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98回国会衆議院1983/04/28

内閣委員会 第9号

発言数
483
登壇者
43
会派数
6
開催日
1983/04/28

会議録

橋口隆自由民主党

○橋口委員長 これより会議を開きます。  内閣提出、臨時行政改革推進審議会設置法案を議題といたします。  趣旨の説明を求めます。齋藤行政管理庁長官。     ―――――――――――――  臨時行政改革推進審議会設置法案     〔本号末尾に掲載〕     ―――――――――――――

齋藤邦吉自由民主党行政管理庁長官

○齋藤国務大臣 ただいま議題となりました臨時行政改革推進審議会設置法案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。  申すまでもなく、行政改革は、厳しい内外の環境のもとにおいて、当面する国政上の最重要課題の一つであり、わが国の将来への明るい展望を開くために避けて通ることのできない国民的課題であります。このため、政府は臨時行政調査会からの累次にわたる答申を踏まえ、政府としての諸般の改革方策を着実に推進しつつあるところであります。  臨時行政調査会は、去る三月十五日をもってその存置期限を迎え、解散したところでありますが、これに先立ち、二月二十八日に提出された「行政改革に関する第四次答申」において、臨時行政調査会の任務終了後における行政改革の推進体制のあり方として、学識経験者若干名をもって構成する調査審議機関の設置の必要性を提言しているところであります。  もとより、臨時行政調査会の累次にわたる答申を踏まえつつ、行政改革を具体的に実施することは政府みずからの責務でありますが、この国民的課題である行政改革を推進するに当たり、各界有識者の御意見を聴取しつつ諸施策を立案、実施することはきわめて重要かつ有益であると考える次第であります。  このため、政府といたしましては、今般、臨時行政調査会の第四次答申を最大限に尊重する旨の基本的対処方針を決定し、この方針を踏まえて総理府に臨時行政改革推進審議会を設置することとし、ここにこの法律案を提出した次第であります。  次に、法律案の概要について御説明申し上げます。  臨時行政改革推進審議会は、臨時行政調査会の行った行政改革に関する答申を受けて講ぜられる行政制度及び行政運営の改善に関する施策に係る重要事項について調査審議し、その結果に基づいて内閣総理大臣に意見を述べるほか、内閣総理大臣の諮問に応じて答申することを任務としており、審議会の意見または答申については、内閣総理大臣はこれを尊重しなければならないこととしております。  審議会は、行政の改善問題に関してすぐれた識見を有する者のうちから、両議院の同意を得て内閣総理大臣が任命する委員七人をもって構成することとし、また、審議会の調査事務その他の事務を処理させるための事務局を置くこととしております。  また、審議会は、行政機関の長等に対して資料の提出、意見の開陳、説明その他の必要な協力を求めることができることとしているほか、特に必要があると認めるときは、みずからその運営状況を調査することができることとしております。  なお、審議会は臨時の機関として設置されるものであり、政令で定める本法律の施行期日から起算して三年を経過した日に廃止されることとしております。  このほか、関係法律について所要の改正を行うこととしております。  以上がこの法律案の提案理由及びその内容の概要であります。  何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同くださるようお願い申し上げる次第でございます。

橋口隆自由民主党

○橋口委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。     ―――――――――――――

橋口隆自由民主党

○橋口委員長 これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。渡部行雄君。

渡部行雄日本社会党

○渡部(行)委員 まず私は、本法案の審議に入るに先立ちまして、最近連続して起きました自衛隊機の墜落事故で亡くなられた二十四人の隊員の方々に哀悼の意を表するとともに、四人の重傷者並びにその御遺族の方々にお見舞いを申し上げる次第であります。  本来ならば、このような大事故が相次いで起きた場合は、所管委員会の内閣委員会が開かれて緊急に調査その他の対策を講ずべきだと思いますが、本件所管である内閣委員会の審議日程を考えますと、タイミングとしても本日をおいてほかに考えられませんので、あえて若干の時間をおかりいたしまして質問を展開するものであります。  その第一点は、去る十九日朝、航空自衛隊のC1輸送機六機編隊のうち、一番機及び二番機の二機が低高度航法訓練中、山に激突して十四人の隊員を失った事件であり、第二点は、そのわずか一週間後の二十六日、海上自衛隊第三一航空群所属の対潜飛行艇PS1の墜落事故により隊員十名死亡、四名の重傷者を出した事件についてであります。  防衛庁は、国会という公式の場を通じて、御遺族の方々はもちろん、国民に対しても、また不安におののく隊員に対しても、事の真相を明らかにして深くおわびを申し上げ、これに対する対策と今後の方針を明確にすべきだと思いますが、いかがでしょうか。  これは、調査が完全に終わっていないとするならば、中間報告の形でもなすべきであると思いますが、その点についてお伺いいたします。

林大幹自由民主党防衛政務次官

○林(大)政府委員 防衛政務次官の林大幹でございます。  本日、防衛庁長官が岩国基地で行われる予定になっておりますPS1型機の事故殉職隊員の葬送式に参列のために本委員会に出席ができませんので、この点を委員の諸先生に御了解賜りたいと思っております。  さて、さきのC1型機の事故に引き続きまして今回またPS1型機の事故を起こし、そのために多数の隊員の死傷者を出すに至ったことは、まことに申しわけない次第でございまして、御遺族の方々、それからまた、航空機を失い、周辺住民の方々に少なからざる不安感を与えましたことに対しまして、まことに遺憾でございます。  ただいま渡部先生から御質問の点につきましても、そういう点を踏まえまして、防衛庁といたしましてはいま事故原因について鋭意究明中でございます。現在、それぞれの航空事故調査委員会におきましてその作業を進めておりますけれども、防衛庁といたしましては、このような大事故が引き続き発生いたしましたことにつきましては、どうしても早急に事故原因を究明いたしましてこれに対処しなければならないということで、昨日、防衛庁長官より、特に航空事故防止に関する長官指示を発出いたしました。そういたしまして、航空機の安全点検、さらに教育訓練の実施要領等の総点検を行うことなど、事故防止に特段の努力を傾注するよう長官指示をいたした次第でございます。  自衛隊は、国の守りに当たるという重大な任務を遂行するために、日ごろから非常に厳しい訓練を行って練度の維持向上に努めてきたところでありますけれども、この際、事故防止という観点から、それに必要な諸施策を鋭意講ずることによりまして国民の信頼にこたえるよう一層努力を重ねているところでございますので、今後、委員の諸先生方の一段の御指導をお願い申し上げたいと思っております。

渡部行雄日本社会党

○渡部(行)委員 いま調査を行っておられるそうでございますが、その中でも、たとえば原因がある程度わかった部分についての中間的な報告はできませんか。これは局長からでも結構ですから、よろしくお願いします。

西廣整輝防衛庁参事官

○西廣政府委員 お答えいたします。  事故調査委員会がいま鋭意やっておりますが、中間段階の発表というよりも、今回のC1の事故あるいはPS1の事故、いずれも比較的早い時期に原因究明ができるのではないかと思っておりますので、もうしばらく時間をおかしいただきたいと考えております。

渡部行雄日本社会党

○渡部(行)委員 この二つの事故を見ておりますと、どうも何か生体実験でもやるように飛行技術の限界というものに挑戦させているのではないか、こういう感じがしてならないのですが、そういう訓練ではなかったのですか。

西廣整輝防衛庁参事官

○西廣政府委員 二つの事故それぞれ態様が違いますが、それぞれ申し上げますと、C1のにつきましては、御案内のように自衛隊の航空輸送は有事におきます作戦輸送をやるということで、できるだけ敵に発見をされないように飛行するということで、低空による移動というのが通常の形になるわけでございます。したがいまして、訓練の態様としましても、低空における移動ということは比較的たびたび行われておる訓練ということになります。  また、PS1の方の訓練は基礎操縦訓練の一つでございまして、ローパスと申して、非常に限定された地域へ低空できちっと飛行するという最も基本的な訓練の中で起きた事故でございまして、そういう点で、事故が起きたことについてわれわれ大変ショックを受けておるわけでございますけれども、訓練そのものとしては基本的な訓練であるというように考えております。

渡部行雄日本社会党

○渡部(行)委員 このときの訓練は有視界飛行ということでなされたそうですが、有視界飛行のいわゆる視界の限界は何メートルになりますか。

西廣整輝防衛庁参事官

○西廣政府委員 ただいまの御質問はC1の方であろうかと思いますが、C1機は、小牧基地の管制塔の方から特別有視界飛行ということで許可を得て発進をいたしまして、海上に出てからはいわゆる有視界飛行に変わったということで、条件としては雲の中に入らないこと、それから千五百メートルの視界を有すること及び地上もしくは水面が連続的に視認できることといったような条件のもとに、有視界飛行をしておりました。

渡部行雄日本社会党

○渡部(行)委員 千五百メートルと言われましたが、実際はこのときは非常に濃霧があって、千メートル弱の視界しかなかったと言われております。こうなると、つまり限界を超えた訓練をしておったということになりませんか。

西廣整輝防衛庁参事官

○西廣政府委員 有視界飛行の条件というのは先ほど申したとおりでございますが、そういった条件が満たされなくなった場合には、それぞれの機長の判断によって計器飛行に移るというのが航空法上の定めになっておりまして、そのあたりの判断は条件がそれぞれの置かれたところによって違いますので、機長なり編隊長の判断によって計器飛行に切りかえるなり有視界飛行を続けるなりということになろうかと思います。

渡部行雄日本社会党

○渡部(行)委員 機長の判断と申しますが、実際は、どこからどこまで作戦を展開していくという場合に、あらかじめどこにどういう障害物があって、どの経路を通っていくのか、そういうことは事前によく点検、調査されていないのでしょうか。

西廣整輝防衛庁参事官

○西廣政府委員 事故の起きましたC1は小牧基地所在の航空機でございますので、当然のことながら、小牧から伊勢湾へ出る経路は十分知悉しておるわけでございます。  なお、当日の移動計画は多治見の方を経まして伊良湖岬に出るというコースが与えられておったわけでございますが、先ほど申し上げましたように、有視界飛行ということになりますと雲の中を通ってはいけないということでございますから、そういったものを避けつつ飛行することになったことと思いますが、そういったことで当初予定したコースより五度ないし十度ぐらい西にずれた形で菅島に激突をしたというように、航跡的には私ども理解をいたしております。

渡部行雄日本社会党

○渡部(行)委員 そういう航跡というか、飛行機の飛んでいる状態、どういう道を通って飛んでいるか、そういうものは、地上でレーダーでキャッチしたりあるいは指示を与えるということはないのでしょうか。

西廣整輝防衛庁参事官

○西廣政府委員 有視界飛行でございますから、地上のレーダーの誘導によって飛行しているわけではございませんが、当日たまたま最寄りのレーダーから自衛隊機の移動状況が視認されておりまして、一番機、二番機が途中で、菅島上空で機影を絶ったという点は確認をいたしております。ただし、先ほど申し上げましたように、低空で飛行しておりますので、レーダーによってそれがどの程度の高さで飛行しておるかどうかというようなことについての厳密な測定は不可能であったろうかと思っております。

渡部行雄日本社会党

○渡部(行)委員 こういう場合には、一応国内ですから気象台もあることだし、そういうところから気象上のいろいろな情報をとって、そしてそれに対応するような形での作戦がとられるのが当然だろうと私は思います。このときは海上には濃霧警報が出されておった、こういうことでございますから、そういう条件の中ではどういうふうな飛び方をしたらいいのかということが当然そこから割り出されてくるはずだと思うのです。しかるに、このような事故ができてしまった。できてしまったということは、これは後から言うのではなくて、ここに何らかの欠陥、つまり、自衛隊の中にある戦前の日本軍のような、人間の命というものは一銭五厘のはがきで買えるのだというような、命を軽視する思想があるのじゃなかろうかと思うのです。もしそうでなければ、もっと緻密な調査がなされてしかるべきだと思いますが、その点はどうでしょうか。

西廣整輝防衛庁参事官

○西廣政府委員 申すまでもございませんが、自衛隊は人命というものには最大限の配慮を払う、尊重しておるつもりでございますが、残念ながら今回こういった事故が起きたわけでございまして、先ほど申したように、有視界飛行といいますのは一定の条件がございまして、それが確保されるかされないかという点についてはそれぞれの機が判断するということでございます。  いずれにいたしましてもこういった大事故が発生をしたということでございますので、私どもといたしましては、この事故の内容を十分分析をして、事故原因というものを徹底的に究明をいたしまして、そういったものを貴重な教訓として、今後の事故の防止についてあらゆる工夫を重ねてまいりたいというように考えております。

渡部行雄日本社会党

○渡部(行)委員 このC1の輸送機の事故があってから、その事故防止のためにどのような対策をとりましたか。

西廣整輝防衛庁参事官

○西廣政府委員 C1の事故発生直後に、直ちにC1の一応機材点検ということを一斉点検をやりました。引き続き、航空自衛隊の幕僚長より、事故防止に関して各部隊に一斉に再度安全運航について留意をするというような措置をとったわけでございます。

渡部行雄日本社会党

○渡部(行)委員 そういう事故防止の措置をとってわずか一週間のうちに、また事故ができたということについては、どういうふうにお考えですか。

西廣整輝防衛庁参事官

○西廣政府委員 PS1の事故は、御存じのように海上自衛隊の方になるわけでございますが、私どもといたしましては、海上自衛隊関係を含めた事故対策というものは当時とられておりませんでしたので、PS1の事故が起きた直後に、先ほど政務次官からも御説明申し上げましたけれども、大変異例でございますが、防衛庁長官の指示というものを陸海空自衛隊にいたしまして、事故防止のために機体の総点検及び各隊員に対する安全教育の徹底、さらにそれぞれの訓練内容、訓練項目に応じます具体的な訓練内容に対応する訓練の実施要領について、安全管理という面からもう一回洗い直してみるという形の長官指示を発出いたしたところであります。

渡部行雄日本社会党

○渡部(行)委員 そこで、この事故原因の解明についてでございますが、まず第一点は、作戦指示上に無理や欠陥がなかったかどうか。あるいは第二点として、状況判断に誤りはなかったかどうか。また、飛行機の老朽化その他機器に欠陥はなかったかどうか。四番目は、整備上に手落ちはなかったかどうか。五番目に、操縦者の身体上の異常はなかったかどうか。六番目に、技術上の熟練度については問題がなかったか。七番目に、訓練基準に問題はなかったかどうか。こういう問題が考えられるわけですが、この中であるいはこのほかに、どういう点で一体このような事故につながったのか、その点をひとつ、どうお考えになっておられるか、お伺いいたします。

西廣整輝防衛庁参事官

○西廣政府委員 事故調査と申しますのは、いま先生の御質問にありましたように、各般の観点からこれから調査をしていくわけでございまして、現在、私ども予断を持たずに調査を行っておるわけでございますけれども、二つの事故のうち、PS1の方の事故は、少なくとも天候、気象、そういった面の影響というものはほとんどなかったというように考えております。C1につきましては、先生まさに御指摘のとおり、機体に問題がなかったかどうか、操縦者に問題がなかったかどうか、あるいは計画なり指揮官の指導に問題はなかったかどうか、さらには天候その他いわゆる不可抗力的なものがあったのかどうか、そういったことも含めまして、幅広く事故原因を調査しておるところであります。

渡部行雄日本社会党

○渡部(行)委員 この調査は大体いつごろ完了する見込みですか、その点、ひとつお願いします。

西廣整輝防衛庁参事官

○西廣政府委員 一般的には事故調査の期限というのは四カ月ということになっておりますけれども、今回の事故は、たとえばC1の事故でございますと、三番機その他一緒に行動しておる航空機があったということ、しかも基地の近くであって、笠取のレーダーサイトからもいろいろな点で視認ができたといった条件がございますので、比較的早く結論が出るのではないか。さらにPS1の方の事故につきましても、副操縦士が幸い生存しておるといったようなことから、規定の四カ月よりもかなり早目に結論が得られるのではないかというように考えております。

渡部行雄日本社会党

○渡部(行)委員 この操縦者に対して解剖を行われたと聞いておりますが、これはどういう意味で解剖に踏み切られたのか、その辺をお聞かせ願いたいと思います。

西廣整輝防衛庁参事官

○西廣政府委員 まだ細部の報告は受けておりませんが、聞くところによりますと、大部分の殉職者は激突時のショックなり、あるいはそのとき爆発をいたしましたので、焼死した者が大部分であります。しかるに機長の場合は、機外に投げ出されておりまして溺死の形になっておりましたので、一人だけ死亡の態様が違うので、司法解剖に回したというように聞いております。

渡部行雄日本社会党

○渡部(行)委員 これは投げ出されたということ。たとえば体内から薬物を発見したとかアルコール成分を発見したとか、そういうことなら話がわかりますけれども、素人が見ても、投げ出されて海に入って溺死したという場合には、解剖をそれほど簡単にやっていいものでしょうか、その辺がどうも私、理解できないのですが。

西廣整輝防衛庁参事官

○西廣政府委員 私どもまだ詳しい状況は存じておりませんけれども、報告にあるところによりますと、遺族と御相談の上そういう措置をとったというように聞いております。

渡部行雄日本社会党

○渡部(行)委員 それでは、この二つの事故についての損害額についてはどの程度になりますか。

西廣整輝防衛庁参事官

○西廣政府委員 損害額という点につきましては、私、所掌でございませんので直ちに申し上げられないのでございますが、PS1の〇一号機、これは飛行艇としては一番古い機でございまして、どこまで耐用命数が来ているかというようなこと、それからC1等につきましても、耐用命数等、私まだ知っておりませんので、損害のほどはまだはっきりわからない。さらに、遺族の補償ということになりますと、これはこれから通常の公務災害補償その他で支払うということになりまして、今後、それぞれの階級なり年齢その他に応じて算出をして遺族に補償をするということになろうかと存じますが、いまのところまだ金額が幾らになるかということについては把握いたしておりません。

渡部行雄日本社会党

○渡部(行)委員 隊員は、どのくらいの養成期間がかかっている隊員なのか、そしてその技術上の熟練度には問題なかったのか、その辺についてお聞かせください。

西廣整輝防衛庁参事官

○西廣政府委員 今回操縦しておりました機長のうち、一番若いのがPS1の機長、これが二十九歳でございますが、飛行時間は飛行艇の操縦士としては二千数百時間という非常に長い飛行時間を有する者でございますので、経験あるいは飛行時間その他、かなりのベテランであるというように考えております。

渡部行雄日本社会党

○渡部(行)委員 これだけのパイロットを養成するには、どのくらいの金がかかりますか。

西廣整輝防衛庁参事官

○西廣政府委員 大変申しわけありませんが、私、金の方は所掌でございませんので、至急調べまして御返答いたしたいと思います。

渡部行雄日本社会党

○渡部(行)委員 そこで、これから遺族に対する取り扱いというか対策の仕方、あるいは死亡者に対する今後の取り扱い方、こういうことはどういうふうに考えておられますか。

西廣整輝防衛庁参事官

○西廣政府委員 これも私の所管するところではありませんので、若干の間違いがあるかもしれませんが、自衛隊員が公務死をした、殉職をしたという場合は、防衛庁職員給与法に基づきます補償が行われるわけでございますが、この防衛庁職員給与法そのものの規定は一般職に準じたものでございまして、そういう点では一般職公務員と同じような扱いをもってさまざまな補償が行われる、あるいは賞じゅつ金が支払われるということになろうかと思います。

渡部行雄日本社会党

○渡部(行)委員 パイロットに操縦のミスがあったためにこのような事故につながった場合、そのミスを起こしたパイロットに対してはどういうふうになりますか。

西廣整輝防衛庁参事官

○西廣政府委員 これはひとえにそのミスの程度、故意であるかどうかということも含めまして、そういったものとの兼ね合いがあろうかと思いますので、いまにわかに判定できないわけでございますが、通常と言ったらおかしいのですが、起こり得るべきミスということでありますと、必ずしも操縦上の過失があっても補償金が支払われた例もございます。

渡部行雄日本社会党

○渡部(行)委員 ちょっと後の方が聞こえなかったのですが、支払い何ですか。

西廣整輝防衛庁参事官

○西廣政府委員 通常の場合と同じような支払いが行われた例もございます。

渡部行雄日本社会党

○渡部(行)委員 そこで、こういう事故については、それは原因調査はもちろんでありますが、こういう結果についての責任の所在はどこにありますか。

西廣整輝防衛庁参事官

○西廣政府委員 責任にはいろいろございまして、これは事故調査が終わりませんと何とも申せませんが、直接的な責任あるいは管理責任、それぞれがその事案に応じて問われることになろうかというふうに存じております。

渡部行雄日本社会党

○渡部(行)委員 この事故が起きてから、全機種にわたっての点検は行われましたか。いわゆる自衛隊の持っておる全機種に対する点検。

西廣整輝防衛庁参事官

○西廣政府委員 事故後直ちに、C1の事故後にはC1機について、PS事故後にはそれぞれの幕僚長の指示によってPS機の全面飛行停止による点検ということが行われたわけでございますが、昨日、長官の指示によりまして、すべての航空機について機体の総点検あるいは訓練要領についての総点検を行うことになりましたので、現在それが行われつつあるということであろうかと思います。

渡部行雄日本社会党

○渡部(行)委員 それで、今後このような事故を再び繰り返さない、こういうためには、具体的にどういうことを講ずるお考えですか。それをひとつお聞かせ願いたいと思います。

西廣整輝防衛庁参事官

○西廣政府委員 御案内のように、自衛隊としては、訓練が有事にその任務を果たすために非常に重要な要素を占めておるということで、訓練の手抜きをするというわけにはまいらないわけでございますが、それに伴って事故が生ずるといったことはまさにあってはならないわけでございまして、長年にわたって安全管理ということについては力を注いできたわけでございますが、現在、今回の大事故が連続して起きたということに関連をいたしまして、特に私どもが関心を持っております点は、御案内のように、安全管理というのは部隊でやるもの、あるいは機材の安全管理とあわせて最終的にはたとえば航空機の問題ですとパイロットとかそういう個人の判断にゆだねられる部分が多いわけでございますけれども、すぐそこで個人の判断というものに飛ばないで、何らかの形でもう少し訓練の実施の仕方その他から安全策というものが講じられないかどうか、それぞれの訓練の具体的内容に応じた安全対策というものの工夫はないかどうかというような点を中心に、これから研究をいたしたいというように考えております。

渡部行雄日本社会党

○渡部(行)委員 きょうの朝日新聞の社説にもありますように、非常にこれは基本的に人命の軽視と人間の尊厳さに対する軽視ではないかというようなことが書かれております。しかもその一つの例として、「低空訓練で地上の建物を目標に想定することは、その後も続いていたようだ。これは、世間の常識では絶対に許されないことだ。」ということが書いてあって、先ほど言ったような趣旨が述べられておりますが、そういう危険な訓練をいまもやはり続けておるわけですか。

西廣整輝防衛庁参事官

○西廣政府委員 飛行につきましては、それぞれ航空法で最低の安全高度というようなものも決められておりますし、私どもとしては事故防止ということがきわめて重要な観点になっておりますので、危険な飛行というものは、たとえば急激な飛行状態の変化等を伴うような訓練は訓練空域で行う、どうしても飛行場等の近くで行わなくちゃならない離発着の訓練その他につきましては、その場合には一番人家のないような方向に経路をとるとか、そういった細心の訓練計画なり飛行計画というものをつくって実施いたしておりまして、人家の密集地なりあるいはある建物を目標にして訓練するというようなことは一切ございません。

渡部行雄日本社会党

○渡部(行)委員 これからこれを契機に訓練の内容を見直す必要があるかどうか、つまり基準をもっと、何と申しますか可能なものに見直すとか、あるいは最悪の場合の安全措置をどうするか、そういうようなことについてどのように考えておりますか、その点をお伺いします。

西廣整輝防衛庁参事官

○西廣政府委員 ただいまの御質問の前に、先ほど御答弁を保留させていただきましたパイロットの養成経費についてお答えをいたしますが、航空学生出身の場合、これが今度の場合に当たるわけでございますが、PS1につきましては約三億円、C1のパイロットについては約二億円弱ということであります。  なお、いま御質問の点でございますが、まず第一点の訓練内容の見直しを行うかどうかということでありますが、訓練内容につきましては長年の経験なり各国の状況というものを見ながら私どもつくってきたものでありまして、訓練内容そのもので言えば、自衛隊の訓練内容が他国の類似の部隊に比べて非常にハードなものであるかということになりますと、残念ながらまだそこまでのレベルには至っていない。これは内容だけではなくて、燃料の問題とかあるいは日本の置かれております立地条件とかいろいろな関係がございますけれども、そういった状況にありますので、事故に関連して訓練内容をよりルーズなものにするというような考えは余り持っておりません。  ただ、先生も御指摘になりましたように、同じ内容の訓練をするについても、それに伴って起こるかもしれない事故、そういったものを防止するために、周辺のさまざまな配慮でどれだけの防止措置が講じられるかというようなことにつきまして、今後、具体的な訓練内容に対応した訓練の実施要領というものについてもう一度洗い直してみたいというように考えております。

渡部行雄日本社会党

○渡部(行)委員 ただいまの飛行機の値段はスクラップ値段じゃないでしょうか。朝日新聞には三機で百五十億円となっているのですが。

西廣整輝防衛庁参事官

○西廣政府委員 飛行機の値段というふうにおとりになったとしたら私言い間違えたのかもしれませんが、パイロットの養成経費を申し上げたわけであります。

渡部行雄日本社会党

○渡部(行)委員 防衛庁関係は以上で終わります。  あとは本法案の質疑に入っていきたいと思います。  行政管理庁長官にお伺いしますが、今度の臨調による行政改革は、国内的には財政の赤字、不況の進行、そして防衛力の増強、国際的には経済摩擦の拡大、軍事緊張の増大、そして西側との同盟の強化、こういうような問題を抱えて、国民のふんまんがここで爆発しては困るということで国民の目をどうしてもこれらの問題からそらさなければならない、そこでこのような臨調による行政改革、しかも、むだを省いて増税なき財政再建という非常にきれいごと尽くしのキャッチフレーズで今度の行政改革をやろうとしてきたことは、政治経済の弱点に国民の目が集中しないように、実際には本当の問題点が国民から隠されているのではないだろうか、こんなふうに思えてならないわけです。ということは、建築でたとえるなら、改造の必要個所を指摘したにすぎないというのが第二臨調の役割りではなかったか。その設計図までは描いていない。そして今度は、いよいよ建築に着手するに当たってどうしても本当の設計図をかかなければならない、そういうことで今度の臨時行政改革推進審議会をつくられる、こういうふうに思われます。  こうなりますと、今度は、国民の業種別や階層ごとにだんだん部屋割りがはっきりとしてくるわけでございますから、一般国民は自分たちに小さな部屋が与えられ、自衛隊や軍事産業等には大きな豪華な部屋が与えられるようになる、こういうふうに見方がだんだん変わってくるのではないか。その際、やはりこの真相をはっきり国民が知ってくればくるほど、行革推進に対する抵抗が増大するのではないかと思うわけでございますが、実際にこの行革は勤労国民のためにどのように配慮されたのか。その点、ひとつ長官の御所見をお伺いしたいと思います。

齋藤邦吉自由民主党行政管理庁長官

○齋藤国務大臣 今回の行政改革といいますのは、もうすでに御承知のように、高度成長時代から低成長時代に移り、高齢化社会へと非常に急速に変わってまいりまして、そういう経済社会の著しい変化に対応して従来のような行政機構あるいは行政運営で果たしてやっていけるだろうか、私どもは将来の二十一世紀を展望して活力ある福祉社会を築いていく、これはお互い責任があると私は考えております。高度成長時代にふくれ上がったああした機構あるいはまた行政運営、果たしてこれでいいだろうかということで、行政全般にわたって聖域を一切設けない、こういう考え方で行政の改革をやっていこうというわけでございます。  一つの例を引いて申し上げますれば、第三次答申の中に年金の統合ということがうたわれております。御承知のように国鉄職員の共済組合はいまや数年足らずで、変な言葉ですが、パンクしそうな状況になってきた。年金のようなものは三十年、五十年と長期にわたって安定的給付ができるようなものでなければならぬ。労働者の方々が保険料をいま納める、二十年、三十年先本当にどうなるだろう、こういう心配があってはならない。やはり長期的に安定した給付を実現できるようにしていかなければならぬではないか。こういうようなことで、御承知のように今度の国会にも国家公務員と国鉄職員の共済組合との統合というふうな法律案を提案しておるわけでございますが、そういうふうに労働者のためにならぬのではなくて、逆に労働者が長期安定的な給付を受けられるような年金制度を確立することが年金の部門で言えば大事なことじゃないか、こういうことを言うておるわけでございます。  全国民に対して、いまのような膨大な行政機構や運営で果たしていいかという反省の上に立って、この際、行政全般について見直しをしていく必要があるのではないか、こういうわけでございまして、特定の階層に対して冷たく当たるというふうな考え方では全然ありません。活力ある福祉社会をみんなで築いていこうではないか、こういう理想であることを御了承願いたいと思います。     〔委員長退席、愛野委員長代理着席〕

渡部行雄日本社会党

○渡部(行)委員 今度の法案は、見れば非常に簡単な内容ですが、中身は大変重要であり膨大なものであると言うべきだろうと思います。というのは、臨時行政調査会の行った行政改革に関する答申というものが、圧倒的多数を占める一般勤労国民にとって善であるか悪であるかという判定がこの法案の前提にならなければならないからでございます。その際に、果たして臨調の行った答申が妥当であるかどうか、各般にわたって議論をしなければならないわけでございます。たとえば国鉄再建にいたしましても、あるいはその他の問題にいたしましても、一つのアウトラインは書いてあるけれども中身は全然わからない、こういう状況でございます。中身がわからないのにそれを推進しようとする審議会の設置というのは論理的におかしいのじゃないか、私はこういうふうに思いますが、その点はどうでしょうか。

齋藤邦吉自由民主党行政管理庁長官

○齋藤国務大臣 臨時行政調査会は、国民各階層の有識の方々九人によって構成されておりまして、しかも、その委員の人選は国会の承認をいただき、労働者の代表の方々も入っておるわけでございまして、国民各階層の有識の方々が満場一致で行政改革はこうあるべきものであるということを指摘されてきておるわけでございますから、私は全国民的な合意を得られている内容のものである、こういうふうに理解をいたしておるわけでございます。

渡部行雄日本社会党

○渡部(行)委員 これが全国民的な合意にはなっていないのは、国会において行政改革の諸案件で社会党やその他の政党でも反対している党が現実にあるわけですから、私たちは選挙で出てきた国民の代表でありまして、この臨調のそういう選挙という手続を経ないで内閣総理大臣が任命した委員が一致したからといって、それは国民のコンセンサスの表現にはならないと思うのです。そういう点で国会の政党のあり方あるいは議員の行動、そういうものが完全に一致したならば国民のコンセンサスを得たということは言えるけれども、そうでない限り、そういうとらえ方は間違っていると私は思いますが、いかがでしょうか。

齋藤邦吉自由民主党行政管理庁長官

○齋藤国務大臣 臨調の答申は、先ほど来申し上げましたように、国民各階層から選ばれた方々で御審議をいただいた案でございます。それをいよいよ今度は実行するという段階になるわけでございますが、政府としてはこの答申については最大限に尊重して逐次これを実行に移していきたい、こういう政府の方針を決めておるわけでございます。  その実行するに当たって、これを推進する審議会をつくり、そして審議会においていろいろ御相談もいただいて、その結果法律ということになりますれば、当然これを国会に出して各皆様方の御審議を煩わさなければならない、こういうわけでございまして、臨調のあの答申そのものは、私はやはり相当な国民的な合意を得ているものだと思います。しかし、それを実施するに当たっては、今後この審議会の意見も聞きながら、そして法律としてこれを決めていくということであれば、当然国会の皆さん方の御審議を得て、そして最終的に実行していく、こういう手順になるわけでございまして、答申そのものはやはり国民各階層の合意を得られたものではないか、こういうふうに私は理解をしております。しかしながら、今後その進め方については、国会の御審議を煩わすということになることは当然のことでございます。

渡部行雄日本社会党

○渡部(行)委員 この答申は国民の合意を得られたものと考えていると言われましたが、この点は、長官はそれぞれの請願なり陳情なりあるいは意見書なり、そういうものを見ておられると思いますが、たとえば地方自治体からもこの内容に対する強い不満が述べられていることは御承知のとおりだと思います。そういうものを見ましても、またこの法案の成立過程で反対する政党がある事実においても、これはただそういう短絡的に合意が得られたということではなしに、そういう批判の声もあるということを念頭に置いて行政管理庁長官というものは対処していかないと、一方的な一つの判断が常に先回りする危険があるのではないか、こんなふうに思いますので、その点はひとつ十分考慮に入れて、今後対処していただきたいと思います。

齋藤邦吉自由民主党行政管理庁長官

○齋藤国務大臣 先ほども申し上げましたが、出ました答申については政府としては最大限に尊重するということの政府の意思の決定をしておるわけでございますが、これをいよいよ具体的に実行するに当たっては、もとより各方面の意見を聴取しながら政府の最終の案を決めていく、これは当然のことでございますので、関係各方面の意見を十分聴取しながら具体的にこれをどう実施していくか、その案はそういうふうな考え方で決めていくようにいたしたい、かように私は考えておる次第でございます。

渡部行雄日本社会党

○渡部(行)委員 そこで、この法案というものは、特に「意見等の尊重」という第三条を起こして、そうして内閣総理大臣はこの審議会の意見または答申を尊重しなければならない、こういう内閣総理大臣に対する制約事項を書き込んだということは、この尊重の意味するもの、つまり範疇と申しましょうか、その中身についてはどういうものなのか、お示し願いたいと思います。

齋藤邦吉自由民主党行政管理庁長官

○齋藤国務大臣 内閣総理大臣はこの審議会の意見または答申を尊重しなければならないという規定を書いておるわけでございますが、これは純法律的に申しますれば、どの委員会でも審議会でも当然これは尊重するために実はつくるわけでございます。こういう規定があろうがなかろうが、委員会、審議会というものをつくるときは、その意見なり答申を尊重する、これは法律的には当然なんです。しかしながら、ここに特に書きましたのは、臨調の行政改革のような重要問題は内閣全体が取り組んでいかなければならぬ、こういうような意気込みをはっきりさせる、こういう意味において内閣総理大臣はこれを尊重しなければならないというふうに規定することが適当である、こういうふうに考えまして規定をいたしたわけでございます。こういうふうな、内閣総理大臣あるいはまた政府が尊重しなければならぬという規定を設けております審議会、委員会等々、よそにも相当あるわけでございます。しかし、それはあるなしにかかわらず、法律的には当然尊重しなければなりませんが、この規定は内閣挙げて行革に真剣に取り組みますという決意をはっきりと示すということが必要である、こういうふうに考えまして、この規定になったものと私は考えておるわけでございます。

渡部行雄日本社会党

○渡部(行)委員 少なくとも法律である以上、いまおっしゃられたように尊重する責任と義務というのはおのずからそれに付随するものでございまして、だからこそ、特別にそれを一条起こして特筆するのはおかしい、私はこういうふうに考えるのです。あたりまえならあたりまえでそれを通せばいいのに、なぜこれを特筆したか。それは内閣の決意を示したと、こう申されますが、しかし私は、第二臨調ができてあの調査会のメンバー、そしてその会長が土光会長になって、この答申案を受け取ったときの総理大臣の姿勢を見てまいりまして、土光会長の方が偉いのか中曽根総理大臣の方が偉くないのか、何だかさっぱりわからない感じを受けたのです。その態度たるや、総理大臣としてではなしに、土光会長にひざまずくような態度で接している。しかも、内閣総理大臣の権限を制約するというような、一面からすればそういう表現なんですよ、この表現は。一体、自分が選んだ人たちに法的に制約されるような条文をなぜ書かなければならないのか。なぜそれを入れなければならないのか。内閣総理大臣を制約できるのは国会以外にないと思うのです。その国会の権限を超えるようなこういう法律の取り扱い、これは私は、法律の体系としてもちょっとおかしいのじゃないか、論理上からも非常に問題が出てくるのじゃなかろうか、こう考えますが、いかがでしょうか。

齋藤邦吉自由民主党行政管理庁長官

○齋藤国務大臣 行政改革を実行する責任は行政府の長である総理大臣にある、これはもう当然のことでございまして、答申をできるだけ尊重してこれを実行に移す、しかし、またさらにそれを実行するに当たっては、いよいよ実現するためには国会の御審議を得なければならぬ、これはもう当然のことでございます。土光さんが二年間本当に御苦労を願った、それに敬意を表するというのは当然だと私は思うのです。内閣がお願いをして二年間本当に御苦労願った、その御苦労に敬意を表しながら、また、この答申についてはできるだけ尊重していく、これは当然のことではないかと考えております。さらにまた、今回の審議会においても、いろいろな意見や答申等が出ますれば、これはもう当然尊重いたします、尊重しなければならぬ、こういうような政府の意気込みを示すことが行政改革が成功する道ではないか、私はこういうふうに考えておるわけでございます。

渡部行雄日本社会党

○渡部(行)委員 尊重ということは、内閣総理大臣に対する制約として受け取っていいのか、それとも、どの程度の義務感を感じておられるのか、その辺はいかがでしょうか。

齋藤邦吉自由民主党行政管理庁長官

○齋藤国務大臣 尊重ということでございますから、当然そういう政治的な責任を負うということだと私は思います。

渡部行雄日本社会党

○渡部(行)委員 私は、この思想が問題だと思うのですよ。こういう思想で私的に人選をして構成した、そういう意味では恣意的な内容を持った公的機関とでも申しましょうか、これが憲法上決められた議会よりも重く見られるような節が感じられるわけですが、こういうことになると、議会制民主主義というものは全く否定される方向で進んでいくのではないだろうか。と申しますのは、議会の決議というものは非常に重要であるにもかかわらず、今度のロッキード事件の問題にしても、この議会の決議が尊重されないで、こういう恣意的な内容を持つ審議会の結論が尊重される。外から見ると、義務づけられているような印象を与える。こういうことはどうしても納得できないのですが、その点はどうでしょうか。たとえば武器輸出三原則についてもそうですね。あるいは非核三原則についても二・五原則とかなんとかという話が飛び出すように、そういう国会決議についてはいろいろな挑戦をしながら今日までやってきて、ただ行政改革になると、臨調の答申を尊重しなければならない、まさにここには無抵抗ですんなりと入っていく、その姿勢が私は大変問題ではないかと思うのですが、その点いかがでしょうか。

齋藤邦吉自由民主党行政管理庁長官

○齋藤国務大臣 先ほど来申し上げてありますように、行政改革は本当に内政の最大の課題でございますので、内閣を挙げてこれに取り組むという決意を示す意味においてそういう規定が掲げられておるわけでございますが、この審議会なり答申の実施ということは、最終的には全く政府の責任でございます。そこで、そういう審議会の意見を聞いて具体的な案をつくり、そしてさらにそれを国会に御審議いただく、こういうわけでございますから、議会制民主主義というものにむしろ沿ってやっていこう、私はこういう気持ちなのでございまして、政府が案をつくるに当たって審議会の意見を聞いて案をつくる、そしてつくった案は最終的に国会で御審議をいただいてお決めいただく、こういう手順を踏むわけでございます。この行政改革の審議会ばかりじゃなくて、すべての法案等についても、これはすでに御承知のように、各省はそれぞれ法律に基づく審議会の意見を聞いて案をつくり、そして国会に御審議をいただく、こういう手順を踏むわけでございますから、議会制民主主義に反したことをやろうなんということは全然考えていないということを御理解いただきたいと思います。

渡部行雄日本社会党

○渡部(行)委員 だから、私が言うのは、議会制民主主義というものを考えておられるならば、一般の法律と同様に取り扱って、尊重するということはあたりまえのことであってわざわざ一項を起こす必要はないという、そういうことなのですよ。そういうところに、審議会の重みをつけるというか、そうしておいて、今度は内閣がさも拘束されているような印象を対外的に与えて、国民の批判があってもこれは尊重義務があるからやるんだと言って強行する、そういうことが想定されないわけでもないわけなんです。そういう点で私は言っておるわけで、できればこういうものは今後一切条文化するということはなくしていただきたい。  そこで、これを幾らやっても水かけ論のようですから具体的な問題に入りますが、まず、委員の選任の方法については、どのような方法でこの七名の委員を選任するおつもりですか。

齋藤邦吉自由民主党行政管理庁長官

○齋藤国務大臣 この法律案による審議会の委員は七名と定めてございますが、これは行政の改善に見識のある方を各階層から選んでいく、こういうやり方にいたしたいと考えております。  法律が成立いたしました直後、直ちにこの人選に入り、そして内閣としてその人選を終えましたら国会の御同意をいただく、こういうふうな手続にいたしたいと、かように考えておるわけでございます。

渡部行雄日本社会党

○渡部(行)委員 そうすると、これは内閣総理大臣の指名ということにはなっておりますが、各階層から推薦を受けてその上で指名する、こういうことになりますか。

齋藤邦吉自由民主党行政管理庁長官

○齋藤国務大臣 これは、内閣総理大臣が各界のりっぱな方を選ぶ、こういう手順にいたしたいと考えております。

渡部行雄日本社会党

○渡部(行)委員 そうすると、いわゆる内閣総理大臣の気に入った人ということになると思うのですが、そのりっぱな人という基準だってこれは厳密に議論すれば問題があることでございますけれども、問題はその人たちの各界の代表者としての資格、それはどういうふうに考えているでしょうか。

齋藤邦吉自由民主党行政管理庁長官

○齋藤国務大臣 行政の改善に識見のあるようなりっぱな人ということでございますから、それはおのずからに見識のある人が選ばれる、こういうわけでございますから、勝手にこの人はというようなことはいたしませんから、どうかその点は御安心を願いたいと思います。

渡部行雄日本社会党

○渡部(行)委員 そこで、今度は審議会の調査権の問題ですが、この審議会の調査権というものの、権限と申しますかその及ぶ範囲については一体どういうものか、中身を御説明願いたいと思います。

門田英郎行政管理庁行政管理局長

○門田(英)政府委員 ただいま御審議をいただいておりますこの法案で、調査権につきましては第七条にその規定がされているところでございます。その第一項で、審議会は、必要があると認めるときは、行政機関及び地方公共団体の長並びに特殊法人の代表者、これに対しまして資料の提出、意見の開陳、説明その他の必要な協力を求めることができるということ。それからそのほかに、所掌事務を遂行するため特に必要があると認めるときは、行政機関及び特殊法人の運営状況を調査し、または委員にこれを調査させることができる、こうしております。さらに、当審議会は、その所掌事務遂行のため、やはり必要があると認めるときに、先ほど申し上げました行政機関、地方公共団体、特殊法人、それぞれの長あるいは代表者以外の方々、言ってみれば各界の有識者の方々に、必要な御協力をちょうだいし、たとえばヒヤリング等をさしていただくということができる、こういう規定に相なっておるわけでございます。

渡部行雄日本社会党

○渡部(行)委員 そんなのはこの法律にみんな書いてあるからわかっているのですよ。私が聞いているのはそんなものじゃなくて、たとえば、ある地方自治体に対してこういう資料が欲しい、ところがその資料は人権にかかわる問題がある場合、地方自治体としては人権を守る義務があるのでそれは出せない。しかしそういうものについても出させる権限があるのかどうか、こういうことを言っているのですね。この権限というのは一体どこまで及んでいくのかということなんですよ。     〔愛野委員長代理退席、佐藤(信)委員長代理着席〕

門田英郎行政管理庁行政管理局長

○門田(英)政府委員 大変失礼いたしました。  ただいま委員仰せのような、たとえば人権にかかわるような、あるいはプライバシーにかかわるような、そういった事柄につきましては、調査権というものの及ぶ範囲は、個々の調査の際において新しくできますこの審議会の合議によって決定されるべき事柄ではございますけれども、これは当然のことながら、良識の範囲内において処理されるというふうに信じております。

渡部行雄日本社会党

○渡部(行)委員 そこで、この第七条の三項の協力者、これについては委員でも何でもない人に協力をしてもらうわけですから、この場合の守秘義務というのはどういうふうに解釈したらいいのでしょうか。

門田英郎行政管理庁行政管理局長

○門田(英)政府委員 御質問の御趣旨は、恐らくこの審議会がお呼びになった協力者、この方の守秘義務ということの御質問であろうかと拝察しておりますが、その場合、その協力者がたとえば行政機関ないし地方公共団体等の長ではなく職員である、長の場合には第一項に規定があるわけでございますが、職員の方について、個別にその専門的な識見についてヒヤリングを行うというふうなことがあった場合は、これは当然ながら国公法ないし地公法による守秘義務というのは生じてまいると思いますけれども、一般的な各界有識者、民間人の方々という場合には、守秘義務は当然のことながらございません。

渡部行雄日本社会党

○渡部(行)委員 次にはこの委員の任期についてですが、これは法律が失効する日までと解釈していいでしょうか。

門田英郎行政管理庁行政管理局長

○門田(英)政府委員 仰せのとおりでございます。

渡部行雄日本社会党

○渡部(行)委員 そこで、本審議会と、一方で今度国鉄の経営する事業の再建の推進に関する臨時措置法というものによってできる日本国有鉄道再建監理委員会、これとの関係はどういうふうになっていくでしょうか。

齋藤邦吉自由民主党行政管理庁長官

○齋藤国務大臣 国鉄再建監理委員会が法律が通りますとできるわけでございますが、これは経営形態を含めて国鉄再建に関する基本的構想を策定していくという委員会でございまして、私の方のいま御提案申し上げている審議会との関係は、一般法と特別法との関係でございまして、国鉄再建の方は国鉄再建ということについての事項を専管する、私の方というかただいま御審議いただいている審議会はそれを除いたほかの行政改革について審議をしていただく、こういうふうになると思います。したがって、一般法と特別法との関係だ、こういうふうに御理解いただきたいと思います。

渡部行雄日本社会党

○渡部(行)委員 一般法と特別法ということは、幹と枝の関係というふうに承っていいのでしょうか。

齋藤邦吉自由民主党行政管理庁長官

○齋藤国務大臣 幹と枝といいますか、国鉄問題そのものについては監理委員会が専門にやる、私の方は、この審議会の方はそれ以外の事項、それ以外の行政改革について取り組んでいく、こういうふうに御理解いただいて結構だと思います。

渡部行雄日本社会党

○渡部(行)委員 時間がだんだん迫ってきました。  これはそういうことでいろいろ議論はあるところですが、この辺でやめまして、国鉄再建についての赤字の解消の手だてとその見通しは、おおよそにおいてついたでしょうか。

吉田耕三内閣官房内閣審議官

○吉田説明員 国鉄の経営は未曾有の危機的状況にありまして、その改革は国政上早急な解決を要する重要課題の一つであると思っております。このために、政府といたしましては、去る九月二十四日の閣議決定によりまして、国鉄の改革について、臨調答申に沿ってまず国鉄再建監理委員会を設置し、抜本的な検討を行って、五年以内に事業再建の全体構想を設定してその実現を図るということにしております。それからまた、そのような全体構想が設定されるまでの間におきましても、できるだけ赤字の増大を抑制していくという臨調答申の趣旨に沿いまして、当面緊急に講ずべき対策としまして昨年九月二十四日にすでにその実施方針を閣議決定し、逐次これを実施に移しているところでございます。  このような状況を踏まえまして、今回日本国有鉄道の経営する事業の再建の推進に関する臨時措置法案を提出し御審議いただいているところでございますが、全体構想ができ、適切な結論がまとめられた暁には、それに沿って適切に赤字解消のために各種の施策を強力に推進してまいりたいと考えております。

渡部行雄日本社会党

○渡部(行)委員 そこで、いま一つは分割民営化ということが非常に大きな問題になっておるわけです。この分割にはいろいろな案があるようですが、大体いまの見通しとしては、どういう分割の方法、また民営化の方法を考えておられるのでしょうか。そのおおよその見当についてお聞かせ願いたいと思います。

吉田耕三内閣官房内閣審議官

○吉田説明員 臨調答申は、国鉄の経営形態のあり方につきまして分割民営化ということを提言しております。その内容は、全国を七ブロック程度に分割して民営化を目指していくということでございますが、その具体的な内容につきましては、今後法案が成立しました暁には設置されます国鉄再建監理委員会においていろいろな事情を考慮しながら具体的に検討がなされていくものと思われますので、その結論を待って適切に対処してまいりたいと考えております。

渡部行雄日本社会党

○渡部(行)委員 つまり、国鉄問題はまだこうしたいという程度にも至っていない、その方針がきちっと固まったわけではなくて、一応答申によってこれからそれを土台に検討、審議を進める、こういうふうに解釈していいでしょうか。

吉田耕三内閣官房内閣審議官

○吉田説明員 国鉄の改革のあり方につきましては、臨調答申に述べられました分割民営化ということを基本線といたしまして、今後監理委員会において適切な検討が続けていかれるというように考えております。

渡部行雄日本社会党

○渡部(行)委員 次に移ります。  情報公開についてですが、地方はどんどんと情報公開の条例等をつくって先取りをしておるようでございます。また、臨調答申の中にも情報公開の重要性がうたわれておるわけですが、このような、ある県では条例をつくる、ある県は手をつけない、このアンバランスというかそういうものに対して、国の情報公開法というものについてはどういうふうに考えておられますか。

門田英郎行政管理庁行政管理局長

○門田(英)政府委員 ただいま抑せのように、臨調の最終答申ではこの情報公開制度につきまして、行政に対する国民の信頼確保あるいは公正で民主的な行政運営の実現、こういうことを図るために幅広く改革の検討を進めるべきである、こうしておりますし、また一方、わが国においては全く新しい分野の事柄でありますので、非常に膨大な、広範多岐な関連諸制度との調整の問題あるいは費用対効果の問題、こういったこともあわせて検討すべきであるといたしまして、国民的合意の推移なども留意しながら、今後わが国における情報公開制度というもののあり方について諸外国の様子なども参考にしつつ専門的な調査研究を行う場をひとつ設けてはどうか、こういう趣旨の御答申があるわけでございます。  ただいま先生が仰せになりましたように、わが国におきまして、地方公共団体幾つかのところですでに先行実施を試みていらっしゃるわけでございます。行政管理庁といたしましても、この臨調答申を尊重しながら、かたがた地方公共団体の動向などにも注目しつつ、精いっぱい検討を続けてまいりたい、かように心得ております。

渡部行雄日本社会党

○渡部(行)委員 その専門的に検討する機関は、いつごろおつくりの予定ですか。

門田英郎行政管理庁行政管理局長

○門田(英)政府委員 先ほど大臣から御答弁になりましたように、新しい行政改革大綱というのは、来月をしかるべき時期の目途としながらただいま政府部内において鋭意取りまとめ中、検討中であるわけでございます。この問題につきましても、その一環として行政改革大綱の中でどう取り扱うか、ただいま関係省庁間でせっかく検討中でございます。この段階で明らかにすることができないので、ひとつ御了解をお願いしたいと思います。

渡部行雄日本社会党

○渡部(行)委員 たとえば、それを設置する際に、来月となるとすぐなんですが、仮称でもいいが、名前はどんなふうなもので、規模はどのくらいのものか、大体のところを教えていただければ、お願いします。

門田英郎行政管理庁行政管理局長

○門田(英)政府委員 ただいま申し上げましたようなことでございますので、この新しい専門的な調査研究の場というものについての名称はもとより、どういった仕組みでどういう勉強をしていくべきか、これについてはただいま検討中であるということで御理解をお願いしたいと存じます。

渡部行雄日本社会党

○渡部(行)委員 しかし、これは何か思いつきで答弁しているみたいな感じがするのですが、少なくともそういうものをつくるときには情報公開法審議委員会とか特別委員会とかあるいはプロジェクトとかいろいろ考えて、そうしてそういうものがあるからこそ、こういうところで答弁できるのじゃないでしょうか。

門田英郎行政管理庁行政管理局長

○門田(英)政府委員 再三のお尋ねであるわけでございますが、実はこの情報開示制度と申しますか情報公開制度というものについての勉強は、正直申し上げまして関係各省間それほど大きく進んでいるわけではない状況であるわけでございます。かたがた、また省庁間においてもその勉強の進度というものも大変に差があるのではないだろうか。私、若干憶測の御答弁になりますが、そういう段階にあるわけでございまして、もちろん当庁も含みまして関係省庁それぞれが今後鋭意勉強しつつ、お互いの連絡をとりながら、いかなる研究をしていくべきか、いかなる研究の場が適当か、こういったことについて協議を続けてまいりたい、かように考えている次第でございますので、ひとつ御理解をお願いいたします。

渡部行雄日本社会党

○渡部(行)委員 そこで、本法案の審議会と行政管理庁との関係はどういうふうになっていきますか。

齋藤邦吉自由民主党行政管理庁長官

○齋藤国務大臣 この審議会には簡素な、小規模な事務局を設けることにいたしたいと考えておりますので、その事務局の職員には行政管理庁の職員が併任してそちらで仕事のお手伝いをするということになるわけでございまして、基礎的な資料の収集とかいろいろな事務的なお手伝いをする、これはやはり行政管理庁としてなすべきことではないか、こういうふうに考えております。

渡部行雄日本社会党

○渡部(行)委員 そこで最後にお伺いしますが、あらゆる部門が民営化民営化という、何か民営化することが一番理想的なような印象を与えておりますが、一方、行政機関というのは公共にサービスを提供する機関でありますから、これまた非常に重要なことは論をまたないところでございます。しかも日本の公務員というのは先進諸外国に比べて非常に少ないわけで、そういうことからしますと、何かいまの政府には、公共というものの重大性というか公共に対する哲学と申しますか、そういうものが一本欠けているのではないだろうか。この点が私は非常に危倶される点でございます。  そこで第二の問題は、実際この臨調の進みぐあいを見てまいりますと、整合性が非常に欠けているんじゃないだろうか。たとえば、最初には地方分権を唱えながら実際には非常に中央集権的なそういう事の運び方をしておる。あるいはまた、国民が期待した行政改革とはほど遠い統治権の強化と申しますか、いままで民主的な諸手続を経なければなかなか実現できないことが、そういう法律的な細かな問題を政令に移管しながら簡単に権力の指向する方向で仕事ができていく、こういう感じがしてならないわけです。これは民主主義逆行の思想であり、この法案はそういう意味で非常に危険な法案と言わざるを得ません。そういう点で、長官はこれを撤回する御意思はないかどうか、これを最後にお伺いして、私の質問を終わりたいと思います。

齋藤邦吉自由民主党行政管理庁長官

○齋藤国務大臣 行政改革は二十一世紀を展望いたしまして、活力ある福祉社会を築くということを理想にいたしたいと考えておるわけでございます。そのためには、官と民との関係をどういうふうに調整をしていくか、国と地方の事務の分配をどういうふうに調整していくか、そういう問題が非常に大きな問題でございまして、役所だけでございますととかく規制的、統制的になりがちな場合に、民間の活力をどうやってその中に導入していくか、そういうことが非常に大事なことでございまして、官民の調整、国と地方との関係をどう調整していくか、そういうことを十分に考え、そして新しい時代の変化に即応した社会を築いていく、こういうことにいたしたいと考えておるわけでございまして、目下のところ行政改革は内政の最大の課題である、私はこう考えておりますので、これを撤回するような考えは毛頭ございません。

佐藤信二自由民主党

○佐藤(信)委員長代理 午後一時から再開することとし、この際、休憩いたします。     午後零時四分休憩      ――――◇―――――     午後一時二十三分開議

愛野興一郎自由民主党

○愛野委員長代理 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。鈴切康雄君。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 臨時行政改革推進審議会設置法案が現在審議されているわけでありますけれども、この法律案は、臨調の第四次答申を受けて、臨調の任務終了後の行政改革推進体制として総理府に設置することという内容になっております。  この審議会を設立するに当たり、政府は、その調査審議のテーマや方向についてどのように期待をするのか、また審議会は政府との関係においてどう機能するのか、まず、行政管理庁長官の基本的な考え方をお伺いいたします。

齋藤邦吉自由民主党行政管理庁長官

○齋藤国務大臣 二年間にわたる土光臨調の最終答申を三月十四日にいただいたわけでございまして、この答申をいただきますと、今度はその答申に対して政府が実行の責任を負うわけでございます。最終的には、その答申を実行することは政府の責任でございます。しかしながら、今度は、政府が実行するに当たって具体的な案をつくる前に関係各方面の方々の意見を十分お聞かせいただいて、そしてりっぱな具体的な案をつくるということが必要であり、適切である、私はこういうふうに考えてましてこの法案を提出いたしたわけでございます。  したがいまして、この審議会が審議される内容は、臨調答申に基づいて政府が具体的に実施しようという案の策定について御審議をいただく、こういうことになろうかと考えておる次第でございます。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 出発に当たってこの審議会の性格というものについて明確にしておきませんと、あいまいさがあるところにいろいろと問題が出てくるわけでございますから、そういう点について少しお聞きをいたします。  その性格でありますけれども、政府はこの審議会の任務をどう理解されているか。単に臨調答申の実施状況のチェックに限定するのか、それとも、それを含めて情勢変化に対応する行政制度の改革までやっていかれようとしているのか、その点についてはどうお考えでしょうか。

齋藤邦吉自由民主党行政管理庁長官

○齋藤国務大臣 臨調の答申は、行政制度の改革、行政運営の改善その他行政の各般にわたる広範な内容でございます。そこで、各般にわたる非常に広範なそういう問題、テーマを実行していくということが政府の責任でございますから、その広範な項目の重要事項について審議会で御意見をお聞かせいただく、こういうふうにしたいと考えておるわけでございまして、この審議会の審議する範囲は、答申に盛られた案、それの具体化といいますか、フォローアップと申しますか、そういうものについて御意見をお聞かせいただく、こういうことになるわけでございます。答申に基づいて行う具体的な施策全般について御意見をいただく、こういうふうに考えておる次第でございます。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 そうしますと、行政管理庁長官がいまおっしゃった中に、答申は実はもう微に入り細にわたり広範にすべてのものが網羅されていると言っても過言でないかと実は思うわけであります。そういうふうなことから考えますと、答申に少しでも触れておられる問題については、これを何でも審議会はできる、こう判断してよろしゅうございましょうか。

齋藤邦吉自由民主党行政管理庁長官

○齋藤国務大臣 いまも申し上げましたように広範な答申をいただいておりますから、その範囲内の問題について御審議をいただく。しかし、具体的にその答申の中でどの問題を取り上げるかということは、審議会ができたときに審議会の委員の方々が相談をしていただいて、これは必ずやらなければいかぬというふうにお決めいただくということになろうかと考えておりますが、範囲は全体であるというふうに御理解をいただきたいと思います。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 そうしますと、たとえば総理大臣がどうしてもぜひこの問題をという諮問がなされた場合においても、これは当然審議会としてはその諮問に応じて答申を出す、こういうふうに判断をしてよろしゅうございましょうか。

齋藤邦吉自由民主党行政管理庁長官

○齋藤国務大臣 答申の全範囲について調査審議をなさると同時に、その範囲の中で総理大臣が、これは積極的に御意見を聞かせていただきたい、こういう諮問をすることはあり得るというふうに考えておる次第でございます。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 そうなりますと、答申の中にはほとんどの内容が網羅されているし、言うならばそれに触れられているわけでございます。となりますと、総理から諮問があったときには、これは答申を受けるという形になる。  そこで、政府が現にいま行っている問題についてこれの意見具申とか、あるいはすでに決まったが不十分ではないかという問題についての意見具申とか、あるいは立案過程においての審議会の意見を反映していくという問題とか、あるいは手つかずのものに対する意見具申とかという問題までこの審議会はすべて網羅して、それなりに答申を受けることができる、こういうことでしょうか。

齋藤邦吉自由民主党行政管理庁長官

○齋藤国務大臣 例を引いて申し上げれば、いままで累次の答申をいただいておるわけです。第一次答申と第二次答申はすでに大半実施をしたわけですが、第三次答申等についてまだ実行に着手してないものもあるわけですね。そういう問題について、これはどうしたんだ、これはやらなければだめじゃないか、こういう意見を積極的に言われる、こういう場合があると思います。さらにまた、政府側において、こういうふうな問題をこういうふうに考えて処理したいと思うがどうだろうかという諮問をする場合もある、こういうふうにお考えいただきたいと思いますが、いずれにせよ非常に広範にわたっておりますから、答申の全体を範囲として、その中で具体的にどれとどれを取り上げるかということは、審議会ができた段階で委員の方々が御相談をして決めるということになろうかと考えております。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 そうしますと、私は先ほど、もうほとんど網羅されているだろう、そういうふうに申し上げましたけれども、臨調答申以外の新たな事項についてはどういうふうになりましょうか。

齋藤邦吉自由民主党行政管理庁長官

○齋藤国務大臣 大体この答申は非常に広範に網羅されておりますから、まあこれ以外のものはないと思いますけれども、しかし現実的にそれとの関連においてこれは審議すべきじゃないかということがありますれば、私は、行政改革という大きな旗印のもとに仕事をするわけですから、それは御意見をお出しいただいても一向差し支えないのじゃないか、こう考えております。しかし、これは大体全部網羅している問題じゃないかと思います。そういうふうにお考えいただきたいと思います。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 そうしますと、第二臨調の答申が行われたわけですけれども、言うならばまた新たな問題にまで及ぶということになると、さらに新しい性格を持った臨調という形になってしまうという考え方を持つ人も実はいるわけですが、その点についてはどういうお考えでしょう。

齋藤邦吉自由民主党行政管理庁長官

○齋藤国務大臣 そういう新しい臨調だという考えは持つべきではない。この答申がありましたその範囲内において、政府が実行するに当たってその成案について意見を聞く、これを本質にすべきものである、かように考えておる次第でございます。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 次に事務局体制についてでございます。どのようにお考えになっているか、実は聞きたいわけであります。  御存じのとおり、臨調の設置法においては「事務局長は、行政管理事務次官をもつて充てる。」となっておりました。今回の臨行審についても事務局体制というのは非常に重要である。これだけの臨調答申を出したわけですから、その受け皿が小さい受け皿になってしまったならば、これは思うような調査とかそういうことがなかなかできないだろう。このところ、この答申を受けてからどうも各省庁で、事務局体制がどういう形になるのだろうかということに非常に関心が集まっている。だから、もし事務局体制が大変に粗末なものであるとするならば、それは中曽根さんあるいはここにおられる齋藤行管庁長官が臨調の答申を受けて次の実行に移すことも全くできないというように言っていいわけでして、この事務局体制自体が大変に不明であると私は思うのです。そういうことから考えて、事務局体制をどうお考えでしょうか。

齋藤邦吉自由民主党行政管理庁長官

○齋藤国務大臣 臨調当時の事務局といいますのは、臨調がいろいろな案をつくるために各省のお役人の方々に協力をいただく、あるいは民間の方々の専門委員をお願いするといったふうに、恐らく二百人以上の方々がおられたわけです。それは案をつくるためにそういう方々が必要であったわけでございますが、答申が出ますと、御承知のように、今度は政府が実行の責任を負うわけですから、関係各省それぞれ分担があるわけです。ですから、関係各省がそれを実行するために全力を尽くして努力していただく、こういうことになるわけです。役所の総力を結集して実行に入る、こういうわけでございますから、臨行審の方の事務局というのはそんなに大きくなくてもいいのではないか、こういうふうに考えておるわけでございます。  しかも、その事務局は大体行管の職員が中心になって出向してお手伝いをする、こういうことになろうかと思います。臨調時代は御承知のように案を正式につくるわけですから、何百人もの人もおったと思うのです。ところが、答申が出れば今度は実行責任は各省に分散されるわけです。各省が本気になってやる。その上に立っての取りまとめの事務局でございますから、今回は小規模で足りるのではないだろうか、こう考えておるわけでございます。その中心は行管の職員が中心になってお手伝いをする、こういうことにいたしたいと考えておる次第でございます。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 そんな答弁ぐらいしか出ないだろうと実は私は思っておりました。実際この問題は非常に重要な、これから行政改革を本気でやるのかやらないかということを国民が見ている問題です。それには、事務局体制が本格的な体制になっているということにならないと、調査をするにしたってあるいは政府に答申を出すにしたって、なかなかできるものじゃないです。  それではお聞きしますけれども、事務局長は行政管理庁の事務次官ぐらいをお充てになるのですか。その点はどうでしょう。

齋藤邦吉自由民主党行政管理庁長官

○齋藤国務大臣 この法案が成立しました後に事務局長の人選に入りたいと考えておりますが、事務局長の人選につきましては、行政に多年の経験を持った優秀な人を充てたい、こういうふうに考えておりまして、いま行管庁の次官をすぐ充てるというようなことをまだ申し上げる段階ではないと思いますが、事務局長としてふさわしい、多年行政経験の豊かな人を局長に充てる、こういうふうに考えておる次第でございます。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 事務局長のポスト、これは行管庁長官がこれに対する熱意があるかどうかの判断を示す非常に大きなものなんですね。いま、大変に事務の堪能な方だ、必ずしも行政管理庁の事務次官という形になるかどうかはこれからの問題だということでございますけれども、そういうふうなお考え方であるとするならば、臨調答申を受けての推進を図っていくことはなかなかむずかしい。だから私はあえて申し上げたいわけですけれども、臨調の答申、そのときには確かに専門委員とか、何百名というたくさんの方々がこれに参加されたわけですけれども、少なくともウエートとしては、答申を受けたその後の実行という問題の方が大きいはずですね。そうすると、堪能と言っても、行政管理庁の皆さん方はみんな御堪能な方ばかりですから、その中でまず事務局長が事務次官よりも格落ちをしたような状態になりますと、これは一斉に今度、今回の答申に対してやる気はない、そういうふうに非難をされるおそれがあると思うのですけれども、その点について、行政管理庁長官は私の言っていることはおわかりかどうか、おわかりだとするならばどういうふうにこれから検討するか、そういう点についてお伺いします。

齋藤邦吉自由民主党行政管理庁長官

○齋藤国務大臣 事務局長の人選は、ただいま申し上げましたように法案成立後に決めるわけでございますが、国会の御審議の過程においての皆様方、御理解のある先生方の御意見は、十分私は尊重していかなければならぬ、こういうふうに考えておる次第でございます。  しかし、考えてみますと私も、行管長官というのは本当を言うと行革推進役なんですね。ですから、私自身が事務局長のようなつもりで総理大臣を補佐してやるということをはっきり申し上げておきたいと思います。  それは別として、事務局長の人選については、御理解のある先生方の国会を通じての御論議を十分踏まえて善処していく考えであるというふうに御理解いただきたいと思います。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 臨調においては、御存じのとおり委員の下に専門委員というのがおりまして実質の方向づけを行ってきたという、それはよくいろいろ臨調の審議をしている中にそれを実感として私どもも感じておりました。  そこで、審議会においても、やはり幅広く行政改革の審議調査を推し進めようとするならば、どうしたって専門委員の導入は必要だろう。何も何百名をというのではございません、しかし専門委員の導入は必要だろう。委員は委員としても、専門委員の導入は必要であろうと思うのですけれども、その点についてはどうお考えでしょうか。

齋藤邦吉自由民主党行政管理庁長官

○齋藤国務大臣 臨行審が発足した段階において、委員の方々がいろいろ活動なさる上に必要があるということでありますれば、これはもう当然置く必要があると思いますが、いまのところ、それを置くか置かないか、まだ決めてないような状況でございます。審議会発足の際の審議会の委員の方々の御意向も十分承りまして考えていきたい、こういうふうに考えております。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 そうしますと、専門委員についてはいまのところはまだわからない。わからないけれども、しかしそれは、委員を決めていった段階の中にあって必要であれば専門委員も当然スタッフとして決めていくんだ、こういうふうに受け取ってよろしゅうございましょうか。

齋藤邦吉自由民主党行政管理庁長官

○齋藤国務大臣 さように御理解いただいて結構でございます。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 いわゆる委員は七名ということになっておりますけれども、この七名の人選については、国民の中において行政改革についての堪能な有識者ということでありますけれども、どういう階層の方々を起用しようとお考えでしょうか。

齋藤邦吉自由民主党行政管理庁長官

○齋藤国務大臣 これも法案が成立しませんと何とも申し上げることができませんが、この審議会は答申を実行するためのフォローアップ的な機関でございますから、行政改革に熱意を持ち理解を持っておる、そういう方々が当然委員になられる。それから、国民各層から幅広く任命をしていくというふうなやり方にいたしたい、こう考えておる次第でございます。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 この法案を通さなければ何とも言えませんなんて、そんな行管庁長官弱気じゃいけないのですよ。この法案は、通したらこういうふうなという――私はだれだれをということはそれはちょっと無理からぬことであろうけれども、やはり七名という方は、かつてここで中曽根行管庁長官はその点について、人名についてはなかなかお答えすることはできないけれども、少なくともこういう段階のこういう階層の人を網羅はしたい、それによって公平を保ちたいということだけはおっしゃったのですから、あなたもそれぐらい言ったっていいですよ。

齋藤邦吉自由民主党行政管理庁長官

○齋藤国務大臣 そう具体的に詰められますと非常に苦しいわけでございますが、行革に熱意のある学者さん、これも必要でございましょう。それから、経営ということを考えるためには経済人も必要でございましよう。あるいはまた労働界ということも必要でございましょうし、そのほか行政に明るい人ということも必要でございましよう。ですから、そういう方々をバランスをとりながら国民各階層から選ばれるというふうなやり方でいくのが適当ではないでしょうか、さように考えております。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 行管庁長官は大変に慎重な御発言でしたけれども、まあにおいだけはちょっと出てきたわけでございますので、それ以上なかなか言いづらい点もおありでしょうから……。  そこで、この法律案の第二条の中に、「答申を受けて講ぜられる行政制度及び行政運営の改善に関する施策に係る重要事項について調査審議」となっておりますが、この文面は、政府が行革に関する方針を決定する前にあらかじめこの審議会に付議するということを意味しているのでしょうか。その点はどうなんでしょう。

齋藤邦吉自由民主党行政管理庁長官

○齋藤国務大臣 政府が行革についてのいろんな具体的な方針を決める前に御意見を聞くということが含まれておるわけでございます。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 当然国民の中には、やはり政府が責任を持ってやるにしても、政府が考えていることはかなり答申とかけ離れたことを閣議決定してしまうようなことがあっては実はならぬわけでありまして、そういう意味において、少なくとも政府がこういうことをしたいということであるならば、その問題についても答申を受けた臨行審にかけるということはこれは常識的だと思うのですが、そういうことでよろしゅうございますか。

齋藤邦吉自由民主党行政管理庁長官

○齋藤国務大臣 臨調の答申にかけ離れたようなことを考えるつもりはございませんから、その範囲内において皆さん方の御意見を承るというふうにしたい、かように考えております。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 確かに臨調答申の、かけ離れたとは私は申し上げませんけれども、意外と骨抜き骨抜きが非常に各所で行われてきた問題であり、国民はそんなことについてやはり信用してない点が実はあるわけですから、そういうことにおいては、やはり政府が責任を持ってやる問題について臨行審等に諮ってみて、そして臨行審の方としても、これで答申の実行には最大限の尊重をしたものであるということにならないとちょっと問題を残すなと思いましたので、その点についてあれしました。  ここに「重要事項」というふうにありますが、重要事項の意味があんまりはっきりしないのですけれどもね。  実は、重要事項というものについては、防衛についても重要事項という問題についての見解が、当時、「内閣総理大臣が必要と認める国防に関する重要事項」と、重要事項がわからないじゃないか、非常に幅広くとれる部分もあるし、また場合によっては都合によっての判断を示されるときがあるからどういうことなんだといって、実はこの問題について詰められて、重要事項というのが明確になった、そういういきさつがあるわけですね。  そこで、臨行審においても、重要事項ということは、実は「行政制度及び行政運営の改善に関する施策に係る重要事項について調査審議し、」というその重要事項というのはどういうことを意味しているのでしょうか。

門田英郎行政管理庁行政管理局長

○門田(英)政府委員 こういった調査審議機関につきまして、重要事項、何とかに係る重要事項についてというのは、いわば一種の例文でございまして、たとえば今回御審議をお願いしておりますこの臨時行政改革推進審議会が置かれるべき総理府に置かれている各種の審議会、これにつきましても、その大半が重要事項についてあるいは基本的事項について、こういった表現をとっているわけでございます。  いずれにせよ、今回の審議会は、期間三年というきわめて限られた期間において、きわめて広範多岐にわたる臨調答申全般についての調査審議をお願いするということでございます。もちろん審議会発足後、御相談によってその運営方針が定まるということになろうかと存じますが、かつ、何をもって重要事項と判断するかということも、これまた審議会の御合議の結果によって決まってくるということになろうかと思いますが、何分限られた時間でございますので、それぞれ適切な御選択が行われるものではないだろうか、かように心得ております。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 また、「内閣総理大臣の諮問に応じて」とありますけれども、総理の諮問とは何についての諮問なのか。すなわち、行政改革全般に及ぶものか、また単なる臨調答申のフォローアップに限られたものなのか、その点についての、諮問という問題についてはどうお考えでしょうか。

門田英郎行政管理庁行政管理局長

○門田(英)政府委員 先ほど大臣から御答弁申し上げましたように、この臨行審、今回お願いしております審議会の守備範囲と申しますか任務は、先ほど申し上げましたように臨調答申、これの実現の推進ということにあるわけでございます。総理が諮問するという条項があるわけでございますが、この審議会が独自に調査審議なさる。当然それに対しては政府サイドからいろいろと御報告申し上げるということでございますけれども、その間においてもし必要があれば、政府サイドにおいて特にこれが重点ではなかろうかあるいはこれが優先的に行われてしかるべきではなかろうかというふうな特段の問題意識が生じました場合に、臨調答申各般にわたる事項のうちそういった関心が起こった際に特に御諮問を申し上げるというふうな運営があるいはあろうか、こう心得ております。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 ここのところの第三条「内閣総理大臣は、前条の意見又は答申を受けたときは、これを尊重しなければならない。」ということなんですが、実は鈴木行革の中に中曽根行政管理庁長官は、臨調の答申が出たならば最大限尊重するということを明確に言っているわけです。ここに実際に出ているのは「尊重しなければならない。」という程度に終わっているわけですが、行管庁長官は、いまの総理大臣である中曽根さんが最大限尊重するというふうに言われたそのお考えとこの条文の中の関連は、どうお考えでしょうか。

齋藤邦吉自由民主党行政管理庁長官

○齋藤国務大臣 答申が出ましたときに政府の決定として、この答申の趣旨は最大限に尊重してこれを逐次実行に移すということを決定いたしたわけでございます。そこで、いよいよ実行するに当たって、この審議会の御審議なり御意見をお聞かせいただく、こういうことになるわけでございまして、そういうふうな審議会の意見なりが出ましたときには、内閣としてはこれを尊重しなくちゃならぬというふうにしたわけでございますが、これはどの審議会でも、審議会をつくるときは、その答申が出たら尊重するというのが法律的にはあたりまえなんです。なくてもいいといえばなくてもいいようなものでございます。しかしながら、今回の行政改革というものは政府が全力を尽くして実行するんだという重みといいますか責任、そういうものを明らかにしておくことがより大事でないかというふうな考え方から、「尊重しなければならない。」というふうにしたわけでございまして、内閣総理大臣の行革実施の力強い決意、それを表明したものだ、こういうふうに御理解いただければ幸せだと思います。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 社会保障制度審議会設置法の二条二項には、社会保障に関する企画、立案、大綱等をつくる場合、審議会に諮問させるように実はなっております。  政府は今後、新行革大綱とかあるいは臨調答申の実施状況のチェックをするための方針等を具体化することになると思うけれども、社会保障制度審議会と同様、具体化する前にこの審議会に諮問をされるということでよろしゅうございましょうか。

齋藤邦吉自由民主党行政管理庁長官

○齋藤国務大臣 政府がいろんな具体的な方策を決める前に審議会にお諮りをする、こういうことになると思います。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 臨調設置法の二条三項には「意見又は答申を、内閣総理大臣から国会に報告するように、内閣総理大臣に申し出ることができる。」となっております。この法律案ではこの点が実は大変に不明確になっているわけですが、政府はこの点をもっとはっきりすべきじゃないかと私は思います。その点はどうなんでしょうか。

門田英郎行政管理庁行政管理局長

○門田(英)政府委員 仰せのように、臨調については国会に御報告することができるという規定があったわけでございます。今回お願いしております法案につきましては、その規定はございません。  臨調はその任務が、今後における政府としての大幅な行政改革、この決意の前に、全体としてすべての条項にわたり吟味し見直しを行って、今後の行革の基本的な方向を提示するということであったわけでございまして、その結果については当然に国会に御報告するということで、事実行為としても、各累次にわたる御答申につきまして御報告申し上げてまいったわけでございます。  今回のお願いしております審議会につきましては、この臨調答申のフォローアップということでございます。すでにその臨調答申の国会への御報告というのは終わっているわけでございまして、その間において、国会におけるその臨調答申についての問題点の御把握というのはすでに終わっているわけでございます。  今後、私ども政府の側で責任を持ってこの臨調答申の実現の推進ということに当たってまいります際のその経過、状況、こういう事柄につきましては、従来から当委員会その他におきまして御質疑あるいはその他の御要請がございましたら当然に御説明あるいは御報告ということをしてまいっているわけでございますので、今後とも、そういった観点からのこの臨時行政改革推進審議会の活動状況を含みます行革の推進状況についての御報告というのはやぶさかでない、かように心得ております。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 それは行管庁長官もお約束していただけましょうか、その点は。

齋藤邦吉自由民主党行政管理庁長官

○齋藤国務大臣 さようにいたしたいと考えております。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 臨調最終答申で、機関委任事務の見直し等別途四つの審議機関の設置を実は述べておりますけれども、それらの審議会において検討された結果については臨行審でチェックするようになるのか、またそれが実際には可能なのか、その点についてはどうお考えでしょうか。機関委任事務等見直しについての審議機関の設置については、たとえば林政審議会への特別部会の設置とかあるいは情報開示制度検討のための専門的調査研究組織の設置とかあるいは行政手続法制定のための専門的調査審議機関の設置、こういうものの四つがあると私は思うわけですが、それはどういうふうになりましょうか。

門田英郎行政管理庁行政管理局長

○門田(英)政府委員 先生御指摘のように、臨調答申そのもので今後審議検討すべき場の提示があるわけでございます。これらの問題につきましては、目下五月中を目途に、鋭意新しいいわゆる行政改革大綱、これにおきまして政府としての取り扱い方針を決定することとしておるわけでございます。したがいまして、現在新しくでき上がります推進審議会とこれらの問題との関係について、具体的なことを申し上げる段階には実はないわけでございます。その点はひとつ御了解をお願いしたいわけでございますけれども、一般論として申し上げますならば、この御審議をお願いしております推進審議会、これはまあ行政改革をその実質的な審議範囲といたしておりますその限りにおきまして、ほかの合議制機関あるいは研究を行う専門機関、こういったものと、その具体的な審議の対象が一部重なり合うということは全くあり得ないことではございません。その点は御指摘のとおりでございます。  しかしながら、その場合におきましても、この審議会は行革に関する一般的、総合的な政府施策の推進、この見地から調査審議を行うということでございますし、他の勉強を行うような機関はもっぱら当該分野を専門的に担当するということで、固有の問題意識と観点のもとに審議あるいは研究が行われるということと比較いたしますと、若干違うのではなかろうか。その間において、御指摘のような、新しくつくられます審議会がそれらの研究の場あるいは審議の場というところで行われました結論、それをチェックするということは、余り起こらないのじゃなかろうか。むしろそういうところにおける審議を極力進めろというふうにしりをたたく、こういった役目があるいはあるのかもしれない、こう心得ております。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 やはり一つの方針を出すためには整合性がなくてはなりませんから、片一方の審議会ではこういうふうに言った、ところが思っていた方向からは大分かけ離れておったというような状況に結果的になってはいけないので、私はあえてその点を申し上げたわけでございます。  そこで、審議会の設置は三年というふうにされておりますけれども、どうしてそういうふうに三年とされたのか。行革実施期限との関係において、それは適当であるのかどうか。少なくとも行革実施という問題については、非常に早急にやらなければならない問題、また中長期的にとらえなければならないという問題の中にあって、三年というふうに期限を切られた点についてはどのようにお考えでしょうか。

齋藤邦吉自由民主党行政管理庁長官

○齋藤国務大臣 行政改革の答申をいただいた以上、できるだけ早く実行に着手するということは政府の当然の責任だと私は考えております。したがって、すぐにでもやらなければならぬ問題あるいはまた中長期的にやらなければならない問題、いろいろあると思いますが、三年の間にひとつめどだけははっきりつける、これは大事だと私は思うのです。だらだらだらだらやりましても、そんなことではもう熱意が喪失するのじゃないかということにもなりますので、やはり熱いうちに鉄は打たなければならぬ、こういうことでございますので、短いか長いかは別といたしまして、三年の間に必ずめどはつけるという決意で、三年、こういうふうに決めたわけでございます。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 国民の中に、果たしてこれが推進されるかということについて非常に疑念を持つ向きも実はあります。それはなぜかといいますと、第一次臨調を受けてできた行政監理委員会の二の舞になるのではないだろうか、そういう心配があるわけなんです。これにつきまして、行政監理委員会と今回できますところの臨時行政改革推進審議会の違いについて、やはり明確にしておかなければならないだろう。そうしませんと、国民の中には非常に心配する向きがあるわけですが、どこがどう違うのか。設立の目的とか、あるいは設置形式とか、権限及び所掌事務についてはどうなのか。この際、明確に御説明をお願いしたいと思います。

齋藤邦吉自由民主党行政管理庁長官

○齋藤国務大臣 基本的に違いますのは、あの監理委員会は行管庁に置いた審議会でございました。しかし今回は、総理大臣が陣頭に立って実行の責任を負いましょう、こういうことで総理大臣のところに置く、これがもう基本的な違い方でございます。すなわち、総理大臣が責任を持って実行に移すという決意の上でそういうやり方にしたわけでございます。  そのほか、詳細にわたって違う点がございますが、それは事務当局から答弁させます。

門田英郎行政管理庁行政管理局長

○門田(英)政府委員 目的、性格についてまず申し上げますと、かつての行政監理委員会は、行管で行っております行政監察あるいは機構定員管理、こういったものを主たる審議の対象とする調査審議機関であったわけでございますが、今般お願いしております臨時行政改革推進審議会は、臨調答申を受けた行政改革に関する全般的な政府施策についてのフォローのための調査審議機関であるという点、非常に幅が広いという点が一点違うわけでございます。  設置形式の差異につきましては、ただいま大臣からお答え申し上げたとおりでございます。  なお、権限及び所掌事務についてどう違うかという点でございますが、かつての行政監理委員会は、行管庁の管理局及び監察局の所掌事務につきまして、そのうち重要な事項について審議し、行管長官に意見を述べ、そして長官の諮問に答申し、必要があると認めるときは行管長官を通じて各行政機関の長に資料の提出及び説明を求めることができる、こういった所掌事務及び権限を持っていたわけでございます。今回お願いしております審議会につきましては、臨調答申を受けて講ぜられる行政改革に関する政府施策全般につきまして、その重要事項について調査審議し、内閣総理大臣に意見を述べる、かつ内閣総理大臣の諮問に応じて答申するということでございますし、また、関係行政機関等に対し報告等を求める、あるいは実地に調査を行うことができるというふうな幅広い権限を持っているという違いがございます。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 第一次臨調の答申が終わってからいわゆる行政監理委員会が設けられたわけでありますけれども、第一次臨調で取り上げられた改革を必要とする種別項目の中で、実際に実施したもの、全然手つかずであったもの、これは私は、第一次臨調がいかに政府としてやる気がなかったかということを明確にする上において、反省をする上において、今回の第二臨調出発に当たってぜひその総括をやっていただきたいと思うのですが、どうでしょう。

門田英郎行政管理庁行政管理局長

○門田(英)政府委員 第一次臨調の改革意見と申しますのは、たとえば内閣機能強化でありますとか中央省庁に係る問題、機構の問題、共管競合行政の問題、四方に非常に広範多岐にわたっていたわけであります。したがいまして、その一々についてここで御説明申し上げるのは大変に時間を要することになって恐縮なんでございますけれども、項目分けのぐあいによってそれぞれどういう点数をつけていいのか、これは議論の分かれるところでございますが、私どもといたしましては、あの各項目、一部実施されたものを含めますと、これまでに第一次臨調の改革意見の七、八割は実施されてきているのではなかろうかというふうに考えているわけです。  主な実施事項について申し上げますと、内閣運営の改善、たとえば官房長官国務大臣制でありますとか、関係閣僚会議の活用、こういったことは実施してきているわけでございますし、かたがた、中央省庁の問題としましては、総合開発庁というものを設けるべきだというふうな御提言がございました。これに対しまして国土庁というものを設置してきているわけでございます。中央省庁の部局の整理統廃合、新設抑制ということにつきましては、一次臨調の終わった後、スクラップ・アンド・ビルドの方針というものを徹底して審査をしてまいった経緯がございますし、一方、一省庁一局削減でございますとか、あるいは課室官の整理というものも実行してまいったわけでございます。  そのほか、審議会の整理統合でございますとか特殊法人の整理統廃合、あるいは許認可等の整理合理化という問題につきましても、累次にわたる許認可一括整理法の御提案を申し上げ、幸いにして成立を見ているところでございます。  一つ落としておりましたが、第一次臨調答申で非常に大きい問題でございました定員管理体制の確立、これにつきましても総定員法の制定をしていただきまして、その後、定員削減計画とあわせまして非常にシビアな定員管理を実施してきたわけでございます。  実施したものばかり申し上げたわけでございますが、それでは実現していない事項は何かということでございます。  たとえば内閣府、内閣補佐官の設置構想、あるいは今回の臨調でも御答申をちょうだいしております地方事務官制度の廃止問題、あるいは非常に基本的な課題になるわけでございます、大変にむずかしい問題なのでございますが、行政手続法の制定問題、こういった問題については実はまだ手がついていないという状況であったということでございます。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 私は私なりに一応当たってみたのですが、いまおっしゃったとおり、完全に実施をしたのは十一ぐらいだろう、それから一部の実施が二十ぐらいで、実施をしなかったのが九つぐらい。こういうことから考えますと、実に、高度経済成長であったとはいいながらも、肥大化した組織を温存しながら、そして今日まできて低成長時代になって、いよいよどうにもならなくなって第二臨調に本腰というような、実はそういう形であってはならないはずです。たとえ高度経済成長であろうが低成長時代であろうが、たゆまず行政改革というものはやっていかなければならない問題なんですけれども、その点について政府としては、行管庁長官は反省がおありでしょうから、その点はどういうふうにお考えでしょうか。

齋藤邦吉自由民主党行政管理庁長官

○齋藤国務大臣 いま事務当局から御報告申し上げたわけでございますが、実行したものもあり実行に移らなかったものもあり、しかし、当時としても政府はできるだけの努力はしておったと私は理解しております。しかしながら、その結果を見て、やはり反省しなくちゃならぬものはあると私は思います。  したがって、今度の審議会の設置につきましてtも、行管庁に置かないで、総理府に、総理大臣直轄に置くというような考え方に変わってきたわけでございまして、今度の土光臨調の答申というものは、本当にいまにしてやらなければ大変なことになるという、私もそういう感じを持って、責任を持って実行に当たっていきたい、こんなふうに考えております。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 今日ほど国民の中に行政改革の機運が盛り上がって、そしてその必要性が叫ばれているときは実はないわけです。もし政府がこの問題をあいまいにして済ましてしまうということになりますれば、これから恐らく日本の国としてはもう数十年こういうふうなチャンスはなかなか見出すことはできないと思います。なお、行政改革が進まない間にどんどん肥大化していく、一つの歯どめもできない状態において財政再建もついに不可能になってしまうというようなこと等も考えられますけれども、鉄は熱いときに打てというたとえがあるとおり、行管庁長官は本腰になってこの問題に取り組む、いまそういう御決意だと思うのですが、その点はどうでしょうか。

齋藤邦吉自由民主党行政管理庁長官

○齋藤国務大臣 先ほど来申し上げておりますように、行政改革はいまにしてやらなければ本当に大変なことになる、私はこういう考えを持っておりまして、何としてでもこの機会に行政改革ははっきりと実行に移していくというふうにしていきたいと私は考えておりますし、行管庁長官としてその推進役に全力を注ぐ決意でございます。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 そういう意味からいいますと、行管庁長官はじっくりと腰を落ちつけて取り組まなければいけないと思うのですね。ですから、内閣がかわるたびごとにポストがどんどんかわってしまうということになりますと、そのたびごとに行政改革に対する熱意というものがそがれてしまうおそれが多分にあると実は私は思うのですけれども、それはそれとしておいて、今回出されました答申の評価についてちょっとお伺いいたしますけれども、第二臨調の第五次にわたる答申に対し、政府としてはどのようにこの問題を評価され、そしてまた、これをどう受けとめられているか、その点からまずお聞きしましょう。

齋藤邦吉自由民主党行政管理庁長官

○齋藤国務大臣 土光臨調の答申は、第一次から第五次に至るまで、行政制度、行政組織、行政の運営、財政、行政全般にわたって真剣な取り組みをしていただいておると思いまして、その答申の内容というものは、私ども考えてみましても、妥当ということを申し上げては失礼かもしれませんけれども、本当に、高度成長から低成長に変わり、社会もすっかり変わりつつあるこの時代において、なるほどこれはりっぱになし遂げなければならぬという非常に示唆に富んだ内容が含まれておるということで、口幅ったい言い方でございますが、私は高く評価しておる次第でございます。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 これを推進していくには、やはり幾多の問題があろうと思いますね。その中には、官僚の反対とか圧力団体の抵抗とか、聞くところによりますと、自民党内部においてもそれぞれこれを実施に移すについてのとらえ方等がかなりあるわけでありますけれども、そういうふうに、臨調で答申を出したのを足を引っ張ろうというような動きが常に行政改革の中にはあるわけでございまして、これに対しては、行政管理庁長官としてはどういう御決意でお臨みになりましょうか。

齋藤邦吉自由民主党行政管理庁長官

○齋藤国務大臣 行政改革は中曽根内閣の最大の課題である、かように理解をいたしておりまして、中曽根内閣発足に当たりまして、総理から閣僚一人一人に対して、政府の行う行政改革に協力してもらいたいということを誓約させて、今日に至っておるわけでございます。さらにまた、第五次答申が出ましたときにも、総理から、行政改革は何としてでもなし遂げなければならないので、全閣僚これに協力してくれということを強い申し入れをし、閣僚ともその気持ちでやりましょう、こういうことになっております。さらにまた先般は、官房長官みずからが事務次官会議に参りまして、行政改革は何としてでもやらなければならない問題だから、事務当局はしっかり協力してもらいたいということをしておるわけでございます。  まあ、党内にいろいろ意見がある。自民党もなかなか幅広い政党でございますから、それはいろいろ意見もありましょう。それから役所の側にもいろいろな意見はあるでございましょうが、現下における行政改革の緊急性と必要性、これは役人は全部理解していると思います。したがって、日本の官僚というものは、私も役人上がりですが、日本の官僚は非常に優秀であり、忠実な役人でございますから、日本がいま置かれている現状というものを十分理解していると思いますよ。そういう意味において必ず協力していただける、私はかように確信もいたしておりますし、そういう方向で推進をしていかなければならない、こういうふうに考えております。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 それでは、答申の具体化方策についてちょっとお伺いいたします。  真の行政改革は、不要不急の行政組織や事務事業に徹底したメスを入れ、仕事減らし、器減らし、人減らしをやっていかなければならぬと私は考えるのですが、このような視点に立って臨調の答申事項を早急に具体化させる必要があろうかと私は思います。  そこで、政府は臨調の答申事項の具体的改革方策をどういうふうにお考えになっていましょうか。その点についてはどうでしょうか。

齋藤邦吉自由民主党行政管理庁長官

○齋藤国務大臣 第五次答申が出たわけでございますので、これを具体的に実施する中身、手順、そういうものについて新行革大綱というものをつくるべく目下努力をいたしておりまして、五月の中旬までには必ず新行革大綱を閣議決定に持ち込みたい、かように考えておる次第でございます。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 そうしますと、五次にわたる答申を詳細に分析をして、そして緊急に改革を要するもの、そしてまた中長期にわたって改革を推進するもの等に分けて、答申実行のプログラム、こういうものをやはり国民の前に示し、その計画実行というものを図っていかなければならない。  いまおっしゃったのは、実は新行革大綱だということなのですが、もう少し新行革大綱の内容とか、それから内容はどんなふうな状態なのか、五月の中旬だというようなお話なのですけれども、構想というのはやはりおありなのでしょうけれども、その点はどういうようにお考えでしょうか。

齋藤邦吉自由民主党行政管理庁長官

○齋藤国務大臣 先般、三月の十四日に答申をいただきまして、その後政府においてこれを最大限に尊重するという閣議決定をいたしまして、新しい行革大綱をつくる作業に入ってきておるわけでございまして、大体連休といいますか、五月初めまでに行管と各省庁との間にいろいろな事務の調整を図っていきまして、その後各方面の意見を聞き、また与党の意見も聞かなければなりませんから、大体そういう作業を進めていって来月の中旬、こう申し上げているわけでございますが、その大体の輪郭と申しますか、これはやはり第五次答申の実施を中心とした一つのプログラム、それにあわせて――第一次答申と第二次答申は御承知のようにほぼ実行に移しておりますね。それから、昨年出た第三次答申についてはまだ実行に移ってないものもあるわけでございます。そういうわけでございますから、第五次答申を中心としながら、第三次答申等においてまだ実行に移されてない部分についても、それは忘れておりませんよということをはっきりさせる必要がありますから、そういうものも含めた全体構想を明らかにしたい、こんなふうに考えておる次第でございます。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 そうしますと、第三次基本答申を受けての行革大綱を含めた形になるのか、それとも四次と五次答申の内容だけに限定したものになるのですか、その点はどうなんでしょう。

齋藤邦吉自由民主党行政管理庁長官

○齋藤国務大臣 第三次答申でまだ実行に移されてないものを含めて、第五次答申を中心としてやっていく、こういうことでございます。第四次答申はいま御審議いただいておりまする審議会法ですから、これは除きます。したがって、第三次答申の中で政府がまだ実行に移してないもの、もちろん準備は進めておるわけですけれども、法律案等において出てないものがありますから、そういうものを含めて全体構想を明らかにしたい、こんなふうに考えておるわけでございます。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 そうしますと、新行革大綱、これはこれから行うすべてであるというふうに理解してよろしゅうございましょうか。

齋藤邦吉自由民主党行政管理庁長官

○齋藤国務大臣 答申全体を見渡して、今後政府がやらなければならない施策、その内容全体を包含する、こういうふうにいたしたいと考えております。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 第三次基本答申では、三公社の改革については昨年の九月の行革大綱において改革のための法律案を今国会に提出すべきものとされていたにもかかわらず、国鉄を除いて、これまでに改革の法律案は提出されておらないわけです。このことは今後の行革推進を図る上において私はまことに遺憾なことだと思うのですが、この問題についてやはり早急に措置を講ずべきであると思うのですが、その点についてはどうお考えでしょう。

齋藤邦吉自由民主党行政管理庁長官

○齋藤国務大臣 第三次答申のうちの国鉄については先般来法案を提案いたしておるわけでございまして、残っておりますのは電電と専売の問題でございますが、これは経営形態の変更等を含めた業務の合理化、改善をねらいとするものでございますので、まだ関係各方面の意見の調整が済んでおりませんので、当初としてはただいま開かれておりまする通常国会に提案を申し上げたいと考えておりましたが、いまの段階では非常に困難になってきております。そこで、これは新行革大綱の中にも含めまして、これは必ずやりますということを明らかにしておきたい、かように考えております。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 そうしますと、電電公社及び専売公社の改革については、新行革大綱の中にどうするということについては明確にしたい、こういうことですね。もう一度。

齋藤邦吉自由民主党行政管理庁長官

○齋藤国務大臣 さように御理解いただきたいと思います。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 第五次答申では、行政組織の整理合理化を大きな柱の一つとして掲げておりますけれども、この行政組織の問題につきましては、過去に何度となく整理合理化が言われてきたところであります。しかし、その改革は依然として進まず、仮に実行はされても単に看板の書きかえに終わるなど、国民の不信を高めている結果となっております。  そこでお尋ねいたしますが、国土三庁の統合、すなわち、国土庁、北海道開発庁、沖縄開発庁の統合はどのようにお進めになるつもりなんでしょうか。

齋藤邦吉自由民主党行政管理庁長官

○齋藤国務大臣 国土庁、北海道、沖縄、国土三庁の問題でございますが、全体的な国土計画、地域別な国土計画という問題があるわけでございまして、この問題については新行政改革大綱の中でも取り上げてまいりますが、どういうふうにこれを調整していくか、これは非常にむずかしい問題でございます。それぞれ、北海道なり沖縄なり非常に特殊な事情があるわけでございますので、これをどういうふうに対処していくか、目下苦慮しておるというところでございまして、まだ結論を出しておりません。したがって、新行政改革大綱にこれをどういうふうに処理するか、もう少し時間をかしていただきたい、かように考えております。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 そうしますと、この三庁統合の問題、中央省庁の統廃合の問題については全く手つかずの状態であったわけなんですけれども、今回この三庁の問題だけは答申の中に盛られているわけですね。となりますと、この問題についても、少なくとも新行革大綱の中には何らかの形で盛り込まれるというふうに判断してよろしゅうございましょうか。

齋藤邦吉自由民主党行政管理庁長官

○齋藤国務大臣 どういう形で盛り込むかは別といたしまして、慎重な取り扱いは考える必要がある、こういうふうに私は考えておりますが、何らかの形において対処方針は打ち出したい、かように考えております。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 総合企画機能の強化として総合企画会議の設置が提言されておりますが、当初の総合企画庁構想が実は大幅に後退したもので、果たして実効があるかというふうなことは疑わしいわけであります。政府は、この総合企画会議についてどういう構想を持っておられるか、また、具体的にはいつからスタートをされるつもりなんでしょうか。

齋藤邦吉自由民主党行政管理庁長官

○齋藤国務大臣 総合企画会議の構想があるわけでございますが、いろいろこれは慎重に各省庁とも相談をしておるわけですが、屋上屋になってはなりませんし、そしてまた、それが機能を十分発揮できるような仕組みにもしなければなりません。そういうわけでございますので、これに対してどういう対処方針を打ち出すか、いま関係各省の意見も承りながら慎重に検討しておる段階でございまして、いまこの席で具体的に申し上げる段階には至ってない、こういうふうに御了承いただきたいと思います。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 実は臨調の答申の中でかなり大きな柱をなしている問題について、いま行管庁長官から御答弁いただきますとすべて慎重に慎重にという形にならざるを得ないということになりますと、先ほどから最大限尊重するとかあるいは尊重するとかいうふうな中身がえらく後退したように実は聞こえるわけなんですが、こういうふうな問題について、確かにいろいろむずかしい問題であるとは思いますよ、思いますけれども、しかし答申はそれをやりなさいというふうに明確に打ち出されている以上は、やはり行管庁長官がある程度前向きな姿勢でこれに取り組まないと、もうその時点からすべてが後退後退という形になってしまうんじゃないですか。その点についてはどうなんですか。

齋藤邦吉自由民主党行政管理庁長官

○齋藤国務大臣 後退後退ということをおっしゃるのですが、私は後退するつもりはございませんで、答申の大筋は必ず実行するという強い決意で臨んでいくつもりでございます。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 ブロック機関、それから府県単位機関等出先機関の整理合理化は、第五次答申でも個別に名称を挙げて指摘されておりますが、今後の具体的な手順はどういうふうになるのか。また、新行革大綱に当然これは盛り込まれて進められなければならない問題だと思うのですけれども、その点はどうお考えでしょうか。

齋藤邦吉自由民主党行政管理庁長官

○齋藤国務大臣 ブロック機関の問題につきましても私は真剣に取り組んでいかなければならぬと考えておりますので、答申の真意に沿ってこれを実行すべく新行革大綱の中に盛り込みたい、かように考えております。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 地方の行革についてちょっとお伺いいたしますけれども、国の行政組織改革に関連して、都道府県、地方公共団体においてもそれに対応した組織の見直しとか再編等が必要と考えられますけれども、自治省はこれをどうお考えでしょうか。

中島忠能自治省行政局行政課長

○中島説明員 お答えいたします。  国の行政行革に関連してといいますか、直接関連して地方公共団体が組織、機構その他行政改革を要する問題も当然ございます。それは、今後国の行政改革の具体化というものにあわせまして、おくれをとらないように地方公共団体は関連事項の改革に取り組んでいくように指導してまいりたいというふうに考えます。  ただ、国の行政改革に関連しなくても、地方公共団体で取り組まなければならない問題も非常にたくさんございますので、そういう問題についても、私たちはこの行政改革の作業が始まる前後から地方公共団体に強く呼びかけておりますし、地方公共団体におきましても相当現在成果が上がってきておるというふうに見ております。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 定員削減の問題についてお伺いいたします。  政府は、これまで六次にわたって定員削減を繰り返してきたところでありますけれども、定員削減の一方で新規増員を行うということを繰り返してきた結果、実際には純減はわずかなものにとどまってしまっております。人件費の膨張による財政圧迫が起きていることがいま現状であります。この際、私は徹底した行政改革をするというならば定員の削減が必要であるというふうに考えておりますが、臨調答申に基づいて定員の削減を行うとするならば、どれくらいの定員削減が可能になるのでしょうか。

門田英郎行政管理庁行政管理局長

○門田(英)政府委員 今回の臨調の答申のうち定員に関係する部分というのは、先生御案内のように第一次答申で、今後五年間に五%程度、一般行政については一割ということで定員削減を実行すべきであるという御答申があり、これはただいま御質問にございましたような第六次定員削減計画として結実しているわけでございます。その後、五十七年度予算、五十八年度予算にわたりまして着実にこれを実行してまいっておるわけでございます。  なお、このほかに最終答申におきまして、たとえば現業、非現業を通じまして国家公務員の定員合理化、これについて各種の指摘が臨調で行われているわけでございます。たとえば、具体的に幾つかの機関を指定いたしまして何人というふうな御指摘もございますし、一般に出先機関につきまして七%あるいは八%というふうな縮減目標というものを御提言なさっていらっしゃる部分もあります。かたがた、たとえば一部職種、行(二)職員などについて御提言があるわけでございますけれども、こういった職員の採用抑制を行うべきである。これも長い目で見ますと定員に当然はね返ってくるわけでございます。別途、郵政事業あるいは林野事業というような点についてもさらに一層の機構、要員の合理化が必要だ。大体、今回の臨調答申で定員に絡む部門はそのくらいではないかというふうに考えているわけでございます。  何分とも、ただいま申し上げましたように、具体的に御提言になったものあるいは方向づけだけを御提言になったもの、いろいろございますので、さて、この御答申どおりの目標数を実行した場合、何人減るのかという御質問でございますが、ちょっと具体的にお答えするのが大変に困難なものでございますから、ひとつよろしく御了解いただきたいと思います。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 やはり行革というのは人減らしあるいは器減らし、そしてまた仕事減らしですから、そういうことからいいますと、人減らしに対して確固たる決意がありませんと、それは仕事減らしにも器減らしにも影響してこない。この三つがともに重なり合って行革というものは推進されていくということをやはり考えなくちゃいけないのじゃないか。  そこで、御存じのとおり定員の削減を図るために国鉄が新規採用を停止したように、公務員においても原則的に、私は長い間とは申しませんけれども、新規採用停止の措置を講ずる必要があるのではないか。その上に立ってどうしても必要な採用ということであるなら、それは個別採用を厳しく抑制をしながらやっていくという確固たる方針がないと、国鉄は新規採用をストップした、こういう方針を明確に打ち出したことによって、国民の中には、あっ国鉄はやる気だなというふうに、それだけを見ても実はわかるわけでして、片一方の方は、確かに第六次定員削減計画に基づいて削減はしているものの、新規需要に見合って、それとほとんど同じとは申し上げませんが、若干減っているようですけれども、そういうことでやっていくということでは一向にこの問題は解決されないなと思うのですけれども、その点、どういうふうにお考えになっているか。  また、第六次定員削減計画を、この際、第二次臨調の答申を受けてさらにもう一度検討し直すというようなお考え方はないのか。

門田英郎行政管理庁行政管理局長

○門田(英)政府委員 お答え申し上げます。  先ほどお答え申しましたように、第二次臨調第一次答申を受けまして第六次定員削減計画、一昨年夏に閣議決定し、新しい削減計画期間に入っているわけでございます。二年経過したわけでございます。あと三年残っているわけでございますが、後先になって恐縮でございますけれども、私ども今後とも現下の厳しい状況にかんがみましてよりシビアな定員管理を実施していかなければいけない、こう考えておりますが、こういった経過中の削減計画でございますので、これを直ちにどうこう改定しようということはただいま考えていないということでございます。  最初の御質問になるわけでございますが、国鉄同様新規採用抑制ということをやってはどうか、こういう御提言でございます。なるほど臨調でも、先ほどお答え申しましたように一部職種についてそういった御提案があるわけでございます。ただ、これを一律的に行政各部門に適用するということにつきましては、実は総定員法以前、数年にわたりまして、新規採用抑制と裏の言い方でございますが、欠員凍結というふうなことを実行していたことは御案内のとおりでございます。この間の経験に徴しましても、実は行政各部門におきまして欠員が生じます度合いが非常にまちまちでございます。特に行政需要の高い、たとえば国民医療に代表される国立病院、療養所あるいは大学病院、こういったところの看護婦さんなどは退職率が非常に高うございます。ところが、逆に行政需要は非常に高い。事実、その後非常に大きな増員をこの間に図ってきているわけでございます。教育またしかりでございまして、学校の先生の離職率は非常に高うございます。こういったことで、ともすれば逆の傾向が起きるということが多いわけでございます。  他方、私ども非常に考えなければならないと思っておりますのは、欠員凍結なり新規採用抑制なりということを実施いたしますと、えてして勧奨退職努力が失われがちである。その結果、年齢構成にひずみが生ずる、あるいは高齢者の職員が多くなるというふうなことで、総人件費とでも申しますか、逆に給料の高い方が非常に多くなるというふうな人事管理上あるいは財政上の問題も生じてくるというふうな悪影響もあるところでございまして、そういう過去の経験に徴しまして、これは一律に実行していくのは一般行政部門についてはかなりむずかしいのではないだろうか、かように心得ているわけでございます。  しかしながら、先生御指摘のように厳しい定員管理というのは当然に必要でございますので、私ども今後とも精いっぱい努力してまいる、かように心得ております。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 国鉄はもう本当に土壇場まで来たからこそ、こういうふうな大胆な、新規採用をやめるんだということまで踏み切ったわけです。だから、いまこれだけの行政改革を必要とする中にあって、非常に厳しいとらえ方をしなければいけない時代じゃないか、甘い形で推移をしていくとするならば、それはもはや何も手をつけずに行政改革が結局は増税という形にすり変わってしまう。本当に中身に切り込むような、血のにじむような改革の努力がなされないままに、結局は安易な方向からの増税という形でお茶を濁してしまう形になる。だから私は、どこでもいいと思うのです、人減らしを徹底的にやるならやるでいいのです。そうすれば、結局器減らしも仕事減らしもおのずとやらなければならない。また器減らしをやれば結局人減らしもしていくわけですから。仕事減らしをすれば結局人も減っていくわけですから。どこか突破口を見出さないで、いまのようなもたれ合いの状態で推移していくということであるならば、それは国民が本当に望んでいる行政改革にならぬ、私はそう思うのです。国鉄の場合本当に新規採用をストップするというのですから、それくらいの気構えでとらえて、それでどうしても必要であるという場合には、さらにチェックをし抑制をしてからやらなければいけないだろうというように思うのですが、これは長官どうお考えなんですか。

齋藤邦吉自由民主党行政管理庁長官

○齋藤国務大臣 現在の定員管理の方式は、局長からすでに申し上げましたように、整理の人員と新規需要との関係を調整しながら定員管理をやるというやり方をとっておるわけでございます。  それがなまぬるいではないかというお尋ね、確かにそういう見方もあろうかと私は考えております。しかしながら、そういう定員管理の方式の中にあっても、いま仰せになりましたような新規採用はもう絶対にしない、私はすぐできるとは思っておりませんが、やはりそのくらいの決意で、新規需要は余り認めないということになれば当然そうなるわけですから、そういう決意で今後ともこの定員管理方式を貫きながら努力をしていく、そういうことだけははっきりお約束を申し上げておきたいと思います。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 行管庁長官は、人事院制度を尊重し、そこにあって総人件費を抑制するというふうなことが臨調の答申の中に盛られましたが、どういうふうにこれを理解されていますか。

齋藤邦吉自由民主党行政管理庁長官

○齋藤国務大臣 人件費抑制ということは、結局定員の縮減、そういうことが中心になっている、私はかように理解をいたしております。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 定員の削減によって総人件費を抑制するということでないと、人事院勧告尊重といっても、今回五十七年度は御存じのとおり人事院勧告がなされながら実際にベアに何も反映できなかったという状態です。人事院が第三者機関として、民間給与との比較対照においてこれを正確に掌握して勧告を出したにもかかわらず、政府は現下の財政事情は非常に厳しいということで結局見送りにしてしまったということなんですが、こういうことは望ましいのか。決して望ましいことではない。少なくとも人事院勧告尊重と言う以上は、人事院勧告を出された場合においては尊重できるような体制づくりをしていかなくちゃならぬじゃないか、私はそう思うのです。それには余りにも手ぬる過ぎるのじゃないだろうか。一生懸命働いている者に対して民間給与との較差を是正する人事院の勧告を完全実施をせよというのはあたりまえの主張であって、それを受け切れない政府の対応の仕方は私は非常に手ぬるいのじゃないかと思うのですが、その点はどうお考えでしょうか。

齋藤邦吉自由民主党行政管理庁長官

○齋藤国務大臣 五十七年度の財政は非常に危機的なものがありましたために、五十七年度は人事院勧告を見送るということに決定をいたしたわけでございますが、与野党の話し合いによって、五十八年度二度とこういうことはないようにという申し合わせをしておるわけでございまして、臨調答申においても人事院勧告はこれを尊重すべきであるということをうたっておりますので、私は今後ああいうことがたびたび繰り返されないようになることを期待をいたしております。そういうふうな期待を裏づけるものは何かと言えば、要するに定員削減でございますから、先ほど来お話のありましたような気持ちを体して今後定員削減について全力を尽くす覚悟でございます。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 最終答申では、一般の地方支分部局の定員については「当面全体として五年間に七%程度縮減する。」とし、さらに、特に定員の合理化の必要性が大きい機関については個別に名前を挙げて縮減計画を示しておりますが、この定員縮減計画はいつからスタートされるのか。また、現在第六次定員削減計画が政府の手によって進められているが、それとの関係はどういうふうになるのでしょう。

門田英郎行政管理庁行政管理局長

○門田(英)政府委員 御指摘の臨調の第五次答申に示唆されております地方支分部局の定員縮減、これはネット減をおっしゃっておるわけでございます。これらの問題につきましては、先ほど大臣が申し上げました新しい行政改革大綱の中に盛り込んでいくということでいま一生懸命検討しているところでございます。私どもの気持ちとしましては、できるだけ早く、たとえば昭和五十九年度からこれの実施に計画的に移っていきたいという気持ちで、前向きに取り組んでいるということを申し上げさせていただきます。  なお関連して、第六次定員削減計画との関係はどうかという御質問でございますが、これは、臨調は出先機関についてはネットの減少を御答申になっていらっしゃるわけです。定員削減計画というのは御承知のようにグロスという意味での減少でございます。必ずしも両方はマッチいたしませんので、両々相まって厳しい定員管理を行っていくというふうに御理解をお願いいたしたいと思います。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 定員管理の問題で一番問題になってくるのは、実は政府全体の効率的定員管理、いわゆる省庁間の配置転換による定員の合理化、削減を図るということが非常に有効であると私は思うのですけれども、実は意外と配置転換の実施状況が芳しくない。政府の方はこれでも一生懸命やったのだ、こうおっしゃっているのでしょうけれども、実は民間など、そんな甘えは実際には許されないわけです。辞令さえあればすぐにたちまち東京にいたのが北海道へ行け、それも一週間以内、十日以内、こういう形なんです。私は、民間と国とは違うにしても、少し甘過ぎるのではないかというように思うのですが、大体これについてはどれぐらいの配置転換の現況になっているのでしょうか。

門田英郎行政管理庁行政管理局長

○門田(英)政府委員 大変厳しい御指摘をちょうだいしたわけでございますが、省庁間の配置転換は非常に古くから言われていることでございまして、政府でも過去昭和二十九年、三十年、三十一年のころにも何度か閣議決定をいたしたような経緯もございましたが、その実が上がっていないという状況でございました。これではいけないということで、昭和五十五年度から新しく省庁間配置転換というのを打ち上げてまいったわけでございます。したがいまして、昭和五十五年度からの数字を申し上げますと、五十五年度八十九人、五十六年度八十三人、五十七年度やっと三けたに乗りまして百三人、いままで三年間で計二百七十五人ということでございます。  なお、この省庁間配置転換は、五十八年度以降も、私どもとしては各省庁人事担当者並びに職員個々人の方々の御合意を得ながら、できるだけ積極的にこの数字が大きくなるように努力を払ってまいりたい、こう心得ております。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 地方の時代ということであるとするならば、財源を含めてできるだけ地方に権限を移すべきである。地方の方に移すということを考えたときに、地方事務官制度の問題についても、身分をできるだけ地方公務員にすることが望ましいと私は実は考えているわけでありますけれども、臨調の最終答申で地方事務官の身分問題について明記されておりますが、答申のとおりに実施されたとすると、国の行政機関の職員となるのは何人くらいになるのでしょうか。

門田英郎行政管理庁行政管理局長

○門田(英)政府委員 ただいま地方事務官問題につきましても、新行革大綱に取り組むべく鋭意努力、検討を進めているところでございます。  臨調答申によりまして、身分と申しますか、地方事務官から国の行政機関の職員になるという者の数につきましては、具体的に地方と国との行政事務の割り振りというものが現在のところ必ずしも明確ではございません。こういう段階でございますので、ちょっと具体的には申し上げかねるわけでございますが、いずれにしましても臨調答申では、地方公共団体で簡潔的に処理すべき事務、これは比較的部分的に限られているということになろうかと思います。大半の事務が国において処理するものとされているわけでございますので、相当数、大半の職員が国の行政機関の方に移ってまいる、こういうことになると思います。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 そうしますと、地方事務官はいま現在何名いて、大半ということになればそのほとんどということになるのでしょうが、それは何名ぐらいでしょう。

門田英郎行政管理庁行政管理局長

○門田(英)政府委員 地方事務官総数は、厚生省関係、労働省関係、運輸省関係、全体を合わせまして約二万一千人でございます。ただ、そのうちのどのくらいがと、私は大半と申し上げたわけでございますが、定量的にその数字をまだ申し上げられる段階にないということを御了解をお願いしたいと存じます。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 そうしますと、総定員法の定員として組み込まれるわけでありますけれども、現在の総定員法の枠をオーバーすることになりますね。政府はこの枠の問題をどうお考えになっているのか、また、総定員の人員はどれだけで、現在はどれぐらいになっているのかということについてお伺いをいたします。  また、国立大学の職員は何名であり、いわゆる沖縄の特措法に基づくところの定員は何名なのか、この点について。

門田英郎行政管理庁行政管理局長

○門田(英)政府委員 地方事務官の数が二万一千人、その多くが国の行政機関の職員になるということになりますと、現在の総定員法に規定されております五十万六千五百七十一人、これをオーバーフローするということは御指摘のとおりでございます。  数字でございますけれども、現在の定員法定員令第一条職員、非現業職員でございます、これが法定されているわけでございますが、最高限度五十万六千五百七十一人という法定数に対しまして、五十八年度末定員はただいま四十九万六千二百五十五人ということでございまして、この間約一万人の差異があるわけでございます。  これとは別に、地方事務官の数は先ほど申し上げたとおりでございますが、新設医大等の国立学校設置法で規定されております定員が五十八年度末で一万七千八百九十五人ということになっております。なお、国立学校の定員全体を申し上げますと十三万二千百五十人ということでございます。沖縄関係の特別措置法の政令で定められている定員は、ただいま八千百十四人ということに相なっております。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 この際、従来からの総定員法の枠外であった沖縄関係並びに新設国立医科大学、地方事務官の定員を含めた形で総定員を抑制をしながら、やはりここで枠組みをもう一度検討していく必要があるんじゃないかと思うのですが、行管庁長官、どうでしょうか。

齋藤邦吉自由民主党行政管理庁長官

○齋藤国務大臣 地方事務官問題が解決すれば、これは総定員法の中で組み入れていく、私はその方が適当だと思っております。  ただ、沖縄の問題は、戦後復帰しましてまだ十年、さらにまた振興法も十年延長するというような事態でありますので、沖縄における現地の将来の行政需要がどういうふうに変わるか、もう少し見定める必要があるんではないか。それから医科大学等の問題については、新設の医大病院等がありますので、沖縄の問題と医学校の問題についてはもうちょっと時期を見て考える必要があるのではないか、こういうふうにいまのところ私は考えております。  しかし、今後どういうふうにしたらいいのか、最終的にもう少し検討を続けてまいるようにいたしたいと思っております。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 総定員法の問題について、沖縄関係の定員について特措法があるからそれは別枠なんだというふうにお考えになっておられますけれども、特措法は特措法でありまして、沖縄職員の問題についても、やはり国家公務員であることには変わりありませんし、地位の差別をするということ自体実は問題が残ってきたんじゃないか。十年間たっているわけですから、沖縄の職員だけは別扱いなんだ、こういう形はもういつまでも残さるべきじゃない。地域の問題について、確かに問題があればそれは特措法によってどんどんと格差をなくしていくということには努力をしなければならないわけですけれども、やはりそういうふうなとらえ方をしながら、枠外定員とかいうようなことをするのでなくして、もうこの際私は、総定員法を――地方事務官だってそうでしょう。地方事務官だって、結局はそれが答申のとおりいきますと国家公務員になる部分が多いという形になってくると、完全にそれはオーバーする。しかし、そのことについては、実際に一つ一つ地方事務官の問題についてはさらに枠を少しずつふやしていくという、そういうふうなやり方よりも、むしろ思い切って総定員を見直すというふうにした方が、行政改革を進めていく上においても非常にそういうものですっきりする段階だろうというふうに思うのですが、総定員法の見直しはお考えにならぬですか。

門田英郎行政管理庁行政管理局長

○門田(英)政府委員 御指摘のように、総定員法のそもそもの趣旨と、全体を統一的に一元的に、かつシビアに管理していくというふうな趣旨で、総定員法の中に入ります定員の範囲が広ければ広いほど好ましいということは、本当に御指摘のとおりでございます。  ただ、先ほど大臣がお答え申し上げました沖縄特措法政令定員、これにつきましては、十年以上前のことでございますけれども、当時の琉球政府からの職員の引き継ぎの特段の事情があったこと、あるいはその後本土行政とのいろいろなキャッチアップの必要性というのが現状でどうであるかというようなことについてなお若干まだ流動的、経過的な事情もございますので、いましばらくこの問題については検討を続けさせていただきたい、かように心得ています。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 私は、総定員法はこの際見直すべきだという主張をいたしておきます。  もう一つは、配置転換の問題なんです。これについては、昭和四十四年五月十五日に委員会においての附帯決議がなされた。その当時は確かに高度経済成長の時代でもあり、私は、附帯決議は妥当なものであるというふうに実は思っておるわけですけれども、しかし、先ほどお話がありましたように、三年間でわずか二百数十人しか配置転換ができないというような状態については、やはり政府の取り組む姿勢と、もう一つはここにある附帯決議が大きなネックになっているのじゃないかというふうに私は思うわけですけれども、この問題について、今度新しく臨調答申が出されたのですね。出されたときに、この問題を受け継いでこれからもそういう形でやるんだというふうにおっしゃるのか、あるいは臨調答申という一つの大きな中にあって、行政改革を進めていく上においては配置転換というものはできるだけ有効的にやらなければならぬという考え方に立ってこれからおやりになるのか、その点についてどうお考えでしょうか。

門田英郎行政管理庁行政管理局長

○門田(英)政府委員 先ほども若干お答え申し上げたことにかかわるわけでございますが、省庁間配置転換、これは大変にむずかしい課題でございまして、昔から指摘されながらなかなか推進されてこなかった。それはなぜかと申しますと、一つには、何省に入った、何庁に入ったというふうな、職員の方々が、やはり日本的な労働慣行と申しますか、慣習、雇用慣行に従って、ここに一生身を埋めるんだというふうな御意識が非常に強いということ。こういったことで、職員個々人の方々にとっては大変に大きな勇気を要する事柄であるわけでございまして、これは好むと好まざるとにかかわらずそういった事情にあるということが一つの前提にならざるを得ないというふうに判断しております。また、実際上送り出し側の官庁と受け入れ側の官庁で、希望する職種やあるいは年齢が食い違うというふうなことも、実は実行上一つの大きなネックになるわけでございます。  いろいろそういったむずかしい問題があるわけでございますけれども、そう言っていては何事も進みませんので、先ほど申し上げましたように、昭和五十五年以来、各省人事担当者の方々の御協力を得ながら、職員の諸君にもいろいろと御努力をお願いしつつ、少ない数字であるというおしかりをちょうだいしながらもここまで進めてきているわけでございます。  さらにこれを軌道に乗せてまいりたいと考えているわけでございますが、先ほど国会の附帯決議との関係でどうなんだというお話がございました。そのいわゆる強制配転云々というふうなことを議論する以前の問題として、まず関係者、それぞれの人事当局者及び職員個々人の方々、こういった関係者の十分な御理解と御協力が得られるよう今後とも配慮してまいる、そしてその実を上げられるように努力するということが道ではないかというふうに心得ておるわけでございます。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 行政改革を進めていく上においては、先ほど行政管理庁長官が言われたように、当然定員の削減、器減らし、仕事減らし、機構の改編とか柔軟な行政改革対応をしていかなければならぬでしょう。いまおっしゃったことを言いますと、配置転換はできないのはやむを得ませんと、こういうような答弁なんですよ。いつも変わらない答弁だ。それであっては、行政管理庁長官、果たしてあなたの責任が全うできますか。果たして配置転換がスムーズにいかれると思いますか。

齋藤邦吉自由民主党行政管理庁長官

○齋藤国務大臣 今日までの配置転換の状況等を見ますと、農林省に座った方が労働関係の方に移ったりする例が非常に多い。特に農林省は非常な御協力をいただいて配置転換をしていただいておるわけですが、そういうふうな、長年住みなれたところの職種から新しい職種に行くというわけですから、やはり本人の理解と協力ということが一番大事じゃないでしょうか。私はそうだと思うのです、これは。無理に配置転換ということは、言うことは簡単でございますけれども、たとえば農林省に働いておった方が安定所に働きに行く、基準局に行く、やっぱりそれぞれの職種、仕事について相当の理解と協力、ですから私は、できるだけこの配置転換は強力に進めていかなければならぬと思いますが、やはりその前提として、転換していく人たちの気持ち、協力、理解、これを相当尊重していく、それを尊重しながら強力に配置転換をやる、こういう仕組みでいきたいものだと私は考えております。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 私は、基本的にはそういう考え方でいいと思うのですけれども、御存じのとおりそれではなかなか柔軟に行政改革に対応することはできない。また答申も、そういうところに対してもやはり柔軟な対処の仕方を要望しているわけですからね。だからこの問題について、いま人事担当官の中において各省の連絡会議とか連絡協議会とかを持っておるのですが、それに対してそのままでいいのか、もう少しそういうものを強力に、受け皿とか送り出しとかいう問題について、あるいはまたそれが柔軟に実際の職場に適応できて一日も早く配置転換になっても仕事ができるような形に研修するとか、そういうもろもろの高度な立場に立って問題を推進していくという機関を、いまのままでいいのか、あるいはもう少し改革してこれからその点についても考慮する必要があるのか、その点はどうなんでしょう。

門田英郎行政管理庁行政管理局長

○門田(英)政府委員 ただいま、その人事課長会議の場等を通じて各省に協力を強く要請しているというやり方をとっているわけでございます。こういった場におきましても、やはり受け入れ側における研修とか、こういったことの充実は強く要請しているところでございますし、また、かたがたよりよい横断的な研修のあり方はないかというふうなことについても議論を展開してもらっているところでございます。御指摘のございましたような部分についてさらに一層努力を進めてまいりたい、かように心得ております。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 地方事務官問題については、地方行政委員会の附帯決議や地方制度調査会の論議では、臨調答申とは逆に地方公共団体の職員とする方向が実は打ち出されておりまして、今後調整の難航が予想されるのではないかと思います。地方事務官の廃止は過去もう幾度か指摘されてきたけれども、そのたびごとにほごにされてきた。閣議決定もし、それから行政監理委員会からの指摘もあり、いろいろの中に地方事務官制度の問題がほごにされてきたけれども、政府は今度こそ前車の轍を踏まないように取り組むべきであると思いますが、その点についてはどのようにお考えでしょう。

齋藤邦吉自由民主党行政管理庁長官

○齋藤国務大臣 地方事務官問題は、戦後、地方自治法が制定されたとき、さらにまた労働省が設置されたとき、さまざまの機会にああいうふうな変則的な制度になっておるわけでございます。地方事務官といいましても、これは現実は国家公務員なんですね。国の行政機関の公務員ではないにしても、国家公務員であります。そこで、こういうふうな変則的な制度はやはりこの辺でもう決着をつけるということが大事だと私は思うのです。それは今日までいろいろ論議されたことはあります。しかしながら、そういう人たちが従事しておる仕事の機能ということを頭に描きながら国と地方とに配分していく、一つの妥協みたいな案が出ておるわけでございますが、どういう形になるにせよ、臨調からすでに、何十年来の問題に決着をつけなければならぬという非常に強い要望として答申が出されております。したがって、私としてはこの機会に決着をつけるという決意で、今度の第六次新行政改革大綱の中にどういう形になるか知りませんけれども決着をつける意味において打ち出したい、かように考えております。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 地方事務官問題については、今回第五次の答申においてそれぞれの具体的方向が示されたものでありますけれども、その内容は過去の改善提言とは一部方向を異にするものになっております。関係省庁は早急に具体的方策を講じ、長年にわたる懸案に終止符を打つべきであると私は考えておりますけれども、厚生省、それから運輸省、労働省、自治省、それぞれの取り組む方針をお聞きいたします。

北郷勲夫社会保険庁長官官房総務課長

○北郷説明員 行管庁長官が言われましたように、非常に具体的な結論が出ておりますので、その方向に沿ってできるだけ早く決着をつけたいと考えております。

野尻豊運輸省自動車局総務課長

○野尻(豊)説明員 運輸省といたしましても、臨調答申に従ってその具体化に努力していきたい、このように考えております。

岡部晃三労働大臣官房総務課長

○岡部説明員 労働省におきましても、答申の線に沿って問題の解決を図るべく、努力してまいりたいと存じております。

中島忠能自治省行政局行政課長

○中島説明員 この問題につきましては、地方行政委員会で自治大臣がお答え申し上げておりますように、地方制度調査会の意見を聞きながら案を固めていきたいというふうに考えております。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 自治省の方は、どちらかというと地方公務員になるべきである、地方事務官制度を廃止した場合には地方公務員になるべきであるという意見がいままでずっと大勢を占めておりましたけれども、もうこの段階で、すっかり臨調答申のとおり国家公務員に身分を移していい、そういうように明言できるのですか。

中島忠能自治省行政局行政課長

○中島説明員 ただいまお答え申し上げましたように、自治大臣が地方行政委員会でお答え申し上げましたように、自治省としては地方制度調査会の意見を聞いた上でその考え方をまとめたいということでございます。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 大臣が御答弁なさいました点、ここでもう一度その点を明確にしてください。あれですか、自治大臣が言われたということですか。内容をもう少しはっきり……。

中島忠能自治省行政局行政課長

○中島説明員 私が申し上げたとおりでございます。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 それではあれですか、自治省においては、今回の臨調答申どおり、身分についても国家公務員に移す部分がほとんどであるという形になっているわけですが、そういう形でいいわけですね。

中島忠能自治省行政局行政課長

○中島説明員 先ほど来議論がございましたように、今度の臨調の答申を実施に移す場合に詰めなければならない問題がおおむね三つあるだろうというふうに見ております。  一つは、国と地方の間の事務の配分につきましても、臨調の答申は例示という形で出ております。何々等という言葉が使ってございます。それが一つでございます。  もう一つは、国と地方の間の解決後の協力体制をどうするかという問題がございます。  さらに三番目は、職員の身分の扱いについての経過措置について触れられております。  これらについては、先ほど申し上げましたように、やはり地方制度調査会の意見も聞かなければならないだろうというのが自治大臣の考え方でございます。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 行管庁長官、いま自治省だけはちょっとニュアンスが違うお話が出たわけですね。地方制度審議会に答申を求めなければならないということなのです。その点、あとの三省は大体そういう形になって、どちらかというと答申どおりに進めていきたいということで、自治省だけちょっとニュアンスが違うような感じなんですが、行管庁長官は、これからこの問題については自治省との間においてどういうふうにお詰めになっていかれるのでしょうか。

齋藤邦吉自由民主党行政管理庁長官

○齋藤国務大臣 自治省とよその三省との間に多少ニュアンスの違い、多少なのか多いのか知りませんが、多少ニュアンスの違うような発言があったわけでございますが、臨調答申が非常に苦労してつくられた答申でございますから、あの大本というものは崩してはならぬ、私はさように考えております。しかし、関係各省庁において相当意見を調整する必要があるということは私も十分承知をいたしておりますから、各省庁との意見の調整を踏まえて今度の新行革大綱にどういうふうな態度を打ち出すか、もう少し検討させていただきたい、かように考えております。

鈴切康雄公明党・国民会議

○鈴切委員 いまいろいろ質疑を交わしてきたわけでございますけれども、実際に、膨大な行政改革に対してほんの一部分だけというような形になってしまったわけです。  もう時間にもなりましたので、切りのいいところで一応終了させていただきたいと思います。行政改革の問題は、いずれにしても国民の大変に関心の深い問題でありますから、まだこれからも機会をとらえては御質疑を申し上げたいと思うわけで、以上をもって質疑を終了いたします。

愛野興一郎自由民主党

○愛野委員長代理 これにて鈴切康雄君の質疑は終了いたしました。  安井吉典君。     〔愛野委員長代理退席、佐藤(信)委員長     代理着席〕

安井吉典日本社会党

○安井委員 今度提案されております法案に関し、いわゆる行革審議会が一体どういうものであり、どう作用していくのかということが一つと、政府が来月に行革大綱をお決めになるそうですから、それの問題が国民に直接かかわってくるわけです。したがってその点もあわせて伺いたい、私はそういうふうに考えています。  まず、今度のその審議会の性格とか役割りの問題でありますが、臨調答申の実行状況を追跡し調査をしていく機関であるとか、あるいはまた監視機関であるとか、そういうふうなことも言われておりましたが、新しい改革についての提言もさせるのだというような言い方もあるわけであります。それらについて、ひとつ行管長官から御答弁をいただきたいと思います。

齋藤邦吉自由民主党行政管理庁長官

○齋藤国務大臣 今回御提案申し上げておりまする臨時行政改革推進審議会の任務と申しますか仕事は、累次にわたる臨調の答申をいただきましたので、その答申に沿って行政制度あるいは行政の運営等について政府がこれを実施するに当たっての成案を得るために、審議会の調査審議または御意見を承る、こういう機関と理解をいたしておるわけでございます。

安井吉典日本社会党

○安井委員 そう言いますと、いままで言われてきた監視機関だとか追跡機関だとかという性格も持っているわけですね。あるいはそういう考え方を全く拒否するのかどうか。それから、全く新しい施策の提言というようなことまで期待されているのか。答申に沿って政府が成案を得るための諮問機関だというふうな言い方でありますけれども、特に新しい改革についての施策をここでこの審議会に期待することは全くないのかあるのか、その辺、はっきりしてください。

齋藤邦吉自由民主党行政管理庁長官

○齋藤国務大臣 今日までの答申は、行政制度あるいは行政組織、行政運営、補助金、許認可というふうに、非常に広範囲な事項にわたって比較的示唆に富んだ提言がなされておるわけでございますから、大体のところこの範囲の中に全部おさまるのではないか。特にそう新しい行政改革の提案があれとは違ってあるというふうにも理解されませんし、大体あの大綱の中で行政改革のいろいろな項目が包蔵されておるというふうに理解をいたしておるわけでございますので、あれと全然違った新しい提言がなされるかどうか、そこは私は非常に疑問に思っておるわけでございます。  したがって、政府としては、あの答申をいただいた以上は政府が実施の責任を負うわけでございますから、その実施の責任を負う政府が実施するに当たって審議会の意見を聞く、こういうふうに位置づけていくのが正当であると私は考えております。

安井吉典日本社会党

○安井委員 いまの御答弁では、私の質問に対して正面からお答えになっていないわけなんです。たとえば、あの答申を読んでみますと、なお検討すべきであるというふうなことが書いてありますね。たとえば情報公開だとかオンブズマンなんというようなところになりますと、これは全く現実性がないわけですよ。これはこれから検討するんだと書いてある。その他いろいろな要素がありますし、それからまた、行革についてはこれでもう提案全部済んでいるなどというのは、これは全く行革を本質的に考えていない人の言うことであって、まだまだ問題たくさんありますよ。ですから、つまりそういう全く新しいものが出てくることは、出てきてもそれはお断りするのか。  それからもう一つは、この臨調答申との継続性があるということはお認めになっているんだとすれば、その継続性に立って検討するというようなことは、またこの機関で検討して提言というようなことになる、そういうことを期待されているのかいないのか。その点も伺います。

齋藤邦吉自由民主党行政管理庁長官

○齋藤国務大臣 いま御例示として挙げられましたような、情報公開制度について検討するということを言われておる、それは新しい問題ではないのでありまして、当然行革の答申の範囲の中に入る事項でございますから、そういう検討をすべきであるとかそういう問題があるものについては、当然審議会においていろいろの御意見を聞かせていただく、そういうことになると私は考えております。

安井吉典日本社会党

○安井委員 新しい事態といったって、行政改革というその言葉で当てはめれば何でもかんでもみんな入るんですよ。それは、おととしですか、あの行政改革の三十六本の法律みんな入ってしまったんですから、何も関係がないものまで。ですから、行政改革に関する問題と言えば、これは何でも入ってしまいますよ。だから、そういうお答えでは答えになっていないんですよ。行革の新しい問題が出っこないなんというお答えは、全く認識の誤りだと言いたいわけです。水かけ論になりますし、またそのことをお答えになると何か問題になるようにお考えになっているのかもしれませんが、新しい問題を提起させるのだなんて言うと何か別の御心配をされているのかもしれませんけれども、私はそういう問題があると思います。  それから、臨調が出した提言に対しても私どもはかなり批判を持っています、いいところもありますけれどもね。そういうようなことで、これからの事態の変化やなんかの中でこの提言どおりいかない問題も出てくるのではないか。そういうような提言を新しい審議会がする可能性もあると私は思うのですよ。その点はどうですか。

齋藤邦吉自由民主党行政管理庁長官

○齋藤国務大臣 この審議会において、すでにいただいた答申に対してそれはまずいじゃないかとかいろいろな意見は出ることはある、私はそれは想定をいたしております。それはもう当然のことで、いろいろな方面の意見があってしかるべきだと私は考えております。しかし、私どもの方としてはあくまでも答申というものは尊重したいという基本的な気持ちがありますから、その辺はよくお話し合いをしながら、審議会においてどういう結論が出るかは別としまして、十分慎重に御審議をいただきたい、こういうふうに期待はいたしておる次第でございます。

安井吉典日本社会党

○安井委員 行政改革というその言葉は、いかなる政権ができても当然やらなければいけないことで、今度同時選挙はなくなったらしいですけれども、その選挙の中で社会党政権ができてもやはり行政改革はやらなければいけません。それから、臨時行政調査会をその新しい政府がつくっても、またそこで答申が出てくるかもしれません。つまり、行政改革とかいうようなものは、よく総論賛成で各論反対などということを言う人がいますけれども、臨時行政調査会が出したのが行政改革のすべてでも何でもないのですよ。単に九人の人が集まって、そしてスタッフを集めて出したのがあれなので、別な九人の人が集まったら別な答申が出たかもしれません。そういうものだと思いますね。そういう意味合いにおいていま私は、従来からの臨調答申、それも金科玉条にしてそれから一歩も出ないというような考え方であるのかどうかということを伺いたかったわけですが、それは長官は否定的なお答えでありました。  そこで、政府に他の諮問機関がたくさんあります。財政について、地方自治について、農政についてというふうにたくさんあるわけです。それとこの審議会とが、これは法律的には同格に並ぶわけですが、意見が一致しない場合もあるわけであります。そういう場合一体どうなるのかということについて先ほどもお尋ねがあったようでありますけれども、専門的な機関の方が実情を知っていることは間違いありません。ただ、整合性ということになれば、いまの臨調のような仕組みの方がそういう役割りを受け持つことについての可能性があるいはあるのかもしれませんけれども、実情をよく知っていなければ本当の対応はできないわけであります。したがって、それぞれの審議会のというか政府の各諮問機関の意見を尊重していくことが必要じゃないかと思います。その点はどうですか。

齋藤邦吉自由民主党行政管理庁長官

○齋藤国務大臣 いまお述べになりましたような個別的な専門的な審議会と行革の今回の審議会と意見が違ったらどうなるかというお尋ね、それは仰せのごとく、それぞれの専門の審議会が臨調と違った意見をお出しになる、私はそういう場合はあり得ると思います。  そういう場合どうするか。法律的にはそれぞれ対等の立場の審議会でございます。しかし、一方は一般的な総合的な臨調の答申であり、一方は専門的な答申であって、国政全般においてその間をどう調整するかということが大事になってくるわけでございまして、そういうふうに違った意見が出ましたときには内閣においてどういう施策をとるか、それは内閣全体として総合的に判断をすべきものではないか、こういうふうに考えております。しかし、違う意見が出ることがいけないんだなどということを私は一つも言っておりませんで、それは当然あり得ることだと私は考えております。そういう場合には、総合的に国政全般における政策の整合性ということを頭に入れて内閣の責任において考えをまとめる、こういうことになるのではないだろうか、こういうふうに考えております。

安井吉典日本社会党

○安井委員 つまり調整の最終責任は内閣が持つ、そういうおっしゃり方だと思いますね。ただ、ほかの審議会よりも臨調あるいは今度の審議会、こういうようなものが優先性を持っているというような一般的な見方がよくあるわけなんですが、それはそこの機関が持っているのじゃなしに、優先度だとかどちらの方をベターとするかというようなことは内閣としてお決めになるんだ、そういうふうなことですね。

齋藤邦吉自由民主党行政管理庁長官

○齋藤国務大臣 どちらが上とか下とかいうことを私どもは申し上げているつもりはありません。ただ、行政改革という観点から問題を取り上げておる一般的な臨調の答申と専門的な委員会の答申が違ったときはどうするかということになりますと、全般的に政府としてどうしたがいいかということを判断して決めるということになろうかと思います。

安井吉典日本社会党

○安井委員 臨調答申の中に、国会で決議をしている、それに対して若干方向が違うというようなものもいままでの答申の中にもあるわけです。それから審議会関係のはいいですが、国会の決議だけにしぼりますけれども、そういうふうな提言については、国会の決議と臨調なりこの審議会なりの提言とはどちらが優先するとお考えですか。

齋藤邦吉自由民主党行政管理庁長官

○齋藤国務大臣 国会の決議というものは行政府として尊重しなくてはならぬ、これは当然のことでございます。しかし、その後の社会経済状況の変化に対応して臨調の答申が出たわけでございますから、どういう点がどういう問題点を指摘されているのか私もよくわかりませんが、私どもとしては、その後の経済社会の変化に対応して二年間にわたり慎重審議されて出た答申でございますから、この答申を尊重して進んでいくということが筋ではないだろうか、こういうふうに考えております。

安井吉典日本社会党

○安井委員 それは国会の決議ができた段階では、各委員会が法案なんか通ったとき決議をやりますね、そのときには大臣が立って、御趣旨に沿ってやりますというような紋切り型の御答弁が必ずあるわけです。しかし、あれは単なる紋切り型ではなくて政府の約束なんですね。しかしいまの答弁から言えば、ああいうのが幾らあったって臨調の答申の方が優先するんですよ、こう聞こえるのですが、それはおかしくないですか。あなたも国会議員のお一人なんだから。

齋藤邦吉自由民主党行政管理庁長官

○齋藤国務大臣 私はそれを無視していいという意味で言っているわけじゃありません。そういう決議があったということも十分頭に描きながら臨調の答申も出されているものと私は理解しておりますから、そういう決議があったということも十分理解しながら、なおかつこういう答申が出たというところに重きを置くこともまた大事なことではないか、私はこういうふうに考えているわけでございます。

安井吉典日本社会党

○安井委員 一般論ではお答えする方もなかなかお答えしにくい問題かもしれませんから、それはそのくらいにしておきますけれども、国会の決議というものは、法案が通ったときなどに、あるいはそうでない単独決議もありますけれども、大臣が立って、そのとおりやりますという答弁をしているのはおざなりなもので、後は後でいいんだ、こういうことじゃ困りますね。その点ははっきりしておいてもらわなければならぬ、きょうのこの法案が通るか通らないか知りませんけれども、その段階でも決議があって、それについても大臣は同じようなお考えで発言をされるのですかね。どうですか。

齋藤邦吉自由民主党行政管理庁長官

○齋藤国務大臣 国会の決議は尊重するということは、行政府として当然の責任であることは私も十分理解をいたしております。しかしまた、そういう決議、具体的にどういうことか私もよくわかりませんが、そういう決議が委員会であったということを頭に描きながら臨調の答申も出ていることも、お互いに理解していただかなければならぬ問題だと思っております。

安井吉典日本社会党

○安井委員 私は私の言い方をさらに固執して、この問題は大事な問題ですから、そういう態度だけを明言しておきたいと思います。  そこで、委員の人事の問題について政府としてはどうお考えなのか。会長には土光さんを追っかけていると新聞は書いておりますけれども、大体において人事構想はどうなんですか。

齋藤邦吉自由民主党行政管理庁長官

○齋藤国務大臣 審議会の委員は七人ということを御提案申し上げておりまして、人選には一切着手をしておりません。新聞でいろいろな名前がちらほら出ておりますが、それは本当に、私も総理も人事については一切手をつけておりません。これははっきり申し上げておきます。これはもう私が言うまでもなく当然のことでございますので、法案が成立いたしました後に選考に入りたい、こういうふうに考えておる次第でございます。

安井吉典日本社会党

○安井委員 財界の代表とか役人の代表とか、そういうのじゃなしに、本当の庶民の代表が出てきて政治を監視するというなら、これは意味があると私は思いますよ。そうじゃなしに、何か国民の代表は財界でなければいけないんだ、役人を長くやった人でなければいけないんだというような感覚を持って選定を進められるというようなことでは、私はどうもやはり納得ができない、そう思います。本当の国民のための行革かどうかということは、それこそ無作為抽出で人を選んだものに検察審査会がありますね、ああいうようなことでなら、これは本当の政府の行政に対する監察というか、そういう役割りになるのではないかと思います。いずれにしても、ここで人事のことをはっきりおっしゃるはずはないし、私も余り期待しないでお尋ねをしたわけですけれども、ひとつ、私がいま申し上げたその物の考え方というものは非常に大切だということだけ、御記憶を願いたいと思います。  そこで、政府の行革大綱はいつごろに出すのかということについても先ほど御答弁があったわけでありますが、五月十日に総理がASEANから帰ってくる、それまでの間に大体まとめるんだ、それで五月二十日までの閣議で決定をする、こう言われます。もうあしたから連休ですね。五月十日というのは、これはそこにおられる皆さんはみんなその作業に関係のある方々ばかりじゃないかと思いますけれども、どういう手順で進めるおつもりなのか。臨調の答申と一分一厘違わないものというようなことでお出しになるのか、政府としての独自の見解を織り込んだ改革案ということでお示しになるのか、その辺を伺います。

齋藤邦吉自由民主党行政管理庁長官

○齋藤国務大臣 新行革大綱は大体五月の中旬に決定する、こういう目途で進めておりまして、現在でも行政管理庁と各省庁との間で、行革の答申に盛られている事項についてのいろいろな意見の調整をいたしておるわけでございます。したがって、そうした調整を連休中でも進めていただいて、総理がASEAN諸国から帰られました後から本格的に調整作業に入っていく、こういうふうにいたしたいと考えております。  それで、私どもとしては、関係各省との事務的な調整の上に立って、臨調答申の大本に沿って新行革大綱というものをまとめ上げていくようにしたらどうであろうか、こういうふうな構想で進めておるわけでございます。

安井吉典日本社会党

○安井委員 後でそれぞれの問題について具体的なお尋ねをしていきたいと思っておりますが、臨調の大本に沿ってというお言葉では、若干の問題については臨調と――大本はそうかもしれないけれども、枝葉においてはそのとおりいかないものもある、そういうことですね。

齋藤邦吉自由民主党行政管理庁長官

○齋藤国務大臣 枝葉というその部分もよくわかりませんが、臨調答申の基本というものはあくまでも堅持していくべきであるというのが私の考え方でございます。

安井吉典日本社会党

○安井委員 あと具体的な問題でお尋ねをしていきたいと思います。  まず財政再建の問題です。  増税なき財政再建というのは、土光臨調の一枚看板であったわけです。これは今度の行革大綱の中にきちっとした明文で織り込まれるおつもりなのかどうか、それを伺います。

齋藤邦吉自由民主党行政管理庁長官

○齋藤国務大臣 先般来の臨調の基本的な原理は、増税なき財政再建、これをてことして行政改革をやらなければならぬ、こういうふうになっておるわけでございますので、これはもう行政改革実施の方針を決めるに当たっての私どもの前提条件でございます。  したがって、これを字句的に新行革大綱にまた書く必要があるかないか、その辺はもう少し検討させていただきたいと思いますが、土光臨調の基本は増税なき財政再建、これは基本だと私は思っております。その基本を崩してはならぬというのが政府の基本的な態度である、私はこういうふうに理解をいたしております。

安井吉典日本社会党

○安井委員 増税なき財政再建というなかなかきれいな言葉ではありますけれども、さっきのお話ではありませんが、その現実的な中身ということになるとさまざまな見方があるし、大蔵省と行管庁とではこの言葉の内容の問題についてかなり違ってくるのじゃないかと思いますね。非常にあいまいな言葉であるからであります。少なくも国民がいま心配しているのは、減税はあるいはやってくれるのかもしらぬが、しかしそれと引きかえに大型間接税などの増税をやられるんじゃないか、一方でそれで財源をつくって、それを財源にして減税に向けられるんじゃないかというような心配もしています。ですから、ひとつそんな大きな増税はやらぬのだというような趣旨を書き込んではどうか、私はそう思いますね。  それからもう一つは、どうしても減税をやってほしいというのが国民の声で、それを受けていま与野党の話し合いが進んでいるわけですね。ですから、その基本的な物の考え方、所得税の減税はやりますよというようなことを行革大綱の中にはっきりお書きになれば、評判の悪い中曽根内閣も少し支持率が上がるのじゃないかと思いますがね。これは私の提言ですが、どうですか。

齋藤邦吉自由民主党行政管理庁長官

○齋藤国務大臣 減税問題は、私が申し上げるまでもなく、与野党で話し合いを進めておる事項でございますから、それはそれで十分私も理解をいたしております。  そこで問題は、増税なき財政再建。増税という言葉については臨調の答申でも解説がついておりまして、現行租税負担率を上回るような新規施策をやってはいけない、こう書いてあるわけでございます。したがって、行政改革を行うというときに一般消費税を考えるなんということは、私は間違いだと思っておりますよ、これは本当を言いまして。私は、そんなことを頭に置いたのでは行政改革はできない、本当にそう思います。土光さんでなくても、増税を頭の中に考えて行政改革をやろうなんということではできるものじゃないと私は思います。  ただしかし、土光臨調の基本は、いま申し上げたような増税なき財政再建ということが基本理念であり、これは根本なんですね。ですから、これをまたもう一回書く必要があるかないか。もう従来から言われておりますから、その点についてはいまここで書くとも書かないとも申し上げることはまだできませんが、先生のおっしゃった意味は十分理解しながら案の取りまとめには当たっていきたい、かように考えております。

安井吉典日本社会党

○安井委員 一部の企業に非常に有利で、一般大衆の税負担とふつり合いな状況が出ているいわゆる不公平税制ですが、不公平税制の是正をすれば、いま税金をやたらに安くしてもらっているその人にとってはこれは若干の増税になるわけです。これは国税にもありますし、あるいは地方税にもそういうのがたくさんあります。たとえば電気税なども、これは特定の企業だけが税金を安くされているわけですから、そういうような不公平税制の是正というのは、それによって少し税金が上がったって、これは増税というのじゃなしに不公平を是正しただけだ、私はそういう見方をするのですけれども、その点、臨調の答申に明らかじゃないのですよ。これはどうお考えですか。これは、後で大蔵省からもおいでですから、大臣にお答えいただけますか。

滝島義光大蔵省主税局税制第一課長

○滝島説明員 お答えいたします。  大蔵省といたしましても、安井委員の御指摘を待つまでもなく、いわゆる税制の不公平な面の是正につきましては毎年努力をしてきているところでございます。いま御指摘の企業関係の不公平税制を是正すれば減税財源が出てくるのではないかという御意見、これはよく私どもの耳に入ってくる御意見なのでございますが、一つだけ事実関係を申し上げさせていただきたいと思います。  五十八年度ベースで見ますと、いわゆる租税特別措置による減収額が一兆一千五百五十億円となっております。このうちいわゆる企業関係の特別措置による減収額は二千六百億円にしかすぎません。残りの大半は、個人関係のたとえばマル優でありますとか住宅建設の促進でありますとか、そういったたぐいの措置による減収額でございます。したがいまして、企業関係の特別措置を全部廃止いたしましても二千六百億円の増収効果しかないということが一つの事実でございます。  しかも、この二千六百億円の内容を見てみますと、特別措置の手法にはいろいろなものがございまして、税金を完全にまけ切りにするという税額控除あるいは所得控除という手法のほか、特別償却とか準備金とか、その年の法人の課税所得を減らす、したがって税額が減る、しかし翌年以降の課税標準がふえる、したがって税額がふえるといった手法もございます。現実に、いま申し上げました二千六百億円という企業関係の減収額の大半は、この後者の準備金あるいは特別償却といった手法によるものでございます。したがいまして、全部これを廃止いたしましたときに二千六百億という増収効果があると申し上げましたけれども、その大半は単年度限りの効果のものにすぎないということも事実なのでございます。したがいまして、特別措置の整理合理化には努力いたしますが、これによって大幅な財源が得られるということにはならないのではないかなと思います。

安井吉典日本社会党

○安井委員 あなたは租税特別措置法だけの話をしているのですよね。私はそうじゃない。企業全体のいろいろな優遇措置を言っているわけです。二千六百億円と言ったけれども、電気税の利益が企業にどれだけいっているか、御存じですか。  いいです。これは、きょう税金の話をしていると私どもは時間がありませんから、これ以上深入りはいたしませんけれども、私どもも全部資料を出しているはずですよ。党の国民のための行革方針の中には、地方税の中にも電気税があるし、私が言っているのは法人税プロパーの問題です。租税特別措置法だけで言えばいまおっしゃるとおりです。そのとおりです。それは地方税にもまたはね返って地方税の減収額にもなりますけれども、もっと大きいのは、法人税そのものの税制の洗い直しをするという中で、私はもっともっと方法がある、そう言いたいわけです。それから地方税の中にもきわめて不合理があるわけです。そういう全体的な態度です。大蔵省でおっしゃるのは、いつの場合も租税特別措置法だけで議論をすりかえるのですよ。企業全体での大きな軽減措置があるじゃないかと言ったら、租税特別措置法だけをもってこれだとこうおっしゃるけれども、そうじゃないですよ。法人税法を根本的に洗い直しすべきです。それから地方税法も、同じようなものが固定資産税についてもあるし、電気税についてもあるし、そのほかいろいろな形での軽減措置があります。そういう大きな側面からもっともっと根本的な検討が必要なんです。臨調もそういう観点がないのですね。つまり、資料を提供しているのは大蔵省だけなものですから、大蔵省はいつもそういう形で問題を提起してごまかしてきている。もっと国税、地方税を通ずる税制全体の洗い直しが必要だということ、その点を私は申し上げて、一応この問題は先に進みたいと思います。  むだな歳出の切り詰めが必要だということは、これは当然だと思います。しかし一方、軍事予算だけはどんどんふやしていくということでは、ゼロシーリング、マイナスシーリング、そう言いながら、それによって削られるものは削られるけれども、削った分は結局軍事費の増額に向けられていく。それが現状じゃないですかね、去年の予算を見てもことしの予算を見ても。福祉や教育や生活部門だけが節約を強いられて、一方では軍事予算やあるいは海外援助という名前の外務省の予算やあるいは科学技術の振興という名前で大企業へのお金が出る。こういうようなものは、結局削った分だけそっちへ行っているわけです。総額が変わらぬわけですから。そうでしょう。全く去年の予算もことしの予算もほとんど総額において変わりがなくて、そういう中でふくれているのは、削ったものがそっちへ行っただけの話なんですよね。ですから、軍事予算を増大するというそういう問題についても、臨調はやはり明確に答えを出すべきだった。軍縮というのがきわめて重大な政府の選択すべき政策課題だということをもっと打ち出すべきですよ。ほかの、農業はこう、あれはどうと細かく言いながら、その一番大事な観点が欠落している。それを受けて、それをいいことにして政府はまた来年度の予算編成にいくのでしょうね。行革大綱でも、臨調の中に書いてないのだから行革大綱の中に出っこありませんがね。この点はひとつ指摘だけにとどめておきたいと思います。  そこで、行政組織の問題でありますが、総合管理庁構想の提言については、先ほどの大臣の御答弁では、なかなかめんどうな問題で、もう少し検討するということのようでありますが、いまの御発言によれば、総合管理庁の構想というのは大綱の中に出てくることもあるし出てこないこともある、あるいは内容が変わることもある、そう受けとめていいのですか。

齋藤邦吉自由民主党行政管理庁長官

○齋藤国務大臣 先ほどの鈴切さんの御質問は企画会議であったと思っておりますが、そこでいまお尋ねの問題は総合管理庁の問題でございますね。  総合管理庁の問題は、人事管理、定員管理、組織管理、それを総合的にやる官庁をつくるようにしたらどうだ、こういう提言が出されておるわけでございます。それを新行革大綱の中にどういうふうに取り上げるか、きょうの段階ではまだ考えをまとめておりません。これはいろいろ中央省庁の機構改革との関連もありますので、もうちょっと時間をかしていただきたいと考えております。きょうの段階ではまだどうするというようなことは申し上げることはできませんが、そういう必要のあるということは私も十分理解はしております。十分理解しております。しかし、それが臨調答申のような中身でいいのかどうか、そういう問題についてはもう少し検討さしていただきたい、こういうふうに考えております。

安井吉典日本社会党

○安井委員 国土関係三庁の統合の問題についても、先ほどもちょっと質問の中でお触れになって大臣も御答弁があったようであります。総合管理庁の構想の方は、これは何か行政管理庁が焼け太りだ、そういう批判もあったりしておまとめになるのもなかなか大変だと思うのですが、国土関係三庁についても大分むずかしいというお話のようであります。私の聞いたところでは、その関係の国土庁も沖縄開発庁も北海道開発庁ももう全部反対というふうに聞いているのですが、三庁からそれぞれお考えがあったらお聞かせください。

穂積良行国土庁長官官房総務課長

○穂積説明員 御指摘の国土行政関係三庁の統合の問題につきましては、国土庁といたしましては、かねてからこの事柄の重要性にかんがみまして、関係各方面の御意見を十分お聞きして対処してまいることといたしております。

楢崎弥之助新自由クラブ・民主連合

○楢崎政府委員 北海道開発庁は、現在、北海道の開発行政の調整、推進を担当しておるわけでございます。御承知のように、北海道は日本に残された二十一世紀に向けた重要な開発可能の地域であるというような特性を持っております。  また、本件につきましては、臨調御審議の途次におきましても、北海道の議会あるいは道内にある二百十二の市町村が反対決議をされている等々のいろいろな事情がございまして、現在、関係方面の御意見を十分お聞きしながら慎重に対処していきたい、かように考えておるところでございます。

関通彰沖縄開発庁総務局長

○関(通)政府委員 沖縄開発庁につきましては、臨調答申の中でも、「ただし、沖縄開発庁については、統合の時期等について特殊事情を考慮するものとする。」というぐあいに述べられているところでございます。したがいまして、当面、直ちに統合するということではなく、沖縄開発庁については統合の時期は別途検討するということになっているわけでございます。  臨調答申がこのような形で述べられておりますのは、沖縄の各般にわたります特殊事情を御考慮いただいたものというぐあいにいま考えておりますが、現に沖縄は復帰いたしましてまだやっと十年たったところでございます。昨年、第二次振興開発計画を策定いたしまして、鋭意取り組んでいるところでございますので、機構問題につきましても、これらの計画の達成状況を十分見きわめて御検討いただくことが必要だというぐあいに考えている次第でございます。

安井吉典日本社会党

○安井委員 いまお聞きするところでは、積極的にやってほしいというのは一つもないわけですね。特に北海道開発庁、私も北海道だから特に関心があるのですけれども、これが知事選挙の前ならまたいろいろ考え方があったが、知事選挙で負けちゃったから変な考えを起こすなんというのは、齋藤長官、それじゃ困りますからね。ひとつこの問題、三庁の統合については、私はもう明確に反対の意見を持っておりますけれども、どうですか。

齋藤邦吉自由民主党行政管理庁長官

○齋藤国務大臣 選挙は選挙でございますから、そういうことは考えないでお答え申し上げますが、国土三庁の統合という問題については臨調の答申も出ておるわけですが、北海道の今日までの開発の状況、将来の開発の展望、そういうふうなことについてやはり特殊な事情もあると私は理解をしております。それから沖縄は沖縄で、復帰後まだ十年でありまして、また振興法をさらに十年延長しようという、こういうふうな状況の中にあるわけでございまして、沖縄も北海道も、それぞれそれなりの特殊な事情といいますか、考えなければならぬ問題があると私も理解をいたしておりますので、この問題については慎重に調整を進める必要がある、こういうふうに私は考えております。

安井吉典日本社会党

○安井委員 次に、公務員制度の問題について若干伺います。たくさん問題があるのですけれども、そのうち人事院の勧告の問題についてだけ取り上げてみたいと思うのです。  現在の勧告のあり方について見直しをすべきであるというような言い方が部会報告のときにはかなり強く出ていたように思いますが、ところが、第三次答申、それから今度の最終答申では、その点は明確ではありません。現在の方式は別に手をつけないでそのまま踏襲していくのだというふうに見てよいと思うのですが、どうですか。

齋藤邦吉自由民主党行政管理庁長官

○齋藤国務大臣 人事院勧告制度は非常に重要な問題でございまして、私も新聞で見たわけでございますが、部会報告のときにはいろいろ意見があったようでございます。しかし、最終答申においては、人事院勧告制度は尊重し、これを守っていくべきである、こういう答申が出ておりますから、私もそれが適当である、かように考えております。

安井吉典日本社会党

○安井委員 尊重をするという言い方は、財政を理由にして削減をしたり全部ノーにしてしまったり、そういうようなことはやらないのだというふうに受けとめていいですね。

齋藤邦吉自由民主党行政管理庁長官

○齋藤国務大臣 最終答申は、公務員の給与は人事院勧告等を受けた政府及び国会が国政全般との関係において財政事情を考慮し責任を持って決定すべきものである、こういうふうにされておるわけでございまして、やはり国政全般との関連において、財政事情も考慮し責任を持って国会、政府が決定すべきである、こういうふうにうたわれておるわけでございます。しかしながら、その根本は、やはり人事院勧告というものは労働基本権制約の代償措置でありますから、あくまでもこれは維持、尊重さるべきである、こういう基本理念に立っておるものである、私はそういうふうに理解をいたしております。

安井吉典日本社会党

○安井委員 もう少し議論があるのですけれども、時間がありませんので、それは後回しにいたしまして、五十七年度の人事院勧告は現在の段階までついに見送られたままになっているわけであります。これはきわめて遺憾千万だ、私はそう思っています。  そこで、五十八年度の勧告時期がだんだん近づいてまいりました。すでに人事院ではその作業も始めておられるのではないかと思いますが、五十七年度の勧告がこういうふうになったということを基礎にしながら、そしてまた、五十七年度が見送られたということは人事院としてもきわめて不本意なことではなかったかと思いますね。そういう事実を踏まえながら、五十八年度の勧告についてはどのように行われるおつもりなのか、この際、伺います。

斧誠之助人事院事務総局給与局長

○斧政府委員 五十七年度勧告につきましては、現在もなお国会でいろいろ御協議をいただいておるということでございますので、見送りが最終的に決まってしまったという状況にはございません。なお期待を持って私たち見守っておるわけでございますが、もし仮にこのまま見送りという状態が勧告時期まで続くといたしますと、私たちがやっております公務員給与の決め方の基本は民間準拠ということでございます。この点は臨調でもそういう方式がよかろうというふうに答申をされておるわけでございますが、そうしますと、この四月におきまして民間給与と公務員給与を比較する、こういうことになりますので、民間給与は昨年、ことしと二度の春闘をくぐった賃金になっておるわけでございます。公務員給与は五十六年度の給与がそのままになっている、こういうことでございますので、上がってない公務員給与と二度上がっている民間給与という比較になって、そういう較差のものを勧告するという考え方でいま作業を進めておるところでございます。  調査は例年どおり連休明けから大体六月中旬までという調査を行いまして、八月の初旬ごろには勧告できるのではないか、こういうふうに考えております。

安井吉典日本社会党

○安井委員 そういたしますと、手っ取り早く言えば、実質的に民間との比較において、公務員の方については去年のベースアップ分プラスことしのベースアップ分の合算が出てくる、そういうふうに考えていいですね。

斧誠之助人事院事務総局給与局長

○斧政府委員 俗に言いますとそういうことになるわけですが、私どものやっております比較の方式と申しますものは、先ほど申し上げましたように、四月支払い分について官民の給与を比較する、こういうことでございますので、民間給与の状態というものは二度春闘の結果を反映した賃金になっております、こういうことでございます。

安井吉典日本社会党

○安井委員 たくさん問題がありますので、人事院はもう結構です。  次に、自治省が一番関係があるわけですが、地方分権が、今度の臨調答申の中では、言葉では書かれておりますけれども、実質的な内容ではさっぱり、財政や行政を自治体に委譲していく、国の権限を自治体に委譲していって、先ほど来使われている地方の時代の方向に進めていくというようなやり方はほとんどゼロに近い、こう言っていいのではないかと思います。行政の民主化とか簡素化というのは、ここでは特に中央段階の機関についてまず言われて、それを地方にと、こういくわけですね。国の財政が非常に苦しい状況にあるのも、中央段階の財政を対象として言われているわけです。そういうようなことから言えば、もう少し行政権を財政権を含めて地方に渡していくということにおいて簡素化、合理化ができてくるのではないかというのが常識なんですけれども、それがどうも、かたい官僚機構というせいか、つまり行政改革の本質が少しも果たされていないというのが私どもが臨調答申を見ての不満であります。大臣、その点はどうでしょうか。

中島忠能自治省行政局行政課長

○中島説明員 ただいまの点につきましては、臨調の答申では、地方分権を推進する観点から国と地方の間の事務の配分を見直すとか、国の地方団体に対する関与あるいは必置規制というものを見直すとかという原則的な考え方が示されております。そしてまた、具体的には人件費補助を二年間に原則として廃止するとか、あるいは機関委任事務を二年間に一割削減していくとかいう具体的な提言もございます。  具体的な提言につきましてはできるだけ速やかに実施されるように努めていかなければならないと思いますし、原則的な考え方が述べられたものにつきましても、先ほど来議論がございますように、今度の行政改革大綱の中でできるだけ取り入れていただくようにお願いいたしまして、いま審議していただいております推進審議会の方で引き続いて御議論いただくということが私たちとしては望ましいのではないかと考えております。

安井吉典日本社会党

○安井委員 特にいまおっしゃった機関委任事務でありますけれども、二年間で約一〇%の整理合理化を進めていく、そのためにも新たな審議機関の設置が必要であるという考え方が、これは昨年の九月二十四日の行革大綱の中に書いてあるわけですね。まだ私どもはその審議会ができたということも聞いておりませんし、この問題については今度新しい行革大綱の中でどういうふうな処理をされるおつもりですか。

齋藤邦吉自由民主党行政管理庁長官

○齋藤国務大臣 機関委任事務につきましては、昨年の第三次答申でございますか、二年間に一割というふうに書かれておるわけでございます。その中に、審議会を設けるということも書いてあったのですが、審議会をそうたくさんつくるのもどうだろうかというふうに私は考えております。そこで、今度できます、ただいま御審議いただいておりまする行革推進審議会が成立いたしますれば、その審議会においていろいろ御意見をお聞かせいただく、こういうふうにしたいと考えております。

安井吉典日本社会党

○安井委員 地方事務官の制度の問題も先ほどのお話の中に出てきているわけでありますが、地方制度調査会の答申があるし、これも、別に臨調と優劣を争うわけでもありませんけれども、内閣総理大臣の諮問機関ですね。その答申にはあるし、また、しばしば国会が決議をしています。全国知事会も決議をしています。そういうものを全く無視して、国の方へ主体的に身柄を引き渡してしまうというのが今度の臨調答申に書かれているわけですね。この問題についてはいままでの論議の中でもずいぶん言われておりますけれども、先ほどの政府の各諮問機関の両方がそごした場合の処理の仕方、あるいはまた国会の決議の尊重というようなことにもかかわってくるわけです。そういうような意味合いで、臨調の答申はきわめて疑問があると言わざるを得ないわけであります。したがって、今度の行革大綱をおつくりになる際には、私が問題点として持ち出したそういう点をもっと考慮した上での結論をお出しいただかなければならない、そう思うのですが、どうですか。

齋藤邦吉自由民主党行政管理庁長官

○齋藤国務大臣 地方事務官問題は、本当に長い間の懸案であります。しかし、地方事務官といいましても、これは国の公務員であることには間違いない。任命権は国にあり、給与も国が支給をしておるわけでございまして、国の行政機関の公務員ではないにしても、国の公務員であることは事実でございます。しかも知事の指揮監督下にあるというわけでございますから、これはなかなか変則な制度になっておるのです。  これは実は、私も昔、労働省ができるときや厚生省その他のときの担当者としてGHQにいろいろ折衝した経験もあり、私もよくいきさつは知っているのです。知っておりますが、いまのような変則な制度はやはりやめるべきではないか、私は本当にそう思います。やめるべきだと思います。それが国の機関の公務員になるのか地方公務員になるのか、そういうことは別としまして、基本的にこれはやめるべきであるということは、意見は一致しておると思うのです。  そこで、これをやるに当たって、従来も国会決議がございました。それは私も知っています。それは、ただ国の公務員を地方公務員というふうに身分を移すという身分的な立場での議論が多かったのではないだろうか。ところが今度の臨調の答申は、こういう人々が従事しておる仕事がローカルオートノミーというものになじむものか、国の機関として統一的、総合的に行っていくべきものかという、仕事の機能を重視して、その観点からこうしたらいいじゃないかという具体的な提案が出ている。これは私はお認めいただけると思うのです。  多少立場が違うのです。いままでの審議の立場は、単に公務員を地方公務員に移すべきであるというだけ、そういう中心の議論。今度は、その人たちが従事しておる仕事の機能、それがローカルオートノミーになじむものか、国の事務として正式に国の機関として廃止するというならば、そうはっきり割り切るべきではないか、そんなふうな観点からいろいろ意見が出ておるわけでございますが、いま私がこうした、ああしたということを言うわけにはまいりません。各省庁等にも多少意見の食い違い、意見の調整を必要とするものがあるわけでございます。でございますから、各省庁の調整を踏まえながら最終的な結論を出すようにしたい、私はそう考えております。ですから、きょうの段階でどうのこうのという文字を書くということは、私の発言としては差し控えさせております。  しかしながら、これは安井先生にも申し上げておきたいのですが、そういう国家公務員を地方公務員にすべきであるといった決議があったということも十分踏まえております、知っております。しかし、臨調もそういうことを踏まえながら、知りながら、この際ひとつ決着をつけるべきでないかという結論を出したことについても、これは安井先生も御理解いただかなくちゃならぬ問題じゃないか、私はこういうように考えております。  いずれにせよ、変則的なこういう公務員制度というものは何とか決着をつけたい、これはお互いそう考えておるわけですから、この際、臨調答申が出たこの機会に、各省庁が大局的な観点に立って結論を出すようにすべきじゃないかというふうに私は考えておりますので、今度の新行革大綱にはこれについての提言をはっきりと打ち出したい、かように考えておる次第でございます。

安井吉典日本社会党

○安井委員 この制度そのものは、地方自治法が憲法と一緒にできたときの附則八条に書いたのがいまだに生きているわけです。「当分の間」ということなんですね。これはもうなくすことはあたりまえなんですが、ただどちらに帰属させるかということが問題なわけです。その点は慎重に検討されるという段階にいま来ているわけでありますが、私は国会の決議をした方ですから、あくまで国会の決議の方向に処理するのが当然だということだけ、ひとつ申し上げておきたいと思います。  次に、三公社二現業の関係について伺っていきたいと思います。  国鉄公社の関係でありますが、これの方は今度単独法が衆議院を通って、いま参議院審議中、こういうわけで、国鉄再建監理委員会ができるわけですから、いわゆる行革問題はこれに一応げたを預けたようなかっこうになっていて、当分の間は政府の方は具体的な対応を逃げていけるということではないかと思います。ただ、国会の審議の中で、今度新しい再建監理委員会というのは、臨調の答申の線、つまり民営分割という線には沿うけれども、独自の検討の余地を若干残しているというような政府答弁があったように聞いておりますが、その点はどうですか。

吉田耕三内閣官房内閣審議官

○吉田説明員 国鉄の改革の問題につきましては、臨調答申を尊重して今後国鉄再建監理委員会で検討していただくことになっておりますが、この国鉄再建監理委員会におきましては、臨調答申を尊重して分割民営化を基本線として、その方向で努力していただけるものと期待いたしております。そして政府としましては、同委員会の結論を踏まえまして適切に対処してまいりたいということで、この点につきましては、従来から一貫してこのような方向で御答弁申し上げているところでございます。

安井吉典日本社会党

○安井委員 基本線でしょう。だからそれ以外の一分一厘も違わないのだ、そう言い切るわけなんですか。そんならもう監理委員会も何も要らないわけですよ。ですから、具体的な対応の問題として、かなり柔軟性を持ってやっていかなければすべてぶつかっちゃうのじゃないかと思いますが、どうですか。

吉田耕三内閣官房内閣審議官

○吉田説明員 臨調答申の分割民営化というものを基本線といたしまして、その方向で検討していくわけでございますが、従来、このような考え方に沿いまして、その範囲内でさらに詳細に御答弁申し上げているところでございます。すなわち、国会に御提案申し上げております国鉄再建のための臨時措置法、この法律の仕組みが、今後監理委員会を設置して経営形態問題等を検討していこうというものであります以上、臨調答申は分割民営化につきまして一応基本的な考え方を示しておりますが、なお、具体的な分割案あるいはそういう具体的な分割案の実施の可能性等については、今後、監理委員会におきまして具体的な検証をしていかなければならないと考えております。本法案はそういう検討をしていこうという仕組みの法律でございますが、その際、実施可能性等について具体的かつ詳細な検討が行われました結果、答申に述べられましたとおりの分割民営化というものを採用しがたいという特段の合理的な事由があると判断されるに至った場合には、答申の目指す経営の効率化とか活性化が図られるようなものであれば別の選択がなされることも理論的には全くあり得ないわけではないというぐあいに御答弁申し上げております。

安井吉典日本社会党

○安井委員 この問題はもうすでに運輸委員会の論議が尽きている問題ですから、それ以上触れませんが、臨調答申の中でもローカル線の整理の問題が強く書かれているわけです。そしてまた再建監理委員会の仕事にも引き継がれることになるのじゃないかと思いますが、これは現在の運輸省なりあるいは国鉄なりの課題になっているわけです。  第三次答申では「特定地方交通線対策協議会の早期開催を図る」というような言い方がなされ、第二次についても早くやれ、こういうふうな書かれ方になっているわけです。しかし地方では、若干進んでいるところもあるようでございますけれども、これも総体的には関係地域では大変問題なわけですから、第一次、そして追いかけて第二次ということで非常な混乱が起きているわけです。現状をどうとらえて、これから後どう対応していくのか、それをひとつ伺います。

岩田貞男運輸省鉄道監督局国有鉄道部地方交通線対策室長

○岩田説明員 お答え申し上げます。  お尋ねが二件ありましたので、一次、二次に分けてお答え申し上げますと、一次線につきましては、四十線が一昨年の九月に選定承認されているわけですけれども、本年の四月一日が協議開始希望日となっている二線を除きまして、円満な協議が開催されているということでございます。  この中でも、バス転換につきましては二、三の線区、あるいは第三セクター化につきましては現在のところ四線区がそっちの方向で転換するということで、具体的な細かい詰めを行っているところでございます。その他の線区につきましても、若干おくれているところはありますけれども、順調に逐次会議が進められているところでございまして、予定どおりわれわれとしましては円滑な転換が可能であると期待しておるところでございます。いま申し上げました三十八線、あと残りの二線につきましては、これは統一地方選挙があったとかいろいろな理由がありまして若干四月一日にはおくれてしまいましたけれども、現在地元におきましてさらに会議が開催できるように協議を進めております。  それから、お尋ねの第二番目でございますけれども、第二次地方交通線ということで、かなり長い線区もあるのも承知しておりますけれども、現在関係知事の意見を聞いておりまして、先ごろ岩手県知事から意見がありましたけれども、残りました十六道県の知事さん方からも御理解を願いまして意見を提出していただき、円満に、また地元の意見が十分反映された形で転換なされるようにやっていきたいと思っております。

馬渡一眞日本国有鉄道副総裁

○馬渡説明員 いま運輸省からお答えをいただきましたようなことでございまして、各線区とも、それぞれの地元でよく御理解をいただき、そして進めてまいるという基本方針のもとで、各管理局がそれぞれの地方の陸運局と御相談しながらいま取り進めている次第でございます。  ただ、二次の選定線区の方につきましては、現在、五十八年度の四月からということでお願いをしていきたいと思っておりましたところでございますが、まだ線区そのものの御承認がいただいておらないということでございますので、最初考えておりましたよりはやや遅いことにはなっておりますが、しかし既定の方針に従って進めてまいりたいというふうに思っております。

安井吉典日本社会党

○安井委員 一次のものもそうなんですけれども、特に二次になると一線が百二、三十キロもあるような線をやめるというのですから、これはバスで転換するといったって、百キロ以上といったらそれはもう大変ですよ。トイレつきのバスでも走らせるのか、じいさん、ばあさん大変ですよ、これは。そういうような非常に大きな問題をはらんでいるわけであります。これはもし予定どおりいかなかったらどうします。

岩田貞男運輸省鉄道監督局国有鉄道部地方交通線対策室長

○岩田説明員 すでに御案内だと思いますけれども、国鉄の経営の状況を見ますと、かつ臨調答申あるいはそれに引き続く閣議決定などもなされておりまして、われわれとしては着実に、かつ、むしろ緊急に進めていかなければならないと考えております。  いま御指摘の長い長距離バスを走らせなきゃならないとか、寒冷地におきましてはどうやって冬季停留所で待てばいいのかとか、あるいはどうやって定時性を確保するのだとか、いろいろな疑問が出されていることは十分われわれも知っておるところでございますけれども、たとえば北海道の場合ですと、札幌から稚内まで長距離バスがすでに出ているというようなこと、それから寒冷地の停留所につきましては、すでにボックスというような形でかなり安価な停留所の型が売っているというようなこと、それから高速バスなどはトイレのあるものも開発されているというようなこともございまして、そこいらを十分われわれ集められる資料は提示して地元の協議会にかけまして、御納得を得た上で着実に進めていきたい、このように考えております。

安井吉典日本社会党

○安井委員 ごく長距離になると長距離バスというのもないわけではないです。それはあちこちにありますけれども、それはそんなに小さく小さくとまっていくというバスじゃありませんからね。いわゆる路線バスということになれば、バスストップがたくさん必要になってくるわけです。時間も、だから当然よけいかかるわけですね。したがって、そう簡単に解決できるような問題ではもちろんないと思うわけであります。いずれにいたしましても、地域住民にとってはこれはもう大変な生活課題であります。  あるいは北海道のことだけ考えてみましても、国鉄によって北海道の開発が今日まであるわけですから、もういまのこの一次、二次、それから臨調の言うとおり地方交通線全部がなくなるということになると、幹線というのは四本か五本しかありませんからね、あのとおりやるとすれば。それはもう国鉄はそのときは民営になっちゃっているのでしょうし、国というのはその地域に対するいわゆるサービスというものはもう完全に後退するのだ、そういうふうな地域住民の受けとめ方にならざるを得ない、そういう問題にもなると思います。したがって、ローカル線の問題についてはきわめて慎重な態度を要求しておきたいと思います。  次に、電電公社ですが、総裁もおいでですから、その問題について若干伺っておきたいと思います。  電電公社については、現在の経営状態を国鉄と比較すれば、これはまさに比較にならないような状況にあるわけであります。いい状況にあることは間違いありません。国の財政にも寄与していることでもあります。しかし、もちろん、当事者能力を欠如しているとか、総裁がいかにいばっていてもさっぱり能力がない、そういうような状態に置かれているという問題もありますね。問題はたくさんあるけれども、だから民営以外には方法がないのだという直結論も私は問題があると思うわけであります。これはもう、後で専売のことも伺いますけれども、国鉄についての発想と同じ思考方式で三公社全部に当てはめていこうという、その考え方が私は問題があるのではないかとも思うわけであります。  公共企業体というあの言葉自体がおかしいので、そして公共企業体に勤めている人は同じ労働条件を与えていくというあの考え方も実はおかしいわけですね。単に公社とかそういうふうな形になっているということだけで、そういう仕組みを全部統一的に与えていこうということも、そういう考え方がおかしいわけで、したがって、恐らく同じ考え方を持っている人なんでしょうね。国鉄も民営分割にするのだからほかの二公社についても同じだ、こういうことでは私はどうも腑に落ちないわけであります。ですから、電電公社の問題については、自民党の中にもかなり意見の分かれがあるわけですね。そういうふうな状況が出てくるのも私は当然ではないかと思うわけであります。  この問題について、郵政省と電電公社の受けとめ方に若干違いがあるようにも聞いているわけでありますが、それぞれからこの際お聞かせをいただきたいと思います。

吉高廣邦郵政省電気通信政策局監理課長

○吉高説明員 電電公社の関係についての御質問でございますけれども、公社の改革の問題につきましては、昨年の閣議決定のいわゆる行革大綱の線に沿いまして、政府・自由民主党行革推進本部常任幹事会において調整が進められることとされているのは御案内のとおりでございます。郵政省といたしまして、この行革大綱の趣旨に沿って対処することとしておりますが、現在のところ、調整が整っていないという状況でございます。  先生お尋ねの電電公社をめぐる問題につきましては、臨調答申では各般にわたる要素が盛り込まれております。いずれも電気通信政策上の重要な問題であると考えておる次第でございます。したがいまして、電電公社の改革の問題につきましては、まず一つには、国民生活に不可欠になっております電話を中心とした公衆電気通信サービスを低廉な料金で安定的に提供していくこと、それから一方、今後の情報化社会の進展の中で電気通信の果たす役割りがきわめて大きいことを十分認識いたしまして、需要に応じ、高度かつ多彩なサービスの提供が可能となるような電気通信の健全な発展を図ることなどを基本にいたしまして、引き続き検討、対処してまいりたいと考えております。

西井昭日本電信電話公社総務理事

○西井説明員 お答えいたします。  電電公社といたしましては、昨年の七月三十日の第三次答申、いわゆる基本答申を受けまして、八月十日にこの答申を最大限尊重するという対処方針が閣議で決定をされまして、また九月二十四日に閣議決定されました行革大綱では、臨調基本答申で提起された公社の改革については政府・自由民主党行政改革推進本部常任幹事会等において調整を進める、こういうふうに決まっておるところでございまして、私どもはそれを見守っておるというのが現在の状態でございます。  なお、郵政と電電との間に意見の相違があるのではないかという御質問でございましたが、実は臨調の第四部会で電電公社の問題が検討されておりましたときに、いわゆるヒヤリングというのがございまして、ヒヤリングを行いますときに、私どもは郵政省と基本的な考え方についてある程度の調整をさしていただきましたけれども、臨調の方からざっくばらんにおのおのの意見を聞きたい、こういう強い御要請がございましたので、それに基づいて電電公社の御意見を申し上げたところでございます。  なお、それは臨調の答申が出ますまでの中途経緯でございまして、ただいま申しました経緯を受けまして、この臨調の答申を最大限尊重するという対処方針が閣議決定されました翌日に、郵政省の方から、いままでと違って電電公社との間にこの経営形態問題について緊密な連絡を行う必要があるということに対する意見を出せというお話がございまして、公社といたしましても、当然のことながら郵政省との間に緊密な意見交換が必要だろうということで、郵政省の御提案に対して全面的に同意をいたしまして、現在、郵政省と公社との間で電電公社経営問題連絡会というものを郵政省に設けていただきまして、そこで意見の交換を行い、十分意思疎通に努めておるというのが現在のところでございます。

安井吉典日本社会党

○安井委員 総裁もおいでですが、何か特別御発言ありませんか。

真藤恒日本電信電話公社総裁

○真藤説明員 いま西井総務から御説明申し上げたのが現状でございます。

安井吉典日本社会党

○安井委員 この前の九月二十四日の閣議決定からすれば、「所要の法律案を次期通常国会に提出すべく準備を進める。」こうなっておりますね。しかし、通常国会はもう終わりそうになっているわけです。ですから、この問題はワンテンポというかツーテンポおくれておることは間違いないですね。これは行管長官、今度の大綱の問題の中で処理されるんですか。

齋藤邦吉自由民主党行政管理庁長官

○齋藤国務大臣 昨年の第三次答申を受けての行政改革大綱の中で、それぞれ案をつくって次の通常国会に提案をしたい、こういうことを書いてあるわけでございますが、いまお述べいただいたように、先般来まだ調整が十分進んでおりません。しかし、やはりこの問題は解決しなければならぬ問題であると私は理解をいたしておりまして、今度の新しい行政改革大綱の中にも、できるだけ速やかに成案を得て、次の国会に提案するということははっきりと提言をすべきではないか、かように考えております。

安井吉典日本社会党

○安井委員 同じような状況にあるわけですから、専売公社の方もこの問題についてのお考え方を伺っておきたいと思います。そして、後でまた両方とも関連した問題について伺います。  専売公社についても民営化というのが打ち出されているわけでありますが、この問題についても、大蔵省側の意見と専売公社側の意見と、この際、伺います。

金野俊美大蔵大臣官房参事官

○金野説明員 専売公社の経営形態問題につきましても、昨年の七月に臨調から答申をいただいて以降、鋭意検討を進めてございます。専売公社とはもとより大変緊密な連絡のもとに検討を進めておりますが、そのほかにも関係省庁が大変多岐にわたっております。内々検討を進めながら、いろいろな問題点について鋭意検討を進めてございますが、何分にも明治三十七年以降続いてまいりました専売制度の根幹にさかのぼって見直しをするというような大変な作業でございますので、今日に至るまでこれといった成案を得るにはまだ至っておりません。引き続き鋭意努力を進めてまいりたい、かように考えておるわけでございます。

長岡實日本専売公社総裁

○長岡説明員 私ども、いま大蔵省からもお話がございましたように、関係方面との意見を調整しながら具体的な検討を鋭意進めている段階でございます。  専売公社はいままで、五十七年度につきましても相当の利益を上げ、また国と地方の財政にも寄与いたしておるところでございますけれども、最近の対日市場開放要請等に対しまして適切な対応を図る必要性を痛感いたしております。今後、輸入たばことの競争が一段と激化することは避けられないような情勢にございますので、公社といたしましては、この激化する競争の中でわが国のたばこ産業が生き抜いていくために、経営の自主性強化によって一層の企業性が発揮できるように現行制度の見直しを図る必要があるものというふうに考えております。この点については臨調の現状認識と変わりがないと思いますし、答申の趣旨は十分尊重すべきだと考えております。  ただ、具体的に制度改正をいたしてまいります場合に、まだまだ詰める余地がたくさん残っておりますので、確定的なお答えはいたしかねますけれども、たとえば葉たばこ耕作農家に与える影響であるとか、たばこの小売店に与える影響等につきましても、私どもは現実的には十分考慮しながら事を進めていかなければならないと存じますし、完全民営化という形を考えました場合にもやはり影響するところはきわめて大きいものがあると存じますので、どのような影響が出てくるかといったような問題については私どもといたしましても慎重に詰めたいと存じますし、大蔵省との間での意見調整も図ってまいりたい、かように考えております。

安井吉典日本社会党

○安井委員 専売公社の方は、葉たばこ農民の問題がくっついているという点において、ほかとは大分違った要素を持っていると思います。耕作の許可制、葉たばこの全量買い取り制、これが基礎になって今日までのたばこ専売事業があったわけですから、民営にしてこれはもう全部やめちまえというそのことが農民の側にとって大変な問題になっている。公社の経営自体の問題ももちろんありますけれども、その両面から考えていかなければいけない重大な問題ではないかと思います。民営ということになれば、もういまの葉たばこ農民は切らなければいけない、こういうことになるわけですから。ですから言葉のニュアンスはいろいろ受け取りようがあるかと思いますけれども、私はもうはっきり、民営というような言い方はいまの専売公社にとってはとても無理ではないか。だから民営に等しいような、そういう大きなものに現在の仕組みを改革していく、そういうようなことで臨調の提起している問題点へかなりの答えになっていくのではないか、そういう見方もできるわけであります。  そこで、いまの電電の方と専売の方に共通の問題でありますけれども、いま電電公社の総資産は一体どれぐらいありますか。それから、専売公社についても資産総額はどれぐらいですか。民営になって株で公開するというようなことになると関係が出てきますので、ちょっと伺います。

西井昭日本電信電話公社総務理事

○西井説明員 電電公社の総資産は、ただいま約十兆円でございます。

長岡實日本専売公社総裁

○長岡説明員 五十七年度予算の数字をいま持ち合わせておりますが、貸借対照表上の資産合計は一兆七千六百億でございます。  ただ、専売公社の場合には非常に特殊事情がございまして、その中に葉たばこという資産が相当程度入っておるということでございます。

安井吉典日本社会党

○安井委員 固定資産はどうですか。

長岡實日本専売公社総裁

○長岡説明員 五十七年度予算の貸借対照表上では、四千百五十一億円でございます。

安井吉典日本社会党

○安井委員 これは一応帳簿資産ですから、実際は二兆も三兆も、どちらもなっているのではないかと思いますね。  ただ電電にしても、このうち国が現実に出資しているのは、最近は出してなんかいませんから、むしろもうけを取り上げている方ですから、たしか百七十億ぐらいだったと思いますね。ですから、残りの一兆円なのか二兆円なのか実際の額は知りませんけれども、これは国の資産に一応間違いありません、法律上はそうなるわけでありますけれども、実際は今日までの経営の中で生み出され、加入者が大変な負担を今日までかぶってきたわけですから、そういう結果が今日までのこういう資産を持つ状況になってきているわけですね。しかし臨調の考え方とすれば、これはもう全部国の資産なのだからこれを民営にして売っ払ってしまえ、そうすれば金も浮くから財政再建にも役立つだろうという考え方、そこまでは書いてありませんけれども、もう見え見えなわけであります。  私はただ、こういう国民の共有財産だという立場から、国鉄についてもこれは同じことなのですけれども、これを、政府資産を特殊会社に一たん移して、そして株の公開をしていく、こういう書き方をしますとなかなかきれいに見えますよ、すっといって、ここにいるわれわれも何か株主になって買えば買えるのだというふうな感じを受けるわけですけれども、現実にはそんな大衆に全部公開されて、一人一人が株主になってやるなんということにならぬわけですから、結局分割をして、電電を七つか幾つに割るのかわかりませんけれども、分割をして一つの会社をつくるということになれば、その会社が――つまり大きな企業でなければ民営化された会社の運営はできないわけですよ。たばこにしても同じですね。それが一括民営になるのか、それとも民営になったらピース株式会社だとかハイライト株式会社なんというのが別々にできてくるのかわかりませんが、いずれにしてもその経営主体というものは、いま新しく生まれるのではなしに、どこかの現にある大企業が中心に受けとめていくということにこれはならざるを得ないわけであります。  かつて国営であった八幡製鉄が民営に移りました。あれは余り分割はないのですけれども、今度は分割があるわけですからね。また条件があのころとは全く違います。当時もこれは大きな疑獄事件だなどと騒がれた、国会でも問題になった八幡製鉄の場合もあったわけでありますが、いずれにしてもこれは株の公開としか書いてないのですよ。そうすると、だまされるわけですよ。なるほどなとこういうのですけれども、そうじゃないのです。特定のいまある、会社の名前は言いませんけれども何とかいう会社、これがそれぞれの経営主体に入っていくわけですから、国民共有資産の大企業による分け取りという状態がいつか必ず来るわけです、分割すれば。私はそのことも恐れますね。だから単なる民営分割でいけばいいのだという財界を主体としたこの提言というのは、そうやすやすとは受けとめられないと思います、取り越し苦労かもしれませんけれども。  そういう観点からこの問題を取り上げた人はないようですから、きょうは私は、そういう観点もあるのだということだけ言いたいわけでありますが、齋藤長官、どうですか。

齋藤邦吉自由民主党行政管理庁長官

○齋藤国務大臣 経営形態の変更を含めた改革案というのは、先般来お述べになりましたように、いろいろ問題があるわけでございます。お二人の総裁が仰せになりましたようなむずかしい問題がたくさんあるわけでございまして、今日まで調整がまだまとまらないという状況にあるわけでございます。しかし、いつまでも投げておくというわけにもいかぬ問題だと私は考えております。  そういう意味において、今度の通常国会には提案できなかったわけでございますが、何とかできるだけ早く成案を得ていただいて、関係方面の意見を十分聴取し、調整をして次の国会には提案をしていただく、こういうふうにしていただきたい、かように考えております。

安井吉典日本社会党

○安井委員 いずれにいたしましても、民営にし分割しなければいけない、こういう書き方のとおり、専売はただ民営としか書いてないようですけれども、そのとおりやらなければいけないのだということではないと私は思うのですよ。先ほども国鉄の問題についてお話がありましたけれども、現在ある経営がもうかなり大きな問題を抱えていることは間違いないわけですから、それが非常にうまくいっている――民営といったって必ずうまくいっているとは限りませんよ、現在倒産する民営会社はいっぱいあるわけですから。ですから民営なら必ずいいという先入観念からして一つ間違っているわけだし、そしてまた、民営にし分割しなければよくならない、それ以外に方法がないのだという、その他の選択を全く拒否するようなあり方で対応していけば間違いが起きるし、現実にいろいろな意見が出てなかなかまとまらないという姿になっているんじゃないかと思いますね。ですから私は、現在ある問題を解決するためにはどうすればいいのか、そういうことをまず基本から議論をしていただくことで、民営とか分割とかということを最初に置いてそれに持っていくのだということでは、問題の解決にならぬのではないかと思うのですね。問題意識を持って、そのためにはどうすればいいかということを、つまり臨調のあれにそのまま従うのではなしに、臨調を超えた形で問題を提起し、考えていくということでなければ結論にならぬのではないかと思います。特に長官、お答えありますか。

齋藤邦吉自由民主党行政管理庁長官

○齋藤国務大臣 そういういろいろな問題がございますので、行政改革大綱においても、臨調答申の趣旨を踏まえ、関係方面の意見を十分聞いて改革案をつくっていただきたいということを言うているわけでございます。

安井吉典日本社会党

○安井委員 もう時間がだんだんおしまいになりましたが、郵政事業と国有林の事業の問題に移ります。  郵政事業についての臨調提言は、これはもう郵政審議会などの考え方とは大きく違っているし、私どもも、現在の経営形態の中で民間とのかかわりにおいて郵政事業を考え、民間の金融機関を守るために郵便貯金を抑制せよというような意見はきわめて乱暴な意見ではないかというような見方も持つわけであります。郵政省として臨調の答申の問題を、これも今度の行革大綱の中に出てくるわけなんでしょうが、どういうふうな御検討をされているか、それをまず伺います。

金光洋三郵政大臣官房文書課長

○金光説明員 臨時行政調査会の第五次答申につきましては、御案内のように、政府の対処方針といたしまして「最大限に尊重しつつ、行政の簡素化、効率化を推進することとし、引き続き、所要の改革方策の調整、立案を進め、逐次これを実施に移すものとする。」こういう閣議決定が行われているわけでございます。  郵政三事業に関しまして具体的な改革方策は、この政府の対処方針を受けまして現在検討を進めているところでございますが、この検討に当たりましては、郵政事業が国民、利用者のための事業であるという観点に立ちまして、国民、利用者の利益に大きくかかわる問題につきましては、各方面の意見も聴取しながら、慎重かつ適切に対処してまいりたい、こんなふうに考えているところでございます。

安井吉典日本社会党

○安井委員 たとえば郵便貯金の問題がありますね。現在は金融のシェアが三〇%で七十兆円に及ぶというような事実をとらえて、もう少しこれを抑えろ、こういうことなんですね、それでないと民間の銀行が困るから。こういう考え方で、これは果たして国民的な立場からの意見なのかどうかということになると、私はどうも疑問があるわけです。財界主導という言葉を臨調について余り使いたくはないけれども、そういうような印象を持たざるを得ないわけであります。  国営の郵便貯金の方に貯金が集中してくるというのは――郵便貯金の方が銀行に比べてそんなに宣伝をしたりいろいろやっているようにも見えないわけですよ。マッチをくれたりちり紙をくれたりなんというようなことは、郵便局はやっているのですかな。余り銀行ほどやっていないように思うし、きれいなお嬢さんの写真が出たり、そういう宣伝も余りないようであります。ですから、なぜそう来るのかというと、やはり利用者にとって利用しやすいから、あるいはまた利用者が利用しやすいような、民間よりももっと有利な仕組みの制度があるからということが原因ではないかと思いますから、そうだとすれば、国鉄と民鉄とを比較して国鉄はサービスが悪い、一方で臨調はそういう言い方をしているわけですから、それと同じような言い方をもし当てはめれば、民間の金融機関の方ももっと利用者に具体的な、形の上の形式的なものじゃなしに具体的なサービスをするような仕組みをやればいいんじゃないかということにもなるわけであります。しかも、郵便貯金については、これが抑えられるというと国の財政運用資金にも問題が出てくる、こういう問題もあるわけであります。ですから、率直に言って臨調の言うとおりにはこれはやってもらいたくないと私は思いますよ。しかし改善はしなければいけません。必要な改善だけはもちろんやらなければいけませんけれども、率直に言ってそういう感じを受けるわけでありますが、これは今度の行革大綱の中に書き込むということにはならないのかもしれませんが、今後の改革の進め方について、齋藤長官どうでしょうか、この問題。

齋藤邦吉自由民主党行政管理庁長官

○齋藤国務大臣 郵便の定額貯金の問題、臨調の答申にはいろいろ記されておるわけでありますが、いまお述べになりましたが、預金者が郵便貯金を利用しやすい、またそういう環境にある、それは私は率直に認めなければならぬ問題だと思います。そこで今度の答申を受けて新行革大綱にどういうふうにこれを取り扱い、引用するか、いま慎重に検討しておるところでございます。郵政省とも十分打ち合わせをしながら、あらぬ不安を与えないようにするということは大事なことでございますので、慎重に打ち合わせをしながら対処方針を決めていく、こういうふうにいたしたいと考えております。

安井吉典日本社会党

○安井委員 もう一つ問題になっている国営事業では、国有林の経営の問題があります。現在の国有林野事業は赤字経営であることは間違いありませんし、今年度もまた赤字がふえたようですね。しかしこれは、外材輸入の自由化だとか、その他国内市場の変動があるわけです。そういうどうしようもないような要因も加わっているわけであります。どんな企業であってもどんな事業であっても業務の運営を合理化していくということは当然なことでありますけれども、しかし限度を超えたやり方で進めては、国民の共有財産である国有林を荒廃させることになる。特に緑の問題は中曽根内閣が大変大事な問題として最近掲げてこられましたが、不沈空母をそれで帳消しにするおつもりかどうか知りませんけれども、小鳥と緑をふやすなどという最近のキャッチフレーズも、それはそれなりに結構だと私は思います。そういう観点からすれば、臨調の答申のようなあのままでやっては一番大事な国有林が荒れてしまうのじゃないか、ひとつ緑を大切にするという精神に立った対応をお願いしたいわけであります。  この答申の中にも問題はたくさんありますけれども、わけても問題なのは、立ち木の販売を原則とするという点であると思います。現在は国の直営直用による素材生産あるいは販売をやっているわけですね。つまり立ち木を切って、それを売っている。そういうやり方を一切放棄をして、立ち木のまま山ごと売る、こういうことの提言があるわけです。そうなればなるほど人手が要らなくなって、人件費が節約できるから、こういう発想なのではないかと思いますけれども、実際はそのことによって逆に非常に大きな矛盾も起きてくるわけであり、大事な国民の共有資産がいいかげんな販売の形になってしまう、こういうような問題があります。  立ち木で売るといっても、これは立っている木ですから何十メートルも高く、ほとんど目測でいきますね。人間の目の高さのところで立ち木のぐるりをはかります。しかし高さは、これは一本一本いくわけがありませんから目測でいくわけですね。それから、中にどんな材質の木があるかなどということは、これもみんな全体的には思惑買いというようなことになってしまうわけであります。つまり一山幾らということになるわけです。そして、そういうことのために、中小企業の方はとても一山幾らで買うだけのお金はありませんから、結局は大企業、特にパルプ資本に国有林を全部売り渡すことになってしまうのではないかという心配もあるわけです。  また、立ち木で一山幾らで買えば、後は切るのは勝手ほうだい、こういうことになるわけですから、皆伐をすることによって土砂が崩壊したり地力が荒廃してしまう、こういうようなことにもなります。かつて全部皆伐方式というので国有林は経営したことがありますけれども、それでやってしまえばからっと明るくなります。しかし、そこでササが生えてくる、ササが生えてくるとネズミが出てくる、そこへ新しい植林をするとそのネズミの害が出るものですから、ネズミに毒を食わせるあるいは空から毒物を投げるということによって公害が起きる。そういうような問題が皆伐方式で従来指摘されているわけですけれども、そういうような方向に行ってしまわざるを得ないのではないかとも思うわけであります。  ですから、たくさん問題がありますけれども、そのうちの立ち木で売るというこの考え方は、少なくも考え直す必要があるのではないか、私はそう思うのですが、これはどうですか。

田中恒寿林野庁業務部長

○田中説明員 今回の臨調の最終答申におきましては、国有林野事業にとりましては内容的に大変厳しい内容を含んでおるわけでございます。とは申しましても、国有林経営の現状もこれまた大変厳しい内容になってございますので、基本的には、答申の趣旨を体しましてこれから一層経営改善の努力を促進してまいらなければならないと考えるところでございます。  ただ、先生ただいま、国有林の赤字またふえたそうだとおっしゃいましたけれども、私ども五十七年の決算がまだ途上でございますので、発表もしておりませんので御存じでございませんのは当然で、その点は申しわけないのでございますけれども、五十六年の決算が史上最大の赤字を出しまして、大変皆様方に御心配をおかけいたしました。五十七年の決算、もう近く終わるところでございますけれども、いろいろ非常な努力をいたしまして、五十七年は五十六年よりは多少赤字幅は減少する見込みとなっておるわけでございます。これはもう近く御説明できるはずでございます。  そうは申しましても、相当多額な赤字であることは変わりなく、また、当面この赤字体質は続くわけでございますので、さらに改善努力を促進しなければならないことは私ども身にしみて考えておるところでございます。  その答申の趣旨を体しましても、答申の中では数多くの項目についていろいろ指摘をされておりまして、ただいま先生のお話しになりました立木販売原則等、理念と申しますかあるいは哲学と申しますか、そういうものといたしましては私どもも十分理解をしておるところでございますけれども、お話ございましたように、今日の置かれておる条件から考えますとやはり現実的な対応が必要な面も多々あるものと考えておりまして、たとえばお話ございましたように、立ち木のまま立木販売にとどめるということになりますと、得るべき付加価値を得られないということもございますし、あるいは高品質、高価格のものにつきましては、多数の業界の人たちに対する機会付与というようなことで素材販売が公正だということもございましょう。あるいはまた、それに関連いたしまして、民間の林業事業体が事業実行体制におきましては恐らくまだまだ時間を要するであろういろいろな問題もはらんでおるわけでございます。したがいまして、私どもは現実的な対応としては、十分諸情勢と合わせた慎重な対応をしてまいりたいと考えておるところでございます。  しかしながら、私どもは、近く予定されております行革大綱の決定後に林政審議会に特別な部会を設置することになっておりますので、この設置をお願いし、その中で、先生のお話ございました緑資源に対するいろいろな世論の高まりもございます、そういうものと、われわれの行う改善努力をどのように組み合わせ、これから確かな改善の道筋を築いていくか、審議調査をいただきまして、これからの路線を固めてまいりたいというふうに考えておるところでございます。

安井吉典日本社会党

○安井委員 もう時間がなくなりましたから、きょうは食糧庁からもおいでなのですけれども、ひとつ割愛をさせていただきます。わざわざ済みませんでした。  そこで、大臣に伺いたいのですけれども、いま林野庁の方からの御説明で、国有林の問題でも、いま私が取り上げた立木の販売一つとっても現実に扱う方では問題があるわけですから、パルプの資本家が臨調の中で発言したのがそっくりそのまま答申になるような、そう簡単なものじゃないと私は思います。したがって、新しい審議会もできるし、政府部内でもいろいろ討議をするのでしょうけれども、そういう具体的な問題については、もちはもち屋なんですから、それぞれの審議会や何かあるわけですよね、そういうところにお任せになったらどうなんですか。細かいところまで何もかも、臨調なり今度できるポスト臨調審議会なりが押さえなければいかぬというものではないと私は思うのです。問題意識はそれで明らかにされているとすれば、その意識に立って具体的にどうすればいいかというのは当該の機関にお任せをする、そういう考え方の方がいいのではないかと私は思うのですがね。最後に伺っておきます。

齋藤邦吉自由民主党行政管理庁長官

○齋藤国務大臣 国有林野特別会計が非常に危機的な状況にありますことは御承知のとおりでございまして、林野庁もその経営の改善、合理化のために今日までも努力をしていただいているわけでございます。  そこで、臨調答申も出ておりますので、この林野関係の経営合理化、刷新、それは私は新しい行革大綱の中に掲げるべき項目だとは思います。しかし、どういうふうにそれを取り上げるか、その問題については林野庁の方とも十分相談をいたしまして、いま盛んに事務的折衝もいたしておるわけでございますから、その折衝を踏まえて最終の新行革大綱の中に提案をする、こんなふうにいたしたいと考えております。したがって、どういうふうなことになるか、きょうの段階では申し上げることはできませんが、十分林野庁と折衝をしながら調整をし、そしていま危機的状況にある経営の改善、刷新、これをどうやって実現することができるか、やはりそういうことは提言すべきである、私はさように考えております。

安井吉典日本社会党

○安井委員 その場合に、政府なり新しい審議会なりが打ち出すのはいいのですけれども、全くゆとりのないようなかっこうで原局というか当該担当の部局におろしてしまうと後困るので、かなりの余裕を置いた提起の仕方であってほしいと思います。その点はどうですか。

齋藤邦吉自由民主党行政管理庁長官

○齋藤国務大臣 経営の刷新合理化は非常に大事なことでございますから、それぞれ創意工夫をこらしてやるべき問題でございます。その創意工夫をこらしてどういうふうな方向でやっていくかという問題について、十分打ち合わせをしまして提案をいたしたいと考えております。

安井吉典日本社会党

○安井委員 終わります。

佐藤信二自由民主党

○佐藤(信)委員長代理 和田一仁君。     〔佐藤(信)委員長代理退席、堀之内委員     長代理着席〕

和田一仁民社党・国民連合

○和田(一)委員 今日のわが国の社会情勢を見ますと、きわめて厳しい情勢ではないかと思います。内政面を見れば、経済成長というものも大変鈍化をいたしまして、この鈍化に伴ってここ三年来まれに見る長期不況の経済情勢である、財政もまた極端な悪化をしておる、こういった経済情勢に加えて社会構造そのものも非常に急速な高齢化社会への移行が始まっている、こういう現状でございます。そういう中で新しい行政の需要というものの拡大もあるわけでございまして、そういったものへの対応の必要性というものも求められている時代でございます。それから外に向かって考えますと、世界的な経済情勢の悪化の中で、わが国の経済あるいは貿易、こういったものの摩擦も一段と激しさを加えておりますし、また国際社会の一員としてのわが国、特に自由主義陣営の中での一員として求められている役割りとその責任をどうやって果たしていくか、こういったものに対する負担の増大というものはふえつつあるのではないか、こういうふうに理解をいたしております。こうした厳しい情勢の中で、いまわが国がとるべき的確な政策、この選択を誤ると大変なことになる、こういうふうに考えております。  そういう情勢を考えまして、まず国民がいま政治に期待しておるものは何といっても徹底した行政組織の簡素化合理化、こういったことが急いで行われなければならないであろう、こういうふうに理解しているわけでございます。こうした基本的な考え方を私どもは持っておりまして、民社党は今日までこの行革については一貫してその必要性を強く主張してまいったわけでございます。昭和五十六年に今度の臨時行政調査会が発足をいたしまして、五次にわたった答申が出されたということは、それでもわれわれの主張から言えば遅くはございましたけれども、政府が改革の必要を認めて具体的な対応を図られた、こういう点については私どもは評価をいたしているわけでございます。  そういった中で五次にわたった答申は、中身を見ますと、これは本来行政改革の一番中心に据えられるべき機構そのものの簡素化、合理化、これが一番中心でなければならないと思うのですが、そういう大事な面での切り込みが少し足りないな、こういう感じがいたします。あるいは補助金だとか許認可、こういったものの改革について、地方分権を図るという観点から見るとまだまだそこへの切り込み方も不十分である、こういった不満な点はありますけれども、行政改革の中心目標、柱というものを、活力ある福祉社会の建設、ここにきちっと求められたこと、そして国際社会に対する積極的な貢献を果たしていくために必要だ、こういう位置づけをされたこと、そしてさらに増税なき財政再建を推進していくんだ、この点を明確に打ち出しているということは私どもは評価をするのにやぶさかではございません。全体としてそういったことを踏まえましておおむね妥当なものであるとは評価するわけでございます。  その臨調が解散をいたしました今日、その答申の実行は、これはもうすべてその責任は政府にある、私はそういうふうに思います。その大事な行革に対して、いま国民も大変関心を深めて熱いまなざしでこの行革の成果を見ている、こういうふうに思うわけでございます。答申は政府における実行を求めておるわけでございますけれども、その実行を推進していく立場と責任者である長官に、まず臨調答申に対する評価と、それからこの行革を推進、実行していく責任者としての姿勢をお伺いしたいと思います。

齋藤邦吉自由民主党行政管理庁長官

○齋藤国務大臣 行政改革に対する二年間にわたる調査会の答申の内容について非常に高く評価していただいておりますことを、私は本当に厚く御礼を申し上げる次第でございます。  現在の日本の経済社会の状況等に対する認識、国際的な動きに対する認識、私も同感でございます。本当に著しい経済社会の変化に対応する、この変化に対応するというところが非常に私、大事なことだと考えておるわけでございまして、その変化に対応するということの観点から、従来のような膨大な機構あるいは制度ではいけない、行政運営もまた簡素、強力にしなければならぬ、こういうふうなことでございまして、そのねらいとするところは、将来を展望して活力ある福祉社会を築き、積極的に国際社会に貢献するというところに目的を置いておるわけでございまして、そうした先生の認識につきましては私も本当に同感でございます。  したがって、そうした共通の認識に立っておるわけでございますので、私としては、この臨調答申というものを最大限に尊重し、逐次これに実行に移す、そして国民の期待にこたえていくということが最も大事なことだと考えております。したがいまして、最終答申が出ましてすぐ政府においては最大限尊重の閣議決定をし、そしてまた全閣僚に協力を求め、事務当局もまた足を引っ張るようなことをしてはいけませんよということを官房長官がみずから事務次官会議において協力を求めておる、こういう態勢でございますので、私は中曽根内閣の最大の課題である行政改革については、本当に重要な内政の課題として全力を尽くして実行に移していくというふうに考えております。したがって、この最終答申に基づく新行政改革大綱につきましては、この連休中といえども、関係各省お忙しいでございましょうが事務的な折衝、調整を進めていただいて、そして連休後直ちに党内なり各方面の意見を聴取しながら来月の中旬まで何とか、遅くとも二十日までに新行革大綱を決定したい、こういうことでございます。全力を尽くして行革推進のために邁進をいたしたいと考えておる次第でございます。

和田一仁民社党・国民連合

○和田(一)委員 大臣の御決意も伺いました。そして、当面する行革の課題として臨調答申をどうやってやっていくかという、そのための新行革大綱、これもいま作業中である、それも連休を返上してでもとにかくまとめて五月の半ば、遅くても二十日までに新行革大綱ができ上がる、こういうふうに御答弁があったわけでございますけれども、そういう作業の過程であれば、これは相当中身は詰まってきているな、こんなふうに理解をしてよろしいでしょうかね。  私は、そういった進行状況でまああとわずかの間にまとめ上げられるということであるならば、まず一つお聞きしたいのは、その大綱の中心に何を据えておられるかですね。答申のような三つの柱を私先ほど申し上げましたけれども、そういったものをきちっとお据えになっているかどうか、それをまずお聞きしたいと思います。

齋藤邦吉自由民主党行政管理庁長官

○齋藤国務大臣 具体的に全体の構想を申し上げるまでにはいまは至っておりません。しかしながら、第五次答申の一番大きな問題は、行政機構の再編成の問題、それからブロック機関のいろいろな問題、それから府県単位の機構の問題等々があるわけでございます。そういうふうな行政機構の簡素合理化、これは私は行革答申の線に沿って実行していきたい、こういうふうに考えております。  それから第二点の問題としては、許可認可の問題でございます。いろいろ指摘されている問題もありますが、そのほかの問題もあるかもしれませんが、やはりこの許可認可というものを整理することが私は非常に大事だと思うのです。もう国民はいろんな法律のもとに非常な規制を受けているような形でございますね。やはり民間の活力を発揮させていただくためには、こういう許可認可の思い切った整理合理化をやることが私は非常に大事だと思うのです。特に検査検定、あれがいろんな特殊法人等か役所でやっておるわけでございますが、民間に代行さすものがたくさんあると思うのです。そうして民間の活力を吸収していくということが私はやはり大事なことじゃないかというふうに考えております。  それから三番目には、やはり何といっても補助金の問題でございますが、これは来年度の予算編成において大蔵省は増税なき財政再建をてことしなければならぬ、こういうことは大蔵省も十分承知しておりますから、来年度の予算編成に際しましては補助金について相当思い切った措置を講じていただくということになるのではないか、こういうふうなことをいろいろ考えておるわけでございます。  いまは具体的に詳細を申し述べることはできませんが、そういう第五次答申の実行を中心とし、さらに、昨年出ました第三次答申でまだ実行に移されていない電電の問題とか専売の問題とか、そういう問題もあくまでも改革は実行していくんだということで新行革大綱の中に打ち出していきたい、こんなふうに考えておる次第でございます。もう少し具体的に申し述べたいのでございますが、まだそこまで固まっておりませんので、きょうのところはその辺で御了承を願っておきたいと思う次第でございます。

和田一仁民社党・国民連合

○和田(一)委員 いまの御答弁を聞いておりまして、大体私が考えている線は出てくるのじゃないかというふうにも期待をするわけですが、たとえば補助金のカット等、そういったことをどれぐらいやるか、それもきちっと具体的に出すこと、私は増税なき財政再建という答申の線を尊重していくということになれば、やはりそういう点はもう思い切って出されるもの、こういうふうに期待をいたします。  それからまた、民間の手法を取り入れるというようなことも、活力ある社会をつくるという意味で非常に大事だ、こう思いますし、「活力ある福祉社会の建設」という答申の線で、私はここが大事だと思うのですが、これは福祉の後退はないのだという線で活力ある福祉社会の建設、こういうふうな答申の精神だと思うのですが、それは生かされるでしょうね。

齋藤邦吉自由民主党行政管理庁長官

○齋藤国務大臣 補助金の問題につきましては臨調答申に三十数項目例示されておりますが、あの例示にはこだわらないでいくべきだと私は考えております。ただ、これはやはり明年度の予算編成と絡む問題でございますから、行革大綱の中で具体的なことを例示することは、率直に言いまして私は困難じゃないかと思います。しかしながら、基本的な方針としては、あの例示されておる三十数項目にはこだわらずに、できるだけ補助金の整理に当たっていただきたいということを要望いたしたいと考えておる次第でございます。  それから活力ある福祉社会、これはやはり何といっても、福祉というのは政府から与えられるものだといったふうな考え方ではなしに、自助自立の精神に立脚して福祉社会を築くということがお互い大事なことだと考えております。したがって、従来とも臨調の答申には、福祉の水準は切り下げないということを前提として、自助自立の精神を生かしながら活力ある福祉社会を築いていかなければならぬということをうたわれておりますので、そうした方向に沿うて努力をしていきたい、こんなふうに考えておる次第でございます。

和田一仁民社党・国民連合

○和田(一)委員 それじゃ、きょうの議題でございます臨時行政改革推進審議会についてこれからお尋ねをしていきたいと思います。  この法律案は、臨調の第四次答申を受けて、臨調後の行革の推進体制として総理府の中に推進会議を置くという内容でございますが、そこで長官に、まずこの審議会を設置する趣旨、何回も同じようなことを聞くようで恐縮でございますけれども、臨調が解散した今日、臨調答申を受けてこれから行革を先ほどお聞きしたような決意の中で推進、実行していくという政府としてこの審議会を設置するという意味合い、この審議会の性格について、ひとつ御答弁をいただきたいと思います。

齋藤邦吉自由民主党行政管理庁長官

○齋藤国務大臣 臨調の答申が出されたわけでございまして、最終答申を三月十四日にいただいたわけでございますが、答申をいただきますと、これを実行する責任は政府にあるわけでございます。  そこで、政府は、これを実行するに当たって、臨調答申に盛られました行政制度なり行政組織なり行政運営等について、成案を得る前にやはり各界の有識者の方々の御意見を承って、そして臨調の答申を生かして成案を得るにはどうすればいいかということを十分御意見をお聞かせいただくなり答申をしていただくなり、そういうことでやることが私は最も適当である、こういうふうに考えまして、政府だけで独断的に案をつくって必要があったら国会へ出すというやり方ではなしに、成案を得る前にこうした審議会において意見をお聞かせいただいて、そして国民的課題である行革の実施というものを円滑に進めていきたい、こう考えて提案を申し上げた次第でございます。

和田一仁民社党・国民連合

○和田(一)委員 成案を得る前に意見を聞く、こういう御答弁でございました。そうしますと、法案の中にあるように、これは私が先ほど申し上げましたように臨調の答申は必ずしもすべてを包括して十分というわけではない、まだ切り込みの足らないところもある、こう申し上げたのですが、そういう足らない点についての意見が出てきた場合には、それは尊重されるのですか。

齋藤邦吉自由民主党行政管理庁長官

○齋藤国務大臣 臨調の答申の中身は、制度なり組織なり運営なり、非常に各方面にわたって行われておるわけでございます。そしてまたさらに、その中には、先ほども御質問ございましたが、情報公開等については検討しなくてはならぬというふうな提言もあるわけでございますから、大体みんなあの範囲の中には入ると思います。言葉の上では入ると思いますが、具体的に例示がなくても、その関連においてやはりこれも一緒に改革すべきじゃないか、こういう御意見が出れば、それは当然やっていってしかるべきものではないかと私は考えております。さように御理解をいただきたいと思います。

和田一仁民社党・国民連合

○和田(一)委員 答申によりますと、初め答申ではこれは委員会というような名称がつけられていたように思うのですね。今度の法案ではこれが審議会というふうに名称も変わりました。委員会ではなく審議会とされたというのは、恐らく答申の気持ちの上から言えば、これは国家行政組織法に言うところのいわゆる三条機関としての委員会、そこまでは求めないにしても、それに非常に近いようなそういう性格のものをつくってほしいという答申であったのではないかと思うのですね。これに対してその名称をあえて審議会というふうに変えられたわけなんで、何か意気込みが一段とトーンダウンしたのではないか。行革に対して、これはポスト臨調、ポスト臨調とよく言うのですが、本当に臨調の後を受けてポスト臨調としての性格を持たせるというのであるならば、その辺がどうも意気込みとして何か一つトーンダウンしたような印象をこの名称一つ見ても感ずるわけですが、その辺はどうなんでしょうか。これは臨調がはっきりとそう言っているのではないにしても、相当強い権限を持たせた委員会を置いたがいいという答申であったと私は思うのですが、いかがでしよう。

門田英郎行政管理庁行政管理局長

○門田(英)政府委員 ただいまの御質問でございますが、御案内のように臨調の第四次答申におきまして、ポスト臨調と言っておりますけれども、臨調後の行革推進体制のあり方の一環としてこういった審議体制が必要ではないかという趣旨の御答申があったわけでございます。先生御質問のとおりでございまして、「行政改革推進委員会」(仮称)ということで御提言があったわけでございます。その内容の骨格は、御案内のとおり「学識経験者である委員若干名をもって組織する。」そして、臨調答申の実施状況等について調査審議を行う、それから総理大臣の諮問に応じて答申し、または意見を述べる、こういうことを中心として骨格ができ上がっているわけでございます。ただいま御審議をお願いしております法律案は、新しく設置されるべき推進機関、これの構成であるとかあるいは所掌事務であるとか任務であるとか、こういった事柄については、すべて臨調第四次答申どおりの内容として今回立案、編成したものでございます。  ただ、この第四次答申が、臨調の部会あるいは本調査会において審議された経過において、三条、八条というふうな御議論は全くなかったやに私ども伺っているところなのでございますけれども、この第四次答申の提言に示されましたこういった任務の合議制機関と申しますのは、答申それ自体の骨格にもございますように、やはり調査、諮問的な機関であるということははっきりしているわけでございまして、国家行政組織法のただいまの名称整序の原則、これから申し上げますと典型的な審議会というジャンルに入るということでございます。したがいまして、答申の実質的趣旨に照らせば、やはり審議会という名称を用いるのが最もなじむと申しますかふさわしいのではないか、かように考えた次第でございます。

和田一仁民社党・国民連合

○和田(一)委員 そういう御答弁を聞いておりますと、今度は、やはり委員のメンバーについても非常に大事だな、こういう印象を受けます。先ほど来同僚議員の先生方からこの点についてもお尋ねがありましたので、余り重なった質問は避けたいと思いますけれども、先ほど長官は、このメンバー、委員の人選についても、その精神を生かし得るようなそういう有識者で構成したい、事務局については、事務局長には自分自身が、行管庁の長官自身がなってもいいぐらいの、そういうような御答弁もあったように記憶しております。先ほど来いろいろ御答弁を聞いておりますと、審議会ではありますけれどもやはり臨調との継続性はあるのだ、こういうことでもございましたし、それを強力に推進していくという上で人選と事務局体制は非常に大事ではないか、こう思うのです。そこでもう一度、委員と事務局についてそういった御答弁に合ったようなものをつくるということならば、そのような御答弁をいただきたいと思います。

齋藤邦吉自由民主党行政管理庁長官

○齋藤国務大臣 今回の行政改革推進審議会は、行革実行のための総仕上げの非常に大事な審議会でございます。したがって、総仕上げの審議会でございますから、その人選についても、ポスト臨調、臨調後の精神を貫いていく、そういうふうなことにふさわしいりっぱな人を選んでいかなくてはならぬと考えております。  それと同時に事務局も、臨調時代とは違いますから余り大ぜいの職員は要らないと思います、今度は各省が全部やっていただくわけですから。そこで、十人は超すと思いますけれども、小人数の事務局を設置していきたいと考えております。その事務局長には、先ほど来も申し上げましたように行政に長年従事し見識の豊かな人を考えておるわけでございますが、皆さん方が国会の審議の中でいろいろ御発言なさった意見は十分尊重して事務局長の人選に当たりたいと考えておりますし、私自身が事務局長くらいのつもりでやらぬとできないのじゃないかと思うのですよ。はなはだ僣越でございますが、そのくらいのつもりで行革の推進に当たっていく、こういう決意でございます。

和田一仁民社党・国民連合

○和田(一)委員 少し事務的にお尋ねしたいと思います。  この審議会を設けまして、政府は、その調査審議のテーマや方向、こういったものについてどういうような期待を持たれておるか。

門田英郎行政管理庁行政管理局長

○門田(英)政府委員 先ほど大臣からもお答え申し上げたとおりでございまして、この審議会の調査審議の範囲と申しますのは、臨時行政調査会の御答申、この範囲と実質的に同一でございます。臨調の御答申、先ほど先生はまだ足りぬところがあるのではないかという御指摘もございましたけれども、大変広範多岐にわたっているわけでございますし、かたがた当審議会の設置期限は三年間ということに相なっておることとあわせ考えてみましても、政府が今後責任を持って実行すべき行政改革施策についての御意見をそういう高い立場からちょうだいするという意味で十分ではないかと思っております。また、私ども政府としては、そういった有識者としての御意見をちょうだいし、せっかく政府の行政改革の推進に邁進してまいりたい、かように考えている次第でございます。

和田一仁民社党・国民連合

○和田(一)委員 いままでの御答弁で今度の行革審というものの性格は大体わかってきたのですけれども、ある新聞報道によりますと、そういった臨調答申を踏まえて政府が出してくる施策に対してそれを監視する監視機関だけではなくて、新機構の中で、たとえば地方自治体への機関委任事務の整理合理化案の作成だとか、あるいは総合管理庁の設置案だとか、電電公社の改革などについてもこの審議会で審議することも検討している、こういう報道があって、いまの答弁とちょっと性格が変わって、本当の意味での臨調がやり残したようなことあるいは本当のポスト臨調としての性格のものにも考えているやに報道されているのですが、そういう点はいかがですか。

門田英郎行政管理庁行政管理局長

○門田(英)政府委員 ただいま御審議をちょうだいしております法案の第二条に審議会の所掌事務が規定されているわけでございます。先ほど来お答え申し上げておりますように典型的な調査審議機関であるわけでございまして、一部新聞の報道にございました、先生ただいま御指摘のような記事の真意は私ども定かでないわけでございますけれども、施策決定機関というふうなことでは全くないと御理解をお願いしたいと存じます。

和田一仁民社党・国民連合

○和田(一)委員 いままで、たとえば第一次臨調がその任務を終わった後にできました行政監理委員会というのがございましたけれども、こういった過去の委員会で相当膨大な量の意見だとか答申が政府に対して出されておったわけです。ところが政府は、今度の法案にも「答申を尊重しなければならない。」という尊重規定を置いておりますけれども、これが前と同じようにやはり文言だけの尊重に終わってしまいやしないか、こういう気がするわけです。  たとえば、昭和五十四年に公務員定数を五年で一割純減するというふうに求められた行政監理委員会の意見があったのですが、それがそのとおり実現されていない。こういったことを踏まえましても、そこで出されてくる意見、答申は尊重する、こう言いながら、実現の段階になるとなかなかそれが果たされていない。こういう過去を考えまして、今回も総理大臣は審議会の意見、答申を尊重しなければならない、こう言っておりますけれども、本当にこれが実現できるかどうか、これは大臣の決意のほどだと思うのです。いかがでしょうか。

齋藤邦吉自由民主党行政管理庁長官

○齋藤国務大臣 第一次臨調後の監理委員会と今回の審議会は非常に性格が違っていると私は思うのです。  まず第一に違っておりますのは、前の監理委員会というのは行管庁長官に対して意見を述べるということで、行政管理庁に置いた委員会でございます。ところが、そうなりますと、意見具申の範囲が行政管理庁の所掌事務について、そうなるわけでございます。そこで、そういうことじゃなしに、今度の臨調の答申というのは行政各般にわたる問題であり、しかもまた総理大臣を頂点として内閣全体が真剣に取り組むのだという強い決意でも当たるわけでございますから、そういう強い決意を示す上から言っても、行政管理庁長官のもとにおける委員会でなくて、総理大臣のもとに置くことにしたということが私は非常に大きな性格の違いだと思います。  しかもまた、総理大臣としては内閣を挙げて取り組むのだという決意を示す意味においても、本当は、法律的に言えば尊重義務なんというのは書かなくてもいいようなものです、どんな審議会だって尊重しなくていいという審議会はないのですから。けれどもこの審議会だけは、総理がみずから責任を持ちますという強い決意を示す意味において尊重義務をうたったわけでございまして、以前の監理委員会と性格が根本的に違いますし、政府の意気込みが非常に違うということは、どうか御理解いただきたいと思う次第でございます。

和田一仁民社党・国民連合

○和田(一)委員 この審議会が置かれるのが三年、こういうふうに一応限定されておりますが、この三年以内に監調答申の実行が可能だという目安で三年に置かれているのでしょうか。私は三年でこれだけ膨大な大改革をやり得るとはなかなか思わないのですけれども、そこで、もし問題が残ったときにはどうされるか、その点についてお聞きします。

門田英郎行政管理庁行政管理局長

○門田(英)政府委員 臨調の御答申というのは、きわめて短期に整々と実行していかなければならないという課題から、あるいは長期にわたる非常に広範な分野にわたっているわけでございます。しかしながら、行政改革というのは、先ほど大臣も鉄は熱いうちに打てというふうなことを申し上げた次第でございます。十年とか長期にかかるということでそれまでゆっくり腕を組んで待っていてよいというものでは決してないわけでございます。やはりこういう時期に、両三年の間に長期の問題につきましても一定の方向を見定め、軌道に乗せていくという努力が必要である、かように考えているわけでございます。臨時行政調査会第四次答申の方でも、恐らく同じような考え方のもとに三年間という時限でつくってはどうかという御指摘があったものと心得ているわけでございます。  私ども、行政改革を今後推進するに当たりまして、このような考え方のもとに中長期にわたる課題につきましてもこの三年間の間に軌道を見定める、そしてめどを立てるということをやっていくべきであると考えておりますし、この三年間で十分それが可能ではないか、こう考えておるわけでございます。  なお、三年たってなおかつできなかったらどうなのかという御質問であるわけでございますが、ただいまの段階では、私どもこの三年間でめどを立てるという決意を持っております。ひとつ御了解をいただきたいと思います。

和田一仁民社党・国民連合

○和田(一)委員 これは審議会の答申、意見待ちということで、非常にむずかしい行革をやっていくわけですけれども、その際に、むずかしいこと、やりにくいことは審議会の方の意見、答申待ちというようなことでこれを実行の段階での逃げ場にしないように、これを隠れみのに利用されないようにしていただかなければいかぬ、私はこう思うわけなんで、そのことについてくどくどとお尋ねをしておるわけです。この審議会をつくることによって、前向きに推進をしていくというための審議会を逆にとってここに逃げ込まないように、隠れみのにならないようにぜひお願いをしたいと思いますが、いかがですか。

齋藤邦吉自由民主党行政管理庁長官

○齋藤国務大臣 これはもう仰せのとおりでございます。この審議会をつくって隠れみのにしたり逃げ口上にしたり、そういうようなことは絶対あってはならぬ。推進することが目的でございますから、後退させるためにこれを使うなんということはとんでもないことでございまして、私どもはあくまでもこの審議会の調査審議を通して強力に推進をしていきたい、こういう決意でございます。

和田一仁民社党・国民連合

○和田(一)委員 それでは少し先へ進みまして、臨調の第三次答申で提唱されました総合管理庁、仮称ですけれども、これの設置についてお尋ねしたいと思います。  答申では、政府全体としての行政の一体性あるいは整合性、効率性といったものを確保して、セクショナリズムによる行政の停滞を回避したい。そのためには、内閣機能の強化及び予算、計画による調整の強化と並んで、人事、組織による調整が効果的に機能しなければならない、こういうふうに答申が出されまして、この人事、組織の調整に関して、人事管理の調整は総理府人事局及び人事院によって、また組織、定員管理及び行政監察は行政管理庁によってそれぞれ分担され、一体的に行い得ないところからこの人事、組織による調整の諸機能が十分発揮されない状態にある、こういうふうにずばっと指摘しているのですね。こうして指摘した上で、この総合管理庁、仮称ですけれども、こういうものでそういう一体性あるいは整合性、効率性のあるものをつくれ、こういう答申が出されておるわけでございます。  中央省庁の改革については、九月二十四日に閣議決定されたものでは、「今後における行政改革の具体化方策について」これは行革大綱のことですね。この行革大綱によれば、臨調の「答申の趣旨を踏まえつつ検討のうえ所要の結論を得る」こういう閣議決定がされております。  ところがどうも総合管理庁については、仄聞するところによれば、政府部内の意見も必ずしも足並みがそろっていないようなことを伺います。いまだにこういったものが成案になっていない、こういうふうな状態ですが、この設置構想について、これは関係のあるのは行管庁だけではございませんが、まず行管庁、それから総理府、それから人事院、それぞれどんなふうにお考えになっておるか、一遍お聞かせいただきたいわけです。

齋藤邦吉自由民主党行政管理庁長官

○齋藤国務大臣 総合管理庁構想といいますのは、いまお述べになりましたように、人事管理、組織・制度の管理、定員管理等々の問題について総合的に内閣全体として整合性のある機構をつくったらどうかという御提案でございまして、臨調としては非常に強くこの設置方を主張し、答申をされておるわけでございます。  昨年の九月の答申以来、政府部内においてもいろいろな話し合いはあったと私も承知しておりますが、まだ具体的に成案を得てない段階でございます。そこで、今度は最終答申においても非常に強く意見が出されたわけでございますので、これをどうやって、どういう形で新行革大綱の中に位置づけるか苦慮しなければならぬ問題であると私は考えております。  この問題につきましては、関係方面の十分な意見も聞かなければなりませんし、党内にもいろいろな意見を持っておる方もおるわけでございますし、そういう方々との意見調整をどういうふうに進めていくか、慎重に取り扱っていかなければならぬ問題だと考えております。したがって、きょうの時点において、こうする、ああするということをはっきり申し上げることができませんことは遺憾でございますが、私もこの内容については評価すべきものがあると思うのです。総合的な人事管理、定員管理、組織管理、そういうところがどうもやはり不十分な点があるんじゃないかという認識を私は持っております。しかし、具体的にどういう案にするか、今後もう少し時間をかしていただきたい、かように考えておる次第でございます。

和田一仁民社党・国民連合

○和田(一)委員 長官のいまの御答弁ですと、調整をして、ちょっと時間をかしてくれ、こういうことでしたが、この新行革大綱の中にこれは盛られると理解してよろしいですか。

齋藤邦吉自由民主党行政管理庁長官

○齋藤国務大臣 これは臨調としては非常に重く見ておる問題でございますので、何らかの形において盛らないというわけにいかぬのじゃないかという認識をきょう現在持っております。それだけに御勘弁を願いたいと思います。

和田一仁民社党・国民連合

○和田(一)委員 それじゃ、総理府や人事院の見解を聞きたいと思います。

高岡完治内閣総理大臣官房参事官

○高岡説明員 お答え申し上げます。  ただいま先生御指摘のございました点につきましては、総理府といたしましては、関係各方面の御意見を十分お伺いしながら政府部内において十分論議を尽くさせていただきたい、このように考えております。

服部健三人事院事務総局管理局長

○服部政府委員 ただいま御質問の総合管理庁につきましては、まだ具体的にその取り扱いが決まっていないというふうに承っておりますので、人事院といたしましては、現段階において意見の表明を差し控えさせていただきたいと思っております。

和田一仁民社党・国民連合

○和田(一)委員 何か具体的にまだ全然進んでないような感じもいたしますけれども、しかし、余りくどく申し上げませんが、これは臨調基本答申の大きな目玉の一つだ、私はそういうふうに理解をしておりますので、ぜひひとつ前向きに取り組んでいただきたい、こう思います。  それから、ちょっと角度は違って申しわけないかもしれませんが、この間の本会議で国家行政組織法の一部改正案の趣旨説明がされましたが、その中で、従来法定事項であった局、官房など、こういった内部部局の設置を政令事項に改めよう、こういうことで、庁次長、官房長、総括整理職を初め審議会などの附属機関の設置も政令で定められることにする、こういう御趣旨の説明がございました。  この改正案全体はまたいずれ審議をするものと思いますが、その中でただ一つだけ、総理府には現在官房長というポストがないわけですね。いま官房長というポストがないというのは、何か不都合なことはあるでしょうか。その点だけちょっと聞いておきたいのです。総理府の機構全体として、今度の組織法が改正になれば置くことができるようになるわけですけれども、現在ない官房長、なければ大変不都合だという見解かどうか、ちょっとお聞かせいただきたいと思います。

高岡完治内閣総理大臣官房参事官

○高岡説明員 お答え申し上げます。  先生御指摘のように、総理府には官房長がございません。事実上のことを申し上げれば、難渋をいたしておるというのが本当のところでございます。  ただ、総理府といたしましては、こういう時期でもございますし、組織の簡素合理化を図るという観点あるいはそれ以外にまた効率化を図るべきという観点もございます。この二つの立場を十分考えながら、官房長の設置の問題については今後慎重に検討してまいりたい、かように考えております。

和田一仁民社党・国民連合

○和田(一)委員 続けて、中央省庁の改革についてお尋ねしたいと思いますが、臨調の第三次答申で、国土に係る行政体制のあり方について触れております。ここで国土庁、北海道開発庁及び沖縄開発庁の統合というものを打ち出しておりますけれども、国土庁は一番新しい行政機関ではないかと思います。多分これはまだそう十年もたっていないのではないかと思いますけれども、その任務は、国民の生活と生産を通ずる共通の基盤である国土の均衡ある発展を図るために国土に関する行政を総合的に推進する、こういうことだろうと思います。これは実態的に、国土庁という一つの省庁でなくても、独立して行わなくても、建設省であるとか経済企画庁であるとか、こういった役所と役割りを分担して行えるものではないか、そういう意味で臨調もこの国土庁、北海道開発庁、沖縄開発庁の統合というものを打ち出してきた、こういうふうに理解をいたします。  民社党は前から国土庁の廃止ということは言ってきたわけでございますけれども、この行革の一つの大きな中心である中央省庁機構そのものにどうやってメスを入れていくか、こういうことがこの行革全体の中での一つの大きな目標であろうと思うので、こういった点について、これはどういうふうに取り組んでいくかですね。総合企画庁についても、これは時間かしてもらわないとできない、こういうようなお話でございましたけれども、三次答申で出てきました国土庁のこの問題についても、方向だけでもお聞かせをいただきたいと思います。

齋藤邦吉自由民主党行政管理庁長官

○齋藤国務大臣 国土三庁の問題については、それなりの理由があって臨調答申がなされておるわけでございます。しかしながら、沖縄の本土復帰まだ十年といったようなことでもあり、また特殊ないろいろな事情等もあります。北海道はまた北海道で、将来の開発発展を展望したときにそうした方がいいかどうか、そこにも特殊な事情があるということも考えなければなりません。  そこでこの問題についてどう取り扱うか、きょうの時点において最終的に意見をまとめてはおりませんが、慎重に対処していく必要があるのではないか、こういうふうにきょうの時点でお答え申し上げておくにとどめたいと思います。

和田一仁民社党・国民連合

○和田(一)委員 自治省の方お見えになっていると思いますので伺いたいと思いますが、臨調答申では、地方公務員の給与について、国家公務員あるいは地域の民間事業の従事者等との均衡が当然図られなければならない、こういうふうに言っております。  ラスパイレスという指数がございますが、ことしの三月に自治省の方から発表されました数字では、一般行政職をとると一〇六・一、これは五十七年の四月一日現在、そういうことで指数が出されております。これは国家公務員より六・一%上回っている、こういうことですが、実態はこれだけではなくて、さらにいろいろな手当だとか何だとか、窓口の手当だとかあるいは危険手当だとか、いろいろな手当がプラスされまして、実態はもっと開いている、こんなふうに言われております。全般的にこの較差は是正の方向にあるんではないかと思いますけれども、現状はこの示されたとおりだと思います。この点について、地方公共団体の給与水準、それから職員の数、それから人件費、事務・事業ごとの生産性等について総合的に活用できるような有効な指標をつくれというように答申が出されておりますけれども、この作成について現在どんなふうに進められておるか。検討しているかどうかですね、その辺をお聞かせいただきたいのです。

柿本善也自治省行政局公務員部給与課長

○柿本説明員 お答えいたします。  地方公務員の給与の適正化につきましては、御指摘のとおり徐々に適正化の努力がされておるわけでございますが、現状ではまだまだ真剣に取り組まなければならない課題として残されている、こういうように考えております。  臨調答申の中で幾つかの点が指摘されておるわけでございます。ただいま御質問いただきました給与水準の有効な指標、こういう点でございますが、臨調答申で御指摘いただきましたので検討すべく考えておりますが、現在、給与水準につきましては、御承知のようにラスパイレス指数というもの、これは国の職員構成に置きかえた場合当該団体の給与水準が制度上どのくらいにあるか、こういうことを見る目安として使っているわけでございまして、臨調答申で御指摘いただいたことについては検討を続けてまいりたいと思いますが、とりあえず地方公務員の指導につきましては、給与水準を見る場合にはその指数を使いながら当該団体の適正化努力を指導してまいりたい、さように考えております。

和田一仁民社党・国民連合

○和田(一)委員 地方も中央の行政改革と歩調を合わせながら、地方は地方で財政的にも大変苦しい中で何とか合理化、行革をやりたい、こういう意欲が最近強くあらわれております。議会などでもみずから定数を減らすという市町村が非常にふえてきている。こういう傾向を見ましても、こういった指標が出ると出ないとでは取り組みの姿勢がうんと違ってくると私は思うので、これはなるべく早く作成して出していただくように御努力をお願いしておきます。  聞きたいことが大変たくさんございましたけれども、だんだんと時間が参りました。  最後に、第二臨調が二年間にわたりまして審議しまして、そこで練り上げた答申というものはそれなりに評価をしていい、こう私は思います。いま行政改革には非常に多くの国民が関心を寄せております。もう現在の最大の政治課題の一つとしてその成果が国民にとって非常に期待をされている、こういうふうに思うわけでございます。この大事業が成功するかどうか、これはかかって責任者である長官あるいは総理大臣の決意にかかっている、こう思うわけでございます。内閣の命運にかかわるような重大な政治課題であるだけでなくて、次世代の国民が重い負担を背負いながら、活力のない社会で望みの少ない生活に追い込まれるかどうかの分かれ道にある、ここでやらなければ行革はもうタイムリミットだ、そういうふうに私どもは理解をしておるわけでございます。最後に、私どもがこう理解しておりますことに対して、長官はこの行革にさらに一層かたい決意で取り組んでいただきたい、こう思います。いかがでしようか、もう一度決意をお聞かせいただいたら幸いでございます。

齋藤邦吉自由民主党行政管理庁長官

○齋藤国務大臣 二年間にわたり土光さんを初め委員の方々が昼夜を分かたず御努力をいただいた、その結果生まれました答申につきましては、国民もまた非常に期待をいたしておるわけでございますので、これが実行の責任にある政府としても、その責任は非常に重いと思っております。したがって、あくまでもその答申は最大限に尊重し、逐次これを実施に移し、国民の期待にこたえるように不退転の決意をもって努力いたす覚悟でございます。

和田一仁民社党・国民連合

○和田(一)委員 終わります。

堀之内久男自由民主党

○堀之内委員長代理 和田一仁君の質疑はこれで終結いたします。  中路雅弘君。

中路雅弘日本共産党

○中路委員 限られた時間ですので、法案を中心にして私は御質問したいと思いますが、質問の前に一言、これは大臣に意見を述べておかなくてはならないと思いますのであえてお尋ねしますが、今回の臨時行政改革推進審議会設置法案と国家行政組織法改正案の審議を前にして先日、四月十九日に赤坂の料亭「満ん賀ん」で行管庁長官主催の懇談会が開かれました。  私のところへ来ました案内状を見ますと、「このたび当庁所管の法律案として国家行政組織法一部改正案及び臨時行政改革推進審議会設置法案を国会で御審議願うことになりました。 つきましては、」「次のとおり粗さんの用意をいたしましたので、」という案内状になっているのですね。  私は端的に言えば、法案については私たちは反対の立場でありますけれども、こういう案内で粗さんをということになりますと、法案との取引に思われてもこれは弁明の余地がないわけですね、こういうところに出席しますと。この懇談会は何を目的に開かれたのか、また竹村総務審議官あてに当日の請求書が出されておるようですけれども、この費用はどうされたのか。率直にお尋ねしておきたいと思います。

齋藤邦吉自由民主党行政管理庁長官

○齋藤国務大臣 実は私が、昨年の十一月末でございますが、中曽根内閣成立に当たりまして行政管理庁長官を拝命いたしたわけでございますが、私の方の行管は何かと内閣委員会の方々の御指導をいろいろといただかなければならぬ関係にあるわけでございますので、それ以来実は早く就任のごあいさつを申し上げたい、こう考えておったわけでございますが、なかなかその時間的な余裕がありませんでございましたので、就任のごあいさつを申し上げたい、その機会に御懇談申し上げたい、実はこういう趣旨であったわけでございます。その文章、私は本当に知りません、率直に言って。私、知らないからといって何も責任を逃れるわけじゃありませんが、私の真意は就任のごあいさつをいたしたい、こういうことでございますが、皆さん方お忙しい方が多いようでございますので出席の方々が少なかったわけでございます。そのときにも私は、就任のごあいさつを申し上げる機会を失して今日にまで至りましたということを率直に申し上げて、いたしました。  それから、その費用はどこからだと言いますが、これは行管庁などにはそんな金はございません。一文もございません。これは私のポケットマネーというか私の月給というのですかな、そのくらいの金は私持っていますから、それは私個人の金で支払うということにいたしてございます。何か請求書の名前がどうのこうのとおっしゃったようでしたが、それは連絡したから、電話をかけたからそうなったのでありまして、私、何も他意はありませんよ。就任のごあいさつをする、私は結構じゃないかと思っておるのですが、しかし、どうも出席の方は少なかったですね。そういうことだけ率直に申し上げます。就任のごあいさつを申し上げたい、それだけでございます。何も他意はございません。

中路雅弘日本共産党

○中路委員 いま大臣が就任のごあいさつだ、それからポケットマネーだとおっしゃいましたから、それ以上この問題は私は言いませんけれども、しかし、大臣は見ていないとおっしゃってますけれども、議員にあてた案内状は「行政管理庁長官齋藤邦吉」というふうになっていますし、それから文章も就任のあいさつということは一言もないわけですね。そういうあいさつじゃなくて、最初から二つの法案が審議願うことになった、だから、つきましてはひとつ御一献という文章になっていますから、これは大変けしからぬ文章だということを私は指摘しておきたいと思うのです。  もう一つ。これはポケットマネーだとおっしゃってますから、それについて直接意見は述べませんけれども、料亭関係者の話ですけれども、この種の会合の経費は通常役所が支払って、個人が支払うケースはほとんど皆無に近い、いつもそうだということは関係者が言っているのですね。それで請求書はどこに出したという話です、中身、金額までは私はお話ししませんけれども。やはり行革を口にする行管庁がこうしたことを率先してやるということは非常に重要だと私は思いますし、むだ遣いといいますか、こうしたところにメスを入れなければならないというふうに日ごろ思っています。もし就任のごあいさつだというにしても、やはりこうしたことは、大臣が就任されるたびにあるいは法案が出てくるたびに料亭でこういうことがやられると、いまポケットマネーだとおっしゃっていましたけれども、関係者によると大体官庁の費用が多いというお話ですから、そうだとすれば、ますますこれこそ行革の対象にしなければいけないと思ったわけですけれども、もう一度長官の見解をお聞きしておきたい。

齋藤邦吉自由民主党行政管理庁長官

○齋藤国務大臣 その文書を私は見ておりませんけれども、私はそんな文書を書きなさいなどということを言った覚えはないのです。しかし、文書上に私の名前が出ている以上、これは私が責任を負わなければならぬでしょうが、そのときに与党の方もお見えになりましたけれども、余り大ぜい来なかったですな。私は開口のあいさつに、就任のごあいさつを申し上げたいためにお越しいただいたんですと、そうはっきり申し上げました。それはそのときお聞きになっている方はわかっていると思います。  それから費用は、これは間違いなく私の金です。役所に第一そんな金はありません。よその役所のことは私は知りませんが、行管庁というのは総額二百億きりしかありませんで、これはほとんど人件費でございまして、そういう金はございません、何ぼ調べたって。これは間違いなく私のポケットマネーから出したものでございます。これははっきり申し上げておきます。  しかし、いずれにせよ非常に御迷惑をかけるようなことになったのかなと思って、その点は今後注意いたしたい、かように私は考えております。

中路雅弘日本共産党

○中路委員 この問題は一応それにとどめておきます。  法案に関連した問題で質問ですが、今度の行政改革推進審議会で審議する行革施策の基本方向というのが、五月の連休明けに閣議決定が予定されている行革要綱で示されるということが報道されていますけれども、この行革要綱は大体いつごろ閣議決定される予定でございますか。

齋藤邦吉自由民主党行政管理庁長官

○齋藤国務大臣 先ほど来、たびたびよその委員の方にもお答え申し上げてきておりますが、やはり事務的折衝が大事でございますので、行管庁と各省とのいろいろな事務的な折衝をいま進めておる段階でございまして、連休も役所の方々は本当にお気の毒だと思いますが精励していただきまして、一日も早く事務的折衝を終えて、できまするならば五月の中旬、二十日ごろまでに決定をしたい、こんなふうに考えておる次第でございます。

中路雅弘日本共産党

○中路委員 いま五月二十日ごろとおっしゃいましたけれども、決定される予定の行革要綱では、臨調が一連の答申で提起しています改革方策のすべてについてその実施方針を盛り込まれるのか、それとも、当面緊急に着手すべきものを中心にしたいわば第一次行革要綱的なものとして、今後調整をしなければいけない問題事項については第二次、第三次という形にするお考えなのかという点と、もう一つ、今度出されるこの行革要綱では、どういった問題が中身の柱になってくるのか、検討されているのか、お尋ねしたいと思います。

門田英郎行政管理庁行政管理局長

○門田(英)政府委員 御承知のように、臨調答申は大変広範囲にわたっておるわけでございますが、最終的にどのような事項が盛り込まれるか、これはただいま政府部内で検討中であるわけでございます。ただし、行政改革の推進の政府における取りまとめの責任を持っております当庁といたしましては、希望でございますが、臨調答申の主な課題というものはなるべく拾い上げて、改革の基本的な方向なり手順など、こういった事柄について明らかにしてまいりたい、かように考えております。

中路雅弘日本共産党

○中路委員 新聞報道ですと、総理が行管庁長官に会われた際に、この行革大綱のプログラムの中身に、臨調の最終答申を受けて省庁組織の改革、それから特殊法人の整理の問題、許認可の整理の問題等はぜひ入れるという問題と、電電や専売公社、こうした問題については次期の国会で法案として提出するということも明記をするというような点が新聞報道で出されていますけれども、こういった具体的な問題についてのお考えはいまどうですか。

齋藤邦吉自由民主党行政管理庁長官

○齋藤国務大臣 新行革大綱の中には、最終答申に盛られておりまする中央省庁の再編成の問題あるいはブロック機関の問題、府県単位の機構の問題等が基本問題としては取り上げられる問題でございます。さらに許認可の問題等々があるわけでございまして、そういうふうな臨調が真剣に取り組んでこられた問題を取り上げるようにいたしたい、かように考えておる次第でございます。

中路雅弘日本共産党

○中路委員 専売や電電ということも報道されていますが、この扱いはどうされますか。

齋藤邦吉自由民主党行政管理庁長官

○齋藤国務大臣 最終答申に盛られた内容、そういうものを取り上げますと同時に、昨年の第三次答申の中で取り上げられてまだ実行に移されていない問題、電電、専売、こういう問題についても、これは昨年の行革大綱では次の通常国会というふうになっておりましたが、まだ十分調整ができておりませんために今度の国会に提案することができませんでしたので、これも次の国会に提案するようにしたいというようなことで、新行革大綱に盛り込みたい、こんなふうに考えている次第でございます。

中路雅弘日本共産党

○中路委員 今回の行革審議会設置法案と臨調の第四次答申との関連ですが、一般紙などで、行革推進委員会は厄介者だとか、政府・自民党が権威ある機関に反発とか、今度の法案は臨調第四次答申を後退させるものだというような新聞報道がありますが、お考えはいかがですか。

門田英郎行政管理庁行政管理局長

○門田(英)政府委員 私、寡聞にしてそういう新聞報道を、大分前にあったのかもしれませんが、余りよく拝見していないわけでございまして、お答えするのは何でございますけれども、政府部内に第四次答申、ただいま御審議を仰いでおりますポスト臨調の臨時行政改革推進審議会、この構想について非常にクールな目をもって見ているとか、あるいはややこれを制肘しようとか、そういった動きは全くないもの、かように心得ております。

中路雅弘日本共産党

○中路委員 法案は、臨調後の行革推進機関の名称を、臨調答申は行政改革推進委員会としていたのに対して、臨時行政改革推進審議会ということにされていますが、これはどういう理由かということと、三年間の臨時機関として提案された意向についても、あわせてお尋ねしておきたい。

門田英郎行政管理庁行政管理局長

○門田(英)政府委員 第一の点でございますが、第四次答申で確かに委員会という名称で御答申があったわけでございますが、「(仮称)」ということに相なっていたわけでございます。この第四次答申の骨格というものをすべてそのまま尊重しつつ、今回のただいま御審議を仰いでいる法案を取りまとめた次第でございます。この法案の第二条、所掌事務等をごらんいただきますと、これはもう典型的に調査審議機関であるわけでございまして、ただいまの国家行政組織法の体系から考えますと、これは明らかに審議会という字をこういう性格の機関には当てはめるのが最もふさわしい、かように考えて審議会という名前にさせていただいた次第でございます。  御質問の第二点、なぜ三年間の時限としたのか。これは臨調の御答申でも三年間としてあるわけでございますが、その御真意は、今回の臨調答申は、短期的に片づけなければならないもの、あるいは中長期を要するもの、種々非常に広範多岐にわたっているわけでございますが、たとえ中長期にわたってじっくりと仕上げていかなければいけないような課題でございましても、やはりこの両三年の間にしかるべくその方向、軌道というものを見定めて、めどを立てていくという必要があるという御真意から発したものではないだろうか、かように心得ております。私どもは今後行政改革を推進して実施をしていくべき責任部局にあるわけでございますが、私どもも、この三年間の時限の間にしかるべきめどを立てていく、そういう性格のものであろうか、かように心得て三年間の時限とさせていただいたわけでございます。

中路雅弘日本共産党

○中路委員 いま法案の第二条のことが出ましたが、これに関連して、臨調第四次答申では臨調答申で提起した問題点の具体化や行政改革に関する重要事項について高い立場から提言すると言っていますが、今度の法案で行革審議会の所掌事務の規定にこのことを盛り込まなかったということから、これも一般の論評で、この任務が大幅に狭められたとか行革に対する政府の後退姿勢を示すものだというような論評も出ていますけれども、法案の第二条は今度の審議会の任務を狭めているというふうには私は考えないわけです。臨調答申が提起した問題点などを具体化し答申するということは、この審議会の判断と権限でやろうと思えばできるわけですし、法案の第二条はこのことを決して禁止してないと考えるわけですが、御見解をお聞きしておきたい。

門田英郎行政管理庁行政管理局長

○門田(英)政府委員 委員御指摘のようなことであろうというふうに私どもも考えておりますし、新しくお願いしておりますこの審議会の所掌の範囲といいますものは、累次にわたります臨調答申の範囲と実質的に全く同一でございますし、高い立場からということについて御指摘があったわけでございますけれども、これは本法案が成立いたしました後に設置されるべき審議会の運用方針なり会長初め委員の御人選なり、そういったことによってディペンドしてくるというふうな性格のものではないだろうか、かように心得ております。

中路雅弘日本共産党

○中路委員 委員会の人選その他については後でまたお聞きしますけれども、これは長官にひとつお聞きしたいのですが、今度の審議会をてこに推進しようとされているいわゆる行革は、臨調が第一次答申で「行政改革の最大の眼目は、」「国全体の歩みを、より望ましい方向に変えていこうとする点にある。」として、第三次答申で「国の機構、制度及び政策の全般について」 「行政の在るべき姿」を提示したと述べています。第五次答申も「単に行政改革というにとどまらぬ、二十一世紀を目指した我が国の新しい国づくり」を目指すものだということを述べているわけですが、中曽根総理は、行政改革というのは統治権の行使の改革であり、国家の構造改革であるということも述べておられます。いわゆる行政整理や行政の簡素化という従来の行革と比べて、もっとスケールの大きい、まさに臨調や中曽根総理が言っておられる国家改造を目指すものだということになりますけれども、いまこの審議会が推進しようとしている行革、いわゆる臨調行革というのはこうした中身なんだというふうに考えますが、長官の見解をお聞きしておきたい。

齋藤邦吉自由民主党行政管理庁長官

○齋藤国務大臣 行政改革は、経済社会の著しい変化に対応して、そして将来を展望して活力ある福祉社会を築くという大きな一つの目標のもとに、制度なり行政の運営なりあるいは財政の再建なり民間の活力を行政に反映させるとか、そういったふうなことをしていこう、こういうわけでございまして、一つの思い切った世直し的な考え方が私はその中にあると思います。そして、高度成長から変わってきたこの変化に対応して、日本民族が二十一世紀を生き抜いていくというにはどうすればいいかという観点でいろいろな構想が提案されている、かように私は考えております。

中路雅弘日本共産党

○中路委員 このいまの第二臨調の性格については、私たちは臨調との懇談会でもしばしば、国権の最高機関である国会の上に立って一審議会がこうした国家改造というものにまで踏み込んで答申していくということについては強い意見を述べてきたところですけれども、この臨調の第四次答申はいわゆる行革を推進する機関として強力な機関を要求していたわけですね。これが今度の審議会になって出てきていると思います。  審議機関の中身ですけれども、第一に、この行政改革推進審議会は、独自の設置法で設置される内閣総理大臣直属の機関とされ、内閣総理大臣の諮問に答えるだけではなくて、独自の判断で内閣総理大臣に随時意見を述べる権限が付与されています。  お聞きしておきたいのですが、現在、法律に基づく各種の審議会が幾つあって、そのうち独自の設置法で設けられているのは幾つあるのか。内閣総理大臣の諮問に答えるものは幾つあって、そのうち独自の判断で内閣総理大臣に随時意見を述べることができるというのは幾つあるか、まず数字だけお尋ねしておきたい。

門田英郎行政管理庁行政管理局長

○門田(英)政府委員 審議会等の総数はただいま二百十一でございます。このうち、御質問の単独の設置法によって設置されているものは十六でございます。  総理の諮問に応じて答申するという審議会は三十ございます。別に総理に意見を述べるあるいは建議をするというふうなたぐいのものもこれに該当するかと思いますが、それを含みますと三十五ございます。

中路雅弘日本共産党

○中路委員 第二番目に、この審議会は、各省庁の大臣に対してはもとより、すべての特殊法人の責任者、すべての地方自治体の長に対しても資料提出等の協力を求める権限が付与されています。  まとめてお尋ねしますけれども、現在ある審議会の中で、これらの三つの権限をあわせ持った各種の審議会、私はないのじゃないかと思いますけれども、あるとすれば、それはどの審議会か。

門田英郎行政管理庁行政管理局長

○門田(英)政府委員 委員御指摘のとおり、ただいまございます二百十一の審議会の中には、この三つの対象に対して意見を求めることができるものはございません。

中路雅弘日本共産党

○中路委員 現在ある二百十一の審議会の中には今度の審議会のような権限を持った審議会は皆無だという御答弁ですが、さらにこの審議会は、すべての省庁の運営状況はもとより、すべての特殊法人の運営状況を実地に調査することができるという権限がやはり付与されています。  これもまとめてお尋ねしますが、この二つの権限、省庁の運営、特殊法人の運営状況を実地に調査することができるという審議会、これも現在ある審議会の中にはこれをあわせ持った審議会はないと思いますけれども、これも明らかにしておいていただきたい。

門田英郎行政管理庁行政管理局長

○門田(英)政府委員 そのとおりでございます。

中路雅弘日本共産党

○中路委員 もう一つですが、この審議会が内閣総理大臣に意見等の尊重義務を課し、その委員の任命は国会の同意を義務づけておりますし、独自の事務局を持つとされています。  これは一つずつお尋ねしておきましょう。  総理大臣に意見等の尊重義務を課した審議会は幾つあるのか。  それから、委員等の任命に際して国会の同意を義務づけたものは幾つあるのか。  独自の事務局を持っているのは幾つあるのか。  またこの三つをあわせ持つ各種審議会、これは存在しないんじゃないかと思いますが、あるとすれば、それはどの審議会か。

門田英郎行政管理庁行政管理局長

○門田(英)政府委員 お答え申し上げます。  総理の意見尊重義務を法律条文上に明定してある審議会、これは五つでございます。  委員の選任に国会の同意、承認を必要とするもの、これが十七ございます。  独立の事務局を有するものは二つでございます。  以上三つをあわせ兼ね備えているものはございません。

中路雅弘日本共産党

○中路委員 いまのうち、ちょっと審議会の名前を聞いておきましょう。独自の事務局を持つ二つ、これはどこですか。

門田英郎行政管理庁行政管理局長

○門田(英)政府委員 独自の事務局を有するものは、総理府にございます社会保障制度審議会、運輸省にございます航空事故調査委員会、この二つでございます。

中路雅弘日本共産党

○中路委員 いまこの審議機関の中身について、権限について具体的にお尋ねしましたけれども、お答えにありますように今度の臨時行政改革推進審議会というのは異例の審議機関だ、これまでの二百十一の審議会の中では、そういう権限の付与は全くないというものがたくさんあります。そういう強力な異例の審議機関だということがいまの御答弁でもはっきりしているんではないかと思います。  もう一つ、これと関連してお尋ねしておきますけれども、第一次臨調答申の推進のために設けられた行政監理委員会と比べてみて、行政監理委員会は行管庁の附属機関でありますし、今度の審議会は内閣総理大臣直属の機関とされています。行監委は行管庁の通常業務についての諮問に答える任務を持たされていたわけですが、今度は臨調答申の推進を主たる任務にしているわけですし、その長は行監委の場合は行政管理庁長官ですから、いわば行管庁の下請機関的なものですね。今度は、会長は委員が互選で定めるとし、政府から相対的に独立した機関でもありますし、独自の事務局を今度は持つということですが、この新しい行政改革の推進審議会とこれまでの行監委と比べてみてその点でも格段の違いがある強力な機関だと思います。私は幾つか例示しましたけれども、この辺を対比してどういう点に特徴があるのか、違いがあるか、この点もお尋ねしておきたいと思います。

門田英郎行政管理庁行政管理局長

○門田(英)政府委員 かつてございました行政監理委員会との違いというのは、もう委員御指摘のような諸点に尽きるわけでございます。今回の臨時行政改革推進審議会、御審議をお願いしておりますこの審議会がなぜそんなに強力な権限を持たなければいけないのかという御趣旨の御質問かと心得ますが、これは先ほど来大臣から御答弁申し上げておりますように、現在の政府の行政改革に対する確固たる決意、これの一つの表明でございますし、かつ、それなりの重みを持っているというふうに御理解をお願いしたいと思います。  なおこれは蛇足でございますけれども、この三月十五日をもって終了いたしました臨時行政調査会これそのものは、ただいま先生が種々御質問になりました、たとえば総理の意見尊重義務でございますとかあるいは調査権限とか、こういったすべての事柄について全く同じような性格を持っていた次第でございます。

中路雅弘日本共産党

○中路委員 権限からいっても、また審議会のこうした歴史から見ても非常に特異だといいますか、類例のない機関になっているわけです。ある一つの審議機関が打ち出した答申を推進するために別の審議機関を設ける、そのことを設置法上明記した、これも恐らく今度が初めてではないかと思うのですが、やはりこうした審議機関を設置したのは、先ほどお話をしましたけれども、この審議会がいわゆる国家改造と言われているこうした行政改革を推進するための審議機関だと私は言わなければならないと思いますが、この認識について、もう一度大臣にお聞きしておきたいと思います。

齋藤邦吉自由民主党行政管理庁長官

○齋藤国務大臣 行政改革は内政における重要な課題でございまして、この問題は内閣が一体となって総力を挙げてやっていかなければならない重要問題だと理解をいたしております。そのためには、どうしてもやはり政府が全力を尽くして一体となってこれに取り組むんだという決意をはっきりと示すことが私は必要である、こういうふうに考え、答申の尊重義務を設けるとか、あるいはまた事務局において精密な資料を提供して委員の方々の御審議を円満に正確にやっていただきたい、こういうことにいたしたわけでございます。  こういうわけで、いろいろ法律、行政組織的には異例のものが相当掲げられていますが、それは結局内閣の行政改革に取り組む強い姿勢を明らかにするということであると御理解いただきたいと思います。

中路雅弘日本共産党

○中路委員 もう一点、この運営の問題ですけれども、今度の審議会と個別の審議機関との関係ですね。財界や臨調の関係者の人などは、今度の審議会を臨調答申全体の実行を推進する中核機関にしなければならないとか、あるいは個別審議機関の検討状況をチェックする機能を持たせる必要があるということも報道等では主張をされています。この点は法案上は明確でありませんけれども、今度の審議会の判断でこうした運営は可能ではないかと思いますし、法律上これを禁止するものでないわけですから、これは審議会がどう判断するかにかかっているということになると思いますが、この個別審議機関との関係、この点についてはどういう関係になりますか。

門田英郎行政管理庁行政管理局長

○門田(英)政府委員 この問題も先ほど来ほかの先生に御答弁申し上げているところでございますが、今度の臨時行政改革推進審議会、これは政府が社会経済情勢の変化に対応いたしました適正な行政を実現するための仕組みの一つとして総理府に設置される、先ほど来申し上げておりますように調査、諮問的な合議制の機関でございます。任務は法案第二条に規定しているとおりであるわけでございます。     〔堀之内委員長代理退席、田名部委員長     代理着席〕  したがいまして、この審議会、これは行政改革をその実質的な審議範囲とする、そういう限りにおきまして、他の個別の合議制機関、既往にございますような合議制機関とその具体的な審議の対象というのが、行政改革という点において一部重なり合うということはあり得ないではございません。しかしながら、その場合におきましても、今回のお願いしております審議会、これは行政改革についての一般的、総合的な見地からの政府施策の推進という点で調査審議を行うということに相なっているわけで、その点に特色があるというふうに考えております。他の合議制機関等はそれぞれの分野についての専門的な立場からの御審議を行われるという意味で、言ってみればそれぞれの行政対象に対する切り口が、片方は一般的、総合的であるか、片方は専門的、局部的であるかというふうな点が違うということではないか、こう心得ております。

中路雅弘日本共産党

○中路委員 もう一つ、運営の点と関連するのですが、この審議会は、設置法上は審議会の公開の問題等については議事録なども何にも規定はないわけですけれども、やはり第二臨調と同様に非公開を当然の前提として審議をされるのかどうか。国民のための行革と言っておられるわけですけれども、この審議会の設置法には明記されていませんが、政令等で会議の公開を明記するとか、そういう意思はあるわけですか。この点についてただしておきたいと思います。

門田英郎行政管理庁行政管理局長

○門田(英)政府委員 審議会の議事の公開を行うかどうかという点については、審議の中立性であるとかあるいは審議の円滑性であるとか、こういったものを確保するという要請が一方にあるわけでございますけれども、一般には、それぞれの審議会の設定目的あるいは任務や特性というふうなものに照らし合わせまして、どのような運営方法が最も適当であるかという見地から、それぞれの審議会が審議会みずからその運営方針として決定されるべき問題であろうというふうに考えております。  御指摘のように、さきの臨時行政調査会におきましては、調査会自体におきまして個別の議事等の公開の適否というものを決定してきたところでございます。今回の臨時行政改革推進審議会において議事等の公開問題、こういった事柄を含めまして一般的に議事運営のあり方全体に関しましては、この審議会が発足いたしましてからやはり審議会みずからの合議によって決定されていくべき性格のものであろうと思っております。

中路雅弘日本共産党

○中路委員 それでは、この審議会自身で決める問題で、そういった議事録なんかを公開するとかということについては、いままでの第二臨調のやり方を踏襲するということもまだ決まってない、そういうことですか。

門田英郎行政管理庁行政管理局長

○門田(英)政府委員 そのとおりでございます。

中路雅弘日本共産党

○中路委員 私はこれは要望として強く述べておきたいのですが、この審議会はやはりできるだけ国民に公開されなければならない。個人のプライバシーということも挙げられている場合がありますけれども、これは臨調と懇談したときにお話しになりましたが、こういった問題はアメリカ等でも、情報公開法がやっているように発言者の氏名など個人のプライバシーにかかわる部分を伏せて公開する方法もとっているわけです。  もう一つお尋ねしておきますが、すでに解散した第二臨調の議事録、これは公開できるはずだと思いますが、これは意思はおありですか。

門田英郎行政管理庁行政管理局長

○門田(英)政府委員 ただいまお答え申し上げましたように、さきの臨時行政調査会、その発足当初の運営方針におきまして、議事は非公開とするということをお決めになったわけでございます。それに伴いまして、その方針で二年間非常に活発な、かつ精密な御審議を行われたわけでございます。この臨調の終わりに当たりまして、この運営方針を臨調なき後変えるというふうなことも別段決定されているわけではございませんし、かたがた済みました後におきましても、それぞれ審議に参加された委員の方々あるいは専門委員、参与の方々、この方々の御発言というものがやはりその方々の御迷惑になるかもしれないというふうな配慮も当然必要でございます。やはりこの臨調部会あるいは本調査会の諸種の議事録というものについては公開するつもりはございません。

中路雅弘日本共産党

○中路委員 次に、審議会の委員、事務局等の構成について若干お尋ねしたいのですが、財界や土光前臨調会長などは民間人を中心に構成すべきだと主張されているのがありますが、七名の委員の構成について、政府の方は財界代表三名、労働界二名、その他二名とするとか、いまいろいろ報道されていますが、分野別を含めて七名の委員構成をどうするのか、あるいは事務局はどの程度の規模にするのか、各省庁からの出向のほかに民間あるいは地方自治団体関係者等も入れるのかどうか、お尋ねしておきたい。

齋藤邦吉自由民主党行政管理庁長官

○齋藤国務大臣 この審議会の委員は七人を予定いたしておるわけでございまして、この委員の人選に当たりましては、行政の改善に熱意を持ち見識をお持ちのりっぱな方々を選び、国会の御承認を仰ぎたいと考えておる次第でございます。  その七人をどういう方面からというお尋ねでございますが、いま具体的に人選に着手を全然しておりません。法案が成立いたしました直後にいたしたいと考えておりますが、やはり経済界の方々も必要だと思いますし、労働界の方からも委員になっていただくということも必要でございましょう。それから学者あるいは行政に明るい人というふうな方面の人たちも必要ではないか、こんなふうに考えておりまして、どの分野から何人とか、そんなことはまだ何もいまのところ考えておりません。法律成立後慎重に考えたいと思っております。

門田英郎行政管理庁行政管理局長

○門田(英)政府委員 御質問の第二点、事務局の規模の問題でございますが、これは臨調の第四次答申でも小規模の事務局とおっしゃっていることもありますし、かたがたこういう状況でございますので、いわゆる弁当持ちと申しますか、出向併任という形でやらなければならないということもございます。今回のこの審議会の性格ということも踏まえて考えてみますと、やはりかなり小規模、まあ十数人ということではないだろうかと考えております。今後詰める問題でございます。

中路雅弘日本共産党

○中路委員 第二臨調は二十一人の専門委員、五十八名の参与、それから八十人強の調査員等を置いておられたわけですが、今度の審議会ではこういった点はどうするのか、置かれる予定なのか、あるいはこの審議会に必要な経費として五十八年度どうされるのか、どこに計上されるのか、この経費を捻出するためにどういう措置をとられるのか、簡潔にお尋ねしたい。

門田英郎行政管理庁行政管理局長

○門田(英)政府委員 専門委員、参与等を置くつもりはあるかという最初の御質問でございます。ただいまのところ、この臨時行政改革推進審議会の所掌事務、こういった点から判断いたしてみまして、七人の委員をもって御審議を賜れば足りるのではないだろうかという判断もかたがたございます。  もう一方、予算はどうするのかというお話でございます。先ほど事務局の構成、職員については弁当持ち、併任出向ということを申し上げたわけで、したがいまして人件費をなしにしますと、この審議会は委員が非常勤であるということも踏まえて考えますと、さほど大きな経費は要しないものと考えております。この法案を三月二十五日に国会に御提案申しました。そういった経緯から考えましても、やはり既定経費の枠内で、実行でこれを行うというふうに考えております。

中路雅弘日本共産党

○中路委員 一点、ちょっと戻って申しわけないのですが、この審議会と行革推進国民運動、いわゆる近く発足する予定の行政改革推進連絡協議会、いわゆる土光さんの行革推進国民運動との関係ですが、財界や土光前会長は、近く発足する予定のいわゆる国民運動とこの審議会との取り組みを連動させるべきであるという主張を新聞等でやっておられますが、審議会の運営がこうした方向で運営されるのか。審議会の運営はみずから判断して決めることだと私は思いますけれども、こうした財界が中心の推進国民運動と連動して運営されていくという主張がありますけれども、この点について政府としての御見解をお聞きしておきたいと思います。長官からちょっとお聞きしたいのです。

門田英郎行政管理庁行政管理局長

○門田(英)政府委員 御指摘の、連動する云々というお話がございましたけれども、これはやはり新しく設置されるべきこの審議会の運営方針として決定されるべき事柄でございます。もちろん審議会の御方針として、各界の御意見ということを伺いながら調査審議をされるというのは、これは当然のことでございましょう、かように心得えております。

中路雅弘日本共産党

○中路委員 いまの点、長官の御見解をお聞きしておきたいと思うのですが。

齋藤邦吉自由民主党行政管理庁長官

○齋藤国務大臣 行政改革は、やはり国民世論の支持を得るということが非常に大事なことでございますから、財界であろうがどこであろうが、行政改革推進に御協力をいただくということは私は非常にありがたいことだと思います。しかし、審議会の審議というものは、それはやはり法律に基づいてそれぞれの所掌が決められ権限が与えられておるわけでございますから、審議会は審議会として法律に従ってその仕事をやるということだと考えております。しかし、民間の方々が大いに協力していただく、そしてまた、そういう世論のバックが大事なことだと思いますから、私はそれが望ましいことであるとは思います。しかし、連動するとか、そんなことは全然考えておりません。

中路雅弘日本共産党

○中路委員 私の後、榊委員が関連質問がありますので、もう一点だけ最後にお聞きしておきたいのです。  臨調は、行政の目指すべき目標、理念の一つとして、西側一員、いわゆるアメリカの同盟者としての国際的役割りを果たす方向を鮮明にした「国際社会に対する積極的貢献」を掲げておられるわけですが、これを前提にして、日米安保体制の強化や危機管理体制づくりなどを目指す国家と国民の「安心と安全の確保」ということをうたい、外交や軍事、海外協力などの総合安保関連分野を基本的に行政の責任領域に属するとして、軍事費の異常突出についてもその方向を明らかに示されたわけです。「防衛計画の大綱」の水準の確実な実現が必要だとかあるいは質的な面の充実など、軍拡の方針あるいは有事における部隊及び隊員双方を通ずる総合的な自衛隊の運用体制の確立などの有事即応態勢づくりの方針も出されておるわけですが、この点については、私たちは繰り返し臨調がこうした分野まで踏み込むということについては強い意見を述べてまいりました。  しかし、今度の審議会がこうした臨調の答申を全面的に目標や方針として推進していくということになれば、こうした軍拡方針も全面的に推進する機関になることは明白だと思いますが、この点については私たちは、今度の審議会の役割りについて強い批判、意見を持っています。この点について長官の御意見をもう一度お聞きしておきたいと思います。

齋藤邦吉自由民主党行政管理庁長官

○齋藤国務大臣 行政改革は、あなたは軍拡とかなんとか言われますけれども、そんなの関係ありませんね。要するに経済社会の変化に対応して、いまのような行政制度、行政仕組み、行政運営でいいのか、財政が大変な状況にありますね、そういう状況の中でいいのかということの上から出発しておるものでありまして、軍拡とかそういうのにすぐ結びつけてお考えになるということはどうかおやめになっていただいて、私どものまじめに考えている行革に御協力いただきたい、私はさように考えております。

中路雅弘日本共産党

○中路委員 私は、もう一点、その点でお尋ねしたいのですが、臨調の答申自身の中に、「防衛計画の大綱」この水準の確実な実現が必要だとか有事即応態勢づくりの方針、これを臨調がうたっているわけですから、私たちは何度も臨調の委員の皆さんと懇談をしてきた。それで、この点について強い批判をしてきたわけですね。いまそういうことは関係ないんだ、いわゆる行政改革なんだ、いわゆる有効な、効率的な行政のあり方を検討するんだというお話だとすれば、私たちはそのことをやるべきだといま主張しているのですが、こうした国の全体の安保体制だとかそういう分野にまで踏み込んで、しかもそれを推進することを答申するということについて批判を持ってきたわけです。しかし、この臨調の答申を全面的に推進する機関ですから、そこまで踏み込んでこの機関もやるのか、この点についての長官の御意見はどうかとお聞きしているわけです。

齋藤邦吉自由民主党行政管理庁長官

○齋藤国務大臣 行革は行政全般にわたる問題でございますから、いろいろ述べられておりますけれども、それがすぐ軍拡に結びつくという考えは持っていないということだけは申し上げておきたいと思います。

中路雅弘日本共産党

○中路委員 こうしたいわゆる臨調行革と言われている中身については、引き続いて榊委員から時間の範囲で関連質問さしていただきますので、かわります。よろしく。

田名部匡省自由民主党

○田名部委員長代理 榊利夫君。

榊利夫日本共産党

○榊委員 いまの中路議員と長官との間で意見が食い違った点でございますけれども、私もまず第一にその点をお伺いしたいと思うのです。  長官は否定されましたけれども、第二臨調の行革に関する答申、それを目指すというところに今回の臨行審設置法案の勘どころがあると思いますが、その臨調答申の一つであります基本答申、これに防衛力の規模について、いま中路議員が引用されましたように、はっきりと防衛問題について書いているわけですね。特に有事における総合的な自衛隊の運用体制の確立など、いわゆる有事即応態勢づくりの方針まで事もあろうに臨調答申が述べているというところに実は問題があるわけであります。  そこで、お尋ねいたしますけれども、今回の臨行審はそうした臨調の方針とはかかわりない純粋な行革をやるんだ、こういうさっきの長官の発言でございますが、こういうこととはかかわりないというふうに見てよろしゅうございますか。

齋藤邦吉自由民主党行政管理庁長官

○齋藤国務大臣 行革は行政全般について審議をされておるわけでございまして、軍拡という関係ではないということを私は申し上げたわけであります。したがって、ここにも防衛に関しては「文民統制の確保」とか「国防に関する諸方策の総合調整」というふうなこと、さらに「各幕僚監部等を通じて、適切、有効な運用体制の確保」ということを述べておるのでございまして、軍拡ということでこの問題は取り扱っていないということだけははっきり申し上げておきたいと思います。

榊利夫日本共産党

○榊委員 これは恐らく何回やっても意見が違うところだと思いますけれども、しかし、いずれにいたしましても防衛力の増強、これは別の言葉で言えば軍備増強でございまして、軍備拡張そのものであります。しかも、いま申し上げましたように、基本答申そのものがそこの問題にも触れているわけで、先ほど来聞いておりまして、もし臨行審が臨調の方針をバックアップしてそれを推進するということに眼目があるとするならば、いわゆる防衛力の増強、別の言葉で言えば軍備拡張、これを推進する、そういう性質を持っておる。そのことは少なくともそこの中に入っているということを言わざるを得ないわけでありますけれども、この点について、もう一度念のためお尋ねしておきます。

齋藤邦吉自由民主党行政管理庁長官

○齋藤国務大臣 わが国の防衛は、私が申し上げるまでもなく、憲法に基づいて専守防衛でございますから、こういうふうな防衛のあり方についていろいろな意見を述べられておるということはあります。これはこのとおりでございます。しかし、それがこの行革を通して軍備増強の方向に目がけていくんだというのではないということだけは申し上げておきたいと思います。

榊利夫日本共産党

○榊委員 私はその点では見方を異にしておりますが、次に進みます。  いずれにいたしましてもはっきりしているのは、第二臨調の答申等々を見ましても、いわゆる臨調行革の中で、他の分野についてはカットしたり整理したりといった具体的な提起があるわけでありますけれども、いわゆる自衛隊に関しては事実上聖域化されている。そのことは広く指摘されてきているとおりであります。  その自衛隊の中で、最近、大変憂うべきことに事故が多発しております。十九日に三重県鳥羽沖で航空自衛隊機二機が墜落して、十四人の方々が死亡した。あるいは一昨日は、山口県の岩国で対潜飛行艇が墜落して十人が死亡された。  こういう事故は、航空自衛隊が発足いたしました一九五四年以来、自衛隊機の事故件数はどれくらいになっているのでしょうか。それからまた、死亡隊員数はどれくらいなのか。それから、民間の死亡者数はどれくらいなのか。現時点で結構です。総計で結構です。その三つの点、お伺いいたします。

上田秀明防衛庁防衛局運用第二課長

○上田説明員 御説明申し上げます。  一応いま私の手持ちにございますのは昭和二十九年からということになっておりますが、事故、私どもの方では人員の死亡があった場合または航空機が修理不可能なほど破壊された場合というふうにまとめておりますが、それで昭和二十九年から現在、先生御指摘の最近の大きな二つの事故を含めまして、四百四十一件でございます。それから、隊員の死亡した者が四百五十九名でございます。それから、民間の方で死亡された方が百八十二名でございます。

榊利夫日本共産党

○榊委員 いま説明されましたように、死亡事故とか航空機の場合修理ができないというかなり大きな事故だけでも、現在までに四百四十一件。そうしますと、大変な数ですが、恐らくこれだけでも数千億円ということになると思います。それから、四百五十九名の隊員が死亡ということになりますと、昨年のフォークランド紛争のときのイギリスの戦死者が二百二十名でございますので、イギリスの戦死者の倍くらいの人が、累計してでありますけれども、事故で亡くなっておられる。それに民間死亡者が百八十二名でございますね。これをプラスすると六百四十一名という数字になりますが、かなりの多人数の犠牲者ということになると思うのです。  それについてお尋ねいたしますけれども、こういうかなり大きな事故、多くの事故のうち、中曽根内閣が成立いたしました昨年の十一月以降、五カ月たちますが、この間の事故数はどうなりますか。それから、その間の死亡隊員数というのはいまの数字のうちどれだけになりますか。

上田秀明防衛庁防衛局運用第二課長

○上田説明員 たしか五十七年の十一月二十七日以降でございますので、三件になります。死亡者は、この四月十九日及び二十六日の大事故の二件の二十四名でございます。

榊利夫日本共産党

○榊委員 過去、これまでの三十年の間で、五カ月間で三件で二十四人の死亡者が出た、こういうふうないわば次々に事故が生まれているというケースは恐らくないのじゃないかと思いますが、この点はどうでございましょうか。五カ月間で集中して起こったようなそういうケースはありましたか。

上田秀明防衛庁防衛局運用第二課長

○上田説明員 実は、今回の事故に際しまして御案内のように異例の長官指示が出されたわけでございますが、同様なものが昭和五十二年に出されておりまして、そのときは実は事故が非常に多発しておったということがございます。ただし、死亡者の数につきましては、今回の事故は二件で多数の乗員がおったということから、多くなっていることはそのとおりでございます。

榊利夫日本共産党

○榊委員 今回のような連続事故、これはいま米軍は準戦時体制下にありますけれども、その米軍と共同作戦を目指す自衛隊が、たとえばレーダーを逃れるため危険な超低空訓練をやる、それを強化している結果としてそういうのが生まれているのじゃないか。このこと自体、私は、いわゆる不慮の事故というよりも、むしろそういう政策の中から起こっているという点では内閣の重大政治責任を問うべき問題ではないかというふうに思うのであります。今後、今回のこの審議会が発足いたしましたとすれば、自衛隊機など膨大な人的、物質的な損失を招いているような問題については、そういう中で検討する余地があるのでございましょうか。

門田英郎行政管理庁行政管理局長

○門田(英)政府委員 これは、自衛隊機事故、個別の事故という問題は、行政改革の問題と申しますよりは、第一次的には防衛庁御当局におきまして事故の原因など技術的な専門的な立場から御対処になるべき問題ではないだろうかと心得ております。  いずれにしましても、臨時行政改革推進審議会が発足いたしましてから、どのような問題を取り上げるかということは審議会の合議によって決められることになるので、私ここでどうこうと言うことは差し出がましいとは存じますけれども、ただいま御指摘のような問題は恐らくお取り上げになるというふうなことはないものじゃないだろうかと考えております。

榊利夫日本共産党

○榊委員 私が思っているとおりなんです。恐らくやる気はないだろう。だけれども、数千億円も大変な損失を受けている。これはもとを正せばみんな国民の血税であります。しかも人間的にも大変な損失が生まれているわけで、そういう現実に起こっている問題を抜きにして、それらの解決を論議するのではなくてもっと別の論議がされようとしているというところにまさに問題がある、こう私は思うのであります。そういう点では、行政改革というものは、現実にある様々な浪費だとか不正だとかあるいはむだ遣いであるとか等々を国民本位の立場から正していくというところに本来の立場があるのだと思うのですよ。それがどうもそうなっていっていないということに問題があるというように思っておるわけであります。  もう一つですが、いまの問題と関連いたしまして、そういう国民本位の行政改革ならば、当然目指さなくちゃいけないようなところでやられていない、あるいはそこで不正だとか公金のむだ遣いが温存されている例、これは自衛隊の中にも相当多いわけであります。むしろ野放し状態になっていると言ってもいいと思います。     〔田名部委員長代理退席、愛野委員長代     理着席〕  自衛隊病院の問題で一つ質問いたしますけれども、会計検査院は最近、海上自衛隊横須賀地区病院を検査したというふうに聞きます。その際、歯の治療で保険扱いにならないものを保険扱いにしていたケースが発見されたのじゃないかと思うのですけれども、どうでしょうか。

白川健会計検査院事務総長第二局防衛検査第二課長

○白川会計検査院説明員 一般に国家公務員が公務によらないで負傷したり疾病にかかった場合には、健康保険の例に準じて療養の給付を受けることになっております。  本件、御質問の歯科診療につきましては、御指摘の横須賀地区病院でこの健康保険の範囲に入らない治療を行っていたという事例がございましたので、これを問題にしたことはございます。しかし、私ども内部で検討を進めている過程で、自衛官に対する治療を健康保険の範囲内に限るべきかどうかという点につきまして、関係法令の適用等について解釈上見解が分かれまして、結局はこの事態を不当であると判断するには至らなかったものでございます。

榊利夫日本共産党

○榊委員 いまの答弁からも、通常ならば、普通の病院ならば保険扱いにならないものがやられていたというわけですから、これは当然不正請求となるわけであります。そういう事例が横須賀自衛隊病院に実際にあった。しかし、横須賀自衛隊病院に関しては解釈やそういった違いもあって、いずれにしても、まあ言うなれば特殊な解釈や操作によって国費が引き出されている、つまり自己負担じゃなくてやられているということを示唆していると思うのであります。そういう疑いがあるということを示していると思いますけれども、実はそういう自衛隊病院の不正、乱脈というのはほかにもあるわけであります。  まず聞いておきたいと思いますけれども、自衛官が自衛隊病院にかかったときは防衛庁職員給与法施行令で国の負担となって無料ですけれどもも、一般には健康保険がきかない治療はどうなっているんでしょうか。自己負担なんでしょうか、どうでしょうか。防衛庁。

小畑美知夫防衛庁衛生局衛生課長

○小畑説明員 自衛官については、勤務自体が健全な心身を必須の条件としておるわけでございまして、自衛隊の隊員の任務遂行上健康の維持ということが重大な影響を持っておるということにかんがみまして、国がすべての責任を持って自衛隊員の健康を管理しておるわけでございます。したがいまして、自衛官に対する歯科診療におきましても、海上自衛官の特に勤務の特性を考慮いたしまして、歯科医療上必要であるというものにつきましては今回の、まあ健康保険を若干オーバーした部分についての治療がなされたということでございます。  御指摘のように、防衛庁の職員給与法二十二条及び施行令十七条の四の第四項によりまして、いわゆる公務以外の私傷病につきましても、自衛隊の部内の医療機関でかかった場合にはその費用を全額国が負担するというたてまえになっておるわけでございまして、今回の問題につきましても一応国が負担したということでございます。

榊利夫日本共産党

○榊委員 何かいまの話を聞きますと、何でもかんでも国が負担とおっしゃいますけれども、健康保持というのは、国家公務員みんなそれは第一義的に大事にしてもらわなければいかぬ問題だと思うのですよ。それで、健康保険のそれをオーバーしたものも国が負担している、こうおっしゃいますけれども、去年私、防衛庁衛生局に聞いたときには、無料というのは年間十件程度だという話だったんですけれども、これはどうなったんでしょう。変わったのでしょうか。

小畑美知夫防衛庁衛生局衛生課長

○小畑説明員 お答えいたします。  ちょっといまの点については私どもの方ではお聞きしておらないわけでございます。

榊利夫日本共産党

○榊委員 去年の説明は、当然健康保険法に準じてこの問題は処理しておる、無料でやっているのは年間十件程度だ、こういう説明だった。いま聞きますと、ほとんどのものがこれはもう全額国庫負担でやっておる、こういう話だ。変わっている。  そこでちょっとお尋ねいたしますが、一般社会では保険のきかない治療でも、自衛隊病院ではお医者さんの判断一つで国費を引き出して無料になっている。これは余りに身勝手といいますか、乱脈じゃないかと思うのです。公式の発表でも、医療施行費というのは五十七年度で六十四億ですね。対前年比で一一・八%突出です。その点では医者任せ、医者のさじかげんでどうにでもされている。実際上ほとんどすべてが国費から引き出されている。私は、それは恐らく世論の納得が得られないだろうと思います。それは余り乱脈じゃないか。どこも確かめるすべがないみたいなかっこうになっている。  次いでお尋ねいたしますけれども、自衛官の家族の場合は、健康保険はどのような形態になっておるのでしょうか。また、家族の方が健康保険外の治療を受けたときは、治療代は自己負担になるのでしょうか。

野尻栄典大蔵省主計局共済課長

○野尻(栄)説明員 御説明いたします。  共済組合で行っております療養の給付は、公務によらないで病気になった場合の医療費を負担することになっているわけでございますが、これは健康保険法の例によって負担するということになっております。  家族の方の場合は、組合員の被扶養者として家族療養費の対象になりますが、これにつきましても同じように健康保険法に準じて行うということになっておりますので、健康保険法で給付の対象とされないものにつきましては共済組合からも保険給付の対象とはいたしておりません。

榊利夫日本共産党

○榊委員 すると、家族の場合は健保外は自己負担ということになっているわけですね。それはわかります。  その前提の上でお尋ねいたしますけれども、普通の病院では、歯の治療で金属焼きつけポースレンというのがあります。金属の周りに陶器を焼きつけた歯ですけれども、それだとか金属床、入れ歯を支える台です。これを使うと、金属焼きつけポースレンの場合は一個十万円以上かかる大変高価なものです。金属床の場合もかなり高価です。それらは現在健康保険の対象にはなっていないのじゃないかと思うのですけれども、その点はそういうように理解してよろしゅうございますか、大蔵省。

野尻栄典大蔵省主計局共済課長

○野尻(栄)説明員 ただいま申し上げましたように、健康保険でいま先生が申しました金属ポースレンあるいは金属床について保険給付の対象にしているかどうかということに従って共済組合でも給付をするわけでございますが、健康保険法ではこれを対象にいたしておりません。したがいまして、これらの材料を使った治療についての医療費は、保険給付の対象外として、自己負担になると思います。

榊利夫日本共産党

○榊委員 ところが、自己負担になるケースが実はそうなっていないという問題なんです。普通の病院の場合、保険の不正請求には行政当局の目が光っているわけですけれども、自衛隊病院では保険のきかない金属焼きつけポースレンだとか金属床を特定の高級自衛官の家族だとか関係者に対して保険扱いしている例が多々ある。  一例を申し上げますと、世田谷区の自衛隊中央病院、この歯科でも特定の高級自衛官の家族だとか関係者にそうした操作が行われていて、ここの第一歯科部長、一等陸佐ですけれども、名前は私省略いたします。仮にYさんとしておきましょう。Y氏のもとで日常的にそういうことがやられておる。つまり伝票記入の際に金属焼きつけポースレンをマル陶、金属床特殊鋳造歯などとごまかして伝票を書き、保険扱いにする。つまり不正請求している。防衛庁はこういう事実を御存じですか。

小畑美知夫防衛庁衛生局衛生課長

○小畑説明員 いまの先生のお話、初めてお聞きしまして、私の方では把握しておりません。

榊利夫日本共産党

○榊委員 ここの第一歯科部長さんの場合は、外部の特定の歯科学校や技工所と特殊な関係があるようでありますし、それから外部のアルバイトなんかもかなりやられている。そういう乱脈があるようでありますが、要するに、自衛官の家族の保険対象外の請求というのは国家公務員共済組合法五十五条に違反すると思うのですけれども、そういうふうに理解してよろしゅうございますね。

野尻栄典大蔵省主計局共済課長

○野尻(栄)説明員 再々申し上げておりますように、共済組合が行います保険給付は保険料で支払う医療費でございますから、健康保険法の例に準じて行うということでございまして、そういう請求があった場合には、それは自己負担ということになるわけでございます。共済組合から支払うのはあくまでも保険対象となっている部分についてだけでございます。

榊利夫日本共産党

○榊委員 そういう点で見ますと、いまの自衛隊中央病院の例で申し上げますと、保険外の高価な治療に関して不正請求をしている疑いがきわめて強い。その点では、警察庁としてもやはり厳正に調査をしていただきたいと思うのです。この点いかがでしょう。

森廣英一警察庁刑事局捜査第二課長

○森廣説明員 お答えします。  警察というのは御承知のように犯罪の捜査を担任している機関でございますが、ただいま初めてお伺いいたしまして、果たして犯罪の問題であるかどうかということもまだ腑に落ちないわけでございまして、直ちにこれを捜査機関といたしまして捜査をするというようなことは、犯罪の嫌疑をしっかり認識していないうちからは軽々には申し上げられないと思います。

榊利夫日本共産党

○榊委員 ということは、つまり調査をしないというわけでもない。これらの問題を提起したわけですから、必要に応じて調査はしてもらってしかるべきだと思うのですが、その点どうでしょう。捜査とかそういう意味じゃない、調査です。

森廣英一警察庁刑事局捜査第二課長

○森廣説明員 お答えします。  犯罪の嫌疑がない前に捜査はできないことはいま申したとおりでございますが、仮にいろいろ所管庁の方で御調査をなさって、それが万一犯罪であるということが、仮にそういうことがあったといたしましても、自衛隊には警務隊という特別司法警察の機関がございますので、必要があればそちらの方で事件を第一次的に御担任になるのではないか、仮定の問題でございますけれども、さように考えます。

榊利夫日本共産党

○榊委員 警務隊に免じてずいぶんお逃げになっているようですが……。  それでは行管庁長官にお尋ねいたしますけれども、いま申し上げましたような事例が多々ある。ところが、自衛隊への行政監察というのは実は十数年やられていないのです。そういう聖域化のもとで、言うなればやりたいほうだいのことがやられている。私は行革はそういうところにメスをふるうべきだと思うのです。行管庁としても、自衛隊病院を含めて、防衛庁、自衛隊の行政監察を早急に行うべきではないかと思うのですけれども、その点について大所高所からの行管庁長官の見解を承りたいと思います。

門田英郎行政管理庁行政管理局長

○門田(英)政府委員 本来ならば監察局長からお答えするところでございますが、御質問の、行政監察を自衛隊の運営問題についても検討すべきではないかというお話でございますが、こういった個々別々の問題、ただいま私も傍らで伺っていただけで事情をつまびらかにいたしません。行政監察というのは、御承知と思いますけれども、年次計画を定めまして、国民生活上非常に重要な問題であるとかあるいは行政運営上喫緊の問題とかいうのを随時タイミングよく取り上げて計画的に実施していく事柄でございますので、にわかにただいま、こういった問題について調査をいたします、監察をいたしますと言うことはなかなかむずかしいのではないだろうか、かように考えております。

榊利夫日本共産党

○榊委員 何をあなたは言っていますか。この問題について調査をしろと、そんなことだれが言ったですか。十数年行政監察がやられていない、この機にやってはどうか、十数年の間の課題を言っているのですよ。しかも私は長官に聞いたんだ、あなたに聞いたんじゃないよ。  次にお尋ねいたしますが、軍事費と並んで聖域の代表になっているのは、財界助成だと私は思います。過去五年間に技術開発援助の名で三菱重工、東芝、日立、石播、川重の五社に通産省を通じて流された補助金は八百五億円に上っております。これは同じ期間の中小企業全体の技術補助金総額の実に五倍以上であります。五十八年度予算でも次世代コンピューター開発補助は一挙に六倍化しております。中曽根首相が約束された四十億ドルの対韓援助も、軍事的性質を持つとともにいわゆるプロジェクトと結びついた大企業の海外進出促進費ではないか、こういう見方もあるわけであります。私は、行革と言うならばこうした大企業奉仕のむだにもメスを入れてしかるべきだと思うのですけれども、そういうところに行革推進の中で検討のメスを加えてみるという意思はありますでしょうか、どうでしょうか。

門田英郎行政管理庁行政管理局長

○門田(英)政府委員 ただいま伺いましたような問題、これは基本的には、それぞれの所管省庁で厳正な指導、公正な行政の確保ということを第一義的にやっていただくべき課題であろうと思います。  御質問の御趣旨は、今回設置されるべき行政改革推進審議会において取り上げるかどうかということであろうかと思いますけれども、これは先ほど来御答弁申し上げておりますように、発足後、構成員の先生方の合議によって決定される、その上でどういった課題を取り上げるかということが決まっていくべき問題でございますので、いま直ちにこうこうであるということはお答えできないわけでございます。御理解いただきたいと思います。

榊利夫日本共産党

○榊委員 私は、そういう問題こそ本来ならば取り上げるべきだと思うのです。  同じような点で、たとえば最近、アラスカ石油が石油探鉱に失敗して解散をいたしました。このアラスカ石油というのは、第二臨調の土光会長や稲山経団連会長らも役員をしておられるわけでありますけれども、このアラスカ石油が石油公団を通じて国から受けていた出資、それから融資のほとんどが返済免除になったというふうに聞きます。政府が返済を免除した出資、融資等の総額はどれくらいなんでしょうか、もしわかりましたらお答えいただきたい。

深沢亘資源エネルギー庁石油部開発課長

○深沢説明員 お答え申し上げます。  いま先生から御指摘ございました減免の額でございますけれども、本件につきましては融資が主体でございました。それでトータルで、融資で十四億二千万円でございます。それから出資で、これは通常の民間の出資と同じような扱いになるわけでございますけれども、一億二千万円弱ぐらいのところでございます。

榊利夫日本共産党

○榊委員 これは世間常識で言いますと、返済が免除になるというのはよっぽどのことですよ。まず考えられないことです。そういう一種のたかりの構造とでも申しますか、もうけたときは財界がもうかる、損したときには結局は国民にしわ寄せしていく。そういう一種のたかりの構造にこそ抜本的なメスを入れるべきじゃないか、こういうふうに私は思うのです。それが行革でなくちゃいかぬ、こう思うのです。その点はいかがでございましょう。

門田英郎行政管理庁行政管理局長

○門田(英)政府委員 具体的な問題を取り上げてのお尋ねであるわけでございますが、これは先ほどちょっとお答え申し上げましたように、それぞれ所管の各省庁において具体にお取り上げいただいて公正の確保を図っていただくべき課題かと心得ております。  今回の臨時行政改革推進審議会は、再三にわたってお答えしておりますように、発足後どういう問題を取り上げるかということになるわけでございます。やはりその任務が非常に一般的に、総合的に、行政改革全般についてお取り扱いになるということが期待されているわけでございますので、私どもとしましては、従来からの経緯等を十分御説明申し上げた上で、新しく発足するこの審議会において、運営方針、お取り上げになるべき課題、こういうものを決定される、こういうことになると存じます。

榊利夫日本共産党

○榊委員 私が幾つも尋ねているのは、まさにこの法案に責任を持っておられる行管庁が、浪費あるいは効率的な行政をつくり上げる上での問題点にどれだけ真剣に取り組もうとしているのか、実はそのことを知りたいから質問しているのです。いままでの御答弁を見ますと、一連の提起した問題について、これは当該の所管庁に聞いてくれ。行管庁がまさに当該じゃありませんか。当該でしょう。だからこそ、まさに行政管理庁でしょう。だからこそ、まさに今度の審議会法案も責任を持って説明するために、ここに出ていただいているんじゃないでしょうか。  時間がありませんので、最後にお尋ねいたしますけれども、会計検査院の五十六年度の検査報告を見ましても、これは八%弱の現地調査だけなんですけれども、それでもたくさんの税金のむだ遣いがあります。二百七十四億という数字が出ております。そのほか、ここで指摘されていないのを見ましても、たとえば電電公社のビジネスホンの六十九万台が粗大ごみにされて十二億円を浪費したとか、あるいは原発PRにつぎ込んだ国費の浪費、これは大体四百三十六億とか、あるいは山形県の酒田北港建設関係の団地造成が荒れ地になって、いまではもう大体八百億円ぐらいつぎ込んだ金がほとんどむだになろうとしている等々、この種のむだ遣いというのはたくさんあるわけです。しかし、残念ながら臨調は、行革と言いながらこうした浪費、放漫、腐敗の構造には手をつけられなかった。むしろ聖域化したというところに多くの問題があり、また限界があった。本質的な問題があった。今回の臨時行革推進審議会、これはそこにメスを入れるような機関になるのかどうなのか、あるいはそういったことを温存するような機関になるのかどうなのかということを国民の皆さんはずいぶん関心を持って見ておられると私は思うのです。  そこで、最後に私は行管庁長官にお尋ねをいたしますけれども、そういう点では長官として、この行革の問題についてはもう万事審議会任せだというのではなくて、行管庁としてはそういう浪費やむだ遣いの問題についてこう考えるといった所見はあると思うのですけれども、私、最後にそこだけお尋ねしておきたいと思うのです。

齋藤邦吉自由民主党行政管理庁長官

○齋藤国務大臣 行政改革は、やはりむだを排除するということが基本でございます。そういう観点から、機構の問題なり補助金の問題等についてそれぞれの答申が出されておるわけでございます。  しかし、先ほど来お尋ねのような具体的なそれぞれの問題については、むだを排除するということはもう各省ともみんなわかっておることでございまして、たとえば医療費の支払いについてもおかしいじゃないか、こういうようなお尋ねもございましたが、そういう具体的なものを行革審議会で一々調べて歩くという性質のものではない。それは各省庁が責任を持ってそれぞれ監督をし、そういうむだをなくすように努力すべきである、そういうふうに私は考えておるわけでございまして、行管庁としましてはあくまでも一般的に、むだや浪費はいけませんよ、そういうことは余りないと思うのですけれども、それはいけませんよという基本的な方針を示し、その基本的方針に基づいて各省庁がそれぞれ措置をとる、こういう手順になる、私はそう思います。しかし、むだを排除する、当然のことでございます。浪費を省く、これはもう当然のことでございます。

榊利夫日本共産党

○榊委員 むだを省くのは当然とおっしゃるけれども、具体的に問題を提起すると、それは私のところは関係ありません、当該にということで逃げられる。私は、そこにその姿勢が出ていると思うのです。触れたい問題はたくさんあります。ほかにも、運営の問題であるとか財政再建のための増税の問題とか、いわゆる仕事減らしと福祉、教育、地方自治の問題等々、実に多くの問題がありますけれども、若干お尋ねいたしまして答弁をいただいた中でも、今回のこの臨行審が、言うなれば、国民の本当の願いとは逆な、従来型の臨調行革路線を具体化推進するための機関になる、このことは非常にはっきりしています。そういう点で、むしろ私は本法案の撤回を要求して質問を終わりたいと思います。答弁は要りません。質問を終わります。

愛野興一郎自由民主党

○愛野委員長代理 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。     ―――――――――――――

愛野興一郎自由民主党

○愛野委員長代理 これより討論に入ります。  討論の申し出がありますので、順次これを許します。渡部行雄君。

渡部行雄日本社会党

○渡部(行)委員 私は、日本社会党を代表いたしまして、臨時行政改革推進審議会設置法案に反対の立場から討論を行うものであります。  すなわち、本法案の中心課題は、本審議会の根拠たる臨時行政調査会の行った行政改革に関する答申が、果たして推進すべき価値があるかどうかであります。  そこで、社会党が一般勤労国民の立場に立って臨調答申を検討しました結果、その大筋において軍備拡張を目指すための行政経費の削減ということが特徴的に出ており、そのために、現に福祉、教育、農政面に著しいしわ寄せがなされていることも事実であり、人事院勧告の凍結などもそのあらわれの一例であります。  長い不況の中で、百兆円に及ぶ財政赤字を抱えながら、行革のキャッチフレーズである増税なき財政再建を幾ら声を大きくして繰り返しても、足元に大型間接税が近づいている今日、国民はだれ一人としてこれを信用する者はいないのであります。  さらに、三公社の民営化など臨調答申を一貫する思想として、民営イコール活力というふうに短絡的に結びつけることは、市場メカニズムへの依存という古典的発想に回帰することであり、反面、公共部門の役割りについての過小評価を裏づけることになり、公共性に対する哲学の欠如を意味するのであります。  また、総論において地方分権を提起しながら、各論では逆に中央集権的方向を推進するなど、その他全体的に整合性を欠き、財政再建を唱えながら累積赤字はますますふえるばかりであり、国鉄の赤字解消についてもいまだに成案がなく、全く五里霧中の状態であります。その他、このような矛盾は各所に存在するのであります。  以上の理由から、本法案の根拠となるべき臨調答申は、全くこれを推進する価値がないものと断ぜざるを得ないのであります。  さらに、内閣総理大臣を制約するとも見られる意見等の尊重を条文で義務づけるような立法措置については、民主制度のたてまえから絶対に承服できないのであります。  以上の理由により、本法案に反対の意思を表明し、討論を終わります。

愛野興一郎自由民主党

○愛野委員長代理 中路雅弘君。

中路雅弘日本共産党

○中路委員 日本共産党を代表して、臨時行政改革推進審議会設置法案に対し、反対の討論を行います。  本法案に反対する第一の理由は、この審議会で推進しようとしている臨調行革そのものを絶対に容認できないということであります。  わが党は、臨調が設置される段階から今日に至るまで、繰り返し、臨調行革が行財政構造を一層反動的、反国民的に再編するものになると指摘し、その中止、撤回を要求してきましたが、臨調の一連の答申とその二年間の経過は、わが党の指摘を改めて浮き彫りにするものとなりました。  すなわち、臨調行革は、第一に、日米安保優先、軍拡促進、大企業奉仕と浪費、放漫、腐敗構造の温存、聖域化の方向を明らかにし、第二に、福祉、教育、農業、中小企業保護切り捨て、地方自治破壊、国鉄解体処分など、国民生活犠牲の詳細なプランを掲げ、第三に、国民の購買力の低迷、消費不況の長期化、税収の落ち込み、財政危機の深刻化という抜け道のない悪循環をつくり出して財政危機を破局の泥沼に追い込み、第四に、国民主権と国家主権、恒久平和、基本的人権、地方自治など憲法の平和的、民主的条項に挑戦するものであります。  臨調が表看板として掲げた増税なき財政再建が、財政再建なき増税にほかならず、この行革路線に国民本位の財政危機打開の活路がないことはいまやだれの目にも明白となっているのであります。  反対する第二の理由は、この審議会が、破綻が明白となったこの反動的な行革路線を全面的に推進する中核機関とされているだけでなく、事実上の第三臨調と位置づけられていることであります。  この審議会が、臨調行革を全面的に推進する内閣総理大臣直属の強力な権限を持つ機関であることは法文上明瞭でありますが、法案審査を通じて、これが臨調行革路線を一層具体化する任務を持った事実上の第二臨調の後継機関であること、財界の行革推進五人委員会などの提言機関や行政改革推進連絡協議会などの国民運動組織と直結された文字どおりの財界主導の機関となるおそれをはらんでいることは明白です。  自民党政府は、こうした財界戦略に沿った行革プランを具体化するため、総理府の一諮問機関でしかない臨調を国会の上に立つ事実上の最高機関扱いし、国民の目も届かないところで国策の根幹を決定するなどという議会制民主主義じゅうりんの手法に訴えてきましたが、この審議会のもとでこうした手法が一層推進されることは明白であります。  臨調が、この一連の答申で、行政改革の最大の眼目は国家と国民を含めた国全体の歩みを変えていこうとする点にあるとか、二十一世紀を目指した新しい国づくりを目指すものであると明記し、中曽根首相が、行政改革というのは統治権の行使の改革であり、国家の構造改革であると明言していることが示すように、臨調行革はまさに財界の反動戦略による国家改造の路線にほかならず、この審議会は、こうした国家改造路線を一層具体化し、推進するための機関にほかならないのであります。  わが党は、こうした反動的、反国民的な臨調行革を直ちに中止するとともに、本法案を撤回するよう重ねて強く要求するものであります。  以上、本法案に反対する理由を述べ、臨調行革の中止と本法案の撤回を要求して、討論を終わります。

愛野興一郎自由民主党

○愛野委員長代理 これにて討論は終局いたしました。     ―――――――――――――

愛野興一郎自由民主党

○愛野委員長代理 これより採決に入ります。  臨時行政改革推進審議会設置法案について採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

愛野興一郎自由民主党

○愛野委員長代理 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。  お諮りいたします。  ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

愛野興一郎自由民主党

○愛野委員長代理 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     ―――――――――――――     〔報告書は附録に掲載〕     ―――――――――――――

愛野興一郎自由民主党

○愛野委員長代理 次回は、五月十日火曜日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後八時七分散会      ――――◇―――――

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