科学技術委員会 第5号
- 発言数
- 122 件
- 登壇者
- 18 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1983/05/19
会議録
○永田委員長 これより会議を開きます。 科学技術振興の基本施策に関する件について調査を進めます。 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。 本件調査のため、本日、参考人として、日本原子力船研究開発事業団理事長井上啓次郎君、同専務理事倉本昌昭君、電源開発株式会社理事児玉勝臣君及び住宅・都市整備公団理事吉岡昭雄君から意見を聴取したいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○永田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ─────────────
○永田委員長 これより質疑を行います。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。関晴正君。
○関委員 十日の日の質問に続いて活断層の問題についてお尋ねをしたい、こう思います。 先般も申し上げたのですけれども、活断層がないということの理由に、B層について、あるいはA、B、C、Dそれぞれの測線等に照らして、活断層を示唆する層理の変化が認められない、あるいは活断層を示唆する地層の変化は認められない、こういうことで、この地域においては活断層がないんだ、こういう一つの判定をしているわけであります。活断層の有無を左右するのに、層理の変化というものがそういうものなのか、層理の変化が認められなくとも活断層の例があるはずだ、これについてはどうですか、こうお尋ねした際に、知らないということで終わっておりました。また、あの地域におけるB層は、C層、D層が第三紀層であるから、C層、D層にやはり活断層を示唆するものがないんだから、よけいにB層においても活断層を示唆するものがない、こういうことで言い切っているわけであります。 そこで、お尋ねしたいのは、あの地域におけるB層に活断層がないというこの判定は、それだけで判断したものなのかどうか、さらにもっと詳しいデータに基づいてそういうふうにしていったものか、この点ひとつ伺っておきます。
○倉本参考人 活断層と申しますのは第四紀に活動した断層でありまして、将来も活動する可能性のある断層ということでございますが、この第四紀層におきましてその層理に変化が見られないということであれば、通常活断層じゃないという判断をいたしておるわけでございます。 また、活断層と申しますが、私どもが一応検討をいたしました下北半島の東側にございます地域の地層についての検討でございますが、この点につきましては以前から御説明申し上げておりますように、東西及び南北にわたります走査線を二キロ間隔あるいは四キロ間隔におきます網の目状に海上音波探査を実施いたしまして、その実施を行った音波探査の結果のデータを解析いたしまして、それに基づいて海底下の地層がどういう状態になっておるかということを解析いたしました結果、その海域においては活断層が認められないという判定をいたしたわけでございます。それは、いわゆる第三紀層の上にございます第四紀層において層理に乱れがないということ、また、第三紀層に第四紀層が滑らかにアバットしておるというようなことの解析のもとにおきまして、活断層はないという判定をいたしてきたわけでございます。
○関委員 そうしますと、第三紀層に関係して四紀層には活断層が見られない、こういう判定ですか。
○倉本参考人 私どもの解析をいたしました結果、この第四紀層におきましては層理に乱れがないし、また、この中においていわゆる活断層と見られるものがないという判定をいたしたわけでございます。
○関委員 断層はあるのですか。
○倉本参考人 いまの第四紀層の中におきまして、私どもが解析いたしましたところ、そこには断層は見られないということでございます。
○関委員 第三紀層にはあるのですか。
○倉本参考人 第三紀層の部分につきましては、一部にはたしか断層とわかるものも見られますが、深いところにおきましての解析は、私どもの方はまだいたしておりません。
○関委員 そうしますと、B層に断層がない、よって活断層は認られない、B層に断層が認められないということは活断層を示唆する層理が認められないからだ、こうおっしゃるのですが、B層に活断層を示唆する層理の乱れはない、どんな層理があるのですか。
○倉本参考人 層理と申しますか、これにはいろいろなものがございます。これは一応、海上音波探査の結果に基づきます、いわゆるそこにいろいろ音波のはね返ってきたことに基づきます、パターンという言葉を使っていたしておりますが、そのパターンと申しますか、点々で出てきましたものがずっと一様に流れておるとか、その中にいわゆる切れ目ができておる、パターンが滑らかにつながってないとか、そういうようなことが見られないということでございます。
○関委員 そうすると、平行層理だということですか。
○倉本参考人 当該個所におきまして、このB層は海底と平行あるいはやや斜行したものもございますが、連続した数条の層をなしておるものでございます。
○関委員 平行層理だというのと乱れがないというのと同じですか。
○倉本参考人 いま申し上げました海底と平行しておるといいますのは、幾つかの層自身が平行をしておる。それで、層の中のいろいろな状態、記録としてあらわれてまいりますものは層理ということで、その中に出てきております記録のいわゆるパターンに乱れがないということでございます。
○関委員 一方においては、平行層理であるという一つの判定をしていますね。そうしてこのB層については、平行層理という言葉は使っていませんね。層理の乱れがない、これは使い分けしているのですか、同じことを言っているのですか。
○倉本参考人 ただいま御説明いたしましたように、いま層理に乱れがないといいますのは、一つの層の中におきまして、音波を落としますと、その中にあります岩とかその中の構造によって、音波が返ってきて一つの像ができるわけです。それが一つのある決まったパターンが出まして、その出てきたのが一つの層理を形成するわけですが、それに乱れがないということでございます。
○関委員 それはスパーカー方式で判定しているんですか。
○倉本参考人 はい、さようでございます。
○関委員 そこで、層理の乱れがなければ活断層がないんだということは、これは学説ですか、それとも定義ですか。何です。
○倉本参考人 一般的にそういう層理に乱れがないという場合には、そこに活断層がないということが言われておるわけでございます。
○関委員 逆に言いますと、活断層には層理の乱れがあるんだ、層理の乱れがなければ活断層ではないんだ、こういうことですか。
○倉本参考人 いわゆる活断層としましては、一般的には層理に変化がなければ、これは通常活断層ではないという判断をいたすわけでございますが、やわらかい地層の場合には、いわゆる層理の乱れが判定しにくいというものもございます。しかしそういう場合には、そこのところに活断層がございますと、その地層の下位というんですか、その層の下にございます別の第四紀層あるいはその下の第三紀層に層理の変化があるというのが通例でございまして、その意味では、この上部の第三紀層あるいは第四紀層に層理の変化がなければ活断層はないと言うことができるということでございます。
○関委員 そういいますと、第三紀層には断層がないんだということですか。
○倉本参考人 第四紀層の下部に当たる、第三紀層も非常に幅がございますので、その上部の第三紀層には断層が見られないということでございます。
○関委員 じゃ、上部じゃなくて中部なり下部にはあるんですか。
○倉本参考人 その点については、あるいはあるかもわかりませんが、現在私どもの方のスパーカーでやりましたデータでは、そこのところまで見ておりません。
○関委員 海上保安庁の調べによりますと、下北半島沖合い三キロ、もしくは四キロの東方海底には百キロに及ぶ断層が走っておる。これは調査の結果、明確に報告しておりますね。そうしますと、この断層は、どこにある断層だと見ているんですか。
○倉本参考人 海上保安庁の御報告によりますと、この調査海域におきましては、沖合い二ないし四キロメートルの個所にほぼ南北に雁行した断層があるという御報告が出ておるわけでございます。それで、この御報告の中では、「日本の活断層」に記載されました活断層の南の方の部分を含む海域には、第三紀層の下の部分の地層に断層があるということで、第四紀層内の断層については御報告がございません。
○関委員 報告がないということと断層がないということはイコールじゃありませんよ。 そこで、海上保安庁の調査課長がお見えになっているかと思いますが、海上保安庁での調査によると、断層が百キロも走っているということについて、どこを走っているのか、どの地層を走っているのかということについて、活断層とは言えないのか、それとも活断層だと言えるのか、海上保安庁におけるこの調査の結果についての推定と申しましょうか、診断と申しましょうか、そういうことについてひとつお聞きしたいと思うのです。
○佐藤説明員 海上保安庁では、昭和四十七年の五月から六月に、下北半島の付近の海域で、大陸棚の海の基本図作成のための調査を実施いたしました。それらの調査結果をもとに大陸棚の海の基本図といたしまして、海底地形図と海底地質構造図を刊行しておりますが、この海底地質構造図には、下北半島の三ないし四キロに、一番近いところでそうですが、断層の存在を記載しております。 この調査は、当庁のエアガンを用いました反射法音波探査の記録でありまして、これがどういう地層を切っているのか、あるいは活断層であるかというような判断はいたしておりません。
○関委員 断層が明らかにある、それがどこにあるのか、よってもって活断層であるのかあるいは死断層であるのか、そういうところまでは調べていない。しかし、明らかなことは、ここに断層が百キロ近くも南北にある、これは明らかにしておる。そうして、原船の方においては、第三紀層においてはない。第三紀層においてないというのであれば、ある活断層はどこのものになるのかということになると、第四紀層に自然に想定されるわけなんです。しかし、自然に想定されるのだけれども、その第四紀層には活断層を示唆するような層理の乱れがない、こう言うて活断層はないと認定しているわけですよ。 ところが、初めのうちは断層そのものもない、こう言わんばかりの態度でこの問題を位置づけてきたと思う。海上保安庁の調べ何するものぞということなんでしょう。また、活断層研究会の発表しているこの百キロに及ぶ活断層何するものぞということなんでありましょう。だがしかし、明瞭な断層がここにあると言うて、その断層がどこにあるのかわからないのだということで事を進めるということは正しくないと思う。 もう一つ正しくないことは、層理の変化がないということで活断層ではないと言う、この断定です。層理に乱れがなくても活断層の例はあるでしょう。その例をひとつ出してください。
○倉本参考人 やわらかい地層の場合に層理の乱れがわからない、また非常にはっきりしないというような場合もあり得るわけでございますが、そこに活断層があれば、当該地層の下にあります第四紀層あるいはそのまた下の第三紀層にも層理の変化があるのが通常でございまして、したがいまして、層理の変化が判別できない場合でも活断層がある場合も理屈上は考えられるわけでございますけれども、そのような例については、当該調査範囲内に存在しないということを確認いたしております。また、したがって活断層があるとは認めておらないわけでございます。また、日本のほかの場所にそのようなケースがあるかどうかということについては、承知いたしておりません。
○関委員 承知しておらないというのは事業団の認識でしょうけれども、科学技術庁はどうですか。そういう例は承知しておるでしょう。
○赤羽(信)政府委員 科学技術庁としましては研究開発炉の審査、あるいは安全委員会としましては商業用発電炉の審査などを行ってきたわけでございますけれども、これまでの経験では先生御指摘のようなケースはございませんでした。
○関委員 ひどい話です。これまでの経験ではないなんて、ではいままでどんな経験をしてきたのですか。層理の乱れがなくても、ここに活断層ありという例は千葉県にもあったろうし、柏崎の原発のときにも出ていたではありませんか。資料を先に出せと言われたところで、その先に出されたときにそのことについて反発する、反論する例が出されたのではありませんか。科技庁は、そんなものは一つも知らないとおっしゃるのですか。答えてください。
○赤羽(信)政府委員 いま個別の件の詳細を持ち合わせているわけではございませんけれども、いままで炉の審査をするに当たりまして周辺の断層を調べてきたわけでございますが、必ず手がかりになるものがあったということで、活断層の判定ができなかったというケースはないと聞いております。
○関委員 ある例を申し上げましょう、あなた方が知らない、わからない、ないとおっしゃるのですから。科学技術庁ほどのものが、原発の個所をどこにするかというたびごとに反対運動があり、その反対運動のたびごとにいろいろな例が示され、そうして克明にそれらのことを把握しているはずです。それがいまここの段階において知らない、わからない、ない、これは少しお粗末ではありませんか。 私が、なぜこんなことを言うかというと、層理の乱れがないことをもって活断層がないことにされた。層理の乱れがないとすべて活断層ではないのかということについて疑問があったからなんです。層理の乱れがなくても活断層の例が——私は、きょうここに写真を持ってきています。二つの写真を持ってきて提示しておきますから、見てください。一つは、刈羽村の刈羽、ここにおける地層、ここにおける活断層はまさに層理がありません。層理がなくて、活断層がきちんとしてある。いま一つ、これも刈羽村の寺尾、ここにおいても同様に、層理はきちんとしておるが、活断層が明示されておる。こういう写真をあなた方の方に、当時の反対者は示したでしょう。ですから、層理が認められないから活断層ではないという論理は成り立たない。 特に、関係する長官にお聞きしたいのですが、層理の乱れがなければ活断層ではないなどということで、知らない者をだますようなやり方で事を進めるなんということは、きわめて乱暴なことではないでしょうか。私は、この写真を上げますから、あなた、見てくださいよ。二つあります、二つ折ってありますから。そういう意味で、私は、原子力船事業団がいいかげんな判定をして活断層隠しをやり、活断層殺しをしたとしか思えない。層理の乱れがなければ活断層ではないなんというのは、どこの定義にあります。どこの学者がそう言っているのです。 またもう一つ、B層の中に活断層があれば、その影響はC層やD層にもある。C層やD層に何らの影響もないのだから、B層には活断層がない。こういうことまで科学技術庁の担当者が私のところに言うております。冗談じゃない。B層に活断層があれば、必ずC層やD層に及ぶものではありません。B層の中にある断層は、Bのうちの上中下のどこかにあるかもしれない。必ずC層やD層に及ぶものとは限っていません。ところが、B層にないということの理由の中に、B層にあればC層やD層にあらわれてくるはずだと言っている。あらわれてくることもあるでしょう。B層とC層の切れ目にわたってつながっていれば、そういうこともあるでしょう。必ずつながっているとはなっていません。 一体、どこの学者があなた方に教えて、B層に活断層があれば、C層やD層に影響があってそこにも見られる。何という論を吐くのでありましょうか。どこの学者がそう言っているのです。B層に活断層があれば、C層やD層にもその影響があらわれてわかるはずだ、C層やD層にその影響がない限りにおいてB層にもないということは明らかだ、こう論をしているわけですよ、科技庁は。そういう論で総括をしているものですから、誤りの発見もなければ、これで押し通すことにおいての思想は一致しておる。思想は一致しておるけれども、これは科学ではありませんよ。科学でもなければ、化学でもない。曲学阿世の科学でしょう。事を進めんとするだけに、初めに活断層なかりせばの前提に立って進めれば、そういうことになるでしょう。 そこで、お尋ねします。層理がなくとも活断層の例がある。いま申し上げたところのほかに、千葉県にもあります。富津市にもあります。それは、あなた方の方で承知しているはずです。知らなかったら、電力会社へ行って聞いてきたらいい。安全審査会のときにその話が出ているはずです。過ぎていることだからわからないと言うならば、これはわからないということで認めましょう。わからないというのと、ないということとは、全然違うことなんです。そういうことからいって、段々の話も私、したわけですから、なおここにおいて活断層がないなどというような断定をして事を進めるのは適当ではない。幾ら資料を出せと言っても出さないならば、出さないからといって言うことにはならない。 この後、なおどう進めたらいいのか、どう考えるのか。なおだまし続けて、安全審査会まで待ってくれ、こう言い張って逃げるつもりなんですか。この点について、長官並びに事業団の方からお答えをいただきたいと思います。
○井上参考人 お答えいたします。 先生の御指摘は、十分慎重に検討せざるを得ない問題だと私は思います。いま、事業団といたしましては、安全審査に提出する関係書類を整備しつつあります。近く、私としては提出したいと思っております。したがいまして、たびたび申し上げて失礼でございますけれども、暫時御猶予を願いたいと重ねてお願いいたします。
○安田国務大臣 関先生から非常に知見に富んだ御質問を受けまして、私は素人でございますけれども、誠意を持ってこれに対応したい、こういうわけで私も相当踏み込んで事情を聴取いたしました。同時にまた、資料も見せていただきました。 そして、そこに私が得たものは、いわゆる専門家、専門的そして見識を持ったその道の、いわゆる学術的にもそういう専門の人が、そのデータ、その資料を解析をしまして、そして総合的にかくかくだという、いま事業団側のあの報告を聴取いたしまして、そうか、そういうことでやはり専門家が一切のこのデータを解析した上でかくかくである、こういうことになったというその報告には、私もやはり理解を示さざるを得ない。 ただし、やはり今後の問題として、安全性というものはいかなるものかということは理解しておりますから、もう第三者機関として見識ある安全委員会があります、この安全委員会というものの見識が問われるわけでありますから、だからこれは厳正、公正に審査すべきもの。私はこれに介入するということは適当ではない。しかし、これだけの論議がございましたから、安全委員会の審査に当たって、この安全審査の最終判断にまつ。これは最善の道である、この道以外にはなかろう。 ただし、私は、これだけの問題を提起されたのでありますから、安全性の問題については慎重に関先生の意見というもの、知見というものを念頭に置いて、誠意を持ってひとつ審査してほしい、こういうことを私は付言して、安全審査にこれをゆだねる、私はこういう理解の上に立っているわけであります。どうかひとつ、御了解をいただきたいと思っております。
○関委員 これは、安全委員会でも当然審査の段階において論ぜられなければならないことだし、徴せられなければならないことです。だがしかし、昨年の三月から活断層論戦をしてきているわけです。なかなか国会というところは、われわれが言いたくても自由に論ずる時間がないばかりに、非常に長くかかります。去年のうちにこういう話もしたかったのだけれども、私もまた、国会議員として当選後まだ日が浅いものですから、国会の運営というものになれがなかった。三年半たちましたから、ようやく国会の事情というものもわかってきました。国会というところは、毎年予算の審議が終わった後、法案審議に入る。法案審議のときに初めて一般質問ができる。常時できればいいのだけれども、そうでもないためになかなかお話ができない。 しかし、少なくともわれわれに提示してきたところの活断層にかかわる事業団の資料、仕方ないからこれに徴してだけ見ても、一体真偽はどうか、こういったときに、層理の変化がないといえば活断層がないものだろうなと思って、権威ある人の言うことだからそうだろうなと思ってお話をする。そうすると、何で、どなたがそんなことを言うのですかと学者に言われますよ。層理の乱れがないと言ったって活断層はあるんですよ、へえそんなものですか、知らないわれわれというのは何とまあ愚かなものだろう、そして、政府側というものは知ったふりをしてわれわれをだましているのか、こう思うしかないのです。 ですから私は、層理の乱れがないからと言ったって本当に乱れがないのかどうか、ここにも疑問があるのです。層理が平行に走っているとは言っていません。層理がどんな状態に走っているのだろうなと、見たいところです。もし平行に走っているならば、平行に走っていると書いたはずだ。しかし、平行層理だと言えないところに、乱れがないという言葉で、少しぐらいの乱れということなのか、ちっとも乱れがないということなのか。 言葉は文学的です。文学ならばいいですよ、巧みな表現を駆使してやればいいわけですから。科学は、文学的な表現でごまかすわけにはいかないのです。片一方には、平行層理が走っていると明確に言っているのです。こっちには、層理の乱れがないと言っているのです。常識では同じことかなと思いながら、一歩踏み込んでみるとこれもそうじゃないのです。乱れが幾らかあるのですよ。大した乱れがないから、層理の乱れがないと書いたのかもしれませんよ。全然乱れがないというと、平行層理だと書くはずです。なぜ、こうそれぞれの地層によって表現の仕方が変わっているのでしょうか。 地層に変化がない、層理に乱れがない、違うのですよ、地層の中に層理があるわけですから。地層は大きいものです。層理はその中です。地層に乱れがなくても、層理に乱れがあることがある。層理に乱れがないという一方的な判断によって、活断層は認められないといったこの決定というものはうそである。この論は成り立たない。層理に乱れがなくても活断層があることを、私は、いま二つの例を写真をもって提示したのですから、これをひとつ認めてください。認めますか認めませんか、事業団の方でお答えください。
○倉本参考人 一般に明瞭な層理が認められるところでは、海底の場合にはスパーカーによりまして、断層構造の判断が非常に容易でございます。ただ、未固結と申します地層の場合には、十分注意してその判定をする必要があるわけでございます。しかし、未固結の地層において実際に断層構造がある場合には、その下部、下位の地層が固結した状態である場合には、当核下位の地層にも断層構造が認められるのが通例でございます。したがって、この未固結の地層の下位の地層において断層構造が認められなければ、未固結層において断層構造はない、こう言われております。 今回の調査におきましては、スパーカーによりまして、これらの第四紀層の地層には断層が認められなかったわけでございます。これらの下位の地層であります、明瞭な平行層理を有する第三紀のC層にも何ら断層構造がなかったというようなことから、私どもといたしましてはA層、B層といいますか、第四紀層に断層構造がないというふうに判断したわけでございます。
○関委員 あなた方のいままでの考え方を聞いているんじゃないのです。層理の乱れがない、活断層を示唆する層理の乱れがない、層理の乱れがなければすべて活断層でなし、こういう提言は成り立たないのだということを承知してくださいと私は言っているのです。あなたは承知しないのですか。私は、あなたに教えているんですよ。あなた方は知らないと言ったでしょう。科技庁はないと言ったでしょう。ないというのと知らないということは違うんだ。こういうふうに層理の乱れがなくても活断層があるという例をいま写真で提示したわけですから、そういうものもあるのかなということについて認識を深めてくださいと言うんです。どうですか、専務。
○倉本参考人 活断層の判断につきましては、学会の中でも非常にいろいろな御議論がされておるようでございまして、私どもの聞いております範囲では、活断層については一般的に私の方で判断をした基準が通例とられておるということでございます。
○関委員 専務、私の言っているのをわかっているんですか。層理に乱れがなくても活断層の例があるということを申し上げたんです。わかりましたかと私は言っているんですよ。 それから、あなたはさっき、B層の下部の方に乱れがないから、よってB層にも活断層がないんだという一つの論理を言っているわけです。これも間違いなんです。B層の中に断層があれば、必ずC層やD層に影響するものではないのです。B層の中の上中下、どこかに断層があって終わっている例もあるわけですよ。B層に断層があれば、必ずC層やD層に断層が至るものだという判定は正しくない。あなた方の判定は二つにおいて間違っておる。 その上、海上保安庁が明確に、あの海底百キロにわたって断層が走っていると言っているじゃありませんか。その断層はどこにあるのかと言うと、あなた方はどこにあるかわからないと言っているんでしょう。もっと深いところにあるんでしょう、こう言っているんでしょう。冗談でしょう。エアガンだって三百メートルのあたりで調べて、これは断層があると言っているんですよ。スパーカーは、もっと浅いところでよく調査できるからというんで、その特殊性を生かしてやっているんでしょう。浅かろうと深かろうと、断層がないという断定だけはできない。あることは明確なんだ。 層理の乱れがなければ活断層はないんだという、この論理は正しくない。C層、D層に断層がなければB層にはないんだという、この論理の断定も間違いだ。あなた方は二つの間違った断定をして、この活断層を殺してしまったじゃないですか。層理の乱れがなくても、活断層というのはいましゃべったところにあるわけですから、これで判断したらそうかなと思いませんか。なるほど、そうかなともあなたは思わないのですか。どうですか、専務あるいは理事長二人答えてください。
○倉本参考人 私どもの、活断層があるかないかということの判断に当たりましては、いままでるる御説明を申してまいりましたとおりでございまして、この第四紀層の中に断層が認められないかどうかということの判断の上に立って、活断層があるかないかを判断をいたしておるわけでございます。その過程におきまして、ただいまも御説明申し上げましたように、層理がはっきりしておるところでは断層構造の判断は容易でございますけれども、たとえば未固結の地層の場合には十分注意して判断する必要があるということで、それらの判断におきましては留意をいたしておるわけでございます。 繰り返しになりますけれども、実際にその未固結の地層に断層があるという場合には、その下位の地層の中に断層構造が認められるのが通例であるということで、その未固結の地層の下位の地層において断層構造が認められなければ、そこに断層構造がないという判断をいたしておるわけでございます。
○関委員 それはどなたの学説です。どなたがそういうふうにおっしゃっているのですか。未固結の層、半固結の層、そういうB層の下に断層がなければここに活断層がないのだというのはどなたの判定です。だれがそうおっしゃっているのです。そんなことはないと言っているのですよ。下位にどんなかっこうがあろうとなかろうと、B層の中の断層はB層の断層ですよ。B層のうちの上部であるか中部であるか下部であるか知らないけれども、B層の上部でも中部でもあれば必ずC層に断層が見られるなどというのはどこの話です。見られなければ断層がないのだというのはどなたのお話ですか。明確に言ってください。だれがそんなことを言っているのですか。
○倉本参考人 ただいま申し上げましたように、通例そういう判断がされておるということで、これは応用地質学会におきましての通例の議論でございます。
○関委員 そんな会を言っているのじゃない、どなたが言っているのかと聞いているのです。どなたです。湊先生ですか。
○倉本参考人 ただいま申し上げましたように、応用地質学会における通説でございます。
○関委員 どなたですかと聞いているのです。
○倉本参考人 応用地質学会の先生方のお名前を私も存じ上げるわけでございませんが、私どもがいろいろお知恵を拝借しました先生は、前にもお話し申し上げましたように、湊先生にもお伺いをいたしております。
○関委員 それじゃ、湊先生がいま言ったような説明の御指導をした、こう理解してよろしゅうございますか。
○倉本参考人 私どもといたしましては、この調査あるいは解析につきましては、その道の権威を持ったしかるべきところに委託をいたしております。そこにその方面の権威者もおられますし、それらの方々の判断に基づいてこういう判定が一応下された、それについて湊先生には一つの御意見をお伺いしたということでございます。
○関委員 これは、対決しなければならない二つの論点だと思います。未固結あるいは半固結の地層であるB層に層理の乱れがなく、その下層にあるものに断層がなければ、よってもって活断層はない、こういう御指導、御説明があったと聞くのですが、これはどこへ持っていっても通用するものだとは思いません。それぞれの地層はそれぞれの年月を経て独自に構成しているわけです、A層はA層なりに、B層はB層なりに、C層はC層なりに。しかも、このB層の深さ、厚さというものは相当なものでしょう。十メーター、二十メーターではない。何百メーターでしょう。こういうようなB層の中でどこかで落ち込みがあっても、それが全部下のC層やD層に行くとは限らない。これは、だれに聞いたってわかりますよ。だれにでもわかっているようなことを、どうしてあなたのところでは特別に解釈をして通さなければならないのですか。 二つの欺きをもってあなた方は終始していますよ。層理の乱れがないから活断層はない。未固結、半固結の状態のところには下層において断層がなければ、よって活断層はない。この二つの断定は誤りです。誤りを湊先生が教えたというのですから、近く湊先生に来てもらって、これははっきりしなければならないでしょう。これは委員長、近く指導された方に来てもらうように、この問題の調査をさらに深めるためにもひとつよろしくお手配いただきたい。後刻理事会でも開いて、これが処理に当っていただくことを希望いたしておきます。
○永田委員長 理事会で後刻お話をいたします。
○関委員 いやしくも学者たる者が、重要な活断層の問題でいいかげんなことをして行政を進めるようなことだけは、ここですっきりと断ち切りたい。原発がどこかに建てられるというと、必ず断層の話が出てくる。活断層の話が出る。ないと言ったものがあった。あった場合には、小さいから大したことはないと言うのがこれまでの大体の経緯です。この地域も、調べた結果間違いなくあったと出てくるでしょう。そのとき、小さいのがあったと言えるかどうか。百キロですよ。 何でこんなにこの問題を取り上げるかというと、一たび地震が発生したならばどんな地震が起きるのか、どんな規模の大きさになるのか、これもさきに説いたはずです。百キロになるとただの大きさじゃない、八・二マグニチュードの規模のものが想定される。八・二ということになると、震度は六、七に至るであろう。六、七ということになると烈震であり、激震である。烈震、激震に耐震設計が成り立ちますかということを申し上げてきた。亡くなられた中川さんは、地震には自信があると胸を張ったけれども、幾ら日本の科学、建築技術が進歩しても、震度五までだろうと今日言われておるじゃないですか。震度五に大丈夫だと言っても、地震があると壊れている例が幾多あるでしょう。そういうことを考えますと、あるなし論争は次の設計、次の建設に重大な影響を与える。だから、必死になってないことにしたいのだろう。私、これが残念なんです。あるものは、あるとしたらいいじゃないですか。その後に立って方策を講じていけばいいと思う。そうして資料も出さない。こういうことはいけないことです。 もう一遍、私は倉本専務に聞きます。層理の乱れがなくても活断層があるということについて、二つの例を写真をもっていま見せたわけですから、あなたこれを認めるのですか、認めないのですか、そこだけ。
○倉本参考人 私どもがいろいろその方面の権威の方々の御判断というものによりまして、現在の活断層が認められないというところに達したわけでございます。その中で、いま先生の方からいろいろお話がございました点につきましては、これらの権威ある方々の中からは、そういったものが活断層の判断としての基準であるというようなお話は伺っておらないわけでございます。 そういった点について、そういうものは活断層であるかどうかということは、あるいは学会等の中でも私どものまだ知らない分野、何と申しますか、いろいろと議論のあるところではなかろうかというような感じもいたすわけでございますが、やはり権威ある方々の御判断の上、また学会における通常の御判断の基準に基づいての断定でございますので、私どもとしてはそれを一応信用して、またそういう方向で対処しておるところでございます。
○関委員 これは長官もよく聞いたことだし、事業団の理事長もまたよく聞いたことだし、それから倉本専務も認識をまた深めたことでありましょうから、あくまでもこの活断層問題については事実に忠実に今後も調査をして、そして審査会のことまで待つとか待たぬとかということじゃなくて、もっと積極的に、特に活断層を明示しているところの日本の活断層研究会、これらの諸君のあらわしたものを否定している行為ですから、こういうようなことについても、否定するならば否定するで論戦をすればいい。 長官は、両学者がけんかすることは好まないからとこの間言っておりましたが、これはけんかじゃありません。お互いにそれぞれの学者としての良識に基づいて物を言っていることです。どちらが正しい論理になるのか、これは大いに論戦をさせるべきであって、この二人の学者が右と左でけんかをする、そういうことに拍車をかけることはできない、こう言っているのですが、これは真実を追求する科学の姿勢からいけば大いに論をさせて、そして客観的なデータに基づいて一つの線を打ち出すべきだ、私はこう思うのです。それを避けて、ただ単に頼りない学者に任せて時間を過ごすなんということはよろしくない。 そういう点からも、先ほど長官は安全委員会云々のお話で、そこで逃げようとしているように私には見えるのですが、そうではなくて、それも一つのことになるだろうが、科技庁としてはこの際積極的にこの問題に当たる、こういうことが必要ではないだろうか、私はこう思うのです。「しんかい二〇〇〇」もうまくできたようでもありますし、そういうような技術を使いまして、私どもの国の科学の力というものがあるわけですから、二人の相異なる論戦だけで時間を空費することなく、積極的にこれに挑んでいただきたい、私はこう思います。 それから最後にもう一つ、あそこの関根の浜に母港を建設すると、隣の漁港がどうなるのか。青森県の三沢というところに漁港ができました。できましたら、これから北の方に三キロ近く土地がえぐり取られています。大きなところで二百メートルも取られています。ずっと続いています。そして、南側の方は逆に堆積しています。埋まるか削り取られるかという事実がそこに明確にあります。 こうなりますと、関根の浜に母港をつくると隣の漁港、わずか五百メートルしかない間ですから、埋まるか削られるかのどっちかになるであろう、これが想定されます。そうなりますと、いよいよ原子力船の母港をあそこにつくっても無理だということになるはずです。近いうちに、補償を何十億かにして決着しようと思っておるようですが、急ぐ必要ありません。このことについても解析されていますか。このことについてどのように位置づけておりますか。 これを聞いて私は時間になりましたから終わることにしますが、このことについては漁港の問題でもありますから、これを管轄しているところの担当の責任者からも伺いたいし、港湾をつくると、その南北にあるいはその東西に、どんな影響が顕著にあらわれるかという例もまた聞きたいし、それらの例に徴して事業団は何ともない、こう思っておられるとするならば大変なセンスである。そういうことについても私は考えてもらわなければならない、こう思いますので、その点だけ伺って次回にしたいと思います。
○倉本参考人 関根浜の新定係港を建設いたすに当たりまして、関根浜におきますただいま御質問ございました、主として漂砂の問題であろうかと存じますが、この漂砂の問題にかかわりまして、私どもの方もいろいろ調査をいたしておるわけでございます。 まず、漂砂の問題につきましていろいろ解析をいたすに当たりましては、海底面におきます状況がどういうようになっておるかということで、海底の地質、底質等の調査、またその地域に流入をいたします河川からもどういう土砂等が流れてくるかというような調査、また海底の地形及び海浜の汀線と申しますか、なぎさの線の調査、また砂がどういうぐあいに動くかということについての蛍光砂を流しての調査、それから漂砂の問題につきましては、波が非常に効いてまいりますので、いわゆる波浪がどういうぐあいになるか、波浪及び流況、流れの方の観測調査もやっております。また、漂砂の予測調査につきましては、数値によるシミュレーション及び水利の模型実験を行っております。 これらの調査結果を解析をいたしました結果、この新定係港の建設によって関根漁港、現在あります漁港がこれによって埋没するとか、また、その周辺において海岸線が削られるとかいうようなことは考えられない。多少あれでございましょうが、そういうものが大規模に発生するというようなことは考えられないという結論で、いま私どもは計画をしておりますその港の建設に当たりましては、当該地域において問題はないという判断をいたしております。
○関口説明員 一般に砂浜海岸におきましては、各種の調査に基づく慎重な検討の結果、整備計画を定めておるわけでございます。漂砂現象は、非常に多くの自然条件が複雑に関与しておりますので、施設建設と並行しまして、汀線部の変化について定期的に調査を行いまして、その結果を検討して、もし必要があればその時点で当初の計画の手直しを行うこととしております。 関根漁港につきましては、四十八年度に着手いたしまして、その後ずっと経過を見守っておりますが、現在のところ、港の東側につきましても西側につきましても、大きな変化はございません。ただ、現在の防波堤に囲まれた中に、砂が堆積しているという事実がございます。そこで、現在第七次漁港整備計画がございますが、その改定の時期に関根漁港の計画も拡大いたしまして、港の口を深いところに持っていくというふうに変えております。 以上の措置によりまして、今後もこの計画が完成すれば、そこの漁船が十分使うことに支障はないだろうというふうに考えております。
○関委員 これはお答えは要りません。 三沢の漁港をつくるときも、大丈夫、漁港をつくっても、その東西への影響というものはさしたることはないであろう、こういうことでつくった。つくってでき上がったら、年々減るところとたまるところが出てきた。その範囲が予想をはるかに超えているわけなんです。ですから、始める前にはみんないい話をします、やりたいばっかりに。だが、事実としてこういう例が出てきているわけです。私は、いまの事業団の方の答弁も、この例を知っての答えではないと思うのです。初めて聞いた話だと思うのです。そういう意味において、やはり事実に学ばなければなりません。 一つの想定をします。設計においていろいろ見ます、大体こうなるであろう。だが、それをはるかに超えているわけです。その事実が、私の方の県の中にちゃんとあるわけなんです。陸奥湾の中にもあります。青森港をつくるというと、西側の津軽半島に大きく浸食が見られます。ですから、こういう例は幾多あるわけです。ましてや、あの津軽海峡の遠浅の場所でありますから、この影響はまた出てくるはずです。それをいとも簡単に、何もないとか出てくれば方策を講ずるとか、そういうことを予想して港の口を別にしなければならないとか、こういうことで終わっているわけなんです。 これは漁民の生存にかかわる問題なんです。そういう深刻な物の考え方に立って事に当たってくれないと、御迷惑をかけるばっかりで終わってしまうであろう。最後は金でごあいさつで、さようならということにとどのつまりなるんじゃないだろうか。こういうような情けないわが国の行政の実態というものを断ち切らなければならない、もっと親切な行政にしなければならない、こういう意図で申し上げているわけですから、念には念を入れて当たっていただきたいことを申し上げて、質問を終わりたいと思います。
○永田委員長 草川昭三君。
○草川委員 公明党・国民会議の草川昭三でございます。 科学技術の振興に非常に大きな役割りを果たすであろう筑波研究学園都市の問題を、まず取り上げさせていただきたいと思うわけであります。 まず、国土庁にお伺いをいたしますけれども、昭和四十五年五月に筑波研究学園都市の建設法ができたわけであります。ここには、総合的な計画を策定し、その実施を推進することにより、試験研究及び教育にふさわしい研究学園都市を建設したいということを目的とするという、非常に崇高な使命が書かれてあるわけであります。それから、その後、四十六年二月十九日に筑波研究学園都市の建設計画の大綱が決められております。 そしてまた、五十五年の九月に、細部にわたる研究学園地区の建設計画、こういうことが言われておりまして、特に都市の基盤整備ということから、都心地区に地域の暖冷房施設を整備したいということを言っておりますけれども、この建設計画の大綱の中に地域暖冷房施設の記述はあるのか、あるいはその後の建設計画の方であるのか、その点をまず国土庁にお伺いをいたします。
○久保説明員 お答えいたします。 お尋ねの筑波研究学園都市における地域暖冷房施設の位置づけでございますが、研究学園都市におきます地域暖冷房施設をつくる理由としましては、快適な都市環境の形成ですとか、大気汚染と申しますか公害の防止あるいは都市災害の防止、こういう理由のために筑波の都心部に計画整備される、こういうことになっておるわけでございます。 この位置づけでございますが、先生のお話にもございましたように、昭和四十五年にできました筑波研究学園都市建設法、この施行令で、筑波研究学園都市に建設整備する公益的施設の一つといたしまして、熱供給施設を研究学園地区建設計画で定めるんだ、こういうふうになっておるわけでございます。すなわち、筑波研究学園都市建設法に根拠がございまして、具体的な計画は地区建設計画で定めるんだ、こういう位置づけになっておるわけでございます。 その後、やはり先生のお話にございましたように、昭和五十五年の九月に研究学園地区の建設計画が定められまして、この中の「公共・公益的施設等の計画」の中に記述がございまして、「都心地区に地域暖冷房施設を整備する」という記述があるわけでございます。したがいまして、施行します地域は、研究学園都市の区域は非常に広いわけでございますが、都心地区であるということでございます。もし可能であれば、都心地区の周りの住宅地の一部に、必要に応じて暖房とか給湯施設を整備する、このような計画になっておるわけでございます。
○草川委員 いまの大体大きな流れというのですか、目標の中で、快適な都心の地域の冷暖房システムの計画ということが言われたわけですが、これの具体的な開発業者は公団になると思いますが、対象地域あるいは建物、たとえばどれくらいの面積なのか、あるいは建物としてはスーパーだとか映画館だとか、いわゆる商業業務面積というのがあると思うのですが、どの程度か、お伺いします。
○吉岡参考人 お答えいたします。 地域冷暖房の供給区域は都心地区の二十ヘクタールでございまして、地区内にあります施設は、学園センタービルという都心の業務商業ビル、そのほか今後予定されております大規模なショッピングの商業施設、あるいは郵便局を初めとする行政施設、一部住居が含まれております。
○草川委員 これは科学技術庁にお伺いをいたしますけれども、国際科学技術博覧会の政府出展館の筑波エキスポセンターもこの地域に建てられて、熱源としてこの供給業者から蒸気を買うと思うのでございますけれども、どの程度その話し合いは進んでおるのか、お伺いをいたします。
○下邨政府委員 科学万博につきましては、六十年三月開催を目指しまして、関係機関の協力を得ながら鋭意準備を進めているところでございます。万博の主会場になります用地は都心部から約三キロくらい離れておりまして、供給区域からも離れているということで、博覧会独自で冷暖房の供給設備を設けることといたしております。 いまお話がございましたように、政府出展の一部を都心部に設けるということで筑波エキスポセンターを設けることにいたしておりますが、これは筑波エネルギーサービスの供給区域の中に入っておりまして、私どもといたしましては、筑波エキスポセンターの冷暖房につきましては、この筑波エネルギーサービスから熱供給を受けることを計画しておりまして、今後具体的な詰めを行いたいというふうに考えているところでございます。
○草川委員 いま、筑波エネルギーサービスから熱量を受けるというお話がございましたが、そのことについて少しお伺いをしたいと思うのです。 実は住宅・都市整備公団は、この商業地域等を含めまして第三セクターというのですか、地元の、県だとかその他のいろいろな銀行等を含めまして筑波新都市開発株式会社という会社をつくりまして、ここでいろんな仕事をやろう、これは第三セクターでありますから、官庁の持つ計画力と民間の資金力あるいは経営力等を合わせて、半官半民の第三セクターである筑波新都市開発株式会社をつくりたいというので、住宅・都市整備公団から二五%、茨城県から二一%、地元の六カ町村から四%、長期銀行の方から二三%、その他の公営企業等からお金を集めまして、資本金六億でいま触れました筑波新都市開発株式会社というのをつくったわけです。この第三セクター方式というものは、開発事業の推進に当たっては大変興味のある企業というのですか、セクターになるわけでありまして、これは私どもも非常に楽しみにもしておるわけであります。 この会社の第三セクターの定款を見ますと、商業施設あるいは娯楽施設、地域冷暖房施設の建設、管理をするということになっているわけでございますが、いまの科技庁の答弁によりますと、ここからは熱エネルギーというものを買わない。この熱エネルギー、いわゆる蒸気を買って暖房にする、蒸気をエネルギー源にして冷房する、こういうことになっていないわけでありますが、それはどういうことか、公団にお伺いします。
○吉岡参考人 お答えいたします。 実は、先ほど国土庁から御答弁もいたしましたとおり、四十八年に、推進本部決定で都心に地域冷暖房を設けるという方針が決まったわけでございます。その後五十四年に、都市計画決定、地域冷暖房の供給区域に関する都市計画決定等が行われておりまして、五十四年には関係研究機関等の大半が移転するという都市の概成の時期を迎えたわけでございます。 したがって、熱供給事業につきましても早急に事業主体を決めていく必要があるということで、先生お話しのとおり、本来筑波新都市株式会社でやるべき性質のものであるということで、筑波新都市会社に熱供給事業者となることを要請したわけでございます。 問題は、同社はそれに対しまして、熱供給事業、地域冷暖房事業というのは、経営に非常に特殊な知識、技術、経験といったようなものが要る、それから、筑波新都市開発株式会社としては、商業施設あるいはセンター施設の整備に当面力を入れなければいけないという二点を強く主張しまして、筑波新都市株式会社で、お話の第三セクターで、熱供給事業を一つの部門として扱うということはなかなかむずかしいということであったわけでございます。 さらにわれわれとしましては、こういう地域冷暖房に非常に経験のあります東京瓦斯あるいは筑波学園都市ガス会社というのがございますが、そういうところにもいろいろ当たったわけでございますが、東京瓦斯の場合は営業区域からかなり離れているというふうなこともございます。それから、筑波学園都市ガス会社につきましては、目下、通常の都市ガス供給を一生懸命進めているところで、とても地域冷暖房まで手が回らないということになったわけでございます。
○草川委員 第三セクターであるべき筑波新都市開発が本来はやるべき仕事なんだけれども専門家もいない、その他もろもろの条件があるので、専門家の方々の協力を得て筑波エネルギーサービス株式会社を設立した、こういうのでございますが、筑波新都市開発の社長は、元住宅公団の副総裁をやっておみえになりました尚明さんというのですか、この尚さんが筑波エネルギーサービスの方の会長をなすっておみえになるわけですから、まずトップは変わらぬわけですね、同じだということです。 しかも、筑波エネルギーサービスという会社は、私どもがいろいろと調べてまいりましたら、設立は、昭和五十五年十一月二十一日に資本金一億円でできておるわけでございますけれども、社長は後で申し上げますが、役員は九名、非常勤者は八名、実質的に一人より役員はいないわけです。これは公団からおみえになった方でございまして、金子さんでございます。従業員は一体何人いるか、社員は何人いるか、四名であります。久木田という課長さんがおみえになりますが、これも土木の出身で公団から派遣をされて籍のある方であります。川添という部長さんがおみえになりますが、これも住宅公団からおみえになる部長さんで事務屋であります。ただ、東京瓦斯より一名おみえになるわけであります。 東京瓦斯もこの会社の出資をいたしておるわけでありますが、本来ならば公益性、公共性のある東京瓦斯等がエネルギーのサービスをするのは当然でありますし、地域冷暖房のパイオニアでありますけれども、こういうところにエネルギーのサービスをさせなくて、わずか従業員四人、こういうことでございますが、この点については間違いありませんか。
○吉岡参考人 先生おっしゃるとおりでございまして、ただ私ども、その当時公団といたしましては、経験のある東京瓦斯等にこういう筑波の地域冷暖房の事業をしないかという折衝はいたしました。しかし、結果におきまして、先生おっしゃるとおりの状態になっております。
○草川委員 そこで、通産省にお伺いをいたします。 通産省は熱供給事業法という法律で熱供給を、たとえば地域のガス会社、もちろん電力会社は当然のことでございますけれども、熱供給を受ける一般の国民なり市民なり受け手のユーザーの保護をするために、熱供給事業の健全な発展を図りながら、同時に公共の安全を確保するというように、非常に厳しい、熱供給事業法で許可をするわけでございます。これは、昭和五十六年の十二月に申請者に許可を与えておりますけれども、このわずか社員四名、こういう会社で筑波エネルギー、非常に広大なセンター都市に対する熱供給をしても安全性上問題ない、こういうように認識なされたのでしょうか、そのいきさつをお伺いしたいと思います。
○西中説明員 先生御指摘のように、熱供給事業の事業許可の基準に当たりましては、その熱供給事業を適確に遂行するに足りる経理的基礎及び技術的能力があることという条件が入っておるわけでございますが、筑波エネルギーサービスにつきましては、専任の技術課長がおりますほか、すでに他地区におきまして熱供給事業を行い、かつ、そのエネルギーサービスの出資者でもございます池袋地域冷暖房あるいは東京瓦斯から派遣した技術者が参与、顧問というふうな形で入っておりまして、そういった方々の力をかりて仕事を進めていくということで、技術的にも問題ないだろうというふうに当時判断したものと理解いたしております。
○草川委員 当時判断をなされたわけでございますけれども、これは早い者勝ちで、早く手を挙げた人が申請をする、それを受け付ける、こういうことなんだそうですけれども、普通の仕事と違いまして、通産省認めるところの公益性というものがあるわけであります。非常に厳重な資格審査がなければいけませんし、いまもお話がありましたように、許可の基準に、熱供給事業を適確に遂行するに足りる経理的な基礎もなければいけない。いいですか、経理的基礎も。資本金一億です。及び、技術的能力があるということが必要になっております。供給事業の計画が確実に、かつ合理的にできるのかどうか、あるいは申請時点で業務の外部委託ということが打ち出されておったのかどうか、お伺いしたいと思います。
○西中説明員 経理的基礎それから技術的能力につきましては、どこまでやればいいかという問題につきましてはいろいろ議論もあろうかと思いますけれども、熱供給事業につきましてこの程度の規模のものであれば、これで能力はある、あるいは経理的基礎はあるというふうに判断いたしております。 なお、外部委託という構想が許可時にあったかどうかということにつきましては、ちょっと経緯をつまびらかにいたしておりません。
○草川委員 私は、外部委託というようなことが持ち出されてなければ、現実的にはこの会社の内容では仕事ができるわけがないと思うわけであります。 ちなみにここで、私の手元に筑波エネルギーサービスの第二期の営業報告書を持っておりますけれども、この営業報告書の貸借対照表の資産の中を見てまいりますと、業務設備、一体幾らの業務の設備があるのか。これは金額で評価をするわけでありますけれども、業務設備というのは、資産としてわずか百九十三万五千五百円です。私どもの国会の事務所の中にだって、ゼロックスからいろんなものを入れれば、設備の費用は百九十三万五千円、その程度のものはあります、電話からいろいろなものを入れれば。業務設備わずか百九十三万五千五百円、有形固定資産百四十三万七千百三十六円、すべての資産合計を入れて、またこれは後ほど言いますけれども、現金が二億四千五百万ありますから、現金だけが非常に高いのですけれども、わずか三億三千七百万円です。 この業務設備がわずか百九十三万五千五百円であるにもかかわらず、通産省はこの企業に対してエネルギーサービスができる、こう見たのかどうか、もう一回私、確認します。もし、将来事故があったときには、エネルギーサービスに対する損害賠償の請求をしても、わずか一億円の会社ですから、業務設備が百九十三万円しかないわけですから、幾ら裁判をやろう、差し押さえをしようと、担保はないわけです。当然、許可を与えた国が責任をとらなければいかぬのですが、そういうことも含めて通産省は承認をしたのかどうか、お伺いします。
○西中説明員 ただいま先生がおっしゃいました数字、ちょっと手元に持ってないのでございますけれども、現在までの設備投資額は三十三億円ということでございまして、相当の設備をすでに保有しておるということになっております。
○草川委員 いいことをおっしゃいましたね。設備投資三十三億、そのお金はどこのお金でやったのでしょうか。この筑波エネルギーサービスのお金でやったのでしょうか。
○西中説明員 三十三億円の約九二%ほどでございますけれども、三十億六千百万円というものにつきまして、工事費負担金という形でユーザーからちょうだいしておるというふうに聞いております。
○草川委員 いまおっしゃいましたユーザーというのが、実は住宅・都市整備公団のことになるわけであります。住宅・都市整備公団は、工事負担金の援助という形で、当時の、これは昭和五十七年三月三十日にこの会社と都市整備公団との間で協定をした、こう言っておりますが、間違っておれば答弁をしていただきたいわけですけれども、総工事費は五十億三千万円、そのうちの九〇%が工事負担金ということで公団が負担をしたということになっております。 それがただいまのところ約三十億近い設備投資になっておる、だからいいじゃないか、こういうことでございますけれども、筑波エネルギーサービスの金ではないわけであります。もし、将来事故があった場合には、そうするとこれは通産省ではなくて、デベロッパーとしての住宅・都市整備公団が、あらゆる事件についての責任をとるということを通産省は言っているわけですか、それとも通産省の許可の責任というのはどの程度のところになるのか、まず通産省に、もう一度責任問題をお伺いします。
○西中説明員 そういう事故が起こるかどうかという問題は別といたしまして、基本的には責任をとるのは、当然熱供給事業者たる筑波エネルギーサービスということになろうかと思います。設備投資の三十三億のうち三十億は、先ほど申し上げましたように工事費負担金で出していただいたわけでございますけれども、この資産自体は、その最初の経緯は別といたしまして、筑波エネルギーサービスの資産になっておるわけでございまして、そういった意味では、責任をとるための資産的裏づけというものは、この面からはあると言えるのじゃないかというふうに判断いたしております。
○草川委員 私が言っているのは、本来ならば筑波エネルギーサービスが、もう少し資産内容なり本来の信頼性がなければいかぬわけですよ。これはペーパーカンパニーなんです、私に言わしてみれば。現実にいま申し上げたように、社員は四名しかいないのです。そんな会社が、三十億の金を住宅公団からもらって工事を発注して、そして将来のメンテナンスの責任がわずか四人の従業員でやれますか。技術者がおるといったって、筑波エネルギーサービスが雇った人じゃないじゃないですか。東京瓦斯からの出向者一名。あとは公団じゃないですか。そうすると、公団は自分で金を出して、自分で受け取るという役目を果たす。本来ならば、第三セクターというりっぱな会社があるのだから、そこでなぜこのようなことをやらないのか。一体、この筑波エネルギーサービスという会社はどういう問題があるのか。私は、ここをひとついまから問題提起をしたいわけです。 たまたま、ここの社長は太田信さんであります。この太田さんという方が、いまお話がありました池袋地域冷暖房株式会社の会長さんであります。第三セクターの筑波新都市開発から三千万、池袋地域冷暖房株式会社から三千万出して、六千万を追加をいたしまして、筑波エネルギー会社はわずか四千万の現金しかないのですけれども、合わせて一億円の資本金をつくったわけであります。一体そういう会社は、どういうようなことになるのか。足がないわけですからね。 ひどいのは、いろいろな方のお話を聞きますと、現在かなり工事が進んで、いま熱供給のならし運転が始まっておるわけでありますけれども、施工監督者がいないと、こう言うのです。住宅・都市公団の中でも問題が出ているのです。どうしてあんな会社に熱供給を請け負わせるのか、監督者がいないじゃないか、こういうような話もあるわけであります。一体通産省は、そういうところまで見て許可をしたのかどうか、私は非常に疑問がありますし、住宅・都市整備公団がかかる企業に対して九〇%の費用というものを負担金として払わなければいかぬのかどうか、私は非常に問題があると思うのであります。 この内容をさらに調べてまいりますと、この池袋地域冷暖房会社というのは、これはサンシャインの中でやっておりますけれども、地域冷暖房の中でもエネルギーの単位当たりの売り値が高いことで有名であります。しかも、ここの会社の社長さんは、新菱冷熱工業という日本でもトップのいわゆる冷暖房加工業者であります。加工という言葉が適切かどうかはわかりませんが、空調関係ではトップの企業であります。トップの企業でありますから、これは会長を通じて筑波エネルギーサービスのこれからの事業計画五十億、さらにこれからふえていくわけでございますが、その受注をすべきメーカーが資本参加をするという形になるわけですけれども、これはどう考えてもおかしいのではないか、私はこう思います。 そこで、これは公団に少し具体的にお伺いをいたします。 約五十億三千万円の総工事費、ただいまのところはまだ全額は出ておりませんけれども、二十五億四千七百八十三万程度の金が支払われておりますが、契約の内容を見てまいりますと随意契約が非常に多いわけであります。設計段階を見てまいりますと四件ございますけれども、競争入札は一件だけで、三件は随意契約です。設計ですから、余り競争入札ということもいかがなものかと思いますので、それはさておきまして、今度はプラント設備工事を見てまいりますと、十四億四千万円という一番大きいプラント設備工事が、この新菱冷熱工業株式会社に随意契約でなされておるわけであります。そのほか二件ございますけれども、一億三千九百万円は冷熱配管設備、これは冷房の方ですが、これも三社の競争入札の結果、新菱冷熱が受けております。暖房の方、温熱配管の方は、競争入札で住友が落としておりますが、これは二億三千六百万円。十四億ということになりますと、これは契約金額、落札というのですか、すでに発注した金額の約五六%近い金額になります。これはどう考えてもおかしいと思うのですが、その点は事実なのかどうか、お伺いをして御意見を賜りたいと思います。
○吉岡参考人 お答え申し上げます。 先生のおっしゃった数字は事実でございます。御質問の趣旨は、本来こういうものは競争入札にすべきではないかというお話だと思いますけれども、基本的に、正常な価格競争ということになりますと、通常競争入札であるというふうに私どもも考えております。現にこの会社におきましても、建物の工事、建築工事、配管工事につきましては、競争入札にしておると聞いております。 そこで、問題は冷暖房、特に御指摘のプラント設備でございますが、プラント地域冷暖房の会社というのは比較的特殊な仕事であり、業者数も少ないというふうに考えて、会社の方はそういう随契形式をとったというふうに筑波新都市を通じて私どもの方には回答してきておりますが、いずれにしましても、競争入札ができるだけ望ましいわけでございますから、私どもも、筑波新都市株式会社を通じて、できるだけ先生の御指摘の線に沿うような形で処理をしてまいりたいというふうに思っております。
○草川委員 理事は、その当時おみえにならなかったようでございまして、大変気の毒でございますけれども、私のいまからの問題をしっかりと受けとめていただかないと、住宅・都市整備公団は自分でお金を集めてくるわけではありません。国の財投が基本的な資金になっておるわけであります。財投の性格はいまさら申し上げるまでもなく、零細な国民の郵便貯金であり、厚生年金が原資であります。われわれの本当に零細な金が日本の政策融資としてこういうところへあらわれてくるわけであります。だから、これは慎重に使ってもらわなければ困るわけですよ。 同時に、私は、時系列に何月幾日にどのように細かくお金が払われたのかというものを一々申し上げませんけれども、とりあえず五十六年と五十七年に二億三千七百万円、いわゆる公団から筑波エネルギーサービスに工事の流れに応じて負担金が入っておるわけです。それが先ほど通産省が申された三十億の施設にいまなったわけです、ならし運転になったわけです。 昭和五十七年三月三十一日現在のこの会社の貸借対照表を見ますと、資産合計三億三千七百万円のうちに前受け金が二億三千六百九十八万五千円あるわけです。いいですか。公団から筑波エネルギーサービスに、昭和五十六年に二億三千七百万円、昭和五十七年に二十億一千五百万円払われておるわけです。時系列的にずっと見てまいりますと、五十六年と五十七年の分だけを計算しますと、これがちょうど二億三千七百万円になるのです。そうして、公団からエネルギーサービスに入ったお金がそのまま前受け金として計上されて滞留しておるわけです。 だから、これは財投の金ですから、利子がついた金ですから、本来ならば公団が利子を払わなければいかぬけれども、公団からこの会社には工事金として支払われた。工事金として支払われたら、それはすぐ払わなければいけない。それを払わずに滞留しておるわけです。そして、資産合計三億三千七百万と計上するわけですよ。一体、こんなところに利子稼ぎをさせるために財投の金が使われていいかどうか。こういうことは会計検査院が一番嫌がることです。これは建設省どうでしょう。監督をする建設省の御意見を聞きます。
○市川説明員 筑波研究学園都市の建設事業は住都公団の宅地開発事業として行われておりまして、私どもはその住都公団の宅地開発事業の業務を監督する立場でございますので、その限りにおきまして、筑波研究学園都市建設の開発事業者である公団が、開発者として地域冷暖房事業に工事負担金を払っているということまでは私ども承知してございますが、いま先生御指摘の、その負担金の支払いの具体的な内容につきましては、余り詳しくは承知してございません。 私どもが、一応一般的に理解しておるところでお答えを申し上げますと、公団がそういう工事負担金を払う例というのはほかにもたくさんあるわけでございまして、ガス事業や電気事業、みんなあるわけでございますが、一般的には工事の進捗に応じましてその都度払っていく。仮にそのタイムラグがあるといたしましても、それはほんのわずかな数日間ぐらいのものではないか、いわゆる事務処理上、手続上必要な日にちを若干滞留と言えば滞留という形になるかとは思いますが、そういう形で支払っているのでございまして、通常はそう長期間滞留するという形にはなっておらないと承知しております。
○草川委員 建設省はいろいろとかばってみえますけれども、それはだめなんです。これは明らかに、われわれもいろいろと調べた範囲でございますけれども、こういう貸借対照表、資産をつくらなければいかぬ背景があるわけです。通産省に怒られるわけですから、責任を問われるわけですから。これを滞留しないと資産が少なくなるわけですから。そんな資本金一億円ぐらいの会社でエネルギーサービスなんかできないのです。だから、何回か公団も言っているわけですけれども、本来ならば第三セクターの筑波新都市開発がやるのですよ。事実、ここでやっているのですよ。いま具体的にならし運転になったのです。熱を送るわけです。ところが、メンテナンス業務をやるのは東京瓦斯から来た人たった一人しかいないんだから、保守はやれっこないわけですよ。どこがやっておるかというと、筑波エネルギーサービスからもう一回第三セクターの筑波新都市開発株式会社にオーダーが戻るのですよ。そして、筑波新都市開発に戻って、そこから無競争で池袋サンシャインの業者である裕生興業というところの連中が現実に仕事をやっているのですよ。 われわれは見てきたのですよ。話をしてきたのですよ。ただ、きょうのこの段階では、正式な契約はまだ公団はしていないのですよ、まだならし運転だから。いよいよ営業活動になったら正規に筑波エネルギーサービスは、第三セクターを通じて池袋サンシャインの業者の裕生興業に発注するのです。現実にその人が仕事をやっているんだから。やれっこないでしょう、いまもう回って熱を送っているのですから、しかも高圧ですからね。高圧の熱を送って、そしてそれで冷房をつくるわけですから、あるいは冬になれば暖房をつくるわけですから、メンテナンスはそんな一人ではとてもできないですよ、非常に広いところですから。 だから、明らかにダミーの会社をなぜつくるのかと言うのですよ。筑波はこれからどんどん空調関係がふえるわけですから、空調業界はいま血みどろのけんかですよ。皆さん方だって、空調業界が非常に厳しいけんかをやっておるというのは知っておるはずですよ。そういう熾烈な争いの中でなぜ随意契約をやるのですか。競争させれば幾らでもいい値段がつきますよ。十四億四千万円という大きな金額で、なぜ随意契約をしなければいけないのか。 私は、このようなことを申し上げますと、筑波というのは科学技術庁にとっても——サッチャーさんが日本に来て何が見たいかと言ったら、筑波を見たいと言ったわけでしょう。フランスのミッテランさんが来たときに何を見たいのか、京都なんか見たくない、筑波を見たいと言ったのですよ。われわれにとっても、非常に科学技術のシンボルであるところの筑波の中でこのような醜い、しかも、山梨県から出た人たちが不思議と人脈で結びつくわけです。政治的な背景があるのでしょう。きょうは科学技術委員会でございますから、われわれはそういう問題提起だけをするわけでございます。 最後に、会計検査院にお伺いをしたいわけでございます。 このようないろいろなことを申し上げたわけでございますけれども、この会社では、工事をいわゆる資本参加している新菱冷熱工業等に随意契約で発注しておるということをいま申し上げたわけでございますが、トータル金額では国の金が四十五億も負担決定がされて、非常に重要な問題だと私は思うのですが、検査院の見解はどのようなものか、お伺いをしたいと思います。
○門田会計検査院説明員 お答え申し上げます。 本件につきましては、その金額のスケールの面からいたしましても、検査上の注意を引くケースであるわけではございますが、先刻来、いろいろ御論議におきまして種々貴重な問題提起があったわけでございますので、これらを検査上の有益な御示唆と受けとめまして、これはひとつ特段に行き届いた心配りをして検査をしていかなければならない、かように考えている次第でございます。
○草川委員 では、以上でこの件は終わります。ぜひ、慎重な対応をしていただきたいと思います。 最後に、厚生省に一問だけ要望を含めて申し上げておきます。 御存じのとおり、がん対策十年ということで、総理も非常にイニシアチブをとっておみえになるわけでございまして、私どももかねがね丸山ワクチンを早く薬価に収載をすべきだ、審議会の結論を求めたいということを申し上げておるわけでございます。実は、いままでこの丸山ワクチンの制がん作用について、動物実験での裏づけが非常に不足をしておるということが言われておりましたが、岡山の川崎医大の木本教授が、動物実験で非常にりっぱな裏づけがとれたという論文を発表いたしました。たまたまその論文が、アメリカのニューヨーク市立大学のマウントサイナイ医学部のがん研究で非常に権威ある雑誌に紹介をされているわけであります。アメリカ合衆国において、未認可、未市販の薬物の有効性を論ずる研究成果というものが掲載をされたということは、きわめてまれなことではないかと私は思うのですが、それだけに国際的な評価になっております。 しかし、残念ながらこのデータが、申請者のゼリア新薬工業の方から厚生省の薬事審議会の方に提出をされていないわけです。ここが実は問題なんです。これは議論したいのですが、きょうはそういう場ではございませんから問題提起だけをしておきますので、ぜひ厚生省としてもそういう事実があるのかどうか調査をし、本来ならばメーカーに、そういうデータがあるならつけて早く出せ、こう言っていただきたいわけでありますが、特定の業界にそういう指導ができないというならば、少なくともそういうデータがあるということだけの周辺の情報収集、あるいは審議会に対してそういう資料を添付をするような対応を立てるべきだ、私はこう思うわけであります。 そのことだけ、非常に強く要望をいたしておきますので、時間が来ましたからあえて答弁は求めませんけれども、十分承知をして厚生省は薬務局の方に戻っていただきたいということだけ要望をして、私の質問を終わりたいと思います。 以上です。
○永田委員長 山原健二郎君。
○山原委員 私は昨年の三月に、ランドサット問題をめぐりまして、宇宙開発の軍事利用問題について質問をいたしましたが、今回はこの問題と関連をしまして、自衛隊の基地化が進んでおります硫黄島と本土との連絡体制を抜本的に改善するため、二月に打ち上げられた実用通信衛星二号、いわゆるCS2の電話回線を防衛庁が利用できないかどうかについて政府部内で検討が始められているということが、マスコミの報道でもまた他の委員会での政府答弁でも明らかにされております。これは、宇宙開発事業団法や昭和四十四年五月九日の衆議院本会議における「わが国における宇宙の開発及び利用の基本に関する決議」にうたわれている、宇宙開発利用は平和の目的に限るとした趣旨に明らかに反するものであると思います。したがって、直ちにこの検討はやめるべきだと思うのですが、この点について科学技術庁の見解を最初に伺っておきます。
○加藤(泰)政府委員 お答え申し上げます。 CS2aにつきまして、防衛庁がこれによりまして電電公社の提供する公衆通信役務を受けたいというような希望のあることは、事務的にわれわれは聞いておるわけでございまして、ただいまも先生がおっしゃいますように、関係する省庁の間で、これが従来の国会の御決議あるいは宇宙開発事業団法等に照らしてどのような位置づけになるであろうかというようなことの検討を開始しているわけでございます。もうすでに検討する必要がないのではないかといったような御意見ではございますが、われわれとしましては、いろいろなケースを求めて、いろいろな角度から十分に検討を行う必要があると思いますので、そのような観点から関係する省庁で現在検討を進めているというわけでございます。
○山原委員 防衛庁の方の具体的な要請はどういう中身なんですか。
○加藤(泰)政府委員 現在までの段階は、防衛庁の方から正式な計画の提出があったわけではございませんが、事務的にわれわれが防衛庁の方から伺っている範囲におきましては、電電公社が提供する公衆電気通信役務の提供を硫黄島との間で受けたいというのがその趣旨の大要であろう、かように存じます。
○山原委員 その役務の提供の一環として、硫黄島に地上局を設けるように公社に要請をしているということではありませんか。
○加藤(泰)政府委員 地上に通信局を設けるというような点につきましては、これはいわば科学技術庁の方の管轄と申しましょうか、むしろ防衛庁が電電公社の方に対してどのように要求をされるかというところでございますが、そのような詳しい契約の内容については、科学技術庁の方では伺っておりません。
○山原委員 防衛庁通信課長においでいただいておりますが、公社に対して地上局設置の要請をされておりますか。
○諸富説明員 お答えいたします。 現在のところ、まだ公社に対して正式に地上局の設置ということで要望したことはございません。政府内でその可能性について、いまいろいろ検討しているという段階でございます。
○山原委員 文書であるかどうかわかりませんが、正式の要請はしていないけれども政府間の調整は図っておるということですね。 この硫黄島には、自衛隊関係者以外の一般島民はおりません。当然、自衛隊のみが利用することになるわけでございます。しかも硫黄島は、五十六年度の防衛白書でも、自衛隊の訓練基地として整備しつつあるとされているところでございまして、地上局が設置されました場合に、この訓練基地での自衛隊の活動に利用されることは明らかなところではないでしょうか。 その点から申しまして、昭和四十四年の衆議院の科技特で、宇宙開発事業団法が平和目的に限りとの文章を加えまして、一部修正をして可決されました。そこでの修正案の趣旨説明では、平和目的に限りとは、非核・非軍事のことであることが明らかにされているわけであります。したがって、自衛隊の通信衛星の回線利用は、非軍事を旨とする宇宙開発事業団法や国会決議に抵触する。そのことは明らかであって、いまさら検討の余地の残っている問題ではないと私は思いますが、科学技術庁の見解をもう一回伺っておきます。
○加藤(泰)政府委員 硫黄島の方に自衛隊あるいはその他の方々がどのようにおられるかにつきましては、これは私どもつまびらかには存じませんが、先ほどからも申し上げておりますように、電電公社が提供する公衆通信役務というようなことで自衛隊がそれをお使いになるということについて、それが直ちに国会の決議あるいは宇宙開発事業団法にうたわれるところの平和目的というものに反するか、抵触するかという点につきまして、まだこれにつきましては十分な検討をする必要があると思いますので、現段階では、ともあれ関係する省庁でいろいろな角度からその検討を行っているというところでございます。
○山原委員 経過的に申し上げますと、昨年の六月に自民党の宇宙開発特別委員会が、衛星の防衛利用も含めた宇宙開発に関する提言を出しました。その際当時の中川科学技術庁長官、亡くなったわけですが、科学技術庁としての見解を談話で発表しています。その一つの内容は、わが国の宇宙開発は、国会の決議及び事業団法に沿って平和目的に徹して進められており、衛星を防衛目的に利用する点については、今後の政治レベルでの検討課題として提言されたものと理解しております、こういうふうに非常に明確に中川さんは答えておられるのです。いわゆる行政レベルでの各省庁間の話し合いではないのです。政治レベルの問題として提起されたものと受けとめているわけです。 これに対して、私が昨年の八月五日に、この委員会で当時の中川長官に対してこの質問をいたしております。それに対して中川長官は、こういう答弁をしているのです。これは同じ趣旨の答弁ですね。「政治レベルでの検討課題として示されたものであると理解はいたしておりますが、政府としては、国会決議あるいは法に従って平和利用目的に徹していくつもりでございます。」こう述べています。私は、ここへ議事録を持ってきていますけれども、非常に明確に中川一郎さんは答えておられるのでございまして、政治レベルの課題として示されたものであると理解しておりますけれども、しかし政府としては、国会決議あるいは事業団法に従って平和利用の目的に徹していくつもりでございます、これが科学技術庁のほんの最近までの態度なんですね。 だから、いま防衛庁からの要請があったからといって、それを省庁間の行政レベルで話し合う以前の問題がここで出されているわけです。今回の件については、国会での検討あるいはそれに基づく各党との合意は全くありません。そのないままで行政レベルで検討を始めていること自体が、従来の科学技術庁の立場や国会答弁をも覆すものであって、私はみずから質問をした立場から申しましても絶対に容認できないのであります。直ちにこれはとめるべきであるというふうに思いますが、再度見解を伺っておきたいのです。
○加藤(泰)政府委員 お答え申し上げます。 ただいまの前中川長官の国会答弁に関連してのお答えでございますが、たしかあの折の質疑並びにそれに対する答弁は、当時自由民主党の方でおまとめになられました宇宙開発等に対する提言に関するところの御質問であり、それに対する答弁ではなかったかと存じます。 あのときの中川大臣の、政治レベルでというような御答弁があったということは記憶しておりますが、それは恐らくあの折、偵察衛星のようなことを想定して、宇宙特におきましてもそういうようなことを考えることが必要ではないかといったような御提言に対して、そういった偵察衛星のようなものをこれから打ち上げようという点については、これは今後政治レベルでそれを考えるべきものではないか、科学技術庁の立場といたしましては、ただいま先生がお申し越しになりましたように、団法並びに国会の決議というものの趣旨に沿って進めてまいりましたし、今後とも進めていくという趣旨に変わるものではない、そのような御趣旨の答弁ではなかったかと記憶しております。
○山原委員 ちょっとわかりにくいのですけれども、非常に明確な答弁をされているわけで、まさに宇宙開発の問題についての非軍事という問題ですね。これは国会の決議としても満場一致で決めているわけですから、そういう中で中川さんはこういう答弁を明確にされているわけで、さらに申し上げてみますと、海上自衛隊の訓練基地となる硫黄島で自衛隊が通信衛星を使うわけですから、これは衛星を防衛のために利用することそのものではないか。 だから、これはことしの二月五日に民社党の塚本さんが、衆議院の予算委員会でこの問題を取り上げて質問をしておりますね。そのときに加藤さん、あなたがお答えになっているわけでございますが、これも中川さんの御発言と同じ趣旨です。それは、「わが国の宇宙開発は平和目的に限りということで、国会の御決議並びに宇宙開発事業団法第一条の規定によりまして、平和目的に限りこれを推進しているわけでございます。したがいまして、自衛隊がこれを利用するということは、これは私どもの平和の目的というのに合致しないということで、いまのところ、いままでの非軍事というところで、私どもは自衛隊がこれを使うということをいまの段階では予定していないわけでございます。」こう答弁をしている。 その後で中曽根さんが答弁をしたのが、これがちょっと問題になる答弁をしております。そこからあなたの答弁がちょっと変わってくるのですね。あなたのおっしゃった予算委員会における答弁というのは、まさに亡くなった科学技術庁長官の答弁、談話に沿ったものでございまして、それが四月二十七日になって衆議院の外務委員会で加藤さん、あなたが「舌足らずであった」、こういうふうに釈明しておられるのですけれども、私は、全く釈明の必要がない。科学技術庁の研究調整局長としての加藤さん、堂々たるものです。その堂々たる科学技術庁の平和利用に徹するという立場を私は守り抜いていいんじゃないか、そういう意味では釈明をする必要は全くないというふうに思うのです。 この点は私は、変化されたと思いたくないのですけれども、何かいまの御発言を聞いておりますと態度がもやもやっとしていると思うのですが、科学技術庁の設立の趣旨あるいは宇宙開発の本旨に従って、堂々とこのことを主張していく必要があると思いますが、その点についてもう一度伺っておきたいのです。
○加藤(泰)政府委員 二月五日の衆議院予算委員会における私の答弁に関してでございますが、私の答弁した内容はただいま先生がお読みくださったとおりでございます。 それで、これにつきましては、この前の外務委員会でも私のそれに対するところの考え方を御説明させていただいたわけでございますが、わが国の宇宙開発は国会の御決議並びに宇宙開発事業団法の趣旨に沿って進めている、今後とも進めていくという、その方針に何ら変わるところがあるわけではございません。二月五日の予算委員会で私が答弁いたしましたその答弁につきましては、その際はまだCSの2号に関する要望について防衛庁から何も聞いておらない、そういう段階であったわけでございます。事業団が打ち上げる人工衛星につきまして、防衛庁から要望があった場合におきましては、そのことが国会の決議や宇宙事業団法の趣旨に照らして一体どのような問題があるのかということについて慎重に検討する必要があることは、これはもとよりでございます。 先ほど先生もおっしゃいましたように、二月五日の答弁は確かに舌足らずな面もございました。しかしながらその真意は、自衛隊が、事業団が打ち上げる衛星を使うというような点については、いままで申し上げたようなそういった問題があるのだ、かつまた、わが国の宇宙開発は平和目的に徹して行ってきているというような背景もある。なおさらに防衛庁からもその時点では、CS2aについてどういったような使い方をしたいのだというような要望は全く聞いていなかった、そういうような段階であったために、予定もしていないというようなことの状況下であのような答弁をしたわけでございまして、真意は以上のとおりでございまして、平和目的に徹して行っている、あるいは行おうとしているというその趣旨には、変わりあるものではないということでございます。
○山原委員 硫黄島の自衛隊が通信衛星の電話回線を利用する場合、これは考えてみますと、どういう場合が非軍事的利用になるか、あるいはどういう場合が軍事的利用になるか、これは大変なことですね。どんなに省庁が集まって検討したところで、たとえば電話回線をどういう活動に使っているかという点、軍事的内容で使っているのか、あるいは非軍事的内容で利用しようとしているのかということはどこで判断するのか、あるいは電話での会話内容を一々チェックするのか、これは不可能なことですよ。そういう点から考えまして、しかも、その硫黄島には自衛隊以外の人はおいでにならないわけですから、そういう点から考えましたら、これはいまどういう行政庁が集まって検討されておるかわかりませんけれども、非常に問題のあるところです。 それからまた、いまおっしゃったように、今回の宇宙衛星につきまして要請がなかった段階の御答弁だったということをおっしゃいますけれども、実際はランドサットのときに要請があって問題になっているわけですね。ランドサットのときは、私もここで申し上げましたように、これはアメリカの観測データを宇宙開発事業団に提供を防衛庁が要請したわけです。そのときの名目は何であったかといいますと、一つは、海氷の状況をキャッチして航行の安全を図る、これは名目は確かにそれだけでございますけれども、しかし宗谷海峡を含むところのあの北方周辺の情勢をキャッチする可能性を持っていますからね。そういう問題がここで起こって、そして私どもは、さらに平和利用に徹すべきであるということを主張してきたのですが、今度の場合は、わが国の衛星を利用しようとする通信衛星、これは名目的には非軍事の口実がつけられるかもしれませんけれども、これは本当にこういう形でなし崩しになっていくわけですね。 ここでお聞きしますが、八六年の夏に打ち上げられる海洋観測衛星についてでございますけれども、この機能、性能はどんなものですか。
○加藤(泰)政府委員 いま詳しいデータをここに持ち合わせませんものですから、載っかっているセンサー等につきましての精度、機能等についての数字を申し上げるということはできませんが、海洋観測衛星一号、すなわちMOSIにつきましては、これは宇宙の上から海洋資源の賦存あるいは状態あるいは海面の色とかそういったような状態、そういうようなものを衛星上からセンシングする、そういったような目的で打ち上げる衛星でございます。
○山原委員 これにつきましても、海洋観測衛星につきましても、防衛庁筋では原子力潜水艦探知の有力手段として注目しているということが言われているわけです。これは新聞に出ているわけです。こうなってきますと、すべての宇宙衛星というのが平和目的という大原則を国会が打ち立てておりますのに、これがそういうように次々なし崩しになってまいりますと、国会の決議はどこへ行ったかわからない、こういう事態になってまいります。 だから私は、その背景としまして、すでに硫黄島にはP2J対潜哨戒機の洋上訓練が計画されておりますし、ことしの末を目途に航空自衛隊の硫黄島基地隊を設置してF4ファントム戦闘機などの夜間超音速訓練、それから長距離洋上訓練等を開始する予定という背景があるわけです。これはまさに、アメリカの日本に対する防衛力増強要求あるいはシーレーンの問題とも関連をしまして、こういう背景のもとでいま防衛庁が今回の衛星について利用を要請しているんではないかというふうに考えていきますと、ここであんまりうっかりした立場をとりますと、国会の決議なんというものは全くないがしろになってしまうわけですね。そういった点を考えましたときに、これは科学技術庁として、一つの重要な岐路に立っておると思います。そういう意味で、しっかりした立場を貫いてもらいたいということを要請しておきたいと思います。 それと関連しまして、今日までのことですけれども、いままで打ち上げられました衛星、たとえば「ひまわり」などですね、これについて防衛庁あるいは自衛隊が利用している事例はあるでしょうか。また、その要請によって政府レベルで検討した事例があるでしょうか。それからもう一つは、わが国に限らず他国の衛星データを防衛庁、自衛隊が利用している実情があるかどうか、この点を科学技術庁とそして防衛庁の方に伺っておきます。
○諸富説明員 若干所管外でございますので正確ではございませんが、現在打ち上げられております国産の衛星といたしましては、気象庁関係の気象衛星がございますが、これにつきましては、防衛庁としてはそのデータを受信しているといいますか、そういう事例がございます。あとそれ以外に、インマルサットといいますか、いわゆる航海中の艦艇といいますか艦船、そういうものに対して一部の船、南極観測艦であるとかそういうものが一部インマルサットを利用しておる、このような実情でございます。
○加藤(泰)政府委員 お答え申し上げます。 気象庁と防衛庁の間のデータの交換等につきましては、私どもつぶさに承知しておりませんが、ただいま防衛庁の方から答弁したとおりと思います。
○山原委員 長官にお伺いします。 私は、中川一郎前長官に対してこの問題で、一つは非常に警告的な意味で、宇宙開発事業というもののわが国の方針はとにかく平和に徹するという、非軍事、非核ですね、そのことを心配して質問をしましたところ、中川長官はタカ派と言われる人ですけれども、その国会決議と宇宙開発事業団の趣旨に沿ってこれに徹するということをはっきりと言われてきたわけでございますが、この点につきまして現長官の御見解を伺いたいのであります。
○安田国務大臣 たまたま党の政調におりましたので、その経緯を知っているわけであります。党の宇宙開発委員会の方でいろいろと勉強会をやられまして、一つにまとめたものが偵察衛星、こう来ておるわけであります。だからして、さあ偵察衛星となりますれば、団法並びに附帯決議、いわゆる平和に限る、この延線上のものである、こう理解しておりますので、中川大臣の答弁と私の現在の考え方とは、変わったところはございません。そのように御理解願いたいと思います。
○山原委員 その問題についてもう一回やらなければいけませんが、時間がなくなってまいりましたので、これはそういう限定したものではなくて、だからいまの御答弁はちょっと理解しがたいのですけれども、要するにわが国の宇宙開発という問題についての大原則が、いま私が申し上げました国会の決議でございます。それを科学技術庁として守り貫いていくかどうかということをお尋ねしているのでございまして、長官、わかりますか。要するに、わが国の宇宙開発という問題は平和に徹する、それが大原則として出てきておる、それは守っていかれるというお考えかどうか、その一点だけお伺いしておきたいのです。
○安田国務大臣 先ほど申し上げました私の答弁で、少し舌足らずだったかなと思いますので……。 自民党の宇宙開発委員会が提議されましたのは、防衛庁が偵察衛星としていわゆる星を云々、こういう提議でございましたから、これは団法並びに附帯決議の趣旨からいいますると問題があるぞ、だから私たちは平和利用に徹する、こういう中川大臣の答弁には変わりがない、これはもうはっきりと申し上げておきますし、硫黄島の問題につきましては、これは衆議院の予算委員会で御質疑を受けた当時と、そしていま防衛庁が一体どのようにこの星を利用するのですか、使うのですか、このいわゆる使い方の問題についてわれわれはどう対応していいのか、これがいわゆる平和利用と附帯決議とのかかわりで一体どういうかかわりを持ち、どういう位置づけになるのですか。まず、どういう使い方をするのでしょうか、こういうところで各省庁でいま検討しています、こういうことでございますから、ひとつそのように御理解願いたいと思います。
○山原委員 私は、政治レベルの問題としてはまだ未解決の問題でございますから、それをなし崩しにやられていつの間にか軍事目的に利用されるということになっては、国会の決議は死んでしまうということを申し上げております。そういう意味で、この問題はこれからさらに大きな論議を呼ぶと思いますので、この点はおきまして、最後に一問だけ。 この前の委員会で質問をいたしましたアメリカの原子力規制委員会、NRCによる全米原発調査報告書についてでございますが、五月十四日の読売新聞に出ておりますように、セーラム原発での自動停止システムの事故後、その教訓を生かすために十三人から成る特別作業班が結成をされまして、全国の原発を対象に調査した結果を中間報告としてまとめております。それによりますと、全米各地の現在稼働している八十カ所のうち、安全管理体制に手落ちがないのがわずか一カ所だったという内容のものでございまして、詳細はわかりませんけれども、非常にショッキングな報告となっているわけでございます。 これにつきましてこの前私が質問をいたしましたときに、米側の点検結果、分析を把握されまして、そして国会に対しても十分な答弁ができるよう、またその資料も提出をしていただきたいという質問をいたしましたところ、赤羽安全局長は、御指摘のとおり進めてまいりたいとお答えになりました。ぜひ、この中間報告、また最終報告が出るかもしれませんが、それを含めまして報告をし、原発安全行政を進める教訓としていただきたいと思います。この点について、通産省もお見えになっておるようですが、科学技術庁もそうですが、この中間報告書というものはもうすでに入手をされまして、分析をされているのでしょうか。
○柿沼説明員 米国の原子力発電に関します情報につきましては、日米規制情報交換取り決めというのがございまして、これによりましてわが国では、科学技術庁を窓口といたしまして入手することといたしております。先生御指摘の読売新聞に報道されました件につきましても、このルートを通じまして、報告書の内容と事実関係について米国に照会をしておるところでございます。 なお、記事にございますセーラム発電所で起きました自動停止システムの事故に関しましては、事故の直後、わが国におきましても関連する全発電所につきまして、問題がないということを調査確認をいたしたところでございますが、NRCの今回の報告書の内容を把握いたしまして、わが国で原子力発電所の一層の安全確保のために反映すべき点があれば、所要の対応を図ってまいりたいと思っております。 当省といたしましても、今後とも国内の事故情報に限りませず、海外の事故等の情報につきましてもその入手に努めまして、わが国の原子力発電所において対応する必要があれば所要の調査を行う等、適切な措置を講じまして、原子力発電の安全確保に万全を期してまいりたいというふうに思っています。
○山原委員 科学技術庁の方は、どういう対応をされておりますか。
○赤羽(信)政府委員 ただいま答弁がありましたように、まだ資料は入手しておりません。ただし、すでに通産省におきまして各発電所の点検を終えまして、その報告を安全委員会として聴取し、一応了承しております。近くNRCの報告書も、これは前半部分でございますが、いずれ後半も出るということでございますので、これをあわせて入手いたしまして検討し、その中でわが国が行った点検以上に注意すべき事項が見つかりましたら、その点についてさらに通産省に調査を求めるということがあり得ると思います。
○山原委員 終わります。
○永田委員長 次回は、来る二十四日火曜日午前十時三十分理事会、午前十時四十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後四時三分散会