予算委員会 第23号
- 発言数
- 258 件
- 登壇者
- 30 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1982/06/30
会議録
○委員長(植木光教君) 予算委員会を開会いたします。 予算の執行状況に関する調査を議題といたします。 —————————————
○委員長(植木光教君) まず、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 予算の執行状況に関する調査のため、本日の委員会に日本銀行総裁前川春雄君を参考人として出席を求めることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(植木光教君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 なお、出席時刻等につきましてはこれを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(植木光教君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(植木光教君) 昨日に引き続き質疑を行います。柳澤錬造君。
○柳澤錬造君 最初に鈴木総理にお開きをしていくのですが、総理に御就任になって最初の所信表明演説で、政治倫理の確立ということを強調されたわけなんです。私は大変いいことを言ってくださったなというふうに思っておりました。私も、いまの日本の政治を挑めておりまして、一番の問題は、汚職をどうやってなくなすのか、同時に、政治家の姿勢をどう正すのかに問題があると思うんです。 そこで、若干の点で総理にお聞きをするのですが、昨年の政治家の所得申告を調べてみました。自民党の中のいわゆる領袖と言われる方たちが幾ら申告をしているか。最高の人で二千八百十九万、最低の人はわずかに千三百四万の申告しかしておらないんです。このようなことを国民が信頼なさるかどうか。さらにもっと言いますならば、そこに大臣の皆さん方が並んでおられるんですが、私よりも少ない所得申告をなさっている大臣の方が四人もおられるんですよ。こういうことでもって国民に向かっていろいろ物を言っても国民が信頼されるでしょうか。政治倫理の確立を絶えず強調されておる総理としての御見解をお聞きをいたします。
○国務大臣(鈴木善幸君) 私が党総裁、そして総理に就任いたしました当時におきましては、政治倫理の確立の問題が世論としても非常に厳しいときでございました。私もこの世論の声に謙虚に耳を傾けまして、やはり議会制民主主義を守っていきますためには何といっても政界の浄化と刷新、政治に対する信頼の回復、こういうことがやはり基本である、このように考えまして、私の第一声に、記者会見におきましてそのことを申し上げたわけでございます。白来、私といたしましては、金のかからない選挙制度の改正の問題でありますとか、あるいは個人に対する政治献金を、政治団体と同じようにできるだけ正しくこれを報告するという義務づけを明確にするような改正も国会にお願いして、それができたわけでございます。 ただいま柳澤さんから政治家の所得申告、特に閣僚の所得申告が適正に行われておるかどうかと、こういうお尋ねでございますが、これは私は国税庁税務当局が、それぞれの地域において申告がされ、それを審査をし、資料に基づいて確定をいたしておることと、このように存ずるわけでございまして、閣僚であるからとかなんとかいう政治家の経歴とか、そういうもので所得が大きかったり少なかったりというようなぐあいには、それは基準にはならない。やはり議員におなりになっておって、一方において事業を大きくおやりになっておる方もございましょうし、でございますから、大臣、政務次官であるから所得は当然高いんだというわけにもいかないということはもうこれは申し上げるまでもないことである。要は申告が正確になされ、また、税務当局の審査が十分なされておるかどうか、そういうところに私どもは今後も十分注意をし、吟味をしていかなければならない。柳澤さんの御指摘はまさにそういうところにあろうかと、こう思うわけでございます。
○柳澤錬造君 総理、私が申し上げているのは、一般の国民と違って、やっぱり少なくとも国の閣僚になるような方、あるいは一つの政党のそういう領袖になるような方というものは違うと思うんですよ。だから、一般のサラリーマンと同じような形で、国税庁がちゃんと審査をしてパスをしているからいいんだなんて、そういう判断では困るんです。どこからも文句の言われないように、少なくともきちんとやっぱり自分が申告をしていくようでなければ国民は支持をしないんですということを言いたいわけなんです。 このことはまた後ほどお聞きをしていこうと思うんで、警察庁にお聞きをするんですが、来ておられますか。——汚職の問題で聞いていくんです。 過去五年間に中央、地方を通じて、各自治体もですけれども、汚職の発生件数というのはどのくらいあるか、お示しをいただきたいと思います。
○政府委員(中平和水君) お答えいたします。 過去五年間に警察が検挙いたしました贈収賄事件の状況でございますが、トータルで申し上げますと、件数で三千七百四十二件でございます。収賄者の数が千八十三名、贈賄者の数が二千三百二十名でございます。この収賄者の千八十三名の内訳を申し上げますと、国家公務員が百四十八名、地方公務員が八百四十九名、みなす公務員が八十六名と、こういうことになっております。
○柳澤錬造君 総理、いまお聞きになってどういうお感じを持ちましたか。 これは、いま言われているように検挙された数なんですね。私は汚職の発生件数とお聞きをしたのだけれども、そんなことわかるわけがない。少なくともいま言った数の十倍ぐらいというものは私は汚職はあると思うんです。この汚職をどうやってなくしていくかということが大変大事なことではないだろうか。汚職というのは、私は民主主義政治の敵だと思うんですよ。世界の歴史を眺めましても、汚職が蔓延しておってそうして国家が繁栄したなんて国家は一つもないんですから。そういう点でもって、総理は政治倫理の確立を言われるんですが、どうやって日本の国の中に広がっている汚職をなくなそうとしているか。総理の御決意のほどをお聞きをいたします。
○国務大臣(鈴木善幸君) ロッキード事件は、政界、官界あるいは業界等の関連におきまして大きな反省の材料になっておると、私はこう受けとめておりますが、これを受けまして、昭和五十四年の秋でございましたか、航空機疑惑に関する再発防止についての協議会から、政、官界等の再度このようなことがあってはならない、そういう事件を再発防止をしようということでいろいろ献策がございました。それを受けまして、政府におきましては、御承知のように商法の改正も国会にお願いをしたところでございます。また、臨調の御答申等も尊重いたしまして、とかく許認可事務等の裁量その他裁定に絡んでいろいろ疑惑が持たれるわけでございますから、この許認可事務等の合理化、公正確保のための法律を取りまとめて国会に提出をし、御審議を願っておるところでございます。国会はまた国会の場におきまして、各党、各会派におきまして国会みずからが姿勢を正さなければならないということで御努力を願っておる。そのように、政府は政府としての立場において、国会は国会の立場におきまして、反省の上に立ってそれぞれ努力をしておるというのが現状であろうと、こう思っております。
○柳澤錬造君 総理、私がお聞きしているのは、ロッキードの問題ではなくて、日本の国じゅうに蔓延をしておる汚職をどうやってなくなそうとお考えですかと聞いているんです。たまたまロッキード事件に関係して総理は航空機輸入調査特別委員会を出したのですけれども、その航特委もいま国会の中にはないわけでしょう。これはロッキード事件は後で聞きますから。 法務省と警察庁に私はお聞きをしたいのだけれども、依然として減らない日本の国の汚職というものをどうやってなくなそうとしているかということをお聞かせをいただきたいと思うんです。
○政府委員(前田宏君) 私どもの立場は、刑事件になりました場合にそれを厳正に処理するということ、また、それを通じまして綱紀の振粛あるいは行政面での不備欠陥を是正していただくというような機能を果たしておるわけでございまして、直接的には事件の適正な処理ということになるわけでございますが、その場合に、たとえばその事案の中でいろいろな行政上の問題があるというような場合には、当該官庁に御連絡をするというようなことも講じておるところでございます。
○柳澤錬造君 総理、お聞きになりましたか。刑事事件が起きたときにこうこういたしますというのがいまの答弁なんです。私が聞いているのは、その起きているそういう汚職が起きないようにするためにどうしますんですかということを聞いているんですよ。そういう意味で、総理からもう一回御見解をいただきたいんです。
○国務大臣(鈴木善幸君) 先ほど、ロッキード事件発生後の世論、綱紀粛正、政界浄化等の反省の上に立って全般的な問題として御答弁を申し上げたわけでございますが、個々にはいろいろ問題が御指摘のようにあろうかと思います。たとえば公共工事の執行等をめぐりましていろいろ政官民の癒着とか、そういうようなところから汚職の問題がある。談合、献金、いろいろ問題が出てくるということにつきましては、その反省の上に立って建設大臣は中央建設業審議会等にその再発防止、入札のあり方等の改善等についても諮問をし、それぞれやっておるわけでございます。各省庁それぞれの立場に立ちまして基本的に姿勢を正す。そういう汚職の起こらないような事前防止あるいは指導監督等につきまして十分意を用いておるところでございます。
○柳澤錬造君 私がここで質問に立っている間に、もう一度その点についてもう少し、どうして日本の政治の上から汚職というものをなくなして本当に民主主義政治が成り立つようにするかということについて、御見解をお聞きができればと思います。 先へ進みまして、いまもお話がありましたロッキード事件に関して触れていきたいと思うんです。 昭和五十一年の十月の十五日、ロッキード問題に関する調査特別委員会におきまして、当時の稲葉法務大臣が、「政府としては、事件の真相を徹底的に解明することが、本件に関する国民の疑惑にこたえ、政治、行政に対する国民の信頼を回復する唯一の道であるとともに、わが国の議会制民主主義の健全な発展にも寄与するものと確信し、」として、ずっと報告をなさっております。 さらにその後、十一月の二日には当時の安原刑事局長が、一昨日から言われておりますいわゆる灰色高官の人名とその金額まで挙げて、その事実経過というものの報告があるわけです。総理としては、当時の政府が報告をいたしましたこれをお認めになりますか、どうでしょうか。
○国務大臣(鈴木善幸君) 私は、昨日も寺田さんその他にお答えをいたしましたように、当時の法務大臣なりあるいは司法当局から御報告を申し上げたことにつきましては、私もそのとおりに受けとめております。
○柳澤錬造君 それでは、その上に立ちまして私はこの間の六月八日の判決について、総理の御見解をお聞きをいたしたいんです。
○国務大臣(鈴木善幸君) いま前段で申し上げましたような検察のそういう事実の追及等の記録、そういうものを踏まえまして、また、いろいろ裁判所は高い立場から長期にわたって慎重な御審議をされた結果、六月の八日にあのような判決がなされたわけでございます。私は、この慎重な審議の上に裁判所が出された第一審の判決、これを非常に厳粛に重く受けとめております。このことは再三申し上げておるところでございます。
○柳澤錬造君 総理、厳粛に重く受けとめるということはもうきのうもお聞きをいたしました。 私がいま聞きたいのは、少なくともこれは政治家が関与をした汚職です、私が言うまでもなく。ですから、単に厳粛に重く受けとめるではなくて、現在の内閣総理大臣としてどういう見解をお持ちになるのか。二度とこういう事件が起きないために、私はこういう決意をいたしておりますということを国民に向かって言っていただかなければ御答弁にならないんです。
○国務大臣(鈴木善幸君) その点は繰り返し私御答弁を申し上げておるところでございます。 判決そのものを、三権分立の中で行政府の長としてあれこれ批判にわたるようなことは申し上げることはお許しを願いたいと、こう思うわけでございますが、いま申し上げたように、その判決は私は非常に厳粛に受けとめておりまして、今後あのような事件が二度と発生をしないように、そして政治に対する信頼を取り戻して、議会制民主主義を健全にお互いに発展をさしていかなければならない。私は、そのためには自由民主党の総裁としても、また、行政府といたしましても行政の分野を指導しまして、政界と官界の癒着等のそしりを受けないように心を引き締めてさらに一層努力してまいりたいと、こう思っております。
○柳澤錬造君 政治の信頼回復、確かにそのとおりで、ぜひやっていただきたい、二度と発生しないように御努力を賜りたいわけです。 そこで、これももう一昨日来出ているんですけれども、裁判所は汚職として有罪の断を下しました。御本人たちは関係ないと言っている。だから、もういままでにも、証人喚問をしてここでもって国民の前で明らかにしたらいいではないかと。ところが総理はきのうから、それはいま衆議院で云々と盛んに、言われるわけですけれども、別にあれは現行証言法でやっちゃいかぬと、何もそんな約束はしていないわけなんですよ。新しい証言法の改正をするならそれも結構だけれども、現在ある証言法も生きていることも明らかなんですから、何とか早くやっぱり関係者を呼んで、国民の前で真相を明らかにするということをなぜおやりになろうとしないんですか。
○国務大臣(鈴木善幸君) この点が、衆議院段階における予算委員会の理事会の申し合わせ、合意なり、あるいはもっと広い立場から申し上げますと、各党の国対委員長会談、ここで申し合わせをされまして、そして協議会においていま各党が案を出し合って協議をされておる、こういうことに私は承知をいたしておるところでございます。これは柳津さんもよく過去の経緯というものをもう御承知の上でお話しになっておると思うのでありますが、これは、現在ございますところの議院証言法につきましては人権上いろいろの問題点があるということで、いろいろ国会におきましても論議をされてまいりました。そして、特に衆議院の法務委員会におきましては、時間を相当かけてこれが論議をされてまいりました。 これに備えまして、わが自由民主党におきましては、亡くなられた永野嚴雄さんを法務部会長といたしましていろいろ慎重な検討もしてきたと、まあこういうことでございまして、六月八日の判決が出て証人喚問問題が起こったから、急にこの議院証言法の改正問題が取り上げられたものではない。前々からこの現行法の改正の問題については国会の問題点としていろいろ各党間で論議をされ、法務委員会等でも審議をされてきた。そういうようなこと等からいたしまして、現在衆議院の議長の諮問機関である議会制度協議会、その中に設けられた小委員会において各党の意見を持ち寄って御審議を願っておる。その改正された証言法に基づいてこの国会中に早くひとつ証言ができるようにしようではないかと、そういう方向で各党が前向きに努力をされておる、このように私は承知をいたしておるところでございます。
○柳澤錬造君 総理、私も間違えてはいけないから念のためにちゃんとけさも確認をしてきたんですけれども、別に現行議院証言法でやっちゃいけないなんていう各党の合意は何もないということも明らかなんです。どうなんですか。百歩譲って、いま一生懸命各党代表が集まって議院証言法をやっている。それだったらそれをやるとしても、総理も早く証人喚問をやりたいとおっしゃっているんだから、それだったらその議院証言法をいつまでにまとめなさい、これがタイムリミットだぞと。そして、いつにはこの国会に関係者を証人で呼んでいろいろ国民の前に明らかにしましょうと言って、その辺まで具体的に総理が言われると、きのういろいろ言われたことも裏づけがあるわけだけれども、そうでないと、総理が幾ら言ったって、何というんですか、結局は自民党が引き延ばしと、みんなそうしか思わないわけです。タイムリミットをいつに押さえていつごろには証人が出てこられるようにする、それを私は指示いたしますと言われたらどうですか。
○国務大臣(鈴木善幸君) 私は、決して証人の喚問を故意に引き延ばすようなことは自由民主党にはさせない、なるたけ早く各党との合意を得て議院証言法の改正ができ、そして静かな環境の中で証人の喚問ができるように、まあこういうことで、再三にわたりまして責任者である竹下君等に対して指示もいたしておるところでございます。したがいまして、国会の各党寄ってのお話し合いの問題でございますから、私が何月の何日ころまでに結論を出せと、こういう独断的なことは私はできませんけれども、いま申し上げた趣旨で、前向きで、できるだけ早く証人喚問ができるように、そういうことで進めてほしいと、こういうことで強く鞭撻をし、要請をしておるところでございます。
○柳澤錬造君 鈴木総理は内閣総理大臣なんです。そういう点に立ちまして、少なくとも証人喚問を御否定なさらないならば、いろいろと疑惑を国民の前に解明をして真相を明らかにしたいと言うならば、いま議院証言法をやっているそのことについては、いつまでにはまとめなさいと、それでいつまでには成立さして、そうしてこの国会中に証人喚問をしなきゃいけないよということをなぜ指示ができないんですか。それがもしも言えないならば、現在の議院証言法も生きているんだから、現在の議院証言法でやったらいいじゃないかということを言わなければ、幾ら証人喚問を拒否するものじゃないと言ったって、現実にこの国会中にできなくなっちゃうんですよ。そのくらいのこと総理におわかりにならぬことはないでしょう。もう一回答弁してください。
○国務大臣(鈴木善幸君) 三権分立の中で、私は総理大臣である、そういう立場から、やはり総理大臣という立場なしに、ただ自由民主党の総裁という立場である場合よりも、いろいろの点から私は慎重に考えておるわけでございます。総理大臣の立場から、いま国会で議長の諮問機関である議会制度協議会、その小委員会でせっかく各党が案を具して意見を闘わして御審議を願っておる際に、総理大臣だからといって、その問題について国会でお決めになる問題について日限を切ってどうこうと言うようなわけには私はいかないのではないか。そこまでは、総理大臣としてという立場を考えた場合においては、その点はやはり慎重でなくちゃいけない。しかし、党総裁としては、先ほど来申し上げるように強く要請をしておるということを御答弁申し上げておきます。
○柳澤錬造君 では、この国会中に証人喚問が可能になるというふうに判断してよろしいですか。
○国務大臣(鈴木善幸君) いま申し上げたようなことで、国会でお決めになる問題でございますから、私はそのことを明確に言い切れるわけではございません。しかし、前向きで、何とか早くできるようにということを期待もし、そういう方向で鞭撻、指導をしておるということだけは申し上げておきます。
○柳澤錬造君 それでは少し変えまして、極力個人の名前は差し控えますが、現実に有罪という判断を裁判所で下された方、当然議員を辞職しろということが野党各党から出されているんですけれども、それについての総理の御見解はどうなんですか。
○国務大臣(鈴木善幸君) 私は、この問題は基本的には本人が出処進退をみずから決めるべき問題であると、このように考えております。しかし、世論並びに野党各党からあのような辞職勧告の決議案が現実に提出をされておる、こういう状況の中でございまして、御本人も非常にこれを深刻に受けとめていまいろいろお考えになっておるものと考えておりますし、また、友人の人々もいろいろの立場から御本人にも意見を述べ、また、御相談にも乗っておると、こういうことに私は承知いたしておるところでございます。
○柳澤錬造君 これもまた総理、大変私は大事なことだと思うのだけれども、総理は、昨年憲法改正の問題が盛んに論議になったときに、とうとう最後には改憲論を口にする者は大臣をやめてもらいたいとまでおっしゃられたんですね。あのときに私は、ほんと言うと唖然としたんですよ。この憲法改正問題というのは、現行憲法をきちんと遵守さえしておれば、それは、いまの憲法がいいと思う者は憲法を守れと言ったらいいし、いまの憲法が悪いと思う者はそれは憲法を改正せいと言っていいものだと思うんですよ、大臣だろうと、一国民だろうと。いまの憲法を守ってさえおるならば、私はそれは意見として述べられるものだと思う。 しかし、今回のこれは、これだけの汚職がありましたといって、裁判所から有罪という判決が下ったんです。事実行為があったんですよ。だったらこれは総理、本人の意思にというわけには私はいかないと思う。個人の問題じゃないんです。この国会の権威をどうやって保つかという、そういう大事な問題を含んでいると思う。先ほどから総理もおっしゃるとおり私も思うんですよ。どうやっていまのこの政治不信を回復させて国民の信頼を得るか、そういうことを考えたときにはこれは個人の問題ではない。明らかに事実として裁判所から有罪が下った以上、それはもうおまえ責任をとれと。争って、最後の最高裁にいって無罪になったならば、それはそのときに堂々とまた国民に訴えて出てきたらいいんですから。一たんこういう有罪と判決が下った以上はそれに従うんだということがないと、あの憲法論議で言ったことと全く違うことになりますよ。総理の御見解を聞きたいんですよ。
○国務大臣(鈴木善幸君) 閣僚の改憲論の問題を出してこられましたが、私は、私の内閣では現行憲法を尊重し擁護するということを基本にいたしております。したがって、閣僚という立場におきまして改憲論を唱えるということは、これは一方において憲法を忠実に守っておるにいたしましても影響するところが大きいというようなことから、私はそのようなことを強く求めたわけでございます。 さて、今度はそれと別に柳澤さんから、国会議員のいまの事件によって裁判所から有罪の判決を受けた者に対する私の対処のあり方、こういうことをお尋ねになっておるわけでございます。この問題は、先ほども申し上げたとおりでございます。佐藤孝行君はいま無所属の議員でいらっしゃる。そういう立場で、国会議員として、この院のあり方、国会議員の地位あるいは選挙との関連、いろんなことから党を離れて大局的な立場で判断をしていかなければならないわけでございますが、しかし、私は基本的には、先ほどの繰り返しになりますけれども、その国会議員という重い立場にかんがみまして、本人自身が世論なり国会の中の空気、こういうものを十分踏まえて自発的に自主的に出所進退を決めてもらうと、このように考えております。そして、それに対していろいろ野党の方では、どうもやめそうもないからということで勧告決議案をお出しになるというような動きもあり、事態は非常に私は大きな緊迫の状況になってきておる。本人もこれを非常に重く受けとめておる。いまいろいろな角度から慎重に考えておられる段階であろう。私は、自主的な判断によって出所進退を早くお決めになることが望ましいと、こう考えております。
○柳澤錬造君 総理、細かいことは言わなくてもわかると思うが、アメリカのアレン大統領補佐官は、日本人から千ドルのお金と時計三個を謝礼にもらって実質的には首ですよね、やめさせられたんだから。あれをどうお考えになりますか。もし日本の政府の中の高官でああいう人が出たときに、総理はどう処置されますか。(「外交問題じゃないんだ、これは。」と呼ぶ者あり)
○国務大臣(櫻内義雄君) これはアレン補佐官の容疑等について、外務省の方へ大使館から連絡が出ておるので申し上げるわけであります。 第一に、補佐官がやめさせられたというふうに柳津委員おっしゃっておりますが、これはみずから辞表を出して、大統領がそれを受理されたと、こういうことでございますね。 それからアレン補佐官は、いま御指摘のようなことで問題になったのでありますが、当時新聞報道もありましたように、受け取った千ドルを金庫に入れてそのままにしておったというようなことで、調査の結果は同補佐官には違法の行為はなかった。しかし補佐官は、その千ドルの受領あるいは腕時計三個の受領等の問題から、みずから辞表を提出してこれが受理されたと、こういう経緯でございます。
○柳澤錬造君 総理、そういう事実行為じゃない、私が聞いているのは。日本の内閣総理大臣としてそのことについてどういうお考えをお持ちになり、そんなことはあっては困るけれども、もしも日本の高官が、千ドルといったら約二十三万円、時計三個というと、一個五万円として十五万円で、三十八万円ですよ。三十八万円もらったということでもって、事実上は首にさせられているんです。日本の高官だったら、内閣総理大臣としてどういう処置をなさるかと聞いている。
○国務大臣(鈴木善幸君) 私は、まず外務大臣から事実関係を御報告をした上で、あなたがまた重ねて御質問があろうかと思いましたので、事実関係を外務大臣からまず答弁を願ったわけでございます。 いま外務大臣から御報告がございましたとおり、アレンさんは世論、あるいはみずからそうすることが自分としての正しい進退であると、こう御判断の上で御自身でそういうことを決断をされたと、このように私は見ておるわけでございまして、その出所進退はまことにみごとであると私は敬服をいたしておるところでございます。
○柳澤錬造君 まことにみごとであると言って、総理、私ならばどうするということがいまなかったじゃないですか。またそれは後で言ってください。 もう一つ、シンガポール政府のリー・クアンユー首相というのは、機会あるごとに日本に学べと国民に向かって言っているんです。もう御存じだと思う。しかし、シンガポール政府というものが道義的にどれほど清潔な政府かということは、総理も御存じだと思うんですが、それについてどうお感じになりますか。これも外務大臣——じゃ、外務大臣。
○国務大臣(櫻内義雄君) 御質問を、外務省の方でシンガポールの実情はどうなっておるかということを調べておきましたので、それについて申し上げておきます。 シンガポールでは、大統領、首相及び閣僚を含む公務員、国会議員、裁判官が贈答品を受けた場合は、これを大蔵省経理局に申告し査定を受けることとなっており、当該受領者が査定額を支払った場合に限り同贈答品を受領できることとなっているとのことであります。 なお、同査定額を支払わなかった場合は、当該贈答品は大蔵省経理局に移管される。そして、この制度はきわめて厳格に適用されておるということでございます。
○柳澤錬造君 総理、お聞きのとおりなんです。私が行きまして、お世話になりましたと言って、二時間も話をして、それで出した。受け取らないんです。そんなこと大したことないんですから、ささいな、これはもうあなたのライターと奥さんのネッカチーフですと言っても、手を出さない。しょうがないから、お世話になりましたと言って帰って、あそこにジュロンの造船所がありますから、そこへ行って私は社長に、知っている方ですから会って聞いたら、それは私たち日本人から考えれば、ああまでしなくてもいいではないかと思うほどここの政府は清潔です。いま外務大臣が言われたとおりなんです。自分の給料からその査定額を引かれるというんです。もしも、だれも見ていないといって、ぽっぽに入れて申告をしないで置いておこうものならば、それが後で発覚すれば、大臣たりともそのいすにいることはまず不可能です。私は、ほんとにりっぱだと思いました。 ですから、そういう点から考えれば、総理、どうですか。総理もたびたび経済大国と言われる。そのとおり。しかし、道義的な面から考えればシンガポールの方がはるかに先進国で、わが国の方は、情けないけれどもまだ開発途上国になるんじゃないんですか。リー・クアンユーさんが盛んに日本に学べと言うけれども、道義的な面に立ったら、わが日本こそシンガポールに学べと言って私は総理が国民に向かって、公務員に向かって言うべきだと思うんですが、その点はどうお考えになりますか。
○国務大臣(鈴木善幸君) いま外務大臣からも、シンガポールのリー・クアンユー首相がおやりになっておるきわめて厳格な規律、公務員の規律等についての御報告をいたしました。 また、実際に柳澤さんからも、御自身でシンガポールヘおいでになったときの体験を通じて、そのことにつきまして、きわめてシンガポールはそういう点については厳格にやっている、いささかも疑惑を受けるような行為は許さないと、こういうお話でございました。私も、このリー・クアンユーさんが長期にわたって国民の信頼を得て、あの国の独立建国以来今日まで長期にわたって政権が続いておる、なお信頼を得ておるというのはそういうところにあろうかと、こう思うわけでございまして、これが政治の私は原点であろうと、こういう点については全く感銘をいたしておるところでございます。 わが国におきましても、十分反省をして、そういう方向で今後ともいろんな制度、あり方等も改善をしていかなければならないと、このように思います。
○柳澤錬造君 これはぜひやっぱり学んで、日本の政府も取り入れるようにしてください。 それから、いままでいろいろ聞いていて、私は二つだけもう簡潔に申し上げますけれども、何かというと総理は、ロッキード事件の関係者が選挙の洗礼を受けてきたからと、こう言われる。これは取り消していただかないと、そういうことをあんまり総理が言われると、そうすると逆に今度は買収選挙を奨励することになる。買収しようが何しようが、選挙でもって当選してきたらおれの罪は消えるのだということになっちゃうんですよ。 それから、さっきも三権分立が云々といって、ときどきよく言われるのだけれども、国会の問題に行政府の長が口を挟むことはどうかと、こう言われる。そこもお考えいただきたいんです。 総理がいろいろぐあいが悪かったり都合が悪いことがあるかわからぬけれども、一国の内閣総理大臣としてここはということは言っていただかないと——国会の問題と言って、それで総理が一生懸命口を挟むものに参議院の全国区制の問題がある。あれこそ全く行政府は関係ないことなんです。何で、じゃあれに口を挟むのですかということになるんです。その辺の点がいろいろあっても、やっぱり政治をよくして国民の信頼を回復するためにこういうことが必要なんだということになったならば、たとえ選挙で洗礼を受けてこようとも、悪いことをした者は悪いことをしたんだといってきちんとしていただかなきゃ困るので、いまの二点について若干御見解をいただいておきたいと思います。
○国務大臣(鈴木善幸君) 私は、司法的にこの決着がつきましてもうシロクロがはっきりしておると、そういう面については私は申し上げておるのではございませんで、その政治的、道義的な問題としていろいろ論議がなされておると。そういう中において、選挙という国民の、主権者である国民に対して信を問うてきておるということ、これを私は軽く見るわけにはいかない。やっぱり国会を構成する議員の身分というものは非常に重大でございますから、それは軽く見るわけにはいかない。そういうことも勘案をしなければならないということを申し上げておるわけでございます。
○柳澤錬造君 時間がございませんので政治倫理の問題を終わりますけれども、総理は簡単に政治的、道義的責任がと言われる。だから、どうかその辺のところをよくお考えをいただいて、本当に国民の信頼を回復するためにどうするかということをお考えいただき、先ほどのシンガポール政府やアメリカ政府のやったことも学ぶようにしていただきたいと思います。 次に、行革の問題を若干お聞きをするのですが、行政改革に政治生命をかけると昨年総理言われましたのですが、あの御決意のほどはまだ変わりませんか。
○国務大臣(鈴木善幸君) 行政の改革と財政の再建、この問題は私は鈴木内閣の最も最優先の重要な政治課題でございますし、また大きく申しますと国民的な課題でもあると、このように考えておりまして、これに対しましては私は本当に責任を痛感し、またそれに向かって全力を尽くして御期待に沿うようにしてまいるという決意には変わりはございません。
○柳澤錬造君 その総理の決意が変わってないことを聞いて安心したのですが、それだったらあの第二臨調からいろいろと出てくる、特に部会報告が上がってきたときに、現職のそこに並んでいる国務大臣の皆さん方が次々とあの批判をなさったこと、あれはどういうことなんですか。内閣総理大臣が、政府が、私から言わせるなら本来皆さん方があの行政改革はおやりになることだ。そうは言ったってなかなかできないから、第二臨調というものをおつくりになって、メンバーをお決めになって、それでよろしく頼むわといってお願いをしたわけなんですよ。一生懸命になって、土光さんはほかの役職全部外して、そうしてやった。やって出してきて、まだ最終的な答申でないけれども、まとめ上げてきたら、その過程でもってああでもないこうでもないといって現職の大臣がそれに文句を言うとは何事ですか。いささか不謹慎過ぎませんか。それを何で内閣総理大臣として統制ができなかったのですか。私は総理大臣の統制力のそういう意味において欠如を申し上げたいし、総理のお考えをお聞きしたいんです。
○国務大臣(鈴木善幸君) いま御指摘のように、臨調は基本的な課題につきまして本答申、本格答申をなすべく部会で取りまとめた案を御審議を急いでおられるわけでございます。恐らく七月の下旬ころには、臨調から本答申の形で答申がなされるものと期待をいたしておるわけでございます。 そういう部会の案をまとめる段階におきまして、いろいろ柳澤さんが御指摘のような点が確かにございました。その点を柳澤さんからおしかりをこうむったわけでございますが、いろいろ内閣において検討をいたしました結果、所管の当該大臣の意見も聞いてほしい、部会で最終的に取りまとめをする前に当該大臣の、所管大臣の意見もひとつ聞いてほしい、そして実態に合うような、また実行可能なものにしていきたい、別に反対のための意見でなしに、臨調と協力してりっぱな実行可能な答申がなされるようにと、こういうことからの発言と私は受けとめまして、いろいろ中曽根長官とも御相談をいたしました結果、中曽根行管長官は、よくわかりましたと。自分が臨調の幹部と十分話し合いをして、そして当該所管大臣の意見も聴取する、お聞きするという場をつくりましょうと、こういうことに相なったわけでございまして、私はそのようにいろいろ誤解を国民の皆さんに与えた面があるという反省の上に立ってそういう改善措置を講じておると、こういうことを御報告申し上げておきます。
○柳澤錬造君 これは、私は大臣の皆さん方にお聞きをいただきたいんですけれども、総理、そうでしょう、政府の皆さん方が拍手をして歓迎するようなものが出てくるならば第二臨調なんかつくる必要はないんですよ。やはりいまの行政面において相当な荒療治をしなくちゃならないから、といって自分たちでといったってできないから、ひとつ第二臨調をつくってやってもらおうじゃないかといってお願いしたのがあれじゃないんですか。だから、どうしたって出てくるのは、そこにみんなが喜んで、うん、これはいいなあなんというものは出てくるわけはないんですよ。ただ、それをどうやってじゃ国会に持ち込んで、法制化するときにまたそれは皆さん方のいろいろ知恵も入らにゃいかぬ、法律をつくる場合には。しかし、あのように新聞にでかでかと、大臣がああだこうだというふうなそういうことは、やはり私は総理みずから言って——それは官房長官の責任か何か知らぬけれども、慎ませないと、それはよろしくないことなんですよ。そして、もうちょっと第二臨調の皆さん方が努力をしてやるのを信用するようでなければ一あの核問題のときは、総理は一生懸命、何かそういうことを私が言うと、すぐアメリカ政府を信用しますというのがもう最後の総理の答えの一つなんです。アメリカ政府があれだけ信用できるのだったら、何で第二臨調の人たちが最後の答申を持ってくるまで、信用しますといって黙ってやらせておけなかったのか。その点がまだ私は物足らない。お聞きをしたいです。
○国務大臣(中曽根康弘君) 柳澤さんのおっしゃることは正論と拝聴いたしました。政府といたしましても臨調のいろいろな御努力を静かに見守って、案が出てきた場合にこれに対してどういう対策を講ずるか、やるべきであるか。あなたのおっしゃることは各閣僚もお聞きでございますから、あなたのおっしゃることを正論と皆さんも承ったと思っております。
○柳澤錬造君 去るこの二十六日の衆議院の予算委員会で、国鉄問題なんかをめぐって、これは総理答弁も含めてなんですけれども、大分後退をした御発言をなさっているようなんです。特に、臨調の第四部会報告の中の緊急に措置すべき十一項目について、国鉄当局の答弁というものもいささか疑問を感じるような内容になっているのです。国鉄当局はあの十一項目をおやりになるのかどうなのかということも疑問に感じるのですが、この二十六日の衆議院の予算委員会における総理の御答弁、運輸大臣の御答弁、そしてさらに国鉄当局の御答弁をあわせてお聞きをいたしたいのです。
○国務大臣(小坂徳三郎君) 二十六日の私の発言につきまして申し上げておきますが、一つは、先ほど来総理がおっしゃったとおり、現在調査会の方で部会案についての最終的な検討がなされておりますから、私らといたしましてはその結論を待って、そして十分吟味をさしていただき、そしてそれを行政ベースに乗せるものがあれば乗せていくということについては、いささかも総理の御答弁とは背馳するものではないと私は思います。 それから、ただ私はそのときに申し上げたことの中に、一言でありますけれども、なるべく実施可能であってほしいということを申したわけでありますが、これは行政を担当するものとしてはいろいろな意味で、実施可能ということは見る人によってはいろいろ意味は違うと思いますけれども、行政担当者としては実施可能であるということが困難を避けるという意味ではないというふうに御理解を賜りたいと思います。 それから、臨調の部会報告の中にございます緊急に措置すべき事項というものは、おおむねわれわれが現在考え、かつ国鉄当局に対してそうした方向で努力をする、このことの基礎は、昨年御決定を賜りました経営改善計画、それをさらに数歩前に前進させるという意味においてぜひこれはやりたいと思っていることでありまして、この点につきましても別に大変な大きな相違があるとは考えておりませんので、御理解を賜りたいと思います。
○説明員(馬渡一眞君) 緊急措置として十一項目の御提案が部会報告の中でございますが、それにつきましては、いま運輸大臣からも御答弁いただきましたような考え方で私どもとしては全部その趣旨に沿って努力をするという気持ちでおります。その判断の材料といたしましては、私どもは現在経営改善計画を進めておりますその趣旨に沿った形であるというふうに考えておるからでございます。 なお、その中で二つだけ問題がございますのは、工場、病院、自動車の分離ということでございますが、これは現在私どもの気持ちとしてはそれぞれに一つずつ問題がございまして、これは現在は一体のままで努力をさせるという考え方でございます。 それから、給与の抑制の問題につきましては、私は給与の総額の方を抑制するということで受けとめてまいりたい。一人一人の給与の問題は、ぜひ人並みの形でお願いを申し上げたいというふうに考えておるということでございます。
○柳澤錬造君 副総裁、その趣旨に沿ってと言って、そういう玉虫色の答弁をしてもらったって困るんだ。あの十一項目の問題について高木総裁の答えたことをあなたはそのとおりだと言うのか。それとも、いや違うのでこうなんですということか。ちょっとそこのところを明確にしてもらわないと、いまの答弁だけでは明らかでない。
○説明員(馬渡一眞君) 総裁の答えましたとおりやるということでございます。
○柳澤錬造君 副総裁は、総裁がどういう答弁をしたか御存じですか。もう一回総裁の答弁を言ってくださいよ、そこで。全く間違いなんです。それは運輸大臣もまさか総裁のあれをお認めになりゃせぬでしょう。
○説明員(馬渡一眞君) ただいま私が御答弁申し上げましたのは、緊急措置についての問題ということで御答弁申し上げました。 民営分割ということでの点につきましては、私どもはこういうふうに思っております。それは現在経営改善計画を六十年−…
○柳澤錬造君 いや、十一項目でいいの。緊急措置の十一項目について、あそこのところだ。
○説明員(馬渡一眞君) 緊急措置の十一項目につきましては、先ほど私が二つ申し上げました以外、全部そのとおりやろうということで覚悟をしておるということでございます。
○柳澤錬造君 総裁の答弁を言ってみてください。
○説明員(馬渡一眞君) 二十六日の総裁の答弁の中で、緊急措置につきまして具体的に御答弁を申し上げてないというふうに聞いております。として受けとめるということだけを申し上げたというふうに私は聞いております。
○国務大臣(鈴木善幸君) 御指摘の緊急十一項目、私は基本的には国鉄再建整備法の精神に沿っておるものだと、このように考えております。それをより具体的に問題点について的確に改善策を提起しておると、このように受けとめておるわけでございます。臨調から正式に本答申としてございますれば、十分尊重してそれに向かって実現のために最善を尽くしてまいりたい、このように考えております。
○柳澤錬造君 馬渡副総裁、きょうは総裁がいないということを聞いて、それはもう予算委員会にいないとはけしからぬじゃないかと言ったんだけれども、まあいたし方ないと言って副総裁にかわりに来ていただいたんですから、これ以上副総裁に言っても御無理だから私もやめておきますけれども、かなり重要な内容の問題があるのです、御本人でないからこの辺でやめますけれども。 それから行革でもう一つは、これは自治大臣の方にお聞きをするのだけれども、昨年の行革国会で国家公務員と地方公務員の賃金格差を取り上げて、結局、地方公務員の給与実態を公表するということで答弁があったわけです。指示をなさったと思う。私がいろいろ地方各地を回りましてそれを聞くのだけれども、だれも知らないんですよ。見たこともない。だから、どういう公表の仕方をさせているのかどうか、その辺ちょっと御報告してくれませんか。
○国務大臣(世耕政隆君) その給与の実態の公表につきましては、昨年の十月十三日付で、地方公共団体における職員給与等の公表について自治省の方から通知いたしまして指導したところでございます。この公表に当たっては、その様式と記載要領を具体的に示して住民がわかりやすいようにするのが本来のものであります。公表の手段についても、当該地方公共団体の住民が容易に了知して、また、そのいろんな資料を入手できるような方向に向かって選択するように指導しているところでございます。その結果、いまも指導中でございますが、発表されましたのは大体全体の自治体の九割方が発表されております。ただ、その中には比較的遠慮がちに発表したところとそうでないところとあるようでございます。こういう発表の仕方が今後周知徹底できるように、今後とも指導してまいる所存でございます。
○柳澤錬造君 自治大臣、遠慮がちにわからないところをやっていたのじゃしょうがないので、それでやっぱり住民が見まして、自分は会社へ勤めておって、これだけ給料をもらっておる、それと比較して商いのか安いのか、それをわかるように、いまおっしゃったようにこれをぜひやらしてください。もうかなり聞いて歩いたのだけれども、まだ一度もぶつからないのです。私は見せてほしいと言って歩いているくらいなんだけれども、だれも知りません。ですから、もう一回、申しわけございませんけれども徹底をさせていただきたい。 それから、これは行管庁長官でもよろしいですが、基本答申、先ほど総理が七月下旬出てくるというわけで、国会に出されるのはいつごろになりましょうか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 基本答申は七月の末ごろ出る予定でございますが、できるだけ早目に国会の方に御報告を申し上げるつもりです。
○柳澤錬造君 時間がなくなっちゃったので、あと財政問題に入るのですが、総理、増税なき財政再建という考えは変わりがないということを折に触れて申されていることも聞いております。 ただ、あわせて歳入も含めて発想の転換が必要だということもときどきおっしゃられるわけで、総理が言われる発想の転換とはどういうことを指すのでしょうか。
○国務大臣(鈴木善幸君) 財政再建の私の進め方といたしましては、六十年から特例公債の償還が御承知のように始まります。したがいまして、五十九年度までに特例公債依存の体質から脱出をしたい。そうしませんと、特例公債の償還のために特例公債を発行して財源をつくるということでは、これは私は意味をなさない、こういう考え方から、少なくとも当面の目標としては五十九年度までに特例公債依存の体質から脱却したい、これが私の国民の皆さんに対するお約束であるわけでございます。 今日、内外の経済環境はきわめて厳しいものがございまして、当初政府が考えておりました税収の予想、これが相当大幅に狂ってまいりました。大きな歳入の欠陥が生じてきておるわけでございます。そういうことで、非常に私はいまの五十九年脱出という目標の達成も厳しくはなってきております。しかし、私はこの情勢は厳しいけれども五十九年までの目標達成ということは全力を尽くしてあらゆる工夫をこらしてやらなければならない。そのためにはまず何よりも歳出の削減合理化、これを五十七年度予算の編成の際はゼロシーリングというような手法を用いましたが、五十八年度予算の編成に当たりましてはより一層厳しい姿勢で予算編成に取り組まなければならない、こう思っております。 それから、歳入面につきましても、税外収入その他につきましても、特別会計から特殊法人から、もうあらゆる面にわたって幅広くメスを入れまして、そしてそこから余裕財源を捻出する、こういうこともやらなければいけない。でありますから、従来のような、ただ常識的に許される範囲内で予算編成をし、そして五十九年度脱却と言っても、それはなかなかできないことであるから、この際、シーリングにいたしましてもマイナスシーリングというようなことまで考えるぐらいの思い切った発想の転換が必要である、こういうことを申し上げておるところでございます。
○柳澤錬造君 総理、もう一つ思い切った発想転換をしていって、それで多少国債も出るようになっちゃうかわからぬけれども、いま大事なことは、この不況をどうやって脱却して、そして景気をよくするかということにあると思うのです。言うならば国民の可処分所得をよけいにして、それで景気がよくなってくれば、また税金も入ってくるようになる、歳入の欠陥も起きなくなるというのですから、思い切った減税をするか何をするか、それはいろいろ方法は私あると思うのです。そういう意味で、国民がもうちょっとお金が使えるようなことをしてあげるという、そういう意味での発想の転換はお考えになれないですか。
○国務大臣(鈴木善幸君) 発想の転換にも、あるいはいろんな誤解なり、いろんな印象を与えたかもしれませんが、私はここで歳出の削減よりも増税を国民の皆さんにお願いをする——大型増税、一般消費税のようなそういうようなことは私の念頭にはございません。 それからもう一つは、五十九年脱却という目標、これを二、三年先にずらす、後送りをする、つまりこの財政再建のテンポをスローダウンをしていくというような考え方もございません。前段で申し上げたような一般消費税のような大型新税というような増税は念頭に置かずに、思い切った歳出の削減合理化、そして一般会計以外の特別会計あるいは特殊法人その他からの納付金あるいは剰余金等の活用、あらゆる工夫をこらしてこれに立ち向かっていきたい、こういう考えでございます。 その中で一番大事なことは、何といってもやはり物価の安定でございます。物価の安定はこれは非常に私は大事だ、こう考えておりますし、幸いにして、もう三%を切るような消費者物価の推移をいま見ております。それだけに、徐々に可処分所得もふえて個人消費もだんだん明るくなってきておる、こういうことでございますので、そういう方向で努力をしてまいりたい、こう思っております。
○柳澤錬造君 これは大蔵大臣の方にお聞きしていくのですが、五十六年度の税収が、まあ当初から見れば三兆三千億ばかり不足になって歳入欠陥で騒がれている。 この原因を聞かれたときに大蔵大臣は、昨年後半から世界経済の予想外の停滞、貿易の落ち込み云々ということを挙げて御答弁なさっているのです。とするならば、五十七年度においてはこのような税収不足は起きないのかどうか、いわゆる五十七年度予算の編成のときには、それだけのことはもう織り込み済みになるわけですから、あの三十六兆六千二百四十億は確保できると判断してよろしいかです。いまどき大蔵大臣おやりになるのは本当にお気の毒だけれども、そうは言ってもこれやってもらわなきゃならないのですが、その点についてまず第一にお聞きをしてまいります。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 結論から申しますと、私どもは予算編成の際にはできるものと、いろんな指標を見た上でそういうように予算を組んだわけでございます。ところが、御承知のとおり世界経済は非常に激動期にあると、これも事実でございまして、OECDとかIMFとか、いろんな国際機関がいろんな見通し等を発表しますが、半年もしないうちにすぐ直してしまう、これも皆さん御承知のとおりでございます。それほど、世界の学者いろんな専門家が集まって予測をするのですが、なかなか決め手がないというのも事実であります。しかしながら、ここに参りまして一般的な見方としては、これはことしの後半から何とかプラス成長に転ずるという徴候がたくさん出てきておる、そういうような点を考えますと、われわれといたしましてもこの前半が問題なわけでございます、九月までの前半。それにつきましてできるだけの配意をして景気の持続を図っていくということが必要だ、そうすれば何とかなるのじゃないかという、いまはそういう気持ちを持っております。 御承知のとおり、日本の物価も四月、五月に入ってさらに二・三%というような、ドイツの半分、アメリカの三分の一、イギリスの四分の一ぐらいのインフレ率というようなことで非常にいいし、心配であった失業問題が少しここのところやや超過傾向にありますけれども、それでも二・四%、これもアメリカの九・三とかイギリスの一二とかいうものから見るとはるかに低い状態でございますから、何とかここで物価の安定というものを図っていけば——御承知のとおり春闘で七%というようなことが言われたのですが、その後六・九とか多少後からのものが少し低目ではございますが、それにしても昨年のようにともかく獲得賃金と物価とが同じになってしまうというようなことでは困る、一昨年のようであっては困る。その点が開きが出てきて実質的な勤労者の所得というものがふえ、実質消費支出が二月、三月と三%、四%と伸びてきているという状態が続けば、何といったって国民総生産の中に占める割合というものは、消費者の最終支出、これは五八%、公共事業は八・七%ぐらいと見ているわけですから、民間設備投資が約一五、何といったってもう国民大衆の消費支出が大問題なわけであります。 そこで、この状態が続けば、それは三カ月、五カ月、六カ月とかかるでしょう、それは、タイムラグがありますから。私は、それは消費にもいい面が出てくるというように考えております。しかしながらなかなか、柳澤先生がいま書類もお配りをして、私も見ましたが、五十六年度に歳入欠陥が確定的であるということになれば、それをベースとした五十七年度の税収見積もりも容易じゃないじゃないかと、これも通説としてあるのです。そういう心配はございますが、もうしばらく景気の動向等を注意深く、あと七、八、九と二、三カ月ひとつ見さしていただきたい、そう思っております。
○柳澤錬造君 それで、これも大蔵省が出された資料で、五十六年度の歳入不足、相当な金額になって、この二兆五千二百億何がしというものを、決算調整資金からの組み入れが二千四百億、整理基金から決算調整資金への繰り入れによる同資金からの組み入れ、いわゆる国債整理基金の方のお金を二兆二千八百億使うということになる。そうすると、これはすぐもう使っても翌年度、五十八年度の予算で組んでまたそこへ返さなくちゃならなくなるのですが、そういうことが可能なんですか、大蔵大臣。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 現行の法律によりますと、これは仮に五十六年度で穴埋めに使った場合には、これは五十七年または八年までに戻すという規則に一応なっております。それを五十七年で返すのか、あるいは五十八年で返すのか、両年にまたがるのかというような問題につきましては、今後の経済及び税収の見通し等を勘案をした上で検討してまいりたいと、現在のところ、われわれは五十八年中に法律どおり戻すべきものであると、そういうように考えております。確定的にそれじゃ全部確実に返せるかというお話になりますと、経済は生き物でございますから、私もここで言っておって違ったじゃないかとまた言われても困るわけでございますが、私としては返すようにせいぜいの努力をしてまいりたいと考えております。
○柳澤錬造君 日銀総裁がおいでになっているからいまのところはそのくらいにして、そして次の点をお開きするのですが、政府のお考えの中では、なかなか国債が消化し切れないというところで、資金運用部が持っている十七兆円からの国債を日銀に売却をして、それで今度は資金運用部の方がゆとりができればそこでもってこれから出てくる国債を消化しようというお考えのようなんですが、それは事実なのかどうなのか。そのことは、財政法から言うならば財政法第五条で禁止をされているはずなんですが、そうじゃないんですかということをまずお聞きをしたい。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 禁止をされておるというように法律的に聞いておりませんが、その精神からすれば好ましいものではないと、さように思います。ただ、いまのところ、政府の持っているものを日銀に抱かせると言っては語弊がありますが、日銀に引き受けてもらうという具体的なことについては検討いたしておりません。
○柳澤錬造君 お忙しいところを総裁ありがとうございました。 いまの問題の、いわゆるそれは十七兆全部かどうかはわかりませんけれども、そういう形でもって運用部が持っている国債を日銀が興ってくれと言われたときに、総裁の方ではどう対応なさるおつもりなんですか、お聞きをいたしたい。
○参考人(前川春雄君) 運用部の国債を日本銀行に興ってほしいということについての政府の御決定はまだないと思いまするので、仮定の話としてお答え申し上げまするが、この運用部の持っている国債を買いまして、その資金をもって逆用部がまた国債を引き受けるということになりますと、財政法第五条は直接それを禁止はしておりませんけれども、国債の消化に日本銀行の信用を使うことを禁止していると、新しい国債の発行をされる場合に、それは日本銀行の信用によって消化されることを禁止しておるわけでございまするから、財政法五条の趣旨には反するのではないかというふうに考えております。 そういうことから、もし仮にそういうふうに政府が御決定になりまして、運用部の国債の処分の問題が私どもの方にお話がございましたとき、日本銀行といたしましてはその国債を買い取るつもりはございません。
○柳澤錬造君 大蔵大臣、なかなか国債が消化できない、それであっちで売っちゃいいとか悪いとか、いろいろあるわけだけれども、何で郵便局だろうが——銀行はいま少しなんだけれども、銀行であろうが証券会社であろうが、そういういろいろ金融のマーケットではどこからでも自由に売らせたらよろしいのだと思うのですけれども、その点についての大蔵大臣の御見解と、あわせて、これは直接関係ないのですけれども、日銀の立場に立ってのそういうことについて御見解があったら総裁のお考えをお聞きをしたいのです。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 私としてもできるだけたくさん売ってもらいたいという気持ちでございます。したがいまして、いろいろな証券会社と銀行との間の論争等が御承知のとおりあったわけでございますが、国債の窓販というものを銀行にも認める、公共債ですね、そういう措置をとることにしたわけでございます。郵便局につきましては、そういうような希望も郵便局にございませんし、私、聞いたことありません。 それからもう一つは、やはり郵便自身身が財投資金として入ってきているわけでございますから、言うならば郵便局の貯金そのものが国債みたいな、実体論から申しますと財投に入ってきているわけですから、もっと利息を安くしていただければなおさらありがたいと私は思っておるわけでございますが、それ自体が財投資金で、国債みたいな国の御用金になっておるということも事実でございます。
○参考人(前川春雄君) 国債の消化は極力一般国民の消化にまつのが一番いい方法でございまして、金融機関だけが大部分消化するという方法は余り望ましい方法ではないというふうに思います。 その点に関連いたしまして、いわゆる銀行の窓販という問題が起こりまして、この点につきましては一応来年から窓販——銀行の窓口で販売するということが行われるようになるわけでございます。これによりまして一般国民による国債の消化が促進されるならば、それはきわめて望ましいことであろうというふうに思っております。 郵便局につきましては、これはまたいろいろ郵便貯金のあり方についての議論がございまするので、それをいま軽々にどちらがいいかということを申し上げるのは適当でないと思いまするけれども、一般論といたしまして、国債が一般国民に消化されることはきわめて望ましいことであるというふうに考えております。
○柳澤錬造君 日銀総裁ありがとうございました。もう結構です。お忙しいところありがとうございました。 次に、これは大蔵大臣、お手元にいっている「五十八年度財政事情の展望」というのを一もう私が説明するまでもなくおわかりだと思うのです。わが党政審にこれは計算してもらった内容なんです。結局五十六年度の予算が当初の三十二兆二千八百四十億という税収が大幅に三兆三千五百億も減って二十八兆九千三百四十億になっちゃった。それで、これはそこはいま書いてないところを言っているわけですけれども、そういう点でもって五十一年から五十六年度の平均一〇・四八%の伸びでくると、五十七年度は三十一兆九千六百二十億の税収しかない。昨年、皆さん方がそこで増税やったから、それを四千五百億ばかり含めましても三十二兆四千百八十億。そうすると、この間決めた予算案の三十六兆六千二百四十億から見ると、四兆二千六十億ぐらいの税収不足というのが出てくるということになるわけなんです。 そこから今度は五十八年はといいますと、言うならばこの三十二兆何がしかを基礎にしてどのくらい伸びるかということを判断すれば、大蔵省の中期計画ならば一一・九%、それから五十一年から五十五年ですか何かのところだと一二%、ちょっと違うぐらいですけれども、どちらにしてもこの三十六兆二千七百億ぐらいになっちゃう。大蔵省の中期計画だと五十八年度の税収は四十兆九千七百億ということで、四兆七千億からのそこに落差があるわけなんです。 それではこれをどうやって埋めるのかということになるわけで、それでもしも、先ほどもお話が出ているんだけれども、歳出カットだけとなると下にあるように五兆六千九百億の歳出カットをしなけりゃやれない。それから今度、赤字公債ともかく増発にということになれば、一兆九千六百億の上に五兆八千億の上積みをして七兆七千六百億の赤字公債を立てなきゃもうやっていけない。それもとてもできないから、じゃ増税だというならば七兆五千七百億の増税だと。先ほど総理は、増税もしない、それから赤字公債のそれもやらないと。それじゃ歳出カットでもって五兆六千九百億の歳出カットということになっちゃうのだけれども、その辺をどうなさるつもりですか、五十八年度は。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 柳澤委員から提出されました「五十八年度財政事情の展望」という問題について、私も中身がどういうふうなことか、詳しくはつまびらかにいたしておりません。いたしておりませんが、ちょっと見たところ、税収の問題というのは、やっぱりどの党も仮定計算でなかなかはっきりした決め手というものは現実には持っていないということで、今後の財政事情の問題に一つかかってくるのじゃないか。それから地方交付税の問題については、五十六年分の精算分約八千億円の問題がこれ計上されているのかどうかという疑問ですね。 それからもう一つは、決算調整資金への繰り入れ二兆二千八百億円というものは、この中では一般会計から返すという前提にこれは立っております、普通はそうでしょうから。しかし、これは必ずしも一般会計から返すだけ以外に方法がないのかどうなのか、ここらの知恵をもう少し働かせる必要がわれわれとしてはあろうかと、そう思っております。 税外収入の問題についても、五十八年は四百六十八億円減となっておりますけれども、これもこういう時期でございますから、せいぜいもっと何か工夫をして税外収入ももっとふやすということや、あるいは先ほど総理からお話があったように、公社、公団、事業団、特殊法人からも納付金の発想の転換でもう少し出してもらうことを何か工夫をするとか、国有財産の売り払いの問題も、普通財産だけというのじゃなくて、行政財産等についても、行政財産——国の財産になっているけれども実際は遊んでいるというようなものもあるという話も聞いていますからね。これらについてもかなりメスも入れて手放すものは手放してもらうというようなことなど、収入面においても税以外の問題を徹底的にもう一遍もとから洗い直しをする。 それから歳出カットについても極力これはやってみる。なかなかその一つだけで、歳出カットだけでそれじゃできるかと言ったら、それはやはり御指摘のように、かなりの大型のものにしなきゃならぬということで、理論の上ではできても現実の問題としてはなかなかむずかしいのじゃないかと思います。じゃ増税だけで賄うかというと、それはとてもとてもできるものではありません。したがって、そういうものの結局は組み合わせということにならざるを得ないのじゃないか。やっぱり一番最初にやるものはまず歳出カットですね。これは臨調答申を得て最優先で行う。 その次はいま言ったように歳入の洗い直し——洗い直しというのは制度の見直しも含む。税金だけ取るというのじゃないですよ、制度の見直しも含むという、ここで思いつかないようなものも、あるいはあるかないかも含めましてこれは再点検をしなきゃならない。その上においてさらにまだ不足があるという場合には、まず野党の皆さんからも不公正税制の是正とかいうようなことで新税目も出ていますよ。各党の何を見ても、いままで税目になかったようなものも、これもやるべきだ、あれもやるべきだといっぱい並んでおります。なかなか政府もむずかしい点もありますから、それはむずかしい、非常に反対も多いとか言ってきたところもありますが、こういう時代になりますと、多少のことがありましても与野党の皆さんの御協力を得るならばこの際はやるかということも考えていかなきゃならないものも私はあるのじゃないか、したがってそういう面も当然に考えられる。 それから、もう一つは何かと言えば、やっぱり公債は全部発行しないというわけじゃないわけでございますから、われわれは五十九年度赤字国債体質の脱却というその目標に向かって邁進はいたしますが、何かそこらのところで工夫がないのかと、そこらも研究を実はしておるところでございます。その他知恵を皆さんからさらに拝借をして、総合的に見なおして極力——景気の問題はもちろんございますよ、それは景気がどんと落ち込んでいけばだめなわけですから。景気の問題もございますが、そういう下支えその他の問題も総合的に考えて、何とか所期の目的を達するように最善の努力をしたいと考えております。
○柳澤錬造君 私、そのとおりだと思うのです。これは渡辺大蔵大臣だからこのようなときに大蔵大臣が勤まるのであって、神経の細い人だととてももたないですよ。ですからそういう点で歯も痛くなっちゃうの。本当に御心痛のほど私、察して、きょうも質問もなるべく減らしている方なんですから。同情をしてといいますか、大変だと思いますよ。 総理、先ほども言われましたけれども、大型増税は全く念頭にないということを確認してよろしいですね。
○国務大臣(鈴木善幸君) 一般消費税のようなああいう大型増税は私は念頭に置いておりません。
○柳澤錬造君 そして五十九年赤字国債からの脱却ということもいま大蔵大臣も言われるのですけれども、その場合に、だんだん減らしていって五十九年でゼロになるのだけれども、この五十八年度一兆九千六百億ということも覚悟——実行するということなんですか、そこのところは。
○国務大臣(鈴木善幸君) 均等で減らすかどうかという問題は、いまから申し上げられる段階でございません。十分、歳入歳出全般にわたりまして、また景気の動向税収その他も見ながらこれから決めるわけでございますから、均等に減らしていくというようにはお考えいただかないで、弾力的に対処していきたい、こう思います。
○柳澤錬造君 これは大蔵大臣、いまも言われたように非常にむずかしいところですよね。だから増税だけはしないことばきちんとしていただいて、あとその辺の点がどういう形をとるか。それから不公平税制の問題、これこそメスを入れて、それでやっぱり国民がひとしく苦しむときは苦しむ、それから楽しむときは楽しむ。いまのように一生懸命働いている人たちが苦労していたのじゃいかぬです。だから、そういう点でもって大蔵大臣なり総理なりがもう少し景気をよくする、景気がよくなれば税金も入ってくるのですから、そういう点で何か知恵をお持ちでないですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 私が質問の中で一番苦手な質問というのが二つあるのですよ。一つは、円のレートを自由に何とかもっと強くできないかという話と、景気を何か上げたり下げたりうまくできないかと、この二つの質問というものは私にとって一番むずかしい質問であって、これは世界のどこの政治家も学者もみんな考えておることなんです。だけれどもなかなか思うようにいかないというのが現実の姿でございます。 しかしながら、そうは言ってもできるだけのことをしなきゃならない。先ほど総理からもお話があったように、景気の問題というのは消費支出の問題と一番重大な関係があるわけです、五八%のシェアがあるわけですから。そのためには物価の安定を図っていく。そして時間がかかるようだけれども、着実に実質的な消費が伸びていく、つまり実質所得がふえるわけですね。物価が上がっちゃったのじゃ、仮に七%月給が上がっても、六%も物価が上がったら税金取られたらマイナスだということではいわゆる可処分所得はマイナスになりますから、消費支出は伸びないわけですから、そこで物価の安定で幸いなるかな日本はドイツの二分の一以下のインフレ率、世界がたまげているわけですからね、これは。これを何とか持続していくということは、やっぱりなだらかな消費回復のために私は一番最大のことではないかと、そう思っておるのですよ。何といったってそれはシェアがでかいですから、それはもちろん。 その次は何かということになりますと、やはり民間の設備投資でしょう。これが一五%ぐらいの総生産の中のシェアを持っているわけですから、それが設備投資ができる工夫も政府の中で一なかなか民間のやることですから政府の自由になりませんが、これについても何かうまい工夫がないかなと。まあ、電力会社なんかにお願いを政府はしています、行政指導で。早めてやってくれないかと、いろんなダムその他の投資をですね、発電所。そういうような大きなものに対するお願いももちろんしていかなきゃならぬでしょうし、それから何といってもその次は公共事業の問題がございますね。これも八・七%、昔はもっと一五ぐらいあったそうです、予算が小さいとき、GNPが小さいときには。したがって、これについては前倒しというようなことでとりあえずやらしておると。 それで後半どうだとすぐこれは質問が出るのですが、それは全体との見通しであって、民間の設備投資がふえてきたり住宅建設がふえるということになれば、同じ建築事業は建築事業で政府のお金でなきゃ仕事しないという業者はないわけですから、民間でもいいし政府でもいいのですから、だからそこらのところの見込みもございますが、そこらのところの見通しもつけながら、やはり公共事業というものも一つのてこであることは間違いない。しかし、それだけふやしたからといってよくなるかというと必ずしもそうはいかない、財源の問題に絡んできますから。どこかからただのお金をいただいて、それでまくのだったらそれは一番いいんです。それは増税だと、こうなりますからね。そうでないからもっと——何か民間貯蓄が、いま金がだぶついちゃって銀行は借り手を探して歩いているわけですよ、現実には。だから、もう優良企業には貸したくて仕方がない。借りてください、借りてください、これが実態の姿です。 それはそのはずであって、一年間に、去年三十五兆円も個人の貯金と要するに金融資産が一年間にふえちゃったわけですから、もう初めて。いままで長い歴史から見たら珍しいことだと思うのですよ。二百七十七兆というGNPの大きさよりも、個人の貯蓄、金融資産の方が三百三十八兆と大きくふくらんじゃったわけですから、だれがしているのか知りませんけどね、しかし現実の姿がそういう数字になっていることはもう間違いない。これを何とかうまく活用する方法、利息がかからないで。まあ、まるっきりかからないというわけにもいかぬでしょうけども、何とかそこのところを利息——高い利息を払ったんでは公負担が大変だから、何かそこらの工夫がないかというようなことなど、いろいろこれから皆さん方の知恵もみんな集めて、私は与野党一体になって、これは国民生活全体の問題ですから与党も野党もないと思うのですね、客観的な事実に着目していけば、何をこの際最優先するかということになると、多少のどんなものでも作用があれば反作用も、いいところがあればちょっと悪いところも多少はあるのですよ。だけど何を優先するか、全部完璧というわけにいかないから、優先順位に従って二年間とか三年間とか、どんとやる場合はやるとか、そういうことも含めて私は与野党の中で率直な話し合いによって、もう世界がこれだけまいっちゃっている中で日本だけが何とか生きてプラス成長でやっているわけですから、これを持続するということをみんなで国民一体でなければとてもできるものではない。政府なんかだけではとてもできない。何といったって国民経済がついているわけですから、そういうことで国民の理解と協力を求めてみんなが共鳴できるような政策を打ち出していきたいと、抽象的ではありますが、そういう考えを持っております。
○柳澤錬造君 時間ももうあんまりありませんで、大蔵大臣おっしゃるとおりで、それで総理にもお願いしておきますけれども、こういうときに百点満点書けるような答案なんてだれもできないんです。だから、八十点でも七十点でもこういうことをやったらいいじゃないかと思うことをやっぱりあんまり理屈を言わないで取り組んで、それで少しでも前進をする、景気をよくする、そして国民が豊かになる。そうしたら皆さん方のところへ税金も入ってくるのです。そういうことでこれはぜひお取り組みをいただきたいと思います。 それで、外務大臣、マレーシアでもってこの間いわゆるカンボジアのクメール解放戦線のシアヌーク殿下とクメール人民民族解放戦線のソン・サンと、それからクメールルージュのキュー・サムファンと三人そろって民主カンボジア連合政府というのを樹立を宣言いたしましたですね。それで、いままで日本はいわゆるポル・ポトのキュー・サムファン政権をお認めになっていたはずなんですけれども、この連合政府が樹立を宣言した状態に立って、日本政府の対応はどうなるのですか。
○国務大臣(櫻内義雄君) 民主カンボジアの代表的立場を認めながら、ソン・サン、シアヌーク、キュー・サムファンの三派が連合しようと、こういうことでありますから、引き続き民主カンボジアに対して、たとえば国連における議席などについては支持を与えていく。それから、この三派が抗越三派として今後どのように具体的な行動をとっていくか、それを見ながら可能な支援ができ得るかどうか、この政権が現実に統一宣言をした直後で、どのような取り運び、運営をしていくのかまだ定かでありませんから、その辺はいまここで即断をするわけにはいかない。しかし、この国境線におるこの三派の関係の難民の方々、こういう方々に対する国際機関を通じての援助は、これはもちろん続けていく。こういうことで、基本的にはカンボジアに対してのベトナムの武力侵攻というものについて、国連もそういうことは断じていけないと、まずそれを撤兵をせよと、こういうことで来ておるわけでありますが、現在、まだほぼ二十万ぐらいのベトナム兵が駐留しておるということはきわめて遺憾であると思います。
○柳澤錬造君 外務大臣、きょうはもうよろしいですから、ラオスの方も実情をお調べしておいていただきたいと思います、あそこもかなりいま問題のあるところですから。 総理、一昨日岩崎先生の、国連演説のとき大変御機嫌よくお聞きになっていたと思うのですけれども、私も国連における総理の演説はりっぱだと思います。ですから、そういう点では私も総理があれだけのことを日本の国を代表して演説なさったことは敬意を表します。ただ、そこへつけ加えて、あのときも総理が御答弁の中で言っていましたですけれども、難民の問題、こんなにお金を出していてと、あれはつい最近のことですが、後でちゃんと厚生大臣もお聞きになっていただいて……
○委員長(植木光教君) 柳津君、時間が参りました。
○柳澤錬造君 十分じゃないんですから、ですからそういう点でもってどうか難民に対しても、国連演説のようにやっていただきたい。特にお願いしたいのは国内に来ている人たち、非常にまだまだ痛めつけられているのですが、そういうところへ温かい手を差し伸べていただきたいということを要望して、もし御返事があるならば御答弁をいただいて終わりたいと思います。 以上です。
○国務大臣(鈴木善幸君) 難民の救済、援助の問題は、非常に人道的な見地からも、また日本の国情にふさわしいこれは貢献になる問題でございますので、今後とも一層力を入れて努力してまいりたいと、こう考えております。
○柳澤錬造君 終わります。
○委員長(植木光教君) 午前の質疑はこれまでとし、午後一時まで休憩いたします。 午前十一時五十四分休憩 —————・————— 午後二時二十九分開会
○委員長(植木光教君) 予算委員会を再開いたします。 午前に引き続き、質疑を行います。秦野君。
○秦野章君 この間の国連総会における総理のお話も拝聴いたしまして、国連外交、平和維持機能の強化とか、そういった問題について触れていらっしゃいますが、私も全くそうだと思うんですけれども、具体的な問題についてきょうはちょっと少しいろいろ質問をしてみたいと思いますが、外務省、局長でいいのだけれども、国連憲章の中の敵国条項の説明をちょっとしてくれませんか。
○政府委員(門田省三君) お答え申し上げます。 国連憲章には第五十三条と第百七条の二条項におきまして、いわゆる敵国条項というものが定められております。 第五十三条はいわゆる地域取り決めに関する条項でございまして、地域取り決めによりまして強制的行動がとられる場合、通常は安全保障理事会の許可が必要でございますが、この条項の関連で、いわゆる敵国とみなされるものについてはそのような許可が必要でないという規定でございます。 百七条につきましては、この敵国として、第二次戦争の結果に伴う責任の一環としてとった行動、措置につきましては、国連の通・常の規定の例外として扱うということでございます。
○秦野章君 日本はまだ国連憲章においては敵国の位置づけをされているというわけでございますが、日本は国連に入っていますね。入っていますが、敵国扱いされて国連に入ったのはどういうわけですか。
○政府委員(門田省三君) わが国が国連に加入いたしましたのは、平和愛好国であるという祝福を受けて加入したのでございまして、この五十三条あるいは百七条に言う敵国としてみなされていたわけではございません。
○秦野章君 敵国条項は生きているのだから、日本は第二次大戦の後始末の中で、国連憲章では依然として敵国条項が生きている限りにおいて敵国であったということの烙印を押しているわけですね。いま答弁のように、平和愛好国として国連に入ったと言うんだけれども、この間、宣戦布告なき戦争をやっている国が幾つもあるんだけれども、ソ連がアフガンに侵略し、英国もアルゼンチンとやるし、シリアとかイスラエル、これは国連に入っていますか、平和愛好国で。
○政府委員(門田省三君) ただいまお述べになられました諸国は、いずれも国連加盟国でございます。
○秦野章君 国連に入って平和愛好国とはどういうものかということが現実にはわかるわけですね。平和愛好国というのはそういうものだ。戦争もやるし侵略もやるんだというわけです。では、平和愛好国だから国連に入った、入れてくれたのだというのは余り意味がないんですよね。だから、やっぱり私は、国連憲章というものの中に日本が敵国条項として残っているということを取っ払うことについて、日本の外交というものはもっと大きく外交展開をしていかなきゃならぬ。そういうことをほっぽらかして国連協力とか平和貢献とか言うても、たとえば国連憲章は学校の教科書にありますね、教科書の中に。
○国務大臣(小川平二君) 国連の役割りにつきましては、小学校、中学校、高専学校、それぞれ児童生徒の発達段階に応じて教えております。 非常に短いものですから朗読をいたしますが、「国際連合のはたらき」これは小学校六年の教科書でございます。 国連の目的は、国連憲章にはっきりと書かれています。 国連には、その目的を果たすために、総会をはじめ、いろいろな理事会や専門機関がつくられています。これらのうちで、安全保障理事会は、世界の平和と安全を守る重要なやくわりをもっています。国々の間の争いを話しあいで解決したり、争いをしずめたりする努力を続けています。 後およそ二ページにわたって記述をいたしております。これは一つの例でございます。
○秦野章君 国連の中に敵国条上項問題を論議した委員会みたいなものがあって、そこで日本を依然としてまだ敵性国として除いていないゆえんの論議があったと思うのだけれども、これちょっと国連局長説明してほしい。
○政府委員(門田省三君) 先ほど申し上げましたように、わが国はいわゆる敵国条項に該当するものでないこと、これは明らかでありますし、すべての加盟国がそのような認識をいたしております。 しかしながら、現実に憲章の中にそのような規定があることは事実でございますので、こういうものは現在の国際情勢から見て必ずしも適当でない、したがいまして、これは削除すべきであるというのが私どもの考え方でございまして、ただいま御指摘のございました憲章改正に関する委員会におきましては、わが国は一貫してこれら条項の削除を提案してまいっているということでございます。 ただし、この提案に対しましては、必ずしも加盟国の賛同を得るという状況ではございません。特に拒否権を持っている国、なかんずくソ連及び東欧諸国の強い反対があるというのがこれまでに見られた現実の姿でございます。
○秦野章君 拒否権を用いるまで持っていったことがあるか……。
○政府委員(門田省三君) この問題はまだ委員会レベルでの検討の段階でございます。したがいまして、仰せのございました拒否権を伴うがごとき表決の段階には至っておりません。
○秦野章君 やはり拒否権を行使するなら行使してみたらいいという程度まで物事を持っていかないと、この話はいつまでたっても敵国条項は残り続けるわけですよ。そしていま、敵国条項が残って敵国性があるというそういう国連憲章の中で、日本はそういう国に経済援助もしているのではなかろうかと思うんです。敵性国だというような指摘を受ける条文を残しながらその国に経済援助もし、経済協力もするといったような矛盾したところがある。 それから文部大臣は、国連をこういうふうに教えておりますと、そうおっしゃいましたが、そのとおりなら結構ですが、国連憲章というものを教科書に挙げておく限り、現場の教育者が敵国条項が残っているという部分についてどう説明しているかわからない、教師というものはたとえばやはり、日本はまだうさん臭い国なんだというふうに、まあ世界が思っちゃいないと思うけれども、思っている国もあるというふうに持っていく可能性だってある。 そういう意味においては、国連憲章というものは非常に大事なものだと思うんですけれども、敵国条項を取り除くということについてもう少し大きな外交政策をとっていかないと、いつまでも残っているのはこれは困ったものだ。平和愛好国だ言うたって、憲法の条文にもあるけれども、いまの話じゃないけれども、絵にかいたような美しい平和愛好国なんかありゃしませんから。そこへもってきて、国連憲章で敵国条項が延々と残り紡げていくという問題を中央突破していかぬと、本当の安全と平和というものを国民は願って日本の外交は真に進めるんだということが、ちょっと空念仏だけになるおそれがあると、こう思うんでございますが、これについていま少し——かつて外務大臣が国連で演説した例はありますが、この程度ではとてもだめだと私は思うんです。これはソ連は拒否権を最後に使うかもしらぬが使わないかもしれないんです、こっちのやり方によっては。日本は敵だ、まだ第二次大戦の敵性が残っているといっていまも言い続けるなら言い続けたでおもしろいじゃありませんか。それならそれでこちらの対応が出てくると、こう思うんですよ。総理いかがでしょうね。
○国務大臣(鈴木善幸君) 国連憲章の中に敵国条項がいまなお残っておるということはまことに遺憾にたえないところでございます。秦野先生おっしゃるように、日本は平和憲法のもとに平和に徹する外交を展開をし、また国際社会の中でそのように国力、国情にふさわしい平和への貢献をしておるわけでございます。そういう中でこういう敵国条項というものが残存しておりまして、これがいろいろ日本に対してそういうところから間違った見方が出てくるというようなことはまことに日本国民としては了承できない、了解できない点でございまして、政府としては今後御指摘のとおり国会の御協力も得ながら、この国連憲章の中における敵国条項の削除につきまして最善を尽くしてまいりたいと、このように考えます。
○秦野章君 ソ連が拒否権を使うなら使うで、そこから先はまた手があるだろうというようなことを私は思うんですけれども、外交政策の中で外交問題なんかもう少し、幾つもの問題がある場合にそれをリンケージしてとらえるという発想が比較的弱いというふうに私どもは思うわけです。たとえばサハリンの石油開発なんという問題はいまはちょっとアメリカの方針で停滞するでしょうが、将来ああいうものをやるようになったときにはソ連にも協力するという経済協力の場面もあるはずですから、そのかわりこういうことはやめてくれよとか問題をリンケージするような発想というもの、日韓協力の問題でも、金をどういうふうに妥結するかもこれからの問題でしょうけれども、竹島の問題と経済協力とは全く別だというような外務省の姿勢というものに私はいささか疑問を持つので、やっぱり絶えず懸案の問題というものはちょこちょこ機会があるごとに出す、北方領土問題もそうなんですけれども、どうしてそういうことがいけないんであろうか、やっぱり役所の縦社会というもの、欧亜局とアジア局が違えばそういうことになるのかなと私個人の感じを持つのですけれども、外交問題でもう少し問題をリンケージして扱うという国益上の観点が弱いというのは、国際関係論の専門家はみんなほとんどそういう意見なんですね。これは外務省どうですか、その辺のところを、やはり大事な問題だと思うんですけれども、これは基本方針の問題、外交処理はケース・バイ・ケースではあるけれども、考え方としてはそういう考え方が大事ではないかと、こう思うんでございますが、どうでしょう。
○国務大臣(櫻内義雄君) 秦野委員のおっしゃっていることを考えてみますと、よく言われる老練な外交という言葉がございますね、あるいはときには批判的な言葉ではあるが、手練手管でいくということもございますね。私はいまのお話を聞いておって、外交は表向きのこともございますが、またいまのリンケージ論のようにいろいろ考えながらやっていく。要は、日本としての外交成果がりっぱに上がることが望ましいと、こういうことではないかと思うのでありますが、しかしいま領土問題にお触れでございますが、領土問題についてこれは北方領土あるいは竹島問題、これらのことは私としてはやはり領土問題として純粋にこれは攻めていくものではないか。うっかり何かリンケージしたかっこうの場合に果たして本当の目的が果たし得るものかどうかというようなこともちょっと頭に浮かびましたけれども、秦野委員のおっしゃるようなそういう工夫、努力の必要は私もそれはあると、こう思います。
○秦野章君 国連の平和維持機能の強化ということの具体的な問題として、国連が休戦協定なんかを結ぶことに貢献をして国連監視の役割りを演ずるといった場合に、日本もそういうところへ自衛隊あたりは出して、別に大砲持っていくわけでもないし、軍艦持っていくわけでもないんだから・多少命がけのところがあるけれどもそういうところへ自衛隊を出すという方向に踏み込み、そういう役割りも演ずる。フィジーみたいな人口百万もない国さえゴラン高原に停戦監視に出るというような中だから、やっぱりそのくらい踏み込まないと、国連協力もちょっと実のないものになるという感じがするんですが、いかがでしょうな、これは。
○国務大臣(櫻内義雄君) 国連の平和維持機能を強化していく、これは国連の第一義的な目的である国際の平和と安全の維持に重要な役割りを果たす上の最も大切な機能だと思うんですね。この機能のためには、従来日本としては財政面における協力あるいは要員の派遣、資機材の供与による協力というものを検討しておるわけでございますが、ただ秦野委員御承知のように、自衛隊の派遣ということについては、これはその目的、任務が武力行使を伴うものであるとすれば、憲法上これはとうていできないことではないかと思うのであります。しかし、平和的なことについて現在でき得るかということになってまいりますと、現行自衛隊法ではそれはできないようになっておるのではないか。したがって、今後国連の平和機能の維持強化について自衛隊というものをどう考えていくか、自衛隊を派遣するのが適切であるというときには、自衛隊法の改正というものを伴うことは考えなけりゃならないと思います。
○秦野章君 私は自衛隊法をもちろん改正してでもそのくらいのことをやらないと、平和維持に貢献したということにはどうもならぬのではないか。それは医療とか資機材とか、あるいはまたその他お金を出しているというようなことで一体戦争をやらせない、つまり国際協定が平和ということで停戦協定ができた、だからそこを戦争をさせないという、平和のために行くのだから、これは防衛庁もそういうところへ自衛隊を派遣することによって自衛隊はよくなるんですよね。下手に間違ってゲリラにやられるようなことがあればなおいい、しかばねを越えるということなくして自衛隊は強くならぬ、私はそう思うんです。要するに、停戦協定でしょう。戦争はもういけないんだよといって国連が中に入って、そこへ停戦のために出ていくことがなぜいけないんだろうか。法律があってできないというなら法律を変えればいいんだ。私は本当に平和のための貢献というものは口頭禅じゃなくて、やっぱり命がけの仕事があると思うのです、平和のためには。警察官が殉職する、これは社会の平和のためですよ。それとちっともかわりゃしない。いま殉職の数は自衛隊よりも警察の方が多い。飛行機で猛烈な訓練をやればおっこって死ぬということもありますね。これは平和のためですよ。だから、そこらの問題は余りへっぴり腰にならぬ方がいい。とにかく国連の協定、国連の協力というものについての具体的な行き方として日本自身もそれが大事じゃないかと、こう思うんです。
○国務大臣(櫻内義雄君) 具体的にいまのおっしゃることを考えてみますと、国連監視団の場合、これについて自衛隊の協力というものはどうかと、こういうことになってまいりますと、これは自衛隊法の改正によって監視団に参加ができる、こういうことでございますので、こういう点は今後検討していい事項ではないかと思うのであります。 なお、先ほど要員や資機材の提供のことを申し上げました。そういうことについて検討するのはどうかと。これは最近におきまして南アフリカの不法統治下にあるナミビア、このナミビアにおきまして国連監視下の選挙を通じて平和裏に独立させることを考えようと、国連のナミビア独立支援グループヘの貢献ができるかどうかと、こういうような問題がございまして、選挙監視員の派遣とかあるいはその活動を支えておる資機材の供与など、こういうことは考えていいんではないかと。国連の平和維持機能強化の上にこういうことが必要だということで、こういう点については現行法のもとでも考えられるところでありますから、もう一つ日本としても国連のその有益な活動については、積極的な協力をするような方途を考えていきたいと思います。
○秦野章君 総理、オーストリアが御承知のとおり国家条約で中立国だ。あそこでは若干の軍隊を持って、ゴラン高原あたりやっぱり平和維持というか、停戦の監視ということで出しているんです。それで、やっぱりゴラン高原のああいうところへ行っても下手をすると撃たれて死ぬことがある。そうすると空港へ遺体が帰ってきて、総理大臣は空港にその遺体を迎えるといったようなことで、わずかな軍隊ですけれども、要するに非常に士気が上がっているし、中立国を守る平和のための軍隊だということはかなり徹底しているんですよ。私はああいう点は日本も少し学んでいい部分があるように思うのでございますが、それはそれとしまして、次の問題に。 国連重視の中で一番大事なのは、国連の中に職員を入れなきゃだめなんですよ、職員を。明石君という有能な次長が一人おるようですけれども、あとは比較的非常に手薄であるという実情を、数字的に外務省ちょっと説明してくれませんか。
○政府委員(門田省三君) 御説明申し上げます。 ただいま国連本部及び国連関係の機関におきましては、職員、P1以上専門職でございますが、職員の数は約二千九百名でございます。そのうち、わが国から出ておられます職員は、本年の六月現在で九十七名ということでございまして、比率にいたしますと約三・三%ということに相なっております。委員御指摘がございましたように、この三一三%というものが果たして適正であるかどうか、これはまだまだ十分でないということでございまして、国連で一応計算しましたわが国の適正な人員の数は百六十三から二百二十ということでございます。したがいまして、現状は適正数の約半数である、かように申せると思います。
○秦野章君 非常に数が少ない。要するにはじけば半数だと、必要の半数だというわけですけれども、国連のようないろんな国の人が集まっている場合に、国連大使を、日本は二人送っておっても、国連の事務組織で、下の方で国の違った人たちがそれぞれ起案をして上へ上がってくると、これが直せないと思うのですよ。国が違った人が相談をして案をつくってくると。だからたくさん下の方に入っていれば日本の国益というものを反映させるような、そういう案ができると思うのです。役所のシステムとしてはそういうものなんだ。下の方が日本人がろくすっぽいないで、どんな案ができてきたって大方日本に有利な案は出てきませんね。私はそう思うのです。 それからいま一つは、そこへ多くの人を入れることによって、言うならばたくさんの国が出てきた、第三世界の国々なんかの人たちとそこで友人ができるということ。それから、そこから情報がとれるということ。何を国連が考えているか、上の方だけがぽつんと大使が二人行ったって、まあそれはいないよりいた方がいいけれども、もう少し組織として国連を日本がしっかり人的な充実を図るということが一番大事なことのように思うのです。ここで結構情報が集まって、そしてその情報に基づいて日本の外交に生かせるわけです。そういう意味において国連機関に対する人間をふやすということについては優先的に考えるべきだと、こう思います。これは答弁要りません。しかし、余りいままでそういう点について指摘がないものだから、特にその点と、それからいま一つ、ぜひこれは総理にも外務大臣にも……、私は恐らく政府のプロジェクトというか、方針として考えるべきだと思うのは、国連機関を日本にもっと引っ張ってくる。これはクライスキーというオーストリアの首相が、あすこらはワルトハイムが出ていたからわりあい便利だったかもしれませんが、いまウィーンには国連機関の職員が二千人行っています。二千人か三千人を擁する国際機関をあすこに誘致しているのです。そして家賃はただ。家建ててやって、国連機関来てくれ来てくれ、あれは安全保障政策としては割り安なんですよ。私はああいうことば日本こそアジアにおいてやるべきではないか。できるならアジアに国連のアジア本部があってもいいくらいだ。ジュネーブには欧州本部がありますから。そういうような国際舞台の中に、世界の中の日本になってきたのですから、国際舞台に登場するための手段として国連機関を日本に誘致する。わが国がこの考えが大変私は弱いと思うのは、この間海洋法会議で海洋法関係が成立したのですけれども、海洋法関係でもって国際機関が二つできた。これは二つとも日本がとってないのです、立候補しないものだから。これなんかも情けないと思うのですよね。やっぱり国連機関は日本へ持ってくる、そしていろんな国の職員が日本に来る。非常にこれは日本としては大きな旗を掲げてやるべき問題ではないのかなというふうに思いますが、海洋法会議の機関がなぜ日本に持ってこれなかったかということが一つと、これからまたエネルギー問題で、いまは産油国と消費国が別々にあるけれども、将来必ずやエネルギー問題というものは産油国、消費国を問わず、全体として協議していかなきゃならぬという時代がくるから、どうしたってこれは国際機関が要るだろうと思うのですよ。そういう問題を、これは通産省に聞いてもそういうことは当然必要になってくると言っていますから、そういう声を上げておいて、やっぱりそういうものができたときには機関は日本にぜひひとつつくるような心組みを、先手先手と打っていけば持ってこれると思うんですが、そういう点についてどうですか。外務大臣と総理から御見解を承りたいと思うんだが。
○国務大臣(櫻内義雄君) 秦野委員の御指摘のとおりに、わが国における国連の機関というものは十分でないということは残念でございますが、現在国連大学、国連地域開発センター、アジア太平洋統計研修所等の国連機関を誘致しておるところでございますが、これらの国連機関を日本に持つということはそれなりに非常に意義のあることはいまお話しのあったとおりでございまして、私としても今後できるだけ国連機関の誘致に努力をしたいと思います。 また、お尋ねの海洋法関係の機関、すなわち国際海底機構と海洋法裁判所のこの二機関でございますが、国際海底機構については、これは海洋法会議の審議の経緯で、開発途上国にこの機構はひとつ設置しようと、こういうことで、これはジャマイカほか二カ国が海洋法会議の早い段階から立候補しておると、こういうことでございます。それから海洋法裁判所の方については、これは残念でございましたが西独の立候補を西側諸国が一致して推そうと、こういうようなことで日本の入り込む余地がなかったということでございます。 それから、新エネルギー機関につきましては、将来を展望してその必要が必ず起きてくるという、そういう見地からの秦野委員の御意見でございまして、既存の研究諸機関を活用して協議機構をつくろうというような動きもございますが、秦野委員の御意見を念頭に置きまして、こういう機関の設置について日本も前向きに進めてまいりたい、こう思います。
○秦野章君 海洋法の関係は、いま外務大臣そうおっしゃいましたが、実際は出おくれなんですよ、日本の。手を挙げるのがおくれちゃったんですよ。私はそういう点は残念だと思う。 政府委員から、ちょっとウィーンの、オーストリアにおける国際機関、現在誘致したその誘致の仕方についてちょっと説明してくれませんか。
○政府委員(門田省三君) ウィーンにはIAEA、国際原子力機構、それからUNIDO、国連工業開発に関する機構、その他国連の機能の一部を取り扱いますたとえば人権とか社会問題、犯罪の取り扱いの問題等々の機関がございます。これらの機関がウィーンに誘致されるという場合の前提条件の一つといたしまして、オーストリア政府が特別の区画にそういう国際機関の事務局を収容するに足る建物等の供与を行ったということが一つの大きな誘因であったと、かように理解しております。もとより政府を挙げての誘致に対する熱意、勧誘の上での努力というものも見逃し得ない要因であったと、かように解しております。
○秦野章君 まあここにリストがあるんだけれどね、時間もないからいいです。 大変力を入れて国連ニュータウンのようなものができてやっているということは日本にとっては大変参考になることだと思うんです。総理、こういう国際的な舞台を日本につくるということは、国際会議が第一非常にふえてくる。そういういろんな機関があるといろんな国の人が来る。これは非常にぐあいがいいんですよ。政府としても外務省、まあいま金がないときだから、どこかの役所をつぶさなきゃできないかもしらぬけれども、そういうことはそれとしてやってもらって、こういう比較的金はかからない。公共投資をちょっと回せばできるかもしれぬですよ。やっぱりこういう方向には長期の期間を必要としますけれども、これは政府の私は大きな一種のプロジェクトとして考えてもいいんじゃなかろうかというふうにも思うんです。だれも文句の言いようがないです、これは。与野党とも文句の言いようがないと思うんです。中には国連機関についてソ連が拒否権を使うみたいな話があるかもしれないが、それは余りないだろうと思うんですよ。ぜひひとつこの問題は前向きに積極的な御検討をいただきたいと思うが、いかがでしょう。
○国務大臣(鈴木善幸君) 大変貴重な御意見を拝聴さしていただきました。私も、日本が国際社会でこれから大きく貢献をしていかなければならない、そういう意味合いからいたしまして、国連並びに国連のいろんな下部機構その他に、役員だけでなしに職員等も少なくとも日本の国力にふさわしい程度の職員も入れて、そしてそういう機関を通じて国際社会に日本も貢献していくようにしたい、このように念願をいたしておりまして、いろんな国連関係の幹部が、首脳が私のところにも表敬にお見えになりますが、そのたびごとにその点を訴えまして強く要請を実はいたしておるところでございます。国連の機関を日本に誘致するという問題も同じような考え方の中で今後推進していかなければならない、こう思っております。 それからもう一つは、私は、まずアジアのわれわれの隣組みの中で日本の国際的な地位、役割りというものをやはり理解をしてもらってサポートしてもらう必要がある、こう実は考えておるわけでございまして、日本はASEANその他の国々にいろんな経済協力なり技術協力なりをやっておるわけでございますけれども、そういう会議が、たとえばIGGI、インドネシアに対する協力の問題等につきましても日本が一番大きな協力国であるわけでありますが、これがずっとヨーロッパなどで会議が持たれておるわけでございます。私は就任いたしましてから、こういう点につきましてもやはりアジアにおけるそういう種類の会議はできるだけ日本において開いたらどうだ、東京等で開いたらどうだと、そしてみんなで地域協力も推し進めるようにしたらどうだと、こういうことを外務省その他にも言っておるわけでございますが、最近、そういう意味できょうもフィリピンに対する会議が東京で持たれておるというようなことで、そういう足元からだんだん国際的な会議の開催、役割りというものを推し進めていきたいものだ、このように考えておるところでございます。
○秦野章君 アジアでは比較的タイ国が国際機関誘致に早く飛び出した感じがします。フィリピンの国際会議場は多分東洋で一番いいものがあるように思います。やっぱり日本ももう少しその辺は力を入れていいんじゃなかろうかと思いますが、いま総理がおっしゃったような国際交流といいますか、そういう文化交流的な問題で関連しますからちょっと質問をしたいと思います。 私、昭和五十三年の春の予算委員会、それからその後自民党の政調で、例の外国人教授を国・公立大学に採用するという問題を提案して、どうやら今国会は通るのかなあという気がするのだけれども、意外と文化といったような面について閉ざされた社会になっているところを、どうやってこれを広げていくかというのが実は経済摩擦等の背景の中にあることは事実だと思うんです。非常にこれは大事なことなんだけれども、今度は逆に、これは文部省の問題にもなるのだけれども、日本にある大学の中で、外国からファンドを持ってきたり、理事者持ってきたり、教授持ってきたりする大学は結構あるんですよ。日本が外にはやらないんです。立教大学が、ロンドンに高校かなんかつくったという例が一つあるぐらいで、日本はやらない。向こうからは国際基督教大学、上智大学、青山学院その他いっぱいあるんですよ、これ。金から人間から持ってきて、こっちへ来てやっている、こっちからは行かない。これは文化の片貿易なんですね、こっちもやったらいいだろうということを、今度はその番が来たというふうにに思うんですが、それには結局いま私学関係の補助を大分やっていますね。まあ今年度は据え置きになったのですかな。私は私学の補助というのはかねがねやや疑問を持っている一人なんです。憲法八十九条には公の支配に属しない教育には公金を出しちゃいけないという規定があるんですけれども、公の支配に属さない学校というのはどういう学校か、法制局長官、どんな学校があるのかね。
○政府委員(角田禮次郎君) 「公の支配に属しない」というのは、政府はかねてからこういうふうに解釈しております。 会計、人事等について、一般的な監督でなくて、特別の具体的な監督関係のもとに置かれている、そういうものが公の支配に属すると。したがって、「公の支配に属しない」というのは、そういう監督関係のもとに置かれていないものであると、こういうふうに解釈しております。
○秦野章君 文部省、公の支配に属しない学校って、どんな学校あるかね。
○政府委員(柳川覺治君) お答え申し上げます。 ただいま法制局長官から御答弁ございましたように、その構成、人事あるいは財政上につきまして、指導監督の権限の及ばないものということでございますので、いわゆる塾などで個人または私人の立場で自由な教育がなされておる、そういうものが具体的な内容であろうと思います。
○秦野章君 塾のために憲法八十九条ができたと私は思わない。だから、やっぱり私学の補助というものは、ほどほどにせにゃいかぬ、それは私学が担っている教育の大きさは大きいですから、しかし、近ごろ金を出せばやっぱり口も出すので、文部省にぺこぺこしているようなことでは、私学の独自の学風などというものがすっ飛んじゃっておかしなことになっているんじゃないのか、官学と私学、そういうものが競うというようなことがやっぱり文化創造の道なんです。憲法をまともに解釈すれば、私は塾のために憲法八十九条があるとは思わぬな、どう考えても。ところが、銭出すときになると、自民党から共産党まで一緒になる。いろんな法律つくって、法律つくってから憲法違反じゃないなんて言っているんですけれども、これは私に別に大蔵大臣の応援のつもりで言っているわけじゃない。国家のために考えてみて、やはりあの金は、まあある程度出すことはやむを得ぬとしても、もう少しプロジェクトというものを考えて出すとか、有効に出す、厳しい規定から出てきている金なんだから。そういう意味においては、たとえば外国に早稲田が、アメリカ早稲田大学をつくるんだよと言ったら、それはいいだろうよ、日本の国内でやっている私立大学、一律に維持費を半分も補助するなんていうのは、ちょっと行き過ぎではないかという感じがするんですよ。だから、向こうから学校がいっぱい来ているから、今度はこっちから向こうへ学校出してやる、そのためには補助してやるよ、これはこたえられないですよ。若者がそういうような交流をやれば、非常にこれはもう国際関係がよくなるに決まっている。そこらからやっぱり補助金の問題は再検討して、意義のある、値打ちのあるやり方に再検討すべきだ。臨調がどういう答申をするかどうかしれませんけれども、こんなのは臨調もへったくれもない。これは日本の政府がそういう考えでやるべきだと、こう思うんですが、どうでしょう。
○国務大臣(小川平二君) わが国の学校教育において、私学の占めておりまするウエートが非常に大きいものであるということは、秦野委員も十分御承知のことと存じます。私学に対しまする助成は画一的に行っておるわけではないのでございまして、定員が厳守されているか、あるいは教職員の配置、教育研究費の支出が適正に行われているか、一口に申しますれば、教育研究条件が整備されているか否か、どの程度整備されているかということによって、補助の度合いを異にいたしておるわけでございます。 いま仰せの学術、教育の国際交流ということは、いわば総合安全保障の観点から、今後ますます推進していくべき大事な課題と心得ておりますが、この国際交流のためのもろもろの活動に対しましては、いわゆる特別補助も現に行っておるわけでございます。今後この特別補助ということは一層重視してまいりたい、こう考えております。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 秦野委員の言うことは全く私は正論だと実は思っておるわけでありまして、私学を希望する者は幾ら金がかかっても、それはぜひ私学に行って伝統ある学風を学びたいという方が非常に多い、同時にまた、国立を受けても受からないというようなために行っている方もそれはあるかもしれません。しかしながら、私としてはやっぱり私学は私学の学風で自主独立の精神でやってもらうということがいいことでございますから、私はそういうふうな観点から、これだけ非常に財政事情が逼迫しているということになれば、いままでのような考え方での私学助成というものは抜本的に見直す必要があると、かように考えております。
○秦野章君 総理ね、カイロにはたとえばアメリカン大学があり、ベイルートにもあるんですけれども、先進国は外に大学を持つということをやるんですね。あれ非常に着眼としていいと思うんですよ。それは若者ですから、未来を担う人間ですから、だから、もしやるのならそういうところに私は重点を志向すべきだと思うんですよ。そういうところは日本の島国性を打破する一つの手段として、私学補助というものは再検討の余地があるというふうに思いますので、これは新しい方向づけですから、総理ももし賛成ならそういう方向にリードしていただきたいと思います。なお、いま大蔵大臣おっしゃったように、官立を落っこちたのが私学へ、それもあるんですよ、あるんだけれども、基本的には私学というものは、やっぱり独立の学風を持ち、個性を持って、そして官立でも私学でも、大体勉強する気のないやつが学校へ行ったって本当はしょうがないのだけれども、レジャー大学みたいなのもあるし。そこらよく検討しないと、むだ遣いもあるんじゃないかというのが私の見解でございます。少し日本は大学をつくり過ぎたといううらみがあって、大学へ行きゃいいんだと、総理も大学へ行っておらぬようなことでしょう、行ってなくたって総理になれるのだから。要するに余り学校に依存するという気風を直さぬと、学校へ行ったって独学的精神がなきゃだめなんだから、基本はそこのところをやっぱり締めていかないと、ふやふや人間ばかりふえちゃって困っちゃうんじゃないかというふうに思います。 時間がなくなったのだけれども、最後に、裁判のことでちょっと。いろいろ新聞に裁判官の非行が出るからけしからぬなんて、私はそんなやぼなことはいま言わない。人が人である限り、人間が人間である限り、多くの中にはエラーを犯す者もあるということは認めざるを得ない。しかし、それだからといっていいということはないけれども、私が一番問題と思うのは、近来裁判官が勉強不足じゃないかということを思うんですよ。特に第一審の裁判というのはちゃらんぽらんな裁判が多いんだ。 一つ例を言いますと、あの忠魂碑の裁判なんというのはすごいですね。これはなぜかと言うたら、言いますよ、これこの中に書いてあるんだから。宗教というものをどう見ているかというと、日本人というのは無節操な国民だと、こう言うんだ、宗教的に。そういうことを裁判官が言う。それから日本の国民性を変えなくちゃいかぬようなことを言うんだ。そんな資格あるのかね、裁判官が思い上がっている、これ。それからキリスト教の裁判官だったけれども、異教を排撃するようなキリスト教の悪い面を出していると思いますね。そのほかにもある。 それで、ちょっと聞きたいのは、裁判官は弁解せずという哲学があるはずなんだけれども、これはどういうふうに解釈したらいいですか。裁判所、だれか。
○最高裁判所長官代理者(小野幹雄君) 裁判の内容は、要するにすべて判決で尽くされている、裁判の書かれたもの、それがすべてであるということでございまして、それ以外に別に説明したり弁解をしたり、一切そういうことはないと、こういうことであろうと思います。
○秦野章君 家永裁判のときに、杉本さんという一審裁判長は——これは新聞の談だからね、新聞の談は全部うそだというわけにいかぬでしょう。多分本当じゃないかと思うんだけれども、この判決自体について申し上げないと言いながら、自分の感じとしては最高裁もむしろ二審判決までのものを認めて上告棄却にする可能性の方を考えていましたと、こういう談が出ているわけですよ、大新聞に。それから二審の裁判長の畔上さんは、裁判というものはその時期における裁判官やそれから両当事者のいわば共同作業による合作だ、そして背後には一般世論があると、こう言っているんだが、これは正しいですか。
○最高裁判所長官代理者(小野幹雄君) ただいま御指摘の判決、また先ほど御指摘の判決も、いずれもこれは行政事件で、私の所管でございませんので、その内容については詳しくわかりませんが、いまお伺いしたそのお二人は、もとは裁判官でいらっしゃいましたが、いまはたしか裁判官はおやめになった方でございます。そういう裁判官をやめてしまえば何を言っても構わないのかということになるかもしれませんが、おやめになった方のことでございますので、私の方でちょっと意見を述べることは差し控えさしていただきたいと思います。
○秦野章君 杉本さんもやめているのですか。
○最高裁判所長官代理者(小野幹雄君) と思いますが。
○秦野章君 これは、やめてもこういうことを言っちゃおかしいんですよ。やっぱり、はしなくも本音が出ているんだろうと思うんですよ。だから、よく現職の裁判官は、裁判官は弁明せずという哲学があるということはやっぱり教育していかなきゃいかぬしね。それから憲法で行政裁判は日本は禁じられている。何でもかんでも裁判所に持っていっちゃう。あらゆるものを裁判するのに、いまの司法科の試験なんかで間に合うわけない。社会科学とか歴史を知らないんだ、まるっきり。 それは、たとえばいま一つは、この間赤軍のあの裁判に出ています。この赤軍の裁判で裁判長は何て言っているんだ、永田という被告のことを。これはヒステリーで苛虐的な性格がありどうのこうのと言って、性格論を非常に論じているんですよね。裁判官は、しかもその場合には、やっぱりよく社会科学を知っていなきゃ。永田にしても、性格破綻者でもって、そして気違いみたいな人間だからああいうことやったんだというんじゃ、これは裁判じゃありませんね。事実は認めながらも、もう少し、永田はやっぱり革命ということを言っているんだから、言ってやったらいいんですよ、革命というものはそもそも人を殺すのはあたりまえなんだから。なぜそういうことを言わないで、いろんな悪質週刊誌の表現みたいなことで裁いたか。判決の結果は死刑というのは、これはきわめて常識的でしょうと思うんですよ。ピストルの連射事件のときの何という裁判長だったかな、大変名判決があります。死刑なんかの量刑を科すときにはどこの裁判へ持っていってもそうであろうという判断でするんだというような論旨のことがあります。量刑に文句はないこの赤軍事件についての判決理由というものは、これはめちゃくちゃだ。非常に品の悪い、週刊誌みたいな書き方をしていると私は思う。それでは勉強していない。およそ革命というものは、歴史的に見て(「時間、時間」と呼ぶ者あり)フランス革命以後やはり人を殺すというのがあたりまえなんだ。それはフルシチョフもスターリンの何万殺したというそれはあとであばかれているでしょう。そういうものなんですよ。しかし本人は、間違った革命なんだと言っている。 そのほかいっぱいあるのだけれども、時間がなくなっちゃって怒られちゃうんだな。これで終わります。(拍手)
○委員長(植木光教君) 以上で秦野章君の質疑は終了いたしました。 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(植木光教君) 速記を起こしてください。 三時四十五分に再開することとし、暫時休憩いたします。 午後三時三十二分休憩 —————・————— 午後四時四十八分再開
○委員長(植木光教君) 予算委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、質疑を行います。片岡勝治君。
○片岡勝治君 当初予定しておりました順序を若干変えまして、まず最初に政治倫理の問題について質問をいたしたいと思うわけであります。 すでに予算委員会が始まりまして三日目も終わろうとしております。この予算委員会の重大な課題であります政治倫理の、特に六・八判決の事後の処理の問題について、今日この時点でなおかついわばやぶの中でありまして、社会党の最後の質問者として、なぜこの事態なのかということを改めて確かめたいと思うわけであります。 総理もまた官房長官も、本会議あるいは本委員会においてこの判決を厳粛に受けとめた、こういうふうに答弁されております。これは政治家が裁かれた、その判決が出たという、そういう形式的な問題だけではなく、この判決の中には真実がある、信頼性がある、やっぱりそうだったのかと、そういうことがあればこそ私は鈴木総理も関係者も厳粛にこれを受けとめた、こう思うわけであります。このことはいまさら総理に確かめる必要がないと思うわけでありますが、私はそういう意味で総理が厳粛に受けとめた、こういうふうに判断をするわけであります。 さて総理は、したがってこの種の問題については政治的、道義的責任はまず第一義的には当事者本人が判断をし、その出処進退を明らかにしなければならない、こう言っております。そのとおりです。私もそう思いました。しからば六月八日の判決以後すでに二十二日を経過し、今日この時点で一体だれがみずから判断をして、その政治的、道義的責任をどのような形で出処進退を明らかにしたか、一人ずつ氏名を挙げて御説明いただきたいと思います。おわかりですね。出処進退は本人自身が判断をして決めるべきだと首相が言っているのです。今回有罪になった人、あるいは灰色高官として氏名が発表されたその人たちがどのように政治責任をみずから判断をしてとったのか。
○国務大臣(鈴木善幸君) 六月八日の判決につきまして、有罪の判決を受けた方、また司法的な責任は追及をされない、しかし政治的、道義的責任についてこれを明らかにすべし、こういう方々、まあ二つに大別できるわけでございますが、前段の方につきましては、私はいまこれを控訴しておるというようなことも伺っておるわけでございます。また、検察の方でも同様に執行猶予等がついておるということが相当でないということでこれも上告をしておる。そういう中で国会の野党の皆さんからは本人みずからが議員を辞職すべきである、もしそれをしないのであれば議員辞職の勧告決議案を提出する、こういうことに相なっておるのが現状でございます。この問題につきましては、私はしばしば当委員会におきましても申し上げてきたとおりでございまして、ここで繰り返す必要はないであろうと、こう思います。 さらに後段の、司法的には結論が出ておりますけれども政治的、道義的問題としてこれを明らかにせよと、こういうことにつきましてはただいま議院証言法の改正の問題が衆議院の議会制度協議会の小委員会において検討が進められておる。これに関連したお二人もそれを前提にして、進んでその際には証人として喚問に応ずる、こういう考え方でおられると私は承知をいたしておるところでございます。そういう観点から、一日も早くこの議院証言法の改正が各党の御協力によりまして改定がなされて、それに基づいて証人の喚問が行われることを私は強く期待をしておる、これが矢田部さん等にお答えをしてきた経過に相なっております。 いまもそのように考えておりますが、これに関連して何か御発言があるようでございますが、その際にはまたお答えをいたすことにいたします。
○委員長(植木光教君) 関連質疑を許します。矢田部君。
○矢田部理君 総理から御紹介をいただきましたので、関連して二、三の点について質問していきたいと思います。 その一つは、一昨日の私の質問で議院証言法の改正問題について自由民主党が新たに二項目を追加されてきました。この追加ということの意味を考えますと、場合によっては引き延ばしを図っているのではないかというような受けとめ方もありました。そういうことではなしにぜひ追加二項目は取り下げをして、早期に議院証言法の改正を図るべきだという趣旨の質問をいたしましたところ、総理の答弁では、大事な点なのでそしゃくをして私の指摘を竹下氏に伝えるという向きの御答弁がありました。 そこで、総理はその後お伝えいただけたでしょうか。伝えられたとすればどんな結果になったでしょうかということをまず伺いたいと思います。
○国務大臣(鈴木善幸君) 矢田部さんのただいまのような御質問に対しまして、私は大変これは重要な意味合いを持っておりますので、十分自分としてそしゃくをした上で責任者の竹下氏に指示しましょう、お伝えをしてよく検討させましょう、こういうことをお約束をしたわけでございますが、その矢田部さんとお約束をしたとおりに、私、竹下氏にお伝えをして検討を進めていただいておる、こういうことでございます。
○矢田部理君 結論は後で伺いますが、それじゃまとめて伺いますが、十分伝えられたという御答弁でありますが、一昨日の総理の答弁では、竹下さんも追加二項目については法制化までは考えていないようだ、NHKの討論会でそういう向きの発言をされた、こういうふうにもおっしゃっておられたわけでありますが、その上でお伝えもいただいたわけでありますが、ところが昨日の衆議院における議会制度協議会小委員会で自由民主党は追加二項目の法制化を要求した。要求した上で、法制化はしてほしい、運用上は考慮いたしましょう、こういう態度をとられたわけです。総理の竹下さんの考え方についての御紹介は、法制化までは考えておられないようだと、こういう向きの話でありましたので、この点総理の答弁と食い違っておる。どうなったのでしょうかというのが第一点です。 したがって、また二番目でありますが、追加二項目については少なくともこの法制化についてはひとつ撤回してほしい、そういう趣旨で竹下さんともう一度話し合いをしていただき、早急にこの議院証言法の改正をまとめるため総理総裁として強い指導力を発揮すべきではないかというふうに再度希望を申し上げるわけでありますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(鈴木善幸君) そのように私が竹下氏に話をし、竹下氏も誠意を持っていろいろ関係者の諸君と協議をいたしておるわけでございます。きのうの議会制度協議会の小委員会におきまする自由民主党の発言も、証人が議員である場合とそうでない場合などいろいろなケースについて弾力的に行われたものと考えております。でありますから、私が申しておきました点につきましては、全然それが検討されていないというものでなしに、党内においてもいろいろ矢田部さんから御提起になりました問題点等につきましては審議が進められておる、それがいま申し上げたところにも反映をされておると、こういうぐあいに御理解をいただきたい、こう思います。いずれにせよ、議会制度協議会の場で、御指摘の点も含めまして十分話し合いが行われ、早急に結論が得られることを期待し、また最善の努力をいたしたいと、こう考えております。
○矢田部理君 ぜひ二項目などに余りこだわられずに早期の解決を強く要望しておきたいと思います。 もう一点でありますが、もう一点は、この予算委員会を通して総理の答弁にいささか誤解、無理解があるのではないかと思われる節があります。野党各党がそれぞれ現行法のもとで証人喚問を行うべきであると、こういう要求に対して、総理は要求そのものが与野党国対合意に反するかのような趣旨の答弁をされています。それは、その総理の答弁は、与野党国対の話し合いの経過と内容を十分理解していない、誤解に基づくものであると思うのですが、いかがでしょう。さらに、与野党国対では現行法のもとで証人喚問の要求をすることまで否定する合意はしていないのでありますから、正確に内容を理解すべきであると考えておりますので、その点総理の答弁を求めたいと思います。
○国務大臣(鈴木善幸君) 野党各党の証人喚問は議院証言法の改正を待たずに現行法のもとで行われるべきであるとの御意見は十分理解をいたしました。事実問題としては、衆議院の議会制度協議会において各党間で議院証言法の改正につき話し合われておりますので、その結果を見ることが適当ではないかと思います。
○片岡勝治君 冒頭の質問、総理ちょっとピントが外れておりますが、この種の問題については、まず本人が出処進退を明らかにしなさい、そういうことですからね。鈴木総理、本人が政治責任を負って出処進退を明らかにした者はどなたですかと、こういう質問なんです。だれもいないというならだれもいないでいいんですよ、今日なおかつ。
○国務大臣(鈴木善幸君) 先ほど現状について詳細にお答えをいたしました。
○片岡勝治君 本人が判断をして政治的、道義的責任を負って出処進退を明らかにした者はどなたですか、名前を言ってください。国会の話じゃないんですよ、個人個人がみずから判断をして出処進退をまずやりなさいとあなた言ったのだから、やった人がありますかと、こう聞いているんですよ。
○国務大臣(鈴木善幸君) その二つに分けまして
○片岡勝治君 だれもやってないでしょう。だからやっていなければいいですよ、それは。
○国務大臣(鈴木善幸君) その一方の有罪の判決を受けた方はこのようないま行動をとっておりますと、こういう進退をいまやっておるということを申し上げました。また、第二の政治的、道義的責任の問題については、議院証言法の改正がなされれば進んで国会でその証言をいたしましょうと、こう言っておるということを明快に申し上げております。
○片岡勝治君 全然ピントが外れているんですよ、それは。
○国務大臣(鈴木善幸君) いや、外れてませんよ。
○片岡勝治君 本人が外れていないと言うところがそもそも外れているんですから。いいでしょう、それではもうそれ以上答弁ができないようでありますからね。 そこで、二階堂さんの例をとれば、私は天地神明に誓って金はもらってない、彼はそう言いましたね。一方、伊藤宏さんは裁判の証言で明確にお渡しをした。しかし、これは重大な問題です。事は二階堂さんの政治生命が断ち切られると考えられるほど重要な証言なんですよ。もし伊藤宏さんが何らかの意図があって、二階堂さんの政治生命を断ち切るためにああいう証言をしたということが事実とすればゆゆしき問題ですね。これは、われわれ国会議員の一人としてこれを放置するわけにはまいりません。しかし一方、二階堂さんが事実もらっておりながら、それはもらっていませんよというもしうそが仮にあるとすれば、これは国会議員としてこれまた国民に対してまことに許されざる行為だろう、そうでしょう。なれば、いずれが正しいかということは今日野党の皆さんが追及しておりますけれども、事は重大な問題である、したがって、証人喚問は二階堂さんにとってあるいはその他の人にとってはまさに神の救いである、救いなんですよ。もし本当に天地神明に誓って事実無根ということであれば、それは自民党が、二階堂さんが、あるいは鈴木総理が、総裁が積極的にその機会をつくっていずれか決着をつける。これが目下この問題のこの時点の最大の課題だと思うんですよ。しかるにそういう情熱が見えないではありませんか。まして二階堂さんは党のかなめの幹事長、あなたは総裁、二人が本当にその気になればこれからだってできるはずだ、あすからだってできるはずではありませんか、どうですか。
○国務大臣(鈴木善幸君) まさに片岡さんが御指摘になりましたように、伊藤氏の言っておることと二階堂氏の上申書等で表明しておることと全く相反する点がございます。それがいま御指摘のとおり問題なのでございまして、それをひとつ国会における証人喚問、証言という形で明らかにしようと、こういうことで皆さんとともに努力をしておる。私もそれを党に指示して議院証言法の改正が速やかになされて、早くそういう場をつくるようにということで努力をしておるということでございまして、片岡さんの御意見と私は違っておるとは思っておりません。
○片岡勝治君 いままでの経過を見るとそれほど問題意識を持っていないような気がするわけなんで、これは関係者にとっても、また伊藤宏さんにとってもまさにみずからの政治生命、社会的生命がかけられた課題ですからね。これはもう一日も早く、一時間も早くやるべき課題なんですよ。もしこのことが今国会に行われないということが仮にあるとすれば、これはこの課題に対して鈴木総理の指導性はない、自民党もこの国民的な課題に対応していない、そういう社会的な非難があってもこれはやむを得ない。それほどの大きな課題でありますから、心してひとつやっていただきたいということをここにお願いをするわけであります。 ここでちなみにちょっとこういう資料を御発表いただきたい。昭和四十七年七月七日から昭和四十九年十二月九日までの二年余の間に叙位叙勲というんですか、勲何等とかなんとか、あるいは褒章、藍緩褒章とかなんとか、そういうものが一体何人の方々に授与されているか、与えられたか。
○説明員(中村徹君) まず叙位についてお答えいたしますが、叙位につきましては一万七千百二十件になっております。
○片岡勝治君 褒章。
○説明員(中村徹君) 褒章は賞勲局長からお答えいたします。
○政府委員(小玉正任君) 昭和四十七年七月七日から昭和四十九年十二月九日までに在職されました田中元総理大臣時代に出しました勲記、褒章及び賜杯の記の数は次のとおりでございます。 勲記六万五千二百六十四件、褒章の記七千四十一件、賜杯の記一千三十四件、以上でございます。
○片岡勝治君 この年に特に多いとか少ないとかということじゃないんです。これは田中角榮首相時代の叙位叙勲、褒章、勲記あるいはその他非常に莫大な数が出ておるわけであります。 これから質問をいたしますが、これは笑い話として受けとめないでもらいたい。 鈴木総理、御承知のように叙位叙勲をした場合には俗に言う表彰状のようなものが出ますね。そこに田中角榮と書いてある。勲何等。もらった人はみんなお年寄りで、これはありがたく床の間に飾っておく。私は叙位叙勲について他に一定の見解を持っておりますけれども、これは他日論議をすることにしますが、床の間に飾ってある。額に飾ってある。田中角榮という名前ではみっともなくて出しておけない。できればかえてもらえないかと、鈴木さんに頼んでもらえないか、こういうことなんです。いかがでしょうか。
○国務大臣(鈴木善幸君) 私は、当時の総理大臣としてそのような勲記に署名をされておるわけでございまして、私人としてそういうものを署名したものではないと、このように考えるものでございます。
○片岡勝治君 そんなことは百も承知ですよ、私は。しかし、そういう素朴な市民感情、国民感情について鈴木さんはどういうふうにお感じになりますか。とんでもないやつだというふうにお感じになりますか。
○国務大臣(鈴木善幸君) どういう意味でそういうお尋ねをなさっておるかわかりませんが、それはお一人お一人の方がどのような心境でおられるかという問題であろうかと思います。
○片岡勝治君 贈収賄を行って、収賄をして逮捕された、そういう総理大臣の名前ではみっともなくて掲げておけないと、こういうことなんですよ、鈴木さんの名前にかえてもということは言っておりませんでしたけれども。名前のないものにかえられないのか、こういうことなんですよ。そういう素朴な国民、非常に清廉潔白を求める国民、総理大臣というのはそれほど重みがあるんだ、こういうことの証左だと思うんですよ。私は単なる笑い話としてこれを受け取るわけにいかぬ。かえてくれといったって恐らくかえられないでしょう。それほどこの問題は。しかもいま読み上げたように多数の方々がみんなそういうことをひそかに思っておるんですよ。この権力の頂点にある汚職、腐敗、そういうものは善良な国民のそうした心情までも大きく影響しているということを鈴木総理もぜひかみしめて、今後腐敗政治の打破のために献身をしていただきたい。このことを特に最後に申し上げてこの問題についてはひとまず終わりたいと思うわけであります。 次に、外交、防衛あるいは安全保障関係につきまして質問をいたしたいと思います。 まず初めに、つい最近ヘイグ米国防長官が更迭されました。理由は明らかなようにレーガン大統領との意見の相違、しかも伝えられるところによれば、日本、西欧が要求しておりましたシベリア開発あるいはサハリン開発にかかわる、その他の問題についての意見の相違だということであります。レーガン一派という言葉は悪いのでありますが、タカ派によって占められた。今後は対ソ強硬政策に移るであろうということが報道されております。私どもも大変憂慮するわけでありますが、この問題について日本政府はどのように受けとめ、今後どう対処していこうとするのか。
○国務大臣(櫻内義雄君) ヘイグ長官辞任後新長官の就任をまだ見ておらないわけであります。アメリカ上院の承認が必要だと思うのでありますが、そういうわけでシュルツ新長官の御所見は何らいま報道されておりません。その情報としても入手しておらないのでありまして、ただいまお触れになりました点は新聞等が報道しておる、そういう範囲でございまして、私どもも残念ながらそういう新聞の報道によりまして多分そういうことではなかったかとか、あるいはそういうような見当かというようなことでございまして、ここでとやかく申し上げることはいかがかと思うのでありますが、一応のそういう報道があると、こういう認識に立っております。
○片岡勝治君 その後の情勢がまだ不明確ということでありますからやむを得ませんけれども、もう少し外務省は機敏に対処してそれに対応すべきだと思いますが、そのことだけ申しておきます。 過般の軍縮特別総会に首相みずから出席をいたしまして、日本の立場で情熱を傾けて演説をされたことに私も敬意を表したいと思うわけであります。これについていろいろ批判もないわけではありません。しかし、この演説の方向でひとつ全力を挙げて努力をしていただきたい。 これに関連いたしまして、中央公論の七月号に「日本が行うべき四つの提言」ということが載っております。これは外務省国連局の遠藤哲也さん、参事官ということでありまして、もちろん個人的な見解ということでありますが、首相の演説内容とほぼ符合いたします。首相演説のやや具体化したものがこれであるというふうに受けとめてよいでありましょうか。
○政府委員(門田省三君) お答え申し上げます。 ただいま委員が御指摘になられましたように、七月号の中央公論にこの一文が寄稿されているわけでございます。この内容は、本院及び衆議院におきまして総理御みずから、また外務大臣も御質−問に答えてお述べになられました御所見、これをベースにいたしまして寄稿したものでございまして、特に新しい提言というふうには理解いたしておりません。また、本人も断っておりますように、これは政府の見解を代表するものではないということでございますので、あわせて御了承いただきたいと思います。
○片岡勝治君 いろいろ言い方があると思うのですが、つまり内容そのものは政府の考えが表現されているというふうにとっていいのでしょう、率直に言って。私はそれを非難しているのじゃないのですよ。
○政府委員(門田省三君) ただいま申し上げましたように、総理あるいは大臣がお述べになられましたことに即しておるわけでございますので、その意味では委員がお述べになられたとおりかと存じます。
○片岡勝治君 総理の軍縮演説の中でいろいろ触れられておりますけれども、核兵器の不使用決議、核兵器を使用しない、そういう決議案について、これもいままで答弁をされておりますけれども、これについて今日この時点でどのように考えておられるか。
○国務大臣(鈴木善幸君) 核兵器を使用しない、これは私どもが核軍縮を優先的に考え、核の惨禍を二度と繰り返さない、こういう観点からいたしまして、非常に重要な意味合いを持つものでございます。私はこの核の不使用ということの約束が確実に核保有国によって守られていきますためには、やはり核軍縮そのものが着実に行われていかなければならない。核戦力というものを保有をしておって、そして相対峙をしておるというような形におきましては、そこに大変な危機感というものを常に内包しておるものと、こう私どもは思うわけでございます。そういう意味で、核兵器をとにかく一つ一つこれを縮減していく、そしてこれをなくしていくという方向で努力を積み重ねていかなければならないというのが私のこの核不使用に対する基本的な考え方でございます。そういう観点から、私は軍縮総会における演説の中でも、核実験の完全全面的な禁止の問題、あるいは核不拡散体制の問題、そして冒頭におきましては米ソ核超大国のSTART並びに戦域核の削減交渉というものが、これが着実に前進をすること、そういうことを強く求めておるところでございます。
○片岡勝治君 総理の基本的な考え方はおっしゃるとおりだろうと思うのですが、具体的に前回のような決議案が出された場合にどういう態度をおとりになりますかと、こういうことなんですよ。
○国務大臣(鈴木善幸君) これは現実にどういう内容のものが、どういう背景の中でそういうものが提案をされるかということを具体的にあらゆる角度から検討しなければならないわけでございますが、国会の衆参両院の決議の中に、この核の不使用という問題を強く訴えております。したがいまして、今後いま申し上げたことを判断するに当たりましては、私はこの国会の決議の趣旨というものを十分踏まえまして判断をいたしたいと、このように考えております。
○片岡勝治君 軍縮特別総会における総理の演説について私は深い敬意を表するわけでありますが、演説をしただけでは反核あるいは軍縮もできるわけでないわけですから、やっぱりそれを具体的にどう実現していくか、そのための努力をどうするか、そういうことに努力をしなければ、それは大演説をぶっただけに終わってしまう。したがって、私は核不使用決議について国会決議もこれありということでありますならば、むしろ日本が積極的に提案したらどうですか。あるいは他国と共同して提案するぐらいのことをやれば、さすが日本だ、鈴木総理の演説をそのまま実行に移している、よし日本に続けということになりはしませんかな。首相の見解を。
○国務大臣(鈴木善幸君) 核兵器の不使用の問題についての基本的な私の考えは前段で申し上げたとおりであります。核軍縮というものを一つ一つ着実に積み重ね、そういう努力の上に核戦力というものを削減をし、低位に抑えていく、そしてこれをなくすると、こういうことが核不使用の問題である、根本的な解決の問題であると、このように考え、それに向かって日本はジュネーブの軍縮委員会等におきましても、この核実験の完全全面禁止等の問題につきましては先頭に立って努力をしておりますことは片岡さん御承知のとおりでございます。
○片岡勝治君 いや、ですからね、日本が提案国になったらどうですか。もちろん日本だけということじゃなくて、他国と共同してやりなさい。それはあなたの演説の具体化ですからね、そこまで踏み切ってやったらどうですかと、こういうことなんですよ。
○国務大臣(鈴木善幸君) 片岡さんの言っておられることは私もよく理解ができます。私が申し上げておることも御理解を賜りたいと、こう思っております。そして日本が核不使用の決議案をみずから提案するかどうか等につきましては、関係当局におきましていろいろ検討を加えておる段階でございますので、いまその点について明確に申し上げることはできません。
○片岡勝治君 それじゃ、この問題について最後に。 よもやこれに反対することはありますまいな。どうですか、決議案の問題。
○国務大臣(鈴木善幸君) 先ほどはっきりお答えをいたしましたように、どういう内容で、どういう背景で、どういう形で出されるか、その実際に出たものを十分あらゆる角度から検討し、そして私どもが最も重く見ておりますのは国会の御決議、この趣旨を十分踏まえて総合的な判断を下そうと、こういうことを申し上げております。
○片岡勝治君 国会決議を踏まえるということであれば、これは当然この決議案が出された場合には賛成するというふうに私どもは確認をいたしたいと思います。 さて次に、過般、衆議院におきまして日米安保条約に基づく米軍の行動について、まあ新しいということでもないのでありますけれども、明確になったことが一つあるわけであります。つまり、日米安保条約によって日本が仮に攻撃をされた場合にはアメリカがその防衛の任に当たるわけでありますけれども、その場合にはアメリカは核兵器を使うことも含まれている、こういうことが明確になったわけでありますが、これはよろしゅうございますね。
○国務大臣(櫻内義雄君) それは質疑応答の中で明白であると思います。これは、三木・フォード間の話し合いの経緯、あるいは宮澤外務大臣・キッシンジャー国務長官の会談に際して触れられておるところでございますので、そのとおりでございます。
○片岡勝治君 これは、首相の軍縮総会における演説あるいはいま問題になりました核兵器の不使用決議案への対応、そして国会決議、これにかかわる実に重大な問題であるわけでありまして、いま明らかになったことは、米軍の核兵器使用もある、含まれているということでありますから、俗に言われておりました核安保、つまり核兵器も含んだ安保である、日米核安保ということが明らかになったわけであります。 さてそこで、ここに大きな一つの矛盾があるわけですね。核兵器を使用してはならない、そういうわれわれは決議を国会でいたしました。また、その決議案が国連に出された場合には恐らく日本は賛成するでありましょう。これは正当な、正常な一つの日本の政策の態度であるわけでありますけれども、私たちは他国に対して核兵器は使ってはいけませんよ、そういうことをいま主張しているわけであります。しかし、日本へ帰ってきて、今度は日本は核兵器を持っていない、つくらない、よそから持ち込まない、しかし、日本はアメリカに頼んで核兵器は使うこともありますよということでは、これは世界に向かって核軍縮を叫び、軍縮を達成するため総理が情熱を傾けて演説をぶっても、これは他国の人々はそのまま受け取るということにならないのではないでしょうか。他国に対しては核兵器を使わないでもらいたいということを要求し、そしてみずからの国を守っていこうと。一方、自分の国を守るためにアメリカに核兵器は使ってよろしいと。非常に矛盾したことですからね。これはいずれか一方を整理しなければ、この矛盾というものを取り除くわけにはいきませんね。これは総理、矛盾に、どういうふうにお考えですか。
○政府委員(淺尾新一郎君) 私からまず事実関係について申し上げます。 いま片岡委員は、あたかも日本がアメリカに核を使ってほしいと、核を使うことを是認するというふうに言われましたけれども、安保条約の本質というのは抑止理論でございますので、したがって、核戦争あるいは通常戦争を起こさせないようにすると。そのためにアメリカの核の抑止力に依存しているということでございます。 それから第二として、従来から本院においても、あるいは他の会議においても繰り返して御答弁しておりますように、日本がアメリカの核に依存しているということと、核を日本に持ち込むということは別の問題でございまして、日本に核を持ち込まなくてもアメリカの核の抑止力というものは十分作用しておるということを、若干、従来の経緯もございますので、御説明させていただきます。
○片岡勝治君 それば私もわかっているのですよ。しかし、その中に大きな矛盾があるではないか。他国に対して核兵器の使用を禁止する、そういう要求を出す。一方において日米安保によって、いいでしょう、核の抑止力、抑止力というのは核兵器を使用します、そういう使用の可能性を持っているからこそ抑止力というのは働くのでしょう。一切核兵器というものがコンクリートの中に閉じ込められて使用不可能な状態にしておくわけではない。核兵器の使用という可能性があればこそ抑止力ということになるわけでありますから、明らかにここには二重人格の矛盾があるわけですよ、二重人格の矛盾がある。いずれか一方を整理するということになれば、真に鈴木総理が演説をした内容の実現を期すならば、やっぱり日米安保というものについて、これも見直すいま時期に来ているのではないか。つまり、核軍縮あるいは軍縮を世界に訴え、日本が先導的にやっていこう、そういう決意を表明し、国会も議決をした今日であればこそ、いままでのことはいままでのこととして、この際、日米安保というものから、核安保というものから——百歩譲って、われわれ安保条約そのものは否定しているわけでありますけれども、百歩譲っても、核抜き安保という方向に行かなければ、鈴木さん、あなたの演説は、これはどうも、他国から信頼をされ、日本の指導性というものを期待するわけにはいかぬというような意見になってくるのではないですか。この矛盾に気がつかなければ、真に世界に向かって軍縮運動の先頭を切っていくということにはならない。これはだれが聞いたってそう思いますよ。小学生だってこの程度のことはわかると思うのですね。どうですか。
○国務大臣(鈴木善幸君) われわれは、核の抑止力としての日米安保条約という、この抑止という限度において認めておるわけでございまして、一方において、やはり超核大国というものが存在をしておる、そういうようなことからいたしまして、私は、それがそのままでいいということではございません、こういうことであってはいけないのであって、これを、先ほど来申し上げるように、戦略核兵器また戦域核の縮減、そういうことをぜひ米ソの間で精力的に、全人類のこの願いというものを十分体して軍縮の努力をやってもらいたい。そうして、これを低位に抑えることによって初めて片岡さんがおっしゃったような方向に行くのであって、その点十分日本の国民の皆さんにも御理解をいただけるものだ、私はこう考えております。
○片岡勝治君 いや、そういう主張をやるには、こうした大きな矛盾を抱えてはあなたの説得力が弱くなると言うのですよ。せっかくあなたがそういう決意をしたのですから、あなたは演説の中で、「核戦争が起これば人類そのものが滅亡する、今日の逡巡はあすの破滅、断固として時代の流れを転換、軍縮を人類生存の行動原理に」すばらしい演説なんですよ。まさに世界の平和倫理綱領とも言うべき言葉でしょう、これは。しかも、鈴木さん、あなたは、絶えず、核は絶対悪だ、絶対悪、まさに人類の敵だ、そういうものに、そういう核に依存をする、核の使用の可能性を含んだ日米安保というものを是認していては、せっかくあなたが勇気を持って世界に訴えた演説も本当のことにならぬ、本物にならぬじゃないか、そういうことなんですよ。ですから、大変重大な問題ですから、ここで、はい、わかりました、核抜き安保にしましょうとはあなたは言えないでしょう。しかし、あなたがあれだけりっぱな演説をぶち、そして世界の人々が感銘を受けたこの機会ですから、私はぜひこの問題について一度検討していただきたい。その上で、世界に向かってさらに鈴木総理が、そして日本の政府の皆さんが先頭を切ってこの歴史的な課題に挑戦をしていただきたい。このことをこの際特に申し上げて、まだまだいろいろこの問題について詰めたいと思うわけでありますけれども、終わりたいと思うのです。 この際、これに関連して一、二見解を求めたい。 平和問題、軍縮問題については、いま大きな政治課題とし、あるいは市民運動、国民運動が巻き起こっておりますが、ぜひこれに対応するために政府においても研究機関を置いてもらいたい。あるいはまた、日本がひとつ提唱して、アジアなりあるいは東南アジア、その他世界に向かって軍縮、平和の研究機関をつくっていただきたい。ストックホルムの平和軍縮研究会、そういうようなもの、研究所というものがありますけれども、そういう性格、いろいろあろうと思うのですが、これについて見解を承りたい。 なおまた、学術会議についていろいろ改革問題等があったようでありますが、当面この重大な問題について、学術会議にいたしましても、平和軍縮安全保障問題について科学的な立場に立ってこの取り組みを図っていただきたい。これらについて、関係者の方からひとつ所見を承りたいと思うのです。
○国務大臣(櫻内義雄君) ただいま軍縮研究所設置のことに触れられたわけでございますが、これは貴重な御意見として承っておきたいと思いますが、すでに日本国際問題研究所あるいは平和安全保障研究所等、種々研究所が設けられておることを御承知であろうと思うのであります。日本が平和憲法のもとで軍事大国とならず、平和国家としての独自の道を歩んでいきたい、核軍縮を初めとする軍縮の促進に努力するということはわれわれに課せられた責務である、そういう点から、軍縮問題についての研究というものの重要性については十分認識しているところでございます。
○政府委員(藤江弘一君) 学術会議といたしましては、平和問題を研究いたしますために、前十一期におきましては原子力平和問題特別委員会を、今十二期におきましては平和と科学特別委員会を設置いたしまして、また四十七年度からは研究連絡委員会の一つといたしまして平和問題研究連絡委員会を設けまして、一つは平和研究をいかにして促進するかを関係の内外の研究者、学界、研究機関等と提携して検討し、提言するということ、もう一つは戦争を防止し、平和を強化するための科学者の社会的責任について究明し、それに基づいて声明、アピール等を行っておるわけでございます。最近におきましては、昨年十一月に「ラッセル・アインシュタイン宣言の現代的意義を探る」ためのシンポジウムを開催いたしております。また、本年五月の総会では「核戦争の危機と核兵器廃絶に関する声明」、これは第二回国連軍縮特別総会に際しましていたした声明を採択し、関係方面に配付いたしておるわけでございます。
○片岡勝治君 今度の軍縮特別総会におきましては各国からいろいろな提言がなされておるわけでありますが、日本として、いまもなおかつ続けられておりますから、まだ結論を出すのはあるいは早いかもしれませんが、こういう提言は日本も賛成だ、あるいはああいう提言については日本も一緒にやっていきたいというような、もし検討の結果でもありますれば、この際発表していただきたいと思います。
○政府委員(門田省三君) ただいまのところは仰せのとおり検討中でございます。いろいろな国からいろいろな案が出ております。そういうことで、今後の推移を兄詰めるということで対応したいと存じております。
○片岡勝治君 東南アジアに平和、自由、中立の地帯をつくってくれ、これはタイの国連代表。あるいは南アジアの非核地帯をつくってくれ、パキスタンの外相を初め、パルメ委員会の提言、その他さまざまな提言がそれぞれなされているわけでありまして、こういったものを十分検討いたしまして、先ほど申し上げましたように、事は世界の平和にかかわる問題でありますから、日本がその指導的な役割りを果たしていただくよう、ひとつこの際申し上げて、この問題について一応ここで打ち切っておきたいと思います。 次に、文教関係につきまして二、三お願いをいたします。 まず初めに、三月の予算委員会におきまして、私から教科書検定審査内規というものがあるそうなので、それを資料として提出をしていただきたい。委員長から理事会預かりにしていただきまして、理事会からも文部省に要求していただきましたが、何らかの返事を私はじっと今日まで待っておったけれども、音さたがありませんでした。一体、この問題について文部省はどういうお考えなのか。資料の提出をお願いできるのかどうか。
○国務大臣(小川平二君) お答えいたします。 お求めの資料につきましては、去る三月十八日の参議院予算委員会で答弁を申し上げたところでございます。 教科用図書検定調査審議会にその取り扱いについて意見を求めたのでございますが、審議会が具体的な審議を行う上でのプロセスを内部規定として定めたものであるから、従来どおり公表しない取り扱いとしたいとのことでございました。 審議会は各方面の学識経験者によって構成され、独立して公正な審議を行う機関でございますから、この審議会の御意見に従いまして、文部省としては御指摘の資料提出のお求めに応ずることができませんので、御了承をいただきとうございます。 教科書の検定におきましては、教科用図書検定基準に照らして申請された図書が教科用として適切かどうかを判断しており、その際できるだけ客観的かつ公正な判断を行うようにいたしますために、一つの方法として点数評価を用い、一定水準以上を合格とする方式を教科用図書検定調査審議会において定めておることは事実であります。このことは、できるだけ客観的かつ公正な検定を行うための適切な方法だと考えておる次第でございます。
○片岡勝治君 そういう態度であるから、秘密主義であり検定が密室で行われていると、こういう批判が出ておるわけであります。昨今の新聞の社説等を見ても、文部省のそうした態度に対して厳しい批判が寄せられております。すでに三月に毎日新聞がこの検定のいわゆる点数表、こういうものを発表しておりますね。つまりこれが本物なんでしょう、これは全くにせものですか。
○国務大臣(小川平二君) 御指摘の新聞報道の内容につきましては、点数操作が行われている、あるいは点数のつけ方がまちまちである、あるいは数字いじりをしている、かような点は事実でございません。しかし、その部分を別にいたしまして、検定申請にかかわる原稿本の調査の合否の判定のプロセスにつきましては大筋において間違いないと、かように考えております。
○片岡勝治君 すでにこうして全国に、全国民に知られている事項ですから、なおかつこれを秘密にするというところが理解できないんですよ。それで、この検定審査内規というものについては、どの教科書が何点でということじゃないんですよね。検定をする場合にこういう基準で点数をつけてやってみたら、そういう一つのプロセスですからね。これが公開されるということは、密室検定をむしろ、そういうものじゃないよ、こういうふうに明朗にやっていますよという証拠になるのじゃないんですか。それをもなおかつ隠すから密室の検定だということになるのですよ。もし審議会において、いや、これはどうも外に出されちゃ困るというようなことがあれば、文部大臣が行って、しかし、審議会の皆さん、こういうものを外に出して、こういうふうに公明正大にやっていますよと、そういうことによってこの密室性というものの誤解を解かなければいけないとあなたが言うべき立場ではないのですか。それが文部大臣のいわば政治的指導性じゃないのですか。それがあなたにできないということについて私は大変残念に思うのですよ。私はあなたを非常に尊敬しているのですよ、りっぱな人だと思って、いや本当に。しかし、こういうことを見ると、やっぱりお役人に丸められていると言うと言葉は悪いのですが、そういうことではないのか。せっかく文部大臣になられて、大いに張り切ってこの民主的な教育を推進しようという決意を表明されました、あなたは。ですから、そういう点について本当に私はがっかりしているのですがね。 それでは、こういう資料を出していただきたいと思うのです。今度大分大きく改訂がされましたね。その基準となるべきこういうものがあります。原稿本、つまり教科書のいわゆる原稿ですね、原稿本の内容修正を求める修正意見、これはもう強制的にこう直しなさい、それからもう一つは改善意見、こういう表現はこういうふうに直した方が適切である、こういう二種類があるわけでありますね。その基準表を出していただきたい。 委員長、資料要求ですから一まずお答えを。
○政府委員(三角哲生君) 教科用図書検定規則におきまして定めをいたしております。そこで、「文部大臣は、」「原稿本審査合格の条件として、修正意見を付することができる。」ということを定めておりまして、したがいまして、この修正意見というのは、これに従って著者の方で検討をして修正をしていただくということが合格の条件になる、そういう事柄でございまして、これはただいま申し上げました教科用図書検定規則の中に定めておるものでございます。
○委員長(植木光教君) 三角初等中等教育局長、ただいまの片岡委員からの資料要求についてお答えください。
○政府委員(三角哲生君) 教科書の検定は、教科書の検定基準に基づいて実施しておりまして、そしてその検定基準の中には学習指導要領を取り込んでおるわけでございます。したがいまして、学習指導要領の内容及び検定基準そのものに定めております各条項に従いまして審査を行いました結果として、個々の修正意見、あるいは修正した方が望ましいという意味合いでの改善意見というものが検討の結果、欠陥と認められる個所について定められるのでございまして、これは先ほども申し上げております教科用図書検定調査審議会の検討の結果の答申に基づきまして決めておる、こういうことでございます。 そして個々の修正意見等の事柄についてでございますが、いま申し上げました教科用図書検定基準以外に資料といいますか、基準、そういうものはないわけでございますので、個々の意見というのは個々具体の記述に即して定められる、こういうふうになっておるのでございます。
○片岡勝治君 そんなことはないでしょう。たとえば奈良朝以後の天皇の死に対しては没にしなさいと、こういう基準があるでしょう。だから、そういうもののずっと一覧表があるのですよ。それに基づいて検定の検定官というのですか、調査官が出てきた原稿をチェックして、ああ、ここは天皇の死と書いてあるからだめだ、これは天皇の没としなさいとかなんとかと直すのですよ。そういうのがあるわけでしょう。侵略は進攻にしなさいとか、もう新聞にも出ているのじゃないですか、これは旧教科書と新教科書を比べればわかるのだから。すでにもうあらわれているのですからね。その一覧表をくださいよ。私も勉強したいのです。
○政府委員(三角哲生君) 教科書の内容に関します検定の基準として、学習指導要領というものを検定基準の中に取り込んでおるということを先ほど申し上げましたが、この学習指導要領に即して検定を行っておるわけでございまして、ただいま御質問にございました天皇陛下に対する表現というものについて申しますと、天皇陛下は憲法の上で、日本国及び日本国民統合の象徴ということと定められておりまして、学習指導要領におきましてもこのような天皇の地位について十分に理解をさせる、そういうことでございますので、そうして指導要領全体を通じまして私どもとしては人を敬う態度でございますとか、あるいは丁寧な言葉遣いなどを身につけさせることは学校教育そのものの基本をなすということであるというふうになっておりますので、天皇につきましても、学校教育において児童生徒の天皇に対する敬愛の念を深めていくということが大切である、こういう観点に立ちまして、検定においてもそういった配慮を行った記述にすることが望ましい、こういうことで検定をしておるのでございまして、御指摘のような一々の事柄につきまして細密にわたる別段の資料というものがあるのではございませんで、基本は教育基本法、学校教育法及び学習指導要領に即して教科書の内容あるいはその取り扱い、これを考えていただく、そういうことで検定を行っているのでございます。
○片岡勝治君 そんなことを聞いているのじゃないんですよ。いま私は例を挙げて、奈良朝以後の天皇の死に対しては没という字を使いなさい、そういう基準があるから何十人の調査官はそれぞれみんな分担をして原稿を見て、あ、死と書いてある、これは没にしなさいということで訂正するのですよ。私だって調査官の人を知っていますよ。そういう話を聞いている。だからそういう基準どおりやってすでに新しい本ができたということはみんな新聞に出ているじゃありませんか。それを出しなさい。国民が要求する、国会が要求しても出せないというのですか、一般の新聞には発表しておいて。それならそうと考えがありますよ。
○政府委員(三角哲生君) 先ごろは各紙に検定の結果の状況が報道されたわけでございますけれども、これらは主として各新聞が教科書の発行者と申しますかあるいは著者と申しますか、そちらの側から取材をなさってまとめたものだというふうに私どもは考えておるのでございます。 ただいまの御質問でございますけれども、私どもは、先ほども申し上げましたが、学習指導要領と教科用図誤検定基準に基づいて検定をしておりまして、したがいまして、個々の具体の内容につきましては、指導要領の記述と、それから検定基準の中にたとえば「表記・表現」という項目がございまして、その中では文章、挿絵などの表現のことなどを決めておりまして、たとえば冗長または粗雑なところはないことなど、以下、文章、漢字、かな遣い、送りがなに至るまで書いてございまして、こういったことに基づいて個々の記述について審査をしておるわけでございまして、一々天皇の事柄についての表現とかあるいはその他個個具体について、いま申しました学習指導要領と検定基準以外の基準的なものを定めておりませんので、これを出すようにというお求めでございますけれども、そういうものはございませんので、先ほど来御説明を申し上げておるのでございます。
○片岡勝治君 それじゃ、その表は私の方でつくりましょう。したがってこういう資料を出していただきたい。たとえば侵略を進攻にしろというふうにやりましたね。あるいはいま例に出しましたように、天皇の死を天皇の没という字を使いなさい、そのほかたくさんあるわけでありますけれども、もちろんミス的なてにをはを修正するとか、そういうことは一切別にして、こういう表現だけれどもこういうふうにしなさい——現実にしたわけですから、そういう一覧表を出していただきたい。これはできますね、原稿本とこう対比して。もしなんでしたら原稿本と新しいやつを全部一括もらいたいのです。
○政府委員(三角哲生君) 新聞に出ました、たとえばいま仰せの天皇に関する記述あるいは侵略という言葉に関する御指摘の事柄、その他若干新聞にほかにもあったと思いますが、そういった事柄につきまして私どもはどういう検定の上での学習指導要領等に照らした考え方に立って行ってきたかという、そういう基本につきましては、これは別に先ほど来御要求の基準的な資料ではございませんけれども、御説明はできると思っております。
○片岡勝治君 全部原稿本をそれじゃ一括もらいましょう、出し渋っているのなら。
○政府委員(三角哲生君) 教科書の原稿本につきましては、これは私どもの方からお出しするということは控えさせていただきたいと思っております。教科書は、あくまで検定の結果七月一日から行われます展示会で見本本として出されますその姿で公正な採択に付すという制度の仕組みになっておりますので、原稿本を公式な形でお示しするということは、私どもこれまでも控えさせていただきましたし、今後もその方針でやらせていただきたいと思っております。
○片岡勝治君 だから、それが出せないということは前々から言っているから、直したところを全部出しなさいということなんですよ。それはいま出すということですから。まあいますぐといったって無理でしょうから、可及的速やかに新旧の対照表として、さっき言った文法上のてにをはとかなんとかということは結構でありますから、ひとつ一覧表で出していただきたい。そこで、この問題については他日十分論議をしていきたいと思いますからして。 しかし、総じて言えることは、たとえば特に今回大幅に改訂されたこの歴史的記述につきまして、私も戦前学校で教わった戦前派でありますから、ああ昔に返ったなという感じがするわけであります。これは恐らく戦前の皆さんはそうお感じになっているに違いない。しかし、先ほどから申し上げているように、これからの日本は国際社会に生きていく、しかもその中でいわば指導的な中心的な役割りを果たしていくというときに、偏狭な軍国主義の時代の表現を復活させる、あるいはそういう歴史観を持った記述に変えるということについて、これは私たちとしてとても納得できないと思う。ある歴史家は、歴史とは過去と現在の対話である、いや過去と未来との対話であると言った方が適切であろうという言葉を残しておりますが、私たちが歴史を振り返って見るときに、やっぱり日本国憲法を踏まえ、将来展望の日本の行き方、そういうものを踏まえた上で歴史というものを見ていく、それが正しい歴史観であり、そういう立場に立った教科書によって教育されることが国際社会、平和社会に生きる子供の教育になるのではないですか。こんなことは私が申し上げなくたってあなた方は専門家ですから、ぜひそういう点を踏まえて今後やっていただきたい。 教科書の今度の改編の問題については、それぞれ委員会もございますし、他日ゆっくり論議をしていきたい、こういうことで本日は内容については触れないようにいたしたいと思います。 一つだけ政治倫理とも関係してお伺いいたしますが、田中角榮の写真が今度全部外れたそうですね。これはどういう意味なんでしょうか。
○政府委員(三角哲生君) 申すまでもなく検定教科書は民間の会社の編集発行、著作物でございまして、著作者がこさえてきたものについて私どもが審査をするわけでございまして、今回の教科書はそういった制作をする側のお考えでいま御指摘のような結果になっておりまして、私どもがどうこうということで現在の姿ができているということではございません。
○片岡勝治君 どうこうなんて、そういう逃れることを言ってはいけません。これは、首相の犯罪としていま裁かれておる。そういう者の写真が教科書に載ることは適切でない、適当でない、だから外したのですよ、そうでしょう。
○政府委員(三角哲生君) これは教科書の制作者側の方針に基づいておるものでございますが、したがいまして、ものによりましては、日中共同声明に調印する両国首脳というような写真が載っておる教科書もございます。
○片岡勝治君 特に留意すべき事項は他国の表現でありますが、すでに中国からは日中戦争の美化という批判が来ております。さらには、朝鮮問題の月刊誌「コリア評論」二月号に「日本の教科書に映った韓日関係」という小論が出ておりますけれども、その中に、日本の統治下において朝鮮語とあわせて日本語が公用語になった、朝鮮の人も神社に参拝するようになったと記載されておりますが、明らかに誤りだ、強制だったんです。神社に参拝することを拒否すれば殺されたんだ。そういう歴史的な事実、特に外国に対する記事が大変偏向している。こういうことが記載されているわけでありまして、今回の改訂も一連の改悪であるというふうに私たちは認めざるを得ない。なかんずく他国の記載に対しては慎重な上にも慎重、他国との友好親善を深める、かつての太平洋戦争に対して深い反省に立ったそういう立場での記事にしていかなければ、これは先ほど繰り返して言うように、鈴木さんがどんなに演説をぶったってだめなんですよ、それは。よくよく心して対処していただきたい。 以上で教科書問題を終わります。 次に、サミット問題についてひとつお伺いをいたしたいと思います。 昨年オタワ・サミットがありました。ことしと同じように、偉大なる成果をおさめてということをうたい上げて閉会をしたわけでありますが、そのとき協議された事項が一年たって、一体オタワ・サミットとは何だったのか、事態は悪化をするばかり、鈴木さんが演説をした核軍縮も逆にどんどんと拡大をしていく、こういうふうに残念ながら見ざるを得なかったこの一年。オタワ・サミットとは一体何だったのか、総理はどういうふうにお感じになりますか。
○国務大臣(鈴木善幸君) 昨年のオタワにおけるサミットにおきましては、その当時における世界の経済情勢がきわめて成長の面からいっても、あるいはインフレの面からいっても、あるいは国際収支の面からいたしましても、いろいろの客観的な情勢から見て非常に厳しいものがございました。また、その間におきまして、それを背景としていろいろ保護主義の台頭というものも予想をされた。そういう中で、自由貿易体制の維持発展、さらに世界経済をどうやってこれを盛り上げていくかということが中心になりましていろいろ首脳間においても論議をしたわけでございます。 もう一つの問題は、やはり西側の先進工業国の首脳が一堂に会するわけでございますから、いろいろの国際情勢についての自由な率直な意見の交換がなされました。イラン・イラクの戦争、あるいはアフガニスタン、ポーランドの問題、そういう問題も討議をされました。また南北の問題もトルドー首相等からも強く出されまして、私からも相当主張したわけでありますが、このグローバルネゴシエーションの問題が、やがて開かれるカンクンサミットを前にいたしまして調整を要するということで、いろいろ論議をされたわけでございます。それは共同宣言なり、あるいは議長サマリーの形で発表されておるところでありますが、西側の首脳がそういう共通の認識と、そして一つの目標に向かって相協力していくと、連帯と協調して進んでいくという成果があったわけでございまして、またその間に個人的にもいろいろ接触を深めました。私はそのことが大変その後におけるわが国の外交なり経済政策を進める上に大きなプラスになったと、このように評価をいたしております。
○片岡勝治君 けちをつけるわけじゃありませんけれども、総理の努力多とするわけでありますが、実際このサミットの性格が大分変わってきた。本来経済的な問題の調整ということでしたね、そもそもは。それが最近ではレーガンに主導されて、まあ対ソ政策ということが重点に置かれてきているということは否定できない。今回のベルサイユ・サミットにおきましても、終わった途端に円やフランが大幅に下がっていく、こういう事態でありますからね。しかも対ソ信用供与について一応の合意ができた。うちへ帰ってきてみたらアメリカから拒否を食らった。一体あと日本が受け持ってきたのは何だろう。内需の拡大、これも国会論蔵を通じて大蔵大臣等から頑迷に拒否をされて、減税なり補正予算なりというものの話は進まない。ある新聞は、お偉い方たちの政治ショーをこのベルサイユ宮殿で見たというようなこと、まあ褒めておるところもありますよ、そういうことではないのかという批判が出ておるわけであります。私は、各国の首脳が大変苦労されております、一党に会して大いになぐさめ合い、愚痴も言い、激励し合うという、そのことも意味があると思うんです。それはいま総理が最後に言いました。しかし、今日のサミットの性格はそろそろ見直していくべき段階に来ているのではないか。その性格、機能、各国の任務分担と言ってもほとんど守られていない。しかも、極論すると、日米安保とNATOの結合をたくらんでいる、そういう性格が見えてきているということまで言われておりますが、どうですか、そういう批判に対して——私の批判じゃないですよ、そういう国際的な批判あるいはジャーナリストの批判があるわけでありますが、この点についてはどういうふうにお考えですか。
○国務大臣(鈴木善幸君) 私は実際にベルサイユ・サミットに参加いたしておりまして、全体会議また個別会談等を通じましてそういう考え方、それは私は全然考えてもおりませんし、またそのようなものではなかった。御承知のように、今回は非常な世界経済が困難な局面に立ちまして、これを再活性化をするということが最大の問題でございました。それから、そういう苦しい状況を背景としまして自由貿易体制が一体どうなるのかということが懸念をされたわけでありますが、この点につきましても自由貿易体制を堅持してやっていこうと、そして特にガットの閣僚理事会等を重視をし、それを支援をして、そして国際的なこの自由経済のルールを確立していこう、こういうようなことが合意をされたわけでございます。いま片岡さんからこの通貨の問題あるいは金融の問題あるいは為替相場の問題にちょっとお触れになりましたが、これも通貨当局の閣僚に次ぐレベルの諸君が近々会合をすることになっておりますし、頻繁に必要に応じて緊密な連絡をとって通貨並びに為替相場の安定を図っていこうと、こういうことも念慮をされておるところでございます。NATOと日米安保体制を結びつけるための会合であるというようなのはちょっと横目でこれは批判をしておるような気がしてなりません。私は実際に出席した人間としてそのようにこのサミットの成果というものを評価しておる次第でございます。
○片岡勝治君 具体的に対ソ信用供与の問題についてレーガンから拒否の手紙が来た、親書が来たということでありますが、これはどういうふうになりますか。これもアメリカは穀物はソ連にどんどんどんどん輸出し、自分の市場は確保しておいて、他国に対してはソ連に供与してはいけない、身勝手じゃないか、これは日本じゃないですよ、外国からもそういう批判が出ておりますね。この信用供与についてはこれはどういうふうになるのですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 信用供与の問題については、要するにソ連の軍事的な拡張政策といいますか、そういうようなものが、たとえばアフガニスタンその他ベトナム等で行われておってこういうようなものがやまないと、今後もそういう危険性があるというような状態の中では、ソ連だって国内では大変ないろいろ問題があるわけですから、その国内を犠牲にして軍拡を行うと、その国内の問題について自由陣営が何らかの形で安いお金を貸したりいろいろな便宜を図るということはおかしいではないか。したがって、そういうことをやめてくれればわれわれと同じ仲間としてやることはいいけれども、そういうのをやめられないというのであればわれわれはソ連の軍拡に協力するようなものであると、したがってそれは何らかの合意が必要ではないかと、私はそういうように受けとめてまいりました。
○片岡勝治君 具体的にサハリンの問題がどういうふうになるのかということもつけ加えてお願いしたいと思います。
○国務大臣(渡辺美智雄君) これは、私からお答えするよりも総理からの方が適当かと存じますが、要するにそのような考え方について世界じゅうが、——われわれサミット国ですよ、サミット国が落ちこぼれなくみんな足並みがそろえばそれは結構でしょうと、しかしながら落ちこぼれがあったのでは困りますということが一つ。もう一つは、そうは言っても将来の公的な援助、公的な信用供与、補助金のついた安い金、こういうものについてでなければ自由主義の日本としては引き受けられないと、またサハリンのように既契約分、すでにもう契約をしてあるものについては新しいプロジェクトではないし、またサハリンの問題が仮に成功しても、その供給される原油は日本の需要の一%程度のものであって、日本の国内が直ちに不安に陥れられるというような問題ではない。したがって、これについてはやはり日本としては従来の契約もあるから、これは例外にしてもらいたいというような要求が出されたように記憶いたしております。
○片岡勝治君 サミットに関連していろいろお尋ねをしたわけでありますが、この間のサミットについてはサハリンやシベリアのパイプライン、こういうことについてある程度の合意ができたけれども、後からアメリカの方の拒否に遭ってというようなことで、私どもはそういう意味も含めてサミットの再検討の段階ではないか。 それから、このサミットの中で内需拡大を約束をしてまいりました。この問題をめぐって、そういう視点ではありませんけれども、日本の経済情勢からいろいろ論議をされてきたわけであります。なかなかこの補正予算とかなんとかの問題には触れたがらない。これにはこういうことが根底にあるとうわさされているのですよ。それは田中角榮氏が秋の臨時国会は必要なし、補正予算で景気はよくならない、五十八年度予算でやればよい、こういう表現が新聞に発表されておりますね。
○委員長(植木光教君) 片岡君、時間が参りました。
○片岡勝治君 それとの関係なんだと。だから、いまここで補正予算を組むとかなんとかということは口が裂けても言えないのだとのうわさがあるんです。うわさです。この点についてひとつわれわれはしかと承っておきたいと思うのですが、いかがですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) それはうわさではないかと思います。私はかねて言いますように、景気の動向、世界の動向、また税収の見積もり等についてももうしばらく時間をかしていただかなければ、どういうふうに補正予算を組むといっても、どこをどういうふうに直すというような材料がそろわないので、ともかく現在の段階では考えておりませんということを申し上げておるだけでございます。他に他意はございません。
○片岡勝治君 さもありなん。もしそういうことがあるとすればゆゆしき問題でありまして、私としてはとうていそういううわさが出ること自体不可解でありますけれども、そういうことがないということでありますれば、その答弁を信頼いたします。 以上をもって終わります。(拍手)
○委員長(植木光教君) 以上で片岡勝治君の質疑は終了いたしました。 —————————————
○委員長(植木光教君) 次に、松尾官平君の質疑を行います。松尾君。
○松尾官平君 大分時間が経過しましたが、よろしくお願いいたします。 先般発表になりました臨調第三部会の報告書によりますと、国と地方の機能分担等のあり方についてその考え方を示し、問題点を指摘し、進むべき方向が示されました。しかし、いまその内容の一つ一つについてお伺いしましても、部会報告の段階だからと、恐らく明確、的確な答弁は期待できないことは承知の上で、最も基本的な点だけを伺いたいと思いますので、行管庁長官の御答弁並びに自治大臣の御答弁をお願いしたいと思います。 基本的認識についてでありますが、今日政府が取り組んでいる行政改革を卑近な例でたとえてみますと、日本という公の家を整理したり模様がえをしたり、ときによっては大掃除をして住みやすい家にすることであり、一歩進んで家の設計変更をしたり改造をしたりするところまではいかないのではないかと考えるわけでありますが、いかがでございましょうか。何となればわれわれのとっている民主主義という政治システムのもとでは、前段階までが限界であり、後段までやるとすれば政治のシステムを変えなければできないのではないかと私は考えるわけでありますが、その辺を明確にした答申を臨調に出していただきませんと、今後やっかいなことになることも予想されるわけでありますが、行管庁長官のお考えを伺いたいと思います。 また、臨調第三部会の報告を通読してみた感じでは、何となくりっぱなことを言っているわけでありますけれども、どうも地方へのしわ寄せを意図しているように思われます。この部会報告を読んで最も気にかかりましたことは、国から地方への財源の移譲について不明確であるということであります。今後は何となく選択と負担ということで、国は歳出を抑制して、地方に出すべきものを出さず、地方がやりたければみずから徴収してやれという感じを受けるわけであります。私のひがみかもしれませんが、たとえば報告書の十二ページを見てみましても、「今後の地方行財政については、国、地方公共団体を通ずる行財政の減量化、受益の負担の関係の明確化及び地方公共団体の自主性、自律性の強化の観点から、その在り方を検討することが必要である。」というふうに書かれております。これらのくだりはまさにその感を受けるわけであります。また選択と負担のシステムを基本とすべきであると言っており、その点だけを読んでみますとなるほどと思われますが、地方財政計画における歳出の抑制の項等を読み合わせてみますと不安感がわいてくるわけであります。あるいはまた、災害復旧事業費補助金の項では、「最低額の見直しを行い、その引上げを図る。」こととしており、それらは地方公共団体の財源で実施しなければならなくなること等が示されております。なお、長期にわたってその矛盾が指摘され、順次改善がなされつつあるとはいえ、なお完全解消を見ないでいる超過負担の問題について一言も触れていないのは全く片手落ちと言うしかございません。このような地方へのしわ寄せは絶対すべきではないと考えるわけでありますが、いかがでございましょうか、行管庁長官、自治大臣の御感想をお聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(中曽根康弘君) 原則的に松尾さんのお考えに私も賛成でございます。目下臨調におきまして鋭意その辺は調整し、検討を加えておるところでございますから、われわれから余りこれに干渉がましいことは申し上げることは差し控えたいと思いますが、やはり中央と地方との関係におきましては、基本的にはやはり財源調整の問題が基本で、そこに自治、自律性という問題が出てくると思います。その上に立って権限の調整、許認可そのほかの問題が出てくると思いますし、そこから地方支分部局の整理の問題等も出てくると思います。それらの問題につきましては、やはり原則を明らかにして、その上に立ってめり張りのきいた答申を期待しておる次第でございます。
○国務大臣(世耕政隆君) 議員御指摘の点、私も同感でございます。国と地方はやはり車の両輪でございまして、また地方の自主性を進めていくという点で臨調の御発言は非常に貴重なものだと思っております。 ただし、その上に立ってでございますが、やはり国の財政事情だけを理由にして、単なる地方への負担転嫁を行ったり地方財源を縮減したりすることは、行政改革の趣旨に沿わないものと私どもは考えております。また、地方財政の現状からしても、そのようなしわ寄せは行われるべきではない、この方針に沿いまして私どもは努力してまいる所存でございます。
○松尾官平君 次に、行財政改革と地域開発問題について基本的な考え方をお伺いしたいと思います。 第一点としては、総理に伺わせていただきます。行政改革は高度成長で肥大化した行財政のぜい肉を取り、減量することにあると思います。しかしながら、日本経済そのものが余りにもスリムになってしまっては元も子もなくなるわけであります。行財政が減量した分だけ民間にがんばってもらう、しかもその形の方が活力ある若々しい将来に希望が持てる社会になる、こういう考え方のようであります。しかし、ここで考えねばならないこと、注意しなければならないことは、果たして地域開発は民間の力だけに期待してうまく進むだろうかということであります。私の県の隣県岩手県出身の総理は百も承知のとおり、地域開発が望まれる地域はもともと経済原則だけでは不利な地位にあるわけでありますから、公共の力で民間の活力を地域に引っ張り込むような手段がとられるべきであろうと思うわけでありますが、いかがでございましょうか。
○国務大臣(鈴木善幸君) 行政の改革と財政の立て直しをしてまいります場合におきまして、私は、高度経済成長時代に肥大化した行財政を思い切って見直しをする、縮減合理化をするということが大事でありますが、あわせて地域格差あるいは所得の格差、そういうものをなくし、おくれておるところを伸ばして、そしてそこに国全体としての活力を発揮する、引き出す、こういうことが私は非常に大事だと、このように考えておるわけでございます。 それでありますから、経済運営に当たりましても、地域的な、あるいは企業間の問題でありますとか、あるいは業種間の問題でありますとか、そういうようなものにつきましても十分注意深く情勢、動向を見ながら、それに対する跛行性の是正と申しますか、不均衡の是正等につきましては十分配慮した施策をしていかなければいけない、このように考えております。
○松尾官平君 次に経企庁長官に伺いたいと思いますが、私はだからといって公共のプロジェクトだけでやるということは、いまのような時代にはなかなか大変であろうと思うわけでありますが、しかし民間の活力を地方に導く、または地場の力を活性化するための誘導力については、当然公共の貢献があってしかるべきではないかと考えるわけであります。その結果として地域の経済が活性化すれば、かえって行財政改革の目的に沿うのではないかと思うわけでありますが、お考えを聞きたいと思います。
○国務大臣(河本敏夫君) いま政府が経済社会発展七カ年計画というものを決めておりますが、その基本的な考え方は、わが国では社会資本がなお不十分である、七年間の間に相当思い切った社会資本投資をしまして、均衡ある国土の発展を図っていきたい、これが基本的な考え方でございます。 その場合に、地域社会の発展を図りますためには、まず基盤整備特に交通網の整備が必要だと、このように認識をいたしておりますと同時に、第一次産業中心の地域におきましては、特にこの公共事業に依存する点が非常に大きいわけでございますから、そういう点も当然十分配慮していかなければならないと考えております。
○松尾官平君 総理からも経企庁長官からも大変ありがたい御答弁をいただいております。今後ともひとつその線でよろしくお願いしたいと思います。 次は、国土庁長官に伺いますが、地方にも活力ある民間経済が根差せば、日本全体が活性化することは理の当然であります。しかしながら、冷害が一たび来れば東北の経済が全体がしゅんとしてしまい、消費購買力も一切停滞してしまうような状態では、日本経済が世界の第二位などと言ってはおられないと思うわけであります。民間の活力が日本国じゅうに行き渡るような施策が望まれるわけであります。国土の均衡ある発展を担当する国土庁長官に知恵をお借りしたいわけでありますが、何かありましたら、一言だけでもよろしいですからお願いをしたいと思います。
○国務大臣(松野幸泰君) お答えいたします。 御指摘のように、東北地方は社会資本の整備とともに産業構造が徐々に高度化できており、生活水準も向上してきておりますが、御指摘のとおり、なお他の地方に比べると経済構造がもろい面があると考えております。 他面、東北地方は土地、水等の国土資源に恵まれ、その活用の余地を十分残しております。したがって三全総におきましては、特に東北地方を北海道とともに定住の場を拡大していく地域として位置づけております。この三全総を受けて策定いたしました東北開発促進計画を一層効率的に推進するための方策について、去る三月、国土審議会から「交通体系の整備」、「産業の振興」、「高度な都市機能の集積促進」など、東北地方の開発整備について具体的な提言をいただきました。国土庁といたしましては、この提言を具体化すべく関係省庁とともにその施策の実現に鋭意努力してまいる所存でございます。
○松尾官平君 いずれもありがとうございます。御期待申し上げたいと思います。 国土の均衡ある発展を願わぬ人はだれもないと思います。そのための知恵、そのための手段——手っ取り早い手段として私は整備新幹線が取り上げられるべきではないかと考えるわけであります。 新幹線が開通した東北地方、なかんづく盛岡地方はいま大変な活況を呈しております。まさに具体的な例であります。総理、盛岡までの新幹線開通おめでとうございます。総理の盛岡における祝賀会の祝辞も拝聴いたしました。東北の夜明けである云々から始まりまして、鉄建審会長時代の思い出が語られておりました。総理としても感無量な感慨に浸ってあの祝辞を書かれたと思います。 ところで、盛岡までの案が決まった昭和四十五年当時、私はたまたま青森県議会の国鉄問題特別委員長の立場におりました。昭和四十五年四月九日、東北新幹線がとりあえず盛岡までだと聞いて、早速同僚とともに上京しました。党本部の総務会長室で当時の鉄建審会長鈴木総務会長に、陳情というよりも不満を込めて、なぜ青森までの計画を決めてくれなかったのかと詰め寄ったことを御記憶でございましょうか。そのとき総理は、「その考えはちょっとあさはかではないか。東北新幹線の第一期計画の原案は仙台までだったんだよ。それを社会経済計画との絡みで無理して盛岡まで延ばしたんだ。青森までというわけにはいかなかったが、松尾君、盛岡までできるということは青森までが約束されたと同じことではないか。青函トンネルもできることだし、引き続いて新幹線が北へ延びることは約束されているよ。」と言われたことをよもやお忘れではないと思いますが、いかがでございましょう。 私は、十二、三年前のこの県議会の陳情の経過報告を全部持っておりますが、これにもいろいろと書かれております。当時の鈴木総務会長の言葉として、「青森県議会の方々は盛岡まで五十年に完成するのはよいとしても、これを青森まで延長出来ないかということであるが、大体当初五十年までに仙台の予定を少しでも青森へ近づけるため努力したものであり理解してほしい。東北新幹線の基本計画は青森−東京間と一本に諮問も答申も出したい。五十年盛岡までの整備計画には含まなくとも第二次整備計画の中で、盛岡以北とし五十二年ころまでにトンネルにつなぐ段取りで進めたい。」というお言葉をいただいたわけであります。 盛岡までの開通で岩手県民はいまお祭り騒ぎのように喜んでおられるのを秘書官から報告を受けたと思いますが、この時点で東北新幹線という名前に対してどのような感慨をお持ちになっておられるかお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(鈴木善幸君) 松尾さんから昭和四十一四、五年当時のお話を伺いまして、私も当時を思い起こすわけでございますが、これは国土開発を総合的に進めるという観点から新幹線網の計画がございまして、その中に北海道札幌から鹿児島まで日本列島の背骨をなす幹線的なものとして計画ができました。その中に津軽海峡トンネル、青函トンネルも入って着工をいたしたわけでございます。その後いろいろの計画がさらに付加されまして現在の整備五線というものが優先的に取り上げられることに相なった次第でございます。 青函トンネルの完成は遅くとも明後年あたりには完成を見るというようなことで、その方向に向かって運輸省も国鉄も努力をしてきた、これは事実でございます。しかし、その後における経済情勢の大きな変動等によりまして計画どおりに進んでいないことはまことに残念でございます。しかし、盛岡以北そして北海道、札幌というような開発の可能性の非常に大きい地域に対して新幹線を建設するということは、私はいまでも重要なやはり国土開発の課題である、このように信じております。しかし、いま財政状況その他非常に厳しい状況下でございますから、しばらくこれをお待ちを願いたいというのが私の率直な心境でございます。
○松尾官平君 去る五月二十一日、東北新幹線盛岡以北北海道新幹線及び青函トンネル建設促進三道県大会、東北新幹線盛岡以北建設促進緊急大会が東京で開かれました。遠路はるばる上京した北海道、岩手県、青森県の関係者であふれんばかりの会場に入った私は、その熱気にあてられまして目頭が熱くなりました。国務多忙な中から駆けつけてくださった箕輪郵政大臣もきっと同じ思いだったろうと思うわけであります。北東北、北海道地域住民の最大の関心事である整備新幹線問題について、国鉄経営再建との絡みで臨調と中央筋に心配される動きが見られたから企画された大会であるために、皆さんの目つきは真剣そのものでございました。 特に、東北新幹線盛岡以北については、候補ルート、駅位置の公表、さらに環境影響評価のための調査が進められるなど、着工への期待を大きくしていたやさきであり、地域住民の戸惑いは非常に大きなものであったために、新幹線を切望する地域の実情をさらに関係筋に訴えて地域住民の悲願について御理解を得、新幹線盛岡以北の建設を一日も早く実現してもらうための大会が開かれたのであります。 新幹線が欲しい、国土を縦貫した骨格となる新幹線を建設してほしいという北東北、北海道地域八百万住民の願いは決して筒望みではないはずであります。地域住民が国民としてひとしく繁栄していくための当然の要望であります。また、国の施策に呼応し、現実に諸開発計画を推進している関係者の皆さんは、新幹線がないことによる障害がいかに大きいかということを肌で感じているからこそ必死の陳情を続けているのであります。国の行財政改革問題、厳しい国鉄再建問題等整備新幹線を取り巻く情勢が厳しいことは十分理解しているつもりであります。しかし、いかに行財政改革といえども将来へ向けての地域住民の切実な願望を決して摘み取るものであってはならないと考えるわけであります。 すでに盛岡までは新幹線が開通しました。また、世紀の大事業と言われる青函トンネルの供用開始も昭和六十年度というタイムスケジュールに完全にのっております。これらはすべて北上する国土縦貫新幹線を前提に進められてきたものと認識しており、地元関係機関により新幹線の受け入れ体制や工事施行に当たっての協力体制も着々と整備されつつあります。山陽新幹線はすでに九州に上陸しております。新幹線が北海道に上陸し、日本の国土が均衡ある発展を遂げるため、さしあたり東北新幹線盛岡以北の起工式が盛岡までの開通式に引き続いて行われるべきであろうと考えられるわけであります。 総理は、就任以来まる二年たったのにいまだお国入りをしていないと伺っております。あなたの手によってつくり出した新幹線に乗って、この際、お国入りを計画されたらまことに意義深いものになろうかと思いますが、いかがでございますか。日程が決まれば、われわれは盛岡以北の起工式の準備をしてお待ち申し上げたいと思っております。 盛岡までの開通は約六年、計画からおくれました。盛岡以北は五十一年着工が予定されたわけですから、ことし盛岡以北の着工をすればちょうど六年おくれで、総理も見通しを誤らなかったことになるわけであります。財政問題を云々するかもしれません。しかし、われわれの願いはたくさんの予算を要求しているわけではありません。ことしは、着工式、起工式を挙げていただけるだけで結構なんです。われわれにも夢を持たせていただきたい。同じ東北人、まして隣県人の総理にわれわれの悲願を御理解願えないはずはございません。 「雪が降る」という言葉を聞いて東京の方々は、あるいは俳句の季語としてあるいは雪見酒を思い出すかもしれません。若い方はスキーを考えるでしょう。しかし、われわれにとっては、雪というのは雪魔でもあるわけであります。東京の方方は、東北新幹線が盛岡まで開通したといっても大した感慨を持たないでしょう。しかし、われわれにとってはまさに二十一世紀の到来と言うべき夢の実現の一つなのであります。 昭和五十二年に打ち出された定住圏構想はどこへ行ったのでしょうか。昭和五十三年に大平前総理の打ち出した田園都市構想はどこへ行ったのでしょうか。私は、常に一枚のメモを手帳に挟んで、自分の心に決めた自戒の糧としております。 昭和五十五年度、県民一人当たりの所得を見ますと、青森県は四十四位、岩手県は四十五位、鹿児島県は四十六位です。沖繩の四十七位は一応失礼でございますが別扱いとしていただければ、ビリから数えれば鹿児島、岩手、青森と、こういくわけです。今度新幹線が通れば、岩手は青森を必ず追い越して上位へいくでありましょう。私は、国会へ出るに、この県民一人当たりの所得を何としても全国平均に近づけなければならないと思って実は出てきているのです。なぜ鹿児島や青森が県民一人当たりの所得がこういう常に最下位ランクにいるのか、理由は簡単であります。東京から一番遠い地域にあるということなんです。しからば、北海道はどうかとお尋ねがあるかもしれませんが、北海道には開発庁というものがございます。人間一人当たりの公共投資は、北海道は青森県の二倍であります。そういうことを考えますと、やはり何といっても東京から一番遠い地域にあるところが県民の所得が少ないのだということをはっきり立証できると思うわけであります。東京からの時間、距離を短縮すること、これを解決する道はただ一つ、新幹線をたった約百七十キロ延伸するだけですべて解決すると言っても過言ではありますまい。 総理、御理解ある答弁をいま一度心からお願い申し上げます。
○国務大臣(小坂徳三郎君) 総理からの御命令でございますから、私からお答え申し上げます。 ただいま委員の仰せられました青森県の皆さん方の新幹線に対する熱望というものは、累次の今回の予算折衝以来、非常に私は肝に銘じて強いことをよく理解しております。 たまたま皆様方のお力によって調査費が五十七年度もいただけたわけでありますが、私はこの調査費を建設工事着工のために、特にボーリングであるとか、あるいはまた技術的に必要な設計を進めるために、現在環境調査をいたしておりますが、これが済み次第そちらの方に移して、工事着工のための準備としての調査を開始したいというふうに考えておるところであります。私は、運輸大臣といたしまして、この問題に非常に深く関心を持っておるわけでございまして、いまの、現状においての財政、あるいは国鉄の財政状態、いろいろなものから見ますると、なかなかこれは大変であることはよくわかりますが、しかし、いま委員の仰せられましたような、より広い意味での国土の均衡ある発展、そしてまた、北辺の地域にある国民の方々の経済的な繁栄というものを願わないはずはないのでございまして、いま、当面、財政的に非常に困難であるけれども、われわれは五年、十年というものを一つのめどにして、必ず御期待に沿うような努力をいたしたいというふうに考えているところでございまして、われわれの意を了とされていただきたいというふうに考えております。
○松尾官平君 実は、運輸大臣にはいろいろ細かいことを質問を予定しておったのでありますが、ありがたい御答弁をいただいたので省きたいと思います。 ただ、一つだけ御要望申し上げておきます。 環境影響調査は大体終わったと聞いているわけですが、一日も早く公表をしていただきたいということ。そしてまた、いまテレビや映画で有名な八甲田に試掘トンネルが掘られているわけでありますが、工事がストップしております。これらも引き続き調査費を使ってどんどん調査を進めていただくこと等を強く御要望申し上げたいと思います。 最後に、いろいろ臨調絡みという話もございますけれども、いま段々申し上げましたような理由によりまして、ぜひ東北新幹線盛岡以北の起工式が昭和五十七年中にできますように、心からお願いをし、要望を申し上げて、この点は終わりたいと思います。次に、中小企業問題に入る前に、経企庁長官にまず伺いたいと思います。 民間の企業等は、経済活動の指針となる政府の経済見通しについて大きく頼っているわけであります。ですから、政府の経済見通しは重大な意義と責任があると思うわけでございます。昭和五十七年度の予算は財政再建と景気浮揚という両立しにくい課題をどうするかが一つの焦点でありましたが、五十七年度の経済運営の基本的態度として、一つには、国内民間需要を中心とした着実な景気の維持拡大、二つには物価の安定、三つには行財政改革の推進、四つには世界経済の発展への貢献、五つには経済社会の発展のための基盤整備等を図ることとされ、これによって五十七年度の国民生産は実質五・二%程度になるものと見込んだはずであります。このことについて経企庁長官にまず御確認を願いたいと思いますが、時間の関係上まとめて御質問申し上げます。 いま申し上げました五本の柱のうち、第一番目の国内民間需要を中心とした着実な景気の維持拡大という柱について、予想どおり進んでいると思われますかどうか、この点について伺いたいと思います。
○国務大臣(河本敏夫君) ことしの経済運営の基本方針は先ほどお述べになりましたとおりでございます。現在の時点は内需が依然として弱い水準にあると考えております。そこで、さしあたって、御案内のように、公共事業の最大限の前倒しをやる、これを誘い水にいたしまして民間経済を刺激いたしまして、後半、民間経済の力が出てくるように、そういう方向に持っていきたい、このように考えましていま手続を進めておるところでございます。
○松尾官平君 昨年の暮れ、予算編成前に経済見通しについて経企庁から伺った際、私どもは実質成長率五・二%に疑問を投げかけました。民間の経済研究機関の見通しもまた筆をそろえて批判をしておったわけであります。ところが、経企庁側は、民間研究機関の見通しは、与えられたデータによってはじき出すだけであり、政府の見通しは、状況に応じて適切な施策を講ずることにより実質成長率五・二%を達成できるのだと抗弁をしたのでありまして、いまこそ適切な施策を講ずべきときであり、講じなければならないときだと思います。いま長官から御答弁がありましたが、その意味で補正予算等景気対策を盛り込んだ施策を早期に打ち出すべきではないかと思いますが、お考えを承らしていただきます。
○国務大臣(河本敏夫君) 一−三月の経済成長は年率に直しまして三・三%見当でありまして、このまま進みますと政府の目標である五・二%は達成はできません。 そこで、先ほども申し上げましたように、本年度の公共事業、中央、地方合わせまして二十四兆ございますが、その約八〇%近くを上半期に集中施行しようと、こういうことを目標といたしましていま契約を急いでおるところでございます。私どもはその効果がある程度出てくると期待をしておりますが、九月初めになりましていろんな指標が出てまいりますので、もし計画どおり効果が出てこないということになりますと、これはいろんな点で支障を来します。たとえば雇用問題にも大きく響きますし、税収不足も続くと思います。またあるいは貿易摩擦も拡大をすると、こういうことにもなりますので、その時点で息切れがしないように、あるいは断層が生じないようにいろんな対策をその時点で決めなければならぬと考えておりますが、いずれにいたしましても、現時点では経済の動向をもう少し見きわめた上で最終の判断をするわけでございますので、もう二ヵ月ばかり時間をかけたいと、このように思っております。
○松尾官平君 次は通産大臣にお伺いしたいと思います。 中小企業問題の第一点として、最近の景気動向を見ますと、大企業よりも個人消費や住宅建設等の内需に依存している割合が高いため、生産、出荷、在庫の増加などが目立っており、全体として停滞感を濃くしているようであります。このような中小企業の景気の現状についてどのように認識しておられますか。 また、高水準で続いている企業倒産は中小企業の経営者に大きな不安を与えております。倒産は失業者の増大という事態を引き起こす大きな要因ともなっております。特に最近の中小企業の倒産状況を見ますと、全体として一進一退を続ける中で、販売不振などのいわゆる不況型倒産の割合が増加し、さらに小規模層の割合が増加しているようであります。このように現在の景気の情勢は小規模層ほど深刻さの度合いが大きいものとなっているようであります。小規模中小企業の現状についてどのように認識しておられるか、以上二点についてお伺いをいたします。
○国務大臣(安倍晋太郎君) いま御指摘のように、中小企業は個人消費であるとか住宅建設等に非常に大きな関係があるわけですが、これらが非常に停滞をしておるということもありまして、いま大変厳しい状況にあります。生産も出荷も鈍っておりますし、在庫がたまっておる。こういうことでありますし、同時にまた設備投資の方も、住宅金融公庫とか商工中金の枠が余る、こういうふうな状況でその意欲が見られない。倒産の方も、四月は前年度に比べまして多少ふえましたので非常に心配したわけですが、五月は昨年度に比べれば多少減っております。しかしまだ高い水準にありますし、またお話のように、倒産が非常に小口化しておるというところにも問題があるわけで、私どもとしては、この中小企業は日本経済を大きく支えておるだけに、その今後については非常に心配をいたしておりまして、何としてもこれに対する対策を急いで支えていかなきゃならないと考えております。
○松尾官平君 いろいろ中小企業問題についてはお伺いしたり、御注文申し上げたいこともあるわけでありますが、通産大臣は大変お詳しい方でございますので、御要望だけを申し上げておきたいと思います。 やはり何といっても、不況型倒産がふえているという現状にかんがみまして、景気対策を政府で練られる際には、ひとつ小規模企業者にも特別な配慮を講じていただくようにお願いをしておきたいと思います。 次に、大変恐縮なのでありますが、私の関係している不況業種の一つである酒屋の問題について簡単に伺いたいと思います。順序立てて議論しますと時間が足りませんので、ごく簡単に申し上げます。 現在清酒メーカーの約三〇%は赤字になっております。二〇%は五十万円以下の黒字ということでありますが、実際は両方合わせた五〇%のメーカーが赤字経営に立たされております。なぜ五十万円ぐらいの黒字を出しているのかというと、これが赤字になりますと税務署の検査が途端に厳しくなりますので、酒屋は無理して若干の黒字で経営しているという現状にあるわけであります。こういう現況にあるわけでありますが、私はこれらに至った原因に二つ考えられるわけであります。 第一は、清酒のメーカーの努力だけではどうしようもない経済不況という問題であり、第二は寡占化が進行しているということであります。現在メーカーは全国で約二千六百社、一県平均約五十社でありますが、統計で見ますと、上位十二社で約四〇%、上位五十社では何と約六〇%の出荷石数でありまして、残りの二千五百五十社が束になってかかっても五十社にかなわない現況にあるわけであります。 こういうことになりますと、本当の意味での地酒は滅んでいく一方にあるわけでありますが、日本酒を愛しておられる総理は、地酒がだんだんなくなっていくということについて御感想があればお聞きしたいと思います。 私が生まれた昭和二年には全国で九千四百六社酒屋がありました。それがいま二千六百社まで減ったわけです。あとどれだけつぶれれば適当になるのか、この寡占体制の進行を大蔵大臣はどのように考えておられるか伺いたいと思います。
○政府委員(加茂文治君) お答え申し上げます。 清酒業界が大変厳しい状況に置かれておることは先生の御指摘のとおりでございまして、私ども十分承知しておるところでございます。業界の努力によりましてこのような現状が打開されることを期待しているわけでございますが、私ども行政といたしましても、そのような業界の努力に対しまして引き続き積極的な支援をやっていきたいと、このように考えているところでございます。
○松尾官平君 時間の配分が下手で、ちょっと時間がなくなりましたので、要望だけ簡単に申し上げておきますが、これらの現状を打開するために、大蔵省に酒税を取るだけではなく酒屋を産業として育成する部門を設置してもらいたいということと、規模別免許税について御検討願いたいということを御要望申し上げておきます。 最後に、十一人委員会について総理に伺いたいと思います。 この予算委員会が終われば、明年昭和五十八年度の予算要求の取り扱いを決めなければならないタイミングだと思われます。七月十日前後と言われるいわゆるシーリングの閣議決定に始まり、米価審議会、臨調の答申、公務員給与の勧告と、予算に関連した重要なスケジュールが八月上旬までメジロ押しに詰まっていると思うわけであります。
○委員長(植木光教君) 松尾君、時間が参りました。
○松尾官平君 このような時期に当たりまして、政府並びに与党の首脳で十一人委員会という、今後の財政問題を取り扱ういわば最高レベルの機関が設置されるやに伝えられておりますが、私は大変結構な構想だと思います。どうぞ総理におかれましては、りっぱなこの十一人委員会の運営によりまして、国民が納得するような予算の大綱等をつくっていただきまして今後に処していただきたいと思います。そうなりますと、国民も、国がそれだけがんばるのであれば、われわれも協力せざるを得まいということで、五十八年度予算等にも好影響が出てくると思うのでありますが、この点最後に総理の御所見を簡単にお伺いして終わりたいと思います。
○国務大臣(鈴木善幸君) 財政の立て直しは内閣としても最優先の課題でございますし、また国民的な大きな避けて通れない課題でもあるわけでございます。 そこで、いまいろいろ景気の問題その他内外の情勢きわめて厳しい中で、これから財政運営を誤りなくかじ取りをしていかなければなりませんし、また財政の再建という目標を達成をしなければならない。そういうような観点から、この財政運営の最も基本的な方針、これを党、自由民主党と政府が一体になって検討し、方策を進めていかなければいけない、このように考えております。 特に、来年度、五十八年度の予算の編成は、あらゆる意味で重要な意味合いを持っております。その手始めとしてのシーリングの問題等もございます。そういう点につきまして、十一人委員会という高い立場で大局的にわが国の財政経済の運営についての方針を話し合っていきたい。また、それによって党と政府が一体になってこの困難な問題を処理していきたい、こういう考え方でございます。その人選並びに運用等につきましては、ただいま最後の詰めをやっておる段階でございますので、一両日中にこれを明らかにしたいと、こう思っております。
○委員長(植木光教君) 以上で松尾官平君の質疑は終了いたしました。(拍手) 明日は午前十時に委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後七時十九分散会