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96回国会参議院1982/03/29

予算委員会 第17号

発言数
412
登壇者
37
会派数
7
開催日
1982/03/29

会議録

植木光教自由民主党

○委員長(植木光教君) 予算委員会を開会いたします。  まず、理事の補欠選任についてお諮りいたします。  委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。  理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

植木光教自由民主党

○委員長(植木光教君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事に柳澤錬造君を指名いたします。     —————————————

植木光教自由民主党

○委員長(植木光教君) 昭和五十七年度一般会計予算、昭和五十七年度特別会計予算、昭和五十七年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。  本日は、お手元の質疑通告表のとおり、減税・景気動向・公共事業に関する集中審議を行います。  それでは、これより質疑を行います。古賀雷四郎君。

古賀雷四郎自由民主党

○古賀雷四郎君 最初に、減税問題についてお伺いいたしたいと思います。  最近、景気対策の観点から、個人消費を喚起するために所得税減税を行うことが適当であるとの議論が見られます。こうした議論は、昨年十月−十二月ころにほぼ七年ぶりにマイナス成長になったことが明らかになって以来特に強くなっていると思います。しかし、減税問題をこうした観点からとらえることには私は疑問を持っております。わが国の場合、貯蓄率が高いことから、減税の個人消費に与える効果は限られたものとなると思います。むしろ景気対策という観点からは公共事業に重点を置くべきでないかと拝察いたしておりますが、この点につきまして、ひとつ大蔵大臣から御返事をいただきたいと思います。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 日本の国民総生産は二百八十兆にも近づくほど大きなものでございますから、公共投資にせよ減税にせよ、景気動向を左右させるというためにはかなり巨額のものでなければ、実際は大きな影響は私はないのじゃないか。しかしながら、ある程度の小さな影響はいずれもありますいずれも財源を要する問題でございますが、仮に同じ額だと仮定をすれば、それは公共事業の方が景気に対する影響力が大きいであろうというように考えられております。

古賀雷四郎自由民主党

○古賀雷四郎君 昭和五十三年以来所得税減税が見送られてきております。少なくともその後の物価水準の上昇に見合うだけの減税は行うべきであるという意見も多数あることは承知いたしております。こうした点につきまして全く理解できないわけではありませんが、やはり財政、経済の状況の変化の中でこの問題をとらえる必要があると私は痛感する次第でございます。  高度成長期におきましては、所得税減税を行ってきた結果、課税最低限の水準は国際的に見てどのように変化したのか、また、それは物価上昇との関連でどうなっているのかについて御説明をお願いしたいと思います。

福田幸弘大蔵省主税局長

○政府委員(福田幸弘君) お答えいたします。  高度成長期——昭和三十年代、四十年代ということでありますが、その真ん中の昭和四十年をとりまして、当時のわが国の課税最低限、これは四十七万四千円ということで、夫婦子二人の給与所得の場合でありますが、当時は主要諸外国の中で最低の水準であったわけであります。その後、高度成長期において例年のように御承知のようにこの最低限の引き上げを大幅にやりましたために、現在ではフランスに匹敵する高い水準になっておる。御承知のようにフランスは間接税中心の国であります。これを計数で申し上げますと、最低限が昭和四十年と比較しますと、アメリカが二・五倍、イギリスが三・〇倍、西ドイツ一・六倍、フランス三・八倍に対し、わが国では最高の四・三倍ということになっています。  次に、お尋ねの物価水準との関連でございますが、わが国の消費者物価指数は、四十年に比べまして三・三倍ということで、これは五十六年と四十年の比較であります。これに対し課税最低限は先ほどのように四・三倍、これは五十七年と四十年の比較であります。このように、中長期的に見ましたならば、物価水準の上昇を上回る引き上げが高度成長期に行われたということを示しています。日本が四・二五に対して三・二四の物価上昇でありますが、アメリカが二・四七に対して物価上昇が上回って二・八八。イギリスが三・〇三に対して上回って五・〇六。西ドイツが一・六〇に対して上回って一・九六。フランスが三・八三で物価上昇三・五三を若干上回っておるという状況でございます。

古賀雷四郎自由民主党

○古賀雷四郎君 ただいま御説明がありましたとおり、課税最低限につきましても国際的にはかなり上位を行っておるということがわかりますし、また、物価上昇との関連につきましても、高度成長時代に相当上がっているということがわかります。そういった点を十分御配慮の上に、ひとつ経済、財政の状況を考えながら、この問題につきまして適切な措置が必要であろうかと思います。  なお、最後でございますが、今後税制のあり方を考えるに当たっての基本的な問題となるわけですが、日本の直間比率、直接税と間接税の比率が著しくアンバランスになっておることは前の答弁でもわかりました。これからこの直間比率というのはどういうぐあいにされるのか。この点につきまして大蔵大臣の見解を求めたいと思います。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 最近における諸外国、主要国の直間比率は、日本が、直接税七二・四、間接税二七・八と、七対三というようなことに対して、アメリカは直接税だけと言ってもいいくらい、九対一とか、イギリスは六対四、ドイツが五・二対四・八、フランスが四対六というようなことで、アメリカを除きましては大体間接税のシェアというのが四〇ないし六〇というところにございます。日本も昭和九年から十一年のころが大体間接税のシェアが六五ぐらいあったんですが、だんだん減ってまいりまして、昭和二十五年から昭和四十年ごろまでは間接税が四五ぐらいのシェアがありました。四十五年を過ぎて四〇をだんだん割ってまいりまして、だんだん三〇台になり、それが二〇台になったという状況でございます。  以上のようなことでございますが、私は、所得税と法人税だけに国民の歳出を支える財源を求めるということは無理ではないか。まだ日本では法人税が、所得税約四〇に対して法人税三〇、両方で七〇ですから、それぐらいの力があるからいいけれども、イギリスのように法人税の力は八%しかない、ドイツも約七%だ、フランスも一〇%しか力がない、結局法人の、企業の国際競争力が弱ってくるとともに法人税の力がだんだんなくなってシェアが小さくなってしまうということになれは、そうなってくると、現状のままでは日本も所得税だけで国の財政を支えなきゃならぬということがだんだん強くなってまいりますから、それではもう所得税減税どころの騒ぎじゃなくなってしまうわけでありまして、そういう点から考えると、私は、所得税にだけ頼っていくというやり方はいかがなものであるか。やっぱり諸外国でも間接税のシェアというのが四〇ないし六〇ぐらいあるわけですから、日本も二〇台にだんだん落としていくということはむしろ問題があるのではないか。やはり片一方に偏らない、五分五分とは言わないけれども、まあ四分六、面接税六なら間接税四ぐらいあったって、あと一〇%ぐらいシェアがあってもいいんじゃないかなと、これはもうぼうっとした感じですがね。そういうように決めたわけでも何でもないが、ほかの国の例を見てそういうような気がいたします。

古賀雷四郎自由民主党

○古賀雷四郎君 大蔵大臣、積極的にこの問題につきまして検討をする用意があるかどうか、その考え方をお伺いしたいと思います。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) これは、税金というのは歳出のため、つまり政策目的のために徴収をしておるわけでございますから、問題は、歳出カットを大幅に行ってしまうということにすれば税金はそんなに要らない、どこまで切れるか。現在行革で、高度経済成長下にできた日本の歳出構造というものはこれはメスを入れて、切れるだけ切れというのが国民の強い世論だと私は思います。したがって、まずは歳出カットを中心にやる。しかし、これもおのずから限界のあるところでございます。歳出の中には抑えようとしても抑え切れないものもございます。年金などというのは老齢化社会になればなるほどふえる。それと、病気がふえれば医療費もふえる。こういうものはもう抑えるといっても抑えられないものでありますし、また、必然的にふえるものでありますから、そういうものとの対応でどういうふうに持っていくのかということが、最終的には所得税で負担をしていくのか、所得税の方は幾らがこれを少なくしても他の部門で持っていくのかということになるると、これはもう国民の選択の問題だと私は思いますから、大蔵大臣だけがこれでこうだということを決めるよりも、むしろ国民の代表である国会の皆さんの声を聞いて、その上で判断をしていくということの方が後の国会の処理がスムーズではないかと、こう考えておるわけでございます。

古賀雷四郎自由民主党

○古賀雷四郎君 この問題につきましては、本会議におきましてもわが党の幹事長から御質問がございました。したがいまして、わが党としましては、こういうのは検討をすべき時期に来ているのじゃないかということを強く感ずるわけでございまして、御要請をいたしておきます。  次に、景気動向について簡単に御質問をします。  最近、わが国の経済の動きを見ますと、先般発表されました昨年十月−十二月の第三・四半期の国民所得統計速報がマイナス〇・九%と大きく落ち込むなど、景気はかえって悪化を示しております。このような経済情勢は、第一次石油ショックによる不況が深刻化した五十年の一−二月以来実に七年ぶりであります。これには輸出の鈍化やらあるいは内需の回復力も弱いものになっておりますし、政府はこれまで景気は緩やかに回復していると見ていたようでありますが、このような内需の停滞に外需の落ち込みも加わっている現状を見ますとき、中小企業を中心にして景気はむしろ悪化しているとさえ言えるのではないかと思うのであります。また、一方において、二月期における企業倒産並びに負債総額はなぜか減少をいたしております。河本大臣はこうした景気の現状をどのように判断しておられるか、その所見をお伺いしたいと思います。

河本敏夫自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(河本敏夫君) 第三・四半期は、いまお話がございましたようにマイナス成長になりましたが、これを分析してみますと、外需の関係がマイナス一・三、それから民間需要がプラス〇・七、それから公的需要がマイナス〇・三と、こういうことでございまして、国内の需要は在庫調整が終わったことを反映いたしまして緩慢ながら回復の方向にあると、こう見ております。ただ、貿易関係が急速に非常に悪化した、これが第三・四半期のマイナス成長になった原因だと思いますが、この貿易関係も世界経済の回復とともに私はだんだんと正常な姿に返るであろうと、このように考えております。したがいまして、五十六年度は政府見通しを実現するということは非常に厳しい状態になっておりますが、五十七年度は来月から始まるわけでありますが、これは適切な経済政策を展開することによりまして成長目標を達成することは可能であると、このように判断をしております。

古賀雷四郎自由民主党

○古賀雷四郎君 企業倒産とかあるいは負債の問題等につきまして、減少しているというのには金融の支えがあるとかいろんなことが言われております。この辺は十分ひとつ御分析をしていただきまして今後の対策に資していただきたいと思うのです。  本年度の実質経済成長率は、先ほど河本長官からお話があったのでございますが、また、最近における輸出の鈍化、個人消費、住宅建設の停滞の状況から見て、政府目標の実績見込み四・一%程度を相当大幅に下回ることが懸念されます。また、今後の見通しにつきましても、貿易摩擦の激化から外需などに大幅に依存することができず、その伸びは期待できないほか、内需にも現在のところ動意が見られない。五十七年度の政府経済見通し五・二%の達成は大変困難になっているのではないかと思うのであります。  あわせて、これらの問題と関連しまして、経済社会七カ年計画等につきまして抜本的な見直しをしなければならないのではないかというふうに考えておりますが、これらの点につきまして長官の御答弁を簡潔にお願いしたいと思います。

河本敏夫自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(河本敏夫君) 中期経済計画を立てます場合には、経済情勢が比較的安定しておるということが前提として必要ではないか、こう思っております。ただ、しかし、七カ年計画をつくりましてから相当時間もたっておりますし事情も変わっております。そこで、ことしの中ごろ過ぎには、いま政府の方で二十一世紀を展望いたしましたいろんな作業をしておりまして、経済審議会に長期展望委員会というものをつくりましてそこで検討をしていただいております。それから、臨調の答申等も中ごろ過ぎには出ると言われておりますので、そういうものを十分参考にいたしまして、どのような判断をしたらよいか結論を出したいと思っておりますが、ただ、冒頭申し上げましたように、経済の大混乱期に中期計画を立てられるのかどうか、そういうこともあわせて検討をしたいと思っております。

古賀雷四郎自由民主党

○古賀雷四郎君 今月の十六日には、このような景気の低迷の打開のために景気対策について閣議の決定を見ております。この内容は、もうすでに御承知のとおりでございますが、五十七年度上半期の公共事業について、契約目標を過去最高の七五%以上。それから、金融政策については、内外の経済動向を踏まえて、適正かつ機動的に運営を図る。住宅対策として住宅金融公庫の貸し出しを前倒しし、公的資金住宅の建設を促進するという三本の柱のようでございます。この対策の実施、運用はいつからやられるのか、私は予算成立後直ちにというふうに理解しておりますが、改めて時期を確認しておきたいと思います。よろしく御答弁をお願いします。

河本敏夫自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(河本敏夫君) いま準備をしておるところでございまして、予算が成立いたしましたならば直ちに実行に移したいと考えております。

古賀雷四郎自由民主党

○古賀雷四郎君 ただいま申し上げました閣議で決定した問題につきましては、マイナス成長下の景気対策としてはちょっと小型じゃないかというふうな理解も私は持っております。これで果たして長期低迷の経済情勢から脱却できるのか、大変心配をいたしておりますが、なぜもっと強力な大型の総合経済対策をとり得なかったのか、そういう事情があるのかどうかということにつきまして簡単にひとつお答え願えればありがたいと思います。

河本敏夫自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(河本敏夫君) 景気対策を進めます場合には、財政政策と金融政策が柱になるわけでありますが、金融政策は、いまお述べになりましたように機動的に運営するという基本方針を明らかにしております。情勢が許せばその方向で具体化したいと考えております。  それから、財政政策につきましては、いま予算を御審議していただいておる段階でございまして、予算が成立いたしましたならば、御承知のよでなるべく準備を早く進めまして、四月の下旬早々には募集を開始したいと思っておりますが、約一カ月程度の募集期間を用意したいというふうに考えております。

古賀雷四郎自由民主党

○古賀雷四郎君 もう一点。金融を受けられるようになってから着工までどのぐらいかかるか。

豊蔵一建設省住宅局長

○政府委員(豊蔵一君) 失礼いたしました。  申し込みを受け付けましてから着工までには、その人によりまして差がございますが、建築審査の期間等を経まして、おおむね二、三カ月後には着工に至る傾向でございます。    〔委員長退席、理事土屋義彦君着席〕

古賀雷四郎自由民主党

○古賀雷四郎君 実際はもっと長くかかると私は承知をいたしております。したがいまして、できるだけそのタイミングを早くしてもらうようにして、景気の回復に資せられるようにひとつお願いしたい。  そこで、今後の経済運営の問題について御質問いたしたいと思いますが、このような景気対策により、私としてはその効果が発揮できることを太いに期待しておるものでございます。しかし、今日のように冷え切った経済を立て直すには、今回程度のパンチでは景気浮揚にまではなかなかと考えるものでございます。今後さらに第二弾の追加的対策をとる必要があると考えるものでありますが、特に、前半におきまして前倒しすることによりまして、下期においての問題が多数各方面から指摘をされております。下期におきましては、建設国債の発行等による公共事業の追加等につきまして強力なてこ入れが必要ではないかと思います。また、そのような発言も要所要所であっているように新聞紙上は見受けます。この際、経企庁長官並びに大蔵大臣の所見をお伺いしたいと思います。

河本敏夫自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(河本敏夫君) さしあたりは、先ほど来議論になっております公共事業、公的住宅等の前倒しを可能な限り上半期に集中をいたしまして、景気の回復を図りたいと思います。世界経済も後半好転するものと考えておりますので、民間の経済の力も後半にはある程度出てくると想定をしております。しかし、もしそのようにいかない、依然として景気の状態が悪いと、こういう場合には、これはほうっておくわけにはまいりませんから、何らかの有効で適切な対応が必要だと考えておりますが、しかしその内容等につきましては、もちろんまだ未定でございまして、政府部内でもまだ相談はいたしておりません。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 世界の経済はつながっておりまして、ことに日本のように自由貿易体制をとっておる国においては、世界の経済と日本の経済は密接不可分のところがたくさんございます。したがって、世界経済が落ち込んでおるときに、日本経済だけを特別に半恒久的に別格扱いでよくするということは、非常に至難なわざであります。幸い世界経済もことしの後半から、通説によると立ち直りの状況にある。幸い日本においても物価の安定が図られ、しかも、景気も現実的に着実に、緩やかではあるが回復基調にあるということは間違いないことでございますので、この半年間の間において、落ち込みのないようにいろいろと工夫をしていく。つまり、公共事業の前倒しを初め、金融政策その他で支えをしていけば、私は後半から一層よくなってくると思っております。  なお、いまの御質問は、それでもだめなときにはというような意味を含めてのことであろうかと存じますが、現在当初予算の審議中でもあり、後半の問題について、別に予算を組んでどうこうということを私は申し上げる立場にございません。

古賀雷四郎自由民主党

○古賀雷四郎君 ごもっともなことでございますが、七五%で、普通の七〇%より五%上がりますと、建設投資が二十四兆と言われておりますから、一兆二千億要ると、穴があくということになります。さらに八〇%としますと、二兆四千億の穴があくということも十分御理解の上に、今後ひとつ対処していただきますようにお願いを申し上げたいと思います。  公共事業関係予算は、このところ三年横ばいとなっております。このため、社会資本の整備のおくれが懸念されることはもとより、景気面の影響も非常に大きいものがあります。特に、地方の経済基盤はなお脆弱でありまして、公共投資に依存する度合いが高く、公共事業関係予算の抑制は、地方経済にとってとりわけ深刻な影響を与えております。  このような状況のもとにあって、ゼロシーリングの中で大変困難ではあると思いますが、公共事業関係の予算の配分に当たって、地域経済の振興という観点を十分に配慮すべきであると考えますが、基本的な考え方につきまして、建設大臣より御答弁をお願いしたいと思います。

丸山良仁建設大臣官房長

○政府委員(丸山良仁君) お答えいたします。  公共事業の配分に当たりましては、地域のニーズに適応できますように、地方公共団体と十分御相談をいたしまして、各地域の公共施設の整備の状況、あるいは各事業間のバランス等を勘案いたしまして配分いたしておるところでございますが、いま先生からお話のございましたように、公共事業は、特に地域経済に重大な影響を持っていることは十分承知いたしておりますから、配分に当たりましてはその点を十分配慮いたしたいと考えております。

古賀雷四郎自由民主党

○古賀雷四郎君 次に、建設業に関する問題につきまして質問します。  最初に、建設業の許可業者数の推移についで申しますと、建設業法の改正により、昭和四十七年から建設業について許可制が採用されたわけであります。四十七年三月には許可業者総数は二十九万余であったものが、昨年六月には五十万を超えたと聞いております。近年の公共事業費は抑制され、民間建設需要は大幅な伸びも期待できないなど、建設投資をめぐる状況はきわめて厳しいものがあり、このため建設業者の倒産件数も依然として高い水準にあることは御了承のことと存じます。  このような状況のもとで建設業界は過当競争を余儀なくされており、仕事は伸びないにもかかわらず業者数は増加している原因は、現行の建設業の許可制度にあるのではないかと考えます。許可申請を出しさえすれば簡単に許可がなされることは、許可制度本来の趣旨からも大きな問題であります。建設業界の足腰を鍛え、近代化、合理化を推進するためには、建設業の許可制度を見直すべきだと考えますが、建設大臣の所見をお伺いしたいと存じます。

始関伊平自由民主党建設大臣

○国務大臣(始関伊平君) ただいま御指摘のように、建設業法によりまして、建設業は従前登録制度であったのでございますが、これが許可制度に変わりましてから十年を経過いたしております。その間における業者数の増加等につきましてはただいまお話のあったとおりでございますが、最近になりまして、行政管理庁の実態調査により、その改善の必要が指摘されておりますし、また、許可基準の見直し、許可業種の追加等について関係団体等から要望がなされております。建設業の健全な発展を図るためにも、その見直しを行うべき時期に至っているものと考えております。  この制度の見直しは、法制度の基本にかかわるものでありまして、関係各方面からの意見聴取等を含め、幅広い観点から十分な検討を必要といたすと思いますので、実は明日、三十日に中央建設業審議会にこの問題についての調査、審議をお願いしたいと考えておる次第でございます。

古賀雷四郎自由民主党

○古賀雷四郎君 ぜひひとつ十分建設業審議会におきまして御検討を願って、合理的な考え方が出されますように、心から期待を申し上げております。  次に、談合問題と中央建設業審議会の答申についてお伺いします。  最近、建設業界の談合問題について報道が相次ぎ、本委員会におきましても数々の指摘がなされることはまことに遺憾でございます。これらの問題は、いろいろと世間に疑惑を招いておりますが、建設省はいち早く制度の改善等を出されました。しかし、どんなに制度を変えても、私はこれは、業界、発注者側、それぞれ関係者の良心の問題であろう、最後を解決するものは良心の問題であろうと思います。そういう意味で、最初これらうなそういう規模で前倒しをしていきたいと考えておりまして、現時点ではとり得る幾つかのことを決めておりまして、いまの段階ではこれ以上のことはやりにくいということで、いまお述べになりましたような内容にしたわけでございます。

古賀雷四郎自由民主党

○古賀雷四郎君 まあ閣議決定の中の金融政策の表現は非常に抽象的でありましたが、その後一連の長期金利を三月末から四月末にかけて〇・二%引き下げるという決定がなされたようでございます。果たしてこの程度の引き下げ幅で景気へのてこ入れとなるかどうか、私は大変疑問視をいたしております。今後の経済情勢の推移を見られまして、さらにもう一歩引き下げるという考え方があってもしかるべきだと思いますが、大蔵大臣の所見をお伺いしたいと思います。

宮本保孝大蔵省銀行局長

○政府委員(宮本保孝君) 金融政策は小回りがきく政策でございますので、できるだけ機動的に、弾力的に発動いたしたいところでございますが、一方、やはり長期の金利につきましては、市場実勢というものを見ながら上げ下げをする必要があるということと、もう一つは、やはり最近は国際問題がございまして、円安等の問題がございますので、国内的には実勢を見ながら、また国際的には円安動向等も見ながら、できるだけ景気に配慮しながら対策を立てるということだと思います。

古賀雷四郎自由民主党

○古賀雷四郎君 できるだけひとつ実勢に応じて機動的にお願いしたいと思います。  次に、住宅問題に移らしていただきます。  住宅建設を促進するには、まずもって土地の確保が重要でありますが、そのためには地価がこれ以上上がらないようにすることであり、また、土地の供給が促進されることであります。政府では土地税制の改正のために別途法律改正を考えておられるようでありますが、また、昨日の報道によりますと、借地方式による宅地供給についても検討をされているように聞いております用地価対策及び土地の供給促進について、政府としてはどう対処される所存でありますか、国土庁長官及び大蔵大臣より御答弁をお願いしたいと思います。

松野幸泰自由民主党国土庁長官・北海道開発庁長官

○国務大臣(松野幸泰君) お答えいたします。  最近の地価動向を五十六年度都道府県地価調査によって見ますと、五十六年七月一日における対前年地価変動率は、全国平均で七・四%の上昇と、五十五年度調査における対前年変動率八・八%を下回っており、全体として上昇率も鈍化傾向が見られます。このような傾向は最近まで持続しており、当面地価の大幅な上昇はないものと考えておりますが、国土庁としては引き続き投機的土地取引の抑制、宅地供給の促進等、地価の安定を図るための諸施策を総合的に講じてまいりたいと考えております。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 基本的考え方は国土庁長官がいまお話ししたとおりでございます。  一、二の例を挙げますと、具体的には五十七年度予算におきましても、たとえば住宅・都市整備公団等の事業用の確保に努めている。住宅・都市整備公団などでは、五十七年度で四千七百十二億円の予算を計上して新規に六百ヘクタールを着工しょうとか、住宅金融公庫でも、二千億からの資金を用意して八百ヘクタールめ土地を取得させる、あるいは造成を千六百ヘクタール行うというようなことをやっておりますし、そのほか公共関連施設整備促進事業あるいは住宅金融公庫の宅地造成に係る貸付対象の拡大、市街化区域内農地宅地化促進の調査あるいは税制面の緩和というようなことで、地価抑制あるいは宅地取得というようなために予算づけをしておるところでございます。

古賀雷四郎自由民主党

○古賀雷四郎君 住宅建設に必要なことは、土地の問題はもちろんでございますが、建設資金の問題をどうするかという問題があります。これも積極的にやっていただく必要があると思いますが、政府系の住宅金融公庫の融資は利率が最も安くて望まれているところでございます。これにもしかし限度額がございまして、これだけでは足らず、結果としましてその不足分を民間の住宅ローンに依存せざるを得ないという結果でございます。  現在住宅ローンの金利は八・三四%と、いかにもこれは高いという感じでございまして、この金利負担の重みで住宅建設に二の足を踏んでいるんじゃないかというふうに考えておるわけでございます。特に住宅金融の専門銀行では九・八四%という異常な高利回りでございます。いま求められることは、できるだけ金利を引き下げて融資資金の確保を図ることだと考えておりますが、今回の住宅ローン金利引き下げは〇・一二%と言われております。これでは年間に九千円ぐらいしか減額にならないということでございまして、本当にこれが住宅建設促進に役に立つのかどうか、ローンの引き下げを考えてみますとそういうふうに推察されるわけでございます。  そこで、これらの資金はいずれも市中銀行であり、住宅金融専門機関であって、大蔵省が直接規制できるものではないと思いますが、行政指導により民間の御協力を求めることがこの際重要であると考えます。大蔵大臣にこれにつきまして思い切った対策を願いたいと存じますが、いかにお考えですか、ひとつ御答弁をお願いしたいと思います。

宮本保孝大蔵省銀行局長

○政府委員(宮本保孝君) 先生御指摘のとおりでございまして、民間住宅ローン金利につきましては、できるだけ協力を求めて引き下げを要請いたしているところでございますが、一方で大変超長期の貸し付けでございます。また、小口で手間暇、コストがかかるわけでございます。にもかかわらず、現在最優遇レート、これは大企業向けの最優遇レートが八・四でございますが、まあきょうから引き下げられるわけでございますけれども、今回住宅ローンにつきましても八・三四からO・一二下げまして八・二二ということにいたしたわけで、これでもなお長期プライムレート、水準を下回っているわけでございますけれども、私どもといたしましては、従来からできるだけこれを低くする、そのコストのできるだけ低減を図るということで努力いたしておるわけでございまして、環境が許せば、本件につきましてもさらに引き続き引き下げについて要請してまいりたいと、こう思っております。

古賀雷四郎自由民主党

○古賀雷四郎君 住宅ローンの金利の引き下げ問題につきましては、わが党でも相当強く要請がございますので、その点も十分ひとつ踏まえていただきまして、今後御努力をぜひお願いしたいと思います。  住宅金融公庫の五十七年度の貸付戸数は五十四万戸でありますが、先ほどの景気対策につきまして、貸し出しの前倒しをやるということになっておりますが、どのように具体的に行われるのか、建設大臣にお伺いしたいと思います。

始関伊平自由民主党建設大臣

○国務大臣(始関伊平君) 住宅金融公庫貸付融資の前倒しの問題につきましては二つの点がございまして、一つは、五十七年度分としていろんな政策を用意しておりますが、その中の貸付限度額の引き上げにつきましては、去る一月末からの募集、これは五十六年度の第四回目の募集でございますが、これを適用いたしまして、予定戸数は六万戸でございましたが、大幅に上回りまして、約十二万戸の申し込みがあったところでございます。  四月以降になりますと、御承知のようなその他の住宅建設推進のためのいろんな政策手段が実施されるわけでございますが、ただいまお話しのように、銀行ローンの方も金利の引き下げになるようでございますし、相当数の需要が今後見込まれるものと存じておるのでございまして、われわれといたしましては、これらの需要の動向に即応いたしまして、上半期に相当数の融資戸数の枠を用意いたしまして適切に対処してまいりたいと、かように考えておる次第でございます。

古賀雷四郎自由民主党

○古賀雷四郎君 次の募集は何月に締め切られますか、それをひとつお伺いしたいと思います。  それから、住宅金融公庫の手続等の関係で、実際建設に着工するのはどのくらいかかるのか、今日までのひとつ経過を事務的に御説明を願いたいと思います。

豊蔵一建設省住宅局長

○政府委員(豊蔵一君) お答えいたします。  次の募集は、予算が成立いたしましたら私の方の問題につきまして建設大臣より基本的な所見をお伺いしたいと存じます。

始関伊平自由民主党建設大臣

○国務大臣(始関伊平君) お答えを申し上げます。  ただいま御指摘のように、制度を変える、入札制度を変えるというようなことも重要でございますが、要するにただいまお話しのとおり認識の問題であり、また良心の問題であるという点につきましては全く同様でございます。それで、建設業界の一部などに、これは必要悪であるというふうな考え方もございますが、私どもといたしましては、現在指名入札制度——指名入札制度につきましても今後、先ほど申しました中建審でいろいろと審議をしてもらうつもりでございますが、談合をやるということは競争入札制度の本旨を全く没却するものでございますから、これは絶対に認めることはできない。なおまた、公共事業は税金でやるわけでございますから、何か話し合いで業者が勝手に国の税金を分け合っていると申しますか、というふうな感じにもなりまして、いま世間の批判を浴びているわけでございますので、このような基本的な認識に基づきまして、かねてから建設業界に対しましては関係法令の重視等を指導してまいったところでございますが、今後とも指導の徹底強化に努めでまいりたい。また、中央建設業審議会においていろいろな点について答申が出てまいっておりますし、また今後も出てまいるわけでございますから、それに基づきまして適正な、正しい発注制度を確立してまいりたいと、かように考えておる次第でございます。

古賀雷四郎自由民主党

○古賀雷四郎君 先ほどから新聞紙上でごらんになるように、中央建設業審議会におきまして入札結果の公表等に関し中間的な報告が報道されております。この問題についてもしさいに御質問したいと思いましたが、これは時間の関係もありますので省略させていただきますが、これらが明朗化の一助になることを心から期待をいたしておるものでございます。  建設省では、新年度より建設省直轄工事について指名業者数をふやす等の措置をとられるとのことでございますが、具体的にどのような基準で実施されるのか。特に中小建設業者に対しましてどのように配慮されているのか。その点につきまして簡単にひとつお伺いを申し上げたいと思います。

丸山良仁建設大臣官房長

○政府委員(丸山良仁君) 昨年来、公共工事をめぐりますいろいろの疑惑が指摘されておることはまことに遺憾でございまして、中建審の答申を待たずに建設省としてできることは積極的にやりたい、こういう観点から、当面いままで十社を指名をいたしておりましたものを二十社にふやしたい、こういう考え方でございますが、すべてを二十社にするということは困難でございまして、明日付をもちまして官房長通達でその内容を示す考えでございますけれども、その内容の主なる点を申し上げますと、まず、特別な技術を要する工事につきましては二十社の業者を集めることはできませんから、これにつきましては例外を設けたいと考えております。  それから、いまお話のございました中小企業対策でございますが、やはり地元業者の育成ということを重点に置かざるを得ないとわれわれは考えておりまして、原則といたしまして千五百万円以下の工事につきましてはいままでどおり十社指名という形でいきたいと思っております。また、その他の工事につきましても、その地元の地域で二十社の建設業者の適正な業者を選定することが困難であるというような場合におきましてはいままでどおりでよろしいというような基準を設けたいと考えております。  なお、二十社ということになりますと、工事に参加をしたくない業者まで指名を受けるというような可能性も出てくるわけでございますが、この場合におきまして指名を辞退するとペナルティーを課されるというような議論があるわけでございます。建設省の直轄工事におきましてはそういうことはいたしておりませんが、この点も明確にいたしまして、指名業者が指名を受けましてこれを辞退した場合においてもペナルティーは課さないということを明らかにいたしたいと考えております。

古賀雷四郎自由民主党

○古賀雷四郎君 どうかひとつ中小企業建設業界の弱い立場を十分御勘案いただきましてよろしくお願いしたいと思うわけでございます。  次に、公正取引委員長にお伺いしたいと思いますが、公共工事の発注に際しまして、会計法に基づき予定価格が定められ、これを超えては落札できないこととされております。したがって、建設業者としては予定価格の枠内で競争を行っているわけであり、不当に価格をつり上げることはできません。また、建設業は受注産業であり、五十万業者の九九%以上がいわゆる中小企業であります。他の業種とは違った面を数多く持っているとの指摘もあります。さらに、現在の独占禁止法の課徴金制度は裁量による減額措置もなく、建設業の完成工事高に乗じる課徴金の割合も小売販売業者あるいは卸売業より高くなっているなど、中小建設業にとっては厳し過ぎるとの声もあります。この「実業の日本」の中に書いてありますが、悲痛な叫びが報道されているのももうすでに御承知のとおりだと思います。公正取引委員会は、これらの声のうちに、聞くべきものは素直にひとつ耳を傾けていただきまして独占禁止法の運用を行うべきだと考えますが、基本的にひとつ考え方を明らかにしていただきたいと思います。  あわせて、中小企業を所管される通産省として、これらの問題をどのように受けとめ、中小建設業の健全育成を図るお考えであるか、通産大臣の所見をお伺いしたいと思います。

橋口收公正取引委員会委員長

○政府委員(橋口收君) 近代的な法治国家でございますから、法の前には法人であると個人であるとを問わず平等でなければならないと思います。ただ独占禁止法は、どちらかと申しますと大企業のための法律であるよりは中小企業者のための法律でございますし、また生産者のためよりはむしろ一般消費者のための法律でございます。そういう法律の性格から見まして、中小企業者に不利になるような法の運用はとるべきではないという考え方を基本的に持っておるところでございます。  また、課徴金の制度につきましては、昭和五十二年の法律改正で導入された制度でございますが、中小企業者の関係につきましては、たとえば二十万円未満の課徴金は足切りで納付しなくてもよろしいというような制度が導入をされておりまして、これはやはり零細企業者、中小企業者等の立場を考慮した制度であろうかと思います。  また、中小企業者として、あるいは中小企業に属する建設業者としてどういう対応の措置があるかということでございますが、これは現行の協同組合の制度につきましても活用の余地があると思うわけでございまして、そういう点に関しまして、たとえば中小企業が協同組合をつくりまして、それによって受注をする場合にどういう対応の仕方があるか、たとえば共同受注という方法等もあるわけでございますから、そういう点につきまして具体的に御相談があれば十分御相談に応じたいというふうに考えておるところでございます。

安倍晋太郎自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(安倍晋太郎君) 事業者団体が一定の取引分野における競争を実質的に制限する場合には、やはり独占禁止法違反として課徴金が課せられることとなっておりますが、これは中小企業の場合も例外ではないと考えます。しかし、厳しい情勢下に置かれております中小建設業界の現況にかんがみまして、その振興発展に真剣に取り組む必要もありますことは事実でございます。この場合に、中小企業者が事業協同組合を設立して共同事業を実施する場合におきましては、金融、税制上の優遇措置、独禁法上の適用除外等の措置が講じられておるのでありまして、こうした制度を活用することも一つの方法ではないかと考えます。いずれにいたしましても、業界の実情を十分お聞きをいたしまして、必要に応じまして建設省とかあるいは公正取引委員会等とも相談をいたしまして、適切に対処してまいりたいと考えております。

古賀雷四郎自由民主党

○古賀雷四郎君 ぜひひとつ適切な対策が講ぜられまして、中小建設業界が非常な惨めな状態にあることを一日も早く抜け出せるようにお願いしたいと思います。  民間の研究機関であります三菱総合研究所はさきに中小企業の景況調査の結果を発表いたしましたが、これによりますと、中小企業の不況期間は二年を超え、苦しい水面下に落ち込んでおります。今後の見通しも、三−五月は景況指数八八と緩やかな回復基調をたどると予想してはおりますが、業績回復は全く期待できないお先真っ暗な状況であります。また、日経の三月二十七日におきましても、三月の景気動向について生産・受注の減少、採算悪化等を報道いたしております。  わが国の経済活動にとって大きなウエートを占める中小企業がかくも長くどん底であえぐことは看過できない問題であります。中小企業の活力ある発展なくしては経済の振興も財政再建もありません。この際、中小企業を中心とする需要喚起対策を早急に強力に実施すべきだと考えますが、通産大臣の御所見をお伺いいたしたいと思います。

安倍晋太郎自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(安倍晋太郎君) 言うまでもなく、中小企業は経済の中において非常に大きなウエートを持っておりまして、まさに中小企業に活力を与えることが日本の経済を振興発展させることになる、こういうふうに私どもは考えております。そのためには、いま中小企業は悪いわけですから、何とかこれが立ち直りのための努力を集中的にやっていかなければならない。そういうことで公共事業の前倒し執行であるとか、あるいはまた住宅建設の促進等、中小企業に非常に影響を及ぼす内需振興に着実な努力を払う必要があるわけでありますし、また個人消費をやはり拡大していくということも非常に大事なことではないか。これは中小企業発展のためには個人消費の占めるウエートは非常に大きいわけですから、この努力もあわせて行っていかなきゃならぬと思いますが、いろいろとやらなきゃならぬことがありますが、いま努力していることは、政府系の中小企業金融三機関につきましては、長期プライムと比較をいたしまして、特別な配慮で引き下げを行っておるわけでございまして、特に政府系の中小企業金融機関の二機関については、今度の長期プライムの引き下げに伴いまして〇・七%、どの程度の影響があるか、引き下げ率としては非常に低いわけですが、しかし、ともかくも引き下げるということでまた措置を講じたわけでありますし、またこの中小企業の必要な資金枠の確保は五十六年度もやっておりますし、五十七年度もさらにこれを確保いたしておるわけでありまして、これを機動的にこの枠の中で運用していくということが大事であると思います。あるいはまた中小企業向けの官公需の確保につきましても、これから前倒しの中で積極的に努力をしてまいりたい。あるいは下請取引の適正化の推進であるとか、あるいは倒産防止対策、これまでの制度等がありますが、こういうものを積極的にひとつ運用をして、中小企業の安定のためにこれを活用していきたいと、こういうふうに考えております。  大変むずかしい状況にはなっておりますが、われわれとしても全力を尽くして中小企業の振興、発展のために努めてまいる所存でございます。

古賀雷四郎自由民主党

○古賀雷四郎君 最後に、わが国は対外的には貿易摩擦の激化、国内的には景気の停滞、税収の伸び悩みなど、わが国の経済は重大な局面にあると考えられます。このため、わが国としては国内需要を中心とした景気の維持拡大に全力を挙げて取り組んでいくことが必要であると存じます。これによって貿易摩擦を回避し、財政の再建も円滑に進めていかなければならないと考えます。関係大臣の真摯な努力を求めまして、私の質問を終わらしていただきます。(拍手)

土屋義彦自由民主党

○理事(土屋義彦君) 次に、竹田四郎君の質疑を行います。    〔理事土屋義彦君退席、委員長着席〕

植木光教自由民主党

○委員長(植木光教君) 竹田君。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 私は、五十七年度の予算案を策定された当時と今日との経済の状況というものは大変大きな変化があったのではないだろうか、このように思います。その一つは、何といっても昨年の十−十二月の経済の落ち込みが年率で三・五%のマイナス、こういう事態になっておりますし、それからアメリカ、ヨーロッパからの貿易摩擦の攻勢がますます強くなってきたこと、これも見逃せないと思います。  それから、盛んに世界の景気は後半からよくなるというふうに言われておりますけれども、アメリカの高金利は依然として続いているということから考えてみますと、世界の不況がそう急激に回復するということも考えられない。また、特に最近の円安の傾向というのは恐らく予算編成時においては予想もしなかったような円安であろうというふうに思います。すでに今年度に入ってからの状況を見ましても、ほとんど当時の考えていた、二百十九円が恐らく政府の原案であったと思いますが、それよりもずっと安くなっている、こういう状態を考えてみますと、私は大変大きく経済が変わってきた、こういう認識を実は持っているわけでありますけれども、これについて関係大臣がどんなふうな認識を持っているのか、見通しを持っているのか、これをひとつお聞きをしたい、こう思いますが、まず通産大臣からお答えください。

安倍晋太郎自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(安倍晋太郎君) 十月−十二月の経済指標を見ますと、御指摘のように、マイナス成長ということになっておるわけでありますが、これは円安にもかかわらず、輸出が十一月以来落ち込んでしまったということであろうと思いますが、この背景としてはやはり諸外国に購買力がなくなってしまっておる。それほど諸外国の不況というのは深刻ではないだろうかと判断をいたしております。内需も低迷をしておる。それに外需が落ち込んだということがマイナス成長ということになってきておるわけでおりますが、その後、円安も続いております。しかし、貿易の方も多少最近の円安に拍車が相当かかっておりますから、貿易の方には伸びが出てきておるのじゃないかと思うわけでございますが、依然としてやはり貿易摩擦等もあって多くを望むわけにはいかない。そういうことになりますと、五十六年度の経済成長四・一%ということは、とうてい一−三月の状況から見て不可能であることは間違いないのじゃないかと私は思っております。さらに、それが土台となりますから、五十七年度の実質経済成長五・二%を確保するということは、よほどの努力をしないと困難になってくるのではないか。アメリカを初めとする景気等にも期待をするわけでありますけれども、しかし、それのみではどうにもならぬわけで、国内の経済運営の中で相当なやはり内需振興の努力を今後とも必要とする、こういうふうに判断をいたしておるわけでございます。  また、国内の経済情勢を見ましても、大変やはり経済の跛行性が激しくなってきておりますし、中小企業についてはどうも設備投資が依然として落ち込んでしまっておる、こういう状況でありますし、また地域的にも非常にダウンしている地域もありますし、産業別に見ましても基礎素材産業というのがどうも様子が悪くて、いま産業構造審議会等で検討していただいておりますが、この適切な対策も今後とも精力的に講じていかないと、わが国の経済の基盤が崩れてしまうおそれがある、こういうことで実は心配をいたしておるわけでございまして、予算成立の後にこうした経済情勢全体を全国的に総点検をして、そしてこれに対する対応策というものを考えていかなければならない、そういうふうに私は考えておるわけであります。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 大蔵大臣、どうですか。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 為替相場の見通しというものはなかなか立てにくいものでございますので、これは前年の平均ということをとってやる以外に方法がございません。したがって、恒例に従ってやってきたわけであります。現在のような円安ということはもちろん念頭になかったことも事実でございます。しかしながら、十−十二月のマイナス成長というような点が発表をされましたが、その中身を見ると、外需はえらく落ち込んでおりますが、内需はごくわずかながら寄与率が高く上向いていることも事実でございますから、このいい傾向を伸ばしていくということによって、またいろいろな公共事業の前倒しその他の施策によって、この前半に落ち込まないように工夫をしていきたい。予算担当の大臣といたしましては、それでは財政的にどうするのだというようなことを言われましても、現在当初予算の審議過程にあるわけでございますから、この現在の予算の執行を適切に行っていきたいということ以外は、ちょっと申し上げることはできません。(「何を言っているのか、全然聞いていることと違っているじゃないか」と呼ぶ者あり)

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 ちょっとその前に——私が言ったのは、いま矢田部理事がおっしゃったように、予算をつくった当時といまとの経済認識がどうなんだということを聞いているのであって、もうあなたは何か、私が聞かなくても予防線をすでに張っていると、これじゃ私の質問の成り立ちができないわけでありまして、まず経済認識をどうするかと、そこからスタートしなけりゃ、何かたてまえ論だけで物を考えていくことは、私は間違いだと思うのですよ。特に、大蔵省は、とにかく予算を通すことが最大であって予算さえ通りゃ、少しは違法をやったって平気で通しちゃうというのが大蔵省の態度だろうと思うんですが、あなた方はそのくらいやってもいいんですが、企業家は私はそうではないと思うのですよ。先の見通しがどうなるかということが大変なことなんです。私はもう去年の予算委員会からそういうことを常に言ってきたつもりです。でありますから、早く景気の見通しをつける、間違っていたら大変だぞということを私はずっと言ってきているのですよ。  そういう意味で、あなたのいまの経済の状況はどうなんだと、違っているのか違わないのか、この辺の認識に立たなければその次の対策は出てこないと思うのですよ。同じなら対策出てこないはずでしょう。だから聞いているんです。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 予算編成時は、御承知のとおり、去年の十一月ごろまでの資料をもとにして予算構想というものを練って最終的に詰めるわけでございます。そのときの状況といたしましては、やはり世界経済についてはいまと余り変わっておりません。当時も大体前半はよくない、後半はよくなるだろうということを考えておりました。  それから、国内の問題については、確かに思ったよりも十−十二月というような経済成長率が、われわれが考えていたよりも実は少し落ち込んでおるというようには思っております。しかし、その中身を見ると、内需の寄与度がよくなっているから、私はやり方によっていまの予算をつくったときと現在とで余り極端に違っているというようにもなかなか言い切れないのじゃないか。現象的には、落ち込みの方が思ったよりも多いということは認めます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 それじゃ大蔵大臣、公共事業の五十七年度前倒しというのは、予算編成当時からすでに決まっていたことですか。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) したがって、いまも私が申し上げましたように、十−十二月というような成長率の速報、これはわれわれが考えておったよりも落ち込んでおりますということは認めますということを言っておるわけであります。ですから、それがもっと落ち込むようなことは困るという点から、やはり予算の早期執行、七五%以上の前倒しというものは、そういうところに考えたよりも違う面がございますので、それでそういうことをやろうというわけですから、全然違ってなければそれはやらないということでございますので、それはそういう前倒しをやろうという分だけ違っていることは間違いありません。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 河本さんどうですか、あなたは大変見通しを当てるのが、河本カンピューターというのが大変高く評価されておりまして、ESPのコンピューターよりあなたのコンピューターの方が正確だという評判すらあるわけでありますけれども、どうですか、あなたの御認識は。

河本敏夫自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(河本敏夫君) 昨年十二月の段階と現時点の違い、いろいろ言われましたが、私もおおむねいまのお話には賛成です。  ただ、若干意見を異にいたしますのは、世界経済の見通してございますが、特にいま世界経済の足を大きく引っ張っておりますのがアメリカの高金利でございまして、これは世界経済の一番大きながんになっておるわけであります。しかし、幸いにアメリカの物価も予想外に安定の方向に行っております。予想外と言ったら失礼でありますが、アメリカ政府の見通しどおり安定の方向に行っております。二月は七%台ということでありまして、この調子では後半六%そこそこになるのではなかろうかと、このように判断をされますが、そうすると、アメリカの高金利の下がる一つの条件はできたと、このように思いますし、それから財政の赤字は相当大きいのですけれども、大規模な減税とか、それから物価の安定とかということが背景にございまして、少しずつではありますけれども、貯蓄率がふえておる。こういうことを考えますと、金利が下がる条件はある程度熟しつつあるのではないか、しかもヨーロッパからも日本からも、いまのようなアメリカの高金利ではどうにもこうにも手が出ない、何とかもう少し下げる方向にひとつ変更してもらいたいということを強く要請をしておりますので、金利は私は下がる条件が熟しつつあると、こういう感じがいたします。  それからまた、アメリカ経済は大減税あるいは軍需景気等をてことして後半は回復の方向に向かうであろう、これは学者とか評論家などの見通しと違うのでありますが、私はそう思っております。あれだけの大規模なことをやりますと、これは必ず経済に大きな影響が出てくるであろうと思っておりますし、それから第二次石油危機もようやく峠を越したと思いますのは、世界的に物価が安定の方向に行っておる、ヨーロッパも若干下がっておりますし、峠は越したと、こういう感じがいたします。それから、石油関係、小康状態がずっと続いておるということでありますから、そういう世界経済の見通しにつきましては、いまお述べになりましたお考えとは私は若干違う意見を持っております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 河本カンピューター、どういう成果を持つか、これから眺めていってみたいと、こういうふうに思います。  外務大臣、外務省では最近貿易摩擦の問題について、もういろいろな手を打ってもしようがない、内需拡大しかないんだと、こういうようなニュースが新聞紙上に出ているのですけれども、外務省から内需拡大という叫びが上がるのは、私ちょっとびっくりしたわけでありますけれども、これは最近アメリカを訪問してきたり、あるいは自民党の欧州の貿易の調査団がお帰りになったりして、そういう御事情も外務大臣はお聞きになっていると思うのですけれども、やっぱりそういう考え方が外務省でも日本の内需拡大以外にはないと、こういう方向なんでしょうか。

櫻内義雄自由民主党外務大臣

○国務大臣(櫻内義雄君) 特に外務省が内需喚起と言っておるわけではございません。先ほどから経済担当の各閣僚が言われておるとおり、私どももやはり内需喚起ということを考えなきゃならないと、そういう立場に立っておるわけでございまして、ただいま河本企画庁長官が御説明のように、アメリカの物価が落ちついてきた、先々の見通しが予定のようにいくのではないか、そうなってくれば高金利が問題であるわけでありますが、これが落ちついてきて、われわれが考えている内需の喚起に役立ってくるのではないか。そういう中で私どもはアメリカ、ヨーロッパよりこの貿易のインバランスをどうするのかと言われておるのでありますが、そのインバランス解消の上には内需喚起が必要である。また、幸い高金利が是正されてくるならば、それによって内需の喚起にも役立ってくるのではないか、そういう見当から私も内需喚起の必要性を申し上げておると、こういうことでございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 四大臣の景気の実情を聞いてみて感じたことは、通産大臣は大変景気に対して御心配になっているように私は受けました。経企庁長官は、世界経済の問題以外については質問者の私と大体同じだと、こうおっしゃっている。外務大臣も、いろいろあるけれども内需拡大は重要だと、こういうふうにおっしゃっているのですが、大蔵大臣だけは、公共事業の前倒し、それだけでいいんだと、こう言っているのですが、私がこれ日経NEEDSでシミュレーションをしたんですが、上期の契約率、これを八〇%にしても、名目にしてもGNPの伸びはせいぜい〇・一ですよ。こういう状態で、先ほど通産大臣からお話のあった、ことしは四・一もむずかしいと。こういう中から五・二成長しまして——八・四ですね、名目では。それに成長しまして税収が一体確保できるのですか。私は、この辺大変むずかしいと思うのですよ。だから、あなたは口を開けば経済は生き物だと、私もそれは同感であります。経済が生き物なら、いま倒れようとしているその生き物に注射をするか薬を飲ませるか、栄養剤を与えるか転地療養をさせるか、やっぱり何かさせなくちゃいかぬでしょう。ところが政府は、私はこれは非常に不親切だと思いますけれども、予算が通らないから来年のことは言えないんだと、こう言っております。私はそんなことはないと思うのです、経済は生き物なんだから。国民は政府がどういうことをおやりになるか待っているわけですね。そういう意味で、どうなんですか、これは経済企画庁と大蔵省にひとつ伺いたいんですが、前倒しの景気を引き上げる効果、どのぐらいありますか。

井川博経済企画庁調整局長

○政府委員(井川博君) 現在、政府部内で公共事業七五%以上ということで作業をいたしております。その以上というのはどれぐらいになるか、いまのところわかりません。しかし、仮にこれを七五%といたしまして、通例の年が大体、先生御案内のように六〇%少々ないし六五%でございます。そうすると一〇%分が上期によけいに出る、こういうことになるわけでございます。公共事業全体がGNPの一政府の投資の数字が二十四兆でございますけれども、これは実は土地代が除かれております。大体土地代が従来二割、最近は少し、特に五十七年度の場合には余り土地代に金がかからないようにという配慮をいたしました結果二割を切っているわけでございますが、これが二割弱といたしますと、土地代を入れますと三十兆弱になるわけでございまして、その一〇%が上期ということになりますと、三光弱の金が上期に出るわけでございます。そういたしますと、これはいろいろな計算ができますけれども、われわれの計算上は〇・三GNPを引き上げる力がある。と申しますのは、上期に早目に出ることによって、下期それだけ減りましても経済に与える効果は大きいというふうに考えておるわけでございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 七五%前倒ししても〇・三ぐらいのものですね。〇・三で五・二%達成は私はできないと思うんです。前倒しだけでは、私の数字でも政府の数字でもできない、こういうことに実はなるわけであります。そういたしますと、私は、どうしても少なくとも公共投資は二兆円ぐらい、まあ一兆五千億か二兆円ぐらい、それから減税を一兆円ぐらい追加をしなければ、政府の考えている五・二%、名目八・四%の線にはいかない、こういうふうに実は思っております。  私は経企庁にそういう点で、一ドル二百二十円、補正予算で公共投資私は二兆円と言ったんですが、計算は一兆円で出てきておりますが、それから所得減税一兆円、春闘のベースアップ七・一%、こういう数字で計算をしてもらったわけですが、その結果を御発表ください。

井川博経済企画庁調整局長

○政府委員(井川博君) 現在経済企画庁で持っております世界経済モデルの日本モデルというものを使ってそういう計算をという御注文でございましたので、機械的に計算をいたしました。  そういたしますと、公共投資を一兆円追加した場合に、これは初年度、次年度、三年度とやはり年度がたつほどその効果が多くなるわけでございますが、初年度にいたしまして、一兆円に対して一兆二千七百億。それから減税は、これは貯蓄に回る分もございますので初年度が〇・四二、すなわち一兆円に対し四千二百億というふうな数字が出てまいっております。これを五十七年度の名目の数字に当てはめてみますと、公共投資がいま先生が言われるように二兆円ということでございますと実質で約一%、すなわち一兆円で〇・五程度になるわけでございます。減税にいたしますと、これが大体一兆円で〇・二実質経済成長に与える影響ということになるわけでございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 そのように、二兆円あるいは減税一兆円、これだけやっても経済の成長というのはなかなかうまくいかないわけですね。このモデルそのものには恐らくいまのような一ドルが二百四十円というようなものは入ってないと思うのです。二百十九円ぐらいで計算をなさっているだろうと思います。外生変数でなくて内生変数だということでありますから幾ら幾らという形で入れてはいないだろうと思いますけれども、そういうことであろう、こういうふうに考えますと、それだけのものを投入しても政府の考えている成長率にはいかない。その成長率にいかないということになると、恐らく税収の問題も同時になってまいりますし、経済全体が冷え切ってしまう。そこに、もし円が安くなるということになりますれば、輸入は非常にむずかしくなって国内の物価を非常に引き上げていくだろう、このように思います。  私の計算で見ましても、上期公共事業の契約率七五%、円レートが二百三十八円といたしますと、卸売物価が五・二%上がるわけです。これは大変な上がり方を示すわけであります。そういう状況の中ではますます内需の拡大ということが私は大きな役割りになってくる、こういうふうに思うのですけれども、そういう意味で、どうなんでしょうか、経済政策を転換せざるを得ない、こういうふうに私の計算ではなってくるわけでありますけれども、これはもう大蔵大臣、新しく予算編成したって五十七年度の予算の自然成立まで間に合いませんから、いま次のことを言ったって、これはそうわれわれも責任を追及するつもりはありません。もしあなたがそういうことを余りこだわるなら、予算も成立しない前に五十七年度の予算の使い方をこうする、ああすると言うこと自体だって問題あるんですよ。だから私どもはいまそれを余り責めようとは思いません。国民は何をするかということを待っているわけですからね。  それから、これは大蔵省に実務的に聞きたいわけですが、公共事業を前倒ししますと仕事というのはどんなふうになりますか。これは建設省にも聞きたいんですが。私のいただいた資料によりますと、公共事業が普通のときでいきますと、その支払いというのは恐らく仕事の実施の状況と見合っていくだろう、こういうふうに私は思いますけれども、全部を入れましても上半期に支払われる金額というものはせいぜい三〇%くらいでしょう。あとは後半期ということになると思います。五十二、五十三年度は恐らく上期七五%あるいは七六%の契約率があったと思うのですが、そのときは具体的にどうなっていたんですか。そういう意味ではただ単に前倒しだけでは、去年もそうです、去年もかなり前倒しをしたわけでありますけれども、実際は息切れしてしまって十月−十二月は物すごいダウンをしたわけです。これと同じことが来年起こるじゃないですか。  そういたしますと、先ほども経済企画庁で〇・三%ですか何か上がるというふうにおっしゃっていたのですが、前半分ぐらいはそうでしょう。一年間の第三・四半期、第四・四半期、これを一緒に計算すれば伸び率は恐らくほとんど出てこない、後がマイナスになります。そういう計算にならざるを得ないと思うのです。ですから、公共事業の前倒しだけでは決して景気が上回るというようなことにはなるまい、私はこういうように思いますが、どうですか。

松下康雄大蔵省主計局長

○政府委員(松下康雄君) 公共事業のいわゆる前倒しは、契約を促進しようということでございますので、前倒しをすることによりまして上期中での契約額がふえることになります。契約額がふえますと、まだその段階では工事にすぐ取りかかるわけではございませんけれども、業者はやはり契約を受注いたしますことで、早速にまず資材の手当てを始め、必要な労働力を集め飯場を開設するというような準備に着手をしてまいるわけでございますから、一般的に申しまして、契約を受けたその時点から、そういう意味での経済の実態面に及ぼす効果は出てくるわけでございます。これに対して政府の側の支払いはどういうふうに追っかけていくかということでございますけれども、いまの制度でございますと、国の直轄事業につきましては、契約をいたしました時点で保証会社の保証を取りました上で四〇%以内の前金を支払うということになっております。この受けた前金を財源といたしましてただいまのような資材の手当て等が行われるわけでございます。  そういうことでございますので、確かに御指摘のように、契約が上半期に七五%行われたから、だからその全部が上半期に実態面の効果を及ぼすということではございませんけれども、経済界全体としましては、その七五%分の事業量が現実に自分のところに注文となってやってきたという前提で全体の活動を始めるという効果があると思います。  それから次に御指摘のございました、実際の支払いベースでは上半期はどれぐらいになってくるかというお尋ねでございますけれども、ただいま御指摘の五十二年度、五十三年度ごろ、これは公共事業の施行促進をやった時代でございまして、上半期の契約率は五十二年度で七五・一%、五十三年度で七六・〇%になっております。このときの全体の支出ベースでの実績は、上半期で三二・七%、下半期で三三・〇%でございます。これは先生も御指摘ございましたように、全体で申せば三分の一ぐらいでございますけれども、先ほど申し上げましたように、それをベースにして全体の工事量が、もはや自分は注文を受けたという気持ちで業界が準備を始めておりますので、経済効果としては支出の額にあらわれましたこの率よりは強いものがあると思っております。

丸山良仁建設大臣官房長

○政府委員(丸山良仁君) いま主計局長から御答弁のございましたとおりでございますが、建設省の実態で申し上げますと、昨年度上半期に七〇・七%の契約をしたわけでございますが、これに対しまして上半期の支出率は二九・三%となっております。また、資材の動きでございますが、資材の動きにつきましては、五十五年度の実態調査の結果によりますと、契約から資材の実需のピークまでの期間は比較的短いわけでございまして、土木工事の場合で約一・九ヵ月、建築工事で約一・五カ月ということになっておりまして、発注が行われますと業者の方は速やかに資材の手当てをしていくというように見受けられるわけでございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 いままでの数字はそういうふうに出ていると思うのですが、将来に仕事があるとなればこれは私はどんどんどんどん前倒しで仕事もされていくと思いますよ。いまのところ政府は、補正予算を組んで建設国債の追加をやるかやらないかということは何か口が裂けても言わないというような約束をどこかとしているのですか何ですかわかりませんから言いませんが、そうなってきますと、企業家は、この前丸谷さんのところでもお話があったように、事業をならすですよ。前は残業をつけてうんと高い金で使って、後は遊ばせておくということはないと思う。事業を平均化するということはこれは通例だと思うのですよ。そうなってみれば、幾ら前倒しやったって、それは資材ぐらいの手当てはするかもしれませんけれども、実際の工事のピークヘ入るというのは当然おくれでしまう。それはあたりまえですよ。これは大蔵大臣が事業をやっていたって私はきっとそうすると思うのですよ。そういう意味で、私はどうしても経済政策を転換しなくちゃいかぬ。早く転換することによって私は財政再建の五十九年度の目標にも近づくと思うのです。これを五十八年度にやるということになれば、もっとこれはきつくなりますよ。だから早く手を打つ。そのためには、いま確かにそれは予算審議中です。審議中でも、ことしは私はそういう意味では次のことをおっしゃっていいのではないか、それが政治じゃないか、こういうふうに思うのですが、どうですか。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) そういう見方もございます。まあ病気は、病は気からといいまして、やっぱりよくなりかけたところでも悪くなる悪くなると言われるとブレーキになることもございますから、私といたしましては、経済もかなり心理的な影響が大きいことも事実なんです、これは。したがって、そういう意味であなたの言うことも一つの大きな問題提起だと、これは私認めるのです。しかし現実の問題として、いまともかく病人に、少し減量し過ぎだから二のぜんでひとつ食べてください、それだけじゃ足りないじゃないか、三のぜんまで用意しろと、こういうわけですが、私としてはまずおぜんに出たものをなるべく先に食べて消化をしていただく……

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 食べる物ないよ、もう。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) いやいや、いま言ったように食べる物をそろえてあるわけですから、足りる足りないという問題は、病状を見て、決して後で衰弱するようなことはいたしませんと、これは私申し上げていいと思うのです。後で衰弱するようなことはいたしません。ですから、それはまず用意されたおぜんを消化してもらう。その食べぐあいを見ながら、それでも健康回復にどうかという点はやっぱりちゃんと考える必要がある。ですから、私は財政を預かっておりますが、大蔵大臣として余り悲観的なことを私が余り言いますとよけい暗くなっちゃいますから、世の中は。やっぱり明るくしなきゃいかぬと、そう思っております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 大変そういう点では、後で衰弱するようなことはいたしませんと、こういう言葉はいままでにおっしゃったことのない言葉だ、こういうふうに思います。いろんな制約はいまおっしゃられたようにあると思いますけれども、私どもはこういう点でたてまえと本音は別にしましても、本音はどうも何か補正予算を考えざるを得ない、何かメニューでおぜんの上に余分な食事を、お皿をもう一つ、何を盛るか知りませんけれども、何か盛ったお皿を食ぜんに出さなくちゃならぬと、こういうふうに私は推察するのですが、これは間違いですか。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) そこまでは私にいま言えといってもそれは無理でございますよと、大体賢明なる竹田議員は御承知だと私は思うのです。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 大体腹の中はわかったような気がするわけでございますけれども、これからの問題があろうと思います。  あした経済対策閣僚会議を開かれるというふうに一部の新聞では出ておりましたけれども、あしたの経済対策閣僚会議は、これは河本さん何をおやりになるんですか。

河本敏夫自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(河本敏夫君) あすの朝、経済対策閣僚会議を開くことになっておりますが、この会議では、外務大臣のアメリカへ行かれました報告を詳細聞くことにいたしております。それから同時に、江崎ミッションが帰ってこられましたのでその報告も詳しく聞く、こういうことでございまして、多分時間の関係からあすは報告を聞くことが主になろうか、このように考えております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 サミットも六月にはあることでありますし、経済認識については大蔵大臣はそうだけれども言いにくかったから言わなかったというような気がいたしまして、私とここにお並びの大臣はそう認識が変わっていないような気がいたします。そういう意味では先ほど私は二兆円、一兆円、こういうふうな私の方のシミュレーションの数字を申し上げたわけでありますけれども、なかなかお答えにならないだろうと思ってこちらの数字を申し上げたわけでありますけれども、河本さん、私はそういう意味でも経済は生き物だし、そしてある意味で特に中小企業の心理効果というものはかなり大きいんです。大蔵大臣や経済企画庁長官が景気がよくなる、あるいは景気が悪くなると言う、それだけで銀行からお金を借りる額は違うんですよ。そのくらい影響があるんです。それが日本全体の企業の中で六割から七割占めているわけでありますから、全体としても大変大きいのです。  そういう意味で河本さん、経済対策というのはやっぱり早く出して、国民にこうなんだということを早く示す必要があるのではないんですか。もうあした、あさってを過ぎれば新年度です。新年度に入ればまた私はもっと勇気を持って対策を出していいと思うんですが、どうですか。それはいつごろに全体的な対策を出すのをお考えですか。余りサミットの直前ぐらいの五月の末ということではやっぱりまたいろいろ問題があるのじゃないかと思うのですが、四月の中旬ぐらいにはもうお出しになっていいのじゃないかと思うのですが、どうですか。

河本敏夫自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(河本敏夫君) いまいろんな御意見を承りました。私どもはこの五十六年度経済が政府の計画どおりいかなかったということにつきましていろいろ分析をしておりますが、一つは世界経済が急速に落ち込んで、その影響で日本の貿易も昨年の秋以来急速に落ち込んだということ。それから第二点は、政府の当初考えていたような雇用者所得の伸びが実現をしなかったということ。そのために消費も回復をしない、住宅も回復をしない。特に中小企業の投資関係が非常に落ち込んでおります。そういうところに大きな原因があると判断をしておりまして、もちろん公共事業の前倒しだけでは景気は一挙によくなる、こういうことにはならない。幾つかのやはり分析と対応が必要だと、このように真剣に考えておるところであります。そして五・二%見当の成長が達成しませんと、御指摘のように税収にも非常に大きな影響が出てくるのではないかと。第一次石油危機が起こりました以降、昭和四十九年以降現在までの税収の減り方、ふえ方などを見ておりますと、やはり経済の活力を維持するということが非常に大事だ、このように痛感をしておりますが、こういうときに当たりまして、五・二%成長を達成するためにはこういう対策があるよという建設的な御意見を伺いまして、大変心強く思っておるところでございます。政府部内でもよく検討することにいたします。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 早急に検討をしていただけるようで……。その中にはいま経企庁長官がおっしゃっている雇用者の所得の伸びが足りなかった、これはこの前払もこの点は指摘を申し上げたと思いますから御存じだと思います。  そこで大蔵大臣、どうなんですか、中小企業と消費者の関係というのは、この前も通産大臣がおっしゃっていたように、きわめてこれは密接な関係にあるわけでありますが、これは後で総理には聞きますが、所得税というものも一応頭へ置かざるを得ないと、所得税減税ですね。またあるいは所得税だけでなくて地方税も頭へ置かざるを得ないというような段階にどうも来たように思うのですよ。これは衆議院のいろいろなのがあるから仕方がないと思いますけれども、一番冒頭に私申し上げましたように参議院でも何か対応しなくちゃならぬ、こういうふうに思っておりますし、これは委員長もそのようにおっしゃっているわけなんですが、大蔵大臣どうですか、きょうも参議院の議長のところに労働団体が一兆円の減税、これは所得税プラス地方税ですが、それの要求に実は来るわけでありますけれども、大蔵大臣、いろいろ衆議院の関係はありますよ。関係はあるけれども、まあ、あれは恐らく参議院の議長まで御相談があって決めたことではなさそうでございますが、そういう点ではどうでしょうか、おやりに——まあやるということは恐らく言えないでしょうけれども、検討の範囲に入っているというふうにはおっしゃられることはできませんか。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 私の持論といたしましては、いまも竹田委員が経企庁に要求して資料をつくらしたように、同じ金を使うなら、ただGNP、景気対策というなら一兆円の金でともかく片方は〇・五%押し上げますと、片方は〇・二ぐらいでしょうと、半分以下の効果しかないわけですね。ですから同じ金を使うのならばそれは効果のあるように使った方がいいと、使うならばですよ。私はしたがって景気対策としての減税というのは非常に疑問を実は持っているのです。五年間課税最低限を動かさなかったということに対しては、日本の課税最低限はまたほかよりも、諸外国より高いところにある、これも事実です。事実ですが、そのために納税者が重税感を持っておるというそういう事実、それは私は認めているのです。  そこで、われわれとしては減税を行うにはそれなりの財源が必要だし、一方、公共事業の方の財源は建設国債——建設国債と赤字国債では性格がかなり違います、これは。しかし、借金でやるという点においては同じですね。利息が両方つくという点においても同じです。その意味では同じです。しかし中身は実質的にはかなり違う。後は物として残るもの、あるいは消えて、消費してなくなってしまうものということがありますから、後年度負担という点でだれが負担するのだということになると、長い間で負担するんですから、やはり後まで残って利用されるものはみんなで負担したっていいじゃないかという気持ちがありますが、一時的に消えちゃって借金だけ残るというものについてはいろいろ問題が実はございます。  しかし、この所得税の減税という問題は、これだけ大きな問題になっていることも事実であって、したがって、五党の国対委員長会談というのがありまして、衆議院、参議院という別ではございますが、しかしながら政党政治ですから、やはり参議院の国対とは全然関係なくて各党ともやっちゃったというふうに限らない。でございますが、そういうような点も踏まえまして御検討をいただくことになっておりますから、やはり党を通じて、同じ政党の中に入っているわけですから、そういう中で何らかの話し合いが出るだろう。またしかしながら、参議院は参議院として別に考えるということもそれはあって差し支えないことで、それが悪いなんて一言も私言ったことはございません。そういうわけであります。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 自治大臣。

世耕政隆自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(世耕政隆君) 住民税の方のことをおっしゃられましたが、五十六年度の財政のこの三月末現在で大体四十兆円の赤字が地方にありますので、なかなか住民税の減税というのがむずかしい実情にあることは確かでございます。ですけれども、先日の議長裁定とそれから与野党の合意に基づく減税問題の論議に従いまして、経過を見ながら対処してまいりたいと存じております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 当然そういうことと関連があると思うのですが、衆議院の場合には、所得税が非常に中心で、地方税の話というのは余り出てなかったように私は承知しているわけであります。ですから、これは地方税だけ減税しろということを私は申し上げているつもりはないんです。この所得税減税があったときには地方税も考えてもらえるでしょうね、どうでしょうか。

世耕政隆自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(世耕政隆君) 御指摘のとおりでございますが、十分これは考えさせていただくわけでございますが、いままで国税の減税が行われないときでも地方税の減税を行っていた年もあるわけでございまして、それが住民税にどういうふうにこれから影響していくかということも十分検討いたしまして、この国会のいろんな与野党の御審議に準じてまいるべく準備してまいろうかと思っております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 終わります。

植木光教自由民主党

○委員長(植木光教君) 午前の質疑はこれまでとし、午後零時五十五分委員会を再開いたします。  これにて休憩いたします。    午前十一時五十三分休憩      —————・—————    午後零時五十九分開会

植木光教自由民主党

○委員長(植木光教君) 予算委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き質疑を行います。  それでは志苫裕君の質疑を行います。志苫君。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 きょうは集中的に公共事業と談合の問題を取り上げたいと思いますが、    〔委員長退席、理事土屋義彦君着席〕 ちょっとその前に一つだけお伺いしておきたいんでありますが、実は三月十三日の本委員会におきまして、私は新潟遊園という会社をめぐる田中系企業の大変不可解な動きを取り上げて関係当局の注意を喚起し適正な対処を求めたのでありますけれども、またぞろ次々と明るみに出てくるこの種ファミリー企業の行為は、私もずいぶん手元にいま材料がありますが、大変不愉快きわまりない。しゃにむにというのですか、天をも恐れぬというのか、そういう感がしますが、この機会に私は政府に、改めて、田中金脈問題を集中的に調査審議した本院の決算委員会及び本会議が、政府に対して警告決議を行っておることをまず指摘をしたい。大蔵大臣、念頭にありますか。この警告決議が念頭にありますか。あるかないかだけ言ってください。

小山昭蔵国税庁次長

○政府委員(小山昭蔵君) お答え申し上げます。  五十年六月六日付で御決議をいただいておることを承知しております。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 大蔵省にお聞きをしますが、当時国税当局は、いわゆるファミリー企業の実態について洗い直しというのですか、必要な調査を行いまして、適正な措置をとったと報告をされたのでありますが、その結果をこの際報告してくれませんか。

小山昭蔵国税庁次長

○政府委員(小山昭蔵君) お答え申し上げます。  お尋ねの件につきましては、昭和四十九年の十一月から五十年春にかけて調査いたしました結果につきまして、昭和五十年五月七日の本院の決算委員会におきまして磯辺国税庁次長から御報告申し上げたところでございまして、その概要を申しますと、全体として特に税務上大きな非違は認められなかったけれども、個人の所得並びにいわゆる関連企業の所得のそれぞれにつきまして、所得計算についての誤り、税務当局との解釈の食い違い、その他税務調査において通常認められる否認事項等がございましたので、それぞれについて修正申告を受理し、あるいは更正処理を行う等の措置をとりましたという概要でございます。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 その課税の修正申告、更正処理について、中身の報告できますか。

小山昭蔵国税庁次長

○政府委員(小山昭蔵君) お答え申し上げます。  やはりこれもその際当時の磯辺国税庁次長から御報告いたしておる点でございますが、まず一点といたしましては、田中角榮氏が関連企業から経済的な利益を受けているかどうかという点についての調査結果につきまして、当時取り上げられました幾つかの問題のうち、そういう事実のないものもございましたが、一部はそういう利益を享受していると認められるものがあるということで、そういうものにつきましては、法人につきましては寄附金として課税処理をし、個人については雑所得として課税をいたしましたと、また一部の使用人等の給与につきましても、関連企業において負担しているものにつきまして、同様に寄附金として法人に対する課税処理を行っているということがございます。それから、個人としてテレビの出演料そのほかにつきまして若干の申告漏れがございましたということになっております。そのほか法人関係につきましては、受取配当の問題、手数料の計上漏れ、そのほか通常の税務調査であるような否認事項があったと、あるいは貸し倒れ損失の否認、役員賞与の損金計上の否認等についての課税処理が行われました。  以上でございます。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 結果として、個人幾ら、法人幾らという額の報告はできますか。

小山昭蔵国税庁次長

○政府委員(小山昭蔵君) お答え申し上げます。  金額についてお答えすることはお許しいただきたいと思います。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 建設省は当時、所管にかかわる事項でこの問題についてどのような措置をとったことがありますか。

吉田公二建設省計画局長

○政府委員(吉田公二君) お答え申し上げます。  新星企業のいわゆる宅建業法の違反十一件の売買につきまして、これにつきましては計画局長から警察庁刑事局に通知したところでございまして、これにつきまして五十年六月の二十三日に起訴になりまして、五十年十二月、新星企業及び竹沢橋氏、それぞれ罰金三十万円、山田泰司氏懲役一年六カ月、執行猶予二年、罰金三十万円の判決がございました。これは控訴なく確定したわけでございますが、この新星企業につきましては、その後宅建業法の登録免許につきましても更新がございませんで、現在宅建業法はもう適用なくなっております。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 法務当局、何か報告ありますか、これに関連をして。

前田宏法務省刑事局長

○政府委員(前田宏君) 御指摘のその警告に基づく措置と言えるかどうかわかりませんけれども、先ほど建設省の方からお答えがございましたように、新星企業あるいはその代表者に対する宅地建物取引業法違反ということで五十年の六月二十三日に起訴をし、その事件は同年の十二月十二日に有罪の判決があったと、こういうことでございます。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 少し回り道をしましたが、私は当時のことを思い出してもらうために、どのようなことが行われたのかということの報告、確認を求めたわけですが、とにかくそういういきさつを持った当人あるいは企業グループ、一国の総理の退陣にまで動いた出来事なわけですが、それにもかかわらず、その後の諸行動、企業や個人の行動について注意を払っているのは当然のことだと私は思いますけれども、どうも十分な対処をしてきたとは思えない。いまだに幽霊企業と思われるものも存在をするし、先ほど申し上げました不可解というかしゃにむにというか、天を恐れぬといいますか、そういう所業を見ると、注意を喚起すべき関係当局は、ひたすら世論の鎮静化、風化を待っていたにすぎない、こういう感じがしてならない。  大蔵省に聞きますが、その後この種の企業について、あるいは御本人の所得等についで注意を払ってきましたか。

小山昭蔵国税庁次長

○政府委員(小山昭蔵君) お答え申し上げます。  個別具体的なお答えはお許しいただきたいと思いますが、一般的に申しまして私ども、法人、個人を問わず、申告書の提出がございましたならば、私どもの手持ちの資料、さらには外部のいろいろな情報、資料等を総合いたしまして、必要な場合には実地調査をする尊いたしまして、適切に対処するよう心がけておりますが、お尋ねの企業等につきましても、同様に適正な処理をするよう心がけてまいったつもりでございます。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 ところで大蔵省、租税特別措置法による「有価証券の譲渡による所得の課税の特例」というのはどういうことですか、簡単にちょっと教えていただけませんか。

福田幸弘大蔵省主税局長

○政府委員(福田幸弘君) お答えします。  これは現行法で申し上げますと、一銘柄につきまして年間二十万株以上の株式を譲渡したことによる譲渡益及び特別報告銘柄について、その指定期間中に二十万株以上の株式を譲渡したことによる譲渡益を課税対象とするということでございまして、従来五十回で二十万株以上の売買というものにさらに厳しい規制を加えたということでございます。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 わかりました。  一部の報道によりますと、田中氏とそのファミリー企業との間の株の売買というのですか、株転がしというのですか、というものが取り上げられておるようでありますけれども、国税当局はどのような関心をお持ちですか。

小山昭蔵国税庁次長

○政府委員(小山昭蔵君) お答えいたします。  先ほど申し上げましたとおり、私ども、外部のあらゆる資料、情報については深い注意と関心を持っております。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 私の手元には東京ニューハウスの決算書がございますが、具体的にお聞きをする時間もありませんが、この決算書によりますと、特定銘柄の売買が行われておるということを推定するに十分な数字が並んでおります。公表された田中氏の所得申告及び課税は適正ですか。これは終わっていることです。

小山昭蔵国税庁次長

○政府委員(小山昭蔵君) お答え申し上げます。  個別の問題についでお答えすることはお許しいただきたいと思います。ただ、御指摘の内容については十分承知しております。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 何か後ろがごちゃごちゃとなったのですが、十分調査していますというのですか、十分適正に処置をしておるというのですか、全部が全部調べておるわけじゃないから改めて調べるというのですか。ちょっとはっきりしてください。

小山昭蔵国税庁次長

○政府委員(小山昭蔵君) お答え申し上げます。  私が申し上げましたことは、先生が御指摘になられた情報、資料等については私も承知しているということを申し上げたわけでございます。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 具体的にお伺いしますと、またしても守秘義務という壁にぶち当たるわけですから、これ以上聞いても出ないでしょう。まあかつて田中金脈に際しましては、大蔵省は田中氏の盟友大平当時大蔵大臣ですか、を筆頭にしまして、守秘義務を盾にしてその解明を妨げた、これは記憶に明らかなところでありまして、どうもその姿勢に変化はないようですが、はやり言葉で言えば、大蔵省は田中の何なのかと聞きたいところですけれども。大蔵大臣、やっぱりいろいろ情報も寄せられておるところですから、一から十まで、私は大蔵省が数万数千の企業を知得しているとは思えません。しかし、情報が寄せられたら迅速に、適正に対処をするということを求めたいと思いますが、いかがですか。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) いかなる問題につきましても、重大な情報の提供のあったものについてはその真否を確認し、適正に追跡をし、適正な処置をやってきております。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 談合問題に入りますが、きょう、総理おいでになっていないので、主として建設大臣と主管の大臣にお伺いします。  私がきょう取り上げますのは、三月十三日の本委員会でのやりとりの続きであるというふうにひとつのみ込んでいただいて、いきなり真ん中から入るみたいなことになりますが、お答えも十三日のやりとりとの関連を持たせてお願いしたいし、私もまたそのように扱いたい、このように思うんです。  少し説明をしますが、いまや談合問題は経済の問題から政治の問題に移っておる。だから、政治が決断をして自分でやれることからやっていこうではないかということをこの間提起をいたしまして、そして焦眉の急である課題に取り組むには、この問題に真正面から向き合わないと決まりがつかない。発注者側が弁明をしたり、もみ消しを考えたり、核心から目をそらすようなしぐさからは問題の解決は生まれないということをこの間指摘をしました。こう言う私も議員稼業のほかなさで、陳情という名の談合の条件づくりに加担したことはないとは言い切れない。それだけに身をえぐるような思いでこの問題と向き合っていかなければならぬ、そういう気持ちで取り上げておるわけです。  前回談合が起きる事情を五つに私は分けまして、一つは受注者すなわち業界側の問題、二つ目は発注する官庁の側の問題、三つ目は相互の関係というんですか、癒着と言ってもいいですが、相互関係なんです。四つ目はこれに介在をする政治家の問題、五つ目としては日本人社会の精神構造といいますかね。隣にいる者と思いっ切り競争するというよりは、何となく根回しをして話をまとめるというようなそんな風習もないわけじゃありませんが、そんなものに分けることもできると思うんですが。ですから、これは相互にかかわっておる問題だし、制度改革も総合的整合性を持たなければならぬのですが、いまわれわれがやらなきゃならぬこと、そしていまやれることというのは、そういう整合性のある問題はひとまずおいても、発注者側の問題、それに介在をする政治の問題、政治家の問題、これにもうずばり焦点をしぼって決まりをつけなきゃならぬ。  談合はもう百年の慣行で談合のない工事なんかないよなんていう業界を、もう何とかしなきゃならぬけれども、これはとりあえずは公正取引委員会と捜査当局のけつをたたいてやってもらうこととして、われわれが急いでやらなきゃならぬのは発注者を中心にする癒着の構造だということをこの間申し上げた。そしてこの間四つの資料を私は提示したのです。一つは公共事業という予算をとにかくとるために狂奔する政治家や、それが大将になっておる社団法人のようなもの、二つ目は政治資金団体に対する業者の献金とその団体の影響力の強い発注官庁の契約実績の関係、三番目は下水道事業を例にいたしまして、指名業者が談合をしないことには、なかなか受注もままならぬようなそういう発注の仕方、四つ目にはこの間説明はしませんでしたが、私の出身の新潟県の例を引きまして、そこの農地部の技術屋さんの幹部職員が退職をして再就職をする、その役割りはすべて営業担当で、もっぱら古巣とのパイプ役であるという四つの資料を提示をしたんです。こういう証明をしようとすれば、どこにでもあります。あえて秘密文書を探さなくたってこういう証明はいつでもできる公共事業をめぐるすべての構造であると言っていいと思うんです、私が提示した四つは。  そこで、この間荒っぽい言い方だけれども、指名入札の方式と予定価格の制度に問題をしぼって、もし指名を受けようとすること、予定価格を知ろうとすること、この二つの衝動を請負関係から取り除いてみれば、諸悪の根源というのは解決をするんじゃないか。天下りのメリットも、政治家がちょっかい出す余地も、役所と業者が貸し借りをつくる場も、天の声の効力も一切が意味を失う。もちろんこの二つの制度を私の言うように、大胆に取っ払えば取っ払ったでまた若干の弊害もありますよ、いろんな意味でありますけれども、いま一番大きい弊害を退治するには、少々の弊害があっても天敵としてこういう制度を使わなきゃならぬということをこの間指摘したところです。少し長くなりましたが、そこでまあ、それについて総理がお答えにならないで丸山官房長から、いろいろそれらの点も参考にして考えたいというようなことでしり切れトンボになったわけですが、そこで、この問題をひとつ詰めていきたいと思う。  まず、建設大臣この指名競争入札制度というものの利点、欠点を挙げてみてくれませんか。

始関伊平自由民主党建設大臣

○国務大臣(始関伊平君) 現在の公共工事の発注は八〇%以上指名競争入札ということでやっておりますことは御承知のとおりであります。公共工事の発注に当たりまして問題になりますのは、でき上がった工事の質と価格と両方でございますが、指名入札に当たりましては、あらかじめその指名業者の工事能力、技術力、あるいは信用度というような諸点を考慮して決定いたしますから、公共工事の質的な点の保証という意味においては大変すぐれておる、こういうことに相なると思います。しかしまあ、強いて欠点を申しますならば、十社を今度は二十社にいたしますが、そういうことでございますから一般的な競争入札、指名のない競争入札に比べては談合などの起こり得る可能性が若干多いということは言えると思います。  しかしながら一方におきまして、しからばこの一般的な指名のない一般競争入札に移しかえますと、そこにはたとえば相撲で言えば横綱と前頭を一緒に相撲をとらすというような弊害も起こりますし、事務的には非常な分量の事務が起こってまいりまして、とても役所では、発注官庁としてはさばき切れないというような点が起こってまいるということが言えると思います。しかしながら、指名に絡んで議論も多いわけでございまして、私どもはいま中建審でいろいろ審議をしてもらっておりますが、何らかの条件をつけた一般競争入札と申しますか、そういうものがどの程度どのようにして可能であるか、利用できるかどうかという点につきましても、やっぱり発注制度改善の一つの大きな課題、むしろいわば中心的な課題として検討を進め、今後善処してまいりたい、かように考えておるところでございます。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 いま後段で制限をつけた一般競争を中心的に考えてみたいという御答弁がありましたし、私もその限りにおいて、少し先回りの答弁をいただいたなという感じもしますが、いままで皆さんがずっと衆議院からここの委員会を通して答弁を、いまの大臣のは何か少し大ざっぱですが、大体こういうことを言っているようですね。不適格者が入ってきて工期に間に合わぬ、あるいはダンピング等の弊害が出るのではないか。二番目に、適格者を選び出すということになるとなかなか手数がかかるのではないか。三番目に、いまちょっと大臣が触れた、相撲にたとえておったようでありますが、まあ言うなら弱肉掛食になるのではないか。言いかえれば過当競争となって受注が偏ることになりゃせぬか。こういうことを挙げているようですが、これはどうです事務方、どんなところですか。

丸山良仁建設大臣官房長

○政府委員(丸山良仁君) 指名競争を一般競争に変える場合の欠点といたしましては、いま先生がお挙げになったようなことを挙げております。ただし、ダンピングが起こるかどうかということは、一般論としては言われておりますけれども、われわれが実態として把握をしている問題ではございません。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 ダンピングの例を除きますと、大体私がいま指摘したことになっているようですから、ちょっと私は、これに率直に言っていまこだわっておるようです。大臣のいまの答弁だと、制限はつけても一般競争へと、この間行管庁の長官のお答えも、行管庁としては制限つき一般競争入札を採用するように建設省に言っておるんだというお答えがあったようですが、あれはちょっと何か私違うような気がするのだけれども、後ほど聞きますよ。いろいろ言い分があるようですが、確かに気心の知れた業者を集める指名と違いまして、余り見たこともない顔まで仲間になっておるということになると不安はあるんでしょうが、私の承知しておるところで実際に弊害が出たためしはないのではないか。やってみもせぬで問題点ばかり並べているんじゃないのかという感じがしますが、この点はまずどうですか。

丸山良仁建設大臣官房長

○政府委員(丸山良仁君) 建設省におきましては一般競争入札をやったことがございませんから、その点では先生のおっしゃるとおりだと思います。しかしながら、大蔵省の関東財務局でやられた例がございますが、これはその後やめております。この理由につきましては、私から申し上げるよりはむしろ大蔵省の方から御答弁があるのがよろしいかと存じますけれども、一般競争入札が、制限つきでありましてもなかなか困難だと申します理由は、たとえば建設省の直轄工事の例をとりまして、関東地建の例で申し上げますと、A業者は二十社ぐらいでございます。それからB業者は百社ぐらいでございます。したがいまして、これらにつきましてはそれほど問題はないと考えております。ところが、C業者になりますと六百業者になります。D業者になりますと千三百業者でございます。E業者が一千業者と、このように多くなりますと、これを制限つきでどのように制限するかということが非常にむずかしい問題ではないかと考えておるわけでございます。しかしながら、いま大臣から御答弁もございましたように、これだけ問題を起こしている状況でございますから、その点をどのように改善したら制限つきの一般競争入札ができるかということをいま中建審で御審議をいただいているところでございます。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 その点は私も同じ問題意識を持ちますから、後ほどCの六百、Dの千三百という、だんだんEへ行きますと気の毒になるような数ですから、これは申し上げますが、少し問題を整理していきたいと思います。  それから、いっぱいわっと、選定がめんどうだとかたくさん応募することによって手数がかかるとかという問題点も、そのように思いますけれども、しかし応札をする業者だって負担がかかるわけです。長崎の業者が仕事に新潟から行くわけでもないわけでありますから、あるいは実際にしさいに内容を点検をしてそれに応札をしようということになると、ずいぶん負担のかかる仕事なのだからおのずから制約ができてきて、雲霞のごとく集まって困るというふうな、そういうことには実際上はならないのではないか、こう思いますがいかがですか。

丸山良仁建設大臣官房長

○政府委員(丸山良仁君) それはおっしゃるとおりだと思います。しかしながら、今回二十社ということにしたわけでございますが、この場合におきましても、いま先生のおっしゃいますように、いままで地元業者だけでやったのを遠くの業者まで入ってくるということになりますと、地元業者の保護という点から問題があるわけでございますから、その点には配慮を払っているわけでございますが、問題は、指名の場合には適切な業者だけを指名することができますが、たとえ地元業者だけに限った場合におきましても、一般競争ということになりますと、あなたは非常にぐあいの悪い業者ですよというレッテルを張ることがむずかしくなるわけでございまして、その点に指名と一般競争入札との差異があるのではないか、これをどう解決するかというところに問題があるとわれわれは考えておるわけでございます。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 以下、少し私の主張も言いますが、弱肉強食、独占と、まあ独占のおそれがあれば、いまの官房長の答えにもちょっとありましたが、規模別あるいはランク別あるいは地域別で競争をさせるという工夫もある、これが制限つきという中身になっていくのでしょうが、そういう工夫だって十分に対策は講じられる。ダンピングのおそれがある、そしてその結果悪い仕事をするというようなことになるのであれば、それを予定者として審査をすればいいわけです。落札者即決定者というふうにしないで、そこに審査という機構を一つ設けるごとによってそれは決まりがつきそうだ。受注が偏る、これについてもいろいろと問題があるようですが、これもそんなに制限その他の工夫が考えられない問題ではない。仕事に不安があるというのであれば、いまは保証人制度がありますが、保証会社というふうなシステムも諸外国ではあるようでありますから、そういう制度を、そういう提案を取り入れても何とかなりそうだというふうに考えてくると、この指名制度についての発注者側の言い分、不適格者が入って工期に間に合わぬとか、手数がかかるとか、弱肉強食とか、過当競争とか、受注が偏るとかいうふうな問題はそれぞれ決まりがつかない問題ではない。決定的に違うとすれば、指名権という伝家の宝刀みたいな胸先三寸で業者を決めることができるという圧倒的な力がなくなるということは言える、これにこだわっているんじゃないですか、発注者側はいかがです。

丸山良仁建設大臣官房長

○政府委員(丸山良仁君) 指名に当たりましては、工事の施工能力であるとかあるいは地域性であるとかあるいは業者の信用度というものを勘案して指名しているわけでございまして、別に恣意的に指名しているわけではございませんし、これからもその点は十分注意してまいりたいと思いますから、指名権がなくなるということにわれわれはこだわっているわけではございません。  一番の問題点は審査能力の問題でございまして、たとえば十社を二十社にすることによりまして、どのような事務がふえるかということをわれわれは現場の職員と検討したわけでございますが、十社を二十社にいたしますだけで事務量は四倍にふえると入札事務を行っている者は申しているわけでございます。これを一般競争入札で行うということになりますと、先ほど申しましたように、たとえば一番多い業者でD業者の千三百社というようなものをどのようにして適正に審査するか、またこれを一般競争でやる場合に、少なくとも何十社というものが出てきた場合にそれをどのような形で指名をやるか。これは極端な例で恐縮でございまするが、たとえば入札をする場所もない、建設省の場合には年間二万件の入札をしているわけでございますが、公会堂を借りて入札をしなければならぬというようなことになりかねないわけでございますから、その点にも問題があるということで、事務的に大変だということで、根本的に問題があるということはございません。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 指名というのは、指名されたグループ間の競争なわけでありまして、指名をされない者との間には競争は起きないわけですね。  これは公取委員長、競争をされるんですね。指名というのは指名した者同士の競争なんであって、指名をされない者とは競争もできないわけですね。これがまあたとえば地方に建設業協会なんというのがありますと、そこに入っておる者は何か一年に一遍ぐらい指名の対象になるが、入っておらぬ者は全然なしと。そうすると、入っておる者と入っておらぬ者とは最初から勝負にならぬわけですね。こういう問題は、おたくの管轄からいうと問題はないんですか。

橋口收公正取引委員会委員長

○政府委員(橋口收君) 入札談合問題を取り扱って痛感されますことは、一般のカルテルでございますとユーザーの方からいろいろ苦情が来るわけでございます。入札談合の場合はユーザーというのは官公庁になるわけでありますから、官公庁からいろいろその情報なりあるいは苦情が来るのが通例でございますが、入札談合の場合にはそういうことがほとんどないという特色がございます。それから私どもの方に寄せられたいろいろな一般的な苦情の中には、指名業者になかなかなれない、どうしたら指名業者になれるのだろうかという、そういう苦情も来ております。  先ほどからお答えがございましたように、指名業者の数を少しでもふやそうというお考えをお持ちでございまして、この点は大変適切な措置ではないかと思いますが、そういう点から申しまして指名競争入札制度とこの一般競争入札制度と一体どれだけ違うのか。いまいろいろ話がございましたが、    〔理事土屋義彦君退席、委員長着席〕 この制限つきの一般競争入札制度というものが仮に採択されました場合に、いまの指名競争の制度と一体どれだけ違うのかという問題があるのではないかという感じがいたします。一般競争入札でも先ほど来御議論がございますように、ランクによって分けることは可能でございますし、また地域とか能力に応じていろいろ区別することもこれも合理的なことだと思います。したがいまして、指名競争制度全体を否定するという考え方はございませんが、指名競争制度以外に他の適切な方法なしという考え方は私は適当ではないと思います。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 それはそれであなたの御意見わかりましたが、私が聞いているのは、最初から競争が制限されているではないかという点についてはどうなんですか。

橋口收公正取引委員会委員長

○政府委員(橋口收君) それは事柄の性質から見まして差し支えないと思います。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 いま公取委員長は、制限を設ける一般競争入札と現行の指名競争入札制度の間にどれぐらいな違いが出るのかというような点に若干の疑問も提起されましたが、ただお話にもありました、ユーザーからの苦情がないというのはそこが実は問題なんですね。  私もこの間から指摘をしましたように、それはそうでしょう、苦情を言ってくるのと仲間になって何かやっているのだから、そっちから出てくるわけはないんだ、これは。だからその辺が癒着だ癒着だといって言われる筋なんです。  行管庁長官は、この間真っ先にお答えをいただきまして、例の調査報告書の提出に当たって制限つき一般競争入札を採用すべきだということを建設省に提示というのですか勧告しましたと言うんですが、私それを読んでみると、検討の要ありという表現ではないんですか、あなたおっしゃられる気前のいい文章にはなっていなかったようですよ。

中庄二行政管理庁行政監察局長

○政府委員(中庄二君) 先生すでに御案内かと思いますが、私どもの報告書では三つの契約方式がございます。制限つきでございますが、一般競争が余りに少ないということから、すでにほかの機関でも一部やっております制限つき競争契約を拡大したらどうかということを申し上げているわけでございまして、全部をそうしろということを申し上げでいるわけではございません。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 いや、ただちょっと一部の報道によると、この間、長官がお答えになったような原案というんですか、そういうことを建設省側に提示をしようとしたら、建設省の方から抵抗があって少しやわらげられた検討の要ありという表現に落ちついた、こういう報道もあったものだからね。しかし、そうしますと、行管の方の腹は制限つきはある程度やむを得ないが一般競争入札に踏み切るべしという意向の表示があったものとして受け取る。建設省はそこのところについて、いままで若干四の五の考えておったが、先ほど大臣の答弁にありましたように、一定の制限は設けるけれども、一般競争入札を原則として考えたい、制度の中心として検討したいということですと、行管の言うことと建設省の言うことはここで一致をしたわけですか、ほぼ。

丸山良仁建設大臣官房長

○政府委員(丸山良仁君) 行政管理庁がいろいろ調査されましたときに、建設省といたしましては、先ほど私が先生に申し上げましたように、いろいろ一般競争入札には問題点があるということを申し上げたことは事実でございます。現段階におきましていろいろと検討しておりますことはいま申し上げたとおりでございますが、建設省といたしましては、何とか制限つき一般競争入札を取り入れたいとは考えておりますが、これには非常に問題点が多いということは先生にも御了解いただけると存じますが、その点で現在中央建設業審議会で御審議を賜っている、こういう段階でございます。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 ですから、官房長の立場ですと、中建審が飛び出すのは結構ですが、私は、中建審からもいろいろなところからも意見は聞きましょう、そして整合性のある制度はつくっていきましょうということとはまた別に、いま政治のレベルでやらなきゃならぬことはばちばちやっていきましょうよと。これはたとえば皆さんの方だって、中建審に一方でしながらも、二十社というようなことを自分で考えてやっているのですから、前向きに考えたらいいと思うんですね。ただこの請負は一般競争入札を原則とすると定めながら、それが原則であった時代は一度もないんですよ、これは。だから予決令もいいかげんなものだ、そういう意味です。これはやっぱり原則に置きかえるということをしゃにむにやらないとだめという意味で私は指摘をしたのですが、冒頭に大臣が答えた制限つきの一般競争入札を中心にして考えたいということですから、その答弁を多として、これはひとつ、そう、のそのそしないで進めるべきだと思います。  次に、ジョイントベンチャーですが、これは率直に言って、ジョイントベンチャーにもこれを導入してから今日までの長い歴史があるようでありまして、本来の目的、性格から、今日現実に使われておる目的、性格もずいぶん変化がある。変化があるどころか、建設省自身もかつては非常に心配をしたことがあるように、全くでたらめに趣旨を逸脱して使われておるという事例も散見をされるということを、建設省だって検査自体があるわけです。現に皆さんが昭和五十二年に出した通達にはそういうきつい表現ではないけれども、ジョイントベンチャーについて問題なしとしないという表現が入っておるわけですから問題があるわけですよ。私はこれも談合のシステムに通ずる、そういう問題点があると思う。  公取委員長は、ジョイントを募集するということは、対立する業者、本来競争する業者にジョイントを組ませるんですね。本来競争相手に、仲よくせいやと言うかどうか知りませんが、ジョイントを組ませるということは談合の基本じゃないですか、これはいかがですか。

橋口收公正取引委員会委員長

○政府委員(橋口收君) ジョイントベンチャーにつきまして、公正取引委員会としてまだ本格的に検討したことはございませんから的確なお答えはしにくいのでございますが、本来のジョイントベンチャーは、私どもの理解ではそれぞれ特性に応じて仕事を分担すると。あるものはこういう工事に習熟している、他のものはこういう部分が得意である。おのおの違ったその任務ないし機能を持ったものが一緒に組むというのが本来の性格ではないかというふうに愚考いたすわけでございまして、ところが最近のジョイントベンチャーの実態は、私よく存じませんが、たとえばパーセンテージで工事費を割り振るというようなものもあるようでございます。これは志苫先生がよく御承知かと思いますけれども、一体そういう性格のものが、工事の規模、難易度等から見まして一社では請負いが不可能である、数社で請負わなければならないという、そういう工事の特性があることはよくわかるわけでございますが、これもやはり乱に流れますと先生がおっしゃいましたような疑念が生ずるわけでございまして、われわれは問題意識としては持っておりますが、まだ率直に申しましてそれ以前の段階で足踏みをしているというのが現段階の状況でございます。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 まあ時間の関係もありますから、これの長いやりとりは私できませんが、建設省、率直に言いまして本来の目的から、まあ何が本来の目的かわかりませんが、アメリカで採用されて、昭和二十五年に日本に入ってきたわけでありますけれども、俗に言う超大型工事の危険分散、資金調達、技術・機械の補完増強というふうな趣旨からずっと変化をして、今日は工事分配型のジョイントベンチャーになっておる。その背景も私にはわからぬわけではありませんけれども、おのずからジョイントベンチャーにはジョイントベンチャーのルールがある。  この点について、建設省はやっぱり問題なしとしていないんじゃないですか。いかがですか。

吉田公二建設省計画局長

○政府委員(吉田公二君) ジョイントベンチャーという運営をとってまいりました経緯については先生御指摘の点でございますし、また、かってもいろいろ御答弁申し上げましたので、いま御指摘の点について申し上げますと、ジョイントベンチャーそれ自体としての目的はさりながら、構成員であります複数の業者相互間の責任が不明確になりがちであるとか、そうしたものの例、これは正式のジョイントとして組んでいるものであってもいわゆるペーパージョイントというようなものなども見られるというような点もございまして、去る五十二年に計画局長名で「共同企業体の適正な活用について」という通達を出すというような指導を行ってきたという意味において、問題意識を持っていることは事実でございます。  また、こういったものにつきましてジョイントベンチャーの運営というものについてのメリットはまたメリットとしてあるわけでございますので、この一層の改善につきましては中央建設業審議会におきます入札制度合理北対策の一環といたしまして、この点につきましても御審議いただくことにしているわけでございます。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 私は、ちょっと一例を、建設公団のここ数年の発注のジョイントベンチャーを全部資料をいただきまして、どの程度の資本の大きさのものが組み合っておるのか、中央と地方がどのくらいの組み合わせをするのかということを一通り当たりました。当たりますと、何か元請と下請みたいな、そういう相互関係のジョイントベンチャーがずいぶん多いのに気がつきます。これはちょっと筋違いだというふうなものも多いわけでしてね。衆議院の方の記録によりますと、たとえばダムとか大きい大型プロジェクトというのは、早々と調べて、地元の合意を得てジョイントを募集をして、それから発注するのだから、大体のことはみんなわかっていますよ、というふうな答弁が建設大臣からありましたが、そういうジョイントベンチャーを事前に募集するということは、おい、今度だれだれだよと。しかも建設省が期待をしているように、それを年間を通して実質的な共同企業としていくのじゃなくて、その工事ごとの一発屋ですね。どこの者だかわからぬのが一発組む。お互いに工事全体をコントロールして責任を持つという体制ではない。ただそのとき、どこか仕事の分け前にあずかろうという形のジョイントベンチャーは、これは適当でない。これがまた、じゃおまえ、おれの裏になれとか下になれとか、裏ジョイントだ何とかジョイントだということが生まれる要素にもなるのであって、この問題については本来の目的を、先ほど公取委員長からありましたが、本来の目的であれば私は必ずしも、お互いに補完をし合うんだから競争制限にならないけれども、工事分配型というのはこれは鏡令制限になるというふうにも思いますので、この点は大胆に改革をすべきだと思う。いかがですか。

吉田公二建設省計画局長

○政府委員(吉田公二君) ジョイントベンチャーの目的といたしまして、私は大きく言って三通りあると思います。一つは、中小企業の施工能力の向上を図るという意味におきまして、その中小建設業の振興策として考えるもの、これが一つでございます。それから、大規模工事でございますとか、施工が非常に困難な工事等につきまして、施工能力の拡大あるいは技術の補完、危険分散、こういった意味で、先ほど先生おっしゃった点。それからもう一つは、かなりの規模の事業というものを手がけたことのない中小建設業、地方の中堅企業というようなものにつきましても、ある程度の規模の工事について、大企業と組んでそういう事業の習熟を図るという地方中堅企業の育成というような形でのジョイントというものもあると思うわけでございますが、いま第三の点という点が、先生の御指摘になった点には密接に絡むと思いますが、私はその面についての特徴と申しますか、メリットもあり得ると思っております。あり得ると申しますか、積極的に認めているわけでございます。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 メリットは、それは何かやっているんだからあるでしょう。あるけれども、それがまたいまの政治レベルの問題になっておる、非常に温床にもなるということでありますから、やっぱり大胆にえぐらないといけない。  中小建設業の受注機会の公平確保等というような点について、建設行政で一面で大事にしなければならぬことはわかります。しかし、そうやって建設業界に対する建設省の指導というのが、今日ではつぶれても二つ以上の業者が生まれて、五十万を突破する建設業を生んだ。資本金の一億円以上というのは、そのうちの一%もありゃせぬ。あとはもうまさに雲霞のごとくあると。こういう、談合でなければ生きていけぬような、したがって競争力がものすごく落ちちゃって、他産業に比べると外国の事業の受注というのは一番低いという、こういう建設業界を生んだので、一部の論評する者にとっては、建設業の育成を建設省に任じておったらだめだから、通産省にやらしたらどうかという意見も出てくるのは、そういうところにもあると思うんですよ。私は、そこまでの極論は言いませんけれども、私が提起している問題についても、十分にこれは改革を急ぐべきである、このように主張をいたします。  予定価格の制度について、私は、この間の静岡の例は、公取が手を入れたところで九九・七六だというのが発表になった、公取から発表があったわけではありませんが。そう思って、新潟県のここ二年間の予定価格と受注価格は、終わると発表しますから、調べてみたら九九・九%です、全工事について。九九・力といえば、予定価格そのものということです、わかっておるということですね。わかっておるものを秘密にして、知る方法がないかというのでさまざまな弊害が生まれるというほどばかげた話はない。ですから私は、予定価格は公定値段と言っては悪いが、公表をすると。この工事を一億五千万でやりたい、おれはすぐそばまで船を持っていっているし、車を持っているから、そいつはおれは八千万円でできるというのがいたっていいわけでありますから、そういう形で予定価格、皆さんは終わってから後、A社、B社、C社、D社で。予定価格はともかくとして、入札経過を報告するということも踏み切ったようだが、そんなのはあたりまえのことであって、予定価格を公表したら何が弊害が起きるか。現実に九九・九%という落札実績を持っている。どこが弊害になっているというんですか。

丸山良仁建設大臣官房長

○政府委員(丸山良仁君) 予定価格が落札価格と非常に近いということは御指摘のとおりだと思います。これは二つ理由があると思いまして、一つは御承知のように何回も入札をして、最後には不落随契という形で、随意契約に持っていく場合が三割近く建設省の例でもあるわけでございます。それからもう一つは、積算が非常にコンピューター化されまして、いろいろの理由で業者の側でも近い積算ができるというような問題があります。したがいまして予定価格と落札価格が近接しておるということをもって、予定価格が漏れているということを言われるのは、われわれは大変残念に思うわけでございます。    〔委員長退席、理事土屋義彦君着席〕  しかしながら、いまお話しのように、予定価格を公開したらどうかという御議論があるわけでございますが、これにつきましては、先生のみならず、相当有力な御意見としてあちらこちらからそういう意見が出ております。したがいまして、この点は会計制度全般にかかわる問題でございまして、建設省だけでは何ともお答えできかねる問題でございますけれども、中建審におきましてもそういう議論をお持ちの先生がおられますから、検討をしていただきたいと考えております。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 大蔵大臣、どうですか。私の言う入札価格の、おたくに関係があるんです、これは。予定価格の公表というのは。

松下康雄大蔵省主計局長

○政府委員(松下康雄君) 現在の会計制度のたてまえから申しますと、定められた予算の範囲の中で、質的に高い事業を執行してもらうということを、どうすべきかという観点から制度は組み立てているわけでございまして、その中で予定価格を公表をしないで、そうしてできる限りそれによって競争の度合いを高める、適正な競争を確保するというのが制度の趣旨でございまして、この制度の趣旨そのものは私はそれなりの意味を持って今日に至っているのだと思われます。御指摘になりましたようないろいろの問題が現実に生じておりますけれども、このことが、予定価格の基本の考え方を変えることによって十分に解決されるのかどうか。その際に予見しがたい何かの事情がまた生じまして、一つの問題は解決ができたけれども、また新たな別の問題を生ずるということにならないかどうか。それらの問題もいろいろとございます。私どもは、ただいまは現在の制度に基づいて、この制度の枠内で極力実施官庁が検討をいたしまして、適切な運営方針を決めていただくことを希望いたしております。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 現行制度に問題が出ておるから変えようという話をしておるときに、現行制度によるとそうなるというのはあたりまえのことだ。

土屋義彦自由民主党

○理事(土屋義彦君) 時間になりました。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 時間ですか。それじゃ、これで終わります。  各大臣おいでいただいて、質問の機会がなくてまことに恐縮でした。いずれまたそのうちにゆっくり。どうもありがとうございました。(拍手)     —————————————

土屋義彦自由民主党

○理事(土屋義彦君) 次に、中野鉄造君の質疑を行います。中野君。

中野鉄造公明党・国民会議

○中野鉄造君 まず、私は大蔵大臣に、五十七年度予算の防衛費をめぐる後年度負担についてお尋ねいたします。  この防衛費、これはいまわが国の防衛、あるいは安保をいかに考えるべきかということがありますので、それが高いとか安いとかという論議はまた別途いたしますとして、ただ財政面から言えることは、他に比べて一つの項目が異常に突出すれば、必ずそのしわ寄せはほかのどこかの費目にはね返ってくるということになりますけれども。問題は、この防衛費、これはもうツケ買いがほとんどなわけですね。すなわち、本体は次年度以降払っていき、先買い先買いの予算が跡追いでついていくと、こういうことになるわけですけれども、そういうことから言って、約二兆円程度の後年度負担となりますと、問題は、この単年度予算が突出したこともさることながら、五十九年度以降の財政再建と、後年度負担との絡みがどういうことになってくるのか、その辺のところをお尋ねいたします。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 財政問題から考えると、防衛費の問題はやっぱり大きな問題の一つであることは間違いありません。ありませんが、国家の安全保障という点から、これは政策の優先順位の決定の問題でございますから、現在の日本の置かれている立場、そういうものから考えて、現在の防衛費でいいと言う人と、それから、いやこれはまだまだ足りない、国の分相応の防衛というものは国際的な責任でもあるという考え方、いろいろございます。したがって、私どもとしては、そのときにおけるどういうような立場に立つかということは、まず政府・与党の中で相談をしていかなければなりません。  しかしながら、やはりそれが極端に財政を圧迫するようになったらこれは困るわけでございますから、ほかのところで崩れても困る。したがって、必要最小限度のものに限って、われわれが負担できる限界の中で負担をしていくという考え方でございます。

中野鉄造公明党・国民会議

○中野鉄造君 私が聞いているのはそういうことじゃなくて、いわゆる後年度負担が非常に懸念される。それに片方では財政再建ということが言われている。また、国債費のこともありますし、そういうような財政再建との絡みがどうかということを聞いているんです。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) それについて私はお答えをしたつもりなんでございますが、結局政策の優先順位の決定の問題である。同じようなことが、たとえば国際経済協力という問題においても、一方で財政再建するのだと言いながら、他方で倍にするのだ、こう言っているわけですから、これは政策の決定の問題である。したがって、それはふえるものはない方がいいですよ、単純明快に言えば。しかし、それはそう簡単に政策決定が行われないというところにいろいろな政治の問題があるわけでございます。

中野鉄造公明党・国民会議

○中野鉄造君 いずれにいたしましても、財政再建というものの足を引っ張る可能性は非常にこれは強いのじゃないかと思いますが、そうした中で、この間から今回のこの防衛費は突出ではないといったようなことがよく聞かれますけれども、これはたとえば経済協力費だとかあるいはエネルギー対策費だとか、ゼロシーリングの時点で別扱いを受けた項目ですらも、中期財政展望よりも下回った伸び率の中に抑え込まれている。こういうところから見ると、これは防衛費だけはそれを上回っている。上回っているのは防衛費だけじゃございません。恩給費だとか、国債費が上回ってはおりましょうけれども、特に防衛費はその中でもずば抜けているというところから、これはどう考えても突出だと思いますけれども、いかがですか。

松下康雄大蔵省主計局長

○政府委員(松下康雄君) 中期財政展望との関係をお尋ねでございましたので私からお答えを申し上げますが、中期財政展望は、御承知のとおり予算の各項目につきまして、現在の制度を前提といたしまして、その将来に向かいまして、たとえば物価の変動でございますとか人口構成の変化でございますとか、そういう客観的な手がかりを基礎といたしまして、機械的に将来の投影をいたした結果の数字でございますので、これ自体は将来の予算の姿についての何らかいまの時点での政治判断、政策判断を示すものではないわけでございます。したがいまして、それを一つの物差しとしまして後年度の予算と対比するということには若干の問題がございますけれども、ただいまお引きになりました防衛費の例で申しますと、昨年度の防衛費増を見込みましたものに、これは実は御承知のとおり人件費の増加につきましては一%分しか計上いたしておりませんので、実際の人件費の増を置きかえました数字と比較をいたしていただけば、財政展望の計数まではいっていなかったと考えでございます。  いずれにいたしましても、先ほどの後年度負担の増加によって、将来非常に特定の年度に大きな歳出の負担が偏ることがないようにということを念頭におきまして、五十七年度予算編成におきましても、将来の負担の平準化にできる限りの努力をいたしたつもりでございます。

中野鉄造公明党・国民会議

○中野鉄造君 どう言われても、私は防衛費は突出しているとしか考えられませんが、それはそれとして、今日まで防衛論議というものが繰り返されてまいりました。  しかし、この防衛論議というものがとかくシビリアンコントロールが憲法だとか、あるいは自衛隊法だとか、そういった法律論に終始しているような傾向がありますけれども、財政再建の中で先ほどから申しておりますように、この突出した今日、次期以降はやはり今後財政面からどうシビリアンコントロールをかけていくのか、その辺のところを大蔵大臣にお尋ねいたします。

松下康雄大蔵省主計局長

○政府委員(松下康雄君) 全体といたしましての防衛費関係のシビリアンコントロールの頂点にございますものは、もとより国会における予算の御審議等でございます。それらを踏まえまして、私どもはその前の段階におきまして、予算の編成におきましても内容的によく防衛庁当局の要求の内容を分析をいたしまして、真に現状におきまして必要最小限度の範囲内での予算の査定を行う、あわせて防衛庁の予算には、御指摘のように後年度の負担を相当に伴うという特殊性がございますので、これらが将来の財政の圧迫にならないように予算編成を行う、これを最大の課題といたしまして、財政当局としては努力をいたしておるところでございます。これだけではございませんで、その財政当局の査定を終わりました予算につきまして、政府全体として国防会議の御審議をいただいて、内容についてさらに検討を行っておるという制度のことは御高承のとおりでございます。

中野鉄造公明党・国民会議

○中野鉄造君 しかし、今日までのこの委員会の審議の中でも、いろいろな防衛庁の答弁の中でも、そのことについては答弁を差し控えさせていただきます、こういったようなことも再々ありました。財政当局として、では今日の自衛隊の継戦能力だとかあるいは抗たん性だとか、そういったようなものをつぶさに御存じになってのその予算の編成でしょうか。

松下康雄大蔵省主計局長

○政府委員(松下康雄君) 私どもが予算を編成をいたしますのに必要な限りで、全般のそういう自衛隊の自衛力の現況を踏まえて、個々の実際に国の歳出なり、債務負担が必要な科目についての経費の積み上げ計算をいたしているわけでございます。それに必要な限度においては私どもも十分話を伺っております。

中野鉄造公明党・国民会議

○中野鉄造君 私が聞いているのはそこなんです。限られた範囲内でできるだけのことをひとつよく防衛庁からお話を聞いた上で、あるいは国防会議での審議を尽くした上でと言われますけれども、それはある限られたまでのことであって、しょせんは、それから先はいわば極端な言い方をいたしますと、防衛庁の言うなりというようなことにもなりかねぬのじゃないのか。本当に今日、どれくらいの継戦能力あるいはいろいろな兵器、弾薬、そういったようなものについての保有というものがあるかということをわかってからのものと、そうでなくていまおっしゃるようなことでは、本当のシビリアンコントロールが機能するのかどうか、そこのところを私は聞いているわけです。

松下康雄大蔵省主計局長

○政府委員(松下康雄君) 防衛庁の予算要求の際の御判断は、国際情勢の置かれました現実の中での、防衛庁として必要とお考えになる種々の装備でございますとか、その他日常的な経費でございますとか、これらを御要求をなさるわけでございますけれども、私ども財政当局の立場といたしますれば、各省のそういう御要求をそのまま集めましたのでは、歳出歳入が突き合わないことになりますので、そこに現在の財源上の限度、制約というものを念頭に置きながら、改めて防衛庁予算その他の予算全部を俎上に上げまして、その中で節減をするべきものはないかということを検討した上で全体の予算規模が決まってまいるわけでございます。そのような見地から申しますと、いわば国民の負担力というようなものを念頭に置いて、防衛庁のお考えの中に一つのチェックが行われるという点で、私どもの財政当局としてのシビリアンコントロールの一つの貢献というものがあるのだと考えでございます。

中野鉄造公明党・国民会議

○中野鉄造君 私は余り釈然としませんけれども、時間の都合もありますので次へまいります。  政府は、五十七年度の税収見込みを前年度に比べて一三・四%の伸びと見込んでいるようですが、これは五十六年度の当初予算に比べてでありますし、補正後に比べるとこれは一五%を超える数字になるのじゃないかと思いますし、仮にもし五十六年度の税収不足が、巷間言われているように一兆円を大幅に超えるというようなことになれば、当然一七%以上の増収がないと五十七年度の税収見込みに達しないわけですが、その辺のところのこの五十七年度の税収が見込めますか。

福田幸弘大蔵省主税局長

○政府委員(福田幸弘君) お答えします。  五十六年度については十−十二月期の実質成長率のダウンという問題がございます。しかし、その内容を見ますと、内需の伸びという面もございますし、また、一−三月がどうなるか、また、日銀の短期景気観測によりますと、五十六年度下は伸びるというような数字もございます。  また、われわれ税金を見ておりまして、大法人のところの税収はわりにいいのがここのところ続いていますが、今後どうなるかわかりません。物品税も二割方の伸びがありますが、いずれにしましても五十六年度についていろいろ懸念材料はございますが、補正後の数字をどう見直すかというところの確たる数字がない。そうしますと、経済見通しも実績見通し、五十六年度変わっておりませんし、五十七年度その前提で置かれています以上、われわれとしましては、税収は五十七年度についても予算に掲げられている数字以外の数字を考えることができないという現状でございます。

中野鉄造公明党・国民会議

○中野鉄造君 いずれにいたしましても、この五十七年度へのベースだとか、あるいは発射台と言えるのがこの五十六年度でありますし、五十六年度の税収が落ち込めば当然次の階段はさらに高くなるということは、これは目に見えております。少なくとも今回の税収の落ち込みというのは、昭和五十年の第一次オイルショック以来の巨額の不足額になるんじゃないかと思いますし、過日の本委員会における同僚の大川委員の質問に対して大蔵大臣は、税収不足額は税収決算年度の五月末にならないと税収の正確な見通しは困難だと。したがって、そういう仮定に立ったところの数字は言えないといったような意味の御答弁がありましたけれども、しかし、私思いますのに、仮定と申しましても、仮定も仮定ぶりで、それこそ夢想だにしないような仮定だってありましょうし、まあ六〇%ないし一〇〇%は起こり得るというような仮定もあり得るわけですけれども、今回の場合はこの後者のわけだと私は思いますし、その点いかがですか。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 私も実は心配をしておるのです。決してここで自然増収が出る、よけいに剰余金が出るとはひとつも思っておりません。  ただ、三十兆からの話でございますから、その中で数%違っても何千億ということであって、なかなか正確に見通すということはいままでも非常にまれでありまして、多いときは前後二〇%食い違い、普通一〇%から五%の間の食い違いは毎年出ておるわけです。したがって、正確なことはいまの段階で言えないけれども、心配はしておりますということは申し上げたいと思っております。

中野鉄造公明党・国民会議

○中野鉄造君 わが国の財政法では財政の赤字決算ということは許されないということになっておりますが、このような膨大な税収不足が起きて、そして出納整理期間に入って、もし赤字になったような場合に、決算調整資金と言われるようなお金は約三千億足らずじゃないかと思いますが、その程度の穴埋めの金は工面できたとしても、ほかにどういう方法があるのか。  そこで、お尋ねしたいのは、わからないといういまの御答弁でもありましたけれども、大体、現在合法的に処理できる五十六年度の税収不足類、おおむねこれは補正予算を含めてどのくらいでしょうか。

福田幸弘大蔵省主税局長

○政府委員(福田幸弘君) 五十六年度の税収不足と申しますのは、繰り返し申し上げておりますように、四千五百億という補正を立てたというのは、五十五年度の決算のところで二千八百を切る二千七百六十三というものがございましたので、その後のまたそれを回復し切れるかという推移を見ましても、物価の安定と、それからやはり景気の低迷というようなこともありましたので、補正があった方がやはり既経過分としては正しいというので補正を立てたわけであります。その後の推移は、いろいろなプラス、マイナスの上に、特に経済の低迷が長引いておるという問題がございます。それから為替の問題もございます。いろいろございますが、三月決算が残っております。それから確定申告は終わっておりますけれども、これは来月下旬にならぬとわかりません。それから三月期決算は全税収の中でも一割を占める、法人の三割を占めますので、これが五月に入ってきますのが七月の初めにならぬとわからぬという仕組みになっていますので、見積もりでございますので、できるだけその時点でやっておりますが、そういう意味で、やはり見積もりとしてはほかの確たる置きかえる数字がないという意味でのいまの数字で御説明しておるわけでありますので、幾ら欠損が立つという前提というか、その数字は申し上げにくいということを率直に申し上げておるのでございます。

中野鉄造公明党・国民会議

○中野鉄造君 先ほど大蔵大臣も非常にこの件については心配をしている、こういうことなんですけれども、先ほどお尋ねいたしましたように、その処理の方法、心配をしておられるようなことが現実の問題となってきた場合のその処理の方法、いかがでしょうか。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) それはまあたてまえ論を言うといってまたしかられるかもしれませんが、やっぱりたてまえ論は言わなければならないわけでありまして、予算も上がらないうちにどうするのだと言われてもなかなかできない。しかし、これはやはり行政に支障がないように処置は必ずします。それは手段方法はございます。

中野鉄造公明党・国民会議

○中野鉄造君 財源もありますか。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) それは緊急避難的な財源もございます。

中野鉄造公明党・国民会議

○中野鉄造君 その緊急避難的財源というのはどういう性格のもので、どのくらいありますか。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) それは財源というよりも、やはり現実に支払いはしていかなければならぬわけですから、もしそういう問題が出た場合、歳出をいまから数千億切り詰めるというようなことは不可能、もう年度は過ぎているわけですからね。したがって、それについてはどんなことをしても、やはり歳出を守っていくための処置は講じなければならない、そう考えております。

中野鉄造公明党・国民会議

○中野鉄造君 その緊急避難的財源というのは、国債費の積み立てということですか。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) それはもしそういうような事態が起きれば、仮定の話ですから、これはどこまでも前置きがあるわけですからね、普通ならば私はたてまえ論だけしかお答えをしないわけですから、しないけれども、せっかくのお尋ねでございますから、仮定の仮定の問題とした場合においては、それはそのまま放置することは許されないわけですから、政府としては責任を持ってそれはやっぱり始末をつけなければならぬ、そういう意味で、別に隠し財源とかそういうものではございません。法律に定められた範囲の中で、そういう異常の場合は異常の処置をとらざるを得まい、そう考えております。

中野鉄造公明党・国民会議

○中野鉄造君 だから、いま言うように国債費の積立資金の中からですか、そうでないですかと聞いているのです。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) それはそういうものも含めていろいろ検討さしていただきます。

中野鉄造公明党・国民会議

○中野鉄造君 いまの大臣の御答弁にも関連しますので先につないでいきます。  経企庁長官にお尋ねいたしますが、長官はいままでいろいろな会合の席で、いまや景気は底離れをしたということをよく言われてまいりました。しかし、底は離れたかもしれませんけれども、一向にこれは浮上してこない。また本委員会でも、景気は緩やかに上昇してきているということも言われましたし、きょうの午前中もそういうようなお話をされておりましたけれども、これもまた余り緩やか過ぎてしまって全然わからない。なるほど物価はある程度落ち着いたかもしれませんけれども、個人消費は政府の言われるようにこれと並行はしない、伸びない、これが現実ではないかと思いますが、いかがでしょうか。

河本敏夫自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(河本敏夫君) 内需につきましては、指標の示すとおり緩やかな回復過程にあることは事実だと思うのです。ただ貿易が昨年の秋から急速に落ち込んでしまったと、こういうことのために全体としての経済はいまマイナス成長になっておる、こういうことでございます。

中野鉄造公明党・国民会議

○中野鉄造君 きわめて素朴なお尋ねをいたしますけれども、経済というものは買う人がおって初めてこれは成り立つわけですけれども、もういま何せ個人がなかなか物を買おうとしない。買うような気を起こさせる、あるいは住宅投資への意欲を起こさせるというようなことは、これはやはり減税が一番手っ取り早い道ではないかと思うのですが、今度は逆に、減税をしなかったら一体どうなるでしょうか。景気は上向くでしょうか、それとも税収は伸びるでしょうか、いかがでしょうか。

河本敏夫自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(河本敏夫君) 自由に使えるお金があれば消費もふえますし、住宅も建つということでありますが、自由に使えるお金がふえないというところに一番の原因があるわけであります。

中野鉄造公明党・国民会議

○中野鉄造君 きょう午前中の質疑の中でも、大蔵大臣は同じ金額であれば公共事業費の方が効果的だと、そういうようなことを言われました。公共事業費の前倒しということは、これはある程度効果はあると思います。    〔理事土屋義彦君退席、理事井上吉夫君着席〕 しかし、それも建設部門の関連産業には活性化があらわれるかもしれませんけれども、景気というものはそればかりではやはりだめだと思いますし、国民が肌身に感ずるようなムードづくりというか、それが一つの欠かせないことじゃないかと思うんです。  たとえばですよ、この間のある新聞にこういうことが書かれております。宮澤官房長官は、予算案の年度内成立を考えると、大切なときなので発言に十分気をつけていただきたいと各閣僚に念を押したとか、あるいは竹下自民党幹事長代理は、補正予算につながるような発言を本予算案の審議中にした人は明治以来大臣にしないことにしているとすごんで見せた、こういうふうなことを書かれておりますけれども、こういうことは、しょせんは予算の審議中にいたずらに国民に不安を抱かせるようなことがあってはいけないという配慮からのことじゃないかと思うんです。であるならば、私先ほどから申しておりますように、その逆をいっている。減税をして大盤振る舞いというようなことでなくても、国がそれだけの親心を示していくということは、景気浮揚策にもつながっていくことじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 私は減税が景気に効果がないとは言っておらないのです。減税は景気に効果が私はあることはあると思いますが、問題は効果の程度の問題を言っているわけでありまして、仮に景気を上向きさせるような減税をするということになれば、かなりの規模の減税でないとそれは効果が非常に薄い、問題はその減税をする財源を見つけるのにどうするかというデメリットの問題が一方あるわけですから、メリット、デメリットというもの両方考えて決定をしなければならないと、そういうことを言っているわけであります。

中野鉄造公明党・国民会議

○中野鉄造君 すぐ財源のことになってくるのですけれども、この減税のための財源というのは、今日まで同僚の委員からも、あるいは各党からすでにいろいろな案が出されてもおりましょうし、あるいはこれまでの臨調答申の中でも、この部分からはもう少し取れるはずだと言われているにもかかわらずそのままになっているというのもありまずし、あるいは資金運用部資金からだって、これは幾らか回せるということもできるかもしれませんし、先ほど大蔵大臣がいみじくもおっしゃった公債費の積立資金の中からだって、目的外に使おうと思えば使わせるような御発言があったのですけれども、そういうようなことの中からでも減税の財源というものは捻出できるかもしれない。  それといま一つは、私申し上げたいことは、効果があるとか効果が薄いとか言われますけれども、減税でも一律方式をなさろうとするから、非常に効果が平均化して下がってしまうというようなことになるのではないかと思うんですが、ある一定以上の高額所得者には、なるほど減税というものはこれはもう非常に効果は薄いと思います。そうではなくて、ある一定の線を引いて、限られた金額で最高の効果を出すというようなそういう策はできないものですか。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 日本の場合は、所得税は比較的所得の低い階層には非常に低くなっておるのです。たとえば、月給約二十万円の収入、二十万円程度の人ですと、子供二人で月千五百何十円です。全部なくしても千五百何十円。賞与をもらって三百万だといたしましても、約六万円しか一年に納めていませんから月五千円ということですね。したがいまして、たとえば、一カ月千五百何十円所得税を払っている人は、健康保険料などは大体八千円ぐらい払っているでしょう。税率は約二十万の八%一万六千円の二分の一が本人負担ですから。下の方はむしろ所得税よりも——保険料とか年金の積立金、これは約一〇%ですから、二十万の人は月大体折半で二万円ぐらいずつ納めることになります。むしろ、そういうふうな所得階層の低い方は、減税をしてもその減税の効果が非常に少ないことも事実なわけです。  したがいまして、問題は、そういうところでもそれは三百万の人は千五百円が大変なんですよと、二千円は大変なんですよという考え方もちろんございます。ございますが、全体的に見ると日本人というのは非常に貯蓄心が強くて、去年一年間の金融資産の個人の増加というのが三十五兆あるわけですね。一方においては非常に生活が苦しいと、可処分所得がふえないと言われながら、金融資産が現実に三十五兆ふえてしまったことはもう記録上はっきりしているわけですから、中身はだれがふやしたのか貯金したのか知りませんけれども、問題は、非常に暗いよ暗いよと言うと、みんな警戒して貯金をしてしまう。耐乏生活をしてでも、生活をちぎっても、節約してでも貯金するという傾向が日本人は非常に強いのですね。したがいまして、それとの関係というものもございますから、私はあえて明るい話をしているのです。私が先に立って暗い話をしてしまったのでは、ますます財布のひもを縛ってしまって消費支出が伸びなくなってしまっても困る。でございますので、減税問題についてはいずれ、国会でこれだけ問題になっておるものでございますから、財源の問題も含めて五党の代表者が集まって長中期的にかけて減税問題を議論して結論を出していこうというせっかくの申し合わせができて、それに基づいて議長裁定というものが行われたわけですから、その経過を見守りたい。われわれ政府側としても、そこでいろいろな予算の資料の御要求等があると思います。それについては積極的に協力をしていくということを申し上げておって、予算が成立した暁においてはなるべく早い時期からスタートさせるというわけですから、もうそう長い時間の話ではないので、その経過を見守りたいし、それを尊重していきたい、そう政府としては考えておるわけです。

中野鉄造公明党・国民会議

○中野鉄造君 いまもおっしゃったように、とかく貯金にお金が回ってしまうということでございますけれども、よしんば貯金されたとしてもそのお金は凍結されるわけではないのですから、いずれは流通に乗って流れるお金でもありますし、とにかく減税ということは、先ほどちょっと申し上げましたけれども、その財源等も絡めて本当にやろうというお気持ちさえあればこれはできるはずだと私は確信いたします。  そこで、最後に経企庁長官にお尋ねいたしますか、いまだかつてないような中小零細企業の倒産が相次いております。この中小零細企業の消費者依存度というものはこれはもう六〇%である。大企業の場合の消費者依存度というのはわずか一六%にすぎない。そのために景気の落ち込みによって、先ほどからも申しておりますように相次ぐ倒産がいろいろ起こっておりますけれども、それをよそ目に大企業の方では、徐々にではありましょうが設備投資が伸びておる。伸びることを決して私は悪いとは申しませんけれども、しかし、中小零細の方は伸びるどころか、ほとんどこれは動かない。こういうような現況の中で、いままで経企庁や開発銀行あたりのいろいろな調査というのがややもすれば大企業中心にとらえられているというような面が多いわけですけれども……

井上吉夫自由民主党

○理事(井上吉夫君) 中野君、時間が参りました。

中野鉄造公明党・国民会議

○中野鉄造君 この点についてひとつお尋ねいたします。  それと、産業間の跛行性が大きいということ、つまり加工組み立て型産業と素材産業、あるいは地域間の格差が目立つわけですけれども、この辺の対策をいかにお考えになっていますか。

河本敏夫自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(河本敏夫君) 中小企業が消費それから住宅と非常に大きな関係があることは御指摘のとおりでございます。消費が落ち込めば中小企業の状態が悪くなりますし、住宅が落ち込めばこれまた中小企業の状態が悪くなる。  そこで、ことしの経済見通しの中で非常に大きく狂いましたのは、中小企業の設備投資が予定よりも相当落ち込んだということでございます。ある程度は進んでおるのですけれども、予定ぶりも十数%落ち込んだと、こういう感じがいたします。ここにやはり非常に大きな現在の経済情勢の問題点があろうかと、このように判断をいたしております。

中野鉄造公明党・国民会議

○中野鉄造君 終わります。

井上吉夫自由民主党

○理事(井上吉夫君) 次に、田代富士男君の質疑を行います。田代君。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 私は、造幣局の電気銅の入札について最初にお尋ねいたします。  大蔵省造幣局の買い入れる電気銅の入札の仕方はどうなっているのか、会社名等明確にしてお答えいただきたい。

山田選大蔵省造幣局東京支局長

○説明員(山田選君) お答え申し上げます。  造幣局で購入いたします電気銅地金の調達方法でございますが、長期的、安定的に調達をする必要があるということ並びに当然ながら公正な方法によらざるを得ないということでございまして、種々研究、検討を行っておりまして、過去二、三の移り変わりがあるわけでございますが、現在は五十二年七月末の契約以降でございますが、指名競争入札によっておるわけでございます。現在の指名業者いわゆる産銅七社でございまして、七社名を申し上げますと、順不同で申し上げますが、三井金属鉱業株式会社、日本鉱業株式会社、住友金属鉱山株式会社、三菱金属株式会社、同和鉱業株式会社、古河鉱業株式会社、日鉄鉱業株式会社、この七社でございます。いずれも大阪で契約いたしますので、窓口は大阪支店なり、大阪支社ということになっております。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 入札の結果はどうなっているのですか。

山田選大蔵省造幣局東京支局長

○説明員(山田選君) 恐れ入ります、制度を先に申し上げさしていただきますが、こういうことでございます。五十六年の一月、政府調達の門戸開放に関します特例政令が施行されておりまして、それ以後は官報に公示をいたしました後、所定期間内に入札参加を求める新しい業者——海外を含むわけでございますが、これについても広く参加の道を開いてきているところでございます。  競争入札の結果でございますが、電気銅の入札におきましては、事実上応札者全員が同値で、月間平均建て値でございますが、これで応札をいたしておりまして、したがいまして、落札者の決定については厳正な抽せんを行ってこれを決定しているという実情でございます。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 大蔵大臣、ただいまこれは指名競争入札といったてまえをとっているけれども、同一価格の入札になっている、抽せんする、これはなぜそういうことになるのですか。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 私もいま初めて聞いたことでよくわかりませんので、事務当局から説明させます。

山田選大蔵省造幣局東京支局長

○説明員(山田選君) お答え申し上げます。  この電気銅地金、これの取引に関しましては過去二十四年、統制撤廃以来でございますが、建て値による取引というのが業界の確立した商慣習になっておるという実情がございます。御承知かと思いますが、ロンドンのLME相場、これをもとにするものだと思われますけれども、世界各国におきましてその国のトップシェアの会社がプライスリーダーとなりまして建て値、販売価格を決定いたしまして、これに各社が追随するというふうなことが行われておるわけでございます。わが国におきましても、そういうことで、日本鉱業が発表する建て値で、かつ月間との時点で購入をいたしましても、最終的には月間平均建て値で取引が行われるということが慣行でございます。したがいまして、造幣局におきます入札に際しましても、各社その月間平均建て値で応札をしておるという実情でございます。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 おかしいじゃないですか、大蔵大臣も知らなかった、こういうことがなされているということを。いま私も知らないと言う、事務方に聞いてくれと言う。  そこで、公正取引委員会にお尋ねしますが、電気銅の業界から価格協定を行ってよろしいかとの申請が行われているのか、いままでに。また、それに対して許可を与えてきたのか。  さらに、この電気銅の販売価格に競争性がないことについて公取の見解をお伺いしたい。

橋口收公正取引委員会委員長

○政府委員(橋口收君) 電気銅の問題につきまして、不況カルテルまたは合理化カルテルの申請はございませんし、また認可したこともございません。    〔理事井上吉夫君退席、委員長着席〕  先生のお話の中に価格カルテルというお言葉がございましたが、違法な価格カルテルについて認可をするということは、これは法律上あり得ないことでございますし、不況カルテル、合理化カルテルは合法的なカルテルでございますが、これについては認可の申請はございません。  それから、造幣局の購入する電気銅価格の問題につきましては、五十三年に参議院の決算委員会で公明党の黒柳先生から御質問がございまして、それに基づいて当方としても措置をとっておりますが、その点につきましては、御質問に応じてお答えをいたしたいと思います。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 だから大臣、いまの公取委員長の御答弁からどうお考えですか。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 非常にむずかしい問題でございます。よく勉強いたしまして、どういうふうなやり方が一番いいのか検討さしていただきたい。  政府の購入するものによくそういうのがあるんですね。私が農林大臣のときなども、小麦ですね、小麦のやっぱり入札というのをやるんですがね、これは莫大な金額です、数量があれなものですから。これなどもやっぱりシェアがあって、そこで安いからといって全部落とすわけにいかないということで、大体制限がやっぱりあると、それには聞いてみると、それを安いからというだけでやろうとすると、いろいろな別な弊害が出てくるというようなこと等も聞きました。この問題についてはどういうような、本当に安い物順というものはどういうところに問題があるのか、私、よく勉強しておりませんので、せっかくいいお話を教えていただいたわけですから、十分検討をして納係得のいくようにしたいと思っております。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 改善しますね。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 検討さしてもらいます。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 五十二年の一月ごろのドル減らし対策に際しまして、商社を通じて電気銅を購入したときは、ただいま話が出ております建て値より安く購入することができたと思いますが、どうですか。時間がありませんから簡単に答えてください、要領よく。

山田選大蔵省造幣局東京支局長

○説明員(山田選君) 御質問の契約は、ドル減らし緊急対策の一環として緊急輸入をするということで、五十二年の十二月にその輸入につきまして当局の資格審査を経た業者のうち、非鉄金属の輸入について実績のある五商社による指名競争入札を実施したわけでございますが、このときは海外市況が高いということもございまして、結局不調に終わったわけでございます。その後、その翌月、五十三年一月でございますけれども、やはり緊急に輸入すべきであるという要請のもとに、前回低い方の価格をもって応札した商社二、三と内々に折衝いたしました。そのうち一社だけがようやく国内販売価格にして、これはトン当たり五百円程度でございますが、有利な価格で契約できるという見込みがあったと、かつ一方、納期は当然同年度中、三月末までに納入してもらわなければいけませんので、納期等との関係で緊急に契約を締結する必要があったということで、当該商社と随意契約により購入することとしたわけでございまして、その結果は、結果的には当時の国内建て値よりは若干安い金額であったということでございます。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 ただいまの答弁にありますとおりに、建て値より安く購入された、検査院はこの問題について検査をする余地があるのではないかと思いますが、どうですか。

丹下巧会計検査院事務総局第五局長

○説明員(丹下巧君) 電気銅の購入問題につきましては、五十二年の夏以来いろいろ黒柳議員からも御示唆がありまして検査を進めてまいりまして、従来輪番制による随意契約であったものが現在のような形になったわけでございまして、その後五十六年の一月から入札公告を出して現在のような形になっているわけでございます。今後、現在の産銅七社からさらに指名の相手をふやすかどうかといったふうな問題、あるいは予定価格をどうするかというふうな問題があるわけでございますけれども、これまでの経緯を見ますと、ある量を安定的に輸入するには建て値をとるのが適当であるというふうな形で造幣当局からの説明を受けておりますし、私どもといたしましても、一応それを理解いたしまして推移しているわけでございますけれども、今後いろいろな問題をさらに検討する余地はあろうかと考えておりますし、そういう点で、今後の検査の中で生かしていきたいというふうに考えております。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 大蔵大臣も改善すると言っていますから、会計検査院もう一度確認しますが、検討する余地ありますかどうか、はっきりしてください。

丹下巧会計検査院事務総局第五局長

○説明員(丹下巧君) 御趣旨の点をよく考えまして、さらに検討したいと思っております。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 検討しますね。

丹下巧会計検査院事務総局第五局長

○説明員(丹下巧君) はい。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 大蔵省として、海外からの電気銅の輸入をすることによって財政支出の軽減化が可能となりますけれども、この点どうですか。

山田選大蔵省造幣局東京支局長

○説明員(山田選君) 私どもといたしましては、何度も申し上げて恐縮でございますが、長期的、継続的かつ安定的に所定の電気銅を購入したいわけでございまして、その場合におきまして、その都度海外からの輸入に頼るということは、いわゆるスポット買いにならざるを得ない。つまり長期契約でということでなければ、なかなか輸入というのに頼ることがむずかしかろうという点がございます。かつ、これも先ほどちょっと申し上げましたように、商社等についても指名競争に参加の門戸は広く開いておるわけでございますが、現在までのところその実績がない、こういう状況でございますので、まあわれわれとしては、現在の方式がわれわれの目的にはかなうものというふうに考えておりますけれども、御指摘の点を踏まえまして、従来からも検討いたしておりますが、さらによい方法について検討は続けてまいりたいと、かように考えております。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 いまの大蔵省の説明は長期的、安定的購入のためにということでございますが、そうしなければ不安があるという説明ですが、これおかしいじゃないかと思うんです。なぜかと言えば、銅及びその原料鉱石等は大半を海外から求めているわけでございまして、一度だって国内で需給逼迫したことはいまのところ余り聞いておりません。石油を例にとりましても、あの紛争地域を含む中東から相当に安定的に購入をしているわけでございます。だから、いまの説明では長期的、安定的に購入するためにと言いますけれども、それはおかしい。だから、産鋼業者が本当の意味で競争するならば、銅精錬などの技術革新あるいは輸入の適正化等の努力が生まれてきまして、したがって、より廉価購入も可能になるのではないかと思うんです。これは事務方じゃなくして、大臣どうですか。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 技術的なことは私、余りよく知らぬものですから、よく勉強さしていただきます。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 まあ勉強、勉強ですけれども、これまたいずれ御返答もらわなくちゃならないと思いますが……。  そこで、戦後ずっと銅については二本建て値の取引が行われまして、造幣局はこれでおさめてきたわけなんですが、公取委員会は、やみカルテルで一度もこれを調査していないけれども、どうしてしなかったのか。まあ私は、いまの短い質疑でございますから、これを通じましても改善する、主管大臣はそう言っておりますけれども、公取としての対処はどういたしますか。

橋口收公正取引委員会委員長

○政府委員(橋口收君) 先ほどもちょっとお答えしたのでございますが、五十三年に黒柳委員から御指摘をいただきまして、造幣局に対する産銅七社の納入価格が全部同じである、そこにやみカルテルの存在が推認される、こういう御指摘をいただきまして、私どもの方も調査をいたしたわけでございますが、先ほど大蔵省からお答えがございましたように、ロンドンの国際相場の写真相場を援用しておられるわけでございますから、これは七社の間で企業努力によって差等が出ても私は差し支えないと思いますが、しかし造幣局の方の予定価格をどういうふうに設定しておられるのか、それとも関係がございます。したがいまして、価格がそろっているという理由だけで、そこに同業者の意思の合致があって、いわゆるカルテルがあるというふうに断定することは、これは適当でないと思われるわけでございまして、先ほど申し上げましたように五十三年に調査をいたしまして、造幣局に対しましては、いまよりよりよい方法があるかないかを検討してほしいということを言ったわけでございまして、私どもがそういうことを申しました中で、はっきりは申しておりませんが、いまも議論がございましたように、たとえばスポット買い等につきまして、もっと勇敢にやってみたらどうかということも一つ私どもの頭の中にございました。ただ、長期に安定的に確保するということになりますと、公務員のあり方としまして、なかなか勇敢にスポット買いというよう店ことはできにくいという体質が本質的にあるのじゃないかという感じもするわけでございまして、しかしいずれにしましても、二回にわたってそういう御指摘をいただいておるわけでございますから、先ほど来お話がございました、いまよりよりよい方法、価格が敏感に動くような納入の方法につきましても、さらに十分検討していただきたいという感想を持っております。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 こういうことを通じまして、被害者は造幣局であると私は思うわけなんです。造幣局は被害者として当然提訴すべきではないかと思いますが、なぜ提訴をしないのか、官庁同士ということで、まさしく親方日の丸ではないかと思いますけれども、この点どうでしょうか。

山田選大蔵省造幣局東京支局長

○説明員(山田選君) ただいまのは、やみカルテル等についての提訴ということでございましょうか。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 そうです。

山田選大蔵省造幣局東京支局長

○説明員(山田選君) 私どもといたしましては、造幣局に対する入札の価格が同じであるということだけをもって、やみその他カルテルであるというふうに考えることもできない。それから、先ほど公取委員長から御答弁がございましたように、五十二年当時カルテルがあるというふうには確認できなかったという御趣旨もございますので、提訴をするという予定はございません。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 大臣どうですか、それで質問を終わります。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 先ほどから言っておりますように、いままでのところは別にやみカルテルとは考えられないということだけれども、どういうふうないい方法があるか、引き続き検討をしたい。  また、国際的にどこへ行っても値段の同じようなものは、どれぐらいそこから下げるといっても下げられるのか、それが継続できるのかという問題もございますから、いろいろ複雑な問題を含んでおると思います。十分に検討させていただきます。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 じゃ、質問次に移します。  行革についてお尋ねいたしますが、きょうの朝刊等の一部の報道によりますと、行革の基本答申について一括法案見合わせ、抜本策は来年へ延ばしたいという報道記事がございますし、これが自民党の総裁選挙絡みというようなことが言われておりますが、総理及び二階堂幹事長ら自民党首脳も一致しているというようなことが報道されておりますが、私は、総括質問の折に分割案という考え方が出ているかどうか、また後退した行革への取り組みの姿勢を正すべきであると質問をいたしました。総理は、臨調のお出しになる答申は最大限尊重し、国民の関心の高い、新鮮なうちに実行に移すと明言されましたし、また中曽根長官は、総理と中曽根長官御自身と私との三者の決意は同じであると、ここで確約をしているわけなんですが、この報道に関する長官の御見解と、行革への決意をお尋ねしたいと思います。

中曽根康弘自由民主党行政管理庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) 先般、田代委員にお答えしたことは、いまも少しも変わっておりません。新聞記事は何らかの、私の方から見ますと事実と違った報道ではないかと思います。  臨時行政調査会は、ただいま七月の答申に向かって大体の枠組みを決めておる最中でございまして、まだ決まったという段階でもございません。きょうあたり一番皆さん御議論なすって、まとめておる最中でございます。その答申を得次第、既定方針に基づきまして、これを最大限に尊重して、できるだけ速やかにこれを実行に移す、そういう考え方を持っておりまして、この点は総理も私も微動だにもいたしておりません。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 次に、景気の問題でちょっとお尋ねいたしますが、景気と減税の関係ですが、最近、蜃気楼景気という言葉が産業界に流行し始めておりますが、この蜃気楼のようなのがただいまのわが国の景気で、回帰期待を裏切られどおしという状態ではないかと思いますが、これに対してどうお考えになっているのか。  政府が発表した国民所得統計の十月−十二月期の成長率がマイナスになるという、実に七年ぶりに落ち込んでいることは御承知のとおりでございますが、国民の皆さんは景気が一段と悪くなるのではないか、悪くならないまでも底をはって、回復感を持てないのではないかと心配していますけれども、経企庁長官、どうお考えになっているのか。そのとき私が質問したときの前提は、五十六年度経済成長率は、政府の実績見込み四・一%が達成されるということであったわけでございますが、十二月期成長がマイナスで、一−三月期も多くを期待できないところか、実績見込みの四・一%成長は不可能になります。そうなると、発射台が下がったところから五十七年度政府見通しの五・二%を上げなければならなくなる。そうしますと、昨年暮れに決めたこの政府の経済運営の基本的態度及びその中にうたわれております政策上の上積みが当然必要になりますけれども、この点どうでございましょうか。

河本敏夫自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(河本敏夫君) 第三・四半期の国民経済統計、マイナス成長になっておりますが、この一番大きな原因は、輸出関係が急速に落ち込んだということでございます。外需の関係がマイナス一・三%、これまでずっと外需がプラスで、しかも相当大幅なプラスでございましたが、それが急速に大幅なマイナスになったということでございます。  内需の関係では、民間経済は在庫調整もほぼ終わりましたので、やや引き続き回復の方向に進んでおりまして、プラス〇・七%という数字でございます。公的需要につきましてはマイナス〇・三、それを全部総合しましてマイナス〇・九%の成長ということでございまして、私どももこの情勢を非常に厳しく受けとめておりまして、いま事態の推移を見守っておるということでございますが、さしあたっては五十七年度の公共事業並びに公的住宅の事業量を上半期にできるだけ、技術的に可能な限り最大限前倒しをしたいということをいま進めようとしております。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 もう時間がありませんから……  景気は人々の心理的な効果によりまして影響を受けると言われておりますが、新たな施策が上積みされる、検討されるということは、心理的に明るい影響を与えるのではないかと思うわけなんです。景気が失速したり、経済が非常に低い成長に陥ったりしては財政再建も内需拡大も元も子もなくなってしまうわけでございまして、国会は衆議院大蔵委員会に小委員会を設けて検討するとなっておりますけれども、これまでの答弁では、政府はこの結果を見守るといった態度、それだけであります。しかし、景気動向、国民の心理的効果を考えますと、政府も国会と一緒になりまして減税の可能性を研究、検討することが大事ではないか、その時期が来ているのではないかと思いますが、そういう意味におきまして、減税を検討、研究課題にすべきであると思いますが、経企庁長官、大蔵大臣のお答えをいただきます。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 五党の取り決めによって決められた問題について、政府としても資料の提供その他積極的に協力をいたしたいと思っております。

河本敏夫自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(河本敏夫君) 大蔵大臣がお述べになったとおりでございますが、政府はこれまでは減税問題については一応の見解を持っておりましたが、しかし、大蔵委員会の五党の協議を最優先すると、そういう方針を決めておりまして、権威者のそろっておられます大蔵委員会において国民経済全体の立場から、私は有益な結論、効果的な結論が出ることを期待しております。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 参議院の検討はどうするんです。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) これは、衆議院、参議院ということでなくて政党間の話でございまして、政党政治でありますから、その五党の政党の話というのは、やはり衆議院、参議院と、両方共通の私は話じゃないかと。ただ、便宜上、衆議院にそういうものを置いてやろうということで五党間でこれは決まった。政府が指図をしてどうとかこうとかいった問題ではございませんので、五党間の協議を政府が尊重していくということでございます。

田代富士男公明党・国民会議

○田代富士男君 終わります。

植木光教自由民主党

○委員長(植木光教君) 次に、沓脱タケ子君の質疑を行います。沓脱君。     —————————————

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 最初に、建設大臣にお伺いをしたいと思っておりますが、今日、二十四兆に及ぶ公共事業をめぐって数々の疑惑が指摘をされております。    〔委員長退席、理事岩崎純三君着席〕 公共事業の入札における談合の疑惑、それから高級官僚がおみやげ工事を持っての天下りの事実、あるいは公共事業の発注に政治家や高級官僚が介入をしているという事実、さらに公共事業費の一部が政界に還流しているのではないかという疑惑などでございます。これらの疑惑に対しまして国民は厳しい怒りと強い批判を持っておるわけでございますが、その理由というのは、結局は公共事業費というのは国民の税金だから、怒りを持つのは当然だと思うわけでございます。国民の税金を談合で配分をしたり、その上、その一部が政治家や特定の政党に還流しているのではもう本当にたまらないということで国民の怒りが広がっているわけでございますが、建設大臣、国民の怒りを当然と思われないですか。

始関伊平自由民主党建設大臣

○国務大臣(始関伊平君) お答えをいたします。  談合行為に対して世間の批判が大変多いわけでございますが、これはただいま御指摘のございましたように、競争入札で受注者を決めるという制度の根幹と矛盾する、相入れないのが談合であるからでございます、一つの理由は。第二に、いまお話にもございましたが、国民の税金を使う公共事業について業者間の話し合いでこれを勝手にと申しますか、分け合うというような形になることが、これは大変不当である、好ましくないと、こういう二つの理由によるものと思います。そして、そういうことの起こりませんように、入札制度の改善その他鋭意努力しておるところでございますが、万一そういうものが起こった場合は、これは、もし、好ましくないという以上に不正であり違法であるということであれば、やはりそれぞれの法律、法規に照らしまして、その法規を行使をする権限と責任のある官庁がこれを取り締まっていくということになるわけだろうと思っております。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 簡潔にお願いします。

始関伊平自由民主党建設大臣

○国務大臣(始関伊平君) それから献金等の問題でございますが、これは、直接国民の税金がそっちに回るというわけのものではございませんので、民主国家体制のもとにおいて許される限度の政治献金が行われるということについては、必ずしも異を唱えるべきではないのではないかと、かように存じております。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 建設大臣がそういう感覚でしかこの問題に対応していないというのはきわめて遺憾だと思います。  公共事業が直接税金を投入していないと言うけれども、借金は天から降ってきた金で穴埋めできるものじゃないんですよ。何を言っているのですか。——そんなことを言ったら時間がなくなるから。  で、社団法人日本建設業団体連合会、いわゆる日建連という団体がありますが、この団体はあの談合の元締めと指摘をされましたいわゆる日本土木工業協会など九団体と、大手の総合建設業者で資本金十億円以上、年間完成工事高百億円以上の会社四十六社を会員としておるわけでございます。いわばわが国の建設業界の最高の団体でございますが、この日建連は建設大臣の認可した法人ですが、日建連の目的及び達成のための事業、これを簡潔にちょっと言ってください。

吉田公二建設省計画局長

○政府委員(吉田公二君) 日本建設業団体連合会は、先生御指摘のとおり建設業界九団体、それから大手の建設業者……

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 目的と事業。

吉田公二建設省計画局長

○政府委員(吉田公二君) 四十六社から成っておりますが、目的といたしましては、建設業界の各業種、階層にわたります産業団体といたしまして、関係団体の協力を保持しまして、業界の公正な意見を取りまとめるということが主たる目的でございます。  業界の運営でございますが、理事会の下に各種の委員会を組織いたしまして、建設業に関します基礎的経済調査活動や、業界に共通いたします重要問題について調査研究し対策を図っていく、そういう目的でございます。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 自治省にお伺いをしたいのですが、日建連加盟の四十六社の政治献金を調べておいていただきたいということを申し上げておきましたが、まず、昭和五十四年度の国民政治協会への政治献金について、建設大手の大林組、鹿島建設、清水建設、大成建設、竹中工務店、この五社についてお伺いをしたい。

大林勝臣自治省行政局選挙部長

○政府委員(大林勝臣君) あらかじめ御連絡いただきました問題につきまして調査をいたしたのでありますが、協会名及び加盟の個々の四十六社からの献金額というふうに承っておりまして、先ほど御指摘でありました五社というふうに限ってなかったのでございますが……

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 言っておいたのだけれどもね。

大林勝臣自治省行政局選挙部長

○政府委員(大林勝臣君) もう一度名前を……

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 頼りないですな。大林組、鹿島建設、清水建設、大成建設、竹中工務店。

大林勝臣自治省行政局選挙部長

○政府委員(大林勝臣君) その五社について早速集計させていただきます。合計でよろしゅうございますか。五社について、それぞれでございますか。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 五十四年度。それぞれ。

大林勝臣自治省行政局選挙部長

○政府委員(大林勝臣君) それでは、まず大林組につきましては、五十四年度、国民政治協会に対する寄附は三千三百三十二万円でございます。それから鹿島建設の五十四年度の国民政治協会に対する献金額は三千四百四十万円でございます。それから清水建設は五十四年度が三千四百三十二万、大成が三千五百三十二万、竹中が三千八百七万円になっております。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 そんなもたもたしてもろうたら、もうわずかな時間、困りますがな。だから前もってちゃんと言ってある。  そこで、配付をいたしました資料を見ていただきたい。この五十四年度の国民協会のところを見ていただきますと、これに書いてありますように、I、II、III、IVのグループに分かれているわけですね。いま聞いた五社の献金額がそれぞれ違うんですね。ところが、その金額の内訳を見てみますと、これはいずれも八月三日、二千八百三十二万円というのが全くそろっているんです。そんなところちゃんと調べてくれてないのでしょうね。わからなかったら急いで調べてください。そういうふうになっているんです。調べて後でそのとおりかどうか言ってくださいよ。  この資料によりますと、五十四年度見ていただきますと、Iグループ、IIグループ、III、IVと四十六社が分かれておるのですが、Iグループは五十四年度を見ていただきましたらわかりますように二千八百三十二万円、IIグループは千八百二十万円、IIIグループは千四百九十六万三千円、IVグループは七百四十七万二千円、こういうふうになっていて、四十六社の合計は、五十四年度は五億九千九百九十九万二千円。五十三年度もこれはI、II、III、IVに分かれておりまして、それぞれが金額が決まっておって、そして献金月日も三月二十日、統一をされております。五十五年度もI、II、III、IVということで分かれておりまして、統一金額になっておりまして、そして献金月日は四月八日の分と三月二十一日の分で全部統一をされている。こういうことになっておるわけですが、いま申し上げたことを自治省が調べて確認ができる状態になったら言ってください。全くこういうふうになっておるわけですが、どうですか、いま、わかりますか。わかるかわからぬか、時間がないからね。間違いがないかどうかということがわかりますか。——わからぬ。これはまあ、自治省でこっちが写してきて調べたやつだから間違うておるはずないのだけれども、まあ念のために言っておるわけで、大体調査しておけと言うてあるのに、ちゃんとしとらぬ。  で、こういうふうになっているわけですよ。大臣、資料ごらんになっていますか。これを見て何かお感じになりませんか、建設大臣。

始関伊平自由民主党建設大臣

○国務大臣(始関伊平君) 日建連は民法上の公益法人でございまして、設立の目的を持っておるのでございますが、同時に法人格を持った国民層を構成する一員であると思いますので、国民として認められておる政治献金を出すことについては、これは自治省の監督下にございますけれども、それが直ちに違法であるとは考えておりません。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 違法であるかどうかを聞いているんじゃないですよ。こういうことになっているけれども、あなたはどう感じますかと。まともにちっとも答えないんだね、あなたは。  それで、何でこういうふうにきれいに分かれてちゃんとなっているかといいますと、日建連は十日会という名前を使って経団連からの指示を受けて、その年の献金総額を決定して、加盟各社の資本金、その年の完成工事高などをもとにして、会員四十六社を四つのグループに分けて各社に割り振りをしている。そして自民党の政治団体である国民政治協会、民社党の政治団体である政和協会などに献金をしている事実、こういうことになっているのです。そんなこと知っていますか。知っているのなら知っている、知らなきゃ知らないと明確に言ってください。

吉田公二建設省計画局長

○政府委員(吉田公二君) 日建連は、先ほど申し上げましたとおり九団体の連合会であり、これに個別の企業といたしまして四十六企業が参加していると、こういう組織でございまして、四十六社の団体ではございません。でございますから、この献金をまとめました、いま先生御指摘の、十日会という名前をおっしゃいましたけれども、これは経団連と全く別個の団体でございまして、これは一つの正式組織でございません、任意団体によって構成されているものと存じますが、それがどういうふうな処理をいたしまして政治献金に対する取り扱いをしているか、これは私どもが直接的には監督している問題ではございません。日建連は少なくとも直接関係しているものではございません。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 日建連がそういうことをやっているということは知らないということですか。もう一遍きちんと言ってください。

吉田公二建設省計画局長

○政府委員(吉田公二君) 先ほど申し上げましたように、日建連の組織は九団体の連合会であり、それに個別会員が別途四十六社があるわけでございまして、これの意思決定ではございません。十日会というのは四十六社の団体のように聞いておりますが、その中身は日建連そのものとは別個のものでございます。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 それじゃ、十日会というのは知っているらしいけれど、どういう団体ですか。

吉田公二建設省計画局長

○政府委員(吉田公二君) これは私どもが直接監督している法人ではございませんが、仄聞いたしますところ、四十六社の一つの協議組織としてつくっている日建連と全く別個の団体のように聞いております。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 日建連と全く別個って、あなた、裏と表じゃないですか。会長も専務理事も、事務局も役員も全部一緒で、事務所も同じところにあって、それで裏と表になっているし、一般の人たちは日建連と十日会というのは一緒のものだというふうな誤認さえある。  その事実は、たとえばこういうふうなのがありますよ。これは官報だから自治省また調べてないだろうけれど、五十二年度の官報によりますと、政和協会に対して東京都中央区の日本建設業団体連合会十日会から一千万の寄附をしているというふうなことが記載されていますよね。だから全く裏表の団体なんです。  この金をどういうふうに割り振りをしているかという、さっき言うた四グループに分けたものをどのように扱っているかというと、これは実にうまいことしているのです。資本金と完成工事高によって分けている。しかも、その割り振りを取り仕切っているのは日建連の専務理事の平井学氏だというふうに関係者は言っております。  丸山官房長にちょっと聞きたいのですが、平井さんというのはあなたの大先輩だと思うんですが、御存じですか。

丸山良仁建設大臣官房長

○政府委員(丸山良仁君) 平井専務理事は建設省の官房長を最後に退官された方でございます。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 そういうあなたの大先輩が、この日建連の傘下の四十六社への政治献金の割り振りの取り仕切りをやっておる。どう思いますか。裏と表のかっこうでこういうことをやっているのですが、そういう事実は知っておりますか、建設省。

吉田公二建設省計画局長

○政府委員(吉田公二君) 何度も繰り返して恐縮でございますが、日建連と申しますのは九団体がベースにあるわけでございます。九団体の中にたとえば日本土木工業協会は百七十社というメンバーを持っている、そういう組織でございます。そういう組織の日建連と、それに何と申しますか、各社加入で入っている大手企業、これが合成されたものが日建連でございますので、それと四十六企業の任意団体であるものとは別個の組織だというのはこれは先生おわかりだと思いますが、その十日会と称するものが、私どもは直接存じませんが、それがどういう作用をしているかということについて、直接私どもは監督権を持っておりませんし、内容は存じません。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 内容を知らないんだったら言うておきますが、政治団体だというふうに言われましたね。さっき大臣そう言うたでしょう。政治団体の届け出をしていますか、十日会というのは。

吉田公二建設省計画局長

○政府委員(吉田公二君) その団体につきまして私ども直接監督しているわけでもございませんし、その内容については、先ほども申し上げておりますように内容的には存じません。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 知らぬ存ぜぬと言うたら通ると思うかもしれませんけれども、自治省さっき私言うたのを確認しましたか。大体日建連、十日会というのは同じものだと思っているのですよ、一般的には。政治資金の届け出さえそういうふうに記載されているのだから。そういう裏表一体になっておるような団体の名前を使って政治資金の割り振りをした、吸い上げ機関の仕事をするということが日建連の業務の目的ですか。目的に適合しますか、それじゃ。

吉田公二建設省計画局長

○政府委員(吉田公二君) たびたび申し上げて恐縮でございますが、日建連は九団体がまずペースにございまして、それに四十六社の個別企業が入っているわけでございまして、日本土木工業協会百七十社、建築業協会五十社、日本電力建設業協会八十一社、日本鉄道建設業協会百二十社、日本道路建設業協会三百四十七社、日本埋立浚渫協会二十六社、土地改良建設協会百二十九社、日本海洋開発建設協会五十三社、日本ダム協会百七十一社、こういう多数の企業を持っているそれぞれの団体の連合会でございまして、それに四十六社というものが別途についているわけでございまして、四十六社と日建連とが同じものであるという認識は、通常内容を存じている向きにおいては持っていないと私は思っております。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 だから、違うのだということを一生懸命に言っているのだけれども、私が申し上げているように四十六社で構成をしている日建連の裏組織の形で十日会という名前を用いてそして政治献金を割り当てているわけです。ここに、ある大手の会社に送られた十日会の政治献金の請求書があります。これお手元へ配っていますかな。これを見たら、四十八年三月十五日の日付で、会社名もあったんだけれどもこれはニュースソースの関係で消しているんですが、これは四千万円ですね、国民協会特別会費という形で。富士銀行の口座番号も出ておりますが、現在ではこの口座番号は末尾の八が七になっています。現在もこういうやり方でやられているわけでございます。こういう状態というのは正常ではないわけでしょう。だって日建連の平井専務理事が取り仕切って割り振りしているのだから。そういう点をこれはひとつやっぱりはっきりさせておかなければならないと思うのですよ。吸い上げ機関みたいなものを裏でやっているというのは、日建連はあなた社団法人で建設大臣が認可しているのでしょう。公共事業のもうけ仕事は談合でむしり合うわ、もうけの一部はまた談合で割り振って吸い上げるというふうなことになったんでは話にならぬわけですよ。だから建設大臣はっきりしてほしいと思うのですが、この辺は、私が申し上げた点について、十日会というのはあるのは知っているけれどもよくわからぬ、監督団体でないからよくわからぬというふうにおっしゃっているのですが、こういう日建連の名前で、しかも十日会という名前を使って政治献金を割り振るなどというふうなことはやめさせるべきだと思うのですけれども、どうですか。

始関伊平自由民主党建設大臣

○国務大臣(始関伊平君) 政府委員から繰り返してお答え申し上げておりますように日建連は建設業の団体の連合会でございまして、そのほかに会社の大きいやつが直接会員として入っておるわけでございまして、その構成から申しましても、いま御指摘の四十何社かだけで構成しておる十日会とは全く別物でございます。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 別物だとおっしゃるけれども、事実は裏表になっていて同じ人間がやっている。だから業界で問題になっているのですよ。割り当てに応じなかったら公共事業の仕事はもらえないからやむなく出しているんだと、そう言う人たちも出てきている。だから問題にしているので、これは当然調査をするべきだということを申し上げているのですが、いかがですか。

岩崎純三自由民主党

○理事(岩崎純三君) 時間が参りました。

吉田公二建設省計画局長

○政府委員(吉田公二君) 私ども、建設大臣が許可しております社団法人日本建設業団体連合会については指導し監督しておりますが、任意団体の内容についてまで私どもは調べる権限も持っておりませんし、任意団体がどういうことをやっているかちょっと私ども存じかねるところでございます。

岩崎純三自由民主党

○理事(岩崎純三君) 時間です。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 時間ですから、終わりますけどね、十日会は任意団体であるけれども日建連と裏表の形でやられているというふうに業界でも言われているから、それを調査しなさいと言っているのですよ。はっきりしなさいよ。早く答えてくださいよ。

吉田公二建設省計画局長

○政府委員(吉田公二君) まことに何回も同じことを申し上げて恐縮でございますが、裏表とおっしゃいますけれど、おっしゃる日建連と四十六社の組織とは別物だというふうに私ども思っております。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 じゃ終わります。(拍手)

岩崎純三自由民主党

○理事(岩崎純三君) 次に、柄谷道一君の質疑を行います。柄谷君。

柄谷道一民社党・国民連合

○柄谷道一君 経企庁長官にお伺いいたしますが、日本経済研究センターが三月二十四日、五十八年九月までの十八カ月短期経済予測を発表いたしております。それによりますと、五十六年度の実質経済成長率は二・六%にとどまるであろう。五十七年度も、下期補正で建設国債増発一兆五千億円、四千億の地方単独事業の追加、住宅金融公庫融資枠の二万戸追加など総額約二兆円を上回る対策が半年以内に決定されるものと見込んでも、実質経済成長は三・五%程度である。このようないわゆるドラマチックな政策がとられなければ三%を割るのではないか。そのことによって雇用、税収、貿易摩擦にも悪影響を及ぼす、こう指摘いたしております。これに対して経企庁長官としてどう評価されているのか、まずお伺いします。

河本敏夫自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(河本敏夫君) 昨年の年末に五十七年度の経済見通しを政府が策定をいたしましたときも、民間の権威ある十五の調査機関は政府と異なった見通しを出しておりました。したがいまして、いまお述べになりました研究センターの見通しもそういう民間の見通してございますからそういう見通しもあろうかと思いますが、政府の基本方針は上半期にできるだけ公共事業等公的住宅を繰り上げて執行していこう、そして世界経済もある程度回復をし民間の活力もある程度それに従って回復の方向にいくであろうから、それにつないでいきたい、こういうことを考えておるわけでありますが、もしそのとおりいかないということになりました場合には、ほっておくわけにはまいりませんから、その場合は適切で有効な手段を考えていかなければならぬ、こう思っております。しかしまだ現時点はそういうことを相談する段階ではございませんので、スケジュールだけをそのように考えておるところでございます。

柄谷道一民社党・国民連合

○柄谷道一君 五十七年度の景気につきましては、これから政府が機動的に対応するということによって操作はできるでしょう。しかしもう五十六年度はあと数日で終わりでございます。いまから打つ手は五十六年度の経済成長に影響はいたさないと思うのでございます。三月十二日経企庁が発表した国民所得統計月報が〇・九%のマイナスになったということは多くの委員から指摘されました。年間三・六%の大幅マイナスになっております。  そこでお伺いするのですが、五十六年度の実質経済成長率が一体どうなるのか。これは政府予測の四・一%は絶望的であることは明確でございますけれども、その見通しについて明らかにしていただきたい。

河本敏夫自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(河本敏夫君) 五十六年度の政府経済成長見通しは、現時点でこれを達成することは非常に厳しいと考えております。

柄谷道一民社党・国民連合

○柄谷道一君 厳しいというよりも、もう私は絶望的だと思うのです、  そこで端的にお伺いいたしますが、三%台維持できますか。

井川博経済企画庁調整局長

○政府委員(井川博君) 一−三月の各種の統計がまだ出そろっておりませんし、特にGNPの半分以上を占めます家計調査については一月の分も出ていないような状況でございます。したがいまして一−三月の数字の予測が全然できないという状況でございますけれども、どうも三%の下の方ないし三%前後というのが通常考えられる姿じゃないかと思うわけでございます。

柄谷道一民社党・国民連合

○柄谷道一君 長官にお伺いいたしますが、そのような事実からして昨年十二月の予算編成時に政府が予測した以上に情勢は深刻である、こう受けとめてよろしゅうございますか。

河本敏夫自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(河本敏夫君) そのように考えております。

柄谷道一民社党・国民連合

○柄谷道一君 そうなりますと、そのように一層厳しさを増した日本経済の現況を踏まえますならば、総合景気対策、いわゆる景気てこ入れ策の早期確立が当面の急務になってこようと思います。それをおくらせれば五十七年度の成長率が、政府予測の五・二%を架空のものにするばかりか、三%台をすら割るおそれも生じてくると、こう憂うるものであります。  河本長官は、総合景気対策を打ち出すタイミングを慎重にうかがっておられる。しかし政府首脳の腰はいまだ定まっていない、こう一般に言われているわけでございますが、長官として、総合景気策を打ち出す時期についていつごろをお考えでございますか。

河本敏夫自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(河本敏夫君) 昨年の十二月の予算編成時点と比べまして相当厳しい状態になりましたので、そこで先ほど申し上げましたように、五十七年度の公共事業、公的住宅をできるだけ繰り上げてみよう、こういうことを決めたわけでございますが、全体としての考えをどうするかということにつきましてはまだ政府部内で意見は固まっておりません。

柄谷道一民社党・国民連合

○柄谷道一君 それでは、景気対策の一つとして去る十六日の閣議で公共投資のいわゆる前倒し、過去最高の七五%以上にしたいと大蔵大臣は述べられてこれが閣議で了承されたというふうに伺っておりますが、大蔵大臣、そのとおりでございますか。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) そのとおりであります。

柄谷道一民社党・国民連合

○柄谷道一君 河本長官はその閣議の後の記者会見で、与党は八〇%以上の前倒しという線を考えておる。したがって技術的に可能な限り上半期に前倒し執行したい、こう述べられた、これは新聞の報道でございます。それからいたしますと、七五%以上ということでございますけれども、これは八〇%に近い前倒しをしたいという経企庁長官の意図と了承して差し支えございませんか。

河本敏夫自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(河本敏夫君) 七五%以上ということでございますので、どこまでやれますかいま相談をしておるところでございます。できる限り最大限にやる、こういう方針でございます。

柄谷道一民社党・国民連合

○柄谷道一君 くどいようでございますが、長官としての腹の中にある期待は、七五%以上ですけれどもでき得るだけ八〇%に近くしたいという意欲をお持ちなんですか。

河本敏夫自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(河本敏夫君) 党の方からは八〇%以上やるべし、こういう強い要請も出ておりますし、技術的に可能な限り最大限ということでございますから、できれば八〇%近くいけば大変結構だと、こう思っております。

柄谷道一民社党・国民連合

○柄谷道一君 そのような公共事業の上半期前倒しということは、いわば一時的な私はカンフルであろうとこう思うのでございます。下半期には当然建設国債の増発による公共事業の追加というものが俎上に上ってくるのではないか、こう思います。そこで、これは一説でございますけれども、閣議で、どなたが言われたのかは知りませんけれども、約一兆円の建設国債の増発に踏み切らねばならぬという雰囲気が閣議内にあったと、こう言われておるわけでございます。  そこで建設大臣にお伺いするのでございますけれども、建設省は建設投資が与える影響について資料を出していらっしゃいます。これによると税収効果、これはいずれも一兆円を増発した場合の予測でございますが、税収効果は初年度二千四百億円、三カ年累計で五千億円、産業の振興に対する波及効果は生産額約二兆一千三百億円、さらに雇用の誘発は十九万七千人の新規雇用の創出、国際収支は約一千億円の輸入増、さらに所得の創出としては八千八百億円の所得、これは付加価値を誘発する。これは建設省計画局調査統計課が三月二十二日に出された資料でございます。この時期にこのよう格資料を出されたということは、建設大臣として景気対策の視点からも建設国債の増発は避けられないことである、こういう意図であると理解していいのですか。

始関伊平自由民主党建設大臣

○国務大臣(始関伊平君) ただいま御指摘になりました資料は、われわれの方の所管の課におきまして公共投資の効果に関する研究をいたしておりますので、その研究の一部が実は昨年の秋ごろにでき上がっておったのでございますが、それが何かのはずみでたにいま御指摘になりました日付である新聞に出た、こういうことでございます。でございますから、私どもの方で一兆円の建設国債を発行するという前提のもとにそういう資料をつくって発表したということではございません。本年下期の問題につきましては、ただいま経企庁長官からもお話がございましたが、前倒し政策の効果、また国際経済のわが国景気に及ぼす影響その他諸般の事情を考えまして、そのときになりまして適切なまた機敏な措置をとるべきものと、かように考えておる次第でございます。

柄谷道一民社党・国民連合

○柄谷道一君 閣議で問題が話し合われたその一週間後に建設省の資料が公表される。まことにこれは偶然か故意か、みごとにタイミングが合うものだなと、こう思うのでございますけれども、それは言い合っていても水かけ論でございましょう。しかし、経企庁では五十三年度以降に使用いたしております経済予測の基礎としてのSP18モデルというのがございます。これによりますと、公共投資の乗数効果は初年度一・三四、第二年度二・三二、第三年度二・七七、こうなっているわけですね。さらに、大蔵省が予算委員会に提出をいたしております公共投資の乗数効果につきましても、初年度一・二七、二年度二・二五、三年度二・七二、こうなっているわけです。その数値は、建設省、経企庁、大蔵省、いずれも若干の相違はございますけれども、この公共事業というものが景気というものに対して与える影響というものは非常に大きいということは一貫して資料の中にあらわれていると、こう思うわけでございます。  そこで、経企庁長官にお伺いしたいわけでございますが、行財政の改革と建設国債の増発というこの関連について、長官はどう考えておられますか。

河本敏夫自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(河本敏夫君) 政府は五十九年度に財政再建をなし遂げると、こういう目標を掲げております。一方で行政改革を本格的にやろうということで進めておりますが、行政改革が成功すれば直ちにそれが財政再建の完全な成功につながるかというと、これはそうではございませんで、昨年の末にこの二つの概念は別個のものであるというように区別して考えるようにしております。そこで、財政再建を成功させるためには行政改革ももちろん成功しなければなりませんが、同時にわが国の経済が活力を回復をいたしまして、政府の想定しておる歳入が計画どおり入ってくるということがあくまで前提条件だと考えております。したがいまして、景気の維持拡大を図るために先ほど来幾つかの考え方を申し上げておるわけでございますが、景気が回復いたしませんと政府の歳入も入りませんから、これはもう財政再建ができなくなりますので、行政改革と景気の回復双方を並行して成功させる、これがやはり一番の大事な点であろうと、このように考えております。

柄谷道一民社党・国民連合

○柄谷道一君 そうすると、こういうふうに理解していいんですね。行革は断固やらねばならぬ、しかし景気対策というものはその行革とは別個のものである、いわゆる行革に重点を置くばかりにいわゆるわが国の経済が縮小均衡になる、そのことによって歳入欠陥、雇用の不安、産業の混迷、こういうものをもたらしてはならない、したがって行革は断行するけれども、時と場合によっては建設国債の増発による景気対策というものを打ち出しても、それは矛盾するものではないというのが長官のお考えと理解してよろしゅうございますか。

河本敏夫自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(河本敏夫君) 先ほども申し上げましたように、昨年の年末まではややもすると行政改革と財政再建は混同されておったのでございます。しかし、これはもう別の概念であるというように明確に区別する必要があるということで、政府部内でいま合意を得ております。したがいまして、景気の回復ということは財政再建のために絶対の条件であるということについては、これは共通の認識を得ておりますが、さてその中身につきまして、やり方はどうするかということまではまだ完全な合意ができておりませんので、これはこれから相談しなければならぬと、こう思っております。

柄谷道一民社党・国民連合

○柄谷道一君 大蔵大臣にお伺いいたしますが、私は冒頭、日本経済研究センターの情勢展望について、経企庁長官のお考えを率直にお伺いしました。そして、傾向としては、そういうシビアなものがある、そして本年五十七年度予算編成時に比べて情勢は一層深刻化しておるということを経企庁長官はお述べになったわけです。建設大臣もそのような事態の中で機動的な対策というものが必要であろうと、こう言われました。そこで、私は本年度の経済展望から考えまして当然秋口には補正予算編成の必要性が生まれてくると思います。その補正予算の柱になるのは、一つは公共事業の拡大のための建設国債の増発であり、第二は減税問題であろう、こう思うのです。  そこで、公式的な大蔵大臣の答弁は大体わかるわけですね、これ。いままでの各委員の質問に対してお答えになっている点を要約すれば、いま新年度予算案の審議中に補正予算に言及することは不謹慎である、また政府としては五十六年度の歳入不足が確定するのは六、七月であって、さらに景気もやや上向きに動いておるから、いま補正予算の問題について触れることができないと。これはたてまえ論の論議だと思うのです。    〔理事岩崎純三君退席、委員長着席〕 しかし、大方の識者の展望は、何らかのドラマチックな景気対策を上半期にとらなければ五・二%の経済成長率を達成することはむずかしい、場合によれば三%を割るのではないかと指摘されていることも事実ですから、私は、この際大蔵大臣として、経済成長率というものが政府の予測どおりいかないという場合には補正予算の中でその対応を機動的にとるというぐらいの言明は私は国民に対してされるべきではないか、こう思うのです。いかがでしょう。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) これももう再三質問の出ておるところでありまして、私はやはり大蔵大臣として予算審議をお願いしておる立場上、本予算が成立をしないうちから、補正予算を組んで景気対策云々ということは申し上げることはできませんということはこれは終始一貫しておるわけです。ともかく予算を組んでも執行を早めましょうということ直言っているわけですから、景気についてやはり配慮をするからそういうことを言っておるわけであって、九月末日までに七五%以上の公共事業の前倒しということをやる。まだ時間があるわけですから、それによって世界の景気の動向、国内の状況等も見きわめがついてくるので、先ほど竹田委員にも申し上げたのですが、それじゃともかくまずそろえたものを先に食べてください、それをまず食べないうちからもう後のもの後のものと言われても困りますから先に食べてください、食べちゃったならば後がもうなくなっちゃうんじゃないかと心配して食わないかもしらぬと、こう言うから、それは衰弱させるようなことはしないようにいたしますと申し上げたわけであります。

柄谷道一民社党・国民連合

○柄谷道一君 情勢が変わっていると、経企庁長官お認めになったんですよ。だから、これだけのカロリーを出せばおおむね健康は維持できるということで食事の調達をしたところ、このままではどうも栄養失調になりそうだということですから、私は予算というのは予算のためにあるのじゃないと思うんですよね。わが国の経済を安定成長させ、雇用と産業を守る、その目的のために予算が存在するのですから、情勢が変われば機動的に対応するということは思い切った対策も考えざるを得ないということだと思うのです。それを否定されるなら機動的とは一体何なんですか。この際、余り大臣、たてまえ論に過ごされずに本当に腹の内を明らかにしていただきたい。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 私はたてまえ論は言わなければならないけれども、しかし、やはりその準備したものを食べないうちから足りない足りないと言われても困るのでありまして、まず早く予算を成立さして食べてみてくれませんかと、後の心配はかりしないでまず食べてみて健康回復を優先的にまずやってくださいということを申し上げているわけですから、たてまえ論だけを言っているというわけじゃないわけであります。  七五%の前倒しというようなことも、これも先ほど御指摘があったように、たてまえ論からいえば、そんなこと、予算も成立しないうちから前倒し執行だなんてけしからぬというお話も出るわけですから、それは踏み外してそこまでは私は言っておるわけですから、ですから、まあ経済は生き物でございますと私の財政演説にも書いてあるのです、ちゃんと。「経済は生き物であります。」と。財政再建のレールは敷かれていますと、それに向かって走っていますと、しかし「雨の日も、風の日もあります。」と、坂道も、「下り坂もあります。」ということを言っているわけですから、それ以上のことはこの際は余り脱線してもいけないのでその程度までにとどめさしていただきます。

柄谷道一民社党・国民連合

○柄谷道一君 言い合っておっても仕方ございませんから、坂道に来たときは後ろから車を押す、ひもじい思いはさせないという大臣の御答弁を建設国債の増発をやっても景気は維持したい、こういう大臣のお考えであると受けとめておきます。  そこで、通産大臣にお伺いしますが、通産大臣は電力業界に対して景気浮揚のために電力投資の上積みを要請されたとか、またするお考えであるとか聞いておるわけでございます。ところが、最近の電力需要は停滞の基調を続けております。したがって、多大な設備投資をこの際行えば、それが償却負担増となって電力料金値上げに圧力になるのではないか、こういう見方もあると思うのでございますが、この点に関する大臣としての御所見をお伺いしたい。

安倍晋太郎自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(安倍晋太郎君) いま景気が悪いものですから、なかなか政府としても思い切った措置がとれないという状況ですから、何としてもこれ民間に活力を持ってもらって、民間にひとつ設備投資なんか積極的にやってもらいたいと、こういうふうに思いまして、民間設備投資の主力は何としても電力業界でございますから、この前電力業界の皆さんと会ったとき、ぜひとも五十七年度はいろいろと電力業界を取り巻く事情も厳しい面ありますけれども、しかしまあ積極的に今後の電力の需給体制を確立していく上においても、また景気回復という面からも電力の設備投資を積極的にやってもらいたいと、こういうことを要請をいたしたわけでございます。業界でも努力するということでありますが、いろいろといま連絡もしておるわけですが、確たるまだところまでいっておりませんけれども、大ざっぱに見まして大体五十六年度に比べまして五十七年度は一〇%程度の伸びができるのじゃないかと、こういうふうに考えておるわけでございます。  これは大体全体的に見ますと、九電力以外の事業者を加えるわけですから一〇%ということになりますと、やはり私は民間投資の中では相当期待できるのじゃないか。しかし、これ民間電力業界だけしゃなくで、全般的に中小企業も非常に落ち込んでいますが、設備については相当老朽化していまして、何とか中小企業でも設備を更新したいという空気があるわけですよ。ですから、いまの状況ですからやはりそうした設備投資の空気を出さなきゃならぬ。それはやはり景気に対する明るさといいますか、見通しといいますか、そういうものが出てこなきゃいかぬ。その背景としてはやっぱり政府の施策が一つの呼び水になることが私は大事だと思うのです。  ですから、この予算案が通った暁においては、前倒しを初めとしてやはり現在の情勢の中で何らか政府としての景気対策も考えていくという方向でこれから検討をすべきじゃないかと、私はそういうふうに思っております。

柄谷道一民社党・国民連合

○柄谷道一君 時間が参りましたので終わります。     —————————————

植木光教自由民主党

○委員長(植木光教君) 次に、森田重郎君の質疑を行います。森田君。

森田重郎新政クラブ

○森田重郎君 大蔵大臣にはまだまだ二のぜん論になって大変恐縮なんでございますけれども、ちょっと大臣から大蔵大臣としての景気に対する見方をまたまたお伺いしたいのでございます。  先ほど来、減税問題は、これは景気対策の面から考えた場合には多少自分は疑問を持つ、こういうようなお考えで、しかし減税も大型減税であるならば、これはまた考え方もおのずから違う、しかし減税という問題になるとどうしても財源の捻出の問題がある、そのメリット、デメリットの比較対比の中で考えていかなくちゃならぬと、こんなような意味の御発言であったかと、かように思うわけでございますが、そういった考え方の中であえてお伺いしたいことは、一兆円減税ぐらいでは景気浮揚につながらない、こういうお考えであるかどうか、御所見を伺いたい、かように思います。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 非常にきつい財政事情の中でやるわけでございますから、効果的に同じ一兆円という金を、もし仮に——仮の話ですよ、これは。使うとすれば、効果の一番あるとこみの方がいいという比較の問題で申し上げたわけであります。

森田重郎新政クラブ

○森田重郎君 重ねて申し上げますけれども、ただいま私一兆円という額をあえて申し上げたわけでございますが、その辺大臣、ずばり大臣の御所見をお伺いしたいと、かように思います。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 仮に景気対策をやるという、これは仮定の場合ですが、私としては一兆円しか財源がない、公共事業に使うか減税に使うかということになれば、私は、私ならば公共事業に使います。そういう事態の場合はですよ。

森田重郎新政クラブ

○森田重郎君 時間がございませんので、ずばりそのものを伺わせていただきたいと、かように思いますが、経企庁長官は、かねて景気浮揚策のために内需の拡大というようなことを何回かこれまでお伺い申し上げておりますが、この内需の拡大といった問題につきまして、そのための方途、方策、三つぐらいひとつ挙げていただきたいと、かように思います。    〔委員長退席、理事土屋義彦君着席〕

河本敏夫自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(河本敏夫君) いま政府が内需拡大の対策として特別に配慮をしておりますのは、第一に公共事業め大幅な前倒し執行であります。それから第二は、五十七年度の住宅投資計画の中での公的住宅、これまた上半期にできるだけ前倒し執行していこうと、こういうことを考えております。それから第三には、やはり先般の閣議で金融を機動的に運営をするということを決めておりますが、これは民間の設備投資ができやすいような、あるいは住宅投資ができやすいような、そういう金融情勢をつくり出していこうと、こういうことでございますが、これは外的要因もございますので、なかなかやりにくいのですけれども、基本的な考え方としては以上のような金融政策に対する基本的な考え方を決めたところでございます。

森田重郎新政クラブ

○森田重郎君 経企庁長官は、これまで可処分所得が非常に冷え切っている、伸び悩んでおる、こういうようなことを何回かこれまでお伺いしておるわけでございますが、その可処分所得とそれから減税の問題、この問題について経企庁長官の何かお考えがございましたら、ひとつお伺いを申し上げたい、かように思います。

河本敏夫自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(河本敏夫君) 可処分所得がふえるためには所得そのものがふえなければ、これはもうどうにもなりません。それから所得がふえましても物価が上がったのでは、これは可処分所得がふえたことにはなりませんから、物価の安定が大事であります。それから同時に、公的負担が非常に重くなるということになりますと、これまた可処分所得が減りますから、だから、所得がどうなるか、公的負担がどうなるか、物価がどうなるか、この三つの観点からいろいろ考えていかなければならぬと思います。  ただしかし、所得が幾らふえるかということにつきましては、政府の方では、雇用者所得の伸びを、これは経済見通しを作成するために一応は想定はしておりますけれども、この雇用者所得とそれからペースアップとは直接は関係ございませんが、やはり若干の関係がございます。そこで、いま労使の間のベースアップがどのように落ちつくのか、これをいま真剣にじっと見守っておるところでございます。それからまた、公的負担の問題のうち減税問題につきましては衆議院の大蔵委員会におきまして五党が相談をして何らかの結論を出すと、こういうことになっておりまして、政府はその結論を尊重するということを言っておりますので、国民経済全体から見た効果のある結論が出ることを私どもは期待しておるというのが現状でございます。

森田重郎新政クラブ

○森田重郎君 時間がほとんどございませんので、簡単に外務大臣にお伺い申し上げたいと思います。  今回大変御苦労なさって帰国をされたわけでございますが、よくわれわれが耳にいたしますことは、これからの外交姿勢の基本的なあり方という考え方の中で、政府間交渉、これだけではやはり政治の底流といいましょうか、その辺が十分把握できない、むしろそれはそれとしても議員外交、これを強力に進める必要があろうというようなことをいろいろこう耳にするわけでございます。  実は、きょう朝日新聞にも議員団オルグをアメリカそしてまたヨーロッパヘ送るというような記事を目にしたわけでございますが、この辺につきまして、今回の訪米をも踏まえまして、これは貿易摩擦の問題も、大きく景気の動向を占う、この辺につながる問題でもあろうかと思いますので、あえて外務大臣の御意見を伺いたい、かように思います。

櫻内義雄自由民主党外務大臣

○国務大臣(櫻内義雄君) 政府間交渉のほかに議員関係の交流はどうかと、これは大変好ましいことだと思います。  ただ、議員関係のみならず、経済界においても緊密な連絡をとっていただく。これはどういうところに問題があるかと申しますと、やはりアメリカの各界、各層に広く理解を求める必要があると思うのです。今回アメリカに行っていろいろ日本の事情を説明する、それは政府レベルであると非常に狭い範囲だけでなかなか浸透しないといううらみがあると思います。    〔理事土屋義彦君退席、委員長着席〕 日ごろから議員外交あるいは経済関係で行き来をしておるということによって日本に対する理解が深められておりますと、大事な問題の処理のときに、非常に楽であるという表現はどうかと思いますが、実際上非常にそういう交流が役立ってくることは間違いがないと思います。

森田重郎新政クラブ

○森田重郎君 実は、いまのお話を伺っておりまして、私、これ二、三日前の新聞でございましょうか、ドナルド・ケンドールさんですね。これは余りにも有名な方でございますが、ケンドールさんが、現在これは商工会議所の向こうの会頭をしておられるんでございましょうか、朝日の現地の下村さんですね、特派員といろいろお話しをなさったその中で、こういう記事が目にとまったのですね。「米国がちょっと圧力をかけると、日本は大騒ぎをする。そのたびに政府の代表団や政治家や経済人を送ってきて、あれこれうるさく陳情する。で、米国側が譲歩すると、もうそれっきりこれっきり。以後、まるで忘れたように何もしない。だから問題は何も解決しない」と、こういうような記事がちょっと目にとまったのですが、大臣いかがなものでございましょうか。この辺の所見をひとつお聞かせいただければ。かように思います。

櫻内義雄自由民主党外務大臣

○国務大臣(櫻内義雄君) ケンドール会頭は日本のことをよく知っておられる一人ではないかと思うのであります。しかしながら、最近におけるケンドールさんが日本の市場開放について非常に強硬な意見を持っておられるということを聞いております。それで、どういう根拠に立っておられるのかは存じませんが、いまのような御批判の言葉が本当にケンドールさんのお気持ちをあらわしておるものとするならば、これはやはりわれわれとして非常に考えなければならない問題だと思いますが、私としてはケンドールさんについては極力理解を求めるための連絡をとっておるつもりでございます。

森田重郎新政クラブ

○森田重郎君 時間も一分でございませんので、簡単に安倍通産大臣にお伺い申し上げたいと思います。  六月はベルサイユ・サミット、十一月はガットの閣僚会議、来月もワシントンでいろいろ貿易摩擦等についての協議がなされると、このように承知をいたしておるわけでございますが、通産行政、特に通商問題を踏まえまして、この四、五の二カ月、この二カ月間ぐらいの間にどんなスケジュールの中でこの貿易摩擦問題に対して考えておられるか……

植木光教自由民主党

○委員長(植木光教君) 時間が参りました。

森田重郎新政クラブ

○森田重郎君 何か若干のこのスケジュールのようなものでもございましたらちょっとお伺いを申し上げたい、かように思います。

安倍晋太郎自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(安倍晋太郎君) いま通商問題といいますか、貿易摩擦の問題、これ通産省というよりは政府全体で考えなきゃならぬ大きな課題になっておるわけですが、あした実は経済対策閣僚会議がありまして、櫻内外務大臣と江崎調査団の報告を聞くわけでございます。そうした後、サミットが控えておりますし、OECDの閣僚会議等も控えておりますから、私もしばしばここで申し上げておりますように、それまでの間に政府全体として貿易摩擦に対処する基本的な考え方をまとめる必要があるんじゃないか。通産省関係もいろいろと個別品目等もありますので、そういう点もこれからまとめてまいりたいと思いますが、一つの次元のもとに総まとめをする、同時にまた今後の対外経済政策についての日本の基本的な方向をやはり打ち出していかなきゃならない。そういう中でやれるものがありますし、できないものがありますし、そういうことをきちっとして鮮明にしていく必要があるのじゃないか。それがサミットを成功させることでありますし、総理もサミットに行かれましても思い切ったことが言えるわけですから、そういうやっぱり大前提として一つのまとめは必要じゃないだろうか。四月、五月、そういうときにやらなければならぬ、私はそういうふうな主張をいたしておるわけであります。

森田重郎新政クラブ

○森田重郎君 終わります。     —————————————

植木光教自由民主党

○委員長(植木光教君) 次に、青島幸男君の質疑を行います。青島君。

青島幸男第二院クラブ

○青島幸男君 まず私は、グリーンカードの問題についてお尋ねするところから始めたいと思います。  大蔵大臣は、常々、議会で議決をしたことでもあるし、不公平税制の是正ということからもグリーンカードの実施については大変に意欲的になっていらっしゃるということをかねがね拝察しておりますけれども、昨今では反対の意見がかなり方々に起こりまして、もううんと延ばしてしまえば事実上無効になってしまうのじゃないかとか、極論などは。そういう御意見もあるやに伺っておりますし、さまざまなところからそういう意見も噴き出しておりまして、日常、新聞雑誌などでこの問題が活発に論じられておりまして、かなり反対の火の手も方々に上がっておるようでございまして、こういう状況になってまいりますと、大変大臣もグリーンカード実施に踏み切るのに困難を来すというような、そう簡単にはいきそうにないという、反対の火の手がかなりありますので、常々これはそのとおりやるのだという御決意を承っておりますけれども、この段階へ参りまして改めて御決意のほどを承りたいと思いますが、いかがでございましょう。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 御承知のとおり法律は国会が決めるわけです。それは政府が提案をするものが大部分でございますが、決定権は国会にあるわけでございますから、政府は提案をして決定された以上法律に従う、当然過ぎるほど当然でございます。この段階で政府は別な法案を提出して直そうという考えは毛頭ございません。

青島幸男第二院クラブ

○青島幸男君 かなり反対のための反対の論議などもあるようでございまして、不公平税制是正といったてまえから国会の議決を得ましたものでございますからね、来年一月という予定でますます時間的な限度もございますので議論が白熱しているのだと思いますけれども、そのたてまえからいけばこれはかなり抵抗があろうとどうしようと押し貫いて断行と申しますかね、多くの国民が見守っておられることでもございますから、どうしてもお考えのとおり推し進めていった方が私は正しいと、大臣のやり方に私は心から賛成をいたすものでございますけれども、しかし最近反対のための反対のような論が横行しておりますのが私も腹にすえかねる部分もあるのですが、異を唱えていらっしゃる方の主なる論拠というものはどういうものだとお考えになっていらっしゃいますか。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 一つはグリーンカードを誤解をしているということが一つでございます。それからもう一つは、実施をされれば、いま分離課税だけれども、いまの税率構造がきわめてもう七、八百、一千万円あたりから急カーブで上がっておりますので、その点で預貯金等については重大な、大部分が税金になっちまうという問題もございます。それから、総合課税にするという以上は世界の総合課税をやっている国と同じ程度の税率区分でなければそれはひどいじゃないかというようなこと、いろいろございましょう。そういう問題が一つのだんごになっていると。それからもう一つは、よく知らないために財産調査、背番号と、みんなへそくりまでわかっちゃうんじゃないかというような庶民の知らないための心配というものもございます。

青島幸男第二院クラブ

○青島幸男君 かなり誤解に基づく反対もあると思います。それともう一つは、その一つに大きなものはプライバシーが守られないのではなかろうかというようなことも、これも大蔵当局の絶えざる御説明と努力によりましてかなり浸透してはきていると思うのですね、その誤解が解かれている部分もあると思いますが、そういう制度になるとプライバシーが守られなくなってしまうんではなかろうかというようなことを懸念されている方も多いようでございますが、これは大蔵省の当局の説明で十分に氷解できることだと思います。  それから、ブラックマネーといいますか、いま表へ出なかった金がどのくらいあるのかわからない。しかしブラックマネーにしても、これは金融上活力のもとになっているのだから、これが表ざたになったりあるいは金(きん)だとかほかのものに変わってしまって動かなくなってしまうようでは経済の活力に及ぼす影響が大であるというような論がムードとして流れているというような気がするのですね。いまのように経済がどうもわが国——ただわが国だけの問題ではなくて世界的な動向もありますが、大変に景気が上向いていかないということでどの方面も多少いらいらしている向きがある。そういう潜在的なムードの中でもしそのようなことをするならば非常に大きな影響力を与えてしまう。その影響力がいままでグリーンカードなんかに関係ないような、非課税貯蓄などを問題になさらないような方まで金(きん)をお買いになったりするようなことになってしまうというようなことがあれば、経済の動向に影響を及ぼすことが大きいのではなかろうかというようなことで、いまや一つ一つ大臣挙げられました問題点よりも、そういう経済の活力を失ってしまうというような論議に議論がすり変えられてしまっているような気がするのですね。  ですから、その辺のところは明確にしていかなきゃならないと思いますので企画庁長官にお尋ねをいたしますけれども、いま私申し上げましたように、このグリーンカードの制度が実施をされますと、ブラックマネーと称する会もまた違ったものにかっこう変えるかもしれないし、それから預貯金が金(きん)だの海外へ流れるだのということが経済にいたく悪影響を及ぼすという説がありますが、その点については長官どのようにお考えになっておられますか。

河本敏夫自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(河本敏夫君) 私は、このグリーンカード制度を実施した場合に一番の大きな問題は、わが国のこれまで比較的高かった預貯金の伸びが一体どういう影響を受けるか、ここがやはり一番のキーポイントでなかろうかと、こう思っております。

青島幸男第二院クラブ

○青島幸男君 それが実施された場合どのように、たとえばプラスに動くのか、マイナスに動くのか。影響が重大だというお話はよくわかりました。どちらに影響を及ぼすとお考えになりましょうか。

河本敏夫自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(河本敏夫君) 私はよくわかりません。

青島幸男第二院クラブ

○青島幸男君 これは、経済企画庁長官としてのお答えとしては、その辺はっきりしていただかないと私ちょっと納得できないのですがね。どういうふうに影響及ぼすであろうということはおわかりになっているはずだと思うのですがね、その点どうでしょうか。腹蔵ないところ御開陳いただけませんでしょうか。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) ともかく経済は生き物でございますからね、これは理屈どおりということばかりには動かないこともあります。いずれにしても、グリーンカードの実施というのは五十九年からの話でございますから、その間にわれわれは安心をしてもらえるようによく納得をしてもらう作戦を——作戦じゃなかった、PRをいたします。

青島幸男第二院クラブ

○青島幸男君 ところがですね、現実の問題として、一カ月に二十六トンも金が動くとか、そういうことがあるわけですよね、現時点で。ですから、もはやグリーンカードになるんだと、それは誤解に基づくこともいろいろあるでしょうけれども、グリーンカードなんかが実施されたら大変だから、いまのうちに金(きん)にしちまおう、いまのうちダイヤにしちまおう、いまのうち海外だというようなことで付和雷同している方々が多いのですよ。その結果どういう影響が出てくるでしょうかということを経企庁長官にお尋ね申し上げているのにお答えがないということですね。  こういう問題といいますのはね、どっしり落ちついて物が置いてあるような状態のときには余りぐらつきませんけれども、そのバランスを失いかけているというような状況のときにちょっとしたインパクトがありますと、かなり大きく揺さぶられるというようなことが間々あります。つまりは、石油ショックのときにちり紙買いに殺到したというような事実がありましたですね。あれもそんなばかなことは冷静に考えならない、起こるべきはずのものではないだろうという事態の中であの騒ぎが起こりました。ですから、実施は先のことだ、不安のないようにPRをするつもりだ、大臣幾らおっしゃられても、生き物でございますのでどうなるかわかりませんから、その点は明快にした方がいいと思いますし、企画庁長官の御意見もあってしかるべきだと思いますが、重ねてしつこくお尋ねするようで恐縮でございますが、いかがでございましょうか。

福田幸弘大蔵省主税局長

○政府委員(福田幸弘君) プライバシーの面はこれはもう御承知のとおりですから、枠だけで残高とか預金の出入りはチェックするわけじゃないということです。ただ、金融機関がその枠を守っているかという問題でのきしみはあるかと思いますが、これは正さなければ、免税というメリットがある以上、これは預金者の方にもそれなりのやはり手順が要るという問題であろうと思います。  それから、ブラックマネーは、ブラックマネーがなけりゃ日本経済は成り立たぬかという問題になろうと思いますが、三百三十兆の金融資産がある、その中で、ブラックマネーって要するに脱税資金という意味であれば、脱税資金を認めなければ国の経済は成り立たぬという国はどこにもないわけで、それはやはり課税が適正になるという公平感の方が大事だということを優先にして考えるべきで、金額がどのくらいあるかはなかなかわからないのですが、五年たてば時効になるわけで、このグリーンカードの問題は五十五年にもう論議で決まっていますから、それからもう実施までは五年たつわけになりますので、そういう意味で考えれば、いま発生しておる脱税資金というのはそんなにあろうと思いません。そういうことで金が昨年で二千五百億とか、ゼロクーポンが二千五百億ぐらい、合わせて五千億ですから、三十五兆ふえて根っこで三百三十兆あります。ここのところは資金余剰がむしろ続いておるわけでございますし、貯蓄率も高いわけで、賃金の伸びよりは貯蓄率が高いという問題はむしろそこに問題が経済的にはあるわけで、正しい経済でみんなが公平だということが勤労意欲にも影響するわけで、ブラックマネーを前提にした経済ということはどうかなという気がいたします。

青島幸男第二院クラブ

○青島幸男君 私の御質問申し上げたこととかなり違ったお答えがあったのでいらいらしておったんですが、時間もございませんので、はっきり結論めいたことを申し上げますけれども、この制度ができまして増収があるとか、あるいは実効が上がるとかということは別の問題といたしましても、あればなお結構ですね。この制度が発足して新たに税収があると、だから減税の方にも回せるじゃないかというような、まあできればなお結構なことでございますけれども、しかし実効が上がるとか上がらないの問題は別にいたしまして、いまや経済とか財政の問題を離れまして、もう政治姿勢の問題になりつつあると思うんです、このことをやるかやらないかということはですね。本当にこの問題についての正当な論議がなされずして各方面、政財界の有力者の圧力だとか発言だとかによりまして……

植木光教自由民主党

○委員長(植木光教君) 時間が参りました。

青島幸男第二院クラブ

○青島幸男君 左右されましてうやむやにされてしまうようなことがありますと、納税意欲も貯蓄の意欲もなくなりますし、ひいては政治不信に国民が陥ることになると思います。ですから、一たん決まったことですから、大蔵大臣もこのままおやりになりたいとおっしゃっていらっしゃるわけですし、きちっと毅然たる態度で事に臨んでいただきたいということを御要望申し上げまして終わります。ありがとうございました。

植木光教自由民主党

○委員長(植木光教君) これより、鈴木内閣総理大臣に対する質疑を行います。竹田四郎君。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 総理、きょうは大変お忙しい日程で御出席が困難ではないかと、こういうふうに思っておりましたところ、まあ十分な時間ではございませんにしろ、とにかく御出席をいただいたということは、感謝を申し上げますとともに、きょうおいでになったということは私どもの要望についても恐らく前進的な御回答があるものだと、このように感じて質問に入りたい、このように思う次第でございますから、どうぞよろしく御答弁をいただきたいと思います。  先ほど私は各大臣に景気動向についてのお話を申し上げたわけであります。そして、その点につきましては通産大臣、経企庁長官、大蔵大臣、若干のニュアンスの違いはありました。たとえば通産大臣は、私の意見よりむしろさらに厳しい御意見のように私は承りました。経済企画庁長官は、世界経済の動向については私に同意をしていただけなかったわけでありますけれども、そのほかについてはほぼ同意をしていただいたように思います。大蔵大臣は、大蔵大臣の役柄として暗い見通しを私が申し上げるわけにはいかないということでありまして、そういう点では腹の中はわかってくださいということを言わんばかりのようなお話が実はあったわけでありますけれども、総理は、この五十七年度予算を編成され、政府原案をつくられたとき、政府案をつくられたときと今日との経済情勢は変わりはないと、こういうふうにお考えなのか、それとも先ほどお話がありましたように、やっぱり去年の十−十二月の経済動向、その後の貿易摩擦、円安、そうしたことをお考えになりまして現在はかなり厳しい状態になったと、このような御認識でいらっしゃるかどうか、お伺いしておきたいと思います。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) 現在のわが国の景気をどういうぐあいに見るかという問題でありますが、確かに五十七年度予算の編成の作業を進めておった当時に比べましていろいろの変化が出てきております。情勢は厳しいと、こう率直に申し上げてよろしいと思うわけでございます。五十六年度の成長が当初外需に相当支えられておったのでありますけれども、各国の経済が非常な停滞を来しておる等の関係もあり、外需も非常に落ち込んできておると。少し救われるのは、十−十二月の中身を分析いたしますと、内需の面で少し改善を見ておりますけれども、総体的に情勢は厳しいと、私はこういうぐあいに見ております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 総理、最近の外国為替相場、これは大変な円安、恐らくきょうは二百四十円、ことによると二百五十円に入っちゃうというので、きょうの数字は私詳しく見ておりませんけれども、こういう状態ですと、まず卸売物価がかなり上がるだろうと思うのです。それからあるタイムラグをもって今度は消費者物価が上がると。こうなってくると、また国内の消費が冷えちゃう、こういう心配があるわけであります。先ほどはそのことに関連して、通産大臣からはアメリカの高金利、この問題に対する批判というものがかなり出たわけでありますけれども、六月ですか、パリ・サミットが実はあるわけでありますが、この間も総理は外務大臣には、アメリカへ行ったらひとつ金利の問題を十分やってきてくれよと、こういうふうにおっしゃったのですが、結論的にはどうもその問題は余り強くなかったような感じをこの間の報告で私受けたわけでありますけれども、パリ・サミットでは私はなお一層日本が機関車的役割りを果たしてくれと、こういうような要請が強くされるのじゃないだろうか、こういうふうに思いますけれども、これはパリ・サミット前に何かおつくりになる案があるそうでありますが、それによって解決されるのですか。それとも、外務省が何か最近の新聞でおっしゃっているように、もう個別の貿易対策では、とてもそんなものではもう諸外国を満足させるわけにはいかぬ、何といっても政治的に内需拡大をやる以外にはもう対応できないのだというような、これはニュース面でありますが、出ているような状態でありますけれども、そういう意味で、総理どうなんでしょうか、サミットというものはやっぱりかなり強い日本への内需拡大の要請というものは来ると、こういうふうに思いますか。いや、そんなものは大したことはない、彼らが勝手に言っているのだと、こういうふうなことになるんでしょうか、どっちでしょうか。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) まずアメリカの高金利の問題でございますが、この両三日にも顕著に出ております日本の円安というのは、アメリカの金利がまた上昇傾向に向かい、そのために欧州の通貨が軒並みに影響を受けておるということに引っ張られておる面も私はあろうかと、こう思っております。したがいまして、このアメリカの高金利の問題は、サミット及びサミットの前に開かれますところのOECDの会合等においても相当これは各国の重要な問題として提起されることであろうと、こう思っております。わが国も相当深刻な影響を受けておりますから、西独、フランスあるいはイタリー、その他の国々とも十分意見を聞き、日本の立場も十分踏まえてこれに対処していきたい、こう考えております。  それから、この貿易摩擦に関連をいたしまして、私は世界経済の再活性化の問題が非常に重要になってくると思います。そういう中で、日本も大きな世界の中でGNPを持っておるわけでございますから、日本の内需の拡大ということが一つのやはり各国からも強く要請される点であろう、こう思っております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 OECDからパリ・サミットにかけてアメリカの高金利、これについてはあなたはどういう対応をされるのですか。いまのお話ですと、やっぱりこれに対して何か対応しなくちゃいかぬというお話はありまして、私もそのとおりだと思うのです。具体的にどのような方向で進んでいかれるのか、これをひとつお伺いをしたい、こういうふうに思います。  それから内需拡大ということも同時に迫られてくるだろう、こう言うんですが、内需拡大のメニューをひとつここでお示し願えないものだろうか。先ほど大蔵大臣は、いま出しているからそれだけは食べちゃってくれ、食べちゃった後で空腹な思いはさせません、こういうお話がありました。私が、それはさらに上に新しい料理を載っけておぜんへ添えてくれるのかと言ったら、そこまで聞くなど、こういうような趣旨だったろうと思うんですけれども、ひとつそういうおいしい料理のメニューを、栄養があって景気が回復して元気になる、こういうようなメニューをひとつ総理お示しいただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) 内需拡大のメニューを示せと、こういうお話でございますが、今日まで政府は経済対策閣僚会議等を開きまして、当面講じ得る施策を機動的に敏速に手を打ってきておるつもりでございます。いつも私どもの最大の関心、配慮をしておりますのは、やっぱり物価をより一層低位に安定をしたいということで、これは大体われわれが考えておりますように推移をしておる、このように考えております。それに伴いまして個人の実質的な所得の伸びが期待をされる、それは必ず消費の拡大の方向にじわじわといい影響をもたらすであろう、こう考えております。  それから公共事業関係でございますが、災害対策は補正予算で国会の御承認をいただきました。これをいま鋭意やっておるわけでありますが、五十七年度予算の成立が見られた際におきまして、従来の前倒しを七五%以上を目標にいまいろいろ準備を進めておりますから、それを予算が成立をした後においては早期に決定をしたい。それと、それまでのつなぎとしても、災害対策の復旧の公共事業予算は相当私は効果的に活用できるものと、このように考えておるわけでございます。さらにまた、在庫調整ももうほとんど終わったと言ってもいいぐらい進んでおりますし、金利につきましても、長期プライムレートの引き下げ等もわずかでございますけれども、なされております。あるいは、公的金融、住宅建設の措置等々もやっております。これで決定的に切り札というものは、こういう厳しい状況の中ですから私はないと思いますけれども、いま申し上げたようなものを、相乗的な効果を期待して、私どもは真剣にこれを取り組んでまいるつもりでございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 いまおっしゃられたようなこと、午前中これは私は私なりにモデルに入れましていろいろお話を実は申し上げた次第でありまして、せっかくいろいろおっしゃっていただいたんですけれども、どうも私はそれだけでは、政府の考えている大きな経済見通しにはとうてい到達しない、非常に困難である、こういうふうに思うのです。  そこで、非常に、いまおっしゃられた中で、個人所得の伸びの期待をしている、消費の拡大を考えていらっしゃる、私もそのとおり大変結構なことだと思いますけれども、これもいろいろまた問題がある点でありますけれども、私は、先ほどの主張では、公共事業が一兆円から二兆円、それから所得減税が一兆円、こういうことでやりましても、そう大した伸びはないんです。むしろ心配なのは、一番初めにお挙げになった物価がこれから上がってくるのじゃないか、先ほどもちょっと申しましたけれども、そういう心配があるわけでありますが、いまやっぱり景気を、経済は生き物でありますから、勢いづけてやる必要がある、こういうふうに思うのですが、まあ時間もありませんから。  そこで、衆議院でも問題になりました一兆円の所得税あるいは住民税、こういうものに対して、いままで総理にしても、このお二人の閣僚にしましても、衆議院でそういうことが決まっているから、それだからもう衆議院の大蔵小委の結論を待っているんだ、それには、そういうものを出すにはひとつ協力をしようというようなお話で、減税をなさるというようなことは何らおっしゃらないわけでありますけれども、私は、それでは困るな、こういうふうに思うんですが、総理は何か新しいお考え——先ほども、経済認識では大分原案をつくったときとは違っているわけでありますから、何かお考えがあるかどうか。総理もお聞きいただいてたと思うんですが、この予算委員会の一番冒頭に私は委員長にお伺いをしたこともございます。あれは野党全体の意見として聞いたことがありますが、どうでしょうか、減税は無理でしょうか、どうでしょうか。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) 私は大事な御答弁を申し上げるときは読ましていただくことにいたしておりますけれども、所得税減税の問題につきましては、与野党の合意に基づく衆議院議長見解により、今後、予算成立後直ちに設けられることとされている衆議院大蔵委員会小委員会で検討されることとなろうが、その際には、参議院の御意見も踏まえ、国会全体の御意向に沿って検討が進められることを期待いたしております。国会全体の御意思として決まりますれば、政府としてはこれを尊重をして実行に移してまいる考えでございます。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 どうも、いまも、尊重をするということはわかったんですけれども、黙っていてはとても減税できないように思うんですが、これは委員長、一番最初のお約束で委員長は「必要に応じ、本委員会理事会の御協議を得てこの問題の善処方を参議院議長に申し入れたいと考えております。」、こういう御返事をなさっていますが、これは後、委員長の方で、どういまの総理の意見を受けて、この速記録があるだけで、あとは何にもしないというのか、あるいは、参議院で何かひとつ行動を起こしていくというのか、この辺は委員長どんなふうにお考えですか。それによって総理の方も対応が私はあるんじゃないかと、こう思うんですが、いかがでしょう。

植木光教自由民主党

○委員長(植木光教君) 本日の集中審議が終わりました直後に理事会を開きまして、この減税問題につきまして理事会で協議をいたしまして、結論を得ることができましたならば、その結論を持って参議院議長に申し入れをいたしたいと存じております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 そういう結論が恐らく委員長の御努力ででき、参議院の議長さんの御努力でそういうことが可能になると思います。その結論は、具体的にいま内容はどんなものかということはよくわかりませんけれども、そういうものが出ましたら、総理は尊重してくれますね。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) 先ほど申し上げましたとおりでございまして、参議院の御意向というものも十分反映されたところの案ができますることを私期待をいたしておりますし、それが国会でお決めいただきますれば、政府としては十分尊重して実行に移してまいりたいと、こう考えております。

竹田四郎日本社会党

○竹田四郎君 それではこの点で総理から御答弁いただきましたので、私のあとの残余の時間、談合問題に関連して、志苫委員から質問がございますので、引き続きよろしくお願いします。

植木光教自由民主党

○委員長(植木光教君) 関連質疑を許します。志苫裕君。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 総理、ちょっと談合問題に入る前に一つだけお伺いしますが、総理、三月二十七日にワインバーガー長官との会談がありまして、四項目の見解を大統領に伝達するように要請をしたと報道されておりまして、このうち、中国はわれわれの陣営に近いし、近づけておく必要があるという項目があるようですが、これはどういう意味ですか。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) 新聞に報道されております表現とは、若干私が申し上げておるところとは必ずしも全部一致しておるわけではございませんが、私は、極東の平和と安定ということを考えました場合には、何といっても私は日中関係あるいは米中関係というものが非常に大事だと。幸いにして日中関係にしても米中関係にいたしましても、国交正常化以来非常に安定的に、しかも友好的にその関係が前進をいたしておるわけでございます。私は、このことはアジアの平和と安定のみならず、世界の平和と安定にとりましても非常に重要な問題でございまして、この点を私はアジアに位する日本として、特に米大統領に強く要請をしておきたい、米中関係を正常化の原点に返って大事にしてほしい、こういう趣旨のことでございます。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 日中関係が極東の平和と安全に非常に重要な意味を持つ、これは当然なことですが、全体の文脈としては西側の結束を前段に強調されて、そして中国はわれわれの陣営に近いんだから近づけておくように、それには中国とアメリカが仲悪くなっちゃ困るという、そういう心配をなさったような文脈として私は受け取って、一瞬おやっと思った。なぜかと言うと——それでお伺いするんですが、総理はわが国の外交方針として、西側の一員論というものを強調して責任と役割りの分担を主張なさっていますね。それはなぜかと言うと、同じ価値観を持つ諸国と協調をして自由主義体制を守るためなんだと、こう説明するわけなんですが、しからばここに言う中国とはどのような位置づけになるのですか。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) 私は中国はわが国の非常に重要な隣国でございますし、国交正常化以来、日中の友好協力関係というものは両国民の本当の、真の理解の上に立って進められておる。体制の違いを越えて私はそういう前進を見ておると、このように考えておるわけでございまして、しかも中国は西側諸国に対しても開かれた非常に穏健な政策をとっております。私はこのような中国と日本が善隣協力関係を一層発展していく必要があるし、これがアジアの平和安定に大きく寄与すると、またアメリカもニクソン政権以来この米中の国交正常化をいたしましたそれ以来、米中関係というものを平和戦略の面からも大事に考えておると、このように私は評価をいたしておるわけでありまして、その関係をこわさないようにしていくことを強く期待をいたしておるわけでございます。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 総理のその考え方は私はいけないと言うわけじゃありませんが、ワインバーガー長官を通して大統領に伝言を託した、どうもこの文脈というものとどこかにいまの御答弁ともずれておるというんで、私もこうやって質問に立っておるわけですが、中国を近づけておく方が得ですよという発想ですね、この発想から来る対中関係というのは、いま総理がいろいろとお話のあったこととは違いまして、多分に戦術的なものにすぎないというニュアンスが出てまいります。そうなると、中国の位置づけというのは対ソ包囲網というふうに位置づけてくることになるわけでありまして、いつからそういう外交方針をとることになったのですか。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) でありますから、私は新聞の活字は私の必ずしも真意なりあるいは私が話をしたニュアンスを表現しているものではない、正しく伝えているものではないということを申し上げました。いまこの国会の場で申し上げておりますのが、私のこの中国に対する考え方でございます。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 談合問題ですが、総理不在でしたけれども、私は先ほど十二日の本委員会に続きまして、談合をどうしてなくしようかということについて詰めを行いました。建設大臣を初め関係者から、それなりの問題意識あるいは取り組みの方向を伺うことはできましたけれども、しかし何か問題の核心がそれているように思うところもあります。改めてそれで総理の決意を伺うわけでありますが、この間言いましたけれども、談合は本来的には経済の領域といいますか、独禁の領域の問題なのかもしれませんけれども、今日はもろに政治の問題になっておるわけでして、政治が決断を求められておる課題だと。いま景気動向に関連をしまして、公共事業の役割りがまた改めて重視をされるのでありますけれども、しかしそれがあるからと言って、談合問題に目をそらしていては国民の合意が形成できるものではない、まあ、それだけに焦眉の急だと。私はいわゆるすそ野の広い、しかも長い蓄積を持つ、弊害を持つ問題ですから、百点満点の整合性のあるものはなかなかいま求めてもめんどうだと、一番弊害になっている問題をとりあえず除く分だけでも政治の責任においてやって、あとはまたいろいろと試行錯誤を繰り返してもいいじゃないかという意味で幾つかの問題を提起いたしました。  それをここで総理に改めて述べることは重複になりますので、後ほどまたお聞きをいただくこととしまして、総理は、ひとつこの機会に、いままでも私は率直に言いまして、総理が少し待ちの姿勢で、中建審その他に聞いておるのだから、あるいは行革も何か言ってくるかもしらぬからと、その辺に少し煮え切らないものを感ずるのですが、しばしば申し上げておりますように、それはそれで待ちましょう、しかし、政治が決断してやることはやっていきましょうということで提起をしたわけでありまして、この談合の根絶、制度の改革について決意も新たに、ひとつ関係当局にハッパをかけて指示をすると。私は、主として業界にも問題ありますよ。しかし、これはまあ司法捜査と公取にとりあえず任して、しっかりやってもらって、こちらでやれる発注者側の領域とか政治家が少しちょっかいを入れる問題とか、こういうものを大胆にやるということで、総理の決意がたがた関係当局にも決意を新たに指示を願いたいと、こう思うのですが、いかがですか。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) 志苫さんおっしゃるとおり、この談合問題、これはこれだけ世論の厳しい批判を受け、また国費の効率的な、明朗な執行の上からも早急な改善が望まれておる問題でございますから、私はこの機会にこの談合問題あるいは公共工事をめぐるいろんな疑惑の一掃と、そういうことをこの機会を逸してはできないと、まあこのように考えておるわけでございまして、それには政府におきましても、各機関で十分心を引き締めて、みずから改善をすべきものは改善をするように私も各関係当局に指示をいたしたい、こう思っておりますし、また中央建設業審議会その他の答申等もまちまして、抜本的な改善についても取り組んでまいりたい、こう思っております。

志苫裕日本社会党

○志苫裕君 終わります。     —————————————

植木光教自由民主党

○委員長(植木光教君) 次に、太田淳夫君の質疑を行います。太田君。

太田淳夫公明党・国民会議

○太田淳夫君 総理、最初に、先ほど同僚委員から質問がありまして、    〔委員長退席、理事土屋義彦君着席〕 総理が読み上げられました、勧進帳——勧進帳じゃないか、何か減税に対するお考えですね。もう一度、私たちも重要なこれは関心を持っておりますので、もう一度お読みいただけませんでしょうか。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) 先ほど竹田さんにお答えをいたしましたあの文書の内容、これは繰り返して申し上げませんが、あれで御承知をいただきたいと思います。  私が申し上げたいのは、衆議院の大蔵委員会小委員会で各党がそれぞれ御審議に当たられる際に、参議院の御意見というものを十分反映できるようにひとつ配慮を願いたいし、また、それを強く私は期待をいたしておるところでございます。そういう形で衆議院、参議院の御意向というものが十分反映したところの成案が国会で得られて、それが御決定をいただいた場合におきましては、政府としては十分尊重して実行をいたしてまいりたいと、こう考えております。

太田淳夫公明党・国民会議

○太田淳夫君 最近非常に政治姿勢のことがいろいろと国民の批判を浴びているわけですが、これはきのうの新聞の投書の中に、先ほども同僚委員から問題になりましたグリーンカードのことが出ているわけですが、それにこういうことが書いてありますね。「『グリーンカード』見てなさい、きっと玉虫色カードになるから」という投書があるわけです。いまや問題は政治問題化していると思うのですね。  先ほども大蔵大臣の非常に真剣なこの実現を努力される御意見が発表されておりました。せんだっての当委員会におきましても、総理御不在でございました一般質問のときに、わが党の委員が取り上げまして、最近閣僚の中でこのグリーンカードについていろいろ批判ないし反対の発言があらわれている、そういうことで閣内不統一じゃないかということで質問いたしました。その際、宮澤長官からは種々答弁がございましたが、その点はお聞きになっておりましょうか。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) 私は、グリーンカード制を採用することになったと、そういう経緯、経過にかんがみまして、税の公平確保という見地からとられたこの措置でございますから、あの改正された所得税法というものは、私は政府としてはあくまで実行してまいる考えでございます。言葉をかえますと、政府はこれに対して改正案等を出す考えは持っておりません。

太田淳夫公明党・国民会議

○太田淳夫君 そこで、宮澤長官は、一人一人が政治家として意見を申すことをとめるわけにいかないと、ただ、グリーンカード反対の署名運動には、できるなら閣僚である間は署名されない方がいいと、このように答弁されておりますが、やはり閣僚というのは、おのずからいろんな点での制限があろうかと思うのです。こういったことで閣内統一をやはり総理として図るべきじゃないかと、このように思いますが、その点どうでしょうか。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) 良識ある閣僚の諸君は、そういうことはきちっと踏まえて行動してくれておるものと、こう思っておりますし、いま明確に申し上げましたように、政府としては一たん国会で各党一致で御決定をいただいたあの現行法律の条文を政府が改正案を出すという考えは持っておりませんから、閣僚諸君もその政府の方針に従ってくれるものと、こう思っております。

太田淳夫公明党・国民会議

○太田淳夫君 それでは総理お尋ねしますけれども、最近のやはりマスコミの世論調査等で見ますと、総理の支持率が非常に低下しているのですね。まあ私は、非常に個人的には、総理は歴代の総理の中では一番いい人じゃないかなと思っておりましてもね、非常に支持率が下がっている、残念に思っているわけですが、その原因はいろいろあろうかと思うのですけれども、やはり一つには、総理が減税を実施しないという態度に失望しているということが大きく影響しているというふうに報道されているわけですが、そういうことを含めまして、総理は最近の国民の生活の現状についてどのような御認識をされておりましょうか。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) 私は、この厳しい経済情勢の中で欧米各国に比べていままではいろんな指標を見ても比較的順調に推移をしてきたと、物価等の問題にしても、あるいは雇用の問題にしても私はそのようには見ておりますけれども、しかし財政再建下におきまして非常に強い御要望である減税その他の面につきましても、私はいまそれに直ちにこたえ得るような条件が整っていないと、歯を食いしばってこの際国民の皆さんと一緒にこの財政再建という困難な課題に挑戦していかなければならないと、このように考えておりますので、国民の皆さんからその点を十分御理解をいただきたいものと期待をいたしておるわけでございます。

太田淳夫公明党・国民会議

○太田淳夫君 いま国民の皆さんは、国民総支出の約五割を占めます個人消費の低迷がこれは示しておりますように、非常な不況感を持っているわけですね。これには四年連続しての課税最低限の据え置きによります実質的な増税、あるいは物品税、酒税等の増税、そしてまた社会保険費の増額などによりまして、いわゆる働く皆さん方の可処分所得というのは非常に減少している。さらに、やはり景気の先行きの不安がぬぐい切れない。あるいは医療費、教育費等の増加等の不安がございまして、国民は将来に対するやはり不安感を大きく抱いているのじゃないかと思います。こういったときに、やはり政府として国民の将来の不安感をなくすとともに、景気の浮揚のために最善の努力を払う、そういうときに来ているのでありまして、そのためには鈴木総理の指導力が非常に期待されている、こういう面があろうかと思うのですが、残念ながら先ほどの世論調査にあるような状況でございます。むしろ先ほどからのいろんな議論の中に経済は生き物であるとかあるいはムードであるとかいうようなお話もございましたが、国民に対して率直に総理としてはっきりとしたやっぱり目標というものを認識をしてもらうような努力をさらに重ねる必要があろうかと思いますが、その点どうでしょうか。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) 所得税減税に対する考え方は先ほど明確に申し上げたとおりでございます。要は、そういう条件をいかにして今後醸成していくかということでございまして、政府としても景気の回復その他あらゆる努力をしてまいりたいと、こう思っております。

太田淳夫公明党・国民会議

○太田淳夫君 そのために公共事業の前倒し七五%ということで計画を組まれているようですし、あるいは金融面からは本日、二十九日からですか、長期金利の利下げを行う、そういった措置を講じておられるようですけれども、これは大方の意見としましては内需拡大に余り影響がないのじゃないかということが言われております。私もそう思うわけでございます。公共投資にしましても、どうしても年度後半にはこれは息切れがしてくるのじゃないか。五十六年度もやはり前倒ししましたけれども、後半には息切れをしてきた。そういうことを考えますと、公共投資の追加等を含めました第二、第三の景気対策というのを準備する必要があるのじゃないかと思いますが、その点どうでしょうか。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) 私は、このように世界的に厳しい環境の中で、内外の経済というのが深くかかわり合っておる状況の中で、日本だけが特別にこれをしたら景気がすばらしくよくなるというような決め手というのはなかなかないというのが率直な私の見方でございます。可能な、許された条件の中でそういうものを積み上げて、そうしてその相乗的な効果をその中で期待をするということであろうかと思うのでありまして、公共事業費の思い切った前倒しもそうでありますし、プライムレート等長期資金の金利引き下げの問題も可能な枠内でのこれも精いっぱいの努力であるというぐあいに御理解をいただきたいし、また公的資金住宅等の面につきましても積極的にやってまいも考えでございます。  この公共事業を七五%ないしそれ以上に前倒しをして息切れをするのではないかと、こういうお話がございましたが、OECDその他の景気見通しでも、今年の下半期には相当明るくなるであろうという期待も示されておるわけであります。したがいまして、私どもはそれまでを何とかとにかく景気を落ち込ませないようにそういう公共事業等の前倒し等もやると、そして後半における状況、経済の動向等をにらみ合わせながら適切な措置をその時点で考える。いまからそれをどうこうするということを申し上げる段階ではないと、こう思っております。

太田淳夫公明党・国民会議

○太田淳夫君 いまはそういう段階じゃないというお話ですけれども、この前倒しに加えまして、後半にはOECD等の見込みで世界の景気も回復してくるだろうということも挙げられているわけですけれども、これは日本の輸出が再びふえてくるということを意味するのじゃないかと思うのですが、日本の輸出の増加ということに対しましては、これは世界各国というのはそのまま受け入れるような状況ではないと思うのですね。むしろ厳しい貿易摩擦を再現することになるのじゃないかと思うんです。また、こういった輸出依存の形というものは五十六年度と同じような経済になるおそれもあろうかと思うんですね。日本がやはり経済的先進国として先ほども世界経済の再活性化にリーダー役を果たしていきたい、こう総理はおっしゃっておりました。そのためのメニューは何かというと、メニューはないということでございますけれども、いま示すわけにいかないというお話でございましたけれども、私は早急にこれは内需拡大の景気対策を講じてそのメニューをやはりつくっておかないとパリのサミットで非常に総理が苦労されるのじゃないかと思うのです。  かつて、福田総理がボン・サミットですか行かれましたときに、新聞紙でもいろいろと報道されておりましたし、写真出ておりましたけれども、欧米各国の首脳が前に並んでにこにこ話しながら行く。その後ろに一人離れて福田総理がにこにこ笑いながら後からついていくという写真が報道されておりました。それと同じような状況がまたパリ・サミットで出てくるのじゃないかと思うのですね。福田総理時代には日本は内需拡大のおくれを批判されました。最後には七%成長という足かせをはめられた経験があるわけですけれども、今度はもっと厳しい制約がそこで加えられるおそれがあるのじゃないかと思いますが、その点どうでしょうか。やはりはっきりしたメニューをそのときまでつくって総理が出かけられた方がよろしいんじゃないかと思うんですが。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) 私は、この前の世界経済が非常に沈滞をいたしました際には、日本と西独が機関車になってほしいということで機関車論というのがございました。今度はいいのは日本だけだから、日本がひとつ世界経済全体の回復のためにメニューを出せと、こういうことを言われましても、一国の努力だけで私はできるものではないと、このように考えるわけでございまして、どうしても今度のサミットあるいはOECD等におきましてこの先進工業国の国々が相ともに協力をして、自分の国としてどういうことがなし得るか、また、それはできるだけの日本としてもそれに対して御協力も申し上げましょうし、また、日本に対しても協力を要請する面があろうかと思います。そういうぐあいに相ともに連帯と協調、協力し合って世界経済の再活性化のために努力をするということが必要であろうと思います。そういう意味合いから、私は、総合投資、それから合弁企業等の拡大、あるいは先進技術の共同研究開発、産業協力等を積極的にやる必要があろうか、こう思うわけでございまして、単なる貿易の帳じりを合わせるだけでなしに、そういう経済を再生させる、再活性化させる、そういう面での私は協力関係が今度のサミットで打ち立てられなければいけない。日本はそれなりのやはり責任を果たしていかなければいけない、こう思っております。

太田淳夫公明党・国民会議

○太田淳夫君 午前中の質疑で河本長官は、五十六年度経済が政府の見通しどおりいかなかった原因としまして、世界貿易の伸びがなかったとともに雇用者所得が低くて消費や住宅がふえなかった、こういう点をおっしゃっておみえになりましたが、それは間違いございませんか。

河本敏夫自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(河本敏夫君) 五十六年度の政府の経済見通しで一番違った点は貿易の落ち込みと、それと雇用者所得の伸びを、当初想定しておりました点が相当違っておる、それによる消費、住宅、中小企業等に対する影響、それが非常に大きな悪い影響を及ぼしておる、こういう趣旨のことを申し述べました。

太田淳夫公明党・国民会議

○太田淳夫君 特に最近、先ほども円レートの話が出ましたが、円レートの影響で輸出入物価に続いて卸売物価が影響を受けているという状況ですが、貨幣の供給量も日銀総裁は許容できる最上限だ、こう言っているわけです。金融政策からのいろいろな対策というのも物価を考えますと、これからやや緩和基調からしぼり気味になってくるのじゃないかと思うのですが、そうしますと、金融対策も非常にむずかしい、金融面からの内需拡大の政策も活用できなくなってきておると思います。そうなりますと、やはり何といっても内需拡大の一番大きな柱というのは、公共投資とともに所得税減税が勤労者の実質的な所得を高めるための一番大きな施策になってきます、こう断ぜざるを得ないと思うのですが、最後に総理のお考えをお聞きして終わりたいと思います。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) 公共投資等の拡大につきましては、先ほど来申し上げておりますように、許された条件の中で最大限の努力を払ってまいる考えでございます。  それから所得税減税、この問題につきましては、おっしゃることも十分私も理解いたしておるのでありまして、どうやったらそれが可能か、しかも財政再建という課題を私はしょっておるのでありまして、そういうめどを立てながらこの問題とは取り組んでいきたいものだと、こう思っております。     —————————————

土屋義彦自由民主党

○理事(土屋義彦君) 次に、沓脱タケ子君の質疑を行います。沓脱君。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 それじゃ総理にお伺いをいたします。  いま国民、とりわけ奥さん方は、お肉を買うのを買い控えよう、ブリのおいしい時期でもブリなんてとても買えない、こう言って家計のやりくりにいよいよ頭を悩ますという段階に来ております。したがって、国民はせめて一兆円減税というのは何とかしてほしいということで切実に求めて、そしていま国会を注目をしているわけであります。  そこで端的にお伺いをいたしたいのですが、五十七年度一兆円減税を行われますか。その点を端的にお答えをいただきたい。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) 端的にお答えをいたします。  政府としては五十七年度予算は与えられた条件の中で最大限の努力をして編成をいたしたものでございます。しかし国会におかれては衆議院議長見解というものも出されまして、そしてこの今後大蔵委員会に小委員会を設けて、そしてそこで各党が合意の上に立って御検討をされる、所得税減税をやる場合の税制のあり方、またその財源の問題、そういう問題について御検討をいただくと、私は先ほど申し上げましたように、その際には参議院の御意向も十分反映できるようなことを期待をいたしておりますし、そういうような過程において国会の御意思が決まった場合には政府としては十分尊重して実行に当たってまいるということを申し上げておるわけであります。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 衆議院の議長見解も出ておりますので、大蔵委員会の小委員会の結論を待ってその結論を尊重いたしますという御答弁は、本予算委員会が三月十日始まりまして以来一貫して終始その御答弁に終わっているわけでございます。きょう初めて竹田理事の御質問にお答えになるときに、その際に参議院の御意見を踏まえということを初めて言われたわけでございます。    〔理事土屋義彦君退席、委員長着席〕  衆議院の議長見解と言われますけれども、これは衆議院における五会派の合意によってできた衆議院議長見解ですね。それは衆議院での取り扱いを決めたものでしょう、あのときにはね。御承知のように、わが国は二院制なんですよ。いままでの総理の御答弁というのでは、これは参議院をないがしろにしたものであり、きょう初めて言うたんですからね。三月十日以後今日まで全く衆議院の議長見解だけを問題にするという言い方というのは、まさに参議院をないがしろにしたものであり、まあ言わしていただければ、事実上二院制の否定にもつながりかねないのではないかという点を私はずっと心配をしてきたわけでございますが、総理の御見解を伺っておきたい。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) 私は、わが国が二院制をとっておる、そして参議院は良識の府であるということも国民の中に定着をいたしておるわけでございまして、参議院軽視などという考え方は全く持っておりません。  そこで、私は、先ほど竹田さんにお答えをいたしましたように、衆議院の大蔵委員会小委員会でこの所得税減税の問題が御検討される場合において、政党政治のもとにおけるわが国の議会制民主主義の国会でございますから、十分、参議院の御意向というものもそれに反映できるように、また反映されることを期待をいたしております。そういう経過を経て出た結論に対しましては、国会の御意思を十分尊重してまいりますということを申し上げたのも、そういう参議院を十分念頭に置き、これを尊重するという気持ちの上に立っての御答弁を申し上げたということで御理解をいただきたい。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 きょう初めてそういう御意見を拝聴したわけですが、私は発言をする機会がなかったから、ずっと十日以来そのことを考えていたのですが、衆議院の議長見解というものには、衆議院では実はわが党は参加をしておらないのは御承知のとおりです。衆議院の議長見解と言われたら衆議院でわが党は参加していないということがあるわけです、一つは。しかも、参議院ではそれだけではないのですね。会派だって、新自連という会派は衆議院にはありますけれども参議院にはない。参議院では新政クラブとか、二院クラブとか、一の会という別の会派があるわけですね。それを、衆議院の取り扱いのものを基準にして参議院の審議の隠れみののようにずっとこの二十日近く使ってこられたという点については、これは明らかに参議院軽視につながるという点で私は大変憤りも感じていたわけですが、きょう初めてそういうふうにおっしゃったので、その点については時間もありませんので引き続きお願いをしたいのですが、総理はすぐ衆議院見解云々と言っておっしゃるんですが、本当の国民の期待にこたえ、特に衆議院の審議の段階から新たな厳しい情勢を迎えてきている中で、どうしても減税をやらなきゃならないという立場で論議をやるということになれば、これはやっぱり政府自身も大蔵委員会の小委員会待ちというのではなしに、政府自身が努力をするべきだというふうに思うのですよ、実際には。政府は減税のためには財源がないというのをいままで何回も何回も言われてきました。しかし、どうしてもやらなきゃならないというお立場で御努力をなさっているという御意見というのは拝聴できませんでした。私はそうではなくて、本当にやらなきゃならないということになるなら、やっぱり政府だってその構えというものを見せていただかなきゃならないと思うのです。わが党がすでに提案をしておりますように、軍事費の一兆円以上を削減し、あるいは大企業の補助金や大型プロジェクトへの産業基盤投資の削減だとか、あるいは大企業、大資産家優遇の不公平税制の削減、こういうものをやれば、一兆円減税はもちろんのこと、減税の及ばない人々に対しても福祉、教育の改善を図って国民生活を守ることはできるのです。さらに、そのことが国民の消費生活を拡大をさせ、景気の回復にもいい影響を与えるということ、同時に、それが即軍縮にもつながるではないかと言って主張してまいったわけでございます。  総理は、減税の問題について国民の期待にこたえるために本気でやろうということになるならば、これは私どもの言い分を全部御賛成になるかどうかは話は別ですが、いろいろと各党各派、頭を悩まして何とか国民の期待にこたえようという努力をしているわけでございますから、そのための政策をとるということになるならば、私はこれは財源というのは見つけることができるし、国民の期待にこたえることはできるというふうに思うのですが、総理、御見解いかがでございますか。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) この減税の財源につきまして、各党各会派におきましていろいろ御意見があろうかと思います。政府としては、あの予算編成当時、与えられた条件——財政再建というような課題を背負いながら、許された条件の中で最大限の努力をしたのが現在御審議をいただいておる五十七年度予算案でございますが、しかし、国会の多数の御意見というものもございまして、ただいま衆議院の議長見解に基づく検討がこれからなされようとしておる。それにつきましては、政府としては謙虚に、その国会の御審議の経過並びに結果、しかもそれに参議院の御意向というものも十分反映されることを期待しながら、それが出た場合においては政府としてもこれを尊重してまいりますと、こういうことを申し上げておるわけでございますから、政府の意のあるところも御理解を賜りたい、こう思います。

沓脱タケ子日本共産党

○沓脱タケ子君 では、時間がありませんので残余はやめて終わります。(拍手)     —————————————

植木光教自由民主党

○委員長(植木光教君) 次に、柄谷道一君の質疑を行います。柄谷君。

柄谷道一民社党・国民連合

○柄谷道一君 私は、現在の日米間の貿易摩擦、特にアメリカの言い分につきましては、確かに日米間の貿易差額の問題、雇用情報の悪化などの社会的な要因、さらに中間選挙を控えているという政治的な要因によってアメリカのいら立ちは理解できますけれども、しかし、その言い分の中にはやはり不合理なことが多いのではないか、こう思うのでございます。たとえば、アメリカの高金利政策というものが世界経済に与える悪影響というものについては配慮がなさ過ぎるし、また、自由主義経済をたてまえとするレーガン政権が、議会の相互主義法案が提出されているということを盾にとるということもまた大国として許されるべきことではない、こう思います。私は、日本のとるべき対応は、アメリカの対日要求に振り回されるということではなくて、ヨーロッパを含めた、いわゆるサミット参加国が世界経済を再生、活性化させるためにそれぞれの役割り分担は何かということを相互に確認し、これをそれぞれが着実に実施するという新協調行動を確立することでなければならない、こう思うのでございます。  そこで、日本がとるべき分担は、建設国債の増発、金利の引き下げ、所得税減税の断行等による経済規模、特に内需拡大が第一、第二には産業協力、第三には残存輸入制限の撤廃と関税引き下げ等による市場の開放、この三つについて日本はその役割りを分担する。一方アメリカは、高金利、さらにマネーサプライ抑制というこのテクニックを改善するなどの金融政策を緩和して、あわせて世界経済というものを縮小均衡に導く相互主義法案の撤回にアメリカ政府として全力を尽くすという役割りを分担すべきだ。そしてEC諸国は、保護主義の台頭を抑え、アメリカの金利が引き下げられるならば、それに伴う金融面を中心とした拡大策、長期的視野に立つ供給面の充実策をとるという面での任務を分担する。こうした各国の任務分担がパッケージされて初めて世界の経済は再生され活生化されることができる、私はそう思うのでございます。  私は、当然日本の総理としてベルサイユ・サミットに臨むその基本的姿勢は、アメリカの対日要求に対応するという姿勢ではなくて、このような大きな世界の経済戦略に見合った各国の役割り分担の確認と、そしてこの中における日本の果たすべき分担、このことを強調するのが基本姿勢でなければならない、こう信ずるものでございますけれども、総理の基本的な御所信をまずお伺いいたしたいと思います。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) 柄谷さんが、現在の貿易摩擦の問題を単なる貿易摩擦の問題としてとらえずに、世界経済の活性化の中に、経済の拡大の中にそれを見出さなければいけない、こういう観点に立って、今後の世界経済対策、さらに貿易摩擦の問題、こういう問題につきましての構想をお示しになりました。私も、わが国がこの際、先ほど来申し上げるように、思い切った減税というような条件が整えば、それも含めて柄谷さんのおっしゃっていることに賛成をするわけでございますが、とにかく私は、いま柄谷さんがおっしゃった点につきましてはおおむね考え方については異論がございませんし、そういう方向でいろいろ案をいま練っておる段階でございます。

柄谷道一民社党・国民連合

○柄谷道一君 そこで、そういう基本線の中におけるわが国が果たすべき役割りということになりますと、その一つに内需拡大ということが当然出てくるわけでございます。減税問題につきましては、野党を代表するというような形で竹田委員の方から参議院の意向が十分反映されることを期待する、そして、その結論について政府としては十二分にこれを尊重するという御答弁がございましたので、これはこれ以上申し上げることは避けたいと思います。  要は、きょう私さっきの質問で、経済企画庁長官は、十二月に予算を編成しておったときに予想した以上に経済は深刻である、こういうことを述べられました。そこで、私はいま現在政府がやろうとしております公共投資の前倒しは、いわば野球でたとえるならば完投すると思うなと、とりあえず、とにもかくにも全力投球を前半やれという姿勢であって、当然先発ピッチャーに全力投球を命ずる以上リリーフ投手を置かなければならないわけですね。私はその一つが建設国債の増発ではないか、こう言ったのですが、大蔵大臣は、いま食事を食べてない前に二のぜんは出せぬと、こういう御答弁ですけれども、私、総理ちょっと認識違うと思うのです。二のぜんを出すというのは健康人を念頭に置いているのですね。いまは病人なんですよ。しかも、病人に対して病人に対する特別食のメニューを出したところ、病勢は一層悪化したのだから特別食の追加が要るということなんですね。政府は機動的、弾力的に対処すると、こう言っておられます。そういうことは、私は予算のために予算があるのではなくて経済の安定成長のために予算は存在するのだから、上半期、先発投手の全力投球によってどうも息切れがしたという場合は、当然建設国債の増発というリリーフ投手を用意するということでなければ経済対策は成り立たないと、こう思うのですが、総理いかがですか。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) 私どもは、今年の下半期に世界経済が相当立ち直ってくるであろう、これはアメリカの物価も御承知のように七%、八%台に鎮静をしてまいりましたし、そういうことを反映して、金利等につきましても当面は上がっておりませんが、いずれは下降するであろうということも期待をされますし、OECDにおきましても、世界全体の経済をそのように下期には相当よくなると、こういうぐあいに見ておるわけであります。そこで、わが国経済につきましても、内需につきまして少し明るい兆しも出てきておりますが、これにさらに公共投資等の前倒しをやりましてこれに活気を与える、そして下期に世界経済全体がよくなれば日本の経済もよくなってくるわけでございますから、また金融その他についても機動的な手も打てると、あるいは為替相場等についても改善も期待できるのではないか。いろんな諸事情を勘案できるわけでございますから、私どもはその時点における状況を見て、その際適切な対策を講ずべきだと、こう考えておるわけでありまして、とにかくいまの時点でなし得ることを全力を挙げて最善を尽くしていくということで努力をしたい、こう思っています。

柄谷道一民社党・国民連合

○柄谷道一君 賢明なる総理は当然強力なるリリーフ投手を用意されるものと期待いたしております。  そこで最後に、政府が金利の引き下げを実施されたわけですが、景気対策に重大な関連を持つ住宅ローンにつきましては、〇・一二%の引き下げでございます。これは一千万円を二十五年間の期間で借りて、ボーナス時返済なしの毎月均等払いとした場合、月々八百十円の負担減にしかすぎません。

植木光教自由民主党

○委員長(植木光教君) 時間が参りました。

柄谷道一民社党・国民連合

○柄谷道一君 私は、住宅対策の視点からして今後の経緯を検討し、当然必要によっては再引き下げの必要が生まれると思いますが、いかがでございますか。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 金融の問題は市場の実勢によって変わるわけでありますから、そのときどきの市場の実勢によって適正に決定してまいりたいと存じます。

柄谷道一民社党・国民連合

○柄谷道一君 終わります。

植木光教自由民主党

○委員長(植木光教君) 次に、森田重郎君の質疑を行います。森田君。

森田重郎新政クラブ

○森田重郎君 きょう私は総理に貿易摩擦解消についての基本的な認識をお伺いしたい、かように思います。  貿易摩擦解消策と政府の姿勢、簡潔で結構でございます。五分間でございますので、お願いいたします。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) 欧米経済の停滞を背景にいたしまして保護主義が強く台頭してきております。わが国といたしましては、縮小均衡の方向に行ったのではこの貿易摩擦の問題はおろか世界経済全体が悪化の一途をたどる以外にない、こう考えておりますから、今後国際的なサミットその他の場を通じまして、関係国と協力し合って世界経済の再活性化を図りながら、この貿易摩擦の問題につきましても、対内経済対策、対外的な経済対策等を適切に運用いたしまして対処していきたい、こう思っています。

森田重郎新政クラブ

○森田重郎君 実は、先般江崎ミッションがお帰りになって、これは新聞紙上の報道で私ちょっと承知したわけでございますけれども、たしかサッチャーさんとお会いになった折に、仮に日本が市場開放をしてみても、それだけの問題ではこの貿易摩擦の問題は解決しない、日本人の思考の問題だというような、何か記事があったように私は承知いたしております。それに対して江崎さんは何らお答えはなかったと、こういうような記事を私はたまたま日にしたわけでございますけれども、日本市場が仮に外から見た場合に閉鎖的な市場だとしても、それを制度の面から変えてみても、その結果において見るべきものがあるのかどうかということについては、必ずしも私は保証の限りじゃない、こう思うのです。アメリカからわが国を見た場合には、やはり基本的に日本も西側の一員である。一員である意味においてその責任分担というものも考えてほしい。こういう考え方がやはり基本にあるのではないかと、こんな感じがしてならないわけでございます。この貿易摩擦の問題で、仮に日本の経済が今日まで生々成長発展をしてきたその陰にはやはり防衛ただ乗り論がある、こういう認識が実はアメリカに強いのじゃないかと、そんな感じがしてなりません。したがいまして、この貿易摩擦を経済の面の次元だけからとらえて、果たして解決し得る問題であるかどうかという点について大変危惧をいたしておる者の一人でございますが、総理のその辺の認識につきまして再度御答弁願いたい、かように思います。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) この防衛ただ乗り論、そして経済の摩擦の問題どこれをリンクさして考える議論をとっておられる方もあるやに聞いておりますが、私は、日本は日本としての国力、国情にふさわしい世界平和、繁栄に対する貢献をすべきものだと、こう考えておるわけでございまして、この防衛問題につきましては、自分の国は自分で守るという専守防衛に徹する基本的な防衛政策以上のことは私は日本はやれない。しかし、第三世界等に対する経済協力、技術援助、そういう問題については、積極的に責任を果たしていくべきだと、こう考えております。サッチャーさんがいろいろおっしゃった中で、日本は、いい製品が外国でできてそれが日本に入っていくと、一遍は買うけれどもすぐ日本でつくってしまう。こういうことを端的におっしゃったそうであります。私は、ある程度国際分業といいますか、それぞれ得手不得手があると思いますが、そういう点を相協調して、相手の国も成り立つように、日本も成り立つように協調していくというようなことも大事な点ではなかろうか、このようにも思っております。

森田重郎新政クラブ

○森田重郎君 総理のお気持ちは十分わかりました。私はどちらかといいますと、貿易上のインバランスの問題と米欧がわが国を見た場合のアンフェアの問題とが、これはやはりおのずからそこに基本的に何かわれわれが考えておることと認識が違うような感じがするわけでございますね。その点もう一度ひとつ総理の御答弁をお願いいたしまして私の質問を終わります。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) 私は、今回非関税障壁等の国際並みの改善ということを一つの目標として努力をいたしておりますが、そういう点と同時に、国内の流通機構、特に日本の企業等が系列に対して自分のところでつくった部品やなにしか使っちゃいけないというようなことをするのでなしに、もっと広い気持ちで外国の部品、製品等も受け入れていくというような、そういう面の改善ですね、そういう流通機構の改善等も指摘をされておる点でございます。そういう点も謙虚に受けとめて、いろんな点をこの際改札、改善を講じていきたい、こう思っています。

森田重郎新政クラブ

○森田重郎君 終わります。

植木光教自由民主党

○委員長(植木光教君) 次に、青島幸男君の質疑を行います。青島君。

青島幸男第二院クラブ

○青島幸男君 まず総理にお尋ねをいたします。  何ですか最近の総理並びに自民党の動きを見ておりますと、軍縮、反核の運動に水を差すというような感じがしないでもないという動きがあるように私感じられまして大変に不安に思っておるわけでございますけれども、核軍縮について総理の姿勢が何か後退をされておるように思うのですが、反核、軍縮の国民世論につきましてどのようなお考えでおいでになりますか、お聞かせいただきたいと思います。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) 私は、日本は世界における唯一の被爆国民でございますから、核兵器の廃絶を含むところの核軍縮、広範な軍備の縮小、こういうことを常に願っておるものでございます。特に核兵器の問題につきましては、非核三原則を堅持するというような民族の一つの願いとしてこれを堅持してきておるところでございます。したがって、私は反核運動に対して水を差したり、これを抑えようなどという考え方は毛頭持っておりません。この点は明確に私は申し上げておきたいと思います。  ただ、私が申し上げておるのは、現実に核軍縮等を進めていく、そしてこれを均衡を保持しながらだんだん低いレベルにこれを抑えて終局的には核兵器の廃絶を図る、こういうためには、核の超大国である米ソというもの両方が、責任と自制を持って対処してもらわなければ困るというのが基本的な私の考えでございます。それを、一方的な片手落ち的なそういう要求なり批判ということは、かえってこの問題を円滑に推進するゆえんではないということだけを申し上げておるということであって、基本はあなたのお考えと全く違っていないということを申し上げておきます。

青島幸男第二院クラブ

○青島幸男君 御決意のほどを承りまして、私も安心して、ぜひそのお考えでお進めいただきたいと思うのですが、現実の問題といたしましては、アメリカの要請などもございまして防衛費が伸びております。この防衛費の突出と一般会計予算に占める防衛費の比率の増加から見ますと、もうすでに経済の軍事化が始まっているのではないかという危惧を抱く人も大ぜいおるわけでございます。軍拡が国民経済に与える影響というものをどういうふうにとらえておいでになりますでしょうか。

鈴木善幸自由民主党内閣総理大臣

○国務大臣(鈴木善幸君) 私は、軍備拡張競争を続けていったのでは、人類の平和あるいは人類の幸せというものは、これは実現はできない、このように考えております。したがって、均衡を保持しながら低位にこの軍事力というものを抑制をしでいって、そして、むしろ平和、軍縮の方向に世界を持っていかなければいけないし、そういう中で、日本は平和憲法のもとに御承知のようにわが国の基本的な防衛政策というものがございます。自分の国は自分で守るという必要最小限度の防衛努力をやる、しかし近隣諸国に脅威を与えるような、そういうことはしない、こういうことでございますから、私は、GNPの一%云々と言われるようなそういう着実な最小限度の防衛努力、これが世界の経済なり日本の経済を圧迫しているとか、ゆがめるとか、そういうものではないと、このように思っております。

青島幸男第二院クラブ

○青島幸男君 総理、大変丁寧にお答えいただくので、私、持ち時間五分しかございませんので質問する時間がないんですが、先般、国連の軍縮問題専門家グループ二十七人の各国の専門家が集まって、三年かけて検討なすったという報告が出ているのですが、これによりましても、増加していく軍事支出が経済成長に非常に悪い影響を与えておる、軍備を充実させていこうとすることは経済の足を引っ張ることだということを明確にしております。ここに表もございまして、ごらんに入れたいのですが、もう時間もございませんが、軍縮を求める国民の世論あるいはその世界的な影響も考えまして、そのことを世界に広める、あるいは言い続けるという形でお進めいただくことが世界の経済に回復をもたらすことでもあるという立場から、この御決意はかたくお守りになっていただきたいということを御要望申し上げまして終わります。

植木光教自由民主党

○委員長(植木光教君) これをもって減税・景気動向・公共事業に関する集中審議は終了いたしました。  明日は、午前十時に委員会を開会し、昭和五十七年度一般会計予算外二案の審査の委嘱について決定いたしたいと存じます。  本日は、これにて散会いたします。    午後五時五十分散会

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