行政改革に関する特別委員会 第2号
- 発言数
- 329 件
- 登壇者
- 25 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1983/09/26
会議録
○金丸委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、国家行政組織法の一部を改正する法律案、国家行政組織法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整理等に関する法律案、総務庁設置法案、総理府設置法の一部を改正する等の法律案、総務庁設置法等の一部を改正する法律案及び行政事務の簡素合理化及び整理に関する法律案の各案を一括して議題といたします。 政府から順次趣旨の説明を聴取いたします。齋藤国務大臣。 ───────────── 国家行政組織法の一部を改正する法律案 国家行政組織法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整理等に関する法律案 総務庁設置法案 総務庁設置法等の一部を改正する法律案 行政事務の簡素合理化及び整理に関する法律案 〔本号(その二)に掲載〕 ─────────────
○齋藤国務大臣 ただいま議題となりました法律案につきまして、順次その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 初めに、国家行政組織法の一部を改正する法律案について申し上げます。 行政改革の推進は、政府の当面する最重要課題であります。政府としては従来から行政機構の簡素効率化に努めてきたところでありますが、最近における行政をめぐる内外の厳しい諸情勢のもとで、行政機構の膨張や行政運営の固定化を防止し、その一層の簡素効率化を継続的に促進する必要があります。 このため、昭和五十七年七月三十日に行われた臨時行政調査会の行政改革に関する第三次答申に沿って、行政需要の変化に即応した効率的な行政の実現に資するため、行政機関の組織編成の一層の弾力化を図り、あわせて行政機関の組織の基準をさらに明確にすることとし、この法律案を提出した次第であります。 次に、この法律案の概要について御説明申し上げます。 第一に、府、省等の組織と所掌事務の範囲は現行どおり法律で定めるという原則は維持しつつ、府、省等に配分された行政事務を所掌する官房、局及び部の設置及び所掌事務の範囲については政令で定めることとしております。 第二に、府、省、委員会及び庁には、法律または政令の定めるところにより、審議会等及び施設等機関を置くことができるものとし、また、特に必要がある場合には、法律の定めるところにより特別の機関を置くことができるものとしております。 第三に、庁次長、官房長及び局、部または委員会の事務局に置かれる次長並びに大臣庁以外の庁に置かれる総括整理職の設置は政令で定めることとしております。 第四に、政府は、少なくとも毎年一回、国の行政機関の組織の一覧表を官報で公示するものとしております。 第五に、当分の間、府、省及び大臣庁の官房及び局の総数の最高限度は、百二十八とすることとしております。 なお、以上のほか、その他所要の規定の整備を行うこととしております。 次に、国家行政組織法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整理等に関する法律案について申し上げます。 この法律案は、国家行政組織法について、行政需要の変化に即応した効率的な行政の実現に資するため、国の行政機関の組織編成の弾力性を高めるとともに、あわせてその基準を一層明確にするための改正を行うことに伴いまして、各省庁設置法等関係法律二百三件につき必要な整理等を行おうとするものであります。 次に、この法律案の内容について御説明申し上げます。 第一に、国家行政組織法の一部を改正する法律の施行期日を昭和五十九年七月一日と定めることとしております。 第二に、各省庁設置法等の改正であります。 その一は、新たに各省庁全体の所掌事務の規定を設けるとともに、官房、局及び部の規定を削ることとしております。 その二は、庁次長、局、部の次長、国務大臣を長としない庁に置かれる総括整理職等、政令で定めることとされた職の規定を削ることとしております。 その三は、附属機関その他の機関を審議会等、施設等機関及び特別の機関に区分し、審議会等及び施設等機関について法律で定めることを要しないものについて、その規定を削ることとしております。 その四は、地方支分部局のうち、ブロック単位に設置された機関等の個別の名称、位置、管轄区域及び内部組織は政令で規定することとし、これらについての規定を削ることとしております。 以上のほか、各省庁設置法等について所要の規定の整備を図ることとしております。 第三に、各省庁設置法等の改正に関連する諸法律について所要の改正を行うこととしております。 なお、総理府設置法及び行政管理庁設置法等については、別に提出している総務庁設置法案及び総理府設置法の一部を改正する等の法律案において本法律案と同じく整理等を行うこととしております。 次に、総務庁設置法案について申し上げます。 この法律案は、最近における行政需要の変化に即応して、総合的かつ効率的な行政の推進を図るため、臨時行政調査会の答申の基本的方向に沿って、総理府本府及び行政管理庁の組織と機能を統合再編成し、総理府の外局として総務庁を設置しようとするものであります。 総務庁は、各種総合調整機能の相互補完関係をより緊密なものとするという基本的考え方に基づき、行政機関の人事、機構、定員及び運営の総合調整機能と行政監察機能の総合的運用を図るとともに、青少年対策等の特定の行政施策の総合調整機能をあわせ有するものとし、政府における全体としての総合調整機能の活性化と総合的発揮を図ることとしております。 さらに、統計の重要性にかんがみ、総理府及び行政管理庁の統計行政機構を統合再編して、統計行政における中枢的機能を確立するとともに、恩給に関する事務を含めて、これらを一体的に遂行することとしております。 次に、この法律案の内容の概要について御説明申し上げます。 第一は、総務庁の所掌事務及び権限についてであります。 総務庁は、まず各行政機関が行う国家公務員等の人事管理に関する方針、計画等の総合調整等人事行政に関する事務、行政制度一般に関する基本的事項の企画、行政機関の機構、定員及び運営の総合調整等組織・定員管理に関する事務、各行政機関の業務についての監察に関する事務を行うこととしております。 また、恩給を受ける権利の裁定等恩給に関する事務のほか、統計制度の基本的事項に関する企画その他統計に関する総合調整及び国勢調査その他の基幹的統計調査の実施等統計に関する事務を行うこととしております。 以上のほか、交通安全対策、老人対策、地域改善対策事業、青少年対策及び北方対策など特定の行政分野における事務の総合調整等を行うこととしております。 第二に、総務庁の長は、総務庁長官とし、国務大臣をもって充てることとしております。総務庁長官は、所掌事務に関し、各行政機関の長に対し資料の提出及び説明を求め、また、随時内閣総理大臣または関係各行政機関の長に対し意見を述べることができることとしております。さらに、総務庁長官は、監察を行うため必要な範囲において各行政機関の業務について実地に調査することができることなど行政監察の機能と効果を確保するための権限を行使できることとしております。 第三に、総務庁に、公務員制度審議会を置くほか、特別の機関として、青少年対策本部及び北方対策本部を置き、その長にはそれぞれ総務庁長官たる国務大臣をもって充てることとしております。 さらに、地方支分部局として、管区行政監察局、地方行政監察局等を置き、行政機関の業務の監察、行政相談等の事務を分掌するほか、必要に応じ行政機関の機構、定員及び運営に関する調査等の事務を分掌することができることとしております。 最後に、総務庁は、昭和五十九年七月一日から発足することとしております。 次に、府県単位機関の整理合理化のための総務庁設置法等の一部を改正する法律案につきまして申し上げます。 各省庁の地方支分部局の整理合理化につきましては、去る三月の臨時行政調査会の第五次答申において各般の改革方策の提言が行われているところでありますが、その一環として、ブロック機関のもとに設置されている府県単位機関について、そのあり方を見直し、簡素な現地的事務処理機関とすべき旨の提案が行われているところであります。 政府は、この提言を踏まえつつ地方支分部局の整理合理化を進めることとし、当面まず府県単位機関のうち法律改正を要する地方行政監察局を初め三機関について速やかに所要の措置を講ずることとし、ここにこの法律案を提出した次第であります。 次に、この法律案の内容について御説明申し上げます。 第一に、地方行政監察局、地方公安調査局及び財務部の整理合理化を図るため、これらをそれぞれ行政監察事務所、公安調査事務所及び財務事務所と改め、所要の現地事務を処理させることといたしております。 第二に、この法律は、昭和五十九年十月一日から施行することといたしております。 最後に、行政事務の簡素合理化及び整理に関する法律案につきまして申し上げます。 先般、政府は、臨時行政調査会の第五次答申に至る全答申を踏まえた行政改革の具体化に関する新たなる方針を決定いたしております。 その一環として、同調査会の第三次答申及び第五次答申に係る規制及び監督行政の適正化、国と地方公共団体の機能分担の合理化等の事項の実現に資するため、関係行政事務の簡素合理化及び整理を行うこととし、ここにこの法律案を提出した次第であります。 次に、法律案の内容について御説明申し上げます。 第一に、規制及び監督行政の適正化のための許可等の整理合理化に関する事項といたしまして、資格制度、検査・検定制度、事業規制及びその他の分野に係る許可等の事務について、廃止、規制の緩和、民間等への委譲などの合理化を行うこととし、漁船法の一部改正による漁船の登録の簡素化、エネルギーの使用の合理化に関する法律の一部改正によるエネルギー管理士の試験事務の民間団体への委譲その他の改正を定めております。 第二に、国と地方公共団体の機能分担の合理化等のための事項といたしまして、地方公共団体の長等に委任されている国の事務について、社会経済情勢の変化に伴い必要性の乏しくなっていると認められる事務の廃止または縮小、地方公共団体の事務としてすでに同化、定着していると認められる事務の当該地方公共団体の事務への移行、都道府県知事の事務の市町村長への委譲などを行うこととし、興行場法の一部改正、住民基本台帳法の一部改正その他の改正を定めております。 この法律案は、以上の方針により十四省庁五十八法律にわたる改正を一括取りまとめたものであります。 なお、この法律は、一部を除き原則として公布の日から施行することといたしております。 以上が五法律案の提案理由及びその内容の概要であります。 何とぞ慎重御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願いいたします。
○金丸委員長 次に、丹羽国務大臣。 ───────────── 総理府設置法の一部を改正する等の法律案 〔本号(その二)に掲載〕 ─────────────
○丹羽国務大臣 ただいま議題となりました総理府設置法の一部を改正する等の法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 今回別途御提案申し上げております総務庁設置法案において、総理府本府及び行政管理庁の組織及び機能を統合再編成し、総理府の外局として総務庁を設置することといたしておりまするが、本法律案は、総務庁の設置に当たり、総理府本府の組織及び機能の整序を図るため、所掌事務の整理、総理府総務長官及び総理府総務副長官の廃止、審議会等の各省庁への移管等の措置を講ずるとともに、行政管理庁を廃止するほか、関係法律の規定の整理等を行おうとするものであります。 次にこの法律案の内容の概要を御説明申し上げます。 第一は、総務庁の設置により、総理府本府から、人事行政、恩給及び統計に関する事務並びに交通安全対策、老人対策、地域改善対策事業、青少年対策及び北方地域に関する事務の総合調整等に関する事務を総務庁へ移管することに伴い、総理府設置法等の関係法律について所要の改正を行うことといたしております。 第二は、行政管理庁の所掌事務を総務庁へ移管することに伴い、行政管理庁設置法を廃止することといたしております。 第三は、総理府総務長官及び総理府総務副長官を廃止することとし、これに伴い、内閣官房長官が内閣総理大臣を助けて府務の整理、総理府本府の事務の監督等を行うこと、内閣官房副長官が内閣総理大臣の定めるところにより内閣官房長官を助けること、さらに、総理府に総理府次長を置き、内閣官房長官及び内閣官房副長官を補佐し、事務の総括を行うことといたしております。 第四は、総理府本府に置かれている審議会等のうち、公務員制度審議会等四審議会等を総務庁へ、雇用審議会等十審議会等を労働省等八省庁へそれぞれ移管することとし、これに伴い、雇用審議会設置法等の関係法律について所要の改正を行うことといたしております。 第五は、国家行政組織法の一部を改正する法律の施行に伴う総理府設置法等の関係法律の規定の整理を行うほか、所要の規定の整備を行うことといたしております。 第六は、この法律は、総務庁設置法の施行の日から施行することといたしております。 以上が、この法律案の提案理由及び内容の概要であります。 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願いいたします。
○金丸委員長 これにて各案の趣旨の説明は終了いたしました。 ─────────────
○金丸委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申し出があります。順次これを許します。安井吉典君。
○安井委員 この特別委員会のトップバッターで質問させていただきますが、まず、私ども社会党といたしましては、行政改革の進め方については、あくまで平和、福祉、分権の行財政改革のシステムの確立ということを基本に置いて考えています。そういうことで、それの中間報告を出し、基本構想をまとめて、われわれの党の考え方を明らかにしておるわけであり、民主、公正、効率の三原則に立っての具体的な改革の提起をいたしているところであります。そして、近く国民行革会議をスタートさせるわけでありますが、財界の人だけが行革について提言をする権利があるというものではないと私ども思うのであります。広く労働者や農民や主婦や中小商工業者や幅広い国民の声を反映するような行革をひとつ提起してまいりたいと思っております。 私は、八人の一番手でありますので、総論的なお尋ねから、まずしてまいりたいと思います。 この間、中曽根総理の本会議での所信表明の演説をお聞きいたしておりますと、二十一世紀に向かって静かな改革を進める、こうおっしゃっておられる。静かな改革という言葉が大分気に入ったと見えまして、三回使っておられますね。実はこれは、この間の統一地方選挙で北海道の横路知事候補が使ったキャッチフレーズであります。まあ、いいフレーズならどこでお使いになってもいいわけでありますし、北海道ではまだ横路ブームが続いておるわけで、総理もそれにあやかりたいというお気持ちなのかどうかは知りませんが、ただ、北海道の場合は野党多数という中での対応でありますだけに、それはもう静かな改革にならざるを得ないわけでありますけれども、自民党の圧倒的な多数の上にある総理大臣でありますから、きちっとやれるものは素早い改革もやってもらわなければいかぬのではないかと思います。 その一つの例として私がこの際挙げたいのは、これまた総理の議会制民主主義の発展のためには、高い政治倫理の確立が必須だという演説についてであります。これはまことにそのとおりであります。しかし、この行革国会と言われる国会のさなかに、国立大学で教授の座をめぐる醜い事件が起き、国立予防衛生研究所の製薬行政と製薬業界の癒着事件が新聞で報道される。そして一〇・一二の元首相の判決の日が近づいてくるわけであります。もちろん行政改革も大切でありますけれども、行政や政治が腐敗をしていては国民の信頼をつなぎとめるわけにはいかぬのではないかと私は思います。そしてまた、政財官腐敗という、そういう行政の仕組みを変えていくこともいわゆる行政改革だと思います。その意味で、私どもはこの国会の中で従来から継続審議されておりますいわゆる田中決議案について、決着をどうしてもつけなければならないと思います。 ところで、今日までその田中決議案に対して自民党がしつこく反対をして議運で握りつぶしをしてきたことについてでありますが、(「慎重審議だ」と呼ぶ者あり)これは、慎重審議という声もありますけれども、一たん本会議に出れば、非主流派だけではなしに主流派の中からも欠席者が出て、決議案が賛成多数ということで成立するかもしれない、だから絶対阻止なんだ、こういうようなお取り組みでやってこられたのではないかと私どもは思うのですが、いかがですか。
○中曽根内閣総理大臣 まず、社会党の行革構想を私も前から拝見しておりますが、社会党のお考えはそれなりのお考えであると感想を持っておりました。ただ、土光さん初め臨時行政調査会の皆さんが一生懸命努力して全国民的支持を受けておりますのに、また、しかもあの委員の中には総評の代表あるいは労働界の代表と思われる方も入っておりますのに、社会党だけが臨調反対という態度をおとりになったことは、はなはだ遺憾、残念であります。全国民が行革をやろうというときですから、全国民が支持する行革の方へ御同調願えればありがたいと思う次第です。 次に、静かな改革という言葉は私は前から好きな言葉で、十年ぐらい前から演説で言っておるところであります。しかし、横路さんも私と大体考えが似てきたので、静かな改革というお言葉をお使いになったのではないかと喜んでおる次第であります。 それから辞職勧告決議案の問題は、前から申し上げておりますように、これは国会の議案として提出されておる問題で、議院運営委員会においていろいろ御論議を願っておるところでございますから、その推移を見守っておると、一貫して申し上げておる次第でございます。
○安井委員 田中元首相の有罪の実刑判決は免れないのではないかと私どもは見ているわけでありますが、これは法務省にひとつ伺います。 刑法では、懲役三年以下に限り情状酌量で一年ないし五年の執行猶予をつけることができます。しかし、どうもあの被告は改悛の情顕著だとは見えません。ですから、恐らくかなり厳しい実刑ということになるのではないかと思いますが、その場では、普通の場合は、いま保釈中ですから逮捕をされ、田中被告の身柄が東京拘置所に収監されるというのが筋道ではないかと思います。しかし、憲法五十条の国会議員の不逮捕特権というのもあります。実刑判決に伴う収監にも憲法の規定が適用されるのかどうか、それらの扱いについて、いま法務当局でどのようにお考えになっておられるのかお聞きしたいと思います。
○前田(宏)政府委員 ただいまロッキード事件の具体的な案件につきまして、どういう身柄の取り扱いになるかという御質問でございますけれども、まだ判決がない現段階でございまして、どういう判決があるかということを想定して具体的な案件についてお答えするのは適当でないんじゃないかというふうに考えております。
○安井委員 一般論として答えてください。
○前田(宏)政府委員 御指摘の事件を離れまして一般的に申しますと、身柄が保釈になっている事案につきまして実刑の判決がございますと、従来の保釈が効力を失う、こういうのが刑事訴訟法の規定でございます。したがいまして、また再保釈という道がございますから、そういうことになりますと別でございますけれども、そうでない場合には収監という手続がとられる運びになるのが一般的な扱いでございます。
○安井委員 国会議員との関係は……。
○前田(宏)政府委員 いわゆる憲法の五十条との関係でございますが、その点は憲法問題でございますから、私から申し上げるのが適当かどうかというふうにも思いますけれども、一応私ども現在考えておりますのは、先ほど申しましたように一般的な問題としては、保釈の失効による収監の場合には事前許諾という手続ではなくて、場合によって事後の釈放要求という場合は別でございますけれども、そういう扱いにするのが分相当ではないかというふうに一般的に考えております。
○安井委員 これは仮定の質問ですから、一般論としてだけ聞いておきます。 そこで、総理に伺いたいわけでありますが、とにかく今度のこの事件については、静かに見守るということで今日までやってこられているわけであります。しかし、いままでの御答弁をずっと繰ってみますと、かなり微妙な違いが出てきているように思います。三権分立のたてまえから、行政府が立法府に対して発言すべきではないという本会議のお話がございましたし、議員の進退については他人が口出しすべきではない、出処進退は自分で処し方を知っているはずだ、こういう言い方です。そして判決前は雑音をなくして静かにすべきだ、この雑音という言葉は後にお取り消しになりました。三審制度だから最高裁で確定するので、いまは最終の決定段階ではないんだとも言っているわけであります。それから、静かに見守るというが、それで判決日が来たらどうなんだ、判決から後はどうなんだ、そういう質問もございました。それに対しては、判決の姿を見てから考える、こういう逃げ方をされています。 その後、参議院の段階にまいりましてから予算委員会で、総理を経験した高い見識を持つ人であり、素質に恵まれた大人物でもある、みずから決めることが適当だと思う、自戒し、自分で判断されると考えている。それからさらに進んだ御答弁もあります。自民党には党紀委員会や総務会があってお互いに監視し合っている、しかし、無所属の方は自分で判断すると考えられる、こういう言い方であります。いろんな変化があるわけでありますが、どれが総理の真意なんですか。
○中曽根内閣総理大臣 前から申し上げておりますように、私はやはり立法府——私も立法府に所属する一員でもありますが、立法府及び行政府としては三権分立をおのおのが侵さない、厳然とその限界を守っていくということが一番大事ではないかと思うのです。これは憲法上明文で規定されておる大原理でございまして、この三権分立が乱れるということは国家が乱れる根本であります。そういう意味において、立法府、行政府の者にとりましては三権分立を守る、法を守っていく、特に立法府の人間は法の番人でもある、裁判所も法の番人でもありますけれども、やはり立法府も法の番人でもあります。そういう意味において、法治国家としての根本義を守っていくということは、私は憲法上、憲法を守るという意味におきましても非常に大事ではないかと思っておるのです。 それから、もちろん政治家の倫理性という問題は、政治家のあり方について、個人個人あるいは政党あるいは政治団体等に対する自戒という意味におきましても、また国民に対する御期待におこたえするという信頼感の基礎に立っているという意味からも、これはおのおのが考え、また政党の幹部や構成員が考えることで、これもまた大事であると思いますが、やはり憲法上の明文規定でその憲法を構成している大原理というものは、公務員である立法府の議員、あるいは行政府の構成員である国務大臣、あるいは公務員というものが守っていく大原理であると考えております。
○安井委員 私は、この問題に国会が決議案を出していることについて三権分立論を出してくるのはおかしいと思うのですよ。われわれが出しているその決議案が裁判所の判断をゆがめたい、裁判所は有罪の判決をしろとか無罪にしろとか、それをわれわれは言っているわけじゃないわけです。三権分立なんですから、われわれ国会は国会みずからの運営をする権限を持っています。憲法が保障しています。その国会がお互いの同僚議員の問題について生じた腐敗について、国会みずからの自浄作用として提起しているのが辞職勧告決議案であるわけであります。ハウスのこの自律機能というものまでも否定しようというお考えは私はおかしいと思うのですが、どうですか。
○中曽根内閣総理大臣 国会は国の機関でございますし、それはまた代表者である国会議員によって構成されているものでございます。したがいまして、国会自体が自律的にその綱紀を粛正し、あるいは倫理性を高めていく努力をするということはもとより当然のことであろうと思っております。 しかし、また一面におきまして三権分立を厳守するということも大事であり、国会自体、立法府自体というものが、立法、司法、行政のいわゆる国家の主権、法治権を構成している一番大事な最高機関でございます。ございますが、その最高機関を構成するということがなぜ出てくるかと言えば、それは選挙ということによって出てくる。したがって、国会議員は国民から選挙されて出てきておるので、普通の公務員のように任命されてそれが成立するという関係とまるきり違うわけでございます。 そういう意味において、この主権を構成する一つの一番大事な基礎である選挙民と国会議員との関係、この結合というものを明文の規定なくしていたずらにこれをやめさせるとか、この関係を切断するとかということが果たして適切であるかどうか。憲法上におきましての国会議員の身分を消滅せしめるのは、懲罰によって三分の二の多数でこれを除名するとか、あるいは国会議員の資格について疑義が生じた場合に資格争訟が起きて、それによって同じくまた三分の二の多数で資格を喪失せしめるとか、これが決められていることなのでありまして、身分を喪失せしめるということは、やはり主権を構成する一つの基礎であるだけに非常に重要な問題であると思っておるのであります。そういうような重要な問題というものは、選挙民の意思によってやるか、あるいはまた本人がみずから自分の身を退くかということによって切断するのが私は正しいと思っておるのでございます。そのことは、前からかねがね申し上げておるとおりなのでございます。
○安井委員 あなたの論理は一つまた間違いを重ねておられるわけであります。初めの司法と立法の関係も、もっとひどい何かがあって、その人はもう国会でも除名の内容が国会議員としてはあるまじき行動があったということになると、懲罰決議で国会は除名できますね、自浄作用があるわけですから。しかし一方、それは裁判所も処断しますよ。別々にやったっていいじゃないですか。それが同時に行われたって別に差し支えないわけですよ。裁判所に国会が影響を与えるなどというものではないということをまず第一に申し上げておきたいし、それから選挙民といま問題の人物とを国会が遮断しようなどというようなことを言っていやしませんよ。あの自民党の中には国会が議員の首切りをするようなことはけしからぬとわめいている人もいます。しかし、法律や制度を無視した無謀な決議案を野党が提案しているわけじゃありませんよ、これは文字どおり辞職勧告決議案なんですから。国会は辞職せよとは言っていません。国会の決議で辞職になるわけがないのですから、国会は遮断はできませんよ。 われわれは国会が辞職を決めるわけではないが、こういう事態の中で元の総理大臣のこんな大事な問題で、しかも国民の世論調査を新聞で御存じでしょう。七割から八割はもうやめた方がいいというようなことがあるわけですから、それらを受けて、私どもはわれわれの同僚としておやめになってはどうですかということを勧告しているだけで、選挙民との間を遮断するかしないかは本人の御意思次第ですよ。それはあなたもおっしゃったとおりですよ。われわれは決議をもって田中議員の良心に問う、それだけなんですよ、あの決議案の中身は。どうですか。
○中曽根内閣総理大臣 衆議院なり参議院というものの、その権威をもってそういうような議員の身分を喪失せしむる効果に牽連するそういう決議を出すことが果たして適切であるかどうか、その点私は疑問を感じておる一人でございます。 それからもう一つは、いよいよ裁判の判決が近づいてきておりますこの重大な時期でございますから、われわれは厳粛な気持ちでこの判決を見守っていくというのが正しい態度ではないか、このように考えておる、これも前から申し上げたとおりでございます。
○安井委員 一たん田中被告が議員をやめる、そしてもう一度、今度解散、選挙を早くやって立候補してやればみそぎになるじゃないかという議論もあります。自民党の中にもそういう議論を持っている人もいると聞いています。総理の本音は、この際荒立てないように一たんやめてくれたらいいんだがな、そういうお気持ちを持っているのじゃないですか、そのみそぎ論についてはどうですか。
○中曽根内閣総理大臣 この問題に関しましては、ほかの問題と同じように私は平常心を持って王道を行く、こう言っておるのでありまして、このことについては一向前と変わっておりません。人様の進退について内閣総理大臣が一喜一憂する、そういうような立場にはない。やはりわれわれは国政を最も大事に考えて、国家の外交、内政、国民生活の安定、国民の幸せが一日も、いっときでも盛んに強くなるように念願してやるのが政治家の務めであると考えます。
○安井委員 この政治倫理の問題についての総理の答弁は、ただいまの御答弁も含めまして、とにかく焦点を逃れることばかり一生懸命なんですね、話術や得意の修辞で。しかし、そのことによって国民はさらに疑惑を増すばかりなんですよ。そして国民の聞きたいことになぜ正面から答えてくれないのかということですよ。しかも、自民党がみんなでこの問題を抑え込もうというところで、これは田中個人の問題ではないのだ、政権を三十数年独占しているその中から生まれた構造腐敗なんだ、みんなぐるなんだな、自民党が抑えることによって国民はそう思わざるを得ないのですよ。ですから、私はこの問題についてこれ以上ここでは言いませんけれども、しかし行政改革を進めると言ったって、これを明らかにすることから行政改革は始まるのですよ。あなたは、この間解散と行革とどっちが優先するかと言ったら、それは行革ですよと言われました。じゃ行革と政治倫理とどちらを優先させますか。
○中曽根内閣総理大臣 両方大事であります。
○安井委員 両方大事なら、行政改革についてはこの法案は死んでも通すと言った、政治生命をかけると言った。しかし一方は、これは静かに見守ります、こうなんですからね。あなたの態度というのはそれで見え見えなんですよ。しかし、あくまで政治倫理の問題は行革の第一歩なんだということを、私はここでひとつ本論に入る前に力説しておきたいと思います。 小さな政府ということを中曽根首相は言っておられるわけであります。しかし、後でも申し上げますけれども、どうも来年度の予算編成などを見ても、福祉は小さな政府、軍事力は大きな政府を目指すものではないかと思わざるを得ないわけであります。小さな政府というのは、総理はどういうお考えを持っておられるのか、何を目標にしておられるのか、それを伺います。
○中曽根内閣総理大臣 その問題にお答えする前に、私は行革も政治倫理も非常に大事であると申し上げましたが、それは性格が違うわけです。行革はもうどんなことがあっても断行しなければなりませんし、石にかじりついても、地をはってもこの七つの法案は今国会で成立させようし、またさせていただきたいと念願しておるわけなのであります。 しかし、政治倫理の問題で、いま第一審判決を前にした今日、私たちがとるべき態度というものは、これは裁判に影響を及ぼさないように、立法、行政の方からもおもんぱかりをして、裁判官に変な影響が及ばないように戦々恐々として厳粛に見守ってあげるというのが私はわれわれのエチケットである、そう思っておりまして、そういう厳粛な態度を持していることも行革に全力を尽くす態度と少しも変わらない、私はそう考えておるわけでございます。 小さな政府という意味は、簡素にして効率的な政府である、このように考えております。
○安井委員 普通、租税負担率をもって小さな政府論をどこの国でもやるわけです。ことしの租税負担率は、税金の方が二三・七%、社会保障負担の方は一〇・六%、三四・三%ぐらいになりますね。昭和五十五年度は、税金の方が二一・八%で社会保障の方が九・七%、合わせて三一・五%、この三年間で三%近く租税負担率は上がっているわけであります。小さな政府を目指すと言うけれども、だんだん大きくなっているのですよ、これは。一体何をめどにされるのか、どれぐらいの数字をめどにされるのか、それを伺います。
○中曽根内閣総理大臣 防衛費の関係のことをおっしゃいましたが、私は前から申し上げておるように、昭和三十年におきましては、社会保障費、それから教育費、防衛費と見ますと、大体社会保障が予算の一〇%、それから教育費が同じく一〇%、防衛費は一三%であったと思います。それが昨年及びことしになりますと、社会保障費が九兆一千億円で一九%に上がっておる。それから教育費、科学技術関係を入れまして四兆八千億円、これが約一〇%程度だと思います。それで防衛費は二兆七千億円で五・七%であったと思います。 そうしますと、昭和三十年と今日とを比べてみますと、社会保障費は約九%はね上がっておる。それから教育費は大体横ばい見当と見ていいでしょう。ところが、防衛費は一三%から五・七%に減っているわけです。ですから、昭和三十年度における防衛努力や国費との割合と今日とを見ますというと、社会保障関係がぐんと伸びてきている、そして防衛費の足並みというのは弱くなっている、こう歴史的に見れば判定できるわけなのでございまして、防衛費だけを突出突出と言うのは、いままでの流れ全体を見ますというと当たらない言葉だ。 ただし、最近におきましては、予算の絶対額も多くなってまいりますから、ですから、絶対額もふえていることは、これは当然のことでございますけれども、そのほかに国際関係を比較してみますと、日本の防衛費は、御存じのようにGNPの一%以下という数字でありまして、ヨーロッパの国々が大体五%前後、ドイツでもフランスでもイタリアでも五%前後という数字を見ますと、一%に満たないという日本は、国際的比較から見れば突出どころではない、まだまだ足りないというふうに外国からは見られておるでしょう。そういうふうに、いままでの絶対額や流れ全体というものをぜひごらんいただきたいと思っておるのでございます。
○安井委員 小さな政府というのは何かと聞いているのですよ。初めのことはそれは前置きで、小さな政府とは何かと聞いているんですよ。
○齋藤国務大臣 小さな政府というのは、総理の発言のとおり簡素効率的な政府、こういう意味だと私は思います。 簡素効率的というのはどういうことか。これはまた決めにくいことでございますが、最小限度の費用でできるだけの、最大の行政効果を上げるような政府、それからさらに、民間活動に対する行政の関与をできるだけ縮小いたしまして民間活力を十分に発揮していただく、こういうふうな政府ではなかろうか。人数的に申しますと、諸外国に比較いたしますと国家公務員の数は少のうございます。少のうございますが、いまのような日本の財政の中にあっては、やはり最小の費用で最大の効果を上げ、そして民間の行動に対しての政府の関与はできるだけ抑えまして民間活力を自由に発揮していただく、こういうふうな政府ではなかろうか、こういうふうに考えております。
○安井委員 それでは租税負担率には関係ないわけですね。私が聞いているのは租税負担率の目標をどこに置くかということを聞いているわけですよ。小さな政府というのは単なる抽象論なんですね、総理がしょっちゅう言うけれども。外国では、租税負担率で、国民にどれだけの負担をかけるのかということで、その負担を大きくしないために小さな政府論が出ているのですよ。だから、租税負担率をどこに目標を置くのかということを明確にしてほしいと言っているのを抽象的な言葉をだらだら言われたって、それはだれもわかりませんよ。簡素効率的な政府だとかなんとか、それはだれが言ったって同じことです。あなたの方は、何を、どこまでを小さな政府という目標に挙げているのかということを聞いているわけです。租税負担率はどうですか。
○齋藤国務大臣 そういうふうな考え方から、臨調答申にありまするように、租税負担率を大幅に変更するようなことはいけませんよということを言っております。それからまた、租税と保険料負担とを合算いたしました国民負担、これはヨーロッパ諸国におきましてはすでにGNPから五〇%も超えているような国もあるわけでございますが、そういう五〇%を超えるような大幅なものであってはいけないよ、それは下回らなければいけませんよということを言っておるわけでございまして、基本的には、あくまでも租税に関するならば、大幅に租税負担率をふやすということは好ましくない、そうはっきり言っておるわけでございます。
○安井委員 政府で言えないなら言えないと言ってくださいよ、租税負担率をどこまでにするのか。それはヨーロッパは五〇%以上ですよ。そこまでいっては困るからというので、臨調がいままで一生懸命に抑える答申をしたんじゃないですか。臨調が言わなくたって、政府としてどこまでを置くのかということですよ。これは経済審議会の「一九八〇年代経済社会の展望と指針」、予算委員会でも質問がありましたけれども、六十五年の租税負担率について一たん数字が出たんだけれども、とうとう消してしまったという問題がありますよね。自信を持って一体どこまでで抑えるのかということがないのでしょう。ないならないと言ってください。
○竹下国務大臣 租税負担率の問題でございますので、財政当局からお答えをいたします。 本年三月の臨調最終答申の考え方を踏まえまして、今後の租税負担に関しては「社会保障負担とを合せた全体としての国民の負担率は、ヨーロッパ諸国の水準よりはかなり低い水準にとどめることが望ましい。」こういう望ましい方向というものは、いま御指摘のようにきちんと示されておるわけであります。 租税負担率は、御案内のようにかつての経済社会七カ年計画の中に二六・五でございますか、二六カ二分の一というものが附属の数字として出ておりましたが、現実にこれをいろいろ議論してみますと、租税政策策定作業の目安としてあらかじめ具体的に数字を定めておくべきものかどうか。現実問題としては、結果として分母がGNPであり、分子が国税プラス地方税でございますだけに、経済情勢の推移によってかなり変化をするものでございます。 そういう流動的な要素が多い情勢の中にあっては、これはやはり慎重を期すべきであるということを本委員会におきましてもお答えをしてまいったわけでございますが、ただ今後、中長期的な経済展望の中における租税負担率の設定のあり方等につきましては、本委員会でもお答えをいたしましたように、なお引き続いてこれは慎重な検討をしていかなければならぬというふうに考えておるところであります。 したがって、租税負担率そのものが、示されておる望ましい方向というものを別といたしまして考えた場合に、いわゆる簡素にして効率的な政府というものの基準ずばりの数値として適当かどうかということに対しては、今後なお検討を要する問題であろうというふうに私は考えております。
○安井委員 わかりました。小さな政府の目標がないということはわかりました。つまり五十五年度で三一・五%だったのが、五十八年度は三四・三%とこれは上がっているのですからね。しかもどこまで上がるのか見当がつきません、もう少し模様を見てから決めます、こう言うのですよ。この問題は、あす沢田委員がその「展望と指針」についての質問がある中でさらに詰めてまいりたいと思いますが、いずれにしても、私は小さな政府論というのは、これは言葉のあやだけなんだということだけがわかった、そんな気がしてならないわけであります。 次に、臨調会長であった土光さん、今度は行革審の会長でもあるわけでありますが、相変わらず「増税なき財政再建」という言葉を一生懸命に力説されているようであります。しかし、このごろ総理はお使いにならなくなったね、その言葉を。この間の演説でも、あるいは政府の文章の中でも「増税なき財政再建」とはっきり言わなくなってきた。新行革大網なども一番最初にその言葉で始めなければいけないのが、それがないわけですよ。実質的にはもう破綻してしまったと見ていいのでしょうかね。また言われても、土光会長が言うのと大分違っているようであります。もっとも行革審の方も、大槻会長代理の発言などは、もう酒の税金なんかは上がっても飲まなければいいんだというような発言があったりして、大分向こうの方も変わってきたのかもしれませんけれども、最初言われてきた「増税なき財政再建」というのはもう終わったんだ、別な言葉で現実には対応しているのだ、そう思っていいのですか。
○中曽根内閣総理大臣 「増税なき財政再建」は、これをあくまで守っていくようにいま努めておるところで、これは参議院におきましても先般明らかに申し上げたとおりでございます。
○安井委員 直接税、間接税の比率の見直しということも言われていますが、それはおやりになるのですか。
○竹下国務大臣 確かに臨調で直間比率の見直し、また税制調査会におきましてもかなり前でありますが、そういう言葉が使われたことも事実であります。ただし、私どもその後種々検討いたしました結論といたしまして、直間比率というものは結果としてこれは生じてくるものであって、あらかじめリジッドにこれを決めておくべきものではないという考え方に立ちまして、直間比率という言葉を使うことをできるだけ避けて、税体系の見直し、こういう言葉を使っておるわけでありますが、税体系の見直しというのは、これはやはり絶えず考え、念頭に置いていかなければならないことでございますが、ずばり直間比率の見直しという考え方には立っておりません。
○安井委員 直間比率を見直そうと改革しようと、これは恐らく裏には増税ということになるのだろうと国民はみんな読み取っているわけですね。それで、いま「増税なき財政再建」ということをちっとも変えた覚えはない、こう言われるわけですから、さあわからなくなってしまうわけです。 私どもは、法人税法や地方税法やあるいは特に租税特別措置法、そういう中に企業優遇税制がありますが、それを是正せよと言ってきているわけです。そうすればいわゆる減税財源もそこから生まれてくるんだということを従来から主張してきているわけであります。しかし、その企業優遇税制を廃止したりあるいは減らしたりすれば、その分だけその企業に対しては税金が上がるわけですよ。しかし、私たちは、企業に対する税の優遇というのは補助金みたいなものなんだから、その是正によってその企業に対する税は少しふえるかもしれないけれども、それは増税ではないんだ、あくまでも是正なんだ、こう言ってきているわけでありますが、その点どうですか。
○竹下国務大臣 かねて、いわゆるいまおっしゃいました企業関係の、厳密に言えば特別措置になるわけでございますが、これに対して御批判をいただいておることは私どもも承知をいたしておるところであります。やはり「増税なき財政再建」というのは、これはあくまでも行政改革遂行の上における理念として最大限尊重すべきであるし、これの旗をおろすべきものではない。一たびその旗が気持ちの上でおりたとしても、直ちに歳出等に対する腕が鈍ってくるという結果をもたらすわけでございますので、これが破綻したとかあるいはその旗をおろすとかいう考え方は全くございません。 そして、いまおっしゃいました企業優遇税制に対する問題について、安井さんがこれをして、いわば是正であって増税ではないという評価の仕方でございますが、これは安井さんの側でそのような評価をなさるのはきわめて自然ではないか。世に言われる不公平税制というのは、えてして自分を中心に考えて不公平というものが生じやすい状態でございますので、不公平税制という言葉そのものも、ひとり歩きしておりますものの、厳密な定義というものはなかなかむずかしい点もございますが、私は、企業に関する税の優遇措置に対する安井さんの見方において、これは是正すべきだという考え方に立たれた場合、増税ということではなく是正であるという認識をして一向構わないと思っております。
○安井委員 やっと一つだけ意見が一致しました。企業優遇税制は租税特別措置だけじゃないんですよね。法人税の中に、本体の中にあるし、地方税の中にもあるわけですよね。 電気税というのは、総理、御承知ですか。これは地方税で、市町村が電気料金に対して一定率を掛けて税金を取るわけでありますけれども、しかし、産業用の電気については、電気税は製品コストに占める電気料金の割合が五%を超えるものを八十品目については非課税にしています。これはもうほとんどです。石炭、銑鉄、鉄鉱、金鉱、ニッケル地金、セメント、繊維、ありとあらゆるもの全部ですよね。ですから、この非課税額が八十品目に対して千三百九十六億円あります。つまり産業電気は千三百九十六億円だけ補助金をもらっているのです。家庭の電気はみんな電気税を払っています。私どもが言うのはそれなんですよ。補助金なんですからね、これは。 これは一例ですけれども、地方税には固定資産税についてもそういう措置があるし、事業税についてもあります。そういったようないろいろな優遇措置がたくさんあるわけですから、私どもは、これを全部すぐ一遍にやめてしまえなんというそんなむちゃなことは言いません。言いませんが、もう少し内容を見直すということも必要なのではないか。法人税の段階でも、あるいは租税特別措置法の非課税措置は大分なくなりましたけれども、まだありますね。ですから、減税減税とわれわれが言うのを、財源がないじゃないかとよく言われますけれども、まだまだ方法があるんだということを私はこの際申し上げておきたいと思います。電気税のことなんか余り御承知ないようですから。 そこでもう一つ。特例公債の体質から六十五年度までに脱却をしたいということを総理は演説でおっしゃいました。ひとつそれについて、こういうことでなくすのだという道筋をやはり国民の前にお示しになる必要があると思います。どうですか。
○竹下国務大臣 いま御指摘にありましたように、「一九八〇年代経済社会の展望と指針」、そうしてその中に財政の受け持つ分野といたしましての役割り、いろいろございますが、なかんずく、財政改革を行って、六十五年度には赤字国債から脱却し、そして総体的には公債依存度を下げていくという方向で進むべきであるということが申されておるわけであります。 私どもといたしましても、それは一つの努力目標であるという認識の上に立ちまして、さて、これをいかなる方法でやっていくかということになりますと、まずは、仰せられておるように、歳出構造に対して、その施策、制度の根源にさかのぼって徹底的なメスをやっていけ、そうして国民の理解を得ながら、この水準を保つべきか否かという、その国民の選択の問題として最終的にはそれをとって、それをやる手法といたしましては、中長期の考え方の上に立って、国民とのこういう国会等を通じた問答の上で理解を得ながらやっていこう、こういうことでありまして、当面まずは私どもといたしましては、制度、施策の根源にさかのぼって歳出をカットしていくというところから始めていくべきであるという基本的な考え方に立っております。
○安井委員 そうしますと六十五年度というのは、完全になくなるというのじゃなしに、一応の目標と、一応がつくのですね。
○竹下国務大臣 一応はついておりませんが、まさに努力目標であるというふうに考えております。
○安井委員 まあ努力目標も一応の目標も大体似たようなものですがね。本会議の演説で大みえをお切りになった総理の裏が何か見えたような気がいたしますが、その問題はさらにあすの質問に譲ります。 税金の話が出ましたので、与野党書記長・幹事長会談で確認をしているいわゆる減税の問題について、この際伺っておきたいと思うのであります。 いままでもいろいろ議論があったが、やります、大いにやりますとそういうお答えだけで、一体いつやるのか、大体どれぐらいの規模をやるつもりで政府はいるのか、そう聞きますと、税調を待っています、これがいままでの予算委員会でしばしば行われた政府答弁のパターンであります。しかし新聞には、われわれ野党の方は所得税一兆円、住民税四千億円という要求をしているわけでありますけれども、大蔵、自治両省の間で、総額を一兆円として国税、地方税を六対四にする、いや七対三にせよというような論争が行われていると聞くのでありますが、一体どれぐらいの目標を政府として考えているのか、いつ決着をつけるおつもりか、それをひとつ伺います。
○竹下国務大臣 確かに安井委員御指摘になりましたように、この時期、方法、規模については、目下大変精力的に税調で御審議いただいておりますので、行政府としては、その手続を得てこれを明らかにしたいという、パターンとおっしゃいましたが、そういうお答えに尽きるかと思うのであります。 ただ、新聞にいろいろなことが出ておりますが、私どもも、昨年できました大蔵委員会におけるいわゆる減税に関する小委員会等の審議の経過も十分承知しておりますし、その中で行われた議論あるいは予算委員会、大蔵委員会等で行われた議論等々はその都度税調にも報告をしておりますし、私どもの頭にも十分インプットしておりますので、今日段階でお答えする環境にないということは御承知をいただきたいと思っております。 なかんずく景気浮揚に役立つ規模、こういう非常に岡度な表現でおっしゃっております。さて、されば景気浮揚とは何ぞやということになれば、本院で御審議いただいた予算で見れば三・四%の成長ということが一応の私どものめどとなっておりますだけに、三・四%というものをより確実ならしめるためにはどのようにすべきやという議論もまたなさなければならないところであるし、中には、三・四%と言っておるが、しかしまた、この中期展望の中には四%程度ということをうたっておるとするならばその辺へ目標を置けという御議論も、本院における委員会等の議論にもあった議論でございますが、そういうのを総合的に勘案し、政府税調の結論をいただきながら、私どもとしても、またその時点では当然各党の代表者の皆様方に、まあ締めくくるという言葉をお使われになっておりますが、要するに相談しろということでございますし、当然相談しようと思っておりますので、そういう経過の中で明らかにしていかざるを得ない問題であるということを御理解をいただきたいと思います。
○安井委員 減税の問題は、現在における国民の最大の関心事になっています。国税庁の九月二十日の民間給与実態調査によりましても、昭和五十二年から六年間も課税の最低限が据え置かれているものですから、標準所得の人で、所得の方は三八・八%この六年間で上がっているが、税金の方は何と一六〇%に上がっている。これが実態なんですからね。この重税感がひしひしと国民に迫っているわけですよ。しかも、もうだれもかれもが納税者になっている。国民は確かに総納税者というようなかっこうにまでなっているわけですね、特に所得税の場合。 ですから、もういつも税調に逃げ込むだけで答弁をそこでごまかしておられるわけでありますけれども、それでは私は困ると思うんですね。一日も早く国民に知らせてほしいと思います。大蔵省の方は、十月の下旬までには所得税法の改正法案を提出をして十二月の給料日には間に合わせる、私は、それぐらいはおっしゃっていただいていいと思うのですが、どうですか。
○竹下国務大臣 十月下旬までに法案を提出させるという趣旨の与党幹事長の言明もございますので、私どもも、それをめどに瞬いて作業を鋭意進めていただいているさなかでございます。 ただ、政府税調というところには今日まで、国会等で行われた議論を正確に伝えるということによって環境を御理解をいただくというたてまえをとっておって、政府自身の口から予見を持って、このような方向で決めてくださいということを言わない性格の税制調査会でございますので、ここで具体的に、十月の末に法律を出し、そしてその法律に基づいて可決していただいたならば十二月の年末調整で調整できるものでありますということは中身の問題にも影響するところでございますので、これを私の口から確約とか明言する立場にはなかろうかと思いますが、いまの御趣旨の点は正確に税調の方へも伝えるし、私どもの心の中にも御趣旨の線を認識して作業を進めるべき問題であるというふうに理解をさしていただきたいと思います。
○安井委員 いまの御答弁では困るのですが、自治省の方も、これは十二月からは間に合わないというのは、私どもよくわかります。四月から間に合わせるということかもしれませんが、いずれにしても、いまのような御答弁でいつまでも行けるわけではないと私は思うし、きょうはここでこれ以上詰めませんが、あす税制、財政について沢田委員から質問がありますので、あすはひとつはっきりお答えをいただきたいと思います。 明年度の予算概算要求の場合に、いわゆるマイナスシーリング、その概算要求の姿の中に中曽根内閣の政治方針が色濃く出ていると私は思われるわけであります。今度は公共事業費もマイナス五%シーリングとした関係で、総理はずっと以前の予算編成とことしと明年度とを比べておっしゃっておられるが、前年度に比べれば農林水産省の予算はマイナス二・五%、建設省の予算もマイナス二・一%と、前年度比減り方の一番多いのはこの両省であります。しかし防衛庁の予算は六・八八%、約六・九%の増で、経済協力費も大体その突出組でありますけれども、しかしこれは、昔の話といまとを比べてさっきおっしゃったけれども、「増税なき財政再建」で、もう金がなくて百兆円も借金を抱えてどうもこうもならないというそういう段階において、去年とことしと比べてみて防衛予算がふくれ上がっているのは、これは突出でなくて何ぞやと私どもは言いたいわけであります。 一方、内容から見ましても、社会保障だとか文教などの生活関連予算は強く圧縮されています。特に社会保障費が問題だと思います。厚生省は九千億円ぐらいの自然増を見込んでいるようでありますけれども、大蔵省が厚生省に与えたシーリングは二千百億円の増だけ。そこで厚生省は健保の本人十割給付を八割給付に落とす等で六千九百億円を生み出す。いま大きな問題になっている医療制度の改悪、これがそういう中から生まれてきているわけです。そのほか年金や児童手当の抑制など、一方では防衛費だけが突出して、福祉は切り捨てだ、文教費の方も私学助成は一〇%カット。その上、国立大学の授業料も値上げになるし、育英資金の有利子化、そのほか国鉄運賃の値上げや消費者米価の値上げも考えられているというようなことで、結局中曽根行革が予算という中で政治の全体像をあらわしていくわけでありますけれども、そのあらわれ方というのは、国民生活部門には大なたがふるわれて、そしてまた負担は国民に転嫁されて、一方、防衛予算の伸びだけが著しい、こう言わざるを得ないわけであります。 しかも、防衛予算の方は後年度負担が物すごくふえているんですね。六・九%しか上がっていない、こう言われるけれども、何と二兆五千億円も後年度負担を残して隠してあるわけですね。実際の防衛のあれは、五兆四千億円と言ってもいいぐらいなわけであります。GNP一%以下という歯どめはもうごまかしにすぎないというようなことになっていると思うのですが、どうですか。
○中曽根内閣総理大臣 いまも安井さんがおっしゃいました「増税なき財政再建」を実行していくためには、これはやはり予算を切り詰めていただかなければできないわけです。赤字公債を出すというわけにも、そう増加させるわけにもまいりませんし、これも減らしていくという方針を持っております。どこからお金が出てくるか。高齢化社会で御老人はどんどんふえていきますし、医療費も毎年一割ぐらいずつふえていく。こういう中で増税をしないでいままでどおりの仕事をやっていくというふうにすれば、やはりどこかで切り詰めなければならない。 そういうわけで大蔵大臣も非常に苦労しまして、「増税なき財政再建」を貫くために骨身を削るような予算編成をお願いしておるわけでございます。いずれ来年度の五十九年度予算を編成するについても、やはり土光さんに約束した「増税なき財政再建」を貫くべく努力したいと思っておりますので、この概算要求におきましてもマイナス一〇%あるいはマイナス五%という枠をつくって、各省とも骨身を削った予算を出してもらってきています。したがって、各省とも相当苦労いたしまして、どこを削ろうか、できるだけ重要度の少ない部分からまことに残念だけれども減らしていく以外にしようがない、庁費、出張旅費、こういうものはほとんどずばりずばり切ってきているわけです。 そういう中で、いまのいろいろな苦労が行われまして、それでも社会福祉、教育というものはできるだけがんばるようにわれわれも努力しつつあるわけでございまして、その中にあって国際関係で日本が孤立しないで、また日本が貿易立国をこのまま貫いていくために、やはりやるべきことはやっておかなければならない部分があるわけです。しかも国際的に約束しているものがあるわけです。防御関係もその一つでありまして、鈴木・レーガン会談におきまして、世界の大勢に日本も目覚めつつ、ある程度日本防衛については日本人が責任を持っていくという点で御努力も願うという形で、ある程度先方との間でコミュニケができております。それを鈴木さんのとき私のときと引き続いて努力しておるのでございまして、それでも世界的に見ればまだまだ日本の防衛力の費用というものは少ない。それをできるだけ維持していこう、だから予算の一%を超えないように努力しておりますということも申し上げて、それで実は五十九年度の予算編成も努力してやっておるわけでございます。 そういうわけでございますので、国際的な関係もあるということも念頭に入れまして、若干ほかの経費とは違う。したがって、発展途上国や困った国に対する経済協力、援助というものは一〇%を超えている要求をしておるわけで、これだけの経済国家になった強い日本がやはり国際的にも外国に負けないだけの経済援助をしていくためにそれだけのお願いをしておる、そういう項目があるということも御理解をいただきたいと思う次第なのでございます。しかし、その中でもできるだけバランスを得るように今後も努力してまいるつもりなのでございます。
○安井委員 いまいろいろ御答弁がありましたけれども、とりわけ社会保障の切り捨てだとか文教の削減等は私どもは許すことのできない問題だと思います。きょう午後森井委員が社会保障を、湯山委員が文教の問題を後でお尋ねすることになっていますけれども、とりわけ私は医療費、乱診乱療を改めなければいかぬというのはわかるけれども、しかし、だからといって、病気になった人の負担を十割を八割まで減らしてしまうとか国保の補助を打ち切るとか、そういうようなやり方で問題を解決するという方向をわれわれは許すわけにはいかぬと思います。今日までせっかくみんなが努力をして社会保障を引き上げてきたわけですけれども、それをこの段階において引き下げてしまう。もう少しほかにありようがあるのではないかと私どもは思わざるを得ません。自民党の田中政調会長が二十二日に日本医師会の大会で、厚生省の案というのはあくまでこれは案にすぎないので幾らでも修正できる、党の方で後で修正する、こういうような発言をされたそうですし、厚生大臣はどうなんですか。
○林国務大臣 安井議員からお話がございまして、財政が大変むずかしいときの財政のための切り捨てではないかというお話だと思うのです。 確かに財政も大変苦しいときである。苦しいときでありますが、いま一兆円ずつ医療費が毎年毎年伸びている。またお年寄りがふえていく。医療技術もだんだん進歩してくる。進歩してくれば医療費がトータルとして伸びていくことは私はやむを得ない、またそれはどうしても国民にやってもらわなければならないことだと思うのですね。それは当然のことだと思いますが、そのときに、だれがその費用を負担するかという話になるだろうと思うのです。いまは社会保険制度でやっておる。社会保険制度というものは、医療において非常にたくさん金がかかるというときに、その費用は保険制度でもって負担をしていこう、保険料を払って負担をしていこうという考え方であります。その基本の考え方が私はいままでの医療を築き上げてきたし、またこれからもその基本を維持していかなければならない、こう思うのです。 したがって、保険料というものは第一に引き下げていくという方向が、病気にならない人が下げてもらいたいという気持ちはあるだろうと思うのです、これは当然のことですね。それから第二には、保険料の負担と医療費をかけるところの間にあって公平感というものがなければならないと思うのです。見ますと、組合健保であるとか政府管掌健保であるというものは本人が十割である、国民健康保険は七割である、こういうことであります。同じように保険料を払っているのですよ。ほとんど違いません。皆さん御承知のとおり、組合健保というものは大体大企業の方のなにである、政府管掌健保というものは中小企業の方のものですよ。国民健康保険というのは零細の方とか一般の自営業者とか農民の方が入っておられるものであります。そちらの方が七割でこちらの方が十割なんというのは、平等感、公平感に反するんではないかと私は思うのです。これをやはり改めていかなければならないと思います。 私は、そういったことを進めるにおきまして、皆さん方であってもそうだと思いますが、現在の医療が完全無欠で非常に適正に行われているということを断言できる方はおられないと思うのですね。そうでしょう。医療が金もうけ主義であるとか薬漬けが多いとか乱診乱療が多いという声はちまたに満ち満ちているわけです。だから私は、その辺につきましても大いにメスを入れていかなければならない、そういうふうな気持ちでこれからやっていかなければならない、こう思っているのです。そう言ったのは、たまたま今回の予算のときにそういう話が出ました。出ましたが、私は、長期的にこの保険制度というものが安定的に機能していくことが日本におけるところの社会保障体制、ひいては日本の医療体制を確実にしていくものだというふうに考えているところでございまして、いろいろな点での御議論は私はしていただかなければならないものだと思います。また、こんな方法もあるのじゃないかという御議論は謙虚に受けます。しかし、私たちはいろいろ考えました。私も昨年の十一月から厚生大臣になりまして、いろいろとやりました。森井先生おられますが、社会労働委員会でビタミンがどうだといって話がありました。私は、党内において百花繚乱の議論をしてもらいたい。いろいろな議論をしてもらった上で私たちは煮詰めてきたわけであります。だから、あえて御批判を受けますが、私は、そういった形でやっていかなければこれからの体制というものはできない、こういうふうに確信をしているものでございます。
○安井委員 社会保険審議会とか社会保障制度審議会とか、そういうところの議を経なければいかぬでしょう。それはどうなんですか。
○林国務大臣 今回は概算要求でございますから、当然に十二月には本予算の策定がございます。それまでには社会保険審議会そのほかいろいろな審議会がございますから当然にそういった場で議論をしていただく、いろいろな方々に議論をしていただかなければならないことは当然である、こういうふうに私は考えております。 ─────────────
○金丸委員長 バーナード・ウェザリル英国下院議長がただいま傍聴に見えましたので、御紹介をいたします。 〔拍手〕 ─────────────
○金丸委員長 安井吉典君。
○安井委員 いま社会保障制度審議会の議を経る問題が出ましたけれども、厚生省の方は、もう医療制度はぶった切るんだということを先に決めてしまって、そして社会保障制度審議会にかけると言うし、大蔵大臣は、決めようといったって税制調査会があるから決められませんと、こう言っているのですよ。あべこべなんだ、それは。自分で都合の悪いときには、大蔵大臣みたいに政府の調査会を盾にして逃げようとするし、厚生大臣の方は自分で決めたものを押しつけるときに審議会をただ形式的に使おう、それだけなんだ。勝手なものですよね。そういうあり方が、審議会の使い方がきわめて勝手なものだと私は言わざるを得ないと思うのです。 そこで、私が厚生大臣にお尋ねをしたようなかっこうになってしまったのは、田中政調会長の話なんですが、政調会長と厚生大臣とどっちが偉いのか知りませんが、やはり最も偉いのは総理大臣でありますから、厚生大臣がこの間概算要求でお出しになったあれを私どもはもうあくまで患者を切り捨てるものだ、こう言いたいわけでありますけれども、それに対して政調会長は、あれは変えます、こう言いますね。どう決断されますか。
○中曽根内閣総理大臣 概算要求は、先ほど申し上げましたように、この厳しい中で「増税なき財政再建」を実行していくために、各省骨身を削って合理化をやりなさいという内閣の決定に基づきまして出したもので、その範囲内で厚生省も骨身を削って苦労したところであります。しかし、概算要求は概算要求なので、いずれ十二月に来年度予算を編成するときに、それまでに党内でいろいろ論議もございまして、党員の合意の形成を見守りながら内閣も予算編成をしていく、こういう段取りでございます。しかし、一応厚生省があのように非常に苦しい中で努力をしているということは、多としなければならないと思っております。
○安井委員 いろいろ党や厚生省の意見も聞いてと、こういうことでありますけれども、野党の方の意見も聞いてください。それから、もっと国民全体の意見を聞いてください。それが大事な問題だと私は思う。 九月二日の全国知事会議におきましても、行革はやらなきゃいけない、知事の皆さんもそう言うが、しかし、いま政府がやろうとするような、特に概算要求の中にあらわれているような行革は困るんだということを知事会でもはっきり言っているじゃないですか。とりわけ、国が負担を自治体に転嫁したり、地方財政にしわ寄せするようなあり方には困りますということを、鈴木東京都知事を初め強い不満を表明したという報道も聞いています。社会保障の問題は午後の審議に譲りますけれども、やはりもっと本当に国民の声を聞いた行革でなければいけない、国民行革でなければならないということを私は強調しておきます。 そこで、今回提案をされている行革法案についてでありますが、そこにありますように、こんなにうずたかく積まれているのが法案並びにその関係資料であります。これを初めから終わりまで読むなどということになると、大変な時間がかかるということはおわかりのとおりであります。ただ、中曽根首相が政治生命をかけて死んでもこれを通すのだ、こうおっしゃったけれども、中を読んでみるとそれほどのものでもないように思うのですがね、省庁の問題だとか。しかし、ただ数が多い。物すごく数が多いのですよ。(「委員長、採決」と呼ぶ者あり)三百も五百も法律があるわけですから、とても簡単に採決などできる問題ではありません。十分に一つ一つの法案について、時間をかけた論議が必要だと私ども思うわけであります。 特に国家行政組織法の改正法案、それからこの法律の一部を改正する法律の施行に関する法律案等は、私は大変問題のある法案ではないかと思います。この国家行政組織法改正法案は、実はこれまで三回国会に出ているのです。そのいずれも審議未了に終わっているわけであります。それぐらい政府と国会との接点の問題として重要であり、今日の段階は、すべて国会はノーという答えを結果的には出しているということになるわけです。それを今度は、行革一括法案というようなことでまとめて、すぐにばっと通してしまえというようなおつもりではないかと思うのですけれども、私どもはそうはいかぬと思います。 大体、すべて法律で定められなければならないというのを政令に預けてしまうということでは、つまり国会はつんぼ桟敷になってしまうのではないか。憲法の精神からいっても、さっきからいろいろ憲法の三権分立という話を総理はお出しになりますけれども、立法府と行政府とが、これはそれぞれ別々な対立機関でありますけれども、それぞれにチェックの機能を果たしていくことによって成果を上げていくというのが日本国憲法の精神でしょう。 ─────────────
○金丸委員長 ありがとうございました。 〔英国下院議長退席、拍手〕 ─────────────
○安井委員 どうですか、総理。
○中曽根内閣総理大臣 もう一回質問してください。
○安井委員 特に私が言いたいのは、民主主義というルールからいって、国会が憲法の精神に基づいて、昔はこれは天皇大権だったわけですね。そしてそれから民主憲法に移った、その民主主義のあかしであったと私は思います。だから第一回国会においても、労働省設置法案が政令事項になっていたのを参議院で法律事項に修正をする、そして参議院のその修正は衆議院に回付されて、もう割れるような拍手また拍手でその修正案が受け入れられて、今日のこの基礎ができたわけですね。そして二十三年には組織法の修正可決も行われたという経過は、当時の若き民主党の中曽根委員も発言をされているわけですからね、御承知のとおりであります。だから私は、これは民主主義のあかしだと思う。それからもう一つは、官僚の独善をここで抑えていくという一つの重要なてこではないかと思う。どうですか。
○中曽根内閣総理大臣 確かに終戦直後におきましては、戦前のあるいは戦中の旧憲法がいわゆる官制大権の名のもとに、これは政府が天皇大権を受けて勅令でやりまして、この大きな行政組織の問題は国会の協賛を要せずして政府が決めてきた問題でございました。それに対して、戦後の民主主義の意識からこれを国会で決めるというふうに改正をしたので、私もそのときには、その修正に賛成した方でございます。というのは、戦前、戦中において行政権が余りにも拡大しまして、国会の権限が余りにも弱かったからであります。しかし、その後三十数年経過いたしましていろいろな経験もし、また最近の情勢を見ますと、国会による政府のコントロールというものも非常に強く十分生かせるように、いまなってきております。 ところが、一面において政府機構は膨大になりまして、非常に税金を食うような政府構造になっております。それからまた、いわゆる公務員の方もその既得権の中にこもってしまいまして、なかなか時代に合った改革をやらない、どっちかと言えばいままでの古い巣にこもっていて、そしてそのまま温存しておこうという気分に実はなってきたのは、非常に残念なことでございます。 そういういろいろな経験を経まして、これから激動してくる新しい時代に対応できる機動的対応力のある行政機構にもう変えなければいかぬ、しかし民主主義統制だけは残しておかなければいけない、そういうところから、昭和四十二年に発想いたしました公務員の総定員法、これのアイデアを今度は官庁について引き継ぎまして——あの昭和四十二年におきましては、公務員の数を決めてしまおう、当時の数でたしか五十二万前後の数にしまして、それに三公社五現業まで入れまして政府関係機関は八十九万何千人というふうに決めたと思います。その結果、それから十数年たちますけれども、公務員の数はふえない。そして、約一万二千人ぐらい数を減らしてきておる。 その間において、二百海里で監視船もふえる、あるいはジェット機空港がふえて管制官も要る、あるいは各県に国立の医科大学をつくる、病院も要る。一つ医科大学、病院をつくると、三百何十人定員が要る。そういう中においても、国家の関係の方は減らしてきまして、一万二千人も減らし、昨年が千四百人、ことしはたしか千六百人ぐらい実定員を減らしてきて努力しておるところです。ところが、遺憾ながら地方公共団体ではそういうかんぬきを入れることがなかったために、非常に人員が膨張したということです。 そこで、官庁につきましても、今回は局の数を百二十八に限定する、これ以上ふやしてはいけない。これは法律で決めておる。しかし、その範囲内においては、政府は機動的に時代に合うように官庁の組織を、枠組みを変えても結構ですというふうに御委任を願いまして、そしてその範囲内で時代に合うような機動的な行政機構の改革を試みていこうというのが今度の趣旨でございまして、百二十八の局以上ふやしてはならぬという歯どめはしっかりかかっておるのでございますから、いままでの国家公務員の総定員法に準じまして官庁の総定員法である、そういうふうに御理解をいただきまして、御協力をお願いいたしたいと思う次第なのでございます。
○安井委員 総定員法とこれとは、もう全然異質なものですよ。とにかく税金を食う現在の仕組みをそのままにしておいては困る、こうおっしゃるが、どこかの省の局を減らしたりふやしたりするおつもりがあれば、国会にお出しになれば国会はそれを慎重に審議をして、合理性があれば可決しますよ。今日まで、政府がお出しになって国会が局の改正について審議ができなかったという例は、どういうことなんですか。
○齋藤国務大臣 政府委員をして答弁をさせます。
○門田政府委員 お答え申し上げます。 現在の国家行政組織法体系になりましてからの各省庁設置法につきましての政府提案につきまして、国会におきまして、衆参両院それぞれ審議未了、廃案になりましたり、あるいは一部御修正をいただきましたり、こういった事例は数が結構ございます。 最近の例だけを申し上げたいと存じますが、第七十一国会、国土庁設置の際の事情でございますが、当時、ちょうど議員提案によります国土利用計画法が制定されるというふうな前後であった関係もございますので、国土庁の基本的なあり方が問題になりまして、第七十一国会では審査未了、廃案ということになっております。これにつきましても、実は七十二国会に再提出されました。その際に一部修正がございました。政府案につきまして、当時の計画局、調整局、土地・水資源局、この関係三局につきましてこれを再構築いたしまして、土地局、水資源局をそれぞれ独立の局とし、計画局と調整局を計画・調整局という形に一部修正があったというふうな経緯がございます。 そのほか、たとえば、結構古い話でございますが、昭和三十九年でございましたか、総理府設置法の一部改正、この際に青少年局の設置というのを政府提案いたしました。たまたま当時、第一次の臨調、こちらの方で青少年行政についての御審議を賜っていたということもございます。その審議結果を見ようではないかというふうなことで、廃案になりました。これにつきましても、第五十一国会におきまして青少年局の新設というものを可決、成立しているわけでございます。 そのほかに、最近の例でございますと、科技庁の原子力安全局、これにつきましても、御提案申し上げました国会におきましては審査未了、廃案、その後成立を見ているというふうな、いろいろな事例がございます。 以上でございます。
○安井委員 国会は審議するところなんだから、国民の立場に立って、政府が行政の仕組みをこうしたいということについて慎重に国民的な立場から意見を述べて、それに決着をつけているわけです。いま伺いますと、それによって行政が大きく滞ったり、そういうようなものにはとても当たらないような気がしてなりませんね。中曽根総理もたしか、通産相時代に通産省の大改革をおやりになりましたね。あの設置法だって、それから中川農林大臣が農林水産省の、いまのあの大改革をやりました。それで農林水産省になった、あの改革。国会も慎重に審議をして、いろいろな角度から問題を審議して、通ったじゃないですか。だから、国会がもうむちゃなことを言って政府の行政を滞らせるという、そんなような形でこの行政組織法が運用された例はないと私は思うのですよ。どうですか。
○齋藤国務大臣 この問題につきましては、先ほど総理から詳しく御説明ございましたが、私からも申し上げさしていただきたいわけでございます。 御承知のように、戦争前は官制大権によって、国会はこれに関与することはできない、こういう仕組みで行政各部の組織が決められてきておったわけでございます。その後、こうした新しい憲法ができまして、その当時、憲法論議の際に金森国務大臣がこう述べていると私は記憶しておるわけですが、省の設置のような国民の権利に直接関係のあるようなものは、当然それは法律で決めるのが適当であろう、しかし省の中の内部部局の編成については政令に委任することは憲法上一向問題ない、こういうふうな考えであったと記憶いたしております。 そうした考え方に基づきまして、実は昭和二十二年でございますが、労働省設置法という初めての省の設置が出たわけでございます。当時、実は私は、個人的なことを言うて恐縮でございますが、当時の厚生省の官房総務課長でございまして、その法案設立のときの事務を担当いたしておりました。そのときに、労働省設置、それはもう当然法律でやらなければなりませんが、将来、労働省のような新しい役所というものは膨張するかもしれぬ、仕事はふえるかもしれぬということであれば、新しい局を増設するということはあり得るだろう、こういうことで、司令部の示唆等もありまして、そんなことはよけいなことですが、政令の定むるところにより局を増設することができるという法律を提案いたしたわけでございますが、その点につきましては参議院において修正を受け、いま安井先生がおっしゃったような経過をたどっておるわけでございます。 そこで、私どもは、新しい憲法になり、そして国会がいままで関与できなかったというこの体制、行政権は政府に属するといいましてもそういう従来の体制からすっかり変わってしまった、そういう体制の中で今日三十年来たわけでございますが、その間の行政のいろんな規制の仕組みというものを見直してみますと、非常に行政組織の規制が硬直化してきたと思います。そしてまた、役所の側も非常に消極的になってきた。行政改革の基本は、急激な社会経済の変化に対応した機動性ということが一番大事だ、こういうふうなことでこの際機構規則の弾力化、ぜひこれをやっていただきたいという非常に強い臨調の答申が出てまいったわけでございます。 そこで私どもとしては、将来の行政改革の基盤づくり、こういう意味合いにおいて、この際過去のいろんな経験、実績等を踏まえて機動性を発揮していただくということで、ひとつ政府に御委任を願いたい、こう考えておるわけでございます。そのことは、新しい憲法に抵触するものでも何でもない、新しい省の内部部局の編成でございますから、そのくらいはひとつこの千変万化の情勢に対応して御委任をいただきたい、私はこう考えて提案をいたしておるわけでございます。
○安井委員 私は、いままでの議論の中でも、いまのこの提案が憲法違反だなどということは一言も言っていません。いままで三回も国会に出しているし、それもこれが違憲という議論でいままでおやりになったことは余りないと思いますよ、いままであったのかもしれませんけれども。私はそう思いません。ただ問題は、国会の持っている権限を政府の方に与える。だから、政府と国会の綱引きの問題なんですよ。この法律が通れば、国会の権限はそれだけ減るわけですよ。政府の権限はそれだけふえるわけですよ。そのことを言っているわけです。ここにいるあなた方は皆国会議員でしょう。われわれ国会議員全体の意思として、せっかく持っている国会の権限を政府に何で預ける必要があるのか。しかも、それだけの現実の必要性があるのかということですよ。そのことをわれわれは議論しているわけであります。この法律が通ったらすぐに局の改正の問題に取り組みますと、齋藤長官そう言われるわけでありますが、そういうのがたまっているのですか。
○齋藤国務大臣 この問題は国会との関係によって非常に重要な問題であることは、私は十分理解をいたしておりますから、従来法律が出されたときにいろんな議論があったようでございますが、そのうちの一つは、そうしたら膨張するじゃないか、数限りなく膨張するじゃないかという議論がございましたので、ひとつ総数制限をやろう、現在の百二十八に規制をしよう。規制するというということは、それよりはふやしちゃいかぬということと同時に、できるだけそれを減らすような努力をしなくちゃならぬ、私はそれが含まれていると思います。そういうふうな上限の規制という措置を講じ、さらにまた国会に対しては、その規制については官報で公示をして国会のもろもろの審議の際の御参考にしていただければ幸せだ、こういうふうな考えをしておるわけでございます。 それと同時に、この法律によって現実的にどういう改正の必要があるかという現実的な必要性の問題だと思います。先般出ました臨調答申にも、八省にわたる具体的な改革案が提示されておりますが、これは臨調が押しつけて書いたものではない。八省にわたって各省がやはり変化に対応して自発的にこの際このくらいの改革をやろうではないか、こういうことで、私の記憶するところによりますと、八省にわたりまして十八局の再編成を行っていこう、こういうことが検討されております。しかし、これは最終決定ではございません。これは、ことしの暮れの予算編成の際に最終決定がされるわけでございますが、それが決定いたしますと、いま御審議いただいておりまする国家行政組織法が皆さん方の御協力によって成立いたしますれば、来年の七月を期して八省にまたがる局の再編成が行われる、こういう現実的な必要がいまあるということを申し上げて、御理解をいただきたいと思っておる次第でございます。
○安井委員 その辺が私はよくわからないのです。八省十八局の改正案を行管庁でもう抱えているんだ、こう言われるわけですからね。それはいままでどおり、この組織法に基づいて各省設置法の改正案の中に書いて国会にお出しになればいいんですよ。この法律が通ったらそれを勝手にやります、そういう言い方では、これはまさに国会を愚弄していると言うと大げさかもしれませんけれども、それに近いような言い方をしたいような気持ちになるわけであります。そしてまた、総量制限をしているからいいじゃないかと言うけれども、いまもう少し減らすこともあり得る、こう言いましたけれども、私どもの目から見れば、いまだってまだ多いと思っていますよ。もっと減らすということを本当に真剣に考えているのですか。
○齋藤国務大臣 上限規制は、先ほども申し上げましたようにこれ以上ふやすことはできませんよという意思、それからもう一つは、できるだけ減らした方がいいだろうという気持ちを含んでいることは、私は当然だと思っております。 そこで、現実きょうの時点において幾つ減らせるかということは私は御返事はできませんが、中長期的に見ますと、局を減らす可能性のあるものは一、二あるということだけは申し上げることができると思っております。
○安井委員 中長期的でもごく長期的でもいいですが、減らしますという法案を国会に出せば国会を恐らく通りますよ、簡単に。これは、国会にこの法律があるから廃止できないんだというようなことにならぬと私は思うのですよ。 それから、この間の討論会のときに、私は、総量だけが制限されても、たとえば農林水産省を減らして防御庁の局を一つふやすというような、総量制限ですからそんなようなことがあるのではないかと言ったら、そんなばかなことはありませんよ、こうお答えになりましたが、ないんですね。
○齋藤国務大臣 農林省を減らしてよその省の局をふやす、それは私は理論的にはあり得ると思います。しかし、国の行政組織というものはそれぞれ必要によってできておるわけでございますから、私は、そういうことは理論的にはあり得ると思いますよ、理論的にはあり得ると思いますが、現実的には私は考えられない、かように考えております。
○安井委員 そうすると、総量制限じゃなしに各省ごとに局の数を法律で決めても、それでもいいわけですね、あり得ないんなら。
○齋藤国務大臣 国家公務員の総定員法のように、ある省の定員の数を減らしてよその省の数をふやす、こういう考えを行っておるわけでございます。そういう意味から言えば、理論的にはあり得ると私は思います。しかし、常識的な配置転換ということでございますから、いま申し上げましたように、農林省の局を減らして防御庁の局をふやすという行政需要が果たして発生するかどうか、私は発生しないと思います。そういう意味において申し上げているわけであります。
○安井委員 そういう事情が絶対発生しないということをいま言えますか。たとえば来年度の予算編成でも、農林水産省の予算は二・五%去年よりも減らすのですよ。防衛庁の予算は六・九%上げるのですよ。そういうことを平気に予算編成の中でも行われるのですから、事情が変わったらどういうことになるかわからない。だから総量制限というのは、機動性というのはそういう意味じゃないですか。どういう意味ですか、機動性というのは。総量だけを制限さえしておけば機動的に行えるということは、勝手にどこでも行われるということでしょう。省ごとに決めたら困ると言うなら、省から省へのあれもあり得るということを前提に置いて機動性という言葉をお使いになっているんじゃないですか。どうですか。
○齋藤国務大臣 理論的には私はあり得ると思います。しかしながら、現実問題としてそういう行政需要が、片一方を減らして片一方の局をふやさなければならぬような行政需要というものがいま発生するとは考えておりません。したがって、省ごとにいくのが順序だと私は考えております。
○安井委員 いま発生するなんということを私は言っておるのじゃないのですよ。中長期という言葉をさっきあなたもお使いになりましたけれども、長期的にはあり得るわけでしょう。だから機動性という言葉をお使いになっているのじゃないですか。 さらにまた、部の数は、私の計算ではたしか百五あるはずでありますけれども、その点については、今度の法律を見ましても、部以下のものは規定から全部外してしまって、全部政令事項になってしまっています。しかも総量制限もない。そういう形で、問題が残りはしませんか。
○齋藤国務大臣 御承知のように、部は局の中の補助的な機構でございまして、正確に計算しますと現在百一あるわけでございます。局というのはその省における基幹的な部局でございますから、そこでそこの総数規制というものをいたしたわけでございますが、部の方はその局の下の補助機構でございますから、そこまで総数規制をする必要があるかないかということで、それは規定をいたしませんでした。 しかしながら、私どもも、部を政令に譲られたからといってふやすことを意図するものではありません。今日まででもスクラップ・アンド・ビルドの方式をとってきておりますから、総数規制というものは部にはありませんけれども、私どもは、あくまでも抑制するという考え方で運用していくべきものであろう、かように考えております。
○安井委員 各省に審議官というのが大分いるのですね。しかも審議官には二通りあるのですね。その審議官の数は、二通りに分けてどれぐらいになっていますか。
○齋藤国務大臣 政府委員をして答弁させます。
○門田政府委員 お尋ねの審議官の数でございますが、各府省庁全体を通じまして、いわゆる中二階と称されます審議官でございますが、合計四十三種類、職の数、トータルでございますと百二十ということに相なっております。——訂正させていただきます。(安井委員「種類ごとに。任務は」と呼ぶ)種類ごとでございますと、まず幾つかの省におきまして、官房におきまして、いわば官房長の所掌する事務のうち一部について総括所掌する意味で総務審議官という名前になっておりますものが七職ございます。 続きまして、一般的に審議官と言われておりますもの、これはおおむね各府省におきます官房に集中して置かれておるわけでございます。その仕事の内容は、同じくそれぞれの官房あるいは局の制限された事務の中の一部につきまして、重要な事項につき企画立案に参画するといったふうな意味での、審議官、いわばスタッフでございます。こういったものが各省庁通じまして百七人ということに相なっております。 そのほか、技術その他につきまして特別の機能を持っている、こういった、たとえば技術審議官というふうなものが上についております、審議官、これが四職ございます。 合計いたしまして、先ほど申し上げました百二十という数字を訂正させていただきますが、百十八ということに相なっております。
○安井委員 これは政令事項ですね。
○門田政府委員 さようでございます。
○安井委員 総理もお聞きになったと思いますけれども、なかなか複雑なんですよね。大臣がいて次官がいて、政務次官がいるが、政務次官は何するのですか、それは別として、それから局長ですか、それから部長がいて課長がいてと私は思ったら、部のないところもありますけれども、そこに審議官がいて、審議官にも二種類あって、こうあるのですよ。しかもこれはどんどんふえているのです。 いま国会が法律で局は制限しています、審議官の方は政令事項ですよ。ですから、法律が、いま現に国家行政組織法があるその中においても国会の、われわれの知らない中でそんな官職がどんどんふえているのですよ。まして、国会がいまのこの縛りを全部政令に預けてしまって、政府、勝手におやりなさいということになればますますルーズになる可能性がある。機動性というのはルーズになるということじゃないですか。そのことを私どもはおそれるわけであります。あるいは国会への報告というようにたしか臨調は書いてあったと思いますけれども、今度は官報に載せればいい、こうですよね。臨調と違うこういう書き方をされたのはどういう意味ですか。
○齋藤国務大臣 この法案の立案に当たりまして当初そうも考えたわけでございますが、やはり役所の機構は広く国民に知っていただきたい、その方が適当ではないか、こういうふうなことを考えまして官報に公示する、こういう仕組みにしたわけでございます。
○安井委員 国会に報告するということになればまた国会で文句が出る。これはしかし決まっちゃったことなんですけれども、官報に出すなんと言ったって、これは官報に出る前に新聞にどんどん書くでしょう。そんなものを、局がどうできたのかというようなことを官報で調べに行く国民がいますか。これはまさに、私はあの一つの書き方によって今度の国家行政組織法を改正しようという政府の底意が見えているのだと思いますよ。そういうようなあり方で、私どもはこの法律を死んでも通すと言われる総理のお気持ちがどうしてもわからぬわけであります。 さらにまた、例の総務庁設置法等の一部改正法案等のうち地方機関の問題については四十六年に一度出したのですね。そしてこれは流れているわけです。臨調は府県単位機関の廃止というようにうたっていたと思います。しかしこれも地方行政監察局を行政監察事務所というふうに看板だけ変えていく。地方公安調査局は公安調査事務所というふうに、これも看板が変わっていく。財務部の方も財務事務所ということに変わっていく。こういうことで、結局何か看板のかけかえみたいなものじゃないだろうかというような気がしてなりません。これは数も減らないのでしょう。 大体において中央省庁の方は、後で触れます総務庁の問題もありますけれども、ほかの省庁についてはほとんど何も触れてないでしょう。そしてただ地方の出先の——出先の機関というのは国民へのサービス機関なんですから、その窓口だけを縮小していくというのが政府のお考えのようですね。しかもそれは看板の塗りかえだけだというと、判こをつくったり看板をつくるお金がよけいかかって、これは行政改革に逆行するのじゃないですか。これじゃ経費の節約になるわけないでしょう。国民のサービス機関にだけしわ寄せをして、それが行革だと言われるのはどうも理解できないわけです。どうですか。
○齋藤国務大臣 看板の塗りかえではないかと仰せになりましたが、私どもはさように理解いたしておりません。 すなわち、ブロック機関のもとに府県ごとにある役所、公安調査局、監察局、財務部、こういうふうなものは、交通機関が発達いたしておるわけでございますから、そういうふうなブロック機関がありながらその下にまた県ごとにあるという機構はおかしいではないか、こういうことで臨調においてもそういう機関は廃止しよう、廃止したらどうだ、こういう意見が出、しかし、また現地のサービス、利便というものを考えて現地処理機関をつくったらいいだろう、こういうことになってきておるわけでございます。 これは看板の塗りかえではありませんで、それぞれの県の出先機関が所掌しております事務はできるだけブロック機関に移す、そして、現地は現地で処理することが適当であるという小規模の事務に切りかえていこう、したがって、定員の方も要員規模もできるだけブロック機関の方に定員を移す、こういう考え方でございまして、私の方の行政監察局をして言わしむるならば、大体県ごとにある監察局の定員を二〇%程度はブロック機関に移す、こういう考えでございます。しかし、定員の全体の縮減問題はこれとは別個でございますから、第六次公務員の定員減の計画というものに従ってこれをやるわけでございますが、二〇%はブロック機関に移す、こういうやり方で、たとえば監察局で言いますと、現地における行政相談事務を中心とした現地処理の必要な最小限度の事務にとどめる、こういうふうにいたしたいと考えておるわけでございます。
○安井委員 私どもは、地方における出先機関というのは、むしろできれば都道府県とか市町村の地方自治体に預ければいいと思いますよ。それが本筋ですよ。地方分権を強化するという考え方が臨調にも余りないし、政府も全くないのですよ。地方を減らしてもあくまで自分の縄張りから外さないというその根性だけがぎらぎらあらわれている。しかも、地方住民の利便というものには全く考えが及んでいないというような気がするわけであります。 さらにまた、総務庁設置法と総理府設置法の一部改正の法律案もあります。これは、臨調の言い方は縦割り行政に対して総合調整機能を強化する必要がある、こう言って提起した問題ではなかったかと思います。ですから、内閣官房の強化、予算による調整、計画による調整、人事、組織、定員に関する調整、こういったような形で提起していたようでありますが、人事局、行政管理庁の統合というようなことで総合管理庁というようなことがたしかスタートラインの問題ではなかったかと私は思います。政府の新行革大綱では二庁の統合というふうに書かれていたと思います。それが例の橋本試案ということになって、その橋本試案も縄張り争いといいますか、もういろいろなかっこうで、全く変形したかっこうで成立してしまっているわけで、臨調の総合調整というものとは全く違ったようなかっこうで今度国会にあらわれてきたというような気がしてならないわけであります。これで非常に合理的なものができたというふうにお考えなんですか。
○齋藤国務大臣 臨調の答申は、いまお述べになりましたように、人事、定員、組織を総合的に管理する総合管理庁をつくれという意見が出ておるわけでございます。そこで、これを受けまして政府におきましては、そうした臨調答申の基本的方向に沿って総理府本府と行管庁の所掌事務を総合的、一体的に見直そうではないか、こういうことになってきたわけでございまして、新しい総務庁構想というものは臨調が提言をいたしておりまする総合管理庁構想を包摂して、さらに広く総合管理機能を充実させていこう、こういうことであると私は理解をいたしております。 すなわち新総務庁は、人事、定員、組織、監察、これだけですと総合管理庁になるわけでございますが、そのほかに政府全体としてやはり総合調整機能を発揮していこう、こういうことで、総理大臣のもとにおける総合調整機構としてすでに成熟しておる、すなわち老人対策室だとか青少年本部だとか、あるいは交通安全とかいったふうなもろもろのすでにもう総合調整機構としてでき上がっている機構はこの際総務庁に移し、総合管理庁の構想とあわせ内閣としての総合機能をさらに強化していこう、こういうことでございますから、臨調全体を流れる総合調整機能の強化という線に沿うているものと考えておりますし、当時総合管理庁を提言されました土光臨調会長も、私どもの言うておった総合管理庁よりも一歩進んだ案である、こういうふうに理解しておることを申し上げておきたいと思います。
○安井委員 丹羽さん、総理府の方はいまの御答弁でよろしいのですか。
○丹羽国務大臣 ただいま管理庁長官が詳しく先生にお答えしていただきましたが、私ども最初は臨調の方から出ました答申のあの考え方、総合管理庁というか、これについてはいろいろの意見を持っておったのでございますけれども、先ほど行管庁の述べられましたようにもっと進んだところに持っていこう、こういうことでございますから、それならばというので私ども賛成をした次第でございます。
○安井委員 今度のこれについて、国民の側は何だかさっぱりわからないのですね。ただ関係の役人の方は、これはまさに死にもの狂いの問題であったようですね。国民の方は、それが一体何なのか、国民にとって何なのか、そういうような一つのドラマであったような気がしてなりません。 これによって大臣が一人減るわけですけれども、これはもう完全に一人減らされるのですか、総理。
○中曽根内閣総理大臣 両庁の統合によりまして大臣を一人浮かすことができると思います。副長官は二人とも減ってしまう。しかし、大臣のこれは、私のいまの感じでは、無任所国務大臣として機動的に活用させていただきたいと考えております。
○安井委員 本当に行革をおやりになって大臣を一人減らしましたと言うなら、国民は、この何だかわけのわからない統合劇だけれども、これは拍手すると私は思いますよ。だからそういう意味で、これで一人減らしてほかへ回すのだ——一人減らせば自民党の皆さんも困るかもしれませんけれども。(「構わない」と呼ぶ者あり)構わないという御意見もあるわけですから、はっきりそこまで踏み込めば、なるほど中曽根さんも行革をやるんだなということになると私は思うのですよ。そうじゃないわけですね。ただ、一人は別な方に回す、無任所大臣か何かにするというだけで、絶対数は減らぬということだけで間違いありませんね。
○中曽根内閣総理大臣 最近の内外の情勢を見ますと、非常に激動している状態でございます。また、静かなる改革を要する点が非常にあるわけでございます。特に私が内閣を受け持たしていただいてからは、かなり改革をやろうという意欲を持ちまして進めつつあるわけでございます。 そういう意味におきまして、外交におきましても内政におきましても、かなりの思い切った措置を今後も講じていくためには、首相を補佐して、そして内閣全体の調整統合を行う、そういう役目の方がぜひ必要であると私は前から感じておりまして、総理就任のとき以来、これは無任所国務大臣が要るな、そういう希望を持っておりました。それで、この行革を機に一つ浮かしていただいて、そしてまだどの部署にどう使うかということは決まっておりませんが、ともかくいろいろな構想をいま考えておりまして、無任所国務大臣として重用して、そして国政を力強く運用するということにしたいと考えておる次第なのでございます。
○安井委員 大体そんなところで、中曽根行革というのはそういうところだなというようなことがわかったような気がします。 機関委任事務あるいは許認可事務の問題については、何しろたくさん問題がありますから、これはそれぞれ担当して詳しく後に伺いたいと思います。総論的な言い方をするような問題でもないように思うのですけれども、いずれにしても一万件もある許認可事項を大綱でも答申指摘の二百二十二事項についてようやく二十六法、三十九事項だけが今回処理されるというようなことでしかないわけであります。とにかく何か一たん自分の権限ということになったらもう絶対離さぬ、死んでも離さぬというような、そういう構造の上に国家行政の許認可事務の権限というものがでんと押さえられており、機関委任事務もどんどんふえて自治体は四苦八苦をされている、こういうようなことではないかと思います。 国立予防衛生研究所に関する新薬スパイ事件も、中央薬事審議会委員である薬品部長の枉法収賄事件に発展したというふうなことで、私どもも大変心配をしているわけでありますが、これなども、私はこの薬事の審査が要らないという意味ではありませんよ、要らないという意味ではありませんけれども、そういう許認可事務とか権限事務がそんなような悪い形に発展しそうなところまで絶対離さぬ、その一つの例にこの問題を取り上げたわけでありますが、私もいままだかぜが抜けないでかぜの薬を飲んでいますが、薬が全く信頼できないようになったら、これは大変ですよ。ですから、薬の問題はきちっと処理してもらわなければなりませんが、検察の方からこの事件の処理について、それから厚生省の方から薬品行政の抜本改正について、ちょっと伺っておきたいと思います。
○前田(宏)政府委員 お尋ねの国立予防衛生研究所関係の事件でございますが、現在東京地検におきまして捜査中でございまして、去る九月七日に国立予防衛生研究所の鈴木という技官を虚偽公文書作成等の疑いで逮捕いたしました後、新聞等にも報道されておりますように、この研究所にあります抗生物質に関する資料のファイル等を持ち出した行為というようなことで、関係の会社の藤沢薬品あるいは帝三製薬という会社の部長なり課長なりを逮捕し、さらに過般、これとは別でございますが、中央薬事審議会の委員であり、国立衛生試験所の部長でもある江島氏を収賄容疑で逮捕したというようなことでございまして、その捜査の内容や今後の見通しにつきましては、いま申しましたように現在捜査中でございますので、詳しいことは避けさしていただきたいわけでございます。
○林国務大臣 お答え申し上げます。 厚生省所管の試験研究所の職員が引き続いて不祥事件を起こしたことにつきましては、私としても大変遺憾に存じておりますし、まことに申しわけないと思っておるところでございます。公務員としてあるべき姿でない、これも当然のことだと思いますし、現在司法当局におきましていろいろ調査をしておられますから、その厳正な調査を待った上でいろいろなことをやっていかなければならない、こういうふうに考えておるところでございます。 新聞によれば、やはり製薬会社の問題も出てきておる。こういった問題につきましては、薬事審議会という形で薬の審査をしておる、その審査はやはり公正に行われなければならないということはもう当然のことでありまして、こういった事件によりまして国民に不信の念を持たせたことは大変遺憾なことに思いますし、私も、近々事件が一段落いたしましたならば、そういった会の会長さんなり、これは部会が大変多いのですが、そういった部会長を呼びまして、一遍どういうふうにしてやるか抜本的な対策を考えてみたい、こういうふうに思っておるところでございます。 〔委員長退席、海部委員長代理着席〕
○安井委員 行革に関係のある幾つかの問題について伺ってまいります。 まず、臨調の答申の中でも、財界が農業の問題について過保護と言い、農業に対する補助金が厚過ぎるからそれを削れとか、食管制度を見直せとか、そういう言い方をしているわけであります。それを受けて、今日、たとえば第三期生産調整がある際にその補助金を削減するとか、補助金体制からだんだん抜けていけとか、そういうような言い方が現に臨調でなされているわけでありますが、それらに対して農林水産大臣はどのように対応されるか、三期減反の問題も含めて、それを伺います。
○金子国務大臣 お答えいたします。 補助金というのは、転作の補助金のことだろうと思いますが、これは昨年の農政審議会からも、その報告によりますと、やはりこの問題に触れております。三月の臨調の答申にも、やはりこれは検討すべきであるという答申でございます。 そこで、転作作物が定着して、いわゆる米の売り上げと転作作物の売り上げ、いわば価格の差額、いわゆる農家の収入の差額の問題これを勘案していまの助成をやっているのでございますから、こういう点を精密に検討いたしまして、適正な取り扱いをいたしたいと思います。 それから、次の水田再編の問題でございますが、これも米の需給は依然として過剰傾向でありますので、まあよく猫の目農政といって批判を受けておるのでございますから、将来できるだけひとつ農家に不安を与えないように、安心して転作作物も定着させるように、いろいろなことを考えますと、やはり長期的に展望を持って一つの基本方針を立てたいということで、いまいろいろな検討を続けております。その中にはいろいろありますけれども、まだ成案を得ていませんので、いずれこういう問題は、安井先生が代表で、社会党の先生からもたびたびいろいろな御意見を承っておりますので、成案を得ましたならば皆様にもひとつ御報告をして御了承を得たい、このように考えております。
○安井委員 いわゆる生産調整、米の生産調整の問題は五十三年からスタートして、これを法律で、つくるなと言っているわけじゃないのですから、結局、つくらなければ奨励金を上げますという形でいまの奨励金の仕組みがあるわけですから、この奨励金がなくなればいまの生産調整そのものが崩れてしまうということになるわけです。 そして、それを含めた第三期生産調整の問題が——これは早く決めてもらわないと、来年の作付ですからね、もう北海道などは麦まいてしまいましたよ。いまさら生産調整をどうのこうのと言われたって困るじゃないかという意見になるわけです。これはどこでもそうですよ。だから、いつごろまでに奨励金の問題も含めた次の生産調整計画についてお決めになりますか。
○金子国務大臣 いろいろ米審等の場合にも、やはり九月いっぱいに結論を出してくれという強い要望があっていますので、それを一つの目安として作業を進めております。本当に九月三十日までに結論を出してくれるかどうか、多少ずれ込むと思いますけれども、それに近い時期に結論を出したい、このように考えております。
○安井委員 農林水産大臣、いま、ついでですから、いわゆる日米農産物交渉の問題についてもちょっと伺っておきたいと思いますが、九月十四、十五両日にわたる東京における日米交渉が物別れに終わりました。これから後どうなるかということでありますけれども、アメリカの方は、自由化をしろ、こう言うけれども、しかし自由化の問題は、消費者の団体も自由化反対なんですね。つまり気心の知れない、何が外国から入ってくるか知らない、そんなものを食わされては困るということで、農民と一緒になっているわけでありますけれども、これはアメリカの方もみずからウエーバー品目を置いて、自分のところの農産物には、それは勝手に輸入ができないような仕組みをつくっている。そしてそれをそっちのけにして、日本農民の方には、二十二項目のいまの制限品目を自由化しろ、こう言っている。その辺がおかしいわけですよね。 私は、レーガン大統領が今度来る、それまでに、総理は、日米農産物交渉の決着をつけておけ、こう言われているとお聞きをするわけでありますけれども、いま二十二品目の自由化を要求していますけれども、アメリカ自身が十三項目のウエーバー品目があるんですね。自由化しない品目があるんですよ。そのことは御存じですね。あるいは食肉の法律もあります。それも法律で制限しているわけです。自分の方は制限をそのままにしておきながら、そういう要求をする。あるいはECのヨーロッパの国々もみんな制限品目を持っているわけですね。何で日本だけがそういうつらい目にいま遭わされるのかというのが農民の切実な気持ちではないかと思いますが、どうですか。
○中曽根内閣総理大臣 農業につきましては各国とも特別の関心を持っておりまして、アメリカにおきましても、いまおっしゃるように、ウエーバー品目を持っておることも承知しておりますし、EC等におきましては、特に農業については手厚い保護をしておるということもよく存じております。日本も農業を大事にしなければなりませんから、非常に腰を強くしまして、不合理なことについては押し返している、こういう状況であります。
○安井委員 自由化はいたしませんというのは、総理、幾度も答弁がありました。ただ、枠の拡大については余りはっきりした言い方はなさらぬわけでありますけれども、大きな数字を持ち出して、この数字で枠を拡大しろ拡大しろということになれば、実質自由化と同じことになるわけですよ。だから、その枠の拡大に対しても、特に牛肉、オレンジでありますけれども、その問題に対しても、いまおっしゃったようにばあんとけるというぐらいのお気持ちがなければ私は困ると思います。いつも自由化の問題にははっきり言うのです。しかし、枠の問題についてはうやむやになるわけです。それがみんな心配なんですね。どうですか。
○中曽根内閣総理大臣 この問題は、日本の農業の将来あるいは農村社会の問題、あるいは所得の問題とかあるいは関係各国との調整、そういういろんな問題が含まれている問題でございまして、日本だけで独善的な立場をとるということは必ずしも適切でない部分もあります。そういう意味におきまして、日本の農村の動向について非常に細かい注意を払いながら、できるだけ外国と協調していく線を編み出していくということがやはり政治の今日の課題であるのであります。 そういう点から、関係専門家による静かなる交渉を行いなさい、そういうことでレーガン大統領と私と話が合いまして、自来、静かなる交渉が続けられておるのでありまして、いまその交渉が続けられつつあるというところでございますから、それを見守っていくのが正しいと思っている次第でございます。
○安井委員 きょうも盛んに静か静かで終始されているようでありますけれども、レーガン大統領との今度の話し合いがうまくいくには、とげのようにひっかかっているいまの農産物の問題があるので、それを早く解決しておけよと——農林水産省の方は農村あるいは農民の立場からがっちりしているけれども、頭越しに総理の方から、もういいかげんにしておけ、こういうような声がかかるということを私どもは心配しております。そういうことはありませんね。
○中曽根内閣総理大臣 私は、農は国のもとであるということを言っておりまして、農業は生命産業であって、ロボットで機械をつくるような産業とは違う、そういうことも言っておるのでございまして、農村を一番大事にし、心配しておるのは中曽根康弘である、こういうふうに申し上げる次第であります。
○安井委員 私は、総理のかっこのいい宣伝文句だけで質問を締めくくるわけにはいきませんが、いずれにしても言葉だけで、そういうことはだれでも言えますよ。言葉だけで終わらせないということは、今度の貿易自由化あるいは枠拡大の問題がどういうことになるかということをみんなかたずをのんでいるわけですから、言葉でいいことを言ったって、後で数字で変なことになったら困りますよ。そのことをはっきりこれから後の政治の中で立証していただきたいということを私はひとつ申し上げておきます。 それから人事院勧告あるいは仲裁裁定等について、臨調そのものは余りはっきりした言い方はしていないんですよ。抑えようとか、そんなことは言っていないはずなんですけれども、それを受けとめて政府の方は昨年とうとう据え置きということにしてしまった。そして、ことし人事院は新しい勧告をしているわけでありますが、いままでの政府の答弁では、完全実施すべきではないかと言うと、二年間の据え置きはいたしません、こういうことは明確に言っておられるわけであります。 しかし、九月九日に給与関係閣僚会議が開かれて、政府・自民党の首脳の極秘会談が行われ、そういう中で誠意を持って最大限尊重はするが、五十七年度人勧の凍結分を直ちに解除するのはむずかしい、昨年度の勧告分である四・五八%は引き続き凍結していくというようなことで全体の意見が一致したというような新聞報道があるわけであります。そしてその合意事項には、その内容を文書化して、後で問題が起こらないようにということで全員が署名したとも伝えています。この事実をまず伺っておきたいと思います。
○後藤田国務大臣 九日の朝の政府の関係閣僚と党の首脳部との話し合いを御質問なさっていらっしゃると思いますが、この会合は臨時国会が開かれるに際して政府・与党の関係者の中で、これはいろんな厄介な問題がある国会でございますから、お互いに意見の交換をしようということで話し合いをしたことは事実でございますけれども、御質問のような人事院の勧告の、何ですか、五十七年度は何とかとか署名をしたとか、そういう事実はございません。
○安井委員 この新聞報道はうそですね。
○後藤田国務大臣 新聞報道についての論評は差し控えたいと思います。
○安井委員 人事院の総裁がお見えでございますけれども、いまの新聞報道、これは論評はしないと後藤田官房長官言われましたけれども、これはやはり人事院の総裁としては十分論評してもらわなければならぬと私は思うのですが、そういうことがもし事実だとすれば大変だと思うのですが、どうですか。 〔海部委員長代理退席、委員長着席〕
○藤井(貞)政府委員 そのようなことがあれば人事院としては大変遺憾なことでございますが、その点については新聞報道がございましたので、どういうことだということで、われわれとしても関心がありますので調べましたが、そういう事実はないというこれの確認を私自身としては報告を受けております。
○安井委員 そうすると、人事院の総裁としてはあくまで二年分のという、結果的にはそうなっているわけでありますけれども、その勧告を完全実施してほしいという一言に尽きるわけですね。
○藤井(貞)政府委員 その一言に尽きるわけでございます。
○安井委員 この間の報道はうそか本当か、それも言わないわけですね。論評しないということなんで、本当かもしれないが論評はしない、そういうことですね。だということになれば、いまの段階において二年分を一遍にやらないで、去年の分は凍結したままにしていくということになると、ことしの勧告は六・四七%アップですから、去年の分の四・五八%アップを凍結でこれを引き去ると一・八九%アップ、これだけやれば政府としては義理が済むんだというようなこんな無情な結論をお出しになるおつもりはないんだと私はそう思うのですが、どうですか。
○丹羽国務大臣 お答えさしていただきます。 いま先生いろいろと御心配をいただき、また、そうした御心配の上からいろいろと御意見が述べられておりますが、総理自身も言っておられまするように、本年度の人事院勧告の取り扱いについては、勧告を尊重するという基本姿勢に立って、私ども関係閣僚会議で国政全般について、大変財政は厳しい中でございますけれども、現在検討中でございますが、いまお話があったようなこと等は具体的にまだ何の話も出ておりません。私は申し上げておきたいと思います。 そこで、給与を担当しておる私といたしましては、昨年のああした経緯、そうして特に良好な労使関係の維持等に配慮し、なおまた勧告は労働基本権の制約の代償措置だというような、そういう形だから当然これは尊重すべきことでございますけれども、そうしたことよりも生活というものがかかっておることでございまするので、この勧告の実施に向けてもう最大限、力いっぱいいま尽くしておるという段階でございます。
○安井委員 仲裁裁定の問題も国会に預けられたままでペンディングになっているわけでありますが、国会に預けっ放しで、それで済むのだなどというようなことを関係閣僚は思ってはいないのではないかと私は思います。三公社、さらに現業の部分もありますけれども、仲裁裁定はやはり仕事をしておる労働者の生活を守るただ一つのとりでだし、仲裁裁定という裁判の判決なんですからね。それをひとつ明確な実行を各関係閣僚の決意として伺っておきたいと思います。労働大臣からまず。
○大野国務大臣 仲裁裁定につきましては、公企体に働く職員の労働基本権の代償としてございますから、これの完全実施に向けて最大限努力することは当然だと考えております。しかしながら、本年もその実施に対しての予算上の問題等々もあり、国会に付議したものでございますので、現在は政府としては国会の御判断を仰ぐということで待っておるところでございますが、これも一日も早くその御判断が出ればそのように政府としては対処していく所存でございます。
○長谷川国務大臣 国会の方に付議されておるのですから、その結論を待っております。何とか実施してもらいたいと思いますが、予算上可能じゃないというふうな形で国会の付議になっておりますが、その結論を待つ、こういうことでございます。
○竹下国務大臣 予算成立後日なお浅く、完全実施が予算上可能であるとは断定できない、こういう理由で国会に付議しておるわけでございますので、現時点において国会の御結論を見守りたいということであります。
○金丸委員長 郵政大臣はきょうは出ておりませんから、ここはこれでいいじゃないですか。農林大臣も要るのかね。——農林大臣。
○金子国務大臣 予算上実施ができると断定できませんので、国会に付議しておるのでございます。一日も早く結論を出していただきたいと思います。
○安井委員 総理、とにかく人勧にしても仲裁裁定にしても、私は、関係閣僚からの御答弁はそう誠意があるようには思えません。特に九日の日の関係閣僚の秘密会議なるものがあったとすれば、これはもう大変な問題だと思います。この際、人勧やあるいは仲裁の問題について、総理、一生懸命にがんばっている国家公務員あるいはこれは地方公務員にもすぐ響いていくわけですね。あるいは人勧の問題は年金にもこれは響いていくわけですよ。あるいは民間労働者の賃金にもこれはずっとつながる非常に幅の広い経済問題でもあるわけですね。景気の回復にも関係が出てくる、仲裁裁定を含めて。そういう大きな立場から、やはり完全実施ということを決意していただかなければならないと思いますが、いかがですか。
○中曽根内閣総理大臣 人事院勧告につきましては、政府は法律に基づきましてこれを尊重するという基本的立場を堅持しておりまして、今日におきましてもその立場は変わりません。また、仲裁裁定は裁定という性質で出てきたものでございまして、これもわれわれといたしましては基本的に尊重する立場は堅持しておるわけでございますが、いずれの場合も予算上、資金上の大きな問題と関係しておりまして、いま政府は行革を推進し、そして経費を削減し、しかも赤字国債を減らそうという非常に大きな努力をしている最中で、財源的に果たしてどうであるかという、そういう苦しい立場に立っておりまして、いま関係閣僚協あるいは国会の御判断を得るために懸案として処理していただいておる状況なのでございます。
○安井委員 とにかくこれはひとつ重大な決意を総理、していただかなければいけないと思いますよ。 そこで、行革と景気の問題について若干伺いたいと思いますが、わが国の景気の動向に対して各省の認識にも若干、いろいろ違いがあるようでありますけれども、行政改革という中で一体どのような対応を政府はやろうとなさっているのか、それをひとつ伺っていきたいと思います。 景気の状況についての見通しだとかそういうようなことも伺いたいが、時間の関係もありますからそれは省きますが、景気は底入れになったと、こうは言われても、やはり業種別にあるいは地域別にかなりの差があって、落ちているところはどうしようもないというような状況があり、倒産も続いています。総理は、十月中旬以降に内需拡大を柱とした総合経済対策を打ち出すという構想をお持ちのようでありますが、どういうものですか。
○中曽根内閣総理大臣 景気の問題につきましては関係大臣に御質問願いたいと思いますが、去る四月五日に第一次の総合対策を発表いたしまして、公共事業費の前倒し以下、いまいろいろな諸般の政策を遂行しておるところでございます。 しかるところ、対外関係におきまして日本の黒字が非常に累積をいたしておりまして、世界的に摩擦を起こしかねないむずかしい状況に来ております。そういう意味におきまして、この日本の貿易黒字の累積という問題に対処する必要もあり、かつまた景気につきましても、上昇には転じつつありますが、非常に力強さを欠いている、こういう状況でございますので、この景気をさらに力強いものに変えていくという必要性もある程度認めておるわけでございます。 そういうような両方の意味も兼ねまして、一面においては減税をやろうということで景気に資するということを政府もお約束しておるわけでございますが、そのほか内需喚起の政策やらあるいは対外黒字問題の解決等も含めて、一応十月中旬を目途に政府の考え方をまとめ、そして適当なときにこれを発表して実行していく、こういう算段をいましておる最中でございます。
○塩崎国務大臣 お答え申し上げます。 景気の問題につきましては、この九月に発表いたしました御案内の国民所得統計速報、その中にありますように、〇・九%の成長が四—六月に見られた。しかし、その内訳は、御案内のように外需が〇・五で内需が〇・四、こんなふうな内訳になっておりますことからおわかりのとおり、私どもは、去る四月五日に決定いたしました今後の経済対策の中での当面の八項目、その中には御案内のように公共投資の前倒し施行あるいは金融政策の機動的運営等がございますが、これを着実に実施を見守りながら推進していく、同時にまた、検討課題でございました所得税の減税についてもひとつ検討していく、こんなことを進めているところでございますが、なお、いま総理が申されましたように、昨今の経常収支の黒字幅の拡大あるいはまた長期資本の海外への流出の状況から見まして、さらにもう一つ、他の重要項目でございますところの民間設備投資の不振を考えますと、やはり公共投資についても、あるいはまたその中に民間資金の活用を含めてでも、この施行を考えていかなければならない、こんなふうに考えておるところでございます。
○安井委員 次に出る経済政策の中身を本当はもう少し聞き出したいわけでありますが、そのための時間もありませんので、後で皆さんに聞いてもらいます。 ただ一つ公共事業の問題が、これは行革との絡みで非常に重大になってくるわけであります。大蔵省の方も九月二十二日に公共事業の今下期追加の具体策について検討に着手したという報道がありました。いままではもう下期追加はやらぬのだというようなことだったのが、今度はそういうような、検討に入ったというようなことであるので、その点ひとつ伺っておきたいと思いますが、自民党の中にも何か公共投資の推進協議会があって、金丸委員長がなにだそうですね。ですから、そのことについては金丸委員長も聞きたいところではないかと思うのでありますが、下期の公共事業の問題についてどのようなお考えでお臨みになるのか、大蔵大臣から伺います。
○竹下国務大臣 景気の見通しにつきましては、いま経済企画庁長官からお話があっておりますが、ここのところで私ども従来お答えいたしておりましたのは、今後、いずれにしても内需中心の息の長い安定的な経済成長を定着させていかなければならぬ、しかし、今日の段階で、数字の上で申し上げてみますと、今年下期の公共事業の量というものは昨年の補正後に比べましてもおおむね同じ程度の量が確保できる、それでその上にデフレーターが効いてまいりますので、実質は、及ぼす効果としては昨年以上のものが期待できるという数字上の問題が出てくるわけであります。 しかし御案内のように、これは景気の問題とは別でございますが、災害もございました。そうして、総理から新しい角度から経済対策についてよく政府部内の調整をするようにという御指示をいただいておりますので、必要かどうか、さればどのような手法があるかないか等を含めて、われわれは内外の経済情勢に適応していつでも対応できる準備は、心構えと同時に実態としても勉強しておくべきであるということで、勉強しておることは事実でございます。
○安井委員 きのう、北海道から東京へ飛ぶ飛行機の中で、私の隣に一人の小さな建設業を営んでいる人が乗りました。いろいろ話をしましたら、北海道でも、前倒しというようなこともあったのかもしれませんけれども、もう仕事がなくなっちゃった。なくなってしまって、労働者の方は、一定の稼働日数がなければ失業保険の対象にならないわけですね。北海道は、冬、仕事がないものですから、いわゆる季節労働者という形で労働省も特別な対策をいままでもずっとやってきているわけです。しかし、一定の稼働日数がなければそれにも該当しないわけですよ。つまりそれぐらい中小の建設業の皆さんの方は仕事がなくなってきちゃった、そういう実態を聞きました。そこで、二十人ばかり引き連れて、いま神奈川県へ行くんです、神奈川県の下水道の仕事の下請をやって、何日間でも働きの日数をふやしたいんです、そういうふうな話であります。ですから、もっと仕事が欲しい、これは大きな業者の人とあるいは違うのかもしれませんけれども、そういうような声がかなり深刻な形であらわれているのだな、労働者の生活に大きく響いているのだなということを、私もきのうの飛行機の中の会話の中から痛感したわけです。 ですから、そういう意味も含めて、公共事業もどこでもここでも同じようにやれという意味ではありませんが、やはり地域性も考慮に入れながら、公共事業も大都市の場合には土地にみんないっちゃって効果が上がらぬというような問題もありますから、もちろん公共事業がすべてではないと思いますけれども、つまりそのような生活の問題にまで大きく問題が及んでいるのだということの考慮の中で、大蔵大臣がいま検討中だと言われましたけれども、公共事業の問題と取り組んでいただきたいと思います。どうですか、総理。
○中曽根内閣総理大臣 公共事業が景気に及ぼす影響についてはわれわれも非常に深い関心を持っておりまして、大蔵大臣も、税金でそれを賄うことは非常にむずかしいけれども、それ以外の方法で公共事業の枠を何とか拡大できないかといま苦心している状況でありまして、私もいまの安井さんの御発言はよく胸にとめて努力してまいりたいと思います。
○安井委員 財政投融資の活用の問題もありますよ。地方債をふやせば、自治体の方もまだまだ仕事ができるのじゃないかと思います。そういうような側面をぜひ考えていただきたいと思います。 そこで、防衛庁長官にもきょうおいでをいただいていますが、三海峡封鎖というのが大きな課題になっているわけですが、明年度のシーリングの中に三海峡封鎖に関する予算をどの程度要求されているのか、それを伺いたいと思います。
○谷川国務大臣 私どもは海峡封鎖という言葉を避けてはおりますが、わが国有事の場合に、どのような状態のもとでわが国の周辺の通峡阻止を行うか、そのときどきによって違うわけでございます。 なお、来年度予算で三海峡封鎖のための予算をどの程度計上しているかという御質問でございますが、実は、有事の場合の通峡阻止の仕方はまことに総合的でございまして、あらゆる種類の艦艇、航空機あるいは潜水艦、こういったものを使うわけでございます。そして、われわれはわが国の全般的な防衛力整備につきましては、毎々御答弁申し上げさしていただいておりますように、現在持っております整備計画に基づいて、年々、財政事情の許す、あるいは他の国の施策とのバランスなどを考えながら行っておるわけでございまして、五十九年度の具体的な、特に正面装備の問題につきましては、必要あれば事務当局から答弁をいたさせます。
○安井委員 細かな御答弁はまた別の機会に譲りたいと思いますが、この三海峡封鎖の問題について、ことしの国会で、春の予算委員会を中心にしてかなりやりとりされているのですけれども、何か一つ大きな観点が欠落しているように思ったものですから、この点をちょっと伺っておきたいと思います。 いま北海道の話が出ましたけれども、私の北海道は三海峡のうち二海峡に挟まれています。その二海峡の間にいる住民の立場がこの中に全く無視されているんじゃないかというふうな気がするわけです。 大体、有事の際に海峡を封鎖する、こう言われるけれども、海峡を封鎖することによってどういうメリットがあるんですか。
○谷川国務大臣 わが国は、四面環海、周りを海に囲まれている国でございます。わが国にとりましては海上交通路の安全の確保というのは常に必要なことでございますが、有事の場合には特に、私どもといたしましては、この海上交通路の安全確保のために、俗にシーレーン防衛と呼ばれております作戦計画を持っております。これには、ただ単に海峡を封鎖する——先ほど申し上げたように私どもは海峡封鎖という言葉を使っておりませんが、いずれにしましても、それだけを考えるわけではございませんが、総合的な累乗効果をねらいまして、あるいは通峡阻止をしなければならぬことが起こるかもしれません。そのときの発想といたしまして、私どもは、わが国有事の場合にわが国周辺の海峡の通峡阻止を含めた作戦計画を持っている、こういうことでございます。 具体的には、どういう場合にどういうような作戦をとるかというのは、そのときのシナリオ、出方によって違うわけでございまして、一概に申し上げられませんが、先ほど申し上げましたように、わが国の持っております航空機、艦船、あるいは艦船の中でも潜水艦を使って行う作戦でございます。
○安井委員 それは何のためにやるんですか。
○谷川国務大臣 わが国は、四面海に囲まれました国でございますものですから、どうしても海上交通路の安全確保というのは常に必要でございますが、有事の場合にわが国の独立を確保するため、それから戦いを続けていくため、その他、どうしても周辺の海峡の通峡を阻止しなければならない場合にはこの作戦をとらざるを得ない、とるべきだ、こう考えておるわけでございます。
○安井委員 私は、行革といいますけれども、行革のこの段階でこんな海峡封鎖のような無謀な作戦を含めた予算をどんどん計上されていることに問題があると思うのですが、大体、封鎖をしたらそれによって一体何のメリットがあるのか。それは外のシーレーンの関係でしょう、おっしゃるのは。しかし、そういうものを封鎖をするといったって、三つ全部をやらなければ意味ないわけでしょう、封じ込めるのですから。 三つ全部できるだけの能力があるのかどうか、そういう問題もありますけれども、とりわけ、いま大韓航空機の問題で、あの辺に遺物が流れてきておりますけれども、宗谷海峡のごときは、相手の、向こう側の国がやすやすと封鎖を許すと思いますか。必ず、封鎖をすれば向こうの国のシーレーンがやられるわけですから、もう死にもの狂いで阻止しますよ。阻止するということになれば、三海峡封鎖を、これはやりとりは時間がありませんからやめますけれども、アメリカの要求であろうと日本の発意であろうと、あそこにそういうような事件が起きれば、軍事評論家は言っていますよね、封鎖をさせたら大変なのだから、封鎖をさせまいとする、封鎖をさせてもそれを突破しようとする、そういう戦闘行動が起きて、そこでもう日本は戦争の中に巻き込まれてしまう。だから、相手側の国は稚内を初め北海道の五十キロぐらいは全部占領してしまうのではないか、こういうことですよね。 今度の防衛白書に初めてこの海峡周辺の問題について「海峡周辺地域に対する侵攻を企図するおそれもあり、」とはっきり出ましたね。これは壱岐、対馬だとか、あるいは北海道だとか、あるいは津軽海峡は青森県も含まれるわけでありますけれども、海峡周辺地域が侵攻をされるおそれがあるということを防衛庁はこの中にはっきりお書きになったのですよ。しかも、それで海峡封鎖をやるのだというのですから、海峡封鎖をやるという決意を総理大臣がなさるそのときは、関係の島根県を含めたあの地域だとか、あるいはまた津軽海峡の青森県、それから北海道の南部、北部、それはどうなってもいいのだ、それが侵攻されてもしようがないのだという決意のもとでなければ海峡封鎖の問題には踏み出していくことができないのじゃないですか。それは相手方がいないことに立って、封鎖だとか防衛だとかなんとか言っているけれども、向こう側があるのですから。その辺どうですか。
○谷川国務大臣 私どもの考えております作戦は、あくまでわが国が攻撃を受けてわが国の存立が脅かされている時期に、どうしてもとらなければならない作戦のうちの一つに海峡の通峡阻止という作戦もあろう、こう考えておるわけでございます。その理由はいまここでくだくだ申し上げませんが、先ほど来申し述べてまいりましたような理由でございます。 それから、どういう事態に置かれた場合にどういうような通峡阻止の作戦をするかは、そのときどきでございまして、いまここでは一概には申し上げられません。 それから、通峡阻止をやった場合にわが国はどれだけメリットがあるかとさっきお言葉がございましたけれども、わが国としては、やはりこの国の一億一千万の国民の生存をかけておるわけでございまして、そういうような攻撃を受けたときにとらなければならない作戦行動でございますが、この通峡阻止という問題につきましては、いまのお話では相手国のことだけが出ましたけれども、実は第三国、隣国も関係する作戦でございます。その意味では、われわれはこの通峡阻止という作戦につきましては、どういう事態にどうするか、いまこの場では直ちにお答えできないいろいろなことが想定できるわけでございますけれども、この通峡阻止の作戦そのものにつきましては、慎重の上にも慎重に考えておるわけでございます。
○安井委員 日本海の中において攻撃が加えられた、日本海の端から端までの間にずっと攻撃が加えられている場合に、海峡封鎖をして何になるのですか、何にもならないでしょう。相手の国を日本海の中に封じ込めてしまって、自分のところがやられているのに何で封鎖をするのですか。それは相手方の船が外に出られないようにするためにしかないわけですから、実はそういう事態はアメリカの要請以外にないのですよ。アメリカの要請によって初めてこれが出てくるのですよ。日本が自分で発意して海峡封鎖しようなんて、そんなばかなことを考えますか。封鎖をすれば北海道はやられるのですよ。どうしてやられないのですか。 それでは、今度防衛庁が有事想定の逆上陸の訓練をやろうとしております。ことし北海道で日米合同演習をやるというので問題になっておりますけれども、いま有事想定の逆上陸というのは、アメリカの海兵隊を北海道に上陸させて、それと共同作戦をやろうというわけですよ。つまりその前段には、北海道がもうすでに占領されているということを前提に置いて、その北海道を取り返すためにアメリカの海兵隊を北海道に逆上陸させる。いまのKALのあれが流れている海岸がそういうことになるわけであります。こういう共同訓練の想定を、防衛庁が逆上陸のそんなことまで考えているという事態において、そしてまた今度の防衛白書の中に「海峡周辺地域に対する侵攻を企図するおそれもあり、」これは一致するのです。だから、逆上陸で取り返すということも考える、こういうことなのです。これは、海峡封鎖などというのをロン、ヤスというようなことでいいかげんに約束してもらうような問題ではないということですよ。北海道を放棄してもいいのだ、壱岐、対馬やあれらの島をどっちにやってもいいのだという、そこまでお考えならやってください。そうでない限りは、私どもはこのような作戦は、いかなる場合があっても断じてやってほしくない。これは防衛庁だけでなしに、総理からもお答えいただきたい。
○中曽根内閣総理大臣 海峡のコントロールという言葉を私は使っておりますが、これは海上警備行動、いわゆる海上防衛の一環として海峡防備ということをやろうとしておる。有事の際に日本が侵略される、そういう場合にそれを行おうとしておるのであります。これは国家を守るために当然のことであって、アメリカやその他から来る日本の大事な食糧が、日本の近海でその船がみんな撃沈される。どこからその撃沈する潜水艦は出てくるか。そういうことを考えてみると、海峡を通過してくるかもしれぬ。そういう場合に、日本が生存を全うするために必要な措置、必要最小限の措置をとるということは、これは自衛権の発動であって、あたりまえのことなのであります。それまでいかぬというなら、国を守るなということなのであって、そういう社会党の言われるような非武装中立論には私はくみしないのだ、そういう間違った考えはわれわれは受け付けないのだと前から言っているとおりです。 安井さんがおっしゃる議論を聞いてみると、北海道を守ってはいかぬというお話に通ずるのです。(安井委員「そんなことを言っていませんよ」と呼ぶ)いや、だって守ってはいかぬ、逆上陸してはいかぬというのでしょう。(安井委員「ちょっと委員長、聞かないことに答えないでください」と呼ぶ)われわれは断じて北海道を放棄しない、われわれは北海道を放棄する意思は毛頭ない。そのためにはあらゆる力を尽くして、いかなる場合でも北海道を守り抜く。いざというときには、われわれは本土あるいは本州におけるあらゆる兵力を動員しても北海道は助けに行かなければならぬ、そういう決心を持って初めて防衛は成り立つのであって、それまでやってはいかぬ、あらゆる場合に想定を置いて日本の防衛を全うするというのが防衛庁の職責でありますから、初めから北海道を放棄するようなそんな考えにわれわれはくみするわけにはいかぬ。
○安井委員 私が言っているのは、有事をつくるようなそういう作戦はやるなと言っているのですよ。向こうがつくるのじゃないですよ。こっちがつくることによってやられるのじゃないですか。(「親ソ勢力じゃないか」と呼ぶ者あり)親ソも何も言っているわけじゃないでしょう。ソ連から攻撃されないようにするためには、そういう作戦を組むべきではないということを私は言っているわけです。 きょうは時間がありませんから、十分論議の余裕はありませんけれども、しかし、このようなことに、ほんのわずかしかない国民の大変な税金を使うような、それはやめてほしい。それよりも、もっと平和が保障されるようなそういう方向への努力こそが大事なのではないかということを私は申し上げているわけであります。 なお、大韓航空機の問題だとか何かいろいろ問題があるのですけれども、それはやめますが、ただ一つだけ、いま大変な努力をして遺品の回収等をやっております。しかし、昭和の戦争のおしまいのころに、日本海で国籍不明の船に樺太からの引き揚げ船が沈没させられました。泰東丸という船です。七百八十人の邦人婦女子が乗って樺太から小樽港へ引き揚げる最中に沈没させられて、六百六十七人が死亡したというその船の引き揚げの問題が、前後数回にわたりまして努力をされておりますが、政府から一銭も金が出ないものですから、樺太連盟がことしも千二百万円もかけてやっているわけです。見かねて北海道も幾らかお金を出すということにもなっているようでありますけれども、これは、大韓航空の問題についても大事だと思いますよ、人道的な意味から。しかし、この問題だけじゃないと私は思いますよ。ほかにもまだあるんじゃないでしょうか。戦後、海の底に沈んだままになっている遺骨を回収するようなそういう努力を、それは行革で苦しい財政の中だと思いますけれども、そんなにお金がかかるわけはないと思います。それへの対策をぜひやってもらいたいと思いますが、厚生大臣、どうですか。
○林国務大臣 泰東丸につきましては、先生御指摘のとおり、樺太連盟が中心になって調査を行っているということは、私も知っております。先般、九月一日にNHKが「ルポルタージュにっぽん」というもので、「空白の航路」ということで報道されたということも私も見ております。調査の結果、新たに発見されました船から、確実性のある物証等により当局として泰東丸であると確認ができれば、さらに遺骨の有無等について調査を実施することを検討したい、こう考えております。 いろいろなところで、私はたくさん、先生の御指摘のようにまだ問題が残っていると思います。私は、そういった問題については温かい心でやはり対処していかなければならない、こういうふうに考えております。
○安井委員 あれが泰東丸だとわかったら国が金を出すと言うけれども、そのわかるためにいろいろな努力をしている、それにお金がかかっているわけですね。そういうところまで配慮が必要なんじゃないかと私は思いますが、総理、どうですか。
○林国務大臣 お答え申し上げます。 泰東丸につきましては、昭和五十二年の七月に防衛庁及び地元関係機関の協力を得まして綿密な潜水捜索に努めたにもかかわらず、ついに泰東丸であるという確認も遺骨の収集も果たせなかったという経緯がございます。そういった経緯を踏まえまして、樺太連盟、これは樺太から引き揚げられた方々でございまして、いま御努力をしておられるわけでございますから、その中で本当にいい証拠が見つかればその上で問題の前進を図っていきたい、こういうふうに考えているところでございます。
○金丸委員長 これにて安井君の質疑は終了いたしました。 午後一時より再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時二十三分休憩 ────◇───── 午後一時一分開議
○金丸委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。森井忠良君。
○森井委員 行政改革の問題につきましては、数次にわたりまして答申がなされました。総理の意図もかなり伝わりまして、世は行革行革、こうなっておるわけでございます。 私どもも、行革に対しましては国民的な立場から行革の案を持っているわけでございますけれども、どうも振り返ってみますと、臨調は解散をいたしましたけれども、一体本当の意味で、まあ金がないのだから、あるいは改革が必要だから痛み分けをしなければならぬというふうなことだろうと思いますが、そういった観点からいきますと、どうも考えてみると、社会保障は大幅に削られておる、一方におきまして、財界に関しますものはほとんど切り込まれていない、そういうふうな感じに思えてならないわけでございます。強いて言えば、数次にわたる臨調の答申の中で、防衛費に関する部分がほとんどない、行革行革と言われておる中でですね、そういう感じがしてなりません。私は、率直に申し上げまして、いい意味での行革は必要だと思いますが、何か、先ほど申し上げましたようにお互いに痛み分けという形でいきますならば、私はどうもすとんと落ちないものがあるわけでございます。 まず、そういった点につきまして総理から所信を承っておきたいと思います。
○中曽根内閣総理大臣 臨時行政調査会が設置されましてから、たしか五次にわたる答申をいただいたと記憶しております。その間におきまして、臨時行政調査会は、非常に精力的な御勉強をしていただき、国民各層から余すところなく意見も吸い上げ、各地で公聴会も行い、また各党の皆さんの御意見も拝聴し、そしてりっぱな答申をつくっていただいたと思っております。 この答申の中には、なぜ行革を必要とするかという哲学、それからそれを実行するために必要な諸方策等かなり綿密につくられておりまして、われわれはこの方針にのっとって軌道をつくり、そしてこれを実行するためのいろいろな諸方策を次次にその時期に合わせて打ち出して実行していけばこれは行革はできる、そういう信念に基づきまして、この答申をいただきますたびごとに、大体政府の決定をもって、党及び政府が一体になりまして行革に対する大綱を決定して、そして一つ一つ実行してきたところです。 行革のための臨時国会もこのようにしてお願いもしておりますし、財政的にはゼロシーリングあるいはマイナスシーリングというふうに経費を削減する努力も積み重ねてまいりまして、行革はいまたくましく、力強く前進しておる最中であると考えております。そして本国会におきまして御提案申し上げた重要法案の御承認をいただき、それをさらに法律に基づいて実行していく。さらに、通常国会に向けましては、この電電公社や専売公社やあるいはそのほかの年金統合という大問題、あるいは地方支分部局の整理の問題等々もこれから取り組んでまいりまして、いよいよ行革の軌道をたくましくばく進することをさらに推進してまいりたい、こう思っておる次第でございまして、私は、われわれ自体の努力必ずしも十分とは申せないかもしれませんが、政府・与党は一体になってまじめに一生懸命取り組んでいるということは申し上げられると思う次第でございます。
○森井委員 行革街道をばく進をするという総理の勇ましい御答弁でございますけれども、私、二年前の、たしか九十五臨時国会のときの行革特別委員会にも審議に参画をいたしております。今回で二度目でございますけれども、率直な感じを申し上げますと、あの九十五臨時国会のときの行革の審議というのは、これは予算面から見ますと、厚生年金等の国庫負担金の四分の一減額が大部分でございまして、あと特例地域等のかさ上げの補助金の六分の一カット等々がございましたけれども、率直に申し上げまして、そう大きなものはなかった。 今度も、先ほど来安井委員からすでに御指摘を申し上げましたように、行管庁と総理府、あるいは総務庁、そういった一連の問題につきまして、やはり何か機構いじりのそしりを免れないんじゃないか。しかも、指摘がありましたように、もう佐藤内閣、田中内閣等で、この国家行政組織の問題につきましてはたびたびクレームがついて法律が成立しなかった。今度一挙にそういったものを数本の法律と一緒で成立を図っていらっしゃるわけでございますけれども、こう申しては大変失礼でございますが、どうも、これが行革ですという感じが私はいたしません。 そういう意味ではきわめて遺憾なことでありますけれども、それにいたしましても、行革の特別委員会は二度目でございますが、数次の答申の中で、先ほども御指摘を申し上げましたように、やはり率直な国民感情からいけば、防衛費は聖域で、財界は傷つかずで、そして庶民泣かせの福祉切り捨ての行革ではないか、これが、私は率直なところ、どこをどう探ってみても残っておるわけでございます。行管庁長官、いかがでしょう。
○齋藤国務大臣 臨調の最終答申がことしの三月十四日に出たわけでございますが、その最終答申を受けまして、今後私どもは行政改革をどういう手順で、どういう順序でやっていくかというプログラムを決めましたのが新行革大綱であるわけでございます。 この新行革大綱は、私どもによりますと、一回だけで全部済ますというわけにはまいらぬ、こういうわけで、今度の臨時国会に御提案申し上げておりますのは、主として行政機構の改革問題、中央省庁、さらに中央省庁の将来の局の再編成の問題、それから地方の出先機関の廃止の問題、こういうふうな機構の問題を中心として第一段階として御提案申し上げ、第二段階としては、暮れの予算編成に当たりまして補助金等の整理の問題とかあるいはさらに地方の出先の整理の問題とか、そういうものが予算で第二段階に改革が行われ、第三段階としては、来年の通常国会において、ただいま総理からもお述べになりましたような電電あるいは専売、地方事務官廃止の問題、年金の統合、こういうふうな剰余の問題を第三段階として御提案申し上げよう、こういう順序で進めておるわけでございますから、どうか全体をごらんいただきまして、政府も本腰を入れて努力しているのだなということを御理解いただきたいと私は考えておるものでございます。 ところで、行政改革をやるに当たりましては、総理がたびたび申し上げておりますように、聖域は一切設けない、行政全般にわたって見直しをする、そしてあくまでも簡素効率的な行政を実現しよう、こういうことで努力をいたしておるわけでございまして、聖域を設けないという考え方でやっておるわけでございますから、特定の分野について後退がある、あるいは突出がある、私はそういうふうに考えておりません。すべての行政の全分野にわたって、お互いに国の財政の状況なり行政の実態なりを頭に入れてひとつ改革をしていこう、こういうことでございますから、特定の分野について後退がある、あるいは突出がある、こういうふうに理解しないで、行政全般を見渡して、国が直接責任を持ってやらにゃならぬもの、あるいはまた国と地方との役割分担とか、あるいは国と国民との役割り分担とか、そういうもの全般を総合的に見直していこう、こういうわけでございますから、私は、特定の分野について特に後退がある、こういうふうには考えておりません。
○森井委員 特定の分野に聖域を設けないと言われましても、後で御質問申し上げますが、厚生省は六千九百億、これは当然増経費の中から切り込まれているわけですね。これは後で明らかにしていただきたいと思います。各省庁別の切り込みの額を、この際削減額を僕は明らかにしていただきたいと思いますけれども、いずれにいたしましても、だれが見たってやはり防衛予算はふえて、福祉は切り込まれているじゃないか、これが国民の声だと私は思いますよ。聖域がないと言われますが、これは明らかにある。先ほど安井委員も申し上げましたように、五十九年度の概算要求一つをとってみても、七%近い防衛予算の増額に加えて、後年度負担だけでも二兆五千億ある。これは要するに頭金ですから、これから次々払っていかなければならぬ。具体的にはやはり予算の中に入ってくるわけですからね。どんなに行管庁長官御説明なさいましても、やはり福祉が切り込まれて、そして防衛予算がふえておる、防衛予算は聖域である。この点について明らかにしていただきたい。 もう一つ、財界についても、私言いにくうございますけれども、この際申し上げておかなければならぬと思うのですが、一体、財界に関するわれわれがしばしば指摘をしたような問題について、たとえば補助金でありますとかあるいは税の特別措置でありますとか、そういったところで切り込まれた分がありますか。
○竹下国務大臣 まず、いま齋藤行管庁長官からお話がありましたように、聖域を設けることなく予算編成に臨んでいく、これはたびたび総理からも申されておるとおりでございます。 ちょうど私は、いまも安井委員という言葉がございましたが、安井さんと一緒に昭和三十三年に国会に出まして、ちょうどその資料をここに持っております。総理からは比率で申されましたが、簡単に申しますと、いまの予算はこの二十五年間で三十八・四倍になり、福祉予算の伸び率は何と七十二・七倍、防衛費は十八・八倍、教育予算は二十九・一倍、こういうことになっております。その間、言ってみれば国会の論議等が中心になってその集積されたものが予算案であるとすれば、まさにさま変わりの予算を組むだけのある意味における力はついたということが言えると思います。 しかし、その中に、まさに行革委員会でございますから、行政のひずみと申しましょうか、一つ一つ見てみると、ある県においては千人当たり四十人がその適用を受け、ある県においては千人当たり四人しか受けないというようなひずみも生じてきておるということも、これを全然、まさに既得権であるとして見逃すわけにもいかないでございましょう。そして、なかんずく防衛費におきましては、何としても国際取り決めに基づく経費等がございますので、それらを現状の調和の中でいろいろ議論をした結果六・八八%ということになったわけでありまして、特に防衛費を聖域視しておるという考え方は全く持っておりません。
○谷川国務大臣 五十九年度の概算要求に当たっての防衛関係費に対する私どもの姿勢を御説明申し上げさせていただきたいと存じます。 臨調答申もいただいたわけでございますので、私どもといたしましては、シーリングいっぱいぎりぎりの要求をした中におきまして、特に内部におきまする各種の一般の節減問題につきましては、内部で身を切るような努力を重ねたわけでございます。 なお、防衛費そのものが突出しているか、していないかという議論につきましては、これは各般の議論がございましょうから、私はここでは触れさせていただきません。ただ、一つだけ申し上げさせておいていただきたいと存じますが、いま大蔵大臣は、昭和三十三年以来の各省庁の伸び比を言われましたが、過去五年間、この五年間に一般歳出の伸びが三兆三千八百五十九億でございますが、社会保障関係費はそのうちのちょうど半分に近い一兆五千百三十二億でございまして、防衛費はこの五年間の伸びは六千五百九十七億となっております。私どもといたしましては、どういう形で突出というような議論がなされるか、それは各般の議論の仕方があると存じますが、過去五年間の伸びの総額の問題だけ、ちょっと触れさせておいていただきたいと思います。
○森井委員 防衛庁長官、あなたは所管大臣だからそういう答弁でやむを得ないのかもしれませんけれども、そこまで古い話をおっしゃいますと、もともと自衛隊が生まれたときの動機というのは、それは最初警察予備隊から生まれて、いつの間にか今日の世界で七位か八位の火力を持つ自衛隊にまで成長してきているわけですから、それはできたときと、そして憲法との関係といういろんないきさつがあって、予算はふやそうにもふやせなかった、そういう経過が私はあると思うのですよ。ただ、この点についてはいまこの場で議論をする時間がございませんので、私、はしょらしていただきますけれども、とにかく国民の側からいけば、あなたの答弁にかかわらず、やはりこれはひどいじゃないか、こういうことがささやかれておるということだけは申し上げておきたいと思うのです。 そこで大蔵大臣、先ほどちょっと御質問して返事がなかったわけでございますけれども、厚生省が五十九年度の概算要求で六千九百億削減をされておるわけでございますが、私まだ細かく聞いておりませんけれども、これは恐らく毎年毎年切り込まれた額としては厚生省が一番多いのじゃないか、こういう感じがしております。たくさんは御答弁は要りませんけれども、幾つかの省庁について、厚生省と比較をしながら若干の御説明をしていただきたい。これは、場合によっては政府委員でも結構です。 それから、財界についてどれだけの行革の影響があったのかということを聞いておるわけですから、この点については行管庁長官からお答えをいただきたいと存じます。
○竹下国務大臣 先ほどの御質問の中で、御指摘のように私の答弁漏れがございました。臨調答申に、たとえば退職給与引当金でございますとか貸し倒れ引当金でございますとかに触れられていないということは事実でございます。これは、そういう一つの税制そのものに触れていくということは臨調自身の判断の問題であって、大蔵大臣からとやかく申し上げる性質のものではございません。なかんずく退職給与引当金や貸し倒れ引当金につきましては、言ってみれば課税所得を合理的に計算するための制度であって、必ずしも租税特別措置のような政策税制とは考えられないということもございましょう。しかし、一般論としていわゆる租税特別措置の見直しに言及されておるということは、この企業関係のものも含まれておるというふうに理解をしておるところでございます。 そうして、いま各省何省かを例示せよということでございますが、これに関しましては、数字の問題でございますので、正確を期するため政府委員からお答えをすることをお許しいただきたいと思います。
○齋藤国務大臣 財界にどういうふうな切り込みをしているか、こういうお尋ねでございますが、ただいま大蔵大臣からお述べになりましたように、主として税制の問題が中心になろうかと思いますが、それは大蔵省において、それはそれなりの御検討をいただいている、こういうふうに理解をいたしております。
○平澤政府委員 いまお尋ねの数字でございますが、五十九年度の一般会計の概算要求額の中で、国債費と地方交付税交付金を除きました一般歳出、これの増加額が総計で三千三百六十一億円でございます。伸びといたしまして一・〇%ということになっております。その中で、いまお話がございました厚生省についてでございますが、これは概算要求の総額といたしましては二千八十八億円の増、伸び率で二・三%の増ということになっております。 あと大きな数字の省庁で申し上げますと、農林省が七百九十七億円の減。それから……
○森井委員 そういうことを聞いているんじゃないのですよ。厚生省の予算で六千九百億削減をされたわけですね。具体的に言いますと、当然増は九千億あった。その中から二千百億弱認められまして、六千九百億が削減の対象になった。同じ手法で各省別に数字を出しなさい、こう言っておるわけです。主な省庁でいいよ。五つ、六つでいい。あとは資料で出してください。
○平澤政府委員 いまのお尋ねになりますと、概算要求の中身の中で当然増がどういうふうになっておるか、それに対して政策減がどうなっているかという数字になるかと思いますが、これにつきましては、現在具体的な数字は手元にございませんので、後ほど御答弁したいと存じます。
○森井委員 後刻でやむを得ませんが、九十五臨時国会のときも各省庁別に切り込み額を資料としてもらっておるわけでございます。したがいまして、後刻提出をしていただきたいと存じます。 大蔵大臣、先ほど私聞かなかったわけですが、財界切り込み、財界切り込み、こう言いましたら、退職給与引当金あるいは貸し倒れ引当金等の例示がございました。聞こうと思っておりましたので、その点についてちょっとお伺いをしたいと思うわけでございますけれども、これはもう先ほど午前中の答弁でもありましたように、実情に合わせて租税特別措置について直していくということは、これはもう増税じゃないのですね。是正だと、これは安井委員と全く大蔵大臣も同じ意見だというふうに御答弁なさいました。 そこで、たとえば退職給与引当金でありますが、退職給与引当金に限らず、各種引当金というのが何と十二兆円もあるのですね。退職給与引当金について申し上げますと、これはそのうちの半分以上、七兆四千億ぐらいになるのです。これはどうも、私も税金は詳しくないのでありますけれども、当該する事業所の従業員が二分の一、半分やめたときを想定をして引き当てをさせるという形になっておるわけでございます。これはもうずいぶん実情に合わない。たとえば北炭夕張のように、これはなるほど退職給与引当金という形でそれぞれ租税の特別措置を得ながら、実際はもう運転資金その他に使って、実際には帳簿上あっても金はないという形になっておるわけですね。これで北炭夕張は泣いたわけですよ。これは実情に合わないと思うのです。かねがね私どもは、実情に合わせて直しなさい、そうすれば庶民から税金をたくさん取らなくても財政再建の一助になるじゃないかという御指摘を申し上げておりました。したがって、実情に合わせてお直しになる御意思があるのかどうなのか、その辺が一つであります。 貸し倒れ引当金についてもそうです。三兆五千億もあるわけですけれども、実際問題として、それぞれのパーセントの規定がございますけれども、銀行から金を借りて払わずに済んだというのは、企業倒産その他ありますけれども、庶民から見ればこれはおかしな話なんです。銀行から金を借りれば、御案内のとおり、保証人が要る、あるいは担保が要る。まあ一般の人から見て、銀行から金を借りて払わずに済んだという人があったらお目にかかりたい。実情はやはり、欧米でとっておりますように、本当に焦げついた金だけ控除すればこれはいいわけです。経費として、引き当てればいいわけでございますから、その辺についてもずいぶん無理がある。これは与党の皆さんが主でありますけれども政治献金との関係もありますから、嫌だとおっしゃるかもしれませんけれども、現実の問題としては、私は、銀行にいたしましても、保険、金融業にいたしましても、ずいぶんやはりこれは現状に合わない点がある、直しなさいと申し上げておるわけでございます。 こういった点は、増税じゃなくて、やはりこれは現状に合わした是正である。しかも結果として竹下大蔵大臣のところに金が入ってくる、税金が入ってくるという仕組みでございますから、せめて、われわれがかねがね指摘をしておりますような問題についてぐらいは直される御意思が必要じゃないか、こういうように思いますが、いかがですか。 それから、労働大臣にお伺いをしておきたいわけでございますが、先ほどもちょっと申し上げましたように、会社が倒産等をいたしますと、賃金についてはどうにか、賃確法がございまして、一部ではありましても救済の道があるわけでございます。そして未払い労働債権というふうな形になりますと、やはり賃金は優先をいたします。ところが退職金はそういった対象になっていないという矛盾があるわけでございます。その結果、先ほど申し上げましたように、端的な例が北炭夕張の例でございます。結局、金は残っていない。これはもう非常にゆゆしい問題です。賃金とあわせて退職金も、これはもう本当にいまごろ生活をしていく上に欠かすことのできない制度でございますから、したがって何らかの法的な措置をこの際考究すべきではないか。 先ほど言いました、大蔵省の、実情に合わせた退職金の引き当てと同時に、いま申し上げました、労働省としても、労働者の保護の立場から、この際、退職金の確保についてもっと法的な措置をとる必要があると思うが、この点について、いかがでしょうか。
○竹下国務大臣 御指摘になりました租税特別措置の問題でございますが、これは、とにもかくにも、「租税特別措置は最小限にとどめることを基本とし、社会経済の変化に応じ、既存の措置について不断に見直しを行うとともに、新設を厳に抑制する。」この答申に基づいてこの租税特別措置はまさに年々これを見直してきておるところでございます。 そこで、いま一つ御指摘のございました、いわゆる引当金の問題でございますが、これは、法人税における引当金は費用収益対応の考え方に基づいて法人税の課税所得を合理的に計算するために設けられたものでございまして、この制度自体を政策税制と考えることは適当ではないが、その繰入率等については実態に応じて常に見直しを行っていく必要がある、こういう指摘があっておるわけでございます。 したがいまして、この問題は、前回私が大蔵大臣でありましたときにも、これを退職給与引当金の累積限度額の引き下げを百分の五十から百分の四十へ、こういうふうにさしていただいたわけでございますが、実態に応じた措置として今後も絶えずこれに対しては注視をしていなゃやならぬ課題であるというふうに考えておるわけであります。したがって、政府としては、今後とも実態に応じた見直しというものは行っていく考えであるというふうに御理解をいただきたいと思います。
○大野国務大臣 お尋ねの北炭夕張に関連して、いわゆる退職手当の保全措置はどうなっているかということでございますが、これにつきましては、中基審におきまして御審議をいただいて、その結果によって今日ではいわゆる事業主の努力義務規定ということになっておるところでございます。 なぜそうしたかということにつきましては、いずれにしても退職手当というものを各企業に対して画一的に保全措置を講ずるということになりますと、大変高額な資金を永続的に固定しなければならぬ。そういうことを言うとあるいは怒られるかもしれませんが、企業全体から見れば倒産というような本当にわずかな危険のためにそれだけの高額な資金というものの流動性を失うということは、むしろ経済の活力を失ってしまう、これは社会にとってかえって不都合ではないか、こういう考え方からではございますが、現在労働基準法研究会におきまして、退職手当につきましてこの保全についても含めて検討いたしておりますので、その検討結果を待った上で対処していきたい、こういうふうに思っております。
○森井委員 退職給与引当金は任意規定で、四分の一保全をしなさいという項目があることはあるのですね。労働大臣が御答弁になりますように、それは確かに資金を寝かすという点については幾分か問題はあると思いますが、根こそぎごっそりなくなるというのもいかがなものかと私、思うわけでございます。退職給与引き当てと称して税金のかからない金をそれで措置するわけですから、それをいきなり企業の運転資金等にまるまる使うという点について、私はおっしゃったようなこともわかりますけれども、四分の一が適当かどうかは別にして、やはり事務的に保全できるような方途をこの際労働大臣にぜひ考えていただきたいと思うわけでございまして、この点については再度御答弁をいただきたいと思います。 それから大蔵大臣、そうすると、必要に応じて年々是正をしていくとおっしゃいましたけれども、いま私、二つの引当金についてのみ申し上げましたけれども、この二つの引当金については昭和五十九年度の予算の中で是正をされる御意思があるのですか。
○竹下国務大臣 引当金の見直し経過を簡単に申しますと、四十七年、九年、五十年、五十二年、貸し倒れ引当金が千分の十五から千分の十二に下がり、十に下がり、八に下がり、千分の五にまで来ておるわけでございます。その次が貸し倒れ引当金の金融保険業以外の業種、これも五十四年にやりまして、それから五十五年、先ほど申しました退給の限度額の引き下げ、それから五十六年はまた貸し倒れ引当金を千分の五から千分の三、こうしてずっと来ておるわけでございます。 したがって、これは臨調でもまた税調でも答申がありますように、絶えず見直していけ、こういうことにはなっておりますが、いずれにしても、この中長期にわたる税制を審議していただくと同時に、五十九年度税制についてというのは年末に税調から答申をもらうわけでございます。その答申をいただく前に予見を持って申し上げるわけにはいきませんが、いまお話ししましたような経過の中で今日まで推移してきておる。そうして一方、それも絶えず見直せという御答申もいただいて、いま審議もしていただいておる、こういう現状認識を御理解いただきたいと思います。
○大野国務大臣 先ほども御答弁申し上げましたが、先生御指摘の点等も含めまして、現在労働基準法研究会で真剣に前向きな姿勢で取り組んでおりますので、もうしばらく時間を欲しいと思います。よろしくお願いします。
○森井委員 厚生大臣、今年度、五十八年度は年金のスライドがございませんでした、若い者として本当に胸が痛むわけでございますけれども。 そこで、これはどうして年金のスライドができなかったのでしょうか。
○林国務大臣 森井委員の御質問にお答え申し上げます。 厚生年金等につきましては、先生御高承のとおり、消費者物価にスライドして五%と、こういうことになっています。昨年はそれがそこの数字まで行ってないということも御承知のとおりでございますが、財政事情もございましたし、人事院勧告を凍結するというような異例な事態でもございましたので、そういったもののバランスを考えまして、昨年は見送りにしたということでございます。
○森井委員 大槻文平さんという方がいらっしゃいますね。私、テレビで見たのですけれども、人事院勧告を凍結するのはあたりまえだという論拠の中に、公務員の皆さんは税金で食っているんだから民間より安いのはあたりまえだ、こういう発想なんですね。 〔委員長退席、海部委員長代理着席〕 財界の大物と言われる方の発言でございますが、私はもう少し反省をしていただきたい。 先ほど総理は、とにかく人勧なり仲裁裁定は実施をしたいという基本方針は変わらない、しかし財政的に問題があるということで深刻な顔をしておられたようにお見受けをいたしましたけれども、そういうことでしょう。結局、人勧が凍結をされたから、したがってお年寄りの年金も凍結をされた、こういうかっこうになっているわけですね、恩給、年金は人勧と連動しておるわけですから。 そこで、人勧を何とか凍結解除していただかなければお年寄りの年金にまで響いてくるという、連動するような形になっておるわけです。本当は連動しなくてもいいんですよ。連動しなくてもいいんですが、政府が盛んに、連動するように政策的にとっていらっしゃるわけです。人事院勧告については、けさほど来答弁がありましたように、私どもはけしからぬと思いますが、政府には政府の考え方があるという形で、実は意見が合掌立ちになっているという感じですね。 ところが、年金の方は、先ほど厚生大臣から御答弁がございましたけれども、去年は五%未満だったから、したがって上げないでもよかった、それに加えて人勧の凍結もあった、こういう御説明でございます。厚生省は、五十九年度の概算要求で年金、厚生年金等の引き上げについていまのところ白紙で、額面的には今年度と同じ要求をなさっておられまして、スライドが入っておりません。しかし、私はこれはきわめて重大だと思うのでして、何も人勧等に左右されることはない。私は理屈にならないと思います。人事院勧告については、政府には政府なりの言い分がございましょうが、お年寄りの年金については、厚生年金についてはちゃんと五%、具体的には、たしか四十八年の改正のときの附則で、明確に年金のスライド制というのをうたってある。その中には、物価が百分の百五になったときは年金は引き上げなさい、逆に百分の九十五になったときは年金を下げなさいと書いてある。下がる心配はない、どんどん上がっていくわけでありますが、もうすでに去年とことしで、私の見積もりでは少なくとも五・八%ぐらいにもなる。そうすると五十九年度は、人勧はいつやるとかやらないとかまだはっきり答弁が出ておりませんできわめて遺憾でありますけれども、年金はそうはいかない、ちゃんと法律で五%で上げ下げができるようになっているわけですから。したがって、あなたのところは、五十九年度の概算要求においても当然法的な義務があるわけですから、これは人勧と違います、必ず上げていかなれけばならぬということで要求をしなければならなかったと思うわけでございますけれども、これはいかがでしょうか。
○林国務大臣 先生御指摘のとおり、消費者物価が五%上がったら年金もスライドして上げる、下がったらスライドして下げると法律に書いてあるわけでありまして、概算要求のときにはまだそういった事態がどうなるかということもわかりませんから、一応大蔵省に話をいたしまして、ここを白紙で出しておるわけでございます。 申し上げておきますが、もう法律ではっきりそう書いてあるわけでございますから、五%になりましたならば、これはもう法律上上げる義務があると私は考えておるところでございます。
○森井委員 総理、いまお聞きのようなことでございます。いままで政府は、人勧凍結に連動して年金の扱いを決めてこられました。しかし五十九年度は、先ほど申し上げましたように、法律で義務づけられております五%以上、これは物価はもう上がっているわけですから、したがって五十九年度は予定どおり年金の引き上げはある、人勧と関係なしに法的な位置づけがそうなっておりますから。したがって、来年度は必ず年金の引き上げはあるというふうに理解をしてよろしいかどうか。大蔵大臣にもお伺いをしておきたいと思います。
○林国務大臣 私が担当でございますから、私からお答えをさせていただきますが、先ほど申し上げましたように、法律上義務があるわけでございますから、それはそういった事態になればやらなければならない。 ただし、先生五・何%とおっしゃいますが、いま大変物価が安定をしてきておるところでございまして、その辺の不確定要因もあるわけでございます。そういったものを考えてこれから対処すべき問題だろう、こういうふうに考えているところでございます。
○竹下国務大臣 いま森井さんから御指摘がありましたように、年金は、前年度までの累積の消費者物価上昇率が五%を超えた場合には法律上自動的に物価スライドすることにされておるということは事実であります。まさに御指摘のとおりであります。 そこで、いま五・八%とおっしゃっておりますのは、これは私の想像でございますけれども、五十七年度の消費者物価上昇率を二・四%と見て、それが五十八年度の当初経済見通しの三・三、これを足せば五・七にはなるじゃないか、こういうことが前提にあるのではないかと思っております。厚生大臣からもお答えがありましたように、最近の物価動向は超安定という表現もあるぐらいでございます。したがって、今後の消費者物価の動向を見守って、それから公務員給与、恩給、共済の問題等も考慮して、これには慎重に対処していくべきものであると考えております。厚生省が要求されたのも、今後の物価変動の状況等を見定めるということでもって、いまそれを上乗せしない要求になっておるという実態でございますので、あくまでも今後の動向を見守って決める課題であるというふうに理解をいたしております。
○森井委員 総理、人勧と年金とそういう意味で連動しなくてよろしゅうございましょうか。
○中曽根内閣総理大臣 いままで大蔵大臣や厚生大臣が御答弁申し上げたとおりでございます。
○森井委員 いまのは総理の前向き答弁と、日本語で理解をいたしましても、そう受け取っておきます。 そこでもう一つ、民間との関係についてお伺いをしておきたいと思うのであります。 今月、行政管理庁は、国及び特殊法人による宿泊施設の設置、運営に関する地方監察結果に基づく改善意見というのを出していらっしゃる。私に言わせていただきますと、これが大変な改悪なんですね。 要するに、厚生省でありますとか労働省でありますとか、そういったところが厚生年金あるいは雇用保険等々で資金の運用の一つとしていろいろな保養所等をつくっておられます。これが民間を圧迫するということで自粛をしないかというわけでございます。これから観光地で新たにそういった保養施設等をつくってはならぬとか、あるいは民間と競合するところで、会員と会員外があるわけでありますが、会員はやむを得ないにしても、会員外についてはその土地の旅館等と話し合いをいたしまして、そして一般の旅館並みに値段を上げなさいとか——これは私は、やはり厚生年金とか労働保険等を掛けております者は、要するにわずかな休暇を利用してようやく何日か憩いの時間を持つわけでございます。したがって、言うなればこれは庶民の別荘ですよ。そんなところにまで行管庁がくちばしを入れなければならないのかどうなのか、どう考えても理解がいたしかねます。一体これはどういう意図があったのか、明らかにしていただきたいと思います。
○齋藤国務大臣 先般の監察は、民間と競合するものの新設は自粛して、原則としてやめていただきたい。それから利用の低調な施設は廃止したらどうだろうかということ。それから会員外の、会員でない人の利用料金が会員と同じように安いというところからいろいろ民業圧迫ということで問題が出ておりますので、会員の方々は別としまして、会員外の方々がそういう施設を利用するときはその料金は適正にする必要があるのではないか、こういうふうに勧告をしておるわけでございまして、基本とするところのものは、民間でやれるものはできるだけ民間の活力でやっていただく、そういう民間と競合するような施設を原則として特殊法人がつくるということはどうであろうか、こういう趣旨でございます。
○森井委員 この改善意見というのを見ますと、たとえば「施設新設の原則中止」というのがあるんです。これを見ますと、要するに観光地にはつくるなと書いてあるんです。それは労働省所管であり、あるいは厚生省所管であり、そういったところの施設だ、こういうわけでございます。厚生省は、観光地かどうかは別にいたしまして、風光明媚なところで例の大型年金保養基地を次から次へつくっています。私の選挙区にもいま建設中でございますけれども、全国十一カ所です。そして、各地でもうすでに用地買収等をかなり行われていまして、十一カ所のうち、いませいぜい三カ所か四カ所ぐらい手がついている状況でございます。しかも、これは財源は厚生年金の積立金等であります。こういったところまでやめろと言われると、これは余りにひど過ぎるということが一つ。 したがって、この点につきましては関係大臣、厚生大臣と労働大臣、ひとつ御答弁をいただきたいと思いますけれども、いずれにしてもこれはきわめてけしからぬことでございまして、繰り返し申し上げますように、これは観光地でつくるなというんですから、旅館はいいかもしれませんが、それじゃ一体おみやげ物屋はどうなるんですか、これは来てもらった方がいいんだから。これは同じ民間ですよ。お客を締め出すようなことをしていくというのは、これは幾ら何でも私は受け入れるわけにいかない。この点についての見解を、これは行管庁長官からもお伺いをしておきたいと思います。 それからもう一つ。会員については料金の割引はやむを得ないが、会員外なら民間並みに料金を取れというわけでございます。民間並みなら何も行くことはないということになるわけでありまして、私は、たとえば行管庁の職員がちょっと電電公社の保養所を貸してください、あるいは労働省のいこいの村をちょっと使わしてもらいたい、これは相互にあると思うんです。使わしたっていいじゃないですか。お互いに使えばそれだけ施設は広く使える。むしろ、あなたの方の指摘で、どうもお客さんが少ないから閉鎖をしろなどというのがあります。それこそうまく相互利用すれば、せっかくの施設はもっともっと生きるわけでございますし、ぜひひとつ反省を願いたい。これは撤回をしてもらいたいと思うのです。
○林国務大臣 公的宿泊施設につきまして行政管理庁から御指摘をいただいていることは先生御指摘のとおりでございますが、こうした国民的な要請に特にこたえていかなければならない厚生年金、国民年金等々のものにつきましては、やはり被保険者や受給者の要望とか年金財政というようなことも考えまして、いろいろと対応していかなければならないと思っております。 先生の御質問の中で、大規模年金保養基地の整備の問題がございました。先生のところにありますのはもうすでに始まっておるわけでございますが、いま決めておりますものは大体もう計画も全部できておりますから、そのとおりにやっていかなければおかしいことになるだろう、こう思っておりますが、これは臨調答申の中にもありまして、既設及び現在建設中の基地以外は新たな設置は行わないことにする、こういうふうな御指摘をいただいておるところでありますので、そういった趣旨にのっとりましてこれ以上のことはいたさない、こういうふうに考えております。 ただ、その運営につきましては、民間または地方公共団体に委託しまして、効率的な運営ができるようにその実現を図ってまいりたい、こういうふうに考えております。
○大野国務大臣 現在労働省において設置しておる公的な宿泊施設は、勤労者諸君の福祉の増進、そしてまた中小企業の従業員等の方々の雇用の安定に資する、こういう趣旨で、いこいの村であるとかあるいはまた中小企業レクリエーションセンターというようなものをやっておるわけでございます。 今回、行政管理庁からこの件についていろいろ御意見があったわけでございますけれども、いずれにしても、これはいわゆる会員の優先利用であるとか、また会員外の方々の料金の問題であろうというふうに理解しておるところでございます。私どもといたしましては、雇用保険事業の一環として始めたというその趣旨に沿って今後もやっていこうということには変わりございませんが、御指摘の点も踏まえて、これから是正する部分はしていきたい、こう思っております。 なお、たまたまですけれども、きょう岩手県の方の施設で、身障者の方々が利用できる施設をオープンすることになりました。きょうこの特別委員会がなければ私も行くはずでございましたけれども、出席することができませんでした。結局、身障者の方々もずいぶん社会へ出て仕事に励んでいただいておる。しかし、その方々はなかなか民間では受け入れるような施設ができませんので、そういうものも含めてこれからより一層検討していこう、こんなふうに考えておるところでございます。
○齋藤国務大臣 労働省、厚生省のそれぞれの福祉施設は、勤労者のための福祉施設であると私も理解をいたしております。したがいまして、先ほどお述べになりましたような大規模保養基地等々の問題につきましては、民間の業者と十分話し合いをして納得をいただいて、余り競合しない計画でやっていこうというふうに進めておると私は理解をいたしております。 ただ、将来の問題として、民間のそういう業者の納得を得られないような姿でやることはどうであろうか、私はそういうことを考えるのは当然じゃないかと思います。それと同時に、また会員外の方の料金も会員と同じように安くするということはどういうものであろうか、私はその点はやはりある程度適正な料金にすべきではないか、こういうふうに考えておるわけでございます。 問題は、そういう施設はあくまでも勤労者のための福利施設でございますから、円満にそういう目的、機能が発揮できるようにしていくということは、やはりみんな心がけていくべき問題ではないだろうか、こういうふうに考えております。
○森井委員 あっという間に一時間近くになりましたから、もっと詰めたいわけでございますが、割愛をさせていただきます。しかし、いずれにいたしましても、幾つか例示をいたしましたけれども、行政改革、行政改革と言われながら、何か庶民泣かせのものがずっと続いておるのではないかという疑念が残っておるということだけは、私は明確に申し上げておきたいと存じます。 さて、次に、年金の国庫負担の問題でございます。 二年前の九十五臨時国会におきまして、厚生年金等の国庫補助金が四分の一削減をされました。そして、要するにこれは財政再建の特例期間中貸してくれ、財政再建とは昭和五十七年から五十九年までの三年間である。これは特例期間というふうに私ども申して議論に参画をしたわけでございますけれども、やがて特例期間は来年度で終わろうといたしております。四分の一削減をされた厚生年金の国庫負担は、申し上げました九十五国会におきましては、運用利息も含めて、つまり元利で返していきますという約束ができております。御案内のとおりであります。ただ、私が非常に心配をしておりますのは、実は三年間たったけれども、「増税なき財政再建」というのはいつになるかわからない、したがって、厚生年金等の四分の一の国庫負担の減額は、いつ返してもらえるものやらもらえないものやらわからないという危惧が出てきておるわけでございます。 最初にお伺いをしたいわけでございますが、「増税なき財政再建」と称しまして、五十九年度までの計画で私どもいろいろ議論をいたしたわけでございますが、この状態は変わっておりませんか。大蔵大臣にお伺いをいたします。
○竹下国務大臣 昭和五十六年十二月四日法律第九十三号でございますか、これについてのいわゆる特例適用期間経過後の問題が明記されておるわけであります。これは、経過後におきます国の財政状況も勘案する必要がありまして、現時点で明確に申し上げる状態にはない。ただ、その当時もたびたび申し上げましたように、年金財政を損なわないようにとの行革関連特例法の趣旨にかんがみて、できるだけ早い機会に着手すべきものであるというふうに考えております。
○森井委員 「増税なき財政再建」というのはどういうことかというと、赤字国債からの脱却なんですね。それは五十九年度中にできますという説明だったわけです。渡辺大蔵大臣のときですけれども、そういうことになっています。これは崩れたのじゃないですか。もうすでに五十九年度の概算要求も出されておる段階でございますけれども、五十九年度中に赤字国債からの脱却というのは、もう政府は退却をしたのではないですか。では、いつまで待てというのか、明らかにしてもらいたいと思います。
○竹下国務大臣 特例適用期間、これは確かに当時私も本委員会に所属するメンバーの一人でございましたが、当時いわゆる赤字国債からの脱却というのは五十九年、こういうことを政府としては申し上げておりました。そして、今日そのことは不可能になりましたという宣言を、五十八年度予算審議に当たって申し上げたわけであります。が、少なくともこの法律によりますところの特例適用期間というものは、別に赤字国債の償還年度が延びたからそれに連動して延びるという性格のものではなく、やはり「経過後において」と、こう書かれてございますので、経過後における国の財政状況を見きわめて対応する必要があるというふうに考えております。
○森井委員 払う方はまだもうちょっと議論をいたしますけれども、では大蔵大臣、こういうのはどうなりますか。そのときの施策の一つに、特定地域に係るかさ上げ補助の引き下げというのがありましたね。たとえば離島振興法等によりまして、いろいろあったと思うのですけれども、六分の一補助金をカットいたしました。これも特例期間中という期限がついているわけでございます。いま明らかにされましたように、もう昭和六十年には特例期間が切れるという性質のものではないわけです。そうすると、六分の一カットは払わなくてもいい。カットですから払わなくていいのだろうと思うのですけれども、厚生年金の分は明らかに借りたということになっていますから、これは払ってもらわなければ大変なことになりますが、いま申し上げました補助金のかさ上げのカット等は、これは三年たったらまたもとへ返すというふうに私ども説明を受けているわけでございます。これはどうなりますか。
○竹下国務大臣 この特例適用期間、すなわちその後における「国の財政状況を勘案しつつ、」云々と、いまおっしゃっておる厚生年金の法律にはそのようにきちんと書かれてありますが、あの際の地域特例等に関する問題も、たしか特例期間中ということになっておったわけでありますが、その法律を今後どうするかということにつきましては、いわゆる特例期間が経過する段階において検討すべき課題であるというふうに考えております。
○森井委員 それは約束が違いますね。明らかに三年ということで、三年待てやということであったわけです。私はそのときに確認をしておるわけでありますが、厚生年金についても、確かに借りた分の支払いのめどは、これは結局私どもがしつこく食い下がりましたけれども、いつから返すということは、率直に言って明確になっていません。返すということと、金利が七・五%、基準金利、その当時ですけれども、ということ等についてはほぼ確定をいたしております。問題は、これは後からお伺いをしますが、来年は五十九年度ですからよろしゅうございますが、六十年度からは、それでは厚生年金の、具体的に申し上げますと二〇%の国庫負担というのは、これは特例期間が済んだんですから、そして結局政府の責任で赤字国債からの脱却はできなかったということになっておるわけですけれども、少なくとも特例期間三年が過ぎたんだから、厚生年金等は六十年度からはもとのとおり二〇%で予算が組めるのかどうなのか。これはもう明確にしていただきませんと……。 ちなみに申し上げますと、その当時の村山厚生大臣は、明確に六十年からはお返しをしますという答弁になっています。私、ちゃんとここに議事録を持ってきております。この点について明らかにしていただきたいと思います。
○林国務大臣 行革特例法で、いまのお話のように繰り延べをしたということでございますが、その繰り延べをした分につきましては、元本はもちろんのこと、利子をつけて厚生保険特別会計の方へお返しをいただく、こういうことに相なっております。したがいまして、そのときの計算は、昭和五十七年、八年、九年、この辺の利率によるものだろうと思います。 もう一つ申し上げますならば、年金改革をどうしますか、こういうのは大問題でございます。いまこの辺の問題につきましては、今後の国庫負担のあり方をどうしていくかというのはやはり一つの大きな年金改革の基本問題でございますから、その問題につきましては現在議論しております。というのは、別に二〇%どうだという話ではありません。それは新しい一つの問題として、別の問題が将来にわたってあるということを私は申し上げただけでございます。
○竹下国務大臣 当時、渡辺大蔵大臣の「保険財政は、それらのお金は運用しておるわけでございますから、その運用で不利なことが起きたり支払いに困るというようなことがあっては困るわけでございます。したがって、私どもは、年金財政の安定を損なわないという本法の趣旨にかんがみて、特例適用期間後の繰り入れ措置については、できる限り速やかに着手することをこの場でお約束をし、また努力をする決意でございます。」という答弁が今日続いておるというふうに御理解をいただいて結構だと思っております。
○森井委員 どうも私の質問に正確に答えていただいていないのですが、返す分についてはいまあなたが言われたようなことで、もうちょっと正確には厚生大臣あるいは大蔵大臣じゃないのです、鈴木総理からも明確な答弁が出ておるわけです。これは読み上げぬといけませんかな。——鈴木総理の答弁は「保険財政に支障を来さないように必ず返す。金利はもとよりのこと、運用益につきましても適正な運用益を加算をして返済をする、こういうことを明確に申し上げておるわけであります。こういう国会の正式な委員会で速記をとり、明確にいたしておるわけでございますから、御心配のないように措置してまいる方針でございます。」これはいいですか、大蔵大臣、総理きちっとしておいてくださいよ。これは私は大問題になると思うのです。 そこで、返す分についてはいつ返すかわからない。私も当時悪口をたたきまして、あるとき払いの催促なしじゃないかとか、いろんなことを言いましたけれども、そういったことに対する政府の統一的な答弁というのは、これは金利をつけて返すんだから、したがって決して損にはなりません、遅ければ遅いだけ利子がたくさんつくんですから、こういう言い方なんですよ。ところが私、やはり政治に携わる者として、そう軽々に言えないんじゃないかという感じがしておるわけです。 たとえば本当に一括払いで、仮に六十年に返しても、いいですか、計画どおりカットされますと六千七百億、厚生年金の国庫負担が減額をされるわけでございます。それは貸したということになるわけですね。それで運用利息等を計算しますと、これは厚生省が社会保障制度審議会に資料として出した、払ってもらう計画、大蔵省からいけば弁済計画でございまして、大蔵大臣も、これは先ほど申し上げました二年前の国会で確認をされました。それで見ますと、財政再建が五十九年に終わって、六十年にすぐ一遍で返すとなった場合でも、六千七百億が七千七百億余りになるわけです。いいですか。これは年に七・五%の金利がつくわけですから、仮に複利として——複利にしてもらわなければ困りますよ。複利にしたら、もう申し上げるまでもありませんが、これはすぐ倍になりますよ。七千七百億は五年もしてごらんなさい、幾らになりますか、計算は明らかだから。これは本当に払えるのですか。いいかげんで払う払うと、いつでも払うようなことを言われますけれども、ここまで鈴木総理も含めて明確に答弁をしておられますと、払わないというわけにいかない。 後で御質問をいたしますが、厚生省は厚生年金、国民年金の統合も含めていま改革案をつくっていらっしゃる最中だと思いますが、やはり根底にはちゃんと国庫負担は二〇%に戻してもらう、一五%の切り込みはだめだ、二〇%に返してもらうということで財政計算をしていらっしゃるわけです。これはゆゆしい問題になるのですよ。ゆっくり払うのは、なるほど利子がついていいかもしれませんが、いま申し上げましたとおりなんです。六十年に払っても七千七百億。もう五年もたってごらんなさい、一兆数千億から二兆円という金が本当に返せるのですか。僕はこの際虚心坦懐に言ってもらいませんと、これはずいぶん問題が出てくると思うのです。だから返済計画はきちっとしていただくし、明確にしてもらいたいことが一つ。 それから、くどいようでございますが、いま厚生省は年金の改革案をつくっておる最中です。国庫負担が幾ら入ってくるかということはたちまち大問題です。それは六十年からの問題だとおっしゃいますけれども、現にいま作業をしなければ、年金のことですから間に合うはずがない。したがって、昭和六十年からは二〇%、特例期間が過ぎるのですから、もとどおりお返しをしますという前提で年金の計算をしていいのかどうなのか。この点についても、これは総理から明確にお答えいただきたいと思います。
○林国務大臣 先ほど森井先生から議事録を読まれてお話がありました。鈴木前総理の答弁でございまして、それはそのときの政府の統一した見解という形でございますし、私の方はそういった形で、きちんと御返済を一般会計から厚年会計の方へいただけるものだというふうに考えているわけでございます。御指摘ありましたようになかなかむずかしい、それじゃいつ返すんだ、こういうふうなお話でございますが、これはやはり財政再建ができるだけ早くできまして、そうしたことができるように私たちは期待をしておるところでございます。 それで、年金の改革を来年の国会にお願いをする、こういうことでございますから、そのときにはやはり、いま先生からお話がありましたような形のことを大体想定してやらなければならない。そのときには、七千億とか一兆何千億という話がありましたが、それは金利計算の話でございますから、当然にそれはその中に要素として入って考えられるわけでございまして、これはもう間違いのないところだ、こういうふうに御理解をいただいて結構だと思います。
○竹下国務大臣 年金改革の問題は、安定した年金制度を確立する、こういうことを行うための施策でございます。そこで、行革関連特例法による臨時特例措置とは、あの時点に御審議いただいた法律とは全く別の問題であるというふうにまず前提を置きますと、したがって国庫負担の減額分の繰り入れを年金改革の際にうやむやにしてしまうことはないということは明確に言えると思います。
○森井委員 大蔵大臣、口先だけの御答弁というのは、それは返すと言ったんだから、返さないと言えば大問題になりますから返すと言うんでしょうけれども、僕は率直に言いまして、こういう時期に一兆数千億から二兆円、あなた返すとおっしゃいましても、はいそうですかと引き下がるわけにいかない。 一方においては、厚生省は、先ほど言いましたように、現在もう作業をしているのです、厚生年金と国民年金の統合法案について。そして、これは基礎的年金部分と報酬比例部分、所得比例部分と分けるような改革をされようとしておるわけです。特に、これは私の想像ですけれども、後から聞かなければなりませんが、基礎的年金部分については、各制度間バランス、基礎年金のげた履きの部分が必ずしも一つじゃありませんが、将来一つにしていこうというときに、私は国庫負担は欠かすことのできない一つの大きな要素だと思うのですよ。したがって、ぜひともこれは——厚生大臣は、もうあなた答弁なくていいですよ、もう現実にやっておられるのですから。しかし、払う方が払わないであなたの計画を組まれたら、これはどうにもならぬと思うのです。 私は確認しました。いま厚生省が作業をしておられる中で、五十九年度から年金の改革についてはもう手をつけられるわけですから、一体国庫負担は幾らで計算をしておるのか。これは役所の人は、当然のことですが、三年たったら返すということですから、昭和六十年からは二〇%で計算をしております、こういう返事が返ってくるのはあたりまえです。そうなってくると、いつお返しになるかということは、いま言いましたように、常識的に考えても、早く手をお打ちになりませんと、年金の改革と合わせなければこれはどうしようもないのですから、したがってこの点については、いまのような答弁でなしに、何なら委員長にお願いして少々休憩してもいいですから、やはり統一見解をこの際出していただかなければ、私は次の年金の質問をしようと思ってもできませんよ。先ほど社労でやれという話もちょっとちらほらどこかから出ておりましたが、しかし、これは二年前の九十五臨時国会で決まった法律の具体化の問題ですから、ここで明確にしておきませんと……。 私も厚生大臣を相手に、身内みたいなものですから、これは社労でやればいいのですよ。やればいいけれども、そうじゃならないという問題があるから、いま私は聞いているのであって、しかも、先ほど申し上げましたように、繰り返し申し上げますが、私は疑いを持っております。率直なところ疑いを持っております。返す返すといまも言われました。返す返すと言われるが、一体何年計画か知らぬけれども、とにかく遅くなればなるほどこれは雪だるまみたいに、サラ金と一緒ですからふえるのです。サラ金と言うのはちょっと語弊がありますから取り消しますけれども、それくらい、国から見れば何兆円という金を返していくのに、早く対策を練らなかったら大変だ。率直に言いますと、大体この特例期間、五十七、五十八、五十九の三年間で終わる、そういう前提で私どもは審議をさせられたのですから。それが昭和六十三年とも六十五年とも、赤字公債の脱却というのはいまもってその前途が見えない。もうかすんで、何があるやらわからないというような状態になっているわけですから。だから私は、納得のいくような御答弁をぜひいただきたいと思うのです。
○竹下国務大臣 まず最初、厚生大臣からもお答えがございましたように、つまり昭和六十年度以後必ず繰り入れをするという前提で再計算を行うこととしておられるわけでございます。これは国会の場でもたびたび答弁で明らかにされておる。今後の厚生年金の国庫負担のあり方については、公的年金制度全体の制度、体系をどう再編成していくかに関連するので、その検討の中で考えたい、こういうことであって、先般御審議いただき、五十六年に議了していただきました臨時特例措置という問題は、年金改革の際にうやむやにするという考え方は全く持っておりません。これは渡辺大蔵大臣時代からもたびたびこの答弁があっておるところでございます。 ただ、それのいわゆる返済計画がどうなっておるかという質問に対しましては、先ほどお答えいたしましたように、経過後における国の財政状況を勘案する必要がございますので、現時点では明確に申し上げられませんが、年金財政を損なわないようにという特例法の趣旨にかんがみて、可能な限り速やかにそれには着手するものであるという基本的な考えを申し述べたわけであります。
○森井委員 大蔵大臣、いまの点、私は納得したわけじゃありませんけれども、それでは、とりあえずわかりやすい御質問をしますが、昭和六十年から国庫負担についてはもとどおり二〇%に返しますか。いま一五%にカットされていますが……。
○竹下国務大臣 いまおっしゃいます年金制度全体の改革の問題の中における国庫負担という問題は、いま検討中であるということであります。したがって、特例適用期間経過後において、いわゆる特例適用期間中のものを返済するということは、お約束ができるというわけであります。
○森井委員 いいですか、大蔵大臣盛んにおっしゃいますのは、二〇%は返すと言ったら返すのだ、したがって、年金の改革のときにちゃらにするというようなことはしない、これははっきりおっしゃいましたね。それなら、年金改革がどういうふうな形にしろ、現在の厚生年金の二〇%の国庫負担というのは確保する、具体的には昭和六十年から。貸金は返すのは月賦か年賦か知りませんが、先になるにしても、国庫負担をもとに返すことはいいということになるのですか、ならないのですか。そこはなるのでしょう。
○竹下国務大臣 いわゆる公的年金制度の一元化を展望して制度全体の見直しを行うという基本方針のもとで、いま厚生省におかれて検討されておるわけであります、年金改革そのものは。したがって、国庫負担の問題は制度、体系のあり方とも関連するものでございますので、今後あわせてこの問題は検討されることであろう。私は、お借りしたものは返します、こう言っているわけですが、今後の国庫負担のあり方については、まさに年金制度の一元化を展望した制度全体の見直しを行うという基本方針のもとに、いま厚生省で検討されておるわけでありますから、それにあわせて検討されるべき問題であるというふうに私は理解をいたしております。
○森井委員 それは納得できません。ちゃらにしないというか——ちゃらにするという言い方じゃございませんか。そんなばかなことは、とてもじゃないけれども約束違反だし、それは問題があります。第一、先ほども指摘しましたが、これは厚生大臣明確にしてください。厚生省は二〇%に返るという前提で年金改革の財源等を計算をしておるのです。この点について明確にしていただきたい。 それから、いま大蔵大臣がお答えになった点でありますが、この点についてはこういうように答えていますね。村山国務大臣ですが、私が二〇%に返すのかとこう聞きましたら、「この法律ではっきり書いてありますように、これは三年間の特例措置でございます。したがいまして、昭和六十年度からはもとどおり二〇%国庫負担をいたしてもらうことに両省一致しているのでございます。」何回も読まさないでくださいよ。そこで、これは年金の改革があろうとなかろうと、国庫負担の二〇%は確保するんだということに通じておるわけでございまして、それこそ両大臣から、本当にしつこくて恐縮でございますけれども、これは大事な点ですし、何といいましてもまだ三年たってないのですよ。ちょうど三年かな。二年とちょっと。それで、同じように金丸委員長で海部筆頭だったと思いますよ、たしか。何も変わってない。総理も、鈴木総理から中曽根総理にかわったけれども、ちゃんと行管庁長官として議論は聞いておられる。だから、もうお二人で納得のいく答弁ができないのでしたら、総理から御答弁をいただくか、さもなくばひとつ統一見解を出してください。
○林国務大臣 この前の行革特別委員会のときにできました法律は、財政特例期間中三年間におきまして厚生年金の方を一五%にします、こういうふうな話ですね。ですから、その法律だけ読めば、それが済んだところではもとの本則に返るということは当然のことなんです。しかも、その間におきまして一般会計の方へ貸したわけですから、その貸した金は元本と利息とはつけて返すというのは、これまた当然の話なんですね。ただし、いま申し上げておりますのは、その本則に返りましたものを、これから厚生年金法及び国民年金法の改正を考えておるわけでありますから、先ほど先生からお話がありました基礎年金にするとかいろいろな形の話があります。そういったものの中で、どういうふうな形でその国庫負担を考えていくかというのは、現在の段階におきましてはまだペンディングの問題であるということを申し上げているだけでありまして、私は一つもおかしい話ではないんじゃないかな、こう思うわけであります。
○森井委員 総理、答弁してください。
○中曽根内閣総理大臣 行革の臨時特例等で過去に行った各省庁間の約束というものは守らるべきものであります。将来につきましては、将来いろいろな事態が起きたときに、また政府として協議すべき問題であります。
○森井委員 この問題については、私はまだ納得できておりません。したがって、できれば扱いについては理事会で十分検討してもらいたいと思うのです。よろしゅうございますか。
○海部委員長代理 後刻、理事会で御相談をいたします。
○森井委員 きわめて不満でございますけれども、時間の関係もございますから、またこの問題については他の同僚の議員からも質問をお願いするなり、再度御質問申し上げるなりいたしまして、質問を留保しておきます。 そこで、年金の改革の問題がいま出されておるわけでございます。厚生省の方は厚生年金と国民年金を統合されるということでございますけれども、年金改革のスケジュールはどのようにいま消化されているのか、お伺いをいたします。 〔海部委員長代理退席、委員長着席〕
○林国務大臣 昨年及びことしの五月に閣議決定をいたしまして、年金統合の方向を打ち出しておるわけでございます。この前の国会で、地方公務員の共済年金につきまして一元化の方向へ向けた法案の成立をさせていただきました。同じく国家公務員と国鉄、電電、専売、四つの共済の統合の問題をいまお願いをしているところでございます。次の国会では、国民年金と厚生年金との統合をやりたい、こういうことで、いま鋭意準備を私の方でしているところでございます。そういったものを踏まえまして、七十年を目途にいたしまして全体の年金の一元化を図ってまいりたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
○森井委員 具体的な中身については、また案を練っていらっしゃる段階ですから、質問は差し控えさせていただきたいと思いますが、要するに社会保険審議会の厚生年金部会のあの報告が厚生省の議論のもとになるのですか。大まかな方向だけお伺いしておきたいと思います。
○林国務大臣 社会保険審議会の厚生年金部会でいろいろと御議論をいただきましたものをベースにいたしまして、いろいろなことを抽象的に書いているところもございますから、法律の形にするならばやはり具体的にはっきりと書かなければいけませんので、その点をいま鋭意作業をしているところでございます。基本的な考え方は、厚年部会の答申の趣旨に沿った形に持っていきたい、こういうふうに思っております。
○森井委員 あれを見ますと、基礎的年金の部分と所得比例年金の部分とあるわけですね。この基礎的年金の部分については国民年金の加入者、特にサラリーマンの妻等の任意加入者も今度は強制加入にしていくという問題があるわけですね。これはいい点と悪い点が出てくるのだろうと思いますけれども、まあ女性の年金権等からいけば、中身は別にして一応評価ができる、そういう考え方については評価をしてもいいんじゃないかという感じがするわけです。 いずれにしても、この基礎的な年金の部分というのは、これは共済組合の組合員の奥さんであろうと、厚生年金を掛けておられる人の奥さんであろうと、いずれも任意加入ですけれども、こういった人たちをすべて強制加入にして基礎的年金にしていく。だから基礎的年金の部分については、これは共済年金も国民年金も、要するに日本に八つの制度がありますけれども、それを全部一本にした基礎的な年金構想というものにしていくというのが厚生省の方針だろうと思いますが、そのとおりですか。
○林国務大臣 厚生年金部会の答申では、大体いま森井先生のお話しになりましたような方向でございますが、そこまでははっきりは書いてないのでございまして、婦人の年金権の確立をしていかなければならないだろうということは一つの問題でございます。と同時に、やはり国民皆年金というような方向で考えていかなければならないし、同時に、高齢化社会を踏まえまして、これからの給付と負担との割合をどうするかというような問題についていろいろと書いてあるわけでございまして、いまの御婦人の問題につきましては、これは非常に大きな問題である、改革の大きな問題であるというふうに御理解いただければありがたいと思います。
○森井委員 大蔵大臣、共済年金の統合の問題については、いずれ私もどこかの場であなたに御質問しなければならぬと思っておりますので、この場で多くは申し上げませんけれども、厚生大臣が年金担当大臣ですね。日本の年金制度全部についていま目を通していらっしゃる段階であります。いまお聞きのように、基礎的年金の部分については共済年金も厚生年金も全部一本にしていくという発想ですね。 そうしますと、私は、やはり共済年金だけがいま統合されて何か先に走っているという感じで、これはきわめてぐあいが悪いのじゃないか。本来なら、それは厚生省の考え方、年金担当大臣の考え方と申し上げてもいいのかもしれませんけれども、共済年金も含めて同じように日本国民一律に基礎的年金をつくるという発想からすれば、これはどうなんでしょうか、先に共済年金の統合法案が議論をされるということは、私はやはりおかしいのではないかと思うわけです。この点について、大蔵大臣、それから厚生大臣からお伺いいたします。
○林国務大臣 お答え申し上げます。 年金の統合というのは、森井先生御承知ですからもうくどくど申し上げませんが、それぞれの年金制度においていろいろな権益を持っておりましたり、いろいろな利害のふくそうしたものでございます。その統合というのを、確かに一元化ということで言うのは非常に言葉としてはやすいわけでございますが、なかなかやることは大変なことである。 先ほど申しましたように、地方公務員の統合はまず地方公務員の中でやっていきましょう。似たところの国家公務員、国鉄、電電、専売というところをまず一本にしていきましょう。そうした中で、やはりあるべきところの基礎的なものは何であるかということを探しながらこれを持っていかなければ、何もかも皆一緒にやるということになったらとてもじゃないができる話じゃない。現実的にいまのような段階を追って進めていくということが一番必要なことであろうと私は思うわけでございまして、やはり一元化の方向へ向かっていくという大方針だけは堅持して、これは絶対に譲ってはならないところであります。そのために現実の問題としてどういくかということをいまわれわれは考えながら現実的な対応をやっているところでございます。
○竹下国務大臣 これはまず手順から申しますと、いま基本的には厚生大臣からお答えがございましたが、まず五十八年度において行うべき措置。一つ、国家公務員と公企体職員共済組合制度の統合を行うとともに国鉄共済組合に対する財政上の対策を図る。二、地方公務員共済年金制度内の財政単位の一元化を図るということで、二、三とこう進められていくわけでございますが、地方公務員共済については、その手順に沿って、すでにさきの通常国会において財政単位の一元化を図るための法律改正が行われたという状態。そして、今回の国家公務員共済と公企体共済との統合法案は、これはさきの国会において審議をいただいて、いま継続審議案件として今国会で再び話し合いの中で大蔵委員会において審議がなされる、こういう経過を得ておるわけであります。 したがって、このスケジュールどおりにやってまいります五十八年度における措置、それから五十九年から六十一年にかけての国民年金、厚生年金の関係整理を図ることと、そして三番目の昭和七十年をめどとして公的年金制度全体の一元化を完了させるという、言ってみればその第一の五十八年度における手順というふうに進めさせていただいておるところでございますので、ぜひ御理解をいただいて、明日も本委員会との話し合いで御審議がいただけるようになっておりますが、議了していただくことを心から念じておるということであります。
○森井委員 これは総理にもお聞きを願いたいところですけれども、厚生省の方は昭和六十九年までにきちっとまとめて、七十年から全的統一をしたいという基本方針があると私は聞いておるわけでございます。 共済年金の統合法案というのは、これは場当たりなんですよ。国鉄の共済年金の赤字を公務員と他の二公社から救済をするという形になっているわけですから、これは行革でも何でもない。現役の勤労者はそれぞれ身銭を毎月千二百円も千三百円も、これは本人負担だけで払っていくわけだから。しかも、それが昭和六十四年までなんです。六十五年以降はまたどうなるかわからない。厚生省の方針とおよそかけ離れて違っているのです。厚生省はこれから未来永劫に悔いのない年金制度をつくっていこう、こういう考え方なんです。国鉄の年金救済のための共済年金統合法案というのは、いま申し上げましたようなことで六十五年度以降はわからない。六十四年度までの計画なんです。下手をしたら統合したものが皆一緒にずっこけるかもわからないという中身もあるわけでございます。 ですから、私は、こんな場当たりなことで年金の将来を誤らしてはならぬと思うので、できることなら、この点についてはこの国会では待っていただいて、私どもも継続審議でいいですよ、廃案だなんて言いませんから。そのかわりに国会で、国会の問題になりますけれども、衆参両院に年金の特別委員会をつくればいい。これは共済年金もあれば、各省が皆違うのですから、八つの制度があるのですから、それを全部一カ所で議論するために年金の特別委員会をつくっていいと私は思うのです。 そこで、先ほど御質問申し上げました厚生省の厚生年金、国民年金、これが何といいましても一番数が多いのですから、それらを中心にして、官民格差の是正とかいろいろ言われておりますから、それこそこの国会で決めなくても、もう厚生省は来年の通常国会に出すわけですから、この法案を継続案件にしておいて、そして次期通常国会以降で、いま申し上げましたように、これは官民問わず八つの制度を一本にして議論をするという、年金の特別委員会をつくって審議をした方がいいんじゃないか。この点について総理のお考えをお伺いをいたしたいと存じます。
○林国務大臣 お答えを申し上げます。 先ほど来繰り返しお話を申し上げておるのでありますが、やっぱり似たもののところで調整をしていかなければなかなかできないという問題があるわけでございまして、いま国鉄の置かれたる非常な状態はむずかしい状態である、それは先生の御指摘のようにそれを埋めるためじゃないか、こういうふうな御指摘もあるかとも思いますが、そうしたことをやっていかなければ国鉄の共済というのはどうにもならないということもまた事実である。だから、そういったようなことを考えて、私は年金担当大臣として申し上げますが、年金というものが国民の老後の生活を保障しているわけでありますから、そういったことについて大局的な見地に立ってぜひ御審議のほどをお願いいたしたい、こう思うわけでございます。
○森井委員 そう言われますと、またこれ私も言いたくなるのでありまして、国鉄は戦後大変だったと思います。たくさんの復員者を吸収をされました。引き揚げ者を吸収されました。物資も運ばなければならない、大変な時代だったわけです。したがって、あそこに専門家もおりますけれども、とにかく国鉄はやはり大功労者だと私は思うのですよ。したがって、国が責任を持って措置をされるのが私は一番正しいと思うのです。人的構成からしてもやむを得ない措置であったわけですから。そういうことで、やはりこの際国の責任において措置する。 その場合に、具体的に申し上げますが、国家公務員といわず、あるいは電電公社や専売公社といわず、積立金はいまのところはあるわけですから、場合によってはあるとき払いの催促なしでいい、とりあえず貸し付けて国鉄の年金を救済をする、そして先ほど申し上げましたように、厚生年金を中心とする年金改革があるわけですから、時間はありますから、そこの全的統一のときまでに措置をしていくのが一番正しいのじゃないか、私はこう思うわけです。 ですから、国鉄の共済年金といえども公的年金の一つですから、一つでも年金をつぶすということは大変なことになりますから、私どもは絶対につぶさないという方向で御協力を申し上げていきたいと思っておりますので、これについては総理御答弁ありませんでしたけれども、総理からの御答弁と、運輸大臣としての考え方をお伺いしておきたいと思うのです。
○長谷川国務大臣 終戦後の国鉄労働組合の功績をお認めいただいたことは非常にありがたいと思います。敗戦の翌日、日本は全部とまったけれども国鉄だけは走っておった、このことを私は忘れません。しかも、外地から帰ってくるところのかつて国鉄におった諸君を全部収容したことも間違いありません。しかし、何さま組合員そのものが少ないから、こういう時代になりますと年金もなかなか払えないということになるのじゃないか、こういうことから不安が出ておりまして、ここ一、二年、皆さん方が国鉄の年金の統合ということをお考えいただき、諸先生方の御協力もありますし、組合の諸君もまた国鉄の労働組合のために金を出さなければならぬ。千二百円ということも辛いけれども、私も本当に働く諸君の連帯ということでやっていただくことに話を進めておることに敬意を払っているわけでして、理想的な最初のいろいろなこともあるでしょうけれども、せっかくここまで法案を提出して御審議を願うときでございますから、悪い道じゃありませんから、その辺でひとつお進めいただくのが一番いいのではないか、こう思います。
○中曽根内閣総理大臣 厚生大臣、運輸大臣が御答弁申し上げたとおりでございまして、国鉄につきましてはいろいろな経緯もあり、しかも現在の財政状況等を見ますと緊急を要する事態でもありまして、ともかく国鉄を出発進行させよう、そしてしかる後に大統合というものも考えよう、そういう段取りをしていままで進んできたものでございます。林厚生大臣にその年金関係の統合を私からも委嘱いたしまして鋭意努力してきた経緯もあり、案も妥当であると私考えますので、そのように御了解願いたいと思います。
○森井委員 残念ながら納得できません。見解が違いますので、この点については、また別の機会に議論をさせていただきたいと思います。 時間があとわずかになりましたから、今度は医療保険の問題についてお伺いをしたいと思うのです。 これは評判が悪いのですね。健康保険制度というのは昭和二年からできております。私より二つ兄貴でございますが、自来本人の十割給付というのは基本的に貫かれてきています。戦争中ちょっとありましたけれども、それ以外はずっと十割給付が貫かれてきておる。今回、それこそある日突然この八割給付というものが出てきた。厚生大臣笑っていらっしゃいますが、これはある日突然なんですよ。というのは、健康保険法の改正をしたのがまだ三年たっていないのですから。そのときには与野党ずいぶん議論が続きまして、国対委員長会談等が何回も持たれて、そしてその当時の国対委員長がサインをして、年金はこれでいこうという形になったものが下敷きになっておりまして、言うなれば各党合意の上で現在の健康保険の制度がずっと生かされてきておるわけでございます。 それを、厚生大臣心ならずもだと思いますけれども、いきなり二割削減をする。わかりますよ、気持ちは。余り勢い込んで答弁してくださいませんように。私、やんわり言っておりますから。こんなことはできやしないですよ、率直に言いまして。十割を二割カットする、それはできるはずがないです。恐らく大蔵省との関係で六千九百億も削れと言われた。それなら医療保険でも改悪するか。たまたま勤労者、労働組合等から退職者医療制度も出してほしいということがある。国庫負担は去年ずいぶん厚生省も苦労されまして、概算要求のときには、何とか地方へ五%肩がわりをするということでうまく逃げておられましたが、これはどうも自治大臣、大蔵大臣と三大臣の協議が調わない。国民健康保険の県負担五%の問題。そういうことで、この際国民健康保険の補助金もカットしたい、そういうことで結局こういう案をお出しになったと思うわけでございます。 けさほど、安井委員からも質問の中で指摘があったわけでございますが、これは与党の中でも意見が分かれている。政調会長は医師会の決起大会、国民医療破壊阻止全国医師大会、ここでそういうふうに発言をしておられるわけでございます。これは時間の関係がありますからもう多くは申し上げませんが、あれだけ国会での意見が出てまいりましたし、医師会が反対されるのは、お客さんも減ることだからというお気持ちがあるのかもしれませんが、ある意味で当然のような気もしますけれども、そういうことよりも、やはり私は国民の医療を守るという観点から、先ほども言いましたけれども、健康保険というふうなものは、できることなら各党一致をして推進をしていくべき国民的な課題と申し上げてもいいようなことなんですよ。本百臨時国会で厚生大臣がいろいろ努力をしておられますけれども、これはやはり虚心坦懐にもっと意見を聞く。八割にはこだわらない、二割カットにはこだわらないということになさいませんか。もう中身は申し上げません。
○林国務大臣 森井議員は長いこと社会労働委員会におられまして、その方のベテランでもございますし、私からくどくど申し上げるまでもないことだと思います。 医療を取り巻く環境というのは大変厳しいものがあるということだけは、やはりお互いの認識だろうと私は思うのです。その中で、私は昨年厚生大臣を拝命いたしましてからいろいろと考えてみたのです。これからの医療というものをどうしていったらよろしいか。病気の構造も変わってきているわけですね。昔でしたら、結核だ、腸チフスだ何だというような話がありました。しかし、もうそういったものは薬で治るようになってきた。いまや心臓の病であり、脳疾患であるというのが大変大きなウエートを占めてきているし、また、国民も非常に健康に関心を持ってきているときである。町の中を見ますと、新聞を見ても、何とかという健康雑誌がたくさん売れている。健康食品と言われるようなものがたくさんあるわけでございまして、非常に関心があるわけです。それで、私つらつら考えるに、国民の健康というのは本来個人のものでなければならない。個人がやはり最終的には責任をとるのが当然のことではないかというのが一つの原則だろうと思うのです。 そういったようなことを考えまして、いまもお話し申しましたように、医療についていろいろの問題がある。昨今、予算委員会のときにもお話し申し上げたのですが、十割を八割にしたところで受診率が落ちるわけではない、それから、十割と八割と比べるとむしろ薬の使い方は多い、こういうふうな話もあるわけでありまして、けさほどもお話し申し上げましたように、国民健康保険と政管健保、組合健保と比較しますと、そのバランスを考えていくと、やはりいろいろなことを考えていかないとどうにもならなくなる。 毎年一兆円ずつ医療費がふえておりますと言いますが、私は、これからの老齢化社会、さらに医療技術が発展をしますと、そのスピードはほっておけばますます上がっていくのではないかということを心配し、そういった中長期の展望に立って負担と給付とのバランスをどう考えていくかということはただいま考えなければいかぬ問題だろう、こう思って出しておるわけであります。もちろん私は、だからといって無理やりこれでということは考えません。いろいろな御意見があるのでしょうから、御意見は十分に拝聴してやりますが、私たちがいろいろ考えました中でも、どうもこれしかないではないかということで私どもは進めておるわけでございまして、森井先生も大変な御専門家でございますから、先生から何かこれでやったらいいぞ、必ずできるぞという御意見でもあれば私も十分に拝聴させていただきたい、こう思っておるところであります。
○森井委員 私は、基本的に、本当に健康保険が大変なんだということになれば、それは、やることをやった上で最後は料金値上げもやむを得ないと思うのですよ。私はそう思っています。ただ、やることをやらないで、いきなり二割カットと言われるからかっとなるわけですよ。 たとえば、しばしば言われているように、乱診乱療、不正請求、行管庁長官も篤と御存じのように、これはもうあるのですよ。きょうは時間が余りなくなりましたから時間の範囲内でしか申し上げることはできませんけれども、乱診乱療を防ぐ方法はまだ幾つもある。これをやっていないからということで私はきわめて遺憾だと申し上げておるわけでございまして、何か伝えられるところによりますと、早速九月中にも社会保険審議会や社会保障制度審議会にかけるという報道があるわけですね。これはまだ予算が本物になっていない概算要求の段階で、先ほど来概算は概算だというお話がありましたけれども、そういった基本方針をかたくなに守ってもう関係審議会へおかけになるのかどうなのか、お聞かせをいただきたいと思うのです。
○林国務大臣 お話がございましたように、乱診乱療という声は久しいわけでありまして、乱診乱療とか不正とか不当とかというやつは、監査したり、徹底的に取り締まっていくということは当然にやらなければいかぬわけです。また、いろいろな形での適正化方策というものは私たちの方も進めていくということを考えております。しかし、それだけではどうも足りないというところに問題があるわけでありまして、薬価の問題にしましても、それからそのほかの問題もすべて問題がある。総ざらいのことをやっていくときの基本原則というものは一体何だろうか。それは、この保険制度ということである。それから、医療というものあるいは健康というものは最終的には個人が考えていく、こういうふうな原則が一つあるのだろうと思うのですね。そういう二つの原則で私はやっていきたい。 保険原則というのは、事故が起きたらそれを保険でカバーするわけですね。損害保険でも、ちょっとたばこの火が落ちたということで損害保険などで要求することはないのですね。私はそれを比較しようとは思いませんが、保険というものは、大変だというときに保険でカバーするというのが保険原則だろうと私は思うのです。そういう原則というものが社会保険として一般の人々に、いわゆる通常の損害保険会社がやっていますような形のものではない、もっと狭められたところの形のものをとっていかなければならない。したがって、たとえば一般では五万四千円あるいは低所得者では三万円というようなところ以上のものは全部保険でカバーしてもらうことを原則とする、そのかわり少し少なくて済むようなところのものは自分で見てもらうということはあっていい話だろうと私は思うのです。それから、健康につきましては自分自分が考えていくというのが一つである。そういった二つの原則のもとにいろいろと考えていったらいいのじゃないだろうか、こう思っておるところであります。 先生の御指摘の乱診乱療、不正な診療報酬というものに対しては、私たちも徹底的に取り締まりをしていかなければならないものだと考えております。
○森井委員 医療法はどうしたのですか。政府は、国会に提出されるまでもずいぶん時間がかかりましたね。富士見産婦人科にしろ、十全会にしろ、これは枚挙にいとまがないくらい医療の荒廃というのは指摘をされて、なかんずく医療法人はもっと指導監査の充実もしなければならぬ。それから医療機関の偏在等がありますから、したがって地域医療計画も立てなければならぬ。そういうふうなことで医療法を準備なさいまして、すぐ提出なさらないで、しばらくたってようやく、最初のときです、最初医療審議会におかけになってから二年もたって、たしかようやく国会に提出された。 私どもは、これはないよりはやはり早く成立させた方がいいと思っておるわけです。したがって、この国会ではまだ審議が始まっていないのですけれども、厚生大臣としては、いま申し上げましたように、いみじくも言われました医療の荒廃等を防ぐ一つの手段にもなるわけですから、医療法について恐らくあなたとしては一刻も早く成立をさせてほしいというお気持ちだろうと思うのですけれども、この点について所信を承っておきたいと思うのです。
○林国務大臣 さきの第九十八国会で提出をいたしまして、社会労働委員会に御審議をお願いしておるところでございますが、その後国会の日程等によりまだ現在のところ継続審査の取り扱いになっておるところでございます。先生よく御承知のとおりでありまして、私といたしましては、これはやはり医療制度の改革の一環である、地域医療体制を確立していく、それからいろいろな医療法人等に対する監督の規制の強化などというようなのもありますから、こういったものはできるだけ早くやっていただかなければならない。私は、できるだけ早く、ぜひとも今国会で成立させていただきたい、こういうふうに考えておるところでございます。
○森井委員 この点については、やはり医師会の反対があるんですね。医師会の方々は、八割給付、二割カットについても阻止大会をお開きになるようなことでありますけれども、やはり医療法を審議する場合に関係団体、なかんずく医師会の反対がある。逆に言えば、医師会の了承が得られないから与党の皆さんの動きがなかなか鈍い、こういうことがあるわけです。しかし、少なくとも医療法ぐらいは通して、なるほど指導監査の面で見れば一定の成果があったわい、あるいはもう時間の関係で申し上げにくいわけですけれども、たとえば薬価算定方式にしましても、九〇%バルクラインというのは非常に評判が悪かった。結局どうなったかというと、いま八一%バルクラインというようないびつなものになっているわけですよ。仮に八〇%にしても、八〇%バルクラインというようなものがいま薬価算定方式で通る時代なのか。これは加重平均でいくべきじゃないか。あるいは出来高払い点数制という診療報酬の支払い方式についても、どんなに濃厚診療をしても、ツケを回せばそれが無条件でお金を払ってもらえるというような制度。多過ぎるじゃないかと言ったら、これは学術的な見地から医師の責任においてやるんだからといって野放しになるというふうなことがあるわけですから、したがって、そういった点からするとまだ改革をしなければならぬ点がたくさんあるわけでございます。 したがって、医療の改革についてはやはり中曽根内閣挙げてこの際努力してもらえるものかどうなのか。その上で、私どもとしては八割の問題は、先ほど厚生大臣は、意見があれば聞かしてくれということですから、わが党も近いうちにきちっとした対案をお示ししたいと思いますが、最後にこの問題に対する総理の所見をお伺いいたしまして、終わりたいと思います。
○金丸委員長 簡単にお願いします。
○林国務大臣 総理への御指名でございますが、担当でございますから、いま先生のお話にもありましたように、私は、基本的な考え方は一つも違わないと思うのです。全くそうだと思うのです。全くそうでありますが、私たちいろいろ計算してみるとどうだということでございまして、いろいろな点を考えていかなければならないと思います。薬価の問題にしましても、私はやはりいまの制度でよろしいかと言えば、なかなか問題はあるところだと思います。先生のような御意見もある、いろいろな御意見がありますから、そういった御意見を十分取り入れながら本当の医療改革というものにこれからも取り組んでまいりたい、こう考えておるところでございます。
○金丸委員長 これにて森井君の質疑は終了いたしました。 次に、鈴切康雄君。
○鈴切委員 私は、公明党・国民会議を代表いたしまして、今回提案されております行革関連法案及び行政改革全般にわたって、総理並びに関係大臣に質問をしてまいります。 私たち公明党は、真の国民のための行政改革を実現するためには、不退転の決意で臨んでおります。その立場に立って、政府の行政改革に対する姿勢をただしてまいりたいと思っております。 まず初めに、総理はかねてより、中曽根内閣は行政改革をやる内閣であるという旨を明言しておりますが、行政改革は、歴代の自民党内閣においても取り上げられてきてはおりますが、すべて中途半端で終わったと言っても過言ではありません。それほど行政改革というものは、言うはやすく行うことはむずかしい問題であります。すでに臨調から第五次最終答申を受けた政府は、臨調答申に沿って新行革大綱を本年五月二十四日に閣議決定して、行政改革を実行する段階に来ております。 そこで、まず初めに、中曽根総理に行政改革に取り組む基本的姿勢並びに決意をお伺いいたします。
○中曽根内閣総理大臣 行政改革は現在の最重要政治課題であると心得ております。土光さん以下、委員の皆さんも御苦労いただきまして、臨時行政調査会からはりっぱな御答申もいただいており、われわれは、これを実行するために数次にわたって政府決定を行い、またその大綱をお示しして、その軌道を設定して努力してきたところでございます。いよいよ行政改革も本番に入り、正念場に差しかかりまして、われわれはこの設定された軌道を一〇〇%実行に努力していく、そういう不退転の熱意と情熱で推進してまいりたいと思っております。 もとよりこれは大事業でございまして、前に私は行管長官のときに申し上げたのでございますが、この行革を完成するためには三代の内閣で十年かかる、そういうふうに申し上げましたけれども、まさにそのようなかたい決意で、長期不抜の精神で、持続的に、うまずたゆまず努力していくべきことである。その間、飽きてはいけないし、また情熱を失ってはいけない。ともかくこれが現在の最大政治課題で、われわれの子孫に対する最大責任の一つである、そういうふうに考えまして、まず十年計画というぐらいの気持ちで、長期不抜の精神で、うまずたゆまず努力していきたいと思うところでございます。
○鈴切委員 行政改革を断行するには総理として何が重要であるかといいますと、それは総理のリーダーシップであり、決断であり、実行であります。それなくして行政改革は推進されるものではありません。 なぜならば、実はお役所の課長以上のいわゆる管理職は、仕事をまず減らさない、人を減らさない、金を減らさないという長い間の官僚としての鉄則がある。もしその鉄則を犯すということになると、あれは無能な官僚だというふうにレッテルを張られてしまいます。官僚の縄張りというものもそこから生まれてまいります。また一方、お役所に勤務している役人は、親方日の丸ということで、行政改革にはまず協力的でないと言っても過言ではありません。労使ともに行政改革を進めることに消極的であり、その上、外にあっては既得権益を守ろうとする外圧があります。その中にあって行革を断行することのむずかしさは、それは総理、あなたが一番よく御存じのことだと私は思っております。しかし、国民の税金によって賄われている行政組織のむだを省くということは、赤字財政に悩む日本の国にとって、いまや何を差しおいても国民のためにしなければならない重要課題であろうかと私は思います。 中曽根総理は、今国会を行革国会と名づけられ、意義づけられておりますが、今国会に提案された行革関連法案については、臨調答申を受けて政府が決定した新行革大綱に基づいて提案されたものであります。土光臨調が二年間にわたって、社会経済情勢の変化に対応し、適正かつ合理的な行政の実現に資することを目的として、五次にわたる膨大な答申を出されましたけれども、今回の行革関連法案は、一連の行革の中でどのような位置づけをされているか、御答弁願いたいのであります。
○齋藤国務大臣 土光臨調からは今回まで五回の答申をいただいておるわけでございます。そこで、ことしの三月十四日にいただきました答申が最終答申でございますので、この最終答申をいただきましたので、今後行革をどういうふうに実行していくかという手順、順序等のプログラムを決めましたのが新行革大綱でございます。 それによりますと、一回だけの国会で全部これを済ますというわけにはいかない、大変な内容でございます。そこでやはり数段階に分けてこれを実行していくということが最も適当である、かように考えまして、まず第一段階といたしましては、総務庁の設置のような中央省庁の統合の問題、それから中央省庁における局の再編合理化を図るための基盤づくり、そのための国家行政組織法、さらにまた府県における出先機関の廃止の問題、こういう問題をまず第一段階として国会に提案しようということになりまして、ただいまの臨時国会に提案をいたしておるわけでございます。 そういうふうな第一段階の法案について、皆様方の御協力をいただきましてそれが成立いたしますと、第二段階として、年末の予算編成ということになると思います。この年末の予算編成に当たりましては、大蔵省が非常に御苦労なさっておりまする一〇%マイナスシーリングといったふうな予算で予算を切り詰めるということ、特に臨調がやかましく言っておりまする補助金等の整理について合理的な整理をやっていこう、これが一番大きな問題でしょう。それからさらに、第五次人員削減計画というのが五十七年から始まっておりますので、人員の削減、五十九年度においてどの程度の人員を削減するか、これが予算編成のときの問題でございます。さらにまた、中央省庁におきましては、今後五年間に課の数を、課の数が千七百ぐらいあるわけですね、その数を五年間に一割減らしていこう、五十九年度の予算は、したがってその初年度になるわけでございます。そういうふうな人員の削減、課の整理というものが通常国会前の予算編成で決定する。そうしまして、さらに第三段階としては、次の通常国会におきまして、たびたび総理が御答弁申し上げておりまするように、電電、専売の機構改革を含む大改革をやっていこう、さらにまた地方事務官制度の廃止、こういうふうな重要問題が第三段階として控えておるわけでございます。 したがって、今度の臨時国会に御提案申し上げておりまする法案は、この最終答申後の新行革大綱、今後の行政改革の一環であり、同時にそれは第一段階の重要法案である、こういうふうに位置づけておることで御理解をいただきたいと思う次第でございます。
○鈴切委員 法案につきましては後でいろいろと論議をいたしますが、政府は、これまでに臨調答申を受けて、臨調の第一次答申から第五次答申までの実施状況については、総理としては総括的にどのように評価されておりましょうか。
○中曽根内閣総理大臣 大体工程管理表をつくりまして、そのスケジュールに沿って進めてきたところでございますが、与党並びに各党各派の御協力や国民の皆様方の大変な御声援をいただきまして、ある程度成果を得てきておると思います。しかし、いよいよこれからが一番大事な山場に差しかかってまいりまして、これからの努力いかんが一番大事なところであると思っております。
○鈴切委員 総理は、行革の実績というものについては、ある程度はやってこられた、こういうふうにおっしゃっておるわけでございますけれども、実際には目ぼしいものは、御存じのとおり国鉄監理委員会や臨時行政改革推進審議会という、これからの具体的な問題を検討し行革を推進するための機関、すなわち器をつくっただけであって、実際に行革そのものを実行に移したという実績はまずほとんどないと言っても過言ではありません。 臨調の最終答申で、一次から三次までの答申の実施状況を見た限りにおいては、臨調すら「遺憾ながら既往答申の実施状況は必ずしも十分とは言えない。」「当調査会の具体的改革提言は、今後の行政改革にとって必要最低限のものであり、早急かつ完全な実行が求められる。」と指摘しております。臨調すら実施状況は必ずしも十分でないと言っているわけでございますから、私がこの点を指摘すれば、恐らく中曽根総理は、だからこそ行革大綱にすべてを盛ったのだ、そうおっしゃるでしょう。しかし、どんなに閣議決定しようが、いろいろの方針をしようが、実際にこれが実行されなければ何の役にも立たないわけでございます。そのことを私は総理大臣に申し上げながら、次に移ってまいりたいと思っております。 さて、土光臨調は一貫して「増税なき財政再建」を主張してきたわけでありますが、残念ながら新行革大綱には「増税なき財政再建」の文言はどこにも見当たらないのであります。政府は、臨調の言う「増税なき財政再建」を基調にして行革を進めていくことには変わりはないというふうに言っておりますけれども、それであればなおさらのこと、土光臨調の基本とも言うべき「増税なき財政再建」という言葉を冒頭にやはり明記すべきではなかったかと私は思います。なぜ「増税なき財政再建」という言葉を新行革大綱から外してしまったのか、その点についてお伺いします。
○齋藤国務大臣 「増税なき財政再建」は、土光臨調の一貫した基本的な理念で貫かれておるわけでございます。したがいまして、最終の行革大綱をつくるときにそれを書くか書かぬかということでございましたが、これはもう土光臨調の行政改革の基本的理念でありますから、言わずもがなのことではないか、これが根本の理念である、こういう信念に基づきましたので、行革大綱の中には文字を書かなかった、こういうことでございます。言わずもがなのことであると理解をいたしております。
○鈴切委員 残念ながら、新行革大綱の中で画竜点睛を欠いたというのはまさしくこの一点だと私は思います。 そこで、総理として「増税なき財政再建」という方針を今後も堅持していく考えがあるのかどうか、その点についてお伺いいたします。
○中曽根内閣総理大臣 もとより堅持してまいります。
○鈴切委員 大蔵大臣はどうでしょうか。
○竹下国務大臣 一たび旗をおろした途端にいわゆる歳出に対するわれわれの厳しい姿勢が崩れる。堅持すべきであると思います。
○鈴切委員 この「増税なき財政再建」というものを、旗をおろしてしまったならもはや行革が進むはずがございません。安易に増税への道を開くとするならば、血のにじむような行政改革の努力はなくなってしまいます。増税をしないで財政再建をするということに決めれば、歳出削減のために、どうしたら簡素で効率的で、そして真の国民の行革ができるかという努力がなされていくわけであります。土光臨調の評価は実にそこにあると言っても過言ではありません。 そこで、臨調答申では、「「増税なき財政再建」とは、当面の財政再建に当たっては、何よりもまず歳出の徹底的削減によってこれを行うべきであり、全体としての租税負担率の上昇をもたらすような税制上の新たな措置を基本的にはとらない、」と言っております。租税負担率の上昇をもたらすような税制上の新たな措置をとらないということは、大型消費税のような間接税の導入による大幅な増税はしないということなのでしょうか。
○竹下国務大臣 いわゆる一般消費税(仮称)等に見られるような大型な間接税の新税を設けるようなことはしてはならぬという考え方だと思っております。
○鈴切委員 それは税制上の改革を伴わないものである。税の負担率を上げるようなことはしないということであるから、この大型の消費税はこれからもやらない、こういうことでよろしゅうございましょうか。
○竹下国務大臣 大型の消費税を今後導入していこうということは現在念頭にございません。 ただ、租税負担率という問題は、臨調におかれても、臨調関係者の方々ともその後議論もいたしてみましたが、言ってみれば結果として生ずるものが租税負担率である。だから、そこに書かれておる租税負担率というのは、あくまでも抽象的に臨調の皆さん方がそのときお考えになったものであって、厳密な結果として出てくるものでありますから、すなわち当時で言えば二三・六でございますけれども、それにぎりぎりすべてとらわれてはならぬ、という意味ではないというふうに理解しております。
○鈴切委員 先ほども行管庁長官からお話がありましたとおり、やはり徹底して歳出の削減を図らなければならない問題に、補助金の問題があろうかと思います。現に補助金総額を見ても、五十七年度は十四兆七千億、五十八年度は十五兆円と莫大な金額となっております。 臨調は、政府に対して、制度、組織の改革に踏み込み、政策の根本的見直しを行い、歳出の大胆な削減を実現するよう、特段の努力を払うよう強く要請しております。そういう観点に立ったとき、臨調の言う制度、組織の改革に踏み込み、政策の根本的な見直しを行うために補助金を洗い直し、その上で大胆な削減をすべきではないかというふうに私は思いますが、その点についてはどうお考えでしょうか。
○竹下国務大臣 それこそまさに、行政改革というものに対してのお話をするたびに、制度、施策の根源にさかのぼって見直さなければならぬ、こう申しておるところでございますので、それは補助金政策についても同じであると思っております。
○鈴切委員 ばらまき補助金のずさんさが、このところ行政監察によって幾つか指摘されております。たとえば減反政策の一環として出している補助金が目的以外の農地に支払われていたり、私学振興のための補助金が、経理操作によって故意に赤字をつくり出して補助金の対象となるようにしていた大学に支払われていたことが行政監察によって明らかになり、世間の批判を浴びております。これはほんの一例に実はすぎないわけでありまして、いかに補助金が既得権益化して不正やむだに使われているかという証拠ではないかと私は思いますが、国民の税金を使っている以上、もっと徹底した補助金の総点検をして、統合とかあるいはメニュー化とかあるいはサンセット方式の導入などを行い、厳しい見直しをしなければならないと私は思いますけれども、その点についてはどうお考えでしょうか。
○竹下国務大臣 基本的に申し上げますと、これは鈴切委員の御説に私どもも全く同感であります。補助金等につきましては、一定の行政水準を維持したり特定の施策を奨励するというような国の施策、それは大きなもので言えば、義務教育制度あるいは国民健康保険制度、生活保護制度等、これも補助金でございますが、これは国の施策を実現するための重要な政策手段としての機能を持っておるものであると思っております。 ただ、えてして補助金というのは、既得権化したり、惰性的運用によって硬直化しやすいという弊害を持っておることは、従来からもたびたび御指摘をいただいておるというところであります。したがって、最も効率的使用をするということを心がけなければなりませんので、それが実行に当たりましては、五十五年度予算を編成いたします当時から、いわゆるいま御指摘のございましたサンセット方式とかメニュー化方式とかいうようなことを種々工夫しながら今日に至っておる。しかし、今日に至っておりましても、いま御指摘のような行政監察で御指摘を受けたような問題もございます。したがって、不断の見直しを行うということは全く同感であります。
○鈴切委員 国家公務員は国民の奉仕者として、労働基本権のスト権あるいは団結権、団交権、これは認められていません。そこで、公務員の給与は第三者機関である人事院が、公正中立の立場で民間給与のベースアップを調査して、公務員と民間の給与の差額を政府と国会に勧告をしております。 公務員も家に帰ればやはり父親であり、妻も子供もおり、その父親の毎月の給料に頼っていることはサラリーマンと同じであります。昨年度は、政府が赤字財政を理由に、人事院勧告の完全凍結という異様な措置がとられてきましたけれども、今年度に関しては、総理は、二年連続しての凍結は行わないと、そういう趣旨の発言をされております。しかし、今年度人事院から勧告された六・四七%のうち、昨年度の勧告分四・五八%を凍結したまま、今年度分の残り一・八九%だけを実施する意向であるかのような実は報道がされておりますけれども、私は、人事院勧告は完全実施すべきであり、二年凍結とかあるいはまた値切るということがあってはならぬ、こういうふうに思うのでありますけれども、総理大臣は今回出されました人事院勧告に対してどのように実施されていく決意でしょうか。
○中曽根内閣総理大臣 人事院勧告につきましては、これを基本的に尊重するという立場を堅持してまいります。具体的な処理の問題につきましては、ただいま給与関係閣僚協等において審議していただいておりますので、それらの結論を待ちたいと思っております。
○鈴切委員 しかし、総理としては、人事院勧告については尊重するということはわかるわけでありますけれども、二年凍結をしないという総理のその発言の真意というもの、また人事院勧告というものを完全実施せよという強い要請がある以上は、いま直ちに給与閣僚会議においていろいろ検討しているといっても、総理自体はどのようにこれについてまず対処されようとされているのでしょうか。
○中曽根内閣総理大臣 この問題は、各省各庁等にわたる非常に重要な問題であり、また与党との調整の問題もございます。そういう意味におきまして、従来政府は、関係閣僚及び党の首脳部とよく相談をいたしまして結論をつくってまいりました。そのいままでの手順を追うていま検討していただいておりまするので、私から先走った結論めいたことを申し上げることは適当でないのでございます。
○鈴切委員 臨調は、人事院勧告の制度そのものについては存続すべきであると言っている反面、総人件費については抑制を図るべきであると言っております。財政危機のときに、臨調の総人件費を抑制しなさいという考え方もまた当然であろうかと思います。しかし臨調は、人事院勧告を凍結しなさいとかあるいはベースアップを値切りなさいとはどこにも言ってないわけであります。臨調が総人件費抑制を図るべきだと言っている以上、行政改革を徹底してやり、簡素で効率的な行政機構をつくることによって、仕事減らし、器減らし、人減らし、金減らしという、国民のための真の行革ができると私は思っております。 政府は、定員削減計画を何度も立てたが、結局新しい需要ということでまた増員をするという繰り返しを実はやっております。首を切るというような手荒なことはしなくても、自然に定年とか一身上の都合でやめていく公務員の補充を手控えることによって、もっと公務員の数を実際に減らすことはできると私は思っておりますが、それによって、やはり総人件費の抑制という臨調の目的も、労働基本権の代償機関としての人事院勧告の完全実施もできると私は思っております。大幅な公務員の純減数を伴う方途をなぜ講じないのでしょうか。総理はその点についてどうお考えでしょうか。——総理です。
○齋藤国務大臣 私どもは公務員の人員、定員削減ということについては真剣に努力をいたしてきておるわけでございます。そこで、もう御承知だと思いますが、国家公務員の定員削減が始まりました昭和四十三年から五十八年度までの十六年間に、公務員の数がどの程度減ったかということを申し上げてみたいと思うのですが、公務員数は一万二千三百四十七人純粋に減っております。純減が一万二千三百四十七人でございますが、その間に、たとえば国立病院、それから国立の医科大学、こういうところの行政需要というものは非常に大きいのです。国立医科大学等の行政需要の増加が二万九千人おります。これをふやさぬというわけにいかないのです、新しい医科大学をつくるというわけですから。さらにまた国立病院、療養所等におきましては、やはりいろいろ看護婦さんその他もふやさなければならぬということでございまして、国立病院等については七千八百四十二人、合計すると三万幾らというのがふえておるわけでございます。 そのふえた反面に、純減の方が——定員削減の方に多く影響を受けておりますから、一般の公務員等においては四万九千人実は減っているのです。四万九千人そちらは減る、国立医科大学と病院の方は三万六千人ふえる、こういうわけなんです。この需要を全部切ってしまえというならこれは別です。それはもっと減らすことができたでしょう。しかし、こういう行政需要の増加をやはり国としては認めざるを得ない。こういうふうなことを考えてみますと、純減で一万二千三百四十七人というのは、私をして言わしむるならば、相当思い切った定員の純減じゃないかと思います。 さらにまた、五十七年度、五十八年度を見ますというと、五十七年度は千四百三十四人、これも医科大学の増員とかそういう行政需要を満たしながらなおかつ千四百三十四人、五十八年度は千六百九十五人、こういうわけでございまして、私どもは、できるだけの定員削減ということはやるべきである、こういうことで努力をいたしておるわけでございます。五十八年度が千六百九十五人ですから、五十九年度の予算編成の際にはこれよりももっと多くするということが基本的な方針でなければならぬ、かように考えておる次第でございます。
○鈴切委員 政府は、四十三年から五十八年までに六次にわたる定員削減計画を実施した、約十六万人を削減したというふうに言っておりますけれども、新規需要で十四万八千人をふやしているから、結局差し引いたら一万二千人しか減っていない。これはいま行管庁長官が言われたとおりであります。 なお、総定員法を実際にやっても、いまあなたの言われたように、国立大学の職員とかそういうものについては、これは実は別枠なんです。総定員法とは別枠なんです。あるいは沖縄定員においても、これは別枠なんです。だから、一万二千人を十五年間で単純に割ってみれば、一年間にわずかに八百人しか減っていない、こういう状態なんですね。そう言いますとすぐに行管庁長官は、いや、五十七年度は千四百三十四人減っている、五十八年度は千六百九十五人減っている、こういうふうにおっしゃるでしょうけれども、それはもう削減ではないのですね。純減じゃないのです。純減という問題について見たら、これは本当に削減したということにならぬ。ちなみに、赤字の国鉄においては、昨年もことしも新規採用をストップさせて、さらに大幅に人員の合理化を図ろうとしておりますね。 国家公務員の離職状況をずっと見てまいりますと、毎年在職者の約三・七%から四%が定年並びに自己都合でやめられているという統計が出ています。私ども公明党は、五年間で五%、約四万五千人ぐらいは純減できるだろう、一年間に計算してみれば一%、約九千人の純減を実質的にやっても、残る二・七%から三%で福祉とか教育部門の増員にも十分こたえることができると考えております。だから、私ども公明党が主張するように、徹底的な純減を伴う定員削減計画を立てたらどうかというふうに私は思うのですが、こんなあいまいな、十五年間にわずか一万二千人の純減しかないなんというのは、これは本当に行政改革が進んでいない証拠じゃないですか、いかがですか。
○齋藤国務大臣 鈴切委員、誤解のないように申し上げておきますが、この削減計画は、いわゆる国家公務員の定員法の数、定員法の適用を受ける者じゃなくて、それ以外に全部をひっくるめて、大学の病院等を含めて約九十万人、国家公務員という数を基本にして計算しておるということを御理解いただきたいと思います。 そこで、純減をできるだけふやして五年間に五%ぐらいやれるじゃないか、こういうお尋ねでございますが、なるほど国立医科大学の方の需要の増加がなければ、それはできるわけです。しかし、医科大学はつくった、お医者さんはいないというわけにはいかない。国立病院、療養所において看護婦も必要である。これはもう増員の要求は、需要は大体国立の医科大学と国立病院、療養所だけなんです。これが中心なんです。これはやはりふやさなければならぬ。これをふやしながら、なおかつある程度の数を減らしていこう、こういうわけですから、非常に苦心の存するところであり、各省等も相当苦労しているのじゃないかと私も思います。しかしながら、たとえばことしの例で申しますと、千六百九十五人でおまえ満足するかと言われれば、満足するとは言えない。やはりもうちょっと純減をふやすように今後とも努力したいと思います。そのためには、やはり文部省や厚生省あたりが看護婦なり医者の関係のことをよく彼此流通し合うようなことをやってもらわなければできない、こういうことだと思います。
○鈴切委員 私は定員外職員のことについてはよく知っております。公務員と五現業の職員の総数ですから、それが約八十五万人以上あるということもよく知っております。ですけれども、一年の間に、定年になったとかあるいはまた一身上の都合でというふうにやめていかれる方々が、自然退職が非常に多いわけです。御存じのとおりそれは、いま私が申し上げましたように三・七%から四%はいるわけですから。となると、その三・七%から四%の方々に対して直ちにすぐ補充をしてしまうということではなくして、やはり厳しいチェックをしていかなければならない問題だろう。そうして純減をするということは、これは仕事を減らすことにおいても、また機構を減らすことにおいても、金を減らすことにおいても全部通じていく問題だから、純減をどれだけしたかということが一番問題にしなくてはならない問題であって、計画は、四十三年から五十八年まで十五年間に十六万人やりましたと言っても、実際に十四万八千人を増員してしまえば一万二千人なんですよ。一万二千人の純減を十五年間やったって、それは決していばれるものではありません。それはいかにも行政改革が徹底されてやれてないという証拠じゃないですか。だから純減するということにはならぬのであって、純減をするということを決めれば、どうしても行政改革をしていかなければならないという、その問題に取り組んでいくわけです。だから私は純減をしなさいというふうに申し上げるわけですから、私どもが考えているような方向でやったらどうですか。
○齋藤国務大臣 非常に御鞭撻をいただきまして感謝にたえないところでございますが、定年退職等々の問題、これは私は、やはり純減をふやす上において相当頭に入れて計画的に練っていかなければならない問題だと考えております。この点は、明年度以降の人員削減計画の策定に当たりまして十分注意をしていきたいと考えております。 それから、行政改革の基本として純減が少ないというのはどうかな、こういうお尋ね、これはおっしゃるとおりです。ですから、私も昨年の暮れ行管庁長官になったのですが、もうちょっと減らせぬか、こう言うのですが、やはり病院とか看護婦というのがありまして、なかなか思うようにいかなかったのですが、今後は、御鞭撻をいただきながら大いに努力をして純減をふやすようにしたいと思います。
○鈴切委員 国家公務員においても定員の削減が要求されているわけでありますが、やはり地方公務員においても私は同じだろうと思っております。地方自治の尊重という観点から言うならば、本来は地方自治体が解決しなければならない問題であろうかと私は思うのですけれども、それだからといって野放しにもできない問題ではないかと思います。 地方公務員は、昭和四十二年から五十六年の間に実に八十四万四千人もふえております。もちろん福祉とか教育等の定員がふえたことはわかるにしても、地方においても厳しい財政事情を抱えていることには変わりはございません。自治省としては、地方公務員の定員削減を今後どういうふうに指導されていくお考えでしょうか、自治大臣。
○山本国務大臣 国家公務員と同じように、地方公務員の定数管理につきましても同じような考え方でやっていかなければならないと思うのです。ただ、やや仕事の内容が国の場合と地方の場合とは違う。地方は国民、市民と直接接触をしておりまして、行政サービスになかなか多様性があると思うのです。 そこで地方公務員のふえ方を見てみますと、先ほど来国家公務員についても大学などお話がございましたが、やはり地方公務員の場合も一番ふえますのは教育関係がまず第一、続いて福祉関係でございますね。これらがふえていく場合の大宗を占めておるわけでございます。一般管理部門につきまして、これはだんだんに減らしていくという方向でなければならないわけで、昨年で見ますと、一般管理部門につきましては二千二百人ぐらい減員ということになっておりますが、いま申し上げたような教育あるいは福祉といった関係はやはりふえ続けておるわけでございます。 私どもの方も、国の国家公務員の減員計画に準じて地方公務員もやはりそういう考え方をしていかなければならないということで、何せ三千三百に上る地方公共団体、大小がございますが、それらについてモデル計画を示しまして、その計画にのっとってひとつ減員計画をつくり、それを実施、実行をしていってもらいたい、こういうことでございます。 それから、もう一つの問題は、国の方で地方に人を置かせるというような施策はなるべく控えてほしい。たとえば必置規制などということを言いますが、そういう人をふやすような施策というものは国の方でも地方に対して控えてほしい、こういう要望を各省庁にもいたしておりまして、ともども相まって地方公務員の定数管理により一層の厳しさをひとつ指導していきたい、こう思っておるところでございます。
○鈴切委員 それでは、今回提案された総務庁設置法について御質問申し上げます。 臨調の総合管理構想の一環として第三次答申に、仮称総合管理庁の設置を提唱しております。それには実は二つの条件がございます。一つは、総理府の人事局と行政管理庁等の事務、権限を統合し、国務大臣を長とする総理府の外局として設置しなさい。これが一つです。もう一つは、人事管理、組織・定員管理及び行政監察機能の一体的、総合的運用により調整機能の活性化を図っていきなさいということが骨子になっております。 ところが、今回政府が提案されました総務庁は、これらの事務に、実は総理府の青少年対策本部、北方対策本部、統計センター、恩給局、統計局、それに関連する審議会を総理府より移しかえてしまいました。巷間伝えられることは、勢力争いであるとまで言われております。なぜ臨調答申どおり人事管理、組織・定員管理及び行政監察機能の一体的、総合的運用をすることにしぼって総務庁を設置をしなかったのか。雑多なものをつけて性格をあいまいにしてしまった。これでは臨調の答申に反するのじゃないですか。どう思いますか。
○齋藤国務大臣 臨調の提言は、鈴切委員がお述べになりましたように、人事、定員、組織、それから監察、こういうものを一元的に運営していく総合管理庁をつくったらどうか、こういう提言がございました。私どもは総務庁設置構想を打ち立てるに当たりましては、この構想というものは一つ基本にある。その基本にあるほかにもう一つ、政府全体として考えてみますと、総理大臣の所掌するところの数省庁にまたがる総合調整という事務がたくさんあるわけでございまして、その総合調整の事務を行っていく組織としてすでにできているものがある。北方対策あるいは老人対策あるいは青少年対策本部、これは総合調整機能の組織でございます。 〔委員長退席、海部委員長代理着席〕 そこで、総合管理庁の構想プラスこういう総合調整の機能を果たす組織を一緒にして、より高く、より幅広く総合調整機能を発揮しよう、こういうことにいたしたわけでございまして、総務庁という構想のまず第一点は、総合管理という総合調整、そのほかに現在の総理大臣がお持ちになっておられる総合調整機能のうちで特定の施策についてすでに組織ができておりますから、その組織も一緒に行って、政府全体としてより高次の総合調整機能を総合的に発揮していこうではないか、こういうことにいたしたわけでございまして、総務庁の構想は、臨調答申にありますところの総合管理庁構想というものを中に基本的に包摂しておる機構である、こういうふうに理解いたしておりますから、臨調の答申よりもさらに進んだ総合調整の機能を果たす役所である、こういうふうに私は理解をいたしております。 土光さんも、この構想は、臨時行革推進審議会において私の方から御説明申し上げましたところが、臨調答申よりもさらに一歩進んだ機構である、こういうことで非常に強い支持を受けて、こんなこと言わぬでもいいのですが、臨時行政改革推進審議会におきましては満場一致、これは結構じゃないか、こういうことで御了承を得ておるということをつけ加えておきたいと思います。
○鈴切委員 このところ、残念ながら、行管庁長官が言われるように、行政改革推進審議会は全く物を言わない。あきれて物が言えないのです。あなたが言っている、評価をしたというのではなくして、むしろここにおられます橋本さんが試案を出された、あの橋本試案に対しては、どちらかというと総合管理構想の中に置いてもさらに強めるということであるならばこれはいいだろうということだったのですが、総合管理構想とは全然別なものをくっつけてしまって、言うならば雑多なものがついてしまったから性格があいまいになってしまった。そんなことを臨調は言ってはいませんよ。臨調答申の中でそんなことは言ってません。総務庁の設置に対しては、残念ながら行管庁とそれから総理府との間においていかにも醜い抗争があったのじゃないですか。統計局二千人の、その力を行管庁の方に入れ込んで総務庁の力争いというものを総理府の方に有利な方向にしようというようなことも伝えられておりますよ。そういうような不純な考えのもとにこういうものをつけてもだめだ。 言うならば青少年対策本部とか北方対策本部とかあるいは統計センター、恩給、統計局、この問題については総理府で実際には定着しているんですよ。何も官房長官が特別にこれに対して指導しなくたって、統計はやはり統計の法律があって、それに基づいて行われる。行管の方に主幹がいればそれで済むことであって、こんなことをせよとは言ってない。総務庁をめちゃめちゃにしちゃった。おまけに政府の総務庁設置によって総務長官は廃止されるが、大臣のポストは全く変わらない。浮くと言うのでしょう。宙に浮いてしまう。あるいは先ほど総理大臣は、総務副長官二人が減りますと、それは減りますよ。減りますけれども、総務庁に官房長を置くのじゃないですか。それからまた、総理府に府次長を置くのですから、そうなれば差し引きゼロじゃないですか。だから、機構も人員も予算も全く削減されない。こんな小手先な機構でお茶を濁し中央省庁の統合再編なんて言ったって、それは国民はとても納得はいかないというふうに言いますよ。この点についてどうですか。
○齋藤国務大臣 先ほどもお答え申し上げましたが、総務庁という構想は総合管理庁をつくろうという、そういう要請にこたえ、同時にまた総理府にありましたところの特定施策について総合調整として組織化されているものをあわせ行うということでございますから、政府全体として考えてみまするならば、総合調整機能というものの幅広い調整が強化される、こういうことになると私どもは理解をいたしておるわけでございます。 なお、統計についてお尋ねがございましたが、統計につきましては、行政管理庁の方には各省にまたがる統計の総合調整という機能を持っております。それと同時に、また統計局におきましては、国勢調査その他国勢の基幹となるような重要な統計を実施しておるわけでございますから、その統計局の中の企画事務と総合調整の機能を果たすところの統計主幹というものを合併して、そしてあわせて統計の中枢的機能を強化するということでございますから、一言で申しますと、政府全体として見ての総合調整機能を強化する、その中に総合管理機能を包摂する、こういうふうに御理解いただければ私はありがたいと思います。新聞等でいろいろにぎやかに書かれたようでございますが、両省においてはさような考えは全然持ってなかったということを申し上げておきます。
○鈴切委員 なお、行管庁長官がよく答弁をされておりますけれども、総理府本府は、内閣の補佐機能を強化するために大臣官房と賞勲局、特別の機関、施設等機関、審議会を若干置くとしてスリム化したというふうに言われておりますね。それによって総理府本府そのものを果たしてもう置く必要があるかという実は疑問が起こってきます。こんなにスリム化してしまって、もうどちらかというとほとんど機能もしないような状態にまでスリム化したということになりますね。だから、政府も総務庁のあいまいさを残すくらいならば、思い切って総合管理府のようなものを置いて、総理府と行管庁を廃止して新しい府を設置したらどうかという、そういう国民の声が実はあるのですよ。いいですか。それで、そうなれば完全にもうこれは統廃合ですよ。こんなあいまいさならばこういう方法だってある、国民の中からもそういう声がある。 だから、そう考えてみますと、本当に人も減らなければ機構も減らなければ金も減らないような行政改革を提案しても、それはなかなか国民に納得をしてください——しかもそれが中曽根さんの言う行革の目玉でしょう。中曽根さんもずいぶん焦ったのでしょう。目玉をつくらなければ行革国会を乗り切れないということで焦ったのでしょうけれども、こういう問題についてはやはりじっくりとやるべきであって、このことによって実は大きな問題が起こっているということは、一つは臨調答申を簡単に変える先例をつくってしまった。先例をこうやってつくってしまった。だから、ごね得を許したということで、もうすでに電電とか専売とか特殊法人はごねれば何とかなるという、そういう悪い先例をつくってしまったのじゃないですか。いいですか、総理、あなたは臨調答申を最大限尊重すると言ったでしょう。どこにこの総務庁の中身で最大限尊重したのですか。まるっきり性格を変えてしまったのじゃないですか。御答弁願いたい。
○中曽根内閣総理大臣 私はそうは思いません。その証拠には、この総務庁設置法案ができましたときに、土光さんの行政改革の推進審議会の方はよくやったという声明を私いただいたので、非常に喜んでおられた。総合管理庁よりもこれは強力な、なかなか大がかりのものをやったという御評価をいただいておるのです。私もそう思っておるわけであります。 すなわち、総合管理庁がねらっておりました定員、組織、機構、人事、こういうものは今度の総務庁で厳然として管理して、そして最初の目的を達するようにやっておるわけです。そのほか若干の、いま御指摘があったような統計とかそういうものの仕事がついてまいりましたけれども、しかしこれも考えようによっては役所に力がつくという意味にもなります。そういう意味において私は、土光さん以下の皆さんが総務庁を評価されたということはわが意を得た、そう思っておる次第であります。
○鈴切委員 総理がそうおっしゃっても、私がいまここでいろいろと質問をしている状況については逐一国民の皆さん方が見ておられます。ですから、そういう意味からいって総理の言っていることが本当に正しいのか、私の言っているのが正しいのかは、それは国民が判断する問題だと思います。しかし、こういうような総務庁の中央省庁の統廃合にもつながらないようないわゆる統合再編成、人事、機構、金も減らないというような、そういうものを幾つつくったってこれは行政改革にはならない。総理はこれから何年間もやらなければならないと言っているけれども、やはり中央省庁の統廃合というものは隗から始めよということでもあり、言うならばこれからさらに中央省庁の統廃合というものについてはお考えになっていましょうか。
○中曽根内閣総理大臣 中央省庁の統廃合というものは引き続き検討してまいりますが、とりあえずは、今回提出して御審議願っております国家行政組織法、この改正によりましてまず自律的な改編をやってもらおう。運輸省以下約八省庁にわたりまして、法案が成立したらこういうことをやりたいという案がもうすでにできておりまして、いままでのような許認可官庁から政策官庁に脱皮するという方向で各省庁がこれからの世の中に一番ふさわしいような編成がえをいま考えておるところでございます。したがいまして、まずこれを実行いたしたいと考えておる次第でございます。
○鈴切委員 国家行政組織法についてお伺いいたします。 これは、私も本会議で申し上げましたとおり、昭和二十三年の五月に、第二回国会、芦田連立内閣のとき国家行政組織法が審議された際、中曽根総理、あなたはそのとき民主党の代表として審議に参加されたことを記録によって私は知りました。当時の政府の提案してきた国家行政組織法は、やはり所掌事務の範囲及び部局の設置及び廃止を政令にゆだねてくださいという内容で、今回の政府提案の内容とほぼ同じであります。 そのとき中曽根さんがいろいろと論議をされた内容を要約しますと、一つは国会のチェック機能の重要性をまず訴えられました。第二番目は、二十三年五月の二十四日の決算委員会で、あらゆる官庁の内部部局というものが政令で決められてしまえば国会はこれに関与しなくなる、第三番目は、政党政治というものは行政官庁にとって無用なものになってしまう、法律でチェックして、ややもすれば膨大になろうとする行政機構というものを簡素にする必要があると指摘して、当時の内閣の提出した法律案を修正して現在の行政組織法ができたという経緯が実はございます。 そこで、できるだけ国会が行政府へのコントロールをするという方針がとられ、現在のような詳細にわたっての内部組織まで法律で規定するという仕組みになっているが、これは行政の怠慢のチェックあるいは行政の独走のチェックあるいは行政の公正中立という点からのチェックという国会本来の役割りを果たしてきたということに対して、総理はどのような評価と認識をお持ちでしょうか。
○中曽根内閣総理大臣 国会はそのようなわれわれが企図した役割りを非常にりっぱに果たしてきたと思っております。ただ、そのときと今日とはもう時代も違い、また行政の機能も大分変わってまいりました。あのころは戦争に負けた直後でして、戦争に負けるまでは官制大権という名のもとに、政府が単独で行政機構をつくり、人間をふやしたり減らしたりすることができたわけです。つまり政府の力が非常に強大で、国会の力は翼賛議会という名前で言われるぐらいに弱かったのであります。そこで、戦争に負けてから、国会の機能をもっと充実させなければいかぬというので、私たちはあのような考え方でそのようにしたわけです。その結果、国会の機能はかなり強大になり、充実してきたわけでございます。 しかし、いまのような状態になってみますと、行政機構というものは非常に複雑になり、しかも激動している世の中にあって、それにふさわしいような行政機構に機動的に対応して改革していく必要が非常に出てきておるわけでございます。国会の機能は完全に充実してきております。そういう意味から、少なくとも各省庁においては、局というものについて百二十八、これ以上ふやしてはならぬ、そういうところさえかんぬきをしっかり入れておけば、あとは各省庁、政府に任せたらどうか、余り省庁の内部まで国会が手を入れる必要はもうないじゃないか、そういうような考えに立ちまして、ちょうど総定員法をつくって定員の数を一定にしたために、地方公共団体のようにふえないで国家公務員の場合は減ってきておる。それと同じように、局についても、その最大限の数をはっきり国会が握っておって、それ以上ふやすことは許さぬ、しかし、その内部でやるなら、行政府が、自分たちがいいと思ったふうに内部のことは自分でやりなさい、そういうふうに国会の方でお示しいただいても、国会のコントロールは十分つくし、いや、むしろ機動的に新しい時代に合うような行政体系というものができてくる、そういう考え方を持ちまして、この三十数年の経過を見まして、いまこういう改革をやるときであるというので御提案申し上げている次第なのであります。
○鈴切委員 確かに臨調にある変化への対応が強く求められている時代の要請にこたえる新しい仕組みという考え方、これは私わからないわけはないのです。しかし、行政府の自由裁量ということに官房とか局が変わってしまう。たとえば今回提案されている局を政令にゆだねるという中に、実は外務省の部局に情報文化局、調査企画部というのがございます。それが今回政令にゆだねられますと情報調査局、そして大臣官房政策調整室、文化交流部となるというふうになっております。情報文化局の文化面の方が実は部に格下げになったり、あるいは調査企画部が情報調査局になります。確かに情報活動という点については、国際環境に適確に対応するということも必要かもしれませんけれども、平和国家としての文化の交流という点を格下げしても、果たして情報調査局にする方がよいかどうかは実は議論があるわけであります。大変に議論のあるところ。 なぜと言うならば、情報調査局ということは、これは言うならば、よく言われている、ある程度のスパイ活動、情報を収集するということについてさらに強化をするというわけでございますから、それでは情報をとった、その情報をどういうふうにそれじゃ保護しようかということになると、さらに機密保護法という暗い部分も実は出てくるわけですね。だから、そういうふうなことになった場合に、それよりもやはり平和国家としては情報文化局の方がよいという国民の見方だって僕はあると思いますよ。文化の点をやはり日本の国は大いに振興するために、いまの情報文化局でよいじゃないか、実はそういう意見も出てこようかと私は思うのです。 となりますと、政令にゆだねることになる、局の改廃に国会が論議を差し挟む、そういうものがなくなってしまうのですね。だから、さてこういう問題について多くの国民の方々に論議を重ねながらどう判断してもらう、そういう論議がもはやできなくなってしまう。それを行政機関に、政令にぜひゆだねてもらいたい、こういうのが今回の、言うならば政令にゆだねる部分でございます。だから私は問題もあるだろうと実は思っております。 それで政府は、行政改革をすると言っておきながら、なぜ今回の国家行政組織法の改正に伴って官房と局だけを百二十八の現在数で総数規制をしたのか。それでは機構の縮小につながらないし、部については野放しだし、また審議会にも適用がないということになれば、これは本当の行政改革じゃないのではないですか。百二十八の上限規制、いま現在あるのをもう固定してしまうというのですから。それに対してはどうですか。
○齋藤国務大臣 今度の御提案申し上げている法律は、省の中の基幹的な部局が官房、局でありますから、官房、局だけを上限で抑えるということが最も必要であろうということにいたしたわけでございます。 それから、部は局の下の組織でございまして、これにつきまして上限を抑えるという必要があるかないか。私はいまのところ余り必要はないのではないかと思います。しかしながら、部といえども機構の膨張というのはあくまでも避くべきものでありますから、スクラップ・アンド・ビルドの方式によって部の規制をし、同時に膨張を抑制するという方針でいくべきであろうと私どもは考えておるわけでございます。 なお、それとの関連に、部ができないかといいますと、この百二十八の局の中には、中長期的に見ますと、その業務が非常に縮小されていくような場合があると思うのです。そうなると、その局があるいは部になるかもしれません。そういう場合に、部の方の総数規制の数をふやさなければならぬということになりますので、部については上限規制ということは余り適当ではない、やはりこれは行政運用としてスクラップ・アンド・ビルドなりによって抑制をしていくということが必要ではないか、かように考えておる次第でございます。 なお、外務省の機構の問題につきましては、具体的にはまだ私どもは審査をいたしておりませんので、慎重にいろいろ検討をしていかなければならぬ問題だと思います。
○鈴切委員 実は、やはり簡素で効率的なということになれば、現在の局を百二十八ということで固定してしまうということは、これは行政改革でも何でもない。これからだんだん将来にわたっていけば、恐らく局としても部に格下げをする、そういうものもあるでしょう。ですから、思い切って五年間に一割くらいは段階的になくしていくという努力をするところに初めて行政改革をしていこうという、そういう意欲もわくし、またどうしたら行政改革ができるかということになるんじゃないか。百二十八の上限を設定しておきますと、たとえば部に落ちた場合において、今度は新しい行政需要に見合って局をつくりましょうということになる。だから、百二十八は一向に減らないということになってしまう。これでは国民が本当に望んでいる行政改革では実はないわけであります。 だから、私はそれを強く実は言いたいわけでございますけれども、たとえば課の場合においては政令にゆだねられていますね。そこで、課の場合においても五十九年度以降五年間一割を目途として整理再編ということになっています。一つは、ここにずいぶんごまかしがあるのです。いかにも国民は、五十九年度以降五年間に課は一割がなくなってしまうだろう、こうとるわけですけれども、そうじゃない。総務庁のようないわゆる統合再編ということになれば、全く機構も変わらなければ、人員も変わらなければ、また金も変わらない、そういうことになってしまうのですよ。だから、もし私の言うことが違うというならば、五年間一割を目途に整理再編するというふうに言っている中にあって、それじゃ課をどれくらい整理統合されるのですか、なくなるのでしょうか。
○齋藤国務大臣 この課の整理再編という文字は、臨調の方の意見として出ておりましたから、そのとおりいたしておりますが、運用に当たりましては、再編じゃなくて整理、それに重点を置いていくべきであると私どもは考えておるわけでございます。 それから、局の数を五年間にといったふうなお話でございますが、なかなかこれはそう簡単に率を決めるということは私はできないと思いますが、上限規制ということは、これ以上ふやしてならぬという意味、これは当然の意味でございますが、それと同時に、できるだけ行革の努力をして減らすべきであるという意向も含まれておる文字である、私はこういうふうに理解いたしておりますから、今後ともやはり上限規制と同時に減らすように努力をするということは、政府の努力目標でなければならぬ、私はかように考えております。
○鈴切委員 努力目標で減らすというふうなことは、それは口で言っても実際に百二十八というものは固定されているわけですから、なかなかそれは、ここにおられます役人の方が、減らすなんて言ったら、先ほど私が申し上げましたように物すごい抵抗をしますよ。まずそんなことはできるはずは実はないわけです。 それで、「政府は、少なくとも毎年一回国の行政機関の組織の一覧表を官報で公示するもの」と実はなっておりますけれども、臨調答申では「国会に報告する」というようになっておりますね。私はこれは大変に国会軽視もはなはだしいなと実は思っております。臨調でそういうふうに言った以上は、やはり少なくとも国会に報告するということと、行管庁長官が国民に親切だというならば、官報で公示するという二つをやったらどうなんですか。
○齋藤国務大臣 臨調の答申には国会報告ということが書かれておるわけでございますが、広く国民に知っていただくという意味において官報公示という字句にいたしたわけでございますが、さらにそのほかに国会に報告の義務を課したらどうかという御意見でございますが、政府としては、それが一番いい案だとして提案いたしたばかりでございますから、十分御審議をお願いいたしたいと考えております。
○鈴切委員 その点については、国会とそれから官報でやるということについては、これはもう行管庁長官、そんなたてまえばかり言わないで、やはり当然それはやるべきだというふうに思うのですが、いかがでしょうか。
○齋藤国務大臣 その法案はすでに政府の手から離れたわけでございますから、与野党で十分御相談を願いたいと考えております。
○鈴切委員 府県単位機関の整理合理化を内容とした、いわゆる総務庁設置法等改正案では、地方行政監察局、地方公安調査局、財務部を廃止することはよいとしても、現地事務処理機関を置くということに実はなっているわけですね。臨調は、基本答申で「ブロック機関を基幹とするものとし、府県単位機関は廃止する。」こうなっているのです。だから、事務処理機関を置くについて機構も仕事も人員も全く減らないということであるならば、これは問題であると私は思いますね。行管庁長官は、それは縮小するのだとおっしゃるけれども、これはどういうふうに縮小するのですか。
○齋藤国務大臣 行政監察局、財務部、公安調査局でございますが、これだけ交通なり通信機関が発達した今日でございますから、できるだけその局の仕事はブロック局に集中させる、仕事をどんどんそちらに移す、集中させるということを基本方針といたしまして、府県単位の機関につきましては、要員規模をできるだけ縮小する、大体大ざっぱに申しますと二〇%程度は縮小してブロック機関に移す、大体こういう方針で進もうではないかということで関係省庁で意見が一致しておるわけでございます。したがって、そういう問題は来年度の予算編成の際に、そういう措置がとられるというふうに御理解をいただきたいと考えております。
○鈴切委員 許認可等の整理合理化でありますけれども、一万件と言われている許認可事項の中で、臨調は実は二百二十二項目を挙げております。ところが、今回は二十六法律、三十九件だけが提案されておりますけれども、余りにも少ないと私は思います。残るものに対する整理合理化はいつやるのでしょうか。 また、臨調は政府に、二百二十二項目にとどまらず努力をしなさい、そのように言っているわけですね。だから、それに対してはどうするのか。 もう一つ。機関委任事務は三百九十八件の法律があると言われておりますが、今回は四十五法律だけであって、手始めにとどまっておりますね。この問題をどうされるのでしょうか。地方分権を進めていくには、地方自治体に委任している事務の整理合理化をもっと進めるようにしなくてはならないと私は思うのですが、その点についてはどうお思いでしょうか。
○齋藤国務大臣 許認可につきましては、臨調の方からは二百二十二の項目が指摘されておりますが、そのうち百五十が実は政令で改正する事項でございます。法律の改正を要するものが七十二でございますから、今回御提案申し上げておりまする許認可に関する法律というのは、その七十二の六〇%近くになるわけでございまして、できるだけの努力はいたしたつもりでございます。 なお、百五十の政令による許認可の廃止等につきましては、今後逐次努力をいたします。 なお、そのほかに、臨調の答申を待つまでもなく、やはり許認可事務を縮減するということは、民間活力をふやす意味でございますから、私はやはり臨調答申にはこだわらずに今後とも努力していくべきものである、かように考えておるわけでございます。 機関委任事務のお尋ねでございますが、これはなるほどおっしゃるとおり、地方分権という方向を目指してこういう問題を考えていかなければならぬという臨調答申の意見でございますから、そういう方面について努力をし、三百九十ですか八十ですか、二年間に一割ということでございますから、大体その目的に近い数字を今度御提案を申し上げております。しかし、この問題は、いま御質問にありましたように、地方分権を目指すという一つの方向は、これは大事にしていかなければならぬ方向でございますので、今回新しくできました臨時行政改革推進審議会に、その機関事務のあり方等について専門家の方々に相当慎重に御検討いただくために、近く参与制と申しますか、数人の参与を置いて、この機関事務のあり方等を十分検討し、その方向で今後努力をしていきたい、かように考えておるわけでございます。
○鈴切委員 総理、電電、専売、特殊法人、地方事務官、これは次の通常国会に法案としてお出しになりますか。
○中曽根内閣総理大臣 出す予定で努力をいたします。
○鈴切委員 以上、行政改革全般と今回提案されております行革関連法案について、問題点を私は指摘をいたしました。 要は、国民が納得する真の行政改革でなくてはなりませんし、それにはやはり機構減らし、仕事減らし、人減らし、金減らしという行革の物差しに当てはめて、なるほど簡素効率的になったということでなくては行革とは言えません。機構いじりや看板の書きかえだけでは許されないということを私はきょうは申し上げたわけでございますが、委員長にお願いをしたいことは、私の持ち時間の範囲内におきまして同僚の草川委員の質問をお願いしたいと思いますが、よろしくお取り計らいのほどをお願いいたします。
○海部委員長代理 この際、草川君より関連質疑の申し出があります。鈴切君の持ち時間の範囲内でこれを許します。草川昭三君。
○草川委員 草川昭三でございます。 午前中からいろいろと政府側の御答弁を聞いておるわけでございますが、率直に申し上げまして、非常に腹立たしいわけであります。一言で言うならば、民間企業が今日まで非常に苦労をしてきた。特に、二回のオイルショックを乗り越えてきたわけでありますけれども、民間の厳しい体質改善の気魄というものを午前中の政府答弁の中には何らうかがうことができなかったのはきわめて残念であります。同時にまた、この財政再建、こういう非常に大きな大義名分の中で今日のこの提案、改正法案が出てきておるわけでございますが、その将来展望も明らかにされていない。私はそういう点でも非常に遺憾に思う。これはもう率直な私の感想であります。 いまの御答弁の中で少しひっかかるのがありますので、行政管理庁長官にお伺いをいたします。 この行政組織法等について鈴切先輩の方から御質問があったわけでございますけれども、国会に提案をした、そして後は議会任せだという御発言がございましたが、それはこの修正ということについて政府が応ずる意思があるということを示唆されたのでしょうか、お答えを願いたいと思います。
○齋藤国務大臣 この行革関連法案は、すでに政府の手を離れて国会の御審議にお任せいたしたわけでございますから、それ以上のことをどうすればいいのか、それは与野党で十分お話し合いをお願いしたい、こう申し上げているわけでございます。 〔海部委員長代理退席、委員長着席〕
○草川委員 またそれはそれで議会の中での議論ということになるわけでございますが、率直に申し上げますけれども、いまも定員削減計画のことが詳しく質問をされました。 そこで、私は、政府の方が五%なら五%ということを非常に大義名分でおっしゃっているんですけれども、鈴切さんもおっしゃられたわけでございますけれども、中身をずっと見ていきますと、実際上一万二千三百四十七人というのは十五年間で一・四%、年間で割ってみると〇・〇九%程度の話なんですね。だから、本当にその政府の意気込みというのが、五%とかという数字が出るならば、実際そういうことを数字で明らかにしてもらいたいわけであります。 そこで、私は具体的な問題提起をしたいと思うのです。総定員法の枠外ではございますけれども、非常にわかりやすい話をいまから申し上げます。それはいわゆる人事院の中における定員問題が、削減計画がどういう形で人事院としてなされているかどうかを少し数字で説明しますから、総理大変恐縮ですが、ちょっとこれを行管庁長官と見ておっていただきたいと思うのです。 まず、人事院は、いまも申し上げましたように、総定員法の枠外にありますけれども、中立機関でございますが、一応定員削減に協力をしておるわけです。でございますから、昭和四十八年から昭和五十八年の十一年間の数字を見てまいりますと、昭和四十八年に第二次削減計画というので、第二年目でありますが十一名削っておるのです。それから四十九年も十一名削っておるのです。五十年もマイナス七人、削っておるわけであります。五十一年がマイナス九人、五十二年がマイナス六人、これは第四次削減初年度であります。五十三年度、二年目でマイナス五名、五十四年度でマイナス五人、五十五年でマイナス五人、これは第五次削減計画の初年度に当たります。五十六年が二年目でマイナス六名、五十七年でマイナス七名、五十八年でマイナス七人と削減計画を立てておられるわけでございますが、定員は、四十八年が七百十五名が定員であります。ところが、五十八年、ことしの定員は七百十三名が定員であります。七百十五から七百十三を引けばわずか二であります。いま言ったように、第二次削減計画十一、これが第六次削減計画七、こういうようにずっと毎年削減計画を立てておみえになるのだが、マイナス二名しかないということはいかがなものか。この数字は人事院からいただいた数字ですから、間違いはないと思うのですが、事実かどうかだけ御確認を願いたいと思います。
○藤井(貞)政府委員 私の方でお出しした資料でございまして、間違いはございません。
○草川委員 間違いはないとおっしゃるわけですけれども、これはどうなんでしょう。手品でしょうか。手品ではないということは、増員計画が一方であるわけであります。ですから、四十八年はマイナス十一ですけれども、増員が十なんです。そして同じように、十一削って十、七削って七増員ですよ。五十一年は九削ってプラス九なんです。こういう調子でずっといくわけですから、結局、私が言いたいのは、手品が行われておるというわけです。これは、中曽根総理がいわゆる地にはってでも行革をやろうじゃないか、そして人事院も協力する、こう言ったわけですから——私は、人車院は人事院の言い方があると思うのですよ。本当に人事院が、いまもお話がありましたように、うちは国立病院のようにどうしても人が足らないと言うなら言うで、削減計画なんか出さなくていいんです。そしてわが人事院としてはどうしても人が要ると言えばいいわけですから、これはうそがあるわけですよ。 ところが、人事院というのは、管理については、定員管理等を各省庁に非常に厳しくおやりになっておられるわけであります。一体ここら辺の点をどう考えるのか、これは一回人事院総裁にお伺いしたいと思うのです。
○藤井(貞)政府委員 最初に申し上げておきますが、人事院は各省庁の定員の管理はやっておりません。等級別定数という給与上の問題についてはやっておりますけれども、定員管理、これは御承知のように行管庁の責務でございまして、私の方ではやっておりません。この点ははっきり申し上げておきたいと思います。 いまお話しになりました増減の問題でございますが、これは、政府でもって定員削減計画を全般的にお立てになるという時期がございますれば、われわれの方といたしましては、行政組織法の適用外ではございますけれども、やはりできるだけこれに対して同調して同じようなことをやっていくというのは当然であろうということで、閣議決定が行われますれば、それに準じた措置を講じて、減らすべきは減らすということをやっておるわけでございます。 ただ、それとは別に、いろいろ情勢が変化をいたしまして、人事院が出面してやっていかなければならぬ、また解決をしなければならぬという仕事がまたふえてまいります。これも工夫によってできるだけ人は使わないようにやっておりますけれども、それも限界がございます。ちょっと最近の情勢を見ましても、たとえば週休二日制の問題でありますとか、あるいは六十年から実施されます定年制の問題とか、これらはやはり大変人事行政上の大問題でございまして、これには精力的に取り組まざるを得ないということがございますし、また試験の実施というものが、最近は若干民間の景況を反映をいたしまして減っておりますけれども、それでも一ころから見ますると非常に膨大な受験生が来ておるわけでございまして、これを全部さばいていかなければなりません。そういうような仕事もあるわけでございまして、それはそれで別にやはりどうしても必要だということで増員計画を出しまして、これは予算がありますので、大蔵省の関係で折衝してそういうことになっておるということでございます。その点、差し引きということになりますと、全体としてはごくわずかということではございますけれども、しかし、減ることは減る。また、ふやすべきことはふやすということの結果が、今日の七百十三名ということにあらわれておると思っております。
○草川委員 いまのは、いわゆるへ理屈です。 それで、もう少し詳しく申し上げますと、この間十年間で削ったのは六十八人でございますけれども、すべて係員です。ふやした方は、係員五人を残して六十一人が役付なんです。役付をふやしたわけなんです。そして特に専門官と言われる二等級から五等級の人をふやしておるわけです。しかも、これは率直に申し上げますが、昭和五十七年なら五十七年だけの数字を見ますと、たとえばおたくに公平局という局があるのです。二人減るのです。これは減ったのはいいですよ。だから私は、いまのお話だったら減らさなければいいのですよ、新しい仕事があるのだから。ところが減らすわけです。減らすけれども、片一方の増員で公平局審理官一人、係員一人、同じ年に同じ課で二人減らして二人ふやす。だから、それは行革の精神に全然なっていないわけですよ。だから、私のところは別なら別でいいのです、これは。国立病院のように、あるいは新しい大学をつくるならつくるで要ると正直に言えば、理解されるのじゃないですか。こういうことに増員計画を立てた大蔵大臣も大蔵大臣だと思うのです。大体おかしいのですよ、そういう点では。厳しいところには非常に厳しいのですけれどもね。 そこで、行管庁長官にお伺いします。 このように十年間でわずか二人しか実際に減っていない、しかも、係員ばかりを削って役付をふやしていくというようなこと、しかも、同じ課のセクションでやられるわけです。これは一体行管庁としても、一応行管の管理外ではございますけれども、いわゆる等級別定員の管理を非常に熱心にやっておる課でございますけれども、一体もしほかの省庁に、じゃ、うちもこれでいこうじゃないかというようなことが生まれたら、私は大変なことになると思うのです。行管庁長官の感想をお伺いしたいと思うのです。
○齋藤国務大臣 人事院等の職員は、政府の人員削減計画に協力するというたてまえでございまして、行政管理庁が審査をする権限外にあるわけでございます。 そこで、そういうものがよその省にあるかというわけでございますが、よその省にあるかどうか、私も余り詳しいことはわかりませんが、七人削って六人ふやす、どうも余りぴんとこない感じがいたします。
○草川委員 ぴんとこない程度で問題は済まぬわけでしょう。私、率直に申し上げますけれども、いまの御答弁で中曽根総理は、土光さんにも、総務府設置法ですか、このことについてお褒めを受けられたというようなことを言っておられますが、土光さんというのは国是的に非常に高く評価されている方ですし、私心のない方です。本当に命をかけて日本の将来のことを訴えておみえになる方を、軽々しく余り利用されない方がいいと私は思うのです。本当に今回の行革についても、土光さんは怒っているわけでしょう。ようやくこの総務庁設置法が出てきたという経過があるわけですよ。 だから私は、いまのような話で、ぴんとこないというような答弁で実際行政改革ができるのかどうか、本当に意気込みがあるのかないのか、これはやはり総理から感想をお伺いしたいと思うのですが、どうでしょうか。
○中曽根内閣総理大臣 総務庁をつくるについては、もうできてしまって文章になってみると簡単なようにごらんになるかもしれませんが、二つの中央省庁というものを一つにするというのは、その役所で生涯をささげようとしてきた公務員の皆さん等から見れば、やはり大変なことなんです。 そういう、別に弁解する意図はありませんけれども、そういうようなことをともかく一つのものにつくり上げるというについては、行管庁あるいは総理府の総務長官等は非常な苦労をなすって、できてしまえば大したことはなさそうに見えますけれども、やる前に、果たしてできるかなというぐらいの危惧を私どもも持ったくらいです。しかし、これはやり抜かなければいかぬ、臨調答申に書いてないけれども、それ以上のことをやり抜こう、そういう考えで実はやったのでございまして、こちらのそういう内情も御理解いただけばありがたいと思うのです。それで、この行革につきましては、大きな流れの中でどういうふうに全体的に物が動いているか、そういうことで御判別願いたいと思っております。 ともかく、臨時行政調査会が五十六年にできまして、そして、五十六年の途中におきまして、七月の緊急答申、中間答申というのをいただいて、それから予算の削減に入りまして、そしてゼロシーリング、マイナスシーリングというふうにやりました。これはやはり臨調というものがなければ、とてもいままでのペースではできなかったことであります。今度はマイナス一〇%シーリングまでやりましたけれども、これはやはり国民の皆さんが臨調、土光さんを応援していただいて、その力を、圧力と申しますか、責任をわれわれが受けて、そこへ党の方にもお願いをして持っていっておるからマイナス一〇%シーリングというようなものもできるのであって、普通だったらとてもできるものじゃありません。あるいは公共事業費にしても、もう二年間横並びで、六兆何ぼというものが動かないでおります。これだって、党の皆様方にすれば大変な御不満であります。しかし、やはり臨調答申というものをお考えいただいて、やむを得ずというわけで、非常に御不満はあるけれども、がまんしていただいておる。そういうふうにして、まず予算の削減という面で、臨調というもののお力を大変かりて、われわれはそれを三次にわたって実行してきておる。 それから許認可の問題にいたしましても、許認可の制限、整理というものをかなりいままでやってきております。それから今度もまた、いわゆる機関委任事務の処理の問題もやってきておる。 許認可の問題をやるにつきましては、当時データ通信の自由化という問題がございまして、このデータ通信の自由化という問題も、これは簡素合理化あるいは民間の活力を生かせ、そういう臨調答申の趣旨からあの自由化の問題もやったわけです。これあたりでも、実はいままでの官庁のペースからすればなかなかできにくいことでありました。郵政省が頑として言うことを聞かなかったのを、自民党の田中政調会長の裁断という形であれをやっていただいたわけであります。そういうふうにしていろいろなものがだんだんできつつあるわけなのであります。 今回、またこのような初歩のいろいろな法案をお願いをいたしておりまして、この次には今度はいよいよ専売やあるいは年金の問題、公的年金は今度やっていますが、この次は一般の大きな年金の統合問題に取り組んでいく。あるいは電電公社の問題。その間に今度は、国鉄の監理委員会が国鉄の関係の法案をいよいよ準備してくださいます。その間においても、国鉄の整理は厳然といま進めているわけです。監理委員会のお力もありますが、われわれの方も国鉄に対してはいろいろ考えも申し述べまして、一年間に二万八千人もいまやこれを整理する。二万人とか二万八千人の人間を整理するということは、やはりこの行革や臨調というものがなければとても、高木総裁だけでできるものではありません。 そういうふうにして、やはり時間をかけて見ていただけば、一つ一つ進んでいるなということが御理解いただける。だから、私は、三代の内閣で十年かかる、十年たった後でどういう改革が行われたかということを見ていただけば、かなりのことをやったなと言われるようにいたしたい、こういうふうに念願しておるのでありまして、またこの間における民社党や公明党や各党各派の御協力にも心から感謝しておる次第でございます。
○草川委員 変なところで、総理は、どうも聞いておりますと、答弁を利用して盛んにアピールがうまいのですよね。私はそうじゃないのです。われわれが聞きたいのは、そういうことじゃないのです。民間の本当に苦労した立場からいけば、明らかにスローペースなんです。そして本当の意気込みというものはないわけです。五年先にどうなるかわからぬわけです。国民が本当に心配するのは、百兆円の借金をどうするのか。いまのままでいったら、インフレ予算を組まれて一体どうなるのかという心配の方が強いわけです。早くやってもらわなければいかぬわけです。民間の人たちの心の痛みというのが全然出てないから、われわれは声を大にして政府に言っているわけです。 私はそういうことを非常に強く申し上げますが、時間がございませんので、実はこれは人事院だけではなくて、各省庁の中にも微妙に定員の管理の網をくぐるやり方があるわけです。出向制度です。研究出向あるいは省庁から事業団に行きますね、そして事業団から公益法人に行きますね。公益法人から何々株式会社、いわゆる検査機構だとか、いろいろなものがあるわけです。そこに非常にうまくお役人というのは流れていくわけです。最後に、定年のときにもう一遍本省に戻って退職金を受け取ってやめるというような例もたくさんあるのです。 きょうは時間がございませんので、私はこの程度でこの問題については終わりますけれども、本当にいま総理がおっしゃるように、長くかかるんだと言うけれども、われわれから言えばもっとクイックアクションでやってもらいたい、早くやってもらいたい、当然じゃないですか。そのためにこの委員会が開かれておると私は思うわけです。その点だけは強く申し入れをしたいと思います。 続いて、いまも国家行政組織法の改正の問題が出ておりますが、審議会の話も当然のことながら出てまいります。ところが、いま審議会というのはたくさんありますけれども、たとえば私は、新薬承認に権限を非常に持つ中央薬事審議会、これは薬の裁判所です。ここでいま大変なスパイ事件というのですか、産業スパイというのですか、人の命、倫理にも大きな影響力を与える薬事審議会の委員が、いわゆるメーカーから汚職事件を起こしながら、競争相手のデータを渡すというような、全く信じられないような事件が現実に起きておるわけであります。これは参議院でも、あるいは予算委員会でも議論が出ておりますが、今日のこの問題について、一体国の最高責任者としてどのように考えられるのか、私はぜひお伺いをしたいと思うのです。 その前に一つ。これは何といっても、厚生省と文部省にも関係があります。特に東京医科歯科大学の不祥事件というのは、教授の地位というものをお金で買うというような、われわれにとっては信じられないような事態というのが、いま検察なり司直の手でこれは行われておるわけでございまして、まず最初に文部大臣の見解をお伺いしたいと思います。
○瀬戸山国務大臣 東京医科歯科大学をめぐる御指摘の事件、一つは教授の選考について金銭が動いたという、これはまさに、教授の選考は大学の教授会でやることになっておりますから、これが大学の自治の根幹になるわけでございます。でありますから、大学の自治の根幹に触れるきわめて遺憾しごくな事件である、かように受けとめており産して、文部省といたしましても、大学長その他を招致していろいろ事情を聞き、また大学当局もいろいろ調査をやっておりましたが、大学当局自身の調査だけでは真相が明らかにならない、そういうことで遺憾ながら警察あるいは検察の手にかかっておる、その結果を見なければ、いかに処置すべきかというまだ結論を出しかねておる、かような事態であります。
○草川委員 いま医療費の問題で、いわゆる健康保険の本人負担二割という問題が現一実に話題になっておるわけであります。片や福祉の後退と言われながら、そして片や医療の根幹にわたる医科大学で教授の席がお金で買われる、あるいは国立衛生研究所というような、そしていま申し上げましたように本当に薬の裁判所と言われる、審議会の委員の汚職が行われている、このような事態について、総理はどのようにお考えになられますか。
○中曽根内閣総理大臣 まことに遺憾な事件でございまして、監督不十分につきましては、国民の皆様方に申しわけないと反省しております。
○草川委員 ですから、私はいまから具体的に、先ほどの御質問の中で提案をしたらどうだろうということを厚生大臣はおっしゃっておられますが、二、三の問題提起をしてみたいと思うのです。 御存じのとおり、いま総医療費というのは、十四兆五千三百億になりました。そして、その中で薬剤費というのは大体三四%であります。三兆九千八百億、約四兆円近い薬剤費があるわけであります。そこで、国はこの薬剤費というのを下げようじゃないかというので、五十六年に一八・六%下げました。そしてことしの一月一日からは四・九%下げたわけです。薬が安くなると思って下げたわけです。ところが、中曽根総理が行管庁長官のときに、私、予算委員会で申し上げましたが、実際上の薬の取引価格というのはずっと上がってきたわけです。だから、いま医師会の先生方は困っておみえになるわけです。 そして製薬メーカーは何をやるかというと、値段が下がればまた薬価が下げられるから話し合いをして、公正取引委員会からおしかりを受けるような形で、まあやみカルテルの決定はおりておりませんけれども、団体としていわゆる話し合いをしたわけです。だから価格は上がってきておるわけです。そして製薬メーカーは新薬開発に乗り出していくわけです。新しい薬の開発に乗り出して、一グラム、昔は三千円ぐらいの薬だったのですが、いまは六千円ぐらいの薬になってきておるわけです。それがお医者さんの手元に渡りますから、お医者さんの方は、医療費が上がる上がると言っているけれども私の取り分ではございませんよと、この前も医師会で叫んでみえるわけでしょう。同時に、新薬の開発をするために当然のことながら大学の教授の協力を得なければいけないというようなことから、今日のようなスキャンダルというのは生まれてくるわけであります。 ところが一方では、今回事件が発生をしたようなフジサ貿易のいわゆる薬の横流し、海外に輸出をすると言っていわゆるメーカーから買った薬の値段というのは、薬価二千円の薬がわずか二〇%、四百円で買っておるわけでしょう。一体どういうことなんでしょう。だから二千円のものが四百円で買えるというようなことが一方では行われておるわけであります。 厚生大臣、私は、このフジサ貿易の今回の処置は当然薬価調査に反映させなければいかぬと思うのですが、その点どうでしょう。
○林国務大臣 いろいろなお話がございましたし、いろいろな点で薬事行政につきまして私自身も監督をしている責任者として大変残念なことだと思っておりますし、薬の審査その他のあり方につきましても改善を図っていかなければならないものだと思います。 フジサ貿易のお話が出ました。この問題は先生のおっしゃるような形になっているというような話で新聞で報道されているところでありますし、私の方で調べましたところでも、大体先先のお話のようなことになっています。 ただ、これは輸出をしたわけでございますから、輸出をすれば当然にロットは大きくなる、それからいろんな経費が国内販売の場合のように要りませんから、すぐにその価格と薬価基準とを比較してどうだこうだと言うのは行き過ぎだろうと私は思います。ただ、御指摘のようなことがあるということは、やっぱり流通がそういうことになっているわけでありますから、毎年薬価の調査をしておりますから、その中で当然出てくる話でもございましょうし、そういった形で薬価の改定という問題、薬価をそういったものについて引き下げるという一つのいいデータが出てきたものだろう、私はこう思っているところでございます。
○草川委員 それじゃ、いまの御答弁では、薬価にも当然反映をするというお気持ちがあるということがわかったわけでございますが、いまも触れましたように、新しい薬がどんどん出てくるわけです。総理も何かいま薬を飲んでおみえになるようでございますけれども、昔は一つの菌をやっつける薬というのが、非常によく効いた薬があるのです。ところが、いまの薬価をどんどん下げてまいりますと、よく効く薬というのはもう生産をしても売れませんから、メーカーはやめてしまうわけです。そして第三世代というように、あれもこれもというように幅の広く効く薬というのが開発をされていくわけです。ですから、いま言ったように、昔は一グラム三千円ぐらいの薬が、いまはもう六千円ぐらいに高い薬しか残らなくなってくるわけです。お医者さんもやむを得ずその薬を使わざるを得ないという情勢があるわけであります。だから私は、新しい薬の開発は非常に結構だけれども、慎重な指導というのがあっていいのではないか、こう思うわけであります。 そして総理は、がん対策について非常に熱心であります。私もそれはもう絶対的に支持をいたします。特に私どもは、かねがね丸山ワクチンの問題なんかもやってきているのです。そしてこれは超党派で、自由民主党の先生方を中心にとは申し上げませんけれども、皆さんと一緒になって丸山ワクチンの早期収載を訴えておりますけれども、いまなおこれは認められていないのです。それは、いま言ったようなこの薬事審議会の先生方に邪魔をされておるからです。本当に公平な審査というのを与えられるような、そういう審議会をつくらないと私はだめだと思うのです。そして、私がいま大学の教授の方々ともよくお話をしますと、草川君、僕たちばかり余り非難してくれるなと言うのですね。予算がない、こう言うわけです。フラスコ買うにも、あるいは学会へ行くにも予算がないと言うわけです。だからわれわれはやむを得ず製薬メーカーの方々からの寄附というのですか、サービスで行くのだ、こう言うわけです。 だからこそ、昔からいまの大学には受託研究費という制度があるじゃないか。厚生大臣にこれはお伺いしますけれども、厚生省にも私どもは三年前に非常に強く指摘をして、国立病院にいろいろな研究材料が持ち込まれたら受託研究費といって予算に上げなさい、そして決算で落としなさい、そうすれば研究をしていただきたいといってお金を持ってきた場合でも堂々と公の場でこの会計処理ができるならいいじゃないか、こういうことを申し上げておるわけです。ところが、残念ながらいま全国の国立大学あるいは全国の国立病院を探してみましても、少しふえておりますけれども、件数は話にならないくらいに国立大学も国立病院も少ないのです。私は、受託研究制度というものを公にして、これをもっと大きく採用するならば、今日の不祥事はないと思うのですが、その点どうでしょう。厚生大臣から答弁してください。
○林国務大臣 国立病院などの受託研究は、草川先生からの御指摘がございまして、昭和五十七年から所要見込み額を予算に計上し、適切な運用に努めているところでございます。 受託研究というのは、先生の御指摘のとおり、民間から試験委託します、そしてそれを国庫に一遍入れます、それで今度使う、こういうことですから、実は、私も厚生大臣になりましたときに、やはりこの辺は改善しなければいかぬ、こういうふうな話をしましたら、草川さんから実は話があって、こういうことをやっているのだということで、私も非常に意を強うするところがあったわけでございます。 ちなみに申しますが、予算といたしましては、五十七年度が四億五千三百万円、五十八年度が四億五千三百万円でございますが、五十九年度では七億一千五百八十四万三千円、こういうふうな形で要求をするという形にいましております。私はこういった制度をやることがやはり医者及び医療界における不正を晴らすための一つのステップだろう、こう思っておるところであります。
○草川委員 ぜひこの受託研究費制度というのは大きく採用していただきたい。ただ、先生方にお話をするとめんどうくさいと言うのですよね。だけれども、そのめんどうくさいという時代は過ぎましたよ。ぜひこれは国立大学の附属病院も、あるいは国立病院も採用していただいて、今日のようなスキャンダル事件が起きないようにしていただいて、しかもそれを公平に扱っていただきたい。丸山ワクチンのように、要領の悪い先生は、いつまでたったってこれはおりないのですよ。だから少し厚生省本当にヘルプしてもらいたいと思うのです。そして本当に対がん、がんにならないように早期発見をするようにし、そして手術をすべきものは手術をしながら、国の医療費の総枠を抑えていくように努力をしていただきたいと思うのです。 それからもう一つ、健康保険の二割負担をしなければいけないという理由に、九百億下げるというのですが、薬の話はむずかしいので、私ちょっとパネルにして持ってきたのです。これは目で見れば一目瞭然です。 たとえばここにセファレキシンカプセル、恐らく総理も飲んでおみえになる、かぜを引いたら飲む薬です。ところが一、二、三、四、五、A、B、C、D、Eと五つの薬があるのです。このセファレキシンカプセルというのはメーカーが違うのです。ところがこの薬の中身は、これは厚生大臣答えてもらいますよ、薬の中身は二百五十ミリですが、全く原料は同じなんです、バルクは同じなんです、外国から買ってくるのですから。材料は同じ、カプセルも同じ、そして製造方法も厚生省がぴしっと決めておりますから、GMPと言って厚生省指示どおりにつくってあるのです。だから、ここにありますこの一つのカプセルですけれども、これはもうあけた薬の中身というのは全く同じなんです、この粉は。ところが、値段だけはこちらが百十円、そして一番安いのは三十一円五十銭なんです。これが銘柄別収載というわけです。だから中身が同じならば安い薬を使ったら、どうでしょう、一兆円浮くというのですよ。三兆九千億円、約四兆円の薬の中で二兆円浮くという人が学者でおります。私の言っているこの中身は、材料は同じだということだけをまずちょっと厚生大臣、証明してください。
○林国務大臣 セファレキシンという薬でございますが、それぞれ市場における実勢価格の調査をやっておるわけでございまして、銘柄間格差があることもまた先生御指摘のとおりでございまして、こうした銘柄間格差につきましては今後とも改善するような方策をぜひ検討してまいりたい。私もきわめて常識的に考えてもう先生がおっしゃる考え方、非常によくわかるのです。ただ、いまの制度がやはりこの銘柄別収載方式という形になっておるのにはそれぞれの歴史があるわけでありますから、その問題を踏まえて、これからいろいろなことを考えていかなければならないだろう、こう思っておるところであります。
○草川委員 いまもお話がありましたけれども、この銘柄別収載ということは非常に言葉がむずかしいものですから、なかなか一般の皆様方にも御理解願えないもどかしさがあるわけです。いま申し上げたように、中身は全く同じなんです。ただ、たまたま町で流通している価格が表現をされるわけでございますから、このように同じ中身でも百十円と三十一円五十銭、こういうことになるわけです。ですから、極端な旨い方をするならば、同一効能、同じ中身が効くわけですから、そして同一成分、同じ成分ですから、同じだったら文部大臣、国立大学でとりあえずこの安い薬を使ったらどうですか。そうしたら二兆円は浮くのです。そうしたら健康保険の二割負担なんというのは一遍に吹っ飛ぶのじゃないですか。(「減税にも回せる」と呼ぶ者あり)減税にも回るかもわかりません。ちょっと減税はオーバーですけれども、いまここだけでやりますから、とりあえず健康保険は私は一〇〇%支給になると思うのですよ。どうですか、文部大臣。ちょっと文部大臣答えてください。なぜかというと、東京大学をつぶさなければこれはだめなんです。東京大学の学者の頭を変えない限りは全国の国立病院にこれは発展しないから私は言うのです。
○瀬戸山国務大臣 いまは、この薬をどういうものを使うか、これは当然でございますけれども、診察をした診療をする医者、お医者さんが、大学では教授といいましょうか、その人が、どういう薬が適当である、こういうことで薬事委員会というのがあるそうでございますが、そこでこれを使おう、こういうことに決めるのだそうでございまして、いまおっしゃったようにあの表によるものをどれを使えということを文部大臣なり厚生大臣が指定をするということができるのかできないのか私はわかりませんけれども、やはりどの病気にはどういう薬が非常に効くかということはお医者さんでなければちょっと判定がつかない。ただ問題は、いまおっしゃるように薬に非常に差があるようでございます。ですから、経済性というものを考えて医療をしてもらう、こういう指導を今日までもやっておりますが、今後も続けていきたい、かように考えております。
○草川委員 いま私のお話をもう少し大臣に聞いていただきたいのですが、中身、いわゆる成分も効能も同じなんです。ただ、その薬を決定するにはいわゆる大学の教授の発言権が物すごく大きいのです。その大学の教授の発言権によって、大体教室というのがあり、その教室から、枝から出ていき、国立病院もあれば、あるいは民間病院もあれば公的病院も、ずっとこれは影響していくわけであります。ですから、中身が同じならば、いまこの臨調で非常に医療費の問題が話題になっておるわけですから、お互いが協力すれば、中身は悪いというわけじゃないのですから、厚生省が認めた中身ですから、まず大学の附属病院が範をたれろ、さすれば健康保険の二割負担なんというのは一遍に吹っ飛んでしまうということを私は強く指摘をしていきたいわけであります。 時間がきょうは余りございませんので、同じく実はいまの製薬メーカーの道義的な問題について、私はぜひこれは皆さん方にも聞いていただきたいことがあると思います。 その前に、いま薬の値段という、ばらつきが非常に問題になっておるわけでございますけれども、公正取引委員会、お見えになっておられますので、この製薬業界の独占禁止法違反事件というのがつい最近ございました。私どもも課徴金が二十億から三十億製薬業界には課せられるだろうと思って見ておりましたら、課徴金はゼロでございました。私は、非常に、この点については公正取引委員会が何らかの政治的な圧力に屈したのではないかというように悲憤慷慨をしておるわけでございますが、証明ができないということならばいたし方がないわけでありますが、今後の流通問題について、メーカーの方は、現金問屋に品物が流れないようにとか、ナンバーを打つとか、いろいろなこともやっておるようでございますし、非常に重要な問題があるわけでございますので、今後の展望について公取の委員長の方から御答弁願いたい、こう思います。
○高橋(元)政府委員 先ほどお話しの中に、あるいは製薬業界の独禁法違反事件の審査に関して政治的な配慮があったのではないかというようなふうに聞こえるくだりがあったわけでございますけれども、私ども公正取引委員会は職権行使についての独立性というものを持っておりますし、分限上の非常に厳格な制約にも服しておるわけでございますから、収集いたしました証拠なり聴取いたしました参考人の供述なり、千五百件にわたります報告命令等に基づきます報告の結果なりを慎重に調べた結果の処置であるということを最初に申し上げておきたいと思います。 ところで、ただいまお話しの薬の流通の問題でございますけれども、独占禁止法違反事件の審決の中にも薬の流通機構につきまして詳細に書いておるわけでございますが、やはり私どもが五十七年の六月に発表いたしました医薬品の流通実態調査の結果の中でも、メーカーによります流通段階の系列化の問題、自由な価格形成に対する阻害の問題、あるいは薬の流通自体が自由で公正に行われていないのじゃないかというような問題点を指摘しております。それらの問題点につきましては、今回の審決が六月三十日に勧告審決をしたわけでございますが、その後厚生省ともいろいろ相談をいたしております。 なぜかと申しますと、こういう薬価の決め方、薬の流通につきましては、社会保険診療制度または薬価基準制度というような公的な制度との関連が非常に強いわけでございますから、行政と連携を保ちながら、今後とも、先ほど申し上げました流通実態調査の結果の解明、是正ということに努めてまいりたいと思います。
○草川委員 ぜひ公取の方も、今後の流通問題については重大な関心を持っていただいて、結果的には医療費の中における薬剤費の負担ということが増大をしないように監視のほどをお願い申し上げたいと思うわけであります。 そこで、いまも触れましたように、いわゆる日本の国内における製薬メーカーの道義的な問題でございますが、実はスモン患者の悲惨さはいまさら申し上げるまでもございません。目をやられあるいは足をやられ、死に追いやられた方々もたくさんお見えになりますし、スモンで国を相手に提訴をした思考というのは六千人を超しておるわけであります。和解が行われまして、五千人弱の四千九百人ぐらいの方々が和解に応じられたわけですが、その和解金額も千百三十四億であります。そして、国が支払うべきお金も三百七十二億、国が払っておるわけでございますから、われわれの記憶も鮮明でございますし、それが薬事法の改正につながり、薬害被害者救済基金制度というのも生まれたわけでございます。 ですから、私は、実はスモン問題は、もうメーカーの方はスモンという問題の原因になりましたキノホルムというものは製造していない、あるいは販売もしていない、世界の中でもない、特にこれは国際的にもWHOでいろいろな報告をされて勧告もあるわけでございますから、すっかりないと、こう思っておったわけでございます。ところが、実はインドネシアで、日本の製薬企業が現地法人で、年月日は定かではございませんけれども、ちょうど昭和四十五年のことだと思いますけれども、東京地裁で和解勧告が出ている——四十五年には和解勧告は出ておりませんけれども、これは五十四年でございますが、厚生省が昭和四十五年の八月にスモン・キノホルム説というのを受けたわけでございまして、受けて九月に厚生省は販売を中止させておるわけです。にもかかわらず、インドネシアで日本の製薬企業が現地法人でキノホルム剤を販売しておる。商品名は、カンビオ・コートという商品名でございますけれども、これがまず事実かどうか、これは殺菌作用のキノホルム含有の外用剤でございますけれども、私はこの報道は非常に重要な問題だと思うのですが、まず事実関係で厚生省の見解をお伺いします。
○林国務大臣 きょうの昼のテレビで出ておりましたし、先生からも御指摘がありましたので、調べてみたのですが、インドネシアにおける田辺の合弁会社タナベ・アバディ社、資本比率は五〇対五〇でございますが、これがキノホルム含有の外用剤を昭和五十七年末まで製造、販売しておったことは、先生の御指摘のとおり事実でありました。
○草川委員 ちょうど十二年前からインドネシアで、このようなキノホルム含有のクリームでありますけれども、殺菌剤でありますから、いろいろと塗れば、非常にこれは多用をすれば、当然のことながら、日本で行われたと同様な被害者がたくさん出ることは承知をしなければいけない、こういうことだと思うのです。 そこで、私はとりあえずもう一つ外務省にもお伺いをいたしますが、インドネシアと言えば、東南アジアでわが国とも非常に友好関係のある国であります。日本の国内でこれほど国民的に多くの非難、糾弾を受けながら、そしてまた、厚生省の中においても、特に橋本前厚生大臣なんというのは身を賭して田辺を説得をしたわけですよ。私は、当時の大臣としてはすばらしいことをやられたと思うのです。そういうような努力があるにもかかわらず、それがいまひっくり返っておるわけでしょう。外務省として、日本の近隣諸国との友好関係で、これはもういかがなものか、日本の道義的な責任もあるのではないか、私はこう思うのですが、外務大臣お見えになりませんから、外務省の幹部にお伺いしたいと思います。
○恩田政府委員 一九七〇年、ちょうど昭和四十五年でございますが、わが国がキノホルムの製造禁止を決定した際は、WHOの規定に従いまして、製造を禁止するに至った理由を含めて、決定を詳細にWHOに通報いたしました。WHOは、インドネシアを初めとする世界の関係各国に通報した経緯がございます。インドネシアは、右通報を承知の上でキノホルムの製造を引き続き許可しているというふうに承知しております。 先ほどの先生の御指摘の、友好国としてこのキノホルムの使用または製造をやめるようにアドバイスすべきとの御質問の御趣旨であろうかと思いますが、まことにごもっともな御指摘ではあると思いますが、薬品の製造販売基準等の決定は原則として各国独自の判断において行っておるものでございまして、わが国が政府としてこういう問題について助言なり発言なりするということは、インドネシアにおいて、国内の問題に対しての発言であるというふうに受け取られ、御趣旨のような真意が誤解されかねない点もあるかと思いますので、慎重に対処しておく必要があるのではないかというふうに考えております。
○草川委員 それは全くおかしいので、相手の本当の友好ということは、わが国で薬害事件があったわけですから、それはそのままわが国の方ではこうですから皆さんどうか気をつけてくださいよというのが本当の友好親善なんです。 そして、これは厚生省に、これはいまの話ですけれども、厚生省自身としてどういう監督をこの会社に対してしておるのか。海の外だから知りませんでは私は済まぬと思うのです。これは特にインドネシアの中では外用品として四品目、それから内用品として三十品目、現に売られているわけです。私はキノホルムというものがいわゆる整腸剤として非常によく効くということは承知しております。だけれども、多投したところに原因があるのでしょう。多投したから今日のような、国が三百七十二億も払わなきゃいけないような事件になったじゃないですか。だから、基本的には多投を命じた行政の、厚生省の怠慢なんですよ。多くの人が亡くなったんだ。亡くなったからこそ、キノホルムのこわさということを私どもは訴えておるわけですよ。だから、厚生大臣、この会社に対してどういう指導をするのかお聞かせ願いたいと思うのです。
○林国務大臣 先生御指摘のように、スモン病というのは大変な事件でありましたし、先生の御指摘になりましたように、これによって薬事法その他の改正をやったほどの大事件であったわけであります。 まあ私は、インドネシアに言っても、この問題をインドネシアでやるということにつきまして、これは会社がやったわけでございますが、現地のインドネシアの国の法制でそれをどうするかということはまたインドネシアが決めるわけでありますが、日本の進出企業がこれをやるということについては、やはり事例としては好ましくないものだろうと私は考えておりますし、先ほど御答弁申し上げましたように、すでに中止しているのでありますが、今後ともこういった問題については十分に注意をしてもらいたい、こういうふうに思っております。
○草川委員 総理に私は、率直に総理もいまのお話聞いていただいたと思うのです。それで、僕は、少なくとも一人の日本人としてスモンの問題について胸を痛めない人はなかったと思うのです。それは裁判問題でいろいろな事件があるわけですし、いろんな話はあります。しかし、薬というものは、政府が認めるからこそ薬としての安全性、信頼性というのはあるわけです。ところが、いま私が申し上げましたように、ちょうど昭和四十五年に厚生省が販売を中止をしたら、その時と同じゅうしてインドネシアで合弁会社が生まれている。もし日本の国内で余っている原料バルクをそのまま向こうへ持っていって、薬害の輸出をしたかもわからない。これは私は人道的にも許されないことだと思うのです。こういうような企業が現にいまの日本の製薬業界の中でも大きな力を持っておみえになるわけであります。いわゆる道義性というのは一体どこにあるのか。そして、いま医療費の高騰ということについて、もう多くの国民の方々が関心を持っておみえになる。そして、健康保険の二割負担というように、一方的に患者に、国民にしわ寄せがいっている。こういう現状の中における製薬企業の姿勢というものに対して、総理の御見解を賜りたい、こう思うわけであります。
○中曽根内閣総理大臣 薬はまことに人命に関する問題でございますから、あくまで慎重にかつ公正にやらなければいかぬと思います。いま草川議員のお話を承っておりまして、まことに御説ごもっともであると思いましたが、各省庁をして厳重に監督させたいと思っております。
○草川委員 ぜひこれは厚生大臣にもう一度、くどいようですけれども念を押しますけれども、この製薬企業に、昨年の末まで製造しておったわけでありますから、一体どれだけの量を生産をして、そしてそれはインドネシアだけなのか、一説によるとインドネシアからさらに他の諸国にも輸出をされておるというような説がございます。しかも、これは外用剤でございますが、その他の内服薬としてもこの原料が使われておるという説もあるわけでございますから、厳重に調査をして、私どもに報告をお願いを申し上げたい、こう思いますが、どうでしょう。
○林国務大臣 会社を呼びまして調査を進めました上で、先生のところに御報告させていただきたいと思います。
○草川委員 それから、実はもう一つ、本当はきょうは時間があれば、いわゆる税ですね、たとえば国と地方の税の役割り分担というのですか、調査あるいは徴収義務の一元化の問題を取り上げようと思ったのでございますけれども、時間がございませんので、それはやめます。そのかわりにもう一つ、実は、これは防衛庁もお見えになっておられますから、問題提起だけをしておきたいと思うのです。 これも大変恐縮でございますけれども薬の話なんですが、ウロキナーゼという薬があるわけであります。これは脳血栓に非常によく効く薬でございまして、これは外国にも輸出をされておる薬であります。たとえば日本の抗がん剤で、たくさんの抗がん剤が出ておりますけれども、外国では余り評価されておりません。日本で年間六百億売る薬があります。あるいは三百億売る抗がん剤がございますけれども、外国では評価されていないのです。これは一つ問題があるのですが、これは主題でございませんからこのウロキナーゼの話をしますが、これは実は健康な人の尿が原料になるわけであります。日本の防衛庁の自衛隊の隊員がこれに協力をしておるわけです。私は、そのことは非常にいいことだと思います。ところが、提供が非常にめんどうでございまして、そのままのものを遠心分離機にかけるとかいろいろな化学反応をしてやるわけでございますので、いまメーカーは海外にその原料を求めているわけであります。 私は防衛庁の方々ともいろいろと事前レクで話をしておるわけですが、なかなか資料提供がないのでございますけれども、このウロキナーゼというのはつい最近まで二万四千単位で一万二千円から三千円の薬価でございました。ごく最近二万四千単位のものが七千百円程度まで下がってきておりますけれども、それでも高価な品物であります。一トンの原料に対して大体五十万から六十万の収益があるのですけれども、防衛庁にメーカーから一銭もお金が入っておりません。私はそれはおかしい、こう言っておるのです。防衛庁なり部隊に入らなければ、隊友会ですね、いわゆる再就職の方々の隊友会なんかにそのお金が入ったっていいじゃないか、こう言うのですが、各部隊の収入を徹底的に調べていただいておりますけれども、製薬メーカーが年間六百億とか八百億売るような大きな原料を提供している自衛隊がいまもって一銭も収入がないというのはおかしいじゃないか、あるいは外部団体に、外郭団体があってもいいじゃないか、こう言うのですが、外郭団体もない。きょうのお話によりますと、いろいろな協力会というOBの方々のその会がひょっとすると収入として上げておるのかもわからないというような御返事でございました。 きょうは時間がございませんので、この問題の徹底的な究明というのは避けますけれども、防衛庁に私はお願いを申し上げたいわけでございますけれども、われわれも積極的な提案をしておるわけであります。せめて自衛隊の隊員の再就職の問題等にもそういうお金が使われたらいいじゃないかという提案をするつもりなのに、具体的な資料提供がございません。そういう意味では私は非常に憤慨をしておるわけでございますが、ひとつただいまのところの防衛庁の私の提案の見解をお伺いをして、時間が来ておると思いますので、この点は終わりたい、こう思います。
○谷川国務大臣 防衛庁といたしまして、ただいま御指摘のような尿の処理、実は内部で調査いたしまして、その事実もございますし、後ほど詳しくは事務当局から報告をいたさせます。 その他の問題につきましても、いま御指摘のような全体の大きな流れの中でどうとらまえていくかということは、先生からの御指摘もいただきましたので、私は私なりにちょっと調査検討いたしてみたい、いまそういう段階でございます。 詳しくは事務当局から御報告いたさせます。
○金丸委員長 これにて鈴切君、草川君の質疑は終了いたしました。 次回は、明二十七日午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時二十一分散会