運輸委員会 第2号
- 発言数
- 215 件
- 登壇者
- 28 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1984/03/09
会議録
○福家委員長 これより会議を開きます。 陸運、海運、航空及び日本国有鉄道の経営に関する件等について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。久間章生君。
○久間委員 運輸行政に大変詳しい細田さんが大臣に就任されまして、国鉄の問題初め運輸省にとって非常に懸案事項が山積しておる折から、私どもも大変心強く感じておるわけでございます。そういう意味では、大臣におかれては、この間の所信表明に述べられましたとおり、これから先も一生懸命努力していただきたいと思うわけでございます。 時間の関係もございますので二、三点について、先般行われました大臣の所信表明に関してお尋ねいたしたいと思います。 まず第一は、整備新幹線でございます。これにつきましては、昨今の政府の財政事情あるいは国鉄の置かれました現況等、さらには第二臨調の指摘のとおりに、当面この実施を見合わせるということもやむを得ぬ点もあろうかとも思いますが、私どももこれは非常に長年の夢でございまして、どうしても日本の将来を考えますと、日本列島を新幹線網で張りめぐらすということはやはり一番大事なことじゃないかと思うわけでございます。そういう意味では、先般の所信表明でわずか二、三行しか述べられなかったということでございますし、またそれも非常に後退ぎみの発言のようでございます。どうかそういう意味で、財政事情の折からでもございますけれども、この整備新幹線については大臣は就任前から大変一生懸命取り組んでおられたわけでございますから、このいろいろな懸案の問題を乗り越えてぜひ実現にこぎつけていただきたいと思うわけでございます。 ただ、そういう中で、運輸大臣から工事の建設指示が国鉄あるいは鉄建公団に対してなされておりまして、この両者が財政事情が許されればいつでも着工できるように準備作業や調査をやっておられる。特に東北、北陸、この二線については環境影響評価調査も終えて準備作業所まで設置されておることは大変喜ばしい限りでございます。 ところで、この二線に比べましておくれておる九州新幹線でございますが、これが二線に比べて準備が大変おくれておるということでございます。しかも、このおくれておる九州新幹線のうち鹿児島ルートについては、先日内々に関係県を呼ばれて駅等のルートの内示がされたというふうに伺っておりまして、近々正式の発表があるんじゃないかというふうに聞いておるわけでございますが、長崎ルートについてはさらにおくれて、こういう内示すら行われていない。そしてまた、公表が鹿児島ルートに比べておくれるのではないかというふうに伺っておるわけでございます。 御承知のとおり、長崎ルートにつきましては、「むつ」をどうしてもどこかで修理しなければいけない、そのときに国が一生懸命長崎県にお願いをして「むつ」を引き取ってもらった。私もその当時県会におりまして、何でこの嫌われものの「むつ」を入れなければいけないのだという話もございましたが、やはり国の政策として国が掲げているものをどこかが引き受けなければいけないのじゃないかということで、機動隊まで導入して議場が騒然とする中で決めたわけでございます。そのときに国の方からも、これから失いろいろな国策をやるときにも長崎県に対しては一生懸命協力をするというお話でございましたし、私どもも国策に協力するんだから長崎県としても言うべきことは言うべきじゃないか、そういう話がその当時は出まして、その「むつ」の見返りにいわゆる新幹線についても他のルートにおくれさせないというような話になったわけでございます。 ただ、その当時私は県会におりまして、内閣はそのときそのときでかわってしまう、そういう約束をしておってもこれは内閣がかわったならばまたわからないぞということもございまして、政府だけではなくて与党に対しても話をいたしまして、時の与党の幹事長、総務会長、政調会長、こういった方々からもこの確約を得たわけでございます。そういう意味では政府を担っておる与党が公約をいたしたわけでございまして、政党の三役もされた大臣でございますから、その辺の経緯等は十分御承知と思いますが、それほどまでにして決めたことでございますので、どうかそういう意味ではこの長崎ルートについてもそのときの約束どおり、公党が約束した以上やはり他のルートにおくれないように頑張っていただかなければいけないのじゃないかと思っておるわけでございます。 ただ、聞くところによりますと、国鉄当局でもいろいろ急いでおるけれども、駅舎の問題とかそういう技術的な問題で非常におくれておるというような話も伺っております。しかしながら、最近県の方ではそういう点も調整をして、路線は自分たちとして受け入れ態勢十分だというような返事もしているというふうに聞いておりますので、どうかそういう調整をして他におくれないように約束したとおりのことをやっていただきたいと思うわけでございますし、そういうふうに約束をしたことを実行するのがやはり政治の不信を取り除くことになるのじゃないか、そういうふうに感ずるわけでございますが、これらについての大臣あるいは国鉄の御所見を承りたいと存じます。
○細田国務大臣 お答えいたします。 新幹線全般の問題は一応抜きにいたしまして、今、当面特に御質問のございました九州の二つの整備新幹線、そのうち特に長崎がどうなっておるかということについて御質問がございますので、その点に絞ってお答え申し上げますと、政府といたしましては、九州の二つの整備新幹線について差別をつけておりません。実際問題として地質調査なり環境影響評価の調査なりあるいは具体的な路線選定計画なり、そういうものが長崎について若干鹿児島ルートよりもおくれておるということば具体的な事実でございます。そういう点につきまして、私どもとしましては、二つのものを差別をして考えておるという考え方はございません。どうしてそういうふうな状況になっておるかというような点につきましては、もしお尋ねがあればこれは具体的に政府委員なり国鉄からお答えしたいと思いますが、私といたしましては両線の取り扱い方については差別をつける考えはございません。
○岡田説明員 お答え申し上げます。 長崎ルートにつきましては、御承知のとおり環境影響評価の前提となります候補駅あるいはルートの問題について鋭意調査、検討を進めておるところでございますが、このルートにつきましては、鹿児島ルートと比較をいたしますと経過地の選定並びに技術的に難しい箇所がございますので、作業がおくれている状況でございます。もう少し具体的に申し上げますと、例えば佐賀県下におきますところの旧炭鉱地帯をどのように経過をしていくか、あるいは長崎県下で渇水問題がかつていろいろ問題になったことがございますので、そういった地域におきますルートの通り方等につきまして技術的な検討を鋭意加えているところでございます。
○久間委員 整備新幹線の問題につきましては大変前向きで検討しておられますので、ありがたく私ども感じ、また今後とも努力していただきたいと思います。 次に、海運行政に関してちょっとお尋ねなりお願いをしておきたいと思いますが、世界的な経済不況のあおりを食らいまして貿易量が非常に減っておる。そういう中で、我が国の海運におきまして船腹が過剰になっておるということは御承知のとおりでございます。そういう中で現在通産行政の一環として行われております石油のタンカー備蓄というのは、海運行政においても大変貴重な役割を果たしておるのじゃないか、そういう感じもいたしておるわけでございますが、このタンカー備蓄につきまして、聞くところによると、通産省の方、エネルギー庁の方においては、タンカー備蓄は少し割高であるからこれをそのまま続けるかどうかは六、七月ごろに結論を出したい、そういう話があっておるというふうに伺っておるわけでございますけれども、そういうことでこれは海運行政とも大変関係が深いので運輸省としても、通産省に任せるだけではなくて、最近の海運の実情等についても話をしながら両方で協議をしていく必要があるのじゃないかというふうに考えるわけでございますけれども、これは担当の局どこになるかわかりませんが、政府委員の方からでもこれらについてのお考えをお聞かせ願えれば幸いだと思います。
○犬井政府委員 お答え申し上げます。 御承知のように、タンカー備蓄は国家備蓄の一環として、恒久的な備蓄設備が整うまでの暫定措置としまして五十二年十月から実施されております。最盛期には三十五隻の備蓄があったわけでございますが、最近は十九隻、そのうち十三隻が橘湾にあるわけでございます。もともと国家備蓄の一環として行われたことでございますが、御指摘がございましたように世界的なタンカー市況の不況の中でタンカーの係船が回避できたとか、世界的なタンカー運賃の下支えになったとかそういうもろもろの効果がございます。したがいまして、これを削減していくとそれなりにタンカー業界に影響があるということも事実でございます。 そこで、運輸省といたしましては、この問題を所管しております通産省に対しまして、削減の過程におきましては現在の船腹の過剰の状況がどうであるとかタンカー市況が非常に悪い状況にあるとか、最近の海運企業の経営状態は非常に悪いんだというようなことを理解の上進めていただきたいということを考えておりまして、常々そういうことを説明してまいりましたし、今後もそういうことを十分説明申し上げたいというふうに考えております。
○久間委員 現在の海運行政の立場からも通産省に働きかけられるということで、これも大変心強く感じる次第でございます。 最後に、先般私たちとしても想像できないようなことでしたが、日航のジャンボ機が東亜国内航空の飛行機に陸上でぶつかったというようなニュースを見まして、非常に残念に思いますと同時に、これが一歩間違えば大惨事になっておったのじゃないか、そういうような危惧を持ったのでございます。聞くところによりますと、飛行機同士陸上で衝突しましても、保険に入っておるから飛行機会社としては実損はないのじゃないかということでございますけれども、こういうことがあったのでは一歩間違うと大惨事になるのじゃないかと国民は非常に不安感を持つわけでございます。 一体、どういう形でこういう事故が起きたのか。これは幸い人身事故がなかったから余り大きい報道になりませんでしたし、その後も問題になりませんでしたけれども、私はやはり見逃すことのできない事故じゃないか、かつて日航機が羽田沖で墜落したあれに匹敵するような内容を含んでおるのじゃないか、そういう気がしたのでございます。飛び立ってからでもそういうことがあったのでは、あるいは着陸のときにそういうことがあったのでは大変なことになったのじゃないかという気もいたしますけれども、そういうことはあり得ないのかどうか。事故の原因とこれについての運輸省の考え方、御所見、とった措置等についてお尋ねいたしたいと思います。
○細田国務大臣 先に一般的なことをお答え申し上げたいと思いますが、これは大変な事故だと思っております。事故の大きさを結果だけで判断することは間違いなんでありまして、静止しておる航空機に大きなジャンボをぶつけるということでございますから、これはあってはならない事故でございます。こういう意味で、私は特に航空の安全というものについて最大の重点を置いておる立場から、厳重な調査と自今このようなことが絶対起こらないようにということで今いろいろやらせておるところでございます。 詳細については、航空局長から御説明申し上げます。
○山本(長)政府委員 接触事故の概要とその後の措置についてお答え申し上げます。 二月二十八日の午前六時十七分ごろでございますが、日本航空のジャンボ機が所定のエンジン試運転所におきましてエンジンの試運転を行いました後、所定の駐機場まで走行をする必要があるということで走行を開始したわけでございますが、その地上走行を行っております過程におきまして、方向を変えなければならないというポイントのところでハンドルを切ったけれどもハンドルがきがなかった、そのまま真っすぐ直進していくのでブレーキを踏んだけれどもブレーキがきがなかった、このために付近におりましたYS11、東亜国内の飛行機の機首部に接触いたしまして双方が破損した、こういう事故でございます。 その後、私たちは早速日本航空に厳重注意を与え、その原因を究明するとともに、事後の措置について万全を期するように指示をいたしました。 原因は、地上走行中電気駆動高圧油ポンプをオンにすべきところをオンにしないで地上走行を行ったために、ブレーキ・ハンドル系統に高圧の油が供給されなかったのでブレーキ・ハンドルがきがなかった、こういうことが原因でございます。この原因は全く初歩的な手順の誤り、また基本動作を十分重視してなかった、こういうことに帰するわけでございます。 日本航空におきましては、こういった原因から、地上走行を行う者につきましては一等航空整備士以上に限っておるわけでございまして、この人もその資格は持っておりましたけれども、地上走行を行い得る者を現在の資格者の中からさらに限定をして指名するというふうな措置をとるということで、現在検討しておる、かように報告を受けておる次第でございます。
○久間委員 質問を終わりますけれども、これは人の問題でございまして、どんなに機械等が整備されておっても操作する人間をきちっとしておかなければ、こういう事故はこれに限らず思わぬところで出るわけでございますから、どうか今後ともそういうことのないように十分監督を強めていただきたいと思うわけでございます。 終わります。
○福家委員長 次の質問を許します。中馬弘毅君。
○中馬委員 この内閣は行政改革内閣とも言われておりまして、行政改革に対する取り組みは大きな課題であろうかと思います。この運輸におきましても、行政改革の一番の目玉でもございます国鉄の改革がずっと審議の対象になっているわけでございますけれども、国鉄の改革について少しテンポが遅いのではないかというような世論も上がっています。御存じように、電電公社の民営化も含めて、電電公社の場合なんかの方がむしろ労使ともに先行した形になってきております。 国鉄の経営形態の変更を一つの目的とした国鉄再建監理委員会が昨年六月に発足いたしましたが、現在までに八カ月経過いたしております。その間にどのような活動をしてきたのか、これを少し具体的にお答えいただきまして、どういう形で今後やるんだというはっきりとした目標を定めないと、どうするのだ、本当に民営化するのか、あるいは今のままでいくのか、これこそ国鉄監理委員会が決めることではございますけれども、その目標を早く決めないと何か目的が定まらないような気がいたします。そういう意味におきまして、国鉄再建監理委員会の現在までの経過を少し、次長がお見えになっておると思いますので、御答弁をお願いいたします。
○林(淳)政府委員 お答え申し上げます。 監理委員会は昨年の六月十日に発足をいたしまして、ほぼ九カ月たったわけでございますが、当初、基本的な問題に入る前に、まず緊急に国鉄事業再建のためにとるべき措置についての検討をいたしました。そして、昨年の八月二日にいわゆる緊急提言ということで、臨調答申等で述べられた十一項目を基本にいたしまして、さらにこれの具体的な改善項目についての提言をいたしたわけでございます。 それから引き続きまして、法律の規定に基づきまして、五十九年度予算につきまして運輸大臣から付議をいただきました。これに対していろいろ審議、検討をいたしまして、同じく昨年の九月一日に五十九年度予算に対する監理委員会としての意見を申し上げたわけでございます。 それから昨年の九月以降、いわゆる基本的な経営形態の問題あるいは長期債務等の処理の問題、こういう基本問題につきまして検討に入りまして、国鉄問題は非常に複雑、いろいろな問題が含まれているわけでございますので、まずその基礎的な事項について詳細に検討を進めるということで、現段階、その基礎的な検討を進めておる段階でございます。
○中馬委員 現在までに会議を四十三回開いているようでございます。現地視察をやった、あるいは私鉄関係者から話を聞いた、労組との話も行われております。このように努力されていることは認めるわけでございますが、その効果が果たして上がっているのかどうか、少し疑問に思っております。 先ほど御答弁にありましたように、九月一日に五十九年度予算に対する意見が出たそうでございますけれども、これの意見の御披露を少しお願いいたします。
○林(淳)政府委員 昨年の九月に五十九年度の概算要求についての意見を申し上げたわけでございますが、その内容は、まず、現在の状況から見まして、今後の国鉄事業再建を図るためには、とりあえず当面の債務の増大を最大限抑制していく。それからもう一つは、いわゆる収支の悪化をできるだけ防いでいくということで、実質的にその財務内容について改善の方向を目指すことが極めて喫緊の問題である。こういう問題意識のもとに、五十九年度の国鉄予算につきましては、借入金の総額、それから純損失、いわゆる赤字でございますが、赤字の額につきまして五十八年度予算で予定されておる額を上回らないことを目標にいたしまして最大限の努力をしてもらいたいというのが、五十九年度予算に対する監理委員会の意見の要点でございます。
○中馬委員 五十九年度予算においては五十八年度予算の借入金の残高がふえないように、あるいは純損失が大きくならないようにという意見が出されているわけですが、今回編成された五十九年度予算に対比してどうなっておりますか。
○竹内説明員 ただいまの国鉄再建監理委員会の私事務局次長からお話がありましたような点について、監理委員会から御意見をちょうだいしたわけでございます。その御意見を私どもも真剣に受けとめまして、五十九年度予算の中でできるだけそれを反映しようということで努力をいたしたわけでございます。 結果といたしましては、現在の国の財政事情のもとで国からの助成金は前年度に比べまして約五百億円減額となっているような非常に厳しい状況の中でございます。また、利子あるいは年金負担金、退職手当の増というような増加要素がございまして、状況としては非常に困難な状況にあったわけでございますけれども、私どもは、人件費並びに物件費を中心といたします諸経費を極力節約するということで、概算要求に対しまして八百五十億円の節減を損益勘定でいたしたわけでございます。したがいまして、概算要求の時点から見ますと、この予算案につきましては非常に改善されたというふうに考えております。 また、欠損額につきましても、対前年の五十八年度予算を上回らないようにということでございますが、これも結果的に概算要求時点から約六百億円を減少させることができまして、結果として前年度並みの一兆七千百三十八億円という純損失にほぼ近いところまでの圧縮をすることができたわけでございます。 また、借入金につきましても、これを従来、五十八年度予算に比してふやさないようにという御指摘でございまして、これを踏まえまして、私どももただいま申し上げましたような人件費、物件費等の経営費につきましての節減を行うとともに、工事経費の大幅な圧縮をさらに行ったわけでございます。したがいまして、当初これも概算要求時点から、さらに繰入額につきましても八百五十億円の減少を行いまして、対前年度では残念ながら六百億円だけ増加する結果となったわけでございます。これは一方では、相対的に見まして利子負担の増大であるとかあるいは借入金の返還金が非常にふえているというような状況の中でございまして、私どもとしては最大限の努力をしたというふうに考えておるところでございます。
○中馬委員 努力をされていることは認めるのですが、このように監理委員会からの意見にもかかわらず、今概算要求との比較でされましたけれども、五十八年度予算との対比では、純損失、五十八年度予算の一兆六千八百九十億が五十九年度予算では一兆七千百三十八億円、したがって純損失は二百四十八億円ふえているのです。それから借入金にしましても、五十八年度予算が二兆五千六百億円が五十九年度予算では二兆六千二百三十五億円、いまお話しになりましたように六百三十五億円ふえているのですね。数字がちゃんと物語っております。 確かに努力は認めるのですが、努力されてもなおかつこうして赤字がふえていくのが現在の国鉄なんですよ。ですから、根本的に経営形態のあり方以下を変えなければ、ますますこの非常な財政の悪化の中でそれを大きく足を引っ張る役目を果たしているわけでございまして、それだけに監理委員会はもちろんのこと、運輸省、また総裁も思い切ったここでの経営形態の変更までも含む大改革をやらなければならないと思うのですが、どうですか、運輸大臣。このように努力をしても大したことはないのです。内部の努力をしていることのあれは認めますけれども、これをやっておったって百年河清を待つみたいなものですよ。どうですか、運輸大臣。
○細田国務大臣 ただいま中馬委員からおっしゃいますように、相当な努力をしても、現在のままの予算の組み方では限界に来ておるような感じが実はいたすわけでございます。 ちょっとダブる点もございますが、簡単に私が申し上げますけれども、経営費で人件費が去年と比べて二百八十八億円、それから物件費が五百五億円、両方足して八百億という経営費の減をやっておるわけです。八百億の経営費の減というのは、大変な努力だと思うのでございます。人件費一つとってみましても、ベースアップは御承知のようにあるわけでございます。しかしながら、新規採用の停止それから定年でやめていく人、いろいろございまして、これは最大限の努力がなされておるものと実は私は考えております。昨年はどうであったかといいますと、昨年、五十八年度予算で実は人件費、物件費が初めて対前年減になっておるのでございます。それがどれだけかと言いますと、二百六十五億なんです。それに対してことしは八百億の減、特に物件費について去年の対前年百億の減に対して五百億の減まで、これは修繕費も入っておりますからおのずから限界があるのですが、ここまで減らしておる。しかしながら、利息の支払いが去年と今度の五十九年度予算と比べて一千百億円増なんです。利息だけで一千百億円増なんです。相当な努力をしてもそれを上回る利息の増がここに出てきておる、こういうわけでございます。 したがって、私が多少感想を交えて申し上げさせていただきますと、監理委員会のおっしゃることができなければならぬし、何としてもこれはやりたいわけなんです。純損失をゼロにする。今おっしゃったように二百四十八億という数字が残っておりますけれども、去年よりも減らしてぎりぎりで残っておりますけれども、これをゼロにする。それから借入金をゼロにする。ゼロというのは、増加をさせない。これが一応できますれば、ここで歯どめがついて、とにかくそれから後これまでのたまっているものをどうするかということになるわけですから、何としても私は再建の第一歩は監理委員会のおっしゃるとおりに実はしたいわけなんです。 ところが、どうしてもこれが不可能。そのために、工事経費を減らすことも、これは借金につながるものでございますから実はいまだかつてない工事経費の減らし方をいたしたわけでございまして、在来ですと大体一兆円ベースだったわけでございますが、ことしは五千億台まで減らした。ところが、この中には安全を確保するための取りかえ工事が入っているわけですね。ですから、これをめちゃくちゃに減らすと安全の問題につながってくるということで、ぎりぎりであるということです。それに加えまして、客離れ等がありますから運賃改定もなるべくならばやりたくないというふうに私は考えておりましたが、運賃改定で千八百億の増収。これもやむを得ず国民の皆さんに御辛抱いただいて千八百億増収をやる。これをやってもなおかつこういう状況であるという格好になっておるわけでございます。 したがって、私は、臨時行政調査会の言ういわゆる緊急措置、現状の国鉄において予算を組むとすればとにかく最大限の努力をしたところが今回の予算であろうかなと思っておるわけでございます。ですからこれ以上のことをやろうということになりますと、もうやることがないかというと、そんなことはございません。合理化の余地もまだまだあると私は思っております。人間の数も三十五万を切る体制になったけれども、まだまだ切らなきゃならぬと思っておりますが、一応とにかく最大限の努力を尽くした予算だと思います。 したがって、問題は、やはり根本の問題といいましょうか、大きな問題、累積債務、そして累積赤字、この問題に手をつけなければならない状況がいよいよはっきりここであらわれてきておるのではないかというように、この予算を見て感じておるわけでございます。大体結論的に言いますとお説のとおりということでございます。
○中馬委員 国鉄総裁に御決意を聞いておきたいと思います。 電電公社はむしろ労使挙げて民間的な経営の方に、その方が働く人たちの働きがいも給与も上がっていく、そしてまた経営者の方も思い切り自分たちの能力を発揮できるという形で、むしろ民間への移行の方へ労使ともに熱心に動き始めております。国鉄の方も、今むしろ、こういう個々の努力は認めますが、それ以上にそういったことで一つの民間企業体としてのあり方を目指した方がいいのではないか。その方の御決意あるいは御感想を新国鉄総裁からお聞きをしておきたいと思います。
○仁杉説明員 ただいま運輸大臣からお答えがありましたように、国鉄の財政、いろいろな経営改善をいたしましてもどうも悪化の方向がとまらないということでございまして、これらにつきましてはもちろん国鉄としてしなければならないことがございますので、自助努力といいますか、効率化、職場の規律というようなことについては一生懸命に私どもの責任でやってまいるということでございます。 将来の問題は、今監理委員会で臨調答申を尊重しながらいろいろ御議論を願っているということは先ほど御報告があったとおりでございますか、電電等の場合と比較いたしまして二十兆というような負担を持ち、また毎年大きな赤を出すという状態の中で、簡単に民営というところへ行くとかあるいは分割というようなところへ行けるのかどうかということにつきましてはいろいろ問題点があるように私どもは思っておりますけれども、これらは挙げて今監理委員会が非常に御勉強中でございまして、私どもの立場からとやかく言うということはちょっと差し控えなければならないというふうに思っております。私どもとしては、とりあえず我々がなすべきことをきちっとしていくということをいたしたい。それに伴いまして監理委員会にも所要の御意見を申し上げますが、最終的には監理委員会の方で総理に出される答申を尊重していくということになろうかと思っております。
○中馬委員 ただ監理委員会に任せるだけではなくて、国鉄としての一つのはっきりとした態度をお持ちになった方が物事が早く進むような気がいたしますので、ひとつ付言をいたしておきます。 時間がございませんが、関西新空港の問題で少しお聞かせいただきたいと思います。 株式会社方式で動くことになりましたが、少しおもしろいことを御披露いたしますと、あの株式会社方式でいくということが発表されますと、私、地元でございまして、大阪でもどうしたら株が買えるんだといったような問い合わせとか電話がかかってくるのですね。株式会社の民間持ち分はもちろん各財界その他企業関係でということに今はなっているようでございますが、そのことの現在のあり方を少し御披露いただくと同時に、もう少し民間、いわゆる地元の空港だという郷土意識も含めて、別にそれが配当があろうがなかろうが自分は十万円なり二十万円株を買いますよといった方がたくさんいらっしゃるようですから、むしろそういう方々に道を開く方が あのドイツの国民的な一つの企業としてフォルクスワーゲンの株をドイツ国民はたくさん持っておりますけれども、そういうこともあわせて、何か方法がありはしないかと思うのです。そのことについて、現在の状況とそういった幅広く民間に出資の道を開くという方法が考えられ得るものかどうか、ひとつ御答弁いただきたいと思います。
○細田国務大臣 お答え申し上げます。 ただいま中馬先生御案内のように、国の出資八、地方公共団体が二、民間が二、これで一二。あと八八はいろいろな形の借入金、こういう構成でこの会社をやっていこうということで法律を構成し、予算も組まれておるわけでございます。しかし、まだ本物かどうかわかりませんけれども、おっしゃるように大変うれしい話もあるわけでございます。民間がもっと持ってやろうじゃないか、持とうじゃないか、これは将来有望な株じゃないかというような空気が特に関西中心にあるやの話も私ども耳にしておりまして、この点は大変喜んでおるわけなのでございます。 実を申しますと、八、二、二という比率にする中で特に最後まで決まりませんでしたのが、これももう既に御承知と思いますけれども、民間の二というものがなかなか決まらなかったわけでございまして、関西の経済界を代表なさる方々が、これはとてもそれだけの資金を集めることは難しいのじゃないかということで非常にごちゅうちよになったわけでございます。そこで、関西だけじゃなくて全国的な形で集めようじゃないか、それで何とかそれだけは責任を持ってやってみよう、こういうようなことでできないきさつでございます。 私どもは、法律案の御審議を願って、この会社を初めてこれから始めるわけでございますが、この様子を見ながら機動的な運用をしていく。中曽根総理も言っておりますが、できれば民間活力が利用できる、しかも強制的なことでなくて自発的に民間に御協力をいただけるという面が大きくなるということは、国の財政が困難な折からでもありますから、私は大変結構なことだというふうに思っておりますので、今後そういう傾向については遺憾なくキャッチをして、それを会社の運用の上にどうやっていくかということを考えてまいりたい、全体としてさように思っておる次第でございます。
○中馬委員 そのように一つの機運か上がってきているわけですから、逆にそういうことを締め出してしまって、一部の財界と国家権力だけでというような変な意味での反対行動あるいは運動を封じる意味においても、幅広い市民、国民の空港にするという方式、発想の転換が考えられるのじゃないか、そういうことを思いますので、私も今後少し具体的にそういうことを提言していきますから、ひとつ前向きに御検討をお願いしたいと思っております。 それから、関西新空港は、成田があのような状況の中でのもう一つの日本の国際空港ということでございます。規模が少し小さくなり過ぎた 財政状況から仕方ないことかもしれませんけれども、現時点で考えたらそういうことかもしれませんが、長い目で見ますと、むしろもう少し大きく考えていいのじゃないかという気がいたします。第二次計画でそれをされるのでしょうが、そういうことをかなり弾力的にやっていただきたいと思いますと同時に、そういったことに対する今後の一つのビジョンみたいなものを大臣はどうお考えになっているか、その点を最後にお聞かせ願いたいと思います。
○山本(長)政府委員 お答え申し上げます。 関西国際空港の計画全体の構想というものは、先生も御存じでございますが、航空審議会の二回にわたる答申が基礎になっておるわけでございます。当面、第一期計画と称しておりますものは、先生がおっしゃる全体計画に比べれば相当小さなものでございます。しかしながら、この第一期計画というものも全体の構想を踏まえたものでございまして、それの一部を早期に完成いたし、現状、航空需要にも十分対応し切れないというふうな状況を打破するためにも、できるだけ早く、小さな規模でも開港をすべきだ、こういう考え方ででき上がっておるのでございまして、当面のものは将来の全体構想につながっておる計画でございます。したがいまして、第一期の計画を終えましてオープンした後、これは輸送の需要の見通し等も勘案しなければなりません、あるいは財政の事情も勘案しなければなりませんけれども、全体の構想自身は、関西国際空港に関する二回にわたる航空審議会の答申というものを基礎にして将来取り組んでまいりたい、こういう考え方でございます。
○中馬委員 時間が参りましたので、終わります。
○福家委員長 兒玉末男君。
○兒玉委員 運輸大臣並びに国鉄当局、大蔵省に対しまして、先般大臣から所信表明のありました運輸行政全般について質問をいたしたいと存じます。 質問に入る前に、たしか一昨年初めであったかと思うのですが、文藝春秋を通して、屋山という評論家が「国鉄労使「国賊」論」というものをかなりのページを割いてぼろくそに指摘をしているわけであります。私も、昭和十三年に国鉄に職を奉じてから国会に出るまで二十年間、その後、国政の場においても国鉄の問題を一貫して見守ってきた一人として、このような全く事実に反する問題あるいは中傷的な問題等について、運輸大臣並びに総裁は、この屋山太郎に成る文をお読みになったことがあるかどうか、まずそのことについてお伺いしたいと存じます。
○細田国務大臣 お答え申し上げます。 たしか月刊文藝春秋かと思いますが、国鉄国賊論という大変ショッキングな題の論文が出ておりまして、私も新聞広告を見まして早速買いまして読みました。中身は国賊という言葉が使われているほど激越なものではございませんでしたが、とにもかくにも国賊という最大限のべつ称といいましょうか悪名といいましょうか、そういう名前をつけられまして、私自身も国有鉄道の出身でございますし、非常に憤慨をいたしました。国賊が集まって汽車がこんなに満足に動くはずはないと私は思っております。もちろん国有鉄道が反省しなければならぬ点がたくさんあることは、これはもう私もさように思うのでございますけれども、国賊と言われる者が集まって新幹線があんなに立派に動いたり、国鉄がまずとにかく動いておる。しかもこれは戦争が終わった日からもうずっと動いている。私は、さようなことを評論家が、言論の自由といえども、おっしゃることについては非常に憤慨をいたしておるものでございます。
○仁杉説明員 私、当時そう深くではございませんが一読いたしました。大体、今大臣がお答えになりましたとおりのような感想でございまして、もちろん国鉄として反省しなければならない点も中に含まれていると思いますけれども、大部分の職員が一生懸命で働き、その成果として現在ほぼダイヤどおりに列車が動いているという現実を見ております我々にとっては、大変不当と言うと語弊があるかもしれませんが、御非難であるというようなことで、私自身も余りにひどいなという感じを受けた次第でございます。
○兒玉委員 本日は三十分という時間でございますので、一問一答の形では時間が足りませんので、まず私の方から質問すべき問題点を指摘しますので、これに対してまとめて答弁をいただければ幸いかと存じます。 国鉄に関する問題は同僚議員もやりますが、問題点を指摘をしたいと存じます。 第一に、大臣が先般の所信表明で八項目にわたる運輸行政全般についての所信の表明がございましたが、その中で特に私が注目をいたしましたのは、交通行政というのはまず安全性が確保されなくてはいけない、それから時代の変遷に対応する立場から国民に対して良質のサービスをしなくてはいけない、こういうことを冒頭言われまして、まことに私は的を射た表現かと存じます。そういう立場から今日の陸海空あるいは港湾等における交通行政というものが、画一的な施策がとられていない、また一元的な方向がない。かつて私は、中曽根さんが運輸大臣のときにもこのことを強く指摘をしながら、既に二十年間の歴史が経過されていますけれども、一向に前進がない。 第一点は、この総合交通政策に対して運輸大臣は今後どのような施策を展開しようとしているのか。それは陸上交通はもとより港湾、航空、道路、また港湾等は海運関係、船舶関係等広範にわたるわけでございますが、本年度のいわゆる公共事業関係の予算の配分状況なり利用状況を見ましても、道路の場合は全体の中のいわゆる七五%の自主財源、借入金は二五%。空港の場合はわずかに七・九%、港湾は一四・一%。ところが、陸上交通の大きな比重を占める国鉄の場合は九七・五%が借入金に依存する。こういうふうな点から判断しても、やはり国の公共交通に対する総合的な交通政策は必ずしも当を得ていない。まず、この点について第一問をお伺いします。 第二問は、先般の国会でいわゆる地域交通整備に関する全会一致の決議がなされました。福永大臣もこの決議に対して、十分その趣旨を尊重しながら今後の陸運行政の面において全面的な努力をする。同時にまた、昨年の国会でも我が社会党はこれに関する二つの法案を上程しましたが、全くそのままの状態で廃案。公共負担の割引の国庫負担に関する問題と、今申し上げた地域交通の整備に関する問題、なぜ、そういう問題について八十五国会以来の決議が尊重されていないのか。 第三点は、前回の国会で、参議院において貨物輸送等のいわゆる秩序に関する問題を中心に八項目の決議が行われましたが、これに対して運輸省はその後どういうような行政指導をされておるのか。 それからまた、本年の二月二十八日と昨年八月、本年一月の中旬に、社会党並びに交通関係団体から運輸大臣に対しまして五十九年度の運輸関係予算の編成に対する要求、あるいは地域交通の整備に関する、まさに崩壊寸前にある百五十数社等の地方バスの再建に対する財政の問題、あるいは緊急措置の問題等を申し入れをいたしておりますが、五十九年度予算の編成過程においてどういうような論議をなされたのか。 それから、国鉄に関する問題としていわゆる再建監理委員会なるものが発足をしました。二月二十三日で四十二回にわたる監理委員会の審議がなされておりますが、国鉄の輸送業に携わる組合職員の代表である国鉄労働組合あるいは動力車労働組合等の関係の組合、また運輸大臣、さらには国鉄当局に対しまして、監理委員会は意見の聴取なり、あるいは意見の交換なり、あるいは要望なり、そういうふうな作業を行ったことがあるのかどうか。 次の問題は、これは国鉄当局にお伺いしますが、現在大きな課題は、何といっても長期債務の問題であり、また戦後外地等の一切の引揚者を受け入れた、これは財閥解体によって国鉄が国の政策上一時に六十三万を超える膨大な復員者、引揚者あるいは鮮鉄あるいは満鉄、また台湾、樺太など交通関係要員の大幅な受入れを通して、異常な状態の年金対策が今日の大きな財政負担になっていることは紛れもない事実であります。とするならば、この長期負債並びに年金等に関する問題にどう対応をされようとしているのか。 それから、国鉄に関するもう一つの御質問は、現在国鉄が長期債務に対するところの赤字補てんのために、いただいた資料によりますと、今日まで少なくとも公共割引、あるいは五十四年までの貨物政策割引等を含めて、五十八年度現在で約十三兆七千億円の元金、金利を国鉄はそれぞれ関係機関に支払をしておるわけでございまするが、五十八年度で二十兆八千億という膨大な長期債務とこれに関する金利等の償還、公共割引等の負担を考える場合に、このままの状態で再建ができるのかどうか。これは国鉄並びに運輸大臣。 大蔵省に対しましては、先般私はヨーロッパに参りましたが、同じ国有鉄道であるところの西ドイツ、フランス、イギリス等の場合におきましては、少なくとも運輸収入に対するところの国の助成費が、国鉄の二〇%前後に比較しまして五〇%から七五%、それに相当額の年金対策補助金を出しておるわけでございます。同じ国鉄である我が日本国有鉄道に対して、西欧先進国はそのように公共交通の重大な位置づけを理解しながらこのような財政援助がなされております。 同時にまた、先ほど申し上げましたいわゆる金利負担の場合でも、五十八年度では国鉄は実に三〇%を超える運輸収入に対する利子の支払いがございます。ところが、ドイツなりフランスなりイギリス等の場合においては、その負担額も十分の一以下、あるいは半分以下の状況にあることを考える場合に、大蔵省当局としては、このような財政状況に対する措置について西欧先進国並みの状況を十分検討する必要がないのかどうか。 それから、膨大な長期債務について、例えば私鉄等の場合は、我々の聞くところでは、大手の場合は輸送収入に対して平均一九%程度が利子負担の限界と聞いております。その程度であれば恐らく国鉄の場合でも再建の道筋は可能だと存じまするが、その辺の金利負担、同時に、そのことを含めた国鉄の長期債務の軽減措置について大蔵省並びに運輸大臣はどういうような対応をされようとしているのか。 同時にまた、国鉄監理委員会に対しまして、現在の作業状況はほとんど国民の前には明らかにされないまま、雲の上の存在でその作業が進められている。例えば地方交通線の切り捨て、第三セクターへの移管、さらにまた分割論などが新聞で大々的に報道されております。あるいは国鉄の保有する財産、これのいわゆる資産の獲得をめぐって大手の資本が国鉄に殺到している、こういう情報等もあるわけでございまするが、これからの再建の基盤は、やはり現在の形態を存続をしながら有効地のいわゆる関連企業等におけるところの有効活用によって十二分にその財源の確保は可能であると私は思うのでございまするが、これに対する運輸大臣の御所見。 また、統計によりましても、私鉄等の場合、いわゆる総収入の約三五%を関連企業が占めております。国鉄の場合は関連収入はわずか二、三%足らずであります。そこにも今まで民営圧迫の名のもとに国鉄の多面的な経営形態に大きな法的制約があったことも、今日の国鉄の経営を苦しくしている一つの要因であろうかと存じます。 今、国鉄の貨物も旅客も船舶輸送も、いわゆる独占時代はとっくに去っておるわけでございますから、いわゆる公平な競争の原理また公共性というものを力点に置くならば、いたずらに採算性だけが先行されて、国鉄の赤字はけしからぬ、こういう一概的な指摘だけでは、三十数万の国鉄の労働者のこれからの自分の職務に対する情熱もなくなるでありましょう。そういうふうな関連企業等の問題を含めてどう対応をされようとしておるのか。 同時に、企業努力ということが盛んに指摘をされておるわけでございます。屋山太郎氏の論文を見ると、国鉄の大半が怠け者であり、仕事をしない、こういうことでございますが、このことは先ほど大臣のお答えにあったように、決して実態はそうではないのであります。カラスの鳴かない日はあっても日本の鉄道が動かない日は一遍もなかったのであります。みずからも復員して戦後輸送に対応したその中からも、我々は真剣な反応を要望するものであります。 最後の問題としまして、これからの国鉄の経営がいかに対応できるか。既にこの二十年間に十四万五千人の要員削減もしながらその生産性は、ドイツなりイギリスなりフランス等に比較しても数倍の生産性を持っていることは統計が示しているところでございまして、これからの職員が国鉄再建への展望と意欲を持つような行政指導が極めて大事じゃなかろうかというふうに私は考える次第でございます。 以上の点について国鉄、運輸省並びに大蔵省の見解を承って、時間の許す範囲で再質問をしたいと思っております。
○細田国務大臣 非常な広範、多岐にわたる運輸行政全般についての御質問でございますので、私からそのうちの大きい問題と私が思いますような点についてお答えを申し上げまして、足りないところはそれぞれ補足を政府委員なりあるいは国有鉄道の方からしてもらうことにしたいと思います。 まず、総合交通体系の問題でございますが、これは前々から運輸委員会でもしばしば問題になっておるところでございまして、その重要性については言うまでもないところでございます。私どもはいろいろなことをやっておりますが、今年は特に七月一日を期しまして、運輸省の開設以来の組織変更をやろう、そして総合交通政策がうまくいくように、今までの縦割り行政を改めまして政策官庁として脱皮したい、こういうことを実は考えております。この中身についてのいろいろな話は、これは省略させていただきます。 地方交通の問題については、特に重視しておりまして、陸運局長、また各県の知事を中心に、今地方の交通計画をいろいろ立てていただいて、立派なものができ上がっておるところもございますし、まだ手がついてないところもございます。しかし、現在の状況では、地方の交通計画というのは非常に大切だと思っております。その意味で、私はかねがね言っておるのでありますが、地方の知事さんあるいは市町村長さん、特に知事さんが、交通の問題といいますと知事さんのところには直接交通をやる部局というのはないのが通常でございまして、どうしても交通の問題となると運輸省なり陸運局なり海運局なりへ頼むというような形になっておりますが、それではいけないので、むしろ地方行政の大きな柱としての地方交通ということで考えていただく、だんだんそういう方向になってきておもところでございます。法案等も拝見しておりますけれども、御提案のような趣旨で現実にどんどん進めていくことを私たち考えたいと存じておるのでございます。法案の取り扱いについては国会のことでございますから、私、御答弁を申し上げる限りではございません。 それから、総合交通体系の中で特に御発言がございました公共事業費の配分の問題について、国鉄だけが国費がひどい状況になっているのじゃないか、国の費用なりあるいは公の費用、地方公共団体の費用等が国鉄について少ないのじゃないか、こういうことなんでございますが、これはもう全くそのとおりでございます。日本国有鉄道というものが今日まで明治以来百十数年まいりました経緯からこういう格好になっておるのでございますが、これはもう改めてもらわなければならぬというふうに実は存じておるのでございまして、後から一括申し上げますが、監理委員会の御結論の中でこの問題はぜひとも解決をしていただかなければならぬ問題であろうか、このように考えておるところでございます。この、主として投資を借金によるということが今日の累積債務を来し、今日の国鉄の一番大きなネックになっておることでございますので、これはもう監理委員会の、これも御質問にございました長期債務の処理の問題、それから、将来にわたってこれができたもとである今おっしゃった問題を解決するということをあわせて解決してもらわなければならないというふうに考えております。 また、公共負担についてもやや似た問題があるわけでございます。これも法案を拝見いたしておりますが、私ども運輸省の立場、国有鉄道の立場としましては、公共負担というものは、財政的にゆとりのあったときはともかくも、今日のように貧乏をしてまいりますとそれぞれの箇所において負担していただくということでお願いしたいわけでありますけれども、長年の沿革等から、特に予算が窮屈になってまいったということで、今まで長年やってきたことだからやれという格好になっておるのでありまして、これもやはり長期債務、累積赤字と関係のある問題でございます。ここらの問題もやはり一緒に解決していただくことが私は望ましいというふうに思っておる次第でございます。 なお、監理委員会に対して運輸省、国鉄は意見を述べるのかということでございますが、十分私どもの意見は申し述べて、監理委員会の今後のいろいろな政策の策定、御決定にぜひとも私たち、意見は十分反映させてまいりたい、このように実は考えておる次第でございます。 年金等につきましてお話がございましたが、年金と特別退職金の問題がございます。年金につきましては御承知のように、前国会で一応の、国家公務員と三公社を統合していただきましたが、まだまだこの問題は残っております。退職金につきましても、今お話しにございましたように、特別の事情が国鉄についてはあるわけでございます。御承知のとおりでございます。これらの問題も、国鉄財政再建の問題として、一挙に解決をしていただくような方向が望ましいもの、かように考えておる次第でございます。 なお、陸上交通、特に自動車の輸送秩序という問題について、これまた御意見がございましたが、私は運輸大臣になります前にも自動車にいろいろな意味で関係いたしておりまして、実にたくさんな問題がございます。これにつきましても、このままではいけませんので、交通秩序というものを確立していかなければなりませんが、これらの点については自動車局長からお答えをすることにいたしたいと思います。 漏れておるかもしれませんけれども、非常な広範多岐にわたる、いろいろな御意見でございますし、御質問でございますので、特にまた何かお尋ねがあれば追加してお答えをすることにいたしまして、残余のことは政府委員からお答えをさせていただきます。
○西村(康)政府委員 今大臣から全般について御答弁申し上げましたが、総合交通の問題あるいは地域交通整備の問題について若干敷衍させていただきますと、総合交通の問題は、御承知のとおり運輸省としても政策の基本に据えておるわけでございまして、各般の政策を全般的に効率的な政策とするために、常に全体の交通のあり方というものに配慮していかなければならないことは当然でございます。 そういう問題につきましては、御承知のとおり昭和四十六年の運輸政策審議会の答申あるいは交通関係閣僚会議での決定というものがございまして、その方向に沿ってやってきておりますし、また昭和五十六年になりまして、その後の経済社会の大きな構造変化というものを前提にいたしまして、新たな交通政策の展開について答申を受けております。 今運輸省といたしまして、そういった交通政策の展開のために必要なことと申しますと、政策の中身を具体的にブラッシュアップしていくということと同時に、その政策遂行の仕方についての仕組みを考えるということで、先ほど大臣が申し上げましたように、ことしの七月を目指して全般的な行政機構の改革をしたい、それによって貨物は貨物、旅客は旅客というような意味での総合性をさらに確保するような施策に入っていきたいということでございます。 それで、総合交通をどういう考え方で達成していくかということになりますと、この問題は四十六年の答申あるいは五十六年の答申でも示しておりますように、基本は需要者の必要とする方向に従って交通機関の必要なサービスをする体制を確保していくということにあるわけで、これは国の方があらかじめ、こういうふうに必ずなるというふうに需要を決めて、そして、そこへ何が何でも政策的に需要を誘導していくということではない、むしろ本当に国民なり経済がどういう輸送を必要としているかということを常に注意深く眺めながら、それに合わせてやっていくということで、その点では、各交通サービスを提供する機関の自由な活動ということを極力妨げないという配慮もございますし、また一方、全体の方向を見きわめながら、交通の社会資本の整備というものは長期の視点に立って計画的に整備するということでございます。 そういう意味では、長期の方向としては高速交通の整備ということがございますので、全体の社会資本の整備からいいますと、航空交通の整備というのが運輸省の中では漸次重要性を持ってウエートを大きくしてきているわけでございます。 また、物流につきましては、だんだん大きな、長大な貨物というのが軽い貨物にかわりつつある、重心がそちらに移りつつあるということで、やはり社会資本の投資というのがだんだん道路という方に重点が移行しつつあるということもまた全般の傾向だということで、ことしの予算におきましてもそういうことが出ているわけでございます。 また、総合交通の場合に必要な役所側の政策介入としますと、最低限の地域社会でのモビリティーの確保ということがあるわけで、その点につきましては、地域交通を維持するための予算というものを、この厳しい財政下におきましても、離島航路なり過疎バスなり、そういうものの補助というものを従前に増してふやしているというのも、地域交通の維持ということについてはやはり総合交通の見地からやっていくべきだということでございます。総合交通の見地からはまだ残された課題はいろいろございますが、そういった点について今後逐次予算あるいは交通政策の中で実現していきたいということでございます。 それから、地域交通の整備に関する国会の決議の件でございますが、御承知のとおりこれらの中で一つの柱は地域における交通の計画的整備ということで、先ほど大臣が申し上げましたように、すでに半数ほどの府県ではそのような交通計画の策定が逐次進んでおります。できるだけ早くその方向で交通計画を樹立していきたいというように思っておりますし、また特別会計その他の構想によって特定の安定的な財源措置の確保という点について過去二回ほど試みたわけですが、今日の財政事情あるいは実際の特定の財源とその政策効果あるいは負担者の関係ということとの関連でなかなか実施が難しいという状況にあることも御承知のとおりだと思います。ただ、こういった問題につきましては今後とも引き続き検討していきたいというふうに考えているわけでございます。
○角田政府委員 昨年四月の参議院の運輸委員会の「貨物自動車に係る道路運送秩序の確立に関する決議」、これの私どもの取り組み状況でございますけれども、この決議の内容に沿いまして私どもとしては逐次陸運局なりあるいはその出先の陸運事務所なりを指導し、また関係業界も指導しております。 具体的に申し上げますと、一つは厳正な監査の実施、それからもう一つは輸送秩序改善指導員の増強、それから荷主の理解と協力を得るための荷主懇談会の充実、それからさらに荷主業界の所管官庁への協力の要請、それから地区の物流政策懇談会の設置、それから都道府県単位での過積載の防止対策連絡会議の設置、それからさらに運輸事業振興助成交付金によるトラックステーションの整備というようなことを逐次強力に実施しておりまして、参議院の御決議の内容の八項目につきまして私どもとしては今申し上げましたように真剣に取り組んでいるわけでございますが、さらに努力を重ねてまいりたいというふうに考えております。
○竹内説明員 先ほど過去債問題と年金問題についてお話がございました。私どももこれから国鉄の経営を再建する、またいかなる経営形態を考えるにいたしましても、この二つの問題というのは基本的に解決すべき最も重要な課題であるという認識をいたしておりますし、また監理委員会並びに政府に対しましてもこれを申し上げておるところでございます、 それともう一つ、この中でも年金問題につきましては、先般の国家公務員並びに三公社の共済組合を統合する法律が成立を見たわけでございまして、共済組合が受給者に支給するという点については危機的な状態を回避できたわけでございますが、その支払いの財源となります国鉄の負担金につきましては、依然として五十九年度予算案におきましても六千億を超える負担をしなければならない状況でございます。これらにつきましては今申し上げました今後の問題ということでございますので、ぜひこれにつきましては解決をお願い申し上げたいというふうに考えておるところでございます。 それから、外国鉄道との比較あるいは過去債務に伴います利子負担が経営上どういうような状況になっておるのかということでございますが、過去債務から生じております利子負担につきましては、現在損益勘定では約一兆一千億でございますが、その他工事勘定あるいは特定債務整理特別勘定で利子補給をいただいておるものまで含めますと約一兆五千億を超える利子負担になっておるわけでございます。この損益勘定との割合を見ましても、損益勘定に占めます利子負担というものが運輸収入との間でどんなかかわり合いがあるのかということでございますけれども、これも負担率と申しますか収入に占める比率というのが約三〇%前後になっておるわけでございます。御承知のように、私鉄各社の割合から見ますと非常に大きな割合になっておるわけでございまして、これが実質的に国鉄の経営収支を大変に圧迫しているということは御指摘のとおりでございます。 外国鉄道との関連でございますけれども、外国鉄道の助成金につきましては、特にヨーロッパの各国につきましてはかなり大きな助成が日本の国鉄と比較してみますと行われているということは現実でございます。 それから、生産性がどうなのかというようなことでございますが、これはヨーロッパと比較した限りにおきましては、日本の国鉄というのは各国の国鉄よりは生産性は上がっているということは言えると思います。ただ、内容的に見てみますと、ヨーロッパの鉄道は旅客よりもむしろ貨物主体の鉄道でありまして、内容的にかなり日本の国鉄と様相が違いますので、単純な比較はいささか難しいのではなかろうかというふうに思っておりますが、現在私どもの一応手元にあります資料から見ますと、そんな状態になっているということが言えるのではないかというふうに思っております。
○日高説明員 今、国鉄御当局から御答弁ございましたように、営業収入に対する国鉄助成の割合がヨーロッパの方が高いということは先生御指摘のとおりでございますが、私どもといたしましては、それぞれの国の事情、例えば理想形態とか人口密度、あるいはそのそれぞれの国の国鉄における合理化努力の取り組み方、それぞれいろいろな違った要素がございますものですから、国鉄助成の外国比較を見ます場合に営業収入に対する割合だけから判断するのはいかがかなというふうに考えております。私どもとしては、現在の厳しい財政状況のもとで国鉄助成について精いっぱいの努力をしているというふうに御理解いただければと思います。’それから第二点目の利払いの問題でございますが、確かに国鉄の財政状況を見ます場合に利払いの問題が非常に大きな問題になっている、そういう意味からも今後の国鉄の財政を再建していくという場合に長期債務の問題が非常に大きな課題であるということは御指摘のとおりでございますし、私どももその点は十分認識しているつもりでございます。この問題につきましては、現在国鉄再建監理委員会で十分検討が進められておりますので、その結論を待って私どもとしても適切に処理してまいりたいと考えておりますが、ただ一点申し上げたいのは、現在の厳しい財政状況のもとでは今後国鉄助成をふやしていくというわけにはなかなかまいらない。したがいまして、当面この問題を考えるに当たりましても、いわゆる緊急対策を徹底的に行うことによりまして、収入の確保なり経費の削減ということで行っていただく以外にないのではないかというふうに考えているわけでございます。
○細田国務大臣 ちょっと、大事な点が一つ答弁漏れがありました。 関連業務をもっとやらせるべきじゃないかという御質問がございました。現在、御案内のように、国鉄の経営形態そのものが監理委員会を中心に議論されておるところでありますが、いかなることになりましょうとも、国鉄は関連業務をもっとやらせるべきであるというふうに考えておりまして、その方向で努力をいたさなければならぬと思っております。
○兒玉委員 もう時間がありませんので、三十秒だけ申し上げます。 所管は総理府でございますけれども、私は、監理委員会の責任者がこの運輸委員会の場で参考人として出席できるように、ぜひ大臣から格段の御配慮を要望申し上げて、私の質問を終わります。
○福家委員長 この際、答弁者に申し上げます。 答弁は、簡単明瞭にして質問者の納得のいくよう常に勉強しておいてくださるよう、委員長から切望いたします。 田並胤明君。
○田並委員 過般行われました運輸委員会における運輸大臣の所信表明に対しまして、幾つかの点について質問を申し上げたいと思います。 大臣、所信表明の中で、運輸行政の要請は安全の確保と良質な輸送サービス、これは将来にわたって安定的に国民に保障することが基本的な課題だ、このようにお述べになっております。まさにそのとおりでありまして、同感でございます。翻って、現在のこの運輸行政が果たしてそうなっているのかどうか、この点について、特に陸上交通関係についてお尋ねをしたいわけであります。 例えば鉄道を例にとって見た場合、人口過密の大都市圏では朝夕のラッシュ時の混雑率がもう既に二〇〇%を突破して、ひどいところでは二七〇%にも到達をするという、各鉄道とも人口急増に対応した努力はされておるようでありますが、なかなか人口急増に追いつけずに通勤地獄と異名をとるような状況が毎年続いているわけであります。特に、私どもの住んでおります埼玉県の東部、西部、あるいは神奈川、三多摩、千葉、茨城、東京に隣接をするこの地域におきまして恒、国であるとか各都県の人口予測、これをはるかに上回る人口急増ぶりでありまして、今や慢性的な通勤地獄の状態が続いております。大臣の言う安全性、そして良質なサービスの確保、快適、しかも利便性、これらが保障されなければいけないわけでありますが、まさにほど遠いという状況であると言わざるを得ません。 一方、地方におきましては、今児玉先輩の方から御指摘がありましたように、大変過疎化が進みまして、またモータリゼーションが急速に進んでいるということも相まちまして、地方の公共交通の存在が危機的な状況になっているのは御案内のとおりであります。そのことによって被害を受けるのが、交通弱者と言われるお年寄りや子供や体の不自由な方々であります。公共交通の利用しかないというこの方々が地方の公共交通から締め出されて、将来にわたって良質な輸送サービスを受けるところか輸送そのものがなくなってしまうという、まさに深刻な事態が地方の過疎の方面には出ているわけであります。 〔委員長退席、鹿野委員長代理着席〕 また、五十九年度の運輸省予算の中の国鉄関係助成費を見ますと、大都市交通の施設整備の補助金を初め、踏切保安の施設整備費補助、さらに防災事業費の補助、これらが軒並み減額をされております。大臣の言われるように五十九年度の経費の節約が八百億ほどになるということで、その努力は認められますが、臨調行革路線とはいいながら、少なくも事安全に関係をする予算の確保、あるいは国民の足を確保するための地方交通線への助成、さらに大都市圏における通勤地獄解消のための輸送力の増強というものをなおざりにして、大臣の言うところの安全性の確保であるとか、将来にわたって安定的に国民の皆さんに良質な輸送サービスを保障するんだということにはなり得ないのじゃないだろうか、こういう気がしてなりません。ぜひ大臣の御所見を、基本的なことで結構ですからお伺いをいたします。 時間の関係で少し飛ばしませんと切れてしまうようでありますので、もう一つ大臣にお伺いをしたいのは、今言ったのは施設面の問題でありますが、二つ目に特に国鉄関係でお伺いをしたいのは、安全の確保と良質なサービスの提供というこの問題についてもう一つ重要なことというのは、労使関係の安定ではないか、あるいは正常な関係を保つということが非常に重要なことではないかと思うのです。そこに働いている人たちが不安定な形で、生活に不安を抱いて、あるいは安全に不安を抱いて仕事をやっておったのでは、大臣の言う安全なりあるいは良質なサービスの提供というのは現場段階で崩れてしまうのではないか、こういう気がいたします。 御案内のとおり、国鉄の労使関係というのは公労法の適用でございます、国鉄関係の労働組合は。私どもとしては不当だというふうに考えますが、法律上、今労働基本権の一部が制約をされておるのは御案内のとおりです。つまり、団結権、団交権は保障されておりますが、ストライキの行為は禁止をされております。その代償の機能として公労委、そして調停、仲裁の制度があるのは、もう私が申すまでもなく御案内のとおりであります。ところが、昨今の国鉄の労使関係を見てみますと、保障されているはずの団結権の阻害というのがどうも若干当局の対応の中にあるのではないかという危惧がされるわけであります。具体的な事例は申し上げませんが、基本的な考え方についてぜひお伺いをしたいと思うわけであります。 それと、労使関係を正常化してお互いの信頼関係を確立する基本というのは、今申し上げましたように、あくまでも団結権をきちっと保障し、労使関係の問題は主体的に、自主的に労使がそれぞれ話し合いをして物事の解決をしていくというのが基本であろうと思います。 〔鹿野委員長代理退席、委員長着席〕 また、ストライキを禁止した代償機能としての公労委の調停あるいは仲裁制度につきましても労使双方が守るのは当然であります。ところが国鉄当局は、財政の厳しい折ですから大変な努力をされたと思うのですが、五十七年度においても五十八年度においても完全実施ではございません。仲裁裁定の不完全実施であります。手当を減額したり、あるいは裁定が出たにもかかわらず半年以上、ことしの場合には一年もベースアップの実施を延ばしている、こういう状況であります。財政的な問題が確かにあるということについては十分過ぎるくらいわかりますが、少なくもストライキ行為を禁示をした代償として設定をされている公労委、そこから出された仲裁裁定についてもし不完全実施しかできないというのだったらば、いっそのことここで労働基本権全部を与えるべきであります。そして自主交渉、自主解決を、国鉄当局に当事者能力を与えて解決をすべきが最も近代的な労使関係であろう。それも認めない。一方では、ストライキ行為を禁止をした、制約したその代償機能として認めておる仲裁も不十分にしか実施をしない。これでは働いている人たちはまさに踏んだりけったりであります。国鉄は今大変厳しい状態にある、だけど、将来に展望を持ってしっかりやればそれだけの報いがあるのだ、こういう対応を国鉄当局は示すべきですし、指導監督をする運輸省はそのことをぜひひとつ御指導願いたい、このように思うわけであります。 さらに、いよいよことしも賃金の改善要求が出ておるようでありますが、先ほども申し上げましたように、もう既に本会議においても、あるいは昨日の与野党書記長・幹事長会談の中でも人勧、仲裁についての尊重、実施をするという努力目標が明らかにされたわけでありますから、ぜひひとつ運輸大臣の方も国鉄の当局に対して基本的にそういう立場で御指導、御援助を願えればありがたい。大臣のお考えをお聞かせを願います。
○細田国務大臣 まず第一に、東京を中心にいたしましたいわゆる首都圏の交通問題は、非常に大きな問題、運輸省の抱えておる問題の中で一番大きい問題の一つであろうと思っております。大変な立ちおくれでございます。というよりも、人口の増加の方が速くて追いつかない、追いついていない。おっしゃるように大変な混雑でございます。全然やっていないわけではないので、地下鉄の増強だの延伸だの、あるいは総武線の東京乗り入れだのいろいろなことをやっておるわけですが、とてもこんな程度では足りません。そこで、ただいま私どもの方の運輸政策審議会を中心に首都圏の交通はいかにあるべきかということを早急に結論を出していただき、まあ金が相当かかると思いますけれどもこれはやらなければいかぬ、また鉄道の本来の使命が最も生かせるという場面でもございまするので、特に力を入れてまいりたいと思っております。 なお、これに関連いたしまして最近起こっております現象は、地方における都市化が非常に進んでおります。県庁所在地その他の大都市を中心にした通勤交通の問題がこれまた非常に問題になっておると思うのでございまして、これらの点については今後特に力を入れてまいりたい、かように存じておる次第でございます。 それから、順序が少し不同になるかもしれませんが、労使関係の大切なことについてはおっしゃるとおりでございまして、私ども、かねがねさように存じておるところでございます。現在の制度では、御案内のように公労委がございましていろいろやっておるわけでございますが、今お話しのございました中で、不完全実施をしておるということは私どもはないのじゃなかろうか。ベースアップについては今までのところ完全実施をいたしておるのではないか、手当でこれが実質上不完全じゃないかとおっしゃればそれは別でございますけれども、それから、時期がおくれておるというのは、国会に提出しておりまして、国会の御議決、御承認をいただく関係でおくれて、後から一括払っておると思いますが、その問題はともかくとしまして、制度自体としてどうするかということは、御案内のように電電公社については既にある種の前進が見られるようなことにもなっておるようでございますが、国鉄も経営形態の問題とあわせてこの問題は当然考えられなければならない。一方で争議権の問題、一方で調停、仲裁、いわゆる公労委の体制というものをどうするかということが、これは当然経営形態の問題と関連して御議論になることと思います。しかし、現在の状況下においては、仲裁裁定というものが出ましたならばこれは尊重するのが当然でございまして、私は仲裁裁定を実施しない、不完全実施をするということは現行の法制上これはできない、やってはいけないということであるというふうに了解しておりますし、そのように努力をしてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。 あとの点につきましては、政府委員からお答えをさせていただきます。
○太田説明員 国鉄の労使のかかわりについて若干の御質問がございましたので、補足的にお答え申し上げたいと思います。 先生御指摘のように、良質なサービス、安定した輸送の確保のために労使の協力が大事だ、まさにおっしゃるとおりでございますし、さらには職員が意欲を持って遂行するということもまた基本的な要素でございます。そのように努力をしてまいったつもりでございます。さらに努力していきたいと存じておる次第でございます。 それから、関連しまして団体交渉の進め方について御指摘ございましたが、組織が非常に広大でございます。幾つかの段階に分けて団体交渉をやっておるわけでございますが、これは総論的に申し上げますよりは具体的にそれぞれの事案に対応して真剣に論議をしているところでございます。先般五十九年二月一日に、いわゆる五九・二ダイヤ改正を実施させていただいたのですが、これに関しましても、本社段階、地方段階、それぞれ相当な回数、しかも長期にわたって議論を尽くし、円滑な実施にこぎつけたところでございます。 それから賃金関係につきまして御指摘がございましたが、基本については大臣のおっしゃったとおりでございます。我々といたしましても、仲裁が出ました時点でそれについての完全な実施ができるべく努力を続けてまいったところでございまして、五十七、五十八両年度につきましても基本給についての実施は確保し得たところでございます。手当につきまして若干の減額を余儀なくされたのでございますけれども、これは経営状況、業績あるいは公務員人勧との関係、その他各般の状況を勘案いたしまして、五十七年については若干の削減、五十八年につきましても夏期と冬の手当について若干の削減をいたしました。年度末手当について、まだ現時点でいろいろ検討中でございます。
○田並委員 ただいまの大臣答弁なりあるいは国鉄の答弁ですが、安全の確保と良質サービスの確保、これは本当に運輸の要請でございますので、私の方からお願いをした大都市交通、地方交通、さらに国鉄にかかわる安全施設等々の問題について、予算措置等を含めてぜひひとつ今後とも全力を挙げて努力をお願いしたいということ、さらに仲裁裁定の完全実施については手当を含めて、かなり厳しい財政事情であるということは百も承知でありますが、少なくとも先ほど申し上げましたように、将来にわたって国鉄に働く労働者の人たちに、厳しいけれどもとにかく努力をすれば明るい展望が切り開けるんだということをきちっと与えるような対応を一層努力されたい、このように思います。 次に移ります。 地域交通政策の推進についてお伺いをいたしますが、その第一点は、先ほども大臣の方から御答弁がありました地方陸上交通審議会における各県部会から出された答申に対して、運輸省はどう対応されようとするのかということについてお伺いをするわけであります。 既に、十一の県部会、あるいは北海道の場合には一つの部会でございますが、答申が出されております。これらの中に大体共通をする課題として、幾つかの答申を見てみますと、指摘をされていることがございます。 一つは、地域交通を守るためにフリーストップ制を導入したらどうだとか、あるいはデマンドバスと言いまして、呼び出しがあればそこへバスが向かっていくという、こういう制度を導入したらどうだとか、あるいはバスがいつ来るのか、待っている人にすぐわかるようにということでバスロケーションのシステムを導入したらどうであるとか、乗り継ぎ施設を改善をするべきであるとか、いろいろ極めてきめ細かく、しかも利用者の利便を考えた答申というのが出されているわけであります。これを一つ一つ着実に実現していけば、まさに大都市における、あるいは地方都市における国民の足というのでしょうか、これが大いに守られ、しかも地方交通機関というものが貢献をするというふうになると思うのです。 しかし、これも実際に実施に移す段階で、特に大都市圏のバスにしてもあるいは地方都市のバスにしても、経営が非常に悪化をしているということはもう御案内のとおりであります。企業努力で何とかできるものと、多額な経費を要してどうしてもできないもの、こういうものがあります。もちろん、地方バスの施設整備についての補助も運輸省の方では相当考えているようでありますが、この答申を生かして、地域交通を守る立場からさらに助成措置をもう一歩真剣に考えてみたらどうか、このように思うのですが、これについての運輸省のお考えをひとつお聞かせを願いたいと思います。 それから、地域交通政策の第二点目は、先ほど基本的な問題でお尋ねをした大都市圏における交通網の整備の問題とさらに交通環境の整備という点についてお伺いをしたいわけであります。 先ほども申し上げましたように、東京を中心にした神奈川、千葉、茨城、さらに埼玉東部、西部、三多摩、この辺の鉄道の混雑率は、過般、国鉄総裁も何か常磐線ですか総武線ですか、現地視察をされて、二七〇%の混雑率でびっくりしたという、あるいは駅舎が非常に古くてこれはどうにもならないとか、階段が狭くてどうにもならないとかいうことが新聞記事に出ております。大体どこでも同じようであります。逐次改善はされておりますが、まさに通勤通学者は連日通勤地獄に悩まされているというのが大都市圏の交通の状況であります。また、大都市部におけるバス輸送も実は慢性的な道路渋滞によって定時運行が不可能になっている、こういう状況であります。これも御案内のとおりであります。これが結果的にバス離れに拍車をかけてきている。まさに大都市圏における交通政策の欠如というのがこういう状態を現出をして、結果的に利用者へしわ寄せをしている、このように私は思うのであります。大都市圏における輸送力の増強と交通環境の整備についてどのような政策をもって推進を今後しようとするのか、ぜひひとつお考えをお聞かせを願いたいと思います。 あわせて、先ほど言いました県南の西部、東部、これに関係をする国鉄線として東北線と高崎線がございます。この輸送力の増強については前から指摘をされ、逐次改善はされておりますが、依然として二五〇以上の混雑率が連日続いているわけであります。通勤新線が来年の三月、上越・東北新幹線の開通と同時に赤羽—宮原間が開業される予定だと聞いております。ぜひこれらを利用して高崎線への乗り入れ、あるいは現行貨物線として大宮から赤羽まで通っておるこれらの貨物線を利用して、もうちょっと高崎線、東北線の輸送力の増強というものを国鉄は考えるべきではないか。抜本的には高崎線も東北線も複々線にするのが一番いいわけであります。なかなかそのことは困難でありましょうから、とりあえずの措置としてこれらのことをぜひ真剣に考えていただきたいと思います。 ちなみに申し上げますと、東京を中心にして放射状線の鉄道が、東海道、中央、総武、常磐、高崎、東北と走っておりますが、この中で特急斜、急行料を払って乗ってくるのは高崎線と東北線だけであります。ほかは大体快速という電車が通っているんですね。高崎線は、しかも黒字線の中の一つであります。まことにどうも、お金はいっぱい取る、黒字になって国鉄には貢献をする、サービスはなかなか返ってこない、こういう状況が高崎線であり、東北線であります。こういう事情もぜひ御賢察を願って、大都市圏における輸送力の増強の一環として、今申し上げた点をぜひ実現をするようにお願いをしたいし、考え方を国鉄からお聞かせを願いたいと思います。 さらにもう一つ、これは大都市圏における輸送力の増強とちょっと離れて申しわけないのですが、国鉄の財産、要するに遊休地の活用の方法について、私どもは、基本的に国鉄が最も有効に活用するべきである。売っ払ってみても、結果的には借金の穴埋めに焼け石に水のような状況であります。それだったらもうちょっと頭を絞って、知恵を出して、国鉄として何かもっと有効に活用され、国民から喜ばれ、しかも収益の上がるようなことを考えたらいかがなんだろうか、こういうふうに思うのです。 例えば、大宮操車場駅三十三万平米が五九・二によって遊休地になりました。今は貨車の墓場であります。使っていない貨車が野ざらしになって、国鉄に長く勤めておった人にとってみると、まことに昔日の感がするというんですね。こんな状態に国鉄はなってしまったのか、と。あれがもっと、仮に遊休地になったとしても、本当に国鉄のために大いに役に立っている、おれたちがあそこで働いておったところがこういうふうに立派になったというふうに言われるように、もうちょっと国鉄も知恵を絞ってやるべきじゃないかという話をしばしば聞くわけでありますし、私も高崎線で国会へ来るわけでありますから、いや応なしに大宮操車場の跡地が目に入ります。まさに墓場であります。貨車の墓場であります。やはりこれの有効活用というものを国鉄はもっと真剣に考えるべきだろう。万が一、どうしても売り渡しをしなければいけないというときには、まず自治体に相談をして、自治体の都市計画やら、あるいはそこに住んでいる人たちのためになるような形で自治体に最優先をさせて、その活用を任せるべきだ、このように思いますが、この辺も含めてお考えをお聞かせを願いたいと思います。 最後までやってしまいますが、地域の交通政策の第三点目として、地方バス対策についてであります。先ほども申し上げましたように、今、地方バスは大変危機的な状況に陥っております。過疎化の進行、モータリゼーションの影響、これらによって利用者が急減をし、赤字を理由に路線の廃止が続いております。五十八年度の運輸白書ではこのことを指摘をして、「地方においては人口の過疎化と相まって公共交通の維持が困難になり、それに依存せざるを得ない人々の足の確保の問題が生じている。」というふうに指摘をしているわけであります。さらに、先ほど申し上げました地方陸上交通審議会の各県部会の答申の中でも、いわゆる交通弱者の対策として、地区の実情に応じたシビルミニマムの確保について提言をし、地方バス対策の重要性を、十一出ている答申の中ですべてが指摘をしているわけであります。地方バスの危機というのは、その地域の人々の生活を危機に陥れるだけではなくて、実はまさに地域そのものの崩壊にまでつながるそういう重要な問題であります。 しかしながら、運輸省は、その地方バス対策について軽く扱っている、と言うと怒られますが、予算的には昨年よりも補助額をふやしているのですが、先ほど申し上げましたが、現状の指摘はあるのですけれども、しからばこれをどういうふうにするかというのが五十八年度の運輸白書の中には明らかにされておりません。ところが五十五年、五十六年、五十七年とずっと見てまいりますと、地方バス対策についてずっと出ているのですね。そして五十五年度の白書では、先ほどの府県部会の答申と同じように、地域の実情を踏まえて、シビルミニマムとしての公共交通の維持確保に努める必要があると、ここでも地方バスの重要性を指摘しているわけであります。わずか三年で運輸白書から消えてしまった。別に他意はないのでしょうけれども、うがった見方をすれば、いよいよ地方バスもこれで終わりになるのかな、こういう感をするのは私一人だけではないと思うのです。今日まで地方バスの補助制度の適用を受けておって三年間補助を受けておった第三種の生活補助路線については、五十八年度から第二種に格上げをするか、自治体に代替バスを出させてそれに移行するか、これをしませんと、昨年の十月以降、これらの切りかえ措置のできない地方のバス路線については補助対象から外されて、廃止をするということになってしまったわけであります。 細かな内容は申し上げませんが、結果的に昨年の十月現在で今日まで走っておったたバスで廃止になったのが全体の五五・六%であります。何とかして残ったのが四四・四%であります。もちろん五五・六%の中には完全に廃止したところ、その他未決定を含めてでありますが、こういう厳しい地方バスの実態であります。しかも現在二種路線であっても、現在走っている二種路線のうちの大体三割から四割が三種路線に転落するのは時間の問題だという状況にあるようでありますから、これまた転落をしますと路線が廃止されてしまう。ますます交通弱者と言われるお年寄りや子供や体の不自由な方々の足が守れなくなる。しかもその地方の過疎化が一層進行していく。こういう厳しい状況にあるわけであります。ぜひひとつ地方の人々の足を確保して地域の活性化を促し、住んでいてよかったというような地方をつくり上げるために、運輸省は今日までも努力はされておりますが、さらに積極的に地方バスの維持強化の方向に政策転換を図るべきだというふうに思います。 以上申し上げて、三点の問題について地域交通政策の関係を、関係の皆さんの方から御答弁をいただきたいと思います。
○西村(康)政府委員 いろいろ御質問がございましたが、まず最初に地方の交通計画の実施の問題について申し上げたいと思います。 御承知のように、この交通計画は大体十年ぐらい先の各県の交通状況を想定いたしまして計画的な整備をするということでございます。具体的にどういうふうにやっていくかは、鉄道なりあるいは道路の整備を前提としたバスの整備なり、それぞれの交通機関の整備の種類によりましてその整備の仕方というのはいろいろとあるわけでございますが、今お話しのうちで、地方の交通が特に維持困難なものについて現行以上にこの交通計画の実現のために助成をしたらどうだ、強化したらどうだというお話でございますが、助成の強化というものも、もちろん必要な地域について、どうしても足の確保をしなければならない区域については今後実施していかなければならないわけです。しかし、いたずらに助成を拡大していくということは、全般としての地方交通の確保、また財源的な面での効率化ということも考えなければいたずらな拡大ということになりますので、私どももできるだけ効率的な仕組みの中で助成の問題をいかに一番必要なところへ重点的に振り向けるかというような考え方で取り組んでいかなければいけないだろうということを考えております。 それから、大都市交通につきましては、特に首都圏においては著しい交通混雑があります。特に通勤通学輸送は、首都圏の人口構造が全く変わったということが現在の交通混雑を招いているわけで、その点の問題につきましては、先ほどから申し上げておりますように、一昨年の九月に運輸政策審議会に諮問いたしまして現在鋭意検討をしております。どういうネットワークをつくっていったらいいか、それを具体化するにはどういうふうにしたらいいか、非常に今日のような財政制約もございますし、また実際に新しい鉄道をこういう人口稠密地域につくるということについては非常な問題もございます。建設費は非常に高くなっている、そういった問題をどのように解決していくかということもあわせ考えながら、これから将来の交通の万全を期すということで現在検討を加えているわけでございます。 このような地下鉄等鉄道を中心とした輸送計画を遂行いたしましてその面の整備が進行いたしました場合に、私ども現在の路面交通の混雑緩和の一つの有効な施策になると考えておるわけで、路面交通の混雑も通勤の鉄道混雑に劣らず非常に深刻な問題を生じていることは御指摘のとおりでございます。そういう点で、鉄道による混雑緩和方策とまた並びまして、各都市では優先レーンだとかあるいは新バスシステムだとか新交通システムの整備というようなことでいろいろな工夫をし、あるいは先ほどお話のあったデマンドバスというようなことも取り入れて何とか魅力あるバスということと、混雑状況の中でバスの優先的な運行を確保するという施策を関係省庁ともよく相談しながら進めていきたい、そういうように考えております。
○岡田説明員 お答え申し上げます。 首都圏の放射五線につきましては、御承知のように首都圏の通勤通学を支える大動脈ということで、昭和四十年代からその増強に努めてきているところでございますけれども、人口の増加の方が著しくて、現状では特に先生御指摘ございました東北線方面、高崎線方面を初めといたしましてさらに輸送力の行き詰まりを来していることは事実でございます。このため、国鉄におきましては、五十九年二月、つい最近でございますけれども、東北線、高崎線の中距離電車をそれぞれ二往復ずつ朝のラッシュ時間帯に貨物線を利用いたしまして赤羽まで乗り入れをするということと、より抜本的な解決策といたしまして、先生の御指摘にもございましたけれども、宮原—赤羽間に主として新幹線に併設をいたしまして通勤別線を建設をするということで隘路区間の解消に鋭意努力をしているところでございます。これらの線区の列車の運行方につきましては、今後一層の推移を見きわめながらさらに検討してまいりたいというふうに考えているわけでございます。 また、大宮操車場の跡地の問題について御質問がございましたけれども、この操車場、当面は貨車留置のために使用することになるわけでございますが、いずれにいたしましても、ごく近い将来におきまして相当大規模な用地が発生をすることになるわけでございますが、これらの跡地の利用につきましては、将来の鉄道計画を踏まえ、本来事業としての活用あるいは関連事業としての活用等の組み合わせにより有効に活用してまいりたいと考えておりますけれども、何分にも当該地は大規模である。それの活用に当たりましては、なお当該地区に必要とされる鉄道施設の移転等の問題もございます。さらに当該地域が今まで貨物の操車場ということで、街路でございますとかあるいは下水等の公共施設の整備のされていない地区でございますし、さらには周辺地域、都市計画との整合を図る必要もございますので、学識経験者、国土庁、建設省、住宅・都市整備公団、埼玉県、大宮市、与野市、浦和市、それに国鉄をメンバーといたします大宮・浦和核都市拠点整備計画調査委員会というものが設けられております。その中におきまして、当該地域を含みます広範の地裁を核都市としてどのような機能を持たせるべきかということについての御審議が進められておりまして、それらの御審議を十分拝聴いたしまして、そういったものを踏まえながら活用を図っていきたいというふうに考えております。
○角田政府委員 過疎バスの点について私から御説明いたしますが、過疎バスの状況につきましては、先ほど先生がお話しになりましたような状況であることは間違いございません。ただ、私どもとしては、バスというのはやはり地方における最後の公共交通機関でございますので、これの維持につきましては最大限の努力を払っているわけでございます。五十九年度の政府の予算案におきましては前年に比べて九千万の増の九十七億四千万というような過疎バス対策の補助の予算を組んでいるような状況でございまして、六十年度以降につきましても、この過疎バスの維持について私どもとしては最大限の努力を地方と一緒になってやってまいりたい、かように考えております。
○田並委員 もう時間がございませんので、最後に大臣の方に要望を申し上げますが、今申し上げたように、大都市圏においてもあるいは過疎地域においても、陸上輸送の関係については大変厳しい困難な状況にあるということについてぜひ御理解を願って、運輸省として国民の足を守るという観点からの一層の施策の充実をお願い申し上げて私の質問を終わります。
○福家委員長 午後一時から再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時三十三分休憩 ————◇————— 午後一時六分開議
○鹿野委員長代理 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。富塚三夫君。
○富塚委員 私は、主として大臣の所信表明について、その考え方についてまず冒頭に御質問いたしたいと思うのですが、私も昭和十八年、満十四歳で国鉄に入ってから四十年ぐらい国鉄にかかわっていますから、だれよりも国鉄の問題を考えたり勉強したりしているつもりですが、一口に言って、国鉄再建計画というのが国民の側から見て非常にわかりにくい問題になっているという点について、まずその行政当局の責任者として、まあ運輸行政だけではないのですが、行政の継続性があるのかどうかということの問題について第一にお尋ねをいたしたいと思います。 五十五年十二月二十七日に法律の第百十一号によりまして、日本国有鉄道経営再建促進特別措置法が決まりました。これについて国会の内外で大変議論を呼んだわけですが、とりわけ国会の中でのやりとり、九十二回国会のやりとりの議事録を見ますと、例えば我が党の吉原委員の質問に対して、繰越欠損の棚上げ、六兆円の当時の繰越欠損は経営を圧迫するので当然別途処理を考えなければならぬ、あるいは財政助成についても、国鉄の公共性、しかも高度に国民生活に大きな影響を及ぼす基幹産業であるから、国はできる限り助成をする。あるいは同じ吉原委員の質問に、当時の山地鉄監局長は、地方交通線助成金額を考えていくといったようなことを答弁されているわけであります。国鉄を再建するという観点に立つと、非常に前向きに政府の姿勢を答弁されているのですが、さっぱり実行がされていないような感じがするのです。もちろん財政再建という課題があるからなかなか難しい点もわかりますが、こういった問題で、果たして細田運輸大臣は行政の一貫性という問題について、この法律ができたときからのいきさつなどを十分考えて、それを踏襲してやる意思があるのかどうか、その点についてまずお尋ねしたいと思います。
○細田国務大臣 お答えいたします。 特別措置法ができて国鉄の経営改善計画というものをつくって、それに基づいてやるということについては、今日までただいまの体制というものは特別措置法に基づいてやっておるということだと思うのでございます。ところが、その法案の審議の過程についていろいろ御議論があった一部について今御披露がございましたが、やれておることとやれておらないことがある。そういうことのためにあたかも一貫性がないようにも受け取れるように実はなっておるというのが偽らざるところの実情ではなかろうか、こう思うのでございます。 〔鹿野委員長代理退席、委員長着席〕 我々運輸省の当局者としては、毎年毎年、予算の時期にもさようでございますが、随分と努力をして、いろいろ補助金の問題その他の問題、特に一口に言えば国費から金を出すということについて努力してきておるのでございますけれども、財政が非常に困難である、一般会計が非常に困難であるということから、これが思うように満たされておらない、削られておる、こういう形をして今日まで来ておるということだと思うのでございます。 その結果、その後第二臨調が誕生いたしまして、この状態では改善にならぬのではないか、つまり、先ほど兒玉さんの御質問にお答えいたしましたが、一部合理化等につきましてはある程度のことは進んでおるけれども進まないことは一向進まない、こういうことで、第二臨調から、これは基本的には措置法でいいが、そのやれてないところをもう一遍やらなくてはいかぬじゃないかという趣旨の御答申をいただいたものと私は考えておるのでございます。それを受けて、今監理委員会で具体的にこの根本問題をいろいろやっていただいておる。そういう意味で継続をしておるということが言えると思うのでございます。 しかしながら、見方によれば全然継続しておらぬじゃないかという見方ができるかもしらぬ程度に、大きな、例えば累積債務が減少の傾向にならないというようなことは御承知のとおりでございます。
○富塚委員 大臣の所信表明の中で、冒頭に、現在国鉄監理委員会において経営形態とかあるいは長期の債務問題を含めた国鉄再建の全体的方策について鋭意検討中である、運輸省も積極的に協力するつもりであるとありますが、つまり、再建監理委員会の結論が出なければこれからの再建方策というものは明確に出てこないのかくるのか、そこのところの問題をまずお尋ねをいたしたいと思うのです。 御案内のように、特別措置法の制定を受けて、あるいは監理委員会設置と相まって、十項目の閣議決定を積極的に推進をするという立場に立って努力されてきておるようですが、今、大臣も、思うようにはいかぬ、しかし基本的な問題は監理委員会の答申を待って考えたい、こう言っているのですが、基本的な国鉄の再建計画は監理委員会の答申を待って政府が策定をするのだと理解をしていいのかどうか、その点お尋ねします。
○細田国務大臣 大体は先生のおっしゃるとおりなのでございますが、こういうことになっておると思うのでございます。 運輸大臣、運輸省は国鉄の監督機関であり、政府の中で国鉄に対して責任を負っておる役所である、こういうことなのでございます。しかし、去年できました法律で再建監理委員会というものができて、再建監理委員会は、第二臨調の答申の線に沿ってかくかくのことを決めろ、こういうためにできた、こういうことになっておるわけでございまして、そういう意味では、運輸省の持っておりました権限が去年できた法律によって多少修正といいましょうか、多少変わってまいっておると理解しなければならぬと思うのです。 それでは、なぜそういうものができたかということは、もう国会で御審議になったので私があえて申し上げるまでもございませんが、政府としてどうしてああいうものをつくったか、しかも行政組織法八条でつくったかといいますと、私はこういうことだと思います。 運輸省という監督官庁だけでこの国鉄の問題、特に累積債務の問題あるいは共済組合の問題、特別退職金の問題、そういった問題を解決していくには余りにも問題が大きくて、政府全体に絡んでくる問題である、したがって、政府が挙げてこの問題に取り組んでもらわなければ解決できない、こういう判断が出てきたと思うのでございます。そのために、そういった問題については法律によって監理委員会で考えてくれ。これは総理府に置いてあるわけでございますが、総理府に置いてあって運輸大臣の関係の諮問機関でないという意味は、私はそういう意味だと思うのでございます。政府を挙げて国鉄を何とかしなければならぬということのためにあの委員会ができた、こう思っておるのでございます。 そこで、それでは運輸省はあれが出るまでは何もできないのかということなのですが、当然の監督権を持っておりますから、いろいろなことについては——もちろん不可能なこともたくさんございます。ただ、経営形態をどうするかという問題について言いますと、これは問題を預けたような格好になっておりますので、担当の大臣として、担当の省として意見はもちろん述べなければならぬ。場合によっては国鉄も、国鉄総裁も、当該の者ですから大いに述べなければならぬと思うのですが、一応は監理委員会にお預けしてある、こういうことでございます。したがって、事柄によっては、監理委員会の御審議をまつまでもなく国鉄についていろいろやることは当然やらなければならないし、可能である、こう思っております。
○富塚委員 私は、運輸省行政当局も政府も一体だと思っているのです。別に運輸省ができないから別な場面で考えるという問題ではないと思います。 それはさておきまして、日本国有鉄道の経営する事業の再建の推進に関する臨時措置法というのが去年できました。これは運輸省なりあるいは監理委員会の所管事項がかなりダブって羅列してあるのですが、大臣の所信表明は全体的方策を待つということで、どうも感じとしては、今まで特別措置法でうまくやろうとしたけれどもうまくいかなくなった。もちろん、国家の行政改革という大義名分もありますし、第二臨調の答申を受けて監理委員会設置という問題もありますが、結局、監理委員会の結論を待ってやらなければ、経営形態を初めとするあらゆる問題について政府や運輸省だけではうまくいかないから全体的に考えたのだということになると、監理委員会の答申を待って、そこから基本的なこれからの国鉄再建のことを考えていくと理解していいと思うのですけれども、その点どうですか。簡単にお答え願います。
○細田国務大臣 法律の第五条にございますとおりでございますから、経営形態の問題、それから長期債務の問題についてはお説のとおりでございます。
○富塚委員 そこで、監理委員会の林さんがお見えになっておりますからお聞きしたいのですけれども、電電、専売の改革をこの国会でやった後に、少なくともこの夏ぐらいには監理委員会が答申、中間答申になるかと思うのですけれども、出すのではないかといろいろうわさをされているのですけれども、監理委員会はいつぐらいをめどにいわゆる答申を出そうとするのか、あるいはどういうふうな中身の問題に触れようとしているのか、お答えできる範囲についてお願いをいたします。
○林(淳)政府委員 お答え申し上げます。 まずスケジュールでございますけれども、法律によりまして、いわゆる効率的な経営形態の確立とか長期債務の問題とか、こういうような問題について適切な解決をして、それでいわゆる国鉄事業再建の体制を整備するという、この体制整備の期限というものが法律に書いてございまして、これは昭和六十二年七月ということになっております。監理委員会は昨年の六月に発足をいたしておりますので、その間約四年ということになりますけれども、この体制整備というのは、新しい効率的な経営形態というものが確立されているという前提でございますから、したがって、そのための諸般の準備等が政府側でございます。したがって、監理委員会としては、大体今のところ、スケジュール的にはその四年のうちの前半、すなわち二年間で審議を終えまして、それで御意見を申し上げる、後半の二年間で政府の方で諸般の実施措置を講じていただく、こういう考え方でございます。したがいまして、二年間と申しますと来年の大体中ごろ、そのころを目途としまして結論を取りまとめてまいりたい、こういうことでございます。 中身については、現段階まだ、国鉄問題は非常に膨大でございますし、中身も非常に複雑あるいは難しい問題もございますので、現在その基礎的な事項について詳細な勉強をしている最中でございますので、まだその方向というものは出ていないというのが現段階でございます。
○富塚委員 結局、監理委員会の答申が出て、政府が受けて立って、どういうふうに基本的な再建問題を考えていくか、そうなるというのは常識ですね、あの法案ができたときの。なかなか答申が出てこない。それまでの間に、仮に閣議決定の十項目を推進をするとか、あらゆる点で労使も努力し、いろいろなことをやっておりますけれども、一体先行きがどうなるのかということがわからないで労使が努力をする、いろいろな努力をすることを考えてみても、これはどうもすっきりしないのではないかというふうに思うのです。 その点で私が運輸大臣にお願いいたしたいのは、監理委員会がどういうめどでいわゆる審議を進めていって答申をしようとするのかということと、その総論、各論の問題などもやっぱり十分運輸大臣が、運輸省が関心を持って、もちろんやっていると思いますけれども、そういうことを国民の前に明らかにしていく必要があるのではないかという観点から考えるならば、監理委員会の方々、責任者はこの国会に出て、具体的に審議をしている過程とか問題点をきちっと整理をされて、議論をされてしかるべきなんじゃないか。それが大臣の言う監理委員会の答申をまつ、方向をまってということにもなるだろうし、その点で私は、監理委員会の皆さん方がどのようなことを検討されているのか、そしてそのことを運輸省も、運輸委員会の場でも国会の場でも積極的に取り上げて、議論をしていく、意見交換をしていくという考え方に立っていいのではないかと思うのですが、そういうことについて、ひとつ大臣の見解をお伺いをいたしたいと思います。
○細田国務大臣 前半の御質問ですが、確かに根本的な問題が決まらないでとりあえずのことをいろいろやるといいましても、これは限界があるということはおっしゃるとおりだと思います。ただ、余りに根本問題が大きくて難しいものでございますから、この限界がある範囲内でとにかく努力を続ける。閣議決定の十項目、臨調の十一項目というようなものをやらせるということをやっておるわけだと思っておるのでございます。しかし、その中でも、私たちは、監理委員会の動向、考え方というものを、一遍にある日突然出てくるわけじゃありませんから、十分つかみながら対策は立てていかなければならぬ、こういうことではなかろうかと思うのでございます。 ただ、ただいまの時点では、いわゆる分割の問題、民営化の問題、それから長期債務の処理の方式の問題というものについてまだいろいろ御議論があるようでございまして、私ども、はっきりつかめるというところまで至っておりません。そこで私どもも非常に悩みも多いわけでございますが、問題が問題でございますから、一生懸命監理委員会でおやりになっている、こういうように承っておるのでございますが、私どもは、できるだけそういう情報は連絡をとりながら得ておかなければならないというふうに思っておるわけでございます。 国会の委員会に出席のことにつきましては、これは運輸大臣が申し上げるという性格のものではなくて、国会対政府の問題でございますが、この種の機関でございまするので、一般の行政官庁や政府関係機関が出るのとはおのずから異なるわけでございますので、委員会の中で御審議を願って御相談をいただくということにならざるを得ないのじゃなかろうか、かように思っておるのでございます。ほかの審議会等の例もございますし、私もいろいろ承知しないわけではありませんが、これは委員会の中でよく御相談をいただくということにお願いしたいと思っております。
○富塚委員 結局、監理委員会は聖域みたいになって別の場所で議論をしている。中身の問題は全然国民に知らされない。これは第二臨調のときも大きな話題になったのですけれども、しかし、国鉄再建をするという基本的な命題を受けての監理委員会なんですから、しかも、何回も再建計画を策定してもうまくいかなくなった現状を踏まえての問題なんですから、やはり国民の前に明らかにしていくということがあっていいのじゃないか。 またもう一つは、二月一日、国鉄のダイヤ改正で、たくさん操車場とか貨物駅の用地が浮いた、空き地になった。そういうところをどう活用するのかという問題は、国鉄の多面的、多角的な経営、今後問題になるでしょうが、私鉄と国鉄のベース、あらゆる問題もその時点で議論されると思うのですが、そういう問題なども基本的にかかわってくる問題ではないかと思うのですね。ところが、片方は、どんどんと部分的なものはやっている。片方は、監理委員会の答申が出るまでじっと待っているなんというぐあいでは、これでは余りにも国民に対して、今まで何回か再建計画を法律でつくって策定をしてきてうまくいかなかったという経過を踏まえるならば、この問題はやはり十分に考えていく必要があるのじゃないか。だから私は、もし監理委員会のメンバーが出られないなら、大臣がきちっとその中間的な報告をするとか、あるいは政府のしかるべき人がやるとかいうことがあっていいと思うのですが、この点に対してひとつ見解をお聞きしたいと思います。
○細田国務大臣 大変重大な御質問でございまして、二月に貨物関係の大変革がありました。それによって貨物の設備の敷地が相当遊休になっておるということは事実でございます。これを一体どうするのか。また、貨物の合理化の問題は別にいたしましても、国鉄は財産を持っているわけでございまして、これを一体どう活用して再建に資していくかということは大きな一つの課題でございます。その根本的な問題が、今二年というようなお話が次長からもございましたが、それが決まるまでは何も手がつかない、何もできないというようなことがあってはならないと思うのでございますね。 ですから、これにつきましては、一方から言いますと、長期債務をなくするということ、累積債務をなくするということと国鉄の財産の処分なり活用なりの問題ですから、非常に重大な関連があるわけでございますね。したがって、私は、ここに何らかのブリッジといいましょうか、根本的な問題がこういうふうに確定したというような前に、財産の問題についてはどういう方向で行く、どちらに間違ってもこれはやらなければならぬというような方向で一つの方向が打ち出されて、これがどんどん進められていく。ある程度のものは、一遍に全部というわけにはいきませんけれども、あちこち問題になっておるわけですから、これは進めていかなければならない、基本的なものが決まるまで待っておるというわけにはいかない、かように思っておりまして、これは運輸大臣の責任であるというふうに思っております。国有鉄道とも十分に相談しなければならぬ問題ですし、また監理委員会の皆さん方とも相談をして、過渡的に、経過的にどうするかということについては御意見を承って処置しなければ当面どうにもならない、こういうことになると思います。
○富塚委員 総合交通政策という問題が議論されてから久しいのですが、私は国鉄におって国鉄を見てみて、今人も来ない、お客さんも来ない、荷物も寄ってこない、そこに今度は格差運賃も導入するみたいな感じに——これは後で質問しますが、とにかく陸海空の輸送量をどう調和するかという問題が大事な課題であろう。 かつて第一次オイルショックのときに、江崎さんですか通産大臣のときに盛んにやり合ったことがあるのですが、例えば東京—大阪間、飛行機は重油が十倍必要なんだそうです。私は素人だからよくわかりません。油が十倍新幹線よりも必要だ。だったら、東京—大阪間は少なくとも新幹線利用に誘導するような交通産業政策というか、コントロール政策をとるべきじゃないのかとオイルショックのときに申し上げました。しかし、富塚さん、そんなことはできませんよと言って、江崎さんは頭をかいておられたのですが、御案内のように飛行機は満席ですね。そして、私も選挙区から車で通うと、東名高速などは大型トラックで年じゅう渋滞ですよね。国鉄にはお客さんが来ない、貨物も来ない。そんなことをいつまでやっていても再建計画は一体どうできるのか。根本的な問題は、私は、いかに交通のコントロールをするかという、そういった政策を運輸大臣が進めるべきだと思うのです。できるもの、できないもの、あると思うのです。そういうことを進める傍ら、いわゆる再建監理委員会の動向と相まって次の展望を考えるということはできないのですか。まるっきり人も荷物も来ないからぶらぶらしているような感じに国鉄に働く人たちは悪口を言われるのですが、荷物も人も来たらそんなふうにならぬわけです。そういう点について大臣、いかがでしょうか。
○細田国務大臣 交通政策上の重大な問題でございます。今の私どもの考えとしましては、いわゆる統制というようなことで法律的な制限をどちらかにして、そして一方のものが一方へ流れるということは、これはやる考えがございません。したがって、今オイルショックのときのお話がございましたが、エネルギーの問題からおのずからある程度の制肘といいましょうか、ある程度の規制というものは考えられておりましたが、御承知のように石油が少し緩んでまいったために、この問題がずっと後ろへ下がってしまいました。 私どもが今考えておりますことは、運賃なり制度なりの面で、競争の中においてもおのずから今の現状をある程度変えていくということを中心に考えていかなければならぬのじゃないか。こういう意味で、私たちは運賃の問題、航空運賃と鉄道運賃との関係をどうするかといった問題、特に貨物について言えば、トラック運賃と鉄道運賃との問題、またトラックの運賃が必ずしも守られておらない問題もございます。陸上交通の秩序維持の問題もございます。また、過積載の問題もございますね。そういったような問題がいろいろございますが、そういう運賃とか制度の面においていろいろな配慮をする余地がまだあるのではないかとおっしゃられるならば、これは大いにまだある、また勉強しなければならぬ。国有鉄道という立場から見ると、国有鉄道がもっと勉強してもらって、場合によっては個々の運賃が安くても全体の収入が上がるというようなことも考えてもらわなければならぬだろうし、そういうことがいろいろまた考慮の余地が十分あるというふうに考えております。
○富塚委員 そこで、運賃問題を今大臣言われたのですけれども、飛行場で飛行便の増便をどんどんと認めていく、そして一方では飛行機の競合について考えなければならぬ。同じ運輸省の所管なんですよ。そんなばかなことはないんじゃないかなというふうにいつも思うのです。だから、飛行機をコントロールして鉄道に乗せるみたいなことができないということはないんだ。そこのところがどう考えても、行政一元的な指導をしておられる運輸大臣としてはちょっと僕は考えていただきたい問題なんですけれども、そういうふうに思います。 そこで、運賃の問題なんです。恐らく緩和法案ができたときを思い起こしてみますと、物価上昇を基準として国民生活の安定を十分考える、その基本があるわけですが、今回の運賃値上げ問題が出されてきました。加えて、その格差運賃導入という問題が出てきたわけです。 まず運輸大臣に第一に質問したいのは、国鉄運賃を公共料金とみなしているのかいないのかという問題の概念です。考え方です。これをまず第一にお尋ねをいたしたい。 それから、格差別運賃を導入して、聞くところによると、たった五十億という増収だと聞くわけですが、我々は、憲法十四条の法のもとに国民の経済的な利益は平等であるという観点や運賃法から見ても問題があるんじゃないかというふうに思っているわけです。たった五十億の金ならば、いわゆる他の費目を流用することによって生み出すことはできないのかというふうに率直に疑問に思うわけですが、どうして格差運賃を導入をしなければいけないのかということの問題。全国ネットワークの体制をとっておるのですから、線区別原価主義をとるというのはやっぱり私は間違いだと思います。そういう点で、まず格差運賃の導入を撤回する意思はないのかどうかということの問題についてお聞きをいたしたいし、この点について運輸審議会の金田さんにもお尋ねしたいのです。 三番目の問題として、実は国鉄ではダンピング運賃政策をやっているわけですわ。これは大変な問題なんじゃないかと思うのです。これは国鉄から出された資料ですが、すでに九州などから東京に来るときには、飛行機の運賃より安くするためにいろいろな工夫をして切符の発売をしているわけです。Sキップと言っているわけですが、これが宣伝をしている。門司の管理局などは、うちの方は十分もうかっているからそんなことをやらぬでいい。ところが東京では、それを売ってない。鹿児島や大分とか向こうの管理局では売っているわけですね。しかもこの中で、当局から出された資料を見ますと、航空機の対策としてこういう運賃を設けているんだ、こういうふうに書いてあるわけですね。私は思うのです。各管理局に増収の割り当て、収入の割り当てをするわけです。一生懸命現在の制度の中で働いているわけです。増収政策を考えるわけです。上から命令をする、当然だと思うのです。それがために、飛行機とタイアップすることを考えない限りお客さんを引っ張ることができない、乗せることはできないから運賃のダンピング政策を公然とやらせているわけであります。本社は認めていないと言っているのですが、これは後で国鉄当局の見解を聞きたいのですが、一方では格差運賃を採用してやれ、一方ではダンピング政策をやれ、暗黙で認めている、そんなばかなことが国民の立場から許されていいのかどうかと私は非常に疑問に思うのです。 そういう点について、この格差運賃制度の問題と、五十億問題を他から持ってくることはできないかという問題や、果たしてこういう運賃のダンピング政策をとらせているということについて運輸大臣は知っているのか知らないのか、あるいは運輸審議会で今運賃問題が申請されて審議されていると思うのですが、この点について一体どういうふうにお考えになるのか、お聞きいたしたいと思うのです。熱海の旅館で買いますと、東京に出てくる切符が二割安く買えるのですね。そういうことも営業政策だとしてやっているのでしょうけれども、そういうことが今の運賃法からいって運賃制度として一体許されていいのか、その点の見解をまずとりあえずお伺いいたしたいと思います。
○細田国務大臣 最初に、国鉄運賃は公共料金がどうか、これはいわゆる公共料金であると思います。公共料金ということは法律用語ではないのでございますが、公共料金の代表的なものの一つと考えておることについては間違いございません。 それから、格差運賃のことでございますが、これにつきましてはもう随分といろいろな議論がこれまでも運輸委員会でも闘わされておると承知しております。随分古い話からあるわけです。国有鉄道の場合は、やはり全国単一運賃と総合原価主義ということで終始してきたわけでございます。今申請を私ども受け付けておりますが、今度初めて三段階の格差運賃が出てきておるわけでございます。これはもう私は申し上げるまでもありませんけれども、特別措置法に地方のローカル線についての格差運賃の条文が入ったということ、それから臨時行政調査会の答申にやはり運賃に格差を設けるべし、またそれを受けて国鉄再建監理委員会から御勧告といいましょうか、これは差別をつけるべし、理由は私がるる説明しなくても、なぜ差別をつけるかということは御承知ですから申しませんが、そういった格好を受けてただいま申請をしてきておるということでございます。要するにローカルについては例えば私鉄と比べても国鉄の方が非常に安い、電車区間のようなところでは国鉄が著しく高い、こういう格好であるから、もう昔と違って競争の時代ではないかということからこの議論が出、こういうところまで参っておると思っております。したがつて、これについては、純粋な立場で議論をいたしますると、議論はいろいろあり得ることは当然だと考えておる次第でございます。 それから、もう一つだけ申し上げておきますと、航空機の便数を減らして鉄道にそのお客さんを運べるようにしたらどうか、そういう統制的なことは現在の段階では考えないというのが建前でございます。これは、飛行機の便数を減らしてその分国鉄へ持っていくのだというような考え方はとらないということをはっきり申し上げておきたいと思います。 運賃の割引の制度については、いろいろなことがこのごろ営業政策上あるようでございまして、何かフルムーンですとか、いろいろな愛称がついた割引があるようなことを聞いておりますので知っておりますが、中身の詳しいことはよく存じません。国鉄からお答えをさせたいと思います。
○金田説明員 ただいまの問題につきまして運輸審議会の方の考えを申し上げます。 御承知のように、国鉄の今回の運賃改定につきましては、格差運賃の問題も含めまして国鉄から運輸大臣の方に申請がなされまして、運輸大臣から運輸審議会に諮問がなされ、これが二月七日に諮問がなされておりまして、運輸審議会としましては鋭意これを今委員の方々で審議中でございます。これは従来いつのときでも同じことでございますけれども、今回特に私どもとしても配慮しておりますのは、そういう格差運賃ということもございますので、例えば学者先生とかあるいはジャーナリストのような方を参考人としてお呼びして御意見を伺うこともあるわけですけれども、これは従来どちらかというと都市の、東京とか大阪とかの出身の方を呼んでおったわけですけれども、今回は九州の方の新聞の方とかあるいは北海道の方の大学の先生あたりをお願いいたしまして、そういう方面の御意見も聞くようにいたしております。 それから、S切符ということでございますけれども、これは実は運輸審議会は運輸大臣が国鉄から申請を受けたものを諮問を受けるわけでございますけれども、御承知のように、国鉄運賃法の八条で、総収入に著しい影響を及ぼすことのない運賃及び料金の軽微な変更については、これは運輸大臣にも語らなくて、国鉄総裁限りでできるようになっているわけでございます。したがいまして、そのこと自体につきましては運輸大臣にも申請されないわけですから、当然運輸審議会にも諮問はなされておりません。しかし、審議の過程でそういうようなことが増収努力の一環として、そういうS切符ばかりでなくて、フルムーンとか何かもあるでしょうけれども、そういうものがもろもろあるということは承知しております。
○富塚委員 きょうは総括的な問題の質問ですから、また時間の関係もありますから、いずれこの問題は大きな国民的な問題であろう、私はそう思いますから、徹底的にこの問題を国民の土俵で議論してみたい、機会を改めて質問いたしたいと思うのです。 ただ、国鉄運賃は公共料金だ、こうおっしゃっておって、後の何か附則がついているような感じですが、電信電話でも郵便でもたばこでも電力でも水道でもガスでも公営企業でも、これは全部公共料金はやはり国民の負担は同一の立場に立ってやっているわけですね。国鉄運賃だけが格差制を採用するというのは大いに問題がある。私は撤回をしていただきたい。同時に、過疎地における格差運賃の負担は、学校の設備も悪い、あるいはお医者さんもいない、医者の設備も悪い、いろいろありまして、とにかくそういう問題はすぐに撤回をしていただきたい。今度の今審議会にかかっておりますが、政府は撤回をするようにしていただきたい。 いずれこのダンピング問題と運賃問題は、格差問題は大変な問題ですから、最後までひとつ国民の土俵の中で議論をしてみる必要があるだろう、私はそう思います。 最後に国鉄当局に。この前の毎日新聞の夕刊に出ておったのですが、過員の措置の問題についてどうも私は解せないのですが、過員の運用は労働条件の変更とは言えないということで太田職員局長談話が出ているんですが、なぜ、そういう根拠がどこにあるのかということをお尋ねいたしたいと思います。
○太田説明員 取材がありましていろいろお話ししたことがございますが、具体的なことはなかなか紙面に限りがあると見えまして書かれておりません。舌足らずの表現になっておりますが、お尋ねでございましたので考え方を申し上げたいと思います。 合理化は毎年毎年具体的に積み上げてやってまいります。その年によって特徴がございますし、本年度二万八千九百人という合理化目標について、五十九年二月一日、いわゆる五九・二のダイヤ改正でその主軸を達成したわけでございますが、それぞれの合理化が実施されますと、いわば仕事をやるべき定員、仕事をこういう形でやるべきだと定めているそのいわば目安が定員でございますが、ある部分、合理化を実施する部分について定員が不要になります。ところが、現在員は存在しているわけでございますから、その時点でいわゆる余剰人員というものが発生いたします。それは毎年毎年いろんなパターン、いろんな態様で出てまいります。そうやって出てまいりました余剰な人員についての対応については、非常にたくさんなやり方があるわけでございます。配置転換もございますし、あるいはやがて年度末になればいわゆる特別退職でやめていく。いろんな対応がありますが、とにもかくにも余剰になったその時点でそれぞれの希望を聞いたりあるいはその人員の活用を図るということを従来もやってきたわけでございまして、そういう関連において要員の運用、要員の活用、あるいは操配というのは当局の責任において実施するというのが原則でございまして、配転協定でありますとか、雇用安定協定でありますとか、あるいはいろんな定めに準拠しながら対応していくといういわばその一般的な原則について申し上げたのを、ああいう表現で記載されたのかと存ずる次第でございます。
○富塚委員 最後に一言。 ちょっと舌足らずの点があったと太田常務も申されましたが、私も過員の配転が労働条件じゃないなんと言ったら一体どういうことになっていものかなとちょっと変に思ったのです。 大臣、最後に一言お願いしたいのですが、国鉄は労使の協力がないと再建ができない、多くを言う必要はないと思うのであります。閣議決定に基づく諸項目もかなり進捗のテンポを速くやっているが、やるだけまた矛盾もたくさん出てくるわけですね。労働者の雇用の問題も出てきている、そして総元締めの再建計画の問題はなかなか出てこない、一体どうすればいいのか、職員はかなり今不安な中に生活しているように思うのです。そういう点で、国鉄問題について労使の関係が悪くあっていいとは大臣は言わぬでしょうが、もっと積極的に大臣の方から労使の協力する姿勢を指導してもらいたいという問題と、今言うような過員問題は明らかに労働条件であり、労働基準法あるいは従来の公労委の見解にも明確に示されているのですから、そういう話し合いをして、何か労使が突っ張っているような感じじゃないように指導していただきたいということを大臣に要請申し上げまして、終わることにします。
○細田国務大臣 どのような形でございましょうとも、国有鉄道を経営していくのにはよそから人を持ってくるわけにいくものではございません。したがって、現在やっておる労使は一緒になって頑張ってもらわなければならぬことはもう言うまでもないところでございまして、円満なる労使関係を立派な慣行として確立されることを期待しておる次第でございます。
○福家委員長 この際、暫時休憩いたします。 午後一時五十四分休憩 ————◇————— 午後三時三十四分開議
○福家委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質議を続行いたします。近江巳記夫君。
○近江委員 大臣の所信表明をお伺いいたしまして、御質問をしたいと思っております。 私は、特に、まず初めに空港問題から入っていきたいと思っておりますが、国際社会の中におきまして二十四時間離発着のできる国際空港がない、こういう点が国民の非常に願望でもあったわけでございます。今回関西新空港ができる、こういうことで法案も閣議決定され、本委員会でまた後ほど審議することになっておりますが、この関西新空港、この建設が順調にいけば六十七年開港、こういうことに相なろうかと思いますが、同時に、忘れてならないのは現大阪国際空港の問題であります。この関西新空港と大阪国際空港、これはまさに両輪の存在でもあるわけでございます。こういう中で何点かの問題につきましてお伺いしていきたいと思います。 まず一つは、現空港におきまして第四次、第五次訴訟、もう十年経過するわけでございますが、先般来裁判所からもこの和解案が提示をされまして、訴訟団といたしましてはそれを受け入れる、むしろそういう態度が固まっておるようでございますが、いわゆる政府の態度というものがどうなるか、かたずをのんで皆見守っておるところでございます。そういう意味におきまして、この和解案の受け入れについて政府としてはどういう考えでおられるのか、これにつきましてまず第一点お伺いしたいと思います。
○細田国務大臣 現在の関西空港の公害訴訟に関しましては、先般、御質問にもございましたように、和解の勧告が出ておるのでございます。原告側はいち早く和解をのんだわけでございますが、政府といたしましては、運輸省、法務省、大蔵省その他関係の省がございますので、いろいろ協議中でございましたが、本日午後和解をのむことに、政府として和解を承諾することに決定をする通知を出すことにいたしております。これでこの問題は解決をすることになろうかと思います。
○近江委員 それはきょう決定されたわけですか。
○細田国務大臣 書類の諸手続は終わっておりまして、きょう午後四時にこれを出すということになっておるわけでございます。ちょうどきょうに当たっておるわけでございます。
○近江委員 本当にこの十年のそうした長い争いであったわけでございますが、裁判所のそうした和解を受け入れたということは非常に結構だったと思います。 そこで、問題は夜九時以降の問題でございますけれども、これは夜九時以降ということは、自主規制といいますか、政府、航空局のたしか局長名であったと思いますが、約束しておられたわけでございますけれども、これはしかと今後とも夜九時は厳守するということは約束されるわけですね。大臣にお伺いします。
○細田国務大臣 今度の和解には午後九時の問題は出ませんけれども、昭和五十八年十一月三十日付の航空局長の地元の対策協議会長あての書面でお約束を申し上げておるとおり、当面午後九時以降発着するダイヤは認める考えがありませんということをはっきりいたしております。
○近江委員 本当に期せずしてきょう決定ということを聞いて、私もびっくりしておるわけでございますが、十年の長きにわたった今回の裁判でございまして、これを和解を決定された。大臣として非常に感慨深いものがあろうかと思うわけでございますが、ひとつ大臣の感想をお伺いしたいと思います。
○細田国務大臣 この種の問題、私は円満に十三億という和解案で解決したことは大変喜ばしいことだと存じておりますが、やはり率直な感想を言わせていただけば、長くかかり過ぎているなという感じでございます。本件に関しては、ようやく決着いたしましたので、大変喜んでおる次第でございます。
○近江委員 これは第四次、第五次訴訟の和解でございますが、あと調停の問題もあるのですね。この調停に対してはどういうように今後対応なさるのですか、今回の和解を踏まえて調停に対して。その点をお聞きしたいと思います。
○松村説明員 先生御質問の調停団との交渉でございますけれども、和解を踏まえまして、早速交渉に入りたいと思っております。これも一刻も早く何とか解決の道を探ってまいりたいと考えております。
○近江委員 その姿勢はわかったわけですが、その姿勢の中身といいますか、もう少しお聞きしたいと思うのです。
○松村説明員 十三億の和解金の積算につきまして、政府部内でいろいろ議論がありました。そのとき、個々の方々の事情をどういうふうに判断してどういう基準で積算をすべきか、相当突っ込んだ議論がなされました。その結果、一定のルールと申しますか一定の基準が、個々の方々の事情にどう当てはめるかということの基準が政府内部でできております。その基準を踏まえまして、今後調停団の方々の個々の事情をよく御調査申し上げて、その上で積算をしてまいりたいと思います。そういった調停団の方々の個々の事情に対して政府内部で一応議論されましたルールを当てはめて決定した金額、そういったものを積算いたしまして、それをもとに調停団との交渉を行ってまいりたいと思っております。
○近江委員 今、政府委員の方からはかなり前向きの御答弁があったわけですが、大臣としてはこの調停に際しまして、いかなる決意、方針で臨まれるか、もう一度お伺いいたしたいと思います。
○細田国務大臣 できるだけ速やかに、話し合いができ上がることを期待いたしております。
○近江委員 大臣からも夜九時厳守するという確約がございました。非常に悩む住民にとってはそういう点では評価すると思います。 そこで、長い十年の中で和解を決定されたわけでございますが、また一面は、和解したら対策の手を抜くんじゃないかという不安があるわけでございます。そういう不安は全くないのかどうか、今後の取り組みにつきまして、その方針をお伺いしたいと思っております。
○細田国務大臣 そのようなことは政府としても信用にかかわることでございますし、絶対に御心配ないようにいたしたいと思っております。
○近江委員 ぜひそうしていただきたいと思います。 この関西新空港の建設に伴って常に注目されておるのが、現空港の存廃問題でございます。この問題については非常に難しい問題があろうかと思いますが、どういう考え方で臨んでいかれるのか、この点についてお伺いしたいと思います。
○細田国務大臣 新関西国際空港ができるその第一期工事が終わるまでに、現在の関西空港をどうするかということを決定することになっております。そのようなことになっております。あらゆる角度から検討してこれの存廃を決定することになっております。これは公式にはそういうことでございます。 しかしながら、私はそう長くかかってはいけないんじゃないか。六十七年に第一期工事ができることになっておるわけなんでございますから、それまではぐだぐだして決めずにおくというわけにはなかなかいかないんじゃないか。したがいまして、早速にもいろいろな角度から現在の伊丹の空港をどうするかを検討に入りたい、既に入っておると申した方がいいかもしれませんが、さようにいたしたいと考えておる次第でございます。
○近江委員 ひとつ現地のそうしたいろいろな考え方、意向というものを十分に取り入れ、しんしゃくして方向を誤らないように特に希望いたしておきます。 それから、関西空港株式会社の発足に伴いまして大阪国際空港周辺整備機構を六十年九月までに統合等を図る、こういう閣議決定が行われておるわけでございます。御承知のように、民防を初めといたしまして現大阪国際空港周辺もかなり対策が進んではきておるわけでございますが、実際にそうしたら、関西新空港ができて、関西新空港の建設が始まるわけでございますが、この整備機構がなくなるということについては非常に不安感を皆持っておるわけですね。また今、大臣は、そういう手を抜くようなことはしませんというお話がありましたけれども、現実にここで担当しておる整備機構が、これは一体どうなるんだと非常に皆不安を持っておるわけです。疑心暗鬼でおるわけですね。ですから、大臣が手を抜くようなことはないとおっしゃっても、現実にそこでやっておるそれが統廃合になる、一体どうなるのだという不安があるわけでございますが、この点についてどういう形で、また地元住民が安心できるようなそういう形を考えていらっしゃるのか、それについてお聞きしたいと思います。
○細田国務大臣 今度の関西空港株式会社、特殊法人でございます。これをつくるにつきまして、行革時代でございますので、スクラップ・アンド・ビルドをやらなくてはいかぬということで、特殊法人でございます日本自動車ターミナル株式会社についてある程度の、簡単に言えばスクラップなんですが、ある時期が来たらやめるということと、いま一つは関西空港周辺整備機構、この問題が一応行政管理庁との間に約束になっておりますが、まだ非常にデリケートな点がございますのではっきり申し上げることはここでは御勘弁願いたいのでございますが、少なくとも関西空港周辺整備機構については今のやっておる仕事に支障があるようなことは絶対にないというふうに御理解をいただけば結構ではなかろうか、こう思っております。ちょっとそれ以上のことはここで今申し上げにくいものですから、御理解を賜りたいと思います。
○近江委員 大臣も非常に自信のある、絶対に影響させないという強い決意のもとに御答弁があったわけでございまして、ぜひそうしていただきたいと思っております。 それから次に、現空港の環境対策の問題ですが、いよいよ十年目に当たるわけでございますけれども、環境基準の達成の見通しにつきましてお伺いしたいと思います。
○松村説明員 大阪国際空港周辺の環境対策の進捗状況でございますけれども、いろいろな方面にわたりまして多角的に環境対策を進めております。しかしながら、その中の一番大きな柱は民家防音であると思っております。民家防音の進捗状況について御説明したいと思います。 現在、大阪国際空港の周辺には、八万九千世帯に上ると推定されます民家防音の対象世帯がございます。五十八年度末までに六万一千世帯について工事を終了し得る見込みでございます。それ以外に三子八百世帯につきまして、移転補償でほかの地にお移りいただいております。残りは六十年度末までに何とか完成させてまいりたい、予算措置その他で万全を期してまいりたいと思っております。
○近江委員 六十年末までに完成をするとおっしゃっているわけですが、御承知のように非常に繰り越しといいますか、当初予算を組んでおっても相当の額の繰り越しがありますね。執行ができない、それはいろいろな事情があると思うのですけれども、六十年末にこれを完成するということになれば、ひっかかっておったそういう諸問題といいますか、そういう整備をやって初めてこれが進捗すると思うのですね。どういう点をてこ入れをして、六十年末までにこれを達成されるのですか。
○松村説明員 最初のうちは担当者のいろいろな不手際もございまして、一年間に消化し得ます民家防音が一万軒を割っておりました。その後いろいろ事務手続の改善その他を講じまして、五十八年度中には一万五千戸の民家防音工事を処理し得るように体制を整えました。これは今までかつてないことでございます。この体制を何とか五十九、六十年度と維持いたしまして、残工事を消化してまいりたいと考えております。
○近江委員 常に繰り越し、積み残しということで非常に注目を浴びておったわけでございますが、そうした点非常にみんなも早く完成を待っておるわけでございますので、力を入れていただきたいと思っております。 それから、緑地整備の問題でございますが、これは私権の制限だとかいろんなことで非常にいろんな問題が起きてきておるわけでございます。これは本当に被害を受けておる住民の十分な意見をよく聞き、また地元市町村とともにやはりそこに十分な合意、理解、その上に進めてこそこれが成功するんじゃないかと思うわけでございます。そういう事情についてはよく御承知であろうかと思いますが、今後この緑地整備の進捗についていかなる考え方、また方針でいかれるか、その点についてお伺いしたいと思います。
○松村説明員 今まで我々が行っておりました緑地整備といいますものは、移転跡地、ほかの地に住所を移された方の跡地を緑地にするというようなことでやっておりました。そのために緑地の規模も小さく、またその位置につきましても甚だ計画的であるとはとても言えないような状態でございます。こういったことではやはり周辺の方、住んでいらっしゃる方々の要望には応じ切れませんので、ひとつ都市計画手法を導入しまして計画的に緑地を整備してまいりたいと考えております。都市計画手法の導入につきましては、五十七年七月に大阪府から御提唱があったわけでございますけれども、我々も全面的に賛成いたしまして、現在豊中市及び伊丹市において緑地整備の委員会をつくっていただいて、その手続その他を進めておるわけでございます。 しかしながら、残念ながらその緑地整備の計画につきまして、まだ十分な合意が地元の方々とできておりません。そのためにちょっとおくれぎみでありますが、鋭意促進は図ってまいりたいと思っております。
○近江委員 今おっしゃった、いわゆる十分な地元との合意ですね、これにはひとつ精力的に努力をされて、決して一方的に発進をするということのないように、あくまで了解、合意の中でこそいい計画というものが成るわけでございますので、その点を特に要望いたしておきます。 それで、次に関西新空港の問題に入っていきたいと思います。 この関西国際空港の事業主体というものを会社でやる理由につきまして、簡潔にお答えいただきたいと思います。
○細田国務大臣 近江委員も先刻御承知のように、概算要求の段階では、関西新空港につきましては、運輸省といたしましては基本の設備は新設の公団をもって行い、附属設備については第三セクターでやろう、こういう計画で一応進めておったのでございます。その後いろいろな事情がございますが、公団の新設ということは第二臨調の答申でも非常に厳しく制限を受けるといいましょうか、公団の新設については避けるべきであるということが一点ございます。 それからさらに、資金を民間のものを活用するということを、これはこの事業に限りませず、全体として考えようという政府の考え方が強くなってまいりまして、資金調達を多様化する、それから事業を効率的に運用する、そういうことのためには公団よりも株式会社の方が機動性が持てるし、いいのではないか、こういうような意見が出てまいりまして、結論的に言いますと、概算要求の当初の計画を途中で変更いたしまして、法律による関西国際空港株式会社という特殊法人によることにいたしたのでございます。
○近江委員 それで、今後の進め方でございますが、今法案を閣議決定されてお出しになるわけでございますが、今後の進め方ですね、それから会社設立までどういう手順でいかれるのですか。時間の問題がありますから、簡潔に答えてください。
○松村説明員 予算及び法案が通ったという前提でお話しさせていただきたいと思います。 予算、法案が成立いたしましたら早速政省令の整備をいたします。それと同時に、設立手続に入りたいと思います。具体的な設立手続は、運輸大臣が設立委員を任命いたします。恐らく任命されました設立委員は、その事務局を構成して原始定款の作成及び運輸大臣への認可申請、認可を受けました後民間地方公共団体に対する株式募集、そういった一連の設立手続をいたします。それらの手続が順調に行われますと、恐らく九月の末に創立総会が開かれるものと考えられます。創立総会におきまして取締役、監査役が選任され、そのうち代表取締役と監査役につきまして運輸大臣の認可が受けられますれば、直ちに登記手続に入ると思います。登記手続は、我々の希望では十月一日を予定しておりますが、登記手続の終了をもって会社が成立するといったことになると思います。
○近江委員 特殊会社ということで、国の責任というものがあいまいになるという心配もあるのですね。国の責任の明確化といいますか、これについてはどのようにお考えですか。
○細田国務大臣 お答え申し上げます。 本来、第一種空港でございますから、厳密に言えば国がこれをつくるということだと思います。東京の成田の空港のときに公団でやるということになったわけでございます。今度は株式会社でございますが、出資の比率が八、二、二という比率、八、二、二で十二になるのはおかしいということですが、八十八は借入金によって賄う。要するに、率にして出資金の七割程度のものを政府が持つということなんでございまして、これは今度の予算だけでなくて将来とも政府がこの資本金を持つということなんでございますから、政府として絶対責任を持つということでございますし、また、これは法律案の御審議をいただく段階でいろいろ問題が出ると思いますが、あくまでも第一種空港であるという建前を忘れないで、これは会社に任せっ放しということではなく考えてまいる、こういうことでございます。
○近江委員 出資については地元公共団体そしてまた民間、こうなっておるわけですが、これは設置場所が泉南沖ということで大阪府が中心になろうかと思うのですが、隣接の和歌山なり兵庫なり、また近畿全体を含めていくのか、その辺の地方公共団体というのはどの程度考えておるのですか。
○細田国務大臣 地方公共団体は八、二、二を大体持ってもらうということになって進められておりますが、その対象は大阪府、兵庫県、和歌山県、それからさらに大阪市が対象になると考えております。
○近江委員 民間はどういうように考えておりますか。
○細田国務大臣 民間につきましては、格別の制限をいたしておりません。ただ、どうしても利害関係の大きい関西の地域、特に今申し上げました一府二県の関係の方々から多くを仰ぐということになる。これは自然にそういう結果になるのではないかというふうに考えておりまして、経済界の方々といろいろ事前にお打ち合わせをいたしたのでございますが、主として関西経済界の皆さん方とお打ち合わせをして瀬踏みをしていただいておる。しかし、関西に限ったことはございませんので、経団連等中央の経済団体にも御意見は承ってございまして、御協力を仰ぐということにいたしておる次第でございます。
○近江委員 今後人事の問題とかいろいろな問題が出てくるわけですが、この辺はあくまでも設置場所といいますか地元のそれを中心として考えていかれるのか、その辺の政府の考え方はどうなんですか。
○細田国務大臣 これは会社を設立しただけでできるものじゃありません。これは大プロジェクトでございまして、できれば周辺に大変な利益がもたらされるわけですが、できるまでは大変な御迷惑をおかけすることになるわけでございますし、御迷惑というよりも地方公共団体なり地域住民の皆さんの御協力がなければできない。また、空港をつくればいいというものじゃありませんので、空港のアクセスの問題もございます。周辺整備の問題もございます。そういった意味から公私にわたる地方の皆さんの御協力をいただかなければ、この事業はうまくいかないのですね。そういう点を十分考えながら、会社の構成あるいは人事その他いろいろな点も十分考えてまいらなければならない、こういうふうに思っております。
○近江委員 この新空港を建設を進めていった場合、経済効果というのはどういうふうなことを考えておりますか。何か試算みたいなものはあるのですか。
○細田国務大臣 申し上げるまでもございませんが、現在日本には二十四時間使える空港というのはないわけでございます。この関西新空港ができれば二十四時間使えるという新空港になるわけでございます。現在三十数カ国日本に乗り入れたいと言ってきておりますが、受け入れるべき空港の能力がないというようなことにもなっておるわけでございます。また国内におきましても、ほかのもありますけれども、特に東京、大阪の空港の能力がいっぱいであるために国内の増便もできないというような状況になっておるわけでございます。またもう一つは、航空の発展というものが非常なスピードで伸びてまいっておることも御承知のとおりでございます。 そういったようないろいろな事情から考えまして、関西新空港ができて稼働いたしますれば、その効果たるや非常に大きいものがあると思います。数え切れないほどの効果を持っておるものと思っております。特にこのごろ私痛感いたしておりますが、もう空港のないところには工場の立地も行わなければいろいろな事業も起こらないというような時代を迎えておるように私思うのでございまして、そういう意味で、でき上がりますれば絶大なる効果を発揮することと考えております。
○近江委員 今大臣おっしゃいましたように、地域整備の問題からお聞きしてみたいと思います。 一つは、やはりアクセスのことなどが非常に大事な問題になろうかと思うのですが、きはうは関連で建設省さんも来てもらっておるのですが、この新空港につながる具体的な計画、いつまでにどの線をどうするということにつきまして、この段階でございますからお聞きしておきたいと思います。
○光岡説明員 お答えします。 建設省としては、今後空港計画の進捗に合わせて空港のアクセスとなる道路の整備について所要の検討を進めてまいる所存でございます。特にこの地域の交通のアクセスの中心となります近畿自動車道については、もう既に着工しておりまして、いま大阪府東大阪市から阪南町に至る延長約六十キロの工事について現在事業を進めているところでございますが、沿道地域には随分埋蔵文化財がございます。そういうことで、その発掘調査を進めているところでございます。 その他の幹線道路についても、今後空港計画の進捗に合わせて関係地方公共団体とともにその整備を検討してまいりたいというふうに考えております。
○近江委員 例えば湾岸道路であるとか百七十号線であるとか、そういうのはいつまでにやるというようなめどはもうちゃんと立てておるのですか。あとずっと計画があったらちゃんと答えてください。
○光岡説明員 湾岸道路に関しましては、現在泉大津まで事業中でございまして、そのうち現九次五カ年計画では堺市の港を越えたところまで工事を進めるというふうなことになっております。それから、泉大津市から先に関しましては現在調査中でございまして、まだこれから都市計画決定その他手続を踏まなければいけない点がございます。そういった意味で、いつまでに、空港開設時までに完全にでき上がるかどうかについてはちょっとまだ見通しを持っておりません。 それから、その他の道路についても今後検討を進めていきたいというふうに考えておるわけでございますが、国道二十四号でございますか、これについては現在事業中の区間については、一応阪南のところまででございますが、完成しております。 以上でございます。
○近江委員 この空港等へ鉄道を引っ張る、こういう考え方があるわけでございますが、そうしますと、例えば下に鉄道を通して上を道路にするのか、あるいは海底トンネルにしていくのか、そういうアクセスについてはどういうふうに考えておるのですか。
○細田国務大臣 新空港は島でございますから結ばなければいかぬわけでございますが、道路と鉄道と両方で結ぶということにいたしております。ただ、鉄道が橋梁になるのか隧道になるのか、そういう点についてはまだ研究をこれからいたすということになっておるわけでございます。
○近江委員 採算の見通しというのはもうできておるのですか。
○松村説明員 関西国際空港は大規模、かつ緊急を要する事業でございます。いろいろな不確定要素がありますので現段階ではっきりしたことは申し上げられませんけれども、我々がいろいろ研究した結果、次のように考えております。 事業費は一期工事で一兆円を予定しておりますけれども、その事業費の三〇%について無利子資金の調達が可能であるとすれば、開港後おおむね五年程度で単年度の損益計算は黒になる予定でございます。また、おおむね九年程度で株式に対して、これは民間及び地方公共団体の出資する株式でございますけれども、それに対して八%程度の利益配当が可能になると考えております。また、おおむね開港後二十二年程度で有利子の借入金は全額償還できるものと考えております。 いずれにしても、いろいろな不確定要素がありますので、これはあくまでも試算ということでお受け取りいただきたいと思います。
○近江委員 細かいことはこの法案が出てから私もまたいろいろお聞きしたいと思っておりますが、第一期工事は三千三百メートルですね。そうしますと、例えば関西からニューヨーク直行便、こうなってきますと、重量の点からいって三千三百では飛び立てないわけですね。そうすると、アメリカのアンカレジへ行くのかどこへ行くのか知りませんけれども、一たんこれは給油のためにとまらなければいかぬわけですね。この辺のことについては検討しているのですか。計画図を見ると、埋め立てが後でできるような工事も事前にやっておくようでございますけれども、今国際空港というのは大体四千メーターですね。そういう心配はないのですか。
○松村説明員 第一期計画の滑走路長を三千三百メートルと我々は考えております。三千三百メートルでございますと、標準的なジャンボジェット機がニューヨーク等米国東岸へ飛べないといった欠点はございますけれども、その他世界の大体の地点には飛べることになります。例えばシンガポール、シドニー、またはモスクワ、アンカレジといったところは相当の距離のある地点でございますけれども、そこまでノンストップで、制限を受けないで飛ぶことができます。しかしながら、ニューヨークに絶対直行できないかというとそうではございませんで、特別な仕様の飛行機、例えばジャンボのSPという機種でございますけれども、そういったものを使っていただければニューヨーク直行は可能でございます。我々はあくまでも標準的なジャンボジェット機ではニューヨークへ飛べないということを言っているわけでございます。 また、標準的なジェット機がニューヨークまで飛べないというのは国際空港として肩身の狭い思いをすると思いますので、開港後なるべく早い時点で四千メートルの滑走路長を確保できるように海底に地盤改良の工事を施してまいりたいと思っております。
○近江委員 あと細かいことは法案審議のときにやりたいと思います。 この空港問題をずっとやっておりますので、次にお伺いしたいと思いますのはニアミスの問題でございますが、航空機事故というのは一たびあれば大惨事、これは非常に大問題になるわけでございます。私もこれをいろいろ調べてみますと、五十四年には六件、ニアミス、異常接近が一件、五十五年は十一件、異常接近が三件、五十六年は報告件数が三件、異常接近一件、五十七年は五件、異常接近一件、五十八年は四件、異常接近が二件、合計この五年間で報告件数が二十九件、異常接近が八件。この異常接近、ニアミスというのはどの程度を言うのですか。異常接近というのはいわゆる当たる瞬間でしょう。重大報告でしょう。異常接近というのはどういう解釈をしているのですか。
○石井説明員 お答え申し上げます。 異常接近ということにつきましては、現在世界各国ともはっきりした数値上の基準はございません。しかし、今先生おっしゃいましたように、空中衝突または空中接触の危険があったものというふうに判断しております。
○近江委員 時間があればこれは五年にさかのぼって全部お聞きしたいのですけれども、時間がありませんから、五十八年は四件あってそのうち二件が異常接近ですね、この異常接近はどういうことであったのか、ひとつ説明してください。
○石井説明員 五十八年の今先生のおっしゃいました二件の異常接近でございますけれども、一件は昨年の四月七日に岐阜飛行場の北東におきまして秋田から名古屋へ着陸しようといたしまして降下を始めておりました全日空機の前を、浜松から参りまして岐阜の飛行場で離着陸の訓練をいたしまして、それを終了いたしまして浜松へ帰ろうといたしました航空自衛隊のT33ジェット戦闘機がその前を通過したというのが一件でございます。 それからもう一件は、昨年五月二十三日に、南西航空の飛行機が那覇の飛行場を離陸いたしまして間もなく、上昇中に、折から訓練を終了いたしまして帰ってまいりました航空自衛隊南西航空団のF104戦闘機が、その離陸上昇中の南西航空のボーイング737の直上を通過したという二件でございます。
○近江委員 こういう自衛隊機を初めとして、米軍機、民間航空、当然パイロットが注意しなければならぬわけですが、管制官の問題もあるでしょうし、そういう援護機器の問題もあるでしょうし、総合的なトータルをしたものだと思うのですが、こういう国民の背筋が寒くなるようなことが日常茶飯事に毎年起きておるということは非常に大問題である、このように思います。この件に関して、民間航空会社、米軍、自衛隊、また関係先に対して今後どういういわゆる指導なり体制を整えていくのか、ひとつお答えいただきたいと思います。
○石井説明員 お答え申し上げます。 異常接近の報告がありましたとき、私どもは直ちに調査をいたします。その結果、今の先生の御指摘のとおり中にはパイロットに起因するものもございましょう、また管制官に起因するものもございます。それをその都度原因を究明いたしまして、パイロットの場合には航空会社、あるいは自衛隊の場合は自衛隊を通じまして厳しく注意を喚起するとともに、その改善措置を要求いたしましてしかるべく措置をとらしております。また、そのような事例が二度と起こらないように各関係会社に対しましてもそういう周知事実を徹底いたしまして、再発防止に努めております。また、管制官に起因いたしました場合は、管制官に再訓練を施し、いろいろな方式等の改善等の必要があれば十分その措置の改善をやっております。 また、航空局といたしましても、先生御指摘のとおり、そういう運用面とは別に、また施設面におきましてもできるだけ安全を確保いたしますために、例えば航空路監視レーダーの整備、空港監視レーダーの整備、あるいは電子計算機と連動いたしましたところの航空情報処理システムというものを今着々整備を進めておりまして、こういう施設面でも運航の安全の万全を期したいというふうに考えて現在その整備中でございます。
○近江委員 大臣、今も報告を聞いておられて、これは本当に大変だということをお感じになったと思いますが、ひとつこういうニアミス、異常接近とかということが今後二度とないように十分万全の対策をとっていただきたいと思います。大臣からひとつ決意をお聞きいたします。
○細田国務大臣 一口に言うと、日本の空域というのは非常な混雑をしております。そこでニアミスは非常に危ないわけなんでございます。そういう点につきまして今説明を政府委員からいたしましたが、施設面の改善については金を惜しんではいかぬと思うのですね。例えばレーダー網の整備だとか、あるいは管制情報処理システムを整備するといったようなことですね。それから、運用の改善としては、管制方式の改善やら管制要員の訓練、これは全力を挙げてやらないといかぬというふうに思っております。ですから、予算を配ったり人間を配置したりするとき、最優先のプライオリティーを持たせるようにすべきだというふうに考えております。日本の置かれておる条件は非常に厳しいというものでございますので、さように考えております。
○近江委員 ひとつシビアに、二度と起こさないように政府として責任を持って進めていただきたいと思います。 それから、もう時間がありませんから、非常に単発的にあと一、二問で終わりたいと思いますが、日米航空交渉、これは戦後こうした協定ができておるわけでございますが、非常に不平等この上ない、そういう感がするわけでございます。今後対等になるように政府としては努力をしていただきたい、このように思っております。 米ユナイテッド航空、これが太平洋線を十一万円割り引きする、これは利用者にとっては非常に結構なことでございますが、こうした国際競争といいますか、そういう中で今後我が国としてはどのように対応していくかということも問題であろうかと思います。こうした問題に対してはどういう所感を持っていらっしゃいますか。
○細田国務大臣 日米間の航空協定についてはもう明らかに不平等であります。我が方が非常に不利な立場にございまして、これは運輸省も長年問題にいたしておりますし、当委員会でも非常に御議論のあるところでございます。一昨年九月に暫定取り決めが結ばれましたが、さらに引き続いて交渉をいろいろいたす。不平等を一遍にはなかなか全部取り返すということにはならぬかもしれませんが、少しでもそういうものを改善していくために、実は今年も今月の下旬から交渉を再開をすることになっております。極力努力をいたしたいと思っております。
○近江委員 もう余り時間がありませんけれども、呼んでおりますのでお聞きしたいと思います。 自動車の問題でございますが、最近五十ccのいわゆる四輪車が道路を走っておるようでございますが、全般の流れから見るとそこにいろいろな問題があろうか、このように思うわけです。また二百五十ccの四輪車も今後製作される、こういうようにも報道されておるわけでございます。これはいろいろ関係各省、関連してくると思いますが、これは警察庁にも来てもらっておりますし、ひとつ関係各省からこの問題についてどのように考えておられるか、それを順番にお聞きしたいと思います。
○角田政府委員 二輪車の問題でございますが、特に最近五十cc以下の三輪または四輪車の車両が販売されてきていまして、私どもの調査によりますと、現在約四千台から五千台ぐらいになっておるのじゃないかと思います。 この五十cc以下の自転車でございますが、これは私どもで、道路運送車両法で言います第一種原付という範疇に入りまして、安全基準では長さとか幅、高さ、制動装置、それから前照灯、尾灯、そういうようなものを規定しておりますが、ただこれは二輪を想定した安全基準でございまして、三輪、四輪車について想定した安全基準ではございませんので、現在のところ三輪、四輪に適合するような技術基準、例えば安定性であるとか乗車装置であるとか灯火装置、こういうものについて関係省庁とも連絡をとりながら検討を進めている段階でございます。
○広谷説明員 現在、三輪あるいは四輪の五十ccの車が走っておるわけでございますけれども、現段階におきましてはこれは原動機付自転車の免許で運転ができる、こういうふうな形になっております。しかしながら、こういう厳しい交通情勢でございまして、この交通の流れの中でこれらの車も自他ともに安全であり、しかも他の車に迷惑を与えないというふうな走り方をしていただかなければならぬものだと考えております。その意味では、これにふさわしい車という意味で今運輸省の方から技術的な問題についてお話がございましたけれども、警察といたしましても、今申し上げましたような意味でこれにふさわしい運転者に乗っていただくという意味では原付免許だけで乗れるというふうなことでいいのだろうかと考えておりまして、むしろ普通免許で乗っていただくというふうな方向で現在検討いたしておるところでございます。
○近江委員 新しい基準をつくる、今鋭意検討しておるということですが、そうすると発売されたものはどうするのですか。改造するのですか。
○角田政府委員 先ほど申しましたように、既に全国で五十cc未満の三輪、四輪が四千台から五千台走っておるわけでございますが、これにつきましては、これから考えてまいります新しい安全基準というものは適用は不可能かと思います。
○近江委員 両省のお話を聞いていますと、結局販売されてから法規を手直ししたりそういう後追い行政ということは、利用者に物すごい迷惑をかけるわけでしょう。先々やはり行政というものは、それを見て先手先手を打っていく必要があると思うのです。そういう点反省していますか、それをひとつ言ってください。
○角田政府委員 事、人命の安全に関する問題でございますので、私どもも、そういうような状況をよく見きわめて対策を早目早目に打っていかなければならないと考えております。
○近江委員 こういう自動車関係行政というのは時代に対応しなければいかぬと思うのです。そういう点では関係各省の縄張りといいますか、連携がうまくいっていないと思うのですね。今後やはりそういうことは密接にやっていくことが非常に大事だと思うのです。その点、もう時間がありませんから、ひとつ大臣から反省を込めた所感をお聞きして終わりたいと思います。
○細田国務大臣 自動車の事故というのは大変多いわけでございます。数からいきますと一番多いわけでございます。そういった意味から、自動車の関係行政機関が分かれておりますから、そういう点そごがないように十分連絡をとって厳重にやらなければならないと存じております。さように政府として全力を挙げたいと考えております。
○近江委員 終わります。
○福家委員長 梅田勝君。
○梅田委員 日本共産党・革新共同を代表いたしまして、先日行われました運輸大臣の所信表明に対しまして若干の質問をさせていただきたいと思います。大臣の所信表明は九つの項目にわたりまして運輸行政全般にわたっておりますので、とても全部につきましてお尋ねすることができませんので、主に国鉄問題、それから空港の若干の問題とタクシー行政の問題につきまして聞きたいと思うわけであります。 まず第一の国鉄再建問題でございますが、私も久しぶりに当委員会へ戻ってきたわけでありますが、十一年前、相当国鉄問題につきましては議論をいたしました。そのとき細田運輸大臣は、たしか自民党の理事をされておりまして、かなりかんかんがくがくの議論をいたしました。 私どもはあのとき、国鉄というのは全国的な公共輸送機関としてのいわば根幹であって、動脈的な役割を果たしている。ですから、先ほども議論がありましたように、公共輸送機関だということになりますとある程度採算を度外視をしてそこに鉄道を敷く場合も出てくるわけであります。ですから、必要な国民の足を保障するためには国の出資によって行うべきだということで、その当時も私ども共産党の国鉄財政再建に関する改善の五項目提案というのもいたしまして、その中で、公共交通機関にふさわしい費用負担原則の確立でありますとか、あるいは大企業本位のやり方を改善すべきだといったような幾つかの政策も提起してきたわけであります。 実際、その後十一年たってみますと、今日御存じのような国鉄の財政危機というもので、分割、解体、そういうようなとんでもない方向が今議論されるようなことになってきた。そういう点で、その当時私どもの意見を採用しておれば最悪の事態は避けられたのではないか、このように思うわけでございますが、まず冒頭、大臣のその点についての御所見をお伺いしたいと思います。
○細田国務大臣 お答えいたします。 過去の再建計画、累次にわたるものが失敗した、あるいは今梅田委員がおっしゃっているようなことが行われなかった、だからますます状態が悪くなった、こういう御意見でございますが、私ども確かに傾聴に値することだと思っております。 国鉄がなぜこんなにうまくいかないかということは、単一な原因ではないと思います。たくさんな原因があるのです。再建計画が実行できなくなるというのも、いろいろなことが計画されたときと実際が違ってくるということがございます。大きなものだけを挙げましても、国鉄の輸送量の伸びが、そのときどきの計画で立てられたよりも伸びが悪い。伸びない。また、二度にわたるオイルショックがありまして、人件費あるいは物件費等が相当大きな値上がりをしたというようなこともございます。 しかし、そういうことで本当にやむを得ないものだけであったかというと、私はさように申そうとは思いません。おっしゃるように、政府がもっと面倒を見るべきところを面倒を見れば、今の状態よりはその分だけはよくなっていったであろうことは間違いがないと思います。この政府の面倒の見方というものについては、私ども不十分であった、これが今、前に申し上げたこととあわせて国鉄の非常に困難になった原因だ、かように考えております。
○梅田委員 国の援助が不十分であったということはお認めになるわけでありますが、もともと計画自体にかなり問題があった、基本的な問題はそこにあったと私は思うわけであります。 国鉄からいただきました資料の十二ページに「再建計画の経緯とその内容」というのがございます。最初の四十四年の計画から経営改善計画に至りますまでずっとありますが、例えば、第一番目のときには三兆七千億のいわゆる投資をやる。これがわずかの期間に変わりまして七兆円。その次は、いわゆる再建計画の十カ年計画ということで大いに当委員会でも議論いたしました内容でありますが、約十兆円というもので、急激に投資の金額がふえているということなんですね。そして、借金はそれにつれてふえていくということで、御存じのように、五十七年末におきましては十八兆円の借金ができたということでありまして、今日では、計画では二十兆を超える時代になるということになりまして、私は、どんどん設備投資をやるという当初の計画、これはむしろ予定どおりに行ったわけで、投資の面では単純に計画の破綻だと言えない面がある。 結局、当初の計画自体が相当無謀な、いわゆる列島改造論と言われたところに基本的な誤りの根源があったのじゃないかと思うんですね。そこのところの反省がなければ、私は、今後も同じような誤りというものが繰り返されていく可能性があるのじゃないか。もっとも、再建計画の内容が順次投資額が減っていることは事実ですよ。事実でありますが、先にやったものはもう戻らないわけですから、そこのところで今後国鉄の経営改善をどうやっていくかという点では、やはり振り出しに戻って、必要なものは国が面倒を見るという原則が確立されなければ、その保証がなければ、今後、たとえ分割・民営の方向が出たといたしましても、私どもはそれに反対しておりますが、出たとしてもやっていけないのじゃないかと思うんですわ。 十六ページのところに、臨調答申の国鉄関係のあらましがごく簡潔に書いてございますけれども、「建設投資の在り方」につきましては、会社の「経営を圧迫しないよう国は措置」するということが前提としそ書いてあるわけでございますけれども、これは果たしてできるのかどうか、ここのところの基本問題について大臣の所見を承りたいと思います。
○細田国務大臣 今お話の中にも出ておりましたが、いろいろ投資をしたが、結局これがむだになったというもの、一番代表的なものは貨物輸送に関する投資というものが、そう言っては大変なのですけれども、相当大きくむだになっておるんですね。しかし、貨物輸送の計画をし、投資をしたときには、やはり油の問題等も、鉄道は、御承知のように省エネの輸送機関ですからね、それで国有鉄道の貨物はもっとふえるというようなことを前提に考えて投資がなされたと思うのです。しかし、その結果は、国鉄の貨物は、燃料の事情、エネルギー事情も変わってきましたことも手伝っておりまするけれども、減少の一途をたどる。二月からの改正はまた別にしましても、全体のトンキロで七%、八%というように落ちてしまう。それで、おっしゃるように全部むだになってしまっておる、ほとんどむだになってしまっておるということになっておるのでございまして、これらの点を今後どうやっていくか。遊んでいる貨物の施設というものを、撤去するものは撤去し、跡をどういうふうに利用するかというようなことを今後考えていかなければならぬ、こういうことだと思うのでございます。 それから、設備投資初め、国鉄が借金で設備をつくるということ、その中には、おっしゃるように、列島改造的というのはどういう意味がよくわかりませんが、そういうものもあると思います。確かに相当大きな借金をして、大きな設備をした、そのために、すぐは収支償わなくて、減価償却費だけが非常に大きく計上される、それが赤字のもとになっているというものも確かにあると思います。こういうものを一切含めまして、現在、再建監理委員会で、一体これをどのようにしていくかということを考えておるところでございます。私は、国は決して責任を回避してはいけない。国有鉄道という企業体だけにこの責めを負わせてはいけないということは強く感じております。
○梅田委員 その内容につきましては大いに議論したいところでございますけれども、時間がありませんので後ほどに譲ることにしまして、運賃の値上げの問題ですけれども、大臣の所信表明の中で、「運賃改定等により収入の確保に努める」ということで、現在審議会で審議中だということでございますが、国鉄の予算では、四月二十日の改定によって千八百億円の増収を図ると言っておりますけれども、過去何回か運賃値上げをやってきた。しかし、現実うまくいかなかったのは事実であるわけでありますから、私は、安易に運賃の値上げはやるべきではないと思うのです。物価との関係を見ましても、最近の国鉄の、ここ十年ばかりの値上げ状況を見ましても、相当やっているんですね。昭和四十九年に旅客は二三・二%、五十年に三二・一%、五十一年に五〇・四%、五十三年に一二・二%、五十四年に八・八%、五十五年に四・五%、五十六年に九・七%、五十七年に六・一%、合計八回やっているんですね。これは間違いありませんね。
○永光政府委員 さようでございます。
○梅田委員 そういう値上げによってどういうことになってきたかということでありますが、普通旅客運賃の、一キロから三キロまでの一番短いところの料金、昭和四十九年を一〇〇といたしまして、その当時三十円だったわけですけれども、現在、ここは何ぼになっておりますか。
○須田説明員 現在百二十円になっております。
○梅田委員 四倍になっているわけですね。それでは二十キロ、百キロ、五百キロはそれぞれどのようになっていますか。
○須田説明員 二十キロのところで申し上げますと二百四十円でございます。それから四十キロのところで五百十円でございます。それから、百キロのところでございましたか、百キロのところでは千二百六十円になっております。(梅田委員「五百キロは」と呼ぶ)五百キロのところで申し上げますと六千円でございます。
○梅田委員 一番たくさん距離を乗って二・九一倍ですよ。最低のところは四倍それから三倍、三・一五倍というように旅客運賃はどんどん上がっている。賃金はこれくらい上がりましたか。だから、先ほど大臣言われましたように、お客は減っていってもやむを得ないのじゃないですか。旅客は昭和四十八年のときに幾らでした、普通旅客で。そして五十七年、十年たったらそれがどれくらいになりました。
○須田説明員 四十八年を一〇〇といたしまして指数であらわしたものがございますが、五十七年度は九二%ということでございまして、約八ポイントほど減っております。
○梅田委員 定期客はどうなりました。
○須田説明員 定期はわずかに増加いたしておりまして、一〇六・四%になっております。
○梅田委員 定期は大体通勤の労働者ですね、御商売に使っている方もいらっしゃいますが。労働者は、どうしても毎日毎日会社に行かなければならぬわけですから、定期を利用する。ですからお客は減らないのだ。ところが、旅行となってくるとやはり懐と相談ということになりますから、勢い遠いところへは行けない。修学旅行だって、運賃の値上げがない前は、例えば京都から東京まで行くというのが、運賃が値上げになったものですからまあ静岡あたりでやめておこうかということになるのですよ。乗る回数はそんなに減らなくても、遠いところに行けなくなる、こういうような変化も起こるわけです。だから、運賃を上げればそれは経営改善につながるというような考え方は事実として間違いだということは立証されたと思うのですが、大臣いかがですか。時間がありませんから簡単に答弁してくださいよ。
○細田国務大臣 運賃が上がれば、それだけ旅客がある程度離れるということは間違いございません。しかしながら、今、数字が九二%になったということを申し上げた、これは運賃が上がったからだけ縮んだ、少なくなったものではございません。そのほかに、やはり自動車、特にマイカーの影響というものが非常に大きな影響を持っておりますことと、長距離における飛行機の発達ということが国鉄の旅客の数字を伸ばさない大きな原因になっておることも事実です。しかし、あなたがおっしゃっているように、運賃を改定することによってもある程度減少しておるということも事実だと思います。
○梅田委員 運賃を値上げすれば減るというのは、数字できちっと出ているのですよ。それは飛行機の影響その他もありましょうけれども、一番大きなのはそれがはっきりと出ているわけでありますから、考えていただきたいと思うのであります。 そこで、今回やられようとしておる格差賃率の問題でございますけれども、先ほども議論がございましたが、これは公共企業体としての国鉄、すべての国民に対して平等に扱うという精神から見て重大な間違いだと思うわけでありますが、いかがですか。
○細田国務大臣 鉄道国有以来、長いこと単一の運賃でやってまいったものでございます。今回国鉄から申請になっておるものが初めて地域別に格差が出ておるのでございます。それだけに、非常に大きな変化でございますから問題であることは、もうおっしゃるとおりだと思います。しかしながら、第二臨時行政調査会あるいは昭和五十五年の特別措置法、また昨年の再建監理委員会の勧告、そういうものにおきまして、原価の非常に高い、そして私鉄と比較しても国鉄が低いところのローカルについては、差別運賃を設けるべきである、こういう極めて明確な御指示をいただいておるものでございますから、今度国鉄がそのようなことで出してまいったものと思っておりまして、今、私どもの方、運輸審議会にかけておるところでございます。
○梅田委員 昔のように、運賃改正法が出てきますと委員会では十分な審議ができて大いに国民の皆様の前にその実態なるものが明らかになるのですが、そういうチャンスがありませんので、こういう大臣質問のときなんかにやらざるを得ない、しかし時間がないということで、十分に詰められないのは残念ですけれども、今回の異なった賃率を採用します場合に、いわゆる遠距離逓減制という精神はどのように生かされますか。
○須田説明員 今回御申請申し上げております運賃の計算の方法でございますけれども、まず、地方交通線の中だけとか幹線の中だけをお乗りになります方は、従来どおりの方法で計算をいたしますので、当然遠距離逓減制はきいてまいります。賃率が異なるだけでございます。それから地方交通線と幹線にまたがってお乗りになります場合には、地方交通線のお乗りになりますキロを賃率の割り増し分だけ割り増したものを品さしていただきまして、これに幹線系のキロを足しまして計算をいたしますので、遠距離逓減制というものはその中にきいてまいる、こういうふうに考えております。
○梅田委員 それは実測の営業キロとは違うのですか。
○須田説明員 地方交通線の中だけとそれから幹線の中だけお乗りになります場合は、実測キロが原則でございます。ただし、またがって計算をいたします場合には、地方交通線のキロは賃率割り増し分だけ割り増しておりますので、実測キロとはやや違ったもので計算をすることになります。
○梅田委員 それだったら、それは擬制キロですか、その場合に行う計算は。
○須田説明員 擬制キロという言葉のいろいろな定義が幾つかございますので、正確に申し上げるということはちょっと難しいのでございますけれども、私どもが擬制キロと従来申し上げておりましたものは、地方交通線をお乗りになります場合もキロを賃率の割り増しに応じて延伸する、全体を全部キロで計算をするというやり方を擬制キロだというふうに考えておったわけでございます。したがって、今回の場合のように地交線だけお乗りになります場合は実キロで賃率を変えて計算をするわけでございますから、これは擬制キロとは申しません。それから、今の幹線とまたがります場合も、従来私どもの考えておりましたいわゆる擬制キロとは少し違ったものでございますので、私どもは必ずしも従来からお願いしております擬制キロというものではないというふうにも考えております。その辺は定義によりましていろいろございますので、正確なお答えがちょっと難しいのでございますが、そのように考えております、
○梅田委員 それはおかしいじゃないですか。国鉄の運賃法によると、第三条の第二項、運賃は賃率と輸送距離の積というように明確になっている。遠距離逓減制を生かそうとすると、地方線については換算して計算するとあなたは言っているけれども、結局それは全体を通算するわけですから、営業キロを擬制キロに置きかえるだけじゃないですか。おかしいじゃないですか。
○須田説明員 幹線と地方交通線をまたがります場合には今先生のおっしゃったようなことが出てまいると思いますが、その場合は国有鉄道運賃法の十条の二で、賃率の異なる線路をまたがってお乗りになります場合の計算の仕方につきましては、大臣の御認可をいただいて別段の定めができるということになっておりますので、それで御認可をお願いしておるような次第でございます。
○梅田委員 それはいよいよもっておかしいね。大臣、こんなことしたらえらいことですよ。運賃法には営業キロというのは実測によってやるとちゃんと定めてあるわけだ。ところが、遠いところへ行く人は地方線に乗っていく、あるいはまた幹線に乗って地方線という場合もあるでしょう。ところが、全部それを擬制キロで計算されたらたまったものじゃない。これは法のもとで平等だという、先ほども話がありましたけれども、そんなの認めたらえらいことですね。どうですか。
○細田国務大臣 国有鉄道の運賃法が昔のままですと、これは大変おかしなことになるわけでございます。しかしながら、日本国有鉄道経営再建促進特別措置法、これは五十五年の法律でございますが、例の改善計画等を決めたものですね、これで地方線の差別をつけるということを一応認めるということが法律で、国の意思として、立法機関の意思としてはっきりして、第八条第一項で承認をした場合には差別をつけていいということになっている。その差別をつけた場合には、遠距離逓減をやるためにはどうするかというようなことについて、今須田常務理事が言いましたように、運賃法の十条の二の第二項で、特殊な計算方法を認可を受けたらやってもよろしい、こういう条文があるわけでございます。この条文がおかしいとおっしゃるならこれはまた話がおかしいのかもしれません、一律のキロ程でやれということですから。しかし、この法律で例外を認める、二つの法律で認めておるわけです。そういうことになっておりまするので、違法なことではないということは言えると思っております。
○梅田委員 国鉄の内部資料によりましても、いわゆる異賃率換算通算方式を議論する場合に、非常に繁雑な手続を経なくちゃならぬので今言ったような換算方式を採用する、しかし、擬制キロ方式、この場合のあれでいきますと運賃法の改正が必要だというふうに書いておるのじゃないですか。内部検討でもその議論をしたのでしょう。
○須田説明員 今先生の御指摘いただいております、擬制キロ方式の場合に法律の改正が必要ではないかという議論が確かにございましたが、その場合の擬制キロと申し上げますのは、さっき私が申し上げましたいわゆる広い意味の擬制キロで申しておるわけでございまして、例えば地方交通線の中だけお乗りになります場合の方々にも全面的にキロで調整をする、つまり賃率で調整をしないですべてキロで調整をする場合にはという意味でございますので、今回お願いしておりますようなものは、今大臣からもお話がございましたような法律の枠内のものでございますので、ちょっとそれとは違った議論ではないかと思っております。
○梅田委員 これは時間があったらもっと詰めたいのだけれども、納得いきませんね。大体異なった賃率を採用すること自身が問題だ。全体として五十億の増収でしょう。それぐらいのことでなぜ地域で差をつけるのや。総合原価主義で言っておるのやといったら、これまた各線別に見たらそれぞれが違うのだからおかしいんですよ。もっと国鉄の財政危機の根本原因はどこにあるかというところにメスを入れて、そこにやはり国鉄の諸君また運輸省の皆さんは全精力を注いていただきたいと思うのです。 これはまた機会がありましたらやることにいたしまして、今どんどん進めております合理化に関連して、安全問題でお伺いをいたしたいと思います。 大臣所信におきましては「運輸行政の要請は安全の確保」だというように言われております。しかし、今この作業も要員削減の形でどんどん進んでおるわけでありますけれども、これは、国鉄監理委員会でどんどん減らしていけと言っても、果たしてこれで安全は大丈夫なのかということについてチェックできる体制があるのかどうか、こういう問題についてまず大臣にお伺いしたいのです。
○細田国務大臣 合理化というのは、安全を第一に確保した上ですることを前提にしてどこまでできるかということを言っておるのでございまして、安全を犠牲にするというのは合理化とは言わないのでございます。そのようなふうに私ども考えておりまするので、工事費を削りましても安全にかかる工事費を削ることは絶対に許せない、人間を削るのにも安全を守れないということでは人間は削れない、かのように思っておるわけでございます。
○梅田委員 大臣はいいことを言われました、合理化をするにしても安全を確保することが前提だと。私もそのとおりだと思うのですよ。 そこで、これは昨日の朝日新聞に載った記事でございますけれども、「大雪で利かぬ新型ブレーキ 凍結、制動面滑る ダイヤ乱れの一因に」ということで、これによりますと、新しい合理化案をやってつくった新型のブレーキが雪がたくさん降ったものですから滑ってとまらぬ。で、乗務員がこんなのは危のうて乗れぬ、大事故につながりかねない、こういうことで乗務拒否の動きが出てきたというように報道をいたしております。新聞の報道記事によりますと、これはブレーキの保安要員削減の合理化の一環として考えられたものだ、新しくそのために導入したブレーキだ、従来は鋳鉄製のブレーキで、これはようきいたわけでありますけれども、新しいのは、今回の場合はいろいろ実験をやってみますと三・七キロ走ってようやくとまったという実例があるというのですけれども、これは大変なことですね。どうですか。
○坂田説明員 きのうの新聞の件でございますけれども、私どもの調査によりますと、確かにレジン制輪子という耐雪制輪子ということではございませんで、台車とか基礎ブレーキ、押さえる機構のところが固着してブレーキ効果が落ちたというふうに調べた結果なっております。したがいまして、今後はそういったことのないように、出区の際に十分ブレーキ機構がスムーズにいくようにしてまいりたいというのが第一点であります。 第二点は、この制輪子につきましては、合理化ということで開発したものではございません。御存じのように、国鉄の車両そのものが高速性能になってまいりますので、非常にブレーキの力が大きく必要になってまいります。従来の鉄製の制輪子でございますと、ちょっと技術的で恐縮でございますが、摩擦係数、いわゆるミューというのが低うございまして、これが高速域においてブレーキ力が弱まる、高くとれないということで、いわゆる合成した制輪子でございますと、いろいろ配合によって摩擦係数を比較的、ある範囲ではございますが変えられるという利点をとりまして、そういう意味でブレーキ力が強く出る、したがいまして高速列車にも適用できるということになるわけであります。ただ、弱点といいますか、若干雪が入りますと解けにくいという要素もございますが、それにつきましても、当然でございますが乗務員としましては〇・五キロくらいの、軽く当てておきますとそういった事象が起きないということでございますので、そういうプロとしての扱いについて今後も的確に指導してまいりたい、かように考えております。
○梅田委員 私が質問したのは、実際に三・七キロもとまらなかったことがあったのですかということです。これは国鉄の運転取扱基準規程、いかなる場合でも六百メートル以内にとまらなければいかぬというのに違反しているのです。その点はどうですか。
○坂田説明員 まだ十分確認はいたしておりません。
○梅田委員 都合の悪いことになると知らぬと言うんだ。実際に乗っている人がこれは危険だということで、こんなのに乗るのは嫌だと言い出しているのでしょう。そういう動きがあるのでしょう。それは知っていますか。
○坂田説明員 この制輪子につきましては、もう二十年くらい前から使っておりまして、耐雪ブレーキにつきましては四十八年、五十年ごろから適用いたしておりまして、そういった危なくて乗れないということは存じておりませんし、私どもとしましては当然運転保安というのは先ほど大臣の表明にもございましたように第一義に考えておりますので、今後そういった面のないように十分にやってまいりたい、こういうように考えております。
○梅田委員 この点はきちんと調べていただきまして、合理化ゆえに安全が軽視されるということはないようにお願いをいたしたいと思います。 トンネルとか橋とかいうものの危険箇所が問題になっておりますけれども、この点はどうですか。
○岡田説明員 お答え申し上げます。 トンネル、橋梁等の土木建造物の補修につきましては、全国二十九鉄道管理局に構造物検査センターを置いております。また、全国で約二百カ所ございます保線区に土木グループを置いておりまして、日常建造物の検査、診断を行っております。
○梅田委員 明治時代にできたものが相当ありますね。橋梁、トンネル、これは幾つありますか。
○岡田説明員 新幹線を除きまして国鉄は全国に四万九千カ所の橋梁と三千六百カ所、千四百キロメーターのトンネルがございますが、このうち明治、大正年代に建造されました建造物で現存をいたしておりますのは、橋梁の上部工におきまして八万二千連のうち一万八千連、約二〇%でございます。 下部工につきましては、十三万二千基のうち四万六千基、約三五%でございます。 トンネルにつきましては三百キロ、約二〇%という割合でございます。
○梅田委員 その中で、本来ならばこれは耐用年数等々から見て取りかえた方がいい、しかし金がないから応急手当てだ、こういうようになっているところがどれくらいあるのですか。
○岡田説明員 トンネルとか橋梁につきましては、健全度に応じまして区分けをいたしております。先ほど申し上げましたような構造物検査センターあるいは保線区で検査の結果区分けをいたしておりまして、老朽劣化が進行しているということで日常診断をし常に留意をする必要がある、今後の取りかえ投資に当たって優先的に配慮をしていく必要があるというものをAランクと称しておりますが、そのAランクの箇所で申し上げますと、橋梁につきましては、上部工八万二千連のうち五千連、下部工十三万二千基のうち六千基、トンネルは千四百キロのうち九十キロメーターということになっております。
○梅田委員 そのAランクは、いつごろ補修ができる見通しですか。
○岡田説明員 今申し上げましたように、このAランクを即座に今取りかえなければいけないというふうには考えておりませんで、ただ、先ほど申し上げましたような検査機関において進行状況を常時監視をする、必要に応じて取りかえをするということで考えております。
○梅田委員 大臣、お聞きのように、本来ならばもっと手当てをしたいができぬというのが実態ですね。こういった問題も含めてどうやっていくかということが安全確保の上に立ては非常に大事でしょう。大臣、一言言ってください。
○細田国務大臣 お説のとおりでございまして、一番危ないところから直していくということなんでございます。どんなに金が少なくなりましても危険箇所がそのまま放てきされるようなことでは困るわけでございます。ですから、そういうことはないように十分配慮をしていただいておる。最終的にはこれは専門技術者が責任を持って見てもらう。これだけの予算はもらわなければ絶対に安全が受け合えませんよということであれば、それこそ何はさておいても最優先に出さなければならぬということは当然のことだと思っております。また、そのようにしなければならないと思っております。ただ、その次、その次と順位があるわけですが、お金がうんとあれば、なるべくそういうものはだんだん悪いものから取りかえていくということだと思いますが、今は非常に窮屈でございますので、大変慎重にやっていただいておることと思っております。
○梅田委員 青函連絡船がこの間事故がありましたね。あれはどういう原因がよくわかりませんが、老朽によるものではないようでありますけれども、しかし、あれでちょっとわかったのですけれども、大体耐用年数が過ぎているのを二年間の延命工事をして就航さしておるというのも出ておりましたから、私は、国民の多数が乗る公共輸送機関としての国鉄の安全性というものについては、幾ら合理化が大事だといいましても、その点はよくやっていただきたいと思うのです。 それから、この間、梅小路の貨車区の指導助役が労災事故で亡くなりましたが、これは五九・二ダイヤ改正で貨車の体制が変わったものですから、新しい職場へ行って指導しておったわけでありますけれども、自分が出し入れを指導していた車にはねられて亡くなった。まだ壮年の方で、非常にお気の毒だと思うのです。 ところが、この人の勤務状況を国鉄の方から聞いてみますと、公休にも出勤をしているんですね。いただきました資料によりますと、この人は指導助役だから、日勤勤務は朝の八時半から夕方の五時五分までということになっておるわけでありますが、実際は朝の七時二十分ごろから来ているんですね。そして、夜は八時、九時、場合によったら泊まり込み。そして、この人は二月二日の事故で亡くなったわけでありますが、例えば一月の勤務状況を見てみますと、十五日、二十九日の公休は出勤しているんですよ、出勤簿は押していないけれども。もう合理化体制が心配で心配でしょうがないから、出てきている。そういう過労が重なって今回の死亡事故につながったのではないかと思いますので、そういう点で、幾ら合理化といいましても、このようにどっとどっとと仕事をさせる。そして、一方では過員ができて、そっちの方は余り仕事がない。中間職制は間に挟まれて、そして朝から夜遅くまでやっている。こういう不合理は何としても改善してもらわなければならぬと思うのでありますが、その点いかがですか。
○太田説明員 幾つかの点にお答え申しあげたいと思います。 この梅小路貨車区の指導助役が二月二日に触車事故によりまして亡くなりまして、私ども大変衝撃を受けているわけでございますが、この種事故の再発を防ぐために、可能な限り原因を調査し、また対策を講じつつあるわけでございます。その過程で、当然、本人の疲労度がどうであるかということも調査いたしましたし、また、当日必ずしも十分な現認者がおりませんけれども、朝でありましたけれども十分おらなかったのですが、可能な限り状況を再現して調べたりしております。 そこで、まず勤務状況でありますけれども、御指摘のように、本人の一月中の勤務割りは、公休日五日設定してありますけれども、そのうちの二日は出てまいりまして、いろいろダイヤ改正の準備に当たっておりますし、日勤の日につきましても、朝早く出たり、帰りを遅くしたりして、いろいろ準備、勉強しておるのは事実でございますけれども、これは本人が指導助役という職責でございまして、それから、五十九年二月のダイヤ改正は大変大きな規模でございまして、従来の貨物のシステムをすっかり変える、すっかりというのは大げさですが、かなり大幅に変えるということと、それから、当然その中で仕事の受け持ちをA区からB区へと、この助役さんの属していた梅小路の貨車区においても新たな仕事の受け持ちを持つ。ただ、総体が減少する中でございますから、梅小路の貨車区の仕事の持ちが多くなったということではございません。減少する中での持ちかえがあった。それで、新しい仕事に対応して、指導助役でございますから、いろいろ指導するための準備をやっていた、こういうことでございまして、ずっと業務が張っていたというのではなくて、この切りかえをスムーズに行う中での準備があったわけでございます。 それから次に、当日の状況でございますけれども、朝の事故でございまして……(梅田委員「いや、もうその詳しいことは要らぬ」と呼ぶ)八時ちょっと過ぎぐらいに、新しく自分のところで持ちになった作業を指導するために、本人がある駅へ自宅から出向いていきまして、そこでいろいろ指導している際の事故でございまして、この辺から見ましても、過労に起因するというふうには認めがたいわけでございます。
○梅田委員 それでは反省しておらぬということやね。実際にそういう過労な状態が続いておる。だから、幾ら合理化といっても、特に職制はそういうことで非常にオーバーワークになっておる。そういう点で十分注意せよということを言っておるわけですから。あなた、そんな状況じゃないと断定するけれども、そんな断定は、あなた、極めて主観的ですよ。総裁はこれをどう思っていますか。
○仁杉説明員 いろいろ事務当局から聞いておりますが、今太田常務が御答弁いたしましたように、全般的な状況から判断いたしますと、さほど過労ではなかったのではないかというふうに思ってはおりますが、今後そういう点についてはなお十分注意をするように指導したいと思っております。
○梅田委員 実態をよく知らないんですよ、あなた方は。出勤簿見ただけではわからへん。実際は、来て一生懸命やっている。ただ働きですよ。そうして、五時になったら帰ってよろしい、しかし実際は泊まり込みまでやっておる。そういう実態があるということを監督される方はよく目を配っていただきたいと思う。そうでなければ、このような事故が起こりますよ。先ほど聞いたら、水戸の方ですか、やはり助役が三階から落ちて死んでいるでしょう。ああいうことが起きるんですよ。厳重に注意をしていただきたいと思うわけであります。大臣、いかがですか。
○細田国務大臣 ただいま総裁から申し上げたとおりでございまして、この現実の問題は過労があったかどうかは別としまして、今後十分気をつけてまいらなければならぬと思っております。
○梅田委員 関西空港のことについて聞きたかったのですけれども、時間がありませんので……。 大臣、先ほども、これは本来は国の責任でやらないかぬ第一種空港だとおっしゃった。僕は、それはそのとおりだと思うのですよ。国が全面的に責任を持ってやるべきだ。飛行場部長から、だんだんやっていったらもうかるようになって配当もできるという話がありましたけれども、そういう将来もうけていくという空港に対して、今回の法案の提出に当たって、総理大臣のチェックが入って、そうして配当の上限を法文の中に明記をしないということになったわけでありますが、いわば青天井だということになりますと、これは将来もうけてどんどん配当を取るという可能性なきにしもあらずだ、新しい条文によりますとね。それは規制してあるんだ、そっちの方はそういう答弁をするだろうけれども、しかし法律で規制していないということになりますと、やはり問題があると思うのです。 これは税制上の優遇措置もあるんですね。そういう、もうける、配当もやるというような会社に税制上の優遇措置をやる必要があるのですか、どうですか。
○山本(長)政府委員 今後御審議をいただく法案の中には、税制上の特例措置、財政上の特例措置も織り込まれておるのでございます。国際空港の整備という公共性の強い事業を行う会社でございますので、この会社の財務体質の健全化を通じまして、その適切な業務運営の確保を図るという観点から、特段の特例措置が講じられたのでございます。そういった特例措置を講じております反面、先生先ほど御指摘のありました利益の配当の問題でございますけれども、これにつきましても適正な範囲でなければならないというところから、これについても法的な特例措置を設けている、こういうことでございます。
○梅田委員 これは大いに議論するところでありまして、いずれ法案が出てくればもっと詳しく追及をしていきたいと思います。 最後に、大分県のトキハタクシーの問題についてお伺いしたいのでありますが、大臣も、所信表明におきまして、「都市交通の分野におきましては、都市高速鉄道、都市バス等の整備改善を進め、公共交通機関を中心とする交通体系の確立を図ってまいります。」というふうに述べておられますが、ハイヤー、タクシーという言葉は出てこないのだけれども、この中に含まれておるというふうに理解をいたします。そして、地方の運輸局、これはまだ承認はしていないけれども今回つくられる、そういう方向でありますが、総合的かつ効率的な運輸行政の推進を図りたい、このようにおっしゃっておるわけであります。 最近、大分市内の同和タクシー企業組合が経営しますトキハタクシーというのがありますが、その健全経営を図る、経営の正常化を図るということを言いまして、六十七台しか持っていないこの会社が三十二台の異常な増車を申請した、そして去る二月十日これが許可されたのですね。ところが、十二日たちましたら、それを同じ会社が減車申請した。そして同じ日に、大分市内にある他の十九のタクシー会社が歩調をそろえまして三十二台の増車申請をした。それで、巷間言われているところによりますと、このトキハタクシーの企業再建のために三十二台の免許権、タクシーの増車の分を他の会社にそれぞれ売る、小型は三百五十万、中型は二百五十万という金を取って一億一千万の金をつくり出して企業再建のための資金にする、このように言われているのですね。これは重大な問題だと思うのですね。三十二台の増車申請がそもそも合理的なものであったのかどうか。それはいまや取り下げますと言ってきている。そして、一番最近の情報によりますと、それは県の方からちょっと待ってくれということで保留になっているようでありますけれども、極めて不明朗ですよ。国の許認可権が利権のために使われる、陸運を介在してそれが使われるとしたら、これは重大問題ですよ。この真相はどうなんですか。
○角田政府委員 大分県の同和タクシー企業組合の増車申請、それから、それの認可、国企業組合の減車の申請、大分市内各社の増車の申請の経緯及び内容でございますが、これはただいま先生がお話ございましたように、本年の一月十九日に大分県の同和タクシー企業組合から大分市内のタクシー車両を三十二両増車したいという申請がありまして、大分県陸運事務局がこれを審査しましたところ、申請の理由は経営状態が悪化していた企業組合の再建に向けての営業収入の増加を図ろうとするものでございまして、また、国企業組合は昭和五十二年に同和対策事業として資金面を含みます大分県の援助を受けて免許した事業者でございます。このような経緯を踏まえまして、企業組合の位置づけ、再建の必要性また地域における輸送実態等を総合的に勘案しまして、二月十日に申請どおり増車の認可を行ったものでございます。その後、二月二十二日に国企業組合から三十二両の減車申請が出てまいりました。また、大分市内のタクシー事業者十九社から合計三十二両の増車申請、企業組合からは減車申請でございますが、事業者十九社からは三十二両の増車申請が出てきた。これについては現在陸運事務局で調査検討中でございます。 そういうような経緯でございます。
○梅田委員 これは偶然にしてもおかしいですな。同じ三十二台が同じ日に、こっちは減らし、こっちは申請。そして今、県は陸運事務所に認可を見合わせてくれと言ってきておりますね。これは事実ですか。
○角田政府委員 私どもが得た情報によりますれば、県は、認可を見合わせてくれというような表現ではございませんで、大分県の陸運事務所に対しまして、疑惑を招くような措置はしないでほしい、こういうような意向表明があったように聞いております。
○梅田委員 それならますますおかしいわね。大体陸運の方は、「指定地域における一般乗用旅客自動車運送事業の事業計画変更(増車)認可申請事業の処理基準」というのをあなた方は出して、その中で百両以下のところについては一〇%、百両を超える分についてはその五%ですか、自分らは勝手にそういう基準をつくって、これでなかったら許可せぬぞといって従来指導してきた、そうでしょう。ところがこんなべらぼうな三十二台の申請で、しかもこれは申請して二月十日にオーケーを出した、そして二十二日にまた取り下げのを出してきた。これは現在運行されているの。
○角田政府委員 ただいまの同和企業組合の増車につきましては、これは同組合の経営再建のためということで特に県からの要請もございましたし、大分市内の輸送実態も勘案して大分陸運事務所が認可したものと聞いております。ただ、この車は現在まだ稼働はしておりません。
○梅田委員 だとしますと、やはり巷間言われているように、また一般新聞も書いているんだ。「トキハタクシー紛争が和解 解放同盟が解決金払う」ということで、この解決金を払う金が一億一千万足りない、「残る一億一千万円については、一部残されている条件整備をした上で支払う」ことになると書いてあるわけですね。タクシー業界の方は十九社寄って、おまえのところは何台、おまえのところは何台、その台数もあなた方から出した処理基準に外れる台数を出すということで、話し合いやれば談合ですよ。今我々が追及をして、現地でも、大分は今でも実車率五〇%を割るような状態でこれ以上タクシーがふえたら困ると労働者は問題にしているということで、社会的問題になってきたので当分見合わせるということを県の方も言い出したというのが実態だと思うのですよ。 私は部落差別というものはなくさなければいかぬと思いますが、しかし部落なるがゆえに何か特別のことをやる、必要以上のことをやるということになれば、これは逆差別ですよ。法のもとで平等だということでやるべきじゃないですか。国の責任で特別劣悪な状態にあるところは措置法で環境改善をやっていくことは必要ですよ。しかし、ここが今経営危機に瀕しておるのであれば、なぜ経営改善のための具体的指導をやらないのですか。三十二台をふやしたらいけるのですか。もっとその前にやることがあったのではないですか。そこを明確に答えてください。
○福家委員長 梅田委員に申し上げます。 あなたの質疑時間が終了しておりますので、結論を急いでください。 当委員会はできるだけ一家千年の春のつもりで、委員長はできるだけ質疑応答に時間を差し上げ、十分の審議に協力をするつもりでございますが、委員の皆さんも持ち時間の理事会の決定に従ってくださるよう、特に梅田君に要望しておきます。
○角田政府委員 お答えいたします。 同和のこの企業組合でございますが、先ほど申し上げましたように、免許をする際にもこれは県からの要請がございまして、それから県自体が資金その他の援助をして育成してきたタクシーの企業組合でございます。 ただいま先生のお話しの三十二両の増車につきましても、県は県自体として同和企業組合に対していろいろな指導、育成措置をおとりになったと思いますが、当方に対しましても、陸運事務所長に対して陸運行政の方からも御協力願いたい、こういうような要請がありましたので、それを受けて陸運事務所で処置をしたものというふうに考えております。
○梅田委員 それでは時間がございませんので終わりますけれども、ここまで疑惑が明らかになっているのですから、最後に大臣、許認可行政が利権の取引に使われることがないようにこの点については明確に指導するということでお約束いただけませんか。
○細田国務大臣 疑惑を持たれないように取り扱うことが必要であると考えております。さようにいたします。
○梅田委員 終わります。
○福家委員長 梅田君の質疑はこれにて終了いたしました。 ————◇—————
○福家委員長 次に、地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、地方運輸局及び海運監理部の設置に関し承認を求めるの件を議題といたします。 趣旨の説明を聴取いたします。運輸大臣細田吉藏君。 ————————————— 地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づ き、地方運輸局及び海運監理部の設置に関し 承認を求めるの件 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○細田国務大臣 ただいま議題となりました地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、地方運輸局及び海運監理部の設置に関し承認を求めるの件の提案理由につきまして御説明申し上げます。 この案件は、運輸省の地方支分部局として地方運輸局を設置するとともに、その所掌事務の一部を分掌する組織として海運監理部を置こうとするものであります。 すなわち、昭和五十八年三月の臨時行政調査会の最終答申の趣旨を踏まえ、地方運輸行政の総合化及び効率化を図るため海運局と陸運局を統合し、各ブロックごとに地方運輸局を設置する必要があります。具体的に申し上げれば、北海道に北海道運輸局を、宮城県に東北運輸局を、新潟県に新潟運輸局を、東京都に関東運輸局を、愛知県に中部運輸局を、大阪府に近畿運輸局を、広島県に中国運輸局を、香川県に四国運輸局を、福岡県に九州運輸局を、それぞれ設置する必要があります。 また、地方運輸局の設置に伴い、従来海運局に置かれるものとされていた海運監理部は、地方運輸局に置かれるものとし、具体的には、神戸市に神戸海運監理部を設置する必要があります。 以上の理由によりまして、地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、地方運輸局及び海運監理部の設置に関し国会の御承認を求める次第であります。 何とぞ慎重御審議の上、速やかに御承認いただきますようお願い申し上げます。
○福家委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時四十四分散会 ————◇—————