商工委員会 第8号
- 発言数
- 385 件
- 登壇者
- 30 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1983/03/23
会議録
○登坂委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、特定不況産業安定臨時措置法の一部を改正する法律案及び特定不況地域中小企業対策臨時措置法の一部を改正する法律案の両案を議題といたします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。渡辺三郎君。
○渡辺(三)委員 何か参議院の関係で公取の委員長が間もなく退席されるそうでありますから、公取関係、独禁法との関係から最初に御質問申し上げたいと思います。 いわゆる事業提携あるいはグループ化、合併等の審査の基準についてお伺いをしたいわけでありますけれども、公取としては、会社の合併等の審査に関する事務処理の基準を明確にしながら、これまで対処してこられたと思うわけであります。 ところで、このたびの本法の改正案に伴って、これまでの事務処理の基準だけでは不十分だ、もっと配慮しなければならない点がある、このように考えておられるようでありますけれども、この独禁法との関係では、これまでも通産省と公正取引委員会の間で、本法改正案にくるまでの間、十分に協議を続けてこられたと思うわけであります。それらに関連をして、新たな審査基準があれば、これをお示しいただきたい、このように思います。
○高橋(元)政府委員 公正取引委員会では、ただいまもお話がございましたように、企業が合併をする場合、独禁法上問題があるかないか、検討をしてまいるわけでございますが、その検討の進め方を企業の方にもよくのみ込んでいただくという観点から、会社の合併等の審査に関する事務処理基準というのをつくって五十五年に公表いたしまして、それによって仕事を進めておるわけでございます。 これは、年間千件を超えます合併の中で、重点的に審査をする対象になりますものを選別するということが一つの趣旨でございますけれども、選別が行われた上は、選別した案件をどういう観点から審査をするかということが書いてあります。よく人口に膾炙しておりますのは、合併後のシェアが二五%以上になると重点審査になる、そのほかに、合併後第一位の企業になる、かつ一五%以上のシェアを持つ場合も重点審査の対象になります。 審査をいたします場合には、合併後のシェアだけではなくて、競争者の数、それから、ガリバー型になっているかどうかというその格差、代替品があるかないか、当事会社の経営状況、つぶれそうになっているかどうかというような問題、それから、代替品でございますとか、国際的な競争でございますとか、市場の環境の問題というのを書いておるわけでございます。 これは、五十五年に公表いたしました審査基準はすべての業種の合併に対して適用するわけでございますけれども、しかしながら、業種によりましては、直ちにこの一般的な基準だけでは寸法が足りないという場合もあるわけでございます。たとえば小売業でございますと、もっとローカルなマーケットというのが問題になるわけでございますから、小売業のマーケットの地域性というものを考慮した小売業の合併ガイドラインというのを別につくりました。 特定産業を、今回御審議いただいております法案が成立しました暁に事業の集約をしていきます際に、その集約化は独占禁止法の規定に従って審査を受けるわけでございますが、過剰設備が存在しておる、また企業の経営が悪化しておる、そういう状態が長期的にわたって継続していくということがこの特定産業の特色でございますから、そういう特色に即した審査基準というのをつくったらどうかというお話を、昨年の暮れ以来通産省と繰り返してまいりまして、私どもの方も、小売業についてそういうものをつくっておりますのと同じような観点から、特定の産業に即した、もっとわかりよい合併基準というのをつくるという気持ちになりまして、御審議いただいております法案が成立しました暁には、そういう審査基準をつくりまして公表いたすということを、ことしの二月でございましたか、通産省との間でもそういう話し合いをいたしておりますし、そういう趣旨に従って取り進めていきたいと思うわけであります。 そういう新しくつくります審査基準の内容といたしましては、およそ五つのことを決めておりまして、第一に、その審査をいたしてまいりますについては、構造不況でございましょうから、当該会社の陥っている構造的困難から生じている業績の不振の状況、いわゆるフェーリングの要素でございます。第二に、代替品がいろいろあるわけでございますから、代替品が市場の競争に及ぼしている影響の程度。第三に、外国製品との競争の状況など当該特定産業に係る市場を取り巻く環境。第四に、構造改善基本計画の目標達成時、およそ五年後ということになりましょうが、五年後にあるべき市場構造のもとで競争がどうなっておるかという四つの観点に照らして審査を進めていくと同時に、第五に、市場占拠率が二五%以上となる合併であっても、当該行為後の市場構造が高度に寡占的にならないように考慮しながら、その競争の実態に即して判断をするということを決めたわけでございます。頭の中に置いておるわけでございます。 これは、一般的な審査基準、よく言われております合併ガイドラインと中身がそれほど異なっておるわけじゃございませんが、特定産業の合併でございますから、ただいま申し上げたような非常に過剰設備がございますとか、経営状況が劣悪でありますとか、そういう共通性を持っております特定産業の合併について、その実態に即して合併を考えていくという場合の基準でございますので、従来の考え方をより明確にいたしまして、特定産業に属する企業の方々にも合併審査の進め方をのみ込んでいただくというような趣旨から作成をしようとしているわけでございます。
○渡辺(三)委員 いま、おおよその骨組みといいますか、これを御答弁いただいたわけでありますけれども、いままでのこの合併等の事業提携の基準、これと比較をいたしまして、特定産業の場合には、いま公取委員長がおっしゃったような特別の配慮というものがさらに必要だという御説明でありますけれども、問題は、独禁法の厳格な運用といいますか、これは私から申し上げるまでもなく、公取としては一番重要な課題として常に考えておられる内容であると思います。いま御説明をいただいたようなやり方で、俗に言われております、独禁法自体がこれでだんだんと骨抜きになっていくのではないかというふうに、一時、この原案かつくられますまでの間の経過としては、マスコミなども取り上げた経過があるわけであります。 そういうふうな点を頭に置きつつ、一体いま言われたようなやり方で現行の独禁法の厳格な運用といいますか、産業の安定に配慮しつつも、なおかつ独禁法の基本的な考え方は十分に貫いていける、こういうふうにお考えでしょうか、その点をひとつ。
○高橋(元)政府委員 一定の取引分野における競争を実質的に制限することになるような合併または株式の取得、その他の営業の譲り受け等々、そういう事業提携行為を排除しようというのが独禁法の趣旨でございます。 今回の事業提携計画につきましては、たびたび申し上げておりますように、独禁法の適用を排除しておりませんから、したがって、事業提携計画に基づく集約化というものは、独禁法の規制の枠の中で行われるべきものであるということは申し上げるまでもないわけで、ただいまお話のございましたように、これによって独禁法の運用なり、その制度の趣旨なりがゆるがせにされることがあってはならないということは仰せのとおりであります。私どももそのようなつもりでおります。 ただ、先ほどかいつまんで申し上げた中に、構造改善計画の目標達成時の市場構造のもとにおける競争の状況を念頭に置いて審査をすると申し上げましたのは、ただいま私どもが一般に持っております合併ガイドラインにつけ加えて、これらの特定産業、構造不況産業が持っておる特性でございます、そういう点も新しく念頭に置いてやっていこうかということでありまして、経済の実態なり企業の実態なりというものに即して私どもは常に運用を行っておるわけでございますが、決して独禁法の基本的な取引分野における実質的競争の制限となるような合併を認めようという趣旨ではないわけであります。合併等となりますと、いわゆるかたい結合でございますから、これを後で正しい状態に戻すというのは容易ではございませんので、それらの点についても十分念頭に置いて、御注意の趣旨に沿って運用を図ってまいりたいと思います。
○渡辺(三)委員 公取にはもう一点だけお聞きしておきたいと思うのですが、いまお答えいただきました合併等以外の業務の提携について、今度の法律の改正に伴ってこれまでの審査基準といいますか、それとまた一種異なった考え方を持っておられるでしょうか。合併等以外の事業の提携です。
○高橋(元)政府委員 原料の共同購入でございますとか共販会社の設立でございますとか、設備の共同利用でございますとか生産品のスワップでございますとか、いろいろな形の事業提携というものがあるわけでございます。 法案が成立しました暁に公表しようとしております合併のガイドラインでは、合併等以外の事業提携、ただいまお尋ねのありましたような事業提携でございますが、原則としては合併と同じ取り扱いである。ただし事業提携は、先ほど申し上げましたようにいろいろな類型がございまして、一時的なもの、かなりルーズなものから、合併に至るような非常にかたいものに至るまで、たくさんございます。そういった事業提携の態様とか内容によって競争に与える影響が合併と一緒とは限りません、もうちょっとルーズなもの、一時的なものもあるわけでございますから、それらの状況を考慮して判断をしていこう、こういう考え方でございます。ですから、繰り返しになりますが、合併等の基準を頭に置きながら、その事業提携の行われようとする態様とか内容によって考慮を加えていこうということが私どものただいまの考え方でございます。
○渡辺(三)委員 これは、法案成立後に具体的な審査の基準というものが、いまお示しいただいた骨子に従って詳細につくられていくというふうに思いますが、産業界の立場、特にここの法律で言う特定産業、これが一体今度はどのような審査基準になっていくだろうかということは、基本計画をつくるに当たってもいろいろ配慮する点だろうと思います。気を使う点だろうと思います。したがって、そういう点については、先ほど委員長からもお話があったような原則に立ちながら、産業界自体が本法の運用について戸惑いのないように、明確な、より具体的な審査基準をお示しいただきたい。これは今後の問題でありますけれども、その点を強く要望しておきたいと思います。 なお、公取の方は、先ほど申し上げましたように参議院の関係があるそうでございますから、以上で質問は終わりたいと思います。 引き続いて、これは通産省にお聞きをするわけでありますけれども、今回七つの業種が特定産業として指定をされる、こういうふうなことに当面なるわけであります。これは七つの業種に限らないとは思いますが、今日のような国際、国内経済の非常な変動、こういうふうな状況の中で、一般的には大変深刻な不況が長く続いておるわけでありますが、こうなった原因については各種各様の理由、条件がありましょうし、一概に言うわけにはまいりませんけれども、しかし、政府の経済見通しなり、とりわけ、一々七業種の細部にわたって私はいま申し上げませんが、特に需給の見通しの見込み違いといいますか変更といいますか、そういう事情が非常にいままで多かった、そういう点がこの長期不況の原因の一つとして、もちろんすべてではありませんけれども、考えられる。そして、この設備の廃棄を改めて深刻な問題として取り上げざるを得ないというふうな原因の一つに、とりわけ需給の見通しの見込み違いあるいは変更、こういうふうなものがあるのではないかと考えておるわけでありまして、この点についてまず最初に、一般的な内容でよろしいのですが、大臣からお聞きをして、あと時間があれば個々にお聞きをしてまいりたいと思います。
○山中国務大臣 これはもう御指摘を待つまでもなく、率直にいまの時点で振り返ってみますと、まず政府の経済成長率、実質成長率、その他予算編成の前提となり、あるいはまた一般産業界の指針ともなるべき数字がたびたび狂ってきたということは、認めざるを得ないと思うのです。 ただ、政府自体の作業そのものが、狂わせられたという表現が正しいと思うのでありますが、それの原因は、やはり石油の需要、価格、そういうものに関連をして世界貿易が縮小の方向に向かって、そして消費その他が、国内の具体的な問題を考えれば、所得税の減税も数年据え置かれておるというようなことも手伝って、そういう消費の末端に至るまで思わざる節約は節約、あるいはまた消費の面に向かう個人消費性向、そういうもの等がなかなか見抜けなかったこと、そういうことによって国家経済計画も予算とともに大きな狂いが出てきたということの一端として、これは私企業ではございますが、自分たちの産業の前途に対する見通しというものが大きく、幾つかの基本的な条項が、考えていたときよりか変わってしまったという結果があることを私はやはり認めざるを得ないと思うのです。 ということは、本来、五年間の時限立法であったわけでありますから、それで終わっていたはずでありますけれども、なぜかと言われれば、やはり一次石油ショックだけは前の法律で切り抜けることができたのではないかと思われる環境に加えて、二次の大幅な値上がりショックというものがどうしても、それを新しく見直してもなお期限内には達成できなかった、達成できそうにないという環境にしてしまった。 そのことは、単に七業種のみならず日本経済のあらゆる分野において、たとえば世界に冠たる日本の粗鋼生産についても一億トンを割り込んで、またことしもどうも対前年比減になりそうな状態がある。そういうのは何かといえば、輸出に対する極端な例はシームレスパイプ等の問題もありましょうが、結局全体に世界市場が冷えてしまったために少なくなっていく、そして国内の公共事業その他の消費が、あるいは住宅も含めて沈滞ぎみである、そういうようなこと等ではっきり出てきているわけであります。 この指定されるべきあるいはまた指定を受けたいと願う業種も、その一連の関連として端的に、その対外的な競争力から、あるいは国内の消費の不振から、あるいは構造面の要素である電力料金その他から、一番ひどい痛みを受けた部分であろう、そういうふうに考えております。
○渡辺(三)委員 そこで、通産大臣からお答えいただきましたが、経企庁来ておられますか。 これからの景気の動向、特に不況脱出のためのいろんなやり方があるわけでありますけれども、五十八年度をにらんでの経済の見通し、経企庁が来年度の予算、つまり五十八年度の予算を策定するに当たっての基礎になっている経済成長の見通し、あるいはそれを支えるたとえば民間の設備投資、こういうふうな問題についてどのような一つの見当をつけておられるか、これもお聞きしておきたいと思います。
○登坂委員長 経企庁はいません、出席要求がなかったそうですから。
○渡辺(三)委員 いや、出席要求しております。 それでは、少し限定をして、民間の設備投資の問題について、この五十八年度どのような見通しを持っておられるか。 私は、まだ、ある意味で非常に経済が底冷えしているという状況の中で、なかなかこの問題についてはそのような状況にならないんじゃないか、こういうふうに思っておりますが、この民間の設備投資をどういうふうに見ておられるか。これは、経企庁がまだ出席願っていないとすれば、通産からお聞きしておきたいと思います。
○小長政府委員 いま手元に細かい数字は持ち合わせておりませんけれども、来年度の経済成長率三・四%の達成の中で、需要項目別には、民間設備投資に期待をしておる部分がかなり大きいわけでございます。ただ、現下の経済情勢を見ますと、中小企業関係の設備投資は大変底冷えの状況にございますし、大企業関係の設備投資につきましても、電力関係を中心といたしまして下方修正の動きが出ておる状況でございます。したがいまして、このまま推移いたしますと、民間設備投資も計画どおりに達成できないのじゃないかという点を大変われわれ、心配をしているわけでございまして、実は通産省の中でも、設備投資問題研究会というような座敷をつくりまして、民間設備投資を活性化するための具体的な方策につきまして目下検討を続けておるような状況でございます。
○渡辺(三)委員 いままで民間の設備投資の問題では、特に鉄鋼、電機とかあるいは自動車とか、こういうふうに日本の産業の骨格といいますか、そういうところが、いろんな経済事情があっても、やはり一つの支えになってきておったと思うのですね。それが、五十八年度、まあ五十九年度以降は別といたしまして、当面はなかなか、いまおっしゃるように、これが進まない。そうなってまいりますと、そのためにといいますか、この新しい特安法によって特定不況産業を何とか再生をさせる、そのための努力も、そういう全体的な状況の中で考えなければならないという事情と関連すると思いますけれども、やはり全体的な日本の産業経済が活性化するためには、この民間の設備投資が進むような条件というものをつくらなければ、後ろ向きの設備廃棄だけではどうにもならない、こういうふうに考えるわけでありまして、これは全体的な産業の底上げあるいは活性化というものと関連をさせながら、この新しい特安法の運用というものを図っていかなければならない、こういうふうに考えますので、後で質問申し上げる内容との関連でいまお聞きをしたわけであります。 そうしますと、いま局長おっしゃいますように、当面は民間の設備投資というものについては非常に悲観的だ、こういうふうに認識をしてよろしゅうございますか。
○小長政府委員 現在の時点で推定する限りにおきまして、民間設備投資の動向につきましては、大企業についても下方修正の動きがございますし、中小企業についても非常に底冷えをしておるというような状況でございますので、好転する見通しというのは、目下のところないわけでございます。 ただ、一つの好材料として考えられますのは、今度原油の価格が五ドル値下げになったというのが、これからじわじわと国内経済にプラスの影響を及ぼしてくることが考えられるのじゃないかと思うわけでございまして、その辺が民間設備投資にどういう影響をもたらしてまいりますか、その辺はこれから慎重に見守っていく必要があるのではないかと思っております。
○渡辺(三)委員 次に、問題を変えますが、石油税の目的及び使途についてお尋ねをしていきたいと思います。 最初に、これはもう非常にわかり切った話でありますけれども、石油税の目的、それから、この取った税金の使い道、これは明確に規定してあると思うのですが、これを最初に、確認の意味でお聞きをしておきたいと思います。
○豊島政府委員 石油税につきましては、石油対策等——代替エネルギー対策を含めてございますが、等を推進するために、その負担を消費者一般に求めるということでございまして、その使途は、いま申し上げましたように石油対策、すなわち石油の開発対策とかあるいは備蓄等々の石油対策、それから代替エネルギーの導入、技術開発等の対策に支出されております。 それから、税の性質としては一般会計に入りますが、その中から石油対策及び石油代替エネルギー対策に必要な資金が特別会計に繰り入れられる、こういうかっこうになっております。
○渡辺(三)委員 わかりました。いずれにしましても、一言で言えば石油対策及び石油代替エネルギー対策に充てられるというふうに申してよろしいかと思います。 昨年、五十七年四月に、ナフサ対策が通産省でいろいろ検討されたようであります。これは、産構審と石油審議会から提言がなされておりまして、それを受けて通産省ではナフサの価格についていろいろと決定をされて、そして輸入ナフサ、国産ナフサ、この対策として一定の結論を出されたやに聞いておりますけれども、その辺の事情についてひとつ簡潔にお示しいただきたいと思います。
○豊島政府委員 ナフサにつきましては、最近では半分ぐらいの輸入があるということでございますし、その使途である石油化学製品についてはコストの大部分をナフサに依存しているわけですが、その石油製品の価格が国際的な動向に大きく左右される、そういう特殊な情勢を踏まえまして、国産ナフサの価格は他の油種と異なりまして輸入価格が反映されるべきである、こういう考え方から、国産ナフサの価格の決定について特別な扱いをしたわけでございます。すなわち、御承知のように、個別企業における国産ナフサの値決めにつきましては、一つのガイドラインというものを置きまして、各四半期ごとに全国平均のナフサ、輸入ナフサのCIF価格に諸掛かりを加えたものを基準として決める、こういう大原則が出たわけでございます。
○渡辺(三)委員 去年の四月の石油審議会が行いました提言を受けて、これは事務次官談話という形でしょうか、通産省がナフサ対策について一定の結論を出された。これをずっと読ませていただきますと、石化業界にはナフサの輸入権を付与してもらいたい、こういうような考え方が非常に強い、しかしそれをめぐって一体どうするかということで、石油業界と石化業界との間の一つの関係調整といいますか、あっせん的な意味合いを含めた一定の結論というか、そういうふうに理解してよろしいのですか。
○豊島政府委員 先生のおっしゃるような趣旨と理解して結構だと思います。
○渡辺(三)委員 そこで、輸入ナフサの場合には、言うまでもなく、租税特別措置法に基づいて免税といいますか免除されておるわけでありますけれども、国産のナフサの場合にはCIF価格プラス諸掛かり、こういうふうなことになっておるようです。この諸掛かりというのは幾らに計算しておるわけですか。
○豊島政府委員 これは標準的な数字でございますが、五十七年度中といいますか、においては二千九百円でございまして、諸掛かりの内容は、金融費用、備蓄費用、税負担等でございます。ただ五十八年度からは、やはり国産ナフサというものの価格を、輸入ナフサとのバランスをとるといいますか、それにバランスして決めるという観点から、税負担については実質的に輸入ナフサと同様の取り扱いをすることになりましたので、諸掛かりにつきましては五十八年度から二千円になる、こういうことを決めております。
○渡辺(三)委員 ちょっと、いま聞き取りにくい点がありましたが、五十七年度の実績でいきますと大体二千九百円、それから五十八年度は二千円、そういうふうにいまお聞きしたわけでありますけれども、二千九百円であったのが二千円ということは、どこがどうなったのですか。
○豊島政府委員 国産ナフサにつきましては石油税もかかるということでございまして、その負担がキロリットル当たり大体千八百円ということで、五十七年度におきましては、一応その負担を精製とユーザーで折半するという措置をとりましたけれども、五十八年度以後は、国産ナフサと輸入ナフサとの石油税負担を均衡させるといいますか、実質的に同様にする、こういう意味でございまして、九百円の負担は別途の措置を講ずること等を通じましてユーザーに負担させない、こういうことにした結果、二千円になるということでございます。
○渡辺(三)委員 問題点をはっきりさせるために重ねてお伺いをするわけでありますが、いまの説明を簡単に要約しますと、輸入ナフサの価格に見合わせるようにするために、いままでユーザーが負担しておった約九百円、これを実質的に、免除をすると言うと表現はおかしいのでありますけれども、九百円分だけは負担をなくするようにしたい、こういう点から五十七年度二千九百円だったものが二千円になるのだ、このように理解してよろしいのですか。
○豊島政府委員 石油税等はかかっておるわけでございますが、それを消費者といいますかユーザーにつきましては、五十七年度は依然として半分だけ持ってもらっていたわけですが、五十八年度からは実質的にユーザーが負担しないで済む、こういうふうな措置を考えたわけでございます。
○渡辺(三)委員 そうしますと、諸掛かり二千九百円の内訳というのは、いろいろあると思いますけれども、いまの御説明でありますと、二千九百円のうち石油税が千八百円、そのうちの半分の九百円分については、事実上税としてかからないようにほかの措置をとる、こういうふうに理解できますね。
○豊島政府委員 ちょっと説明が不十分であったかと存じますが、二千円の中には石油税負担は入っておりません。したがって、いわゆる金融費用とか備蓄費用でございまして、そのほかに本来千八百円の石油税負担があるわけでございますが、五十七年度においては、その石油税負担のうちで半分の九百円は石油業者が持つ、それから半分の九百円はユーザーに持っていただくということで二千九百円になったわけでございまして、二千円の中には石油税の負担は一切ございません。
○渡辺(三)委員 どうもいまのところ、はっきりわからない点があるのですが、そうすると石油業界の税の負担分というのはないということですか。石化業界じゃないですよ、石油業界の。
○豊島政府委員 千八百円はかかるわけでございまして、その千八百円は五十八年度以降は、形式的には全部石油業界が持つ、こういうかっこうになっております。
○渡辺(三)委員 明確になってきたと思うのです。千八百円は石油業界が持つ、しかし石化業界は、いままでおおよそ負担しておった九百円、これについては今度は実際は負担を負わない、こういうふうになるということでしょうね。
○豊島政府委員 そのとおりでございます。
○渡辺(三)委員 そうしますと、九百円、九百円であったものが——いま数字が出てきましたからわかりやすくするために仮にそう言うのですが、九百円、九百円分担しておったものが、今度は石化業界が持っておった九百円分も石油業界が負担をする。したがって、石油業界の負担分というのは今度は千八百円になる、こういうふうに確認できると思うのです。 その分は、逆に今度は石油業界が負った九百円分というものはどこから出るのですか。かぶりっ放しですか。
○豊島政府委員 形式的には石油業界が全部負担するということになっておるのですが、実は別途五十八年度から、従来の民間備蓄九十日分につきましては当初いろいろな助成を考えておったのですが、実際問題として九十日分の備蓄に毎年積み増していくのですが、その場合の助成といいますか利子補給等につきまして、制度上九〇%になっておったのですが、それがだんだん石油価格も上がって中の油がかわっていくということで、実際は三四%ぐらいしか融資対象になっておらぬ、あるいは利子補給の金利差につきましても、制度を、最初四%ぐらいから六・五まで拡充していったのですが、各社によって非常にアンバランスが出てきたというようなこともございまして、五十八年度からはその融資率とか利子補給率というものを充実させまして、アンバランスを避けるという意味で融資率を五〇%にする、それから利子補給率を五・五%にするということでございまして、民間の備蓄、これは石油備蓄法によって決められております九十日備蓄に対する助成の強化改善を行いました。それによって実質民間備蓄助成というのは金額も相当ふえたわけでございますが、その結果、民間の石油業者の経営がそういう意味で改善されるということでございますので、そういう備蓄のための制度の改善ということが間接的に石油業界の経営の改善につながる。それの中で実質的には石油業界に負担していただく。直接それをねらったわけでございませんが、石油税の千八百円分につきましては、そういう間接的な経営の改善の中から負担してもらう、こういうことを期待したものでございます。
○渡辺(三)委員 五十八年度のエネルギー関係の特会、この中で、いま長官が言われましたように、五十七年度三百十三億円であった民間備蓄の助成、これが約百三十億ですか、四百四十五億というふうに増額をされておるわけですね。この約百三十億というのは、先ほど私が御質問申し上げました諸掛かりのうちの税分千八百円、このうちの半分、つまり石化業界がいままで負担しておったものを今度は石油業界が九百円分も含めて千八百円の税を負担する。これを国産のナフサの数量と計算してみますと、大体百三十億前後なんです。つまり、九百円の負担分については、石油及び石油代替エネルギー勘定の中での民間備蓄助成、これでもって実際分の九百円に相当する分は負担をする、そういう方途をとった、こういうふうになりますね。違いますか。
○豊島政府委員 民間備蓄の助成につきましては、先ほど申しましたように融資率も非常に下がっておる。したがいまして、負担も、当初目的としていたのに比べて著しく石油業界の負担がふえておる、あるいは会社別に制度上の技術的な問題もございまして助成の内容が非常にアンバランスになっておる、こういうことも含めまして、拡充と一律化といいますか、改善をねらってやったわけでございまして、そのため大体百三十六億でございますか、ふえておるわけでございます。 しかし、これはそういうことを目的としたものでございまして、必ずしも石油税につきまして石油化学業界が負担しているものをこれに振りかえるということを目的としたわけではございませんが、結果的にそういう増額がございましたので、石油業界としてはその税負担を転嫁しないで済む、こういう実態になることを期待しておるということで、目的はあくまでも民間備蓄助成制度の拡充改善ということが主目的でございまして、あわせてそういう効果もねらった、このように御理解いただきたいと思います。
○渡辺(三)委員 私は、ナフサに対する税負担の免除というものを否定する立場はとりません。それは、ナフサ問題だけをいまここで取り上げて議論すればいろいろな議論が出ると思いますけれども、結論的に言えば、私もいまの産業界の状況をいろいろ見てみますと、ナフサに対する税の免除措置というものはやはり必要なのじゃないか、そういうふうに思っております。 しかし、いまの議論を通じてやや明らかになりましたように、これは決してそれを目的としたものではないというふうに長官、おっしゃる。そのとおりでしょう。そう言わざるを得ないでしょう。しかし、実際問題としては、いままで石化業界が輸入権の問題とも絡んで負担しておったものを、話し合いの結果であろうと何であろうと、とにかく石油業界がその分はかぶるといいますか、表現は悪いのですけれども、それを持つようになる。そうしますと、その分についてはどこかで補てんをしなければどうにもならないというふうなかっこうになってくる。その結果、先ほど私が申し上げましたように、石油特会の中の石油及び石油代替エネルギー勘定の中で、結果的には民間備蓄の助成を強化するというふうな形の金額で賄われるだろう。これは否定できないと思うんですね。全くそうじゃないというふうにおっしゃるならば、それでも結構ですよ。私はそうじゃないと思う。実際はそうなっていくのだと思う。 そうなれば、これに類する問題については、実は電源開発にかかわる問題の際に、同僚の後藤委員から、いわゆる法律に基づかないで一種の措置としてこの交付金が出されておる、この問題については非常に問題があるのじゃないかという指摘を、たしか五十六年三月のこの委員会でやっております。エネ庁長官との間でずいぶんやりとりをやったのですけれども、私どもそれを聞いておりましても、どうもすっきりと納得できないまま、この議論は保留になって今日に来ておる。これと同じような状況が、今度の民間備蓄の助成という形で行われるのじゃないか。 そうしますと、私が当初お聞きをしましたこの石油税の目的及び使途、これを厳格に解釈する場合に、どうもいまのようなやり方というものは非常にわかりにくい。もっと突っ込んで言えば、これは堂々と内容を明らかにして、国会審議にかけて、そして必要なものについてはそういう助成をする、こういう立場をとればよろしいのですけれども、これだけでは私は全然わからないと思うのです。ただ、石油業界と石化業界との話し合いの中で、国産ナフサに対する税金というものが非常にきつい、だからこれを何とかしなければならぬ。逆に言えば、石化業界の中では、輸入権はわれわれに与えてもいいのじゃないかという要求もある。これも一理ある。だから、苦肉の策としてこういうやり方で助成をして、つじつまを合わせなければならないという結果になるのじゃないか、こういうふうに見たくなるわけであります。こういうやり方というのは一体正常なものなんでしょうか。どうでしょうか。
○豊島政府委員 先生おっしゃいますように、いろいろな考え方がある。恐らく先生のおっしゃる趣旨は、むしろ石油税そのものを免除するようなことを考えた方がいいんじゃないか、こういう御議論もあろうかと思いますが、石油税につきましては、特定用途のものだけを外すということには、非常に制度的なもの、設立の趣旨からいっても相当問題がございますし、あるいは技術的にいいましても、いろいろな油種を使ってやっているものの中から石油税だけを外してやるという、もちろんこれも技術的な問題につきましては全く解決がないかどうかということは議論の対象でございましょうが、そういうこともございまして、われわれとしては、石油業界の体質強化という中でこの問題がうまく解決されるということを、この時点ではやむを得ないといいますか、とるべき方法としてはこれしかなかった、このように御理解いただきたいと思います。
○渡辺(三)委員 非常な便法だというふうに私は思うのですよ。そういう、これだけを税の対象から抜き出して、そして免税措置をとるというのはなかなかいまの法体系の中ではむずかしい、そういう事情はある程度理解します。しますけれども、しかし、こういうやり方が一般化していくと、ナフサの問題だけじゃなくて、他の問題でも同じような状況がだんだんとなし崩しに行われていくんじゃないか。原子力発電あるいは電源開発、この場合の内容と全く同じだというふうに私は申しませんけれども、しかし、似たようなやり方が行われていくということになれば、石油税の目的や使途からいっても、あるいはこういう特別会計、そして石油代替エネルギー勘定を立てて、そしてその中で厳密に会計処理をやっていく、こういうふうな趣旨から言えば、やはり一種の、非常に苦労はされたかもしれませんけれども、安易な便法だというふうに私は思わざるを得ない。もっと基本的にこの問題については検討をされて、そして正当なしかるべき措置をとられた方がよろしいんではないか、こういうふうに考えるわけでありまして、再度この問題について長官の御意見を承りたいと思いますし、それから大臣も、非常に質問をはしょっておりますので、あるいはおわかりにくい点があるかもしれませんけれども、考え方をあわせてお聞きをしておきたいと思います。
○豊島政府委員 先生御指摘の点、われわれも考え方としては、先生おっしゃるような点も大いにあろうかと思います。ただ、そういうこともございまして、省議決定の中でもナフサの特有な状況ということで、他の油種とは異なるということで例外的ということをはっきりうたっておりますし、特にこの問題について次官談話を出しましたのも、そういう特例であるという認識を非常に強く持ったからでございますが、いろいろ先生のお考えも参考にしてわれわれ、考えていきたいと思っております。
○山中国務大臣 わかりにくいだろうとわざわざ御親切におっしゃったのですが、実はきわめてはっきりわかっているのです。 ということは、いまの通産省の諸君を私は責めているわけではありません。輸入は自由にできるようになっているのです。そして、それを石油業界のみにいままで認めてきたものを、石化業界がナフサを自分たちで直接入れたい、何となれば関税が非課税だから。持ってこられたときに裁きようがないですよ、法律上は。ですから、法律の矛盾は目をつぶって、そして業界の中で双方を納得させるための、説明をしている方がめんどうくさくなるようなことをやって、結果的に石化業界のナフサ直接輸入というものを退けて、石油業界に、あなたたちだけにその権利は依然として残しておきますからしんぼうしなさいよと言ったのが九百円ずつのところの話なわけなんですよ。 ですから、石油の輸入は日本はどうあるべきか、そろそろ考え直さないと、たとえば製品の方は関税を高くしていますから、しかし外国ではどんどん付加価値のついた製品を販売しようとしておるし、日本もシンガポール石化とかIJPCとか、いろいろとそっちの方に入りつつある。ならば、これから日本の石油及び石油製品の輸入に対する対処の仕方はいままでどおりでやっていけるのかいけないのか、新しい方向はどうなのか、そしてその次に来るものはきちんと今度は許可制に係る設備、それはいまや過剰である。しかし、それは自発的におやりなさいと言っているけれども、百万トンと言ったって七十万トンしか持ってこぬ。許可制でやっていて、それを今度は廃棄させるときには、反面の方の、これだけ余ってきたからという審議会の構想なり法律のたてまえになっていない。ここは許可ですね。そうして今度はその次の元売十三社を経て卸というものがある。これは全国に大変な数がありまして、全油種をみんな取り扱えるように申請しておりますが、いまどこにおって、何の油をどれだけ使っているかを通産局の段階で調べてもよくわからない人が四〇%いる。所在不明ですね。そうして最後の段階のスタンド、ここも届け出るだけですから、これを却下したって訴の提起をされたら一日で通産省が敗北ですね。それがどんどん建っている。そして安売り合戦をやってともにあえいでいる。だれもそれをとめられない。こういう状態が入りから出の最後に至るまで、法体系をいまや見直さなければならぬところに来ているわけなんです。その矛盾の一環を苦し紛れに去年、ことしとこうやっているわけであって、本来あるべき姿でないという先生の御指摘は正しい指摘であります。 今国会には間に合いませんでしたが、私は、石油に関する日本の輸入から消費に至る法体系の権限問題、許可なのか認可なのか届け出でいいのか、そういう問題を、流れを、河川改修をやりたい。もう合わなくなっている。あるところはあふれ、あるところは干からびている、そういう感じがしておりますから、よくわかっております。
○渡辺(三)委員 十分に大臣は問題の焦点の認識をなさっておって、いまのお話では、これは根本的にやはり検討すべき時期に来ておる、こういう御認識だと思いますから、この問題は以上で切り上げます。 時間が非常に少なくなっておりますので、最後に、いわゆる企業城下町、この法案の関係について一、二御質問を申し上げたいと思います。 それから、経済企画庁の方は審議官がせっかくお見えになったようでありますけれども、先ほどの質問の関係でまたこれを同じように繰り返しますと、これだけで時間がとられてしまいますので、大変申しわけございませんが、後で時間が一、二分残ればお聞きをすることにして、企業城下町の方の質問を一、二させていただきたいと思います。 実は、最初自治省の方にちょっとお聞きをしたいと思いますが、これまで自治省が行ってこられました特定不況地域振興総合対策、これは五十三年におやりになって、さらに五十六年には地域経済振興対策、これを目下進めておられると思いますけれども、この状況を簡潔にひとつお聞かせいただきたいと思います。
○金子説明員 ただいま御質問ございました特定不況地域総合対策でございますが、これは昭和五十三年度から五十五年度まで、構造不況あるいは円高不況などによりまして地域経済が著しく停滞しております地域を対象といたします緊急対策として実施いたしたところでございます。 対象市町村は、造船、鉄鋼、繊維など特定不況業種や北洋漁業水産加工業に依存いたします地域を中心といたしまして、全国百三地域百八十一市町村となっております。 これらの地域におきましては、需要喚起のための公共事業などの活用や地元中小企業などの経営安定のための緊急融資、販路開拓などの地域経済構造改善対策などの各般の施策を展開してまいったところでございます。これらの事業に対しまして、自治省といたしましては、地方債の弾力的な運用を図りますとともに、特別の財政需要に対しまして特別交付税による措置を行っておるところでございます。 また、五十六年度から実施いたしております地域経済振興対策は、いま申しました特定不況地域の総合対策の経緯を踏まえまして、中長期的な視点に立ちました地域経済振興を図りますために、その地域が長期的に停滞し、あるいは停滞するおそれのある地域を対象といたしまして、現在その施策を進めておるところでございます。 その対象地域といたしましては、旧特定不況地域の一部を含めました全国百七十九地域二百二十九市町村となっておりまして、これらの地域におきましては、産業構造の転換対策、地場産業振興対策、地元商店街振興対策、観光レクリエーション開発等の幅広い総合的対策が積極的に実施されているところでございます。これらの事業に対しましても、市町村の単独事業を中心といたしまして地方債の弾力的運用を図ることといたしておりますし、また特別交付税による措置を講じておるところでございます。
○渡辺(三)委員 そこで、これは中小企業庁の長官からお答え願った方がいいと思うのですが、いま自治省の方でやられておる総合対策、これといわゆる企業城下町法、これとの関連といいますか、あるいは自治省と中小企業庁との協議といいますか、そういう点はどのように行われておりますか。行われていないとすればそれはそれで結構ですが、これも時間の関係で簡潔にお答えいただきたい。
○神谷政府委員 御承知のように、企業城下町法は特定地域の中小企業の経営の安定を図る、さらに今回振興事業を入れていただきまして、中小企業が新分野を開拓してみずから立ち上がってもらう、こういう趣旨の法律でございます。しかし、中小企業の自己努力だけではあのように落ち込んだ地域がなかなか振興されませんので、やはり種種の施策、これが総合的、有機的に絡み合いながら落ち込んだ地域を復活させていく、こういうことが基本的には大きな目的になると思います。 そういう観点から申し上げますと、自治省で講じていただいておるこれは、地方自治体が行うその地域を振興していこうという事業でございます。私どもの中小企業の自己努力と相互補完的なものになっておる、このように考えております。 また、現実的には、私どもの城下町法で指定されました地域の市町村が振興事業を行いたい、こういう希望を持ち、具体的な計画を持っておる場合には、自治省の方は優先的に指定していただく、このように両省の間では話し合いがなっております。
○渡辺(三)委員 いま長官からお話があったそういう関係だ、また、そういうふうに現実には必要ある場合には連絡しながら協力し合っている、このように自治省の方も御確認いただいてよろしいですか。
○金子説明員 ただいま中小企業庁長官から御答弁ございましたように、自治省の行っております地域経済対策は、主として市町村が行います地域経済振興対策につきましての助成措置でございまして、中小企業庁の行っております中小企業対策と相互補完的に実施いたしているところでございます。
○渡辺(三)委員 最後に、簡潔に二点だけお伺いします。 現行の城下町法の中での経営安定対策、この安定資金の問題について、これまで五十三年と五十四年、それから五十七年にいろいろ指定が行われておるわけでありますけれども、これは五十五年、すでに三年前であります。五十五年三月三十一日までこれが適用されて運用されておるけれども、その後は事実上機能しておらない、こういうふうに承知しておるのですが、これはどういう理由に基づいてこうなっているのか。 それから、五十七年に指定された地域についてはしからばどうなるのか、こういう点を中小企業庁からお伺いをしたいと思います。
○本郷政府委員 ただいまお尋ねの件について、簡単にお答え申し上げます。 昨年秋に指定されました十五地域十六市町村につきましては、この緊急融資を適用しております。 その御疑問の点は、五十五年三月末で切れたではないかという点は、これは第一次の指定された地域、つまり五十三年十一月、それから五十四年四月に追加指定されました合計三十二地域三十五市町村につきましての措置でございまして、五十三年以降ずっと指定してまいりましてその効果を見ておりましたところ、五十四年下期に入りまして特定不況業種の回復、それに伴う特定事業所の回復、さらには、その関連しております周りの中小企業の景況の回復というものが見られまして、この緊急融資制度の利用状況というものも著しく減少いたしましたので、五十五年三月末をもって、第一次については一応そこで打ち切ったわけですが、昨年秋追加指定しましたところについては、この制度を適用して現在支援しているわけでございます。
○渡辺(三)委員 わかりました。それでは、五十七年の一番最後に指定された点については適用されておる、こういうことでよろしいですね。 時間が参りましたけれども、あと一点だけお聞きをします。これは同僚議員の了解を得て行うわけであります。 課税の特例、還付の特例、これについては、今度の改正法案では削除をされております。この理由、これをひとつわかりやすく、簡潔に述べていただきたい。 それから、大蔵省もおいでいただいておりますし自治省もおいでいただいておるのですが、特に中小企業庁、それから大蔵、自治省から、それぞれこの問題について明確な考え方をお聞かせ願って、私の質問を終わりたいと思います。
○神谷政府委員 御指摘のように、還付の特例、この法律ができましたときに設けられまして、通常でございますと、所得税、法人税は、向こう一年間の税金を欠損が出た場合返してもらえる、これを向こう三年間に延長したわけでございますけれども、この特例措置は当初から五十三年、五十四年の二年間に限って適用され、その後適用されないまま、私どもの法律には規定は残っておりましたが、租特では失効して今日に至っておるわけでございます。 今回の法律改正に当たりまして、この点につきましても検討し議論もいたしましたが、法律の基本的性格が延長法であるということもございますし、第一次の後第二次オイルショックが来たことは事実でございますけれども、何と申しましても、このショックの大きさ、あるいは受けたインパクトの急激度といったものが、当初が非常に大きなものでございましたので、これは当初の特例措置として考え、改正法におきましては新たに、むしろ関連中小企業の振風を図るために行ういろいろな事業についての税制上の特例を認めよう、こういうことで、こちらの方を今度の法律に盛り込ませていただいた、こういう趣旨でございます。
○滝島説明員 お答えいたします。 ただいま中小企業庁長官からきわめて明快な御説明がありましたが、私どもの認識も全く同じでございます。
○丸山説明員 お答えいたします。 ただいま通産省、大蔵省から申し上げましたのと同様の理由で所掌いたしております。
○登坂委員長 次に、清水勇君。
○清水委員 通産省は、これまで現行特安法を通じて過剰設備の処理をずっとやってきたわけですけれども、確かに第二次オイルショックの影響等もあったことは否定できませんが、率直に言って、現状は五年前の時点よりもむしろ深刻化をしている業種が少なくないのじゃないか、こう思います。率直に言うと、特安法がどれだけの効果を発揮し得たのか、こういう批判的な見方がかなり出ているのではないか。事実、公取の諮問機関でありますか、経済調査研究会なども、特安法の意図した成果が上がらず、構造不況業種対策として必ずしも有効な手段ではなかった、こういう見解を示しております。 そこで、新特安法の成立を図るに当たって、通産当局としては、これまでの現行法についてどう総括をし、あるいは評価をなすっておられるのか、前提の問題として承りたいと思います。
○小長政府委員 お答え申し上げます。 特安法指定業種につきましては、過去五年間に各業種とも計画的な設備の処理が実施をされたわけでございまして、当初目標といたしました処理目標はほぼ達成をされたのではないかということでございます。 具体的に申しますと、目標といたしました処理率は平均二三%であったわけでございますが、その平均達成率は九五%ということであるわけでございます。先生御指摘のように、総じて第二次石油危機によりまして特安法の成果というのが一定程度弱められたというのは事実であると私どもも思っております。ただ、逆に、この法律があったために第二次石油危機による影響がその分だけ緩和をされたといった面も否定できないのではないかと思うわけでございまして、全体の期間を通観してみますと、過剰設備の処理が進展をいたしまして需給の改善が図られた業種も見られるわけでございまして、結論的に言いますと、それなりの効果があったのではないかというふうに判断をしておるわけでございます。 ただ、第二次石油危機に伴いまして、構造的問題を抱えておる基礎素材産業につきましては、特安法の延長、拡充によって構造改善に取り組んでいくわけでございますけれども、過去の反省といいますか、過去の経験を踏まえまして、設備処理といういわゆる撤退の措置だけではなくて、設備投資の活性化とかあるいは事業提携であるとかあるいは技術開発といったような活性化措置をあわせ考えることによりまして構造改善を進めまして、業種の合理化を図ってまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
○清水委員 今度新法で七業種の特定業種として指定をしよう、こういう考え方を持っておられるわけでありますが、この七業種はいずれも原燃料コストが高騰をして、これが大きなネックになつておる。今度の新法を通じてそうした状況を克服するために省原料、省エネルギー、こうした技術を積極的に開発する等の努力をしよう、このことはよく理解できるわけですけれども、政策的にこれを重視したからといって、必ずしも一朝一夕にその成果があらわれるということはなかなか期待できないのじゃないか、こう思わざるを得ません。 そこで問題は、新特安法で素材産業を再活性化させる、こういうねらいを持っているわけですけれども、いまの原燃料の問題一つをとってみても、なかなか事態は容易じゃないのじゃないか。再活性化をめぐって非常に困難が伴うのじゃないか。言われるほど新法で再活性化を期待し得るというふうには、私にはどうしても思えない。一定の疑問を抱かざるを得ない。この辺はどう思っていますか。
○小長政府委員 先生御指摘のように、技術開発には時間を要する問題があるわけでありますし、しかも、何よりも企業みずからの自助努力というのが前提になければ、技術開発も円滑に進まないという問題はあるわけでございます。ただ、政府としても、その民間の自助努力に基づきます技術開発を積極的にバックアップするという姿勢は必要なわけでございまして、新特安法の考え方にございます技術開発に重点を置いているというのも、その辺の考え方に出ているわけでございます。 ちょっと具体的に触れさせていただきますと、私どもとしていま考えておりますのは、共通基盤型石油代替エネルギー技術開発費補助金やあるいは産業活性化技術研究開発費補助金というものを活用いたしまして、民間の新技術開発へ向けての自助努力を補完してまいりたいと思っているわけでございます。 具体的には溶鉱炉法の新製錬技術開発、これはアルミの関係でございます。それからフェロアロイの関係では溶融還元法の製錬技術、それからパルプの関係では新蒸解法パルプ製造技術、もう一つ合繊の分野では高効率合繊製造プロセス技術といったような技術を考えておるわけでございまして、その技術開発を積極的に推進をしてまいりたいと思っておるわけでございます。
○清水委員 そうしたことを通して、たとえば減燃料、減エネルギー技術の開発を促進する、これはこれでやってもらわなければならぬと思いますけれども、同時にこの七業種というのは、単にエネルギー問題だけじゃなくて、たとえば景気の低迷により需要が著しく落ち込んでいる、そして過当競争が激化を続けている、一面では輸入が増大をし輸出が減少する、こういうことなどを通しながら、構造的な需給ギャップというものはむしろ拡大の傾向にありはしないか、そこから過剰設備という困難に直面をしておる、こう見られるわけですね。 そこで、そういう状況のもとで構造改善を効果的に推進をしよう、こういうわけでありますが、問題は、よって立つ当該産業構造の将来展望がどう明らかに示されるか、こういうものがなければ、たとえば構造改善基本計画、あるいはこれを進めるに当たって特に目標年度を定めて、目標年度における改善の目標、こういうものも必ずしも的確に把握できないのじゃないかというようなことを懸念せざるを得ないのですね。ですから、その辺のところをいまどういうふうに押さえておられるのか、この点を少し具体的に聞かしていただきたい。
○小長政府委員 新法において、法定七業種でございますが、それぞれ構造改善基本計画を定めるわけでございます。構造改善基本計画のベースといたしましては、基本的には、産業構造審議会において策定をされます産業構造全体に関する長期ビジョン、たとえば最近では「八〇年代通商産業政策ビジョン」というのがあるわけでございますし、産業構造ビジョンにつきましてはときどきローリング計画というのも策定をしておるわけでございますが、そういうもの等も踏まえまして具体的に策定をしてまいりたいというふうに思っておるわけでございます。 また、具体的にその構造改善計画の立案、策定に当たりましては、当該産業界とか労働界だけではなくて、学識経験者であるとかあるいは消費者であるとかあるいはジャーナリズムの代表であるとかといったような各界の代表から成る審議会の場で、当該産業の生産、販売の動向であるとか、あるいは国民経済全体の中における位置づけといったような問題、さらには期待される構造改善の効果、これは先ほど先生のお触れになりました目標年度における構造改善の目標というようなことにもつながってくるわけでございますが、そういう問題を慎重に検討いたしまして、十分なコンセンサスのもとに作成をしてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
○清水委員 これまでにも、いま局長が言うような立場で、あらゆる英知を集めて審議会等の場を通じて長期ビジョン等について努力をしている、これは理解をしております。 だがしかし、需給見通しというものを一つとってみただけでも、先ほどのエネルギー問題じゃありませんが、大臣が触れられたように、見通しの修正をせざるを得ない、変更をせざるを得ない、こういう状況がこれまでの経過の中にはしばしば出ているわけですね。八〇年代を展望する場合でも、そういうことは必然的に出てこざるを得ないという一つの悩みというか、問題点だと私は思うのです。 たとえば、需給ギャップがある、そこで、需給のバランスをとるために過剰設備を処理する、しかし一面では、どんどんと輸入が増大をし続ける、こういうことになりますと、国内的に需給バランスを展望して一定の目標を立てて、それに向かって構造改善計画を進めていっても、そうした外的要因を通してまた需給のギャップが生まれてくる、こういうことというのは、これから先もあり得ると思うのですね。 そこで私は、単にデスクの上でさまざまな事態を想定して構想を立てるだけではなかなかうまくいかないのではないか、だから、いま私が指摘をしたようなことにも触れて、あらかじめどうするのかというような構想がなければうまくいかないだろうと思うのですね。この辺は少し政治的判断も必要なので、私は大臣の所見を承りたいと思うのです。
○山中国務大臣 私どもは、国民に、そして国民経済、各種の関連業界に、なるべく長期的な指針、見通しを示す責任があります。しかし一方、民間産業は、それはそれとして横目ににらみながら、自分たちの産業の置かれた実態と、自分たちがこの法律に関係なくやっていく営業活動、そういうものの将来への展望、あるいは外国の景気、円レート、そういうようなものを考えながら、設備投資計画一つやるにしても、重役会議を招集して、いまタイムリーであるか、そこまでやっていいかどうか、世界の中で自分たちがどういう位置にいるか等を必死に検討した結果、設備投資をしたりあるいは技術革新の道へ研究開発費を投じたり、それぞれやっていると思いますので、これは両者相まって、今回の法律では、ことに民間が出してくるであろう計画、その計画には、見通しその他もちゃんと企業自身が持ってくるものもあります。持ってこなければなりませんし、それを踏まえて政府の方がむしろ、指針は示しながらも、実際の計画には、企業の生きた、切れば血の出る人たちの血が出ないようにする計画、生きていく計画を尊重しつつ、最終的に行政法の番人とも言うべき独禁法というものと相談をして進めていく、その点は十分念頭に置いていきたいと思います。
○清水委員 基本的には、いま大臣もちょっと触れておられるが、各産業、各企業、これらの自助努力をどう喚起をするかが非常に重要だと思いますね。そして、行政的になすべき援助は行う、こういう形でなければならないと思いますね。いやしくも、通産行政に依存をする、こういうような風潮が起こってはならない。 しかし、現実には、いま私が触れたような、主として海外からの輸入というような形を通して需給バランスが崩れていく、こういう問題については、個別企業の努力だけでは必ずしも十分な成果を発揮し得ない。確かにガット等の一定の制約もありますけれども、ぎりぎりの段階を迎えて、自国の産業を保護するために一定の政策が採用されるということまでガットは制限をしているというふうには私は必ずしも思っておりません。ですから、そういったような国際関係も無論見なければなりませんし、一面では、OECDのPAPに示される積極的な産業調整の意義というようなこともあるわけでありますから、そういうことになると、これは勢い国が行政手段として、ある程度自助努力をカバーするという意味で、バックグラウンドをつくってやるというようなことが両々相まつべきことなのではないか、こう思うわけです。 そこで、たまたま輸入がらみのことで、たとえばこれをある程度政府が抑制をするというような話になると、すでにUSTR等の見解などもあるわけですから、とかくこれが一つの国際摩擦の種になるというようなこともなしとはしません。その辺のところはどんなふうに考えておられるか。
○小長政府委員 この法律立案の前提といたしまして、開放経済体制の堅持ということは一つの原則として定めておるわけでございます。これは先生に申し上げるまでもなく、貿易立国でございます日本が、自由貿易を国是としていくわけでございますから、現在の世界的な景気低迷の中で出てまいっております保護貿易主義の台頭を抑止していくためにも、日本はみずから開放経済体制堅持ということを高らかに唱え、またその維持に向かってより努力をしていく必要があるということは申すまでもないわけでございます。 また一方、自助努力を行っております企業にとりましても、反面輸入制限をやるというようなことになりますと、まさに甘えの構造を許すことにもつなかるおそれもあるわけでございまして、それがかえって消費者利益を侵害するというようなことにもなるわけでございますので、私どもは開放経済体制を前提といたしまして、つまり冷たい風を企業に当てながら、当てる中で産業調整を具体的に進めていくという対応を進めてまいりたいと思っているわけでございます。 ただ、先生御指摘のように、具体的に不当廉売輸出等による不公正貿易によって輸入が増大をするというような場合につきましては、それによりまして国内産業に実質的な損害等を与えているような場合について、ガットルールにのっとった対応策を講ずる必要があるのは当然でございまして、その発動に当たっては、ガットの諸規定及び関係国内手続にのっとりまして厳正な対応をしていきたいというふうに思っているわけでございます。
○清水委員 ちょっとここで個別のことを聞いておきたいのですけれども、七業種の一つに紙パがあるわけですね。紙パの場合には基本的には構造不況業種、こういうふうに見ていいと思いますが、しかし一面では、循環不況的側面も持っているのではないか、私はそういうふうに見ているのですけれども、その辺どういうふうに所見をされておりますか。
○黒田政府委員 お答えいたします。 御指摘のように、現在紙パルプ産業が非常に経済的に困難な状況にある原因といたしまして、構造的な問題がその根底にございますが、特に五十六年中に増加いたしました相当な在庫圧力というようなものがそれを倍加しているということを考えますと、先生御指摘のように、その中には循環的な要素も含まれているということは確かだと思います。
○清水委員 そこで、たとえば紙パにおける構造改善基本計画等を進める過程、とりわけ設備処理といったものを指示カルテル等を通じて進めていく場合に、一面では、いま言われるとおり循環不況的な見方も成り立つわけですから、景気回復動向というものもきちっとにらんでこれが計画をされる必要があるのではないか。そういう意味からいけば、設備の処理量というものは最小限に抑える、こういうことが基本的に配慮をされるべきなのではないのか。その場合に、たとえば一定の廃棄量を定める。中小企業も含まれる。中小企業等の場合には、二セットとか三セットとかという設備しか持たないというところがありますね。そこで、一〇%だとか一五%だとかというような廃棄率が示される場合に、それが中小の場合には一セット処理しなきゃならぬというようなことになる可能性もあるわけですね。だから、ある場合には、一〇%という廃棄率が示されても、これは強引に推進をされると三〇%なり五〇%なりの廃棄をせざるを得ないというような状況になって、操業メリットというものがなくなっちゃうわけですね。操業していくメリットがない。だから、たとえばこれまでの特安法での処理を見ても、段ボール原紙等の場合には、中小で多分七社くらいが廃業に追い込まれてしまったというようなケースもあるわけです。ですから、そういうことを考えると、僕は、やはり個別具体的な業種ごとの対応というものを誤ってはならない、こういうふうに見ているわけですが、いかがですか。
○黒田政府委員 御指摘がございますように、一方で過剰設備の処理の必要ということと、それから将来の需給を展望いたしましたときの適正な能力の維持という、双方の要素をどうかみ合わすかという点は大変むずかしい点でございまして、いま紙パルプ業界に関連して申しますと、いろいろな関係の方々から集まっていただきまして今後の需給見通しを策定すると同時に、御指摘のように景気循環的な要素も頭に入れながら、適正な稼働率というものはどのくらいであろうかというところを検討しているわけでございます。 先生御指摘のように、特に中小規模の企業の場合に、たとえば一律の設備処理率というようなものを適用いたしますと、まさにそれはもうやっていけないじゃないかというような限界的な状況があらわれることは、十分考えられるわけでございます。 これを具体的にどう処理していくかという点については今後の検討課題でございますが、たとえば、一律の義務を受けながらも、その間の調整を金銭の授受という形でより合理的に行っていくというやり方もあると思いますし、また、何らかのグループを結成できるような場合には特定のものに特化していくというような形、相互にその削減を融通し合いながら最も効率的な形でこれを実施するということも考えられるわけでございまして、今後とも業界全体の国際競争力を高めていくために最も適当な方法という点につきまして、関係者の方々の御意見等も十分伺いながら、また審議会にもお諮りをして、適切なる方法というものを見出していきたいと考えております。
○清水委員 そこで、重ねて紙パがらみでちょっとお尋ねをしておきたいのですけれども、一般的に通産省が構造改善事業等を指導される場合、かつて六十年度をめどに、たとえば労働時間等の問題について言えば、年間総労働時間は二千時間、あるいは週休二日、こういうものも一つの目標として示しながら、一面ではできるだけ労働条件の改善等も図るようにというような指導をされていたことがあると思います。たとえば現実に紙パ産業等の場合を見てみますと、相変わらず年間総労働時間は二千二百時間前後になっている。そういう場合に、たとえば稼働率をどうするかということを考える場合に、単に物的なことだけを念頭に置くのではなしに、一面では、たとえば年間総労働時間を短縮するとかもしくは休日日数をふやすとか、こういう角度である程度過剰設備というものがカバーされる、こういうものも構改計画の中にある程度織り込まれるように配慮をさせてしかるべきなんじゃないのか、私はそう思うのですけれども、この辺はどうでしょう。
○黒田政府委員 確かに通商産業省の一つの政策の考え方として、将来にわたって労働時間の短縮というものがあるだろうということを考えているのは事実でございます。ただ、これを具体的な産業、企業に当てはめるプロセスというのはなかなか慎重を要するかと思うわけでございまして、しかもまた、個々の労働事情というものに国がどこまで直接的に入り込むかということともかかわりがあるようにも思われるわけでございますので、一律に何かを決めるということは必ずしも容易なこととは思われませんが、今後いろいろな計画を作成する際には当然労働組合の意見等も伺いながら策定していくわけでございますから、産業の実態に即した雇用の安定を図るための一番適当な措置というものを何か考え出していく必要はあると考えております。
○清水委員 この辺は十分配慮をして指導に当たられるように強く希望を申し上げておきます。 次に、最近原油価格が値下がりになっている。いずれにしてもバレル当たり二十ドル台という状況になって、これが素材産業等における原燃料コストを引き下げる大きな要素になることは歓迎できることでありますが、しかし、そのことが必ずしも直ちに国際競争力の面でプラスになるというふうには見られないのじゃないか。素材産業が陥っている困難の中には、国際競争力の低下という部分が非常に大きい。しかし、その部分は、原油価格が下がってもそれほど大きなメリットとしてあらわれてこないのじゃないか。油のごときは九十何%海外に依存をしているお国柄ですから、他の消費諸国と比べればそのウエートが大きいだけプラス面も大きいとは思いますが、必ずしもそう楽観のできる問題ではない。そこで、その辺のところを通産としてはどんなふうに見ているのでしょう。
○小長政府委員 今回の原油値下げ五ドルでございますが、それが基礎素材産業にどういう影響を及ぼしているかということでございますけれども、これは石油製品価格の動向であるとか、あるいは基礎素材産業それぞれの企業ごとの生産形態であるとか、あるいは取引の状況等不確定要因が多いわけでございますから、的確にその影響を判断できるということにはまだなっていないわけでございます。ただ、先生御指摘のように、原油の引き下げの影響というのは海外の供給者もそのメリットを享受できるわけでございますから、現在の内外の価格差というのを前提といたしますと、御指摘のとおり国際競争力の面で大きな変化があるということはとても考えられないわけでございます。 したがいまして、私どもといたしましては、御審議いただいております基礎素材産業につきましてこの法律によって具体的な構造改善を積極的に進めていく必要があるのではないか、その必要性は従前と全く変わらないというふうに思っておるわけでございます。
○清水委員 公取の委員長お見えでありますから、ここで二、三所見を承りたいというふうに思います。 実は公取は、新特安法を通産が作成をする過程で、現行法の指示カルテル制度の存続というものに対してはかなり批判的ではなかったかと私は伺っております。仮に設備の共同処理が必要ならば、その場合は現行独禁法の不況カルテルの規定のもとで行えるし、行えばいいじゃないか、こういう見解を持っておられたと思いますが、最終的にこの制度を延長させるということに同意をしたといいましょうか、理解を示したということは何か事情があったのでしょうか。
○高橋(元)政府委員 五十三年の現行の特安法を制定いたしますときに、国会の御審議でも前の委員長からお答えをいたしましたように、私どもは、指示カルテルという制度を用いなくても、不況要件が整えば設備の処理はいわゆる不況カルテルの中でできるという見解をいまでも持っております。当時から申し上げているとおりでございます。 そこで、現行特安法が本年の六月をもって期限切れとなるについて、それの延長をどうするかという御議論を通産省と繰り返しておりましたときに、私どもといたしましては、単に設備処理ということだけであれば、それは不況要件を備えたものについては不況カルテルの運用によってやっていくことは可能ではないかという主張をいたしておりました。そのことは昨年の十一月のいわゆる経調研のリポートの中にも、そういう見解が述べられているわけでございます。 しかしながら、現実に過去四年有余にわたります現行特安法の運用の経験からいたしましても、事業者の自主的な共同行為がありませんと不況カルテルが成り立たないわけで、不況カルテルによります場合には事業者全体が自主的に過剰設備の廃棄というスキームにまとまっていく必要がある。そのためには——なかなか業界全体としての態勢がうまくまとまらないという問題があるのではなかろうかという御指摘、さらには不況要件が欠ける場合がある。設備処理でございますから数年間を要してこれをやっていくわけでございますが、その間に一時的に需給の関係、国際市況の関係等で黒字が出てまいる場合がありますと不況カルテルの継続ができないということもあるではないか。それからもう一つ言われますのは、現行特安法は、たびたび通産省からもお答えがあるようでございますが、設備の廃棄につきましてはある程度所期の目的を達した、しかしながらその後で第二次石油ショックという強烈な波が参りまして、さらにアルミ等に見られますように大きな過剰設備ができてしまった、予期せざる過剰設備がさらに積み重なったという事情もあるではないか。いろいろその辺の御意見も考えまして、五十三年の現行特安法制定当時の過剰設備の状況、それから特定産業の経営の苦境の状況、それらについては五十八年の現在においても基本的に改善されていないわけでありますから、不況カルテルで行う場合以外にもやはり設備処理を指示カルテル制度によって行う必要がある、これについては公正取引委員会に同意権というものがあって、独禁法上乱にわたらないように運用が制限できる、こういう現行法の規定を延長してもいいのではないか、こういう考え方に至った次第でございます。 したがいまして、繰り返しになりますけれども、第二次石油ショック以後の過剰設備のさらに大きなデッドストックができた、その辺の状況を考えまして、御提案申し上げているような法律の構成になったわけでございます。
○清水委員 その点はわかりました。 そこで、もう一つ承っておきたいことは、新特安法の目玉は、私なりに見ると、事業集約化に当たって主務大臣が事業提携計画を承認するという制度を導入したことだと思うのです。この点で、いわゆるスキームをめぐって、名を捨てて実を取ったのだと巷間通産省をして言わしめておられるようなのでありますが、この辺について公取はどういうふうに認識をされておられますか。
○高橋(元)政府委員 通商産業省と私ども公正取引委員会とがとかく対立をしておって、相互に勝った負けたというような考え方で事柄の判断をしておるというふうに世の中で考えられておるとしますと、それは全く当を得ていない考え方だと思います。 私どもは、産業政策と競争政策との調整をいかにして円滑にやって、それによって現在の経済的な苦境からの脱出を図るかということが大事なことというふうに考えております。そういう意味で、名を捨てて実を取ったとか名を取って実を捨てたということではないというふうに私は思っておりますし、新法の構成で申しましても、事業の集約化につきましてはいろいろな意見の調整の規定、意見調整のスキームを十二条の四項から九項にわたって設けてはおりますけれども、要約すれば、独禁法の適用除外の制度を設けることなくその枠内で事業の集約化を進めるということでございます。したがって、法律的にも実態的にも、独禁法が緩和されるという性格のものではないというふうに考えております。 独禁法が弱められたり支障が生じることのないように、これからも法案の成立、施行という段階が至りましたら、私どもとしてもさらに一層適確な運用に努めて、そういう支障がないように配意をいたしたいというふうに考えておる次第でございます。
○清水委員 それでは、少し具体的にお尋ねをしてまいりたいのですが、いまも公取委員長触れられたように、事前調整スキームといいましょうか、十二条の四項から九項までの規定がございます。これに触れてちょっとただしたいのですが、主務大臣が必要と認めたときには事業提携計画の申請の写しを公取の方へ送る、これに対して公取が主務大臣に意見を述べる、さらに公取の意見に対して主務大任が意見を述べる、言ってみればキャッチボールがそこで何回か行われる形になるわけですね。真っ白な球もキャッチボールの途中でだんだん色があせてくる、こういうことはあり得るだろうと思います。 それはさておいて、私がお聞きしたいことは、先ほどの質問に対する答弁で、法律が成立をした後、審査基準等公表したい、その中身はこれこれだとさっき公取委員長、言われておりましたから、そのことについては改めて触れませんけれども、問題は、たとえば公取が、この申請は独禁法に抵触をする、だからノーだ、こういう意見を出す場合はあり得ると思いますね。ところが、これに対して主務大臣の方では独自な判断をもって、そういう公取の見解に対抗できるような余地というのがこのスキームの中にあるのでしょうか。
○高橋(元)政府委員 御審議いただいております法案の十二条の第四項で、いまもお話がございましたように、事業提携計画の申請書の写しが通産省に出されると同時に、私どもの方に来るわけでございます。来た場合に、通商産業省または主務省の方で、それ以外の主務省がありました場合には主務省の方で、事業提携計画を認めたいとお考えになりますときは、認めるよ、ということと同時に、特定産業の事業者の経営の状況、その他の事業活動の状況なり事業提携に係る競争の状況なり、さらに事業提携の実施が競争に及ぼす影響について主務省からの御意見をいただくわけであります。それを踏まえて私どもの方で、全体の独禁法、競争政策の立場からいいか悪いかの意見を申し上げるわけでございますが、イエス、ノーだけではなくて、こういう条件で少しこの点を直してくださいというような御意見も含まれるかと思われますけれども、そういう御意見を述べました場合に、その意見に、たとえば消極意見に対して主務大臣が、積極的にやはりうちは認めるんだ、こういう仰せができるかできないかという規定はいまありません。ありませんけれども、先ほどお答えしましたように、事業提携が独禁法上可能であるかどうかということは公正取引委員会が認定をいたすわけでありますから、したがって、公正取引委員会の消極意見にかかわらず主務大臣が事業提携計画の承認をなさっても、それに基づく事業提携ができないわけでございますから、したがって、御質問いただきましたようなケースは起こり得ないと考えておりますし、これは昨日来の通商産業大臣または通商産業事務当局からのお答えの中でも明らかになっておると私どもは考えております。
○清水委員 公取の委員長見解としては、公取がノーと言う場合、主務大臣の方ではゴーサインを出すというようなことはあり得ない、そんな場面は起こり得ない、こういうように明快に言われたわけですが、これどうなんですか、通産大臣に承った方がいいと思うのだが、そういうふうに確認をしてよろしゅうございますか。
○山中国務大臣 まず、私どもが公取の方に持っていきます内容について、通産省は産業政策の立場からと、協議する相手の独占禁止法というものの立場からと、総合判断をしなければならないと思うのです。 たとえば化学繊維製造業については、巷間いろいろ新聞に出ておりますから例をとって申し上げても構わないと思いますが、当初、三グループになるだろうというような報道がなされておりました。しかし、いち早くある特定グループが先行して企業間の合意を得たという報告を受けました。しかしながら、私の判断では、二五%の問題もさることながら、一方においてはその企業の寡占、独占、七〇%以上、七五%以上という二種類ありますが、こういう問題等も念頭に置くときに、これは少し問題がある。公取に相談に行きたいと言われたのですが、行かない方がいいと私、言ったのです。しかし行かれて、結局はやはり行かなかった方がよかったわけですね。それで、まず最初に一番大きなグループが、五〇%近いシェアのものが出発しようと合意ができたときに、第二、第三と見られていた、はっきり言いまして三井系と三菱系ですが、これが意外な展開を示し始めまして、それだけの巨大な一つのグループにはわれわれ別々では対抗できない、したがって、残りの二社一緒にしようという意見が出てまいりました。これは明らかに業界を二分する超ガリバーと申しますか、そういう寡占になる。したがってそれは絶対に認めない。したがって、もとに戻って最初のトップグループというものを含めて、これができれば四社体制というようなものでないと、現在の独占禁止法の中の規定に法律並びに規則の部分で抵触する、真正面から抵触するということで、業界の方にも再度私の指示の方を受け取っていただきまして、現在それぞれ四グループぐらいに大体修理固成といいますか、やや固まってきつつある、大変好ましいことだと思うのです。そうなりますと、ほぼ私が認定する場合の独禁法を踏まえた基準にそれならば御相談申し上げてもよろしい姿になるのではないかということで、そういう指導をして、現実に化学繊維業界は、不承不承かどうか知りませんが、その方向にいま進んでおります。 でありますから、通産省が一方的に主張をして、協議はしたものの、それをやってしまうということは独禁法本来の、これは普通の行政法を超えた法律でありますから、それに抵触するような内容を持っていくこと自体が第一に存在しない、そういうことでやりますので、そういう配慮を加えた上で、独禁法だけを運営している公取委員会というものが、ここのところは調整の跡は見えるが、もう一ひねりできないかというような御意見等があり得ると思うのですね。そのときには素直にそれを受けとめて、独禁法の命ずる方向に沿うような分野調整と申しますか、企業の合同、集約等について配慮をさらに加えていくということで、意見が食い違って通産が独走をして、そして他方の独禁法の規則に触れるようなことはやらないというつもりでおります。本来ならば、通産行政としては独禁法の適用除外ということが望ましかったのでありましょう。しかし、それを新しく合同とか合併とか提携とか共販とか、そういうものに広げるに当たって独禁法の適用除外とするには、余りにもまともに国の競争政策の基本的な法律と通産省の実務の処理との間の大きな対立点を法律で殺してしまうということは好ましくない、そう思いました。したがって、今後の通産行政というものは——公正取引委員会は企業の活力を阻止し、あるいは衰退せしめる方向へ公正取引委員会が置かれているものではない。独禁法というものは共産主義国にはないわけでありますから、したがって、自由主義経済の中のお目付であるということを考えますと、これは公取との間にトラブルのないスキームをつくったということで、高く評価していただきたいと私は自負いたしております。
○清水委員 ちょっと、いまの見解に触れてさらに質問を重ねますが、その前に委員長に申し上げたいのですけれども、先ほどからわが方の理事が与党の方へ注文をつけているようでありますが、いずれにしてもこの重要法案の審議がいま行われている。しかも与党は何とかきょうじゅうに上げてもらいたいということを切に希望されている。にもかかわらず何ですか、これは。僕は嫌みを言うことは本当に嫌いな性格だからそんなことは言いたくはないのだけれども、こんなことはけしからぬですよ。(「休憩」と呼ぶ者あり)私は引き続き続けるけれども、これは委員長の責任で、あと五分なら五分のうちに少しそろえるようにしてください。さもないと、これはいかぬですよ。
○登坂委員長 そういうふうに処置いたしております。
○清水委員 さて、そこで、いま大臣から話がございましたが、私がしつこくこの点でやりとりをしているという意味は、特に最近の動きを見ておりますと、新特安法の成立を通じてある程度独禁法に風穴があけられないか。もしそこで風穴があけられれば、その次は現行独禁法の改正を進めるといったようなことが公然と言われている。ですから、いわゆるスキームをめぐってあれこれやりとりがあるわけですけれども、そういう中で少なくとも独禁当局が、これは独禁法に触れるよという意見を出した場合に、そんなことはないと言って独走をするというようなことが通産の場面であってはならない。だから、あくまでもこの点は、たとえば八条三の規定ではございませんが、最終的に公取がノーと言った場合には計画の変更を指示する、あるいは承認を取り消す、こういうようなところへいかなければうそなわけですね。その辺のことは、公取委員長及びいまの大臣の答弁で私は理解をいたしました。ですから、万が一にも心配をされるようなことのないように、この点はひとつ公取委員長にも強く要望しておきたいと思います。 ただそこで、しばしば言われる運用の妙を発揮してうまくやっていく、こういう日本語独特の文言の中で、たとえばこれがおかしくなるというようなことがあってはなりませんから、この点もひとつ十分念頭に置いて留意をしていただきたい、こう思います。 さて次に、雇用の問題に移って若干お尋ねをしたいと思いますが、この法律案を見ると、随所に雇用にかかわる規定がございます。失業の予防であるとか雇用の安定であるとか従業員の地位を不当は害さないとかございます。だがしかし、どの条文を見ても、これはいわば訓示規定であったり努力規定の域を出ない、そういう性質のものですね。それ以上のものではない。 そこで、これまで四年半ぐらいの現行法の運用を通じてしみじみ感じていることは、さっきいみじくも産政局長が言うように、たとえば設備の処理についても目標が九五%達成できたと言っている。しかし、そのことは同時に三十八万、四十万という従業員が離職を余儀なくされ、職を奪われたという結果になっているわけですね。ですから、産業調整法という新特安法の性格からいって、雇用というものがどうしても副次的にしか取り扱われないという傾向があるものですから、私はやかましく言わざるを得ないわけなのです。 とりわけ、昨今の深刻な雇用事情というものを考えた場合に、企業の側はこれ以上の失業は出さないような責務といいましょうか、自覚といいましょうか、そういうものを念頭に置いて構改計画を立てていく、あるいは構改事業を進めていく、こういうことでなければならぬと思うわけでありますが、まず最初に通産当局に、雇用という問題をどう見ているかという理念と、雇用についての政策配慮というものをどう位置づけようとされているか、お聞かせを願いたい。
○小長政府委員 新特安法におきましては、雇用の安定の問題は最重点配慮事項ということでございまして、目的の中にもその旨が明示されておるところでございます。もしこの法律がなくて、このまま基礎素材産業について放置をしたならば、企業の経営状況は一段と悪化をいたしまして、倒産等による離職者が大量に発生するおそれが懸念されるわけでございまして、それを何とかして防ごうというのが本法の立案の背景にある考え方でございます。新法の場合には、現行法に加えまして、つまり設備処理という問題だけではなくて活性化施策を幾つか取り入れておるわけでございまして、その活性化施策の運用よろしきを得ればむしろ雇用の安定に資する面もあるのではないかと考えておるわけでございます。 具体的にこの法律の中で雇用の問題がどういうふうに位置づけられておるかということを見てまいりますと、まず構造改善基本計画の策定に当たりましては、関係審議会を通じまして労働組合の意見を聞くことになっておるわけでございますし、また、基本計画の内容は雇用の安定に十分配慮したものでなくてはならないことになっておるわけでございます。また、基本計画の記載事項にも「その他」ということでございますけれども、括弧の中で雇用の安定に関する事項というのが含まれることになっておるわけでございます。また、設備処理の共同行為を指示するに当たりましては、関係審議会を通じて労働組合の意見を聞くことになっておるわけでございますし、共同行為の内容につきましては「従業員の地位を不当に害するものでないこと。」というのが要件となっておるわけでございます。 さらに、今度新しく設けられました事業提携計画の関係でございますけれども、承認の要件として「従業員の地位を不当に害するものでないこと。」というのが入っておるわけでございます。 それから、現行法にもございますけれども、十条一項、二項に、具体的には十条一項の場合は、基本計画に従って設備処理、事業提携その他の措置を行う事業者は、労働組合と協議して失業の予防その他雇用の安定のための措置を講ずるよう努めなければならない等々のことが規定されておるわけでございまして、冒頭申し上げましたように、雇用の安定につきましては再重点配慮事項ということで位置づけておるわけでございます。
○清水委員 きて、最重点配慮事項に位置づけている、こう言われるわけでありますが、現実に構改計画を立てて設備処理を進める、あるいは事業提携を進める。これは必然的に雇用に重大な影響が出てくることだけは間違いない。これはだれが何と言ったってそうなるに決まっている。 そこで、私は基本的なことをもう一つ尋ねておきたいのですけれども、こういう状況のもとで、親ガメがこげれば子ガメ、孫ガメがこけちゃう。だからこの際は、この法律で子ガメと言えば関連中小企業者、孫の方は従業員ということに相当するでありましょうが、そういう中でまず親ガメの安定を期することが何よりも先決である、それがためには少々は子ガメや孫ガメはがまんをしてもらわなきゃいけない、こういう発想法といいましょうか物の考え方というものが根本にありはしないか。そうしますと、最重点配慮事項と仮に言ってみても、なかなか現実の対応はそうはならない。 それから、いま局長が、再活性化を目指して新分野への進出等についても積極的に努力をすることによって雇用機会の創出をするというようなことが期待できる、こう言われますけれども、一面では、これからの新しい分野というのは、えてして省力化というものが一つの前提になる可能性が強いのですね。そこからは必ずしも期待をされるような雇用の創出機会というものが確保できるかどうか、懸念をされる。ですから、私はこの際、最重点配慮事項と言われるならば、計画立案に当たり、たとえば当該業種の中小企業者であるとか労働組合との協議、これについては単に形式的にやるというのではなくて、きちっとこれを実行させる。 〔委員長退席、森(清)委員長代理着席〕 それから、なかんずく重要なことは、これまでの経過を見てみますと、いわゆる親企業の場面よりも関連中小下請企業等への雇用の影響あるいは中小企業者への影響というものが非常に出ているわけですね。だから、これをどうするかということのためには、やはり当該事業者団体、当該労働組合だけでなく関連の中小企業者団体なり関連の労働組合なりからも十分意見を聴取する、こういうようなことがなければ、これはなかなか、最重点配慮事項と言ってみてもこれが生かされないんじゃないか、こういうふうに思いますが、その辺どうでしょう。
○小長政府委員 先生御指摘の問題に関しましては、私どもは具体的にその運用の中で最大の配慮をしてまいりたいというふうには思っておるわけでございます。 具体的に申しますと、関係審議会に意見を聞く場合でございますけれども、その関係審議会の中に必ず労働組合の代表に参加をしていただきまして、その御意見を十分に基本計画に反映していただくようにするということは当然のことでございますし、また関係審議会が意見を定める際には関係労働組合の意見を聞くことになっておるわけでございますが、その関係労働組合の意見を聞く際に、労働組合サイドのいろんな情報なりいろんな事情なりが意見の中に反映されるように、最大限の配慮をしてまいりたいというふうに思っておるわけでございます。
○清水委員 雇用の問題に関連をして、いわゆる関連中小企業者、これに関する規定も幾つか盛られているわけですけれども、これもほぼ取り扱い方としては雇用と同じような扱いになっていると思いますね。 そこで問題は、関連中小企業者の経営の安定に配慮をしつつということがまくら言葉というか、うたい文句になっている。しかし、こういう長期にわたる不況のもとで、ことに特定産業と言われるような構造不況業種、並みの状況じゃない。そういう中で関連中小企業者の経営の安定に配慮をするということは、これは大変なことだと思いますね。しかし、これはやってもらわなければならない。そのために具体的にどうするか、これが一つ。 それからいま一つは、五十六条の規定がありますよ。地域経済に思いをいたしながら、これを損ねるようなことがあってはならない、そういう意味で、都道府県知事の意見を聞く、こうなっている。しかし問題は、いつ都道府県知事の意見を聞くのか。そして、知事の意見というものはまさに地域経済を反映して切々たるものだと思いますが、これをどう具体的に通産省は政策の面へ吸収反映をするのか、この辺をお聞かせください。
○小長政府委員 先生先ほどちょっと比喩的におっしゃいましたけれども、この法律なかりせば、親ガメもこければ子ガメもこけちゃうということになるわけでございまして、そういうことにならないように、この法律によりまして、まずその親ガメを健全な経営に戻すということに私どもは最善の努力をしてまいりたいということでございます。 その場合に、具体的にその当該産業に属します企業につきましては、縮小と活性化という両々の手段によりまして構造改善を図りまして、国際競争力を持ち得るような産業態勢に持っていきたいということになるわけでございますが、そういうことで、当該産業に属します企業経営が改善をしてまいりますと、当然それに連なる関連中小企業の経営の安定ということにはつながってくるわけでございまして、私どもは、先ほどの先生の比喩を重ねて引用させていただきますと、親ガメがしっかりすれば子ガメも立ち直るということでございますので、そういう観点から関連中小企業の安定に配慮してまいりたいというふうに思っておるわけでございます。 それから、都道府県知事の関係でございますが、先生御指摘のように、基礎素材産業の立地の具体的な事例を見てまいりますと、まさに企業を中心に城下町を形成しているような立地形態が多いわけでございますから、その大企業なり当該業種に属します企業が倒産をするという事態になりますと、地域経済にはかり知れない重大な影響を及ぼすことになるわけでございます。したがいまして、その地域を所管しております都道府県知事の意見というものにつきましては、これは随時私どもは意見を聴取しながら、その具体的な御意見はできるだけ私どもの施策の中に反映する努力を続けてまいりたいというふうに思っております。
○清水委員 その点、くれぐれも配慮をしてもらわなければならぬと思いますが、単に五十六条の規定があるから知事の意見を聞く、知事に意見を言わせる、そういう形式的なことではなく、これを遵守をする、出された意見については極力政策に反映をする、こういうことをやってもらわなければならぬ。 それから、親ガメ論があるわけなんですけれども、そのとおりなんですけれども、そのためには子も孫もときに犠牲になってくれという発想では困る。それは困る。ですから、親も子も孫も、全体として生きていけるような、そういう方向をやはりきちっと基本に据えてやっていただきたい。この点についてもう一回、一言でいいですから……。
○小長政府委員 先生御指摘の方向に従いまして努力を続けてまいりたいと思います。
○清水委員 次に、城下町法のことについてちょっとお尋ねをしていきたいと思います。 これは釈迦に説法になりますからくどくどと言いませんが、地域経済の中核事業所がある。これが規模の縮小等をやる。その影響を受けて、関連企業、下請企業等の仕事が減り、物の動きも減少する。そうすると今度はその他の企業も、関連中小企業等が、親企業の発注が減り購入が減るから勢い需要が減るという状況になる。一面では規模の縮小等を通じて雇用が縮小する。相対的に賃金収入も落ち込んでいく。だからこれが地域経済、なかんずく地元の商業者という立場から見れば売り上げが低下をするというような形になって、地域経済全体が冷え込む、停滞をする、こういう循環になるんだろうと思うのですね。ですから、そういう点からいけば城下町法は、これはもう言うまでもないことなんですけれども、問題ははっきりしているわけですね。経営不安に追い込められる中小企業をどう安定させるか、あるいは雇用の不安を克服してどう雇用の安定確保を図るか、これに尽きると思うのですね。 さて、そこで、新特安法と並んだ形で五年間延長をしようというわけなんですが、一体これ、こういう状況のもとで五年たてば何とかなるという見通しを持ってこの法案を提案なすっておられますか。
○神谷政府委員 五年たったら、指定されている地域が皆現在の難局を乗り切って通常の状態になり得るかどうか、こういう点を詰められますと、なります、と明確に申し上げるだけの勇気はございません。ずばり申し上げて、やはり非常に大きなダメージを、先生御指摘のような因果関係から受けた地域でございますけれども、この地域の動向というのは、やはり日本経済全体がどうなっていくか、あるいは大きく言えば世界経済の動向とも密接に関連しておるわけでございまして、この先、五年先あるいは十年先どうなっておるかということをここで予言するのは非常にむずかしいわけでございますけれども、しかし、第二次オイルショックの後遺症、その残滓は、現在ぐらいを一応の一つの転機として逐次減少しつつあるという動向、これは長期的に見て大きく間違いではないのではないかというように第一に考えております。 しかし、第二に、当該地域は、御指摘のように構造不況業種が規模を縮小したり、物によっては一部閉鎖したりというような状況であり、しかもこれらの業種が昔日の面影を取り戻すという可能性あるいはそれを凌駕するような勢いで経済活動を行う可能性というのがそう強いとも考えられませんので、その地域全体としては、やはり別のエネルギー源、活力源というのを培養して、それで地域を守り立てていかなければならない。こういう面からも非常にむずかしい問題を抱えておることは事実でございますが、しかし、城主に依存して一定の経済活動を営んでいた地域において、その業種の復活というものが容易に望み得ないとすれば、やはり自己努力で、地場の産業の自己努力でやる以外はないだろう、企業誘致等の努力とも併用はいたしますけれども。そういうことで、できるかどうかというよりも、経営を安定させ、地域振興をして最大限の努力をやって、何とか地域の振興を図っていかなければならないというのがこの法律の基本的な考え方でございます。 しかし、やはりかなり手厚い措置を講じておりますので、いつまでもある特定の地域が指定されたら永久にその恩典に浴するというわけにはいかないであろう。したがって、一定の期間を限って最大限の努力をやる。これが五カ年間というのが、昔は十年一昔と言われましたけれども、世の中大分スピーディーになってまいりましたので、五年たったところではやはり状況を見てみなければならない。城主様は一応処理は終わっているかもしれませんが、地域にはまだ問題の残滓が残っている可能性もなしとはしません。五年の時点で、この法律は廃止法を出しませんとなくならない法律でございますので、そこで状況をよく見て、その時点で必要な対策があるのかないのか、必要なのかどうかを考える、こういう趣旨で法律を提案させていただいているわけでございます。
○清水委員 事業者のそれぞれの企業努力、自助努力を積極的に引き出そう、政策的な援助もやっていこう、しかし、五年たったら特定地域の不況状況が克服できるということを言う勇気はいまない、まあそれはそうでしょうね。神谷さん、相当勇気のある方なんだが、そう言われている。 そこで問題は、何とかさせなければならぬということで、いわば新城下町法の目玉商品とも言うべき振興事業というものが今度創設をされるわけですね。そこで率直に言って、いまのような長期不況という状況のもとで、果たして期待をされるような新分野というものがどれほどあるのか。私は、これは相当むずかしいと思うのですがね。しかし、これをやろうというわけなんですから、具体的な構想なり展望なりがあるんだろうと思いますが、この際、そうした点について中小企業庁の所信のほどをお聞かせいただきたい。
○神谷政府委員 基本的に経済がむずかしい状況に入っておりますので、新分野開拓あるいは新商品開発さらには新技術の開発といいましても、特効薬的あるいは刮目するようなものが次々出てくるというような状態を想定するのは、やや安易に過ぎるとは私どもも考えております。しかし、特定地域の関連中小企業、特に関連の深い中小企業は、いままで大企業の下請的な関係あるいは協力会社的な関係でいろいろな仕事をやっておりましたが、どちらかといえば、自分の持っておる経営資源あるいは経験というものはそれほど幅が広くないというふうに考えられます。したがいまして、むしろいろいろな新しい商品開発を従来の経験の一歩延長という形で手がけ、努力をしながら、いままで持っていなかった経営資質というものを逐次拡大して、新しいものを受け入れ、新しいものに進出し得る力をつけていくというのが、実際のところ、この政策あるいは施策の本当の目的ではないかと考えております。 幸いに社会が非常に多様化いたしてきておりますので、すき間社会というような言葉もございますので、特定の地域あるいは特定の分野というものを限って自己の独自性を出していきますれば、大企業とは違って、ある意味では中小企業としてはそれなりの分野というものが、自分の経験の周辺に切り開けていけるのではないかというふうに考えております。 各地域につきまして、いろいろ振興事業としてどういうものが考えられるのか、あるいは現実性があるのかという調査もしてみましたが、たとえば造船関連の下請で、いままでもっぱら親企業の仕事を受けておったけれども、自分たち自身でも、たとえば新しいアルミ船であるとか、手近なものはアルミ船になりますが、さらには合成樹脂関係の船とかいったようなものをひとつ自分たちでつくってみたい。そのためには、たとえばアルミの加工技術であるとかあるいはそれに必要な工具の開発であるとか、そういうものが必然的に伴わなければならない。そういうものを自分たちとして努力していく過程で、それらについての経験を蓄積して、いままでの仕事プラス新しいところに関しての分野を切り開いていく、こういうような努力の積み上げで、御指摘のような容易でないところをやはり一歩一歩前進していくことであろうかと考えております。
○清水委員 そこで、新商品の開発であるとか新分野への進出であるとか、いろいろ構想があるわけですけれども、たまたま新しい分野への進出を推進する場合に、えてして既存の中小企業者の分野へのあるいは領域への、何といいましょうか、重複するような状況というようなのがあり得ると思うのですね。既存の中小企業者はすでに供給過剰の状態で、一面では四苦八苦をしている。そういうところへ目をつけて、多少目先は違ったとしても、結果的には参入をしていくというようなことになったのでは、これはアブハチ取らずになると言わざるを得ない。だから、その辺はどういうふうに留意をしているのか。 これは、実は新特安法のところでも聞かなければならなかったわけですが、たとえば特定産業が新技術あるいは新分野、いろいろな形で進出をするなり努力をするなりする。そういう場合に、既存の川下のたとえば中小企業事業分野へかかわりを持ってくるというようなことになりますと、これはこれで親の方、つまり城主様の方は何とかなるかもしれぬけれども、川下の中小企業者の方は影響をこうむらざるを得ない。関連中小企業者じゃありませんよ、関連以外の中小企業者はこうむらざるを得ない。これは両方とも同じ性格ですけれども、こういう点についてどんな配慮が払われているのか。どちらからでもいいです。
○神谷政府委員 私どもの振興事業そのものは、ある意味では業種対策的な色彩をとっておりませんので、こういう業種からこういう業種に転換したらよかろうというような指導、あるいはそういう方向での事業の推進はむしろ考えておりませんで、おのおのの地域のおのおのの中小企業者の創意工夫、独自の発想というものをできるだけ大事にしていきたい、こういうことで考えております。しかも、できるだけ付加価値の高い新しい分野という、欲を張っておるわけでございます。 ただ、御指摘のような危険もあることは間違いございませんので、われわれが実施計画をつくらせます前に都道府県知事に振興指針というものを事実上つくってもらって、こういう考え方でできるだけ計画はつくりなさい、勉強はしてください、こういうものをある程度老婆心として出していただくことにしております。その中で、先生御指摘のような、分野をよく見ながら、いたずらな過当競争に陥らないようという点を十分留意してもらうようにしておきますし、さらに実施計画が出てまいりました段階で、頭からこれはノーと言うよりも、むしろ、こういう分野はこうであるがどういうふうに考えておるのかというような会話を通じながら、実施計画そのものを妥当なものにしていきたい、このように考えております。
○清水委員 特定不況地域に指定されているのは現在五十一市町村でしょうか、そうですね。最近、中小企業庁がこれらの市町村の景況実態調査などをなすっておられるようです。私も拝見をしましたが、その大部分が、現在も悪いけれども今後の見通しも悪い、あるいは非常に悪いという反応を示している。ですから、特定不況地域の景況というものはなお非常に悪いと見なければならぬと思います。 そこで、一つお尋ねをしておきたいのは、新法が成立をする、その際に特定地域というものの指定を見直すのかあるいは継続して指定をしていくのか、さらに今後追加をするのか。この辺はどういうことでしょうか。
○神谷政府委員 基本的には、御審議願っております法律は法律の命としては継続をいたしますので、現在まで指定されております地域はそのまま指定は有効という、これは法律論でございます。しかし、新しいものを盛り込んで改正していただくわけでございますので、その時点でわれわれとしてはレビューをしてみたい、こういうふうに考えておりますが、御指摘のように、ほとんどの地域が状況がよくなっておりませんので、実質的にはいままで指定されておる地域から卒業していくのは非常に少ないのではないかというふうに考えております。 また、新しい地域についても、この機会にできるだけ実情を聞いて、必要があらば追加指定をしていきたい、このように考えております。
○清水委員 私は、地域指定あるいは業種指定についてこれまでの経過を振り返って、これは少し反省をしてもらわなければならぬなと思っている点が一つある。たとえば紙パとか石油精製業種等で、五十六年の少なくとも秋口には大変深刻な不況状況が表面化してきたはずなんです。ところが、いろいろな事情があったでありましょうけれども、現実に指定をされた時期というのは昨年の十月じゃなかったですか。一年以上放置をされている。指定などというものは迅速、機動的に行われなければ、タイミングを失して政策的な効果を薄めてしまうのではないか。ですから、そういう点についてはどう反省をし、今後どう対処をされるのか、お聞かせいただきたい。
○神谷政府委員 御指摘の点につきましては、私どもの中小企業庁、きわめて優秀なスタッフをそろえておるつもりでございますけれども、どうも私の指揮監督が余り適切でなかったせいか、反省をすべきような事態に陥っていることは認めさせていただきたいと思います。 具体的にこれらの業種につきまして五十六年ごろから状況が悪くなっていたということは、私ども通産省に身を置いておりますので十分承知いたしておりましたが、具体的におのおのの地域にどのような状況としてあらわれてきたかという問題が一つございまして、それらをいままで、どちらかといえば、むしろ受け身で受けておったのではないか。さらに申し上げれば、地域の市町村あるいは都道府県の方が見えられましても、役所の窓口から実際の本命の担当課にたどりつくまでまた時間もかかったり、統計もそれからそろえたり、こういうこともございますし、さらに申し上げれば、今回この法律が期限切れを控えておりましたので、具体的にこれを延長すべきかどうか、延長する場合にどういう形で延長をお願いするかという点についてのやはり基本的な腹が固まりませんと、末期になって追加というのもいかがか、こういうような点がございましたので、ややタイミングがおくれたというふうに反省をいたしております。したがいまして、今後は適宜適切に、御指摘の趣旨を踏まえて指定をしてまいりたい、このように考えております。
○清水委員 最後になりますが、いずれにしても長期の不況のもとで、認定中小企業者というふうに申し上げていいと思いますが、そうした皆さんは体力的にかなり疲弊していると思うのです。 そこで、何とか新分野等への振興事業というものを進めていきたいと思っても、なかなか体力的についていけないということがあり得ると思いますね。ですからこの点は、長期低利で、いろいろな意味で認定中小企業者等が利活用できるような制度資金、これは高度化資金というようなものを用意されているようでありますが、こういうものについても十分配慮する、あるいは税制その他の点も配慮をされているようでありますが、そういう点でもカバーしてやる。そして、いずれにしても冷え込んでいる地域経済に活力をよみがえらせる、こういうような方向をとりわけ中小企業庁としては心配をしてもらいたい。特にそういう中で仕事がなくて困っているというような傾向が一番深刻化しているわけですから、たとえば中小企業庁、努力をされて、下請の広域あっせん会議ですか、そういうものも持っておられるようでありますが、そういうものがこれまでどの程度成果があったか、私も十分はつかんでおりませんが、その辺のこともお聞かせをいただきながら、これから大いにがんばってもらいたい、こういうことを最後に申し上げて、御意見を聞かしてもらって私、質問を終わりたいと思います。 〔森(清)委員長代理退席、委員長着席〕
○神谷政府委員 下請の広域あっせんというのは非常に期待されておるわけでございます。これはいろいろな形でお世話をしまして、その中、どれだけ実現するかということになりますと、歩どまりがそう高いものが期待できるわけではございませんが、しかし、いずれにいたしましても、五十三年から五十八年の二月までに、これらの地域の中小企業に対して四千六百八件のあっせんを行っております。具体的には五十一億円、六百九十四件が成立をいたしておる。できるだけ件数をふやし、その成立の率を高めていくように今後とも努力をいたしたいと考えております。
○清水委員 終わります。
○登坂委員長 次に、城地君。
○城地委員 日本の不況産業を何とかしなければならないということで、この特安法ができてから五年間たった、そして法律を廃止するわけですが、現状まだまだ手を加えなければならない、さらには五年前よりもっと状況が悪いというようなことから、今度の新しい法律を提案することになったわけであります。 この過去五年間、まだ五年になりませんが、四年九カ月の特安法の実績、さらにはそれに対する関係官庁としての、果たしてこの法律をつくってどうであったのかということについての評価、これは自己採点で結構ですから、それらの問題について伺いたいと思います。 ただ、同僚議員から質問があって、設備の廃棄率二三%、達成率九五%というのは聞いてわかっているのですが、もっと突っ込んで、たとえば人員の問題についても、設備廃棄二三%したら、実際上各産業別人員はこういうふうに減少してきた、さらに財政の措置なんかにしても、この五年間いろいろな税制措置、さらには金融の面でいろいろやってみた、そういうことについてもこれこれであるというようなことについて、概括で結構ですからお答えいただきたいと思います。
○小長政府委員 現行特安法の指定業種、十四業種でございますが、造船を除きます通産省所管の十三業種におきます労働者数は、五十二年度末では二十四万人ということであったわけでございますが、五十七年十月現時点で二十万人ということで、四万人、つまり一八%の減少ということになっております。 ただ、私ども考えますのに、このような労働者の数の減少がすべて失業につながったということではないわけでございまして、定年退職による自然減に加えまして、関連企業への出向であるとかあるいは加工組み立て産業等他産業への就職あっせんというようなことで、極力失業の防止が図られたというふうに考えておるわけでございます。 総じて特安法の成果でございますけれども、第二次石油危機によりまして一定程度弱められたということは事実でございますが、逆に、特安法によりまして第二次石油危機の影響が緩和され、深刻にならないで済んだという面もあるわけでございます。したがいまして、全体総じて見ますと、過剰設価の処理が進展をいたしまして需給の改善が見られた業種もあるわけでございまして、それなりの効果はあったのではないかというふうに判断をしておるわけでございます。 現在、第二次石油危機に伴いまして構造的問題を抱えておる基礎素材産業ということで、法定七業種がこの法律で明示されておるわけでございますけれども、これらの業種につきましては、設備処理のみならず、幅広い総合的な構造改善対策を講ずることによりまして、企業といいますか、産業全体としての国際競争力の確保あるいは体制整備ということに努めてまいりたいというふうに思っておるわけでございます。ただ、その場合、私どもは、過去四年半の現行特安法の施行の経験を十分に踏まえてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
○城地委員 通産大臣にぜひ考えていただきたいという要望を、最初に申し上げておきたいと思うのです。 一つの法律を施行する、五年間で一応その法律は廃止される。しかし、必要性があるから、必要性がまたさらに増したからということで、今回、新しく一部を改正して法案を提案するといったときに、私は民間の産業の出身ですから特にそう考えるのかもしれませんが、この出される資料その他にしても、最終の決着だけ、たとえば廃棄率二三%、各業種別に出ています。その資料はわかるのですが、その中間の過程におけるいろいろな悩みとか運用上の数々の問題とか、いままだお答えがありませんでしたが、たとえば財政金融の措置でも、具体的にこういうふうにやったから結果はこうなったのだということを、十分明記する必要があるのじゃないか。しかも、人員の減少の問題についても、いま局長からお答えがありましたが、たとえば定年でやめた人もいる、自然減もあるのだとすれば、実際にこれこれで雇用を確保するように努力したが結果はこうであったということは、資料で十分裏づけられると思うのです。 私は新米国会議員ですから余りよくわかりませんが、新しく法案を提案するときには、それなりの理由でいいでしょう。しかし、今回のように、一つの法律をつくって五年間運用してきた、そして、それをさらに補強しての延長を五年間するという場合には、ありとあらゆる資料を提供して、これこれなるがゆえに五年間さらに延長したいのだということでいくべきじゃないかと思うのです。そうしますと、国会で質問すれば答弁するということではなくて、むしろ提案するとしたら、そういうような概括的なこと、いま言いませんでしたが、先ほどの同僚議員の質問にありました、たとえば五十六条の問題で都道府県知事とかそういう人たちといわゆる話し合わなければならないという規定がある。それは一々質問しなければ、そういう事例は幾つあったのかわからない。幾つあったのですかと質問して、答える。たとえば五十七条に、主務大臣と労働大臣が雇用の問題で協力し、連絡しなければならないという条項がある。それも一々、五年間どうだったのですかと私が質問すれば、それは答える。 附帯決議が重要な項目で幾つかある。しかも、附帯決議というのはそれなりの重みがあるわけですから、附帯決議はこれこれになっています、こういう点はこういうふうに努力したが結果はこうでしたというようなことで、当然事前に出して、しかるがゆえにこういう法律を五年間延長したいというふうに出すのが筋道じゃないか。 私は民間の会社にいましたからそういうことですが、たとえばある一つの事柄を決めて、その次それを延長するといった場合には、ありとあらゆる口実といいますか正当性というか、そういうものを出して、しかし、それでもなお足りない、そのことについては質疑を行って、それで解明をするという点もあるし、その点は不十分だということも出てくるのじゃないかと思うのです。しかも、設備の廃棄率二三%にしても、もう少し親切に、こういう業種はこういうことでこういう議論があった、ある一時期一〇%カットということもあったが、しかし現実はこうなったというようなこととか、先ほど企業城下町の関係で答えられましたが、何件あったけれども結果的にはこうなったとかというようなことを、やはり資料として提起をして、この国会の新たな論議をする部面を少なくすることもまた必要だ。また少なくするというよりは、むしろ提案する側としては、これこれだから出すのだということでなくて、やはりこれだけの理由がある、これだけ苦労して運用してきた、こういう問題があるということをむしろ投げ出して、そして、その中で討議をするということの方がより効率的に討議も進むし、物の考え方の整理にもなるし、論点の整理も十分できる、私は個人的にそう考えるのですが、この考え方について、間違っているとあれば御指摘をいただきたいと思いますが、通産大臣の御所見を伺いたいと思います。
○山中国務大臣 私は、あなたのお考えの方が正しい、そう思います。 ということは、私自身、この法律を改正、延長するということの可否について、根っこからどうしてそうしなければならないのか、あるいはそれが延長された場合にどうなるのか、ほかの手段をもってしてはかえがたいのか、日本の産業政策上それをさらに継続する必要性が絶対にある業種なのか、そこらの点についてはきわめて厳しい原点に立った議論をして、結果的にはいま御提案申し上げていることになったわけでありますが、おっしゃるとおり、それはむしろ常識だと思うのです。ただ、常時国会が開かれているわけでもありませんし、たとえば区切り区切りのとき、この法律が独禁法との関係の調整ができて、そして七業種がすぐに全部持ってこれないと思うのですけれども、そこらがそろったときあたりで、質問を受けなくとも、こういうことでございますと、せめて担当の商工委員会あたりには進んで御報告をする。大体閉会中でも毎月一回やっておりますから、そういうことの配慮はむしろあった方がいい。ただ、どこまでできるか等については節目節目で判断すべきだろうと思いますが、基本的にはおっしゃることに全面賛成でございます。
○城地委員 財政の措置その他について局長の方からお答えいただきたい。
○小長政府委員 現行特安法の中では特定不況産業信用基金というのがあるわけでございまして、それの利用状況を御説明することが具体的な資金の活用状況ということになろうかと思うわけでございますが、債務保証の総額は百口でございまして、二百三十二億円ということになっております。内訳といたしましては、担保解除資金が八十四億円、退職金資金が百四十八億円ということでございます。ただ、別途平電炉につきましては平電炉業構造改善促進協会の債務保証というのが別口で行われておりまして、これは十五件、二十二億円ということになっております。
○城地委員 審議が続きますが、大臣の食事の時間がなければあれですから、当分の間食事で退席されて結構です。 次に、具体的な問題で質問をいたします。 先ほど同僚議員からも質問がありましたが、私は新人でございますから従来のいきさつを、分厚い五年前の国会の会議録を見たのですが、読んでもなかなか理解できない点もたくさんあるわけでございます。そういう意味で、雇用の問題を特に重点的に質問したいと思うのです。 この全体を流れる物の考え方は、先ほど答弁がありましたように、雇用は最重点配慮事項であるというように言われました。それに尽きるのではないかと思いますが、具体的に雇用問題で、第五十七条の関係でいきますと、主務大臣と労働大臣がそういうことで具体的に話し合われたという事例は実際何件ぐらいあるのですか。
○小長政府委員 労働省とわが省との間では定期協議の場を設けておりまして、適時適切に具体的な連絡をとっておるわけでございます。具体的に何件というのはちょっと正確に記憶しておりません。
○城地委員 具体的に記憶してないというのは、なかったということですか、それとも件数はあったがまだはっきりしないということですか。
○小長政府委員 本法案の立法過程から労働省との間ではもう頻繁にやっておりまして、特にこの法案が成案を得る前の段階で、具体的に向こうの課長ベースと私どもの課長ベースとの間で定例的な会合を開こうというスキームもつくったわけでございます。
○城地委員 ちょっとすれ違っているのですが、いままでそういうことはなかったということですか。定期協議で具体的に話し合われるといっても、そういう問題があるから「連絡し」何とかというふうにこの法律の条文になっていると思うのですが、具体的な事実があったならあった、ないならないと……。
○小長政府委員 現行特安法の具体的な施行、運用の段階では、労働省との間に具体的なスキームというものはつくっておりませんでしたけれども、問題のたびごとに担当課と連絡をとるという体制は保持しておるわけでございます。
○城地委員 では、第五十六条の都道府県知事の関係で、「意見を申し出ることができる。」というこの関係はどうですか。
○小長政府委員 具体的には二、三の例があったと記憶しております。
○城地委員 この雇用問題については最重点配慮事項ということになっているわけでございます。そういうことで具体的にいろいろと問題が出てくるし、また働く人にとっては、どういう産業に働いていても自分の雇用を確保してほしい、またその産業がいろいろな意味で栄える場合もあるし、そうでない場合もある。しかし、自分の働く場を確保したいというのは働く人の共通の認識であろうと思うのです。そういう意味で、現行法の第十条にも雇用の安定の関係が載っています。そういう点からして、この雇用の安定についてもう一度はっきりした考え方をお聞かせいただきたいと思います。
○小長政府委員 本法案におきましては雇用の安定は最重点配慮事項ということは、重ね重ね申し上げておるところでございます。もしこの法律がない場合を想定いたしました場合には、第二次オイルショック以降の構造的困難に直面しております基礎素材産業を頭におきますと、恐らく急激に離職者がふえるというような事態が発生したに違いないと思うわけでございますが、それを防ぐために、現行特安法並びに新しい特安法によりましてそういうことを未然に防止していきたいというふうに考えておるわけでございます。 ただ、なぜ最重点配慮事項ということにしておるかと申しますと、具体的にこの法律の目的は構造改善を推進するというのが法の目的ということになるわけでございまして、構造改善の推進を通じまして雇用の安定とかなだらかな雇用調整を図っていこうということになるわけでございます。したがいまして、位置づけとしましては最重点配慮事項ということではございますけれども、先ほども御説明をさせていただきましたように、第三条の中で、構造改善基本計画を定める際には、特定産業に属する事業者の雇用する労働者の雇用の安定について十分な考慮が払われたものでなければならないという五項の規定がございますし、また関係審議会において意見を聞く際には、特定産業にかかわる労働組合の意見を聞かなければならないという規定もあるわけでございますし、さらに設備の処理とか事業提携の指示あるいはその承認に際しまして、当該計画にかかわる事業者の従業員の地位を不当に害するものでないことということで、主務大臣が判断をしていくという規定もあるわけでございます。さらに、先生御指摘の第十条の規定が完備されておるわけでございます。 したがいまして、雇用につきましては、私どもといたしましては、この法律の中でいろいろな形で具体的な配慮をしておるというふうに考えておるわけでございます。
○城地委員 私は、提案されている法律、新法ですね、それについてはまだ具体的に質問しておりません、現在までの古い方の法律で質問しておりますから。 現行法の第三条の「安定基本計画」の、いま局長から説明がありました第二項第三号に、「第一号の設備の処理と併せて行うべき事業の転換その他の措置。(雇用の安定を図るための措置を含む。)に関する事項」。この問題は、雇用が最重点配慮事項というにしては、私の独断かもしれませんが、括弧の中に「(雇用の安定を図るための措置を含む。)」というようなことで書かれるのは、どうもちょっと、言われていることと実際の条文と違う感じがするのですが、どうしてこういうような条文になったか、説明していただきたいと思います。
○小長政府委員 本件につきましては、特安法の国会審議の過程において、括弧の中に「(雇用の安定を図るための措置を含む。)」という規定が修正という形で挿入されたというふうに聞いておるわけでございますけれども、私どもがここでちょっと強調させていただきたいのは、この法律全体の立て方は、先ほど申しましたように、不況の克服と経営の安定というのが現行法では目的になっておるわけでございまして、その際に雇用の安定について配慮をするということになるわけでございます。それに従いまして、三条の基本計画のところでは、具体的に設備の処理等、つまり経営の安定とか不況の克服を図るために必要な政策手段というのが列記をされておるわけでございまして、その最後に、その他の事項ということで「(雇用の安定を図るための措置を含む。)」事項が掲記されておるわけでございます。 したがいまして、前段にございます政策手段と、それから最後の号にございます「事業の転換その他の措置(雇用の安定を図るための措置を含む。)」というのとは、おのずから位置づけが違っておるわけでございます。原案では「その他の措置」ということで、括弧の中はなかったわけでございますが、国会の御修正でこれが加わったということは、雇用の安定についてこの法律の中で格別の配慮といいますか、最重点配慮事項という趣旨がより生かされた形になっておるということで、私どもも高く評価をしておるところでございます。
○城地委員 そうしますと、現行の場合に、安定基本計画に定める事項で「設備の処理を行うべき設備の種類及び生産能力」云々というようなことを書いてあって、第三号に「その他」と書いてあるのですが、事業の転換をする場合には必ず雇用の安定を図るための措置は基本計画に明記されているというように判断していいわけですか。
○黒田政府委員 現在の安定基本計画がどうなっているかという御質問だと思いますので、私どもの関係しております合成繊維の場合、三項の「設備の処理と併せて行うべき措置に関する事項」ということと関連して、どういう記載があるかということをちょっと御紹介させていただきたいと思います。 その三項の第一といたしまして、「事業者は、設備の処理に当たつては、当該措置に係る事業所における労働組合と事前に協議して、雇用者の他部門への円滑な配置転換等により失業の予防に努めるとともに、雇用保険法等に基づく助成措置の活用等により雇用の安定に努めるものとする。」というような規定が大体安定基本計画には載せられておるようでございます。その他、中小企業に対する配慮あるいは新製品の開発等々の事項もあわせて併記されておりますが、第三項関連といたしましては、いまのような雇用配慮事項、雇用安定事項というものが第一に記されておるというのが大体安定基本計画の中身でございます。
○城地委員 わかりました。 次に、関連中小企業の問題について伺いたいと思います。 この法律の第一条ですか、目的のところに、「関連中小企業者の経営の安定に配慮しつつ」というような文句があるわけでありますけれども、この「配慮しつつ」という言葉からすれば、非常に弱い感じがするのですが、具体的には関連中小企業者に対してはどういうような——廃棄の場合にですね、具体的に事例で説明をしていただきたいと思うのです。
○小長政府委員 先生御指摘のように、関連中小企業者の経営の安定というのも現行法での配慮事項ということになっておるわけでございます。具体的に、現行法では、十四業種につきまして安定計画をつくりまして設備の処理を計画的に進めたわけでございますが、その計画的な設備処理を通じまして、いわゆる業種に属します企業の経営の安定が図られる。それを通じまして、関連しております中小企業者の経営の安定も図られるというような位置づけになっておるわけでございます。さらに、安定基本計画の中でも、第五項に、当該特定産業の「関連中小企業者の経営の安定について、十分な考慮が払われたものでなければならない。」という規定がございまして、構造改善基本計画全体として、関連中小企業者の経営の安定について考慮が払われるという規定もあるわけでございまして、両々相まちまして中小企業者の経営の安定について努力をしておるということでございます。
○城地委員 では、今回提案された法律の関係で伺いたいと思いますが、今回のこの法律は、「特定産業構造改善臨時措置法」というふうに名前も変えて、内容的にも、基礎素材産業の構造改善を推進するという目的が述べられておりますが、この基礎素材産業というものと「特定産業」と書いてあるものとの関連はどういうふうに理解したらいいのですか。
○小長政府委員 新しい法律では、第二条に「特定産業」ということで一号から七号までが法定候補業種ということになっておりまして、八号が政令による追加候補業種ということになっておるわけでございますが、全体を通じまして、これは基礎素材産業対策ということでございまして、ちなみに、八号の真ん中辺をごらんいただきたいと思いますけれども、業種の中に括弧いたしまして、「(その業種に属する事業者の製造する物品の生産費の相当部分を原材料及びエネルギーの費用が占めるものに限る。)」という文言があるわけでございますけれども、このことがまさに基礎素材産業を特定しておる言葉になっておるわけでございます。したがいまして、全体を通じまして、この特定産業と申しますのは基礎素材産業であるというふうに御理解いただきたいと思います。
○城地委員 そういうことでいきますと、一号から七号までは具体的に産業が書かれている。八号には、さらにその他のことということになるのですが、見通しとして、適用の産業業種の拡大というようなことはあり得るのか。現在頭の中で傾向的にでも結構ですから、あれば教えていただきたいと思います。
○小長政府委員 八号の中で追加して候補業種になる業種の候補といたしましては、具体的にはまだ私ども頭の中に描いておりません。ただ、観念的に申しますと、構造的困難に直面をしておる基礎素材産業であって、しかも業界に盛り上がりがございまして、ある程度熟度が高まっておるというものにつきましては政令で追加指定ということになろうかと思いますけれども、具体的にはまだ頭には置いておりません。
○城地委員 この新しい法律をめぐって、同僚議員からもいろいろ質問がありましたように、独禁法との関係、さらに日本全体の産業政策という面から非常に画期的な法律であると一面で評価があるし、一面ではいろいろ問題があるんじゃないかという指摘もあるということでありますが、これらとの関連で、諸外国においてこの法律と関連するようなそういう産業政策的なものをとっているところがあるのか。また、あるとすればそれらの事例について伺いたいと思います。
○小長政府委員 現在、世界的な景気の低迷であるとか、二度にわたる石油危機等による競争力関係の変化、あるいは中進国の追い上げ等の理由から、各国でそれぞれ構造的問題に直面した産業につきまして、産業調整の問題というのがクローズアップされてきておるわけでございます。そういう産業に対します産業調整政策というものにつきましては、各国の実情とかあるいは社会的、政治的な伝統などによりましていろいろ異なった発現形態ということになっておるわけでございますけれども、何らかの形で政策的支援が行われておるのではないかと私どもは考えておるわけでございます。 たとえばアメリカでございますけれども、輸入増加に見舞われておるような産業につきましては、通商法によりまして輸入制限等の通商政策が行われておるわけでございますし、また産業調整援助等、困難に陥った産業に対する支援策というのもとられておるわけでございます。 また、ヨーロッパにおきましては、鉄鋼産業等に対しまして、国有化政策であるとかあるいは補助金を中心といたしましたような調整政策がとられておる例もございますし、また輸入制限等の調整政策が発動をされておるのも見られるわけでございます。また、設備の共同処理やあるいは合併、事業提携というような分野につきまして、産業政策と独禁政策との調整が行われておる面もあるわけでございます。 いずれにいたしましても、各国がそれぞれの実情に応じまして、雇用や地域経済の安定のために困難に陥った産業につきまして産業調整政策を実施し、また有効な政策を現実に模索をしておるというのが実態ではないかと思うわけでございます。
○城地委員 私の質問時間、一時間であったのですが、いろいろな関係で四十分と二十分に分割されましたので、最後の質問をして次に譲りたいと思います。 今度の法律は、いままでのそういう設備の廃棄だけではなくて、非常に広範な内容を含んでいるということでありますし、それに対して税制とか資金面のいろいろな措置というようなことが講ぜられておりますが、現在までのそれらの手当てといいますか、それと今度の新しくこの法律を施行する場合にそういう裏づけというのは、たとえばいままでの倍のいろいろな関連融資資金をするとかそういうことなのか、その辺のところについて伺いたいと思います。
○小長政府委員 先生御指摘のように、現行特安法では設備処理ということを中心にいたしました施策が盛り込まれておるわけでございまして、それに関連をいたしまして特定不況産業の基金というものでバックアップ措置をとっておるということにとどまっておるわけでございます。ところが新しい法律の体系のもとにおきましては、設備処理に加えまして、事業の提携であるとかあるいは活性化設備投資あるいは技術開発等の活性化施策を通じまして、産業の構造改善を図っていきたいということでございますので、施策の面でも充実をした内容になっておるわけでございます。 たとえば一般会計予算の関係でございますが、これは技術開発の関係が中心でございますけれども、たとえば燃料転換について申しますと、石炭火力の発電所につきまして建設費等の補助金というのがございまして、五十八年度では二十二億円の予算が計上をされておるわけでございます。 また技術開発の関係では、共通基盤型石油代替エネルギー技術開発補助金ということでございまして、二十三億円余りが計上をされておるわけでございます。 具体的には、アルミニウムにつきまして溶鉱炉法によります新製錬技術開発とか、あるいはフェロアロイにつきまして溶融還元製錬技術開発とか、あるいは廃液利用の高効率製紙技術開発といったような内容が含まれておるわけでございます。 さらに、産業活性化技術研究開発費補助金ということで約五億円の予算が計上されておるわけでございますが、これはアルミニウムの粉末冶金技術とか、あるいは新蒸解法パルプ製造技術、高効率合繊製造プロセス技術等の内容が含まれておるわけでございます。 次に、税の関係でございますけれども、税制の関係では、活性化投資関係といたしまして、基礎素材関係の活性化に資する設備投資に係る施設の特別償却制度の創設が行われておるわけでございます。対象施設といたしましては、省原料等基礎素材産業の活性化に資する施設ということでございまして、特別償却率は初年度一八%ということになっております。 第二番目に、設備処理の関係でございますが、過剰設備の廃棄によりまして生じます除却損に係る欠損金につきまして、法人税法上の繰越控除の期間を、本則は五年間でございますが、十年間に延長する措置がとられておるわけでございます。 最後に、事業集約化の関係でございますけれども、産業体制整備に資する現物出資により取得した株式に係る課税の特例、いわゆる圧縮記帳の制度が認められております。二番目に、産業体制整備に資する合併、現物出資、営業譲渡等に係る登記の登録免許税の軽減ということで、本則税率の三〇%軽減措置が認められております。三番目に、産業体制整備に資する現物出資等により取得いたします不動産に係る不動産取得税の軽減ということで、軽減割合が六分の一という特例が認められておるわけでございます。 最後に、財政投融資の関係でございますが、基礎素材産業の活性化設備投資に対する低利融資といたしまして、開発銀行に新規に百五十億円の資金が確保されておるわけでございます。さらに、基礎素材産業の設備処理に伴い必要となります運転資金に対します低利融資制度の創設も認められておるわけでございまして、金融債引受措置といたしまして百億円の資金が認められることになっておるわけでございます。さらに、特定不況産業信用基金の活用ということでございますが、現行特安法の運用の実績にかんがみまして、債務保証の対象範囲を担保解除資金、退職金、設備処理資金等に拡充するとともに、再保証率の引き下げの措置も行っておるわけでございます。 以上のような、一般会計、税制、財投というような措置によりまして、先ほどの設備処理と、それから事業提携等の前向き措置をバックアップしていくことができるのではないかと私どもは考えておるわけでございます。
○城地委員 以上で終わります。
○登坂委員長 次に、上坂昇君。
○上坂委員 久しぶりの質問なんで、心ははやれども勉強不足で、内容が充実しておりません。 特安法と城下町法案についての質問ですが、現行の特安法は過剰設備の処理、廃棄等によって経営の改善あるいは業界の危機を乗り切るものと思っておりますが、今日まで五年を経過してこの設備処理が一体どの程度まで進んでおり、その効果がどのようにあらわれているかを御説明いただきたいと思います。
○斎藤(成)政府委員 全般的に申しまして、設備処理の目標といたしました処理率が平均二三%でございますけれども、その平均達成率は九五%でございます。業種別にはいろいろ細かい数字がございますが、中には目標を一〇〇%超えて達成しているものもあるという状況でございます。
○上坂委員 設備の廃棄の平均的なものでは二三%、そのうちで九五%以上達成したから目標には非常に近づいた、こういうことですが、不況業種に指定された十四業種の中で、第二次オイルショックも乗り切ることができた、あるいはこれからも乗り切っていけるという業種はどの業種ですか。
○斎藤(成)政府委員 第一次石油ショックの後、現在の特安法によりましていろいろの設備処理その他の措置が行われまして、その目標に対してある程度軌道に乗っておったところに第二次石油ショックが起こったということは御存じのとおりでございます。したがいまして、現在の状況では、これら業種につきましてはいろいろまた難問を抱えておるという状況でございますが、これらにつきまして必要な措置を今後この法律によって行うことによって十分改善がなされていくというふうに判断しておるわけでございます。
○上坂委員 たとえば造船業なんかは今度の新特安法の指定業種の中には入っていないわけですが、造船業なんかはどんなふうに見込まれておりますか。
○山中国務大臣 運輸省の方では、造船不況がまだ長引くと見て御希望はございました。しかしながら、今回は基礎素材産業という範囲内でとらえなければならないということで、私の命令によって造船業は基礎素材とは言えないということで、対象から外したわけでございます。したがって、今後、運輸省の法律の中で造船業には対処していかれるものとは考えます。
○上坂委員 基礎素材産業以外の不況業種についてはそれぞれの主管省といいますか、そこでそれぞれの対応をしてこれからの業界の乗り切りに当たっていく、こういうふうに理解をしてよろしゅうございますか。
○山中国務大臣 大体そう理解して間違いないと思いますが、たとえば七業種を選定いたします過程で、石油業界というものも、これは先ほど申し述べましたとおりなかなか自分たちで設備の廃棄等行い得ない、それをどうするかということを考えました。しかし、石油については法律全体をもう少し洗い直してみる必要があるということで、別途の手段でいこうとしておりますが、たとえばほかの省であっても必要な業種はこの際、日本産業のために考えてみたらどうか。たとえば精製糖工業界は、北海道のビートとか沖縄のキビとかそういうものを踏まえながら、構造不況で四割の設備過剰というような状態にずっとありますからなかなか構造改善が進まないので、農林省手を挙げる気はないかという誘いもしてみましたけれども、どうも農林省も自信がないらしくて、答えは結局いまのところそれはできませんということで、入れませんでした。そういう経緯がございました。やはりこのような法律をつくる場合に、通商産業省所管ということでなくて、広く日本の産業の中でできれば立ち上がってほしい、御承知のとおり生産者も願いを込めている精製糖工業界でありますから、そういうものも入れてあげたいという配慮もしたのでありますが、結果は現在のところ七業種しか指定はしていない。しかし、今後政令で指定する業種があるかと言われると、検討してきた経過を振り返ると、一年半の間に手を挙げる企業はあるのかなと、ちょっと自信がないような気で見ております。
○上坂委員 いま石油化学業界の問題も出ましたが、最近共販会社の設立を軸として石油化学業界の再編成を図るような動きが出ているというふうに考えられますが、これについてどう把握しておられ、また、これに対してどのように考えておられるか、御説明をいただきます。
○植田政府委員 ただいまの件は石油化学にかかわるものかと思いますが、これにつきましては、グループ化によりまして生産や流通の合理化を図り、あるいはまた過当競争の是正に努めるという方向をとるべきであるという答申を私ども、産業構造審議会からも昨年の暮れにいただきまして、業界の中におきましても、各品目ごとに企業間の話し合いが行われているわけでございます。その中にありまして、いわゆるポリオレフィン樹脂、これはポリエチレンとポリプロピレンでございますが、この樹脂につきましてその検討が比較的早く進みまして、さきにいわゆる三グループ案というふうなものが出たのでございます。これにつきましては七社が公取との話し合いにも入りましたが、適当でないというふうな公取の見解もございまして、先ほど大臣からも答弁ございましたが、公取の見解も表明されましたので、もう一度業界の中でも分割等も話し合われまして、先ごろ四つのグループで販会社を設立するというふうな合意がそれぞれの企業グループの中でできたわけでございます。 私どもといたしましても、この方向は構造改善上望ましいものであると考えておりまして、これからこれにつきまして支援をしてまいる所存でございます。
○上坂委員 この新特安法によりますと、いろいろ問題はたくさん出てきて、独禁法との問題も出てくると思います。いま言ったように、たとえば三グループですと公取がいろいろ問題にした、今度は四グループで共販会社をつくればどうなるかというような、線引きというのですか、そういうものが出てくるのじゃないかと思いますが、たとえばシェアで二五%を占めてはいけないとかいうような問題がありますね。そういうようなことは、これからの線引きの中ではどういうふうにお考えになって指導される考えですか。
○山中国務大臣 これは、最初申しましたように、はっきり申し上げて旭化成グループと言っていいのですが、それが比較的早い合意を得まして、相談といいますか陳情といいますか、そういうことでお会いしました。これから公正取引委員会に行きたいと思いますと言われるから、それはおやめになった方がよろしいと言ったのですが、聞かずに行かれたわけです。結果はどうも思わしくないということになってしまったのですが、それは私の考えが——公取委員会に法律ができ上がりますと協議しなければならないものの中に入る。しかも、それを踏まえて私が考えれば、一社にした場合のシェアに問題がある。ところが、先ほども申しましたとおり、その構想が新聞等で報道されましたときに、三井グループと三菱グループ、これは当然別になると思っていたのが、一つの先発グループが大きなシェアを占めるならば、自分たちが団結してあと残り全部一緒になろうというような構想を持ってくるやに聞いたので、それはだめである、二五%の合併のシェアの問題よりも、寡占あるいは高度寡占等の問題に関係のある三社七〇%とか七五%とかございますが、二社で一〇〇%というのは当然ながら私が承認しない。したがって、そういう構想はおやめなさいということで、さらに業界が話し合いに入った結果、現在四グループにどうやら合意ができそうである。それならば、私がそのシェアその他を見ましても、四グループの高度寡占あるいは寡占あるいはそれによる価格の上方硬直というような事態をもたらすような形にはならないであろう。そのかわりに、旭化成グループとして真っ先に出ましたものは分割をしてもらいたいということで、私の見るところでは、ほぼバランスのとれた、公取に協議してもしかるべき内容に業界が自発的に変化してまいりましたので、これは一つの例でございますが、そういう方向で公取の合意を得られるというものを持っていく予定でございます。
○上坂委員 次に、化学肥料業界のことについてお尋ねします。 最近の化学肥料業界を見ますと、化成肥料といいますか複合肥料といいますか、そういうものが主力になりつつある。特に高度化成肥料が主力になってきつつあるというふうに思います。尿素は御承知のように内需が余りなくて、ほとんど輸出に依存していたわけですが、これも大幅に減少している。 そこで、全体的に肥料業界については内需に重点を置くといいますか、基盤を置いた産業としての安定化を図るということを目標とされているようでありますが、その中で高能率設備への集約化を図るということ。それからもう一つは、原料転換、多様化を図るということについて、設備廃棄の数量等を示すと同時に、産構審の化学工業部会が提起をしておるわけでありますが、高能率設備への集約化を図るということは、具体的にはどういうことを意味しているのか。 それから、三番目の原料転換、多様化を図るということなんですが、これについては今後どういう原料に向かっていくのか、あるいは多様化を図るというのは、現在のいわゆる複合肥料といいますか、高度化成肥料が主力をなしつつあるときにどういう形になっていくのであるか、この辺のところを御説明いただきたいと思うのです。
○植田政府委員 肥料につきましても、ほかの業種と同じように、二度にわたる石油ショックで大変深刻な状況にあるわけでございます。 それで、お尋ねの一つは、高能率設備への集約化ということでございますが、大変輸出が激減しておりまして、内需を基盤としたいわば縮小しながらの再建ということにならざるを得ないわけでございまして、そのためにはどうしても過剰設備を処理しながら、優秀な設備のところへできるだけ集中していくということが必要であろうと考えております。すでに業界の中には、企業間で話し合い等の進んでいるところもございまして、たとえば湿式燐酸におきましては日本燐酸というかなりの企業がまとまってつくっている、集約化された企業形態のものがございますが、そこにさらに集約化の動きも出ております。あるいはまた化成肥料におきましては、東北におきます四社の合併ないしは統合というふうな動きも出ておりまして、そういうふうな形を通じまして、できるだけ高能率な生産を行っていこうというのがその考え方でございます。 それから、もう一つの原材料の多様化と申しますか、あるいは省エネ化等を進める必要があるわけでございますが、たとえば燃料転換を考えてみますと、石炭への燃料転換というふうなこともすでに計画の途上にあるものもございます。そういったふうな行き方もございます。それから、ナフサとLPGというふうな転換もあるわけでございますが、これは最近におきましては、御承知の石油価格の問題からむしろその関係が逆転しているような形もございまして、むしろLPGの方が高くなるというふうなことがございますので、中長期的に見ました場合にはその転換関係ということをどうするかということになろうかと思います。 そういうふうなこと等を含めまして、この深刻な状況にございます化学肥料の活性化を図っていこうというふうな考え方でございます。
○上坂委員 そうしますと、非常に能率のいい工場といいますか、そこへ集中をしていくことになると、勢い、あるいは合併されるのか吸収されるのかわかりませんけれども、ほかの工場がある、会社がある、そういうところの従業員というものは行き場がなくなってしまう。特に高能率化を図るということになれば省力化ということは必然のことでありますから、なるべく人間を少なくする。それでなくとも化学肥料は装置工業でありますから人間が少ないわけでありますが、それでもやはり関連の企業なり何なりというものはかなり多いわけであります。特に化学肥料工場はわりあいに一つの物をつくっているのじゃなくて、いろいろな物をつくっている工場でありますから、そうした面でもかなりの影響が出てくるというふうに思います。 そこで、私たちはどうしても、働いている人たちの身分といいますか職場といいますか、そういうものを何とかして確保をしていかなければならないというところで、法律の面ではもちろん雇用を非常に十分に見るのだということはうたっておるけれども、これを特別に一項目設けて全面的に出していって、労働者のいわゆる生活権を擁護する、こういう方向に進んだ方がいいという意味で、私たち社会党としては修正の提案もしているわけでありますが、こうした人たちが出てきた場合に、そういう人たちを救うものとして、いまの社会労働委員会の方で取り扱っている離職者の対策法なり、あるいはいま中小企業の城下町法と言われるものとの関連がどういうふうに生きてくるのかということが、私は非常に大きな問題ではないかというふうにとらえているわけであります。そこで、この問題をどういうふうに関連づけて考えたらいいのか、この点が一つであります。 それからもう一つは、内需を基盤にして化学肥料業界の再編成を図るということでありますが、この内需は一体いまどのぐらいに見れば現在の日本の農業生産に見合ってくるのかということで、その数量を示していただきたいというふうに思います。これは大臣でも局長でも結構であります。
○植田政府委員 いまのお尋ねでございますが、内需と輸出、輸出が激減しているわけでございますが、一番典型的な例といたしまして尿素の場合をとりますと、輸出は、五十五年度では七十九万トン、それが六十年度では四十万トン以下になるのではないか、これは産業構造審議会の答申でございます。その場合の内需は、五十五年度の七十五万トンから、六十年度は九十万トンと若干の増を見込んでいるわけでございます。
○上坂委員 内需を、尿素だけでなくて、化成肥料から何から一切含めた肥料として、いまの日本の農業生産の中でどのぐらいを見込んでいるかということを聞いているのです。
○植田政府委員 化成肥料につきましては、三百五十万トンの横ばいということで考えております。
○山中国務大臣 肥料業界は輸出が激減したという結果だけ言っておりますが、その原因をつくったのは自分たちなんですね。最初は内需だけの肥料会社であったのが、輸出会社等を解散すること等も伴いながら、輸出産業という定義を国家的にしてもらったわけです。ところが、そのころインドネシアにプラントを輸出して、大輸入国に生産設備をつくってあげたのですから、まずマーケットを失うはずでありますし、しかもそれがそう大してむずかしい工場でもありませんから、インドネシアはいまや周辺のかつての日本の輸出国に対しても輸出をしておるというような状態で、自分たちがその原因をつくったところにも外需の減というものがブーメランではね返ってきたという反省を持たなければいかぬと思うのです。 しかし、一方において、中国大陸のような広範な大地を耕す十億の人がいる。そのときに、中国自体が自分たちで完全な化学肥料なりそういうものを完成できるまでの間にお手助けでもするというようなことで、失った巨大なインドネシア周辺の市場というものを中国大陸で、いただくというのはおかしいですが、御加勢を申し上げることによって少しでも活路を開いていくという、そういう大きな視野と将来の展望を持っていかなければいかぬと思うのです。いま御質問にありましたように、じゃ一体幾ら生産をさせる気か、消化の限度は幾らなのかという問題、その問題にももう少し広い視野を持った取り組み方をすべき業界である、私はそのように見ております。
○上坂委員 いま大臣からお話がありましたように、肥料業界に限らず、石油化学業界も同じですが、そうした非常に大きなプラントをどんどん許可をして、そういう指導をしてきたというところにやはり一番の問題があった、そういうことを反省されるということは非常に大切なことであると思います。 ただ、中国の場合でも、現在各地にいろいろなプラントをつくって肥料を自給自足するというような方向で進んでいるようでありますが、まだまだこれからも必要だと思うのですね。しかし、実際には、尿素は中国に輸出しているのがほとんどとまってしまっているというような状況でありますから、そういうところに価格競争の面の問題が生じてくるだろうと思います。そういう面で、先ほどからの多様化であるとかあるいは原材料の転換というものが必要になってくるだろうと思うので、これについては十分、いままでのように余り先走った考えをやめるのと、同時に、やはり的確な見通しをつけるということでこれに対処をしていただくようにお願いをいたしたいと思います。 そこで、もう一つでありますが、いま局長の方から出ました化学肥料業界の再編成、特に東北の方の再編成がうわさに上っているわけでありますが、これについてはどんなふうに把握をされており、またどういうふうな形で進んだらいいというふうにお考えになっているか、これをお聞かせいただきたいと思うのです。
○植田政府委員 先ほどもちょっと触れましたが、化成肥料の合理化、これからいろいろとむずかしい問題が来ておりますので、個別企業の限界を超えた対策もできれば求めていくべきではないかというふうに考えているわけでございます。 ただいまお尋ねの東北地方の点でございますが、これにつきましては、肥料企業四社が準備を進めておりまして、統合による合理化の道を歩むべく、いま準備をしているところでございます。具体的には東北肥料、サン化学、ラサ工業、日東化学、この四社でございまして、合併と営業譲渡を通じて四社の肥料部門の集約化を図ろうという考え方でございます。この四社につきましては、すでに従来から、たとえば昨年の夏あたりから交錯輸送の解消等につきましてはすでに提携関係に入っておりまして、そういった意味で下地ができているわけでございますが、さらに今後合併あるいは営業譲渡ということで統合していこうということを考えているわけでございます。 私どもは、この業界におきまするいわば第一号ということでございますので、できるだけの支援措置を講じていきたいというふうに考えているわけでございます。
○上坂委員 サン化学、日東化学、ラサ工業、東北肥料は、それぞれ過燐酸石灰の部門、尿素の部門、それから硫安の部門と、いろいろバラエティーに富んでいるから、ここの共同化というのは非常に効果があるというふうに私にも考えられます。先を注目していきたいというふうに思っています。 そこで一つお伺いしたいのですが、高度化成肥料をつくる場合、二つの製法があって、燐酸液から直接つくるスラリー方式というのがある。それからもう一つは、燐安からつくる配合式というふうに言われておるわけでありますが、この高度化成肥料がいまの肥料の中枢になってきているときに、資料にもありますように、輸入燐安が内需の三分の一以上をいまや占めつつあるということであります。 そこで、国産燐安が非常にそのシェアを圧迫されてくるだろうということは予想されるわけでありまして、そこで、現在の輸入燐安と国産燐安との価格差はどのぐらいあるものか、また、その価格差を埋めることができるのかどうか、埋める方式があるとすればどういう方向に持っていったらいいのか、これは単に減産をする、あるいは設備を廃棄するということだけで事足りるのかどうか、この辺を御説明いただきたいのです。
○植田政府委員 燐安につきましては、五十七年の状況で申し上げますと、その価格はCIFで平均五万四千円程度ということでございます。これに炉前までのいろいろの諸掛かりがつくわけでございますが、購入企業は立地条件も違いますから、炉前価格というのは若干でこぼこが出るわけでございます。総じて言いますと、大体トン当たりで輸入品が五千円程度割安というふうに考えられているわけでございます。こういった価格は、現在の国際価格の低迷というふうな点ももちろんあるわけでございますが、基本的には、御指摘のように構造的な問題がございまして、これから燐安工業あるいは燐酸工業の合理化を通じて克服していかなければいけないというふうに考えているわけでございます。 それで、その方法でございますが、たとえば、先ほどもちょっと申し上げましたが、原材料やエネルギーコストの低減という考え方が一つ当然出てくるわけでございます。具体的にはパイプリアクターを省エネ化していく、つまりエネルギーが非常に高騰しているわけでございますから、できるだけそれを省エネ化していくというふうな設備的な面での努力が一つ考えられるわけでございます。 それから、製品の多様化とか高付加価値化というふうなことも今後考えていかなければいけないだろう。これはどういうことかといいますと、燐安をいわゆる工業用の用途、これは専門家がこれからいろいろ考えていく点だと思いますが、そういった工業用の用途等を開拓していくという意味での多様化というふうなことも今後考えていく必要があるだろうということでございます。そうして、そういったことを進めるに際しまして、事業提携というふうな、時と場合によりましては個別企業を超えた形での努力をしていただくというふうなことを総合的にいたしまして、あわせて非効率設備の処理等々をいたしまして、今後の合理化を図っていくということでございます。 それから、もう一つ申し忘れましたが、燐鉱石を輸入する場合の合理化というふうなことも考えられるところでございまして、これも今後の道といたしましては、たとえば開発輸入というふうなことも視野の中に入れていかなければならないのではないかというふうに考えているわけでございます。
○上坂委員 時間がありませんから、次に移ります。 特安法と城下町法との関連ですが、これはどんなふうに関連があるのかということが一つ。 それから、先ほどもう質問に出ましたが、新分野の開拓ということは、現在の経済情勢の中で非常に困難だと思うのですね。そこで、事業転換も同じでありますが、似たようなものだとは思いますが、現在の設備を使ったり何かしながらいろいろ新分野を開拓するということよりも、むしろ一挙に事業転換してしまった方が、もうここで思い切ってやった方がいいというような中小企業の分野もかなりあるだろうと思うのです。そこで、こうした形に対する手当ての仕方といいますか、援助の仕方というものをどうするかという点が第二点。 第三点は、ここに資料がございますが、不況地域の指定業種、いろいろ出ておりまして、合板の企業あるいは北洋水産加工業、それからアルミの製錬業、それからまた紙パルプ製造業、石油精製業と、いろいろあるわけであります。非鉄金属の製錬業も入るわけですが、私の住む地域は、これらの不況業種がほとんど入っておるわけであります。というのは、合板の工場もありますし、それから北洋漁業をやっておりまして、減船で非常に悩んでいる。それから非鉄金属で言いますと亜鉛、銅の製錬所がある。それから造船も少しではあるけれどもある。紙パルプ業もあるということであります。しかし、地域の指定にはなってない。これは、地域から余り困っていると言ってこないからだろうというふうに思うのですが、因っている困っていると言うと工場誘致ができないから、余り困っている困っているとも言えないのかもしれませんけれども、今後いろいろな形でこれがもっとひどくなってくるような場合に、複合業種といいますか、業種が複合している地域で、ただし一つの業種をとれば通産省が考えているいわゆるある一定の水準に達しない、不況の水準と言ったらおかしいけれども、中に占めている出荷額とかというものがその水準に達していないということであっても、そういう業種が幾つかあるような場合には、そういう地域を不況地域として指定することができるかどうか、してもらえるかどうかということについて質問をいたしたいと思います。
○神谷政府委員 まず、特安法と城下町法の関係でございます。 私から御説明するのが適当かどうか存じませんが、基本的には、もちろんこれはオイルショックという原因が遠因としてはあったわけですけれども、特安法は、ある意味では構造不況業種ということで企業城下町対策をせざるを得なくなった原因をつくっておる大もとに対しての対策である。私どもの方は、それによって影響を受けておる中小企業、並びにそれを地域としてとらえて、その地域の中小企業に対して対策を講ずる、こういう原因、結果的な関係にあるとは思います。 ただ、完全に特安法の指定業種と私どもの指定業種が一致はしておりませんで、私どもの指定業種の場合には、特安法の対象業種以外でありましても、別途の経済的変動要因で非常に大きなインパクトを受けて地域にやはり同じように大きな影響を与えておる場合には、それは地域対策が必要な業種であるとしてとらえまして地域対策を行う、こういう形で、やや私どもの方が、若干の出入りはございますけれども、広いと考えていただいてよろしいのではないかと思っております。 それから、そういう地域の中小企業に新分野を開拓させると言っても無理であるから、いっそのこと転換をさせたらどうか、こういう御指摘でございます。転換していい分野がございましたらそれも一つの方法かと存じますし、また、私どもの金融関係の特別融資制度の中にも転換融資という制度を設けておりまして、受け皿はつくってございます。ただ、完全に他の業種に転換していくというのは企業にとっても非常に危険でございまして、むしろ自分の分野に近いところから逐次業態を変更したりあるいは拡大して、ある一定期間たって振り返ってみたら転換していた、こういうようなケースが比較的多いのではないか。その場合でもまた対応し得るような対策を用意しておるつもりでございます。 また、具体的にこういうところに転換しろとかしたらよかろうと、国、地方公共団体が上から指導したり命じたりというよりも、一定のアドバイスなりいろいろな御助言は申し上げますけれども、むしろ地域の中小企業独自の判断、その独創性をとうとんで進めていくのが適当ではないか、このように考えております。 第三点の、いわき市はいろいろな不況業種があるが、一つ一つではそれほど大きくない場合にどういうふうに考えるか、こういう御指摘でございますが、一般的に複合業種の場合には、それらを総体としてとらえまして、それらがその地域に与えておる影響を判断する、こういう対処の仕方が可能でございます。具体的ないわき市に関しましては、また新しい法律でございますと新しい制度もできてまいりますので、よく地元の状況をあるいは御意向も伺いたいと思いますし、いま申し上げましたような観点からどのような姿になるか、これはまた別途いろいろ勉強してみたいと考えております。
○上坂委員 最後に、いまの新分野の開拓なりあるいは地域の業界が一つになって立ち上がっていくような場合、一番問題なのは指導者なんですね。やはりその中で世話をしていく人が、本当に真剣になって身命を賭してやるということでないと、実際問題としてはこれはできないのです。その業界に、何といいますか、自分は商売をやっていないけれども指導することができるという人がいればこれは理想的です。しかし、なかなかそういう人をつかむことはむずかしいわけです。そこで、どうしてもその業界の中で商売をやりながらめんどうを見るということになるわけですね。そうしますと、さしずめ今度は自分の家業がまいっちゃうわけなんですね。これは奥さんに任せるしかなくなっちゃうというような形から、自分のところがまいっちゃうのです。そこで、その人はつい途中で挫折をするかあるいは離れていくか、そういう形になってしまうわけですね。 そこで、そういうふうな指導者の方には特別に目をかけた手当て、援助というものが必要であろうと私は思うのです。これが、やはりいままではわりあいになかったのじゃないかと思うのですね。そういう人が、業界の中であるいは地域の中で非常に資産もありあるいは営業状況も抜群であるという人であるなら別ですが、そうでない場合に、自分の企業がまいってしまうという人を私はかなり経験的に見ています。そういう人たちにどういうふうにして地域の中心的な役割りを果たさせるかということが、実質的な地域復興の基礎になるんじゃないかというふうに僕は思います。そういう点についても十分目を向けられて指導してくださるように、ひとつお願いをしたいと思いますが、その点大臣からいろいろお言葉をいただきたいと思います。
○神谷政府委員 御指摘の点は非常にむずかしい問題と申しますか、むしろ中小企業の組織化であるとか中小企業運動と申しますか、中小企業のいろいろな事業全体に通ずる問題であろうかというふうに存じます。また、指導者の方が事業の成功に必須であるということも事実でございますが、そういう方々に別途の報酬等を与えますと、またその事業そのものが全体の参加者の目から見た場合にゆがんで見られるケースもございますし、適切な報酬を得ながら適切な指導を行っていくという形ができるのが一番望ましいのではないか、このように考えております。これはやはりおのおのの地域の、県の商工関係のいろいろな担当の人たちあるいは市町村の担当の人たちが親身になって皆さんと相談しながら、そういう形をつくり上げていくという努力を重ねていく以外にないのではないか、こう考えております。私どもも、できますことがあるかどうか、いろいろ勉強してみたいと思いますが、やはり当事者の皆さんの気持ちがぴりっと一致して進んでいくということが必要ではないかと思いますので、現場でいろいろ汗を流していただかねばならぬ問題だ、こういうふうに考えております。
○山中国務大臣 いまおっしゃった点は、地域においては非常に重大な問題だと私は思っております。ただ、それを個人としてとらえることは大変むずかしい。たとえば佐世保重工業を再建された坪内さん、こういう人たちが、ある企業だけですけれども、佐世保の造船業関連には結果的には大きなプラスをされたのだろうと思うのです。しかし、あの人の立て直し方というものは独特のものがあって、相当な人員整理がくるわけです。それでもしかし、尾道造船あたりの方に引き取ったりなど配慮はなされているようでありますが、やはり人となると、見る人の角度によって、高い評価とそのやり方について批判とあると思うのですね。 しかし、地域でやります場合に、やはり地域の中核産業をいまとらえておりますように、その地域の中で、地域全体を浮揚させていくのは町村長さんでもないし市長さんでもない、あるいは知事さんでもない、もっと市民の中のみんなを引っ張っていく人たち。いま、たとえば北海道で北炭夕張とか幌内とかいろいろ御相談に乗っております。おりますが、げっそりやつれてしまった労組の委員長さんも御一緒に市長さんと来られ、経営者も来られ、そして商工会議所も米られますね。地域全体がやはりもう、あれは労働組合の委員長だからあれは市議会の議長だからというものを越えて、地域ぐるみの訴えというものをひしひしと感じます。ですから、石炭の再建ができるかどうかも、夕張や幌内、一生懸命なあの労働組合の委員長のげっそりとなさった、もう病みほうけたのじゃないかというぐらいの顔を忘れることができませんので、そういうことも配慮しておりますが、やはり長官が申しましたように、地域ぐるみである、ぐるみであるがだれかが一歩、半歩前進していかなければならないのが確かに現実の姿である。この点は大変御貴重な発言でございますから、そういう配慮をしながら、リーダーというものもあるいはリーダーシップというものもまず民間からあるべきであるという考え方の御意見を、しっかり胸にたたんでおきたいと思います。
○上坂委員 終わります。
○登坂委員長 次に、北側義一君。
○北側委員 両案の審議に当たり、まず新特安法からお伺いしてまいりたい、こう考えております。 この改正案では、基礎素材産業の救済また立て直しのために、その対策として金融上の支援措置、また税制上の支援、また予算上における予算措置、そのほかに、法律案の中に、対象の各業界ごとに構造改善基本計画を策定して、過剰設備の廃棄、また生産や販売の集約化、なお事業提携、このようなものを行うようになっておるわけでありますが、本法によりますと五年間の時限立法、このようになっておるわけです。これらの事業の事業者の自助努力は当然でありますが、これらの素材産業は御承知のとおり、いま国際競争にさらされておるわけです。そういう意味におきまして、この五年の時限立法で一体どのような見通しが立つのか、まずこの点をお伺いしたいと思うのです。
○小長政府委員 構造改善のために必要な期間につきましては、業種によりまちまちでございます。したがいまして、一概にどうとは言えないわけでございますが、特安法の経験を踏まえますと、設備処理の所要期間は、準備期間等も含めて約二年間ということでございました。それからまた、当省における現行の法定七業種につきましての調査等をいたしました結果によりますと、大体最小限三年程度、十分な効果の定着やさまざまな配慮をしながら漸進的に行う必要があるものについて、五年程度あれば足りるのじゃないかというふうに考えておるわけでございます。しかも、緊急に措置を必要とするものにつきましては、先生御承知のように法定をしておるわけでございまして、七業種は法定されておるわけでございますので、これは法律が施行されればすぐ実施に移される態勢になるわけでございますから、五年間あれば、この法律が所期しております設備処理とそれから事業提携とかあるいは活性化設備投資、あるいは技術開発等の活性化施策と並行していたしております構造改善施策というものの効果が上がっていくのではないかというふうに考えております。
○北側委員 現行の特安法につきましては、御承知のとおり、第一次石油危機が起こりまして、そうしてその不況からいわゆる構造的な不況産業を活性化していこう、こういうことで制定されたわけです。これはあくまで緊急避難的なものであったのではないか、こう考えるわけです。そうして、ここでいわゆる五年の期間が延びた、その次にまた五年たって、同じような状況でまた五年延ばす、こういうことではどうなんであろうか、こういう考えがあるわけです。と申しますのは、PAPの趣旨という面から見ましても、やはり国際的にどうであろうか、こういう考えがあるわけです。やはり五年という、法律でそのように決めた以上は、それだけの見通しがなければならないのではないか。五年たって、またあと五年延長である、こういう形では相ならぬ、こういう考えを私自身は持っておるわけです。その点についてどうでしょうか。
○山中国務大臣 先ほども御答弁いたしましたとおり、私どもはPAPの考え方は受けとめてこの法律をつくっておりますし、ことに、私たちが命令をして、どの企業、どの企業に、このような年次計画を持って五年後にこういう姿になりなさいということを言う法律ではございません。私どもが国のインセンティブを少し差し上げますから、自立自活できるかどうか、自活自立を求めて五年後には一本立ちするか、努力してもぽしゃるか、それは企業の活力、自主的な立場の問題でございます。私たちは受け皿はつくって差し上げます、しかし後は民間の自力によってやっていらっしゃい、受けとめましょう、がんばりなさい。それで、五年たったらまた延ばしてくれ、そういうような甘えの構図というものを私は絶対に受け付けない、企業の甘えというものは今回の法律には持ち込ませないということを厳しく——一部延長でもありますし、本来延長が基本にある法律でありますから、一応それを延ばすということは、石油ショックがどすんと二回来たということによるやむを得ざる措置であるということでありますから、さっきのPAPの話にしても、五年をさらに延ばす可能性を残したままこの審議をするということは絶対にあってはならない。私たちは、この五年は最後の五年、あるいは新しいものは最初の五年の、しかも一回限りの五年ということで、これを延ばす意思は絶対ありませんし、五年目が来たころに延ばさなければならない環境というものは、いまのところ絶対に想定しておりません。
○北側委員 よくわかりました。 次に、これは私の危惧になるのかもわかりませんが、この企業間提携については通産省と公取の協議事項、このようになっておるわけです。通産省の承認が必要であるということは業界の自主性が損なわれることにならないか、また、構造改善基本計画は大臣が決めることになっておりますが、通産省に官僚統制されるおそれはないか、こういう警戒、心配等を耳にするわけでありますが、その点についてはどうでしょうか。
○山中国務大臣 公取との協議については、まず通産省自体が独禁法の実態をよく勉強して、生きている経済、生きている産業というものをうまく蘇生させるという手段を考えるべきでありますし、独禁法も、日本の企業が衰退していくことを願ってあるものではありませんで、公正なる競争の中で発展していくことを求めている法律でございますから、これがいままでのように、独禁法の除外か、いやそれはけしからぬとかけしかるとかという議論でなくて、生きている産業と、その産業に即応して、しかも行き過ぎを戒め、足らざるをしかるといいますか、そういう意味の監督法的な独禁法というもの、これはこっちの方が原則でありますから、これがうまくかみ合わないはずがない、私はそう考えて、初めから独禁法適用除外というものを念頭に置かずに、そして、独禁法の存在を認めた上で、うまくそこを事前事後を通じながら協議していけば、むしろ日本の産業のために独禁法は貢献をすることができるはずである。資本主義、自由主義経済をつぶすために独禁法があるのではない、そう思っておりましたから、ただいま申し上げましたような経過を経て、これからの協議では、独禁法に触れるものあるいはまた独禁法を無視したもの、そういうものはつくりませんし、公正取引委員会もまた、しゃくし定規に、その産業の実態がどうあろうと、うちの方はこういう基準でございますからということは言わないだけの話し合い、そういうものをうまく運んでいきたいということでございます。 官僚統制の方は、これは初めから、あきらめさせておると言うと語弊がありますが、そういう気持ちは持っておりませんで、たとえば端的なのは、アウトサイダーというものに対して通産大臣が勧告をしたり指示をしたりする権限を持つか持たないか、これは実は、特定の業界にとっては大いに影響のあるところなんです。しかし、それは初めから捨てよう、そういう統一性のとれない——みんなでこの苦境を乗り切っていこうという業界が乗ってくればいいじゃないか、アウトサイダーがおって、おまえたちがどんなことをしようとしたっておれは自分一人で大きく伸びていくぞという、一匹オオカミにじゅうりんされるような業界というのは、乗ってこれなければ仕方がないじゃないか。したがって、官僚統制の象徴は大臣の勧告、命令権でありましょうから、そういうものは一切アウトサイダー規制の対象にしておらない、このことでもう御説明は要らないと思います。
○北側委員 明確なお答えをいただきまして、よくわかりました。 次に雇用問題なんですが、総理府が先日発表いたしました労働力調査、これによりますと、ことしの一月の完全失業率は、季節調整値が二・七二%、昭和二十八年一月以来最悪の数字が出ておるわけです。中でも基礎素材産業におきましては、この五、六年の間に失われました雇用数が全体で約三十八万人、このように聞いております。 こういう状況の中で、新特安法がこの失業の歯どめになっていくのかどうか。ここらは非常に期待する向きも多いのではないかと思うのですが、それらに対してはどのように対処し、またお考えになっておられるか。
○山中国務大臣 一月の失業者数が急激に率、数ともにはね上がっていますのは、調査対象を変えたということ、三万を四万にしたということ、事前にそういうことを国民ないし国会に知らせておいてやれば、急激な変化にならないものである。あるいはまた、いままでの調査方法によればこういうものであって、新調査手段によればこういうものであると並列してなだらかにわかるようにしませんで、一挙に日本に失業者が急増したような形に見られたことは、これは政府としてでありますが、非常に反省いたしまして、閣議でも大分議論が出ました。この方法について、国民に悪い意味のショックを与えないように、また粉飾されたものを国民に示してはいけないことでありますから、政府全体としてそこらのところを反省して、いま作業をしておるところであります。 それから、労働大臣との間の問題は、確かに法律にきちんとしてはおりますが、私たちは、政策の目標としては構造改善をやる、だから人件費を減らさなければならぬから何名首を切る、そこでぽいと労働省に渡す、そういう考えではなくて、なるべく新しい分野へ進みながら、集約化といっても、それは共同生産とか出荷とか行為の集約であって、したがって、そこらのところをよく配慮しながら——抱え切れないほどであると経営者あたりが言っているようでありますが、反面、経営者のもらっている労働組合からのメリットというものは、終身雇用制に基づく愛社心といいましょうか、外国から見たらそういうようなものがわからない。ちょうどきょうとあしたじゃないでしょうか、日本で、民間の企てでありますが、日本における労使問題について、という国際シンポジウムを開いているようですね。どうして日本の労使問題はあんなにうまくいっているのだろう、どういう考え方で使用者側が、どういう考え方で労働者側が、企業というものの間で結合してうまくやっているのだろう、そういうことの日本の労使関係の研究会があるように新聞に出ておりましたが、私は、外国から見ますと、そういうことは確かにむべなるかなという感じがしてなりません。やはり労使の間にはともに、生涯雇用の関係を通じて温かみ、交流があります。したがって、このような基礎的な条件を前進させようという場合に、まず人間が余ったらすぐ労働省の不況関係法規へぽいとほうり出すというようなことのないように、企業の改善を進めていきながら、構造、体質を変えていきながら、そこの中にまたそれにふさわしい労働者というものが新しく生まれてもきましょう、あるいはまた定年退職者の不補充という手段もあるでしょうし、そこらはこの法律の進行中の過程で抱えてあげる。なるべくそういう労働省のお世話になるような人を出さない。これはしかし、それから以上踏み込みますと労使の関係に、よくもあしくも官というものが踏み込んでいくことになります。したがって、そこの労使関係まできっちり企業ごとに政府というものが踏み込んでいくことには、一定の自粛がなければならぬ。それはやはり、官権の介入という言葉が昔よく言われておりましたが、そこのところは、いいところはいいように温かい目で見てあげる。そこに、労働組合の失業者を心配する余り政府権力が入っていく法律というものは、私はやはりよくない。そこまではむずかしいだろう。だから目的にもそれをうたい、各条章にも、いやしくも雇用者の立場を損ねることがあってはならないという表現等で入れておりますが、しかし、それでも産業界全体がそういう流れの中にある激変のときでありますから、念のために労働省の方で最悪の場合の受け皿としての法律を、今回二本を一本にして、それにはしかも「不況」という言葉をつけませんと特別な対応ができないものですから——私のところの法律は「不況」というのを取ってくれないかという関係者の陳情がありまして、あそこは「不況」という名がついているところだからというので、普通のお客さんも普通の商店街に買いにくるのをやめるような副作用等もあるらしいので「不況」という字を取ってありますが、労働省の方は「不況」という字をかぶせないと、最悪の場合に、こぼれてきた人たちを温かく受けとめてあげる特別の措置が規定できないということで、そこの点、言葉だけの平仄は合わない点がありますが、内容を合わせるためにそうしてあるということでございます。
○北側委員 いずれにしましても、この新特安法がうまくいくかいかないか、これは非常に雇用問題に大きく影響をしてくるのではないか、こう考えておるわけです。そういう意味におきましても、やはりこれが五年間で活性化されるように御努力をいただきたいと思うのです。 なお、この基礎素材産業、特徴はいろいろあるわけでありますが、先般の参考人の意見等を聞いておりましても、やはり原料及びエネルギーコストが非常に高い、これが大きな一つの問題であろうと思うのです。たとえば、ちょっと調べてみますと、エネルギーと原材料の生産コストに占める割合、粗鋼、石油化学は非常に大きい。八〇%ですね。アルミ地金で七〇、紙パルプ、ソーダ、セメント、これが約五〇強、このように言われておるわけです。 そこで、今回幸いなことに、先般OPECにおきまして原油価格が一バレル当たり約五ドル引き下げになったわけですね。これが素材産業に与える影響というのは非常にいい結果をもたらすのではないか、こう私は考えておるわけですが、それらについて数字的にはどのように概略見ておられるのか。数字的にむずかしかったら、数字は結構です。
○小長政府委員 今回の原油値下げの基礎素材産業を含む国内産業に与える影響の問題についての御質問でございますけれども、これにつきましては、石油製品価格の動向とか各産業ごとあるいは企業ごとの生産形態や取引の状況等不確定要因が多いわけでございます。したがいまして、的確にその影響を判断することは困難であるというのが実情でございます。ただ、一般的に申しますと、国内産業のコスト低減等にある程度寄与することが期待されるということでございます。 しかしながら、基礎素材産業につきましては、海外のライバルといいますか供給者も、原油価格低下のメリットを享受することになるわけでございますし、現在内外のコスト格差というのは大変大きいわけでございまして、そういう面から考えますと、国際競争力の面で内外の差が大きく縮まったということは言えないわけでございます。したがいまして、基礎素材産業が抱えております構造的問題というのは変わらないわけでございますので、本法によりまして速やかに構造改善の措置をとっていく必要があるのではないかというふうに考えておるわけでございます。
○北側委員 では、原油価格の引き下げに伴いましてあわせてついでに質問をしたいのですが、先般通産省が、原油価格の引き下げに伴い世界経済とわが国の経済への影響がどのようになるかという試算を発表されておるわけです。一バレル五ドル引き下げになりますと世界的に物価が安定するとか貿易収支改善が期待できる、世界の経済の実質成長率は、五十八年で〇・一%、五十九年で〇・三%押し上げることになる、このようにおっしゃっておられるわけです。日本経済におきましても、実質成長率は、五十八年で〇・二から〇・三、五十九年で〇・二ないし〇・五、このように押し上げる、こういう期待感が含められておるわけです。 このような問題につきまして、こういう試算を出す以上は、原油価格の引き下げが電力料金とかガス料金とかこういうものに影響があるわけですから、これらについてどのような見方を持ってこういう試算をなさったか、それをまずお伺いしたいと思うのです。
○小長政府委員 通産省では幾つかの値下げの例を想定いたしまして、通産省が有しておりますマクロモデルを使いまして試算をしたわけでございます。それが、先ほど先生がお触れになりました、五ドルの場合における実質GNP成長率は八三年で〇・二から〇・三という数字が出ておるわけでございますし、物価上昇率について申しますと、消費者物価の上昇率が八三年の段階では〇・五ないし〇・六のマイナスということでございますし、卸売物価の上昇率は一・四から一・六のマイナスということになっておるわけでございまして、貿易収支も八三年の場合、四十四億ドルの改善というような数字が出ておるわけでございます。 しかし、これはマクロの一つの試算ということでございまして、通産省は独自の調査といたしまして並行いたしまして、主要業種につきましてどういう影響が出てきたかということも検討したわけでございますが、概して申しますと、五ドル程度の値下げでは大きな影響ということではないわけでございまして、全体といたしまして、実質所得の増加等によりまして個人消費、設備投資あるいは住宅投資等への好影響が見込まれまして実質経済成長率の上昇に寄与する等、総じて日本経済に対しまして好ましい影響が出てくるのではないかというふうに想定をしたわけでございます。
○北側委員 通産大臣、原油引き下げに伴う電力料金、ガス料金はどうなるのですか。国民一般に非常に関心の強い問題なんですね。どのようにお考えでしょうかね。
○山中国務大臣 たびたび御答弁いたしておりますが、改めて御答弁いたします。 一つずつ抜き取ってそういう御質問をいただきますと大変むずかしいのですが、今回の五ドル引き下げは私たちの力でかち得たものではない、たまたまそういうふうにOPECの方でカルテルを維持するために下げてもらった結果の恩恵を受けるのである、天の恵みとでも申しましょうか。そうすると、石油依存度の最も高い日本にとって、これは世界で一番うまい利用方法といいますか受けとめ方をした国に日本はなるべきであるし、またそうなければならぬ。 そうなりますと、三十四ドルから二十九ドルという考え方の前に、二ドルであったものが三十四ドルになっていたんだ。そこで天の恵みで五ドル下がった。これがすべての国民の生活から、そしてすべての関係のある産業全体から、それが活性化していく一つの大きな引き金を与えてくれたのではあるまいか。そこで、役所の中で慎重な検討をいたしておりますが、ただ、何しろまだ少し、動きがとまったとは見られませんですね、北海原油の動き、ナイジェリアの動き、そこらのところがどうも気になる。そうなりますと、OPECの価格も、まあ上がる方にはいかないのじゃないかという大変わがまま勝手な安心感は持っておりますが、若干不確定要因があるけれども、そろそろここで、いま現地で二十九ドルで買い付けられるということを前提にして物を考えながら、しかし、日本側に到着をしたその五ドル下がった油というものは、輸送の日にち、それから過去のコストの高かった油との調整をしながら出していって、完全に五ドル下がった油が日本に全量供給に至るというのには六カ月ぐらいかかるであろう。 したがって、これを国民経済に、あるいは国民生活の実質可処分所得の増加につながる手段に、どのようにうまく産業政策を展開していくか。その中には、確かに皆さんの御興味の的である、電力料金はどうなるんだという問題もあると思いますが、去年は電力料金値上げを申請しかかっておる寸前、やや為替が戻したということがあってやめていた業界でありますだけに、設備投資なども去年に比べたら大きく落ち込んでおるわけであります。これは必要とされる設備であって落としているわけでありますから、そこらの事情等も配慮しながら、しかし、最終的には国民が恩典を受くべきものの一つである。 では、何年続くんだということを言われますと、これがいまのところまだ自信が全くないわけですね。だから、かつて円高のときに電気料金に還元をして、一年半後にはまた五〇%値上げをするという、国民にすれば、こけにするなというような感じの政策にはなるべくならない、電気料金は望むべくは低廉がよろしい、そして安定した料金で長く続くことがよろしい、できれば下げた方がなおいいわけです。ですから、そういう意味で余り短兵急に、五ドル下がりましたから電力料金を幾ら下げますというような言い方でなくて、じっくりと、ある意味でクールに、国民の願望は踏まえながら、今回はしっかりした足取りで、ばたつくことのない姿で進んでみたい、表現はまずいかもしれませんが、そういう気持ちでございます。
○北側委員 ちょうどあの第一次石油ショックのときですが、このとき御承知のとおり非常に急激に上がったわけです。いま大臣がおっしゃいましたとおり、現地で購入した分が日本へ入ってきて精製されて製品になって出ていく。その間、相当の年月がたつわけです。あの第一次石油ショックのときにいろいろな問題が起きたのですね。 というのはどういうことかといいますと、安い原油がタンクに詰まっておっても、それはできるだけ出さないようにしておいて、そうして高い原油を買ったようにして製品化していく、こういう問題で、ずいぶん国会でトラブルが起きて論議されたわけですね。今回は下がったわけですけれども、これもやりようによってはごまかしは幾らもできるわけです。しかし、バレル五ドルですから、そう前みたいに大きな金額じゃありませんから、その落差というのはそうわからないかもわかりませんが、いずれにしましてもこれはやはり一つの非常にいいチャンスであり、これをちゃんとやっていくことによって日本のいまの不況問題、これが活性化していく非常に大きなものになるのじゃないか、こう思うわけです。大臣、非常にすばらしい大臣でございますので、どうかうまくこれを活用していただいて、何とか不況で苦しんでおる企業の皆さん、また国民の皆さんにこれが一つのきっかけになるような働きをやっていただきたいと思うのです。 では、次に、城下町法案について伺いたいのですが、現行の法律では、構造不況の悪影響を受けておる中小企業の経営安定を緊急に図るために、企業誘致対策とか経営安定対策、この二本の柱でやってこられたわけです。五十三年制定以来この二本の柱で五年間進めてきたわけでありますが、今回の改正で地域振興の柱、これが一本加わったわけですね。 そこで、今日までのこの五年間を総括して、現行法で進めてまいりました企業誘致対策とか経営安定対策、これの実績と評価をどのように見ておられるのか、まずそれから伺いたいと思うのです。
○神谷政府委員 御指摘のように二本の柱で過去進めてまいりましたが、第一の経営安定対策の面では、現行法に基づきます認定中小企業者数五千強でございます。これに関連いたしまして種々の助成策が講じられておるわけでございますが、たとえば緊急融資四百三十億円、あるいは信用補完措置の特例で百九十億円等が実施をされております。また、工場立地につきましては、特定不況地域につきまして五十六年までに二百二十九件の立地が行われておる、こういう状況になっております。 これらを総括してどのように評価をするかという点でございますが、まず第一には、第一次オイルショックによって受けた非常に大きなインパクト、これによる、特に集中的にそのインパクトを受けた地域の底割れを防ぐための緊急的な措置といたしましての効果、これは私どもは十分あった、このように考えております。 問題はその後でございまして、そういう緊急の手を打ちました後、その地域が落ち込みから再度盛り上がっていく、このためには、一つは、原因になりました特定事業所、大企業、城主様が立ち直ってもらうというのが一つと、それから企業誘致対策の効果、こういうことになるわけでございますが、前者に関しましては、御承知のように第二次オイルショックが引き続き襲ってきておる、こういう状況のもとで構造的問題を抱えておりますので、なかなか思うようにはいっておりませんし、あるいは延長法をお願いする原因にもなっておる。企業誘致対策につきましては、やはり同様の理由から、いわゆる経済が安定成長に移行した、こういう形でございますので、実績を見てみますと、たとえば五十四年あたりは全国的な出荷額のシェア等からその地域を見ましても、まあまあ来ておるかなという感じでございましたが、その翌年あたりは少し落ち込むというような形で、一定の成果は上げておりますが、法律をつくったときに恐らく当時の担当が思っていたほどはいってないのじゃないか、このように考えております。 しかし、大事な施策でございますので、引き続き進めてまいりたい、このように考えております。
○北側委員 特に今回の改正によって、新分野開拓事業等の推進が図られるようになっているわけですが、この新分野開拓事業、これは産地振興対策や地場産業振興、このように効果的な中小企業振興対策となるのかどうか、ここらが非常に心配なわけです。 たとえば、現在のような需要構造の変化に伴う構造的要因での不況地域の中小企業にとってみますと、新分野を開拓する、また需要を開拓する、他の地域へ出かけていく、このようなことが必要ではないかと思うのですが、現在、御承知のとおり経営環境が非常に悪化しておるわけです。そうして、むしろ中小企業にとりますと後ろ向きといいましょうか、そういう姿勢が目立つわけでありますが、果たしてこの新分野開拓事業の推進、これがうまく乗っていくかどうか、こういう心配をしておるのですが、それについてはどうでしょうか。
○神谷政府委員 確かに、新分野の開拓というのは非常にむずかしい仕事だろうと思います。また、この地域の関連中小企業者というものは、ある意味では城主様に協力していたような企業でございまして、異業種の集まりであるという点もございますので、この点もむずかしさをある程度増幅しておるというふうに考えます。 しかしながら、先ほども御説明申し上げましたが、全く新規のものを追うというよりも、自分の従来蓄積してきた経験、その延長線にある新しい分野を切り開いていく努力というものを皆でそろってやっていただく必要があろうか、このように考えております。 ただ、先生から御指摘いただきましたように、体力が弱っておる中小企業でございますから、なかなかうまくいかないという点がございますが、われわれはこういう点も勘案いたしまして、一般的にはこの種の事業に対しては金融措置、あるいは一部の税制で応援をする、こういうことでございますが、本件に関しましては、このための補助金を特に新しく計上をいたしておりまして、助成としては最も手厚い助成をいたしておるつもりでございます。その点でできるだけ、もちろん中小企業者の自発的努力なくしては何事もなし得ませんので、われわれのこれらの支援を最大限に活用して道を切り開いていっていただきたい、このように考えております。
○北側委員 いまおっしゃいましたとおり、この事業に対しまして資金を補助していく、こういうことでございますが、五十八年度は一地域当たり一千万、四十地域の予算が上げられておるわけですね。一方、特定不況地域は四十七に上っておるわけです。先ほどの質問にもありますとおり、これはさらにふえる可能性もあると聞いておるわけです。そうしますと、この一地域当たり一千万円という額は減っていく可能性もあるわけですね。そういう点で、この事業をうまく進行していくためにはこれでいいんだろうかというような考え方も私にはあるのですが、その点どうでしょうか。
○神谷政府委員 一応申し出を待ちまして、この種の事業、県と国とで負担をいたしまして、事実上一〇〇%補助の形にはなっておりますけれども、やはり当事者が全くエネルギーないし経費を支出することなしに行い得ることもございませんし、また一定の組織化も必要でございますので、こういう形で果たしてどのくらいの地域がまず第一義的に手を挙げてくるかということが完全に想定できませんでしたので、とりあえず四十地域ということで予算を計上いたしておりますが、これはあくまでも四十地域掛ける一千万円という積算の基礎でございまして、状況に応じて適切に配分をしていきたいと思っておりますし、さらに五十九年度以降も、先の話でございますが、予算の確保には努めてまいりたい、このように考えております。
○北側委員 それでは次に、公共事業の特定地域への配分、これについて伺いたいのですが、昨年のたしか十月に、特定不況地域の追加指定、これを踏まえて、通産の事務次官から建設省など公共事業所管官庁に対して、特定不況地域に対する公共事業費の優先配分、これが要請された、このように承知しておるのですが、今回の法改正の後にやはりこのような措置をとられるのかどうか。
○神谷政府委員 公共投資そのものが、全体としては横ばいであるとか実質マイナスとか言われておる時期でございますので、環境は現行法がスタートいたしましたときと比べますと非常に悪いわけでございますが、しかし、悪い環境の中でも最大限の努力をしていただく、こういうことで、私どもとしては、新しい改正法を通過させていただきました後は、この実施段階では各省庁にまた強く要請をしてまいるつもりでございます。
○北側委員 いまおっしゃったとおり、なるほど実質的なマイナスになっておりますが、この点ひとつ御努力をお願いしたいと思うのです。 これは先ほど少し出た問題でありますが、企業城下町の中小企業、これは一応多くの業種に分布されておるわけですね。そこで、認定組合を構成する業種は同一業種と異業種、これは非常に多種多様であろうと思います。最近、中小企業の異業種間の交流が行われまして、業種のノーハウを持ち寄って参考にしながら、技術開発、経営改善に役立てておる、このように聞いておるわけです。 しかし、そこまで行くのにはかなりの苦労があったのではないか、こう考えておるわけでありますが、今回のこの城下町における、いわゆる不況下の異業種による共同事業は相当やはり他と違いましてむずかしいのではないか、困難が伴うのではないか、こういう考えを持っておるわけです。そのために関係地方自治体と国の的確なアドバイス、指導が必要であり、その誘導いかんによってこれは大きく成否が分かれてくるのではないか、こう考えておるのですが、それについて具体的な考え方がありましたらお伺いしたいと思います。
○神谷政府委員 御指摘のように、最近では異業種交流でございますとか、あるいは中小企業の組織化の際にも、異業種間の組織化あるいは異業種組合の設立といったような問題が、ニーズの多様化あるいは新しい商品の開発、進出といったようなものを反映して非常に高まっておるわけでございます。 しかし、いずれにいたしましても経験が非常に浅い、さらには関心は高まっておりますが、問題そのものは非常にむずかしい問題だ、こう思っておりますので、各部道府県の商工担当の方々にもいろいろ御勉強願っておるところでございます。また、中央会等の中小企業団体の組織にも、こういう点をいろいろ勉強していただいておるところでございますが、幸いに、先生御承知のとおり、産地法関係でいろいろな新商品、新技術の開発事業を行っておりますが、その中には異業種の勉強というようなものも含まれておりまして、都道府県にも逐次それらの知識経験が蓄積されつつある、このように考えておりますので、われわれもいろいろ関係者の御協力も得ながら、あるいはいわゆる先進的な地域の経験というものをわれわれ日身が仲立ちしてお互いに交流させる、こういう形でむずかしい問題は取り組んでまいりたい、このように考えております。
○北側委員 やはりこの両法案だけでは、こういう不況地域の活性化は非常にむずかしいと思うのです。 そこで、先日、中曽根総理を中心として、山中大臣も当然入っておられるわけでありますが、景気対策について協議がなされた、このように聞いておるわけです。景気対策の決定時期は五十八年度予算成立直後、こう新聞等では報道になっております。この中に、その対策の内容として六つあるわけです。原油価格の引き下げ効果を浸透させる、金融政策の機動的運営、公共事業の上期集中契約、各種規制緩和による民間活力の利用、雇用対策と中小企業対策、所得税減税の実施、このように六項目を検討課題として具体的に詰めていく、こういうことであると承知しておるわけであります。 政府として景気対策を検討すると伺ったときに、公共事業上期前倒しや公定歩合の引き下げ、また民間住宅建設の促進のためのいわゆる規制の緩和、このようにずっと詰めていかれるわけでありましょうが、この中の中小企業対策についてどのように進めていかれようとしているのか、もしありましたらお伺いしたいと思うのです。
○山中国務大臣 この会議の内容は目下まだ詰まっておりませんので、官房長官の手元で、おっしゃったように六項目の取りまとめの柱をお示しするだけにしております。しかし、なるべく早い機会にさらに各関係省が詰めましたものを総理の手元に上げる。総理の手元でそれをまた分析してもらって、そしてまた関係閣僚が集まって最終的な詰めをやろうということになっております。 したがって、中小企業はもっぱら私どもが主としてやるべき問題でありますが、あるいは官公需の受注率の低下を最低させないように、ふやすように、あるいは——金があれば手はあるのです。たとえば中小企業投資促進税制、これも脱額控除をやめた、あるいは建物、リースを対象から外したということは、結局政策の展開は私たちはできるのですけれども、それはしかし二千六百億、大蔵省に金があるかということを確認しないと、政策として展開をしても金がないということになりますから、そこら大変つらいところがございます。しかし、予算審議が終わった後速やかにという意味は、たとえばおっしゃった公共事業の上期前倒しをいたしました場合に、当然ながら下側をどうするのだということ。じゃ補正予算組みますということを国会審議中は、予算が通るまでは言ってはいけないことになっておるわけですね、できないわけです。いま出している予算案と違ったものを後でやります、予算案を通してくださいとは言えないわけでしょう。そこらの、ちょっと踏み込んだ発言をし過ぎましたが、いろいろ現段階では明らかにできないという手足を縛られた一面もございますので、これを四月になりましたならば早急に詰めて、新しい景気対策の方向ということで、その起爆薬は何としても石油の値下げ、ここのところに置かなければならぬと私は思っております。 これ以上詳しく言いますと論議の内容に立ち入らぬといけませんので、賛否両論いろいろございますが、要するに石油値下げを天恵としてこれをとらえて、世界で最もすばらしくそれを活用した国という国づくりを中心にしたいと思っております。
○北側委員 これは通産大臣の所管ではないと思うのですが、たとえば国による各種の規制がありますね、地方自治体による各種の規制。民間の方では何とかここをこうしたいと思うのですが、できないという例がいっぱいあるのです。 たとえば一つ挙げますと、道路は計画決定されておるのですね、ここは幅員を広げますよと。ところが、それはもう二十五年前に決まって、実際はそういうことはいまの段階ではできないのです。しかし、そこの住宅またはビルについては、改装はできるのですよ、しかし上に伸ばすことはできないのです。民間はやりたくてうずうずしている。しかし、二十五年も前に決めたことがいまだに生きておるわけです。いらえない。再開発が必要なんですよ。民間でやると言うのだけれどもやらさないのです、これは自治体がやるのだと言って。そういう各種の規制が働いて民間の活力が利用できないというようなものが、調べたらいっぱいあると思うのです。そこらをひとつ大臣、実力者ですから、よくやっていただいて、やるとこれは大分変わってくると思うのですよ。 ここに取り上げられている各種の規制緩和による民間の活力の利用、これは私、いいなと思って、非常に関心を持って新聞等も読んでおるのですけれども、ここらを活用しないと、銭がないからできないのだと言うだけではいけないと思うのです。ちょっと能がないのじゃないかと思うのですよ。そこらは実力大臣で、ひとつ各省にハッパをかけて調べさせてでも一遍やったら、相当な力が出てくると思うのです。その点をお願いしたいと思うのです。
○山中国務大臣 限られた関係閣僚でございますから、各省の垣根を取っ払って議論をしようじゃないかということで、その点忌憚なくやりました。 たとえば、いまの各種規制の中で道路を取り上げられましたが、住宅の問題を考えてみましても、二百四十万戸というものが空き家なんですね。それは決して郊外に空き家が点在するのではない。既成市街地の中に改造しようにも、改築しようにも、どうにもならない規制がある。 それは、まず借地借家法ですね。これは建設省、過去にも二回出しましたけれども、貧乏人いじめだというので一発のもとにやられて廃案になっているものですから、それ以来腰を引いちゃってどうにもならぬのです。私は党の税調におりますときに、そこのネックを取り払わなければ、あたら戸数はある。しかし、人の求める、住みたい家のニーズは足りない。衣食住を政治の基本とするならば、衣と食は何とかなっても、住におたおたしている国は後進国だということでやっておるのですが、借地借家法をかぶっておりますと、借家人の権限というものもありますから、いまでは住むにたえないような状態であってもまだ住みたい人がいるということになりますと、二階の細長い廊下に一カ所共同の洗面所があって、突き当たりにトイレが一つあってというような、子供を育てるような環境になるとちょっとどうも住めないというような状態の人たちに、それを取っ払ってやって新改築を認めるというようなことをやったら、それでずいぶん現在の既成市街地の中で、人間の入るにふさわしい住宅がたくさん建つと思います。 それは、いまの高さの制限ですが、第一種住居専用地域は高さは十メートルで制限してあります。これでもって三階建てがつくれないという高さの制限であります。したがって、おととし土地税制をやりますときに、おっしゃるように地方に権限が渡してありますので、非公式でありますが東京都庁の責任者に来てもらいまして、知事じゃありませんですよ、来てもらいまして、こういうわけで土地税制、住宅税制を幾らやろうとしても、ネックは第一種住居専用住宅地域の高さの制限にあるということをこんこんと説明しまして、東京都の地図を持ってお互いに議論をして、さしあたり環七以内は取っ払うということになりましたが、これではどうもまだ、せめて環八以内と申しましょうか、東京都に例をとればそこらまで広げてもらいたいし、できれば十メートル制限というものは大都市においてはなくしてほしい。日照権その他の問題もともに議論されるでありましょう。しかし、日本の土地は、面積ではチグリス・ユーフラテス時代の居住しかしてないわけですから、それを高くしていくという人知をそこに働かせなければならない時期に来ております。 ですから、そういうような各種の制約というものが——民間が自分たちでやりますよ、国の補助がなくたってりっぱな家につくりかえたいと思っているのですから。あるいは今回のマンション法の改正によって、つくりかえる場合は五分の四の居住者の賛成があれば更新できる。踏ん張っておる人がおれば、厳しい多数決のうちにその人には出ていってもらうという法案等もできたわけでありますから、こういうものを契機にして、人間が住むための住宅とはどういうものであって、それを阻害しているものは何であるかという問題についても、忌憚なく私の意見は述べました。それに対して、またさらにこの次の会合では反応があると思います。 一つだけ例をとられましたのでお話ししましたけれども、中の方の議論は、いまの段階で外に出すと、そうしないといった場合にどこに責任があるという話になりますし、余り出さないことになっておりますから、いま一つだけ例にこういう具体的な提案をした、それの検討に入っているということだけをお答えさせていただきます。
○北側委員 あと大分残っておるのですが、もうこれでやめておきます。あと残りはまた次回にする、こういうことで、どうもありがとうございました。
○登坂委員長 次に、横手文雄君。
○横手委員 私は、特定不況地域中小企業対策臨時措置法、いわゆる新城下町法について御質問を申し上げるわけでございますが、昨日の新特安法に係る質問項目を少し残しましたので、それを先にお伺いを申し上げたいと存じます。 新特安法に係る雇用問題についてであります。本法案は、不況にあえぐ産業をそのまま放置するならば、やがて大きな社会不安につながってしまう可能性がある、したがってこれに活性化を与え、そして雇用を確保していこう、こういう目的を持っておるということを大臣、繰り返しお述べになっているのであります。このまま放置するならば社会不安を引き起こす、この社会不安の代表的な現象は失業の増大であろうと思います。したがって、雇用対策について最大の努力が払われなければなりません。 この事業の、つまり設備廃棄、事業の提携等の推進のためには、労働組合の協力なくしては目的を達成することができないのであります。したがって、現行法の中にも、労働者の犠牲の排除が明記されておりますし、また新法におきましても第八条の二、三項四号に、労働者の地位を不当に害しないことを条件に受けているのであります。 こういった観点に立ちまして、先ほど来大臣が述べておられますように、この雇用問題に対する大臣の決意をまずお聞かせをいただきたいと思います。
○山中国務大臣 基本的な考え方としては、基礎産業あるいはまた城下町法でもそうでありますが、企業の再活性化あるいは新しい分野への展開、そしてできる分野においての共同というようなこと等が盛られておりますために、すぐに失業者という問題を、過去の体験もございますので、心配しなければならないという経緯がございます。 しかしながら、今回は私ども、労働省の方に一応二法を一つの法律にして受け皿は国会に出してもらっておりますが、そちらの方になるべく御厄介にならないように、企業の新しい方向に向かって、その企業内の雇用者が引き続き新しい職場、前進した職場、あるいは共同していく場合、そういう場合等にも配置転換その他でもってなるべく失業者が輩出しないように、そういう配慮でこの構造改善事業を進めて、労働省のお世話にはならないようにするという政策的な考え方を基本に持ちながら進めておりますので、個々のケースでいろいろと問題が起こると思いますが、その声を十分に酌み上げて配慮されたものを最終的に案としてつくり上げていくつもりでおります。
○横手委員 大臣の御決意を私どもは大変力強く思います。 そこで、多少の提案を含めながらでございますけれども、現在の特定不況業種を受ける企業並びに業界は、今日までたくさんの失業者を出しているのであります。したがいまして、今後はこういったものをできるだけ少なくしていく、あるいは労働省のお世話にならないような形で進めていくという大臣の決意をいただきますならば、この構造改善が進んでくるまで——今日でもなおある企業によっては、希望退職あるいは人員配置、出向が行われているのであります。したがいまして、こういった構造改善が進んでくるまでは、たとえば労働時間の短縮をするなりあるいは休暇をふやすなり、そういった工夫をこらして、ワークシェアリングというのでしょうか、こういったものによって雇用の確保、失業者を出さないための企業努力を義務づけるといったようなことを行政指導として積極的に行うべきであるというぐあいに考えますが、いかがでございましょう。
○山中国務大臣 義務づけるというのは確かに最高の配慮だと思うのですが、この労使の関係というものは、企業ごとに、会社ごとに、おのおのが取り交わされた、組合にとっては身分の保障であり、企業にとってはまたそれの承諾ということでありましょうから、そこのところに、配置転換をさせるのはいかぬぞとか、そういうようなところまで踏み込む、あるいはその労使協約は問題があるとかそういうことに、公権力としての通産省でありましても、政府が踏み込んでいくことについてはいかがであろうか。しかし、法律の中にも書いてありますし、運用も精神もこのように説いているわけでありますから、経営者だって、自分の長年働いてくれた貢献者である従事者に対して、犬猫を扱うような気持ちでおる経営者はいないだろうし、いたら、いまやこの時代にそぐわない落後者だと私は思うのですね。 ですから、そこまで法律で踏み込んでいきますと、その労使間協定というものの基本の問題に私たちが立ち入ることになる。しかも、立ち入って何にもしませんからというんであったら、これは立ち入ることそのことが何の役にも立たぬということでありますし、立ち入ると決めると、労働法規との関係で、このような産業政策の法律としては大変むずかしい問題がある。だから、あくまでも、みんなにその計画を出させるときに、そのような、労働側から見て、従事者側から見て不当である、あるいは行き過ぎであると思うようなものがあれば、十分耳を傾けて、その計画の内容についての検討を進めさせるということにとどめざるを得ないのじゃないだろうか、そういうふうに思っております。
○横手委員 先ほどの大臣の御答弁を受けて申し上げておることであります。つまり、労働省の世話になるようなこと、そういったことはしないようにしていこうではないかという決意を述べられたのであります。そのためには何かをなさなければならないということであります。 何かをなさなければならない。たとえばと申し上げましたように、その一つとして、この構造改善が軌道に乗るまでの間は、できるだけみんなで労働を分け合うような形にして、そしてその中に雇用を確保していくような、たとえば申し上げてまいりましたように労働時間短縮をするあるいは休日をふやす、こういった形で何かをなす必要がありはしませんか、ありますよということを申し上げておるのですが、いかがでございますか。
○山中国務大臣 そのこと自体がまさに労使の間で相談さるべきことでありまして、政府の方が法律もしくは行政的にそこの中に割り込んでいくというのにはやはり一線を画しなければならぬのではなかろうか、そういうことを申し上げているだけで、おっしゃっておるそのやり方そのものについては、労使の知恵の出し合いというものがあるのだろう、私はそう思います。
○横手委員 このような構造改善が進められていく、それまでの間、きょうもどこかで職場を離れていく人たちがおるといったような実態に合わせて、これから通産省がこれらの法律に基づいて構造改善あるいは事業承認等を行っていこうとする、そういうことで業界を指導されるわけでございますが、それまでの間、このような形でできるだけ雇用の確保を行うべし、こういった指針を示す、この程度のことについてはいかがですか。
○山中国務大臣 法律でなくて指針ということでございますが、これはむしろ、それよりか、事業認定をする場合には労働者側の意見も反映されたものとして、私どもはそれをきちんとどのように反映されているのかを確認するわけでありますし、審議会の場でも、労働界の代表も入って、その労働者の立場から見たらこうだという意見も当然審議会でも述べられて、そっちが満場一致になるかどうかは別にして、それも私の手元に届いてくるわけでありますから、そういうことで確認をしていくことの方がむしろかえって現実的であろう、そう思うのです。指針といっても、それに従うか従わないかは、これはやはり経営者あるいはまた会社全体あるいはその会社の置かれた特殊な環境、そしてまた、労働組合としての持つそれぞれの特色、こういうものが一律にその指針でもって通るか通らないか。ただ指針があったよというだけで一顧だにされないようなものであっては、これはちょっとまた問題があるんじゃないかと思うのです。
○横手委員 私は、そういった紋切りのことを申し上げているわけではないのでございますが、しかしこの問題について、いま申し上げたようなことで、大臣の決意としては労働省に世話にならないような形でこれを進めてまいりますという前提があるし、その中で生かされていただけるものという期待をして、次に参ります。 この法律の第十条には一項から四項にわたって、この新旧対照表では三十ページに相なりますが、この中でそれぞれ「労働組合と協議して」、「失業の予防その他雇用の安定を図るため必要な措置を講ずるよう」求めており、さらに三項、四項におきましては、国と都道府県に対し、同様の措置並びに職業訓練、就職のあっせん等の措置を求めているのであります。 しかし、そういった法律の規制はございますけれども、その法律を見ますと、そのいずれもが「努めなければならない。」という表現になっております。いわば努力目標的な形でございまして、この際、この十条に係る法文に「措置を講ずるよう努めなければならない。」とかあるいは「努めるものとする。」とかいうようなことでなくして、法文そのものを変えろということではございませんが、少なくともこの法律が言わんとしていることは、これらの措置を講ずるというのが法律の内容であるという、もっと強い法律の運用、こういったものを持たせるべきではないかと思いますが、いかがですか。
○小長政府委員 先生御指摘のように、十条の第二項、第三項の規定は「努める」というのがその結びになっておりまして、これは国の方針とか国の責務を明確化したものであるというふうに考えておるわけでございますが、国といたしましては、このような規定の趣旨を踏まえまして、労働省におきましてすでに現行離職者二法を統合拡充して、雇用安定のための措置の一層充実を図るというような新しい雇用安定法の措置も講じようとしておるわけでございます。したがいまして、御指摘の規定の実効は、この「努める」という国の責務を明確化する規定で十分にもう担保されているんじゃないかと考えております。
○横手委員 次に、第八条の二、つまり二十ページに係る「事業提携計画の承認」についてでありますが、その第三項の四号、二十四ページでございますが、ここに「当該事業提携計画に係る提携事業者の従業員の地位を不当に害するものでないこと。」というこの提携計画は、大臣が承認をされる幾つかの条件の一つとして四つ目にこのことが義務づけられているといいましょうか、明記されているわけであります。 この計画書をお受け取りになり、そしてこの計画の承認を行われるのは大臣でございます。それぞれの項目、一から四までをそれぞれ満たさなければならないのでございますけれども、特にこの四号について最重要性の一つにしていただきたいということを希望するものでございますけれども、大臣、いかがでございますか。
○山中国務大臣 もちろんそういうつもりで審査、認定に当たります。
○横手委員 私は、今日まで多くの不況を経験してまいりました。そうして、国の救済措置も受けながら労働組合として一生懸命にやってきたという多くの経験を持っておるわけでございますけれども、ただ、こういった大きな事業を行う場合には必ず出てくるのが、どこかに移動の不可能な人たちであります。そういった人たちの雇用を安定するためには、そこで失われていく雇用機会を創出しなければならない、再びそこに創出しなければならないということが大変重要なことであります。いま、この法律あるいは城下町法あるいは労働省の雇用安定法、これらもそのことを目的にして努力をされているわけでございます。 〔委員長退席、森(清)委員長代理着席〕 しかし、新しい企業誘致といっても、鶏を鶏小屋の中い追い込むようなわけになかなかまいらないという実情はあるわけでございますが、せっかくいまこの三つの法律が一緒に国会で審議されている最中でございますので、それぞれの法律に基づいてということではなくして、この際この三つの法律が一体になってこれら新しい雇用創出のために、新しい分野の開拓のために全力を尽くすべきではないかという気がいたしておりますが、いかがでございますか。
○小長政府委員 先生御指摘のとおりでございまして、私どもの新特安法におきましても、活性化施策の中で技術開発とか活性化設備投資というようなことで、新しい雇用機会の創出についても具体的に考えていきたいというふうに思っておるわけでございますし、中小企業の城下町法との連携も十分保ちながら、そしてまた労働省の新雇用安定法との連携も十分保ちながら、さらに通産省が持っております工業再配置の関係の政策手段等もあわせ考えながら、総合的に雇用の創出に努力をしてまいりたいというふうに思っております。
○横手委員 労働省、来てもらっておりますか。 労働省のこれらの問題に対する対処はいかがでございますか。
○稲葉説明員 工場閉鎖等に伴いまして離職を余儀なくされました方々が、できる限り当該地域において再就職できるようにするということは、先生御指摘のとおり大変望ましいことでございまして、このため、労働省が今国会に提出いたしております特定不況業種・特定不況地域関係労働者の雇用の安定に関する特別措置法案におきましては、これら特定不況地域につきまして地域雇用促進給付金制度を全面的に適用するということにいたしております。 この地域雇用促進給付金制度と申しますのは、指定地域に新たに工場等を新増設いたしまして、その地域の失業者を雇い入れました事業主に対しまして、一年間助成をするという制度でございますが、こういった制度を新しく不況地域に全面的に適用するということにいたしておりまして、事業所管官庁が実施されます各種の施策との連携を十分に図りまして、関係労働者の雇用の開発に役立てたいというふうに考えているところでございます。
○横手委員 ぜひそういったことで、三位一体になった新しい雇用創出の新機構の事業開拓に当たっていただきたいということを重ねてお願い申し上げる次第でございます。 ただ、この法律の中で、これらの問題についても労働大臣との間で主務大臣は十分に協議するというようなことが書いてあるわけでございますけれども、それぞれ条文がどこにあるかということを特に言うわけではございませんが、それは第五十七条に係ることでございまして、もう法律の最後であります。しかも、第四章の雑則という中にこれらの問題が位置づけられておりますが、私ども、雇用を守る、それが社会不安を除く大きな問題であるという前提に立つものからして、ちょっとさびしいような気がいたしますが、大臣、そんなことはございませんか。
○山中国務大臣 これは、事業の対象たる主目的は附則にはなりませんが、他省との関連あるいはときには税法との関連等もありますが、めったにはありませんけれども、そういう場合等は大体附則の方で書くのが法律の書き方であると思っております。ですから、順番が後だから地位が低いんだということは、自分も思わないとおっしゃっておりましたが、そういう意味で、特別の意味は持っておりません。重視するということにおいては変わりはないということであります。
○横手委員 雇用問題について最大限の努力をお願い申し上げたいし、また労働組合も、雇用を守ることこそが労働組合の大きな目的でございますので、それらは遺憾なきようにがんばっていただけるものと期待を申し上げる次第であります。 次に、基礎素材産業の問題点について二、三お伺いを申し上げます。 私は、この法律ができ上がった、このことによって日本の基礎素材産業が直ちに活性化に向かい、そして世界のこれら業界の中で十分に闘い抜いていける力がすぐつくとは考えておりません。質問を通じて大臣も、これらが不況の中に陥ってしまったということは、電力料金の諸外国との比較の問題で、とても太刀打ちできないような電力料金にあります、それも原因の一つにありますということを述べておられるのでありまして、私もそのとおりであろうと思います。しかし、この法律の中ではそこまで踏み込んでおりません。ですから長期的な問題については、国際競争力においていかなる国とも闘い勝ってみせるという長期的なものは、この法律では不十分だというぐあいに思うわけであります。 そこで一つは、これからも技術開発をどんどん進めていかなければならない。特にこういった石油関係の産業においては、産油国においてはこれはもう自分のうちのものでございますから、油代は下がったとはいえ、日本よりもうんと安く使えるというのはあたりまえのことでありますし、あるいは産油国でなくとも途上国においては労務費が大変安いということで、同じものをつくっていたのではなかなか競争に勝てないということでございまして、これは今後とも技術開発をどんどん進めていかなければならない。いわゆる差別化商品の中に踏み込んでいって、よそでできないものを日本の産業の中で開発をしていかなければならない。そこにこの基礎素材産業の将来にわたる活性化の道があると考えておりますが、これらの問題に対する通産省の対策はいかがでございますか。
○小長政府委員 先生御指摘のように、技術開発の問題は大変重要な課題でございます。構造改善基本計画の中におきましても、「新技術の開発に関する事項」というのが書き込まれる形になっておるわけでございまして、通産省として目下用意しております政策手段といたしましては、技術開発に関する幾つかの助成の措置を持っておるわけでございます。 たとえば具体的には、共通基盤型石油代替エネルギー技術開発補助金制度というのがございます。もう一つは、産業活性化技術研究開発費補助金というのがあるわけでございますが、この二つの制度をうまく活用することによりまして、たとえばアルミにつきましては溶鉱炉法の技術開発であるとか、あるいはフェロアロイにつきましては溶融還元法の製錬技術開発であるとか、新蒸解法のパルプ製造技術、高効率合繊製造プロセス技術とかいったような新技術についての開発に積極的に取り組んでまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
○横手委員 あと二、三点御質問を申し上げます。 先ほども述べましたようにエネルギーコスト、特にアルミ等におきましては電力料金が決定的であるということを、大臣もお述べになっておられますし、私もそうだと思います。これらの将来的展望が通産省の中にあるのかどうかということが一つであります。 それからもう一つは、原料の非課税の問題についてであります。国際的に見て、原料の非課税というのは常識的になっておるというぐあいに思います。しかし、わが国ではそれが適用されておりません。つまり、スタートラインから手かせ足かせをはめられてよそと競争をしなければならない、そういった一部を持っておるということであります。これら原料に関する輸入の非課税の問題について、将来的展望をどう考えておられるのかということであります。 それから、この法律の中で議論をしてまいりましたように、基礎素材産業は原燃料が大変高いウエートを占めております。約七〇%と言われておるわけでありますが、そのコストの中における労務費は大体一〇%から高いところで二〇%ということであります。工場の中で努力をされる、生産性を上げる、仮に一〇%上げてみても、それが人員の合理化等による、省力化等によるものであるとするならば、全体から見ると一%であります。ところが、いわゆる為替レートの変動、これは一割や二割はよくある現象であります。仮に二割違ったということになりますと、その原燃料が七割を占めるということになりますと、全体の一四%を占めてしまうことに相なります。価格が一定であるという前提に立つならば、この為替の変動相場制におけるエネルギーと輸入資源をコストのほとんどとするこれらの産業については、まことにもって毎日毎日一喜一憂の繰り返しをしていかなければならない、こういった宿命的なものを持っておりますが、これらに対する対策というものはありますか。
○山中国務大臣 最初の電気料金が企業によって異なる、たとえばアメリカの水力による発電から得られるアルミというものと同じように、日本の電気料金もそれと同じ料金としてアルミ製錬に提供せよというようなことになりますと、これは大変むずかしい問題でございます。大体企業別に料金の設定ということ、そのことが基本的にむずかしい問題でありますので、確かに燃料、素材、そういうもので著しく外国に劣るものであったとしても、そこのところは日本人の頭脳の所作によって切り抜けてもらわなければならぬと思います。 それから、原料の非課税の問題でございますが、理論上はナフサの問題でとらえれば、輸入ナフサは関税も非課税である、したがって石化業界が自分にも輸入させろという申請をする、通産省はなかなかそれを認めることができない、法律上は自由なんですけれども。その結果、電気税に相当する部分をやりくりによって、実際の需要者の方には輸入ナフサと同じ価格になるように配慮をするというやりくりをいたしておりますが、ここらのところは、先ほども申しましたように、石油をほとんど外国に依存する国の法体系が、入りから出に至るまで大変整備されていないという感じがいたしておりますので、少しこの問題は検討をしようということで、私、都内で話し合っているところでございます。 それから為替の変動が、まさに労務費を少なくするための、場合によっては人員整理までしなければならないような環境があっても、そのウエートというものは非常に小さい。しかし、為替レートのこのような変動の中では、極端に言うと、企業そのものが毎日レートをにらみながら、操業度とかいろいろ未来の計画を考えなければならぬということは、まさに大きな問題だと私も思っております。 本来、為替レートというものは、日本の企業が原材料を外国から持ってき、そしてそれに日本独自の工夫、技術を重ね、付加価値をつけて外に出すときのレートをまた考えるという程度の要素にすぎなかったのですけれども、いまは、設備投資をやろうかどうかという相談をするための重役会を開いても、為替レートはそのときにどうなっているだろうか、それだったらこの計画は考え直さなくちゃいかぬとか、レートの問題で企業の前提が、どうも足腰が定まらない状態になっている。 レートを見ながら長期サイトの原料入手から販売に至るまでの日本の特徴的な産業構造というものでは、これは非常に問題があると思いまして、もうそろそろ時効でしょうから——時効にまだなってないかもしれませんけれども、外には言わなかった話ですが、シュルツ国務長官が私に会いに来ましたときに、どうだ、おい、こんなに為替レートが振れては、ドルひとり強ければそれでよしというので、世界の国際貿易摩擦も引き起こすような中にあって、ヨーロッパも日本も非常に不安定な要素であると思うが、あえて固定相場制に返せとまでは言わないけれども、現在の全くほったらかしのフロートという感じから、もう少し政府がレートに責任を持つ体制は一体とれないものだろうか。アメリカのドル、日本の円、できればEC共通通貨というところまでいけばいいのですが、共通変動制でもあれだけの騒ぎをする国々ですから、西ドイツマルクとこの三国通貨を三者が共同で一定の幅を持って介入していくという制度ぐらいはできぬものだろうかという話をしましたところ、私は雑談程度の話だったのですが、シュルツ国務長官は異常な興味を示しまして、彼の方から具体的な問題を二回も質問を繰り返したというようなことで、彼自身は何か非常に感ずるところがあったように言いましたし、また、そう受け取れました。 現在、見てみますと、ECのあのような騒ぎもあり、さらにまた、石油の五ドル値下げは、いま言われている言葉で言えば、日本のファンダメンタルズに一番大きく貢献することは諸外国は全部知っている。アメリカでさえも、日本が一番恩恵を受けるだろうと公的に言っているのですね。ところが、円は下がるという、まあ理由はありましょうが、いままでのレートとちょっと違う動き方をする。これでは企業はたまったものではないということが、現実にアメリカ側の方でも、きのうは財務長官でありますか、そういうようなことを取り上げ始めております。 私は、この問題は固定がいいとか、あるいは一定幅の中の上下のあるフロートがいいとか、現在の完全なフロート制度がいいとかいうことを、どちらかに軍配を上げて言うのではなくて、現状をこのままほっておくと、為替の変動の理論が現実にあらわれてこない。当然ながらいまの日本のレートはもっと上がっていてしかるべきなんですが、それがきのうは二百四十一円を一時つけたというような状態が、なかなか説明がつかぬのですね。だから、いま最後におっしゃった点は、これは私どもだけでできることでもありませんし、国全体あるいは世界の中の何極かが意見を詰め合わなければならない問題で、しかも相当緊急を要する問題であるというふうに私は思っております。 これは裏話を申し上げて恐縮でありますが、そういうようなことをいまの御質問で、私は動きが出るのではないかという若干の兆しを見ておりますので、もうここらで言ってしまってよかろうということで裏話をいたしました。
○横手委員 申し上げてまいりましたように、この基礎素材産業は、わが国は工業立国であり、原料を輸入し、それを加工し、そして輸出をして国家が成り立っておるという大きな一面を持っておるわけであります。その基礎を支えるのは、やはりこの基礎素材産業であります。これが活性化するということは、日本の産業の活性化につながるということになる大きな問題であろうと思います。この法律の延長を通じて、それらのために大きく寄与いたしますように期待をして、この問題に対する質問は終わります。 それでは、いわゆる新城下町法について御質問を申し上げます。 今回の法改正は、その目的に、事業の新分野の開拓等を促進する措置を講ずることが加えられております。それは現行法の「経営の安定を図る」という目的からさらに一歩踏み出して、振興を図るという意欲が示されたと受けとめておりますが、見方によっては、現行法から異なる方向を示唆したとも受けとめることができるのでございますが、この点、まずいかがでございますか。
○神谷政府委員 御指摘のように、従来の法律は、「中小企業者の経営の安定を図る」、これによってこれら地域の経済の安定に寄与する、こういう法律の目的になっておったわけでございます。このときの法律がどのような考え方をしていったかということは、私から申し上げるのは必ずしも適当ではないかもしれませんが、やはり当面の緊急の対策をする、それによって周辺の状況が安定し、あるいはいわゆる城主様が立ち直って、その経済が何とか安定という形、従来のレベルまで持ち直していくことを期待していたのだろう、このように法律から読み取れるわけでございますが、御承知のような状況でございまして、第二次オイルショックが来て、昔日の姿を直ちに取り戻すということは非常に困難になってきている、企業誘致も安定成長でそれほど従来のようなテンポでは進んでこないだろう、こういうことになりますので、その地域の経済を安定させるためには、やはり地元の中小企業者が立ち上がって振興していかなければならない、こういうことでございますので、むしろ自分たちの力で、従来の仕事以外の新しい分野を切り開いていきながら、従来の残った力あるいは従来の経験とあわせて地域の安定を図ろう、こういうことでございまして、その最終目的である地域の「経済の安定等に寄与する」という目的は変わっておりません。むしろ現在の状況の変化に対応して、地元の中小企業者自身が大いにレベルアップしていくための助成を、国としても、あるいは都道府県としても行いたい、また、そのこと自体を当面の一つの目的としたい、こういうことで目的に織り込んだわけでございます。
○横手委員 御答弁をいただきましたように、今回は「新分野開拓事業等」、これが新しい目玉として、このことを通じて地域の活性化を図る、この目的を持たしておるということでございました。いま御説明の中にございましたように、企業誘致対策が進みにくくなっている、こういったことから、地域の中小企業者が力を結集して、自助努力による新商品開発等を行い、みずからの努力によって活路を切り開いていくという趣旨に立脚したものと理解をいたしました。私もこの趣旨には賛成であります。企業あるいは業界の自助努力を基本とした本来の中小企業行政の姿として、きわめて望ましいものだと考えます。 ただ、言うはやすく行うはかたし、このことであります。これが現実の姿でございまして、中小企業庁からいただきましたこの資料の六ページあるいは七ページを見ましても、このことが大変厳しいということが示されておるのであります。雇用の不安もまた深刻であります。この状態からこの法律の運用によって立ち上がるためには、金融、税制等の措置を初めとする国の全面的支援が必要であります。こういった現実を踏まえて、認定業者に示す国の基本指針あるいは成果あらしめるための指導のあり方等について、中小企業庁のお考えをお伺いいたします。
○神谷政府委員 御指摘のように、新しい振興事業では、中小企業者の自己努力あるいは創意工夫というものを基本的な原点とするわけでございますが、国あるいは地方公共団体としてもできるだけのお手伝いをしなければならない、こういうことでございますので、先生御指摘の基本的な指針というものを認定中小企業者あるいは新しい振興事業に取り組む方々のためにお示しするということは非常に適切であり、必要なことであろう、このように考えております。 ただ、従来と異なりまして、新しい経済発展は多様化の時代と言われております。したがいまして、日本で全体が一定のラインダンスを踊るような形で進んでいくのではなくして、おのおのの地域の特性を生かしながら、独創性に立脚して独自の分野を開拓していくということが非常に大切であろう、こう考えておりますので、国としてもできるだけの情報を提供し、助言もいたしたいと思っておりますが、むしろそのような基本的な指針は、比較的広い情報量と経験の蓄積のございます、しかも独自の歴史と伝統を持っておるというような地方公共団体、都道府県、これらに指針をつくっていただくのが適当ではないか、こういうことで、われわれといたしましては法律上には盛り込んでおりませんが、事実上の問題として、補助金の実施等を行います前提として県知事にいわゆる振興指針といったようなものをつくってもらい、これを認定事業者あるいは地元の中小企業者に示していただくようにしたらいかがか、またわれわれは、都道府県知事に対しましては、われわれとしてできるだけの情報の提供あるいはいろいろな助言、御相談に応ずるようにしたい、このように考えております。
○横手委員 先ほどお示しいたしました中小企業庁からいたださました資料の九ページの中に、今日までの事業と新しく取り入れられた事業等について詳しく説明がなされているのでございますが、これに基づきまして三点ほど御質問を申し上げます。 いま長官の御答弁の中にも、今後の指針について都道府県知事にというお話があったわけでございますが、目玉であるこの中身の中で、振興指針策定と計画の承認について都道府県知事がその任に当たるということは、その策定と指導と指針を都道府県知事にすべて任せるということでございますか。特に都道府県知事ということで指定をされた背景なりについてお伺いを申し上げる次第であります。 いま一つは、その際、知事がこれらの指針を作成しあるいは計画の承認をするに当たっては、当該市町村長等の意見の反映をするシステムがこの中にあるのかどうか。これが一つ。 それから現行の対策、新たにつくり上げる対策の中に、それぞれ「信用補完措置の特例等」というのが必ず出てまいっております。これは、信用保証協会における別枠の貸し付けの道を開きますよという特典をここに掲げられたと思いますが、私はこのことは大変いいことだと思います。ただ、現実に各都道府県に存在をしております信用保証協会、つまり単協がこれに応ずることができるであろうかどうかということをいささか危惧するのであります。 私はかつて、労働組合がつくっております労働者信用保証協会の理事長をしておりました。各都道府県その他自治体から無利子の出捐金をいただいて、その運用によって事務所費あるいはその他を賄っていたわけでございます。わずかな保証料をいただきます。しかし、一つ事故があると、再保険はしておりますけれども、自分の分担金がございますので、その代位弁済のときに自己負担で大変痛いわけでございます。ところが、こういった不況のときになってくると、各地方自治体は、せっかく出捐をしておるんだから労信協はもっと緩やかに貸してあげなさい、こういうことを言われるのであります。ところが、別枠で貸してあげようとすると、まだ前に貸してあげたのが順調に返っていない人がまた別枠で持ってこられる。そうすると、私の方は差し上げるお金でございません、利子をつけて返してもらわなければならないのでございますので、その返済計画は、こうなりますと、大変冷たい、せっかくつくってもらった別枠にわれわれは乗ることができない、こんな不満を聞くのでございます。 私は、単協の中にもそういったことが起こってくるだろうと思うのです。ところが、この中に目玉として信用補完、信用補完ということが出てきておりますが、これは絵にかいたもちになる、あるいはこれをどんどんやれば単協の方は消化不良を起こしてしまう、こんな心配はございませんか。
○神谷政府委員 まず、第一の御質問の指針の策定並びに計画の承認、特に計画の承認は法律事項でございますが、これを都道府県知事、現実には府県知事に与えておるのかということでございますが、指針の策定は、先ほど申し上げましたような理由から、地元の創意工夫をできるだけ生かすという趣旨でお願いをいたすつもりでございますし、承認権者は法律でも都道府県知事といたしております。これは法律に基づく機関委任事務というふうに考えておりますので、私どもといたしましては、本来国の仕事ではございますけれども、都道府県知事に全面的にお任せをする、こういう形でございます。したがいまして、実際の計画承認事務は府県知事にやっていただきますが、われわれと常時御相談をしながら、あるいは意見交換をしながら適切な運用を期していただくようにしたい、このように考えておるところでございます。 また、指針を策定したり実施計画を承認する際に市町村長等の意見はどう反映されるのかということでございますが、特に大事なのは、私は、むしろ指針の策定の段階だろうと思います。計画の承認そのものは、むしろ政令等に基づいた基準で実際に実行可能であるかどうかという事実判断をしていただくわけでございまして、特に船頭が大ぜい集まってやいのやいのと言う方が適当であるかどうかはわかりません。必要な場合は意見を聞くこともあろうかと思いますが、むしろ都道府県知事の迅速適切な判断で計画を次々承認していっていただいた方がよろしいと思っております。指針を策定する段階ではやはり地元の衆知を集める必要があろうかと思っておりますので、いろいろ学識経験のある方、あるいは当然のことながら、当該地域に関して広い視野からの認識を持っておられる市町村長等の意見というものが反映されるような形が必要であろうと思っております。従来、産地法でもいろいろ振興指針などをつくるという似たような仕事がございますが、そういう際には都道府県に協議会を設けるように指導いたしており、地元の衆知を集める、こういうことにいたしておりますので、この法律の運用でもそのような形の指導をしてまいりたいと考えております。 それから最後の、三点目の信用補完の問題でございますが、特枠をつくっても末端の現場の保証協会が枠を消化せぬのではないか、あるいは保証をしないのではないか、こういう御指摘でございます。 これは、保証を要請してくる人すべて一〇〇%オーケーというのでは保証協会が何のためにあるのかわかりませんので、当然、計画そのものが非常にあいまいであるとか、あるいは現実性を帯びていなければ、いろいろ御検討、御再考を願うこともあろうかと思いますし、自分の身のほどから見て余り膨大であれば、またこれも同様の御相談をすることになろうかと思いますが、一般的には、やはり中小企業の最後のよりどころでございますので、適切な計画であり、特に今回のように新しくみんなで共同していろいろ新分野を開拓して、それを企業化していこうという場合には、適切な振興資金の貸し付け、そのための保証というものを行ってもらいたいと思っております。われわれとしては、そのような形で保証協会を指導していきたいと思っておりますが、さらに、指導だけではなくして、現実にこういうものに対しての保証を行うための保証協会の財政基盤を強化するために、保証協会に対しては、このための追加的な資金補助を行うと同時に、いわゆる融資基金の交付等に当たっても、これらの地域に関しては特別の配慮を払ってまいりたいと思っております。
○横手委員 せっかくのその恩典が無に帰さないように、ひとつ末端に至るまできめの細かい御指導と対策をお願い申し上げる次第であります。 もう一つ聞きます。この振興策の中で、集団化対策の中に税制の問題がございます。税制面での優遇措置もとると言われておるわけでございますが、この措置による中小企業者の負担の軽減、これはまだやってみなければわからぬと思いますけれども、それらをどの程度見ておられるのか。あるいはむしろ、そのことよりも、こういう政策面によって政策的な誘導効果というものがどの程度期待ができるというぐあいにお考えでございますか。
○神谷政府委員 先生の方から言っていただいたわけでございますけれども、まだ実施しておりませんので、具体的にどのぐらいの減税額になるかというのは、いま定かには私も申し上げられないわけでございますが、定性的にこれがどういう効果があるのかということを申し上げますれば、まず基本的には、かなり体力が弱っておる中小企業がこういうむずかしい新商品、新技術の開発という仕事に取り組むわけでございますから、通常の状態ではなかなか取り組むことすらできない。そのために、一地域一千万という算定基準でございますけれども、補助金を交付しよう、こういうことで、補助金で一つのそういう努力を引き出すという誘導効果をねらっておるわけでございますが、一〇〇%補助とはいいながら、やはり関連中小企業者等はいろいろな意味での負担金とか出捐金というものを行わざるを得なくなるわけでございますし、必要な資産的価値のあるものは確保しなければならない。そういたしますと、いろいろな税金がかかってきたり、あるいは損金計算上思ったようにいかないという、こういう問題がございます。認識と税制上の取り扱いの間にギャップができるというような問題もございますので、この点、たとえば出捐金に関しては損金扱いができるとか、あるいは土地保有税は非課税にする。特に今回の場合、造船関連下請というようなものがいろいろな事業に取り組む場合にかなり広い土地を使いますので、税金等もばかになりません。したがいまして、こういうものを非課税にすることによって、むしろ補助金の効果を一〇〇%以上に生かす。本来、税金がかかりますとマイナス効果が出てまいりますので、このマイナス効果を除去して補助金の誘導効果を一〇〇%以上のものにしていく、こういう意味で、私どもは、今回の税制は中小企業者がむずかしい問題に取り組むに当たっての意欲を起こさせ、これの阻害要因を除くという意味でかなり効果があるのではないか、このように考えております。
○横手委員 それでは、次に参ります。次に、この適用に当たっての地域等の関連について三点ほどお伺いをいたします。 まず一つは、現行法による指定の状況を見ますと、この資料の中に詳しく述べられているわけでございますが、たとえば繊維産業等の産地を形成している地域は余り指定されておりません。こうした産地を形成している業種や地域についても本法による指定を行うことができることとすべきだと思いますが、いかがでございましょうか。 第二点。従来の企業誘致対策及び経営安定対策と、新しく組み込まれました振興対策とはどのように使い分けられますか。一地域に重複して行うようなことがあり得るのであろうか。あるいは、もしないとするならば、それはこのいずれを適用しようとされるのであろうか。その基準はどこにございますか。 三点目。本法と産地中小企業対策臨時措置法、いわゆる産地法とは、かなり似通った点がたくさんございます。その目的、対象等をどのように区別をされますか。 この三点についてお伺いをいたします。
○神谷政府委員 三点の御質問がございましたが、第一点の御質問と第三点の御質問が密接に関連していると思いますので、これを一括してまず御説明をさせていただきたいと思います。 産地法と私どもの俗称城下町法とは、確かに振興対策その他非常に類似した対策がございます。しかし、基本的には、まず産地法は、産地を形成する中小企業者自身が外的経済の急激な変動によって影響を受けて、みずからの新しい分野を新たに切り開いていかなければならないあるいは自分たちの体質を強化していかなければならない、こういう面での努力を行う必要があり、それを国が助成をしていく、こういう仕組みになっており、こういうことを目的とした法律でございますので、むしろ、対象は産地を形成しておる中小企業者自身、こういうことになろうかと思います。 企業城下町法は、むしろ特定事業所、すなわち構造不況業種等の大企業がインパクトを受けて、それによってその関連の中小企業者が影響を受けておる、この関連中小企業者の経営を安定させ、それらの事業者に対して新しい分野を開拓していく努力を要請する必要があるし、それを支援する必要がある、こういう観点から設けられた法律でございますし、そのようなことを目的としておるわけでございます。 ただ、どの法律がより優遇度が高い、低いということは余り適切に比較はできないわけでございますが、城下町法の受けたインパクトというのは非常に大きなわけでございますので、比較的手厚い、いわゆる産地と共通の振興事業以外に経営安定対策等が織り込まれておるというのは御承知のとおりでございます。 しからば、産地関連が余り指定を受けていないではないか、これを指定すべきではないか、あるいはできないのかという第一の点に戻りますと、先ほど申し上げましたように、産地の場合には、産地を形成している事業に問題があるわけでございます。したがいまして、城主様というのがほかにおりませんので、通常の場合には、産地法の指定は受けますが城下町法の指定は受けないというのが通例でございますし、また産地の場合、そのようなケースが多いと思います。ただ、その産地に特定事業所がある、産地ではあるが、別途——たとえば今治に、タオルの産地ではあるが別途構造不況業種があって、それが非常に大きな落ち込みをしておってダブルの影響が及んでおる、この場合には、産地法でも指定することもできますし、われわれの方の企業城下町法で二重に指定することもあり得る、こういうことでございます。 御質問はございませんでしたが、その場合の相互の振興事業に関しては、われわれの方で重複しないよう適切に指導をしてまいりたいと考えております。 それから、第二の御質問の、経営の緊急安定対策、企業誘致対策、それから今回の振興対策は、どういう地域に振り分けて適用していくのか、こういう点でございますが、論理的には、インパクトがばんときましたら、まさに関連中小企業はそれの対応ということに大変でございますので、まず経営安定、緊急融資その他で経営を安定して、落ちついたところで企業誘致したりあるいはさらに振興事業を行うというのが理論上の順序でございますけれども、現実問題としては、すでに法律が五年近くもたっておりまして、安定資金を借りて、ある程度、苦しいながらもいろいろ新しい分野を模索しておる地域というのが非常に多いわけでございますから、私どもとしては、これらはほとんど並行的に行われるのではないか、このように考えております。したがって制度上も、振興事業は、経営安定対策を行っているところであろうとそれが済んだところであろうと、すべて問題のある地域に関しては行い得るような形で、重複して進めてまいりたいと考えております。
○横手委員 時間が参りましたので、あと二問で終わらせていただきますが、本法が延長された場合、具体的な業種及び地域の指定はどのように考えておられるのか。あるいはまた、すでに指定を受けた地域でいまだに衝撃から脱却できない地域も多いというぐあいに思われておりますけれども、これらの地域に対する対策はどのようにされますか。これが一つであります。 それから、最後に認定についてお伺いいたします。 認定はどのような基準で行われるか。現行法の運用と違いがあるのかどうか。あるいは基準が厳し過ぎるという声が一部にあるやに聞いておりますが、これらの声に対してどのように受けとめておられますか。 この二点についてお伺いいたします。
○神谷政府委員 延長されました際の具体的な指定業種並びに指定地域の取り扱いでございますが、法律的には延長法になりますので、従来指定されておりました業種、指定されておりました地域はそのまま継続して生きておる、こういうふうに考えられますし、認定企業もそのとおりでございます。ただ、やはり新しい制度も織り込まれた際でございますし、一つの契機でございますから、この機会にわれわれとしては従来の地域に関して一応レビューもしてみたい。 それから、新しい業種、新しい地域に関して必要がないかどうか。これも業種の状況を見、さらには具体的な地域に関連して各市町村等とも御相談をして必要があれば追加指定を行いたい、このように考えております。ただ、レビューをいたしましても、午前中の御質問にもございましたが、ほとんどの地域が非常に状況が悪いと言っておられますので、問題が解決して卒業したという地域は余り多くはないのではないか、むしろネグリジブルと考えております。 追加指定業種等に関しては、考えるところがございますので、若干の業種に関してさらに勉強をしてみたいと思っておりますが、その業種に関して具体的な地域があるかどうかという点を詰めた上で、必要であれば業種指定を追加いたしたい、このように考えております。 それから次に、地域が指定された場合の認定企業の認定基準はどうなっておるのか。これは具体的に申し上げますれば、受注量あるいは売り上げ等の減少あるいは受注残高の減少といったようなものがどの程度になっておるかというのを見た上で、市町村長が認定を行うということになっております。これの考え方に関しては、市町村長に、余りばらばらにならないようわれわれの考え方をお示しをしてあるところでございます。基準が厳しいかどうかというのは、これも価値判断の問題で非常にむずかしいのですが、われわれとしては、すでに五千件以上の認定も行われておりますし、まずまず適切なものではないかと思っておりますが、いろいろ御意見は常によく拝聴をして、反省はしながら進めてまいりたいと考えております。
○横手委員 中小企業のために大きな柱になりますように期待を申し上げて、私の質問を終わります。ありがとうございました。
○森(清)委員長代理 小林政子君。
○小林(政)委員 私は、通産大臣と公取の委員長に最初、一問ずつお伺いをいたしたいと思います。 いただきました資料を見ますと、私的独占の禁止及び公正取引確保の法律第一条の目的というところに、私的独占、不当な取引制限を禁止し、事業活動の過度の支配を防止し、結合、協定などの方法による生産、販売、価格、技術等の不当な制限その他一切の事業活動の不当な拘束を排除する、このように書かれておりますし、そのことを通じて、一般消費者の利益を確保するとともに、国民経済の民主的で健全な発展を促進する、このように書かれているわけでございます。 ところで通産省は、競争制限にわたる設備処理等の指示カルテルあるいはまた事業提携、集約化ということによる構造不況対策を打ち出していますが、公正取引委員会は、競争政策こそが活力を生み不況克服の道であると、相反する立場を表明されていらっしゃるわけでございます。 全く相反するこういった見解について、私は、過去五年間、特安法に対する評価のメリット、デメリット、この両面について、通産大臣と公正取引委員会の委員長の見解を伺いたいと存じます。
○山中国務大臣 通産大臣は総理大臣の命によって、任免権を総理に握られておるわけですが、公取委員長は独立してその職権を行使し、意に反して解任されず、意に反して減俸、減給されずでありますから、私よりか法律上の格は上であります。——半分冗談でありますが、そのようなことは別にして、(発言する者あり)そこらのところをうまくやったのが今度の法律でございます。私どもは、やはり独占禁止法というのは、ただいま読まれたようなことでありますが、それはどういうことのためにそういうことを書かなければならぬのか。要するに、企業の公正なる行為によって自由主義経済が発展して、そして最終的に国民が企業の不当な行為等を含む作為によって弊害をこうむらないこと、そして最終的には公正な競争をすることによってその国の経済が繁栄することだと思うのです。 私ども通産行政の中には、過去において間々それとぶつかるような体質のものが出てきたことは否めないと思います。でありますから、法律で独禁法の適用を除外するという法律が今日まで残っていたわけでありますが、私は、今回は、新しい法案をつくるに当たって独禁法の適用除外という、恐らく委員全部の御賛成は得られない、各政党政派の御賛成は得られないから自民党が多数決で通さなければならないような法律になることになるでありましょうが、そういう道しかないのであろうか。そうじゃなくて、生きている産業は切れば血が出る。したがって独禁法も、生きている産業の動脈を切断するようなことをする法律として公取は扱っていないはずである。でありますから、何らかのそこに有機的な結合、連帯というものがあって、相互の、生きている経済の実態を公取が理解し、独禁法上の解釈を示し、私どもは絶えず独禁法の理念を頭に置いて、後ほど具体的になるでありましょうが、種々の段階がありますが、通産大臣が承認を与えるときにおいては、通産省みずからも独禁法に抵触するおそれ明らかなる場合はそれを直して公取に相談するだけの、足りるだけの内容にして行政指導その他でやってつくり上げていかなければならない、そういう姿勢をもって公取と協議することによって、これは協議調わざる場合はほとんどない、協議を調えるために努力をするということの考え方でいけば道はあるし、そして基礎素材にしても城下町にしても未来の展望は描き得ると考えて、あるいは通産省のいままでの伝統から言えば、どうも変わった大臣が来たということで受け取られたかもしれませんが、そういう作業にみんなで一緒になって、そして作業の合間にも公正取引委員会と密接な意見の交換、連絡、指導等を受けながら今回の法律をつくりました。 したがって、この法律は、行政実態の経済振興法とも言うべき法律と、生きている経済に直接は触れないが、その経済が法律上問題ある行動を示したときに、それに対して裁判で言えば一審を省略して審決を行い、東京高裁に専属するわけでありますから、それだけの公権力を与えられている立場としてそれを協議して、これが円滑に動くことができるならば、私は、わが国においてそれ以上のすばらしい法律はないということを話をしまして、みんなで一緒になって努力をしました。その結果、今日皆様方に御審査願っておりますとおり、いままでの法律とは変わったュニークなものでございます。公取が勝ったの、あるいは名を捨てて実を取ったのという問題ではなくて、基本的に併存両立できる問題であるという考え方がやっと実を結ぶことができたというふうに受け取っていただきたいと思います。
○高橋(元)政府委員 いまお話のございました独禁法の第一条の目的というものはいろいろございますけれども、公正で自由な競争を促進することによって経済的な公正を極大にしていく道を選ぶということが書いてあると思います。経済的公正を極大にしていきます際に、やはり経済政策というものが非常に大きな力を持つわけで、経済政策の中に産業政策もあれば競争政策もあるわけでございます。競争政策と産業政策の調和をどうやって達成するのかということについては、いろいろな方法、考え方があると思います。いまも通産大臣からお話がございましたように、いま御提案申し上げております法律案では、そこは競争政策当局でありますところの公正取引委員会と産業政策を握っておられるところの主務官庁との間で十分事実を客観的に把握をして、それに基づいて適正な産業政策上及び競争政策上の判断をお互いに交換し合いながら、国民の公正を増していくという道を見出していくことを基本的な考え方としてつくられておることは、大臣のおっしゃるとおりであります。 私どもといたしましても、御提案申し上げておる法律の中の十二条に、そういったケースについての集約化に当たっての具体的な進め方についての意見交換、意見調整のスキームが書いてございます。そういうものの真剣な実施を通じまして現在の不況を乗り切り、正しく活力のある経済を守り立てていかなければならないというふうに考えております。
○小林(政)委員 それでは、やはり通産大臣に具体的な問題について。 新特安法の改正案についてその中身を見てみますと、一つには不況産業への独禁法上の扱いの問題、それからいま一つは設備の処理の問題、その次は再編成のための税制及び金融面でのもろもろの支援がなされております。 そこで、特定産業の信用基金の問題についてお伺いをいたしたいというふうに思います。これは大臣からお答えいただくのが適切であるかどうかはわかりませんけれども、少なくともその理事長は御承知のとおり土光さんなんですね。そして、これまでは一千億円の保証枠に対して二百三十二億円、少なかったという意見もあるのですけれども、特安法のもとで設備処理、事業集約化あるいは活性化投資、そしてそれに伴い一層大幅にこれが進められてきている。こういうことの中で、今回の再編成は企業が自分の力で、あるいは系列の大きな資本グループの力をもって立ち直っていくべきだ、こういうことを大臣は言っておられますけれども、こうした点から見ましても、やはり今回の基金の問題は、法改正と約款改定で一層大企業への援助を進めているものではないだろうか、このように思いますが、この点についてどのような見解をお持ちになっていらっしゃるのか、お伺いをいたしたいと思います。
○小長政府委員 いま先生御指摘のように、信用基金は資本金九十五億円及び出捐金七億円を保証原資といたしまして設立されたわけでございまして、五年間の保証実績は、先生御指摘のとおり二百三十二億円ということになっておるわけでございます。業種別に見てまいりますと、保証総額は約六割を造船業が占めておるわけでございますが、そのほかにも合繊とか化学肥料とか段ボール原紙等が具体的に利用しておるわけでございます。 ところで、この基金による具体的な債務保証は、信用力が乏しくて資金調達に困難を生じている企業の信用を補完するというのがこの基金の目的になっておるわけでございます。特定産業に属しておる企業の多くは、申すまでもないことでございますけれども、原材料・エネルギーコストの高騰、需給の不安定あるいは過当競争の激化等の構造的要因によりまして経営が著しく悪化しておりまして、雇用の状況も悪い状況になっておるわけでございます。そういう企業を対象にして考えておるわけでございまして、しかも信用力も大変不足をしておるということでございまして、どうしても本基金による債務保証が必要ではないかというふうに考えられるわけでございます。逆に、信用力が十分ございまして資金調達力のある企業は自己の信用で資金調達を行っておるわけでございまして、そういう企業は本制度を利用することは申すまでもなく少ないわけでございます。過去五年間の実績を見ますとさっきのような数字でございますけれども、具体的には信用力の乏しい中堅企業の利用が主体であったわけでございまして、今後も恐らくこういうような企業を中心に利用されていくのではないかというふうに考えております。
○小林(政)委員 それにしても、融資の金利も、調べてみますと、余裕金を低利で興業銀行あるいは長銀といったところに預けることを通じて、いままで八・四%の金利を六・五%に下げている。一・九%だけ低利融資というようなことが保障されております。それから、基金の裏保証についても、メーンバンクや設備処理をする事業者の親企業でいままで三分の二を持っていたものを、今度は二分の一に減らすというようなこともやられようとしております。土光さんの好きな自助努力というのは、五年前よりずっと後退したと言われなければならないのじゃないだろうか、このようは思っておりますし、法案はどう考えても、大企業の救済色を一段と強めたものになっているのではないか、このように思いますけれども、もう一回御答弁をお願いいたしたいと思います。
○小長政府委員 この法律をつくる際に、山中通産大臣からわれわれ事務当局に対して、いわゆる山中六原則という基本的な原則が指示されたわけでございますが、その中にも、自己努力の貫徹といいますか自主性の尊重といいますか、甘えの構造は許さないというのが当然の前提として言われておるわけであります。したがいまして、この法律の全体を貫く考え方といたしまして、企業の自助努力を前提といたしまして政府が必要最小限度の範囲内でバックアップをするという形になっておるわけでございます。 その対象となります構造不況業種、法定では七業種あるわけでございますが、この七業種はもちろん大企業もございますが中堅企業もあるわけでございますし、業種によりては中小企業も含まれておるわけでございまして、業種全体としての構造改善を図っていこうということが目的なわけでございまして、先生御指摘のように、大企業だけを対象にしてバックアップをしようというような法律の意図はないということを申し上げておきたいと思うわけでございます。 次に、先ほど預託の問題についてちょっとお触れになったわけでございますが、特定産業に属する企業の多くは二度にわたる石油危機の影響で大変疲弊をしておるわけでございまして、資金の調達が困難になっておる状況にあるわけでございまして、重い金利負担が企業経営を大きく圧迫しておるというのが実情なわけでございます。 こうした状況を踏まえまして、各種資金の中でもとりわけ緊急度が高くて社会的影響の大きい退職金だけにつきまして、企業の資金調達を容易にするとともは金利負担を軽減していこうということで、先ほど御指摘のような基金の資金を一部預託をするという道を開いたわけでございまして、それによりまして対象退職金につきまして低利融資制度の創設をしたということでございまして、ここの点でも大企業優遇というような考え方は全く念頭に置いてないわけでございます。 それからもう一点、御指摘になりました裏保証率の引き下げの問題でございますけれども、従来、基金は債務保証に当たりまして三分の二の再保証を求めていたわけでございます。しかしながら、基金の保証を求める企業は信用力も乏しいわけでございますし、収益状況も悪化している企業が大部分というような状況のわけでございますから、三分の一の再保証を取られますと、基金による保証は実質三分の一ということになるわけでございまして、信用補完効果も大きく減殺されるというような実情であったわけでございます。したがいまして、その負担を軽減しようということ、そしてまた制度の効果を十分に発揮させようという観点から再保証率を引き下げるということにしたものでございまして、これも大企業優遇というような考え方は全く念頭に置いてないわけでございます。
○小林(政)委員 私ども、ともかくいままでの、大きな企業にはメーンバンクもついておりますし、そこへもってきて具体的には金利を下げたり、あるいはまた裏保証の問題についてもいろいろと問題が出てきている、こういったようなことを考えますと、やはり相当——これは週刊東洋経済の一九八三年版の「企業系列の総覧」という資料でございますけれども、それを見ますと、たとえば住友グループの白水会、これは二十社で構成している社長の会でございますけれども、経常利益は五十四年度二千八百二十二億円、五十六年度三千七百九十六億円と大きな利益を上げているわけでございます。こういう大企業にさらに援助がつぎ込まれる。その一方で、働く者、労働者、中小企業者、こうしたものが、地域経済全体がスクラップされていく。古くなった設備と一緒に捨てられ、合理化される。こういった問題を考えますと、いまの問題については見直されなければならないのではないだろうか、このように思うわけでございます。 この点について、他の部門で赤字でも全体としては黒字であるので、税制などの対策というものは有効なんだということも言われておりますし、会社全体は黒字だと告白しながら政府からの支援をせびるというような、こういうあり方というのは改めていかなければならないのではないだろうか、このように思うわけでございますが、大臣、お答えをいただきたいと思います。
○小長政府委員 申すまでもないことでございますが、基礎素材産業の構造改善は、民間の最大限の自助努力というのが大前提であるわけでございます。 したがいまして、同一企業グループに属する他の企業が当該企業を支援していくということは大変好ましいことでもございますし、かつまた必要ではないかと思っておるわけでございます。現にこのような企業グループ内の支援協力というのはいろいろな形で行われておるわけでございまして、これが経営改善に役立っている面も見逃すことはできないというふうには思っておるわけでございます。 しかしながら、私がここで強調したいのは、現在基礎素材産業が直面しておる困難性というのは、かかる民間グループ内の支援だけではとても克服することが不可能である。また、かかる企業グループに属さない企業も多数存在しておるということが現状なわけでございまして、したがいまして、国の支援措置が不可欠ではないかというふうに考えておるわけでございます。 今回の対策は、基礎素材産業につきまして、企業グループの有無とかあるいは大企業とか小企業というような別を問わないで、ひとしくその対象としようとしておるものでございまして、大企業グループ対策ではないわけでございます。
○小林(政)委員 私は、この問題については、あくまでもやはり大企業のための対策であるということを申し上げなければならないと思います。 時間の関係で、次に独禁政策の問題に入りたいと思います。これは公取委員長にお伺いをいたしたいと思います。 最近、新聞などで、石油化学業界がポリエチレンなど三大樹脂について共同販売会社をつくり、販売窓口をしぼった上で、生産、流通を含めた合理化を進めようとしており、四グループ化とかあるいはまた構想とも言われておりますけれども、今週から公正取引委員会と協議は入ると伝えられております。それは、住友・興銀系が住友化学など七社でシェアが三二・二%、昭電系が旭化成など五社でシェアが二七・五%、三井系が三井石化など四社で二二%、三菱系が三菱油化など二社で一七・一%と報道を新聞などでされているわけでございます。 そこで、私は公正取引委員会委員長に伺いますけれども、公取としてはいままでの独禁法の立場を堅持して、そしてこの件の審査に当たるのが当然のことではないだろうか、このように思いますけれども、いかがでしょうか。
○高橋(元)政府委員 高圧法のポリエチレン、中低圧法のポリエチレン、それからポリプロピレン、いわゆるポリオレフィン三樹脂でございますが、いまお話のありますようなグループを形成して、グループがそれぞれ共販会社をつくって集約化を進めるという検討が進められておることは、私どもも伺っております。ただ、いまお話がありましたところですが、今週から公取と相談に入るという具体的な相談はまだ受けておりませんし、そういう日程は聞いておりません。 いまお話しになりましたグループのシェアというのは、恐らく出荷額のシェアであろうと思いますけれども、私どもが実質的な競争の制限にわたるかどうかということで合併を判断いたします際のその占拠率と申しますのは、輸出を引いて輸入を加えたという市場についてでありますから、いまお話しの数字とは、そういうグループができた場合に私どもが判断をするシェアは少し違った数字になると思います。 いずれにいたしましても、公正取引委員会といたしましては、いまの十幾つかありますポリオレフィンの製造業者から、グループ化による共販会社の設立について具体的に御相談があった場合に、前に公表しております合併ガイドラインに照らしてその内容を十分検討して、またもう一つ、ポリオレフィンと申しますのは原料でございますから、それの加工業者、需要者といういわゆる川下の事業者の意見も聞く、それらの手続を踏みまして、独禁法上問題があるかないかを慎重に検討していきたいという考え方であります。
○小林(政)委員 公取としては、私はやはりこの石油化学の四社グループ、これについてはどうしてもいままでの方針を貫いてもらいたい、このように思いますけれども、一体どう対処なさるおつもりなんでしょうか。 それからまた、公取が五十五年の七月に決めた合併等の審査に関する処理基準、この中では、やはりはっきりとした数字が示されているわけでございます。こういったものを尊重されてやられるのかどうなのか、この点についてもう一度お伺いをいたしたいと思います。
○高橋(元)政府委員 合併ガイドラインは、御承知のように合併後の市場占拠率の合計が二五%以上、または合併後その業界のトップ企業になりましてそのシェアが一五%以上、またはもう一つ、トップ企業になって二、三位との格差がうんと開く場合、それらを細かくいろいろ書いてございますが、そういう場合には、重点的に合併について競争の実質的制限に当たるべきかどうかということを審査しますということを、まず決めておるわけでございます。 現在、年間約千件の合併の届け出がありますから、その中で重点的に審査をするものを、まずそのシェアでもってふるうわけでございますが、シェアで重点審査に当たった場合に、全部がだめだということにはしていないわけであります。合併後の会社の市場占拠率、それから当事会社の属する市場における競争の状況、そういうことを総合的に判断いたしまして合併の適否を決めておるわけでございまして、たとえば倒産しかかった会社がしっかりした会社に合併してもらうという場合には、そのシェアにかかわらず、比較的緩やかに合併を認めている例も少なくございませんし、それから製造会社と販売会社が縦に合併する場合には、原則として、水平段階での競争に影響がない場合には、そこは合併を認めるという判断基準でいままできておるわけでございます。 先ほどお尋ねのございましたポリオレフィンの製造業の共同販売会社の設立につきましては、合併に準じて、独禁法の十五条で、株式取得によって実質的な競争制限に当たるかどうかを判断いたしていくわけでございますけれども、その場合の考え方も、先ほど申し上げたような項目を総合的に判断して決めていくという点では、従来の合併またはその会社の営業の譲渡、株式の保有についての判断と変わらないというふうに思います。
○小林(政)委員 私は、公取が書かれている中身の中に、競争政策こそが活力を生み、独禁法を守ってこそ不況克服ができるのだから、決してこれは緩めるべきではないというような意味のことをあなたがおっしゃったというようなことが書かれているものを見ました。具体的には私はそうだというふうに思いますけれども、この点についてもう一回御答弁を願いたいと思います。
○高橋(元)政府委員 自由主義の経済で経済の活力を高めてまいる、そのためには企業の自主的な判断、創意工夫というものが基本的に大事である、そういう枠組みを組み立てております重要なものの一つとして独禁政策というものがあることは、いまお尋ねのとおりに私どもも考えております。そういう基本を揺るがすことのないようにして独禁法の運用にいままで当たってきたつもりでございますし、また一方で、経済の実態についての見通しを失わないで、経済を正しく客観的に把握して独禁法の運用に当たってまいるという心構えなもっていままで臨んできたつもりでございますが、今後とも同様に、競争政策の重要性に立脚した法の運用に当たってまいりたいと考えております。
○小林(政)委員 私は、独禁法の上で、寡占化というのは上位二社ないし三社で五〇%というふうにも言われておりますけれども、やはり独占禁止法というのは、大企業がカルテルで値上げをやろうとする、それに歯どめをかける、こういうことが主たる目的だと思うのですね。こういう点から、中小企業や消費者の利益を守るということはまことにもって当然のことであろうと、このように思っております。いまお話しのことを聞いておりますと、不況産業と関連してこの独占禁止政策そのものをゆがめようとする働きがございますことは、これはやはりどうしても許すことができません。 この問題については、特安法の改正案、これは事業提携に関する通産、公取の調整条項が新しく設けられておりますけれども、十二条の四項、事業者の事業提携計画が独占禁止法上問題になるのかどうか、やはりこの問題については通産大臣の御意見を一回お伺いをしておきたい、このように思っております。
○山中国務大臣 認めることができませんとおっしゃいますが、何を認めることができないのですか。私どもは、何も認めることのできないようなことはしておりません。私どもの持っていきます協議の相手の公正取引委員会には、ちゃんと独禁法を踏まえた内容のものを持ってまいりますので、それでもなお御注文がついた場合は、さらに持って帰って業界の自主性を待つというので、それ以外のことは何もしておりませんが、どこかほかで何か動きがあるから許さないとおっしゃるのなら、その人たちに向かって言ってください。私じゃありません。
○小林(政)委員 いや、課徴金の問題一つを取り上げても、財界は、こういうものは不当だ、やめるべきだ、こういったようなことも言われておりますし、五十二年以前の状態に競争政策を戻すべきだというような意見も、いろいろと私の耳には入ってきておるわけでございます。こういう点はやはり許すことができない、こういう意味で申し上げたのです。
○山中国務大臣 どうぞ、財界かどこかわかりませんが、そこに行って許すことはできないとおっしゃっていただきたい。
○小林(政)委員 やはり私は、公取はこの審査に当たって、主務大臣から通知をされたものだけに限らず、独禁法に照らして、すべての点にわたって厳しい態度で臨んでもらいたい。そうでなくても、いま独禁法に風穴をあげようとする動きが出ていると言われる情勢が伝えられております。こうした中で、こういった問題についても公取委員長の決意を伺いたいと思うのでございます。
○高橋(元)政府委員 いま御審議いただいております法律案が成立をいたしました後、私どもは、「特定産業における合併等事業提携の審査に関する基準」というものを作成して公表いたしたいと思っておりますが、その中で、先ほど来お尋ねのありますマーケットシェアとの関係については、マーケットシェアが二五%以上となる案件についても、当該行為後の市場構造が高度に寡占的とならないように考慮しつつ、その競争の実態に即して判断する、という趣旨の内容を盛り込みたいというふうに考えております。 と申しますのは、市場占拠率が二五%以上となるという形式的な基準だけで合併なり提携がだめということはないのでありますが、同時に、非常に大きなシェアを持つ合併または事業提携がなされることによって市場構造が高度に寡占的となるということがないように、つまり、二社で七五%とか三社で七〇%とか、そういう独禁法の別の条文で高度に寡占的と指定しております状態にならないということを基本的に考えて、実態に即した判断をしたいというのがその趣旨でございます。 少しくどくなりますけれども、独禁法はいわば交通のルールのようなものでございまして、企業が自由に、不覊奔放に行動をされる場合に、とかくいろいろな衝突なり事故というものが起こるわけでございますから、そういうものを避けるために独禁法があるというふうに思います。不況になってまいれば、大体道路が狭くなって車がふえるような形になりますので、なおさら交通法規である競争法規、独禁法規の重要性というものは増してまいるわけでございます。 そういう意味で、一時の苦し紛れに独禁法の適用除外を設けて、それによって競争制限をするというような主張があることは事実だと思いますけれども、通商産業大臣からもお話がありましたように、私どもとしては、経済の基本的な法規の一つである独禁法によって自由主義の経済の生々発展というものを、ますます力をつけるように持ってまいりたいという考えは変わっておりません。
○小林(政)委員 もう一回、公取さんにお伺いしたいと思うのですけれども、この法律案を見てみますと、第十二条五項、六項、七項、八項で、主務大任と公取の間で意見の違いといいますか、大臣は先ほど、そういうことはあり得ないというようなお話でございましたけれども、何かの時点でそういうような問題が起きた場合に、最終判断は一体どちらがおやりになるのですか。まず、これをお伺いしたいと思います。
○高橋(元)政府委員 通産大臣からもお答えがありましたように、事業提携につきましては独禁法の適用除外ではないわけであります。したがいまして、事業提携後の姿が競争の実質的制限にわたるかどうかということの判断は、独禁法の枠内で行うわけでございます。そういうことが基本でございまして、事業提携計画の認可、承認の申請がありましてから承認をいたすまでに、いろいろその書類なり意見なりの往復があるように書いてございます。また、その事業提携計画が一たん承認されましてその後に動いていく場合に、その後の事情変化によって、競争政策上好ましくない事態が発生した場合の意見の調整についても、いろいろ書かれております。書かれておりますが、それは事業提携計画に基づく事業者の行為が独禁法に違反するかどうかという判断が基本になるわけでございますから、そういう判断は、昨日来申し上げておりますように、公正取引委員会が行うということは変わっておりません。
○小林(政)委員 やはり主務大臣と公取の間で意見の調整がつかないというような問題について一体どちらが責任を持って最終判断をするのかということについては、公取がおやりになるということですね。
○高橋(元)政府委員 先ほど来申し上げておるとおりでございます。
○小林(政)委員 もう一点、公取にお伺いをいたします。 この法律によると、設備処理に対する指示カルテルというのがございますね。この指示カルテル、これはまあ独禁法適用除外ということにいままではなっていたわけでございますけれども、すべての事業活動について、この問題については独禁法を守るという立場から、やはり生産の受委託だとかあるいは生産、販売の共同化だとか合併とかについて、また株式の取得だとか役員の兼任だとか営業の譲り受けだとか、あるいは同調値上げに関する規制その他についても、新特安法で承認を受けた計画の一環だからというような立場でこれを緩和するというような、緩めるというような動きを絶対に戒めるべきではないだろうか、このように私は思っておりますけれども、この点についてお伺いをいたしたいと思います。
○高橋(元)政府委員 指示カルテルについてのお尋ねがまず最初にあったと思いますが、指示カルテルは設備廃棄についてでございます。設備廃棄についての指示カルテルは現行の特安法でも認められている制度でございまして、これについては私どもの公正取引委員会が競争政策の立場から同意をするかしないかということの規定がございまして、同意をして進められておるわけですし、十四業種だったと思いますが、現行特安法で指定されました十四業種の全部について指示カルテルがあるわけではございませんで、独禁法の不況カルテルによっているものがたしか四つ、カルテルのないものが二つ、八つについて指示カルテルが認められているということで、何も指示カルテルの法規があるからといって全部が指示カルテルで動いているわけではないわけでございます。 それからもう一つ、次にお話のありましたのは事業促携の具体的な問題、やり方、それについての公取委員会の認可なり何なりという措置についてのお尋ねだと思いますが、これについては、先ほど来お答えをしておるとおりであります。
○小林(政)委員 指示カルテルの問題は、ただいまお話のございましたとおり、設備処理の場合には行われているというようなことについては、私もそのとおり存じ上げております。 しかし、後の点については、法の運用によってこれがゆがめられることのないようにしていくことが大事ではないだろうかということでございますので、この点については、やはりそういう立場に立ってしっかりとした意見を述べていただきたい、このように思っているわけでございます。 最後に通産大臣にお伺いをいたしますけれども、十二条八項で、調整条項について主務大臣が意見を述べることができるというふうになっていますが、大臣は、独禁法を尊重して公正取引委員会の意見をよく聞いて対処するという姿勢をぜひ貫いていくべきではないだろうか、このように思っておりますけれども、お伺いをいたしておきたいと思います。
○山中国務大臣 この間予算委員会で小林さんの質問に丁重に答えましたところ、与党席の理事の方で何か紙を回している。何だと言って見てみたら、なぜ小林さんだけに懇切丁寧な答弁をするのか、おかしいぞ、そういうメモが回っておりましたので、きょうは少しつっけんどんに答弁いたしておりますが、私の場合は、通産大臣としてあるいはちょっと変わった通産大臣かもしれません。 というのは、改正独禁法を起草し、そして国会の御審議を仰いだ立場にございます。したがって、現在の改正独禁法の精神がどこにあるのか、それは十分承知いたしております。したがって、独禁法というものは、自由主義経済が自由奔放な弱肉強食であってはならないということで、強き者には強きゆえの自制を求め、弱き者には弱きゆえの庇護をするということの論理的なものを持っておると私は思っておるわけであります。したがって、通産行政を進めていく上に当たって、独禁法の趣旨というものは各条項まで十分承知いたしておりますので、それらについて公正取引委員会を困らせるようなあるいは強引に押し切るような、私がときどきやる手法でありますが、そういうことは、今回の法律に限ってはしとやかにやりたい、そういうふうに考えております。
○小林(政)委員 ぜひその立場を貫いていただきたいと存じます。 次に、自治省見えておられますか……。 地域経済と雇用、中小企業への影響というのは大変重大な問題に発展をしてきておりますし、産構審の化学部会報告を見ましても、今度の産業体制の整備による事業所閉鎖等、これが大々的にやられるというようなことが書かれているわけでございます。思い切った対処が必要だなどということも予告をされておりますけれども、やはりそこで雇用の安定という問題が非常に重要になってきていると思います。この場合、事業提携計画はやはり労働組合の合意だとか納得だとか、こういうものを得てやられなければならないのじゃないだろうか。あるいはまた、労働組合の納得を得たものかどうかというようなことについて承認をするチェックが何らかの形で必要なのではないだろうか、このように思っておりますけれども、この点について見解をお伺いいたしたいと思います。
○金子説明員 地方団体といたしましては、地域経済の動向という問題について非常に大きな関心を持っておるところでございます。 この新しい特安法に基づきます構造改善基本計画におきまして、設備の処理の問題あるいは事業提携等の措置が地域経済に著しい影響を及ぼすというふうに都道府県知事が判断をいたしましたときには、特安法の五十六条によって意見を申し出ることができるようになっております。この意見の申し出といいますのは、構造改善計画の策定前でも意見を申し出ることができるようになっておりますので、このような仕組みを通じまして地方団体の意見というものは十分反映されるのではないかというふうに考えております。
○小林(政)委員 もう一点お伺いしたいのですけれども、やはり地方自治体としても大変な問題ということで受けとめておりますので、構造改善計画やあるいは事業提携計画の策定というものの計画の段階できちっとこれに取り組んでいただきたい、このように思っております。地元自治体とも十分協議することが不可欠と思います。産業政策といっても地域を離れて存在をしているわけではございませんので、やはり地方の意見の反映、こういうものが地方自治体の長からも意見が出されておりますので、こういった問題などについて、今後の基本的な計画も含めて再度お答えをいただきたいと思います。
○金子説明員 ただいま先生申されましたように、産業政策というものが地域の雇用問題等々に大きな影響を与えることは言うまでもないことでございまして、国の産業政策が地域に与える影響につきまして地方団体も大きな関心を持っているところでございます。 そういうことで、この特安法におきましても、構造改善計画の内容につきまして、先ほど申しましたように都道府県知事が意見を申し述べるというシステムがとられておるわけでございますので、こういうシステムを通じて、関係地方団体におきまして格別の影響があるというふうに判断いたしました場合には主務大臣の方に意見を申し述べていただきたい、そういう形におきまして地方団体の意見というものをこの計画の中に十分に反映をしていただきたいというふうに考えておるところでございます。
○小林(政)委員 しっかりとそういう立場に立って進めてもらいたいというふうに思います。 もう一点、合理化の中身の問題とも関連があるわけでございますけれども、日石化学の川崎工場では化学消防車というのが一台義務づけられていて、川崎消防署の調べなどによっても五人の人員が要るのだそうでございますけれども、そのうち一人を製品課の方に回して、いざというときにはポケットベルというのですか、ポケットにベルを入れておくというようなことで呼び出すということもやられておると言われております。こういった合理化案が組合に提案をされていることを御存じでしょうか。 また、消防庁に聞きますけれども、五人という要員は減らしても差し支えない要員なのでございましょうか、この点についてお伺いをいたしたいと思います。
○長谷川説明員 お答え申し上げます。 まず、先生御指摘の防災要員がポケットベルを持って現場についている。この点につきましては、防災要員というのは常時消防自動車、これは自衛の消防自動車でありますけれども、その常時自衛の消防自動車のそばにすべてが張りついていなければならないという考えは持っておりません。と申しますのは、一たん工場内で災害が起きましたら、すぐ車がその現場に駆けつけるだけの要員はそこに置いておかなければなりません。実際の活動は、消防車が到着しましてからそれのホースを延ばしたりいたすいろいろな活動がございますが、それに参画できるだけの訓練をした要員が現場にいた方がむしろ早く活動できる場合がございますので、いまお話しのような、ポケットベルを持って現場のプラントに配置されている者は、これはわれわれの方では適法な配置と考えております。 それから保安要員、防災要員五名が適法であるか、それを減らすことはどうかという御質問ですが、いま御指摘の工場は法規上、これは石油コンビナート等災害防止法に基づきまして防災要員を置くべき数が決められておりますけれども、その工場の場合には、規定上五名を最低確保しなければならないようになっておりますので、これを減ずることはできないことになっております。
○小林(政)委員 規定ではそうなっていても、何か五名を一名減らしてもというような動きも出ている、このように私の方では聞いております。したがって、保安行政と申しますか安全対策という観点からも、この点についてはやはり十分監視をしていかなければならないのではないか、このように思いますけれども、いかがでしょう。
○長谷川説明員 御指摘のように、保安要員というのは工場の災害時に活動する重要な要員でありますので、これを企業の都合で勝手に減らされるということは非常に問題であります。法律上も、この自衛防災要員を減らしたり防災機材を減らすようなことのないよう、そういうことを行った場合には必要な措置命令もできますし、それから状況に応じてはその事業所の施設の全部または一部の停止命令もかけられるようになっておりますので、そのような動きがあれば、これは法律上の手当て、法律上の根拠をもって十分な対処が可能の状態になっております。
○小林(政)委員 小さな問題のようでございますけれども、やはり重要な問題でもございますので、この点については万全の対策を立てていただきたい、このことを強く要望をいたしておきます。 いま述べてまいりましたように、こういう大企楽の利益中心の再編成が新特安法による構造改善の前ぶれと言うことができると思いますし、そして特安法の中身でもあると思います。私は、大企業の社会的責任を明確にして、労働者の雇用や職場、地域の安全対策、これに対する万全の対策を立てることは当然のことではなかろうかと考えておりますけれども、最後に大臣の見解を伺いたいと思います。
○山中国務大臣 もちろん、企業は独立した存在であるとともに、国家あるいは地域社会の重要な構成員の一人であります。したがって、企業内の保安等については、おのずから自分自身がその責任において果たすべきものであって、それを外部にわからないように、あるいはわからないからというようなことで手を抜くようなことがあっては絶対にならない社会的な義務を負っている、そのように思います。
○小林(政)委員 大臣は何か御自分で、大変ユニークな考えを持っていらっしゃる大臣であると自負をされていらっしゃるようでございますので、私は、そういう立場からも、競争政策の問題にしろあるいは新特安法の問題にしろ、きちっとした立場に立って、万人に喜ばれるようなものにしていかなければならないだろう、このように考えております。 最後になりましたけれども、企業城下町法に関する問題を一点だけお伺いいたしたいと思います。 地域指定に関してお尋ねをいたしたいというふうに思いますけれども、政府は、特定地域の指定について政令で定めるとしておりますが、どのような業種について、どのような地域を指定する方針なのか、明らかにしていただきたいと思います。現行法で指定されてまいりましたこの地域は引き続き指定されるのかどうか、新たに指定をされようとする地域はどのようなものを指しているのか、この点についてまずお伺いをいたしたいと思います。
○神谷政府委員 現行法で九業種が指定されておりまして、五十一市町村、それから周辺関連地域がそれ以外に指定をされておるわけでございますけれども、改正法が通過いたしました暁には、私どもといたしましては、各地域についてのレビューを行いたいと考えております。基本的に構造不況業種がどういう状況になっているかという問題もございますけれども、さらに、その悪影響から地域が脱却し得ているかどうかというところに着目してレビューを行うものでございます。現在までわれわれが調査しておるところでは、状況がよくなって卒業していく地域というのは余りないのではないか、こう考えておりますので、現在指定されております五十一市町村が大半というか、ほとんど継続してそのまま指定されるということになろうかと思います。 また、新しく指定すべき業種、地域につきましては、構造不況業種の代表的なものであって、なお指定業種になっていないものに関して、具体的に問題になっている地域があるかどうかという点をわれわれとして検討いたしまして、具体的地域があり、それに関連して業種の追加指定が必要であれば、業種並びに地域を追加していきたいと考えております。 いずれにいたしましても、改正法の段階でレビューをいたしたいと思っております。
○小林(政)委員 具体的にお伺いをしたいと思うのですけれども、これは玉野市の問題なんです。 これは人口七万八千人で、三井造船の城下町として六十数年間栄えてきた町でございます。ところが、非常に古い歴史を持っているにもかかわらず、造船不況で、玉野市は人口減と地域経済の衰退が目を覆うような状況でございます。やはりこの場合、大きな企業の社会的責任というものが地域に対して果たされなければならないのではないだろうか、このように思っておりますけれども、この点についてお伺いをいたします。
○神谷政府委員 玉野市につきましては、現行法で造船の関連で指定をされております。 同地域の状況につきましては、これは造船関連の他の地域におきましても比較的似たような動きをいたしておりますが、第一次オイルショック後急激に落ち込みまして、五十六年あたりは、特にこの玉野市の三井造船の場合に、かなり回復をしてきております。したがいまして、関連中小企業等の仕事もやや上り坂でふえておるわけでございますが、五十七年からこれも大分急激に下り坂になっており、この先の見通しも余り明るくない、このように了解をいたしております。 したがいまして、関連中小企業の出荷額あるいは受注の仕事の量といったようなものもここへ来て急速に落ち込んでおりますので、私どもとしては、当然こういう推移を慎重に見てまいる必要があろうかと思いますが、現時点の状況で判断すれば、私どもとしては、引き続き指定ということになるのではないか、このように考えております。
○小林(政)委員 これも私が聞くところによりますと、五十三年四月、本工が千五百人、下請が千九百人、合計で三千四百人もの従業員の首切りが行われた。その影響は玉野市の商店街にも大きくあらわれて、六十億円もの売り上げが減っているというようなことも伝えられております。 資本金三百三億円の三井造船が、五十五年度決算で統御で十八億円もの配当を行いながら、法人市民税はたった八十万円、均等割のみで、所得割はゼロです。ところが、市の方は逆に三井に助け舟を出して、三井の帳簿価額で坪千五百五十円、固定資産税の評価額は八万二千円の社宅を、市は坪十七万七千円で買い上げてやったというようなことも伝えられております。私は、こんな市の行政はよろしくないのじゃないだろうかなと、この限りにおいては思いました。 しかしまた、通産省にも伺いたいのですけれども、三井造船の五十七年末からこの春に至る間の人減らしの計画というのは、具体的にどのようになっているのでしょうか。
○神谷政府委員 仕事が先行きかなり暗くなっているということも承知しておりますし、関連中小企業に影響が徐々に出ておるということは承知しておりますが、具体的に人員削減計画がどのようになっているかというところは、私ども、詳細に承知をいたしておりません。運輸省の方では、所管官庁でございますので、当然把握しておるのかも存じませんけれども、いずれにいたしましても、よく連絡をとりながら地域の状況はウォッチしてまいりたいと思っております。
○小林(政)委員 運輸省は、造船の方もどなたかお見えになっていらっしゃるのでしょうか……。 それでは、通産省と運輸省が連携をとって、その人減らしの実態などについては調査をするというようなことをやはりやっていただけますか。
○藤冨説明員 現在、造船事業は全般的に非常に厳しい情勢にございます。ただ、三井造船の個別の人減らし計画等について、私どもはまだ把握いたしておりません。したがいまして、通産省と御連絡をとりながら、実態把握には努めてまいりたいと考えております。
○小林(政)委員 いよいよ時間が参ったわけでございますけれども、玉野中には中小企業下請取引斡旋所というのができまして、それが、岡山県の振興協会の報告によりますと、五十七年四月から五十八年二月までの間に、希望の申し出が二十九件、あっせん成立が七件、成立金額が千二十万円となっています。成立したのはわずか四分の一にしかすぎません。これでどうやって地元の中小企業が生きていくことができるのだろうか、こういう不安が町の人たちの中にも相当深刻になってきております。 本四架橋の問題について言えば、工事の発注が大手に回されておりますけれども、玉野市の造船関係下請業者に対して特別発注を行う、こういうようなことも検討の対象にならないのだろうか、こういったこともお伺いをいたして、私の質問を終わりたいと思います。
○神谷政府委員 御指摘のように、玉野市あるいは県等でも下請の仕事のあっせんということに積極的に取り組んでおりますし、私どもも全国の下請振興協会等を通じてこういうものに協力をして、非常にむずかしい問題でございますが、引き続き広域的な観点から努力を進めてまいりたい、このように考えております。また、当然のことながら、関連した地方公共団体等におきましても、関連のいわゆる官公需的なものに関して、できるだけこういう地域の中小企業者を活用するような努力をしていただくべきですし、そのように努力していただいておるものというふうに存じております。 具体的に本四架橋等の問題につきましては、これは工事の具体的な内容とかその他が果たして中小の規模のものに合うか合わないのか、いろいろ問題がございます。一般的には、官公需でできるだけ中小企業に仕事を回すよう、さらには地元の企業に優先してできるだけ発注していくようなことを閣議決定して要請をいたしておりますし、ことしもそういう努力を続けてまいりたい、このように考えております。
○小林(政)委員 終わります。
○森(清)委員長代理 中村重光君。
○中村(重)委員 最初に、通産大臣にお尋ねをしたいのだけれども、事務的な関係になりますから担当局長からお答えを下さい。 現行法の措置によって成功、不成功の事例を簡潔にお答えください。
○小長政府委員 特安法指定業種十四業種でございますけれども、各業種とも計画的な設備処理が実施されまして、当初目標といたしました処理目標はほぼ達成されたのではないかと思っております。 同時に、造船を除きます通産所管の十三業種における労働者数でございますけれども、当初二十四万人ということであったわけでございますが、五十七年十月の段階で二十万人、四万人の減少となっておるわけでございます。しかし、この労働者数の減少も、すぐ失業につながるということではなくて、定年退職による自然減に加えまして、関連会社への出向とか加工組み立て産業等他産業への就職あっせん等によって、極力失業の防止が図られてきたということでございます。 先生御指摘の特安法の総体的な評価ということでございますけれども、このように一応の処理目標は達成したということでございますけれども、第二次石油危機によりましてその効果が一定程度弱められたということは事実ではないかと思っております。ただ、逆にこの特安法があったために、もっとショックが大きかったであろうものが比較的薄まったであろうことも想定できるわけでございまして、私どもは概してこの特安法は効果があったというふうに考えておるわけでございます。
○中村(重)委員 いま局長からお答えがあったように、評価というのはなかなかむずかしいわけです。とはいっても、この法律を制定当時、私どもも慎重に審議をし、修正もし、相当期待を持っていたわけですから、やはり評価基準というものはある程度つかむべきであっただろうし、また、つかんでもいるのではないかと思うのですけれども、その基準というのは大体どこらに置いていたのですか。各業種について何か、こうあるべきだということを基準として構想しておったのでしょうか。その点はいかがでしょうか。
○小長政府委員 現行特安法では、設備処理というのが政策手段ということでございますので、適正稼働率へ回復するためにはどうすればいいかということで処理目標を設定いたしまして、それに向かって努力をしたということになっておるわけでございます。
○中村(重)委員 過剰設備の処理なんですが、これが一律処理ということになってくると、限界企業の温存ということになるわけですね。ところが、比較的良好な設価を処理するというようなことでこれはまた非効率になっていく、こういうことなんですが、ここらの功罪というもの、いままで適用してきて、これはこうあるべきであったという反省を含めてこれからどうあるべきかということについて、法律運営に当たって考え方がなければ私はいけないと思うのだけれども、そこらはいかがです。
○小長政府委員 設備処理の実施に当たりましては、産業の実態に応じました効率性に配慮いたしました処理方式が採用されるべきであるというふうに考えておるわけでございますが、先生御指摘の一律の処理方式というのが必ずしも悪いのではなくて、業種によっては十分成果が上がったという面もあるわけでございます。たとえば、具体的には合繊のような業界の場合には、一律処理方式によって各企業の処理量の割り当てがなされたわけでございますけれども、順調な設備処理が進んだと同時に効率性にもできる限りの配慮がなされたという実績もあるわけでございます。 したがいまして、今後は、具体的な業種の実態に応じまして、たとえば業種によっては一社一プラント体制になっているような企業の多い業種もあるわけでございますし、あるいはまた、業種によりましてはコンビナート内における連産品の関係なんかを考慮しなければいかぬような業種もあるわけでございますので、その特安法の施行の経験を十分に踏まえまして具体的な対策を考えていきたいというふうに思っております。 〔森(清)委員長代理退席、委員長着席〕
○中村(重)委員 いま申し上げたように、一律処理、合繊はそうであった。また、それ以外にも一律処理があったし、あるいは実態というものによって多少弾力的にやったという業種もあったのだけれども、ずいぶんトラブルが生じた。そのために相当長期間を要したということは事実なんだから、いまお答えがあったように、十分法の運用についてその目的に沿うような対処をやってほしいということを期待するわけです。 通産大臣、いま小長局長から、いままでの法の運用についての反省を含めて、こうありたいというようなお答えもあったわけですが、これはあなたのリーダーシップによって決定されていかなければならないので、その点についてお答えをいただけませんか。
○山中国務大臣 まず、過去五年やってきたものを打ち切るというような期限が当然来るわけですから、やめるべきなんですね。しかし、それをやめても、基礎素材を中心とする産業の活性化は無理である、その最大の理由は予想していなかった第二次の打撃であった石油値上げであった、そういう反省をしているようであります。 私は、直接タッチしていた時代ではありませんでしたが、そうすると、しからばこれを本当に立ち直らせるあるいは生存させていくというのには、これを延長し、さらに、ただの延長ではなくてもちろん期限つきで延長しながら、そして新しく業界が助け合い、あるいは研究し合い、あるいはまた共同し合って行う行為も、国として若干のインセンティブを与えたならば切り抜けられるのではなかろうかということで、私の判断は、まず過去の五年でなぜだめだったのか、これからもまた先五年延ばすこともあり得るか、それはない、しかし、今回の五年は延ばさざるを得ないという環境が外圧としてありた。そして現状も、エネルギーの価格の問題でも原材料でもそういう状態がなお続いている、ならばやむを得ないから延長して、さらに新しいものをつけ加えて最後のチャンスを与えてみよう、それに国がどれだけインセンティブを与えられるか、これは昨年の暮れの税制、予算の折衝、それらを通じて延長という前提に立っての措置をしてきたということであります。
○中村(重)委員 私がいまお尋ねをしたことに対する答弁が的確ではなかったわけですけれども、この新法の運用についてこうありたいということについて大臣の考え方をお示しいただいたわけですから、それはそれなりに私は評価をしたい。 ただ、申し上げたのは、先ほど言ったように設備廃棄なんかをする場合に、一律廃棄ということで相当トラブルが起こったわけです。企業によっては力関係も違うために、なかなか調整に手間取るというようなことが実はあったわけです。だから、それぞれ一律設備廃棄は設備廃棄なりのメリットもあるだろうと思う。かといってデメリットもあるわけだから、そこのところは運用よろしく、この法律の効果を十分発揮するように対処していく必要があるであろう、こういう意味で将来展望ということで申し上げたわけですが、後段のお答えで大体、こうありたいというお答えでしたから、それはそれで結構です。 そこで、先ほど小長局長から造船という固有名詞が出たわけですが、造船は非常に優等生、卒業生だというふうにも考えているということも言われて、今回の新法の指定から漏れるのではないかとも取りざたされているわけですが、いかがですか。
○山中国務大臣 これは、私の意思で対象業種にしないと決めました。それは、前は特定不況業種でございましたので、その観点からだけとらえれば、確かに造船業というものは対象にしておかしくはなかったし、それだけの効果もあっただろう。しかし、今度は、新しく共同行為その他を含めながらやっていく問題については基礎素材産業という形でとらえるので、造船の基礎素材産業は何だと言ったら鉄鋼だと思うのですね。ですから、造船そのものは運輸省の方の造船業対策でやってくださいということで、運輸省は、では今回はもう縁切りですか、冷たいですね、というような話もありましたけれども、考えてみれば法律の性格上やむを得ないことだということで、さしたるトラブルなしに運輸省も、造船の方はしからば今後は私たちの役所でめんどうを見ますということで、今回は落としました。
○中村(重)委員 見送ると言ったのですか。指定から外すというようなお答えだったのですか。——いや、それは私はちょっと見解が違うのです。 五十七年の下期は八三%です。確かにこれは優秀ですよ。ところが、五十八年になってくると上期が七五%になります。それから下期は六八%になります。もっと深刻になる可能性があります。これは外すべきではない、私はそう思います。ですから、外すということをずばり言うのじゃなくて、実態を十分踏まえた上で対処していくということでないといけないのじゃないですか。いかがですか。
○山中国務大臣 不況業種ではある、しかし基礎素材産業ではない、したがって今回の法律からは御遠慮願いたい、そういうことでございます。
○中村(重)委員 実は、それをお尋ねしようと思っておったのだけれども、不況業種、これは基礎素材産業でないということになってくると、法律の題名も全く変えてきておるようだけれども、その題名を変えようとしていることとは、この不況業種、基礎素材産業という意味で変えようとしているのではないようだが、どうなんですか、従来の特定不況産業安定臨時措置法、この法律はもうなくしてしまって、そして今度は基礎産業というようなことでとらえていく、それに関連していくものでなければ不況であっても指定から外すということになるのですか。いままではいままでとして指定をしておった。新法によって、基礎素材産業ではないけれども不況業種であるからというゆえをもっていままでのとおり指定をしていくということにはならないのですか。
○山中国務大臣 不況だけでとらえるならば、今回も造船はまだ対象となる実態にあると私も思います。しかし、今回はエネルギーあるいは素材、そういうものの対外競争その他で、このままほっておいたならばなくなってしまうかもしれないという状態に落ち込む産業を中心にやったわけでして、「不況」を取ったのは、おっしゃるとおり、これは商店街とか商工会とか、市長さんたもとかそういう人たちが、あそこの町は不況の町だそうだというようなことを言われてどうも困る、商店街も困るというような話があって、じゃ法律から名前を取りましょうということで、造船業の場合は、不況業種でありますけれども、エネルギーその他が非常に大きなウエートを持って今後も問題があるかというと、そうではなくて、これは運輸省の中の造船対策でもって解決できる不況である、したがって構造不況業種ではないということで、造船ということを今回入れるとすれば、造船は基礎素材になるかならないかということでいうと、造船の場合は基礎素材は鉄だろうということで、運輸省の方も別段大した異論なく、今回は、じゃ私の方の運輸省でやりましょうということで、対象から外れることにトラブルはございませんでした。
○中村(重)委員 そこで、まだいまのお答えによって私はお尋ねをしていかなければならないのだけれども、「不況」というのを外したのは、いま通産大臣がお答えになったようなことも含まれているのですか。特定不況産業安定臨時措置法、城下町法の方も、何か「不況」という名前がくっつくとお金を借りにくいとかなんとか、後でお尋ねするのだけれども、いろいろ言われているようだけれども、私はどうもおかしい発想だなと思っている。新特安法はちょっと性格が違うように、いまの通産大臣のお答えからは私は受けとめたわけです。これは不況業種であるというゆえをもっては指定をしないのだ、やはり基礎産業、それでなければ今度はいわゆる指定の対象にしない、こういうことなのだが、「不況」というのを外したのは、そういう内容的なものが変わってきたから外したということになるのですか。いかがですか。
○小長政府委員 内容的なものが変わったというよりも、先ほど大臣の答弁でもお触れになりましたけれども、「不況」という名前を冠しますと事業者心理に影響を与える面もあるのではないかということと、それから現実に特安法の運用を見ましても法の措置の利用が十分ではない面があった。これはたとえば基金の利用なんかにつきまして、特定不況産業基金というふうになっておったものですから利用が十分ではなかったという面もあったということが一つの理由になっておるわけでございます。 それから、現行法では「特定不況産業」というのと「安定」という言葉が一対というような形で使われておるわけでございます。「経営の安定」という言葉を特に使っておりますのは、現行法では設備の処理というのを政策手段の唯一のものとして取り上げておるわけでございますけれども、今度の新法では、設備の処理という撤退の方向と同時に、事業の提携とかあるいは活性化設備投資とかあるいは技術開発とかいったような、活性化の部分を新たに取り上げたわけでございます。したがいまして、撤退と活性化の部分を含みました総合的な言葉といたしまして「構造改善」という言葉を使ったわけでございまして、したがって、構造改善に見合う業種の書き方といたしまして、先ほど申しました事業者心理への影響等を勘案いたしまして、「不況」を取りまして「特定産業」ということにしたわけでございます。 具体的には、二条に「特定産業」ということで一号から八号まで、七号までが法定候補業種、八号が政令追加候補業種ということで決められておるわけでございますが、これは八号の政令要件の中に具体的に書いてございますように、「(その業種に属する専業者の製造する物品の生産費の相当部分を原材料及びエネルギーの費用が占めるものに限る。)」という要件の限定があるわけでございまして、ここで、大臣から先ほど答弁ございましたように、基礎素材産業業に限定をするという考え方が出ておるわけでございまして、一号から七号までの業種はいずれも基礎素材産業業種に対応しておるということになっておるわけでございます。
○中村(重)委員 通産大臣、どうもあなたの答弁は、明確と言えば明確なんだけれども、ともかくあなたの答弁からすると、ふたをしてしまうのだ。これはそういうことであれば、いままでの特定不況産業の、これは略して言いますよ、臨時措置法は廃案にしてしまって新法をつくっていくということでないといけないんだ、改正法案ということになっているわけだから。だから、「不況」というのは広い意味で基礎素材にも関係をしてくるわけだね、たとえば造船の問題なんか。だから、そうずばり、これは不況そのものであってはだめなんだ、基礎素材関係でなければ対象にならないんだというように、そう狭く言い切ってしまうということになれば問題があるように私は思う。だから、不況も考える、特に基礎素材関係にウエートを持つものを重点的に考えるというのならば理解もできるのだけれども、これはそこらはどうもあなたらしくもあるし、あなたらしくもないんだね、いまの答弁からは。もう少しあなたらしい答弁、考え方というものがあるんじゃないだろうか。いかがですか。
○山中国務大臣 これは私らしい答弁なんですよ。ですから、ちゃんと運輸省に、後は造船はおまえさんたちの方でめんどう見なさいよ、わかりました、ということでトラブルはないわけであって、それは新法にすべきだという御意見は一つの御意見でしょうが、いま現在やってきたもののうち一業種外れるから、あるいはまた若干電炉等が変わりますけれども、だから法律も新規まき直しだというふうには——ここで新しく法律を起こすということになりますと、いままでありました、よくも悪くも独禁法の規定を排除しておるようなところ等もまた新しく議論をしなければなりません。 そうすると、その事業に対する対象の、国がめんどうを見る内容まで違ってきてしまう。しかし、内容は違われたら困るので、第二次の石油不況が二重波でかぶってきて、立ち上がりかけていたのがまたたたきつけられたという現状なのですから、やはり延長法ではあらう。しかし、これからは企業の自主性でもって、活性あるいは共同化、あるいは協業、最終的には合併等もあり得るかもしれませんが、そういう企業自身の活力というものが盛り上がってくるならば、それを国が支えてやろうという部分については、改正のまさに改の方に入るわけですから、それはつけ足して、そして本体は延長した。したがって、一緒に五年間、今度の法律で新規の施策も含めながら進んでいくということで、そんなに私の発言はわかりにくいですか。
○中村(重)委員 時間の関係があるから繰り返さないんだが、いまたまたま小長局長から「造船」という固有名詞が出たものだから造船が焦点に出てきたんだけれども、業種は政令指定をやるわけだから、ここで決定的でなくても私はよろしいと思うのですよ。それで、あなたのように、運輸省とこうして話をして、運輸省もこれを了解したからというようなことでなしに、それは前にあなたは運輸大臣と話しているわけで、国会に提案されて、ここでいろいろ議論があるわけだから、そこらあたりも踏まえながら弾力的に、しかも現実的に対応していくというような答弁でないといけない。法律は新法でなくて改正法案で出したということについては、いろいろとむずかしい事務的な処理あるいは法制局とのいろいろな関係もこれありということで、あなたの答弁からすると、性格的に変わってしまったというふうには思うのだけれども、しかし、いずれにしても改正法案であることには間違いない。だからそこらを、委員会の質疑、意見等も十分勘案しながら、今後政令指定に当たっては十分適切な措置を講じてまいりますというような答弁でないと、これは私も引っ込みがつかないということになる。何もあなたと肩を怒らして議論する必要はないんだが、私の言っていることも、あなたは納得するのではないかなという気がする。いかがですか。
○山中国務大臣 今度はまた中村さんらしくないでしょう。法律を出すときには余りきっちり固めないでふわふわしたものを持ってこいと言ったら、そんなことで出したら、何だこの法律は、どうにでもなるようなことが書いてあるじゃないかとしかられるに決まっているのですよ、あなた。ですから、中村さんの御意見はわかりますが、とにかくもう話はついておりますので、政令指定の際にも造船を入れる気はございません、そういうことでございます。
○中村(重)委員 私は、あなたの答弁には納得できない。改正法案が通って、それから政令指定、こう進めていくことになるんだ。そうすると、委員会においてどういう議論が出るか、あるいは修正が行われるかということだってわからないわけだ。それをあなたが事前に運輸大臣と話をして、決定的なものだというふうに決めつけてしまうということは、少なくとも立法府を軽視することにもつながっていく。だから私は、これだけでももっと、一時間でも二時間でもあなたと議論をしたいんだけれども、きょうはいろいろと委員長の予定もあるようだし、後藤理事の方からこの点についてまた質疑をしてもらうことにして、私は先へ進んでいきます。これは納得していないということだけ申し上げておきます。 そこで、現行法の設備処理というもの、こう申し上げるのは、私の理解と通産大臣の答弁が変わってきたので、メモをしていたことと若干違うことになるんだけれども、新特安法ということになるのか、これは集約化の推進というのが一つの大きな柱として入ってきたようですが、従来の設備処理の関係、それから事業集約化の関係について雇用安定というのがあるわけだが、この雇用安定の進め方についてどのようにお考えになっておるのか。 これは時間の関係がありますから次のこともあわせて申し上げますが、本法による雇用の配慮という問題と、特定不況業種・特定不況地域関係労働者の雇用の安定に関する特別措置法案というのがあるわけだね、労働省所管でいま社会労働委員会にかかっているわけだ。これとの関係を雇用安定の面にどう進めていこうとしているのか。 それと、本法案もそうなんですが、通産大臣と労働大臣との協力というものはこの運用に当たってどういうことになるのか。そこらを含めてお答えをしてください。
○小長政府委員 本新特安法におきましては、雇用の安定というのは最重点配慮事項ということに位置づけておるわけでございます。したがいまして、この法案の立案過程におきましても、産構審の議論がかなり熱心に行われたわけでございますけれども、その段階から関係労働組合の方々との意見交換も十分行ってきたところでございまして、そういう意見交換も踏まえまして随所に、雇用安定や労働組合の意見を聞くというような規定を設けておるわけでございます。 具体的には、構造改善基本計画の策定に当たりまして、関係審議会を通じまして労働組合の意見をまず聞くということになっておるわけでございまして、また同時に、かかる関係審議会には必ず労働組合の代表も参加していただくというようなことも考えておりまして、雇用の安定に十分配慮してまいりたいというふうに思っておるわけでございます。 次に、その基本計画に従いまして設備の処理であるとかあるいは事業提携というような措置を行う場合には、国、都道府県、事業者は、雇用の安定や労働者の生活の安定のためにそれぞれの立場から努力をするという、努力義務の規定が第十条に具体的に列挙されておるわけでございます。 以上のように、本法におきましては、雇用の安定及び労働組合の意見の反映につきまして所要の規定が整備されておるところでございまして、今後ともさまざまな場で労働組合の意見を十分に聞きまして、構造改善基本計画の策定、運用に反映をしてまいりたいというふうに思っておるわけでございます。 ここで、基本的に先生に一つ申し上げたいわけでございますが、先ほども申しましたように、この法律の基本的な考え方といたしまして縮小と活性化ということで、一方において設備処理等によりまして縮小、撤退を図ると同時に、一方において事業提携とか活性化設備投資であるとか技術開発というような措置を通じまして、活性化、つまり前進の措置を幾つか考えておるわけでございます。そのような措置によりまして、むしろ雇用の面から見ますと、ある程度雇用の安定に寄与する面もあるのではないかというふうに考えておるわけでございます。 全体を通じまして、この法律の基本的な考え方といたしまして、私どもは、なるべくその産業政策の分野の中において具体的な雇用の安定あるいはなだらかな雇用調整に努力をしてまいりたいということでございまして、具体的には、企業の中において余剰人員が存在しておるような段階におきまして職業訓練を施す等の措置によりまして、関連企業への就職をあっせんするとか、あるいは下請の企業へ就職をあっせんするとか、あるいは企業内の職場転換を図るといったようなことで、失業にならないかっこうでできるだけの措置を講ずるというふうに考えていきたいと思っておるわけでございます。 もちろん、そのようなことは政府が直接やるということではございませんで、労使の協議の問題というわけでございますが、政府といたしましては、そのような労使の具体的な協議を側面からウォッチをしてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
○中村(重)委員 労働組合の意見も十分聞いてと、特にあなたはその点強調された。さっき通産大臣とああいうやりとりをしたものだからどうも言葉が出にくいのだけれども、特定不況産業安定臨時措置法の審議の際に大幅修正をした。そのとき、労働組合との協議というのは修正の中に入っておった。その意味は、たとえば造船なら造船に幾つかの組合がある。ところが、それは法的にはその組合とだけ協議をすれば、小さい組合と協議をするという必要は実はない、労働法規の関係はこうなっている。しかし、それではいけないから、当該事業所にあるところの労働組合と協議をするというように実は修正を加えたわけですね。 ところが、協議ということは同意というのと同義語で、実はいろいろ議論をしてきた。労使の関係について、この法律に基づいてその協議がどのように生かされてきたのか。ただ、おざなりの協議にすぎなかったというような批判も私どもの耳に入るわけです。だから、その点はどう把握をしておられるのか。いま特にあなたが強調されたから重ねて申し上げる必要もないかもしれないけれども、労働組合の意見も十分聞いてという意味は、私が申し上げましたように、協議というのは同意というのといわゆる同義語であるという受けとめ方の中において、前回修正をしたということも含めて、それを生かしていかなければならぬという考え方の上に立って特に強調されたと受けとめてよろしいかどうか、いかがです。
○小長政府委員 労使の問題は一義的にはまさに労使の間で解決さるべきことでございまして、国が直接その問題に介入するのは好ましくないというのが実情だと思うわけでございます。したがいまして、先生のいまおっしゃいました第十条のところでございますけれども、「当該措置に係る事業所における労働組合と協議して、その雇用する労働者について、失業の予防その他雇用の安定を図るため必要な措置を講ずるよう努めなければならない。」と規定をされておるわけでございますけれども、この場合も私どもは、まさに労使がとことんまで具体的な雇用の問題について話し合いをするという趣旨がここに明示されておると考えておるわけでございまして、具体的に政府がかかわってまいりますのは、設備処理の指示カルテルをやる場合とか、あるいは事業提携計画を承認する場合に「当該事業提携計画に係る提携事業者の従業員の地位を不当に害するものでないこと。」というのが要件になっておるわけでございますが、これは労使間の話し合いが十分に行われているかどうかを確認するという意味の規定でございます。 私どもといたしましては、個々の企業の雇用者の具体的なケースにまで主務大臣が法律的に介入するというようなことを意図するわけではございませんし、またそういうことが要請されているわけでもないわけでございまして、具体的には、たとえば配置転換等によりまして離職者の発生の防止に努めることになっているのかどうかというようなこととか、あるいはやむを得ず雇用調整に踏み切らざるを得ないような場合にも計画的にこれを行い、あるいは雇用関係法を活用する等によって従業員の地位に配慮が十分払われておるかどうかというような点につきまして、確認をするという趣旨で運用をしてまいりたいと思っておるわけでございます。 それから、先ほど先生の御質問にちょっと答弁漏れがございましたけれども、労働大臣との関係でございます。現行特安法におきましても、私どもは、安定基本計画の策定とか設備処理にかかわる共同行為の指示等、雇用に関する事項について労働省と緊密な連携をとっておるわけでございますし、新しい法案におきましても、立法過程においてもうすでに事務レベルで十分連絡調整を行っておりますし、今後とも引き続き緊密な連携をとってまいりたいと考えております。
○中村(重)委員 労使の関係については、それこそ労使の問題なんだから政府がこれに介入すべきではないということ、それは適当ではないのだ。この労使協議の問題ということは精神規定ではないのですよ。義務規定になっているんだ。義務規定なんだから政府も当然この法律に拘束をされるということ、この法律に基づいて対応していかなければならないことになるわけだ。だから、単にこれは労使の関係であって、政府が介入すべきではないと言い切ってしまうことは、この法律を修正した趣旨に反すると私は思っています。もちろん、配置転換であるとかなんとか、そういう小さいことにまで一つ一つ政府が介入しろと私は言っているわけではない。しかし、単に労使の関係であるから政府が介入すべきではないということで、訓示規定でない、強制規定になっているものを一方的に言い放つことは適当ではないということを申し上げておきます。私の言うことに何か反論があれば、後でお答えいただきたいと思います。 それから、題名を改めた積極的理由、これは先ほどの関連もありますから、お答えをいただきます。
○小長政府委員 ちょっと前の答弁の繰り返しになるおそれはあるわけでございますけれども、現行法では設備処理ということだけを政策手段に使っておるわけでございまして、その設備処理によりまして不況の克服と経営の安定を図るということになっておるわけでございます。したがいまして、現行の「特定不況産業」という、その不況と経営の安定というのが一つの対の言葉ということになっておるわけでございます。 ところが、新法では、設備の処理という撤退の措置に加えまして、新たに活性化の措置を幾つかつけ加えたわけでございます。事業提携であるとかあるいは活性化設備投資であるとか技術開発というようなものをつけ加えたものですから、それを総合いたしまして「構造改善」という言葉を使ったわけでございます。 「構造改善」に見合うべき言葉といたしまして、「特定産業」がいいのか「特定不況産業」がいいのかという問題が議論の過程で出てきたわけでございますが、私どもは、結論的には「不況」という言葉は削除することにしたわけでございます。 その理由は、「不況」という言葉が冠せられておりますと、事業者心理に影響を与える面があるのではないか。具体的には、イメージが悪くて銀行借り入れにも問題が出てくる場合があるのではないかというようなこととか、求職者が「不況」と冠せられているような企業には就職を敬遠するかもしれないというようなことも心配をいたしまして、そしてまた、その事業者が新たな発展への意欲を「不況」という名が冠せられているために減退させられる面もあるのではないかというようなことも顧慮いたしまして、「不況」という言葉を落としまして「特定産業」ということにしたわけでございます。
○中村(重)委員 いまあなたのお答えからいって私が判断をすると、やはり「不況」は入れるべきである。それから、臨時立法ですよ、これは。恒久立法ではない。 同時に、いま社会労働委員会で審議をしている労働省所管の、先ほど申し上げた特定不況業種・特定不況地域関係労働者の雇用の安定に関する特別措置法案、これは「不況」がそのまま入っているんだよ。中曽根内閣の通産大臣も労働大臣も閣僚なんだ。それが、片や「不況」はそのまま残し、今度は通産省のことだけで何か名聞が悪いということも、あなたの士気に影響するというように受け取られることも含まれておった。恐らく後で中小企業庁長官も同じようなことを言うかもしれないんだよね。私は、臨時立法は臨時立法はふさわしい、なじむような名称を——せっかくあるものを外すというようなことはおかしいと思うのですね。そこらにあなた方がこだわるものだから、先ほど、聡明な山中通産大臣もああいうようなことでこだわっているような感じすら私は印象を持ったわけなんで、この点は私はやはり臨時立法になじむというものは「不況」でいいじゃないか。老人は老人でいいというのですよ、何も高齢者と言わぬでも。だから、あたりまえのことを名称にしていくということが一番正しい。通産省のお役人というのは何かえらいこだわるなという印象を持たれて、適当ではないというような感じがいたします。 次に、改正法案の柱は、先ほど来また数日来同僚委員からも指摘をしてこられた八条の二「事業提携計画の承認」、この承認に基づくところの公収との調整の問題というようなことが、私は非常に重要な問題であるというふうに思います。 繰り返すと時間が幾らあっても足りませんが、これは私は、さすがに山中通産大臣らしいユニークな発想を持ったものだなと思っているのだ。さすがに独禁法をこなしてきた、いわゆる独禁法の権威者にふさわしいユニークな発想です。これは大いに私は評価をしたいと思うのですね。 ということは、いままで通産省と公取との間に、片や行政指導でできるだけ安易にやろうとする、公取は、いや、そうではなくて法律に基づいてやりなさい、こう言ってきた。それは例の石油カルテルの問題だって、そこらが私は大きな問題点になっていると思う。それを私は、ここで事前調整条項というのを入れたことは、ある意味においてそういうトラブルをなくするということに一歩道を開いたという点についてユニークであるというように評価をいたしますが、反面、私は、独禁法に大きい穴と申し上げてもよろしいのだけれども、少なくとも小さい穴か、穴をあげたということにもつなかっていくのではないかという感じがしてなりません。 この点について見解を伺いたいということと、それから、結局これは事業者は事業提携計画の段階で話し合いをするわけですね。複数でこれはやるわけですから、その際に恐らく通産省と相談をするだろうと私は思う。通産省は、その相談を受け、アドバイスをし、そして計画というのができ上がりていくだろうと思う。その段階で公取との、正式な協議ではないが、非公式な協議なんというのが持たれてくるのではないか。そこらの、この事前調整条項、十二条ですか、これの運用は実際はどういうようなことになるのか、まずここらをずばり答えていただけば、疑心暗鬼といったようなことでなくて、よし、わかったということにもなるのだろうと思うのです。 ここらをひとつそれぞれ、まず大臣とそれから公取委員長から、先ほど申し上げた考え方、今後のあり方、どうあるべきかということについてお答えをいただいて、あとは事務当局からお答えください。
○山中国務大臣 大変苦労をしたところでございまして、やはり通産省と公正取引委員会とが客観的にいつも角突き合わしているというのは、日本の産業の発展のために、そういうことはなかったにしても、そう思われるだけでもよろしくない。やはり産業政策というのは、これは生きている経済をやるわけでありますから、切り方を間違えると血が出るし頸動脈に当たったら死んじゃうという、そういう生きている経済をどういうふうに誘導していくかという問題ですし、一方の方は、先ほど公取委員長は交通整理といううまい表現をしましたが、そういう意味のルールを守ってもらう。大企業は大企業であるがゆえの慎みあるいは倫理、そういうものも含めたものを考えておかなきゃいかぬし、あるいはまた零細なるものは強食弱肉の論理のもとにのみ込まれるようなことがあってはならぬという、そういうものが基本はあるわけでありますから、私は、この産業の実態をやる場合と、その監視監督を一定のルールをもってやる公取委員会と、ぴったし組み合わせる手段がないはずがない。でないと、今回もやろうとすれば、独禁法適用除外とするということにして、そして大変な論議をそれで起こして、多数決で決めていくことになるような結果になったと思うのですけれども、そうではなくて、御理解を得たい最大の理由は、やはり独禁法は通産省もみんな読む、民間の企業も、アメリカみたいに、全部社長は独禁法を知っているし、独禁法専門の顧問弁護士を持ってない会社はもぐりだというぐらいのところまで日本の産業界もいかなければいかぬ。それの第一歩が今度のこの法案の仕組みのつくり方だと考えまして、それで、通産大臣の責任で、承認をする前もしくは後、あるいは公取の方が、その後に起こった独禁法に違反すると疑いのある問題等の指摘もできるわけでありますから、ここらのところはうまい運営ができるはずであると思って、このような仕組みをつくりました。 現に、化学繊維関係の方々が最初、まあ旭化成グループと言ったらいいのでしょうか、たくさん、これだけ一つになりますという話で、それは結構なんだけれども、そのままではちょっと問題がある。というのは、そのシェアの問題その他いろいろありますからね。合併の際のシェアとか、あるいはその後残ったものの三社七〇%の同調値上げの基準とか、七五%の寡占状態とか、いろいろあるわけですから、それで、公正取引委員会にいまから行ってきますと皆さんがおっしゃるので、公取に行くのはやめなさいと言ったのです。私の方で相談はしますからと言ったのですが、いや、とにかく説明してきますと言って、結果はだめだったわけですね。 ですから、これから先は、やはり私の通産省のところで独禁法に触れないような内容、ルールに従うような内容で活性化を求める案をつくりながら、そして法案作成の間も絶えずなごやかに意見を打ち合わせしながらきましたから、今後産業政策でも絶えず、どっちが名を取ってどっちが実を取ったというようなことのない法案にして、そして絶えず行き来しながら相談をしていけば、私は文字どおり、日本の独禁法は世界の最も緻密な、進んだ独禁法と言われておるその独禁法が、最も資源のない国でこれだけの経済の発展をした国の産業に対してあるスキームを持って、今回は特別の業種ですが、進んでいくことは、今後産業政策進展の上、国民経済の向上の上から……(中村(重)委員「時間が限られておりますから」と呼ぶ)すぐやめます。悲常に望むべき方向である、そう考えて大変苦心した点でございます。 したがって今後も、そのような精神においてつくった法律ですから、公取との間に連絡を絶えずしながら、最終決定もしくは計画作成の段階においてよく御相談申し上げながらつくるということで、その進展のぐあい等もいずれ明らかになると思いますが、私としてはユニークな新しい法律をつくったつもりでおります。
○高橋(元)政府委員 産業政策と競争政策の調和をどうするかということは、非常にむずかしい問題であろうと思います。 先ほど、ほかの委員に申し上げましたことですが、競争政策は自由主義経済を生々発展させるための一番の原動力であるという点はそのとおりでありますので、時々刻々の要請に従って行われてきます産業政策とどういうふうにマッチさせるかによって、日本の産業の将来というものがどういうふうに展開されるか決まっていくわけだと私は思っております。そういう見地から、私どもは、今度御審議をいただいております法案の中に、十二条の四項から九項までという調整規定を入れまして、前段では、事業提携計画の承認をしようとお思いになった場合に、主務大臣から私どもの方に意見が来て、それに基づいて、こちらからその提携計画を認めていいかどうかという意見をお出しする。それから、提携計画に従って事が行われた後にまたふぐあいが生じて、独禁法違反に当たる事態が生じたと思いますときは、公取委員会から意見を出して、主務大臣との間の調整をやる、こういう二段の調整のスキームがつくられておるわけであります。 それを円滑にやっていきますためには、たとえば実施計画の実施大綱でございますか、構造改善計画の中に書かれることがあり得べしとされております実施大綱の段階から密接に、少なくとも当該産業に関するファクツについての認識の補完がなくてはならないわけで、これは法律の規定があるなしにかかわらず、具体的な産業について、また当該の企業についての実態というものを通産省から私どもの方に示していただいて、それに基づいて事柄は円滑に、また迅速に処理できるように、前広に連絡をとりながら臨んでいきたいというふうに考えておりまして、御懸念のようなことがないように、また先ほど通産大臣からお話のありましたような大筋に従って仕事を進めていくという所存でございます。
○中村(重)委員 私が申し上げたように、運用いかんによってはこれは風穴にもなりかねないということを特に強調しておきたいというように思います。 そこで通産大臣、先ほどもお答えがありましたように、結局意見が調わなかった場合は適用除外——事業提携は適用除外じゃないんだから、公取が最終的にノーと言えば、これはいろいろと話し合いが進んでおっても事業提携はできない、こういうことになるということは、ひとつ通産大臣には確認しておいていただきたいということ。 それからもう一つは、経団連なんかは、独禁法、公取の存在を目の上のこぶみたいなことを言っているけれども、私は、自由経済の競争政策をもって健全なものにしていこうという公取の存在というのを、なぜに経団連なんかは評価をしていこうとしないのかわからない。これはこの委員会で独禁法の問題について議論をするときに、われわれが競争政策を健全にやるようにしなさいということを強調して、どちらかというと自民党が、自由経済を確保するための大きな役割りを果たすところの競争政策に対して難色を示すなんという場面が非常に多いんだね。そこへ座っている自民党の実力者連中はまさかそういうことはないであろうし、通産大臣はなおさらだと私は思っているんです。だが、その点はひとつこの法律の運用に当たって、私が指摘をしたように、やはりこれは大きな風穴になりたんだという批判を受けないようにしてほしい。そういう運用をしてもらいたいということ。 それから、ともに考えなければ、想起しなければならないことは、アメリカにおけるニューディール政策ですね。結局これは、疲弊した産業というものを何とか救済しなければならないということでカルテル化をやった。これが裏目に出た。そこでルーズベルトが百八十度転換をして、反カルテル、トラストということに持っていったということ、この事実を十分踏まえていくのでなければいけないということを私は指摘しておきたいと思います。 さらに、余りにも保護政策が過剰であってはならぬ。やはり大きないろんな流れ、そういうことによっての転換というものもあるのです。ごらんなさい。カメラは西ドイツの独壇場であったわけでしょう。あのカメラを結局西ドイツは完全に日本のメーカーに明け渡してしまっておるというこの事実。貿易摩擦を解消するという点からも、余りにも過大な、過剰な保護政策にこだわり過ぎるということは、むしろ日本経済というものを失速させ、そして国民生活を破壊させる方向に進むことになるということを十分銘記していただきたいということを私は申し上げたいと思います。 時間がありませんから、城下町のことに触れませんといけませんので、ひとつ通産大臣の明快なお答え並びに公取委員長からもう一度この点に対してお答えをいただいておきたいと思います。
○山中国務大臣 幸か不幸か、タイムリーなのかタイムリーでないのかわかりませんが、私が通産大臣にいまなっておるということについてですね……。だんだん若い層の人たちになりましたから大分考えが違ったと思うのですが、三年がかりで独禁法を新しく改正しましたとき、財界から総スカン、自民党は副総裁、三役初め総務会全員反対という中を、三年がかりでこの委員会にやっと持ち出すことができた立場に私はありますから、若い政治家、その後出られた方々の考えはどうか知りませんが、その当時の自民党の中から言えば全くの異端児であり、そして最少数派であった。しかし、その私がいま通産大臣である。ならば・ちょっと変わったと言われても、それが結果的に後で見て、なるほどこれはうまいやり方があったものだなというものぐらいはつくり出さなければ、その道の権威者とは言えないだろう、そう思って一生懸命ない知恵をしぼってみたんですよ。
○高橋(元)政府委員 競争政策の重要性と申しますか、独禁法が経済の基礎をつくっております法規の一つであるという点については、ただいまお話のありましたとおり私ども、認識しております。
○中村(重)委員 そこで通産大臣、あなたがその道の権威者という自信を持ってこれからやりたいということで、過ちを改むるにちゅうちょしてはならぬということにもなるのだが、この前の独禁法の改正の際、課徴金制度というものをつくられたですね。あれは自民党の方からの提案であったのだ。われわれはこれには大いに難色を示したんだけれども、この課徴金制度というものによって網にひっかかるものはほとんど中小企業、大企業は数が少ない関係上、網の目から漏れてしまうのだ。だから、この課徴金制度というのはいい法律であったとお思いですか、これは検討して直していかなければならないなというようにお考えになりますか。いかがですか。
○山中国務大臣 私は、配慮が足りなかったと思っております。それは、それぞれ製造、卸、小売についてのパーセントが決めてありまして、売り上げの期間の売上高にそれを掛けて単純にはじき出して、刑法の罰金でもなく科料でもない、行政罰でもない、ただ国庫に納付せしめなければならないという表現になっております。 でありますから、何を反省しているかというと、あのときにやはり公正取引委員会に裁量権を与えておくべきであった。問題は、いまおっしゃったようなことの裏返しになりますが、課徴金を納めざるを得ないのですから、納めたことによって企業が倒産するというようなことが業種いかんによっては起こり得ますし、現に危なかった時期も段ボール箱等でございましたから、そういうことを考えますと、やはり公正取引委員会にそれらの産業政策への配慮ができる裁量権を与えておくべきであったという反省に立っております。
○中村(重)委員 私は、通産大臣が考え方をずばり、そして率直に述べられるということは大いに評価したい。あの当時、公服は課徴金制度には反対しておったんだ。だから、いまあなたが言われるように、裁量権というものを与えるというような配慮が足りなかったということは事実だろうと思います。公取も十分ひとつ検討をしてもらわなければならないし、通産大臣の方もこの点についてはいろいろと、それこそ独禁法の権威者らしい考え方で、検討はこうあるべきだということについて、われわれもいつでも協議にあずかることをちゅうちょしません。 次に、城下町の法案について駆け足でお尋ねします。 指定の問題等いろいろ同僚委員からお尋ねがありましたから重ねて申し上げませんが、五十三年の法制定以降の不況業種の動向というもの。それから、この業種に属する中核的事業所の事業の縮小等が関連中小企業にどういう影響を与えてきたのであろうかということ。それから、認定された中小企業はたしか五千六十件ですね、この認定中小企業には緊急融資であるとかあるいは信用補完というのがある、これに期限を限っておる。それから税の問題もそうなんですね、二カ年なんというのがある。これをなぜに期限を限って経営安定対策を講ずるというように厳しくしたのか。さらに、それと関連をしてくることは、昨年十月に現行法に基づいて二業種十五地域を追加したでしょう。そして指定をしたわけですね、これは一年程度おくれているわけだから。ところが、先ほど申し上げましたように、これの緊急融資とか信用補完あるいは税の関係については一年足らずの期間で限定してしまった。これはどういう意味なのか、もっと弾力的に考えなければいけなかったのではないかというように考えます。 そうでしょう。五十三年九月から五十五年三月までというのが指定期限になっているのでしょう。わずかな期間ですね。そして、先ほど申し上げましたように、昨年十月にはまた追加をしているのがあるわけだから。そこらあたりがどうもはっきりしないんだ。それの考え方をひとつお示しください。
○神谷政府委員 現在まで指定されております特定業種の状況を個々に申し上げるのも時間がかかりますので、概括的に申し上げれば、一部の業種でやや活動が回復したものもございますが、その業種もまた昨年あたりからかなり落ち込んできておりますので、いわゆる城主に当たります特定業種に関しましては、現在までのところ、すでに指定された者の中から卒業するような者は余りないのではなかろうか。この改正法が実施の段階で、よくその時点に立ってもう一度レビューをしてみたいと思いますけれども、そのように考えておりますし、さらに、中小企業がどういう影響を受けたのかということでございますけれども、具体的に申し上げれば、認定を受けた中小企業というのは、少なくとも認定を受けた時点では、前の年に比べて、たとえば売り上げは一割以上も落ちておりますし、受注量も二割以上少なくなっておる、こういうような状況にあるわけでございますので、おしなべて五千。これは、いわゆる特別の制度を利用しようと思う中小企業者が認定を受けてまいりますので、これ以上の多くの企業がそのような影響を受けてきたわけでございますし、現時点におきまして、それらの認定中小企業を含めての特定地域の状況あるいは特定地域の中小企業の状況というものは、先般調査いたしました段階でも、すべての地域が非常に状況が悪い、こういうことになっておる、このように認識しております。したがいまして、また改めて法律の拡充の上での延長をお願いしておるわけでございます。 次に第二の点の、認定融資に何で期限をつけておるのか、こういうことでございますけれども、基本的には緊急対策ということで、特に当初は、それこそ三階から突き落とされたような大きなインパクトを受けたわけでございますので、かなり優遇した緊急融資その他の措置を講じたわけでございます。したがいまして、これは当面の底割れ防止措置ということで一応の期限をつけておるわけでございますが、前回もその期限の来た時点で状況を見て延長いたしたりいたしましたが、その後経済全般が、一時若干回復した時点もございまして、利用度も少なくなったというので、そこで打ち切ったわけでございます。 しからば、昨年の十月、新しく指定を受けた者に対しての緊急融資が非常に短く限られておるではないか、こういう御指摘でございますし、さらにその後をどうするのか、こういうことでございますが、これにつきましても、期限を切りました趣旨はいま申し上げましたとおりでございまして、その期限の来た段階における経済の状況、あるいは下請の関連の中小企業者がこの制度に対してどういうふうに考え、利用しようとしておるか、その状況を見て考えるということでございますが、基本的には一応期限は切らせていただいております。
○中村(重)委員 そういうことでないと合理的ではないわけだ。 それから、産地中小企業対策法によるところの新商品の開発等の事業がありますね。それから、新分野開拓事業の関連づけというものはどうするのかということが一点あるだろうと思っています。 それから、新技術の開発について、テクノポリスあるいは地域フロンティア技術開発事業というのがあるわけですから、これとの関連はどうなるのかということをお聞かせください。
○神谷政府委員 まず、今回新しく設けようとしております振興事業と、先生御指摘のまず近促法の新分野進出事業、これと産地の振側事業との関連いかん、こういうことでございますが、近促法の新分野進出事業は、御承知のとおり一定の中小企業者が業種ぐるみで新たな事業分野へ進出して近代化を図ろうというものでございまして、かつ、その要件といたしましては、従来の分野から全く離れて新しい分野にかわっていく、事業の全面的転換を前提にしておるものでございます。したがいまして、これはかなり特定の限られた業種に対しての業種対策的な意味が含まれておりまして、いわゆる城主様の影響を受けてその地域が非常に落ち込み、関連中小企業、しかもかなり複合的な業種の中小企業が影響を受けて、新しい道を探っていこうというものと原因も違いますし、また、対応も違ってくるというふうに考えております。私どもの城下町法では、全く新しいものに転換するというより、むしろ自分の隣接するようなところから逐次拡大していくというようなケースの方が多いのではないか。少なくも全面転換は条件づけておりません。 また、産地法に関しましては、先生御承知のとおりでございまして、産地を形成している中小企業者自身、その業種自身が問題を抱えておるわけでございまして、自分たちの産地から新しい産地へどういうふうにかわっていこうか、あるいは新しい事業をどう考えていこうかということで、影響を受けた業者そのものが新しい道を開拓していく、こういうことでございまして、他の特定事業あるいは大企業の影響を受けて、その関連でインパクトを受けたものが新しい道を探るのとは、原因その他が違っておるわけでございます。しかし、事業そのものに関しましては、新分野開拓という面では共通するところもございますので、われわれといたしましては、たとえば産地であって、しかも特定不況地域であるというようなケースの場合には二重指定ということも考えられますし、その場合には、新しい振興事業に関して、従来の産地が自分たちの分野の周辺のところに出ていくものと、いわゆる企業城下町の関連事業者が全く別の分野の開拓を行っていく、こういう形で重複しないケースは別といたしまして、重複するような場合には、相互の協力等も求めながら重複を避けるような運用をしていきたい、このように考えております。
○中村(重)委員 現行法の柱の一つは企業誘致であったわけだ。企業誘致はなかなか進まない。そのネックをどう理解していますか。
○神谷政府委員 これはもう先生御承知のように、企業誘致あるいは地方への企業立地のピークはたしか四十八年だったと思います。それから第一次オイルショック、第二次オイルショックを経まして、急激に企業の立地件数が全国的に落ちておるわけでございまして、近年やや回復ぎみでございますが、昨年あたりの数字を見ましても、まだ最盛時の四割ぐらいのところにとどまっておる、こういう状況であると承知をいたしております。したがいまして、特定不況地域における企業誘致がなかなか進まないということも、この全般的な傾向の一つのあらわれであるというふうに考えておりまして、これは日本経済の安定成長化への移行ということ、特に大量素材型産業からむしろ知識集約型あるいは先端技術型産業、加工組み立て型産業へのウエートの移行というものが一つの原因になっておろうかというふうに考えております。しかし、その場合でもなお、加工組み立て型産業あるいは新しい形での知識集約型産業の地方展開というものはあり得ますので、量的あるいは規模的には小さくとも、引き続きこの努力は継続していくべきであろう、このように考えております。
○中村(重)委員 地域指定については、先ほど、現在指定しているのが五十一、現状からして五十一の指定はそのまま指定をしたいというお考えでしたね。 そこで、その中には造船不況というゆえをもって、大体それが柱になって指定をされている地域もあります。それは五十一の中に入っています。だから、先ほど造船問題について大臣とああいうようなやりとりをいたしましたから、あなたも答弁がちょっとしにくいような気持ちであるかもしれないけれども、相当検討された結果が五十一そのままこれを指定いたしますと明確にお答えになりたわけでございますから、そのとおりに理解をしてよろしゅうございますね。確認をしてよろしいですね。
○神谷政府委員 私どもの法律の立て方は、内外の経済的事情の著しい変化によって、その業種に属する目的物たる物品あるいは役務の供給能力が著しく過剰になって、その状態が長期に継続しておる、こういう業種を指定するわけでございまして、特安法とかなりの部分オーバーラップをしており、またある意味では姉妹関係にある法律ではございますが、完全に一致をしておるわけではございません。他の原因あるいは他の省庁が別途の対策を講じておる業種でございましても、地域に同様のインパクトが与えられておれば、これはその業種を指定し、その地域を指定する、こういうことでございますので、たとえば造船以外にも、北洋漁業関連といったような業種あるいは地域も指定されておるわけでございます。 したがいまして、法改正の後レビューして見直しをすると申し上げましたが、それにつきましては、それらの業種について状況がどう変わっておるか、おらぬかということをレビューするわけでございまして、レビューの結果、いままでのところ、そのままという申し上げ方は適当ではないと思いますけれども、状況が大きく変わっており、特に地域でとらえた場合に、地域で問題を解決されたような地域がそんなにあるとは考えておりませんので、造船も含めまして関連地域の状況をよく検討し、大宗先ほど申し上げましたように、卒業生はそう多くないというような形で、場合によっては新入生が入ってくるというような形で政令を制定したいと考えております。
○中村(重)委員 おっしゃるとおり、城下町法案とこの新特安法とまあ似ているところもあるし、若干性格の違いもある、こういうことです。ですから、私もそのとおりに理解していますから、地域の指定については後退することがないように、さらに、私が通産大臣に最後に申し上げることと関連をするわけですけれども、大都市から地方へと人口の逆流現象を起こしてきている。いままで地方はいわゆる公共事業、福祉サービス事業が中心でしたよね。ところが、国の財政状態、地方公共団体の財政状態ということから、いままでのように行政支出に期待が持てなくなってきた。今度はどうして地域の経済の活性化を図っていくか、この逆流現象を起こしている人たちの就業機会をどうして確保していくかということは、きわめて重大な問題であるというように認識をしているわけでございます。 昨日、大臣が、日本は一割国家だ、GNPに対して一割国家です。アメリカはかつてのような支配的地位から転落してしまった。原因はどこにあるのかということになってくると、衛星国家をつくるために軍事援助に余りにドルを散布し過ぎた。それから、ベトナム戦争に対するところの介入をやった。軍事費を乱費してきたというところに最大の原因があるのだ、そのように思っています。 したがって、現在の経済状態を考えてみると、特に輸出は、貿易摩擦という面からいっても、これは開発途上国は言うまでもなく、欧米諸国、先進国家も不況であるということで、輸出はなかなか伸びない。また、こちらも自粛をしなければならぬという現状にあるだろう。してみると、内需の拡大でなければならないというように私は思います。したがって、民生安定、個人消費を高めていくということについて、地域経済の振興とあわせて、精力的な取り組みをしていかなければならないのだと私は思っているわけです。 最後に通産大臣、地域経済の振興という問題を中心にして、ひとつあなたの考え方をお示しいただいて、そして、この二つの法律案が成立をするということになるならば、私は、われわれの意見も十分念頭に置いて、この法律の適正な運用をしていかなければならないと考えますから、その点も含めてお答えをいただきたい。
○山中国務大臣 さきに中小企業庁長官が申しました俗称企業城下町法、これに造船業が入っていくことについては、全く関係なくそのまま継続もいたしますし、新規追加の必要があればそういたします。 さらに、これからの日本の人口の動き、これが狭い国土の中で、一時、過疎地域対策緊急措置法をつくらなければならなかったし、そしてやや定着してきて過疎地域振興特別措置法をつくっているのが現状なんですね。これは人口の動態だけなんですが、それが今度はJターン、Uターン現象を含めて好ましい現象の流れ、太平洋ベルト地帯に出ていけば、いつでもどこでもだれでも職があり、金がもらえたという時代が去りつつあるということからJターン、Uターンが起こっていると思うのですが、問題は、地方をよほどめんどうを見、自活力を高めてあげませんと、その帰った人が富の創出者にならなければならないのですね、帰った人が貧乏の分配者の一人にプラスするということではない。そうあってはならない。農村でも、潜在失業者の中にさらに一人めり込んでいくという形であってはならぬ。全国をよく見て、今度のわれわれの考えております、法案を出そうか出すまいかといまも考えているのですけれども、テクノポリス、地方に対してそういう意味で新しい時代をつくるために若者も参加するし、地域も参加するし、産学住共同のものをやる、そういうことも一つの手段ではあるのですね。だから、そういうことをいろいろ考えて、おっしゃったように、これから国土の適正なる人口配置と発展、いままでは部会に出なければだめだという考え方、こういう考え方から日本民族も逐次落ちついてきたということになるでしょうから、油の値下がりを引き金として日本列島経済がぐぐっと動き出したというものをどうしてもつくり上げよう、そういう決意でございます。
○中村(重)委員 時間が来ましたから、これで終わります。
○登坂委員長 後藤茂君。
○後藤委員 先ほどの大臣の中村委員とのやりとりの中で、実は私もうかつに思っておったわけでありますけれども、いわゆる特定産業というのと基礎素材産業、これを私も必ずしも明確にしていなかった。 そこで、大臣は、たとえば造船等は基礎素材ではないから今回の法律の対象には考えていない、大変断言的におっしゃったわけであります。 そこで、私も改めて大臣の提案理由説明を読んでみたわけです。そうすると、提案理由説明の中で「基礎素材産業を中心として」という言葉があります。各所に「基礎素材産業」という言葉があるわけでありますけれども、約五カ所ばかり出てくるわけです。ここの特定不況産業安定臨時措置法の一部を改正する法律案の提案理由の説明は、「基礎素材産業」ということでほぼ言い尽くされているように思うわけです。ところが法律の方では、これは「特定産業」ということになっているわけです。特定産業ということになると、必ずしも基礎素材産業と言えないのではないだろうか。法定特記しておる七業種については、なるほど基礎素材産業ということが言える。しかし、私どもは、当初はこの特定産業の政令事項にゆだねる部分、これはいわゆる基礎素材でないものも入るのかなという認識を一応持っていたわけです。 そうすると、ずっと読んでみますと、「長期にわたり継続するおそれがあると認められる業種(その業種に属する事業者の製造する物品の生産費の相当部分を原材料及びエネルギーの費用が占めるものに限る。)」恐らく大臣は、ここで基礎素材産業というものを完全にしぼり込んだのではないかというように実は読んだわけであります。この基礎素材産業というものが提案理由の説明の中で強く提起をされながら、ここでなぜ「特定産業」という言葉になってきているのか、あるいはまた括弧内でこういうように一応くくっているわけでありますけれども、これは一体どういう意味合いを持っているのか、この点、先ほどの継続でございますので、本題に入る前に大臣の方からひとつ御答弁をいただきたいと思います。
○山中国務大臣 まず、「基礎素材産業」という言葉は、そのものが示しますように日本の産業の基礎をなす素材を生産する産業でございますから、そこのところは日本産業の全体の中の柱と申しますか床板みたいな構造で、そこがつぶれてしまうと柱も屋根もだめになる。しかも、はっきりした理由があってそうなっているのだし、ここでほっておくと、ある業種などはもう存立の見込みがない。そういうようなことになると、基礎素材として無視できないということでとらえたわけでございます。 それで「不況」というのを抜いたのは、先ほど局長が申しましたとおりでございますが、私が最終的に抜くという決断をしたのは、市長さんとか商工会議所の会頭さんとか市会議員さん、そういう一般の方たちが基礎素材産業のことを心配してこられまして、いろいろ実情を伺っておりますと、何とかして「不況」という字を法律から取っていただけませんか、どうしてですかと言ったら、局長の言いましたようなことの実態面のほかに、さっきも言いましたけれども、あそこは不況産業地帯だよということになると商店街の売り上げ、客足にまで響く、ですから「不況」という字だけ取ってくれませんか、中身はもとどおりで結構でございますということを聞きまして、なるほど、あの地域は不況地域だという後ろ指みたいなことになるのかな、それならば法律から取っても特別に問題はなかろう、そう思って取ったわけでございます。 したがって、特別に意図されたものではございませんで、そういう実情をお聞きして、法律の名前から取ります、しかし延長法でございます、これからは新しい企業の合同、集約あるいはその他共同化とか、いろいろなことで努力をしてもらって、日本の経済のために生き残ってほしい、そのために国家は昨年の末に予算折衝、税制調査会でこれだけのインセンティブを準備しておりますということで、今回この法案を提案いたしました。その点について提案理由説明で、あるいは、いま考えると今度は私の方がちょっと説明が足りなかったのじゃないかなという反省もいたしておりますが、正直な話、いまのような経過でございます。
○後藤委員 局長にさらに重ねてお伺いをしてみたいのですが、いま「不況」という言葉が、どうもニュアンスとしてよろしくないのでこの「不況」は取りたい、その御答弁は理解ができるわけです。 そうすると、そこで残るのは「特定産業」というものが残るわけです。ところが、先ほど私が指摘しましたように、提案理由の説明では「基礎素材産業」ということがずっと書かれている。しかも、先ほどの中村委員とのやりとりの中においては、ほぼ明確に「基礎素材産業」ということを言っている。そうすると、私が先ほど指摘をしましたように、「(その業種に属する事業者の製造する物品の生産費の相当部分を原材料及びエネルギーの費用が占めるものに限る。)」ということは基礎素材産業だけに限っていくのかどうか、この辺が私には、これはのみ込みが悪いのかわかりませんけれども、まだちょっと理解ができない面があるので、その点をお聞きしたい。 産構審の基礎素材産業対策特別委員会のこの資料の中に、注で「ここでの基礎素材産業とは、」というのがあるわけですね。この中で、「我が国産業構造上真中に位置し、第一次産業等川上の産業から受け取った素原材料を精製加工し、加工組立産業等川下の産業にその原材料を供給する産業をいう。」これが基礎素材産業だ。そうすると、これだけにまた限ってくるのか。「特定産業」という言葉で言っておって、その意図するところは「基礎素材産業」と言っている。それじゃ最初から「基礎素材産業」としておいていいじゃないか。しかもその概念規定が、産構審のこれにもあるように、一応の概念規定がなされている。それを包括した産業を基礎素材産業と言うのだ、あるいは特定産業と言うのだ。どうもこの辺が、括弧でくくられてはおりますけれども、ちょっとよく理解ができません。これは後々政令で特記していく場合に、一体あれは入るのか入らぬのか。たとえば砂糖等は大変構造的に危機に陥っているわけです。これも川上、川下からいきますと、あるいは原糖を買ってきて、そして加工してお菓子屋さんに行くとか、あるいはいろいろな飲料等に行くとかということになると、これは基礎素材産業かなということも考えますので、この辺は政令にゆだねられておりますけれども、ある程度明確にしておかなければならぬと思いますので、局長、ひとつ明確に答弁をしていただきたい。
○小長政府委員 今回の対策の基本は、二度にわたる石油危機という、企業の自己責任の範囲を超えた経済事情の変化を契機といたしました原材料・エネルギーコストの著しい上昇によって構造的困難に陥っている産業というものに限定をいたしまして、対象にしようという考え方をとっておるわけでございます。 したがいまして、先ほど先生も御指摘になりました二条の一項の八号にございます政令候補業種の指定要件の中に、「(その業種に属する事業者の製造する物品の生産費の相当部分を原材料及びエネルギーの費用が占めるものに限る。)」というふうに限定をしておるわけでございますが、この要件は、いわば基礎素材産業の定義ともいうべきものではないかというふうに考えておるわけでございまして、産業連関表とかあるいは企業会計などから見まして、買い入れ部品とか附属部品を除いたいわゆる原材料とエネルギーのコストが全体の相当部分、おおむね五〇%以上ということになるわけでございますが、を占める産業が対象となるということを意味しておるわけでございます。その結果といたしまして、原材料・エネルギーコストが一〇%か二〇%程度でございます加工組み立て産業というのは対象にはならないということになるわけでございます。 それで、今回の場合、法定候補業種といたしまして石油化学、アルミ製錬等の七業種が具体的に決められておるわけでございますけれども、これらの業種につきましては、いずれも原材料・エネルギーコストが六〇から八〇%のシェアを占めておるということになっておるわけでございます。 なお、この要件を満たす基礎素材産業はほかにもあるわけでございます。たとえば鉄鋼とかセメントとか亜鉛とかといったような業種はあるわけでございますが、これらにつきましては、過剰設備の存在とかあるいは生産規模等の不適当、さらにはその結果として招来されます経営の不安定といった他の要件を満たすことによりまして、初めて本法の政令候補業種ということになり得るわけでございます。先ほど先生がお読みになりました、基礎素材産業の定義として産業構造審議会の意見具申の中にございますものは、大体私どもも観念的にはそういうことを念頭に置いておるわけでございます。 それから、もう一つの御質問の、それではいまのような基礎素材産業に限定しているのであれば、「基礎素材産業安定措置法」というような形で、「特定産業」のかわりに「基礎素材産業」という形になぜしなかったかという御質問であろうかと思うわけでございますが、実はこれは政府部内におきましても、事務的にはかなり突っ込んだ議論をしたわけでございます。ところが、法令上は「基礎素材産業」というのは、まだどうもなじみが薄いというようなこともございまして、法令用語として先例としてそういうものはいままで取り上げられた例がないというようなこともございまして、むしろ「特定産業」ということにいたしまして、その「特定産業」の定義を具体的に書くことによりまして基礎素材産業の内容であるということをはっきりさしたというような位置づけになっておるわけでございます。 それから、最後に先生御指摘の砂糖の問題でございますけれども、現在までのところ、所管省である農林水産省から、本法案の対象に指定する必要があるという連絡はまだ受けておりません。したがいまして、通産省といたしまして、第二条第一項第八号に基づく政令候補業種に指定する予定は現段階ではないというのが現状でございます。ただ、砂糖製造業を政令候補業種に指定するかどうかにつきましては、この八号に規定されております具体的な要件に合致するかどうかということを総合的に勘案してやっていく必要があるわけでございますが、一言申し上げたいのは、産業連関表で見る限りにおきまして、砂糖は原材料・エネルギーコストが生産費の相当部分を占めておるいわゆる基礎素材産業に入るものというふうに考えておるわけでございます。
○後藤委員 「特定産業」にしたという経過はわかりました。ただ、基礎素材産業に特記したということが私どもにもう少し明確にわかるようにしていただけないかなという気がしたのです。そうでなかったから先ほどの造船なんかということ、あるいは砂糖なんかは一体どうなるのだろうか、まだ幾つかありますけれども、そういう点に疑念が起こってくるわけでありますから、この点を確認しておきたいと思いまして、先ほどのやりとりで一応お聞きをしてみたわけであります。 そこで、同僚議員がほとんどすべて触れられておりますので、なるべく重複を避けたいと思いますが、四、五点、私から問題点について指摘をしてみたいと思う。 一つは、こういう特定産業というのが、この法律の目的の中にも書いてありますように、最近の内外の経済的事情の著しい変化にかんがみて、構造改善計画を策定するということであります。そしてその中には、「目標年度における構造改善の目標」というようなことも含まれているわけでありますが、ただ、私が一つ心配をいたしますのは、国際経済の中におけるいろいろな不透明、不確定、大変可変的なそういう情勢の中で、一体構造改善計画というものが策定できていくのだろうかということに一つの疑問を持つわけであります。 経済社会七カ年計画というのは、御案内のように、もうすでに現実と乖離をして、どこかお蔵にしまわれてしまった。昨年は五カ年計画が立案されたけれども、これも中曽根総理がことしの一月に、どうもこれは見直しをしてもらいたいというような提言がなされまして、これがこれから五カ年計画策定に入っていくというように言っている。つまり、この前も経済企画庁長官にも申し上げたのですけれども、要するに羅針盤がいまなくなってしまっていはしないだろうか。しかも、これは新聞での報道でありますから必ずしも正確でないかもわかりませんけれども、中曽根総理は、新たに八年とか十年とかの長期的視野に立った弾力的な展望ないし指針を作成しなさいということの中で、計画経済的、社会主義的色彩を持った計画より、長期的観点に立つ弾力的な展望とか指針が適切である、こういうように言われた。私どもは、これまでの政府が出されてきたいろいろな経済計画というものが、いわゆる計画経済あるいは社会主義的色彩を持った計画というように実は理解をしていなかった。ところが、総理はこういうように理解しておったのかどうかわかりませんけれども、それよりも、展望なり指針で結構ではないかということを言っているのですが、これについての賛否は一応別といたしまして、いずれにしても、これからの目標にしていくべきガイドポストがはっきりしない。その中で特定産業の構造改善の目標が設定をできるのだろうかということを、大変実は心配するわけであります。 もう一点、それと関連をいたしまして、私はいつも愛読書にしているのですけれども、通産省から各産業禍造ビジョンというのが提起をされてくるわけです。これは五十五年の産横審の答申に基づいて出されているわけで、五十六年一月につくられている。これを最近また読み直してみて、経済社会七カ年計画と同じように現実から相当乖離をしている。ここでは、先ほど「基礎素材産業」ということを言いましたけれども、「基礎資材産業」というような言葉で、非常にバラ色の展望を持った、まるでこれからの先端技術の中心になっていくような記述がなされておって、構造的な危機に陥っているような実態というものが必ずしも把握されていない。いま通産省としても、こういったビジョンなりあるいは計画なりというものはまだ検討がなされていないのじゃないだろうか。法律はこれからつくられていく。法律がこれから実施されていくのに、それのよりどころになるものがないということは、ちょっとこれは通産行政としても手落ちじゃないかと思う。大臣、ひとつ督励して、確かに内外情勢というのは急激に変化するわけですから、コンクリートなものはそれはなかなかできるものじゃないと思いますけれども、少なくともその都度その都度見直しをしていきながら、この現段階においてどういう展望をし、どういう産業構造が望ましいか、どういうようにこれからの産業構造というものは進めていくかということがなければ、非常に矮小化された、やれ独禁との関係がどうだとかあの産業はどうするだとか、ここは行政に甘えているとかということになってしまいはしないかという気がいたしますので、この点、大臣、いかがでございましょうか。
○山中国務大臣 そのビジョンの中で、私は実は違った問題で着目した言葉があります。それは「水平分業」という言葉を通産行政の村の一つに、もうすでに発表してしまっておりますから、据えているということの問題点であります。 水平分業ということを言いますと、こく内だけであればそれで済むのですが、国際的には日本はもうすでにその分野は発展途上国、中進国に譲るべきであって、たとえばいま綿糸業界がパキスタンの補助金つき輸出あるいはまた韓国のダンピングというようなもの等について、一応大蔵省に訴えております。しかし、そういうような行為はなるべく慎んでほしいというのが政府全体の姿勢でありますが、水平分業という言葉を通産省のビジョンの中に入れますと、日本はそれら、かつてランカシャーの産業革命でかち得たものを日本が追い越していった自分たちを振り返れば、私たちはもう外国に譲ってもいい分野というものを相当抱えていて、なおその産業も死なないように努力をしている。そういうことを考えますと、その言葉がいやに私の目には大きく映って、こんな言葉を不用意に使って残していいかということから、いまおっしゃいました全体のビジョンとしての姿勢はそれにたえ得るものであるかどうかということについて、ある意味の考えなければならない問題点があると思っていますが、いますぐこれを変えるとかなんとかという気持ちはありません。しかし、検討は加えなければならないという気持ちがしております。 さて、そこで先行きがよくわからない時代に、政府計画を含めて、日本の国内すらそうなってきた。同外情勢を見ればなおさらわからない。そういう時代にこの法律は時限法として五年後で打ち切る、五年後にはもう立ち直りなさいよということにしてあるのは、それで平仄が合うかという問題については、私はこの法律は、本来民間は、日本の産業というものは、これは自由主義経済の中で自由な活力のもとに、倒産件数がいっぱい出てくる、しかし年を締めてみると、年度ではまた企業総数はふえているという、その日本民族の中小零細企業に至る活力、そして新しいものにぶつかっていって自分たちの未来を切り開く活力、こういうものは高く評価したい。しかし、これは恐らく自分の力では無理だろうというものについて国が幾らかのインセンティブを与えますから、一応打ち切る予定のものを延ばすわけですから、五年間の間にこういう点に配慮を加えますからやってごらんなさいということでございまして、五年後にりっぱに立ち直ることを期待はいたしますが、それを期待する余り強制とか、アウトサイダーの大臣による排除とか勧告とか命令とか、そういうことは一切しておりません。したがって、自由主義経済を前提として国がめんどう見るのには限界がある。限界があるかわりに、年度を切ってきちんとやらなければいかぬ。また、これはOECDのPAPなんかの考え方でも、年限切ってやらなければ、国がいつまでも、国際的に見てもおかしな産業というものを国の力で際限なく保護していくということは、国際経済摩擦の理論的な、あるいは現実的な紛争の種になるおそれがある、そういう気がしておりますので、この法律は五年で打ち切るということについては総体的に見て矛盾はないと思っております。
○後藤委員 いま水平分業の話が出たわけですが、先日の参考人の意見の中におきましても、この法律によって過剰設備の廃棄は、これまでの特安法ですが、製品の需給改善や過当競争を避けるのには役立った、しかし、必ずしも国際競争力強化には一致をしないという参考人の方々の意見があったと思うのですね。 一般論といたしましては、先ほど大臣が言われたように、私もこの中での水平分業の時代というものをやはり直視していかなければならぬと山うのです。ただ、これはやはり先端技術産業が脚光を浴びておる高度成長のまだ幻想の中に「産業構造の展望と課題」という八〇年代のビジョンがつくられていったように思うわけです。 そこで、大臣にお伺いしたいのですけれども、構造改善を進めていくべき産業、基礎素材産業はすべて国際経済の中にあるわけですから、国際経済の中にありながら全部基礎素材産業というものは構造改善をしていって、これをすべて生き返らしていくということになるのか。その中では衰退産業というものが、つまり水平分業的下敷きがある衰退産業というものはあるのかないのか。ナショナルセキュリティーの問題が産構審の答申の中においても言われておりますけれども、こういったいわゆるナショナルセキュリティーというのは一体どの程度の規模を考えているのか。総体的な問題ですから、これまた計画の目標設定と大きく絡まってくると思います。後でまたもう一つ指摘をしてみたいと思うのですけれども、こうした設備の廃棄であるとかあるいは事業の提携であるとかということは、その当該企業の収益にも大きく影響している。それが法律によって一応、強制ということは言葉が適切でないかもわかりませんけれども、行われていくわけですから、それに対する国民経済的なリスクを一体どこがどう負担をしていくのかということも問題点等ありますので、その点はいかがでございましょうか。
○山中国務大臣 政令で定めるその他の業種があるかどうかという問題でありますが、先ほど局長がちょっと答弁いたしまして、砂糖産業というものを質問にもありましたので触れたのですが、私もこの業種を検討しておりますうちに、やはり北海道から沖縄まで国内の生産者が日本のリファイナーから買いたたかれるという現象が実際にはあるわけなんですね。これが砂糖の特例法で枠を決めておりました期間はのうのうとして好況産業に近い状態だったのですが、それでも実際にはそれが切れた途端に過剰設価をフル稼働するというような状態に戻っている。農林省の意向はどうなんだということで聞かせたのですが、農林省はどうももう一つ希望を表明してきませんということでした。その後なぜだろうと思ったのですが、恐らくその理由は、原材料の変動が日本の——日本の精製糖工業界といっても、これはクリーニング屋さんみたいなものなんですね。ですから、そのもとになる砂糖が国際砂糖協定があるにもかかわらず非常にぶれが大きい。豪州糖の長期契約の翌年から七転八倒したというあのような事例を踏まえて、恐らくそのような海外経済環境、原料が豊凶によって非常に変わるということで、それが非常な不安定要因で、それに対応してどれだけの構造改善が必要かのはじき出しといいますか、設計図がかけなかったのじゃないかと私は思っております、まだこれは確かめておりませんが。 したがって、あと残された業種の予想も述べたようでありますが、当分政令で追加される業種はない。一年半という期限はありますが、その中でも現時点の見通しでは追加の申請はないのじゃなかろうか、私はそういうふうに見ております。
○後藤委員 いま私が御質問申し上げたのは、構造改善をしていくべき産業と国際経済の中でネガティブリストに入っていくべき産業が考えられるのかどうかという問題点を指摘したわけでありますけれども、必ずしもそれにお答えをいただけなかったのですが、時間がございませんので、この点はもし後の御答弁の中で触れていただければ結構でございます。 今度の新特安法が、いわゆる国内産業の保護というふうに大きく印象づけられて、外国との貿易摩擦との関係でこれまた保護貿易の殻に入っていく口実にされはしないかということが、各委員から強く指摘されておりました。昨年の十一月にUSTRが議会に提出した報告書の中でも、「競争力が弱く非効率であるにもかかわらず、他の内外の企業と競争を続けていくことができるという付随的利点が与えられ、これらのカルテルが日本の非競争的な企業をもっと競争力のある外国企業と太刀打ちできるように助けている度合いに応じて、競争をゆがめ、貿易と投資の自由な流れを妨げている」ということが言われたり、あるいはごく最近ですけれども、オルマー米商務次官が、貿易をゆがめている海外諸国の行為のうちで、われわれの重要な関心分野は特定産業の育成政策であるということで、日本を一応指摘をしているわけなんです。 これらは必ずしも正確に認識をしていない面もありますけれども、せっかくない知恵じゃなしにあり余る知恵を出されて、公取委と本当に努力をされたスキームがつくられたと私は思うのですけれども、にもかかわらず外国から見ると、限界企業を温存していくだとか競争力を強化して、本来自由競争の市場原理の中で競争をしていくべきものを、国がいわゆる行政指導なり法律によって保護していっているではないかという指摘が、どうしてもされる危険性があるだろうと思うのですが、その点に対して大臣はどういうような見解をお持ちになっているか、お聞かせいただきたい。
○山中国務大臣 外国に向かって吐く各国の言葉は、大変正論が多いのです。したがって、その問題でも日本の産業政策をなぜ問題にし始めたかと言えば、IBMがヨーロッパを含めて世界を支配し得たその後に、日本が官民一体となってといいますか、官の保護を受けて六社体制を三社体制にしたりして、それに手厚い助成をやったために、いまや日本のコンピューター産業は大変すそ野が広く頂上が高い、このままでいくとアメリカはおくれてしまうというような指摘が業界から出されたりなどいたしますと、アメリカとしてもそれに対して、日本の産業政策、どうしてこうなったかという昔の日本の助成について目を向けなければいかぬ、これは国際的な不公正であるというようなことも言っております。しかし、アメリカの国内でも自分たちの国の自動車産業の衰退については、妥結したから三年間の自主規制をわれわれに少なくとも強い要請——自主規制ですから日本が決めるわけですが、要請をしている姿勢は、じゃ何だ。ハーレー・ダビッドソンが経営危機に陥った、倒産間近しと言われたのですが、別途輸入オートバイについてだけ課徴金をかけようとかなんとかという制裁措置をとろうとすると、じゃアメリカの国内に進出している日本のオートバイ産業はそれで一応は成り立っていくけれども、ハーレー・ダビッドソン社そのものがそれで立ち直れるとは限らない。そこで、現地に出ていない日本のスズキとヤマハの二社に対して、おれたちは立ち上がるためにハーレー・ダビッドソンはこれだけの資金がいま要るのだ、おまえたち、締め出されるくらいならどうだ、それを出さないかということを言ってきているのです。これは政府の行為とばかりは言えませんが、すぐ政府もそれに乗っかってわめくわけですから。議会などはことにそうです。 そういうことを考えると、自国の産業保護というのはそれぞれに保護の仕方があると思うのです。しかし、私たち日本の場合は、原則として自由貿易でなければならない。まず原料の入手から始まるわけですから自由主義貿易でなければいけないし、保護貿易になったら日本はひとり立ちはできない国になる。したがって、ガットの精神にのっとって世界各国が協調し合い、譲り合うという姿勢は、日本も原則として持っていなければなりません。しかし、個々の品目等について、たとえば今回の基礎素材産業に対するてこ入れを、限界産業の沈没を日本が国家の力によって浮き上がらせようとしているのだと言うことの裏には、それはアルミなんというのはアメリカの安いもので日本に全部提供できるよ、それを残そうというのかということもあると思うのです。ですから、国際経済摩擦というのは、率直にお互いのことを言い合って、じゃここらで自由貿易だけは守ろうじゃないかということで話し合いをつけていくというのが、現在の時点の国際情勢に対する日本の経済外交の姿勢ではなかろうか。したがって、余り外国の言うことを気にしないで私はこの法律を作成したということでございます。
○後藤委員 局長にちょっとお伺いをしたいのですけれども、構造改善基本計画に定める事項の第四号のイで「生産、販売、購入、保管若しくは」云々とずっとあります。ここもまた先ほどの基礎素材産業のところと同じように、括弧で「(主務大臣があらかじめ広く当該特定産業に属する事業者の意見を聴いて事業提携の実施の大綱を作成する場合には、当該実施の大綱を含む。)」、こういう文言があるわけですが、これはどういうように読めばいいのでしょうか。
○小長政府委員 括弧の中のところでございますが、これは具体的な事例で申し上げた方がおわかりいただけるのじゃないかと思うのでございますが、ある業界が幾つかのグループに分けて業界全体の構造改善を進めたいというようなことを構想いたしまして、具体的にグループの数を幾つにするか、あるいはそのグループが行う事業提携の内容をどうするかというような動きがあるような場合に、主務大臣があらかじめ広く当該特定産業に属する事業者の意見を聞きまして、グループ化に関しますマスタープランというようなものを作成するという場合には、当該マスタープランの大綱もこの事業基本計画の中に書き込むということでございます。と申しますのは、結局グループ化によって事業提携を進めていこうということを業界全体として取り組むというような場合の具体的な事例を頭に置いておるわけでございます。
○後藤委員 いまの説明でも、私、もう一つ理解がしがたいのですけれども、公取委員長のところは十二条のところでのスキームが規定をされているわけですから、その前段で、主務大臣のところでどういうものがどうつくられようと、これは全く関係がない。出てきたものに対して、競争政策の立場から判断をしていけばいいということであるかもわかりませんが、私は、ここの「主務大臣があらかじめ広く」云々で事業提携の実施の大綱を作成するというのは、どうもカルテルの温床になっていきはしないかという心配をしているわけです。心配はあるけれども、出てきたところで意見を言い合えばいいんだということになるのかもわかりませんが、この点、もしコメントがあればお聞かせをいただきたいと思います。
○高橋(元)政府委員 先ほど通産省から御調明があったところでございますけれども、この実施の大綱と申しますのは、私どもの理解では、たとえばグループの組み方、グループの数、そういったいわば将来事業提携計画が幾つか出てまいるわけでございますけれども、幾つかの事業提携計画が出てまいりますその出方についてのアウトラインと申しますか、ごくラフなアウトラインというものだと思います。もちろん、この段階で法律の規定はございませんけれども、実際問題といたしましては、通商産業省と私どもの間で事実についての意見の交換というものはなされるものというふうに期待もしておりますが、実際、これによってカルテルが行われるかどうかと申しますと、それはやはり事業提携計画という、当事者が集まってつくって認可を申請する、承認の申請なするその事業提携計画となって生かされてくるわけでございますから、事業提携計画そのものは八条の二によって認められるわけでございます。その事業提携計画が承認されるかどうかの段階で独禁法との調整が十二条によってなされる、こういう構成になっておりますから、御懸念のような、これがカルテルの温床になるということはないという理解でおります。
○後藤委員 大変老婆心な指摘になって恐縮でありますけれども、先ほど大臣は、通産大臣と公正取引委員長というのは格は公正取引委員長の方が上なんだ、半分冗談だけれども、ということをつけ加えながら言われた。大体これまでの行政をずっと見ておりますと、経済裁判所的な、つまり公取よりも産業政策の力の方が、私はどうもこれまでも強いように受け取っているわけであります。 そこで、こうした事業提携の実施の大綱がそこで作成をされてくると、これがほぼコンクリートになってくるのだ。そうしますと、これが一番正しいといいますか、どうしても適切な措置であるということが出てきて、競争政策の観点から注文がつきにくいような雰囲気が出てきはしないだろうか。とりわけ日本の共同社会的風土というものは、まあまあということで、でき上がってきたものに対して意見を言う、注文をつけるということが大変むずかしいのではないかという気が私はいたしてなりません。参考人の意見を聞いておりましても、あの努力された産業政策と競争政策とのスキームのところは非常にいい、ああいう調和ができることは結構だということを言っておったわけですが、公正取引委員会、つまり競争政策と産業政策というものはもっと緊張関係にあった方がいい、お互いが緊張関係を持った方が国民経済のためにはプラスになるというように私は判断をいたしております。この法律は、全体に事業者の自助努力によってつくられていくのだ、それを行政の方は独禁法に風穴をあけないで支えていくのだということがるる述べられているわけでありますけれども、どうも力関係からいさますと、ここのところがコンクリートされていく、そして十二条で公取委の方に提起される、それがまたフィードバックされてくるというようなやりとりの中で、産業政策に歯を立てていくということは大変むずかしかろうという心配を実はしているわけであります。 先ほど公取委員長は、そういう懸念はないという答弁であったようでありますが、重ねて、これは大臣と公取委員長からお聞かせをいただきたいと思います。
○山中国務大臣 いまのお説も一つの考え方ではあります、いわゆる産業政策と独禁政策とは絶えず緊張関係にあった方がいい。でありますけれども、しかし独禁法の個々の条文を見ていさますと、緊張したままでいくことが結局は違反につながっていく。やはりその点は進んでやるわけでしょうが、ばれたら違反かという考え方から、だんだん課徴金等も含めて、法は法、それを守らなければいかぬというような考え方が大分産業界にも出てきた。 先ほど私はアメリカのことを言いましたけれども、アメリカは法体系からいったら、日本の独禁法の半分も整っていないと思います。歴史は一八〇〇年代にあるとしても、判例の積み重ねが実はアンチトラスト法の実態というような形になっていると思います。私は日本の独禁法で反省の点も述べましたけれども、むしろ緊張関係が増すということはよろしくない。どっちが増すのかというと、これは産業界の方が独禁法に、このやろう、と言って近寄ってくる形で摩擦になる。独禁法は動かないわけです。産業界の方に近寄ってもいかない。じっとしているわけですから、相なるべくんば産業実務者を含めた官庁、通産省というものと経済の番人である公正取引委員会が絶えず意見を交換し合って、そして公正なる競争のもとに、最終的には、豊富にして低廉かつ良質のものを供給していくというような理想の姿に、部分的であっても試しにやってみるということは、これは賛否は別にして、間違いなく一つの試みだ。全く別なもので、その間にただ違反だとか不服だとか、じゃ控訴だとかいうような手段のみを行使していてはやはりまずい。 公正取引委員会とはちょっと違いますが、総理府に公害等調整委員会というのがありますけれども、ここのところは、裁判に持ち込まないで、公害の加害者の方と被害者の方とがともにそこに訴えて、相談をして、そして和解をし、あるいは仲裁裁定を行っていく。これは一つのトラブルの解決であり、そして二度とそういうことが起こらないための機関として機能していると私は見ています。 そういう意味で、今回は別段そういう調整機構をつくるわけじゃありませんで、調整の機能を法律の条文の中に入れたということで、これがうまく機能していけば、私は日本の産業にプラスになると確信を持っております。
○高橋(元)政府委員 私、いまの職を承ってからきょうでちょうど半年になりますが、その間いろいろな方といろいろな機会にお話をしておりまして、独禁法の意義というものについての御理解は、そう申しては大変僣越かもしれませんが、必ずしも完全に行き届いてはいないのではないかという感じを持っております。 そこで、先ほども中村委員の御質問にお答えして申し上げたのですが、独禁法と申しますのは、いわば一種の経済の交通法規のようなものだ、交通法規は、交通取り締まりよりも交通安全運動というのですか、交通法規を理解していただいて、それに従って行動していただくということがまず大事だというふうに思います。そういう独禁法制と産業の活動というものを両方知って、産業界が自発的に事業提携計画なり、通産大臣がおつくりになる構造改善計画の中にそれが織り込まれていくということが最も望ましい形であろうというふうに思います。 いま御指摘のありましたように、正しい緊張関係、つまり産業政策当局と競争政策当局とが、それぞれの権限とそれぞれの職責とそれぞれの理想を掲げて、その中で相互に切磋琢磨するということはもちろん大事なことでございますから、それは大事にしなければならぬと思いますけれども、私は、構造改善臨時措置法の目的とする不況からの脱出、日本経済の活性化ということのためには、いま通産大臣からもお答えがありましたように、両当局がそれぞれ意見を交換し合いながら、不況から脱出するための各企業、産業のあり方というものを、意見の一致を見てやっていくということもまた非常に大事なことであろうという認識を持っておることを申し上げておきたいと思います。
○後藤委員 公取委員長にもう一点お伺いしますけれども、今度の場合は、指示カルテルに加えて事業の提携ということになるわけです。事業の統合なりあるいは集約化の進展というのは、業界の寡占化が進むだろう。これはもちろん、それぞれの基準に合わせて寡占が即いけないということじゃないわけです。 ただ、寡占化が進んでまいりますと、この法律でも適正な競争が確保されることが義務づけられてはおりますが、しかし、どうしても寡占体制におきましては、やはり競争よりも協調を志向していくということに、そういう風潮が広まってくるだろうと思うのです。競争的寡占という状況を生み出していくということは、一回こうでき上がっていくとなかなか大変だろうという気がするわけですけれども、その点を私どもは実は大変心配をいたしております。公取委員長、どのようにお考えになっていますか。
○高橋(元)政府委員 原燃料価格が非常に上昇いたしまして国際競争力を失ったということが、今回の構造不況の大きな要因だろうと思います。と申しますのは、マーケットが小さくなってしまったわけで、したがって設備が過剰になった状態というのがかなり多くある。基礎産業と申しますのは、いわゆる装置産業でございますから、企業の最適規模というものは技術的に、国際的にほぼ決まっておりますので、したがって、マーケットが小さくなった場合にはどうしても、企業がそれだけたくさんいてはかえって全体の競争上うまくないという状態が想定されるということはあると思います。 そこで、私はある程度、こういう情勢に合わせまして産業構造の改善をやっていく場合に企業数が減ることは、その程度によりましてはやむを得ない面もあろうと思うわけでございますが、仰せのありますような寡占の弊害を伴うような高度の寡占の状態というものが招来されることは、最も好ましくないと思います。そういう意味で、また事業提携と申しますのは、合併にいたしましても事業の譲り受けにいたしましても、将来にわたるその産業の構造を決めていくわけでございますから、そういう点で、仰せのありますように寡占の弊害を伴うような構造改善というものが起こらないように、事業提携計画そのものは独禁法の枠内で承認が行われ、実施がされていくわけでございまして、十分に気をつけてまいらねばならぬというふうに思います。
○後藤委員 この間「東洋経済」を読んでおりましたら、「「適用除外」を除外された業界の失望感」ということで、三菱油化の徳久芳郎さんが論文を書いている。相当極端な論文でありますから、これはしかも、以上は私見である、というようなことを最後には書いておりますので、必ずしもこれを俎上に上げるということは適当でないかもわかりませんが、この中でちょっと注目する言葉は、「公正取引委員会という第一の関守がいる。それに今度通産省という第二の関守が出てきた。この二人の関守のもとで私企業は呻吟していかなければならぬのじゃないか」というような形で、ここで言わんとするのは、独禁法の適用除外をなぜ法律でもっとやっていかないかということなんです。 こういうような風潮が、最近経団連の中におきましても、あるいは財界でも、成長産業のときの独禁政策とゼロサム産業に対する独禁政策というものは明らかに変わっていくべきだというような巧妙な世論操作等もなされているわけでありますが、よほど公正取引委員会が競争政策というものと産業政策というものはそうあるべきかということについて真剣な目を開いておかないと、通産大臣の方は大変苦労してこういうスキームをつくられた、その努力に対しては大変敬意を表しますし、これからのその運用というものは注目していきたいという考えを持っているわけでありますけれども、やはり心配な面が大変強いものでありますから、重ねて公正取引委員長、それからその点に関する通産大臣の見解をお伺いします。時間がございませんので、簡単で結構でございます。
○山中国務大臣 この法律でもって確立されている独禁法に風穴をあげるというような意味は全く、片鱗だにございません。
○高橋(元)政府委員 法の運用は、その目的に照らして正しくなければならぬと思いますので、ただいまの御指摘な十分肝に銘じて今後運用に当たりたいと思います。
○後藤委員 最後に、雇用の問題で一点申し上げて質問してみたいと思います。 同僚議員が全部、雇用の問題につきましては指摘をいたしました。最近の失業者の数は、先ほども大臣の答弁の中で、若干統計のとり方が変わったのでという御指摘もありましたが、しかし、決して雇用に明るい展望があるわけではない。そこへもってきてこの指示カルテル、さらにまた事業提携等が行われていくということは、将来はともかくといたしまして、雇用に対して大変不安な面が起こりはしないか。 そういうことで、私どもは、この三条の二項五号のところの「設備の処理又は前号イの事業提携と併せて行うべき事業の転換その他の措置」の中で「その他の措置(雇用の安定を図るための措置を含む。)」というのを、この括弧を取って、もっと、それぞれの当該産業に働く労働者に雇用の不安感を与えていかないように配慮ができないかということを一点指摘をいたしました。 さらにもう一点は、当該特定産業の事業者あるいは労働組合だけではなくて、たくさんの関連の中小企業、またそこには多くの労働者、労働組合があるわけでありますから、ぜひ十分にその意見を聞き、協議をしていきながら、雇用に不安がないようにこの法律は配慮をしていく。確かに雇用のための法律ではないわけですから、産業立法でありますから、雇用が前面に出てくるということは立法技術上大変なじまない面があるだろうと思いますけれども、しかし、各所に「雇用の安定」ということはらりばめられているわけであります。その点に対してやはり行政の立場から、まさに産業政策は雇用の安定ということが最優先課題なんだということがこの法律の中においてもにじみ出てくるような法体系にぜひしていただきたいということで、私どもは強く要望申し上げたわけでありますけれども、なかなかどうも、その点についての与党の皆さん方の賛成も得られなかったようでありますが、ひとつ大臣と局長から、これは構造改善で、しかも雇用を排除していくという法律ではない、あくまでも雇用を確保していく、安定をしていくということが下敷きになっておるし、またそれが最優先の課題であるということを、ぜひ答弁の中で明確にしていただきたいということを申し上げて、時間が参りましたので、私の質問を終わりたいと思います。
○山中国務大臣 雇用問題を具体的に言って括弧を外せということでございますが、これは括弧の中に入れたことが重視しているわけでありまして、対象事業について同列に並べるということは、ちょっと異質のものになるおそれがあります。 それと、通産省の法律としては「不況」という言葉を取りましたが、しかし、この構造改善の結果、最悪の場合に受け取ってもらわなければならない労働省の法律には、手厚い支援をもらうために二法を一つにしましたが、二つとも「不況」という言葉をそのまま残してもらっておるということでも、その配慮がなされておると御理解願いたいと思うのです。
○小長政府委員 大臣の御答弁にもございましたように、雇用の安定というのは最重点配慮事項ということでございます。したがいまして、本法の運用に当たりまして、私どもは、雇用の安定、なだらか調整につきまして十分の配慮をしてまいりたいというふうに思っておるわけでございます。
○後藤委員 委員長、ちょっと失礼いたします。いまは新特安法についての質問で、もう一点だけ、申しわけありません。 城下町法もこれから採決に入るわけでありますけれども、一点だけ長官にお伺いしておきたいのですが、もうすでに各委員から指摘をされておりますので、ただ重複を避けたい点で申し上げるのは、いわゆる新分野の開拓事業にかかわって答弁をお聞きいたしておりますと、各自治体におきましてもあるいはそれぞれの研究機関なりあるいは行政の場合も、たくさんの情報を持っているということで、この新分野の開拓事業等についても十分に支えることができるというように御答弁がございました。 しかし、私は、いわゆる城下町を見ておりますと、必ずしもそういうような情勢になっていないのではないか。先ほど大臣の答弁の中では、テクノポリス構想を出したいがまだ煮詰まっていないというような話もされております。構想だけが先走って、実はそれの受け皿というものが、環境は必ずしも成熟していないと思うのですね。しかも、これは単に何かのガイドラインを提起するということじゃなしに、事は企業の存立にかかわりますし、また、その企業が利益を受けられるような市場というものを確保していかなければならぬ。そこに行政としての一つの責任があるだろうと思うのですね。地方自治体にあるいは研究機関に、あるいは大学の研究所だとかあるいはまた城下町のそれぞれの企業体の中に、そういったそれを受け入れるための体制なり枠組みというものが、答弁としてはよくわかるわけですけれども、どうも私は心配なんです。 この点を長官からお答えをいただきまして、これで質問を終わりたいと思います。
○神谷政府委員 御指摘のように、非常にむずかしい仕事でございますので、関係者の総力を結集して進めていかなければならない問題だろうと思っております。 基本的には、やはり当事者の中小企業者自身の努力とそれらの協力によるということでございますけれども、先ほど来申し上げておりますように、府県では、産地その他での振興事業等を通じまして、ある程度こういうものをオーガナイズしていくというオーガナイザーとしての経験も蓄積されてきておりますし、また私どもも若干の経験を持っておりますので、そういうものをもって御相談に応じたいと思っております。 さらには、地方の公設試等も、従来は伝統的な面での仕事のみをむしろ力を入れてまいっておりましたけれども、最近では、私どものテクノポリスとかフロンティア事業というものの構想を全面的に受け入れ、あるいは賛同いたしまして、公設試そのものに先端技術的なものを導入してこれを大幅に改善し、強化していこうという動きが非常に強く盛り上がっております。そういうものの協力あるいはアドバイスを得、さらには地方の学界、大学の先生方、そういう方々の知恵あるいは経験というものを組織化していく、こういうことで、一市町村一地域ではなかなか対応できないと思いますけれども、県単位で援助をしながら適当な指導助言を行い、国も協力して進めてまいりたい、このように考えております。
○後藤委員 終わります。
○登坂委員長 これにて両案に対する質疑は終了いたしました。 ─────────────
○登坂委員長 これより特定不況産業安定臨時措置法の一部を改正する法律案について議事を進めます。 本案に対し、水田稔君外一名から、日本社会党提案による修正案が提出されております。 まず、提出者より趣旨の説明を求めます。水田稔君。 ───────────── 特定不況産業安定臨時措置法の一部を改正する法律案に対する修正案 〔本号末尾に掲載〕 ─────────────
○水田委員 ただいま議題となりました修正案につきまして、提出者を代表いたしまして、その趣旨を御説明申し上げます。 修正案は、お手元に配付してあるとおりでございますが、その内容は、 第一に、構造改善基本計画に定める事項として、本法律案におきましては第三条第二項第五号の括弧書きで規定されている「雇用の安定を図るための措置」につきまして、新たに号を起こし、明確にしようとするものであります。 第二は、構造改善基本計画を策定する際、関係審議会は、当該特定産業に係る主たる事業者団体及び労働組合の意見を聞かなければならないこととされておりますが、関係審議会が意見を聞かなければならない範囲を拡大し、関連中小企業に係る主たる事業者団体及び労働組合もその対象とするものであります。 この修正案の趣旨は、本法律案においてはなお雇用の安定に大きな不安があり、これを払拭することができないため、雇用への配慮をより明確にしようとするものであります。 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○登坂委員長 これにて修正案の趣旨の説明は終わりました。 ─────────────
○登坂委員長 これより原案及び修正案を一括して討論に入ります。 討論の申し出がありますので、順次これを許します。野田毅君。
○野田委員 私は、自由民主党を代表いたしまして、本改正案の原案に賛成、修正案に反対の討論を行います。 御承知のとおり、現行特安法は、第一次石油危機による経済的事情の著しい変化に対処するため、構造不況産業について過剰設備の処理を行い、不況の克服と経営の安定を図る目的で昭和五十三年五月に制定されたもので、同法は、本年六月末をもって廃止される限時法となっております。 ところが、同法運用の途上で第二次石油危機が発生したため、構造不況業種のほとんどは再び苦境に陥り、これらの業種の多くが属する基礎素材産業全体が構造的困難に直面するに至り、いわゆる新特安法の制定が強く要請されたのであります。 申すまでもなく、基礎素材産業は、わが国の産業構造の高度化を支え、雇用、関連中小企業、地域経済の安定にとって重要な役割りを果たしてきており、その活性化を図ることが緊急かつ大きな課題となっております。 かかる観点から、政府におきましては、現行法の廃止期限を五年間延長し、過剰設備の処理に加え、事業提携、原燃料コストの低減のための設備投資等を計画的に行う措置が必要であるとの認識のもとに、産業構造審議会等において慎重審議を重ねるとともに、政府においても多角的検討を加えた結果、本改正案を提出することとしたのであります。 その内容には、構造的な経営悪化に陥っている業種の法定化及び政令指定、構造改善基本計画の策定、業界内における事業集約化の促進とこれに伴う独占禁止法との調整、構造改善の円滑な推進のための税制上、金融上の特例及び雇用安定等へのきめ細かな配慮がなされております。 これら本改正案にうたわれている規定は、現下の基礎素材産業の再活性化を図る上で特に重要なものであることは申すまでもなく、これらの規定が今後五年間、特定産業の構造改善に最小限必要なものであって、構造的不況に悩む特定産業対策として適切な措置であり、産業政策として今後に大きな意義を持つものと確信し、原案に対し賛成の意を表するものであります。 次に、修正案につきましては、修正案の内容が本改正案の原案の措置と何ら変わるものではなく、特に関係審議会が意見を聞く対象をふやすことも、主たる事業者団体及び労働組合の意見の中に十分含まれることであり、かえって屋上屋を重ねることとなりますので、私は本修正案には反対の意を表明する次第であります。 以上をもちまして、私の原案に賛成、修正案に反対の討論といたします。(拍手)
○登坂委員長 次に、後藤茂君。
○後藤委員 私は、日本社会党を代表いたしまして、特定不況産業安定臨時措置法の一部を改正する法律案につきまして、修正案に賛成、原案に反対の討論を行うものであります。 御承知のとおり、わが国の基礎素材産業を取り巻く経営環境はきわめて厳しいものがあり、これをこのまま放置すれば、国民経済、とりわけ地域経済、雇用に多大な悪影響を与えることは必至であります。そのため、基礎素材産業が現在直面している構造的諸問題に対処し、それら産業を再活性化する必要性があることは論をまたないところであると信ずるものであります。 政府としても、基礎素材産業をめぐる事態の重大性、その対策の緊急性にかんがみ、本法律案を提出されたものであると理解をしており、その意味において一定の評価をいたすものであります。 しかしながら、本法律案の審査の過程の中で、参考人の意見並びに質疑を通して明らかになっているところでありますが、雇用に対する不安がきわめて強いものがあります。そのため、わが党は、ただいま議題となっている修正案を提出したものであります。 本法律案が仮に政府原案のまま成立すれば、法律に基づく構造改善を推進する中で人員整理に拍車がかかり、離職を余儀なくされる事態が多発し、大きな社会問題になると危惧するものであります。 これが修正案に賛成をし、原案に反対する理由であります。 次に、本法律案は、構造改善を進めるに当たって、共同生産、共同販売、合併等事業集約を促進することを大きな柱としており、そのため、主務大臣と公正取引委員会との調整規定が新たに設けられております。このことは、最近、経済界、政府与党である自由民主党内における活発な独占禁止法の骨抜き論との関係で、法の運用いかんによっては重大な問題があると指摘せざるを得ません。 最後に、最近の原油値下げといった新たな事態のもとで、原燃料コストの増大に呻吟する基礎素材産業は、そのコストが低減化されることで再生、再活性化への道に、暗さの中にも光明が差してきたと言えます。 政府においては、かかる原油の値下げ効果が、国民経済社会の末端までその利益が享受されるよう、機動的かつ適切な措置を講ずるよう強く要望して、私の討論を終わります。(拍手)
○登坂委員長 次に、長田武士君。
○長田委員 ただいま議題となりました特定不況産業安定臨時措置法の一部を改正する法律案について、公明党・国民会議を代表し、原案に対し賛成の討論を行うものであります。 以下、賛成の理由を申し述べます。 第一は、本法律案の成立によって、苦境に立たされている基礎素材産業を再建し、さらには活性化を図らなければならないと考えるからであります。 わが国の基礎素材産業は、わが国経済が世界有数の発展をなし遂げる上でその推進力となってきた産業であり、国際的にも高い技術水準を有する産業であります。 また、今後、わが国経済の牽引力として期待される加工組み立て産業等の川下産業に優秀な素材を安定的に供給する産業であり、しかも将来の新素材などの技術革新にもかかわる重要な産業であります。さらには、基礎素材産業のわが国経済に占める割合は大きく、また大半が地方都市に立地しているため、地域経済、雇用、関連中小企業に及ぼす影響はきわめて大きいものがあります。 こうした基礎素材産業は、二度の石油ショックによって、現在その存立が危機に瀕しております。一日も早く構造改善を図り、再建を急がなければなりません。もし基礎素材産業が仮にも破滅するといった事態に至るならば、わが国経済にとっての損失ははかり知れないものがあり、雇用、関連中小企業に対する影響も甚大であります。先日の当委員会の参考人の意見聴取においても、この点を懸念している代表の方々から、本法案の成立に賛成の意見が多数出されました。長期不況を克服するためにも、基礎素材産業の活性化は急務であります。 第二は、本法案の最大の特徴となっている事業の集約化について、当初、通産省、財界から、独占禁止法の適用除外扱いにするとの強い意見が出され、独占禁止政策の危機が懸念されましたが、われわれの主張や公正取引委員会の強い働きで、独占禁止法の適用除外とせず、その枠の中で行うことが明確にされたことであります。 高橋公正取引委員長も、本案審査の過程の中で、独占禁止法の枠を踏み外したものではないとの判断を明確にされているところであります。率直に申し上げて、独占禁止法との関係については、主務大臣が公正取引委員会に、競争政策について意見を述べることができるなどの規定については、公正取引委員会の専管事項に立ち入る面もあり、必ずしも十分であるとは言えません。しかしながら、基礎素材産業の不況をこれ以上放置できないことや時限立法であること等にかんがみ、ぎりぎりの線で独占禁止法の精神は守られたと判断するものであります。 ともあれ、基礎素材産業の活性化を図ることが、長期不況からわが国経済を脱出させ、雇用、中小企業の安定への一歩と考えるからであります。 以上が本法案に賛成する理由であります。 なお、社会党提出の本法案の修正案については、その趣旨は原案においても生かされていると判断しますので、反対の意を表します。 以上で、原案に対し賛成の討論を終わります。(拍手)
○登坂委員長 次に、横手文雄君。
○横手委員 私は、民社党・国民連合を代表して、特定不況産業安定臨時措置法の一部を改正する法律案原案に対し、賛成の討論を行います。 本法案の審議に際し、わが党の質問の冒頭にも申し述べましたごとく、いまやわが国基礎素材産業は、第一次、第二次のオイルショックにより未曾有の不況に見舞われております。このまま放置するならば、設備の過剰を抱えたまま不況はいよいよ深刻なものになり、そこに働く労働者の雇用不安はつのるばかりであります。また、わが国産業の全体に及ぼす悪影響もまた容易ならざるものが予想されます。 したがって、わが党は、従来から基礎素材産業の活性化のための具体的対策を政府に求めてきたところであり、また、日本化学エネルギー労働組合協議会及び全国民間産業労働組合協議会も、昭和五十六年以来、同様の運動を進めてきたのであります。 本法案には不備や疑問の点もありますが、質問を通じおおむね解明されましたし、さらに附帯決議によって、より補強されると確信します。あとは、本法案を速やかに成立せしめ、法律の施行日に合わせ業界内部の体制づくりを急ぐことであります。そのことを通じて産業の安定と雇用の確保を図り、さらに活性化への道を前進することこそ、いまなさねばならぬ最大の課題であります。 なお、社会党から提案されました修正案につきましては、その趣旨が原案の中に生かされているものと判断し、反対をいたします。 以上、本法案に対して賛成の意を表し、討論を終わります。(拍手)
○登坂委員長 次に、渡辺貢君。
○渡辺(貢)委員 私は、日本共産党を代表し、特定不況産業安定臨時措置法の一部を改正する法律案に対する反対討論を行います。 反対理由の第一は、特定産業における大規模な人減らしに拍車をかけるものとなっていることです。 現行特安法の五年間の施行がもたらしたものは、設備処理にあわせて労働者十二万人を職場から追い出したことに見られるように、労働者の削減という結果でした。 本改正案は、現行法にある過剰設備処理、そのための指示カルテルを温存した上、さらに主務大臣が作成する構造改善基本計画によって、事業提携、すなわち企業合併を含む産業再編成を推進しようとするもので、これまで以上に大規模な人減らしを公然と促進するものであります。 第二の理由は、特定産業の立地に当たっては、産業基盤整備、社会資本整備など、国はもちろん地方自治体も莫大な投資を行って協力させられてきています。下請中小企業も、あらゆる協力をしてきているところであります。 にもかかわらず、特定産業当該大企業が、人減らしとともに下請切り捨て、工場閉鎖等を一方的に強行し、地域経済に深刻な影響を及ぼしているのに対して、本法案は、当該大企業が下請中小企業や地域経済にきちんと責任を果たすような何らの規制も加えるものとなっていない点であります。 第三は、大企業、企業グループの国の内外にわたる無秩序な設備投資によってつくり出された過剰設備等は、当然これら企業の責任で解決させなければならないものであるにもかかわらず、本法案が、企業及び企業グループの責任を国民の負担に転嫁し、財政、金融、税制上の新たな優遇措置を図っていることであります。 石油化学を例に見ますと、各企業は、第一次石油危機後も国内に引き続き三十万トン、四十万トンの大型エチレンセンターを建設し、海外に対しては銀行、商社などと企業グループを形成して、住友シンガポール石化、三井イラン石化、三菱サウジ石化などの大規模プロジェクトに取り組み、みずから世界及び国内の需給ギャップを拡大さえしているのであります。 アルミ製錬においても同様であります。 政府は、これら企業、企業グループの投資活動に積極的な支援を与えてきました。 こうした大企業、企業グループの責任を国民に転嫁し、国民には福祉、教育が容赦なく切り捨てられ、人事院勧告や年金、恩給の物価スライドまで凍結されている状況のもとで、特定産業に対する新たな優遇措置をとることは絶対容認できません。 第四は、設備処理に係る指示カルテルを温存した上、事業提携に関して、公正取引委員会とのいわゆる調整条項を設け、事実上独禁法の骨抜きを図っていることであります。 特定産業とされる石油化学、化学繊維、洋紙・板紙関係の企業は、これまでにも何回となく同調値上げ等の独禁法違反を犯していますが、この調整条項を根拠に特定産業の寡占化が行われるならば、物価や国民生活にとって重大な事態が引き起こされるだけではなく、産業の活性化よりも、一層の停滞化すら懸念されるところであります。 なお、修正案につきましては、大企業や企業グループの責任には触れず、設備処理や事業提携の推進を前提としているため、人減らし促進、関連中小企業切り捨てを図る本法案の性格を変えるものではなく、また、雇用確保、関連中小企業保護で実効を期待できるものではありません。 したがって、積極的に賛成し得るものではなく、わが党は、修正案そのものへの態度は棄権といたしますが、本法案に対しては、以上の理由により反対するものであることを主張して、討論を終わります。(拍手)
○登坂委員長 これにて討論は終局いたしました。 ─────────────
○登坂委員長 これより採決に入ります。 まず、水田稔君外一名提出の修正案について採決いたします。 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○登坂委員長 起立少数。よって、本修正案は否決されました。 次に、原案について採決いたします。 これに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○登坂委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 ─────────────
○登坂委員長 この際、本案に対し、森清君外四名から、自由民主党、日本社会党、公明党・国民会議、民社党・国民連合及び新自由クラブ・民主連合の五派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 まず、提出者より趣旨の説明を求めます。森清君。
○森(清)委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。 まず、案文を朗読いたします。 特定不況産業安定臨時措置法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、本法施行に当たり、現下の基礎素材産業をとりまく経営環境の深刻な事態にかんがみ、今後の情勢の変化をも踏まえ、総合的かつ機動的な経済対策の一層の展開を図るとともに、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。 一、本法による特定産業の構造改善は、開放経済下における産業調整のための臨時的な措置であることにかんがみ、事業者の自助努力を前提として対策を進めるよう留意すること。 二、構造改善の効果的な推進を図るため、内外情勢の進展に対応する産業構造の変化を踏まえ、構造改善基本計画、特に目標年度における構造改善の目標については、当該産業の将来展望を基礎とする適確なものを示すよう留意すること。 三、構造改善の推進に当たっては、構造改善基本計画の策定に際し、関係審議会において極力広範に関係労働組合の意見を聴くよう努め、当該特定産業の関連中小企業等の労働者をも含めた雇用の安定に最大限の考慮を払い、失業の予防及び離職者対策に万全を期するとともに、地域経済の振興及び雇用の創出に努めること。 四、設備の処理に当たっては、業種の実情に応じ、当該産業の再活性化に資するよう、企業の実態、設備の生産性、効率性に考慮を払い、可能な限り画一的な処理を避ける等適切な実施に努めるとともに、設備処理の実効を十分確保するため、共同行為に参加しない事業者に対しても強力な行政指導を行うこと。 五、事業提携に関する実施大綱の作成及び計画承認制度の運用に当たっては、独占禁止法及び本法の立法趣旨を踏まえ、当該特定産業をとりまく経済環境、その競争実態、構造改善の必要性等に照らし、厳正かつ適確に行うこと。 なお、事業提携計画の申請に際しては、その内容により、当該事業者において関係労働組合の意見を十分聴取するよう指導すること。 六、特定産業における合併等事業提携の審査に関する基準を公表するに当たっては、許容される限り明確な基準となるよう努めること。 七、原燃料コストの増大が特定産業に重大な影響を与えている事実にかんがみ、総合的観点からその低減化のための適切な措置を講ずること。 以上であります。 附帯決議案の内容につきましては、審議の経過及び案文によって御理解いただけると存じますので、詳細な説明は省略させていただきます。 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。(拍手)
○登坂委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 本動議について採決いたします。 森清君外四名提出の動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○登坂委員長 起立多数。よって、本動議のとおり附帯決議を付することに決しました。 この際、通商産業大臣から発言を求められておりますので、これを許します。山中通商産業大臣。
○山中国務大臣 ただいま御決議をいただきました附帯決議については、その御趣旨を尊重して、基礎素材産業対策の実施に遺憾なきを期してまいる所存であります。 ─────────────
○登坂委員長 次に、特定不況地域中小企業対策臨時措置法の一部を改正する法律案について議事を進めます。 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。 特定不況地域中小企業対策臨時措置法の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○登坂委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました両案の委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○登坂委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ───────────── 〔報告書は附録に掲載〕 ─────────────
○登坂委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後七時五十九分散会