自身の国益、特に経済的な安全保障に直接かかわる最も重要な政策課題の一つでございます。外務省といたしましても、関連情報の収集及び関係各方面への伝達には、従来から最大限の努力を払ってきております。 例えて申しますと、ペルシャ湾においてタンカー攻撃が行われた場合には、攻撃の地点、それから攻撃した航空機及び使用されたミサイルあるいは攻撃の態様等につきまして、西側各国あるいは湾岸諸国の政府、外交団、武官団、また直接的にイラン、イラク両政府から得られました情報を関係各省庁にまず遅滞なく伝達しておりまして、この関係各省庁を通じて民間の各方面にも情報が流されていると考えております。 また、外務省自身といたしましても、こういった情報を踏まえまして、ペルシャ湾情勢、あるいはより広くイラン・イラク戦争全体の帰趨の問題についての総合的な判断を行って、その結果を折に触れて、特に戦局に大きな展開があるとき等、場合によっては外務省にお集まりいただき、あるいは私どもから関係の団体等に出向いていって御説明はいたしております。 もちろん、こういった情報の伝達に当たりましては、情報入手先との関係の問題等もありまして、例えば情報入手ソースを秘匿するとかいった問題もございますけれども、今後ともペルシャ湾情勢というのは、日本の安全保障に直接かかわってくる問題であるだけに、こういった種類の連絡会あるいは報告会等を、必要がある場合にはできるだけ頻繁に開いてやっていきたい、そのように考えております。 ただ、ペルシャ湾の状況というのは、何にも増して大きなイラン・イラク戦争の中の一こまでございまして、結局、これは戦争の問題が何らかの形で片づくかあるいは戦争の状態が非常に小規模化する、そういったこととの関連で考える必要がございます。我が国といたしましては、昨年、安倍外務大臣がイラン、イラク両方を訪問されましたことにも示されますように、何とかイラン、イラク両方に対して紛争の早期解決を図れないかということに向けまして、紛争の平和的解決のための環境づくりということでいろいろな努力をしてまいっております。さしあたっての問題は、紛争のエスカレーション、特にペルシャ湾でのエスカレーションの防止ということでございますので、この点に特に重点を置いてイランとイラク、場合によっては国連事務総長を通ずる働きかけ等、できるだけの外交努力はしてきているということでございます。
○小林(恒)委員 ここにペルシャ湾の図面がありますので、これをちょっとお示ししたいと思いますが、よろしゅうございますか。――ただいまお示しをいたしておりますこの図面については、ある意味では最近のペルシャ湾状況からいたしますと、常識的な図面なのかもしれませんけれども、おおよそ三つに分けた海域といいますか、こういったものに分けられるのかと思います。一つは北部地域、二十九度三十分以北の取り扱い、もう一つは二十六度三十二分のライン、さらにイラン側とイラク側を二分するライン、こういった形で分けられているわけでありますけれども、実態として、ここにも若干添え書きをいたしておりますが、北部海域にいたしましても、労使間で定めた航行禁止区域、すべからくこういう形になっているわけであります。 船舶に働く労働者として、安全な航行、みずからの生活を守る、職域を守るという意味では、航行禁止区域あるいは危険海域ラインというものを労使間で定めるのは当然のことかと思いますけれども、一部こういった海域の分け方等については、本年出されました「日本海運の現況」の中にもこのことが示されておりますが、こういった海域の分け方について、外務省の側としてはどのように受けとめられておるのか、この点についてちょっと御見解を賜っておきたいと思います。
○渡辺説明員 外務省といたしまして、現実の航路帯、あるいは現実にペルシャ湾の中を船がどのように安全地帯を縫って航行していくべきなのかといった技術的な細かい問題については、必ずしも十分に承知はいたしておりませんが、今先生御指摘の三つの区域に分けられているこういう分け方は、それぞれこういった問題について知識を持っておられる労使間で決められたことでもありますので、私どもとしては一応妥当な分け方かなという感触を持っております。
○小林(恒)委員 「日本海運の現況」の三十六ページの中にも具体的に示されておりますけれども、運輸省の側にお尋ねをいたしておきたいと思いますが、こういったところを航行しなくてはいけない現況にかんがみて、主管官庁として具体的な指導は最近どのように行っているのでしょうか。
○仲田政府委員 運輸省といたしましては、万一の場合にも、ペルシャ湾内における日本人の乗組員、それから日本商船隊の安全を確保するという観点から、迅速かつ適切な対応ができるようということで、ペルシャ湾内の日本商船隊の毎日の動静を把握いたしております。また、イラン・イラク紛争に関する最新の情報の入手、また、入手した情報の関係者への迅速な伝達等の措置をとっているところでございます。 またそのほかにも、関係諸国ともいろいろ接触する場もございますし、また、外交チャネルその地先ほど外務省の方から御説明いただいたような手段をとりまして、紛争当事国に対しても、日本人の乗組員、商船隊の安全確保につき申し入れを行ってきております。今後ともこうした態度で万全を期していきたいと考えております。 また、民間の方でも、日本の船主協会を中心にいたしまして、在湾船社連絡会というのが設置されております。ペルシャ湾就航船舶の航行安全を図るために、通信連絡体制というものの確立、それから在湾船舶の動静の確認、いろいろそのほかにもきめ細かい対応策をこの場を通じて各社ともとっている次第でございます。 以上でございます。
○小林(恒)委員 海上航行については、私の方からあえて申し上げるまでもなく、公海でございまして、非交戦国の国旗を掲げる船舶の航行の安全、こういった問題については、ペルシャ湾情勢が緊迫をしてきて初めて発生をしたものではなくて、過去にもこれに類する危険な場面に遭遇をした部分というのはあるのだろうと思います。 特に、外務省の側からも冒頭御説明がありましたように、三月二十七日以降大変緊迫をいたしまして、今年の七月十日の段階まで十五、六回ほどにわたって船舶が現実に攻撃を受けてきた。この報告書によりますと、日本船というのは比較的少ない、こういう状況もあるのかと思いますけれども、しかし、これは回数の問題ではなくて、万一攻撃を受けたということになりますと、人命にも大きくかかわり合いを持ってくる。危険でない状況というものをきちっとつくり上げていくということがまず原則になるのだと思うのです。 その意味では、具体的に船舶航行というのは、一つの議論ではなくて、ということは、前段申し上げておりますように、労使間で危険海域といいますか、こういったものを設定する以前に、正確な意味での外交ルートでの調査やあるいは運輸省としての調査などに基づいて、船舶航行のための指導指針、こういったものをつくるのが建前ではないのかな、こういう気がいたすのでありますけれども、この点について運輸省としてどのような御見解をお持ちですか。
○仲田政府委員 先生御指摘のとおり、その危険の判断というのは非常に難しゅうございます。現実にはペルシャ湾につきましては、船会社の方、それからそれに乗って船舶運航に従事する船員の方の代表、そういう一つの連合体と申しますか、両方で集まりまして、危険の度合い、それに対するきめ細かな現場の対応というものを定めて、それに従って安全航行をやっているわけでございます。 もちろん、事、人命に関することでございますから、絶対にというような手段をできればとりたいのではございますが、ペルシャ湾自身が日本の国、経済、国民生活に非常に大きなかかわりがある、ウエートを持っているところでございますので、日本の船員及び日本の船会社が両方の自主判断によってできるだけのことはやろうという基本的な姿勢で、この問題に取り組んでいるわけでございます。 私ども政府といたしましても、そういう取り組み方、現在の戦争の段階におきましては、そういう一つの現場の対応というものが非常に大事なようでございますし、その辺の状況を熟知している方々の知恵、工夫、こういうものがかなり効果を発揮していると考えているわけでございます。したがいまして、現在のような形がこれからもしばらく続くのであれば、今のような対応でいけるのではないかと考えている次第でございます。
○小林(恒)委員 具体的に運輸省の側で施策を講ずるよりは、直接船舶を運航する会社やあるいは乗組員の知恵をという、まあ一般論としてお伺いをする場合には聞けるお話なのかもしれませんけれども、しかし、戦争という極めて緊迫をしている状況の中で、しかし日本の国内経済のある意味での根っこになっている石油という問題を考えた場合、これは経済ペースで物事を判断するという、それだけで事足りる課題だとは私は思わないのです。 政府として、もう少し具体的な施策を指し示し、安全に原油の輸入体制が確保されるというこういった形態、あわせて、船舶の航行安全と船員の生命をしっかり守っていくという、こういう姿勢がなければいかぬのではないかと思うのでありますけれども、今までの御答弁の中では、そういった趣旨の具体的な施策が見受けられないわけです。この「日本海運の現況」の中でも、そういう意味での具体的な御報告というのはほとんど見受けられないわけですけれども、これ以上にお答えをいただく中身はございませんか。 〔委員長退席、浜野委員長代理着席〕
○仲田政府委員 政府といたしましては、現在の段階におきまして、この問題に対する具体的な対策と申しますのは、先ほど外務省から申し上げた形、それから私どもが申し上げました、まず情報の迅速な把握、伝達、こういうものを基本にしながら、民間が敏速に対応し得る、そういう形で政府が対応をするということが基本であり、現在の段階ではこれで十分ではないかと考えております。
○小林(恒)委員 これ以上の議論をしようと思いませんが、せっかくの御答弁でありますけれども、実態としては、船会社並びに船舶職員のその場その場における情勢判断、こういったものによって危険を免れてきた、これが実態でございまして、そういう意味では、運輸省あるいは外務省の具体的な施策というのは、国内に大きな影響を与えている船輸送、こういった問題について不十分ではないかな、こういう感じを持ちます。この問題については、時の情勢もございましょうし、また引き続いて後日に議論を譲ることにしたいと思います。 次に、こういった状況、ペルシャ湾状況を踏まえながら、一方国内にあって、石油の備蓄問題というのが近年、大変大きな議論を続けてきた中身かと思います。 陸上備蓄、タンカー備蓄、それぞれに国家備蓄の範囲でも行ってきたわけですが、タンカー備蓄の場合を例にとりますと、五十六年をピークにして漸次タンカーによる備蓄体制というのが減少の方向をたどってきている。伺いましたら、タンカー備蓄は年間経費が六千三百円ですか、陸上備蓄をすると四千八百円、民間タンクの借り上げなども考慮してこういった金額になるようでありますけれども、特に海運の不況というようなことなどをも考慮したり、あるいは備蓄そのものの安全ということを考慮したり、さらに機動性のある船舶での備蓄体制、こういったことなどを考慮をするとき、この二、三年とり行ってきた備蓄体制、タンカーから陸へという方向性というものについて、通産省の側の考え方はどのようなことになっているのか、お知らせをいただきたいと思います。
○岩田説明員 お答えいたします。 先生、今、御指摘のタンカー備蓄でございますが、昭和五十三年度から実施いたしておりまして、いわば当時、国家備蓄を開始するという政府の方針が定まりました段階で、国家備蓄として自前の基地も存在をしない、あるいは民間の石油会社にもタンクの余剰が存在しないというような事態の中でタンカー備蓄で備蓄を進めるという、いわば暫定的な措置として始められたものでございまして、今御指摘のように、昭和五十六年度をピークといたしまして、漸次、陸揚げと申しますか、減少をしてきているわけでございます。 それで、この問題につきましては、もともとが暫定的な措置ということでございますが、近年、一部国家備蓄基地ができ上がる、あるいは民間にもある程度余剰のタンクが出てきているというような事態を踏まえまして、昨年度、私ども、総合エネルギー調査会におきましていろいろなエネルギー政策の総点検をお願いいたしましたときにも、やはり今御指摘のように、コスト問題というものは無視できない非常に大きな問題であるというようなことを中心といたしまして、タンカー備蓄の陸揚げというものは進めていくべきであるというような御結論をいただいたわけでございます。 先生、今、御指摘のコストの数字につきましては、昭和五十八年度におきます実績値でございまして、キロリッター当たり千五百円の差があるというものは、何百万キロリットルというオーダーでの話でございますので、なかなか国家財政厳しき折大変な問題であるというようなことで、総合エネルギー調査会でも、国家備蓄はそもそもお金がかかるものであるので、できるだけ効率的にやるようにという強い御指摘を受けているところでございまして、私どもといたしましては、もちろん関係方面との御相談をしながらということでございますが、漸次この陸揚げを進めていくべきもの、このように考えております。
○小林(恒)委員 IEAの要請で、一九八四年度より百万キロリットル程度の備蓄増の要請があるやに報道されておりますけれども、現行、全体で何カ所で何キロリットル程度の備蓄体制になっているのか、国家備蓄の関係でお知らせをいただきたいと思います。
○岩田説明員 国家備蓄、切りのよいところという意味で、五十八年度末というところでとらえますと、現在、民間タンクとタンカーと国家備蓄の基地がございまして、そのうち国家備蓄基地は、五十八年度末、本年の三月末段階では、むつ小川原の基地一カ所でございますので、国備基地が一カ所、タンカーが五十八年度末段階で十九隻、民間のタンクを借り上げている部分につきましては、石油備蓄基地、民間の製油所に併存しますタンクがございまして、大変恐縮でございますが、今ちょっと手元に正確な数字を持ち合わせておりませんが、大まかな私の記憶いたしますところでは、民間タンク関係で十カ所程度ではないかというふうに記憶いたしております。
○小林(恒)委員 陸上備蓄の関係でも、それぞれに議論が二分をされている部分がございますけれども、当面、今年度を含めて明年に向けてタンカー備蓄が減少していく、こういったことになりますか。
○岩田説明員 そのようなことで対処したいと考えております。
○小林(恒)委員 冒頭に申し上げましたように、石油備蓄問題というのは大変重要な課題だと考えるわけです。その意味では、コストの問題だけで議論として整理ができるものかどうかということについて、私どももいささか疑問を持つわけですけれども、その意味では、経済の主要な柱となっている石油備蓄問題、急激な陸揚げという問題についてはいささかの疑問を持たざるを得ません。 特に、五十六年をピークにして、一昨年、昨年など十二隻程度すっ減少してきたというタンカーによる石油備蓄体制、明年にはゼロにしたいという方向があるようでありますけれども、しかし、海運そのものの不況というようなことをも考慮をして、ぜひ慎重な御検討方を特に要望をしたいと思いますけれども、特に運輸省の側で何か御見解があったらお示しを賜りたいと思います。
○仲田政府委員 石油備蓄関係、運輸省関係でございましてもタンカーが十九隻、かなりの輸送能力を持った船を備蓄に回しているわけでございますが、これは御承知のとおり、現在船腹というのは余っている状態でございまして、同時に、船員の方も余りぎみでございます。そういう観点からいたしますと、その備蓄に使っていただいているということには、非常にありがたいという感謝の念を持っているわけでございます。 これは気持ちとしての問題でございますが、できればこういうような形で船の使い道があり、かつ、船員の雇用が確保されるということは、これからも続けていただきたいという気持ちはございますが、同時にまた、国家経済上の要請もございますでしょう、その辺の兼ね合いもよく考えていただきながら、この問題を関係省庁で処理していただいたらというふうに考えております。
○小林(恒)委員 激変緩和だけは特に強く要望いたしまして、質問を終わります。
○浜野委員長代理 兒玉末男君。
○兒玉委員 運輸省並びに石油公団、それから自治省関係の方にお伺いをしたいと思いますが、時間の関係でまず二、三点まとめてお伺いしますので、答弁も明確に簡明にお願いしたいと思います。 実は、私の居住する地区とそれから隣の鹿児島県との関連にまたがる志布志湾の公有水面の埋め立ての問題をめぐりまして、若干の質問をしたいと存じますが、特に当面問題となっております漁業補償につきましては、手元にいただいている運輸省関係の補償基準関係の資料を持っているわけでございますが、漁業補償を算定するに当たってはどういうような基準によっているのか、また、強制収用の場合もあり、任意買収の場合もありますが、それぞれその適用はどうなっているかということがまず第一点。 それから第二点は、特に志布志湾の場合は、自治体が中心になっているわけでございますが、埋め立て等により漁業補償を支払う場合は、この基準に基づいてやるのかどうかということ。 それから第三点につきましては、既に具体的な数字が示されているわけでございますが、運輸省に対するいわゆる公有水面の埋め立ての申請の際に、当然、補償関係の内容等もその中に提出をされているものと理解をするわけでございますが、それは一体どうなっているのか、この事業を推進する公団に対しましては、そういうような資料が出されているのかどうか。 それから第四点は、いわゆる漁業補償の消滅補償や制限補償等におけるその具体的な算式はどうなっているのか、まず四点をお伺いしたいと思います。
○小野寺政府委員 漁業補償費の算定基準についてのお尋ねでございますが、これは昭和三十七年に閣議決定されました「公共用地の取得に伴う損失補償基準要綱」というものがございまして、運輸省といたしましてはこれに基づきまして、公共用地の取得に伴う損失補償基準というものを訓令として制定いたしておりまして、これによって実施いたしておるわけでございます。なお、運輸省として持っておりますところの基準の適用の範囲ということでございますが、これは公共事業、すなわち直轄事業でありましたりあるいは補助事業という形であったりというような、公共事業の実施に関しましての補償の際に適用されるということになっております。 その次に、強制収用あるいは任意買収、そのどちらの場合に適用されるかというお話でございますが、どちらの場合にも適用されることになろうかと思いますが、実態的には漁業補償に関しまして強制収用という場面がございません。従来は任意買収という形で話し合いによって補償が行われておる、そのような補償にこの基準が適用されておるという実態でございます。 その次のお尋ねでございますが、志布志湾の中での埋立手続が現在、波見港の区域に関しまして進められておるわけでございますが、そのような港湾区域内における埋め立てにつきましては、運輸大臣の認可にかかわらしめるということになっておるわけでございますが、そのような運輸大臣認可の手続の中で、埋め立てに伴う漁業補償の金額についてのことが審査されるかというお尋ねだろうと思います。 この志布志湾における波見港の埋め立てに関しましては、県単独事業によって、すなわち鹿児島県が事業主体となって行う埋め立てでございまして、公共事業ではございません。そのような意味におきまして、運輸省で持っております基準がそのまま適用されるということにはならないという筋道になろうかと思います。そして、それとは別の鹿児島県の基準によって、鹿児島県が補償を行うということになるわけでございますが、鹿児島県としては、私どもの持っております基準というものを背景としながら基準をつくっており、そして、そのような基準に基づいて補償が行われておるというふうに伺っておりますが、埋立手続の中では、基準が私どもとは筋道として違うわけでございますから、その適合性に関しましての審査は行わないことになっております。埋立手続の中では、漁業権者との間の調整ができているかということについての確認だけが行われるということになっておるわけでございます。 それから、その次に、運輸省として持っております漁業補償の算定基準の内容についてのお尋ねでございますので、ちょっと長くなりますけれどもお答えを申し上げます。 公共用地の取得に伴う損失補償の基準につきましては、大きく消滅補償と制限補償というふうに分かれるわけでございます。 消滅補償につきましては、当該事業の施行によりまして、漁業権にかかわる漁場の全部または一部が失われまして、漁業権等の行使ができなくなるということに対しましての補償でございまして、その算定の方法といたしましては、漁業権等を行使することによって得られますところの平年の純収益を資本還元いたしました額を基準といたしまして、さらに、当該権利にかかわる水産資源の将来性なども考慮いたしまして算定した額をもって補償することになっておるわけでございます。 次に、制限補償につきましては、漁業権等の制限に対する補償でございまして、その算定方法は、事業の施行中及び施行後原状に回復するまでの間、漁業権等の行使ができなくなりましたりあるいは行使に支障を生ずるという場合が出てくるわけでございまして、これに対しまして漁業権等が消滅するものとしてとりあえず算定いたしました補償額に被害率及び制限期間率というものを乗じまして得た額ということにいたしておるわけでございます。さらにまた、この制限補償の場合の中に、海の中に工作物を設置することによって漁業権等の行使に支障が生じて漁獲が減少するというふうな場合についても、制限補償が行われることになっておりますが、これも今申し上げました方法に準じて算定するという取り扱いになっておるわけでございます。
○兒玉委員 ただいま港湾局長の答弁では、運輸省は直接この問題には関与してない、だから鹿児島県独自の方式でやっているという御答弁でございますが、やはり国の基準というものがなければ、地方自治体としても独自の発想だけでその算出が可能なのかどうか。 きょうは、自治省も来ておられますので、石田企業室長にお伺いしたいと思いますが、ただいま港湾局長の見解で、制限補償あるいは消滅補償といういろいろな算式を言われたわけでございますけれども、こういう基準は全く念頭に置かないでやっていくのか、その辺の見解を明らかにしていただきたい。
○石田説明員 自治省でございます。 私の方は直接、そういう埋め立ての際の補償額についてどうのこうのという指導をするというよりも、自治省の場合は、これは県が行う埋め立て事業でございますので、起債の許可をするわけでございます。その許可の申請書が上がってきた際に、いろいろ状況をお聞かせ願うわけでございますが、大体こういう埋め立て事業の許可を申請する際は、事前に県の段階で、埋め立ての免許の取得とか、今問題になっておりますような漁業補償、こういうものがある程度クリアされてから、自治省の方へ持ってきていただくというふうな形になっております。 実は申しわけないのですが、私の方には、正式に鹿児島県から申請書がまだ上がってない段階でございますので、その中身がどうのこうのということはちょっと今申し上げられないのですが、最終的にもし正式に申請書が上がってきた段階では、我々としては起債を許可する際は、採算性ということを非常に重視しますので、そういう採算性がきちんと確保されているかどうかということをよく審査して許可するということになろうかと思います。 したがいまして、答弁にはならないかもしれませんが、補償の基準は国の方に準ずるかどうかというようなことについては、我々の方で直接指導するあれでございませんので、申しわけないのですが、答弁は差し控えたいと思います。
○兒玉委員 ちょっと、自治省は責任逃れみたいなことを言っているのじゃないかと私は思っているのですよ。これは新聞でも出ておりますように、四十一億二千五百万という膨大な補償問題が関係二漁協の間において実はまとまっているわけですね。その額をめぐりまして、大変な論争が起きているわけでございますが、少なくとも自治省の直轄にある鹿児島県がやることについて、どうも今の石田さんの答弁は、全くよその人のやっているような答弁ではないかと思いますね。 続いてお伺いしますが、鹿児島県がこれだけ膨大な金額を上げて埋立地をつくるわけでございますが、その財産の所有は一体どこになるのか、その点、自治省、明らかにしていただきたい。
○石田説明員 まだ、中身ははっきり承知しておりませんのであれですが、県で実施する事業ですから、県の財産になろうかと思います。
○兒玉委員 当然、後で石油公団が買い上げるでしょうが、その間の財政的処置については自治省は全く関係ないと言われるのですか。
○石田説明員 それで、先ほど申しましたように、起債の許可が上がってきた段階で、今言われた採算性でございますね、結局、県の財政に最終的に迷惑をかけてしまうのか、独立採算でできるのかどうかですね、埋立事業はあくまで独立採算でやるということが建前になっておりますので、その採算性が確保できるかということをよく審査して許可するということになるわけでございます。
○兒玉委員 重ねて確認しておきますけれども、その事業が成立した場合は、四十数億という金でございますから、当然経常予算にはないわけですね。そうした場合に、県から上がってきた場合に、その具体的な内容等については、自治省としては十分精査の上でその起債を認める、そういうふうに確認してよろしいですか。
○石田説明員 今申しましたように、まだ上がってきておりませんので、上がってきましたら、その内容をよく見て、採算性があると認められれば許可することになると思います。
○兒玉委員 財政法上、県の支出が妥当性を欠く場合は、その妥当性を欠く金額については当然、地方自治体の交付税率等においてこれを考えるという制限条項もあるようでございますが、その点はどうでございますか。
○石田説明員 埋立事業の場合は、一般財源でやるのではなくて、それに見込まれる収入をもって支出に充てるという、いわゆる特別会計を設置してやりますので、原則として県の方の一般財政には全く迷惑をかけないで、独立採算でやるということがモットーになっております。
○兒玉委員 これは、きょう、時間の関係で十分できないことは残念でございますが、自治省との関係は保留にしておきたいと存じます。 次に、公団にお伺いしますけれども、既に大詰めの段階を迎えております。運輸省は現在環境庁に、環境基準等に適応するかどうかというふうな段階でございますが、一般的に言われておるように、今の自治省の見解、なかなかはっきりしませんけれども、公団が当然、県の埋立用地を買い受けて備蓄行為をするわけでございますが、その際、国家資金でございますので、鹿児島県が算定されたその基準等については十分にその可否を検討されるものと思いますが、いかがでございますか。
○松村参考人 先生、今お話がございましたとおり、私ども石油公団といたしまして、志布志につきましていろいろ準備的な作業を進めているわけでございます。御指摘のように多額の国家資金を使わしていただくわけでございますので、その用途、使途につきましては十分私どもも納得のできる形で支出をやっていきたい、こういうふうに考えております。
○兒玉委員 鹿児島県からはまだ自治省に対しては、この莫大な資金計画等について何ら報告を受けていない、こういうことでございますが、ちょっと私、そこに疑問を持つわけでございまして、もう環境庁の方がオーケーを出せば、早速その着工にかかるというふうに聞いたわけでございますが、その辺、鹿児島県との関係はどういうふうな状況になっておるのか、お伺いをしたいと存じます。
○松村参考人 先ほど先生の方からもお話がございましたとおり、現在は、ことしの四月に鹿児島県が波見港港湾計画に伴う公有水面の埋立認可申請を提出いたしているわけでございます。その許可につきましては、お話しのように関係の省庁で現在、御審議をいただいているというふうに伺っているわけでございますが、その許可が得られました場合に、また、その他の関係省庁とのお打ち合わせ等もございますけれども、そういったことを含めまして全般の計画が整いました場合には、早急に私どもとしては国家石油備蓄基地の建設に進みたい、こういうふうに考えております。
○兒玉委員 ちょっと抽象的で理解しがたいわけでございますが、問題は、やはり漁業関係の補償だと私は思っているわけです。これは公有水面を埋め立てて関係漁民が重大な影響を受けるわけでございますから、漁業の補償関係の経過についてはどの程度理解されているのか、公団側の見解を承りたい。
○松村参考人 漁業補償につきましては、これは非常に地元問題でもございます。漁業といったような問題が強いわけでございますので、この漁業補償の取り扱いにつきましては、私どもはこれを志布志だけではございませんで、一般的に、プロジェクトのある場合には地元の自治体にその交渉をお願いいたしているわけでございます。 志布志につきましては、昨年の五月に東串良漁協あるいは高山町の漁協等において、この計画についての御審議がなされ、その結果、昨年の十月の段階で、これらの漁協において金額についての大体の同意がなされたということについては、県の方から十分伺っております。
○兒玉委員 自治省の話では、この事業は特別会計によるものであって一般的な会計とは関係がない、こういうことでございますが、公団が払う金は全部国の金だと私は承知しております。その際、県が最終的に負担する部門と公団が負担する部門というのはどういうふうに区分けをされているのか、また、漁業補償についても県の行う特別会計だということでございますが、その漁業補償の分担については一体どうなっているのか、この点について公団側の御見解を承ります。
○松村参考人 ただいま申し上げましたとおり、関係の漁協におきまして漁業補償額についての同意がなされたわけでございますが、この補償金につきましては、大別して二つに分かれるわけでございます。一つは、埋め立て造成にかかわる分でございます。その他は、シーバース部分と基地の運営にかかわる分でございます。前者につきましては、最終的には石油公団がこれを負担するということになろうかと思います。後者につきましては、今後設立が予定されております国情会社が負担するということになろうかと思っております。
○兒玉委員 自治省にお伺いしますけれども、かなり作業が進んでいるわけでございますが、石田さんは県のやることである、しかも特別会計だ。だがしかし、特別会計であったにしても、これは結局、国の資金を県が使うことになるわけでございまして、その際、県の計画しているように財政運用がもしいかなかった場合、あるいは今後の過程でその補償等の内容というのが極めて不合理である、それによってもし不合理性が指摘された場合に、よって生ずる損害関係というのは、自治省と県の関係では一体どうなのか、また、対石油公団との関係はどうなっているのか、その財政上の問題についてお伺いしたいと存じます。
○石田説明員 自治省としましては、やはり地方財政のことは十分に考えなくてはなりませんので、先ほど申しましたように、きちっと採算性が合うようにして県が持ち出しにならないように、今後負担をかけないように指導をしていきたいと思っております。
○兒玉委員 運輸省にお伺いしたいわけでございます。 今資料をお配りしておりますが、これは運輸省から提出された資料でございまして、実は、今までの地域における漁業補償の状況をいただいたわけでございます。 これによりますと、志布志、むつ小川原、苫小牧、それぞれの具体的数字を示してありますが、少なくとも志布志の場合でも、五十四年二月に提示した金額は十九億二千六百万、それからわずか五カ月で二十五億五千万、またむつ小川原関係にしても、それぞれの金額は二倍ないし三倍、そういう大変な膨れ上がりを示しているわけでございますが、このような短時日の間に提示額と妥結金額に大きな差があることをどのように理解をされているのか、運輸省側の見解を承ります。
○小野寺政府委員 漁業補償の進め方という点につきましては、基本的に事業主体と漁業権を保有しておりますところの漁業協同組合との交渉ということになるわけでございます。その交渉の過程につきましては、それぞれの事業主体、それぞれの漁業の場面、それからそれぞれの状況等によりまして、その交渉の過程が変わってこようかと思います。したがいまして、いろいろな場合が出てくるというふうに考えられますので、先生の御指摘の点につきましては、一概にどうこうということを申し述べるということにはならないのではないかというふうに私どもも思っておる次第でございます。
○兒玉委員 この際、運輸大臣の御所見も承りたいのですが、どうしても腑に落ちないのは、先ほど港湾局長から補償金額の算定の基準なり算定方式が詳しく説明されたわけでございますけれども、その国の基準なり算定によるいわゆる金額がこの提示金額だと私は理解するわけであります。ところが、短期間にこのように倍以上に膨れ上がるということは、どうもその辺の作用というものが、正常な形での補償額の算定でないのではないか。これは昨年の日経新聞に載っておりましたが、やはり自治体なり県等において、いわゆる札束でほおをなで切るというような全く投げ銭的な、つまみ金的な運用がなされているということが具体的に書いてあるのですね。まあ多少ということで、二〇%、三〇%の経済的な動向変更なりあるいは漁業補償の動向はあったにしても、倍以上に金額が膨れ上がっているということは、一般国民の目から見ても、また現在、臨調行政がやかましく言われていることから考えても、当然この補償額というのは国の財政に依存する以上は、もう少しその妥当性なりあるいは算定の基礎が国民の前に明らかにされるような方式を明示することが、問題に対する疑問点を解明することになるのではなかろうか。このことについて、大臣の御所見を承りたい。
○小野寺政府委員 大臣の前にいま一言、またお答えさせていただきたいと思うのでございます。 漁業補償の金額をどの金額に定めるかという点につきましては、先ほど申し上げましたように、事業主体と漁業権を有する漁業協同組合等との間の交渉として定まるわけでございます。その金額がどうであるかということにつきましては、一般的に非常に真剣な検討が行われて、かつ、交渉が行われて定まってくると思います。 その過程では、内容といたしましては、当該場所で行われておりますところの漁業の実態、内容、そこから出てくる収益というものがどういうものであるかということをそれぞれの調査成果に基づいて出し合い、その交渉の中から妥当なものが見出されていく、あるいは当該漁場におきまして新しい負あるいは漁法を開発するために必要な措置が講ぜられている場合には、それらが将来の発展といいますか、将来の増収の見通しということでどれだけ見込めるものであろうかというふうなことなどにつきましても、真剣な討議あるいは交渉が行われて、その結果、一つの数字が定まってくる、そういうふうな経過をたどるわけでございます。 そのようなことでございますので、それぞれの場合によって違いますけれども、当初の数字よりは大きい数字が順次出てくるというのが一般的であり、また、それなりの妥当性を持っているのではないかというふうに私どもは考えておるところでございます。
○細田国務大臣 私は、この志布志湾の埋め立ての金額が妥当なものであるかどうかということについては、特にここで申し上げません。漁業補償一般論として申し上げますると、関西空港なども、これから漁業補償で大変苦労することになるのではないかと思いますが、御心配になっておりまするように、場所により、場合により非常な差があるように私も承知しております。 それで、兒玉先生がそういう点についてもっと政府が、多少の差はあるにしても、いろいろな基準を明確にしたり、ほどほどにといいましょうか、いろいろな事情があるにしてもよほど考えていかなければいかぬじゃないか、地方公共団体に任せっきりというようなこともいかぬし、いろいろな点をもっと政府としてしっかりやれ、こういう御意思だと思うのです。 私は、政府の用地買収なんかについてもそういう傾向があると思いますが、特に漁業補償の問題については、状況が違うということではありましょうけれども、私どもが耳にする、ここの場所のことではございませんが、全般にほかの問題も、余りにもどうも場合場合によって、例えば事業を急いでやらなくちゃいかぬとか、あるいは原子力船の問題がどうだとか、いろいろなときにいろいろな場合があり過ぎて、また違い過ぎる。私ども漁民の皆さんからも、今度は逆に、あそこではああいう状態だったのに、こっちはどうだというような話もよく伺うわけでございまして、御心配のような点について、政府として漁業補償に対しての取り組み方、これについては、もっともっと考えていかなければならぬというふうに考えておる次第でございます。
○兒玉委員 自治省並びに公団、これは運輸省が直接認可するわけでございますが、私たちの地元の住民団体あるいは学識経験者等で組織している機関では、少なくともどのような立場から検討しても、現在県が示している金額は、二十倍とけた外れの金額だということを指摘されております。その点については、まだまだあらゆる角度から検討しなければいけませんが、二十倍近い補償額というのは、ちょっと私は理解できない。そういうことで、公団それから自治省、運輸省三者が、ひとつ十分その内容については精査をされまして、後日、このようなことが国家の投資の乱費だという指摘がないように慎重な対応を強く要望して、私の質問を終わります。
○浜野委員長代理 午後一時三十分より再開することとし、休憩いたします。 午後零時三十一分休憩 ――――◇――――― 午後一時三十三分開議
○鹿野委員長代理 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。渡部一郎君。
○渡部(一)委員 本日はお時間を拝借いたしまして、悲惨な事故につきまして、その非常に困難な対応につきまして、ぜひとも聞いていただき、新しい対応をつくり出していただきたいとお願いするわけであります。 去る五月二十八日の夕方、小田原市蓮正寺というところで、自宅の庭先で購入したばかりのカーボンロッドの釣りざおを投げて練習していた中学生園田晋君、十三歳が、国鉄送電線六万六千ボルトに接触をいたしまして、感電死するという痛ましい事故が発生したわけであります。釣りざおがカーボンロッドであったために、金属線と同じ形でございまして、高圧電流は右手から入り、右足を貫き、細胞は破壊され、肉は溶け、即死の状況であったと報告されております。 まず、この事故に対しまして、運輸省及び国鉄はどのような対応をとってきたのかを簡単に御説明をいただきたいと存じます。
○棚橋(泰)政府委員 本件事故につきましては、鉄道の安全または運転事故に直接かかわりのあるものではございませんが、事故の概要につきましては、国有鉄道から口頭で報告を受けております。 しかし、いずれにいたしましても、安全の確保と申しますものは、輸送事業の基本でございます。そのような観点から、本件は鉄道とは直接かかわりはございませんが、関係する施設におきましてこういう事故が起きましたことは、まことに遺憾だと思っております。今後、かかる事故がないよう国鉄を十分指導してまいりたい。 委細につきましては、国鉄からお答えを申し上げます。
○坂田説明員 お答えいたします。 まず、お答えに先立ちまして、亡くなられた園田晋さんの御冥福をお祈りするとともに、御両親に心から哀悼の意を表したいと思います。 御承知のように、国鉄の自営電力管内の送電線路は約千キロございまして、首都圏用の運転用電力を供給しております。近年、首都圏周辺の市街地化が進行する中で、地域に対する送電線路の改修あるいは部外への感電事故防止へのPRなどを行って、事故防止に努めてまいったわけでございますが、今回発生した事故につきましては、まことに遺憾にたえないと考えておる次第であります。 今後も、この種の事故防止につきましては、沿線小学校、中学校を中心に、部外へのPRを強化するとともに、再びこのような事故の起きないように周辺環境の変化に注意いたしまして、安全な設備としていきたいと考えておる次第でございます。
○渡部(一)委員 その御家庭の状況を見ると、一人息子であったせいもありますけれども、余りにも優秀な学生さんが突然なくなられて、御両親は半狂乱状態になって嘆き悲しんでおられましたが、その後の対応ぶりがいかにもまずく、国鉄としてはおわびにも行かぬ。香典には次長の名刺が投入されているだけで、だれが来たかわからない。しかも該当地域においてどういう対策がとられたかというと、ここに私が持っております下敷きなんですけれども、大臣、現地の小学校、中学校にこれが百枚配られただけなんです。これは、釣りざおを持って鉄柱のそばに寄ると危険ですよというのが書いてある。後ろ側には列車の頭のシンボルマークがついているだけの下敷きですね。こんなものを百枚配って対策だなどと言うのでは、もう承服しがたい。親は別に損害賠償請求裁判をやろうと求めているわけではないけれども、余りひどいじゃないかと叫んでいるわけであります。また、この死によって、設備その他一切変わらない。同様の事故は多発する可能性はある。こういう極めて痛ましい話になってきたわけであります。 その上、もってのほかなのは、この御主人の、お父さんの会社の方に対して鉄道弘済会から電話がかかり、訴訟する気があるか。あたかも訴訟すれば、納品をとめるぞと言わんばかりの口ぶりとしか察しられないような雰囲気でそれを調査したということまで上がってきたわけであります。これは人情にもとるばかりか、極めて悪質な態度である生言わなければならない。 私は、いたずらに問題を紛糾させたのは、そういう初動において、人命のとうとさというものに対して深い見識を従来持っておられた国鉄当局としては、遺憾のそしりを免れないのではないかとまず思うわけでありますが、いかがですか。
○坂田説明員 お答えいたします。 事故後につきましては、現地の責任者である現場長が直ちに参っておりますし、また、この管理をやっております東京給電管理局の次長もお宅に伺いまして、いろいろ御相談にあずかっているように聞いておりますが、いずれにいたしましてもおっしゃられるように、やはり人命という面につきましては、私どもも再びこのような痛ましい事故を起こさないように今後鋭意努力してまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○渡部(一)委員 国鉄の送電線、変電所の設備は、通産省省令の電気設備の技術基準に基づき行政指導されていると承っております。 確認させていただくわけでございますが、今回事故の起きたところは、昭和四十年以前の設置施設であり、通産省令によりますと、旧電気工作物規程の規定に適合するものは、新しい省令の規定に適合するものとみなすという、いわゆるみなし規定によって適用された送電線であると聞いております。つまり、新しい省令でなく古い古い省令によって一遍できたものについてはそう簡単に直さないというルールがあるわけであります。このため、送電線の高さも地上六・七四メートルという低い状況でございまして、被害者宅に行ってみますと、二階から見ますと二階の軒先の下に見えるわけであります。しかしいこれは同省令に示されました地上高六メートル以上、離隔距離三・六メートル以上というルールに合格しているわけでございます。この認識は間違いがないかどうかお尋ねしたいのであります。 ちなみに、新しい省令によりまして、当地が市街地でありますならば、地上高、高さは十・四八メートル、二階建ての上になるわけでございまして、そういうことになっていると理解しているわけでありますが、あわせて私のこの認識は正確かどうか、お尋ねいたします。
○坂田説明員 先生のおっしゃるとおりでございますが、ただ、旧工作規程に合致した設備ではありますが、当地区はいわゆる市街化地区には一応我々の見解では該当してないということでございまして、したがいまして一般の地域と市街地域と区分してこの法律が適用されているわけであります。省令が決められておるわけでございまして、したがいまして今回そういう意味では六・七四メーターあるいは建造物との間隔が四・五メーターあるということでございますので、一応技術基準には適合しておるというふうに現在考えておるところでございます。
○渡部(一)委員 これは、省令には合致しているということではございますが、通産省にお尋ねいたしますが、この基準は明らかに下限を示すものであって、危険があると思われるケースにおいては、より厳格に行政指導を具体的に一つずつ積み重ねてきたというのが最近の通産省の御指導のケースであると承っておりますが、この私の認識は正しいでしょうか。
○平田説明員 御説明申し上げます。 アユ釣り用の通電性の高いカーボンロッドが最近長尺物で広く普及しているという現状にかんがみまして、架空送電線の新設あるいは既設線の増強改修に際しましては、アユ釣りの行われるような場所につきましては電線の高さを高くする、あるいは絶縁化について十分配慮するように行政指導しているところでございます。
○渡部(一)委員 つまり、正しいかどうか聞いているわけです。間違いないですね、僕の言い方で。
○平田説明員 今申し上げましたような範囲内におきましてやらしていただいているわけでございまして、この辺……。
○渡部(一)委員 ちょっとそこに立っていなさい。人の言うことをよく聞いていなさい。いいですか。ここに出ているのは、通産省が、カーボンロッドの問題で五十八年五月に通達された文書です。その下のところによると、「特に必要と認められるところにおいては、電線の高さあるいは絶縁化について十分配慮すること。」となっています。君、わかりますね。だから私が聞いているのは、通産省令の先ほどから問題になっている部分について、危険がありそうだと思われているところについては、先ほどの基準よりももっと厳しい水準で行政指導しているのですねと聞いているわけだ。間違いないですね。
○平田説明員 先生お示しの通達にもございますように、アユ釣りの行われている河川を横断する場所で、特に必要と認められるところにおきましては、まさに先生御指摘のような行政指導をしているところでございます。
○渡部(一)委員 今のは、君はアユ釣りだけについて言われたけれども、その他の地域についてアユ釣りでないケースについてもこの基準よりも厳しく運用しているところがあると私は承っているのだけれども、そうですね。
○平田説明員 先生御指摘のとおり、この基準はあくまでも下限でございまして、危険のあるところではこれ以上にすることは一向差し支えないわけでございまして、そういうアユ釣り場につきましてはこういう運用をしておりますが、その他についても高くすることについては、別に高くしていけないということはしておりません。
○渡部(一)委員 私は、本省との関係で十分打ち合わせの上この質問をいたしておりますが、ただいま明瞭になりましたように、国鉄におかれてもあるいは運輸省におかれても、あるいは通産省のこのような御方針を勘案されまして、より危険なところにおいては基準を上回るところの一つの指導というものを行政指導されることも決して法規上間違いではないということが明らかだと考えております。この点は後ほどまた御答弁をちょうだいしたいと存じます。 さて、当該施設は、この施設と申しますのは園田家でありますけれども、園田家の横にあるひっかかった設備でございますが、この送電線は設置が昭和二年であります。ところが園田家の方は昭和四十九年に被害者の一族が購入されたものであり、最近、半年前にここに移動して入居されたところだと聞いております。言ってみれば被害者は後住者であります。この後住者は、今回の事故において加害者の国鉄側に刑事責任がなく、また加害者の国鉄側にはとりたてての要請はないものでありますから、恐らく民事責任と慰謝責任、道義的責任のようなものがあるのではないかと私は考えております。国鉄は今後被害者への対応をどのように考えておられるか、それをお伺いしたいと存じます。
○坂田説明員 先生、御指摘のとおりで、送電線につきましては先ほど来、省の方から御指導を賜っておりまして、私どもとしましてはこういった事故の再発をいかにして防ぐかということが亡くなられた御子息さんに対する、御両親に対しての報いる方策ではないかということで、現在、そういったことでこの事故再発防止のために精力的に取り組んでまいりたいというように考えておる次第でございます。 ただ、先ほども先生御指摘のように、今回の事故につきましては法的な面で欠けておりまして、したがいましてそういった面で今後私どもも誠意を持って対応してまいりたいというふうに考えておる次第であります。
○渡部(一)委員 あえてこの場で私が口を出すまでもないかと存じますが、御本人の遺族に対してまたしかるべき当局者がお会いもしていないというような状況は好ましいことではないし、日本民族の純風に違反するものと私は考えます。総裁、これについて日本人の感情や人情を織りまぜたしかるべき御指導を賜りたいと思いますが、いかがですか。
○仁杉説明員 大変痛ましい事故を起こしましてお気の毒に存ずるわけでございます。今先生のお話のございましたような点につきまして、現地の関係者、責任者等に御遺族と対話をさせるようにいたします。
○渡部(一)委員 今度はカーボンロッドの方からまいりたいと思いますが、通産省にお尋ねいたします。 このような架線接触事故というものは、ここ最近十年間、毎年十数件も発生していると聞いております。特にカーボンロッドは、炭素は金属でございまして、このカーボンロッドによる事故というのが非常に多い。特にトロリー線との接触というものが非常に多い。このカーボンロッドの釣りざおに対する対策がきちんと行われていなかったのではないかと思う節があります。ここのところをひとつ何とかしていただけないかなと明らかに思うわけであります。カーボンロッドは、目方も軽く、弾性率の、特にヤング率が非常に高く、軽量であり、伝導性も高く、高品質の感じがいたしますし、価格としても非常に値段の高いものでございますが、この釣りざおというものに対する要請は強いやに聞いております。カーボンロッドをこの際徹底的に改良するか、カーボンロッドにかわる、ヤング率が高く、軽量で、絶縁性があり、高品質のものを緊急開発するか、通産省としても何らかの手をお立てになるか、あるいは一転してカーボンロッドに対するある種の使用規制を加えるか、何かの方法がなければならないと存じますけれども、これらについてどうお考えになるか、お示しをいただきたい。
○平田説明員 通産省といたしまして、昨今のカーボンロッドによります事故の増加につきましては、釣りざおメーカー及び販売店に対しまして、感電の危険性につきまして使用者に対してPRするよう指導を行っているところでございます。また、これは電気事業者の問題でもございますので、電気事業者に対しまして、危険地域、すなわちアユ釣り場の架空線のあるところ等につきまして、現地の注意札を設置させたり、あるいは巡視員の実施等の対策を行うようにさせるとともに、テレビ、ラジオ等によりまして釣り人に対する注意を行い、さらに、特に必要なところは、先ほど申し上げましたように送電線の増強工事、すなわち電線の高さを高くする等の指導を行っているところでございます。
○渡部(一)委員 これは明らかに既存の法律や省令や行政指導におきまして、こうした事故の再発というものは免れ得ないのではないかと思います。ただいま一部お述べになりましたけれども、新しいルールによって対策を立てる必要があるのではないかと私は考えます。したがって、何ポイントかまとめて申し上げますので、御回答いただければありがたいと思います。 まず第一に、新省令によりまして、通産省は、すべての架線について、三万五千ボルト以上は十メートル以上の地上高にされたらどうかと考えます。 これには、もちろん通産省令の見直しや、みなし規定の適用範囲の縮減が伴わなければならないと考えます。と申しますのは、三万ボルトクラスになりますと、いかなる絶縁措置をとったといたしましても、これに触れた場合には絶縁能力を保持することは現在の科学知識ではできないからであり、どうしても上に引き上げてしまうしかないからであります。 また逆に、そのように非常に高いところへ引き上げるか、逆にある場所においては、特別高圧線、つまり七千ボルト以上についてはこれを埋設化する、地下に埋めてしまう、こうしたことも配慮されてしかるべきではないかと思うわけであります。 第四に、より適切な安全指導を、運輸省、通産省両省間で協議されて、推進されてはいかがかと存じます。 第五番目には、後住者に対する法的措置の研究をなさってはいかがか。特に、架線下へ立ち入ったりあるいは建設をすることなどに対して、今まではそれほど厳重な規制があるわけではありませんので、その規制を強化することもこの際考えられてはいかがかと存じます。 六番目には、危険箇所、線下状況の実態調査、これはぜひやっていただかなければならないと思います。現在国鉄におかれましては、線下状況の実態調査に、この事故の始まる前から担当局において鋭意熱心に取り組まれている御様子でございまして、それは高く評価しているところではございますけれども、千キロメートルという膨大なところでございますから、かなりの御苦心も要ることだと思いますので、この点もあわせて推進していただいたらどうかと思うわけでございます。 七番目に、事故多発地域について、事故が発生した地区については二度と起こさない、予算も少ないことでございますので一遍にはできないのも承知の上で申し上げているわけでございますが、せめて事故の起こったところだけは直していくことによって事故がだんだんなくなっていく、踏切事故が昔大発生いたしましたときに、事故の起こったところだけは踏切をちゃんとしたという事実が国鉄にもございますが、そのルールをもう一回用いられたらどうだろうか。 また、八番目に、架線下の土地税制の見直しをされたらどうかと考えるわけでございまして、これは大蔵省の担当官で今後御検討をお願いしたいと思うのでございますが、十七万ボルト以上の架線のありますところの建築禁止措置に伴う固定資産税の評価額の減免措置をしていただきたい。これをいたしませんと、その地域には建築が完全に禁止されておりますが、その地域につきまして固定資産税の評価が年々上昇をいたしまして、おかげさまでこの地域においては、どうしてもその土地に家を建てさせるという運動さえ最近は発生したようでございますから、むしろ土地税制の方を線下については見直される必要があるのではないか。 九番目には、先ほど申しましたカーボンロッドの釣りざおの改良を検討なさってはいかがか。 十番目で終わりでございますが、被害者への適切な慰謝措置と再発防止への決意を披瀝していただきたいと思っているわけでございます。 これらの項目につきまして、運輸省あるいは通産省、国鉄、大蔵省等においてぜひとも至急御検討を、一つの手がかりとして御検討いただきたいと思うのでございますが、各項目につきまして御回答を、できればいただきたいと存じます。
○棚橋(泰)政府委員 先ほど申し上げましたように、本件のような部分につきましては、鉄道用地のはるか離れたところでございますが、先生御指摘の問題の必要性というのは十分認識をするものでございます。したがいまして、国鉄に対しまして、当該部分を所管しておられます通産省の御指導によく従って所要の措置を講ずるよう指導をしてまいりたい、かように存じております。
○平田説明員 カーボンロッドの感電問題につきましては、従前からメーカー及び電気事業者に対して指導してまいっておりますけれども、今回の事故を含みます最近の事故等にかんがみまして、先生御指摘のように、一層の安全確保を図るための方策につきましてさらに検討してまいりたいと考えております。
○坂田説明員 お答えします。 危険箇所、線下状況の実態調査につきましては、先ほど先生御指摘のとおりでございまして、これにつきましても今後精力的に、なおかつ早く調査をいたしまして、実態を把握した上において、先ほど来の事故の起きないような対策をぜひ講じてまいりたい、かように考えている次第であります。先生御指摘のように、やはり事故の多発地域と申しますところは、事故の発生状況を見ますと、やはり市街化が進んでまいっているところに多うございます。したがいまして、今後も市街地化進展に伴いまして周辺環境の実態を、今回の実態調査のみならず絶えず注意いたしまして、なおかつ、巡回の強化といったこともあわせ行うと同時に、今回の事故にかんがみまして、当分の間、やはりPRも必要でございますので、今回、二万枚ほど直ちに手配をいたしましてPRに努めて、事故の再発防止に努める所存でございます。 また、先ほどございました御遺族に対しましては、先ほど総裁も申し上げましたように、責任者、近く給電管理局長がお邪魔するような計画になっておりますので、そういった意味で、十分誠意を持って対応してまいりたいというふうに考えている次第であります。
○渡部(一)委員 私の具体項目を挙げての御質問は、以上申し述べたとおりであります。 最後に、総括して、大臣と総裁にお願いしたいと存じます。 国鉄の経理の採算の不良なのは私もよく存じておりますが、これは架線全部を修繕いたしたといたしまして、千キロメートルのうちの約百キロメートルと私は推算しているわけでございますが、全部修繕して百億かかるわけであります。百億を今かけるのははなはだ困難だということは言えると存じますけれども、毎年毎年十数名の人が悲運に倒れていくということを考えますと、これは遅かれ早かれ何らかの対策をとらなければいけないし、それは、先ほど申し上げました各種の施策を複合させながらやらざるを得ないものと私は確信をいたしております。その根底にあるのは、人の命のとうときに対する深い配慮でなければならないし、それは政治の基本ではないかと存じます。そういう意味で、大臣に適切な御指導をいただきまして、こうした問題の発生が再びなからんことをお願いしたいと思うのでございますが、いかがでございましょうか。
○細田国務大臣 まことに痛ましい事故でございまして、何といいましょうか、言葉がないくらいでございます。 カーボンロッドという新しい製品ができた。これに対していろいろなものが対応できていない。また、これは使う方の側もそういう認識について、やはりそう十分なものが持てない。これはもうやむを得ないことだと思うのです、新しいものができたわけですから。こういう状態が発生したということに対して、いろいろな方法を講じなければならぬ。 今、渡部先生からいろいろな段階におけるいろいろな方法について御例示がありました。政府としては、もちろん予算のことも考え合わせなければなりません。しかし、更新する場合もあり得るわけでございますし、それから特にひどいような部分だけをかえるということもございましょう。しかし、これは一種類、これさえやればというようなものではないと思います。いろいろな御指摘になりましたような点を十分にひとつ関係の省庁、また国鉄も一緒になりまして、対策を立てるべきものであると考えておる次第でございます。
○仁杉説明員 今、渡部先生からいろいろ御指摘がございました。国鉄といたしましては、先生も御指摘のように非常に財政不如意のときでございまして、一度にどうするということはできないと思いますが、いろいろ調査もさせておりまして、必要なところを、人命尊重というような意味におきましてなすべきであるというふうに判断いたしたところにつきましては、それぞれ処置をしてまいりたいと思います。また、そういう点につきまして、なお運輸省その他、関係の省庁ともよく御相談しながら、対策を進めてまいりたいと思うわけでございます。一生懸命で頑張るつもりでおります。
○渡部(一)委員 大変ありがたく存じます。 なお、該当地域における東京電力の対応を最後に申し上げておきたい。この事故が発生した途端、東京電力は広報車数十台をこの地域に出して、カーボンロッド危いと宣伝して歩きました。また、おくれていたんでしょうけれども、その地域における低い架線のところを早速改修工事を始めまして、直ちに引き上げました。地元では、東京電力はすばらしい、こう言っておるのであります。そして国鉄は広報車一台出さず、役人はおじぎにも来ず、当人たちを怒らせるだけで引き揚げた。国鉄は無情だ、残酷だ、こういう声が上がっているわけであります。 民間企業と国営企業の大きな差、総裁はっとに漏らされておられるようでございまして、私は遠くより敬慕しておるところでございますけれども、この対応の遅さ、瞬間に行動するアクションの遅さ、末端に責任を負わせてトップが動かないその体質、そうしたこともまた、国鉄再建の中で厳しく修正し、直すように、この事件を契機にして御指導いただきたい。これは最後にもう一回総裁にお願いしたいと思います。
○仁杉説明員 承りますと東京電力が非常に早く反応したということも、報告を受けております。まことに国鉄の対応が不十分であるというふうに思います。それらにつきましても、今先生の御指摘にありましたように国鉄再建という基本にも絡む問題でございますので、民間的な発想というような点につきまして、現地、局等につきまして指導を深めまして、先生からの御指摘のようなことを改善するように、私といたしましても努力してまいりたいと思うわけでございます。
○渡部(一)委員 ありがとうございました。
○鹿野委員長代理 森田君。
○森田(景)委員 最初に、成田国際空港の第二期工事促進について質問したいと思います。 本日は成田空港のパイプラインの第二本目が貫通したそうでございまして、その祝賀があるということでございますが、いずれにしても、完成につきましてはおめでとうと申し上げておきたいと思います。そういうところへきょうは副総裁もおいでいただきまして、私の方も大変お気の毒に存じているわけでございますが、最初に質問をしたいと思います。 御存じのとおり、成田空港は千六十五ヘクタールの敷地に四千メートル、二千五百メートル及び三千二百メートルの三本の滑走路を設置しまして、年間二十六万回の発着能力を有する、日本を代表する国際空港として計画されたものでありますけれども、現在四千メートル滑走路一本とその附帯設備で運用されておりまして、極めて不完全な状況にあるわけでございまして、地元といたしましても、その早期完成が望まれているところでございます。 このため、昭和五十八年六月に成田市議会が早期着工に関する意見書を提出したのを初め、五十九年四月までに関係市町村の全議会が早期完成を決議するとともに、県議会におきましても、五十八年七月に同様の意見書を提出しているところでございまして、運輸大臣も御承知のところであると思います。 そういう状況でございまして、特に五十八年は発着回数が六万七千二百七十六回、旅客数が九百七十四万四千七百八十二人、貨物が六十三万四千六百十トン、こういう状況になっているわけでございます。特に貨物量の六十三万四千六百十トンというのは世界第三位、このように承っているわけでございます。 パイプラインの第二期工事が完成されましたけれども、これは空港の二期工事が完成されなければ無意味だ、私はこういうふうに思っているわけでございます。特に羽田空港の沖合展開、そしてまた関西新国際空港の建設、こういうことがこれから大きな事業として出てくるわけでございますけれども、この羽田空港それから関西空港、これは成田空港にとっては強敵なんだ、こういう認識に立っていただかなければならないと私は考えているわけです。 先般、国鉄労働組合の方々といろいろとお話をする機会がありました。そのときに、国鉄も、組合の方々が、関西新空港が完成したら国鉄にとっても強敵なんだ、こういう認識で、まだ建設着工される前から皆さん心配していらっしゃるわけです。同じ国際空港、しかも成田国際空港は先発の国際空港でありながら、なおかつ不完全な状況にある。こういうことについて、松本副総裁はどう感じていらっしゃるでしょうか。
○松本参考人 お答え申し上げます。 今、先生、るる御指摘ございましたように、私どもの成田空港開港以来、六年間に五千万人の旅客、三百万トンを超える貨物というものを運んだわけでございますし、また、仰せの中にもございましたように、懸案でございましたパイプラインなども、昨年八月の一本開通に引き続き、ちょうど本日、二本目も開通をいたしました。いろいろと準備は整い、またその成果も着々と上げつつあるわけではございますが、何といたしましても、一本の滑走路及びこれに附帯する施設だけでの運用ということにつきましては、日本の表玄関をもって自負いたします私どもとして甚だ残念なことでございますし、また、私どもが運輸大臣から承っております指示にももとることになるわけでございます。それのみか、今も先生の御指摘の中にございましたように、この旅客の伸びといったようなものだけを取り上げてみましても、現在私どもが運用いたしております一基の旅客ターミナルというものが、もうそう遠くない時点で目いっぱいになってしまうということが明らかでございます。 そういうことでございますので、いろいろな面から早急にあと二本の滑走路及びこれに附帯する新しいターミナル等を建設いたしまして、当初の目的にかなった完全空港として速やかに完成させるというのが私どもに与えられた最大の任務である、このように思っております。 現在、御案内のように千六十五ヘクタールの用地の中、六百七十ヘクタールの民有地があったわけでございますが、三十三ヘクタールを残してほとんど全部を我が方は入手をいたしております。残る三十三ヘクタールの中に十二戸の農民の方がまだおいでになるものですから、これらの方々と積極的な話し合いを従来もやってまいりました。さらにこれを一段と強めて、早急に話し合いによる解決を図っていきたい、こういうことでございますが、今御指摘のございました例えば羽田の沖合展開でございますとか、あるいは関西の新空港でございますとか、先生はライバル、敵だ、こういうふうな仰せでございましたが、私どもといたしましては、羽田の空港につきましては、これは国内の空港としてさもあらん、その程度の整備はぜひとも必要ではないか、このように観念しております。 関西空港につきましては、大きなことを申すようで恐縮でございますけれども、日本的立場に立ってみれば、この程度の空港が二つあって当然ではないかと思いますけれども、我が身につまされて考えますれば、やはりこれは非常に強力なライバル、切磋琢磨すべきライバルにいずれはなっていくのであろうというふうには思います。 〔鹿野委員長代理退席、浜野委員長代理 着席〕 したがいまして、私ども先発ということもございますけれども、そういうことを抜きにいたしましても、現に三十八社が出入りをしておるという我が空港でございますので、それなりの整備というものに対してできる限りの努力を払っていくということは当然のことではなかろうか。関西空港がどうありましょうとも、あるいは羽田の沖合展開がどうなりましょうとも、それはそれとして運輸省のお考えというものもございます。私どももまたそれなりに理屈はよくわかるわけでございます。したがって、そういうことを踏まえながら、私どもの空港の早期完成ということに全力を振るって取り組んでまいりたい、このように考えております。
○森田(景)委員 ただいまの答弁、とにかく、羽田何するものぞ、関西何するものぞ、言ってみればこういうことだと思うのです。ところが、それは成田国際空港が二期工事完成しての話なんです。完成しない今のままでいてそういうことをおっしゃるのは、これは失礼ながら強がりだと言わざるを得ないと私は思うのです。副総裁、非常に航空のベテランでいらっしゃいますから、それなりの成算はお持ちだと思うのですけれども、これは今の段階では強がりなんだ、こういうふうに私は思わざるを得ないわけでございますが、それはそれとしまして、それほど副総裁が自信を持っておっしゃるならば、では二期工事はいつ着工しますか、いつ完成しますか、その辺のところ。 今まで、やります、やりますと言っていたのですね。この間も実はこの委員会で一私もかつて千葉の県会議員をやっておりました。千葉の県議会の中では、与党自民党の県会議員が、県のやり方は、検討三年、やります二年、始めましたはぼちぼちと、これが千葉県の県政だ、こう批判をしておるわけです。同じことが、あらゆる機関でそういうことが行われているわけです。私は非常に残念でならない。先ほど架線の事故の問題につきまして我が党の渡部代議士からも指摘がありましたけれども、本当にそういう点で我々は歯がゆい思いをするわけでございます。どうかひとつ松本参考人、そうおっしゃっているわけでございますから、それじゃ二期工事の着工の見通し、また完成の見通し、この辺のことについてお答えをいただきたいと思います。
○松本参考人 初めにおわびを申し上げますが、私は決意のほどを申し上げたつもりでございましたが、強がりととられたといたしますと不徳のいたすところでございまして、という覚悟で取り組む所存でございますということを申し上げたわけでございます。 そこで、二期工事の見通し等についての御質問でございますけれども、現在の土地の取得状況等は先ほど申し上げたとおりでございますが、先生の最初の御指摘の中にもございましたように、現在までのところ、県議会その他の市町村議会を含め、二十五の団体から工事の促進についての決議をいただいております。これは私どもといたしましては非常に力強い支援をいただいたものと、大変ありがたく思っておるわけでございます。 そこで、具体的な二期工事の取り組み、ということになってまいるわけでございますけれども、現在のところ、確かに十二戸、三十三ヘクタールの用地の取得ができていないことは事実でございます。ただ、これらの方々はいずれもいわゆる反対同盟、こう通称されておりますが、これに所属する方々というふうに理解をしておるわけでございますが、これも御案内のように、昨年の三月、この反対同盟が内部的にいろいろとごたごたがございました。そういうことがございましたために多少難しい、厳しくなった面もないとは申しませんけれども、しかし、また逆に、私どもの長年いろいろと接触を図ってまいりましたことの効果が徐々にあらわれてきてまいっている部分もないわけではございません。ただ、具体的に逐一御報告申し上げますことは、御当人の立場もあろうかと思いますので差し控えさせていただきたいと存じますけれども、一応従来に比べますと、外部からのそういった力強い御支援もいただき、また私どもの努力も多少なりとも実りを見せてきたかなということでもございます。 また、昨年秋に、当時の運輸大臣と県知事との間でいろいろと当面する問題について結論をお出しいただきました。 こういうふうな情勢が整ってきておりますので、それを踏まえまして、私どもといたしましてはなるべく早く工事に着手するようにいたしたい。そのためには、どうしても用地の取得が第一でございますが、これについての成果は先ほど御報告申し上げたとおりでございますので、さらに周辺の市町村等の激励を私ども率直に承りまして、必要に応じては関係市町村のもっと積極的な御協力も仰ぐ、またそれを仰ぐこともどうやら可能になってきつつあるのではないかというふうに私ども感触として持っておりますので、そういうことも踏まえて取り組んでまいりたい。ここではっきりと先生にお答えできれば私としてもこの上ない面目ではございますけれども、そういったような状況でございますので、従来に比べればかなり私どもとしての努力が、まあまあ今までに比べれば成果が出てきているのではないか。いささか手前みそかも存じません、しかしそういうふうに思っておるわけでございます。 具体的にお答えできないのは甚だ申しわけないのでございますけれども、気持ちといたしましては、先ほどの繰り返してございますけれども、一日も早く取り組むようにしてまいりたい、このように思っております。
○森田(景)委員 大臣にお尋ねしますけれども、この成田空港公団総裁の任期は何年でしょうか。
○西村政府委員 総裁の任期は六十一年の七月末でございます。
○森田(景)委員 それで、私はいつも思うのですけれども、こういうところでこんな話はどうかなと思いますけれども私の考えですからお聞きいただきたいと思うのです。 私は吉川英治という方の書いた太閤記の愛読者でございまして、あの権力を握った豊太閤というのは嫌ですけれども、木下藤吉郎とか羽柴筑前守秀吉といったあの辺の生き方というのは非常に共感を覚えております。あの織田信長という非常に気性の激しい大将のもとでいろいろな戦いをしまして、決して私は戦争愛好論者じゃありませんけれども、いろいろな戦いをしたことが書かれておりまして、城攻めをするときには相手の人たちを殺さないで落城させる、こういうことを非常に上手にやってきたというふうに理解をしておるわけです。あるいは知将と言われる竹中半兵衛でしたか、この人を自分の参謀にするためには非常に熱意を持って行動した。この辺のところを非常に私も共感を持っているわけでございますけれども、少なくとも公団総裁あるいは公団副総裁が先頭になって、この十二戸残された反対派の農家の説得に当たる、このくらいの決意があってしかるべきじゃないかと私は常々考えているわけでございます。 副総裁は、この十二戸の反対派の方に、名前を言うと差しさわりがあるというお話でございましたけれども、お会いになったことはありますか。
○松本参考人 お答え申し上げます。 具体的な名前を申し上げることは御勘弁いただきたいと存じますけれども、何人かにはお会い申し上げております。
○森田(景)委員 総裁はおいでになっておりませんけれども、総裁はいかがでしょうか。
○松本参考人 私と同様あるいはそれ以上であろうかと承知をいたしております。
○森田(景)委員 その辺のところは副総裁のおっしゃることを信用して、そのとおり受けとめておきます。 それで、実は私がこの成田空港を早く整備してほしいと思っておりますのは、私だけの考えじゃありませんで、地元の方々の大きな願望であります。先ほどの意見書の決議でもあらわれておるわけでございます。私は、少なくとも公団総裁は、もう総裁になってしまっているのですけれども、なるときに、あなたの使命は第二期工事を完成することが仕事だとはっきり任務づけをして総裁にすればよかったのではないかなと思っているのですけれども、大臣いかがでしょう。
○西村政府委員 御指摘のように、空港公団総裁の当面の重要な使命というのは、二期工事の建設にむけて諸態勢をつくり上げていくということにあるかと存じます。今、政府と公団は一体となって二期工事に取り組んでいるわけで、先ほど副総裁からるる申し上げましたように、二期工事の早期の必要性については私どもも全く副総裁が申し上げたとおりの認識を持っております。また、現実にどのような状況におかれているかということも副総裁から申し上げたとおりでございます。そういう中で公団総裁がそのような任務を十分尽くしておられる。これはひとり総裁だけができるということではなく、やはり客観的な情勢の推移ということが必要でございます。そのためには残る十二戸の方たちとの話し合いを辛抱強く、そして早期に見通しをつけるということが最大の課題でございますし、それに向けて公団が全力を挙げて取り組んでいただいていると思いますし、今後ともその路線をやっていただく、それが公団総裁の具体的な使命かと存じております。
○細田国務大臣 成田空港の第二期工事というものは、日本のほかの場所で例を見ることができないような特異な現象だと思っております。 今、先生から必要性についていろいろお話がございました。また地元の市町村長なり市議会の皆さんから御決議をいただいたことも承知しております。しかし、国際航空について一番よく知っておる私ども運輸省、特に運輸大臣が一もう今でも満杯で三十数カ国から外国の航空会社が、また国々が入りたいと言っているのを断っている状況です。関西空港を始めましても、第一期工事が六十七年でなければできない。今日、国際空港は行き詰まっておる、こういうときでございますから、私は他のどなたよりも二期工事というものを早くすべきだというふうに論じておるものでございます。しかし、与えられておる客観的な条件がいろいろな点で非常に難しいということでございまして、私などどこへでもいつでも飛んでいくということも何遍も申しておるのでございます。しかし、そのことが促進になるかどうかというような点、いろいろ議論があるようでございます。 私は、今公団副総裁並びに航空局長から話をいたしましたが、具体的な内容についてはここで申し上げるということはできないが、非常に前進を見つつある、いずれ大臣にも何らかの動きをというようなことまで実は承っておるというようなわけでございまして、もうおっしゃる気持ち、私ども全く同感するものでございます。恐らくよその国にはこういうものはないし、日本じゅうの大型プロジェクトでこういう客観的状況のものはない、特殊な、極めて特殊な例だと考えて、まことに遺憾に存じておる次第でございます。
○森田(景)委員 大臣も強い決意を述べられまして、そのことにつきまして私も敬意を表します。願わくは細田運輸大臣が在任中に成田国際空港二期工事完成、こういうふうな運びにしていただければ大変うれしいことだ、こう思います。 それはそれといたしまして、やはり長い期間かかっておるわけでございますから、困難なことは私もよく承知しております。それでは、国が、この公団が成田国際空港二期工事完成を目指して頑張っているという――やはり実際に今のところ口だけという形しかわからないわけですね。公団総裁あるいは副総裁が個別に農家の方と折衝していらっしゃる、これは今のところ表には出ないわけでございます。ですから、やりますやります、こういうのが二年、三年続くという形になってくると思うのです。 そういうことで、ちょうど先ほども来年度予算のことが話に出ました。この二期工事に着工する工事費というのを昭和六十年度予算で組んだらどうかな、このように思うのですが、この点についていかがでしょうか。
○西村政府委員 先ほど申し上げましたように、現地での話し合いが辛抱強く続けられております。したがいまして、今具体的にこの場で、いつ工事着工をするというようなことが申し上げられないのは、先ほど副総裁から申し上げたとおりでございまして、現在、来年度予算で具体的にどのような形の二期工事をするかということは直ちに申し上げられないわけですが、いつでも二期工事ができるように差し当たりの金額につきましては財源の手当てが既に行われておりますので、さらに来年度の予算におきまして追加して二期工事の手当てをする必要があるかどうかというあたりを検討をしておくことが今日の段階での必要な考え方でございます。それについては現在検討中でございますので、この席で具体的に来年度予算において追加の手当てをする必要があるかどうかということはちょっとまだお答えできる状況にはなっておりません。
○森田(景)委員 ただいまの工事費と、もう一つ姿勢を明らかにしていただきたい問題があるわけです。それは成田新高速鉄道の早期実現ということでございます。 松本副総裁、大変きつい言葉を申し上げましたけれども、本意は早く第二期工事を完成願いたいという趣旨でございますので、御理解いただきまして、総裁にもその旨お伝えいただきたいと思います。 本日は非常に記念する日においでいただきまして、感謝しております。お帰りいただいて結構でございます。ありがとうございました。 それでは、また続けます。 成田新高速鉄道は昭和五十二年十一月に、新東京国際空港の開港に当たりまして運輸大臣から成田新高速鉄道構想が関係者に示されました。さらに昭和五十五年九月に運輸大臣から、新東京国際空港、千葉ニュータウン、鎌ケ谷、都心を結ぶ鉄道の必要性を認識しまして、建設を促進する旨の文書を千葉県が受けとっているわけでございます。また、ルートとしましては、新東京国際空港アクセス関連高速鉄道調査委員会からA案、B案、C案の三案が報告されているところでございます。 この成田新高速鉄道は、新東京国際空港と都心間のアクセス、それから千葉ニュータウン、成田ニュータウンを初めとする千葉県北総地域の通勤通学輸送の両面の機能を持つものでございまして、成田国際空港の第二期工事をやるためにはどうしても必要な鉄道でございます。A、B、C案がありますけれども、C案は在来線を使うということでございまして、地元としてはA案もしくはB案いずれか一方を早く決めていただきたいという強い願いがあるわけでございますが、今日に至ってもなおかつ、どちらとも決めかねている状況でございます。決めかねているというよりも、決めないでいる状況でございまして、この機会に成田の二期工事を促進するという強い意思表示が大臣からもございましたので、A案、B案どっちにするか、その辺のところをいつまでに決めるのか明らかにしていただきたいと思うわけでございます。
○服部政府委員 成田新高速鉄道の問題につきましては、ただいま先生から御指摘のありましたとおりの事実関係でもって今日まで経過してきております。五十二年秋以来の長い経緯のある問題がいまだに決着を見ないということについては、私ども申しわけないというふうには思っておりますが、現在もなお引き続き関係者間で調整を続けているという段階でございます。 なお、付言して申し上げますと、このA、B、C案のうち特にB案のルートにつきまして、これを実現していく場合の具体的な問題点が幾つか想定されるわけでございますが、この問題を具体的に詰めて解決の手がかりを得たいと考えて、昨年五十八年の十一月に関係各方面の方々に集まっていただき、この問題の研究会を発足させまして、現在その研究会の場で具体的な諸問題について鋭意勉強を続けておるところでございます。できるだけ早く結論を得て、A案ないしはB案という問題についての決着を得たいと考えております。
○森田(景)委員 このルート決定、それから着工、開通というルールというのですか、手順はどういうふうになるのですか。
○服部政府委員 この問題は、最前も申し上げましたとおりいろいろな経緯のある問題でございまして、また、さらに多くの関係者の間の具体的な調整を要する問題でもございますので、私ども運輸省が主体性を持ってこのルートの決定に当たりたいというふうに基本的に考えております。 それで、ルートの決定が行われ、かつそれと同時に、そのルートを建設し、整備し、運営する主体についての調整が終わりますと、その調整の結果に従いまして関係の向きから、地方鉄道法あるいは場合によっては国有鉄道法といったような関係法令に従って鉄道建設の免許申請なり許可申請なりが出てくる。それで、さらにそれが終われば工事施行の認可という手順を踏んで着工に至るというふうに考えております。
○森田(景)委員 そうしますと、この地域交通局で、A案、B案はここでどちらかに決める、その後運輸政策審議会の方にかけるのですか、手続として。
○服部政府委員 運輸政策審議会で現在、東京圏におきます将来の鉄道網の整備構想というものを御検討いただいておるわけでございます。もちろん、この成田新高速鉄道もそういった意味では将来の東京圏の主要な鉄道網の一環をなすものでございますので、基本的と申しますか建前的には、この運輸政策審議会の場で議論される対象に当然なるわけでございますけれども、最前来申し上げておりますような、特に特殊な経緯というものもございますので、この成田新高速鉄道の運輸政策審議会の場におきます検討の問題については、今後関係の向きともよく御相談しながら考えてまいりたいと考えております。
○森田(景)委員 それでは、きょうは昭和五十九年の八月一日でございますから、何年かかって出るか――大臣がもっと早くやりたいという御様子ですから、大臣お願いします。
○細田国務大臣 成田は二期工事ができておらないというだけでなくて、アクセスの問題について、特に鉄道のアクセスの問題について非常な立ちおくれをしておるということはもうお説のとおりでございます。今地域交通局長から御説明申し上げたように路線の検討をやってなるべく早くと申しておりますが、大体遅過ぎると思うんです。研究するのにそんなに長くかけちゃいけないので、決めてから実行に移すまでの間にはいろいろな事情があるだろうが、決めるのが長くかかるというのは私はどうも賛成できないので、就任早々以来早く決めろ、早く決めると言って実はせっついておるのでございます。そして、少なくとも運政審の首都圏交通部会からお出しになる中にはもう入れてもらわなければいかぬ、少なくともそれはそうしなければ、それよりもおくれるというようなことでは困る。決心だけは、私はできれば私の在任中に断固これでいこう。本当はそう長く考える必要はないのですね、どっちかだけを決めるだけなら。右顧左べんすると決まらない、こういう感じでおるわけでございますので、なるべく御期待に沿うように早くやりたいと思っております。
○森田(景)委員 やはり、さすがに敬愛する細田運輸大臣、おっしゃることが違うわけでございます。その名将のもとに弱卒があってはならない。地域交通局長は早速決めてひとつ発表していただきたいと思います。要望しておきます。 余り時間がありませんので、先へ進みます。 実は先般ちょっと質問して途中で終わってしまいましたのでSAR条約についてもう少し質問してみたいと思っております。 この間もお話し申し上げましたように、このSAR条約、一九七九年の海上捜索救助に関する国際条約、これは十五カ国が条約締約国になりましたので来年の七月に発効する運びになりました。このため、我が国としましても広域哨戒体制、船位通報制度等の整備やあるいは国内関係省庁、民間関係機関等との連絡、協力、支援の取りつけ、あるいは近隣諸国のSAR機関等との実務的協力体制の確立が必要になってきているわけでございます。それで、時間の関係がございますので、質問をずっと申し上げますからまとめて答えていただきたいと思います。 一つは、広域哨戒体制についてであります。これは海上保安庁の救難体制整備の一つでありますが、この広域哨戒体制では二つお伺いしておきたいと思います。一つは広域哨戒体制の整備がどこまで進んでいるのかということと、二番目が領海警備、公害監視等の重点哨戒に当たっている巡視船艇、航空機が常時海難に即応できる体制になっているわけでございますけれども、こういう、ことに広域哨戒体制の整備なんということになりますと、シーレーン防衛などと誤解されるおそれはないのかどうか、この二つです。 それから二番目が日本の船位通報制度、これも海上保安庁の救難体制整備の一つでありますが、これは五つほどあります。対象海域は日本の周辺何キロの海難をカバーするか。二番目が対象船舶については加入を希望する船舶と考えているようでありますけれども、船舶の大きさ、あるいは国籍等について具体的にどのように検討していらっしゃるのか。三番目が加入を希望しない船舶についてはどう対処なさるのか。四番目が通報の種類及び通報の方法、一日の通報回数についてどうなっているのか。五番目が運用開始を六十年度内としておるようでございますけれども、具体的にどうなるのか。 以上まとめて質問しましたので回答をいただきたいと思います。
○岡田政府委員 多くの事項についてお尋ねいただいたわけでございますが、まず初めに広域哨戒体制の整備がどのように進んでおるか、かような御質問だと思います。 今回のSAR条約に加入することになりますと、私どもの分担する区域というものは、また関係各国と協議をしなければいけませんけれども、相当広大な海域に及ぶものと考えております。私どもとしましては、このような広大な海域における海難救助あるいは監視、取り締まり等の業務に対処いたしますために、ヘリコプター搭載型の巡視船及び航空機を中心とする機動力にすぐれた哨戒体制を確立したいと考えております。現在、ヘリコプター搭載型の巡視船につきましては、二機搭載型のものを現在一隻建造中でございます。また、一機搭載型のものは現在建造中のもの一隻を含めまして七隻があることになるわけでございます。このようなヘリコプター搭載型巡視船につきましては、今後におきましてもなお所要の整備が必要ではないかというふうに考えておるところでございます。 また、航空機につきましては、今後の遠距離の海難救助等におきましてはやはり航空機による対応ということも考えなければならないものと考えております。これについては現在まだ検討中でございますが、一方これまで持っておりますいわゆる中型の航空機あるいは中型ヘリコプター、これらにつきましても現在ある程度の整備が進んでおるわけでございますけれども、各基地におきまして常時出動態勢というものについてはまだ多少足りないところがございますので、当面それの整備を図ることを目的として増強を考えておるところでございます。 それから二番目に、いわゆる海上保安庁の行う領海警備あるいは公害監視等の哨戒がシー・レーン防衛と間違えられるおそれはないか、かような御質問でございますけれども、私どもの方はこれまでの海上保安庁の業務につきましては、かなり諸外国にもこれまでの実績に基づきまして相当程度の御認識があるものと考えております。言うまでもなく航行船舶の安全のための海難救助でありますとか、あるいは海洋汚染の防止、外国漁船の監視、取り締まり、こういうようなことを海上保安庁の極めて特徴を有する船舶あるいは航空機によって行っているところでございまして、まず間違えられるというようなおそれはないものと考えております。 三番目に、船位通報制度についてのお尋ねでございますが、御案内のように、船位通報制度につきましては海難救助を効率的に行うための極めて有効な制度だろうと考えております。私どもとしましては、五十七年度から四年間約二十五億ほどの、一部まだ六十年度予算要求で要求しなければならないものもございますけれども、いわゆる通信系統及び電算機を含めました総合的なシステムを、現在整備中でございます。順調に整備が進んでおりますので、六十年度の後半にはこれが試験的な運用も含めまして運用に入り得るもの、かように見通しております。 対象船舶につきましては、これはあくまでも任意の加入ということが前提の制度でございます。これは諸外国におきましても、アメリカなんかにおいてもそういうような制度になっておりますが、もちろん船舶の大きさとか国籍とかそういうことで区別をするつもりは毛頭ございません。また、加入を希望しないというような船舶、これは任意の加入である以上はそういうものもあるかと思いますが、何といいましてもたくさんの船舶が加入すればするほどこのシステムのメリットが発揮されるというわけでございますので、大いに関係の船社あるいは関係の組合等の説得を重ねまして、何とか大幅な加入をしていただきたいものだ、かように考えております。 それから、通報の種類とか通報の方法等でございますけれども、これはまだ現在検討中でございますので、今全く事務的な検討をしている状況でございますけれども、やはり最初に航海計画を出していただく、それからおおむね二十四時間ごとにいわゆる位置をレポートしていただく、それから目的地に着いたらいわばファイナルレポートを出していただく、こんなようなことが現在考えておるところでございます。 大体、お尋ねにお答え申し上げたつもりでございます。
○森田(景)委員 時間でございますので、以上で終わります。ありがとうございました。 〔浜野委員長代理退席、久間委員長代理着席〕
○久間委員長代理 梅田勝君。
○梅田委員 国鉄再建問題につきましては、先週もいろいろ議論いたしましたが、なお幾つかお尋ねしておきたいと思います。 まず最初に運輸大臣にお伺いするわけでありますが、昨日「昭和六十年度の概算要求について」という閣議了解をお決めになったわけでありますが、経常費は原則一〇%のマイナスシーリングとしながら、軍事費におきましては当初大蔵原案の三%台をはるかに超える七%の伸び率を認める、こういう中曽根内閣の政治姿勢というのは私は重大な問題があると思うわけであります。 国鉄問題になぜ関係あるのかというわけでありますが、国家財政が破綻してきておりますので国鉄に対する必要な補助ができない、こういうことで今日の国鉄の財政再建におきましての非常に重大な障害点になっているからであります。先週議論しましたときに亀井再建監理委員長は、今日分割・民営化、これは醸成されつつあるというような御発言があったわけでありますけれども、私は逆にそんな問題ではなくて、今国民的に一番煮詰まってきている問題といいますか国鉄再建にとって一番必要なことは、国がどれだけの補助をして過去債務にちゃんとけりをつけるかというところに議論が来ていると思うわけでございます。まずこの点に対する運輸大臣のお考え方を、予算の概算要求を閣議了解なさった時点に立って承っておきたいと思います。
○細田国務大臣 昨日の閣議におきまして六十年度の予算の概算要求に関する決定をいたしたわけでございます。防衛費の問題について御意見がございましたが、これは共産党の御見解でございまして、私どもこれに同調するわけにはまいりませんので、あえてここで論評は差し控えさせていただきます。 問題は、今御指摘になっておる国鉄予算について考えてみますと、一般会計が非常に窮屈な中で国有鉄道に対する財政援助といいましょうか財政支援といいましょうか、それが非常に困難であるということについては私ども大変苦慮いたしておるところでございます。この苦しい予算の中でもできるだけの国費を出してもらって、少なくとも累積債務をさらに雪だるまのように増大させるということだけは何とかして避けられないだろうか、これを実は国鉄の六十年度予算の最大の目標に考えて私どもこれから汗を流したい、かように考えておる次第でございます。 今御質問の最後の方にございました、国が金を出すことが先であって経営形態その他の問題は後じゃないかという御意見、これはそういう御意見もございます。しかし、これは亀井委員長が申されましたように一体不可分のものである、分割・民営化をやると言っても長期債務が片づかなければこれは片づかない。また、長期債務の問題だけ片づけると言っても、後がさらに次から次と債務が出てくるのでは、借金がかさんでくるのでは、これはもうどうすることも、政府として何かやろうということもできなくなる。したがって、両方の問題、いわゆる経営の問題と長期債務の問題とは同時に解決していくという方向で今考えておるのだ、こういうことでございまして、私もそれはそのように考えるべきだという立場をとっておる次第でございます。
○梅田委員 国の財政も十兆円ほどの利払いをしているようなことでは、財政が硬直化してうまくいかなくなるのははっきりしているのです。国鉄だって同じですよ。だから、利息に金を払うようなことではどうしようもないです。まずこの根本を正すことなしに、本当に真剣な国鉄の再建というものはできないと断言していいと私は思うのです。 総裁にお伺いするわけでございますが、亀井再建委員長は私鉄並みの経営ということを盛んにこの間も来てここでおっしゃったわけです。どんどん合理化して人を減らす。前にも伺ったわけでございますけれども、三十五万体制、三十二万体制、どんどん予定よりか先に進行して余剰人員がたんと出た、それをさらに私鉄並みにしていく、二十万人台にしていくのだということも一部で言われておるようでございますが、そんなことでどんどんやったら一体どうなるのだ。現在でも相当の余剰人員を抱えて、どう仕事をさすか。あなた方の方は休ます。あるいは早いことやめろ、勧奨退職をやるとかいろいろな手を打とうとされておるわけでありますが、何しろ人数が膨大ですから、そしてさらに私鉄並みの合理化が進行した場合にさらにたんと余剰人員が出る。五万、六万、これはもう大変です。重大な社会問題になると思うのです。果たしてそれが可能かどうか、そういうことまで、先の先まで考えて計画を立てておられるのか。 経営改善計画のさらに変更というのはありましたけれども、国鉄が立てた計画というのはしょっちゅう変更せざるを得ないということに追い込まれているわけでありますから、なかなか信用できないわけでございますが、現状の国鉄が私鉄並みに果たして合理化ができるのかどうか。長距離のお客様が非常に多いし、それから通勤のラッシュのときなんか大変です。自動改札も京都や大阪にもありますけれども、私鉄は近距離だし簡単だ。それでも、地下鉄でも朝のラッシュのときは大変ですよ。行列ですわ。東京駅や上野駅あたりでやって、果たしてスムーズに客がさばけるのかどうか。一定の時間帯にやらなければいかぬわけですから、流れるのは僕は改札に人が立ってやった方が早いと思うのですよ。これは大変なことになると思うのです。どんなことを考えているか知りませんけれども、私鉄並みの合理化というように言われますが、これは労働省にもお尋ねをしたいのであります。 私鉄はもともと公休日もいわゆる残業なり公休出勤をやって、そしてなるべく少ない数で一定量の仕事をするような、労働基準法の精神から見て非常に問題のあるような職員配置をやっているというように伺っているわけであります。また、そのように書いた本もございます。そういうようなやり方というものが果たして好ましいことなのかどうか、これは労働省から、きょうは基準局の関係の方がお見えになっておりますので、お伺いをしておきたいのでありますが、同時に、国鉄総裁はそんなことまであえてやるのかどうか、ちょっとお伺いしたいと思います。
○太田説明員 最初に、合理化ないしは効率化の必要性という点についてでございますが、国民から大事な国鉄という財産をお預かりし、その運営の任に当たっている者といたしましては、基本的にその効率化ないしは合理化というのは念頭に置き、絶えず努力するのはまず当然だと存じます。また、そのほかに、独占ではございませんで、厳しく他運輸機関との間の競争のもとにあるわけでございまして、選択の基準ということを考えますと、何といっても効率性ないしは経済性というのは非常に大きな要素でございます。いわば生き残って利用され選択される輸送機関として今後あり続けるためにも、効率化ないしは合理化というのは必須の事柄であるというふうに考えている次第でございます。 それからまた、私鉄並みのという問題につきましては、これは抽象的にどうであるかというのは非常に申し上げにくい事柄でございますが、もっと具体的に実践的にこれを展開して比較するということが大事かと存じます。 一々は申し上げませんが、例えば行政管理庁の御指摘でありますとか、世の中の識者からの御批判、御指摘、並んでいるそして同じような業務量のこの国鉄の駅とあの私鉄の駅との要員配置の仕方、あるいは仕事の仕方といったような形、あるいは動力車乗務員の効率の問題、あるいは車掌の仕事の仕方等々、具体的実践的にデテールについて各方面から、それからまた幾つにもわたって御指摘をいただいていることを積み重ねてまいりますと、我々なりに相当な努力はしているつもりでございますが、まだまだ努力の足りない面があろうかと存じます。 また、御指摘の途中で、国鉄の業務の特殊性と私鉄の仕事のいわば違いといったようなものも御指摘あったように伺いましたが、我々もこの比較を具体的にするに当たりまして、国鉄なるがゆえの特殊性というのは十分織り込んでみました上で、なおかつ、そこにはもっともっと効率性の向上を図るべき余地があるというふうに思わざるを得ないケースがありまして、そういう面からいきましても、この効率化ないし合理化努力は今後とも続ける必要があると存じている次第でございます。 それから次に、このようにして効率化ないし合理化を今後進めていった場合における実員との関係、すなわち余剰人員との関係についての御指摘がございましたが、一つには、今言いました効率性の問題と加えて、輸送量の要素を見なければいけないかと存じます。いろいろな見方があるわけでございますし、国鉄としてまだ必ずしも将来展望が輸送量について確定しているわけではございませんので、確定的なことは申し上げかねますが、いろいろなデータの示唆するところは必ずしも楽観を許さない、むしろ減少傾向をもあえて覚悟せざるを得ないのではないかという状況がございますので、その要素も加味すれば一層の合理化が必要かと存じます。 おととしまでは、年度年度の合理化の実績と自然退職人員の関係がうまくバランスしておりまして、余剰人員が発生する余地はなかったのでございます。五十八年度、貨物の大幅な合理化を契機といたしまして、その合理化人員と自然退職人員の関係が逆転しておりますので、そこに余剰人員の問題が発生しているわけでございますし、今後退職人員が漸減傾向をたどるであろうと想定されますので、今申し上げました合理化の必要性と考え合わせました場合に、余剰人員の発生の可能性は非常に高いと言わざるを得ないかと存じます。 そこで、私どもは、現在二万五千、年度末においては三万と想定しております余剰人員の問題をまずその当初において、スタートにおいて調整を図る、今後の余剰人員の上積み発生に対しましてはそのような手法を確定させた上で逐次対処してまいりたい。一挙にためておいてしまってはどうにも身動きならなくなるということでもございますので、そんなことで調整のための三本柱を提案し、今労働組合と団体交渉をやっておるところでございます。速やかに理解を得られて、円滑にして順調な効果が上げられるように願っている次第でございます。
○野崎説明員 先生御承知のとおり、労働基準法では要員配置の問題は規制いたしておりません。それから要員配置につきましては、経営上の理由あるいは技術上の理由その他いろいろな理由で決まってまいるものでございまして、労働省としてどのような要員配置のあり方が適当かということを申し上げる立場にはないと考えております。 一般論といたしまして、労働基準法が守れないような形の実態というのが生ずるとすればそれは好ましくないというふうに思いますけれども、しかし先生がお挙げになりましたような私鉄がそういう状態にあるかということになりますと、私どもはそういう状態にあるとは思っておりません。
○梅田委員 あなた、何を証拠にそない言うのかね。私鉄でも現実に有給をとりたくてもとれないとか公休出勤せんならぬとか、いっぱい例があるんですよ。労働者の権利を擁護しなければならぬ労働省がそんな姿勢ではだめだと思うのです。 運輸大臣、幾ら合理化がどんどん進行するといいましても、労働基準法が定めている最低の基準、これさえも守れないようなことがどんどんはびこってもよろしいとお思いになりますか、どうですか。
○細田国務大臣 労働基準法というのは強行法規でございますから、労働基準法を破ってまでの合理化をやるというのは合理化のうちに入らない、こういうふうに思っております。
○梅田委員 運輸大臣の答弁ははっきりしていると思うのです。そういう姿勢で労働省もやってほしいと思うのです。 国鉄総裁、職員局長は非常に長い答弁をするのですけれども、我々が本当に言いたいのは、国鉄は今大変なんだから、労使挙げて本当にどうするか。労働組合はいろいろ提言を持っています。次々に発表もあります。それらを検討して、どうすれば本当に再建できるかということで真剣な議論をしていただきたい。前回も要望しましたように、外注でも簡単に外注にしたらいけませんよ。一たん出すとなかなか戻ってこないわけですから、難しいわけでありますから、そういう点では労働者の意見もよく聞いて、真剣に国鉄再建のため犯頑張ってほしいと思うのでありますが、最後に一言お願いします。
○仁杉説明員 ただいま先生御指摘ございましたが、今国鉄が非常な難局にあるということは御指摘のとおりでございますし、それが過去債務の問題である、あるいは年金の問題である、あるいは要員の問題であるというようなことでございます。それらにつきまして先ほど私鉄並みというようなお話がございましたが、もちろん私も私鉄におりまして実情をある程度知っておりますが、国鉄と私鉄がそのままの形になるというふうには私は考えておりませんが、一つの指標としては比較する指標であるというふうに思っておりますので、国鉄の実情ももちろん取り入れながら効率化ということを進めてまいらなければならないと思います。 全般の作業につきまして今先生から御示唆がございましたが、私どもといたしましても、さっき申しました過去債務あるいは要員あるいは年金というような問題につきましていろいろな面から、将来の輸送量のあり方というようなものも含めまして、今役員会等を通しまして真剣な検討を続けているところでございまして、なお監理委員会等の意見も聞きながら、また私どもからも意見を申し上げながら、今、日本として国鉄がどうあるべきかということを探り出してまいりたいと思って努力をしているところでございます。
○梅田委員 いろいろ申し上げたいことがあるのでありますが、ちょっと時間がございませんので、この辺で国鉄の再建問題は終わりますが、お忙しい中本当にありがとうございました。結構でございます。 次に、ハイヤー、タクシー関係に働く労働者の問題につきまして質問をさしていただきたいと思うのでありますが、御承知のようにいわゆる新二・九通達というのがございまして、労働省が昭和五十四年十二月二十七日に新しい通達として「自動車運転者の労働時間等の改善基準について」というものを出したわけでございますが、昭和五十八年の上半期におきましての監督実施結果の概要というものが発表されております。これによりますと、改善基準に対する違反率というのは、トラック関係で五三・七%、ハイヤー、タクシー関係で五二・一%、依然として高い数字が出ているわけであります。 もともとこの改善策というのは実作業時間規制から拘束時間規制に変更したという問題がございまして、四年前にも社会労働委員会でこの新しい改善基準というのは問題があるというように質問さしていただいたことがあるわけでございますけれども、事実、実際の監督結果を見ますと、隔日勤務の最大拘束時間原則二十一時間を超えるものというものの違背率というのは三二・一%もあるという結果が出ておりますが、この監督結果に基づいて、労働省としてはどのような指導強化を図ろうとしているのか、時間がありませんので、簡単に述べていただきたいと思います。
○野崎説明員 タクシー関係につきましては、確かに他の業種に比べまして、労働条件に問題がございますので、先生御指摘のとおり、五十四年に特別に改善基準を定めまして、その遵守、徹底に努めているところでございます。その違背状況は今先生お述べになりましたとおりでございますが、五十八年の状況を前年に比べますと、かなりの程度改善は見ているということは言えるかと思いますが、全体としてはまだまだ満足すべき状態ではないと思っております。 そういうことで、本年度におきましても引き続き重点的に監督指導に努めることはもちろんでございますけれども、運輸省との間で行っております相互通報制度の活用を図るとか、あるいは重大、悪質な違反に対しては厳正な措置をとるとか、そういう姿勢で臨むことにいたしております。
○梅田委員 ここではひとつ、具体的に事例を挙げて、改善を図っていただきたいと思うのでありますが、千葉県の松戸市に櫟山交通という会社がございますが、そこから私どもも櫟山労働組合の加藤委員長からも要請をいただきまして、そこの労働実態がいかなるものかということを知ったわけでございますが、まことに重大な内容が含まれております。 この会社はもともと昭和四十一年十月十九日に免許を受けたわけでありますが、最初は三台から出発をいたしまして、どんどんふえていきまして、現在六十六台という中規模の会社になってきておるわけでございますけれども、かつては全国一般という労働組合をつぶした。現在は自交総連に加盟をしているこの櫟山交通労働組合をつぶそうとして、組合の委員長を不当労働行為で解雇しているのですね。全くけしからぬ事態があるわけであります。それから労働基準法や新二・九通達に違反する事例というのが九〇%以上だと言われております。この八カ月間に二人が自殺をし、一人が過労で死に、さらに三月二十三日には業務中に脳出血で労働者が倒れる。その人の勤務状態は、過去十四年間ほとんど休んだことはないということですね。たった一日有給休暇で、親戚の御不幸で休んだ。連続で働いておる。この会社におきましては、昨年の稼働率が九八%以上ということで、有給休暇というものもほとんどとれない、大変な職場になっておるわけであります。 これにつきまして、櫟山交通に監督署が臨時の検査に入られたと思うのでありますが、賃金の形態、累進歩合制はどうなっておったか、あるいは休憩所が整備されていたかどうか、労働時間の実態はどうであったかお調べになったと思いますが、いかがですか。
○野崎説明員 櫟山交通に関しましては、御指摘のとおり労働組合から申告がございまして、本年の七月十八日に申告に基づく臨検監督を実施いたしております。その結果の状況につきましての具体的な点につきましては、現在関係の資料を労働基準監督署において精査中でございまして、どういう状況になっているか、具体的な報告を本省としてはまだ受けておりません。
○梅田委員 非常になまぬるい。スピードが遅い。迅速にやらぬと労働者は殺されてしまいますよ。ここの勤務の建前の状況によりますと、午前十時に出勤して、途中で三時間休憩して、午前二時に帰ってきて四時間寝て、そしてまた出ていって六時半から八時半まで働いて帰ってこい。いわゆる二勤務で、一出番で大体二日分やるわけですよ。そういう労働形態でありますけれども、実際はタコメーターは、午前二時に帰ってきて六時半まで一応休むことになっているけれども、これはかぎを預けて、タコメーターを外してそれで走りなさい。そこに全然記録が出ないのだ。タコメーターだけ見たら休んだようになっておる。しかし実際は走っておる。こういう指導をしておる。あなた方が検査に入ったときには、これはないと言いましたね。実際はあるんだね。これは全部ほかしてしまうのだ。そういう大変なことが行われているのですよ。 それから、休憩所で休むといったって、この休憩所は労働者が休めるような状態ではないわけです。あなた方が実際に行かれてわかっているはずですけれども、仮眠所はせいぜい五、六人泊まれたらいい。布団は良くて寝られない。実際これは帰ってきて休んでいる人なんかないのですよ。なぜならば、極めて厳しい累進歩合制になっておりますから、その歩合制につられて働かなければ飯が食えない。改善要綱によりますと、累進歩合制はやめなさいというふうになっていますね。ところが、実際はここはひどい状態になっている。新二・九通達によりますと、歩合給というものは六〇%以上の保証給があってのことだ、いま一つは、累進歩合制度を廃止することということになっておりますけれども、ここの場合は、水揚げを四十五万円揚げた場合歩合給は四二・九七%で超えてしまうのですよ。なぜなら、一時金という制度があるのですけれども、賞与というものは「月例賃金に賞与分を含む賃金体系の適用者には支給しない。」というように就業規則の第六十一条に書かれておりまして、そしてボーナスは四カ月ごとにまとめて清算ということで、月々のものは貸付金、四カ月たったらまとめてボーナスは払ったという形だけはしてある。しかし、実際はその一時金というものは水揚げに比例して支給されるわけです。だから、表向きの歩合給というのは、確かに比率は相当水揚げをしないことには四割を超えないようになっておるけれども、実際は一時金の併給ですから、月々それで飯を食うような体制ですから、稼がぬことには飯が食われないということになるわけです。 おまけに、労基局の方もよく聞いていただきたいのでありますが、カット規定というのがあって、欠勤は一出番について一万二百三十円引く、有給休暇をとりましても同じように引くのです。有給休暇の場合は一出番、つまり二日分で五千円しか出さないのですよ。事故は一回やると一万円の罰金を取る。損害をやると総額の一割を損害負担という形で取る。指導に違反をした場合には三万円の罰金を取る。しかも、何ぼ水揚げを揚げましてもそれが走行一日当たり二百八十キロ未満である場合はまた罰金を一万円取る。それから営業収入におきましても、一キロ当たり百二十二円未満の場合はやはり同じように一万円の罰金を取るということです。それで第七番目に、業務中起きたことは一切乗務員の負担だ、こういうことを書いている。 有給休暇が全くとれない。調べてみたら、何と昨年一年間で有給休暇をとった人は二十出番しかないわけです。これは大変なところですよ。ここは百七十人の従業員がおるのですよ。だから一日当たりに計算すると有給休暇は四十日分しかとっていないわけです。それで、有給休暇をとろうとするといろいろいちゃもんをつけるので、そのたびに組合が抗議書を出す。それで組合の役員あたりが断固として抗議をするということでやった場合だけ渋々認めるとか、有給分の賃金を払わないということで抗議をしたら、それもまた大分たってから渋々払うとか、こういう状態です。私はこれも大変な事態だと思うのであります。 まず、ここの累進歩合制をやめさせなければいかぬと思うのと、それから労基局にお尋ねしたいのでありますが、罰金を取るというのは明らかに労働基準法の第十六条違反だと思うのですが、どうですか。
○逆瀬川説明員 御質問の件につきましては、先ほど監督課長からお答え申しましたように、現在所轄の労働基準監督署で調査中でございますが、賃金体系の問題について申しますと、どのような賃金制度を採用するかというのは本来労使の自主的な話し合いで決定されるべきものでございます。が、しかし、極端に走行を刺激する歩合給制度、累進歩合制度でございますが、これについては廃止させることといたしているところでございます。 また、先生御指摘のように歩合給制度を採用している場合には、固定的給与と合わせまして通常の賃金の六割以上の賃金が保証されるような保証給を定めることとしているところでございます。 なお、この保証給のことでございますけれども、これは固定的給与が六割以上になるように定めなければならないということではございませんで、固定的給与と歩合給を含めて通常の賃金の六割以上が保証されるように定めれば足りるもの、こういうふうに考えております。
○梅田委員 基本給が大体ここでも八万八千円で、安いですね。そもそもが安い。実際は歩合で稼がないことにはどうもならぬということで、ここの場合はよその企業と比べましてももうえげつない累進です。たつみタクシーという例もありますけれども、ここだったらそんな大した累進になっておらぬのです。三十三万円で五一・七一、五十万円になっても五二・一九だ。ここはもうえげつない。同じ五十万円でも五五%の歩合になる、えげつないですよ。しかも休ませないということである。そして、不当労働行為はもう平気でやる。 今、カット条項の問題についてはっきりしたあれがなかったけれども、これは労基法の罰金に相当しませんか、どうですか。
○野崎説明員 カット条項の点につきましては、事前に先生からお話もございましたので、所轄の監督署から事情を聞いてみたわけでございますが、監督署におきましては現在その点も含めまして調査中ということでございまして、現在のところはまだ事実の正確な把握に至ってないということでございます。その点も含めまして十分調査したいと思っております。
○梅田委員 あなた、答弁するなら、もうちょっとあんじょうしなさい。それが事実であれば労基法違反である、しかし、ここの事案についてはなお調査をいたしますというぐあいに言ってもらわなかったら――労基法の第十六条というのは、労働契約があるにかかわらずそれに違反したからといって罰金取ったらいかぬというのでしょう、どうですか。
○野崎説明員 御承知と思いますが、十六条におきましては罰金と申しますか損害賠償額の予定をすることを禁止しているわけでございます。本人の責任に基づきまして損害が生じました場合に、普通の法律関係に基づいて損害賠償をするということまでは禁止しておりませんで、額をあらかじめ予定しておくということを禁止しておりまして、そういった点に当たるかどうかにつきましてさらに調査する必要があるというふうに思っております。
○梅田委員 いや、ここははっきり予定しておるのじゃないですか。金額もちゃんと予定しておるのじゃないですか。どうですか。
○野崎説明員 先生のお話ではそのようにも受け取れるわけでございますが、私どもとしてまだその点確認しておりませんので、見解を申し述べるのはちょっと差し控えさせていただきたいと思います。
○梅田委員 受け取れるというぐあいにおっしゃいましたので、ようやく労働基準局の方もこれはもう大変な事態だというようにお考えになっているということがややわかりましたから、後、きちっと調査していただくことにいたしたいと思います。 運輸大臣、これからよく聞いてほしいのですが、私はここの会社というのは道路運送法に基づく免許を与えておるのがおかしいのじゃないかと思うのです。ここの委員長が処分されますときにどういうことで処分されたかといいますと、昨年の七月十四日に社長が組合の委員長を呼んで、おまえはハイタク協議会の議長をしているからやめろと言って強要したというのです。これに言うことを聞かなかったというので、おまえは就業規則違反やということで下車勤にして、二日後には首を切っているのです、解雇。これは、直ちに、不当労働事件として仮処分もちゃんと勝利をしているわけでございますけれども、ここの会社というのは全く常識では考えられないような会社、社長ですよ。 それで、先般、六月三十日から運賃が上がりましたけれども、運輸省が認可される二十二日の前の日に、千葉の陸運事務所で、今後の賃金をどうするか、また、スライドで足切りを上げるからけしからぬというので、労使の話し合いが行われたのですけれども、千葉の陸運の高橋次長とか、課長とか係長がおるところで、まとまった覚書をめぐって殴り合いのけんかをしておるのです。そして、ここに診断書も出ておるわけですけれども、とにかく、暴力も平気で振るうという大変な社長ですよ。そして、このときには、陸運事務所も立ち合って、新しい賃金については「会社は一方的な賃金支給はおこなわない。七月分賃金は現行で支給し、以后の賃金は引続き話合を行う。」、六月二十一日ということで、社長のサインがしてあるわけですね。労働組合もサインしてあるわけです。こういう覚書をやりながら、済んだら、もう一方的な六月二十八日の通告、さらに七月十七日の通告で、話し合い成立はせぬでも、どんどんと会社の思いどおりに事を進める、こういうことが行われておるわけであります。 だから、不当労働行為事件としてやがて正確な決着はつくと思いますよ。思いますが、労組法の第七条の違反というのは、非常に厳しい命令、救済が出るわけでありまして、これに従わないというふうになりますと、また厳しい罰則があるということで、「一年以下の禁こ若しくは十万円以下の罰金」ということになるわけです。もし、事業主がそういうようなことになりますと、これは道路運送法の第六条の二「欠格事由」ということに照らしますと、「免許を受けようとする者が一年以上の懲役又は禁この刑に処せられ」た者は免許を受けられぬわね。となると、そんなえげつない会社に免許を与えていることが運輸省としてはおかしいということになる。ですから、第四十三条に基づいて免許の取り消しをここはやるべきじゃないか。こんなふらちな会社を許しておいたら、労働者は殺されてしまいますよ。現に作業中に死んだ人も出るし、脳出血で倒れる人も出る、大変なことです。いかがですか。
○服部政府委員 ただいまのようなことが事実が確定いたしまして、当該会社の経営責任者が、御指摘のような一年以上の禁錮というようなことに、刑に服すというような事態になりました場合には、改めて考えさせていただくというのが、私どもの立場ではないかというふうに思っております。
○梅田委員 それは、まあ最終的にはそうなるでしょうけれども、しかし、現にそういう犯罪が行われつつあるというような状況でありますから、運輸大臣、労基局の方もきちっと指導していただきたいと思いますけれども、このような大変な労働者いじめをやっている経営者がこの東京の近くにおるということは、運輸省のおひざ元で大変遺憾なことだと私は思うのです。そういう点で、運輸行政としても厳しく、労働省とも相談しながら指導を強化するという点で、御発言をいただきたいと思います。
○細田国務大臣 ハイヤー、タクシーあるいはトラック、そういうところの労働者のいわゆる労務管理については、特に気をつけていかなければならぬと思います。今お話しのような事態は、早急に調査をいたしたい、そのような状況は直させていかなければいかぬ、こう思っております。
○梅田委員 きょうはもっともっと詳しく質問をしたいと思っておったのでありますが、なかなか時間がございませんので、残念ながらやめますけれども、もう一度、労働省からおいでをいただいておりますので、このようなふらちな会社に対しての厳正な、厳しい指導の強化をお願いしたいと思うのでありますが、決意をひとつ伺って、私の質問を終わりたいと思います。
○野崎説明員 実情を十分調査いたしまして、適正な措置をとりたいと考えております。
○梅田委員 終わります。
○久間委員長代理 次回は、来る七日午前十時理事会、午前十時二十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後三時三十五分散会