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96回国会参議院1982/03/27

予算委員会 第16号

発言数
429
登壇者
50
会派数
7
開催日
1982/03/27

会議録

植木光教自由民主党

○委員長(植木光教君) 予算委員会を開会いたします。  昭和五十七年度一般会計予算、昭和五十七年度特別会計予算、昭和五十七年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。

植木光教自由民主党

○委員長(植木光教君) まず、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  昭和五十七年度総予算三案審査のため、本日の委員会に日本銀行総裁前川春雄君、岩手県和賀郡沢内村村立沢内病院院長増田進君を参考人として出席を求めることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

植木光教自由民主党

○委員長(植木光教君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  なお、出席時刻等につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

植木光教自由民主党

○委員長(植木光教君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————

植木光教自由民主党

○委員長(植木光教君) それでは、大川清幸君の一般質疑を行います。大川君。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 まず最初に、この委員会でも村上委員からも御質問がありましたが、文化財あるいは自然の保護、こういうような観点から屋久杉の問題についてお伺いをいたしたいと思います。  昭和三十九年の三月十六日、屋久島は霧島屋久国立公園に指定されておりまして、この国立公園の特別保護区及び一種、二種、三種特別地域の線引き、これはどういう理由、どういう根拠でなさったのか。これについてまず御説明を願います。

正田泰央環境庁自然保護局長

○政府委員(正田泰央君) 基本的には、この地域は山岳景観がすぐれているということ、第二点に屋久杉を中心といたしますところの原生的な森林が多い、第三点に植物学上非常に重要な特徴を持っているということで指定いたしたわけでございますが、その内訳といたしまして、第一種特別地域、第二種特別地域、第三種特別地域とございますが、それぞれの植生の特徴に応じまして地元調整の結果、第一種特別地域が六百十五ヘクタール、三%、第二種が七百五十九、四%、第三種が一万一千四百五十ヘクタールの六一%、そういう内容で指定されております。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 その特別区あるいは特別保護区、それから第一、第二、第三種、これらの線引きをした中に、いわゆる屋久杉、これはどんな分布になって残っていますか。

正田泰央環境庁自然保護局長

○政府委員(正田泰央君) 屋久杉と申しますのは、おおむね千年以上経過したものでございますので、その種の屋久杉と、それから千年未満の小杉と称するものがございますが、屋久杉については指定当時全般的に分布しておったようでございますが、現状においては相当減少しております。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 現状においては大変少なくなっておることがいま報告されたわけです。  そこで、いま面積の御報告もいただいたのですが、第三種、伐採可能な地域、これは第二も問題なんですが、とりあえず第三種特別区域だけでも全体の指定した中で六一%、大変広いんですよ。しかも瀬切川の右岸の尾根の方ですね、ここのところの特別指定をした地域は、差し渡し一番狭いところ四百メートル前後しかないでしょう。これで自然保護の観点、植物学上、生態学上いいのかどうかという問題についてはどういう見解なんですか。

正田泰央環境庁自然保護局長

○政府委員(正田泰央君) 現状についてはまことに御指摘のとおりでございまして、国立公園制度につきましては現在全地域について見直しを行っております。特に、この地域については、いまおっしゃった瀬切川上流地域及びその他のすでに指定している地域につきましても見直しを行って、保護地域の拡大とか、あるいは指定地域の編入とか、そういうふうにいたしたいという方針を持っております。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 この貴重な天然資源ですけれども、将来ともに貴重な財産として保護していく上には大変貴重な施策をということになるんですが、いま指定していただいた四百メートルの全体のあれでも尾根地域が多いんですよ。これ、写真見ていただくとわかりますけれども、尾根なんていうのは大きいのは育たないんです。これ見てください、頂上の方です。将来ともに屋久杉なんか育ちませんよ。しかも屋久杉を切った跡を見てください。しかばね累々という感じですよ。桂離宮みたいに後で修復する建物なら可能性があるけれども、千年たたなきゃ屋久杉はできないんですから。  そういう点から考えると大変これは問題なんでして、この間も村上委員にも答えられておりますが、いま見直しの最中だと言うけれども、見直しがきちっと終わるまで、基本方針が決まるまで伐採はしないということにしてくださいよ。農林大臣と環境庁長官お二人そろっているんだから、話し合って正式な方針をきちっとここでしてください。

秋山智英林野庁長官

○政府委員(秋山智英君) お答えします。  ただいま国有林の第四次の地域の施業計画編成の最中でございます。この編成に当たりましては、地元の町、県関係者の皆さんの意見を聞いて現在検討している最中でございますが、先生御指摘のとおり、瀬切川の右岸の森林は学術上きわめて重要な面がございますので、今後さらに慎重に検討してまいりたい、かように考えております。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 両大臣は、去る十四日、上屋久町議会の委員会で全会一致で請願九件が採択をされ、なお二十五日の本会議でも全会一致で採択をされておりますが、現地の議会でもそういうような決定をいたしておりまして、これらについての受け取り方についてはどうお考えですか。

原文兵衛自由民主党環境庁長官

○国務大臣(原文兵衛君) 御指摘のとおりでございまして、環境庁としましては、さきに指定した原生自然環境保全地域と国立公園地域とが相まって、この世界的にも大変評価の高い屋久島の自然環境が十分保全されるよう、御指摘の地域を国立公園の区域に編入したいと考えているところでございます。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 見直しの最中だといいますし、地域を広げたいという考え方は私も大賛成です。それ、いつまでに見直しをしていつまでに決定するのですか。決定するまで伐採はやめますか、はっきりしてください。

秋山智英林野庁長官

○政府委員(秋山智英君) 国立公園の区域の拡大につきまして、まだ具体的に伺っておりませんので、環境庁と十分詰めまして慎重に対処したい、かように考えております。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 答弁不満だな。両大臣そろっているのだから相談してはっきりしてくださいよ。

田澤吉郎自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(田澤吉郎君) いまの計画変更の日程が明らかになるまで、やはり伐採を中止さしたいと思います。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 それで、計画決定のめどについてもお考えがあるのですか、ないんですか。

正田泰央環境庁自然保護局長

○政府委員(正田泰央君) 先般も現地に責任者を派遣して調整を行っておりますから、また近々折衝を行いたいと思っております。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 何ですって。

正田泰央環境庁自然保護局長

○政府委員(正田泰央君) 折衝を行いたいと思っております。なるべく早く結論が出るようにお願いしたいと思います。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 それでは、いまなるべく急ぐということですが、大臣、この方針で前向きで努力なさいますね。

原文兵衛自由民主党環境庁長官

○国務大臣(原文兵衛君) できるだけ早く、前向きでもって決定したいと思っております。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 それでは、次に景気とそれから税収の問題で伺ってまいりたいと思いますが、官房長官はお時間の都合があるそうですからちょっと先にお伺いをしてしまいますけれども、グリーンカードの実施の問題なんですよ。  きのう、きょうあたり、ちょっといろいろ新聞報道がありまして、松野国土庁長官、それから中川長官、それぞれ何か反対方向、それで何か廃止の署名を依頼されたら署名するというようなこともおっしゃっている。松野長官の方は何か後で個人的な発言だという修正をなさっていますけれども、これは国会の議決したことを実施もしないうちに変更するなんて前代未聞のことはないので、これからどうするかという問題は残っていますけれども、歴史始まって以来珍しい内閣ということになるんですよ、閣僚の中からあんな意見がばらばら出ているということは。したがって、この国会の議決、これについてどういう考え方でいるのか、これが問題。本当は両大臣きょう来てくれればよかったのですが、国土庁長官の方は何か健康のぐあいがどうのこうのと言っていたから私も了解したのですけれども、これは内閣としてはどのように対処するつもりですか。はっきりしていただかないと、内閣に対する国民の不信感につながりますよ、国会で決めたものを何か変更するみたいなことをごちゃごちゃごちゃごちゃ不規則発言されたんじゃ。閣内不統一もはなはだしいじゃないですか。はっきり御答弁願います。

宮澤喜一自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(宮澤喜一君) 閣僚の中で、この制度に反対あるいは改めるべきであるということをお考えの方が、あるいは発言された方がおられるとすれば、それは個人としてのお考えと思います。と申しますのは、内閣としては、しばしば総理大臣も大蔵大臣もお答えを申し上げておりますとおり、この制度を変えることは考えておりません。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 それでは、変えないことははっきりいたしました、内閣としては。  両大臣の発言についてはどんな処置をするのですか。

宮澤喜一自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(宮澤喜一君) これは、一人一人の政治家として意見をお持ちになることは、私はおとめをするわけにはまいらないと考えております。ただ、署名運動というようなものもございますので、それにはできるならば閣僚でいらっしゃる間署名をしていただかない方がいいということは申し上げておるところでございます。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 これ、論争してもあれですから……。とにかく国会で決めたことが何か軽々変更されるようなことがあっちゃまずいんですから、姿勢としては内閣としてきちんとしていただくことを要望いたしておきます。長官、それで結構です。  次に、政府、大蔵省でお出しになった五十七年度の予算及び財政投融資計画の説明書ですね、この冒頭のところには、物価の安定、国内需要を中心とした着実な景気の回復、あるいは行政改革の実施、それから貿易の拡大均衡を基調とした調和ある対外経済関係の形成、こういうようなことで中長期安定成長の軌道に即した経済成長を実現したい、こういうふうに言っています。ですからこの大前提が崩れると、大変残念ですが、税収その他経済対策もうまくいかないだろうと私は思います。  そこで、先般の補正予算の審議のときに、日銀ベースといいますか対民間収支ベースを基礎にして、そして五十七年度の四、五月分も取り込んだ形で数字を申し上げまして、いま予算案が出ている最中だから、事務当局から明確な答弁はしづらいということで数字のお答えはなかったのですが、この試算でいくと三十兆五千六百億前後、ですから補正後の三十一兆八千億円に対して、一兆二、三千億円は歳入欠陥が生ずることになるんですね。これは、私はデータが確実だから間違いないだろうと思うんです。それで、一兆円を超える財政上の歳入欠陥は大変重大なこれは問題でございまして、赤字決算は法律上できないことになっておりますから、しかも予算委員会の質疑のやりとりで、補正は絶対やりませんと二回も私に答弁をいたしておりますので、そうすると、まず二、三千億の不用額、これを取り込む、あるいは決算調整資金の取り崩し二千四百億、それでも五、六千億足りないんですよ。これはあれですか、国債整理基金など一時借り入れなどで帳じり合わせをせざるを得ないでしょう。いかがですか、大臣。

福田幸弘大蔵省主税局長

○政府委員(福田幸弘君) 税収は、先般から申し上げていますように、三月の申告が、まだ集計が来月の下旬になりますし、三月法人が七月初めにならぬとわからないわけでございますから、見積もりをどうするかということにつきましては、歳入欠陥を前提としたお答えはできないという状況でございます。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 この間の本会議の答弁でも、現行の制度の中でやらざるを得ないでしょうという、まあ仮の答弁がありましたが、それはそのとおりなんですね。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 原則は、ただいま主税局長が申し上げたとおりでございます。  ただ、仮に仮にと、こうおっしゃいますから、仮にするとすれば、法律で決められた範囲内しかできないわけですから、だから現行の法律で定められた範囲内でやらざるを得ないでしょうと、こう申し上げたわけでございます。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 まだ時期がこないので、大変答弁がそういう点ではしやすい時期だと思います。  それで日銀の総裁、国債基金からのまた押しつけがいずれあるんですよ、こういう経過を見ますとね。余り軽率に国債の引き受けなんかやらないようにしてくださいね。いいでしょうね。

前川春雄日本銀行総裁

○参考人(前川春雄君) 本行は、国債の引き受けを財政法によって禁止されておりますので、そういうつもりはございません。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 ところで、確定申告が三月十五日に済みました。歳入欠陥が生ずるか、深刻なところです。当局として一生懸命これをチェックしているんだろうと思うんです。しかし、時間的にはどうも四月いっぱいかかりそうだという御返答だったので明確な返事はいただけないと思うんですが、証券会社系の調査によりますと、五十七年三月期決算、これはどうもぐあいが悪いようですね、全企業の決算の経常利益の伸び率はどうも大幅に修正されているようです。しかも九月期についても、パーセンテージは伸びるけれども、金額的に言うとやっぱり修正の方向のようですよ。これについての見通しは、やっぱり必死だからお考えになっているんでしょう、どう見ていますか。

福田幸弘大蔵省主税局長

○政府委員(福田幸弘君) お答えします。  三月期決算は不確定要因が多いわけで、日銀も短観では、二月調査では下期、前期に対して三九とか、また大法人の決算も好調な数字がいままではあらわれております。今後、不確定要因はございますが、われわれとしては確実な数字というものは見通せない、予算のとおりである、こう思います。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 それで、マネーサプライの推移を見ますと、大蔵省からいただいたデータでも、五十七年一月から三月期、この状況は都市銀行一八・二%、相互銀行六〇・七、地方銀行四・八%で、大体緩和基調で来たわけです。この間の三月十五日の日銀総裁の御答弁では、通貨量、通貨供給量は限界ぎりぎりだという御答弁があって、なかなか金融政策上は幅が限られている状況の中でむずかしいと思うんですよ。しかし、この間の三兆円の政府短期証券の売り出し、これもおやりになる。それから、今後の金融政策としてはどんな方向でお臨みになるのか、この辺についてお伺いして為きましょう。

前川春雄日本銀行総裁

○参考人(前川春雄君) マネーサプライは、最近一月、二月とも前年比M2プラスCDで一〇・七%ぐらいというところでございましょう。金融政策は一昨年以来緩和政策をとっておりまするので、マネーサプライがふえるということはその結果として当然でございます。景気が悪いものでございますから通貨の回転率も低いということで、若干高い数字でございます。  ただ、前回も申し上げましたとおり、許容し得る最上限にある、これ以上加速してふえるということは望ましい状態ではないというふうに判断しております。  目先、四月、五月、年度がわりで大量の政府資金が出まするので相当の資金余剰が出ます。四月、五月は恐らく五兆円ぐらい出るのではないかと思いますが、この余剰資金は金融調節で吸収しないといけませんものでございますから、そのうち三兆数千億は政府短期証券を市中に売却することによって吸収いたしたい、残りはその他の手段によって吸収したいと、そういうふうに考えております。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 日銀の方では金融対策上、そのような基本的な考え方のようですが、これはアメリカの高金利、円安、一方国内の需要を喚起するための景気対策、こういう点から考えると、金融政策といいますかそういう全般的な考え方からいうと、経済企画庁ではこのことについてはどうお考えになりますか。

河本敏夫自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(河本敏夫君) 金融政策につきましては、政府の方では引き続いて機動的に運営をすると、その基本方針を決めておりますが、機動的に運営するという意味は、現在の経済情勢のもとでは、条件が許せばできるだけ低い水準に持っていきたい、こういうことでありますが、いろいろな外的条件等もございまして、なかなか思うようにやれないというのが現状でございます。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 ところで日銀総裁、たびたびお手数でございますが、第一次オイルショックのとき、四十七年の十−十二月の間、このときのマーシャルのk、それから五十六年の十−十二月の間のマーシャルのk、これはデータ的にどうなっていますか。

前川春雄日本銀行総裁

○参考人(前川春雄君) 四十七年の十−十二月、ちょうどオイルショックが始まったときでございますが、M2プラスCDの平残を含み総需要で割りましたいわゆるマーシャルのkでございますが、七四・九でございました。一番最近五十六年の十−十二月につきましては七六・四となっております。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 ですから、第一次オイルショックの直前七四・九なんですよ。五十六年が七六・四、大変高いんですわ。そこで三兆円の短期証券、政府の短期証券も売り出して日銀さんは吸い上げようと、こういうことです。しかし、先ほど総裁もお触れになっておりましたが、四月以降中央、地方、これは新年度の予算執行もしますし、政府の方では景気対策のために公共事業七五%前倒し、こういうようなことになると、貨幣の供給量はふえますね。それも見込んでいま三兆円売り出して吸い上げようということですが、それでもなおこのマーシャルのkが高いところから。見ると、物価に対する影響はまだ心配な条件が残っているんじゃなかろうかと私は思うんですが、その辺に対する判断は、総裁並びに企画庁長官はどう見ておられますか。

前川春雄日本銀行総裁

○参考人(前川春雄君) 通貨量の膨張というのが、物価との間にある程度の相関関係があるわけでございまするので、そういう意味でマネーサプライにつきましては、私ども非常に慎重に対処してきたつもりでございます。  現状から申しますると、このマーシャルのkの増加というものが物価にとって危険な状態にあるとも必ずしも判断しておりませんけれども、最近はむしろ円安が物価を押し上げる、そういう点については非常に関心を持ち、また心配しておるところでございます。

河本敏夫自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(河本敏夫君) 日銀総裁のお述べになったとおりでございますが、現時点では物価の問題はまず心配はない、このように考えております。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 心配ないということで期待をしておりますが、しかし卸売物価の方なんかではちょっと徴候は出ていませんか。どうですか、その辺は。

河本敏夫自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(河本敏夫君) 円安になっておる分だけ、この卸売物価はやや上昇ぎみでございます。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 時間がないので次の問題に移りますが、日本の最近の経済成長のトレンドですね、いわゆる潜在成長力ですが、これが第一次オイルショック、第二次オイルショック、それから今日と、どうも変化をしているという認識で私はいるんですが、その辺の認識はいかがですか。

河本敏夫自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(河本敏夫君) 経済企画庁でもいろいろ検討いたしました結果、ことしの一月に七年計画を三回目のフォローアップをいたしまして、なるほど一時に比べますとわが国の潜在成長力は若干低下しておるかもわかりませんが、昭和六十年度まで平均で五・一%見当の経済成長を達成するということは可能であると、こういうことを見直して見通しを立てたところでございます。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 成長率のトレンドが落ちていることについてはお認めになるんですね。

河本敏夫自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(河本敏夫君) いまの段階では、何しろ世界経済が戦後最悪の状態になっておると、こういう状態でございますから、本当に正確な見通しを立てるということはむずかしいのですけれども、若干落ちる傾向は確かにあろうかと思いますが、まずまず先ほど申し上げましたような安定成長路線を続けるというその基本路線は変えなくてもよろしいと、こういう結論でございます。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 それでは、その論争は後でもう少し触れたいと思いますが、そこで財政再建の実現のためには歳出の削減はこれはばっちりやってもらわなきゃならない。しかし、再建に必要な税収、これも上げるような政策をとらなきゃならないと思うんですよ。その適正な経済成長を確保する必要がそういう点ではあるわけですが、財政に出番なしとずっと政府はおっしゃってきたのですが、実際には潜在成長力に見合った経済見通しと政策手段を講ずるようにしないといかぬと思うんですが、その点についてはどうお考えになっておりますか。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) それは御指摘のとおりでございます。したがいまして、経済企画庁などともよく連絡をとって経済の維持発展に努めてまいらなければならぬと、そう考えております。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 そこで、要するに財政再建を大変むずかしくしている条件、これは日本経済の潜在成長力が落ちてきているということが一つあると思うし、それから現在の財政運営上も問題があるのじゃないかと私は考えておるわけです。政府としてはさっきずっと五%ぐらいと言ったけれども、私ちょっと調子が違うんじゃないかと思いますが、もう一回この辺の認識について御答弁願えますか。

河本敏夫自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(河本敏夫君) 先ほども申し上げましたように、五・一%成長見当は十分可能だということでありますが、しかしこれは毎年五・一%成長するということではございませんで、七カ年間平均してほぼその見当の成長をやることは可能であろうと、こういうことでございますから、五・一%以下の年もありますしそれを超える年もあると、こういうことでございます。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 いまそうおっしゃっていますけれどもね、実際にはあれでしょう、最近の経済の状況から考えても、GNP一つとってみても、「財政の中期展望」では五十八年から九・九の伸びをずっと見込んでいますわな、名目で。これは現実と実際に乖離しているのじゃないかというふうに私は心配をいたします。  一つは、その「財政の中期展望」ですね、平均成長九・九%、これを前提に五十八年から六十年まで組んでいらっしゃるのですが、これがもうだめだということになると、財政展望は全く根底からこれは覆ることになるのですけれども、何遍もくどいようですけれども大事なところなんで、大丈夫なんですね、本当に。

河本敏夫自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(河本敏夫君) 七カ年計画では、消費者物価を平均五%と、こう見ております。しかし、これも七年間の平均をそう見ておるわけでございますから、時にはそれを若干超える年もありましょう。七%、八%になる年もありましょうが、三%になる年もあると思うのです。したがいまして、七年間の平均でございますから、現時点は物価が非常に低い水準にございますから名目成長率も低くなっておりますけれども、もう少し長い日で私どもは判断をいたしておるところでございます。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 ところで、大蔵大臣は引き続き増税なき財政再建、この方針で今後もいかれるんですね。増税なき財政再建、従来おっしゃっていることで、今後も方針は変わりませんね。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 御承知のとおり、税金というのは歳出のために取るわけでございますから、歳出が確保されるに必要にして十分なだけ取れば結構なわけでございます。したがって、われわれといたしましては、まず御指摘のように歳出の削減ということに当面最大の力を入れる、それによってあとは歳入についても洗い直しを行う。増税なきということは、要するに現行税制の中でどこかの一税目について適正のためのでこぼこ是正をやる、それも増税だと、こう言われますと、そういうことはできません。要するに現行の税体制をそのままにしておいて、そのほかに新しく大型な増税をやる、新型、大型増税をやることは考えておりませんということを申し上げたわけであります。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 そこで、「財政の中期展望」は、五十八年度以降歳入は九・九%の成長率に弾性値を一・二、これを掛けて税収を出していますね。ところが、一方どうですか、歳出の方は後年度の推計額で、中期展望は歳入と歳出が形の上でいうとこれは独立した形で仕組まれていますよ。増税なき財政再建ということであれば、五十六年度実績でも歳入欠陥が出ようというのですから、これはゼロシーリングでやれば、何といいますか、デフレ効果みたいなものでやっぱり税収が伸びてこない。ですから、そういう点から考えると、ゼロシーリングで今後も臨まれるということになると、九・九%の経済成長率を低下させることになりますよ、財政の方でそう切り詰めていくと。ですから、結果として所期の税収は見込めない、大変確保しづらいということになりませんか。

福田幸弘大蔵省主税局長

○政府委員(福田幸弘君) 税収の面だけ申し上げますと、九・九に一・二で一一・九ということで、これは中期的なやはり姿を見たということでございます。過去五年でGNP九・五に対して税収一二・〇ですから、一つのめどとしては中期展望というのは意味がある。しかし、歳出の方が後年度負担ということで挙げておるのと、この税収の方は性格が違います。その出発点のところについての欠陥論、これはいまのところ税収を見直す確実のものがないということでございますので、出発のところの議論は決め手がないということであろうと思います。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 決め手がないと言うけれども、大体これはやっぱり厳しい条件に大蔵大臣なりますよ。もう本当に税収の担当をしていてお気の毒だと私は思っているのです。  ところで、六十年度を展望した場合の一つの試算ですが、これは京都大学の経済研究所の計量モデル、それに関西経済研究センターの中期財政モデルをドッキングさせまして試算を私、お願いしていただいたのですが、大変この将来の見通しが心配ですから、そういうモデルで試算をしてもらいました。  一つとしては、原則としてゼロベース・これをお続けになるということであれば、成長率は名目で六%、実質で四%弱ですよ。    〔委員長退席、理事土屋義彦君着席〕 そうすると、税収は中期展望で望んでいる一一・九にはどうしてもならない。七・九ぐらいです。大変厳しい。  もう一つは、財政をゼロシーリングのままで、もしうまく経済政策がいって内需が拡大されたとします。個人消費が増加をした。そういう試算をしましても、成長率はまあせいぜい名目で六・六で実質で四・五。したがって、税収の伸びは八・九です。これも一一・九に大分足りません。歳入欠陥が出ます。それでは外需の拡大を少し——後半よくなるなんということは私、根拠は信じませんが、本年度の後半はよくなるのだって河本さんときどき答弁なさっているが、あの条件、僕は何もないと思うのですが、一応百歩譲って、それで外需が幾らか拡大されたという見通しでいっても、これ名目八%弱です。実質五・三です。ところが、これは困ったことに、通関ベースで一五・二%の増になって、六十年度には経常収支の黒字が五百億ドルぐらいになっちゃう。こんな貿易摩擦の激しいときに、こんなことできないと思うのですよ。そうすると、これは八万ふさがりです、日本の経済は。税収もちょっと困るのですよ。ですから、先ほど言ったように経済の成長率、潜在成長力、いわゆるトレンドがずっと下がってきているので、これに見合った財政展望をもう一回、経済は生き物だとおっしゃったから、考え直して立てないとだめでしょう。そういう心配を私するんですが、その点どう考えますか。

河本敏夫自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(河本敏夫君) 実は、この七年計画を見直したらどうだと、こういう議論があるのですが、それに対しましては、昨年の春以降、経済審議会に長期展望委員会というものをつくっていただきまして、今後二十年間、二十一世紀を展望して日本の社会経済がどのように変わるのか、こういうことについていまいろいろ検討していただいておりまして、もう二、三カ月もすればおよその結論が出ることになっております。臨調の本格答申もここ二、三カ月の間に出るようでございますので、そういうものを参考にいたしまして、この七年計画を一体どうしたらいいのかということについて抜本的な検討をしてみたいと、実はこう思っておるのです。ただしかし、世界経済がいま大混乱期にございますので、この世界経済の大混乱期に本格的な計画を立てるということもむずかしい点もございますので、その点とのやはり関係も分析してみなければならぬと、このように思いまして、ここ数ヵ月間、御指摘の問題については引き続き勉強してみたいと思っております。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 大蔵大臣も同じ御意見ですか。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 経済は生き物でございますから固定的に考えるわけにはいかない、当然なことでございます。なかなか自由主義経済においては、自分の、政府の意思によって民間経済が自由に動くというようなことにもまいりません。したがって、世界経済全体の流れというようなものを見きわめながら、ただいま河本長官が言ったように勉強をしていきたい。もし、そういう土台が変われば、当然これは収入ベースが変わってくるし、問題は臨調答申がどう出るかという問題もございますが、現在の制度、施策のままではそれだけ膨大な経費が出てくるわけですから、新しい安定成長下にそのようなどんどん加速してふえていく経費はとても国民が負担し切れないということになれば、当然それは思い切って制度、施策を変えるということにならざるを得なかろうと、そう考えております。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 それでは、時間がだんだんなくなってきましたので次に住宅問題に入りますが、住宅問題に入る前に、二十六日の読売新聞の報道によりますと、日本テトラポッド株式会社と大手五社、これが裏ジョイントあるいは一括下請、いわゆるまる投げ、これは建設業法第二十二条違反でございますが、こういうようなことが起こっています。大変残念です。とりわけ、官公需に対するこうした談合その他の不正が次々に明らかになっておりますが、民間企業なんかでは社運のかかっている立場上、こんなことは考えられないんですよ。ですから、納税者の側から見方を変えて言うと、一体それでは試算をした入札価格が適正なのか、ないしは、こうしたことをやって工事の手抜きが行われるのか、国民の方からはこういう不安と不信が起こるのです。こうした問題が起こって——まあ契約のときには業者側が作為的にやったら、これは監督官庁でも見分けがつかない事情は私はわかりますよ。しかし、まる投げなんかでやっちゃって、現場の出先じゃわかっているのじゃないですか、こんなことは。新聞なんかで指摘されなきゃ始末がつかなかったり、行政上の対処ができないなんということは、とんでもないことです。納税者の国民に対しても大変これは残念なことですよ。この事件についての対処の仕方、これはいまどういうふうになっていますか、建設省と運輸省。両省に関係ありますよ、この事件。

始関伊平自由民主党建設大臣

○国務大臣(始関伊平君) お答えをいたします。  御指摘の点につきましては、現在日本テトラポッド株式会社から事情聴取を行っているところであります。さらに、関係のある各社からも事情聴取を行っておるわけでございますが、違法な行為があれば、大変残念なことでございますが、そういう事実があれば、建設業法に照らして厳正に対処していくと、これがこの件に対する当局の態度であります。

吉村眞事運輸省港湾局長

○政府委員(吉村眞事君) お答えを申し上げます。  二十六日の読売新聞の記事の中で、運輸省の関係の工事が三件ございました。これにつきましては、現在それぞれの建設局あるいはその業者を呼びまして実情を調査しております。現在わかっておりますのは、テトラポッド株式会社に下請をさしたということはわかりましたけれども、これがいま新聞に載っておりますようなまる投げでございますとか、そういう状況であるかどうかが、三年前の工事でございますし地方の工事でございますので、現在ちょっと情報を入手しておりません。しかし、これがもし事実であるというようなことになりますれば、ただいま建設省からもお答えもございましたが、非常に遺憾なことでございますので、私どもとしては発注者としての立場で厳正な措置をしたいと思っております。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 運輸大臣、御意見は同じでございますか。

小坂徳三郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(小坂徳三郎君) ただいま精力的に調査をいたしておりまして、事実であるとすれば、これは大変な不祥事でございまして、発注者といたしまして今後適正な処置をとるとともに、また、いま全般につきましてこうした事実があるかないかということについてもさらに積極的に調べながら、委員御指摘のとおり、むだ遣いのないように努力をしてまいりたいと思っております。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 とにかくそれでは、運輸省、建設省ともに、国民の納得のいくように後の処置の仕方を要望いたしておきます。  運輸大臣、結構です。御苦労さまでございました。  ところで、住宅建設の問題ですが、これは経済の何というか、柱というか、内需拡大の柱のようにずっと河本長官もおっしゃってきたのですが、五十六年度の実績で言いますと、新設の住宅戸数は百十五万戸をどうも下回ることが確定的のようでございます。ところで政府は五十七年度の実質経済成長率五・二%、これを確保するために百三十万戸の建設をもくろんでおるわけですが、住宅投資が回復するという根拠は何と何ですかね、これは。どう思っていますか。

豊蔵一建設省住宅局長

○政府委員(豊蔵一君) お答えいたします。  現在の住宅不振の原因として考えられますものは、端的に申し上げますと住宅価格と取得能力との間に乖離があることだと考えております。その際の乖離の原因としてもいろいろ考えられますが、やはり地価の問題、建築費の問題、所得め問題あるいはこれを補完いたします住宅ローンの問題といったようなことが考えられますが、幸いに最近におきましては建築費は安定傾向を示しておりますし、また地価につきましてもかなり上昇率が鈍化しておるという傾向が見られます。五十七年度の経済の展望をいたします場合に、所得の伸びも相当見込まれるというようなことから、私どもといたしましては政府関係の金融関係につきまして充実を図るとか、あるいはまたさらに土地の供給を促進するための住宅土地税制等の大幅な改正等をお願いしておりますが、こういったようないま申し上げましたような諸要件を改善することによりまして取得能力も上昇して回復に至るのではないかというふうに考えております。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 希望的観測を聞いたのですが、経済企画庁で百三十万戸、これをどのぐらい実現するという期待というか裏づけを持って見ているのですか、どうです。

河本敏夫自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(河本敏夫君) いま建設省の方から御説明がございましたが、新年度の予算では住宅金融、それから税制を含む土地政策あるいは中古住宅の建てかえ政策、相当思い切った内容になっております。それで私どもは五十六年度は百十五万戸見当に落ち込んでおりますけれども、約一割見当百三十万戸までぐらいの回復は可能である、このように判断をいたしております。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 それでは御答弁をそのまま受け取っておきますが、ところで先ほど御答弁の中で説明がありました住宅取得についての取得能力との乖離の問題ですね。これは公益法人である都市開発協会、これが一戸建てとマンションでデータを出しているはずですが、状況はどうなっていますか。

豊蔵一建設省住宅局長

○政府委員(豊蔵一君) 御指摘ありました社団法人都市開発協会が昭和五十六年の六月に作成いたしました資料に基づいて見ますと、二戸建て住宅につきましては五十五年で見ますと年収の六・五六倍、五十六年の推計では年収の六・九七倍、またいわゆるマンション、中高層住宅につきましては五十五年五・一九倍、五十六年の推計五・五一倍というふうになっていると承知しております。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 いまの御説明でわかるように、一戸建てでは年収が五倍が限界、マンションは四倍が限界ということですから、明らかに所得との乖離が起こっています。五十六年度全国の民間の分譲マンション、これはちょっと建設ラッシュで数字の上では上がっているんですが、実際にはこれは需要供給のバランスの関係じゃなくて、昨年六月の建築基準法の施行令の改正があったもので、駆け込みによる現象なんですよ。だから、所得と住宅取得のあれに乖離があれば、全国でいまあれでしょう、五十七年度というのは四万戸前後在庫があって、これの整理期間ですから、建設をしてもそれ以上は国民の能力から言っても売れませんよ。供給戸数との見合いで見通しはどう見ているんですか、これ。

豊蔵一建設省住宅局長

○政府委員(豊蔵一君) 五十六年におきますいわゆるマンションにつきましては、最近では一番数が多く建設されておりまして、十万戸以上の建設があったと承知しております。これは御案内のように、いわゆる戸建て住宅に比べまして立地の面あるいは価格の面等におきまして国民の需要に即応しているという面がございますし、またいまお話がありましたような昨年の六月の建築基準法によりまず規制の改正がございましたが、それの前の駆け込み着工ということも見られようかと思います。しかしながら、また販売の実績で見ましても、年々やはり販売量そのものはふえておることもまた事実でございます。いまお話がありましたように、四万戸の在庫があるということでございますが、販売をいたしまして、昨年の末に残っておりましたものが約四万戸と聞いておりますが、これが完成をいたしましてもなおかつ売れ残っているというのは約一万五千戸というふうに聞いております。最近におきましては、これらの在庫処理がかなり進んでおるということも考えられますし、またマンションの価格自体も当初考えておりましたようには上昇いたしておりませんので、価格安定化傾向ということも考えられます。先ほど申しましたような取得能力が向上するにつれまして、これらの在庫が整理され、着実な回復がまた見込まれるのではないかというふうに考えているところでございます。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 なかなかこれはむずかしいですよ。いま物価でも動き出したらえらいことになりますよ。  土地の譲渡税の緩和の問題ですけれども、これは四十四年あるいは四十八年、五十年、土地の吐き出しがふえましたよ。それは税が安くなったということよりは、段階的に五%ずつ上がる、こういう仕組みだったから効果があったのですね。今回の措置はそれに比べてどうですか。土地の資産価額を高めて、地主が土地を抱え込んでしまう公算が大きいと私は思うのです。また、吐き出し効果が大きいと期待されておりました市街化区域の農地の宅地並み課税、これも評価価額三・三平米三万円以下をこれは外しちゃったでしょう。それともう一つは実質営農五年、猶予税額の免除措置が講じられる、こういうような条件を考えると、実効は余り上がらないのじゃないかというふうに思いますが、どう見ていますか。

福田幸弘大蔵省主税局長

○政府委員(福田幸弘君) 国税関係で申しますと、今回の改正で四十四年一月一日というのが所有期間でありましたので、むしろいままでとまっておったのがそこで動き出すということが考えられます。それから、優良宅地等については軽減税率をさらに設けておりますので、これも期間を限っておりますので、その供給効果はあろうかと思います。地方税についても的確な課税ということが講ぜられておると聞いておりますので、全体的にはやはり長期安定税制ということで思惑がむしろ消えるということを期待しておるわけであります。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 それでは宅地供給量が期待できるとすれば、どのくらいの量を推定なさっています。

福田幸弘大蔵省主税局長

○政府委員(福田幸弘君) 土地の関係、これは非常にむずかしい税収見積もりになりますけれども、税率を下げた関係では税収は減るということはございます。四分の三総合が二分の一です。    〔理事土屋義彦君退席、委員長着席〕 しかし、土地が動きますので、その辺は両方考え合わせますと、その税制改正によって増減という別枠は立てておりません。これはあくまで土地がどういうふうに動くかという実勢を今後見定めたい。ほかの政策によって、土地及び住宅がどう展開するかということを期待しておるということであります。

吉田公二建設省計画局長

○政府委員(吉田公二君) お答え申し上げます。  土地の移動と申しますのはただ税制だけでございませんで、社会的、経済的にいろいろの要素がございますので、そういったものの複合体から出てまいりますので、この税制改正によってどれだけの面積がふえるかということを数量的に言うのはこれはきわめてむずかしいことだと思います。ただ、現行の税制が先ほど大蔵省の方から御説明ありましたけれども、いろいろの意味におきまして、土地の流動についての制約要因をなしているという面がございます。また、今回の宅地並み課税につきましても、C農地まで広げるとか、あるいは従来と違いまして猶予制度あるいは免除制度をとりましたけれども、その実態におきましては従来より内容的に非常に改善されている面がございますので、私ども、数量的に申し上げるのは非常にむずかしゅうございますが、量的にも相当の効果があるものだというふうに確信しているところでございます。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 次に、土地区画整理事業済み地区における未利用地の賦存状況、これはどうなっていますか。余り進んでいないのじゃないですかね。  それからあわせて、促進する方法は考えていますか。

加瀬正蔵建設省都市局長

○政府委員(加瀬正蔵君) 土地区画整理事業は、全面買収の事業と異なりまして、地権者全員の協力のもとに事業を実施するために、事業実施済みの土地の市街化というものは所有者の宅地化の意欲いかんにかかるところが大きく、また、都市的利便施設があわせてできませんとなかなか市街化が進まないという要素がございます。いまおっしゃいました土地区画整理済みの土地の中で市街化が進んでいないのがどのぐらいあるかということでございますが、三大都市圏についての数字を申し上げますと、ネットで、首都圏において約四千九百ヘクタール、近畿圏において約千七百ヘクタール、中部圏において約二千三百ヘクタールという未市街化の土地が存在する状況でございます。  もう一つ、どういうふうに市街化を促進したらよいかということでございますが、これにつきましては、次の三つのことを私ども地方公共団体に指導しているところでございます。その第一点は、保留地の処分に当たりまして、建築計画を提示させるなど可及的速やかに建築行為が行われるよう措置する。それと同時に、住宅を供給する公共的な機関に対しまして保留地の分譲を優先的にするというようなことが第一点でございます。第二点は、施行地区内の権利者や保留地購入者に対しまして、住宅を建設するための金融、税制等につきましての必要な情報の提供に努める。第三点は、施行地区内におきまして、学校、病院、店舗等の公共公益的な施設、こういったものの施設の誘致に努める。こういうことによりまして、市街化が進むように努めたいと考えておるわけでございます。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 次に、市街化区域の農地の宅地化の促進、このために農住組合の設立をいたしましてまだ時間が余りたっていませんけれども、これは現状どの程度進んでいますか。

小笠原正男国土庁土地局長

○政府委員(小笠原正男君) お答え申し上げます。  昨年五月農住組合法施行以来、地方公共団体あるいは農業協同組合という組織を通じまして啓蒙普及活動を行ってきておりまして、その中で全国各地で農住組合の設立構想が練られておりましたが、事業計画の内容が煮詰まりまして、先般首都圏で第一号の組合、これが三月十四日に創立総会を終わったところであります。本日関西で第二号の組合が創立総会をやっているはずでございます。その他の地域におきましても、できるだけ早く事業計画内容を固めまして、設立をしたいというところが十数カ所ございます。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 ところで、昨年の十月建設省から、「都道府県宅地需給長期見通しの策定について」ということで依頼通達を各県に出したようですが、これに対する関係各県の対応はまちまちのようです。公共施設の提供がむずかしいとか、東京都のように土地の供給はもう限界だとか、いろいろあってまちまちのようですが、この見通しはどうですか。

吉田公二建設省計画局長

○政府委員(吉田公二君) お答え申し上げます。  御指摘のように、建設省といたしましては、長期的展望のもとに昭和五十六年度から十年間の宅地需給長期見通しを作成したわけでございまして、これを実効あるものにするために、各都道府県におきましてより即地性の高い都道府県の宅地需給長期見通しを定めるということで各都道府県にそういう依頼をしております。現在、各都道府県におきまして鋭意作業を進めているところでございまして、若干その早い遅いはございますけれども、これにつきましては作成されるということで私どもそう期待して待っておるわけでございますが、大体のところではおおむね円滑に動いておるところでございます。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 それでは、住宅問題の最後に、先ほどからずっと問題を挙げてきましたように、住宅価格と取得能力、所得との乖離、あるいは土地供給でもいろいろ問題がある。土地区画整理済み地区の市街化についても言っているようには進まない困難な問題がたくさんあると思うのですよ。農住組合もこれからですわ。そういういろんな点を考えますと、どうも住宅建設は先ほど河本長官は百三十万戸期待しているとおっしゃったのですが、どうですか、日本の経済はそう河本長官のようになかなか笑えないんじゃないかと思うのですよ。そんな明るくなりませんよ、これ。  ところで、建設省としては百三十万戸大丈夫なんですね。最後に伺っておきます。

始関伊平自由民主党建設大臣

○国務大臣(始関伊平君) 住宅建設につきましては、先ほど来御指摘のように、いろんな問題点がございます。しかし、内需拡大の重要な柱といたしまして、そういう問題点があり、かつ困難な情勢があるということを十分に認識いたしました上で、百三十万戸達成のための、一言で言えば乖離を埋める方法をとったわけでございまして、また最近では、長期金利との関連で銀行の住宅ローンもある程度引き下げてもらったような次第でございますが、これが果たして効果が上がるかどうかにつきましては、四月以降毎月住宅の着工統計が出ますから、それでわかるわけでございますけれども、その前ぶれと申すとなんでございますけれども、一月の末から三月の初めまで、五十六年度の最後の住宅金融公庫の融資の受け付けをいたしましたのですが、この調子は非常によろしゅうございまして、六万戸の予定に対して実際の申し込みは十一万九千戸ということでございまして、われわれとしては今後とも各方面の協力を得ながら全力を尽くして百三十万戸達成に努力してまいりたいと、かように存じております。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 それじゃ、百三十万戸はさっき河本長官もお答えになったから、建設大臣とそれから経済企画庁長官、結構です。  通産大臣、大変お待たせをしまして恐縮でございます。  次に、経済安全保障の立場からきわめて重要な意味合いを持つ非鉄資源対策について、時間がないので端的にお伺いをしてまいりたいと思います。  わが国は御承知のとおり資源小国ですが資源大消費国です。この非鉄資源の安定供給というのは大変な問題で、これが途絶えると経済がストップするという心配があるわけです。そこで、このレアメタルを含む主要非鉄資源の海外依存状況はわが国の場合どうなっておるか、御報告を願います。主なもので結構です。

小松国男資源エネルギー庁長官

○政府委員(小松国男君) お答え申し上げます。  主要な非鉄金属、特にレアメタルを中心に海外依存度を申し上げますと、ニッケルが一〇〇%でございます。クロムが九九%、タングステンが七四%、コバルトが一〇〇%、モリブデンが九九%、アルミニウムが一〇〇%。以上でございます。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 資源がないから、大変依存度が大きいのです。ところで、国際情勢が緊迫する中で備蓄制度の重要性が高まっておりまして、アメリカ、イギリス、西ドイツ、フランス、スウェーデンなど、欧米先進国ではナショナルセキュリティーの観点から、備蓄に拍車がかかっていると言われておりますが、各国のこうした備蓄の仕組みと備蓄の状況はどうなっていますか。

小松国男資源エネルギー庁長官

○政府委員(小松国男君) 主要先進国の備蓄の状況というのはなかなか実際にはつかみがたい面がございますので、詳細にわたって私ども申し上げる自信がないわけでございますが、主要な国について申し上げますと、米国の場合には、第二次世界大戦中に戦略備蓄制度というのをスタートさせまして、現在九十二品目につきまして約百二十億ドル……

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 九十二——九十三じゃないですか。

小松国男資源エネルギー庁長官

○政府委員(小松国男君) 私ども、九十二品目というふうに解しておりますが——最近九十三品目という説もございますが、九十二か三か、必ずしも明確ではございません。それで、金額もこれは正確ではございませんが、大体百二十億ドルというふうに言われております。円に直しまして二兆六千四百億円ということでございます。これは実際には連邦危機管理庁というところが企画をいたしまして、実務といいますか、調達は一般調達庁がやっておるということでございます。それからフランスは、一九七五年にスタートさせまして、現在約二十二億フラン、これは円に直しまして千三百二十億円でございますが、備蓄の内容は不明でございます。これは工業省が企画しまして、一次産品金庫というのが資金調達をし、実務は非鉄金属輸入組合というところがやっておるということになっております。それからスウェーデンの場合でございますが、これは第二次大戦中から経済防衛備蓄ということでスタートをしまして、一九七三年から平常時用の備蓄に切りかえておりますけれども、実際にやっておりますのは商務省の経済防衛庁というところで実施いたしております。これ以外の国につきましては、西独、イギリスにおきましても現在レアメタルの備蓄制度につきましていろいろ検討が行われているというふうに聞いておりますが、詳細は明確ではございません。  以上でございます。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 ところで、わが国の場合のレアメタルを含む非鉄資源の備蓄の仕組みと、それから状況、どうなっていますか。

小松国男資源エネルギー庁長官

○政府委員(小松国男君) 日本の場合には、銅、鉛、亜鉛、アルミニウムにつきましては、五十一年度から輸入安定化のための備蓄ということで、金属鉱産物備蓄協会と軽金属備蓄協会によりまして民間備蓄が行われて、これに利子補給をするという形で行われておりまして、銅につきましては現在四千七百八十一トン、亜鉛につきましては八万二千六百三十トン、アルミニウムにつきましては二万一千九百九十トンという備蓄を持っております。なお、五十七年度におきましては、さらに政府の一部利子補給によりまして、総額二百五億円の民間備蓄を行う準備をしております。  それから、レアメタルにつきましてでございますが、これは五十一年度から需給逼迫の場合に対処するためということで、特殊金属備蓄協会によりまして民間備蓄が行われております。現在の備蓄量は、この二月末で、ニッケルで千八百四十八トン、クロムで二千九百四十三トンでございます。これにつきましても、五十七年度におきましてはこの備蓄の充実を図るということで、ニッケル、クロム、タングステン、コバルト、モリブデン、この五品目につきまして大体十日分ぐらいは持とうということで、総額百十五億円分の民間備蓄事業規模ができるような体制を整えるべく現在予算を計上しているところでございます。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 これは備蓄がなかなか実際には十分されておりませんで、状況がいいのは亜鉛ぐらいのものでして、鉛とかクロムあるいはタングステン、コバルト、モリブデンの備蓄量、日数で言うとゼロの状態、大変これ、肌寒い状態ですよ、工場が動かなくなる危険性があるわけです。三年前に西ドイツでシュミット首相が特殊鋼の生産に不可欠なクロムあるいはモリブデン、バナジウム、石綿、マンガン、これらの一次産品の輸入がとだえた場合に、西ドイツとして経済のこうむる影響はどうか、こういうようなことで、いわゆるボン報告なるものを作成をいたしておりますが、これで見ると、これらがとまった場合、製鉄、自動車、航空機、造船の四産業だけでほぼ二千万人の雇用が奪われることになる。失業です。クロムの年間輸入量が三〇%減少しただけでこれを使用する産業活動が麻痺してしまって、国民総生産は二五%も下がってしまうということになっています。日本の国だってこれはシーレーンやいろんな問題があるし、中東だって不安な状態ですし、そういう点から考えると、いっこうした資源がとまるかわからないということを考えますと、西ドイツで行ったような影響調査、これをわが国でやっておく必要があると思うけれどもどうですか。

小松国男資源エネルギー庁長官

○政府委員(小松国男君) 西独におきまして、先生御指摘のような調査が行われておるということは私どもも承知をいたしておりますけれども、先生から御指摘ございましたように、日本の場合にも国内資源が非常に小さいわけでございまして、ほとんどこれを海外に依存するということで、安定供給のためのいろいろの対策を講ずるということで、従来もそういう観点からの勉強、また影響についての勉強もいたしておりますけれども、こういう影響調査というのは非常に微妙な点もございますので、今後諸外国の調査の状況等も十分勉強いたしまして、日本としても検討をいたしたいというふうに思っております。  ただ、いずれにいたしましても備蓄が重要であるという観点から、通産省の場合も、産業構造審議会の中に経済安全保障問題特別小委員会というものを設けまして、備蓄の問題についてもいろいろの検討をしておるところでございます。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 ところで、備蓄もこれから勉強してとおっしゃっているんですけれども、勉強して間に合わないことになっては困るし、それから石油の備蓄なんていうのはあのオイルショックを受けてから民間も政府も一生懸命です。だけれども、工業生産活動の死命を制するような非鉄金属、レアメタルについて本格的に腹を据えて取り組んでもらわないと、私はいまの政府の認識は甘いのじゃないか、民間に対しても啓蒙するなり協力体制をとるような方向で指導してもらわぬと、これはいずれ大変なことになると思うのですよ。大臣どう考えますか。

安倍晋太郎自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(安倍晋太郎君) いまのお説のように、私も非鉄金属、特にレアメタル等につきましては、いまのわが国の資源の状況から見まして、わが国の経済の安定、安全保障、国民生活の安定というようなことを考えますと、いまの在庫、備蓄といった面では、非常に肌寒い思いをいたしております。  そこで、五十七年度から何とかレアメタルについては国家備蓄を実現をしたいということで努力をしたわけでございますが、いろいろと財政事情等困難でございまして、一応民間を中心でやる。財政の面から利子補給という形で国が援助するということでレアメタルについての備蓄制度は一応発足したわけでございますが、これも量から言えば微々たるわけでございますから、将来的に考えますと、いまの日本の経済がこれだけ大きくなっておるだけに、また、資源は全部海外に依存をしておるというふうな面から、また、これからの工業国としての発展を図っていく上においては必要にして不可欠な物資でございますから、これが備蓄制度というものについては、本格的に考えていかなきゃならないのじゃないかと、こういうふうに私も考えておるわけであります。現状ではぼつりぼつりということで、これから将来の問題として本格的に取り組んでいかなきゃならぬと、こういうふうに思います。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 安定的に備蓄を拡大していく方向の御答弁のようですから期待をいたします。まして発展途上国への経済協力等の点でも、これは有効にやっぱりやり方によっては機能することでございますので、日本経済の将来を考えた場合、もうまことに備蓄量その他の制度、体制から言っても心配にたえない次第でございますので、どうか前向きでこれらの施策を進めていただくよう期待をいたしまして質問を終わります。(拍手)

植木光教自由民主党

○委員長(植木光教君) 以上で大川清幸君の一般質疑は終了いたしました。  午前の質疑はこれまでとし、午後零時三十分まで休憩いたします。    午前十一時十九分休憩      —————・—————    午後零時三十四分開会

植木光教自由民主党

○委員長(植木光教君) 予算委員会を再開いたします。  昭和五十七年度総予算三案を一括して議題とし、矢田部理君の一般質疑を行います。矢田部君。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 伊藤防衛庁長官に伺いたいと思いますが、きょう午前中ワインバーガーアメリカ国防長官と日米防衛首脳定期協議を行われたようでありますが、その定期協議の目的、性格、出席メンバー、話し合った議題と内容等について詳細に御報告をいただきたいと思います。

伊藤宗一郎自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(伊藤宗一郎君) 日米間は安保条約も結んでおりますし、その安保条約の信頼性を維持、向上するために間断のない対話をするという立場から従来こういう定期協議を続け、またその下の事務レベル協議なども続けておりますけれども、その一環として今回ワインバーガー長官の来日を機といたしまして、今朝約二時間にわたってやってまいり、いまこちらに戻ったわけでございますけれども、出席者その他につきましては、ちょっといま資料を持ってまいりませんので、いずれ政府委員から御説明、御答弁をさせますけれども、肩書きその他もございますので、正確に政府委員から御答弁をさせてまいりたいと思います。  いろいろの議題についてお話を申し上げましたが、何せ通訳を入れて二時間の協議でございましたので、まずアメリカ側から最近の国際軍事情勢というもののお話がございまして、その中で取り上げられましたことは、ジュネーブで行われております戦域核の米ソ間の削減交渉の問題、これはまあいまは休みだそうでございますけれども、若干の休みを置いてまた始める。方向としては順調に進んでいるというような意味の御発言がございました。  なお、アジアに関しまして米中関係、米中関係は非常に温かい友情的な関係で終始をしている。そしてそのことがまたアジアの安定にも大いに貢献をしている。  米台関係については、アメリカはアメリカとして台湾に果たすべき義務は果たしてまいりたい。合意はしないまでも中華人民共和国についてはそのことは理解をしている。したがって、米台関係、米中関係は両立のような形で現在非常に順調にいっておるというようなお話がございました。  また、これは従来からのアメリカの考え方でございますけれども、いろいろな米ソの話し合いをする場合において、ある程度の力を西側が持っていないと話し合いそのものも有効的にならない。しかし軍事力のバランスを保つということも必要であるけれども、反面それを縮小均衡の方にも持っていかなければならないというようなことの説明があったのでございます。

塩田章防衛庁防衛局長

○政府委員(塩田章君) 本日出席いたしました主なメンバーは、日本側からは堀之内政務次官、原事務次官、矢田統幕議長、吉野施設庁長官など、アメリカ側からはカトー国防次官補、ウェスト国防次官補、ドナリー在日米軍司令官、国防省のアーマン国防安全保障援助局長などが出席をいたしました。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 防衛庁長官の報告ですと、何だか抽象的な一般的な国際情勢だけが出て日本側は何も答えなかったようでもあるし、それから具体的に議題がなかったようでもあるし、その辺はどうなんですか。

伊藤宗一郎自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(伊藤宗一郎君) まず両方から、特にアジアの軍事情勢についての意見を交換し、またわれわれとしては、われわれがいま進めております防衛努力の現状について説明いたしました。その際、アメリカ側から従来と同様、わが国がわが国自身の防衛のため、なお一層努力をすることを期待する旨の発言がありました。  さらに、双方は共同作戦計画の研究、共同訓練、いわゆる極東有事における便宜供与の研究、防衛技術交流等の日米間の防衛協力につきましても意見を交換をいたしました次第でございます。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 いま挙げられた三つについてアメリカ側はどう述べ、日本側がどう対応したのか述べてください。

伊藤宗一郎自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(伊藤宗一郎君) まずわれわれは、いまも申し上げましたとおり、わが国の財政事情、経済事情、また憲法、非核三原則その他のいろいろな制約のある中で自分の国を守るための努力を鋭意、今後とも引き続いて努力をしてまいります。しかし、最近の国民世論の動向などを見ましても、現状でいいというような世論の数字もあるし、その数字の方が大きい。国民の本当の意味でのコンセンサスを得る努力をわれわれは続けていかなければならないわけで、急激な防衛力の整備というものはそう簡単にはできないわけでございまして、そういうような中で防衛大綱の水準に一日も早く到達をしてまいりますための努力を、今後とも根気よく続けてまいりますというようなわれわれの自主的な防衛についての考え方を申し述べました。  共同作戦計画につきましては、一応一つの設想を設けまして概成を見ておるわけでございますけれども、なお引き続いて研究をしてまいりたい。  日米共同訓練については、数回の共同訓練によって、参加した隊員などからもこの訓練が非常に有意義であった、自衛隊の能力を向上させる面において非常に有意義であったので、今後とも続けてまいりたいというようなことを申し述べました。  極東有事における便宜供与の研究については、まだ始まったばかりで、きょうのところ特に申し上げることはないということを申し述べました。  防衛技術交流等の日米間の防衛協力につきましても、目下外務省を中心として関係省庁で鋭意検討中でございまして、今日の段階で申し上げる内容はまだございませんということを申し上げたのでございます。  それらについて一つ一つ、アメリカ側からこういうことがあったというようなほどの発言なり応答はございませんでした。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 余り小出しに報告をされると質問がしにくいわけでありますが、何点か伺っておきたいと思います。  ワインバーガー長官は日本に来られて早速、西側全体の対ソ抑止力づくりが先行しなきゃいかぬ、日本もそのために努力をしなさい、その効果を通じて意味ある軍縮交渉に、こういう言い方をしているわけですね。きょうの長官の御報告でも力を持たないと話し合いは有効でないというのが同じ趣旨、系譜に属するかと思うのでありますが、これをつづめて申し上げますと、軍縮のためには軍拡をという思想だと思うんですが、そういう考え方に長官は同意をされたのでしょうか。あるいはどういうふうに受けとめておられるでしょうか。

伊藤宗一郎自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(伊藤宗一郎君) 先生のようなそういうすっきりした形での指摘はなかったわけでございまして、それに同意とかということではございませんでしたけれども、ワインバーガーのみならず、アメリカ側がそういう考えで進めているということは、そういう現実はやっぱり私もいろいろな発言で承知をしておるわけでございまして、軍縮と軍拡とどちらがどうというような形での御指摘ではなかったものですから、それに同意したというようなことではございませんでした。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 ことしの二月に出された国防報告、これがアメリカ側の発言の基調になろうかと思うんでありますが、この国防報告では日本に対する位置づけとして、アメリカの戦略のコーナーストーンだ、こういうふうに日本を位置づけているわけでありますが、そういう基調等々について防衛庁としてはどういうふうに受けとめておりますか。

塩田章防衛庁防衛局長

○政府委員(塩田章君) アメリカの国防報告では、ことしはまさにコーナーストーンと言っておりますが、毎年キーストーンと言ってみたり、いろいろ同じような趣旨の表現を使っておりまして、アメリカ側から見て日本の東アジアにおける重要性といいますか、そういうことを強調しておる表現だろうと思います。それはアメリカから見ての立場でございますから、アメリカがどう言うかは別でございますが、アメリカとしてはいつもそういう表現をしておりまして、ことしもコーナーストーンと言っておりますけれども、別に、例年のような意味で使っておるのだろう、それはアメリカの立場から見て、日本の重要性を認識をしておることを示す言葉であろうというふうに受けとめております。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 二点目でありますが、朝鮮、韓国問題については全く話題に出なかったかどうか。それが一点。  それから朝鮮問題につきましては、これまた、国防報告が北東アジアの脅威に対応する防衛力増強を日本に求めているわけです。こういう北東アジアの脅威という点でアメリカと日本は認識を共通にしているのかどうか。そのアメリカの要求に応ずるつもりかどうか。その二点ないし三点について長官から伺いたいと思います。

伊藤宗一郎自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(伊藤宗一郎君) 日米なり韓国との関係についての問題については、きょうは一切出ませんでした。  それから、極東の脅威、極東ということに限定してのそういう話は出ませんで、広く国際軍事情勢についてのお話が出たわけでございまして、極東ということについての限定した話は出ませんでした。それとは別に、極東の脅威についての対応の仕方についてのお話でございますけれども、われわれやっぱり極東の中にある日本でございますから、極東の周辺についての情勢についてはだれよりも敏感に対応しなければならないわけでございまして、それらの軍事情勢については重大な関心を持っておることは事実でございます。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 議論はまた別にいたしますけれども、もう一、二点伺っておきたいのは、戦域核のアジア太平洋配備等々の問題について全く議論は出なかったでしょうか、それが一点。  それからもう一点は、記者クラブなどでシーレーン防衛論がかなり強調されているやに報道は伝えているわけでありますが、この点について言及したところはなかったのかどうか、以上二点について伺います。

伊藤宗一郎自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(伊藤宗一郎君) 極東に配備されていると言われております戦域核の問題については、アメリカ側からそのことについては話はありませんでしたけれども、ジュネーブの戦域核の交渉の過程の話の中で話があったものですから、私の方から、アジアの戦域核のことも含めて、ぜひひとつ削減なり凍結の方に持っていってほしい、ヨーロッパだけでなしに、われわれやっぱりグローバルな形での凍結なり削減に持っていってほしいということを私の方から強く申し上げておきました。そうしましたら、それはそのとおりでありますというお話がございました。  それから、シーレーンについては、総理の昨年のお話などのことも出まして、アメリカとしても従来の日本の防衛計画の中のお話のようでありますけれども、改めて総理が昨年こういう話し合いがあったということはアメリカとしても評価をしておるというお話がありまして、しかし、この問題については来るべき、恐らくハワイになると思いますけれども、ハワイでの会議でお話をしましょうということで、一つのテーマとしての提起はありましたけれども、中身の議論はありませんでした。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 記者クラブのワインバーガー氏の話などは、むしろここに焦点が当てられているように思うんです。したがって、個々一、二点、これに関連して伺っておきたいと思いますが、シーレーンの防衛については、日本の防衛庁が考えていることとアメリカ側の要求、要請との間には誤差があるのでしょうか。違いがあるとすればどんな違いなのか、それが一点です。

塩田章防衛庁防衛局長

○政府委員(塩田章君) この点はアメリカ側も、日本が海上の防衛につきまして、日本周辺数百海里、航路帯を設ける場合にあっては約一千海里程度の防衛力をつけたいと言っていることにつきましては十分承知しております。理解を示しております。したがいまして、その点での食い違いはありません。  ただ、それに対して、いまのわれわれが考えております防衛計画の大綱に早く到達したいというわれわれの考え方に対して、それでいいかどうかということにつきましては、それはアメリカ側は議論があるのだろうと思います。  それは、いま防衛庁長官からもお答えをいたしましたが、そういった議論はきょうは出ませんで、ハワイの事務レベル協議でもやろうじゃないかというような意味のことを言っておりましたが、基本的にいま申し上げた日本の防衛力の整備に当たって、一千海里程度の防衛力を持ちたいと言っているわれわれの考え方に対しては理解を示しておりまして、その点は一致しておると思っております。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 このシーレーン防衛についてはどの程度の広がり、どういう装備、武装をするか、対応等はどうするかというようなことで日米間に食い違いがあるのかどうか。  それから、日本あるいはアメリカはシーレーンについてはそれぞれルートを想定して防衛論を準備しているのかどうか、以上二点について伺います。

塩田章防衛庁防衛局長

○政府委員(塩田章君) まず、広がりでございますけれども、これは私先ほどもちょっと言いましたが、わが国周辺数百海里、航路帯を設ける場合にあっては約一千海里ということを言っておるのに対しまして、別段アメリカは異論といいますか、異なった意見を申しておりません。恐らくその点については意見が一致しておるものと思います。  ただ先ほども申し上げましたように、それを守るのに現在の自衛隊の能力でいいのか、あるいは防衛計画の大綱の点に到達すると言っているけれども、それでいいのかということについては、それはアメリカはアメリカなりの意見があるのだろう、それはそういうふうに思います。  それから、ルートをどうするか、想定しているのかということでございますが、これも私どもはかねて——これはルートと言いましても正確なルートが地図の上にあるわけじゃございませんけれども、いわゆる東南、南西と言っておりますような航路で、私どもは航路帯を設ける場合にあってはというようなときにいつも言っておりますが、そういったことについてアメリカ側とも別に食い違いはない。特にしかし、きょうそういう議論をしたわけじゃありませんが、その認識においては食い違いはないものとわれわれは思っております。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 航路帯の防衛について、しばしば防衛庁は東南ルート、それから南西航路二つを挙げて、まあ北米ルート、これは貿易量も調べてみるとかなり多いわけでありますが、これを除外しているわけでありますが、これは特段の意味があるのでしょうか。  特に、東南ルートについてはオーストラリア、ニュージーランド方面でありますが、貿易量から見れば大した量ではない。これを入れているのは一体何なのか、グアムが入るので、グアムの米軍基地との兼ね合いかという見方もあるわけでありますが、その辺の関係を御説明ください。

塩田章防衛庁防衛局長

○政府委員(塩田章君) 確かに南東航路といいます場合に、私どもは東京湾から小笠原方向への航路をいつも描いておるわけでございますが、ということは、いわゆる北米大陸から直接来る航路のことは描いていないわけであります。これは別段、そういう作戦といいますか、作戦計画があるというような意味ではございませんけれども、実際上の問題といたしまして北米から直接日本に来る長大な航路というものが、もし、そのときの戦況にもよりますけれども、実際問題日本の自衛隊が防衛するといった場合に、能力的に効率的な防衛ができるかどうかといったようなことを考えますと、やはり平素の貿易量は確かに相当な量がございますけれども、そういった有事のことを考えた場合には、効果的な防衛ができる線にある程度集約した方がいいのではないだろうかというような考え方もあって、南西はふだんからそもそも交通量の多い航路でございますけれども、南東につきましては、オーストラリア方面、北米方面といったようなことをあわせてそういうふうな考え方をとっておるというふうに申し上げられると思います。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 アメリカは盛んに日本のシーレーン防衛を言うわけでありますが、アメリカ自身がシーレーン防衛という体制はとっていないんですね、日本にだけ物を言うと。実際問題として本当にシーレーン防衛なんていうのはできるのか、率直に言えば不可能に近い。それに膨大な軍事費を投入する、一体どんなことを考えているのか、アメリカのシーレーン防衛体制も含めて最後にこの点でお聞きしておきたいと思います。

塩田章防衛庁防衛局長

○政府委員(塩田章君) アメリカ自身が、どういう作戦計画でもってどういうふうに守ろうとしているかについて、私、ここでいま承知してもおりませんし、また申し上げるべき立場にもありませんけれども、やり方自体を考えれば、アメリカも日本もそう違ったことをやるわけではないだろうと思うんですが、そもそもシーレーンというのは防衛できないではないか、不可能ではないかというお話でございますけれども、これは考え方にもよりますが、どういう場合にシーレーンをそれでは守れたというのか、どういう場合に守れなかったというのかということにもなってまいりまして、私どもは、たとえば南西航路にしましても南東航路にしましても、そこを通る日本の船はおよそ一隻といえども全部、一〇〇%守れるんだという意味の一〇〇%論ということであれば、これはなかなか困難であると申し上げざるを得ません。また逆に、全然どうにもならないと、点数で言いますと、零点だということでもないと、それははっきり申し上げられると思いますが、問題はその中間にどの程度の効果を上げて防衛できるか。結局、作戦目的といいますか、シーレーンの防衛目的が、有事の場合に日本の国民生活を維持し、必要な継戦能力を維持するというような目的を達成することができる程度に守れるかどうかということにだんだん話は尽きてくると思うんですけれども、そういう意味で、なるべくそういった目的を達成し得るだけの力は持つべきではないか、かつまたそういう観点から言えば、私どもは現在それは不可能な話ではないというふうに考えております。具体的に言いますと、飛行機はP3Cを中心とする固定翼機で広範な海域の捜索を行いますし、護衛艦に艦載しておりますヘリコプターといったものも恐らく有効な効果を発揮するだろうというふうに期待をいたしておりますし、各艦艇の最近の対潜装備といったものもだんだん発達しつつあります。ただ逆に、潜水艦側の方ももちろん近代化されまして、音が静粛になってきたとかあるいは深くもぐれるとか、あるいは水中速力が早くなったとかいろいろな問題がもちろんございまして、これは相対的な関係でございますから容易であると私どもは思いませんけれども、私ども逆に決して不可能な話ではない、われわれの努力によって目的を達成し得る程度のシーレーンの防護ということは可能であるし、また可能ならしめるべく努力しなければいけないというふうに考えておるわけです。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 可能、不可能論等も含めていろいろ議論があるわけでありますが、どうもやっぱり経過なり状況を見ておりますと、アメリカの第七艦隊等がインド洋に展開する、中近東をにらむ、穴があくと。そこで日本がアメリカに肩がわりさせられる、この部分で役割り分担をするということに焦点が置かれ過ぎているのではないかというふうにすら実は考えるわけでありまして、しかしながら、シーレーン問題はきょうは報告を中心に伺っているわけでありますから、いずれまた本格的な議論をしなきゃならぬと思いますので、この程度でとどめます。  最後に伊藤長官に伺いますが、ワインバーガー長官はこれから韓国、フィリピンなどを回るようでありますが、アメリカを軸にして日韓比、場合によっては台等々を含む全体の防衛問題、軍事問題等についてはお話は全くなかったんでしょうか。

伊藤宗一郎自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(伊藤宗一郎君) 韓国へ行くこともフィリピンに行くことも非公式には聞いておりますけれども、きょうの会議では一切そういう話も出ませんでしたし、当然ながら日韓の問題、あるいはまたフィリピンの問題、会議には一切出ませんでした。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 きょうの会議の話題にはならなかったかもしれませんが、ワインバーガー長官は米韓定期協議のために韓国に向かわれるようです。そこで、韓国問題に話題を移したいと私も考えておるわけでありますが、この日韓経済筋力、従来ですと五月の連休前後に外相級の会談を行って政治決着を目指すと、その前段に三月十九日に行われたと言われておりますが、四省庁協議をまとめて中間的な回答を非公式に韓国側に伝えるという運びになっていたようであります。その辺の経過はどうなっているのか。ただ、これに対してきょうの新聞によりますと、韓国側は依然として一括六十億ドルだと、しかもODAでなけりゃならぬという態度を崩していないので、五月決着論はむずかしいという指摘もなされているわけでありますが、経過と状況、今後の運びなどについて外務大臣から伺っておきたいと思います。

櫻内義雄自由民主党外務大臣

○国務大臣(櫻内義雄君) 一月、二月と高級事務レベルの協議をいたしました。それはかねて韓国が日本に対して要望しておる六十億ドルのその計画の内容について向こうのお考えを聞くとか、あるいはこちらの疑問をただすとかというようなことでソウルと東京と一回ずつやりまして、そしていまお話の出ましたそういうものに基づいての事務レベルの中間的な一応検討した結果を韓国側の方へ、日本としてはこういうふうな見解をとったというようなことで、それが大筋で申し上げると、ODAを中心とする三十五億ドルの方についてこれは一応の検討をした、商品借款の二十五億ドルについてはこれはきわめて困難である、いわばお断りをするというようなそういうところまで来ておるわけであります。私は一つ一つの詳しいことは聞いておりません。そういう大枠のことを一応向こうに伝えたと、こういうことで、いま六十億ドルでなければいけないというようなことについては別段正式の回答のようなもの、あるいは連絡のようなものは来ておりません。それはあくまでも新聞を通じての向こうの非公式な何か話が取材されたものではないかと、こう思うのであります。  なお、五月の連休というのはかねてから申し上げているように、私の外務大臣としての日程が五月以降であると、ベルサイユ・サミットであるとか、第二回の特別軍縮総会であるとか、あるいは拡大ASEAN外相会議に行くのじゃないかとかというようなことから取りざたされた、客観的に見られた、この辺が日韓の問題の取りまとめかという予測でございまして、これも別に当方がそのころにひとつ話し合おうということを言ったわけではございませんが、順調に進んでいけば、私の日程としてはその辺かなと、こういうことでございます。  以上が大体のいままでの取り運びの模様であります。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 いまの点で特に伺いたいのは、三月の十九日に非公式に日本で四省庁協議でまとめた案を示したのかどうか、示したとすれば、どういうルートでどういう内容のものを示したのか、それについて韓国側の感触はどうであったのか。今後、五月謝が取りざたされておるわけでありますが、五月の外相級会談は正式に決めたものではないにしても、そこでの政治決着の見通しに立っておるのかどうか。もう一度、事務当局でも結構ですからお話をいただきたいと思います。

木内昭胤外務省アジア局長

○政府委員(木内昭胤君) 三月十九日の四省庁協議によります日本側の検討のとりあえずの結果は、ソウルのわが大使館から韓国の外務部に対しまして、また東京におきましては、アジア局並びに経済協力参事官から在京韓国大使館に対しまして、それぞれ伝えた次第でございます。  その内容につきましては、先ほど大臣も触れておられましたけれども、商品借款というのはなかなかむずかしいという日本側の感じ、それから十一のプロジェクトにつきましては、たとえば収益性の高い事業はむしろ民間で、すなわち輸銀の資金あるいは市中銀行の資金で賄われる方が適当じゃないか。それからそれ以外の円借款の事業につきましては、手元にあります韓国側からちょうだいした資料だけでは依然として検討に不十分でございまして、追加的な資料を要請した次第でございます。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 五月の見通し。

木内昭胤外務省アジア局長

○政府委員(木内昭胤君) したがいまして、現在着実に事務当局間の折衝を行っておりまして、その結果いかんによるわけでございまして、私どもとしては、五月にできるか、あるいは四月中にできるか、あるいは六月にずれ込みますか、現段階では申し上げる状況に至っておりません。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 前回少し質問をしたことに引き続くわけでありますが、八二年から韓国は第二次の戦闘力増強五カ年計画に入るというふうに言われておりますが、その概況について、外務省もしくは防衛庁から説明をいただきたいと思います。

木内昭胤外務省アジア局長

○政府委員(木内昭胤君) 八二年から五カ年にわたります第二次の韓国軍の近代化に関する計画があることは承知いたしております。ただし、その詳細につきましては、機密の面もあるわけでございまして、私ども把握いたしておりません。ただし、これまで私どもで入手いたしております情報を総合いたしますと、韓国陸軍については、火砲の増強あるいは対戦車兵器の装備、それから対潜水艦機器といったもの、あるいは空軍につきましては、戦闘機の改善をもくろんでおるというふうに想像いたしております。  第一次の軍の計画は七六年から八一年までであったわけでございますが、第一次のときはおよそ七十億ドル近くを装備の手当てに費やしたという情報を得ております。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 最初は韓国軍近代化五カ年計画が七一年から七五年まで行われた。引き続き七六年から八〇年まで第一次の戦闘力増強五カ年計画があったわけでありますが、これは八〇年で終わっているわけです、本来の計画は。それを八一年を抜いて八二年から始めることになったいきさつはわかっておりますか。

木内昭胤外務省アジア局長

○政府委員(木内昭胤君) 当初は八〇年までであった五カ年計画を一年延長いたしまして八一年で下しておりまして、八二年からはただいま申し上げました八七年に至る第二次の五カ年計画でございます。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 なぜそうなったのですか。

木内昭胤外務省アジア局長

○政府委員(木内昭胤君) 恐らく計画の達成がおくれたために一年よけいに要したものではないかというふうに考えております。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 それも一つありますが、これは八二年度からスタートする第五次経済発展五カ年計画にリンクさせるためだというふうに見るのがより正当だと思うわけでありますが、そこで第二次の戦闘力増強五カ年計画ではどのくらいの軍事費を韓国側は見積もっているのか、その数値を明らかにしてほしいと思います。

木内昭胤外務省アジア局長

○政府委員(木内昭胤君) 第二次の軍の近代化のための五カ年計画の数値は、先ほど申し上げましたとおり、機密に属するということから私ども掌握いたしておりません。私どもとして承知いたしておりますことは、毎年おおよそ国民総生産の六%を国防費に充当しておること、それから毎年およそ予算の三四、五%を国防費に充当しておられるということを承知いたしております。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 その数値だけではなしに、経済発展五カ年計画を見ますと、この前指摘をしましたように、安保能力のレベルアップを基本目標の第一に掲げている。その具体的な内容としてGNPの六%水準を維持する。それで試算をすればおのずと第二次の戦闘力増強計画の軍事費総額を推計できるわけでありますが、どのぐらいと見積もっておりますか。

木内昭胤外務省アジア局長

○政府委員(木内昭胤君) 確かにGNPの六%、それから予算の三四、五%の毎年の数字を五倍すれば一つの数値が出るわけでございますが、そのうち装備にどの程度向けられておりますか、およそ人件費が仮に二割ないし三割ということになれば、それ以外が維持費ないし装備費ということに推定の計算は可能かと思います。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 この経済五カ年計画では、五年間の国民総生産は二百三十三兆ウォンと見ているわけです。それを六%水準でそこから軍事費を捻出する、ということになるわけでありますから、これはレートをどういうふうに換算するかは別として、一ドル七百ウォンの計算でいきますと、実に二百億ドル以上、二百二十億ドルぐらいの軍事費を第五次経済五カ年計画の中で調達をするというふうに推計をされるわけでありますが、いかがでしょうか。

木内昭胤外務省アジア局長

○政府委員(木内昭胤君) 本年度の国防費が仮に矢田部委員御指摘のとおり、一ドル七百ウォンという計算で申し上げますと、おおよそ四十億ドルになるわけでございまして、それを五倍すれば国防費支出は二百億ドル。しかし毎年増加いたしますので、矢田部委員御指摘のに近い数値になるものと承知いたしております。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 そこで、第一次の戦闘力増強五カ年計画で装備費に七十億ドルぐらいを使ったと言われておりますが、アメリカ等からの軍事借款はどのぐらいあったでしょうか。

木内昭胤外務省アジア局長

○政府委員(木内昭胤君) 現在アメリカからの軍事援助、これは有償援助に限られておりますが、おおよそ二億ドルないし一億五千万ドルの有償協力があると承知いたしております。それ以外の装備につきましては、商業ベースで韓国が購入されておるものと考えられるわけでございます。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 両方まとめてどのぐらいが考えられましたか。

木内昭胤外務省アジア局長

○政府委員(木内昭胤君) 韓国の軍の装備の調達は、これは公表されておりません。たとえば通関統計上も把握できない品目になっておりまして、合計でどのくらいかということは私どもは承知いたしておりません。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 これは新聞によっても、あるいは見方によってもいろいろ違うわけでありますが、第一次の近代五カ年計画、七六年から八〇ないし八一年までの間に二十億ドルから三十億ドルぐらいの軍事借款があった。これはもちろんアメリカが中心になるわけでありますが、そうなってきますと、この八二年度から始まる第二次の増強計画、当然のことながら、これに見合うあるいはこれ以上の軍事借款が想定、推計をされるわけでありますが、いかがでしょうか。

木内昭胤外務省アジア局長

○政府委員(木内昭胤君) 先ほどお答え申し上げましたとおり、およそ毎年一億五千万ドルないし二億ドルの水準で来ておりますので、軍事借款ということであれば、大ざっぱな計算ではその五倍、すなわち十億ドル程度じゃないかというふうに考えられます。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 そのほか商業ベースで買うものがあるということになりますと、外資を使っての、あるいはまた外国から買う武器の購入額は相当の量に上るというふうに考えられるわけでありますが、問題は、今度の五カ年計画の中で、これは経済五カ年計画の方でありますが、四百六十五億ドルの外資調達が予定をされております。このうち軍事品あるいは武器等を購入するためにどのぐらいが見込まれているのか、その辺は外務省、韓国に詰めておりますか。

木内昭胤外務省アジア局長

○政府委員(木内昭胤君) その点は私ども詰めておりません。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 そこが問題なのですね。二百億ドル以上の軍事費が五カ年計画では計上をされる。相当程度これは武器調達、特に外国から買う武器等については外資を充てなきゃならぬ。そこはやっぱり明確にしてしかるべきじゃないでしょうか。

木内昭胤外務省アジア局長

○政府委員(木内昭胤君) 先ほど申し上げておりますとおり、この装備、武器の調達につきましては、韓国側に問いただしましても、これは公表しておらないということで、私ども把握できないものと考えます。したがいまして、私どもとして関心を持っておりますことは、仮に今後韓国に経済協力をいたしまする場合にどういうことに使用されるか、その点は十分詰めまして対応するということは御承知のとおりでございます。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 四百六十五億ドルの外資調達、日本から六十億ドルと言っているわけでありますが、この四百六十五億ドルの中に外国からの武器購入費も当然入るということは認めますか。

木内昭胤外務省アジア局長

○政府委員(木内昭胤君) 当然入るものと考えられます。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 この四百六十五億ドルのうち百五十億ドルぐらいは外資で賄うと、武器購入をという東亜日報の指摘とか韓国問題研究所の論文などの指摘があるわけでありますが、百五十億ドルという根拠は必ずしも定かではありませんが、こういう見方についてはどう考えますか。

木内昭胤外務省アジア局長

○政府委員(木内昭胤君) ただいま御指摘のような数字が韓国側の新聞に報道もされ、また資料に掲載されたということは私ども承知いたしております。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 そこで、このまとめとして指摘をしておきたいのは、経済五カ年計画ということではあっても、これは軍事的性格の非常に強いものだ。基本目標の第一に安保能力のレベルアップを掲げ、しかもGNPの六%、政府の財政支出の三〇%以上、現レベルで言えば三四%、これを軍事費に充てていく。そしてこの第二次の戦闘力増強五ヵ年計画と時期的にも内容的にもリンクしている。こういう点で言うならば、しかもさらにこの外資調達四百六十五億ドルについて、その中にこの武器調達も入っているという、これは外務省も認めておりますよ。こういうやっぱり軍事的性格の強いものに対して協力をするということになれば、言葉はともかくとして、客観的には軍事協力と、そういう色彩が、六十億ドル援助問題、協力問題も非常に強いというふうに言わざるを得ないのでありますが、いかがでしょうか。

木内昭胤外務省アジア局長

○政府委員(木内昭胤君) 御指摘のとおり、第五次経済五カ年計画に自主国家安保能力のレベルアップという基本目標が掲げられておるわけでございますが、この五カ年計画は韓国の五カ年計画でございまして、そのうたい文句に、国民生活の充実であるとか、そういう過程を通じて国の安定を図り、力をつけていくといううたい文句があっても、これは自然のことかと思います。第四次五カ年計画におきましても同じような目標を掲げておられるということで御理解いただきたいと思います。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 理解できないから指摘をしているわけでありますが、もう一つは、日本の協力の中身が金額的に非常に大きい。これは対外経済協力の水準を超えている。特にこの商品借款について日本は厳しく対応しておるようでありますが、政治決着の場合によっては中身になる可能性がある。ここら辺について経済企画庁としてはどういうふうに考えておられますでしょうか。大蔵省もあわせて伺います。

河本敏夫自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(河本敏夫君) 私は、日韓の今回の経済協力問題は、ようやく従来のわが国の経済協力の基本路線の線に沿いまして軌道に乗ってきたと、こう思っております。先ほど外務大臣からいろいろお話がございましたが、あの線で進んでいくならば私は軌道を外れることはないと、こう思っております。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) われわれは国際の責任分担という意味で経済協力は重視をいたしておりますが、これはおのずから限界がございます。  もう一つは、やっぱり他国とのバランスと……

植木光教自由民主党

○委員長(植木光教君) 閣僚席、お静かに願います。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 他国とのバランスという問題もございます。  それから軍事協力はいたしません。つかみ金では出しません。プロジェクトの積み上げ方式、こういうことで円借款に向くもの、それから商業ベースのもの、民間、ベースのもの、そういうような仕分けをさしてもらわなければならぬ。何せ日本と韓国とは一衣帯水なところで、従来からもいろいろ非常に密接な関係にあるということは事実でございます。したがって、できるだけの配慮はいたしたいと思いますが、そういうような従来の経済協力の方針とか慣行とかというものもございますから、しかも、一方厳しい財政事情のもとにあるということでございまして、円借款で六十億ドルなんて言われましても、とてもとてもそれはもう御勘弁を願うほかはない。できるだけのことはいたします。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 ここで金額的にも対外援助の基準を踏み外した非常に多額のもの、従来三億ドルか四億ドル程度ですよ、韓国に対する援助は。これが今度倍に海外援助協力をするということでありますから、倍を超えてやるようなやつは非常に問題だというふうに思いますが、大蔵省いかがでしょうか。  それから、外務省に対しては商品借款については抵抗しているようでありますが、商品借款をやる基準というのが……。

植木光教自由民主党

○委員長(植木光教君) 矢田部君、時間です。

矢田部理日本社会党

○矢田部理君 はい。  これは一つ一つ基準を挙げて問いただしたかったわけでありますが、できませんけれども、これをやるようなことになれば、政治援助、安保絡み援助と言われても仕方がないというふうに思いますので、この二者について答弁をいただき、そして、最後になりますが、アメリカの国防報告を見ておりますと、軍事的観点から同盟国、友好国に対する経済援助の増強を求めるということを日本に特に言っているわけですね。こういうアメリカの要請を、内容的にも受けて対韓援助をやるのではないかという疑念も消しがたいものがあります。それらの点で、三点についてそれぞれお答えをいただきまして私の質問を終わりたいと思います。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 過去五年間の実績の、これから五年先に倍にするという基本方針がございますが、それはどこの国でもそれよりも少なくてもいかぬ、多くてもいかぬというわけじゃありません、それは全体の枠の中でありますから。しかし、そういうものが一応の目安にはなるでしょう、そう思います。

櫻内義雄自由民主党外務大臣

○国務大臣(櫻内義雄君) きょういろいろお尋ねがございましたが、私としてはこの第二次戦力増強計画と第五次経済社会発展五カ年計画とは、これは全くリンクをしないと、冷静に見ていきたい。  それから、韓国の今度の要望については、私が重点を置いておるのは、この第二次オイルショックによる影響とか、それから、韓国の異常気象に伴う農産物の不況の状況とか、あるいは経済の伸び悩みの根本的な要因としていろいろ取り上げられておって、非常にいま韓国が社会上、経済上困難に直面しておる、そういう先方の主張を私どもなりによく検討して、六十億ドルが妥当であるかどうか、そして、しかし隣国である韓国の現状についてわれわれがどこまで理解を示すか、そういう見地で最後までよく分析もし、検討もし、そして結論を得たい、こういうことで臨んでおる次第です。

植木光教自由民主党

○委員長(植木光教君) 以上で矢田部理君の一般質疑は終了いたしました。(拍手)     —————————————

植木光教自由民主党

○委員長(植木光教君) 次に、下田京子君の一般質疑を行います。下田君。

下田京子日本共産党

○下田京子君 最初にお尋ねしたい点は、老人医療費の有料化問題です。大変高齢化社会になって、今後老人問題、特にお年寄りの医療問題ということが大きな社会問題になってきております。そういう中におきまして、実はことしに入って厚生省が、全国の十二市町村で特に地域保健活動を積極的に行っているということで、御調査されていることをお聞きしているわけなんですけれども、その十二市町村の保健活動の特徴と、それからそれが老人医療費にどのようにあらわれているのか、簡潔にお答えいただきたいと思います。

三浦大助厚生省公衆衛生局長

○政府委員(三浦大助君) お話のございました十二市町村につきましては、いずれも成人病検診を中心といたしました各種の検診や健康教育あるいは健康相談など住民の健康管理活動を長年にわたって積極的に行ってきている市町村でございます。これらの市町村の老人医療費はおおむね県平均を下回っておりまして、沢内村はもとより、たとえば新潟県の大和町で見ますと、五十五年度における国保の一人当たりの老人医療費は約二十二万四千円でございまして、県平均の約二十七万円よりも下回っているところでございます。このように保健活動を充実していくということが将来におきます医療費の節減につながっていくというふうに考えておるわけでございます。

下田京子日本共産党

○下田京子君 ただいまのお話の中に出てまいりましたが、岩手県沢内村の場合なんですけれども、国保の老人一人当たりの医療費はどうなっておりますんでしょうか。老人百人当たりの受診率はどうなっているかの比較で、全国との対比でお述べください。

三浦大助厚生省公衆衛生局長

○政府委員(三浦大助君) 全国平均の老人一人当たりの医療費というのは年間三十四万三千七百五十一円でございます、これは昭和五十五年の統計でございますが。で、沢内村は十七万六千二百三十六円でございます。それから受診率でございますが、これは一人当たりレセプト何枚というかっこうで出てまいりまして、全国平均でいきますと十二・六三ということでございますが、沢内村は十四・一五と、受診率が高こうございます。

下田京子日本共産党

○下田京子君 厚生大臣、お聞きのとおりだと思うんですけれども、地域保健活動を積極的にやれば医療費が非常に下がっていくと、こういうことですね。ところが、いま現在老人保健法に基づいて老人医療費の有料化問題ということでいろいろ御検討されているわけです。これはなぜ有料にしようとしているのか、明確な御答弁いただきたいと思います。

森下元晴自由民主党厚生大臣

○国務大臣(森下元晴君) これは保健全般にわたりまして、国民すべてが医療費を負担していただこうというような基本の中で御老人といえども御負担を願う。ただしそれはほんのわずかな金額でありますと、だからごしんぼうをお願い申し上げたいということを実はお願いしておるわけであります。そういうことで、いままで無料であったのが少額といえども保険料をいただくということになりますと、いろいろと御批判もございますし、また福祉の後退であると言われておりますけれども、厳しい財政状況のもとでもございますし、また老人保健法の中で御老人ができるだけ病気しないように、いまのお話の沢内村のように保健とか衛生、これはよっぽど私はそこの村長さんやまた病院長の御指導がよかったと思います。まあ、そういうふうな特殊な例もございますけれども、そういうのを模範に将来はいたしたいと思いますけれども、いまの御質問の一般的な老人の医療有料化という点は、ほんのごくわずかでございますから、ごしんぼうをしてくださいと、御協力をお願いしてくださいというのが厚生省の方針でございます。

下田京子日本共産党

○下田京子君 国民みんなで出してもらいたいと、こういうことでございましたけれども、いままでの論議等を聞いておりますと、第一には受診抑制といいますか、もう一つの問題は老人に自覚を促すんだと、こういうことをお述べになっていたかと思うんですけれども、どうでしょうか。

森下元晴自由民主党厚生大臣

○国務大臣(森下元晴君) 老人保健制度における一部負担は、御老人の方々に健康への自覚を持っていただくという観点から、先ほど申しましたように、実際にかかった費用のごく一部をひとつ負担をしていただきたいということでございます。

下田京子日本共産党

○下田京子君 私は、この考え方というのは非常に問題があるというふうに思うわけなんです。  そこできょうは、はるばる岩手県沢内村から参考人として増田先生においでいただいております。  ちょっと紹介いたしますと、増出先生は、昭和三十八年からあの豪雪地域に足を入れて、十九年間病院の院長先生として、また村の健康管理課の課長さんとして御活躍されている方です。  そこで、参考人にお尋ねしたいんですけれども、現在行われております沢内の実践活動と、それからその活動を支えている体制がどういうものなのか、まとめてお述べいただきたいと思います。

増田進岩手県和賀郡沢内村村立沢内病院院長

○参考人(増田進君) お答えいたします。  沢内では、いわゆる包括医療という言葉がありますけれども、いわゆる予防から治療まで一貫するわけですが、具体的には赤ちゃんがおなかの中にいるうちから、まあ妊婦健診から乳児健診、それから幼児健診、学童、成人、こう至るわけでございますけれども、それから現在ではもう自然環境保護も私の仕事の中に入ってまいりました。そのような活動を行いますのに、沢内は人口五千の小さな村でございますけれども、健康管理課というものを持っております。この健康管理課には保健婦が四人おります。ですから、人口五千人に四人ですから、恐らくいま世界で一番数が多いだろうと思うんですが、それから栄養士、これは病院にも栄養士がおりますし、役場にもおりますけれども、それとはまた違って地域活動を専門にやる栄養士でございます。それから、歯科衛生士が一人おります。病院にも歯科外来がありまして、歯科医師が二人、衛生士が三人働いておりますけれども、そのほかに、いわゆる地域の予防を専門とする歯科衛生士でございます。そのほかに事務員というか、いわゆるそういうスタッフの健康管理課があります。それから、約四十床と約五十人のスタッフを持つ村立病院がございますが、これらがこの健康管理課と病院が一緒になっていまの事業を進めるわけでございます。私が十九年間、その課長とそれから病院長を兼務してまいりました。  その活動の中での特徴的なことをちょっと申し上げますと、先ほど歯科衛生士のお話をいたしましたけれども、いまの農村部は非常に虫歯が多いんですが、たとえばうちの子供が歯が生えないなんという親がいるのですが、よく見ますと生えているそばから虫歯になっていくのです。全然外に歯が見えないなんという子供が非常に昔多かったわけです。けれども、いまは本当に減りました。そういうことと、それからもう一つは、特にいま成人病が問題になっておりますけれども、成人病検診といたしまして一泊二日の人間ドックという形で村の人が病院に来て、泊まってもらって検診を受けるという形をとっております。これは実は多くは農村部とか都会でもそうですが、そういう検診は集団健診で行うのですけれども、沢内村みたいなところは最近新幹線とかあるいは高速道路の工事が進んでまいりまして、いわゆる日帰り出稼ぎという形で、ほとんど昼間はお父さん、お母さんは村におらないんです。ですから、集団健診をやりましても、ほとんどこれが効果が上がらないというようなことから、また同じ検診項目によってとか、頻繁に健診が行われるところもありましたので、それをまとめまして病院に一年に一度来てもらうという形で人間ドックを行いました。これが非常に沢内村の特徴的なことなんですが、やってみまして非常によかったと思いますのは、いままで集団健診あるいは公民館での健康相談活動などに一度も顔を出したことのない青壮年男子が、大体いろいろな活動には主婦とか御老人は参加するのですが、肝心の青壮年男子というのは普通参加しない、非常にしにくい。やっぱりどこの市町村も同じだと思います。それが、このドックを始めるようになってから、自分でふろしき包みをしょって参加してくる。非常に印象的なことがたくさんありました。その結果、かなり早期がんも発見されましたし、いろいろな、血圧の状態あるいは循環器の疾患なども見つかりまして、本当にがん死亡も減ってまいりました。脳卒中も減ってまいりました。  私たちのような田舎のところでは高額医療のほとんどは脳外科医に行って手術を必要とするような脳内出血とか末期がんの患者が医療費の大半以上を食ってしまうわけでございます。それが、そういった患者が減ったということで、御承知のとおり、非常に医療費が下がってまいりました。  以上でございます。

下田京子日本共産党

○下田京子君 何度お聞きしましても本当に感動を覚えるわけですが、私もそういうことで三度も沢内の方に行ってまいりました。  引き続いて参考人にお尋ねしたいのですけれども、先生、いまの本当にすばらしい医療活動を進めてくるまでには大変な御苦労があったかと思うんです。それで一つは、今日に至るまでにどのような苦労、歴史を踏まえながらたどりついてきたかという問題、それから特にもう何十年か前に深沢村長さんという方が行った生命行政という、その考え方といいますか、それをお知らせいただければと思います。

増田進岩手県和賀郡沢内村村立沢内病院院長

○参考人(増田進君) お答えいたします。  沢内の歴史、昔の歴史を一言で——私、非常に象徴的なことがありまして、それをときどき申し上げるのですが、それはどういうことかと申しますと、昔は死んでから医者にかけるのが普通だったわけですね、もう地元にお医者さんがいないものですから。しかしながら、死にますと医者の死亡診断書がないと埋葬できない、そのため死体を医者に運んだというのがごくあたりまえの現象だったわけです。  その中で、これは実際村の人から聞いたのですが、赤ん坊が死んで、隣町のお医者さんまで歩いていったと。そしたら、夜になりました、約三十キロありますから。そうしたら、夜になっているのだからもう朝まで待っていると言われて、死んだ子供をおんぶしながら待っていたわけですね、夜。高々と夜が明けて、朝起きてみたら、近くに同じように死んだ子供を背負った親が五人いたというんです。こういう非常に残酷と申しますか、そういう本当に悲惨な歴史のある村でございました。  しかしながら、これが現在までに至る一つの時期はやはり深沢村長が誕生したことでございますけれども、昭和三十二年に深沢晟雄さんが村長になったわけでございますけれども、ちょうどそのときから乳児健診も始まりましたし、いろいろな事業が始まったわけです。  深沢村長が村長に就任しましてからすぐやったことは、地域を巡回して座談会を開いて歩いた、そこでどうして村がこう貧乏で発展しないのかというようなことを村民に聞いて歩いたということです。それによる結論は、一つは雪が多いこと。冬季は三メーターを超します、いまも一メーターぐらい残っておりますけれども。その雪が多いこと、それから非常に病気が多いこと、そして貧困であること、これが沢内村の当時の問題点である、それでこれに取り組むのが行政の仕事だということで、当時かなり村民の反対もあったのですけれども、ブルドーザーを購入して除雪を始めた、冬季の交通を確保する仕事を始めたということでございます。  一方、保健活動においては、先ほど申しましたように乳児健診が始まり、保健婦を初めてこのとき採用いたしました。それで始まったわけでございますけれども、当時の深沢村長の村議会記録によりますと、その当時はもう月にロケットが飛んでいたわけでございますが、月にロケットが飛ぶ時代に赤ん坊が医者に診てももらえなくてころころ死んでいくなんというのは、ニューギニアの奥地でもあるまいし、いまはとても考えられないことだ、これを正すのがいまの私の政治の使命だということで始まったわけでございます。  それで、道路が通りました。これは非常に村民に感銘を与えました。いままで豪雪というのは自然のことですからあきらめておったわけでございますけれども、それが通ったということで、非常に村民に自信を与えました。そのことがやはり保健活動の方にも非常に大きな影響があったと、そう思います。  それから、いま話題になっております老人の医療費の無料化の政策でございますけれども、沢内村は昭和三十五年の十二月六日から六十五歳以上、三十六年四月から六十歳以上をやっているわけでございますけれども、これも当時働き盛りの世帯主にすべきであるとか、いろいろ議論があったようでございますけれども、まず弱い階層から始めようということで、当時、赤ちゃんと老人からスタートをしたわけでございます。ところが、三十四年にいまの国民健康保険法が施行されまして、そういう特定の地域の十割給付というのは非常に問題があるということで県及びいろいろな行政当局から指摘を受けまして、沢内村のそういう医療費無料化策というのは問題があるというふうにずいぶんいわば攻撃されたものでございますという話を聞きました。しかし、その当時、深沢村長のお話ですと、確かに村立病院というのは、その地域の特定した無料化策というのは法律に違反することはあるかもしれないけれども、しかしながらこれがなければ沢内村の人たちはまた昔に逆戻りをする、医者にもかかれない、医療も受けられない。これじゃ憲法に保障している文化的なあるいは基本的な生活すらできないということで、もし訴えられたら私はそれでも争う、しかしながらこれは村民のためにやらなければならないということで、十割給付、いわゆる世間で言います老人十割給付がそれからずっと続いたわけでございます。

下田京子日本共産党

○下田京子君 厚生大臣、いかがでしょうか。私がもう解説するまでもございませんが、昭和三十六年から六十歳以上の老人医療費の無料化をやってきた。そしてまた、その中にはいろいろな攻撃もあった、問題の指摘もあった。でも、がんばり抜いて今日のあのすばらしい沢内の医療の活動の中身が出てきた、そしていま医療費の引き下げという事態になったということなんですけれども、どのような御感想でしょう。

森下元晴自由民主党厚生大臣

○国務大臣(森下元晴君) ただいま増田病院長のお話を聞きまして、沢内村はすばらしい医療行政をやられておる、地域医療の模範でもございますし、また僻地医療の模範でもある、医療体制はかくあるべきである、そういうふうに実は考えるわけでございます。かつては非常に病人も多かったし、特に乳幼児の死亡率が高かった、それをここまで持っていった功績は非常に大きいし、私どももやれば全国的にそういうような医療体系ができるのではなかろうかということも実は考えております。  実は、前にもこの沢内村のことにつきまして他の方面からもお話は聞いておりまして、いま直接責任者からお話を聞きまして非常に感動を覚えておるわけでございます。いろいろ村内の保健行政の中でこの六十歳以上の御老人は全部ただであるということは、村自体の考え方でそうおやりになっておると思うわけであります。  お尋ねの、老人保健法をやりながらまた御老人については一部負担をとるというようなことについての、そうすべきでないというようなお説でございますけれども、それとこれとは別にして考えなくてはいけない現在の段階でございます。そういう点で、健康に対するひとつ先ほど申しましたように、認識を深めていただくということで、ごくわずかな保険料でございますから、それはそれでごしんぼう願う、そして、将来は沢内村のような私はすばらしい医療体系また地域医療の体制に持っていくべきである、このように思っております。

下田京子日本共産党

○下田京子君 厚生大臣が言われている感想というのは非常に矛盾している感じです。  まあ、そのことは後にいたしまして、再び参考人にお伺いしたいんですけれども、六十歳以上の医療費無料化ということが果たしてきた役割りといいますか、その辺をひとつお述べいただきたいと思います。

増田進岩手県和賀郡沢内村村立沢内病院院長

○参考人(増田進君) お答えいたします。  そのことについてはずいぶんほかの視察に来た人たちから聞かれるのでございますけれど、一言で言いますと、非常に文学的な表現になりますが、村が明るくなったという表現を私は使います。こういうのはあんまり文学的表現が適当とは思いませんですけれど、それが一番ぴったりした言葉でございます。  たとえば具体的に申し上げますと、老人の自殺は減りました。私が参った当初は、本当にたった人口五千人の小さな村ですけれど、毎年二人、三人という老人の自殺は必ずあったわけでございます。そのたびに変死体の処置といいますか、そういうことで警察から表彰を受けるくらいたくさんあったわけでございます。しかしながら、現在ではほとんどそれはございません。  それともう一つは、たとえば始まった当初病院に若いお嫁さんなんかが来るわけですね、患者といたしまして。で、どうしたと聞くと、おばあさんに行ってこいと言われて来るお嫁さんが意外と多かった。これは非常に私は奇異に思いました。といいますのは、ああいう農村部では嫁が病院に来るということはめったにありませんです。しゅうとが来ることはあっても嫁が来ることはない。大抵は、嫁が行きますと、しゅうとの方は、私でさえがまんしているのに何で嫁が病院に行くと言うのが普通なんでございますけれど、ところがそのしゅうとと言われる方々は実は十割給付で非常に病院を利用する機会が多いんですね。そして、それがまた全然自分の財布といいますか、お年寄りはわりと財布を息子に譲る、自分が持つということを非常に気にされるわけですけれど、そういったことを気にせずに病院に行くという心の余裕といいますか、そういうようなことから、家族の中の健康といいますか、そういうものに気を配るという配慮が非常にはっきりわかるわけでございます。それで、おじいさんがどうした、息子がどうした、嫁がこうだから診てくれというような、たとえば家庭の中のおばあさんがちょうど健康管理者のような非常に気の行き届いた気配りがあるというようなことをたくさん見聞きするわけでございます。  そういったことから、何かかっての村の暗さというものがなくなりまして、非常に明るくなったという感じが非常に大きな効果だった、そういうふうに感じます。

下田京子日本共産党

○下田京子君 六十歳以上の無料化、そのことで大変村が明るくなった、お年寄りががまんしないでお嫁さんにおまえ行ってこいというふうになった、そういうお話を聞きました。  先生にまたお尋ねしたいんですけれども、いま大変問題になっております老人医療費の無料化、これをなくして、七十歳の問題ですね。これを何とか皆さんの御協力をいただいてと、こういうことで有料化の方向が出てきているわけです。さっきの大臣のお話にもございましたけれども、公平に負担していただくのだ、それからやっぱりお年寄りにもみずから健康に対する自覚を持ってもらうのだ、あるいは行き過ぎた受診を抑えていくのだ、こういうお話があったわけですけれども、このことについてはどうお考えになりますか。

増田進岩手県和賀郡沢内村村立沢内病院院長

○参考人(増田進君) お答え申し上げます。  実は沢内でも、いまからもう十年くらい前になりますか、十割給付有料化問題を言ったことがございます、村そのものでですね。ですから、こう言ってはなんですが、いま国がやっておられることは村はとっくの昔に経験しながら現在に至っているという感じがするのですが、そのときに深沢村長の次の村長さんが有料化をいたしました。そうしましたら、実は沢内村で、村史上初めてだと思いますが署名運動が起こりまして十割給付存続ということが実は決まったという出来事がございました。ただし、そのときに保険税が非常に高くなるという、そういう一つのあれがありましたのですけれど、それでもいいから存続するという事件がありました。  それは、村の方々がその十割給付の意味をまず認めてくれているということの一つのあかしだろうと思うのでございますけれど、ただいまお話にありました何でもただということで、老人の健康に対する自覚が乏しくなるといいますか、乏しいというようなことが問題になっているようでございますけれど、実は村の人たちの健康に関する自覚を促すというのは、これは有料化すると促せるかどうかというのはこれは非常に疑問に思うわけでございます。  と申しますのも、たとえばよく自分の健康は自分で守るという言葉がございますけれど、私はその言葉は実は余り好きな言葉じゃないんですが、これは私が医者であるとか、あるいは行政側が自分の健康は自分で守れということを村民に言ってしまったのでは自分の立場は何もございません。むしろ私たちの立場といたしましては、自分で守る気がない人も守ってやるというくらいでちょうどいいのじゃないか、私はそう思っております。  村民側が、自分の健康は自分で守ると言ってくれるのであればそれにこしたことはないのでございますけれど、ただし、じゃ、村民の自覚というのはどこから生まれてくるかということでございますが、これは私が医者として思いますのには、生まれつき持ってくるわけでもございません。しかし、健康に対する関心は非常に高い。先ほど人間ドックのことをお話し申し上げましたけれど、かつて集団健診に一回も出てこないこのような人たちは普通は健康に関心がない、自分の健康は自分で守る気がないということで、いままでの活動では片づけられてきた人たちでございます。それが検診のやり方を変えてまいりますと必ず参加してまいります。ですから、そういう意識は必ず皆持っているわけでございます。要はそういうものと医療との接し方あるいは医療の地域への入り方、そういうことが非常に関係してくるわけでございます。  ですから、たとえば沢内のときのことを少しお話し申し上げますけれど、やはり何でもただということで、これは笑い話でございますけれど、外来にふろしきを持ってきたおばあさんがあります。どうせただだといって、外来にある薬を皆持っていこうとするおばあさんがいました。おばあさん何をする、これはただだ、これはただじゃないよ、これはみんなが出した金で買ってあるものだというようなことで、そういうことを約二十年間繰り返してきたわけでございます。そういうことでだんだん、何といいますか、もう何もせずに相手の自覚を促すんじゃなくて、医療の対話の中に相手の自覚を促すというようなことが自然と生まれてくるのだろうと思います。ですから、むしろ問題は医療の側にあるのかもしれません。と申しますのも、皆患者が恐れている言葉は、早期発見とか手おくれとかという言葉が絶えず頭にこびりついております。病気が手おくれにならないかどうか。それに新聞にも早期発見と書いてあります。しかしながら、医者に行くと、何でこんなに何でもないのに来たと言われますから、非常にいまの患者の立場は何もありませんです。早く行けば何で来たと言われますし、遅けりゃ手おくれだと言われます。ちょうどいい時期がわかるのはこれは医者でございますので、私が思いますのには、患者というのはもう医者と絶えず自由に接触できるというふうな体制が必要であります。それが、沢内村の十割給付はそういう役割りを果たしているのだろうと、そういう気がいたします。しかしながら、すぐそれは医療費には結びつきませんです。いま言ったように、対話の機会としてとらえるといいますか、そういうことが繰り返されていって初めて、村の人たちの本当の意味での健康に対する自覚が出てくるだろうと、そういうふうに思っております。  それから受診抑制でございますけれども、確かに十割給付をやりますと受診率が上がって医療費が上がってまいります。沢内も一時そうでした。最初の五年ぐらいは非常に上がりました。それから大体平らになりまして、最近はもうどんどんどんどん減っておりますんですけれども、それにつきましてでございますが、有料化といいますか、沢内村でも、老人でも全部が全部ただでございませんで、たとえば軟膏管であるとか、ちょっとしたものが有料、実費なものがあるわけでございます。そうすると、それらの大部分は実は未収になることが多いんですね。そうすると、沢内のお年寄りはその十円、二十円をけちするかということになるかもしれませんが、またわれわれ接し方に問題があるのかもしれませんが、そうではなくて、実はお年寄りが少しのお金があって、これを自分の健康にかけるか、それとも孫にかけるかといいますと、大抵のお年寄りは孫にかけます。自分の健康にはかけませんです。むしろ歴史的にそういう形をとってまいっております。ですから、私の立場としてはむしろお年寄りは余りそういうお金に気がねなくかかってもらいたいと、そう思います。そうしますと、医療費が上がるではないかと言われるかもしれませんが、沢内の経験では決して上がっておりません。  そうしますと、一体医療費が上がるのはなぜ上がるのかということになります。つまりそれは沢内村の経験ですと、老人でも十割給付でもなさそうです。要は老人の医療費がただであるという制度をだれかがどこかでかなり、何といいますか、経済的に利用しているというようなところがあるかもしれません。はっきり申し上げまして、いまの医療に少し問題があるのではないか。ですから、その問題のツケが結局お年寄りの方に回ってくるのじゃないか、そういう感じがしているわけでございます。ですから、沢内村でもしまた有料化いたしますと、先ほどのような精神状態ですから、自分が医者にかかるぐらいなら孫とか家族を出してやりたいというような気持ちでございますから、また昔に戻ってがまん型がふえてまいると思います。そしてまた、自殺までいかないでしょうけれども、またそういう現象が起こってくるのじゃないかと、そういう感じがいたしております。

下田京子日本共産党

○下田京子君 ありがとうございます。  受診の問題については、受診抑制ではなくて、受診を促進するためにいろいろ先生が中心になって自治体と医療機関と一体になって取り組まれていくこと、それから村民の自覚というものは、それはもう本当にどうやってつくっていくのかという点で、たとえば自覚を促すためには検診のやり方を変えるなどという具体的なお話があったと思うんですね。そうしますと、いま国がやろうとしている方向と別な方向でやられてきて、その結果が、大臣先ほども言われましたが、沢内はすばらしいということを私は生み出したんだと思うんですよ。  最後に参考人にもう一点だけお聞きしたいんですけれども、いま政府がやろうとしているのは七十歳以上の有料化の方なんです。それだけにとどまりません。一方では、そうした自治体がやられている仕事なんかも国と歩調を合わせなさい、あるいは廃止しなさいという方向にまで行くのではないかと大変心配されるわけです。こうなりますと、沢内のすばらしい地域医療のこのことが一体守られるのかどうかという点で、先生の御心配、御決意をお聞きしたいと思うわけです。

植木光教自由民主党

○委員長(植木光教君) 勝手でございますが、限られた時間でございますので、御答弁は簡明にお願いいたします。

増田進岩手県和賀郡沢内村村立沢内病院院長

○参考人(増田進君) お答え申し上げます。  私は、ただ働いている現場からということでお話し申し上げたいと思いますけれども、先ほど申し上げましたように、この老人の十割給付については、お店で言いますと沢内は元祖みたいなものでございます。国が後から始めまして、国が国レベルでいささか医療費が上がってきたということで、いわば失敗したというような感じを持っておられると思いますけれども、ですから、国が失敗をいたしまして、その元祖の沢内村がそれによってまたやめなきゃならないというのも非常に私たちとしては困っておるわけでございます。先ほど申しました人間ドックに対する特に家庭の主婦なんかの参加の場合には、先ほど言いました十割給付によるお年寄りのいろんな配慮とかがその背景にありまして、いろいろな活動に対する村民の参加が非常にいいだろう、いいというふうに私は考えておりますので、ここで有料化されますと非常に沢内村の活動も、恐らくかなり後退を余儀なくされるんじゃないかと、そういう気がします。沢内村はいわばいままでやってまいりまして、国が問題にしておりますいろいろ自覚の問題やあるいは医療費の問題は何とか解決してまいりましたのですから、その沢内村の事例はこれからもそのとおりにやってまいるように御配慮いただきたいものだと、そういうふうに思っております。

下田京子日本共産党

○下田京子君 参考人の先生ありがとうございました。  厚生大臣、お聞きのとおりなんですが、有料化というのははっきりこれはもうやめるべきだと、こう思うんです。いまお話を聞いていて、大臣何度もうなずいて聞いているわけです。さっきもすばらしいと言っているんです。そのすばらしい活動の原点になっているのは何かといったら、老人医療費十割給付、まさに無料化という制度だ。そういう中にあって住民の健康に対する自覚も高まってきている、そしてまた医療費の節減にもつながってきている、こう言っているわけなんです。やっぱりこの有料化はやめるべきだと思いますが、いかがです。

森下元晴自由民主党厚生大臣

○国務大臣(森下元晴君) 私は、沢内村がすばらしいと申したわけでございます。それはやはり、それに取り組んでまいりました責任者でございます病院長増田先生ほか保健婦の方々や、また村長さん以下、そういう方々の非常に医療に対する認識の深さ、また、医療というのは決して仕組みだけではない、技術だけではないという、そういうような高度な私は考え方を持っておるのがこういうりっぱな成果を支えてきたのではないだろうかと思います。  残念ながら、全国的に見まして沢内村のようなとおりにはなっておりません。いろいろと全国的に非難されるような問題があったり、また、この仕組み上におきましても、法の精神がゆがめられたりしておる点も実はございます。    〔委員長退席、理事土屋義彦君着席〕 そういうことから国全般としては、やはり沢内村のような予防とか、また、積極的な診断等によってまず健康を保持していこう、できるだけ病気にならない前に診断活動によって病気から守っていこうと、こういうことのための老人保健法でございまして、御承知のように四十歳から健康手帳を交付いたしまして、そしてできるだけ病気にかからない、そして元気で健やかに長生きをしていただきたいと、これが老人保健法の趣旨でございますので、沢内村がそうであるから、全国的に無料化することがすべてであると言われると実は困るわけでございまして、その点、でき得る限り御負担を少なくすることによって御老人に対するそういう気持ちは出しておるつもりでございます。  地方自治体でも、六十五歳から無料化にしたり六十歳からと、いろいろ自治体の事情がございますけれども、厚生省としてはそれを強制的に法律によって一挙に七十歳からと、そういうことをすべてやめなさいというようなことは実は言っておらないわけで、できるだけそういうことをあれしていただくような方向にしてください、こういう指導をするわけでございますから、決して強権発動するような、強制的にどうこうということは書いてございません。また、そういう意図はございません。それぞれ地域によって、やはりこの保健の効果を精神的な要素を加味することによって上げていこうと、これが私どもの考えであります。

下田京子日本共産党

○下田京子君 大臣、沢内村のような教訓を本当にしっかり押えるならば、いまずっと聞いておったと思うんですよ。ですから、積極的な受診促進をどうすればいいのかということなんです。そのためには沢内の場合には、老人医療の無料化ということがやっぱり一つ土台になっている。お年寄りを迎えにやるためのバスまで出したとかいろいろお話あるわけですけれども、検診のやり方も変えたとか、そういうことを実際にどういうふうに生かしていくかということになった場合に、何よりも何度も繰り返し言っておりますけれども、いまの受診抑制をするだとか自覚を促すんだとかという形での有料化というのはやめるべきだという問題ですよ。それからもう一つ、地方でやられております問題については強制的に法的には指導しないと、しかし、できるだけ国に沿う方向で御理解をと、そういうことはつまりはやめろということになるんじゃないですか。はっきり言ってほしいんですけれども、沢内のような実践をつぶさないで守ってくださるんですか、励ましてくださるんですか。

三浦大助厚生省公衆衛生局長

○政府委員(三浦大助君) ただいまの沢内村のお話は、私どもも頭の下がるような模範的な例でございました。ただ、現在老人医療費が、制度の創設によりまして老人の医療が無料化になった、これはこれでいろいろないままで成果を上げてきたわけでございますが、無料化であるためにややもすると行き過ぎの医療があった、よく言われます薬漬け、検査漬け医療、こういうものがございました。したがって、いろいろなことがございますので、ひとつこれからはごくほんのわずかなものを御負担いただこうと、こういうことでいまやっておるわけでございます。検診の方法につきましても、人間ドックができればこれは非常にいいのでございますけれども、やはりすベてに沢内村のようにやるというわけにはこれはまいりません。いままで結核対策でも検診事業でかなりの成果を上げておりますし、いろいろ参考にいたしまして一番いい方法で私どもやっていこうと、こういうことで計画しているわけでございます。

森下元晴自由民主党厚生大臣

○国務大臣(森下元晴君) つけ加えさせていただきますけれども、やはり先ほどおっしゃいましたが、自分の体は自分が見るというようなことも大事でございますが、やはり医療という問題は一つの技術の問題もございますし、専門的な問題もございますし、やはり啓蒙、啓発によって、たとえば、同じ物を食べるのにしても、塩分をたくさんとりますと脳卒中の原因になりますよというような具体的な例を詳しく御説明することによって住民の納得をいただく。まず食生活等においても健康を増進、いわゆる病気にならないように、また病気にかかっても早く治るようにと、そういう非常にむずかしい専門的な問題がございます。そういう点を私は病院長以下の方々が非常に御熱心に啓蒙、啓発運動をされまして、すばらしい現在の沢内村の医療体制になっておるように思うわけでございます。そのことと有料化の問題と絡められますとちょっと困るわけでございまして、無料化であるからすべてうまくいっておるんだということは、多少の関連はあるのですけれどもすべてではないということでございまして、できるだけ沢内村のようなすばらしい体制に近づけるように、老人保健法を一日も早く通さしていただきまして、理想的な医療体制をつくり上げたいと思っておる保次第でございます。

下田京子日本共産党

○下田京子君 大臣はどこに耳を持っているのです、心はどこにあるのですか。啓蒙と啓発をおやりになる、それだけで事が済むなら何も問題がないでしょう。無料化の問題というのが本当にいまの沢内をつくってきたということで、老人医療費無料化というのはもう国が八年前にやったけれども、その元祖は沢内だとおっしゃっていましたでしょう。いまそれが二十何年かかってようやくすばらしい実を結んできたわけなんです。国は八年でもうやめようかというんですね。それはおかしいですよ。お答えになってないんです。もう一度言いますけれども、それじゃすばらしい本当にもういろいろ敬服していると言われているような、沢内も含めたさっき十二の市町村御紹介ございました。そういった独自のことは本当に守りますか、つぶさないですか。言明してください。大臣でいいですよ。

森下元晴自由民主党厚生大臣

○国務大臣(森下元晴君) 結論的に申し上げますと、つぶすとかつぶさないとか、そういうような強権的なことはもちろん厚生省はいたしません。やはり地方自治体には自治体の行き方もございますし、それぞれ現状でも年齢的にもいろいろ段差があるようでございますから、そういう点は老人保健法で施行された方といいましても、七十歳どうこうということはわれわれはそこまでは考えておりません。

下田京子日本共産党

○下田京子君 つぶすとかつぶさないとかしないと、これはもうしっかり守ってほしいですが、ただ、行政指導という名においておやりになる、このこともやめていただけるように、むしろ励ましていただけるようにこれは強く希望したいと思います。  次に、談合問題について質問を移りたいと思います。  わが党は、衆参の予算委員会の審議の中で大手建設業者、さらに官庁、そしてまた政治家の関与も疑い得るような談合問題を追及してまいりました。きょう私が質問申し上げますのは、一つは特殊法人をめぐる談合でございます。それから同時に、特殊法人とそれから建設業界とそれに政治家絡み、さらには地方自治体まで巻き込んでいるというのがきょうの質問の特徴でございます。  まずお伺いしたいんですけれども、日本下水道事業団、これはいま公共事業の中においてどのような位置を占めておりますでしょうか、あるいは今度の整備計画と、簡潔にお述べください。

加瀬正蔵建設省都市局長

○政府委員(加瀬正蔵君) 日本下水道事業団は、下水道の整備を促進するために、地方公共団体の要請に基づきまして、下水道の根幹的施設の建設あるいは下水道に関する技術援助等を行うとともに、下水道技術者の養成あるいは下水道技術の開発、実用化を図っていくという仕事をやっているわけでございます。昭和五十六年度予算は事業規模総額で千四百四十三億円、うち地方公共団体からの受託工事が千三百七十九億円でございます。

下田京子日本共産党

○下田京子君 今後の計画。

加瀬正蔵建設省都市局長

○政府委員(加瀬正蔵君) 今後の計画と申しますと、今年度の計画でございましょうか。

下田京子日本共産党

○下田京子君 今後ですよ、今後の整備計画。

加瀬正蔵建設省都市局長

○政府委員(加瀬正蔵君) 下水道事業団は御承知のように地方公共団体の受託で工事をやっておるわけでございますが、大体下水道事業の事業費が二兆円弱でございますので、そのうちの七、八%でございますか、七、八%ぐらいの規模の工事を受託してやっておるということで、下水道の処理場を中心に仕事をしていくということでございます。

下田京子日本共産党

○下田京子君 何か答弁になっていませんね。五十六年度から第五次下水道整備五カ年計画というものを考えておられて、その投資額規模でおよそ十一兆八千億円見込んでいらっしゃるんじゃないかと思うんですよ。つまり公共事業の中で下水道事業というのは今後のやっぱり花形の一つではないかと私は思うわけなんです。ところで、この下水道事業をめぐってまさか不正はないと思うんですけれども、この点どうですか。

加瀬正蔵建設省都市局長

○政府委員(加瀬正蔵君) 適正に事業が執行されていると確信しております。

下田京子日本共産党

○下田京子君 それではお聞きしますけれども、これは具体的な点で、たとえば下水道事業団の理事長というものは事業の発注に際してどんな役割りを持っておられるんでしょうか。たとえば、どの会社に幾つの工事を発注するかなど、事前に決める権限というものございますでしょうか。

加瀬正蔵建設省都市局長

○政府委員(加瀬正蔵君) 工事の発注につきましては、それぞれの法人の会計規程等に基づいて行われますが、おっしゃるように事前にどの業者にどういう仕事をやれというようなことをやるような規定にはなっておりません。

下田京子日本共産党

○下田京子君 もう資料が配られてあるのでごらんいただいておると思うんですけれども、ページ二をごらんいただきたいと思います。上に書いてありますけれども、三井建設の座光寺さんの営業報告なんです。一連の三井文書の中で今回初めて登場するものでございますが、座光寺さんという方の経歴、これにざっと書いてありますのでお読みいただければわかると思うんですけれども、五十四年当時は三井建設の土木営業部長をしておりまして、その営業の状況を上司に報告するというメモであります。  そのメモのページ二の三月の十五日のところを見ていただきたいんですけれども、三月十五日の、ちょうど三段目のところに、吉兼理事長に座光寺さんという方が斉藤専務に同行していってお聞きした中身なんです。「「二つになるか一つになるか(五十四年度)おまかせ下さい。」とのことでした。」、つまり、吉兼理事長が、五十四年度の工事は二つになるか一つになるかひとつ任せてくれと、こういうことをお述べになっている報告なんです。これですとさっきのお話とは大変違う感じなんですけれども、大臣、どのようにお受けとめでしょうか。

加瀬正蔵建設省都市局長

○政府委員(加瀬正蔵君) ただいま初めて拝見しましたので、内容の、事柄の真否も含めまして調査させていただきたいと思います。

下田京子日本共産党

○下田京子君 調査するということですが、次に、五月十一日付の、同じメモの後段のところを見ていただきたいんですけれども、これは「岡崎理事談」というところでこんなふうに書いてあるんです。お読みいただければわかると思うんですけれども、斉藤専務に同行していって岡崎理事と面談すると。そうしまして、「琵琶湖−むずかしい。(今回は地元業者の出方待ち。)」「会津若松−可能性は高い。」、こういうことをお述べになっていますが、岡崎理事という方はこういうこともおやりできるようなお立場なんでしょうか。

加瀬正蔵建設省都市局長

○政府委員(加瀬正蔵君) 当時、岡崎理事は下水道事業団の工務担当の理事と承知しておりますが、先ほどから申し上げておりますように、このように任意に事前に工事のふるいをかけるというようなことはできないこととなっております。

下田京子日本共産党

○下田京子君 そこで、ちょっと、五十四年度の三井建設の日本下水道事業団の工事契約の中で、会津若松の下水道工事が新規で契約されているかどうか、これはどうですか。

加瀬正蔵建設省都市局長

○政府委員(加瀬正蔵君) 五十四年度に、会津若松市の下水浄化工場の建設工事が五十四年八月十四日契約で七億六千九百万円の契約がされております。

下田京子日本共産党

○下田京子君 そうしますと、岡崎理事はとうていどこどこの工事なんという立場にはないわけですが、その岡崎理事が言われたように、二ページの資料に1、さっき言った点ですけれども、「琵琶湖−むずかしい。」そして、「会津若松−可能」だと言って、そのとおりに入札されているということになると思うんですけれども、この点について、大臣どうお考えですか。

加瀬正蔵建設省都市局長

○政府委員(加瀬正蔵君) 資料を初めて拝見しましたので、資料の信憑性も含めまして調査さしていただきたいと思います。

下田京子日本共産党

○下田京子君 信憑性というのは問題ですよ。大臣にお聞きしています。いま申し上げましたけれども、これは建設省からいただいた資料、それから日本下水道事業団からもお話し伺って、間違いなく五十四年八月十四日に会津若松市の下水浄化工場の建設工事が三井と会津のジョイントベンチャーで七億六千九百万円の工事で契約されているわけですよね。これは事実なんです。岡崎理事が琵琶湖はむずかしいけれども会津若松なら可能だ、可能だと言った若松がちゃんとこうやって契約されているのです。これは大臣にちゃんとお答えいただきたいと思います。

始関伊平自由民主党建設大臣

○国務大臣(始関伊平君) ただいま御指摘の、お出しになりました資料初めて拝見いたしますし、また書いてございます事実も初めて伺うところでございますので、当方といたしましては調査をいたしてみたいと存じます。

下田京子日本共産党

○下田京子君 この種の問題についてお話ししますと、みんな初めてだ、確かに文章見るのは初めてでしょう。しかしきちっとメモされていたことがまた裏づけられてちゃんと工事が発注されている、契約がされている。しかも事前にそういうことが決められている。重大問題ではありませんか。  その次に、同じくページ二の資料見ていただきたいんですけれども、吉兼理事長が二つか一つに任せてくださいというくだりから、今度は三番目にこういう。ことが書いてあるのですね。「岡崎理事談」のところですけれども、「もし若松に決った場合+αは考えられないか。の問いに対し、検討したい。(好意的なムードであった)」、こう書いているわけなんです。  それで、またお尋ねしたいんですけれども、五十五年度に三井に入札されている工事はどれでしょうか、新規に入札しているやつです。

加瀬正蔵建設省都市局長

○政府委員(加瀬正蔵君) 五十五年度には琵琶湖湖西浄化センターの建設工事の受注をしていると承知しております。

下田京子日本共産党

○下田京子君 そうですね。ということは、私はここで述べておりますプラスアルファ分というのは、まさにこれだったと。金額は四千八百万円ですけれども、このことによってあとの工事に希望がつながると。  建設大臣、重ねてお聞きします。こういうことで、もう三ヵ月も五ヵ月も前に話がされて、そのときに話し合われた内容、そしてそれがメモされた、その中身と全く同じ方向で入札されている。どう思います。

始関伊平自由民主党建設大臣

○国務大臣(始関伊平君) 何月何日に入札が行われたということは役所の資料にもございますかか、その点は間違いないだろうと思います。ただ何日か前に話をして、この場合で言えば下水道事業団の何の何がしがどう言ったというような、こういう種類の資料は実は今日までずいぶんたくさんいただいた。私どもの方で調べてみますと、その資料の出所なり、あるいは書いてある事実なりを確認することはきわめて困難な場合が多いのでありまして、その点を調査すると、かように申しておるのであります。

下田京子日本共産党

○下田京子君 資料の調査をするということで、いままでやってきていること、それはわかるわけですけれども、そのことについてずいぶんたくさん聞いているなんていうことですが、これほどずいぶんたくさん出るほど監督官庁である建設省がこの下水道工事に関してもきちんとしたことがやられてない結果じゃないですか。ですから、どういう感想をお持ちなのか、どうなさるのか、こう聞いているわけです。再度、大臣。

加瀬正蔵建設省都市局長

○政府委員(加瀬正蔵君) 先ほどから申し上げておりますように、資料を調べてみて、事柄の事実があったかどうかということを含めまして調べてみませんと、何ともお答えしようもございませんが、私どもとしてはここに書かれてあるような事実がそのままあったということは信じがたいことでございます。

下田京子日本共産党

○下田京子君 信じがたいことが次々に起こるから、許されないと私たちは怒っているわけですよ。そういう立場から、きちんとしたそれなりの指導が必要だと思います。  三井建設だけじゃないんです。資料の三ページをごらんいただきたいと思います。これは鹿島建設が五十五年の四月に作成した内部文書でございます。この文書の持つ意味は何なのかということで、いろいろ私たちも関係者に聞いてみました。適用欄ごらんください。いろいろ会社名がございます。その中に一重丸あるいは三重丸あります。で、一重丸というのは強く希望している会社、8の欄をごらんいただきたいと思うんですけれども、これは埼玉の例ですが、三重丸がございます。鴻池というこれが本命会社なんです。そこでページ五の資料をごらんいただきたいと思うんですけれども、これはずっと建設工事の実態が出ておりますが、この深谷市の事業、間違いなく鴻池というところに落札されているわけなんです。しかもですよ、この資料は鹿島建設の副社長であります前田忠次氏が下水道事業における業者間調整を行ってきたことを裏づける資料があるわけです。それが3′の資料に載っております。これは私たちの赤旗日曜版から転載したものなんですけれども、ごらんいただければわかりますように、「昭和五十五年度発注日本下水道事業団希望工事」と、こういうかっこうで、どんどん各社からお出しになっているわけです。こうやって提出させて、そしていろいろと調整していく、こういうことを鹿島建設の副社長である前田さんがおやりになっているわけです。このことについて、大臣はどう御認識されておりますか。これは大臣にお聞きします。

加瀬正蔵建設省都市局長

○政府委員(加瀬正蔵君) これも拝見したのは初めてなものですからよくわからないんですが、一般に下水道工事というのは、事業団がやる場合には地方公共団体の受託でございますので、当然あらかじめ地方公共団体で委託することについての議決を経るわけでございます。さらに事業団としては、年度当初に当該年度の事業計画について公表をしております。それから、下水道の処理場については発注段階になるまでには地元とも十分な話し合いがされますし、さらに都市計画決定の手続あるいは事業認可の手続、その段階では住民参加の手続もございます。そういう手続を経て行われるわけでございますので、どこでどういう工事がどの程度に行われるかということは、営業活動に熱心な業者であれば容易に察知し得ることかと考えられます。

下田京子日本共産党

○下田京子君 営業活動に関心をお持ちの方なら察知できるということなんですけれども、これは私が紹介したことは承知してないと言われました、赤旗でも報道しておりますけれども、昨年十二月十五日に朝日新聞がこれだけ報道しているわけです。詳しく申し上げませんけれども、「工事配分私が決める」と、役所側に頼まれてやったと、こういうことで新聞のインタビューに答えまして鹿島の前田忠次副社長はお答えになっているんです。知らないということになりますと余りにも、いまこれほど騒がれている不正談合等々について不認識ではないかと、こう述べたくもなります。このことについて、やはり直接的に接触して、一体事の真相はどうだったのか、お調べになる必要があるのではないかと思います。大臣。

加瀬正蔵建設省都市局長

○政府委員(加瀬正蔵君) ただいま朝日新聞の記事につきましては、さきの当委員会で志苫委員からの御質問に対しまして、参考人でございます久保下水道事業団理事長が御答弁申し上げまして、御自身で前田土工協会長にお目にかかっていろいろお話を聞いたけれども、そういう事実はないというお答えを得ておる、それ以上のことは下水道事業団としても確認のしようがないという旨の御答弁を申し上げております。

下田京子日本共産党

○下田京子君 新たに私がこの資料も出しましたので、大臣、これは事業団の方がそんなことないよと、こういうことですけれども、直接事業団を指導している建設省のそういうお立場から、全体の事の真相の重大性という点からきちんとしたそれなりの解明をすべきじゃないかと思います、御決意を。これは政治的な立場からなんだから、大臣。

丸山良仁建設大臣官房長

○政府委員(丸山良仁君) ただいまの件につきましては、前田土工協会長においでいただきまして私が直接確かめましたが、その記事は、そのようなことをしゃべった覚えはない、こういう回答がございました。

下田京子日本共産党

○下田京子君 大臣の答弁。

始関伊平自由民主党建設大臣

○国務大臣(始関伊平君) その朝日新聞の記事の出ました日に、事務当局、官房長に命じまして土工協の会長前田氏を呼んで確かめさしたのでございますが、そのような返事であるということをその当日私も聞いております。

下田京子日本共産党

○下田京子君 二つ私申し上げます。こういう事実について承知してないかと聞いたら承知してないと、そうしたら調べたとおっしゃっていますよね。私は調べたなら調べたでいいですが、いま新たに私がこういう文書を出しましたので、この文書と突き合わせて再度御調査いただきたい、いかがでしょう。

加瀬正蔵建設省都市局長

○政府委員(加瀬正蔵君) 調べさしていただきます。

下田京子日本共産党

○下田京子君 次に、同じく特殊法人であります住宅公団をめぐる疑惑でお尋ねしたいんですけれども、住宅公団の中部支社藤枝地区事業の概要を御説明ください。

吉田公二建設省計画局長

○政府委員(吉田公二君) お答え申し上げます。  藤枝地区と申しますのは、静岡県の中部地区の中で特に人口増加の著しい静岡、清水、焼津、藤枝、このあたりを中核とする都市圏におきます住宅宅地の需要にこたえまして、当時住宅公団でございますが、これが静岡市の西南約二十キロのところに約百十七ヘクタールの面積の地区について、土地区画整理の手法をもちまして住宅地の造成をしているものでございまして、集合住宅、宅地分譲、それから区画整理でございますから民有地も含んでおりますが、こういうものを合計いたしまして計画人口約一万人程度の住宅市街地を形成しよう、こういう計画でございます。

下田京子日本共産党

○下田京子君 資料の七ページごらんいただきたいんですけれども、これはさきにうちの上田議員が質問されました清水メモ、その清水メモの藤枝地区造成工事にかかわる部分でございます。ちょっとごらんいただけばわかると思うんですが、三月二十日からずっとこの藤枝地区の造成工事にかかわるいろいろな営業活動の状態が報告されているわけです。  八ページのメモを見ていただきたいんですけれども、八月二十四日にこういう名前が出てきます、「原田代議士秘書高橋氏に面接」をしたと。その中で「三井の立地条件は充分公団(山下部長)としても承知している模様」、さらに「大島氏(知事のブレーン)に対する挨拶は住友が受注後、行うよう」、こういうことで書いてあるんです。ここのメモのところではっきりすることは、まず公団側とそれから業者三井と代議士秘書と地方自治の知事のブレーンと、こういう四者の顔がそろっていろいろやられているということが出てきております。さらに次を見ていただきたいんですけれども、十一月二十七日分でございます。そこのところに「五十四年度今回発注−清水」、それから「次回発注−住友」、次いで「五十五年度に当社分発注の由」と、こういうことで「山下宅地開発部長、原田先生秘書高橋氏」ということで話がなっているわけなんですけれども、ここに出てきますこの五十四年度分、五十五年度分、そのとおりに、どうなっているのかちょっとお知らせください。

吉田公二建設省計画局長

○政府委員(吉田公二君) 私の手元にございます資料によりますと、五十四年において整地工事を二件出しております。  一つは五十四年三月十六日でございまして六億六千七百万の工事でございます。これは西松建設、株木建設、五洋建設の共同体がやっております。  それから同じく五十四年の十二月二十七日に整地工事その四というのをやっておりまして、これは十四億八千万の工事でございます。これは清水建設、東洋建設、三菱建設、静和工業ですか、これの共同企業体がやっております。  それからその次に整地工事その六、これは五十五年の三月二十八日でございます。九億一千万の工事でございまして、住友建設、地崎工業、市川土木の共同企業体でございます。  同じく五十五年の六月三十日に整地工事その五というのを出しておりますが、一億四千二百万、橋本組というのが施工しております。

下田京子日本共産党

○下田京子君 七ページの資料を見ていただければわかるのですけれども、いまお読みになった中でさっき言われた五十四と五十五年の分については、実はこれは調べてあるんですが、間違いなくそのとおりにこれは落札されているんですよ。こういうことになりますと大変問題ではないかと思います。この点についてどういうふうに御説明されますか。

吉田公二建設省計画局長

○政府委員(吉田公二君) まあこの資料初めて拝見いたしましたので、どういうことか私も全くわかりませんのでよく調べてみたいと思います。

下田京子日本共産党

○下田京子君 よく調べるということですから期待はいたしますけれども、大変問題だと思います。  その次に、ここの中に大変また問題なことがあるんです。実は資料の八を見ていただければわかると思うんですけれども、八月の二十四日にこれはさっきも申しましたけれども、「大島氏に対する挨拶は住友が受注後行うよう」というのが入ってきます。  それから五十五年三月十三日の最後の段になりますけれども、「今野理事への挨拶は四月に入ってから連絡する、先生への挨拶は何時でもよい」。このあいさつという問題については、前に上田議員が質問されたときに刑事局長が、あいさつという点については、お金を持っていくということが常識的じゃないかという質問に対して否定はされてなかったわけですね。これが常識的にやられているということになりますと大変問題ではないかと思いますが、どうですか。

吉田公二建設省計画局長

○政府委員(吉田公二君) 私は公務員でございますし、あいさつというものがどういうことかというのは、いろいろの幅があると思いますが、必ずお金を持っていくものがあいさつだということはないと思っております。

下田京子日本共産党

○下田京子君 お金を持っていったかどうかという問題ですけれども、わざわざこんにちは、おはようございます、それからいかがですかというようなあいさつに行くのに、時間まで指定する云々なんということがあり得るかどうかということですよね。これは大変問題じゃないかと思うんですよ。しかも発注者側の理事があいさつと称してお金を受けたということになりますと、これは賄賂性が出てくるんじゃないか、これは法務省どう思います。

亀山継夫法務大臣官房審議官

○政府委員(亀山経夫君) お答えいたします。  日本住宅公団に関しまして規定がどうなっておりますか、私いまちょっと記憶が定かでないのでございますが、公務員とみなす旨の規定があったかのように記憶いたしております。もしそうだといたしますると、公務員とみなされて贈収賄罪の規定の適用があるわけでございますが、ただ、ただいま御指摘の事実関係だけからでは果たしてそういう犯罪が成立するものかどうか、何とも申し上げかねます。

下田京子日本共産党

○下田京子君 建設大臣お答えください。  知事ブレーンへのあいさつということで、この問題については、メモによれば天野所長も承知していた、こういうことを言っていますので、ぜひ調査されていただきたいと思います。  それから政治家絡みの問題については、最後になりますけれども、最後のメモをごらんいただければおわかりかと思いますが、十一月十八日の欄に竹下登代議士秘書というのが出てきます。それから十二月十五日、江崎先生というのが出てきます。この政治家絡みのお話というのは、もうすでに九人から出ていまして、今回新たに三名ということになります。そうしますと、これはもう公共事業の発注をめぐって政治家が絡んでいる。大変な問題だと思いますだけに、政治家の暗躍するようなことが本当にないような事態でやらなければならないと思います。宮澤官房長官の政治家に対するきちんとした姿勢、どういうふうに対応されるのか。

宮澤喜一自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(宮澤喜一君) 最近、公共工事の発注に関しまして種々の疑惑が指摘されておりますことは、まことに残念なことでございます。政府といたしましても、かねてから綱紀の粛正、政治倫理の確立に努めてまいったところでございますけれども、なお、こういうことでまことに残念なことでございます。建設業界に対する指導の強化、入札の合理化等の検討をもあわせまして、今後ともさらに綱紀の粛正に徹底的に真摯に取り組んでまいりたいと思います。

下田京子日本共産党

○下田京子君 政治家が介在してきている話が次次出てくるわけですし、それが裏づけられているような事態も明確であるわけです。天の声と称してこういうことがもうされないことを強く希望します。  最後の質問になりますけれども、夕張新炭鉱の事故があって間もなく六カ月になろうとしておるわけですけれども、いまだにまだ遺体の収容が終わっていないわけです。どういう状態でございましょう。

神谷和男通商産業省立地公害局長

○政府委員(神谷和男君) 水没をいたしました坑道総延長千九百メートルのうち、現在取り明けが行われないで残っておりますメーター数が二百二十メートルでございます。しかしながら、最近に至りまして遺体の収容作業がかなりはかどっておりまして、本日現在で七十八名の遺体を収容しており、残る遺体が十五名の遺体というふうに推定されております。この十五名の遺体があると推定される位置の近傍まで現在取り明けが進んでおりますし、さらに、この近辺に至りまして、それまで下部坑道を埋めておりました突出物あるいはズリ等の坑道を閉塞して取り明け作業の障害になっております障害物が急速に減少をしておる、こういう事実から見まして、遺体の収容作業はかなり加速される見通しにございます。現在、探検隊が遺体が存在すると思われる個所に入りまして、ガス払いその他、これらの遺体の取り明け作業の準備中でございまして、これが終了次第急速な展開が予定されます。

下田京子日本共産党

○下田京子君 遺体の収容間もなくのことというお話なんですけれども、十月十六日の悲惨な災害、私も何度も足を入れましたけれども、本当にお命ちょうだいのような行政あるいは会社側の姿勢なければ、この九十三人の方々は犠牲にならずとも済んだのではないかと思うわけです。それだけに弔慰金の問題、この三月いっぱいでお支払いするということで、さきに小笠原議員の質問にもお答えになっておるわけですけれども、どうなっていますでしょうか。これは通産大臣。

安倍晋太郎自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(安倍晋太郎君) 遺族に対する補償金につきましては、あと残っているのが大体十億円ということになっておりますが、三月いっぱいにはこれを支払う、こういうふうに聞いております。いま話し合いが進んでおるわけでありまして、私どもとしても三月じゅうにはどうしても支払ってもらいたい、こういうことで働きかけておりまして、私のいま受け取っている感じでは、三月じゅうには間違いなしに支払われるんじゃないか、こういうふうに考えております。ぜひともそうしてもらわなければ困ると、こういうふうに思います。

下田京子日本共産党

○下田京子君 ぜひともそうしたいということですから、必ず約束を実行していただきたいと思います。  その次に、退職金の問題なんですけれども、この退職金の未払い状況はいまどういう状態ですか。山ごとに。

石井甲二労働省労働基準局長

○政府委員(石井甲二君) お答えいたします。  北炭四社の五十七年一月一日現在の未払い状況について申し上げます。  北海道炭礦汽船で定着奨励金が千六百三十二万円、社内預金が二億二千五百十一万円。北炭夕張炭鉱で、退職金が五十二億八千六百五十五万円、定差奨励金が三億七千八百五十八万円。北炭幌内で、退職金が三十一億三千四十七万円、定着奨励金が二億四千百二十三万円。真谷地炭鉱で、退職金が十三億五千百四十八万円、定着奨励金が一億二千二百六十六万。全体で、四社合計で、退職金が九十七億六千八百五十万、定着奨励金が七億五千八百八十万円、社内預金が二億二千五百十一万円。総計百七億五千二百四十二万円、こういうことでございます。

下田京子日本共産党

○下田京子君 大変なものだと思います。退職金というのは、本来退職されたときに支払いいただけるものではないかと思うんです。  そこで、労働大臣に二つの点についてお答えいただきたいのですけれども、一つは、真谷地、幌内といいますのは夕張新鉱とは別会社ですから、これは当然計画に基づいて支払いを早急に実現させていただきたい。

土屋義彦自由民主党

○理事(土屋義彦君) 下田君、時間が参りました。

下田京子日本共産党

○下田京子君 それから、夕張に対しましても会社更生法申請中といえどもきちっとやっていただけるかどうか、お答えいただきたいと思います。

初村滝一郎自由民主党労働大臣

○国務大臣(初村滝一郎君) いま政府委員が申されたとおり、相当額の未払い金があるし、また未払い労働者の数も相当あると思います。したがいまして私どもとしてもその解決には重大な関心を持っておりますから、できるだけ鋭意必要な行政指導に努める所存でございます。  また、北炭夕張炭鉱については、御承知のとおり会社更生法の手続開始の申し立てが札幌地方裁判所に行われておりますから、その事態の推移を見守りながら今後とも適切な指導を行い、他の北炭各社についても退職金の不渡り等については引き続き監督、指導をするつもりであります。

土屋義彦自由民主党

○理事(土屋義彦君) 以上で下田京子君の一般質疑は終了いたしました。(拍手)     —————————————

土屋義彦自由民主党

○理事(土屋義彦君) 次に、小西博行君の一般質疑を行います。小西君。

小西博行民社党・国民連合

○小西博行君 国鉄に質問をさしていただきたいと思います。  昨日からきょうにかけまして大変大きな問題として、ニュースにもすでに挙がっておりますけれども、国鉄の無料パスといいますか、組合長名で発行をしているというような問題が大変大きな私は問題だと思います。先日からずっとこの予算委員会でも、国鉄の問題につきましては不祥事を何とかして解決しなければならないというような問題を抱えているやさきだけに、私は大変大きな問題だと思います。そしてきのう私が通告を申し上げて、きょうまでにかなり調査が進んでいるというふうに私は考えますが、実態についてお答え願いたいと思います。

高木文雄日本国有鉄道総裁

○説明員(高木文雄君) 先般来、職場における乱れの問題がいろいろ御指摘を受けておるわけでございまして、かねてから相当そういう現状についての実態把握に努めておったつもりでございますけれども、率直に申しまして、私どもの目の届かない状態がかなり広範囲にある、乱れの状態があるという様子がだんだんわかってまいりましたので、大変いまごろ何をしているのだとおっしゃいますかもしれませんが、全職場について点検をいたしたいということで、私からもその点検についてのやり方について指図をいたしますと同時に、役員、職員の幹部を地方にいま派遣をいたしまして、各現場の状態を把握さしておるところでございます。数日前に運輸大臣に中間報告をいたしましたが、いろいろな問題があるわけでございまして、ぜひこの際、恥ずかしいことではございますけれども、いままでのいろいろないわばうみをこの際出してしまいたいというふうに考えておるわけでございまして、四月中旬ぐらいまでには大体の調査結果が把握できるかと思います。その上で対処方を定めたいと思っております。

小西博行民社党・国民連合

○小西博行君 全然中身のわからない答弁でございますから、事務当局が詳しくひとつ説明してください。

高木文雄日本国有鉄道総裁

○説明員(高木文雄君) お尋ねは八王子の問題かと存じますが、八王子の問題でありますれば、いままで調べましたところでは、どうも私どもとは全く違う場所で事が進んでいるようでございます。まだ突っ込んだ調査ができておりませんけれども、組合の責任者も自分らの関与するところではないと、こう言っておるわけでございます。とりあえずの問題としましては、うちの中についてはいまさらに調べますけれども、部外者の問題でございますので、むしろ警察当局にお願いをしてお調べいただきたいというふうに考えております。ちょっとこれは文書をわれわれの方で発行したわけのものでございませんし、われわれへの報告では、組合もこういうものは発行していないと、こう言っておるわけでございまして、もうちょっと時間をおかりしませんと真相がなかなかつかめないということでございます。まずこういうことはきわめてわれわれとしては不可思議なことだと思っておりますが、同時に、しかしこういうことがあってはいけませんので、早速他にこういうことがあってはならぬということで、ほかの職場につきましてももう一遍チェックをするように指図をいたしております。

小西博行民社党・国民連合

○小西博行君 大越元日野市会議員、この方が当初発行されたというように、この新聞報道ももちろんでございますし、現実調べてみましてもそういうような方向が非常に強いわけであります。しかし、現実いまでも発行をずっとされておりまして、これが実はこの現物であります。これは住宅に住んでおられる方々から何枚か集めた中の一枚でありますけれども、これには現在の組合長であります長谷部さんという方の名前がちゃんと執行委員長という形で入っているわけです。この辺の実態をもう少し詳しく説明してもらわないと皆さんわかってもらえないと思います。お願いしたいと思います。

吉井浩日本国有鉄道常務理事

○説明員(吉井浩君) 私どもその報道を受けましてからわれわれなりにいろいろ取り調べたわけでございます。実は国労の八王子支部の執行委員長の長谷部氏が昨日記者会見もいたしておりまして、本件は自分としては全く関与していないと、したがって委員長の印鑑についてもこれは盗用されたものであって、実際には八王子支部としてはそのようなものは使っていないんだと、したがって自分の名前も盗用されておると、こういうことを申しておるわけでございまして、私どもなりにまたいろいろと、私どもの首都圏本部長を中心にいたしまして事実の調査を急ぎたいと思っておりますが、組合としては大越氏の告訴も考えておる、このような状況が現在までに判明をいたしております。

小西博行民社党・国民連合

○小西博行君 どうも切れの悪い答弁でございますですね。私どもが調べた段階でも、住宅へ入りましていろいろ皆さん方にお尋ねをしたわけですね。そうしますと、現実にそういう無料パスをいただいていたと、ずいぶん前からいただいていたんだと、それはもうごく当然だというように皆さん方感じていたという人もありますし、悪いと思ってもうそれは全然使っておりませんとか、そういうような答えが実際返ってくるわけですね。組合長は当然そういう名前で出しておりながら、全然そういうことがあったということは知らないということは私はないというように判断したわけですね。そこで、この場でとらえて質問さしていただいているわけなんですから、もう少しその辺の実態を詳しく説明していただきたいと思います。そして、いろいろ調べてみますと、これがちょうど選挙に絡まっておりまして、この大越さんという方は、もともと出身はやはり国労から出られておりまして、組合長もやっておられたというじゃありませんか。その辺のところはどうでしょうか。

吉井浩日本国有鉄道常務理事

○説明員(吉井浩君) この大越氏の略歴でございますが、昭和十三年に仙台に、入っておりまして、昭和三十二年から三鷹の電車区の電車運転士をしておる。四十一年に豊田の電車区になったということでございまして、組合の委員長というふうな際立った役職をしたというふうには私どもの調査では聞き及んでおりません。三十八年に日野の市会議員に初めて当選をしておるという状況でございまして、ただいま先生仰せのように、大越氏がこの組合員家族証なるものを各家庭に配って歩いたというふうに聞き及んでおるわけでございますが、本人昨日から不在でございまして、本人に接触することはできないと。それから、長谷部委員長は日野署においていろいろ事情をお聞きになっておるというふうにも伺うわけでございまして、私どもも全く組合として関知していなかったのか、実際の証そのものの発行は別といたしまして、そのようなものが扱われておるということについて、全く事実の認識がなかったかどうか、そういった点につきましては、今後早急に調べたいというふうに思っておるわけでございます。

小西博行民社党・国民連合

○小西博行君 とにかく国鉄の調査は非常に遅いし、また結論を出すのが大変私は問題があるのじゃないかというように思うのです。もう前々から何とか合理化をしなきゃいかぬということで、しかも労使協調でもってやらなきゃいかぬという大変な大きな問題を抱えておりながら、当局の方にもいろんな問題が出てき、また組合の方にもたくさんの問題を提起している。こういうようなたくさんの問題、しかも組織が非常に大きい、こういう中で、私はどうしてもその中にこの組織といいますか、システムをやはりはっきりしなきゃいかぬのじゃないだろうか。この種の問題が起きますと、いつも総裁を呼んで、総裁の責任だというようなスタイルにどうしてもならざるを得ないという内部の体質といいますか、システムといいますか、その辺が私は大変大きな問題じゃないかというように理解しているわけですね。今回の場合は特に選挙にまつわるということが大変私は大きな問題じゃないかと思います。そういう意味では、ひょっとしますと偽造したんじゃないかというのがありますね、文書偽造。恐らくこれは国鉄の方からいただいて、こういうものをつくったということには私は考えたくないんですね。そういう意味ではどっかでその文書を偽造して、たくさんの人に渡していると。大体これはどのくらい数出ているのでしょうか、この無料パス、この種のもの。

吉井浩日本国有鉄道常務理事

○説明員(吉井浩君) ただいまの御質問は、この種のいわゆる組合家族証といったようなものがどれだけ出ておるかという御質問かと思いますけれども、ちょっと私どもこの実態はつかみかねておりまして、ただ、このような紛らわしい形で、実際問題として、現物先生お持ちでございますが、私どものいわゆる通勤に利用する職務乗車証と非常に類似の色合いであるということでございまして、したがって、急いで改札口を通るときに見落とすというふうなことになりがちでございます。そういったことのないように、組合員証というものをつくりますことは、あるいは組合としてやることでありましょうけれども、何か非常に乗車証に紛らわしいような色合いなり、紋様なりというものを使うことは困るということを、昨日改めて各組合に対して通知をいたしましたし、またそのようなものを現在、八王子の支部に対しましては、支部自体は関与しないとは申しながら、やはり組合員の中にそういうものが行き渡っておるということであれば、早急に回収をするようにというふうに申し入れをいたしました。その結果、どのぐらいの枚数かということもぜひつかみたいというふうに思っています。

小西博行民社党・国民連合

○小西博行君 文書偽造ということになりますと、これはむしろ警察の分野に私はなってくるというように思いますので、刑事局長、いらっしゃいますか。答弁お願いします。どのように対応されるか。

中平和水警察庁刑事局長

○政府委員(中平和水君) 私どもも実は昨日の新聞によって事柄を承知したわけでございます。したがいまして、警視庁といたしましても、この問題につきまして重大な関心を持ち、本日すでに関係者の出頭も求めておりますが、ただいま現在まだおいでいただいてないようでございますが、そういうことと、さらに、これが頒布された先、どういう趣旨、目的で頒布されたか、    〔理事土屋義彦君退席、委員長着席〕 それからこの文書がいかなる経緯、目的をもってこれはつくられたか、だれの権限によってつくっているか、そういうことでこれは刑事責任の有無が明らかになってまいるわけでございますから、そういう立場から事柄を明らかにし、刑事責任の有無を明らかにし、仮に刑事責任があれば厳正に対処する、そういう方針で臨んでおります。

小西博行民社党・国民連合

○小西博行君 ぜひとも早急に調査されて善処していただきたいというように考えております。  総裁、私はまだ議員になりましては大変新米であります。そういう意味で、いろんな議会活動なんかをずうっと通じまして、政府のシステムというのが大変私は非合理的じゃないかというように前々から思っているわけです。行革というような一つの大きなテーマもいまございます。そういう意味では一般の産業のシステムと比較してみますと全く違うわけですね。大きな組織があるのですけれども、現実問題、総裁が指示を出したり、新しい企画を下に徹底するとか、あるいは下からの日常のいろんな報告だとか、あるいはその取りまとめ、こういう問題では大変私は責任権限という分野がいかにも大き過ぎて、かえって問題が複雑になってきているのじゃないかというふうにつくづく思っているわけです。これは何も国鉄だけじゃございません。国鉄は一つの事業というのをやっておりますから、特にその面が具体的に出てくるのじゃないかというように考えているわけです。そういう意味で、国鉄内部を正常化に持っていくという一つの大きな課題があるときに、総裁として何かもっとわかりやすい、仕事の分掌であるとか、あるいは責任権限というような分野を私は明確にしていただきたい。今回の問題は、そういう発想からいたしますと、これは西区の問題なんですか、あるいは八王子の問題なんですか、どちらになるんでしょうか。ちょっと私わからないのですけれども、教えていただきたいと思います。

高木文雄日本国有鉄道総裁

○説明員(高木文雄君) 原則的には約三十の管理局が全国に置かれておりまして、そこに局長なり、部長なりということで、仕事に応じて分かれておるわけでございまして、八王子の場合には西鉄道管理局の処理すべき、あるいは責任を持つべき事柄だというふうに考えております。なお、別途管理局が直接地域を把握し得ない場合もあるということもあって、管理局の機能を補充する趣旨で、現場と管理局の間に運輸長制度というものがございまして、地域ごとに、管理局の中で五カ所なり、七カ所なり、十カ所なりの運輸長というものが設置されております。しかし、責任体制としてはあくまで管理局長の責任であり、そして駅長あるいは機関区長、保線区長、電気区長といったような、そういう組織にあるものが責任を負うべきものと、監督すべきものというふうに考えております。

小西博行民社党・国民連合

○小西博行君 いかにも、いまの御説明を聞きましても、今度のような不正パスが横行しても、管理者層の方はもう全然知らなかったというようなことをおっしゃっているのです。ところが、私の知っている人がもうすでに西区に対しては、数年前におかしいじゃないかということを申し入れておるんですね。これは総務部長さんに申し入れているんですよ。だから、現実に知らないと言っても、現実は私は知っているのじゃないかと、そのように理解しているのです。私はこの種の問題以外にでも、たくさんの問題があるのじゃないかと思います。いまおっしゃったようなことじゃなくて、システムをこういうふうに持っていけば、総裁としては非常に統括しやすいのだと、私はそのような答弁を期待しておるのですけれどもね。私はこれが一番大事な問題だと思います。その辺について、何としてもそういうように自分で統括しやすいような体制に改めていきたいと、これはもちろん労働組合にも協力を願わなければいかぬと思いますけれども、しかし、こういう時期だから、よけいにそれは私総裁としてはっきりしたことをこの場で言った方がいいんじゃないかというように思うんですが、いかがでしょうか。

高木文雄日本国有鉄道総裁

○説明員(高木文雄君) 私どもの組織のあり方について、非常にむずかしいのは、技術的な問題と事務的な問題が深く絡み合っておるわけでございます。電車が走ります場合に、車両の管理の問題、それから軌道の管理の問題、それから架線の管理の問題と、さらに駅におきますところの駅の管理の問題というようなのがあるわけでございまして、それが縦横に重なり合いまして、ダイヤのとおりに汽車が動くと、こういうことになっておるわけでございますが、現実には、どちらかというと、地域に対応する組織というよりは、電気の仕事、土木の仕事、機械の仕事といったふうな、技術系列的なシステムの方が、その線の方が糸が太いといいますか、そういう形になっております。さて、これを地域に割るという方の線を太くするということにいたしましても、なかなか現場の人が、一人の人間で土木のことも、機械のことも、電気のこともわかるという形にはなかなかなり得ないわけでございますので、私はいまの、いわゆる技術系列的なシステムというものは、長年続いてまいりましたが、やはりこれはそれなりにそれで意味があるのではないかと。そして、それを逆に横につなぐ、地域的につなぐ組織としてどういうものをつくっていったらいいかという問題があるのではないかというふうに思います。  全世界の鉄道を見てみましても、そこのところの組織の立て方は二種類ございますけれども、やはり日本式の立て方の方が、大体先進国では七、八割を占めておるようでございまして、この問題は鉄道の悩みなんでございますけれども、日本の場合でも、私鉄さんの場合どうちとではいささか条件が変わっておりまして、私鉄の場合には若干地域割りの方を主体に置いた組織で組み立てられております。大変御示唆ではございますけれども、私もここで現行制度をこう変えたらよかろうというところまではまだ、現行制度が悪いと言い切れないものがあると思っております。

小西博行民社党・国民連合

○小西博行君 私はいまのよく機能的に分割してやっているという、これはよくわかるのですね。ただ、やっぱり一つの駅の単位で職員の方が働いていくわけでありますから、特に人の管理、労務管理ということになりますと、やっぱり駅単位でやっていくべきじゃないのだろうかなというふうに私は考えるわけです。そういった意味も含めて、もっとたくさん私は中身があると思いますので、やっぱり管理体制が責任持ってとれるということをひとつ考えていただけないでしょうか。そうしないと、この種の問題というのは、まだまだ全国調べてみますと、たくさんあるのじゃないだろうかなというふうに私は感じます。そういう意味で、もう答弁は結構ですけれども、とにかくこの問題については一日も早くちゃんと調査をして、そして報告をしていただきたい。もちろんこのパスについてはすぐストップしていただく、そういう対策をひとつとっていただきたい、そのことを申し上げて次に移ってまいりたいと思います。  もう一つ、ちょうどいいチャンスですから申し上げたいわけですが、実はこれは要望というかっこうで聞いていただいても結構です。と申しますのは、ちょうど源田先生もおられるのですけれども、広島県の奥の方に加計町というのがございます。源田先生の出身地ですが、ここにちょうど可部線というのがありまして、ずっと三段峡の方まで小さい電車が走っておるわけです。この加計駅の前に、ディーゼル機関車ですから、冬場の場合は冷却水が凍結するだとか、それから潤滑油が少し悪くなるというふうなことで、相当長い間、十二月十日から三月十日まで、ずっと運転をしている。運転というのはならし運転のような状態で、ディーゼルですから相当音は大きいわけですが、がたがたやっているというようなことで、この近辺に住む住民の方が何とかならないかというようなことで再三申し入れて、一部壁ができたわけでありますけれども、これがなかなかできない。しかも、これは恐らく広島県の山奥だけでなくて、全国から見ますと、相当な数に上るんじゃないか。国鉄の責任者の方にもいろいろお尋ねしたわけなんですけれども、国鉄としては、昼間のたとえば温度の高いときにはとめなさいとか、いろんな指示をしていると言うのですが、現実に地方の人は具体的なデータを私のところによこしているわけですが、ほとんどそういうことはない、もうずっとつけっぱなしで回しっぱなしたと、こういうような御意見がありまして、油が非常に高い折がら、何とかその辺を全国でやめていただければ、あるいは何かエンジンそのものの改造というものも最近はできることでありますから、そういうふうにやってもらえないかというような要望があるのですけれども、これもきのう実は突然通告をして調べていただいておると思うのですが、現状だけでも簡単で結構ですからお願いします。

高木文雄日本国有鉄道総裁

○説明員(高木文雄君) ディーゼル機関車のいわゆるアイドル運転につきましては、二つの面で問題がございます。  一つはいま御指摘のように、騒音を夜皆さんの安眠時間中に出すことになりますので、それで御迷惑をかけると、これ何とかならないかという問題でございます。  第二は大変なエネルギーロスになるではないかということでございます。  そこで、特におととし、あるいはさきおととしと申した方がいいかもしれませんが、いわゆる第二次オイルショック後、私どもの燃料費の負担が急激にふえましたときから、この騒音問題と、それから燃料節約問題を兼ねまして、何とかしなければならぬということで、いま技術研究所あるいは車両設計事務所というところを通じて、この音をなくす方法を、あるいは音を出す時間を短くする方法を研究さしておりまして、やっとやや見当がついてまいりまして、いま試作に入るところでございます。  個別個別の御迷惑をかけている問題についても、可能な限り御要望に沿ってまいりますと同時に、車両そのものの構造を、あるいは何か附属品をつけることによって、アイドル運転を減らすことについては、全国的な問題でございますから、ただいま地域の問題について御指摘でございましたが、全国に非常に問題が起こっておりますので、取り組んでまいることをお約束いたしたいと存じます。

小西博行民社党・国民連合

○小西博行君 国鉄問題は以上で終わります。どうかひとつよろしくお願い申し上げます。  それでは、教育問題に移りたいと思います。  いま大変大きな問題になっておりますのは校内暴力、あるいは非行問題、あるいは教科書問題、いろんな問題がございます。その中で、まず少年の非行、あるいは校内暴力、こういうような問題について質問していきたいと思います。  文部大臣も新しくかわられましたので、この校内暴力、非行問題、これの現状をどのように把握し理解されているか、その点をひとつお願いします。

小川平二自由民主党文部大臣

○国務大臣(小川平二君) 青少年の非行あるいは校内暴力、事例が非常にふえてきておりまして、戦後第三のピークだと言われておる状況につきましては、私もまことに心を痛めておる次第でございます。  これは第一に、経済的な環境がますます豊かなものになっていく反面、心が置き去りにされておるという。昨今の風潮がございましょう。第二に、家族構成がいわゆる核家族化するというようなことに伴って、人間形成の上で非常に大事な時期である幼児期のしつけがなおざりにされておるということもございましょう。あるいはまた学校におきまして、校長を中心として一致してこの問題に取り組んでいくという姿勢において欠けておる学校がある。あるいは一人一人の生徒に対する配慮が十分でない、かような学校もあると存じます。一言にして申しますれば、家庭、社会、学校、それぞれの教育機能が低下しておるということから出てまいりまするいろんな要因が絡み合って出てきておる問題だと理解をしておるわけでございますが、数字等につきましては、政府委員から答弁を申し上げさせます。

三角哲生文部省初等中等教育局長

○政府委員(三角哲生君) 五十六年中に刑法犯で警察に補導されました十四歳以上二十歳未満の少年、とれの同一年齢人口子入当たりの比が十八−六人ということで、ただいま大臣第三のピークと申されましたが、戦後最高、こういう状況でございます。

小西博行民社党・国民連合

○小西博行君 何か、文部省の答弁を聞いておりますと、よそごとのような感じがしてならないのです。私も初めて田中前文部大臣の方に質問したときにも、じゃ文部省は一体何をやっているのですか、この非行問題を減らすために努力しているんじゃないですかということを申し上げたことがあるのです。私は、同じようなことをいままた申し上げなきゃいかぬと思うのですね。つまり過去のいろんな文部省が中教審に諮問をしておりますね。そして答申が出ております。いまもまた主に教科書問題を中心にした諮問をされておりますね。このようにたくさんのあの諮問をし、たくさんのりっぱな答申が出ている。その現実を実際に眺めてみまして、たとえば四十一年なんか大変いいのが出ております。たとえば「期待される人間像」なんというのは読んでいただいたらよくわかりますけれども、私は中身のあるりっぱなものだと思うのです。そのようにりっぱなものをたくさん出していただいても、文部省がこれを十分に生かしていないというところに実は問題があるのじゃないか、このように思いまして、だんだん怒りが出てくるわけです。その点に、対してぜひ答弁していただきたいと思います。どういうことをやられたのか。

小川平二自由民主党文部大臣

○国務大臣(小川平二君) 仰せのように、中教審からは四十一年、四十六年、二回にわたりまして制度の面、内容の面で答申をちょうだいいたしております。文部省といたしましては、答申の趣旨を順次実現いたしまするために、たとえば学級編制あるいは教職員の配置基準を改める、教員の給与も改善をする、入学試験の改善に努める、あるいは幼稚園教育の拡充というような施策を現に実行してきておるところでございます。また、教育の内容につきましても、これらの御答申の趣旨に沿いまして、小中高等学校の教育課程について、一貫した見通しに立って中身を基礎的、基本的な事項に精選する、能力、適性に応じた指導を充実して人間性豊かな児童生徒を育成していこう。このために、学習指導要領も御高承のとおり全面的に改定をいたしておるわけでございます。そして、これらの趣旨に従って、非常にきめの細かいことをも含めまして、いろいろの施策を実行してきておる次第でございます。  ただ、少年の非行あるいは校内暴力の起こってくる背景、原因というものはきわめて複雑でございまして、なかなかこれに対処するための特効薬、あるいは一刀両断で解決できるような決め手というものを発見し得ずに苦しんでおるわけでございますが、これからも学校、家庭あるいは社会の教育機能の向上に努めまして、かような事態を防止するために全力を傾けてまいりたい、こう考えております。

小西博行民社党・国民連合

○小西博行君 いや、指導要領というのが出ましたから、私は教科書の方で少し詰めてみようと思ったのですけれども、せっかく言われましたので、先にその問題を取り上げてみたいと思うのです。  ちょうど、これも五十一年十二月ですか、永井大臣の時代ですけれども、答申を受けているのですが、それを受けまして五十二年度版学習指導要領というのができたわけですね。それを見てみますと、たとえば高等学校の社会なんか、こういうのを削除していますね。国家や社会の発展に尽くすという言葉を削除しておりますね。それから民主政治が独裁政治に比べてすぐれていることを理解させ、民主政治を守り発展させようとする意欲と態度を養う、こういうふうに前の指導要領にはちゃんと入っていたのですね。それをわざわざ中教審から答申を受けたものを文部省が削除して指導要領というのをつくっているわけです。これ以外にも、警察だとか天皇の問題ということは当然削除しているわけです。  そういう問題がありまして、私は、絶対に、民主政治とか民主主義というのは非常に大切だというふうに考えておるわけですが、その辺は、大臣はどういうようにお考えですか。大臣の御意見で結構ですが。

小川平二自由民主党文部大臣

○国務大臣(小川平二君) 学習指導要領の改定でございますが、その趣旨は、従来の詰め込み主義に陥りがちな傾向を改めて、児童生徒が知、徳、体、調和のとれた人間として伸びていくように、かような趣旨で学校の創意工夫によってゆとりのある学校教育を実現しよう。そこで、ひとり社会科だけではございません。各教科の目標、内容を、いずれも大筋と申しますか、大綱的な記載にとどめておる次第でございます。御指摘の点につきましても、同じ文言こそ用いておりませんけれども、別の表現で十分趣旨が徹底するようにいたしておるわけでございます。

小西博行民社党・国民連合

○小西博行君 教科書問題、ずっと入ってしまうとちょっと都合悪いものですから省かしていただきたいというふうに思いますけれども、私は非常に大切だと思いますね。  これは各国の教科書を私もたくさん集めて、そしていろいろ翻訳したりなんかしてみましたけれども、やっぱり国の姿勢というものは非常に明確にしていますよね。日本の国は、何で生きるんだという、その点が非常にあいまいになっていますね。私は、そのことは決していいことではないと思います。  それから言葉を返すようなんですけれども、ゆとりのある教育という、言葉では非常に結構な言葉だと私は思いますけれども、現実にはゆとりのある教え方になっちゃ困ると思うのですね。先生がゆとりができるというんじゃ困ると思うんですね。同時に、これは今度また文教委員会で相当詰めていきたいと思うのですけれども、やっぱり一流の大学へ入ろうと思えば、たとえば東大、京大あるいは九大、国立の一流の大学と言われているもの、あるいは私立の一流の大学と言われているもの、そういうものを詳しく分析してみますと、そんなのんびりしながらは決して入れるようないま受験体制ではないということを、これは明らかに数字が示しているわけですね。だから私は、文部行政というのは、言葉で、大臣の所信表明で言われておりますように、ゆとりある教育、これは確かにわかります。しかし、もっとあれは具体的に先生は何すべきだ、地域は何だというようなことを明確にあらわさなかったら、私は、来年のいまごろはまた不良化が進みました、これは警察庁の調べで何%ですというような結果になってしまうのじゃないか。  だから、私が申し上げたいのは、何か文部省の中で新しい予算を取り、新しい一つの体制をつくりました、だから不良化というのは防げます、こういう私は責任のある答弁をいただきたいと思いますね。そして、もしそれが守れなかったら、大豆は辞任すべきだと私は思うんですね。交代していただきたい。そこまで私は考えているわけなんですがね。だから私は、言葉だけではなくて、具体的に文部行政について一体どうなんですと。どなたが考えたって、この非行問題とか暴力というのは大きな問題だとみんなわかっているわけです。そうでしょう。それを具体的にどうするかということですね。  たとえば、私は去年、ちょうどこの予算委員会で小樽の教育問題を取り上げたわけですね。具体的に検定教科書もやっていないような小樽の学校二十八校、これはぼくは違法行為じゃないかと言ったのですね。違法行為なんだけれども何にもできませんというのが田中文部大臣のお答えだったわけです。その結果が今日のような私は数字になってあらわれている。特に、ことしの一月の事例なんかを見ても大変悪いですね。もう不良はどんどん出ている。都内なんかでも、この本はもうすでに読まれたと思いますけれども、例の中野七中、それから蓬莱中学、これは両極端を書いているわけです。こういう本の中に非常に私はいいものがあると思いますよ。幾つかこうやってまとめてきておりますけれども、時間が余りないのですけれども、こういうことをまずやりなさいということを言っているわけです。いまは中野七中はまだまだだめなんですね。蓬莱中学は非常にいい状態になってきているわけです。第一段階は、まずスポーツを中心としたクラブ活動をやらなきゃいかぬ。というのは、子供さんが落ちこぼれになるでしょう。学校に興味が持てなくなる。それをまずスポーツでもって引きつけよう。そして二段日は、自分で考え実践するような生徒活動をやらす、やりたいような方向に持っていくということですね。そしてスポーツのクラブ活動で落ちたのが、次の、いまの生徒活動でやる。それがだめなら勤労体験の学習、ボランティア、これは蓬莱中学はちゃんとそういう家を持っていますね。畑仕事をやるようなところをちゃんと持っていますね。それが三段階です。四段階は体罰論議ですね。いわゆるたたいたらいいとか悪いとか、これは白と黒との両面しかないという議論が多過ぎる、だから灰色があってもいいのじゃないか、こういうような物の考え方をすべきだということを先生ははっきり言っているわけですね。このように、たくさんの条件がこの貴重な薄っぺらな本の中に出ているわけですよ。  私は、前から文部省に、非行とか校内暴力というのは必ず原因があって結果があるのだから、全国のいろんな条件があるのだから、それを調べてどういう方法でそれをなくしていこうということを文部省の中で考えてほしい、真剣に。これはもちろん地方自治の方に、教育委員会の方に、おまえ、これどうしてやれというような言い方はないと思いますね。こういう考え方があるのだがぜひ採用してみたらどうだろう、実験してみてくれぬか、こういうようなことでなければ文部省はいなくてもいいんじゃないかという感じが私はしてならぬのですよ。全部地方に任してしまったらいいわけです、文部省は。何もできないのならですよ。そこまで私は考えるんですが、大臣、相当な決意でひとつ答えてくれぬですか。

小川平二自由民主党文部大臣

○国務大臣(小川平二君) 私は、やはり文部省はなくては困ると思っております。ただいまお持ちのその本は、私も精読いたしましていろいろの示唆を得たわけでございますが、その学校につきましては、かねてから昭和五十一年、五十二年の両年度におきまして、生徒指導協力校に指定をいたしておるわけでございます。文部省がかねてから持っておりまする指導の方針に沿って、これを非常にまじめに実践してくださった学校でございますから、私も、近く機会を得て学校も参観し、先生方からの御意見あるいは体験についても承りたい、こう思っておる次第でございます。ただいま仰せのことにはまことに御同感でございまして、異論がございません。

小西博行民社党・国民連合

○小西博行君 来年まで大臣が続くかどうか、ちょっと私もわかりませんけれども、しかし、私は、必ずこの政治の世界というのは結果については数字でやるべきだという持論を持っているわけです。ですから、いいとか悪いとかいう空論はできるだけ避けて、具体的なデータで追求していく。結果がよければ必ずデータでプラスになって出てきますので、私は、その面を特に、大臣、心していただきたいと思うのです。私は、大臣の人間性は非常にりっぱな人だというふうに評価をしているわけでありますけれども、具体的にどういう形で文部行政を地方まで進展していくかというところが、実は組合の関係もありますし、私は、この校内暴力だとか非行問題は組合も真正面から何とかしたいというふうに、私は当然現地の先生はやらないとやっていけないと。  この間も、千葉でも校長先生が自殺されましたね。私の出身の広島なんかも、四人ほど小学校の先生が自殺したんですよ。何といっても、いま教育の現場で大変なのはやっぱり校長なんですね。これは指導監督の責任から全部あるのです。文部省が県の教育委員会におしかりをすると、また県の教育委員会は即校長を呼んでしかる。校長は組合との間に立って大変苦しい。これがもう現実なんですね。それも私はデータで申し上げますが、文部省の中で、非行問題を何とかしたいということで自殺した人はいないですね、自殺を私は勧めるわけじゃありませんけれども。そうでしょう。校長さんはそれだけ実践的にやっているということなんですよ。現実に問題として悩んでいる。それをなぜ、文部省がバックできるようないろんな資料を、調査したものを渡してあげられないのですか。  私は、中教審なんかも多少内部に問題があるというのは聞いております。どうも最近の会長の発言なんかというのもずいぶん私はやってみたいんですけれども、もっとまじめに考えてもらいたいということがたくさんあります。しかし、それよりも現実にいま文部省として何ができるか。中教審に諮問するなら、答申の内容をよくそしゃくして具体的にそれを生かしていただきたい、そのことを申し上げるわけですがね。これはそのとおりだというふうにおっしゃるような感じがいたしますので、別の問題に移りますけれども。  たとえば、今度こういうことを言われていますね。大臣は、所信で「豊かな心を育てる施策推進会議」、これを提唱されているわけですね。ところが、青少年育成国民会議というのが現実にありまして、各県の中にもそういうのがあるのですね、支部が。この中の機能をどういうふうに変えようとしているのか。私がぱんと見た感じでは、同じようなことを、また何にもやらぬわけにいかぬから一つつくっておきゃいいだろうと。横道にそれますが、健康会法案みたいな、大して利益にもならないんだけれども、何か二つを一つにまとめたら大蔵大臣が喜ぶだろうみたいな、そういう感じがしてならないんです。これは機能的にどうなんですか。明らかに、何か明確に違いますか。

小川平二自由民主党文部大臣

○国務大臣(小川平二君) 仰せの青少年育成国民会議と申しますのは、総理府が所管しておる民間団体でございます。文部省におきましては、総理府がやっておいでになりまする青少年対策本部の各種の行事に協力をいたしておりまして、関係の各種団体とも常時接触をしておるわけでございますが、いま仰せの育成会議ともいろいろな機会に意見の交換もし、また活動をバックアップするということもやっておるわけでございます。

小西博行民社党・国民連合

○小西博行君 大臣が全部そろっていないわけですけれども、各省庁はもちろん縦割りですね。これは、私、科学技術の分野でも何回も言わしていただきまして、おかげさまで流動研究システムという非常に新しい試みができ、そして四つのパートでスタートしておりますね。今度一つプラスになりましたね。

植木光教自由民主党

○委員長(植木光教君) 時間が参りました。

小西博行民社党・国民連合

○小西博行君 そういうことで、私は、文部行政も、総理府がどうだということよりも、現実にどういうような形で教育行政に携わっていけばもっとよくなるか、ここにひとつ視点を置いてやってもらわないと私は決してよくならない。来年度、本当に、大臣、力を入れてひとつやっていただきたい。これは何も文部大臣だけの問題じゃ私はないと思います、社会的ないろんな情勢もありますから。そういうことをあわせて、この本が提起しておるように、具体的にできるように、ひとつお願い申し上げまして、質問を終わりたいと思います。(拍手)

植木光教自由民主党

○委員長(植木光教君) 以上で小西博行君の一般質疑は終了いたしました。     —————————————

植木光教自由民主党

○委員長(植木光教君) 次に、野末陳平君の一般質疑を行います。野末君。

野末陳平新政クラブ

○野末陳平君 補助金について幾つか質問をしたいと思いますが、まず、厚生省に伺いますけれども、現在お医者さんはどのくらいの数いるものか、開業医、勤務医などを含めてで結構ですが、いかがですか。

森下元晴自由民主党厚生大臣

○国務大臣(森下元晴君) お答えいたします。  医者の数が幾らいるかということでございますが、五十五年で十六万五千人でございます。

野末陳平新政クラブ

○野末陳平君 いまの十六万五千人の数だけで十分なのかどうか。もしまだ十分でないというならば、さしあたって医師の養成目標というものは、厚生省当局でどういうふうになっているかと、これはいかがでしょうか。

森下元晴自由民主党厚生大臣

○国務大臣(森下元晴君) 五十五年の十六万五千人で大体人口十万人当たり百四十一人ということでございまして、まあ世界の情勢——西ドイツからずっとアメリカまでございますが、二百人とか百六十三人とか二百六人とかいろいろございまして、百四十一人というのは決して多い方でないと。そういうことで、昭和六十年までに人口十万人対百五十人の医師を確保しようと、これが厚生省の当面の目標でございます。

野末陳平新政クラブ

○野末陳平君 そうすると、十万人に対して百五十人というのは、六十年とおっしゃいましたが、順調に目標達成にいま果たして近づきつつあるのかどうか、これは。

森下元晴自由民主党厚生大臣

○国務大臣(森下元晴君) ただいまのところは、六十年を待たずに達成できる予定であります。

野末陳平新政クラブ

○野末陳平君 そうすると、その後の目標ですね、どういうふうになるのでしょう。まず、数からいって大体六十年を待たずに達成となると、その後の目標というのがまた非常に大事だと思いますが。

森下元晴自由民主党厚生大臣

○国務大臣(森下元晴君) 今後の養成目標につきましては、これからの医療の動向とか社会情勢の変化等、複雑な要因を考慮する必要がございまして、その算定はきわめてむずかしい点もございますが、将来の医療需要に応じた適正な医師数となるように、文部省とも十分に協議して行うことにしております。

野末陳平新政クラブ

○野末陳平君 私なども、お医者さんというのはいまや量から質の時代に当然変わっていると考えているわけですけれども、そのお医者さんが六十年以後に供給過剰になるのではないかというのも、また専門家の間で聞くわけですね。  厚生省に伺いますが、医師の供給過剰が近づいているという御認識なのか、それともほかの何かお持ちなのか、いかがでしょうか、これは。

森下元晴自由民主党厚生大臣

○国務大臣(森下元晴君) 先ほど申しましたように、いつから過剰になるかということにつきましては、医療の動向とか社会情勢の変化等によって複雑な要素を考慮する必要がございまして、きわめてむずかしい問題でございますが、同じ県でも現状非常に過密な地域があると思えば、その同じ県で無医村があったり、また、外国の医師が離島の医師になっておったり、非常に複雑な配置と申しますか分布の状況になっております。

野末陳平新政クラブ

○野末陳平君 お医者さん自体は供給過剰にならないように、なったらどうするかと、諸外国の例なども参考にしながら研究もしているようですが、いずれにしても量ではなくて質であることも確かですから、医師養成というものは厚生当局もしっかりした方針を早くお決めになってほしいと思うのです。  そこで、医師養成の現状ですね。これを見てみたいと思います。  国家試験の合格率が低いというような新聞記事が毎年春の国家試験の後に出るわけですが、いまのところ医師国家試験の合格率は、去年の春の試験実績で結構ですけれども、平均どのくらいなのでしょうか。

森下元晴自由民主党厚生大臣

○国務大臣(森下元晴君) 五十六年春の医師国家試験の合格率は七五・六%となっております。

野末陳平新政クラブ

○野末陳平君 一々大臣を煩わすのも恐縮で、当局のお答えで結構ですけれども、その中で私立医大だけの平均合格率というようなものは数字で出ていますか。

森下元晴自由民主党厚生大臣

○国務大臣(森下元晴君) 私立が六六・一六%と。ちなみに国立が八四・一、公立が八一・三と、こういうことになっております。

野末陳平新政クラブ

○野末陳平君 私、最初言いましたように、補助金についていろいろ関心がありまして、率直に言いまして補助金をカットするということは非常に必要であるけれども、どこをカットするかと言われた場合に、従来聖域と言われたところにも大胆なメスを入れなければ無理ではないかと。ですから、文教予算に関しても厳しく見直したい、そういうつもりでこれから御意見を伺うわけなのですが、この私立医大に出している補助金ですが、これは文部省の方にお伺いするわけですね。  これは、文部省予算の私立大学等経常費補助金というのですか、この中で私立医大の補助金というのはどれだけか、総額を。それから、その総額の後で私立大学全体に出している補助金の私立医大の分は何%ぐらいになっているかと、あわせてその辺も御説明願います。

柳川覺治文部省管理局長

○政府委員(柳川覺治君) 昭和五十五年度の実績でございますが、私立大学等経常費補助金総額は約二千五百八十億円でございます。このうち御指摘の私立大学医学部に係ります交付額が約四百八十五億円、全体に占める比率は約一九%でございます。この私立大学等のうち、短期大学等を除きまして私立大学のみに交付しております総額は二千百八十四億円でございますので、これに対する比率で見ますと約二二%でございます。  なお、医学部に在学する学生の比率は全学生の約四%という実態でございます。

野末陳平新政クラブ

○野末陳平君 同じ私立に対する補助金でも、医学部は多いというのもよくわかりますが、実は、私自身も私立大学に関係していますから私学の助成ということには関心もあるし、これが当然必要であることもよくわかっているのですが、ただ問題は、この補助金が生かされているかどうかというような観点もまた大事なわけで、それでいま私立医大を取り上げていますが、この補助金をもらっている私立医大の中には医師の国家試験における合格率が非常に低い、余りにもお粗末というところがあるので、学生のできが悪いのか学校のレベルが低いのか、これはわかりませんが、結果的に非常に合格率が低い、低過ぎると。そこで、先ほどは平均の合格率を出していただきましたが、昭和五十六年春の、つまり、去年の春の実績で答えていただきたいわけで、合格率が最低であるというか、最も低い私立医大はどことどこか、これは当然下の方からですけれども、参考までにということで。

大谷藤郎厚生省医務局長

○政府委員(大谷藤郎君) 下位五校は、愛知医科大学四二・五%、兵庫医科大学四四・二%、聖マリアンナ医科大学四五・三%、埼玉医科大学四七・〇%、杏林大学四八・五%となっております。

野末陳平新政クラブ

○野末陳平君 いずれにせよ、五〇%以下というのは先ほどの平均から見ても低い。当然恥ずかしいことなんでしょう、大学当局が一番恥ずかしいと思っているでしょうけれどもね。医科大学に通いまして勉強する、医者になれるのが半分以下と。もっとも秋の試験で再挑戦があるでしょうけれども、それだって一〇〇%ではありませんので、何か医学部に通っても医者の卵になれない学生がかなりの数出ているということになりますですね。    〔委員長退席、理事土屋義彦君着席〕 この場合に、本人はあきらめて済むかもしれませんけれども、ここの学校にまで税金が補助金という形で出ているということもあわせて考え。ますと、このワーストファイブというか、もうここまで低いと——もちろんこのほかにも低いところはあるでしょうが、これを仕方がないのだと、本人がだめなのだというようなことで済ませていいかどうかという気もするわけです。  そこで、重ね重ね恐縮ですが、いま、少なくも合格率五〇%以下の低い学校にどれくらいの補助金が出ているかと、最近の実績で。文部当局に説明していただきましょう。

柳川覺治文部省管理局長

○政府委員(柳川覺治君) いま挙げられました合格率の低い医科大学でございますが、最近、新卒の者の合格率を見ますと——先ほど既卒業者を含めました数字で六六%の、私立大学につきましては数字が示されましたが、新卒者で見ますと七四・一%ということで高まってきておるということでございますが、私ども新卒者の方の令格率で見まして埼玉医科大学四八・八%、補助金額が十二億五千三百万円、学生一人当たり百七十六万円、聖マリアンナ医科大学四九・五%、十五億二千万円、学生一人当たり百七十八万円、それから兵庫医科大学五三・一%、十六億二百万円、百九十三万円、それから杏林大学五五・六%、十一億四千百万円、一人当たり百五十四万円、それから愛知医科大学五六・五%、七億七千五百万円、一人当たり九十七万円、こういう額になっております。

野末陳平新政クラブ

○野末陳平君 新卒を含めると確かに合格率が上がっているけれども、しかし、それにしても五〇%そこそこということでありまして、その補助金をお聞きしまして、同時に一人当たり百七十万、百八十万、百九十万というような国民の税金がここにいっているという、これは事実なわけですね。これは、医大生はもっと勉強してほしいとかそういうことで済むのかどうか別ですが、何か私立だけが余りにも悪いとなってもいけませんので、参考までに国公立て同じようなことをお聞きするのが当然だと思うのです。国公立の平均合格率、これは逆に悪いのもいいのも含めまして上と下ぐらいを言っていただくと非常に参考になります、私立との比較においてです。

大谷藤郎厚生省医務局長

○政府委員(大谷藤郎君) 国立大学の合格率が八四・七%、公立が八一・三%、私立が六六・〇%、これが平均でございます。  国立におきましては、上位五校は筑波大学九九・〇%から旭川医大、防衛医大、宮崎医大、東京医科歯科大学となっておりまして、五番目が九三・八%でございます。  私立医科大学の方では、先ほども申し上げましたように、上位が自治医大九六・二%、東海大学、川崎医大、近畿大、慈恵医大という順になっておりますが、五位の慈恵医大が七六・六%でございます。下位は先ほど申し上げましたところで、愛知医大、兵庫医大、聖マリアンナ、埼玉医大、杏林大学となっております。

野末陳平新政クラブ

○野末陳平君 まあ、八〇%以上ならばまずまずだろうと、春は。また、秋にそこから敗者復活戦やっているわけですから。しかし、いま、私立医大のいいところをおっしゃいましたが、八〇%以上の合格率である私立医大というのはいまお挙げになった四校だけで、あとは全部それ以下だということなのですね。

大谷藤郎厚生省医務局長

○政府委員(大谷藤郎君) 上位の五位の慈恵医大が七六%でございまして、下位の愛知医大の四二・五%、その間に各私立医大のパーセントがあるわけでございます。

野末陳平新政クラブ

○野末陳平君 税金を出している国民の立場から言うならば、八〇%ぐらいであればこれはお金が生かされていると、こう判断しても多分いいと思いますね。だけれども、八〇%以下で、しかも五〇%そこそこであるという私立医大が仮にかなりの数あるとするならば、これはちょっとどうだろうかと、こう思うわけですよ。  そこで、文部大臣にお聞きするのですが、ここまで——まあこれはたまたま五十六年春で、もっといいときもあれば、悪いときもあったり、いろいろするのは確かなのです。だけれども、せっかくの補助金がこんなレベルの低い学校に何億、何十億と、一人当たり百七、八十万、百九十万と、ここまではらまかれているといかにももったいない、これはむだだと、こういうふうに思うわけですよ。いかがですか。

小川平二自由民主党文部大臣

○国務大臣(小川平二君) 先ほど来仰せがございますように、国家試験に合格する学生が非常に少ないというような学校もあるわけでございます。そこで、国家試験の合格率そのものを補助金配分の基準に取り入れてはどうかというような御意見もあるわけでございまして、その御趣旨は理解できるわけでございますが、現在、留年の多い学校は定員に対して在籍学生数が超過をするという結果になるわけでございまして、さような学校に対しては補助金を減額いたしておるわけでございます。  具体的に申しますると、慶応大学、かような大学は留年する学生が少のうございますから、傾斜配分の際に率を高めておるわけです。慶応だけでございません、たとえば、日本医大等も同様でございますが、逆に愛知医大等留年の学生がきわめて多いので、これは補助金の配分に際して減額をいたしておるわけでございます。減額された学校は国家試験の合格率もまた低い、増額されているような学校は国家試験の合格率もまた高い、かような相関関係が現にあるわけでございます。

野末陳平新政クラブ

○野末陳平君 いまの、補助金の査定にそういう合格率も勘案するというようなこともちょっとお話がありましたけれども、それについても私の意見も聞いてほしいと思うのです。  いまの文部大臣の御意見は置いておいて、厚生大臣にもお聞きしますが、やっぱり量でなくて質なのですから、いいお医者さんがどんどんふえることに対して補助金を惜しむものではありません。しかし、何かむだになっているような感じがする部分があれば、もっといまのように減額して、こちらは増額してと。増額するとますますこっちはよくなってという話ですが、これは僕は当然それでいいと思うのですね、能率的にお金を配分するのは。そこで、それをはっきりさせた方が、むしろ減額なんて言わないで、もうカットしていくというぐらいに、今後補助金の配り方のやり方を変えて、いい医者をどんどん養成する、その方が厚生省としては結果的にいいのじゃないですか。

森下元晴自由民主党厚生大臣

○国務大臣(森下元晴君) 金だけですべてを決めるのもどうかと思いますけれども、厚生省の医師養成のあり方につきましては、医師というものは医学、医術に関する専門的知識及び技能を備えるとともに、高度の倫理性を有しておらなくてはいけない、こういうことで、そういう医師のたくさん卒業されることを、また、そういう方々が活躍されることを実は希望をしておるわけでございまして、余り国家試験の率の問題で厚生省がとやかく言うのはどうかと思います。いま申し上げましたように、厚生省の立場としては、やはり高度の倫理性、それに技能を、という方がたくさん出ていただくということでございます。

野末陳平新政クラブ

○野末陳平君 まあしかし、税金ですからね、合格率がすべてだと思いますよ。だって医者になれなきゃしようがないのですから。しかも、モラルとか人格のような面にまで、国民の税金を使ってそれを養成するなんていうのはおかしな話ですからね。やっぱり僕は数字だけで判断して差し支えないと思うわけです。  そこで大蔵大臣にお聞きしたいわけですね。やっぱりこれは補助金すべて国民の税金ということになりますと、費用に対する効果ということも当然大事で。むしろこれがすべてかもしれませんですね。そんなわけで、どう考えてもこの五〇%にも満たないような私立医大を何で国民の金で助けなきゃならないのだ。それは入りたい学生の父兄が負担するなり、別のことを考えるべき時代にもう来ているのだということで、この補助金のばらまきは、もうこれは過保護と私は思っておりまして、こういうところにも——まだたくさんあるのですよ。でも、たまたまこれを取り上げているのですが、大臣の御意見をお聞きしたい。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 大変いい話を聞きました。来年、早速利用させてもらいます。

野末陳平新政クラブ

○野末陳平君 余りあっさり言われると信用していいのかどうかね。そんなに簡単にできるんだったら、いままでとっくにできているはずなんでね。  そこで文部省に聞くのですが、やはり私学に対する補助金を振興財団に任せておりますね。ですから、それはそれでいいのですけれども、先ほどの減額、増額、これが出ましたが、この査定の基準、いろいろあると思うのですが、非常にばらばらですね。それなりの根拠があるように思いますが、やはり先ほど大臣もお触れになりましたこの最終的な合格率というものが一つのかなり重要な査定基準として今後機能しなければいけないと私は思うわけですよ。そこで査定基準、従来の査定基準を含めて振興財団に任せていらっしゃるのでしょうけれども、文部省としてこれに対して合格率をどういうふうに、さらにこれを相当重要な基準として採用するようなお考えあるかどうか、それを重ねてお聞きしたい。

小川平二自由民主党文部大臣

○国務大臣(小川平二君) 合格率を補助金配分の基準にすべしという御意見に対しましては、先ほどお答え申し上げたとおりでございますが、いずれにいたしましても、仰せのとおり、これは国民の税金でございますから、配分はあくまで適切なものでなければなりませんし、その改善には常時心を用いていかなければならない問題でありますので、五十七年度におきましては、この配分の方法を見直しまして、さらに適切なものたらしめるように検討をすることを予定いたしておるわけでございます。

野末陳平新政クラブ

○野末陳平君 繰り返しますけれども、国の政策目標が、お医者さんの数をとにかくふやせという時代だったらば、この種のばらまき補助金も少しは意味があるのかもしれませんけれども、いまややはり先ほど言ったように、一応目標も達成され、これからはいい先生に出てきてもらわなければならぬとなりますと、やはり有効に補助金を医師養成に使ってほしいと、こう思うわけですから、大蔵大臣は早速ということでしたが、しかしそれよりも、削ることの意味よりも文部省と厚生省が有効に使うという方向の御検討をしていただきたいと、お願いしておきます。  それでは文部大臣と厚生大臣はありがとうございました。結構でございます。  次に移ります、たくさんやりたいと思っていますので。さて次は、先ほどちょっと触れましたけれども、やはり聖域というものが常にありまして、補助金にも聖域がある。文教とか福祉とか、あるいは農水もその一つかもしれませんけれども、やはりこういう聖域というものを温存していてはいけないので、補助金の御三家と私はそう言いましたけれども、そこに非常に大胆なメスを入れるべきではないかというのが私の立場なんですが、同時に、この補助金といえば、すぐやり玉に上がってくるのが国鉄でして、国鉄再建というけれども、私があれこれ専門家にお聞きしますと、再建の足を引っ張っているのは、何といっても共済年金であると、こういうことを聞くのですが、この実態について、不勉強ですので早速いろいろと勉強させてもらいましたけれども、国鉄共済年金の実態について、二、三質問をして考えてみたい、教えてほしいと思うわけですね。  この退職年金ですね、国鉄おやめになるときの。これをまずお聞きしたいわけですから、まず全受給者の現在における平均の年額と月額。それからこれは全受給者の平均ですから、五十五年度の新規裁定分はどうなっているか、その辺のことをちょっと数字でお答え願えますか。

吉井浩日本国有鉄道常務理事

○説明員(吉井浩君) ただいま御質問の第一点、現在年金を受けておる者約三十一万人、五十五年度でおりますが、この者たちの平均の年金額、年額百七十二万、月額に直しますと、十四万三千円、平均の組合員期間が三十三・二年ということになっております。  それから、五十五年度に新たに発生いたしました年金の受給者、約二万人を超えるわけでございますが、これが金額にいたしまして百九十九万、平均の組合員期間が三十八・二年と、こういう数字でございます。

野末陳平新政クラブ

○野末陳平君 これは国家公務員共済と比べてもやや高いようですが、参考までに国公の共済の場合も、いまと同じく全受給者の平均とそれから五十五年の新規裁定分について数字をお示しください。

松下康雄大蔵省主計局長

○政府委員(松下康雄君) 国家公務員共済組合の全受給者の平均年額は百六十五万円でございます。月額にいたしますと、十三万七千円。この場合の平均組合員期間三十一年でございます。それから、そのうち五十五年度末の新規裁定分について申し上げますと、年額で百九十万円、月額十五万八千円、平均の組合員期間は三十四年でございます。

野末陳平新政クラブ

○野末陳平君 国鉄の退職年金は国家公務員に比べてもやや高い、ましてや民間の厚生年金は、もう毎度この年金問題が出ると、公務員と比較がありましたとおり、平均で十万円そこそこですから、かなりここには差がある。しかし私は、国鉄の退職年金がなぜ高いかということをいろいろ理由をお聞きして、この問題だけを取り上げるというふうには思ってないのです。いろいろ理由もありますから。ですから、しかも同列に比較ができないのが年金で、それほど複雑なわけですから、高いということについては置いておきまして、ただいまのところは何か五十五歳からもらえるというお話ですが、これはそうですか。

吉井浩日本国有鉄道常務理事

○説明員(吉井浩君) いわゆる計算をいたしました全額が五十五歳から、それ以前にやめます場合には一年について〇・四ずつ減歩ということはございます。

野末陳平新政クラブ

○野末陳平君 初歩的なことをお聞きするのですが、そうすると、民間並みの六十歳からもらえるように変わったのじゃないかと思うのですが、この六十歳支給というのは、昭和何年ぐらいになったらそれが実現されるという予定なのか。  それからもう一つは、退職するという場合、定年前——定年というのはないのですね、五十五歳前にやめられた方、この場合も最終給与のおよそ何十%ぐらいが年金に当たるのか、これはおおよその話で、参考までに聞かせてほしいのですけれども。

吉井浩日本国有鉄道常務理事

○説明員(吉井浩君) 年金につきましては、最終的に六十歳支給開始というすでに法律ができておりますが、経過措置がございまして、完全にこれに移行するのは昭和七十五年ということでございます。  それから年金の支給率でございますが、これは年齢によってではなしに、組合員の資格年限ということで決まっておりますので、何歳の場合に幾らということは、ちょっと一律に申し上げられないわけでございますが、仮に四十年勤続という場合には、最終俸給の六割ということになっております。

野末陳平新政クラブ

○野末陳平君 それからもう一点、初歩的なことを教えてほしいのですが、退職なさいますね、次の仕事に、民間の仕事などについた場合に、五十五で退職し次の仕事についたと仮定しまして、満額、そういう場合でも満額をもらえるのかということなんですね。厚生年金の場合は在職カットなどがありますから、これはもう有名な話で。国鉄共済の場合に満額もらえるかどうか、カットがあるのかどうか、その辺のことも。

吉井浩日本国有鉄道常務理事

○説明員(吉井浩君) ただいま思い違いをいたしまして、六〇%と申しましたが、四十年の場合七割、七〇%でございます。申しわけございません。  それからただいまの、新しい仕事についてそちらの方がら給料が出た場合、厚生年金と同じような制限があるかという御質問でございますが、現在の共済組合法、国家公務員同様でございまして、その場合には一応共済主体は違うということで、そのような制限はいまのところ付せられておりません。

野末陳平新政クラブ

○野末陳平君 在職カットなしね。  それからもう一つなんですが、職種による特例がこの退職年金にあるという話も聞いたのですが、なぜこの職種による特例があるのか。恐らく仕事の内容だろうと思いますけれども、この特例も国家公務員の方にはないようですから、参考までに。

吉井浩日本国有鉄道常務理事

○説明員(吉井浩君) これは国鉄業務の特殊性ということで戦前からございまして、代表的なものは機関車乗務員、SLの乗務員でございます。これの機関助士、これは非常に危険と申しますか不健康な業務でございまして、これについて特例が認められております。

野末陳平新政クラブ

○野末陳平君 特例の中身まで一々お聞きすると——つまり特例ということですから、一般のOBの方よりは、いろんな点でもうちょっと上だということでしょうからね。  参考までにもう一つだけ。退職年金でなくて、例の退職一時金というか、やめたときにまとまってもらう、そっちの額ですが、これももう、平均になりますかね、教えてください。

吉井浩日本国有鉄道常務理事

○説明員(吉井浩君) 昭和五十五年度支払いました退職金でございますが、全体を平均いたしますと、約一千七百万でございます。

野末陳平新政クラブ

○野末陳平君 ここも一々お聞きしたのは、ちょっとうるさかったかもしれませんけれども、やはり先たっても、年金というのが問題になると、どうしても民間のサラリーマンが痛切に感ずるのは、公務員の方がはるかにいいじゃないかということですね。しかし、この地方公務員、国家公務員などよりも国鉄はもっといいというようなことも聞きましたのでお聞きしたわけで、私はいろいろと共済年金の制度の沿革、その他ちょっと勉強さしてもらいまして、それなりの理由があるようにも思ったのですけれども、それにしたって赤字の国鉄にしては、いろんな点で民間に比べなかなか優雅であるということも——いや、そういうふうに感じを持つ人が多いのは事実なわけですね。  それをなぜかと言うよりも、今後どうするかということの方がやはりいま大事ですから、この国鉄の共済年金の成熟度、それから今後の見通しというあたり、極端に言えば、このままだとパンクすると言われているわけですから、いつごろパンクするか、とのままでいけば。その辺も率直にお聞きしておかないと、再建の足を引っ張るのが年金とか退職金とかと言われていながら、どのくらい深刻なのかという実感がつかめませんので、ひとつお願いします。

吉井浩日本国有鉄道常務理事

○説明員(吉井浩君) ただいま御質問の、まず平均成熟度の問題でございますが、五十五年度の決算をいたしましたところ七三・八、要するに掛金を払う職員百人に対して年金を受ける者が七十二・八人おるという状況でございます。今後これが進んでまいりまして、現在、経営改善計画で予定しております三十五万体制というものが六十年に実現をいたします。そのときの退職者数を推定いたしますと、平均成熟度一一六ということに相なります。つまり職員百人で百十六人の退職者を掛金で保障しなければいけない、こういう状況でございます。これは正直申し上げまして共済組合としてのていをなさない、こういう状況になるわけでございまして、その状況を回避いたしますと申しますか、こういったために現在私どもお願いをいたしておりますことは、年金制度全体の最終的な大同団結と申しますか統合の前に、少なくも国鉄年金が何とか支払い得る状況の間に、制度的に類似しておりますいわゆる三公社の共済組合と並びに国家公務員の共済組合、こういうものの統合をお願いしたいということをお願いをいたしておるわけでございまして、現在大蔵省に設けられております年金制度の研究会というところでその御研究をいただいておる、このように理解をいたしております。  それから、現在の組合は、一体共済組合としてはいつごろパンクするのか、こういう御質問でございますが、五十六年、七年と組合員の掛金率も大幅にアップをいたしました。これに対応いたしまして国鉄の負担も増加いたしておりますが、この計算で五十九年度までは何とか年金の支払いができるであろう、六十年になりますと大幅な赤字を出しまして年金の支払いが非常に困難になるであろう、こういう見通してございます。

野末陳平新政クラブ

○野末陳平君 掛金率などもやや上げでそれなりの努力をしているということもわかっておりますけれども、この年金収支の中身で、当然支出の方が若干多いわけでしょうけれども、年金収入ですね、現在のところ。これがちょっとよくわからないのでお聞きしたいわけですね。当然年金収入というのは、組合員の掛金があるわけですね。それから国鉄が負担している部分が当然あるわけですね。そのほかにもいろいろありそうなんで、その収入の中身ですね、これを、全体に対する比率、どのくらいを占めて、金額がどのくらいでという形で説明をしていただけますか。

吉井浩日本国有鉄道常務理事

○説明員(吉井浩君) 五十五年度の決算で申し上げますと、共済組合の収入、これは大きく分けまして、組合員の払う掛金と、それから事業主としての国鉄の負担部分と、それからもう一つは、現在の共済組合が成り立ちます前の恩給公務員期間とか軍人期間とか、そういった期間に見合う費用といたしまして、これを追加費用と呼んでおります。これは現在法律によりまして全額事業者である国鉄の負担と、このように定められております。そういう区分けで申し上げますと、組合員の掛金の額が五百八十二億でございまして、先ほど申し上げました収入総額四千百六十八億に対しまして一四%、それから、いわゆる事業主としての国鉄の負担金、これが八百九億でございまして、これは一九・四%、それから追加費用の額が非常に累憎いたしておりまして、これが二千四百三十六億円、五八・四%でございます。残余は積立金の運用による利息というものがございまして、これが約八・二%と、こういう内訳でございます。

野末陳平新政クラブ

○野末陳平君 組合の掛金はわかります。それから国鉄が負担するというところもわかりますが、この追加費用ですが、この追加費用というのがよくわかりませんで、説明がちょっとありましたですけれども、この追加費用というのは、国家公務員のときには整理資源というのがあって、古いいろいろな沿革を何か説明聞いた覚えがありますけれども、この国鉄における追加費用というのは、これはどういう性格のもので、いままでどういうふう。になってきているのですか。

吉井浩日本国有鉄道常務理事

○説明員(吉井浩君) 先生仰せのように整理資源という制度があればこのような問題相当に回避できたと思うのであります。国鉄の、新しい共済組合に移行しました場合にそのことが認められておりません。したがいまして、新しい共済に移行しました後の年金の支払いにつきましては、その後の組合員の掛金とそれからそれに対応する事業者としての国鉄の負担金で賄うと。ただ、それ以前に発生しております恩給公務員の期間でございますとか、あるいは国鉄の共済組合の歴史が大変に長うございますので、現在の公企体等共済法、三十一年に発足いたしたわけでございまして、それまでにすでに年金の受給権利として進行いたしておりましたそれに見合うものにつきましては、そもそもの積立金がないということでございまして、したがってその者はその後の年金の改定でありますとか、いわゆるインフレーション療法ということで、実際に支払うべき所定額として増加してまいる。それにつきましては過去の積立不足、端的に申し上げればそのようなかっこうになる。それについては、法によりまして、事業主である国鉄がその年々に発生した実額を支払うと、こういうことになっておりまして、これが追加費用の内容ということでございます。

野末陳平新政クラブ

○野末陳平君 その辺がわかるようでわからなくて、結果的にはどうも余りにも古いしっぽを引きずっているがゆえにそうなったのか、途中で経営の努力が足りなくてそうなったのか、あるいはもう絶対に政府が悪くてそうなったのかわかりませんので、これについて追及しようと思っているわけじゃないんです。  運輸大臣にここからお聞きしたいわけで、何か複雑な事情を含めて非常に問題があるというようなことはわかるのですよ。しかし、これこのままにしておけない、もう六十年度だということになりまして、先ほどのように大蔵省にお願いしていると、大同団結かと簡単にお答えがあったけれども、運輸大臣の立場で、いままででこの国鉄退職年金の問題、まあ国鉄共済の問題ですね、これをどういうふうにとらえておいでになるのでしょうかね。というのは、国鉄経理の中でこれの占める部分はもう相当で、全体の支出の一割やあるいはそれ以上になるのでしょうかね、そのぐらいになっていると。一方、国からの助成金も七千億以上にもなっていると。いろんなふうに考えますと、やっぱりこれをどうするかということをはっきりしないと、ただお願いして、団結すれば、合併すればというような安易な発想で事が足りるのかどうか、この辺を含めて運輸大臣のお答えをいただいてちょっと今後の参考にさしてほしいのですがね。

小坂徳三郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(小坂徳三郎君) ただいま委員の御指摘が国鉄再建問題の中核的な問題であるというふうに私思います。いまのような状態で六十年度には明らかに旧鉄の共済年金制度はバンクをするであろうということは必須の事実だと思うのでございまして、このために当面としては、大蔵省にある基本問題研究会において、他の類似の年金との合体によってこれを一応吸収をするというようなことが可能かどうかということについて御検討いただいているわけであります。しかし、これがいろいろと御研究をいただいておるので、後一、二カ月の間にはそうしたものに対しての結論が出るというふうにも伺っておるわけでありますが、しかし、これで結論が出なかった場合はどうするかということになりますと、これは国鉄再建の最大の重要な問題でございまして、しかし、現在のところは一応こうした政府機関の協力体制の中でともかくこの問題の一応終止符をまずここで打つということに期待をせざるを得ないのでございます。ただ、問題は年々累増するこうした年金というものに対して、現在受給者がすでに三十万人を超している段階でございますので、こうした大きな数字を動かすということ自体にも大変な私は大きな政治問題があると思うのでございます。いま私がこれを一応現在の政府内部での検討の中で解決し得るという方向を強く期待をしておりますが、それがだめであるというような事態に対してどのように対処するかということについては、まだ私ここでお答えをする用意を持たないわけでございます、率直に申し上げまして。

野末陳平新政クラブ

○野末陳平君 年金というのは、もう非常に複雑でむずかしくて将来不安な面も多いわけですから、一刻も早くこの年金制度をどういうふうにするか、もう政治課題ですよ、緊急最大の。国鉄共済だって本来だったらばもう赤字なのに、そんなけしからぬとか、そんなこと言えば済むかもしれない、そういう事態じゃないと、そう思っているので、この共済年金をどうするかとお聞きしながら、ほかの年金も含めて、厚生年金、国民年金含めて非常に私自身が心配になってくるような問題なんですね。だからこれをやはりいい形で解決してほしいので、余り、安易にできるかどうかしりませんけれども、よそと合体すればそれはそれで解決するかというと、その場だけでね。  大蔵大臣にお聞きしたいのですよ。さっき大蔵省にお願いしているというような話がありましたけれども、どうなんですか。類似のものと合体するのだと、これが果たして可能なのか、あるいはいろいろな問題があってもこれを飲み込まなければどうにもならないからこれをするのか、その辺のこといかがでしょうかね。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) ただいまのところ、共済年金制度基本問題研究会でこれは研究をいたしておりますが、ただ、そのほかのところが、うちの方は支払いつかないからみんな引き取ってくれと言われても、いろいろ利害が違いますから、財産を持っている人のところへ破産状態の人がみんな駆け込んでこられても、ほかの組合がはいよろしゅうございますとなかなか言うかどうか非常に問題があります、これは。いずれにいたしましても七割の給付率というように高い給付率を持って、ほかよりもいい年金の状況で、結局昭和六十三年には支払い一兆円にもなるというのですから、この試算を見ると、支払いが。ですから、そういうようなことで、やっぱりいままでの仕組みも改めて、変えていただかぬとなかなかこれは仲人も骨が折れるのじゃないか。いずれにしても抜本的にこれは見直しをしていただくほかないのじゃないかという気がいたします。

野末陳平新政クラブ

○野末陳平君 私も安易にということを先ほどから言いましたのは、相手の都合というか、はっきり言えば赤字の人が、赤字の会社が黒字のところへ行ってうまく解決してくれよというようなことになって話がまとまるとも思えないので、そこで運輸大臣に重ねて、最後になりますけれどもお聞きするわけなんですが、やはりだれが高い年金をもらっているかとかどうとかいうような次元の低いことで言いたくはないのですけれども、一般に恵まれていると思われるようなレベルであれば、やはりそこを率直にどう変えていくか、みずからの努力でここまでしているという自分にメスを入れる部分というのが必要だと思うのですね。それで、支給の年齢はかなり先だけれども、実現するとか、開始年齢ですね。しかしながら、さっき数字をいただくと、国家公務員よりはやはりいろいろな事情があるにせよ、恵まれている。給付率も高い。こういう民間に比べてうま過ぎる部分というか、うらやましがられるような部分を残しておくことはやはり非常に問題である。ここを直さなければ、はっきり言って再建に努力しているとは言えないし、それからだれもその再建の努力を買って一緒になろうとも言わないと思うのですよ。だから運輸大臣のお答えは、むしろ相手がどういうふうな返事をくれるかということでなくして、こちらがこれだけのことをやって相手にそれを認めさせるかどうかにかかっているので、その辺が大事だと思うのですが、どうでしょうか、ひとつこの国鉄の共済年金もちょっと。だから、大蔵大臣は抜本的と言うけれども、私は甘いところが多いと思いますね、いままでのいきさつは別として。ここにメスをお入れになるべきじゃないのですか。

小坂徳三郎自由民主党運輸大臣

○国務大臣(小坂徳三郎君) まことに痛い御指摘でございます。  問題は、いま私は何もよそ様のことだけを頼りにしているつもりはございません。しかし、昨年来の再建計画の大きな柱としてこの年金問題を取り上げて政府内部でどこまでやれるかということをせっかく御検討中でございますから、私といたしましては、先ほど申し上げたようにそれが国鉄側の希望するようなものになるのか、あるいは全くならないのか、あるいはある程度なるのか、その辺のところを見きわめてからということを申し上げたわけでございます。しかし、いずれにいたしましても問題は、こうしたような破産状態になることは火を見るよりも明らかな事態に対応して、いま委員の仰せられたような、やはり既得権というものに対して、それはいろいろな意味で大変な権利の侵害になるという議論もあるでしょうが、やはり既得権というものに対してある程度勇気を持って見直すということが、これがやはりこの再建問題の一つの大きな柱ではなかろうかと、私まだ就任して日は浅いのでありますけれども、そのようなことを考えておるところでございます。しかし、いまそうした問題を中心に考える段階ではまだないのでございまして、ただ私の主観として、私見として申し上げたことで御答弁にかえさせていただきたいと思います。

野末陳平新政クラブ

○野末陳平君 先ほども国鉄の問題出ましたけれども、やはり既得権といいながらも、余りにも理不尽な、常識で考えられないような既得権すらもあるので、これに対する甘えというのをもう断ち切らなきゃ話にならないと思うのですね。ひとつ大臣の——国鉄総裁もいないのに大臣にばかりというのもあれですが、お願いしておきます。  それから、もう残った時間で農林大臣に、いままでいていただいたので申しわけないですけれども、もう簡単に今度は農水関係の補助金なぞをやっていきたいわけなんです。  この農水関係の補助金を一つ一つ調べてみて、私のところは静岡なのですが、私のところも農家なんですが、調べてみましたけれども、どうも名目と実態が違い過ぎてね。まだわからない名目の補助金が多過ぎて、たくさんはもうできませんけれども、一つだけ、古くからあるやつで例の有名な生活改善普及事業負担金とか、何かいろいろ、五十五億九千七百万ですか、これはあるのですが、こんな古いの、昭和二十四年から。これは当時の農村の食生活がかなりレベルが低かったので食生活改善ということで私が子供のころこれがありましたけれども、いまだにこれがある。いまはちょっと仕事が違っているというけれども、いま何をやっているのですか、この予算で。

小島和義農林水産省農蚕園芸局長

○政府委員(小島和義君) 生活改善普及事業が始まりました当初、戦後でございますが、農村の住居の問題、食生活の問題などが主眼でございまして、象徴的に言われておりますのほかまどの改善なんというのが一番象徴的な仕事であった時期もあったわけでございます。その後、農村生活も内容面においていろいろ変わってまいりましたけれども、農村生活が都市に比べていろいろ不利な点があるという事情においては変わっておるところがないわけでございまして、今日におきましては農村の生活の中における生産面と家庭生活面の労働配分の適正化、生活面を通ずる健康管理あるいはその地域の環境改善と、そういった問題を主体として仕事をしておるわけでございます。

野末陳平新政クラブ

○野末陳平君 だから、そういう抽象的なことを言われると、もう似たような名目のがいっぱいあるんだよね。そこで、私のところなんか農家だから気になってきちゃうわけ。だって、ちょっと拾っただけでも農村基盤総合整備事業費補助金とか、農村総合整備モデル事業費補助金とか、新農業構造改善事業費補助金とか、似ているんだね。いまの生活改善普及の事業ですけれども、これは負担金と称しているけれども、みんな似ているので、いま聞いてみたら何か私が挙げたこの三つと似たり寄ったりじゃないかと思えてきちゃうわけね。それぞれが何百億と、四百億だ、六百億だとついている。こういうところがそもそもおかしいと思うのね。つまり、いろいろな名目で中身も——もう時間がありませんけれども、聞いてみると中身も似たような説明だ。だけれども、現実に農家の立場になってみると、その普及員の人が来て確かに昔はかまどの改善なんかやっていたけれども、いまは年寄りの話し相手。これは、年寄りはさびしいから話し相手も必要ですよ。必要だけれども、税金で賄うというか、そういう人を普及員と称して全国にたくさん雇ってお年寄りの話し相手——東京だってそれではお年寄りは話し相手欲しいから補助金で何とかしてくれと、こうなってしまいますよ。つまり、時代的役割りを終えたものも温存していくという姿勢があるから、その人たちにいろいろな仕事をやってもらう、これはこれなりに意義があるだろうけれども、補助金というお金を使うに値する事業かどうかと、ここですよ。大臣、もうこれしようがない、時間がありませんから細かく言えませんでしたけれども、むだが多過ぎるのではないかというのが私の見解ですから。どうぞ。

田澤吉郎自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(田澤吉郎君) 新しい農業を進めようといたしますというと、どうしても私たちは一つの新しいものを奨励していかなきゃいけませんね。たとえば、いま私たちはどうしても技術の開発だとか経営規模を拡大するとか、あるいはまた国民の需要の動向に応じて農業を進めようと、こういうことで新しい農業をつくってまいらなければならないわけでございまして、その新しい農業を進めるとき、いままさにそういうことをみずからやろうとする人は点なんですよ、本当に少数の方でして。それを私はやっぱりある程度線にしていかなきゃいかぬ。全体で面にしていくことが日本全体の新しい農業につながるわけでございますので、そういう面で考えてまいりますというと、どうしても補助金制度というものは必要になってくるのです。  たとえば食生活の面でいま米が非常に過剰になっていますね。これを解消して違った作物をどう作付して新しい農業をつくるかというためには、やはり米の、たとえばえさ米のようなものを、新しい品種をつくり上げるということなどのためには、それを開発し、普及していくためにはどうしても補助制度でいかなければならない。ちょうど私、東北でございますから、東北は冷害の非常に強い、多い地方でございますけれども、藤坂五号という稲を田中論さんという人がつくられた、定着させたわけです。そのことによって東北全体に冷害がなくなったわけでございます。こういうことを考えますというと、やはり補助制度によって進めていかなければならない、こう思いますので、いまの生活改善の面でも、確かに昭和二十二年から今日までには社会経済情勢がかなり変わっていますので、その生活改善の内容そのものは変えていかなきゃならないと思いますけれども、農村婦人のいわゆる生産と生活の面での苦労というのは大変なんです。ですから、自分は病気だと、こう思いながらも作業に追い込まれてやはり労働するというようなことにもなりますものですから、そういう点をやはり指導してまいらなきゃいかぬ、こう思いますので、衣食住の面で生活の改善を進めることはこれからも私はしてまいらなければならないと思いますので、やはりそれはすべて補助制度でいかなければならない。しかし補助金のむだな使い方をしては決して好ましいことでございませんので、    〔理事土屋義彦君退席、委員長着席〕 今後そういう点は十分配慮しながら進めてまいりたい、かように考えております。

野末陳平新政クラブ

○野末陳平君 じゃ終わります。(拍手)

植木光教自由民主党

○委員長(植木光教君) 以上で野末陳平君の一般質疑は終了いたしました。     —————————————

植木光教自由民主党

○委員長(植木光教君) 次に、喜屋武眞榮君の一般質疑を行います。喜屋武君。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 今日の日本の大人たちの胸を痛めておることの一つに教育の荒廃ということがあると私は思います。そこで、日本の教育の最高の責任者であられます文部大臣、このことをどのように認識していらっしゃるのか。

小川平二自由民主党文部大臣

○国務大臣(小川平二君) 最近頻発いたしております児童生徒の非行あるいは校内暴力、きわめて憂慮すべき問題だと考えまして、私もまた心を痛めておる次第でございます。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 いま述べられた認識をどのように打開していくかとこのことを考えておられるか、お尋ねいたします。

小川平二自由民主党文部大臣

○国務大臣(小川平二君) いろいろの事例が出てまいりまする原因、背景、ケースを異にいたしまするに従ってそれぞれ異なるものがあると存じますが、きわめて一般的には、今日の社会の風潮、青少年の健全育成という観点からまことにおもしろくない環境の乱れということがございましょう。あるいはまた、非常に大切な幼時期における家庭でのしつけということが核家族化が進行しておるというようなこともあってなおざりにされておる。こういうこともございましょうし、あるいはまた、学校におきまして校長を中心として一体となってこの問題に対処する姿勢において欠けておる、あるいは一人一人の児童生徒に対する細かい配慮において十分でないという学校もある。いろいろなことが絡み合って出てくるものと考えております。こういう背景のもとに、たとえば暴走族と申しますような外部の非行団体の影響もあってこの種の事柄が頻発をしておる、このような現状だと理解をいたしております。  したがいまして、一言に申しますれば学校、家庭、社会それぞれの教育機能が低下していると考えざるを得ない現状に対処しまして、これを引き上げていくための各種の施策、細々としたことを含めましてこれを実行いたしておる現状でございます。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 いま大臣は学校、家庭、社会とおっしゃいましたが、その三つをつなぎ合わせるかぎは何だとお考えですか。

小川平二自由民主党文部大臣

○国務大臣(小川平二君) これは学校、家庭あるいは地域社会密接に連携をしていくことが何より大事だと思いますので、文部省といたしましてもこの連携を一層緊密にするように努力をしている状況でございます。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 対話なき社会は暗黒であると私は思います。先ほどの大臣のお話の中にもぼつぼつ入りましたが、最近のテレビ、ラジオを通じて報道のない日はありません。いわゆる母子心中、親が子を殺し、子が親を殺し、きょうだい殺し合う、こういった情勢の中で放火、そうして焼け死にと、こういったあさましい事柄が頻繁に起こっております。それを見るにつけ私は思うのです。対話ということをどうしても結びつけなければ窓は開かれていかないと私思うのです。  そこで、大臣に聞きたい。日本の教育行政の最高責任者、現場の教育を守る組織としての日教組の槙枝委員長並びにその幹部にいつでも大臣は必要によっては会ってくださる扉は開かれておりますかどうか。

小川平二自由民主党文部大臣

○国務大臣(小川平二君) 日本の教育をよくするために建設的な議論を闘わす、きわめて好ましいことだと存じております。たとえば、教育行政を拡充させていきます上で必要な予算の確保をする、その種の問題についてお話をし合う。少しもやぶさかなものではございませんが、そのためにはそれにふさわしい環境、雰囲気というものが必要じゃなかろうかと私は存じておるわけでございまして、現に法律に違反するストが繰り返されておるような状況は謙虚な腹を割ってのお話し合いをいたしますのにふさわしい環境ではない、こう考えておるわけでございます。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 親子の間で対話なく、信頼がなく、あるいは教師と教え子の間に対話がなく、そうして教師と父兄の間に対話がなく、教育行政の皆さんとまた対話がない、こういう情勢の中でどうして教育の正常化ができるのですか、いかがですか。

小川平二自由民主党文部大臣

○国務大臣(小川平二君) 教育のあり方という問題の認識におきまして、政府と日教組の間に非常に大きな隔たりがある現状でございますから、繰り返して申し上げることでございますが、建設的な意見を闘わせるということを少しもいとう気持ちはございませんけれども、願わくばそれにふさわしいような環境、条件が欲しい、こう考えておるわけでございます。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 厳しいあるいは困難な状況であるかもしれませんが、それを乗り越えていらっしゃる勇気と決意を両方が持たない限り日本の教育は正常化しませんと私は断言いたしたいのです。  そこで、教育を正常化するのにはすべての条件がいろいろあります。すべてに触れることはできませんので基本的な幾つかについて大臣の見解を求めます。  まず第一点、現行の教育制度についてどのように認識しておられますか。

小川平二自由民主党文部大臣

○国務大臣(小川平二君) 現行の教育制度につきましては、絶えずその改善のために研究をし努力もいたしておるわけでございますが、現状に対しましてはいろいろな御批判もあり御意見もございましょう。これらをことごとく謙虚に受けとめて参考にいたしておるわけでございます。なお、御高承のように、かねて中教審に対しまして時代の変化に対応する教育のあり方いかんということを諮問申し上げておるわけでございますが、教育の内容と密接に関連いたします制度の問題についても恐らくいろいろな御論議もあるのではなかろうかと予想いたしております。さような御論議をも踏まえて、絶えず制度の問題につきましても検討を重ねてまいるつもりでございます。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 はっきりしたお答えがお聞きできれば幸いと思います。現行制度はそのままでいいと思っていらっしゃるのか、改革すべきであると思っていらっしゃるのか、その二者択一。

小川平二自由民主党文部大臣

○国務大臣(小川平二君) 現行の制度につきましていろいろな御批判や御不満があることは承知をいたしております。同時に、さればと申して、このような方向で改革すべしという点につきまして今日なお広範な合意が出てきておるわけでもない、こう考えておりますが、制度を改革いたしますことは行政の面にもいろいろな影響が出てまいりまするし財政の面にも影響が出てまいります。今日のこの逼迫した財政状況等をも考え合わせますときに、なかなかこれは簡単に手をつけられる問題ではない、きわめて慎重に対処すべき問題だと、こう考えております。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 第二点に、教科書についてはどのように認識しておられますか。

小川平二自由民主党文部大臣

○国務大臣(小川平二君) 現行の教科書につきましても、中教審に対しまして教科書のあり方、検定、採択、給与等の問題をも含めまして諮問を申し上げておるわけでございまして、その結論をちょうだいした時点でこれを尊重しつつ検討するつもりでございます。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 教科書について検定制の強化ということが聞こえます。そしてまたそれと付随して、その会社からの政治献金がなされておるということも聞いております。そのことについてどうお考えですか。

小川平二自由民主党文部大臣

○国務大臣(小川平二君) 献金の問題につきましては、政治資金規正法に基づいてなされた報告以外に文部省は調査権を持っておりませんので事実についてこれを正確に把握する曲もございませんが、根本的にはこれは企業と政党の間の関係でございますから文部大臣としてこの問題を論評いたす立場ではない、こう考えておるわけでございます。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 そうしますと、法に従えば教科書会社から献金をしてもいいと、こういうお考えですか。

小川平二自由民主党文部大臣

○国務大臣(小川平二君) 政治資金規正法に従って教科書会社が献金をする、いかなる意図で、何人に対して献金をするか、問題によっていろいろ違うでございましょう。いずれにいたしましても、教育をつかさどる文部大臣といたしましては、一般の誤解を招き教育に対する不信を招くようなやり方は避けていただきたい、こう考えております。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 次に、社会教育についてはどのように認識しておられますか。

小川平二自由民主党文部大臣

○国務大臣(小川平二君) 社会教育を充実してまいりますこと、最初に御指摘のありました青少年の非行あるいは校内暴力に有効に対処いたしていきまするために一層この充実を図っていくべきことだと、こう信じております。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 次に、教育課程についてはどのようなお考えを持っておられますか。

小川平二自由民主党文部大臣

○国務大臣(小川平二君) 教育課程につきましては、これまた御高承のとおり、学習指導要領を改定いたしまして新しい学習指導要領の趣旨を受けて、一言にして申しますればゆとりのある教育をしていこう、このように改めておるわけでございます。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 教師の資質向上についてはどのようなことを考えておられますか。

小川平二自由民主党文部大臣

○国務大臣(小川平二君) 教師の資質あるいは能力の向上ということ、これは児童生徒を教育することを専門の仕事としておる学校の現場で働いておる方々でございますから、非常に大事な問題と存じまして、及ばずながらその努力もいたしておるわけでございます。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 もう一つお聞きしたいことは、教育環境の整備、もっと具体的に申し上げますと校舎、備品、教具ですね、この環境整備についてはどのように考えておられますか。

小川平二自由民主党文部大臣

○国務大臣(小川平二君) 校舎等を含めまして環境の整備にも従来努力をしてまいっておるつもりでございます。これからも鋭意努力をする所存でございます。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 私が幾つかの重要な問題を、私としては根本的な問題だと思っております、大臣からお聞きしましたが、一つ一つについて掘り下げていく時間を持ちませんので、一応承っておきたいと思います。  次に、なぜ私がこのように一応大事なことをお聞きするかと申しますと、結局はもろもろの条件をあるべき方向に持っていってそしてそれを進めるのには、何としても教育行政の立場にあられる文部省あるいは委員会、学校現場、家庭、父兄、そして児童生徒、これらの皆々が信頼感をもって結ばれるという、信は信を生み不信は不信を生むという言葉もありますとおり、離れておっていかにアドバルーンを揚げてみたところでそれは実になりません。その距離を縮めるのが私は対話だと思っております。だから、対話なき社会は暗黒である。平和ということも民主主義ということも対話から生まれてくると私は確信いたします。いかに管理体制を強化してみたところで、そして学校が規則、決まりを強化してみたところで生徒は反発をするだけである。父兄がいかに教育を論じ教師を批判してみたところで、それはますます対決の姿にしかならないと私は思っております。そういう基本的な問題を考えそしてそれを解決しない限り日本の教育は真の教育に発展しない、私はこう思います。だから、父兄、教師、生徒、チームワークを大事にしなければいけない、こう思うのです。  いま申し上げた裏には、具体的には、目を通されたと思いますが、きのうの社説に「高校長の死は訴える」、こういうことで、私はこれを見まして本当に胸締めつけられる思いがいたしました。社説に、果てしない校内暴力事件の責めを負って遺言を残して自殺した三十年にわたる教師、突っ張りグループのリーダー格の生徒を退学させたということが原因となって、これがエスカレートしてそして三十年も教育界に挺身したその一校長が自殺という末路を遂げたという、何というあさましいことでありましょう。胸えぐられることでありましょう。このことは、県教委が特別調査団を派遣しておりますね、そして校長、教師を集めて対応のまずさを厳しく追及しておりますね。校長は寝るに寝られず、判断に迷うて責任をとらされるというその恐怖におびえて、あるいは自責の念にかられて、四月に異動が予定をされているその間近に毒死をしておられる。この事実を私は大事に受けとめていかない限り日本の教育は発展しない、軌道に乗らないと、こう思います。ただいまは非常に暗い暗い思いをしながら申し上げたが、明るい話題に転じたいと思います。  それは国体の問題についてです。国体の改善見直し、戦後の荒廃の中で国体が生まれて、私もかつて保健体育課長時代第十二回の富山国体と十五回の東京国体の総監督で二回参加した経験がございますが、そのころから感ずる点がありましたが、その国体に対して六十二年度に沖縄国体を最後として一応一巡いたしますね。このあたりでひとつ国体の改善見直しがなされてしかるべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。

小川平二自由民主党文部大臣

○国務大臣(小川平二君) 国体という行事は今日までわが国のスポーツの振興の上におきまして非常に大きな役割りを果たしてまいったと存じます。文部省といたしましては、この準備あるいは運営につきましてはスポーツにふさわしく質素なものであるべきこと、またこの開催の規模等につきましては開催県の実情を踏まえて弾力的に決定すべきことを指導いたしてまいりました。  そこで、仰せのようにここで一巡をする時期になってまいりましたので、今後の指導につきましてはさらに一層の改善をいろいろな方面の御意見も謙虚に承りまして行っていきたいと、こう考えております。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 大臣では御無理かと思いますが、もし具体的にこれはこうしたいあれはああしたいと、こういう具体的な改善見直しの今日までずっと続いておりますからね、ありましたら聞かしてください。

高石邦男文部省体育局長

○政府委員(高石邦男君) 二巡目を迎えます京都の国体から国体のあり方についていろいろ改善の方向を探ろうということで、現在日本体育協会の中では国体将来問題検討懇談会という委員会をつくりまして検討を加えているところでございます。まだ内容につきましては検討を加えている段階でございまして、個別の事項について具体的な方向性を示しておりませんので、引き続きその検討の結果を注目しながら文部省としても対応していきたいと思っております。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 物事の進歩発展には必ず反省、総括がつきものでありますから、マンネリになって、そして地方自治体では非常にこのことを重荷に思っております。いわゆる負担の問題も、あるいは場所の選定、いろいろな面から非常に重い荷物を背負わされております。特に財政貧困の沖縄の立場、ことしから具体化するわけでありますが、その立場から非常にこの問題に関心を持ってやらぬわけにはいかぬし、やることにすると今度は負担が重むし、こういった戸惑いをしておるのが現状であります。  そこで、負担の面から改善の余地はないでしょうか、どうでしょうか。

高石邦男文部省体育局長

○政府委員(高石邦男君) まず、施設設備につきましては、これは各県に対しても同様なことを申し上げておりますが、できるだけ既存施設の活用を図っていただきたい、新設をする場合にも将来のその地域における活動、利用の効率性を考えて整備してほしいということを常に申し上げてきているわけでございます。開催する県では、なかなかそうは言っても関係のいろいろな地元との関係でわれわれが期待するほどの質実なものということにはならない傾向が一般的にはあるわけでございます。沖縄につきましても、県を中心にいたしまして関係市町村とどのような協議を、どこの市町村で開催するかということを煮詰めをしておりまして、そして具体的にどういう施設を整備していくか、どういう施設を利用していくかということを検討を加えていらっしゃる段階でございます。そういうようなことで、財政事情の非常に厳しい折からできるだけ効率的な運用を図っていくような施設の整備を図っていただくよう指導していきたいと思っておるわけでございます。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 めどをつけて、公共便乗投資の立場からはこれは確かにプラスになる面があると思いますが、しかし集中するだけに今度は耐えられない負担力があるわけであります。それでいま二分の一負担ということに地方はなっておりますが、こういうことはいかがでしょうか。国が三分の一、体育協会が三分の一、地方が三分の一、こういった割合でということはお考えになったことがあるでありましょうか、どうでしょうか。

高石邦男文部省体育局長

○政府委員(高石邦男君) 施設設備は、県の施設でありますと県の所有になりますし、それから市町村立てありますと市町村の所有になるわけでございます。したがいまして、国体を開催する形態はおっしゃるとおりに国それから体協、開催県の三者による共催でございますが、施設の整備に関しましては将来ともそういう施設を地域スポーツの振興のために使っていただきたいということを思いますし、市町村それぞれのもの、県のものとか市町村のものというような形で整備されていくわけでございますから、それらの施設整備についてまで他の一般の助成と異なる負担をしていくということは現在のところは考えていないわけでございます。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 大体反省の柱として三つあると言われておりますが、一つはいわゆる勝敗にとらわれた選手主義ですね、記録主義と、それから施設を膨大にしていくという面からの費用の問題、それから非常に肥大化した、だんだんいってもう今日では六万人前後を下らない選手、役員を含めて、こういった三つの点から顧みた場合に、どうも事志と異なってだんだんとんでもない方向に行きつつあると。記録主義はすなわち選手の雇い主義に、選手を雇う方向に行って手をやいておるということも聞いておりますが、その点の反省はいかがでしょうか。

高石邦男文部省体育局長

○政府委員(高石邦男君) まず、参加の人数につきましては、年々ふえていく実情があるということから、昭和四十九年に国民体育大会の開催及び参加についてということで要項を定め、各府県に通達をしたわけであります。それによりまして、大会に参加する人数については一定の限度で総枠で抑えるという基準をつくったわけであります。したがいまして、その総枠の中で参加役員、選手を抑えるという原則をつくって、その原則は今日守られてきているわけでございます。ただ、二巡目を迎える国体につきまして、従来の参加の人数その他でいいかどうかということで、先ほど申し上げました将来問題として検討を体協内部でいろいろ加えられているということで、一巡目までは一応総枠で決めた枠の中で実施をしていくということでございます。これも具体的には各県の開催県と協議をしながら弾力的に対応していくというようなことを考えておるわけでございます。  それから、対抗の各府県ごとの競争と申しますか、府県ごとによる点数による評価ということを行っております。要するに天皇杯、皇后杯というものとのかかわり合いでございます。スポーツが本来競技で勝敗を決める性質のものでありまして、だれが勝ったか、だれが優秀な成績であったかというこの評価自体をとめるということは、スポーツの振興の上から適当ではなかろうと思うわけであります。問題は、そういう評価についての運用が適切であるかどうかということについて今後検討を加えていかなければならないと思う次第でございます。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 次に、記録主義にもつながると思うのですが、学生も府県単位に加わるわけでありますが、学生の立場からスポーツの機会というのは、場というのは頻繁にあるわけなんです。それで、そういった点から学生の参加を一応制限して青年の部に重点を置くと、こういう要望もあるようですが、いかがでしょうか。

高石邦男文部省体育局長

○政府委員(高石邦男君) 大学生はかなり進学率がふえて相当な数に上っておりますし、大学におけるスポーツの振興ということも考えていくことはきわめて重要なことであるわけであります。そういう関係で、学生自体を国体から除外するということは適当でないと考えている次第でございます。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 いま幾つかの問題を提示いたしましたが、時間の関係でほんの一、二という気持ちで受けとめていただきたい。とにかく国体のあり方をぜひひとつ見直しあるいは改善の方向へもっていっていただきたい、こういうことを一応この問題を通じて要望いたします。文部大臣、いかがでしょうか。

小川平二自由民主党文部大臣

○国務大臣(小川平二君) 冒頭に申し上げましたように、国体はあくまで開催の規模あるいは経費の面、質実なものでなければなりませんし、開催県の実態に即して弾力的に決定さるべきだと存じております。これからもさらにこの運営面につきまして改善努力を続けていかなければならない事柄だと理解をいたしておりますので、ただいまいろいろな貴重な御意見も承らしていただきましたが、各方面の意見も十分承りまして、改善のために努力をしてまいりたいと考えておるところでございます。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 私は、スポーツは純真にして最も美しい外交であるといつも言っております。そして、日本の健全性と明朗性、この筋金を正しいスポーツの発展によって培うべきだと、こう思っております。  次に移ります。  戦後処理の問題。私は、総括の中で戦後処理の問題、中国残留孤児の問題、台湾の元日本軍人軍属の問題、サハリンの韓国人帰還問題、朝鮮の原爆被爆者への救援の問題、在外資産の補償問題、これらの問題を一応お尋ねいたしまして、そのことに対しては私といたしましては政府の方向性がわかりましたので、時間の都合上その問題については一応とっておくといたしまして、ここで戦後処理の立場から申し上げたいことは、沖縄における戦後処理の問題でまだまだ幾つか取り残されておりますが、その中のまたはしょって二つの問題についてお尋ねいたしたいと思います。  その一つは、戦争当時六歳未満児の援護法適用について、そのことがどのように具体的に進んでおるのであるか承りたいと思います。

北村和男厚生省援護局長

○政府委員(北村和男君) 沖縄におきます六歳未満の小児に対します戦争協力による準軍属として扱うかどうかの問題は、昨年の十月にそういう方針を決めまして、いま申請その他の事務処理を県庁においていろいろとり行っている段階でございます。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 この問題は、去年の八月に一応援護法を適用するということが決まったということは聞いておりますが、ところが調査をし事務的な手続を進めていく中でだんだん不安になってきておる。  こういうことで、最近の新聞は「6歳未満児援護法適用ゼロか」と、「厚生省の厳しい審査基準がカベ」、「375人が請求申請」を一応県段階でされておるようです。「必要書類平均1〇種類前後も」あると、こういう見出しで非常に不安にかられておるという昨今のようでありますが、そのことは御存じでしょうかどうか。

北村和男厚生省援護局長

○政府委員(北村和男君) ただいま申し上げましたように、申請事務が沖縄県庁でいまいろいろ取りまとめ中でございまして、まだ正式に厚生省の方に申請をちょうだいしておりません。新聞その他で県庁の見込みのようなものは拝見いたしましたけれども、私どもは決してそのようなゼロなどということを考えておるわけではございません。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 その不安の一つに、六歳未満ですから、戦争当時六歳以下ですかうね。そして、戦後三十六年も経た今日記憶も喪失する。その本人方は四十前後を越すわけでありますが、ところが当時の証言といいますか、その記憶も薄れておるということ、それから当時知り合いだった方もいまどこにどうしておるか、それを探すのにも困っておる。こういった状態の中で、そろうべきものは耳をそろえてみんな出せ、そうでなければ受け付けられぬと、こういう形でこれが取り扱われるというと、いわゆるゼロになる可能性もないとは言えぬわけなんですね。そういった心配がこのような形で出てきたのではないかと、こう思うわけでありますが、そのことについて政府当局としては、厚生大臣いかがでしょうかな、責任ある御答弁をお願いしたいのですが、この見通しですね。たくさん不安要素があるわけでありますが、これはもう厚生省のきちっとした物差しを当てた場合にはどうしてもこれは当てはまらぬ面が、当てはめようとすればあるいは何年かかるかしらないと。こういう情勢の中で、これをどのように処理していただくということで、見通しは可能なのかどうなのか。どうですか。

森下元晴自由民主党厚生大臣

○国務大臣(森下元晴君) ただいま援護局長より答弁をいたしましたが、沖縄全島が戦場になったという特殊性もございまして、請求に必要な書類を整備することが必ずしも容易でないこと等の事情を考慮いたしまして、請求に際しましては個々の事例に即し必要な助力を行うなど適切な対応に努めてまいりたい。そういうことで、私もゼロになるようなことは絶対にないと信じております。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 大体いつまでというめどをお持ちでしょうか。いつごろですね。

北村和男厚生省援護局長

○政府委員(北村和男君) 先ほど申し上げましたように、まだ正式に申請書類を厚生省にちょうだいしておりません。ちょうだいすればできるだけ早く処理をいたしたいと、そのように事務当局は準備をいたしておるところでございます。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 私が気になりますのは、提出する資料をそろえなければ、一応整えなければ県にも出せない、県も国にも出せない、そういうルートを考えた場合に、一応個人がそろうべき資料が完全にそろう自信がないわけなんですね。それを、ですからふぞろいならふぞろいのままで一応検討していただいて、これは足りない、これはどうしたらいい、政府からあるいは県からこう逆に問うていただくことがこれを促進する処理の仕方でないだろうか、こう思うのですが、いかがでしょうか。

北村和男厚生省援護局長

○政府委員(北村和男君) 初めからこれとこれはないよと言って申請されますとちょっと私ども事務処理に困るわけでございますが、結果的に不十分で私どもの方でこの点はこういうふうにということは幾らでも従来からもやっていることでございます。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 それじゃお願いで、そういった一つは温かいサゼスチョン、御指導をいただきながら書類を整えさしていただきたい。こういう方方は目の眼球が射抜かれて義眼をつけたり、あるいは足がふっ飛んで義足をやったり、あるいは義手をやったり、こういった方々がほとんどなんですね。ですから、そういう方々が体も正常でないのにそういった正常な資料を整備するということにも本人の、行動的にもそうですが、そういったまたあの三十六年前の情勢を一応基準にせぬといけませんので、そういうことでありますので、やっぱり愛情を持ってこれを指導していただく、こういうことにならぬといつまでもこれは実にならぬのではないかと、こう思っておりますので、厚生大臣ひとついかがでしょうか。

森下元晴自由民主党厚生大臣

○国務大臣(森下元晴君) 愛情を持ってということの御質問でございますが、法律はまことに冷とうございますけれどもそこに温かい血を通すのが政治でございますので、特に沖縄の場合には、特殊な全島が戦場になったと、特殊性を考えまして適切な対応に努めてまいりたい、愛情を持って当たらしていただきます。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 ひとつよろしくお願いいたします。  次に、戦後処理の一つに——戦後三十六年、もはや戦後ではないとよく言われておるのです。ところが沖縄には戦後未処理の問題がまだまだたくさんあるわけでありますが、その未処理のものの中にすぐ命にかかわるようなものが散在しておるわけなんです。それは沖縄では、県民は爆弾を抱いて寝ておるようなものだ、あるいは爆弾をまくらにして暮らしておるようなものだ、こういうことをよく言うのでありますが、いわゆる不発弾の処理ですね、いまだにあちこちに不発弾が出まして、この不発弾、いわゆる宅地造成とも関連していまごろあちらこちらで大きな爆弾が出るのです。そのたびごとに避難騒ぎ、範囲が広いというと一区が何時間も避難しなければいけない、こういう状態が今日もたびたびあるわけなんですね。  そして、今度は——その掘り出すまでにもそういった不安と避難があるわけなんです。それを持ち出してくる。こういったことがたびたびまだあるわけなんです。今度はその持ってきたものを、不発弾を廃弾にする、処理しなければいけない。この処理の段階でまた大変なことがあるわけなんです。いわゆる爆風のためにその周辺の——これは基地の中でやっておるのですが、周辺のガラス戸がめちゃめちゃになる、あるいは塀にひび割れが入る、あるいは住宅のブロックの壁がひび割れがすると、こういう生々しい状態が今日も起こっておるのですよ。そのことについてどのようにお考えですか、あるいはその処理計画をどのように考えておられますか。

美野輪俊三沖縄開発庁総務局長

○政府委員(美野輪俊三君) お答えいたします。  御指摘のように沖縄におきましてはなお非常に多数の不発弾がございまして、これが現在も各種の工事の際に発見されるというような状況がございます。これにつきましては、先生御指摘のように種々の危険あるいは住民に対して不安等を与えるというようなことから、私どもといたしましては、それらの発見弾のほかに地元住民からの情報等も得まして、いわゆる埋没不発弾を発掘する等の事業を行っておるところでございます。私どもとしては今後もそういった方向でできるだけの努力を進めていきたい、このように思っておるところでございますし、また住民等に対しましてもそういった情報の提供あるいは発見不発弾の取り扱いにつきまして十分留意されるよう各種の手段を用いまして呼びかけをいたしておるところでございます。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 どうも頼りない御返事、できるだけの努力をしたいという言葉で間に合う返事もありますけれども、この不発弾に関する限りできるだけということじゃこれはどうしても承知なりませんが、いかがですか。

美野輪俊三沖縄開発庁総務局長

○政府委員(美野輪俊三君) この問題につきましては、もちろん発見された不発弾につきましてはこれを迅速にかつできるだけ可能な限り安全に処理をするということが一つのポイントであろうかと、このように思っております。ただ問題は、先生御指摘の非常に多くの埋没不発弾がどこにあるかわからないままになお工事等の際に発見されるというような状況であろうかと思います。これにつきましては、私ども復帰後、埋没不発弾の情報を各種の新聞あるいはパンフレットあるいはチラシあるいは県市町村の広報等を通じまして情報の提供を呼びかけ、得られた情報につきましてはその地域を計画的にこれを発掘するという作業を行っておるわけでございます。  ただ、問題といたしましては、やはり戦後三十数年経過をいたしましてなかなかその辺の情報が少なくなっておるというような問題がございます。私どもといたしましては、可能な限り、あるいはまたそういった情報を持った人たちが高齢化しておる、高齢化しつつあるというようなことも考えまして、そういった情報をできるだけ早急に得られるように今後とも努力をしていきたい、このように考えておるところでございます。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 先ほど申し上げましたとおり、不発弾が大小無数に沖縄に、出ておるのもあり、まだ潜在しておるものも調査されておりますが、幾らまだ残っておると確認しておられますか。

美野輪俊三沖縄開発庁総務局長

○政府委員(美野輪俊三君) どのくらいまだ残っておるかという点につきましてはなかなかに推計のむずかしい問題がございます。ただ、これは地元におきまして不発弾対策のための協議会を設けて種々検討いたしておりますけれども、その協議の席上におきましておおよその推計ということでなされた数量といたしましては、約三千五百トン前後ではなかろうかという推計がなされているように聞いております。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 これは幾らあるかちょっと確認はむずかしい。それは正確な数はそうかもしれませんが、地下二メートルまで埋もれておる不発弾はちゃんと探り当てることができるガイガーという器械があるわけなんですね。それをいま可能な探知によって出たのが約三千五百トンと、こう報じられておりますね、その現在沖縄の地下に埋没している不発弾が。しかもそれが終戦後、爆弾にやられて大きな穴があいておる、その戦争中に落ちて破裂した後にできた穴に今度は戦後集積した爆弾をそこに埋めて、そのまま整地をしてその上に住宅をつくっておるということも、最近わかっておる事実もありまして、これこそもう私が言う爆弾をまくらに抱いてと、そういうことにもつながるわけでありますがね。  そのような不安な、危険な、戦争済んでもう三十六年にもなりますのに、まだ命の危険、不安がある。いわゆる外的条件のアメリカの演習によって山火事が起こるとかあるいは爆音がすさまじくなるとか、緑の山野が爆破されるとか破片弾が民家に落ちるとか、演習が非常に量も質も深くなった、多くなったとか、こういう外的条件もさることながら、今度は地下に埋もれた不発弾があちこちにいっぱいあると、こういうことをぜひ知ってもらわなければいけない。これこそ最優先をしてそれを探り当てたものは早く処置しなければいつ爆発するかわからない、こういう危険きわまりない現状もあるのですよ。こういうことを私は知っておるがゆえに、これはできるだけということでは間に合いませんから、必ず見つけたものは早急にこれを処理していくと、こういうことなんですね。  さらに、困ったことには、そのあちこちで掘り出したものを一応持ってくる、その持ってきたものを糸満の近くのあの島に一時的に集積所の島を持っておりますね。ところが、それが埋め立てに関連して移設しなければいけない。移動しなければいけない。こういうことにまた関連して、その移設先をどこに持っていくかと、こういうことでまたいま非常に困った問題にぶち当たっておるのですね。そういう情勢の中で、今度は一部はその軍の基地内で爆破をして処理をしておるわけなんです。ところが、その露天処理をしておるものだから、基地の中の沖縄とよく言われておりますね、その爆破の爆風が、キャンプ・ハンセンのあの基地の中でそれが処理されておりますので、その爆風で先ほど申し上げたガラス戸が壊される、たんすの上に置いた物はがらがらと落ちると、こういう状態なんですね。  このことをひとつ思うときに、何としても、予算がないからこれはちょっと困ると、こう言われたらそれこそ困りますので、大蔵大臣、ひとつその不発弾処理にかかわる一切の費用については、責任を持って優先して大臣が考えていただきたいと思うのですが、いかがでしょう。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) 十分検討させていただきます。

喜屋武眞榮第二院クラブ

○喜屋武眞榮君 次に私が申し上げたいことは、沖縄の山野には、いま不発弾の話をしましたがね、丘という丘全部当時友軍はごうを爆破をして下がって、南へ南へと下がっていったんです。時間が来ましたのですぐ結びたいと思いますが、そのためにまだまだ爆破のままにそれを掘り起こしてないところにはいわゆる遺骨がその地下に眠っておるところがあるのですよ。それで今日まで部分的に遺骨が出るというのはそういう状態であるから出るわけです。どうかそのことも御理解いただいて、遺骨の収集も、まあ県民も一生懸命にやりますが、本土からの奉仕的な協力もありますので、どうかそういった費用についても大蔵大臣ひとつ御配慮をお願いいたして、私の質問を終わります。

植木光教自由民主党

○委員長(植木光教君) 以上喜屋武具榮君の質疑をもって一般質疑は全部終了いたしました。  明後日は午前十時から委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後五時三十六分散会      —————・—————

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