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96回国会参議院1982/07/01

予算委員会 第24号

発言数
173
登壇者
21
会派数
4
開催日
1982/07/01

会議録

植木光教自由民主党

○委員長(植木光教君) 予算委員会を開会いたします。  予算の執行状況に関する調査を議題といたします。     —————————————

植木光教自由民主党

○委員長(植木光教君) まず、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  予算の執行状況に関する調査のため、本日の委員会に日本銀行総裁前川春雄君を参考人として出席を求めることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

植木光教自由民主党

○委員長(植木光教君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  なお、出席時刻等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

植木光教自由民主党

○委員長(植木光教君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。

植木光教自由民主党

○委員長(植木光教君) 昨日に引き続き、質疑を行います。大川清幸君。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 経済見通しとかあるいは歳入欠陥についての論議は、衆議院の予算委員会並びに本参議院の予算委員会でも繰り返し論議をされましたので、重複を避けて財政運営の問題からお伺いをいたしたい、こういうふうに思うわけですが、その前に、きのうのきょうでございますので念のためお伺いをいたしておきますが、昨日の予算委員会の外務大臣の御発言ですが、国連の平和維持機能強化のための日本の役割りに関して、国連監視団などへの自衛隊の参加は今後検討していい事項と思う、こういう御趣旨の御答弁でございます。これは派遣問題についての従来の政府見解と違う部分があるんではないかと思いますが、この点はどのように理解したらよろしいんでしょうか。

櫻内義雄自由民主党外務大臣

○国務大臣(櫻内義雄君) 昨日秦野委員の御質問にお答えしておるわけでありますが、国連の平和維持軍、これはその平和維持の上に武力行使などが伴いますから、憲法上そういうものに派遣のできないことは明白であると。しかし、国連の監視団については憲法上は問題がないが、もし監視団に日本から派遣をするという場合は自衛隊法の改正の必要があるという、そういう御説明を申し上げたわけでございます。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 自衛隊法の改正をしなければこれは可能にならないわけですが、そういう方向を検討していい事項だというふうに認識していらっしゃるんですね。

櫻内義雄自由民主党外務大臣

○国務大臣(櫻内義雄君) これは検討といいますか、研究事項ではないかと思うんです。そもそものきのうの御質問の一番の根本は、国連の平和維持機能の強化についてどうするかと、こういうことが秦野委員の御質問の根底であったと思うのであります。従来、日本は国連に対してそういう場合に財政上の支援はいたしておりますが、特段のことはしておらないわけであります。そこで、昨日の場合は、ナミビアの選挙監視などの場合に要員やその選挙監視に必要な資機材の提供、こういうものは現在でも考えられるのではないかと。しかし、この平和維持機能の強化の一翼として国連の監視団について考える場合は自衛隊法の改正の必要があって、それは私のお答えの趣旨としては、そういうものは研究をするのがいいんではないか、こういうことでございます。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 いろいろの条件をつけてお話しになったのですが、いずれにいたしましても自衛官を海外に派遣するという事実問題についてどう取り扱うかということを検討する方向がよいという御答弁のように私は受け取ったのですが、総理、それは同一の路線で検討なさるお覚悟なんですか。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) いま政府が取り組んでおりますのは、私の国連の演説に基づきまして、国連の平和維持機能に対して日本が憲法その他の制約の中でどのような有効な協力ができるかと、どういうことをなすべきかと、こういう問題を研究いたしておるところでございますが、自衛隊法の改正などは考えておりません。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 そうするとちょっと、自衛官を海外へ平和維持のための機能として働かせるためとしても、外務大臣は検討する方向がいいと言うし、総理は考えてないと言うし、ここで論議していても時間がなくなりますから、閣内に自語相違があるということの確認だけしておきますよ。自語相違ありますよ。閣内不統一ですよ、この問題については。  次に、財政運営の問題で逐次伺っていきたいんですが、(「もう少し詰めなければ」と呼ぶ者あり)一致の見解いただきましょうか。ずれた点だけ調整していただけますか、どうですか。

櫻内義雄自由民主党外務大臣

○国務大臣(櫻内義雄君) 私の昨日の言葉の中で、検討という言葉が直ちに自衛隊法改正につながるとは私は思っておらないのであります。ただいまも申し上げたように、平和維持機能の強化にどうやって日本もこれに支援するかというような点から、国連監視団の場合であれば自衛隊法の改正の必要がある、そういうことは研究をしておいたらどうかと、こういうことで、総理はいま改正を考えておらないと、こういうことであればそのとおりでございます。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 これは論議果てしなくなっちゃうんですよ。政府の姿勢はどっちが本物なんですかね。財政再建の方の、後でお話しをしますが、この方は後ろ向き、こっちの派遣の方なんかになると前向き。だけれど、どんな条件であろうと、自衛官派遣については自衛隊法を変えなきゃだめでしょう。変えないとおっしゃっている。いつまで変えないんですか、ずっと変えないんですか、自衛隊法は。考えていないんですね、自衛隊法を変えることについてはずっと考えていないんですね。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) どうも議論が未来永劫というようなことなんですが、鈴木内閣におきましては、自衛隊法の改正までは、この国連の平和維持機能の強化に協力するに当たってそこまでは考えていないということを申し上げておきます。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 時間なくなりますから、どうも明確に閣内の発言というか、考え方が違うことだけ確認をいたしておきます。  そこで大蔵大臣、五十六年度の補正予算、これは五十五年度の補正ベースで補正をして出されて、この委員会で五十六年度の補正予算の審議をした際に、私は繰り返し再補正の必要はないんですねと伺ったんですよ。再補正の必要はないと。まあ、五十七年度の予算が出ていたから、言えなかったのは私は好意的に考えて理解できるんですけれども、あのときの御答弁の様子を見ていると、全く自信に満ちておられましたね。ごりっぱなものだと思っておったんですよ。ところが、財政運営の対処と方針というのをようやく大蔵省でお出しになった。これを見ると、結果的には五十六年度の歳入欠陥は二兆五千二百億で、プラス・マイナス一千億円ですか、もうこれ大変な違いです。  そこで、この問題はさんざん論議されていますから先へ進めまして、去る四月二十二日の参議院の大蔵委員会、ここでわが党の矢追委員が税収見込みについて、参議院予算委員会では言明を大蔵大臣はずっと避けてこられた、ところが参議院の予算委員会で五十七年度の予算が四月五日に通過をした。それからたった三日、舌の根も乾かない四月八日の経団連会館の信託会議で、突然二兆円前後、そのぐらいの歳入欠陥が出そうだ、心配だというような御発言をなさっている。このことについては参議院の予算委員会軽視ではないかという意味の質問をした。そのときに、大蔵大臣の答弁は、「私の方としては根拠がないわけですから、」云々と、こういう御答弁に委員会記録はなっているんです。根拠がないという言い方は、ちょっと私はどういう意味でおっしゃったのかよく理解できないので、この辺の御説明をお願いいたします。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 正しく記憶をいたしておりませんが、要するに補正予算を組むときに、四千五百億円というので足らないんじゃないかと。もっとたくさん、一兆何千億とか民間や何かで言っていた人があることは私も知っていますよ。だから、そういうふうにもつと大きく組んだらいいんじゃないのかというようにとったわけですが、予算を組むときには物品税とかそういうようなものが案外よく伸びておったと、これは私に聞くよりも事務当局からの方がいいと思うんだけれども、十二月では一三・八とか、一月は一二%とかというように税収は案外伸びがよかったんですね、一時的であるけれども。それで九月の法人税などというのはかなり伸びがよかった。  ところが後になってわかったことだが、法人の大宗をなす大部分のものが九月決算でなくなっちゃっておって、数年前のように年二回決算で、九月決算で一回わかって三月でまたわかったということでなくなっちゃって、最近ここ一、二年みんな銀行も含めて三月決算だけになっちゃった。そのために全体の全貌がつかみ切れなかったということが一つございます。ただ、わかっていることは、源泉税とか物品税とかの申告が前半、予算に対して伸びが悪い、毎月月報でそれはわかった。したがってそのわかった分だけ、はっきりしたと思われるものを修正をしたのでございますということを申し上げたわけです。  ところが予算委員会になりましてから、それも参議院の後になってきてから、二月の税収が出たのが四月八日でしたかね、発表になったのが八日ころなんです。私の手元へ来るのは前の日ぐらいなんですね、実際私のところへ上がってくるのは……

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 二月のは三月に上がってくるんですよ、大臣。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) いやいや、私のところへは上がってこないんですよ。要するに、あした発表の前の日ぐらいに、これで新聞発表するけれども——事務的な話ですから、これは。これしたいと言うから、これはもうもちろん結構なことだ、ずいぶんしかし落っこっちゃったなというようなことで言ったわけでして、全く心配がなかったと言ったらまあどうかと思いますが、心配はないことはないんです、いろんな議論があるから。ただ、幾ら減るかということについてはそれは全くわからない、数字的に。それは事実なんです。しかし、発表もないうちに数字を言うわけにもちろんいかない。それから心配があることも事実。  したがって、三月のたとえば二十九日、中野鉄造委員から質問がありました。そのとき私は、実は心配しているんですと、多いときは二〇%、それからあるいはそのぐらい上下違ったこともございますし、それから普通一〇%から五%食い違いが毎年のように実はあるのでございますと、しかしいまのところ、幾ら幾らという数字はまだ持っていないので、そのことははっきり申し上げることはできないと私言ったんです。主税局長も、三月決算が残り、確定申告の結果がわからないと、法人の申告がわからないと、だから見積もりとしてはほかにはっきりした置きかえる数字がないということを言ったのは事実でございます。  四月二日にも私は衆議院の大蔵委員会で、なかなか愁眉を開くに至らないんだということを申しております。四月六日の日も戸田さんという社会党の人の質問に対して、大変心配して、非常に不安なんだということを言っております。それから七日の日に、実は一〇%か、一〇%もないかもしらぬ、数%。私の第六感だが数%の高い方の可能性があるかもしらぬということを申し上げた。だんだんに少しずつ、ぼやあっとしながらわかってきたということが事実であって、決して作為的ではないということだけは御了解をいただきたいと存じます。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 作為的であったかどうか、レントゲンかけてもわからないからここでは追及しませんけれども、とにかく大臣は細かいことはわからないというのはよく立場上わかるのですが、事務当局なんか百年も税収を担当してきたベテランぞろいで、大臣のお言葉をかりると専門家だそうですよね。  そこで、確かに一切の歳入歳出の出し入れあるいは決算事務、こういうものが終了してみなきゃ確定的な数字がわからないことはわかるんです。それで経済見通しや税収見込みについても、一〇〇%当たるなんて思っていません。大臣が繰り返し御説明になっているとおりです。ただ、大臣は当たらないのを自慢みたいに御説明になるから、少しどうかなと私は思うんだけれども。素人の私でも、あの予算委員会のときに私が取り上げて、歳入欠陥が少し規模が大きくなりますよという意味では、政府が毎月発表する対民間収支の税収分を、年度初めの四月から二月までの実績、これに三月の政府の予想を加算しまして、そして資料を挙げて大臣に伺った。  この対民間収支の税収というのが国税ベースの税収と違う点は、御承知のとおり公務員の所得税や日銀の法人税等国庫内振りかえ、これをしなきゃそれだけのずれの出るのはわかっていますが、これ大体推測つくわけですから。ところで、この対民間収支というのは一カ月以上も早く発表されるんですよ、毎度。ですから、二月の時点の税収実績のこと、これから三月のこうした政府で発表した見込みを入れて、民間の収支動向というのを反映しているこの数字を見ますと、四月発表の二月の国税庁ベースの報告、何%ぐらいというのは、三月に論議したときにおわかりになっているはずなんですよ。  私は、だからそういう意味でと、根拠がないというのはおかしいと、大体大幅税収欠陥が出ることは、金額は詰められないかもしれないけれども、一兆円ないし二兆円前後大きくなるなということはおわかりになっていたのだろうと思うけれども、私は三月十五日と何日かな、二回にわたって質問したときは全くお答えない。中野鉄造さんのときにやっと心配だと小さい声でおっしゃった。根拠はあるんじゃないですか。税収欠陥が出そうだという根拠についてはやはり十分あるのだし、事務当局も持っていたと思いますけれども、違いますか。

梅澤節男大蔵省主税局長

○政府委員(梅澤節男君) ただいま委員御指摘の税収見積もりの件でございますが、当委員会におきましてたびたび大蔵大臣から御答弁申し上げておりますように、五十七年の予算審議が行われておりました時点で判明いたしておりました税収実績は、五十六年の一月末の税収でございます。それが四月に入りまして判明いたしました二月の税収、これで伸び率が非常に急激に鈍化したということで、少なくとも五十七年度予算が審議されておりました時点で、歳入見積もりの事務当局の私どもといたしまして、五十六年度の補正後の税収は何とか達成できると考えておったことは事実でございますが、四月に入りまして急激に税収の実績の伸びが鈍化したと。  御案内のとおり、もちろん税収の足取りの背景には、大きく申しまして実体経済の動きもございますけれども、私ども税収見積もりといたしましては、予算は単年度でございますので、年度内に一体どれだけ入ってくるかという問題がございます。したがって、マクロの議論と年度内に幾ら入ってくるかという議論は、あくまでも税収の実績を見まして、これはタイムラグがございますから非常にむずかしい問題があるわけでございます。  ただ、今回非常に苦い経験を私どもいたしたわけでございまして、今回の問題について、いろいろな点で私どもいまチェックをいたしております。そういう点につきましていろいろ申し上げることは非常に弁解じみた議論になりますし、私どもの本意ではございません。今回の経験を生かしまして、いろいろな工夫を重ねながら今後見積もりの精度を高めてまいりたい、こういうふうに考えております。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 それでは、後で論議しようと思ったのですが、ちょっと伺っておきますが、決算調整資金を創設した当時の委員会のやりとりがあって、これは、決算調整資金に逃げ込んじゃいけないよと、財政運営はちゃんとやりなさいと、わが党の多田議員の質問があったときに——これは警告ですよ、財政当局に対する。当時の主税局長答弁は、三月初旬まで判明すれば補正予算を組む、安易に本制度に逃げ込むことはしない。しかも三月段階の税収については不確実要素は二つしかない、申告納税と法人税だと。この二つのうちの法人税のうち、特に中小法人が多いために、違っても五、六%の誤差ですよと。そんないいかげんなことはしませんよと答弁しているから、あの当時の主税局長答弁ですと、大体この三月ごろにはどのぐらいの税収か何かというのはわかりますと言うんです。いまの方がそういう推測能力は財政当局はがたんと落ちたということなんですか、どうなんです。ちょっと皮肉で済みませんが、そういう答弁するのなら聞いておかなければ。

梅澤節男大蔵省主税局長

○政府委員(梅澤節男君) 五十三年の段階で決算調整資金制度をお願いいたしましたときに、そういう議論が行われたことは私ども十分承知をいたしております。現時点で非常に問題になりますのは、これもたびたび当委員会で政府側から御説明申し上げた点かと存じますが、こういう経済の激変期におきまして、一番見積もりがむずかしいのは法人税でございます。  過日、私ども各国の歳入見積もりの状況を調査してまいったわけでございますけれども、異口同音に申しますのは、法人税の見積もりが一番むずかしい。各国の精度が、わりあい歳入見積もりが高いのは、たとえば付加価値税というような間接税は比較的狂いが少ないわけでございます。私どもの過去の税収の見積もりの実績を見ましても間接税は比較的狂いが少ない。特に法人税の場合は五十三年度で制度の改正をお願いいたしまして、こういう財政事情でございますので、三月決算の法人税収を当年度の歳入に繰り入れていくということをお願いしたわけでございます。これが判明いたしますのは実は五月でございまして、先ほど私いろいろな点で今後チェックしなければならないと申し上げましたのは、たとえば現時点でございますと、これは決算後二カ月後に申告され納付されるものでございますから、私ども税収見積もり当局に実績が入ってくるのは非常に遅うございます。こういう点、もう少し激変期には工夫をしながら早く情報をとるようなシステムを何か考えなければならないのじゃないかというふうなことも検討しなければならないということで先ほど申し上げたわけでございます。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 それではもう一つくどいようですが申し上げましょう。  私がこの予算委員会で御質問したときに、先ほど言ったように、対民間収支ベースの材料というか根拠を挙げて質問をして、大蔵大臣が御答弁に立つ前に、そのときの前川日銀総裁は私の質問に対してこういうふうに答えている。これは委員会記録がここにありますけれども、三月中の税収の見込みは二兆八千五百億円程度、したがって五十六年度中はこれをもって計算いたしますと二十八兆百億円ということですと、大変明快な御回答なんです。日銀さんの方では従来の対民間収支ベースでずっと計算なさって推測すると二十八兆、そうするとちょうど補正後の三十一兆幾ら、大体二兆円違いますな。日銀さんでもほぼ推測は正確にこれはついていたんですよ。見込みが違うことについて私は責めていないのです。大違いについては責任あるでしょう、大臣、どうなんですか、こういうふうに根拠があるのに。重ねて御答弁してください。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 当然見積もりが違うということについては責任がございます。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 ずいぶん率直に認めましたね。責任があるので後の始末をこれはちゃんとしなければいけない。大臣、その方がまだ責任重大なんですよ。  そこで、憲法八十六条はもう大臣御承知のとおりですが、「内閣は、毎会計年度の予算を作成し、国会に提出して、その審議を受け議決を経なければならない。」となっています。この憲法の規定は、やはり財政民主主義の上からいって、この予算委員会でこうして質疑応答やりとりして、時間が済んでこれは国会が通ればいいという問題じゃないですよ。何で私たちは、こんな各党も心配して、税収見積もりを昨年五十六年度の分を心配して五十七年、五十八年の財政運営まで心配してくどいように繰り返し大臣の考え方を聞いているか。これは国民の生活への影響や今後の財政運営、これは大変なんですよ。したがって、見込みが外れることについては、決算調整資金ぐらいで間に合うならば何も言いません。こんなに大外れでいて財政民主主義も何もありますか。何のために予算委員会をやっているんですか。足らないという推測がついたときに、ある程度の方向で誠意ある答弁をするなり対処するのがあたりまえでしょう。だから予算委員会軽視だと言われるんですよ。予算委員会なんかやる必要ないじゃないですか、こんなに大違いで。これで責任を感じていますだけで済む問題じゃないですよ、本当は。予算委員会をとめて、あのときからの不誠実についてはちゃんと理事会か何かでしてもらう必要があるくらいの問題ですよ、これは。新聞でも毎日報道しているじゃないですか、頼りない審議と。質疑の方も問題かもしれぬけれども、政府の答弁は全部後送りで逃げている、まことにむなしいと言っています。これを、財政を担当する大蔵大臣の誠意を僕はいままでの答弁を聞いていて疑うんですよ。腹を決めて財政再建に取り組むんでしょうね。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 腹を据えて取り組むつもりでございます。  三月もわれわれとしてはやはりどうしても願望を持ちますから、それは十二月、一月が税収がぐっと伸びれば二月、三月もこの調子でいくんじゃないか。また、いってもらいたいという気持ちがあることは間違いないです。それが三月の末のころになってきてどうしても心配が出てきたと、三月二十五、六日ごろから。それがだんだん数字が固まってくるにつれて、とてもこれはもう急激に落ちて、十二、一、二のようなペースではいかないということがやや確定的に予想されるようになったわけです。それも事実なんです。しかしながら、じゃ数字で法人税で何ぼ足りないのだと言われますと、全体の趨勢としてはわかるけれども、内訳を分解してどこで幾ら、どこで幾らと、申告がまだ出てない段階ですからね、それが、まして九月決算というのが法人であったときには、前半のことが、しっかりしたものが十二月ごろから一月にかけてはっきりわかるわけです。ところが、今回はもうそれがないわけですよ。そういうところで自信がないということも事実。だから、数字的にそれじゃ幾らおまえ違うのだと言ったって、何ぼ法人が申告足りなくなるのだと言われても、一年間の前の半分の申告があればそれを基礎にしてあとの半分というものを出せるが、一年決算になってそれがなくなっちゃったわけですから、そういう点で、確たるはっきりした自信を持って幾ら幾ら直すと言える根拠が私になかったということを申し上げたのであって、全体としてアバウトで、こういう傾向だからアバウトで直すべきだというように割り切っちゃえば、それはまた一つの方法かもしれません。しかしながら、予算書を提出するという場合になりますと、後で今度は説明を求められるわけですね。何でそれじゃ、法人税がまだ申告もないのに何ぼ下がったと言うけれども何でわかるのだね、九月の決算もないのに何でわかるのだねと。それは全体の大勢で割り出せばそうなんだと言って御了解いただければ、これも私ども一つのやり方じゃないかと思うわけですが、そういう点で心配が三月の未に出てきたことは事実だけれども、数字の上ではっきり言うことができなかったと、この点もぜひ御了解をいただきたいと考えております。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 大臣の立場は同情しないわけじゃありませんが、じゃ事務当局に聞きますけれども、私ども予算委員が毎月参議院の予算委員会の調査室からこれはもう全部いただいている資料で、これを見ても五十六年度の税収の推移がずっと出ていて、それから五十六年四月から五十七年の三月までの推移がずっと出ていますけれども、五十六年の五月の時点だけばあっと税収予定の平均を超えていますけれども、後はずっとこれ下をたどっているんですよ。こういうグラフを見たら、大蔵大臣を補佐する事務当局がもっとしっかりしてもらって、税収の見込みなんか明確に教えなきゃだめじゃないですか。私みたいな素人が見てもわかりますよ。過ぎちゃったことで、これから五十七年、五十八年——五十八年度の予算なんか組めませんからね。こんないいかげんなことをしておいて、大臣が苦しんで答弁に立っているけれども、補佐の任務を果たしていませんよ、厳しい言い方で申しわけないけれども。どう思っているんですか。

梅澤節男大蔵省主税局長

○政府委員(梅澤節男君) いま委員が御指摘になりました五十六年の各月の税収の動向でございますが、繰り返しになりますが、予算の御審議をお願いしておりました時点は、一月末までの税収が判明しておったわけでございます。そこで各月の税収の足取り、私ども瞬間風速と申しておるのですが、新年度に入りまして、つまり五十六年度に入りまして各月の足取りを見てみますと、たとえば六月の瞬間風速が、対前年同月比でございますが、五・四%になっております。それから八月の時点が四・二というふうな足取りでございますが、九月に入りまして一転いたしまして一二・八、十月が一一・五、十一月が九・四、十二月が一四・二、一月が一二・二という足取りでございましたが、二月に入りまして急激にこれが五・六という水準に落ちまして、三月、四月五、六%台の低い水準に急激に推移したわけでございます。  これはいろいろな原因があるわけでございますが、先ほども申し上げましたように、法人税の動きというのが非常に税収動向にこういう経済の激変期には大きく影響するわけでございまして、いま申しました十一月、十二月、一月、これは法人の決算期で申しますと、九月決算、十月決算、十一月決算、この三カ月を見てみますと、これは大法人でございますけれども、前年の同期の税収額と比較いたしまして大体二割から三割ぐらいの伸びを示しておったわけでございます。  私どもいまの時点でこういう説明を申し上げますと、非常に弁解じみた感じでお受け取りになられることは本意ではございませんけれども、そういう状況であったということをぜひ御賢察願いたいと考えるわけでございます。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 それでは、この論議をしていても果てしがないから次の問題へ移りますが、五十六年度の歳入欠陥が一応数字的に明らかになったわけですが、この決算調整資金、それから国債整理基金、これは決算調整資金に関する法律というのがあるのは私わかっておりますが、これはどういう性格のものなんですか。この御説明を願います。

山口光秀大蔵省主計局長

○政府委員(山口光秀君) 決算調整資金は、その法律の第一条にございますように、予見しがたい租税収入の減少等により生ずることあるべき一般会計の決算上の不足を補てんし、その収支の均衡を図るためのものでございます。  それから国債整理基金は、これも法律にございますように、国債の償還等に関する費途に使用するためのものでございます。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 大臣よく聞いてください。  これはいま法律の御説明があったのですが、この決算調整資金に関する法律、五十三年二月十八日、これで決算調整資金というのは主文にあるんです。それで国債整理基金の方は、一般の法律の考え方で言うと施行期日だとかそんなのを決める附則の方にあるんですよ。これは局内では第一線準備とか第二線準備とかということになっているでしょう。そういう用語があるんでしょう。それからすると、歳入不足が生じたときには決算調整資金でまず収支のバランスをとる、穴埋めをする、こういう考え方でこういう制度をつくったんだと思うんですよ。今回、見てくださいよ、これ。決算調整資金からの組み入れが二千四百億、予定がね。どうせこれ政令で決めなきゃ、まだ金を取り崩せないからね。国債整理基金がその約十倍の二兆二千八百億。ちょうど何といべんですか、たとえ話をすると、鷲羽山の上に高見山が乗っかっているみたい。親ガメより子ガメの方が十倍も大きい。こういう穴埋めの仕方は異常だと思いませんか。あたりまえですか。どうですか。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 異常でございます。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 きょうは大変大蔵大臣ずっと素直なんで、論議するのにも時間が早く進んでいいかもしらぬ、ちょっとあれですけれどもね。  異常だということは、やはり財政経済の見通しとかそれから税収の不足については本当にこれは軽率だった、したがってこういう異常な結果になったと言わざるを得ないと思うんですよ。  ところで、まあ異常だということをお認めになった。これは本当に異常事態で、国家財政破産と同じですから、そこで異常な財政運営をやっちゃった責任というのは大変だと思うんですけれども、この決算調整資金を創設した五十三年度からの精神、第一線準備とか第二線準備というのは内輪の言葉だろうと思うんですが、何か国債整理基金の方は第二線準備だとかという言葉になっているから、いよいよでなければやらないという意味かとも思うんですけれども、考え方としては、法律では認めるけれども附則の方にあるというのは、考え方からするとこれは運用上どうなんですか。こんなものを十倍も引っ張り出さなきゃならないことについてはまずかったんじゃないか。どうなんですか。

山口光秀大蔵省主計局長

○政府委員(山口光秀君) この決算調整資金に関する法律というのは、実は財政法体系に決算上不足を生じた場合にどう処理していいかという規定がなかったわけでございまして、長い間の懸案でいろいろ財政制度審議会等でも御議論いただいてようやくこういう制度に到達したわけでございます。その決算調整資金というのを十分に積み立てておくということが第一でございますけれども、現在のような特例公債に依存しているような状況ではそうもいきませんので、そこで当分の間の措置といたしまして、国債整理基金にあります現金を一時借用すると申しますか、平たく言えばそういうことをして、それで一般会計から翌年か翌々年で返すということでつなぎをつけようと、こういう仕掛けにしたわけでございます。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 後でそれを返すか返さないかも、補正予算に関連して大臣の所見をよく聞かなきゃならないんですが、法律があるのだから私は違法だとかなんとか言ってないんですけれどもね。法律を創設した当時の精神から言うと、その精神がもう本当にまるっきり崩れちゃっているんじゃないか。しかも、こんな金があるからダラ幹な財政運営をやらざるを得なくなっちゃう、こう言われてもしようがないんですよ。大体地方公共団体なんかで予算委員会やったら、こんなものは通りませんよ、しりで穴があくのがわかっていたら。  まあそれはとにかくとして、とにかく五十六年度の決算見込み、これによると税収不足が二兆九千億プラスマイナス一千億、こういうことですから、税収見込みだけで言うと五十七年度の税収予定三十六兆六千二百四十億円、これは達成はきわめて困難ですな、大臣。困難ですか、大丈夫ですか。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 五十七年ですか。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 ええ、そうです。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 五十七年の問題については、まあ一般論とすると、五十六年度でべースが低くなれば、当然それに相応するものが五十七年で低くなるのじゃないかと、このことは常識的に一般言われていることでございます。しかしながら、何と申しましてもまだ二カ月しか予算が経過してない、経済情勢についてもまだどうなるかわからぬという状態ですから、心配はないことはないが、それじゃ何ぼ足らなくなると、数字的に言ってみなさいと言われても、これはまた申し上げられない。ただ、非常に心配はないことはありませんということであります。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 ところで、五十七年度税収心配はありますということでございますが、その心配を裏づける問題として幾つか材料があるんですよ。河本経済企画庁長官は、ことしの後半世界経済もよくなるし国内の経済もそれに引っ張られてよくなるでしょうと。それから民間の調査機関でも、五十七年度はわりあい堅調をたどって五十八年度も回復基調になるかというわりあい明るい予想をしているところもある。ところが一方、六月二十七日の国連の世界経済概観、これを見ますと、前提条件はありますよ、アメリカの高金利がそのまま持続すればとか幾つかの条件がある。あるいは保護貿易主義が強くなるようでは困るのだがという条件がついていますが、この国連の世界経済の概観の報告を見ますと、細かいところは省きますが、一九三〇年代の大恐慌以来の急激かつ長期的な下降を続けるであろうという警告をしているんですな。そうすると、従来政府なりあるいは経済企画庁がおっしゃっておった、ことしの後半からよくなって五十八年度は希望が持てるでしょうというようなことは、前提条件が全く崩れちゃう。それと五十七年度の経済成長率、これも問題になるし、内需の拡大なんというのも心配だ。したがって、税収はまた予定どおりとってもいかない、こう思うんですね。景気の見通しについて経企庁長官にまずお伺いをいたしましょうか。

河本敏夫自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(河本敏夫君) 国連の世界経済概観、いま御紹介のようなことが載っておりますが、見通しは二つに分かれておりまして、幾つかの悪い条件がずうっと重なっていけば、たとえば世界に保護貿易が非常に強くなる、あるいはアメリカの高金利の状態がずっと悪い状態で続く、こういう幾つかの悪い条件が重なっていけば一九三〇年代のようになる可能性が強い、こういう警告を発しておるわけであります。しかし一方、条件がある程度改善されれば、後半から少しずつよくなって来年は三%台の成長になるであろう、こういうことでございますので、激動期でございますから必ずしもその報告だけで将来を展望するわけにはいかぬ、こう思います。  ただ、国連の経済概観は二つに分けた見通しを出しておりますけれども、それ以外の幾つかの国際機関、OECDあるいはECあるいはIMF、こういうところは比較的明るい展望を出しておりまして、現在は世界経済は戦後最悪の状態にある。しかし、ようやく調整期を終わって後半から少しずつよくなるであろう。来年は二・五%ないし三%見当の成長になるであろう。またアメリカの政府も、最近は後半の経済の回復の見通しを出しておりますし、事実アメリカの経済は過去半年間四、五%というマイナス成長が続いておりましたが、ようやくプラス成長になった、こういうことでございますから、激動期でございますから見通しはなかなか当たりにくいのですけれども、私どもは大体大底は過ぎつつあるのではなかろうか、このように展望しております。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 経済見通し、それはなかなかむずかしいんですけれども、いい条件より悪い条件の方が多いんだから五十七年度の税収確保はなかなかむずかしい、こう思うんです。いま大蔵大臣も数字はわからないが心配だとおっしゃっている。  ところで、繰り返し言われている五十六年度の実績で見ますと、名目で五・二%だったでしょう。実質で二・七%の成長だったわけですよ。これは政府の改定見通しの名目の七・〇%、それから実質の四・一%をばあんと下回っちゃったわけですな。そこで問題は、景気の見通しもさることながら、この五十六年度実績の土台が下がっちゃったんだから、五十七年度の三十六兆六千二百四十億円の税収を確保するには、発射台の低いところからそれをねらうんですか。私の試算では名目で一〇・二%、実質で九・四%をねらって、これは一生懸命がんばらなきゃならない。ところが、民間のいい方の予想を見ても五十七年度が三%台、それから五十八年度よくても、三菱ですか三井ですか、研究所の発表でも四・六ぐらいですよ。とってもこんな高くはならないんですよ。経済の見通しをわきへ置いて、当初の税収、これを五十六年度の実績が落ち込んだところからねらっても数字的には届かない。ある政党も割り出していますが、五十七年度四兆円近い、あるいは四兆円前後の税収不足になるんじゃないかと。明確な数字はお答えいただく必要ありませんけれども、どうもその辺の危惧までありますね。どうですか。

梅澤節男大蔵省主税局長

○政府委員(梅澤節男君) 先ほど私どもの大臣からの答弁にもございましたように、五十七年度の税収の計数的な見積もりにつきましては現時点では私ども何とも申し上げられないわけでございますが、ただ、御指摘のとおり、五十六年度に相当額の税収不足が予想されますので、発射台と申しますか、それを土台にして五十七年度の税収を見積もっておりますので、委員が御懸念のとおり、これが非常に影響を持ってくることは事実でございます。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 それでは、これからの税収が不確定なことは私もよくわかります。しかし、この五十六年度の二兆九千億円、約三兆円近い税収不足、これはもう明らかなんですから、五十七年度にこれが響いてくることは明確でございますので、この明確な部分についての補正はいつやるんですか。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) そういう心配があるということは、一応の識者の中にもそういうことを言っている人があるわけですから、われわれも耳をかしているわけです。しかし、じゃ具体的に幾ら足りなくなるのだと言われても、それは幾ら幾らだ、こういう根拠で法人税で何ぼ、物品税で何ぼ、源泉税で何ぼ足りなくなるのだということをだれも言ってないわけです、これはマクロの話ですから。しかし、補正をやるとすれば、ただマクロでそういうふうに見られるから、要するに発射台が低くなったために全体として何ぼ低くなる、税目別にはわかりませんと。しかし、そこはもう税目ひっくくって、全部でおおよそ何ぼという補正というのはやったことないんです、いままで。国会でそれで認めてくれるというのなら、またそれはやりやすいという問題もあるでしょうが、なかなかそういったって、発射台が低くなったため何ぼ減、税目別には不明という補正予算も実際は出せない、これは実際のところ。ということになると、もう少し数字を見ないというと、補正予算を出して、国会に数字を並べて、一応見積もりですから、しょせんはそれは確定的なことは言えるはずがないんですから、それにしても、もう物品税で幾ら減、法人税で何ぼ減、それから自動車税で幾ら減、何税で幾ら減というふうに一応は書かざるを得ないですからね。当たる当たらないはまた別としても、書かざるを得ないんです。書くにしては余りにもまだともかく時間が足らな過ぎるという問題もございますので、非常にむずかしい。  よくこう言う人があるんですよ。今国会でともかく出したらいいじゃないかと言われましても、それがわからないということ。それから、細目をつけない補正予算というのも出したためしがないということ。それから通常国会でやったこともないということ等がございますので、いずれにしても経済の運営については経済企画庁長官も言うように、有効な適切な手があればその有効な手についてはできるだけやって、さらに落ち込まないようにしながら、世界の経済は連動しているから、諸外国の景気のよくなるようにそれは神に祈るようなつもりでいることも事実、これも事実なんですよ。日本だけじゃどうしようもない問題が輸出の問題とか何かはあるわけですからね。ですから、もう少し時間をかしてもらいたいということを申し上げておって、今後はやっぱりシビアに見ていく必要があるということだと私は思っております。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 時間が欲しいということですけれども、今国会中にやれという御意見もあります。しかし、総理大臣も、何か九月の経済指標がいろいろ出たところで考えたいともおっしゃっている。それは時期はいつがいいかも微妙な問題だと思うんですけれども、要するに五十七年度の財政経済運営、これを明らかにして、それから税収欠陥についてもどうするかというようなことを早い時期にやらないと、五十八年度の予算編成の余裕なんか大蔵省当局はなくなっちゃいますよ。それで私は心配しているんですよ。  税収が落ちてくる、歳入欠陥が二兆五千億プラスマイナス一千億というふうに五十六年度はっきりしている。五十七年度の経済見通しからいっても、いま四兆円出るかどうかわからぬが、その前後の税収の減の心配がある、こう大臣おっしゃっている。そうすると、足りない分は借金するかどうするかということになると、歳出カット、それも四兆も七兆もできないでしょう。そうすると、国債の発行もしなきゃならない。そういう点から考えたら、手順としては、けじめを適当な時期につけておく、足元を固めておいて五十八年度の予算編成はやるべきだ、そう思うんです。そうすると、補正は十二月あるいは新年度の当初予算が出るときに一緒にやるかどうか知りませんけれども、早い方がいいということは事実ですよ。どうなさいますか、補正予算は。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 先ほど言ったように、早い方がいいという考えもございますが……

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 とんでもなく早くなくていいんですよ。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) はい、それは早くすると言ったって、数字の一応説明するのに、一応合理的な推計として人が納得していただける、理解できるという程度の数字がないとこれはできないわけです。しかし、そういう心配がある以上は、五十七年度において極力、まだ十二カ月のうち九カ月も予算が残っているわけですから、支出予算はこれは権限を与えられているだけであって、結局それ以上には支出できないけれども、それ以下にするということはできる、極力しなきゃならぬ。そう言っても、それじゃ一番法律に関係なく圧縮できるのは何だと。公共事業費ですよ。公共事業費は、それは一応まくことにしておいたけれども、そいつはやめて半分にしちゃうとか、そうすると三兆円出ちゃうじゃないかと、理屈の上ではできる。ところが逆に、これは前倒しをやって後で追加しろという議論はあっても、公共事業費を減らせとだれも言ってないですね。一番やりやすい圧縮できそうなものは、むしろふやせという議論があっても減らせという議論がない。そうすると、大口のものということになれば、九兆円の社会保障費ですね。どこを圧縮するか、これもまたむずかしい問題がいろいろあるし……

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 気をつけてくださいよ。余り物騒なことを言わないでください。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) いやいや、現実の話を私は申し上げているんですよ、御理解いただくために。その次は約五兆円近い文教費ですね。これをどこをじゃ圧縮するのだと言われましても、それは極力圧縮しますよ。しますけれども、そう大口に一割切るとか二割切るとかなんということは、言うべくしてこれは不可能に近い。すべてみんな何十本という法律によって補助金というものは保障されておるということになると、これから圧縮するにしても、圧縮する限界がかなりあるということになれば、五十七年度の予算がふくらまないようにしなければならぬ、補正要因が多くならないように。台風も来てもらっちゃ困るわけですね。これも神様にお願いする以外に方法がない。いかにしてふくらまさないかということに最大限の力点を置かざるを得ない。両方でやっていく。そうかといって、いまから年度途中で増税なんということは不可能で、やれるわけもない。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 年度途中だって、先だってあなた……

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 先よりも、特に年度途中では、そういうことは例も余りないし、非常にこれも不可能に近いということなので、われわれ非常に頭を痛めておる。しかしながら、一応の見通しをつけなければシーリングの枠を出せませんよね。しかし、われわれは少なくともそういういま言ったような、収入において予想よりもよけいな金が入るというのでなくて、予想よりも減る可能性はあるかもしらぬということになると、それを念頭にシーリング枠というものを設定して、予算編成の準備を始めなきゃならぬ、そう思っておるわけでございます。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 そこで、いろいろ不確定要素があることはわかるので、大蔵大臣もいろいろ弁明されておりましたが、どっちにしてもこれは国債発行をもうせざるを得ないだろうと思うんです、財政運営上数字がかなりはっきりしているから。これからの国債市場のことなんですが、五月中旬から国債の値崩れ、この原因は幾つか考えられるんですが、近い将来、国債が大量発行されるだろうという警戒ムードのあらわれだという観測もある。一方、円安対策としての短期金利の高目誘導による波及効果、こういうようなものが出ているので、どうも国債の方の値崩れ現象が起こっているんだと、こういういろいろな見方があるんですね。今後国債を消化していくのに、こういういろいろな問題があるのじゃ心配なので、現状についての認識、それから今後の金利政策、これについては日銀総裁に。  それから次に大蔵大臣としては、こうした市況についてどう御認識になってどう対応されるか、御答弁いただきたい。

前川春雄日本銀行総裁

○参考人(前川春雄君) 国債ばかりではございませんで、その他の債券も五月の中旬ぐらいから価格が下がっておるわけでございます。それで、その大きな原因いろいろございます。確かに私ども、三月以来短期の金利を強目に誘導しておりまするので、それが長期金利にも響いておらないということもないと思います。若干は響いておると思いまするけれども、五月の中旬以降、こういうふうに債券価格が低落を始めましたのは、やはり歳入不足がかなり巨額に上るということが一般に報道されましたときが一つの契機になっておると思います。それ以外に、為替が安い、そのために海外から資金が入ってこない、あるいはアメリカの金利がなかなか下がらない、そういうようなことも影響しておると思います。これからの金融政策につきましては、緩和基調というものはいまの経済状況のもとにおいて続けます。しかし、一方で為替相場問題というのもございまするので、いまの短期の金利に対する高目誘導というのは、やはり続けざるを得ないというふうに思っております。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 金利の問題は、アメリカの高金利というような問題との比較の問題もいろいろございます。しかし、国債の値崩れの原因、まあいろいろあるでしょうが、赤字が発生した。それで、仮に国債整理基金等から金を借りると、借りた金はすぐ返すのだよと言われると、その分は増税でやるか、借金でやるか、返すのには二つしか道がないわけですよね。歳出カットと言ったって、何兆円なんということは全然別にできるわけがないわけですから、だれもそう思っていませんから。そうすると、不足分がかなり出るのじゃないか。そこへもってきて、去年の分までも大量に国債をどんと発行するのかねという心配が出てまいりますと、これは値崩れに拍車をかけるということになりかねない。そこでいろいろ考えていかなきゃならぬ。大量に国債をどんと出して、きれいにしちゃって、御破算にしちゃって、新しく安定成長に組み立てかえたらいいじゃないかという識者もおります。おりますが、そのためには大量の国債を出さなきゃならぬという話になります、御破算にしちゃうのですから。すると、消化問題という問題があって、国債の値崩れの問題が大きく出てまいります。そのことは、裏返しにすれば、新規国債の発行をかなり高目のクーポンにしなきゃならぬと、金利の大幅な引き上げにつながる、ということは景気対策としてどうなんだという問題に全部これはつながっているわけですから。したがって、なかなか理論どおりに——掛け算と足し算だけでやるわけにいかないんですよ、やっぱり引き算と割り算も算術の中にあるわけですから。その引き算と割り算の方を考えないでやると、その点はいいと思っても、別にでっかいマイナスの反作用が出てくる、副作用が。その方がこわいという場合もございます。したがって、歯切れが悪いようだけれども、やはりこの際は、なるべく極端なことはやらないということも一つの方法でございまして、国債整理基金等の問題も、ことし中に全部返すのだというようなことは、私はそういう方法はとらない方が全体としていいのじゃないか。メリット、デメリットという問題を考えなきゃならぬ、その算術の問題だと。引き算も掛け算も割り算も入れた算術の問題である、そこで最終判断すべき問題だと、そう思っております。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 大分これ、財政運営で御苦労なさっているのはよくわかります。お気の毒ですがね。  この財政運営で、最後に一言念のため御意見を伺っておきますが、政府の財政運営に関する検討事項の中で四項目ばかり挙げておりますな。補助貨幣回収資金の取り崩し、これは野党側の方から減税財源として使ったらどうかという意見があったのだけれども、いつの間にか穴埋めに使おうというんだな。それから国及び特殊法人の財産処分、特別会計からの一般会計への納入、納付、あるいは特殊法人からの国庫納付、こういうようなものを検討材料に挙げています。私は、これらの問題について検討材料に挙げたが、検討の仕方によっては有効に作用するから、それなりの価値のあることを認めます。しかし、先ほどから言っているように、決算調整資金や国債整理基金を、それも少額じゃなくて三兆円近くも引っ張ってこなきゃ五十七年度が決算できない、年が越せないようなひどいことになっちゃった。先々も税収の見通し、経済の見通しからいっても容易じゃない、これは五十七年、五十八年、始末つけるのに。そうすると、先々のことを考えて、知恵者がいてこういうものまでいろいろ考えようというんですが、これ、五目じゃなくて四目入れて体裁よく出しているけれども、さっきから警告しているように、陰に金があると——陰の金でもないだろうけれども、どこかに取り崩す余裕があるとろくな財政運営しません。したがって、これを検討事項に挙げたことについては一応認めますけれども、補助貨幣回収資金なんかの取り崩し、あるいは公共財産を売るといったって、公共の用に供しない、供すことができないような規模のものはいいですけれども、有効なものまで売り飛ばしちゃ困るんだから、そういう内容をしっかりしてもらって、けじめをつけて財政運営はやってもらいたい、この点大丈夫かということが一つ。  それからもう一つは、けさの報道ですと、大蔵省は苦しいものだからこういうようなことをやりくりでもうやろうといまからねらっているし、これは確定かどうかは知りませんが、五十六年度の税収不足のツケを地方へ回すというか、交付税八千億円、五十八年の精算のときにぶった切っちゃおうという報道がされているんですが、これ、本当ですか、うそですか。この二点、はっきりしてください。

山口光秀大蔵省主計局長

○政府委員(山口光秀君) 後の方の交付税の問題でございますが、まだそこまで検討しているわけではございませんが、五十六年の税収が歳入に見積もりましたより減りますれば減るわけでございますが、そういたしますと、その減りました三税に見合う分は翌々年度に精算するというのは普通のルールでございます。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 もう一つの答弁は……。財政運営上きちんとけじめつけてやりますねということ。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 財政運営上けじめをつけてやるように最大の努力をいたします。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 そこで自治大臣、ちょっと席を外されておったのですが、事のついでで問題が出たものですから恐縮です。大蔵省では交付税八千億円の天引きというか、五十八年度に予定される精算、これは通常の手法でいけば、五十六年度に張りつけて出しちゃったものを五十八年度に精算するなり、あるいは早い時期でいえば翌年度に精算する手法というのはとってきたんですよ。ところが、そういうことをやる場合には、特会の借り入れで肩がわりするとか、いろいろいままではかなりめんどうを見てきた。今度はそれをやらない形跡があるような報道なんです。まだ決定していないというんだけれども、こういうのが報道されるというのは、ねらわれていますよ。がんばりますか、どうしますか。

世耕政隆自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(世耕政隆君) 五十六年度の税収の足りない分、これは地方交付税の方へ影響してくるわけでございますが、この分は五十八年度に精算減として始末する。これはそのときにいろんな、われわれの方では特会法とかいろんな方法を使いましてやるわけでございます。今回の新聞に出ておったような記事、御指摘のことに関しては、まだ大蔵省の方から何も伺っておりません。これはわれわれとしてはあくまで従来の方法で、その場合に国と地方との関係でどういうふうに持つか、このことはよく周囲の状況を見た上で慎重に決めなければ、御相談しなければならないことと存じております。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 慎重に相談するだけじゃなくて、大蔵省との折衝ではぜひ自治省がんばってもらいたいですな。できるだけがんばってくださいよ。

世耕政隆自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(世耕政隆君) 大変力強い応援をありがとうございます。がんばります。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 いよいよ時間がなくなってきましたので、取り急ぎ聞きます。後は公共事業投資だとか、武器輸出だとか、やりたかったのですが、時間がないので財政問題だけで終わるかもしれません。用意していた大臣の方には申しわけないと思います。先におわびをしておきます。  ところで、大蔵省証券の扱いについて、時間がないんで十分な質問ができるかどうかわかりませんが、一応伺ってみたいと思います。  この大蔵省証券は、五十六年度の歳入金——その前に現金の動きからちょっと伺っておきたいんですが、私素人でわからないものですからね。五十六年度の歳入のお金ですな。これは法律の規定で言うと、予決令なんか見てもそうですし財政法を見てもそうですが、四月三十日で現金の出し入れ一切終わっていることになりますね。それから国庫内の振替等のそういう事務処理を要するもの、これが五月三十一日、これで一切終わっている、現金の出し入れば。それで間違いないですか。

山口光秀大蔵省主計局長

○政府委員(山口光秀君) 出納整理期限の話でございますが、一般の歳入は四月三十日まで。それから国庫内の移しかえ、会計間の繰り入れというようなものは五月三十一日までと。そのほかに、特例公債、これは特例公債を出しながら剰余金を生じちゃいかぬものですから、一月延ばしまして六月三十日。それから租税は五月税収まで取り込んだ関係から七月十五日までと。さらに先ほどお話しの決算調整資金というのは七月三十一日まで取る。これは決算調整資金は最後のしりでございますから、ここまでいかないと最後のしりがわからぬものですから当然こういうふうにならざるを得ないわけでございます。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 これね、現金のこうした動きを見ていると、まあ結局税収なんか国家財政が苦しくなったというのでなし崩しでこんなふうにやっちゃったんでしょうけれども、いまの説明を聞いているだけで、ずいぶん国家財政の財政運営がだらしなくなっていることは明らかですよ。大蔵大臣、ことしも来年も財政事情が厳しいのはわかるけれども、これが既成事実になって先までいっちゃうのは問題だね。現金の出し入れのけじめを法律で決まっているようにもう一回もとへ、違法ではないんだけれども、もう少しけじめのある財政運営に直す努力をこれは一回考えてみないといけませんよ。全然そんな必要はないと思っていますか、どうですか。

山口光秀大蔵省主計局長

○政府委員(山口光秀君) 先ほど申し上げました例外の方がむしろ法律で決まっているわけでございまして、特例公債を出しているような異常な財政状況のもとではやむを得ないと思います。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 ですから大蔵大臣、特例公債なんかのことは財政が苦しいからわかるんですけれども、税なんか五月まで取り込んじゃったり、これはどこかでちょっと調整して直す気はないかね。どうですか。ひどいよ、これは。先々だんだんだめになりますよ、国家財政。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 御承知のとおり、税の収入というのは三月三十一日までとなっておったのを、昭和五十三年から五月まで取り込むということにしました。このことなども税収の先行きが予測しがたい原因の一つになったわけです。三月三十一日まで見るか来年度の五月までを見るかということになりますから、非常にその間に経済変動があれば見づらくなってきた。しかし、それではこれをもとへ戻して三月三十一日締め切りにしろということにいたしますと、四月五月に入ってくる分は、そっくり今度はでっかい穴があくわけですね。したがってまたその分だけは今度は公債か何か発行しなければもとへ戻せないという事態にいまなっておるわけであって、国債発行を余りするな、極力抑えろという現段階において、それを原則にまた戻すということは言うべくしてむずかしい問題。したがって、財政事情がよくなってきた暁には、私はやっぱり、年二回決算が一回決算になっただけでも予測しがたくなったわけですから、それをさらに三月までの見通しをその次の年度の今度は五月いっぱいまでを収入に見込むと、何ぼでもそれは見通しがしづらい。したがって私は、いつかはやはりもう一遍財政が健全化の暁にはぜひ直したらいいんじゃないかと、そう思っております。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 いよいよ時間がなくなってきたんですが、この三月に大蔵省証券、いわゆる蔵券が三兆五千八百億発行、四月も四兆八千億ですか、この時点で蔵券が異常にふえた原因は何ですか。

加藤隆司大蔵省国際金融局長

○政府委員(加藤隆司君) 租税収入がおくれておったわけでございます。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 租税収入がおくれるからその穴埋めですな。  日銀総裁、お待たせして済みませんが、この蔵券のほかに食糧関係のあれとかいろいろなものを、TBを扱っておられますが、ずっと従来は蔵券は余り外へは売らなかったんですが、このごろは一部お売りになっているんですか、どうなんですか。

前川春雄日本銀行総裁

○参考人(前川春雄君) 政府短期証券の発行が非常にふえてまいりまして、利回りが非常に低いものですから日本銀行の引き受けにならざるを得ない。そのなった分はそれだけ政府の支払いがあるわけでございますので、いわゆる金が市場に出ておる。それはマネーサプライの管理上もどうしても吸収しなければいけないということから、この政府の短期証券を昨年来市場に売却するという操作をやっております。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 そこで、いま問題となっている大蔵省証券の、TBの中で一部お売りになっているのは、いろいろマネーサプライの関係もあって、出して金を吸い上げた方がいいという御判断が一つあるようです。そうすると、五十六年度異常に年末でふえた蔵券、これ一部売るとしても、ほとんど無条件で押っつけられて、財政補てんに日銀が引っ張り出されると、こういうことですが、これはやはり出されれば受けざるを得ないのですか。金融市場その他から考えて、これ以上はもうちょっと遠慮さしてくれというようなことはできないんですか、どうなんですか。

前川春雄日本銀行総裁

○参考人(前川春雄君) 歳入の不足が予想以上であるということから、とかく大蔵省証券の発行がふえるわけでございます。これはもちろん市中で消化されることが望ましいと思っております。ただ、現実の問題といたしましては、条件が市中が買えるような条件でないために日本銀行が引き受けるわけでございます。引き受けることは法律で義務となっているわけではございませんので、必ずしも引き受けないでもいいわけでございますが、市中で消化されるということが望ましいわけでございます。ただ問題は、そういう引き受けの義務があるかないかということよりも、やはりそういう大きな振れが出ないようにするということの方が基本であろうかというふうに思っております。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 大臣、ずっと聞いていただいてわかるように、これは異常に蔵券を発行して、単純な資金繰りで発行するので——法律があるから僕は違法じゃないと思うんですが、財政運営上から言うと、これはずっと成り行きで財政紊乱の形態になっているんですよ。これだけよく見て気をつけてください。地方公共団体は、東京都なんかは年度末で金がなければ富士銀行へ平身低頭して高い金利でたとえ六十日でも借りなきゃならぬ。蔵券があるので横着しているんですよ。とんでもない話ですよ。財政紊乱、こんなことにならぬようにしてもらいたいと思うんです。  これは大臣、蔵券七兆四千億でしょう、限度額は。予算総則に載っているように。そうすると一千四百八十億円、金利だって大変、安くないんですよ。目に見えないところで、予算総則に載っているだけでこれだけ財政負担というのはふえているんだから。そういう点で考えると、日銀さんとしては安易に、大蔵省から言えば大変これは便利な証券なんですけれども、この限度額が毎年予算総則に載って、予算委員会でもうっかりしているからみんな目を配らないんだけれども、こんなもの何となくふえちゃうんじゃ困るんだな。これは限度額決めるなり、抑えてもらった方が日銀さんの立場としてはいいんでしょう。これ、大臣がいて答えにくいかな。どうですか。

前川春雄日本銀行総裁

○参考人(前川春雄君) この限度額につきましては、当然予算全体の問題ともあわせて国会で判断していただいておるものというふうに思っております。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 委員長、じゃ時間が来ましたから。大臣、いろいろ財政運営上問題があるので、本当にけじめをつけた運営をしていただくことを切に最後に要望して、私の質問を終わります。(拍手)

植木光教自由民主党

○委員長(植木光教君) 前川参考人ありがとうございました。  以上で大川清幸君の質疑は終了いたしました。     —————————————

植木光教自由民主党

○委員長(植木光教君) 次に、野末陳平君の質疑を行います。野末君。

野末陳平新政クラブ

○野末陳平君 私は税の不公平を中心に質問したいのですが、その前に、先ほど聞いたところによりますと、IBMの産業スパイ事件ですけれども、アメリカの方で起訴決定というようなことをお聞きしましたが、それについて政府の方からの正式な御報告をお願いするとともに、総理としてこれからどういう対応をなさるお考えか、その辺のところを初めにお聞きしたいと思います。

櫻内義雄自由民主党外務大臣

○国務大臣(櫻内義雄君) 当委員会に入る前に、日立関係は全員起訴であると、三菱関係については継続審査であると、その旨だけ報告を受けまして、それ以上の詳しいことは承知しておりません。

坂田道太自由民主党法務大臣

○国務大臣(坂田道太君) 新聞の報道は承知しておりますけれども、まだ正式には向こうからは何にも要請はございません。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) いま外務大臣並びに法務大臣から御報告を申し上げましたように、米政府あるいはアメリカの連邦裁判所あるいは地方裁判所等々の関係機関から、正式に日本政府に対しまして、容疑者の身柄の引き渡しの問題でありますとか、あるいは司法共助の協力要請の問題でありますとか、そういう問題はまだ何ら来ておりません。そういうものがあった段階におきまして、日本の法律、制度、国益その他総合的な立場から判断をしたいと、こう思っています。

野末陳平新政クラブ

○野末陳平君 ひとつ誤りなきように対処してほしいと思います。  さて、一口に税の不公平ということを言いますけれども、いまやこの税法上の不公平から徴税上の不公平というところに視点がやや移っているようにも思います。もちろん、不公平税制そのものというのは、これは是正は大切なんですけれども、実際の執行面における不公平というものにもメスを入れなければ本当の不公平というものは是正されないわけです。特にサラリーマンの場合などは、ベースアップがあっても、これは間違いなく実質増税になりますよ。それからクロヨンというような不公平感もエスカレートするばかりですから、その辺にメスを入れてひとつ詰めてみたいと、こう思うのです。  まず、国税庁の方に聞きますけれども、税の滞納がここのところ非常にふえているのじゃないか、かなりの額が滞納されているんじゃないかと思われますので、その辺の事情を説明していただきたい。

酒井健三国税庁次長

○政府委員(酒井健三君) お答え申し上げます。  出納整理の関係がございますので、まだ昭和五十六年度の計数が出ておりませんので昭和五十五年度の数字で申し上げますが、五十五年度中の要整理滞納は件数で七百十七万件。これは内訳には、新規発生で四百六十三万四千件、前年度からの繰越分が二百五十三万六千件でございます。税額では一兆一千六百十二億円でございまして、新規発生したものが五千八百七十八億円、前年度からの繰越分が五千七百三十四億円でございます。  現在高でございますが、五十五年度末におきまして滞納の現在高は、件数で百八十六万五千件、税額で五千二百四十八億円となっております。これは五十五年度末の数字でございますので、もう少し新しい時点で、昨年十二月末の数字で申し上げますと、件数で百九十万二千件、税額で五千四百三十一億円となっております。

野末陳平新政クラブ

○野末陳平君 かなりな額なんですが、これは担当職員一人当たりどのくらいになるのか、そしてこれが過去と比べてどのくらいにふえたといいますか、その辺のことはわかりますか。

酒井健三国税庁次長

○政府委員(酒井健三君) 担当職員一人当たりの数字でございますが、五十五年度末の数字では、件数では二千七百八十六件。これは十年前に比べますと約二倍になっております。それから税額では三億三千八百万円。十年前に比べますと約二・四倍となっております。

野末陳平新政クラブ

○野末陳平君 これは滞納者が多くなったのか、それとも税務職員がもちろん比較して足りなくなったのか、どちらもあるでしょうけれども、相当な滞納額があるというので驚きなんですが、これだけあれば、五千億を超える金があれば、もう減税の財源でもできてしまうというくらいの額ですが、これ、まともに無理をしてでも納税をしているという人にとっては、やはりこれは不公平感をあおるというか、不愉快な数字だろうと思うのですよ、滞納者の中にいろいろ事情はあるでしょうがね。  この中に、重ねて国税庁に聞きますけれども、現職の国会議員というのも何人か入っていますか。

酒井健三国税庁次長

○政府委員(酒井健三君) お答え申し上げます。  私ども国税当局では、滞納の管理は金額別に、そしてまた滞納の整理の段階別に把握をしておりまして、滞納整理に当たりまして業種別の管理は行っておりませんので、国会議員の滞納については現在は把握してないという状況でございます。

野末陳平新政クラブ

○野末陳平君 いれば不名誉なことですからあえて質問したので、おりませんという答えを期待したのですけれども、これはプライバシーの問題ですからあえて言いませんけれども。  そこで大蔵大臣にお伺いするのですが、滞納量がここまで増大していると、これは人手不足だろうとは思うのですが、整理すべきなのにどうもなかなかはかばかしくない、この現状をどういうふうに思われますか。どうなさいますか。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 御承知のとおり、所得税はその年の所得に課税をしますが、申告は一年おくれる。そうですね。三月三十一日ですから、年度が終わってから申告が出る。それで、調査をするのはそれから半年後とか、場合によっては二年後とかというようなことになります。その間に、仮に数年前にえらくもうかっておった、それで、脱漏を発見した。それで、課税処分をするといたしましても、そのときには非常に経済情勢が変わっちゃっておる、一年、二年という時間のずれがありますから。したがって、確かに所得は発見したが、その次の年度でえらい損をするとか、非常に支払いがつかないというような状態もかなり実はあるわけであります。そういうようなために、景気がいいときがあって、それが数年したら景気がどんどん落ち込むというようなときには、どうしても滞納というものはある程度出てくる傾向がございます。したがって、早く調査をして、余りタイミングがずれないうちに課税をし、不景気にならないうちに徴税するものは徴税するというようにするのが本来一番いいのではないかと、そう思っております。

野末陳平新政クラブ

○野末陳平君 私は、整理の担当の係を、人数をふやしてでもこれは積極的に早くやった方がいいのじゃないかと思っているわけなんですが……。  今度は、次の不公平に移りますが、やはりこれは何といっても、サラリーマンにいろいろ意見を聞いてみますと、相変わらずお医者さんの税金問題が出てきますね。まあ税法上の例の優遇税制はやや是正されて成り行きを見ているところですが、申告上の問題もかなりありまして。  そこで、医療費の不正請求ですけれども、一時に比べると確かに減っているようですね。まあ当局の努力、あるいは健保連などもいろいろやっているわけで評価をするんですけれども、まだ少なくないですね。厚生省に聞きますけれども、不正請求が発覚したことによって、保険の医療費が返還されますが、この返還額がここ数年でどういうふうに推移しておりますか。

大和田潔厚生省保険局長

○政府委員(大和田潔君) お答えを申し上げます。  五十四年度では十億四千万、五十五年度では約六億、五十六年度では十一億六千万と、こういうぐあいになっております。

野末陳平新政クラブ

○野末陳平君 不正請求の発覚はまあ氷山の一角ということを考えると、この額をかなりまた上回ってくるわけですが、この不正請求が発覚して、免許取り消しを受けるという悪質な医院も当然あるわけでして、最近の例でその悪質なのを一つ、二つお示し願えませんか。

大和田潔厚生省保険局長

○政府委員(大和田潔君) 最近の例でございますが、まず昨年は兵庫県におきまして近藤病院というのがございます。これが実際に注射をしていないのに注射をしているように、いわゆるつけ増し請求というようなことで、監査をいたしまして、指定の取り消し処分を昨年の九月に行っております。  また、最近におきましては埼玉県の三郷中央病院というのがございますが、これは実際に行っておりませんでしたテレメーター、この検査を行っているように見せかけまして保険請求をしておった。これに対しましても、監査の結果、ことしの四月に指定の取り消し、保険医療機関の取り消しをしております。  それ以外に、五十六年度におきましては保険医療機関等の指定取り消し件数が三十六、それから保険医等の登録取り消し件数が三十二件あるわけでございますが、ただいま申しましたのが代表的な例でございます。

野末陳平新政クラブ

○野末陳平君 取り消しを受けていないところでかなりこういうものがあるので、そこが実は一番問題にしてほしいところなんですね。健保連のお知らせ運動なども実を結んでおりまして、私のところも東京支部からいろいろ実例をもらいますと、相変わらず水増しとか、それから架空、そういうものが多いわけですね。  そこで、これなんですが、やるところはもう常習犯なんですね。ですから、一年間でもう一千件を超える不正請求をやっているという病院がもうざらにある。そうなりますと、ここで総理にお聞きしたいんですけれども、これは不正請求ですから、国民の税金や保険料をいわば詐取するような行為ですね。そうすると、まじめな納税者にとってみると、こういう形で金もうけをする医者がいて、これが医療費の膨張につながっていくのではないかというふうに考えると、これは非常にやり切れない気持ちがするわけですから、これについて総理、まあ当局はそれなりに努力なさっているけれども、どういうふうな対応をすべきだと思われますか。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) 国民総医療費は、御承知のように、非常に年々増高をいたしております。十一兆円、十二兆円、十三兆円というぐあいに増高をいたしておるわけでありますが、そういう医療費の増高の中で、もし不正請求等の悪質なものがある、そういうことで医療費がかさみ、患者の負担が重くなっていくというようなことになりますと、これは放置できない大問題になると、このように考えております。したがいまして医療費適正化の強化、この点につきましては、厚生省等を通じまして、あるいは都道府県の御協力もいただきまして、これを進めております。  その方法にはいろいろあるわけでございます。医療機関に対する指導監査を強化をいたしますとか、あるいはレセプトの審査をもっと充実をするとか、あるいは薬価基準の適正化、これを一年に一遍とか、二年に一遍とかいうことでなしに、できるだけ実勢薬価に近いように薬価基準を改めていく。それから高額医療費の問題がございますが、高額医療の検査機関等の共同利用を進めるとか、いろんな改善、工夫をしながら、医療費の不当な増高、浪費と水増しというようなことは防止していかなければならない。この点につきましては医療費が国民経済の中で非常に大きなウエートを持ちつつある今日におきましては、私は非常に重要に考えて対処いたしております。

野末陳平新政クラブ

○野末陳平君 医療費を抑えるために、あらゆる手を打つべきだと思います。そうしないと、国民もたまったものじゃないけれども、まじめなお医者さんがなお迷惑する。これが医療の荒廃につながりますから、ぜひともそれはお願いしておきます。どうも悪質なところはもう社保収入の二、三割以上もやっているのじゃないか。しかし、まじめなところはそんなことはありませんから、不正請求など。だから、平均してどのくらい医療費のうちの不正部分があるか、これは推定のしようがないので、私もとにかくお願いするということしか言えませんけれども、ひとつよろしく厚生省の方にも。  それから国税庁に、今度は税金申告の面からこの問題を聞きたいのですが、お医者さんの所得調査の過程でこの不正請求の実態というのがどのくらい把握されているのか。これはいかがですか。

酒井健三国税庁次長

○政府委員(酒井健三君) お答え申し上げます。  個人の開業医や医療健康保険業を営む法人につきましては、従来から全国的な重点調査業種として指定をいたしまして、私どもとして積極的に調査を実施しているわけでございますが、個人開業医につきまして現在のところ五十四年分の調査結果が判明しておりますが、一件当たり申告漏れ所得の大きい診療科目といたしましては、大きい順に申し上げますと、病院、整形外科医、産婦人科医、外科医、小児科医、泌尿器科医というような順序でございまして、一件当たりの申告漏れの所得はそれぞれ、病院でございますと千三百五十七万円、整形外科医でございますと七百二十一万円、産婦人科医でございますと六百九十四万円というようになっております。また、医療保健業を営む法人につきましては、五十五年の事務年度におきまして千件余りを調査いたしました結果、不正脱漏所得は総額で二十四億八千二百万円、一件当たりでございますと一千五万円というふうな状況になっております。

野末陳平新政クラブ

○野末陳平君 いまのお答えは、要するに申告漏れの実態ですね、それを所得調査してデータをお示しになったわけですが、私が聞いたのは不正請求の話でしたので、ちょっといまのお答えからそのまま引き継いで質問を続けますと、やはり一千万を上回る申告漏れがあるというのもこれもかなりひどい話でして、調査率は、実調率といいますか、この医院に関する部分ですが、個人開業医、それから法人形態の病院ですか、この調査率はどういうふうになっているのでしょうね。この数字。もっとお医者さんはあると思いますからね。

酒井健三国税庁次長

○政府委員(酒井健三君) お答え申し上げます。  実調率は約一〇%でございます。

野末陳平新政クラブ

○野末陳平君 実調率一〇%でいまのような数字が出てくる、申告漏れがかなりひどい、これはもうちょっと厳しく調査をしてもらえればさらに成果が上がるのじゃないかとも思いますけれども、その所得調査の実情とともに、先ほどその過程でいわゆる不正な請求、全く診療をしていないのに診療したかのごとくに見せて、保険からお金をもらう、それが所得調査の過程で国税庁には把握されているのかどうか、税務署に。その辺が聞きたいのですね。

酒井健三国税庁次長

○政府委員(酒井健三君) 医師、歯科医師に対すする税務調査におきましては、自由診療分を主体に調査を従来は進めておりましたので、社会保険診療報酬につきましては、不正請求分については租税特別措置法による必要経費の特例が認められないという問題がございますので、私ども国税当局におきましては昭和五十五年分の事後調査の一環といたしまして調査を行っているところでございます。現在までのところその調査実績の取りまとめを進めている段階でございましてまだ発表になっておりませんが、私どもとしては、その結果は取りまとめ次第早急に発表いたしたいというふうに思っております。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) その不正請求について、税だけでそれをやれと言われましても、問題は制度、根幹の問題に抜け穴があったのでは、幾ら調べたからといってそれは問題が出てくるわけでございます。  いま国税庁が言ったように、国税庁は個別に——制度に関係ないわけですから、個別に病院とか診療所を調べていくわけでございますが、ここで不正請求がわかるというのは、たとえば買わない薬で請求している。実は性能、成分が同じで薬価基準が違う——銘柄別収載だから。違うということになれば、どっちの薬をやっても治るわけですからね。値段が違うのですから、安い薬を実際は買って投与をしておきながら、請求の方だけは高い薬で請求するというようなのは調べればわかるわけですね、これは。  それから、入院していないのにかかわらず入院している、あるいは来ない人が来たということになれば、あるいはこれはある程度はつかめるわけです。しかし、いわゆる濃厚診療というか、普通病名が二つか三つというのに外来患者に十五も十八もついている、恒常的に。これは税務当局で調べるといってもわからないわけですね。その来た人はそれだけ病気があったのですよ、だから請求しているのですと言えば、国税では病気があったかなかったかは本人に当たっていない以上、わかるわけがないのですから、これは。これだけの投与が必要だったのだと言われれば、それは医者の分野ですから、税務官吏が行って、ほかの病院は外来患者は普通三つしか病名がないのに十もついているのはおかしいじゃないかと言ったって、それはおかしいというだけであってそれ以上のことは追及はできない。したがって、国税だけでは不正請求を直すということは、そういう問題で非常に不可能。  制度の問題は二つあると思うのです。一つは、これはもうかなりなくなりました。それは、要するに特別控除の問題です。七二%一律に経費を引くということになりますから、経費がゼロになっても売り上げの七二%引いてくれるわけですから。したがって、どうしても不正請求のそれは誘惑になることは間違いない。  その次は銘柄収載だと思うのですね。性能、成分が同じで、同じ効くのなら安い薬使った方がいいわけですから。しかしながらそれはどうしても、高い薬で請求できるということになっておれば、やはり安い薬で買っておきながら高い薬で請求しがちになるという問題が一つあるのではないか。  ですから、そういう制度の問題も含めてやらなきゃならぬし、その次には何といってもモラルの問題でございまして、ここが大問題だと私は思うのです。東京が一〇〇として一二〇とか一三〇とかという大都市地域が、もっと一五〇ぐらいの、四〇ぐらいの地域がある。同じ法律と同じ規則の中で、なぜそんなに患者の病気がうんと数が多かったり医療の一人当たりの単価が高いのか。これは制度の問題でなくて習慣かモラルか何かの問題でございますから、これはともかくみんなが一緒になって、まず医師会自体が、医師会の中で専門的立場からドイツのように、日本でもある地域でやっているそうですが、医師会の専門家の中から、もう国から言われるまでもなく、お互いにそういうでたらめはひとつ排除しようじゃないかと、かばい合うのでなくて、ひどいものは医師会の中で自浄作用をやっていこうじゃないかというようにしむけていただきたい。そういうことでないと、税で出すのも保険料で出すのも国民の負担は同じなわけでありますから、これはもう大問題。十三兆も使っているということなら、それだけのものはみんなやっているわけですから。  だから、私は、そういう点においてはもう国会の皆さんも全部のひとつ御協力によって直す以外にはない。なかなか税務署だけでやれと言われましても、これは局部のものしかできないということも御了解願いたいと存じます。

野末陳平新政クラブ

○野末陳平君 医療の問題は、根っこを正すのが一番ですけれども、税の方からも、いままでこれはしていなかったからブレーキをかけることも大事だと、そういう意味で言っているわけですね。  問題は、大蔵大臣は医療制度のことをおっしゃいましたけれども、問題は、不正請求が発覚して修正申告したとか、あるいは摘発された結果保険医の免許が取り消しになったとか、そういうことでは済まないと思うのですね。それはそれでいいのですけれども、しかしこういう事実をやっぱり歳出カットの方にまで生かす工夫がないものかどうかということですね。そこがやはりこの際大事だと思うのです。もとより十兆を超える医療費のどの程度が不正による請求であるか、ただ取りの分かなんということはわかりませんけれども、しかしまともでない医療費を切るということはこれは大事なわけですから、何かそのきっかけをつかまなきゃならないわけで、そうなると、不正に取っているという、これは一罰百戒と言うものの、これを歳出カットの面にまで結びつける工夫があればいいと、こう思っているので、何か大蔵大臣はお考えありますか。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 私は、いま言ったようなことが実際に実行されれば医療費は減ると逆に思っておるのです。同じ制度の中で、同じ規則で、そんなに医療費に差があるわけがないんです、一つは。したがって、重点的にやはりそういうものは専門家の監査を徹底をさしてもらって、ひどいものはもうきちっと始末をつけてもらうということになれば一番いいんじゃないか。ただ問題は、あらかじめ予算でもう医者を幾ら摘発すると、そこで医療費を何ぼ減らすというようなことを組めるはずがない。したがって、それは結果の問題でございまして、やはり結果的にそういうような悪徳な人が少なくなってくるということは、私は医療費の請求に大きな影響があると、結果的に医療費の節約、予算の節約につながると、そう考えております。

野末陳平新政クラブ

○野末陳平君 これは当然国民の自覚も必要になるかもしれませんけれども、ひとつ総合的な角度からこの医療費の膨張を抑えるということを政府にお願いしておきます。  それから、サラリーマンの立場から見ましていろいろと不公平感を聞くんですが、なるほどと思うような不公平の問題が次にまた一つありまして、これは赤字の法人のことなんですね。会社、まあ大中小いろいろありますけれども、最近は小さい同族会社もたくさん出ましたから。この赤字法人のことなんですが、いまはどのくらいあるのでしょうか。

酒井健三国税庁次長

○政府委員(酒井健三君) 私どもの五十五事務年度の最後の日である五十六年六月三十日現在の数字で申しますと、法人数が全体で百七十八万件ございまして、このうち休業中の法人というものを除いた法人で、五十五事務年度——私ども五十五年の七月から一年間でございますが、その間に申告のあった法人は百五十五万件でございました。そして、この百五十五万件の申告のうち約四八%に当たる七十四万件が赤字申告法人でございます。

野末陳平新政クラブ

○野末陳平君 そうすると、赤字申告をした場合は当然ながら税金は払わなくていいと、こういうことになるわけですか。

酒井健三国税庁次長

○政府委員(酒井健三君) 申告が赤字でございますれば、税額は申告の段階ではないということでございます。

野末陳平新政クラブ

○野末陳平君 税法でいけばそのとおりなんですけれども、法人がたくさんあって企業活動をしている、その半分が赤字で税金を払っていないというのもちょっと驚きだろうと思うのですよ、一般の人にとってみては。まあこれは本当に赤字であればもうやむを得ないことなんですが、しかし、サラリーマンの意見などは、やはりこれが納得できないようなんですね。つまり、法人は赤字なら税金払わなくていい、だけどサラリーマンは赤字だってやっぱり源泉で取られるというようなことを言いまして。これは個人と法人を一緒に考えるからであって、違うのですから、不公平と簡単に言うわけじゃありませんけれども。ただ一つ、本当に赤字でなくて、申告上のいろいろのやりくりで赤字にしてしまって、そして結果的には法人の半分は税金を納めないというようなことになっているとこれは問題ですね。現実に、どうも何かあると思えるのですね。ですから、その辺はどうなんでしょうか。本当の赤字かどうか。どうもこれは赤字じゃないけれども、経費を非常にあれやこれやその他やりくりしまして赤字にしてしまっている、これで税金を納めなくて済んでいる、こういうケースが多いのじゃないんですか。

酒井健三国税庁次長

○政府委員(酒井健三君) 御指摘のように、申告が適正でない場合があるわけでございます。私どもの過去の調査結果によりますと、疑いのある赤字法人として調査対象とした赤字申告法人のうち三割の、約三〇%近くの法人が調査によって黒字であることが判明し、課税をしているという状況でございます。  私ども、調査に当たりましては、もちろん申告内容等を十分に検討し、不正計算が想定されるなどの問題法人をできるだけ的確に調査対象に選定してそして調査をやっているわけでございますが、その結果、先ほど申し上げましたように約三割の法人が調査で黒字であるということが把握されているわけでございます。

野末陳平新政クラブ

○野末陳平君 赤字という申告をして、調査をしてみると実は黒字だった、こういうケースがあるというのは、これはかなりいいかげんな申告を認めたということにもなって残念なんですが、そうなると、私聞いていたのは、黒字の法人だったらこれは当然いろんな調査もあるでしょうが、赤字はお目こぼしというか、余り調査に来ないというような話も聞いていたのですね。そうすると、最近では赤字法人に対しても調査はどんどん行っていると、こういうことに理解してよろしいですか。

酒井健三国税庁次長

○政府委員(酒井健三君) 法人税の実調率は五十五事務年度で約一〇%でございます。これを申告所得の態様別に見ますと、黒字申告法人が約一七%、赤字申告法人が約五%となっております。私ども調査の対象を選定しまして、四件のうち一件ぐらいは赤字法人を調査しているという状況でございます。

野末陳平新政クラブ

○野末陳平君 ただ、調査したら黒字に変わっちゃったというのですけれども、どういうところに原因があって黒字に変わったのですか。どこにごまかしがあったのか、その辺を明らかにしてほしいのですが、説明できますか。

酒井健三国税庁次長

○政府委員(酒井健三君) 申告の内容につきましては、いろいろ態様がございまして、先生も御推察なさるようないろんなやり方があるわけでございまして、一概に言い切れないいろんな態様があるという状況でございます。

野末陳平新政クラブ

○野末陳平君 いや、推察は幾らでもできるのだけれども、それが当たっているかどうかわからないからね、だからいろんなことを聞きたいわけで、つまり、本来黒字なのに赤字の申告をしたという、手口というか技術というか、どんなことをやっているのだと、それが聞きたいのですよ。——典型的な例だけ幾つか言ってもらえばいいですよ。

酒井健三国税庁次長

○政府委員(酒井健三君) お答え申し上げます。  赤字申告法人のかなりのものが同族法人でございまして、同族法人の場合に、本来であれば個人の負担すべき経費を会社の経費にするとか、そういうケース、あるいは申告の所得が、本来の所得を全部計上すべきものを必ずしも全部計上しないとか、そういうようなのが、ティピカルなタイプかと思います。

野末陳平新政クラブ

○野末陳平君 そういう面はみんなサラリーマンにとっては絶対に源泉徴収という立場から考えられないことで、そうなるとやはり不公平感というのが、うまくやっているんだということになるわけですね。ですから、当局にしてもどんどん調査をしてほしいと思うものの、これはどうなのですか、人数的にやりたくても全然やれないのか、申告を見ていたり、あるいは資料的になかなか調査に入るだけの準備ができないのか、どこに一番の大きな原因があるのですか。さっきから見ると、非常に四%しかやってないとか、十何%とか、余りにも少ないように思いまして、念のためお聞きしたいのですがね。大臣でも結構です。

酒井健三国税庁次長

○政府委員(酒井健三君) いろいろの要因があろうかと思いますが、率直に申し上げますと、やはり人手が必ずしも十分でないというのが一番大きな要因でなかろうかと思います。私ども実調率の維持、そしてそれが低下するのを限られた定員の中でいろいろ努力しておりますが、努力の中でも限界がございまして、必ずしもそちらの方に十分の力を注入できないというのが大きな要因かと思います。

野末陳平新政クラブ

○野末陳平君 不公平と言い出しゃ切りがないですから、ほかにもいろんな不公平があるのですが、時間がありませんから一々わかり切ったようなことをここで指摘しません。問題は、この不公平は税法をいじっただけではどうにもならない、あるいはサラリーマンの不公平感を解消するには実地の答えを出さなければならぬということになって、非常にむずかしいので、人数の問題とおっしゃいましたけれども、行政改革を進めなきゃいかぬというときに、税務職員だけふやす、私はその方がいいと思っているのですよ、コスト的にも合うと思っているのですが、そう簡単にも言えないことですから、その前に提案をしたいのは、総理、大蔵大臣も聞いてほしいのですが、自治大臣にも。現行の徴税システムというのは、国と地方がそれぞれ独自にやっていて、非常にその間にむだが多いといいますか、一本化するとかなりいろいろな点で前向きに徴税システムがとれるのだというふうに考えているのですね。  その意見を聞いていただく参考に、いま大体国税と地方税でいわゆる徴税コストはどうなっているのか。それから人数はどういうふうになっているのか。この辺のことを明らかにしておいてほしいのですが、これはどこにお答えをいただいたらいいのですかね。国税の方で簡単にできると思うのですね、定員で割っていきゃいいのですから。いかがですか。

酒井健三国税庁次長

○政府委員(酒井健三君) 国税につきましては、徴税コストは五十五年度決算で計算をいたしますと、税収百円当たり一円四十銭ということになっております。私ども聞きますところによりますと、地方税の方は百円当たり三円十六銭程度というふうに理解しております。

関根則之自治省税務局長

○政府委員(関根則之君) 地方税の徴税コストでございますが、百円当たり五十五年度で三円十七銭という数字が出ております。職員数でございますけれども、これも昭和五十五年度末におきまして、都道府県の税務関係職員が二万五千九十六人、市町村関係が六万二千四百三十七人、合計八万七千五百三十三人でございます。

野末陳平新政クラブ

○野末陳平君 そこで中曽根行管庁長官にお聞きしているわけですね。一応国税関係、地方税関係、合わせて十四万人近くの職員ががんばるわけですね。徴税コストがなぜ地方が高いかという問題は、これは簡単に比較できませんからおくとして、この地方税、国税担当職員をひとつ徴税システムの合理化によってコストを下げて増収を図る、こういう案は行革の大きなテーマじゃないかとかねて思っているのですが、どうも余り大きなテーマとして取り上げられないのでちょっと残念なんですが、御存じのとおり国税の所得申告を終わって、それで自動的に地方税の方は計算されていくわけで、もうちょっと一本化すると非常に能率的になっていいと思うのですよ。これについての長官の御意見をお聞かせ願えますか。

中曽根康弘自由民主党行政管理庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) 臨調の中にはそういう議論がかなり交わされております。それで、中には昔の交付税のようなやり方をやったらどうかという議論もございます。しかし地方団体の方では猛烈な反対がそれについてはございます。第一部会の報告では、国税、地方税ともにこれを総合化して、もっと簡素効率化したらどうかと、そういう内容の報告が出ておりまして、いま本調査会でそれをいかに具体的にやるか検討しておる最中です。私もこの点は野末さんと同感でございまして、これを合理化したら相当な徴税費と人間が浮くのではないか、また情報の交換、協力関係を密にすることによって徴税関係がスムーズにいくのではないかという気がしておりまして、この点も大いに重視してまいりたいと思っております。

野末陳平新政クラブ

○野末陳平君 じゃ、参考までに中曽根長官にもう一つお聞きしたいのですが、私さっき言いましたように、やはり増員ということは必要だと思うのですね、税務関係は。ですから、コストも当然見合うと思うのですね、増収によって。ですから、この税務関係に限っては、行革に逆行するような気もしますが、職員を増してもいいのじゃないかと思いますが、それについてのお考えはいかがですか。

中曽根康弘自由民主党行政管理庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) 先般来、行管庁で監察を実行いたしましたが、サービスが非常にいいというのは税務署でありました。やはり税務署の皆さんが厳しい中で誠心誠意努力して好感を与えようとしておる努力は、最近は非常に評価されてきております。しかし、定員の関係はやはりわれわれは厳しく扱っておりますが、大体年間、税務署については大蔵省内部で自主的に調整してもらって、第一線の人たちは四百人から五百人ぐらいずつふやしております。本年度も五百何十人か第一線をふやすように融通してもらうようにしておりまして、大蔵省全体の枠は動かしません、ある程度減らしておりますが、その中で、たとえば財務部とか、ああいうようなところから第一線の税務関係に人をどんどん送り込むように努力してもらっておりまして、そういうことで進めてまいりたいと思っております。

野末陳平新政クラブ

○野末陳平君 アメリカなどはもう五千人レーガン政策で増員していますから、何か思い切った方法がとれないかなと思います。だけども増員はやはり余り声を大にして言わない方がいいと思いますので、むしろ現行の枠の内で知恵を出してほしいと思うのです。  時間も来ましたから、最後に総理と大蔵大臣にお願いするのですが、どうも国税担当と地方税担当の間に交流がないのですね。もうばらばらにやっているのですよ、現実には。印刷物もばらばらであるわ調査もばらばら、もうすべてばらばらね。申告のときに税務署に地方税の人が待っていて、仕上がる所得税の申告書をコピーして、それを持って帰ってとかね。実に前近代的といいますか、ですからその辺を合理化するために、ひとつどうでしょう、もっと交流をして、資料とか情報の交換をやる。この協力体制はこれはすぐできると思うのです。そういうところでひとついい知恵を出して、何か徴税の実を上げたい。少なくも不公平を是正するということがまた増収にもつながって、一番いいと思うのですよ。大蔵大臣と総理に最後にまとめの意見をお願いして、終わります。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) ごもっともなことでございまして、いままでも税務署等においては、地方、市町村の税務当局者といろいろな協力関係を持っておるわけでございますが、さらに一層御趣旨を拝しまして効果のあるようなことを研究を進めてまいりたいと考えております。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) 野末さん御指摘になりました、国と地方を通ずる徴税のシステムの改善、あるいは相互の協力関係の強化、これは非常に大事な問題である。徴税官が非常に人数も少なくて多忙である、実調率ももう少し上げたい、こういう際でございますから、この国、地方の協力関係ということは私は今後の改善の大きなやはり課題であろうと、こう思っておりますので、そう  いう方向で努力いたしたいと、こう考えております。

植木光教自由民主党

○委員長(植木光教君) 櫻内外務大臣から発言を求められております。櫻内外務大臣。

櫻内義雄自由民主党外務大臣

○国務大臣(櫻内義雄君) 冒頭お尋ねでございましたIBM産業スパイ事件の連邦地裁サンノゼ支部の大陪審の結果でございますが、日立製作所——会社が起訴されております。及び同社関係者、氏名省略しますが、十四名起訴でございます。盗品を国外に搬出する目的で謀議したかどで起訴と、こうなっております。それから三菱関係については二十一日まで決定延期と、こういうことでございます。

植木光教自由民主党

○委員長(植木光教君) 以上で野末陳平君の質疑は終了いたしました。(拍手)     —————————————

植木光教自由民主党

○委員長(植木光教君) 次に、青島幸男君の質疑を行います。青島君。

青島幸男第二院クラブ

○青島幸男君 とうとうこの予算委員会も私が最後ということになりました。長時間皆さん御苦労さんでございますけれども、私もかなり疑点がございますので、若干の質問をさせていただきます。  まず総理にお伺いいたしますけれども、この大幅に延ばしました国会でございますけれども、いま国民が注視しておりますけれども、この国会で何をしてもらいたいかと、一番重点において願っておることというと、どのように御認識になっていらっしゃいますか、その点からお尋ねいたします。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) 国会の相当大幅な会期の延長をお願いしたわけでございますが、それには政府から提案をいたしました重要な法案が参議院段階におきましていま審議の途上にあると、こういうものもございます。また議員立法として提案をされております多年の懸案でありまするところの公選法の改正の中の全国区制度の改革の問題、この問題につきましても十分各党、各会派の御論議を尽くし、御意見を十分煮詰めていただいて成立を図りたいと、こういう問題等もございまして、相当大幅な会期延長に相なったと、このように承知しております。

青島幸男第二院クラブ

○青島幸男君 公選法の改革の問題につきましては、後ほどまたお尋ねを申し上げますけれども、いま行われております予算委員会等におきましても、一般の方々は問題になっております灰色高官の喚問についてかなり高い関心を示して、これが実現することに非常な関心をお持ちであるというふうに私は認識しております。  再三この委員会におきまして、総理の御答弁を伺っておりますと、どうも私は証人喚問について——苦しいお立場であることよくわかるのですけれども、苦し紛れに右へ左へと体をかわされて逃げておられると、こういう認識を持たざるを得ないということを大変残念に思っておるのです。総理の御見解によりますと、即座に喚問できないのは、つまり衆議院の方で野党、と申しましても共産党は外しますけれども、と与党との間で証言法の改革についてまず論議がなされておると、これを尊重しておるから、その結果を待ってということを再三お述べのようでございます。しかし、当参議院におきましては、野党側は現行法でもできるじゃないかというようなことの意見一致を見ておるようでございますし、参議院と衆議院では、このことに対する対応の仕方もかなり違っておるように私見受けております。しかし、総理の御見解によりますと、一方的に衆議院の意見なり、流れなどを尊重しておいでになって、参議院独自のありようについては、はなはだしく軽んじて考えていらっしゃるんじゃないかという認識を受けました。  ただいまも参議院改革の問題が議題になりましたけれども、これはやっぱり政党化が参議院に進んでいようという一つの弊害ではなかろうかと私思いました。いま話題になりました改革案は、政党化を確定的に制度化してしまうという案でございますので、これまた後ほどお尋ねしますけれども、非常に問題だと思います。  この審議を通じまして、参議院は参議院で独自に証人喚問もできるのではないかというお立場をとっていらっしゃる方もかなりおいでになりますが、このことにいっかなお耳をかそうとしない総理、参議院軽視という私の考え方につきましてはどのようにお考えでございましょうか、お伺いいたします。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) わが国の議会制度は、衆議院、参議院の二院制度でございまして、私は参議院を衆議院と全く同じように重視をし、参議院の御意見につきましても十分尊重して、国政の運営に当たってまいりたいということでございまして、参議院軽視などという考え方は毫末もないことを明確に申し上げておきます。  なお、証人喚問の問題につきましては、昨日矢田部さんに対しまして、これを総括いたしました統一見解とでも申しますか、お答えをいたしまして、そして御了承をいただいたところでございます。

青島幸男第二院クラブ

○青島幸男君 なお一層参議院に対する配慮をお願いしたいと、こう思うわけでございます。  続きまして、法務大臣にお伺いいたしますけれども、ロッキード裁判における検察論告は、いわゆる灰色高官に金が渡ったとしておりますし、六月八日の判決でも金の授受があったということを示唆しております。しかし、二階堂さんはいつかな全然受け取ってないという態度を変えておられません。どっちかの見解が間違っておるということなんでしょうけれども、法務省としてはこの問題についてはどうお考えでしょうか。

前田宏法務省刑事局長

○政府委員(前田宏君) お尋ねの六月八日の判決につきましては、その判決で被告に出されております二人の方以外の政治家の方につきまして、どのような見方をしているかということにつきましては、その見方、受け取り方につきまして、いろいろな見方があるということはこれまでも御論議があったところでございます。その点はそういうことでございますけれども、この判決につきましては、検察当局といたしてましては、その事実認定に関しましては控訴の申し立てがなされていないわけでございます。したがいまして、少なくとも判決要旨に示された事実関係と申しますか、そういう点につきましては、法務当局といたしましてはこれに特に疑義を差し挟むというべき立場にないわけでございますので、そのように御理解を賜りたいわけでございます。

青島幸男第二院クラブ

○青島幸男君 いっかなはっきりしないのですよね、その辺が。ですから私は素朴な疑問を持ってお尋ねをしているわけでございます。  総理にお尋ねいたしますけれども、六月八日判決で認定されました佐藤議員に対しまして、野党から辞職勧告が出ましたり、また方々の議会からもそれと同様の趣旨のことがなされております。この問題につきまして総理に御見解を承りますと、いつもこれは本人の問題だし、一番苦しんでいるのは本人だろうというようなことのように答えておられます。また、同類の疑問に対しましても、選挙で洗礼を受けておられるのだから、それは御本人次第だというようなことをおっしゃられますが、先ほど問題になりました選挙制度の改革がもしなされますと、政党が拘束名簿式で当選議員を指定するわけですから、こういう似たような事態が仮に起こったといたします、先々、改革案が通った後ですね。そうすると、政党が指名したことになりますから、この責任の所在は選挙の洗礼を通ってということにはならないと思いますね。そういう際には政党がこれ責任を負わなきゃならぬのでしょう。どうなるのですか。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) いま御質問の御趣旨は二つあると思います。  現在起こっております六月八日の判決におきまして、有罪の第一審の判決を受けた佐藤孝行議員の出処進退の問題でございます。これはもう衆参両院の予算委員会等におきまして私が繰り返し御答弁を申し上げたところでございまして、本人の良識、本人の出処進退、これをまずわれわれは尊重し、これに期待をしたい、このように考えております。  また、国会におきまして野党各党から議員辞職の勧告決議案が出ておることにつきましては、これは大変重大な問題でございまして、本人もこれを重く受けとめていろいろ深刻に考えておいでになる、また友人の方々もいろいろ相談に乗って、そして本人の善処をいろいろお話しになっているということも私お聞きしておるわけでございます。この佐藤孝行議員の出処進退の問題と、今後公選法が改正になった場合の問題、この問題につきまして、青島さんは現在の国会の構成と大きく変わってくるんではないか、こういうことを前提に御主張なさっておるようでございます。私は、現在の参議院におかれましても、やはり政党あるいは各会派という組織で、そして御相談をしながら政治力を強めて、これを国政の上に反映をさせる、こういう議会活動をおやりになっておる、これが現実の姿でございます。  かつて、参議院には緑風会という大きな会派がございましたけれども、その後この国会のいろいろの試練と活動の経験、その他の過程を経まして今日のような姿に相なっておることは御承知のとおりでございます。  なお、もう次の問題に入って御質問でございますれば、いまお答えをしてもいいんですが、当面それだけお答えをいたしておきます。

青島幸男第二院クラブ

○青島幸男君 私がお尋ね申し上げたことに的確にお答えいただけないのは大変残念ですけれども、改革案が成立いたしますと、当選議員は党が指名するわけですからね、拘束名簿式で。ですから、選挙民の試練を受けない、洗礼を受けないわけですから、党が責任を負うのですかということを申し上げたわけです。でも、これ仮定の問題でございますから結構です。後ほどまたこれについて詳しくお伺いいたします。  前段の問題で総理お答えになりましたけれども、本人が非常に重要に受けとめておる、だから本人に任せればいいではないかというお話でございますけれども、私もそのように申し上げたいのです。しかし、佐藤さんの場合は今回が初めてじゃないのですよ。そのことは総理も知っていらっしゃると思いますけれどもね。  私あえて申し上げますが、佐藤議員はロッキード事件以前にも選挙違反で一審、二審、有罪になっているのですね。最高裁に上告していたわけですよ。そのときに明治百年恩赦がありまして、上告を取り下げられまして、それで、恩赦の恩恵に浴しておられるわけですね。こういう方ですからね、選挙違反で有罪になりまして、さらにロッキード事件で有罪になった。こういう方だからこそ問題が大きくなっていると思いますけれどもね。  たとえば、ここにかつての新聞記事がありますけれども、「佐藤氏は、さる三十五年十一月の衆院選挙に初めて立候補したが公選法違反に問われ、四十年四月、函館地裁で懲役一年、執行猶予三年の判決を受けた。そこで札幌高裁函館支部へ控訴したが、四十三年十一月、ここでも懲役一年、執行猶予二年の判決を言渡されたので、さらに最高裁へ上告していたが、」「恩赦を受けるため上告を取下げ、刑が確定した。」と、こうなっているわけです。  同氏は三十八年と四十二年の二回の衆議院選挙で当選して、同氏は刑の確定後すぐに衆議院議員を辞職なすっているわけです。責任を感じて辞職なすったのではなくて、恩赦で救われることをもくろんで上告をお下げになっているのですね。やり方としては私はかなり悪らつだと思いますよ。こういうことを重ね重ね行われているわけですね。ですから、問題はますます重視されなきやならぬだろうと思っているんです。  倫理の確立ということをこの国会でも総理冒頭からおっしゃっておられましたが、それから政治家本人のモラルの問題ということもおっしゃっておられました。しかし、この経緯を見まして、御本人に政治家としてのモラルがあるとお考えになられますか。私は、その点とっても疑問に思うのですが、いかがなものでございましょう。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) 私は、佐藤孝行君個人の問題として申し上げておるのではございません。国会を構成する議員の身分にかかわる問題でございます。そういうような観点に立ちまして、まず、本人のみずからのお考えに基づく出処進退、これが先行すべきものである。そして、これに対して野党の皆さんからは辞職勧告の勧告決議案が上程になっているというこの事実もございます。私は、そういうようなこと等を御本人も深刻に受けとめていろいろ考えていらっしゃるということを聞いておりまして、そのみずからの出処進退ということをできるだけ早く結論を出すことを期待いたしておるということを申し上げておる次第でございます。

青島幸男第二院クラブ

○青島幸男君 私も他の個人についてとかくあげつらってこういう公式の席で発言するの好みじゃございません。ですからこれ以上は申しませんけれども、とにかくそういうふうな方だという御認識に改めていただきたいと思います。  政治倫理確立、汚職防止の観点から見ましても、情報公開は必要だと、こういうふうに感じます。情報公開法の制定に関して、総理はどのように考えておられるか、また、政治家の資産公開法制定などについてどのようにお考えか、御見解を承ります。

中曽根康弘自由民主党行政管理庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) 情報公開につきましては、行政管理庁におきましても検討を続けてきておりますが、現在は臨時行政調査会の第二部会で特別の分科会を設けてやっております。  最近は山形県の金山町とか、あるいは神奈川県でも具体案がいろいろ研究され、出てまいりまして、われわれも非常に注目しておるところでございます。情報公開は時代の推移から見て、これは必然の流れでございまして、われわれは前向きに、積極的に取り組んでまいりたいと思っております。

青島幸男第二院クラブ

○青島幸男君 その御覚悟は評価したいと思います。ぜひそのような向きで進めていただきたいと思います。  政治倫理確立のためには政治資金規正法も大変重要な問題でございまして、なかんずく企業の献金廃止ということは非常に重要な問題になっておると思うのです。政治資金規正法改正にかける総理の御決意をまず承りたいのですけれども、五十一年一月施行になりました現行法も、附則八条で個人による拠出の強化をうたっております。さらに五年後に検討せよということをうたっておりますが、もう六年になりますが、この辺のところも含めましてお答えをいただきたいと思います。

世耕政隆自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(世耕政隆君) 総理のお答えの前に若干申し上げます。  昭和五十年度に改正法が行われましたですが、そのときにこの附則第八条に五年後の見直しということが言われております。そこで、いろんな資料を収集したり分析などを行いながら、どうすれば個人献金を伸ばしていくことができるか、この方法をいま模索中のところでございます。やはりこの見直しによる改正案を作成しますのには、各政党のよって来るべき地盤がみんな異なっておりますので、現実問題としては各党の政治活動が損なわれないようなことでまず各党間で十分審議をしなければならないのではないか、このような方向でわれわれは対処しているものでございます。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) いま自治大臣から御答弁を申し上げたとおりでございますが、私も個人献金が、これは一遍にはなかなかいかないと思いますけれども、そういう方向で進んでいくことを期待をいたしております。

青島幸男第二院クラブ

○青島幸男君 企業献金はすべて悪ではないという見解をいつもおとりのようでございますけれども、企業献金が何らかの見返りを期待して行われるとすれば、そこに疑念が生まれるのは当然のことでございます。ですから、私提案があるのですが、政治資金規正法を変えろ、これも一つの念願でございますけれども、そこまでいかなくとも、皆さん閣僚の立場におありのときだけは少なくとも企業献金を受けないというようなこと、法改正をしなくともできるわけですね。閣議で申し合わせをなさって、それぞれの方々が重要な許認可の権を握っておられるようなポストにおられるときだけは少なくとも企業献金を受けないというぐらいの申し合わせがあれば、国民の信頼もかなり高くなるのではないかと思います。その立場においでになる方はたとえ見返りはないということを明白に宣言なすっても、国民の間には疑念が残るのではないかという気がいたします。いかがなものでございましよう。

宮澤喜一自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(宮澤喜一君) 閣僚の綱紀の問題につきましては、内閣発足及び改造のときに鈴木総理大臣から特に発言をされまして、各閣僚に兼職禁止等々について注意をされたわけでございます。ただ、いま御指摘のように、企業献金全部を閣僚である間は受けるなということにつきましては、企業献金そのものが悪であると考える必要はないと私思いますし、しかしまた、職務関係に関係のある企業献金でありますと、これは善悪、法律の問題でなくモラルの問題がやはりあると思いますから、その点は結局一人一人の閣僚のモラルの問題として考えていただくべきものだろうと思っております。

青島幸男第二院クラブ

○青島幸男君 閣僚のモラルに信頼が置ければ私こんなことを申し上げないのですが、少なくとも請託だの何だのというようなことで世間の疑惑を浴びるというようなことのないように、「李下に冠を正さず」というような精神を徹底していただきたいという筋合いで私申し上げておるわけでございます。  政治資金の流れを明らかにすることは、政界浄化につながるということに決まっております。それで、これまで自治省は中央選管の届け分しか公表しておりませんけれども、地方における政治献金の実態というものも公表すべきだと思いますが、その点いかがお考えでしょうか。

世耕政隆自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(世耕政隆君) お答えいたします。  自治省としましては都道府県選挙管理委員会所管の政治団体の収支報告書の内容についてまで具体的に把握しているわけではございません。したがって、御指摘の点につきましては今後十分調査して対処してまいりたいと思います。

青島幸男第二院クラブ

○青島幸男君 明白な違反がかなりあるんですよ。政治資金規正法では「何人も、各年中において、政党及び政治資金団体以外の同一の者に対しては、百五十万円を超えて政治活動に関する寄附をしてはならない。」と、こうありますね。市川政治資金調査室の調査によりますと、地方選管に届け出られた政治資金のうち六十数団体が違反を犯しております。自治省はこの事実を知っておられますか。いまのお話ですと御存じないようですけれども、それがわかったときどういう御処置をおとりになるのですか。

大林勝臣自治省行政局選挙部長

○政府委員(大林勝臣君) 青島委員御承知のとおり、地方、つまり県内団体についての収支報告は県で公表をする。公表した後に自治省の方に送付してまいることになっております。ただ、その内容が五万団体に及ぶような非常に大量なものでございますので、個々の政治団体の収支内容について具体的に一々実はチェックできかねておるのが実情でございます。確かに、御指摘のような不安がないとは私ども考えておりません。ただ、従来それを点検をしたことが実はないわけでありまして、そういうことがあるかないか点検をして、もしそういう事実がございましたら、県の選挙管理委員会を通じていろいろ聞いてみさせたいと、こういうふうに考えます。

青島幸男第二院クラブ

○青島幸男君 これは罰則があるはずですよね。それを適正にやってもらいたいと思います。  特にこういうことがあるんですね。「福岡、大分、長崎の北九州三県で献金ラッシュが目立った。同地帯は民間工事に比べ、公共事業に頼る比重が大きい。例えば大分県の場合、テクノポリスやマリノポリス構想があり、」これからが問題なんですけれども、「国からの予算も具体化していることが一斉献金の動きとなったようだ。」と。国からの予算が決まりまして工事が具体化してくると一斉に献金が起こると、しかも違反という事実も生まれる、こういうところに談合だの贈収賄という根があるのだということを考えましてそのようなことを申し上げたのでございますので、ひとつこの方は的確に御処理願いたいと思います。  さて、先ほどから話題になりました審議中の選挙制度の改革案についてのお話でございますけれども、同僚議員がこの場に立ちまして、こういう選挙制度の改革にわたるような重要な法案については、強行採決というようなことで事が決しられてしまうことのないように十分御配慮いただきたいということを再三総理に申し上げております。明確なお答えがいただけませんが、いかがなものでしょう、もう一度私、確認をいただきたいと思いますが、いかがですか。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) 私は、重要な法案であればあるだけ、また制度やあるいは日本の議会政治に深くかかわるような重要な問題につきましては、十分各党、各会派の問で御審議を尽くされて、そして論議を煮詰めていただきたい、こういう観点に立ちまして、自由民主党におきましても会期の大幅な延長を図って、そして社会党さんからも御提案になった法案等とあわせて十分時間をとっていま御審議をいただいておると、こういうことであると認識をいたしております。議会制民主政治のもとにおきまして国会がどういう審議を尽くされ、どういう採決をされるかは国会のこれは御決定になることでございまして、ルールに従って国会がお進めになるということに対しまして、私はそのことまで絶対にそういうことが禁じられるというようなことを申し上げるわけにはいかない、こう思います。

青島幸男第二院クラブ

○青島幸男君 総理どういう御報告を受けておいでかわかりませんがね、公選法特別委員会で審議が行われておりますけれども、審議が進めば進むほどいろいろな疑点が出てまいりまして、憲法上の問題、その他制度上の問題、政治的な問題、かなり疑問が出てまいりまして、この法案通ったら一斉に訴訟事件が起こるのではないかという疑念さえ出ているほどでございまして、しかも審議の状況ですけれども、たとえば私が委員を兼ねておりますけれども、全国区になぜお金がかかって、地方区や衆議院と比して金がかかり過ぎるというのはなぜかと、資料を提出してくださいということを再三私申し上げているわけです。この資料すら出していただけない事実です。ここで重ねて申し上げるのもなんですけれども、全国区も五十二万票で当選、地方区で六十三万とって落選ということもあるわけですね。発議者のお話によりますと、郵便料金だって全国区になりゃ高いんだからということで、一瞬惑わされましたけれども、東京から東京都区内へ出しても北海道へ出しても、郵便料金同じなんですね。ですから、何がゆえに全国区だけそんなにお金がかかるのかという資料をお出しいただきたい。資料がなきゃ審議できませんよと。自治省にある選挙費用の届け出だけなんですね、あるのは。どこの委員会においてもそうでしょうけれども、当委員会もそうですけれども、さまざまな事実を明らかにして、さまざまな論点を明示して、そのあげくにどうしなければならぬ、どう改革しようという話が出てくるはずですけれども、議論の対象になる資料も出してないというような状態で論議が進められております。この問題についてはいかがお考えですか。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) 公特委の参議院の御審議の模様、私は出席をいたしておりませんからよく承知をいたしておりませんが、しかし、これだけの長い審議時間を持っておるわけでございますから、しかも自由民主党と野党第一党の社会党さんが法案をお出しになっておるということでございますから、私は、時間も十分あるし審議を尽していただけるものと、そのように存じておるところでございます。まだ十分時間もあることでございますから、足らざる点は御審議を十分尽くしていただきたい、このように期待をいたします。

青島幸男第二院クラブ

○青島幸男君 まだ十分審議の時間があると明確におっしゃられましたので、そのことを唯一頼りにしてこれからも精進してまいりたいと思いますが、婦人有権者同盟など市民団体の多くがこの問題について反対をする動きを起こしております。これは利害に関係なく、ただひたすら民主主義を守りたいという信念、情熱でおやりになっていることだと思いますが、この方々の御趣旨などはどういうふうに受けとめておられますでしょうか。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) 国政の基本になります選挙制度の問題につきましていろいろ関心をお持ちになり、それぞれの考えるところ、信念に基づいて運動されておる、これは民主主義の国家として当然のことであると、またそれは国民の権利でもあると、こう思うわけでありますが、やはり国民全体を代表する国会において最終的には結論を出していただく、これが議会制民主主義の制度の仕組みになっておると、このように考えております。

青島幸男第二院クラブ

○青島幸男君 この法案は出だしのときからいろいろ問題が起きておりまして、この婦人有権者同盟などの主な意見も、こういう問題は第三者機関にゆだねるべきではなかろうかというような趣旨のことを申されております。  ちょっと資料古くなりますけれども、昭和四十三年、私初めて当委員会に、この席に立たしていただきまして質問したときの自治省のお答えでございますけれども、「こういう制度自体は、やはり国会だけで議論してきめるというわけにはまいりませんので、やはり学識経験者の中立的な御答申をいただいて、それに基づいて仕組みを変えるということに昔からなっておりまするので、その点ひとつ御了承をお願いいたします。」と、こういうふうに当時の国務大臣赤澤さんがおっしゃられておりますが、いつの間に政府の御見解は変わったんでしょうか。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) 自治大臣から答弁を願えば——当時赤澤自治大臣が御答弁なさったことでありますから、いいと思いますが、私から申し上げておきます。  この公選法の改正の問題は、御承知のように第一次から第七次まで選挙制度審議会におきまして広範な観点から審議がなされてまいっております。これには学識経験者だけでなしに、国会の各政党を代表する方も委員として参加をいたしておるわけであります。ところが、その審議の状況を見ておりますと、やはり議会を構成する議員を選ぶルールの問題でございますので、政党代表の委員の方々の御意見が相当強く反映をすると、こういうことでございまして、その当時の状況等を聞いておりますと、結局これは国会で各党、各会派でこういう問題は結論を出していただく以外にないと、こういうことに相なりまして、結局今回の場合は各次での選挙制度審議会の答申等も念頭に置きながら、特に憲法問題その他についての疑問という点を十分解明した上でこれを提案するということになったものと私は承知をいたしております。

青島幸男第二院クラブ

○青島幸男君 いまだに私はその点については疑念を持っております。これは三者機関にゆだねるべきだというのが本筋だと思います。  委員会において六人の参考人の意見を聴取いたしました。その方々の見解でございますけれども、かなり疑問を投げかけておられまして、無条件で賛成なすっている方は一人もおいでになりません。特に候補者の名簿の順位につきまして問題が多いと。党が決めるわけでございますから、不正にわたる部分があるだろうと言うのですが、この点について総理、確信がおありになりますか。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) 私はここでその名簿作成の問題につきまして内容にわたって申し上げるわけにまいりませんが、各党におきましてはそれぞれ公正な名簿作成の委員会等を設置をして、そこで全党的な立場でこれを作成をする。そうでなければ政党は立っていきません。私はそのように信じております。

植木光教自由民主党

○委員長(植木光教君) 青島君、時間が参りました。

青島幸男第二院クラブ

○青島幸男君 はい。  私から申し上げるのもなんでございますから、「選挙法改正について」という自民党の熊谷さんの御意見がここにございますので、これを申し上げます。「現在の党」——「党」と言っておりますのは、前後の脈絡から考えまして自民党です。自民党は、「政治倫理の低下が著しく、内部の問題を、ともすれば力によって決しようとする風潮が勢いを占めている。このような情勢の中で拘束名簿式比例代表制が行なわれたら、一体どういう基準で候補者が選ばれ、順位が決められるであろうか。その点が寒心にたえない」と、こう書いておられます。「寒心にたえない」というのは寒い心ですから、恐らくぞっとすると、こういうことでしょうね。現に総理、再三強行採決ないようにおっしゃられておりますけれども、四月末に強行採決が行われました、質疑打ち切りの動議ですけれども。しかし、私は最も許せないのは、この際に自民党の有力な議員が、きょうはおもしろいものをごらんに入れます、無所属の議員をつかまえて、事前にそのことを明確に示唆しているのですね。それで実際私それを聞きまして、たちの悪い冗談を言う人だと思っておりました。しかしそのとおりになりました。こんな言語道断な話はないと思いますよ、私は。こういう委員会で審議して、これが正当な民主主義に基づく審議のあり方だとお考えになりますか。私はもう非常なふんまんを持っております。  あえてもう一言申し上げましょう。

植木光教自由民主党

○委員長(植木光教君) 青島君、時間が参りました。

青島幸男第二院クラブ

○青島幸男君 「党内の政治倫理が確立せず、何でもかでも、力で条理を枉げようとするムードが現存しているかぎり、軽々にこれを押し進めるべきではない」と考えると、自民党の方がおっしゃっていますよ。このことをもって瞑すべしということで、総理に自民党員の言葉をあえて読んで差し上げまして、質問を終わりたいと思います。(拍手)

植木光教自由民主党

○委員長(植木光教君) 以上で青島幸男君の質疑は終了いたしました。  これにて質疑通告者の発言はすべて終了いたしました。     —————————————

植木光教自由民主党

○委員長(植木光教君) この際、申し上げます。  御要求のありました証人喚問要求の件につきましては、今後理事会で引き続き協議いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時五十一分散会

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