地方行政委員会 第2号
- 発言数
- 15 件
- 登壇者
- 4 名
- 会派数
- 1
- 開催日
- 1983/10/31
会議録
○田村委員長 これより会議を開きます。 日本社会党、公明党・国民会議、民社党・国民連合、日本共産党及び新自由クラブから、それぞれ委員会に出席できないとの通告が参っております。まことに遺憾ながらやむを得ず議事を進めます。 内閣提出、個人の住民税に係る地方税法の臨時特例に関する法律案を議題といたします。 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、これを許します。小澤潔君。
○小澤(潔)委員 私は、付託されている個人の住民税に係る地方税法の臨時特例に関する法律案について質問をいたします。 所得税及び住民税の減税問題については、従来から、自由民主党は国民の減税要求にこたえるため、でき得る限りの努力をしてまいりました。政府においても、減税実現のため最大限の努力をなされ、今回、減税案を決定されましたが、これについて以下四点の質問をいたしたいと思います。 まず第一点。今回の減税案によれば、総額一兆二千百億円、平年度一兆円の減税を実施するものであります。これは、財政再建問題を初め、きわめて厳しい制約条件の中での最大限の選択であったと考えるのでありますが、自治大臣は、今回の減税規模、特に地方税の減税規模についてどのようにお考えをお持ちですか、まず第一点の質問をいたします。
○山本国務大臣 ただいまのお尋ねでございますが、住民税の減税規模は、所得税減税が年内減税で千五百億に対応いたしまして、六百億ということにしております。これは、所得税の税額総額と住民税の所得割総額との比率が大体七対三という比率になっておりまして、そういうことも勘案いたしまして六百億という規模に決めたわけでございます。 さらに、五十九年以降の本格減税につきましては三千億となっております。これも、全体は一兆円ということになっておるわけでございまして、そのうち三千億を地方税として実施をする、こういうことになっております。 御承知のとおり、今日は地方財政はまことに厳しい状態にございます。大変な債務を抱えているという現状の中で、税収も伸びておりませんし、そういう事情を考えてまいりますと、なかなか減税をするという環境に大きく恵まれておるとは言えない、こういう状態にあるわけでございます。そういう厳しい地方財政の中で、これは、御存じのとおりの議長裁定というものを踏まえまして、この際こうした減税を実施することになったものであります。 最近の——最近といいましても五十一年以降の地方税の減税を見てみましても、今回の三千億あるいは三千六百億という規模は、私どもとしては相当の規模の減税を行うことになった、相当思い切った措置をした、こういうふうに考えておるところであります。
○小澤(潔)委員 第二点。今回の減税案によれば、所得税については年内減税が行われることとされておりますが、住民税については、これに対応する措置として、五十九年度分の個人の住民税について六百億円の特別の減税を行うこととしております。 このように、住民税が年内減税を行わないのは住民税の仕組みから来る制約のためとされているのでありますが、これだけでは国民は十分理解できないと思いますので、この点についてもわかりやすく説明をしていただきたいと存じます。
○関根政府委員 住民税と所得税は、課税の考え方といいますか仕組みが基本的に違うわけでございます。 どこが一番違うかということですが、所得税はあくまでも申告納税というものが原則でございます。したがって、所得のある人たちが自分で計算をする、あるいは会社に勤めている人は会社の給与支払い者が計算をいたしまして、所得がこれだけなんだから税額が幾らかということを自分で決めまして、決めた数字を税務署へ払い込む、こういう仕組みであるわけです。ところが住民税の方は賦課課税でございまして、課税庁であります市町村が住民の所得を調べまして、自分の方で税額計算をいたしましてそれを通知をしてやる、その通知に基づいて納期に納めるという仕組みになっているわけでございます。 したがいまして、年度途中で住民税の減税を実施するということになりますと、いま申し上げました税額計算を、三千三百ほどの市町村があるわけでございますが、その団体がすべて一人一人の納税者についての税額計算のやり直しをしなければいけない、こういう問題があるわけでございます。所得税には幸いにしてそういう問題がございませんので、しかも、年末調整というような方法を通ずることによって比較的住民税に比べますと簡単に事務処理ができるということから、年度途中での減税も可能であるわけでございますが、住民税では、そういった課税事務のやり直しを年度途中でやりますと、大変な経費もかかりますし手間もかかります。無理にやらせましても、その事務処理期間は少なくとも四カ月はかかるというふうに私ども考えておるわけでございます。そういう状況の中ではとても無理である、実際上困難であるというようなことから、従来からも、住民税については年度途中で減税をしたことがないわけでございます。 そういった住民税の特殊な状況をぜひ御理解をいただきたいと考えておる次第でございます。
○小澤(潔)委員 次に、今回の千五百億円の所得税の年内減税に伴い、今後の補正予算で地方交付税の計上額を減額する事態となることが予想されますが、そうなった場合には地方財政の運営に支障が生ずることに相なりますので、その補てんについて自治大臣の格別の御努力を要望しておきます。 ところで、今回の減税案によれば、昭和五十九年度において減税額三千億円の本格的な住民税減税を実施することとされていますが、その内容はどのようなものが予定されているのでしょうか、この件についてお伺いをいたします。
○山本国務大臣 住民税の本格減税につきましては、昭和五十九年度において実施することとしておりますが、その規模は平年度三千億と予定をいたしております。 その内容といたしましては、基礎控除、配偶者控除あるいは扶養控除の引き上げをすることといたしまして、それぞれの控除を少なくも三万円程度引き上げ、あわせて税率構造に必要な調整を加えるということを考えております。 しかし、いずれにしましても、その本格的減税の内容につきましてはさらに検討を行いまして、また税制調査会も中長期的な税制についての検討をしていただくことになっておりますので、その答申を待って内容を確定をし、改正法律案を来年の通常国会に提出するという考え方ております。
○小澤(潔)委員 今後、中長期には、住民福祉の充実を図るために地方税源の充実が必要と考えられますが、その実現のためには国民の理解と協力を得ることが不可欠であると思います。そして、そのためには地方団体の行政の簡素合理化の推進や高給与の是正等の措置が十分に講じられなければならないと思います。また、さきに本年度の人勧に基づく給与改定について閣議決定がなされていますが、地方団体に対する給与改定指導も的確に行われなければならないと思います。これらの点について自治大臣の一層の御努力を要望して私の質問を終わりたいと存じますが、大臣の所見があれば、ひとつお伺いをいたしたいと存じます。
○山本国務大臣 行政改革は国、地方を通ずるいま国民の最大の要請でありますから、それらを十二分に考慮いたしまして地方における行財政の簡素合理化という点について努めなければならないと考えておりますし、あわせて、いまお尋ねの給与問題につきましても、国家公務員並みということを軸といたしまして地方団体の善処方を要請してまいりたい、こう考えております。
○小澤(潔)委員 終わります。
○田村委員長 これにて質疑は終了いたしました。 —————————————
○田村委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。 個人の住民税に係る地方税法の臨時特例に関する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○田村委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田村委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○田村委員長 本日は、これにて散会いたします。 午後二時三十分散会