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98回国会衆議院1983/02/09

商工委員会 第1号

発言数
19
登壇者
5
会派数
1
開催日
1983/02/09

会議録

登坂重次郎自由民主党

○登坂委員長 これより会議を開きます。  この際、一言あいさつを申し上げさしていただきます。  私が先般商工委員長に選任されました。まことに光栄に存じております。  御承知のとおり、現在わが国の経済、産業を取り巻く内外の諸情勢は非常に厳しくなっております。特に内需拡大等による経済の安定成長、調和のある対外経済関係の形成、構造的基礎素材産業等の不況対策、また総合エネルギー対策等、緊急に解決しなければならない幾多の難問に直面しております。この際に当たりまして、本委員会に課せられたる責務はまことに重大なものがあると存じます。  微力ではありますが、練達堪能なる理事各位並びに委員各位の御支援と御協力を賜りまして、委員会の公正かつ円満なる運営を期してまいりたいと存じます。何とぞよろしく御協力のほどをお願い申し上げます。(拍手)      ────◇─────

登坂重次郎自由民主党

○登坂委員長 この際、理事辞任の件についてお諮りをいたします。  理事梶山静六君及び理事清水勇君から、理事辞任の申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

登坂重次郎自由民主党

○登坂委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。  次に、理事の補欠選任の件についてお諮りいたします。  ただいま理事辞任に伴う欠員のほか、理事宮田早苗君が委員を辞任されましたので、現在理事が三名欠員になっております。この補欠選任につきましては、先例により、委員長において指名することに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

登坂重次郎自由民主党

○登坂委員長 御異議なしと認めます。よって、委員長は理事に       渡部 恒三君    水田  稔君    及び 中野 寛成君 を指名いたします。      ────◇─────

登坂重次郎自由民主党

○登坂委員長 国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。  通商産業の基本施策に関する事項  中小企業に関する事項  資源エネルギーに関する事項  特許及び工業技術に関する事項  経済の計画及び総合調整に関する事項  私的独占の禁止及び公正取引に関する事項  鉱業と一般公益との調整等に関する事項 以上の各事項につきまして、議長に対し、国政調査の承認を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

登坂重次郎自由民主党

○登坂委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。      ────◇─────

登坂重次郎自由民主党

○登坂委員長 通商産業の基本施策に関する件、経済の計画及び総合調整に関する件、私的独占の禁止及び公正取引に関する件並びに鉱業と一般公益との調整等に関する件について調査を進めます。  この際、通商産業大臣から、通商産業の基本施策について所信を聴取いたします。山中通商産業大臣。

山中貞則自由民主党通商産業大臣

○山中国務大臣 第九十八回国会における商工委員会の御審議に先立ちまして、通商産業行政に対する私の所信の一端を申し上げます。  わが国を取り巻く諸情勢はきわめて厳しく、いまやわが国は、国際社会の中においてひとりで歩くことを許されない環境に置かれております。  われわれは、このような厳しい状況のもとで諸困難を克服し、わが国経済の発展基盤をより確かなものとして二十一世紀に引き継いでいくというきわめて重大な使命を担っております。この使命の達成は、内外の諸情勢を冷静、的確に把握し、常にわが国経済のあるべき姿を念頭に置き、政府と国民が一体となって知恵と力の限りを尽くして、当面する課題を一つずつ着実に解決していくことにより初めて可能となるものであります。  私は、いまほど、あすへの進路を切り開くため、官民挙げての取り組みが強く求められているときはないと考えております。  翻って、わが国をめぐる内外の諸情勢を見ますと、まず国内面では、やがて到来する高齢化社会へ備え、活力とゆとりにあふれた福祉社会を建設していくため、経済の持続的、安定的な発展を確保することが不可欠の課題となっております。  このためには、当面の経済運営について確固たる方向を明らかにするとともに、中長期的に、資源エネルギーを初めとする多くの制約条件を克服することにより、経済の先行きに対する国民の確信を深め、わが国経済の発展の原動力である民間の活力が十分に発揮されるような環境を整備することが必要であります。  また、目を外に転じますと、国際環境は、流動的な政治情勢、世界経済の長期的低迷、保護主義的風潮の高まり、発展途上国における債務累積の増大等かつてないほど厳しい状況にあります。一方、世界各国は、大きな経済力を身につけ、また最近においても国際収支、物価等の面で比較的良好な実績を上げてきているわが国に対し、その国力にふさわしい役割りを果たすことを強く求めております。  このような状況のもとで、わが国が国際社会の中で孤立せず、各国と協調して世界の繁栄を築き上げていくためには、何よりもわが国自身、国際社会における責任ある一員としての自覚を持つとともに、耳を傾けるべき点は謙虚に耳を傾け、言うべきことは堂々と言う、また、約束したことは必ず実行するという姿勢を貫き、みずから進んで世界の期待にこたえ、積極的に役割りを分担していくことが必要であります。  私は、以上のような内外諸情勢に対する基本的認識のもとに、わが国経済の発展を将来とも確保するために解決しなければならない課題は、次の六つであると考えております。  その第一は、内需中心の安定成長の実現と中長期的展望を踏まえた産業の活性化、第二は、自由貿易主義の堅持と円滑な対外経済関係の構築、第三は、総合的な資源エネルギー政策の展開、第四は、技術立国を目指した技術開発の促進と産業構造の創造的知識集約化の推進、第五は、多様化する経済社会の要請に即応する中小企業政策の展開、第六は、魅力ある地域経済社会の形成と国民生活の質的向上であります。  以上六つの課題のそれぞれについて、次のような通商産業政策を、行政改革の理念をも十分に踏まえ、強力に展開してまいる決意であります。  現下のわが国経済を見ますと、物価は安定基調にあるものの、国内需要は全般的に盛り上がりに欠け、また輸出についても、世界経済の長期的低迷による落ち込みが続いております。このため生産活動は低調に推移し、とりわけ基礎素材産業や中小企業において停滞色が強まっており、また雇用情勢も引き続き悪化傾向にあるなど、景気は依然足踏み状態にあります。  一刻も早く、内需を中心とする安定成長路線の定着を実現することが必要であります。内需中心の経済の着実な成長は、貿易摩擦を解消し、先進各国と協調して経済運営を行っていくためにも必要不可欠であります。  このような観点から、政府は昨年、公共事業の追加を柱とする総合経済対策を決定し、その着実な実施に努めているところであります。今後とも、わが国経済の有する潜在的な成長力を最大限に発揮させるよう、経済の実態を十分に踏まえ、これまでの対策に加えて、中小企業の設備投資促進のために税制上の措置を講ずるなど、機敏かつ適切な経済運営に万全を期してまいります。  また、原材料、エネルギーコストの上昇などにより構造的困難に直面している石油化学やアルミ製錬等の基礎素材産業については、これら産業が加工組み立て産業等関連産業の発展や一雇用、中小企業、地域経済の安定等の各面で重要な役割りを果たしていることを踏まえ、各業種における構造改善、活性化を図るための自主的な努力を支援し、これら産業が中長期的に経済合理性を有する産業となるよう総合的な対策を推進してまいる考えであります。具体的には、過剰設備処理、事業提携、活性化に資する設備投資、技術開発の円滑化等のため、予算、金融、税制上の特段の支援措置を講ずるほか、特定不況産業安定臨時措置法の本年六月の期限切れに対応し、独占禁止法との調整も含め、企業の自主的努力の環境整備を図るため、特定不況産業安定臨時措置法の一部を改正する法律案を提出することとしております。  現下の世界経済は、いまだ第二次石油危機の影響から脱し切れず、ことに欧米先進諸国は、長期にわたる景気低迷と平均して十人に一人という高い失業率に悩んでおります。  このような状況の中で、これらの諸国において、たとえば米国におけるローカルコンテント法案の下院通過、フランスにおけるVTRのポアチエ税関への通関の限定等に見られますように保護主義的動きが急速に強まっており、また、わが国市場の開放を求める声も一段と高まっております。  わが国は、資源小国であるにもかかわらず戦後目覚ましい発展を遂げ、いまや米国に次いで自由世界第二の経済規模を有するに至りましたが、これは言うまでもなく、ガット・IMF体制を基軸とする自由貿易体制の枠組みが維持されていて初めて可能となったものであります。保護主義の蔓延は、世界経済の縮小均衡、ひいてはわが国経済の発展の道を閉ざすという重大な問題をもたらします。保護主義の台頭の未然防止と世界経済の活性化が喫緊の課題となっております。  世界経済の円滑な発展を図るためには、世界各国、特に先進諸国が自由貿易体制の維持強化に向けて一層の努力を払うとともに、各国経済の活性化と世界経済の拡大に向けて相互に協調していくことが必要不可欠であります。特に、世界経済の一割国家の地位を占めるわが国としては、いまこそ各国に率先して世界経済の諸困難の克服と国際社会の発展のために貢献していかなければなりません。  このような観点から、政府としては一昨年末以来、一連の市場開放対策を決定し、実施に努めてまいりました。最近においても、諸外国の関心品目の関税の大幅引き下げ、諮問会議の開催等OTOの機能強化、基準、認証制度の全面的検討等を決定したところであります。今後とも、内需を中心とする景気の着実な回復を図る一方、世界経済の発展のため、先進各国との間で産業協力や先端技術協力を進めるとともに、世界に開かれた日本の認識に立って、合理的な市場開放対策の一層の推進に努めてまいる考えであります。  なお、明後日、東京において日、米、加、ECの四極会合が開催されます。私は、米国のブロック通商代表を初めとする各国の通商の最高責任者との間で、世界経済と世界貿易の現状と課題についての認識を共通にするとともに、それぞれの国との間の懸案事項を解決し、あわせてわが国の市場開放努力に対する理解を得るという方針で会合に臨む考えであります。  貿易摩擦の一因として、しばしば諸外国との間における相互理解の不足が指摘されております。私は去る一月、日・ECシンポジウム出席のため欧州を訪問し、トルン委員長を初めとするEC各国首脳と文字通り腹蔵のない意見交換を行ってまいりました。シンポジウムにおいて、私は、日本、ECを含め先進諸国は、対決ではなく、連帯と協力の精神のもとに、自由貿易体制の維持強化のため、ともに努力することの必要性を強く訴え、参加者の賛同を得ることができました。また一月末には、米国のシュルツ国務長官と会見し、世界経済情勢、日米貿易関係などについて、ひざを交え、忌憚のない意見を交わしたところであります。今後とも、あらゆる機会をとらえて諸外国との間の対話を進めてまいりたいと考えております。  一方、目を発展途上国に向けますと、これら発展途上国経済も世界経済停滞の中で、成長の鈍化、債務累積の著増等の困難に直面しており、混迷の度は一層深まっております。  これら諸国の自立と安定なくしては、世界経済、ひいてはわが国経済の発展も望み得ません。わが国としても、経済協力を通じて発展途上国の経済社会開発への自助努力を支援することにより、世界経済の調和ある発展に貢献することが必要であります。  このような観点から、今後とも、新中期目標のもと、政府開発援助の積極的拡充に努めるとともに、民間活力を最大限に活用した総合的な経済協力の推進を図ってまいる考えであります。  わが国経済は、資源エネルギー供給の大宗を海外に依存せざるを得ないきわめて脆弱な構造となっております。わが国経済の持続的、安定的成長の実現、さらにはわが国の総合安全保障の確立のために、資源エネルギー問題の解決が必要不可欠なことは、過去二度にわたる石油危機の経験に照らしても明らかであります。  最近のエネルギー情勢は、世界経済の低迷により需要が減退しているほか、官民挙げての努力の成果もあって、需給緩和の状況にあります。しかしながら、中東情勢は依然流動的であり、また、中長期的にもわれわれがエネルギー問題解決への努力を怠るならば、需給が不安定化、逼迫化の方向に向かうことは避けがたいものと考えられます。むしろ現在のような需給緩和時においてこそ、中長期的展望のもとに総合的な資源エネルギー政策を積極的に推進し、エネルギーの安定供給のための基盤づくりを着実に進めていかなければなりません。  具体的には、まず第一に、石油の安定供給確保を図るため、その担い手である石油産業の構造改善を促進するとともに、引き続き石油備蓄、石油開発の着実な推進に努めてまいる考えであります。  第二に、長期的なエネルギー需給の見通しを踏まえ、原子力、石炭、LNG、水力、地熱、新エネルギー等の石油代替エネルギーの開発導入の一層の促進を図ってまいります。中でも、石油代替電源の中核を担う原子力発電については、安全性の確保に万全を期し、国民各位の御理解と御協力を得て、電源立地、核燃料サイクルの事業化を推進してまいる考えであります。  第三は、省エネルギーの一層の推進であります。省エネルギーについては、官民一体となった取り組みにより、相当な成果を上げているところでありますが、今後とも、産業、民生、輸送の各エネルギー消費部門における省エネルギーを一層推進するため、技術開発等の促進に努めてまいります。  さらに鉱物資源をめぐる国際情勢が、第三次海洋法会議における先行投資保護決議の採択など新たな段階を迎えていることに対応し、深海底鉱物資源開発の推進を図るとともに、経済安全保障の観点をも踏まえ、希少金属備蓄を強力に進めてまいる考えであります。このため、希少金属の備蓄制度の創設を内容とする金属鉱業事業団法の一部を改正する法律案を提出しております。  わが国が、今後直面する幾多の制約を克服し、社会の活力を維持して内外均衡のとれた経済発展を遂げていくためには、唯一の資源ともいえる頭脳資源を最大限に活用し、真の技術立国を目指した独創的な自主技術開発を推進し、産業構造の創造的知識集約化を図っていくことが必要不可欠であります。また、先端技術に関する国際研究開発協力等により技術革新をリードし、世界経済の活性化に貢献していくことは、経済大国としての、また技術先進国としてのわが国の責務であります。  このような観点から、今後とも、国民経済上、重要性、緊急性の高いエネルギー関連技術開発や基礎素材産業の活性化に不可欠な技術開発を推進するほか、エレクトロニクス、新材料、バイオテクノロジーなど九〇年代以降に成果が期待される次世代産業技術開発を強力に推進してまいります。  また、技術的波及効果も大きく、今後の技術先端産業として期待される情報、航空機、宇宙、原子力機器、ファインセラミックス産業等について、引き続きその育成振興に積極的に取り組んでまいる考えであります。  さらに、特許情報の積極的活用等工業所有権行政の充実にも努めてまいります。  中小企業は、わが国経済の活力の源泉であり、発展のための大きな原動力であります。このような中小企業の果たしている重要な役割りに対する認識は、ひとりわが国のみならず、世界各国共通のものであります。このことを、私は去る一月、約三十カ国の代表百七十名を集め、大阪において開催された中小企業政策国際会議に出席し、強く感じたところであります。  しかしながら、最近の中小企業をめぐる環境を見ますと、長引く景気の低迷の影響は、特に中小企業に色濃くあらわれております。中小企業の健全な発展なくしてわが国経済の真の発展はあり得ないことを踏まえれば、今後一刻も早くこのような状況を克服し、国民ニーズの多様化、地域経済における役割りの増大、国際化の進展等内外の環境変化に積極的に対応し得る活力ある中小企業の育成を図っていく必要があります。  このような観点から、今後とも中小企業の景気動向に細心の注意を払いながら、政府系中小企業金融機関の融資の拡充等による資金調達の円滑化や、下請中小企業、小規模企業の経営基盤の確立に努めるとともに、技術力の向上、人材の養成、情報化の推進等のソフトな経営資源の充実を図るなど、きめ細かな施策の実施に万全を期してまいります。特に来年度においては、中小企業者に希望を与え、その活力の維持に資するよう、中小企業の事業承継の円滑化と設備投資の促進を図るため、新たに税制上の措置を講ずるとともに、先端技術の中小企業への導入を促進することを目的とする地域フロンティア技術開発事業を創設することとしております。さらに、不況の長期化により深刻な状況に陥っている地域の中小企業については、特段の施策を講ずるほか、産地中小企業、地場産業、伝統的工芸品産業や中小小売商業の振興にも引き続き力を傾注してまいる考えであります。  以上申し上げました施策の一環として、構造不況業種に属する事業所に大きく依存している地域の中小企業の経営の安定を引き続き図るとともに、新たに新分野開拓事業等を促進するため、本年六月に期限切れとなる特定不況地域中小企業対策臨時措置法の一部を改正する法律案を提出することとしております。  わが国経済社会は、長期化する不況の影響などから深刻な状況に陥っている地域が増加しつつあります。活力とゆとりにあふれた社会を実現していくためには、このような状況を早急に克服し、国土の均衡ある発展と魅力ある地域経済社会の形成、さらには国民生活の質的向上を図ることが必要となっております。  このような観点から、地域経済を活性化し、その安定的な発展を確保するため、各地域において自主的に推進されているテクノポリス建設構想を積極的に支援してまいる考えであります。このため、各地域において技術先端産業が発展していくための基盤整備を促進することを内容とする法律案を提出するよう、現在鋭意準備を進めております。  さらに、産業の適正配置に引き続き努めてまいるとともに、快適な生活環境を実現するため、環境の保全、産業保安、住生活の向上、流通の近代化、消費生活の環境整備等にも努力してまいります。  以上、通商産業行政を展開します上での所信の一端を申し述べました。  現在の難局は、新たな発展に向かって乗り越えなければならない試練であります。私は、わが国経済の明るい未来への足固めを行うため、国民各位の御理解と御協力のもとに、強力に通商産業行政を推進し、難局の克服に全力を傾注してまいる決意であります。  委員各位におかれましても、一層の御理解と御協力を賜りますようお願い申し上げます。(拍手)

登坂重次郎自由民主党

○登坂委員長 次に、経済企画庁長官から、経済の計画及び総合調整について所信を聴取いたします。塩崎経済企画庁長官。

塩崎潤自由民主党経済企画庁長官

○塩崎国務大臣 わが国経済の当面する課題と経済運営の基本的な考え方につきましては、さきの経済演説において明らかにしたところでありますが、当委員会が開催されるに当たりまして、重ねて所信の一端を申し述べたいと存じます。  わが国経済は、二度にわたる石油危機の後にも、欧米諸国に比べて高く、かつ安定的な成長を遂げ、失業率、物価、国際収支のいずれの点においても、際立って良好なパフォーマンスを示してまいりました。しかし、このようなわが国経済も、世界同時不況の影響を受け、輸出の減少等により景気の回復は緩慢となり、経済の現状は厳しい状況にあります。  世界経済は、第二次石油危機後、その後遺症としての長期間にわたる激しいインフレに悩み、そのため各国は、インフレ抑制に最重点を置いた政策努力を続けてまいりました。その結果、インフレはようやく鎮静化してきたのでありますが、反面、経済活動の停滞を招き、戦後最高の失業率を生むに至りました。しかも、これを背景として保護貿易主義が高まっているのであります。  また発展途上国も、先進国経済の停滞を反映して、輸出の減少、一次産品価格の低落等から経常収支が悪化し、債務累積の問題が顕在化するに至りました。  このような内外の経済動向を考えますと、財政上の困難など、政策手段の選択の幅はきわめて狭いのでありますが、私は、五十八年度の経済運営に当たって、次の三つの柱を打ち立て、これを具体化してまいりたいと考えております。  その第一の柱は、国内民間需要を中心とした経済の着実な成長の実現を図ることであります。  内需中心の経済の着実な成長は、いわゆる貿易摩擦問題の解決のためにも、また現在の最重点課題である行財政改革を円滑に進め、雇用の安定を図るためにも肝要であります。  このため、まず第一に、昭和五十八年度予算においてもこの点を配慮いたしました。すなわち、きわめて厳しい財政事情の折から、他の五十八年度本来の歳出項目全体の伸びがマイナスであるにもかかわらず、公共事業関係費については前年度同額の予算額を確保し、その配分に当たっては、経済効果の高い事業に重点を置くこととしております。  第二は、金利の低下傾向のもとで、中小企業の設備投資促進のための税制上の措置等の施策を推進することにより、民間投資の喚起を図ることであります。特にマイクロエレクトロニクス、バイオテクノロジー等の先端技術の投資促進に努め、産業構造の一層の知識集約化、高度化を図り、経済の生産性の向上に役立てたいと考えるのであります。  第三は、税制上の住宅取得控除の引き上げ等を図るほか、増改築や住宅の質的向上に対する国民のニーズを取り入れて、引き続き住宅建設を促進することであります。  第四は、基礎素材産業や中小企業については、構造政策的な観点を取り入れながら、活性化、経営の安定化を図るため、実情に応じた対策を実施することであります。  このような政府の諸施策の推進により、五十八年度のわが国経済は、実質で三・四%程度の成長を達成するものと見込んでおります。  第二の柱は、わが国経済の孤立化を避けて国際協調を推進し、世界経済に貢献することであります。  戦後のわが国は、段階的に貿易、資本の自由化を進め、自由貿易体制の仲間入りをしつつ目覚ましい成長を遂げてまいりましたが、いまやわが国は、この自由貿易体制維持のため他国に積極的に働きかけねばならない立場に立ち至っております。  このような観点から、政府としては、一昨年末以来、わが国市場の開放のための対策を講じてまいりました。さらに今般、関税率の思い切った引き下げ、基準、認証制度等の全面的検討、OTOの機能強化等の一層の市場開放措置や集中豪雨的輸出の回避、産業協力の推進等を決定いたしました。これらの措置は、最近の世界の保護貿易主義的傾向を阻止するためにも、わが国みずからが率先してとったものであります。今後、関係各国に対して、わが国のこのような努力について理解を得るとともに、相互の認識のギャップをなくすよう一層の努力をしてまいる所存であります。  第三の柱は、物価の安定基調を維持することであります。  物価の安定なくして、ゆとりのある安定した福祉社会の実現は期待できません。現在、物価は近年にない安定ぶりを示しております。また為替相場は、一ころの円安が是正されております。石油も、現在その需給は緩和しており、価格も弱含みに推移しています。こうした動きは、物価安定の見地から好ましいことであります。  政府としては、今後とも物価の動向に細心の注意を払いながら、機動的な政策運営に努めることにより、引き続き物価の安定基調を維持することとしております。この結果、五十八年度は、卸売物価が一・一%程度、消費者物価が三・三%程度の上昇率になるものと見込んでおります。  次に、中長期の経済運営の方向について申し上げます。  わが国経済社会は、現在大きな転換期を迎えており、当面の諸課題を解決しながら来るべき二十一世紀への備えを進めていくためには、これまで以上の長期的な視野に立って事態の変化に弾力的に対応し得るような経済社会の展望、経済運営の指針が求められております。  このため、新たに経済審議会に御検討をお願いしたところであり、今後、この検討の結果をよりどころとして長期的な経済運営を行ってまいる所存であります。  以上、今後の経済運営の課題と方向について申し上げました。  外にあっては五十年ぶりの世界同時不況、内にあっては未曾有の財政困難の中で、景気の回復を図っていくことは決して容易ではありません。しかし、長期にわたった米国の高金利も是正される方向にあり、世界経済は今後は次第に回復に向かうとの見方が一般的であります。また、このような事情を受けて、国内においても、円相場や金利面で昨年とは違った明るい兆しがあらわれてまいりました。そして何よりも、わが国経済は当面する諸困難を克服していく旺盛な活力を有しているのであります。  本委員会の皆様の御理解と御協力を切にお願いいたします。(拍手)

登坂重次郎自由民主党

○登坂委員長 以上で両大臣の所信表明は終わりました。  なお、この際申し上げます。  昭和五十八年度通商産業省関係予算及び昭和五十八年度経済企画庁関係予算につきましては、お手元に配付してあります関係資料をもって説明にかえさせていただきますので、御了承をお願いいたします。  次に、昭和五十七年における公正取引委員会の業務の概要について説明を聴取いたします。 高橋公正取引委員長。

高橋元公正取引委員会委員長

○高橋(元)政府委員 昭和五十七年における公正取引委員会の業務について、その概略を御説明申し上げます。  昨年のわが国経済は、内需は緩やかな回復の方向を示しましたが、世界経済の停滞もあり、依然として景気の足取りは力強さを欠いております。このような中で、民間の活力が発揮されるような経済環境を整備することがますます重要になっており、公正取引委員会といたしましては、公正かつ自由な競争の維持促進によりわが国経済の健全な発展を図るべく、独占禁止政策の適正な運営に努めてまいったところであります。  特に昨年は、独占禁止法違反事件の効率的な審査に努めるとともに、不公正な取引方法の明確化を図る等予防行政を推進いたしました。また、事業者の創意工夫を生かすため政府規制制度等の見直しを引き続き行ったほか、貿易摩擦問題に関連した各種の実態調査を開始するとともに、独占禁止政策の国際的連携の強化に努めました。  まず、独占禁止法の運用状況についてでありますが、同法は、昭和二十二年制定以来昨年で三十五周年を迎えたところであり、この間、着実な運用に努めてまいったところであります。  昭和五十七年中に審査いたしました独占禁止法違反被疑事件は四百十九件であり、同年中に審査を終了した事件は二百八十八件であります。このうち、法律の規定に基づき違反行為の排除等を勧告いたしましたものは十七件、法的措置をとるには至りませんでしたが警告を行いましたものは百五十二件であります。また、昨年における課徴金納付命令事件は四件であり、合計百十五名に対し、総額十一億八千五百四十四万円の課徴金の納付を命じました。  次に、届け出受理等に関する業務でありますが、合併及び営業譲り受け等につきましては、昭和五十七年中に、それぞれ千五十件、八百十九件、合わせて千八百六十九件の届け出があり、所要の審査を行いました。  事業者団体につきましては、昭和五十七年中に成立届等一千三百四十四件の届け出がありました。また、事業者団体の活動に関する事前の相談に対しましては、適切に回答を行うよう努めてまいりました。  国際契約等につきましては、昭和五十七年中に五千三百十三件の届け出があり、改良技術に関する制限、競争品の取り扱いの制限等を含むものについてはこれを是正するよう指導いたしました。また、許認可等の簡素合理化の一環として、届け出を必要とする国際契約等の種類を限定するための独占禁止法第六条の規定の改正に伴い、国際契約等の届け出規則の改正を行いました。  独占的状態に対する措置に関する業務といたしましては、ガイドラインの別表掲載の事業分野について見直しを行い、十三業種とし、これら業種について実態の把握及び関係企業の動向の監視に努めました。  価格の同調的引き上げに関する報告の徴収につきましては、対象品目の見直しを行い、六十一品目といたしました。昨年中に価格引き上げ理由の報告を徴収したものは、乗用車一品目でありました。  独占禁止法上の不況カルテルは、中・低圧法ポリエチレン等三品目について認可し、昭和五十七年末現在、二品目について実施中であります。なお、独占禁止法の適用除外を受けている共同行為の数は、昭和五十七年末現在で四百八十一件となっておりますが、その大半は中小企業関係のものであります。  次に、経済実態の調査といたしましては、大規模小売業者経営実態調査、生産集中度調査等を行ったほか、最近の貿易摩擦問題にかんがみ、総合商社の事業活動実態調査、輸入関連事業者団体の調査等を開始いたしました。  流通分野につきましては、百貨店・大型スーパー、家庭電器製品など十一業種について実態調査を行い、これらのうち、独占禁止法上問題のある行為につきましては、その是正に努めました。  また、不公正な取引方法に関しましては、その明確化を図り、予防効果を一層高める見地から、不公正な取引方法を指定している公正取引委員会告示、いわゆる一般指定を全部改正し、昭和五十七年九月一日から施行いたしました。  政府規制制度及び独占禁止法適用除外制度につきましては、わが国経済における民間の活力を生かし、経済の効率性を高める見地から、前年に引き続き、政府規制が強く行われている十六業種を中心に調査を実施し、昭和五十七年八月、政府規制制度の現状、業種別の問題点等を指摘した見解を公表いたしました。  国際関係の業務といたしましては、OECD等の国際機関における審議に積極的に参加し、また、アメリカ、EC、東南アジア諸国などの独占禁止当局との間で意見交換を行うなど、国際的な連携の強化に努めました。  次に、下請代金支払遅延等防止法の運用状況について申し上げます。  下請事業者の保護を図るため、四件の勧告を行い、一千八十五件について支払い改善等の措置を指導いたしました。また、親事業者及び親事業者団体に対して法遵守の要請を行うなど法の周知徹底を図り、違反行為の未然防止に努めました。  最後に、不当景品類及び不当表示防止法の運用状況についてでありますが、同法は、昭和三十七年の制定以来昨年で二十周年を迎えたところであり、国民生活の中に定着しているところであります。  昭和五十七年中に同法違反の疑いで調査した事件は二千四百八十四件であり、このうち、排除命令を行いましたものは十一件、警告により是正させましたものは八百三十三件であります。都道府県の行いました違反事件の処理件数は、昨年一月から九月末までで四千八百七十二件となっており、今後とも都道府県との協力を一層推進してまいる所存であります。  また、同法第三条または第四条第三号の規定に基づく告示につきましては、ゴム製履物及び合成樹脂製履物業における景品類の提供を制限する告示並びにおとり広告に関する告示を制定いたしました。  事業者が自主的に規制するための公正競争規約につきましては、農業機械の表示に関する規約など六件について認定し、昭和五十七年末現在における公正競争規約の総数は百件となっております。  以上簡単でございますが、業務の概略につき御説明申し上げました。今後ともよろしく御指導のほどお願いいたします。

登坂重次郎自由民主党

○登坂委員長 次に、昭和五十七年における鉱業等に係る土地利用の調整に関する事務の処理概要について説明を聴取いたします。青木公害等調整委員長。

青木義人公害等調整委員会委員長

○青木政府委員 公害等調整委員会が昭和五十七年中に行いました鉱業、採石業または砂利採取業と一般公益等との調整に関する事務につきまして御説明申し上げます。  初めに、鉱区禁止地域の指定に関する事務について申し上げます。  これは、各省大臣または都道府県知事の請求に基づき、鉱物を掘採することが一般公益または農業、林業その他の産業と対比して適当でないと認めた地域を鉱区禁止地域として指定するものでありますが、昭和五十七年中に当委員会に係属した事案は二十六件であり、うち五件は新規に請求のあったものであります。これを請求理由別に見ますと、ダム等の施設の保全に関するもの二十五件、環境保全に関するもの一件であります。これらについて、通商産業大臣等関係行政機関の意見聴取、聴聞会の開催、利害関係人の審問等所定の手続をとるとともに、地形、地質、鉱床等の状況及び一般公益の具体的な内容について詳細に検討する等審議を進め、十一件について処理を完了いたしました。  第二は、鉱業法、採石法、砂利採取法等に規定する特定の処分に対する不服については、もっぱら当委員会が審査庁として裁定を行うものでありますが、昭和五十七年中に当委員会に係属した事案は七件であります。これらの事案の内訳は、採石法等の規定による知事の処分に対するもの六件、砂利採取法の規定による知事の処分に対するもの一件となっております。  これらのうち、三件は取り下げられ、残り四件は審理中であります。  第三は、土地収用法等の規定に基づき、収用裁決等に対する不服申し立てについて主務大臣が裁決等を行う場合には、当委員会の意見を聞かなければならないこととされておりますが、昭和五十七年中に当委員会で処理手続を進めたものは三十件あり、うち十六件について処理し、残り十四件については審査中であります。  以上が昭和五十七年中に公害等調整委員会が行ってまいりました鉱業、採石業または砂利採取業と一般公益等との調整に関する事務の概要でございます。  今後ともこれらの事務の処理に当たっては、法の趣旨にのっとり、審理を進めてまいる所存でありますので、よろしくお願い申し上げます。

登坂重次郎自由民主党

○登坂委員長 以上で両委員会の業務の概要説明は終わりました。      ────◇─────

登坂重次郎自由民主党

○登坂委員長 この際、小委員会設置に関する件についてお諮りいたします。  エネルギー、基礎素材及び鉱物資源に関する諸問題を調査するため小委員二十名よりなるエネルギー、基礎素材及び鉱物資源問題小委員会並びに  流通に関する諸問題を調査するため小委員二十名よりなる流通問題小委員会を、それぞれ設置することにいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

登坂重次郎自由民主党

○登坂委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。  両小委員会の小委員及び小委員長の選任につきましては、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

登坂重次郎自由民主党

○登坂委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。  両小委員会の小委員及び小委員長は、委員長において追って指名いたし、公報をもってお知らせいたします。  なお、小委員及び小委員長の辞任、補欠選任につきましては、あらかじめ委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

登坂重次郎自由民主党

○登坂委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。  次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これをもって散会いたします。     午前十一時十三分散会

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