公害及び交通安全対策特別委員会 第4号
- 発言数
- 225 件
- 登壇者
- 25 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1983/03/25
会議録
○委員長(宮之原貞光君) ただいまから公害及び交通安全対策特別委員会を開会いたします。 去る十五日、予算委員会から、本日一日間、昭和五十八年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、公害等調整委員会及び環境庁についての審査の委嘱がございました。 この際、本件を議題といたします。 ─────────────
○委員長(宮之原貞光君) まず、参考人の出席要求についてお諮りいたします。 本件審査のため、本日の委員会に参考人として公害防止事業団理事緒方雅彦君の出席を求めることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(宮之原貞光君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。 ─────────────
○委員長(宮之原貞光君) 本件の予算説明につきましては、二十二日の委員会におきましてすでに聴取をいたしておりますので、これより直ちに質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○本岡昭次君 先日、説明を受けました環境庁予算についていろいろ質問を申し上げたい点がございますが、ごく二、三の点にしぼって、予算そのものにつきまして質問をいたします。 まず第一に、環境庁の予算がここ最近年々減額していく、この傾向についての私の懸念でございます。中曽根総理大臣の施政方針演説における環境公害問題への言及が今回も全くないと言っていいような状態でございました。わずか一言、「環境汚染の未然防止」と述べられただけでございます。これは歴代の総理大臣の施政方針演説を見てみましてもそうした傾向にあります。 一方、防衛力増強、軍拡への志向というものの内容がそれに相対して拡大をしていっているという点、これは代表質問の際、わが党の坂倉委員が公害交通安全委員に長らくかかわったという立場から追及し、中曽根内閣の姿勢を問題にいたしたところでございます。最近、国民の防衛力増強に対する強い批判、また直面するこの選挙ということを考えられてか、にわかに緑の防衛基金というふうなことを出されてもおりますが、しょせんまあつけ焼き刃の感じはぬぐえないのであります。政策にどういう力点を置いているかというふうなことは、言葉じゃなくて、それは予算そのものの内容によって判断をされます。 そういう意味で最近の環境庁予算の状況は、冒頭申しましたように、五十五年度以降伸び率が急速に低下をしております。予算全体もそういう面があるということからやむを得ないとも言えますが、しかし一般会計全体の中に占める環境庁予算の比率の低下というものは、どうしても黙って見ておれないという私は気がいたします。 すなわち、五十四年度は〇・一一〇%であったものが五十五年度には〇・一〇五%、五十六年度は〇・一%を割り〇・〇九八%、五十七年度は〇・〇九三%、そして五十八年度では〇・〇八九%というふうに落ち込んでいっているのであります。 ある一つのたとえとして、環境庁予算は一〇〇ppmだといるふうに笑われたことがありましたが、いまの数字を見ますと、新年度予算ではこれはもう一〇〇ppmだけではない八九ppm、まあppmは下がる方がこれは公害の面からいいかもしれませんが、全くわれわれとしては、公害あるいは環境、そうした問題に対する政府の取り組みの弱さをこうした点からも感ぜざるを得ないのです。こういう状況を見ている限りでは、財界の環境庁不要論、そうしたものを示しているその予算版ではないか、このように思います。 私のいま言いましたことを本当に心配してもらわなければならぬのは環境庁の長官ではないか、私はこう思うのです。いま私が述べましたことについて、環境庁長官の率直なひとつ見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(梶木又三君) 私どもの予算に対しまして大変御心配をいただきまして、まず感謝をいたすわけでございます。 本岡委員も御承知のとおり、ことしの予算、これは全般的にマイナスシーリングで大変厳しい状態でございましたので、私の方も若干減少したことは事実でございます。しかし、必要な経費は十分確保できたと考えておるわけでございます。環境庁予算、もう言うまでもございませんけれども、公害健康被害者の救済、あるいは大気汚染とか水質汚濁とか、こういう問題で、大変健康被害あるいは自然環境の保全、こういう観点から大事な経費ばかりでございます。 そこで、いま委員御指摘のような御心配もいただいたわけでございますが、先ほど申し上げましたように必要なものは取っておるつもりでございますし、それからまた新規項目でございますが、新規にいろいろ調査なり研究、こういう関係のものを要求いたしましたが、これらは全部認められることになったわけでございまして、ですから、私どもの方の予算は調査とか研究とかいうものも大分予算の中に占めておりますので、もちろん予算が多いほどこしたことはございませんが、この厳しい状態で若干削減されましたが、その分はひとつわれわれ努力いたしまして、この頭脳を使いましてひとつ挽回したいと、かように考えておるわけでございますし、それからいま最後に仰せになりました環境庁不要、こういうことには私はもう絶対つながっていないと。むしろこれから国民のいろいろなニーズにこたえまして、われわれの仕事が大変大事なものになる。それだけ私どもも少ない予算の中でがんばっていかなければならない、このように考えておるわけでございます。
○本岡昭次君 金はなくとも頭を使ってという環境庁の長官の言葉について議論もしてみたいのですが、それをやっておっては限りなく平行線になると思いますからやめます。しかし、金はなくとも頭でというふうな、何かこう空いばりのような形じゃなくて、本当に環境庁が頭を使うなら頭を使った具体的な法案を、われわれの期待するものをより多く国民の前に提示していくということで私は示してもらいたい。このように環境庁に注文をつけ、期待をして待っておるということを申し上げておきます。 そこで、環境庁の予算そのものは、いま言いましたように非常に少ない。ある自治体の、小さな自治体の年間予算程度しかないわけなんですが、しかし一方、その環境保全予算という形でいま手元に配られているこの資料を見ましても、各省庁の環境保全に対する予算がたくさん組み込まれてある。だから、環境庁の予算は少なくてもここにあるのだということも一面言えると思います。 そこで、こうした環境保全予算と環境庁の権限の問題について一、二質問をさせていただきます。 まず第一に、この各省庁が環境保全予算を編成していく、つくり上げていくその過程、要求あるいは査定、内示、復活折衝、最終段階の決定、こういう段階に環境庁は各省庁との間でどのようなかかわり合いを持っているのか。決まった段階でこういうものですよ、こうなりましたよと言って知らされてこういうところに出てくるだけのものなのか。 あるいはまた、第二点として、この環境保全経費というものをつくっていく際に、環境庁が政治の中の重要な公害防止とか環境保全とかいったような事柄についての方針があって、そして政府の統一した政策に基づいて各省庁がそれぞれの予算を組み込んでいく、そういう形になっているのかどうか。 そういった点についてお伺いし、先ほど環境庁長官も言いましたように、金は少なくても頭脳を使うという意味は、そうした面に環境庁の発言力、指導性、あるいはまた直接的には審査権というふうなものが具体的にあるならば私はそれなりに納得もできるんですが、そうした点についてひとつ教えていただきたいと思います。
○国務大臣(梶木又三君) 各省の環境行政に関します予算は私どもの方で調整してやっておるわけでございまして、いま御指摘のような方針に基づいてわれわれが調整の中心になってやっております。 具体的なことにつきましては、政府委員の方から答弁させたいと思います。
○政府委員(正田泰央君) 環境保全関係予算全体の取り運びにつきまして、特に設置法に基づきまして環境庁が見積もり方針の調整という権限を有しておるわけでございますが、それの具体的な段取りと申しますか、具体的な措置についてかいつまんでお答え申し上げます。 まず最初に、概算要求の段階におきまして、これは政府全体でございますが、環境保全対策上重点的に推進すべき事項を明らかにいたしました見積もり方針の基本方針というのがございまして、この基本的な方針を環境庁で作成いたしまして、それを関係行政機関にお示しいたしております。 その中身の主たるものは、環境保全施策の総合的な展開、ことしの予算で申し上げれば、エネルギーの問題、石油代替エネルギーの問題、それから地域の環境管理、さらに地球的規模の環境問題、そういったもの、さらに環境汚染の未然防止、公害防止対策の推進、一連の各事業について示しております。さらに、環境汚染の監視取り締まりでございますとか、公害防止事業の助成でございますとか、それから公害防止関係の公共事業等、これが非常に多いわけでございますが、それの推進についていたしております。さらに、自然環境保全対策についていろいろな観点から指示いたしております。 そのような内容の見積もり方針調整の基本方針ということを示しておりまして、概算要求の段階において、各省から各省の環境関係の予算のヒアリングを私の方で行っております。そして、大蔵省の査定作業の時期に当たりましては、これを取りまとめた予算を私の方から特に送付いたしまして、特別の折衝、説明、配慮の要請を行っております。 さらに、年末の予算折衝の過程におきまして、各省の予算の入りぐあいを私どもの方で見ながら調整などを行っております。そして、大臣折衝の段階におきまして、これは毎年ではございませんが過去数例、大臣折衝におきまして、特に重点事項、たとえて申し上げれば下水道予算について、これは建設省所管に相なるわけでございますが、それを重点的につけるようにということを環境庁長官と大蔵大臣の間で行っておりますとか、そのようなことをやらしていただいております。 さらに、執行段階に入りまして、先生御案内と思いますが、昨今の財政事情から経費の節約といったようなことが各省あるのでございますが、私どもの方から財政当局にお願いいたしまして、この関係の経費は節約対象にしない、予算の額をそのまま執行いたすように配慮して措置をいたしておる次第でございます。
○本岡昭次君 そうすると、私が言いましたように、環境保全経費この予算全体について、予算というものは一つの枠があるわけですが、その中で環境庁が日本の環境行政を進めていく上について優先順位というふうなものを持っていたり、あるいはまた重点的に施策としてやっていかなければ ならないというものを持っていたりするわけで、そうしたものについて、環境庁の長官が最終段階においてそうしたものの発言権というんですか、審査権というふうなものを持っているというふうに理解してもいいわけですね。
○政府委員(正田泰央君) 審査権と申しますか、その辺のところはよく私も明確にお答えできないわけでございますが、自主的に設置法に基づきまして見積り方針を調整し、それを折衝いたしておることは事実でございます。
○本岡昭次君 それでは次の問題に入ります。 各省庁予算編成の段階でゼロシーリングとかマイナスシーリングとかいうふうにシーリングによる予算編成、そういうもので全体として防衛予算などを除いては大幅に減額をされているという実態があるわけです。しかし、予算をシーリングという形で編成し財政危機を全体に乗り切っていくということについて、ある合理性はあるように思いますが、しかし私は、各省庁同じように並べてシーリング方式によって削減していく、切っていくということについては疑問を持っています。 各省庁の中には明治以来ずっと続いている省庁もありますし、環境庁のように新設されてやっと十年しかたっていないという省庁もある。財政再建あるいは行政改革、そういう中から全体として小さな政府という問題が論議されるにしても、やはりむだがある、非常に非能率な面がある、効率の悪い面がある。そういうものがあって、それを省かなければならないとすれば、それは環境庁のような新しい省庁にあるのではなくて、古くからある省庁、そして非常に機構の大きな省庁にそうしたものが存在をするというふうに私は思います。 そういう意味で、こういうシーリングの方式で毎年毎年これから予算を組んでいくとすると、環境庁のように新しく、そして予算規模の小さな省庁というのはだんだん仕事もできなくなって小さく小さくなっていくんじゃないかという危惧を持つのですが、そういう意味でこのシーリング方式というものについての私は疑問を持っています。 長官と、それから大蔵省の方にもこの点についての説明をいただきたいということで来ていただいておりますので、お願いします。
○国務大臣(梶木又三君) マイナスシーリング、これは政府全体で閣議了解いたしまして進んでおりますので、いま本岡委員おっしゃったような御心配もございますけれども、環境庁もそのらち外でないことも御理解いただきたいと思います。 先ほども申し上げましたようにマイナスシーリングで大変厳しい時代でございますが、たとえば公害の健康被害のようなどうしても要るものは、これは増額してでも必要なものは要求いたしますが、研究調査というものは職員の努力によりまして補っていきたい。こういうことで極力マイナスシーリングによります影響というものはないようにひとつ努力していこう、こういうことでがんばっておるわけでございます。
○説明員(藤原和人君) シーリング方式につきましての御質問でございますが、御案内のとおり各省庁が財政当局に対し予算の要求をする際の限度額、天井、これがいわゆるシーリングでございますが、これは秋以降の予算編成をできる限り円滑に進めるという見地から昭和三十六年度以降設けられた基準でございますが、財政事情は御承知のような危機的な状況を反映いたしまして逐次厳しいものになっているわけでございます。特に財政の建て直しが緊急な課題となり、そのためにはまず歳出の見直し、削減合理化を行うべきであるとされました五十七年度及び五十八年度予算編成に当たりましては、予算編成史上画期的とも言うべきいわゆるゼロシーリングあるいはマイナスシーリングということが設定されたわけでございますが、これは歳出の見直し、節減合理化は、一つにはすべての歳出についていわゆる聖域を設けることなくこれを行うことが必要であるという点、それからもう一つには、そのためには所管予算の内容に最も精通しておられるのは各省庁自身でございますので、その各省庁自身においてまず制度の根底にまでさかのぼった見直し、削減合理化努力を行っていただくということが不可欠であるということで、そのためには厳しいシーリングを設定するということが現実的かつ有効な手法と考えられるというようなことで進めているわけでございまして、この辺の事情を御理解いただきたいと思っております。
○本岡昭次君 あなたと議論しても始まりませんので、いまの問題また別の機会に、環境庁という仕事を充実させていくための予算そのものの編成については、別のところで論議をさせていただきます。 そこで、具体的に、環境庁の予算の中に公害健康被害補償協会への財源を交付するという部分がございますね。これはいま話に出たシーリングの枠内にこういうものも全体として組み込んで、何%カットせいとかいうときの対象になっているのですか。
○政府委員(加藤陸美君) おっしゃるとおりでございます。
○本岡昭次君 この公害健康被害補償協会への財源交付の問題までシーリングに組み込むということは不適当だと、私はこう思うんです。というのは、これは一般の経費と違って公害による健康被害者への民事責任に対する賠償をやっているという性格のもので、補償した結果として必要な金がそこに出てくるというものでしょう。こういうものまでシーリングの中に組み込んでいくということ、大蔵省がそうさせたのか、環境庁としてこの種の予算も他の予算と同じような形でシーリングの枠に組み込もうとしたのか、どうなんですか。環境庁もそれはそれでいいと思ったのか、それとも大蔵省がそれはそうしなきゃいけないということでそうなったのか。
○政府委員(加藤陸美君) シーリングの問題は、もちろん過去の問題でございますけれども、これは政府全体として閣議の方針として決まるものでございますので、環境庁も大蔵省も相ともに相談といいますか、全体としてそういう方針をとっておりますので、環境庁がどう言った、大蔵省がどう言ったという問題ではないと存じますが、基本的にどういうものを――シーリングといいますと非常に大きな意味でございますが、対象費目としてどういうもの、たとえば別枠にする問題とか、それから減額対象にはしないという種類のものとか、あるいはこれは相当減額する対象にするとかいうような、いろんな要素が入っておりまして、一概には言えないと存じます。 いまおっしゃいました交付金の問題も、これは先生十分御承知だと思いますが、いろいろ過去の経過から見ますと、環境庁はできてまだ新しいわけでございまして、特にこの制度は四十九年度から始まっておりますが、本当に毎年急上昇――これはもう事柄の性質上当然でございますが、してきた経過も過去五、六年前まではあったものでございます。いろいろな実態によって変動があり得るものでございまして、これをどういうふうに扱うかというのは、いささか事務的にもいろいろ私ども知恵をしぼるところでございますが、従来はいま先生御指摘のようにいわゆる全くの別枠、年金の平年度化経費というような別枠という扱いはもちろんいたしておりませんし、対象経費として一般的に考えております。 これからどう考えていくかというような問題は、またこれは別に来年どうなるかというのはまだ全然方針も何もないわけでございますので、いま何とも申し上げられませんが、過去の経過におきましては先生御指摘のとおり対象の中に入っておりますし、それは環境庁も大蔵省もということでなしに、政府全体としてそういう方針でまいっております。
○本岡昭次君 環境庁長官、いまの議論ですが、公害健康被害補償協会への財源交付の問題、これは法案も審議していくんですが、この財源までシーリングの枠の中に入れていくということは事柄の性格上私は不適当じゃないかと思うのですね。民事責任に対する一つの賠償というふうな形であるものまで枠に入れて何%か減額の対象にし ていく。これは環境庁が公害による健康被害者の生命を守るんだ、そしてその人の持っておる健康を維持するためのそういう権限を守っていくんだという強い意思表示のあらわれとして、別枠という立場を貫いていくということでなければ、結局公害による健康被害者の数とかというふうなこと、あるいは必要な経費とは別に予算の方がマイナスシーリングとかいろんなことによって減らされていくということになれば、これは補償そのものの中身を予算の枠で縛っていくということに私はなると思うのです。 これは環境庁にとって非常に重要に考えてもらわなければならぬ事柄ではないかと私は思いますが、このことを環境庁長官の言葉で、環境庁長官が公害問題を長官という職責の上で本当に真剣に考えておられるのかどうかという判断の基準になるとすら思っているんですが、いかがですか。
○国務大臣(梶木又三君) いま官房長が答えましたように、先ほども申し上げましたように、いまのところ公害の健康被害者の方々に対しては私どもは十分な予算措置はいたしておるわけでございますが、全体ひっくるめてシーリングの枠内に入れましても何とかやっていけるという判断でございますが、しかしこれが今後どのような経緯をたどっていくか、どんどん急増するかあるいは横ばいになるか、これはいまの段階でははかりかねる面もございますので、その被害者の交付金の推移によりまして今後またひとつ検討させていただいてもいいと思っておりますが、ことしはこれを入れられたからどうのこうのという、これによって大変支障が出たというようなことはいまのところはございません。今後は、いま委員おっしゃったような考えも当然あろうかと思いますので、私どもも検討させていただきたい、かように考えます。
○本岡昭次君 ぜひこれは考え方の問題として、実際に影響が出るかどうか、影響が出なければいいじゃないかという問題じゃないと思うのです。環境庁長官も初めに頭脳の問題だとおっしゃったですね、頭でいくんだと。頭ということは考え方ということですよ。思想ですよ。だからそういう意味では、環境庁の中のある予算の中で、この種のものはそうしたシーリングの枠の中に入れて、結果としてうまくいけばいいじゃないか、足らなければ足せばいいじゃないかという性格のものでないという、そこのところの考え方をしっかりしておいてもらわなければ将来大変なことになる、こういうふうにお願いをしておるんですから、いま考え直すと、考えてみようとおっしゃったことにひとつ期待をしておきたい、このように思います。よろしいですか。
○国務大臣(梶木又三君) いまお答えいたしましたように、その推移を見ましてひとつ検討させていただきたいと思います。
○本岡昭次君 それに関連をして、臨調の答申が出ておりまして、これは最終答申であるわけですが、その中に環境庁に関係する問題が二、三出ております。その中にいま予算の面から触れました公害健康被害補償協会の交付金の問題があんですが、臨時行政調査会の答申の中にもその交付金のあり方について出ております。 その点からこの問題について深めていきたいと思うんですが、それについて関連で委員長、坂倉さんの方からありますから。
○坂倉藤吾君 関連をさせていただいて一、二問質問をいたしますが、一つは、政府演説に対する本会議質問の際に、健康被害補償交付金にいわゆる臨調がこれに介入をしていることについて大臣の所見をただしましたが、その際に大臣の方は、ここで長官はコメントをする立場にないということで私の質問をはずされているわけでありますね。いまもその姿勢がそのまま正しいと思ってみえるのかどうか、これがまず第一点の質問です。 それから、具体的に第五次答申の中に「療養の給付の適正化を進める。」と、こういう立場で意見が出されているわけですね。そういたしますと、現行の公害健康被害補償協会交付金をめぐって、現在の療養給付について、いわゆる適正でない部分が環境庁としてあるというふうに判断をされておるのかどうか、ここのところは一体どうなのか。この二問。
○国務大臣(梶木又三君) 本会議で答弁申し上げましたのは、あの段階は部会の報告でございました。部会が臨調の方へ報告を出した段階でございましたので、私はその段階ではコメントはひとつ差し控えさせていただきたいと、このように答弁いたしたわけでございます。いまは答申が出ましたので、コメントをしないという段階ではもちろんございません。 それから療養の給付でございますが、これは私どもいままでずっとやってまいりました療養の給付につきまして不適正な事例が出たとは思っておりません。そういう事例は把握いたしておりません。しかし、従来から私どももこれは十分適正にやらなければいかぬ、そういうことで努力をいたしておるわけでございますので、今後ともこの臨調の答申があるないにかかわらずこれは適正にやらなければなりませんので、今後ともさらにまた適正にやっていきたい、かようには考えているわけでございます。
○坂倉藤吾君 いまの答弁では私はちょっと納得できないのです。これは本会議の議事録をここに持ってきていますが、あなたの答弁は、臨調の第三部会の報告でこの交付金を取り扱うことにしたのは、これは臨調の勝手な問題だ、臨調の判断だ、したがってあなたはコメントをする立場にない、こう言っているわけですよね。私の質問は、これは補助金部会がそういうふうに出してきておること自体について、先ほど本岡委員が指摘をしたような、環境庁としてこれを補助金だというふうにその枠組みの中に入れていることについて基本的な問題があるんじゃないのか、したがってそれに対してはこの交付金の性格というものを環境庁の立場から臨調にきちっと物を申すべきだろうと、そのための意見をあなたの方に求めた。ところがそれに対してあなたはコメントをしない、こういう答弁なんですね。しかも、その補助金部会の部会報告が基礎になって具体的に第五次の答申が出ているわけですね。 この中に指摘をされたように、いわゆる指定地の解除要件の問題、これを明らかにしなさいとか、それから療養の給付の適正化を進めるとか、こういうふうに意見が出されてきている。このこと自体が私は臨調が行うべき性格のものなのかどうなのか。しかも、補助金部会から出されたものを行うことについて、これは明らかな私は越権行為じゃないのかと、こういうふうに言っているわけですよ。これに対して環境庁が、長官として明確に姿勢を示さないことには安心ができないんじゃないのか。それが先ほどから本岡委員が指摘をしている環境庁の姿勢としての流れのはずなんですよ。それをきっちり踏まえてもらわないと、これはちょっと納得できないんじゃないですか、性格が違うんですから。しかも、「適正化を進める。」というふうに表現がありますと、現行不適正な部分があるんじゃないのか、こうとるのがあたりまえですよ。何が適正化を進めなければならぬのか、どういう意味合いなのか、そこのところは一体どうなんですか。現行の制度で不十分なんですか。そこのところを明確にしてもらわないと、これは納得できませんよ。
○国務大臣(梶木又三君) 本会議でお答えしたのは、先ほど申し上げたように、確かにその交付金は、私もあのときお答えしたかどうかちょっと忘れましたが、この席でもお答えしたと思っておるんですが、民事責任を踏まえておりますから一般の補助金とは性格が異るということは私はお答えはしておるわけなんですよ。しかし、あの本会議で御質問のあった時点は、部会の報告だから、その時点だから、そしてあの判断は臨調の部会での判断だから、向こうで独自に判断されたものだから、その時点において私はコメントは差し控えさせていただきたい、こういうふうに本会議ではお答え申し上げたわけでございます。 しかし、いまは正式に第五次の答申が出たわけでございますから、決して私どもは、この制度に ついていろいろ答申が出たわけでございますが、臨調の答申そのものは、これはもう私どものことのみならず全般的には政府は最大限の尊重をしていく、こういう方針はもう決めておりますから、われわれもあの答申の趣旨を尊重していく、こういう方針には変わりはございませんが、ただ健康被害補償制度、これはもう言うまでもございませんが、健康被害者の迅速かつ公正な保護を図るという制度でございますから、この制度の運営につきましては、われわれは十分ひとつ適正にやっていきたい、こういう考えで、今後とも同じような気持ちで制度の趣旨を体しまして一層適正な運営をやっていきたい、こう考えているわけでございます。 それから医療制度は、先ほど申し上げましたが、私どもいままで不適正な事実があったとは思っておりません。そういう事実は把握いたしておりません。 具体的なことにつきましては政府委員の方から、その後の問題につきましては答弁させたいと思います。
○政府委員(大池眞澄君) 公害におきますところの医療の適正な実施につきましては、各県市区でそれぞれ固有の審査会等の仕組みを組みまして鋭意この適正実施に努めているところでございまして、これまでその指導のもとに適正な実施を図られているものと私どもは考えておるところでございます。ただ、昨今におきます医療問題全体の流れという観点から、公害医療といえどもこれは一般の医療の一環という位置づけでございますので、そういった一般の医療の大きな流れの中で適正化ということが強く要請されているという状況の中におきまして、公害医療といえどもその適正化の努力というのは引き続きなお一層努めなければならないものと、かように考えておるわけでございます。
○本岡昭次君 そんないいかげんな話はやめておきなさいよ。笑われるんじゃないですか。一般の医療問題に適正化が叫ばれている折だから公害のこの問題もこういうふうに書かれてあるんだろう、そんななめた答弁はやめておいた方がいいですよ、私たちはそれほどばかじゃないんだから。 この最終答申が出るについて、この項目については環境庁もそれなりにこの中身についてそれぞれの作成する側との間での相当話し合いがあったと見るんですよ。ないまま勝手に行政調査会がやったとすれば私は大変なことだと思うんですよ。やはりこの中身について環境庁がある程度の責任を持てるという意味において文章化され、こういう表現があると見るんですよ。でなければ、臨時行政調査会も、一つの現在の、政府機構とは言いませんけれども、それとともに行政そのものの改革、見直しをやってきた一つの組織なんですからね。そういうごまかしはだめだと思います。もう少しはっきりと言ってください。私も同じことを尋ねます。 まず、第一種指定地域の地域指定及び解除の要件の明確化あるいはレセプト審査の強化、こういう問題についていままで環境庁として不都合なことが、あるいは適正化しなければならぬ、改めなければならぬというふうな具体的な事例、認識、そういうものがあったのかどうか。その点をはっきりとひとつ言ってください。
○政府委員(大池眞澄君) お答え申し上げます。 臨時行政調査会に対する私どもの対応ぶりでございますけれども、臨時行政調査会の方からの求めに応じまして、本制度の基本的性格でございますとかその実施状況等につきましては十分に説明を申し上げたところでございます。これを臨調の方でどのように判断され取り上げたかについては、これは臨調の判断であるというふうに御答弁申し上げてきた次第でございます。 それから、第一種指定地域の地域指定をめぐる問題でございますけれども、これは御承知のとおり大気汚染の状況が、一方で硫黄酸化物の著しい改善状況がございます。他方、窒素酸化物等主要な汚染物質につきましてまだ横ばいというような状況がございます。かように大気汚染の態様が相当にこの制度を創設した当時から比べまして変化を来してきておる。これをめぐりまして、もうかねてより関係各方面から問題の提起あるいは御意見、御要望等が私どものところに強く寄せられているところでございます。こういった御指摘、御要望に対応して、私どもとしては制度を主管する立場でこの問題に取り組み、必要な調査検討を行ってきておるわけでございますが、このような経過の中において臨調は臨調としての立場で私どもの説明も聞き、独自の判断をし指摘をされたものと、かように理解しているところでございます。 同様に、医療費問題につきましても、この制度を預かる立場といたしまして、その適正な実施ということについては責任を持っているわけでございまして、必要な仕組みを通じまして、また関係実施県市区の努力をいただきながら、その適正実施に努めていることは先ほど御答弁申し上げたところでございますが、その点についても、医療一般の流れの中におきまして、公害医療についても適正化の努力をという御指摘がございました。この点はこれまでも私ども努力しておりますし、今後ともより一層の努力を行っていく必要があろう、かように考えているところでございます。
○本岡昭次君 そうすると、この公害健康被害補償協会交付金の問題について臨調が最終答申として述べている事柄については、具体的に現時点において改善を早急にしなければならない問題点、あるいはまた不都合な点、そういうようなものが特にあってこういう指摘が、あるいはまた環境庁の方もその問題について具体的にこの問題について改めるというふうな考え方があってこれが出てきたのではない。ただ一般的にいままで公害健康被害補償の内容をより正確なものに、そして迅速に遂行していくための事柄である、このように理解していいわけですか。
○政府委員(大池眞澄君) 大気汚染の変化等の諸情勢の変化に対応して、この制度の目的、趣旨を踏まえまして、よりこの制度の適切な実施という観点から私どもは受けとめておるところでございます。
○本岡昭次君 したがって、冒頭の話に戻りますが、これが一つの補助金というふうな概念にとらえられて、内容とは別に予算としてその金額が減額されて、そしてこの中身が改悪されていくというふうな性格のものでないんだと、環境庁としてこの点についての明確な態度をひとつ最後にお聞きをして、次の質問に入りたいと思います。 長官、最後に交付金のこの答申に対する環境庁の態度をひとつはっきりとここで表明をしておいていただきたいと思います。
○国務大臣(梶木又三君) 何回も申し上げておりますように、民事責任を踏まえたものでございますから、普通の補助金とは性格が異なるということは十分認識はいたしておるわけでございます。こういう認識に立ちまして、先ほども申し上げましたように、一般の補助金のように全般の予算が苦しいからこれを削るとかいうようなことはもう絶対いたしません。だから、シーリングの枠等につきましても、先ほどもお答え申し上げましたように、これがどのようにふえるか、あるいは横ばいになるか、減るか、これはわかりませんので、それぞれの推移に応じましてシーリングの枠等につきましては検討をさせていただきたい、かように考えるわけでございます。
○本岡昭次君 十分納得できる答弁なりまた内容も聞かしていただけませんでしたけれども、また次の機会にさらに詰めてこの問題については論議を続けさせていただきたい、このように思います。 新聞等が報道するように、いま論議しましたこの問題は、企業の側の圧力によって環境庁が後退に後退を重ねていっているんだと、こういう物の見方がありますから、私はそうであってはならぬという環境行政の責任を果たすべき立場からの毅然とした大臣の答弁なり当局の答えをいただきたかったわけですが、まだまだ私は不安でいっぱいでございますから、また別の機会にこの問題に ついては論議をさせていただいて、次の問題に移ります。 同じように、臨調の答申の中に環境庁関係法人の問題も一つ取り上げられております。それは公害防止事業団が挙げられておるわけでございまして、そこに述べられているその事柄を読みますと、 公害防止対策に関する地方公共団体等との役割分担の実態を勘案し、建設譲渡業務について、国家的見地からみて緊急性が高くかつ大規模な事業を重点的に行う等業務内容の転換を図る。融資業務についても、これらの業務に関連するもの及び公害対策基本法に基づく公害防止計画等を推進するために特に必要なものに限定する。 また、これら業務内容の転換に対応し、組織の整理・再編成を行う。 こういう内容になっているわけで、これをすらっと読む限りはああそうかいなということになりますが、しかしじっくりこれを読んでみますと、臨調の言いたかったことはこういうことではないかと思うんです。 公害防止事業団というのは、国家的見地から見て緊急性の低い事業をいままで行ってきたんではないか、だから業務内容の転換を図れと、あるいはまた融資についても不要不急なものに対して行ってきたのではないか、だからそれについても考え直せというふうに、こう読めば臨調が言わんとするところは非常によくわかります。しかし、そうは言えないからここのような表現になったんだと私は思うんです。 そこで環境庁、この最終答申に公害防止事業団が組み込まれることになった理由、それはどのようにとらえておられるか、お答えいただきたい。
○政府委員(正田泰央君) 臨調で公害防止事業団について、私ども役所の方の意見と申しますか説明と申しますか、聞きたいという話は以前ございまして、これは各省の行政、特殊法人すべてについて行われたものの一環でございますが、どういうような問題意識を持っているのか、そのころはっきりいたさなかったわけでございますが、私どもといたしましては、公害防止事業団の必要性ということにつきましては、公害問題の現状、これはあくまで公害問題については楽観を許さない。巷間すべてよくなったというような話があるようでありますが、いろいろな社会、経済の変化から見まして、公害問題の様相、態様などが変わってきておりますから、そういったものについて今後の公害問題の重要性ということを基本にいたしまして、さらに公害規制の強化に伴ってこの事業団が非常に期待されているというようなことは力説いたしたわけでございます。 昨今の経済情勢から見て、事業団の事業規模、資金規模に対応する企業からの要請、自治体からの要請等が年度によっていろいろ変化いたしてきたことは先生も御案内だと思いますが、そういうような点にかんがみて何か問題意識があるのかなと、こういうふうな認識を私どもの方は持った次第でございます。 それに対しましてこのような答申が最後に出たわけでございますが、従来の公害防止事業団の長い実績から見まして、事業のウエートと申しますか、事業の種類から見ました事業の重点とか、そういったものが十年あるいはそれ以上まあ同じようなパターンできたということは否めませんので、さらに事業団が国家的な要請にこたえて環境行政の一翼を担うような仕事に重点を置いてやるべきであるというふうな臨調の御見解というふうに受けとめまして、現在これに対していろいろなことを研究と申しますか検討いたしておるというのが実情でございます。
○本岡昭次君 ここに書いてあるような意味を積極的に受け取って、もっとしっかりと公害防止事業をやれというふうに受けとめているんだと、こういうことなんですね。私のような受けとめ方はしていないということなんですね。 それはそれでいいですが、それでは公害防止事業団から来ていただいておるんで伺いますが、今日まで公害防止について果たしてきた役割り、それは業務内容になると思いますが、ひとつ簡単にここで教えていただきたいと思います。
○参考人(緒方雅彦君) 公害防止事業団は昭和四十年に公害防止事業団法によりまして設立された組織でございます。目的といたしましては、いわゆる産業公害を防止するためのいろいろな仕事をやれということが第一条にございまして、それを受けまして十八条にこういうような業務ができるということを書いてございます。それをやや具体的に御説明させていただきたいと思いますが、大きく分けまして二つの業務を行っております。 一つは建設譲渡業務、これはちょっと聞きなれない言葉かと思うのでございますが、要するにこれは、申込人からこういったような施設なりをつくってほしいという申し込みを私どもが受けまして――その施設は四つの種類に分かれております、これは後ほど申し上げますが。その申し込みを受けまして公害防止にかかわる施設を私どもが建設いたしまして、あるいは造成いたしまして、それを申込人に譲渡いたします、でき上がりました段階で譲渡いたします。譲渡いたしました後、これはものによりまして十年あるいは十五年、二十年という期間、割賦で譲渡に要しました費用を償還していただくというようなやり方になっております。 いま四つと申し上げましたけれども、一つは共同公害防止施設でございまして、これは具体的に申しますと、たとえばメッキ屋さんなんかが集まっておりまして、メッキの廃水なんかを一社で処理をするのではなくて、何社かが集まりまして共同処理施設、汚水の処理施設という形で建設をしたり、あるいは事業団でそれをつくってほしい、こういう申し込みを受けて、その申し込みの内容をよく調査いたしまして、ニーズに合いましたものをつくって譲渡するというようなことでございます。 それから、二番目と三番目は、やり方といたしましては、具体的にはもう中小企業対策に尽きるかと思うのでございますけれども、いわゆる住工混在地域、住宅の中に小さな町工場がある、周りの住民に、主として公害の種類としましては騒音が主体になりますが、そういったような公害で迷惑をかける、そういったような方々を何社か集めまして、それで引っ越しをしていただく。そのために共同で御利用なされるような工場をつくる。あるいは中小企業の方々で他社と一緒に建屋を共有するのが嫌だとおっしゃる方につきましては、工場の移転用地を造成いたしまして、工場の建屋は御自分でおつくりになるというやり方もございます。これがちょっとややっこしい言葉でございますけれども、共同利用工場あるいは工場移転用地というふうに申しております。結局、そこで移転をしていただいて、その跡地につきましては工場を建てないようにするということで、いままで住宅地の真ん中にありました工場を移転させるというやり方で公害の防止をしようということでございます。それが二番目と三番目です。 四番目が、これはいわゆるグリーンベルトでございまして、工場の密集地帯、言ってみますとコンビナートを考えていただければよろしいかと思いますが、そこと隣り合わせて住宅地があるという場合に、コンビナートの工場の方も一生懸命公害防止に努められておられますけれども、やはりグリーンベルトのようなもので遮断をした方がよろしいであろうという考え方があるわけでございまして、その場合に一定の幅、一定の長さで一種の人工的な森林と申しますか森を造成いたしまして、グリーンベルトとして工場地域と住宅地域を分離する。この場合には主として申込人は地方公共団体になります。そのグリーンベルトをつくってほしいということで申し込まれる方は地方公共団体、それ以外のものはほとんど大部分がいわゆる中小企業の集まりということでございます。これが一番大きなあれでございまして、先ほど申しました建設譲渡業務というものでございます。 それにもう一つ対応するものに貸付業務というものがございます。この貸付業務は、工場を移転 させるということではなくて、その工場自身が公害防止施設、たとえば大気汚染防止施設であるとかあるいは汚水処理施設であるとか、そういったものを工場自身が設置をされます。その設置の費用でございます。これは中小企業の場合には大体工事費の八割をお貸しできることになっておりますが、そういったものを貸し付けまして、それで貸付業務というふうに申しておるわけでございます。まあ大きく分けますと、そういう二つのやり方でいままでやってきたわけでございます。
○本岡昭次君 そこで環境庁にお尋ねしますが、いま公害防止事業団の方から具体的に説明をいただきました。それはこの臨調の答申の中にあるように業務内容であろうと思うんですが、そうすると、この答申の中には「業務内容の転換に対応し、組織の整理、再編成を行」えというふうなことなり、また「特に必要なものに限定」せよというふうな、こういうものがあるわけですね。いま説明されたような中身で限定しなければならないようなものがあるのか。あるいはまた、業務の内容を転換をしなければならないようなものがあるのか。正田局長の言うように、より積極的に新しいものに広げていこうというんなら何ら問題はないんです。しかし、ここに書いてあるのは組織の再編成とか整理とか限定せよとか、いわば縮小せいということがここに書いてあるんでございまして、あなたの先ほど私に対する答弁から考えて、いまの業務内容との関連でこれはどう理解したらいいんですか。
○政府委員(正田泰央君) 先生の御懸念もあろうかと思いますが、この答申が出まして臨調からお話がございました。そして、私どもがきちんと解釈をいたしておる点でございますが、先ほど申し上げましたように、基本的には従来のやってきたパターンを何かしらの形で変えなくちゃいけないだろうという受けとめ方はいたしております。その場合に、たとえばA、B、C、Dというような分野、もちろん事業は建設譲渡業務あるいは融資というものでございますけれども、いろんな分野がございます。その分野につきまして、たとえばA、B、C、Dというような分野以外にEの分野を新しく目指そうというときには、いままでのAの分野を半分ぐらい削るとか、あるいはDの分野を半分ぐらい削るとかいたしまして新しいEの分野に邁進していくとか、あるいはBの分野をさらに強化するとか、そういうような転換と申しますか、という考え方は私ども考えております。 また、いま先生が最後にお触れになりました限定という言葉でございますが、これはもちろんA、B、C、DのうちA、B、Cに限定しろというのが常識的な言葉使いだろうとは思っておりますが、私どものいままでの考え方は、従来も事業団が、たとえば公害対策基本法に基づきまして公害防止計画というものがございますが、ああいうものにも対応してやっていたのでございますが、明確でなかったというようなことがこの十何年間ございます。したがいまして、今後公害防止計画をある地域に確立いたします場合には、ここのこういう施設とか整備については公害防止事業団に参画してもらうとか、あるいは大きなプロジェクトについては公害防止事業団に参画してもらうとかいう考え方がございまして、ほぼそういうものに限定してしまうと申しますか、して、それからほかに、何と申しますかたくさんの分野の中でいままで漫然とやっていたというようなものはやはりこの際縮小していく、切り捨てていくというようなこともあろうかと思います。そういう意味で合理的に整理すると申しますか、というふうに考えているつもりでございます。
○本岡昭次君 整理あるいは再編成、限定、それぞれにしろ、いまの説明を聞けば、中小企業がやはり一つにまとまってそうした公害に対するいろんな事業をやっていることを助けているという面の報告があったので、私が心配したのは、そういう中小企業が切り捨てられていって、そして国家的なという何か大きなことだけに目を向けるようなことのないように、やはり中小企業の力の弱さというものをこの事業団がカバーして、公害防止というものをより積極的に進めていくという点は絶対弱めてはならぬという点をひとつ注文をしておきたいと思います。 また一方、中公審の交通公害部会土地利用専門委員会報告というのが出ておりますが、ここも沿道土地利用対策の一環として、沿道の緩衝緑地帯等の配置について公害防止事業団の積極的活用、整備事業に対する国の補助かさ上げの検討、こうした問題を提案しておるんですね。一方では、公害防止事業団に対する仕事というものをもっと豊富にし、国もそこに補助金をかさ上げして公害から国民の生命や財産を守れ、こういう提言があるわけですから、ひとつ環境庁としてはより積極的に公害から国民の生命と財産を守っていくという立場に立っての仕事を推進していただきたいということを最後に要望して、次の問題に入りたい、こう思います。 いま申し上げましたことについて長官の見解をいただいて、次にまいります。
○国務大臣(梶木又三君) 委員の御指摘のとおりでございます。
○本岡昭次君 私ぎょうさん言うたんやからもうちょっとたくさん言うてもらいたかった。まあ時間がありませんから、時間をいただいた点で感謝いたします。 次に、湖沼法案の問題について質問いたします。 湖沼問題は、この委員会として非常に積極的に取り組んできた問題でありまして、特に鯨岡元長官の時代から、湖沼が死滅するというふうなことで国内で湖沼サミットというふうなものをやられ、また歴代の長官もいろんな湖沼の視察というものを重点的にやっておられるんですが、しかし肝心の湖沼法案というのが一向に環境庁の方から提案をされない状態で、一体いつ出るんだと、早く出せということをこの委員会として環境庁にいつも催促しているという状態です。 そこで、環境庁の新長官になられた梶木長官として、このもうまさに懸案中の懸案事項になっている湖沼法の早期提出について現在どういう決意を持っておられるか、それをお伺いしたいと思います。これは少しいまのような切って捨てたような話じゃなくて、中身のある話をひとつしてください。
○国務大臣(梶木又三君) 湖沼の水質汚濁、これは大変最近は深刻な問題になっておることはもう事実でございます。そこで、湖沼法も必要でございますし、それで私どもは湖沼のとりあえず富栄養化対策、これを早くやらにゃいかぬということで、昨年の暮れに窒素、燐の環境基準、これは設定いたしまして、いま排出基準につきまして中公審の審議をいただいておる、こういうことでございます。 それから、湖沼法につきましても、私は何とかこの国会中に成案を得まして、国会に御提案申し上げたい、かように現在も強く考えております。そこで、政府部内でいま調整をいたしておる最中でございまして、私はもう厳に担当局長に早くひとつ政府部内の調整を進めると指示いたしておる段階でございまして、その政府都内での調整の段階につきましては具体的に政府委員の方から答弁をさせたいと思います。私は、とにかく何とかこの国会中に提案をしろ、こういう強い指示をいたしておりますし、私もそういう決意でおるわけでございます。
○政府委員(小野重和君) 湖沼法案につきましては、一昨年来の懸案事項でございます。私ども最善の努力をして調整に努めてきたつもりでございますが、残念ながらまだ合意を得るに至っていないわけであります。これはいろいろの問題の中でほぼ解決しているんでございますが、湖沼流域におきまして工場、事業場を新増設する場合の規制のあり方をめぐりまして一部関係省との間において調整が得られていない、こういうことでございまして、この点を何とか打開できないものかということで、その点を中心にいま調整に努めている最中であるということでございます。
○本岡昭次君 歴代の環境庁長官の強い決意にも かかわらず、二度ですか、国会にその法案提出、最終的に断念。いまごろの時分は皆おっしゃるんです、そういうふうに。ところが会期末になったらだめでしたと。あなた三度目です、これでね。三度目のというのは非常にいろんな重要な意味を持っていますからがんばってもらわにゃいかぬです。 そこで、結局通産省でしょう、その障害になっているのは、調整を必要とするのは。ところが、私の聞くところでは、通産省がいま言われた湖沼の周辺にある工場の排水の施設の問題について、当初は排水施設の許可対象の規模そのもの、その許可対象が大きいか小さいかというふうな、そのことを問題にしておったのが、現在では許可制そのものに反対なんだというふうにどんどんと通産省側の方が後退をしていってしまっているという実態を聞くんですが、工場そのものの排水の問題が許可を必要としないんだというふうになったら、もうそんなものはざる法もざる法、ざるどころの話じゃないですわ、もうざあっとそのままストレートに水が漏れるということですから。これどうですか、通産省の対応はこういう対応になっているんですか。
○政府委員(小野重和君) 政府部内の調整の問題でございますので、余り私ども細部の点までお話しするのもいかがかと思いますが、いま御指摘の点について若干申し上げますと、工場、事業場の新増設に関する規制の問題というふうに申し上げましたが、これは二つございまして、一つは規制の手法、つまり許可制をとるかあるいは何らか別の方法をとるか、こういう問題がございますし、またもう一つは規制の内容、実体的な内容でございますね、この二つの問題がございます。二つの問題についてそれぞれいろいろ議論がある、こういうことでございます。 まあ、私どもこれも折衝ごとではございますけれども、いずれにせよいま御指摘になりましたようなざるみたいになったんでは何ともこれはもう法案全体の命運にかかわる話でございますから、いずれにせよ実効性が確保されるということは、これはもう絶対にそうしませんとこの法案自体の命運にかかわる、こういう認識で、そういう基本方針で私ども折衝に当たっているところでございます。
○本岡昭次君 そこで関連しまして、中曽根総理大臣が去る二月二十八日、清水環境事務次官に対して湖沼法等の早期達成を図るべく全力を挙げて取り組むよう指示したというふうなことが新聞に出ています。「首相指示 緑化・湖沼浄化も」というふうに出ているんですが、この具体的な内容ですね。清水次官は総理に対してどういう進言をしたのか。あるいはまた、いまの問題も含めてこの中曽根総理の指示そのものの内部調整をいま促進しているのか。あるいはまた、環境庁のこれの受けとめ方は一体どうなのか、指示そのものの重みですね。長官はどんなことがあっても私はやりたいんだと強い決意を表明された、そこへ首相の指示も出てきたということなんですが、そういう総合的な問題についてこれをどういうふうに受けとめたらいいんですか。
○政府委員(小野重和君) 新聞紙上にも出ましたが、関係省庁が当面の重要事項につきまして総理にそれぞれ事務次官から御説明申し上げ、それに対して御指示があったということでございますが、環境庁関係は湖沼対策のみならずほかにもありますが、湖沼対策につきましては、私どもいま、先ほども大臣が申し上げましたように、富栄養化対策、つまり窒素、燐対策と湖沼法案、この二つが柱でありますということを御説明申し上げまして、これに対しまして総理から、いま申し上げたような点、二点大きな柱がございますが、これについて、その対策の促進方について指示があったというふうに私ども事務次官から聞いておるところでございます。 したがいまして、これは先ほど大臣がお話ししましたように、富栄養化対策、つまり窒素、燐対策はいま進めている最中でございますし、それから湖沼法案につきましても、三年目ということでございますが、三度目の正直ということで何としてでもこの国会に提出したいということでいま一生懸命やっている最中でございます。
○本岡昭次君 環境庁長官にお伺いしますが、三度目の正直、首相からも強い指示があったといって出てくるのはいいんですが、現在たなざらしのような形になっているアセスの問題を見ても、肝心なところが抜け落ちてしまって法案という形だけが形骸化されて出てくる、これが最大の問題であるわけです。だから、私たちとしても懸念するのは、通産省との調整について首相が指示をしたということについて二通りあると思うんですね。通産省が工場の排水問題についていろいろ抵抗をしてその中身がだんだんだんだん後退しているということについて、環境庁がそうあってはならぬ、そんなざる法的なものをつくっても意味がないからといってそこで引き合いをしていることについて調整をする場合に、まあ環境庁いいじゃないか、通産省のところまで歩み寄ってそこで出せというのか、通産省の方に環境庁の立場に立ってそれをこっちに持ってきてそれでやれというのかという、そういうことが僕は大事だと思うんですよ。 これは長官、総理の指示というのは、よく調整するようにという言葉の意味ですが、まさか環境庁が通産省に歩み寄ってとにかく法案だけ出せということじゃないでしょうね。
○国務大臣(梶木又三君) これはうちが出す法案ですから、うちが出す法案を向こうの一方的な考えで出すなんということはこれは絶対にございません。だから、いま局長も答弁しましたように、ざる法になりましては、これはもう全然無意味なものでございます。そんなものは私出しません。絶対出しません。ただしかし、一歩でも二歩でも前進だということで、やはりいつまでたっても出せないとなりましたら何もつかめませんので、その辺の話し合いをいま詰めておるわけで、決して通産のペースでわれわれは後退したものを出す、そんなことでは絶対にございません。あくまでもわれわれのペースで、しかし話し合いでございますから若干のそこには話し合いというものも必要でございますが、結論的にこれがざる法になってしまって、何だ意味ないと、こういう法案は私はもうそんなものでございましたら提案はいたしませんから、必ず提案いたします以上は所期の目的は達せられるものと、このように御理解を賜りたいと思います。
○本岡昭次君 当委員会としましては決議も上げておりますし、そういう立場から議員立法でもという強い意思もそれぞれの党の中に出てきてもおります。また、原前長官は通産省との対応の中でどうもうまくいかないというときの最後の手としては議員立法という方法もあるというふうな話も出されました。私は、政府がこの委員会で決議をした、あるいは論議した趣旨をそのまま法案に盛り込んで出していただくということを最も望んでいるのでありまして、そういう立場で今後がんばっていただきたい、こういうふうに最後に要望をしておきたい、このように思います。まだ次の機会に、その後経過しましたら一体どうでしたかと、これは繰り返し私だけでなく各政党が環境庁に対して要望することであろうと思いますので、きょうは私はこの程度にしておきます。 それから、最後の問題としまして中海の問題でございます。中海、宍道湖の問題です。これも当委員会として視察に行きまして、そのことを契機にしまして地元でもいろんなその後動きが起こっておりますので、その問題について若干伺ってまいります。 まず第一点、先ほども申し上げましたように、一昨年九月に当委員会の派遣で中海を視察しました。その後、ハクチョウの保護あるいはまた中海の干拓淡水化計画の見直し、こうしたことでいろいろ論議がありました。最近、地元の野鳥保護の会の方から連絡がありました。それによると、ハクチョウの保護の問題について、地元では、ほとんど問題の解決もせず、事態の改善も見られなく、昨年九月から埋め立て工事が再開されて、ハ クチョウの保護地区として彦名という地域を指定して、そこは干拓をしないで現在の干潟の状態で置いておこうじゃないかというふうな、そういう話し合いも無視されて、彦名地区そのものの干拓化が強行されるというふうな話も聞かされているんです。 このハクチョウあるいはその他水鳥の保護の問題と中海の干拓の問題は、環境庁としても非常に重要な問題として考えていこうというたしか確認があったと思うんですが、この点についてその後私のいま言いました状況が正しいのかそうでないのか、環境庁の方からお答えをいただきたいと思うのです。
○政府委員(山崎圭君) お答え申し上げます。 御指摘の中海におきまして、現在干拓事業が三工区で進められていると、こういうふうに承知しております。弓ケ浜地区、彦名地区、本庄工区といいますか、そういう三カ所でございますが、御指摘のように現在ハクチョウのうちでコハクチョウが主なねぐらとしております彦名工区でございます。ここにおきましては確かに干拓事業進行中ではありますが、現地の野鳥保護の会が残存を希望しております工区の南端の約三十ヘクタールにつきましては水域の状態のまま保存されている、こういうふうに承知しておるわけでございます。 そういうことでございまして、ハクチョウの渡来状況も、ことしの一月の中旬に実施いたしました調査によりましてもほぼ平年並みの渡来、四百数十羽の渡来が見られておる、こういう状況と承知しております。
○本岡昭次君 そうすると、彦名地区のコハクチョウの生息に適している干潟の地域というのは三十ヘクタールですか、いまおっしゃいましたが、それはその状態のまま保存と言ってはおかしいですが、工事を進行させないで中止されているということなんですか。
○政府委員(山崎圭君) 中止されているということではありませんが、これは農林水産省の干拓事業の計画、具体的な実施状況がどうであるか、それはまた農水省からお答えいただきたいと思っておりますが、私どもといたしましてはねぐらの確保がコハクチョウのためには大変大事であると、こういうことでございまして、昨年来鳥取、島根両県とも再三協議をしておるところであります。そういうことで、県におきましてもいろいろと地元の意見を調整しつついい方向、解決の方向を見出すべく考えているというふうなことでございまして、私どもはまた農林水産省に対しましても何らかの協力をしてもらいたい、こういうことで要請をしているところでございます。
○本岡昭次君 農水省の方、来ておられますか。――いまの彦名地区の埋め立ての問題と、ハクチョウの保護地区としてそこを残していくという事柄について、当委員会では昨年以来論議しているのですが、農水省の考え方は現在はどうなんですか。
○説明員(坂根勇君) 御説明いたします。 近年、中海、宍道湖の一部におきまして干拓事業の実施過程におきまして、ハクチョウが飛来しておりますことから、その保護のためのねぐらの設置につきまして野鳥保護団体から要望を受け、関係県並びに環境庁におきましてもその実態の調査がなされておると聞いております。現在のところ関係県、これは鳥取と島根両県でございますが、保護対策が検討されておるように聞いております。一方、ハクチョウのねぐら保護という問題とあわせまして、地元から鳥の被害、農作物に対します被害の点につきましても陳情が実は参っております。こういう点を調整した上で、このハクチョウの保護につきましての意見の集約ができました段階で、農林省といたしましては保護のために積極的に協力してまいりたい。 したがいまして、当面現在ねぐらと言われております彦名工区につきましては、工事を約三十ヘクタール程度でございますが、差し控えるように努めております。
○本岡昭次君 亀岡元農林水産大臣も、この中海にハクチョウは残さなければならない、水鳥たちのためなら計画変更も可能だと語ったというふうに書いてあるのですが、これはこういう表現をしたのかと言うと、いやそれはそういう表現してないということでいつも返ってくるので、この問題についての論議をしませんが、しかしいまここで似たようなお話をされたことによって地元の皆さんが勇気を得て、ハクチョウなり水鳥の保護のためにいまいろいろ努力をされているんだと、こう思うのです。 そこで、農水省として、この地元の鳥取県、島根県あるいはまた住民団体、何か最近も住民団体ができたようで、それもいままでのように愛鳥家だけじゃなくて、非常に多くの経済関係の方も農業関係の方も漁業関係の方もまとまった、何かそういう水鳥あるいはハクチョウを守る会というようなものができたというように聞くんですが、そういう住民団体とのあるいは地元との連携というものをしっかり保ってこの問題に対応をしていただきたい、こう思うのですが、いかがですか。
○説明員(坂根勇君) ただいま御説明申しましたように、両県につきましては、この問題につきまして農林省といたしましては、ただいま申しましたような地域住民の方の意見の集約をしていただくように、調整していただきますようにお願いしておるところでございまして、その結果を待ちまして、ハクチョウのねぐらとしてぜひ両県からの要請がありましたならば、農林水産省といたしましては積極的にこのことに対処してまいるつもりでおります。
○本岡昭次君 そこで、環境庁として地元のそうした動きが非常に大事ですし、それを基本にしなければならぬと思います、住民の意向を。しかし、よい環境をつくると、それから環境保全という、あるものを守るということでなくって環境創造というんですか、そういう立場に立っていま論議されているハクチョウ問題をとらえていただきたいんです。そういう意味で、この彦名水鳥自然公園というふうなものを積極的に環境庁の方から打ち出すとか、あるいはまた彦名地区に鳥獣観測ステーションというふうなものをつくって、水鳥と人間、そして水鳥の生態を通して地域社会の自然を保護し、そしてより豊かなものをつくっていくというふうな形での環境庁のかかわりというものも一方重要ではないかと私は思うんですね。干拓事業を何とか中止してというふうな、農水省にしてみたら埋めたいと思っているものをやめるという立場ですよね。環境庁の方はいま言ったように環境創造という立場に立ってのそういうかかわり合いが必要ではないかと思うのですが、いかがです。
○政府委員(山崎圭君) 御指摘のお考えは全くそのとおりだと考えております。水鳥と人間との触れ合いの場といいますか、そういうものを積極的につくっていけというようなお話だったと思うのであります。 そこで、中海の問題につきましては、地元の野鳥保護の会の方々があそこのしかるべきところを水鳥公園というようなことで計画をしたらどうかというようなお話がございます。その骨子は、要するにコハクチョウのねぐらを何とか確保するということが一つでありますし、もう一つは、いま御指摘と関連いたしますが、地域住民が野鳥というようなものと親しむ、あるいはそこから自然を学んでいく、こういう場をつくってほしいというふうに私どもは理解しておるわけであります。 そこで、何と言いましても水鳥の問題につきましては、自然の中でそういう場の確保が必要である、こういうふうに考えておるところでありまして、またさらにその触れ合いの場といたしましては、観測ステーションと地元の方は言っておりますが、これは私どもの使っております言葉とちょっと意味合いが違いますが、要すれば野鳥を観察できるような場といいますか小屋といいますか、そういうものを要望されているんだと思います。ただ、この中海につきましては、先ほどのねぐらの確保というものが何と言っても先決問題だと思いますので、そこがはっきりした上で次の段階として検討してまいりたい、こういうふうに考 えております。
○本岡昭次君 もう一つの問題は中海の淡水化計画そのものが一体水質保全というふうな意味でどうなのかということなんですね。私は、前々からそのいろんな資料を読む中で、中海の淡水化計画というものは中海なり宍道湖なりこうした湖を汚れさす、汚染させる、そして児島湾とかあるいはまた八郎潟、霞ケ浦の二の舞を踏む、そういう立場をとって淡水化計画をやめるようにと、こういう主張をしてきました。 これについて去年の八月四日、この委員会で当時の原長官と論議をしましたが、そのときに原長官は、とにかく淡水化したことによって非常に汚濁が進んだ、そういう前例があるわけでございますから、そういうことを十分頭に置いて、この中海の淡水化という問題について、その影響等について十分考えて慎重にやっていかなければならない、慎重の上にも慎重でなければならぬ、こういうふうに述べておられて、農水省としてもこの淡水化の問題について十分調査を進めているわけだから、環境庁としては、農水省なり地元と十分連絡しながらそういう問題に対応していると、そして結論としていま調査が終わるまで淡水化を進めていません、こういうふうにそのときはおっしゃったわけですが、農水省、この淡水化の影響の問題についての調査はその後どういうふうになっておりますか。
○説明員(坂根勇君) 御説明いたします。 ただいまお話しのとおり、灌漑用水といたしまして中海、宍道湖を淡水化することによります環境影響につきまして、その重要性にかんがみ、各専門分野、これは水管理部門初め五部門に分けてございますが、それぞれ学識経験者で構成しております委員会、宍道湖・中海淡水湖化に伴う水管理及び生態変化に関する研究委員会と称しておるわけでございますが、こういう委員会を設置いたしまして、約二十数名の学識経験者の方々に参画をお願いし、調査研究をしておるところでございます。 その調査研究結果の取りまとめでございますが、これを取りまとめていただくべく先般五十七年度の最終委員会が開かれたわけでございますが、その取りまとめの結果のうち一部につきまして、ただいまのお話にもありましたとおり慎重の上にも慎重ということからいたしまして、さらに補足研究を行った方がいいというような部分がございまして、現在その補足研究中との報告を受けております。 農林省といたしましては、この報告を受けました後、何分内容が学問的なことでもございますし、また専門分野にわたることでございますので、この報告書の中身につきましてさらに詳細な説明を委員の先生方にもお願いすることになろうと思います。その内容を十分検討いたしまして、農林省としての報告書といたしまして、環境庁等関係の機関へも説明をした上で公表してまいりたい、こういう手順を考えておるわけです。
○本岡昭次君 環境庁として、先ほど原前長官の態度はこうであったということを私、会議録をもとにして申し上げたんですが、新しく長官になられた梶木長官としてのこの淡水化計画問題についての環境庁としての態度をここで聞かしておいていただきたい。
○国務大臣(梶木又三君) いま農林省の方から説明がございましたように、相当慎重に検討をいただいておるようでございます。しかし、私どもの方へはまだ検討結果の提示がございませんが、農林省でひとつこの淡水化の計画につきまして検討いただいた結果を提示願いましたら、私どもはあくまでも水質の汚濁が進まない、こういう基本的な方向で検討させていただきたい。従来と環境庁の態度は全然変わっておりません。そういう基本的な態度で進みたい、かように思っております。
○本岡昭次君 そこで、農水省に注文をつけておくんですが、淡水化することを前提とする調査であってはならないと私は考えます。しかし、農水省の立場は、干拓をやってそれで淡水化でその水を使おうとするんですから、淡水化することを前提としてのお話であろうと思いますけれども、淡水化することが一体いいのか悪いのかという問題の論議ですね、これをやっていただきたいと思うんです。淡水化することを前提としていろいろ条件設定じゃなくて、淡水化そのものが果たして本当にいいのかどうかと。先ほど言ったように、いままでの児島湾とか八郎潟とか、そういった失敗例というものがあるわけで、そこのところはいかがですか。
○説明員(坂根勇君) 御説明いたします。 ただいま先生のお話のございました干拓に必要な水ということは当然でございますが、この中海干拓事業と申しますのは、二千五百ヘクタールの干拓地とあわせまして周辺の七千三百ヘクタールの既耕地の灌漑排水事業を一緒にあわせて行う事業でございまして、この灌漑排水事業にも宍道湖、中海の水を農業用水として使用することにしております。 それから、ただいまのお話でございますが、先ほど申し上げましたように、農林省でお願いしております委員会におきましては、先生いまお話しの淡水化することの問題をあわせて検討していただくことにしてございますので、その節は御報告申し上げます。
○本岡昭次君 中海の淡水化の問題はいまも出ましたように宍道湖の問題にも発展をしてくるわけです。だから、いま農水省が一つの立場として堅持しておられることは、それは干拓をしてそこに新しく農地をつくる、そのために淡水化をして農業用水を確保する、あるいはまた汽水湖である宍道湖の周辺の農地に対しても淡水化することによって農業用水を供給することができる、こういう立場での論議であるわけです。しかし、淡水化したことによってそれではいままでの中海がどうなるのか、あるいは宍道湖がどうなるのか、そこにすんでいたさまざまな生物、特に魚といったようなものがどういう影響を受けるのかといった問題について、地元はだんだんとそういう問題が具体化するにつれていろんな疑問を提起しているようです。 したがって、私が農水省に注文をつけておきたいのは、この計画を立てて八百億近い投資をやって進めているんだから、もういまさら後へ引けないという形でこの問題をごり押しして、美しい中海あるいは宍道湖の風景、あるいはまた湖の持つ美しさとその湖の周辺の自然、またそこにすむ生物、またそこに住む住民、そうしたものに対して大きな悪い変化が絶対起きないという、そういうアセスというものを十二分にやっておかなければ、私は重要な、重大な問題をこれは醸し出す、こういう危惧を持っているんですが、環境庁は当然そういう立場をとろうと思いますが、農水省もいま私が言ったようなそういう問題意識をこの中海、宍道湖の淡水化について持っておられるのかどうか、くどいようですがお伺いをしたいと思います。
○説明員(坂根勇君) 本事業の着工をいたしまして相当年月がたつわけでございますが、その間に先生いまお話の中にございましたような社会情勢の変化とか人間の価値観の変化とかいろいろございます。農林省といたしましても、当初計画を確定いたしました後、それを社会情勢等の変化に合わせることなくごり押しするというつもりは毛頭持ってございません。したがいまして、現在のところ、委員会を設置いたしまして、慎重の上にも慎重を期した上で、淡水化を行うことによりましての生態系の変化等々、委員会を設置いたしまして調査等をお願いしておるわけでございまして、その結果等をも十分踏まえた上で今後の事業の推進に対処してまいりたい、かように考えております。
○本岡昭次君 最後に、環境庁長官の答弁をいただいて終わりたいと思うんですが、この中海と宍道湖の淡水化計画の問題もいよいよ大詰めを迎えようとしております。したがいまして、当委員会として視察もし、また長官としてそこを視察されたこともあり、ぜひともこの農水省の環境評価の問題について環境庁の立場から積極的にかかわっ て、過ちのないようにやっていただきたいということを要望し、それに対する長官のお考えを聞かしていただいて質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(梶木又三君) 実は、私は専門は干拓とか農用地開発とか、こういうのを専門にいたしておりまして、長い間この中海干拓の直接責任者でやってきた立場の者なんですが、いま農林省の方からお答えがございましたように、淡水化について慎重の上にも慎重というお答えがございました。これをぜひ私はやっぱりやっていただきたいと思います。 そこで、環境庁としての立場については、先ほど申し上げたように農林省から出てきましたら慎重に検討させていただきますが、これを淡水化をやめるとかいうまでは、やっぱり私どもは環境庁としてはそういうことを農林省の方に御提言申し上げるのはちょっと行き過ぎだと思うわけなんですよ。淡水化によりましてあの事業そのものが成り立っておるわけでございますから、淡水化をやめたらあの事業そのものが全部没ということになるわけですから、その目的を達しながら、かつ水質の汚濁をやらないということをいま慎重に検討されておると思うんですよ。 そこで、私はこの水の問題と離れまして、先ほどコハクチョウの問題で論議が出ましたが、私は農地つくっておった、専門にやっておった男でございますが、いまは逆に農林省の方へ自然保護やら自然との触れ合い、こういう立場からぜひひとつコハクチョウのねぐらをこしらえる方向で計画してくれと、これは頼んでおるんですよ。これは積極的にどんどんやりなさい、これをお願いしておるわけでございまして、だからあの事業全体の、新しく農地つくるだけでなくて、周辺七、八千町歩の用水不足田の改良もこれは見込んでおりますから、そういう問題とも兼ねてやっぱり総合的にひとつ考えないかぬと思うんです。 そこで、やっぱり環境庁は、それは厳重に水の汚濁、それからハクチョウが全然飛んでこなかったら困る、こういうことでは条件をつけますけれども、その辺で提示待ちまして慎重にひとつ検討させていただきたい、かように思います。
○本岡昭次君 やめようと思ったんですけれども……。 私は前から言われておったんですよ。本岡君、梶木長官は開発派だからなと、あの人は干拓し、山を削る方だから、環境庁長官として一体どういう発言するかと、そういうことで聞かされておったんですよ。最後に長官が本音を出されたので、私質問やめようか思ったんですけれども、このままやめたんではこれはどうにもならぬですよ。前提となっているのが干拓だから、農地をつくることにあるんだからと。しかし、その農地をつくる前提そのものがその当時と今とでは変わっているということについても、そうなると論議をしていかなければいかぬのですよね。そうでしょう、干拓して農地を拡大するというときと今とでは。 その他元の話によれば、新しく生まれるであろう農地と減反による農地と比べたらどういうことになるのかということ、そういう話をすると、いや日本は将来食糧不足になるかもしれへんと、自給自足の一つの体制をつくるためにいまから農地を確保しておかなきゃいかぬのやというふうな乱暴な話がその結果出るような状況でして、その当初の計画という問題についても本当に考え直すなら徹底して考えないかぬ問題が出てくるんですよ。 しかし、それはそれとして、環境庁の立場というのは水を汚してはならぬ、湖沼を死滅さしてはならぬ、美しい自然をそのまま保全しなきゃならぬということでしょう。淡水化することによって汚濁が進んで、そして過去の過ちを再びそこでまた繰り返すというふうなことになったときに、環境庁長官として農業用水は確保できたじゃないかということで済むのかという問題。だから私は、農水省の答弁として淡水化することの是非も含めて検討していると、こういうことですから、農水省はりっぱだと、こう思ったんです、それでいいと、それをやってくれと。そうすると長官が、そんなもんあんたたんぼができたら水要るやないか、それはもう既定の事実やと、こういうことを言われたんでは私は質問やめるわけにいかぬですね。ちょっといまの発言は環境庁長官としてふさわしくない、歴代の環境庁長官のいろんな苦労をあなたはいまの一言で吹っ飛ばすようなことになるんじゃないですか。
○国務大臣(梶木又三君) そうじゃないんですよ、よく御理解いただきたい。基本的な考えはあくまでも農林省のお考えに従わざるを得ないということを言っておるわけですよ。 そこで、いま本岡委員が御指摘になったように、われわれとしては水質汚濁はやはりもう絶対やってもらってはいかぬ、この立場というのは基本的な立場で、これは堅持しておるわけですよ。しかし、淡水化が即水質汚濁、これはいままでのやつは確かにそういうことはございました。そこで、いま農林省の方で御検討いただいておるのは、何とか淡水化しても水質汚濁ができないかどうか。どうしても環境庁が、われわれが条件つけるような方向で淡水化ができない、こうなれば全体的な計画の変更はまたこれは考えてもらえるでしょう、考えてもらえると思うんですよ。 だから、私の言うのは、環境庁からいま淡水化をやめろということは行き過ぎだ、あくまでも向こうの検討を待ってからわれわれはわれわれの立場としての水質汚濁という立場で検討を進める、こういうことを申し上げておるんですよ。私の方からいま直ちに農林省の基本的な計画をどうのこうのということは、いまの段階では私どもとしては行き過ぎだ、こういうことを申し上げておるわけですよ。
○本岡昭次君 いや、行き過ぎだじゃなくて、それはアセスをするのは事業を進めている農水省がやるという仕組みにいまなっていますよね、これはすべてにおいて。それなら話が一番初めに戻るわけですよ、環境庁とは一体どういう省庁なのかと。あなたは頭脳を使うんだと、こうおっしゃったですよね。まさに頭脳を使ってほしいんですよ。 あの中海と宍道湖を淡水化すれば水質の汚濁が進むのか進まないのかという問題について、そのアセスをするのは農水省だからその結論を待つということじゃ頭脳集団としての環境庁じゃないでしょう。環境庁としては専門的に、その問題はその問題として、淡水化することによっていまのような水が美しさを保てるのか、いやそうではなくって、完全な閉鎖水域になってしまって水の汚濁は進むのかというこの問題については、環境庁は専門的な立場での研究をしていって、そしていまの仕組みであれば農水省がアセスをやるんですからそれは仕方ないにして、出てきた結果と環境庁の結果が激しくぶつかり合うということでなければ環境庁なんというのは一体何なんだということになるでしょう。 あなたは初めにいいこと言われた、頭脳集団なんです、あなた方は。頭脳集団なら頭脳集団らしく科学的にその淡水化問題のもたらす結果というものを十分ここで調査、研究して、そして農水省のやってきたアセスの問題とぶつけ合う、そういうことが慎重の上にも慎重という環境庁の立場じゃありませんか。農水省がやってきたその結果を見て考えたらいいんだとか、農水省がオーケーと言ったら仕方がないじゃないかというふうな態度ではそれはだめですよ。
○国務大臣(梶木又三君) いや、私の申し上げているのはいまあなたがおっしゃることと同じなんですよ。具体的にいろいろ検討しておるのは農林省でいまやっておる。われわれはその出てきたアセス、これをわれわれがいろいろ検討して、これじゃ基本的な私どもがとっておる態度、いわゆる水質汚濁という点から見たらそれは不足だというなら条件はそれからまたつけていきますと、こういうことを申し上げておるのであって、具体的にどうするかというのは、いま検討願っているのはこちらである、こういうことを申し上げておるんですよ。それで、ましてああそうかというだけじゃございません。それにとってこれじゃまだ足 らぬじゃないかとか、いろんなことをこれから私どもはその出てきたものを踏まえて検討していく。あくまでも基本的には水質汚濁してもらったら困る。それで、いろんな方法を通じて、どんなことをしてもこれは水質汚濁が防げない、こうなったら、最終的には淡水化の可否を私どもも論じて、やめてもらうならやめてもらう、こういうことになりますよ、それを申し上げておるんです。 初めの説明がちょっと当たらなかった点もございますが、基本的な態度はあくまでも水質汚濁を起こされちゃいかぬ、こういう基本的態度はあくまでも堅持しておる、こういうことでございます。
○本岡昭次君 この辺でやめます。
○委員長(宮之原貞光君) 午前の質疑はこの程度とし、午後一時まで休憩いたします。 午後零時八分休憩 ─────・───── 午後一時二十五分開会
○委員長(宮之原貞光君) ただいまから公害及び交通安全対策特別委員会を再開いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 本日、石本茂君及び亀長友義君が委員を辞任され、その補欠として江島淳君及び遠藤要君が選任をされました。 ─────────────
○委員長(宮之原貞光君) 休憩前に引き続き、昭和五十八年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、公害等調整委員会及び環境庁を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○梶原清君 私は最初に環境影響評価法案につきまして若干お尋ねをさせていただきたいと存じます。 環境庁におきまして、環境汚染の未然防止を図るため、環境影響評価、いわゆるアセスメントに関する法制度の確立に精力的にお取り組みをいただき、大変御努力をいただいておりますことに敬意を表する次第でございます。 この環境影響評価法案は、九十四国会に提出され、すでに三年目に入ろうとしておるわけでございますけれども、地方公共団体の中には環境影響評価に関する条例とか要綱とかをつくっているところも見受けられますし、国の環境影響評価法案の成立を望む声も聞くわけでございます。このような状況を踏まえまして、本法案につきましての環境庁長官の御所信を簡単にお述べいただきたいと存じます。
○国務大臣(梶木又三君) いま御指摘のように、アセスの法案、衆議院で御審議いただいておるわけでございますが、三年目でございます。私ども環境庁としましては、公害が起きたり、あるいは自然破壊された、これはもう当然それの修復といいますか、ことにも努力しなければなりませんけれども、これは何よりも、これから将来に向けまして、長期視点に立ちまして環境行政を推し進めると、こういうことを考えますと、いま御指摘いただきましたアセスメント法案、これはもう未然に防止するための重要な法案でございます。そういうことで、これの本国会中におきます成立を環境庁としましても最重要課題といたしまして取り組んでおるわけでございます。私としましても、もう何が何でもこの国会で成立したいということで鋭意努力を重ねておるところでございます。 そういうことで、衆議院を通過いたしまして本院の方に参りましたら、ひとつぜひとも何とぞよろしく御審議いただきまして、一日も早く成立をさせていただきたい、かようにお願いをいたしておるような次第でございます。
○梶原清君 次に、最近各地で起こりつつございますいわゆるナショナルトラスト的な運動につきまして二、三お伺いをいたしたいと存じます。 最近の新聞情報によりますと、環境庁は昨年、このナショナルトラストにかわる名称、ナショナルトラスト運動を進めるのにふさわしい標語をそれぞれ広く国民に募集されましたが、過般その選考結果の発表があったところでございます。それによりますと、今後ナショナルトラストを国民環境基金運動と呼ぶことにされたと承っております。 これまた新聞情報によりますと、阿寒国立公園の自然を永久に保護するために、ある篤志家が時価百億円の山林と三億円の私財を投じまして財団法人を設立し、所有林をその財団に寄附するというお話もあるようでございます。 このようなことで、わが国におきましてもナショナルトラスト的な運動をめぐる最近の動きは次第に盛んになっているものと存ずるわけでございますが、環境庁はこれらの実態につきましてどのように把握をなさっておりますか。この点を簡単に御答弁いただきたいと存じます。
○政府委員(山崎圭君) 御指摘のように、各地におきましてナショナルトラスト的な運動が起こっております。しかし、全国的に見ますると、芽生えといいますか初期的段階にある、かような認識を持っているわけでございます。 現在、一般にそのような運動としてとらえられておりますもののうち幾つかお示し申し上げますと、まず北海道の斜里町が主体となって推進しております知床の国立公園内百平方メートル運動と呼んでおります、そういう運動が一つございます。それから、和歌山県田辺市におきまして、住民団体が天神崎を守る、こういうことで、天神崎市民地主運動という運動が起こっております。あるいはまた、文化財的な意味では、長野県の南木曽町及び「妻籠を愛する会」というのが進めております妻龍町並み保存運動というようなものが挙げられます。あるいはまた、岡山県が主体となって推進しております吉備文化の郷土づくり、こういう運動がございます。また、御指摘の北海道阿寒国立公園内の山林所有者が善意によりまして財団法人をつくる、そしてその財団によって約四千ヘクタールの山林の保全をやっていこう、こういうことでございまして、これまた広い意味でナショナルトラスト的な運動として挙げることもできようかと、かような実態にございます。
○梶原清君 ただいま御答弁いただきましたように、各地で多くの市民の皆さんがナショナルトラスト的運動に参加するようになってきておるわけでございますけれども、こうした動きはわが国の自然を守っていく上で基本的に望ましいことと私も存ずるわけでございますけれども、環境庁はこれにどのように取り組もうとしておられますのか、長官の御所信を承りたいと存じます。
○国務大臣(梶木又三君) いま梶原委員仰せのとおり、ナショナルトラストのような方式で、市民参加によりまして国民的な広がりをもって自然保護といいますか、こういうことが行われることは私どももう大変重要だ、こういうことで、いま局長の方から答弁申し上げましたように、ぼつぼつそういう兆しが出ておるわけでございまして、これをどんどん伸ばしていきたいという気持ちも持っております。 そこで、具体的にどういうふうにやるのが一番いいかということで、環境庁の中に研究会をつくりまして、林修三先生に座長といいますか、になっていただきましてナショナルトラストの勉強をやっておるわけでございますが、ナショナルトラストというのは、これはちょっと舌が回らぬぐらいなじみが薄い言葉でございますから、先ほど梶原委員仰せのとおり、われわれ募集いたしまして、「国民環境基金」、こういう名称をこの間選択いたしまして、これに基づいて今後進めていきたい。 御参考までに、この愛称とともに標語の募集もやりまして、標語では「ひろげよう 自然を守る輪 寄金の輪」と、これを多数応募いただいた中で私ども選定いたしまして、これがいいなということでその標語と、それから愛称は「国民環境基金」という愛称でこれからひとつ国民的な広がりをもってやっていこうと、こういうことで積極的な方針をとっておるわけでございます。
○梶原清君 大変積極的な取り組みをしていただいておりまして心強い限りでございますが、先ほども御答弁ございましたように、環境庁の中に研究 会を設けて各方面からの検討を進めているという御答弁でございました。このナショナルトラスト運動は、国民各位の美しい環境を守るという心の発露のみに任せるのではなくて、行政側においても基本的な方向を定めて、国民と一体となって適切な施策を展開していくということがきわめて重要であると存じます。それによってこそ初めてわが国におきましてもナショナルトラスト的運動が普及定着していくものと存ずるわけでございます。 その意味におきまして、環境庁が研究会を設けて、わが国情にふさわしいナショナルトラストのあるべき姿について研究を進められているということはまことに結構なことでございまして、その御検討状況等につきまして御答弁いただければありがたいわけでございます。
○政府委員(山崎圭君) ナショナルトラスト研究会につきましては、趣旨としましてわが国の国情、実情に適したナショナルトラストのあり方について検討していただく、こういう目的で、ただいま大臣からお話し申しましたように、林修三先生を座長にいたしまして、そのほか行政法、民法、税法等の各分野の専門家に集まっていただいて過去七回検討を続けております。 これまでにおきまして、発祥の地でありますイギリスのナショナルトラストを文献等によって調査研究をしていただきましたし、あるいは翻って日本では、先ほど御紹介申し上げました知床百平方メートル運動等、わが国のそういうナショナルトラスト的な運動についての実情を把握するために、活動実態のヒアリングを行ったり、あるいは現地視察等も行っております。 そのようなことで、この運動がわが国に普及定着をする、こういうことをもくろみまして、わが国においてこの運動がうまく根づくような、そういうことを期しまして運動を実際に進めていく場合の問題点等をいま洗っている、こういう状況でございます。
○梶原清君 最近の世論調査を見ましても自然保護に対する国民の関心の高さがうかがえるわけでございますし、自然保護の活動に積極的に参加したいとお考えになっておられる方が非常にたくさんになってきておるようでございますので、環境庁としてこのナショナルトラスト的な運動の推進のために積極的にお取り組みいただくことを重ねてお願いを申し上げる次第でございます。 引き続きまして、緑化運動につきまして総理府さんにお尋ねをいたしたいと存じます。 中曽根内閣は、国土の緑化にも施策の力点を置き、総理みずから中心となって植樹運動を呼びかけられておるわけでございます。去る三月一日には、緑化対策を積極的に推進するため、政府部内に緑化推進連絡会議を設置されたと承知をしておるわけでございます。この連絡会議がどのような構成になっておるのか。また、どのような方向で、どのような方策を検討していかれるのか。これにつきましてお尋ねを申し上げたいと存じます。
○説明員(照井利明君) 御説明申し上げます。 政府といたしましては、これまでも関係省庁におきまして各般の緑化政策、緑化施策を鋭意推進してまいったわけでございますが、先ほど先生おっしゃいましたように、このほど中曽根総理の御提唱もございまして、また緑化政策が大変重要であるという観点から、関係省庁の緊密な連絡を図りまして、より一層総合的かつ効率的な施策を推進する目的を持ちまして、先生おっしゃいましたように三月一日の閣議におきまして緑化推進連絡会議を設置いたしたわけでございます。 この緑化推進連絡会議は、総理府総務長官を議長といたしまして、総理府総務副長官を副議長とし、関係省庁の局長クラスの方々に構成員となっていただいている会議でございます。 この連絡会議は、三月四日に第一回の会合を開いておりますが、その際今後の進め方の基本方針といたしましては、従来からの施策をより総合的かつ効率的に推進するということとあわせまして、民間の力をより一層活用する方策を講じていこうという基本方針を決定した次第でございます。現在、この基本方針に即しまして、関係省庁の課長クラスで構成いたします幹事会のレベルで具体的な作業を進めている段階でございまして、できるだけ早い時期に具体的な施策を決定していきたいというふうに考えている次第でございます。
○梶原清君 この運動との関連があるのかとも存ずるわけでございますが、政府部内で新たな国民の祝日として緑の日を制定することも御検討いただいておるように聞くわけでございますが、この点につきまして簡単に御答弁をお願いいたします。
○説明員(照井利明君) 祝日の問題でございますが、新たに祝日を設けることにつきましては、いろいろ検討すべき問題があろうかとは思っております。たとえば現在祝日がすでに年間十二日となっておりまして、先進諸国並みになっているわけでございます。それからまた、祝日を設けるということになりますと、国民生活や経済活動、いろいろな面に影響があろうかというふうに思っております。したがいまして、これにつきましては国民世論の動向をよく見定める必要があるのではないかというふうに考えております。「花と緑の日」ということで、自由民主党において、これを休日とすることにつきまして、国民各界の共感を求めていく運動を展開するというふうにお聞きしているわけでございますが、私どもといたしましては、この運動の展開や、先ほど申し上げましたような国民世論の動向を十分見守って対処していきたいというふうに考えている次第でございます。
○梶原清君 それでは次に、地球的規模の環境問題につきまして御質問を申し上げたいと存じます。 わが国における環境汚染は、政府、地方公共団体、国民が一体となった努力の結果、かつての危機的な状況を脱し、公害の防止に一応の成功をおさめることができまして、国際的にも高く評価をされているところでございます。しかし、環境問題は国境を超えて相互に関連しているわけでございまして、大気や海洋などをきれいにするためにも、一国だけの努力ではおのずから限界があるわけでございます。特に、原油、木材、鉱物、食糧などの資源の多くを海外に依存いたしておりますわが国といたしまして、 〔委員長退席、理事本岡昭次君着席〕 最近とみに深刻化している森林の減少、砂漠化、土壌流出、あるいは酸性雨等々といった地球的規模の環境問題を見過ごして済ませることができないわけでございます。環境庁長官は、先日の当委員会で、地球上の緑の減少を初めとする地球的規模の環境問題につきまして、国際協力の観点に立って積極的に対応を進めていくことが必要であろう、このように表明されましたが、具体的にどのような対応をなさっていくのか。この点につきましてお伺いをいたしたいと存じます。
○政府委員(加藤陸美君) お答え申し上げます。 先生まさに御指摘のとおり、地球的規模の環境問題といいますものにつきましては、相当関心も高まってきておりますし、またその必要性も大変重要な問題であると思います。環境庁といたしましては、この問題に関する懇談会を設置いたしまして、その御意見を踏まえまして具体的な方策も考えていっておるわけでございます。 その御報告の中はるるございまして、過去二回にわたって報告書をいただいておるわけでございますが、その御報告の具体的な内容も踏まえまして、まず国際的な問題でございますので、UNEP等の国際機関に対しまして本問題への取り組みの促進を働きかけるという努力、それから関係国際会議、たとえばOECDでありますとかあるいは先進国首脳会議でございますとか、こういう国際会議の場において、本問題に取り組むわが国の積極的な姿勢というようなものを示すように努力もしていただいておるわけでございます。一方、国内におきましては、この問題の重要性につきまして国民の皆様の理解を深めるべく広報活動に力を注いでいるところでございます。 こうした中で、特に昨年の五月、ナイロビにお いて開催されましたUNEPの管理理事会特別会合におきまして、わが国の提案によりまして、わが国から言い出しまして、本問題を、地球的規模の環境問題を長期的かつ総合的視点から検討する特別委員会、環境の特別委員会を設置すべきという点につきましての審議が行われるなど、着々とこの問題への取り組みが進められておるわけでございまして、今後ともこうした活動を積極的に進めてまいりたいと思っております。
○梶原清君 これに関連をいたしまして、中曽根総理大臣は去る九日の本院予算委員会で、先ほどお話のございました特別委員会について相当額の資金協力を行う考えを明らかにされたところでございます。どのような資金協力なのか。こういうことにつきまして外務省さんから御答弁をいただきたいと存じます。
○説明員(野口晏男君) お答え申し上げます。 いまお話がありましたUNEPの環境特別委員会の設置でございますが、この問題につきましては、各国の設置についての合意が得られますように、非公式協議等の場を通じまして鋭意わが国として努力中でございます。この環境特別委員会が設置される見通しにつきましては、現時点でははっきりした見通しは立てにくいという状況にございます。したがいまして、先ほど御質問のありました協力ぶりにつきましては、五月のUNEPの環境計画管理理事会におきます審議の結論を見きわめました上で検討していきたい、こういうように思っております。
○梶原清君 重ねてこの問題につきまして外務省さんにお尋ねをいたしたいんですが、この特別委員会の設置につきましての提案に対して、アフリカの数カ国は、この委員会の設置よりも先進国はまず水道設備とか砂漠化の防止などの緊急対策への援助を優先させるべきだということで反対をいたしておりまして、これが特別委員会の設置を妨げる一つの要因になっておるように承っておるわけでございます。このようなアフリカ諸国の要求に対してどのようにこたえていかれるのか。こうした問題についてお尋ねをいたしたいと存じます。
○説明員(野口晏男君) わが国は、これまでアフリカ諸国など開発途上国の環境問題の解決のために、国際協力を国連環境計画――UNEP等の場を、委託機関を通じまして行ってきておりますが、それ以外にも開発途上国のニーズに対応いたしまして、環境保全に資する二国間経済技術協力を実施してまいってきております。わが国としましては、開発途上国の環境保全が先進国を含めました人類社会の均衡ある発展にとって不可欠であるという地球懇の提言がございますが、これを踏まえまして、今後ともこうした協力を積極的に実施してまいりたいというふうに思っております。
○梶原清君 次に、酸性雨対策につきまして若干お尋ねをいたしたいと存じます。 森林の枯死や湖沼生物の死滅の原因になるとして欧米諸国では酸性雨が問題になっているように存じますが、わが国でも環境庁が酸性雨対策検討会を発足させて対策に乗り出すことになったように承っております。 そこで、酸性雨の生成及び被害発生状況につきまして現在承知しておられますこと、それから対策検討会でどのような調査研究を進めておられるのか、また今後進めていかれるのか。こうした点について簡単に御説明を願いたいと存じます。
○政府委員(吉崎正義君) 酸性雨問題でございますけれども、御指摘のございましたように、北米、ヨーロッパ等では国際問題になっておるほどの問題でございます。わが国におきましては、昭和四十八年から五十一年にかけまして酸性雨によると思われる目や皮膚の痛み等の被害の訴えがございました。特に昭和四十九年には三万人を超える人から被害の訴えがございました。しかしながら、その後はそういう訴えがございませんでしたのですけれども、昭和五十六年には数年ぶりに群馬県で数人からの同種の訴えがあったところでございます。 酸性雨に関しまして現在までの知見でございますけれども、これは定量的にはかなりわかっておりまして、大気中に排出されましたところの二酸化硫黄でありますとか窒素酸化物が大気中でそれぞれ硫酸イオン、硝酸イオンに変換をされまして、それらが雨水の酸性化に大きく関与しているということでございますけれども、これらの物質が大気中でどういう条件のもとでそういうことになるのか、また生成量等、定性的にはまだ未解明でございます。 現状といたしまして、現にかなり酸性度の高い雨水が観測されておりますところから、今後のエネルギー情勢の推移等を考慮いたしますると、十分な注意を要する状況にあると考えておるところでございます。そのために、昨年九月に酸性雨対策検討会を設けまして、現在内外における知見の収集整理等を行っているところでございます。さらに、昭和五十八年度からは本格的に酸性雨についての調査研究を実施することといたしておりまして、その結果を踏まえまして必要な対策を検討してまいりたいと思います。
○梶原清君 公害防止の対外協力という関係で二点お尋ねをいたしたいと存じます。 環境庁は、公害防止先進国としての経験を生かして、トルコのアンカラの大気汚染防止対策に全面協力されることになったようでございます。これは環境外交の一環として世界の平和と安定に寄与するものと大いにその成果が期待されるところでございますが、その技術協力の概要についてお尋ねをいたしたいというのが一つの点でございます。 それからもう一つは、ギリシャのアクロポリス神殿遺跡の保存対策に関連をいたしまして、当事国から専門家派遣の要請を受けておるようでございますけれども、この問題がその後どうなっておるか。 この二点につきまして環境庁さんかあるいは外務省さんかでお答えをいただきたいと存じます。
○説明員(木幡昭七君) お答えいたします。 トルコのアンカラの大気汚染防止対策の御質問でございますが、本件は、トルコ政府の要請に基づきまして、わが方の国際協力事業団を通じました政府ベースの技術協力の一環といたしまして、アンカラ市大気汚染に関しまして、汚染の状況であるとかあるいは現行の汚染対策とその効果等を調査して、今後の汚染対策を策定するということを内容とするものでございます。そのためわが方といたしましては、まず既存データの収集、さらには先方の協力要請の背景、内容等を確認いたしますために先般調査団を派遣したところでございます。今後は、この調査団で集めましたデータ等を分析いたしました上で、具体的な協力内容につきまして引き続き先方と協議をしてまいりたいと考えております。 それからお尋ねの第二点でございますが、ギリシャ政府からの大気汚染への専門家派遣の点でございますが、これは五十七年十一月一日より五日までアテネにおいて大気汚染セミナーが開かれまして、わが方からは加藤環境庁大気保全局大気規制課長が出席されましたので、詳しい内容は環境庁の方から御説明させていただくことにいたします。
○政府委員(吉崎正義君) ギリシャのアテネにおきますところの大気汚染は、一九七〇年代の初めごろから問題化してきておるところでございます。先ほど御説明がございましたところのアテネの大気汚染対策を検討するためのセミナーでございますが、日米英豪、WHOから参加をいたしまして討議の結果、アテネの大気汚染防止対策を検討いたしまして、一連の勧告を作成したところでございます。 その主要項目は、行政組織の拡充、工場、自動車等に対する法規制の必要性、車検の実施、ガソリンの無鉛化推進等でございます。ギリシャではその後このセミナーの勧告を踏まえた大気汚染防止対策を昨年の十二月十三日に発表しているところでございます。 なお、お尋ねにございましたアクロポリスの件でございますけれども、このセミナーとは直接関 係がございませんが、大気汚染や酸性雨によりましてアクロポリスにあるパルテノン神殿等で表面が腐食崩壊するという被害が表面化いたしましたために、ギリシャ政府ではユネスコの協力も受けまして数年前からその保存策について調査検討を行っておるところでございますが、その結果現在では、神殿内に置いてある彫像等でもって移動可能なものにつきましては博物館に移す、それから浸食の進みそうな大理石の表面には薬品、珪酸ソーダを塗布いたしまして大気汚染による浸食に対する一種の防護膜をつくる、こういう対策を行っておると聞いておるところでございます。 それから、先ほどちょっと失礼いたしまして、酸性雨のお答えの中で、定性的と定量的をちょっと間違いました。定性的にはかなりわかっておるのでございますけれども、定量的にはまだわかっておらない。訂正させていただきます。
○梶原清君 実は、ことしの一月下旬に、当委員会が大阪府、兵庫県下における公害及び環境保全の対策の実情調査を行っていただいたわけでございます。その際に、大阪国際空港の周辺対策の実情をつぶさにごらんをいただきまして、その報告はすでに当委員会でなされておるわけでございます。御内案のとおり大阪の飛行場の周辺対策、これは毎年五百億、六百億の予算を投入いたしまして民家の防音工事、民家の移転、土地の買い取り等を進めておるわけでございます。その実情は先生方十分ごらんをいただきました。 ところが、この報告書にもございますように、民家の移転あるいは土地の買い取りというのは申請主義でございまして、その土地に住んでいる人からの申し出に基づいて土地の買い取りをし、民家の移転補償をするということでございますので、おのずから限界があるわけでございます。中には地主、借地権者、たな子等の複雑な権利関係の中で交渉がなかなかうまくいかないというような実情にもございます。移転補償をいたしましたその跡地が点々としてあるわけでございますが、その跡地管理が非常にむずかしい。フェンスを張りまして中を整地しておるわけでございますけれども、あの辺特有のセイタカアワダチソウというのがすぐに生えてきます。雑草が生え、害虫が発生する。犬、猫がたむろするというようなことで非常に困る。また、点々として空き地があきますので、それを集約して有効に使うということもできない。 こういうような非常に苦しい立場になっておるのが今日の実情でございまして、航空機の騒音被害を受け、さらにこの移転がどんどん進んでいくことに伴う第二次災害といいましょうか第二次公害といいましょうか、こういうことを訴えられる声が非常に大きいわけでございます。仮にいままで百戸ありました集落が五戸抜け、十戸抜けいたしてまいりますと住環境が相対的に悪くなっていく。いままでそこで商売をなさっておった方、小売商をやっておられた方の営業がうまくいかなくなってくる。営業を補償してくれ、こういう声がありましてもなかなかそれに対応できないというのが偽らざる実態でございます。じゃ、それをどうしたらいいのかということで、実は私も運輸省に長くおりました間、飛行場問題と取り組みまして大変苦労をしてまいった経験を持っておるわけでございます。 そこで、私が一つの仮定の話で申し上げたいと思うわけでございますが、たとえば東北新幹線の大宮から以南、上野、東京とそこへ乗り入れてくるわけでございますが、それが乗り入れてきますときにはやはり地元で環境問題が当然持ち上がってまいります。線路の両側に十分なグリーンベルトをつくれという要請が出てくるのが自然でございます。かといいまして、現在の破産状態にあります国鉄が新幹線の両側に二十メートル、三十メートルものグリーンベルトをつくるということはとうてい至難なことである。仮に百歩譲りましてグリーンベルトをつくりましても、そこは国鉄の用地になりますので、これは周辺の人が中へ入り込むことができない。楽しむことができない。そこに木を植えましてもどうしても雑草が生える、犬、猫がたむろする、害虫が発生するということになってしまうのが落ちでございます。 そこで、私が考えておりますのは、この新幹線の環境対策と同時にそこを東京都なりどっかが都市公園をつくっていただく。計画の段階からそれをうまく調整いたしまして、新幹線の周辺対策、環境対策、それから都市公園をつくって都民の憩いの場所にする、一つの土地を二重に、多目的に使っていくという知恵があってしかるべきではないだろうか、このように思っておるわけでございます。 〔理事本岡昭次君退席、委員長着席〕 今日、新幹線とか飛行場とか、そういう広域的に必要な基幹交通施設、これはそれぞれの起業者が自分で鉄道をつくり、空港を設置いたしております。その周辺対策も同時に同じ人がやっております。同じ国鉄なり、航空局、飛行場の関係の者がその飛行場をつくってその対策も同様にやっておる。そこに私は非常に無理があるんではないか。それで、計画の段階からその起業者を中心として、政府全体が寄りまして、大蔵省、国土庁、環境庁さん、運輸省、関係各省庁が寄って計画の段階からうまく調整していくことによってこれを円滑にスムーズに進めることができる。また、環境対策としても十全を期することができる。これが私の七年間飛行場問題で苦労に苦労を重ねてきた結論でございます。 御案内のとおり用対連というのがございまして、用地買収をしますときの補償の基準につきましては各省統一のものがございます。しかし、私の訴えたいと思いますのは、こうした広域的に必要な基幹交通施設、あるいはそのほかのいろいろ大きなプロジェクトがあろうと思いますけれども、こういうものにつきまして、その起業主体がもちろん空港とか新幹線をつくるわけでございますが、その周辺対策を各省が寄って事前に打ち合わせをし、うまく調整してやっていくという姿が望ましいのではないだろうか、こう考えておるのが今日の私の心境でございます。 これは言うべくしてなかなかむずかしいことだと思いますけれども、ぜひこういう方向で政府一体となってのお取り組み、これを心から願い祈っておるわけでございまして、国務大臣として、また防衛庁長官として若干のもし御感想を承りますなら幸せでございます。その御答弁をいただきまして私の質問を終わらせていただきたいと思います。
○国務大臣(梶木又三君) 私は環境庁長官でございます。防衛庁長官ではございません。(笑声) 梶原委員が長い間運輸行政に直接タッチされまして、そこから生まれ出てきた本当に貴重な御意見だと私は思います。いまの御意見を拝聴いたしまして、私も大変勉強になることが多かったと思いますから、これを生かしまして、それぞれの立場立場もございますけれども、今後大きな計画を推し進めていくときに、やっぱり環境保全といいますか、冒頭御質問がございました環境アセスなんかも踏まえまして、いまの貴重な御意見を参考にいたしまして、政府一体となって大きな問題に取り組むときにはいまのお話のようなことで進めてまいりたい、かように考えます。本当に貴重な御意見ありがとうございました。
○梶原清君 ありがとうございました。終わります。
○小平芳平君 いままでの質疑の中でちょっと気のついた点、気にかかる点を一、二尋ねておきたいと思います。 まず第一に、環境影響評価法制度をつくろうというわけで環境庁が衆議院に提案をしている、しかしいまだに進んでいないということ、それは承知しておりますが、環境庁長官は何が何でも成立させたいというその何が何でもという意味は、どういうことをお考えの上で何が何でもとおっしゃっているのか。この環境影響評価制度は許認可にも関係しますけれども、手続がいろいろ定められることが多いと思います。したがって、第一にその前提となる対象事業、まあ手っ取り早く言えば電源開発、発電所をどうするというようなこと があるわけです。それから住民参加の方法とか、いろんなそういうことがあります。それで、そういう内容をいま論議しようとは思わないのですが、そういう手続の段階ではいろんな意見があり得るわけです。そのいろんな意見があるところに環境庁の提案がなされても、非常に反対意見も強いということも御承知のとおりだと思います。 そこで、何が何でもというのは、そういうことは話し合いの上で解決しようとなさるのか。それとも、そうじゃなくて、何が何でも環境庁提案どおり通そうというお考えなんでしょうか。その辺をお伺いいたします。
○国務大臣(梶木又三君) まず、いま何が何でもというのは、これは強く決意をいたしておるという表現で申し上げたわけでございまして、環境庁だけが幾ら気張ってみましてもこれは上がるものではございませんので、いま衆議院あるいはまたこちらに参りましたら参議院の議員の先生方に私どもお願いをして上げたいという気持ちをああいう言葉で申し上げたわけでございまして、環境庁としましては、先ほど申し上げましたように、当面すぐ最重要課題として、環境行政の本年度の最重要行政としましてアセスの成立に置いておると、こういう意味でございます。 それから、いま小平委員からいろいろお話のございました点、また細部にわたりましては政府委員から答弁させますが、いろいろ各方面の御意見のあることも承知いたしておるわけでございますが、それをまたいまも先生がおっしゃいましたようにとやかくここで議論しておりましても、あの法案がいま御審議いただいておるわけでございますので、私どもとしましてはあれが最善のものだとは申し上げませんが、とにかく一歩も二歩も前進できる法案だと、環境行政につきまして一歩でも二歩でもあるいは三歩でも前進する法案である、こういうことでお願いをいたしておるわけでございますので、原案どおり成立させていただきたい、かように考えておる次第でございます。
○小平芳平君 わかりました。 それから次に、これも午前中に出た問題ですが、湖沼環境保全対策についてですが、この湖沼問題も当委員会で取り組んだ経過等は午前中にお話が出ましたので繰り返しませんし、また政府も、何回かの委員会でずっと検討中とか精力的に進めているとか、そういう答弁も従来なされてきたわけですから繰り返していただく必要はないのですが、強いてことしの今国会の変わっている点は、中曽根総理から湖沼対策を強化するようにという指示があったというような点が変わっている点と言えば情勢が変わった、情勢の変化があったと言えば言えるんじゃないかと思いますが、しかしその指示も大体午前中に出た程度のお話なのか、それとも実際の効果のある指示があったのか。 たとえば緑化運動とかいろいろの指示があったように報道されておりますが、そういう希望を総理大臣が言っていたという程度の指示なのか。それとも実際の通産省はこうして協力すべきだというような指示があるのか。その点はいかがでしょうか。
○国務大臣(梶木又三君) 具体的にどうせいこうせいという指示ではございませんが、午前中も申し上げましたように、湖沼のいまの水質汚濁の状態、これはもう大変深刻な状態でございますから、総理としても、とにかくいまの湖沼のままじゃだめだ、これを何とかしなきゃならぬ、こういう指示でございます。 細かい点につきましては政府委員の方から答弁させます。
○政府委員(小野重和君) ただいま大臣から御答弁ありましたように、具体的な湖沼法の内容についてああこうと、こういう御指示ではございません。湖沼対策を促進するようにということでございます。関係省と未調整の部分がありますが、関係省も法案自体に反対と必ずしも言っているわけではなくて、具体的な内容についての議論でございます。そこで、今回は総理の御指示もありますので、私ども関係省と未調整の部分について何としてでも調整したいというふうに考えていま折衝中でございます。
○小平芳平君 役人としまして長年おやりになっている経験を踏まえて、今回は特別そういう馬力がかかると思いますか。それとも、まあそれほど変わりはないと思いますか。
○政府委員(小野重和君) これはもう三年目でございますが、今回は何としてでも国会提案まで持っていきたいということで、まさに三度目の正直というつもりでやる覚悟でございます。
○国務大臣(梶木又三君) いま局長答えましたように、私もいつまでもこのままほっておいてはいかぬと、ひとつ成案を得て提案しろということを強く指示をいたしておるところでございます。
○小平芳平君 次に伺いたいことは、自動車による交通騒音の実態調査が昨年の十二月に発表になっておりますようでありますが、自動車による交通騒音というのは対策もむずかしいのですが、実際の効果も非常に上がってない、こういうふうなことでしょうか。
○政府委員(吉崎正義君) 自動車による騒音につきましては、これまで単体規制と言っておりますけれども、自動車そのものから出る騒音を規制することと、それから道路の構造を改善するというその他の対策とあわせて行っておるところでございます。 単体規制につきましては、どこの国と比べても遜色のない厳しい規制をやっておるところでございます。ですけれども、御指摘にもございましたように残念ながら沿道の騒音の環境基準の達成率は横ばいの状況でございます。ですけれども、その間におきまして、自動車の保有台数及び走行距離それから燃料使用量、こういうものは伸びておりますから、悪化は防止をしておる、こういうことが言えるのではないか、一定の効果をあらわしておるのではないかと考えておるところでございます。 しかし、悪化を防止するだけではもとより不十分でございまして、現に交通公害、深刻な状況にございますので、物流とか土地利用とか、そういうところまでさかのぼって総合的な対策を講ずる必要があるという考えで、現在中央公害対策審議会におきまして御審議をお願いしておる、こういう状況でございます。
○小平芳平君 特に住宅地あるいは夜間における騒音については格段の対策を要請したいと思います。 次に、昨年八月の当委員会で開業して間もない東北新幹線の騒音問題について質問したのでありますが、その新幹線の騒音についても環境基準を上回っているということがこの段階でもはっきりと指摘されているわけです。 それで、いろんな調査がありまして、環境庁の委託調査、国鉄の調査、それから通過するところの自治体による調査というふうに調査がなされております。これはもう一々とても挙げるだけの時間の余裕はないわけですが、要するに手っ取り早く申しますと、開業時において八十ホンを上回らないということが基準だったと思うんですが、しかし開業した段階でなおかつそれを上回っているというのはどのくらいありますか。それをわかる範囲で御説明願いたいと思います。
○政府委員(吉崎正義君) お話にもございましたけれども、東北新幹線の開業後の騒音と振動の状況を把握いたしますために環境庁といたしましては関係県に調査を委託して調査しておるところでございますけれども、第一回目の調査、これは開業直後でございましたが、その調査におきましては二十地点中六地点で八十ホンを超えておったわけでございます。また、第二回目の調査、十月から十一月につきましては二地点減りまして四地点で八十ホンを超えておりました。 なお、この八十ホンを超えた四地点につきましては、第二回目の委託調査以降、関係県が調査をしておりますけれども、吸音材の追加施工等の対策が実施をされまして、その後の県の調査によりますと八十ホンを超えた地点は二地点になっております。ですけれども、超えております二地点の 区域内には住宅がない、こういうことでございまして、私どもの委託いたしました調査の時点では、東北新幹線につきましては、初回の調査時点で超えておったところにつきましては当面の目標でありますところの八十ホンは超えることがなくなった、このように考えております。
○説明員(深田彰一君) 国鉄の方からお答えいたします。 いま環境庁の方から御答弁いただきましたとおり、東北新幹線、昨年六月開業直後には六カ所ほどございました。ところが、いま結論的に申しますればそれはゼロになっております。その対策としまして、吸音板の張りつけ、それからレールの研磨等を行いましたのと、開業後車輪とレールとのなじみができました等の原因によるものと思いますが、現在の時点におきましては、しかしその他に線路より高くてかつ接近した場所のアパートの上層部であるとか、切り取り部分の上層部であるとかというふうな限定された個所が数カ所、数棟残っておると計算しておりますが、まだそのレール研磨等の対策を全線にわたって行っておりますので、正確な数は把握し切っていない状況でございます。
○小平芳平君 それでは、現時点では仙台市の調査なんかでもずいぶん八十ホンを超えている結果が報告されておりますけれども、これらは全部環境基準内に入りましたか。
○政府委員(吉崎正義君) 委託調査をいたしました二十地点につきましては先ほど申し上げたようなことでございますけれども、全部の地点において入るかどうか、ただいまの仙台のどの地点か、私ども把握しておらぬ部分もあろうかと存じます。
○説明員(深田彰一君) 国鉄におきましては、開業後半年以上たちましたので、数百カ所実は測定いたしまして、その結果ほとんどの個所で八十ホンを上回っていることはございませんが、先ほど申し上げましたとおりきわめて限定されました線路に近接してかつ線路面より高いアパートの上層部というふうな個所が数戸ないし数十戸残っておるであろうと、測点数ではございませんで戸数としまして。そういうふうに現在想定しております。
○小平芳平君 要するに、西中田七丁目とそれから太子堂です。
○政府委員(吉崎正義君) 関係県に委託するに当たりましては、線路の曲がりぐあいでありますとか、周辺の状況でありますとか、新幹線の騒音の状況をいろいろ研究するのに代表的な地域ということで県に委託をしておるわけでございますが、ただいま御指摘のございましたような地点につきましては私ども把握をいたしておりません。
○説明員(深田彰一君) 私どもの調べでは残念ながら仙台市の一部にそういう八十ホンを超えるものがあるという記録がございますが、御指摘の地名かどうか判然とする資料を手元に持ち合わせてございませんので、また別途御説明に上がりたいと思います。
○小平芳平君 これは調査してないということですから申し上げますけれども、私たちが公明党として直接調査をした結果八十二ホンというのがあるわけです。それから、時たまたま列車がすれ違う場合があるんですね。その場合は八十五ホンとなるんです。ですから、これはどうしてこういうことになったか。市営住宅なんですね。わざわざ新幹線が通る、そこに市営住宅が建っているわけです。何棟も建っているわけです。だから、ここを調査しないというのもちょっとおかしいと思うんですが、その市営住宅で私たちが調査した結果は八十二とか八十五という結果が出ているんです。 ですから、そういう意味ではずいぶん環境庁も国鉄当局も、こうした四階建てくらいの市営住宅の住宅密集地、こういう住宅が、ぱらぱらの地域じゃないところが落ちているというのはいかにもずさんとしか言いようがないじゃないですか。両方から御答弁を願いたい。
○政府委員(吉崎正義君) 確かに問題の個所が私どもの委託調査では落ちておったわけでございます。先ほども申し上げましたように、いろんな意味で代表的なところということで委託をしておったわけでありますが、ずさんであったというおしかり、これは確かに落ちておったわけでございますから、今後なお研究してまいりたいと考えております。
○説明員(深田彰一君) 先ほど申しましたとおり手元に資料を持ち合わせてございませんが、私どもは相当細かくはかってございますので、御指摘の個所はおっしゃるようなことになっていることを把握していると思います。ただ、すれ違いの件のお話がございましたが、これは環境庁様の告示にもありますように、通過する二十本の列車をとりましてその上位十本をということでございますので、一本単位でいきますと、たとえば列車の車輪のいびつなものがあるとか、お客の乗りぐあいの多少があるとかということで、もともとでも若干の振れはございますし、おっしゃるようなケースもありまして、それを平均して測定するというルールになってございます。そういう測定値の結果何ホンと申しているのが実態でございます。
○小平芳平君 これから列車がますますふえるわけでしょう。ますますというほどふえるかどうか、とにかく新幹線の本数がふえるということが考えられますね。そうなると交差する場合もふえるし、騒音も回数がふえるわけです。それから列車をスピードアップするということも発表になっておりますですね。そうなると、速度とそれから騒音との相関関係、これは速度が速くなれば騒音も高くなるというふうになりますか。なるとすれば、ここにまたもう一つ問題があるわけです。いかがでしょうか。
○説明員(深田彰一君) いま先生お話しのとおり、東北新幹線、上越新幹線はもともとは二百六十キロを最高速度として十四年前に計画されたものでございます。それで、当面は最高速度二百十キロで走行してございますが、これを飛行機との競争関係による収入増等を配慮しまして二百三十キロの試みはございます。ただし、いまそれによりましてどの程度お客様がふえていただき、収入が増すのか、また一方動力費がどうなるのか、はたまた先生御指摘のような騒音がどうなるのかというふうなことを検討すべく試運転列車を走らせるということを内部で検討中の段階でございまして、騒音等の問題はその結果明らかになることと思いますが、いま現在はパンタグラフをいま走っております車両よりは半分にいたしまして、そういたしますれば計算上は二百十キロで走っておりますものに対しまして騒音は増加がないというふうな対策をとって進めてまいりたいと考えております。
○小平芳平君 そういう検討をなさっていらっしゃる段階だとすれば、私はそういうことを指摘しておくだけで次へ進みます。 次に、いまお話しなさっている騒音測定は地上一・二メートルの地点で測定しているんですか。全部の調査結果のその調査方法としましては地上一・二メートルでやっているんですか、環境庁。
○政府委員(吉崎正義君) 新幹線鉄道騒音に係る環境基準についての告示によってやっておるわけでございますが、「測定は、屋外において原則として地上一・二メートルの高さで行うものとし」と、こういうふうに定められておるところでございます。
○小平芳平君 長官、新幹線ははるかに高いところを走っているんです。ですから、騒音測定を地上一・二メートルというまあある程度の高さ、そこではかれという告示がどういう意味なのか局長に御答弁願いたいんですが、なぜ一・二メートルではからなきゃならないんですか。むしろ先ほど申しました市営住宅なんかは四階建て、ですから三階にも四階にも人間が住んでいる。それから、その辺こそ線路と相対しているところもあるわけです。ですから、そういうふうに列車が通る、三階、四階、五階で騒音被害を受ける。しかし測定は一・二メートルでやっている。そういうことじゃおかしいんじゃないですか。
○政府委員(吉崎正義君) 確かに告示におきましては、「原則として地上一・二メートル」というふうに定めておるわけでございますが、これは自動車等におきましても原則としては――まあかつて二階建て程度が多かったものでございますからそうなっておるわけでございますけれども、自動車においても同様でございますけれども、やはり高層住宅等がある場合におきましてはそういうところにおいても環境基準を満たすべきものである、こういう解釈で臨んでおるところでございます。
○説明員(深田彰一君) いま環境庁で御答弁されましたとおり告示には「原則として地上一・二メートル」と書いてございますが、先ほど私お答え申しましたとおり線路に近接して線路より高いアパートの上層部等は、現実にそこの居住者の方の御了解を得ましてそこではかっているケースもございまして、その結果、先ほど申しましたようにそういう場所が現在では数戸ないし数十戸残念ながらあるというのは、そのアパートの上ではかったケースも相当数含まれております。
○小平芳平君 その市営住宅の方のお話では先ほど説明したようなことを訴えておられたわけです。実際人間が住んでいるのは高いところへ住んでいるのに、そういうわざわざ下ではかって結果がどうだと言われても、それは当てはまらないことをやっているんじゃないか。そういう点、長官ひとつ御注意いただきたいと思うんですが。
○国務大臣(梶木又三君) 騒音、私は余り専門的じゃございませんが、いまお話を聞いておりまして若干おかしいなという感じも私なりにいたしますので、いまの「一・二メートル」、どのような経緯か検討いたしまして、実態に合うように、検討するようにひとついたしたいと思います。
○小平芳平君 次に、自然環境保全について伺います。 自然環境の保全調査費とありますが、大体どういう趣旨でしょうか。
○政府委員(山崎圭君) 自然環境保全基礎調査というもの、これは自然環境保全法という法律に基づきましておおむね五年ごとに全国的な調査を実施すべく規定されておるわけでございまして、それに基づきましてこの保全法ができました翌年度、つまり四十八年度を第一回、それから五十三年、五十四年、両年度にわたりまして第二回、それからいま御審議中の五十八年度予算におきまして、これは単年度ではございませんが、第三回の調査をいたしたいと考えております。
○小平芳平君 長野県などでは自然環境の保全の問題、それから林道による自然破壊の問題、たくさんあります。たくさんありますが、ちょっと時間がありませんので、一つだけ上高地、これは必ずしも環境庁だけでやっているんではないようにお聞きしましたが、上高地の問題につきまして合同調査委員会が持たれたというふうにも聞きましたが、経過を御説明いただきたい。
○政府委員(山崎圭君) 上高地の上高地地域保全整備計画調査という名前でやっておる調査でございますが、先生御案内のように上高地地域は大変すぐれた景勝地でございまして、中部山岳国立公園のいわば核心部でございますが、ただこれは何と申しますか、周辺の山岳地帯から大量の土砂が押し流されてまいりまして、そのために中心を流れます梓川の川底、河床が上昇いたします。そういうようなことの結果、たとえば豪雨がありますと災害が出ると、こういうようなことが実態としてございます。そういうようなことで関係省庁寄りまして、具体的には国土庁、環境庁、林野庁、それから建設省、それぞれの立場がございます。防災の立場、あるいは私どもでいえば自然景観の保存あるいは利用、こういう立場がありますし、また治山、治水というような立場がございます。こういうことで、各省庁が総合的にこの上高地の保全整備計画をつくろうじゃないか、こういうことでまず五十七年度、五十八年度、二カ年をかけましてそれの整備計画を立てるための事前調査を行っている、こういう段階にございます。 私ども、その中で環境庁の調査につきましては、五十七年度におきましては景観あるいは自然環境、あるいはまた国立公園利用の現況、こういったものを把握すると、こういうことでございまして、具体的にはその調査を委託しておりますが、そこの自然環境保全委員会という場がございます。そういう場において基本的な方針を決めた、こういう段階にあります。 また、各省庁寄っておりますので、その間の意見調整が当然必要になるわけでありまして、これは国土庁が窓口といいますかそういう場を形成しておりまして、調整委員会を設けております。この委員会におきまして各省庁の意見を統合しまして、調整いたしまして基本的な方針を形成していく、こういう運びになっておりまして、現在その基本方針を調査の結果を待ちまして検討すると、こういう運びでございます。
○小平芳平君 問題はきわめて急を要する面があろうというふうに思います。かといって調査、立案ということもより大事ですから、調査、立案を早く進めて対策を早くとってほしいというふうに要請して終わります。
○中野鉄造君 私は過ぐる十九日の予算委員会の一般質疑で環境庁長官に有明海の保全の問題についてお尋ねいたしましたが、あの節は時間の都合等もございまして私の質問を継続することがむずかしかったわけでして、その際長官からの御答弁は私必ずしも満足すべきものではなかったわけなんです。 経緯についてはこの際差し控えますけれども、あのときもちょっと触れましたように、有明海沿岸四県が各県ごとにいま各個ばらばらのいろいろな開発計画を持ってやっているわけなんです。そういうために水質がだんだん汚染していくということもさることながら、有明海にはたくさんの豊富な魚介類、珍しい魚介類がいるわけなんです。代表的なのはムツゴロウだとか、ああいったようなものも目に見えて年々減っていっているような状況であります。水質が非常に汚濁しているというようなそういう報告はいまのところ余り受けていないというようなお答えでしたけれども、そういうような報告が上がってきた時点では、それはもうもはや手おくれじゃないかと思うんです。 そういうような各県がいろいろな計画を思い立ってやろうとしているそのときに、いまこそ国土庁、環境庁、建設省、運輸省、そして沿岸四県、ここいらが話し合って、そういう有明海の今後の将来の問題に対する大きなひとつの規制措置を講ずるような手だてをすべきじゃないか、このように思うわけですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(梶木又三君) 先般の予算委員会でお答えをいたしました点でございますが、閉鎖性海域の汚濁、私どもも重要問題として取り組んでおるわけでございます。 先般お答え申し上げましたのは、瀬戸内海あるいは東京湾、こういうところには相当な汚濁が進みまして総量規制等をやっておるわけでございますが、いまの有明海の段階では、もちろん委員御指摘のように決して手をこまねいておるというわけではございませんが、総量規制までいく段階ではなかろうかと考えておるわけでございます。 ただ、御指摘がございましたように未然に防ぐことが大事でございますから、下水であれば建設省とか、あるいは農地からの悪水であれば農林省関係の集落排水だとか、いろんなそういう生活雑排水が大きな今後は要因になるわけでございますので、そういう点の施策を各省庁にはやっていただくということはこちらからもどんどん注文は出していきたい、かように考えておるわけでございます。
○中野鉄造君 私もこの沿岸四県の知事さんあたりとよく接触しますけれども、知事さんお一人お一人はいままさに私が申し上げたようなそういうお気持ちを持っていらっしゃるわけなんです。だけれども、自分のところだけがいかにそのようにやってみたって、やっぱりそれぞれに相手があることですし、そういうところでその気になってもらわなければ、なかなかこれはそのうちにそのうちにというようなことで結局海だけがどんどん破壊されていく、こういうことになるんじゃないか と、知事さん方はそういうようにおっしゃっているわけなんですから、潮どきとしては非常にいい機会じゃないか、こういうように私は考えるわけです。 いまの長官の御答弁、必ずしも満足すべきものじゃないんでして、もっともっとひとつ積極的に、それは考えれば長官が在任中は何事もなくこの問題は済むかと思いますけれども、やっぱり遠い将来のことを思えば、いまの長官がひとつ何とかそこに手をつけていただきたいと、こういうように私は熱望するわけですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(梶木又三君) 十分いまの御指摘の線に沿いまして注目しつつこれからも検討させていただきたいと思います。 先般もお答えしましたが、有明海のずっと沿岸で大きな計画がこれから出てくると思うんですが、やはりいまお話のありましたとおり各県ばらばらでは困りますので、まずアセスの成立をお願いしましてやらしていただいたらうまくいくのじゃないかと思いますので、この点もちょっとお願いをいたしたいと思います。
○中野鉄造君 次に、これまた予算の一般質疑のときにちょっと触れましたけれども、これは昨日も社労でやりましてね、例のシロアリ駆除の薬剤であるクロルデンの件ですが、建設省お見えになっていますか。 先般もちょっと触れておりますように、建設省としては住宅金融公庫から融資を受ける場合の融資の条件としてシロアリ駆除を義務づけておられますけれども、この前の一般質疑でちょっと厚生大臣の答弁でも私は感じたのですが、これは今後前向きに検討してこれを毒物指定にしていこうというようなそういう姿勢がうかがわれたのですけれども、もしそういうようになったときには建設省はどういうようになさいますか。
○説明員(片山正夫君) シロアリから木造建築物を保護することは重要な課題でございまして、また環境汚染を防止することもきわめて重要な課題ではあろうと存じます。しかしながら、現在の薬剤の中でシロアリ防除剤といたしましては採用し得るものがクロルデン系しかございませんので、そういう観点からこれを使用せざるを得ない状況にはございます。しかしながら、環境汚染防止ということは非常に重要でございますので、その使用に当たりましては十分なる注意を持って使用するように指導をいたしております。 現在、薬剤の使用方法を規定いたしました標準仕様書というのがございます。またそれを施工いたします防除士制度というのも、これは社団法人の任意の規定でございますけれども、そういう制度がございまして適正な使用の方法を指導しているところでありますけれども、これに加えましてさらに環境汚染防止の観点を考慮いたしました防蟻処理技術指針というのを現在準備中でございます。 これは薬剤を使用いたしますときに、まずその処理いたします場所の土壌の状況、湿潤の状況であるとかあるいは地下水位の状況等を考慮いたしまして、まず薬剤のうち粉剤を使用するかあるいは乳剤を使用するかというようなその選定の方法、あるいはまた薬剤を使用いたしますときにその使用する濃度それから使用量を最小限度にとどめるような事柄、また使用いたします建築物の部位につきまして必要最小限度のところにとどめる、たとえば床下の土壌でありますとか土台の周りでありますとか、あるいは床下から一メートル以内の範囲とか使用する部位の限定、さらには使用いたしましたときに残りの薬剤あるいは使用いたしました器具あるいは廃材等の処理の方法を厳密に規定するとか、そういう使用に当たりましての注意すべき事柄を十分盛り込みました技術指針を現在準備中でございます。 そういう十分なる注意の上に使用すべく指導してまいりたいと考えております。
○中野鉄造君 そういういろいろな行政指導ということがなされていくということは結構なことですけれども、現在、現実の問題としてこのシロアリ駆除業者が全国にどのくらいいるか、これは恐らく把握されていないと思うんです。これはもう私、とても把握できておりません。それはこの間も申しましたように、きょうからおれひとつ始めようと思えばだれでも何にも資本はなくたってこれは始められるような業態でして、そういうところであるだけに九州ではいまや暴力団のこれが資金源になっているのも事実です。 こういうことで、どんどんそういうもぐり業者といいましょうかにわか業者といいましょうか、そういう人たちがふえて、正規の駆除方法というようなものじゃなくてでたらめなあるいはインチキなそういうことをやって、そして本当にまじめにやっている業者の人たちが非常な圧迫、迷惑を受けているというのが現実でございまして、ですから私がお尋ねしているのは、そういう毒物指定になった場合に、いまおっしゃったような行政指導というのはそれは当然でしょうけれども、いま業者がどれだけいるのか、あるいはそういう認定の組合といいましょうか、それが幾つあるか、それさえもはっきりしないような現時点においてどうされますかと、それをお聞きしているんです。
○説明員(片山正夫君) 御指摘の中にございましたように、現在協会員業者と申しますのは約八百でございます。それに対しまして協会に加入していないいわゆるもぐり業者というのが約数倍ではないかというふうな推計がございます。しかし、これは御指摘の中にありましたようにはっきりした数字はつかんでおりません。 したがいまして、協会員に対しましては協会を通じまして十分な指導ができるんですけれども、いわゆるもぐり業者に対しては指導徹底は必ずしも十分ではない状況でございます。このために宮崎県の場合には、県がみずから講習会を主催いたしまして協会員以外の業者にも多数参加をしていただきまして、適正な使用の方法、指導の徹底を図ったわけでありますが、そういう状況もございますので、私どもも協会にばかり任せておきませんで、公共団体を通じましてもその指導の徹底はしていきたいと思っております。 しかしながら、将来そういうもぐり業者対策につきましてはなお検討する必要があるかと存じております。
○中野鉄造君 その業者自体もさることながら、それが三百六十五日毎日仕事があるということはございませんので、結局その作業をやる作業員というのは、ほとんどがどこからか雇ってきた臨時雇いの人であるとか学生のアルバイトであるだとか、そういったような人たちがやるわけなんですね。したがって、非常に単純作業といいましょうか、そういうことですからだれだってできるわけなんです。それだけに非常に指導というか、そういう正規のことが全然守られていないというのが実態であります。この前みたいなああいう宮崎の事故もそういうところから発生しているわけなんです。 これはやらせる方は建設省、その薬剤の所管は厚生省、作業の指導をするのは労働省といったように非常に各省にまたがっている。そしてこれがいろいろガス化されて大気を汚染している。そういうようなこともこのデータの中に上がっておりますし、そういうところになるとこれは環境庁もということになってきますし、ここらのところをひとつ各省庁よくお話し合いをしていただいてその改善に努めていただきたいと思うんです。 きょうは長官もお見えになっていますから、もうすでに南極まで汚染されているというようなこの間新聞記事も載っておりましたけれども、環境庁としても、ひとつこの各省庁にまたがっているクロルデンの薬害と申しましょうか、これについての今後の御決意をひとつお願いいたします。
○国務大臣(梶木又三君) クロルデンの汚染につきまして私どもも慎重に対処する必要があると考えております。先般、中野委員の一般質問のときに厚生大臣が代表して答弁されましたように、厚生省でも大変深刻な問題だとして受けとめておられるようでございまして、あのときの答弁にもございましたように、これからひとつ、いまお話の 使う役所だとかいろいろございますから、関係省庁寄りまして相談してまいりたい、かように考えます。
○中野鉄造君 次の質問に入る前にちょっと建設省にもう一点だけお尋ねしますけれども、青森ヒバというのはシロアリに強いというお話を聞いたんですが、本当ですか。
○説明員(片山正夫君) 恐縮ですが、存じませんです。
○中野鉄造君 じゃ、次に移らしていただきます。 先ほどから同僚議員の小平委員からもいろいろ騒音問題についての質問があっておりましたけれども、従来の規制対象となっている特定工場だとか特定建設作業から発生する騒音、それ以外に規制対象外の苦情が最近きわめて多くなっているというふうに聞いておりますけれども、これはいかがですか。どうしてそういうことになるんですか。
○政府委員(吉崎正義君) 御指摘のございましたように騒音に係る苦情は公害に係る苦情の中では最も多いわけでありますけれども、最近の数字によりますと、騒音規制法の規制がかかっておりますところの特定工場等によりますところの苦情、五十六年度で四二%でございます。ですけれども、このほかに地域の実情に応じまして地方団体が条例で規制しているものがございます。それも入れますと、地域的な、部分的な調査でございますけれども、騒音規制法それから条例両方で規制されていないその他のものといいますのが三五・八%という事例調査がございます。 これがなぜかということでございますけれども、およそ二つ理由があるのではなかろうか。一つはやはり各種の機械等が普及をしてきておることであろう。もう一つは、近年の快適な環境を求める意識の向上等によりまして、法制定当時にはそれほど問題とされていなかったものが顕在化してきたのではなかろうかと考えるところでございます。
○中野鉄造君 そうした時代の多様化によってどんどんその状況が変わってくるわけなんですけれども、こういうようになってくると、現在の規制対象の見直し、そういったようなものも必要になってくるんじゃないかと思うんですが、いかがですか。
○政府委員(吉崎正義君) 御指摘のとおり良好な環境を保全いたしますために適切な対策を講ずる必要があると考えているところでございます。 騒音に関しましては、一つは御指摘がございましたように全国的に規制をする必要がありますものについては、騒音規制法の規制対象に取り入れる必要があると考えましてこれまで調査を行ってきたところでございまして、現在その解析を行っておるところでございます。 もう一つは、規制法に基づきますところの規制地域の拡充ということがございまして、これまでも地方公共団体に対して指導を続けておりまして、逐年増加をしてきておりますが、さらに指導を強化いたしたいと考えておるところでございます。
○中野鉄造君 じゃ、質問に入ります。 低周波公害についてでございますけれども、昭和四十五年前後からこのことは非常に問題になっておりまして、御承知のように現在奈良県の香芝町ですか、あそこで住民の方と道路公団の間で低周波公害で訴訟問題にまで発展しているわけですけれども、これがいまだに低周波の環境基準を設定できないでいるということは、これはもうやはりどこからどう見ても行政の責任ではないかと、こういう気がいたしますけれども、環境基準設定の作業というものは鋭意なされていると思いますが、いまはどの程度まで進んでおりますか。
○政府委員(吉崎正義君) 低周波の問題、非常に重要だと考えまして、環境庁といたしましては昭和五十一年から調査研究を行っているところでございます。最も基本的な人体影響、それから戸や障子がガタガタという物理的な影響、それからその両方あるいはそれぞれの程度を加味いたしました測定の評価の仕方、それから発生防除の方法、これらのものについて研究を進めておるところでございます。物理的な影響につきましてはかなりの程度わかってきております。また、工場、事業場等から発生いたします低周波の防止方法につきましても相当程度わかってきておりまして、都道府県にその資料を流しまして指導をしておるところでございます。 ところが、残念なことに、肝心な人体影響でございますけれども、血圧、脳波あるいは心電図、そういう基本的な生理的事項につきまして、いろいろな周波数でかなり高い水準、百デシベルとか百十デシベルとか、そういう高い水準の低周波を当てまして人体実験を続けておるのでございますけれども、なかなかいまだ明確な因果関係が解明されておらないのでございます。本年度からは新たな観点でストレス反応、音に着目をいたしましてさらに研究を続けておるところでございますが、この低周波の人体影響につきましては、学問の新しい分野でございますので、残念ながらいまだ解明を見ておらないところでございますが、さらに一層の努力を傾けたいと考えているところでございます。
○中野鉄造君 そうしますと、そういう本当に決定的な物理的な要因というものがまだまだはっきりつかめないというようなことで、基準設定がなかなかおくれているということですけれども、そうすると当面の対策というものもまだ完全なものはされる見込みはちょっとないわけですね。
○政府委員(吉崎正義君) 低周波によると思われる苦情があるのは事実でございまして、工場、事業場等によるものがその中でも多いわけでございますが、先ほども申し上げましたけれども、工場、事業場から発生する低周波の防止対策につきましてはかなりわかってきておりまして、これを都道府県に知らせまして苦情の処理に当たっていただいておる。かなり成功した例もあるわけでございます。
○中野鉄造君 また自動車騒音に戻りますが、昨年の十一月の「自動車交通騒音実態調査報告」を見ますと、この環境基準の達成率は一七%で、相も変わらず余り改善が進んでいるとは思えませんけれども、こういうことから見て単体規制の効果が余りあらわれているとは思いません。そこへもってきて自動車の保有台数は年々ふえていくと、むしろ車の走行キロ数はここ数年また余り伸びてはいないのに、特に騒音の発生源として問題になっているバスだとか貨物トラック、これはまあ横ばい現象である。こういうところから考えて単体規制の効果というものは疑わしいんじゃないかと思いますが、いかがですか。
○政府委員(吉崎正義君) 先ほどもちょっと申し上げましたけれども、どの国と比べましても遜色のない単体規制をやっておるわけでございますが、五十二年から五十六年度の過去五カ年間につきまして、自動車の保有台数は約二四%ふえているわけでございます。走行キロ数及び燃料使用量はともに約一五%ふえております。そうすると、五年間におきまして走行キロ数は一五%ふえておるわけでございますので、その間におきまして環境基準が大体横ばい、最近はまあちょっと下がりぎみかという、大体横ばいと言ってよろしいかと思うのでございますけれども、その限りにおきまして一定の効果をあらわしておるのではないかと考えておるところでございます。
○中野鉄造君 一方、高速道路の沿線の住民の人たちに対しては、住宅の防音装置の補助、防音壁の設置、そういったようなものが完全とは言えないまでもそれなりのいろいろな補償制度がはっきりしておりますけれども、幹線道路の住民、その被害を受けている人は約六百万人というようなことが言われていますけれども、この住民の方々への対策というものはいかがなものですか。
○政府委員(吉崎正義君) 基本的に良好な環境を保全するために交通公害対策を推進しておるわけでございますけれども、五十五年に施行されました幹線道路の沿道の整備に関する法律では、自動車の交通量等の要件に該当いたしました幹線道路 を沿道整備道路として指定をいたしまして、その沿道における対策の一つとして、住宅の防音工事費の助成によりまして防音構造化の促進を図ることとされておるところでございます。 この沿道整備法は、幹線道路沿道の良好な環境を保全する上で非常に適切な法律であると考えておるところでございまして、中央公害対策審議会でもこの整備法に基づく対策の推進を強化するように意見の具申がございましたけれども、建設省にも要請してきたところでございます。今後とも必要な働きかけをやってまいりたいと考えておるところでございます。
○中野鉄造君 具体的に申しまして、沿道整備法による対策というものが国道四十三号線において初めて行われようとしておりますけれども、この制度で四十三号線の場合、どの程度のカバーができるとお考えになっておりますか。
○政府委員(吉崎正義君) 四十三号が第一号でございますが、ただいまこの沿道整備計画を策定しておる段階であると理解をしておりますけれども、この適切なる沿道整備計画を作成することによりまして、四十三号の沿線の環境はどの程度とおっしゃいましたけれども、これは非常によく改善されておるのではないかと大いに期待をしておるところでございます。
○中野鉄造君 聞きようも悪かったかと思いますけれども、私どもも期待しているから果たしてどの程度かということをお尋ねしたんですけれども、相当のものが期待できますか。
○政府委員(吉崎正義君) 先ほどもお答え申し上げましたけれども、環境整備計画、沿道整備計画をいかに適切につくるかというところに係る部分が非常に大きいかと存じますが、適切な計画をつくることによりまして良好な環境が保たれると考えておるところでございます。
○中野鉄造君 昨年十二月二十四日に、交通公害物流専門委員会と土地利用専門委員会が二年半の歳月をかけて報告をまとめられたわけですけれども、今月末までにこの答申が出されると聞いておりますが、この報告を受けて環境庁は現実に具体化させなければこれはもう画餅に帰するんじゃないかと思いますが、今後のこのスケジュールといいましょうか、構想はどのようなものをお持ちですか。
○政府委員(吉崎正義君) 中央公害対策審議会の御審議、私どもといたしましては、ただいまお話のございましたように、できますならば本年度中にもというお願いをしておるわけでございますけれども、本年度残すところわずかでございまして、新年度に若干ずれ込むのではないかというふうに考えておるところでございます。 答申をいただきましたならば、御指摘のように交通公害を解決いたしますための総合的な今後の交通公害対策を講じていくためには実現をすることが大切であると考えますが、御答申をいただきました暁に、それを踏まえまして交通公害の解決を図るために関係省庁との協力も得て、有効かつ適切な施策を推進していくよう最大の努力をいたしてまいりたい考えでございます。
○中野鉄造君 この物流の対策として低公害走行ルートの整備というものが挙げられていますけれども、新設の道路をつくるということになるのか。また、輸送ルートはつくったが、それが逆に公害の吹きだまり化となってしまう、そして、新たな公害をつくるというようなことになりはしないか、こういうことを懸念するんですが、いかがですか。
○政府委員(吉崎正義君) 物流専門委員会の報告書におきましては、御指摘のございましたように低公害の走行ルートの整備を中心的な施策に挙げておるところでございます。その考え方は、交通公害の大きな部分を占めますところの大型トラック公害問題を解決いたしますために、物流体系のあり方を改善する必要があるという基本的な認識のもとになされておるところでございます。 その考え方でございますけれども、トラックが走行いたしましても公害の発生を来すことのない道路を低公害走行ルートと、こう言って、そういう道路を整備して、そこに公害の原因となる大型トラック輸送を集約することによって大型トラック公害の防止を図ろう、こういうことでございます。 専門委員会報告書で示されております低公害走行ルートの整備は、ただいまもちょっとお話がございましたけれども、全く新しくそういう道路のネットワークをつくるということではなくて、主として既存の幹線道路や今後計画される幹線道路につきまして環境施設帯の設置等を進めまして低公害なものにしていこう、こういうことは述べられておるところでございます。
○中野鉄造君 輸送ルートの動脈というのは高速道路になるわけですけれども、現在高速道路は環境基準と要請基準を超えているのが全体の八三・二%、都市高速に至っては九四・二%、こういうようになっていまや公害道路と化しているわけですけれども、これでは低公害ルートとは言いがたいんじゃないかと思いますが、いかがですか。
○政府委員(吉崎正義君) 物流専門委員会の報告におきましては、全国的な都市間のルートにつきましては、御指摘のございましたように基本的には高速自動車国道網等を幹線的な低公害走行ルートとすることが適切であると述べられておるところでございますけれども、同報告書におきましては、現在公害が発生している高速自動車国道等については、公害の発生を防止できるような十分な構造対策及び沿道土地利用対策を行う必要があると述べられておりまして、そういう対策を十分講じて、低公害にした上でトラックを集約するように提言をしておるところでございます。
○中野鉄造君 それが果たしてできるとお思いですか。
○政府委員(吉崎正義君) 交通公害の問題は現に深刻でございまするし、先ほど騒音のところでもちょっと話が出てまいりましたけれども、良好な環境を求める国民の意思というものがますます大きくなってきておりまするし、もとより関係各省庁とよく協議をして進める必要がございますけれども、私どもといたしましては、最終的には中央公害対策審議会の答申をいただいてからということになりますが、専門委員会報告に述べられておりますことは適切な提言であり、二十一世紀を目指しまして実現をしていかなきゃならぬと考えておるところでございます。
○中野鉄造君 行政が実態に追いつかない、結果的にはいろいろなそういう答申が出ても、それは後手後手に終わっているというような気がしてならないわけですけれども、これはもうますます今後深刻化していく問題でございますので、ひとつ積極的に取り組んでいただきたいと思います。 もう時間もございませんので次にまいりますが、これはこの間から何回もいろいろな委員会で問題になったことだと思いますが、スパイクタイヤの公害問題についてお尋ねいたしますが、スパイクタイヤの道路摩耗被害、そしてさらにそれから巻き起こる粉じんや騒音、こういうことで公害問題になっていることは御承知のとおりなんですが、スパイクタイヤによる粉じん、大気汚染の被害の実態というものについて、それとその取り組みについてお尋ねいたします。
○政府委員(吉崎正義君) スパイクタイヤによる粉じんの現状でございますが、これを降下ばいじん量で見てみますと、積雪状況等の自然条件によりましてかなり大きな差がございます。ですけれども、札幌とか仙台等におきましては相当量の降下ばいじんがある。当該地域におきましては大きな問題であると考えておるところでございます。 このために、環境庁といたしましては、昨年の七月に自動車用タイヤによる粉じん等対策調査検討会、北海道大学の菅原教授に座長をお願いいたしまして、五十七年度から本格的な調査研究に取りかかっておるところでございます。 また、この問題は環境問題のほかに安全の問題あるいは道路構造等の問題、いろんな問題が関係しておりますので、関係省庁におきまして情報の交換を図るのが最も大事であるのではないか、まず第一歩ではないかと考えまして、関係省庁にお諮 りをいたしましたところ心よく御賛同をいただきまして、二十八日にその第一回を開く予定にしております。 今後、関係省庁ともよく連絡を図りながらできるだけ早く粉じん低減対策の検討を進めたいと考えておるところでございます。
○中野鉄造君 いまもお話がありましたように、健康に及ぼす影響ということについて北里大学の山科教授のラットを使っての実験では、これがじん肺症になるおそれがあるということも発表されておりますし、札幌では年平均十五・八トン、仙台では十三・九トンとかなりひどいわけでして、月別で見ますと最高で四十四トンを超すというようなこともあったそうですけれども、こうしたようなことからこの人体に及ぼす影響については環境庁ではどういうように考えていらっしゃいますか。
○政府委員(吉崎正義君) ただいまお話のありました北里大学の実験に関する報道を私どもも新聞で読みまして早速照会をしたわけでございますけれども、まだ実験の途中段階であるということでございます。まだ論文にはなっておらないようでございます。しかしながら非常に重要な実験である、今後の結果に注目してまいりたいと考えておるところでございます。 いずれにいたしましても、人体影響の問題は最も基本的な大事な問題であると考えておるところでございまして、この問題も含めまして内外の知見の収集に努め、スパイクタイヤの粉じんの人体の影響につきまして十分留意してまいる所存でございます。
○中野鉄造君 諸外国では、積雪寒冷地域でありながらスパイクタイヤの全面禁止だとか、あるいは使用期間の規制を行っておるというようなところがございますが、そういうところから見て、日本各地の気象条件を比較して日本での規制の可能性というものを北海道の土木試験所で検討した結果がございますけれども、こういう形での規制はわが国でもこれは考えられることじゃないかと思うんですが、その点お尋ねいたします。 それと、当面の緊急対策を講ずる必要もあるわけですけれども、これを規制するというような場合に、交通取り締まりを現場で行う警察がドライバーの指導に当たるというようなことになると思いますが、警察のその対応についてお尋ねいたします。
○政府委員(吉崎正義君) 先ほど申し上げました検討会では五カ年計画で十分調査をいたしたい考えでございますけれども、お話のございましたように非常に大きな問題でございますので、当面緊急を要する対策につきましては二年間をめどに取りまとめていただきたいとお願いをしておるところでございます。 また、安全、道路構造、融雪方法その他いろんな面がございますので、総合的に勘案する必要があると考えまして、関係省庁間で十分この情報の連絡をよくしながら対策を立ててまいりたいと考えておるところでございますので、いまどういう対策ということにつきましてはもう少し検討させていただきたいと思うわけでございます。
○説明員(広谷干城君) まずスパイクタイヤ問題に対します警察の対応でございますが、警察といたしましてもスパイクタイヤの使用につきましては、路面の損傷あるいはアスファルト粉じん等の深刻な問題があることは十分承知しておるところでございます。と同時に、スパイクタイヤにつきましては、このようなマイナス面がございます反面、すぐれた制動能力、操作性あるいは着脱不要という利便性を有しておるということもまた否定できないところでございまして、交通安全との関係で両者をどういうふうに整合させていくかということが一番問題であろうかというふうに考えております。 この問題を考えてまいりますと、やはり路面の改良の問題であるとか、あるいは除雪の問題であるとか、凍結防止の措置の問題であるとか、タイヤの改善の問題であるとか、総合的に取り組んでいく必要がある問題であるというふうに認識をいたしておりまして、警察といたしましても、関係省庁と十分連絡をとり、対策を検討するとともに、積雪地域における交通の実態あるいは事故の実態等を十分に把握をしてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。 なお、外国では全面禁止あるいは期間を定めてやっておるがどうだというふうなことでございました。ただ、外国によりましては、いろいろとお話ございましたように全面規制をやっておるところもございますし、期間を定めてやっておるところもございますけれども、積雪の量であるとか地形条件であるとか、あるいはいろいろな前提条件というものがいろいろと異なっておりまして、日本の場合にどのようなことができるかどうかということは、これから十分にわれわれといたしましてもどういうふうなことをとり得るのかということにつきましては十分検討をし、勉強をしてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
○沓脱タケ子君 それでは、時間が短いですから端的にお伺いをしていきたいと思います。 第二臨調の最終答申が出ましたが、「機構改革の中長期的課題」という項目がありますが、その中で、「国土の開発・利用・保全に係る行政の総合的運営を図るため、国土及び環境に関する行政機構の在り方を検討する。」というふうに書いてあります。これは国土庁と環境庁を統合するというふうな意味が含まれているのかどうか。これは行管庁にお聞きをしたいんですが。
○説明員(神澤正藏君) 臨調答申におきましては、「機構改革の中長期的課題」と、大部分については具体的な結論を出したけれども、今後中長期的な課題として検討すべき事項、この中にいまおっしゃいました「国土及び環境に対する行政機構の在り方」ということが触れられておるわけでございますが、その審議の過程等につきましては私ども承知いたしておりません。
○沓脱タケ子君 ちょっと私の質問と違ったんだけどね、お答えが。 それじゃ、もうちょっと具体的にお伺いいたしますが、昭和五十二年の五月、当時は福田内閣のもとで石原元環境庁長官が国土庁と環境庁の合併論というのを出されまして大変マスコミをにぎわしたということがございます。また、五十六年五月には、当時自民党の環境部会長をしておられました森下参議院議員が、環境庁というのは将来もう不要だ、廃止するべきだなどという記者会見がやられて、与党の環境部会長の発言として大変問題になったわけです。そういう前段がありまして、今回の第二臨調の第二部会では、環境庁と国土庁の統合論ですかね、あるいは環境庁の縮小廃止論、そういったものが出なかったかどうか、これを行管庁にお伺いをしたい。
○説明員(神澤正藏君) いま二度にわたってお尋ねいただいたのでございますけれども、今回の第二臨調は、これは第二臨調の方で各関係省庁の担当の方々をお呼びして聞かれたということは聞いておりますが、具体的にどういう感覚で聞かれたか、それからどういうお答えがあったかということについては、私ども行政管理庁の行政管理局としては直接連絡をいただいておりませんので、せっかくの御質問ですがお答えできない次第でございます。
○沓脱タケ子君 そうすると、これは行管庁としてはそういう意見が出たか出なかったかを言えない。知らないと言うんですか。言えないと言うんですか。
○説明員(神澤正藏君) 私どもとしましては、今回十四日にいただきました臨調第五次答申、それから実際に触れられておりますのは、去年の七月三十日に出ました基本答申の中にもそういった国土の保全といったような事項が出ておりますが、私どもといたしましては、この臨調からいただいた答申だけでございまして、その審議の過程のどういう資料に基づいてこういう結論を出されたのか、どういう議論が行われたのか、こういったことについては知らされておりませんので、せっかくのお尋ねでございますがお答えできる状態にご ざいません。
○沓脱タケ子君 いや言えないというなら言えないではっきりしたらいいですよ。言えないということ、端的に言えば。知らないということはないでしょう。そんな論議があったかどうか知らないということはないでしょう。言えないと。
○説明員(神澤正藏君) まことにあれでございますが、私どもとしましては、答申に書かれてあること、それから一部一時期新聞に書かれたことがございます。そういった新聞等でそういうことが議論になっているということは承知しておりましたけれども、具体的にどういう審議経過であったのかどうか、こういうことは知りません。お答えできないというんじゃなくて知りません。
○沓脱タケ子君 五十七年九月の第二部会のメンバーからの意見を整理した文書の中にちゃんと書いてあるんですね。どう書いてあるかというと、「国土、北海道、沖縄の他に環境庁を加えた総合案を考えてはどうか。イギリスでは、環境省で両方の仕事をやってうまくいっていると聞く」という意見。それからもう一つは、「国土の利用・開発部門と環境保護部門の一体的運用を図るため、国土庁と環境庁を統合してはどうか」。三つ目は、「国土の利用・開発と保全は密接不可分なものであり、一元的に行うのが効率的であることから、国土庁と環境庁は統合すべきではないか」。もう一つの意見は、「環境行政が一応の成果を見た現在、環境庁は廃止縮小してもよいのではないか」。こういうふうに第二部会では環境庁と国土庁統合論、環境庁縮小廃止論なるものが活発に出ているんですね。御存じないんですか、行管庁は。
○説明員(神澤正藏君) 先ほどもお答えいたしましたように、新聞等でこういうことが議論になっていると、こういう形で出ている範囲でしか存じません。
○沓脱タケ子君 そこで環境庁に伺いたいんですが、まさか環境庁は環境庁国土庁統合論に賛成するはずはないと思うんですがね。臨調からそういった点での照会やヒヤリングというようなものがあったんじゃないかと思いますが、どのような回答をなさいましたか。
○政府委員(加藤陸美君) 第二臨調は、相当長い期間熱心に御審議いただきました過程におきまして、これは各省庁とも同様でございますが、所管行政の趣旨、目的、現状、それから今後の展望というようなことについては詳細に説明を求められておりますし、いたしております。 それから、ただいま直接的に御質問がありました点につきましては、私どももとより御指摘のような考えは全く持っておりません。
○沓脱タケ子君 おしまいちょっとわからなかったけれども、統合論にはもちろん賛成してないのでしょうな。
○政府委員(加藤陸美君) そのとおりでございます。
○委員長(宮之原貞光君) 語尾をはっきり言ってください。
○沓脱タケ子君 こういうときに統合論というのは、いわゆる開発政策を優先させて、そして環境保全行政を従属させるというふうなことを中心にするような考え方になってまいりますと、全く環境行政は骨抜きにされてしまいかねないわけですから、きわめて重大な問題なんです。しかし、そういうことが大変論議をされたというのが文書として残されているようでございます。 ちょっと問題を変えて伺っていきたいのですが、環境庁先ほど詳しく文書回答されたとおっしゃるのですが、その中で「統合を考えるならば、むしろ分散している環境保全のための事業等を環境保全分野として環境庁において一元的に所管することが検討課題とされるべきである」というくだりがありますね。この「分散している環境保全のための事業等」の中には、たとえば下水道行政、廃棄物行政、こういうものは例示されているようですが、このほかにどんなものが入るのですか。これは具体的に物を示せますか。
○政府委員(加藤陸美君) 議論の過程のお話かと存じますが、議論としてはいろいろなことがあったわけでございますし、また委員さん方の議論の中でもいろいろあり得たと存じますが、いまおっしゃいましたのはイギリスの環境庁――大環境庁と申し上げるべきかもしれませんが、の機構、これは諸外国どんなぐあいになっておるかというようなことは御説明いたしておりますので、そういうようなところからも出てくるお話でございますが、私ども具体的にどことどこをどう逆に統合して大環境庁的なものにすべきだというような言い方はしておらないはずでございますが、ただ例示としていま下水道というようなお話が出ておりました。これは、イギリスの例はまさに大きな意味での環境庁行政の中に含まれておりますので、そういうところの御趣旨ではないかと存じますが。
○沓脱タケ子君 余りそこで長いことごちゃごちゃ言うておってもしょうがないんですがね。 文書にはそういう文書がございますね。「環境庁と国土庁の統合等を考えても、それは名目的に行政組織を統合するというだけのことであってデメリットが多い。」と、だから断られたとおっしゃったのはそのとおり書いてある。「統合を考えるならば、むしろ分散している環境保全のための事業等を環境保全分野として環境庁において一元的に所管することが検討課題とされるべきである」と。括弧して、「環境庁設置に当たっては、下水道、廃棄物といった関連事業分野を環境庁に統合することが検討されたいきさつがある」ということで括弧を閉じてありますが、それで私ちょっと聞いたんですがね。下水道とか廃棄物ですね、それ以外に何か入りますかといって聞いたんですよ。
○政府委員(加藤陸美君) 具体的な文書でどうこうではございませんが、考え方といたしましては、たとえば森林問題であるとかいうような問題は考える場合には出てくる問題かと思います。
○沓脱タケ子君 余り時間がありませんので、そこで突いたり押したりはしておれないんですが、環境庁が五十六年の十月に臨調に提出をなさいました「組織・定員の現状及び主要業務等」というこの中に言われておるんですが、こういうふうに言っているんですね。これは個所を言うたら一遍にわかる、二十四ページですわ。それに、 今日、自然環境の保全、更にはもっと見近な生活環境の快適さの確保は、国民の物心両面にわたる健全な生活のための重要な柱と言えよう。しかしながら、これまで環境問題は、ともすればppmで示される個別の汚染物質の問題がクローズアップされ、この面での政策は、特に優れた景観や貴重な動植物の保護を除けば必ずしも十分でなかったといえる。 というふうな文言がございます。 つまり、従来やってきた公害行政というのは、自然公園や自然環境保全地域、鳥獣保護といういまやっておられる分野を除けば、身近な緑や水辺環境、歴史的文化的環境の保全等については「必ずしも十分でなかった」ということを言っておられますね。その文書、文言をこれは私はちょびっと読んだけれども、前後を読みますとね。 さらに二十七ページでは、こういった立場といいますか反省に立って、新しい施策の必要性を強調されておりますが、ここで、三の「自然環境の保全とよりよい環境づくり」という項がございますね。そこで、全部読んでいられませんから、①の項の途中からですが、 このため、我が国土の多様な自然を体系的に保全することが基本とならなければならない。 具体的には、ア人為のほとんど加わっていない自然や国を代表する傑出した景観、貴重な動植物の保護にとどまらず、イ優れた風景や野外レクリェーション適地、ウ自然のバランスの維持に寄与する農地、森林等、エ都市地域における樹林地、草地、水辺等の各レベルにわたってその機能を適切に発揮できるよう保全施策を展開していくことが要請される。 というふうに書いておられます。 そこで、時間がありませんからちょっとまとめて伺いたいんですが、一つは、この「優れた風景 や野外レクリェーション適地、」だとか、「自然のバランスの維持に寄与する農地、森林等」、あるいは「都市地域における樹林地、草地、水辺等」、それから「街並みや緑地、水辺環境の保全、美化」、こういうものが「分散している環境保全の事業等」の中に全部入るのかどうか。この二十七ページにお書きになっている、いま私が申し上げたすべての自然環境あるいは緑、そういったものが全部環境保全事業の中に含まれるということを言うておるのかどうかということが一つ。 それからもう一つは、これは臨調に向かって言うたものか、国民に対して言うたものかという、むしろ言い方をかえれば環境庁の公式見解として受け取ってよろしいかということが二点目ですね。 三つ目は、こういう新しい課題に取り組むに当たって環境庁としてはどういう方針と展望を持っていくかどうか。 その三つを簡潔に伺っておきたいわけなんです。
○政府委員(加藤陸美君) まず第一点でございますが、この考え方の中にいま先生が述べられました各種の事項、これは広い意味で総合的な環境保全対策の対象になる事業だと考えております。という意味合いは、これは環境庁の立場は総合調整官庁でもございますので、広い意味でのというふうに申し上げたわけでございます。直ちにすべてを直接所管するかどうかという問題はまた別な問題がございます。 それから第二点でございますが、これは環境庁の、公式に発表するとかなんとかいう意味合いは別にいたしまして、これはどこへ向かっても全く同じ考え方でおりますし、今後も進めていくという意味で全国民に対して申し上げるといってもよろしいと存じます。 それから第三点、しからばいかなる方針かという点は非常にむずかしい問題でございます。一言で私ごときになかなかうまく言い尽くせないわけでございますが、たまたま先生非常によく私どもが書きました書き物もお読みいただいておりますので、御理解いただけるかと存じますけれども、今後の大きく言えば二十一世紀に向かっての環境行政の推進、進展ということを踏まえて考えます場合には、いまお話に並べられましたような事業も含めまして、環境庁としてというよりも日本国として考えていくべきことであろうかと存じます。それのつかさつかさはもちろんそれぞれございましょうけれども、それを総合的に取りまとめないしは調整し、推進し、前向きに進めていくというのが基本的な姿勢でございます。
○沓脱タケ子君 それではっきりしたので、それを進めていく上での対策等の展望等に絡みまして環境保全長期計画の達成状況ですね、それをちょっと残り時間でお聞きをしておきたいと思います。これは時間が短いからと思って実は資料をきちんとまとめてみたんですよ、数値を。全部言えないわけだけれども、これは委員長に一部、あんたのところは資料があるからようわかっておられると思いますから。 その資料をずっと見てみますと、全般的にいわゆる環境保全長期計画六十年目標ですね、これの達成には大変幅、距離があるというふうに思います。とりわけ自然環境保全地域等の指定というのは、約六十万ヘクタールの目標が五十六年度末でわずかに九・二万ヘクタールの達成状況で、残りが五十一万ヘクタール、もう計画策定後四年間に三・二なんですね。だから、後このテンポでいったら二十年近くかかるわけです。そういうことだから、これは六十年までに達成不可能だと思うわけです。 さらに、自然公園だとか自然公園の特別地域、それから都道府県立自然公園の特別地域の達成状況、そういった点がやはり非常に問題があると思うわけです。とりわけ都道府県立自然公園の特別地域の達成率、これはおたくの資料で全部別に並べて一目瞭然にした資料です。それを見ると、これでも六十年目標が約百万ヘクタールに対して達成状況が五十八万ヘクタール、達成率から言うたら大体四七%目標で二八%が達成しているということですから、約半分近くが残っている。この辺も重要なんですね。 さらに、私はとりわけ重要だと思いますのは都市における緑地保全の状況なんですね。いま総理も緑をと言い出しておられるわけですけれども、特に大事だと思いますのは、都市における緑地保全の状況を見ますと、「確保すべき緑地の量は、長期的には、市街化区域周辺に存在又は計画する緑地を含めて市街化区域面積に対して、おおむね三〇%以上とするように努める」となっていますね、長期計画には。これに対して一体どうなっているか。緑のほとんどない、一〇%以下の市街地、造成地が、東京都では面積の四〇%、そのうち二十三区は八七%。大阪はもっとひどくて大阪府全体では三四%です。大阪市域ではほとんど緑がないという地域が九一%、こういう状況でありまして、おおむね三〇%以上という目標には、水準にはほど遠い状況である。 時間がありませんので全部まとめて言ってしまいますが、もう一つは都市の緑をつくっていくという上で都市公園ですね、緑のマスタープランの長期目標というのがあるわけですね、この計画には。これによりますと一人当たりは二十平米です。これは欧米の水準と同じ水準なんですが、第二次五カ年計画の最終年度に当たる五十五年度末の達成は、推定ですが一人当たり四・一平米。第三次五カ年計画の六十年目標では一人当たりが五平米。だから、これは建設省が一人当たり二十平米という目標をお立てになっておるんだけれども、これも市街地面積に対する緑の確保量というのはきわめて少ない、まあ目標から見て六十年度の推計でも四分の一。 こういうふうにずっと見てまいりますと、自然環境保全地域、特に都道府県立の自然公園の特別地域の引き上げ、それから都市における緑地保全状況というのは、これは環境保全長期目標の六十年度までの達成はむずかしいというふうに思うんですね。これはもう細かく聞いていったらいいんですけれども、私まとめて申し上げましたが、むずかしいどころじゃなしに事実上不可能な状態ではないかと思うんです。なぜこういうふうに計画達成がおくれているか、どこに問題があるのかというふうなことが非常に今日重大な問題だと思うんですね、国民的な要求あるいは施策の普及という点から言いまして。 そこで、私まとめてぜひ環境庁にお伺いをしておきたいと思いますのは、環境保全長期計画の総点検を実施するべきではないかと思うのですね。特に、都市の緑地保全については、これは所管が建設省でしょうから、建設省と共同で総点検をやるべきではないかと思いますが、その点はいかがでしょう。
○政府委員(山崎圭君) ただいま先生るる御指摘の点はおおむねそういうことになっておると思います。環境保全長期計画における自然環境の分野におきましては、いろいろと抽象的なあり方を目標としておりますが、その中で具体的な量的水準もあわせて述べておるわけであります。そこで、私どもとしましては、自然公園なりあるいは鳥獣保護区につきましてはおおむね八十点以上、あるいはものによっては九十点以上というところもありまするけれども、いま御指摘のように自然環境保全地域あるいは都市の緑地の問題という点につきましては確かに量的水準からの隔たりがある、これは認めざるを得ないと思います。 結局、これらの問題はいろいろ隘路があるわけでありまするけれども、要はとりわけて都市近郊におきましては、何といいますか、宅地化の進展といいますかね、大都市における宅地あるいは商業用地の需要の伸びといいますか、そういうようなことで緑がなくなってきておりますし、また逆に言えば、それを緑地化するということ自身が土地所有者の権利調整の問題がありまして、なかなか事実上は所期の目標が達成し得ない、こういう実情にある、こういうことでございます。 しかし、最後に御指摘のように、この計画が六十年度を一応の目安にしておりますから、その次 の六十一年度以降についてこれをどう扱うかという問題、いませっかく部内で検討中でございます。当然現在の姿がどうなっているか、今後どういう問題点があってどういう姿で六十一年度以降を考えていくか、総点検と言えば総点検、見直しと言えば見直し、こういう姿で部内でも検討中でございます。また、とりわけて都市公園も含めまして都市及び近郊の緑地をどうやっていくか、実際的な事業は建設省が中心でございますので、建設省とも十分相談をしながら、あるいは調整をとりながらこういうものによって考え方を整理していきたい、こういうふうに考えております。
○沓脱タケ子君 時間がありませんので最後にもう一つお聞きをしておきたいのは、国立公園の管理員の定数の問題ですね。これは調べてみて驚いたんですが、公園面積が二百二万ヘクタールで、そのうちの特別地域が百四十二万ヘクタールですが、その中で管理員が百五人ですね。だから一人当たり一・九万ヘクタール担当しているのですね。これはアメリカと比べてみますと、アメリカでは約三千万ヘクタールの中で七千六百人いる。一人当たりが〇・三九万ヘクタールだからわが国の四分の一ぐらい。これは私、一人当たりの受け持ち面積がアメリカと日本とを比べて四倍ないし五倍というふうになるわけで、余りにも格差が大き過ぎると思うのです。 これを一遍にアメリカ並みにというわけにはいかぬでしょうけれども、これはアメリカ並みの管理員にしますと、いま百五人のところが五百十八人必要になるんですね。一遍にはいかぬと思いますけれども、行政改革だということで人を減らすということにばかり目をつけるのではなくて、こういう必要なところ、国立公園の管理員の定数などという、極端に少ないところなんていうのは増員を大いに考えるべきではないかと思いますが、その点ひとつ最後にまとめて、長官の御見解も含めて伺っておきたい。
○政府委員(山崎圭君) 長官のお答えの前に多少お答えをさせていただきたいと思いますが、アメリカとの比較はなかなか一概に言えないと思いますけれども、単純に比較すれば先生の御指摘のとおりだと思います。 ただ、基本的にあり方が違うという御認識だけは御理解いただきたいと思いますが、アメリカの国立公園というのは全部国有地でみずからが管理できる、そういうものでございますが、私どもの国立公園は、極端に言えば人様の所有地の上でも国立公園を設定いたしまして、そこで一定の行為、規制をやると、こういう関係で大分あり方が違っております。またさらに、何といいますか、公園管理につきましては、アメリカでは国家公務員それ自身が管理しておりますけれども、私どもは都道府県なり何なりの職員もいろいろと協力関係を持っているという違いもございます。しかし、単純に比較すれば先生のおっしゃるようなことでございます。 それで私ども、現地のレンジャーと呼んでおります管理員につきましては、とりわけて環境庁発足以来この増員について非常な努力を払ってまいりました。ここ三、四年こそ余りどうも数はあれなんでございますが、わずかながらでも増員しております。環境庁発足直後におきましては九名とか七名とかそういう程度の規模の増員を図っておりまして、環境庁発足時点で五十三名でございましたが、現在百五名と御指摘のような伸びを見せている、しかし全体的に見ればまだまだこれは不十分だ、こういう認識を持っておりまして、さらにむずかしい状況ではありますが努力をさせていただきたい、こういうふうに思っております。
○国務大臣(梶木又三君) 国立公園の役割り、これはもう大変大事なものでございますので、いま局長が申し上げましたように、これの維持管理につきましては十分心がけてやっていきたい、かように考えております。
○委員長(宮之原貞光君) ちょっと速記とめてください。 〔速記中止〕
○委員長(宮之原貞光君) 速記を起こして。
○中村鋭一君 長官にお尋ねいたしますが、前任の原長官、さらにその前任の鯨岡長官、大変環境行政に熱心でございまして、特に鯨岡長官のごとき、たとえば湖沼法案、アセスメント法案等を本委員会に付託するに当たっては、不退転の決意で辞表をふところにして委員会に臨むということをお伺いしたこともございます。 環境行政は、私が言うまでもないことですけれども、これから次の世紀に向かって日本を、われわれの子孫をどのように快適な条件に置くかということについては常に戦闘的であらねばならない、こう思うんですが、先ほど来から委員の御指摘にもありますように、ともすれば消極的とでもいいますか、これはマスコミ等の対応も含めて少しパッシブになっているように思うのです。 そこで、長官にまず環境行政につきましての決意を改めてお伺いしておきたい、こう思います。
○国務大臣(梶木又三君) 私も、環境庁長官を拝命いたしました以上は歴代の長官に負けないように今後努力していきたい、これはもう当然の決意でございます。 環境行政というのは、はでな仕事じゃございませんが、やはりいまも中村委員御指摘のように、人間の健康の保持、健康を守る、それからまた貴重な財産でございます自然の風景、自然環境、それを保全していくというような本当は一番大事な根源的な仕事でございます。しかし、大変じみな仕事ですから人目には目立たないと思います。それだけに私は、やはりじみちに着実に、何といいますか、環境行政を着実にひとつ推し進めていかなきゃならない、こういう決意を持っておるわけでございます。ただ、非才なものですからあるいは歴代の長官みたいに腕力の強い長官じゃないかもわかりませんが、私なりには決意だけはどの長官にも負けないでやるつもりでございます。
○中村鋭一君 いや、非才とはとんでもない話でございまして、われわれ委員会も、私は一応野党の委員ではございますけれども、環境庁の行政というものについてはだれにも負けない与党としてこれからも一生懸命審議に当たってまいりたいと思っておりますので、がんばってくださいますようお願いを申し上げておきたいと思います。 さて、環境アセスメント法の成立はまだその日の目を見るに至ってないわけでございまして、これまでの委員会でもずっとわれわれ、言葉はなんですけれども督励に当たってきたつもりなんですね。一方、地方自治体はすでに国の法律に先駆けて条例等をどんどんと制定しているわけでございます。 お伺いいたしますが、現在地方自治体の広い意見でのアセスメント関係の条例の制定状況をまずお伺いいたしたいと思います。
○政府委員(正田泰央君) 環境影響評価の制度化につきまして御質問の点を概略申し上げますが、幾つかのグループに分かれるわけでございまして、ただいま地方公共団体全体において重要な課題になっておることは間違いございません。 まず、条例でございますが、川崎市、北海道、東京都及び神奈川県、この四地方公共団体が条例を制定いたしております。次に、十七の県と指定都市がそれぞれ要綱等を制定いたしております。次に、都道府県、指定都市のほとんどが条例、要綱等の制度化につきまして何らかの検討を現在行っている最中でございまして、これらのほとんどの団体が環境影響評価法案の動向を重視してこれを見守っている状況でございます。 ちなみに、制度化を検討していない地方公共団体というものもございますが、それは北海道条例が適用されておりますところの札幌市、それから広島県の要綱の適用されておりますところの広島市の二団体のみでございます。
○中村鋭一君 これは地方が条例や要綱を幾らつくったって、統一した国のルールというものがなければ現実にはやりにくいわけですね。普通法律というのは、法律が先にできまして、それからそれに基づいてたとえば省令がある、あるいは地方自治体は条例をもってそれに対応していく、細かい施行規則がつくられるというふうになるんです が、今度の場合はどうも反対で、地方自治体や事業機関等が要綱や条例をつくって国の統一したルールがまだできていない、本末転倒だとこう思うんですけれども、国のルール、すなわち法律ができた場合どういうメリットがありますか、その点を端的にお教え願います。
○政府委員(正田泰央君) まず第一点でございますが、現在は地域ごと、それから事業ごとにばらばらのアセスメントが行われております。たとえて申し上げますると、県をまたがっているような事業につきましては県ごとに手続が異なっております。さらに、各省庁の行政運用の方針がございまして、これと地方公共団体の条例などが重複して適用されるとか、あるいは仕組みが違うとか、そういうようなことがございまして、適切な環境影響評価の実効が上がるようなスタンダードなものが欲しいと言われているゆえんのものでございます。 第二点は、私ども考えまするに、この法律の制定によりまして、国が実施いたしておる事業とか、あるいは国が免許等、つまり許認可などで関与いたしております大規模な公共事業などがございますが、これを法に基づく統一した手続によりましてきちんとしたアセスメントをやる。手続、それから技術的内容、その他もろもろの事項にわたりまして確定した内容のものでやるということによって、手続とか評価とか、そういうものがばらばらに混乱することのないようになると私どもは思っております。 さらに、この法律ができますると、法律の対象事業以外の事業というものが世間にあるわけでございますが、これは自治体によりまして、あるいは小さな事業その他を含めまして何かしらアセスメントをしなければいけないとか、そういうふうに考えられるところも出てまいると思うわけでございますが、その場合でも、この国の法律がございますると、それがスタンダードでございますから、いわば模範というような形で、全体としていろんな自治体の制度がそれと以たような、のっとった整合性のあるものができるんじゃないか、こういうふうに期待しているわけでございます。 さらに申し上げますると、大事な点でございますが、この法律ができますると、アセスメントの手続につきまして事業者がいろいろなことをやらなければならない義務みたいなものがございますが、これもおのずから義務の範囲というものが明確になりまして、あるところまではやらなくちゃいけない、またあるところ以上のことはしなくてもよい、こういうような形に相なろうかと思っております。したがいまして、手続の大変大事な段階で模範的なことが行われる。 さらに、そういうようなことを要素といたしまして、期間と申しますか、どの程度の時間がかかるかという問題が起こるわけでございますから、手続がスタンダードなものになりますために、いわば進行管理というものがわりあいとうまくいくんじゃないかと思っているわけであります。したがいまして、時間的なものも明確に決まってくるんじゃないか、こういうふうに考えております。 それから、何と申しましても一番大きなことは、国会の議決をいただきまして法律としてこの手続が世の中にできますれば、これは国民、住民にとってどれだけ信頼のできるものになるかということを考えるわけでございます。 大体以上のようなことが大きく分けてメリットだろうと思っております。
○中村鋭一君 OECDからも早期制定を望む旨の勧告がなされておりますし、地方公共団体からも、たとえば大阪市を初めとして幾つかのグループが早くルールをつくってもらいたい、こういう要望行動が起こされているわけですね。 たまたま私は大阪ですけれども、これは中曽根首相の配慮もありまして、関西新空港の実現に向けて今回は予算で四十億の調査費が計上されております。関西新空港の場合、空港本体、周辺整備、それから環境アセスメント、いわゆる三点セット、これが早急に策定をして、便利でしかも環境を損なわないすばらしい新空港をつくろうじゃないかということにおいて、おおむね大阪を中心とする近畿圏では意思統一を見つつあるように思うんですが、そういう点からも環境アセスメント法案の一刻も早い制定が私は望まれると思うんですけれども、これにつきまして長官の御決意をひとつお伺いしておきたいと思います。
○国務大臣(梶木又三君) 午前中もお答えいたしましたが、五十八年度の環境行政の当面する一番最大の重要課題はアセスの成立と、こういうことに置きまして、これは企調局のみならず全庁を挙げてやれと、こういうことでいま取り組んでおるわけでございまして、私午前中も申し上げましたが、われわれといたしましてはあらゆる方面にお願いを申し上げてこの国会中に成立いたしたい、かように考えておりますので、衆議院の方から回ってまいりましたらぜひともひとつ参議院の方でも御協力いただいて、早期成立、これをお願いいたしたいと思う次第でございます。
○中村鋭一君 よく承りました。私も積極的に、何といいますか審議を促進して、一刻も早くアセスメントの成立に委員の一人としてがんばりたい、こう思っております。 環境庁、湖沼の富栄養化防止対策として湖沼の窒素、燐、こういった環境基準、昨年末に設定されたんですが、このこと自体は大変結構なんですが、しかしもっと湖沼対策というのは総合的に考えなきゃいけない、こう思うんですね。強力にやらなければいけない。いわゆる湖沼法ですね、これも環境アセスメント法案に劣らず喫緊の課題である、こう思うんですけれど、これにつきまして環境庁、現在の法制定に向けての熱意といいますか、その具体的な状況等を含めてお答えをお願いしたいと思います。
○政府委員(小野重和君) 御案内のように一昨年来の懸案事項でございます。残念ながら去年までは関係省庁の合意を得るに至らなかったわけでございますが、三年目になるわけでございますが、ことしこそ何としてでも国会提出まで持っていきたいと考えておりまして、いま精力的に折衝中でございます。 いままで問題になっておりましたのは、湖沼の周辺におきまして工場、事業場を新増設する場合の規制のあり方をめぐりまして調整がつかなかった面があるわけでございますが、その点を中心にいま折衝しておりまして、私どもまさに三度目の正直ということで何としても政府部内の調整を終えたいと、かように存じております。
○中村鋭一君 ただいま沓脱委員も指摘しておりましたし、それから冒頭の質疑で本岡委員も、たとえば予算一つを取り上げましても、それはゼロシーリングということがあるでしょうけれども、どうも環境庁がもう一つたとえば予算をとることについても積極性が感じられないし、現実に減額もされている。それから沓脱委員も言われましたように、国立公園の管理に当たるレンジャーの数すら、それはふえているとおっしゃっていますけれども、現実にやっぱり私は少ないと思うんですね。こういったすべてについて、そしてまた私この質問の冒頭に申し上げましたように、環境庁を取り巻く諸情勢というものは決して明るいものではないと思うんです。忘れられがちとまでは言いませんけれども、そういう傾向にあることは否めないと思うんですね。 たとえば予算一つにしましても、防衛予算見ると、常にこれはマスコミも含めて国民論議の的であり、しかもそれがふえる傾向にあるわけなんですね。ところが、考えてみたら戦争が起こるとか外国が侵略してくるというのはそこに保証はないわけです。いつ幾日第三国が攻めてくるというようなことは何も決められてもおりませんし、これは全く仮定の、いわば一つの幻想とまでは言いませんけれども、ことに基づいて防衛予算というのは立てられているわけですね。 だからといって私は何も防衛予算が要らぬとは言いません。それは当然やらなければいかぬことですけれども、しかし日本の国土がどんどん開発に伴って緑がだんだん減っていったり湖が汚れていくというのは、これはよその国が攻めてくる、 そのことに備えて防衛予算を増額するよりももっと確実に日本の汚染は進んでいるわけでございますから、こういうことについては環境庁というのは非常にアグレッシブな、アクチブな戦闘的行政集団であるべきだ、私はこう思います。 そのことにつきまして、これからもひとつ環境庁は、いかようの制肘や介入がありましても二十一世紀に向けて日本列島を常に最も良好な環境に置くんだと、それは環境庁の行政を除いてはあり得ない、こういう決意を持って進んでいただくように要望をいたしまして、私の質問を終わります。
○委員長(宮之原貞光君) これをもって昭和五十八年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、公害等調整委員会及び環境庁についての委嘱審査は終了いたしました。 なお、委嘱審査の報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(宮之原貞光君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時二十一分散会