農林水産委員会 第2号
- 発言数
- 203 件
- 登壇者
- 20 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1983/10/05
会議録
○委員長(谷川寛三君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。 農林水産政策に関する調査を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○村沢牧君 私は、最初に災害対策について質問をいたします。 ことしも相次いで大きな災害が発生しておりますが、この中でも九月二十八日に台風十号は各地に大きな災害をもたらしております。特に災害の最も大きかったのは長野県でありますが、県の資料によりますと、昨日までで、調査率は九〇%でありますが、人的被害は死者七、不明二、その他住宅、公共土木、農林業、各市町村にわたって災害を起こしておりまして、その被害額は千二百四十七億五千六百有余万円となっておるわけであります。 この十号台風について、今日まで国土庁がまとめた全国的な被害について報告してください。
○説明員(谷本修志君) 建設省におきましては公共土木施設を担当しておりまして、公共土木施設の被害額は、現在のところ長野県内におきまして七百二十三億でございます。その他台風十号全般といたしましては千九百五十四億の被害報告があっております。 以上でございます。
○説明員(松本和雄君) お答え申し上げます。 このたびの災害によります被害は三十九の府県に及んでおりまして、十月三日十八時現在、死者三十五名、行方不明九名、合わせて四十四名、負傷者百二十二名、建物の全壊、流失百二十六棟、半壊二百三棟、床上浸水一万五百四十九棟、床下浸水五万四千八十四棟、罹災世帯数一万五千二百六十五、罹災者数五万六千四百八十九名に及んでおります。また、道路の損壊個所一万一千四百九十八カ所、河川施設被害一万六千七百五カ所、山崩れあるいはがけ崩れ一千四百五十二カ所などとなっております。
○村沢牧君 被害金額。
○説明員(松本和雄君) お答えいたします。 被害金額につきましては各省におきまして鋭意調査中でございます。すべてが判明しておるわけではございませんが、御参考までに申し上げますと、たとえば建設省の所管の公共土木施設の……
○村沢牧君 ちょっと待ってください。災害委員会じゃありませんから、時間がありませんから、何件で、大体おおよそ何戸、幾らと、それでいいです。
○説明員(松本和雄君) たとえば、建設省所管の公共土木施設関係で申しますと、十月五日九時現在で一千九百五十四億円強、また中小企業被害は昨日現在で百七十億円余りと報告を受けております。
○村沢牧君 私も災害地を調査しておるのですけれども、災害復旧を早期かつ円滑に行うために激甚法を適用してもらいたい、こういう要望が非常に強いわけでありますけれども、いま国土庁がまとめている範囲から見て激甚法の適用ができる可能性があるのかどうか、その辺について見通しはどうですか。
○説明員(松本和雄君) お答え申し上げます。 現在、各省庁におきまして関係する被害を鋭意調査中でございます。したがいまして、大変恐縮でございますが、現時点におきましてその見通しを申し上げることができません。お許しをいただきたいと思います。 われわれといたしましては、さらに調査を急がせまして、その結果を待って適切に対応したいと考えております。
○村沢牧君 激甚法の指定基準について簡単に説明してください。
○説明員(松本和雄君) たくさんございますので、一番関心を持たれております公共土木施設関係について申しますと、いわゆる本激といっておりますものの基準は大きく分けて二通りありまして、一つは、被害見込み額がその年の全国の標準税収入額の四%を超える場合、それからもう一つの基準は、査定見込み額が全国の標準税収入の一・二%を超え、かつ、一つの県の査定見込み額がその県の標準税収入の額を超えるか、あるいは 一つの県内の市町村分の被害の査定見込み額がその市町村分の標準税収入の額を超える場合、こういった基準になっております。 ほかにたくさんありますが、時間の関係で……。
○村沢牧君 そういう基準に当てはめて十号台風を本激に適用するようになるかどうかは今後の調査いかんだというふうに思いますが、本激にたとえならないとしても、局地的に見れば大変激甚な災害があるわけなのです。しかも、市町村の標準財政から見ても局地激甚の適用になるであろうと思われる個所もあるわけですが、こうした地区については局地激甚に指定して救済すべきだというふうに思いますが、その辺の見通しはどうですか。
○説明員(松本和雄君) 先ほど御指摘のありましたように、長野県下でかなり局地的な激甚な被害を受けられたところも承知しております。しかし、御案内のとおり局地激甚の指定の場合は、たとえば公共土木の関係ですと、その年に指定されました激甚災害に係るその市町村の、何と申しますか査定事業費、これをとらえまして、その査定事業費がその市町村の標準税収入の一倍を超える場合という計算をいたします。したがいまして、今後被害が起こるかもしれませんし、また今回の被害だけを取り上げても、査定が済むのに若干時間がございます。したがいまして、いまの時点では何よりも査定を急ぎますが、早急に局激に指定するということはなかなかむずかしい、公共土木に関してはそういう状況でございます。
○村沢牧君 農水省に聞きますが、天災融資法の早期発動、あるいは特別被害地域を指定できる県の指定を急いでもらいたい、こういう要請も強いわけですが、どのように考えていますか。
○政府委員(佐野宏哉君) お答えいたします。 台風十号関係の被害状況は、被害を受けました鹿児島、長崎、兵庫、岡山、宮崎等の県がございますが、いま長野県からだけ県庁報告を受理しておる段階でございまして、天災融資法の発動をし得るような条件を満たすかどうかということにつきましては、他の府県の被害状況の報告を待たなければちょっと判断をいたしかねる状況でございますが、私どもとしてはできるだけ早急に被害の実態の把握に努めて発動をいたしたいというふうに考えております。
○村沢牧君 激甚指定なり、さらにはまた局地激甚を指定するについても、早期にやはり災害査定をしなければならないわけですけれども、災害査定はどのように進めていきますか。特に建設省とそれから農林省について伺います。
○説明員(谷本修志君) 建設省でございます。 台風十号によります被害の状況につきましては、現在、県、市町村におきまして把握中でございますが、建設省といたしましては、これらの地方公共団体におきましての調査が完了し、準備が整い次第、災害査定を早期に実施する所存でございます。
○政府委員(森実孝郎君) 十月四日現在の農地、農業用施設の災害の報告額は三百八十六億でございまして、長野県が百六億五千万ということになっております。完全な最終報告ではございませんが大体出そろいました。そこで、十月の十一日から緊急に査定を実施することに考えております。特に十号関係は長野県が集中的に出ておりますので、長野県から最優先でやりたいと思っております。このために少額な災害復旧の机上査定あるいは査定間の応援体制等とっておりまして、大体十二月上旬ぐらいまでには最終的に全査定を終了させたいと思っております。
○村沢牧君 農水省の方は十月十一日から災害の査定に着手し、十二月上旬ころまでには終わりたいというふうに言っているのですが、建設省はその見通しは全然ないのですか。
○説明員(谷本修志君) 建設省でございます。 現在までのところ、十月の下旬から十一月の上旬に査定に入る予定になっております。
○村沢牧君 建設省、それを急いでください。
○説明員(谷本修志君) はい。査定のシステムといたしまして、県、市町村から準備がございますので、その都合でどうしても時期的にそういうふうになりますが、極力急ぐ所存でございます。
○村沢牧君 災害復旧を早期に完成をさせる、それと同時に景気浮揚にも役立たせるということも一つはねらいがあるわけですが、そうするならば本年度の復旧率を高める必要があるというふうに思います。過去の例をとってみれば、五十六年度災は初年度が六〇%、五十七年度災は初年度が七〇%、直轄災害でそれぞれ六五%、七五%のこういう復旧率でもって災害復旧が行われたわけですが、本年度はどのように考えていますか。建設省。
○説明員(谷本修志君) お答えいたします。 災害復旧事業の実施に当たりましては、緊急に復旧を要する個所から順次着手しまして事業の進捗を図っているところでございます。 過去におきまして近年、先ほど先生がおっしゃいましたように、初年度に事業の進捗を図ったこともございますが、ことしに関しましても、特に緊要な復旧個所につきましては三年を待たないで復旧が進められる可能性も場合によってはあろうかと思われております。今回の台風十号につきましても、地方公共団体の準備が整い次第早急に災害査定を行い、事業の実施に努めてまいる所存でございます。
○村沢牧君 査定を行って早急に災害復旧をすることはわかっているのですけれども、いままでのように本年度でもって繰り上げ査定の復旧というか、復旧率を高めていく、その方針については決まっていないのですか。
○政府委員(森実孝郎君) 結局五十六年災と五十七年災においては、先生御指摘のように当年災の実施率を従来の三割からかなり大幅に引き上げたわけでございます。しかし、ことしの災害の発生状況、当初予算の計上状況から見ますと、もし仮に五十六年災とか五十七年災というふうな復旧進度で災害復旧を行おうとすれば、結局補正をどう考えるかという問題になるわけでございまして、政府都内でまだ補正の方針は決まっておりませんので、この問題は今後どういうふうに展開するかによって受けとめていかなければならないだろうと思っております。
○村沢牧君 そこで当然財源の問題に絡んでくるわけです。大蔵省に尋ねますが、災害が非常に多く発生をしている、あるいはまた公共事業の補正も含めるという意見もあるのですけれども、災害復旧を早期に行なうために補正予算をどうしても組む必要が出てくるというふうに思いますが、大蔵省はどのように考えていますか。
○説明員(涌井洋治君) お答えいたします。 当初予算の災害復旧事業費の中に当年災の費用を計上しておるところが多いわけでございまして、とりあえず応急工事につきましてはその予算を重点的に配分してまいる所存でございます。 それから、災害復旧工事につきましては、今後関係各省庁の査定が終わり次第適切に対処してまいりたいと考えております。 なお、補正予算の問題につきましては、五十八年度の追加財政需要等につきましてまだ不確定要素が非常に多いものですから、現段階では確たることは申し上げられませんことを御了解願いたいと思います。
○村沢牧君 十号台風に限らずことしは多くの災害が発生しているのですけれども、この災害を復旧するためにいまの財源の予算の範囲内で復旧ができるのかどうか、その辺はどういうふうに見ておるのですか。
○説明員(涌井洋治君) その点につきましても、今後関係省庁の査定の状況を見て検討してまいりたいと思います。
○村沢牧君 大臣にお聞きをし、要望しますが、いまお聞きのとおりことしは多くの災害が発生した、しかも、また、いままでと同じように当年度この復旧率を高めてもらいたい、また高める必要があると思うのですが、それらはいずれも予算に関係してくることです。予算の方が見通しが立たなければ復旧率を高めると言ったってなかなかできないことである。したがって、国務大臣として災害を復旧するためにやはり補正予算を組むべき だ、こういうふうに私は主張し、またそういう行動をとるべきだと思いますが、大臣はどういうふうにお考えですか。
○国務大臣(金子岩三君) 十号台風の災害に限ってお答えしますならば、補正の必要はないと考えます。
○村沢牧君 そんなことを聞いているのじゃないのです。十号だけじゃなくて台風はことしたくさんあるでしょう。災害がずいぶん出ています。これらの災害を復旧するためにはどうしたって補正予算を組まざるを得ないと思うのです。また、組まなければ早期復旧ができないと思うのですけれども、それについて単なるあなたが所管する農林施設だけでなくて、すべてを含めて国務大臣として補正予算を組んでいく必要性があるのではないかというふうに考えますが、どうなのですか。
○国務大臣(金子岩三君) 私がお答えいたしておりますのは、十号台風までの災害状況を見るならば当初予算でいわゆる仕事はかかれる、こういう見解を申し上げておりますので、これからもうしばらく台風時期がありますので、年間を通じての災害がどの程度になるか、それを見て当然補正の問題が出ると思います。
○村沢牧君 そうすると、十号台風までの災害復旧なら補正予算を組む必要はないという答弁ですが、それならば復旧率はどういうふうにするのですか。いままでと同じように六〇%、七〇%にするのですか。それでも大丈夫だということなのですか。
○国務大臣(金子岩三君) それは前年度、前々年度の例がありますから、かつて昔のように小刻みでなくて、初め頭を大きくして、そうして二、三年でほとんど完成するようにやっていますので、そういう前例にならってやるということになると思います。
○村沢牧君 きょうは農水委員会ですから、災害ばかり余り言っているわけにはいきませんが、そこで大蔵省、いま大臣はそういう答弁をしているのですが、前年度のようにたとえば六〇%復旧をする、あるいは七〇%復旧をする、それでも大臣が言われるように十号台風までだったら補正予算を組む必要はないですか、できますか。
○説明員(涌井洋治君) 今年度の災害の復旧率をどこまでやるか、その被害の状況、それから各省の工事の施行能力等、これから総合的に検討してやりたいと思います。
○村沢牧君 この災害の問題については改めて災害対策委員会等で詳細質問もし要請もいたしますが、ともかく大きな災害を受けて大変皆さんが苦しんでいるのですから、早急に復旧ができるように各省庁とも査定を早め、さらにまた、予算を確保してこの国民の不安にこたえてもらいたい。そのことを強く要請して災害の問題は終わりたいというふうに思います。 次は、農産物の自由化の問題について尋ねますが、去る九月十四日、十五日に開催された日米農産物交渉は物別れに終わったわけでありますが、今後どのような方向で交渉を持ってまいりますか。
○政府委員(佐野宏哉君) お答えいたします。 現在のところ次の牛肉、柑橘の協議の段取りを決めるに至っておりません。いま私どもとしては、できるだけ早く再度協議の機会を持つことが望ましいのではないかというふうに考えておりますが、相手があることでございますので、現在の段階では決まっておらないとしか申し上げようがございません。
○村沢牧君 日米の農産物問題については、レーガン大統領が来日するまでに決着をつけたいということが日米双方の希望であるようであるけれども、しかし、いま答弁のありましたように、今後どういう方法で交渉するかというめどが立っておらないと答えておる。レーガン大統領は十一月上、中旬に来日をする。大臣、そこまでに事務レベルの交渉が持たれない場合、また交渉が持たれてもわが方が了承するような結論が得られなかったような場合には決着を急ぐ必要はない、私はそのように考えますが、大臣の見解はどうですか。
○国務大臣(金子岩三君) その点は私も村沢先生と同感でございます。 私が、レーガンさんが訪日するのでその前にこの問題をできるだけひとつ詰めるということを申し上げておるのは、一月に中曽根総理が訪米した折に、専門家でこの問題は詰める、こういう約束をして帰っておるわけですから、そのレーガンさんが十一カ月後に訪日するとするならばやはりこの問題は詰めるべきである、これは国際儀礼上当然のことであるという配慮でこういうことを申し上げておるのでありまして、去る九月の十四、十五日ですか、これは米側からの申し入れによって協議を持ちましたけれども、なかなか日本側の考え方と大変な開きがありますので容易ならない問題だなと、このように考えております。したがって、しゃにむにレーガンさんが見える前に日本側が農家に迷惑をかけてでもこれを取り決めていかなければならないという考えは、私は全く持っておりません。
○村沢牧君 レーガン大統領が来日する前に無理に片づけようとする考え方はない、事務レベルの交渉で話が進まなかったならば政治的な判断をする、政治決着をする、そういうことも絶対にないというふうに言い切れますか。
○国務大臣(金子岩三君) 少なくともレーガンさんが訪日する前に政治決着などはない、私はこのように考えています。
○村沢牧君 また広聞するところによると、一部には総選挙が近くある、この総選挙を前にアメリカに譲歩して輸入枠を拡大するとするならば農民の反感を買う、これは自民党にとって不利だ、したがって、総選挙後に延ばせということも耳に入ってくるわけです。ですから、日米農産物交渉の問題についてはレーガン大統領も関係ないし総選挙も関係ない、そういうようなつもりで今後話を進めてまいりますか。
○国務大臣(金子岩三君) そのとおりでありまして、別に総選挙絡みでこの問題を私も考えたことはございません。筋の通らないことはいたしたくない。いかにレーガンさんがお見えになるといっても、筋の通らないものは取り決めない、こういうふうに考えています。
○村沢牧君 そこで、さきの事務レベルの交渉が難航したということは、アメリカ側の要求が余りにも法外であった、こういうことがうかがわれます。しかし、アメリカ側の提案が常識に外れておる、あるいは理不尽であるとこう言っても、その内容がわからなければ国民に対して理解してもらうことはできないわけです。したがって、アメリカ側の要求の内容をこの席で明らかにしてください。
○政府委員(佐野宏哉君) 九月十四日、十五日の協議につきましては、先方との間で米側の提案が提出されたということを除いては一切双方のやりとりを外部に出さないという合意に基づいて協議が行われましたので、残念ながらいまのお尋ねの件につきましてはお答えをし得る立場にはございませんので、御了承いただきたいと思います。
○村沢牧君 アメリカ側との約束によって農林水産省としては公表することができない、いまそういう答弁があったわけでありますが、しかし、すでにマスコミによっていろいろ報道されている。たとえば本日の日本農業新聞を見ても、この農産物交渉で米側が要求したのは「自由化時期明示と複利方式による大幅な輸入枠拡大」、そして「高級牛肉は来年度から六割、オレンジは四割、それぞれ複利方式で増やせというもの。」である。これは昨四日、政府筋が明らかにした、と堂々と出ています。このような内容であったことを認めますか。
○政府委員(佐野宏哉君) 新聞報道につきましてどれが当たっていて、どれが当たっていないということをコメントいたしますことは、結局スミス大使との約束に反する帰結に到達することになりますので、残念ながら差し控えさしていただきたいと思います。
○村沢牧君 局長、差し控えると言っても各紙がみんな出しているのです。ですから私は、こうい う新聞報道がほぼ正しいものであるかどうか、あなたに全部公表しろと言うのじゃないのです。そのことをあなたは認めるかどうか聞いているのです。だってそのことがわからなければ理不尽だとか無理だとか言っても、私らだって納得できないじゃないですか。どこが無理だったのですか、はっきりしてください。
○政府委員(佐野宏哉君) 残念ながらお答えいたしかねます。
○村沢牧君 いろいろな新聞報道がされていますが、では、これについては間違っているというのですか。間違っていますか、これは。それだけ言ってください。
○政府委員(佐野宏哉君) 間違っているかいないかをお答えすることを控えさしていただきたいということでございます。
○村沢牧君 そのことがわからなければ、これから論議が全然進まないじゃないですか。大臣、答えることができませんか、答えさせることができませんか。だって報道しているのですからね、内容がどういうふうになっているかわからなければ、とても輸入枠を拡大しろと言われたって、理不尽だと言ってもわからないじゃないですか。
○政府委員(佐野宏哉君) 私どもはアメリカ側と交渉するわけでございまして、新聞報道の真偽のほどが明らかにできなくても、米側と交渉を進める上では格段の支障はないというふうに思っています。 それから、私どもといたしましては当委員会の決議という形で、交渉に臨むに当たってのガイドラインがすでに御指示をいただいておりますので、当委員会との関係におきましては、私どもは決議にお示しのございますガイドラインに忠実に従って交渉に当たる所存でございますので、その点は信用していただきたいと存じております。
○村沢牧君 局長の答弁、何か元気のないような、聞いておってもよくわからないのですが、もうちょっとはっきり答弁してください。 そこで、その内容についてはまた後ほど聞いてまいりますが、仮に新聞が報道しておるように、たとえば牛肉について、アメリカ提案のような形で輸入枠を認めていったとするならば、わが国の肉牛経営なり酪農の経営にどんな影響を与えてくるのか。大変わが国の畜産も厳しい状態に置かれているわけです。また、肉牛生産を高めるために、さきには法律改正をして肉牛振興対策も立てている。こういうときに、このような要求に基づいてこの提案を受けたとするならば一体どういう影響を来すのか、それについて答弁してください。
○政府委員(佐野宏哉君) 米側提案のわが国農業に及ぼす影響について直接お答えし得る立場にはございませんが、新聞紙上米側提案であると称して報道されているとおりの事態が起こりますれば、これはわが国農業に壊滅的影響を与えるものと考えております。
○村沢牧君 わが国の畜産に対してどういう影響を来していくのか、むしろこれは経済局長じゃなくて他の専門とする局長なり担当から答弁してください。だって、農林水産省も知っているでしょう。だからこれだけ要求があった、これは大変なことだと皆さんが言っているわけですね。どういうふうになって大変なのだか、そのことが答弁できなければ、ただ理不尽理不尽と言ったって話にならないじゃないですか。たとえば、六〇%毎年輸入枠を拡大していくならばわが国の肉牛経営はどうなっていくのか、それのはっきりした答弁をしてください。
○政府委員(佐野宏哉君) 私の誤解でなければ、村沢先生、畜産局長の御答弁を要求なさったのではないでしょうか。
○政府委員(角道謙一君) 申しわけございません、きょうただいま畜産局長あるいは農蚕園芸局長は来ておりませんので、私からかわりまして答えさせていただきます。 米側の点で、いま佐野局長からお話しいたしましたようなことで、外交交渉がいま進行中でございますので、内容については控えさせていただきますが、新聞に伝えられるような枠の拡大等がありました場合、たとえば牛肉の場合では、現在肉用牛農家は三十四万戸、それから乳用牛、酪農で約十万戸、四十四万戸の農家が直接に影響を受けるということがございます。特に価格の面で、現在の関税等を考慮しました場合、アメリカから入ってまいりますもの、あるいはむしろ豪州から相当量の肉が入ってくるかと思いますが、こういうものによりまして、価格面では日本の農家は直接的には非常に競争力がない、恐らく半値以下に下がるのではないかという感じを持っております。そういう状況でございますので、直接には肉用牛の飼育農家が倒れる。また、現在の乳牛農家も、特に雄子牛なんかは肉用牛に現在出荷をしておりますので、これによりましても相当の影響を受ける。さらには、牛肉自体が影響を受けるだけでなしに、同じ畜産物であります鶏あるいは豚、こういうものも相当の影響を受けてくるでありましょうし、さらには水産物、これも同じような動物たん白の源泉でございますから、相当の影響を受けるというようなことになろうかと思います。 それから、柑橘類につきましては現在約三十万の温州ミカン農家がおります。これにつきましても、価格がどうなるかという問題も一つございます。現在は相当量高い値段のものが入っておりますが、これから枠が仮に広がるとしますと、質もちょっと劣りますが、値段としても安いものが相当入ってくるのではないか。また、特にこれは米国だけではございませんで、ブラジルとかあるいはイスラエルとか、そういう生産国がございますので、そこからも相当量のものが入ってくる可能性があるということで、特に温州ミカンの出回り期にこういうものが入ってくる場合には、現在温州ミカンにつきましては摘果等生産の転換をやっているような状況でございますので、こういう柑橘類農家につきましては非常に影響を与える。ただ、出回り期以外の時期におきましては、これもどの程度になるかわかりませんけれども、影響は出回り期ほど大きくはないというふうな感じを持っております。現状では概括的に申し上げますと大体そういうことでございます。
○村沢牧君 わが国の畜産についても、あるいは柑橘類についても重大な影響を与えるというふうに答弁があったわけですが、官房長、その試算はあなたは何を基準として試算したのですか。六〇%になったらこういうふうになります、あるいはオレンジが四〇%にふえたらこういうふうになりますという、そういう新聞を見てあなたは試算したのですか。経済局長からそういう報告を受けて試算したのじゃないのですか。
○政府委員(角道謙一君) 私がいま申し上げたのは、ただ概括的にこういうことになるのではないかということで、具体的に数量がどうなるということを前提にして試算したのではございませんので、一般的な印象として申し上げたわけでございます。
○村沢牧君 一般的な印象として申し上げたにしても、輸入枠がどれだけふえたらそういうふうになるのですか。それをあなたは承知してそういうことを言っているのでしょう。新聞を見てあなたは考えているのですか。
○政府委員(角道謙一君) 私がいま申し上げましたのは、値段の問題等はございますが、むしろ自由化的なものを頭に置いて申し上げましたので、何%入った場合には現実の需要量はどうなるというようなことを申し上げておるわけではございませんし、また、その結果農家がどの程度影響を受けるというような具体的な問題につきましては、特に私どもいま試算は持っておりません。
○村沢牧君 しかし、これだけ大きな問題になっているのです。しかもアメリカからは非常に過大な要求が来ている。こういうふうに要求を受けたらどうなるであろうということは、農林水産省として当然この計算をして、ですから受けることはできないという、こういう結果になるわけだというふうに思うのですが、そういう検討はあなたたちはしていないのですか。
○政府委員(角道謙一君) 現局におきましてはそれぞれいろいろな場合を想定しながら、特に米国 側に対しましては国内の需給の事情等を説明してやっておりますので、ただ、アメリカ側の具体的な案というものにつきまして、それに即した試算というものは私ども現在はやっておりません。
○村沢牧君 それじゃアメリカと交渉するといったって、こっちがアメリカの要求を受けて、こういうことになるから受けられませんというあれがなくては交渉にならないじゃないですか。経済局長、あなたが交渉して、アメリカの要求が過大であります、受けられませんと言ったのは、どういうことで過大なのですか。
○政府委員(佐野宏哉君) 十四日、十五日の協議につきましては、日米双方いずれ側がどういう議論を提起したかということを一切公表しないということにしてございますので、米側要求に対しまして日本側からどういう反論を行ったかということにつきましても、同様にお答えを控えさしていただかざるを得ないわけでございまして、お許しいただきたいと存じます。
○村沢牧君 大臣にちょっとお聞きしますが、このアメリカの要求は無理だと。無理だ無理だということを、どういう要求であってどうして無理だということが皆さんが説明できなくて、言えなくて、それで国民の皆さんこれは無理です、農家の皆さん無理ですと、それじゃ全然理解を得ることはできないのです。どこが無理なのですか、なぜ無理なのか。その辺のことは、それはぴたっとアメリカから要求された数字をそのままは報告することはできないとしても、なぜ無理なのか、そのことぐらいやはり皆さんがはっきりしてもらわなきゃ話にならないです。どうでしょう、大臣。
○政府委員(佐野宏哉君) 交渉が済みましてから、私のところにも農業団体の皆様方とか新聞記者とかいろいろな方がお見えになりましたが、農水省が真相を隠しておるけれども、実はひょっとしたらアメリカの要求はきわめて控え目なものだったのではないかという、そういう疑問をお持ちの方は一人もいらっしゃいませんでした。ですから、そういう意味では、アメリカの要求が本当は過大ではなかったのではないかという疑問を持っていらっしゃる国民の方はまずいらっしゃらないだろうというふうに思っております。
○村沢牧君 局長、そんなことを聞いているのじゃないです。もっとまじめに答弁しなさいよ。もう一回答弁してください。ふざけたこと言うな。
○政府委員(佐野宏哉君) 中身は申し上げられませんが、私どもとしても適切にポイントをついた応酬をしたつもりでございます。
○村沢牧君 そんな答弁では、そんなことでは国民の理解やこの議会のわれわれの理解を得ることはできないのですよ。重要な問題ですからもう少し真剣に答弁してください。 同じような問題ですけれども、十三品目のガット協議はどのように今後進めていくのですか。
○政府委員(佐野宏哉君) お答えいたします。 九月の八日、九日にジュネーブで第二回目の協議が行われました。日本側として、それぞれガットの条文に即した反対論――反対論と申しますか、日本側の立場から見ればこういうことであるという議論を展開いたしました。それに対してアメリカ側は、日本側の議論をワシントンに持ち帰ってそしゃく検討の上、外交ルートを通じて今後の取り進め方についての米側の意向を伝えてくるということになっておりまして、私どもはその米側の意向が伝達されてくるのを待っておる状態でございます。
○村沢牧君 牛肉、オレンジに限らず、ガットに提訴された品目もわが国農業にとっては重要作物である。さらに、地域特産物である。これを自由化するならば国内生産が重大な影響を受けるということは、これはもう明らかであります。 そこで、大臣にお尋ねしますけれども、アメリカの要求する自由化や輸入枠の拡大に応ずるとするならば、日本の畜産や柑橘類、さらにはまた地域特産物に重大な影響を及ぼしてくる。したがって、御承知のようにきょうも農協代表が一万人も集まって自由化反対の総決起大会を行っている。大臣のところにも、連日のように自由化と輸入枠の拡大をしてもらっては困るという要請があるわけですけれども、日本の農業を守るためにも、あるいはまた食糧の自給度を高めて、国の安全保障を高めるという面から見ても、自由化はもちろん、輸入枠の拡大はしてはならない。そういうふうにいままでも指摘してまいり、大臣からも過去において答弁もいただいたことがありますけれども、今日の決意はどうでしょうか。
○国務大臣(金子岩三君) 決意は通常国会の折に申し上げておったとおり、いささかも私の決意は変わっておりません。ただ、レーガンが訪日する前に云々ということを言ったのが、何か私に心変わりがしたのじゃないかといって心配をされる方が幾らもおりますけれども、何も私は変わっておりません。 ただ、いま数字をとらえていろいろ議論していらっしゃるのを聞きまして、私自体も佐野局長から数字は聞いていないのです、聞かない方がいいと思いまして。聞かせろとも私は言わない。ただ、新聞を見て、各紙同じ似たり寄ったりのことを書いておるのですから、大変なことだなというような感触でそれ以後物を言っておるわけで、とにかくああいう数字じゃなくても、やはり枠を拡大するということは、日本の競合する畜産、柑橘業者に大きな打撃を与えることなのですから、国会でも昨年の四月ですか、両院の委員会が決議をいたしております。十二月にもその裏づけをする強い申し入れをいただいております。したがって、日本農業に影響を及ぼすような結論は私は絶対出さない、こういう一つの信念を持ってこの問題に取り組んでおります。
○村沢牧君 大臣、いまこちらの方から、幸せな大臣だなという言葉があったのですが、大臣自身がアメリカからどんな要求をされておるか数字まで知らないなんて、ちょっと気楽過ぎているように思いますね。なぜアメリカの要求が通用するのか。だから大臣自身がその数字を把握して、これはだめだ、これは受けることはできないとか、部下を督励しなきゃいけないじゃないですか。大臣は自由化はしないということなのですが、それでは輸入枠は少しずつも拡大することはやむを得ない、こういうふうに考えていらっしゃるのですか。
○国務大臣(金子岩三君) 私は、自由化はもちろん枠の拡大もいまのところ必要はないと、これは需給動向を見まして、一般消費者、国民に不自由を与えるように、もし仮に肉が不足するとすれば、その場合は不足の分はやはり入れなきゃならないような事態が発生するかもしれませんけれども、いまのところは必要はないということを春以来ずっと私は今日まで言い続けておるわけです。
○村沢牧君 大臣は自由化も輸入枠の拡大も必要ない、そういうはっきりした答弁でございまして、まことに私も力強く思っておるわけですが、その気持ちはひとつ変えないでやってもらいたいと思います。しかし大臣のそういう気持にもかかわらず、農産物の自由化、輸入枠の拡大をせよという声はアメリカだけではなくて日本の国内にもある。そのうちで最も大きなのは経団連を中心とする財界です。財界は今日まで自由化に対していろいろな提言を行ってきておるところでありますけれども、これに対しては農林省は一体どういう見解を持っているのか、どういう反論をしたのか。なるほど、今日貿易収支が非常にアンバランスであることは承知をしておりますけれども、その最たるものは鉱工業関係の輸出が多過ぎる、集中豪雨的な輸出によってこういうことになっている。農産物に責任を転嫁することは間違いであるというふうに思いますけれども、一体この財界の提言に対してどういうふうに考えていますか。
○政府委員(佐野宏哉君) お答えいたします。 私どもといたしましては、日本側として牛肉、オレンジの自由化時期の明示とか、そういうことは一切とうてい問題にならないのであるということを米側にるる説明をして、理解を得ようとして努力をしているところでございます。そういうさなかに、たとえば一例でございますが、八尋さんの御発言のように、自由化時期の明示というよう なことを主張なさる、それが政府派遣ミッションの団長の口から、しかもちょうど牛肉、柑橘の協議の時期に出てきたというようなことは、この問題の解決を図ろうとしている日米双方の努力に照らし配慮が足らなかったのではないかという感じを抱いております。
○村沢牧君 それも歯切れの悪い答弁ですね。もうちょっと財界の言うことは間違っている、そうじゃないのだということをあなたたちはなぜ堂々と反論ができないのですか。そんなことだから日本の農業はだんだん衰退していくのですよ。もう少しはっきりしてください。 そこで通産省に尋ねますけれども、いま佐野局長から話があったミッションの話ですけれども、九月の六日から十七日までに訪米した対日市場アクセス促進ミッションは、これは日本政府が派遣したものですか。
○説明員(鯨井鉀一君) 通産省が派遣したものでございます。
○村沢牧君 通産省が派遣した、つまり政府派遣ですね。そうですね。
○説明員(鯨井鉀一君) 通産省が派遣したものでございますから、政府が派遣したということになります。
○村沢牧君 このミッションの副団長であるダイエー社長の中内功氏は、九月十三日、ギボンズ下院歳入委員会貿易小委員長と会見した折、「中曽根総理も(決断)できないことをやらせるようにしてほしい。オレンジの季節自由化や、その他の農産物の大幅自由化をやらせるよう米議会から圧力をかけてくれ」、こういう要望をしたということが一部新聞で報道されています。この団には通産省幹部も随行したということでありますが、通産省の役人でだれが行ったのですか、またこの発言の内容は誤りないですか。
○説明員(鯨井鉀一君) 通産省から私が随行いたしました。また、おおむね報道されましたような趣旨の発言がございましたことは事実でございます。
○村沢牧君 そこで、日米農産物貿易問題は政府みずからがその責任に基づいて交渉を行っている。ところが、政府のこれまでの交渉経過と異なるような次元の行動あるいは発言を政府の使節団が行っている。しかもその発言たるや、いま私が申し上げたように、アメリカへ行って日本の中曽根総理大臣に決断をするようにアメリカの議会から圧力をかけてくれ、これはとんでもない発言です。こんなことは独立国家として恥ずかしくないのですか。相手国に行って、日本の総理大臣にこういうことを言ってもらいたい、しかも通産省の幹部である審議官、あなたが同席をしておる、全く言語道断だと思うのです。このことは通産省がいかに弁解しようとしても許されることじゃない。 大臣にお聞きしますが、この代表団は単なる財界の代表じゃないのです、お話がありましたように政府派遣の代表団。その代表団の責任者がこういうことを言うということについて、あなたは農水大臣として、あるいは国務大臣としてどういうふうに考えますか。
○国務大臣(金子岩三君) いろいろ立場立場によって発言をしておりますので、通産省所管の立場でアメリカに出かけていろいろなことをおっしゃったようでございますが、私はやはり立場立場によって自由な意見を言うということは、これは自由主義の国でありまして、もちろん貿易も自由貿易なんでございますから、別にそう目くじら立てて農水省がその言葉じりをとってとやかく言う必要はない。 ただ、私は日本農業を守るためもっと足腰の強い農業に育つまで少なくとも十年はということも、この間貿易商社の社長クラスから朝食会に呼ばれましていろいろ話がありましたから、私どもの立場を強調しておきました。断じて、いま日本の農業をここらで外圧によって、市場開放によってつぶすならば永遠に食糧の自給自足なんかこれはもう期待もできない、ここしばらく足腰を強くする、十年ぐらいは財界また輸出業者にある立場の人も、ひとつ理解を持って日本農業を見守ってくれということを強調しておきました。 したがって、私は役所も省庁それぞれの立場で動いておるわけなのですから、通産省がミッションを送り出してそのようなことを言ったからといって、別に私は不快感も何も感じていないわけです。私どもは堂々といわゆる市場開放は一切ならぬ、枠の拡大もやらないということを主張し続けておるわけです。アメリカでは大変向こうの関係大臣が、あるいは日本の農水大臣は頑迷だということを言っておるそうですけれども、私はアメリカの言っていることは頑迷だと、こう言っておるわけでございまして、どうかその点は余り取り上げなくてもいいのではないか。ただ、私どもが日本農業を守るためには全力を挙げておるということを御信頼いただければいいのではないでしょうか。
○村沢牧君 大臣、通産省の使節団がアメリカへ行ってこういうことを言う。余り気にとめることはない、それぞれの立場立場で言うのだと。政府は一つでしょう。日本政府として日米農産物交渉については、あるいは自由化や枠の拡大についてどういう見解を持っているのですか。通産省と一緒になって政府の統一見解を示してください。通産省は勝手なことを言ったっていいと、そういうことだったら統一されておらないじゃないですか、政府は一つなのです。これの統一見解を出してください。
○国務大臣(金子岩三君) それは、閣内を全部意見を統一するということは不可能なのです。したがって、それぞれの持ち場の大臣がそれぞれの立場を守るために動くことは私はあえて異論を差し挟む必要はない。ただ、端的にわかりやすく言うなら、どちらが勝つか勝負をしてみておるような気持ちで私は日本農業を守るということを強調しておるのでございますから、ひとつ御信頼を願いたいと思います。
○村沢牧君 大臣の発言は重要な問題だと思います。閣内で意見を統一することは不可能だと。じゃ日米農産物交渉なりあるいは輸入自由化、枠拡大について中曽根内閣として意見を統一することはできないのですか。私はこの統一見解を出すまでは質問を保留します。出してください、待ちますから。 委員長に要求しますが、私は中曽根内閣として自由化、枠の拡大に対して統一見解を要請いたしますので、取り計らってください。そんなばかなことないよ。
○委員長(谷川寛三君) 速記をとめてください。 〔速記中止〕
○委員長(谷川寛三君) 速記を起こして。
○国務大臣(金子岩三君) お答えいたします。 農産物の市場開放については、関係国との友好関係に留意しつつ、国内農産物の需給動向等を踏まえ、食糧の安定供給の上で重要な役割りを果たしているわが国農業の健全な発展と調和のとれた形で行われることが基本的に重要。牛肉、柑橘等の自由化については、わが国の国内の生産事情等からすれば応じがたい諸問題がある。今後の日米協議等においては、わが国農業の実情、及びこれまでの市場開放措置等を相手国側に十分説明し、その理解を得ながら適切に対処する。
○村沢牧君 それはだれの意見ですか。大臣の意見ですか。お聞きしますが、先ほど大臣の答弁では、この問題について閣内統一はできないという答弁があったのですけれども、いま閣内統一したのですか。
○国務大臣(金子岩三君) 私は農林大臣という立場で考えるならば、閣内統一は容易ならぬ、こういう考え方でおりますが、いま総理の予算委員会ですかな、の答弁の内容を読み上げますと、一応総理の考え方自体がいわゆる統一見解をもってお答えしておりますので、総理の御意向がそうであれば、先ほど私が閣内統一の不可能なことは取り消します。
○村沢牧君 大臣は閣内統一はできないということは取り消しになった、それが閣内統一した統一見解である、そのように受けとめていいわけです ね。 そこで、最後に通産省に伺いますが、あなたも通産省の幹部としてこの席へ列席しておって、たとえ民間代表団であっても政府派遣の代表団ですね。その副団長が発言をするのを黙って聞いていたのですか。聞いていたということは、あなたが、通産省がそういう気持ちを持っておったから代表団は言ったのですか。
○説明員(鯨井鉀一君) 本ミッションの目的は、工業製品の輸入拡大ということのために日本のビジネスのリーダーが出向きまして、外国の企業に商売の仕方を教えるといった意味のビジネスレベルのものでございまして、農産物の自由化等について団の意見を申し上げるというようなものではございません。したがって、中内副団長の発言は単なる個人的見解でございまして、決して団を代表して申し上げたわけでもございません。 また、付言いたしますれば、中内副団長は、本ミッションの別な場におきましては、わが国が厳しい事情の中でオレンジの輸入枠の拡大を行ってきた、その他わが国の努力をるる述べられたわけでございます。したがいまして、その中内副団長の見解は、単なる個人的意見、その場の意見ということでございまして、その場で私が制止するというようなことはいたしておりませんですけれども、会議終了後は、個人的意見とは申しましても外国の議会から圧力をかけるというようなことは適当でないので、以後はそのようなことは言わないでいただきたいということを私からお願いしてございます。
○村沢牧君 しかし、通産省が派遣をした団ですよ。相手方は、個人的見解であるのか、団の見解であるか、通産省の見解だか、受け取り方はいろいろあると思うのです。しかも、あなたが一緒におってそういうことを言うのを黙っておったなんということは、まさに通産省の考え方がすでに農林省と考え方が違っているということなのだ。今日、アメリカへ行けば農産物問題が出るのは決まっているじゃないか。それをなぜ行く前に農林省とよく打ち合わせして、意見を統一していかなかったのか。今後もあることなんですよ。答弁は要らないです。しかしその点については、あなたのとった行動については私は許せませんからね。納得したわけじゃないですよ。許せません。 今後、アメリカへ行くような場合にあっては、必ず農産物に関する問題は出てくる。そうしたら、十分政府内で意見を統一していくべきだ、そのことを強く私は申し上げて、次の人に質問を譲ります。
○稲村稔夫君 ただいま私の先輩議員であります村沢委員の方から、貿易自由化の問題を中心にいたしましていろいろと御質問があったわけでありますけれども、この経過を聞いておりますと、それこそこの市場開放へのアメリカ側の圧力の強さを感じますとともに、日本国内の問題としても非常に大きな問題を感ずるわけでございます。 私は、きょうは水田再編第三期対策を中心にして伺いたいというふうに思っておりますけれども、この第三期対策を考えていきますに当たりまして、前提条件となりますのは、これからの日本農業をどういう方向で展開をしていくのかということがやはり一番大きな課題にもなるわけでありますので、私はきょう初めての質問でございますし、あるいは前にお答えをいただいていることかもしれませんけれども、日本農業を今後どのように持っていかれようとするのか。私は、特にいまも村沢委員の質問でしばらく審議が中断をいたしまして、農林水産省が受け身の形でこの問題に対処をしていくならば、やはり今後ずるずると追い込まれていくのではないだろうか、そんなふうにも危惧をするわけでございます。それだけに、今後日本農業のあり方をどう持っていこうとするのか、基本的な考え方についてひとつ大臣のお考えを伺いたいと思います。
○国務大臣(金子岩三君) わが国の農業は、かつてないこの農産物の市場開放の問題について苦難を迎えております。畜産も、御承知のとおり、かつて十年前と比較すると大変大きく日本が成長いたしております。柑橘においては、これも当初十五年前は奨励事業でやっておったのが生産過剰になっておる、こういうときでございまして、ようやくこれで生産性が高くなり、EC並みの生産コストまで切り下げることができようとしておるいわゆる農業がここらで打撃を受けると大変なことだということでして、単にその自由化、市場開放の問題だけでも大変な問題だ、今後日本の農業を守るためにはひとつ最善を尽くしたいということで努力を尽くしております。 いろいろ水田再編について具体的なお尋ねがあれば、その都度担当政府委員も来ておりますから、詳しく申し上げたいと思います。
○稲村稔夫君 先ほどの村沢委員の御質問に対する御答弁の中で十年ぐらいというふうにおっしゃいましたでしょうか、足腰を鍛える、強くするという意味のことを言われましたけれども、いまは何かEC並みというお話もありました。わが国の農業がそのEC並みの言ってみれば生産コスト、国際競争力をつけることができる、そういう方向が大臣の考えておられる十年ということなのですか、その辺のところを。
○国務大臣(金子岩三君) 農業全般の足腰を強くするために、ひとつ十年ぐらいは市場開放についても財界の方も見守ってくれ、協力してほしいということを申し上げたので、EC並みの生産コストに日本の農業が成長するというのはここ二、三年で大体到達する、そういう計算になっております。
○稲村稔夫君 さらに、これは第三期対策ともやはり非常に関連をしていると私は考えているのでありますけれども、国民食糧の国内自給ということをたてまえにしていきましたときに、私は、生産コストの問題を余り重視をいたしますと、その辺のところがいろいろと農業発展のそごになるのではないか、こんなふうにも思うわけでございまして、特に日本農業の持っているいろいろな特質というのがございますけれども、その辺の特質というものを考慮いたしまして自給度の向上というものを図っていかれるということになりますか。それとも、採算性の合うものをある程度確保していって、他のものは外国に依存をするといういわゆる国際分業論の立場に立たれるわけでありますか。その辺のところは財界の方は全面的な国際分業論を唱えておりますけれども、その辺の大臣のお考えをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(金子岩三君) コストの面は余り考えるな、こういうような御意見でございますけれども、コストはどうでしょう、やはり第一番に考えて、基盤を整備して生産性を上げ、生産コストを下げ、そして外国から圧力のかかる輸入農産物をはねのけるだけの強い農業をつくっていきたいというのが私の考え方であって、コストもやはり考えていかなければ、一般の消費者大衆はもっと安いものをどんどん入れたらいいじゃないかということを、特に家庭の主婦なんか、端的な言葉で言いますと、大分そういうことを申されておるわけですから、何よりもかによりも豪州とかアメリカに肉の価格を競争して太刀打ちができるということは恐らく永遠に不可能かもしれませんけれども、他の農産物については私は競争できると思います。したがって、競争して、やはり輸入の必要はないというような日本農業をつくりたい、こういうことを申し上げておるわけです。
○稲村稔夫君 この問題は基本的なものでございますから、それこそ時間も十分にかけて私は今後またいろいろとお聞かせをいただきたいというふうにも思っております。一応基本的なお考えはそうだということでお伺いをいたしました。その基本的な考え方に基づいて、これから米の生産調整についてお伺いをしてまいりたいと思うわけであります。 米の生産調整につきましては、農家の理解と協力によりまして、非常にこれは苦しいものだと思うわけでありますけれども、そういう中でここ近年は目標面積をそれぞれ毎年上回る達成率できております。いよいよ水田再編第二期対策がこの五十八年で終わりまして、来年度から第三期対策と いうことになるわけでございますけれども、この第三期対策の基本的考え方といいますのはどのようなものでございましょうか。 また、これによりまして五十九年度の転作の実績面積は、五十八年度目標面積よりも三万ヘクタール少ない五十七万ヘクタールにするという報道がございます。この数字は、将来展望というものを勘案してそういうふうにされたのでございましょうか。 またさらに、いままでの一期、二期は三年ずつの期間でありましたけれども、今度の第三期対策というのは、これはやはり三年ということになるのでしょうか。あるいは十年というあれがございますから、そこで二年、二年とか、四年とかという形になるのでございましょうか。 そしてまた、都道府県への転作割り当ての基準、割り当て面積はどういうふうに決められるのでございましょうか。 ペナルティーはどうなるのでありましょうか。 これらの問題は、それぞれ農家にとりましては非常に重大な関心事になっているわけでございます。これからの具体的な展開につきまして、第一期、第二期というものとこの三期はどこか違うものがあるのでございましょうか。異なる点があれば教えていただきたい、このように思います。
○政府委員(小島和義君) 米の需給につきましては、何もしないで放置しておきました場合に三百万トンを超える過剰が毎年出てくるということは計算上明らかなわけでありまして、これまでも長い期間かけまして転作の定着化に努力をしてきておるわけでございます。この水田利用再編対策に入りましてからでもすでに六年を経過いたしておりますので、この次の対策を仕組むに当たりましては、いままでにも増して長期的な視点に立って地域の実態に即した転作の定着化に向けて取り組まなければならない、かように考えておるわけでございます。 具体的な中身につきましては、現在詰めている最中でございまして、大臣からもできるだけ早く決定するようにという御指示をいただいておりますけれども、相手方もあることでございまして、まだ十分に煮詰まっている段階ではございません。したがいまして、内容にわたります問題について逐一お答えいたしかねるわけでありますが、私どもの考えといたしましては、先ほど申し上げましたように、いままでにも増して転作の定着化に向けて努力をしなきゃならないという問題意識と、あわせて目標等の設定に当たりまして、在庫の水準がかなり低下をしてきているという実態にございますので、目標面積を考えます場合に在庫の積み増し問題というものを念頭に入れて目標を決定していくという必要があろうと思っております。 さらに、従来、過剰米をもって充当してまいりました他用途米につきまして、今後は新たな生産米をもって振り向けていくという必要がございますので、その分も実質的な転作を考えます場合に織り込んだ内容とせざるを得ないというふうに考えております。 在庫の積み増しというのは、少なくともその年におきましては目標面積を押し下げる影響を持つわけでございますので、具体的な目標についてはいま申し上げましたようなことを織り込んで検討いたしておるわけで、五十七万ヘクタールというふうに決定をしたという事実はございません。従来、特にこの五十八年度目標を決定するに当たりまして、前年よりも三万一千ヘクタール切り下げたというふうなこともございまして、その際に三期対策に向けての円滑な移行に配慮するということも取り決めておりますので、そういった事情も考えまして目標を決定いたしたいと考えております。 それから、期間を何年にするのかという問題につきましては、転作の定着という観点からすればできるだけ長期にわたりまして目標を固定さしていくという方が農家側にとっては非常にいいわけでございますが、ただいま申し上げました在庫積み増しという問題を考えてまいりますと、これはできるだけ早い期間に在庫増勢をするという必要があるわけでございます。そういう両方の兼ね合いにおいて決定をしなければならない問題でございまして、従来の一期、二期が三年であったというふうな事情なども踏まえまして、これもこれから決定をする事項でございます。 それから、都道府県別の割り当て基準の問題でございますが、これは実はまだトータルの転作目標面積が決まっておりません段階でございますので、都道府県別にどのようにするかということについて具体的な検討をまだいたしておるわけじゃございません。従来は農業上のいろいろなファクターを基礎にいたしまして都道府県別配分をいたしてきておったわけでございますが、そういう物の考え方というのは大きく変更する必要はないだろうというふうに思っておりますが、具体的な都道府県別の話ということになりますればこれからの問題というふうにお答えをする以外にないわけでございます。 大体以上でございます。
○稲村稔夫君 在庫の積み増しの問題は備蓄の問題ということで後の方でまた伺いたいというふうに思いますけれども、いまのお話ではまだ具体的に決めたわけではない、五十七万ヘクタールというお話でありましたが、しかし御答弁の内容を聞いておりますと、大体そんなところへいくのかなというふうに受け取りながらこれからの御質問も申し上げてみたいと思うわけであります。そこで、そうした計画、第三期対策を立てていきますに当たっては当然そうすると長期見通しとのかかわりが出てくると思うわけであります。その長期見通しとのかかわりは一体どういうふうになるわけでございましょうか。 昭和五十五年の農政審議会の「八〇年代の農政の基本方向」、「農産物の需要と生産の長期見通し」によりますと、たとえば水陸稲の作付面積が五十三年の二百五十五万ヘクタールに対して六十五年は百九十七万ヘクタールというようになっております。これらの見通しにつきましてはこれから以後変更というのはないのでございましょうか。また、こうしたいまの長期見通しというかかわりでは、その第三期対策の特に需給見通しとの関係でお伺いをしたいというふうに思います。
○政府委員(角道謙一君) ただいまお尋ねの六十五年の長期見通しにつきましては、五十五年に閣議で決定をいたしたものでございます。その後すでに三年余りたちまして、現状を見てまいりますと、米の生産力につきましては、最近の天候不順等もございますし、水稲の平年反収の伸びが若干鈍化しているというようなこともあり、また水田の壊廃も鈍化をしているということもございますけれども、一般的な潜在生産力そのものは大体として長期見通しの線に沿って推移しているというふうに考えております。 また、需要につきましては、最近経済成長が鈍化をしている、停滞をしている、また冷夏等がございまして米の消費の減り方が若干鈍化をしてきている。予想よりも若干減り方が少なくなっておりますが、反面、当時見ておりました人口見通しにつきましては若干ふえ方が少ないということもございまして、需要全体としてはおおむね長期見通しの方向に動いている。 したがいまして、現状におきましては六十五年の米の需給見通しにつきましてはおおむね変更を要しないというように考えておりますが、具体的に明年度からの水田利用再編対策を決めていきます場合には、最近の実情等を織り込みながら、三年なり一定期間これにつきましての米の生産の見通しあるいは需要の見通しというものを踏まえて水準を決めていきたいというように考えているわけでございますが、転作の規模につきましてはまだ現段階におきましては決定をいたしておりません。
○稲村稔夫君 そうすると、この長期見通しはおおむね変更をする必要はないという考え方でいらっしゃるわけですか。
○政府委員(角道謙一君) 現段階においてはさようでございます。
○稲村稔夫君 それでは、この長期見通しをどういう算定根拠をもって算出をされたのでございましょうか。特に主食用の米の需要量、それから水稲の潜在生産面積と水稲の潜在生産量、これらのものにつきましてはどういう根拠で算定をされましたか。
○政府委員(松浦昭君) 私の担当の部門でございます需要について御説明を申し上げます。 六十五年の見通しにおきますところの主食用の米の需要量でございますが、これは米の総需要量は九百七十万トンから一千二十万トン、真ん中をとりまして約一千万程度ということに相なっているわけでございます。これには当然あられあるいはせんべいといったような米菓、それから穀粉、みそ等の加工原料用の需要量が約三十万トン含まれますので、主食用見合いの総需要と申しますと九百七十万トン程度というふうに考えておったわけでございます。 この積算でございますが、六十五年の見通しの一千万トンというのをはじきました根拠は、一人一年当たりの純食糧消費量、お米の消費量でございますが、これが六十五年におきましては六十三ないし六十六キログラムになるという計算でございます。これは基準年次からの米の消費の低下の趨勢あるいは消費支出に対する弾性といったようなものを織り込みまして計算いたしました結果、六十五年はこの程度の消費になるだろうというふうに考えたわけでございます。これに総人口を乗じまして、さらにこれは玄米で計算しなきゃなりませんので、精米の歩どまりで割り戻しまして、これによりまして食糧全体の需要量を推計し、これに加工用、それから種子用及び減耗分の推計量を加えまして計算したものが先ほどの計算になるわけでございます。
○政府委員(小島和義君) 私の方は供給の方、つまり潜在生産量の方を担当いたしておるわけでありますが、六十五年見通しを立てるに当たりましては、水稲の潜在作付面積につきまして基準年、これは五十三年でございますが、当時、潜在作付面積二百九十五万四千ヘクタールございました。六十五年までの壊廃面積、これは年に一万九千ヘクタールほどの壊廃がある。期間を通じますと二十三万三千ヘクタールの壊廃になるわけでございます。したがいまして六十五年の作付面積は二百七十二万ヘクタールと相なります。 他方、水稲の単収でございますが、この期間を通じまして品種の改良でありますとか基盤整備の進捗でありますとか、その他生産技術の高位平準化によりまして平年単収の水準が上昇してまいります。六十五年におきましては、十アール当たり収量を五百十キロというふうに見通しておるわけでございます。この潜在作付面積と六十五年の平年単収を乗じまして、それに若干の陸稲の生産がございます。それをプラスいたしまして、六十五年におきます米の潜在生産量としましては千三百八十五万トン、かように見通しておるわけでございます。
○稲村稔夫君 そういたしますと、主食用の米の需要量についての算定基準、国民一人当たりの消費量の計算をしておられるわけでありますけれども、この消費量が今後低下をするというふうに推計をされた根拠はどういうことになりましょうか。私は、特に食生活の中における米食率の問題がきわめて重要な役割りを果たしていると思うのですけれども。
○政府委員(松浦昭君) ただいま御答弁申し上げましたように、米の需要量は昭和六十五年度におきましては、五十三年の基準年次に対しまして約一割減少するという計算になりまして、先ほど約一千万トンという数字を申し上げたわけでございますが、これはただいま先生御指摘の点が非常に重要なポイントでございまして、やはり米の消費量が基本的には所得水準が上昇していく過程におきまして、畜産物あるいは油脂類といった分野がカロリーの面においても相当消費量が増加しているという状況でございまして、これは食生活が多様化いたしました結果そのようになってきたというふうに考えます。 このように畜産物あるいは油脂等でカロリーをとります結果、でん粉質を中心といたしましたお米につきましてはどうしてもカロリーの摂取量が、そこからは少なくなるという形になります。さようなことで、総カロリーを約二千五百カロリー、これは余り変わらないというふうに考えますると、やはり食生活の変化が将来ともこのような形で推移していくだろうということから、約一割の一人当たりの米の消費量の減になると考えられたというふうに考えておる次第でございます。
○稲村稔夫君 そうしますと、今後そういう食生活がだんだんと、油脂類あるいはまた動物脂質たん白の摂取がふえていくという推計をされているということになるわけですね。ここのところは大体その割合はほぼ横ばいになっているのじゃないですか。
○政府委員(松浦昭君) 先ほど官房長からも御答弁申し上げましたように、昭和六十五年の見通し、その時点までをとりましてこのような傾向を見てまいりますると、やはり想定したような傾向で推移するのじゃないかというふうに考えられますので、六十五年の見通しそのものは私どもとしては狂いはないものというふうに考えておるわけでございますが、もちろん、一方におきまして米の消費をできるだけ減退を食いとめるという政策はとるべきでありまして、これはやや長期的な政策になりますけれども、やはり消費の拡大、中には学校給食等への米の供給ということも図っておりますし、それからまた、いろいろな形でのPRを通じまして米の消費の拡大を図るということをやっておりますと同時に、最近におきましては、先生御案内のように、日本型食生活ということを提唱しているわけでございまして、その中におきましてできるだけこのような日本型の適正なバランスのとれた栄養、こういった食事の形を推奨することによって米の消費の減少を食いとめていくということを一方で図っている次第でございます。
○稲村稔夫君 この点もまたいろいろと栄養の問題でどう見なきゃならないかというのには議論の違いもあるところもあろうかと思いますけれども、時間の関係もありますので、次に私は単収についてお伺いをしたいわけであります。 長期見通しのお話では、十アール当たり六十五年度には五百十キロというお話でございましたけれども、この五百十キロが果たして技術的に可能というふうに考えておられるかどうか。こういうことがちょっと私は気になるわけであります。特に天候に恵まれた場合でありますとか、あるいはまた食味は余り問題にしないで農家が多収穫品種に片寄るという何らかの条件が出てくる場合は別にいたしまして、今日の水準というのがほぼ技術的には限界なのではないだろうか、そんなふうにも思われるわけであります。 たとえば、水稲の生育に重大な影響があるのではないかと思われるいろいろな自然条件、炭素同化作用の促進をするであろうそよ風を言われる学者の方もおられますし、あるいは水の縦浸透というのを問題にしておられる技術系の学者の方もおいでになります。あるいは昼夜の温度差であるとかいうようなこともありましょうし、それらの自然的な条件は人工的に解決をすることができない。そういう立地条件等々というのがあるわけでありますから、大体平場における水田の単収というものはほぼこれで限界に来ていて、これからさらにそういう立地条件の適さないところに収量の増加が拡大をしていかないとなかなか全体的な単収増というふうには見ていけないのではないか、こんなふうにも思われますし、また、有機質の土壌還元をどうするという問題もあるのじゃないかと思います。特に、この点は水を張るということによって畑作とは大分違うということに相なりますけれども、それによりましても化学肥料中心による栽培というものが高度の砂漠化への道を歩くということは技術的にもいろいろと指摘をされる方もあるわけであります。 さらにまた、気象学者の中には、地球の気候といいますものが二十世紀が一番よかった時期であって、大体天候不順というのがこう続いている世 の中は、地球の歴史の中ではむしろ普通の状態なんだというようなことを言われる方もありますけれども、ここのところ熱波あるいは寒波、世界的にいろいろと天候不順が問題になっているわけであります。今日の日本もそういう自然的な条件から人間が脱却するということはできないわけでありますから、その辺のところを技術的にどういうふうにとらえておられるのでありましょうか。また、農地の壊廃も特に山村部等についてはかなり進んできているというふうに思いますけれども、こんなことも含めて考えていきましたときに、果たして五百十キログラムというのが可能かどうかというのが疑問になるわけでありますが、その辺いかがでございましょう。
○政府委員(小島和義君) 六十五年の単収五百十キログラムと申しますのは、これはあくまで気象条件が平年どおりであればということでございまして、その年がどんな年であるかによりましてもちろん上下の変動はあるわけでございます。 ちなみにことしの、先般発表になりました九月十五日の作況では、指数で九九、実数で四百七十五キロでございますか、と発表されておりますが、この数字がもしこのまま最終数字になるといたしますれば、わが国におきましてはたしか史上五番目の単収になるわけでございまして、過去昭和四十年代の前半に、総量といたしましては千四百万トン以上とれた年が三年も続きましたけれども、この当時の単収よりは、不作と言われておりますことし、去年の水準の方がはるかに単収水準としては高くなっておるわけでございます。その意味におきまして、平年単収の上昇カーブというのは依然として見込めるわけでございまして、この数字を出すに当たりましては三つほどの要素をとって総合勘案して決定いたしております。 一つは、過去の実績に基づきます推計式によりまして将来の平年単収の上昇カーブを想定する、これが一つでございます。 第二には、品種の改良とか、あるいはその栽培技術等、単収水準に影響を与えます要因を一つずつ分析いたしまして、そういう要因が引き続き継続しておるかどうか、こういう吟味でございます。 第三には、土地や営農条件が類似をしております地域ごとに代表的な都道府県の担当者がどういう単収の上昇予測をしているかという一種の経験による判断値でございます。 それらの三つをもとにいたしまして五百十キロ程度と推定されたわけでございます。 今後の単収向上の技術的な可能性を検討いたしますと、まず、品種の問題につきましては確かにいわゆる良質米に生産が集中しておる傾向があるわけでございますが、半面、品質、食味の点ではササニシキとかコシヒカリというふうな代表的な良質米と比べて同程度である。しかも、収量の面ではより安定多収な新しい品種というのが開発、普及をされておるわけでございます。 それから、生産の担い手の方でございますが、一部に兼業化あるいは高齢化が進みまして、担い手の点から生産力水準が低下するのではないかという問題意識もございますが、半面におきまして、技術水準の高い中核農家や高能率な生産組織に対する生産の集中というふうなことによりまして、基本的な栽培技術がより徹底し、技術が高位平準化するという問題も予想されるわけでございます。 また、個別技術といたしましていろいろな土壌の条件、作物の状態というものを診断する新しい技術の開発、あるいは施肥の方法、新しい農薬など、単収の安定向上につながるような新技術も開発、普及がなされておるわけでございます。 そういったことを総合的に勘案いたしますと、五百十キロ水準というのはそれほどむずかしい問題ではない。現実の問題としまして、昭和五十三年におきまして全国平均四百九十九キロと、大変な好天にも恵まれた年でありますが、実現したという経緯もございますので、不可能な水準ではないというふうに考えておるわけでございます。 ただ、いまも申し上げましたように、腕をこまねいて見ておればだんだん単収が上がるというものではございませんで、いま申し上げましたようないろいろな技術要因というものも、関係する人間の努力の積み上げによりまして実現されるというものでございますので、今後も生産構造の変化に伴いますさまざまな対応策を行いますとともに、一方では毎年毎年の気象につきましては注意深い対策を行いまして、この単収向上というのが実現に向けて動き出しますように今後とも努力をしてまいりたい、かように考えております。
○稲村稔夫君 単収の五百十キログラムが果たして可能であるかどうかという問題につきましては、どうも私はいまの御説明だけでは十分に納得し切れないものがあるわけであります。それは先ほど来申し上げましたような技術的な側面から本当に単収を今後も上げ得るのかどうか、その辺につきましてのやはり疑問が残るわけでありますけれども、まだ私の方はお伺いしたい点がございますので、この点はこの程度にさせていただきます。 次に、先ほど来お話がありました九月十五日の作況といいますのは九九というふうに発表されておりますけれども、その後の作柄の推移についてどういうふうにごらんになっているか、それをお伺いしたいわけでございます。 もちろん数字の上でのことをお伺いをしたいというわけではございませんで、根拠を明確にした数字を出す御答弁はやはり次のあれが出てこなければ無理かと思いますが、とにかくその発表後の作柄というのは、その発表に比べて感覚的に下回るのか、あるいはもうちょっとよくなるのかというような程度でも結構でありますけれども、お聞かせをいただきたいのです。特に私の方の新潟県では、かなり思ったよりも今回の作柄が悪いというのが農家のそれぞれの感触のようでございまして、ことしの米の生産量について心配をしておりますので、まずその辺をお聞かせいただきたいと思います。
○説明員(井上喜一君) いま御指摘のように、九月十五日現在の作況指数は平年並みの九九でございましたが、その後の状況につきましては、九月下旬でございますか、熱帯性低気圧で終わりました台風等がございましたが、現在までのところこの九月十五日現在の作況指数九九を変更するような情報はわれわれは持たないわけでございます。したがいまして、現時点におきましてはこの九九の指数がいい方に向かうのか悪い方に向かうのか何とも申し上げかねる状況でございます。 いずれにいたしましても、次は十月十五日現在におきまして調査をするわけでございますが、十分実測調査をいたしまして、その上で実態を把握いたしたい、このように考えるわけでございます。
○稲村稔夫君 そうしますと、その作柄概況によりますと予想収量が千七十二万トンということになっているわけでありますけれども、それで五十九年の米の需要量というのはどの程度に見通しておられるのでありましょうか。需給に不安がない、こういうことになりましょうか。
○政府委員(松浦昭君) 五十九米穀年度のお話の前に五十八米穀年度、ことしの十月の末に終わりますこの状況を申しますと、実は私どもこの十月末で約十万トンの在庫ということで年度を越すというふうに考えておりまして、この予測はそれほど違わなかったというふうに考えております。これを前提にいたしまして、先ほどから御質問がございますいわゆる五十八年産米、この作況指数が九九で、試算の収穫量が一千七十二万トンでございます。これを前提にして考えてみますると、実はまだはっきりとした見通しが立てられるわけではございませんが、概算として申し上げますと、私ども一千九十五万トンの生産になるのじゃないかというふうに考えておりまして、これは作況指数が一〇〇という場合でございます。ただし、作況指数が九九になりましたことが若干影響がございますし、それとやはり転作面積につきまして超過達成があったということもございまして一千七十二万トンという数字に落ちついたというふうに 考えられます。 ところが、この一千九十五万トンの収穫量を前提にいたしましたときの明昭和五十九米穀年度末、つまり来年十月末の在庫水準が五十万トンないし六十万トンというふうに推定をしてまいったわけでございまして、これが先ほどのような状況で若干生産が落ち込んでおりますから、この在庫の状況が他の要因にして同じかりせば、大体三十万トン程度になるのじゃないかというふうに考えておるわけです。したがいまして、五十八米穀年度が十万トンでございましたが、それが三十万トン程度になるということで、需給の問題としては問題がないというふうに考えている次第であります。
○稲村稔夫君 時間ですのでこれで終わります。
○藤原房雄君 農業を取り巻く諸問題はいろいろ山積いたしておりまして、今回の国会はこれは第百臨時国会という非常に意義のある国会なわけですが、行革ということが一つの大きな課題になっておる。そういう中での本日の委員会もわずかの時間しかございませんで、それらのことをいろいろお尋ねしたいと思っておりますが、時間がございませんので、基本的なことだけお話し申し上げたいと思います。 何といっても、いまのこの問題の中で避けて通れないのは農産物の自由化問題だろうと思います。このことにつきましては、同僚の鶴岡議員からまたお話がありますが、一点だけ、先ほど同僚議員の質疑の中でいろいろお話がございましたが、農林大臣は非常に大事なときに重責を担われた。また、佐野経済局長も対外交渉ということで非常なお骨折りをいただいておると思います。それは多とするところでありますが、しかし、農民ならずとも日本の食糧安保といいますか、こういう見地からいたしまして、消費者の間からもやはり非常に注目をされておるわけでございますし、この自由化問題につきましては、さきの国会におきましても酪振法を通しまして酪農振興、こういうことでしっかりひとつ体制を固めていこう、そういう点いろいろな準備を進めているところでありますから、その脆弱な基盤が崩れるようなことがあってはならぬ、こういうことで大臣もいろいろ御努力なさっていることだと思います。 先ほどのお話でちょっと気になったのは、閣内の中で不統一だということで厳しいお話がありましたが、その前段のところですから、それは本心ではないのかもしれませんけれども、通産省でそういうお話をしても私は、議論としてはいろいろな議論があるのかもしれませんが、やはり閣僚の一員ということになりますと、これは毅然としていただかなけりゃなりません。通産省でそういうお話があっても私は何とも感じていないと言う。農林大臣だったら本当に不快感を感じていただかないと、そのぐらいの感情がさっと出てくるぐらいの担当大臣でないといかぬと思うのです。何も感じないなんと平気な顔しているというのは、大物なのかそれともどういうことなのかちょっと判断に迷っているところです。 これはいつも機会あるごとに聞いておりますが、ちょうど九日にワシントンで開かれるかどうか、この日程も定かなのかどうか。いずれにしましても、レーガンがやってくる、こういう中での非常に緊迫した、農林漁業者にとりましてはこの行く末に対して非常に緊張をもって見守っている中でもありますから、過日来の大臣のお話もいろいろ取りざたされておるわけでありますが、ここでひとつ明確に、自由化はもちろんといたしましても、この枠拡大ということに対しましても、基本的な大臣のお考えというものをまずお聞きしておきたいと思います。
○国務大臣(金子岩三君) 藤原先生はずいぶん古い先生で、よく私の性格も御承知なさっておると思いますが、この市場開放の問題につきましては、終始一貫私の考え方は変えていません。 ただ、先ほどからいろいろ閣内統一の問題で意見がありましたけれども、私は毅然として農林大臣として自分の職場を守っておる、日本の農業は私一人の責任で背負って立たされておる、こういう認識に立って努力を続けておるのでございます。相手があることですからどういうふうに結論が出ますか、レーガンさんが見える前に出るのか、あるいは三月三十日までにやがて結論を出さなければならないわけでございますから、私どもの努力は必ず実り、日本の農業を守ることに、日本の農村にこたえることができる、このように私は確信を持って取り組んでおります。その間にいろいろな雑音と言えば雑音みたいなものが――私は雑音と受けとめておるわけでございます。いろいろな場合、いろいろな私の発言に対していろいろな批判も出たりしますけれども、担当、いわゆる専門家を督励して、よく打ち合わせをして守り抜こうとして努力をしておる、この点はひとつ御理解をいただきたいと思います。 時間が短いのでごく簡単に、私の考え方は変わっていないということをひとつ御理解いただきたいと思います。
○藤原房雄君 不動の決意のほどは伺いました。どうなるかじゃなくて、その信念をひとつ貫き通していただきたいということを、きょうも一万人の方々が集まって大会をやって、私ども参加さしていただきましたが、農民の危機感というものは大変なものであるということで、ぜひひとつ……。 しかも、いま日本農業が、五十三年度の農業収入を見ますと、実質的には五三%農業収入が減っておるという、こういうことを考えますと、それはなぜか。三年連続の冷害があったり、価格抑制策、それからまた減反政策、こういういろいろなことがありました。こういう中で、農業収入というのはだんだん実質的には減っておる。今度の牛肉それからオレンジ、これに関する農家の方々、これはやはり減反をしなければならない、水田再編対策に協力をしなきゃならぬという立場で、それでは何をしたらいいのかということで実際協力をした方々が、もうそれ以上後のないところに追い詰められるということにつながっておるということは、これは見過ごしてならないことだろうと思います。 ミカン農家にいたしましても、肉牛にいたしましても、水田再編対策に対しまして協力した方々が、じゃ次の道をということでやられた方がやはり大多数である。もちろん複合経営とかいろいろな農業経営のあり方として、土づくり、そういうことから有畜農業ということも言われてやっておることはもちろんでありますけれども、私はこういうことから考えますと、五十三年から始まりました水田再編対策というものは年々農家の協力によって、それは農水省の皆さん方の御努力もあり、農業団体の方々の努力もあり、五十三年からずっと目標が達成されておる。こういう現実を見ますと、これは指導し、またそれに当たった方々の御努力も多としますが、農家の方々もそれを受け入れて、それでは何をしなきゃならないかということで大変な努力をしたわけであります。現実農家の方々が一番悩むわけでありますが、これが五十三年からずっと目標を達成してきたということは大変なことだろうと思います。その中に多くのミカンを中心としての減反や、それから肉牛に転換する、こういう方々が数多くいるということを忘れてはならぬ。 私は、この五十三年からの減反で一〇〇%ずっと達成してきたということに対しまして、まず農林大臣はどのように評価していらっしゃるのか。来年からは第三期の計画に入るわけでありますけれども、そういういままでの一期、二期に対する評価とこれからに対して、その農民の努力に対してどうそれを評価して、またその努力に報いるために誤りのない計画をお立てになる御決意なのか、まずその辺お聞きしておきたいと思います。
○国務大臣(金子岩三君) かつて六年間水田再編をやりまして、農家の方に非常に協力をしていただいた、したがって、大体過剰傾向にある農産物の調整が年を経てうまく調整がとれつつあるという成果を上げておる、これはひとえに農家の方々の御理解と御協力があったたまものである、私はこのように考えております。 今後、いままでの六カ年の経過を見て、よく猫の目農政ということを言われておるのは、挙げて、水田再編について農家の方々が落ちつかない、転作作物を定着させようとしても毎年変わってくるというようなことが猫の目農政の批判である、こう私は受けとめて、就任以来、今度は第三期とは言わず長期展望に立って水田の再編をやるということを言い続けてまいっております。したがって、地方の実態をもっとよく把握したいという考え方で農政局長会議を三回やりまして、その都度各地域ごとの実態の調査もいたしてまいっております。転作作物の定着状況等も見まして、果たして今後どのように六十万ヘクタールをそのまま持続してこの需給調整が十年、将来の展望が立ってうまくいくのかどうかということも含めていろいろ検討を続けてまいっております。 私は、九月末には結論は出したいということで米審の折にも七月に申し上げておりましたけれども、いろいろ作業に取りかかってみると、問題は大蔵との関係が非常に重要な課題になっております。予算の関係でございます。そういうこともありまして、つい一昨日も関係局長を呼んで、とにかく十日を目安にしてひとつ成案を出してほしいということを申しておるわけでございます。これこそ農家の方に微調整はあってもいままでのようにくらくらくらくら大きい耕作反別が変わっていくような御心配をかけないようにひとつやっていこうとして取り組んでおるわけであります。
○藤原房雄君 十年の計画で一期、二期、三年ずつ、ですからあと四年残っているわけで、これが二年ごとになるのか三年ごとになるのか、三年とするのか、四年にするのか、こういうことといま大臣がいみじくもみずからの口から猫の目農政というお話でございましたが、そういうことのないように努力しているということですから、それはそれでいいのですが、これはぜひそういう長期的な展望の上に立って営農のできるように、机の上では幾らでも数字ははじけるのですが、実際に作業なさる農家の方々がそのときそのとき変わるようなことでは大変なことはもう十分御承知のとおりでございます。いずれにしましても、計画即来年の営農に計画を立てなきゃならぬ農家個々の問題でありますし、また秋まきの麦、いろいろなものに影響もあるわけでありますから、いま大臣は早くということでいろいろ御努力しているようでございますから、ぜひひとつ。 そのほかに他用途米のこともいろいろ報じられておりますが、時間もございませんので、それらのものについてはまた後日にしたいと思っておりますが、いずれにしましても大事な問題でございます。長期的なこと、来年の営農にすぐまた影響する、こういうこと等でございますので、ひとつ最大限の御努力をいただきたいものだと思います。 次に、本年も大変心配しておりました気象状況が八月に持ち直したということです。全国的には九九という稲作指数でありますけれども、北海道の畑作は大変な被害でございまして、六月、七月は完全に冷害型であり、八月はちょっと天気がよかったのですが、お盆が過ぎてからも長雨ということで、これも地域性がございますが、特に十勝の方につきましては、北海道の半分の被害ということで、北海道全体で一千二百億か一千三百億かということですが、それの半分、五百三十億から被害があるだろうと。 私ども二十九日に参りましたが、その朝被害があった、霜がおりたということです。その後は結氷があったということですから、十月過ぎて霜の降らないようにと、こんなことを北海道の網走や北見で願うのは非常にむずかしいことだという気持ちでおりましたが、何とかそうあってもらいたい、こういう気持ちでおりましたが、自然には勝てませんで、やはり被害は大きく、私どもが調査に行ったときよりももっともっと大きいものになったのではないかという危惧をいたしております。数字的なことについてはいま取りまとめておったり、私どもが行った時点での資料はいろいろいただいてまいりましたが、当地でやはりこういう状況からも決定的な被害ともいうことからいたしまして、一番要望の強いこと、これはいままでの法律の中で畑作、水稲それぞれの農作物の被害がありますと、それぞれの共済の制度や天災融資法とか激甚災とかいろいろな制度があるわけでありますが、まず、このたび北海道の二十六日現在ですか、一千億を超しておる、一千三百億ということですから天災融資法の発動を是が非でもして、低利の融資でめんどうを見てもらいたいということがまず第一点。 それから畑作共済、これは町村によりまして加入率の高いところ低いところといろいろございますが、これも共済金を早期に適正に評価をし、そして年内に支払いをしていただきたい。これはいままでの実例を見ますと、大体年内でやっておるようでありますから、その作業はもう今日までやっておる実績からして年内の共済金の支払いというのはできるのだろうと思いますが、ぜひひとつ早期にやっていただく。北海道は一戸当たりの規模が大きい。そしてまた町村の三割ぐらいが農村であるということからいたしますと、地域経済に及ぼす影響が非常に大きいということから、これはぜひ年内早くにできるかどうかということは地域経済にも大きな影響力を持っている。 それから去年の秋麦、秋にまきました麦が収穫期にありましたが、わせのやつは雨の降らないうちに刈りましたが、そうでなくとも六月、七月の冷害型でおくれておりましたおくてのやつがお盆を過ぎて雨になって、そして穂発芽状態になりました。この穂発芽の取り扱いについても今日まで製品化できるもの、できないもの、そしてまたえさ用に回すもの、いろいろ対策を講じた例もありますが、今回は相当な量といいますか被害額であるということからいたしまして明確な対処方をしておきませんと、これはまた農家の方々にとりましては大変な現状である。そこで、これらのことにつきましてぜひ対策を講じていただきたいと思うわけであります。 それから、自作農維持資金等についても、もう大体枠がいっぱいでありまして、特例を設けなければ、この営農の計画というものについても非常に支障を来すような現状にあるのではないか。また既存の負債の償還についての猶予の処置をとってもらいたい。このように金融政策を中心といたしまして、去年はよかったわけでありますが、五十五年、五十六年とやはり被害を受けております。その返済が去年ようやく何とかなるかなというところで、ことしまた大変な被害を受けたということ、これらのことについて一つ一つお伺いする時間もございませんが、これらのことについての、現在はなはだ農水省でも御検討いただいているのじゃないかと思いますけれども、北海道の現状、そしてまたこういう地元での要望等についての検討の結果、そしてまた過去の実績等を通して、ひとつ御答弁をいただきたいと思いますが。
○政府委員(佐野宏哉君) お答えいたします。 まず最初に共済の方から。畑作物共済につきましては、先生ただいまお触れになりましたように、従来から年内支払いということは間違いないようにやってまいったわけで、その点は御信用いただいておると思いますが、私どもの承知しておりますところでは、畑作物共済は対象になります作物がバレイショ、大豆、小豆、インゲン、てん菜というふうにいろいろ多岐にわたっておりまして、その結果、どうしても損害評価の取りまとめに時間がかかって、稲作共済に比べますと十日ちょっとぐらいおくれるのが通例になっておるということがございます。年内に払うという点については一応信用していただいていいと思いますが、稲作共済の方の共済金の支払い時期との関係でもう少し早くならないものかなという気持ちを多数の農家の方が持っておられるということは私どもも重々承知をしておりますので、その点、損害評価を可及的速やかにやるようにいま農業共済団体を督励しておるところでございます。 それから、先生の言及なさいました穂発芽対策でございますが、これは従来から穂発芽により政府の買い入れ対象とならないような品質低下した ものにつきましては、損害評価の特例措置によって対処するということを例といたしまして私どももそのつもりでおるわけでございますが、今般のケースにつきましては、ことに問題の重要性にもかんがみまして、直接担当官を九月の五日から十二日まで現地に派遣をいたしまして、損害評価の適確な実施と共済金の早期支払いについて共済団体の指導を行っているところでございます。 それから、次に金融の関係でございますが、まずできることなら、新しく金を貸すこともだけれども、既存の借入金の償還猶予によってまず対処したいということはごく自然のことでございまして、従来から私どもといたしましてはこの種の災害の影響を受けた農家の方に対しての既借入金の償還猶予について関係金融機関に対して指導してきているところでございますが、本年の低温につきましてもその実情に即した対処をするように指導してまいりたいというふうに存じております。自作農維持資金の限度云々というお話につきましても、いま私どもも十分そういう必要が生じかねまじき事態にあるという認識は持っております。 それから、天災融資法発動の件につきましてお話がございましたが、天災融資法発動の問題につきまして、天災融資法の発動政令を書くために必要なデータ、一番そのしょっぱなの被害額自体がいまの段階で損害額を締め切ってしまうわけにはいかない。もう少し後でもう一遍締め直してみないとという問題がございますので、若干日時を要すると思いますが、私どもとしても可及的速やかに対処するつもりでおります。
○藤原房雄君 ただいまお話しいただきましたが、大臣、いまお話ありましたように、非常に北海道の畑作の方々、稲作も悪いところもあるのです。畑作はいまお話ありましたように、共済もジャガイモとか大豆とか小豆とか、それぞれ違うものですから時間がかかるとか、そういう手数もかかるのですが、何せ一戸当たりの耕作面積が大きい、地域経済に非常に大きな影響力を持っておる、農家の浮沈が地域経済に大きな影響を持つというようなこと等もございますので、いまお話ございましたけれども、積極的に御推進いただきたいということ。それから現実被害の実態というのは、いまこれから明確になるのだろうと思いますが、ちょっとそういう点では時間がかかるかもしれませんが、わかりましたらぜひひとつ早く見せていただきたい。 それから自創資金、これは何年か変わっていないので、少しこの自創資金の枠というものを、何でも枠を大きくして借金を多くすればいいということじゃないのですけれども、最近のこういう価格動向やいろいろなものの中からやはり考えるべきときではないかなという感じもするのです。いずれにしましても再生産のできるような政策、対策、特に種子等については地元でもいろいろやっておりましたけれども、そういうこと等も考えなければならないような深刻なところもあるということであります。また町村によりましては、三割ぐらい離農するようなことになるかもしれぬという町村、町長さんが頭を抱えているようなところもございましたし、地域性によって差はあるのですけれども、非常に深刻な現状にあるということだけはぜひひとつ大臣は御認識いただきたいし、対処していただきたいと思います。 これで終わります。
○鶴岡洋君 私は、農産物自由化問題につきましてお尋ねいたします。 この問題は、今国会でもさきの予算委員会でも論議されておりますし、きょうも午前中農産物輸入枠拡大阻止全国大会が開かれました。日本農業にとって大変深刻な問題でありますし、また重大な時期に来ております。中曽根総理は、牛肉、オレンジの自由化、枠拡大について、日本の農業を守るという基本線は貫くが、一方で対米関係があり、これに目を開く段階に来ている、さらに、「こういう段階になりますと、日米全体の、国交全体を考えてもらう国務大臣としての目も今度は開いてもらわなければいかぬ、そういう段階になってきていると思うのです。それにはやはり農林省内部においてよくいろいろな方法を検討してもらって、専門家もおりますし、また対外関係では佐野君のような」――そこにおられる経済局長だと思いますけれども――「ベテランもおりますから、こういう人たちが向こうの情勢もよく聞き、こっちの情勢もよく勘案して、そして、いま急にばたばたっとすべてのものを解決しろと言ったってできるものじゃない、時間をかけて合理的に一つ一つ妥当な解決案をつくってもらうことが好ましい、そう私は考えておる次第なんです。」、これに加えて「金子農水大臣は日本農業を守るために一生懸命やってくれましたけれども、いまのそういう客観情勢について認識を新たにされて、私のそういう考え方について協力してくれているのだろうと思って、感謝しておる次第であります。」と、こういうふうにも言っております。 そこで、こういう一連の総理の答弁、発言は大分以前と状況が変わってきたように私はとるわけです。はっきり言えば姿勢が柔軟になってきたというふうにとれます。農林大臣は、先ほども村沢さんの質問で、閣内統一しているとかしていないとかというお話があったようですけれども、中曽根内閣の一員でもありますし、総理と同じ考えであるということは私はそう思いますけれども、現時点で大臣のこの牛肉、オレンジの自由化問題について心境はいかがなものか、これを最初にお伺いしておきます。
○国務大臣(金子岩三君) 私が先ほどからたびたび申し上げておりますとおり、就任いたしまして以来この問題については厳しい姿勢で取り組んでまいっております。中曽根総理が、総理に協力してくれている云々というそのくだりは何を指しておるのかと思うと、総理が正月に訪米いたしましてレーガンさんといろいろ約束をしております。したがって、そのレーガンさんが訪日するとするならば、レーガンさんが見える前にこの懸案事項はやはり片をつけるべきだという主張を私がしたことを総理はとらえて協力云々のお言葉になったのだろうと思います。私はやはり内閣の一員である。中曽根内閣の政策推進については当然協力していかなければなりません。しかし、私の担当は農林大臣でございますから、農家の方がまあまあこれならばというような理解が得られる点までは努力をしなきゃならない。どの点でどう決着するかということは、まず具体的にはいま申し上げる段階でもないし、そういうことで、日本の実態をよくアメリカが把握することができたならばアメリカの方が歩み寄ってこれる、私はこういう考え方に立ってこの問題に取り組んでおるわけです。 そこで、先ほどからいろいろお話がありましたように、新聞報道等のようなことがもし事実であるとするならば、とんでもないということを私は申し上げておるのであって、決してそれかといってレーガンさんが見える十一月までにしゃにむにこれを日本農業に被害があっても片つけるというようなことはいたしません。これは昨年四月に両院委員会で決議をされておりますし、十二月も強い申し入れを受けておりますし、これを踏まえて、日本の農業に被害を与えないように誠心誠意で努力をしてまいる、そのように御理解をいただきたいと思います。
○鶴岡洋君 大臣は農民の味方でしょうな。そういうことでがんばっていただきたいと思いますけれども、九月十四日、十五日の二日間外務省で行われた日米の主張は非常に食い違っている、米側の自由化要求という原則は少しも崩れていない、依然として日米間の考え方がこんな大きな差がある、こういうふうに私は聞いておりますけれども、この交渉過程については新聞報道でそうであろうということで私は承知しているだけで、正式に内容を知るすべがないのですけれども、まずその協議内容について佐野局長の方からしていただければありがたいと思います。 それで、そのときに、今後の協議については外交ルートを通じてやるというふうに話が終わったようですけれども、この次はいつやるのか、ワシントンでやるのでしょうけれども、この二点についてお伺いいたします。
○政府委員(佐野宏哉君) お答えいたします。 大変申しわけないのでございますが、九月十四、十五両日の協議につきましては、米側から提案が出されたという点を除いては一切外部に明らかにしないという約束で協議が行われましたので、十四、十五両日の協議の模様について御説明し得る立場にはございません。その点、お許しをいただきたいと存じます。 それから、今後の協議日程につきましてはただいままでのところ整っておりません。
○鶴岡洋君 お答えはできない、説明できないと。経済局長は、スミス大使との約束があるからと。それだけの理由でできないのか、その辺はわかりませんが、新聞報道によれば、一つは、高級牛肉は今年度の輸入枠の六割、またオレンジは四割来年度から一気にふやしてもらいたいということ。それから二つ目は、畜産振興事業団による牛肉の一元輸入制度のいわゆる見直し、こういうふうになっているように見ますけれども、これらの要求と受けとめていいかどうか。どうですか、この辺は。
○政府委員(佐野宏哉君) 新聞で各種の報道が行われておりますが、この種の新聞の報道の真偽につきまして私が論評を加えますと、結果的にはスミス大使との約束に背馳する事態に到達するというふうに思われますので、その点についてお答えをすることもお許しをいただきたいと存じます。
○鶴岡洋君 幾ら言っても、出なければ出ないや。 それじゃ、いまわが国の畜産にしても酪農にしても、また果樹農業にしても、いずれも生産調整を余儀なくされておりますし、厳しい状況にあることは大臣もよく御承知だと思います。しかし、大臣は先ほどもちょっと言っておりましたけれども、「私は就任以来、自由化はもちろん枠の拡大も必要とは思わないということをずっと主張してまいっております。」と、こういうことは私もこの委員会で何回も聞いております。ただ、レーガン大統領が訪日するならば、「国際儀礼上やはりこの問題に一応真剣に取り組んで、ひとつまあ」、ここに「まあ」というのが入っていますけど、「合意ができたら合意をしていきたい、」と、こういうふうにも大臣は言っております。また、農相も中曽根内閣の一員であり、貿易立国で今日をなしてきたわけであるので、考慮せざるを得ない、こういうふうにも答弁をしております。受けとめようによってはすでに農林水産大臣も、しつこくなりますけれども、この自由化の枠の拡大について暗に認めつつ傾斜している、こういうふうに思えてしようがないのですけれども、もう一回農林大臣のその真意をここで、長く言うとまたわからなくなっちゃうから、はっきりこうですと、一言で言ってもらいたいと思うのです。
○国務大臣(金子岩三君) いろいろやはり私も立場がありますから、お話をするときには言葉のあやがあるわけです。大体私は話は下手な方ですけれども、そのあやをとらえて新聞はよく書くものですから、いろいろ皆さん方に御心配をかけておりますが、私の考え方と信念は変わっておりません。 ただ一言、いつも申し上げておるのは、やはり仮に牛肉でも国内の需給のいわゆる動向、バランスは変えなきゃならない、考えていかなきゃならない。もし足りないものがあれば、輸入をふやす場合もあるかもしれないということは私は申し添えておるわけですから、それは国民が需要が足りない、それがために価格が非常に暴騰するとかいう、そういう事態があれば、やはり輸入をしてできるだけひとつ価格も上げないように、みんな主婦の方々に安心をしていただくという一面も考えなければならないので、そこまで詳しいことは申し上げておりませんけれども、足りないものを入れることになるでしょうと、こういうことは申し上げておるわけでございますから、その点はひとつ御理解をいただいておきたいと思います。
○鶴岡洋君 それでは観点を変えて。 いま申しましたように、畜産、酪農、果樹農家は稲作農家、特に事業稲作農家と異なって、特に専業農家が多いわけですけれども、この輸入の自由化はこれらの農家にとって自由化するかしないか、枠を広げるか広げないか、こういうことでその一つ一つが大きな死活問題になってくるわけであります。私は酪農、畜産、果樹農家を指導している専門農協について経営の実態を調べてみましたが、まず農水省からこの専門農協について畜産農協、酪農農協、園芸特産農協について五十二年度から、簡単で結構ですけれども、欠損金が出ている農協数とその欠損額をちょっと報告していただけませんか。
○政府委員(佐野宏哉君) お答えいたします。 私どもが行っております専門農協の財務状況の調査は、残念でございますが、調査表の回収率が余り高くございませんので、その点あらかじめお断りしておきます。 まず、畜産農協から申し上げますと、五十二年度の場合、調査対象百二十六農協中欠損金があるものが三十五農協、その総額が三億二千六百万円。五十三年度の場合、調査対象百三十農協中、欠損金があるもの四十七、その総額が三億三千六百万円。五十四年度、百二十農協中、四十五農協に欠損金がございまして、その総額が五億六千万円。五十五年度、百二十四農協中、三十六農協に欠損金があり、その総額五億五千八百万円。五十六年度は百二十五農協中、四十三農協に欠損があり、その総額が四億一千四百万円でございます。 それから次に、酪農協でございますが、五十二年度、三百七十七農協中、欠損のあるもの三十八農協、総額二億七千二百万円。五十三年度、三百八十六農協中、欠損のあるもの四十四農協、総額二億九千九百万円。五十四年度、三百七十農協中、欠損のあるもの二十八農協、総額二億二千万円。五十五年度、三百八十一農協中、欠損のあるもの四十農協、総額一億三千二百万円。五十六年度、三百八十三農協中、欠損のあるもの四十農協、その総額一億二千九百万円でございます。 園芸特産農協に参ります。五十二年度、三百十二農協中、欠損を生じたもの五十四農協、総額一億七千八百万円。五十三年度、二百九十九農協中、欠損を生じたもの六十二農協、総額三億九千九百万円。五十四年度、三百十九農協中、欠損のあるもの八十三、総額四億三千三百万円。五十五年度、三百二十六農協中、欠損のあるもの六十七、欠損額総額二億三千八百万円。五十六年度、三百二十四農協中、欠損のあるもの六十六、その総額二億五千五百万円でございます。
○鶴岡洋君 私の調べたのと数字はちょっと違っているところがありますけれども、大体局長の言われたようになっているようです。 細かいことは申し上げませんけれども、たとえば畜産農協、私がこれは調べたのですけれども、畜産農協三百十のうち、対象は百二十五です。五十二年度では、もちろん事業総利益、粗利というのもありますし、粗利から事業管理費、人件費等を引いた利益がどうであるとか、また剰余金もありますし、いろいろ内容はこれは別問題にして、いわゆる畜産農協の単協として欠損が出ている組合というのは二十一あるわけです。五十三年度が三十三、五十四年度が三十四、五十五年度が二十八、五十六年度が三十五。パーセントにすると、五十六年度で欠損金が出ている組合というのは二八%、約三割ということになっているわけです。 それから酪農の場合も、対象は五百六十三のうち三百八十三ですけれども、これも大体欠損金の出ている組合というのは、五十二年度からずっといくと二十六組合、五十三が三十一、五十四が二十三、それから五十五が三十六、五十六が四十一。パーセントにすると一〇・七%。 それから園芸特産、これも平均すると約一〇%から一五、六%。組合数にすると三百二十四のうち、五十二年度が四十七、五十三が三十四、五十四が五十九、それから五十五が四十二、五十六が五十一、こういうふうに出ているわけです。 これに対照して総合農協は四千四百七十一組合ありますけれども、そこで欠損が出ている組合というのはじゃどのぐらいかというと、欠損の出ている組合というのは、五十二年度九十六、次の年 が四十九、四十八、八十九、百二十九。これをパーセントに直すと二・八%ということになるわけです。 ですから要約すると、畜産農協、酪農農協、それから園芸特産農協、これらは大体一〇%から二八%の割合で組合が欠損を出しておる。しかし、総合農協の方は二・八%、パーセントの数字の上からいくと約十分の一、こういうことになるわけです。ですから、中身はいろいろありますけれども、全体的に見て専門農協というのはそれだけ大変だ、こういうふうに見ても私は差し支えないのじゃないか、こういうふうに思います。 そういうことで耕作農家に比べまして、耕作農家も大変ですけれども、年々畜産、酪農、それから果樹農家の一戸当たりの農業所得なども減少し、農家の生活は苦しく、たとえば酪農農家は負債額が平均九百八十万円、北海道においては一千万円以上、多いところは一億というのも聞いております。この専門農協の契約化が進むと、農家に対する指導も十分行き届かない、こういう悪循環が懸念されますけれども、牛肉、オレンジの自由化、枠拡大が行われますと、このいわゆる専門農協、畜産、酪農、果樹農家は壊滅的な打撃を受けるということに当然なってくるわけです。この実態を見て大臣として、いままで欠損金を出している農協と多くの負債額を抱えている農家に対して今後どのような指導、それから救済対策を講じていかれるのか、その点はいかがなものですか。
○政府委員(石川弘君) 御承知のように、酪農あるいは肉用牛生産といった大家畜生産につきましては、五十五年、五十六年あたりから負債額が累増してまいりまして、これは単に固定化負債ということだけではございませんで、資本装備の高度化の中でいわば資産自身もふえてきたわけでございますが、経営の循環が思わしくないものにつきましてやはり累積負債ということが問題になってまいりました。御承知のように、酪農につきましては五十五年度の調査結果に基づきまして五十六年、五十七年の二カ年で約三百億の負債整理資金を投入をいたしましてかなりの条件緩和をいたしてまいりました。 その間、御承知のような計画生産も軌道に乗ってまいりまして、いわば酪農の交易条件も若干向上してまいりましたので、端的に申しますと峠を何とか越せたのではないかと思っておりますけれども、やはり負債問題につきましては、なお、いわば非常な過大な投資があって、償還金が容易でないものがまだ残っておりますので、五十八年度の価格決定の際にも約百五十億円の負債整理資金をさらに追加をいたしまして借りかえ措置を実施中でございます。十一月末には貸し付けを完了する予定でございます。 なお、この酪農負債整理資金につきましては、次年度以降につきましても必要があれば借りかえるという前提で調査を進めております。 肉用牛につきましては、御承知のようにどちらかと申しますと素畜の価格と飼料の関係で五十七年度あたりにその最も経営の不振のものが出てまいったわけでございまして、昨年の価格決定の際に肉用牛、それから養豚、ブロイラーを合計いたしまして約六百五十億円の借りかえを行ったわけでございます。 その中で肉用牛につきましては、四百四十六億円の貸し付けを行いまして、各県からお申し出のありましたものにつきましては満額処置をしたつもりでおります。その後交易条件は比較的好転をいたしておりましたので、実は本年は肉用牛につきましてこの種の措置はいたしておりません。私たちの見ますところ、四百四十六億円の資金の半分は三・五%の資金で流れておりますし、さらに償還条件につきましても、一年を据え置きまして七年の償還という有利条件に借りかえておりますので、経営面ではかなり改善されていると思っております。 なお、この種の問題につきましては、やはり製品の価格の動向、これは比較的安定的でございますが、いわば飼料のような資材費の変動もございますので、逐年その状況を見まして健全経営に向かうように誘導するつもりでございます。 もう一点、御心配をかけております子牛でございますが、子牛につきましてかなり価格が低迷をいたしておりましたので、御承知のようなことし法制化をしていただいております子牛の価格安定基金を発動いたしまして、そのほか生産奨励金等も交付をいたしておりますので、実は子牛の価格自身は低迷をいたしておりますが、農家の手取りは実質的には下がっておりません。雄子牛につきまして価格が若干上がってまいりましたが、雌の子牛につきましてなお低迷をいたしておりますので、ことしの第三・四半期に特別に雌子牛を導入しますものについてさらに必要な援助をするということを考えておりますが、そういうこともやりながら経営が健全に向きますように処置をするつもりでございます。
○鶴岡洋君 畜産局長から詳しい話があったのですけれども、私の方からまとめて申し上げますので簡単にお答え願いたいのです。 いま言いましたように、この畜産農家における負債の累積額が非常に深刻なわけです。確かにいま局長が言われたように、資産がふえたとか投資が多かったとか、これも私はこの委員会で何回も聞いておりますし、それは承知をしておりますけれども、特に積極的に経営規模の拡大に努め、日本の畜産業の中核的役割りを担っている農家ほど大きな負債を負っていまその重圧に苦しんでいるわけです。また、本年の畜産物価格は肉が据え置きになって、乳価も実質据え置かれ、逆に飼料価格というのは七月にトン当たり平均三千五百円ですか、値上げされ、また近々のうちに値上げされる予定になっているようでございますけれども、このような実態を考えますと、畜産経営の維持、拡大にとってこの負債整理対策の適切な実施が不可欠であり、一層の拡充が今後の重要な課題であると思うわけです。 そこで、いまもお話がありましたけれども、負債整理対策については、まず一点として、酪農経営あるいは肉畜経営の累積負債の実態は簡単に言うとどうなっているのか。それから二つ目は、資金需要の実情についての対策。負債整理対策が農家の負担、負債の軽減なりにどの程度機能をしているのか。それから三つ目は、本資金の需要に対応した資金枠の拡充と事業の運営についてはっきりと、政府の見解はこうなのだということを教えていただきたい。
○政府委員(石川弘君) 実は負債総額で申しますと、はっきり統計上つかんでおりますのはまだ五十六年度までの数字でございますが、これは固定化負債という意味ではございませんで、いわば負債の残高ということでございますから、これがすべて固定化しているわけではございませんが、酪農経営で申しますと全国平均で五十六年度末の借入金残高は九百四十一万六千円でございます。この中の約五〇%が農林漁業金融公庫のような財政資金でございますので、これは償還期限の比較的長いものでございます。残りの四二%が系統資金、それからその他資金が八%という構成でございまして、酪農に関します限りは大変財政資金の比重が高い。したがって、償還条件等もかなり弾力的なものと考えております。この残高は逐次増高いたしておりますけれども、問題になりますのは一頭当たり貸付金残高とか、あるいはその中で固定化するものはどれだけかということでございます。この種のものにつきましては、御承知のように五十六年度に負債整理をいたします際にわれわれが都道府県を使いまして調査をしまして、いろいろ階層分けをしたわけでございますが、その後その種の調査は実はいたしておりませんが、一般的に申しますと固定化負債の累増という傾向はとまっておりまして、どちらかというと償還期限の延長等によって一回当たりの償還金、それから一頭当たりの償還金等につきましてはほぼ増加傾向がとまり、かつどちらかと申しますと交易条件がよくなったこと等も考えまして、一般的に酪農家そのものが言っておりますように若干の明るさが見えてきたというような段階ではなかろうかと思います。 それから、肉用牛経営でございますが、これは同じように肉用牛の中の肥育経営で申しますと、一戸当たりの平均的な借入金残高は五百六十八万一千円でございまして、この中では系統資金が四百二十万ということで比較的多うございまして、財政資金は六十一万というぐあいに、肉用牛の肥育経営につきましては、これは御承知のように短期の資金運用でございますので、いわば系統資金の比重が高うございます。ここにおきましても一頭当たりの負債残高につきましては、これはむしろ若干減少するというような数字が五十六年度に出ております。その後のむしろ五十七、八の方が異動が大きくなってきているわけでございますが、これは統計的な把握をまだ完全にいたしておりませんので、若干その後の傾向は、先ほど酪農で申し上げましたような感触で申し上げますと、その後の交易条件は必ずしも悪化をしていない。素畜の価格関係、えさの価格関係等を含めましても悪化はしていないと思っております。 それから、資金でございますが、先ほどちょっとお答えしましたように、酪農につきましては五十六年度に百六十三億円、五十七年度に百三十七億円、二年間で合計三百億円の負債整理資金の貸し付けを完了いたしておりまして、これは金利がいわば系統資金約一割ぐらいの資金から三・五%あるいは五%、三・五%物がかなりの比重、半分以上を占めておりますけれども、そういうぐあいに金利が軽減されたことが農家にとっては何よりも大きい負担の軽減でございます。 それから、償還期限につきましては、御承知のように肉畜でも七年という形で延ばしておりますので、一回当たりの償還額というものはかなり軽減をされております。 それから、負債整理をいたしますときの条件としまして、農協等がみずから貸しております既貸付金につきましても条件緩和をするようにという指導をいたしておりますので、その種の条件も緩和をされております。 それから、今回の貸し付けにつきましては単に金利負担を軽減するというだけではなくて、借入金の中には必ずしも健全とは思われないような、たとえば生活資金的なものが非常に過大な比重を占めているとか、そういうものにつきまして県とか農協、畜産界を通じます濃密指導を実施いたしておりますので、その種の面でも若干の向上が見られるかと考えております。 それから、肉用牛につきましては、先ほど申し上げましたように、五十七年度で総額四百四十六億円の貸し付けをいたしておりまして、この額は都道府県から申請がありました総額そのものでございます。 今後でございますが、酪農につきましては、この制度をつくります際に五十六年から六十年にかけて安定的に借りかえをしていくということになっておりまして、実は毎年毎年見直しをするという約束でございます。五十八年まではこうでございましたが、五十九年度以降のことを申し上げますと、条件としてはむしろ、たとえば本年度限度数量の増とかいろいろなことをやっております。それから市乳の原乳価格等の向上も見られますので、ことしの三月の条件よりもむしろいい条件になるのではないかと思っております。 肉用牛につきましては、継続的にやるということにはなっておりません。したがいまして、毎年度の価格設定の際にその必要性を見ながらこういうことをやるかどうかを決めてまいりたいと思っております。 このほかに御承知のように、自作農維持資金を使いました負債整理は別途行われておりまして、これは金額的にはそう大きいものではございませんが、毎年たとえば五十七年度の実績で申しますと、肉用牛関係で十四億の自作農資金が出ておりますし、酪農関係で三十二億の自作農資金が出ております。
○鶴岡洋君 それじゃもう一度自由化の問題に戻りますけれども、牛肉とオレンジの自由化、枠拡大の問題については、これはもう何年もの間日米間の課題になっているわけです。特に米国側が強硬な態度に最近なってきているわけです。なぜこのように長年にわたってこの農産物問題がこじれているのか。 私も実は、三月にアメリカへ行って現地の事情を聞いてまいりました。私が感じた点はたくさんございますけれども、日本人がアメリカの事情を知り、関心を寄せているそのわりあいには米国人は日本を余り知らない、こういうふうに私は感じたわけです。もちろん国の広さも違いますし、制度も違いますし、また向こう側というか、アメリカ側の考え方、ワシントンの考え方といわゆる地方の考え方、事情も違いますし、さらに生産者と、それから米国側の政府サイド、これも違うからそうなのでしょうけれども、いずれにしても日本の農業事情についてアメリカの現地の人たちは余りにも知らな過ぎる、こういうふうに感じているわけです。佐野局長も何回も向こうへ行かれて日本の農業事情については一生懸命説明はされているでしょうけれども、私はそのように感じてきたわけです。このままでいると、そういう理解がないと、いつまでたっても農産物の交渉の問題は永遠というか、続いていくのではないか、私はそういうふうに思うわけです。 そこで、この日本の農業事情についていろいろ派遣団等を組まれて行っているようでございますけれども、いままでにどんな方法でPRし、理解を求めてきたのか、また、今後はどういうふうにしたらいいのか、まずそういうサイドからこの難航している交渉問題を解決していくのも一つの方法ではないか、こういうふうに思うのですけれども、その点はいかがですか。
○政府委員(佐野宏哉君) ただいまの鶴岡先生の御指摘は私も大変感ずるところがあるわけでございまして、たとえば牛肉、柑橘の交渉になりますと、日本では各紙一斉に一面に大きな記事が載りますけれども、ワシントン・ポストをあげてみてもニューヨーク・タイムズをあげてみても、牛肉、柑橘の交渉をやっているなんという記事はまず出ないわけでございます。ですからそういう意味では、農業問題、日米間の農産物の貿易問題について日本側の認識の度合いとアメリカ側の認識の度合いというのは非常に大きなギャップがある。それがいろいろな意味での問題の処理をむずかしくしていることは、まさしく先生御指摘のとおりであろうと思います。 それで私どもとしては、海外の農業関係者をわが国に招聘して農村視察を案内するとか、たとえばこれは変な話でございますが、日本のあの零細な農業経営を見て、見るまでは統計の上だけで知っているような日本の経営規模で、よもや一人前の農業が行われているなどとは思えなかったというような人がずいぶんいるわけでございます。そういう人を農村視察に連れていきますと、狭いながらもちゃんと農業らしいことをやっているのであるということを現場で見て、改めて感銘を受けるというような関係者も多いわけでございます。それから、海外でのシンポジウムなどにわが国の学識経験者を派遣して、向こうで日本の農業事情についてという講演をしてもらうとか、こういうこともかなり手広くやっております。最近の、手前みそでございますが、たとえば農政調査委員会の吉岡さんにこの前カリフォルニアへ行ってもらいましたが、その後、吉岡さんの講演を引用した大変好意的な記事がロサンゼルス・タイムズに載りまして、そういう形で少しずつは効果が上がってきているというふうに思っているわけでございます。 また、農業団体等民間のレベルでも、アメリカのマスメディアを通ずる広報、これは最近日本でも農業団体がアメリカのテレビで広報活動を始めているというのがいろいろ紹介されておりますので、ごらんいただいた向きもあろうかと思いますが、そういう広報活動でございますとかミッションの海外派遣とかそういうことをやっているわけです。それに対して、そういう農業交流活動を積極的かつ継続的にやっていって、貿易摩擦の解消にも資するために、関係団体の出捐によりまして近く国際農業交流基金というようなものをつくり まして、これに対して政府としても補助金を交付するなど、そういう仕掛けをつくっていこうということもいまやっているところでございます。 ただ、こういうことをいろいろやっておりますが、先ほど先生の御指摘になりましたように、そういうのはなかなかアメリカの一般の報道機関に思うように取り上げてもらえないというところが一つのむずかしいところでございまして、そこら辺についてはさらに今後工夫をしていかなければならないと思っております。
○鶴岡洋君 もう一つ、ガット協議ですけれども、十三品目について今日まで二回にわたって、二十三条の一項に基づいて協議してきたということになっているわけです。アメリカの態度というのは先ほどから申しましたように、この抗議にもかかわらずガット違反であるということで主張しているわけですが、その経過からいってこれはどういうふうに考えているかということですけれども、二国間協議の二十三条の一項、それを二十三条の二項に基づいてやらなければならぬ状況なのか、またそうしなければ解決への道はちょっとできないのじゃないかなというふうにも思うのです。こういういまの状況ですから、二国間協議で話がつけばそれはもちろんそれでいいのですけれども、アメリカの態度がああいう態度ですから、これはやはり二十三条の二項まで持っていって、それに基づいて協議をしようとしているのか、その辺はいかがなのですか。
○政府委員(佐野宏哉君) ガットの二十三条一項協議につきましては、九月の八日、九日の両日二回目の協議を行いまして、日本側から米側の見解に対する反論を述べたところでございます。それで、二回目の協議が終わるに当たりまして、アメリカ側としては二回目の協議の際行われました日本側の開陳された意見を持ち帰って米側内部で検討した上、今後の取り扱いについては外交ルートを通じて日本側に連絡をしてくるということになっております。それでどういう出方をしてくるかということはよくわかりませんが、少なくとも今月三日にガット理事会がございまして、さっさと二十三条二項に持っていってしまいたいというふうに思ったのであるとすれば、当然ある種の行動をとっておかしくない機会が一つはあったのでございますけれども、その日には別にこれという事態も起こらずに十月三日は過ぎたわけでございます。ただ、ただいま先生も言及なさいましたように、二十三条一項の段階で妥協が行われるということについては相当いろいろむずかしい事態がございますので、その点について私どもも決して楽観をする気にはなれないという心境でいまおるところでございます。
○鶴岡洋君 最後に、大臣にお聞きしますけれども、レーガン大統領が来ることになっておりますので、そこでその政治決着がされるのではないかと。われわれは、この政治決着ということについてはそれはいろいろな見方がございますけれども、かつての昭和四十六年の六月だったですか、グレープフルーツで苦い目に遭っているわけです。やらないやらないと言って、それで参議院の選挙が終わったら、たしか次の日だと思ったのですが、閣議で政府は決めてしまってわれわれとの約束をほごにした、こういう苦い経験があるのです。まさかそんなことは私はないと信じておりますけれども、そのときの農林大臣の倉石さんの話では、開放経済推進のためにやむを得ない、こういう記者会見をしているわけです。開放経済推進のためにやむを得ないと、こんな一言でやられたのじゃこれはもうたまったものじゃないわけです。そういうことでしつこくなりますけれども、大臣の決意を、政治決着するかしないかこれもわかりませんけれども、レーガン大統領が来るということはこれは間違いないわけで、当然話題になると思うのです。その辺を踏まえて大臣から大決意というか、決意を述べていただきたい。
○国務大臣(金子岩三君) 私は、レーガンさんが訪日する前に何が何でも政治的に決着をつけようと、そういう焦った気持ちはありませんから、ひとつ御安心願いたいと思います。決着をつける場合は、日本の農家の方、当然与野党を問わず皆さん方の理解を得なければ、やはり昨年四月の委員会の決議、十二月の申し入れ、こういうものを踏まえてこの問題に取り組んでいるのでありますから、グレープフルーツのときのような問題とはちょっと問題が違いますので、その点はひとつ慎重に取り組んでまいりますので、御信頼をいただきたいと思います。
○鶴岡洋君 終わります。
○下田京子君 私も、第一に日米の農産物交渉問題でお尋ねしたいと思います。 御承知のように、きょうは全国農民の代表の皆さん方が、日本農業と食糧を守れということで一万人集会が開かれております。また新聞等では、先般行われたその交渉内容がまさに実質自由化を強要するもので、四年後に牛肉は六倍になる、またオレンジは三倍以上というふうな複利拡大問題も含めて、その内容に大変な怒りが広がっていることは御存じだと思います。 局長にお尋ねしたいのですけれども、この米側の提案内容につきましては御説明いたしかねますというふうに述べられております。ただ同時に、大変厳しいものであって、日米間の考え方には相当大変な隔たりがあるというふうに報告もされ、また答弁もされていると思います。そこで確認したいのですけれども、米側が自由化要求というこれまでの基本的な原則を取り下げたというふうに見ているかどうか。
○政府委員(佐野宏哉君) これは十四日、十五日の協議の内容以前のもっと基礎的と申しますか、基本的な米側の考え方に関するものでございますから、お答えすることはスミス氏に対する約束に反しないと思いますが、輸入数量制限の撤廃を追及するというのが米側の基本的な立場でございまして、その点につきましてアメリカ側の態度は毫末の変更もございません。
○下田京子君 ちょっと局長明確じゃないのですけれども、九月十六日に農林水産省としてちゃんと出ているのですが、それによりますと、米側は自由化要求という基本原則をとうてい取り下げることはできないとしつつもと、こう述べているわけですから、これは取り下げていないということですね。そうですね。
○政府委員(佐野宏哉君) 語尾が不明瞭で申しわけございません。米側の態度には毫末の変更もないとお答えしたのでございます。
○下田京子君 次にお伺いしたいのは、日米間の考え方の相当な隔たりということを言われているわけですけれども、その際の日本の考え方というのが何なのか。農水大臣は繰り返し自由化はもちろんだけれども、枠の拡大もしないのだということを言っているのですが、そういう立場ですか。
○政府委員(佐野宏哉君) 交渉に当たっていかなる考え方で臨むべきであるかということにつきましては、当委員会の決議という形でガイドラインが示されておりますので、私どもとしてはその考え方に従って対処しておるところでございます。
○下田京子君 当委員会の決議が一定のガイドラインだということですけれども、明確に枠の拡大にも応じられない、こういう立場は堅持されているのかいないのか。
○政府委員(佐野宏哉君) 私といたしましては、交渉の当事者でございますので、当委員会の御決議を体して対処しておるということ以上にはいまの段階で申し上げようがない立場でございます。
○下田京子君 枠拡大については明言されないわけでありますが、改めてちょっとお尋ねしたい点なのですけれども、東京ラウンドの合意内容についてです。これもずっと交渉に当たってきた局長ですから御承知だと思うのです。細かくは申しませんけれども、柑橘類それからグレープフルーツジュースについて「開放的な市場の状況をもたらすことを目的として、」云々というふうに明記されていると思うのですが、これは自由化を意味することではないかと思うのです。それからもう一点は、高級牛肉については「輸入を一層拡大するための方途につき」協議するということで述べておるのですが、これはつまりは輸入の枠の拡大を約 束した内容になるのじゃないか、この二点について明確にお答えください。
○政府委員(佐野宏哉君) 前段につきましては、アメリカ側がある局面でまさに下田先生のいまおっしゃったような解釈を主張したことがございまして、私どもが手厳しく反論をいたしておいたところでございます。日本側の解釈によれば、「開放的な市場の状況をもたらす」ということは何ら自由化を意味するものではないという解釈で対処をいたしております。 それから、第二段のお尋ねでございますが、「一層拡大するための方途につき」云々ということが枠の拡大を意味するものではないかというお尋ねでございますが、これは先生すでに御承知のことだろうと思いますが、日本の現在のIQ制度の中には高級牛肉のIQというものがございませんので、高級牛肉の枠というものがそもそもない以上、高級牛肉の枠が拡大されるかどうかということはそもそも議論の対象になり得ないというふうに思っております。
○下田京子君 私が指摘したような解釈があるということはお認めになったわけですね。その解釈について、いや、日本としてはそういうことだけを意味するのじゃないのだと言って反論した、つまり、日米間で解釈が違う、そういうことになるわけですね。
○政府委員(佐野宏哉君) まず誤解を避けるために申し上げておきますが、先生がいま言及なさいましたような解釈は日本政府部内には一切ございません。 それから米側におきまして、いま先生がお述べになりましたような解釈が公定版の解釈であるかどうかわかりませんが、私に向かってそういう見解を述べた米側の人物がいたことは事実でございます。
○下田京子君 大変玉虫色であるということは、これは一つはっきりしたわけです。 文面どおりずっと読みますと、「開放的な市場の状況をもたらす」ということですから、これはもう自由化につながるのじゃなかろうかというふうに思えますし、それから牛肉の問題についても、「輸入を一層拡大するための方途につき合衆国政府と協議を行う」ということはそのとおりなのですが、ただ、高級牛肉という概念があるかないかの話で反論した云々というふうなことでの御答弁だったと思うのです。こういうことで非常に明確でないわけですが、この東京ラウンドの合意という内容から見ますと、大臣が繰り返し枠も拡大しませんよというふうに言っていることは大変矛盾するように思うのですがいかがでしょう、これは大臣に。
○政府委員(佐野宏哉君) まず、合意文書の解釈問題につきまして私からお答えをさしていただきたいと思います。 まず、「開放的な市場の状況をもたらす」ということについて、米側の一部に日本側と違う解釈が行われていることは事実でございますが、念のため柑橘類、オレンジジュース及びグレープフルーツジュースに関する附属書の第一項の(a)をごらんいただきたいのでございますが、ここには次のように書いてございます。「日本国政府は、オフシーズンにおける開放的な市場の状況をもたらし、かつ、かんきつ類の貿易機会を拡大することを目的として、次の表に従って生鮮オレンジの輸入割当てを増加させる。」と書いてございます。したがいまして、もし「開放的な市場の状況をもたらす」という目的が自由化であるとするのであれば、この文章は全くこっけいなことになるわけでありまして、自由化することを目的にして輸入割り当てを設定するというのは、私は論理的に成り立たないと思っております。 したがいまして、この文章をごらんいただけば、「開放的な市場の状況をもたらす」ということが自由化を目的とするものであるという米側の解釈がいかに牽強付会のものであるかということは御理解いただけるだろうと存じております。 それから、第二点でございますが、高級牛肉という高級牛肉の輸入枠が存在しないということは、これは紛れもない事実でございますが、これはただいま先生が高級牛肉の輸入枠を拡大することを意味するのではないかという御質問がございましたので、そういう枠は存在しないというふうにお答えしたのでございまして、日米間で高級牛肉の輸入枠が存在するかどうかということをめぐって論争が行われたことは一度もございません。
○下田京子君 高級牛肉ではなくて、牛肉一般についての枠の拡大という点ではお認めになったわけですね。 そうすると大臣、その枠の拡大もない、しないというのは、この東京ラウンドの合意からも矛盾するのじゃないですか、これは大臣に。
○政府委員(佐野宏哉君) まず、いま下田先生は私が申し上げなかったことを引用しておられるのでございまして、私は日米間の高級牛肉の合意文書の解釈だけを申し上げたわけです。それで、牛肉トータルの問題につきましては、合意は日豪間でございます。ですから、東京ラウンドの合意文書が牛肉トータルについて一体いかなる意味合いを持つのであるかということを判断するためには日豪間の合意文書によらなければいけないわけでございまして、日米間の合意文書によってこれが牛肉トータルの枠拡大を意味しておるのであるというふうに解釈されることは私は賛成いたしかねますし、私はそういう解釈を申し上げたことはございません。
○下田京子君 解釈はしていないということでの御説明はわかりました。ただし、食い違いがあるというのも事実で、私もここのところを長く引用すると時間がかかりますけれども、牛肉のところについては(1)から(3)までありまして、これは日米間の関係のところで合衆国政府と協議を行うということで、輸入の一層枠拡大の方途の問題がちゃんと述べられていることは局長は御存じだと思うのです。 東京ラウンドの決着までの経過から何をいま私たちは考えなきゃならないかという点でお尋ねしたいわけなのですけれども、一九七八年の一月に中川・ストラウス会談が行われまして、いわゆる第一回目の牛肉・オレンジ枠拡大で決着がついたと思うのです。その中身は、たとえばオレンジの場合ですと、七七年度で一万八千トンだったものが七八年度には四万五千トンにするという、二・五倍にも匹敵するもの。そしてその一カ月後でしたか、当時の、いまは亡き中川農林水産大臣が輸入枠の再拡大や自由化はここ一、二年のうちはないだろう、もし言ってきてもこたえられる状況にない、こういうことで一九七八年二月十日に衆議院農水委員会でしたけれども言明されているのです。 ところが、その二カ月後になりますか、一九七八年の四月にマンスフィールド駐日大使が、アメリカ政府は自由貿易維持に努力しているが、そのためには議会内に味方が必要で、農産物生産州の議員がその味方になり得るのだということで、まさにいまの時点と同じような発言を行いました。そして、翌五月にストラウス代表が当時の福田首相に農産物の輸入枠拡大を迫りました。九月に中川・ストラウス会談が持たれまして、そこで当然まとまると考えていたわけですけれども、アメリカが自由化時期の明示を迫ってきて物別れになったわけです。結局、その後一九七八年の十二月ですね、いまの東京ラウンドの合意というふうに至ったと思うんです。 あとは詳しく述べませんけれども、つまりこの経過を考えてみますと、アメリカのやり方というのは自由化で圧力をかける、そして大幅な枠拡大の譲歩を引き出す、こういうのが常套手段だ。それから日本側はどうかといえば、国会でこれ以上枠は拡大しませんとかいろいろおっしゃっていながら平気で国会答弁を覆して大幅な枠の拡大をしてきた。これが東京ラウンド合意に至る経過だったと思うのです。 それだけじゃなくてその後も、さらに昨年五月ですけれども、田澤前農水大臣です、これは私が質問いたしまして、大臣、自由化はもちろんだけれども、枠の拡大もしないのかと言ったら、もち ろんそうですというふうに答弁しました。ところがもうその一カ月もたたないうちにパイナップル、缶詰などの三品目の枠拡大をやったわけです。それから、これは金子大臣です、昨年十二月、これもやはり聞きました。そうしたら大臣はそのときに同じように自由化はもちろん、枠の拡大にも応じぬ、こう言っていたわけです。しかし現実にはどうかというと、トマトペーストなんかを初めとして六品目を枠拡大をし、ことし一月の中曽根総理のアメリカ訪問の手みやげにしていったというふうな経過があるわけなのです。 だから、まさに歴代の農水大臣が国会で枠拡大もしないと言いながら、この国会答弁をほごにしてきたというのがいまの経過を振り返ってみてはっきりしてきたのじゃないかと思うのです。これはまさに国会軽視、とりわけこれはまた国民を欺くものだと言われて仕方がないのじゃないでしょうか。大臣、こういう経緯を振り返ってみて、いま改めてどう思いますか。
○国務大臣(金子岩三君) いろいろ経緯を承りまして、私も大体その経緯は承知いたしております。私はそういう経緯があったからといって、また金子農水相もそれを繰り返しやるのじゃないかというような疑いで見られてははなはだ迷惑です。私は私の信念に基づいて、衆参両院のいわゆる決議あるいは申し入れを尊重いたしまして、日本農業に被害が生ずるようなことはいたしません。
○下田京子君 同じような趣旨のことを金子大臣は十二月時点でも、またことしになってからも何度か言われているわけです。しかし、結果が示すように、実際には国会の発言と違う枠の拡大に譲歩してきたということについてどう反省されるのか、これははっきりいま委員会でお述べいただきたいなと思うのです。 それは、大変政治決着の問題がさっきからいろいろ言われておりますけれども、お話を伺っていますと、レーガン大統領の訪日前にいわゆる政治決着ということはないだろうし、急がない、こうは言っているのです。しかし、いわゆる政治決着をつける場合には理解を得てと、こういう話もされているわけです。理解とは一体だれの理解なのかということにもなるわけで、いまアメリカ側が自由化を要求しております。日本は自由化も枠の拡大も応じられぬと農水大臣は言っているわけです。そうなるといよいよ政治決着しかないわけで、その政治決着を一体だれの立場でいつどういうふうに行うのかというのが非常にいま関心の一つになっているわけです。 これはアメリカの場合ですと、マンスフィールド駐日大使が九月一日ですか、日本経済新聞のインタビューに答えまして、牛肉、オレンジ問題はまさに政治問題なのだということを何度も繰り返し言われているわけです。大統領選挙が近づけば近づくほどアメリカの自由化圧力は強まるだろう、こうも言っているわけです。 一方、日本の場合にはどうかということを見ますと、年内総選挙ということが大変うわさに上っております。これはもし総選挙後ということになりますと、国内にあっては自由化反対の政治的力が弱まるだろうというふうなことも考えられますと、これはもう総選挙後に、またアメリカの大統領選挙の前に、よく中曽根総理が言っておりますけれども、戦後政治の総決算だというかっこうで、一方ではレーガン大統領選挙支援というかっこうで政治決着が図られて、大幅な枠の拡大なりあるいは一定の自由化なり、そういう方途に近いものが出てくるのではなかろうか、こういうことで心配があるのですけれども、どうです。
○国務大臣(金子岩三君) 政治問題化しておる、したがって政治決着を御心配なさっておるようでございますが、アメリカのレーガンさんの方はどうか知りませんけれども、わが国で私はこの問題を政治的にタイミングを見て取り扱っているというような考え方は全くございません。これは純粋な、やはりアメリカがいまいろいろ申されておるようでございますが、日本の実態を認識なくて得手勝手なことを申されておる、私はそういう考え方でおるのですが、いつの日にか、やはり日本の実態を本当に理解ができて妥結ができる時点が来年三月までにあるのではないかと思います。必ずしもレーガンさんの見える前に、十一月の上旬までにこれを決着つけなきゃならぬというような私どもは焦りも何もありません。やはり純然たるいわゆる日米友好にひびが入らないような、お互いが理解し合って話し合いの上でこの問題には決着をつけたい、こういう考え方でおりますので、余り政治的にいろいろ、選挙がいつあろうがそんなことは関係ないのですから、どうでしょうか、余りその方はお気になさらぬ方がいいのじゃないでしょうか。
○下田京子君 気にしないような政治が行われれば国民も安心できるわけですが、過去の経緯がそうでなかっただけに皆さんは不安を感じているし、事実先ほど来他の委員からも言われておりましたが、日本政府が正式に米側に派遣した対日市場アクセス促進ミッションの中内副団長が、オレンジの季節自由化やその他農産物の大幅自由化をやらせるように米国議会から圧力をかけてほしいというふうに発言したわけです。その発言に対して大臣はいまもお笑いになっておりますけれども、それは立場立場で思い思いの発言をしているのだからいいじゃないか、こういうことでございますけれども、ここではっきりさせたいのは、一個人が自由に物を言う、これは言論の自由というものは保障しなければなりません。ただ押さえなければならないのは、財界代表じゃない、日本の政府代表で行ったと。あれこれ個人だのどうのこうのと言ったってこれは日本政府の代表として、しかも副団長という立場で発言されている。このことについて何も物を申さないという大臣の態度に皆さんはやはり怒りを感じるのです。 それから、発言の中身の問題なのですが、大変重大だと思います。単に意見の違いを述べたというのじゃないのです。アメリカの強い圧力でもって市場開放を促してくれ、こういうふうに言っているわけですから、どうぞ内政干渉を進めてください、主権国家の独立性を踏みにじるような大変な問題なのです。逆の立場だったらどう思いますか。それもまあいいじゃないのと言って大臣はお笑いになっているわけです。そういうことでは本当に幾ら大臣が日本の農業を守るのだ、私は農水大臣なのだ、一人でも守るのだみたいなことをおっしゃったって、結果としては財界のこういう言い方についても何にもお述べにならないということの不安につながっていくのじゃないですか。 時間もなくなってきたので、まとめますと、しかも財界が九月二十七日に「自由貿易体制の維持・強化に関する見解と提言」を出しまして、この牛肉、オレンジについては一定の期間を決めて完全自由化を目指して努力をしなきゃならないということまで述べているわけです。それに対して農業団体から抗議の電報も届いております。これを紹介する時間もありませんけれども、こういうことについてきちっとした態度をとるべきではないかと思うのです。
○国務大臣(金子岩三君) 先ほど通産省の審議官がいろいろ、自分も立ち会っておったということでお話しになっておりましたが、全く中内さんの個人的な発言であったということを繰り返し釈明しておりました。私は、通産大臣が申されたということならば大変な問題だなと、こう思いますけれども、通産省が推進して出向いたミッションであるかもしれませんけれども、その中内さん個人がいろいろな話をしたその中に、そういう発言があったということが記事になってとらえられておるのでございますけれども、私は先ほどから村沢委員にお答えしたように、さほど気にとめてない。というのは、外交はやはり水際で一本化して当たらなけりゃならないのですけれども、わが国は自由主義の国であって、そしてやはり出向いて思い思いに申されております。 そこで、それを考えると、立場立場で外に向かっていろいろ話をされておることを、余り神経質になる必要はない。私は、毅然として日本の農業を守るためにこの問題には取り組んでおる、こう いうことを申し上げておるのでございまして、さほど気にする必要はないのじゃないでしょうか。いろいろ外国に出かけて行っても、立場立場でそれぞれの立場で物を言っているのが日本の現状じゃないでしょうか。そのように解釈すれば別に腹は立たないのじゃないですか。
○下田京子君 腹が立たないとか立つとかというそういう個人的な感情の問題ではなくて、きちんとした立場からいまのように考えたらば断じて承服できない内容なんだということを改めて指摘しておきたいのです。 時間が参ったのですが、一点だけ申し上げたいのは、農薬のEDB問題についてです。これは発がん性物質だということでもって、いろいろ米側では研究もされておりました。薫蒸後の食品中、残留は揮発性だからないということでもって、国内では輸入柑橘類に薫蒸使用されてきましたし、国内にあっては野菜農家なんかの土壌薫蒸で使われてきたわけです。 二点だけ明確にお述べいただいて質問を終わりたいのですけれども、一点は、一九八〇年にアメリカはこの問題について案を出したわけです。
○委員長(谷川寛三君) 簡潔に願います。
○下田京子君 今回は、また決定というかっこうで出してきたのですけれども、土壌薫蒸は直ちに禁止するというふうに言っているわけなのです。その背景となるのは、地下水から検出されたということが大きな原因になっているようなのですが、第一点は、日本でも速やかに地下水調査をして、その結果いかんによってはきちんとした対応をすべきではないか。 それから二点目には、この使用について農蚕園芸局長名でもって、使用の徹底方について五十七年一月二十八日付で出しております。この通達文書ももう一度見直してみて、必要があれば改定もしなければならないだろうし、このとおりに守られているかどうかという点での安全な使用の徹底方が必要ではないかと思うのです。とりわけ、作業の際にマスク、ゴム手袋等をちゃんとやっているのかどうか、ハウスの中で苗はどうなのかという問題もございます。 この二点について明確に御答弁をお願いします。
○委員長(谷川寛三君) 簡潔に願います。
○政府委員(小島和義君) 国内で土壌消毒に使っております地域の地下水の調査は、早急に行いたいと思っております。 それから、第二点でございますが、作業者の安全確保という観点から見ますと、現在の土壌消毒に使います際の作業環境中の濃度というのは、今回アメリカが制定しようとしております〇・一ppmよりははるかに低い濃度でございますが、念のために防護マスク等の使用を指導いたしておるわけでございます。さらに、その徹底を期したい、かように考えております。
○政府委員(角道謙一君) 先ほどの中内ダイエー会長の問題につきまして、若干補足をさしていただきたいと思いますが、通産省からこの問題につきまして、私どもの方に遺憾の意の表明がございましたし、また、私どもの方もダイエーの中内社長自身はつかまえなかったわけでございますが、副会長の森口さんにおいでいただきまして事情聴取しましたところ、中内社長の公的ミッションの代表としては不穏当な発言であったということで、私どもにおわびをされておりますし、私どもは、私的な立場では大臣が申されたとおりでございますが、公的ミッションの立場としては非常に不穏当であるということで遺憾の意を申し、また今後の言動につきましても注意を要するように申し入れてございますので、御報告させていただきます。
○喜屋武眞榮君 大臣にお尋ねします。 内政の面と外交の両面から問題をお尋ねしたいと思います。 まず、内政面の立場からの問題です。この国内自給の向上という問題は一貫してずっと強調されてきた問題であることは、いまさら私が申し上げるまでもございません。たとえば、五十五年四月二十三日にも、食糧自給力強化に関する決議が出されております。ところが、決議は食糧自給の向上ということをたびたび強調され、なされておりますけれども、その実はどうなっておるかというと、逆の現象を呈しております。 たとえば、昭和三十五年と昭和五十六年の間における国民の食糧の生産状況はどうなっておるかということを統計の上でははっきり確認できるわけであります。それは、結論を先に申し上げますと、食糧自給率の急激な低下ということなのです。向上どころか急激な低下をしておるという、これが事実であります。二つに分けて、総合自給の状況、昭和三十五年は九〇%、それが昭和五十六年は七二%にダウンしておる。次に、穀物を中心とした食糧を比較しますと、昭和三十五年には八二%、何と五十六年には三三%に落ち込んでおります。こういう低下したこの事実をむしろショック的に私は受けとめておるのです。次に、今度は国際的な視野から見ますならば、先ほど来述べておられる、また壁に直面しておるところのいわゆる農産物の自由化の問題にいま当面しておるわけであります。 そこで、内と外を思いあわせて、私が大臣にずばり聞きたいことは、このあたりで日本の農政、いわゆる農業政策を見直す時期に来ておるのじゃないか、見直す必要がある、こう思われてなりません。ならば、その見直す内容について、その前提には見直す必要があるかないかということをまず問いたいわけですが、見直す必要があるとするならば、何をどのように見直したいと思っておられるのか、まずこのことを最初にお聞きします。
○国務大臣(金子岩三君) 昨年八月の農政審議会の答申に基づきまして、次の八〇年代の農政はどうあるべきかということを一応踏まえまして、いろいろな政策を推進しております。自給率の問題に触れましたが、穀物が昭和三十三年、二十三年前には八十数%がいまは三三%というような御心配がありましたけれども、これはやはり畜産が非常に盛んになりまして、大体えさ、トウモロコシだけで一千三百万トン入ってきておるわけです。アメリカから入れておる大体二千七、八百万トンという穀物は、このうちの八割はいわゆる畜産のえさなんでございます。この状態がかつて二十三年前とは一変しておる、こういうふうに御理解をいただきたいと思うのでございます。そのほか、とにかく畜産はそれによって当時からすると数倍の生産、いわゆる七〇%の自給率を見ておるわけでございます。 これから、何に力を入れるかという御意見でございますが、米は御承知のとおりでき過ぎて大変再編成をやる苦労をしておるわけでございまして、輸入農産物を努めて自給しなければならない、やはり国内生産を高めて輸入を少なくする、こういうような考え方に立って取り組んでおりますけれども、少なくとも畜産のえさだけは、この狭い日本の領土では、千数百万トンの単にトウモロコシ一つをとらえてみても、自給率が日本で可能であるかどうかということは問題でございます。不可能に近いと私は思います。 そこで、見直す時期が来ておるという先生の御意見ですが、当然農政は、大変国民の嗜好も変わってきまして、かつて二十年前は一人当たり米を百二十キロ余り食べておったのが、六十五年にはもう六十五キロしか食べない、いわゆる半分になるわけです。米が生産過剰でこのようになっております。したがって、減反したもの、転作作物を、これはやはり輸入しておる大豆、小麦というものに力を入れて転作奨励をやっていますけれども、これも思うように進んでいません。こういうことを考えますと、農業というのは大変むずかしい、思うようにいかないというようなことがつくづく私もこの一年間身にしみております。しかし、それでもやはり何とかして日本の食糧の自給率を、食糧の安全保障を一つとらえて考えてみましても、少なくとも七、八〇%の自給率は確立したい、こういう理想を持っていろいろと政策に取り組んでまいっておるところでございます。
○喜屋武眞榮君 この点につきましては、ひとつ この際徹底的に見直しにつきましてメスを入れていただきたい。そして、しかも机上の空論じゃなくて、ペーパープランじゃなくて、その実が上がっていくような具体的な計画、これが生きた農政であり農業政策であると私は思っております。その点強く要望しておきます。 次に、それと関連がありますが、アメリカの農産物の自由化の問題で、アメリカの生産農家、団体はそれほど日本に対して押しつけがましいとは思っていないと聞いております。そして日本の生産農家は逆に、御承知のとおりもうそれこそねじり鉢巻きで抵抗の構えをして、断じてそれを受け付けないということが日本じゅうの底辺に、あの村、この村、あの県でもある。実は沖縄でもあしたありまして、ぜひ帰ってくれと連絡も来ておりますが、国会の最中でありますから帰るわけにはいきませんが、そのようにこれは沖縄だけの問題じゃない、日本じゅうが、生産農家がこの問題に大変重大な関心を持っておるわけであります。 そこで、察せられることは、アメリカの生産農家としてはそれほど無理をして日本に押しつけたいという気持ちはないと聞いております。ならば、これはレーガン政府あるいは大統領の一つの選挙との絡み合いによって政治的な立場から云々されておるのではないかと私も思われてなりません。そこを日本として、政府としてどう判断し、どう処理していくか。あくまでも日本の国民の、また農民の暮らしを守っていく、そして再生産意欲を高めていくという、ここに基本的な日本の農政の姿勢がなければいけないと私は思うからであります。 次に、第二点、最近よく日本型食料ということが、日本型の食事ということが、これは国際的に話題になっておるわけなのです。そうすると、日本型食事と国内食糧の需給との関係ですね、どういう関係があるとお考えですか。国内生産の需給の問題と日本型食事のあり方の問題について、どのようなつながりがあるとお考えですか。また、どういう方向に持っていきたいと思っておられるか、大臣の御所見を伺いたい。
○国務大臣(金子岩三君) 前段の問題、アメリカの農民はさほど日本に農産物を押しつけがましく考えていないというようなお話を受けたのです。私もそういう情報を得ています。したがって、全く政治的な問題ではないか、こういうことも先生の御主張に御理解ができます。 後段の問題、日本型の食事と日本の農業の関連をお尋ねになりましたが、むずかしい問題で、どこの方をどういうふうにつながりをつけるか。やはり日本の食事が諸外国で大変健康食だということで高く評価されておるということは私どもも誇りとしておるところでございます。これと日本の農産物をどうつないでいくかというようなお尋ねと思いますが、私は、日本型の食事が日本の農産物から水産物、畜産物まで含めてやはり適正ないわゆる食糧の生産をやっておる、つながっておる、こういうふうな見解をしております。
○政府委員(角道謙一君) ただいまの日本型食生活の問題につきまして、若干補足をさしていただきます。 日本型の食生活につきましては、五十五年の農政審議会の答申におきまして、現在の、米を主体といたしまして、野菜、畜産物あるいは果物というものを多様に取り入れた食生活というのは非常に望ましいものである、また、これが日本の国内の生産体制から見ても望ましいものではないかというような答申がございまして、私どももそれを今後進めていくという方向で現在いろいろ検討を進めておるわけでございます。 これと、今後の米を初めとします農産物の需給との関係はどうかというお尋ねでございますが、私どもそういう日本型食生活の普及ということを念頭に置きまして、需給見通しを行います場合にもそういうものを考慮の要素に入れておるわけでございまして、現在の六十五年の長期見通しは、そういう日本型食生活の普及ということも考慮に入れております。その結果、六十五年におきましても、大体畜産物、たん白質、あるいは脂質、炭水化物の摂取の割合であるとか、あるいはカロリーの摂取量あるいは水産物等の摂取の割合等、いわゆる日本型の食生活はおおむね維持される、また、栄養的にみても好ましいものではないかというように考えているわけでございます。
○喜屋武眞榮君 じゃ、この問題はまた時期を改めて伺わさしていただきます。 次に、先ほど台風十号の被害状況の調査の報告で、三十九県の被害状況を調べたというふうにおっしゃっておりましたが、この三十九県の中に沖縄県も入っておりますかどうか。
○政府委員(角道謙一君) 三十九府県の中には沖縄も含まれております。
○喜屋武眞榮君 入っておる。
○政府委員(角道謙一君) はい、入っております。
○喜屋武眞榮君 それじゃ沖縄の状況を聞きたいのです。沖縄の状況はどうなっておるか。
○政府委員(角道謙一君) 私どもは全体につきましてはいま数字を持っておりませんが、農林水産関係について申し上げますと、沖縄につきましては、農業関係で三十六億七千二百万、それから農地、農用地施設関係で七千万、林業が二億八千八百万、それから水産関係では三億一千八百万という県報告でございますので、私どもはただこれは現在の報告をそのまま受けとめておりますので、今後の実態につきましてはなお調査が必要であるというふうに考えております。
○喜屋武眞榮君 いまのはいつの現在ですか。
○政府委員(角道謙一君) これは十月四日現在でございます。
○喜屋武眞榮君 まあ少々の差はそれは私も認めます、きちっとした調査というのは最終的にはまだ時間がかかると思いますので。 大体総額が三十九億二千万。そのうち農作物が三十六億九百十九万八千。そこで特に強調したいことは、そのほとんどの三分の二以上がサトウキビの被害であるということなのです。ほかの畑作もたくさんありますよ。なぜ私が特にサトウキビを言い出したかと言いますと、毎年いまごろになりますというと畑作の価格の決定が、北のビートやでん粉や、そして甘味資源の問題が国で決められる。そういう時期に差しかかっておるこの際に、このような被害が莫大であるということは、これはまた重大な問題であるわけなのです。そこで、価格決定につきましてもぜひこのことを考慮に入れてもらわなければいけないと思うわけでありますが、大体、甘味資源の価格の決定については、現時点では政府とされてはどういう状態にあるのか、お聞きしたいと思います。
○政府委員(小野重和君) サトウキビの価格につきましては、まずその決定時期でございますけれども、てん菜よりも例年おくらせて決めております。これは、やはり沖縄ないし鹿児島につきまして台風が来ますので、そういうことも踏まえたるということにしております。 本年の場合、私どもはてん菜は今月の中旬に決めますけれども、サトウキビにつきましては下旬を目途に決めたいと思っております。 それから、生産者価格でございますけれども、あるいはサトウキビは、甘蔗の買い入れ価格でございますけれども、これにつきましては、まず生産者価格でございますが、法令上、パリティ指数を基準として物価その他の経済事情等を勘案して決めることになっておりますが、その際は、他の畑作物の価格決定とのバランスとか、あるいは現下の厳しい財政事情等をも総合的に勘案して適正に決めてまいりたいと存じております。 ただいま先生のおっしゃった台風等による被害の問題でございますが、これは、収穫量いかんによりまして工場の操業度にも関係しますし、また、状況によっては歩どまり等にも関連します。こういう点につきましては、製造経費をどう見るかということになるわけでございまして、今後そういう点も十分考えて適正に決めたい、かように存じております。
○喜屋武眞榮君 先ほど来、台風十号の被害が本 土にもずっと疾風迅雷及んでおるわけですが、しかし、何と申しましても台風銀座沖縄であり、その台風十号の発祥も沖縄であります。そういう宿命を持っておるわけでありますので、特に台風十号の今度の特徴は、竜巻を伴っておるのです。従来そういった竜巻を伴った状況というのは余りなかったのです。しかも沖縄本島の伊是名村の勢理客という字では一カ字の三分の一が吹き上げられて空中分解をしてめちゃめちゃになった。それから、沖縄本島の東村の宮城という字、そこでも竜巻がありまして、この伊是名村と東村に竜巻が伴ったと、このローカル新聞にこのように報ぜられておるわけでありますが、そういった従来にない特徴のある台風であった。ですから、これの災害復旧、補償ですね、いち早くこの対策については県やあるいは地元も当然立ち上がらぬといけませんが、行革再建の美名に隠れてこの復興に背を向けられたらたまったものじゃない、こういうことでひとつ前向きでこの復興に力を入れてもらいたい。 最後に、何と申しましても沖縄農業の、これは漁業も畜産も含めてですが、第一次産業の立ちおくれは基盤整備の問題であります。これも時間があれば数字的に具体的に持っておりますけれども、それは避けたいと思いますが、ただこのことだけは申し上げておきたい。 基盤整備が極度に立ちおくれておるということを御承知のことと思いますが、そういった情勢の中で具体的に申し上げますと、これは南の糸満市での一例でありますが、灌漑との関係、水の問題です。あるいは道路の問題、圃場整備の問題、いろいろ総合的にあるわけなのですが、その一例をとりますならば、糸満市での平均が、単収が五千八百五十七キロ、約五トンです。それが灌漑を使用せずに収穫したのが四千五百五十三キロ、約四トンです。ところが、灌漑を施した、これはまだ部分的でありますが、この成果が何と一万二千八百五十一キロ、十二トンです。そうすると、灌漑施設をやった平均的な収穫と全然灌漑施設をやらない収穫と二倍ないし三倍の収穫が上がっておる事実、このことからもいかに基盤整備が沖縄農業の開発に重大であるか、これは日本全体の問題でもありますが、しかし沖縄は立ちおくれておる、こういうことをあえて私は申し上げるわけでございますが……
○委員長(谷川寛三君) 喜屋武君、時間が来ましたから簡潔にお願いします。
○喜屋武眞榮君 時間ですね、わかりました。 そういうことでありますので、第一次振計の立ちおくれが、十年延長になった第二次振計の中でこれがきちんと実を結ばなければまた同じもくあみになるわけでありますので、最後に大臣のこのことに対するひとつ御決意を、所信を承りまして、時間が参りましたので終わります。
○国務大臣(金子岩三君) いろいろ御指摘いただきましたことは一々ごもっともでございます。復帰後日が浅いので第一次産業の基盤整備が、いわゆる農業から漁港の整備に至るまで大変本土と比較しておくれているということはよく承知いたしております。したがって、特別措置を講じておりますけれども、何か行革など考えぬでとこう先ほど言われましたが、行革で厳しい予算編成あるいは切り込みをやっておりますけれども、災害の復旧などにはその影響はないので、ひとつその点は御安心をいただきたいと思います。それで、基盤整備についても沖縄は特別に政府は配慮をして今日までやっていますけれども、農林省所管については特に私もこれから一層気をつけて御期待に沿うように努力をいたします。
○委員長(谷川寛三君) 本件に対する質疑は本日はこの程度といたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時五十五分散会