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100回国会参議院1983/10/05

決算委員会 第2号

発言数
376
登壇者
45
会派数
7
開催日
1983/10/05

会議録

安恒良一日本社会党

○委員長(安恒良一君) ただいまから決算委員会を開会いたします。  昭和五十六年度決算外二件を議題といたします。  本日は総括質疑第二回を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

本岡昭次日本社会党

○本岡昭次君 文部省にお伺いします。  文部省は九月十六日国士舘大学の柴田梵天総長を呼んで、「運営体制の刷新等」、「法人全体の円滑、適正な運営」、「海外事業の慎重な実施」など六項目の改善勧告を口頭で行っています。こうした改善勧告は昭和五十三年にも行っていますが、五十三年に行った改善勧告は事実上国士舘大学側から無視をされ、その上私学本来の目的を逸脱し、疑惑に満ちた海外への資金送金、武道館建設、さらには現職の常務理事が学園内で学校OBに刺殺されるという最悪の事態がついに起こっております。いま少し文部省がこの問題の深刻な状況を把握して、私どもが追及している段階で積極的に改善に乗り出していれば、人一人のとうとい命を失わずに済んだのではないかと私は思っております。今回の改善勧告は文部省としてもこれらの経緯を踏まえるときに重大な決意を込めて国士舘大学に対して行ったと私は思いますが、文部大臣の所見を伺いたいと思います。

瀬戸山三男自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(瀬戸山三男君) 国士舘大学の問題につきましては、いま御指摘のように従来から管理運営体制等についていろんな問題が指摘されております。そういう関係で文部省としてはしばしば従来から改善を指導、助言をしておったわけでございますが、なかなかそれが指導のとおり改善されておらないうちに、御指摘のような現職の理事がしかも学校内で刺殺される、こういう非常に遺憾な事態が起こりました。そういう関係で、文部省としてさらに柴田総長等を招致いたしまして厳重に改善を指導しておるわけでございますが、さらに従来も助成金の補助をカットしておりましたけれども、将来にわたってしばらく全面カットするという通告も財団からいたしておる、こういう状況でございまして、これに対して柴田総長からは、従来御指導に対して十分でなかったけれども、全学を挙げて改善に努力したい、こういう返答で今日に至っておりますが、今後とも厳重に監視を続けたい、かように考えております。もし詳細なことが必要であれば事務当局から御説明申し上げます。

本岡昭次日本社会党

○本岡昭次君 いまの程度の文部大臣の所信というんですか、所見であれば、また五十三年改善勧告をしたと同じような結果に私は終わると、こう思います。  それで、口頭で勧告をされたということですが、一応勧告の内容がメモ化されております。そのメモに基づいて、一体この勧告の意味するところは何かということをひとつお尋ねをしておきたい。  まずその第一点は、六項目にわたるこの改善勧告であるんですが、一番最後に「以上について、早急に検討し、文書で文部省に報告すること。」と、こう書いてあります。「早急に検討し、文書で文部省に報告すること。」、文部省は国士舘大学に対していつまでにこの勧告についての報告を提出せよと、このように指導されているんですか。

阿部充夫文部省管理局長

○政府委員(阿部充夫君) 国士舘大学に対する指導でございますけれども、先ほど大臣からお答え申し上げましたように、去る九月の十六日に柴田総長を招致いたしまして六項目にわたる指導をいたしたわけでございます。指導のやり方といたしましては、口頭ではございますけれども、念のためということでこのメモを先方に渡しまして、誤解のないようにあるいは文部省から指導した内容が間違って伝えられるようなことがないようにという配慮を特にいたしたわけでございまして、先生御指摘の回答の時期でございますけれども、ごらんいただきますように事柄が非常に多岐にわたっており、また内容についてはあるいは個々の具体の人事等に絡まるような性格のものも中に入っておるわけでございますので、そういった点をいろいろ考えまして具体にいつまでということは相手方には言っておりませんが、早急に返事をしてほしいということは強く申し伝えてあるわけでございます。

本岡昭次日本社会党

○本岡昭次君 早急にというのは、文部省として少なくとも一カ月以内とか二カ月以内とか年内までにとかいう一定の期間を設定して言わなければ、早急にというのが一年も二年もたっても何の拘束もないということでは、この改善勧告というのは意味をなさないと思うのですが、文部省として一カ月以内というふうに考えているとか、二カ月以内と考えているとか、そこをはっきりひとつ出してください。

阿部充夫文部省管理局長

○政府委員(阿部充夫君) 先ほどもお答え申し上げましたように、事柄の性格上日切りをつけるのが大変むずかしいわけでございますけれども、常識的に申しまして一年、二年というようなことがあり得るはずがないと私ども思っておりますので、端的に言えば一、二カ月ぐらいの間には回答が来るということを期待をしておりますし、検討の状況等もその間に先方の状況等問い合わせ等をいたしまして、回答がおくれるようであれば当然督促をするというようなことはいたしたいと考えております。

本岡昭次日本社会党

○本岡昭次君 そうすれば、早急にというのは一、二カ月というふうな事柄を含めて、その間に文書で報告がされるよう強力な指導をすると、こういうふうに確認してよろしいですか。

阿部充夫文部省管理局長

○政府委員(阿部充夫君) おおむねそのような考え方でおるわけでございます。

本岡昭次日本社会党

○本岡昭次君 次に、改善勧告の第一項「運営体制の刷新等」という項目の中に「学園内で現職の理事が刺殺されるという不祥事が発生し、私学全体に対する社会的信頼に重大な影響を与えたこと及び長期間にわたり適正を欠く学校法人の運営を行ったことにつき関係者の責任を明確にし、」と、こう書いてあります。ここで言う「関係者の責任を明確に」するということは柴田梵天総長の退陣、退職を勧告したというふうに私は受け取るんですが、間違いありませんか。

阿部充夫文部省管理局長

○政府委員(阿部充夫君) 文部省といたしましては、私学と国との関係という間につきまして、私学の自主性を基本的には尊重していくという精神で対応をいたしておるわけでございます。今回の件につきましてもそういった見地から、まず具体の改革案についてはみずから私学の立場でその学園みずからが自発的に改革の具体案を持ってきてほしいということを考えておりまして、そういう関係上個々人の具体の責任のとり方について、だれについてはこういう責任をとるべきであるというようなところまで言及をしておらないわけでございますけれども、社会の納得が得られるようといった問題の趣旨にかんがみまして、十分社会の納得が得られるような責任のとり方ということで、そういう指導をいたしておるわけでございます。

本岡昭次日本社会党

○本岡昭次君 「関係者の責任を明確に」するということについてどういうことをそれでは期待をされているんですか。社会の納得するという漠然たることでは、責任の明確という点についてはなはだ文部省も無責任であると思うんですが、どういう責任をとることがここに言う「関係者の責任を明確に」するということに当てはまると考えておられるんですか。

瀬戸山三男自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(瀬戸山三男君) いま管理局長からもお答えいたしまして、また御存じのとおり、教育については余り干渉がましいことをしないという立場でおるわけでございまして、私学については私学の自主性ということを十分尊重するというやり方でやっておるわけでございます。一面、率直に申し上げて歯がゆいといえば歯がゆいわけでございますけれども、制度上そうなっております し、それがまた学問の自由にも関係がある、こういう観点からやっておりますが、いま申し上げました趣旨はそういう意味で、具体的にどういう、総長がどうしろ、あるいはその他の理事等がどうあるべきだという具体的なことは示しておりませんけれども、社会の教育機関として社会からなるほどと信頼を受けるような措置をとりなさいという意味は、最高責任者も責任をとるべきであると、こういう意味を含んでおるということでございます。

本岡昭次日本社会党

○本岡昭次君 最高責任者もその責任をとるべきであるということを求めているということでございますが、その意味は、この改善勧告を柴田梵天総長に渡すときに、これは文部大臣のこの第一項目の中に込められた文部省側の考えだいうことで伝わっておりますか。

阿部充夫文部省管理局長

○政府委員(阿部充夫君) この文書を柴田総長に渡しまして、それにさらにその時点でコメントを加えまして、指導の際でございますけれども、最高責任者として社会が納得するような責任のとり方をしてほしいということを明確に申し伝えております。

本岡昭次日本社会党

○本岡昭次君 文部省としても文部大臣としても、一私学の人事の問題、役員の問題にそれ以上踏み込んで言えないと思いますが、いまの文部大臣並びに管理局長の言わんとするところは、最高責任者もそれなりの責任をとれと、これが社会の通常の常識に当てはめれば、ここまで国士舘大学が大学内だけでなく私学全体に対する国民の不信をもたらしたということについての責任のとり方は、おのずから、これはみずから総長の職を引くと、退任する、辞任するということがこれはもう社会の納得するところであろうと、私はこのように思うんですが、最後に、そうしたとり方を私がしても、文部大臣としてどうですか、それはそうじゃないと言うのか、いや、私も常識的に言えばそういうことであろうというふうに思われるのか、最後にそれだけ聞いて、この質問を終わります。

瀬戸山三男自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(瀬戸山三男君) 先ほども申し上げましたように、いわゆる最高学府としての教育機関の責任者でありますから、過去から今日の事態に至るまで世間から非常に疑惑を受ける状態になってああいう事件も起こりました。この事件とそれとは直接は関係はないかもしれませんけれども、それでは教育機関としては困るわけでございまして、これではいまお話しのように、一、二の私学がそういうことになりますと、私学全体が何か忌まわしいような印象を受ける、これは大変なことでありますので、そういうことまで含めて考えてもらうということが私は責任者としての立場であろうと、かように考えておるわけでございます。

本岡昭次日本社会党

○本岡昭次君 いま話題にしました、この柴田国士舘大学総長が、アイエスアイという旅行代理業から約九百六十万円の立てかえ金を支払ってほしいと。立てかえていたその九百六十万円を柴田総長が払ってくれないので、これを払わせるようにということを、九月八日に東京地裁に裁判を起こしているというのが新聞に出ておりますが、このことは文部省は知っておりますか。

阿部充夫文部省管理局長

○政府委員(阿部充夫君) 去る九月九日の新聞で報道がございまして、大学側にその事情を問い合わせをしたわけでございますが、大学側からの回答によりますと、この銀行からの融資は柴田梵天氏個人が受けたものであって、大学としては全く関係がないということでございました。

本岡昭次日本社会党

○本岡昭次君 いや、大学じゃなくて、柴田総長がこうした東京地裁に裁判を起こされるような、まあいわば九百六十万円の立てかえ金を支払わないというふうなことをやった事実があるのかということを聞いている。

阿部充夫文部省管理局長

○政府委員(阿部充夫君) 訟訴になっていることでもございますので、実態はその結果を見なければならないわけでございますけれども、大学当局を通じて承知したところによりますと、この五千万円云々という金額につきましては、柴田梵天氏個人が銀行から借用をしたと、そして柴田梵天氏とそれからこの訴訟を提起した人との間には別途千三百万円の融資が行われておって、その部分を立てかえてそのアイエスアイ社から銀行に払わせているのであるということで、したがって、柴田氏の側にはそういう責任はないということで裁判で争う予定であるということを聞いております。

本岡昭次日本社会党

○本岡昭次君 私たちが聞き及んでいるところでは、海外に送金をしてそこに文化交流をするということについて、現地で武道センターか分校か何か知りませんが、そういうことを建てるについての土地を買収する手付金としてそういうものを支払ったが、国会等でそういうことが問題になって、それがうまくいかずその話がとぎれてしまったということで、その金を返せ、返さぬというふうなことがこの訴えの真相だというふうにも聞いているわけで、これはひとつ文部省としても十分この真相を追及をしておいていただきたい、こう思います。これは要望をしておきます。  それから次に、ブラジルへ十億円の貸付金をやった、ブラジルの現地法人に十億円貸し付けた。それが二年据え置きで五年ないし七年でもって返還をするという約束になっているわけですが、私の持っている資料、これは文部省も持っておると思いますが、ブラジルに送ったこの十億円のうち三和銀行の金が五十七年の九月で、また三菱銀行も五十八年の五月あるいは五十八年の六月それぞれ返済期限が来ているんですが、この金は元利それぞれ必要な金が返済をされたのかどうか、文部省としてのそのつかんでいる情報を知らせていただきたい。

阿部充夫文部省管理局長

○政府委員(阿部充夫君) ブラジルへの送金に係る銀行からの借入金についての返済でございますけれども、国内銀行に対する返済は五十六年度、五十七年度とも元利契約の条件どおりに返済をしているというふうに回答を得ております。

本岡昭次日本社会党

○本岡昭次君 金額的にどれだけの返済があったかということは押さえているんですか、押さえていないんですか。

阿部充夫文部省管理局長

○政府委員(阿部充夫君) 大学から報告を受けたところによりますと、昭和五十六年度の返済額は三千七百万円余り、五十七年の返済額は一億二千九百万円余りということで、五十六年度は全部利息でございますけれども、五十七年度は元本の一部と利息ということでございます。

本岡昭次日本社会党

○本岡昭次君 そうすると、そのいまの元利が五十六年、五十七年それぞれ返済をされるということを文部省は確認をしていると、こういうことですね、再度伺いますが。

阿部充夫文部省管理局長

○政府委員(阿部充夫君) 大学側からそういう報告を受けております。

本岡昭次日本社会党

○本岡昭次君 次に、エジプトの武道センターの建設状況ですが、一たん建てかけたものが崩れて十一月までの完成が危ぶまれるというふうな報道もありますし、また前回の答弁でも、果たしてエジプトのこの武道センターが建つのか建たないのかという問題について非常に見通しが暗いというふうな外務省の報告があったんですが、外務省、その後の調査でこの武道センターはその後計画に従って建設が行われているんですかどうですか、建設状況を知らせてください。

市岡克博外務省情報文化局外務参事官

○説明員(市岡克博君) 御説明申し上げます。  在エジプト大使館からの報告によりますと、カイロにおきます国士舘武道センターにつきましては、昨年五月に定礎式が行われまして工事が開始されたわけでございます。その後建設業者の交代とか、またことしの六月二日に基礎工事の段階での鉄骨の倒壊というような事故もございまして、工事がおくれているということでございました。  この点につきましてその後の進捗をきのうの時点で調べたわけでございますが、現在は土台の修復工事が行われておるわけでございますが、工事現場を見た館員のこれは印象で、素人で恐縮なんでございますけれども、館員の見たところによりますと、工事の進捗ぶりは決して早いものとは思えないという報告を受けておるわけでございます。  なお、空手選手権大会についての御言及がございましたんですが、こういう状況からいたしまして、当初予定されていました本年十一月、これは 十一月二十一日と承知いたしておりますんですが、その選手権大会までにこの武道センターが完成するというのは、素人目に見てもなかなかむずかしいことであろうというように思われるわけでございますが、いまのところ武道センター建設計画そのものに変更があったという話は聞いておりませんし、工事はやはり続いてはいるわけでございます。十一月開催予定の空手選手権大会そのものは、他の場所に会場を移して開備されるということになろうかということを聞き及んでおる次第でございます。

本岡昭次日本社会党

○本岡昭次君 御苦労さんでした。引き続いてその状況を調査をしておいていただきたいと、このようにお願いをしておきます。  たくさん質問したいことがありますので次々にはしょっていきますが、よろしくお願いします。  次に、ブラジルに送金したこの十億円というものが理事会の決定では貸付金ということでありながら、大蔵省を通して送ったその金が七億円が寄附金となり貸付金は三億円でしかなかったと。その違いを私はここで追及したところ、大学側は手続上のミスであったと、送金の手続上のミスであったと。だから、ミスであるからそれを改めたいというふうに言っているという答弁が文部省の側からありました。これは私はそのときの会議録を持っているんですが、文部省は可能な限りそういう更正の手続がとられるべきであろうと考えまして、現に国士舘大学にそういう努力をするよう指導し、また国士舘でも具体的に検討をすでに開始をして、それに、実態を合わせるべく努力をしているというふうに言っておりますという答弁を、ことしの五月十一日のこの決算委員会でいただいていますが、この手続上のミスということを、私はミスじゃないと、故意にやったんだと、作為的だと思っているんですが、手続上のミスだと言われるんならその手続上のミスは直されたのかどうか、はっきりひとつ答弁してください。

阿部充夫文部省管理局長

○政府委員(阿部充夫君) ただいま先生の御質問にもございましたように、文部省といたしましては手続上のミスであるという学園側の報告でもございましたので、それであればこの送金手続を実態に合わせるように更正等の手続をとるべきであるということで指導を重ねてきたわけでございます。大学側におきましては大蔵省あるいは日銀等等の御指導を受けた結果、現地のブラジル中央銀行の了解をとる必要があるということで、現在ブラジルにございます国士舘の現地法人とブラジル中央銀行との間で折衝を続けておるところであるという回答を得ております。

本岡昭次日本社会党

○本岡昭次君 どういうふうに更正するんですか。どういうふうに更正させるんですか。全部貸付金であったというふうに変えさせるということなんですか、いまのお話。

阿部充夫文部省管理局長

○政府委員(阿部充夫君) 大学側の内部手続、理事会の決議等も貸付金となっておりますし、それから現地法人と大学との間に交わした契約書にも明確に貸付金であるということになっておるわけでございますので、実態と手続を合わせるということでございますから、当然貸付金というふうに全体の送金手続の部分を修正するということが必要だろうと思っております。

本岡昭次日本社会党

○本岡昭次君 仮にそのように手続上のミスがあったということで実態に合わせたということであっても、私は形式的な意味での外為法の違反をやはりこれは犯していると、こう思いますし、わかり切ったことを、十億円もの金の送り方についてミスが起こるなんというようなことはとても私は考えられない。だからそれはそれなりの作為、そしてまたその裏に何か問題があると考えるのが当然だと思うんです。ただ、文部省がそこに深くかかわりたくないということですから、これはこの後の経過は見ていきます。ただ、大学のOBによって、そうした問題を明らかにしようとした常務理事が殺されたという問題に関連して、警視庁の捜査二課が海外送金問題についてもいろいろ捜査に乗り出したというふうな状況を新聞の報道等で私は見ますし、また大学関係者によると、引き続いて最近も元経理課長とか元管財課長、そうした人たちが任意に出頭を求められて、この海外送金を中心とする経理の疑惑等を捜査をしているというふうな状況が全体としてあるわけなんですが、私はどうしてもこの問題は捜査当局の手によって疑惑を解明をしていただきたい。一方では改善勧告というものを文部省が出して、いまのやりとりでは柴田総長の退陣、引責辞職というふうなことも込めながら、一方で学内の民主化、そして運営の刷新ということを求めておると。一方、警察当局の方もそうした経理上の問題、海外送金の問題の疑惑を警察の力で明らかに解明をしていただきたい。私はこのことを強く望んでいるんですが、警視庁の方としてこれはどういうふうに現状をつかんでおられるのか、どういうふうにこれを見ておられるのか、捜査を進めておられるならしているというふうにここではっきり言っていただきたいです。

金澤昭雄警察庁刑事局長

○政府委員(金澤昭雄君) 御質問の国士舘大学の海外送金の問題につきまして、現在警視庁におきまして関係者多数から事情聴取を行いますなどしまして、現在実態の把握、解明中でございます。

本岡昭次日本社会党

○本岡昭次君 解明中ということですから、それは捜査をやっているというふうに理解してよろしいですね。――はい、わかりました。  それでは、この問題はその後の文部省の国士舘大学に対する指導のあり方、また警視庁の捜査、そういうところに私は任かしていきたい。しばらく見守ってまいります。  最後に文部省にお伺いしておきますが、文部省は五十九年度予算の概算要求で私学の助成費の大幅削減を打ち出しております。いかに財政難とはいえ、防衛予算を突出させてそれを増大させながら、一方国家の重大事業である教育の予算を減額するということは私はどうしても承服できないんですが、その中で一番問題だと思うのは、文部省は当初大学あるいは高校等に対して大学は五%、高校以下に対しては三%削減という方針を持っていたと。ところが、自民党の文教部会がそれでは少な過ぎると、いまのように不祥事が続発していることもあるんで、制裁的な意味も含めて一〇%削減をすべきであるというふうなことの意見が通って、そして一〇%削減というふうな概算要求になったということを聞くんですが、私はそんなことは絶対許せないし、私学というものに対する助成の本来の趣旨から見ても、全く不当なやり方であるというふうに思うんです。文部大臣として一体この私学助成というものをどう考えているのか。制裁的に全体のパーセントを一〇%削減する、高等学校もまた五%削減すると、そんなことを考える文部大臣はいないと思うんですよ。結局それはだれにはね返るかというと、国民、親の方にそのツケが皆授業料となって回ってくる、こういうことであって、さっき文部大臣も私学には自主的な私学運営というものがあると、こうおっしゃっているんですから、それぞれの私学の自主性というものを尊重していく立場に立てば、一部の学校の不始末を不祥事を全体に並べて制裁的にやるというふうなことが、予算の問題にまで波及するということは絶対許せぬ、こう思うんですが、文部大臣の最後のこれに対する考えを聞かしていただいて文部省に対する質問を終わりたいと思います。

瀬戸山三男自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(瀬戸山三男君) 私学助成については、いまお話しのように五十九年度の概算要求では前年度に比べて一〇%削減の範囲で要求をいたしております。これは私学というものがいまお話しのように、申し上げるまでもないことですけれども、わが国の教育上きわめて大きなウエートを持っている。人材の養成、また産業、経済、文化に大きな貢献をする人材をたくさん養成しておるという重要な役割りを果たしておることを私ども十分認識をいたしております。でありますから、私学助成法をつくって、これは国民の要請でございますから国民の負担によってある程度助成をしようと、できれば二分の一ぐらいはというのが目標でございますが、なかなか今日までそうなっておりませんけれども、そういうことでございますが、御承知のとおりに国の財政全体が非常に窮屈 になってきておる、そういうことであらゆる場面でむだを省き、しんぼうのできるところはしんぼうしてもらわなければならないという状態でありまして、御承知のとおり臨調等からは私学全体についての助成に相当の抑制措置を講ずべきであるという勧告も受けておる、こういうことで別に私学に対する、何といいますか、制裁とかなんとかいうことではなしに、自民党云々の話がありましたが、私はそういうことを一切今日まで私自身が耳にしておりませんが、国民の負担でありますから、私学の大事なことはわかりますけれども、しんぼうのできるところはしんぼうしてもらおうと。特にまた不都合のあったところはこれは遠慮してもらわなければなりませんから、教育に支障のない限り最低限の状態で五十九年度の予算を編成しなければならない、こういう考え方でやっておるわけでございまして、これはまた今後どうなるか、努力をしなきゃなりませんが、最終決定ではございませんけれども、概算要求をしておる、こういうことでありまして、制裁措置云々という考えではないことを御理解願いたいと思います。

本岡昭次日本社会党

○本岡昭次君 その問題はまた改めて文部大臣あるいは文部省と議論をさしていただきたいと思います。それではこれで文部省関係どうもありがとうございました。次の問題に移らしていただきます。  次は農水省にお願いをいたします。  国営灌漑排水事業の工期がそれぞれ非常に大幅におくれております。その結果多額の費用を投じて建設したダム施設や水路などが遊休をし、受益者の多くが事業の長期化と事業費増加に伴う経費負担増大に不安を抱いて、負担の軽減を求めている等々のいろんな問題が出ております。こうした全般的に国営灌漑排水事業の工期が遅延をしているという事実は、農林水産大臣もこれはもう篤と御承知のことと思いますが、その問題についてこれは現の大臣の問題でないにしても、歴代農水相の仕事としてやはり大きな責任問題ではないかとこう思うんですが、大臣としてこの問題に対する責任の感じ方あるいはまた今後の対応をどう考えておられるかといった点について基本的な問題を初めにお伺いをしておきたいと思います。

金子岩三自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(金子岩三君) 御指摘の問題はいろいろ進捗の途中で地権者等の関係がうまくいかなくてずいぶん時間がかかったということが一つ、それから第一次オイルショック以来非常に労務、資材関係の高騰によるいわゆるコスト高になったということで進捗がおくれておる、こういうことが大きな原因であります。自来最近におきましては、御承知のとおり公共事業の抑制が厳しくなりましたので思うように予算獲得ができていない、こういうことでございますので、大体いろんな問題、隘路は解決して、この二、三年ただ予算上の問題で非常に思うように予算が取れないというだけであって、他の問題はほとんど落着いたしまして、順調に推進しておるようでありますから、できるだけひとついま投資した金が早く生きるように早急に仕上げていきたい。それがためにはやはり無理をしてでも予算獲得をひとつ私どもが努力しなければならない、このように考えております。

本岡昭次日本社会党

○本岡昭次君 工期のおくれも常識的な工期のおくれでないわけなんです。  私はここに資料をいただいております。  第一次土地改良事業計画期間中着工で、現在なお継続中の国営灌漑排水事業というのが五十五カ所あります。その第一次土地改良事業計画期間というのは昭和四十年から始まっているわけなんです、四十年から始まっている。それがほとんど現在における完了予定というのが六十年以降、こうなっている。だから、十五年から二十年、それも初めから十五年、二十年かかるんだと言って始めたらいいんだけれども、大体が六年から七年程度で完工しますと言ったものが二十年かかっている。こういう事柄が実際に起こっているんです。だから、いまの農水大臣のような答弁だけでは、この工事の遅延というものの責任の問題なりあるいはその理由というものが具体化されない、こう思うんです。その問題を一つ一つ追及する時間がありませんから、私は一つだけこの問題にかかわって質問をしておきますが、それぞれこの五十五カ所の工事の中で一般会計によるものと、それから特定土地改良工事特別会計でやるものと二種類ここにあります。  そこでお尋ねしたいんですけれども、この特定土地改良工事特別会計というところで、特に経理をしてやるというその趣旨は一体何であったのかということを簡潔にお答え願いたい。

森実孝郎農林水産省構造改善局長

○政府委員(森実孝郎君) 特別会計制度が創設されました理由は、県負担とか地元負担金については財投資金を導入いたしまして、いわば一般会計の場合は全額をまず国の予算で支出して、しかる後負担金を取るという仕組みを、地元負担の分については財投資金を導入いたしまして事業を実際早期に完了できるように、毎年の予算枠を増枠するようにということでつくられた制度でございます。

本岡昭次日本社会党

○本岡昭次君 その最大の焦点は、早期に解決する、あるいはその工事の完了を促進するということが目的であるわけなんですね。ところが、促進するどころか遅延、遅延、遅延で、もうおくれにおくれている。  大臣、昭和三十二年四月十二日、本院の農林水産委員会における土地改良法の一部を改正する法律案に対する附帯決議、恐らくこれは御存じであろうと思うんですが、その決議からするととてもこの五十五カ所の事業なんというものは了解できない、こう思うんですがその決議は御存じですか。

森実孝郎農林水産省構造改善局長

○政府委員(森実孝郎君) 工期を七年で完成しろという趣旨の附帯決議だったろうと思っております。

本岡昭次日本社会党

○本岡昭次君 そうですよ。「特定土地改良工事について、その完了を極力促進し、七ケ年以内において必ずこれを竣工させること」、こうなっているんです。だけど、ここに挙がっておるのはおよそそういうものを無視され、度外視された形でこうやられているんです。そして、会計検査院の「昭和五十二年度決算検査報告」の中で「特に掲記を要すると認めた事項」の中にも、一体この特別会計を設置した趣旨と異なって大変おくれているではないか、早くやれということがここでも述べられている。だから、一方では土地改良法の一部を改正し、その趣旨が工事を促進するために、その工事を促進するというのはどういうことかということを附帯決議で七カ年以内としぼりながら、それに見合う予算をつけない、あるいはまたそれに見合う工事を全力を挙げて促進しない、おくれに任せているという状況、これを大臣どう思われますか。

金子岩三自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(金子岩三君) いろいろ御指摘されておりますが、昭和三十年代の決議がいろいろ御意見の中にありますが、まあこれは土地改良とかあるいはこういういま御指摘になっておる問題だけじゃなくして、わが国全体の公共事業をおしなべて考えてみますならば、やはり十カ年で仕上げるというのが二十五年たっても半分しかできてないとかいう例がもう山ほどあるわけでございまして、道路、港湾、漁港、こんなものを挙げるなら際限なくいま御指摘になっておるような御意見が全部それぞれ出てまいるわけでございます。しかし、それはやはり、そうですね、財政負担の能力以上に事業を採択したのが、今日このように約束が守れないような状態になっておると私は考えております。したがって、緊急度合いを見て、やはり農家が待望しておる、せっかくいままで相当莫大な金を投資しておってそれが生きてこないというような、そういう緊急度の高いところからやはり私どもは重点的に早期に仕事を完成していきたい、こういう考え方で取り組んでおるのでございます。

本岡昭次日本社会党

○本岡昭次君 もう少し責任を感じてもらいたいですね。公共事業全部そうなんだというようなことでは、実際そこの土地改良組合をつくってやっている人々にとったら、二十年というのはこれはあなた世代が変わっちゃうんですよね。そんなこ とじいさんが決めたんけれどもおれは知らぬというようなことが出てきよるんですよ、現に、その取り決め自身を。農業をする主体が変わってしまっているんですね。土地も地域の開発が進んで変わってくるし、とてもじゃないがいまのような話はちょっと無責任過ぎますね。まあそれはそれでまた別の機会に論議をさせていただきます。  それで、ここの表にあります五十五地区の国営灌漑排水事業の中で、特にその特別経理でやっている分について、一番おくれておるのが加古川西部というところなんです。それからまた、この会計検査院に五十二年に指摘された中に東播撤用水というのがあるんですが、この二つについて、いまの時点でいつ完了するということを農水省として責任を持って言えますか。四十二年や三年に始められた工事なんですよね。

金子岩三自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(金子岩三君) 大体七〇%いま進捗しておるのでございますから、ことし二十数億予算がついていますので、この計算でいくならばあと二、三年で、大体地元の要望も六十二年ですか完成を陳情されておるようでございますから、できるだけ地元の関係者の御要望にこたえていくようなめどを持ってひとつ努力を続けたい、このように考えております。

森実孝郎農林水産省構造改善局長

○政府委員(森実孝郎君) 補足さしていただきます。  加古川西部地区につきましては、私ども、懸案のいわゆる補償問題も解決し、あるいは解決するめどをつけましたので、また、昨年の補正あるいはことしの当初予算から予算の増枠も図っておりまして、六十二年完成ということで事業を進めたいと思っております。  東播用水につきましても、これは大臣からもいまお話しございましたように、六十二年完成ということで年度予算を計上し、その実施を図っていきたいと思っております。

本岡昭次日本社会党

○本岡昭次君 六十二年完成、それがまた六十五年、あるいはまた六十八年とならないように予算の対策をしっかりとひとつやっていただきたい、こう思います。  それで、この問題は前回、五十七年四月二十一日の当委員会で詳しく加古川西部の問題は質疑をしておりますので、今回はそのときの質疑の中で出された政府の答弁、それを踏まえて、若干残された問題について質問をして終わりたいと思います。  まず、前回の質問でもなおまだ水源地補償の問題が依然として残っていたようですが、この水源地というのはこの工事のまさに命にかかわるところだと思うんです。心臓部に当たるところだと思うんですね。この水源地にかかわる多可郡の中町、八千代町などの関係者の大変な努力と協力があって初めて、おくれているとはいえこの工事がここまで進んだのだという認識を私は持っております。ところで、まだその水源地補償問題が前回の質問のところでは残っていたんですが、それが一体どうなったかということをひとつ簡潔にお伺いをしておきたいと思います。

森実孝郎農林水産省構造改善局長

○政府委員(森実孝郎君) 前回の当委員会における本岡委員からの御質疑で、水源地問題で二点御指摘があったわけでございます。  一つは、ダム上流部の徳畑部落の未買収四・七ヘクタールの問題でございます。これにつきましては、地元から生活再建職業転換の補償要求が出ておりまして、ことしの三月に一億三百万ということで合意に達しまして、現在もう具体的な買収地の単価の交渉を進めておりまして、十一月をめどに解決をしたいと思っております。  それから第二は、八千代町からの取水の問題でございます。八千代町は生活用水を野間川、大和川に依存していることからいろいろ難航しておりましたが、取水に伴う損失補償を行うことで、大屋につきましては五十七年の三月、赤坂、柳につきましては五十七年の九月に解決しております。また、八千代町の生活用水については町営の簡易水道事業を実施することになっておりまして、これについても解決を見たわけでございます。

本岡昭次日本社会党

○本岡昭次君 二点目は地元負担金の軽減の問題ですが、前回の質問の時点では十アール当たり十二万七千円というふうに答弁をされております。それで、その完成時における十アール当たりは一体幾らになるのかという問題をめぐって地元では大変不安動揺をしているわけなんですが、いまもおっしゃっているように、六十二年完成ということであればあと二、三年でございます。十アール当たり地元負担は完成時この程度になるというものをもう示されてもいいではないかと思うんですが、どのくらいになりますか。

森実孝郎農林水産省構造改善局長

○政府委員(森実孝郎君) 負担金の金額でございますが、これはいろいろはじき方があると思いますが、最近におきます毎年の賃金、物価の上昇、それからもう一つは若干の設計変更等を安全圏を持って織り込みますと、六十二年時点では大体十アール当たり一万七千円程度ではないかと思っております。なお、五十八年の現在の事業費ではじいてみますと一万六千円でございますが、安全圏を見ると一万七千円、まあ一万六千円から七千円の間で落ちつくものになるのではないかと見ております。

本岡昭次日本社会党

○本岡昭次君 一万七千円ですか、十アール当たり。前回の質問では十アール当たり十二万七千円というふうに答弁されているんですが、これはどういうことですか。当初計画でも二万五千九百五十五円なんですよ。

森実孝郎農林水産省構造改善局長

○政府委員(森実孝郎君) 私申し上げましたのは年償還額が十アール当たり一万六千円ないし一方七千円でございまして、全体の負担金の総額といたましては、十アール当たり負担額というのは十二万七千円ということになるわけでございます。

本岡昭次日本社会党

○本岡昭次君 そうすると、前回質問のときに答弁いただいた、大体その程度でいけるということですね。

森実孝郎農林水産省構造改善局長

○政府委員(森実孝郎君) 賃金、物価の上昇が大体最近安定しておりまして年率二%ぐらいでございますから、設計変更が仮にあったとしても四、五%でおさまると思いますので、そう大きな数字の食い違いにはないと、六十二年完成の場合は思っております。

本岡昭次日本社会党

○本岡昭次君 十二万七千円でも、前回も言いましたけれども着工当時に比べると五倍に近いものなんですね。それがいわば工事のおくれからこういう形になっている。先ほどの附帯決議なり法律の趣旨等から見ても、それをそのままそっくり農家に負担させるというのはどうもこれは納得できないし問題が多過ぎると、こう思うんですが、前回もそういう趣旨から、地元負担軽減対策として具体的な措置を考えるべきだということで、前回も抽象的な形で大臣の方から答弁をされておりますが、それをその後具体的に検討されている中身があれば、前回の答弁を踏まえて具体的なものとして挙げていただきたいと思います。

森実孝郎農林水産省構造改善局長

○政府委員(森実孝郎君) 基本的には予算の確保ということでございまして、前回からも御指摘がございまして、五十八年度には二十四億五千万の予算を計上いたしまして、また五十七年度も調整五千万を追加支出しております。それ以外に五十九年度では二十七億という予算要求をしているわけでございます。  それから二番目はやはり加西市の上水道の新規参加の問題をどうやって検討していくか。これによって共通部分のアロケートを比率を変えて農家の負担の軽減をどう図っていくかという問題でございます。これは地元においてかなり内部的には検討が成熟しつつあるようでございまして、私どももこの新規参加の可能性についてさらに今後努力していきたいと思っております。  三番目は、やはり完了後の管理の問題について御指摘があったわけでございます。これにつきましては加古川水系、御案内のように東播用水、加古川大ぜき、兵庫県の工業用水等各種の利水事業を総合的に管理するという問題がございますので、この管理計画のあり方という問題について前向きにひとつ指導し、検討していきたいと思っております。  なお、前回の御指摘で県の地元負担の上乗せ支出という問題が御指摘があったわけでございま す。これはすぐれて兵庫県自体の内部問題にもなるわけでございますが、私どもやはり具体的な地元の事情というものも頭に置きまして、これからも県当局とはいろいろ御相談してまいりたいと思っております。

本岡昭次日本社会党

○本岡昭次君 農家負担の問題で、前回大臣の方が「償還期限の延長だとか、据え置き期間の設定等、償還条件の緩和等に努めてまいりますし、」というふうなことをおっしゃっているんですが、具体的にこの問題は検討されているんですか、されていないんですか。

森実孝郎農林水産省構造改善局長

○政府委員(森実孝郎君) 国営事業全体として、これは灌排だけではございませんが、具体的に償還に問題のある地区につきましての償還期間の延長問題は、今年度の予算要求で出しております。今後それをどういうふうに財政当局と話し合って調整するか、どういう制度にするかはなかなか今日の財政状況のもとでむずかしい問題もあることは事実でございますが、償還期間の延長の問題についてはひとつ本地区だけでなく、幾つかの地区については深刻な事態もあることは私どもも受けとめておりますので、前向きに努力してまいりたいと思っております。

本岡昭次日本社会党

○本岡昭次君 その問題について、二年据え置き、十七年であったものが、五年据え置き、二十年償還という程度までしたいという考え方を持っているというふうなことを聞いたこともあるんですが、大体そういうふうな考え方で農水省としては進めておられるというふうに判断してもよろしいか。

森実孝郎農林水産省構造改善局長

○政府委員(森実孝郎君) ただいま御指摘ございましたような方向で据え置き期間をどう設定するか、それから全体としての償還期間をどう延ばしていくかという両面から、国営事業全般について制度の改正をそれぞれの事業種類に応じて財政当局に要求しているところでございます。ただ、運用に当たってはやはりそれぞれの地元の実情、農家の実情に応じたいわゆる現実的な対応が図られる必要があると思っておりますので、細部については今後折衝、努力を続けながらさらに調整をしてみたいと思っております。

本岡昭次日本社会党

○本岡昭次君 私がいま具体的な数字を挙げたことについてはお答えなかったんですが、私が言った数字は大体そういうことなのか、いやそれは全然見当外れなのか。それはどうなんですか。

森実孝郎農林水産省構造改善局長

○政府委員(森実孝郎君) 全体の結局償還期間をどう見るかという問題だろうと思っております。そういう意味においてやはり工期も長くかかった、その結果建設利息もかさんできているという実態がありまして、年々の営農収益から負担するのがむずかしくなるということであるとすれば、やはり償還期間を全体を延ばすという形で吸収してほしいという要求にならざるを得ないわけでございまして、そういう意味で折衝をしているというところでございます。

本岡昭次日本社会党

○本岡昭次君 もう予定しておりました時間も過ぎてしまいましたので、最後に要望だけして次の方に移りたいと思いますが、いまお話がありましたように、私は工事完成後の水資源の総合利用の問題というものをしっかり考えてもらいたい、こう思うんですね。いまも上水道というものの新規参加ということも検討しているということがありましたが、それも含めて農水省がおっしゃっているような高度な水利用計画というものを県あるいは地元と十分協議して、この事業がそっくり地元農家の過大な負担としてかぶさっていかないような配慮を十分お願いしたいと思います。そして水源地である多可郡の中町、八千代町、あるいは農業用水の供給を受ける加東郡の滝野町、加西市あるいは小野市、そして工業用水の供給を受ける西脇市などを含めたこの地域全体の発展のために、水資源を総合的にどう使っていくかという問題を考えていただくということが、今後のために非常に望ましいのではないかということを、私は地元の人々あるいは県関係の人々と接触した上で最終的な結論でございますので、そうした立場で六十二年完成まで向けて十分詰めていただきたいということをお願いをしておきたいと思います。  農水大臣、一言ちょっといまのことだけ言っていただいて、もう終わりますから。

金子岩三自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(金子岩三君) 御要望の点はひとつ御期待におこたえするように、よく検討をして善処をいたしたいと思います。

本岡昭次日本社会党

○本岡昭次君 農水関係はこれで結構でございます。  次に、住宅問題について若干お伺いをしておきます。  初めに大臣に基本的な問題を二点ばかりお伺いをしておきたいのですが、六十一年度から始まる第五期五カ年計画で、何かいままで持ち家中心であった考え方が、従来わが党が主張してきたんですが、賃貸住宅重視という方向へ変えようというふうなことが取りざたをされているようで、そうした内容を住宅宅地審議会に諮問をされるようです。  このように持ち家から賃貸住宅へという方針を転換されようとするその理由のもの、さらに賃貸住宅に転換すると同時に、いまはやり言葉の民間の活力導入ということがここへも持ち込まれて、そして民間の企業に家をどんどん建てさせてそしてそれを賃貸に回していこうというふうなことのようなんですが、どうもそうなってくるとまた合点がちょっといかなくなるわけで、なぜ公的賃貸住宅というものを軸にしながら民間の活力なら活力というものをそこに補完をして、全体としての住宅政策をやっていくというふうにされないのか、その二点ですね。なぜそういうふうに転換したのかと、民間の活力というふうなことで民間の企業に全部任してしまって、果たして国の大事な住宅政策というものがうまくいくのかどうかという点について、ひとつ簡潔にお答えをいただいたらありがたいと思うんです。

内海英男自由民主党建設大臣

○国務大臣(内海英男君) ただいま御指摘をいただきました昭和六十一年度から始まります第五次住宅整備五カ年計画の件につきまして、九月二十日に住宅宅地審議会に諮問をいたしたわけでございます。  その諮問をいたしますときに、新聞に出ておりましたような前提に立ちまして、持ち家政策から賃貸政策に重点を置くというような考えを織り込んで諮問しておるわけではないわけでございまして、今後の国民の皆さん方の需要の動向を踏まえながら御検討をいただくという前提に立っておりまして、六十一年から始まる第五期住宅建設五カ年計画までの間にまだ二年ほどございますので、その二年間にじっくり今後の住宅建設の動向というものを御検討いただきながら答申をいただきたいということで、御検討をいただいておるということでございます。その中で、いま御指摘のございました公的資金によるものか、民間資金の活用かというような議論も踏まえまして、いろいろと御検討をいただいた方がいいんではないかというようなことでございます。報道にございましたような前提に立って諮問をいたしておるわけじゃないというふうに御理解をいただきたいと思うわけでございます。

本岡昭次日本社会党

○本岡昭次君 はい、わかりました。  それでは、具体的な問題を二、三伺っておきます。  まず第一点、前回でもいろいろ議論したんですが、長期保有未利用地というものが依然として解決に向かって事態は進展をしていない、こう思うんです。どうですか、公団はこの長期保有未利用地というものを解決することについて自信があるのかどうか、自信がないからもう工場でも高校でも何でもいいと、売れるところにみんな処分してやってしまいたいんだと、こうおっしゃっているのか、そこはどうですか。

救仁郷斉住宅・都市整備公団理事

○参考人(救仁郷斉君) 私どもは、当然土地を買いますときは、工業団地もやっておりますが、住宅のために買った土地でございます。したがって、私どもが買った土地は住宅として開発できる土地でございます。そういった意味で、先生御指摘のように、時間は少々かかっておりますが、会計検査院から指摘されましたいわゆる二十一地区につきまして、二地区につきましては高校用地等 に処分いたしておりますし、十一地区につきましては、本年度内の着工を含めましてすでに着工をいたしております。残り八地区でございますが、八地区のうち四地区につきましては、公共団体と基本的な開発合意を得まして、そして具体的な実施計画の作業をやっているところでございます。残りの四地区につきましては、まだ地方公共団体あるいは周辺の地元の皆さんとの基本的な調整がおくれておりますが、できるだけこれも早急に解決して早く着工いたしたいというように考えております。

本岡昭次日本社会党

○本岡昭次君 今後の事態の推移を見守らせていただきたいと思います。また改めて資料をいただいて質問していきます、きょうはもう時間がありませんから。  それで次に、空き家問題も一言触れさせていただきたいと思います。  公団のこの空き家問題はずっと問題になっているんですが、先ほど言いましたように、賃貸住宅というのは改善をされてきておるんです。その反対に、分譲住宅というものが依然として解決しないばかりかだんだんとこれは増加をしていく。新築空き家での分譲住宅が、全国で五千百三十四戸であったものが現在七千八百七十二戸と五〇%を上回る増加になっています。分譲住宅を建てても建てても売れないという理由は、いろいろあろうと思うんですが、売れないからといって、ずっとそれを一体資産として保有していることがいいのかどうかという問題があろうと思います。したがって、私が非常に割り切った大胆な意見を言わしてもらえば、売れないなら値段を下げて、とにかく買ってもらえるところまで値段を下げるというふうなことを大胆にやって、住宅に困っている人は現にたくさんいるわけで、高いから手に入らぬ、買えないということなんだから、そうした立場に立って大臣どうですか、思い切って、ずっと古い分譲住宅で残っているものをやっぱり売れるように、買いやすいように価格等をうんと調整をして分譲住宅の空き家というものがもう長期にわたって残らないと、大切なお金を使って建てている政府の国家的な事業なんですからね。そういうふうに大胆に割り切って解消に踏み切られたらどうですか。

内海英男自由民主党建設大臣

○国務大臣(内海英男君) 未入居住宅の対策につきましては、建設省におきまして昭和五十六年三月に公団住宅等事業促進対策委員会というものを設置いたしまして、第一点としては、関連公共施設の整備による立地条件の改善、二つとしては、駐車場の増設、運動施設の設備等による団地環境の改善、三つには、民間業者の活用等を含めた販売体制の強化、こういった対策を取りまとめまして、昭和五十八年度末までに未入居住宅のおおむねの解消を図るように公団を指導して、指示してまいってきておるわけでございます。公団の方では、これらの指示を受けまして、個別的団地ごとにその対策を精力的に実施しておると思っておるわけでございますが、引き続きこの対策を推進してもらうように公団を指導してまいりたいと思うわけでございます。  ただ、先生が最後に御指摘になりました、少し値下げして処分したらどうだというようなお話がございましたが、公団の住宅の中にも、同じ団地の中で先に売れているところもございまして、そういう先にお買いになった方との関係、いろいろバランス等もございまして、後から買った人の方に公団が値下げして売ったということになることが、果たして前にお買いになった方との関係上いかがなものかなと、こういうようなこともございますので、御指摘の点も含めまして、今後検討をしていく対象にはなるんじゃないか、こう思っております。ただ、前に買われた方との関連もございますので、なかなかそういうむずかしい点がある、こう思っております。

本岡昭次日本社会党

○本岡昭次君 ぜひひとつ大胆な対策で、この分譲住宅を中心とする長期の空き家という問題の解消を図っていただきたいと思います。そして住宅に困っている人たちがそういう家に入れるような対策が必要です。  それで、私は前も質問した神戸市にある花山東団地というのが一DK、二DKというふうな非常に値段が高くそして狭くて遠いという、この三条件を全く満たしたようなところに団地があって、これどうするんだということを出したときに、非常に大胆な方策を出されて、その二DKを壁をぶち抜いて四DKにするというふうにしたら狭いということが解消できるということをやってみるとおっしゃった。現にやられて、私は近くで見ておるんですが、非常にうまくいっているんじゃないか、こう思ったりするんですね。だから、やはり大胆な手法でもって売れるように、買いやすいようにしてあげるということでなければ、何かもう殿様の商売みたいに初めに決めたらそのとおり、売れようが売れまいがほっとくというようなやり方は、私はこれは行政じゃないと思うんですよ。  最後に、その花山東でやられたことをちょっと言っていただけませんか。

救仁郷斉住宅・都市整備公団理事

○参考人(救仁郷斉君) 先回の委員会で先生から御指摘いただきまして、私どもも大胆な対策といたしまして、結局あそこの団地が一DK、二DKが中心でございまして、非常に小さい住宅がたくさんあったということが空き家の原因になっております。したがいまして、先回の委員会でもそういう方向でやりますと申し上げましたが、結局二DK等を二戸を一戸にいたしまして、大体四LKあるいは四LDKにいたしまして、第一回の七月十四日から大きな住宅を九十六戸賃貸住宅で募集いたしました。これはもうほとんど埋まりまして、現在二戸残っております。それから九月三十日、つい一週間前でございますが、次に六十四戸を募集いたしまして、これも一週間でもう半分ぐらい入っていただいております。残りが七十二戸でございまして、これは現在工事しておりますが、来年早々には募集できるという見通しでございまして、第一回、第二回の結果から見まして、私ども今年度中には大体お入りいただけるんじゃないかというように考えております。

本岡昭次日本社会党

○本岡昭次君 いま大臣聞いていただきましたように、廃墟になるんではないかと思われたところが、やはりちょっと変える、あるいは足が不便だということでバスを出すとか、そこにエスカレーターをつけるとかいうやはり環境の整備なり改造することによって、全然人が入らなかったところが一〇〇%これは入っているという状況なんです。やはりそういうところから見て、殿様商売のやり方を変えて、もっと大胆に、住民の、国民の住宅要求にこたえていくというふうにやっていただきたいということを、いま花山の例を示してお願いをしておきたいと思います。それではもう時間があとありませんので、建設省関係の方ありがとうございました。  それでは最後の時間で、厚生省の方に若干質問をしておきたいと思います。  この老人保健法の施行に伴って老人医療費の自己負担について地方自治体が単独事業によっていろいろなめんどうを見る措置を行っております。それに対して厚生省がそういった地方自治体の単独事業はけしからぬと、やめるべきだというふうな方向で強い指導を行っているということが報道をされていますが、その中の指導の中で、これはどうしても行き過ぎだという内容のものがここにひとつ新聞の報道として出されておりますので、この点に限って厚生省の態度を明確にしておいていただきたいと思います。これは厚生省の方も御存じだと思いますので、改めてこの中身は申し上げません。  そこで、まずお聞きしたいのは、この老人保健法審議の際明らかにしたこの問題に対する厚生省の基本的な態度なんですが、これが変わったのか変わってないのかという問題であります。私もその当時の議事録を持っております。きのうも厚生省の皆さんとこの議事録が大事だぞということを申し上げておきましたが。「地方自治体の単独事業というのは、あくまでも地方自治体の自主的な判断で行われている事業でございますので、これをどうするかというのは、最終的には私は自治体の判断にゆだねるべき問題だとは思います。」と言っ ておりますが、まあ残念ながらその後ろにしかしですねと言っていろいろ付録がずっとついております。全体を読めば玉虫色になっておりますけれども、しかしここのところは非常に重要な問題だと思うんですが、この部分に対する態度が現在も変わっていないというふうに私は思うんですが、それで間違いありませんね。

林義郎自由民主党厚生大臣

○国務大臣(林義郎君) いま玉虫色だというようなお話がございますから、私は物の考え方は一つも変えてないところであることは申し上げておきます。念のために申し上げますけれども、老人保健法では、老人の方々に一部負担をお願いしておるが、これは老人の方々も含め広く国民に拠出を求め、老人の医療問題を解決していこうという趣旨でございまして、老人保健法にも地方にもこの法律の趣旨に従ってやってもらいたいという規定があるわけでございます。地方単独事業につきましては制裁措置をとって何が何でも押さえていこうという考え方はしてないということは私も円会でたびたび申し上げておるところでございますが、老人保健法の趣旨について理解を求め、国の施策等との整合性を考慮して適切に対処していただくようにお願いしていく所存でありますという答弁には変わりはございません。

本岡昭次日本社会党

○本岡昭次君 いや私の言いましたのは、そういう全体の話じゃなくって、社会労働委員会、内閣委員会、地方行政委員会、文教委員会、農林水産委員会連合審査会ですね、五十七年七月八日、そこで当時の国務大臣そして政府委員そして厚生大臣と厚生省の吉原さんが交互に社会党の質問に対して答えておられるんですよね。大臣の方は、そういうことを押しつけではありませんと、地方自治体に対して押しつけはいたしません。しかし、なるべく歩調を合わせてくださいということでございます、お願いすることでございます、ということであり、「地方自治体の単独事業というのは、あくまでも地方自治体の自主的な判断で行われている事業でございますので、これをどうするかというのは、最終的には私は自治体の判断にゆだねるべき問題だとは思います。」と、はっきりと厚生省の吉原さんがここで答えておられるので、この立場というものに変わりはないのですね、ということをお伺いをしたわけでございます。

林義郎自由民主党厚生大臣

○国務大臣(林義郎君) そのとおりだと御理解いただいて結構だと思います。

本岡昭次日本社会党

○本岡昭次君 そこで、その立場に立てば、いますでにもう基本的な問題は大臣御答弁いただいたんですが、ここの新聞の報ずるところは、いまおっしゃったような基本的態度を大きく逸脱しているし、本来やってはならないことまでやって、強制的に従わせようという形になってきております。  そして、今度は抽象的でなくて具体的な問題でお尋ねします。  この新聞が言っているように、厚生省が老人保健法の中身に、各自治体が従わなければ支払い基金を利用させないというふうなこの具体的な制裁措置、果たしてそんなことができるのかどうかという問題が法律的に大変疑義があると思うんですが、まさかこんなことを厚生省が言ったことはないと私は思うんですが、しかし新聞に報道されて、いろんなところで大変な動揺を起こしておりますので、そういうふうな事実もないし、また今後そういうふうなことをするようなばかなことは絶対ありませんということを、ここで大臣としてはっきりとおっしゃっていただければありがたいと、こう思うんです。

林義郎自由民主党厚生大臣

○国務大臣(林義郎君) 新聞に、「指導に従わない自治体は、支払基金の使用中止という実力行使によって是正させるのもやむを得ない。」などという表現がありますが、本人は言ってないと、こう言うんですよ。だから、新聞がおかしいと言えばおかしい話になりますが、私は新聞の批判をするつもりはございませんし、こういったいま御指摘のようなところは、これは私は、当然あってはならないものだというふうに考えております。

本岡昭次日本社会党

○本岡昭次君 それで了解をいたしました。あってはならないことだと思います。しかし、この課長の話がまんざら全部これでっち上げというんですか、話したことと違うことを書くということはないと思うんですね。やはり、若干これに従ったことを言っているんじゃないかと思うんですが、その中でもう一点お伺いしておきたいんですが、この中で課長の話として載っている部分ですね、課長が話したということじゃなくて、載せられている部分ですが、受診抑制のために乱診乱療を防ぐために一部負担があるんだ、こういうふうに言っておられるんですが、こういう立場というのはどうも問題がある、こういうふうに思うんです。もしそういうふうな主張をとるんなら、それでは一部負担をしているところとしていないところと、それでは一体、調査をしてもらって、それでは受診抑制あるいは乱診乱療という実態がどちらにどうなのかということでもって判断をしていただかなければ、単にその乱診乱療あるいはお年寄りが何でもかんでも医者へかかって、そのことが問題なんだ、だからそれを防ぐために地域の単独事業をやってもらわなければならないんだというふうな発想で、この老人医療法の問題を論議していくということは、私は間違いだと、こう思うんですが、その点についてはいかがですか。

林義郎自由民主党厚生大臣

○国務大臣(林義郎君) どうも本人に聞きますと、こういう話はしたこともないと……

本岡昭次日本社会党

○本岡昭次君 こう言ってないと言うんですか。

林義郎自由民主党厚生大臣

○国務大臣(林義郎君) 言ってないという話ですが、せっかく本岡さんからのお話ですから、お答えを申し上げ、私の考え方を申し上げますが、やはり一部負担というものを入れるということはコスト意識を持ってもらう、全額を持つということになると、やはりそこに安易な形に流れていく可能性があると、こういうふうに考えているわけでございまして、それはやっぱりおのずからなる規律を持ってもらうことが必要であろう。特に、老人の方々にもやはり健康に対する自覚を持っていただく、健康というのはだれが何と考えたところで最終的には個人個人の問題ではないかという考え方でやっておるわけでございまして、乱診乱療があるからどうだとか、ましてや受診を抑制しようなどというような考え方ではございません。そういった私は基本的な考え方をいま申し上げたわけでございます。

菅野久光日本社会党

○菅野久光君 私は、右翼等暴力の問題についてお尋ねをしたいわけでありますが、右翼等暴力というのは、右翼ということで一くくりにするにしてはいろいろ内容に問題があるということで、右翼等暴力ということで言わせていただきます。  岡山で開かれました日教組の定期大会についてまずお伺いをいたしたいというふうに思います。今般の日教組大会における状況に対しましては、私は憲法に定められた権利に対する非常な危機感を感じておりますし、日本の将来にも憂慮せざるを得ないというふうに思っております。右翼の陳情、はっきりまあ右翼で、右翼の名前を使ったこの陳情ですね。それを県議会だとかあるいは市議会が採択した上での会場貸し出し拒否、また右翼等の執拗な暴力的行為による妨害、これらのことを見ると、およそ民主主義国家における状況とはとうてい言えない、そう断言せざるを得ないのです。憲法の基本的人権であります集会の自由あるいは言論の自由を否定するような行為が平然と行われる。そういった状況が身近に起こる。非常な危惧を感じざるを得ません。  そこでお伺いをいたしますが、文部大臣、政府の一閣僚として、国の根幹となる憲法の権利を侵害するような行為が平然と行われたことに対してどのようにお感じになったか、まずお聞かせをいただきたいというふうに思います。

瀬戸山三男自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(瀬戸山三男君) 具体的な場面を私は承知しておりませんから、それがいわゆる憲法に保障されておる基本的な人権といいますか、それを妨害されたかどうかという点については明言をできません。できませんが、いまおっしゃるように、言論の自由であるとかあるいは集会の自由であるとかいうことはわが国社会の基本的な権利として認められております。でありますから、これはそれこそいわゆる公共の福祉に反しない限りこ れを損傷してはならない。また権利を主張する人も公共の福祉ということを考えてやってもらわなきゃならない。こういうことだと思いますが、いわゆる右翼という立場の人たちがそういうことを仮にしたとすればそれはとんでもない間違いである、かように考えております。

菅野久光日本社会党

○菅野久光君 公共の福祉という言葉が出てまいりましたけれども、憲法とそれから公共の福祉ということとどちらが優先されるというふうにお考えでしょうか、ちょっとお伺いいたします。

瀬戸山三男自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(瀬戸山三男君) 憲法第三章に書いてあることは全部公共の福祉の範囲内で行わなければならないし、守らなければならない、これが前提になっておると思います。

菅野久光日本社会党

○菅野久光君 日教組が大会を開こうとすると、その場所へ右翼と言われる者が押しかけていって、そして大会を開かせない、そういうふうなことを毎回やっております。先ほど文部大臣は、直接見たわけでもないし、そういったようなことについてはよくわからないというようなことを言いましたが、しかし、あれだけ新聞だとかあるいはテレビ等を通じて報道されたことについてよく承知をしないということは、私はちょっと本心ではないのではないかというふうに思うわけですけれども、しかし、あの報道の中でも、妨害するのに手段を選ばないようなことをやって市民生活をも脅かしました。こうなると、自分の考えに合わないものは力で排除する、そういうような、およそ民主主義とは縁のない、まあ暴力集団のようなものと言っていいと思うのでありますが、そういうものを十分に取り締まれない警察や自治体、これは一体何をしていたのかという気持ちになるわけでありますが、実際現場で、第一線で警備に当たっている若い警察官の方々の努力に対しては、私は本当に敬意を表します。本当に服も脱がないで、あの暑い中、あの戦闘服を着て、汗が乾いて塩がふいているというような状況の中でがんばっておられることについては敬意を表しますが、こういったような、何をしていたのかという気持ちを持たせるのは、これはいえば警備の幹部の人たちの指揮にやっぱり問題があったのではないかというふうに思いますが、そのことは後から警察庁の方にお尋ねすることにいたしまして、文部大臣、こういうことへの対応の不十分さというものが子供への教育にも有形無形に影響を及ぼしていると思うわけでございます。今回の件で教育に対してどのような影響があったか、把握しておりましょうか。また、地元の教育委員会等から報告などを受けておりますか。そのことについてお伺いをいたしたいと思います。

安恒良一日本社会党

○委員長(安恒良一君) ちょっと速記をとめて。    〔速記中止〕

安恒良一日本社会党

○委員長(安恒良一君) 速記を起こしてください。

高石邦男文部省初等中等教育局長

○政府委員(高石邦男君) 先般行われました日教組大会で、岡山県の湯原町の小学校等においては、本来八月三十日に二学期の始業式を始めるというような計画が九月三日に始めるということになったわけです。これは県の報告によりますと、大会の会場が登校する子供たちの登校の路上になっている三校につきましてそういう措置をとって、問題が生じないように回避した、こういう報告を受けておるわけでございます。こういう状態につきましては、まことに望ましいことではないというふうに考えているわけでございます。

菅野久光日本社会党

○菅野久光君 それじゃ、影響があったということは、文部省としても認めるということでよろしいですね。

高石邦男文部省初等中等教育局長

○政府委員(高石邦男君) 具体的に学校の始業式をそう変更せざるを得なかったと、こういうような具体的な影響があったわけでございます。  ただ、個々の子供たちとか父兄、そういうものに対してどういう心理的な影響があったかということについては、ちょっと文部省で調査すべき立場でないので、そこまでやっておりません。

菅野久光日本社会党

○菅野久光君 先ほどもちょっとお尋ねしたわけですけれども、地元の教育委員会等からこれらのことについて報告を受けているかいないかということについて、お答えいただきたいと思います。

高石邦男文部省初等中等教育局長

○政府委員(高石邦男君) 地元からは、学校の始業式をこういう事情で変更せざるを得ないという経過の説明がありまして、その旨の報告は受けました。

菅野久光日本社会党

○菅野久光君 右翼の車が町の中を騒音を立てながら走り回る。旅館などのガラスを割ったりする。そういう理不尽なことがまかり通る状況を見ながら育っていく子供らが現実に対して疑問を感ずる。また、こんなことが非行問題にも発展するような契機になることだって十分に考えられる。それに二学期の始業式が延期される事態まで起こっているわけです。地元の教育運営にまで影響を及ぼしているこのことを見ても、右翼対策は十分でなかったというふうに思われるわけですが、文部大臣、当局側の右翼への対応の不十分さから始業式がおくれたことに対してどのような認識を持ち、右翼等に対して警察や自治体がどのような対応をするべきであったと思われるのか、対応のまずさがあったと思われるか、所見をお伺いいたしたいと思います。

瀬戸山三男自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(瀬戸山三男君) いまのお尋ねの前に、先ほど委員長から御注意いただきましたが、私の申し上げておることは、現場を見ておりませんから、どういう暴力があったかということをよく知らないということだけのことでありまして、報道されておることは見ております。そこで、いまの問題でございますが、一方の方で日教組大会が開かれ、言論の自由、集会の自由があるわけでございます。それを暴力あるいは騒音等で妨害することはとんでもない間違いである、これを文部省が取り締まるというわけにはまいりませんけれども、それは法に従ってそれぞれの所管庁がこれを排除する、こういうことになっております。

安恒良一日本社会党

○委員長(安恒良一君) 速記をとめて。    〔速記中止〕

安恒良一日本社会党

○委員長(安恒良一君) 速記を起こして。

菅野久光日本社会党

○菅野久光君 質問を続けます。  現実の教育の場にも影響を及ぼす事態となったからには、それをやっぱり教材として、憲法に定められた集合の自由だとか、あるいは言論の自由とは何か、どうあるべきかということを教えるのがこれは当然の教育の役割りであるというふうに思うわけです。私は、今回のことに対して地元の教育委員会などでどのような形で子供たちにそれらのことを教える努力がなされたのか、関心があるわけでございますが、この問題はなかなかむずかしい問題ですが、これらのことについて文部省では、地元の教育委員会としてこれらの右翼等暴力の問題にかかわってどのようなことをやったか報告を受けておられるか、ちょっとお伺いいたしたいというふうに思います。

高石邦男文部省初等中等教育局長

○政府委員(高石邦男君) 今回の岡山事件に関して教育委員会が児童生徒に対してどういう指導、教育をしたかという点についての報告は受けておりません。ただ、考えますと、一般的な暴力問題については、これは校内暴力を含めまして、厳にそういう行動に走らないようにということを常日ごろ教育をしているわけでございます。したがいまして、基本的に暴力に対する批判的な対応、生活行動をそういう面でみずからも守っていくということを教えているわけでございます。  そこで、この具体的な事例についてはどういうような取り上げ方をするかということ、そのこと自体も非常にむずかしい問題をはらんでいるかと思うんです。したがいまして、県の教育委員会、この町の教育委員会が今後どういうふうなことをするかについては少し時間をかけて考えていかないと、思いつきで子供たちに教えるというわけにいかない問題かと思うわけでございます。

菅野久光日本社会党

○菅野久光君 少し時間をかけてということでありますが、右翼暴力等の問題について、特に今回の場合には、会場貸与の問題等いろいろあったわけですね。それだけに子供たちの関心というものも非常に深いというふうに思うわけです。それで、時間をかけるといっても、どのぐらい一体時間をかけたら答えが出るのか、できれば現場で先生方が子供に質問をされたときにどのように答え ることが模範回答なのか、そういったようなこと等について文部省として何らかのお答えが出されるかどうか、それをお伺いいたしたいと思います。

高石邦男文部省初等中等教育局長

○政府委員(高石邦男君) 文部省が個々の児童生徒に対して、どういう教え方をしろとかどういうふうに指導をしろということは、これはやっていないわけでございます。これはあくまで教職員の教育に対する一つの教えることについての創意工夫ということを前提としてやるものですから、文部省の命令でこう教える、ああ教えるというようなシステムをとっておりませんので、文部省が命令してやらせるというわけにいかないわけでございます。したがいまして、現場の教職員、教育委員会、そういう方々がどういうような方針でこの問題について対応していくかということを考えていくということが必要でございまして、文部省で一定の方式を決めてこうするというわけにいかないのが現行の仕組みでございますので、御理解いただきたいと思います。

菅野久光日本社会党

○菅野久光君 一番大事なことについて、文部省が具体的な教育の内容についてはああしろ、こうしろということを言う立場にないというお答えでございますので、それは一番大事な点で、私もいまのお答えについては当然そうあるべきだというふうに思います。  それで、日教組大会に対する右翼の妨害、これはここ近年ずっと続いているわけでありますが、それが言論の自由とか集会の自由を脅かすだけではなくて、教育にまで影響を及ぼすようになってきていると、そのように申し上げて過言ではありません。去年の長崎大会でも、地元の学校は登校時間を繰り上げたり、あるいは集団登下校などの措置をとっています。このように民主主義の原則を無視したような者たちによって正当な権利が迫害されていると。こんなことを毎年繰り返していくという体制は、これは憲法の精神が浸透していない、民主主義の原則が確立していない社会だと言われても仕方がないというふうに思われるんです。  今度の日教組大会に来ました海外代表の言葉が八月三十一日付の朝日新聞に載っておりますが、それを引用させていただきますと、「「世界の先進国であり、アジアの代表と思っていた日本で、民主主義がこんなに遅れた状態にあるとは」」というような言葉、「「これだけ弾圧されても、自分たちで立派な会場を造って大会をやり遂げる日本人の物質的、精神的なパワー、民主主義を守る決意に驚嘆した」」というようなことや、街頭での右翼団体の妨害にマレーシアの国際自由教員連盟――IFFTUと言っておりますが、この代表のグリナム・シンさんは「「自由が制限されたアジアの他の国でも、あんなひどい行動をとる団体はいない」」、このように言っておりますし、また、世界教職員団体総連合――WCOTPの副会長でありますミシェル・ジョブリーさんは「「悪条件にもかかわらず、建物、施設は完ぺきにできている。われわれも、日教組が掲げている人権を守る、教育の民主化推進、平和教育の三点を各国に伝えていきたい」と賛辞を贈っていた。」というようなことがありますが、いずれにしろ民主主義の問題から言えばきわめて問題がある状態になっている。  文部大臣は憲法を尊重し擁護していく立場にありますし、また教育を担当する大臣として今後憲法の精神を尊重し、教育を侵害されないように、自由な集会の環境を整えていくために警察や自治体などに対して右翼等の取り締まりなどを要望として申し入れなされるおつもりはあるかどうか、その所見をお伺いいたしたいと思います。

瀬戸山三男自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(瀬戸山三男君) わが国の民主憲法が施行されましてからもう三十五年になろうとしております。残念ながら、私の感覚でございますが、まだ必ずしも民主主義が本物になっておらないような気が私はしておるんです。でありますから、これは憲法にも書いてありますように、みんなが努力をしなければならない、国民全体が。  日教組の問題についてでございますが、他のグループ、人々の集会を特に邪魔したり、あるいは暴力によって邪魔するということは、これはとんでもない間違いであると私は思います。でありますから、また一方において日教組の思想信条を批判する言論、集会もこれは白田でありますけれども、しかし、それは暴力であるとか、あるいは交通妨害をするとか、先ほど先生お触れになりましたが、宿舎の窓ガラスをたたき壊すとか、これはまさに違法行為でございますから厳重に取り締まってもらわなければならない。率直に申し上げて、最近の右翼と言われる人々の行動はそれこそ公衆に迷惑をかける。私は権利であるという自主というのは人に迷惑をかけない範囲でやるべきものだという信念を持っておりますが、そういう点は今後も政府部内でも話し合いをしたい、かように考えております。

菅野久光日本社会党

○菅野久光君 最後に、文部大臣がいまお答えになりましたが、私は、この問題は日教組の問題ということだけではなくて、御承知のように六月の十八日でしたか、後藤田官房長官が岡山の空港で右翼に襲われる、それからロッキード事件に関して田中を殺せというようなことなどを叫んで歩く、また社会党の横山利秋代議士に対する暴行、暴力事件、各地方の議員に対してもそういったようなことが起きております。したがって、これはただ単にこの日教組だとか左翼だとかなんとかということではなくて、まさに民主主義にかかわる問題ということで、何とかそれぞれの思想信条はお互いに尊重し、それぞれの集会はそれを保障していくという立場で私は申し上げておりますので、こういったようなことについて、先ほど大臣もお答えになりましたが、まさに行政も、そして国民みんながそういったようなことの起きないように努力していかなければならない問題だということで、文部省にかかわる質問についてはこれで終わらせていただきます。どうもありがとうございました。  引き続いて、自治省の関係についてお尋ねをいたしたいというふうに思います。  岡山県の施設利用の拒否の問題でありますが、長野岡山県知事は、日教組が五十八回大会を開くに当たり、県施設使用の申し入れを行っていたのに対し、日程のやりくりがつかない、右翼などが来て交通規制をすると平穏な市民生活が確保できないとの理由で拒否をいたしました。日教組としてはやむなく会場を湯原町に移し何とかことしの大会を終えたわけでありますが、大会を終了したことについては町の方々、警察当局等々の御協力があったことを私もかかわる者として感謝をするものでありますが、しかし、ことしの大会開催までの経緯を振り返ってみまして問題として残っているのは、わが国には、先ほども言いましたが、民主主義はあるのかどうかという点であります。憲法第二十一条第一項では、集会、結社、表現の自由、そしてこれを保障するというふうにうたっているわけでありますが、岡山県当局はこの趣旨を守るための努力をするどころか、集会を妨害する右翼に耳をかし、民主主義を踏みにじったと言ってもいいというふうに思います。この岡山県の態度は地方公共団体としての任務を逸脱したと言っても過言ではないというふうに思うわけでございます。ちなみに、八月二十五日の朝日の天声人語にはこのようなことが書かれております。  一部の右翼の妨害行為は目に余る。「火をつけてやる」と旅館をおどす、旅館の窓ガラス十数枚を割る、読経のテープを大音響で流す、といったいやがらせが湯原町で続いている。「これ以上、大音響の街頭宣伝を続けるなら、町全体が右翼に反感をもつようになる」という町民の感想があった。知事や県議会の責任も大きい。「市民生活に迷惑がかかるから施設を貸さない」というのは、逃げ口上にすぎる。日教組批判の側に立つものでも、言論の自由を守る、そのために妨害があっても全力をつくして市民を妨害から守る、の二点を両立させるため身を粉にすることが、政治家の責務だろう。自分たちが妥協しても大勢に影響がないなどといっているうちに、事態は進み、言論の自由を大切にする風潮が崩れて行く。英国の政治哲学者アーネスト ・バーカーはかつて「政治における説得」の三原則を説いた。民主主義の制度では、説得には①多様な意見の存在を認めること②理性的であること③拒否できるものでなければならない、の三原則がある。強制、激情、相手に恐怖心を起こさせる脅迫、そういった手段で言論の自由を封殺する動きは、右であろうと左であろうと、民主主義への挑戦だ。 と、このようなことが書いてあります。この岡山県の態度は、こういったようなことからいっても、地方公共団体としての任務を逸脱したと言ってもいいというふうに私は先ほども申し上げましたが、自治大臣の憲法第二十一条に対する見解を伺うとともに、岡山県の今回とった態度をどのようにお考えか、お伺いいたします。

山本幸雄自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(山本幸雄君) 憲法二十一条の表現の自由というものは、これは民主主義の大事な原則でありますから、それは国民は等しくこの原則を守っていかなければならないというのは当然のことであると思います。  そこで、これは全体の中でいろんな状況が出てくるわけでございますが、今回の場合、岡山県理事者あるいは県議会がそれぞれの御判断で県民の福祉ということを考えながら岡山県政というものは私は運営をされているんだろうと思いますが、憲法の大原則の中で、岡山県の県民の福祉ということを考えながらおやりになったことであろうと思うんです。そこで具体的にどういうことがあった、こういうことがあったと、いろいろございますので、それは事務当局からもお答えをいたしますが、全体といたしまして憲法二十一条はこれはどうしても守っていかなければならぬということはこれは当然のことでございますが、ただ、そういう大きな憲法という枠の中で具体的な問題になった場合に、岡山県が今回とった措置というものは、私は、全体としましてそういうことは頭に置きながら、そして同時に岡山県民の福祉ということを考えながらやったものであろうと、こう理解したいのであります。  ただ、具体的には、確かに仰せのような大会の運営上、いろんな問題点があったということは否定できない。またいわゆる右翼の行動につきましては、私は、警察としましてはできるだけの態勢を整えて大会の遂行の上において支障のないようにという、そういう基本的な考え方で協力をしたものだと、こう思っておるのでございます。  いずれにいたしましても、今回のようなことがたびたび繰り返されないようにということは、今後の行政の上でも考えていかなきゃならぬ問題だと、こうは思っております。

菅野久光日本社会党

○菅野久光君 先ほど申し上げましたけれども、岡山県あるいは岡山市のとった態度というものが、今後の日本のこういったような民主主義を守るという観点からいけば、右翼等に対する一つの、何というんですかね、激励行動みたいな、結果的にですよ、そういうことにやっぱりなっているということを十分考えてもらわなければならないと思うんです。北海道においても、教員組合の何か研究集会をやるとかなんとかいうことで公会堂などを借りるというようなことになったときには必ずやっぱり右翼が来て、何で貸すんだ、どうしておまえたちはそれを貸すのか、貸すなというようなことを市当局に言うわけでありますが、その市当局の市長あるいは助役というような方々は、非常に脅迫的でありますから一人で会うということはできない。それで警察の立ち会いのもとであれば会いますということで、そこで会って、あくまでも私どもは市の条例に基づいて、あるいは町の条例に基づいて行政をやっておるのであって、貸せとか貸すなとかいうことを言われて、はいそうですかと言うわけにはいきません、今回の集会もそういう意味ではちゃんと条例に基づいて申請があり、それを許可したものなので、いまそのように言われても私は応ずるわけにはいきません、ということを、もう毅然として断っているわけですね。それであきらめて、後は例のような騒音を出しながらやっているわけですけれども、今回のように陳情を出す、それを受け取るということで現実的にその会場を貸さないということになれば、ますます彼らの意図というものをそういう中で自治体が助長していくようなことになっていくのではないか。そのことはやっぱり日本の民主主義にとっても大変なことだというふうに思うわけであります。特に今度の会館の問題については、大日本愛国党の岡山支部があの県総合福祉会館使用の申し込みをした。日教組との兼ね合いもあってそれを取り消し、裁判になって、仮処分で再びそれを使わせるということになったというようなことなどがありますが、この会場問題については、岡山県議会あるいは岡山の市議会で、県議会では自民党単独、市議会では保守派の多数で採択をしたわけでありますが、憲法で保障されている集会の自由ということを阻害するような陳情が採択されたということにかかわって、果たしてそれが有効なものなのかどうなのかということについてその見解をお伺いいたしたいというふうに思います。

山本幸雄自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(山本幸雄君) こういうそれぞれ地方公共団体の公の施設というものには、それぞれ利用目的がございます。それはそれぞれの県民、市民のための施設だということでできており、またそれぞれの目的に応じた施設であるはずなんです。それをそれぞれの条例に使用の方法、規定、料金なども私は決めておるものだと思うんです。それにのっとってこれは利用を公正に、また何らかの形で差別のあるようなことはしないように運営をするというのが私はそのルールになっていると、こう承知をいたしております。  そこで、県、市の議会がそれぞれ陳情を御採択になったということでございますが、これは私は、県、市議会というのはやっぱりそれぞれ県民、市民を代表するという、そういう議決機関でございますから、それぞれ県民、市民から選ばれた代表者の人で構成されておることは言うまでもありませんし、それが、その採択が県民、市民のために最も適当であると、こう十分私は論議を尽くしてお決めになったことだと思うんです。そういう県、市の議会の御決定に対して私どもが何らかの御意見を申し上げるということも、私は余り適切ではないのではないかと思うのでございまして、それぞれの事情というものをなお私どもよく考えてみなければならないのではないかと、こう思っておるのであります。

菅野久光日本社会党

○菅野久光君 先ほど私が聞いたのは、一つは――一つはというよりも、憲法のその集会の自由というそういうことが阻害されるような内容の陳情が実際に審議をされて、それが採択されたということにかかわって、それが有効なのかどうなのかというようなことでお尋ねをしたわけですけれども、その見解をひとつ端的にお示しいただきたいと思います。

山本幸雄自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(山本幸雄君) それはいま申し上げますように、それぞれの施設はそれぞれの目的で運営をされており、またその建てたときもそういう目的に合うようにできておるものだと思うのです。それで、この県の施設も聞いてみますとスポーツの関係の施設だと、それで、スポーツ団体からも申し込みがあって先約があったと聞いておるわけでございまして、そういうことを考えながら私は県議会もお決めになったんだろうと思うんですよ。  もとより、いまお話しのように、この大会は一つの大事な大会であったわけでございますから、仰せのように表現の自由に関連するものだと、まさにそれはそうであろうと思いますけれども、県にしてみれば、県のそれぞれの目的にかなった施設をそういう利用のすでに申し込みがあって許可をしていたという事情もあって、私はそういう措置をしたと。それは決して表現の自由を無視したものであるとか、表現の自由を無視していこうという考え方に基づいたものとは私どもも思えないのでありまして、そういう意味ではまことにやむを得ざる措置ではなかったのかと、こう思うのでございます。

菅野久光日本社会党

○菅野久光君 事実関係については自治省の御認識は大分違うようでございますので、細かいこと についてはまたそれぞれ所管のときにいろいろお尋ねをしたいというふうに思っております。  この会場の問題にかかわって、まさに全く一方的にこれが県議会あるいは市議会の中で、しかもまだ申し込みもしていない段階からいろいろな話があってやられたというような経過なども私どもとしては聞いているわけでございます。それで、それぞれの自治体がそれぞれの事情があってお決めになったことだと、それについては自治省がとやかく言うべき立場にはないということのお答えがあったというふうに思うんですけれども、その点は御確認をさせていただいてよろしいですか。

大林勝臣自治省行政局長

○政府委員(大林勝臣君) 自治体の、これは表現の自由に関連する重大な問題と私ども認識はしておりますが、公の施設の利用に関しまして先ほど来いろいろ御質問になりました点について、岡山県の今回の実情、これは先ほど来大臣からお答え申し上げましたとおりでありまして、私どもが岡山県当局から聴取をいたしました実情もさようなものであったと存じます。したがいまして、この県議会のいろいろな陳情、請願、こういうものはいろいろなケースに応じてございますけれども、結局は今回のケースについて申し上げますと、条例に基づいて、条例の規定に従って、実際に貸与をするかしないかを判断するのはやはり知事部局の仕事であろうと思います。もちろん県議会の陳情等もいろいろ参考材料とはされたと思いますけれども、最終的な許可するか許可しないかの判断は、結局はそれぞれの利用の調整という観点から最終的に先約があったからと、こういうふうに聞いておるわけであります。

菅野久光日本社会党

○菅野久光君 具体的な答えにかかわっては、先ほど申し上げましたように、別な機会にあれしますけれども、質問いたしたいと思いますが、私が聞いてるのは一般的に、先ほど自治省が、大臣がお答えになりましたように、それぞれの地方自治体が自主的に、一般的にですよ、自主的にいろいろお決めになったことについては、自治省としてはそれについてとやかく言うような立場にないというような御趣旨の御答弁だったというふうに思いますが、そういうふうに確認させていただいてよろしいですか。

大林勝臣自治省行政局長

○政府委員(大林勝臣君) 一つの処分が明白に違法であると、こういうケースにつきましては、私どもその都度地方団体にいろいろ御注意なりあるいは助言を申し上げるというケースは間々ございます。ただ、今回のケースのような具体的な現地の情勢、そういったものに応じて現地で判断された問題であって、しかもなおかつ、もちろん憲法上の問題という非常に大きな問題が控えておるにいたしましても、その結果とった処分自体がこれは明らかに違法であるということがない限りは、私どもは現地の実情に即して現地で自主的に判断された問題であろうと、そういうものについては自治の観点から余り私どもの方から物を申すべき筋合いのものではなかろうと、こういう趣旨でございます。

菅野久光日本社会党

○菅野久光君 先ほどの大臣の答弁とは大分変わってきているように思うんですね。余り意見を言うべきではないと。先ほど大臣は自治の立場からそれぞれの自治体で自主的にやられたことについては、自治体として意見を差し挟むというようなことは差し控えるべきだというような御答弁だったというふうに思いますが、その点については後の答弁の方がちょっと違っているように私は受けとめているんですが、私は大臣の答弁ということでひとつ確認をさせていただきたいんですがね。

山本幸雄自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(山本幸雄君) 食い違ってないと私は思ってるのですが、要するに地方自治というものは、やはり地方公共団体の自律性というものは尊重しなきゃならぬということはあたりまえのことでございます。ただ、その場合に全体の整合性というものをやはり保たなきゃならぬ場合ももちろん出てくるわけでございますし、また法令も存在するわけでございますから、地方自治もやはり法令の枠内で行動をしていただかなきゃならぬということであります。そういう中で私どもの自治省という立場は地方公共団体が地方自治あるいは地方財政を守っていくという上において、そういう立場ですべて物を考え、行動をしておるつもりでありまして、それは中央の各官庁に対しましても私どもは常に地方公共団体、地方自治体の立場で物を言ってるということであります。私は地方自治を守るという立場は自治省としては常に堅持をしながらやってきておるのでありまして、そういう考え方ですべて私どもはみずからの行動を律しておるつもりであります。しかし、ただいまお話しのは、特に議会、地方議会がおやりになってることについては、これは私どもやっぱり行政の立場からは余りかれこれ申し上げる筋合いではないのではないかと、こう思っておるのでありまして、そこのところは少し御理解を賜っておかなければならぬだろうと、こう思うのでございます。全体としましては、もとより私どもは地方自治、地方財政をどうしたらこれから守っていけるかという観点に立って常に行動している、その基本理念には私どもはいささかも変わりはないと、こう思っておるのであります。

菅野久光日本社会党

○菅野久光君 自治省の答弁についていろいろあるわけですけれども、しかしこのことだけにかかわっているわけにいきません、もう時間がございませんので。いずれにしろ、地方自治体あるいは地方の議会の決議等については、十分それを尊重していきたいというその趣旨については、私も受けとめておきたいというふうに思います。  時間がございませんので、実は警察の警備関係のことについてちょっとお尋ねをしたかったわけでありますけれども、最近右翼等というその問題につきまして、言えば従来からの思想的な、思想的なというか、右翼といったら右翼思想ということなんですが、そういう方々、それからいわゆる商法の改正によるあの方たちが右翼に転向して、あるいは右翼の仮面をかぶっていると言ったらいいんでしょうか、そういうような形で動いている部分がある。また、暴力団が右翼という名目でやっている、動いている部分がある。それからテキヤの人が都合のいい、都合のいいというか、体があいているときには右翼的な行動をやる。まあ兼職右翼とでも言うんでしょうか、そういう意味で、非常に中身が、一口に右翼といってもそれぞれの団体の中身はかなり違っているわけですけれども、これらのことについては警察庁としても十分把握をしておられることだろうというふうに思いますが、特に私はそれらの行動にかかわってやっぱり資金源の問題が大きな問題だというふうに思うんですね。金があるから結局行動をする、金がなくなったらさっとやめるわけなんですね。私もいままでいろんなことにかかわってきましたが、そういうのははっきりしております。このことについてはいろんな会社関係あるいは商店関係に対して言えばたかり的なことをやっているところもありますし、私の知っているところでは、自民党の道会議員の方のところにも行って、それに応じなかったためにもう一週間か十日ぐらい毎日そこの事務所の前に来てばかやろうとか非国民だとかということでやっていく、そういったようなことがあちこちに起きているわけです。それで私も、先ほど申し上げましたが、警察の実際警備の関係についてはもう時間がございませんのできょうはちょっとお尋ねできませんけれども、ただ単にその日教組という問題だけではなくて、まさに政治にかかわるものすべてがこのことについて、暴力的なことについてやっぱり排除をするということで強い決意を持っていかなければならないときだというふうに考えておりますので、この点については、後から官房長官がお見えになるようですので、官房長官にお尋ねをしたいというふうに思っております。警察関係のことについてお尋ねをしたいということで警察庁の関係の方々においでをいただきましたが、まことに申しわけございませんが、時間がございませんので、別な機会にひとつ譲らさせていただきたいということでひとつお許しをいただきたいというふうに思います。まことに時間がなくて申しわけございません。自治省、どうもありがとうございました。  それじゃ、韓国漁船の問題についてちょっとお 尋ねをしたいわけでございますが、北海道の周辺海域における韓国漁船の問題ですね。これの操業につきましては、昭和五十五年の十一月以降、日韓政府間の暫定的な取り決めによって、韓国漁船の自主規制という形で一応操業秩序の維持が図られてきたわけでありますが、現在その三年間の取り決めの期限切れを前にして、日韓政府間でその後の取り扱いについて実務者の協議が続けられているというふうに聞いております。  そこで、いま改めてこの韓国漁船の操業問題について振り返ってみたいと思いますが、北海道周辺海域における韓国漁船の操業は、昭和四十一年ごろに日高沖に進出が見られてから、北洋漁場への途中操業の形で小規模な操業が続いておりましたが、昭和五十年代に入り一千トン級のトロール漁船の操業が見られるようになり、さらに五十二年の米ソの二百海里漁業水域の設定によって北洋漁場を締め出された一千トンから二千トンクラスの大型トロール漁船が、北海道周辺漁場を代替漁場として本格的に周年操業するようになったのであります。しかしながら、韓国漁船に対しては五十二年に成立を見たわが国漁業水域法の適用除外となっているため、領海十二海里の外側は公海であるとして、わが国底びき漁船に対する厳しい国内規制措置を全く無視して操業が続けられた結果、漁具被害の多発、資源への影響、漁場環境の破壊は著しいものがありました。このため、五十五年十月に冒頭申し上げましたような政府間の暫定的な取り決めがなされた結果、一応漁具被害は大幅に減少を見たところであります。しかしながら、大型トロール漁船による集中操業や取り決めを無視した操業によって漁場の荒廃は進行し、タラ、ホッケなどの産卵場がなくなり資源の枯渇が憂慮される状況となったほか、依然として漁具被害が続発するなど漁業者の生活は深刻な状況に追い込まれているのであります。さらに、最近における韓国漁船の無謀操業は、北海道沖だけにとどまらず、日水海沿岸一帯に広がり、ついに先般、全国の漁民集会において一日も早い秩序の確立が求められるに至り、この問題は全国の関係漁業者にとってきわめて十代な問題に発展しているのであります。  このような状況の中で、日韓政府間で十一月以降の取り決めの取り扱いをめぐって、すでに四回の実務者協議が持たれておりますが、双方の主張の間には相当の隔たりがあり、話し合いは難航しているやに仄聞しております。先ほども申し上げましたように、北海道の漁業者の窮状は逼迫しており、外務省や水産庁の担当者の方々にも幾度も現地に入ってつぶさにその状況を見聞きされておりますので、当然政府としてはこれらの状況を踏まえて交渉に臨んでおられると思うのであります。  私といたしましても、これまで浜を歩いて漁業者から、網にかかる魚が少なくなった、生活が苦しいと最近の漁業経営の切迫した状況を訴えられ、さらに韓国漁船に関しては、われわれは国が決めた法令を守り指導に従って操業している、また資源を大事にして、漁業の将来を考えて漁業者間の協定を尊重し、とりたいものもとらないでいる。それなのに韓国漁船はどうだ、われわれの守っているルールを全く無視して漁場や資源を荒らしている、こんな不合理なことがあるかとか、底びき漁船は資源の関係から減船しなければならないと考えているのに、われわれが守っているオッタートロール漁船の禁止ライン内で韓国漁船が堂堂と操業している、何とかならないのかと、そういう声も聞かされております。私はこのような声を聞くにつけ、現行取り決めの単純延長では問題の解決にはならず、とうてい容認できるものではないと思うのであります。  本問題の根本的解決のためには、韓国漁船に対し漁業水域法を適用すべきであると考えるのでありますが、しかしいま直ちにこれが適用できないとするならば、少なくとも韓国漁船も二百海里時代の精神を基調として、わが国の国内規制と同様の操業秩序により、将来にわたって資源の保護や再生産が図られる体制のもとで操業することがぜひとも必要であり、さらにわが国において実効ある取り締まりが確保できるような内容の両国政府間の取り決めがなされるべきであると考えるのであります。  また、これまでの実務者協議の状況について、一部の報道によれば、韓国側は日本側の規制強化の提案に対し逆に規制緩和の提案を行った模様でありますが、これが事実とするならば私としてはきわめて関心を持って今後の交渉の推移に注目せざるを得ないのであります。五十五年の暫定措置は、それまでの韓国漁船の操業が海域、隻数、船型などについて大幅に規制され、大筋において主要な漁場が確保されたことは、当時としては何らの規制のない状況のもとでの取り決めであることからすれば一歩前進した措置とは考えますが、韓国漁船に対し漁業水域法を適用すべしとの漁業者の根強い主張が通らなかったことから考えれば不満の残るものであって、たとえ部分的ではあっても規制の緩和を行うことは、先ほど来種々申し上げましたように、周辺海域の荒廃が一層進み、漁業者にとって死活の問題として絶対受け入れできる問題ではないのであります。  そこでお尋ねしたいのでありますが、韓国漁船問題についてのいままでの交渉の経緯をお聞かせいただきたいと思います。

渡邉文雄水産庁長官

○政府委員(渡邉文雄君) ただいま先生からるる御指摘がございましたような経過で、三年前にそれぞれの国の自主規制の約束を交わしたわけでございます。ことしの十月末をもちましてその約束期間が切れますので、十一月以降の取り決めについて現在鋭意折衝しておるわけでありますが、その経過につきましては、まずことしの三月でございますが、私どもの方からは長官、それから向こうの水産庁長、向こうの水産庁の長官でございますが、庁長、長官同士で実務者でその問題をやろうということをことしの春に決めまして、それに基づきまして次長会談を五月に行いました。そのときにはお互いの言い分、具体的な提案には及ばない形でお互いの言い分をそれぞれ述べ合ったわけでありますが、それ以降、先週末までを含めまして次長会談を含めますと五回の交渉会議が持たれたわけでございます。この間の協議におきまして、私ども日本側からは、当然のことでございますが、北海道周辺水域におきます韓国漁船の、まあ何といいますか、規制をより強化すべきこと、それからことしの春にトラブルがございましたような、約束を守ってくれなきゃ困るわけでございまして、そういったことにつきましての韓国側の指導、取り締まりを強化してもらうというようなことを私どもの方は提案をいたしたわけであります。それに対しまして、韓国側はむしろ逆に三年前にああいった規制を受けたために、三年前に比べまして現時点では漁獲が半減してしまったと、韓国側の水産事情も苦しいのでむしろ北海道水域において規制を緩和してほしいと、具体的な中身につきましては御容赦いただきたいと思いますが、緩和を要求する。一方、それに加えまして、前回もそうであったわけでありますが、直接北海道とは関係はないとは言いながら、資源問題が発端であるとは言いながら、結果的には済州島周辺におきますわが国の以西底びき網漁業の規制の強化を先般来提案をしてきているわけであります。私どもといたしましては、北海道の漁民あるいは西の方の以西底びき網に従事しております漁業者の立場を踏まえまして、強い態度で交渉に臨んでおるわけでありますが、そういった意味では双方の主張ががっぷり四つに組んだ形で、現在のところ、何といいますか、膠着状態といいますか、そういう厳しい状態になっておるのが現状でございます。

菅野久光日本社会党

○菅野久光君 交渉の経緯についてはいまお聞きをいたしました。壁に突き当たっているような状況でございますが、交渉に当たって政府としてどのような基本的な考え方で取り組んでこられたのか、そしてまた、この交渉が十月中旬が解決のめどとされているように聞いていますが、その決着の見通しはどうでしょうか、お伺いいたします。

渡邉文雄水産庁長官

○政府委員(渡邉文雄君) ただいま申しましたよ うに情勢自体は非常に厳しい状態になっておるわけでありますが、これまでたび重なった時間をかけて交渉したことによりますそれぞれの側の理解の度も、一方においては深まっているという事実もあろうかと思います。さらに先般行われました日韓定期閣僚会議の席上、私どもの農林水産大臣から韓国の朴農林水産部長官との間での会議の席上でも相当程度の時間を漁業問題に割いていただきまして、金子大臣から強く相互理解の精神に基づいてそれぞれが納得いくような解決を見出すべきであるということを強く申し入れをいただいておりますし、そのときにできれば十月中旬を目途にその交渉を妥結させようではないかというお話し合いをしていただいているわけであります。  私どもは、実務者といたしましてはそのあれを受けまして、基本的な立場といたしましては、北海道におきます韓国漁船の操業が、先ほど先生御指摘のような資源問題等につきまして大きな問題を提起しているということを踏まえまして、資源問題を中心に据えての議論といいますか、交渉を展開しておるわけであります。十月中旬を目途に鋭意これからも努力いたしたいと思いますが、率直に申し上げましてなかなか予断は許されないというのが私の現在の感じでございます。

菅野久光日本社会党

○菅野久光君 漁船の被害補償の問題も実はお尋ねしたかったわけでありますが、時間がございませんので、最後に大臣、これまで四回の実務者協議の結果を踏まえて今後関係漁業者の望むような方向でぜひ決着を見るように一層の御努力をお願いしたいわけでありますが、その決意をひとつお聞かせいただきたい。

金子岩三自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(金子岩三君) 御指摘の点は、私はやはり漁業の実態をよく知り過ぎておりますので、大変無理な韓国の出方、これを何とかしてひとつ韓国に反省してもらいたいという考え方で、先般の八月末の日韓閣僚会議でも二日目にはそれを中心にして朴水産部長官とずいぶん長い時間かけてやりとりいたしました。これは北海道に加えて日本海沿岸からずっと西日本に至るまで、やはり韓国の底びきがことしの一月、二月、三月、四月には一日に三百隻、四百隻という百トンクラスの船が大挙していわゆる日本の領海を侵犯しておったわけでございます。大変むちゃなことをやるのがこの韓国の漁船でございまして、いま長官がいろいろ説明しておりますが、厳しい姿勢でこの際、また向こう二、三年のことなんですからひとつぎりぎりまで、まあ十月の中ごろには目安をつけようと言って朴と話し合っておりましたけれども、十月いっぱいかかってでもひとつ譲歩するものは向こうにひとつ譲歩を迫って、こちらから譲歩してはいかないという考え方で厳しく指導しておりますから、完全に北海道の方々が納得いけるような解決ができるかどうか私もここではっきり申し上げませんけれども、大変自分の禁止区域を韓国の船で侵されておるわけですから、これは全く漁民感情じゃなくて国民感情で抑え切れないような私どもも感情を持って、この問題にひとつ努力を続けてまいっております。

菅野久光日本社会党

○菅野久光君 大臣の強力な政治力と水産庁長官の御努力を心からお願いを申し上げまして、私の質問を終わらさしていただきます。ありがとうございました。

安恒良一日本社会党

○委員長(安恒良一君) 午前の質疑はこの程度とし、午後一時二十分まで休憩いたします。    午後零時二十七分休憩      ─────・─────    午後一時二十四分開会

安恒良一日本社会党

○委員長(安恒良一君) ただいまから決算委員会を再開いたします。  まず、委員の異動について御報告いたします。  本日、木本平八郎君が委員を辞任され、その補欠として前島英三郎君が選任されました。     ─────────────

安恒良一日本社会党

○委員長(安恒良一君) 休憩前に引き続き、昭和五十六年度決算外二件を議題とし、総括質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

服部信吾公明党・国民会議

○服部信吾君 まず初めに行政管理庁にお伺いいたします。  行政改革の課題は大変重大な問題がありまして、具体的に取り上げ始めれば限りがない。しかしながら、それを徹底的にやはり一つ一つやらなくちゃならない、このように考えるわけでありますけれども、それを徹底的にやる前に、ここのところ何となく増税のムード、こんなものも最近においては出てきているわけであります。  土光臨調の「増税なき財政再建」、これはあくまでも貫いていかなきゃならない、徹底して行革をやっていかなくちゃならない、このように考えるものでありますけれども、私はまず特殊法人等の問題について政府にお尋ねいたします。この問題につきましては、もう再三国会において取り上げられておりますけれども、特に今回こういう行革国会ということで、この問題にメスを入れるべきときじゃないのか、こういう観点でお伺いしたいと思います。  特殊法人などの経営をめぐっては、かねてより数々問題があったところでありますが、それはいろいろな原因があろうと思いますが、結局とどのつまりは責任体制が明確でない、こういうことに尽きるのではないかと、このように思います。天下り人事により運営され、役員は法人の経営よりはどっちかと言うと役所の方を向いておる、こういうことがいろいろと言われておるわけであります。ですから、いろいろと住宅公団などの何万戸もの空き家をつくったりするなど、いわゆる親方日の丸的な経営がいろいろ行われている、このようなことについて行政管理庁は、特殊法人の責任体制の確立についてどのようにお考えになっているのか、御所見をお伺いしたいと思います。

齋藤邦吉自由民主党行政管理庁長官

○国務大臣(齋藤邦吉君) 特殊法人につきましては、各方面から今日までいろいろな意見が出されておることは十分承知をいたしております。天下り人事が多いではないかとか、責任体制がしっかりしてないではないかとか、国会におきましてもいろいろな問題点を指摘されておるわけでございますが、私どもとしては、あくまでも特殊法人につきましては、責任体制を強化していくということが最も大事であると、かように考え、今日まで努力をいたしておるところでございますが、まだまだなすべきことはたくさんあると考えておりますので、今後逐次、こうした問題の解決のために努力をしていきたいと、かように考えておる次第でございます。

服部信吾公明党・国民会議

○服部信吾君 政府としては、いままでずっと御努力をされてきたと、こういうことでありますけれども、御努力をされておるわりにはなかなかこの成果が上がってこない。  そこで、お伺いしたいんですけれども、天下り人事の是正について、現状をちょっとお伺いしたい。  政府は、特殊法人の役員については、昭和五十四年に、国家公務員からの任用を半分以下にする、こういうことを決定されました。その実施状況は現在どのようになっておるのか。さらに、そのときの方針は、一度民間に出られた方などはその対象外と聞いております。国家公務員としての経歴を有する方ということでは、現在の役員のどれくらいの位置を占めているのか、この辺についてお伺いいたします。

齋藤邦吉自由民主党行政管理庁長官

○国務大臣(齋藤邦吉君) 特殊法人の役員の任命等についての規制は、内閣において実はやっておるわけでございまして、きょうは内閣からも来ておりませんので、その詳細の数字を申し上げることできませんが、閣議決定の線に沿うて規制をいたしておるわけでございますが、あの方針は守っていこうということでございますが、まだまだ十分な成果を上げているというふうには私からは申し上げることができません。もし詳細必要でございましたら内閣の参事官室の方から詳細に報告をいたさせます。

服部信吾公明党・国民会議

○服部信吾君 いま大臣からの御答弁ありましたけれども、まだまだ十分に政府の方針は余り徹底してないと、こういうことであります。  ここで、ちょっとお伺いしたいんですけれども、先般、臨調の答申では、天下り是正の問題を初め、特殊法人の活性化を図るために総合管理庁で特殊法人の人事と組織について管理調整をするように指摘されております。  ところが、今回提出されている総務庁設置法案の第四条第十一号は、旧来の行政管理庁の権限だけで、人事については全く触れてない、総合調整の機能を与えてない、こういうことであります。組織の面においては述べられているようでありますけれども。特に第二臨調で指摘された事項として「総合管理機能の強化」、こういうことで基本的な考えということで書かれておりますので、ちょっと読ましていただきますと、「政府全体として行政の一体性、整合性、効率性等を確保し、セクショナリズムによる行政の停滞を回避するためには、内閣機能の強化及び予算、計画による調整の強化と並んで、人事・組織による調整が効果的に機能しなければならない。」その他いろいろと人事問題について指摘をされているわけでありますけれども、今回提出されたこの法案に人事については全く触れてない。どういう理由でこれが削られたのか、その点についてちょっと御説明していただけませんか。

齋藤邦吉自由民主党行政管理庁長官

○国務大臣(齋藤邦吉君) 土光臨調におきましては、人事、定員、組織、そういうものを一元的に管理するところの総合管理庁をつくったらどうだ、総合管理庁をつくるべきであるという御提言があったわけでございまして、その総合管理庁設置の構想というものについては私どもはぜひこれは実現すべきである、こう考えましたのでございますが、その総合管理庁構想よりもさらに幅の広い内閣全体としての調整機能をより多く持たすような総務庁というものを設置しようということにいたしたわけでございまして、ただいま開かれております国会に総務庁設置法案を御提案申し上げておるわけでございますが、この総務庁構想の基本をなしますものは総合管理庁構想でございます。したがいまして、総務庁の設置構想というものを立案するに当たりまして、ただいまお述べになりましたような特殊法人に対する人事、定員の管理に関する調整をこの総務庁――これは総務庁は総合管理庁の中心でございますから、総務庁にその権限を与えるということがどうであろうかということを慎重に検討いたしました。答申の趣旨を生かすように特殊法人に関する人事、定員の権限を総務庁に付与するという案を検討いたしてみたわけでございますが、なかなか特殊法人といいましても百くらいあるわけですね。百に近い。こう百に近い特殊法人をいろいろ洗ってみますというと、その機能なり法人の態様というものが区々に分かれております。それからまた、これは各省がそれぞれ監督しておるわけですが、各省大臣の監督の対応、すなわち補助金を交付するとかあるいは政府が出資するとかあるいはまたもろもろの監督、こういうふうな対応も特殊法人に対して非常に区々にわたっておるわけでございます。そういうようなこともありましたので、一律に特殊法人の人事、定員管理に関する調整をこれに付与するということはどうであろうか、非常に問題が出てまいったわけでございます。  そんなこともありましたので、私どもは、またそういう問題が出てまいりましたし、さらにまた現行制度のままでこういう機能を実際的に発揮することができるかできないか、こういうことも考えてみたわけです。と申しますのは、特殊法人に対する定員につきましては国家公務員の定員削減計画というものに準じて、現在でも定員削減はいたしておるわけでございます。そんなこともあり、いますぐこの対応が非常に、法人の態様も異なり、監督の仕方もそれぞれ非常に違っておるものでございますので、一律に人事、定員に関する管理機能を総合調整する権能を与えるということはどうであろうか、もう少しひとつ慎重に検討してみようということにいたしまして、国会で非常にいままで御論議のありましたことは私も承知いたしておりますから、私個人としては何とかこの機会にと考えたわけでございます。努力もいたしました。しかし、そういういま申し上げましたように法人の態様なり監督の態様というものはそれぞれ、百に近い特殊法人でございますから、いま一律にこれをこうするということはどうであろうかということで、一応検討事項ということにいたしたわけでございまして、この考え方、臨調答申のこの考え方を放棄するという意味ではなくして、今後前向きにこういう問題を積極的に検討してみよう、いますぐ結論は出せないけれども、検討してみようということで検討事項にいたしたわけでございます。検討事項にはいたしましたが、先ほども申し上げましたように、定員については公務員の削減計画に準じて各省大臣の責任においてやってもらうというふうなこと、その他強化の体制はとっていきたい、かように考えておりますが、きょうの時点におきましては、ひとつ検討事項ということで今回の法案に掲げることをやめまして、現行法どおりの権限を総務庁に付与すると、こういうふうにいたしたわけでございます。

服部信吾公明党・国民会議

○服部信吾君 大臣としては何とか人事権を入れようといろいろ努力はしたけれども、簡単に言えば各省庁の間からいろんな反対やらいろいろあってできなかったんだ、こんなような考え方かなというふうに考えているわけですけれども、特に今回のこの臨調答申、これを読んでみんな非常に期待しているわけですね。何とか今回このあれで特殊法人等に対してメスを入れると言っちゃおかしいんですけれども、もう少し何とかしなくちゃならぬじゃないか、こういうことで期待をしている。ところが、なかなかこの人事が抜けたということによって、今回の総務庁構想がいわゆる総合管理庁構想と異って単なる看板の書きかえをしたんじゃないか、こんなような批判が出ている。これはあるわけですね。このような総合管理機能の充実のための臨調答申が指摘した新たな機能をほとんど今回は取り入れなかった、このように考えているわけです。  行政管理庁はこの問題について、いまと同じような答弁を九月二十八日の衆議院の行革特別委員会でもわが党の鈴切議員の質問に対して、問題点やはり検討課題とする、このように言われているわけでありますけれども、政府部内でも大変問題になりながらその法案に盛り込めなかったのは、やはり先ほど申したとおり、いわゆる言葉が悪いかもしれませんけれども、天下りの縄張りについてそれぞれの各省庁が総務庁から余り介入されたくない、こういう意見があったんじゃないか、各省庁の強い反対意見があったんじゃないか、このように考えているんですけれども、もう一回大臣お願いします。

齋藤邦吉自由民主党行政管理庁長官

○国務大臣(齋藤邦吉君) この問題につきましては各省庁にはそれはいろいろ意見があると思いますが、各省庁の反対があったからやめたという性質のものではなくして、現在の特殊法人のいろんな態様なり監督の仕方というものがみんなばらばらに違ってきておりますので、一律にこれをやることはどうであろうかと、こういうことにいたしたわけでございます。しかし、その以外の事項につきましては臨調答申に従って、たとえば特殊法人の統廃合の問題もあります。事業の縮小の問題もあります。そういうような問題につきましては、私どもは誠実に臨調答申の趣旨を生かして実行していく、こういう決意でございます。

服部信吾公明党・国民会議

○服部信吾君 この行政改革については、とにかくいわゆる決断と実行じゃありませんけれども、よほど腹を決めてやっていかないとこれはなかなか功を奏さないと思うんです。そういうことで、いわゆる肉を切らせて骨を断つというぐらいの決意でやらないと、なかなか行政改革というのは推進しないんじゃないか、このように考えておりますけれども、行管庁が再三おっしゃるように検討課題とするのならば、そのような問題点がかなりあった。この法案を出すに当たっていろいろとかなり問題点あり検討する点もあった。しかし今回、もうとにかく時間的な問題とかあるいはいろいろな条件で見切り発車みたいな形のこの法案を提出したんじゃないか。そういうことであるならばこれはもう大変われわれ参議院においても、国 会で審議するのにもちょっといろんな問題があるんじゃないか、このように思うんですけれども、行管庁長官が検討課題とする、こうおっしゃったことは、いわゆる今国会でたとえば何とか臨調答申に沿ったように人事を入れるというような修正ないし何かそういうふうな他の手段があってもいいと思うんですけれども、この辺はどうでしょうか。

齋藤邦吉自由民主党行政管理庁長官

○国務大臣(齋藤邦吉君) いろんなそういう検討の上で現段階においては最も適当であると、こういうふうに考えまして御提案を申し上げたわけでございますから、修正というものは全然考えておりません。

服部信吾公明党・国民会議

○服部信吾君 私は、この点に関する政府の対応というのはある面から言えばいろいろと事情はあると思いますけれども、きわめてあいまいなものであると思います。私は、今回総務庁法案は特殊法人等における活性化あるいは責任体制の明確化という観点からすれば大変重要な点を欠いている、このようにも思うんです。政府はこの問題に対して態度をはっきりさすべきであり、参議院段階における審議までに、いま修正する考えがないと、こうおっしゃいましたけれども、再度この参議院ぐらいまでには何とか行管庁長官の決意をお願いしたいんですけれども、この辺はどうでしょうか。

齋藤邦吉自由民主党行政管理庁長官

○国務大臣(齋藤邦吉君) 先ほど来申し上げておりますように、将来の検討事項として私は真剣にこれは検討を続けていきたいと考えておりますが、今度の国会に御提案申し上げておりまする総務庁設置法案なるものは現段階において最も適当であると、こういうふうに考えておりますから、これに対する修正などは毫末も考えておりません。この点ははっきりと申し上げておきたいと思います。

服部信吾公明党・国民会議

○服部信吾君 そういうことですので、できるだけ早くひとつそれの検討を続けていただきたい、このようにお願いいたします。行管庁、結構です。  それで、行政改革を進める中で、国の財政再建を図る見地から厳しい予算環境がここ数年来続いていることは事実であります。これに対して、公共事業予算も四年間連続横ばいと、こういうことになっているわけです。長期的なわが国の経済発展、国民生活の向上を図るためには、わが国の社会資本の整備は依然として重要であると、このように考えるわけであります。真に社会的に必要とされているいわゆる公共事業、あるいは景気浮揚のためになるような公共事業に対しては、行政改革を進める一方、適切に対応すべきである、このように考えているわけでありますが、この観点に立ちまして運輸省にちょっとお伺いしたいんですけれども、これは地元の問題なんですけれども、横浜において現在いわゆる「みなとみらい21」と称する大プロジェクトがあるわけであります。このプロジェクトの一部をなす内陸部においては区画整理事業等においてかなり事業が進捗をしております。しかし、現在まで臨海部については運輸省が港湾管理者を指導しながら計画を進めていくことになると思っておりますけれども、運輸省はこのプロジェクトに対して今後どのように進展させていくのか、この点について一つお伺いしておきます。  それからもう一つは、先日この横浜の本牧埠頭に行ってまいりました。そこにたくさんのコンテナが構内に入っておりましてどうしようもない、動けない。そして、ますますこれから合理化等によってこのコンテナの貨物が増大する、そういうことで横浜港はどうしようもない。こういうような状況ですので、運輸省はこれに対してどのような対処をされようとするのか、この点についてお伺いしておきます。  三点目としては、現在横浜からいわゆる港を通って山下等に行くわけでありますけれども、船が入り、そうして湾岸道路を通るときに、大変大型の貨物とかトラックが通って、一般車が一緒になって走っている、そういうことで全然もう交通がどうしようもないと、こういうことで港湾関連の大型車両と一般車両を極力分離すべきじゃないか、こういう点について運輸省としてはどのようなお考えなのかお伺いしておきます。

小野寺駿一運輸省港湾局長

○政府委員(小野寺駿一君) お答え申し上げます。  第一点のお話は、横浜港の「みなとみらい」のことでございます。この「みなとみらい」と称します計画につきましては、横浜港の一番奥の場所で計画されておりまして、大変古い施設でありますところの新港地区あるいは三菱重工が造船所として活用しておりました地域、さらに高島埠頭地区などを新しく再開発いたしまして、新しい都市生活を支えるための内貿機能でありますとか、あるいは市民を海にもっと近づけるための港湾緑地の整備などを盛り込みましたプロジェクトでございまして、昭和五十七年の八月に開催されました港湾審議会の第九十九回の計画部会の議を経て横浜港の港湾計画ということで取りまとめられておるものでございます。  この計画の一環といたしましての港湾緑地につきましては、本年度から着手いたしておりますが、これから先財政状況大変厳しい状況ではございますけれども、横浜港の再開発の面で大変重要でございますし、港湾管理者でありますところの横浜市からの要請も大変強いわけでございますので、この実現に向けて努力してまいりたいというふうに考えておるところでございます。  それから二番目に御指摘のございましたコンテナの問題でございますが、横浜港における外貿コンテナの貨物量は、昭和五十一年には五百万トンを超えました。さらに五十六年度には一千万トンの大台も突破するということで、かなりの増加を続けておるわけでございます。この情勢に対処するための施策といたしまして、同じく昭和五十七年八月に作成されました横浜港の港湾計画の中で本牧地区に新しく二バース、大黒地区に二バース、合計四バースの外貿コンテナ埠頭の計画を位置づけております。これの実現という点につきましては、五十七年度から本牧地区におきまして横浜港埠頭公社が外貿コンテナ埠頭の整備に取りかかっております。この点につきましても厳しい財政状況のもとではありますけれども、横浜港のコンテナの伸びの状況に対応いたしまして、必要な対策が講ぜられるように私どもも努力してまいるつもりでございます。  それから三番目に御指摘のございました道路のことでございますが、横浜港の一番奥の高島町付近におきまして大変道路混雑いたしておりまして、これが都市の交通と港湾から出てまいります大型トラックなどの交通が交錯いたしまして、大変な交通の混雑を来しておるところでございます。これにつきましては、先ほど申し上げました「みなとみらい21」による再開発に関連いたしまして、新しく海岸部分を横につなぐ道路を臨港道路として整備するような考え方がございます。この道路が完成いたしますと、港湾関連の大型車が都心に乗り入れるということがなくなって、各埠頭を横に直結するというふうな交通が成立するようなことになってまいるわけでございます。この計画につきましても、大変厳しい状況ではございますけれども、この実現に私どもといたしましては努力いたしてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。

服部信吾公明党・国民会議

○服部信吾君 運輸省結構です。どうもありがとうございました。  次に、東京医科歯科大学についてお伺いいたします。  最初に警察庁の方でお願いします。いわゆる国立大学の教授選任あるいは博士号の授与の裏に金が動く、こういう金権体質をはしなくも今回の東京医科歯科大学の不祥事件は暴露したわけでありますけれども、そしてついに司直の手を煩わすことにもなってきたわけであります。  まず最初にお伺いしたいことは、東京医科歯科大学で事情聴取を受けた人の数、捜索概要等について警察庁の方から説明をお願いいたします。

金澤昭雄警察庁刑事局長

○政府委員(金澤昭雄君) 東京医科歯科大学をめぐります贈収賄事件の状況について申し上げます が、まず御質問の捜索と事情聴取の状況でございますが、これまでに事件の全貌解明ということのために同大学の教授室など二十数カ所につきまして捜索を行いました。それとあわせまして多数の関係者からの事情聴取、これを現在行って捜査を進めておるところでございます。

服部信吾公明党・国民会議

○服部信吾君 引き続きまして、事情聴取を受けた人数、学内また学外に分けてお願いします。それから逮捕者の肩書き等も教えてください。

金澤昭雄警察庁刑事局長

○政府委員(金澤昭雄君) まず、逮捕者の肩書きでございますが、収賄で逮捕いたしましたのは、東京医科歯科大学医学部麻酔科の教授池園悦太郎。それから、贈賄側被疑者といたしましては、医療機の納入をめぐります贈収賄事件の被疑者といたしまして、日本光電東京株式会社取締役稲田裕之、日本光電工業株式会社取締役三好晃、同じく取締役竹内郁雄、久保田商事株式会社社長久保田清子、同じく営業課長前垣内賢次、利康商事株式会社社長山本洋一でございます。それから、教授選考をめぐります贈収賄事件の被疑者といたしましては、元東京大学医科学研究所非常勤講師酒井昭義、東京医科歯科大学医学部講師畑野良侍でございます。

服部信吾公明党・国民会議

○服部信吾君 いま警察庁の方からお話がありましたように、多数の方が逮捕され、いま司直の手にかかっているところでありますけれども、いわゆる国立大学で、このような多数の方々がこのような司直の手にかかった不祥事件を起こしたわけでありますけれども、監督官庁である文部大臣、どこにそのような原因があり、今後どのように再発防止を行っていくのか、大臣の所見をお伺いしたいと思います。

瀬戸山三男自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(瀬戸山三男君) 御指摘の東京医科歯科大学の事件、いま警察庁からも御説明がありましたが、まことに遺憾至極のことであると考えておりますが、どこから来たかということについては、これは端的に申し上げますと、学校、大学の教授としての自覚と申しますか、そういう点にあると思うんですけれども、自覚の不足といいますか、あると思いますが、やはり選考委員会とか、あるいは監査体制とか、そういういろんな面でルーズになっておったんではなかろうかと、こういうふうに私は見ておるわけでございますが、そこで、文部省といたしましては、医学部長等を招致いたしまして、厳重な注意あるいはその後の対策等を要請して今日に至っておるわけでございますが、その内容については局長から細かく申し上げさせていただきます。

西崎清久文部大臣官房長

○政府委員(西崎清久君) 医科歯科大学の一連の不祥事につきましては、やはり大学自治の根幹に触れる問題でございます。したがいまして、私どもとしては、ただいまも大臣から申し上げましたように、まず、大学の内部における措置を至急講じてほしい、こういうことで指導しておりまして、その具体的なあらわれといたしましては、医学部内に倫理綱紀に関する委員会というのが設けられたわけでございます。この倫理綱紀に関する委員会で六回の審議を重ねまして、九月二十八日の臨時教授会におきまして、いろいろなチェックを行う機関を設けるということで意思決定を見ておるわけでございます。  具体的に申しますならば、一つは兼業に関する監査の委員会、第二には受託研究寄附に関する監査委員会、第三には診療体制に関する監査委員会、これら三つの監査委員会につきまして調整統括をする委員会も設けまして、それぞれの事柄についての事案について厳重な審査をし、大学の自主的な体制を整えていくというふうな方向で踏み出しておるわけでございます。

服部信吾公明党・国民会議

○服部信吾君 その対策の中で監査委員会を設けた、このようなあれでございますけれども、その中で受託研究寄附金監査委員会と兼業監査委員会、それぞれこれどんな監査をするのか、この辺について説明していただきたい。

西崎清久文部大臣官房長

○政府委員(西崎清久君) まず、受託研究寄附金監査委員会のこれからの議事に関する事項でございますが、これはいま設置が決まったところでございまして、具体的にはその監査の方針その他はこれから決めてまいるということでございます。しかし、一般的に申しますならば、受託研究なり奨学寄附金の受け入れにつきまして、従来からその個人である教授とか学部長というところで学長の許可を得るというふうな姿だけではいけないのではないか、複数の監査体制として委員が参画をいたしましてその是非を論じ、そして受託研究であればそれを受け入れるというふうな姿をとる必要がある、そういう趣旨で複数の者による監査委員会を設けておるわけでございまして、兼業につきましても学部長を通じ学長が兼業の許可をするわけでございまして、通常それで万全の体制として兼業の許可が行われるということが望ましいわけでございますが、当該医科歯科大学におきましては、今回の不祥事にかんがみまして兼業についても複数の委員による監査をして、そうしてその是非を論ずるというふうな体制で監査委員会を設けていこうというふうに私どもは承知しておるわけでございます。

服部信吾公明党・国民会議

○服部信吾君 文部省としては、この東京医科歯科大学事件のような金権体質は、全国の大学医学部についてもそういうおそれがある、断言できないにしてもそういうかなりおそれがあると、すでに全国の大学の経理部長の会合において自粛対策を実施するよう指導していたようでありますけれども、どういう指導を打ち出したのか明らかにしていただきたいと思います。

西崎清久文部大臣官房長

○政府委員(西崎清久君) 先生御指摘のように、私どもは、国立学校に関する会計経理あるいは人事に関しまして、毎年経理部長会議、庶務部長会議を招集し指導しておるところでございます。経理部長会議につきましては、例年五月に招集するところでございまして、本年も五月にこれを行ったわけでございます。  その内容の点を幾つか申し上げたいわけでございますが、まず、奨学寄附金、受託研究につきましては、奨学寄附金なり受託研究の受け入れとかその資金、現金の受け払いあるいは支出というふうな点に関して、いろいろな学内規程を整備すべしということを年来指導してきておるわけでございます。受託研究なり奨学寄附金についての学内規程の整備、これについての指導が第一点でございます。  それから第二点としましては、奨学寄附金なり受託研究費あるいは共同研究経費につきましては、歳入歳出予算を通して経理すべきものでございますので、いわゆるその別途経理とか私的経理で行っては相ならぬというふうなところをなお徹底するという点で指導しておるのが第二点でございます。  それから第三点といたしましては、奨学寄附金は学長に交付されました後は委任経理金という形で処理されるわけでございますが、その処理につきまして過不足なりあるいは余剰ということが生じた場合、他の奨学の目途にそれを振りかえて使用するとか、そういうふうな手続について厳重にチェックをする必要があるというふうな指導をしております。  それから最後に、兼業の問題に関しましては、主として庶務部長会議でございますが、兼業にかかわる教官等の措置については、学長、学部長が厳重にこれについては監督の立場から目を届かせて、正式にちゃんと許可をして兼業を行うようにという指導を重ねておるところでございます。

服部信吾公明党・国民会議

○服部信吾君 そのような自粛対策をいろいろと通達しているわけでありますけれども、実際に各大学でこれを実施しているのかどうか、この辺についてちょっとお伺いしたいんですけれども。

西崎清久文部大臣官房長

○政府委員(西崎清久君) 受託研究あるいは奨学寄附金の学内規程の整備を図るという点を年来指導してきておるわけでございますが、本年の九月現在で、まず受託研究に関して学内規程を置いておる大学は、九十六大学のうち八十九大学が学内規程を置いておるという現状でございます。それから七大学が残っておるわけでございますが、この七大学の中には新設の医科大学等がございまして、なお検討しておると、早急につくるように指導いたしております。  それから、奨学寄附金にかかわる規程の整備状況は、やはり本年九月段階で九十六大学中六十六大学でございます。奨学寄附金の方の学内規程の整備が若干進んでおらないというのが現実でございまして、この点につきましては、なお私どもは規程整備について指導を強めたいというふうに思っております。

服部信吾公明党・国民会議

○服部信吾君 その九十六大学の中で六十六大学、この中に東京医科歯科大学は入っているんですか。

西崎清久文部大臣官房長

○政府委員(西崎清久君) 受託研究に関する学内規則は医科歯科大学はございます。ところが、奨学寄附金に関する学内規程につきましては医科歯科大学はまだ未整備でございます。

服部信吾公明党・国民会議

○服部信吾君 まあ、いまいろいろお答えいただきましたけれども、たとえば九十六大学中六十六大学というようなことで、まだ、いろいろ通達しているにもかかわらず、まあ約三十大学ぐらいがいわゆる実施をためらっている。どうしてそういう面に対してですね、通達っていうか、そういうような指導をしているにもかかわらず、大学側はその三分の一ぐらいは言うこと聞いてないと、こういうことなんですけれども、その点はどのようにお考えですか。

西崎清久文部大臣官房長

○政府委員(西崎清久君) 受託研究費並びに奨学寄附金につきましては、それぞれ委託者なりあるいは寄附者という形で大学が対応するわけでございまして、まあ一種の契約関係、受託研究の場合は双務契約、それから寄附金の場合には贈与として片務契約でございますが、その点で、従来ややもすれば、税金で賄われます国費の使用に比べて寄附者の意思に沿った使用が行われればいいではないかとかいうふうな若干の気持ちがあったということがあるとすれば、これは遺憾なことでございます。したがいまして、私どもとしては、やはり歳入歳出を通していずれの経費も経理すべきであるという原則で年来指導しておるわけでございます。したがいまして、若干奨学寄附金の方の学内規程の整備がおくれておることはいま申し上げましたとおりで遺憾でございますが、早急に私どもはそれを整備すべく指導をこれからもしてまいりたい、こういうふうに考えております。

服部信吾公明党・国民会議

○服部信吾君 まあ、いろいろお話聞きましたけれども、特にまず一つとして監査委員会ですね。監査委員会を設置しようということで、設置しているのはどのぐらいあるのか。それからいま、はからずもいろいろと受託研究あるいは奨学寄附金と、こういうようなことでいろいろ問題があると、なかなかできないんだと、こういうお話ですけれども、この問題については、もうこれは過去何回か国会でも取り上げております。また、会計検査院も検査報告でこれを指摘しておりますね、何回も。文部省としては、その対応として受託研究の取り扱い規程を整備したり、あるいは教官にもそれを周知徹底させる旨の方針をいろいろと打ち出していると思います。私の感じるところでは、外部からの研究依頼あるいは奨学的な寄附、大学に入ってからについては正規の処理をされないであやふやになっているものが少なくないんではないか、こういうことが非常に気になるわけです。というのは、国民が気にしておる。何となく大学に対して、最近こういう事件が起きておりますけれども、非常に国民が、お金の流れが非常に何といいますか、ルーズといいますか、はっきりしないと。一応受託研究とかあるいは奨学寄附金、こういう形でなされているんですけれども、しかしなかなか納得できない。その中においてもかなり受託研究費にしても、また奨学寄附金にしても、まだまだ明らかにならない部分がたくさんある。そういうことで大変国民がこの点について疑惑を招いている。ですから私は、こういうものをやはりぴしっと少しね、ある程度もう少し一歩踏み込んであれをしなくちゃいけないんじゃないか、このように思っているんですけれども、この点の見解は、文部大臣どうでしょうか。

瀬戸山三男自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(瀬戸山三男君) いま受託研究の問題、あるいは奨学寄附等の問題についての取り扱い方等については局長から御説明申し上げたとおりでございますが、現状等については。いまおっしゃるように不正があっては絶対いかないわけでございますが、しかし何となく不正があるんではないかと疑われること自体が、これは大変なことでございますから、いま事務当局から御説明申し上げましたことを徹底するため、チェックをして一々そういう進め方をするように進めていきたい、かように考えております。

服部信吾公明党・国民会議

○服部信吾君 まあ、後でこの監査委員会ね、これはどのくらいやっているか、また後で。  そこで受託研究と奨学寄附金。今度の事件から見ても医学部の先生と、要するに先生と企業との金銭上のパイプが文部省、しかも、このパイプは文部省が管理しているところが大きな特徴なんですけれども、このパイプは文部省が管理しているとは言いながら、現実にはだれがだれに、どこの会社がどのくらい、こういうことを知っているのは学部長と、そのお金を寄附したり出した企業の人、そしてそれを受けて受託研究をするような先生の三人だけだと、こういうことになると思うのです。ですから、私はこの辺のところをもう少し明確にしていただきたいと思うんです。  たとえば、ちょっとそちらの文部省の方からいろいろ資料を出してくれということで、たとえば奨学寄附金の、どういうことで出すのか、金額、寄附者、受け入れ学部と、こういうことで出してもらいました。これを読んでみますと「奨学寄附金の典型的・平均的事例」、こういうことで、たとえば寄附目的としてはリハビリテーションに関する研究だとか、工業用ロボットのプログラミングに関する研究、外国法文献センターの助成とか、糖類の新合成に関する調査の研究、こういうような大変すばらしい研究をやっているんですね。金額も六十万、六十万、十万、六十万とか、こういうふうになっているわけです。その寄附者はだれかというと、○○会社とか、その受け入れ学部は医学部ということで、なかなか出してくれないわけです。ですから、こういうものであれば大変社会にも役立つし、いいものですし、これはやっぱりいろいろな事情があると思います。私は受託研究とか奨学金制度、これは大変ある面から言えば有効に役立っている、こういうふうに思っているわけです。だけれども何となく、いわゆるある面から言えば公平、公正に出ていないとか、公表されていないとか、そういう面で国民がいろいろな面で疑惑を招いている、そういうふうに考えるわけでありますけれども、文部省はこれらをガラス張りにする必要がある。不公平をなくする方法として何らかの形での公表ですね、これはどうでしょうか。と同時に兼業、まあ兼業はそれはいいんですけれども、兼業についてもひとつこういう面で公表できないか、この点についてお伺いしたいと思います。

西崎清久文部大臣官房長

○政府委員(西崎清久君) ただいま先生の御指摘でございますが、まず受託研究、奨学寄附金については、寄附者なり委託者という相互関係がございまして、これは委託者なり奨学寄附金の寄附者がそれに異存なければ、別にそれを表に出して差し支えないとは思うわけでございますが、やはりそれぞれ個別的な処理でいままで行われてきておりまして、資料の関係でも、ちょっと寄附者や委託者にお断りしないで差し上げるというのもちょっとはばかったわけでございます。  まあ、一般論で申しますならば、やはり学長あるいは学部長が管理監督的な立場で、所属の教官から申請があり、それを厳重に審査して、そしてそれの許可が行われれば、十全なる奨学寄附金なり受託研究の受け入れが行われるというところが大学自治としての姿で一番望ましいと。私どもは大学自治であり、学長なり学部長はそれだけの見識と判断で受託研究、奨学寄附金、兼業の是非を判断していただいておるということを信頼したいわけでございます。しかし、その信頼の上に立ちつつも、東京医科歯科大学のような事例が生じたということにかんがみれば、医科歯科大学においてはやはり学長、学部長だけでない、複数の当事者による監査委員会を設けるということでお考えをいま進めておられるわけでございまして、これ も一つの確かに方法であるというふうに思うわけでございます。  それで兼業なり、あるいはいま申し上げました奨学寄附金、受託研究について一般的に公表をするということにつきましては、やはり公表の手段方法ということの問題もございますし、あるいはその件数、量の問題もございますし、大学自治という関連もございまして、私どもとしては社会の信頼を損なわないそれぞれの処理がやはり何らかの形で行われることが必要であるとすれば、やはり監査委員会等の複数の当事者による審査であるとか、あるいは結果を教授会に報告するとか、いろいろな工夫があり得ると思うわけでございます。その工夫のいろいろなあり方につきましては、大学自治の問題として各大学で十分お考え願いたいというふうなことで指導はしてまいりたいと、こういうふうに思っております。

服部信吾公明党・国民会議

○服部信吾君 いまいろいろと大変前向きな姿勢で御答弁いただきました。一般的にはなかなか公表できないにしても、教授会あるいは今度つくられた監査委員会、こんなところには公表してもいいんじゃないかというような大変前向きな御答弁をいただきました。そういうことで、たとえば寄附台帳とか受託研究台帳、こういうものを各大学に備えて一般に閲覧させると、こういうことも本来このままでやりたいところでしょうけれども、これは非常に無理だと思います。そういうようなことで、先ほど私が監査委員会はどういうことを研究するのかという御質問をしたところ、これから検討するということでございますので、いまお答えになったようなことを監査委員会で公表していただければ、これはかなりまた国民の方も納得するんじゃないか。金の流れとか、そういうものがはっきりしてくると。そういうことで大変前向きな姿勢であると、こんなふうに思いますので、ひとつよろしくお願いいたします。  それから兼業については、これいろいろと問題があると思いますけれども、一般公表あるいは限定公表、こんなものも実行すべきじゃないか。特に、兼業については大臣または総理許可事項でもあり、兼業先も含めて公表しなければ、今度つくられた兼業監査委員会は監査できないと思うんですね。ですから、せめて兼業は監査委員会くらいには公表すべきじゃないかと、このように思うんですけれども、この点はどうでしょうか。

西崎清久文部大臣官房長

○政府委員(西崎清久君) 医科歯科大学におきましてはこれから兼業の監査委員会の仕事の中身を決めるわけでございまして、まだ私ども十分には承知しておりませんが、ただ、監査委員会を置きます以上は、個人個人の教授が兼業をしたいという申請が来た場合は、その監査委員会に提出をして複数の監査委員によってその是非を論ずるという姿になるであろうというふうに思うわけでございます。その限りにおきましては、監査委員会では委員の目に触れてその是非が論じられると、こういうふうに思うわけでございます。  ただ、ちょっと補足させていただきますと、やはり全体の大学の立場から申しますと、従来から学部長なり学長の許可における審査で十分それが行われておるという大学もあるはずでございますし、それはあるというふうに私ども信じております。したがいまして、全部の大学について監査委員会を設ける必要があるとか、あるいは全部の大学について教授会に報告しなければならないというふうな指導を私どもがいたすことはいかがかと思いますので、それぞれの大学自治の前提に立って、問題ありと思われるところで、それぞれの大学の立場でそういう審査の機構なりあるいは報告の内容なりを決めることについては、それは大変結構なことではないかというふうな立場で指導してまいりたいというふうに思っております。

服部信吾公明党・国民会議

○服部信吾君 時間がありませんので、これに関連しておりますけれども、次の産学協同研究について幾つかお伺いいたします。  文部省ではことしの五月に国立大学等の長に対して「民間等との共同研究の取扱いについて」、こういう通知を出しております。これは文部省として共同研究の推進を積極的に打ち出したものと受け取ってよろしいのか、いわゆる産学協同、こういう点でありますので、この辺をお伺いいたします。

大崎仁文部省学術国際局長

○政府委員(大崎仁君) 大学の学術研究につきまして、近年ますます産業界初め社会の各方面から要請が寄せられておるわけでございます。この要請にこたえまして適切な協力をするということにつきましては、大学が本来の使命を踏まえながら主体性を持って対応するということであれば、社会の要請にもこたえると同時に、大学自体の研究も有益な刺激を受けるということでもございますので、積極的に進める必要があるのではないかというふうに考えておる次第でございます。  そのような観点から、従前からも、ただいま御指摘がございましたような受託研究というものを適切に活用するとか、あるいは科学研究費補助金の中に民間の研究者との共同研究のための費目を設けるとかということで対応しておったわけでございますが、本年度からは国立大学において民間等の研究者と大学の研究者が共通の関心、目的を持つ課題について一緒に研究する道を開いてはどうであろうかということで、そのために必要な措置を講じたわけでございます。そういうことでございますので、外部からの社会的諸要請に適切にこたえる手段の一つとしてこういう措置を講じたということでございます。

服部信吾公明党・国民会議

○服部信吾君 すでにことしはこの研究として企業側から五億五千万、大学から一億計上されていると聞いておりますけれども、これはどういうことをやっていらっしゃるのか、ちょっとお伺いいたしたい、簡単で結構ですから。

大崎仁文部省学術国際局長

○政府委員(大崎仁君) これは、すでに文部省からそのための特別の経費を予算で配賦をいたします場合と、それから大学側の経常的な経費あるいはその施設、設備の提供ということで実施をする場合と二つ種類があるわけでございますけれども、研究の種類によりまして特に予算を配賦する必要がある場合には各大学からの申請を待って、私どもで適切な課題に経費を配当する、こういうことをいたしてございます。  本年度につきましては、各大学から、大体二十六大学及び研究所から二十八課題の申請がございまして、いずれも制度の趣旨に沿った適切なものでございますので、要望どおりの経費というわけにはまいりませんが、課題の遂行に支障のないような経費を配賦しております。

服部信吾公明党・国民会議

○服部信吾君 一つ心配することは、産学協同を進めていく上に当たって、大学はやはり大学の本来の研究という目的があるわけでありますから、そういうことで、何となくそちらの方、いわゆる大学と企業と一緒にいろいろ仕事、研究をしていって、そちらの方に熱中しちゃって、それで本来の目的を忘れてしまうんじゃないか、こういうような面においてはやっぱりチェックをある面からしなければ大変な問題になると思うんです。特にアメリカなんかでは、聞いた話ですけれども、ある大学のそういう教授がそういう産学協同していて、やめた瞬間にその会社の社長になっちゃったとか、そういうような例もかなり聞いておりますので、そういう面から、ある程度本来の目的を阻害しないような形でやってもらわなくちゃいけないと思うんです。  それで、まずお伺いしたいんですけれども、この研究課題の選び方、非常にいろいろと問題があると思うんです。その中でたとえば、こういうことはないと思いますけれども、こういうふうになりますとすぐ国民が心配するのは、いわゆる大学と産業側と、たとえば軍需産業のそういう面に、いわゆるそんな研究するんじゃないか、こういうような歯どめもやっぱりある程度必要じゃないかと思うんですが、この辺はどうでしょうか。

瀬戸山三男自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(瀬戸山三男君) 先ほどいわゆる産学協同研究について大学本来の使命を忘れるようなことがあってはならないとの御指摘、もっともでございます。でありますから、ただ大学がいわゆる象牙の塔に立てこもっておるだけではもう時代にはそぐわない。研究をしておる者が民間の共同研究あるいは民間から委託を受けて研究するとい うことも、問題は人類あるいは社会全体に貢献する研究をするということでございますから、先ほど局長から申し上げましたように、それを進めよう、こういうことでございますが、いまおっしゃったように、それにしても軍需面の研究とかそういうことは大学本来の使命でございませんから、そういうことが絶対ないように今後とも注意をしていかなければならない、かように考えております。

服部信吾公明党・国民会議

○服部信吾君 これはもう少し、たとえば防衛庁が戦闘機を発注しているそういう会社とか、あるいはその関係を発注している会社と、簡単に言えば、そういう共同研究をしないとか、そういうような何か一つの歯どめを設ける必要があるんじゃないか。また、非常に国民の間でも遺伝子の組みかえ実験、こういうようなことでいろいろ人体研究に関する有害な新種の微生物が外部に漏れる可能性があるとか、病原菌を扱う実験が行われるとか、いろいろなそういう国民が非常に危惧を抱いているようなそういう研究、そういうものに対して、やはり何か一つの歯どめというか、何かをかけないと、やっぱり非常に心配するんじゃないかということなので、再度ちょっとこういう点に限ってひとつ。

大崎仁文部省学術国際局長

○政府委員(大崎仁君) 大学におきます研究と申しますのは、当然のことでございますが、研究者の自主的な判断というのが基礎になりまして学術上の見地から行われるということでございます。したがいまして、このたび道を開きました共同研究につきましても、まず研究者自信が学術上の見地からその研究に意欲を燃やしておるということが大前提になるわけでございまして、大学の目的、性格、使命から見まして、大学の研究者が、たとえば軍事上の研究ということに取り組むということはとうてい私ども考えられませんし、また予想もいたしておりませんので、その点についての心配はないのではないかというふうに考えておるわけでございます。  それから、もう一つ御指摘の、いわば安全性について十分な配慮が要るという研究についてでございますけれども、御指摘のございましたDNAの組みかえというような問題につきましては、生物化学を非常に革命的に発展させる研究分野であると同時に、いろいろな影響が予想されるということでもございますので、学術審議会の答申を受けまして実験の指針というものをつくりまして、それで各大学にそれに該当いたします研究を行う際の安全性の審査を行う委員会をつくっていただきまして、軽微なものはその審査委員会の審査を経てやっていただく。それから、ガイドラインの類型にはまらないものにつきましては、文部大臣まで出していただきまして、学術審議会に設けました特別の審査会で十分その安全性を審査して、適切な計画及び施設設備配慮のもとに実施をしていただくというような体制で慎重に進めているわけでございます。  その他、今後とも生命科学関係につきましては御指摘のような問題もあろうかと存じまして、やはり学術審議会にバイオサイエンス部会というようなものを本年設けまして、振興面のみならずそういう安全面につきましての検討も煩わせたいと思っておる次第でございます。

服部信吾公明党・国民会議

○服部信吾君 そういうことで、ひとつ安全性等慎重に考えていただいて進めていただきたい、このようにお願いいたします。  結構です、文部省関係。  では、厚生省関係にお伺いいたします。  最近、AIDSですか、いわゆる後天性免疫不全症候群、まあ非常に長い名前なんですけれども、このいわゆる奇病と言われるものが大変海外等においていろいろ流行しておる。アメリカとか実際に起こっているところは、ある面から言うとパニック状態に近い状態が起きているようであります。一時は、わが国にもAIDS患者がいるんじゃないかということで二、三の病例なんかについてもかなり研究をして、いろいろあったんですけれども、最終的にはそういうAIDS患者はいない、こういうようなことであります。このAIDSというのは、世界二十一カ国で患者が発生し、死亡率が四〇%、大変高いということであります。いつわが国にも入ってくるかもしれないという不安が残っている。そこで、AIDSはどういう病気で、何が原因で起こるのか、どういう経路か、こういうことを国民の間でもいま非常に不安がっているわけです。ですから、子供たちの間で、あなたAIDSよと、意味がわからないで、こういう話があるわけでありまして、これは非常に卑近な例なんですけれども、私は神奈川、横浜なんですけれども、そういうお店があるそうですわ。最近もうがた減りだと。というのは、何かはっきりまだあれが出ていない、こういうふうなことで大変国民の間でも何か、あなたAIDSという言葉が何とも言えない奇妙な、病名はわからないでも、そんなような言葉で使われておる。そういうことで、ひとつ厚生省としてははっきりとこの辺である程度見解を出してもらいたい。よろしくお願いします。

林義郎自由民主党厚生大臣

○国務大臣(林義郎君) いよいよ国会までAIDSが来たかと、こういう感じでございますが、私から御説明申し上げます。  AIDSと言うのが普通のようでございます。専門家ではAIDSと言っている。読むとエイズになるから、エイズ、エイズと、こう言っているのだろうと思いますが、アクワイヤード・インミューン・デフィシェンシー・シンドロームというのが名前です。後天性免疫不全症候群というのがこの訳でございますが、この病気は重篤な免疫不全を主徴とする原因不明の症候群でございまして、一九八二年にニューヨーク州、カリフォルニア州でAIDSの診断名が使用され、以後、アメリカ合衆国で患者が急増しておる。アメリカ合衆国、フランス共和国などのほか、約二十カ国で患者発見の報告がなされております。最近のアメリカ合衆国の報告例で、約二千三百例中四〇%が死亡しております。前駆症状として、食欲不振、寝汗、原因不明の発熱、せき、全身倦怠、体重減少、リンパ腺の腫脹、その後急激な免疫機能低下を来し、死に至ることが多い。治療方法としてはまだ確立されたものがないというのがいまのところの状況でございまして、わが国としましては、そういった話が出ておりますから、専門家より成るAIDS研究班を設置いたしまして、わが国におけるAIDS患者の把握及びAIDSに関する対策を目下検討中でございます。現在におきましては、わが国では米国に多発している典型的な症例は見られないとの研究班の見解を得ておりますが、今後とも患者の把握及びこの症候群に関する対策の検討を続けていく所存でございます。

服部信吾公明党・国民会議

○服部信吾君 アメリカなんかでは、CDC、疾病制御センターあるいはNIH、全米保健研究所、これらが対策を立てておる。そういうことで、たとえば研究費なんかも千四百万ドル、約二十四億円あるいは二十九億円の合計五十三億円を投入してこのAIDS対策に対して大変取り組んでいるわけであります。厚生省としては、一回アメリカあたりへ行っていろいろ資料を求めたり、あるいは研究に行った、そういうあれはありますか。

大池眞澄厚生省公衆衛生局長

○政府委員(大池眞澄君) ただいま委員の御指摘のようなアメリカの研究機関との連携は、常に私ども厚生省におきましても密接な連携をとっておるわけでございまして、そういったところの定期的に発しております情報、さらに今回このような問題が提起されて以後の情報収集という点では私どもとしては積極的に心がけているところでございます。  それで、先ほど御質問の中で触れられましたような実態が現在進行中でございます。わが国におきましても、最近国際的な免疫の学会も開かれましたし、また予定でございますけれども、年内にはWHOにおきましてもこの件をめぐる専門家会議が開かれょうとしておるわけでございます。そういったところに対する私どもの積極的な対応を今後とも継続してまいりたいと思っております。

服部信吾公明党・国民会議

○服部信吾君 いま、はからずもWHOでこういう問題がいろいろと問題にされるということで、日本としても少し研究して大いばりでそちらへ行 ってもらいたいと、このように思います。と同時に、厚生省の対策としてAIDSの実態把握に関する研究班、これが主体となっていろいろやっていらっしゃると思います。ことし六月、七月、八月の三回にわたって会合を持ったようでありますけれども、そこで決定したことは、診断基準作成についての小委員会、そして血液製剤小委員会――血友病関係、この二つの小委員会をつくり検討すると、こういうような結論が出ているようですけれども、この委員会はもう開かれましたか、もし開かれていないようでしたらいつごろ開かれるのか。それから、どんなことをこの小委員会で研究するのか、この点についてお伺いしたいと思います。

大池眞澄厚生省公衆衛生局長

○政府委員(大池眞澄君) 二つ小委員会を設置しておりまして、一つの小委員会におきましては、診断基準のさらに解明、確立ということですでに検討に着手をしているところでございます。  なお、もう一つの小委員会につきましては、別の局で所管しておりますので、答弁をそちらに譲りたいと思います。

正木馨厚生省薬務局長

○政府委員(正木馨君) 血液関係の小委員会につきましても、すでに開催されておりまして、本日第二回目の会議がやられておるところでございます。

服部信吾公明党・国民会議

○服部信吾君 どんな内容だかわかりますか。委員会でどんなことをやられたか、もしわかりましたら、簡単で結構ですから。

郡司篤晃厚生省薬務局生物製剤課長

○説明員(郡司篤晃君) 小委員会のことについてお答えしますが、診断基準小委員会の方は診断基準を決めると、こういうことでございます。  血液製剤小委員会の方は、血友病患者に対してどういう治療が一番安全かということを検討していただいておるということでございます。

服部信吾公明党・国民会議

○服部信吾君 このAIDSは、いわゆる血漿剤を使う血友病患者、もう非常に感染しておる、それで、血友病患者の命の綱であるのがこの血漿製剤である、このように聞いておるわけでありますけれども、この血漿剤をほとんどアメリカから輸入をしている、九〇%以上はアメリカから輸入しておる、そのアメリカの血漿剤というのはアメリカの売血に頼っておると、こういうことで、この辺について厚生省としてはどういう対策を練っておるかお伺いしたいと思います。

正木馨厚生省薬務局長

○政府委員(正木馨君) 先生御指摘のとおりで、血液製剤のうち、全血製剤と血液成分製剤につきましては、現在献血で賄っておりますが、血漿分画製剤につきましては、その多くを輸入に依存しておりまして、また、その大部分はアメリカに頼っておるのが現状でございます。  ところで、現在までのところ医学的にはAIDSが血液製剤を介して伝播するとの結論は学問的には得られておりません。しかし、アメリカにおきまして、AIDSの患者の中に、ごく少数ではございますが血友病患者が含まれているという報告もございます。  そこで、現在アメリカにおきましては、供血者から採血を行うに当たりましては十分な問診や健康診断を行いまして、AIDSの危険性のある者からの採血は行わないような指導をする。また、血液製剤の安全性確保に努めておるわけでございます。  わが国におきましても、血液製剤の輸入に当たりましては、このような十分なチェックを行ったもののみを輸入するということで関係者に指導を行っておるところでございます。  また、現在AIDSの実態把握に関する研究班内におきましても、血液製剤小委員会におきまして、血友病患者のより安全な補充療法のあり方に検討をお願いしておるところでございまして、その結論を見まして早急に対策を講じていきたいというふうに考えておるわけでございます。

服部信吾公明党・国民会議

○服部信吾君 いま御答弁をお伺いをしますと、確固たる対策がないように思います。何となく、要するにアメリカから輸入するわけですからそっちでぴしっと押さえないと、なかなかこういう問題はこっちへ流れ込んでくるという可能性が十分にあると思うんです。  そこでお伺いしたいのは、AIDSの原因とも言える血漿ですね、このわが国の輸入量、大体五十年から現在までどのくらい入っているのか、この点についてお伺いいたします。

正木馨厚生省薬務局長

○政府委員(正木馨君) 血漿分画製剤の輸入量でございますが、昭和五十七年、八百四十万七千本でございます。

服部信吾公明党・国民会議

○服部信吾君 リットルにしてどのくらいですか、――じゃあ結構です。まあちょっと私の調べたところによりますと、この輸入は五十年には約二万リットルだそうです。五十六年には約二十万リットルということで、十倍の輸入がされておる、そういうことであるそうです。問題はこの血漿剤の世界市場の七割はいわゆるアメリカのバクスター・トラベノール社、レビロン社、それに西ドイツのバイエルン社、こういうところで七割を独占しておるということで、OPECじゃなくてエイズペックとか何とかいろいろ言われておるそうでありますけれども、やっぱりわが国においてもやはりいつまでも九〇%以上こういうような血漿を輸入するというのではなくて、やはりそろそろある面から言って、自給自足というか、何かそういうものを考えるべき時期じゃないか、こう思うんですけれども、この点はどうでしょうか。

林義郎自由民主党厚生大臣

○国務大臣(林義郎君) 先生御指摘のように、血漿分画製剤などというようなものを外国から輸入をしているということは、余りほめられた話ではないと思います。これは血ですからね、人間の。やっぱりお互いの血で賄うというのがやっぱりいい方向だろうと思うんです。残念ながらいまの状況はそういうことになっておりまして、国内でも日赤を中心といたしまして献血運動というのをやっておるわけです。血を強制的にとったり、血を買ったりするというのはなかなか私はおかしな話だろうと思うんです。やっぱりボランティアの精神で血を出していただくという形でやっておるのでございまして、その方の件数は、私はずっと上がってきておるというふうに思っております。  そこで、これからどうしていくかというのが私は問題でありますから、私もこの前やりましたが、いま一人二百ccとっておるんですね。外国の例を見ますと四百ccという例が相当にあるわけでございまして、単純にいまの形でとって、言うなれば倍になるわけです。しかし、果たしてそれがやれるかどうか、御婦人の先生方もおられますが、御婦人は血が薄いというようなこともありまして、御婦人の場合にはせっかく出そうと思ったところでとれないというケースがわりと多いんです。実は私の家内もやりましたら、家内はだめだといってはねられたんですよ。そういったこともあります。  それから、血の薄い人で貧血でもなったらまた困ると、こういうこともありますから、その点はいろいろ考えてこれから進めていかなければならないと思っておるところでございます。

服部信吾公明党・国民会議

○服部信吾君 じゃあ最後に厚生大臣にお伺いしたいんですけれども、要するに現在わが国においてはAIDS心配ないと、それに対してちょっと予防体制が遅いようですけれども、とにかくAIDSに対しては安全宣言、国民の皆さん安心してくださいと、こういうことでよろしいでしょうか。

林義郎自由民主党厚生大臣

○国務大臣(林義郎君) 現在のところはそういったことはないということはお約束できると思います。ただ、これは病気でありまして、いろんなことでかかってくる、外国に行かれてかかってくるというような話がありますが、いまのところ私は問題ない。いろんな対策をこれからも講じていくことは必要だろうというふうに考えております。

服部信吾公明党・国民会議

○服部信吾君 以上で終わります。

安恒良一日本社会党

○委員長(安恒良一君) 速記をとめて。    〔速記中止〕

安恒良一日本社会党

○委員長(安恒良一君) 速記を起こして。  これより後藤田内閣官房長官に集中的に質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 官房長官、私も決算委員会これで二度目を勤めるものでありますが、参議院の 段階で決算委員会を十分重視するということがあるにかかわらず、いざ決算委員会の審議が始まると、なかなか総理大臣とか官房長官が出てこない。口では大事にすると言っていながら、具体化になるとなかなか出てこない。非常に私はけしからぬと思うんですが、そういう従来の参議院の決算委員会の重視ということに対して、まず今後の姿勢がありますから、官房長官の考え方をちょっと聞かしてもらいたい。

後藤田正晴自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(後藤田正晴君) きょうはまた、おくれまして本当に申しわけありません。  ただいまの御質疑でございますが、申し上げるまでもなく国会は国権の最高の機関でございます。しかも、予算と並んで決算、国の決算の状況ということを御審議なさる当委員会の重要性、これは十分私どもとしては認識をしておるつもりでございます。ただ、何分とも各方面に出てこいという御要請がございまして、御不満を与えておるということについては大変申しわけなく考えておりますが、事情御賢察をお願い申し上げたいと思います。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 まあ努力を要請します。  五十六年度の会計検査報告によりますと、いま行政改革の真っ最中でありますが、国家公務員にかかわるむだ遣い二百七十五億六千万、是正措置を求めるもの、不正使用含めて三千七十八億、これだけが会計検査院からわれわれに提示があるわけでありますが、この中身については昨年よりもふえている。毎年各省が警告決議を受けていながら依然として公務員のむだ遣い、不正使用が多いということについて内閣の大番頭として一体どういうお考えですか。

後藤田正晴自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(後藤田正晴君) もちろん内閣としましては、国民からお預かりをしておる貴重な税金を使わしていただくわけでございますから、その経費が効率的に、しかももちろん違法、不当と会計検査院から御指摘を受けるようなことのないように、毎年私どもとしては政府各省に内閣として十分注意を喚起し、それぞれ各省で御配慮願っておるわけでございますが、ただいま御指摘のような、金額がふえておるということについては本当に遺憾に考えておりますが、私どもとしては今後とも会計検査院の御指摘はもちろんのこと、また衆参両院の決算委員会でのいろいろな御議論を踏まえて、一層適切な予算の執行ということに最大の努力を傾けていきたい、かように考えておりまするので、その点御了承を賜りたいと、かように考えるわけでございます。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 不正の実態については各省ごとに今後やっていきますが、公務員のこういう不正、不良の問題については厳正、公正に、少なくともA行政局とB行政局がこんなアンバラのないように、公平に厳正に適確に行われるべきだと、こう思うんですが、基本的な考えだけ官房長官にお聞かせ願いたい、こう思います。

後藤田正晴自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(後藤田正晴君) ただいまの御意見と全く同感でございます。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 きのう、おととい総括質問で私は現在社会問題になっておる東京医科歯科大学の教授ポストをめぐる池園教授の四百万円の収賄の問題あるいはその体質の問題などについて、少なくともまあ学長までと言いたいんでありますが、当面中尾医学部長はやはり社会的な責任をとるべきだと、こういう提起をしたわけでありますが、文部大臣はよく調べてからという域を出ませんでした。私は少なくともいまあなたが言った厳正、厳格に、公正にという点から言うならば、国士舘大学の不正事件については文部大臣から総長に責任をとってやめなさいという勧告を文部省が行っております。この文部省の勧告の実態から見れば、人に勧告する前にみずからの姿勢を正すべきだと、こう思うんですが、官房長官の見解を聞きたい。

後藤田正晴自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(後藤田正晴君) 今回の医科歯科大学の事件はまことに遺憾な事件であると私どもも考えております。御案内のように、一つの方の事件はこれは医療機器をめぐる収賄容疑の事件ですが、これは起訴になっております。教授選考の問題についてはまだ捜査段階にあるようでございますが、いずれにいたしましても助教授、教授といった人の人事権の問題は、これは御承知のようにいわゆる大学自治との関連で、やはり文部大臣としては学長からの上申を待って文部大臣が処分をすると、こういうことになっておりまするので、私どもとしてはこの事件の全容等がはっきりし次第、大学当局からは適切な処分の意見が出てくるであろうということを期待をしておるような次第でございます。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 国士舘大学には文部大日から総長引責辞任という文書を出して、足元の問題については大学の自治であるから云々という点は片手落ちじゃありませんか。あなたが言った前段の公正、厳格、バランスのとれた処分という点から言うと矛盾するというふうに思いますが、いかがですか。

後藤田正晴自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(後藤田正晴君) 私は文部行政の詳細はわかりませんので、何とも申し上げられませんが、大学の自治の尊重という観点に立てば、私学であろうと官学であろうと私は相違はないんじゃないかなと、こう思いますが、御質問の御趣旨は具体的な大学側への対応の仕方でございますから、所管の大臣から適当な機会に答弁をしていただくように申し上げたいと、かように思います。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 しかし短時間ですから、あなたの答弁については私は納得できません。社会的にも私は納得できないと思うんです。  それから、二番目は厚生省関係で、きのうも厚生大臣に話したんですが、新薬スパイ事件の問題についても、これまた大学以上の問題になって、これが官僚、役人そのものが大変な悪巧みをしておった。きょうも、これ毎日毎日出ていますね。新聞に毎日毎日にぎやかに、大体四段抜き、五段抜きで。これだけまでやっていれば、私は、やっぱり厚生省の政治責任、行政責任というのは当然問われるべきだと、こう思うんでありますが、直接の関係者は公務員法に従っていま捜査を受けておる、逮捕をされておる、起訴されると言いますから、当事者は公務員法に従ってそれぞれの処分が当然あると思うのでありますが、それを指揮監督しておった監督責任ということは、当然私はこの所長あるいは薬務局長あるいは政治的には厚生大臣、この辺がやっぱりきちっととるべきはとる。そうしないと国民に向かっていかに行政改革とか臨調とか言ったって、肝心かなめのお役人の方がこれでは困るじゃないか。どの時点で責任をとらせるかは政治の判断として、やっぱり何らかの措置をとるべきだと、こう思うんですが、いかがでしょうか。

後藤田正晴自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(後藤田正晴君) 今回の医薬品の審査をめぐる不正容疑の事件、これまた本当に医薬品行政に対する国民の信頼、こういった点から大変私どもとしても重大に受けとめておるわけでございます。したがいまして、現在まだ司直の手による捜査の過程でございますので、事案がはっきりした段階で、当然、御質問のように本人に対しての行政上の責任の問題、同時にまた本人のみならず監督の責任の問題、それから同時に資料の保管上の行政上の改正、それからまた、その資料の保管について行政処分に値するような欠点があったのかどうか、これらの事案が明らかになり次第、私は、部長以上の人であれば任命権者はたしか厚生大臣でございますから適切な御処置があるであろうし、それ以下の方であるならばそれぞれの所長が任命権者でございますから、任命権者の方々が事案の中身にふさわしいだけの適切な御処分はなさるのであろうということを期待をいたしております。

目黒今朝次郎日本社会党

○目黒今朝次郎君 捜査の段階でありますから、いま官房長官がしかるべき時期に直接の実行者、監督責任者、おのおのの段階で適切な措置がとられるという言葉と受けとめておきます。  それから会計検査院法の改正については、あなたも本年の三月二十三日、参議院の内閣委員会で会計検査院の方に差し戻したと答弁しているし、会計検査院長は差し戻されてはおりませんと、こう答えている。だから、お並びの二人でよく調整 をして、田中・ロッキード判決の一〇・一二判決もあるものですから、そのロッキード問題から始まった会計検査院の院法改正でありますから、官房長官この辺で決断をしてもらいたいなと、こう思うんです。前段でああいう公務員の不正があるんですから、さらに日本開発銀行や北海道東北開発公庫などから融資をしている巨大な政府資金がどんなふうに動いているのか、当然会計検査院が必要なときに会計監査ができる、そういう意味の院法改正ですから、この際あなたの決断をお願いしたい。あなたが決断すれば総理大臣も決断するんですよ。いかがでしょうか。

後藤田正晴自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(後藤田正晴君) この問題は、鈴木内閣当時に院法改正、そして国の資金を使っておる民間団体にまで会計検査院の検査機能が及ぶような改正をする、こういう中身じゃなかったかと記憶をいたしておりますが、私どもは、会計検査院が十分な機能を発揮をしていただくということは、これは、当然私どもとしても期待をいたしておる次第でございます。  そこで、あの法律案が内閣に回ってきたときに関係省庁との協議をし、内閣としても調整をしようということでいろいろ議論をしたようでございますが、その結果を聞いてみますというと、やはり何といいますか、現在の自由経済体制のもとで公権力の介入、これが余り行き過ぎるということになると、いわゆる過剰介入という問題が一方にあるのではないのか。同時にまた、こういった国の金融機関等の貸し出しということは、これは御案内のように政策金融でございますから、かえってそういった介入の結果、借り受けの民間の企業等が企業内容の全般を検査院に検査をせられるということになると、これはだれしも知られたくないという面があるんでしょう。そういったことを考えると、この介入の結果、かえって政策金融本来の目的が達成できないおそれがありはしないかといったような実は反対論が強くてこの改正ができなかった。そこで、当時の内閣としてはその旨を関係各省にも伝え、検査院にもそういったことをお伝えをしたわけでございます。  もちろん、検査が十分に行われるような措置ですね、これは政府としては考えなきゃならぬというので、御案内のようにいま行政改革のさなかで、各省とも――ことしはたしか第六次の削減計画の実施だと思いますが、こういった中においてもわずかな数でありますが、会計検査院の人員を増加を認めると。同時にまた、検査のやり方等についてもいわゆる肩越し検査ですね、それにひとつ各省は十分協力をするようにしてもらいたいといったようなことも各省に伝え、同時にその点は会計検査院にもお伝えをしたと、こういうことでございまして、私どもがそれは会計検査院に書類で申し上げてあると、片方は、いやそうじゃないと、こうおっしゃっていますが、そこは解釈の問題でございますから、これはいま御趣旨のように、今後とも検討しなきゃならぬと、こう思っております。しかし、いま直ちに、そういう経緯がございますから、内閣としてこの院法改正をやるということは私どもとしては考えていないと、かように御理解をいただきたいと思います。

菅野久光日本社会党

○菅野久光君 私は、午前中右翼等の暴力の問題について実は質問していたわけでございますが、官房長官の時間の都合がつかないということで、官房長官にぜひお聞きをしたいということでこれからお尋ねをするわけでありますが、右翼等というその右翼等、まさにいまの右翼と言われている人たちの実態がさまざまな内容を含んでいることでして、新聞等でも、ある右翼の方はあの日教組の大会の所に行って、おまえたちはどうしてああいうことをするんだということを、自分たちの主張を述べて、そしてすぐ帰ってくると。そういうまさに、その何と言うんでしょうかね、正々堂々とした右翼と言われている方もおりますし、また、右翼というふうに名のりながら暴力を伴っている、そういったような方も、そういう集団もあるわけでございまして、私はこれからお尋ねしたいのは、そのいわゆる暴力をふるうそういう集団の問題についてお尋ねをしたいわけでございますが、特に日教組の大会の問題にかかわりまして、もう年々これがエスカレートしていく、このまま放置しておけばまさに法治国家として一体どうなのかということを心配せざるを得ませんし、また、このことによって言論とか集会の自由が脅かされるということをこのままやはり放置しておくわけにはいかないと、そういったような思いもございます。  たまたまいまの閣僚の中では官房長官がごく最近右翼に襲われた、あの岡山県で六月十八日でしたか襲撃をされたということで、まさに身をもってこういったようなことを経験されている官房長官でございますので、一番私が質問をしてお答えいただくのには適切な方ではないかというふうに思っているわけでございます。  午前中も申し上げたんですけれども、何か右翼と言いますと、すぐ日教組と対置して考えるんですが、いま官房長官も首をひねっておられますが、官房長官も襲撃をされる、そして、ロッキード事件でいま被告とされている田中を殺せなどということも含め、またわが党の横山代議士に対する襲撃、あるいは地方議員もいろいろやられておるというようなことなどを含めて、まさに日本の民主主義を守る、憲法で定められている集会や言論の自由を守る、そういう立場でこれからも対処をしていかなければならないということで、あの右翼に襲撃をされた体験をお持ちの官房長官の所感をぜひひとつお聞かせいただきたい、このように思います。

後藤田正晴自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(後藤田正晴君) まあ私はああいうことはいまの仕事の前からもしょっちゅうございまして、まあまたやっているなということでございましたが、本当にああいうことは私は認めるわけにはいかぬ、かように考えております。  当然のことながら法治国、しかも民主主義社会というたてまえから、いわゆる暴力団の横行ばっこは、これは厳正に警察当局に取り締まってもらう必要がある、私はさように考えております。  ただ御案内のように、右翼と言いましてもいまどの程度の人間がおり、どのような構成団体があるのか、そしてまた、そのうちいわゆる純粋右翼あるいは行動右翼あるいは右翼暴力団、いろいろあるようでございますが、それらの内容は私は承知をいたしておりませんが、これは当然治安当局は十分把握をしているはずでございますから、厳正に取り締まる。  何せ、しかし、警察も大変苦労はしておるようです。岡山で先般ありました日教組大会の警備はなかなか容易でなかったんじゃないかな、というのは、やはり彼らも政治活動の一環としてやっておる。そして、同時に、御案内のような表現、言論は自由でございますといったようなことで、そこらと暴力との接点、ここをどのように判断をして、いわゆる暴力に訴えるということになれば、これはもう許すわけにいかぬわけですから、そこらがなかなか取り締まり上大変苦労をしておるのではないか。したがって、私としては、ああいった最近の目に余る行動は許すわけにはまいらない、適切に対応してもらいたい。しかし、同時にまた、警察の苦労というものもよくわかっておりますから、そこらは警察に対しても大変御苦労が多いがというような意味合いでの激励もしてやらなければならぬ、かように考えておるわけでございます。

菅野久光日本社会党

○菅野久光君 またやっているなというその感じ、まあ長官、前に警察庁の長官も御経験なさっているということで、かなりこれ長い期間こういったようなことにかかわってこられて、またやっているなというようなことで、このことがいつまでも推移するということであっては、やっぱりまずいのではないかというふうに思うわけです。  きょう午前中も申し上げましたけれども、いま官房長官もお話しなさいましたが、一線の警察官の人たちは本当に大変な苦労をなさっています。しかし、あの一線でやっておられる方々はやっぱり警察の幹部の人の指揮によって動いているわけですね。その幹部の方の指揮の仕方が、やっぱりあるいは状況の把握というものが適切になされて いる県警とそうでないところではかなりの差がある。そのことによってまた住民の批判が、あの一線で苦労している人たちがいるにもかかわらず、警察に対する不信というふうになっている部分もあるわけでございますが、いずれにしましても、とにかくこのまま放置できないという官房長官のお気持ち、御発言は、それはそれなりにあれですが、ことしの首相の所信表明にかかわって、わが党の青木議員の質問に対しましても、内閣総理大臣から「暴力によって言論、集会の自由が妨害されるということはこれは放置できない問題でございまして、この暴力の排除につきましては、政府は厳正に今後も実行してまいるつもりであります。」、このよう申されておりますし、先ほどの官房長官のお答えもそうです。しかし、このことは言葉だけでは、それがやっぱり実効として出てこないのでございまして、それを実効あらしめるための政府としての決意といいますか、言葉だけじゃなくて、本当に具体的にどうするんだというようなことがございましたら、ぜひひとつこの機会にお示しいただければ大変ありがたいと思うのです。

後藤田正晴自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(後藤田正晴君) せっかくの御質問でございますけれども、具体的にどうするということになりますと、これはやはり直接取り締まりの任に当たる警察庁の長官なり何なりにお聞きをいただかぬと、私の口から具体的にはこうやるべきであるといったようなことは、こういう席でのお答えは差し控えさせていただきたいと思います。  ただ、いま御質問の中にありましたように、警察は都道府県警察ということが中心になっておりますから、なかなか各県ごとに取り締まりの方針も若干の相違があるということも事実でございます。これは警察庁として全国をうまく統制をしていただかなければならぬ、こう思いますが、同時にまた、いまの諸君も同じであろうと思いますけれども、やはり警察といったような権力機関の権力行使というのは、やはり基本は警察側ができる限りは耐え忍ばないと、県警本部長あるいは警視総監等がしっかりやれと言ったときの今度は行き過ぎという面、これらも十分配慮して、やはりその現場にふさわしいような適切なやり方をやっていくというような方向でいまやっておるんじゃないかと。私のときはそうでございましたけれども、やはり権力機関というのは両刃の剣ですから、そこらは十分に心得て権力行使に当たらないと、かえってまた逆の面も出てくるおそれがあると、私はさように考えておりますが、こういった点についても何らかの機会に警察庁の長官等にお聞きいただければありがたい、かように思います。

菅野久光日本社会党

○菅野久光君 一言だけ。  いずれにしましても、国民が安心して暮らせるようなそういうことのために、政府としてもひとつ全力を挙げて取り組んでいただきたいということを申し上げて、私の質問を終わります。

服部信吾公明党・国民会議

○服部信吾君 いま、国民の世論は一〇・一二ということで大変世論が高まっておりまして、どうなるのかということは皆さん、国民の間でも非常に注視しているところであると思います。その被告人である田中元総理が倒れたということで、大変国内が騒然としたということもあるわけでありますけれども、私どもは田中さんの病状というのは新聞、テレビ――マスコミ等を通じてしかわからないということで、早速官房長官は目白へ行かれていろいろとその模様を聞いたようでありますけれども、病状はどうでしょうか。それから、一〇・一二は出廷できるでしょう。この辺どうでしょうか。

後藤田正晴自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(後藤田正晴君) これはこの席で私はお答えをするのはいかがかと思います。私がお見舞いに上がったことは事実でございますし、それらは後藤田正晴としてお見舞いに上がったのでございますから、そして、一過性の御病気であるということで大変安心をしておる、こういうことでございます。  裁判については、これは総理が国会でしばしば御答弁をなさっていらっしゃいます。そのとおりの私は考え方でございます。

服部信吾公明党・国民会議

○服部信吾君 後藤田正晴個人で行ったと、そういうことでありますけれども、やはり一〇・一二の判決が目前であると同時に、内閣官房長官、こういう立場でありますので、何となくやっぱり国民としてはひっかかるものがあるわけでありますけれども――もう一度確認しておきたいんですけれども、これは内閣官房長官として、また一議員として行ったのか、この辺だけちょっと。

後藤田正晴自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(後藤田正晴君) いまお答えしたとおりでございます。

服部信吾公明党・国民会議

○服部信吾君 まあわかりました。  十月十二日の判決を目前にして各新聞社も大変いろんな世論調査を行っておるわけでありますけれども、特に十月三日付の読売新聞では有罪であれば辞職すべきだが七三%を占め、十月一日付の毎日新聞の自民党員に対するアンケートでも七〇%の人が有罪なら辞職すべきである、このように答えているわけですけれども、この調査結果を官房長官はどのように考えられますでしょうか。

後藤田正晴自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(後藤田正晴君) マスコミの報道はマスコミの報道なりに承知をいたしております。

服部信吾公明党・国民会議

○服部信吾君 まあこれ以上やっても余りあれだと思いますので、三宅島噴火の災害についてお伺いしたいと思います。  いろいろ、時間もございませんので、被害状況どのようになっておりますか、ひとつ簡単にお答え願いたいと思います。と同時に、幸いなことに人命が失われなかったということで、これは不幸中の幸いである、このように考えるわけでありますけれども、これが予知できなかったかどうか、この辺についてお伺いしたいわけなんです。

後藤田正晴自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(後藤田正晴君) 事務当局から答えさせます。

清水一郎国土庁長官官房震災対策課長

○説明員(清水一郎君) 震災対策課長でございます。ただいまの御質問についてお答え申し上げます。  十月三日、十五時三十分過ぎに三宅島が噴火を始め、大量の溶岩が同島南西の阿古地区方面へ流れ、山林火災を発生させるとともに、阿古地区の集落を襲ったわけでございます。現在、火山活動は弱まっておりまして、小康状態にございます。現在、なお溶岩の熱のために阿古地区等には近寄れません。被害の状況は詳細には把握できておりませんが、阿古地区では住宅等の大部分が溶岩に覆われておりまして、ほぼ全滅の状態にあるようでございます。溶岩及び火山灰によりまして島内の各地で道路が寸断されて通行不能個所が出ておりますし、農地や山林にも多大の被害が発生しておるところでございます。また、三宅島の空港は降灰のために使用が不能となってございます。  なお、今回の災害では、現在までのところ幸いにも死者、行方不明者が出ておりません。早期かつ円滑に避難が行われたことについて、われわれとしては地元の関係者等に感謝しておる次第でございます。  発災後、直ちに防衛庁あるいは海上保安庁、警察庁、こういったところが航空機、艦艇等を出動させまして、状況の調査、応急活動を行っておるところでございますが、再爆発等不測の事態に備えるためにも、そういった艦艇等の出動がなされておるわけでございます。  政府といたしましては、きのう加藤国土庁長官を団長といたします政府調査団が三宅島の被災現地を調査いたしてございます。その調査結果を踏まえまして、昨夜八時でございますが、持ち回りの閣議によりまして昭和五十八年度三宅島噴火非常災害対策本部を設置いたしました。その後、直ちに第一回の本部会議を開催いたしまして、被災者のための応急仮設住宅の早期建設等五項目にわたる当面の重点対策を決定したところでございます。  今後とも被災者の生活の安定を図り、一日も早く災害から立ち直れるようその方策に万全を期してまいりたい、このように考えておる次第でございます。  以上でございます。

服部信吾公明党・国民会議

○服部信吾君 特に国民の間で大変心配している のは、今回のこの三宅島の噴火が富士山に連動するんじゃないか、こういうことを非常に心配されているようでありますけれども、科学的に見てもその心配、危険性があるのかどうかお伺いしたいと思います。

清水一郎国土庁長官官房震災対策課長

○説明員(清水一郎君) 本来気象庁の方からお答えすべきところかもしれませんが、現在同時に災害対策委員会が衆議院の方で開かれておりまして、そこで気象庁の地震課長の答弁によりますと、火山というものは個々に活動するものであって、今度の三宅島の火山と他の火山の発生、そういったものとの関連は全くない。このように答弁いたしておられましたので、それをもって当てさしていただきたいと存じます。

服部信吾公明党・国民会議

○服部信吾君 桜島の噴火を契機にして、昭和四十八年七月に成立した活動火山対策特別措置法による避難施設緊急整備地域の指定は、現在、桜島、阿蘇山、有珠山、三カ所が指定されているわけでありますけれども、今回の三宅島の噴火にかんがみ、やはりこれらも同地域に指定する必要があると思いますけれども、この点政府の見解はどうでしょうか。

後藤田正晴自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(後藤田正晴君) ただいま事務当局からお答えしましたように、とにもかくにも第一回の対策本部で五項目の当面の措置を決めておりますが、いずれにいたしましても大変被害にかかられた方はまことにお気の毒な立場でございますし、また島を離れなければならないといったような、従来とはちょっと違った形も考えられますから、政府としては今回の噴火に伴う災害救護、また災害後のいろんな生活上の問題、諸般の点について全力を挙げて政府はやっていく決意でございます。  なおまた、そういうようなことでございますから、いまの御質問の点についても、いままで桜島の件もございますが、これから災害対策本部を中心に鋭意検討して、できるだけ早く救済の手を伸ばしたいと、こう考えております。  なお、この機会に一般の国民の皆さんが御心配をなさるといけませんので、いまの富士山との連動の問題、私の承知している範囲ではそういうことはないということでございますから、この点は明確にお答えをいたしておきたいと、かように考えております。

服部信吾公明党・国民会議

○服部信吾君 大変前向きな姿勢で取り組まれている政府に対して心から敬意を表するものでありますけれども、とりあえず緊急対策を五項目やられたと、そのほかにこれとは別に、やはり観光、農漁業、大きな被害が出ているようであります。そういう点からいっても経済基盤そのものが揺らいでいると思いますから、さらにもう一つ抜本的な経済振興策、地域振興策、こういうものを講ずる必要があると思いますけれども、この点についてはどうでしょうか。

後藤田正晴自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(後藤田正晴君) ただいまお答え申しましたような、私ども政府としてはこの方針でできる限りの対策を講じたいと、かように考えております。

佐藤昭夫日本共産党

○佐藤昭夫君 人権問題を中心にしてお尋ねしたいと思います。  九月の九日の都内のホテルで行われました関係閣僚と自民党首脳の首脳会談、そこで昨年分の人勧四・五八%を凍結にしたままにして、五十八年度分の一・八九%だけを実施するということを確認して署名までしたという報道がなされて、官房長官はホテルで会議はやったが、そうしたことを決めたり署名などはしていないと否定をされているのでありますけれども、しかしごらんになっているかと思いますが、この九月二十六日付の官庁速報、ここにおいて、政府筋は否定しているが、自民党筋は文書に判こを押したことを認めており、人勧不完全実施の実質合意は成立しているようだと。ただ、その抑制策については、五十七年度人勧分の凍結継続が口頭で竹下大蔵大臣から出されたものの、文書には含まれていないと、こういうふうに報道をしているわけであります。  そこで、改めて確かめたいのでありますが、その会談において、その抑制の方法はともかくとして、不完全実施の実質的合意ということがあったのかなかったのか、全くなかったのか。あなたは否定をされておりますけれども、そこをもう一遍確かめてみたい。

後藤田正晴自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(後藤田正晴君) この御質問は、衆議院のたしか行政改革の特別委員会で御質問があった思いますが、九月の九日ちょうど臨時国会が開かれましたので、この国会いろんな行革の法案はもちろんのことですね、減税の問題であるとか、いま御質問の人勧あるいは仲裁裁定の問題とかいろいろむずかしい問題がございますし、同時にまた財政再建の方途をめぐっての御質疑等もあるであろうということで、政府与党の首脳の一部で会合を持ったことは事実でございます。したがって、いま申し上げたような幅広い臨時国会対策ということで協議をしたわけでございまして、御質問のような人勧そのものでどうこうするといったようなことを決めて、それを文書にして署名したというような事実はございません。

佐藤昭夫日本共産党

○佐藤昭夫君 署名はなくても実質的合意は行われたのかと、この点をお尋ねしているのです。

後藤田正晴自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(後藤田正晴君) いま申しましたように、人勧問題、大変重要な課題でございますから、話には出ましたけれども中身をどうするといったような議論にはなっておりません。

佐藤昭夫日本共産党

○佐藤昭夫君 政府はこれまで三回の給与関係閣僚会議を開いてきているわけでありますが、その最初の会議で二年続けての凍結はしない、五十八年度人勧は実施すると、こういう方針を確認をしただけで、その後何ら進展した対応が見えないわけでありますけれども、人勧は速やかに完全実施するのが当然であるのに、その後いまだに結論が出てないということはきわめて遺憾だと思います。  そこで、次回は七日に関係閣僚会議を開くと伝えられておりますが、官房長官はこの閣僚会議の座長でもあり、次回の会議にどのような姿勢では臨むつもりなのか、人勧問題についていつまでに結論を出すのかということをお尋ねします。

後藤田正晴自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(後藤田正晴君) この問題は、先ほどの御質問でそういう事実はなかったと申し上げたのはそのとおりなんです。なぜかといえばいまおっしゃるように、この問題は八月五日に人事院総裁から勧告をちょうだいして、その日に第一回の給与関係閣僚会議を開き、その後も開いておるわけでございますが、何せこの問題をめぐっては政府内部においても、それからまた党の首脳部においてもいろんな違った意見がございます。  一つの立場は、やはり公務員の労使関係の安定あるいは士気の高揚、これは大変重要な問題でございますから、そういう観点から財政の観点だけでこういう問題の結論を出すのはいかがなものであらうかと、こういう一方に議論がございます。ところが、他方財政当局は、当然のことながら財源が不足をしておる、したがってなかなか完全実施と言われてもそれはとうてい不可能であるといったような議論、あるいはまた、そういった立場とはまた別の高い視野から、この問題はそう単純に簡単に割り切るわけにはいかぬよといったような議論もございます。そこらで甲論乙駁をしてなかなか結論を得ていないというのが実態でございます。しかしそうはいっても、私どもとしては、内閣としてはできるだけ早く結論を出したい。しかし、いずれにせよ昨年の見送り措置というのは、労働三権と人事院の勧告というものを考えた場合に、これはやはり異例の措置であることは間違いありません。したがって、二年連続の凍結は、凍結といいますか、見送り、それはしないよということだけはもう第一回の会議で私から発言をして、それは全員了承を受けております。  そういう前提に立ってどうするかということでございますが、いま七日に開くというお話がございました。七日に開くかどうか私は知らぬから、いま秘書官にそんなふうになっているのかと聞いたぐらいでございますから、なかなか早耳ですね。私自身はまだ知りません。いずれにしてもやっぱりあと何回かやらないとこの問題は結論を得ないと思います。大変厄介な問題でございます。 しかし政府は、まさにこういうのは異例の処置であるし、人事院制度というものを前提にして物を考える場合には、やはりこの人事院の勧告というものは許される限度は尊重すべきであるという基本的な認識のもとに、私どもは何回も会議を開いておるんだということはひとつ御理解をしておいていただきたい、かように思います。

佐藤昭夫日本共産党

○佐藤昭夫君 長い御答弁ありましたけれども、できるだけ早く結論を出したいということでありますが、そういう言い方でずるずるずるずる延びてきているわけですね。また、これからもそういうことで延びていくのか、年末まで近づいていくのかという、そんな不見識なことは絶対に許されない、政治的にも許されないということで、一体いつまでに結論を出すということで関係閣僚会議座長、官房長官としてはどういう努力、腹のつもりなのかとここを聞いておるんです。

後藤田正晴自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(後藤田正晴君) 事ほどさように、大変むずかしい問題である。したがって、できるだけ早く結論を出したい、こういうことでございます。

佐藤昭夫日本共産党

○佐藤昭夫君 納得できませんけれども。政府はこれまでも速やかに人勧が完全実施できない最大の理由に財政問題を挙げているわけですね。ただしかし、この財政問題につきましても、今後好転をする見通しというのは一向にない。むしろ六十年度以降、第二の財政危機と言われるほど国催費も大幅にふえることは確実で、そういう点から見るならば、人勧の完全実施の見通しもむしろ財政的見地から見ればますます困難になってくるという点で、毎年毎年人勧の値切りということの連続で、そうなれば官民の給与較差というのはますます激しくなる。結局、勧告率は年々高くならざるを得ないけれども人勧は実施できない。人勧尊重をするといううたい文句も画餅に帰す、こういうことになるわけでありまして、まさにことしが国として人勧というものをどう扱うか、そのかなえの軽重が注目され、問われる非常に歴史的に重要な位置に来ているということで、何としても人勧はこれはもう即時完全実施をしなければならない問題ということで、官房長官の決意を最後に聞いて終わります。

後藤田正晴自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(後藤田正晴君) 御要望の趣旨は十分よくわかりまするので、皆様方の完全実施即時すべしという御意見、十分私どもとしては腹の中に置きながら、先ほど言いましたようないろんな意見がございますから、その意見の中に、単に財政問題だけではございません。やはり国民世論、現在の公務員の待遇というものに対して一般の国民がどう受けて言っておるかといったような点を言われる方もございます。したがって、やはりこの問題は単に金がないからこの際しんぼうしてくれといったような単純な問題ではなくて、やはり一方には人事院勧告を尊重しなきゃならぬ、しかし同時にまた財政問題もあると、しかしながらまた別の角度から国政全般の観点に立ってやはり私は適切な打開策を講ずべきものと、かように考えておりまするので、いましばらく御猶予を賜りたいと、かように思います。

井上計民社党・国民連合

○井上計君 時間がありませんから、官房長官にもうごく簡単なことについてお伺いをいたします。  いま衆議院の行革特で審議をされておりますところの行革関係法、これによって行管庁と総理府とが統合されるということになりますと閣僚のいすが一つ減るわけでありますけれども、すでに総理大臣は、あるいは官房長官も、減った閣僚のいすについては、この閣僚数を減らさないで内政、外政等に重要なポストを担当する無任所大臣といいますか、これをつくるんだというふうな意向を示されておりますが、そのとおりでありますか。

後藤田正晴自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(後藤田正晴君) 無任所大臣制を活用したいという考え方でございます。

井上計民社党・国民連合

○井上計君 それにつきまして、これは要望でありますが、長い間中小企業者が中小企業政策等々につきまして依然として冷遇視されておる、そういうふうなことに対する不満と、特に今後やはり中小企業政策について格段の、政府が政策的にもっともっと重要視をしてほしいという願い、したがいまして、従来通産省の中小企業庁長官、ずいぶんと努力をしていただいておりますけれども、やはり閣議の中で中小企業問題等々について直接中小企業庁長官が発言できないそういうふうな不備等を是正するために、もう二十年ぐらい前からでありますけれども、あらゆる団体があらゆる機会に中小企業専任大臣の設置を要望しておるわけです。聞くところによりますと、自由民主党の中にもそのようなことについての御要望といいますか、御意見がかなり最近あると、こう聞いておりますけれども、今回この無任所大臣が一名できるその大臣を中小企業専任大臣にひとつ任命される御意向は、官房長官としてどうお考えでしょうか。

後藤田正晴自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(後藤田正晴君) 今回の行政改革で無任所大臣制度を設ける、これは一部の方には大変な誤解があって、国務大臣の数を減らさないのは大臣数を減らすということはなかなかむずかしいからだといったような誤解がございますが、そういう考え方ではございません。これはやはり第二臨調の答申等を見ましても、もちろん行政の簡素化、機構を縮小し、同時に人員も合理的なやり方で削減をしていくというような答申でございますが、同時に内閣機能の強化というもの、そしてその内閣機能の強化は簡素な組織で考えるべきであると、これはもう十数年前から総理大臣補佐官を設けるべしとか、いろんな議論がありましたが、今回のこの行政改革で一人浮く国務大臣を内閣機能の強化ということで総理大臣が特命をする、そのときどきの内外情勢、これを踏まえてひとつやっていこうと、こういう私は行政改革の本当の本筋であったと、実はかように考えております。それだけに、この無任所大臣の活用はこれは本当に真剣に慎重に考えて有効に使っていくということでなきゃならぬと思います。  御質問の中小企業、これはまた中小企業庁に大臣を置けというのは昔からの御要望でございます。大変、わが国経済の中で占める中小企業の重要性、私も十分わかっております。これはもう申し上げるまでもなく事業所数では九九%、販売額では幾らとか、みんな資料がございますね。これらを踏まえて私どもとしてはいま御意見のありましたような点は十分配慮していきたいと思いますが、何せ、それもあるし、他方国際経済の問題もございますから、いま直ちに、今度通していただければ無任所大臣が設けられるわけですが、それをいまここでどれに使いたいということはお答えができませんけれども、御趣旨は十分私どもとしては理解ができるところでございます。

井上計民社党・国民連合

○井上計君 御趣旨よくわかりました。十二分にひとつ御検討いただきますようにさらにお願いをしておきます。  ところで、若干時間が余りましたので、これは質問通告いたしておりませんから官房長官適当に、というとおかしいですけれども、お答えいただければ結構であります。官房長官、諸般の事情に御精通でありますからおわかりだと思いますが、先ほど来質疑が行われておりますところの三宅島の噴火に実は関連をして、先日来強く考えておることでありますが、三宅島噴火についても、聞くところによりますと、八月ごろまでは噴火の可能性といいますか、危険性があるということで、かなり予知活動をしておった。ところが、八月ごろになってもう心配ないということで停止をしたといいますか、何かそんなふうに聞いておるんですね。ところが今回噴火があった。天災地変のことでありますから、それが怠慢とかそんなことを決して言うんじゃありません。ただ、特にことしの夏、いろんな人たちからずいぶん聞かされまして、また要望がありましたが、気象庁が出すところの長期予報等々ありますね。ことしの夏は、早く出ましたのは、夏が短くて、そして冷夏で秋が早い、こういうふうな実は長期予報を出したんですね。そのためは小売業――卸売業もそうでありますが、そのような人たちが夏物を早く手じまいをして、八月の十日ごろには実は夏物の手じまいをした人がたくさんいるんですね。ところ が、いつまでも猛暑が続いた。といって秋物には早い、夏物は売り尽くしたというふうなことで、大変実は迷惑をこうむった、被害をこうむった事実があるわけですね。九月の十日ごろにすでに秋物の手当てをして、秋物の売り出しをしようとして準備をしておったけれども、九月の十日ごろ、あの猛暑でありましたから秋物どころではないということで、急遽またそのような方法を取りやめた。ずいぶん聞くわけですね。そのために大変な実は影響をこうむった、損害をこうむったという企業がずいぶんあるんですよ。これは私は、お天気等すなわち全くわからないわけでありますから、それが間違ったことがけしからぬということじゃありませんけれども、大体昔から気象庁といえばフグの中毒に当たらぬと言われているぐらいのことで、全くもって当てにならぬのが天気予報だと言われておるわけですが、それはむずかしいことはわかりますけれども、しかしこれだけ衛星が発達し、コンピューターによっていろんなデータが整っておる中で、なおかつむずかしいということはわかりますけれども、そんなにいわば当たらぬような予報なら、逆にしない方が国民のためにいいと、こういう議論がずいぶんあるんですよ。だから、気象庁がどういうふうなシステムになっておってどうなっているか、私全くわかりませんけれども、私はこれはある意味での行政改革という考え方で、もっと気象庁あるいはそれらの関係の人たちがそういう国民の迷惑を考えていただかなければならぬ、こう思うんですね。  質問通告してございませんが、先ほどの三宅島の問題から実はその点を思い出しましたので、これは官房長官に要請というとおかしいんですけれども、大いにひとつ御留意をいただきまして、そういう面についてもお考えをいただければと、こう思います。お答えをいただければ結構ですし、お答えがなくても結構でありますが、よろしく。

前島英三郎参議院の会

○前島英三郎君 四分しかありませんから、大韓航空機撃墜事件に関連いたしまして二、三お伺いします。  事件そのものにつきましては大変悲劇でございました。それと同時に、今後再発防止、それからまた有効な処置をいろんな意味で講じていただきたいことを強く要望しておきますが、さて、それにまつわることで防衛情報につきまして、私は可能な限りこれは機密の部分を小さくして、多くを国会と国民に知らせるべきだというふうに思っているんですけれども、一連の国会質疑なんかを通じて感じますと、非常に国家機密を民間機の安全よりも優先したんじゃないかという印象がどうも私自身ぬぐい去れない、そんな気がするんです。今後にこれは問題を残すんじゃないかと心配もするんです。わが国は専守防衛に徹しているんですけれども、武器の増強よりもある程度情報収集といいますか、そこに力を入れるのはわからぬでもない。調別とかなんとか、いろいろ巷間言われておりますけれども、かつて坂田元防衛庁長官が、日本の防衛はウサギの耳だというようなことを発言されましたけれども、それはわからぬでもないんですけれども、しかし、それもウサギの耳で得たものがすべてブラックボックスに入っちゃったんじゃ、これはもうどうにもならないと思うんです。これを国民の前にもう少しやっぱり出していくことになってきませんと、本当の意味の安全保障という、われわれ一億の命を預けることにも非常に不安になるし、また、その使い方によってはウサギの耳がどうもオオカミの耳になりやしないかというちょっと心配を私は感じているんです。  官房長官は、今回の事件に関してあらゆる情報を知りまして、かつ、その情報をさばいていくという立場にあったと思うんですね。その情報のさばき方が大変みごとであったというようなことも評判はあるわけなんですけれども、その辺の判断、すなわち、どんな情報をどこまで明らかにするか、あるいはこれは総理と相談されるんでしょうけれども、どうもあの日からの一連のことを振り返りますと、不時着しただの、強制着陸されただのというふうなことで、喜びもつかの間というようなこともありました。  その二日前には私もあそこを飛んだんですけれども、あれがJALだったら、あるいはほかのアメリカのだったらどうだったろうかということを考えますとね、やっぱり成田との交信の中に異常がないというような形をとってはいたけれども、私はあの辺が国籍不明機というふうな形ではどうも片づけられないような問題があるんですね。ですから、なぜ成田にヤバイという一言が、僕はこの一つのウサギの耳から出なかったかという悔恨も実はいま自分自身の中にあるんです、それは深くはわかりませんけれども。  それと同時に、正義のため、あるいは国益のために最も適切な判断を下したと後藤田さんはおっしゃるかもしれないけれども、しかしそれが正しかったかどうかチェックする言葉が悪ければこれは確認する、そういう機能が民主国家には必ず必要だというふうに思うんです。そのために、より多くの情報を公開して、より多くの人々の判断を仰ぐということが大変大切になってくると思うんですけれども、その辺、あのときの後藤田さんの判断は、一体だれとだれに連絡をとりああいう判断になったかという一点と、それから時間がありませんから、現時点で受信したソ連側の交信記録すべて公表すると差し支えがあるとすれば――あるいは全部公表したのかどうかね、差し支えがあるとすればどんな差し支えがあるのか、あるいはまた、歴史的なものが今日のこのことが事実になっていく過程の中で、やがて適当な時期にまだ公開すべきものが出てくるのかどうか、あるいはそれはまたやがて時間を追うごとに公表しなければならないものがあるのかどうか、その三点をちょっとお伺いをしたいと思うんです。これは実は違うまた委員会でやる一つのイントロだと思っていただいてお答えいただければ結構でございますけれども。

後藤田正晴自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(後藤田正晴君) 大変むずかしい御質問でございますが、今度の処置は当然私は総理と相談の上とった処置でございます。  なお、日本の自衛隊、これは専守防衛に徹しておるわけでございますから、おっしゃるようにウサギの耳でなければなりません。同時に複雑な国際情勢でございますから、いろんな情報が流されます。それを検証する能力を持たなければならぬ、私は基本はその二つである、こう思います。  今回の措置は、ソ連が撃墜したという事実すら認めない、これはいかにも――これは本当を言えば、こういう事件は文明国としては考えられない事件なんですね。異常な事件なんです。したがって、私どもとしては、事実関係だけはソ連に認めさせなければならぬということで、それの必要最小限の交信記録あるいはレーダー情報、こういうものを踏み切って出したわけでございます。しかしながら、当然のことながら、こういうものを出すということは、他面、大きなマイナス面がございます。  いま前島さんおっしゃいましたように、もう少し得た情報は全部国民に公開したらどうだと、これはごもっともな御意見なんですよ。しかしながら、事柄の性質上、私はやっぱりこれは必要最小限にとどめないと、こちらの手のうちが全部暴露をするということになるわけでございます。  それで、今回出したのは御案内のような交信記録とレーダー情報である、これは平文でやっておりますから、それにとどめてあるということで、御意見はよくわかりますけれども、事柄の性質上、全部を公表するというわけにはまいらない。やはり相手の出方、それらを見ながらやっていかなければならぬのではないか。そして同時に、こういうものは必要最小限でなければならぬと、私はさように考えているわけでございます。

前島英三郎参議院の会

○前島英三郎君 ですから、もうそれはやがて出さざるを得なくなることもあるのではないかという点で、今後出していくのかどうかですね、最小限のものは、いま出ていますけれどもね。

後藤田正晴自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(後藤田正晴君) この点は、いまICAOの調査団が来ておりますから、ICAOの調査団等がどういう調査をなさいますか、それの対応もございますが、私のいまの考え方は、日本側 でこれ以上出すつもりはございません。日本側では。

前島英三郎参議院の会

○前島英三郎君 ない。

後藤田正晴自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(後藤田正晴君) ありません。

安恒良一日本社会党

○委員長(安恒良一君) 以上で内閣官房長官に対する質疑は終了いたしました。  後藤田内閣官房長官は御退席いただいて結構でございます。  それでは引き続き、総括質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。  速記をとめて。    〔速記中止〕

安恒良一日本社会党

○委員長(安恒良一君) 速記を起こして。

佐藤昭夫日本共産党

○佐藤昭夫君 まず、軍事費突出、その中におけるアメリカ軍に対するいわゆる思いやり負担、この問題を中心に幾つか質問をいたしたいと思いますが、さきに発表されました昭和五十九年度の概算要求によりますと、原則マイナス一〇%とのシーリングによって、福祉、教育などの国民生活関連費は大幅に圧迫をされる。片や防衛費は、二兆九千四百三十七億円、対前年比六・八八%増と、異常突出をしているわけであります。この大幅突出の主な原因と考えられるものに大量殺人兵器の正面装備強化、それと米軍への思いやり負担の増大があります。  まず、数字を確認をしておきたいと思いますが、正面装備費の概算要求額と対前年増加率、どういうことですか。  ちょっと時間がかかるようですから、これはもう明瞭な数字ですが、正面装備費の概算要求額六千八百三十七億円、対前年一〇・七%の伸びであります。思いやり負担の概算要求額と対前年増加率六百九十七億七千万円、対前年一五・一%の伸びであります。そのとおりですね。

塩田章防衛施設庁長官

○政府委員(塩田章君) 後段の思いやりと言われるいわゆる提供施設整備費等でございますが、その点は御指摘のとおりの数字でございます。

佐藤昭夫日本共産党

○佐藤昭夫君 それで、その思いやり負担、大きく言って二つの内容があるわけですが、提供施設整備費、これが一七・七%の伸び、労務費の一部負担百八十三億、八・三%の伸びということで、この数字が示しますように、提供施設整備費が異常に増加をしているわけでありますが、この重要な部分に、アメリカの核攻撃機F16、この三沢配備に伴う提供施設整備費、これが異常に膨張をしておるという問題があると思うんですが、その第一期分として百八十二億円、そのうち、五十九年度概算要求として六十四億五千万円、これが計上されておる。これが非常に大きなウエートを占めてきておるという、こういう姿になってきているわけですね。

塩田章防衛施設庁長官

○政府委員(塩田章君) F16関連の数字につきましては、御指摘のとおりでございます。

佐藤昭夫日本共産党

○佐藤昭夫君 そこで、この第一期分でありますが、百八十二億円というF16の三沢配備に伴うそのことによって投入をされる思いやり負担、これはこれまでの一つの基地に対する思いやり予算の最高額になるんじゃないでしょうか。どうですか。

塩田章防衛施設庁長官

○政府委員(塩田章君) お尋ねは、一つの基地に対する単年度としての金額で言えば最高ではないかというお尋ねだと思いますが、単年度について言いますと、正確に過去のを調べておりませんけれども、恐らく最高になるのではないかと思います。一つの基地に累積して投下したものがこの三沢が一番多いというわけではございませんけれども、単年度としては恐らく最高になるのではないかと思います。

佐藤昭夫日本共産党

○佐藤昭夫君 それで、防衛庁の方から若干の資料をいただいておるわけですけれども、少し漠としてわかりにくい点があるわけですけれども、まずこの三沢を含めまして昭和五十九年度の概算要求の施設経費、その全貌、その内容の骨子、御説明を願います。

塩田章防衛施設庁長官

○政府委員(塩田章君) 昭和五十九年度に概算要求をしております施設整備費でございますが、大きく分けまして四点ございまして、一つは隊舎の整備、これは全部で十棟でございます。それから二番目には住宅の整備、これは九百四十五戸でございます。それから三番目といたしまして環境関連施設の整備、たとえば消音装置でありますとか貯油施設でありますとか、汚水処理施設といったようなものでございますが、環境関連施設の整備。それから、その他としまして、いわゆる管理棟でありますとかユーティリティー、倉庫あるいは郵便局、そういったようなものがございます。以上の四つの項目で、先ほど御指摘がございましたように、トータルといたしまして五百十六億の要求をいたしておるわけでございます。

佐藤昭夫日本共産党

○佐藤昭夫君 それで、ただいまありましたような全貌であるわけですけれども、一つの例を取り上げてみます。    〔委員長退席、理事目黒今朝次郎君着席〕  この住宅の整備九百四十五戸という五十九年度の概算要求になっているわけですけれども、この数字自身が住宅に対する思いやり負担過去最高額ですね。過去最高戸数ですね。この三沢に投入をされておるこの点から見ても、いままでの基地に投入されてきておる単年度投入に比べれば大変な金が入ってきておる。しかし、全体で見ても総額が膨張しておるそのことが示すごとく、この住宅の問題、住宅整備見ても過去最高の住宅をつくろうと、こういう形になっておるということですね。

塩田章防衛施設庁長官

○政府委員(塩田章君) 九百四十五戸というのは単年度の数字としまして過去最高の数字でございます。

佐藤昭夫日本共産党

○佐藤昭夫君 このことは、裏返して言えば、単に三沢だけの問題でない、三沢の問題も重大だと、しかし全国にわたってわざわざ思いやり負担をして、米軍基地の全面的強化に積極的に日本は手をかしていくと、こういう形になっておるというふうにはっきり言える一つの姿がこういった問題にも出ているという問題であると思うんですね。  もう一つ尋ねますが、それならばいままで三沢の米軍基地に日本政府が提供をしてきた兵舎、住宅などそういう建物、工作物、こういった一連の国有財産の棟数、面積数、価格、その中で思いやり負担はどれくらいの比重を占めているのか、こういうものを説明していただきたい。

塩田章防衛施設庁長官

○政府委員(塩田章君) 現在までに三沢の基地におきまして、いわゆるいま問題になっております提供施設整備費で整備してきた内容をちょっと御紹介申し上げますと、これは昭和五十四年度からでございますが、五十四年度から五十八年度までの間におきまして家族住宅百九十六戸、金額で八十二億六千四百万円、隊舎八棟、金額で五十二億三千九百万円、その他水道施設、ユーティリティー、食堂等がございまして、あわせてその他が十七億四千六百万円というのが現在まで三沢に投下してまいりましたいわゆる提供施設整備費の内容でございます。これがいま最後の御質問のございました全体の三沢の現在の財産に何%の割合を占めるかというというようなことにつきまして、いまちょっと手元に資料を持っておりません。

佐藤昭夫日本共産党

○佐藤昭夫君 いま説明があった数字は、いずれにしても昭和五十四年以降。ですから、いわゆる思いやり負担ということが何といいますか、制度的、政策的に始まったそれ以降の部分。したがって、それ以前の部分は、これは別途の形でいろんな提供が日本側から行われておるというものが多多ある。こういう点で見ますと、非常に莫大な巨額の額になるということが明瞭だと思いますし、ただ個々のいま説明のありました隊舎の棟数、住宅の建設戸数、私が承知をしておる数ともちょっと違いますが、これは限られたきょうの委員会の席上ですので、またいろいろ数字は別途詰めたいというふうに思いますが、全体としていま言ったようなことになっておると。そこで、兵舎、住宅、その他ということでいま水道、ユーティリティー、食堂等と、こう言われているんですが、もっとこれをこんなことまで思いやり負担をしておるということを明らかにする意味でも、もうちょっと内容を示してください、その他建物。

塩田章防衛施設庁長官

○政府委員(塩田章君) いま急に手元に持ってお らないわけでございますが、三沢についてその他としていま言えますことは、たとえば郵便局も三沢にございますし、それから保安さくもございます、倉庫もございます。そういったようなものがございますが、いま正確にすべての資料を持っておりませんので、以上申し上げたようなことがその他であるということでございます。

佐藤昭夫日本共産党

○佐藤昭夫君 質問通告をしてきているんですから、もう少しすぐ手元にそういったものは持っておいていただきたいと思うんですが、私がいろいろ承知しておるあれではバスの待合所、銀行、トイレ、管制塔、変電所、ガソリンの給油所、貨物の倉庫、警備員の詰所、小屋などということで、もう万般にわたって国民の血税をそういうことにどんどんと投じていくというこのやり方になっているんじゃないかというふうに思うんですね。  ところで、これらの施設というのは言うまでもなく国有財産でありますが、こうした国有財産の維持管理について国として常時点検、調査をする、しっかりと掌握をしていると、こういうことになっていますか。

千秋健防衛施設庁施設部長

○政府委員(千秋健君) お答え申し上げます。  一応私どもはこういう米軍に使用を許す国有の財産につきましては、国有財産に関する特別措置法というのがございまして、その法律に従いまして米軍に使用をさせておるわけでございまして、私どもとしましてはこれらの財産を普通財産としまして、国有財産法に従って各施設局の部局におきまして台帳上掌握して整理しておるということでございます。

佐藤昭夫日本共産党

○佐藤昭夫君 台帳上整理しておるというのはそれは国有財産だからあたりまえのことなんで、それは義務づけられている話で、問題は定期的に、要するにアメリカに貸しておるわけだけれども、それが勝手に建物が改修をされたり、形が変わってしまったり、本来の使用目的が変わってしまったり、こういうことになっていないか、あるいはもう崩れたようなかっこうで放置されていないかといったようなそういう問題について、きちっと定期的に点検、調査やっているんですか。これはいままで国会で話に出たことがありますけれども、大変ずさんでございますということを認めていますね。何かの改善策とっているんですか。

千秋健防衛施設庁施設部長

○政府委員(千秋健君) この点はたてまえとしましては地位協定三条に基づきまして米軍がこれらの施設区域につきまして管理権を持って管理しておるということでございまして、    〔理事目黒今朝次郎君退席、委員長着席〕 私どもとしましては一応米軍に提供し、米軍の管理にゆだねているということでございます。  なお、地位協定にもございますが、これら施設全般としてその施設が遊休になっているかどうかという点についてわれわれとしまして注意し、それらについて遊休なものは返還してもらうと、こういう努力はしておりますが、個々の施設、その建物一棟一棟、またそういう国有財産一つ一つにつきましての管理行為というのは行っておりません。

佐藤昭夫日本共産党

○佐藤昭夫君 米軍に貸しているということで全く米軍からの定期の報告を求めていると、こういうことにはなっていないわけです。全く国民の税金である国有財産について無責任な態度と言わなくちゃならぬと思いますね。ともかく幾つかの例を挙げたわけですけれども、これまで日本政府は三沢の米軍基地だけで先ほどの数字、思いやり負担だけで約百五十三億、あなた方の数字でですね、これに従前、以前からの分を含めるならばさらに巨大な額になる、そういった財産提供をしていると。そこへ本年度というか、五十九年度概算要求でF16の配備を機会に概算要求では六十四億ということですけれども、第一次分としてF16配備を機会に百八十二億さらに投入をしようとする。しかも重大なことはこういうふうにして三沢を拠点にして日本の核基地化に国民の血税を投入をしようとしているという問題だと思うんです。  そこで念のために防衛庁長官お尋ねをしますが、F16というのはいつでも核兵器搭載可能な戦闘爆撃機ですね。

谷川和穗自由民主党・自由国民会議防衛庁長官

○国務大臣(谷川和穗君) わが国にはF16という機種はございませんので、したがいまして現在公にされておりまするいろんな諸元を明らかにしておりまする資料から推測いたしますと、F16は核搭載可能の戦闘機と理解をいたしております。

佐藤昭夫日本共産党

○佐藤昭夫君 天下周知の事実でありまして、ですからそんな危険きわまりないF16の配備というこれに、いままでにないような巨大な形での国費投入をして思いやり負担をしていくという、全く無謀ではないかということでの国民の批判、怒りがいま巻き起こっておるというのは当然のことだと思うんです。こうしたこの日本の核基地化を進めるF16の三沢配備に、こういった思いやり負担をするというのは断じて私どもは認めることができませんし、こうした暴挙を直ちに中止をするよう強く、防衛庁長官、要求をしたいと思います。  ところで、思いやり負担の、思いやり予算のもう一つの柱、労務費の一部負担問題、この概算要求も、対前年伸び率八・三%ということで過去五年間の最高の伸びですね。その点まず確かめます。

塩田章防衛施設庁長官

○政府委員(塩田章君) 過去五年間におきましては最高の伸びでございます。

佐藤昭夫日本共産党

○佐藤昭夫君 この労務費一部負担の内容に関してもさまざまな問題があって、わが党としてはしばしば国会でも取り上げてきたところでありますが、私は本日ひとつ角度を変えて一つの問題を提起をしてみたいと思います。  それは、米軍基地の従業員、この方々に関する社会保険料事業主負担、こういったものなどが概算要求に当たって予算化をされている、計上をされているわけでありますけれども、この事業主負担を算定するに当たって、その基礎となる賃金についてはどのような対前年アップ、賃金引き上げですね、これを想定をしているんですか。

木梨一雄防衛施設庁労務部長

○政府委員(木梨一雄君) お答えいたします。  駐留軍従業員の賃金のベースアップの問題につきましては、日米間の話し合いにおきまして、大体国家公務員と同率ということで話し合いができておりまして、国家公務員が上がった場合には駐留軍従業員も上げるということでございますが、五十九年度におきますベースアップの問題はまだはっきりしたわけではございませんので、この点についてはいわば国家公務員の動向を見て決まるというふうな問題でございます。

佐藤昭夫日本共産党

○佐藤昭夫君 あなたの説明は、それならば賃金引き上げはゼロとして想定していると。そうじゃないんでしょう。一定の数字を挙げて、賃金引き上げがやられるとしてのそういう基礎でこの社会保険事業主負担の算定をやってますね。それは何%にしているんですか。

木梨一雄防衛施設庁労務部長

○政府委員(木梨一雄君) お答えいたします。  事業主負担分の問題につきましては、もちろん国家公務員のアップに伴う従業員のベースアップということが響くわけでございますけれども、また算定方針がちょっと違っておりまして、標準月額報酬というふうなまた別の算定方式を用いておりますので、これはまた別個の計算でございます。ちょっといまその詳細は手元に持っておりませんので、また調べたいと思っております。

佐藤昭夫日本共産党

○佐藤昭夫君 いや、これは私ちゃんと質問通告をしてきたんですからきちっと答えてくださいよ。だれかすぐわかる人いるでしょう。  私、逆に聞きますが、いわゆる人事院勧告、国家公務員に準ずるという考え方で、ただ賃金はアメリカ軍が払う、ただそういう賃金計算を土台にして社会保険事業主負担というものを算定するんじゃないですか、当然どこでもそういうことをやっているんだから、事業主負担の算定の仕方というのは。そうでしょう。

木梨一雄防衛施設庁労務部長

○政府委員(木梨一雄君) そのとおりでございます。

佐藤昭夫日本共産党

○佐藤昭夫君 最初からそういうふうに答えたらいい。  ところで、総務長官、お尋ねをします。五十九年度の概算要求全体にわたって、各省庁の国家公務員の皆さん方の給与引き上げ、賃金そのもの、それから、いまの対比でいきますと社会保険事業 主負担の計上、算定の仕方、これはどういうふうになっていますか。

丹羽兵助自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(丹羽兵助君) 佐藤先生のお尋ねでございますが、給与を担当いたしております者としては、人事院勧告というものが出てこれを実施できるように努力しなくてはならない、そういう考えに立って、いま改定のできるような予算をという相談を閣議でいたしておるさなかでございますが、率直に申しますると、私の方では五十八年度の予算の編成のときにはまず当然人事院勧告が出るものとして一%ということを見込んでおりますけれども、各省がどのように給与を五十九年度の中で見込んで予算要求をしておられるかということは、まことに申しわけありませんが私ではちょっとお答えしかねます、申しわけございませんが。政府委員の方から、各省がどういうような姿勢、どういうような数字で今度の五十九年度の予算の要求をしておるかということは政府委員の方から説明させていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。

的場順三大蔵省主計局次長

○政府委員(的場順三君) 五十九年度の概算要求におきましては、五十八年度、現在問題になっております人事院勧告の、まだシーリングの枠を決めます場合には人事院勧告をちょうだいしておりませんでしたので、その部分は入っておりません。したがいまして、その分にかかわります社会保険料負担の間庫負担分等も当然入ってないということでございます。そういうことでございますが。

佐藤昭夫日本共産党

○佐藤昭夫君 そうすると、言葉をかえるとゼロ%だということですね、形は。

的場順三大蔵省主計局次長

○政府委員(的場順三君) 概算要求の段階では入れようがなかったということでございますから、ただいま問題になっております五十八年度の人事院勧告にかかわる分については入ってないということでございます。

佐藤昭夫日本共産党

○佐藤昭夫君 総務長官、いまの話を聞いておられて大変な矛盾だというふうにお感じになるでしょうね。あなたが直接責任を持っておられる総理府を初めとして全省庁、国家公務員全体は、基本賃金についても社会保険事業主負担についても、賃金は予算計上の方式としてはアップゼロ%という、こういう形での予算概算編成になっている。ところが、片や米軍の基地従業員に対する姿はさっきからお話をしているとおりということで、私は何も米軍の基地労働者のこのやり方が大部分の国家公務員に比べて特別扱いで不当だとか、そんなことで言っているんじゃない。むしろ不当なのは、当然基地労働者の皆さん方にそういうことの予算上、概算編成上の扱いをするのだったら、なぜ各省庁の公務員全体についてもそういう扱いをしないのか、それをやらないというところに人事院勧告を極力抑制をしようという思想が、政府の思想がそこにそういう形であらわれているのじゃないか。少なくとも国の行政としてそういう大変な矛盾が出ておるということについては総務長官おかしいと思われませんか。一貫性を持たなくちゃいかぬというふうに思われませんか、どうですか。

丹羽兵助自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(丹羽兵助君) 先生のお話を聞いておりまして、私は給与を担当する者として、そういう考えもありましょうが、私は国家公務員としての給与は、人事院勧告そのものを尊重するというたてまえに立って、そして国政全体の中、財政全体をながめてできるだけ先ほど先生が使っておみえになりました思いやりのある給与改定ができるようにという考えを持っておりまするので、いま人事院勧告の出ない前に、また出ておりましても、これを政府、国会においてどのように決着をつけていただけるかということが、その前に防衛庁側の要求の方針が違う、やり方が違うかもしれませんが、国家公務員の方々に対しては、いま私がくどくどしく申し上げましたけれども、できるだけ人事院勧告を尊重された給与改定をやっていただきたいという、そういう私は考えを持っておりまするので、五十九年度の予算要求のときにはこのままにして、途中でそれが認められた上に追加の予算の要求をすることも一つの現実的な考えと、こう考えておりまするので、基本的には先生のようなお考え方があるかもしれませんが、私としては矛盾をしているなどとは考えていない、またいままでもそういう方針がとってこられたと、こう思っておりまするので、そういう解釈でおることを御了承いただきたいと思います。

佐藤昭夫日本共産党

○佐藤昭夫君 そういうだれも納得できないような強弁をするものじゃないですよ。とにかく同じ国の行政のもとで行われておるこのなにが、いま問題になっておるのは給与の扱いですけれども、全く矛盾した姿になっておると。防衛庁長官が同じく責任を持っておるこの米軍基地、そこの労働者の皆さん方の社会保険事業主負担も、これを計上するに当たっての賃金の考え方、それと防衛庁の職員に対する賃金の考え方、これ明確に違っておるじゃないですか。そういう三百代言的な態度は撤回をしてもらいたいと思いますね。  そこで、なお私はちょっと軍事費関係の問題について幾つか質問をいたしたいんですが、ここでちょっと中断をするような形でテーマが変わりますが、自治大臣・国家公安委員長に特に出席を願ってまいりましたので、少しテーマ変わります。ですから、文部大臣や厚生大臣、早くからおいでいただいておって待たせますけれども、お許しをいただきたいと思います。  それで、次はサラ金の問題の関係で御質問をします。警察庁、大蔵省御一緒に。  この高金利と暴力的な取り立てによるサラ金被害は依然として後を絶っていませんし、一昨日も同僚議員の質問があったところでありますが、警察庁がまとめたところによりましても、今年上期の刑法犯罪のうち、殺人五百二件中五%の二十四件、強盗殺人二十七件中四一%の十一件、それから強盗について見れば一三%の六十九件、放火二%の十二件、これがいずれもサラ金苦を動機としてこういった犯罪に落ち込んだというふうに報告をされているわけであります。  そこで、この四月末に成立したサラ金規制二法、これは率直に言って規制とは名ばかりで、暴利を当面三年間認め、三年後も五四・七五%の高利を放置すると。暴力的な取り立て方法についても規制がきわめて抽象的だと。さらに三つ目に、利息制限法最高二〇%、これを超えるものは支払いを取り返せるという今日までの判例、これを取っ払うという、全く抜け穴が多いものであって、わが党は同法案に反対して独自の提案をして今日まで国会でも議論をしてきたという経過があるわけでありますけれども、ところで、この二法のいわゆる成立をもとに、大蔵省は最近関係政令を定め、さらに細かい通達も出したところでありますが、その内容を見た場合に、果たしてこれで今後の運用面で極力被害者救済の効果が上がるであろうかということについての危惧は依然として残っているわけであります。  そこで、九月二十三日、読売新聞に報道をされた問題でありますので御承知の方もあろうと思いますが、名古屋市のサラ金、東海企画、ここは厚生年金、国民年金、老齢年金などの受給者だけを対象に営業をすると。年金の振り込み口座を自社の口座にかえさせて高金利を取った。貸付総額三億七千万円で、一億二千万円の暴利をむさぼったと、こういうんですから、まことにすさまじいもので、その被害者は千人を超えると報告をされていますが、まず警察、お尋ねをしますが、書類送検をしているということですが、同社の容疑、捜査の概要、これを御説明願いたいと思います。

鈴木良一警察庁刑事局保安部長

○政府委員(鈴木良一君) お尋ねの件でございますけれども、本年の八月に愛知県警察におきまして行った事案でございます。貸金業者、株式会社東海企画とその営業所長らの二名を出資法違反、高金利違反で検挙をいたしまして、現在捜査中でございます。送致は捜査がまとまりました段階で送る予定にいたしておりまして、現在なお捜査中のものでございます。

佐藤昭夫日本共産党

○佐藤昭夫君 年金証書を担保に取り上げることはもちろん違法なものですね、厚生大臣、お尋ねします。

林義郎自由民主党厚生大臣

○国務大臣(林義郎君) 厚生年金保険法と国民年 金法にそれぞれ規定がございまして、厚生年金保険法では、法第四十一条に、「保険給付を受ける権利は、譲り渡し、担保に供し、又は差し押えることができない。」とはっきり書いてございます。国民年金法におきましても、法第二十四条におきまして、「給付を受ける権利は、譲り渡し、担保に供し、又は差し押えることができない。」と書いてあります。ただし書きの規定といたしまして、「別に法律で定めるところにより担保に供する場合」等につきましては「この限りでない。」というのがございますが、これは実は年金福祉事業団の小口融資という制度がございまして、それから借り入れるときにだけでございまして、いまのお話のような話のときには、はっきりとこれはできないということでございます。

佐藤昭夫日本共産党

○佐藤昭夫君 支払窓口に業者が同行をして、全額生活保護費を巻き上げたり、あるいは今回の例になっていますような年金の振り込み口座をその業者の口座にかえさせて全額取り上げる、こういうことは全く生活を破壊をするやり方でありまして、こういう取り立ての仕方というのはきわめて不当だと思いますが、大蔵省、今回の通達による規制は、通達によればこういうことは規制できるんですか。

宮本保孝大蔵省銀行局長

○政府委員(宮本保孝君) サラ金法につきましては、十一月一日から施行になるわけでございまして、御指摘のとおり政省令通達を公布いたしたところでございます。法律が確かにわりと抽象的な規定になっておりますので、国会の御審議等も踏まえまして、なるたけ具体的に特に通達では示したところでございまして、先刻お出しいたしました通達の中では、取り立て行為の制限といたしまして、「貸金業者等がしてはならない行為」ということで、「暴力的な態度をとること。」以下かなり列挙いたしましたし、かつ「債務者、保証人等の私生活又は業務の平穏を害する次のような言動を行ってはならない。」ということで、これもかなり具体的に列挙いたしました。それから、「その他、債務者、保証人等に対し、次のような行為をしてはならない。」ということで、これも列挙いたしておりますが、いま先生御指摘のような問題につきましては、具体的には、実はちょうど当てはまる項目はございませんけれども、全体といたしまして、「その他正当とは認められない方法によって請求をしたり取立てをしたりしてはならない。」というふうなこともございまして、社会的な常識に照らしまして、不当な行為につきましてはこの通達違反であるということでございます。

佐藤昭夫日本共産党

○佐藤昭夫君 ところで、自民党の谷川寛三議員系の政治団体、これが過酷な取り立てで悪名をはせておりますが例の日立信販、通称ローンズ日立系の企業、通夜の席まで押しかけて遺族をおどして逮捕されたり、巨額の脱税で摘発をされたということもあるこの企業でありますが、そこの社長の二重作真という社長とその親族、そのファミリーで六千百万円に及ぶ献金を、さっき言いましたこの政治団体が受け取っていたということがこれまた新聞で報道されたわけであります。しかも上限超過分は、片や衆議院の鹿野道彦自民党代議士系政治団体を経由して受け取ったということが明らかになったとされていますが、政治資金収支報告書、八二年度が提出をされていますが、自治省にはこの修正が提出をされたと思いますが、簡単にその訂正理由、訂正内容、簡単でいいですから説明してください。

大林勝臣自治省行政局長

○政府委員(大林勝臣君) 去る九月の二日に、自治大臣所管の四つの政治団体から昭和五十六年分の収支報告書の訂正報告が出ましたし、また同じく昭和五十七年分の政治資金の報告について七つの政治団体から訂正報告が提出されております。その訂正内容の金額につきましてはここで詳しく申し上げるまでもないと存じますが、その訂正の理由といたしましては、関係政治団体からは、本来受領しなかったもの、またはその関係政治団体が本来支出していなかったものを事実に反して記載したために、事実どおりに訂正するものであること。さらに別の五団体からは、本来個人から直接受け入れた寄附について、他の政治団体を通して受け入れたように事実に反して記載したために事実どおりに訂正するものであると、こういう訂正理由書を付して訂正報告が出ております。当省といたしましては、これらの訂正の申し出に基づきまして官報訂正の告示を行うべく現在手続を進めておるところでございます。

佐藤昭夫日本共産党

○佐藤昭夫君 いま説明ありましたように、ともかくみずから訂正理由書に事実に反して記載をしたということでの報告がやられているわけでありますから、虚偽報告を行われておったということは紛れもない事実でありますけれども、そこで、きょう二つの角度からの事例を申し上げたんですけれども、自治大臣、同時に国家公安委員長として、こういう刑法違反を含む悪徳サラ金、これが横行をしてみたり、また間違った形での政治献金、法に違反をする形での政治献金も後を絶っていないと、こういうことで、この事件はまあ氷山の一角じゃないかということで、今後こうしたことを万全に防止するためのひとつ大臣としての、一層従来に増して毅然たる態度でこういう問題に対しての対処を強めていただきたいというふうに思うんですけれども、大臣、どうでしょうか。

山本幸雄自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(山本幸雄君) 政治資金規正法の基本的な理念としましては、やはり政治団体あるいは公職の候補者というのは、政治資金の収受に当たって国民の疑惑を招くことのないように公明正大に行わなければならないと、こういうことになっております。これは当然のことでございます。それだけに、やはり個々の政治団体あるいは政治家とされては、政治資金の授受あるいは政治資金の収支の公開ということについては公明正大に行われるということが当然のところでございまして、今回のような報告書にこのような記載が出たということはまことに遺憾なことと存じております。今後一層こういうことの起こらないように、個々の政治家にも政治団体にもお願いをしなければなりませんし、また、私どももそういう方向で監視を強めていきたいと、こう思っております。

佐藤昭夫日本共産党

○佐藤昭夫君 それでは自治大臣結構です。御退席ください。  これでサラ金問題一応終わりまして、再び軍事費の問題に戻りますが、それで、軍事費突出と対比をして福祉、教育が切り捨てられている、この問題で福祉を守るための厚生大臣の決意を実は聞きたいと思っておったんですけれども、ちょっと大分前段で時間とりましてあれですので、その問題は次回にさせていただきますので、ひとつお許しを。  次にお尋ねをしたいのは、軍事費聖域扱いの一環としての防衛庁の貸費学生制度、この問題について質問をいたしますが、もう余り時間残っていませんのではしょりますが、とにかく大学在学の学生に対して、日本育英会の育英資金とは別個に防衛庁の庁費によって奨学資金のようなものが貸与がされておるということであるわけですけれども、この貸与金の支出の状況について、まずこの五年間の予算に対して執行額はどんな姿か、実際に貸与した学生の数は何人かということをまず簡単に説明してください。

上野隆史防衛庁人事教育局長

○政府委員(上野隆史君) 貸費学生には、御承知のとおり衛生関係と技術貸費学生と両方ございますが、いま御質問の技術貸費学生につきましてお答えを申し上げますと、過去五年間の予算額をまず申し上げます。五十三年度七百二十九万六千円、五十四年度九百二十六万四千円、五十五年度八百三十五万二千円、五十六年度八百三十五万二千円、五十七年度八百三十五万二千円であります。  それで執行額でございますが、五十三年度は四百二十七万五千円、五十四年度五百十八万四千円、五十五年度五百四十八万一千円、五十六年度三百六十八万三千円、五十七年度四百三十五万円でございます。  人員は、年度によって多少ばらつきがございますが、おおむね十数名ないし二十名、これは執行額、実際に奨学金をもらった人の数でございます。

佐藤昭夫日本共産党

○佐藤昭夫君 いまの数字で概略明瞭なように、 とにかく予算で組んだ貸与学生の人員、これに対してそれに満たないというのがもうずっと毎年続いておる。不用額が年々のように出ている。しかも私、このいただいておる資料でいきますと、昭和五十六年度のごときは予算の四〇%に近い額を流用してほかのことに使っておると、こういう姿になっているわけです。  もう一つ、私はこのことを発見をしまして、いま日本育英会の奨学資金に対しては有利子制を導入をするということで、臨調を先頭にした圧力ががあっとかかってきておると。ところが、防衛庁の中では、軍事費はもう聖域だと。そこのけそこのけ、もうどんなことでも大手を振って通るということでこういう制度をつくられて、しかも不用額が出ても、それがもう毎年のように続いても、一遍それを振り返って、予算の組み方については改善をしようかということは全くやられていない。そして不用額は他のことに流用をするという、こういう姿が防衛庁の世界の中では大手振って進んでいるということは、もうまことにこれは私は許せないことだと思うんです。防衛庁長官、所見はどうですか。

谷川和穗自由民主党・自由国民会議防衛庁長官

○国務大臣(谷川和穗君) この貸費学生制度というのは何年か前からスタートいたしておりまして、いま政府委員からお答えを申し上げましたように、私どもは二つの制度を持っておるわけでございます。そのうちのいま政府委員からは主として技術貸費学生制度の執行の状況につきまして御説明をいたしましたが、もう一つのたとえば医学、歯学の関係の衛生貸費学生制度は、それぞれ昭和三十年ないしは三十一年からスタートいたしております。御存じのように、防衛庁といたしましては、特にこの衛生の部門、医療の部門に対しましては非常に心を砕いてまいったわけでございまして、そしてできた制度でございますが、実はこの種制度は防衛庁だけが持っておる制度でございませんで、類似したような、全く同じとは申しませんが、類似したような制度はやはり同じような行政需要から生じて他省庁にも二、三散見できるわけでございます。わが防衛庁といたしましては、この二つの制度はこの制度なりにさらに磨きをかけて、すばらしい学生諸君がこの制度のもとで育成されて、そしてわが国防衛のためにこの防衛庁に参加をしてくれて、青春の時期、この国の防衛の任に当たるという崇高なる使命を果たしてくれる人材が、一人でも多くこの制度のもとに育成されていくことを心から願っておるわけでございます。

上野隆史防衛庁人事教育局長

○政府委員(上野隆史君) とょっと補足して申し上げますと、先ほど二つの制度があってそのうちの一つだけ申し上げたわけでありますが、御質問がそうだと思ってあるいは取り違えたのかもしれませんけれども、衛生貸費学生の方を申し上げますと、これはそういう意味で執行額と予算額はほぼ合っております。たとえば五十三年度で申し上げますと、五十三年度は約五百万円の予算額に対して執行額は四百三十万円、あと詳しくは省略いたしますが、五十四年度は六百二十万円に対して約五百万円の執行額、五十五年度は予算額が六百九十六万円に対して執行額は約六百七十万円、五十六年度は予算額六百九十六万円に対して五百三十万円、五十七年度は六百九十六万円の予算額に対して執行額は五百二十二万円というふうになっておりまして、衛生貸費学生につきましてはこの率はほぼ適正な、適正と申しますか、予算額と執行額はほぼ見合っておるというふうに理解しております。

佐藤昭夫日本共産党

○佐藤昭夫君 先ほどの防衛庁長官の答弁はむしろ開き直っておるというような感じがするわけですけれども、私は根拠を示してこういうことを申し上げておるわけですから、ひとつ謙虚にその点についても耳を傾けて、一体どういうふうな――少なくともあの実態がいいとは思われないでしょう、不用額をよそに流用したり、たくさん不用額を残しておるというこの姿を。だからそういう点についてはどういうふうに改善をするかということを初めとして、この制度自身をどうするか、ぜひ検討をしていただく必要があろうと思いますが、最後に文部大臣、お聞きになっていて、この臨調からの育英資金制度に対しての圧力がかかってきておる、そういうもとでいろいろ苦悩をされておると思うんですけれども、文部大臣、文部省としては。そういうもとで防衛庁ではこういうことがのうのうと起こっておるということについてどう思われるか。いまこそ閣僚の一人として軍事費が大手振ってのし歩いておる、軍事費が突出をしておるというこのことにも目を向けて、教育を守る、育英資金の有利子化に反対をしていくひとつ決意を新たに取り組んでもらいたいというふうに思いますが、決意をお伺いして質問を終わります。

瀬戸山三男自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(瀬戸山三男君) いまさら申し上げるまでもなく、いわゆる育英奨学事業は教育の機会均等、それから人材養成とか非常に重要な政策、施策としてわれわれは重視してできるだけ拡充をしたい、こういう考えでおります。いまの防衛庁の制度は、これは防衛庁の特殊事情によるものと思いますが、それとは別に一般的な育英奨学制度はできるだけ拡充をしていきたい。ただ、御承知のとおりに一般財政その他非常に窮屈でございますから、いま御指摘の臨調からこの問題について改善を指摘されております。それはいわゆる事業量といいますか、事業の拡充のためにはどうしても一部有利子制度をとるとか、あるいは財政投融資から資金量をふやすとか、こういうことも考えたらどうかということでありますが、これも一応もっともな点があると思います。でありますから無利子制度を基本にしながら、多少でも利子を払ってもできるような立場の方には有利子制度で資金を拡充して、そしてできるだけ広く奨学制度が均てんするようにしたい、こういうことでいま検討を進めているというのが実情でございまして、必ずしも私は防衛費をことさらに突出して奨学制度をないがしろにしていると、かようには政府部内では考えておらないわけでございます。

安恒良一日本社会党

○委員長(安恒良一君) この際、塩田防衛施設庁長官より発言を求められておりますので、これを許します。

塩田章防衛施設庁長官

○政府委員(塩田章君) 先ほどの佐藤先生のお尋ねの中で、社会保険料の事業主負担分につきましてのお答えにつきまして、若干恐縮ですが補足さしていただきたいと思います。  と申しますのは、五十九年度の概算要求におきまして、社会保険料の事業主負担分につきましては、先ほどもお答えいたしましたが六・五七%のアップを見込んで計上をいたしております。これはなぜかと申しますと、先ほどもほかの省庁からもお答えがありましたように、公務員の給与そのものにつきましては当然ベースアップを見込んだ要求になっておりません。わが方もそれは同じでございます。ただ、この事業主の負担分につきましては人件費でございませんものですから、福利費ということで別途の費目になりますものですから、人件費のベースアップがあって補正予算が組まれるという段階がもしございますと、その対象にならないと。この分だけは対象にならないというおそれがありますので、事前にこの分だけは組んでおくというようなことをやっております関係で、事業主負担分を別途アップして計上さしていただいておるということで、先ほどのお答えによりまして、もし給与そのものをベースアップを見込んで予算計上したのではないかというふうにとられたとしますと大変誤解になりますので、恐縮ですが、その点を補足さしていただきます。

井上計民社党・国民連合

○井上計君 最初に、大蔵省に伺います。通告してある質問の前にちょっと一言お伺いしたいんですが、いま同僚議員の質疑を伺っておりまして感じましたことですが、軍事費という表現がずいぶん出ておりますが、わが国の予算項目の中に軍事費という項目があるのかどうか。これ一言大蔵省、お願いします。

的場順三大蔵省主計局次長

○政府委員(的場順三君) お答えいたします。  軍事費という予算項目はございません。

井上計民社党・国民連合

○井上計君 はい、わかりました。  昭和五十六年度決算の一般会計で約二兆五千億円程度の実質不足になっておりますが、このこと については一昨日かなり質疑が交わされております。  そこで、関連をして、印紙税についてひとつお伺いをいたしたいと思います。  五十六年度の印紙税収入の当初予算額は一兆三千八百二十億円、これは大蔵省からいただいた資料でありますが、それに対して決算は一兆一千七百二十九億円と、このように大幅に当初予算との差が生じておるわけでありますが、そこでお伺いいたしたいのは、この当初予算額の一兆三千八百二十億円を見積もりますときに、というのは五十六年四月から印紙税等が一躍倍になったわけでありますが、そのときに、見積もりのときに印紙税が収入をどれぐらいの見積もりをされたのか、まずそれをお伺いいたします。

大山綱明大蔵大臣官房審議官

○政府委員(大山綱明君) お答え申し上げます。  印紙税収入は印紙という形で入ってまいりますものですから、印紙税収入とそれ以外の登録免許税その他の罰金等々一本に入ってまいります。したがいまして、正確に印紙税収入は幾らかというのを計算をいたす統計上の手法はございませんが、大ざっぱな推計をいたしますと大体七千八百億円程度、ただいま先生おっしゃいました一兆三千八百二十億のうちの七千八百億円程度でございます。

井上計民社党・国民連合

○井上計君 そこで、いただいた資料によりますと、五十四年度は当初予算額に対して決算が一〇一・六%、五十五年度は当初予算額に対して決算が八九・二%、そうしていまお答えがありましたけれども、七千八百億円程度の印紙税収入を見込んだ五十六年度の当初予算額は一兆三千八百二十億円に対して決算が一兆一千七百二十九億、八四・九%、さらに昨年度五十七年度は一兆五千五百四十億円に対して一兆二千六百二十七億円の決算でありますから八一・三%、年々当初見積もりよりも決算が実は大幅にダウンをしておると、こういう実態があるわけですね。それはどういうふうな原因であるかというふうに受けとめておられますか。

大山綱明大蔵大臣官房審議官

○政府委員(大山綱明君) 私ども税収の見積もりをいたします場合には、それに先立ちまして発表されます経済企画庁の経済見通し、GNPの伸び率でございますとか、物価の指標でございますとか、そういったものをもとに税収見積もりをいたしております。印紙税につきましても、たとえば五十六年度の場合には経済企画庁の経済見通しにおけるGNPの伸び率が九・一%であるといったものを前提といたしまして見積もりをいたすわけでございます。

井上計民社党・国民連合

○井上計君 明確な区分けができないということでありますから、いまのようなお答えになろうかと思います。  そこでね、私ずばり申し上げますけれども、五十六年の四月に多くの反対を押し切って金銭受領等受取等の印紙税が一躍倍になったわけですね。その影響によってやはり印紙税収入が減ったと、こういうふうな受けとめ方はしておられませんか。

大山綱明大蔵大臣官房審議官

○政府委員(大山綱明君) 印紙税収入につきまして見積もりが間違ったという原因でございますが、第一点はただいま申し上げましたような経済見通し、これが九・一%の見通し、GNPの成長率九・一%の見通しが実際には五・五%、実績では五・五%になったということが一つの原因でございます。  もう一つは、やはり経済取引の態様がいろいろ変わってまいります。たとえば、従来でございますと現金ないしは手形で売買代金の授受が行われていたものが銀行振り込みになりますとか、そういったような取引形態の変化がございます。そういったものが私どもの見通せないところで進んだといったような原因もあったと思われます。その点が先生御指摘の点かと思われます。私どもそういった点は否定するつもりはございません。

井上計民社党・国民連合

○井上計君 いま審議官言われましたね、取引条件の変化等によって減ったであろうという見通し、私そのとおりだと思うんですね。このことは私たしか五十六年の三月だったと思いますが、たしか商工委員会であったと思いますけれども、そのことを実は指摘をしたことがあるんですね。それからさらに、五十六年の四月一日の参議院の予算委員会の分科会でも、これらのことに関連をして、一挙に倍に上げるということについて、逆にそれほど思っておられるような税収はありませんよということを実は指摘をしたことがあるわけです。ところが、当時大蔵省はそんな心配はないようなことを実は盛んにおっしゃっておったわけですね。  そこで、私は申し上げたいんですけれども、何も印紙税が高くなったからあるいは脱税だとかどうとかということをしようというようなことじゃありませんで、実際にこれが、印紙税がどの程度企業経営の中で、経営を圧迫と言うと大げさですけれども、影響度合いが大きくなっておるかということ、そういう事実をもう少しやはりごしんしゃくをいただきたいと、こう思うんですね。この五十六年の四月一日の予算委員会の分科会で私が大蔵大臣並びに政府委員等に対して質問をしたそのときの実は議事録なんですけれども、簡単に申し上げますとね、三万円以上百万円までという受取書が一挙に百円が倍の二百円になる。ところが、すべて大蔵省は百万とか二百万とかという全部区分でお考えになっていますね。だから、〇・〇二%が要するに全部印紙税の負担だと、こうおっしゃっておられる。確かにそのとおりなんですね、その区分でいきますと。ところが、中小企業等の平均の受取書、平均値は大体十万円ですよね。十万円に対する二百円と百万円に対する二百円とは大幅に負担率が違ってくるわけですね。そういうふうなことを全く従来大蔵省お考えになっていないわけです。私、そのとき申し上げたんです。だから、そういうふうなことをもっとお考えいただいてやっていただかなければ、逆に中小企業もやっぱり経営の知恵を働かしますから必ずしも思うようになりませんよということを指摘をしたことがあるんですね。現実にはそうなっていると思うのです。だから、今後とも私は何もそういうふうな、いわば取引条件の変化等どんどん利用して印紙税納入を減らしなさいという指導やPRしているわけじゃありませんけれども、ますますその傾向は強くなっていくと思うんですね。そのことについて今後の対策としてはどうお考えですか。

大山綱明大蔵大臣官房審議官

○政府委員(大山綱明君) 五十六年度に印紙税を税率を倍に引き上げたわけでございますが、そのときには私どもその当時の物価の上昇の状況でございますとか、国民所得の上昇の状況でございますとか、そういった点を勘案いたしまして、それからもう一つ歳入上の必要性といったことを勘案いたしまして総合的にあのような税制を御提案し、お認めをいただいたものでございます。確かに、この文書課税で納税者の自主的な納付、印紙の貼付ということをお願いしていくような税でございますので、いま先生の御指摘のような点もいろいろな面から、角度から検討すべき問題だとは存じますけれども、ただまた印紙税は納税者の自主的な納付ということをお願いする税でございますものですから、制度としては簡明な制度をつくるという要請もございます。そういったことのために、全体とすれば〇・〇二%ぐらいの軽い負担だというものではございますけれども、その限界的な点でいまおっしゃったようないわば一つのゆがみみたいなのが生ずるのはどうしても制度の仕組みとしてやむを得ない点ではございますが、いま先生の御指摘のような点はこれからいろいろ勉強いたします際の貴重な御意見として私ども勉強を続けてまいりたいと思います。

井上計民社党・国民連合

○井上計君 今後ともぜひそういう面についてもさらに慎重な配慮をしていただきたいと、こう思う。  そこで、これはおわかりの数字であろうと思いますが申し上げます。現在中小企業の経常平均利益率は、経常利益率は製造業で大体三%ぐらいですね。流通業、卸業になりますと一%程度ですよ。せいぜい一・五%ぐらい。小売は若干多いですかね。そこで卸業者が十万円の受取を出したと しますね。その場合に十万円の売り上げに対する利益は仮に一%とするとわずかに千円しかないわけですね。千円の利益しかないのに実は二百円の印紙を張って領収書を出しておると、こういう実態ですよね。全部がそうだとは言いませんがね。  そこでたしか昭和四十二年ですね、従来一万円の非課税限度が三万円に上がったのが。昭和四十二年からこれは十六年たっておって依然として三万円なんですね。だから、今後大蔵省としてお考えいただく中で、まず非課税限度額の引き上げ、それから私この引き上げ前にも提案をしたんですけれども、五十万円でワンランク一つ設けたらどうですかと。五十万円までは従来どおり百円に据え置いて、五十万円以上は二百円という形にした方がかえっていいんではないですかという提案をしたんですが、いま審議官が言われたような同じ答弁で全く顧みられなかった。何も賛成してわれわれこれ通したわけじゃありませんけれどもね、そういう経違があるわけです。これは御参考に申し上げておきますが、今後の問題としてひとつぜひお考えいただきたい。  そこで、昨年あたりから印紙税の収入が当初予算額よりか大幅に減っておるというふうなことであるかどうか知りませんけれども、第一線の徴税当局はずいぶんと印紙税について非常に過酷と言えるような調査等が行われているのですね。受取だとか契約書等については当然これはもう収入印紙を張るというのは常識になっていますからみんな張っていますが、いままで商取引間で行なわれておる注文請書であるとかあるいは納品書であるとかあるいは運送業等の荷物の請書であるとかというふうなものが全部これは実は契約書である、こういうふうな考え方で、契約上は何も入っていないのですよ、ただ何月何日こういうような御注文を承りましたという回答をする、それは当然印紙税の対象である、こういうふうな考え方で各出先の税務署で相当調査が行われておるという事実があるのですが、御存じですか。

山本昭市国税庁間税部長

○政府委員(山本昭市君) お答え申し上げます。  国税庁といたしましては、税法の執行機関といたしましてこの法規の適正な運用ということに常に配慮をいたしておるわけでございます。印紙税につきましても、印紙税法に定められました課税対象の範囲ということで第一線の運用が行われておるわけでございますが、ただいま先生お尋ねの点につきまして若干細かなことになりますが申し上げますと、この印紙税法の立て方が、たとえば契約書というようなその定義でございますが、契約書というようなことにつきまして、単にその書類に契約書と書いてある文書にとどまりませんで、その様式あるいはその文書の名称を問わず実質的に契約の成立を証する文書も含まれるというふうになっているわけでございまして、こういったことから納税者の方々が常識的に契約書じゃないとお考えになっておられますものにつきましても、やはりこの印紙税の対象になるということが間々ございます。そういったことがないように、私ども日ごろ指導あるいは広報を通じまして、いかなる場合にこの印紙税の貼付が必要であるかということにつきましてはあらかじめお知りいただくことに努力をしているわけでございますが、なかなかその辺印紙税を納付する場合が非常に多うございまして、遺憾ながらそういう過酷だという御印象を受けるような場合があろうかと思いますが、今後十分にその点は注意してまいりたいと思っております。

井上計民社党・国民連合

○井上計君 印紙税法の定義から言うと、まあ極端なことを言いますと取引に伴う書類はもうあらゆるものに全部印紙税がかかるというふうに、大体そういうふうに受けとめできますよね。そこで契約書と一般の商習慣、長い間の商習慣からいって、契約書というのはいろんな条文が書いてあって、そうしてこれに違背したときにはどうとかこうとかという、そういうふうな違背事項まで明記してあるものが契約書だという、やっぱりこれは一般の商通念があるわけですね、長い間。だからただ単に御注文を何月何日受けました、わかりました、承りましたというふうなそんな連絡文書を契約書だというふうな従来商習慣は、わが国に実は事実上なかったわけですよ。だって事実また国税当局もおととしぐらいまで長い間、何十年の間――何十年と言うのが極端なら戦後でもいいですけれども、一切それらのものについては印紙税云云ということはそういうふうな指導だとかそういう徴収はされなかったでしょう。どうですか。

山本昭市国税庁間税部長

○政府委員(山本昭市君) ただいまのお尋ねの連絡文書と書いた文書につきまして、連絡書と書いてございまして納品の時日を約束をするというような場合におきましては、やはり一つの請負が成立をしたというようなことになるわけでございます。そういったことにつきまして法律の別表を読みますとそういう規定がございまして、私どもは法律を地道に執行しなければいかぬ立場にあるわけでございますが、その辺の納税者に対しますPRとか御指導はかねがね行っていたわけでございますけれども、その辺につきましていかんせん国税庁も定員が不足でございます。なかなか手が及ばなかったということでございますが、その辺は最近はいろいろ誤解が目立ちますものですから、その辺の指導を十分にさしていただいているわけでございます。

井上計民社党・国民連合

○井上計君 法律上そうだとおっしゃればいたし方ないという私は感じがするんですよ。しかし、私がお尋ねするのは、いままでそういうふうないわば注文請書であるとか請書の請負書だとか、まあ厳密に言えば法律上そうかもしれません。本当の連絡的なそういうふうな伝票程度のもの、それから注文を電話で聞いた場合に確認をし、また同時にお得意に回答するために何々の御注文を承りましたというふうな連絡のはがき、そのようなものまで全部契約書、請負書であるというふうな、そういう観点からいままで長い間一切印紙税の徴税はされなかったでしょうということをお聞きしているんですよ。それはもう去年あたりから急に始まったことでしょう、どうですか。

山本昭市国税庁間税部長

○政府委員(山本昭市君) そのようなケースにつきましても、従来から全くそういう印紙の貼付の必要がないということは申し上げていないと思います。それはやはり若干それが最近におきまして目立ってきたのではないかという御認識かと思うのでございますが、私どもはかねがね法の執行につきましては忠実にやっていたつもりでございます。

井上計民社党・国民連合

○井上計君 これ以上私がお尋ねしてもそうだとおっしゃれぬということはよくわかりますからよろしいんですけれども、まあ率直に申し上げまして、足らぬから当初見積もりと違ってきたから、だからそれを当初見積もりに近づけるためにとにかくこぼれているところ、従来はまあまあ目をつぶっておったところ、従来は通しておった、それまでもう全部何でもかんでも取るんだというふうなことになりますと怨嗟の的になるということ、これは申し上げておきますので、その辺のところはひとつお考えをいただかなくてはいかぬ、こう思います。  そこでもう一つ、先ほど審議官、取引条件の変化等によって特に銀行振り込みが非常にふえてまいりましたね、最近は。特に四、五年前から見ますとずいぶんとふえていると思うんです。それは何も印紙税が高くなったからじゃありません。やはり事務の合理化、いろんな面で特にふえたわけですけれども、まさか銀行振り込みまで印紙税の適用をされるお考えはないでしょうな。どうですか。

大山綱明大蔵大臣官房審議官

○政府委員(大山綱明君) 私どもこれからの税制改正の問題につきましては、いま政府の税制調査会におきましていろいろと御議論をいただいているところでございます。いま御指摘の点は、通常の取引でございますと階級定額税率で印紙税がかかるのに、銀行に振り込むとその領収書に二百円の定額税率の印紙税がかかるということで不公平ではないかという議論があるのは事実でございます。それに対してはかけないだろうなというお話でございますけれども、私ども政府の税制調査会にもいろいろ御議論をいただいているときでございますので、いまここでイエスとかノーとか言う ような段階、立場にはございませんことを御理解いただければと思います。

井上計民社党・国民連合

○井上計君 お立場上その程度の御答弁でいたし方なかろうと思いますけれども、いま振り込みの場合には、二百円で要するに通常の受取とは全く違う税制になっていますね。それが不公正だというふうなことであると印紙税法も全般的な見直しになってきますね。したがって、今後ともぜひひとつあらゆる面において慎重に御検討をいただきたい、このことをひとつお願いをしておきます。大蔵省、以上で結構でございます。  次に警察庁にお伺いいたしますけれども、最近の校内暴力事件の発生状況等についてひとつお伺いをいたします。

鈴木良一警察庁刑事局保安部長

○政府委員(鈴木良一君) 警察が処理いたしました校内暴力事件の数でございますが、昭和五十五年千五百五十八件、五十六年に二千八十五件、五十七年に少し減りまして千九百六十一件でございます。このうち教師に対します暴力事件は、五十五年が三百九十四件、五十六年は七百七十二件、五十七年は八百四十三件と著しく増加をしてきておるところでございます。  それから発生校別に見てみますと、昨年の例でございますが、校内暴力事件が発生いたしました学校総数は全部で九百七十四校ございますが、そのうちの約九一%に当たる八百八十四校が中学校で起きております。残りの九%に当たります九十校が高校で起きております。  中学校で起きております校内暴力事件は、公立、私立別に見ますと、中学校ではそのすべてが公立中学校でございます。高校では約八八%が公立高校となっておるという状況でございます。

井上計民社党・国民連合

○井上計君 いただいた資料を見ながらいま御答弁を伺いました。  そこでもう一つ、資料の中に対教師暴力発生件数、五十五年と比較をすると倍以上の増加である。まことに憂慮にたえないと、こう思いますが、そこでもう一つ、生徒間の暴力等の発生件数が総数におきまして、五十五年が千百六十四、五十六年が千三百十三、五十七年が若干減って千百十八、余り変わっていないのですね。そのうち中学校で生徒間の暴力事件等が、五十五年が八百三十で五十七年が千二十六、ややふえておりますが、それらを考え、対教師に対する暴力行為発生というのが大変な実はふえ方であるというふうに強く感じるわけでございます。また後ほどこれらに関連してお伺いしたいと思います。  そこでもう一つ伺いたいのは、少年非行といいますか、少年犯罪等についての資料をちょうだいしておりますが、ちょっと御説明をもう一度お願いいたします。

鈴木良一警察庁刑事局保安部長

○政府委員(鈴木良一君) 警察が刑法犯少年として検挙、補導した人員でございますけれども、四十七年、十年前でございますが、十年前の四十七年は約十万人でございました。それから五年たちました五十二年には約十一万九千人、それから昨年五十七年は約十九万二千人となっておりまして、十年間に約倍になったというところでございます。

井上計民社党・国民連合

○井上計君 この数字を私も伺って特に憂慮にたえない、こういう強いまた感じを持っておるわけであります。  そこでもう一つ伺いますけれども、最近校内暴力事件等が全く発生していない都道府県があるのかどうか、あるいは全くではないけれども、少ない都道府県等がどのような県があるのか、五カ所ぐらい、五県ぐらいひとつありますればお知らせをいただきたい、こう思います。

鈴木良一警察庁刑事局保安部長

○政府委員(鈴木良一君) 昨年とそれからことしの上半期の全国の校内暴力事件の処理状況で御説明を申し上げますが、件数の多少はありますが、いずれの府県でも発生をいたしまして、ゼロという県はございません。また校内暴力事件の最も少ない県でございますが、昨年の例で申しますと石川県、それから福井県、島根県、高知県、宮崎県、この五県でございます。ことしの上半期で見ますと、山梨県、福井県、鳥取県、島根県、徳島県ということになっております。

井上計民社党・国民連合

○井上計君 いま伺いましたが、この少ない理由、どういうふうなところにあるか、どのようにお考えですか。

鈴木良一警察庁刑事局保安部長

○政府委員(鈴木良一君) 校内暴力が発生いたします背景には、さまざまな要因が絡んでいると思います。家庭の問題あるいは学校の問題、地域社会のさまざまの問題が複雑に絡み合っておりますので、それが先ほど申しました県で発生件数が少ないのはなぜかというのはなかなか一概には申し上げにくいことだと思います。ただ一般論で申し上げますと、まあ一つはその地域の特性というものがあろうと思います。それから関係団体あるいは地域住民というのが一体となりまして非行防止活動に努力している、あるいはまた学校における生徒指導というものが非常に効果を上げておるという場合に少ないのではなかろうかというふうに考えておるところでございます。

井上計民社党・国民連合

○井上計君 いまいろんな要因があるということ、私もそうだと思います。  そこで、もう一つ、これは私が何人かのそういうような問題等について研究している人から聞いた話でありますが、日教組の組織率の低いところ、日教組の活動の余り活発でない県等々は校内暴力が大変少ない、こういうことを聞いておりますけれども、この点どうですか。

鈴木良一警察庁刑事局保安部長

○政府委員(鈴木良一君) 必ずしもその連関というものを私どもは十分把握いたしておりませんので、その点についてはちょっとお答えを申しかねる状況でございます。

井上計民社党・国民連合

○井上計君 それ以上のお答えは無理であろうと、こう思います。  では、次いで、関連をしますけれども、文部省に伺います。特に大臣から御答弁いただかなくても政府委員からで結構でありますが、また大臣には大臣にお尋ねすることがありますので、ひとつお聞き取りをいただきたいと、こう思います。  公立学校の教師が法律に違反している行動がかなりあると、こう聞いておりますけれども、次のような場合にはどの法律に違反し、どのような処分、処罰を受けるのか、これをまずお伺いいたします。  第一点は、政治活動を行った場合はどういうふうな法律に違反し、どういう処罰を受けるのか。  それから勤務時間中にデモ等に参加した場合。あるいは勤務時間外であっても政治デモに参加をした場合。  それから三番目に、児童に体罰を加えた場合。体罰とは、その限界は何か。そこらについてひとつお伺いしたいと思います。

高石邦男文部省初等中等教育局長

○政府委員(高石邦男君) まず、公立学校の教職員が法律上禁止されております政治行為は、地方公務員に対する特例として教育公務員特例法という法律があります。その二十一条の三によりまして国家公務員と同様な規制が加えられているわけでございます。したがいまして、その法律の規定に違反したということで地方公務員法二十九条の規定によりまして処分を受けるということになります。また、公職選挙法百三十六条の二にも公務員の地位利用、百三十七条にも教育者の地位利用ということで選挙運動の禁止が規定されておりますので、これに違反した場合には懲戒処分の対象になるわけでございます。  次に、勤務時間内に職場を放棄いたしましてデモ等に参加した場合には、これは地方公務員法三十五条によりまして職務専念義務を負っている公務員でございますので、職務専念義務違反ということで処分の対象になるわけでございます。  また、児童生徒に対する懲戒、体罰を加えることは学校教育法十一条により禁止されております。したがいまして、その学校教育法の規定に違反するということで、地方公務員法三十二条の法令等に違反する行為ということで処分の対象になるわけでございます。

井上計民社党・国民連合

○井上計君 勤務時間外の政治デモ等の参加。

高石邦男文部省初等中等教育局長

○政府委員(高石邦男君) 政治目的を持って多数の人の行進その他の示威運動を企画し、組織し、もしくは指導し、またはこれらの行為を援助するということでございますので、勤務時間外にただ デモに参加するということは勤務時間との関係がございませんので、そのこと自体は特にないわけでございます。ただ、公務員は、積極的にそういう政治目的を持ってそういう行為を企画し、組織し、指導するというようなことになりますと、政治的行為の制限に違反するということになるわけでございます。

井上計民社党・国民連合

○井上計君 政治活動を行った場合は、地公法それから国公法、公選法等の違反だと、こういうお話でありましたが、教育基本法の第八条の二「法律に定める学校は、特定の政党を支持し、又はこれに反対するための政治教育その他政治的活動をしてはならない。」それから、教育公務員特例法の第二十一条の三、これにも、「公立学校の教育公務員の政治的行為の制限については、」云々と、こういうのがありますね。それから次に、義務教育諸学校における教育の政治的中立の確保に関する臨時措置法、この中にも明らかに幾つかの項目がありますね。それから、義務教育諸学校における教育の政治的中立の確保に関する臨時措置法第五条の請求の手続を定める政令というものがあるわけですね。それから、先ほどお答えがありました地方公務員法、国家公務員法、公選法以外にもこういう法律がありますけれども、これでは処罰されないんですか。

高石邦男文部省初等中等教育局長

○政府委員(高石邦男君) 御指摘のように、教育基本法自体には、政治教育について中立でなければならないという抽象的な規定でございますので、この規定自体は、一種の精神規定と申しますか、訓示規定ということになるわけでございます。したがいまして、具体的行為の法令違反ということになりますと、先ほど申し上げた法律のほかに、もう一つつけ加えて申し上げますと、義務教育諸学校における教育の政治的中立の確保に関する臨時措置法という法律は適用になるわけでございますが、教育基本法自体は、そういう倫理的な規定、訓示規定と申しますか、精神をうたっているということに理解しているわけでございます。

井上計民社党・国民連合

○井上計君 じゃあ、教育公務員特例法の二十一条の三、これはどうなんですか。

高石邦男文部省初等中等教育局長

○政府委員(高石邦男君) これは具体的行為について適用されるわけでございます。

井上計民社党・国民連合

○井上計君 とすると、先ほどおっしゃった地公法、国公法、公選法のほかに、義務教育諸学校における教育の政治的中立の確保に関する臨時措置法と、それから教育公務員特例法と、この五つの法律によって処罰されることがあり得る、こういうふうに理解してよろしゅうございますね。

高石邦男文部省初等中等教育局長

○政府委員(高石邦男君) そのとおりでございます。

井上計民社党・国民連合

○井上計君 私は、これから申し上げたいのは、このような五つの法律によって禁止をされておるところの政治活動、これらのものが依然として平然と行われておるところに、大変、現在の法治国家である日本としては由々しさ重大問題である、これをひとつ申し上げたいわけであります。特に、学校教育の水準の維持向上のための義務教育諸学校の教育職員の人材確保に関する特別措置法、昭和四十九年に制定されましたが、この人確法からいって、学校の教師に対しては、一般公務員から比べますと、給与等において格段の、と申し上げますか、あるいは、一定のと、あるいは、ややと言っていいかしりませんけれども、やっぱり優遇措置が講じられておるんですね。このような優遇措置が講じられておるのにかかわらず、実は平然と、法治国家であるわが国の教育に携わっておる人たちが依然としてそのような法律違反をあえて行っておるというところに大変問題がある、こう思うんです。先ほど警察庁からお答えいただきました資料で、いろんな暴力事件が年々発生をしておる。確かに現在の社会環境、いろいろあるでありましょう。しかし、私は、これらの問題に重大な関連がある、このように考えておるんですが、文部大臣どうお考えでしょうか。

瀬戸山三男自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(瀬戸山三男君) 御指摘のように、教師は、教え子といいますか、子供に尊敬される立場にあらなければ、なかなか教育効果は薄いんじゃないかと私は思います。そういう意味で、法律を守り、あるいは規則を守り、秩序を守るという態度で進まれることが教育の効果を上げる。それでないと、やはり児童生徒から尊敬されなくなるとこれは教育効果が薄いし、したがって暴力的になる、こういうことを私は非常に心配しておるわけでございまして、よけいなことでございますが、この前に日教組大会がありました後で新しく日教組の委員長さんができられた。こういうことで今度の大会では校内暴力等について非常に教師の教育意欲が低下しておるという反省があって、教師はこれに全力を挙げて父兄と手を握りあるいは地域社会と協力してそういう非行、校内暴力等のないようにしなければならない、こういうことでいろいろ協議してそういう方針を決めたというごあいさつがありました。私はそれは非常にありがたいことです。将来の日本をしょっていく子弟に対してそこまで考えてもらうことは非常にありがたい。ありがたいが、それは言葉だけでなしにひとつ姿勢をもって示してもらえぬか。それにはまずよくやられる教職員のストライキというもの、これは法律違反でございますから、そういうことをぜひやめてもらうと父兄の方からも教師に対する信頼が加わるでしょうし、また、相提携して非行あるいは児童生徒の校内暴力等を改めることに一致結束して努力する体制ができる。また、子供たちも先生に対しては尊敬し信頼するようになるんじゃないか、こういうことをお願いしたわけでございますけれども、何とかそういうふうにしてもらいたいというのが私の念願でございます。

井上計民社党・国民連合

○井上計君 文部大臣が新しい日教組の委員長とお会いになってそういうふうなことについてお願いをした、こういうふうないまお答えでありますが、言葉の表現はともかくとして、私は日教組の人たちにもっともっと重大な反省をしてもらわなきゃ困る、こういう考え方を非常に強く持っておるんですね。  そこで、日教組の新しい委員長もいろんなことをお考えのようでありましょうけれども、先般の日教組の大会で決定をされました一九八三年度の運動方針、全文ここへ私持っておりますけれども、これをずっと見ましても余りそれらの問題等について日教組が反省されたと思えないんですね。それよりかますます、あるいは従来と全く変わらぬように政治闘争を高めようと、政治闘争をさらに積極的にやろうというような運動方針がずっと述べられているわけですね。  これ時間がありませんからこれを一々申し上げるわけにまいりませんけれども、たとえて言うと、冒頭に「反動文教政策の実態について」、「一九八三年三月の参議院予算委員会で、中曽根首相は、日教組の運動方針の基調である「日米安保廃棄、非武装中立、非核三原則を堅持して、反核、軍縮、平和のたたかいをいっそう強める」という方針を「政治闘争」と非難」した。こういうふうに述べられておるわけでしょう。明らかに日米安保廃棄だとか、非武装中立だとかというふうなことは、これは現在のやはりわが国の、いわばわが国の政策、重大な基本政策を真っ向から間違いであるという否定でしょう。完全な政治闘争ですよ。これがもうずっとこのようなものが全文いっぱいあるわけですね。大会スローガンもそうですし、もういろいろなこと全部あるわけです。このようなものがそのまま運動方針として決定されておることを文部省御存じか、どうですか。

高石邦男文部省初等中等教育局長

○政府委員(高石邦男君) 大体のことは承知しております。

井上計民社党・国民連合

○井上計君 承知はしておるけれども、それについて特にどのような対応をされるおつもりであるのかどうか。

高石邦男文部省初等中等教育局長

○政府委員(高石邦男君) 組合運動は自主的な一つの活動としていろいろな方針を決めたり、運動方針を決められるわけでございますから、そのこと自体についてとやかく申し上げる立場にないわけであります。ただ、およそ組合員であっても公立学校の教職員公務員でございますれば、公務員としての服務規律に従って職務に専念しなければ ならない、そういう立場を持っているわけでございます。したがいまして、わが国の法令に反するような形で職務が遂行されたり、教育が行われるということについては、毅然たる態度でそういうことのないように指導していかなければならないし、現にそういう形で都道府県教育委員会を指導してまいっているわけでございます。

井上計民社党・国民連合

○井上計君 組合運動が自主的に行われることについて文部省が容喙すべきでないということについてはわかります。しかし、この運動方針のとおりに日教組が活動されたら、先ほどお伺いしているような幾つかの法律違反を伴うわけですから、厳然と。それについては毅然たる態度で臨まれるように、各都道府県の教育委員会に対して、ひとつ十分なる指導をされるおつもりがあるのかどうかお伺いいたします。

高石邦男文部省初等中等教育局長

○政府委員(高石邦男君) ただいままでも指導してまいっておりますし、今後も十分なる指導を重ねていくつもりでございます。

井上計民社党・国民連合

○井上計君 従来も十分なる指導をしておられるということでありますが、私は率直に申し上げて、余り適確な十分なる指導をされていないなあという感じもするわけです。時間があれば詳細に、いろんな私が持っておる資料でむしろ文部省に教えてあげたいという気持ちもあるんですが、時間がありませんからまあ簡単に言いますけれども、去年一年間のいろんな処分等がありますね。その中で懲戒免職等は何も一件もないわけですね。実際には懲戒免職に該当する違反事実がたくさんあるでしょう。実際には――何も懲戒免職全部しなさいという意味じゃありませんが、明らかに懲戒免職に該当するような、そういうふうな違反事実があるんです。ところが、一番重くて停職、減給、それでもう九十何%まで戒告だけでしょう。それが果たして従来とも適確な、適切な指導をしておられるかとはちょっと実は思えないと、こう思います。もうお答え要りません。だから、そういうようなこともひとつお考えをいただかなくちゃいかぬ。  そこでもう一つ、やはり今度の大会で決定をいたしましたが、従来と同じでありますけれども、救援資金特別会計というのがあるんですね。これは御承知だと思います。もちろん文部省、そのような資料は手に入れておられると思いますが、昨年度、一九八二年度の実績は、決算は百七十五億一千四百九十万六千何がしですよね。ことしは若干減っていますけれども百六十四億七千百六十三万八千何がし。この膨大な救援資金特別会計を計上しておるということは、明らかに法律違反を前提とした活動をすると、こういうことなんですよ。そうとしか思えないんです。法律を守っていくということであるなら、何もこんなもの必要ないわけですね。しかも、一般の組合費は月額約五百二円であるのに、この救援資金特別会計の収入予算は、一組合員当たり今年度一カ月千八百五十円、八二年度は約二千円だったわけですね。  だから、これだけ膨大な、いわば一カ月一人平均二千円近くの救援資金特別会計というものを徴収し、あるいは拠出か知りません、まあ表現はどちらでもいいと思いますが、そこまでしてこの膨大な、百七十億円前後のこのようなものを予算計上して、すでに年々支出をしておるという事実があるわけでしょう。これらについてどうお考えですか。

高石邦男文部省初等中等教育局長

○政府委員(高石邦男君) 具体的組合内部における執行の詳細については承知できませんが、一般的に過去ストライキ等において戒告以上の処分を受けた人に対しては昇給延伸の措置がとられているわけであります。また、賃金カット等の行為が行われるということで、過去の累積のそういう形での給与上の損失と申しますか、組合の立場で言うと給与上の損失を受けていると。そういうものが毎年毎年積み重なってきているということから、過去のものに対する救援を組合の負担で実施をするというような形で救援資金が積み上げられておると思われますので、まあ今後こういうようなものをどの程度見込んでいるか、そこまでは詳細に掌握いたしかねますけれども、少なくとも過去の累積に必要な資金という形での積み上げが行われていることは事実だと思います。

井上計民社党・国民連合

○井上計君 私ももっと突っ込んだ質問をしたい点もありますが、余り突っ込んだ質問をするとまたいろいろと関係の方面から、またいろんなことを言われると困ります。といいますのは、三月の十一日の予算委員会での代表質問の中で若干触れました。ずいぶんといろんな電話や手紙やはがきが参りました。中にずいぶん嫌がらせやなんかもありましたから、私も余り嫌がらせやなんか聞くのは愉快ではありませんからこれでやめますけれども、まあいずれにしてもこういう事実が厳然とあるということね、過去ずうっと続いてきておる。そういうことについて、やはり文部省は教育の正常化という観点から、余り遠慮しないでもっともっとやっていただかないと困るんです。私ども見ておりますと、どうも文部省は日教組に対して大変遠慮しておられる。これでは教育の正常化は進まぬ。だから国民全体の中で、こういう声がいま非常に強いですよ。だから、それらのことをぜひひとつお考えいただくように強く要請をしておきます。  それから次に、若干お伺いしますけれども、教科書の問題ですが、やはり日教組の運動方針の中に、教科書制度の内容の改悪を阻止して民主的な教科書づくりを進めるなんというような運動方針があるわけですよね。そこで、教科書について、この中には、教科書法制定の動きに反対をすると、こうありますけれども、教科書法等についてお考えあるんですか。

高石邦男文部省初等中等教育局長

○政府委員(高石邦男君) 現在、具体的な法案というような内容の形まではいっていないわけですが、教科書制度につきましては、中教審から今後どうあるべきかということについての答申をいただいているわけでございます。したがいまして、その答申の趣旨に沿って積極的な改善を図っていくよう目下検討を加えている段階でございます。

井上計民社党・国民連合

○井上計君 そこで、これは意見として要望しておきますけれども、現在、わが国の小学校、中学校、さらに高校等の教科書を見ますと、端的に申し上げると、ソ連という国はいい国でアメリカという国は大変悪い国だという印象を与えるような内容のものが非常に多いんですね。私が丹念に調べて、そういう印象をあたかも与えるような、そういう内容が非常に多いんです。  その一例として申し上げると、終戦前後におけるソ連の国際法違反、あるいはポツダム宣言を受諾した以降、八月十五日以降の樺太あるいは千島列島、北方四島への武力侵略、そうして無辜の在留邦人を殺害した、そのようなものは全くないんですね、教科書に。ところが沖縄の問題にしても、広島、長崎の原爆にしても、病院船阿波丸の撃沈にしてもそれは全部詳細に載っていますね。私は何もアメリカのそんなことを載せるなというのじゃないのですよ、事実は事実として記述すべきでありますから。したがって、後世に正しい歴史を残すためには、そのようなやっぱり偏った教科書であってはならぬと、こう思うんですね。だから国民の中に北方四島のなぜ返還運動をするのかというふうなことについて疑問を持っている人が相当いますよ。戦争で負けて、そうしていわば戦争によって占領された北方四島を返せと言ったっておかしいではないかと、そんなことを言うからソ連との間にますます対立が激化して、それでソ連の脅威が高まるのだと、こういうふうなことを言う人が実は相当いるわけですよね。私は今後の教科書の問題等については、ぜひそういうふうな点も配慮していくべきである。もちろんこれは教科書検定委員会等ありますから、文部大臣が教科書についてどうのこうのということじゃないと思いますけれども、率直に申し上げると私は、教科書検定委員会の中に全部とは言いませんが、一部かあるいは少数かどうかしりませんけれども、かなり偏向した考え方の人があるんではなかろうかという実は疑いを持っておる、このことを一つ申し上げておきます。  教科書問題については、もっともっとひとつお考えをいただくべきであるし、やはり正確な歴史 というものは後世に伝えるために、やはりもっと教科書はわれわれとしては重大な関心を持ってこれを見ていかなくてはいけないと、こう思います。これはお答えは特に要りませんけれども、これは要望というよりも主張をひとつ特にまたこの際に述べておきます。  そこで最後に、これは警察庁にお伺いするのですけれども、先ほど文部省からお話がありましたが、労働組合はこれは自主的な運営をするわけでありますから、いわばどのような運動方針を決めようとも何しようともそれは別にそれについてとやかく私は言いません。しかし、明らかに法律違反を行っておると、行っておるということが事実としてあらわれた場合に、警察庁としてはどのような対応をされるのか、最後にそれをお伺いします。

鈴木良一警察庁刑事局保安部長

○政府委員(鈴木良一君) 明らかに法律津反がある場合には厳正に対処していく所存でございます。

井上計民社党・国民連合

○井上計君 終わります。

前島英三郎参議院の会

○前島英三郎君 きょうの最後でございますが、お疲れでございましょうけれども、しばらくおつき合いをいただきたいと思います。  昭和五十六年度決算の審議なんですが、昭和五十六年といいますと、ちょうど国際障害者年の当該年でございまして、長期的統合的な取り組みのスタートの年でございます。障害を持つ者の一人といたしまして、特別の感慨のようなものがあるんですけれども、しかし時代は一カ所にとどまっているわけじゃございませんで、その後時の流れの中で、一九八一年のあの国際障害者年を一つのきっかけとして今後の福祉はどうなっていくんだろうか、そして無事に芽を出して育っていくだろうか、こういうものを常に私たちは注意深く見守っていかなければならない気持ちがいっぱいございます。  さて、国際障害者年の昭和五十六年、一九八一年にもう一つの種がまかれました。この年の国連総会は、次の国際年についての決議をしたわけなんです。それがことし、すなわち一九八三年の世界コミュニケーション年でございます。私は本日、国際障害者年から世界コミュニケーション年への流れということを一つの軸にいたしまして、関係大臣の方々、いろんな方々に質問をしていきたいと思っておりますが、まず郵政大臣に伺いたいと思うんですけれども、郵政省としても国際障害者年に取り組んでいただいたわけなんですが、その基本的考え方、取り組みの重点はどんなものであったのか、その点からまず大臣、承っておきたいと思います。

桧垣徳太郎自由民主党・自由国民会議郵政大臣

○国務大臣(桧垣徳太郎君) 郵政省といたしましては、昭和五十六年の国際障害者年に当たりまして、障害者の方々の社会参加を進めていくということのためには通信や放送のメディアの利用について配意をしていくということが基本的に大切であるという見地から、各種の施策を進めてまいったわけであります。  基本的な考え方についての御質問でございますが、多少中身に入りますと、五十六年の国際障害者年にちなむ寄附金つきの記念切手の発行をいたしました。また、それ以前にもすでに開発を進めておったわけでありますが、福祉用電話機器、いわゆる「ふれあい」の電電公社による開発の着手等の施策を講じてまいったところであります。

前島英三郎参議院の会

○前島英三郎君 昭和五十六年度にはいろんな策定がありまして、長期行動計画もつくられました。「障害者対策に関する長期計画」におきましては、特にいま大臣申されたように障害者の情報、文化関係の諸施策に取り組むことが明記されておりますし、そのときには記念切手を含めたいろいろ郵政省としての取り組みがあったわけですけれども、その後は単年度で、単に花火が、大きく打ち上げられたかどうかはさておきまして、その後郵政省がいろいろ計画したものに対して、そう大きく遂行されているという形跡はないんですけれども、この辺についての五十六年度から、この二年あるいは三年の経緯をどのように郵政省自身は受けとめておられますか。

奥山雄材郵政大臣官房長

○政府委員(奥山雄材君) お答え申し上げます。  先ほど大臣から答弁ございましたように、五十六年の国際障害者年を契機といたしまして、五十七年三月に策定されました「障害者対策に関する長期計画」、これに盛り込まれました各項目に沿いまして、五十七年度以降、郵政省としては情報、文化関係の諸施策について前向きに積極的に取り組んできたところでございます。  数点について申し上げますと、まず長期計画の中で触れられております「電話等通信手段を障害者の利用を配慮して整備する。」という点に関しましては、すでにそれ以前から福祉用電話機器として開発をいたしておりました「めいりょう」とか「あんしん」とか「ひびき」とか、といったようなものに加えまして、先ほど大臣が答弁いたしましたように、五十七年の十月に「ふれあい」という新しい機器が開発されております。またその後、さらにもっと安くて使い勝手のいい福祉用電話機器を開発すべく、現在鋭意研究開発に努めているところでございます。  また、長期計画の次の項目にございます「テレビジョン放送等を障害者も利用できるよう改善に努める。」という点に関しましては、NHK、民間放送事業者とも放送番組に手話放送を従前から導入しているわけですけれども、それをさらに鋭意継続して、でき得べくんば拡大してもらいたいといったようなことで指導をしております。  さらに、これはごく最近のことでございますが、耳の御不自由な方がテレビを視聴される場合には、テレビのいわゆる文字多重放送が非常に効果的であるということが判明しておりますので、この十月の三日から東京及び大阪で文字多重放送の実用化試験放送を開始いたしたところでございます。中身といたしましては、耳の不自由な方に向けてのニュースとか、あるいは天気予報等八番組がさしむき考えられております。  またさらに、長期計画の最後の項目でございます情報、文化に係る経費負担の問題につきましては、軽減措置につきましては郵便料金の減免、放送受信料の免除――これは従前からの措置でございますが、その後福祉用電話機器、先ほど申し上げました四種類の機器すべてにつきまして、定額の付加使用料の設定を五十七年に実施したところでございます。以上でございます。

前島英三郎参議院の会

○前島英三郎君 まあ、そういう形での努力は評価するといたしまして、ことしの世界コミュニケーション年についてなんですけれども、今後大変郵政省の力に期待するところが大きいわけなんですね。特に、国際年は情報、通信面での南北の格差をなくしていこうというところから始まったものであるというふうに聞いているんですけれども、そのことの重要性は同感なんですが、しかしまあ同時に、工業先進国であるわが国のいわば内なる南北格差にも目を向けるべきではないかと思います。  すなわち、進行する情報化の波から取り残されつつある人々に対して、どのようにコミュニケーションの機会を保障していくかという問題なんですけれども、具体的に申し上げますと、視覚障害、聴覚障害、言語障害等のコミュニケーション機能上の障害を持った人々はこれはもう大変な数の方々がおります。また、年老いてきますとやがて目は見えなくなる、あるいは聴覚に障害も起きてくるということを考えていきますと、その辺はわが国では大変おくれているんじゃないか、こう指摘せざるを得ないと思うんです。  私は、世界コミュニケーション年というこの機会に、これらの人々に対する社会の配慮を飛躍的に前進させるべきではないか、こう思っております。世界コミュニケーション年の取り組み状況を見ますと、先ほども伺いましたようにきわめて不十分で、わずかNHKの文字多重放送の実施に見られる程度であると言っても差し支えない。しかし、これも聴覚障害者のためとはいえ、アダプター一つをとりましても十万円から二十万円という高額なものでありますと、何となく聴覚障害の問題が単に見出しだけで、当事者にとっては喜びも単なるひとときにすぎない、こんな感もするわけ ですけれども、そういう意味では、やはりこうした問題を含めましていろいろ郵政省もこれから大いに努力をしていただきたいと思うのですが、聴覚障害者の電話利用とかあるいはテレビ放送の利用とかあるいは視覚障害者への点字情報とか音声情報の提供とか、いずれも機器の開発、普及ということは大切なんですけれども、それがいかにその当事者に国の制度の中で使われていくようにニーズにこたえられるような形になっていくか、ということが今後は大切ではないかというように思うんですけれども、その取り組み、位置づけにつきましては郵政省はどのような今後の感覚をお持ちか伺っておきたいと思うんですけれども。

桧垣徳太郎自由民主党・自由国民会議郵政大臣

○国務大臣(桧垣徳太郎君) ことしは御指摘のように世界コミュニケーション年に当たるわけでございますが、大変広範なコミュニケーションの発展のための課題を持ってこれはスタートをしたわけでありまして、コミュニケーションに対する政策の反省、検討というような問題からスタートをし、またコミュニケーションに関するインフラストラクチュアの整備の契機にする、あるいはまたコミュニケーションに関する国民全体としての認識を深めていく機会にしようというような大筋のことで、このコミュニケーションの課題と取り組んでまいってきたわけであります。  もともとコミュニケーションというのは、人間関係の最も基本的な要素であるということであるわけでありまして、コミュニケーション年のそのもともそれから出ておるということでございますから、国際的には南北の格差の問題がありますし、また国内でも地方と中央のコミュニケーション、情報格差というものがあります。また、コミュニケーションの手段としてのメディアの利用につきまして、お話しのように正常な人間とそうして障害のある方々との間にも格差があることもこれも事実であります。そういう意味で、私どももいままでもそういうつもりでやってきたわけでありますが、今後も引き続いて障害者の方々がより便利に、また日常的に利用可能なメディアの開発ということに力を注いでいきたいと思っておるわけであります。あらゆる機会をつかまえまして試作いたしましたコミュニケーションメディアについて障害者の方々の御意見を聞くというようなことに努めてまいっておるわけであります。ただ、障害者のためのより便利な、より使いやすい手段を開発しようといたしますと、これはなかなか、そういうことに対する熱意で取り組みましても事実上相当の時間がかかるものでありまして、現に電電公社の研究所等でも研究は継続してやっておるわけでございますが、障害者の方々の御意向、また使用上の御意見、そういうことを十分くみ上げながら今後も真剣に取り組んでいきたいというふうに思っておるわけです。

前島英三郎参議院の会

○前島英三郎君 ぜひ今後引き続いて郵政省の取り組みを期待すると同時に、またそうした新しいものが気楽に、気軽に、まあこの辺は厚生省の絡みに公費負担の問題は絡んでくるだろうと思いますけれども、ぜひ暮らしの中で使えるような生きた施策を推進していただきたいと思います。  さて、内なる南北格差と申しますか、障害を特にコミュニケーションの部分で保障され得ない人人に対してお願いしたいことは、こうした審議をしております中におきましても、この参議院の中においても当然考えていかなければならないというふうに思うんです。きょうはわざわざ事務総長にもおいでいただいておりますけれども、本年点字の国会案内板などが作成されるなどいたしまして、院としての努力の跡が歴然としていることは大変うれしく思います。しかし、まだ十分でないこともまた認めざるを得ません。憲法はその五十七条におきまして、両院の会議を公開とすること、会議の記録を公表、頒布しなければならないことをうたっているわけなんですが、この規定を完全に実施するためには、会議の傍聴席には手話が、あるいは会議録は点訳されるといった幾つかの配慮がなされる必要があると思うんです。これらの点についてこれまで検討されたこともあるんでしょうし、私も院の改革協とかあるいは議運等を通じまして提案を始めているわけなんですけれども、事柄がコミュニケーションにかかわることでもありますし、地方議会でもまだ傍聴が許されないというような状況などを聞きますと、特に聴覚の障害のある人たちがなかなか、一体どういう形で自分たちの問題が国会で討議されているんだろう、あるいは暮らしの問題が議論されているんだろうというものに非常に遠くに捨ておかれている状況を思いますと、やはり具体的な解決の方策を、こういうコミュニケーション年に私は良識の府である本院にふさわしいことではないかという気がいたしますので、一体何がネックになっているのか、いまそうした状況はどうなのか、参議院事務総長としての立場から御答弁をいただければと、こう思いまして、本会議場に手話も政府で気軽に派遣されるように、あるいは厚生省も手話に対してのかなりの助成、努力をしております。文部省は、手話は若干認めていないような状況もありますけれども、これは後でただすといたしまして、こういうコミュニケーション年にやはり参議院として私はやるべきだと、こう思うんですが、いかがですか。

指宿清秀参議院事務局事務総長

○事務総長(指宿清秀君) お答えいたします。身体障害者の方々に対しましては、社会的な要請も踏まえまして、参議院といたしましては、御承知のように、かなり意欲的な努力を積み重ねてきたと私は承知をいたしております。ただいま御指摘の本会議、会議の公開という立場からいたしまして、この徹底を期するために、視覚障害者に対しましてもまた聴覚障害者に対しましても、それなりの十分な配慮をもっと積極的に行うべきであるというお立場での御指摘であろうかと思います。その御趣旨におきましては、私もこれは当を得たものである、そのように考えるわけでございます。ただ、これを実際に実施の面になりますというと、具体的にいろいろ問題がかなり多かろうと思います。  一つの例を申し上げますと、本会議の会議はまさに公開そのものでございますが、委員会の会議は、御承知のように国会法に定めがございまして、原則的には公開ということには必ずしもなっておらないわけでございます。そういうたてまえの、制度の違いもございます。また、現在頒布をいたしております本会議の記録は、官報販売所におきまして官報の号外として一般に頒布をされているわけでございますが、委員会会議録におきましてはそのような制度もございません。こういったような問題、その他幾つかの問題がございますので、事務局といたしましてはその辺の問題をこれから十分に検討していかなきゃならぬかと、こういうふうに考えております。  御参考までに申し上げますと、先日の参議院改革協議会の中の小委員会の場におきましても、ただいま先生御指摘のような問題についての提案もございました。事務局といたしましては事務局の立場において十分に検討していきたいと思いますが、同時に、そのようなしかるべき機関での御協議、御決定を待って対応すべきものと、こういうふうに心得ておる次第でございます。  以上で御答弁を終わらしていただきます。

前島英三郎参議院の会

○前島英三郎君 どうもありがとうございました。引き続き、特に本会議の部分におきましては、事務局としても前向きに努力をしていただくようなことを特にまたお願いをしておきます。  聴覚障害者がいま三十三万という調査の結果でありますけれども、厚生大臣にお尋ねしたいんですが、現在の障害程度を示すいわゆる等級表なんですが、聴覚障害者は一級がなく二級から始まっておりますですね。この等級表の制定当時とは情報化の進行度が著しく評価が大きく変わってしかるべきだと考えます。すなわち、コミュニケーション上のハンディキャップは他の機能障害と同等と考えるのが当然ではないか、このように私は思うんです。その意味において、厚生省においても聴覚障害者対策という意味におきまして、たとえば等級の見直しの問題、特に聴覚の障害ある人々の悩み、苦しみというものはこれまたはかり知れない大きなハンディキャップがあるものでありま すけれども、その辺はどのような厚生大臣の考えか、伺いたいと思います。

林義郎自由民主党厚生大臣

○国務大臣(林義郎君) 先生御指摘のとおり、聴覚障害者の方々はコミュニケーション上さまざまな困難に直面しておられる方でございまして、これらのハンディキャップを軽減し除去することは、身体障害者福祉におけるきわめて重要な問題というふうに私どもも認識をしているところでございます。現行の障害程度等級表は身体障害者福祉審議会に審査部会という専門部会がございまして、そこでの専門的な意見を聞いて定めることになっているところでありまして、聴覚障害の等級を見直すことについては、他の障害とのバランスもありまして、慎重に対処いたしたい、こういうふうに考えております。

前島英三郎参議院の会

○前島英三郎君 そうしますと、見直しもあり得る、言葉が慎重という言葉は非常に何かあやがあるようなことをよく聞くんですけれども、そういう期待感もあるというとり方でよろしいでしょうか、大臣。

持永和見厚生省社会局長

○政府委員(持永和見君) いま大臣から御説明いたしましたように、この問題非常に専門家の先生方の御意見を聞いて決めたものでございます。障害全体の問題として、聴覚障害の方々だけを取り上げて議論するというよりも、全体としての障害の等級表の見直しというのは、いずれにいたしましてもこれは私どもやっぱり時代の変化に応じてやっていかなければいかぬと思いますから、そういう意味合いにおきまして、そういった一環の問題としてこれは考えてまいりたいというふうに考えております。

前島英三郎参議院の会

○前島英三郎君 聴覚障害者にとって手話は大切な日本語なんですけれども、厚生省の手話に対する施策というのはかなり力を入れていると私も評価しております。  そこで、文部省なんですけれども、文部省は聴覚障害者が社会では手話を多く使用しながら、その前の段階の聾学校において手話が不当に軽視されているという点なんですね。世界の聾教育の現状を見ましても、手話を含むいわゆるトータルコミュニケーションが主流となりつつある、こういう状況なんです。あるいは公開におきましても、口話という部分も大切には違いありませんけれども、やっぱり多くの人々の前でお互いに議論をし合うのにはもう手話をおいてないわけであります。むしろその手話こそは世界共通語にすべきだというふうな非常に先端を行く意見が人々の中に芽生えている状況なんですね。にもかかわらず、非常に排斥するがごとき状況というのは、これは誤っているんじゃないか、こういう気がするんです。労働省も結構手話の育成のためには努力をしております。厚生省も努力をしております。しかしそれが日本語であるという語学という点での、文部省においてそうした排斥の動きがあるという部分はどうも理解ができない。その辺聾教育の中に手話を正当に位置づけ取り入れていくべきではないかという気がするんですけれども、その辺いかがですか。

高石邦男文部省初等中等教育局長

○政府委員(高石邦男君) 別に排斥しているわけでございませんが、先生も御存じのとおりに、聾学校教育ではまず何といっても子供たちに日本語を理解してもらう、日本語の概念がないといろんな言葉の伝達の手段が基本的に貧弱になっていくということになるわけであります。したがいまして、日本語をできるだけ理解させる、そのためにどうしても障害児の中でも残存の聴力を最大限に活用していく、そしてその聴力を利用しながら日本語の言葉というものはどういうものであるか、また日本語をしゃべるというために口話法を利用するというような形の基礎教育ということを、やはりこれは重視せざるを得ない、もっと徹底してやっていかなければならないということを基本的に思うわけでございます。  ただ、先生も御指摘のように、そういう手段を講じてもなお障害のある子供もいるわけでございます。それから現に社会的に情報の伝達の手段として手話その他の内容が使われてきておりますので、そういうものをあわせて学校教育の中で併用していくという併用の段階をいまとっているわけでございます。したがいまして、その併用の拡大というものは一方においてやっていかなければならないと思っております。その際に手話の共通な型と申しますか、共通理解、これについてある程度できるだけ早い内容のものが統一されていけば、学校で教える場合にもそれが徹底しやすいということもあるんで、一方においてはそういう共通理解の確立ということを待ちながら、現状においては併用する拡大を図って、どういう形で学校教育の中で位置づけしていったらいいかということを今後も引き続いて前向きで検討してまいりたいと思っております。

前島英三郎参議院の会

○前島英三郎君 私はその口話を否定しているんじゃないんですよ、これは勘違いされちゃ困るんですけれども。たとえば郵政省で、NHKに手話の時間を設けている、あるいはニュースや天気予報もそうしたものを入れようとする。あるいはまた、社会参加する上には労働省の窓口には手話のできる人を配置する。福祉事務所にも配置しようと。あるいは黄色いハンカチ運動もしようと。いろんな手記サークルがいろんなところに育っているわけですね。だからやっぱり、併用していくという部分においても、その手話そのものにもいま北海道から九州の手話の中にはなまりもあるんですよ。だから、これはやっぱり教科書を、やはり検定教科書をつくるように、文部省でも手話というものをある程度長期的なビジョンを立てて計画して、やはり教科書に値するようなものを僕は、前向きとおっしゃるならば、至急やっぱりこのコミュニケーション年を機会としてやっていただきたいと思うんです。  そういう意味でも、最後に大臣の御決意を伺って、もうちょうど時間になりますので、私の質問を終わりたいと思います。

瀬戸山三男自由民主党・自由国民会議文部大臣

○国務大臣(瀬戸山三男君) いま初中局長から申し上げましたように、まあ聴能力があるいは全然ないか、多少あるかと、いろいろあるわけでございます。でありますから、そういう子供たちにやはり日本語というものをどうしてもできるだけわかってもらいたい。これがいま基本にやっておるわけでございます。最近補聴器なんかもできましたから、それで相当成果を上げておる点もあるわけでございますが、おっしゃるようにそれでも言葉が入らない、したがってわからないという程度の高い方もいらっしゃるようですから、そういう意味で、現在は手話あるいは指話の話があるそうですけれども、どちらか私細かく知りませんが、そういうものを含めて現在やっておるところも相当ふえておる。でありますから、やはり日本語を知って、その日本語をどうしてあらわすかということが前提になるという立場でいまやっておるわけでございまして、おっしゃるように、手話というのは非常に今日広く用いられるようになりましたが、今後いまおっしゃったようなことの検討を進めていきたいと、かように考えております。

安恒良一日本社会党

○委員長(安恒良一君) 以上で、昭和五十六年度決算外二件の総括質疑は終了いたしました。     ─────────────

安恒良一日本社会党

○委員長(安恒良一君) この際、派遣委員の報告に関する件についてお諮りいたします。  先般、当委員会が行いました国家財政の経理及び国有財産の管理に関する実情調査のための委員派遣については、各班からそれぞれ報告書が提出されておりますので、これを本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

安恒良一日本社会党

○委員長(安恒良一君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。  本日はこれにて散会いたします。    午後六時十三分散会

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