大蔵委員会 第10号
- 発言数
- 370 件
- 登壇者
- 35 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1983/03/30
会議録
○委員長(戸塚進也君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 去る二十五日、関口恵造君が委員を辞任され、その補欠として衛藤征士郎君が選任されました。 また、二十六日、宮澤弘君、岩本政光君、井上孝君が委員を辞任され、その補欠として藤田正明君、岩動道行君、河本嘉久蔵君がそれぞれ選任されました。 また、本日、藤田正明君が委員を辞任され、その補欠として大城眞順君が選任されました。 ─────────────
○委員長(戸塚進也君) 租税特別措置法の一部を改正する法律案、製造たばこ定価法及び日本専売公社法の一部を改正する法律案、災害被害者に対する租税の減免、徴収猶予等に関する法律の一部を改正する法律案、関税定率法及び関税暫定措置法の一部を改正する法律案、以上四案を便宜一括して議題といたします。 前回に引き続き、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○竹田四郎君 大蔵大臣、この前も本会議で伺ったわけでありますけれども、どうも大蔵大臣の答弁ははっきりしないんで、非常に抽象的な投げやりな答弁であったことを私は遺憾に思っておりますけれども、きょうは少しじっくりお話を承りたいと思うんです。 いま、与野党間でも、また国会でも一番大きな問題になっている所得減税というのを一体どうするのか。私ども伺っているところによりますと、竹下大蔵大臣は御出席があったかどうか知りませんけれども、二階堂幹事長からは、私ども判断するには、少なくともかなり大型といいますか、大規模な景気を刺激するに足るような減税を五十八年中に、年度中ではなくて――年度というのはあのときに各党の代表者間で消えて、五十八年中、すなわち暦年中やっていくという話になっておりますけれども、この辺の話は、いま大蔵省の主税局、主計局あたりが大変抵抗されているようでありますけれども、大蔵大臣としてはどうなんですか。野党についてはそういう約束をしているわけでありますけれども、どうもその辺がはっきりしません。 いま、全体の景気対策というものを政府は打ち出そう、予算案が成立したら次は景気対策だと、こういうふうに言われているわけでありますけれども、当然その中には減税対策――減税が行われて景気の回復というものが早急に行われていく、このことを国民も非常に希望している。今度の地方選挙でもいろいろな議論はあるけれども、景気の問題だ、こういうふうに言われているわけでありますけれども、そうした面で一体どういうふうにお考えになっているのか。いつごろまでにその結論が出せるのか。非常に重大な問題でありますし、世界的な景気動向にも大きな影響があると私は思うんですけれども、その辺に対する大蔵大臣の見解はどうなのか。 それと関連して、世界の景気というものは一体どういうふうにこれからなっていくんだ。たとえばアメリカの大統領経済諮問委員会のフェルトスタインさんなどは、かなりアメリカの景気がよくなってきているんだということで、いままでの見通しをかなり改定している。あるいは失業率等についても、恐らく一〇%を割るんではないかという形で、発表されているものは常に前の発表よりも上向きという形がずっと続いているように思うんですけれども、そういう意味では、景気は回復基調に全体的に向かいつつある、各国の間にアンバラはもちろんあるだろうとは思いますけれども、全体としてそういう方向に向いているんではないだろうか。そういう状況でありますだけに、所得減税をどうするか。いろいろバランスシートから言えば、当然いろいろな無理はあると思いますけれども、そういう無理の中でも景気回復は何らかの形でやらなくちゃならないということでありますから、そういう意味で、ひとつ所得減税というものについてどういうお考えなのか、まずお聞きをしておきたいと思います。
○国務大臣(竹下登君) ただいまの御意見を交えての御質問でございます。本会議でございますと、言ってみれば、時間にも若干の制約をされますし、正確にかみ砕いたお答えができなかったというふうに私も理解をしております。 そこで、まず与野党の合意については、これは官房長官からも申し上げておりますとおり、政府としても確約があったことを承知しています。政府としても、これを尊重いたします、こういうことを申し上げておるわけであります。したがって、これがまず基本的態度であるというふうに御理解をいただきたいと思います。 次は、正確に申し上げますと、私ども、言ってみれば、行政府とハウスの節度の問題が一つあろうかと思います。と申しますのは、本年度予算、歳入歳出にわたって御審議をいただいておるさなかでございますが、政府としては現状において最善最良のものなりとして提出し、御審議をいただいておるという段階において、ある意味においては補正要因とかあるいは実質修正とか、そういう中身のことについてはおのずから限界がある。したがって、お答えする一つの節度だけは守っていなければならぬということが基本的に一つございます。 そこで今度は、景気浮揚に役立つということでございます。これにつきましては私どももいろいろ議論をいたしました。たとえば、私どもが途端に減税財源を仮にもし、念頭に置くべきものでもございませんが、公債発行等に求めたといたしますならば、ああして二月債も休債しましたような今日、金融市場に影響を与えて、むしろ景気の足を引っ張るという議論にも展開していくんじゃないか。 それからいま一つは、景気浮揚とはという議論をいたしますと、私どもがいま下方修正しておおむね確実になったと申し上げておりますのが、五十七年度の成長率、実質三・一%の問題でございます。したがって、来年度予算というものと並行してお示ししておりますのは、実質三・四%ということでございますので、三・四%の成長率をより確実なものにするということが景気浮揚に役立つという言葉の裏づけであるか、あるいは念頭にあるのは、上方修正したようなものが念頭にあるのか、これをぎりぎり今日の段階で議論はしておりません。 と申しますのは、偉いお方の合意でございますから、そういう表現の中に、行政府としていまハウスに対応しておる立場をも理解して、数字とか規模とか時期とか、そういうものがすぐ言えないだろうという配慮の上に立ってこのような合意の言葉ができたんじゃないかというふうに考えておりますので、そのまま素直に受け取って、私どもは官房長官談話としてこれをお示ししておるわけであります。 したがって、じゃ具体的にどうこれから考えていくかということでございます。これにつきましては、私どもが常日ごろ申し上げておりますのは、七月になれば、言ってみれば、五十七年度の税収の決算が確定する、その段階が一つの期を画する時期になるのではなかろうかというふうなことを申し上げておるわけであります。 いずれにしても、この国会でいろいろ御議論をいただきました問題を整理して正確に政府税調に御報告申し上げ、そして、あらゆる予見を与えないで議論をして結論を出していただこうと、こういう姿勢をとっておるわけであります。 それから次が米国経済の問題でございますが、いま竹田委員御指摘のとおり、アメリカ経済の問題につきましても、いまCEAの問題をお説きになっておりましたが、そういう傾向が出ておることは事実でございます。すなわち、改定前三・一%を四・七%というような数値も示されておるわけであります。したがって、米国を中心として世界経済が回復に向かいますならば、基本的には貿易摩擦の緩和等については鋭意いい影響を与えると、私も認識は変わりございません。 ただ、一つだけ私どもが意のごとくなりませんのは、なりませんというか、意のごとき状態に進んでおりませんことは、アメリカ政府の財政赤字が結局金融市場を圧迫しまして、金利はもっとわが国との乖離が少なくなるんじゃないかという期待感は、いまのところどちらかといえば、逆とは申しませんが、そういう期待感には必ずしも合致する方向で、アメリカのこれは金融政策の方でございましょうが、動いていないということが、私どもとしては残念と申しましょうか、若干期待外れのところであるというふうな認識を持っております。
○竹田四郎君 減税ですが、問題は七月ごろというのは、恐らく減税財源が考えられるかどうか、来年度の問題もありましょう。そんな考え方だろうと思うのです。確かに課税最低限を上げるとか、減税をやっていくということになりますと、戻し税制度でございませんから、今後の財源というものが毎年毎年要るわけでありますから、その点は大蔵省として慎重になる。それに引き当てるべき財源をどこから得るのか。あるいはおなかの中では増税なども考えていられるようなのですが、問題は、私はそういう静態的な問題の考え方でなくて、もう少しダイナミックな考え方をしていく必要があるのではないかというふうに思うのです。たとえば、ことし一兆円なら一兆円という金額が景気に刺激を与える額かどうか、これはそれ自体にも問題があると思いますが、そういう額をどこかで一応出して、それで景気を回復することによって税の増収を図るというやり方も、私はいまの段階なら考えていいんじゃないか、こう思うのですよ。 ところが、その辺、大蔵省の考え方というのは、将来ずっとにわたって減税財源が確保されなければ減税できないと、こういう考え方なんですが、その辺はもう少し弾力的に考えていいのではないか。ここであるものは出して――財源を公債にしろとは言いません。この前も竹下大蔵大臣に申し上げましたように、政府の法律を変えれば、まだ出して可能な金というのは二、三兆は優にあると私は思う。そういうものを一時使うことによって景気を刺激していくという考え方を私はしてもいいと思う。しかしその考え方というのは、いまここでやれば長くなってしまいますから、この次の財源確保の法律のときにかなりの問題を私は提起をしてみたい。法律を変えれば可能性があるものはかなりあるわけでありますから、それは提起したい。そういうふうな弾力的な考え方をもう少し取り入れる気持ちというのはいまのところ全然ないですかね。
○国務大臣(竹下登君) もっとダイナミックに経済運営をやれと、基本的にはそういうことをおっしゃったと思うのであります。その経済運営をダイナミックに行っていくという基本点は、私も決して否定するものではございません。 ただ、私どもいま、この減税ということになりますと、勢い従来、衆議院大蔵委員会の小委員会において与野党の専門家のお集まりの中で議論していただいた問題等が、念頭にどうしても出てまいります。そうすると、あのときは一過性のものは使わない、そして戻し税はやらない、赤字公債はいけない、恒久税制によるべしだと、大筋そういう合意がなされた上でもろもろの角度から議論がなされた。オーソドックスな考え方としては、減税そのものを取り上げた場合、その恒久税制ということに頭が結びついてくるというのも一つの自然の姿だと思うわけでございます。 したがって、仮に一過性のものでありますとか、あるいはそうでないにしても、このダイナミズムの中で運用したものが、将来は別として、単年度限りで見た場合に、これは出すものは出しても、入るべき影響を与える可能性というものは少ないという場合、やはり非常に消極的になりがちでございます。しかし、この次の財源確保法のときにまた御議論をしていただくようでございますが、そういう議論を全部踏まえて正確に報告して、今度は本格的な税調の御審議を、私どもとしてはあらゆる予見を持たないで御審議をしていただくというのがオーソドックスなあり方ではなかろうかなと、こういう感じがいたしておるわけであります。したがって、ある意味においては、当面の景気対策ということではなく、今後恒久的な経済運営の中で検討すべき課題であるというふうに位置づけをしていくのがオーソドックスではなかろうかな。ただ、ダイナミズムそのものを否定する考えは全くございません。
○竹田四郎君 その辺が国民の気持ちと大蔵省の方向とちょっと違っているんじゃないかと思うんですよ。車だってそうですね。レーンを変えるときに、動いているときは車はレーンを変えやすいですね。ところが車がとまっているときにレーンを一つ右のレーンに行けと言っても、これはえらい摩擦があるし、ほとんど不可能だ。ところが、経済がずっと前向きに動いているときなら、レーンを変えるのは非常にすっといってしまうわけですね。僕はあの例をひとつ考えてみてほしいと思うのです。経済を前向きな形でずっと動かしている中で、いま言ったような大蔵省の考えているような恒久的なあり方というものをその段階で考えていいんじゃないか。むしろいまは、どちらかと言うと、経済を前向きに動かしていく、その方が選択としては優先するんじゃないか。 だから、まずとりあえず、恒久的な財源を考える前に、一時的な手当てで経済を動かしていく、前へ進まして車全体が動いているその中でレーンを変える。右から左へ、左から右へとレーンを変えるというような形をもっと考えていいんじゃないか。そういう点で言えば、これはお役所ですからわからないことはありませんけれども、もう少しこの辺は考え方を改めた方が考えやすいんじゃないか。こう思うのですが、どうでしょうか。
○国務大臣(竹下登君) いま御指摘になりましたように、言ってみれば、おまえらが――おまえらというか、政府が最善最良なものなりとして御提出を申し上げた時期以降に、たとえば原油価格の値下がりの問題あるいはいま最初御指摘になりました米国経済の金利の問題は別としまして、上方修正というような環境ができておるから、ダイナミックな経済運営がその中へ巧みに調和したならば、税制そのものでなく経済運営全体として考えた場合に、ダイナミックな考え方も通用する環境が逐次整いつつあるんじゃないかという趣旨の御指摘だと思うんですよ。私も基本的にその考えを否定する考えはございません。 しかし慎重にならざるを得ぬのは、減税というそのものを対象に考えた場合が一つと、それからもう一つは、さて果たしてこの原油値下げ効果がいつの時点でわが国経済に本格的に作動するだろうか。税制そのもので考えますと、実際いま若干石油商品の値崩れと申しましょうか、があっても、それは高い油がストックしてあるわけでございますから、あるいは一時的には経常収益にはマイナス効果があると思います。だからこれらが本当にプラス効果として出てくるのはいつの時点かということも正確に判断をしなければならない課題だというようなことを考えますと、勢い慎重にならざるを得ない。 ただ、そういう環境が、おまえたちが予算編成した当時と比べれば、為替レートにしてでもそうでございますね、ずいぶん変化しているんじゃないか、そこにはダイナミズムというものが必要じゃないかという基本論は、経済論争として私もよく理解できる問題でございます。が、言うなれば、私も野人でございますが、大蔵省のやかたの中へ入った者と、それを大衆の中から見ておられるのとの若干の考え方の違い、基調は余り変わらなくても、あらわれるところの違いというものを、巧みにといいますか、痛烈に御批判いただいておるという認識を自分も持たなければならぬなと、そういう感じでございます。
○竹田四郎君 これはあとの法案のときにもまた議論を十分してみたいと思います。 そこで、きょうは、主に関税関係が私の割り当てでありますが、若干ほかへそれることもありますけれども、それはお許しをいただきたい、こういうふうに思います。 今度アメリカの方から大変強いことを言われているたばこの問題に先に入ります。 たばこの関税を下げるというんですけれども、まずその前に、国産葉たばこと輸入の葉たばこの公社買い上げというのは、品種が違うから同じとは言えないと思いますけれども、具体的にはどのぐらい価格差があるんですか。
○説明員(生平幸立君) お答え申し上げます。 外国から買っております葉たばこもいろいろ種類がございますので、最もその中で代表的なアメリカ産の黄色種と日本産の黄色種とを比較して申し上げますと、五十六年産で一キロ当たりの値段で見てみますと、日本産の場合は千七百九円でございます。ドルに直しますと、当時のレートで七ドル七十六セントでございます。アメリカの方の値段は三ドル六十六セントでございます。約二倍というような感じでございますが、もちろんこれにまた品質を加味するとか、あるいはまた東南アジアなどは大変安くなっておりますから、そうしますとまた違ってくるわけでございます。 大体そういうことでございます。
○竹田四郎君 輸入の紙巻たばこというのはかなり高いですな。ラークでいま二百九十円ぐらいでしょうか、かなり高いですが、高い原因というのはただ輸入紙巻たばこの関税が高いだけということなんですか。どうなんですか、そこは。五五%ぐらい高いんじゃないですか。
○説明員(岡島和男君) 輸入たばこの小売定価は、いま御指摘ございましたように、ラークで二百九十円ということでございます。国内品で最もよく売れておりますマイルドセブンが百八十円でございますから、百十円の価格差が現在あるわけでございます。 輸入たばこの小売定価はどうやって決まってくるかということからお話ししないといけないわけでございますけれども、輸入たばこの小売定価は、毎年公社と外国メーカーとの間で行われますまず輸入価格交渉というのがございます。輸入価格交渉によりまして、公社の購入原価がまず決まってくるわけでございます。購入原価が決まってまいりますとそれに関税がかけられるわけでございます。関税がかかった後に、あとは専売納付金、地方たばこ消費税を含んでのものでございますけれども、それに小売マージン、それから諸経費を加えていくということで決まっておりまして、そうした一定の算式に基づいてでき上がっていくわけでございます。この輸入たばこと国内たばこの価格算定上の方式は、関税がかけられるという点を除きますと、基本的には同じでございます。 ただ、どうしてこんなに価格差が生じてくるかと申しますと、輸出価格に関税がかかった後、従価税で納付金率がかかるわけでございます。その従価税と申しますと、当然高価格のものがよけいに価格が高くなってくるわけでございます。この現在の定価の算定方式というのは、定価に納付金率がかかる。つまり原価の方にかかるんじゃなくて、定価に納付金率がかかる。その納付金率が五六・五%と内外同一でございますけれども、財政物資であるということから、内外共通の率でございますけれども、かなり高い納付金率が定価に対してかけられる。小売マージンも定価に対する一定率ということでございまして、そういうのが相乗されてまいりまして、関税がかかったときの差よりも、従価税である納付金率がかかることによりまして価格の差がだんだん大きくなっていくと、こういう形になっておるわけでございます。
○竹田四郎君 それからもう一つは、小売店の数ですが、小売店の数を限定しているんではないかとか、あるいは手数料について差別待遇をしているんじゃないか、こういうことを盛んに言うんですね。 手数料も初めは七%だと思いましたけれども、何か最近は八・五%ぐらいになったんですか、しているんですか、そういうことでありますが、日本のは一〇%ということになります。一挙に七%から一〇%ぐらいにしたっていいじゃないかと思うんですよね。外国たばこを売るのも、日本のたばこを売るのも同じで、手数料としてそういう差別をどうしてつけるのか。一体何で差をつけているんですか。つけている根拠というのはどういうわけなんですか。同じでいいんじゃないかと私は思うんですが、どういうわけですか、その根拠は。
○説明員(岡島和男君) 輸入たばこの小売マージンにつきましては、昭和五十五年度までは国内品の一〇%に対して七%でございました。おっしゃいますように、国内品と輸入品との間にマージン率に差があるのは適当でない、内外差別だということに、日米双方とも議論した結果、そうなりまして、これを段階的に引き上げる。と申しますのは、マージン率を引き上げますと定価にはね返ってまいります。したがいまして、マージン率を上げますと価格差の方に響いてくるわけでございます。したがいましてこれを段階的に引き上げる。最終的には国産品並みの一〇%に引き上げるということで、日米間に五十五年十一月に合意ができておるわけでございます。 そういう合意に従いまして、五十六年度は、その方向に従いまして、四月に七%から八・五%に引き上げました。五十七年度は一〇%に引き上げるということも考慮されたわけでございますけれども、ただいま申し上げましたように、マージン率を引き上げますと定価にはね返る、外国たばこの値段がそれだけ高くなって価格差が開くということもございまして、日米間で了解の上八・五%に据え置いたと、こういう経緯がございます。 五十八年度どうするかということでございますけれども、これは国内品並みの一〇%にしたらどうか、あるいはまた関税が引き下げられますと、その分だけ輸入品の定価が下がるということがございます。そうすると、同じ率にしておきますと、それだけ小売店の手取りが一箱当たりで減るということになってまいります。そういう議論もございまして、いろいろ考えておるわけでございますけれども、公社としてはいろいろ慎重に検討いたしました結果、いろいろな御議論を経て、関税の引き下げということが決まって法案が提出されているわけでございますけれども、その効果をフルに出すためには、マージン率はこの五十八年度は据え置いてほしいという外国メーカー側からの要望もございます。そういうこともありまして、五十八年度についても八・五%に据え置くことにしたいというふうに考えておるところでございます。 ただ、先ほど述べましたような日米間の了解事項もございますものですから、将来できるだけ早い機会に外国メーカーと話をしながら国産たばこ並みの一〇%に引き上げることが適当であると、このように考えている。こういうことでございます。
○竹田四郎君 僕は、今度の場合、ちょっとその辺が理解できないんですがね。外国たばこは今度は現実には安くなるんでしょう。日本のたばこはうんと上がるんでしょう。二十円上がるわけですよね。どれも二十円ずつ上がるわけです。ところが、外国たばこ、輸入たばこは、大体関税率による引き下げが三十円、それで二十円上がるんですから、計算すると十円安くなるということになるんですよ。だから、いまのようなお話ならば、むしろこういうときに手数料というのは訂正すれば一番いいわけでしょう。国産も収入対策で二十円上げるわけで、一本一円上げるんです。外国のも上げるんです。こういうときにむしろそういう差額というのを訂正した方が理解できるんじゃないですか。
○説明員(長岡實君) 今回のたばこの価格の問題で、大変複雑でございまして、御審議を煩わしております関税定率法の関係、この法律が通りますと輸入品の価格が下がる。そこで内外の製品の価格は縮まるわけでございます。製造たばこ定価法及び日本専売公社法の一部改正の法律が今度お認めいただきますと、内外製品が一律に今度は上がるわけでございます。したがって、価格差の問題は、今回のたばこ値上げの法律の方ではなくて、関税定率法の方で価格差が縮まるということになります。 そこで、関税の引き下げに伴う輸入品の国内における販売価格の問題につきまして、こういう時期でもあるからマージンを是正すべきではないか、そして内外同一の一〇%にすべきではないかと、まさに竹田委員のおっしゃるお考え、私どももよくわかりますし、従来の日米の交渉の経緯から申しますと、そうすべきであろうという気持ちは強いのでございますが、アメリカの方も痛しかゆしでございまして、先ほど岡島理事からお答え申し上げましたように、関税を引き下げて、日本の国内で売ります輸入品の価格が下がって、内外の製品の価格差が縮まるということによって日本でたばこを多く売りたいというのが、率直に申しまして、アメリカ側の希望でございます。そうなりますと、そこでこの機会にマージン率を是正いたしますと、その分だけ、アメリカ側の言葉で言いますと、せっかく関税率を下げてもらっても、内外製品の価格差がまたそれだけ広がってしまう、そのマージンを是正する分だけ。そういう点がございまして、アメリカとしては、どっちをとるかというような感じになって、結局は関税率の引き下げ分だけフルに内外製品の価格差の縮小の方に持っていきたいという方を選んだわけでございます。 そういうことで、今回は確かにマージン率を是正する一つのいいチャンスであったと存じますけれども、結果的にはどうもそうはならなかったというのが経緯でございます。
○竹田四郎君 ちょっとその辺で日本の専売公社はもう少し主導権を発揮してもいいと思うんですよね。確かにそれはマージン率は上がるでしょう、それだけ。しかし、それによっていままでよりも、うちも外国輸入たばこを取り扱いたいということから、販売店数というのは恐らくふえてくるだろうと思うんです、はるかに。いままでは、どうせ売るならば外国よりも日本の国産たばこをうんと売った方がマージンもいいからということですからね。今度は同じになるんですからね。そうすればアメリカだって理解しないわけじゃないと思うんですがね。 それはそれとして、もう一つ私が今度のたばこの値上げでわからないのは、何で一本一円上げるんですか。これは非常に不公平な上げ方だと僕は思うんですね。それは財政の都合で赤字を埋めるということですから、それだけの負担はある意味ではしなくちゃならぬという考え方もあると思うんですがね。たとえばハイライトですと、値上げ分というのは一三%になります。二百四十円のキャビンだと八%にしかならないですよ。そうするとハイライトを吸う階層と、キャビンを吸う階層とでは、いまは国民のふところは冷えておるわけですから、ハイライトを吸う層とキャビンを吸う層とでは、同じ価格の値上げというのでも、響きが強いと思うんですね、百五十円階層には。 だから、こういう値上げ額を変えられないか。その方がまだ私は公平感があると思うんですよ。これだと、まるで勤労大衆の方に国の赤字財政の責任をおっかぶしているというふうに言われても仕方がないと思うんですよね。いままでですと、大体たばこの値上げのときには、大衆たばこは抑えて、高級たばこの方の値上げ幅は上げるという論拠が多かったんです。これは専売公社に入る金じゃないんですから、とにかく取りやすいところからうんと取る。ハイライトを買う人の方が全体的には多いのかもしれないんでしょう、だからそこから取っちゃうと、こういうことなんですかぬ。どうもこの辺が理解に苦しむんです。 いまベースアップだって、春闘でろくに上げちゃくれないし、人勧は凍結されるしというような形で、こっちだけは一三%も上がるんですね。キャビンを吸う人は八%ですね。どうも逆じゃないですか。むしろハイライトの人には八%で、キャビンを吸う人には一三%、こうあるべきじゃないですか。どうですか。
○説明員(長岡實君) 一律一円の値上げをお願いいたしております理由は大きく分けて二点あると存じます。 一つは、ただいま御指摘がございました一級品から三級品というこの三つのクラス別の商品について、御承知のように、すでに相当の価格差はあるわけでございますけれども、現実の姿を申し上げますと、三級品の大半がすでにいわゆる赤字銘柄でございます。たばこが財政商品であるということを考えますと、これ以上価格差が広がることはどうであろうかというようなこと。すでに私どもとしては、一級、二級、三級という三つのクラス別の商品の価格差は十分に開いておるという認識のもとに、この際でき得れば一律に上げさしていただきたいという考えに立ちましたのが第一点でございます。 それから第二点は、先ほど申し上げましたアメリカとの関係でございまして、これは竹田委員もあるいは新聞でごらんになったかもしれませんが、今回の値上げにつきましても、アメリカ側は何か日本政府がまた意地悪をしておるんではないかというようにとっておる向きもあるようでございます。これは正式に私どもそういう質問を受けているわけではございませんけれども、どうも新聞報道等から見ますと、何かせっかく関税率を下げたのに、今度はまた値上げでもって、関税率引き下げの値下げ分をオフセットしてしまうようなことを日本政府なり専売公社が考えているんではないか、こういうような疑心暗鬼の動きがあるようでございまして、そういう点、私どもはアメリカにはっきりとわかってもらわなければいけない。関税率の引き下げと価格の値上げは全く別である。価格の値上げはもっぱら財政上の理由から、内外品一律に上げるんだということで説明を繰り返しておるわけでございまして、その場合に、もし日本の国産品の中の大衆品というようなものについて値上げの幅が違いますと、またアメリカの方は、そうは言いながら日本では操作をして、一律に上げると言いながら、日本の国民がたくさん吸われそうなたばこの分だけは値上げで加減しておるといったような揚げ足を取られかねないという面もございまして、この際一律に一円ということにお願いを申し上げている次第でございます。
○竹田四郎君 総裁、あなたはどっちを向いて物を言っているのか。アメリカに言いわけがつけば、日本の国民の負担の割合が不公平でも構わない、アメリカの納得さえ得られればいいんだ、どうもそういう感じがしてしようがないですよ。ですからその辺、これはもうすでに取り決めされているのかどうか知りませんけれども、大蔵省、大蔵大臣自体、こういう値上げをしようと言っているんですか。僕は、専売公社のその分をちゃんと納めりゃ、大蔵省の主計局ですかどこですか、そこはそれで満足するんだろうと思うんですよね。どうもそういう点、どこを向いているのか。これは関税全体についても私は言えるんですがね。 それから同じような外国たばこでも、国民はどう理解しているか私はよくわかりませんが、クロスライセンスのものというのは二十円上がるんですよね。マールボロというんですか、その他いろいろクロスライセンスでやっているものもある。こういうものはどんどん上がる。それは、実際の生産は日本でやっているんでしょうけれども、規格とか何かは向こうの規格を使っているんでしょう。どうもこの辺がよくわからない。日本のは向こうで上げてくれるんですか。そうじゃないんでしょう。上げるわけじゃないでしょう。クロスライセンスは向こうの会社がやっているんです。どうもその辺がよくわからない。 それからもう一つ、もう時間がありませんから申し上げますが、これは五十八年度と五十九年度の二年間の措置でしょう。その二年間、国庫へその分納めればいいんでしょう。六十年度は、この前の説明ですと、このままもらっちゃおうというんでは、これも便乗収益になっておかしいと思うんですね。だから二年間の時限立法にしておけばいいんですよ。その先のことは、これはそのとき値下げをしますと。しかしそのときに、今度はたばこのコストが上がるといえば、それは別な法律ですからね、今度は。どうもその辺も、専売公社はこの際火事場式にもうけるだけもうけちゃっておこうというような感じがしてしようがないんですね。その辺のけじめというのははっきりしなけりゃ……。あなたの態度というのは、アメリカが言うからこういうような上げ方をするんだと言って、どうも国内の常識と相反する。それじゃちょっと困るんですな。
○説明員(長岡實君) 決してアメリカの方を向いて考えておるわけではございませんが、ただ、アメリカとの間のたばこの問題というのは大変ナーバスな問題でございます。これの処理は相当私どもも慎重に扱いませんと、日本のたばこ産業全体の将来にも影響を及ぼしかねない問題を含んでおると存じますので、いろいろな判断をいたします場合に、国内事情だけではなくて、対米関係も考えなければならない現状にあるということは御理解をいただきたいと存じます。決してアメリカの方だけを向いて判断をいたしておるつもりはございません。 それからクロスライセンスの製品につきましては、これは両国とも国内品と同じような扱いをいたしますので、アメリカでつくっておりますハイライト、これはアメリカでたばこの値上げが行われるような場合にはやはり値上げをしておるということだと存じます。 それから三番目の、今回の値上げ分の収入が五十八、五十九年度は全額国庫の方へ入る、そして六十年度になれば専売公社の手取りになって、これはいわば便乗ではないかという御指摘だと存じますけれども、私どもだけの都合で言わしていただければ、現在たばこの需要が停滞しているときでございますから、現在が果たして値上げの時期であるかという点については疑問なしといたしません。ただ、そのたばこが財政商品であり、私どもは財政専売を国から委託されておる公社でございますから、国家財政が異常な危機にあるときには、やはりそれなりに私どもとしては貢献せざるを得ないということで値上げをお願いいたしておるわけでございます。 六十年度になりますと、私どものいまの計算では、どうも公社の経営が赤字になりそうでございます。そういうことで、財政に対する寄与は五十八、五十九両年度に限定をしていただくということになったわけでございます。
○竹田四郎君 どうもわからぬことがたくさん専売公社はあるんですね。 もう一つ、私いつも見ていてわからないのは、専売公社はいろいろなたばこの包装とか広告なんというのはユニークないいものがあるんですよ。私はそれは評価しますよ。よくキャビンの紙のバッグを持っていたり、あるいはマイルドセブンのバッグを持っている中学生や高校生がずいぶんいますよね。恐らくあれはたばこを買ってあれをもらったんじゃないと思うんです。恐らくどこかでああいうものを袋として買っていると思うんです。あれにはキャビンならキャビンのレイアウトのあれがちゃんと印刷されて、感じは私いいと思うんですよ。中学生や高校生が持っているところがちょっと気になるんですが、感じは悪くないと思うんですね。 ああいうのは、意匠権とかなんとかいうのは専売公社は持っているんでしょう。その持っている意匠権を一体どういうふうに使っているんですか。意匠権を持っていれば、あれをだれがつくらしているのか知りませんけれども、その意匠権に対する代償というのは、公社が法律を改正しても、これは当然求めるべきだと思うんですよ。ポスターだってそうだと思うんですよ。 この前、「俺の赤」なんというああいうポスターは、私は率直に言って、そう悪いとは思いません。いいポスターだと思いますし、今後もいいポスターをつくってもらいたいと思うけれども。あれなんかは欲しいと言う人ずいぶんいるんですよね。私は売ったらいいと思うんですよ、そんなに専売公社が困る困ると言うんなら。直したらいいんですよ、そういうように。それはやらない。 で、ここを見ると、勤労大衆から金ばっかり取るというたばこのあり方というのは、どうも逆じゃないですか。いまいいレイアウトのものをどんどん出せば、これには意匠権とかなんとかいうことの使用料がつくわけでしょう。収入にもなるわけでしょう。現実にはそういうことをやっていらっしゃらないようですけれども、そういう形でもっと考え直したらいいんじゃないですか。これは私の提言です。ここでできませんときっと言うに決まっているから、これは考えてくれればいいと思うんですがね。 それからもう一つ聞きたいのは、たばこ輸出を進めたいということですが、これは私も反対はしません。しかし、どうして別会社をつくるんですか。これは民営化あるいは分割化の一環だろうと思うんですけれども、これをひとつうんとやって、専売公社を民営化しちゃおうあるいは場合によれば分割化しちゃおうという方向を目指しているものじゃないかという疑問を私は持っているんですが、どうですか。
○説明員(長岡實君) 私どもといたしましては、たばこの輸出は、国内のたばこ需要が停滞をいたしておりますので、そういう中にありましては、今後積極的に取り組んで海外にその基盤を築いていかなければならないと考えております。このために欧米の有力メーカーに対抗して企業的な行動をとり得るような体制が必要である。公社制度とか、いまの予算制度の制約を離れた活動ができるような体制をとる必要があるのではないかというところから、たばこ輸出会社を公社の出資によって設立しようとするものでございまして、このことと公社自体の経営形態の問題とは私どもは一応切り離して考えております。 公社自体の経営形態の問題につきましては、竹田委員御承知のように、臨調の答申も出まして、私どもとしても将来の方向を求めて現在真剣に取り組んでおるところでございますけれども、いまだ結論が出ておりません。ただ、いかなる経営形態になるにしましても、輸入たばことの競争の激化は当然避けて通れない問題でございますので、そういう厳しい環境の中で私どもが生き抜いていけるような、企業性が発揮できるような体制にしていただかなければいけないということは考えておりますが、そのことと今回の輸出会社設立とは一応切り離して考えておるつもりでございます。
○竹田四郎君 ほかにもまだありますけれども、時間がありますから、もうたばこの話はこれで終わりますから、どうぞ御退席して結構でございます。 そこで、貿易摩擦の方に返るわけですけれども、どうも私、最近の貿易摩擦というのはわからなくなってきたと言うべきだろうというふうに思うんですよ。いままでは比較優位論とかなんとかという形である程度わかったわけですよ。鉄鋼にしても、繊維にしても、あるいはテレビにしても、いろいろいままで日米間のそういう摩擦はありましたけれども、ある意味ではわかった。最近はどうも貿易摩擦というのはよくわからないですね。いまのたばこの話でもそうですよ。十分アメリカに理解させるようなことはしないで、アメリカがやかましく言う。とにかくわんぱく者が言えば通る。力のあるやつが言えば通る。力のないやつは何を言ったってつぶされるというような形が最近の貿易摩擦だと思うんですね。いままでの自由無差別というガット体制じゃなくて、力の論理が押し通っているというような形が最近の世界貿易の内容だというふうにしか思えないんですよね。 これについては、大蔵大臣なりあるいは関税局長でも結構ですが、一体最近の貿易摩擦、通産省でもいいですが、どういうふうに考えたらわかるんですかね。何か力が四つに組んでいるようなもので、力が強ければ無理も通る、道理は通らぬというような気がしてしようがないんですがね。今日の貿易摩擦というものの根源は一体どこにあるんだ、その根源を直すにはどこをやるんだ、その辺が明確にならなくちゃ貿易摩擦の問題は幾らやってもしようがないと思うんですね。その辺はキッシンジャーの発言なんかの方がずっとわかりいいと思うんですね。 キッシンジャーの発言なんというのは、世界の最近の債務国と債権国の大きな国際債権債務の問題だとか、あるいは貿易、世界経済の活性化の問題、それがあるんだということを言って、むしろ中曽根さんの貿易摩擦を防衛摩擦でカバーすることについては批判的でありますけれども、そういう点で貿易摩擦というのは一体何なんですかね。どうもわからなくなってきたから、その辺をどこでもいいですからお話をいただきたいと思います。
○政府委員(松尾直良君) 貿易摩擦というものの原因というものは、これはいろいろな原因が考えられるかと存じます。ただいま委員いろいろ御指摘になりましたように、一つには世界経済が非常に長く停滞しておるというところに根本の原因の一つを求めるべきではなかろうかという気もいたします。それからまた、非常に個別の話といたしましては、特に日本とこうした欧米主要国との間の貿易収支というのが、かなりな期間にわたって日本の持続的な大幅な出超が続いておるということも、貿易摩擦の非常に大きな原因の一つであろうかと思うのであります。また、先ほど申し上げました世界経済の不況ということも、根源をたどれば、石油価格が急速に上がったということの影響とそれによる影響が先進国の経済成長をおくらせたということもございましょうし、あるいは発展途上国、特に石油を産出しない発展途上国の経済的な困難を大きくした、こういったいろいろな要因があろうかと思います。またさらには、実態以上に日本に対する理解がまだ十分でない誤解からくるという面もあろうかと思うのであります。 私どもと申しますか、政府として累次にわたって市場開放対策というものを打ち出してきた考え方というのは、日本という国は、何と申しましても、自由貿易でなければ成り立たない国でございます。資源、食糧、いずれをとりましても、完全な自給ということができないわけでございまして、こうしたものを輸入をし、加工することによって生きていかなければならない。といたしますと、自由貿易の恩恵というものはわが国にとっていままで一番受けてまいりましたし、今後も日本経済が成長していくためには、世界の貿易体制というものが、自由な貿易体制というのが維持されるというのが不可欠なわけでございます。そういう点から、わが国として市場開放をできるだけ進めるという考え方で累次にわたる市場開放措置をとってきた、このように御理解をいただきたいと存ずる次第でございます。
○竹田四郎君 そうしますと、日本の国際的な発言というのを見ますと、どうも非常に弱いですね。世界じゅう見ていて、あるいは私ども新聞見ていても、何か日本だけが悪い、向こうはいいのだと、そういうようなスケープゴートにどうも日本がされているような気がするんですが、さっきのたばこの問題だってそうですよね。あるときには、日本は小売店の数が少ないとか、あるいは手数料が安過ぎるから売ってくれないのだとか、さんざんけちつけたわけでしょう。今度はどうかというと、何かそんなことされちゃ困ると、こう言っているわけでしょう。全く首尾一貫性がないのですよ、アメリカの言うことを聞いていても、ヨーロッパの言うことを聞いていても。 いま確かにおっしゃるように、日本は自由貿易体制でなければ暮らせない国だということは非常によくわかるのですよ。おっしゃるとおりですよ。それにはどうなんですか。日本の主張は日本の主張でいい、譲るべきものは譲るという形というのがどうもはっきり出ていない。たとえば残存輸入制限の問題だって、何も日本だけが多いわけじゃない。フランスあたりにしてみてもかなり多い。工業製品にしてみれば日本よりアメリカの方が多い。こういう中で、日本だけが封鎖しているのだ、市場開放してないのだと、こういう訴えしか国民の中に聞こえてこないんですね。もっとその辺は積極的な発言をすべきだ。譲るべきところはちゃんとはっきり譲らなきゃいかぬと思うのですよね。そういう体制がどうも国民にわからない。したがって貿易摩擦というのはどうもよくわからない。何かあちこち頭ぶつけちゃって、抜ける道はないというような感じがするのですがね。その辺もう少し明確にすべきじゃないですか。これは大蔵省だけの問題でなくて、外務省も通産省もそういう体制にならなくちゃならぬと思うのですが、どうもその辺で、日本が一番自由貿易体制でなければ生きられない国なのに、外国に対して日本の主張というのは弱過ぎるのじゃないか。どうですか、大臣。
○国務大臣(竹下登君) 私はこれはいささか表現を気をつけなきゃいかぬ問題であろうかと思うのでございますが、いわば貿易摩擦のよってもって立つ淵源というのは、他の国の方々あるいは地球上の民族の中で日本人が知識水準が一番高くて、したがって技術水準も一番高くて、そして最も勤勉である、だから競争原理の立場に立っては、日本のそういうもろもろの問題が自由貿易経済の中で市場性をより強く持っておるということが根源であると思っております。 が、いつも困りますのは、どうして日本経済、わが国の経済とこういうアンバランスができるかと言われた場合に、知識水準の程度が違いますということだけはなかなか言いにくいもんでございますから、いろんな文盲率とか、あるいは高等学校進学率、大学進学率、そういう問題を示して間接的にそういうことを私は申しております。言葉は非常に気をつけながらそういうことを申しておるわけでございますけれども、基本的には日本民族というものの知識水準、技術水準、勤勉さ、それが自由競争の中において優位に立つという、ある意味においては大変喜ばしいことでございますし、そうしなければならない背景というものもまた無資源国としてあったからそうなったかとも言えるわけでございます。 したがって、そういう一つの原則の問題がございますが、端的にあらわれる問題としては、先ほど関税局長も申しておりましたが、いわゆる貿易収支、そしてそれが各国の国内経済、なかんずく失業率の増加となってあらわれておる。そういう現象が保護貿易主義にとかく走りがちな環境をつくり出す。したがって、そういうものをなくするためには、事前にわが国の制度、仕組みなりを理解しながら、誤解に基づくものがたくさんございますので、先手先手と手を打っていかなければならない課題であるというふうに私も常日ごろ理解しておるところであります。 そこで、そういう問題の中に、譲るべきは譲るというお言葉がございましたが、結局そういう知識水準とかいろんな問題とは別に、宿命的な背景として見られるのは国土面積の問題、面積というものを土台にした製品、極端に言うと農業、農産品などになるわけでございますが、それだけはどうしてもコストが違ってくる。しかし、これは食糧安全保障の立場から、わが国はわが国として絶えず相手国に理解を求めていかなきゃならぬ問題であるなということを常日ごろつくづく感ずるわけでございます。したがって、誤解に基づくものがないように、絶え間なく努力すると同時に、各国のそれぞれの国情の中において保護貿易主義が台頭していく芽を事前に摘んでいくだけの努力はしょっちゅう、これは大蔵省といわず通産省といわず外務省といわず、政府全体あるいは国民全体の次元の中で対応していかなければならない課題ではないか。 少し角度の違ったようなことを申しましたが、いつも外国の方がお見えになるたびに、私も言葉を選びながら、わが国の技術水準とか知識水準の優位性をわかっていただくように、環境を説明したりするところにずいぶん気を使いながらお話をしておるというのが現状認識でございます。
○竹田四郎君 言葉の使い方というのは、確かにおっしゃるように、十分注意して、何も日本は教育水準が高いと言わなくても、日本の労働の質は高いんですよと言えばいいわけでありまして、それはいろんな表現の仕方はあるんですから、それはいいと思うんですがね。 たとえば関税率なんかどうなんですか。関税局長、主な主要国に比べて日本の関税率というのはどのぐらいの地位にあるんですか。私はそんなに高くないと思うんですよ。あるいは通産省の方がお見えで、お答えできればお答えしていただきたいのですが、主要国の生産性の高さなどというのはもう少し示していいんじゃないですか。国民にもわかるようにしたらどうですか。そういうものを余りはっきりしないで、いじめられることだけされれば、それは幾ら日本の勤勉な国民だって、何か頭を押さえられるという気になっちゃうと私は思うんですよ。そういう資料はどんどん出していいんじゃないですか。どうですか、その辺は。
○政府委員(松尾直良君) この関税水準の比較というのはなかなかむずかしいわけでございますが、先般の東京ラウンドの際に各国の関税率の比較というのをいたしております。これは一九七六年のデータをもとにいたしたものでございますので若干古いわけでございますが、このときに東京ラウンドの最終でどういう水準であるかという試算をいたしております。 鉱工業品だけをとりますと、鉱工業品の中でも石油を除いておりますけれども、東京ラウンドが完全に実施された後の平均関税率、日本が大体三%、アメリカが四%、ECが五%と、大ざっぱに三、四、五ぐらいの水準で並ぶということでございます。 ただ、ただいま申し上げましたのは、鉱工業品に限っておりますので、農産品も含めてもう少し新しい数字で何か比較するものがないかということで、これは関税負担率と呼んでおりますが、要するに関税収入額を輸入額で割ったものでございます。これを一九八〇年の数字で申し上げますと、日本が二・五、アメリカが三・一、ECが二・八でございまして、大体似たような水準で、その中で日本が一番低いと、こういう数字になっておるわけでございます。 平均的に見れば、確かに日本は世界で最も関税負担が低いということが言えようかと思うんでありますが、ただこの平均関税率なり関税負担率というのは、当然加重平均でございますので、高関税のもので輸入が少ないものあるいは関税障壁があるためにほとんど輸入がないものというものが反映されてしまうわけでございます。したがいまして、とかく個別の品目をにらんで日本の関税率が高いということが依然として言われるという局面が続いておるということでございます。
○竹田四郎君 通産省はお答えがなければいいです。
○委員長(戸塚進也君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(戸塚進也君) 速記を起こして。
○竹田四郎君 それから内閣官房からお見えになっていると思うんですが、この間、三月二十六日に、これは関税そのものじゃありませんけれども、非関税障壁問題の基準あるいは認証制度の包括的な改善策を決めまして、これはかなり反響があったし今後もあるものだと、こういうふうに思うんですけれども、これは今後どういうふうな日程でどんなふうな形でやっていくんですか。その先のアウトラインを示してほしいのですが。
○説明員(伊吹迪人君) 去る三月二十六日に決定されました規格基準・認証制度につきましては二つの問題点がございます。一つは、内外無差別を法制的に確保するという意味で法律の改正が必要である事項でございます。それから二つ目は、法律の改正は必要としなくて、手続の簡素化とか透明性の確保とか検査データの受け入れというような事項でございます。 今後の日程でございますが、法律の改正を必要とするものにつきましては、早急に改正案を作成して国会に提出さしていただきたいというふうに考えております。それから法律の改正を必要としない手続の簡素化その他の事項につきましては、特別に問題があって、たとえば五十八年度中とか、五十八年十月から実施するというふうに限定しているもの以外は、できるだけ早急にその事項を実施してまいりたいというふうに考えております。
○竹田四郎君 法改正は今国会で全部済ましてしまうと、十七項目、関係は十七法案ぐらいになるということでありますけれども、今国会で解決してしまう。こういう考え方ですか。
○説明員(伊吹迪人君) 法律の改正を要するものが十七の法律でございますが、改正案をつくるのに若干時間がかかります。しかし今国会には提出をさしていただきたいというふうに考えております。
○竹田四郎君 おおむねいつごろになるわけですか。
○説明員(伊吹迪人君) 四月じゅうには提出さしていただきたいと思います。
○竹田四郎君 この基準・認証制度、これだけではどうもアメリカあたりの要求を満たすというふうにはならぬと思うのですけれども、私はアメリカの要求がどういう要求かよくわかりませんけれども、去年の十一月にアメリカの通商代表部ですか、これが議会に出した報告がございます。日本の対米貿易障壁と日本政策の最近の市場開放策というようなのがありますけれども、これを読みますと、とてもいまの二十六日の対応策で向こうがそれでオーケーを出すには、大変道は遠いという感じがするのです。 特にあの中で書かれている問題の中で、金融関係それから証券関係、こういうようなものというのは、保険関係を含めまして、大変たくさんあるように思いますし、さらに最近のサービス貿易というようなもの、もちろんその中に含まれると思いますけれども、そういうようなものも向こうでは述べているわけですけれども、その辺は一体これからどうしていくのですか。さっきの十七のあれの中にはそういうものは入っていないでしょう。ですから、その辺はなかなかむずかしい問題だろうとは思うんですけれども、その辺の関係はどうするのか。これは大蔵省も関係するでしょうし、内閣官房も関係するでしょうが、その辺はどういうふうに考えたらいいですか。
○説明員(伊吹迪人君) 基準・認証制度につきましては、御指摘のとおり、内容は限定されておりまして、広いその他に及ぶような政策というのは含まれておりません。しかしその他の問題につきましても、経済対策閣僚会議で決定された事項その他ございますので、それは漸次実行されていくのではないかというふうに私は考えております。
○政府委員(松尾直良君) 必ずしも私の所管でございませんので、私からお答えするのが適当かどうかでございますが、いま御発言ありましたサービス貿易という問題、これは非常に広範なわけでございまして、大蔵省に関係します金融、証券というものから、そのほか弁護士活動であるとか、あるいはいろいろなコンサルタント業務であるとか、大変広範なものを含むわけでございます。 今日まで貿易といえば、物の貿易に限られた議論が行われておったわけでございますけれども、こういうサービス面での国際交流というものが年年大きくなってまいりまして、これを国際的にいろいろ取り上げようではないかという機運が出てまいりまして、OECDの場で取り上げられておりますし、それからガットの場でも、今後物だけではなくて、こういったサービスの貿易の問題も取り上げるべきではないかというような議論が行われ、先般のガット閣僚会議で若干その萌芽というべき決定が行われておるわけでございます。これは二国間に限っても、もちろん日本とアメリカ、あるいは日本とECとの間で貿易問題をやりますときに、あわせてこういったサービス面での問題が議論されることも従来ございましたし、今後もそういう場面というのはいろいろあろうかと思うのでございます。 したがいまして、非常に広い広範な場でこのサービスの問題というのがだんだん取り上げられていく時代になっておるということでございますが、個別の問題につきましては、それぞれそのサービスを所管しておられます方からお答え申し上げるのが適当かと存じます。
○国務大臣(竹下登君) 私から包括的なことを簡単に申し上げておきます。 USTRの報告書は、御案内のとおり、サービス貿易各般にわたっての問題でございます。所管が著しく違いますのは、弁護士問題とコンサルタント、これはさて置くといたしまして、私もまだ党におりますときにブロック通商代表とワシントンでいろいろな議論をいたしましたが、特に銀行、保険、証券あるいは投資問題ということになりますと、最初の間はいわば両国の仕組みの問題についての理解が足りなかったんじゃないか。それは一つは言葉の問題もございます。ただ、幸いにして、銀行、証券あるいは投資部門、保険というようなところは、言葉の通じやすい環境にあるわけでございます。非常に言葉の話せる人が多いという意味も含めまして。したがって私は、その誤解というのはだんだん解けて、いまこれらの問題についてはまずほとんど問題がないようになった、むしろある種の評価を相手国もしてくれておるという状態にまでなったと思うのです。 最初議論しておりますときには、何かわが国はどうしましても、投資家保護、預金者保護、被保険者保護というのが先に法体系から言うとなっておりますし、そこで自由競争の原理の中でそういう考え方が若干基本的に違うな、だから本当に平等になるためには世界共通銀行法、世界共通保険業法でなければならぬのだなというような感じも持ちながら、徐々に徐々に議論した結果、私はこれらの問題についてはいまのところ大きな問題は、制約はほぼ完全になくなったというような評価にまで至っておるんじゃなかろうか。これからも、したがって、個々の問題につきましては、何といいますか、非常にきめの細かい対応の仕方をして理解を得ていく必要がある。だから制度、仕組み上からは、満足という言葉は使えるかどうかは別といたしまして、もう制約はほぼ完全になくなったというところまで来ておるんじゃないかなと、こういう印象を持っております。
○竹田四郎君 いま大臣の御答弁、大変私も同感でありまして、非常にいい方向に向いているということでありますからいいわけでありますけれども、これからの日本の立場から考えてみますと、物だけでなくて、サービス関係の問題というのが、むしろ先進国の間でかなり問題になってくると思うわけでありますから、日本自体としてもこの問題では積極的に進めてもらわないと、さらに次の摩擦が起きてくる可能性があると思いますので、ひとつその点をよろしくお願いをしたいと思います。 それから、先ほども私は譲るべきものは譲れと、こういうふうに申し上げたわけでありますけれども、その中には農業関係が非常に多いと思いますし、農業の残存輸入制限、これを見ましても、数的には先ほども申し上げましたように日本はかなり多いわけでありますが、どうなんですか、どうも非常に数字が物を言ってみたり、感情が物を言ってみたりするわけですけれども、この辺のものも、これは農林省関係だろうと思いますが、削るものはもう少し整理して削ることはできないでしょうか。たとえばコンニャクだとか、それから余り農家経営がそれだけに依存しているというふうに思われないようなものがありますね、そういうようなものは余りがむしゃらにふところを締めていなくてもいいんじゃないか。しかし牛肉、オレンジ等の問題は、これはどうしていくのか。これには日本の中核農家がかなりかんでおりますからね。 その意味では、余り簡単にこれはようございますと私も言えないわけでありますけれども、どうなんですか、本当に農家の中核的な経宮の対象になっているようなものでないような農産物、こういうものは若干譲ってもいいんじゃないでしょうか。その辺どうですか。
○説明員(塚田実君) ただいま竹田委員御説明のように、農林水産物の残存輸入制限の品目数でございますけれども、私ども農林水産省としては、いろいろ国内でむずかしい事情がありながらも、昭和四十年には七十二という多数の品目があったわけですが、現在では二十二品目に減ってきているわけでございます。現在残されている二十二品目、その中で農産物をとりますと、勘定の仕方はいろいろあるんですが、大体十九ございます。私どもこの十九という数が他の先進国と比べて多いではないかという御意見もあるわけでございますけれども、私の見るところ、アメリカといえども、生産性の非常に高いアメリカですが、そのアメリカといえども、残存という形ではないものも含めますと十六品目の輸入制限をやっているわけでございます。フランスは十九でございます。そのほかに高率の課徴金をかけて農業を保護している。 このようなわけでございまして、先進国の農業というのは、どこの国もそれぞれ国情に応じて相当な国境措置をとっているわけでございまして、農林水産省としては、わが国だけが取り上げて指弾されるいわれは全くないというふうに考えているわけです。 わが国は世界最大の農産物の純輸入国でございますし、国民の摂取カロリーの五〇%はもうすでに外国産でございますし、アメリカにとっては最大のお得意様でございますから、そのようなこともありまして、わが国だけが指弾されるいわれは全くないと思っているわけでございます。 そこで、御指摘のように残っている品目は、わが国の農業の主幹をなす作物ももちろんございますけれども、確かに小さい、相対的に産出額の小さいものもございます。しかし、私どもは農政の推進という立場から見ますと、そういう作物も限られた地域にとってはきわめて重要な作物でございます。たとえば雑豆等は産出が小さいかもしれませんが、北海道の十勝地方にとっては非常に重要な作物でございまして、経営技術的にも輪作をやる場合に絶対に必要な作付体系の一環であるというようなこともございます。そのようなわけで、私ども農林水産省としてはこれ以上の自由化は困難であるという態度でいままで貫いてきているところでございます。今後とも日米交渉においてもその立場を堅持していきたいと考えているわけでございます。
○竹田四郎君 その辺は農民を後ろにしていますから、物は言いにくいだろうと思うんですが、ソラマメなどというようなものはどうしても残しておかなければならぬというようなものではないと私は思うんですよ。その辺はもう少し柔軟に考えるべきだと、こういうふうに思うわけですよね。そういう意味で、余り何もかもがんばっているということをやりますと、かえって将来の問題がありますから、その辺は少しは柔軟に考えてもらわなければいかぬだろうと、こういうふうに思います。 それから厚生省お見えになっておりますが、さっきの基準・認証制度、こういうことでいきますと、薬品とかあるいはいろんな食料品とか、そういうものが入ってくるわけでありますけれども、そういうものについては、これは税関の検査問題等も私はあると思いますけれども、そういうことで向こうの基準をそのまま認めるというようなことですと、体質の問題、日本人と外国人の体質の問題もあるということでありますから、向こうのものをそのまま入れるというのはどうも心配があるんですがね。その辺は法的な問題もありますし、それから実際の検査の認証の仕方もあると思うんですけれども、その辺どんなふうなお考えであるのか、それから国民の健康についてどう考えておるのか、その辺の関係を少しお願いをしたいと思います。 それから関税局長には、この五月二十八日の関税検査、通関検査、これについてかなり前倒しというのですか、一つ調べて後は包括でやってしまうとか、あるいは品物入れちゃって後で通関検査をやるとかいうようなやり方。現場の方からも、こういうことをやりますと、最近、輸入枠拡大でいろいろなことをやっているわけですが、たとえば生肉はだめだというと塩水を牛肉に注射してやるとか、あるいは薫製のまねみたいなことをして輸入するとか、いろいろなものを添加して輸入するとか、こういうようなことでは国民の健康被害が出るんではないかという心配の声がかなり出ているんですけれども、その辺はどう措置をされるのか。厚生省と関税局長から御答弁をいただきたい。
○説明員(花輪隆昭君) お答え申し上げます。 食品関係につきましては、年々輸入食品の増大を見ているわけでございますが、現在食品につきましては、港で届け出を要するだけでございまして、特にむずかしい許認可は必要とされていないわけでございますが、その際に必要に応じまして抜き取り検査を実施いたしまして、安全であるかどうかの確認をいたしておるわけでございます。 今回の基準・認証の本部決定におきまして、特に手続の簡素化というような見地から、外国の公的検査機関で品質等の安全性につきましての証明書が添付されておる、それを検査結果として受け入れるということで、できるだけ公的な検査機関の追加指定を行っていきたいと、こういうふうなことで現在考えているところでございます。
○説明員(代田久米雄君) 医薬品の関係についてお答えを申し上げます。 ただいま先生御発言ございましたように、医薬品につきましては、私どもも医薬品の特に有効性あるいは人体に対する安全性については、非常に重要なポイントとしてこれを確保するという立場から、外国データの受け入れにつきましてその可否を検討してまいってきたわけでございます。特に医薬品の毒性試験等につきましては、昨年来医薬品の試験の、何といいますか、試験の実施基準というものをつくりまして、この基準に該当している場合に、その外国データを受け入れるということにしておりますし、試験法につきましても、ガイドラインの作成を進めるというような方策を講じております。 それから臨床試験でございますけれども、この臨床試験データにつきましては、欧米人と日本人のいまお話ございました体質の問題とか生活環境、そういうものの差異を考慮する必要がございますので、今後WHOなど国際的な協力体制のもとに、そういう場での意見を十分に聞きまして、そしてわが国の専門家の意見もあわせ検討いたしまして、学問的に受け入れることが可能な範囲というものを検討してまいりたいというふうに考えております。
○政府委員(松尾直良君) 市場開放策の一環として、通関制度につきまして大きな改正を昨年からいたしておりますが、そういう中でいま御指摘のありました包括審査、つまり継続的に同じものが輸入される場合に、最初に審査しておくことによって事後簡単に許可をする、あるいは物によりましては、物を先に引き取るという事後審査制、こういうものを導入いたしておるわけでございますが、IQ物資、輸入割り当て品目につきましては対象から落としております。 御指摘のように、輸入割り当てをくぐるためにいろいろな工夫をいたしまして、いろんな新しいものが入ってくるという事例が多いわけでございますが、このIQ品目に該当する可能性のあるものについては慎重な審査をいたしておりまして、こうした包括審査とか事後審査の対象外ということで措置をいたしております。
○竹田四郎君 いずれにしても、そういう非常に心配があるわけでありますから、なかなかいますぐという形ですべてのことができるわけじゃありませんし、向こうの基準が果たしてこちらの基準とうまく合うような基準がすべてできているということでもありませんし、そういう点では、国民の命と健康という問題については十分な配慮をひとつお願いをしたいと思います。 いよいよ時間がもう迫ってきたんですが、今度の関税率の引き下げを見ますと、非常に欧米向きだというふうに言えるんじゃないかと、こう思いますね。 たとえば品物を一つ一つ比べてみましても、たとえば油などを見ましても、トウモロコシの場合には、これは関税率の引き下げが二〇・八%ぐらいになっている。ところがヤシ油の場合は四・二%ぐらいですね。同じ油でも非常に差がある。あるいはジュースでも、レモンジュースの場合には二七・五だけれども、ライムジュースの場合には四・三だとか、それからチョコレート菓子とかビスケットとかクッキーなどといいますと、大体三〇%から四〇%台の切り下げだけれども、たとえばココアなんかを見ますと五・七%。 それから全体的に見まして、機械あるいは比較的技術を要するようなものについては非常に低く下げたり、あるいは無税にしたりそういうことをやっているんですが、どうも先進国向けの関税の引き下げであって、日本の貿易が非常に関係をしているし、またこれからもそういう関係が非常に重要になってくる途上国や、特にASEAN、こういうものに対する配慮というのは非常に欠けているんじゃないですか、今度の問題。 これは相当直していかないと、恐らく今度の総理のASEAN訪問にも大きな問題が出てくると思うんです。いままでもかなり強い要求があるんですけれども、そういう点では、今度の関税率の改正というのを見ますと、どうも上の方ばかり見ている。さっきのたばこから、一連の農産物から、いろんな話してみて、日本がこれから依存をしなくちゃならない、これは貿易的にも依存しなくちゃならない、そうした途上国に対する配慮というのは非常に少ない。上ばかり見てやる。先進国には非常に腰を低くして、あれやこれや気を使って、言葉まで心配しながらお述べになっている、そういう態度をお示しになっている。ところが、途上国やASEANの国々には、今度は逆に下げてはやるけれどもおまえたちから買うようなものはないよと、こういうような形ですね、今度のを見ましても。 確かにニシンの卵とか七面鳥の肉とか、こんなものは下げています。下げているけれども、こんなもの全然関係ないですわね、買ってないんですから。そういう形でかっこうは下げていて、かっこういいようですが、実際はそこからこっちへ買うものはない。これも一種の欺瞞と言えば欺瞞ですけれども、こういうようなことをやっている。あるいはいま非常に望んでいるところの合板とかあるいはフルーツジュースとか、そういうようなものについては何ら考慮を払わない。こういうような態度でいって、果たしてこれからのアジアにおける日本になるのかどうなのか。もう少しこの辺は配慮しなくちゃならぬと思いますが、これはどういうように考えるんですか。これは特に総理がこれから行くわけでありますから、特にその対策というのはもう練っていらっしゃるんだろうと思いますけれども、もう少し何とかしなければ、これでは大国主義を日本は振りまくという批判を受けざるを得ないと思うんですが、どうでしょうか。
○政府委員(松尾直良君) 今回の改正品目を個々にごらんいただきますと、ただいま御指摘のように、アメリカあるいはECという先進国の関心品目あるいは関係の品目が多いことは御指摘のとおりでございます。しかしながら、市場開放措置というものは、これは二国間の問題であるのみならず、関税というものはグローバルに適用されるわけでございますし、また先ほど来申し上げましたように、保護主義の台頭を抑えて自由貿易体制を維持強化するということは、発展途上国にとってもやはり益するところがあろうかと思うんであります。 なお、その発展途上国に対する関税の関係につきましては、今回の市場開放にむしろ先立ちまして、一昨年特恵関税制度の十年延長等の改善措置を講じたところでございます。ASEAN等から個々の関税改正の要望というものも従来からもあるわけでございまして、そういったものを考慮に入れながら関税政策を考えていかなければならないという点につきましては、御指摘のとおりでございます。 ただ、一つ付言をさせていただきますと、ASEAN諸国の関心品目というのが、農産品あるいは日本の中小企業なり零細企業に影響の大きいと思われるような産品が比較的多いというところが、非常にむずかしいところでございまして、農業あるいは国内のそういう中小企業へ配慮しながら、こうした発展途上国の要望にこたえていくということが肝要であるというのが、私ども一般的な考え方でございまして、そういう観点から四十六年に特恵関税を創設しまして以来、数次にわたって特恵関税の改善というのを講じてきておるわけでございます。
○竹田四郎君 特恵関税の延長だけでは僕は意味ないと思うんですよね。ほかの方の関税率はどんどんどんどん下げているでしょう。そうすると特恵的な役割りはまず余り意味がなくなってくるというのが一つ。だからこそASEAN諸国がいろんな要求を出しているんだろうと思いますよね。 そういう意味で、どうなんですか、総理が行かれるわけでありますし、きょうあたりの新聞を読みますと、むしろアメリカあたりの方が途上国に対する関税のあり方というのを積極的にやっているということですが、近いところの日本、しかも総理大臣がこれから行こうというところでもう少し新しみを出していかないと、アジアの中の日本、何もいばる必要はないんですが、アジアの一員としての日本というようないまの日本の方針というのは崩れていくんじゃないでしょうか。 この辺は大蔵大臣どうですか、内閣総理大臣が来月末ですかにはスタートするわけでありますけれども、その辺が貿易関係では一番問題があるように思いますけれども、そのままでいいんですか、いまのままで。あるいは何らか考えていらっしゃるんですか。どうなんですか。新聞では、まだ発表の段階ではないけれども考えていると、こういうふうな新聞もあるようでありますけれども、どうなんですか。
○国務大臣(竹下登君) 総理のASEAN訪問がもう間近に迫っております。時を同じくしてアジア開発銀行の総会へは私が出かけることになっております。いまその間のいろいろな問題について事務的にも詰めをしておりますが、いわゆる関税問題につきましては、特恵関税の適用期限を十年延長したという措置がしてありますので、今度は各国それぞれのもろもろの貿易問題についての要求があろうかと思っておりますので、それについての具体的な対応策については、関税のサイドからこれを事務的に詰めておるという段階ではまだございません。いまそれぞれの関心品目あるいは経済協力問題等についての勉強を開始しておるところでありますが、基本的な姿勢としてわれわれが持っていなければならないのは、それはいま竹田委員御指摘のとおりであるというふうに私どもも理解しております。
○竹田四郎君 向こうで何か総理が発表するというような段取りになっているというんですから、あえてここで発表を強要したくありません。もう時間ありませんから、梅澤主税局長には、きょうは質問通告をしておきまして、自動車重量税の問題で少しここで徹底的に議論しようと思っていたんですけれども、それをやっていると時間オーバーになってしまいますから、これはこの次にその辺の議論をしたいと思っております。 いずれにしても、権利創設税という考え方は間違いである、どうしたって間違いである。しかも、もし権利創設税であるならば、特殊自動車に対する非課税というのはおかしいわけです。これを経済的におまえのところはもう少し発展させたいから免税にするとか、あるいは税率をそこは半分ぐらいにしてやるということならわかるわけですね。道路を走る権利を与えるというんだったら、特殊自動車だって道路を走るわけですから、その権利に対しては非課税ということはあり得ないと思うんですね。そういう意味で、きょうはその議論はしませんけれども、この次にそういう議論をする機会を与えていただきたいと思いますから、きょうは大変失礼しました。これで終わります。
○丸谷金保君 最初に大臣にひとつ御確認しておきたいんですが、憲法十四条、すべての国民は法のもとに平等だと、こういうことは御存じだと思うんです。したがいまして、憲法三十条の「国民は、法律の定めるところにより、納税の義務を負ふ。」というここの条文もやはり十四条を受けて公平の原則が貫かれていると、こういうふうに理解してよろしゅうございましょうか。
○国務大臣(竹下登君) 三十条「国民は、法律の定めるところにより、納税の義務を負ふ。」、いわば租税法定主義、そしてそれに対する義務ということで、お説のとおりだと思っております。
○丸谷金保君 ところが、五十六年の三月十九日の大蔵委員会で私の質問に対して当時の高橋主税局長が、これは酒の税金なんですが、輸入品については一定率の適用の余地がない、そういう意味で違っておるというお答えになると思います。要するに国内の課税の仕方と輸入品とは違っておるのかというときに、違っておるというお答えになると思います。明確に違っているということを言っているんです。このことをこれからまた関税の問題に関連してお聞きいたしたいと思います。 というのは、違っているというんだから直したと思ったら、いまだに直っていないんですよ、全然。今度の関税の暫定措置法あるいはその他の定率法の見直し、これは昨年の十二月に審議会から答申が出ているわけです。大体これを受けていったものだと思いますけれども、それに違いございませんか。
○政府委員(松尾直良君) 御指摘のとおりでございます。
○丸谷金保君 この中に第二のバルクワインを特恵の六十円から四十円にするという意見が出ているんですが、これが読んでみて、どこにも今回の改正に出ていないんですけれども、これはどうなっているんでしょうか。
○政府委員(松尾直良君) 審議会答申の「第二、個別の関税率の改正等」というところの一に「関税率の改正」としまして、「下記の品目について、関税率の改正を行うものとする。(一)バルクワイン関税率の引下げ」ということで答申に盛り込まれております。
○丸谷金保君 いや、それが今度出た法案の中のどこにあるか。ほかはずっと調べて、みんな答申どおり出ているんですけれども、これだけちょっと見えないんで、どこに出ているんでしょうか。
○政府委員(松尾直良君) 百二ページの終わりの方でございますが、「別表第二第二二・〇五号中「六〇円」を「四〇円」に改める」、これでございます。
○丸谷金保君 それで、それはわかるのです、答申どおり。ところがこのボトルワインを今度下げるのが出ているのですね。これは今度逆にこの審議会の答申の中にございましたですか。
○政府委員(松尾直良君) ボトルワインについては今回引き下げは行っておりません。
○丸谷金保君 だから、答申にあるのをおやりになったということはわかるのですよ。ただ、答申にないのがそれだけぽつっと出てきているのですよ。ボトルワインの関税率の引き下げ。あとは大体答申どおりに出ていて、これだけか突如として関税の引き下げが出ている。これは一体どういうわけなんだ。大臣、お聞きになっていませんか。どうしてこれだけ出てきたかという理由。 〔委員長退席、理事増岡康治君着席〕
○政府委員(松尾直良君) 今回ワインにつきましては、特恵関税六十円を四十円に改めるという改正だけをお願いしておるわけでございます。
○丸谷金保君 ブランデーのあれ、これは引き下げはないんですか。
○政府委員(松尾直良君) 私いま申し上げましたのは、ワインについて申し上げましたので、ブランデーにつきましては御提案申し上げております。
○丸谷金保君 それが審議会の答申のどこに出ているのですか。
○政府委員(松尾直良君) 審議会答申の別紙第一、「市場開放対策における関税率の引下げ実施措置」の、ずっと品目が並んでおります三ページ目になりますが、二二・〇九―一(二)Aブランデー(原酒)、その下の二二・〇九―一(二)B、これでございます。
○丸谷金保君 実は、これは昨年の四月の十四日、渡辺大蔵大臣のときに、フランスの大蔵大臣と会談して、ここでブランデー二品目下げると、こういうことになっていたわけですね。ところが、実際なかなか下がらないので、実はポアチエ戦争が起こったんではないか、私はこう思うんですよ。それで今度あわててこういうことになってきたんではないか。
○政府委員(松尾直良君) そうではございませんで、四月に当時の渡辺大蔵大臣が引き下げの意思を伝たえたことは事実でございますが、そのときはすでに四月でございまして、五十七年度の関税改正が終わっておったわけでございます。したがいまして、これは五十八年度改正で措置をするということで、そういうことを申し上げたということでございまして、実施は当然翌年の四月からということで、相手側も了解をしておったはずでございまして、ポアチエとは直接関係はございません。
○丸谷金保君 実は、こういう問題に対しての日本の対応の仕方、先ほど竹田委員からもお話がありましたけれども、何かいつも非常に弱い感じがするんです。 いま乳製品の問題でも問題があるんで、後でお聞きしようと思っているんですけれども、こういう関税引き下げでたとえばVTRのポアチエ規制の問題がありますね。これも新聞報道等によると早くにもう規制解除されるとか。これは通産省ですが、通産省の小松通商産業審議官を訪ねたECの代表部の大使の会談後の話として、そういうあれが出ているんですが、これはどうですか。遅くても四月一日ということですね。本当はもっと早くになる予定だったんですけれども、ちっとも早くなっていないみたいですが、どうなっていますか。
○説明員(姉崎直己君) お答え申し上げます。 私ども、EC委員会の方からフランスの措置につきましては、フランス内閣の交代ということもあり、時期がおくれている、近く措置が撤廃されるであろうということは連絡を受けております。
○丸谷金保君 その近くというのは二月中の話なんです。いまだに全然その気配もない。こちらの方だけは約束したことをきちっと守って、前大蔵大臣が約束してきた関税の下げはする。 通産省、あれは通産省が発表したように、四月一日までになるんですか、ならないんですか、見通しは。
○説明員(姉崎直己君) 私どもとしては、なるべくフランス政府がそのような措置をとることを期待しております。
○丸谷金保君 大臣、こちらも約束したことをやるんだから、すぐやめろという抗議をひとつ。関税については、ミッテランが来たときに約束したこと、それから渡辺大蔵大臣が行って約束したこと、これを全部確実に三月の末までにこちらはやるんだ、やったぞ、おまえの方は何だという抗議くらいできないんですか。ヨーロッパやアメリカなんかしょっちゅうやっていますよ。ここら辺に、対外政策というか、輸出入の問題についての政府の弱腰――弱腰というよりも、言うべきことを言っていないという感じがするんですが、いかがですか。
○国務大臣(竹下登君) 私も就任いたしましてからフランスへ参りました。その際も、大蔵大臣でございますが、お話をいたしました。その後、先般の三極通商会議でEC代表の方がお見えになって、そこでいろいろ具体的にわが方の通産大臣と意見交換がなされて、そうして結果として期待しておるという段階になったというふうに私どもは承知をいたしております。
○丸谷金保君 おまえの方もやめないんなら、うちの関税の引き下げもしばらくストップするぞと、こういうわけにいきませんか。どうですか。
○国務大臣(竹下登君) まあ、どちらかといいますと、この間のEMS、これは通貨問題でございますけれども、ヨーロッパの国はああして陸続きでございまして、したがって、絶えず自国の利益の問題についての対応というのは、東洋人的感覚よりは非常にスピーディーによかれあしかれ行われておるという事実認識は私にもございます。日本が言うべきことを言うということは、この新しい内閣になりましてからすでに、外務大臣また通産大臣もヨーロッパへ行ってじかにこのお話をしていらっしゃいますし、その対応について誤りなきを期しておると、すなわち言うべきは言うという姿勢は貫かれておるというふうに私は理解しております。
○丸谷金保君 私は関税、特にバルクワインの関税の引き下げ等に決して反対をしているものではないんです。ボトルワインの場合においても、消費者という立場に立ちますと、こういうこともやむを得ないだろうと僕は思うんですよ。 ただ問題は、関税を下げても、先ほども申し上げたんですが、酒税で、輸入してきて輸入業者の手元にあるものと、国内で生産したものとの税のかけ方が違う、これは高橋さんが前に言っているように違うんです。これは直っていないんです。これは明らかに不公平だと思うんですがね。 ただ、前の記録もずっと読み返してみましたら、ああでもない、こうでもないというふうな上手な御答弁が続いております。それできょうは逃げられないように試算してきたんです。試算してきましたんで、これはしっかり答弁してもらいたいと思うんです。 十勝ワインにビンテージワインでアムレンレスとか清見という二千円のワインがあるんです。この税は四百五十三円なんです。ところが、輸入ワインの小売価格二千円のものは関税を加えても二百二十五円五十七銭なんです。これは間違いないですね。事務当局でお答えしてください。これは具体的な例なんです。
○政府委員(梅澤節男君) いま委員がおっしゃいましたのは、七百二十ミリリットルの小売価格二千日のワイン、国産と輸入の酒税額でございますが、国産の四百五十三円というのは御指摘のとおりでございます。それから輸入につきましても、いまのマージン率からいきますと、二千二百円ぐらいから上が従価税になりますので、二千円ということになりますと、酒税が三十一円四十三銭、関税が百九十六円、合わせまして二百二十七円ということになると思います。
○丸谷金保君 これは試算すれば同じことが出てくると思ったんですが、五千円クラスのウイスキーでも相当違いますね。いま外国からの輸入ウイスキーは五千円に焦点を当てて大々的な売り出しを始めるという時期に来ている。これも違いますね。
○政府委員(梅澤節男君) 具体的な数字はもしお求めでございましたら後で御報告いたしますが……。
○丸谷金保君 いや、私の方でも試算はしています。
○政府委員(梅澤節男君) いずれにいたしましても、小売価格を基準として比較する限り、そういう傾向になると思います。
○丸谷金保君 大臣ね、これは法のもとに入ってきた輸入業者のものなんです。法のもとに平等でないでしょう。どう思いますか。違うんです。
○政府委員(梅澤節男君) 実は、この問題は、先ほど委員もおっしゃいましたように、年来の委員の御主張と申しますか、御指摘になっている点でございますけれども、これも毎度私の方から申し上げておりますように、この酒税に限りませず、わが国の内国消費税で庫出税のたてまえをとっておりますものは、課税標準は、国内のものにつきましては、流通段階に入る前の価格、つまり製造者の販売価格が課税標準になる。輸入品のものにつきましては、保税地域から引き取るときの価格、つまりCIF価格と関税を足したもの、これが課税標準になるということでございます。その後流通過程に入りまして価格展開が非常に差がございまして、輸入品につきましては、流通マージンが非常に高いわけでございますね。なぜか高く売れるわけです。そういたしますと、小売価格で税負担を比較いたしますと、どうしても格差が出てくるという問題でございまして、これは冒頭に委員がおっしゃいましたように、法のもとにおける税負担の平等という憲法問題ということではなくて、むしろ庫出課税という税体系をとっております限りは、大なり小なり小売価格で物を比較いたしますと格差が出てまいるわけでございます。ただ、輸入のワインとか輸入の洋酒のように、わが国の流通段階に入りましてから価格展開が非常に極端に流通マージンが違うものについてその格差が非常に目立つということは、この現実は委員御指摘のとおりでございます。 この問題は、基本的に解決するためには、つまり小売段階での税負担のバランスということを考える限りは、間接税、内国消費税の制度をたとえば小売段階課税に直すとか、あるいはEC型付加価値税のように多段階の課税システムをとらない限り、小売価格での税負担のバランスというのは解消しないということでございます。
○丸谷金保君 方式を変えなきゃ直らないということですね。大臣、これは方式を変えればいいんじゃないですか、不公平なんですからね。方式を変えなきゃ直らないという話なんですよ。これは方式を変えて公平にするのが、同じにするような方式に持っていくようにするのが当然じゃないですか。マージン率が高いとか低い、そんなこと関係ないですよ。それはそれから先の話だ、商売の話です。しかし、飲む方にしてみればおかしいことに間違いないんですね。そうでしょう。いまの方式なら直らないと言っているだけで、その方式がおかしいからこういうことが出てくるんでしょう。大臣どう思いますか。どう考えたって、試算してみればみんな違うんですからおかしいんですよ。
○国務大臣(竹下登君) いまの質問こそ、まさにわかった者がわからぬ者に質問しておるわけでございますので、わかった方からお答えをいたします。
○政府委員(梅澤節男君) これは先ほど申し上げたことの繰り返しになるわけでございますけれども、方式を変えるということは、この酒税だけに限りませず、わが国の内国消費税の税制全体のあり方をどう考えるか、つまり末端の小売価格に対して税負担額がバランスをとらなければならないということになるとすれば、つまりそういう税制の立場をとるとすれば、小売段階課税に切りかえるとか、多段階のEC型付加価値税のような仕組みに切りかえない限り、この問題は基本的には解決されない。方式と申しますのは、そういう制度の改変を含む非常に大きな問題である。私どもは、委員の御指摘も一つの問題の御指摘であるとは思いますけれども、わが国の現在の内国消費税の体系のもとでは、制度の基本的な見直しを行わない限り、この小売段階、末端小売価格のベースで税負担をそろえるということはできないということでございます。
○丸谷金保君 そのむずかしい話はわからないのですがね、むずかしい話は。ただ計算してみて違うというのはおかしいということですね。これを不合理だと思いませんか。ウイスキーだって五千円なら五千円のところでやってみたら、税が違うのですもの。そうでしょう。 きょうここへ出ている関税だって、僕はブランデーの関税をこの程度下げるというのをいいと思うのですよ。もっと別なところでもって外国から入ってくるものがえらい有利に待遇されているのですよ。国内の生産者の方が非常に不利な状態にあることは間違いないでしょう。 これは消費税の体系とかなんとか余りむずかしいことわからぬけれども、不合理でないですか。どうなんです。
○政府委員(梅澤節男君) どうも議論が平行線になるわけでございますけれども、庫出課税というのは、製造者が流通段階に入れる価格を課税標準にいたしましてそれに税負担をかける、それが消費者に転嫁していくという税金でございます。それを負担の公平という観点から、末端消費価格に占める税負担、最終税負担の比率をそろえるのが間接税のあるべき姿であると。これも一つの立場だと思いますが、そういたしますと庫出課税というよりも、むしろ小売段階の課税とか、あるいはEC型付加価値税のように多段階の間接税の体系を持たない限り、制度論としては解決ができない。しかし庫出課税は庫出課税としてそれ本来の、つまり製造業者から出る価格に担税力の標準を見出しておるわけでございますから、それ自体としては一つの負担の均衡を図る税制であるということは否定もできないわけでございます。
○丸谷金保君 何ぼそんなこと言っても――同じ二千円のワインが店に並んでいるのだよ。別なものなら違いますよ。同じ五千円のウイスキーが並んでいるのだよ。この税金が違って不公平でないという理屈がどうしてもわからないのだけれどもな。わかりますか、皆さん聞いていて。
○政府委員(梅澤節男君) つまり末端小売価格に占める税負担率がバランスしていない、バランスするのが公平であるという前提に立ちますと、委員のようにそれは公平を欠いておる、バランスを欠いておるという指摘はそのものとしては私は否定できないと思いますけれども、現在のわが国の内国消費税というのは、伝統的に庫出課税を基本といたしておりますので、どうしても末端価格ベースで負担の議論をいたしますと、現実問題としてそのバランスが崩れてくるということでございます。
○丸谷金保君 その「でも」から後がわからないのだよ。私の言うとおりであろうと思う、そのとおりだと。「でも」でしょう。それから後が、何ぼいまの説明聞いたって、不公平は不公平だと思う。しかも、いまウイスキーなんかも大々的に五千円ウイスキーを輸入して売り出そうとしているんですよ。御存じでしょう。ですから二千円のところだけでないのです、三千円のところをとったって不公平なんですよ。 ワインの調査を要求したのが出ていると思うのですがね。輸入ワインの従量税と従価税の割合はどうだ、どれくらいだか。
○政府委員(加茂文治君) お答え申し上げます。 昭和五十六年度における果実酒の従量税または従価税適用区分別の課税数量について御説明いたしますが、国産の物について言いますと、従量税適用が三万五千五百八十五キロリットル、従価税適用が七千五百七十八キロリットル、合計四万三千百六十三キロリットルでございます。それから輸入物について言いますと、従量税適用は一万一千七百三十七キロリットル、従価税適用は二千九百八十キロリットル、合計一万四千七百十七キロリットル、国産、輸入合わせまして、合計五万七千八百八十キロリットルでございます。
○丸谷金保君 輸入のワインについても、いま八割方二千円以下なんですよ、消費されているのは。これがこんなに違うんです。一本何万円なんというのは、新聞には出るけれども、そんなに流通していないんですよ。安いワインがうんと出ているんです、ボトルでも。ウイスキーでもそうです。それがこんなに違う。これで不公平でないという――不公平だということを認めるんですか、認めないんですか。
○政府委員(梅澤節男君) 先ほども申し上げておりますように、庫出価格、つまり製造者の販売価格、輸入品でございますと引き取り価格を課税標準にして、そこまでのベースでは全くバランスがとれておるわけでございますが、その後の価格展開で、国内品と輸入品でございますと、洋酒の場合マージン率が倍ぐらい違いますから、末端の小売価格と根元でかけられた税率を比較いたしますと、負担率でそれだけの差異が出てくるということでございます。
○丸谷金保君 主税局長、いつから輸入業者のマージンまで心配するようになったのか知らぬですが、税金が安いからマージンが高くなるんですよ。マージン率がいいんでしょう。これは当然のことですよね。同じ二千円に売って、片方は四百何ぼの税金だし、片方は三十何円の税金じゃ、税金が安いだけ、それだけマージンがよけいになるでしょう。こんなもの素人だってわかるわけですよ。私の聞いているのは、同じ二千円なら二千円のボトルワイン、片方は三十何円の税金だし、片方は四百何ぼの税金が不公平だと思いませんかということ。今度は、後の「でも」の方は要らぬから、前の方の質問にだけ答えてください。
○政府委員(梅澤節男君) まず最初の問題、お言葉を返すようでございますけれども、税金が低いからマージンが高くなるんじゃなくて、マージンが高いから結果的に小売価格と比較したら税率が低い、これは事実の問題でございます。 それで、それを公平と考えるかどうかというのは、確かに私は問題の一つの御指摘であろうと思います。しかし、基本的にこれをどう考えるかということは結局、先ほど申しましたように、わが国の内国消費税体系を一体どう考えるのかという問題と結びついてくる問題であろうと思います。
○丸谷金保君 内国消費税体系なんてむずかしい問題を出されてもわからないんで、この現実をどう思うかということなんですよ。マージンが高くなるから何とかとおっしゃるけれども、だって、同じ二千円のワインで十倍の酒税を国内のメーカーが払わされなきゃならぬということ、そうでしょう。マージンが高いからそれだけ違うなんて。マージンの問題だけでそんなに違うこと自体おかしくないかということですよ。公平だと言えるかどうか。 大臣、どうですか。お聞きになっていて、素人の考えで結構だと思うんですが、こんなばかなことがこのまま、制度がこうだから仕方がないということでいつまでも……。 昔は関税が高かったからこれは問題にならなかったんです。関税がだんだん安くなってきたんだから、そうすれば内国税の問題は、国内生産メーカーにとってみれば大変な問題なんですよ。外国でそういう点で、何というか、不合理な外国製品優遇の税のかけ方をしている国があったらぼくは聞かせてもらいたいと思うんだな。
○政府委員(梅澤節男君) 製造者段階で課税するというたてまえをとります限り、そこの部分ではアンバランスになっていないわけなんです、繰り返して申し上げますけれども。それは国内の製造業者の場合は、庫出価格、つまり製造者販売価格に税率が適用されるわけでございますし、輸入洋酒の場合には保税地域から引き取るときの価格、つまり関税を足したものが課税標準になって、それに税率が適用されるわけでございますから、そこはバランスがとれているわけでございます。問題は、それ以後の流通段階での価格展開で非常に差ができてきておる。したがって、そこに着目して小売段階での末端小売価格に占める最終税負担のバランスをとるのが間接税のあるべき姿であるという大方の御意見ならば、そこは制度を変えて小売段階の課税方式にするとか、EC型の付加価値税のような多段階の税率、関税、消費税体系をとっていただければ、その問題としては解決するということを申し上げているわけでございます。
○丸谷金保君 とっていただければといって、そういうことを提案するのは大蔵省でしょう。いただければって、どこにいただくんです、あなた。全然何か人のことのようなことを言っている。昔は関税が高かったからこの問題は余り大きく表に出なかったんです。ところが、関税をこれだけ下げてくれば、当然こういうことはECのようにするとか、矛盾のないようにすることを考えるのがおたくの仕事でないのか。だれが考えたってこれで公平だなんて答えが出ますか。いろんなことを言わないで、公平か公平でないか、どっちですか。
○政府委員(梅澤節男君) いまおしかりを受けたわけでございますけれども、その公平の問題という観点等も含めまして、わが国の個別消費税のあり方については基本的に見直さなければならないという考え方は、常々税制調査会の中期答申等でも繰り返し述べられておるところでございまして、これは一酒税だけの問題ではないわけでございます。その意味では、委員が御指摘になっている点は、今後のわが国の間接税をどう考えるかという意味で、一つの非常に示唆に富んだ問題を御指摘になったことは事実であると考えます。
○丸谷金保君 二年も前から言っているんだよ、僕は。何にもしないから、もうたまりかねて、今度また関税の問題が出てきて下げるというから言うんであって、関税のところだけ見て、外面だけよくしても、内面こんなにいじめるような税の仕組みを示唆に富んだなんてうまいことでごまかさないでね。僕の聞いているのは、これで公平と思うか思わないかということだけなんだから、大臣どうですか。 〔理事増岡康治君退席、委員長着席〕 同じ二千円のボトル、五千円のボトルのウイスキー、十倍近くもワインの場合税が違うんですよ。前は関税が高かったからバランスがとれていたけれども、だんだん関税の方が下がっちゃったから、片方を手直しをしないからこういう結果になっちゃったんです。これでいろいろ御答弁はなさっているけれども、結局いまの制度を変えなきゃならない。こんなものをいつまでもこのままにしておくことは、消費税や間接税の問題に、示唆に富んだなんてそんなところに逃げないで、僕はそんなむずかしいことを言っているんじゃないんだから。おかしいじゃないか。大臣おわかりになりませんか。どうですか。大臣、素人の方にいまの質疑を聞いていてもらって、どう考えてもおかしいというふうにお思いになったのじゃないか。
○国務大臣(竹下登君) 末端消費者価格というものを基準に置いて見た場合には、丸谷委員のおっしゃる意味は私にも理解ができます。
○丸谷金保君 そういうことだと思うんです。私はいまは別にメーカーに関係してないんで、消費者の立場でおかしいと思って申し上げておるんでね。どう考えてもおかしい。これじゃ国産のワインだとか、ウイスキーだとか、ブランデーだとかがかわいそうだと思うんですよ。こんなことをこのままにして、消費税の全体の見直しがどうだとかこうだとか、百年先でなきゃ解決しないような話で逃げられたんでは困るんで、篤とこの点についてはひとつ御検討願いたいと思いますが、いかがですか。
○政府委員(梅澤節男君) いま大臣の御答弁もあったわけでございますけれども、従来からこれは委員が御主張になっている点でございます。わが国の現在の酒税制度は、先ほど申しましたように、庫出課税のたてまえをとっているということと、もう一つは、従量税と従価税の併課制度、併用制度をとっておりますので、この末端価格から見ました場合の税負担の国内酒類とそれから輸入洋酒との格差というものが、非常に目立つかっこうになっておるわけでございますが、御指摘の点も含めまして、わが国の消費税全体をどう考えるのかということとも関連させながら検討させていただきたいと思います。
○丸谷金保君 それじゃ次に、チョコレートとビスケットの関税が今度下がるんですね。これはチョコレートにしろビスケットにしろ、原料は小麦、牛乳、バター。このことについては大臣御存じでしょうね、牛乳やバターや砂糖やそういうものが入っていることは。
○国務大臣(竹下登君) 恐らくチョコレートはそんなものが入っているだろうと私も常識的に理解しております。
○丸谷金保君 これが実はいま大体五千トンくらい入ってきているんです、どっちもですね。これの原料は砂糖あるいはバターなんですよ、チョコレートにしても。チョコレートについてはヨーロッパからその約六割以上が入ってきているんです。あるいは七割近くが入ってきています。それの原料はバター、砂糖ですね。そしてそれに対するECの農業の保護政策、これはもう大変なものなんです。 いまお話がございましたように、輸入する場合には課徴金をかける、輸出する場合には払戻金で安くして出す。課徴金を取って、国内の生産は、砂糖にしろ牛乳にしろ、非常に安定した価格に抑えている。 きょうは牛乳の問題だけにしぼりたいと思うんですが、ECの農家の一戸当たりの平均耕地面積が十五・九ヘクタール、簡単に言うと十六町歩ぐらいあるんです。このECの農業でさえも日本のと比べものにならない。こういうことで輸入輸出の際に農産物の価格操作をやって、自国内の域内の農業の安定政策を立てているんです。日本はどうか。保証乳価が今度はキロ九十円七銭に上がったんですよ、わずか。これに対して、大蔵省予算から出たんだと思ったんですが、八十九円三十七銭から九十円七銭に上げたその財源は全部メーカー持ちなんですね。こういうところには大蔵は全然金を出す気はさらさらないんですか、主計局は。
○政府委員(平澤貞昭君) 委員御指摘の件でございますけれども、これにつきましては、政府としていわゆる補給金として四百数十億の金を出しているわけです。
○丸谷金保君 これは四百六十五億ですね、正確に言うと。これは限度数量百九十三万トンのときの価格です。今度は限度数量は二百十五万トンに上げる。でも四百六十五億の方は上げないのですね。ちょっとおかしくないですか。
○説明員(海野研一君) お答え申し上げます。 私ども別に限度数量をふやすために基準取引価格を上げてメーカーからはぎ取ったということではございませんで、五十六年度から五十七年度にかけての価格動向を勘案いたしまして、その結果バター、脱脂粉乳その他の乳製品の価格動向から見まして、五十八年度に安定すべき水準としてはこのくらいであろうということで安定指標価格の改定をいたしたわけでございます。これで安定指標価格のない家庭用バターや全粉乳含めて三%程度のアップになったわけでございます。 そのほかに、私ども乳業メーカーに対しまして乳製品の生産費調査をいたしております。その生産費調査の結果、五十年代に入って乳業メーカーは工場の整備統合を大分やっておりましたが、その効果が出てきてメーカーの合理化ということも行われまして、特に特定の財源をひねり出すというようなことではなく、まさに昨年と全く同様の方式で乳業メーカーの製造コストを計算いたしまして、その結果、基準取引価格がある程度変わってきたということでございます。
○丸谷金保君 いまの御答弁を聞いていて、農水省はどうして大蔵省にこう弱いのかな。いま私は大蔵省に聞いているのに、あわてて助太刀出すんですよね。何たることだと思う。そういうことだから、ECよりもはるかに劣る農業の補助金が何か悪ものにされるのですよ。いいですか、いまその生産費の調査や何かをしているという。たとえばメーカーの安定指標価格、この中におけるところのいわゆる製造販売経費を引いた残りが基準取引価格でしょう。これは当然上げてしかるべきだと思うのですよ。これは何もメーカーや市場の安定の問題じゃないんです。 たとえばここ五年間で牛乳の脂肪含有量がどれだけ上がったと思いますか。
○説明員(海野研一君) 五十一年度の脂肪率は三・四四%、五十六年度には三・五七%というのが平均値で出ております。多少上がっておりますが、ただし基準取引価格は脂肪三・二%のものについての価格ということでございまして、そういうことで取引が行われているのを前提にして三・二%分についての基準取引価格でございます。
○丸谷金保君 この脂肪含有量が上がってきているということは農民の努力なんですよね。メーカーの努力でないんです。脂肪含有量が上がれば歩どまりがいいでしょう。当然コストは下がるんですよ。そうでしょう。乳脂肪の固形分だってそうですね、上がっていますわね。そうするとチーズだとか何かだってそうなんです、みんな。これは農民の努力なんですよ。 そうしますと、三・二に固定して計算しているというけれども、これはもう現実に合わないのだし、きちっとやり直しをして、当然ここでメーカーに吐き出させる分は農民に返すべきなんですよ。限度数量の方に行くのでなくて、基準取引価格の方を、わずか七十銭くらいじゃなくて、もっと上げる方にやって、補給金の方だけは、四百六十五億を五百億なり五百二十億出せとなぜ大蔵省に要求できないんですか。そこに問題があるんだよ。
○説明員(海野研一君) いまの脂肪率の問題、脂肪率が高くなったことによって確かに同じ一キロ当たりの牛乳から出てきますバターなりクリームなりというものの量がふえることは確かでございます。 ただ、乳業メーカーと生産者との取引が三・二%を基準にしてやっておりますので、それについてたとえばそれを〇・一%超えるごとに、現在北海道では一円つけております。あの一円という数字がいいか悪いかという問題がございますけれども、一応その辺が両者の取引関係の中でバランスがとれていくということを前提にいたしますと、その一定のパーセントを基準にしてはじくという方法は、そのために不合理が生まれるということではないように私は思います。 ただ、いま先生おっしゃいました基準取引価格が上がった分は保証価格にというお話がございましたけれども、しかし私ども保証価格の算定につきましては、五十六年から五十七年にかけまして、その当時の保証価格の中で需給が非常にいい方向へ動いてきている、いまちょうどバランスしているところであるということを考えますと、昨年の方式をそのまま踏襲して保証価格を算定するのが最も自然であるということで、新しいデータで昨年の方式で計算して出たものでございます。特に何かの分を限度数量に回したから抑えたとかいうようなことではなくて、全く去年どおりにして自然にはじいたものでございます。
○丸谷金保君 脂肪の含有量が上がった分だけ上積みして、お金を平均してこれに一円ずつ出していきゃいいじゃないかと。全然違うんです。製品をつくるときに、三・五の含有量のものでつくるのと、三・二のものでつくるのと、三・六の含有量でつくるのじゃ、製品コストは脂肪含有量が高いほど安くなるのがあたりまえのことなんだよ。同じ一円ずつでいいじゃないかという理屈を言うのは、あなた、何も知らないんだな、バターやなんかをつくること。そういうことになっていくんだよ。極端に言えば、脂肪含有量が一〇〇だったら何もやらなくたってバターになるじゃないか。そうでしょう。含有量がふえればふえるほどメーカーとしては山形にコストは下がるんです。平均に同じではないんです。そういうことがどうしてわからないのかな。
○説明員(海野研一君) 私も、何といいますか、実際に乳製品を製造する場合に技術的にどういうふうに動いていくかということに対して、余り詳しいわけではございませんけれども、いま先生がおっしゃいましたように、そういうことで牛乳そのものはよくなるということ、製造のコスト自体がよくなってくるという面につきましては、私どもがやっております生産費調査に反映をしてきている。その結果が今回メーカーの製造販売経費がある程度圧縮されたということになるんだろうと思います。
○丸谷金保君 製造販売経費が圧縮される分は、これは農民の努力でやった結果でしょう。これが農民の方に還元されないで、限度数量を伸ばす方に持っていくというのはおかしいじゃないかと思うんです。ストレートに基準取引価格の上積みであって、総体予算を動かさないでも七十銭上がりました、限度数量も二百十五万トンになりました、だから、大蔵省に対して、農水省の中だけでやって大蔵に御迷惑かけませんから、ひとつこういうふうにやることを御理解くださいというような調子だから、僕はだめだと思うの。 大蔵省の主計局にお伺いしたいんですが、農民の努力で上がってきたもの、しかも限度数量をふやすというのは、いま現実に足りなくなってきてるんだから、国の政策として当然やらなければならぬことでしょう。輸入をふやせば別ですよ。しかし輸入をふやすということはとんでもない話です。 いまECからどんどん入ってきてるんだって、いま時間の関係でできないけれども、物すごい保護政策を、日本では考えられないような保護政策をやってるんですよ。そんなところから輸入することを考えるよりも、国内の生産をどんどんふやした方がいいんで、これは財政支出がふえるのはあたりまえだと思うんだけれども、どうなんですか、それは。
○政府委員(平澤貞昭君) いわゆる酪農関係の予算については、農林関係予算の大変厳しい中で、大蔵省としてもできるだけ配慮してきているところでございます。そういう中で、この問題もわれわれとしては考えていきたいと、そういうふうに考えております。
○丸谷金保君 財政が厳しいからできるだけ抑えていく、これはわかる。しかし、それも物によりけりですよ。何でも抑えていいというものじゃないのでね。たとえばECでは乳製品、バターなんかの場合でも、外国から入れる場合には介入価格で抑えて、それから出す場合には奨励金をつけて出している。そういうことで中はきちんとバランスをとってるんです。 それで実は、大臣、一番問題は、食糧の自給率をどうするかという問題なんです。ECは全体として食糧の自給率、そういう点で徹底した保護政策をやっているから一〇〇%に近いんです。全体として見ると一〇〇%。しかも平均一五・六ヘクタールの農家経営。これでさえもこんなに守っているのに、日本の財政当局が日本の農業をもっともっと守る姿勢にならなければ――農水省の方は遠慮してよう言わないんですからね。大臣、どう思いますか、こんなことでいいんですか。食糧自給率三十何%なんというようなことでね。しかもこういう問題だって量をふやして自給率を高めることですよ。それは農民の努力の分だけにしわ寄せして、国としては何ら手を打たない、大蔵としては。アメリカなんかとは比べものにならぬけれども、少なくともECと太刀打ちできる農業を守っていくためには、EC並みくらいのことをやってくれなかったら、それは日本の農民かわいそうですよ。いかがですか、どう思いますか。農業に対しては防衛からちょっと回せばいいんです。少し大臣のさじかげんでもう少し手厚い配慮をするという温かい御答弁いただけませんでしょうかな。
○国務大臣(竹下登君) わが国農業の基本的な問題というのは、国民一人当たり農用地面積にあるのじゃないかとかねて思っております。EC諸国に比べましても、人口二十七万のルクセンブルグとか、そういうところは別として、他の国々は日本よりも総じて国土面積は狭いが、農用地面積を比較すれば、四・五から七・二ぐらいだと思います、各国それぞれ。アメリカは七九対一ぐらいでございますけれども、そういうところに日本農業のいわば宿命的一つのコスト高の原因があると私も思います。 したがって、食糧安全保障という考え方から、これらについては従来とも、いわば貿易自由化の原則とかそういうものは別として、国内的なもろもろの施策がとり続けてこられておる。それも現実、二十五年前が第一次産業就業人口が全体の三〇%、いま約一〇%としますと、そういうところにいわば産業人口の分布の変化、それから農外収入、いろいろなものがよって立っておるわけでございますので、そういう複合的な要素の中で農林水産省とされましてはその立場に立って、いまも海野さんからもいろいろお話があっておりましたような施策で農業政策を展開していかれる。そこにまたもろもろの調和を図りながら、財政当局として適切に対応して今日に至っておるというふうに私は理解をいたしております。
○丸谷金保君 必ずしも適切でないんですが、そこのところはもう時間がないので、それであと一つ。 これは竹田先生がおっしゃったことなんですけれども、ソラマメについてだけもう一回。あれはいま大臣が言われたように非常に反当所得が高い。手をやったりいろいろ手間のかかる、まさに日本的農業としては、ああいうソラマメとかという高い物をつくらなければ困るんです。ですから、そういう点は、決して関税を外してもらっていいということにはならぬと私は思いますので、この点だけ念を押して私の質問を終わります。
○委員長(戸塚進也君) 午前の質疑はこの程度にとどめます。 午後一時四十分まで休憩いたします。 午後零時四十一分休憩 ─────・───── 午後一時四十三分開会
○委員長(戸塚進也君) ただいまから大蔵委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、四案の質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○穐山篤君 わが党の質問の最後になりましたので、いままで質問を行ってきました諸問題につきまして若干確認を含めてお伺いをしたいと思います。 最初に減税の問題です。 各党共通して、減税の問題につきましては、減税を早急に実施すべきである、こういう趣旨の意見、質問が行われたわけですが、大蔵大臣の答弁は非常に慎重でありました。 減税については二つ、三つの意味があるだろうと思うんですね。一つは可処分所得が非常に小さくなってきているので、この際減税を行うべきだ。それから景気刺激の面から考えてみても早急に減税をすべきである。あるいは他の税制とのバランスの面からも減税を早急にやれ。こういう質問が繰り返されました。 そこでお伺いするわけですが、減税の対象です。通称、所得税の減税というふうに言ってまいりましたが、政治的な議論としては、所得税並びに住民税を対象にして減税をすべきじゃないか、そういうふうにわれわれも主張しているわけですが、その点について、大蔵大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(竹下登君) これは「相当規模の減税を実施するための財源を確保し、所得税及び住民税の減税について」と、こう正確に各党合意で書かれてございますので、これを念頭に置くべきものであると考えております。
○穐山篤君 その場合に、所得税と住民税の課税最低限のバランス上の問題がありますね。あるいは生活保護世帯に対します支払い金額との均衡上の問題も当然出てくるわけです。そうなりますと、一応の目標、尺度というものが見えるような感じがしますが、その点はいかがでしょう。
○国務大臣(竹下登君) 住民税ということになりますと一応自治省の所管でございますが、ことしの場合、生活保護基準が東京都の標準で百七十八万円でございますか、したがって従来とも免税で措置しておるわけでございますけども、そのような議論は、本院において行われたいまの議論を正確に税制調査会に伝えもいたしますし、そのようなことが念頭に置かれるであろうというふうに私も考えております。
○穐山篤君 いつからどれほどの規模のものになるかというのが一番関心が深いわけですが、前回の委員会でも私は大蔵大臣にも申し上げましたし、あるいはまた税調会長代理にも申し上げましたが、いずれも両方とも非常に減税の実施について消極的な考え方でした。 そこで私は、いま、いつ、どのぐらいの規模とは言いませんが、少なくとも最近のうちに減税について決断をしなければならぬ時期が来るというふうに考えますが、その時間的な目安といいますか、目標というのはどの程度のところに置いておりましょうか。
○国務大臣(竹下登君) 一つは、いつでも申し上げますように、最善最良のものとして御提案申し上げ、御審議をいただいておるという段階において、補正とか修正とか、そうした要因を含むことに対しては、おのずから行政府とハウスとの節度の問題があってということをいつも申し上げております。したがって、私どもはいまの段階で公式的に言えば、そういうことになろうかと思われるわけでございますが、決断ということ以前に各党合意というものが存在しておりますので、このような本院における議論等を正確に報告し、税調において御議論をいただくことの一つのめどとしては、五十七年度税収が決算上確定する七月というのが一つの時期ではなかろうかなと、こういうふうに考えております。
○穐山篤君 今回の税制改正、昨年、過去ずっと実績を見ましても、言うところの大型の税法の見直しというのはなかったわけですね。どちらかといいますと、その都度その都度財源対策上処理をしたようないきさつになってます。そこで、しばしば大蔵大臣が答弁されているわけですが、抜本的な税制の見直し、これは所得税も入るだろうし、その他各種の税制も入るわけですが、その大型の税制の見直しというのはいつに目標を置いているんでしょうか。
○国務大臣(竹下登君) これは税調の答申を見ましても、五十九年度以降という前提の上に立っていろいろな答申をいただいておりますが、しかし各党合意、本院における議論等を踏まえて御協議をお願いしなければならないと思っております。その際、言ってみれば、税制調査会に対しては、広く国税、地方税のあるべき姿についてと、こういうような御諮問を申し上げておりますので、あらかじめ予見を差し挟むということは差し控えなければならないと思っておりますが、やはり七月の検討の区切りというものが、およそわれわれとしてお願いできる機会ではなかろうかというふうに考えております。
○穐山篤君 くどいようですが、もう一回お伺いしますが、毎年毎年税調に諮問して、これは五十七年度税制とかあるいは五十六年度税制改正というものの答申をもらうわけですね。その意味では来年度の税制改正というものも一つにはある。それからもう一つには、それを含んで全体の見直しというふうに二つの性格のものを七月以降税調に研究をしてもらう、こういうふうになるんですか。
○国務大臣(竹下登君) 十一月が税調の先生方の任期切れでございます。したがって従来の慣例によれば、中期答申をいただけることになるわけであります。したがって、五十九年度税制という問題について御答申いただけるのは今年の十二月末ということになろうかというふうにおよそ推測されます。
○穐山篤君 その場合に、五十九年度税制についての研究あるいは諮問というのはよくわかるんです。私のお尋ねしているのは、それを含めて税制全体についての見直しも、これだけのたくさんの議論があるんだから、税調に諮問をするかどうかということを尋ねているわけです。
○国務大臣(竹下登君) 中期答申をいただくわけでございますが、その中にすべてのものが包含されておって、そこで十二月の終わりにいただきますのは、その中で五十九年は何をやるかということでございますので、おおむね穐山委員のおっしゃるような形で推移するであろうというふうに理解をしております。
○穐山篤君 減税実施についての財源の問題については、われわれは不公平税制を是正する、その他の特別会計についても十分見直しをする、あるいは節約、歳出カットを対象にした財源で行え、こういうふうに強く主張をいたします。少なくとも増税してその中で減税するというふうなことは、国民の世論ではないというふうに思いますので、その点は厳しく申し上げておきます。 二つ目に、グリーンカード制実施の延期の問題ですが、ごく事務的にひとつお伺いします。朝霞にセンターを五、六十億使用しましてつくっているわけですが、これはどういうふうにこれから運用をされるんでしょうか。その点簡単で結構です。
○政府委員(酒井健三君) 国税庁におきましては、東京、大阪、名古屋の各国税局で電算処理の仕事を進めております。ただそれ以外の局はほとんど電算処理を行っておりませんので、今日の情報化社会のもとにおいて、できるだけ早く国税の事務を全体的に電算化を進めたいというふうにかねがね考えておりまして、今回グリーンカードの制度の実施が三年間延期されるようにお願い申し上げておりますので、そういうような場合には、私ども朝霞に建てられました建物を国税庁の電算センターとして活用したいというふうに考えております。
○穐山篤君 三年間実施を延期するということであるので、四年目には復活をする、そしてその間に公平な課税について十分研究をする、こういうふうに今回の提案の背景を考えてよろしゅうございますか、確認をしておきたいと思います。
○政府委員(梅澤節男君) これは前回大臣からも御答弁申し上げておりますように、この凍結をお願いしております法案を国会で御審議いただきましたら、なるべく早く税制調査会で今後の適正な利子配当課税のあり方について御検討いただきまして、これもなるたけ早く私どもは結論をいただきたいと思っておるわけでございます。 それで、また改めて国会に制度化についてお諮りをするわけでございますが、国税庁の方での準備あるいは世間万般の制度の準備等を見ますると、三年後制度が新しい制度としてどういうことになるか、これからの検討の課題でございますけれども、今後のあり方についてはなるべく早く結論を出したいというふうに考えております。
○穐山篤君 私は、四年目に原則に戻るということをしばしば言っているわけですが、三年凍結をした後も事実上これは廃止になるんだという宣伝をしている人もありますし、そういう理解を示している人もあるわけですが、その点について、少なくとも大蔵大臣の立場から言うならば、これは三年間の延期である、それ以上のものは何にもない、こういうふうに答弁されてしかるべきだと思いますが、その点いかがですか。
○国務大臣(竹下登君) これはたびたび申し上げておりますように、適正公平な利子配当課税を実現するという政府の基本方針には変わりございませんので、あらゆる予見を持たないで、税調においてそのあり方について御審議をいただくという考え方でございます。
○穐山篤君 次に、執行上の問題、たくさん先日も指摘されましたが、幾つかの具体的な例を申し上げて対応策について明らかにしてもらいたいと思うんです。 三越の事件あるいはニュージャパンの事件というのは世間の注目も集めたわけですね。商法上、監査法人、公認会計士が適法という判こを押す、それで監査が通るわけですね。これはどこの企業でも同じだと思うんです。さて、何か事件が起きますと、横領だとか背任だとか、あるいは脱税というものが、少々なものでなくて、大きな規模で摘発を受けるわけです。そのことについて、一般のサラリーマンの気持ちから言うと、大型の脱税というのは許すわけにいかぬと、こういう厳しい主張があります。もちろん二つの事件だけでなくして、その他の問題について国税庁の努力の結果、脱税、逃税、いろんなことが発表になるわけですが、納税を正確にまじめにやっている者の立場から言いますと、非常に問題がある、こういうふうに思います。 それから二つ目の問題は、国外におきます日本企業に対する課税の問題であります。最近起きましたのは、たとえばインドネシア、韓国その他幾つかあるわけですが、法人税の申告が正確でないというふうな指摘をそれぞれの出先の国から指摘されまして、法人税の支払いだとかあるいは追徴金を取られるとか、そういう問題が、たくさんかどうかわかりませんが、最近あるわけでありまして、これは海外に企業を持つ者としてはいつも不安定な状況に置かれているわけです。そういう点を考慮した場合に、国対国で十分に調整をする、大蔵省と国内の各企業と十分に話し合い調整をする、そういうことがありませんと、こういう時期になってきますと、アメリカにおいても、あるいはフランスにおいても、東南アジアにおきましても同じような問題が起きるわけですね。貿易摩擦が強くなればなるほどこういう問題が顕著になって出てきます。それが二つ目の問題です。 三つ目の問題は、例の五十三年四月につくりましたタックスヘーブン対策課税の問題です。私は、税法が成立する際に注文を大蔵省に出しておきました。ペーパーカンパニーを幾つかつくりまして、所得のごまかしといいますか、課税を免れる、そういうことがないようにしなければならぬ、そのことについてある特定の業種を挙げて皆さん方に注文をしてあったわけですが、その後も依然として問題が残っているわけです。したがって、これらの問題について総合的にで結構でありますが、対策をどうされるのか、その点をお伺いをしておきたいと思うんです。
○政府委員(大山綱明君) お答え申し上げます。 第一点の三越でございますとかニュージャパンでございますとか、そういった大法人に対しまする調査の体制でございますが、確かにいろいろな他の事件がきっかけとなりまして、私ども改めて見直したところ問題が発生してきたという事実もございますわけでございまして、そういった点は反省をいたしておりますが、大法人に対しましては、調査の頻度も高く、またかけます日数も通常の法人よりも多くといったことで、重点的な調査体制を常に考えているところでございます。なお一層工夫をいたしまして遺憾ないよう処理をすべき問題だと思っております。 第二の海外におきます税金摩擦の問題でございますが、確かに御指摘のとおり、インドネシアでございますとか韓国でございますとか、いろんなところで摩擦が発生をいたしております。あるものは移転価格課税問題、あるものは恒久的施設をめぐる解釈の相違等々でございますが、数ありますそういった税金摩擦の中には、私ども国税当局間で交渉を進めまして円満に課税問題が解決されているというのも多々ございます。 私ども国税庁におきましてのそういった国際的な税金摩擦問題を専担いたします参事官を設置いたしまして、随時海外に派遣し折衝いたしたりいたしておりまして、条約上の協議、租税条約上の協議も含めまして、常に関心を持ちつつ問題の解決に前向きに取り組んでいるつもりでございますが、なお一層先生の御趣旨も休しまして努力いたす所存でございます。 第三のタックスヘーブン税制の問題でございますが、あるいは執行の方からのみお答えする事柄でもないかと思いますが、制度ができましてから二事務年度、三年一巡ということで二事務年度調査をすでにいたしておりまして、いろいろな問題点も把握いたしております。制度がスタートいたしましてからまだ日が浅うございまして、私ども対応いたします側におきましても、もっともっと勉強する必要がある事柄が多々ございますが、まだ三分の一、三分の一で、三分の二調査を済ましたところでございます。現在残りの三分の一の法人に対しての調査を進めているところでございますが、これにつきましても御趣旨も体しまして適切に対応いたしたいと、かように考えております。
○穐山篤君 先日の当委員会でこれらの諸問題や実調率の点を取り上げて、税務職員の業務量に十分対応する準備をしなければならぬ、さらには税務職員の年齢構成が非常に高い、したがって断層が起きないようにするための準備というものを含めて、国税職員の充実という問題の提起をしてあります。大蔵大臣から答弁がありましたので、その点を了承いたします。 これから一例でありますけれども、例の貸し金業の法律がいずれは処理されることになるだろうと思うんですね。そうなりますと、業務量というのは新たにどんどんつけ加わってくるわけです。既存の制度における業務量がふえるということも当然でありますが、新規の業務量がふえてくるということになりますと、当然のことでありますが、国税の体制というものを強化しなきゃならぬ。 そこで、この点は大蔵大臣から十分に答弁をされておりますので了承いたしますが、具体的な実行面でその実が上がるようにしてほしいということを最後に確認をしておきたいと思うんです。 それから次に石油税の問題です。 この三月十八日の本会議で、竹田委員から原油価格値下げの影響と対応という部分で石油税のあり方について質問をしました。その際、大蔵大臣は、税率を引き上げることは考えていませんというふうに明確に御答弁をされております。さて、三月二十八日の参議院予算委員会で山中通産大臣は大蔵大臣と多少ニュアンスの違う御答弁をしております。要約して申し上げますと、代替エネルギー開発に対する財源として使っている石油税の税収が原油値下げによって減るということを前提にして、五十九年度予算編成の際には石油税を引き上げることを考えたいと、こういうお話をされたわけです。通産大臣は専門ではありませんで、この従価税三・五%がそのまま代替エネルギーの目的税として使われているわけではありませんので、これは広い意味で考慮すべきものと思いますが、現在、大蔵大臣としては、この石油税の税率の引き上げの問題についてどういう御心境にあるのか再びお伺いをしておきたいと思います。
○国務大臣(竹下登君) この原油価格引き下げ問題につきましては、一応OPECの合意があったわけでございますが、今後のさらに動向とかあるいは為替レートの問題、また需給動向、そしてこの原油価格の引き下げをどのような形でわが国の企業収益の中に生かしていくかなどなど、もろもろの考えただけでもある意味における不確定要因が大変ございますので、当面は事態の推移を十分見きわめて情勢の把握に努める必要があるというふうに考えております。したがって、具体的なことを申し上げる段階にはない。 私といたしましては、一方、代替エネルギーの研究開発とかいう問題については、石油価格の下落により、わが国における企業内あるいは先進国どこでもいささか冷えていくんじゃないかということに対する心配は別の角度から政策上念頭にございますが、いまの場合、さればとて原油価格引き下げによる石油税の減収に見合ったものを率の改正によって引き上げていこうなどということを考えておる段階ではない。まさに具体的なことを申し上げる段階には全くないような気がしております。
○穐山篤君 通産大臣の財源を確保したいという意味の要望として私どもも理解をいたします。少なくとも現在の段階で石油税を値上げするとか、まあ下げるということはないにいたしましても、そういう話は早計ではないかと思いますが、しかし全体の税制のあり方という面では議論はあってしかるべきだと、こういうふうに思います。 なお、この租税問題のまとめとしてお伺いをするわけですが、臨調の第一次からつい最近の最終答申までの中に、法人税ないしは事業者に対する税制の問題が厳格に触れてないんですね。臨調とすれば痛みをみんなで分かち合おうと、こういう意味でいろんな問題の提起があるわけですが、事、法人税を含みます事業体につきましては、ほとんど何ら触れていないということに注目をせざるを得ないと思います。最近、アメリカにしろ、あるいは西ドイツ、フランスでもそうでありますが、企業に対します税金のあり方が相当議論をされて、すでに実施をされているところが各国にあるわけです。ところがわが日本におきましては、痛みを公平に分けると言いながら、少なくともその種について何ら指摘がされていない。どうしても不思議でならないわけであります。 財界主導の臨調と私は言うつもりはありませんけれども、厳格に法人、企業についての基本的な税制のあり方の問題について臨調が触れていないという側面はわかりますけれども、しかし当の大蔵大臣としてはまた別の観点、視野があってしかるべきだ、こういうふうに考えますが、その点はいかがでしょう。
○国務大臣(竹下登君) この問題は、私は臨調の答申をずっとつぶさに拝見しておりますと、まずはいわゆる行政改革ということの念頭の上に立って、税の問題については増税なき財政再建、そして糧道を断っていわば歳出構造の抜本的改革にメスを入れろという哲学が書かれておって、総体的な問題については触れてございますけれども、臨時行政調査会の性格からいたしまして、基本的には財政改革の方が、いわば歳出構造の見直しの方に視点が集中されておりますので、全体の流れの中では税の問題について触れられた部分は少ないというふうに理解しております。したがって、その基本的な考え方は税制調査会の御答申等を読んでみましても大きな違いはあるわけじゃございませんが、具体的な税の仕組み等については、それは税調の問題だという御認識があればあるだけにこのような答申になっておるではないか、こういう感じが私自身いたしております。 したがって、あくまでも臨調答申というものの税制に対する基本的な考え方等が触れられております点を踏まえながら、あらゆる予見を持たずして、税制のあるべき姿については具体的問題は税調の御審議にゆだねるべきものではなかろうかというふうな認識の上に立っておるわけでございます。
○穐山篤君 まあ、適切な答弁とは思えませんけれども、臨調の答申、よく読んでみると、民がよくて官が悪いんだというふうな発想が前提になっているものですから、民間に業務を委託するとか、あるいは民間の競争原理を可能な限り運用の面に入れていけというふうな発想になっているわけです。この点についていずれ全体の税制の問題の際に注文をしておきたいというふうに思います。 次に、たばこの定価法一部改正に関する問題ですが、今回の納付金の特例納付というのは、提案にも書いてありますように、五十八年、五十九年というその二年間の特例でありまして、納付金率を決めました過去のいきさつから言いましても、臨時異例のものである、こういうふうに認識せざるを得ないと思うんです。 そこで問題は、けさ午前中も議論されましたが、六十年以降の専売公社の経営の状況、財務の状況から考えてみまして非常に厳しいものだというふうに理解をせざるを得ないと思うんですね。 そこで問題は二つあるわけです。一つは、臨時異例の措置であるから六十年にはもとに戻してもらう。これは考え方としては当然そうあるべきだというふうにわれわれは主張をいたします。それから二つ目には、これは臨調答申にも関連をしますが、公社制度のこれからのあり方についていずれ検討がされるわけですが、すでに六十年以降、経営及び財務状況としては非常に厳しい状況の中にあるわけですから、専売公社の事業のあり方あるいは自主性の拡大、そういう問題やさらに労働者全体が将来に希望を持って働くようにならなければこれはうまくないと思うんですが、そういう問題にまで当然今回の措置あるいは関税の引き下げというものが連動をしているわけです。したがって、今回の改正に相関連をしていまの二つの問題について信念のある御答弁をいただきたいというふうに思うんです。
○政府委員(高倉建君) 最初の点につきまして私からお答え申し上げます。 今回の専売納付金の特例措置が臨時異例の措置であることは御指摘のとおりでございます。特例措置の適用期間を五十八、五十九両年度に限ることといたしましたのは、これはあくまで公社の財務状況が許すところまでということでわれわれも認識しているわけでございまして、現時点におきまして公社の将来の損益を見通しますと、六十年度には公社の損益がもたなくなるというふうに判断をいたしておるわけでございまして、そういう事態でございますので、六十年度以降は当然本来の公社の取り分であるものは公社の取り分とするということで考えている次第でございます。
○説明員(長岡實君) 六十年度以降の経営につきましては、当然のことながら私ども相当程度の覚悟をして経営努力をしながらやってまいらなければならないと考えております。今回の値上げが五十八、五十九年度で特例納付金まですべて財政に寄与していくというやり方が終わりますと、六十年度には従来の姿に戻りまして、どうやら赤字を出さないで済む状態でございますけれども、これがその次に一体どこまで赤字をお願いしないで済むかという点につきましては、私どもあらゆる努力を振りしぼって、一年でもそれを将来に送るように努めてまいりたいと考えております。 さて、臨調答申をどういうふうに受けとめるかという問題でございますが、穐山委員御指摘のように、ただいま私どもが置かれております環境は大変厳しいものがございます。当然のことながら、アメリカを初めとする輸入品との競争は今日以上に激化することは避けられないと存じますし、また国内におけるたばこの消費そのものは、どちらかと言えば頭打ちの状態である。そこへ今回の値上げがあれば、過去の経験からすれば、消費は若干落ち込むといったようなことで、もう難問山積でございます。 私どもは公社の置かれている立場を考えますと、葉たばこ生産農家あるいはたばこの小売店等を含めまして、日本のたばこ産業は家族を含めますと、優に百万を超える大集団でございまして、そのたばこ産業の中核に位置して、日本の葉たばこ耕作農業あるいはたばこの小売店の経営等まで十分に配慮しながら、私どもがおかしなことにならないように努めてまいらなければならない責務を持っております。 そういう立場を十分自覚いたしまして、経営形態が具体的にどうなりますかは、まだ現在詰めている段階ではございますけれども、いかなる経営形態になるにいたしましても、私どもがそういう厳しい環境の中で生き抜いていけるように、日本のたばこ産業を維持していけるような自主性を持った経営のあり方ができるような方向を求めていきたいというふうに考えております。
○穐山篤君 先日、鈴木委員の方から例の自民党並びに政府の皆さん方の申し合わせというものについての質問が繰り返されました。政府側の答弁では、優良葉たばこの生産を促進するために奨励金を出すんだ、こういうお話でありました。私どもとしては、少なくとも関税引き下げの犠牲になることを非常に恐れるわけです。まあ六億円という財源をもちまして奨励金をお出しになるということなんですが、しかしそれは余りにこそく的な方法でありまして、本来もっともっと競争のできる優良な葉たばこを耕作する、生産するということになれば、もっと本格的な対応策が必要になってこなければならぬと思うんです。六億円という金でいきますと、ややつかみ金的な性格に陥りやすい。そのことについても警告をしてあるわけですが、先日の議論を通しまして、これからの葉たばこ耕作のあり方についてどういうふうにお考えになっているのか総裁からお伺いしたいと思います。
○説明員(長岡實君) 御承知のように、日本の葉たばこ耕作の農業は、気象条件といったようなどうにもならない条件、あるいは経営の規模が比較的零細であるという日本農業に特有の、ハンディキャップと申しますか、そういったようなこともございまして、品質、価格両面において残念ながらアメリカ等にはまだ相当の開きがございます。しかしながら、穐山委員も御承知のように、日本の葉たばこの生産は、日本農業の中におきまして、畜産関係を除きまして、田畑のいわゆる耕種農業では米に次ぐ大きな存在でございます。 そういったようなことを考えますと、私どもは、厳しい国際競争の中で生き抜いていくという面においては、日本の葉たばこ農業の維持も当然考えていかなければいけないわけでございますが、ただ将来競争が厳しくなればなるほど、生産のコストの中に占める原料費の彼我の差というものが相当重く私どもにのしかかりっくると存じます。こういった点につきましては、葉たばこ生産農家も十分に現状を認識しておられまして、何とかしてあらゆる英知をしぼってあらゆる努力を重ねて、少しでも生産コストを下げかつ品質のいいたばこをつくるように努力しようという点においては、私どもとの間で意見の一致を見ておりますので、先ほど御指摘がございました奨励金その他も決して、何というか、単なるつかみ金とかいうことではなくて、現在、私ども含めて、葉たばこ耕作農家まで含めた日本のたばこ産業が置かれている厳しい状況から考えますれば、一刻も早く少しでも国際競争の面で不利を克服するような方向で今後農家関係にも御努力をいただかなければなりませんし、私どももそういう面に全力を傾けて指導に当たってまいりたいというふうに考えております。
○穐山篤君 次に関税の問題です。 今回膨大な品目につきまして関税の引き下げをやっているわけですが、日本の国益から言いますと、よその国の関税率の状況も十分に考えながらやるべきである、これはもう当然であろうというふうに思うんです。しかし大蔵大臣、ここで認識を統一しておいた方がいいと思いますのは、ほとんど例年三月になりますと、関税の問題を審議して関税率を下げます。ところが、他の国から見ますと、こんなものはあたりまえであるというふうな感じがしてならないわけでありますね。日本は日本としての努力をしているわけですが、その他の外国から見ますと、こんなのは当然である、日本がことさら努力をしたとは見ていないんですね。そこで、少なくとも貿易摩擦の解消のためには、輸入手続の問題であるとか、あるいは輸入制限の緩和の問題であるとか、言ってみれば市場開放体制の問題につながると思う。しかし、少なくとも日本の国益を無視したことをやるということについては十分に配慮をしてもらわなければならぬというふうに思うんです。 私は、少ない経験でありますが、アメリカ、カナダを回りましたときにしみじみ思いましたのは、アメリカの特定の国会議員が騒いでいるだけであって、アメリカの世論がたばこの問題についてそれほど厳しい意見を持っているというふうには受け取らなかったわけです。そういうことを考えてみますと、関税の引き下げの問題を含めて、市場開放体制については日本らしい対応をすべきだと、こういうふうに申し上げておきたいと思う。 アメリカにしろ、フランスでも、イギリスでもそうでありますが、日本から輸出する品物につきましては一定の制限をする、ときには課徴金を課すというふうなことがありながら、日本で劇的に輸入をしろ、たくさん物を買え、こういうことだけがいつも主張として残るわけでありまして、私はこれは非常に問題じゃないかというふうに最初の問題提起をしておきたいと思うんです。 それから二つ目の問題は、資料にもあるわけですが、最近の輸入輸出についての統計の上がり下がりは十分にわかります。しかしながら、関税にしろ、あるいは石油税、酒税、物品税、とん税あるいは特別とん税というふうに広範なものを関税職員が担当しているわけであります。その上に犯則事犯というものが最近非常に顕著に、それも大量に事件が発生をしているわけでありまして、それぞれの税関で相当な御苦労をしているわけです。また勤務の体系につきましても、一般公務員と違うというような特殊な条件を持っているわけであります。 国税職員の問題と同様に、この税関の職員のあり方の問題についても見直しをする必要があるだろうし、また私どもが委員会として調査に行きますと、待遇の改善といいますか、処遇の改善という問題が、所長以下管理者から相当述べられている現状に照らして、何らかの措置を考えてしかるべきじゃないか、こういうふうに考えますが、その点いかがでしょう。
○政府委員(松尾直良君) 第一の点で御指摘になりました点、私ども全く同感でございまして、何回かとってまいりました市場開放措置、これが諸外国において正しく評価を受けるよう、その都度これを決めますと同時に、対外的なPRを積極的にいたしておるわけでございます。 今回お願いをしておりますたばこ、チョコレート等を含みます一月十三日の対外経済対策閣僚会議におきます決定後におきまして、主要先進国、アメリカ、ECから、今回大変な決断を持って相当のことをやってくれたという評価を受けておる次第でございます。 なお、諸外国のいろいろな規制等に対しまして、これはそういうものを撤廃しろ、緩和しろということを要請していくべきであることは、全くお説のとおりでございます。 それから第二の税関職員の問題につきまして、大変御理解を賜って私どもありがたいと存ずる次第でございます。御案内のとおり、税関業務というのは年々量的にふえてまいりますし、質的にもいろいろな変化が起きて大変むずかしくなってきております。また、御指摘ございましたように、密輸、特に覚せい剤あるいは武器、ピストルでございますが、こういうものの密輸が非常に多くなってきておる。そういう中で税関職員は非常に真剣な努力をいたしておるわけでございまして、私どもも予算等の許す限り、職員の労働条件の改善、勤務条件の改善に努力をいたしてきておりまして、労働過重にならないように、仕事のやり方につきましてその都度創意工夫をこらした合理化措置を取り入れております。また職員の安全対策等につきましては、予算面の手当等、非常に限られております予算の中で最大限の努力をいたしてきております。今後とも税関職員の処遇改善にできる限りの努力をいたしていきたいと思いますので、このような御理解と御支援を賜りましたことを大変ありがたく存ずる次第でございます。
○穐山篤君 最後になりますが、前回私は、災害の減免のときに所得金額で見直しをお願いいたしました。いずれ総体的な検討をされると思いますが、午前中の竹田委員の質問の残りと言っちゃ語弊がありますが、時間的な関係でできなかったことを最後に申し上げておきたいと思います。 海外に旅行する人は非常にふえてまいりまして、その実績に応じ、あるいはまた為替レートのことなどを考えまして、持ち出すお金の制限につきましてはかなり緩和をされました。さて外国から帰ってきた場合に持ち込む問題につきまして、たばこなり酒なりあるいは香水というものについてはよくわかりますが、その他の物品の枠が現行十万円になっているわけです。これは多分昭和四十七年ごろでしたか、私の感じでいきますと、十年前ぐらいの定めではないかと思うんですが、ヨーロッパ、アメリカを旅行しましても、購入する身の回り品というのは相当高くなっているわけですね、インフレの影響で。したがって、こういったものの枠についてもこの際見直しをする必要があるだろうというふうに思いますが、その点をお伺いして質問を終わりたいと思います。
○政府委員(松尾直良君) 酒、たばこ等の特定の物品を除きまして、御案内のとおり、ただいま十万円という金額限度を設けておるわけでございまして、これは御指摘のとおり四十七年からで、かなりの年数がたっていることは事実でございますが、十万円という免税限度が諸外国の水準とこれを比べてみますと、これは相当に高い方であるということは国際比較の上から言えようかと思うのであります。アメリカが大体酒やたばこといった特恵品目を含めて四百ドル、それからヨーロッパでは、英、仏、独、いずれも大体円に換算いたしまして一万円と、日本の十分の一ぐらいになっております。日本の場合は、外国へ行きますといろいろ買い物をされるという点は、これはほかの国民と多少事情は違っておるのかとも存じます。 実はこれも御案内かと思いますが、十万円のほかに一品と申しますか、一種類一万円までのものはこの十万円に算入をしないという扱い、これは五十三年の九月から行っておるわけでございます。この趣旨は、通常のみやげ物といいますと、たとえば五千円のスカーフであるとか二千円のハンカチであるとか、そういうものはその一品種、たとえばハンカチならハンカチ、ネクタイならネクタイ一万円までのものは算入をしない。つまり通常のみやげ物程度のものは関税をかけない。そのかわり高い毛皮や指輪を買ってこられた方は、これは税負担の公平ということから税金を払っていただきたい。こういう趣旨でございまして、私ども過去に実態調査をいろいろいたしましたところでは、十万円が限度につかえてしまって困るということは――たくさん買い物をされる方もございますが、平均的にはまだ十万円という限度を使い切っておられないようでございます。海外旅行自体が非常に大衆化いたしておりますが、何と申しましても何十万かの旅費を使って海外へ旅行される方というのは、そう全部が全部ではございませんので、そういう方にだけ免税の特権をさらに拡大するというのは公平の観点からいかがかということで、当面これを手直しするということは考えておりません。
○桑名義治君 私は関税の問題とたばこの問題、この双方にわたって少し質疑を続けていきたいと思います。 まず、大臣にお聞きをしたいわけでございますが、臨調は、いわゆる専売制度については改革をするように、こういうふうに答申を出されているわけでございますが、この答申に対して大臣は反対でございますか。
○国務大臣(竹下登君) この臨調基本答申、それを受けまして行革大綱を決定いたしまして、私どもといたしましては、公社の改革案をできるだけ早くまとめよう、こういうことに心がけをしておったわけでございます。したがいまして、いま作業中ということでございまして、経常形態を含めてたばこ事業のあり方等を統合的に検討しておりますが、葉たばこ耕作の取り扱い等に慎重な配慮が必要な問題が大変たくさんございますので、取りまとめにはさらに日時を要するという考え方でございます。したがって、この臨調の基本答申に対して反対であるというわけではございません。
○桑名義治君 そうしますと、新聞紙上によりますと、昨年の十二月二十五日、自民党の専売特別委員会の専売制度改革の要望書に大蔵大臣外主要大臣の皆さん方が署名をなさっているわけですね。この署名をなさっている中に、主立った方として、二階堂幹事長、細田総務会長、田中政調会長、竹下蔵相、それから後藤田官房長官、これら六人の方がこういうことに署名をなさっている。そのことに対して自民党の中でもいろいろと大変問題になりまして、行財政調査会の会長である橋本さんが、いかなる形であってもこれはけしからぬということを言われ、抗議の申し入れをされているようでございますが、こういう立場から見ますと、大蔵大臣は反対というふうに世間では見ざるを得ないわけでございます。この点はどういういきさつでこういうふうになったのでございますか。
○国務大臣(竹下登君) これは大事なことでございますので正確に申し上げます。 昨年暮れの十二月二十五日でございます。ちょうど本院において国会の最終日であったかと思うのであります。そのころこのたばこ関税の問題につきましておおよその結論に到達しつつあった。いま御審議をいただいております問題でございます。その際、私どもは、この問題からくるところのいろいろなある種の憶測もあったと思うのでございます。自由民主党の政務調査会の専売に関する特別委員会の中でいろいろな議論が行われておる。そこで、言ってみれば、私が所管大臣でございますので窓口になって、ちょうどまだ国会審議の最中でございましたから、夜中あるいは朝いろいろ個々面接をしてまいりました。その際、最終的にこういう関税率大幅引き下げに伴う諸対策についての合意ということをしてくれぬかと、こういう話がありました。それを最初見ましたら、いま署名したとおっしゃいました要望書の内容が合意書になっておりました。われわれとしては、合意書というものを受け入れるわけには政府側としてはいかない。少なくともわれわれとしてこういう要望があっておるということは承知しなければならないから、あくまでも要望書の形でやるべきだという主張を私がいたしまして、最終的にこういう要望書というものが、自由民主党の三役、そして当時これの担当でありました私、あるいは党または国会との接点にある内閣官房長官あて名にこれが要望書として提出された。されば私どもが、要望書として提出されたということについては、それは確認を申し上げましょうということで、この問題が落着をしたという経過でございます。 そしていまお話がございましたように、橋本龍太郎君から、友人でございますので、私に対して、要望書として承るのは当然のことであろうけれども、そもそも署名をしたとは何事だという抗議、友情あふれる抗議とでも申しましょうか、そういうものがあったことも事実でございます。それに対しましては、いや、確かに要望書として承ったということは、私の高度な政治的判断の中でみんながそれをしかと受けとめたという必要は、物事をまとめる際にあり得ることではないかということで、橋本龍太郎君はそれでは勘弁してやろう、友情の間に勘弁するという合意に達したと、こういうことであります。
○桑名義治君 橋本さんと大臣が友人であるから、そういう友人の関係で許してあげようということでは、これは一件落着というふうには私は考えられないと思うんですよ。少なくとも所管大臣でございますからね。所管大臣が要望書であろうともそこに署名をするということは、いまから行革を推進していく立場に立って見るならば、これは非常に大きな阻害になるんではないかというふうに私は考えるわけでございます。そういうふうに考えた場合に、政府の一員として大きな矛盾があると、こういうふうに思ったから、私は冒頭から改革する御意思があるんですか、ないんですか、むしろ反対なんですかと、こういうふうにいまお聞きをしたわけでございます。再度この問題についての大臣の御答弁を願いたいと思います。
○国務大臣(竹下登君) まさにいま行革大綱に従いまして部内で鋭意作業を行っておるさなかでございますが、問題点として、たばこ販売の指定小売人制、そしてまた葉たばこ耕作者の関係の皆さん方の問題というのは、この問題を処理するに当たって重要な問題になるという認識は私も十分に理解をしております。それらの方面のお方ともかどあるごとにできるだけお会いをして意思疎通を図るような努力は今日までもしておりますが、これからもしなければならない問題である。 おっしゃいましたように、私もちょっとこのときにある種の抵抗を感じたことは事実でございます。それは、「たばこ専売制及び公社の改革案作成については、自由民主党専売に関する特別委員会の結論を尊重すること」、その結論というものはいま一応の案が出ておるそれが結論だと私はそうは理解しない。これから出るであろう結論を尊重しよう。その結論とは、私どもの意思疎通の中に、おのずから行革の大筋に沿った結論になるであろうことを期しながら、私もそれを尊重しようという言葉のやりとりをいたしまして、これは正直に申し上げたことが適当であると思いますのでこういうことになったわけでございます。 ただ要望書としてこれを受けとめる、それをわざわざ確認の意味において署名をしなくてもよかったではないかということに対しては、私もそうあった方がよかったなというある種の反省をもいたしておることは事実であります。
○桑名義治君 そこで、総裁に伺いたいんですが、臨調の基本答申では、専売公社を当面特殊会社として将来的には民営にすると、こういうふうに提言なさっているわけでございますが、この点についての見解を伺っておきたいと思います。
○説明員(長岡實君) 答申を受けましてどういう経営形態を求めるべきかという点については、目下まだ検討中でございまして、結論に到達しておりません。 私は、答申をちょうだいしたときから、私の基本的な考え方と申しますか、公社の基本的な考え方としては、臨調の答申は前向きにかつ現実的に受けとめていくべきであるという基本的な考え方で勉強を開始いたしております。その現実的にという意味は、臨調の答申の指摘のように、現状のままで果たして今後の厳しい環境の中で公社が十分にやっていけるかどうかという点については、私どもは率直に臨調の答申を受けとめまして、何とか改めるべきものは改めなければならないと考えておりますけれども、ただ現実問題として、その改革が現在の日本のたばこ産業の各分野にきわめて強い衝撃なり摩擦なりを与えるようなものでございますと、これはなかなか実現しにくいという問題もございまして、そういう点は、私は現実的に考えていかなければならないのではないかと考えております。 そこで、いまの特殊会社から民営へという具体的な問題になりますと、私の立場としては、これに賛成とか反対とか申し上げる立場にはございません。ただ、現実的にという、先ほど申し上げたそのスタンスから物を見てまいります場合には、いろいろと問題がそこに介在してくるのではないかなというふうには考えております。
○桑名義治君 電電公社あたりは総裁がもう前もって、こういう形態にしたいというようなことを、大体アウトラインではございますけれども、発表しておるわけですね。電電公社の場合とそれから専売公社の場合と比較してみた場合、将来性というものを比較してみた場合にはもちろん電電の方がありますね。その電電でさえも、改革をしていかなければならないという先見性でもってその姿勢を前向きに貫きつつあるわけですね。公社というものはいまから先お先真っ暗ですね、先ほどからいろいろと議論が続けられておりますけれども。それから年金の問題にしましても、やがて国鉄のような状態に陥ることも目の前に来ておるわけです。そういう全体の枠の中から考えた場合に、総裁としてはこういう方向に行くべきではないかということを、臨調ができていままでの答申を出すまでには年月があったわけですから、その間内部でいろいろな形で検討すべきではなかったか、ある程度の枠を検討すべきではなかったか、あるいは方向性というものをある程度検討すべきではなかったかと、こういうふうに思うわけでございますが、それはどうですか。
○説明員(長岡實君) 将来の方向等については、もちろん私ども幅広く検討はいたしております。ただ、現時点において私が大変はっきりとした結論のようなお答えができませんのは、私どもの認識が誤っておるかもしれませんけれども、私どもの仕事はなかなか理屈で割り切りにくい面をたくさん持っておる。というのは、一つは間接的にではございましょうけれども、私どもの仕事は一次産業から三次産業まで深いかかわり合いを持っておりまして、こういったような点から理屈だけで非常にきれいに割り切れない面があるというようなことで、そういったような面にも十分に配慮しながら、なおかつ御指摘のようにわれわれとしては将来大変厳しいという覚悟はいたしておりますので、それに打ちかっていけるような方向づけをいま鋭意求めているわけでございますが、なかなか簡単には結論に到達しないというのが現状でございます。
○桑名義治君 総裁の言われることはある程度私もわかります。わかりますけれども、それこそ国民の目から見れば、先ほど申し上げたような形でしかとらえませんよ。そしてさらに国民が何と言っているか。専売公社総裁はいわゆる官僚だ、電電公社の総裁は民間から今度来たんだ、だから思い切ったことをやっているんだ、こういう対比の仕方をもうすでにしていますよ。そういったところからも国民の考え方というのは、民間でなきゃだめなのか、そうしないと硬直した姿勢の中から、硬直した考えの中から一歩も踏み出すことができないんじゃないか、だから民営にせよと言っているんだ。ここまで短絡的に飛躍していく考え方を持ちますよ。やがて火の粉はぼんぼん降ってきます。私はそう思うんですよ。だから、そこら辺も踏まえて今後考えていかなきゃならない重大な問題ではないか、こういうふうに私は思う。 大臣どうでしょうか。私の言っていることは無理でしょうか。
○国務大臣(竹下登君) 私が前回大蔵大臣でありましたときの事務次官は現長岡総裁でございます。党へ帰りましてから、行政改革に関するもろもろの問題につきまして議論をいたしました。いま桑名委員いみじくも指摘しておられました電電との問題でございますが、長岡総裁からも申されましたように、まさに耕作者という第一次産業従事者から、そして製造業、さらにはサービス部門、第一次、第二次、第三次産業までを抱合したのが専売公社である。一方、電電公社は、言ってみれば第二次産業と第三次産業。田舎の中に建っておる電報局の中には、前の方に畑もあって一次産業もあるじゃないかと言われた人もございましたが、そういういろいろな議論をしておりました。 長岡さんが、当時は副総裁でございましたが、行かれたというときに、ああ、竹下君、君も専売の改革をやるんだな――私がおりますときは、塩専売をどうするかという段階ではございましたが、長岡さんによってそういう仕上げをするつもりで送ったんだななんと言って、私の人事権でもないことを多くの友人たちが言ってくれました。したがって、その苦衷を察しつつも、長岡総裁の手腕と、そしてまれに見る労使慣行のよさと、そして各種団体との関連性の中に適切な結論が出ることを私も期待をいたしておると、こういう実情を素直に申し上げておきたいと思います。
○桑名義治君 この問題はこの程度にしまして、今度は個々の問題について少しお尋ねしておきたいと思います。 たばこの関税の引き下げが今回のこの法律案で予定されておるわけでございますが、そうなりますと、今度はラークあたりは幾らになるんですか、具体的に。
○説明員(岡島和男君) 輸入たばこの値段と申しますのは、一定の算定方式に基づいて行われるわけでございます。そのもとになりますのは、公社の購入原価がどうなるかということでございます。その公社の購入原価、つまり輸入価格でございますが、最近外国メーカーとの交渉を終えたところでございますが、いまお話に出ましたラークにつきましては、公社の輸入価格を据え置きたいということになりました。それから小売マージンも、先ほどもお話が出ておりましたけれども、これも据え置くということになろうかと思っておるわけでございます。 具体的な定価でございますが、関税関係の法案も現在御審議をいただいているところでございます。それからたばこ関係の法案も現在御審議をいただいているところでございます。そういう法案が成立いたしました後、正式に認可手続をするということでございますので、いまここで正式に申し上げる段階じゃないわけでございますけれども、お許しをいただきまして申し上げますと、関税の引き下げ分を反映いたしますと三十円下がるということに相なります。そういたしますと、現在二百九十円の分が二百六十円というふうになるわけでございますけれども、一方たばこ関係の法案が成立いたしますと、内外品とも一本一円、二十本当たり二十円上がるということになるわけでございまして、その実施時期がどうなるかというのが、これはまた法案の成立時期と関連いたしますけれども、仮にたばこ関係の法案が現在私どもの方で想定いたしておりますように五月一日に実施するということになりますと、関税の引き下げ効果の方もいろんな準備期間もございますので、大体同時期にその効果が出てくるということになりますと、二百九十円のものが三十円下げと二十円上げを複合いたしまして、全体として十円下げの二百八十円になると、こういうふうに見ておるということでございます。
○説明員(長岡實君) ちょっとそこのところを補足申し上げないといけませんのは、具体的な価格は、いまも岡島理事から申し上げましたように二百八十円になるわけでございます。問題は内外製品の価格差でございまして、これは関税率の引き下げに伴う効果の三十円下げによって、いままで日本で一番売れておりますマイルドセブンと輸入品の中で一番売れておりますラークとの価格差が、百十円ございましたのが八十円に縮まります。これは値上げの法案をお認めいただきまして一律一円上がりますと、これは両方とも二十円上がりますから、百十円の価格差が八十円に縮まるという点は変わらないわけでございます。
○桑名義治君 こういうふうな内部操作をやりますと、またアメリカから、せっかく関税が下がったにもかかわらず再び日本は操作をした、そのためにせっかくの関税措置というものが水の泡になった、日本はまたうそを言ったじゃないかと、こういうようなアメリカからの批判はあるというふうにはお考えになりませんか。
○説明員(長岡實君) 午前中にも竹田委員の御質問にお答え申し上げたんですが、私ども直接は受けていないのでございますけれども、今回のたばこの値上げを、アメリカ側では、せっかく関税率を下げて内外の製品の日本における小売価格の価格差を縮小するのにもかかわらず、何か操作してその効果を減殺してしまうというようなふうに受け取っている向きがあるように聞いております。 その点は全く誤解でございまして、関税の引き下げの効果を一〇〇%内外製品の価格差に反映したいというアメリカの要望は、私どもも一〇〇%尊重して、今日まで日米間の交渉に当たってまいりましたわけで、今回の値上げというのはそれとは全く別である。したがって、これは国内品、輸入品を問わず同じ価格だけ上がるわけでございますから、それによって価格差をせっかく縮めたのがまた広がるということではないんだという点は、私どもも、外務省を通じてではございますけれども、アメリカ側にもよく理解してもらうように現在お願いをしているところでございます。
○桑名義治君 現在と同じような価格差であるということになれば、恐らく国内品が上がったんですから、したがってそれならば、値段がほとんど変わらないならば、価格差が変わらないならば、外国製のラークでも吸おうかというふうになった場合に、日本製のたばこがまた相当数圧迫を受けるということも今度は逆に考えられるわけでございますが、そういうことは想定しておられませんか。
○説明員(長岡實君) たばこという商品は非常に嗜好性とか習慣性が強い商品でございまして、価格の動きがどの程度今後の消費の動向に影響があるかという点はなかなか見込みにくい点がございます。したがいまして、今回の関税率の引き下げに伴って内外製品の価格差が先ほど申し上げましたように三十円程度縮まりました場合に、一体どのくらい輸入品の消費がふえて、それがどの程度国産品にしわ寄せが行われるかという点は、大変はっきりとした見通しが立てにくいのでございますが、私ども当然のことながら、輸入品がふえて国産品もある程度影響を受けるであろうという覚悟はいたしております。
○桑名義治君 今度は話を次に進めたいと思いますが、今回は一本一円の値上げでございます。三十四銭が専売納付金の追加分として国に納付される。その三十四銭という根拠はどこにあるんですか。 先ほどから、午前中からいろいろ議論されておりますけれども、五十八年、五十九年度に限定をしたその理由はよくわかりました、いろいろと議論の中で、よしあしは別にしてわかりました。では六十年度以降はどうなるのか、ここら辺をもう一遍確認しておきたいと思います。
○政府委員(高倉建君) 一本当たり三十四銭の特例納付をお願いした、その三十四銭の根拠でございますが、たばこが一本一円上がりますと、まず小売人の手数料が十銭、これは一〇%でございますので、小売人の方にまいります。残りの国、地方の財政収入になります分は、細かく申し上げますと、法律で納付金が種類、等級別に決まっているわけでございまして、それぞれに国、地方の取り分は違うわけでございますけれども、総体で平均をいたしますと五十六銭分が国、地方の収入になるということが最近ほぼ安定的な率として計算されております。残りの三十四銭が公社に帰属する分ということであるわけでございます。 したがいまして、納付金率がそれぞれに違うことをそのまま反映いたしますとすれば、種類、等級別に特例納付の率を変えるということもあり得るわけでございますけれども、今回の措置が二年間限りの特例措置であるということも考慮いたしまして、同時に大体三十四銭と五十六銭という取り分の割合というのがここのところほとんど動いてないということも考慮いたしまして、制度を簡明にするというようなこともありまして、一本当たり三十四銭を公社の取り分である分として、その分を特例的に国に納付していただくと、こういうことにしたわけでございます。 それから六十年度以降はどうなるかというお話でございますが、先ほどもお答え申し上げましたとおり、現在の時点で推定をいたしますと、六十年度になりますと、特例納付というようなことを続けますと、公社の損益が赤字になるということが予想されるわけでございますので、六十年度からは本来公社の取り分である一本当たり三十四銭は公社に帰属することにいたしているわけでございまして、そういうことによりまして、公社の損益が六十年度をさらに黒字を保てるというのが現在の見通しでございます。 それ以降になりますと、これはいろんなファクターが入ってまいりますので、どこまで公社の黒字が続くかということの確たることは申し上げることはむずかしいわけでございますけれども、公社の方の予測によりますと、もうちょっと六十一、あるいは六十二ぐらいまでは黒字が保てるかなというのが現時点いろいろな予測でございますが、変動要因があるようにも伺っているわけでございます。
○桑名義治君 そうしますと、六十四年以降もこの値段でそのまま据え置く、まさか六十年にまた再び値上げするようなことはないでしょうな。
○政府委員(高倉建君) ただいまのようなそういう損益の見通しでございますので、六十年度に値上げがまた行われるということは、いまの見通しから言えばないと思っております。むしろ私どもとしては、特例納付を二年に限りましたのは、六十年度に再度値上げがあるというようなことのないようにということもありまして、本来の公社の取り分は公社にお返しすることによってそういう事態を回避するようにしたいと思っているわけでございます。
○桑名義治君 そこで、一応暫定措置ですから、五十八年、五十九年というふうに限定をされているわけでございますが、まさか六十年以降も再び納付せよと、こういうような措置をとることはないでしょうね。
○政府委員(高倉建君) 先ほど申し上げましたとおり、現在公社の方で長期の損益見通しをいろいろやっていられるところによりますと、現行のままで続けますと、六十年度には公社の損益がもたないということでございますので、当然その時点では公社の取り分であるものは公社にお返しをしなければならない、かように思っております。
○桑名義治君 そうしますと、依然として赤字財政が続くことは、これは火を見るよりも明らかでございます。そうなってくれば、六十年度では、この制度は一応打ち切らなければならないけれども、さらに収益を増すためにはもう一遍値上げをして、その分の中からまた同じようないわゆる納付金というものをとるという、そういう方策をまたとるということも考えられるわけでございますが、そういう方策もとらないんでしょうね。
○政府委員(高倉建君) 先々の見通しということになりますと、なかなかむずかしい点もございますが、たびたびの御議論にもありましたとおり、たばこ産業をめぐる諸情勢というのは大変厳しいわけでございまして、私どもといたしましても、今後のたばこ定価改定というのは大変慎重に対処しなければならない問題であろうと思っております。
○桑名義治君 非常に慎重に対処しなければならないという言葉は、上げるかもしれないけれども、上げないかもしれない、こういうふうに聞き取れるわけでございますが、大臣、どうですか。
○国務大臣(竹下登君) この間、日曜日の六チャンネルの話を聞いておりましたら、大体財政再建で増収を考えるならば、酒とたばこを考えろなんていう議論が出ておりまして、あれあれと思って私も承っておりました。
○桑名義治君 しめしめじゃないんですか。
○国務大臣(竹下登君) いや……。したがって、そういうことがないように、財政運営をこれからやっていかなきゃいかぬなと思って心に言い聞かしておるところでございます。
○桑名義治君 大臣からも六十年度は再び値上げは絶対にしないという言葉はとうとう出ないままでございます。予想でございます。予測でございますので、これ以上私も詰めようとは思いませんが、いずれにしましても、今回の措置、国の財政が苦しくなったからその財源をたばこに求めたと、こういう安易な選択は余り好ましい方法ではないと、こういうふうに思います。 そこで、現在でも葉たばこが過剰在庫を抱えている。葉たばこの在庫というのは大体二年ぐらいが一番いいというふうに言われているわけですが、現状では大体三年ぐらいの葉たばこを抱えていると思うわけです。その中で、先ほどからたびたび出てきておりますように、たばこをめぐる環境というのは非常に厳しい、そういう環境の中でさらに値上げが続くとするならば、あるいはまた一面からたばこを吸う者の鎮痛作用もダウンするとか、たばこの害がどんどん浸透していく、そういった中でだんだん喫煙者が減っていく。こういう傾向も同時に考えられるわけでございますが、この在庫をどういうふうになさるおつもりでございますか。
○説明員(長岡實君) 葉たばこの過剰在庫問題は相当深刻でございまして、桑名委員が御指摘のように、適正在庫二年分にプラス一年分ぐらいの過剰在庫があるという現状でございます。私ども過剰在庫を減らすためには、国産の葉たばこをたくさん使えるような状態にすることが望ましいわけでございますけれども、これまたただいま御指摘のように、たばこの需要の伸びが大変最近ダウンしてまいりまして停滞ぎみになっております。 そういったようなことから、五十六年の夏の耕作審議会では、耕作者代表も含めまして十分御議論をいただきました上で、約一割の面積の減反を実施していただいたわけでございます。これは単年度限りではございませんけれども、ここしばらくの将来までの予測も含めまして、需給均衡面積にまで減らすというところまではお願いしたわけでございますが、さらにその後で今回の値上げ問題、あるいは輸入品との競争の激化の問題といったように、大変むずかしい条件がまた加わってきております。 ただ私どもは、そういう条件が加わるたびに、またその面積を減らしていただくということでは、なかなか農民も納得していただけないんではないかということから、私どもとして何とか国産の葉たばこを使うことを考えなければいけない。第一は国産の葉たばこをたくさん使用して、なおかつ国民に喜んで吸っていただけるような銘柄の開発でございます。これには最大の努力を払っておりまして、昨年来一部の地域でテスト販売を実施してまいりましたキャスターというたばこが、テストの結果が大変よろしゅうございますので、この四月一日から全国販売、拡大に踏み切る予定でございます。こういった努力は今後も続けてまいりたいと考えております。 それからこれも大変息の長い話でございますが、五十八年度予算がお認めいただきまして、その輸出会社への出資がお認めいただければ、輸出にも最大限の努力をいたしてまいりたいというふうに考えております。
○桑名義治君 いまから関税の引き下げや、あるいは外国製のたばこの取扱店をさらに拡大していく、これは五十八年の一月の市場開放第三弾のうちのたばこ関係で三項目あるわけでございますが、その中で外国たばこの取扱店拡大計画の繰り上げという一点が発表されておるわけでございます。そうなってまいりますと、外国たばこがどんどんといまより一層伸びる、数量が伸びていく、こういうふうに考えられるわけでございますが、この点はどういうふうに考えておられるのか。あるいはまた輸出状況と今後の輸出の対応についてはどのようにお考えなのか。
○説明員(長岡實君) 先ほども申し上げましたように、輸入たばこがどの程度ふえるかという見通しがなかなか立てにくうございます。たばこという商品は相当程度習慣性もございまして、いままでたとえばマイルドセブンを吸っておられた方がラークにどの程度移るんであろうかというような予測は、価格差だけではなかなかはかり知れないものがございまして、予測はむずかしいんでございますが、私どもとしては、五十八年度予算を積算する段階におきましては、従来以上の伸びをある程度見込んでおります。具体的に申しますと、三割を少し超えるぐらい輸入たばこはふえるのではないかというふうに一応積算をいたしております。 それから日本のたばこの輸出の方でございますが、現在でも公社といたしましてたばこの輸出はやっております。ただ、欧米の有力たばこメーカーなどはもうすでに海外に強固な地盤を築いておりますので、なかなかむずかしい問題でございますけれども、最近時点の数字を申し上げますと、公社製品のたばこの輸出数量は、五十六年度には十一億一千万本、五十七年度の見込みでは十二億三千万本程度というのが現在の状況でございます。 これを輸出会社を創設することによりましてどの程度まで量が伸ばせられるか、まだ具体的な計画を立てておりませんが、いずれにいたしましても、現在の公社という枠組みを越えて、いわば輸出に本腰を入れる体制を整えるわけでございますので、中長期の目標を立てて着実に伸ばしていくような努力をしてまいりたいと考えております。
○桑名義治君 次にお伺いしたいことは、取扱店の拡大計画、この要求に対しまして、五十八年度の三月までには、東京、大阪を除く主要都市全店、それから五十八年十月末までには東京、大阪の主要都市全店で取り扱わせる、こういうふうに言われているわけでございますが、これがいまどういうふうに進捗しているのか。あるいはまた、市場開放第三弾のたばこ関係の中で外国たばこの流通制度の改正を検討すると、こういうふうになっておるわけでございますが、どのような形に改正をされるのかお聞きをしておきたいと思います。
○政府委員(高倉建君) 最後の点から先に私から御答弁さしていただきます。 外国たばこの流通制度につきましては、現在、専売公社しか輸入もできないし、販売もできないということについて、いろいろな外国からの異論があるわけでございます。これをどうするかということは、ただいま検討しているところでございますが、この取り扱いは国内の体制をどう取り組むかということと密接不可分でございますので、そこの国内の今後の流通体制のあり方とあわせて、ただいまいろんな案を検討しているところでございます。
○説明員(森宗作君) お答えいたします。 輸入品取扱店の拡大につきましては、昨年の五月のいわゆる市場開放対策第二弾、本年一月の対外経済対策という政府の方針に基づきまして、拡大措置を講じてまいりたいと考えておるわけでございます。 その内容としまして、先ほど先生からお話のございましたように、とりあえず五十七年度末までに現在の二万店の取扱店にさらに、東京、大阪を除きまして、二万店の増加を図る。次いで五十八年の十月末までに、東京、大阪を中心としましてさらにこれに三万店を増加する。こういうようなことでございまして、合計この時点では現在の二万店が七万店になるわけでございます。 五十七年度末までの分につきましては、現在拡大を実施中でございます。なお、五十八年度の三万店につきましては、現在具体的な諸準備を急いでおりまして、今後ともこの方針にのっとりまして、着実に拡大の実施を図ってまいりたいと考えておる次第でございます。
○桑名義治君 次に関税の問題に移りたいと思います。 今回の関税法の改正によりまして、特恵九品目を含む三百二十三品目について関税の撤廃または引き下げが行われているわけでございますが、まずそのねらいと効果について伺っておきたいと思います。
○政府委員(松尾直良君) 今回の三百品目を超える改正は、昨年五月のいわゆる市場開放第二弾と言われるときに決定をしたもの、それに追加をいたしまして暮れに検討、結論を得、一月十三日の対外経済関係閣僚会議で御決定をいただきましたものを合わせたものが大部分でございます。したがいまして、ねらいと申しますか、意図というのは、市場開放対策の一環であるということに尽きるかと思います。 このような大幅かつ大規模な関税の引き下げを行いますゆえんは、午前中からもいろいろお話し申し上げておりますとおり、世界じゅうに保護主義の力というものが非常に台頭してまいりまして、その中には日本をねらい撃ちにしたような動きというものもいろいろあるわけでございます。世界のこういう保護主義の動きに歯どめをかけて自由貿易体制を維持強化をするという観点から、できるものはできるだけの市場開放を図っていこう。そういう中で、関税につきましては、昨年度の改正、五十七年度改正におきまして、東京ラウンドの一律前倒しということをお認め願ったわけでありますけれども、それに加えてさらに日本の市場開放への姿勢を明らかにし、かつ特に諸外国から要望のあった品目のうち可能なものはできるだけ取り入れるということで決定をいたしまして、ただいま御審議をお願いしておるわけでございますが、これにつきましては、アメリカあるいはECとも非常に大きな決断をし、かつ前向きの引き下げないし撤廃を行うということで評価を受けておりまして、一ころに比べて貿易摩擦の面で関税面についての摩擦というものはかなり鎮静化したのではないかと考えております。
○桑名義治君 外国からは、関係各国からは大変な評価を受けている、同時に関税に関する限りにおいては貿易摩擦は鎮静化するんではないかという意味の御答弁でございましたが、しかし、これは後からまた論議をしたいと思うんですが、アメリカは依然として、きょうの新聞あたり見ると、オートバイの問題が出てきておりますし、鉄鋼の問題も出てきておりますし、改めてほかの貿易摩擦というものを惹起していることは、これは見逃せないと思うんです。果たしてこれで効果があったのかな、どうなのかなと、こう感ぜざるを得ないような状況になっているわけでございますが、あえてそういうふうに御答弁なさるんですから、この場はこの場でおさめて、後でまたこの問題は論議していきたい、こういうふうに思います。 次に農水省に伺います。 今回の値上げで、チョコレート、ビスケットの国内産業は影響を非常に大きく受けるんじゃないかと、こういうように思われるわけでございますが、この点はどうでしょうか。
○説明員(慶田拓二君) お答え申し上げます。 わが国のチョコレートやビスケットの関税率は、国内の農業保護政策の観点からいたしまして、主な原材料でありますところの砂糖でございますとか、あるいは乳製品でございますとか、あるいは小麦粉でございますとかの国内価格が、アメリカやあるいはECなどの諸外国に比べまして比較的割り高になっているという事情もございます。また国内の製造企業が中小企業が多いという事情もございます。 したがいまして、そういうふうな国際競争力が弱いという観点を配慮いたしまして、比較的高い関税率が保たれてきたわけでございますが、さきの東京ラウンドにおきまして、アメリカあるいはECの強い引き下げ要求がございまして、一九八〇年から八七年にかけて段階的に引き下げることにしておったわけでございます。また昨年来、その後さらに関税引き下げの要望が非常に強く出てまいりまして、二年前倒しをするとか、いろいろ引き下げのテンポを速めてきたわけでございますが、昨年末に御存じのような市場開放措置といたしまして、さらにMTNの最終譲許税率からチョコレート、ビスケットの関税を本年の四月以降一〇%引き下げるということにいたしまして、いま御審議をいただいておるわけでございます。 こういうふうな事情でございまして、国内の製造業に与える影響を緩和するために、チョコレート、ビスケットに使用されますところの主要な原材料でございます砂糖の消費税を現行のキログラム当たり十六円から十三円引き下げまして三円に軽減するということで、また租税特別措置で審議をお願いしておるわけでございます。 なお、今回のこの砂糖消費税の軽減の問題に関しましては、関係業界は現下の非常にむずかしい国内の財政事情のもとで政府がかなり努力をしたというふうに評価をしてくれているというふうに私どもは理解しておるわけでございます。
○桑名義治君 どこかが引っ込めばどこかが飛び出るというような感じがするわけでございますが、この問題はこの問題として次に進みたいと思います。 現在わが国の鉄鋼業界は大変に厳しい状況に置かれておるわけでございますけれども、米国の鉄鋼業界には日本からの鉄鋼輸入を削減しようとする動きがある。これは新聞紙上でも言われておるわけでございます。昨年暮れに米国の鉄鋼大手八社が日本の対米輸出に不公正があるということでUSTRに提訴していた問題、これはその後却下されまして政府間協議に持ち込まれた。政府はまさか自動車に次いで鉄鋼までが自主規制するよう業界に働きかけるようなことはないと思いますけれども、この点について通産省はどういうふうにお考えですか。
○説明員(井上正君) お答え申し上げます。 先生いま御指摘ございましたように、昨年の十二月十六日でございますけれども、アメリカの鉄鋼業界の方から、日本の鉄鋼貿易が不公正であるといたしまして、米国通商法三百一条というのがございますが、これに基づきまして救済の申し立てがございました。米国業界は、その後ことしに入りまして、一月の三十一日に申し立てを一たん取り下げたわけでございますけれども、その後、二月の二十三日に再度申し立てをいたしました。これに対しまして、米国政府は二月二十五日に、業界の申し立ては正式調査を開始するに足る理由がないということで却下をいたしております。 通産省といたしましては、これまで米国政府に対しまして、わが国の対米輸出というものが秩序ある輸出を行ってきておるということで御説明をしておりまして、不公正なことはしていないという説明をしております。アメリカ政府が米業界の申し立てを却下いたしましたのも、こういったわが国の主張が理解をされたのではないかと、そういうふうに思っておるわけでございます。 去る二月十一日でございますが、山中通産大臣とブロックUSTR、アメリカの通商代表部の代表との間で、この日米鉄鋼の貿易問題につきましてお話し合いがあったわけでございますが、その際に、今後いろいろ誤解や紛争を避けるために、日米の政府間で鉄鋼協議を行うということが合意をされたわけでございます。通産省といたしましては、今後この政府間協議の場を活用いたしまして問題の解決を図っていきたい、そういうふうに思っておる次第でございます。
○桑名義治君 この鉄の問題は政府間の話し合いで解決つくというふうな見通しがございますか。
○説明員(井上正君) いま申し上げました日米の政府間協議、実は第一回を、先般でございますが、この三月二十一日から二十三日ワシントンにおいてやりました。これは情報交換ということでございますが、現時点では、米国政府は日本に対しまして、鉄鋼の対米自主規制を求めることはないというふうに伺っております。
○桑名義治君 そこで現在、対米自動車輸出の自主規制が行われているわけでございますが、三年目の五十八年度も百六十八万台の規制措置を決定したようでございますが、米国の自動車業界が活性化しなければこの問題はどこまでもどこまでも続いていく問題ではなかろうかというふうに考えるわけです。米国の自動車業界の活性化の兆しが見えるかどうか、どういうふうな見通しをしているのか、まず伺っておきたいと思います。
○説明員(高瀬和夫君) わが国乗用車の対米輸出自主規制の問題でございますが、ただいま御指摘のとおり、この措置はアメリカの自動車産業の再建努力が前提になっております。この措置は、一昨年の四月から開始されておりまして、その後、アメリカの自動車業界におきましては、生産コストの削減あるいは賃上げの抑制あるいは凍結、さらには小型車の開発のための投資というふうな一連の努力が行われてきております。その結果といたしまして、昨年すでに米国自動車製造各社の財務体質が大幅に改善されつつあるというふうにも言われております。 ただ、昨年の米国内におきます乗用車の生産及び販売の水準がここ二十数年最悪の実績になっておるということから、なお一層の再建努力が必要だというふうにわれわれも見ておるわけでございます。
○桑名義治君 さらにまた、同じだろうと思いますが、けさの新聞を見てみますと、日本製の大型のオートバイからアメリカは輸入課徴金を取るという話がまた出てきておるわけですね。新聞によりますと、五年間にわたり最高四五%の輸入課徴金を課すという検討が盛り込まれている。さらに課徴金の適用車を年間五千台以上の輸入車に限る。こういう条項をつけ、ヨーロッパ共同体、ECなどの輸入車を適用除外して、日本車をねらい打ちすると、こういう意思があるのではないかというふうな記事が出ているわけです。これはどういうふうな情報が入っていますか。
○説明員(高瀬和夫君) アメリカにおきます自動二輪車の問題につきましては、四月二日までに大統領が何らかの決定をするというふうに言われておるわけでございますが、現在までのところ、公式にも非公式にも、その内容については連絡を受けておりません。
○桑名義治君 関税局長、先ほど、今回のこういった措置が貿易摩擦については非常にいい影響を与えているんだ、評価を受けているんだ、こういうお話がございましたが、しかし自動車の問題だってそう早急に片づく問題でもなさそうにも思われる。おまけに、きょうは、朝刊によると、先ほどのお話のように、大型のオートバイの課徴金を取るとか、こういう問題がまた惹起されてきている。それから鉄の輸入制限という問題までも表に出始めている。これはほとんど効果があらわれてないように感ずるんですが、どういうふうにお考えになられますか。
○政府委員(松尾直良君) この貿易問題というのは両面あるわけでございまして、一つは、特定の商品について、日本の非常に競争力のある輸出品が特定の市場に集中的に出ることによって、その国の産業に一時的に大きなインパクトを与える、あるいはそういうことによって深刻な失業問題を発生するという日本からの輸出サイドの問題と、それから自由貿易の見地から、なるべくそういうものは制限したくない、日本から大量の自動車なり電気器具というものが輸出されておるのであるから、日本はもっと欧米で競争力の持つ農産品とか皮革製品であるとかそういうものについての門戸を開放すべきだ、こういう二つの面があるわけでございます。 私、先ほどかなり鎮静化したと申し上げましたのは、御案内のとおり、一昨年ごろから日本の市場開放に対していろいろな要求、要請というものがございました。相当深刻な事態ということも考えられたわけでございますが、この一月十三日の決定を受けまして、レーガン大統領あるいはUSTRのブロック代表等の発言ぶりから見ましても、これを非常に評価をいたし、かつその後、関税問題であるとか、そういった面についての日本に対する要請というものはいまのところ鎮静化しておるので、そういう意味で、この鎮静化にかなり効果があったということを申し上げた次第でございます。
○桑名義治君 一面から見れば、そういう様相が全くないとは私は思いません。しかし、依然として貿易摩擦の芽はある、たくさん残っておる。ローカルコンテント法案も、レーガン大統領は、そういうことはやらない、こういうふうに発言をしているようでございますけれども、米国の議会筋では出たり入ったり出たり入ったりというような状況下にあるわけです。 そこで、もう一面から眺めてみますと、日本の貿易収支あるいは経常収支というものが余りにも大き過ぎる、そこら辺にも大きな問題があるというふうに考えられるわけでございますが、お聞きしたいのは、対米、対ECの貿易収支の動向がどうなっているかということでございます。 また、政府が原油値下がり以前に公表した五十八年度の経常収支見通しは九十億ドルの黒字。通産省では一バレル当たり五ドルの原油値下げで初年度貿易収支の黒字幅が四十四億ドル、こういうふうに拡大をすると言っておりますし、それから日経NEEDSの試算でも、経常収支の黒字幅は四十九億ドル増大する、こう言っております。このままでいきますと、五十八年度の実際の黒字というものは百四十億ドルの巨額に達しそうなわけでございますが、対外関係上、これがまた非常に大きな問題になるんじゃないかというふうな心配があるわけでございますが、その点はどういうふうにお考えになっておられますか。
○政府委員(大場智満君) まず、経常収支、貿易収支の問題でございますが、いま御指摘のとおり、五十八年度の経常収支の黒字、政府の見通しは九十億ドル。それから貿易収支の黒字は二百億ドルぐらいというふうに見込んでいるわけでございます。石油価格の下落がございますと、わが国につきましては、非常に単純な試算をやりますと、一ドルの下落につきまして経常収支なり貿易収支は十三億ドル改善する。したがって五ドルでございますと六、七十億ドル日本の貿易収支なり経常収支はよくなるという試算はできると思います。 ただ、この試算は輸入数量を一定としまして、つまり昨年並みの輸入数量がことしも実現されるという前提の試算だろうと思います。しかし現実の動きとしましては、OPECと産油国は自国の石油収入が落ちるわけでございますから、当然輸入を切ってくるだろうと思います。輸入を減らしてくるだろうと思います。それからわれわれ先進諸国は、油の出ない開発途上国も含めて、石油の価格が下がりますと、論理的には数量がふえるという面もあるかと思います。したがいまして、この二つを考えますと、いま単純に実は一ドルについて十三億ドルと申し上げましたけれども、それよりも改善幅はかなり小さくなるというふうに見てよろしいかと思います。 他国への影響でございますけれども、今度の場合にはOPEC諸国の黒字が減り、あるいは赤字がふえるということもあるんでございますが、先進国なり、油の出ない開発途上国の経常収支の黒字がふえる、あるいは経常収支の赤字が減るという問題もございますので、たとえば二国間で日本の輸出がふえてアメリカの輸入がふえるというような問題とは、若干趣きを異にしているのではないかと思います。したがって、貿易摩擦等への影響は、二国間の関係に比べて軽いのではないかという私は判断を持っております。
○桑名義治君 そこで、いま御答弁がございましたが、こういうふうな状況、石油が一バレル当たり五ドル値下げになるとOPECの方への輸出が減るのではないかというお話がございましたが、実際に、新聞紙上からではございますけれども、OPECにおける経済開発計画というものが非常に縮小してきている、こういうふうに言われているわけなんです。わが国のプラント輸出を中心に打撃を受けるであろうというふうに言われているわけでございますが、通産省、この点どういうふうにお考えですか。
○説明員(仲井真弘多君) お答えいたします。 確かにOPEC向けのプラント輸出は五十六年度までかなり順調に拡大してまいったんですが、五十七年度に入りますと、日本からのプラント輸出は、世界的な景気の後退というような影響も受けまして減少が見込まれております。さらにこの中でOPEC向けにつきましては前年度、つまり五十六年度を下回るという予想がされております。 先生おっしゃいました石油需要の低迷、石油価格の低下、これがOPEC向けのプラント輸出にどういう影響を与えるか、なかなかまだ直接的な関係を推定するのが非常にむずかしい面がございます。原油の収入の減が開発計画にどう影響するか、私どもは実はここら辺もう少しよく見きわめてみたいというふうに考えております。
○桑名義治君 いまから先の予想の問題でございますので、確とした返答はできないかとも思います。 次に移りたいと思いますが、今回、IMFの会議に蔵相が出かけるようになっているようでございますが、このときの議題は、大体どういう議題が先行するというふうにお考えになっておられますか。
○政府委員(大場智満君) 四月の末に開かれます会議は世銀・IMF合同開発委員会でございまして、これはIMFの問題よりは世界銀行の問題を取り上げることになっております。もちろん一番大きなテーマは開発途上国問題をどう考えたらいいかということ、その開発途上国への世銀からの資金供与を進めていくに当たってどのような問題があるか、あるいは資金的な基盤は十分であろうかというようなこと、さらには開発途上国自体の経済情勢の問題も討議するというふうに、これはまだ議題は正式に決まっているわけじゃございませんが、そのような開発途上国の問題が中心になるだろうというふうに見ております。
○桑名義治君 それと同時に、五月の下旬にアメリカで行われるいわゆるサミットに向けての下打ち合わせ的なものをやりたい、こういうふうなことがまた議題になるのではないか。その中でまた財政、金融政策の協調の可能性、それから為替相場への協調介入、こういったことが主要なテーマになるのではないかというふうに、こう新聞紙上では報導されているわけです。 いわゆる通貨の問題につきましては、ECの中では、専門家が集まってある程度の介入についての報告書が、大体未公開であるけれども、まとまっている、こういうふうに言われているわけでございますが、それに対して日本としても一応の一つの考え方を持っていく必要があるんではないか、こういうふうに考えているわけでございますが、この点はどうでしょう。
○政府委員(大場智満君) 御指摘の為替相場の安定、したがって為替相場の安定のための諸施策の問題につきましては、議論を進めているところでございます。これは先進七カ国といいますか、サミット参加国の七カ国にECが加わりまして八代表、議論をこれまで進めてまいりました。御指摘の報告書は、この作業部会で実はやっとでき上がったところでございまして、これは今後蔵相代理レベルでの会議あるいは蔵相会議に上げまして、その報告書に対する評価とともに今後の施策について御議論いただく運びになっております。なお、蔵相レベルの検討を経ました後は、この報告書は公表いたすということになっております。 ただいま御指摘の為替相場の安定のために介入あるいは政策協調の問題があるわけでございますが、私どもが今後このような会議に臨みます際には、為替相場の安定のためには、もちろんファンダメンタルズが比較的似通ってくることが大事でございますけれども、政策問題としましては、各国の中長期的な観点からの政策の協調がまず必要でございますし、また介入につきましては、これは一国でやるよりは協調して介入する方が効果があるというふうに私どもは思っておりますし、特にオーバーシューティングのような場合、行き過ぎた場合には介入について効果があるんではないかというふうにも考えております。このような主張を今後の会議においてやっていきたいというふうに思っております。
○桑名義治君 そこで、時間が来ましたので、最後にお尋ねしたいことは、いわゆるIMF体制でございますが、一九七一年の八月の金とドルの交換停止のニクソン声明、一九七三年の春以降の変動為替相場の定着という形で、事実上その骨格において崩れた、こういうふうに考えられるわけでございますし、またガットの体制も、昨年のガット閣僚会議での保護貿易主義というような動き、あるいは輸出入品の主なものは、先ほどからの鉄じゃございませんけれども、あるいは自動車等に見られますように、ある程度自主規制、いわゆる管理貿易下に置かれているという形がとられて、ガットの自由貿易主義の理念が実際は崩れ去っているのではないか、こういうふうにも言われているわけでございます。このIMF体制あるいはまたガット体制、こういうものをどういうふうに政府としては考え、見られておられるのか、これを大臣に最後にお伺いして質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(竹下登君) 確かにいまおっしゃいましたように、一九七一年ドルの兌換制停止、それから七三年フロートの定着、その間に先進国がある意味において共通に受けました第一次石油ショックあるいは第二次石油ショック、その間通貨問題につきましては、フロートの果たした役割りというのはそれなりに意義があった。だが、それに各国のファンダメンタルズの相違とか、あるいは中長期の政策の整合性が必ずしもないとか、いろんな問題が出ておりますものの、現状において私の認識というのは、大きくフロート制そのものを変えていくというような環境にはないのではないか、こういう感じが一つであります。 そしてIMF体制の問題でございますが、千九百六十何年でございましたか、六〇年代、東京でIMFの総会が開かれた。当時IMFというものの意義、それに加盟した日本、その総会が開かれるようになった東京というようなことで、ある意味において、適切な言葉ではございませんが、国威を発揚したとでも申しましょうか、そういう意義があったと思うんです。 今日までIMFが果たした役割りというのはそれなりに私は評価すべきであって、なかんずく先般のIMFにおきまして、特に最近債務累積国問題等がございますし、そして開発途上国に対してもGABの資金量が充実して対応ができるような措置がとられるようになった。確かにIMFそのものが持っております量というものは大変なものであると私も思いません。しかし大きな呼び水になって、各国のそういう金融体制の安定というものに役立っておるという役割りは、私は今日なおより強固になったんじゃないかという見方もできるんじゃないかと思うんであります。 それからガットの問題でございますが、派生的な問題、各国々の経済情勢の相違から来まして、あるいは国内の失業とかそういう問題で、いわゆる自主規制の要請とか、そういうある種の管理貿易とかいう問題は、これは派生的な問題として出ておる問題であって、本来それが好ましい姿であるとだれも思っていないんでございますから、なお一層ガット体制というものに対しては、各国それぞれより理解を深め、わが国も含め、これに対応していくべき課題である。すなわちガットというものが、いま必ずしもその精神が生きていない面が一部管理貿易等の点に出ておっても、それは派生的な問題であって、必ずや自制の方向に向かうべき問題である、こういう問題意識のもとに対応すべき問題であるというふうに私は理解をいたしております。
○塩出啓典君 それではまず最初に実調率の問題についてお尋ねをいたします。 当委員会におきましても、法人税、所得税の実調率につきましては、現在、大体法人が一〇%、それから個人の場合は四%、こういうようなお話があったわけであります。ずっと過去を見てみますと、非常に高いときもあったし、低いときもあったわけでありますが、大体大蔵省といたしましては、この実調率はどの程度を将来の目標にしておるのかどうか、これをお伺いしておきます。
○政府委員(角晨一郎君) 税務調査の実調率でございますが、御指摘のように、所得税の場合には最近四%程度、法人税の場合には一〇%程度となっておるわけでございます。過去にはこれより高い時期がございました。昭和四十年代をとってみますと、所得税は五%、法人税は二二%という時期もあったわけでございます。 税務調査は過少申告の疑いの濃い納税者から調査対象に選定をして調査をしておりまして、それに至らないような申告漏れにつきましては、調査以前の事後処理というようなかっこうで是正を図っておりますので、これら両者あわせて考えなければいけないわけでございますが、メーンは実地調査でございます。 私ども実調率、過去の趨勢から見ましても、最近の状況は必ずしも満足できる状態ではない、もう少し高い方が望ましいと考えておるわけでございます。実調率を確保いたしますには、一定の調査日数等を前提といたしますと、全体としての調査事務量をふやさなければこれはできないわけでございます。一方では、納税者が年々増加するという事情もございますので、調査事務量の確保が何よりの前提になるわけでございます。したがいまして、毎年厳しい財政事情でございますが、要員の確保に関係方面の理解も得ながら努めておりますし、また最近では非常に窮屈にはなっておりますけれども、内部事務の合理化も余地のある限りやっていくということで、必要な調査事務量にそれらの力を回していくということで実調率の維持ないしはできるだけ一歩でも向上させるということでやっておりますが、なかなかこれを具体的な数値で何%までの目標としてやるというふうにはいかないわけでございます。 何となれば、実調率の確保は重要な柱ではございますが、同時に広い意味での納税環境の整備のいろんな施策があるわけでございまして、それらの組み合わせの中で重要なものとは考えながらできるだけその実調率の問題に取り組んでいきたいと、こういう考え方でおります。
○塩出啓典君 実調率につきましてはそういう具体的な目標等が非常に立てにくいと、こういう事情の御説明があったわけでありますが、私は実地調査というのは、現在のところは、大体ねらわれると調査される、だから調査に来たということは何か非常に脱税があったんではないかと、こういうような認識にとられているわけであります。国民の納税意識の向上のために、また納税者の協力を求めるためにも、少なくとも現在の十年に一回というんではなしにもう少し目標を上げるべきではないか、また中期的な目標をつくるべきではないか、私はそのように思うわけでありますが、その点はどうですか。
○政府委員(角晨一郎君) 実調率についての考え方及び税務竹政の中で実地調査とほかの施策との関係につきましては、非常に簡単ながら先ほど申し上げたとおりでございます。納税環境全般とのかかわり合いの深い割合でございますし、同時に納税者数がどういうふうな推移をするかということにも関係してくる計数でございます。同時にいろいろな調査をする場合に、どのくらいの深度ある調査を一般的にするのがいいかということも前提になってこようかと思います。したがいまして、私ども現状では満足は必ずしもしてないということは申し上げましたが、それをさらに中期的にこれこれの数値でこれだけの目標に接近していくという具体的なものを描くにはまだ私ども若干材料も不足でございますし、いまの段階ではそういう取り組みにはなかなか現実にはまいらないという感じでございます。
○塩出啓典君 いま納税環境の整備ということを言われたわけでありますが、臨調の答申の中にも、また今年度の税調の答申の中にもそういう項目は書いてあるわけであります。この納税環境の整備ということは具体的にどういうことが問題になっておるのか、どういうことを大蔵省としては検討しようとしているのか、この点をお尋ねをいたします。
○政府委員(梅澤節男君) 納税環境の整備の問題につきましては、いま委員が御指摘になりましたように、昨年七月に出ました臨調の答申では、記帳義務それから推計課税、挙証責任、それから総収入申告制というような点が指摘されております。同時に、昨年の六月に政府の税制調査会の中にも申告納税制度の特別の部会を設定いただきましてずっと審議をしていただいておるわけでございますが、五十八年度改正の答申にいま委員がお触れになりました中間報告のような形で、ここでもやはり帳簿記録に基づく申告制度に推計課税制度、立証責任のあり方、それからいわゆる総収入申告制、それから課税資料の収集制度等が挙げられておるわけでございます。 そこで、私どもといたしましては、この特別部会でなるたけ早く御結論をいただきまして、早い機会に制度化をするべく国会にもお諮りをしたいというふうに考えておるわけでございますが、わが国に申告納税制度ができまして今日までそれなりには定着しておるわけでございますけれども、いわゆる給与所得者につきましては、わが国の場合非常に源泉徴収制度が完備されておりまして、それとの比較において申告所得の納税義務者についての所得捕捉についてとかく公平の観点から議論がされておる実情にございます。 執行当局におきましても、限られた人力で課税の公平を期すべく非常に懸命の努力をしておるわけでございますけれども、制度面におきましても、現在までの申告納税制度の定着の度合いを踏まえながら、しかも各国でのいろんな制度の経験等も参考にいたしまして、適正な申告納税制度をひとつ制度面からさらに進める余地があるのかないのか、その点当面の一つの大きな課題としていま取り組んでおるわけでございます。
○塩出啓典君 いま言われたそういう納税環境の整備問題にいたしましても、かなり反対する勢力というか心配をする向きも非常にあるわけですね。大体政府としてはいつごろまでに結論を出して実施に移すつもりであるのか。こういう問題は余りいつまでもずるずる延ばしてもいけない問題じゃないかと思うんでありますが、その点はどういうめどを持っておりますか。
○政府委員(梅澤節男君) 先ほど御説明申し上げました政府税調の特別部会では、昨年秋までに帳簿記録に基づく申告納税制度の問題について一とおりの御議論を済ませていただいたわけでございますが、今後の手順といたしましては、この問題をさらに深めていただきますと同時に、先ほど申し上げました推計課税の問題等々の問題についても議論を進めていただきまして、私どもといたしましては、この秋にでも税制調査会での御結論をいただきたいということを期待しておるわけでございます。
○塩出啓典君 この秋ということは、来年、次の通常国会にはできるだけ出す方向で努力をしたいと、このように理解していいわけですね。
○政府委員(梅澤節男君) でき得ればそういう方向で対処したいと考えておるわけでございます。
○塩出啓典君 グリーンカード制の問題にいたしましても、当初は大蔵省も断固やると、そういう方向でありながら、途中でいろいろ態度が変更していく。こういうようなことでは、国民の信頼というものを失っていくんじゃないかと思うんですがね。そういう意味で、こういう納税環境の整備の問題にいたしましても、ひとり納得のいく公平な筋の通った方向に私は努力をしてもらいたい。その点大蔵大臣の決意を承っておきます。
○政府委員(梅澤節男君) 大臣がこの後すぐ御答弁になると思いますが、先ほど申し上げましたように、納税環境の整備の問題につきましては、現在政府の税制調査会で適正公平な申告納税制度のあり方について議論を進めていただいておるところでございますが、いわゆるグリーンカード制度の問題につきましても、この法案を国会で御承認を得た後できるだけ早い機会に税制調査会にお諮りいたしまして、利子配当課税の適正公平な課税のあり方についても御検討いただく予定にいたしております。 いずれにいたしましても、委員の御指摘のように、特に所得税制の制度面での公平適正化につきましては、今後とも努力を続けてまいりたいと考えております。
○国務大臣(竹下登君) いわゆるグリーンカード問題について私が大蔵大臣で本院でお願いをしてこれを通過成立せしめていただいて、そして私が大蔵大臣で今度また租税特別措置の中でいま凍結をお願いしておる。私個人といたしましても、いろいろ考えさせられた問題であります。 ただ、みずからがその際必ずしもグリーンカード制度そのものに起因したものでないと思われるものにしろ、いろいろな議論があって、いわば法的安定性を欠いたという判断に立ったとするならば、私の責任でお願いするのがやはり至当であろうという考え方に立ったわけであります。 いずれにいたしましても、一遍法律を出して、そうして断々固としてやるという姿勢を示しながら、これの凍結法案をお願いするという姿勢そのものに対しては、私自身もみずからの責任を感じております。したがって、これが法案を通していただきました後、利子配当課税の公平公正なあり方について篤と、本委員会における論議等を正確に報告しながら、税調において御審議いただこうと、こういう姿勢でございますので、これからも今日のような、言ってみれば、ある種の見通しの誤りとでも申しましょうか、そういうことがあってはならないという方針で臨まなければ、税制なかんずく政治そのものが国民の信を失う、こういう結果にもなりますので、心して対処すべきものであると考えております。
○塩出啓典君 当委員会でも税務職員の体制が非常に問題になったわけでありますが、特に年齢構成が四十七歳あるいは四十六歳以上が約二万名もいらっしゃる。そうしますと、何年か後には大量に退職をしなければならない。現在は非常にべテランの職員の御努力によって辛うじて税務行政も行っておるわけでありますが、いまのような状況では現在の実調率を維持することも非常にむずかしいんではないか。しかも税務職員というものは採用してもすぐ使えない、かなり長期の訓練期間が要る。そういう点を考えれば、もうちょっと大蔵省あるいは国税庁にも長期的なビジョンに立っての計画があってもいいんじゃないか。何か国の財政と同じように、税務体制も何となく行き当たりばったりのような、そういう気がするんですが、その点はどうお考えですか。
○政府委員(酒井健三君) 委員御指摘のように、私どもの職員五万三千名弱おりますが、四十五歳以上の職員がそのうちの約三四%を占めております。ことに五十歳以上の職員が二八%でございまして、これから十年たたないうちにこの税務に関する知識経験の豊かな職員が国税の職場を去っていくことになるわけでございまして、そういう面で、そういう事態が招来した場合に、私どもの事務処理能力の低下というのが懸念されるという状況でございます。 私どもそういうような事態に対処するため、従来から大学卒を含めました資質の高い職員を確保するように努めておりますとともに、将来の職場の中核ともなる職員に対する研修、いろいろな研修とかあるいは実務指導の充実強化を通じまして職員の資質の向上に配慮しているところでございます。 また、中高年職員の退職時期の分散化を図っていくということが必要なものでございますので、それによって世代間の円滑な交代に若干なりとも資する、そういうことで、従来の職員の勧奨退職年齢を定年制後を念頭に置きつつ段階的に引き上げること等いたしております。 こういうふうに資質の高い若年職員の育成と、熟練した職員の長期的な活用を図りますとともに、納税環境の整備とか、地方税当局とか、関係民間団体等との協力関係の充実強化とか、あるいはコンピューター化の拡充等によりまして、内部体制を整備するということで税務行政の充実に努めてまいることといたしております。 委員御指摘のように、私どもの課税対象が年々ふえ、また質的にも厳しくなってまいりますので、私どもとしては、今後とも一層適正公平な課税というものを実現するために、行財政事情は引き続き厳しいかと思いますが、関係方面の御理解を得まして、国税職員の充実には今後とも一層努力をしてまいりたいと思いますが、なかなかこの予見が変化するという問題もございまして、長期的な増員計画を固めるに至っておりませんが、そういうような長期的な構想を次第に立てて、それに基づいて職員の増員というものを考えていくことを検討しなければいけないだろうというふうに私どもも自覚いたしておる次第でございます。
○塩出啓典君 いままでできるだけ事務の機械化を進めて、そうして定員増の要請をカバーしていくという、こういうようなお話がずっとあったわけでありますが、大体事務の機械化もいろいろお聞きいたしますと余り進んでいない。しかもオンラインではなしにバッチですか、そういうような状況等をお聞きをしておるわけでありますが、大体いまの現状はどういう状況であるのか。また、最近のそういういろんな技術のOA化を大いに取り入れて、国税庁も時代の流れにおくれてはならぬと思うのですが、そういう機械化の計画はどういうようになっておりますか。
○政府委員(酒井健三君) 私どもの国税事務に関する機械化の現状でございますが、昭和四十年のころから、東京、大阪、名古屋の各税務署、それから現在におきましては、これらの税務署のほか、関東信越国税局の埼玉県の南の方に所在する税務署も含めまして、合計で約二百十一署の税務署におきましてバッチ処理方式――これはオフラインの方式でございますが、そういうような方式によりまして申告所得税及び法人税の内部事務とか債権管理事務を処理しているわけでございます。 そのほか、このバッチ処理方式を補完するため、ただいま申し上げました二百十一税務署のうちの四十八税務署におきまして、オンライン方式によりまして源泉所得税の内部事務の処理を行っております。所得税、法人税につきますと、現行システムによりまして納税者全体の六割方の事務がカバーされているという状況になっております。 こういうような方式のほかに、私ども昭和五十四年度から、栃木県下の税務署におきまして、オンライン方式で処理する総合的な電算システムを試験的に実施してきているというのが現状でございます。 ただ、率直に申し上げまして、国税事務の電算化の現状というのは、今日の社会の現状に比べるとかなりおくれている状況であるということは否めないかと思います。そのため、私ども何とか国税の事務を早急に電算化を進めたいということで、ことにこの地方局の約二百九十の税務署が手作業でやっている、ほとんどの仕事を手作業でやっているというような状況でございまして、これをできるだけ早期に機械化して事務の省力化を図ってまいりたいということを最重要課題として考えており、これらのこの手作業の税務署を機械化するに際しまして、バッチ方式でやるのか、あるいはオンライン方式でやるのか、いろいろ検討をいたしまして、栃木県下におけるこの試験的実施の結果も踏まえまして、私どもとしてはオンライン方式でやっていくという計画を立てまして、 〔委員長退席、理事増岡康治君着席〕 五十八年度の予算案におきましても、この二百九十の手作業の税務署のうちの百署余りにつきましてオンライン方式を導入するという案にいたしておりまして、私どもまずこの二百九十の手作業の署をできるだけ早くオンライン化をいたしたい。それがオンライン化ができました後、この都市局のバッチ方式でやっているのをこれもオンライン方式に切りかえて、将来の姿としては全国の税務署をオンライン方式で統一したいというふうに考えております。
○塩出啓典君 民間のちょっとした中小企業でもどんどん機械化をしてかなり人手を省いておるのに、税務署は全国五百九のうちわずか二百余りしかコンピューターも入っていないという。早急にそういう機械化というのはもうどんどんやるべきだ。そのために少々国債がふえても結果的にはいいことですし、そういう点でこれはどうでしょうか、いまのお話を聞いておりましても、なかなかすぐには行き渡らないような感じがするんでありますが、大蔵大臣として、定員増はともかくとしても、そういう機械化はもっと重点的に力を入れてやるべきだと、この御決意はどうですか。
○国務大臣(竹下登君) これは定員の問題のお話もございましたが、事実私どもと行政管理庁は、いつでも定員問題になりますと、まず隗より始めよと、こういうことで受け身の立場に立つことも事実であります。その中で各方面の御理解を得てこれが充実に努力をいたしておるわけでございますが、それを補うという表現は必ずしも適切ではございませんものの、事務量の簡素化、近代化等からいたしまして、税務事務の機械化、これは御指摘のように、われわれが真剣に取り組まなければならない課題だというふうに理解しておるところでございます。御趣旨を生かしながらこれが対応に対しましては精いっぱいの努力を進めてまいりたいと、このように考えております。
○塩出啓典君 当委員会でも、たとえば確定申告をする一千万を一千五百万にすれば大分事務が減るとか、そういうお話もあったわけですが、定員をふやすことも大事ですが不必要な、不必要と言えばあれかもしれませんが、納税の公平を保ちつつ、その観点からもっと簡素化し省力化して、そういう仕事減らしということをもっと真剣に私は考えるべきじゃないかと思うのですが、そういう意味でこの税務行政全般にわたって、法令の見直しとか総点検をやって、できるだけ必要度の少ないものは減らすと、こういうことを検討すべきではないかと思うのです。その点はどうでしょうか。
○政府委員(梅澤節男君) 執行当局の事務負担をなるべく軽減する意味で、必要な方面に効率的に仕事をしてもらうために制度を見直すべきであるという御指摘は、基本的な方向として私どもは全く同感でございます。 ただいまも給与所得者の申告基準額の引き上げにつきまして例示として御指摘がございましたけれども、これらの問題につきましても、絶えず制度を見直しながら、執行当局の事務負担をなるべく軽減する方向で私どもも考えてまいりたいと思いますが、同時にそのことは、たとえば納税義務者あるいは源泉徴収義務者に逆に負担がかかる、うらはらの関係にもございますので、そういう関係にも十分注意を払いながら今後とも努力してまいりたいと思います。
○塩出啓典君 新聞で拝見したんですが、納税事務に税理士の協力を求めるために確認書添付制度というものを考えているようでありますが、そういう税理士さん等の協力を求めるということは、これは当然必要なことだと思うのですが、これはどういう考えでございますか。 特に信頼できる税理士の申告書はフリーパスで通すけれども、信頼できない税理士の場合は厳重にチェックすると、こういうような意味のことが書いてあるわけですが、そういう場合、信頼できる税理士とそうでない税理士の区別はなかなかむずかしいんじゃないかと思うんですが、それはどういうことでございますか。
○政府委員(角晨一郎君) いま御指摘の事柄は、税理士法三十三条の二という規定がございます。これは税理士の方が納税者の申告書の作成に関してどの程度まで関与したか、税理士自体としてどの程度まで関与したか、またどのように申告書の申告内容を検討し、調整したかということを、税理士は申告書と同時に書面で税務署にその内容を提出するという制度があるわけでございます。この制度は、納税義務が正しく実現されているかどうかというチェックと同時に、税理士の地位の向上にもつながるわけでございますし、ひいては税務行政の円滑化にも資するというのが、この制度の趣旨であるわけでございます。 現在までこの制度は、制度的には古くからございますけれども、余り活用されていないのが現状でございますが、申告納税制度をとっておる現在、税理士の役割りがさらに高まる、そういう高まっていく必要があると思いますけれども、そのために一つの機能として、このような書面添付の制度がさらに定着するということは、それなりに望ましいことであると考えておるわけでございます。 私ども従来から税理士との関係については、相互信頼ということを重点に仕事を進めてきておりますが、この書面添付制度も、そういう相互信頼を高め税理士の地位の向上にも役立つというように今後とも推進していきたいと思っておるわけでございまして、私ども添付された書面の内容を拝見いたしまして、その記載内容等十分にそしゃくして内部の審理等に役立てていくということでございます。この制度がひいては納税者の申告水準の向上に長い目で役に立てば非常に結構なことではないか、こう現在思っておるわけでございます。
○塩出啓典君 大蔵大臣に要望いたしますが、税務行政というものは、いろいろ機械化の問題とか、あるいは納税環境の整備とか、あるいはまた国民の納税意識の向上とか、あるいはまた税務職員の質の向上とか、いろいろなものが総合的に発揮され関連を持つ問題ではないかと思います。しかしいまのような現状では、早晩実調率も急速に低下をし、国民の税に対する不公平感、信頼感を失うおそれが多分にあるのではないか。こういう気がするわけであります。 そういう意味で、機械化をこういうようにやっていく、納税環境の整備はこういうようにやっていく、また仕事減らしはこういうようにやっていく、そういうようなある程度見通しの上に立って、そういう立場から、当然定員の問題も考えていかなければいけないと思うのでありますが、税務行政をさらに前進さしていくために、必要なものは定員もふやしていかなければいけないと思うのでありまして、そういうもうちょっと長期的な観点に立って推進をしていくべきであると、このように思うわけです。その点の大臣のお考えを承っておきます。
○国務大臣(竹下登君) いまの塩出委員の御指摘に対して私ども異論を挟む余地は全くないと思っております。確かに、言われてみれば、総定員法の中でわれわれなりにいろいろな工夫をいたしますが、まず隗より始めよという要請もございますものの、あるべき税務行政執行のためにあるべき定員の姿とか、あるいはいまおっしゃいました事務の簡素化に要するこれまたあるべき姿とか、そういうものを中長期的に物を見ろという御説に対しては、十分私どもも理解をして、そうした方向で勉強さしていただきます。ありがとうございます。
○塩出啓典君 次に関税の問題についてお尋ねをいたします。 今回、関税の引き下げあるいは廃止等を内容とする法案が提出されたわけでありますが、この結果、わが国の関税負担率は国際的に比較してどうなのか、この点をお伺いいたします。
○政府委員(松尾直良君) 各国の関税水準を新しい時点で並べるというのは、データがむずかしゅうございまして、わが国のはこれは自分で計算できるわけでございますけれども、客観的に新しいデータで外国のものと並べてみるというのはむずかしいわけでございます。 非常に客観的な資料といたしましては、大変古いのでございますが、東京ラウンドの際に各国の平均関税率をコンピューターを使って大作業をやった数字というものが一つ客観的なデータとしてございます。これも七六年という非常に古いわけでございますが、東京ラウンドを最終まで各国が実施したときにどういう水準になるかという数字を出したわけでございまして、これは鉱工業品、しかも石油を除いた数字で申し上げますと、東京ラウンドを最終実現すれば、日本が大体三%程度、アメリカが四%程度、ECが五%程度と、三、四、五というような水準であるという計算が出ておるわけでございます。 ただ、これは鉱工業品に限っておるわけでございまして、わが国は御案内のとおり農産物に比較的高い関税を張っております。 そこで、新しいデータで何か横並びの数字がないかということになりますと、非常に簡単な数字といたしましては、俗に関税負担率と呼ばれております関税収入の総額を輸入の総額で割ってみるというのがあるわけでございます。これで一九八〇年を見ますと、日本は二・五、それからアメリカが三・一、ECが二・八、日本が一番低い数字になっておるわけでございます。
○塩出啓典君 いまのお話では、日本はECよりも、アメリカよりも非常に低いと、そういうことでございますが、そういう点は日本だけの評価であるのか、国際的にも評価されておるのか、その点はどうなんですか。
○政府委員(松尾直良君) これは関税水準を比べるというのは、先ほども申し上げましたように、なかなかむずかしいわけでございまして、確かにガットで作業いたしましたような関税負担率というのは一つの客観的なデータになろうかと思うのですが、これはどうしても加重平均されますものですから、非常に国によって禁止的な高関税を張っているようなものは、これは輸入がほとんどゼロもしくはゼロに近いということになりますと、その高関税は必ずしも平均にあらわれてこないというようなこともございます。 したがいまして、関税負担率で日本がすでに先進国の中で低いということは国際的に認識されておると思うのでございますが、同時に、個々の品目の中での関税率の高いものというものは、どうしても外から見ますと目につくわけでございまして、とかくそういう高関税の個別の品目について日本の関税は高いじゃないかというようなことを言われることが多かったわけでございます。今回改正でお願いをしております、たとえばたばこであるとかチョコレート、ビスケットというのは、まさにそういう意味では非常に高関税の象徴のようにいままで言われてきたものであるということが言えようかと思うのであります。
○塩出啓典君 ひとつそういう点はガットの場等で、わが国が非常に努力しておる、こういう点を大いにPRするのも私は一つの責任じゃないかと思いますし、そういう点はお願いしたいと思います。 今回、お話では三百二十三品目の改正をしたわけでございますが、その中で特に特恵税率を下げるのが九品目とのことでございます。特に、最近わが国は欧米の方ばかり向いて、欧米諸国に対しては市場開放は努力しているけれども、発展途上国向けには何もしないと、こういうような意見があるわけであります。そういう意味でかなりASEANの諸国からもいろいろ特恵税率を下げてもらいたい、こういうような要求が非常に強いわけでありますが、今回の特恵九品目を下げたことはそういう要求にこたえておるのかどうか。その点はどうでしょうか。
○政府委員(松尾直良君) まず一般的に、ASEANなり開発途上国に対する関税面の考え方と申しますか、従来の関税政策、それから今回の改正で配慮してないのではないかという御指摘にお答えしたいと思うんであります。 関税引き下げというものが自由貿易体制を維持強化をする、それによって世界の保護主義の力を少しでも抑えていく、そういうことによって世界貿易の縮小に陥るのを防ぐ、こういう目的を持ち、またそのような効果を持つといたしますれば、これは広く発展途上国にも均てんをする話であろうかと思うのであります。このASEAN諸国からの個別の関税引き下げ、ないしは特恵税率の設定なりの要望というものは、従来からもいろいろございまして、これは私ども国内産業への影響を見ながら逐次要望にできるものは沿ってきておるわけでございます。 ただ、ASEAN諸国からの要望品目というのが、農産物であるとか、あるいは皮革製品、繊維、雑貨といったような、わが国内において農林水産業なり中小企業、あるいは零細企業にかなり関係の深い物品が比較的多いわけでございまして、そういう点ではなかなか一度に要望をそのまま実現するということのむずかしい面があるわけでございます。しかしながら、近隣諸国、特にASEANというのは、わが国にとって大事な諸国でありますので、そうした要望に今後とも沿っていきたいと考えておるわけでございます。 今回の特恵関税の対象といたしましたのは、主として一般税率を改正、引き下げることによって、従来持っておった特恵の意味が失われてしまうというようなものについて是正をしていこう、こういう趣旨でございますけれども、それぞれこれら発展途上国の要望に沿ったものであるというふうに考えております。
○塩出啓典君 今回の特恵税率の改正は、改正しないと今度の特恵以外の改正によって税率が特恵税率よりも下になっちゃうから仕方なしに改正をしたという、そういういまの御説明でございますが、いろいろASEAN諸国から要望しているものは今回は一つも入っていないわけでありまして、そういう点、いろいろ国内の事情もあると思うのですけれども、欧米向けのみならずASEAN諸国に対しても同じように努力をすべきであると、このように思うわけでございます。この点を私は要望しておきたいと思います。 それからASEAN諸国は対日赤字の縮小あるいはまた輸出の拡大、特に製品の輸出拡大に力を入れておるわけでありますが、そのために最近はいわゆる見返り貿易と申しますか、ある製品をある国から輸入したならば、そのかわりにこれだけの物を買ってくれなきゃ困る、こういうような動きがASEAN諸国においてもインドネシア等を中心にだんだん採用する国が急増しておる。このことは当然自由貿易というものを保護貿易の方に改め、世界の貿易を縮小均衡にする危険性もあるわけでありますが、こういうような実態がいまどういう状況であるのか、これは大蔵省で掌握している点について御説明を願いたいと思います。
○政府委員(松尾直良君) いわゆるカウンターパーチェスというのは、従来主としてソ連東欧諸国が、外貨を節約すると申しますか、そういう共産圏におきまして比較的広く行われておった制度でございます。最近、御指摘のとおり、インドネシアがこの制度を導入いたしました。これはインドネシアのねらっておりますところは、石油の輸出国でございますが、石油以外の製品の輸出をできるだけ促進したいということから、いろいろな国際入札をして調達をいたします場合に、見返りにインドネシアの産品を買うことを条件づけておる、こういう制度でございます。 私ども承知しております限りでは、いまこういった制度が行われておりますのは、ルーマニア、東ドイツ、ユーゴスラビア、チェコ、ハンガリー等の東欧諸国、それから部分的にでございますが、ニュージーランド、オーストラリア、それとインドネシア、こういうところでこの制度が行われているように承知をいたしております。
○塩出啓典君 新聞報道によりますと、このような見返り貿易が拡大することを防ぐために、アメリカ等を中心にその対応策がガット等にも提案されると、このような動きがあることを報じておるわけでありますが、わが国としてはそういう問題にはどう対応していくお考えであるのか、これを伺っておきます。
○政府委員(松尾直良君) ただいまお話の、アメリカがこの問題をガットの場等で取り上げていくという新聞報道の件でございますが、私ども現在のところ、そのような動きは特に承知をいたしておりません。おりませんが、この問題は、委員御指摘のとおり、自由な貿易という点から申しますと、大変好ましくない、むしろ世界貿易を縮小に追い込むような制度で、大変好ましくない制度であるというふうに考えておりまして、この制度をとっております諸国に対しましては、そういう制度をできるだけ早くやめてもらいたいということを機会あるごとに申し述べる立場でございますし、また過去におきましてもそういった要請をいたしてきているわけでございます。
○塩出啓典君 ちょっと話はもとへ返りますが、特に特恵税率の問題でASEAN諸国が特に要望しておる中には、エビとか紅茶とかパーム油とか、こういうものの税率を下げてもらいたい、あるいは鶏の肉、エビあるいはヒマシ油、パイナップルの缶詰、そういうものに特恵税率がないわけでありますが、こういうものに新設してもらいたいと、こういうような要望があるように聞いておるわけであります。私はこの一つ一つの細かい内容はすべてがわかっているわけではありませんが、必ずしも全部できないわけではない。努力すればかなり要望にこたえられる点もあるんじゃないかと思うんですけれども、そういう点をひとつ前向きに検討すべきではないか、このように考えるわけですが、その点はどうでしょうか。
○政府委員(松尾直良君) 御指摘のとおり、これらASEAN諸国からの主とした要望品目というのは、エビ、バナナ、あるいは合板であるとか、鳥肉、特に骨なしの鳥肉、あるいはパイナップル、あるいはマニオカでん粉、こういったものでございますが、これはそれぞれ農林水産省の所管しておられる物資でございまして、農林水産省で鋭意御検討を願っておるわけでございますけれども、それぞれただいまのところ国内的に大変むずかしい問題があるということで、いま直ちに要望に沿い得ない、こういう状況にあるということで御理解をいただきたいと存じます。
○塩出啓典君 これは大蔵大臣に要望しておきますが、四月末から首相はASEAN諸国を訪問するわけであります。当然そういうような問題もいろいろ現地では出るんではないか、したがってそういう問題に対する対応もわが国はもう少し前向きに検討する必要があるんではないか。この点、大蔵大臣の御見解を承っておきます。 それともう一つ、来月の蔵相会議、先ほどいろいろ問題になりましたが、その蔵相会議においてアメリカが、先ほど申しました開発途上国の見返り貿易というものが増大している問題を解決するためには、もっと関税を下げるとか、あるいはまたこういう発展途上国向けに対するIMFなどの国際機関融資の条件を緩和するとか、そのようなことをやって、そういうことでこのような保護貿易的な動きを改めていくということを提案する、こういうことが伝えられておるわけでありますが、こういう問題については大蔵大臣としてはどういう姿勢で臨むのか。 この二点を伺って質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(竹下登君) まず一つは、総理が東南アジアを歴訪される、その際、御指摘になりましたカウンターパーチェスというような問題が、生の形でこの問題が出るのか、あるいはそれよりも援助問題等の中において議論されるのか、その辺は定かではございませんにいたしましても、十分各国々のよって立つ基盤並びにその要請については、詳細な検討を加えた上で対応されるべき課題であるというふうに考えておるわけであります。具体的にまだそれぞれのASEAN諸国の諸問題に対して詰めたわけではございませんし、作業をしておるという状態にもございませんが、いまの御忠告を体して諸準備を進めなければならぬというふうに考えております。 それから二番目の問題は、私ども四月に参りますIMFと世銀の会合の際に、あるいはG10とか、十カ国蔵相会議とか、いろいろな議論がなされる場があろうかと思っております。そういう場合に、当然のこととしていわゆる南北問題、この問題が話し合われるわけでございます。そうした場合におきましては、関税の問題のみならずあるべきODA、いわゆる政府開発援助等の姿、そうしてまた協調していく各種国際機関、そういう問題については忌憚のない意見を交換しなければならない。なかんずくASEAN地域ということになりますと、距離的にも日本の国が近いわけでもございますので、それらについては大いに関心も持ちながら諸外国の大蔵大臣とも意見を交換し、私どものアジアにおける果たすべき役割りを十分認識の上に立って対応すべきであると、御忠告を踏まえて対応したいと思っております。
○近藤忠孝君 前回の質問で海外債権引当金につきまして、肝心の主税局長に対する質問を落としましたので、追加的にお聞きします。 前回の質問でもおわかりのとおり、証券局の方は損失発生の可能性が高いと言う、それから片や国際金融局の方は支払い能力に問題はないと言う。同じ大蔵省でも評価が異っている性格の問題だと思うんですね。これを無税にするかどうかということはこれからの問題ですけれども、同じ大蔵省の中でもこれだけ考えが違い、しかも実態を見ているはずの国際金融局からこういう意見があるとなりますと、これを無税にすることの合理性はないんではないかと私は思うんです。 なぜこういうことを聞くかと申しますと、昨年有税で認めた核燃料再処理準備金、それをことしは無税の特別措置にしておるわけですね。一たんこれを認めますと、次にはこれが無税にいく一つの足がかりになりゃしないかということを心配するものですからお聞きします。
○政府委員(梅澤節男君) 前回委員から御質問がございまして、たしか証券局長からお答えいたしましたのは、いま問題になっております特定の海外債権、仮に引当金として計上する場合に、企業会計原則注解18に該当するかどうかということで、一般論としてこれに該当するという答弁をした点に関してだろうと思いますが、その限りにおいて問題はないわけでございまして、前回も商法上の引当金、それから企業会計原則の引当金、それから私ども税制上の引当金――昨今、制度上の議論としては非常に距離が縮まってきたとは申しましたけれども、商法上の引当金、企業会計原則の引当金、税制上の引当金、土台は一緒でございますけれども、制度それぞれの特質と申しますか目的が違いますので、企業会計原則の引当金に該当するからといって、直ちに税制上の引当金に該当するかどうかということにはならないわけでございます。 ただ、いま問題になっております海外債権について、税制上概算的な繰入率が認められるべき引当金とするかどうかは、従来も申し上げておりますように、今後いわゆるカントリスクの実態等の議論のほか、現在ございます金融機関の貸し倒れ引当金の制度との関連、それから諸外国においてもいろいろな税制上の取り扱いをやっておりますので、そういったものを参考にしながら今後の検討課題である。現状において、これを税制上のいわゆる無税の引当金にするということを具体的に考えているわけではないということを申し上げたわけでございます。
○近藤忠孝君 これは私の実感から言って、心配ないかという質問に対して、国際金融局長の答弁として、そういう可能性、支払いの問題はないということでしたので、これを無税にすることの合理性はないんじゃないかということで、今後の扱いは無税の方向にすべきじゃないということを申し上げて、次の質問に移りたいと思います。 そこで、関税の問題ですが、大臣に基本的な認識をお聞きしたいんですが、関税の基本的機能は何であると理解されていますか。
○国務大臣(竹下登君) 関税の基本的思想というものは、これが一番最初の段階は、いわゆる国内産業等に与える影響の緩和という問題が一つ。それからいま一つは、今度は財政関税としての意義の二つ、こう思っております。
○近藤忠孝君 財政関税の面は、だんだん低関税の状況ですから、そういう機能はだんだん失われてきて、むしろ国内産業の保護という面が強いんじゃないでしょうか。
○国務大臣(竹下登君) そうは言っても財政関税、よってもって立つその淵源を探れば、それは否定するわけにはまいらぬじゃないかというふうに思います。
○近藤忠孝君 淵源はそうかもしれませんが、最近、関税局の企画課長の佐藤さんの書いた文書によりますと、冒頭に、「関税の基本的機能は、価格機構を通じて、国内産業をこれと競争関係にある外国産品の輸入による影響から保護することにある。」、そう断定してあるので、私はそれが基本と大蔵省は見ているんではないか、こう思うんです。 そこで、次の問題として、これは午前中から関税負担率の国際比較などの報告がありまして、大変低くなっているということですね。 この低関税政策というものは、大蔵省はこう考えているんですね。頻発しつつある各種貿易摩擦の円滑な解消を図ることによって保護主義の台頭を防ぎ、自由貿易体制の維持強化に努める必要があるということだと思うんですが、しかし私は、先ほどの基本的な機能との関係で、大変な低関税政策がとられておりますけれども、果たしてこの関税政策について政府に一つの理念があるんだろうかという疑問が起きるわけです。それについての大臣の所見。 特に変動相場制下においては、個別産業の競争力にそぐわない為替レートが一時的に出てくる場合もあるわけですが、そういう変動相場制のもとにおける関税政策の理念は何であるとお考えですか。
○政府委員(松尾直良君) わが国の関税政策、ただいま大臣からお答えしましたように、沿革的には、保護関税の機能を生かすということと財政関税であったかと思うのであります。 それで、今日なおこの関税が税である以上、財政的な意義が全く失われているわけではないのでありますが、重点は保護機能の方に大きく寄っておるということは御指摘のとおりかと思いますが、そういう中で、戦後のわが国の関税政策というものをいま振り返ってみますと、非常な高関税からスタートして、わが国の産業が競争力をつけるのに応じてこの保護の水準を次第に切り下げてきた。 関税というものは保護関税でありますが、同時に消費者利益というものも関税政策を考えるに当たりましては無視できないわけでございまして、いたずらに高関税を張ることによって消費者の利益を害するということは、関税当局としてとるべき態度ではないのではないか。したがいまして、貿易自由化の進展、それに伴いまして国内産業が力をつけてくるに応じまして、累次にわたって関税の引き下げ措置をとってきたわけでございます。 もちろん、その過程におきまして、特定の品目に限って、いろいろな競争条件が変わったことによって逆に関税を引き上げるという措置もとってきておるわけでございますが、大きな流れといたしましては、御指摘のとおり、関税引き下げの歴史であったかと思いますし、また今回御提案しておりますのも引き下げ方向のみであるわけでございます。 関税というものは、内外経済の接点に立つという点から言いますと、消費者利益というのは、やはりできるだけ安くいい商品を手に入れるということが消費者利益でありまして、関税当局が余りに過保護に陥ることは、これは国内の消費者の利益を侵害することになりかねないわけでございますので、国内産業の実情に沿いながら、できるだけ関税水準を下げていくことによって国民経済全体にプラスになるというのが基本的な理念ではなかろうかと思っております。 それから第二に、変動相場制のもとでの関税政策はどうあるべきかという大変むずかしいお尋ねでございます。 これは為替相場がフロートするようになりましてから、いろいろなところでも議論されておりますし、私どももいろいろな学者先生等にも御勉強願ったりしておるわけでございますが、一般的に言えますことは、関税というのは、為替相場に比べますと、より中長期的なあり方と申しますか、中長期的にしかも個々の商品ごとに個別に機能していくわけでございます。これに対しまして為替相場の方は、これは全部一律に同じような影響を受け、しかもその変動は非常に短い期間に変動するという特性を備えておるのではなかろうか。一般的にはこのように言えるのではないかと思うんであります。 極端な議論をされる学者の中には、為替相場がフロートしたんだから、もう関税というものはゼロでもいいんだ、関税ゼロで、その中で影響を受けた場合には、緊急関税なり、そういった特殊な関税を発動することによって保護すればいいではないかというような、極端な議論もございますけれども、私ども、個々の産業、個々の産品というものに着目をいたしまして、あるべき保護水準というものを決めていくのが関税政策であり、それが非常に短期間の為替相場の変動を受けざるを得ないということは、これは否定できないし、また遮断できないわけでございますけれども、考え方としては、そういう考え方で政策運営をいたしておるつもりでございます。
○近藤忠孝君 次に、大臣、関税自主権についての大臣の御所見を伺いたいと思います。
○政府委員(松尾直良君) お尋ねの意味がよくわかりませんが、関税政策というのは、まさにその政府の政策でございまして、私ども関税率を決定するのは、御案内のとおり、ただいま法律事項に原則としてなっておりますので、政府として方針を決めましたならば、それを法案の形でこのように国会へお諮りをいたしまして、国会の御審議を経ておるわけでございまして、日本政府が日本の憲法以下の国内法令に従って関税率を決定しておるということでありまして、お尋ねの意味がよく理解できない次第でございます。
○近藤忠孝君 いまのは法律的な意味でして、私はそれが自主的に守られているか、こういうことを伺いたいわけです。 言うまでもなく、関税自主権は、これは国家主権の重要な機能の一つで、独立国家の主権に基づく自主性に任されている問題ですね。その関税自主権を確立する上で大変な明治以来の歴史があったことは当然のことです。 ただ、最近の状況を見てみますと、今回の改正案を見ましても、かなりの品目が東京ラウンドの合意を上回った引き下げとなっている。一気にゼロ税率にするもの、あるいは東京ラウンド最終税率以下にするものなど、その引き下げ幅が非常に大きいのが特徴だと思うんですね。これでは何のために東京ラウンドをやったのかわからなくなってくるんです。 しかも、東京ラウンドについては、批准前にも四十七年の二割カット措置、それから五十三年の前倒しをやって、批准時には早期実施措置をやって、さらに昨年、二年前倒し措置を講じて、まさに前倒しに前倒しを重ねてきているわけですね。しかも、これは先ほども質問ありましたけれども、ASEANなどの要求は余りなくて、むしろ特定の国の要求にわが国がずるずると一方的に応じている。そういう点では実質的に関税自主権の立場から言って大変問題があるんじゃないか、これが私の質問なんです。
○政府委員(松尾直良君) 関税自主権の回復というのが、明治の日本の政治経済にとって大変大きな出来事であったということは、私も承知をいたしておりますが、そのときの関税自主権の回復というのは、まさに日本政府がみずから関税を決められないという状態からいかに脱却するかということであったわけでございまして、先ほど法的な測面を申し上げましたが、今日そのようなことはあり得ないわけでございまして、こうやって国会で御審議を願ってお決めを願っておるわけでございます。 今回の改正品目の中に、確かに諸外国から要請のあった品目が相当含まれておることは事実でございますが、要求のあったものを何でもかんでも言われるとおりに全部やったというものではないわけでございまして、強い国からの要望があっても実施をしなかったものはたくさんあるわけでございます。したがいまして、今回お諮りいたしておりますのは、あくまで日本政府として自主的に決定し、御審議をお願いしておるということであるわけであります。 なお、東京ラウンドとの関連での御発言でございますが、確かにケネディ・ラウンドあるいは東京ラウンドというものは、世界の国ができるだけ多く参加をいたしまして相互に関税を引き下げていこうという、相互主義という原則に基づいて行われてきたわけでございますけれども、それじゃ全部過去の関税交渉、東京ラウンドに至りますものを並べてみまして、各国が全く同じことをやっておるかというと、決してそうではないわけでございます。わが国が東京ラウンドの合意を、国際約束よりも前倒しに早める、あるいは物によりましては東京ラウンドの合意以上に切り込むということは、わが国の自主的な判断によってこれを行うわけでございまして、こうした日本の市場開放努力が諸外国によって評価されるように強く諸外国にこの旨を申し述べておる次第であります。
○近藤忠孝君 アメリカあるいはECの最近の日本に対する市場開放要求は、対日貿易赤字の急増という要因があるにせよ、私は常軌を逸した面が大変あるんではないか。自分の方はローカルコンテント法など保護立法を乱発したり、あるいはガットの自由貿易主義に反する自動車、VTRの輸出自主規制を日本に強要する一方で、わが国の最低限必要な農産物保護政策や輸入制限そのものがガットに反すると断定して、そしてガット提訴の引き金に手をかけながらわが国を攻める、威嚇するということがあるわけですね。それに屈したんじゃないか。 特に、さきの日米首脳会談で、中曽根総理がレーガン大統領に対して牛肉、オレンジ問題で、選挙の後大幅に譲歩するからしばらく待ってほしいと、こう約束したと伝えられている。そんな状況を見たり、あるいはレーガン大統領の補佐官がわが国におどしをかけている。これは大問題だといったようなことをいろいろ見ますと、そういうものにむしろ日本政府が屈している。形式的にはそれはわが国の自主的な法制度でやっていることはもちろんそうですけれども、実質的に関税自主権が侵害されているんじゃないかということを私は心配するから言っておるんですが、大臣、どうですか。
○国務大臣(竹下登君) それぞれの国はそれぞれのよって立つ国民的基盤の中でナショナルインタレストを踏まえて、関税のみならず外交交渉に当たっていくわけでございます。それを受けとめる側が評価するのは、人それぞれによって違うかとも思います。しかしながら、わが国自身の国そのものの存立が、まさに自由貿易体制というものの基盤の上に立って初めて生々発展を期待できるという場合に、できるだけ貿易自由化の方向に物が進んで、各国それぞれの立場の中で、保護貿易主義が台頭するのを事前に芽を摘んでいく努力をしなければならないということは当然のことでございまして、いわば圧力に屈したとかというような認識は私どもとしては持っておるところでございません。
○近藤忠孝君 われわれが外から見ていまして、どうもそういう要素があるんじゃないかということを指摘をせざるを得ないんです。 次の問題に入りますが、こういう連続的な引き下げの国内産業への影響というものは、ここ数年来続いてきた円安によって相殺されて大して表面化してこなかった面もあるんじゃないかと思うんです。しかし、このところ円高の局面に入っておるし、もし急激な円高にでもなりますと、この連続的引き下げの影響が急激に表面化することも当然考えられるんじゃないか。この点どう考えているのか。
○政府委員(松尾直良君) 先ほど変動相場制下の関税政策の考え方をお話し申し上げましたが、短期間の為替相場の変動というものを関税が遮断するということはむずかしいわけでございまして、わが国の場合、関税率は大体一年刻みで検討いたしておるわけでございます。今回もお願いをしておりますのは、大体ほとんどが一年刻みの関税率を張っておるわけでございまして、その一年を見通したところでと申しますか、関税改正作業は大体秋ごろから行われるのが普通でありますが、そうした状況下での内外価格差あるいは内外の産業の動向、そういうものを総合勘案しながら関税率というものを設定しておるわけでございます。 非常に短期間に価格の変動するような性質の商品につきましては、関税技術といたしまして、いろいろな関税の張り方があるわけでございます。従量従価を併課するとか、あるいは物によりまして従量税一本にするとか、あるいは差額関税にするとか、そういうそれぞれの実態に応じましてきめ細かな配慮をいたしてきておるつもりでございます。
○近藤忠孝君 次に個々の問題に入りますが、減免還付制度について伺います。 いわゆる脱硫減税制度、これはやっと廃止になりまして、わが党が従来から主張してきた点が認められたことは評価をいたしますが、ところがこれと見返りに、同じ石油業界に対して新たな減免制度がつくられたことは私、納得できないわけです。石油会社がその供給構造と適合させる努力を払うことは当然ではないかと思うんですね。それなのになぜこういう減免制度を設けるのか、これが第一点です。 それから第二点としては、石油会社にとってもこれは今度有利になることでしょう。要するに価格の高いものがとれるわけですからね。それから水素分解装置などの設備は従来のかすであったピッチや残油から灯油などを生み出す設備もこういう設備を設けて、その結果減免になるんですけれども、それは石油会社にとって不利であるはずはないんではないか。これが第二点です。 それから第三点としては、原油輸入価格の値下げと円高傾向、こういう点があれば石油会社はむしろ増収になるんではないか。 こういう三点から見まして、今回のこの減免制度、これは私はまさに、よく大臣と意見が衝突する、大企業のための優遇税制ではないか、そのものではないかと、こう思うんですが、いかがですか。
○政府委員(松尾直良君) 今回この中間留に係る還付制度を創設いたしました背景と理由をまず申し上げたいと思うんでありますが、現在日本に輸入されます原油が年々重質化してきておるわけでございます。かつてはアラビアンライトというようなものがかなりな割合あったわけでございますけれども、石油輸入源の多様化に伴いまして、中国原油であるとかメキシコ原油であるとか、あるいはインドネシア原油であるとか、これは非常に重油分の多い原油でございます。たとえば中国の大慶原油というのは重油分が七四%といわれております。アラビアンライトは重油分が四九%といわれておりまして、こういった最近の原油輸入というのが非常に重質化しておりまして、五十一年度と五十六年度とを比べてみますと……
○近藤忠孝君 ちょっと時間ないから簡単で結構です。
○政府委員(松尾直良君) そういう輸入面におきましては原油が重質化しておる。他方、国内の需要面を見ますと、これは逆に軽質化と申しますか、重油の需要というものが伸びませんで、かわりに灯油、軽油というものの需要が非常に伸びておるわけでございます。したがいまして、ここに需給ギャップが出てまいりまして、民生にとって最も必要な灯油等の供給体制というもの、そこに不安が出てくる。それで、こうした民生用の油を安定した価格で十分に供給するということが必要なわけでございます。 そのためには、輸入されてくる原油は重油分が多いわけでございますので、いろいろな装置、製法を使いまして、これから灯油とか軽油とかいう中間留分といわれるものをよけいとれるような製法なり設備あるいはまた従来重油に軽質分を加えて中間留分、軽油、A重油等をつくっておりました。 〔理事増岡康治君退席、委員長着席〕 中間留分を節約するようなそういうものを政策的に支援しようということが、今回のこの還付制度でございまして、目的は民生の安定と申しますか、ほうっておけばなかなかそういうものの進み方が遅いという面もあろうかと思われますので、そういったものを促進してこの中間留分の需給バランスというものを確保したいと、こういう政策的な判断によるものでございます。
○近藤忠孝君 その理由は説明を受けたからわかっておるんです。ただ、それはむしろそういう供給構造の変化の問題ですよね。それに対応するのはまさに企業の責任の問題ということは、初め私は三点にわたって指摘をしたんです。それに対しては全然お答えないんです。 大臣、私が申し上げた三点からこの見直しを図るべきではないかと思うんですが、大臣の見解はどうですか。
○国務大臣(竹下登君) 私どもは一般論として申し上げまして、この政策税制が還付であれ、企業というトンネルを通じてそれが民生安定につながる場合、それなりの政策効果を上げるものであるという認識の上に立っておりますし、企業自身が悪であるという前提には立っておりませんので、そこのところは結局は議論してみれば、見解の相違ということになるんではないかなと、こういう感じでございます。
○近藤忠孝君 見解の相違じゃなくて、いままであった制度がちゃんとわれわれ主張どおり廃止されたんです。私はさっき三点を具体的に申し上げたんで、ひとつ検討を要望いたします。 時間の関係で次の質問に入ります。 たばこの問題ですが、専売公社にお答えいただきたいのは、巨大たばこの企業のシェアの状況と、、一九七四年と八〇年を対比したシェアの状況を御報告いただきたいと思います。そしてまたその特徴は何であるのか。また、日本の専売公社の世界市場における位置ということをお願いしたいと思います。
○説明員(長岡實君) 巨大たばこ企業といたしましては、よくビッグスリーと呼ばれております三つの大きな会社がございまして、イギリスのBAT社、アメリカのフィリップ・モリス社、同じくアメリカのレイノルズ社でございますが、この三つの巨大たばこ企業の世界のマーケットにおけるシェアは、一九七四年で申しますと四一・九%、一九八〇年では四六・一%に高まっております。 これらの企業の特徴と申しますか、いま申し上げましたような傾向からもおわかりいただけますように、これらの巨大企業が自分の国における市場の寡占化を進める一方において、海外での小会社の設立あるいは既存企業の買収等による資本進出、製品輸出等の形態によりまして、世界市場の寡占支配を強化してきているというような傾向がございます。 そういったような情勢の中でわが国の日本専売公社がどのような位置にあるかということでございますが、一九八〇年で申しますと、日本専売公社の世界市場に占めるシェアは一三・四%でございまして、一番大きなBAT社が一九・九%、二番目がフィリップ・モリス社の一五・三%、この二つに次いで第三位の地位を占めております。 これらの巨大企業と私ども日本専売公社との非常に大きな差は、私どもはその大半を国内で売っておるという点であろうかと存じます。
○近藤忠孝君 専売公社からいただいた資料によりますと、寡占化に至る経過というのは大変すさまじいもののようであります。 そこでもう一点お伺いしますのは、このビッグスリーが大変な事業の拡大をしてきましたけれども、その事業の状況の特徴、多角経営と言われておりますけれども、その状況を簡単に御説明いただきたいと思います。
○説明員(岡島和男君) 多角経営につきましては、たばこ企業といたしましては、たばこの需要が全体として伸び悩みになるということを予見いたしまして、たばこ部門の収益力を使いまして、たばこ部門以外の部門に積極的に進出しておるという状況でございます。 その事業分野は、先ほどのビッグスリーで申しますとビール、清涼飲料、石油、海運、デパート、スーパーと非常な広範囲にわたっているわけでございます。レイノルズ社の多角経営の例を申し上げますと、食料品、海運、石油、そういった新規事業へ進出いたしまして、多角化を進めることによりまして、全体の売上高が一九七一年から一九八一年の十年間の間に約四倍にふくれ上がっております。それから食料品等その他の部門の売上高が大幅に伸びたため、たばこ部門の売上高は相対的には一九七一年の七五%から五二%に減っているというふうに見ておりますけれども、たばこ部門の売上高自体は一九七一年から八一年にかけまして約三倍にふくれ上がっておると、こういう状況でございます。レイノルズ社で一番有名なだれでも知っている例を申し上げますと、デルモンテという会社がございますが、一九七九年にデルモンテにつきまして、これはどのくらいの資本をどうしたかという詳細は知りませんけれども、レイノルズの傘下に入ってしまっていると、こういう状況でございます。
○近藤忠孝君 そういう企業がこれから日本にやってくるということが、先ほど来問題になっている輸入たばこの問題の一側面だと思うんですね。こういう巨大たばこ企業の日本進出と、それからこれも先ほど来問題になっております専売公社の民営論、こういう角度からどういうお考えをお持ちなのか。たとえば民営にしますと、国内の競争ということもありますから、分割の問題が起きてくる可能性もあると思うんですね。それらの問題も含めて専売公社のお考えをお聞きしたいと思うんです。
○説明員(長岡實君) 巨大たばこ資本との競争が激化するという情勢のもとにおきまして、私どもが臨調の答申を受けて経営形態をどういうふうに改めていくかという問題でございますが、基本的には私どもは競争力を強めるような方向で経営形態を求めていかなければならない。いわば経営の自主性強化とか企業性が発揮できるようにといったようなことが中心になろうかと思います。 で、いま近藤委員のおっしゃいました、最終の姿として臨調は完全民営に移行すべきであるという答申を出しておられるわけでございますが、完全民営となりますと、御指摘のように独禁法の関係から申しましても、恐らく最低三社分割といったようなことになろうかと存じます。そうなりますと、米英の巨大資本がほかの国々のたばこ会社を買収したりしてきた実績もあるもんでございますから、私どもとしてはそういったようなことに対しては慎重に対処しなければいけないというふうに考えております。
○近藤忠孝君 そこで大臣、この臨調の民営化の答申ですが、私はいきなり出されてきた感があると思うんですね。国内的な議論はほとんど出されていないまま出てきた。むしろこれは外国の巨大メーカーからの要求が先行しているんじゃないか、このように見ざるを得ないんですが、それについてのお考え。 それからもう一つは、五十七年九月二十四日の閣議決定によりますと、この臨調答申を受けまして「法律案を次期通常国会に提出すべく準備を進める」というんですが、その場合に専売公社の民営問題については一体どうなるのか。いかがですか。
○国務大臣(竹下登君) 専売公社改革問題、これはいまもお話のありました九月二十四日、いわゆる行革大綱におきまして、第三次答申の趣旨に沿って各方面の意見を聴取して所要の準備を進めると、こういうことになっております。 で、この行革大綱をつくります際に、私も党におりまして参画をいたしまして、まさに「各方面の意見を聴取し」というところが、いろいろ問題になっております葉たばこ耕作者の問題でございますとか、また独禁法との関係の問題等々があるわけでございます。が、基本的には企業性の発揮が大切であるということがその骨子になっておりますので、それこそまさに関係各方面と調整を図りながら慎重に対処していかなきゃならぬ問題である。あくまでも企業性の発揮というところへ主眼が置かれた答申であると理解しておりますので、別に巨大企業の圧力というふうなものを意図されておるとは全く考えておりません。 それからこの法律案の問題でございます。いまそういう作業を始めておるさなかでございますが、問題が多うございますので、いましばらく時間をかしていただきたいというふうに考えておるところであります。
○近藤忠孝君 閣議決定では、「次期通常国会に提出すべく準備」とかなり急いでいるような様子なんですけれども、この問題はそう簡単にはいかぬということはもう先ほど来の答弁で明白ですね。そうするとこれは大体時期的にはどうなんでしょうか。
○国務大臣(竹下登君) いま協議が始まっておりまして、率直に申しまして、私自身もこうして予算委員会、大蔵委員会等々に時間を割いておりまするので、具体的な各方面との協議ということにはいささか時間的な余裕もない現在でございます。しかしその合間を縫いながら各方面の意見をいまや聴取しつつあるという段階でございますので、先ほど申しましたように成案を得るまでにはなお時間をちょうだいしたい、こういうお答えをいたしておるところであります。
○近藤忠孝君 民営化の問題についての論議というのはほとんどされていないわけですわね、国民的には。それから輸入たばこの扱い方もまだ暗中模索の面もあるという状況なわけです。一方、専売公社というのは国民の重要な財産で、財政的にも重要な制度でありまして、臨調答申が出たからといって、一方的に民営化の方向に持っていくのは問題じゃなかろうか。そういうことはすべきでないと私は思うんですが、大臣のお考えいかがですか。
○国務大臣(竹下登君) やっぱり企業採算性ということを基本に置いて御答申をいただいておると思いますので、いま近藤委員がすべきでないという断定、私がその御趣旨に沿うというわけにはまいりません。したがってまさに読んで字のごとく、「各方面の意見を聴取」しながらこれから検討すべき課題であるというふうに御理解をいただきたいと思います。
○近藤忠孝君 次はたばこの税率の問題ですが、これは一昨年九〇%から三五%へと大幅に引き下げられた上での再度の引き下げですね。今回も日米摩擦の象徴的品目として関税撤廃を要求してきたわけです。しかもこれは報道によりますと、さっきも触れましたけれども、昨年十二月にレーガン大統領側近のミース顧問から二階堂幹事長あてに、たばこ関税を大幅に引き下げないとひどい事態になるという電話が入ったということなんですね。そこで私は先ほど申し上げた関税自主権の放棄の象徴的なのがこのたばこの関税の引き下げではないかと疑わざるを得ないのですけれども、この電話を大臣御承知ですか。
○国務大臣(竹下登君) 電話の中身は知りません、私は。ただミースさんとミスター二階堂はベリー・ベリー・インティメート・フレンドであるということはよく承知しております。だからそういう圧力というようなものでなく、インティメートフレンド同士が両国の友好関係に配慮しながらプライベートな対話があるということは、十分に理解できることであります。
○近藤忠孝君 そのプライベートな対話の中で本音が出たと思わざるを得ないわけで、私はこの点もアメリカのそういう要求に屈した面が大変強いということを指摘せざるを得ません。 あと最後に一つだけ。今度たばこの定価改定によって自動販売機の改修が必要になると思いますし、その改修費がどれくらいか。政府が一方的に全部吸い上げちゃうのじゃなくて、それに対して補助をすべきじゃないか、こう思うんですが、それをお伺いして質問を終わります。
○説明員(森宗作君) この自動販売機でございますが、五十七年度末をもちまして、全国で推計でございますけれども、約三十一万二千台の自動販売機が見込まれております。今回定価改定を行いますと、価格設定を変更すると申しますか、価格を変える必要があるわけでございます。現在の販売機の中で二十五万台、約八〇%のものが簡単な価格スイッチを調整することによりまして価格の変更ができるのではないかというふうに思っております。残りの六万二千台でございますが、これは古い機械でございまして、二百円までは改良できますが、これ以上になりますと改作を必要とする、こういうわけでございます。 ただ、今回は従前と比べまして、この改作を必要とする機械の割合も大変低いわけでございます。それから前回の五十五年の定価改定の際には、これは販売店の方々の方でこの改作につきましては対応をいただいております。今回も実は定価改定がございましても、歩率は変わりません結果、この全体としての手数料は増額をするわけでございまして、そういったこともございまして、この販売店の方で改作については御対応をお願いしたいと考えておるわけでございます。 そうは申しましても、この価格の設定の変更等によりまして、大変販売店の方々に御迷惑をかけるのは事実でございます。そういったことで、私どもの方も、今後の需要回復ということにつきましての御協力をお願いするという意味も含めまして、販売店の方々には販売促進に役立つような物品をお配りするというようなことでこの問題に対応してまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
○柄谷道一君 減価償却の年限短縮の問題につきましては、二十五日の質問で取り上げたところでございますが、時間切れになりましたので、再度大臣に今回はお伺いいたしたいと思います。 前回の私の質問に対して、通産省は、償却年限の短縮のほかに、投資減税など総合的な投資促進のあり方について研究会を持って検討したい旨の答弁をされました。 一方主税局長は、マクロ的に見てわが国の償却年限は長くない、したがって国際競争力を低下せしめていることにはならないという旨の答弁をされたと記憶いたしております。 しかしながら、昭和二十六年に体系が整いまして以来、三十六年と三十九年に機械装置関係、四十一年に建物関係が改正されましたが、そろそろ再改正の時期を迎えていること、またわが国の産業実態をながめてみましても、石油化学、肥料等の産業においては、高度成長期に相次いで設備投資をいたしております。そしてわが国の経済を支えてきたわけでございますが、これらの装置産業は設備の更新現を迎え始めております。 しかし、低経済成長に一変いたしまして、巨額の設備更新のための資金を必要とするにかかわらず現在高率操短中でございまして、その資金手当てに苦慮しておるということは大臣も御承知のとおりであろうと思います。 また、一九八〇年代の後半から九〇年代の初めにかけまして、鉄鋼産業では集中的に設備更新期を迎えると思われます。したがいまして、この時期には一挙に財務負担が悪化することが懸念されるわけでございます。 また集積回路、ICの製造設備は三年で大体陳腐化すると言われておりますが、償却年限は七年、これは現在特例によって五年となっております。さらに頻繁にモデルチェンジを必要とする自動車産業の償却年限は十年、これは産業の実態と乖離しておるのではないかという指摘が強いわけでございます。 たとえば、私の調べたところによりますと、鉄鋼産業の場合、これは圧延設備の場合を取り上げてみますと、わが国の場合は十五年、これに対してアメリカは五年、フランスは八年、西ドイツは十一年、カナダ二年、他国の償却年限は短いと考えられます。しかも、アメリカは早期コスト回収政策と呼称いたしておりますレーガン政権の投資誘導策によりまして、年限をさらに短縮する動きが見られております。特に、私は前回も指摘いたしましたが、各国では最近の傾向として償却年限を物理的経済的耐用年数という視点ではなくて、次の投資を可能にする自己資本の調達ないしは経営基盤の強化、さらには国際競争力の充実という視点にこれを移しつつあるということは看過できない現実ではないか。特に、私は、大蔵省というよりも政治家として、こうした海外事情というものに対して留意することは当然であろうと、こう思うわけでございます。 そこで、せっかく通産省がこういう研究会を設けるわけでございますから、私は、大蔵大臣として通産大臣とも十分連携をとって、眼を世界に向けて、わが国の産業というものの中期展望に立ってこれらの問題について見直す必要があるんではないかと、こう思いますが、政治家としての大臣の御所見をお伺いいたします。
○国務大臣(竹下登君) 減価償却の期限、年限、法定耐用年数、これは理論的には資産の物理的寿命に経済的陳腐化を加味して客観的に定められるものでありまして、国際競争力の保持といった政策的観点から見直すということは、私は必ずしもなじまないというふうに考えております。 いまいろいろな議論がございましたが、いわゆる景気対策とか投資誘導効果とか、そういう側面のほかに、この経営基盤の強化とか、その議論は仮に肯定いたしたといたしましても、いま国際的な全体的な観点からして国際競争力をつけるためということは、ある意味においては個々の問題にむしろ国際摩擦を惹起する場合もあり得る。ちょうどきのうでございましたか、アメリカの下院議員の方でございましたが、非常にその問題に対して神経質に私に質問をしておりました。だから、これらの問題についてはわが国の企業は強い国際競争力を保持しておりますし、またわが国のGNP対比の民間設備投資の割合を見ても、諸外国と比べて水準は高い水準にあるということも留意する必要がある。しかし通商産業省におかれてそれらの研究がなされていくということについては、諸外国の例等も勘案されて、それ自身は私は結横なことだというふうに考えております。
○柄谷道一君 私は、諸外国以上に償却年限を短くする必要があるということは少しも述べてないわけでございます。公正な国際競争というものを償却年限という視点においても配慮していく時代を迎えつつあるのではないか。大蔵省の言うように現状妥当だとすれば、通産省が幾ら検討しても、その検討の結果に対しては一顧だに値しないということであれば、通産省の研究会が一生懸命やっても徒労に帰すということだと思うんですね。私はいまの大臣の答弁をこのように受けとめてよろしゅうございますか。現在における大蔵省の考えはいま述べたとおりであるが、今後通産省と十分連携をとってこれをそしゃくしていくという用意は大臣持っておると、こう理解してよろしゅうございますか。
○政府委員(梅澤節男君) 大臣が総括しておまとめになっていただくと思いますが、前回ちょっと私が申し上げたことが舌足らずであったかとは思いますけれども、三十年代二回、それから先ほど委員がおっしゃいましたように四十年代の初めに建物について大幅な見直し、つまり技術革新とか開放経済に移行するに当たってそれだけの税制上の対応もしてきたものでございます。それから個個の資産につきましては、これは常時所管省、これは主として通産省でございますが、所管省と協議をしながら、経済的陳腐化、物理的寿命等の観点から見直しはやっておるわけでございまして、この点をひとつ御理解を賜りたいと思います。
○柄谷道一君 大臣いかがでございますか。
○国務大臣(竹下登君) きのうのきょうでありますから、特に申し上げるわけでも必ずしもございませんが、いわば日本の産業政策の中で減価償却の年限問題が国際競争力という立場でとらまえられるということに対しては、ある種の警戒をしておられるような感じが率直にきのうもいたしました。しかし、通産省が研究しておられるということ、税制の立場から申しますならば、まさに物理的寿命と経済的陳腐化ということが原則になる制度そのものでございますが、そういう研究に対しては私ども大いに関心を持って結構な課題であるというふうに考えております。
○柄谷道一君 私は、この問題ばかりやっていても時間がたつばかりでございますが、五十五年、五十六年、五十七年、最近の傾向はそれ以前と産業経済の状態がさま変わりしておるわけですね。いま主税局長も見直してはきたと、こういう御答弁でございましたけれども、私は新しい時代に対して、通産省が真剣にこの問題に対して、対外比較等も含めて、一体いかになすべきかという有識者を集めての検討というものが行われる以上、その結論というものに大蔵省としても謙虚に耳を傾けて見直すという姿勢は持つべきであろう。大臣はまた、ただいまの御答弁では、当然通産省のやられることに対して関心を持って見守るということは、そういう検討は無用なことではないと、こういう御認識があるからであろうと思うんです。その点だけ確認して問題を次に進めたいと思います。
○国務大臣(竹下登君) 関心は持つべきであると思っております。 ただ、私自身が感じましたのは、税制として考えた場合に、物理的寿命とか陳腐化とか、そういうことが土台になって仕組まれた税制である限りにおいて、近代の産業構造の変化の中でそれがいろんな形で、たとえば投資意欲の増進とか議論されるのは結構でございますが、国際競争力ということが余りにも表面へ出た場合に、むしろいろんなあらぬ警戒とでも申しますか、そういうことを受ける点があるではないか、こういう感じを素直にきのう受けとめましたので、あえて申し上げたことでございますが、産業政策の立場から御検討なさるということは、これは大いに結構なことではないかというふうに思っております。
○柄谷道一君 ぜひ私の意見も踏まえまして、大蔵省としても今後の対応をしていただきたい。これは要望いたしておきます。 次に、たばこ定価法及び専売公社法の一部改正案について質問いたしますが、多くの委員からすでに触れられましたように、臨調は一昨年の第一次答申、さらに昨年七月三十日の第三次答申、さらに五十八年三月十四日の最終答申でも、経営形態を含む公社の基本的あり方について提言をいたしておることは大臣御承知のとおりでございます。しかも五十七年の九月の閣議決定は、少なくともこの臨調答申を踏まえて本国会に法案を提出するということを閣議で決定されておるわけですね。ところが、本国会に法案の提出もいまのところほとんど考えられない、改革手順も示されない、そしてたばこの値上げだけが提案される。これは従来の経緯を知る国民にとりまして、安易に国民の負担に転嫁しようとする姿勢ではないかと受けとめられるのは、これは当然だろうと思うんです。この点大臣どうお考えでございますか。
○国務大臣(竹下登君) 私どもは、閣議で決定しております行革大綱に基づいて鋭意検討を進め、今日事務段階においてその検討の作業が進められつつある。しかし、何回か申しましたように、葉たばこ耕作者問題あるいは小売店舗の問題等関係するところが、専売公社の総裁の言葉をおかりするならば、まさに第一次産業から第三次産業まで広範な立場にありますので、なかなかおいそれと結論が出るものではないなという感じは私も深くしております。 したがって、今日いましばらく時日をかしていただきたいと、こう申しておるわけでございますが、所管省は大蔵省でございます。したがって、いま今国会の提案はすでにギブアップいたしましたということではない。われわれとしては各方面の意見を聞きながら、鋭意作業を進めていくという姿勢は今日なお持ち続けておるというふうに理解をいただければと思うわけであります。
○柄谷道一君 ギブアップしたわけではないというんですが、前内閣が閣議決定されたときも、この問題については関連する多くの問題があり、かつ調整を必要とするということは当然お考えになっておったと思うんですね。それらを踏まえた上で本国会に提出しようという閣議の意思を決定されたわけでございますから、本国会に提出されないということになれば、前内閣は不明であったと、こういうことになってしまうと思うんですね、閣議決定を守り得ないわけですから。 その点は別として、それではギブアップしてないということでございますけれども、いつ法案を出されるのか、改革手順はいつ示されるのか、その期間的な目途をお示しいただきたい。
○国務大臣(竹下登君) この前内閣で行革大綱が決められた場合、政府・与党首脳会議に私も出ておりまして、そこでいわゆる各方面の意見を聴取してということを特に私が発言をいたしまして、それが一番妥当な表現ではなかろうかと思って、そういう言葉を私も主張した一人でございます。したがって、その当時からこれはなかなか難物だなという感じは率直に持っておりました。でございますが、当時の閣議決定は今日生きておりますので、今国会に提出する不断の努力は続けなければいけない。ただ、いま柄谷委員おっしゃるように、大体いつだ、こうおっしゃいますと、私の方で申します言葉としては、いましばしの時間をちょうだいしたいということを答えざるを得ない。事ほどさようになかなか難物だと、こういうことでございます。
○柄谷道一君 同僚の桑名議員が指摘されましたので、私はあえてこの問題は取り上げたくございませんけれども、一月二十五日に自民党の専売特別委員会から要望書が出された。この要望書の内容は、細部は別にして、総じて言えば、公社小売人制度、定価制等について現状維持という考え方が中心になっての要望書であろうと、こう私は読み取ります。 大臣は同意したわけではなくて受け取ったというサインをしたと、こう言われたわけでございますけれども、署名と受け取ったという領収サインとはちょっと性質が異なるわけでございまして、橋本行財政調査会長から友人としての注意を受けたという大臣の御答弁でございますけれども、私は今回の措置は、大臣としても軽率というそしりは免れ得ない。しかも、このような一連の経過の中から、国民はどうも、署名された六人の人々は現状維持というお考えを心の中にお持ちではないか、これでは臨調の答申は実現不可能ではないか、こんな懸念を持つ人は多いと思うんですね。 過去の経緯は別にして、中曽根内閣は臨調答申を実現するということがその内閣の性格でございますから、これから調整はするでしょうけれども、しかしその目指すところは臨調答申の基本線と変わるものではないと、こう理解してよろしゅうございますか。
○国務大臣(竹下登君) これはまさに行革大綱で示されたとおりでございまして、いわばこの要望書を受け取ったという意味におけるサインをしたということが、言ってみれば、臨調答申に対してのアンチの意思表示であるというふうに理解されるとすれば、それは私どもの本意ではございません。あくまでも政府として最大限これを尊重するという立場の上に立って、まさにあのとき苦心して表現いたしました、各方面の意見の調整をしながら進めていかなければならない課題であるというふうに理解をいたしております。
○柄谷道一君 昨年の一月、行政管理庁行政監察局が専売公社の問題に対する勧告といいますか、を行っております。時間の関係でその内容を詳細に申し上げることは避けたいと思いますが、一つは「支社及び地方局の配置の見直し」、第二には「製造工場の整理合理化」、第三には「原料工場の整理合理化」、第四には「生産関係支所の統廃合」、第五には「販売関係支所の統廃合」、六番目に「製造工場における職員の合理化」、七番目に「指導技術員の合理化」、八番目に「営業員の配置基準等の見直し」、最後九番目に「たばこ耕作者等に対する許認可等の簡素・合理化」、これらの問題につきまして一々細部問題点を指摘しつつ、大蔵省はこれこれの問題について専売公社を指導せよ、する必要があるという勧告を行っているわけですね。 この内容について一々申しますとこれだけで私の持ち時間がなくなってしまいますので、この点、後ほど文書をもって、この勧告を受けて公社に対して具体的にどういう指導をしたか、その指導の結果どういう成果が現在上がったのか、また今後どのような成果が期待できるのか、これらについて文書でひとつお知らせをいただきたいと思いますが、お約束いただけますか。
○政府委員(高倉建君) 先生お話ありましたとおり、行政管理庁の行政監察がございまして、一昨年の十二月十七日付で私どもの方に勧告をいただいたところでございます。大蔵省といたしましては、その勧告を受けまして、早速に公社に対しまして、勧告の趣旨に沿って今後一層事業の合理化なり効率化のための措置を講ずるようにという指示をいたしたところでございます。 その勧告に対します公社の改善状況につきましては、昨年の五月十四日付で行政管理庁に回答を行ったところでございますが、中身は、長期の対応、当面の対応、いろいろございますが、大蔵省としても今後引き続き公社において一層努力されるように指導してまいりたいと思っております。 ただいま申し上げました行管に回答いたしました改善状況等につきましては、文書でお示しをさせていただきたいと思います。
○柄谷道一君 今回の法案、これは私の受けとめ方が間違いかどうかわかりませんけれども、私はこう受け取るんですね。 これは従来の製造たばこ定価法一部改正と異なりまして、たばこ定価の値上げによる増収分の三四%を特例納付させようというものでございまして、公社にこれが帰属するのは昭和六十年度以降になるわけでございます。こういう意味で私は、五十八年、五十九年度の両年度にまたがる財源確保法の性格を持っている、こう私は受けとめます。 たばこの事業損益は純利益――専売納付金とたばこ消費税を納付後の純利益でございますが、五十五年度は千四百九十二億円の黒、五十六年度は千三百十三億円の黒、五十七年は、見込みでございますが、八百七十五億円の黒ということですね。現在上げなければ専売制度が危殆に瀕するという状態ではない。しかも特例納付を見込んでも五十八年度はなお四百三十億円の黒、五十九年度百三十億円の黒、そして六十年度にはこの特例納付がなくなりますので、六十年度ほぼ現在程度の利益水準に戻る、これがいわゆる利益、いわゆる損益面から見た本法案の実態であろうと思うんです。 こういう意味から、私がいま申し上げましたように、本法案というものの基本的な考えは、形を変えた増税案であり、また五十八年、五十九年両年度にまたがる財源確保法である、こう理解することは間違いでございますか。
○国務大臣(竹下登君) まさにおっしゃいますとおり、小売定価の改定並びに専売納付金の納付の特例措置は、公社さんの経営上の理由に基づくものでは全くなく、そして財政上の理由に基づくものであるという意味においては、私も御指摘のとおりである。これは素直に感覚的にはそういうふうにおとりになるということについて、これを否定しようとは私自身思いません。まあ強いて申しますならば、これをちょうだいをいたしましても、公社さんの方の損益が二年間は赤字になることはないだろうという意味において、まさに財政状況が厳しい事情にあること等を考慮してお願いをしたという性格のものであります。
○柄谷道一君 したがって、これは討論の中で申し上げたいと思いますけれども、法律案も本国会に出てくるかどうかわからぬ、しかも本法案は一種の財源確保法であり、形を変えた増税案であるということから、なかなかこの問題を国民は理解しがたいであろう、こういうことだけを指摘いたしておきます。 次に大蔵省にお伺いしたいのは災減法でございますが、今回の法律改正によりまして改善されることにつきましては評価をいたします。しかし、なお自動車重量税の納付は単年度方式に改めてはどうか、あわせて自動車車検期間を残して登録届け出を抹消した車についてその残余期間分の自動車重量税の還付措置を講ずるべきではないか、さらに若干性格は異なりますが、自動車賠償責任保険及び自動車保険の保険料を、特に自動車等が通勤の用に供せられておるという実態も加えるならば、これを所得税の控除対象にする必要があるんではないかなどなど多くの意見が寄せられております。この問題について大臣は、今後の問題としてこれを受けとめて税調等で検討する用意はおありでございますか。
○政府委員(梅澤節男君) 自動車車重量税をめぐりましていま三点の御指摘があったわけでございますが、自動車重量税の税としての性格については、これは国会で私どもの大蔵省あるいは税制当局としての考え方をしばしば申し上げておるわけでございますけれども、自動車重量税というのは、自動車の走行し得るという法的地位と申しますか、に見合う一種の権利創設税であるという税の性格から考えますと、一たん有効な車検を受けた場合、車検の有効期間の間に途中で廃車になっても、この税の性格上還付するということはできないということを常々申し上げておるところでございます。これはぜひ御理解を賜りたいと思うわけでございますが、それとの関連でいま委員のおっしゃいました単年度納付にならないか。 今度の租税特別措置法で従来車検が二年でありましたものが三年になりました関係で、三年ものの税率をお願いしておるわけでございますけれども、ただいま申し上げましたように、私どもは車検の有効期間に対応する税というふうに考えておりませんので、委員の御提案はむしろ分割納付ということが考えられないかというふうに受け取らせていただきますと、実は車の保有台数は御承知のようにいま四千万台ぐらいあるわけでございますね。そういたしますと、今回三年もので普通の乗用車で三万七千八百円の車検時に負担をいただくわけでございますが、これを三年に分割するということになりますと、一年に一万二千六百円でございますか、その意味ではユーザーの負担が実質的には軽減されるという考え方もあるかとは思いますけれども、片方では、いま申しましたように四千万台を毎年毎年今度は税務官署で徴定をし、納付の仕事もしなければならないということになりますと、これは大変な行政コストがかかるわけでございますので、かたがた三万七千八百円、決して軽い負担とは思いませんけれども、これをまた毎年毎年分割するということはユーザーにとってもそれだけかえって手間がかかるという面もなきにしもあらずという点を考えますと、そういう行政コストの観点から言いましても、ひとつこの分割納付といいますか、毎年毎年納付していただくという御提案は、私どもとしてはなかなか現実問題としてはむずかしいと考えております。 それから三番目の所得税法でこの自賠責の保険料を所得控除で扱ってはどうかという御提案でございますけれども、業務用の自動車の場合には、この自賠責の保険料は当然事業所得なり企業の所得計算上は損金なり経費に算入されるわけでございますが、いわゆる自家用車につきましては、自家用車の取得そのものは、いわば所得の処分と申しますか、したがいまして、それに付随いたします支出であります自賠責の保険料は、厳密にいいますと、これは家事関連費ということで所得控除にはなじまないわけでございます。諸外国の法制を見ましても、自賠責の保険料について所得控除を全面的に認めている国というのはむしろ少のうございまして、ただ部分的に、たとえばわが国の生命保険料控除と一括いたしまして、一定の限度額の中で認めているというものはございますけれども、諸外国におきましても自賠責の保険料を直に所得控除の対象にしておるというところも少ないようでございます。 いずれにいたしましても、同じ給与所得を持っている人で自動車を持っている人が自賠責に入っている場合、これも所得控除を認めますと、その所得控除を認めた部分だけ税負担が自動車を持っている人が軽くなるという問題もございますので、そういう負担分等から考えましても、どうも自賠責の保険料を所得控除の対象にするというのはなかなかむずかしいというふうに考えております。
○柄谷道一君 私も決して容易な問題だとは思いませんけれども、これはユーザーから非常に強く出されておる代表的な要望を私は三点ほど述べたわけでございます。本大蔵委員会で述べられましたことは税調に速記録も流れるわけでございますし、大蔵大臣はどの問題でも大蔵委員会の意見は税調で十分そしゃくしてもらいたいということを常々御答弁されておるわけですね。これもその一環として税調にお伝えいただけますか。
○国務大臣(竹下登君) これは当然なこととして税調へ流れるといま柄谷委員はおっしゃいましたが、お伝えすべき課題である。そこへいま主税局長の申しましたのをわざわざコメントして流すという考え方はございません。
○柄谷道一君 ぜひ真剣な御検討を煩わしたいと思います。 そこで、関税の問題でございますが、わが国の繊維産業は、政府の施策、そして労使の必死の努力にかかわらず深刻な構造不況が続いているわけでございます。私は、その理由はいろいろありますけれども、一つは、欧米諸国がMFAに基づく二国間協定によって輸入の秩序化、安定化を図っているのに対して、先進国の中ではただ一つの例外としてわが国のみが開放市場になっておる。第二には、ダンピング輸出補助制度等による途上国のいわば不公正な価格により輸入が行われている。この二つのほかに、わが国の関税率が国際的に見て著しく低い水準にあるということが指摘されるんではないか、こう思うんです。で、前二者の問題は直接当委員会とは関連ございませんので、これはまた別途の機会に私は質問したいと思いますが、関税の問題です。 たとえば私の調べましたところ、例でございますけれども、綿糸の日本の関税は二・八%、またはキログラム当たり二十円のいずれか高い方と、こうなっているんですね。これに対してアメリカは番手別に細分化されておりまして、たとえば四十番手の未さらしの場合は、その関税率は九・六四%ですね。ECは七十番手以下の場合は七%です。一般綿織物の平均は、日本の五・六%に対してアメリカは一二・八%、ECは一四%です。別珍は日本の五・六%に対して米国は二三・五%、ECは一五%。コールテンは日本の五・六%に対してアメリカは三五・五%、ECは一五%、これが実態なんです。 本法案の提案の背景に、国際的貿易摩擦というものを解消し、改善していこうということがその背景にあるとすれば、日本が外国から指摘されている高い関税というものを引き下げると同時に、公正な国際競争を阻害している日本が著しく低い水準にある関税が、一体現状でいいのかどうかにも当然見直しの手が差し伸べられて妥当ではないか、こう思うわけでございます。いかがでございますか。
○政府委員(松尾直良君) 綿糸、綿織物の関税率、ただいま委員御指摘のとおりでございます。わが国の繊維品、外衣類とかの製品になりますと高いわけでございますが、綿糸、綿織物の関税率が相対的に低いというのは、かつて輸出産業の代表であったわけでありまして、そういう観点から非常に早い時期に関税譲許が行われてきたという歴史的な事情であろうかと思うんであります。 諸外国の綿糸、綿織物に限らず高関税品目につきまして、これの引き下げを要求するということは当然のことでございまして、またケネディ・ラウンドであるとか東京ラウンドであるとか大規模な関税交渉が行われましたときに、それぞれ相手国の高関税品目というものは強く引き下げを要求してきておるわけでございます。低い国と高い国があるときに高い国に合わせるということは、これは一般的に言いますと貿易の縮小につながって好ましいことではないわけでございまして、高いものをできるだけ早く引き下げてもらうということが必要ではないかと思うんであります。 綿糸、綿織物について過去にこれを引き上げてほしいという業界等からの要請があったこともございますが、何分これはガットの譲許税率でございますので、これを引き上げるということになりますと、それに見合った代償措置を講ずるという必要がございますし、また市場開放を進めて世界各国が関税を下げていこうというときに、わが国が引き上げるのはいかがかということで、引き上げはむずかしいかわりに、相手を下げさせようという方向で対処してまいったわけでございます。 なお、東京ラウンドの交渉におきましては、国内産業事情に配慮いたしまして実行税率を据え置いたわけでございます。アメリカ、EC等はこの東京ラウンドの譲許によって段階的に引き下がることになっておりますので、この関税率格差は縮まる方向にあるというふうに考えております。なお、御指摘のとおり相手国の高い関税についてわが国も十分言及していくべきであるという点はお説のとおりであると受けとめております。
○柄谷道一君 いまの御答弁ですけれども、外国からばっと言われると、最近、国際貿易摩擦に大変遠慮をされておるのか、関税の引き下げが行われるんですけれども、ちょっとやそっとじゃないんですね、繊維の先進諸国とわが国との関税率の差というものは。かつて繊維産業というのは輸出産業でしたけれども、最近の実態はむしろ輸入産業としての性格の方が強いわけですね。私は決して過度な保護を産業に与えるとは主張しませんけれども、余りにも極端な関税の格差、そのことによって、たばこは百万と言われましたけれども、繊維産業は一千万ですから、国民の生活というものに重大な影響を持つこの種の問題は、日本が上げられないならばもっと強力に関税の引き下げを迫るべきではないか、そのことだけは指摘いたしておきたいと思います。 そこで、時間が参りましたので、私は関税関係について多くの質問通告をしておりましたけれども、時間は守りたいと思います。 最後に大臣にお伺いしますが、わが国の税務行政でございます。これは多くの人から指摘されましたように、納税人口はふえる、取引規模は大型化する、広域化される、取引内容は複雑多様化される、しかも国民の逸脱、逃税の機運は高まっている、こういう中で税務職員というものが税の公正を維持するために日夜本当に努力しておるということは大臣もよく御存じのとおりでございます。 で、行革等もございますけれども、税の公正な執行という面に関連して税務職員の定員のあり方、そしてその処遇、これらについてはなお一層の目を注いで改善を図っていく必要がある、またそれが急務ではないかと、こう思うわけでございます。大臣の総括的な御所見をお伺いしまして、私の質問を時間が参りましたので終わります。
○国務大臣(竹下登君) 私は御説のとおりであると思っております。従来からまさに限られた定員の中で事務の合理化、効率化を進めるなど最大限の努力を重ねてきております。が一方、税務行政を取り巻く環境は、御指摘どおり、課税対象の増大、経済取引の複雑化、広域化、ますます厳しくなっております。したがいまして、行政改革という言葉をおっしゃいましたが、そういう場合にいつでも大蔵省と行政管理庁はまず隗より始めよということを迫られる環境の中にありがちなものでございますけれども、国税職員の増員問題については、これからも関係方面の御理解を得て努力しなければならない課題であると考えております。そうして、まさに高度な専門的知識を要する税務の職責を担う国税職員の皆さん方の労苦に報いるべく、その処遇改善についても関係当局に働きかけるなど、私どもの重大な責務として理解して対応すべき課題であるという基本認識をいたしております。
○野末陳平君 この委員会で毎年参考人の先生に意見をいろいろお聞きする場合に、必ず出るのが株式の売買益に対する課税ですけれども、これが委員会の質疑の過程で、毎年、技術上にいろいろな問題があるというようなことを含めて一向に議論が進んでいない。 そこで、当局の立場を確認しますけれども、株式の売買益の課税は当然したいんだが、技術上にいろいろ問題があっていまできないでなお研究、検討中であると、こういうことでよろしいでしょうかね。
○政府委員(梅澤節男君) 有価証券の譲渡益の課税問題でございますが、これは委員がおっしゃいましたように長年問題になっている事柄でございます。税制調査会の累次の答申等でも述べられておりますように、基本的には総合課税ということが望ましいわけでございますけれども、売買の場合の本人の確認の問題、それから売り手、買い手のそれぞれの売買価格を的確に捕捉する体制が整備されておりませんと実質的な不公平を招くという観点から、そういう整備が行われないままに総合課税に移行するのは実情に即して問題である。しかしながら年を追って課税を強化するという方向で対処すべきであるということで、税制上も、最近時点の改正は五十四年の税制改正でございますが、累次そういう方向で努力してまいっておるところでございます。
○野末陳平君 最近いろいろ聞いてみますと、最近のお客といいますか、取引は回転が速くなっているようでしてね。目先の利益で利が乗ったらすぐ取るというような形なんだと思いますけれども、回転が非常に速くくなっている。一方においてはいろんな点で機械化が進んでいるわけですから、徐々に事情が変わりつつあるのではないか、そんな気がするんですね。ですから、そういうことを背景にしてこの問題を今後考えていかなきゃならないと思うわけですね。 で、いまの課税強化の方向、五十四年の改正で若干課税の範囲が広がったようですけれども、通常言われている五十回二十万株の話ですね、実際にどうこれが機能しているのか。何となくこれだとここに該当するケースなんていうのは余りないんじゃないか。幾らでもうまくやれそうだし、果たしてこれでどうですか、五十回二十万株に該当する取引でどのぐらいの課税実績になっているのやら、この辺がちょっとわかりかねるんですが、資料ありますか、あったら大ざっぱでもいいんですが。
○政府委員(梅澤節男君) これはあるいは国税庁からお答えすべきものかと思いますが、私、いま手元に資料を持っておりますので申し上げますと、五十六年分で申し上げますが、いまおっしゃいました五十回二十万株、いわゆる継続的取引による課税に該当する件数が七十七件、それから五十四年度の改正で、一銘柄につきまして同一銘柄で二十万株以上のものは課税ということにいたしたわけでございますが、この分で二十一件、それからこのほかに事業譲渡類似の有価証券の譲渡益は課税をすることにいたしておりますが、この件数が三百十八件、トータルとして五十六年分で四百十六件課税対象にしておるということでございます。 これによる所得額とか税額というのは、御承知のとおり、各人ごとには、これは総合課税の一部分でございますので、国税庁としても、これだけの件数につきましてその分だけを取り出した所得額なり、それから理論的にはその分の税額というのは上積み税額になるものでございますから、件数としてお示しできないということはひとつ御理解願いたいと思います。
○野末陳平君 いまの主税局長の答えで理解できるんですが、いま三つのケースで件数を挙げられましたが、前の二つが余りにも少な過ぎるようですね。ですから、実態がどうあるかは別として、この程度の件数、そしてそこから発生した課税ということでは、五十回二十万株という継続的取引についての課税というのは機能しているようには思えませんね。 そこで、課税強化の方向として、本来は技術上の諸問題が解決すれば総合課税というのが理想でしょうが、とりあえずは、暫定的でもいいんですが、五十回二十万株というものがそろって課税というよりも、これを分けるなり、これをさらにきつくするなり、この辺に検討の余地があるものかどうか。まあ、あるんだと思いますけれども、これはどうでしょうかね。
○政府委員(梅澤節男君) ただいま申し上げましたように、五十四年分の税制改正の実績が出てまいりましたのが五十五年分、五十六年分でございますが、五十七年分の確定申告、いま国税庁で状況を取りまとめております。税制改正をやりまして二、三年の実態を見ながら私どもは、委員がおっしゃいますように、基本的には適正課税という観点からは、一挙に総合課税にいけなくても、いろいろな工夫をしながら、適正課税、課税強化という方向で対処すべき問題でもございますので、さらに五十七年分の実績等も見ながら、引き続き従来の方向をさらに前進する方向で、何かいい手だてがないか検討してまいりたいと思います。
○野末陳平君 最近は出来高が物すごいわけですね。その中で、たかだか七十七件、あるいは同一銘柄の二十万株以上というのが二十一件なんというのはやはりちょっとおかしいなと思ったりしますので、ひとつ大臣、毎年有価証券の譲渡益課税ということが問題になりながら一向に進まないというのは、どうもこれはかっこう悪いですから、課税強化ということで、いまの五十回二十万株、これを見直して、さらに実態に即して課税が発生するような方向でひとつ改めてほしいと思うんですけれども、大臣の御所見を伺って次に移りたいと思います。
○国務大臣(竹下登君) 五十四年でございますね。いまも、数えてみますと、五、六、七、八、こうなりまして、その間、これはいまさら私が申し上げるまでもなく非常にむずかしい問題ですが、しかしながら、これの課税強化の点については絶えずいろんな工夫をしておりますので、その趣旨が生きるような方向に今後とも引き続き努力をしなければならない課題だという理解は私も持っております。
○野末陳平君 よく不公平、不公平という言葉が言われますけれども、その一つとして常に人々の口に上ってくることですから、これはぜひ来年度でもお願いしたいと思います。 それから次に、先ほど柄谷委員からも指摘ありましたけれども、私はかねてから、税務署の担当の人数が少な過ぎる結果生ずるさまざまな不公平、これを指摘して人員増をということを主張しましたけれども、総理大臣も消極的だったし、大蔵大臣もなかなか積極的にお答えいただいてないんですけれども、毎年附帯決議が衆参両院で出ていて、一向にこれが形にならないというのは残念なんですな。 そこで、古い話になりますけれども、アメリカなども税収不足を解消するというような理由でかなり増員をしたということを聞いておりますけれども、彼らはかなりの試算をして、これだけふやしたらこれだけ取れるというような、わりと合理的といいますか、お金の話ですから、そこまでやるのがあたりまえだと思いますけれども、そういうデータを出しているわけですが、そういうことに対して大蔵省、国税庁ではどういうふうな感想をお持ちか、その辺まず聞きたいと思いますね。
○国務大臣(竹下登君) アメリカで一九八三年度、すなわち去年の十月に始まってことしの九月に終わるわけでございますが、まさに内国歳入庁の職員三千三百十人を純増させることとしたというふうに私どもも聞いております。よくやれたなあと率直に思っております。 私ども再三申し上げますように、行政改革という問題が大義名分の上に存在します場合、やはり隗より始めよという環境、そういう環境にとかくなりがちでございます。これはこれ、それはそれという割り切った考えを持っておりましてもですね。しかしその中でも理解を求めていく不断の努力をしなきゃならぬ課題だ。私もいつも思うのでございますが、結果として、最終的に予算折衝が終わりまして、人員問題が終わりましたときに、五十五年、私が予算編成のときに、国税庁には大変な配慮をしましたという行管からの答えを聞いて調べてみたら減の九人だ。それでも減らし方が一番少なかったという意味ですね、結局。そして、ことしまた、くしくも今度五十八年度はプラス九人。そういう数字を見ながら、私も内心じくじたるものが率直にございます。もっともっと国税職員の崇高な働きにこたえるためにも関係各方面の理解を進めていく努力は続けていかなければならない。肝に銘じて感じております。
○野末陳平君 これは人員をふやすということの社会的意義というものも大胆に当局はアピールしなければだめだと思うんですね。大体日本の役所はみんなPRというか、嫌がられることを避けて通りますけれども、税の公平確保という観点から考えたら必要経費だと私などは思っているわけですが、それを世論にアピールするぐらいのことをしていかないといけない。ただ人数をできるだけふやしたいと言っても、片っ方に行革もありますから限界はあると思いますよ。 そこで、コスト計算というわけにもいかぬでしょうが、どうですかね、国税当局では一人ふえれば、もちろんどの部門をふやすかということはいろいろむずかしいですけれども、とにかく五百人とか千人とかという単位で一挙にふやせるかどうか、それはなかなかむずかしいけれども、少なくも一人ふやしたらどのくらいの増収につながるかというような何らかの数字がなくちゃ、これはふやしてくれと言うのもね。どうですか。
○政府委員(酒井健三君) 国税職員一名増員した場合の税収増はどのくらいになるかという点につきましては、どういうような計算の仕方をするかという点につきまして、なかなかむずかしい問題もございまして、私ども増員と税収とを直接結びつけた計算を行っておりませんです。しかしこれまでのいろいろの調査事績等から見まして、限界的に職員が一人加えられた場合、その職員が仮に高額、悪質な納税者を対象として一年間実地調査だけをやっているというふうに仮定して考えてみますと、一年間でおおよそ五千万円の増収がはかれるという計算をしたことはございます。今日でも大体そのくらいの感じかなというふうに思っております。 片方、コストの面でございますけれども、これは職員の人件費とか、それに伴いますいろいろ旅費とか雑費とかございますし、どのくらいの年齢の人間をふやすかというような給与水準の問題もございますが、おおよその感じで言えば、一人ふやせば大体五百万余り年間経費がかかるというふうに推測しております。
○野末陳平君 いまのとおりにいくならば、これは世論に訴える場合にもそれなりの説得力も出てくるように思いますね。現実に大事なのは調査の方だと思いますね。実調率云々はいろいろ言われておりますけれども、最近の税務署は、聞いてみますと、パートの主婦などに頼ったり、いろいろできることはみんなかなり努力して事務の軽減をしているし、それから機械化もこれから進みますからね。どうしても実調率が落ちることによる不公平というのが、一番まじめな一般の納税者にとって頭にくるというか、一番不愉快なことでしょうから、いまのお答えでいくものならば、調査員一人ふやしたから五千万ずつで、そんなことを期待するわけじゃありませんが、少なくも見込めるならば、これはやってほしい、大胆にやってほしいと、こういうふうに思うのですよ。大臣どんなものですかね。
○国務大臣(竹下登君) 再三申し上げますように、その気持ちは私にも十分理解できるところでございます。しかし、大胆な発想というものがいまの環境の中でどの程度通用するかということを考えますと、まさにじみちに各方面の理解を得る努力をしなきゃならぬなと感じておるところであります。
○野末陳平君 まあ、わかるけれども、むずかしいという話になっちゃうと結論はいつまでたっても進まないわけでして、行革をワンパターンで考えるのもどうかと思うんですね。要すに人はふやさない、どうしても減らすのが当然だというものの、ふやさなきゃならぬところまでそういう硬直した考え方にとらわれることが結果的に社会的にマイナスでしょう。ですから、もちろん大臣はおわかりと思いますからあえて言いませんけれども、この人員増の問題というのは世論の理解を求めながら積極的に取り組むべきテーマだと思いますよ。 念のため国税当局に聞きますけれども、このままでいきますと納税者人口もふえるだろうから実調率はどうなりますか。いまですら非常に低い、一〇%そこそこなんて言われてますが、もちろん各部門いろいろ違いますけれども、あと数年先を見て、このまま人もふえなかった場合に、さらに実調率が落ちていく、こういう予想が立つと思うんですが、そういう不安はありませんですか。
○政府委員(酒井健三君) 課税対象がどのくらいのパーセンテージでふえていくのかという未知数があるわけでございますが、定員が一定で課税対象がふえれば実調率が下がる方向に作用することは疑問のないところだと思いますが、しかし私どもとしては、何とか課税の公平の確保のために実調率を維持し、できることなら少しでも引き上げたいという気持ちを強く持っておりますので、そういう方向に向かって最大限の努力をいたしたい。そのためには、アルバイトの活用とか、それからコンピューター化の促進であるとか、あるいはいまの仕事でもう少し簡素化できるものが制度面、執行面でないか、そういうことの検討、実現を行うとともに、関係民間団体とか地方の税当局等の御協力、さらには納税意識についてのPR、そういうもので最大限の努力を払って実調率の低下を防ぐように今後も一層努めてまいりたいというように考えております。
○野末陳平君 それからもう一つの問題は、地方税の担当職員との連携ということがありますね。もう一つは、いわゆる税理士をいかに活用するかということもあるんじゃないかとも思いますね。ですから、機械化は徐々に進んでいますから、これは結構なことですが、いろいろな角度から税の公平確保ということをしていってもらわないと、納税者をめぐる環境というのがさらに悪化するし、何となくこれから反税というか嫌なムードが出てくるんですね。それを恐れるんで、提案は幾つかありましたが、それを含めて早急に、附帯決議に毎年出てくる定員の増加ということを実現の方向で取り組んでほしいと大臣にお願いしておきます。 それから租税特別措置の見直しですが、法人税関係ではもうかなりいいところにまで来たように私は個人的に思うわけですね。もちろん議論する人はまだまだこれでは足りないというようなことをおっしゃるんですが、当局としては、租特の法人税関係でさらに今後見直す余地ありとすればどの辺だというようなことなんでしょうかね。それとも大体これで一段落したという認識なのか。その辺のことをお答えを願います。
○政府委員(梅澤節男君) 租税特別措置の減収額につきましては、国会にも御提出申し上げておりますように、五十八年度予算ベースでトータルで一兆一千五百五十億円、そのうち法人税に係るものが二千五百八十億円、約二割でございます。その意味で、ただいま委員が言われましたように、租税特別措置の問題になりますと、世上企業課税の問題が非常に大きく取り上げられる傾向にございますけれども、この法人課税の租税特別措置につきましては、特に昭和五十年代に入りまして毎年非常に精力的な見直しを行ってまいりました。したがって、昭和四十年代に法人税収のほぼ一割近くを減収額が占めておりましたのが、現在二%前後という水準にまで圧縮されてきておるわけでございます。 税制調査会の二、三年前の中期答申で、ほぼ一段落したという評価をされておるわけでございますが、しかしながら今後とも、縮減の余地は非常に狭められたとはいえ、政策効果等の観点から、政策効果の意義の薄れたものとか、あるいはその役割りを果たしたもの等については引き続き縮減する努力を続けてまいらなければならないと考えております。
○野末陳平君 そうなりますと、今度はもう一つの所得税関連のいろんな特別措置ですけれども、こういう数字を見れば、当然その額の大きいものから検討していくということになりますからね。それで見ますと、相変わらず例の社会保険の診療報酬の所得計算の特例という、お医者さん優遇税制ですか、これがまだかなりの額残っていますね。法人税関係の各項目の額から比べればこれはかなりの額である。 そこで、これもこの委員会でかなりうるさくやりまして一応の改正を過去見たわけですが、その後どういう成果が上がったというべきか、あるいは逆な意味で新たに発生した悪い現象はどうかというような、その辺を含めて、改正後の医師優遇税制に関する問題、医師というか開業医といいますか、これの問題点はいまどこにあるという認識でしょうか。
○政府委員(梅澤節男君) 社会保険診療報酬課税の特例の是正につきましては、これも税制調査会で長年議論がございまして、税制調査会ではすでに昭和五十年に答申を出されたわけでございますが、紆余曲折を経まして五十四年改正でやっと実現をしたわけでございます。 そのときの考え方は、実際の経費率が大体五二%である、そこをめどに置かれまして、社会保険診療報酬額が五千万円を超える部分についてまず五二%という経費率を設定いたしまして、以下五段階に控除率を展開して、一律従前の七二%から圧縮されたわけでございます。 その制度が導入されまして、国税庁の申告分の結果現時点でわかっておりますのが、五十六年分――五十七年分はただいま集計中でございますので、その数字で見ますと、税調答申が出ました時点で五千万超の開業医の数は数%でございましたけれども、五十六年分で見ますると、開業医のおよそ三分の一はこの五千万以上の五二%のラインにひっかかってきているわけでございます。その意味で、この制度をさらに今後固定してまいりますと、名目の診療報酬は一定の率で上がってまいりますから、その意味での縮減効果というのは今後もめきめきとその効果は期待できると思うわけでございます。 その反証といたしまして、一つは、個人開業医の青色申告者の数がふえてきておる。つまり改正後の特例を利用するよりは実額を申告した方がよりいいという選択をする人がふえてきているということでございまして、五三年当時と比べますと、青色申告者のお医者さんで特例を利用しない人が、五十三年当時は三割でございましたけれども、いまや五十六年度だともう半分以上になってきておるということでございます。 したがいまして、制度論といたしましては、私どもは、この五十四年の改正をもう少しその実績を見守りながら次の対応を考えてみたいということでございまして、ここしばらくは、これから効果を発揮していくわけでございますので、しばらく見守っていきたいということでございます。
○野末陳平君 いまの答弁は、改正のときに期待した効果が現実に出てきたというようなことだろうと思いますね。ただ、今後とも効果を見守りながら検討なさるでしょうが、刻みが最初からも僕は何となく気になっていたんだけれども、その五千万円以下のあたりのその刻みがちょっと細か過ぎるというか、あの辺検討の余地があるだろうという気がしますね。今後見直しがいつになるか、このままでずっと固定していいとも思いませんので、ひとつ大臣、この次はこの刻みの部分を、社保収入で経費率を幾つかに分けましたね、五段階でしたか、それについて見直すのが当然じゃないかという気がしますが、大臣いかがですか。
○国務大臣(竹下登君) よく勉強させていただきます。
○野末陳平君 もうそろそろ時間ですから、この租税特別措置によるお医者さんの問題と、あと額の大きいところで、これ以上に大きい例の少額貯蓄のマル優の問題ですな。これも今後存続すべきか廃止すべきかの検討をきちっとしなきゃいけないと思うんですよ。その検討のための資料がなさ過ぎるですね。もうお答えは要りません、あした予算委員会でやらしてもらいますから。とにかく額の大きいもの、そのほか生命保険料控除とかあるようですが、今後ともこれをさらに見直すという方向を忘れないでほしいことを強調して、きょうはこの辺でやめましょう。
○委員長(戸塚進也君) 他に御発言もないようですから、四案に対する質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○穐山篤君 私は、日本社会党を代表して、ただいま議題となりました四法律案のうち、租税特別措置法の一部改正案並びに製造たばこ定価法等の一部改正案の両案に対し、反対の討論を行うものであります。 周知のように、五十八年度予算は、歳出面において防衛関係費を突出させる一方、国民生浩に直結する諸経費を大幅に削減した福祉後退の内容となっております。 しかも財政再建の名のもとに、所得税減税見送りによる実質増税、各種公共料金の軒並み値上げなど、国民に多大の負担増を強要していることは、全く言語道断であります。 さらに歳入面におきましては、依然として高水準の国債の発行を続ける一方、税の不公平是正には全く目を向けることなく、ひたすら財政体質の弱体化を招く一過性の税外収入による増収策で財政収支のつじつま合わせをする政府・自民党の安易な姿勢に対して、われわれは強く憤りを感ずるところであります。 今回の租税特別措置法改正案では、既存の特別措置の整理合理化をしたと言っておりますが、その実、たとえば企業関係政策税制のうち二項目を廃止したものの逆に五項目を創設しており、むしろ不公平が拡大しているとさえ言えるのであります。 また利子配当所得等の総合課税化を図るためのいわゆるグリーンカード制度は、脱税預金の露見等をおそれる一部悪質高資産家の不条理な反対が功を奏し、実施に踏み切った場合の法的安定性の確保がむずかしいといったあいまいな論拠のもとで、三年間実施延期という事実上廃止にもつなかる暴挙が盛られているのであります。しかも五十二年を最後に、六年の長期にわたり所得税減税が見送られており、このことはいまや税制に求められる所得再配分機能を阻害する新たな不公平税制として放置できない問題となっているのであります。 他方、今回住宅建設並びに中小企業設備投資の促進に資するためにとられる措置は、いずれも中途半端なもので景気浮揚に寄与するものとは思われないのであります。 さらに、今回自動車関係諸税の暫定税率の適用期限を単純延長することとしておりますが、われわれが強く要請しております自動車関係諸税の簡素化、税収の使途の見直しにつきましては全く無視しております。この政府の怠慢は断じて許されるものではありません。 次に、製造たばこ定価法等改正案であります。 政府は、緊急財源対策としてたばこの小売定価を一本当たり一円引き上げることとしておりますが、公共料金であるたばこ定価をわずか四年の間に二度も引き上げることは、たとえたばこが財政専売物資といえども決して許されることではありません。 特に、今回の値上げが、国の財政事情を理由としたものであり、このことは政府みずからが招いた財政危機の責任を国民の負担に転嫁させる以外の何ものでもありません。 さらに、たばこ定価引き上げに伴う専売公社に入るべき増収分を国庫に納付させる特例措置は、昭和五十五年度に導入された納付金率法定化の趣旨に反するものであり、政府の御都合主義で安易に特例措置を設けることは、専売納付金制度の根幹を崩すことにもなり、決して認めるわけにはいきません。 以上の幾つかの重要な問題を指摘をいたしまして、両案に断固反対することを表明し、私の討論を終わります。
○増岡康治君 私は、自由民主党・自由国民会議を代表して、ただいま議題となりました租税特別措置法の一部を改正する法律案外三法案に対し、それぞれ賛成する立場から討論を行うものであります。 まず、租税特別措置法改正案は、企業関係の特別措置について三十四項目を縮減合理化することとしており、その合理化割合は、四八・六%と例年と比べ遜色のないものとなっております。 また、住宅取得控除及び中小企業者等の機械の特別償却の両制度を拡充することとしておりますが、これは住宅建設、中小企業の設備投資の促進に寄与するものであり、景気対策の上からもまことに時宜適切な措置と考えます。そのほか中小企業者の円滑な事業承継のための措置が講ぜられているなど、きめ細かな配慮が加えられております。 また、いわゆるグリーンカード制につきましては、実施した場合の法的安定性の確保がむずかしいということから、三年間実施時期を延期しようとするもので、必要な措置と認めるところであります。 次に、製造たばこ定価法等改正案は、たばこ小売定価の適正化を図り、あわせて財政収入の確保に資するためたばこ定価を改定しようとするものであり、たばこが財政専売物資であるという点からは当を得た措置と認めます。 また、専売納付金の特例措置は、将来の専売公社の損益状況を十分勘案しながら、二年度に限り、値上げ増収分のうち公社に帰属する分をも国に納付することとするものであり、専売事業の経営に支障のないよう十分に配慮されているところであります。 次に、関税定率法等改正案は、わが国の市場開放を促進する等の見地から、関税率の撤廃及び引き下げを行うとともに、中間留分石油製品等の増産に係る関税の還付制度を新設する等の措置を講ずるものであって、妥当な措置と認められるものであります。 最後に、災害減免法改正案は、昨年の長崎水害の被災状況等に顧みまして、自動車販売業者等が保管する被災自動車に対する自動車重量税の還付制度を創設しようとするものでありまして、必要かつ適切な措置と認められるものであります。 以上述べました理由により、四法案に対する私の賛成の討論といたしますが、政府におかれましては、財政再建はわが国経済にとって急務の課題であり、これまで以上に財政収支の改善に努力されますとともに、国民の所得税減税についての強い要望を配慮され、苦しい中であってもこれが実現の努力を払われんことを要望いたしまして、私の討論を終わります。
○塩出啓典君 私は、公明党・国民会議を代表して、ただいま議題となりました四法案のうち租税特別措置法の一部を改正する法律案並びに製造たばこ定価法及び日本専売公社法の一部を改正する法律案について反対討論を行います。 まず、租税特別措置法の一部を改正する法律案の反対理由を申し述べます。 反対理由の第一は、五十八年度税制改正で所得税減税を見送っていることであります。政府は課税最低限を六年間も据え置き、特にサラリーマンに対し一方的に実質増税を強いていることは増税なき財政再建にも反するものであり、取りやすいところから取り、税の不公平をますます拡大するもので賛成できません。 なお、所得税、住民税減税については、共産党を除く五野党と自民党との折衝の結果、衆議院議長及び政府見解によって五十八年度中の実施が約束されました。改めて政府に対し早急に減税を実施すべきことを強く要求いたします。 反対理由の第二は、グリーンカード制度の導入を延期するなど不公平税制の是正に対し全く消極的なことであります。長い間、不公平税制の一つとして言われてきた利子配当所得に対する分離課税がグリーンカード制によりてようやく総合課税に移行し、税の公平化へ一歩前進しようとしていたにもかかわらず、この実施を一方的に延期することは税の不公平を放置することであり、賛成できません。 反対理由の第三は、中小企業に対する投資減税の拡充がまことに不十分な点であります。中小企業に対する設備投資減税の拡充は、設備投資の喚起による景気浮揚、中小企業の経営基盤の強化などから強く要望されたものであります。にもかかわらず、今回の投資減税は実質的には見送りに等しいものであり、賛成できません。 次に、製造たばこ定価法等の一部を改正する法律案についての反対理由を申し述べます。 反対理由の第一は、今回のたばこ値上げが政府の財源あさり的な財源対策のみが優先され、専売公社に値上げの必然性が全くないことであります。政府は、行財政改革や不公平是正をあいまいにしたまま、国民にのみ負担を押しつける今回の値上げ法案には賛成できません。 反対理由の第二は、たばこ専売については、行政改革における経営形態問題、貿易摩擦における市場開放、喫煙と健康などの問題を抱えていながら、その方途について明確にしていないことであります。国民生活に大きな影響を及ぼし、国民の関心事であるこれらの問題について答えずに値上げのみを押しつけていることは容認できません。 以上で二法案に対する反対討論を終わります。
○近藤忠孝君 私は、日本共産党を代表し、議題となっております租税特別措置法一部改正案、製造たばこ定価法等一部改正案並びに関税定率法等一部改正案の三案につき、いずれも反対の立場から討論を行います。 租税特別措置法案に反対する第一の理由は、大企業向け特別措置がほとんど温存されたばかりか、新たな優遇措置が設けられたことであります。本改正案は、金融機関の貨し倒れ引当金、価格変動準備金などの見せかけだけの縮減と引きかえに、核燃料再処理準備金、基礎素材産業への救済税制の創設など、新たに大企業向けに数々の優遇措置が設けられ、かつ電子計算機買戻損失準備金など適用期限の到来した特別措置をほとんど見直しもなく延長しているのです。 第二に、グリーンカード制の実施を延期するとともに、総合課税の実施そのものをはるかかなたに追いやったことであります。所得減税見送りの一方でこのような大資産家優遇を温存するなどは、不公平の一層の拡大とならざるを得ません。 第三に、国民大多数が求めている所得減税が、六年連続して見送られたことであります。結局政府のねらいは、直間比率の是正と称して、五十九年度に減税の実施と引きかえに大型間接税の導入を図ろうとしているものと断ぜざるを得ないのであります。 次に、製造たばこ定価法等改正案についてであります。 本法案は、ただ国の収入をふやすためにのみたばこの定価を引き上げるというものであり、軍拡、大企業本位のツケを国民大衆に回すものにほかなりません。 一方、値上げによって予想される販売数量の減少によって、小売店、葉たばこ生産農民に少なからぬ打撃を与えることが予想されるのであります。 最後に、関税暫定措置法等改正案についてであります。 第一に本案は、アメリカなどによる強硬な要求に一方的に屈した形の著しく関税自主権を損なった対応であるという点であります。 このような対応によって貿易摩擦が解消しないことは、アメリカが牛肉、オレンジなど農産物の完全自由化の要求をますます強めていることからも明らかなのであります。 第二に、東京ラウンドの合意をさらに下回る関税の引き下げが国内産業に及ぼす影響についてであります。今後急激な円高ともなれば関税引き下げの効果が一気に表面化し、国内産業に影響が出ることは必至であります。 第三に、減税、還付制度として石油業界向けの脱硫減税が廃止されたのと引きかえに、同じ業界向けに新たな減税措置が設けられましたが、このような大企業への既得権益の保護を図る政府の態度に強く反対せざるを得ません。 以上、三案に対する私の反対討論を終わります。
○柄谷道一君 私は、民社党・国民連合を代表して、ただいま議題となりました租税特別措置法の一部を改正する法律案並びに製造たばこ定価法及び日本専売公社法の一部を改正する法律案に対し反対、災害被害者に対する租税の減免、徴収猶予等に関する法律の一部を改正する法律案並びに関税定率法及び関税暫定措置法の一部を改正する法律案について賛成の討論を行うものであります。 まず、租税特別措置法の一部改正法案について申し述べます。 最近わが国経済の景気低迷は、世界不況の余波による側面もあるとはいえ、政府がわが党からの再三にわたる忠告を無視し、五十九年度赤字国債脱却方針に固執し、財政が持つべき景気調整機能を全く無視した財政運営を取り続けたこと、すなわち所得減税や公共投資の拡大などの積極的な景気対策を講じなかったのみならず、景気回復に逆行する大幅増税を強行したことに大きく起因するものであり、まさに政府の政策運営の拙劣さが必然的にもたらした政策不況であり、財政破綻と言わなければなりません。 特に、政府が五十八年度当初予算において所得減税の実施を見送ったことは、所得課税の実質増税が著しく進んでいる現実や給与所得者に重い負担を強いている現行税制の不公正な実態を全く無視しているばかりでなく、最近の個人消費を中心とする内需の不振をさらに長引かせ、政府が達成可能と公言してはばからない三・四%の実質経済成長の実現すら困難なものとし、ひいてはそれに伴う税収減が財政再建をさらにおくらせるという悪循環をもたらすおそれがあり、きわめて遺憾であります。 また、政府は、今回個人事業者の土地評価減額及び同族法人企業の株式評価の改善を図ろうとしていますが、今回の改正案では個人事業者の土地の評価減額率が二〇%引き上げられたにすぎず、また株式の評価についても継続企業の理念からする抜本的な改正が行われたものとは言えません。今後速やかに事業用財産の生前一括贈与制度及び相続税の納税猶予制度の導入などを行うよう強く政府に求めるものであります。 さらに、政府は、本租税特別措置法において中小企業の設備投資に対する減税措置を打ち出されましたが、その内容は余りにも貧弱なものと言わざるを得ません。中小企業の近代化、高度化を促進し、同時に景気の抜本的な浮揚策とするため、本法の中小企業投資促進税制を強化すべく、早急なる見直しを行うよう強く政府に求めるものであります。 同時に、わが国の素材産業が景気の停滞、国際競争力低下による輸出の減少等により深刻な構造不況に陥っている現状にかんがみ、化学工業原料の安定確保のための原料非課税原則の実現などの特定基礎素材産業対策促進税制の充実及び減価償却の法定耐用年数の見直しについても前向きに取り組まれるよう強く求めるものであります。 次に、製造たばこ定価法及び日本専売公社法の一部改正法案について申し述べます。 今回の値上げのように、安易に国民に負担を強いる前に、政府は専売公社の合理化、効率化のために何もしてこなかったのであります。すなわち、これまでの臨調答申が公社の特殊会社化、民営化、要員の縮減などの改革案を示したにもかかわらず、政府は公社経営の合理化にほとんど着手しなかったばかりか、臨調答申の最大限尊重の公約に反して政府の行革大綱に専売公社の具体的改革手順を盛り込まなかったことはきわめて遺憾であります。今後、政府が臨調答申を十分尊重しつつ、現実に即した公社改革案を実行するよう強く求めるとともに、財源確保を目的に実質的な増税を行おうとする本案に反対する態度を明らかにして、私の討論を終わります。
○委員長(戸塚進也君) 他に御意見もないようですから、四案に対する討論は終局したものと認めます。 これより順次四案の採決に入ります。 まず、租税特別措置法の一部を改正する法律案の採決を行います。 本案に賛成の方は挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(戸塚進也君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 穐山篤君から発言を求められておりますので、これを許します。穐山篤君。
○穐山篤君 私は、ただいま可決されました租税特別措置法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・自由国民会議、日本社会党、公明党・国民会議、民社党・国民連合、新政クラブの各派共同提案による附帯決議案を提出をいたします。 案文を朗読いたします。 租税特別措置法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、次の事項について、十分配慮すべきである。 一、国民世論の動向にこたえ、景気浮揚に役立つ相当規模の所得税の減税を、財源を確保のうえ、できるだけ早期に実施するよう最大限の努力をすること。 二、利子・配当所得等の総合課税化を基本理念とした少額貯蓄等利用者カード制度制定の趣旨を踏まえ、税負担の公平確保の見地から、これら課税のあり方について早急に検討すること。 三、退職給与引当金、貸倒引当金等については、その繰入率等を引き続き実態に応じて検討すること。 四、準備金、特別償却等各種の租税特別措置については、その政策目的、政策効果、利用状況等を勘案し、引き続きその整理合理化に努めること。 五、所得課税面での不公平感に関する世論の動向にかえりみ、申告納税の基本に立つた申告水準の向上等を図り、税角担の公平確保に資するため、制度面、執行面を通じた納税環境の整備のための具体的方策について早急に検討すること。 六、複雑、困難で、かつ高度の専門的知識を要する国税職員について、変動する納税環境、財政再建の緊急性及び税務執行面における負担公平の確保の見地から、職員の年齢構成の特殊性等に配慮し、今後ともその定員の増加、処遇の改善等につき特段の努力をすること。 右決議する。 以上であります。何とぞ委員各位の御賛同をお願いをいたします。
○委員長(戸塚進也君) ただいまの穐山君提出の附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方は挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(戸塚進也君) 多数と認めます。よって、穐山君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 次に、製造たばこ定価法及び日本専売公社法の一部を改正する法律案の採決を行います。 本案に賛成の方は挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(戸塚進也君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 大河原太一郎君から発言を求められておりますので、これを許します。大河原太一郎君。
○大河原太一郎君 私は、ただいま可決されました製造たばこ定価法及び日本専売公社法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・自由国民会議、日本社会党、公明党・国民会議、民社党・国民連合、新政クラブの各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 製造たばこ定価法及び日本専売公社法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、次の事項について、十分配慮すべきである。 一、専売納付金の特例納付は、臨時異例の措置であるので、納付金率法定化の趣旨にもかんがみ、今後、安易にかかる措置をとらないよう財政の健全化に努めること。 二、関税引下げを始めとする輸入たばことの競争激化に即応できるよう、日本専売公社の経営体制強化のための適切な措置を講ずるとともに、葉たばこ耕作者等に極力影響が及ばないよう留意すること。 三、日本専売公社の改革問題の検討に当たつては、たばこ事業の健全で能率的な実施に資する見地から、経営の自主性の確保、業務範囲の拡大等企業性発揮に必要な措置を講ずるよう配意するとともに、葉たばこ耕作者、たばこ小売人等たばこ事業関係者への影響にも十分配慮すること。 四、日本専売公社の事業の適切な運営を図るため、公社職員の職務への意欲的参加を促す適切な措置を講ずるとともに、その事業の合理化推進に当たつては、たばこ事業関係者の理解を十分得るよう努めること。 五、昨今の喫煙と健康に関する国民の関心の高まりにかえりみ、喫煙と健康問題に関する科学的研究をより充実させるとともに、消費者が安心して吸えるたばこの供給に一層努力すること。 右決議する。 以上であります。 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
○委員長(戸塚進也君) ただいまの大河原君提出の附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方は挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(戸塚進也君) 多数と認めます。よって、大河原君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 次に、関税定率法及び関税暫定措置法の一部を改正する法律案の採決を行います。 本案に賛成の方は挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(戸塚進也君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 塩出啓典君から発言を求められておりますので、これを許します。塩出啓典君。
○塩出啓典君 私は、ただいま可決されました関税定率法及び関税暫定措置法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・自由国民会議、日本社会党、公明党・国民会議、民社党・国民連合、新政クラブの各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 関税定率法及び関税暫定措置法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、次の事項について、十分配慮すべきである。 一、関税率の引下げに当たつては、国内産業への影響を十分考慮し、特に農林水産業、中小企業の体質改善を図るとともに、国民経済的観点にたつて国民生活の安定に寄与するよう努めること。 二、税関業務の増大、複雑化にかんがみ、不断に通関制度等の見直しを行うことにより、その効率的、重点的運用を図るとともに、税関職員について、その処遇の改善に努めること。 右決議する。 以上であります。 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
○委員長(戸塚進也君) ただいまの塩出君提出の附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方は挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(戸塚進也君) 多数と認めます。よって、塩出君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの三案に対する決議に対し、竹下大蔵大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。竹下大蔵大臣。
○国務大臣(竹下登君) ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましても、御趣旨に沿って配意してまいりたいと存じます。ありがとうございました。
○委員長(戸塚進也君) 次に、災害被害者に対する租税の減免、徴収猶予等に関する法律の一部を改正する法律案の採決を行います。 本案に賛成の方は挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(戸塚進也君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、四案の審査報告書の作成は、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(戸塚進也君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後七時二十五分散会