農林水産委員会 第8号
- 発言数
- 257 件
- 登壇者
- 19 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1983/04/19
会議録
○委員長(下条進一郎君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 去る十四日、瀬谷英行君が委員を辞任され、その補欠として広田幸一君が選任されました。 また、十五日、秦野章君及び桧垣徳太郎君が委員を辞任され、その補欠として中村禎二君及び田原武雄君が選任されました。 また、昨十八日、藏内修治君、古賀雷四郎君、田原武雄君及び三浦八水君が委員を辞任され、その補欠として桧垣徳太郎君、秦野章君、円山雅也君及び内藤健君がそれぞれ選任されました。 また、本日、中村禎二君が委員を辞任され、その補欠として井上裕君が選任されました。 ─────────────
○委員長(下条進一郎君) 水産業協同組合法の一部を改正する法律案を議題といたします。 本案につきましては、すでに質疑を終局しておりますので、これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。——別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 水産業協同組合法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(下条進一郎君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 川村君から発言を求められておりますので、これを許します。川村君。
○川村清一君 私は、ただいま可決されました水産業協同組合法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・自由国民会議、日本社会党、公明党・国民会議、日本共産党、民社党・国民連合及び新政クラブの各派共同提案に係る附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 水産業協同組合法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 水産業協同組合は、漁業者等の営漁や生活の安定、さらには、漁村福祉の向上に、重要な役割を果たしてきた。 しかるに、近年、水産業協同組合の経営は、漁業情勢の著しい悪化、経済事業における他機関との競合の激化等に伴い、厳しい情況に立ち至っている。 よって、政府は、ぜい弱な水産業協同組合の経営基盤の強化を急ぐとともに、本法の施行に当たり、次の事項の実現に万全を期すべきである。 一、任意共済事業については、危険が多く、かつ、所得変動も大きな漁業者等の営漁及び生活の実態に即応して、共済内容の充実に努めるとともに、その加入の促進を図るよう指導 すること。 二、任意共済事業の推進に当たっては、類似他種共済との間に、相互に節度ある運営がなされるよう指導するとともに、都道府県段階の共済水産業協同組合連合会の設立については、事業規模等を考慮して、慎重に対処すること。 三、本任意共済制度、漁船損害等補償制度及び漁業災害補償制度の一元化問題については、漁業者の便益を考慮して、今後とも検討を続けること。 四、漁協系統団体の信用事業が、立ち遅れている実態にかんがみ、貯蓄の増強、為替等の決済機能の拡充、システム化の推進及び系統団体としての特性、専門性を活用し得る体制の整備等につき、強力に指導すること。 五、漁協経営対策については、漁協経営の実態等を踏まえ、合併の促進等適切に対処するよう努めること。 六、漁協監査事業の推進に当たっては、実施体制の拡充強化に努めるとともに、被監査組合の協力の確保、監査結果に基づく経営の改善、行政検査及び監事監査との連携等につき、十分指導すること。 七、漁協等職員の給与等の労働条件の改善につき、適切に指導すること。 右決議する。 以上でございます。
○委員長(下条進一郎君) ただいま川村君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(下条進一郎君) 全会一致と認めます。よって、川村君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、金子農林水産大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。金子農林水産大臣。
○国務大臣(金子岩三君) ただいまの附帯決議につきましては、決議の御趣旨を尊重いたしまして、十分検討の上、善処するよう努力してまいりたいと存じます。
○委員長(下条進一郎君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(下条進一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(下条進一郎君) 次に、森林法及び分収造林特別措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。 本案につきましては、すでに趣旨説明を聴取しておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○村沢牧君 防衛問題や外交政策ではしゃぎ過ぎて国民の不評を買った中曽根総理は、内政重視を言い出し、その柱の一つとして緑化運動、緑と小鳥の倍増計画などというアイデアを打ち出し、去る十四日の閣議で緑化推進運動の実施方針を決めたことが報道されています。大臣、あなたは林業を担当する大臣として、この総理のアイデアをどのように受けとめていますか。
○国務大臣(金子岩三君) 近年の森林・林業をめぐる状況に対しましては、従来より造林、林道等の林業生産基盤の整備、林業構造の改善、活力ある山村の育成と担い手の確保等各般の施策を講じてきたところであります。これら林業施策の推進が林業生産活動を支え、森林の有する多面的な機能の発揮、山村社会の活性化に資してきたところと考えているのであります。現下の厳しい諸情勢を踏まえまして、各種施策の一層の充実強化を図ってまいりたいと思います。
○村沢牧君 大臣、私の質問に答えておらないわけですが、中曽根総理の打ち出したこのアイデアについて、大臣としてはどういうふうに受けとめて、どういうふうに実行していこうとされるのか。そのことを聞いているんですよ。
○政府委員(秋山智英君) 最近におきますところの緑資源の確保の問題につきましては……
○村沢牧君 長官、大臣に聞いてるんだよ、大臣に。
○政府委員(秋山智英君) 事務的な問題を先にちょっと述べさせていただきます。 大変国民的要請が高いわけでございますが、一方におきまして、ただいま大臣が御説明申し上げましたように、林業をめぐる情勢はきわめて厳しいわけでございます。そこで、私どもやはりこれからの緑資源を確保するという立場から申しますと、国民を挙げましてこの緑資源を確保し、それを高めていくという方向に進めていかなきゃならぬ、そういう考え方で先般の政策を打ち出したものでございます。
○村沢牧君 閣議で決定したといいますからね、大臣はどういうふうに受けとめておるのか。あなたも参画しておったんでしょう。
○国務大臣(金子岩三君) 国土の緑化の推進につきましては、農林省は従来から緑を守り育てておるという観点で、鋭意その施策を推進してまいっておるのでございます。今後も一層ひとつ努力を続けてまいります。
○村沢牧君 どうも大臣の答弁はかみ合っておりませんが、だんだん聞いていきましょう。 この運動の窓口は総理府に置くというふうに聞いていますが、事業の内容あるいは実行計画等について総理府から説明してください。
○説明員(合馬敬君) 緑化政策の推進は御承知のように国土及び環境の保全、水資源の涵養、生活環境の改善などの面からきわめて重要なものでございますが、その一層の推進を図るために、先般、関係省庁で構成いたします緑化推進連絡会議、議長は総理府総務長官でございますが、におきまして「緑化推進運動の実施方針」を決定いたしまして、議長から閣議に報告したところでございます。 その方針、内容等についてでございますが、概略、一番は、地方公共団体、特に地域住民に密着いたしました市町村が主体となって、広く地域住民、民間団体等の参加を得て、全国的に幅広い国民緑化運動を展開する必要がある、こういうことで、市町村は緑化計画などを定めて計画的に推進することが適切であり、国もそのように働きかけ協力するということでございます。また、地方公共団体におきましては、緑化事業の財源に供する宝くじの発売の検討、緑の羽根募金運動の積極的展開、都市緑化基金の拡充強化の推進を図ることが二番目でございます。次に、国におきましても、国有林などを活用いたしました各種の森づくり、都市公園などの国公有地の活用、それから技術的援助、苗木、種子のあっせんなどの推進、そのほか本運動の実施につきまして顕著な功績のあった個人、団体に対して内閣総理大臣の表彰などを行うこと、また、緑化につきまして広報活動の積極的な推進を図る、こういったようなものが主な内容でございます。
○村沢牧君 従来政府では、林野庁はもとよりのこと、建設省、文部省その他の省庁でもっても緑化の計画は持っており、あるいは事業を実施しておるわけですね。そこで今度出されたこの緑化推進運動というのは、これにかさ上げして、いままで行っているのとは別途のものであるのかどうかということが一つ。それからこの事業は何年度から実施をしていくのか。それからこの事業に要する経費はどのぐらいを見込んでおるのか。その内容は、苗木等は国が交付するとして、これを実際に植樹をする労力等は地方自治体が中心となってやるのかどうか。そうした内容についてもう少し詳しく説明してください。
○説明員(合馬敬君) これは、現在政府なりが行っております事業と、それから今回起こします運動が別のものかどうかという御質問でございますが、もちろん緑化運動はいろいろ広範多岐なものがございますが、これからも国なり地方公共団体なりで現在やっております緑化事業は鋭意推進していただく。さらに、この緑化を図るためには 広く国民の力を活用した事業が必要である。こういうことで、今回新しくこの運動を起こしたということが一つでございます。それから、これにつきましては先般この方針を緑化推進会議で決定いたしたところでございますので、これに基づいて実施いたそう、こういうことでございます。
○村沢牧君 私の質問をよく聞いていてくださいね。これに要する経費は一体どのぐらいかかるのか、あるいは五十八年度から実施をしていくのか、そのことをいま質問しておるんですよ。
○説明員(合馬敬君) 一つは、今年度からこれを実施していこうということでございます。五十八年度からでございます。 それから、経費の点につきましては、先ほどから申し上げましたように、緑化政策非常に多岐にわたりますが、この運動におきます財源といたしましては、先ほど述べましたような、国なり地方公共団体なりが実施する事業をもって協力する各種の森づくりなどの事業、あるいは土地の提供、国公有林の活用、さらに加えまして、地方公共団体における宝くじの発売の検討、あるいは緑の羽根募金運動、あるいは都市緑化基金の拡充強化、こういったようなものを各種組み合わせてやりたい、こういうことでございます。
○村沢牧君 五十八年度から実施をするとして、いままで進めていた事業とは別個のものだという答弁があったわけですけれども、それに要する国の経費というのはどのぐらいを見込んでいるんですか。
○説明員(合馬敬君) 緑化運動は、非常にそのやり方、方法、非常に多岐でございまして、これを全体を組み合わせて一つの緑化運動を起こしたいということでございまして、その経費ということになりますと、いろいろな、資金のほかにも、土地をどうするか、いろいろな管理をどうするか、そういったような問題を含めてでございますので、一概に経費と、こう言われましても、それをすべて積み上げるということは、これは不可能かと思います。
○村沢牧君 答弁になってないですよ。いままで進めてきた事業とは別個のものだ、総理がこういうアイデアを打ち出したからやるんですということですよ。それならば、国が当然どのくらいな経費を見込むのか、苗木代をどういうふうに交付するのか、そのことがなくては、ただ絵にかいたもちにすぎないじゃないですか。その点は一体どうなんです。
○説明員(合馬敬君) これは、今回起こそうとするのは、一つのいわゆる事業として実施するというよりも、こういった運動を市町村を主体として起こそう、こういうことでございまして、そのための緑化運動をどう実施していくかということでございますので、そのためには、その資金のほかにも、いろいろな、土地だとか管理問題だとか、そういったようなものを含めてこの運動を起こそうということでございまして、資金的にこれをどうこうということは非常にむずかしいということでございます。
○村沢牧君 たとえば、報道されているように、国民が年間一人二本ずつ苗木を植えましょう、こういうことですね。まことに結構なことです。それじゃその苗木は全部市町村が購入して植えなさいということなんですか。経費は、いままでの予算、五十八年度予算もうすでに決定を見たところでありますが、その経費の予算の範囲内でやるということなんですか。どういうことなんですか、一体。
○説明員(合馬敬君) 緑化のために年間二億本を植樹するということにつきましては、民間部門を含めまして、植樹の本数、こういったものを計数的に算出するということは、これは非常に御承知のとおり困難なことでございますが、この運動、すなわち市町村を主体とした緑化運動というものの高まりと、それからいろいろな、この運動におきます多様な方法の組み合わせによってこれを実現していきたい、こういうことでございます。
○村沢牧君 全然私の質問に答えてないんですがね。それじゃ、この事業は、そういうアイデアを出して全部市町村にやってもらうということなんですか。つまり、これだけのアイデアを出すならば国がそれだけの予算措置を講じなきゃいけないでしょう。いままで決定された予算の範囲の中でやっていくということなんですか。どういうことなんですか。
○説明員(合馬敬君) この運動は、あくまでも市町村が自主的に展開をしていただく、そういうことについて国も働きかけ協力する、片や市町村も、これも市町村も、押しつけということではなくて、下からの国民的な要請によってこれを展開していく、そのために国も地方公共団体もいろいろな面で協力していく、その協力の一環として、あるいは土地の提供、それから国有林の活用による各種の森づくり、あるいは、先ほど申し上げました所要の財源措置、そういったようなことを考えているわけでございます。
○村沢牧君 中曽根総理は緑問題をさも内政重視の柱として打ち出したけれども、その程度のことでは単なるアイデアにすぎないじゃないですか。市町村にやってくださいということ、こんなことは全く絵にかいたもちにすぎないんですよ。大臣はそれをどういうふうに思いますか、大臣。国がそのために金を出さないとすれば、どうなんですか。ただ市町村やってください、民間団体やってください、それっきりじゃないですか。大臣はどういうふうにお考えになりますか。
○政府委員(秋山智英君) ただいまの緑化推進運動の実施方法に関連いたしまして、林野庁関係につきましてちょっと具体的な問題を……
○村沢牧君 そんなことはいいですよ。後から聞きますから、いいですよ。 ちょっと委員長、私はこの前の質問もそうだったけれども、大臣に聞いているんですよ。大事な問題ですから大臣答えてくれなきゃこれは話にならないですね。
○国務大臣(金子岩三君) いま総理府からいろいろと御説明を申し上げておりますが、これは緑化推進運動であって、しかと予算を決めて取り組んでおるんではなくして、まあ俗な言葉で言うならば、いろんな方面から資金を集め、地方公共団体にも協力をお願いし、ということでこの運動を推進展開しようということになっておるようでございます。予算を初めから設定してこれこれをやろうという事業とはちょっと性格が違っておるというように御理解をいただきたいと思うのでございます。
○村沢牧君 率直に具体的に聞きますが、国民一人当たり二本ずつ苗木を植えましょうと、その苗木代はどこで負担するんですか。
○政府委員(秋山智英君) これは、総理府の方から御説明申し上げましたとおり、この緑資源の重要性にかんがみまして、それぞれの立場で官民協力して植えていくということでございますので、たとえば緑の羽根募金ですと五億円等ございますが、さらにこれを積極的に活用するとか、あるいは先ほども申しましたように、緑の宝くじの資金を活用するとか、さらにはこれまでも年間山野に造林されている本数は大体五億本程度植えられているわけでございますので、それらの関連といたしまして、小中学校の児童に造林をしてもらうものにつきましてはまたこの一環として助成をしていくというふうなことを考えながら、官民それぞれの立場で、いろいろと浄金を出し合ってやるという面もございますので、その金をすべて国から賄うということはこれはないと。あらゆる機会を得まして、それぞれの立場での浄金等も総合勘案しまして実施していくというふうな趣旨で検討されていると理解しております。
○村沢牧君 官民それぞれの立場で負担をし合うということですが、その官の方の負担ですね、いままで議決をされた予算の中にはそういうものは、盛られているんですか。
○政府委員(秋山智英君) たとえば私の方で申し上げますと、国土緑化推進事業と申しますのは従来から引き続き実施してまいっておるところでございます。これに現在私ども予定しております予算は三億円余にわたるわけでございますが、これ らの資金の中には、やはり緑化推進を進めるための苗木を配布するための予算等も含まれておりますし、また二十一世紀の森の整備の造成事業等につきましては、これも二億円余の予算が計上されていますが、その中には苗木を植栽するものももちろんございます。これはやはりもともとが青少年の心身の健全な発育、発展を図る、また情操教育をするという面からの森林造成でございますので、そういうふうなものも投入してまいると。特に五十四年以降は、御承知のとおり国際児童年でございまして、それを契機にしまして、学習の場であるとか、あるいは郷土の森の造成とか野鳥の森の造成とか、いろいろとそういうものをつくっておりますので、その中に当然そういうものも含まれているわけでございます。また、生活環境保全林等の整備等につきましても、一部の空き地その他については地域の皆さんの協力を得ながら造林をしていくというようなことでございまして、私どもはそういうふうな中から少しでも多くの方々がこの緑資源の造成に御理解をいただき、協力体制をつくっていただくということがきわめて重要であると考えておるところでございます。 なお、先ほど触れました緑の羽根の募金につきましては、約五億円余が毎年、ほとんど大半が、各都道府県の緑化推進委員会の提唱を受けまして、地域の皆さんがそれぞれの必要な公共の場等に植栽をしているわけでございまして、私どもは今回の緑と花の造成運動を通じまして、とかく緑造成についての何と申しますか、御理解いただけない面もございますので、この際、これを契機に進めてまいりたいと、かように考えておるところでございます。 なおまた、私どもこれからの国有林におきましては、児童を中心といたしまして都市と山村の緑につきましての交流を進めながら、分林等を造成していくということはこれきわめて重要でございますので、この問題も今回のこの運動の一環といたしまして積極的に展開してまいると、かように考えておるところでございます。
○村沢牧君 今回の緑化推進のこの考え方は、従来の既定の予算の中でやる事業とは別のものだということの答弁が最初あったわけなんですよ。いま林野庁長官の答弁は、いままでやってきた予算の中でやっていくということにしかすぎないわけですね。ですから、したがってこういう制度をつくったとするならば、運動を進めていくとするならば、新たな予算を必要とするわけなんです。 大蔵省に伺いますが、予算もすでに議決をされた後でありますが、こうした運動を総理のアイデアによって起こしたと。それに対する予算の裏づけというのはどういうふうに考えますか、予算の要求があった場合には。
○説明員(涌井洋治君) 緑化推進の関係の予算につきましては、従来から財政当局としても十分配慮してきているところでございまして、関係各省においていろいろな形で緑化推進が行われてきているわけでございます。今般、こうした従来からの緑化政策を総合的かつ効率的に推進するためにこの緑化推進連絡会議が設けられたわけでございまして、五十八年度予算は先般成立したわけでございますけれども、今般のこの運動につきましても財政当局といたしましては、既定予算の総合的な、あるいは効率的な使用ということを図ることによって対処していくべきであると考えております。
○村沢牧君 いろいろ聞いてまいりましたが、結局そういうアイデアを打ち出したけれども、予算の裏づけは新しいものは何にもないんだと、ただアイデアにすぎないと、そういう結論ですね。大臣そうですね、予算の面から見れば。いろいろ総理がああいうアイデアを打ち出したけれども、予算的な裏づけは新しいものは何にもないんだと、いままでの予算のやりくりでともかくやっていこうと、そういうことですね、大臣。
○政府委員(秋山智英君) 先ほど申し上げましたが、私どもといたしましては既定の予算を有効活用することはもちろんでございますが、さらに緑の羽根の募金、さらには宝くじ、あるいは都市緑化基金とそれぞれ地域の皆さんの浄財等を、やはりこういう時代になればなるほど大いにこれを活用して、御理解をいただきながら緑をつくるということが国民運動としてはきわめて重要でございますので、私どもはそういう分野の活動をさらに積極的に進めてまいらなければならぬと思っております。なお、緑の資源確保の問題については一年ということじゃございませんで、だんだんとこれは地域の要請に応じて検討していくという側面もございますので、それも御理解いただきたいと存じます。
○村沢牧君 次の問題に入りましょう。 林業の危機ということが言われて久しいが、先日閣議了承された五十七年度の林業白書を見ても、わが国の森林事業を取り巻く環境は依然として厳しい状況にあるということが報告されています。森林管理の現状、特に林業生産活動の停滞、あるいは適正な管理が行われてない森林が増加をしている、こういうことは白書の指摘をするまでもなくわかっていることでありますけれども、大事なことは、なぜそのような状況になったかという要因の分析がされなければならない。これはいろいろな原因があるであろうけれども、林野庁としてはどういうふうに把握をしているのか。と同時に、林業をめぐる諸情勢の変化に対応する具体的な対策は白書でも示さなければならないわけでありますけれども、これについて簡潔にひとつ答弁してください。
○政府委員(秋山智英君) 最近の林業をめぐる情勢の厳しさの中で、二、三点、特に重要な点を申し上げますと、一つは木材需要量の問題でございますが、かつて一億立米を超える需要量があったわけでございますが、五十五年の秋、後半以降でございますが、住宅建築等の着工が落ちてまいりまして、五十六年、五十七年とも百十五万戸程度に落ちているわけでございます。また、木造率も若干落ちてまいりまして、六割程度になっているところもございます。 そんなことで、非常に需要量が停滞をしているということと、もう一つは木材価格でございますが、五十五年の秋から落ちてまいりまして、現在におきましては五十三年価格の前後のところに落ちているわけでございまして、これがなかなか回復し得ないという状況がございます。 一方におきまして、生産費の方でございますが、これはやはり年々四、五%ずつは上がってまいってきているわけでございまして、この経費の増高という問題がやはり大きな原因になってきているわけでございます。 そこで、私どもこういうふうな不況に対処して進めるためには、やはり当面の木材需要の拡大、それから将来に向けましての木材需要の見通しに合った木材関連産業の再編整備の問題、さらには林業生産活動におきましては、何と申しましてもやはり林道等の基盤整備を高めていくということがきわめて重要でございますので、基盤整備。さらには、いまの、現在の人工林の約五割が間伐対象地域になっていますが、間伐の促進がなかなか現在むずかしい状況にございますので、その間伐あるいは保育等を適正にするための施策、また林業構造改善の施策というふうなものを積極的に進めていかなきゃならぬというふうに理解しておるわけでございますが、特に本年におきましては、これから御審議いただきますこの緑資源の確保、森林の適正管理のための施策、さらには国産材が外材に対しましてやはり足腰の強い生産地帯として成り得るような国産材の安定供給体制の整備の事業、これもことしから進めようと思っていますが、そういうふうないろいろの施策を進めながら、山村の活力と林業の振興に寄与してまいろうと考えているわけでございます。特に、今回御審議いただきますところの間伐、保育等の森林整備を市町村によりまして計画をつくっていただきまして、市町村を中心としまして、地域ぐるみでこの計画を実行してまいるということ、また、現在の造林地につきまして、途中で費用負担者等を募集いたしまして、森林の適正管理のために、共有形態で森林を適正に管理しながら、緑資源としての 機能を果たしていくというふうな方向に進めていくことがまた山村の活力化にもつながり、林業の振興にもつながるわけでございますので、ぜひともそういう方向で今後進めてまいりたいと、かように考えているところであります。
○村沢牧君 林業がなぜこんなに厳しくなってきたかということの分析あるいは反省についてはほとんど触れられておらなくて、ただこれは林業を取り巻く環境、外的要因によって厳しくなってきたというふうなことに答弁があったわけですけれども、そうじゃないと思うんですね。私は、いままで林野庁もいろんな施策を進めてきたけれども、林野庁の進めてきた施策が時代の変化に対応する適切なものであったのかどうか、このことについての反省がなくてはこれからの新しい施策は出てこないと思うんですけれども、その点についてはどういうふうに考えますか。
○政府委員(秋山智英君) まず、内外の二つの問題分けて考えてみたいと思います。 まず第一点は、外材との絡みでございますが、わが国の森林資源の現在の構造から見てまいりますと、現在の需要量を賄うためには、当分の間、やはり外材に依存せざるを得ないということがございます。その場合におきましては、やはり適正に、需要に見合った形で計画的に輸入をしていくという体制が必要でございまして、現在私どもそういう考え方に立ちまして産地国との対話を促進し、あるいは相手国の森林造成への技術的協力だとか、さらには具体的に四半期別に短期の需給見通しをいたしまして、それに基づいた適正な輸入を進めてまいるというふうなことを考えておるところであります。現在の国際環境から申しますと、強権的によるところの輸入規制というのは困難でございますので、需要に見合った適正な輸入をしていく形でこれは自主調整をして進めていくことが必要であると思いますが、一方におきまして、やはり国産材の利用拡大という問題がきわめて重要でございまして、これまでも木材の需要を拡大するために、木材利用技術あるいは開発というふうなことで相当力をつぎ込んできておりますし、また木造住宅の建設促進につきましても、地方公共団体等にも協力依頼をしながら建設省と連携をとりながら進めてまいっておりますし、また、間伐材がやはり当面の需要拡大のためにきわめて重要でございますので、間伐材の利用開発等につきましても、日本住宅木材技術センターを中心としまして、また関連省庁と連携をとりながら開発を進めておるところでございますが、さらに五十八年度からは比較的林業の成熟度の高い林業地帯におきましては川上から川下まで一体となりまして、地域の特性を生かしました林業生産地帯になり得るような、そういう生産システムをつくることでこの活性化を図ってまいりたい、かように考えているところであります。
○村沢牧君 秋山長官、私は林業問題についてはある程度は承知をしているつもりですから、余りくどくどと中身について御説明いただかなくてもわかりますから、時間の都合もありますから答弁簡潔にしてください。 そこで、いまお話のあった外材の問題ですけれども、なるほど林野庁も需給調整機構なるものをつくっておりますけれども、これが効力を上げているんですか、実効性を伴っているんですか、ただ見通しを立てるきりで、そのことが輸入の抑制なり指導につながっておらないじゃないですか、その辺はどうなんですか。
○政府委員(秋山智英君) 具体的事例で申し上げますと、一昨年の暮れに新旭川の倒産という問題がございまして、それとの関係から若干思惑の輸入がございまして、昨年の二、三月には在庫もふえたわけでございますが、その後輸入調整をとりながら、六月、七月には適正在庫に持ってきておりまして、何と申しますか、やはり関連産業の皆さんもよけいに入れれば当然のことながら材価は下がるわけでございますので、適正輸入というのは林業関連産業のやはりこれは皆の願いとするところでございまして、以降、ほぼ需要に見合った形での輸入もしておりまして、在庫もほぼ適正に推移している状況等を考えますと、私どもはやはりこういう行政指導をさらに的確にしていきますれば、輸入につきましても需要に見合った、オーバーな入れ方は今後出てこないというふうに考えられますので、さらにこの問題につきましてはきめ細かい指導をしてまいりたいと考えています。
○村沢牧君 以上の答弁から、いままで進めてきた農水省の林業施策は適正なものであったと、いま省みて反省するべき余地はない、そういうことに結論なるんですか。
○政府委員(秋山智英君) 決してそういうふうに申し上げておりませんので、私どもとしましては、鋭意この林業振興のために努力をしてまいってきたところでございまして、これまでの各種の山村振興対策、林業振興対策はそういう路線でやってまいってきたわけでございますが、特に、当面緊急の問題といたしましては、人工林の大半を占める間伐対象地の間伐が、五十六年からは間伐総合対策でやってまいって、それなりの成果が上がっていますけれども、まだ不十分でございますので、これにつきましては、法的措置をも含めた形で適正化を進めてまいるというようなことも考えておりますし、また、国産材の基地造成ということも五十八年から進めてまいろうと考えておりますのも、外材に対しまして足腰の強い林業生産地帯をつくろうということで考えておるわけでございまして、今後、そういう問題については問題意識をさらに強め、進めてまいりたいと、そういう考え方でございます。
○村沢牧君 それでは、法律に触れて質問いたしますが、林業を振興するために市町村が森林整備計画をつくって地域ぐるみ林業振興を行うということの考え方については、私も賛意を表するものでありますが、この市町村の計画と国の計画、つまり全国森林計画なり、あるいは地域森林計画とはいかなる関連を持つものであるかどうかということと、この今回の法改正に基づく市町村整備計画というのは国の計画を単に補完するものであるかどうか、そのこと。そのことの答弁をいただくとともに、私は、市町村整備計画に重点を置いてこれからの林業振興施策を立てなければならない、そういう見解を持つものでありますが、これらについて簡潔に答弁してください。
○政府委員(秋山智英君) これまでは、森林資源の維持培養と生産力増強ということで全国の森林計画、さらには各都道府県で地域の森林計画がつくられておるわけでございます。これらの計画に基づきまして、これまでは各森林所有者が属地的に森林施業計画をつくって進めてまいってきたわけでございますが、ただいま申し上げましたような現在の厳しい情勢においては、どうしても市町村段階におきまして地域の森林計画を具体化するためのやはり計画が必要であるという認識に立ちまして、今回、市町村長に森林整備計画をつくって、それによりまして、特に緊急の課題でございますところの間伐、保育等を進めてまいる、こういう考え方でございます。したがいまして、両者の計画の間には当然のことながら整合性がとられるわけでございまして、単なる補完量——補完というとなんですが、やはり一貫性を持った計画体系であるというふうに御理解いただきたいと思います。 なお、これからの森林の整備を進め、林業振興を進めるに当たりましては、私はやはり、この森林整備計画と、これまでいろいろと打ち出されました森林総合整備事業であるとか、あるいは林業構造改善事業であるとか間伐促進の事業であるとか、こういう施策と連携をとりながら地域林業の振興を進めてまいるという考え方で進めてまいりたいと考えております。
○村沢牧君 私の記憶によれば、長官は衆議院のこの種の質問に対しては、市町村計画は全国計画を補完するものであるというような答弁をされておるようでありますが、きょうの答弁を聞いておりますと、補完ではない、一貫性を持ったものであり、整合性を持ったものであると。整合性はもちろん持たなければいけませんが。その辺をはっきりさしてください。これは地域振興計画の補完 としてやるのか、そうじゃなくて、市町村計画を重視してやるのか、その辺について答えてください。
○政府委員(秋山智英君) この森林計画制度の体系下におきましては、従来の全国森林計画、それから地域の森林計画、それから森林所有者の森林施業計画という体系の中におきまして、今回、市町村長に森林整備計画をつくっていただくわけでございますが、体系下におきましてこれを補完するというふうに御理解をいただきたいと思います。 しかしながら、これを進めるに当たりましては、よりこの森林計画制度全体が計画どおり進み得るためには、この森林整備計画を中心にしまして各種振興施策を関連づけるということで、より活性化を与えてまいる、かように考えているところであります。
○村沢牧君 結局、いまの答弁で、今度出されたこの法律の内容も国の計画を補完するものである、そういうことに改めて答弁があったわけでありますけれども、それでは市町村が地域の実態に即した森林整備計画を樹立しても、国の計画に合致しなければこれを認定するわけにはいかない、こういうことにもなるわけですか、どうなんですか。
○政府委員(秋山智英君) いま申し上げましたのは、体系下でこれは森林整備計画をつくるわけでございますから、当然のことながら、都道府県知事がつくりますところの地域の森林計画とは当然整合性を持たなければならぬ、かように考えておりますし、また、この各森林所有者がつくります森林施業計画におきましては、この森林整備計画に基づいてつくるということに相なろうと思います。
○村沢牧君 そういうことだと、結局、知事が計画を立てる、その知事の計画をやっぱり補完していくということになって、市町村の自主性ということが尊重されないということになるんじゃないですか。 そこで、市町村が森林整備計画を立てて地域ぐるみの林業振興を図るためには、単に間伐、保育を主体とするだけでなくて、総合的なやっぱり計画でなくてはならない。つまり造林から伐採に至るまで、そうした総合的な計画を立てて、その中で雇用の創出だとか、あるいは林業関係の中小企業の振興、地域の生活環境の整備等を図っていかなければならないわけなんです。改正法では「間伐、保育その他森林の整備に関する基本的事項」というふうに規定しておりますけれども、その他の森林の整備に関する基本的事項には私がいま言ったような問題も含まれるんですか。どうですか。
○政府委員(秋山智英君) まず、前半の御質問でございますが、都道府県知事がっくりますところの地域の森林計画と申しますのは、地域の森林資源を維持培養し、生産力を高めるための基盤となる伐採、それから主伐を中心とする伐採造林、それから伐期齢その他の各種の遵守すべき事項が載っているわけでございますが、今度は具体的に間伐、保育等についての細かい規定がないわけでございます。したがいまして、今回の森林整備計画におきましては、特に現在緊急な課題でございますところの間伐、保育等が適正に行われるような計画内容を主体としておりますので、当然のことながら、そこには自主性というものが出てまいるというふうに御理解をいただきたいと思います。 なお、後半の御質問でございますが、私どもやはり、この市町村の整備計画というのは、中身としまして間伐、保育等が当然中心となるわけでございますけれども、しかしながら、やはりこれを進めるに当たりましては、各種のそれに関連する施策も出てくるわけでございますので、間伐、保育に限らず、必要な事項は、この制度の趣旨に合致する限りにおきまして、森林の整備に関する基本的事項とか、あるいは「作業路網その他森林整備のために必要な施設の整備に関する事項」、あるいはその他の森林の整備に関する事項のところに当然盛り込んで、この計画がより有効に実施されるように策定されなければならないと、かように考えているところでございます。 そこで、私ども今度、後半の御質問でございますが、「間伐、保育その他森林の整備に関する基本的事項」の内容でございますけれども、これは具体的には私ども、森林を整備する目標、やはりこれは地域によりましてそれぞれ特徴があるわけでございますので、その地域の特性を生かしました森林整備の目標とか、あるいは木材の生産目標、さらにその目標を達成するために具体的にどういう施業方法をとるかというような方針、それからさらには集団的に間伐あるいは保育を行う場合の促進する方策はどうかというような、そういうことについてもそれぞれの市町村の自主性を踏まえて進めてまいるというふうな内容にこれを盛り込んでまいりたいと考えておるところであります。
○村沢牧君 「その他森林の整備に関する基本的事項」、これについては通達か政令か何かで示しますか。
○政府委員(秋山智英君) それにつきましては通達で示したいと思っております。
○村沢牧君 そうすると、市町村整備計画では単なる間伐だとか保育にとらわれず、林業振興のためにいろんな施策を盛り込んでよろしいと、それは認めていくと。認めていく限りにおいては、後ほど質問しますが、国が何かの財政的な裏づけなり、あるいは援助方法等も考えなければいけませんが、そのように理解していいですか。
○政府委員(秋山智英君) 現在、私ども構想しておりますのは、先生も御指摘ございましたとおり、間伐並びに保育を中心とした計画でございますが、その目的達成のための関連する施策は、先ほど触れましたようにのせますし、さらに「その他森林の整備のために必要な事項」という中には、林業技術知識の普及の問題であるとか、あるいは病虫害の防除の問題であるとか、やはりその市町村、市町村で森林整備のために必要な事項というのは盛り込んでいただくわけでございます。そういう中でこの計画を有効的に実施してもらうわけでございますが、それではその計画を樹立するためにどういう助成があるかということでございますが、五十七年度までは地域林業の育成のために市町村が主体となって行う林業振興地域育成対策事業というのがございましたが、ことしからそれを拡充いたしまして地域林業整備育成対策事業というのを実施することにしておりますが、その中でこの整備計画も活用してつくって進めてまいるという考え方でございます。
○村沢牧君 市町村の樹立した計画は尊重し、それに対しての国として目的達成のために必要な援助を行う。そこでこういう事業を新しく法律改正をしてつくるについては、何らかの金融面あるいは税制面等で積極的な対策を講じなければならないわけでありますけれども、整備計画に組み込まれたものについては補助金のかさ上げや、あるいは優先性、そうしたものを考えておるのかどうか。同時にまた、いままで進めてきた林業総合整備事業だとか間伐促進総合対策事業との関連は一体どうなるんですか。
○政府委員(秋山智英君) 先ほど申し上げましたように、森林整備市町村におきましては、地域林業整備の育成対策事業を活用しまして、これに基づきましてまず林業振興地域整備計画等をつくるわけでございます。そこで、その森林整備計画とこの林業振興のための計画というのは十分リンクさせまして、間伐促進総合対策であるとか森林総合整備事業であるとか林業構造改善事業であるとか、こういうものを有効的に優先的にここに投入することにいたしております。また、農林漁業金融公庫の林業関連資金であるとか林業改善資金というようなものにつきましてもこれに関連づけまして有効活用をしてまいりたいと、かように考えているところであります。
○村沢牧君 次は、市町村の計画を権威あらしめ、さらに実効性を伴うためには、また地域ぐるみの林業振興の運動を起こすためには林業に関係する多くの人たちの意見を聞く必要がある。私たちは そのための協議会を設置しようということを主張しておるわけですけれども、このことについてはどういうふうに考えていますか。
○政府委員(秋山智英君) 森林整備計画の実効性を確保するというためには、やはり樹立に際しまして、必要に応じまして森林所有者その他林業関係者の意見を聞くことはこれは望ましいわけでございます。 そこで、私どもこの制度の運用に当たりましては、森林整備市町村は、森林整備計画の樹立に当たりまして、実効性を確保するために市町村の実情に応じて森林所有者その他林業関係者による協議会の開催等によりまして関係者の意見を聴取するよう努めるものとするというようなことを通達で明示しまして指導してまいりたいと、かように考えております。
○村沢牧君 いま通達でそのことを明らかにするという答弁があったわけですけれども、通達よりもやはりもう少し強い指導——通達が弱いというわけじゃありませんが、指導方向、こうしたことについて政令等でもってそうしたことを措置していくというようなことは考えておりませんか。
○政府委員(秋山智英君) 間伐、保育と申しますのは、本来これは森林所有者の経営活動の一環としてなされるものでございます。そこで、それがおくれているために今回は行政指導によってこれを進めてまいる、こういう考え方でございますので、法令等によりまして一律に義務づけることは私ども妥当ではないと考えておるわけでございます。そこで、私ども運用といたしまして関係者の皆さんの意見を協議会等で聴取しながら進めてまいる。あくまでも市町村の自主性を生かし、地域の実情に合った形でこの協議会が運営されるように考えておるところでございます。
○村沢牧君 ちょっと先ほどの、市町村で立てた自主的な計画に対して、国の援助、補助についてもう一点だけ確認をしておきたいんですけれども、間伐、保育に限らず、その他基本的な事項の中には、造林から伐採に至るまで、あるいは労働問題、あるいは林業関係民間企業の育成、環境整備等含まれてよろしいという答弁ですが、それについても適切な補助体制、あるいは優遇措置を講じていきますか。
○政府委員(秋山智英君) 森林整備計画に関連しまして、活用する地域を単位としましたいろいろの事業につきまして申し上げますと、林業地域の総合整備事業ということで、林道網の整備を中心としまして、あわせて生活環境の整備も行うこの事業も、また森林総合整備事業、これは造林で、植栽から下刈り、除間伐に至るまでの一貫した集団的、計画的、組織的な事業でございますが、これだとか、あるいは間伐促進総合対策事業であるとか、林業構造改善事業であるとか、あるいは森林適正管理推進対策事業というようなものはこの計画と十分連携をとって優先的に採択し得るようにしてまいりたいと考えております。
○村沢牧君 それでは整備市町村を指定する要件の内容について、これは政令で定めることになっていますが、民有林の面積、あるいは人工林の占める比率、間伐、保育を必要とする相当規模以上の森林が集団的に存在をする、このことについて、政令の内容について明らかにしてください。
○政府委員(秋山智英君) 森林整備市町村の要件としましては、法律第十条の七の第一項にあります民有林の面積規模とか、あるいは人工林率についてでありますが、この森林整備計画を市町村が中心となりまして立てるに当たりましては、やはり市町村にこの制度を実効あらしめるためにはやはり一定の面積規模が必要であるということで、私ども現在検討しておりますのは、おおむね二千ヘクタールをまず要件として現在検討しております。またこの二千ヘクタールで一律に引きますと、それよりも面積が少ないけれども、非常に林業意欲の高い町村があるわけでございますので、そういう町村もやはり対象になり得るようにするためには、この一定の人工林率と申しますか、人工林率でやはり物差しを当てる必要がある。その場合におきましては各県の民有林の平均の人工林率よりも高いところについては対象として考えていこうと思っております。 それからさらに、一体的かつ計画的に間伐ないし保育を進めるということがこの制度のねらいでございますので、やはりまとまっていなければなかなか効率性が上がらぬわけでございますので、一定のまとまりのある森林ということでありますと、やはり三百ヘクタール以上まとまりがあることが望ましいと思っておりますし、またそのまとまりの中で人工林率が六割以上あるというふうなところを要件として現在検討をしておるところであります。
○村沢牧君 そういう条件に照らし合わして、現在地域森林計画の対象になっている森林を有する市町村は約三千ぐらいあるというふうに聞いているんですが、今度のこの整備市町村にはどのくらいの数の市町村が該当するんですか。
○政府委員(秋山智英君) 先ほど申しました二千ヘクタール以上の市町村と申しますとおおむね二千市町村ございます。それから二千ヘクタール以下でございましても人工林率が県の平均より高いという町村が約四百ございますが、これらの中を分析してまいりますとやはり一定のまとまりのないのが約二百ほどございますので、私ども具体的に対象になるところは現在二千二百市町村ぐらいを考えております。
○村沢牧君 その対象にならない市町村に対して、これ放任するというわけにいかないんですが、これはどういうふうに指導をしていくんですか。
○政府委員(秋山智英君) 私どもの調査によりますと、いま申しましたような対象の市町村における人工林の割合——ほとんどがこの対象地域に入りまして、それ以外はごくわずかでございますので、これにつきましては従来の各種の助成制度を、あるいは融資制度を活用してやっていただくというような、そういう考え方でございます。
○村沢牧君 この法律は、間伐や保育がおくれている特定森林に対して市町村長が実施の勧告をすることができるようになっている。しかし現行法においても、この都道府県知事が地域森林計画等の勧告をすることができることになっておりますが、余りこれは行われておらない。今度の法改正によって市町村がこの勧告に対してどのような期待をし、勧告を実効あらしめるようにするためにはどのような措置を講じていこうとするんですか。
○政府委員(秋山智英君) 現在の地域森林計画におきますところの都道府県知事の勧告と申しますのは、先ほど触れましたような地域森林計画の中身に関連する範囲でございますので、やはり必要最小限の税制措置という形でこれはなされておるわけでございますが、今回考えております森林整備計画におきますところの市町村長の勧告でございますが、基本的考え方は同じでございますけれども、ただこれにつきましては具体的にこの地域の間伐または保育ということを指定しますし、また特におくれているところにつきましては、その間伐を指定、指示するわけでございまして、やはり地域の具体的な中身を知っておるところの市町村長が間伐促進総合対策とか、あるいは森林総合整備事業というもの等をうまく活用してこの実施を勧告するわけでございますので、私はこの個別、具体的なそういう間伐等に対するところの勧告でございますので、非常に有効的であると思いますし、またこれによりまして森林所有者の経営意欲の喚起を図れるものと期待しておるわけでございます。
○村沢牧君 期待をするだけじゃなくて、やっぱり勧告をする限りにおいてはその勧告が実行されるような、こういう指導を講じなければならないわけですけれども、勧告までする、しかも勧告をしたことの実効が上がっていく、そういうことについての林野庁としての指導方針というのはどのようなものですか。
○政府委員(秋山智英君) 勧告をするに当たりまして、まずその前の段階では先ほど触れましたように、各種の助成施策を優先的にここに投入して進めるという過程で、まずは森林所有者の経営に 対する意欲を高めながら進めるわけでございますが、さらにそれでも実施し得ない場合には造林公社、森林組合等に委託をすることをまた進め、さらにそれができない場合には森林の所有権の移転等の協議の勧告というようなものもひとつとらせるというようなことでございます。さらに分収育林の締結のあっせんであるとか、あるいは在村の林業経営者、経営意欲の高い人たちへの権利移転等も積極的に行うわけでございますので、これらの一連の流れにおきまして私どもは森林の適正化には相当効果が出てくるものと理解しておるところでございます。
○村沢牧君 この改正法は間伐や保育を主体としたものでありますけれども、林業白書でも述べておるように、最近間伐、除伐などが適正な管理が行われておらない森林が非常に目立ってきておる。この本法施行によっていかなる成果を期待するのか、具体的にお聞きをいたしますが、現在民有林において間伐を必要とする面積、それを何年間ぐらいで間伐の事業を完了させようとするのか。そして本法を施行することによってどれだけ促進をするのか、その辺についてはどう考えますか。
○政府委員(秋山智英君) 最近におきますところの間伐面積は、民有林におきまして十ないし十五万ヘクタールでございましたが、五十六年に御承知の間伐の促進総合対策事業を進めることによりまして、年間二十三万ヘクタールまで上ってまいっておりますが、これはまだ十分でございません。現在民有林におきまして初回間伐の実施時期に該当する十六ないし二十五年生の人工林というのは二百六十八万ヘクタールございますし、それから二回目の間伐時期と申しますと、二十六年から三十五年ぐらいを考えておりますが、その対象が百八万へクタールでございます。合わせまして三百七十六万、約三百八十万ぐらいございますと大体年間には適正になされるとすれば四十万ヘクタール前後のやはり間伐が必要であろうと、かように考えておるところでございます。 そこで、今回この法改正によりまして、市町村の整備計画をつくるための法的な位置づけがはっきりしまして、間伐、保育等の整備がなされていくわけでございますが、私はこの市町村全部を一挙に指定するということは相ならぬと思います。やはり体制的にできるところから順次進めてまいるということになると思いますので、これから何年でそれが終わるかということにつきましては、まだ若干はっきりと申し上げがたい点がございますが、現在の先ほど申しましたように二千二百の市町村の中で体制が整備され、こういう計画が立ち得るところ、極力早目に持っていくつもりでございますけれども、体制を整備するところから逐次進めてまいるということで、鋭意間伐、保育を適正に推進するための条件整備をしながら進めてまいるということで、極力現在の二十三万から四十万にいくのを早めたいと思っておりますが、何年ということはまだここで申し上げる段階に至っておらぬわけであります。
○村沢牧君 これからの見通しについてはっきりしたものを示せということも、困難な問題もあろうというふうに思うけれども、法律改正をしてそれに伴う予算優遇措置を講ずるということになれば、現在のおくれている間伐実施状況を促進をさせていく、しかしそれはどのくらい、たとえばいまのような形でいけば三百八十万ヘクタールに対して二十三万ヘクタールぐらいしか年間できないとするならば、ずいぶん年数もかかるわけですけれども、やっぱりこの法律を施行することによってどういうふうに促進をしていくという目標なり期待、希望がなければならないと思うんですが、そのことは言えないんですか。
○政府委員(秋山智英君) 先ほど申し上げましたとおり、二千二百の市町村を一挙に全部指定するということではございませんし、これはやはり体制整備を整えたところから逐次指定し、整備計画をつくって進めてまいるという、やはりそういう当初の体制整備をしながら進めていくというのがきわめて重要でございますので、余り拙速主義よりも体制を整備させながら進めていくということでこれは進めてまいりたいと思っておりますので、当面、まずは三百ないし四百ぐらいはことしは指定をしてまいりたいと思っておりますが、これもやはり地域の体制整備、十分市町村と県と連携をとりながら進めてまいらなければならぬと思いますので、間伐解消まで何年かというのは、しばらく実行をしながら見通していかなければならぬ、かように考えておるところでございます。
○村沢牧君 整備市町村を全部一度に指定するわけでないことはわかるけれども、何年くらいをめどとして、先ほど話があった二千二百市町村を指定をされようとするんですか。
○政府委員(秋山智英君) 現在、私どもの調査によりますと、林務行政を行うための課を設置しているところというのは体制が比較的よろしいわけでございますが、また農林の係の中に林務を設けているところも、これも望ましい市町村でございますけれども、私ども、先ほど触れましたように、この計画を進めるに当たりましては、地域林業育成対策のための事業と関連づけながら進めてまいることがより効果を高めることに相なるわけでございますので、ぜひともそれとの関係を踏まえながら今後進めてまいりたいと思いますが、当面はやはり三百ないし四百はまず進め、逐次拡大していく、こういう考え方で進めてまいりたいと思います。
○村沢牧君 当面は三百ないし四百ですけれども、二千二百市町村を何年ぐらいかかって指定をするために促進、指導していこうとされるんですか。
○政府委員(秋山智英君) やはり、これは数年かかるかと思います。
○村沢牧君 きわめて抽象的な答弁ですけれども、そこで間伐の成果を上げるためには、間伐材の利用方法をやっぱり改善しなければならない。せっかく間伐をやっても、間伐材がほとんど切り捨てのままに放任をされておって収入にならない。これでは間伐に要した費用、労賃分だけが赤字になってしまう。こういうことでは間伐をやる気にもならない。森林資源の培養にもならないし、この利用方法については、いままでも何回も言われていることですけれども、促進をしているんですか、今後どういうふうに促進しようとするんですか。
○政府委員(秋山智英君) 先生御指摘のとおり、やはり間伐材の利用対策がこの事業のためにきわめて重要でございまして、これまでも間伐材の利用開発、新製品の開発等は進めておりまして、最近におきましては間伐材の総合加工、あるいはLVLという単板の積層材あるいは集成材、それから畜舎、牧舎への利用とか、畳の床だとか、その他いろいろの利用開発を進めておりまして、これがだんだんと具体化してまいっております。特に間伐材については、セブンバイセブンというふうな新しい工法によるところの住宅等も開発して進めてまいっているところでございます。 それから、やはりこれからの間伐材をより有効に使うためには、生産情報と需要情報をうまくリンクさせましてやることが必要でございますので、五十七年からは、御承知のとおり、需要情報銀行というのを設置しまして、そこで需要と生産県とをうまく連携させながら、システムとして流れるような方法を講じておりますし、またその総合加工施設も各県につくっておるところでございます。 また、間伐を促進するための、まず資金の問題がございますが、これも五十七年から国産材産業振興資金制度の中にこの間伐促進のための資金を、別にファンドをつくりまして進めておるところでありまして、やはりこれからも私どもはそういう視点に立ちまして、間伐資金の融資枠の拡大であるとか、あるいは需要拡大へのための措置であるとか、さらに流通をより近代化するための措置というようなことを進めてまいりたいと考えているところであります。
○村沢牧君 進めてまいりたいという気持ちは結構ですが、このような制度をつくって、間伐に市 町村が力を入れていく、その間伐材の利用についてはさらにその方法を促進をしていく、こういうことが伴わなければいけないんですけれども、ただ何回質問してもそういう答弁が返ってくるんですけれども、間伐材の利用の方法については促進をしていくというめどは立っているんですか、どうなんですか。
○政府委員(秋山智英君) これにつきましては、現在、間伐材の利用されるものというのは、白書で御承知のとおり、約半分ぐらいでございますけれども、これからはこれを有効に活用する手だてがだんだんとできてまいっておりますので、私は、今後これらの施策が生きてくればさらにこの利用度というのは高まってくると思います。 もう一つ、やはり間伐材の問題は、先ほど触れましたように、林道、作業道等の搬出施設がきわめて大きなウエートを占めていますので、それらについてはこれまでもやってまいりましたが、さらにこれからもそういう面の力も注いでまいりたいと考えております。
○村沢牧君 この計画を立てて実効性をあらしめるためには、まず市町村の林業に対する執行体制、行政体制、これが整備されなければならないが、それはどういうふうに指導していくのかということと、この事業を促進をしていくための森林組合の果たすべき役割りもこれまた大きいというふうに思うんですけれども、現在の森林組合の状況は皆さんの期待に反して非常に休眠組合が多い。間伐や保育がなかなかできない。この森林組合に対する期待と森林組合の活動の活発化についてどのように考えておるんですか。
○政府委員(秋山智英君) 今後この森林整備計画の対象を、先ほど言いました二千二百を対象に進めてまいりたいと考えておりますけれども、現在、林務行政を行うための専門の課とか係を設置している市町村というのは約九百ほどでございますし、それから他の職務と合わせて、たとえば農林係とか林業水産係というふうな形で他の職務と合わせまして林務行政をやっている町村が約六百でございまして、合わせまして約千五百の町村にそういう専門の課、係があるわけでございますが、私ども、五十年代に入りましてから、特に林業振興地域の育成対策事業であるとか、あるいは林業構造改善事業であるとか、あるいは森林総合整備事業というようなものは、市町村の機能を生かすということを主眼にいたしまして、この予算措置でいろいろ進めてまいってきているわけでございます。で、これらの措置を通じまして、各市町村におきますところの林政担当の機関というのは逐次整備されているわけでございまして、これからこういう整備計画をつくり、あるいは事業を実施するという、そのための素地はだんだんとできてまいっておるわけでございますので、私どもはそういう整備され、機能がより充実されてくる状況を十分踏まえながら進めてまいりたいと、かように考えておるところであります。 次は森林組合の関係でございますが、私ども森林組合につきましては、これまでも、先生、休眠組合というような御指摘いただきましたが、そういうことのないように活性化、地域のやはり中核的な担い手であるというような私どもは認識の上に立ちましてこれを進めてまいっておるところでありまして、これまでも林業構造改善事業によりまして、その中身を強化するとか、あるいは森林組合の林産活動を強化、整備する事業であるとか、あるいは健全運営のための監査の措置とかやっておりますが、これから森林整備計画を進めるに当たりましては、何と申しましても、計画そのものは市町村でつくるわけでございますが、実質的な担い手と申しますのはやはり森林組合でございますので、私どもはこの森林組合を、整備計画の実施に当たりまして、間伐の実施であるとか、あるいは保育の実施であるとか、さらには育林分収等についても担い手の一員となるようにこれからもさらに進めてまいりたいと、かように考えております。
○村沢牧君 そのように考えていることはわかるんですけれども、いまの森林組合の実態の中から、その期待にこたえてやっていくような情勢になっているのかどうか、森林組合をどういうふうに活性化していくのか、そのことについて私は聞いているんですよ。
○政府委員(秋山智英君) いままでの森林組合一組合当たりのいろいろ生産量を見てまいりますと、昭和五十三年を一〇〇にしまして五十五年は一一〇ということで、一組合当たりやはり二百四十五万立米当たりの素材生産をやっておりますし、造林につきましても、五十三年をベースに見ますと一一三ということで、七万八千ということで、大分ずっと見てまいりますと、だんだんと中身は強化されつつございますし、合併によりまして、この森林組合の出資金も平均しますと一千万円以上になってきておりますし、組合員の数も逐次増加してきているということでございまして、私どもやはりこれからの地域の林業の担い手としまして、森林組合はより一層重視した形で進めていくことが大事だと思っていますし、それなりに逐次内容も強化されてきているというふうに理解しておるわけであります。
○村沢牧君 二千二百の市町村を指定をしてその事業を実行さしていくためには森林組合のさらに強化が必要になってくるわけですから、これからよくなっていくであろうというようなそんな希望的な観測でなくて、もっと林野庁が森林組合の育成強化のために積極的な対応をすべきだ、そのことを強く私は要請しておきます。 次に普及事業についてですが、普及事業が発足してから三十四年たったわけでありますが、この事業が時代の変化に対応して林政発展のために果たしてきた役割りは、大きいものがあるというふうに私自身も認めておりますが、しかし、臨調は普及事業の見直しも言っているわけであります。しかし、森林・林業は公益的な役割りも持っているし、あるいは地域の実態に即した技術も必要であるし、また林業労働力の高齢化に即応した林業技術の高度化、多様化も求められている、ますます普及事業の重要性が高まっているというふうに思いますけれども、今日まで進めてきた普及事業に対してどういう評価をし、これからどういうふうに見直しをし、発展をさしていこうとされるんですか。
○政府委員(秋山智英君) 過去三十年林業の発展に果たしましたこの普及事業でございますが、特に戦後におきましては拡大造林ということが非常に大きな命題になっておりましたので、造林の推進につきまして大きな役割りを果たしたと思いますし、また、機械化が特に三十年代後半におきまして進んだわけでございますが、そのときにやはり技術の普及指導によりまして機械化の推進、さらには経営の合理化問題、あるいは病虫害に対する被害の防除というふうな問題につきましては現地におきまして森林所有者の皆さんに指導をしてまいったわけでございまして、現在一千万ヘクタールの人工林ができ上がったというのも、これはそういう成果でありますし、また、生産性も上がってきていますのも、あるいはシイタケ生産等の特用林産がそれなりの成果が上がってまいっておりますのも、これはやはり普及事業の成果であるというふうに私ども理解しております。 それから、今後の発展でございますが、先ほど申し上げましたとおり、これからの林業はきわめてむずかしい情勢になってきておりますが、さらに戦後植えられました人工林というのは、初めて人工林をしたという森林所有者等もございまして、やはり間伐、保育というふうな森林の整備についての指導という問題はきわめて重要でございますし、それからマックイムシ防除等の指導も重要でございますし、さらには、先ほどお話ございましたが、国産材の有効利用という面、それから流通を円滑化するという面で、川上、川下が一体となってそれをうまく運営するためにどうしたらよいかというふうなこと、さらには、これからの水資源の涵養との絡みにおきましての奥地の森林造成を複層林化していくというふうなことになりますと、そういう造成のための技術等、それから、これまでもやってまいりました特用林産あるいは 機械化、あるいは複合経営の推進というようなことが、当面私どもはやはり林業の普及指導をする上に当たりましては重要な方向であると思います。で、こういうふうな問題を志向しながらやはり重点的に、しかも後継者の育成も考えながら指導していくことが必要でございますので、そういうことがますます重要になってまいりますので、やはりこの普及職員に対する研修をさらにそのニーズに合った形で進めてまいるとか、あるいは試験研究機関との連携をさらに高めていくとか、市町村行政と連携を高めていくとかいうふうな方向で進めてまいらなきゃならぬと、かように考えております。
○村沢牧君 普及事業が今日まで林業発展のために果たしてきた役割りは大きい、今後も時代の変化に対応する林業を指導するために重要な制度であると、こういう答弁があったわけでありますけれども、今回法律改正をして、普及事業を補助金方式から交付金方式に改めようとするその根拠は一体何か、この改正は普及事業の後退につながるんではないのか、また、臨調答申を尊重するというたてまえからやむを得ずこういうことをするのか、その辺についてはどうなんですか。
○政府委員(秋山智英君) 私ども、臨調の問題もちろん背景がないわけではございませんが、私どもといたしましてはやはりいま申しましたような、これからのいろいろの普及事業をより高めていくに当たりましては、制度的に安定を図るということがまず第一点でございます。それから、各都道府県それぞれその特徴がございますが、自主性を発揮しまして、森林・林業をめぐる情勢の変化に対応した形で効率的、弾力的に運営ができるような方法を練られまして、従来の人件費、物件費、事業費というふうな個別の経費の積み上げによる定率補助金方式を改めまして、普及指導職員の設置、あるいは普及指導の運営というような基礎的経費につきましては、定額の交付金方式でやってまいりたいと、かように考えておるわけでございます。 交付金方式を導入いたしましても、従来からの都道府県の負担に相当する財源は引き続きまして地方交付税に算入されることになっておるわけでございまして、事業に必要な経費は今後とも確保されるわけでございます。また、普及指導の職員の必置義務というのは従来どおりでございますし、またこの予算の執行に当たりましては、適正配置等については十分指導してまいりたいと思っておりますので、私どもといたしましては後退にはならないというふうに理解しております。
○村沢牧君 普及員制度の安定を図るためにこうした措置も必要であるということでありますが、交付金制度にしなくたっていままでの制度の方がより安定を図ることができるというふうに私は思うんですけれども、交付金にしたことによって、国の財政事情によって交付金が従来の定率補助方式よりも減額されるような心配はないのかどうか、従来の補助金総額に比べて交付金の総額は減らさない、こういう保証はあるんですか。
○政府委員(秋山智英君) 定額化することによりまして、私はやはり原則的には安定化するわけでございますし、また都道府県のこれにかわる財源についても、地方交付税に算入されるわけでございまして、裏づけ負担は十分従来どおりでございますので、私といたしましてはそういうことを通じまして、安定的にしかも効率的に事業が実行し得るように、これはいけるというふうに考えております。
○村沢牧君 国のいままで出していたような定率補助方式による補助金総額、今度改正になってきた交付金方式、このことによって、国の財政事情によってこの交付金が減らされる、総額が減ってくる、そういうことはないんですか。
○政府委員(秋山智英君) 物価変動等によりまして林業普及指導事業が円滑にできないと、支障が来すような場合におきましては、私どもとしましては、予算折衝等を通じまして、これは適切に対処してまいりたいと、かように考えております。
○村沢牧君 いま長官の答弁は、経済情勢の変化によって定額の交付金といえどもスライドする必要がある場合にはスライドをしていくというふうに受けとめたんですが、そういう理解でいいですか。
○政府委員(秋山智英君) これは定額化したわけでございますから、安定的に相なるわけでございますが、ただ、制度の趣旨から申しますと、物価、給与の変動に応じて当然改定されるという性格のものではございません。しかしながら、物価変動等によりまして事業の実施が円滑にならないというふうな、支障を来すというようなところについては私ども予算措置で対処してまいりたいと考えておるわけです。
○村沢牧君 大臣、いま私は長官に質問をしておったんですが、普及制度はいままでは法律による補助であったけれども、今度は交付金制度にかわる。そのことによって、普及制度の交付金が国の財政事情等によっていままでの補助方式よりも減額される、そんなようなことは絶対しない、ないと、そういうことを大臣としてはっきり答弁できますか。
○国務大臣(金子岩三君) 普及事業が後退するようなことは絶対いたしません。
○村沢牧君 大蔵省もおりますのでお聞きをしますが、いま長官や大臣は、こういう制度を改正したことによって国の支出する総額等を減らすことはない、あるいは物価の情勢等によってスライドもあり得るという答弁ですが、大蔵省もよろしいですね。
○説明員(千野忠男君) 今回の林業普及指導事業の制度の改正につきましては、そのねらいは先ほど農林水産省からもお話がありましたように、地方公共団体の自主性の発揮と、それからいま非常にむずかしい状況にございます林業、諸情勢に即応した事業の効率的、弾力的な運営を図ると、こういうところにねらいがあるわけでございまして、そういうことで従来のいわゆる積み上げ方式を直しまして、標準定額による交付金として交付する方式を導入したということでございます。 したがいまして、これを、これによって財政の何と申しますか、節減を図る、この普及事業の交付金の削減を図るといったねらいではございません。あくまでも、先ほども申し上げましたようなねらいに立つものでございます。 今回の交付金定額方式によりまして、したがって性格的には原則として安定的な性格が強まったと、こういうふうに考えておりますが、申すまでもなく、あらゆる経費は最近のような財政事情のもとにありまして、必ずしも例外にはなり得ない、いかなる経費も例外にはなり得ないという意味において、今後とも当然いろいろな状況のもとで見直しはしていくものでございますが、ただ定額化でございますから、原則として安定的な性格が強まったと、こういうふうに言えると思います。
○村沢牧君 交付金制度になっても財政的な支出はいままでよりも、こういう制度になったから減らすというようなことはないというふうに私も受けとめておきましょう。 そこで、交付金の制度になったことによって、職員定数の確保だとか、あるいは普及活動の水準、これを低下することがあってはならないけれども、これについてはどういうふうに指導するんですか。
○政府委員(秋山智英君) 普及指導事業のやはり根幹は、この職員、普及指導職員によって担うわけでございますので、私どももすぐれた普及指導の職員の確保とその適正な配置ということが大事でございまして、これまでもそれに努力をしてきたわけでございますが、今回交付金方式の移行に伴いましても、この普及事業というものが適正かつ円滑に実施するために職員の配置の指針などを示しまして適正を期すると同時に、やはり確保につきましても十分配慮してまいりたい、そういうことによりまして、この普及指導事業の水準の低下の起こらぬように十分都道府県を指導してまいりたいと考えております。
○村沢牧君 ぜひ制度改正によって普及事業の低下につながってはならない、そのことを強く私は 指摘をし、要請をしておきます。 次に、林業の発展を図るためには、法律改正をして体制を整備をすることも必要であるけれども、同時に林業を取り巻く環境の整備も充実をしなければならないわけでありますが、その中で労働問題は、あるいは林業労働者の問題は、本法の目的達成のためにもきわめて重要な問題であります。今日、林業労働者が非常に減少している、あるいは高齢化が進んでいる、若い世代の林業への就職がほとんどない、このままでは林業の担い手がなくなってしまうわけなんです。このことは、民間林業における労働条件がいかに劣悪で魅力のないもの、こうしたことからこういうふうになっていると思うんですが、長官はどのように受けとめておるんですか。
○政府委員(秋山智英君) 先ほど来申し上げておりますとおり、大変林業を取り巻く情勢厳しいわけでございまして、林業生産活動が停滞しておりまして、林業就業者の雇用量の減少とか、あるいは高齢化が進んでおることもこれは事実でございます。やはり何と申しましても一朝一夕にはなかなか効果があるという施策はないわけでございますけれども、何と申しましても基本はやはり林業生産活動を活発化すると、それからやっぱり基盤整備をより一層充実すると、やっぱりその就業の場といたしまして林業そのものが魅力のあるものに持っていかなきゃならぬということが第一点だと思います。それからやはり第二は生活環境の改善の問題。第三にはやはり林業に従事する方々の労働条件の向上であり、労働安全衛生の確保というような問題が重要であることは論をまちません。そこで、私どもそういうふうな基本的な立場に立ちましてこれまでもこの林業生産基盤の整備であるとか、あるいは林業構造の改善というふうなことで魅力ある林業にしようというような施策を進め、同時にこの林業者の山村におきますところの林業者の定住条件整備のための林業地域の総合整備事業であるとかいうようなものを実施していくと同時に、森林の適正管理のための施策を進めてまいりまして魅力ある林業に進めてまいるというふうなことを進める一方におきまして、これまでも林業労働改善促進事業等を通じまして就業条件の改善のための施策あるいは地域の林業の中核となりますところの若年林業労働力の確保ということ、グリーンマイスターと呼んでおりますが、そういう人たちを確保するための施策であるとか、さらには林業労働者の福祉の向上と申しますか、働く方々の福祉の向上のために林業退職金共済制度への加入促進等を進めてまいっておるわけでございますが、今後ともこの問題きわめて重要でございますので、さらに林業労働力の安定的確保に努めてまいりたいと、かように考えておるところであります。
○村沢牧君 生産基盤の整備、つまり林業生産活動を活発に行えるようにすれば林業労働者もふえてくるというような見方はきわめて甘い、つまり林業労働の労働条件のやっぱり改善こそその前提に立つものであるというふうに私は理解をするんです。現に国有林の基幹作業員、つまり現場労働者の賃金も安くて決して恵まれた環境ではないけれども、しかし新規採用の場合には募集をすれば五倍以上の応募者があるんです。ところが、民有林については山に働くという若い人たちがいない。ですからそれだけ民有林の方が労働条件悪いということなんです。その辺はどういうふうに理解し、どういうふうに改善していこうと指導するんですか。
○政府委員(秋山智英君) やはり基本的には林業生産活動の活性化、林業の振興ということが重要でございまして、これに関連しましてもちろん労働条件の向上、福祉の向上というのは当然でございますが、これらはいずれも総合的に進めることによって初めて達成されるわけでございますので、われわれは先ほど触れましたような各種の施策をやはり今後さらに一層総合的に進めてまいりたいと、かように考えておるところであります。
○村沢牧君 林業生産活動の振興、活性化を図れば林業労働者がふえてくる、そういう理解なんてすか。活性化を図るためには、——図るための林業労働者がなくなってくるんですよ。いまのような、白書のように林業就業者十九万人と言われていますけれども、林業活動をさらに活性化していくためには十五万人ぐらいが林業就業者、雇用者も含めて足らないわけなんですよ。事業を活発に行えばそれだけ人がふえてくるというふうに理解するんですか。
○政府委員(秋山智英君) やはり林業の経営基盤が強固になれば私は林業の経営の安定化につながるわけでございますので、そういうことも十分考えていかなきゃならぬと思っています。
○村沢牧君 そんな状況にならないですよ。 じゃ具体的にお伺いいたしましょう。 民間の林業雇用者ですね、この労働条件はたとえば賃金についてどういう状況になっておるのか、他の工場、産業の民間労働者と比較してどうなのか、あるいは社会保険等の適用状況、他の産業と比べてどういうことになっているのか、これも簡潔にひとつ答弁してください。
○政府委員(秋山智英君) 林業労働につきましては、やはり作業そのものが季節性があり、労働期間が間断的にならざるを得ないという一つの特性と申しますか、宿命を持っているわけであります。それからやはり農業と林業を兼業で経営しているというふうな側面が一般的に多いということ、それからやはり一人親方的な存在があると、それからさらには道具や畜力の自己処理の形態があるというようなことで年収を即工場労働者の方々などと比較するというのは非常にこれはいろいろと問題があるんじゃないかと、適当じゃないというふうに考えておるわけでございます。 そこで私ども林業労働者一日当たりの賃金というのを林業に類似した屋外労働者につきまして林野庁の民間林業労働者の賃金実態調査、それから労働省の林業労働者職種別賃金の調査、それから林業以外の屋外労働者の識別賃金というようなことで比較して見てまいりますと、林業の場合に伐木造材あるいはチェーンソー伐採夫、人力集材、あるいは機械集運材、伐出、雑役というふうなものを平均して見ますと、五十六年度八千百四十五円、これを一〇〇といたしますと、陸上の輸送関係の調査、職種平均でいきますと一万百十円で指数一二四、建設業の調査、職種平均、全平均で見てまいりますと七千九百九十円で指数が九八というふうな形になっているわけであります。 それから社会保険の制度の適用状況でございますが、林業労働者への職種の年金あるいは医療保険制度の適用に当たりましてはこの制度そのものが事業所と被保険者となるべき者との使用関係が明確であるということ、それから安定しているということが許可の基準になっているというふうなこともあります。そこで林業が作業そのものが季節的であり、あるいは間断的であるということで、あるいはまた農業との兼業が一般的であるというようなこともございまして、林業に従事する人たちと固定的、継続的に工場に従事する方々と一概に比較するということは、これは適当ではないというふうには思いますが、林業におきますところの社会保険等の加入状況でありますが、まず災害補償保険でございますけれども、これは労災保険事業年報によりますと五十五年度末で十九万一千人、それから雇用保険につきましては雇用保険事業月報によりますと五十六年八月末で六万四千人となっています。また健康保険の加入状況でございますが、これは林業だけでははっきりいたしません。農林漁業で、これ社会保険庁の事業年報によりますと、五十三年十月末現在でございますが、これは農林漁業者計で六万六千人、それから厚生年金加入者は同じく六万五千人でございます。それから新たに発足いたしました林業退職金の共済組合への加入数は大分ふえてまいりまして、五十八年二月末で五万一千人となっているわけであります。 なお、この年金、医療制度につきましては、わが国では御承知のとおり国民皆年金、国民皆保険となっておりますが、臨時的あるいは短期的な林業労働に従事する場合におきましては地域の保険制 度の適用が現実的な面がございましてそういうことになっておることもひとつ御理解いただきたいと思います。
○村沢牧君 いずれにしても林業労働者は、平均的な林業労働者を見ても他の民間企業に比べて年収は低い。これは労働時間は長いけれども超勤だとかあるいはその他の手当等も少ないからこういうことになってくるわけなんですよ。あるいはまた、社会保険の適用状況等を見てもきわめて悪いわけなんです。ですから、こういう労働条件であるから、なかなか林業に対して就職をしてやっていこうという希望が出てこない、若者が林業労働者にならない、こういうことを物語っているというふうに思うわけです。 次に、林業における大きな問題として労働災害、特に振動病の問題があるわけでありますが、労働省に聞くが、林業における振動病の労災認定者は累計何名になっていますか。
○説明員(林茂喜君) 林業におきます振動病の労災保険の認定者数は、最近五年で申し上げますと、五十二年が千三百四十八人、五十三年が千四百三十一人、五十四年が千八十二人、五十五年が八百二十一人、五十六年が七百三十六人。で、五十六年度末現在で林業における振動障害の療養を現に継続されている方は五千七百六十七人となっています。
○村沢牧君 これは労災として認定された者であって、認定に至らない潜在患者はたくさんおるというふうに思うわけですけれども、労働省はどういうふうに把握というか、見てますか。
○説明員(福渡靖君) お答えいたします。 潜在患者という言葉がいいかどうかわかりませんが、なかなか正確には把握しがたいものであろうかと思います。御承知のように、私どもの方で巡回健康診断制度ということをやっておりますが、そこで年間大体一万四千人前後の健診をやっております。これは年によって多少違いますけれども、その中でさらに精密検査が必要であると、こういうように判断をされている方が、昭和五十六年度の成績を見てみますと、受診人員が一万六千三百九十二名に対しましてさらに精密検診が必要であるという方が四千三百四十八人、受診者に対します割合は二七%という数字でございます。この方たちが即振動障害を持っているというふうには考えられませんが、私どもの方で把握しております数字はいまのところそういう状況でございます。
○村沢牧君 振動障害に対する対策は、国有林の方はある程度進んではきておりますけれども、民有林に関してはなかなか促進をされておらない。そこで一層の振動病対策の強化が必要とされるわけでありますけれども、現在、振動機械はチェーンソー、刈り払い機材でも五十万台を超える台数が使用されているというふうに言われておるけれども、よほどの予防対策がされない限り、林業労働者は振動病で苦しみさらに減少していくということになるわけです。振動病対策として最も大切なことは、振動病機械から隔離をすること、つまり使用時間規制をすることであろうというふうに思うけれども、いろいろと労働省もあるいはまた林野庁も指導していることは知っているわけでありますけれども、これらの使用規制が本当に守られているのかどうか、実態調査なんかしたことがあるのかどうか、そのことについて労働省やまたは林野庁の方から答弁してください。
○政府委員(秋山智英君) 振動機械の使用規制につきましては、労働省と十分連携をとりながら鋭意努力をしてまいっておるところでございます。私ども、チェーンソーの一日の使用時間につきまして、直接時間観測によって調査したことがあるわけでございますが、一日二時間以下であったものの割合が、五十四年は五二%、五十五年は六〇%、五十六年は六二%、漸次改善してまいっておりますが、さらにこれにつきましては今後とも徹底を期すように努力してまいりたいと思っております。 それから、二時間規制の認識につきましても、事あるごとに、絶えずこれを指導はしてきておるわけでございますが、五十六年度の調査結果を見ますと、二時間規制があることを知っているというのは、チェーンソー使用者が八八%、刈り払い機使用者が七〇%になっておるわけでございますが、私ども、これはきわめて重要な問題でございますので、さらに一層指導の徹底を図ってまいりたいと考えております。
○説明員(福渡靖君) ただいま林野庁の方から答弁がございましたけれども、私どもも林野庁の方と常に連携をとりながら振動障害対策を進めているところでございます。御承知のように、振動障害については、振動がどの程度人体に伝わったときにどういう障害が起こるかというようなことが明らかにされれば一番対策がとりやすいわけでございますが、残念ながら、いまのところ、そこまではっきりと解明をされておりません。そこで、暫定的に昭和五十年、「チェーンソー取り扱い作業指針」というものを出しまして、これを一つの目安にいたしまして予防対策をやっていただきたい、こういうようなことで現在まで来ておりますが、御指摘がございましたように、これがどの程度まで浸透しているかということは林野庁の調査を常に参考にしながら私たちも判断をしておるところでございます。それで、昭和五十五年以降、この定着化を図るということで事業主、労働者、行政機関等林業関係者による林業振動障害防止対策会議を県単位で設置をいたしましてこの定着化を進めているところでございますが、さらに昭和五十六年からはもう少し幅広く「振動障害総合対策の推進について」という通達を出しまして、一応三年間をめどにいたしまして適切な作業管理が行われるように、現場での浸透、定着化を図っているところでございます。
○村沢牧君 長官の答弁にありましたように、二時間規制を知っているかについて、知らないと答えた者がチェーンソーでは一二%、刈り払い機では三〇%になっていると。これは、通達が具体的に行政指導されておらない、このことを物語っている。つまり通達が空文化している、そういうふうに見ざるを得ないんですが、この指導はいままでも徹底してやっているんですか。
○政府委員(秋山智英君) あらゆる機会をとらえまして私どもは鋭意努力をしているところでございます。
○村沢牧君 時間規制をすることもきわめて大事なことであるけれども、しかし振動機械を他の機械に切りかえる、このことも重要だというふうに思うんです。国有林では、聞くところによれば、リモコンチェーンソーや玉切り装置などを取り入れられておるということですね。そうした結果、最近では新たな患者発生がきわめて少なくなっているというふうに聞いているんですけれども、民有林ではこういうことが皆さんの指導によって行われておるのですか。
○政府委員(秋山智英君) やはり低振動の機械を開発、改良するということもきわめて重要でございまして、これについては御承知のとおりもうすでに〇・五Gというふうなほとんど私どもが取り扱っても振動を感じないようなそういう機械も開発されてまいっておりますので、私どもはやはりこの林業改善資金等でこれを買いかえる資金もございますので、鋭意そういうふうな低振動の機械に転換するようにこれからも進めてまいらなきゃならぬと思っておりますし、また、リモコンチェーンソー等も、これは国有林を中心にしてこれが利用されているわけでございますけれども、無振動、低振動の機械を使うことが何にも増して予防の第一でございますので、これからもそういう面につきましては努力してまいりたいと考えております。
○村沢牧君 よく指導するとともに金融その他の補助対策を講じて民間労働者の振動病対策のさらに一層の拡充を要請しておきますが、いままで進めてきた林野庁あるいはまた労働省の政策もそうですけれども、一応のことはやっているけれども、しかし現在の林業労働者の現状を見る中において成果を上げておらない。振動病問題を解決するためにはいままでのような対策ではだめだというこ とを現実が物語っているのです。 そこで私は提案しますけれども、一つは、振動機械使用者または使っていた者の全員を徹底した精密検査を実施をすること、二つ目には、病気にかかっている者はすべて治療させるための休業や賃金や補償したり、あるいは他の仕事にあっせんをする、そして三つ目には、いままで指摘したように健全な者には二時間規制を初めとした予防対策を完全に実施をしていく、このような思い切ったことをしなければなかなか振動病を撲滅することはできないのですけれども、これについて林野庁並びに労働省の見解をひとつ求めます。
○政府委員(秋山智英君) 振動障害対策は先生御承知のように、大変予防、治療、補償等多岐にわたっているわけでございまして、私ども厚生省、労働省、林野庁とこの振動障害の対策推進関係省庁連絡協議会を設置しまして鋭意努力しているわけでございます。 その中で、私ども林野庁といたしましては予防対策を中心といたしましてこの振動機械につきましての使用時間の規制等、予防措置の徹底ということをまずいまやってきておりますし、これからもさらに進めてまいりたいと思っております。 それから、振動の少ない機械あるいは代替機械の開発、改良も、先ほど触れましたように鋭意努力しているわけでございます。 それから、特殊健康診断それから治療実施体制の整備等もこれは進めてまいらなきゃならぬと思っております。さらに、振動機械使用者に対するところの振動障害の予防あるいは健診の巡回指導というのもやっていかなきゃならぬと思って現在も鋭意努力しているわけでございますが、特に私どもとしましては、一人親方等を対象といたしまして特殊健康診断をやっておるわけでございまして、雇用者を対象には労働省でお願いしているわけでございますが、これによりまして振動障害の早期発見、早期治療に努めているところでございます。 私ども、さらに今後五十八年におきましては、新しい予算といたしまして振動障害の軽快者によりますところの自主的な就業基盤の開発を助長するためのそういう予算を確保しておりますし、また、事業主に対しまして振動障害を中心としました安全管理診断の実施、さらには事業主、医師あるいは行政部局等の参加によりますところの振動障害のシンポジウムの開催等をやっておるわけでございまして、私どもこの振動障害問題についてはさらに積極的にひとつ取り組んでまいりたいと、かように考えているところであります。
○説明員(林茂喜君) 私の方からちょっと補償の問題について先にお答えしたいと思います。 不幸にして振動病の患者になられた方に対する補償につきましては、私どもも労災保険の中で十分手を尽くしていると思いますが、実際に軽易な労働が可になった方のいわゆる職場復帰の問題、これは非常に私どもとしても大切な問題だということの認識でございまして、特に一般の労働者と違って林業の場合は非常に山間僻地にあって、しかも木を切る仕事にずっと従事されておられたということで、同じ地域での職場、あるいはまた新しい振動を伴わない仕事への職場の転換ということで、特に林業において対策を立てる必要があるということで、実は昨年からでございますけれども、私どももこれに対して新しい職場復帰のためのこちらのあっせんをしていく体制、それから、それに対する援護措置をとったところでございます。 簡単に申し上げますと、私どもでは振動障害患者の非常に多い七つの局に基準局が中心になりまして関係の職業安定機関、訓練機関、関係市町村、関係事業主、もちろん林野庁の方にも御協力を願いまして、そうしたものの構成によりまして協議会を設けて、実際に県内で振動障害の軽癒者に対する職場の開拓ということを取り組んだわけでございますが、実際に県段階でこういうことをやっていたんじゃ実効が上がらないということで、さらに昨年後半から監督署の段階にこうした職場復帰のための地区協議会を設置して、さらには職場復帰の希望のある患者の方々の実際の希望を聞いたり、いろいろ相談に応ずるための巡回指導員も設けまして、そういう方々との連携のもとにそういう職場復帰の対策協議会を実際に実効あるようにしていこうということで私どもの体制をつくったわけでございます。 それからもう一つ、体制だけでなくて、そのための援護措置ということで、職場転換のために実際の訓練の実施、また訓練を受けた場合の訓練の手当、その訓練に対する事業場への補助、それから、さらには新しい仕事についていかれる方々に対しての社会復帰の特別援護金の支給、こういうものを実施をいたしているところでございます。
○村沢牧君 あと最後にまとめますけれども、私は林業労働者の問題点を数点質問いたしましたが、賃金の実態を見ても、あるいは雇用、社会保険、振動病等の労働安全、どれを見ても前近代的というか劣悪な状態に置かれておるわけであります。こういう状況では林業労働力の確保は困難であって、このことが林業の振興を阻害するわけであります。 政府がいままで努力してきたことを否定するものではありませんけれども、いままでの対策ではきわめて不十分だと、そこで、わが党は林業労働者の現状を踏まえて、林業労働法をいま準備をしており、近く国会に提案しようとしているわけです。 時間が参りましたからこの内容については申し上げることはできませんけれども、新たな法律をもって林業労働者の確保、あるいはまた労働条件の向上等を図る必要がある、私はそのように理解しますが、これは答弁は大臣ですか、長官ですか、長官答弁してください。
○政府委員(秋山智英君) 林業労働に関しまするところの特別の法的措置が必要であるかどうかという問題につきましては、基本的にはやはり労働行政の立場から判断すべきものであるというふうに理解をしております。ただ、林業の場合には、先ほど御説明申し上げましたとおり、経営規模の零細性の問題、作業の季節性の問題ということから、就労が不安定であるということがございますし、また、林業に従事する方々には、農業との兼業の労働者あるいは専業、さらには雇用関係にない一人親方というふうな、非常に多様な形態が存在していると。しかも、これが全国の山間の山村地帯に散在しているというふうな、そういういろいろな問題がやはり包蔵されているわけでございます。そこで、こういういろいろな問題を踏まえて検討してまいりますと、法的措置によりまして一律に施策を展開しがたい状況にあるのではないかというふうに考えておるところでございます。 そこで、まず私どもといたしましては、林業に従事する方々の雇用の改善を図るというためには、当面にはまず、先ほど触れましたが、造林、林道等の林業基盤整備を図るということによりまして、林業を魅力のある産業にしていくための施策、それから、就労の場でございます山村における林業の定住化促進のための施策をさらに進める、それから、林業従事者の就業の安定化あるいは各種社会保険制度の加入の促進というふうな、労働条件の改善のための施策をさらに進めると、こういうことをきめ細かくまず進めていくことが現実的には非常に効果があるのではないかというふうに考えておるところでございます。
○村沢牧君 終わります。終わりますが、長官のいまの答弁では、そのような考え方では林業の労働者問題は解決しない。ですから、こういう法律をつくろうといって提案している。この問題については、後からまた論議をいたしましょう。いまのあなたの答弁では、林業労働者問題は解決はできません。 以上をもって終わります。
○鶴岡洋君 最初に総理府にお伺いします。 中曽根内閣の内政の一つの柱として、緑化運動ということで、先日その実施方針が発表されましたけれども、このことについては、村沢委員から先ほどお話があったわけてすけれども、お話の中で、事業でないから、運動だから予算もはっきり していないというようでございますし、そういう理由で予算もはっきりしていないようでございますし、また、市町村が主体なのか民間が主体なのか、その主体性もはっきりしていないようですけれども、それを含めてこの発表された緑化推進運動の実施方針ですけれども、目的、それからその推進体制、内容、財源をどうするのか、最初に総理府にお伺いいたします。
○説明員(合馬敬君) 緑化推進連絡会議でございますが、これは、国土の緑化に関しまして、これまでも関係省庁において鋭意推進してまいりました緑化政策、たとえば、林野庁におきましては全国植樹祭などの緑化推進事業、建設省におきましては都市緑化事業、あるいは環境庁におきましては自然公園の保全など、こういった各種の事業を総合的かつ効率的に進めるために、関係省庁の連絡調整を図るということで設置されたものでございます。 今後緑化の一層の推進を図りますために、この緑化推進連絡会議におきまして、先生申されました今般の緑化推進運動の実施方針を定めたところでございますが、その概要は、一つは、地方公共団体、特に地域住民に密着いたしました市町村が主体となって、これに広く地域住民、民間団体などの参加を得まして、全国的に幅広い緑化運動が展開されるように、市町村が計画的に緑化を推進する、このために国も所要の協力、働きかけあるいは指導を行う、こういう体制をとっておるのでございます。 なお、地方公共団体におきます緑化事業の財源に供する宝くじの発売の検討、あるいは緑の羽根募金運動の積極的な展開、都市緑化基金の拡充の強化の推進、こういったようなものを考えておるわけでございます。 また、国におきましては、国有林を活用いたしました各種の森づくり、それから都市公園などの国公有地の活用、あるいは技術的な援助、苗木、種子のあっせんと、こういったようなものを図ると、こういったことを通じまして、官民相協力して緑化の一層の推進を図ろうというのが今回の緑化推進運動の趣旨でございます。
○鶴岡洋君 先ほども話がありましたけれども、各省各庁でこの緑化運動を推進しているわけですけれども、今回発表になった緑化推進運動についても、やはりその財源というものを大体どのくらいかと、確かに事業でないから、運動だからということで、先ほど大臣からお話があったようでございますけれども、それにしても、いまお話あったように、連携を保ちながらやるということは私わかりますけれども、やはり金の問題は、これは大体どのくらいかかるのかと、こういうことを見定めて運動を起こさなければ、さっきお話があったように、絵にかいたもちになってしまって、ただ、やろうじゃないかやろうじゃないかということで、結果としてはそんなに進まなかったと、こういうことになってしまうと思うんですけれども、その辺はいかがですか。
○説明員(合馬敬君) 今回のこの緑化推進運動というものは、先ほど申し上げましたように、市町村が主体となりまして、広く国民の協力を得て、緑化につきましてはいろいろな事業の進め方があるわけでございますが、この多種多様な事業を組み合わせて、これを全国的な一つの運動にいたしたいと、そのために国も地方公共団体も協力、指導をいたしましょうと、こういう趣旨でございまして、もちろんこの中には、広く民間の力を活用するとか、いろいろな手段があるわけでございまして、国もその一助といたしまして、たとえば、先ほど申し上げましたような宝くじの発売の検討だとか、いろいろ民間運動の資金募集の強化だとか、こういったようなものも考え、あるいは資金面だけでなくて、緑化を進めるための国公有地の活用、提供だとか、そういったような手段をいろいろ組み合わせて展開いたしたいと、こういうことでございます。
○鶴岡洋君 余り財源のことは納得いきませんけれども、まあいいです。 この緑化運動の内容を見ると、いまおっしゃったように、市町村を主体とした緑化運動、これを重点的にやると、それから国有林や鳥獣保護区を活用すると、それから必要財源としては緑の宝くじを発行するとか、年間二億本ですか、一人二本ですから二億本の植林を目標にすると、こういうふうになっているわけですけれども、これを受けて各省庁が実施要綱、この作成に入るわけでございますが、林野庁として、この緑化プランと連動して「緑と花で結ぶむらとまち運動」、この運動ですけれども、この運動と連動したどういう基本方針を持っておられるのか、この点いかがですか。
○政府委員(秋山智英君) 緑資源の充実問題は、最近大変強く要請されておるわけでございますが、これまでは、どちらかと申しますと、森林づくりは農山村の住民の方々にやっていただいたわけでございますが、これからは国民全体が力を合わせて、共通のやはり基盤をつくって、一体的に推進していくことが重要だと思うわけであります。 そこで、この「緑と花で結ぶむらとまち運動」と申しますのは、青少年の心身の健康、あるいは高齢者の方々の生きがいの増進、あるいは都市の住民の方々の緑の触れ合いというふうなことをねらいとしまして農山村と都市が連携し交流して森林——森づくりをしていこうということを市町村を主体となってお願いをしていこうと、かように考えておるわけでございます。 そこでまた林野庁としましては、先ほど話に出ましたが、国有林の積極的活用あるいは分収育林制度の普及などを図ることによりましてこの運動を幅広く展開していきたいと、かように考えておるところであります。
○鶴岡洋君 その計画によりますと、全国の国有林の伐採跡地三千ヘクタールですか、これを都市部の市町村に提供して森林づくりに活用してもらう、こうなっておるわけですね。林野庁は従来よりいまおっしゃったように児童、青少年のための森林づくりに六千八百ヘクタールを提供して地元の市町村や学校に利用さしてきたわけです。この利用状況はどうなっているのか、この点お伺いいたします。
○政府委員(秋山智英君) 私どもこれまで国有林におきますところの学校部分林でございますが、これは国有林所在の地域におきます学校の児童、生徒がみずからの手で植林をし、保育をする。森づくりを通じまして教育的効果を高めようということでやってまいっておりまして、いま先生お話しございましたように五十六年度末で約七千ヘクタール、千九百件にも達しておりまして、これはそれなりに地域で児童、生徒の情操教育上、あるいは自然に対する、緑に対する理解を非常に深めておるわけでございますが、今後は国有林所在の学校だけでなく都市部の学校にも部分林計画の門戸を広げまして、いまねらっておりますところの木を植えることによりましての情操教育あるいは緑資源の重要性の理解をより一層深めてまいりたい、かように考えておるところであります。
○鶴岡洋君 この「緑と花で結ぶむらとまち運動」の趣旨は私はごもっともだと思うし、りっぱな成果を期待しているわけですけれども、しかし現実問題として国有林、公有林の活用は非常に不便が予想されるわけです。何となれば、国有林とか公有林というのは民有林の大体奥にある。奥ということは険しい山の部分が大体国有林、公有林だ、こういうことで非常にむずかしい点もあるんじゃないか。りっぱなプランも実施に当たっては全国各地の市町村、学校、団体等の参画なくしては実効を上げることはできないんではないか。そういう意味でその効果はいかがなものなのか、こういうふうに思いますし、また五十八年度に提供を予定している国有林の面積を見ても、ちょっと私きょう表を持ってくるのを忘れちゃったんですけれども、この数字からいくと人口の多い関東、近畿地域が少なくなっているように考えられるわけです。したがって、この数字の上から見た範囲では目標達成というのは非常にむずかしいと考えられますけれども、この点林野庁の見解はどうなのか。また加えて地域面積を、私の記憶ではたしか北海道は四百八十ヘクタールですか、東京、関東 は百五十ヘクタールぐらいだと思いましたけれども、この地域別面積を決めたその根拠というものはどこにあるのかお聞かせ願いたい。
○政府委員(秋山智英君) 先生御指摘のとおり、国有林はどちらかと申しますと民有林よりも奥地の脊梁山脈地帯に多く分布しているわけでございまして、そういう見地から見ますと、私どもは今回のいろいろの施策の中で考えています触れ合いの森と申しますか、植樹、育林あるいは森林浴とか野外教育というふうな、そういう場として活用する部分がわりに多いとは理解していますが、しかしながらまた一方におきまして最近の交通の発達状況あるいは宿泊施設ということで見てまいりますと、最近の国有林に入り込みする方々というのは非常に多くなってきておりまして、国有林も比較的従前に比べますと利用しやすい状況になってきていると思います。 そこで、私どもやはり都市部と農山村と交流をしながらやはり森林の持っている効果を理解してもらうということが非常に大事じゃないかということでこの問題を進めておるわけでございますが、特にこれは対象の「ふれあいの森づくり」と申しますか、これを進めるに当たりましては都市部からの公共団体から要請が多くなることも踏まえまして適地の選定には努力したわけでございますが、国有林自身が先ほど触れましたように、どちらかというと奥地の方にあるわけでございまして、都市周辺部分にはまとまった適地が得られにくいということもございまして、国有林の多い地域が選定されることに相なったわけでございますが、先ほど触れましたとおり、たとえば東京から群馬、栃木というのは交通的にも非常に便利でございますし、そういうふうな交通の利便等もこれから考えながら、それからさらには国有林の管理、経営との調整を図りながら努力してまいりたいと思っておるわけでございます。 先ほど先生お話しございましたように、全体に予定していますのは約三千ヘクタール——二千九百八十ヘクタールでございますが、北海道は五営林局と支局がございまして八百五十ヘクタールほど予定しております。
○鶴岡洋君 表ありました。 いまおっしゃったように北海道が八百五十ヘクタール、東北が八百二十ヘクタール、それから関東、これが百七十ヘクタールですか、人口の多い近畿が五十ヘクタール、こういうふうになっているわけです。 ここにもその趣旨が書いてあるわけですけれどもこの趣旨からいくと、これも先ほど長官がおっしゃっていたように「農山村と都市との連携、交流等による森林づくりを市町村が主体となった広域な緑のコミュニティづくりの運動」、こういうことになっているわけです。そういった意味で趣旨には反しないけれども、「農山村と都市との連携」、こういう趣旨があるわけですから、「ふれあいの森づくり」の対象地、これについても人口の多いところはやはりそれなりに対象地を広げていった方がいいんじゃないか、こういうふうに私は思うわけですけれども、結論としてこの「緑と花で結ぶむらとまち」といういわゆるこの運動がりっぱなものであるように期待をしております。 それから次に大臣にお聞きしますけれども、法案関係ですが、この法案のいわゆる主な改正の目的、効果、いわゆる森林の造成事業は森林の有する公益的機能を発揮させる上できわめて重要であるわけです。国土の七割を森林が占めるわが国において森林が有する水資源の涵養、国土の保全、自然環境の保全等は国民生活に多大なる貢献をしておるわけです。この重要な森林が最近は乱開発によって著しく荒廃しているのが実情であるわけです。今回の森林法の改正案は荒廃するこの森林を保全、計画的造成へ本格的に取り組もうとするために提出されたものと私は一応は評価をしております。むしろもっと早くこういった法改正を含めて森林の荒廃を防ぐようなことをやるべきではなかったかとも思っているわけですけれども、いずれにしてもこの法改正の主な目的、効果はどんなところにあるのか、大臣から基本的な考え方をお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(金子岩三君) 鶴岡先生の御指摘のとおりでございます。その地域地域の立地条件等にふさわしい、適応するような森林の今後の開発をやりたい。いわゆる森林産業が大変、経済の面から申しましても緑を守る面から申しましても大変荒廃した状態になりつつありますので、今後これをどうして食いとめるか。そして、今度この緑を守り、あるいは林業が産業として他産業と均衡のとれたいわゆる発展を遂げるようにというきめ細かい政策をやろうとするのが今日の、このたび提案いたしました法案の趣旨でございます。どうぞひとつ御協力願います。
○鶴岡洋君 それでは健全な林業経営の育成についてお伺いしますけれども、森林資源を維持培養する目的は森林が持つ経済的機能と公益的機能を十分に発揮させるためのものと考えますけれども、これらの機能を本当に十二分に発揮させるためにはその前提として健全な林業経営が図られなければならない、こういうふうに考えますけれども、この点は林野庁長官いかがお考えですか。
○政府委員(秋山智英君) 先生御指摘のとおり、森林を健全に育成することがもう大前提でございまして、そのためにはやはり森林所有者等の林業生産活動の活発化を図るということが基本になるかと思います。 最近、森林・林業をめぐる情勢、大変厳しいわけでございますが、それらの厳しい中におきましてその困難を克服いたしまして、この林業の振興と健全な林業経営の発展を図るという観点から今回の法改正をお願いしているわけでございますが、その法改正と相まちまして、やはり林業生産基盤の整備、それから林業構造の改善、それからこの間伐、保育等の適切な森林施業の確保、それからもう一つは、林業を活性化するためにはどうしてもやはり国産材の安定供給体制を整備するという問題もございますし、活力ある山村の育成と担い手を確保するという問題もございますので、私どもといたしましては今度のこの法改正とあわせまして、これらの施策を総合的に推進して林業の活動の活性化を図ってまいりたいと考えているところであります。
○鶴岡洋君 いろいろいま長官おっしゃいましたけれども、構造改善を初めとしていろいろ手は打ってきたわけですけれども、私から言わせれば、残念ながら今日まで果たして健全な林業経営がなされてきたのかというと、はなはだ疑問に思わざるを得ないわけです。 林業の場合はほかの産業と違って、地域においても成熟度というのですか、これは違っておりますし、地域格差が大変大きいわけです。そこでこの私が言う林業経営の成熟化、この成熟化を図るためにはどうしても木材の流通、販売問題というものを抜きにしては考えられないと、こういうふうに私は思っております。この流通、販売の高度化を今後林野行政の中に大きく位置づけなければならない、こういうふうに思いますけれども、この点について林野庁としてどんな基本的な見解を持っておられるかお伺いいたします。
○政府委員(秋山智英君) 林業は土地生産業でございますので、やはり地域の特性を生かしましてその立地条件に合った地域林業を育成強化していくということがきわめて重要でございまして、そのために、将来には国産材が安定的に計画的に、質においても量におきましても供給し得る体制をつくるということがやはり林業生産の活性化につながる道であると思います。 そこで、私ども、いままで十分でなかったという御指摘をいただいたわけでございますが、五十八年におきましては、この地域の林業地帯を見てまいりますと、奥地の方の森林所有者、それから素材生産、あるいは製材工場、流通関係の皆さんとか、それぞれの方々がおられますが、そういう生産、流通、加工のそれぞれの皆さんが、やはり地域の特性をどう生かして、どういうふうな林業生産地域をつくっていくかというふうな、そういう論議をし、その地域の国産材の安定供給体制を進めるためにどういう生産方式をすべきかというよ うなことをお互いに話し合いながら合意を取りつける。さらには、それに関連しまして素材生産施設、流通施設、あるいはその担い手の育成というふうな問題も解決しながら、その地域の木材の安定的供給体制をつくるような措置を考えにゃならぬということで、私どもこの国産材の生産基地造成というようなことを考えておりますのはそういうねらいでございまして、そういうことを通じまして足腰の強い林業地帯をつくってまいろうと考えているわけでございますが、それとあわせて、公共事業におきましても、そういうふうな国産材の安定供給基地になり得るようなところにつきましては、やはり林道網を緊急整備いたしまして、林道網の重点総合整備事業というものをことしから始めまして、これらをうまくかみ合わせながら地域林業を活性化する方法を進めてまいりたいと考えているところであります。
○鶴岡洋君 そこで、流通、販売の問題ですけれども、いま木材価格が低落している、こういうことで林業関係者は非常に沈帯ムードになっている。これは確かなことでございますけれども、しかし、私が思うのには、今日でも木材に対する需要がないわけでもないし、やり方、方法によってはもっともっと需要がふえると、こういうふうに思っているわけなんですが、今回の法改正でも問題となっているいわゆる間伐材を含めて、その点については非常に根強いものがあると、こういうふうに私は考えます。 この市場情報を徹底して調査し、そして川下というんですか、皆さんが使うニーズに即した伐木、それから造村、製材、そして加工、こういう方法をとって販売すれば、木材は大変有利な販売ができるものと考えておりますけれども、この点についてはわが党のかねてからの主張でありますので、今国会の参議院の予算委員会、それから衆議院の農林水産委員会で同僚委員がこの点について同趣旨の質問はしておりますけれども、どういうことかというと、同じ樹種でも造材、製材、販売のあり方を改めただけでも二倍、三倍、物によっては数十倍、数百倍の価格で販売される実例が非常に多いわけです。 ここに写真を一つ持ってきましたので、ちょっと長官見ていただきたいんです。(写真を手渡す)その写真は岩槻市で撮った写真でございますけれども、真ん中にある門柱、これは青森ヒバです。青森ヒバというのは長官も御存じだと思いますが、これまであんまりすぐれた木材としては取り扱っていなかった。まあ鉄道のまくら木だとか、それから人目につかない家の土台角、こういうことで東京方面に出荷されていたものでありますけれども、この写真の門柱は、宅建業者が土台角として安い値段で買ったものですけれども、土台角にはもったいないと、こういうことで、そこの写真にあるように門柱に使ったわけです。この青森ヒバですけれども、門柱に使っただけではなくて、やっぱり使えば用途によっては非常に効果的であると、こういうことで、大体この宅建業者はほとんどその青森ヒバをほかの用途に使ったと、こういうふうに私聞いております。これは装飾を目的とする門柱ですから、当然高いものである、こういうふうになるわけです。この青森ヒバの値段というのは、ごく最近でも立方メーター当たり高いところで八万円、こういうふうに私聞いておりますけれども、それから計算していくと、その門柱の大きさからいって大体一本二千五百円程度じゃないか、こういうふうに思われるわけです。この場合、全く同じ樹種で門柱の価格は土台角より当然高いわけですから、比べると二千五百円の大体十数倍ぐらいの値段でそこに建てられたんじゃないか、こういうふうに思うわけです。こういうことは青森だけの特殊な話ではなくて、私そちこちでたくさん聞くわけなんです。このことが青森の現地の人が知っていたかどうか、これはわかりませんけれども、いずれにしてもそういう利用方法によって非常に高く売れるというか、処理されるというか、そういうふうに私は思うわけです。したがって、これから林野庁が的確に市場情報を把握して、これを分析して、山元のいわゆる林業生産者へその情報を提供していき、そして利用者のニーズに合わせたいわゆる造材、製材、加工をすれば有利な価格で販売できるんじゃないか、こういうふうに私は思うわけです。 そこで、提案でもあれば要望でもございますけれども、いま申しましたような例でわかるように、理屈ではなく、こういった実物で身近なところから体得できるように、たとえば先ほど生産基地造成をつくったり、いろいろその点については配慮をしている、こういう長官のお話ございましたけれども、たとえば林業生産地にモデルのいわゆる製材工場とか加工工場とかそれから原木市場、製品市場も増設していくという、こういう積極的な施策を講じてはどうか、こういうふうに思いますが、この点についてはいかがお考えでしょうか。
○政府委員(秋山智英君) 木材を売る場合におきましては、確かに先生御指摘のとおり、造材の仕方、採材の仕方あるいは販売の方法等によりまして、同じ樹種でも大変販売上有利不利ということが生じてくるわけでございまして、従来はどちらかと申しますと、ある一定の寸法で切れば必ず売れるというふうなそういうこともございまして、なかなかマーケティングという面においては不十分だった面があるわけでございますが、私どももやはり利用者側のニーズをとらえた生産、加工、流通ということが非常に重要でありまして、このことがやはり外材に対して競争力を強化するという面できわめて重要でございまして、私どもの今度の国産材の安定供給対策事業と申しますのも、これはやはり地域の川上、川下、連携をとりながらその土地に合った生産方式をとると同時に、広く需要情報を把握しながら、それにマッチした形で安定的に供給するというふうな体制をつくっていかなきゃならぬという認識に実は立っておるわけでございます。 ヒバの問題につきまして若干触れさせていただきますと、従来、青森のヒバ材と申しますと、主として東北、それから一部石川県等の北陸が需要の対象地でございまして、それ以外が必ずしも使われてなかったというようなこともありまして、価格も先生の御指摘のような状況もあったわけでございますが、私どもヒバ材と申しますと、これは非常に腐らぬし、色つやも非常にたてばたつほどよいわけでございますし、建築材としては非常に強靱なものでございますので、これをたとえば東京市場あるいは名古屋市場、大阪市場、さらには九州の市場というようなところにもいま需要開拓のためにこれを販売に出しているわけでございますが、やはり考え方を従来から変えまして、ニーズに合った、あるいは新しい意味での木材の価値を見出すような形での需要開拓ということにさらに一層詰めてまいりたいと思っております。 それに関連いたしまして、今度は先生御提案ございますけれども、私どもの考えております国産材の安定供給特別対策事業というのは、やはり地域の中の川上、川下の林業関係者あるいは市町村長さん入ってもらいまして、特徴を生かした木材の生産、流通、加工ということでございますので、そういうニーズに合った形でモデル工場であるとかあるいは製品あるいは丸太の市場をつくるということにつきましても、その事業の一環としてひとつ対応してまいりたいと考えております。
○鶴岡洋君 私の言ったいまモデルの製材工場とか、加工工場とか、原木市場、そういうことはもちろん金のかかることですけれども、林業経営の発展のためにそれを検討する用意がある、こういうふうに理解してよろしいですか。
○政府委員(秋山智英君) 先ほど触れましたとおり、各地域の生産する木材、流通、加工との特性を生かした形でそれぞれに合った形のそういうものが設けられることを私ども期待しておるわけでございます。
○鶴岡洋君 それからもう一つ、こういう新しいノーハウというか、こういうものを定着させていくためにはどうしても技術指導というものが必要になってくるわけです。これを担うのは普及指導職員ということにならざるを得ないと思いますけれども、その意味からも、普及指導事業の持つ意 味は私は大変大きなものがあるんじゃないか。しかし、これまでの普及指導事業の内容を検討してみると、一応任務分担としては、森林法第百八十七条に基づいて専門技術員や改良指導員は市場情報の提供や流通、加工、販売等のノーハウについても指導できるように、こういうようになっているわけです。これまでは木や山を育てることには力点が置かれておりましたけれども、流通、販売の分野にあっては余り関心が置かれていないように、このように思うわけです。これらの普及指導職員がもっとこれらの情報を収集したり、造材、製材等についての単なる狭義の、狭い意味の技術的なことだけではなくて、いわば商品生産としてのノーハウを修得して普及指導事業の実を上げられるようにすべきではないか、こういうふうに思いますけれども、この点についてはどうお考えですか。
○政府委員(秋山智英君) これまでの普及指導事業を振り返ってまいりますと、やはりどちらかと申しますと、森林造成、それに関連した技術指導普及ということに相当ウエートを置いてきた面はあると思います。しかしながら、戦後の一千万ヘクタールの造林地ができ上がりましてから現在その過半が間伐対象になっていることを考えますと、やっぱり間伐材の有効利用、利用開発、さらには木材全体の販売、流通面での指導ということがこれからますます重要になってくるというふうに私ども認識しておるわけでありまして、木材市場等の情報提供はもちろんでありますが、やはり有利販売のための造材、採村の指導とかあるいは間伐材等の小径木の需要開発のための技術指導あるいは共同で集出荷するための組織づくりということがますます重要となってまいりますので、私どもそちらに力点を置きながら、また普及指導職員に対しましてもそういう面の研修もさらに積極的に進めてまいりたい、かように考えています。
○鶴岡洋君 その反面、こうした普及指導事業による流通、販売の高度化はこれに連動して林業生産のあり方をも改革していくことになるわけですし、また、そうならなければならない、こういうふうに思います。 わが党においてこのような基本的認識を持っているわけですけれども、したがって、昭和五十四年の党の大会における政策において、「林野の持つ特殊性を考慮し、補助金や罰則を基軸としてきた従来の林野行政を、地域に即した技術指導主軸の林野行政に改めるべきであり、そのためにも、個々の経営にかかわる生産や販売に関する実地教育が可能になる行政システムの確立を図るべきだ」、こういうふうにしております。 また、「地域林業の振興に資するため、普及指導職員については、資質の向上に努めるとともに、その指導のあり方を現場における技術指導中心に改めるべきだ」、こう主張を提示してきているわけです。 その後も毎年この政策を確認し合ってきておりますけれども、反面、第二臨調の中では、この普及指導事業を縮小すべきだと、強い意見も出されているようでありますけれども、林野庁としては、この普及指導事業について補助金助成から交付金助成に切りかえられたと、こういうもののこの普及指導事業の存続には、一応そのまま成功していると、こういうふうに思うわけです。このことについて私は評価したいし、むしろ私どもは、この事業は強化こそすれ、縮小、後退させてはならない、こういうふうに思っております。 そのかわり、今後、普及指導職員の方々にはしっかりと勉強してもらって、がんばってもらって、林業関係者による一層歓迎してもらえるような普及指導員になってもらうことはもとより、この普及指導事業の縮小を唱える人々に対して、その存在価値を知らしめていくといったような決意でこの普及指導事業体制については、林野庁として具体的に予算の裏づけ、この処置を講ずることも含めて、積極的に取り組みをしていただきたい、こういうふうに私は考えるわけですけれども、いかがでございますか。
○政府委員(秋山智英君) 普及事業はこれからもきわめて重要になってくるわけでございます。 今回、制度は交付金方式を導入したわけでございますが、これにつきましては、林業普及指導事業が安定的に円滑な実施がなされるようにこれは考え、また、各県の自主性を踏まえて効率的にこの事業が実行し得るようにということを意図しているわけでございます。 この交付金制度になりましても、従来の都道府県の負担分に相当する財源は引き続きまして地方交付税に算入されるということになっておりますし、したがいまして、必要な事業予算は確保されるわけでございますし、また、職員の配置につきましても、私ども予算の配分の過程におきましてはっきりと指針を出しまして、適正配置をすることに十分配意をして、今後ともこの普及指導事業体制が十分確保されるように努力してまいりたいと考えております。 〔委員長退席、理事岡部三郎君着席〕
○鶴岡洋君 話はちょっと変わりますけれども、民有林においての間伐ですけれども、四十年代に大々的に造林計画が実施されてもう十六、七年たっているわけです。したがって、この間伐の実施時期に該当する森林の面積というんですか、それは三百八十万ヘクタール、こういうふうに言われておりますけれども、近年の間伐の実施状況から見ると、大体十五万ヘクタールから二十三万ヘクタールぐらいだと、こういうふうになっておるわけです。こうした状況から判断すると、間伐の適期を逸することがあるんではないか、こういうふうに懸念されますけれども、今後十年間の各年度の除伐、間伐の計画はできているのか、どうなのか。その際、森林整備市町村に財源的いわゆる事務的、こういう負担は心配ないのかどうなのか、この点心配するわけですけれども、いかがでございますか。
○政府委員(秋山智英君) 先生も御指摘ございましたように、これから間伐適期に到達する十六年生ないし三十五年生の人工林面積は三百八十万ヘクタールあるわけでございまして、これを十年間でやるとしますと、年間四十万ヘクタール前後をしなければならぬということでございます。 従来から間伐をするに当たりましては、林道、作業道の整備とかあるいは機械化の推進というふうなことで、まず伐採が順次行われるように基盤をつくると同時に、担い手の育成とか技術の高度化について進めてまいってきたわけでございますけれども、これを進めるに当たりましての前提としましては、先ほどお話にございましたように、間伐材が有効に売れるということが前提になりますので、やはり需要開発、流通、加工体制の整備ということが大事でございまして、川上から川下まで関係者が一丸となりまして、その生産体系をつくるということが必要なわけでございます。 五十六年から間伐総合促進対策の事業を進めてまいっておるわけでございますが、今回の新しい制度によりまして間伐、保育を適正に実施しまして森林をいい状態で管理をしていくというふうなまず制度を打ち立てるわけでございますが、その制度と関連づけまして森林管理適正化のための対策事業、さらには間伐等の促進対策事業またはそのための融資、そういう各種の助成措置をこの計画とうまく連携をとりまして進めてまいることが大事だというふうに考えておるところであります。
○鶴岡洋君 今度出された改正法案の中では、都道府県知事は一定の要件を備えた市町村を森林整備市町村として指定できることになっているわけですけれども、森林整備市町村を指定する要件として民有林の面積であるとか、それから民有林面積のうち人工林面積の占める比率であるとか、それから間伐または保育が集団的に存在するとか、こういうふうになっているわけですけれども、具体的にはこれを政令にゆだねる、こういうことになっているわけですけれども、政令で定める要件内容というのはどういうものですか。
○政府委員(秋山智英君) 今度つくります森林整備計画と申しますものは、市町村が主体となりまして、やはり一定のまとまりのある人工林につき まして一体的かつ計画的に間伐あるいは保育を進める、こういうことでございますので、やはり市町村の森林面積がある規模以上必要であるわけでございまして、私どもこの制度を有効適切に実施するためには、やはり少なくとも森林面積は民有林で二千ヘクタールぐらいを必要とするというふうに考えております。 それから森林面積二千ヘクタール以下でございましても、非常に林業意欲の高い市町村でありまして、すでに人工林も相当程度進んでいるというところにつきましては、たとえ面積基準が未満でありましても、やはり積極的に進めていただかなければならぬということで、各都道府県の平均の人工林率よりも高い率を持っている町村もその対象にしてまいりたい、かように考えておるところでございます。 なお、まとまった面積というのは三百ヘクタールぐらいございませんと、一体的にまず計画的に実施するという面からこれは望ましくないので、私どもはやっぱり三百ヘクタールぐらいのまとまりを持つ、しかもその人工林率が六割以上というようなことを対象に考えております。
○鶴岡洋君 先ほど私申しましたように、木材価格が低迷しているために林業関係者はいま非常に頭を痛めているわけでございますけれども、その原因の一つに、日本の木材需要量が昭和四十八年の一億一千八百万立方メートルをピークに、それがだんだんだんだん年々減ってきて五十六年の木材需要量は一億立方メートル、こういうふうになってるわけです。したがってこの木材流通、加工業に深刻な不況をもたらしているのは事実でありますけれども、こうした最近の不況が国内林業の生産活動を停滞させ、森林資源の整備の面でも大きな問題となっているわけです。そこで、林業生産流通振興対策費補助金の中で林産物生産流通改善対策費として日本住宅木材技術センターに事業補助を行っておりますけれども、この事業補助の効果といいますか、どんなふうになっておりますか。
○政府委員(秋山智英君) 今後の木材需要の拡大を図るという面におきましては先生も御指摘ございましたように、木材の利用、需要の拡大あるいは木材住宅の生産に関する技術の向上というようなことが重要でございまして、私ども日本住宅木材技術センターに対しましては木材の利用開発等に関する調査だとか、あるいは技術開発の研究、それから普及指導という事業につきまして助成を行っているわけでございますが、その各種のいま事業を積極的に進めていただいている過程におきまして、需要者あるいは生産者のニーズに合った技術開発とか、製品の開発ということに特に焦点をしぼって進めているわけでございまして、たとえて申しますと木材の場合には耐火性の問題が出てまいるわけでございますけれども、耐火性にすぐれた大断面の工業用集成材、非常に何といいますか、はりに使われるようなそういう大断面の集成材も、これはすでに実用化もしつつございますし、それから間伐材が相当ふえてまいっておるわけでございますので、間伐材等の小径木を利用しました住宅といたしましてセブンバイセブン工法による住宅ということで、これも実用化いたしまして各地に展示をいたしながら進めてまいる、この利用を通じましても間伐材の需要拡大を図る、それから住宅金融公庫の共通仕様書への開発成果の採用でございますが、防腐をしました土台とかあるいは床下の防湿処置であるとかあるいは合板のボックスビームあるいはツーバイフォー用のはりの使用だとか、さらには最近はいろいろと防虫問題が課題になってますので、防虫薬剤あるいは薬注処理建材の効力の評価というふうな方法の確立、さらには間伐小径木をいろいろの分野に活用するための製品開発等もお願いしているわけでございますが、これはそれなりにいま成果が上がってまいってきておりますので、私どもさらにこれからの木材需要の開発のための、各種の利用開発にここを通じまして進めてまいりたいと、かように考えておるところでございます。
○鶴岡洋君 先ほども申しましたように、林業経営の活性化というのはやっぱり需要の拡大と、こういうことになってくるわけです。売らなきゃならないし、また買ってもらわなきゃならない。しかし、それに対してそれを阻害しているような面もなきにしもあらず、こういうふうに私思うんですけれども、建設省来ておられますか、建設省——建設省にお伺いしますけれども、この木材の利用、活用というものを法令や行政指導によって制限を加えていると。こういうものがあるのでこのことについてちょっとお伺いしますけれども、まず建築法規にかかる問題でありますが、わが国の建築基準法は極論をすれば木は大変燃えやすい、それから火災が発生した場合には安全性確保の上でも問題があると、こういう前提で組み立てられているのではないかと、こういうふうに考えますけれども、この点は建設省としてはどういう考え方を持っておりますか。
○説明員(梅野捷一郎君) お答えいたします。 ただいま先生から御指摘ございました建築基準法におきましては、火災に対する安全を確保するという立場から木造、非木造それぞれにわたりましていろいろな制限をかけておるわけでございます。したがいまして、木造についても御指摘のようにいろいろな制限をかけていることは事実でございます。この場合に、木造につきましては旧来からございます部材であるとか、あるいは使用の方法というようなそういうことを前提として従来から組み立てられてきたわけでございまして、木については火災に対するそれなりの弱点があるということで基準を組み立てていることは、まことにそのとおりだと考えているわけでございます。しかしながら、木造に関連いたします壁のつくりであるとか、屋根のつくりであるとか、いろいろな木材自体の品質改善もございますし、いろいろな技術進歩を受けましてそれに対応した基準というものを組み立てるようにしているわけでございまして、そういう基準に対応したつくり方をしていただければ、それ相応の範囲で木造というものも建築ができるというふうに考えられるわけでございます。先ほどもちょっと例が出ておりましたけれども、集成材というようなものにつきましても、従来は一般的には火災の観点から禁止をいたしております高さの制限というようなものも、集成材の持つ特質を評価をいたしまして、ごく最近その制限を取り払い、相当大規模なものができるようにしたというようなことでございます。
○鶴岡洋君 もう一点。建築基準法の第二条にいう「耐火構造」の中には鉄筋コンクリートづくりとか、それから鉄骨づくり、これが含まれていますけれども、木造は全然含まれていないわけですね。したがって、「耐火建築物」についても木造はいかなる工法を使ってもその対象とされていないわけです。また、同法の第二条にいう「不燃材料」の中には木材は含まれていないし、「準不燃材料」についても無機質と複合された場合は認められるようになっているけれども、最近は試験方法も厳しくなって、準不燃材料としても合格しにくくなっているのが現状だと私は思うんです。こういうわけで耐火地域内や準防火地域内においては三階建て以上、または一定の延べ面積以上の建物については木造であってはならない。その他内装の場合も含めて実に多くのいわゆる規制措置が定められてあるわけです。確かに木材は燃える。しかし薄っぺらのぺらぺらの物ではなく、分厚い木材であるとか、大断面の木材になればおわかりのとおり、分厚い電話帳でも燃えにくいと同じようにきわめて燃えにくく、火災に対する安全性もことのほか大きいわけであると私は思うんです。また使い方に留意すれば木造でも火災には非常に強い。ちなみに、これは聞いた話ですけれども、鉄と木材を比較してみた場合、鉄は摂氏五百度になるとやわらかくなると。したがって、火災への抵抗力も落ちる、下がると。しかし、木材の場合は千度になってもやわらかくならないし、表面が焦げる程度で、しかも表面が炭化することによって、炭みたいに炭化することによって内部へのいわゆる燃焼進行にブレーキをかける性質を持っている。したがって、海外では大断面の木材はむしろ鉄よ り火災に耐えると、いわゆる耐火性というものは強いということが認められているようです。そして、現に市街地においても三階から四階建ての家を多く見受けられることもできるわけです。きょうここに写真を一つ持ってきましたけれども、シアトルの市街地ですけれども、これは木造でつくった四階建てなんです、ごらんになっているかもしれませんけれども。日本においても最近建設省は若干いまちょっとおっしゃったように規制を緩和すると、こういった努力もいただいているわけでございますけれども、この際三階から四階の木造の建築を認めるとか、それから適正な断面の木材の使用についていますぐにでもせめて簡易耐火建築物として認められてはどうかと、こういうふうに思うんですけれども、この点は建設省としてどうお考えになっておられますか。
○説明員(梅野捷一郎君) ただいま先生からいろいろ最近の動きについて御指摘があったわけでございますが、私どもが承知しておる点についてもかなり共通な点があったように承ったわけでございます。私どもが木造の建物につきましていろいろな取り扱いをいたしておるわけでございますが、耐震といいますか、構造強度の問題から、あるいはいま御指摘になりましたような火の問題、いろいろな立場から木造の建物を取り扱っているわけでございます。たとえばその耐震というような構造強度の点から言いますと、たとえばほかの構造の場合には二階以上について構造計算を要求しておりますけれども、木造の場合には二階までは在来のやり方ということを信頼して、むしろ構造計算を要求してないというようなそういう点もあったり、いろいろな点があるわけでございますが、ただいま御指摘の火の関係につきましては、やはり先ほどもちょっと申し上げましたけれども、従来から火というものが、どうしても火に対しては燃えるという一般的な観念、あるいは実際問題としても着燃するというような一種の弱点を持っているということでございまして、その中からさまざまな構造の形式あるいは仕様というものを研究をして進めてまいりまして、先ほどにもちょっと申し上げましたが、認められる範囲についてはできるだけその特質を評価していこうということでやっているわけでございます。耐火構造あるいは簡易耐火建築物ということにつきましては、どうしても現在の時点では着燃性という弱点を乗り越えるまでに私どもの立場が至っていないというのが事実でございますが、いずれにいたしましても木材の持っておる特質というものに即した取り扱い方をしていきたいというふうに考えているわけでございます。
○鶴岡洋君 木材は燃えるという弱点を持っていると言うけれども、それは私もいままでそう思ってきたんですけれども、あなたの頭が弱点を持っているんであって、いろいろな方法、やり方によっては私さっき言ったような方法で検討する余地があるんじゃないかなと、こういうふうに思うわけですけれども、検討する余地があるかどうか、この点お聞かせ願いたいと思います。
○説明員(梅野捷一郎君) ただいまのいわゆる耐火建築物と耐火構造という評価の関連の部分については、現状では着燃性というものを乗り越えるところまでは至っていないということでございます。
○鶴岡洋君 次に、これに関連して今度は耐久性という見地から建設省にお伺いしたいんですが、現行の住宅金融公庫の融資制度におけるいわゆる償還年限については、木造がマキシマム、最高二十五年、鉄骨が三十年、鉄筋コンクリートが三十五年と、こういうことになっておりますけれども、木造の償還年限はどうしてこんなに短いのか、これが一つ。木造については一定の配慮を加えるならば、相当のいわゆる年限の耐久性があるように私は思います。にもかかわらず、二十五年ということで償還年限が短くなれば、借りた人にとっても年間当たりの償還額は大きくなって、理屈の上からいけば負担がきつくなるということから木造への需要は鈍ると、こういうことになってくるわけです。また木造は耐用年数が短かいものであるといういわゆる誤解も与えてしまうんじゃないかなと、こういった点は改めるべきではないかと、こういうふうにも思いますけれども、この点はいかがでございますか。
○説明員(鹿島尚武君) 住宅金融公庫におきます貸し付けの償還期間の件でございますけれども、私どもといたしましては債権をやはり保全をするというような観点から耐用年数等を基準にして現在決めておるわけでございます。そこで住宅の耐用年数は日常の維持管理の方法あるいは住まい方等によりましてもちろん異なってまいると思うわけでございますけれども、そういう意味で一概に決めがたいわけでございますが、木造住宅につきましては、たとえば現在所得税法上の耐用年数の計算におきましても二十四年というようなことで決めておるわけでございまして、公庫の償還期間につきまして二十五年という定めをいたしておりますのは私ども適切であろうかというふうに考えているところでございます。
○鶴岡洋君 そうすると、たとえば公営住宅は現在木造であってもよいことになっているわけですけれども、自治体の担当職員でさえ木造は耐用年数が短かいと、こういうふうに思い込んでいることが多いと聞きますけれども、このような誤解は国には全く責任はないと、こういうように言えるわけですか。
○説明員(鹿島尚武君) ただいま公営住宅の事例でお尋ねをちょうだいしたわけでございますが、公営住宅におきますたとえば家賃の算定をする場合におきまして償還期間の基準を定めておりますが、木造の住宅につきましては二十年ということでたとえば家賃の計算もいたしておるわけでございます。ひとえにそういうわけで、公庫の貸し付けにつきましてはあくまで債権保全上の観点から決めたものでございますので、御理解をちょうだいいたしたいと思うわけでございます。
○鶴岡洋君 それでは、次に文部省に関連してお伺いしたいんですけれども、木造は燃えるとか、先ほどいろいろ弱点があるという話でございますけれども、すぐれた面も二、三強調してみますと、まず耐震性にかかわる話でございますが、これは専門家の間ではよく対比される実例でございますけれども、一九六三年ユーゴスラビアのスコピエで関東大震災並みの地震があった。その際、約千名の死亡者が出て、家屋は九五%が倒壊したと、こういう記録が残っております。そして翌年一九六四年にアメリカのアンカレジで同じ規模の大地震が発生したけれども、このときは死者が六名で家屋の倒壊は一戸もなかったと。この場合、スコピエの家屋は石づくりであったのに対して、アンカレジは木造であったと、木造がほとんどであったと、こういう記録が残っているわけです。このことを通じても、木造は耐震性において強いことが理解できると思うわけですけれども、そのほか、木造は落ちついたいわゆる温かい色合いやソフトな感じを与えるとか、じめじめした日には水分を吸い、からから天気のときには水分を出して快適な温度を保つとか、底冷えさせない保温性を持っており、目とか神経とか疲れをいやすとか、そういういわゆるすぐれた面がたくさんあるわけです。こういった観点から、この際、文部省にお聞きしたいんですが、現在大学において農学部の中で木材とかいわゆる在来工法について学ぶ機会はあっても、いわゆる工学部の建築系の中ではそれがほとんどないと。私の調べたところでは、千葉大工学部建築工学科ぐらいが木造住宅に対して積極的に評価して取り組んでいると、こういうのを知っておりますけれども、したがって建築系の中でも木材や在来工法についての講座、教科を設けて十分に勉強できる機会、これを得られるような指導をする用意があるかどうか、文部省としての御意見いかがですか。
○説明員(佐藤次郎君) お答え申し上げます。 大学の工学部で、いま先生御指摘のような建築系の学科というのは、現在国公私立合わせますと六十五大学八十学科ございますが、そのうちで国立大学について見ますと二十一大学二十三学科ございます。いま先生御指摘のような、在来工法を 含めた建築方法についていろいろ教育、研究が十分なされてないではないかという点でございますが、各大学の建築系の学科の状況を見てみますと、たとえば建築構造というような講座、あるいは建築計画、それから建築設計とかまた建築史等で在来工法の関係の教育、研究がなされておりまして、学生に対しても教育が行われていると、こういうふうに承っておるところでございます。 また、建築系の学科の充実につきましては、五十三年以来四大学に四学科を設置するなど努力をさしていただいているところでございます。なお講座等の具体的な各大学の整備のあり方につきましては、それぞれの大学の事情を勘案しながら、各大学の自主的な検討結果を受けて文部省としては措置さしていただきたいというふうに考えております。
○鶴岡洋君 もう一点文部省に補助金のことでお伺いしたいんですが、現行の建築法規のもとでは、学校の体育館の場合、三階以上の階に設けるものは耐火建築物でなければならないということで、これは全然木材は使えないし、面積が二千平米以上のものも耐火建築物または簡易耐火建築物でなければならないということで、これもまた木造は許されないことになっているわけです。しかし、二千平米以下のものは木造であっても構わないはずであるにもかかわらず、原則として鉄骨ないしは鉄筋コンクリートでなければ国からのいわゆる補助を与えないと、こういう仕組みになっているのかどうなのか、その事実はどうなんですか。
○説明員(光田明正君) 私の方の補助金はいろいろ区分がございまして、たとえば総合国民体育館とか身近な体育館等ございます。標準的なものが千平米でございます。それで、これが出だしでございました。その後大きいのにも補助を出してほしいというので、三千平米を一つの基準のものとして考えております。しかし、政策としまして身近な運動施設をより多くつくるべきであるというので、たとえば五百平米というのも一つの基準といたしておりまして補助金を出しております。そうして、おっしゃいますように、これは鉄筋コンクリート等を原則といたしております。
○鶴岡洋君 そうすると、二千平米以下の場合にも補助金は出さないと木造については、こういうことになってるんですか。
○説明員(光田明正君) さようになっております。
○鶴岡洋君 それでは次に移ります。 森林計画制度についてですけれども、今回の森林法の改正によって都道府県知事から指定された市町村は森林整備計画を策定するようになるわけでございます。この計画は一定区域について、しかも間伐、保育を主体としたものであるということで内容は限定され、総合的な計画ということになっていませんが、森林計画の中で従来欠けていた市町村を法的に位置づけたことについては私は一応評価しますが、現行の森林計画制度は、市町村はもとよりほぼすべての民有林をも対象とする、いわゆる二段階の計画制度にすべきだと、こういう一部の学者の意見も聞いておりますが、 〔理事岡部三郎君退席、委員長着席〕 私も国はそういった方向へ持っていくよう検討を加えるべきだと、こういうふうに思います。というのは、現行のいわゆる県、国が定める全国森林計画や地域森林計画は末端の個々の民有林の施業計画とは大きな乖離がある、これがまあ現状ではないかと、こういうふうに思います。そこで、各個の民有林経営に活力を持たせつつ、実効性のある森林計画制度とするために、国や県の計画はこれは誘導目標的なものとして、逆に各個の民有林経営については指導職員の技術指導、助言を受けながらしっかりした施業計画を策定して、これを積み上げていって市町村計画とし、これが国や県のいわゆる計画とできるだけすり合わせられるように、こういう行政努力をすべきではないかと思いますけれども、この点の御意見はいかがですか。
○政府委員(秋山智英君) 今回の市町村の整備計画のねらいと申しますものは、現在の計画制度の中で一番問題になっております間伐、保育を適正に実施するという方に重点を置いて、この整備計画をつくることに相なっておるわけでございます。そこで、全国の森林計画並びに地域の森林計画でございますが、これは御承知のとおり森林資源の維持培養、生産力の向上という一つの基本的考え方に立ちまして、そのための伐採あるいは造林さらにそれに規範となるような伐期齢その他の基準を定めておるわけでございます。それで、従来ですと全国森林計画と地域森林計画のそういう規範なり計画に基づきまして、地域の今度は属地的に森林所有者がまとまって森林施業計画をつくったり、あるいは個人で森林施業計画をつくるということで実施しておるわけでございます。 そこで、現在の施業体系の中で、森林所有者が個々に独力で間伐あるいは保育等をすることが困難な状況になっておると、こういう実態があるわけでございますので、私どもといたしましては、地域が一体となりましてそういう間伐のおくれているところ、保育のおくれているところを対象として計画を立て、計画的に実施するという方に焦点を置いているわけでございまして、この計画を進めるに当たりましては、当然のことながら、上の計画でございます県段階での地域の森林計画の示される各種の規範のもとで計画が立てられるわけでございまして、制度的にはそういう体系下での調整がなされるわけでございます。 そこで、この森林整備計画制度を策定するに当たりましては、その主体となっておりますのはもちろん間伐あるいは保育ということが焦眉の急でございますので、それを計画的に実施するためのこれは内容になるわけでございますが、同時に、この考え方に合致する限りにおきましては、この整備計画の内容といたしまして、森林の整備に関する基本的事項あるいは作業労務、その他森林の整備のために必要な施設の整備に関する事項とか、さらにその他森林の整備のために必要な事項というようなそれぞれ計画事項がございますので、これらに関連することを盛り込んでいただくと。さらに、この森林整備計画をより一層有効適切にこれを運用させるためには、各種の林業施策がうまくこれにリンクされて展開されなければならないわけでございますので、そういう施策もこの計画と連携をとりながら策定をするということにいたしておるわけでございます。 なお実施に当たりましては、さっき触れましたように、計画の実効性を確保するために、それぞれの地域の実情に応じまして、森林所有者あるいは林業関係者の意見を聞くということも考えておりますので、私はこの市町村の整備計画を適切に実行することによりまして、この県でつくられます地域の森林計画とも十分整合性を得、かつまたそれに基づいてつくられますところの、個人のつくられます森林施業計画もうまく推進されるというふうな考え方に立ってこの計画を考えているわけでございます。
○鶴岡洋君 時間が来ましたので、あと一点だけお聞きしますけれども、森林法の法体系の整備ということですが、言うまでもなく現在国有林は全国の林野面積の三分の一を占めておるわけです。当然、その果たす役割りというものは無視することはできませんけれども、したがって森林法の目的を達成するためには、現行のいわゆる国有林野事業のあり方については、その法体系が国有財産を処分するという、すなわち財産管理的色彩が強いことから経営的感覚では対処しがたいという制約が見受けられます。そこで、これを事業経営的色彩を持った法体系に改めることを前提に、森林法の中にいずれこの国有林に関する法体系を取り込むか、または何らかの形で整合性を持たせた形で森林法の法体系を整備する必要があるのではないか、こういうふうに思いますけれども、これをどう考えられるのか、これが一点。 それからもう一つ、昭和五十三年の法改正で森林法から独立した森林組合法についても、ことに森林組合が民有林経営のいわゆる組織的な面において、また今後そうした性格はますます強まると思われますから、その運用等について国有林の場合と同じく森林法と整合性を持たせるような規定 をこの森林組合法の中に設けた方がよいのではないか。このことについては、いずれ今後の検討課題として検討していただきたい、こういうように思いますけれども、こういうことについて検討する用意があるかどうか、この二点をお伺いいたします。
○政府委員(秋山智英君) まず第一点の御質問でございますが、現在の森林法におきましては国有林、民有林を通じまして森林資源の維持培養、生産力の増強ということをねらいとしまして計画が立てられておるわけでございまして、まず農林水産大臣が全国の国有林、民有林を通じまして森林計画を立てるわけでございまして、さらにそれに基づきまして、国有林につきましては林野庁長官が経営基本計画を立て、民有林につきましては各都道府県知事が地域の森林計画を立てるという形で森林資源の維持培養、生産力の増強を立てるための方策が計画としてつくられておるわけでございます。 国有林についてさらに細かく申し上げますと、まず林野庁長官のつくりました経営基本計画に基づきまして営林局長がそれぞれ地域の施業計画を立てまして、具体的な事業実施のための諸計画を策定するわけでございます。これは農林水産省の訓令としまして国有林野経営規程に基づいて策定するわけでございますが、全体的な森林資源の整備充実あるいは生産量の向上という路線でいきますと、私は現在の森林法の体系というのは国有林、民有林を通じまして整備をされている、こういうふうに実は考えておるところでございます。私ども、具体的な事業の実行に当たりましては、国有林野事業特別会計法並びに五十三年に策定いたしました国有林野事業改善特別措置法によりまして経営改善を鋭意努力しているところでございまして、国有林野事業の運営に当たりましての経営視点を踏まえ、全国森林計画に基づく森林資源の整備増強、生産力の向上に努めているわけでございますので、体系的にはこれで十分整合性がとれているというふうに判断をしているわけでございます。 それから、第二点の森林組合法と森林法との関係でございますが、先ほど申し上げましたように、森林の保続培養、生産力の増進ということを目的といたしまして、かつては森林法の中に森林組合関係の条項も入っておったわけでございまして、その考え方の基本は私はそれなりに整合を十分保たれておるわけでございます。 今回の法改正との関係で見てまいりますと、森林組合自身はこの森林整備計画の具体的な実施という面におきまして十分協力体制がとり得るようになっておりますし、したがいまして改めて調整規定を設けることは必要ないではないかというふうに考えております。私ども、いま触れましたように、今後の森林整備計画をつくるに当たりましても十分森林組合が地域の林業の担い手となり得るようにひとつ努力をし、運用を適切にしてまいりたいと、かように考えておるところであります。
○鶴岡洋君 まだ時間がありますから、最後に簡単に申し上げますから簡単に答えてください。 保続培養の原則ですけれども、いま言ったように財産管理的色彩が濃いこの法体系のもとで保続培養の原則が貫けるかどうか、これが一つ。 それから相続税の問題ですけれども、現行の相続制度のもとでは、ことに都市近郊の場合、土地の評価が非常に高くなっていると、上昇していると、こういうことで林野のいわゆる相続税が高騰しているわけです。したがって、その支払いのために林野の切り売り、乱開発、これを許してしまうことになってしまうわけですけれども、したがって材木の大量伐採を余儀なくされていると、こういうふうにもつながってくるわけです。 そこで、この林野の相続税ですけれども、とりわけ都市近郊における林野の相続税については早急に抜本的な軽減措置、これを講じるべきだと私は思いますけれども、この点はいかが考えておられるか、その二点お伺いしたいと思います。
○政府委員(秋山智英君) まず第一点の御質問でございますが、財産管理的色彩の強い現行法体系のもとでの国有林の保続培養原則が貫けるかということでございますが、先ほどちょっと触れましたが、国有林におきますところの森林の保続培養につきましては、法的な計画としましては全国森林計画がありまして、これを達成するために今度林野庁長官が国有林につきまして経営基本計画を定めるわけでございます。さらにその経営基本計画に基づきまして全国の国有林を八十の地域の施業計画区に分けまして、そこで地域施業計画を立てまして、森林の持っておりますところの公益的機能を整備充実しつつ森林生産の保続培養をしているわけでございまして、これは現在の体系で私は十分保続培養は達し得るというふうに理解をしております。 なお、相続税につきましては林政部長から答弁をいたさせます。
○説明員(後藤康夫君) 森林に関する相続税につきましては、現行の制度におきましても林業の長期性といいます観点から立木の評価につきまして相続税財産評価額の八五%にするとか、あるいは施業計画を立てまして、知事の認定を受けまして計画的に施業をするという場合におきまして、立木価額が課税対象の相続財産価額の十分の四以上であります場合には十五年の延納、そしてまた、その場合の延納利子につきましても、通常の不動産等は五・四でございますが、四・八%というふうな軽減税率が適用をされておるわけでございます。 そのほか、いま評価のお話がございましたが、保安林等の評価につきましては、保安林に指定をされますと土地の形質変更が規制をされますし、伐採につきましても、択伐とか場合によっては禁伐というふうなことにもなってまいります。そういった度合いに応じまして二〇%から七〇%の減額の道が開かれておるわけでございまして、都市近郊におきましてもこういった保安林等につきましては評価の減額の制度がとられておるわけでございます。 保安林に指定されましていろいろ規制を受けますと、それに対する見合いということでの評価の減額があるわけでございますが、一般論としてということになりますと、なかなか現在租税特別措置が整理の方向にあるのでむずかしい問題多々ございますけれども、せっかくの御指摘でございます、都市近郊の森林につきまして課税の実態なり相続税全般との関係、あるいは森林の持つ機能といったものを考慮しまして、今後とも実態の把握に努めながら慎重に検討してまいりたいというふうに思っております。
○鶴岡洋君 どうもありがとうございました。 ─────────────
○委員長(下条進一郎君) 委員の異動について御報告いたします。 本日、内藤健君、秦野章君及び桧垣徳太郎君が委員を辞任され、その補欠として佐々木満君、関口恵造君及び田代由紀男君がそれぞれ選任されました。 ─────────────
○下田京子君 今回の森林法改正の大きなポイント、それはやはり間伐などの森林の整備を進めていく上でもって市町村なんかが積極的に参画できる、また求めていくというところにありまして、市町村の役割りを非常に法律的にも明確に位置づけてきたところにあると思うんです。そういうことになりますと、やはり専門的な知識を持った林業普及指導職員がより地域的に密着して指導をしていく、あるいは助言をしていくということが重要になってくると思うんです。 そこで、林野庁が五十五年十月に実施しました広報室の林業の普及指導の問題についての五十市町村長からアンケートをとった際の、四十四市町村長に聞くということでまとめられた中からお知らせしてみたいと思うんですが、これは鳥取県の日南町ですか、ここでは林業の普及指導についてぜひ充実を要望したい、こう言っておりますし、それから鹿児島県の出水市ですか、県の普及職員が市町村に駐在する制度が欲しい、こういうふうにも述べられております。それから島根県の掛合町ですか、ここは各町村に張りつきの勤務ができるような制度にしてほしい、こういうことで、そのほかもこの林業の普及指導についてかなり御要望が強いわけです。 それから、昭和五十七年度の、これは林野庁の研究普及課で行った「東北・北海道ブロックシンポジウムの概要」というか、それを見せていただきますと、この普及指導職員の問題につきましてこう述べてあるんですね。現状と問題点、「業務、林業諸施策が多様化されるのに伴い、普及指導職員の分担する事務量も急増してきている。そのため、普及客体との接触の機会が次第に少なくなりつつある。」、こういうことを指摘されております。 さらに、五十七年の三月に林野庁の研究普及課が林業普及指導職員についての意向調査をしてその結果がまとめられているわけです。幾つかあるわけですが、第一番目に、その普及指導業務と一般林政業務との関係のところで、一般行政の方がどうもウエートとして重くなるというふうにお答えになっているのが、前回の調査のときには三二%だったのが今回四九%になっている。さらに一般行政の仕事に追われ普及の仕事が満足にできないことがありますかと、こういう問いに対しましてしばしばあると答えているのが、前回は四八%だったのが今回は五七%ということで、非常に一般行政の方に指導が偏っている、専門の方がなかなかできないと、こう言っているわけです。 こういう現状を踏まえた上で今回の法改正の趣旨にどう具体的にこたえていくのか、つまり市町村行政との連携をこの林業普及指導職員がどう強めていくのか、その辺どうお考えになっていますか。
○政府委員(秋山智英君) 普及指導職員は、日ごろから現地におきまして森林所有者等に対しまして直接普及指導を行っておるわけでございまして、地域の林業を最もよく知る者の一人だろうと思います。そこで、私ども今回の法改正によりますところの森林の整備計画制度の推進を図るに当たりましても、やはり普及職員の果たす役割りが大きいというふうに理解しています。具体的には、この森林整備計画を策定する場合の助言であるとか、あるいは間伐保育をする場合の技術的な指導であるとか、あるいは分収育林に関する知識の啓蒙普及の問題であるとか、いろいろとそういうことを担うことに相なると思います。したがいまして、私どもやはり現地の要請に合った形でこの林業の普及指導事業を進めてまいりたいと考えております。 いま、先生いろいろと御指摘が、具体的なアンケート調査等でお話があったわけでございます。五十七年一月の研修生の対象については、五十三名の皆さんの意見を聞いたというふうに調査の内容はなっておりますが、これは全体の意向ではないにいたしましても、そういう考え方が出てまいったということは、今後の普及指導事業を進めるに当たりましては十分配慮せにゃならぬと思っておりますし、またその中におきまして、一般行政事務とこの普及指導の関係でございますが、これは御承知のとおり、やはりある意味におきましてはその盾の反面になる面もございますので、密接に連携をとりながら進めてまいることも必要であると思いますが、それが過度になるということはやはりこれは適当ではございませんので、私ども従来から五十五年当時以降のいろいろの調査等も踏まえまして、連携を取りつつもやはり効率的な普及指導事業が進め得るようにこれからも進めてまいりたいと思っております。
○下田京子君 申しわけないけど長官、私、全体で三十分しかないんです。端的にお答えいただきたいと思うのですが、いま現地の要請にこたえていきたいとこういうお話なんですけれども、現実にはどうなのかと言いますと、昭和五十年段階で林業専門技術員は五百三名でしたが、五十七年度段階では四百二十名ですね。林業改良指導員の方はどうかと言えば、五十年段階で二千三百二十五人いたのが五十七年度では二千二百二名と、これも減というふうな状況ですよね。ということになりますと、いま言ったように長官は現地の要請にこたえていきたいと、こういうことを言っておるわけですけれども、やはり問題じゃないかと思うのですが、明確にお答えください。
○政府委員(秋山智英君) 行政の簡素化という問題については、国も各地方公共団体もそれぞれ進めていくことが一つの現在課せられた課題でございます。そういう中にありましても、私どもはやはり普及指導事業というものの重要性というものを十分理解しているわけでございますから、そういう体制下の中におきましても、やはり必要な普及指導事業が十分なし得るように対処してまいりたいと思っております。
○下田京子君 現実に人数が行政の簡素化ということで減っているわけで、先ほどの市町村からの要望にこたえ得るか、現在でも問題であるということなのにそれがまた減らされているという点ては、長官がどのように述べられようとも対応するのにはなかなか大変だというのが一つはっきりしたと思うのです。 さらに問題なのは、今回の改正案で林業普及指導事業に対する国の助成の問題ですね、これが必要な費用の二分の一を補助するという定率補助、これを今回は交付金を交付するというかっこうで、他の委員からもいろいろ御指摘がありましたけれども、いわば定額補助に改めたわけですね。改正は、これによって都道府県の自主性が発揮されるんだということで、先ほどから長官も御答弁されておりますけれども、問題は、やはり国の負担責任が法律的に後退した。そしてまた、普及指導事業を国と地方公共団体がいままで一体になってやってきた現行制度ですね、これが後退していくということにもなりかねない問題がはっきりしていると思うんですけれども、この点で地財法の第十条の、「国が進んで経費を負担する必要がある」としていた「林業改良普及事業に要する経費」を削除しているわけですね。そして、第十六条の、一般の補助金ということでもって、「特別の必要があると認めるときに」補助金を交付すると、こういうふうに今度法改正で変わったと思うんですが、この辺どういうふうにとらえておられるのか。
○政府委員(秋山智英君) 今回の法改正によりまして、地財法十条の適用から除外されたわけでございますが、これは助成方式の変更によりまして、国と都道府県の負担割合が特定し得ないことになったものでございまして、これが即林業普及指導事業の後退を意味するものでないというふうに考えております。交付金方式に変わりましても、従来の都道府県の負担金に相当する財源は引き続き地方交付税に算入されることになっておりますし、またこの普及指導職員の必置義務も従来どおりでございますし、また配置を適正にするためには、私ども指針を出しまして、この確保に努力してまいりたいと思っておりますので、私どもむしろ各都道府県の特性を踏まえ、自主的に効率的にやることによりまして、この事業の安定化を図るというふうにこれは意味があると理解しております。
○下田京子君 長官は実態論で後退がないよというふうにおっしゃっているんですが、私は法律的にどうなんだということで尋ねているわけですよね。 そこでお尋ねしたいんですが、現行の森林法の百九十五条の規定は、これは地財法が五十一年に改正されたときに、現行のようになったと思うんです。旧百九十五条がどうで、現行百九十五条にはどんな理由で改正されたのか、その辺のいきさつをお述べください。
○政府委員(秋山智英君) かつての、これまでの制度におきましては、予算の範囲内におきましてかつ二分の一ということでございます。今回は定額ということに相なっておるわけです。
○下田京子君 明確じゃないんですが、五十一年の地財法の改正のときには、それ以前の場合には「予算の範囲内において、」「二分の一以内」というふうなことで、つまりあいまいな規定だったと思うんですね。地財法の第十条で定めている、つまり地方公共団体のやる仕事について国と地方自治 体が責任を持たなきゃならないということで、その二十号に「林業改良普及事業に要する経費」も入ってたと思うんです。ところが、旧森林法の百九十五条には、それが「予算の範囲内」だとかなんとかということで明確でなかったから、五十一年の地財法の改正によって現行法にですね、「国は、都道府県に対し、政令で定めるところにより、林業専門技術員及び林業改良指導員の設置のため必要な費用の二分の一を補助する。」と、こういうふうに変わったと思うんです。そうじゃないですか。
○政府委員(秋山智英君) お答え申し上げます。 五十一年の改正におきまして、地財法上も森林法上も二分の一ということを明確にしたわけでございます。
○下田京子君 要するに、第十条に規定されたこの国の責任、それから地方自治体との負担割合、これは第十一条でも明記してあるんですね。それらを受けて法律が改正されて、旧百九十五条の「予算の範囲内」だとか、「二分の一以内」だとかいうふうなあいまいでなくて、きちっと必要な二分の一を国が持つんだと、法律的に国の責任を明確にした、これが現行百九十五条だと思うんです。それを今回の法改正に基づいて「国は、都道府県に対し、次に掲げる事業について、交付金を交付する。」というかっこうでもって削ってしまったんですね。ということは、これは十条から外されますから十一条からも外されますし、あるいは財政的にきちんと責任が明確に位置づけられている地財法の十一条の二のそこからも外されるというふうなことになりまして、自治省と算入については口頭了解というふうなことも必要になったと聞いております。ですから、法律的には非常に国の責任が財政措置上で後退したということは明確になっているわけです。どうですか。
○政府委員(秋山智英君) 法律的には第十六条、「(補助金の交付)」の支出に位置づけられるわけでございますが、ここに位置づけられたということだけで後退ということには相なり得ないわけでありまして、やはりあくまでもこれは県の自主性を尊重し、安定的にこの事業ができるように定めたわけでございまして、私どもはこの新しい制度になりましても、この事業の実施に当たりましては、十分これまでの要請に合うように進めていけると考えております。
○下田京子君 法律的には後退したというのは明確じゃございませんか、地財法の第十条から十六条に移行したわけですから。ですから、その議論はいま私が言ったことの経過等をもう一度長官に考え直していただければわかります。長官は現状論で、実態論で言っているわけですね。そしてできるだけ後退のないようにしたいと、それはあくまでも実態論でしかないと思うんですよ。国の法的な責任があいまいになったというのは、五十一年の地財法の改正の経過と理由を見ればはっきりしているということをもう一回申し上げます。 同時に、その実態論の話なんですけれども、これだってあいまいだというのは、たとえば一〇〇の仕事をやろうとするときに、いままでだったら五〇が国が責任持ったわけですね。今度一二〇の仕事を地方自治体が仮にやったとしても五〇しか見られないということですから、それは自治体が積極的にやったことについて、きちんとそのことについて国が責任を持っていないということが大変私は明らかになったと思うんです。 さらに、第二次臨調でも基本答申でもって人件費補助の一般財源化ということを指摘されております。普及事業に対する風当たりが大変強くなってきている中にあって、何かと攻撃をかわすためにいろいろ考えておられるということも聞いておりますけれども、定額ということで、いまお話ししたようにかなり後退するという危険があると。将来的に、法律的に国の責任が明確にならないということを、今度の法改正の中で大きな問題だということを指摘しておきたいと思うんです。 そこで、次に移りますけれども、先ほども他の委員から御質問がございましたが、総理が突然外交から内政を重視するんだということでもって、植林、緑の推進といいますか、緑化推進事業というものを挙げたと思うんですね。その問題につきましてお尋ねしたいわけなんですけれども、この前発表されました林業白書、これを見てみますと、現実がどうなっているか、大都市周辺の森林が工場だとか住宅用地あるいはゴルフ場なんかで大変減少してきているんですね、緑地自体が。昭和三十五年から五十五年、この二十年間の間に森林減少率が、大阪府の場合には一三%、それから神奈川が一〇%、愛知が六%。しかも、こういう自然破壊が大都市周辺でもって拡大してきているということを一つ指摘したいと思うわけなんですけれども、この点で総理が言われた緑化推進の基本なんですけれども、やはり緑を破壊から守るというのが緑化推進の基本でなければならないと思うんですが、その点大臣どのようにお考えですか。——これは大臣に。基本だから。
○国務大臣(金子岩三君) 御指摘の点、従来の森林を守る、緑を守る、いわゆる荒廃した林業をどうして今後伸ばすかと。その一環にもなろうかということで、この緑化推進運動を始めようとしておるのであります。
○下田京子君 具体的に内容を見せていただいたんですけれども、林野庁は「緑と花で結ぶむらとまち運動」、それから建設省は「まちの森づくり」、「並木のみちづくり」、それから環境庁は「小鳥がさえずる森づくり」、それぞれキャッチフレーズは大変考えているようです。しかし、たとえば建設省の場合ですけれども、「まちの森づくり」と、こう言いながら、まあこれはまだ案の段階だと言われておりますが、先般まとめた景気対策の一環としての柱を見てみますと、市街化調整区域の中でも住宅建設のためにいままで二十ヘクタールを一つの区域にしていたのを五ヘクタールぐらいまで緩和しよう、こういう話なんか出ております。これはやはり問題ではないかと思います。 それからまた、推進事業の財源の問題、これも他の委員からずいぶん御指摘があったようですが、具体的にはお答えになっていない。案を見せていただきますと、推進運動の財源対策は宝くじと、こういうことで年間約五十億円程度見込んで、三年間で百五十億円程度確保したいということを聞いております。しかし、これはもっぱら住民に依存していこうというものであって、何ら具体的なことが出ていないんじゃないかと思うんです。 そこでお尋ねしたいんですけれども、林野庁が打ち出しました「緑と花で結ぶむらとまち運動」、あるいは「児童・青少年のための体験的森づくり」、あるいは「高齢者のための生きがいの森づくり」、それから「都市住民の参画によるみんなの森づくり」など、諸施策が挙げられているんですけれども、具体的な財政措置はどうなんです。
○政府委員(秋山智英君) 私どもの各種の森づくりを進めるに当たりましては、従来からも国土緑化推進委員会を中心とする緑化推進の予算三億余り、さらには二十一世紀の森等の造成に二億余り、また国民の皆さんの浄財によるところの緑の羽根の募金が五億余りございまして、これらの資金を有効に使いながらこれらの事業を進めてまいることにしております。
○下田京子君 具体的にはいま私が指摘した以外に、いま私が質問したことについてはお答えになっていませんでしょう。今後対応していくわけでしょう。その宝くじのことだとかなんかで対応していきたいということでしかないと思うんですよね。これもまた時間があればもうちょっと聞きたいんですけれども、要するに国有林を三千ヘクタールぐらいの土地を提供するけれども、後は皆さんやってくださいよという発想でしかないでしょうし、総理大臣にしましても、新聞報道なんかによれば、バレンタインデーですか、二月十四日にチョコレートと一緒に苗木も贈ろうなんということも言って、現実的にはやっぱり、ぶち上げたけれども、何ら国の積極的な財政的な裏づけがないということを私は指摘しておきたいと思うんです。 ところで、地域問題というか、日本全体の問題でもありますけれども、木材不況というのがかなり深刻になっているのは大臣も長官も御存じだと 思います。具体的に秋田の例でお尋ねしたいんですけれども、秋田県の場合ですね、製材工場がピーク時昭和四十八年ですと六百六十四工場、それが五十七年の八月段階では五百四十五工場に約二割も減っております。従業員はどうかというと、ピーク時に九千四百人おりましたが、それが六千四百五十人で約三千人も減っておりまして、ちょうど能代という木材の中心のところがありますけれども、その製材にかかわる従業員がすっぽり消えてしまったというふうな感じであります。そういう中にあって木材あるいは製品製造業関係の負債も大変なものでありまして、秋田県だけで八百六十億円にも、大変な深刻な事態になっているわけです。政府が資金対策として国産材産業振興資金ですか、あるいはまた木材産業再編整備緊急対策事業など行っているのはわかっております。しかし、こういったものをさらに拡大できないかというのが関係者の強い要望なんです。具体的に申しますと、たとえば国産材振興資金の場合なんですが、秋田県では五十七年度資金枠が二十八億円でしたけれど、実際にはすでに二十九億円もう融資していると。オーバーなんですね。それから、木材業者の再編整備の方につきましても、国からの枠はわずか八億円なのに業界からは二十二億円もの融資の希望が出ているんです。この点でやはり大幅な資金枠拡大ということに国も手を打っていくべきではないかと思うわけですが、どうでしょうか。
○政府委員(秋山智英君) 国産材産業振興資金の枠の拡大につきましては、五十八年には五十六年に比べまして若干増加したところでございますが、今後もさらにこれにつきましては、要請を踏まえまして、検討してまいりたいと思っております。 それから、木材関連産業再編整備につきましては、五十七年、五十八年、二カ年間にわたりまして実施するということで現在進めておりますが、私ども現段階といたしましては、これが計画どおりに実施するかどうかということを十分見きわめて検討してまいりたいと、かように考えております。
○下田京子君 検討していきたいということなんですが、ぜひそれは対応してほしいんです。 たとえば、これは二点ほどまとめて聞きたいと思うんですけれど、秋田県の場合に人工林杉、この利用の状況を見ますと、国有林の原木依存が約五割なんですね。国有林材の決済問題というのがまた一つ悩みになっています。基本的には通常三カ月の延納が認められているんですが、一月、二月はこれは延納短縮をするかあるいは現金で納めなさいと、しかも三月末までにと、こうなっているんですね。これは林野庁の財政的な理由等があることは承知しているんですけれども、せめてこの延納を短縮する際に国産材の振興資金なんていうものを対応させていっていいんじゃないか。五十六年度の場合は特別措置として実施しておきながら五十七年度はだめだということになってはやはり問題なので、ぜひこの延納にこの資金を対応していただきたい。これが一点。 それからもう一つは、国有林材の販売面の改善なんですけれども、安定的に販売をしてほしいと、これがまた地元の業者の強い希望なんです。いまの人工杉の販売で見ますと、需要期といわれる七月から十二月の第二半期、第三半期の販売が五十六年度で三四・四%、これが確かに五十七年では若干改善されまして四二・七%というふうになっているんですけれども、もうちょっとこの点改善してほしい、こういう要望も強いわけで、この点もぜひこたえていただきたいと思います。
○政府委員(秋山智英君) 第一点の延納問題でございますが、確かに財政事情、資金繰り等の関係もございまして、業界の御理解を得、協力を得ながら、一部の販売物件につきまして延納短縮等の措置をとったことは事実でございます。これにつきましては、関連業界に影響を少なくするよう地方の金融機関に対する協力要請を行うと同時に、国産材産業振興資金の貸付限度枠の措置も五十六年十二月から一年間、これは限度額を五千万円を一億に引き上げましたのをさらに五十七年の十二月から一年間延長するということも措置をし、極力御迷惑のかからないようなことを現在しておるところでございます。 それから二つ目の素材販売、秋田県の素材販売の時期の点でございますが、確かに御指摘のとおり、雇用期間の通年雇用の問題等もございまして、夏季に造林事業に従事する人たちが冬季に製品生産事業に従事されるというようなことで、冬季の販売数量が多くなる傾向がございましたが、これは最近逐次改めておりまして、徐々に平準化する方向に持ってきておりますが、これは大事なことでございますので、さらにこの問題につきましては努力をしてまいりたいと考えております。
○下田京子君 大臣に一言最後に。
○国務大臣(金子岩三君) 適切な御指摘をいただきましたので、できるだけ善処いたします。
○伊藤郁男君 最初にお伺いをいたしますが、今回新たに市町村による森林整備計画、これが導入されることになりましたけれども、現行の制度下においても、適切な指導が伴えばこの森林基盤整備の促進ができると思うんですが、何ゆえにこの市町村による森林整備計画というものが導入されなければならぬのか、その点まず最初にお伺いします。
○政府委員(秋山智英君) 最近なかなか林業は厳しい状況にございまして、森林の適正管理が困難な状況に立ち至っておるわけでございまして、私ども、地域ぐるみでやはり一体的に森林の整備に取り組むということが必要でございます。そういう見地から、今回、この森林整備計画制度を創設いたしまして、市町村の指導のもとに地域ぐるみで森林整備ができるような体制をつくりたいと考えているわけでございますが、この計画を進めるに当たりましては、もちろん間伐、保育が中心でございますけれども、この趣旨に関連しまして、十分達成し得るということを踏まえまして林業振興の観点も必要な事項は入れてまいる、制度の趣旨に合致する範囲でやはり森林の整備に関する基本的事項等の中で入れてまいると同時に、各種の助成措置につきましても、これはこの計画と十分連携をとり、優先的に採用させて、この計画制度が十分実効を得るようにしてまいりたい、かように考えているところでございます。
○伊藤郁男君 林業は、伐採それから造林、保育、それに林道開設、開発、さらに労働力の安定確保、こういう各面における長期的、総合的な政策の確立と展開、こういうものが必要だと思いますし、それは当然なことだと思うんですが、いま長官のおっしゃったように、今回の保育、間伐を主体とした森林整備計画によって果たして地域林業が振興できるのかどうか、その点の見通しはどうなのか、お伺いします。
○政府委員(秋山智英君) 森林の整備計画を策定——地域の中心的存在である市町村長につくっていただき、自主性を踏まえ、現地の諸事情を十分勘案し、地域の皆さんの御意見を伺いながら策定をするわけでございます。したがいまして、この計画に基づき市町村長が適切に運用をしていただくわけでございますが、その場合にはやはり予算的な各種助成制度が関連してまいりませんとこれが十分に有効的に生かせませんので、私どもといたしましては、先ほど触れましたとおり、この森林総合整備事業であるとか、あるいは間伐促進のための総合対策事業であるとかあるいは林業構造改善事業というふうな各種の事業を十分この整備計画と連携をとり進めてまいりたい、それによりまして地域の林業に対して活性化を図ってまいりたいと考えておるところであります。
○伊藤郁男君 そこで関連をしてお伺いをするわけですが、この森林整備市町村に指定をされた市町村が森林整備計画を立てるわけですね。そして、その間伐や保育をこれは実施するように森林保有者に勧告を出すことができる、こうなっておるわけですね。従わない者には、さらに、森林または立木に関する権利の設定あるいは移転等について協議すべき旨の勧告を行うことができる、さらに、それに従わない者は知事が調停に入る、こういうようになっておるわけですが、この勧告の効果は、 どういう効果があるのだろうか、これが第一点。また、この勧告が森林所有者の私有権の制限を強化するようになるのではないか、こういうように危惧されるわけですが、その勧告と私有権の調整についてどう考えておりますか、お伺いをいたします。
○政府委員(秋山智英君) この勧告は御承知のとおり強制力を持つものではございません。しかしながら、私ども、この新しい、今度の検討していただきますところの法に基づきまして、まずはこの間伐、保育の実施についての勧告をする、それからさらには、森林の所有権の移転についての協議の勧告、さらには調停案の受諾の勧告と、一連の手続を有効適切に活用することによりまして、森林所有者の皆さんの経営意欲を高めることができると思いますし、もちろん、先ほど触れましたように、各種の助成措置もこれに関連づけて進めるわけでございますので、十分この効果は出てくると思います。 それから、この私有権との調整の問題でございますが、この間伐あるいは保育というふうな育林行為と申しますのは、本来やはり森林所有者がみずから私的な経済活動の一環としてやるものであるわけですが、これを法律的にその行為を義務づけるか、あるいはどの程度の強い担保措置で実行させるかというのは、やはり間伐あるいは保育というものの公益上の必要性と、もう一つは、森林所有者の経済的な負担と、そのバランスでやはり決まってくると思いますが、今回のこの間伐あるいは保育と申しますのは、一般的には、これが適正に行われないということだけで直ちに災害等重大な損害を与えるということに相ならぬわけでございますので、私どもは、やはり勧告という一つの行政上の指導的な措置によりまして、十分この森林所有者に対して、先ほど触れましたような形で有効的に進め得るというふうに考えておるわけであります。
○伊藤郁男君 森林整備に関する計画の樹立、そして勧告、さらに調停と、こういうような業務については、やはり森林所有者の経営意欲の把握、こういうものも含めまして、これらの業務というものは、私はきわめて精度の高い調整能力というか、事務能力というか、あるいは技術、こういうものが必要であろうと、こういうように私は思っているわけですが、ところで、現在の市町村の執行体制の中で果たしてそれだけの対応能力があるのだろうか、こう考えますと、ちょっと心もとない感じでありますけれども、それと、やっぱりこれだけの能力を身につけなきゃならぬとすれば市町村段階で人材の新しい配置とかあるいはそれに予算も伴うと、こういうことになってかなり市町村段階で負担が伴ってくるのではないかと、こういうように思うんですが、その点はどうなのか。それともう一つは、林野庁としてそういう市町村の執行体制を強化するためにどのような指導をしていこうと考えておられますか。その点を二点お伺いします。
○政府委員(秋山智英君) 私どもこれから森林整備計画を策定する対象の市町村約二千二百を考えておるわけでございますが、現在の執行体制を市町村において見てまいりますと、もっぱら林野行政を行うための課あるいは係を設置している市町村が約九百の市町村がございますし、それから他の農業あるいは水産等の職務とあわせて林野行政を行う係等を設置しております市町村が約六百ございます。合わせまして千五百でございますが、私ども五十年代に入りまして特に地域林業ということに焦点を合わせ、市町村を中心としまして、市町村の機能を生かした形で各種の施策を展開してまいってきております。林業振興地域の育成対策事業等を初めとしまして、林業構造改善事業、森林総合整備事業等はそれぞれそういう形でやってきておりまして、林野行政につきまして各市町村、逐次この計画策定あるいはその事業実施につきましての行政機能が高まってまいってきておるわけでございます。私ども、林業振興地域育成対策事業という非常に有効な事業が現在ございますので、十分これを活用しながら逐次体制の整ったところからこの指定をいたしまして整備計画を立て、実行に移してまいりたいと、かように考えておるところでございます。
○伊藤郁男君 間伐や保育などを推進していくためには、りっぱな森林整備計画だけあっても私は意味がないと思うんですよね。やっぱり林業の活性化のためには、何といいましても森林を持っている者、そういう所有者や林業に携わっている者、こういう者の熱意にかかわってくると、こういうように私は思っているわけです。そのためには、森林の役割りに対する理解と認識を高めていく、と同時に林業生産活動の安定性、すなわち生産、流通、加工の体制の強化、あるいは間伐材の需要の拡大及び価格の安定、こういうものが緊急な課題であると思いますけれども、これらの問題に対する対策はどうなのかお伺いをします。
○政府委員(秋山智英君) 間伐を適切に進めるためには、当然のことながら生産、流通、加工体制の整備がきわめて重要であることは当然でございます。したがいまして、私どもこれからの政策を進めるに当たりましては、地域の林業の振興という立場から、川上、川下が一体となりまして、地域の林業振興にお互いに話し合いながら協定を結び進めてまいるということに相なるわけでございまして、その一環といたしまして、五十八年からは国産材の安定供給対策事業というのを計画しておりますが、これらはそれらの有効なてこになるだろうと思います。 それから間伐材自身につきましては、五十六年から間伐促進のための総合対策事業を進めておりますが、さらにそれと関連いたしまして、改善資金の中での団地間伐促進資金を活用するとか、あるいは間伐材高度利用施設資金、特認間伐施設資金というふうなものを活用しながら、一方におきまして林道、作業道というものもより一層こういう地域にはひとつ計画をしていきたいと考えております。 なお、価格安定の問題につきましては、非常に大事なことでございますが、私どもやはり現段階におきましては、需要の三分の二が外材でございますので、やはり需要に見合った形で外材を円滑に入れていくという、そういうためにいろいろな施策を講ずると同時に、国産材につきましては、外材に拮抗できるようなやはり生産基盤を整備し、体制をつくるというようなことで対処してまいりたいと考えております。
○伊藤郁男君 それでは林業普及制度に関連をしてお伺いをしますが、今度は国の助成が交付金方式へ変更と。この変更は都道府県のむしろ自主的な運用というものが可能になるということでいい面は確かにあると思うんですが、逆に、こういう方式の変更によりまして都道府県そのものが直接的な義務を感じなくなると、義務づけを感じなくなると、こういうマイナス効果があるのではないか。それが林業普及活動の水準を低下させることにつながるのではないかという危惧もあるんですが、その点はいかがでしょう。
○政府委員(秋山智英君) 林業普及指導事業につきまして交付金方式を導入いたしましても、従来のやはり都道府県の負担部分に相当する財源は地方交付税に算入されることになっておりまして、必要な経費も確保されるわけでございますし、むしろ国が都道府県の自主性を尊重しつつ有効適切にこの事業を進めていただくと、また職員の配置につきましても、林野庁から具体的に配置の指針等もつくりまして、予算の配付等においては県と話し合いながらその体制については十分普及指導ができるようにしてまいりたいと考えておるところでございますし、またこの林業普及指導事業の交付金は、もちろんこれは国の義務的国庫支出でございますので、私どもは十分今後後退することのないように、いま申し上げましたような考え方で進めてまいりたいと思っております。
○伊藤郁男君 次に、分収育林についてお伺いをいたしますが、分収育契約の募集制度を円滑に実施していくためには、多くの費用負担者の募集がなければいけませんですね。それから国民の緑資源に対する要請の高まりとか、森林、林業に対 する理解、それからこれらの森林事業に対する認識の深まり、こういうものが不可欠の条件になるわけですが、いまの都市住民等の意向、この分収契約制度に対する都市住民の意向などはどのように把握されておるのか、これをお伺いします。と同時に、立木価値の評価とか、育林費用の見積もりとか、あるいは将来見通し等々、分収育林契約者あるいは契約をしたいと考えている応募者に対して、これらの問題をどのように周知していくのか、その点の対策をお伺いします。
○政府委員(秋山智英君) 分収育林の制度を導入するに当たりましては、五十一年から公有林を対象といたしまして、林野庁指導のもとに特定分収契約設定促進特別事業ということでこれを進めてまいりました。また、さらに五十六年以降は、国土緑化推進委員会による指導事業といたしまして、やはり公有林に対しまして特定森林造成活動推進事業ということで進めてまいったわけでございますが、これを進めるに当たりまして、具体的にどの程度これに対する反響があり理解があるかということを見てまいりますと、まず応募しました口数というのが募集員をはるかに上回っているというふうなことで、非常に好評であったわけであります。 それから、昨年の十月に全国の十一の都市におきまして、この分収育林契約に関する意向調査というのを実はやったわけでございます。その中で、多くの都市におきまして、やはり費用負担者としまして、この契約への希望、参加する人が過半を占めておったと、調査対象者の過半を占めておったいうことで、非常にこれにつきましては都会の方々も意欲的であるわけでございます。 この実施例あるいは意向調査の結果を見てまいりますと、契約の期間だとかあるいは応募する場合の一口当たりの金額であるとか実施者の信用度の問題、あるいは費用負担者募集の情報の提供というふうな問題を適切に運用していきますと、やはり国土の緑化あるいは森林造成、緑との触れ合い等から、相当これに対する希望者は上るという可能性があるというふうに私ども理解しております。
○伊藤郁男君 その意向調査の中身を拝見さしていただきますと、同じ県の中とかあるいは近県で容易に行ける場所、こういう範囲に投資する希望者が多い、そういうことでございますので、交通不便な山の奥とか道路が余りないようなところ、そういうところが結局取り残されていくのではないかと、こういうように思うんですが、これについてはどう考えていますか。
○政府委員(秋山智英君) 御指摘のとおり、この意向調査を見てまいりますと、やはり居住している都道府県内とかあるいは居住している都道府県から交通の便利なところを希望する方々がそれぞれ三七、二八%ということでありまして、比較的容易に現地へ行けるという範囲での希望が多いことは事実でございます。 そこで、交通不便な奥地への投資の問題が懸念されるわけでございますが、分収育林の対象地と申しますのはやはり人工林でございまして、どちらかと申しますと、林道等の整備がされているわけでありまして、輸送機関その他においても天然林の地域よりも交通は利便でございます。また、全国どこでも自然の姿がより多く残されているところがよいという人も一八%を占めているわけでございます。 私どもは今後御理解をいただきながらこの林道開設をもちろんこれから進めていくわけでございますけれども、そういう林道網の整備等によりまして奥地の人工林につきましても進め得るように逐次拡大してまいりたいと考えているところでございます。
○伊藤郁男君 また関連をしてお伺いをするわけですが、契約希望者が多いというんですかね、非常に興味を持っている人が多いことはわかるわけですが、この育林の利回りは三%前後、非常に低い、そしてしかも回収期間が長期間に及ぶ、こういうことで、したがって、いま興味を持って契約をしたいと考えている人が多いでしょうけれども、将来ですね、そういうことの条件からいいまして、分収育林への応募というものが次第に困難になってくるのではないかという予測も立つわけでありますが、この利回りの向上のためにどのような対策を考えられておりますか、もしお考えがございましたら……。
○政府委員(秋山智英君) これは林業共通的に関連する問題でございまして、私どもはやはり非常に現在厳しい状況下での林業経営でございますから、さらに林業生産基盤の整備とか、林業構造改善事業によりましてまずは基盤を強化するということ、それから市町村、森林組合等が一体となりまして森林を適正に管理することをより積極的に進めてまいる。それから、先ほどもちょっと申し上げました国産材の供給基地の形成というようなことで、地域の生産基盤整備と同時に地域の林業関係の皆さんが一体となりまして、特性のある地域林業を形成していくというふうなこと、さらには林業構造改善その他の施策によります活力ある山村の育成、担い手の確保というふうなことも進めてまいることによりまして、逐次この利回りの向上に努力をしていかなきゃならぬ、かように考えているところであります。
○伊藤郁男君 具体的にお伺いをするわけですが、森林整備法人というのがございますですね、森林整備法人。これはどのような組織体を考えておるのですか。
○政府委員(秋山智英君) 森林整備法人は、造林または育林の事業を行うとか、あるいは分収方式によるところの造林または育林の促進を行うということを目的とする民法法人を考えているわけでございますが、現在、造林公社等におきまして、社団法人の場合には、地方公共団体が総社員の表決権の過半数を保有するというふうなこと、あるいは財団法人におきましては、基本財産の過半を拠出するというふうなことで現にございますので、こういう林業公社等につきまして、改組を行うことにより、森林整備法人として活用を図るように都道府県を指導してまいりたいと考えております。 なお、いま申し上げましたような造林公社あるいは林業公社の設立されてない都道府県等もございますのですが、これらにつきましては、やはり必要と認められる場合には、整備の状況を見ながらだんだんと設立するように指導してまいりたい、かように考えております。
○伊藤郁男君 最後になりましたけれども、林業を取り巻く厳しい環境、しかも農山村が過疎化が進行している、こういう中で林業後継者の育成、優秀な労働力の確保、こういうものが、先ほども長官からるるお話がございましたように、ひとり民有林あるいは国有林、こういうことだけではなしに、やっぱり官民一体となった地域山村振興対策、林業振興策、こういうようないわゆる総合林政の推進がいまこそ必要ではないかと思います。 特に、いかに制度だけがすぐれておっても、これに携わる人がやっぱり優秀でなければその実効は期し得ない、こういうように思います。特に、林業というのは労働集約度の高い仕事でございますから、したがっていま非常に低位に置かれている林業従事者の待遇改善というんですか、他の産業並みの処遇、こういうものに十分に配慮をしていかなければならぬと思いますが、その点についての御見解をお伺いして、終わります。
○政府委員(秋山智英君) これからの林業振興を進めるに当たりましては、御指摘のとおりに、国有林、民有林を含めました一貫性ある、地域の特徴を生かした政策によりまして推進していかなければならぬと考えております。そういう意味におきまして、今回の市町村によるところの森林整備計画制度の導入というのは、それに活を与える大きな役割りを果たすと考えておりますので、これをてこにしまして、関係するところの各種の林業施策を有効、適切にかみ合わせながら地域林業の活性化に努めてまいりたいと思います。 そこで、後段の御質問でございますけれども、やはり林業振興、森林資源の整備を図る上で大事なことは、これに従事する方々でございますので、 林業労働に従事する方々の就労条件の向上、あるいは安定的確保のための施策をこれまでもいろいろと進めてまいっておりますが、さらにこの林業労働力の対策につきましては、魅力ある林業になり得るように、また、林業に従事する方々の福祉の向上を図るための施策をより一層積極的に進めてまいらなければならない、かように考えておるところであります。
○委員長(下条進一郎君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(下条進一郎君) 御異議ないと認めます。 本案の修正について下田君から発言を求められておりますので、この際、これを許します。下田君。
○下田京子君 私は、日本共産党を代表して、本案に対し修正の動議を提出いたします。 その内容は、お手元に配付されております案文のとおりでございます。 これより、その趣旨について御説明申し上げます。 わが国の人工林の大半が成育途上にあり、間伐や保育が急務であること、そのために市町村の役割りを制度的にも明確にし、森林の整備推進に積極的な参画の道を開くことの重要性については否定するものではありません。しかし、政府案は、その運用によっては大手資本や大山林地主への林地や立木の権利の流動化につながりかねない危険な側面を持っています。また、林業普及指導事業に対する助成方式の変更は、国と地方公共団体が一体となって取り組むという普及事業の本来のあり方を変え、普及事業の縮小、後退につながるものです。 わが党の修正案は、こうした危険な内容に歯どめをかけ、真に地域林業の振興を図るためのものであります。 その内容は、第一に、市町村が策定する森林整備計画について、地域の林業関係者、住民の意向を反映させるため、計画の策定前に、あらかじめ公聴会の開催などにより意見を聞くことを義務づけたことです。 第二は、市町村長が森林整備計画に基づき、早急に間伐等を実施すべき森林の所有権などを指定する者に移転する勧告を行う場合、地方公共団体、林業公社、森林組合、学校設置者等を指定するよう、指定の優先順位を明記するものです。 第三は、都道府県知事が行う分収林契約締結のあっせんの場合も、造林者または育林者について同様の優先順位の規定を明記しています。このことは、分収林契約において地域の林業振興に役立ち、かつ一般応募者の利益保護のためにも、私人よりも公的団体を優先するという考え方によるものです。 第四に、林業普及指導事業の助成方式については現行どおりで行うこととし、改正案の規定を削除するものです。 以上が修正案の内容及び趣旨です。委員各位の御賛同をお願いして、説明を終わります。
○委員長(下条進一郎君) これより原案並びに修正案について討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○下田京子君 私は日本共産党を代表して、森林法及び分収造林特別措置法の一部を改正する法律案に対する反対の討論を行います。 反対の第一の理由は、林業普及指導事業に対する助成方式を定率補助方式から交付金方式に変更することについてです。これは第二臨調の普及事業の見直しや人件費補助の廃止という指摘に沿ったものであり、地方財政法上も国の負担義務があいまいにされ、国と地方公共団体が一体となって進めるという普及指導事業のあり方を大きく転換する第一歩と言わざるを得ません。今後、軍拡、大企業奉仕の行財政改革が強行されるならば、補助金の大幅削減、普及指導職員の削減など、林業普及指導事業の重大な後退につながりかねない内容であり、とうてい賛成できるものではありません。 第二は、今回の改正案では、市町村長の森林所有権の移転の勧告や、都道府県知事の分収林契約締結のあっせんをすることとしているが、これらの運用いかんでは大手資本や大山林地主の林地や立木への支配を許し、地域林業振興に悪影響を及ぼしかねない内容となっているからです。この点での法的な歯どめはありません。また、市町村の立てる森林整備計画について、林業関係者や地域住民の意向を反映させる点でも、その制度的保障が不十分な内容となっています。 わが党は、人工林の間伐、保育などを進める上で、市町村の役割りを制度的に位置づけたという点では一定の評価をするものでありますが、しかし同時に、今日、森林の適正な管理を推進する上で重大なことは、外材の輸入を規制し、適正な木材価格を実現すること、国の林業振興予算を拡充し、中小林家や地場の木材産業の保護、育成に力を入れることを指摘し、反対の討論を終わります。
○委員長(下条進一郎君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。 それでは、これより森林法及び分収造林特別措置法の一部を改正する法律案について採決に入ります。 まず、下田君提出の修正案の採決を行います。 本修正案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(下条進一郎君) 少数と認めます。よって、下田君提出の修正案は否決されました。 それでは、次に原案全部の採決を行います。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(下条進一郎君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 鶴岡君から発言を求められておりますので、これを許します。鶴岡君。
○鶴岡洋君 私は、ただいま可決されました森林法及び分収造林特別措置法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・自由国民会議、日本社会党、公明党・国民会議、日本共産党、民社党・国民連合及び新政クラブの各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 森林法及び分収造林特別措置法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、最近の森林・林業をめぐる厳しい諸情勢を克服し、林業の振興と山村地域の活性化に資するため、本法の施行に当たっては、次の事項の実現に万全を期すべきである。 一、森林整備計画の樹立に当たっては、市町村の自主性を尊重するとともに、森林所有者及び計画実施に当たっての林業関係者等による会議の開催等により、関係者の意見を聴取するよう指導すること。 二、森林整備計画の樹立及びその実効性の確保を図るため、市町村における林業行政体制の充実に努めるとともに、間伐、保育をはじめとする各種林業施策に係る助成措置等を関連づけて実施し、森林の整備と林業の振興が図られるよう努めること。 三、林業普及指導事業に係る助成が定額交付金方式に改正されることに伴い、物価、賃金等の変動によっても本事業の推進に支障を生ずることのないよう事業水準、予算の確保に努めるとともに、都道府県における普及指導職員の確保とその資質の向上に努めるよう指導すること。 四、分収林契約制度の円滑な普及を図るため、契約の締結、造林・育林費用の使用、災害等の場合の損害てん補措置の活用等について適切な指導を行い、契約に基づく適正な施業の確保と費用負担者の正当な利益の保護に努めること。 五、木材の需給と価格安定を図るため、製材、木製品等外材輸入の適正な調整機能を発揮するよう努めるとともに、国産材の需要の拡大とその安定供給体制を確立するための施策を 積極的に推進すること。 また、間伐等の施業を促進するため、森林組合等事業実行体制の整備に努めるとともに、間伐材の需要の拡大及び作業路網の整備に資する各般の措置を講ずるよう努めること。 六、山村地域の活性化と林業生産活動の活発化を図るため、林業後継者の育成確保に努めるとともに、林業労働に従事する者の雇用の確保、各種社会保険の適用等労働条件の充実を図るよう努めること。 七、森林が緑資源の確保及び国土の保全等に果たす役割の重要性にかんがみ、国の積極的な施策を推進するとともに、都市住民をはじめ国民の森林・林業に対する理解と協力を深める措置を講ずること。 右決議する。 以上でございます。
○委員長(下条進一郎君) ただいま鶴岡君から提出されました附帯決議案を議題として採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(下条進一郎君) 全会一致と認めます。よって、鶴岡君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、金子農林水産大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。金子農林水産大臣。
○国務大臣(金子岩三君) ただいまの附帯決議につきましては、決議の御趣旨を尊重いたしまして十分検討の上善処するよう努力してまいりたいと存じます。
○委員長(下条進一郎君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(下条進一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○委員長(下条進一郎君) 次に、農業改良助長法の一部を改正する法律案を議題とし、政府から趣旨説明を聴取いたします。金子農林水産大臣。
○国務大臣(金子岩三君) 農業改良助長法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び主要な内容を御説明申し上げます。 農業の振興を図る上で、最も基本的なものは、技術の開発と普及であります。このため、従来から農業改良助長法に基づき、農業に関する試験研究を助長するとともに、都道府県が農林水産省と共同して行う協同農業普及事業を実施しているところであります。 現下の農業、農村は、一部の農産物の供給過剰、土地利用型農業の規模拡大の停滞、兼業化や混住化による農村社会の活力の低下等の問題に直面しております。こうした中にあって、需要の動向に応じた農業生産の再編成、農業の生産性の向上、土地利用型農業を中心とした農業経営の体質強化、活力ある農村社会の形成等が農政上の重要課題となっており、技術の開発、普及につきましても、このような課題に的確に対応していくことが期待されております。 こうした状況に対処するため、協同農業普及事業について、助成方式の変更と運営の方針の明確化を行い、事業運営の効率化と内容の充実を図るとともに、農業に関する試験研究の効果的な実施を図るための措置を講ずることとし、この法律案を提出した次第であります。 次に、この法律案の主要な内容につきまして御説明申し上げます。 第一に、協同農業普及事業の助成方式の変更であります。本事業につきましては、都道府県の農業の実情に応じて、その自主的、弾力的な運営を促進するため、定率負担金方式から定額交付方式に改め、これに伴い助成関連規定の整備を行うこととしております。 第二に、協同農業普及事業の運営の方針の明確化であります。本事業につきましては、生産性の向上等現下の農政上の諸課題にこたえるため、農林水産大臣は事業の基本的事項に関する運営指針を定め、都道府県はこれを基本として事業の実施方針を農林水産大臣と協議して定めることにより、国と都道府県を通じて一貫した方針のもとで、事業の効率的な推進を図ることとしております。 第三に、最近における農業情勢の変化に対処し、農業に関する試験研究を効果的に推進するため、都道府県農業試験場は、農業試験場その他の農林水産省の試験研究機関に対して共同研究の実施を求めることができるものとするとともに、都道府県における試験研究実施体制の整備等の実情を踏まえ、農業改良研究員制度を廃止することとしております。 なお、この法律案に対する衆議院における修正の趣旨につきましては、便宜政府側から御説明申し上げます。 修正の内容は、この法律案の施行期日である昭和五十八年四月一日がすでに経過していることにかんがみ、施行期日を公布の日からと改めるほか、農業改良研究員についての助成を昭和五十八年四月一日から廃止し、協同農業普及事業交付金を交付する規定を昭和五十八年度の予算に係る交付金から適用することとする等、所要の規定の整備を行うものであります。 以上がこの法律案の提案の理由及び主要な内容であります。 何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
○委員長(下条進一郎君) 次に、補足説明を聴取いたします。小島農蚕園芸局長。
○政府委員(小島和義君) 農業改良助長法の一部を改正する法律案につきまして提案理由を補足して御説明申し上げます。 本法律案を提出いたしました理由につきましては、すでに提案理由説明において申し述べましたので、以下その内容につき若干補足させていただきます。 まず第一に、協同農業普及事業の助成方式の変更であります。 協同農業普及事業に要する経費につきましては、従来、個別経費の積み上げにより予算を計上し、国と都道府県とが一定割合で負担し合う定率負担金方式をとっておりましたが、今回、都道府県の自主性の発揮を促進するとともに、農業をめぐる諸情勢の変化に即応した事業の効率的、弾力的な運営を図る見地から、標準、定額の交付金方式に改めるものであります。 また、これに伴い、都道府県の負担に関する規定の整理、交付金の配分及び交付手続に関する規定の改正を行うとともに、定率の負担金について定めている地方財政法の関係規定の整理を行うこととしております。 第二に、協同農業普及事業の運営の方針の明確化であります。 現在、協同農業普及事業につきましては、農政上の課題にこたえて、高生産性農業の育成、地域農業の振興、すぐれた農業の担い手の育成等に重点を置いて推進されるよう、事業内容の刷新と効率化を図ることが強く要請されているところであります。また、助成方式の変更に伴い、従来にも増して都道府県の実情等に応じた弾力的な事業の運用が行えることとなるところであります。こうした中で、当該事業が、事業の根幹となる内容が確保されつつ、国と都道府県を通じて一貫した中期的な方針に従って効率的に推進されるよう、農林水産大臣は都道府県の意見を聞いて事業の運営指針を定めることとするとともに、都道府県はこれを基本として農林水産大臣と協議して事業の実施方針を定め、当該方針に従って事業を実施することとしたものであります。 事業の運営指針及び実施方針には、普及指導活動の課題、専門技術員及び改良普及員の配置に関する事項及び資質の向上に関する事項、普及指導活動の方法に関する事項その他協同農業普及事業の実施に関する事項を定めることとしております。 第三に、農業に関する試験研究の効果的な実施に資するための措置であります。 現下の農政上の課題に対応するための総合的な技術問題の解決が迫られている情勢にかんがみ、今後国と都道府県の試験研究機関の間の協力関係をより一層強化するため、都道府県の農業試験場は、農業試験場その他の農林水産省の試験研究機関に対し、共同研究の実施等を求めることができることとしたものであります。 また、これまで協同農業普及事業に必要な試験研究を推進するため、都道府県農業試験場には農業改良研究員を置くものとしておりましたが、都道府県における試験研究の実施体制の整備等の実情を踏まえ、今回、これを廃止することとしたものであります。 以上をもちまして農業改良助長法の一部を改正する法律案の提案理由の補足説明を終わります。
○委員長(下条進一郎君) 本案に対する質疑は後日に譲ります。 本日はこれにて散会いたします。 午後三時十分散会