運輸委員会 第1号
- 発言数
- 11 件
- 登壇者
- 3 名
- 会派数
- 1
- 開催日
- 1983/02/09
会議録
○原田委員長 これより会議を開きます。 この際、一言ごあいさつを申し上げます。 このたび、はからずも運輸委員長の重責を担うことになりました。まことに光栄に存じます。 申すまでもなく、今日の運輸行政は、国鉄の再建問題を初め、陸運、海運、航空、海上保安、気象関係等々、多岐にわたって多くの問題を抱えており、それぞれの問題解決はもとより、総合的な運輸政策の確立に寄せる国民の期待はきわめて大きいものがありますので、本委員会に課された使命はまことに重要であります。 幸い、練達堪能な委員各位の御協力、御指導を賜りまして、微力ではございますが、委員会の円滑な運営を図り、その重責を果たしてまいりたいと存じます。 何とぞよろしくお願いを申し上げます。(拍手) ────◇─────
○原田委員長 次に、理事辞任の件についてお諮りいたします。 理事鹿野道彦君から、理事辞任の申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○原田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定をいたしました。 引き続き、理事の補欠選任を行うのでありますが、先例によりまして、委員長において指名するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○原田委員長 御異議なしと認めます。 それでは、委員長は、理事に湯川宏君を指名いたします。 ────◇─────
○原田委員長 次に、国政調査承認要求に関する件についてお諮りをいたします。 運輸行政の実情を調査し、その合理化及び振興に関する対策を樹立するため 陸運に関する事項 海運に関する事項 航空に関する事項 日本国有鉄道の経営に関する事項 港湾に関する事項 海上保安に関する事項 観光に関する事項 気象に関する事項 について、本会期中調査をいたしたいと存じます。 つきましては、衆議院規則第九十四条により、議長の承認を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○原田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ────◇─────
○原田委員長 陸運、海運、航空及び日本国有鉄道の経営に関する件等について調査を進めます。 この際、運輸大臣から運輸行政の基本施策について発言を求められておりますので、これを許します。運輸大臣長谷川峻君。
○長谷川国務大臣 第九十八国会に臨み、当面の運輸行政の諸問題に関し所信の一端を申し述べ、各位の御理解を賜りたいと存じます。 わが国の経済の状況を見ますと、経済、社会の国際化の度合いが強まっているため、世界的な景気の停滞がわが国にも濃く影を落としており、諸外国に比較すれば良好とはいうものの、景気の足取りは力強さを欠いております。このため、国際関係に配意しつつ、物価の安定と民間需要の拡大に留意した機動的かつ適切な景気対策をとるとともに、経済の持続的な安定成長を図っていくことが求められております。 また、行政の姿をこれからの時代にふさわしいものにつくりかえていくとともに、多額の国債の累積を抱えた財政の再建を図るため、行財政改革を進めていくことが国民的な課題となっています。 今後の運輸行政の推進に当たりましては、このような要請にこたえながら需要構造の変化に対応し、経済の効率的な運営と国民生活の充実に資する輸送サービスを提供するよう配慮するとともに、良好な労使関係の維持、長期的展望に立った着実かつ計画的な運輸施設の整備、運輸活動の国際化の進展への対応等に配慮し、総合的な運輸政策の展開を期してまいる所存であります。 なお、申すまでもないことでありますが、安全の確保は運輸行政の基本的な課題であると考えております。まことに残念ながら、昨年は日航機羽田沖墜落事故を初めとして重大事故が相次ぎました。このような事故を二度と繰り返すことのないよう、私は、安全の確保に一層努力を傾注してまいりたいと存じます。 以上申し上げました運輸行政の推進に当たっての基本的な考え方にのっとり、当面する諸問題につきましては、次のとおり所要の施策を積極的に推進してまいる所存であります。 まず第一に、日本国有鉄道の事業の再建であります。 国鉄の経営は未曾有の危機的状況にあり、いまやその事業の再建は、一刻の猶予も許されないきわめて重大な課題となっていると考えます。 昨年の臨時行政調査会第三次答申において、経営形態の変更を含め、国鉄の抜本的な改革方策が提言されたところでありますが、政府といたしましてもこの答申に沿って、五年以内に国鉄の事業再建の全体構想を設定し、その実現を図ることといたしております。 このため、政府は、国鉄の経営する事業の再建の推進のために国が講ずべき施策を定めるとともに、日本国有鉄道再建監理委員会の設置等を内容とする日本国有鉄道の経営する事業の再建の推進に関する臨時措置法案を提出しているところであります。速やかにその成立を図り、国鉄の事業の再建を軌道に乗せる必要があると存じております。 また、政府は、昨年九月に「日本国有鉄道の事業の再建を図るために当面緊急に講ずべき対策について」を閣議決定したところであり、これに基づいて職場規律の確立、新規採用の原則停止、設備投資の抑制、貨物営業の合理化、地方交通線の整理の促進等の緊急対策の推進に努めているところであります。五十八年度の国鉄の予算案においては、運賃改定は見送り、積極的な営業施策の展開により収入の確保に全力を挙げるとともに、対前年度比二万二千六百人の要員縮減や、工事規模の大幅な圧縮による経費節減等に一層の努力を傾注することといたしております。運輸省としては、今後ともさらに強力に経営改善のための措置を講ずるよう国鉄を指導してまいる所存であります。 第二に、運輸関係社会資本の整備についてであります。 わが国の産業活動や国民生活の基盤である運輸関係社会資本については、厳しい財政事情のもとではありますが、今後とも計画的かつ着実な整備を図ってまいる所存であります。 まず、港湾につきましては、海上輸送需要への対応、エネルギーの安定供給の確保、地域振興、海岸保全等の観点から、流通拠点港湾、エネルギー港湾、地方、離島の港湾等の整備を促進するとともに、海岸事業の推進に努めてまいる所存であります。 空港につきましては、将来の輸送需要に適切に対応できる航空輸送網の整備を進める必要があります。このため、輸送網の中核である首都圏、近畿圏の空港の整備を推進するとともに、地方空港についてもジェット化等の整備を進めてまいります。 関西国際空港につきましては、二十四時間運用可能な空港を大阪湾泉州沖に建設するため、各種調査を進めてきたところであります。今後は、できるだけ早い時期に関係閣僚会議を開くよう、関係方面との連絡調整を行うとともに、来年度は着工準備調査費を新たに計上し、着工のための準備を進め、その早期建設に全力を尽くす所存であります。 東京国際空港の沖合い展開につきましては、関係方面との調整もほぼ終了しておりますので、五十八年度には着工し、その建設を推進してまいる所存であります。 国鉄につきましては、厳しい経営状況のもとで、安全確保のための投資のほか、東北新幹線の都心乗り入れの工事、通勤別線の工事等、緊急を要するものに限り工事を進めることといたしております。また、整備新幹線の今後の進め方につきましては、従前からの方針に沿い、関係機関等と協議をいたしてまいる所存であります。 第三に、地域交通政策及び物流政策の推進であります。 地域交通は、地域社会づくりの基礎となるものであり、今後とも地方公共団体の協力を得ながら、地域ごとに策定する交通計画を指針として、地域の交通需要に対応した交通体系を形成してまいる所存であります。 都市交通の分野では、都市高速鉄道、都市バス等の整備改善を進め、公共交通機関を中心とする交通体系の確立を図る所存であります。特に東京圏については、周辺部の人口増加による通勤輸送の混雑等の状況が生じているため、今後の交通網のあり方について運輸政策審議会に諮問し、整備計画の見直し等をお願いしているところであります。また、地方交通の分野では、地方バス、中小民鉄、離島航路に対する助成等により、公共交通の維持整備を図り、地域住民の円滑な日常生活に資するよう努めてまいる所存であります。 次に、物流政策の推進に当たりましては、産業及び輸送の構造の変化に伴い、著しく多様化する利用者ニーズに適合した効率的な輸送サービスを提供するよう配慮いたしたいと存じます。このため、荷役の合理化、輸送効率の改善等、物流効率化のための方策、情報システムの活用等、物流近代化のための方策を中心に施策を展開してまいる所存であります。 第四に、海運の体質強化、造船業の経営の安定化及び船員対策の充実であります。 周囲を海に囲まれた資源に乏しいわが国にとって、海上輸送力の確保はわが国の経済安全保障の見地からも重要な課題であります。このため、外航海運につきましては、計画造船制度により、日本船を中核としたわが国商船隊の整備を図るとともに、内航海運につきましては、現下の不況を克服するための対策を推進するとともに、船舶の近代化を図ることといたしております。 また、世界経済の停滞等を反映し、造船業の経営は再び厳しい事態に直面しております。このため、国内船及び輸出船の建造につきまして財政資金の確保を図り、造船業の経営の安定化に努めてまいる所存であります。 さらに、船員対策につきましては、昨年改正されました船員法等の適切な運用を図るとともに、これに対応した船員の教育訓練体制の整備に努める等により、新しい船員制度への円滑な移行を推進する所存であります。なお、最近における船員の雇用情勢は依然として厳しいことにかんがみ、船員雇用対策を今後とも積極的に推進してまいる所存であります。 第五に、国際問題への対応であります。 わが国の経済社会の国際化の進展等に伴い、運輸行政の分野におきましても、国際関係への配慮が強く求められております。このため、開発途上国の経済発展の基盤となる鉄道、港湾、空港、船舶等の整備に関する経済技術協力につきましては、関係省庁と連携しつつ、積極的にこれを推進してまいる所存であります。特に、第二パナマ運河建設構想につきましては、わが国及びパナマ、アメリカの三国間で開催されております調査準備委員会に積極的に対応してまいることといたしております。 また、国際協調、国際協力を進展させる前提として重要な国際間の相互理解を図るため、国際観光を振興し、人的交流を促進してまいりたいと考えております。 航空につきましては、昨年九月、暫定取り決めの形ではありますが、日米航空関係の不均衡是正に向け前進を見たところであり、今後とも不均衡是正を図ってまいる所存であります。また、その他の諸国との間におきましても、必要に応じ航空協定の締結、改定を行うこととし、国際航空網の充実と、国際航空の公正かつ秩序ある発展を図るべく努力してまいる所存であります。 次に、海運につきましては、開発途上国による国旗差別政策の強化、便宜置籍船の排除の要求等により、国際海運秩序は大きく揺れ動いており、国際的動向に配慮しつつ、所要の方策につき、検討を行っているところであります。 第六に、新海洋秩序等への対応策の推進であります。 海洋問題につきましては、昨年、国連の場において海洋法条約が採択されましたように、船舶の航行、深海底資源の利用等に関する新海洋秩序についての世界的な合意が形成されつつあります。また、捜索救難に関する役割りの分担等を行おうという国際的な動きもあらわれてきております。このため、海洋の開発及び利用の促進に資する技術の開発、海洋の調査等を推進するとともに、広域哨戒体制、船舶動静把握のための体制等を計画的に整備してまいる所存であります。 第七に、運輸に係る安全、環境対策及び防災対策の推進であります。 安全の確保は、運輸行政にとって最も重要な課題の一つであると考えております。このため、海上保安体制の強化、交通安全施設の整備、宿泊施設及び輸送機器の安全性の確保等を図るほか、交通事故被害者の救済対策の充実にも努めてまいる所存であります。 昨年、航空機事故が相次いで発生したことはきわめて遺憾なことであります。直ちに各事業者に対して乗員の健康管理、機材の整備等に万全を期し、再発防止に全力を挙げるよう、強力に指導監督を行ったところであります。なお、乗員の健康管理のあり方については、航空審議会の結論が得られ次第、所要の改善措置を講ずる所存であります。 また、航空機騒音、新幹線鉄道の騒音、振動、自動車の排出ガス、騒音等の交通公害の防止対策につきましては、発生源対策や周辺対策を引き続き推進してまいる所存であります。 海洋汚染の防止につきましては、法令の整備を進めるとともに、今後とも監視、取り締まり体制の強化、環境整備事業の推進等の施策を講ずる所存であります。 なお、自動車の検査整備制度の改善につきましては、昨年、車検期間の延長等を内容とする法律が成立いたしましたので、その円滑な実施に努めてまいる所存であります。 次に、防災対策についてでありますが、台風、豪雪等について早期的確な把握とその予警報を行うため、静止気象衛星の整備、気象資料伝送網の整備等により、気象業務体制の一層の充実強化を図ることといたしております。また、引き続き海上防災体制を充実するとともに、大規模地震対策につきましても遺漏なきを期してまいる所存であります。 このほか、運輸部門における利用者保護対策、エネルギー対策、身障者対策等の推進を図るとともに、運輸関係技術の開発の推進、観光レクリエーション施設の整備等に努めてまいりたいと考えております。 以上、運輸行政の当面の諸問題について申し上げましたが、これらは申すまでもなく委員各位の深い御理解を必要とする問題ばかりでございます。終わりに当たりまして、重ねて皆様の御支援を心からお願いいたす次第でございます。
○原田委員長 次に、昭和五十八年度運輸省及び日本国有鉄道の予算について、運輸政務次官から説明を聴取いたします。運輸政務次官関谷勝嗣君。
○関谷(勝)政府委員 昭和五十八年度の運輸省関係の予算について御説明申し上げます。 まず一般会計について申し上げますと、歳入予算総額は二千五百八十三億三千二百四十二万八千円であり、歳出予算総額は、他省所管計上分一千百八十五億一千三百三十三万八千円を含め一兆五千百八十九億四千七百九十七万一千円でありまして、これを前年度予算額と比較いたしますと、比率で二・三%の減少になっております。 次に、特別会計について申し上げます。 自動車損害賠償責任再保険特別会計につきましては、歳入歳出予算額一兆七千七百六億八千六百万円余、港湾整備特別会計につきましては、歳入歳出予算額三千三百六十三億八千六百万円余、自動車検査登録特別会計につきましては、歳入歳出予算額三百七十一億八千百万円余、空港整備特別会計につきましては、歳入歳出予算額二千五百二十四億五千七百万円余をそれぞれ計上いたしております。 また、昭和五十八年度財政投融資計画中には、当省関係の公社公団等分として一兆七千四百十五億円が予定されております。 運輸省といたしましては、以上の予算によりましてまず第一に日本国有鉄道の事業の再建を推進することといたしております。 国鉄の事業の再建につきましては、昨年九月に閣議決定した「日本国有鉄道の事業の再建を図るために当面緊急に講ずべき対策について」に基づいて、職場規律の確立、新規採用の原則停止、設備投資の抑制、貨物営業の合理化、地方交通線の整理促進等の緊急対策の推進に努めているところであります。 五十八年度におきましては、運賃改定は見送り、積極的な営業施策の展開により、収入の確保に全力を挙げるとともに、予算人員二万二千六百人の縮減を初め、工事規模の大幅な圧縮等、経費の節減に一層の努力を傾注することを前提として、総額七千三十億円の助成を行うことといたしております。 第二に、交通基盤施設等の整備を促進し、国民生活の安定向上を図るため、港湾、海岸及び空港の各部門について、五カ年計画に基づいて、それぞれの事業の計画的かつ着実な推進を図ることといたしております。 また、鉄道につきましては、東北新幹線の都心乗り入れ工事、都市高速鉄道の整備等を推進することとし、整備新幹線の今後の進め方については、従前からの方針に沿い、関係機関等と協議をしていくことといたしております。 第三に、海運、造船対策といたしまして、貿易物資の安定輸送を確保するため、財政資金により外航船舶の整備を促進するとともに、造船業の経営安定化のため、船舶輸出の確保を図るほか、過剰施設の処理に関する助成を行うことといたしております。 また、船員対策といたしましては、船員雇用対策及び船員教育体制等の整備を積極的に推進することといたしております。 第四に、広域化、多様化する海上警備救難業務に対処し、船舶の航行安全体制を確立する等のため、巡視船艇及び航空機の整備を推進するとともに、海洋情報システムの整備を進めるほか、海洋調査の充実強化を図ることといたしております。 第五に、経営改善に努力している地方バス、中小民鉄、離島航路等に対し、地方公共団体と協力して助成を行い、国民の日常生活に不可欠な公共交通サービスの維持、確保に努めてまいります。 第六に、安全防災及び環境保全対策といたしましては、広域的な気象観測に重要な役割りを果たす静止気象衛星三号の打ち上げ計画を引き続き推進するとともに、地震、火山対策、交通安全対策、交通被害者救済対策、空港周辺対策等の充実強化を図ることといたしております。 このほか、国際海上輸送路の整備等のための国際協力を推進するため、所要の調査を行うことといたしております。 なお、運輸省関係予算の部門別の重点施策の概要につきましては、お手元に配付してあります昭和五十八年度運輸省予算の説明及び昭和五十八年度日本国有鉄道予算の説明によりまして御承知願いたいと存じます。 以上をもちまして、昭和五十八年度の運輸省関係の予算についての説明を終わります。
○原田委員長 次回は、来る十五日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午前十時五十四分散会