予算委員会 第14号
- 発言数
- 668 件
- 登壇者
- 66 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1982/03/25
会議録
○委員長(植木光教君) 予算委員会を開会いたします。 昭和五十七年度一般会計予算、昭和五十七年度特別会計予算、昭和五十七年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。 ―――――――――――――
○委員長(植木光教君) まず、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 昭和五十七年度総予算三案審査のため、本日の委員会に東海大学教授浅田敏君を参考人として出席を求めることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(植木光教君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 なお、出席時刻等につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(植木光教君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ―――――――――――――
○委員長(植木光教君) それでは、馬場官話の一般質疑を行います。馬場君。
○馬場富君 最初に、五十七年度予算の審議に当たって、大蔵大臣並びに経企庁長官に、現下における経済政策上の最大かつ最優先的な課題は何であるかをまず最初にお尋ねいたします。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 五十七年度を迎えて、経済政策上の最優先課題につきましては、われわれといたしましては、景気の落ち込みを極力防いでいくというような点から、既定の予算において公共事業費の前倒し執行を図ったり、また五十七年度においても引き続き七五%以上の前倒し執行をする、あるいは住宅政策、税制を含めましてそういうことをやらしていただきたい、そう考えておるわけでございます。
○国務大臣(河本敏夫君) 大蔵大臣と同意見であります。
○馬場富君 ここで、最近まで辛うじて下支えの役割りを演じておりました民間設備投資においても、輸出の鈍化傾向が今後さらに強まることは間違いないというような状況下にいま来ておるわけでございますが、このままの状況では今後の日本経済は失速しかねない、こういう見方も各方面であるわけでございますが、これにつきまして、関係大臣の御答弁をお願いしたいと思います。
○国務大臣(河本敏夫君) 民間設備投資についてお話がございましたが、大企業の方は大体ほぼ予定どおり進んでおると思います。ただ、落ち込みのひどいのは中小企業の分野でございまして、今後この分野については、どうすれば落ち込みを防ぐことができるか、各企業とも省エネルギー投資あるいは設備近代化投資についての意欲は非常に強いわけでありますが、いまちょっと投資がやりにくいと、こういうことでございますので、今後、どうすれば計画どおり日本の中小企業の設備投資が進行するか、これはこれからの大きな課題であると考えております。
○馬場富君 いま経企庁長官は、大企業は順調にいっておるが中小企業は非常に大変だと。もちろん中小企業の問題は後にお尋ねいたしますが、大手の関係でも電力設備の投資については、民間設備のやはり全体の一割を占めておるわけでございますが、これが最近の状況等では、五十七年度の幅力設備投資は当初より約五千億程度減額するのではないかという、こういう発表も新聞等で行われておりますが、このような状況の中で、やはり政府見通しの七・七%増ははなはだ困難ではないか、こう考えるわけですが、長官どうでしょうか。
○国務大臣(河本敏夫君) 電力投資の動向につきましては通産大臣からお話があろうかと思いますが、設備投資全体につきましてはいまお述べになりましたような見通しを立てております。最近いろいろな調査が出ておりまして、中には大企業の設備投資が落ち込んでおるような調査を発表しておられる向きもございますが、しかし中にはそうではない、大企業の設備投資は非常に依然として続いておるのだと、こういう調査もございまして、私どもはそれらを総括をいたしまして、なお大企業の設備投資はおおむね順調である、このように判断をいたしております。
○馬場富君 いや、長官はそう簡単におっしゃいますが、これは私、一割と申しましたが、やはり二割近くの民間設備の中の位置を占めています。最近の電力需要の低下ということから推しまして、この点については非常に電力側も大変だという声は圧倒的にあるわけですから、やはり長官のおっしゃるそのことばちょっと信用できませんが、通産大臣どうでしょうか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 電力投資が民間設備投資の非常に大宗を占めておることは申すまでもないわけでありまして、われわれも、いまの内需のこうした落ち込んだ状況でございますから、電力投資についてもやはり日本経済を支える大きな要因として、電力業界に対して投資の促進を推進をしておるわけでありまして、大体いまのところでは、電力需要等の問題はあるわけでございますが、一応順調に進んでおるのじゃないかと思います。五十七年度の計画等につきましても、いろいろといま相談はいたしておるわけでございますが、大体五十六年度に比べますと五十七年度は一〇%程度の実質的な投資の増を期待できるのではないか、またぜひそういう方向に持っていかなければならない、そういうふうに考えております。
○馬場富君 ここで、従来の景気調整の手段としては、やはり景気の振興を図る必要があるときには財政効果を一つは手を打たれたわけですが、逆に景気の行き過ぎを抑制する必要があるときには金融面での措置が必要だと、これは政策の原理だと私は思うわけです。そういう点で現在は、いままでの予算審議等もあわせまして、現実面から見ましてやはり財政の役割りが大きく期待されるときである、これが景気対策でも一番大切であると思うわけでございますが、政府みずからイニシアチブをとって総需要拡大政策を採用して、その結果、成長率の引き上げ、失業の減少、経常収支の黒字の圧縮を図るべきということが私は大切であると、こう思うわけでございますが、幸いにも卸売物価はいま落ち着いた状況にもございますし、消費者物価も四%程度の上昇でございますので、総需要拡大政策を採用するについては非常に障害がないんではないか、こう思うわけですが、最近の状況を見ましても、政府は財源不足を理由にして財政の出番を抑えておるという傾向が非常に強いのではないか。こういう点でこれからの先行きが非常に危ぶまれておるわけでございますし、また中長期的にも財政再建をおくらせることになりはしないかというかえって逆効果が出てくるんじゃないか、こういう心配があるわけでございますが、やはりあくまでも当面の財政収支にこだわってこれを変えないつもりか、それとも財政の対策を考えるか、御答弁願いたいと思います。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 経済は生き物でございますから、生き物には生き物らしく対応するということが私は原則だと思います。しかしながら、いままでややもすれば安易に財政に頼り過ぎて、それで不況のときに財政が支援するというのはいいんですけれども、一遍ふくれ上がった予算というのは好況になってもなかなか小さくならない。大きくしたり小さくしたり自由自在にある程度できるということならばいいんだけれども、その結果は、いままでそうできなかったために財政が膨張し莫大な国債残高ができて、すでに五十七年度末には九十三兆円ぐらいになろうというような状態でございます。ここで財政で景気対策をやるといっても、現実にはその財源の問題にすぐ逢着をするわけでございまして、そうすれば、増税はいけないと、それでは借財という以外には方法はないわけであります。ここで大量の公債発行をさらにするということは、むしろ金利の引き上げ、あるいは民間資金の圧迫というような問題になり、またその利子負担、それから返済のために一層の国民は苦痛をしょわなければならないということになります。したがって、財政事情に余裕がないということも現実であります。 一方、世界じゅうの経済というのはつながっておりまして、日本だけが幾ら努力をしても限界があるわけでございますから、日本だけで特別な状況を醸し出せるということはありません。やはり世界の経済の動きを眺めながら、現在の日本経済というものを持続させるための最大限の、弊害の少ないやり方というものはどうかというと、先ほど申し上げたようなことをやりながら、世界経済の状況や日本経済の行方を注意深く見守っていきたいと思っております。
○馬場富君 それでは、大臣はいまのこの不況を切り抜けるために、いまの財政措置ですね、それよりも、やはり先ほどもお話しになりました前倒し程度のことで今回の状況も見守っていくという考え方か、それともその以外に何か対策があるのか、お聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(渡辺美智雄君) いろいろなものをあわして考えていくのであって、たとえば馬場議員が御指摘のように、政府は需要拡大のためにさらに財政的に援助しろということは、何かその、もっと借金でもいっぱいしてばらまけという話だと思いますが、そういうことはする考えはございません。
○馬場富君 では、次にお尋ねいたしますが、景気のてこ入れをするために政府は十六日に閣議決定をいたしましたが、その内容と、今回の対策の中心をどこに設定されたか、お尋ねいたします。
○国務大臣(河本敏夫君) いま景気対策をすると言いましてもいろいろな制約がございますので、さしあたってできることと言いますと公共事業の前倒し、それから災害復旧をできるだけ繰り上げてやるということ、あるいは住宅投資計画の公共住宅関係の上半期の繰り上げ執行、こういうことしかさしあたってはやれませんので、そういう方向で上半期できるだけ繰り上げてみようと、こういうことを決めて、いま準備をしておるところでございます。 そうすると、上半期には相当の仕事の量が拡大できると思うのですが、いまのお話は、現時点の問題ではなく、あるいは後半仕事の量が非常に減ってしまうからその場合にはどうするのかと、こういうお話だと思いますが、政府の方といたしましては後半、世界経済もある程度回復すると見ております。そこで、民間の力もある程度回復すると思いますので、それにつないでいきたいと考えておるわけでありますが、万一この計画どおりならないと、こういう場合にはほっておくわけにはまいりませんから、その時点では適切有効な手段を考えていくということでございまして、現時点はさしあたり公共事業の前倒しを集中してやっていこう、こういう考え方でございます。
○馬場富君 昼飯を、朝食二食して午後は腹が減るという原理と同じように、前倒しというのは、後半のたるみというのは、過去の政府の前倒し実績からいっても、必ず後半には補正を組むとか、そういう形のてこ入れがなされております。そういう点で、適切な処置というのは、そういう点ではやはりこの腹の減ったのをまた補充するようなそういう対策をすることですか、どうですか、長官お願いします。
○国務大臣(河本敏夫君) 万一景気が回復しないと、こういう場合には政府は適切な手段をとると言っておるが、その中身はどうかと、こういうお話だと思いますが、現時点では一体どうしたらよいかということについてはまだ考えておりませんし、相談をいたしておりません。もう少し繰り上げ執行に全力を尽くしまして経過を見たい、このように考えておるところでございます。
○馬場富君 ここで大蔵省に、五十六年度一月末の公共事業契約状況の契約率はどのような数字を示しておるか、御説明願いたいと思います。
○政府委員(松下康雄君) 一月末の公共事業の契約率は八七・二%でございます。
○馬場富君 この八七・二%という高契約率に対して五十五年度同期はどうであったか、また四十年以降で見た場合の水準というのを説明していただきたいと思います。
○政府委員(松下康雄君) 五十五年度の実績の契約率は八二・八%でございます。過去におきまして、契約率の管理を始めましたのは四十一年度からでございますが、今日までの十六年間の一月末の契約実績を高い方から申し上げますと、一番が四十一年度の九〇・三%、二番が五十三年度の九〇・一%、三番が四十六年度の八七・九%でございまして、本年度の八七・二%は高い方から四番目ということになっております。
○馬場富君 今年は高い方から四番目ということになるわけですが、この五十六年度の公共事業の契約がこのまま順調に進めば、最終執行率はどの程度になる見込みですか、御説明願いたいと思います。
○政府委員(松下康雄君) これはまだ各省とも執行中の段階でございますし、特に二月の補正予算でお願いをいたしました災害復旧事業費の消化状況がどの程度になるかということにかかりますので、私どもも数字で見込みをはっきりとお示しをするということのできる段階ではございませんけれども、過去の年次を眺めてみますと、契約の促進年度に当たります五十二年度、五十三年度あたりはいずれも最終の契約率は九八%程度に達しておりますので、今年のように促進を図っており、また今日まで順調に進んでおります年では、最終制には大体そのあたりまではいくのではなかろうかというふうに思っております。
○馬場富君 この程度の推移からいきますと、やはり今年もいままでの状況からいきますと九八%以上出るんじゃないかと、こういう見通しでよろしゅうございますか。
○政府委員(松下康雄君) 九八%以上とまではまだ申し上げられませんが、九八%前後にはいくのではないかと思っております。
○馬場富君 そこで、五十七年度に至っては、さらに五十六年度上期七〇%を大きく上回る七五%の前倒しを予定されるわけでございますので、ここで問題となるのは、五十七年度の公共事業総額が、五十六年度の執行率いかんによっては五十六年度の公共事業総額を下回ることが考えられるわけでございますが、この点はどうでしょうか。
○政府委員(松下康雄君) 五十七年度の契約対象になりますいわゆる予算現額が幾らになるのかということは、実は政府関係機関の認可予算等の決定をいたしませんと出てまいりませんので、計数的にこれを見込むということは大変むずかしいことでございますけれども、大体の感じから申しまして、本年度あるいは昨年度、いずれも契約対象額は十四兆円をやや上回る程度でございますから、来年度におきましてもほぼその程度であるというふうに考えますれば、上期が仮に五%高くなるということでございますと、下期の予算現額は大体その分減少するということに相なると思います。
○馬場富君 ここで、数年の一般会計の公共事業費は横ばいの状況でございますが、財政の伸びも幸い抑制されているので、前年度からの繰越額が公共事業の総額を左右するということが非常に大きい影響になってきておるわけでございます。こういう点で五十七年度の繰越額は一兆一千億円、こういうふうに私どもも聞いておりますし、また言われておりますが、五十六年度、五十七年度とも、予算額は十二兆九千億程度で同規模であり、結果、五十七年度は繰越額の差が三千億円程度前倒しとなってくる、こういう試算になるわけでございますが、この点大蔵大臣はどのように見ておられますか。
○政府委員(松下康雄君) ただいま申し上げました契約率が大体九八%前後にまいるかと申しますのは、契約の割合でございますから、契約率が年度末で高くなることによりまして確かに未契約で繰り越される額は減ってまいるわけでございます。ただ、そのほかに、すでに御承知のように契約済みになっておりまして事業の執行上、翌年に繰り越されるものも来年度の予算現額の中に入ってまいうますから、その部分の方がむしろ大きい金額でございますので、年度末の契約率が上がったから直ちに来年度の繰り越しが減るという関係ではございません。
○馬場富君 補正予算で公共事業の追加を行った場合、そのためにはやはり景気対策としてこの事業は推進しなければならぬと思うわけでございますが、反対に、これに対して景気問題についても前倒しということが非常に大きい意味を持っておるわけでございますが、この点については経企庁長官はどのようにお考えですか。
○政府委員(松下康雄君) 補正追加につきましては、災害復旧事業費を国費で二千六百億円追加をいたしたところでございます。これの執行状況につきましては、まだはっきりわかっておりませんけれども、本年度は積雪量が比較的北の方で少ないというようなことがございまして、事業の進み方が順調だというふうに聞いております。これらは本年度の公共事業の契約対象額を上に引き上げる要素になってございます。
○馬場富君 五・二%の成長を達成させるためには公共事業の果たす役割りは大きいわけでございますけれども、五・二%を目指す上で、追加をするならばどの程度の規模が必要と経企庁長官はお考えですか。
○国務大臣(河本敏夫君) 五・二%経済成長を達成する絶対の条件として、経済の変化に応じて適切で機敏な対応が必要である、こういうことを申し上げておるわけでございますが、それでは一体公共事業の分野でどの見当の追加をするのか、こういうお話でございますが、その点につきましては、先ほどもお答えをいたしましたように、とりあえず上半期最大限の繰り上げ執行をしてみまして、そしてもうしばらく様子を見たい。その上で、世界の経済がどのように動いていくのか、またアメリカの経済がどのように動いていくのか、そういうことを総合判断をいたしまして、その時点における日本経済の情勢もさらに分析し、その後どういう対策をとったらよいかということについて、その時点でよく相談をするということでございまして、現時点でいま御質問のようなことにちょっとお答えしかねる状態だと思います。
○馬場富君 では大蔵大臣に……。 公共事業の増額につきましては、その場合、財源措置として建設国債の増発しかないというような意見を大蔵大臣は過日衆議院の予算委員会等でも御発言になっておりますが、こういう点について、たとえば一兆円の建設国債を発行するような場合に、財政運営への影響というのはどのような影響力があるのかということをひとつ大蔵大臣と経企庁長官にお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(渡辺美智雄君) いま私どもは五十七年度の当初予算の審議をお願いいたしておる最中でございまして、まだ当初予算も成立しない段階で補正予算のことについては考えたことがございません。
○国務大臣(河本敏夫君) 大蔵大臣と同意見であります。
○馬場富君 それでは次に移りますが、ここで、いま櫻内外務大臣も渡米されまして非常に問題となっております日米貿易摩擦の問題について質問したいと思います。 この問題もいまアメリカの委員会等で審議されておるわけでございますが、そういう点で一刻も許されないような状況になってきておるわけでございますが、報道等によりますと、アメリカとECが連合した状況で市場開放を迫ってきておる、こういうふうにも私たち見るわけでございますが、このような国際的な孤立を招きかねないというような、そういうような状況に日本も立たされておるわけでございますが、この点政府はどのようにお考えですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) わが国の国際競争力が非常に強くなっておることは事実でございますから、そういう意味でアメリカあるいはEC双方からわが国の市場開放について要請のありますことは御指摘のとおりでございます。しかし同時に、アメリカーEC間にも農産物を初めとしていろいろな問題があるわけでございますから、どことどこが一緒になってどの国をどうするということよりは、お互いの間でこういう問題はどのように解決するか、そういう問題として私どもは理解をいたしております。したがって、特に日本がそのために孤立をするというふうに考えるよりは、日本として米国に対しあるいはECに対しやるべきことはどういうことかというふうに独自の立場で考えてまいればよろしいことではおいだろうか。問題は重大でございますけれども、考え方としては私はそう思っております。
○馬場富君 ここでECのガットへの協議について質問いたしますが、EC外相理事会はガット二十三条に基づく協議の開始を決定いたしましたが、ここでECの域外貿易において日本のパーセンテージは五%以下である。政府はこのECの決定の背景についてどのようにとらえてみえるか。また輸入制限はむしろECの方が多いのではないかと思うわけでございますが、この点はどうでしょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 二十二条による提訴を具体的にどういう問題について議論をしようとしておるのか、EC側の態度が十分ただいままでのところわかっておりません。したがいまして、具体的にこうという批評、判断をすることがむずかしいのでございますけれども、一部では、少なくともECの事務当局では、このままECと日本あるいはECの加盟国と日本、直接のいわゆる対立になるよりは、むしろガットの場というものへ問題を乗せた方が平穏にと申しますか穏やかに話が進むのではないか、こういう配慮からだという説明をしておる事務当局もございます。したがいまして、これはEC加盟国おのおのによって考え方が少しずつ違っておって、しかしともかく二十二条という方法があるからそこへ問題を乗っけようではないか、こうしたのであろうかという推察をいたしております。 それから、多くのECの国々がいわゆる対日リスト、二十何年来の日本のみを念頭に置いた差別リストを持っておりますことは御指摘のとおりでありまして、これはガットの無差別という最も大切な原則に違反をしておりますことは御指摘のとおりだと思います。
○馬場富君 ここでアメリカの要求を見ますと、農産物、工業製品等に対する市場開放から金融、研究開放へのアメリカの企業の参加という、こういう点にまで一つは言及してきておるわけでございますが、非常にきわめて幅広く、きめ細かいものがアメリカの要求となってきておるわけでございますが、こういった経済全体の攻勢に対しまして、品目別交渉では交渉力も弱いし、総合的対策が必要であるが、こういう点で何かこの問題についての各省の食い違いが起こっておるのじゃないかというような点が感じられるわけでございますが、この点についてはやはり総合政策が必要である、こういうふうに感ずるわけでございますが、この点官房長官と通産大臣にお尋ねいたします。
○国務大臣(宮澤喜一君) この点は昨日も通産大臣から御答弁があり、私からもお答えを申し上げたところでございますが、何かこう個別的、総合的といったふうに表現しますと、大変に違っていることを考えておるのではないかという印象をお持ちであろうかと思いますが、実際には、できるだけのことをひとつできるだけ早くやりたい。それを全部まとめてそっとしておいて、ぱっと幕を切り落としたようにドラマチックにやるということは、なかなか情報の発達したわが国などでは、アメリカでもむずかしいことでございますが、そう注文どおりにはいかないかもしれないが、できるだけのことはできるだけ一生懸命やらなければならないということは、わが国が主体的に考えてさようでございますから、そういうふうに各省は思ってやっておりまして、その間、別段各省庁の間にそんなに考え方に開きがあるわけではない。ただ御指摘のように、アメリカあるいはECからわが国に寄せられております要請なり期待というのはかなり大きなものであり、問題は軽々しく扱ってはならない種類の問題だと思っておりますから、したがって、わが国として最大限の努力をしなければならない局面であると考えております。
○国務大臣(安倍晋太郎君) ただいまの官房長官のお話と同じでありまして、食い違いはないわけでございますが、それぞれこれから対策を進めていきますけれども、その対策をやはりサミット前には一応まとめる、同時にまた、貿易摩擦に対する今後の方針についても政府としての基本的な方向を決める、そういうことで世界に対してわが国の方向を打ち出す必要があるのではないか、こういうふうに私は考えておるわけです。
○馬場富君 ここで農林大臣に、アメリカ側の要求の中で農産物が非常に主体となっておりますが、農林大臣の見解をお聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(田澤吉郎君) 経済摩擦の解消につきましては、政府として非常な重要な案件でございますので、すでに官房長官から御答弁がありましたように、昨年の暮れに経済対策閣僚会議を開いて、五項目にわたる対外経済対策を決定して、その線に沿っていま協議を進めているわけでございますが、すでに農林水産省としては、非常に厳しい中で関税率の引き下げの前倒し、あるいは輸入検査手続等の緩和をいたしてまいったわけでございまして、この結果をアメリカあるいはECに日本の貿易拡大に対する態度を説明をする、また日本の農林水産業の置かれている現状というものをよく説明をしておるわけでございまして、しかしながらいま御指摘のように、アメリカの農産物の市場開放に対する要求というのは非常に強うございます。しかしながら、私たちとしては、いま日本農業は対外経済競争に対応できるような新しい農政をつくろうとして一生懸命なんでございます。ことにいま、たとえば水田利用再編対策を基本としてやはり新しい農業をつくろうと、それがいま新しい農政の芽は点でございますので、それを線にし、面にして、日本の新しい農政を確立しようとしているやさきでございますので、そういうためには何としてもやはり農家あるいは団体に対外経済摩擦というのは大きな負担になっているようでございますので、そういう点では私は対外経済摩擦解消を総合的に判断していただいて、できるだけ農林水産業に影響を与えぬようにしていくのが農林大臣の立場であろう、役割りであろう、かように私は考えておるのでございます。
○馬場富君 ここで私は、個別市場対策の積み上げではなくて、内需拡大とあわせまして外交政策も絡めた統合政策が必要ではないかと、こう思うわけでございますが、こういうためにも政策の調整を行い交渉の窓口となるものを設けて統合機関が必要ではないか。それでなければやはりこれだけの大問題というのは非常にむずかしいではないか。政府はこの点につきまして、そういうような統合機関を設ける考え方があるかどうかお尋ねいたします。
○国務大臣(宮澤喜一君) 便宜私からお答えを申し上げますが、たとえば東京ラウンドといったようなものが進行しておりましたときには、政府は対外経済担当の閣僚を設けましてこれを一括して対外経済関係の閣僚が交渉に当たっておったという経緯がございますことは御承知のとおりでございます。これはしかし、東京ラウンドというような大きなラウンドが進行しておりましたためにそうしておりましたので、それが終了いたしましたから、したがって普通の体制にただいま返っておるところでございます。ただいまの政府のやり方は、対外経済の折衝の第一の責任官庁は外務省である。しかし、御指摘のように、その背景になりますいろいろな国内施策というものがどうしてももとになければならないわけでございますから、そのような施策は経済対策閣僚会議が中心になって練っておりまして、その座長は経済企画庁長官がなすっておいでになる、こういうことで内外の調整をとっているわけでございます。
○馬場富君 ここでアメリカ側の非常にいま攻勢な意見も出ておりますし、また審議の状況もございますが、こういうこともあわせまして政府は、その内容については別といたしまして、時期についてはやはりサミット前に明確な決着をつけなければならないというような状況がなければアメリカがこれを理解しないと、こういうように私たちも見るわけでございますが、その点について鈴木総理はサミット前の包括決着の方に腹を決めたというようなことも報道されておりますが、この点、政府のお考え方はどうでしょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 櫻内外務大臣が今回渡米されまして、大統領、ヘイグ国務長官等々といろいろ話をしておられます。その報告を電報で見ておりますと、櫻内さんとしては、サミットまでという期限を切って考えているのではない。けれども、サミットがあるということは十分念頭に置いておきますと、こういう答えを終始しておられます。それが政府の公式の態度と思いますが、いずれにしてもこの問題は大切であるし、いつまでほうっておいてもいいという種類のことではございません。全力を挙げて急いで取り組むべき問題だと考えております。そうして、場合によりまして、いわゆる日米間の準閣僚会議と申しますのはせんだって開かれました貿易小委員会の上部機構でございますけれども、こういったようなものも活用してはどうかと考えておりまして、したがってサミットという時期にこだわるわけではございませんけれども、そもそもじんぜんと日を送っていい問題ではないと、こういうふうに思っております。
○馬場富君 ここで市場開放とともに積極的に国際孤立を防ぐ政策が私は必要であると思いますが、このためにも産業協力などのきめ細かな孤立化防止策をとる必要があると考えるわけでございますが、ここでコンピューターとか日本のそういうような先進技術に対して再三市場開放要求が出ているわけでございますが、この点についてはどのようにお考えかということと、もう一つは、国内産業は十分市場の開放にたえ得るかどうか、この二点について通産大臣にお尋ねいたします。
○国務大臣(安倍晋太郎君) これはやはり世界の経済の活性化を進めていく上におきましても、あるいはまた貿易摩擦を解消する上におきましても、産業協力ということは非常に重要であると思います。また、今日までわが国は積極的にこれを推進をいたしまして相当な成果を欧米諸国で上げておることは事実であります。民間が主体となってやるわけでございますが、ぜひ政府としてもこれを勧奨してさらに産業協力を推進をしていくということで努力を進めてまいりたいと思います。 そういう中にあって、先端技術の問題もいろいろと論議を呼んでおるわけでございますが、先端技術についてもやはり技術交流という立場から日本とアメリカとの間でも今回スタディーグループをつくりましてこれをお互いに研究をしていくということに相なったわけでありますし、われわれとしても技術研究あるいは技術交流、そういうものは産業協力と相まって新しい産業の分野を開拓するという意味におきまして非常に大事なことでありますので、これは各国協調の中で積極的に取り組んでまいらなければならない、こういうふうに思っております。なおまた、先端技術は、依然として工業製品の諸外国に対する輸出についても非常に批判も出ておるわけでございますが、われわれとしてはやはり秩序のある輸出といいますか、貿易摩擦を回避するためには調和のある輸出といいますか、自動車を初めといたしまして工業製品につきましては、わが国自身の自主的な努力といいますか、自主的な自粛等によりまして摩擦を避ける方向で今日までも進めておるわけでありまして、今後ともそうした基本方針を貫いて、集中豪雨的な輸出ということで諸外国を刺激するということがないように努めてまいりたいと、こういうふうに思っております。
○馬場富君 昨年十二月の経済対策閣僚会議で、貿易摩擦解消の緊急措置として、輸入の促進を図るための外貨貸付制度を今年の一月二十五日に発足さしたわけでございますが、一月二十五日の発足後二月もたっておるわけでございますが、申し込みがほとんどないと、こういうような状況でありますが、この原因はどういうことでしょうか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 輸入促進を進めるための外貨貸付制度を新しくつくったわけでございまして、一応五億ドルという枠内でこの貸付制度を運用していこうということで制度としては発足をいたしました。いま諸外国の申し込み等につきましていろいろと調査をしたり検討をしたりしておるわけでございますが、現在までのところはまだ具体的にこれを実行するというところまで至っていないわけですが、相当作業は進んでおりますので、私はこれは成果を結ぶことになるのじゃないか、こういうふうに判断をいたしておりますし、せっかくの制度をつくったわけでございますから、ぜひともこれを活用して輸入促進に資したいと、こういうふうに思っております。
○馬場富君 やはりこのように対外的に打ち出したことが実行されないということは、こういうことが大きく不信を買って摩擦の原因ともなるわけでございますが、これについては、通産大臣としてもこういう問題を出した以上はきちっと実行のできるような内容にしなければいかぬと思うんですが、こういう点、これは金利面等が問題があるようですが、この点はどうでしょうか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 前回の貿易摩擦の際に外貨貸し制度というものが行われまして、これは航空機のリース等で成果を上げたわけでありますが、今回の場合は、非常に金利等の問題で、多少前回よりは金利が高いと、こういうふうなこともあって、これも一つの原因となってまだ実行というところまで至っていないわけでございますけれども、先ほども申し上げましたように、せっかくつくったわけでありますし、五億ドルというものを設定したわけでございますから、ぜひともこれはいろいろと問題点を整理して、そして実現をしなければならないと、こういうふうに思っておりまして、いま鋭意政府の中で検討を進め、また、諸外国に対してもこの制度の内容等について説明をいたしまして、諸外国との話を進めておると、こういう状況でございます。
○馬場富君 ここで、外交、防衛問題について一、二お尋ねしたいと思います。 日米両国間で極東有事の研究に着手されておるわけでございますが、これはいつごろまでかけて研究がなされるのか、お尋ねいたします。
○政府委員(松田慶文君) お答え申し上げます。 御指摘の、いわゆる極東有事、安保条約六条事態の研究作業は、一月二十一日に作業を開始いたしましたが、特定の時間的な目標を掲げておりませんし、また、作業の内容も多岐にわたりますので、いつごろに仕事をまとめ得るかについては見通しを立てておりません。ただ、感じておりますのは、相当な仕事量でございますので、息の長い仕事になろうかと考えております。
○馬場富君 続きまして、ギン前在日米軍司令官が十七日のアメリカの下院外交委員会で、この問題で、アメリカは、日本が独自の力で宗谷、津軽、対馬の三海峡を封鎖する能力をつけるようプッシュしたということを言っておるわけでございますが、このような要請を日本は受けたことがあるかどうかお尋ねをいたします。
○国務大臣(伊藤宗一郎君) ギン前在日米軍司令官の発言につきましては、その全貌をまだ承知しておりませんけれども、概要を見ます限り、いまお話しのような内容での発言があったとは承知しておりません。いずれにいたしましても、三海峡封鎖につきまして米側から防衛庁に対して具体的な要請があったという事実はまだありません。
○馬場富君 極東有研の研究に当たって、このような要請が議題に上る可能性があるかどうか、官房長官お願いいたします。
○政府委員(松田慶文君) 御案内のとおり、安保条約六条の事態と申しますのはわが国以外の極東における事態についてでございまして、安保条約五条で言うところのわが国に対する武力攻撃が行われるに至っていない状況でございますので、わが国が自衛力の行使としての三海峡云々ということはあり得ないと考えております。したがって、六条事態の研究の中に御指摘のようなことが話題となってくるということは全く考えられないところでございます。
○馬場富君 自衛隊の方にお尋ねいたしますが、この三海峡封鎖のことについては、自衛隊としてもこの点どのように考えておるかということと、自衛隊自身がこういう三海峡を封鎖するような能力を今後考えておるかどうか、この二点でございます。
○国務大臣(伊藤宗一郎君) わが国の有事における海峡防備につきましては、わが国を防衛するため必要最小限度の範囲内で、わが国に対して武力攻撃を加えている相手国に属する艦艇の通峡を阻止する場合もあり得るものと考えております。その通峡阻止を行うに当たりましては、一般的には潜水艦、水上艦艇、航空機等を有機的に組み合わせて用いることとなるものと考えておりますが、その場合、状況によっては機雷を敷設することも与えられます。しかしながら、通峡阻止についての自衛隊の現有勢力は必ずしも十分なものがあるとは言えません。このために、今後防衛計画の大綱に従い所要の防衛力の整備を図ってまいる所存でございますが、大綱の水準が達成されますならば、通峡阻止能力は現在に比べ相当程度向上することになるものと考えております。
○馬場富君 それについての自衛隊は何か計画か目標等を持っておりますか。
○政府委員(塩田章君) 現在、防衛計画の大綱の線に到達することをめどに整備を進めておる、五六中業の作業を進めておるということはかねて申し上げておりますが、その中におきましては、いま大臣が言いましたような海峡防備の問題につきましても能力アップを図るべく、たとえは機雷の所有量でありますとか、あるいは敷設艦艇あるいは航空機、あるいは機雷の実装場といったようなものの整備を図っております。そういう意味におきまして、現在五三中業におきましてもそういった方向の努力をしておりますし、五六中業におきましても防衛計画の大綱の線に到達するということをめどに、そういうことを含んだ作業をいたしております。
○馬場富君 では次に、トロトラスト症の問題に入ります。 長崎と広島で投下されました原爆で死亡した人たちの三倍もの被曝線量がある放射性物質の二酸化トリウム、すなわちトロトラストを造影剤として人体に直接注射したために放射能の被曝によって、がんを初めとする多くの慢性障害を起こしておるわけでございます。その上死亡率も非常に高く、治療は不可能とまで言われておるわけでございますが、これらの人々は大変いま苦しんでおります。また、このようなことを知らずにいる人も多くあると言われております。その点、その経過と調査並びに今後の対策について順次質問をしていきたいと、こう考えております。 最初に、このトロトラストはどのような経緯で開発されたかを御説明願いたいと思います。
○政府委員(大谷藤郎君) トロトラストは、戦前にドイツのハイデン社で開発されまして、戦争中に製造されてわが国に輸入されたものでございます。その当時は、血管の造影剤といたしまして、戦傷者の戦傷部位の血管の状況を調べる効能が非常にあるということで使われたものでございます。
○馬場富君 これはどのような成分を持った薬品でしょうか。
○政府委員(大谷藤郎君) 二酸化トリウムという放射性物質でございます。
○馬場富君 またこの薬の効能については、どのような効能が考えられますか。
○政府委員(大谷藤郎君) 先ほども申し上げましたように、血行障害、肝臓等の状況につきましてその状況を写真に撮ると、非常にそういう効果があるわけでございます。
○馬場富君 いま先ほど説明のありましたこの薬は放射性物質を含むということでございますが、放射性物質でもどのような性格を持った放射性物質ですか。
○政府委員(大谷藤郎君) トロトラストは、人体に取り込まれますと血管壁等に入りまして、肝臓あるいは血管壁等で沈着いたしまして、アルファ線という放射線を出すわけでございまして、これは肝硬変あるいは肝がん等を発生させる可能性が非常に高いということが言われております。
○馬場富君 この薬については、発売当時よりアメリカの専門家や、あるいは一部の研究者の中でも反対があったのはなぜでしょうか。
○政府委員(大谷藤郎君) 発売されました当時は、非常に理想的な血管造影剤ということで開発されたわけでございますけれども、先生がただいまおっしゃいましたように、一部の方面からは、微量の使用でも先ほど申し上げましたように毒性の強いアルファ線が出るということで、使用で慎重にすべきだという意見もあったと聞いております。また、このトリウムは、人体に取り込まれますと非常に排出しにくい物質であって、しかも半永久的に放射線を排出する特徴というものを持っているということでございます。
○馬場富君 日本では、これは軍の病院で第二次大戦の戦傷者に多く使われておるわけでございますが、この使用方法と、それからまたこの注射を戦傷者の本人たちに知らせずに打ったと、こう言われておりますが、この点どうでしょうか。
○政府委員(大谷藤郎君) その辺の事情については詳細わからないのでございますが、いずれにいたしましても四十年以前のことでございまして、当時はただ戦傷者の傷の状態の、血行障害の状況を調べるのに非常にきれいにわかるというふうなことで使用されたものと聞いております。
○馬場富君 この薬については、また軍以外の一般の病院でも患者に使用されたという事実を聞いておりますが、この点どうでしょうか。
○政府委員(大谷藤郎君) 主に戦傷者の戦傷の外科手術のために使われたものでございますけれども、一部は民間に使われたというふうに聞いております。
○馬場富君 第二次大戦中には、ドイツより多量に潜水艦等で運ばれて使用されたと言いますが、その量は推定でも結構でございますが、どのくらいの量これが運ばれて使用されたか、説明していただきたいと思います。
○政府委員(大谷藤郎君) 詳しいことはわかっておりません。
○馬場富君 私が専門、医等に聞いた関係では、これは十万本ほど輸入されて、そしてやはりその半分は使用されたという経過があると。そういう点で、やはり三万人の人たちにはこれは注射されたんじゃないかと、こういうような記録が、またいろんな報告書等も出ておりますが、この点どうでしょうか。
○政府委員(北村和男君) 特に軍の病院で主に使われたというような情報もありましたので、厚生省といたしましては五十二年度と三年度にトロトラストの実態調査を行ったところでございます。
○馬場富君 これについては、開発当時より発がん性があるということは専門家の間に言われておったわけですが、日本では臨床的にはいつごろこの注射をした人たちががんになったということが報告されておりますか。
○政府委員(大谷藤郎君) わが国では、一九五三年日本病理学会雑誌で、肝臓の悪性腫瘍が発見されたという報告が出されております。
○馬場富君 このような発がんの関係については専門家でも非常に問題になって、かつては浜松医大の高橋副学長や、あるいは横浜市立大学の森先生などの有志によって、全国の国立病院のカルテをもとに追跡調査が行われたわけでございますが、その調査データをひとつ説明していただきたいと思います。
○政府委員(大谷藤郎君) 高橋先生がお調べになりました例では、いわゆる低線量の放射線被曝者の追跡調査ということで、剖検総数百四十四例のうち肝臓の悪性腫瘍が九十二例、六五%ということが判明いたしております。また、その間の平均被曝期間は三十・九年、推定のトロトラスト注入量は四ccから三十三ccであったということが報告されております。また、治療法についても検討が進められておりますが、余りいい治療法が発見できないと、こういう報告になっております。
○馬場富君 いま高橋先生の研究の報告の内容が発表されましたが、やはり私もこれをちょっと調査したわけでございますが、二十年から五十年の三十一年間で百四十四人の関係者に当たって、その関係の人たちがやはり肝臓がんで亡くなった人が六五%、その他のがんで亡くなった人が一七%と、全体の死亡の中で八二%ががんの傾向で亡くなっておるという、こういうやはり確率の強い実は表が出ておりますし、また、がんの内容等につきましても、本当にこの薬によっての被害がはっきりとあらわれておるような事実が出ております。それから、この被曝状況におきましても、三十年間で被曝された状況が出ておりますが、これは肝臓では九百八十ラド、脾臓では三千六百八十ラド、骨髄では九百九十ラドというような数字が出ておりますが、これは長崎、広島で原爆の直撃を受けて即死された方の被曝量は約五百ラド程度だと言われておりますが、そういう点からいくと、それの倍や三倍という数字になるわけですが、この点はどうでしょうか。
○政府委員(大谷藤郎君) 先生御指摘のとおりでございます。
○馬場富君 このために厚生省は五十二年、五十三年にこれがための実態調査を実は行ったわけですが、その状況はどうであったでしょうか。
○政府委員(北村和男君) 主として軍病院で使われたということでございましたので、私ども先ほどお答え申し上げましたように、五十二年度と五十三年度で十五万四千人余りの戦傷病者全部に検診の案内状をお送り申し上げました。これに対しまして約三分の一の五万人余りの方々が受診をされました。その結果、それらの方々の体内にトロトラストが沈着している疑いのある方は六百九名であることがわかりました。この六百九名の方に対しまして昭和五十四年度以降年二回定期検診を行いまして、その結果をもとにいたしましてトロトラスト沈着者健康管理委員会、これは専門医の方々で組織をしておりますが、そこでさらに調査をいたしました。二百二十四人の方がトロトラストの沈着者と判定されました。また、この二百二十四人の方々の中で肝臓など腹部にトロトラストが沈着している者が二百五人でございまして、二百二十四人中、肝機能検査で異常値を示した者は九十五人でございます。また、二百二十四人のうち現在までに三十七人の方が死亡されております。
○馬場富君 この患者の方々二百二十四名に対して、その後精密検査あるいは健康管理等が行われておりますが、この精密検査、健康管理によって、この病気の一つは発病の特徴と、それからもう一つは定期検査の健康管理上による効果をひとつ御説明願いたいと思います。
○政府委員(北村和男君) これらの方々に対しましては、先ほどお話を申し上げました健康管理委員会で経過観察をずっと行っております。また、要注意者につきましてはさらに精密検査を行い、必要な場合には治療を受けるようにお勧めを行っておりまして、トロトラストの沈着に起因する疾病の早期発見、早期治療の健康管理体制を確立するように努力をいたしております。 また、この定期検診で肝臓がんが発見された方々には、早期に手術をお受けになり、現在元気に生活しておられる方もいらっしゃいます。
○馬場富君 このようにもう臨床では、確定的にこの薬が障害となって発病し、その人たちが多くがんになるということが証明されておるわけでございますが、この点について国はこのことをいつごろから知っていたかどうか。
○政府委員(北村和男君) 学者の先生方が、四十年代の末ごろにいろいろ御研究になっておりまして、その結果私どもが、特に軍病院で使われたというので、戦傷病者の方々に、先ほど申しました五十二年度、五十三年度で検診を行ったわけでございます。
○馬場富君 いや、私の聞いておるのは、こういう事実がいままでもあり、それからずっと学会等でも報告もされてきておりますし、厚生省、恩給局等についてもこの問題について一部は取り扱っておるわけでございますが、この事実をいつごろから知っておったかどうかということを聞いておるわけです。
○政府委員(大谷藤郎君) 先ほども申し上げましたように、学会では一九五三年にもうそういう報告がなされたわけでございますけれども、厚生省として正式に取り組みましたのは、戦傷者のトロトラストのことが問題になってからでございます。
○馬場富君 厚生省がこれをいつごろ知っておったかということを私は聞いておるわけです。たとえば、厚生省は昭和二十五年にこのトロトラストの使用禁止を行っておるわけです。この点はどうでしょうか。
○政府委員(大谷藤郎君) 先生からそういうお話がございまして、業務局においても調査をいたしましたけれども、トロトラストが医薬品として、私どものいまの業務局の調査では、これが正式に使われていたということではございませんで、したがいまして使用禁止ということも行われていないと、こういうように私どもの調査ではなっているわけでございます。
○馬場富君 私の調べでは、厚生省は三十八年の特別援護法制定のときには、このトロトラスト症を戦傷のやはり対象の中にするということをあなた方も私たちに説明したし、また私も多くの関係者からも聞いておりますが、この点はどうでしょうか。
○政府委員(北村和男君) 当時の詳細な事情については、調査をいたしたいと思います。
○馬場富君 そんな答弁はないでしょう。結局援護法の中でこういうものも論議されたり、あるいは診断の対象にもされたりして、その内容は別としまして、論議もされ、また使用も禁止をされておるわけですから、これを全然知らないというのはおかしいと思うのです。しっかり答弁してくださいよ。
○政府委員(北村和男君) 当時の資料を調べてみますと、やはり三件ほどこの対象者があったということを聞いております。
○馬場富君 恩給局の方にお尋ねいたしますが、恩給局の方がこのトロトラスト症によって被害を受けた方のやはり処置として三十七年にこれを扱った例があるということを、これは書類として持ってみえたんじゃないですか。これを一遍答弁していただきたい。
○政府委員(島村史郎君) 三十七年にトロトラストのがんで発病した人につきましての公務扶助料を支給しております。
○馬場富君 いま説明のあったように、恩給局でも一部このひどい障害者に対してはこのことが論議されておりますし、また厚生省においてもこのことが、一つは意見が出されておったという事実もあるわけですが、このように日本で五万本も使われて、多くの人にこれは使われた。このために多くの人が原因も知らずにいままでに死んでいっているわけです。私は余りにもこれはひどい話だということで取り上げもしましたし、またこのような人が多くあると、こういうことも考えたのでいまここで質問をしておるわけです。厚生大臣、一体こういう責任というのはだれがおとりになるんですか。はっきりと御答弁願いたいと思います。
○国務大臣(森下元晴君) トロトラストの問題につきましては、いま関係局長より御答弁いたしましたが、実はこの問題は四十年前の戦争中の問題とはいえ、放射能物質、すなわちトリウム関係がいまなお体に残りまして、それががんの発病の原因になっておるという点につきましてはまことにお気の毒でございますし、また厚生省として、いま御指摘されましたように非常に手の打ち方が遅かったと、遅いではないかという御指摘も私はごもっともだと実は思っております。そういうことで、遅まきではございましたが、昭和四十九年度以来現在まで引き続きトロトラスト症の研究を行ってきたところでございますし、今後ともトロトラスト症の診断、治療及び沈着者の健康管理についての研究をさらに進めてまいりたい。過去のこととはいえ、まことに患者の方にもお気の毒でございますし、まだ診察を受けておらない方もたくさんおいでになるようでございますし、そういう点につきましても十分配慮をしていきたいと、こういう気持ちであります。
○馬場富君 いま大臣の答弁を聞きましたが、本当にしっかりひとつこの点については取り組んでほしい。本当に原因も知らずに死んでいった人がどれほどあるかわからぬし、またいまなおこのことを知らずにおる人がたくさんいるということです。 ここで、精密検査と健康管理によって、不治の病気と言われたこの病気でも少しは明るみが出ておることを私は現場で見てきました。そういうために、いま戦傷者等でも登録された中でこの診断を受けた人は、三分の一しかまだ受けておりません。また、登録されてない戦傷者にもこういう関係の人が多くあると思われるわけでございますが、これらについて速急なやはり検診の方法等、この推進について、大臣からしっかりとした答弁をいただきたいと思います。
○国務大臣(森下元晴君) ただいま御指摘のありました点、ごもっともだと思いますので、前向きでしっかりやっていきたいと思います。
○馬場富君 もう一点、この薬については、軍の病院以外の病院でも使用されたという事実があるわけですけれども、この点については今後厚生省としてはいかに対処されるお気持ちですか。
○政府委員(大谷藤郎君) 軍の関係者につきましては、把握が比較的容易でございましたので、こういった検査ができたわけでございますけれども、民間の方々につきましては、現在非常にむずかしい状況でございます。したがいまして、厚生省では、四十九年からこういった問題の本体を究明するということで研究をずっとお願いしてきているわけでございますが、今後ともその方面についても一層研究をいたしたいというふうに考える次第でございます。
○馬場富君 次に、総理府にお尋ねいたしますが、これらの患者につきましていかなる補償がなされておりますか。
○政府委員(島村史郎君) ただいまトロトラストの残留者につきましては、その症状が出ているという段階においていろいろの措置をやっておるわけでございますが、しかし私どもも、今後このトロトラストの残留者につきましてはいろいろ厚生省とも連絡し、専門家の御意見も聞きながら何らかの措置を現在の恩給制度の範囲内において実施をしてまいりたいというふうに考えております。
○馬場富君 現状は、死亡された方に家族扶助料がつくという程度でございまして、生存の、苦しんでおる人たちに対しては何らの対策がなされておりません。こういう点で現在の傷病恩給の基準である恩給法の別表を改める考えはないか、お尋ねいたします。
○政府委員(島村史郎君) 恩給法の別表には、御存じのように一項症から七項症まで、それから一款症から四款症までというように、一つの傷病恩給の審査の基準を実は記してございます。その内容も基本的なものを記してございますが、こういうトロトラストというような一つの特殊なものを取り出してここに掲げるということは、いろいろ非常にたくさんの傷病がございますので、その均衡上からも現段階では私は非常にむずかしいというふうに考えております。
○馬場富君 それでは、この病気については発病後三カ月ぐらいで死亡してしまうという人が多いと、こういうような悲惨な状況でございますので、トロトラスト残留者については障害の有無を問わずにやる、傷病恩給の対象にしていくというふうな考え方はどうですか。
○政府委員(島村史郎君) この問題につきましては、いま申しましたように現段階ではそういう傷病の症状があるということが一つの考え方でございますけれども、このトロトラスト残留者のいろいろの気持ちあるいはトロトラストの特殊性というものを考えますと、私どもも今後前向きに何らかの処置を図ってまいりたいというふうに考えております。
○馬場富君 ここで厚生省と総理府両方に私はお尋ねいたしますが、この障害についてはいまお話ししたような悲惨な状況でございますし、私も多くの人たちに会ってみましたが、本当によくがんばってみえるという感じを受けるくらい実は厳しい状況に見舞われておるわけです。多くの友だちが次々と亡くなっていく事実、そしてまた、この体内に入った放射能は再び出ることはないと、こういうような状況に見舞われておりますし、また、この人たちに会って、その言葉から出てくるものは……
○委員長(植木光教君) 馬場君、時間です。
○馬場富君 はい。 そんな補償よりもこの薬を消してほしいと、こういうような悲惨な声が実は返ってきたわけでございます。そういう意味におきましても、どうか――いま高橋先生を中心としてこの問題に一生懸命先生方が取り組んでおるわけでございますが、こういう意味におきましても、この放射性物質の障害というのは、これからもいろんな原子力開発あるいは放射能問題等が人体に与える環境汚染の問題等もあわせまして重要な問題であると私はこう思うわけでございますが、これにつきまして、厚生省と恩給局とも相談されながら研究会等を設けてこの問題について取り組まれることと、この問題について一段と強化されるということについて重ねてひとつ質問をいたします。
○国務大臣(森下元晴君) 悲惨な病気、いわゆる二次的な病気を持たれておる患者の方には一日も早く治っていただくように、また、非常におくれておりますこの研究等の問題につきましては幸い、先ほど御指摘の浜松医科大学の高橋先生なんかが一生懸命やられておりますし、なお、さらに前向きに、この問題については研究、検討をしてまいりたいということを申し上げます。
○国務大臣(田邉國男君) お答えをいたします。 トロトラストの残留者に対する問題でございますが、大変にお気の毒な実情であろうと思います。したがいまして、恩給処遇の問題等につきましては、私自身も大変に関心を持っておるのでございまして、非常にむずかしい問題であるとは思いますけれども、御指摘の次第もございますので、今後とも鋭意前向きに検討をさしていただきたい、かように考える次第であります。
○委員長(植木光教君) 以上で馬場富君の一般質疑は終了いたしました。(拍手) ―――――――――――――
○委員長(植木光教君) 次に、片山甚市君の一般質疑を行います。片山君。
○片山甚市君 去る三月十二日の総括質疑のときに浩徳全部病院についてお尋ねいたしましたが、その以後事実が判明したようでありますから、明確な御答弁を願いたいと思います。 その一つは、牧山理事会長は札幌市での霊園事業に失敗し、その債務五億七千万円を医療法人都病院に肩がわりさせ、かつ、その上、五億円の使途は不明とされております。これは明らかに医療法第四十二条違反ではないかと思いますが、いかがですか。
○政府委員(大谷藤郎君) 三月十五日、十六日、十九日、二十日とわたりまして、東京都が浩徳会から事情聴取をいたしました。浩徳会では、鈴木事業所から資金を借り受けましてこれを宗教法人・東善光寺に対して貸し付けたとのことでございます。医療法人が他から資金を借り入れ、本来の目的から外れた不動産事業に融資するということは、御指摘のとおり医療法四十二条に違反する疑いがあると考えます。しかし、これを裏づける事実関係につきましては、極力その解明に努めまして、厳正に対処していきたいと考える次第でございます。
○片山甚市君 また、これは結果として背任横領罪になると思うのですが、調査し措置をすべきだと思いますがいかがでしょう、警察。
○政府委員(中平和水君) 大変失礼でございますが私ちょっとおくれて参りましたので、最初の質問を十分に承知していないのでございますが、恐れ入ります。
○片山甚市君 都病院の牧山会長に関する件です。
○政府委員(中平和水君) 会長のどの件でございますか。
○片山甚市君 札幌市での霊園事業に失敗し、その債務五億七千万円を医療法人都病院に肩がわりさせ、かつ、その上五億円の使途は不明とされております。これは明らかに医療法第四十二条の違反ではないか、その結果、背任横領罪にならないか。
○政府委員(中平和水君) これは直ちに背任横領になるかどうか、ここで断定――事実関係を私ども確かめなければ申し上げられませんが、そういう本来の業務を逸脱する要するに任務違背行為があり、しかもそれが要するに背任罪の構成要件でございます「自己若クハ第三者ノ利益ヲ図リ又八本人ニ損害ヲ加フル目的ヲ以テ」なされておると、その結果本人に対して損害を与えた、こういう事実が事実関係として明らかになれば、これは背任罪を構成することになろうかと思います。
○片山甚市君 それでは、調査をし措置をされる用意がありますか。
○政府委員(中平和水君) この問題につきましては、すでに警視庁におきまして一応事実関係の把握に努めてまいっておる。したがいまして、その結果、犯罪を構成する事実がございますれば、事柄がそうした社会福祉法人という公の場で行われておることでございますから、厳正に対処してまいると、こういうつもりでございます。
○片山甚市君 牧山理事会長就任以来の財務調査を実施してもらいたいと思いますが、いかがです。
○政府委員(大谷藤郎君) 牧山氏が医療法人浩徳会の理事会長に就任して以来、昭和四十八年から五十四年まで毎年度決算報告が東京都に提出されております。しかし、五十五年度につきましてはまだあれでございまして、速やかに提出をするように指導しているところでございます。これまでの事情聴取によりましても経理内容が不明確な点がございますので、引き続き同法人に対しては厳しく調査を進めるということにいたしております。
○片山甚市君 本人が流用を認め事実が確定している、速やかに告発されるべきだと思いますが、告発の用意はありませんか。
○政府委員(金田一郎君) ただいま先生お尋ねの件は生活保護法の日用品費の流用のことであろうと思いますが、この問題につきましては、先生の御指摘がございました後、早速東京都から事情を聴取し、東京都に対し告発の方向で検討するよう指示したところでございます。その結果、東京都といたしましては、警察等の関係機関とも連絡をとりながら告発について検討しているとの報告を受けております。しかしながら、今日現在では東京都からまだその結論について報告がございませんので、早急に結論を出すよう、引き続き強力に指導してまいりたいと存じます。
○片山甚市君 急いでもらいたいと思いますが、次に現行医療法第六十三条では、医療法人の財務について報告聴取権しかございません。立入監査権のない現在、三省庁連絡会議を直ちに都病院問題で開催し取り組んでほしいと思いますが、それを約束していただけますか。
○政府委員(大谷藤郎君) 三省庁の連絡会議につきましては、医療の諸問題につきまして適確な対応を図っていくということのために設けられたものでございまして、随時必要な意見の交換を行っているところでございます。本件につきましても、この会議の活用を図ってまいる所存でございます。
○片山甚市君 三百名を超える患者、百二十名の職員を擁する病院で横領背任などで倒産し、競売に追い込んだ牧山理事会長一族、病院長、事務長、経理部長などの経営陣の責任は大きいと思います。退陣をさせるべきであると思うのですが、有効な手段、たとえば行政勧告などを具体的に行うべきと思いますが、いかがでしょう。
○政府委員(大谷藤郎君) 本件につきましては、経理の問題とあわせましてこのような事態を引き起こしております役員の責任についてもその事実の解明に努めているところでございます。事実が明らかになりました段階で、不当な行為のありました責任ある役員の交代につきましては、それも含めまして本法人に対しては行政勧告という形で厳正な対応をしてまいる所存でございます。
○片山甚市君 せんだってもお聞きしたのですが、もう一度お尋ねします。 現行医療法第六十三条では、医療法人の財務内容については報告聴取権のみであります。五億円の流用、使途不明金など解明できておりません。したがって、医療法人をつくれば資金流用ができることにもなりかねません。医療法の早急な改正が必要であって、改正に当たって反対意見のあるものは一時見送っても、元園田厚生大臣を言明した法人の財務伝票の押収権付与も含め、医療法人の立入監査権を都道府県知事に付与する法の改正のみだけでも速やかにこの国会に提案してもらいたいと思いますが、いかがでしょう。
○国務大臣(森下元晴君) ただいま元園田大臣も発言されたということでございますし、それもお聞きしております。そういうことで、医療法を改正して医療法人の監督を強化すべきであるというようなお話でございますが、医療法の改正につきましては関係方面との調整を急ぎまして、この国会提出に向かって努力をしてまいる所存であります。 それと、先ほどの都病院一連の問題でございますけれども、経営者としては大変けしからぬ話でございます。ただ問題は、患者の問題、それから職員の問題、そういう問題点が残っておりまして、直接御質問はございませんでしたけれども、そういう点でも十分今後配慮していきたいということをつけ加えさしていただきます。
○片山甚市君 大臣にお伺いしますが、競売などによって病院が廃止されることがないように、いま申されたように患者、職員などについての保障をしかとやってもらいたい。そうして、もう一度医療法の改正については、この国会を通じて必ずやりたいという言明をしてもらいたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(森下元晴君) いま面接御質問がございましたのでお答えしたいと思いますが、この都病院が将来競売が行われるとか最悪の事態になった場合に、この入院患者の問題、それから職員の問題、これは一番大事な問題でございまして、この点入院患者の適正な医療の保障、これに万全を期したいと、そういうことで厚生省といたしましては、病院経営の円滑な継続が確保されるよう、東京都との絡み合いもございますし、緊密な連絡をとりまして最大限に努力をしてまいります。 それから、医療法の問題でございますが、これも所期の目的――前の国会でも用意はいたしたわけでございますが、残念ながらだめになりましたが、今回はぜひ医療法を山さしていただいて、目的が達せられるように全力を挙げることを申し上げます。
○片山甚市君 それでは、血液行政についてお尋ねいたします。 本年四月より献血手帳の供給記録欄が廃止され、手帳の有無にかかわらず、必要な人が必要なだけいつでもどこでも輸血を受けられるということになりました。そういうようなことについての趣旨を説明願いたいと思います。
○政府委員(持永和見君) 先生御案内のとおり、わが国の献血制度は三十九年に閣議決定がございまして、献血した人は献血手帳にその旨を記載いたしまして、輸血の際に優先還元を受けるといういわゆる預血的な運用によって進められてきたわけでございます。しかしながら、預血的運用につきましては、健康上の理由で献血できない人の問題がございます。あるいは手帳をめぐるトラブルの問題がございます。あるいはまた、最近の輸血学あるいは血液学、そういった進歩に伴いまして、血液の有効利用というような観点から成分輸血が普及するといったようなことがございまして、そういう意味合いで、献血手帳の問題をめぐっていろいろ問題がございます。そういう意味で、これから本当の意味での献血制度の発展、先ほどおっしゃいましたように、いつでもだれでも献血を受けられるというようなことのために、従来の預血的運用を改めることにいたしまして、献血手帳にいままで書いてございました優先還元に関する記載とかあるいは供給記録欄、そういったものを削除することにしたわけでございます。
○片山甚市君 その代償としてどのようなメリットを国民に与えておりますか。
○政府委員(持永和見君) この場合に、私ども国民に対するサービスといたしましては、これまでは血液検査の結果異常な値と申しますか、異常値を示した献血者に対してだけ通知しておりました肝機能あるいはコレステロール、そういった測定等の結果、これは六項目の生化学検査がございますが、そういったサービスの結果を、献血者の善意にすべて報いるというようなことと、あるいはそういった献血された方々に日常の健康管理に役立ててもらうというような趣旨から、献血者全員に、これまでは異常値を示した献血者にだけ通知しておりましたものを、献血者全員にそういった六項目の生化学検査の結果を通知をするというようなことをすることにいたしております。
○片山甚市君 そういたしますと、まず、献血と輸血の需給の推移、この二、三年の前年度比を対比しながら血液の成分製剤、存血分画製剤についてどのような推移をたどっておるか、お示しを願いたいと思います。
○政府委員(持永和見君) お尋ねの血液製剤の推移でございますけれども、まず、献血された血液から申し上げますと、製造された血液製剤、これが五十五年、五十六年を申し上げますと、全血製剤が五十五年が二百六十五万一千本、五十六年が二百五十四万二千本でございます。それから、血液成分製剤が五十五年が七百二万三千本、五十六年が九百十四万三千本でございます。このうち、供給された血液製剤、実際に使われました血液製剤は、全血製剤が五十五年が二百五十一万九千本、五十六年が二百三十八万五千本でございました。血液製分製剤が五十五年が五百九十四万本、五十六年が七百六十五万六千本でございます。 なお、分画製剤でございますけれども、分画製剤につきましては、五十五年が約一千九十一万五千本でございます。それから、五十六年が一千四百八万六千本というような経過になっております。
○片山甚市君 そこで、現在及び将来にわたることでありますけれども、絶対量の確保対策としてどのような考えを持っておられますか。
○政府委員(持永和見君) 血液につきましては、できるだけ献血で量を確保するというのが一つの大きな前提だというふうに思っております。私どもといたしましては、今回、預血的運用を改めましたけれども、従来にも増して血液量の需要が伸びるということが予想されますので、今日までも、先生も御承知のとおり、おおよそ献血は約一〇%程度伸びておりますが、それ以上の伸びを確保するというような決意で行政的な対応をしていかなきゃならぬというふうに考えております。 この場合に、具体的な方策といたしましては、まず、今回の改正の趣旨につきましては、都道府県なり日本赤十字社と一体になりまして、献血団体、献血組織、献血推進者あるいは医療機関、そういったものに対しまして、今回の改正の趣旨を十分御説明いたしまして、今後の協力をお願いしたい。 また、啓蒙普及といたしまして、従来にも増してテレビ、ラジオ、新聞、そういった広報媒体を通じまして正しい献血思想の普及に努めたいと思っております。この場合、特に現在地域別な格差もございます。それから、冬季あるいは夏季、そういった時期的なばらつきもございますので、そういったものに対する対策を十分講じたいということ、それからもう一つは、やはり献血は次代の青少年層、そういった人たちに対しまして十分献血思想を浸透させ、そういった人たちにそういう献血への理解と意識を深めてもらうことが必要だと思っております。そういった意味で、小学校生、中学校生、高校生、そういった人たちに対します啓蒙普及、こういったものに努めてまいりたいと思っております。また、一応会社とか事業所、労働組合、そういった組織、職場組織あるいは地域組織、そういったところでの献血組織づくり、こういったものも非常に大事でございます。大変御熱心に職場であるいは組合でこういった献血運動をおやりいただいているところもあるわけでございまして、そういった組織づくりの育成をさらに進めていきたいというふうに考えております。 私どもといたしましては、大体こういった形で今後とも献血思想の普及あるいは献血の推進、そういったものに全力を傾けていきたいというふうに考えております。
○片山甚市君 業務局長の言葉はいただけません。できるだけ献血でというのは、裏の言葉で売血もあるということでありましょう。 さて、それならば、WHOいわゆる世界保健機構の第二十八回総会で、血液及び血液製剤に関する計画が出されておりますが、それを説明してください。
○政府委員(持永和見君) 御指摘のありましたWHOの勧告でございますが、一九七五年の五月に出されております。この勧告につきましては、まず、「加盟国に対し、以下の点について要請する。」ということで、一つは、「無償献血を基本とする国営の血液事業を推進する」ということでございます。それから二つ目は、「血液事業の運営を管理するための効果的な法律を制定し、献血者と血液、血液製剤の受血者の健康を保持。増進をするために必要な処置をとる」ということでございます。それから、加盟国以外に、事務局長に対しまして要請がなされておりまして、事務局長に対する要請の主なものは、「加盟国に対して、赤十字社連盟と適切な協力のもとに無償献血を基本とする国営血液事業の発展について協力を続行する」、それから、「無償の供血を基礎とした血液製剤の充分な供給のための国家間の協力を確立するため後援する」といったようなものが主な内容でございます。
○片山甚市君 それ以外に、開発途上国に対する等ありますが、さてそれならば、いわゆる日本の献血組織は、いま無償の献血を基本とする国営の血液事業というふうになっていますか。どういうシステムですか。
○政府委員(持永和見君) 日本の血液事業は、昭和三十九年の閣議決定に基づきまして、現在輸血用の血液につきましてはすべて献血で賄う、こういうようなことになっております。ただ、血漿製剤、こういったものにつきましては、必ずしも献血のみならず、外国からの輸入のものあるいは有償血、そういったものもあるわけでございます。
○片山甚市君 それならば、血液問題研究会が設置されて、そうしてその意見はいまの部分についてどうなっておりますか、説明してください。
○政府委員(持永和見君) 血液問題研究会につきましては、こういった売血の取り扱いにつきましては公共機関による分画製剤の製造といったものを勧告されておるわけでございます。
○片山甚市君 納得できない。 こう書いてあります。「分両製剤製造のための血液は、献血を一層推進することによって、その必要量を確保し、一日も早く売血や輸入血漿に頼らなくともよいよう努力すべきである。成分製剤については血液センターの機能を整備し、医療機関で採血しなくともよいような供給体制の確立を図るべきである。」と言われておりますが、そのようにやってこられましたか。これは昭和五十年に決めたことです。いま五十七年度の予算を審議しているところですが、それについての取り組みはいかがでしょう。大臣か局長。
○政府委員(持永和見君) 血漿分両剤についても、先生御指摘のように、そういった売血から献血へできるだけすべきだというような御指摘がその研究会から出されております。それで私どもといたしましては、方向としてできるだけそういう方向で努力したいということを考えておるわけでございますが、実はそういった意味で、ことし、日本赤十字社におきまして血漿分両製剤についても製造することを現在準備いたしておりまして、五十八年度からは北海道に製造工場をいま建設中でございますけれども、五十八年度からこの製造が始まります。そういった形で、私どもといたしましては血漿分画製剤についてもこういった日本赤十字社、そういった公的機関によります製造をできるだけ拡充するということで、従来の、できるだけ献血に頼る、献血を中心とした血液製剤に移行していきたいというふうに考えておるわけでございます。
○片山甚市君 そういうことは、それでは血漿分画製剤の原料である血漿を外国から昭和五十一年から五十六年までどのように買ったかについて説明してもらいたい。
○政府委員(持永和見君) 輸入血漿の御質問だと思いますけれども、輸入血漿につきましては、五十一年が一万九千五百三十七リッター、五十二年が三万三千二百五十リッター、五十三年が八万六千二百二十七リッター、五十四年が十七万三千七百十七リッター、五十五年が十七万三千三百五十七リッター、五十六年が二十万七千三百七十二リッターという輸入をいたしております。
○片山甚市君 御説明のように、昭和五十一年から五十六年では十倍にふえておるわけです。減らしたことになっていますか、それで。売血を、いわゆる輸入血を減らすことになっておりません。説明してください。
○政府委員(持永和見君) 御指摘のように、輸入血漿は大変需要が伸びておりますけれども、一方、血漿分画製剤に対する需要が最近非常にふえておりまして、そういうこともございまして、一方、私どももできるだけ献血の推進を図っておりますが、実際問題としてそれがそれに追いつかない。分画製剤に対する医療的な需要の方が非常に増大しているというような結果、こういうことになっているのだというふうに考えておるわけでございます。
○片山甚市君 血液問題研究会は、昭和五十年に開いたときに、いわゆる今後すべて献血で賄いなさいと言われておるのですが、それではこれからどういうようなプロセスをもって賄っていきますか。
○政府委員(持永和見君) 先生御指摘のとおり、私どもといたしましてもできるだけ血液は献血で賄うというのを基本にし、またそういう立場でWHOの勧告などもございますので、そういったWHOの勧告を尊重してわが国の行政を進めていかなきゃならぬという気持ちを持っておるわけでございますが、具体的には先ほど申し上げましたように、日赤などが分画製剤の工場をつくりまして、それで分画製剤の製造を始めるということをいたしておりますので、そういったことを大いに拡大いたしまして、できるだけ献血中心の血液供給に改めていきたいというふうに考えております。
○委員長(植木光教君) 午前の質疑はこれまでとし、午後一時委員会を再開し、片山甚市君の質疑を続けます。 これにて休憩いたします。 午前十一時五十四分休憩 午後一時三分開会
○委員長(植木光教君) 予算委員会を再開いたします。 昭和五十七年度総予算三案を一括して議題とし、休憩前に引き続き、片山甚市君の質疑を続けます。片山君。
○片山甚市君 午前に引き続きまして、血液の問題についてお伺いします。 通関手続はどのようにとられてこの売血を入れておるか、その数量はどういうことか、御説明願います。
○政府委員(垣水孝一君) 血液あるいは血液製剤につきましても、輸入の手続は一般貨物と同様に輸入申告手続をしていただいて入れているわけでございますが、血液関係のものにつきましては薬事法の関係から輸入販売業の許可と、それからそれ自体の輸入の許可それぞれ厚生省の二種類の許可証を添付するということで、それを確認して承認の許可をいたしております。 なお、血液の輸入の実績につきましては、実は生の人血につきましては通関の統計上特掲されておりませんで、医療用の動物性物質のその他に入っておりますので、実は統計上輸入実績が把握できておりません。しかしながら、昨日、とりあえず成田の支署及び伊丹の支署に最近の輸入について照会いたしましたが、これは実績はないという報告を受けております。 ただ、治療用に人血を原料としてつくった製剤は加熱人血漿たん自製剤及び加熱人血清アルブミン製剤という分類になっておりまして、五十四年で二百八十八トン、五十五年で三百八十四トン、五十六年で八百八十六トン、五十六年は金額にいたしまして二百六十七億七千三百万円でございます。
○片山甚市君 厚生省にお伺いしますが、それでは有償採血として分画製剤に使われた数は五十一年から五十六年度とうなっておるか、日赤の血液である転用血は同じくどうなっておるか、説明してください。
○政府委員(持永和見君) 有償採漿と転用血の御質問でございますが、まず有償採漿から申しますと、五十一年が三万八千四百三十四リッター、五十二年が三万二千百四リッター、五十三年が三万六千百三十四リッター、五十四年が四万二千二百六十リッター、五十五年が四万二千二百十五リッター、五十六年が五万六千八百九十一リッターでございます。 転用血でございますが、転用血は、五十一年が四万六百八十七リッター、五十二年が四万七千三百七リッター、五十三年が三万六千四百二十三リッター、五十四年が三万六百四十二リッター、五十五年が三万四千八十三リッター、五十六年が三万五千五百七リッターでございます。
○片山甚市君 昭和五十六年では二十九万九千七百七十一リッターをいわゆる輸入血漿、転用血、有償採漿ということでそれぞれ売血として受け入れた形になっています。こういうものをなくしていくためには献血はどのような体制をとらなければならぬか、厚生大臣の方からお答え願います。
○国務大臣(森下元晴君) 片山議員たびたび発言されておりますように、この輸血の問題は、いわゆる献血という制度に一〇〇%頼ることが最も望ましいと私も実は考えております。血といえども自分の体の一部でございまして、これを愛の精神をもってお困りの方に差し上げる、使っていただこうという基本的な考えがあって初めて献血という言葉が生きるわけでございますので、いま外国からたくさんの血が買われておったり、また国内でもたくさんの血が売られておる、また買われておるというようなことは望ましからざることでございますし、先ほども話が出ましたが、昭和三十九年の八月に閣議で献血の推進というようなことで血液事業の基本理念はその当時から確立されておりますが、残念ながら実態はそうでないということでございますので、健康な人々が不特定多数の人々のために無償で血液を提供するという精神にのっとって今後血液事業政策を進めてまいりたい。いろいろいま御指摘されましたような問題等につきましては、極力早く改めまして献血一本で行われるように、そして多くの方々が輸血によって救われるように、こういう高い理念を強力に積極的に進めてまいりたいと思っております。
○片山甚市君 具体的にどのようにお進めになりますか。担当者から。
○政府委員(持永和見君) 具体的な方策としては先ほども御説明申し上げておりますが、まずは献血思想の啓蒙、普及を図るということが大事なことではないかと思います。それからもう一つはやっぱり献血のための組織づくり、いろんな形での組織づくりについて、できるだけそういった形で推進を図っていくということが必要であるかと思います。 それから、先ほども申し上げておりますように、一つは具体的には血液分画成分製剤につきまして日赤でも製造を始めるということにいたしておりますので、そういった日赤による分画製剤の製造の拡大を積極的に図っていくというようなことが大事なことじゃないかというふうに考えております。
○片山甚市君 そこで採血場所について、どのように献血車が来ておるか、これを説明願います。
○政府委員(持永和見君) 現在の献血の状況、採血の状況でございますが、日赤によります移動採血車による採血が八割程度を占めているというふうに考えております。
○片山甚市君 いま説明があったように、大阪だけでも七六・二%が移動採血車、血液センターは一三・三%、出張所は七・九%、その他二・六%でありますから、もし採血をする、献血をしようとすれば、移動採血車が職場あるいは街頭に出て採血をお願いしなきゃなりませんが、その採血車は十分に間に合うのか、今後どのようにふやしていくのか、説明をしてもらいたい。
○政府委員(持永和見君) 現在、移動採血車は五十六年度末で二百九十九台整備をされております。経年的に申し上げますと、五十二年二百九台、五十三年度二百二十二、五十四年二百四十二、五十五年二百六十八、五十六年二百九十九と各年度それぞれふえておりますが、私どもといたしましても、いま先生の御指摘のありましたように献血の中心が移動採血車ということになっておりますので、この整備について十分努力をしなければならないというふうに考えております。
○片山甚市君 予算的措置はどういうことになっていますか。
○政府委員(持永和見君) この移動採血車に対します予算の措置は、地方公共団体の整備いたしますものとそれから日本赤十字社の整備いたすものがございますが、地方公共団体あるいは日本赤十字社に対するこの整備につきましては、地方交付私の中の血液対策推進費の中に移動採血車の購入金額が入っております。そのほかにこの移動採血車につきましては公益補助金、いろいろな意味での公益補助金の補助をもらって整備をしているという実態でございます。
○片山甚市君 地方公共団体はそれで十分に移動採血車を確保できる――まさかボートや競輪からお金をもらって、いわゆる車の寄付でやっているということはないですね。ばくちで車をつくっていませんねと言っているんです。
○政府委員(持永和見君) 最近につきましては、移動採血車についてそういった先生御指摘の金額を回したケースはございません。
○片山甚市君 自治大臣にお聞きしますが、いまのようなことでありますから、地方公共団体として具体的にこの要請にこたえられるように御指導を願っておりますか、お伺いします。
○政府委員(土屋佳照君) 自治省といたしましては、通常必要な財源は手当てをしておるつもりでございます。
○片山甚市君 車。
○政府委員(土屋佳照君) 基準に従って交付税で措置をいたしております。
○片山甚市君 保証をすると言っておるのですから、これ以上追及しませんが、さて、今年度も六百三十万を超える人たちが善意で献血をしてくれております。この人たちに対してどのようないわゆる善意に報いる措置をとるのか。この人たちが献血をする勇気を持たなきゃできませんから、具体的に施策を示してもらいたいと思うんです。
○政府委員(持永和見君) 献血をされました善意の方々に対しましては、先ほどもちょっと御説明いたしましたけれども、私どもいろいろ肝機能検査、そういった生化学検査をいたしておりまして、そういったことで健康管理に役立てていただきたいというふうなことで肝機能、コレステロール、そういった意味での六項目の生化学検査をサービスとして結果を通知さしていただくということにいたしております。
○片山甚市君 それだけでは十分でありませずに、勤務の関係あるいは環境の問題等整えなきゃなりませんが、具体策はないようでありますから、これはこの程度にとどめます。 そこで、新鮮血、保存血、分画製剤に必要なもの、成分製剤等の話が出てきましたが、特に院内採血が今度ふえておりまして、献血に協力した者の家族が入院した場合に、病院によってまた院内採血を再びとられます。特に私立大学病院はその傾向が多いと聞くのでありますが、その理由、そして国立、公立病院では皆無であるというのはなぜそうなんでしょうか、御説明を願います。
○政府委員(持永和見君) いわゆる病院内の採血でございますけれども、こういった病院内の採血があるいは血液センターが供給しない血液製剤を必要とするといったような場合とか、あるいは採血画後の新鮮血液が必要で、お医者さんの判断によって心臓病手術などのように採血直後のものが必要だというようなこととか、あるいは血液製剤の有効期間の問題がございまして、そういった意味で供給が距離的には不可能だというような場合があるわけでございまして、こういった場合に院内採血というようなことがあり得るわけでございますが、残念ながらまことに申しわけありませんけれども、私ども院内採血の具体的な正確な実態を、実は調査をしておりますけれども、なかなか実態が把握できないと、こういうようなことでございまして、こういった院内採血の状況が先生御指摘のように最近ふえつつあるというようなことも聞いておりますので、私どもといたしましては、この院内採血の状況について調査の仕方を少し工夫いたしまして、その状況を十分把握した上で対策を考えていきたいというふうに考えておりまして、現在のところ、まことに申しわけございませんけれども、院内採血の具体的な全国的な状況が私ども正確につかみ切れてない、こういうような状態になっております。
○片山甚市君 院内採血が最も今日的にいえば患者の負担、家族の負担になっておることでありますから、この解消のために十分に検討し、調査をして、その対策を立ててもらいたい。要望しておきます。 そこで、院内採血の機能については、これをひとつ法律的に規制をする方法はできないか、検討願えないかどうか、お答えを願います。
○政府委員(持永和見君) 先ほど来申し上げておりますけれども、医療に必要な血液は原則として献血で賄う、こういうことで私ども方針を打ち立てておって努力をいたしておるわけでございますけれども、院内採血の問題について先生の御指摘のようなことにつきまして、まず一つは、問題は血液センターの機能をできるだけ強化いたしまして、そういった院内の採血需要、そういったものに対応していく、そういった体制をつくっていくことが必要じゃないかと思います。それからもう一つは、やはり医療機関の問題、あるいは輸血の専門家、こういった方々との連携を密にいたしまして、お互いに十分に連携をとりまして、輸血医療の万全を期していくということが必要じゃないかと思っておりますので、そういった方向で具体的な措置を講じてまいりたいというふうに考えております。
○片山甚市君 厚生大臣にもう一度お聞きしますが、今日外国から売血を買って分両製剤をつくっておるようなことは、世界GNP一〇%を得ておると言われる日本の国としては、エコノミックアニマルとしての評価があっても尊敬をから得ることはできないと思います。これをどのような程度で早く解決していくのか、これについての御所見を願って、絶滅のために御努力を願いたいと思いますが、いかがでしょう。
○国務大臣(森下元晴君) 輸血の問題は、人類愛に基づく精神的な問題もかかわり合っております関係で、まず自分の国でそういう方々のために貴重な血を献血していただく。どうしても足らない場合には外国からお願いする場合もあるかもわかりませんけれども、先ほどからのいろいろ御質問また御意見の中で、また私どもの答弁の中でも、かなりの量が外国から入っておる、まことに一言で言えば恥ずかしいような状況でございまして、この点やはり献血の意義、またこの血液事業の基本的な理念というものを十分啓蒙、啓発をいたしまして、そして献血によってそういう必要な方々に供給をすると、こういう精神的な面また予算上の配慮という両々相まちまして、外国から入る量をできるだけ少なくして、少なくとも外国から見た場合に、日本ではやはりお互いのいわゆる相互保障、社会保障的な考えが進んでおるというような、そういう模範的な体制を築く必要があると、こういうことで、今後とも御指摘のように厚生省としてこの問題には全力を挙げて取り組んでいきたいことをお約束申し上げます。
○片山甚市君 そして、人体からいただく血液の問題以外に、人工血液の問題について神戸大学が三百件余りの臨床実験をしているようでありますが、将来の展望についてお伺いいたします。
○政府委員(持永和見君) 先生御質問の、いわゆる人工血液というような形で神戸大学で臨床試験が現在行われておりますのは、ミドリ十字から製造承認が申請されておりますフルオソールDA二〇%というのがございます。この品物は、五十五年の十月に申請されまして、現在中央薬事審議会におきまして審議が行われておる、こういうような段階にございます。なお、この品物は、いわゆる緊急時の酸素運搬機能、そういったことを目的としているものでございまして、血液の持っております栄養補給でございますとか、そういった生理的機能のすべてをこれによって補い得るというものではございませんで、この製品は全体として血液にかわり得るものだというふうには私どもとしても考えておらない、考えられない、そういう製品であるというふうに思っております。
○片山甚市君 そのようなことでありますから、人間の体からとれる血液については、一滴といえども大事に使って医療のために尽くしてもらいたいと思います。 さて、先日厚生省が「保健医療の将来展望」ということで発表したときに、胃がんが減り、肺がんが二〇〇〇年にはトップを切るということになっていますが、その研究結果について御説明を願います。
○政府委員(三浦大助君) 「保健医療の将来展望」によりますと、二〇〇〇年におきます主要死因及びその訂正死亡率を出してあるわけでございますが、その第一位はがんということでございまして、人口十万対七十九・七八、それから第二位が心臓疾患でございまして、人口十万対四十・四九、第三位が脳卒中でございまして、人口十万対二十四・一八となっているわけでございますが、この中でがんにつきまして、第一位が男性は肺がん、それから女性は胃がんということでございます。それから、第二位は男性が胃がん、女性が肺がん、それから第三位は男性が肝臓がん、女性が乳がんとなっておりまして、胃がん、子宮がんにつきましては現在に比べて低下していきまして、一方において肺がんと乳がん等は増加するということが推計されておるわけでございます。
○片山甚市君 そこで、そのがんのふえる原因について説明をしてください。
○政府委員(三浦大助君) このがんの増加でございますが、胃がん、それから子宮がん、これらは減ってくるわけですが、肺がんは増加いたすわけでございますが、これらにつきましては、まだ原因等につきましていろいろ説はございます。環境因子もございますし、たばこによる問題もいろいろ提起されておるわけでございますが、そういった環境因子によって肺がんが増加するのではないかというふうに見ておるわけでございます。
○片山甚市君 国立がんセンターの研究所疫学部長の平山雄さんはこう言っています。 私の予測でも、一九八〇年代の終わりか九〇年代の初めには肺がん死が胃がん死を抜くと見ている。今後肺がんの増加が鈍るかどうかは現状では見通しは暗い。喫煙率は相変わらず高いし、中でも若年、女性の喫煙者がふえているのが悲観材料だ。女性の肺がんも急速にふえている。肺がんだけではない。最近では男は直腸、結腸がん、女性は乳がんなどもふえてきている。まさにがんの多党化現象だ。それだけ闘うべき敵が多くなっているわけで、予防、医療の両面から対策の拡充が急務になっている。 と言われていますが、肺がんの検診はどういうふうになっていますか。
○政府委員(三浦大助君) 現在、肺がん検診につきましては結核検診の中でやっておるわけでございます。
○片山甚市君 肺がんに対する検診という特に施策は講じられておりませんか。
○政府委員(三浦大助君) 私ども、いま特に肺がんを取り上げての検診はやっておりませんが、今後肺がんがかなり増加するということもございますので、五十七年度予算の中に肺がんの調査研究、この中でいろいろな検診問題も検討するわけでございますが、一千万ばかり予算を組ませていただいておるわけでございます。
○片山甚市君 厚生省がいかにやる気がないかということがよくわかりましたが、一九八〇年四月七日、第三十二回世界保健デーのいわゆる「喫煙か健康か選ぶのはあなた」というところで出されました勧告の内容について御説明を願います。
○政府委員(三浦大助君) WHOの喫煙制圧専門委員会がこれはつくったものでございまして、その勧告を読み上げますが、一つは、非喫煙活動の促進ということでございます。それから二つ目は、たばこ販売、消費の促進の禁止、それから三番目は、たばこの輸入振興策の抑制及び製造産業の縮小、それから四番目は、政府による喫煙による危険性を持つ特定産業における喫煙の禁止計画の策定及び法的規制の導入、それから五番目が、紙巻きたばこから排出する成分の上限の設定、これはタールとかニコチンとか一酸化炭素でございます。それかう六番目が、たばこ包装への健康への注意書き、含有量の表示の義務づけ、こういうことが中に盛られております。
○片山甚市君 厚生大臣、まずそのことについて実施をする用意をし、手続をとっておられますか。
○国務大臣(森下元晴君) たばこの問題は、嗜好品、しかもこれが非常に吸い過ぎ等による健康上の害があるということは承知しておりますし、厚生省としては、たばこをできるだけやめてもらいたいと、そして特に青少年のそういう習慣もやめたいということはございますが、なかなかこの問題につきましては、具体的に強い規制をするというところまで実は至っておりません。 具体的な問題につきましては担当官より説明させます。
○片山甚市君 大蔵大臣の所感を聞きたいんですが。
○国務大臣(渡辺美智雄君) たばこはいい嗜好品でありますから、害のない程度にお吸いいただきたいと思っています。
○片山甚市君 それでは、これは東京保険医協会が出しておるパンフレットなんですが、厚生省もわかっていますが、たばこを吸うとなりやすい主な病気は何ですか。いい嗜好品だと言うけれども、説明してください。
○政府委員(三浦大助君) 主な病気といいますと、やはり一応肺がんが疑われておちわけでございます。あと、まあ気管支系統の病気がございます。それから……
○片山甚市君 具体的に。
○政府委員(三浦大助君) たばこを吸いますとなりやすい病気といいますのは、がん、特に口腔がん、喉頭がん、食道がん、肺がん、こういうものがございます。それから慢性気管支炎のようなものも疑われるわけでございます。 それから心臓疾患といたしまして、狭心症とか心筋梗塞、それからあと胃の方にまいりまして、胃がんとか十二指腸潰瘍あるいは胃炎、それからさらにがんで、一応肝臓がんとか膀胱がんなども非常にたばこに関係があるのではないかということは言われておるわけでございます。 なお、妊娠中の女性がたばこを吸いますと、これは量によりますけれども、非常に胎児に、低体重児と申しますか、体重の低い赤ちゃんが生まれるとか、あるいは死産の傾向がある、こういったことが出てくるということが言われております。
○片山甚市君 それでは、厚生省が発行したパンフレットのうち、「各種の死因に対する喫煙の相対危険度」ということで「喫煙か健康か選ぶのはあなた 厚生省」というパンフレットですが、この十一ページに書いてある肺がん、喉頭がん、口腔がん、食道がん等の説明を願いたいと思います。
○政府委員(三浦大助君) 「各種の死因に対する喫煙の相対危険度」というのがございまして、これは各国でもこういう調査をしておるわけでございますが、たばこを吸っている人と吸っていない人に対する倍率で表現してございますが、肺がんが三・六倍、喉頭がんが十三・六倍、それから口腔がんが七倍、それから食道がんが二・六倍、膀胱がんが一・〇倍、それから腎臓がんが一・一、それから胃がんが一・五、それから胃。十二指腸潰瘍が二・〇、肝硬変が一・三、冠動脈性心疾患が一・六ということでございます。
○片山甚市君 いま説明があったように、いい嗜好品ではなくて、健康を害する嗜好品であることには違いない、こういうふうに思います。 そこで、WHOが一九七〇年から一九八〇年までの間にどのような勧告をしてきたか、日本政府はWHOの勧告について従う用意があるかどうか、まず聞きたいと思います。
○政府委員(三浦大助君) WHOの勧告でございますが、喫煙と健康に関するWHOの勧告というのは現在まで五回出されておりますが、その中身につきましては、回を重ねるごとにかなり具体的になってきておりますので、五点ばかり申し上げますが、一つは一九七〇年、昭和四十五年の二十三回の総会におきまして、WHO会議場内での喫煙自粛の決議を行いまして、加盟各国に対して次のような勧告を行っております。 すなわち「シガレットのニコチン量および健康警告文言を包装、広告に表示することの立法措置による義務づけ」それから二つ目は「公共場所、公共輸送機関、病院などの禁煙」、これが二十三回の決議でございます。 それから二十四回、その翌年になりまして、一九七一年、昭和四十六年に当たりますが、「特に、若年者と妊産婦に注意を払い、シガレット広告の制限のほか次のことについて立法措置を講じるよう勧告した。」とございまして、その中の一つは「健康警告文言およびニコチン、タール量をシガレットの包装と広告に表示」する。それから二つ目として「シガレット全体の課税強化」、この二つがございます。 それから三回目は第二十九回の総会でございますが、これは一九七六年、昭和五十一年に当たりますが、「発展途上国および若年者、婦人のシガレット消費量の急激な増加に関心を持ち、非喫煙者の保護と権利を保障し、次による立法措置について考慮をした。」とございまして、その一つは「シガレットの一酸化炭素量の表示」、それから二番目は「シガレットの包装と広告に表示する警告文言の時々の更新」、それから三番目が「公共場所、公共輸送機関、労働環境等の喫煙の規制」、それから四番目が「児童、若年者に対するたばこ販売の非合法化」ということでございます。 それから第三十一回、一九七八年、これは昭和五十三年に当たりますが、この総会におきまして、「喫煙は、心筋梗塞、ある種の妊娠異常や分娩異常およびその他多くの重大な健康問題の主要な危険因子であることなどを認識し、シガレットの増税とすべての広告の不許可ならびに非喫煙者の権利の擁護等について勧告した。」と、こうございます。 それから最後に、第三十三回、一九八〇年、昭和五十五年に当たりますが、「妊娠、授乳中の母親および子供のようなリスクグループに対して特に喫煙の悪影響があることを認識し、広告の禁止、規制および青少年に教育上のアプローチを行うべきことを勧告した。」。 なお、WHOは一九八〇年の四月七日を世界保健デーといたしまして、テーマに「喫煙か健康か選ぶのはあなた」ということで採用しておるわけでございます。
○片山甚市君 いまの五回にわたる勧告に対して厚生省はどのような措置をとり、今後どのようにやっていかれるおつもりでしょうか。
○政府委員(三浦大助君) WHOの勧告に対する厚生省としての対応でございますけれども、WHOは喫煙の健康に及ぼす影響にかんがみまして、喫煙を制圧するための各種の措置を講ずべきであろうということを加盟各国に勧告したわけでございまして、わが国におきましてもWHOの勧告を踏まえまして、一つは国立病院あるいは国立療養所などの特定の場所での喫煙を禁止する、二つ目は児童、妊産婦を含めて広く国民にその害について教育、啓発を行っているわけでございまして、今後とも禁煙対策に積極的に取り組んでまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
○片山甚市君 日本専売公社はどういうように考えておりますか。
○説明員(泉美之松君) 私どもはWHOから時々出されました勧告につきましては、それぞれ厚生省から御連絡をいただきまして、それに即応するように努力してまいっておるつもりでございまして、このための具体的な措置といたしましては、まず第一に、たばこの包装に「健康のため吸いすぎに注意しましょう」ということを表示するとともに、ニコチン、タールの含有量の公表をいたしております。それから、昭和四十四年十一月以降たばこの広告につきまして公社として自主規制をいたしております。さらに、喫煙に関する医学的研究を拡充するように年々予算を組みまして医学者の方、医学研究機関に対しましてその研究を委託しておるところであります。それからさらに、最近はどこの国でもそうでありますが、低ニコチン、低タールのたばこの需要がふえておりますので、日本におきましても低ニコチン、低タールのたばこを開発していくということに努めております。また、日本は御存じのように未成年者は喫煙禁止になっておりますので、それに協力するように、小売店に対しまして未成年者と思わしきものに対してはたばこを売らないように、それからまた自動販売機の前面に広告をいたしまして、未成年者は喫煙を禁止されておりますということを注意するようにいたしております。さらに、いろんな広告媒体を使いまして喫煙マナーの向上について愛煙家の方々に訴えるといったような措置をとっておるところでございまして、恐らく片山委員の方ではいままでの措置では不十分ではないかという御意見かと思いますが、私どもといたしましては今後一層そういった点に気をつけてまいりたい、このように考えておるところでございます。
○片山甚市君 政府の取り組みについてそれぞれ五回にわたったやつをどのように実施したかということについてはしかと確かめることはできません。特に、たばこの消費量の増高に伴って肺がんの死亡者がふえておるというようなことについては、もう一度お聞きしますが、無関係な形でしょうか、相関関係があるというように理解を厚生省としてはしていますか。
○政府委員(三浦大助君) たばこと肺がんでございますが、疫学的な調査では関係があるというふうに見ておりますが、ただ、それが病理学的な調査になったときにまだちょっと不明な点がございますが、疫学的な関係は関連があるというのが大方の先生方の見方でございます。
○片山甚市君 平山雄さんの研究したのは、何十万人で何年間の疫学調査をやられましたか。
○政府委員(三浦大助君) 平山先生の研究でございますが、昭和五十年度のがんの疫学的研究で行いまして二十六万人についての追跡調査でございますが、その中間報告によりますと、喫煙者の場合、肺がん死亡率は非喫煙者に比べ三・七五倍高いことが報告されております。
○片山甚市君 十五年間にわたっての調査の結果でありますが、それでも信用は置かれませんか。調査の結果について信用できませんか。
○政府委員(三浦大助君) 私はこれはこれで信用しております。
○片山甚市君 肺がんの年間死亡者は二万人を超え、急上昇中である。たばこは、肺がんなどのがんから動脈疾患までほとんどの重大な病気に関係する。その害は喫煙者だけでなく受動喫煙者にも広がっておるということで、何としてもたばこを節煙する、排煙するということが望まれるということについて、政府はどうお考えでしょうか。
○政府委員(三浦大助君) 従来私どもなるべく吸わないようにという啓蒙運動はやってまいりました。今後もそれは一層強めてやってまいりたいと思っております。
○片山甚市君 そこで、そういうような観念的なことではどうしてもできませんから、喫煙に起因する社会的損失として国立公衆衛生院社会保障室長の前田信雄氏が著書であらわしておるものをお手元に配ってまいりました。 喫煙による医療費の面接費が二千五百六十五億、罹患による所得損失、これが百四十六億円、死亡による損失八千四百十八億円、火災による損失百七億円、ごみ処理関係百七十億円等、合計して一兆一千四百六億円試算として損失したと言われています。 その年における専売納付金は幾らでしょうか。たばこ消費税……。
○政府委員(高倉建君) お答えいたします。 一九七六年、昭和五十一年度で申しますと、専売納付金の実績は六千五百七十一億円でございます。
○片山甚市君 そういたしますと、専売納付金、たばこ消費税と前田氏の喫煙による損失とは相拮抗するものと思いますが、これに対する大蔵大臣の御所見を賜りたいと思います。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 喫煙の経済的損失というものがこのような数字であるかどうか私はよく実際のところわかりません。したがいまして、いま直ちにこれについての論評をすることは差し控えたいと存じます。 〔委員長退席、理事土屋義彦君着席〕
○片山甚市君 先ほどのお話によると、平山雄さんの疫学調査については認めるということ。それによって、この八千四百十八億円の死亡による補償額としては一人平均二千万円ということで計算したのでありますが、こういうものについて、大蔵大臣は見たくないというか、見てもいま評論ができない、コメントはできない、こういうことですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) これはやっぱりたばこを吸ったから、たまたま死んだ人がたばこを吸っておったと、だからそれは全部たばこのせいだと、なかなかそうは私は言い切れないのじゃないか。仮に八十とか九十とかになってたばこをかなり吸っていて死ぬ人もありますから、そういう人もたばこのせいであると、はては肺がんになったけれども、じゃたばこを吸わなければ百まで生きたかどうか、これはわからないことでございまして、問題はやっぱり私は程度問題ではないか。私の知っている友人などでも、酒もたばこものまないでがんで倒れた人は何人かいます、若いのに。私なんか大酒飲んでたばこもいっぱい吸っていますが、がんにはいまのところかかっていない。ですから、問題は個人差もございますしいたしますから、一概にたばこを一切いけないということはなかなか断定しかねる。しかし、これは吸い過ぎれば私は議員のおっしゃるとおり健康によくないことは、これもまた明瞭白々だと、そう思っております。 したがって、この死亡した者の、これを所得に見積もって、損失所得一年に八千四百十八億かかるんだということが、このとおり全部たばこのせいだということに本当に言えるかどうかというところにつきまして、私はちょっと納得しかねるところがあるものですから、あえて論評はいたしかねると、こういうふうに申し上げたわけでありまして、たばこは私は健康にプラスになると思っておりません。おりませんが、吸い方によって、個人差もございますけれども、そう極端に悪いということでもないのじゃないか、なるべく吸い過ぎないように注意をしてくださいということを申し上げておるわけでございます。
○片山甚市君 たばこは百害あっても一利がないという立場の者と、百害あっても一利か二利あるという、大臣と私の見解の相違でありますからやむを得ませんが、そこで、アメリカにおけるところの年間保健費用の損失ということで発表があるのですが、これを御紹介願えませんか。
○政府委員(三浦大助君) カリフォルニア大学のシュバイツァー氏によりますと、年間保健費用千五百億ドルの約八%、二百七十五億ドルという損失換算が計算されております。
○片山甚市君 五兆五千億円を超えるお金がここで失われておることになるようでありますが、私たち日本の国でも一兆円を超える損失を受けておる。そういうことで、喫煙については社会的損失が大きいということについて、私としては角を大にして申し上げておきたいと思います。 そこで、専売公社の公益性についてお聞きするんですが、専売公社にしておる理由は何でしょうか。
○説明員(泉美之松君) 専売公社は、日本専売公社法第一条に基づきまして、専売事業の健全にして能率的な実施に当たることを目的といたしておりまして、たばこ専売事業の持つ公共性につきましては、いろいろ御意見があるかもしれませんけれども、私どもとしては明治三十七年たばこ専売制度が発足して以来、今日まで一貫して財政専売として国の財政に寄与する、それから昭和二十九年に地方たばこ消費税が創設されましてからは、国だけでなしに、国及び地方団体の両者の財政に大きく寄与してきたことであろうと、このように思っておるのでありますが、こうした財政収入の確保という点が最も公共性として着目されるべきものであろうかと思いますが、そのほかにも、たとえば消費者の求めるたばこを、適正な価格で安定的に供給するということ、それから、喫煙と健康問題などに対しまして適切な対応を図っていくということなど、社会に対し、公正かつ責任ある対応を行うことも専売公社の公共性の中に入るものと、このように考えております。
○片山甚市君 まあ総裁の言葉をおかりすると、そうするとたばこに対する警告、包装紙にたばこに対する警告を書くのに、吸い過ぎはいけませんという以上のものに改める用意はありませんか。
○説明員(泉美之松君) 世界各国でたばこの個装に警告なりあるいは注意を規定しておるところでありますが、わが国では御存じのように「健康のため吸い過ぎに注意しましょう」という表示をいたしておりますし、アメリカでは「デンジャラス ツー ユア ヘルス」というような、かなりきつい表現になっておりまして、世界各国の表現はいろいろでございますが、私どもとしては何としてもたばこを吸い過ぎることが健康によくないというふうに考えて、現在の表示で適当ではなかろうかと、このように思っておるところでございます。
○片山甚市君 総裁はそうおっしゃいますが、日本のハイライトがアメリカへ行くときにはちゃんと警告書、書いてあります。アメリカ人には警告するけれども、日本の人にはできるだけ吸うてほしいという大蔵大臣の気持ちと同じでありましょうか。この根性さえわかりゃいいのでね。アメリカへ輸出しておるやつは、警告しておるわけですよ、ハイライト。これお見せしましょうか。
○説明員(泉美之松君) それは各国それぞれの制度が違っておりまして、アメリカも国内でたばこを販売するときは、いま申し上げましたように「デンジャラス ツー ユア ヘルス」となっておりますが、日本へ売りに来るときには日本国内の制度に従って「健康のため吸い過ぎに注意しましょう」ということになっておるのであります。したがって、このハイライトというのは、これは日本から出ているのではございませんで、向こうのフィリップモリスがアンダーライセンスでつくっているものでございまして、したがってアメリカの表示に従っておるわけでございます。
○片山甚市君 押し問答になりますが、とにかく国民のために吸い過ぎでなくて、たばこはできるだけ少なく吸うようにしてもらうことが健康のだめに国民にとって大変大切なことだと思っています。 そこで、専売事業の公益性を聞いたついでに、塩専売も当初は国家財政上必要なものであったのが、今日生活必需品の安定供給という公益性のためにこれが廃止されずにおるのではないかと思いますが、いかがでしょう。
○説明員(泉美之松君) お話のように、塩専売は明治三十八年にたばこの完全専売から約一年ほどおくれて専売制度がとられたのでございます。その当初は財政専売と国内の塩産業の保護育成という二つの目的で始められたのでございますが、大正八年からいわゆる公益専売に移行いたしまして、財政専売の目的はなくなりました。現在は、国民の米塩と言われますように、国民の生活必需物資である塩につきまして、需給の安定と価格の安定を図るための、そして国内塩の育成を図るための公益専売ということになっておるわけでございます、
○片山甚市君 たばこ専売は、今日なお国家財政上重要な財源であることについては承知しておりますが、私はあえて公益性の意義を再認識する必要があると考えます。公益性を優先させて国民の健康を守るという立場からどのようにやっていくのか、これが専売公社に課せられた仕事であるし、大蔵省は金をもうけたらいいというのじゃなくて、たばこを吸い過ぎでなく、たばこによるところの害をどのようになくするかということについて、政府全体で考えてもらいたいと思います。大蔵大臣、厚生大臣、専売公社、それぞれがお答え願いたいと思います。
○国務大臣(渡辺美智雄君) たばこ専売は財政専売、確かに財政収入を上げるという目的でつくられたものであることは間違いありません。しかしながら、国のやることでありますから、国民の健康がそれによって害されていいというわけがない。でございますから、やはりたばこというのは個人差にもかなり影響します。心臓の悪い人がたばこを吸えばよくないことは決まっておりますから、そういうような正しい知識というものも、保健衛生の知識も与え、それからやはり吸い過ぎないようにしていただく。酒でも何でも私は同じじゃないか。過ぎたるは及ばざるがごとしということでございますので、吸い過ぎないようにやはりPRをする必要はあると思っております。したがって、たばこにも健康のために吸い過ぎないようにしましょうということを書かしてあるのもその意味でございます。
○国務大臣(森下元晴君) 厚生省といたしましては、たばこには百害あって一利なしというような気持ちはございます。したがって、でき得るならば、厚生省の基本的な考えである国民の健康と暮らしを守る観点から言えば一切やめてもらいたいという気持ちでございますけれども、まあ悪い言葉かもわかりませんけれども、やはり、世の中には必要悪というような言葉もあるように多少嗜好の問題がございまして、吸い過ぎないようにお願いしたいということで、なかなかこれは、禁酒法のように禁煙法なんかつくっていただきたいような気持ちはございますけれども、いろいろ過去の経緯もございまして、それぞれ国民の自発的な禁煙で抑制したい、これが厚生省として精いっぱいのお答えでございます。
○説明員(泉美之松君) お話しのように、たばこが肉体的な健康にとりまして決していいものでないということは委員のおっしゃるとおりでございます。しかしながら、たばこにもやはり効用がございまして、たばこを吸うことによって安らぎと憩いを得るという点がございまして、これはなかなか経済的に評価することがむずかしい問題でございますけれども、しかし、人間はたばこを吸うことによってそういった心の安らぎを得、憩いを得るという点も私は評価すべきではないかと思っておるのでございます。 しかし、委員のおっしゃるように、たばこが健康のために決していいものではないという点につきましては専売公社といたしましても十分注意いたしまして、先ほど申し上げましたように消費者の要望に応じてできるだけニコチン、タールの少ない、喫味の軽いたばこを開発するとともに、健康と喫煙の問題、あるいは未成年者の喫煙の問題、あるいは妊婦の喫煙の問題、女性の喫煙といったような問題につきましては今後とも十分注意してまいりたい、このように思います。
○片山甚市君 そこで、日本の喫煙人口は、男あるいは女それぞれ幾らか、アメリカあるいはイギリス等ではどういうことになっておるか、これについて御説明を願いたいと思います。
○政府委員(三浦大助君) これは専売公社の調査でございますが、昭和五十六年で男性が七〇・八%、女性が一五・三%でございまして、これは昭和五十一年の数字と比べますとやや低下の傾向になってきております。ただ、年齢別に見ますと、男性では二十歳代が最も多いわけでございます。女性でも二十歳代が最も多いということが言えるわけでございます。 それから、外国の状態でございますが、アメリカでは、一九七五年の調査でございますが、男性が三九・三%、イギリスが四六・五%。この時点の日本の男性は七六・二%でございます。女性は、アメリカが二八・九%、イギリスが四二・八%、日本は非常に少なくて一五・一%というのが実態でございます。
○片山甚市君 たばこの毒性についてお伺いしますが、ニコチン、一酸化炭素、タールについてそれぞれどのような状態でしょうか。
○政府委員(三浦大助君) ニコチンと申しますのは血管収縮がございますので非常に、たとえば胎児の血中の酸素が減ってくるというようなことがございます。それから一酸化炭素は、これもやはり血中の酸素が足りなくなってくるという状態。それからタールなんかは発がん性物質というふうに言われておるわけでございます。
○片山甚市君 外国に参りましても、会議場でたばこを吸うておる人を見ると大体日本人だと言われるように日本人はたばこを大変吸いますが、いわゆる先進国ではおおむね三〇%から四〇%ぐらいが男子で平均であります。そういう意味で、これを見方によれば野蛮人ほどたばこを多く吸うんだというのが外国の通弊でありまして――私誓うておるのではありませんよ。皆さんの中にたばこをすぱすぱ吸って、たばこを吸わなきゃ気持ちが悪い人もおりましょうから、そういう人の人心をやわらげるためにも、ぼろくそには言いませんけれども、しかし、たばこを吸うことを得意にしないでもらいたいのは、厚生省に聞くのですけれども、たばこを吸うておる主流煙とそれからたばこを吸わないで灰皿のところに置いてある副流煙とどちらの方がニコチン、タイル、シアンなどを多く出すか、それについての調査を説明してもらいたい。
○政府委員(三浦大助君) 主流煙と申しますのは人が吸って出す状態でございますが、それから副流煙というのは置いておいて煙が出ておる状態でございますが、主流煙に比べまして副流煙というのは数倍物質が強いのじゃないだろうかと、こういうふうに言われております。
○片山甚市君 そこで、たばこを吸う人は好きでやっておるのですが、たばこを吸わない人にもたばこを吸わすような、会議場においてすぱすぱ吸うようなことはマナーとしては下の下だと思います。それで、たばこを吸いたければ別の部屋へ行ってすぱすぱ吸うてきて自分だけガスに埋もれるというようなことをすべきだと思うし、もって、国会議員などというのはその模範たるべきだと思いますが、いかがでしょう、厚生大臣。
○国務大臣(森下元晴君) たまたま私はたばこを吸っておりませんのでたばこを吸われる方の気持ちが実はわかりません。しかし、委員会の席には灰皿もちゃんと置いてありますし、片山議員のおっしゃるお気持ちはわかりますけれども、なかなかむずかしい問題でございまして、各人の自覚にまたなければいけない。理屈は理屈といたしまして、そういうことで、いろいろ薬とか公害の問題で議論になりますけれども、たばこの問題については案外寛大であるような気持ちがいたします。率直な気持ちでございますけれども。そういうことで厚生省という立場からすれば、健康を守るためにたばこを吸わないようにしていただきたい。そういうことで、私個人的には片山議員の御意見には賛成でございます。
○片山甚市君 そこで、たばこは、先ほど言いましたように国民の中で成年男子で七四%も吸うておるのでありますからいまさら宣伝をしなくてもいいと思うんですが、売らんかなのたばこで、宣伝費は専売公社で十七億円使っておるようです。それから厚生省の節煙キャンペーンには研究費を合わせても千五百万円程度だと言いいますが、これでは喫煙を勧める厚生省と言われてもやむを得ないし、それから専売公社は売れておるのにその上にどこに売るというのでしょうか。すなわち子供たちや婦人たちや、まだ市場開拓をせなきゃならぬということで一生懸命やっておるんでしょうか、いかがか、お伺いします。
○説明員(森宗作君) お答えいたします。 専売公社におきましては、従来から未成年者の喫煙の問題、また喫煙と健康の問題、さらには女性の喫煙の問題、こういったものにいろいろ配慮いたしまして、昭和四十四年十一月から広告宣伝等につきましての自主規制というものを設定いたしまして、広告宣伝活動を実施をしてまいっておるわけでございます。これはその後の一昨年の輸入たばこをめぐります日米間の協議の際にも、広告宣伝につきましては、従来の公社の自主規制基準というものを踏まえまして、内外共通、専売公社も外国メーカーも、ともに共通の広告宣伝基準というものをつくりまして、これによって現在は実施をいたしておるわけでございます。広告宣伝基準というものの内容につきましてはいろいろございますけれども、一つは、未成年者あるいは女性に対しまして喫煙を奨励するような広告宣伝、こういったものを行わないというようなことが一つでございます。それから、過度な喫煙の奨励をしないというようなことで、テレビあるいはラジオと、こういったような電波媒体を利用する場合は、新製品は売り出しまして三年間に限ると、こういうようなことも合意を見ておるところでございまして、また、私どもマス四媒体というふうに申しますが、テレビ、ラジオ、新聞、雑誌と、こういうものを利用する場合には、一定の許容枠というものを設けまして、この許容枠の中で広告宣伝等を実施するというようなことも行っておるわけでございまして、先生御指摘の未成年者の喫煙防止の問題なり、女性に対する喫煙の問題というようなことについては、こういう基準というものに従いまして、その枠の中で実施をいたしておるということでございます。
○片山甚市君 そこで、三月第一週で週刊誌にこれだけ出しています。(資料を示す)それでその各ページ数で言いますと二カ所ずつ、マイルドセブン、アメリカのたばこ、こういうことでそれぞれ出しておりまして、消費をあおるという形になっておる。さらに広告の規制ですと、三浦友和というのは少年のいわゆるアイドルではないんでしょうか。厚生大臣どうでしょう。
○国務大臣(森下元晴君) アイドルだと思います。
○片山甚市君 そうすると、これは「俺の赤」ということで、三浦友和の写真があって、これ吸っとるわけです。アイドルについては御承知のように広告の対象にしてはいかぬと、こうなっておるんです。青少年のアイドルである場合にはしちゃいかぬと書いてありますが、これは専売公社どういうふうにお考えですか。
○説明員(泉美之松君) 御存じのように、三浦友和はすでに結婚いたしておりまして、青少年のアイドルは卒業いたしております。
○片山甚市君 結婚をすればアイドルでないなどというのはそれはこじつけで、若い者はいかす男として、やはり山口百恵の亭主としては大変魅力的であります。あのようになりたいと思っている。そういうこじつけるところに泉総裁の言われる言葉の中にペテン的な隠し事があると思います。こういうことで、これも「現代」でこういうふうに出しておるということであります。(資料を示す) そういうことで、国際人権規約によるところの経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約を批准しておるわが国においては、これを守る必要があると思います。国際的な責務であろうと思うんですが、特に喫煙の害は、第十二条の各項に該当すると思うんですが、いかがでしょうか。
○政府委員(三浦大助君) 国際人権規約の十二条は、すべての者は健康を享受する権利を有する、こういう原則を実現するために、締約国に対しまして疾病の予防等の必要な保健衛生上の措置をとることを義務づけた規定でございまして、厚生省といたしましては、喫煙の問題につきましても、この条約の趣旨を履行する見地から、病院とか、あるいは特定場所における喫煙の制限とか、あるいは喫煙の健康影響についての知識の普及、啓蒙を行う、こういう所要の措置を講じてきておるわけでございます。
○片山甚市君 次に、サラ金による被害が社会的な問題となっておるとき、国がこの宣伝に手をかしている証拠がこの特別包装たばこにあります。許可基準から見ても利息制限法違反の疑いのあるものではありませんか。これは「日歩十三銭から十五銭 ローン開始」と書いてあります。これはどうですか、大蔵大臣。
○説明員(森宗作君) ただいま先生御質問の件につきまして私どもの方で調査をいたしましたところ、この金融業者につきましては、御指摘のようにその包装の文言が利息制限法上適切でないような部分があったようでございます。御指摘の件につきましては、公社の特別包装の許可というものの基準の一つに、たばこが公社の公的性格から見て好ましくないような目的に利用されないことという、たとえば法令上の違反というようなものも含むわけでございますが、そういった条件に照らし合わして見ますと、この許可は適当でなかったというふうに思えるわけでございます。このことは担当者が利息制限法に対しまする知識が不足をいたしておりまして、そういったことが原因となりましてこのような事態になったものでございまして、この件につきましてはまことに遺憾に存じておる次第でございます。今後このようなことのないように、許可基準の趣旨につきまして十分徹底をいたしまして、遺憾のないように指導してまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
○片山甚市君 大臣ちょっと。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 法律に違反するような宣伝を専売公社が頼まれてやるということは遺憾に存じます。
○片山甚市君 公社がこれについて非を認めておられますからこれ以上のことを言いませんが、たばこを売るために無理をしておるという感じの多いものがないようにしてもらいたい、これは特に期待をします。 そこで次の問題ですが、未成年の喫煙率についてどういうことになっておるか、統計上の問題について、警察あるいは文部省、関係あれば御答弁願います。
○政府委員(谷口守正君) 昨年一年間に喫煙で補導いたしました少年でございますけれども、四十七万六千四百四十一人でございます。一昨年に比べまして一六・六%増加しておるということでございます。 学識別に見ますと、やはり有識少年が多くて全体の四〇・三%を占めておるということでございます。次いで高校生、無職少年というような状況でございます。なお中学生でございますが、三万八千九百二十六人、全体の八・二%、それから小学生、絶対数は少のうございますけれども三百九十四人、〇・一%が補導されておるというような状況でございます。
○片山甚市君 非行少年、青年に走っていく内容の出発点としては、たばこで大人っぽい姿をとりたいということであります。 それで専売公社はこういう調査をされておるかどうかについてお聞きいたします。
○説明員(森宗作君) 専売公社におきましては、未成年につきましての喫煙者比率の調査はいたしておりませんです。
○片山甚市君 そうすると、未成年者喫煙禁止法があることについてお知りだろうと思うが、それはだれが罰せられるのか。まず、文部省、大蔵省、警察、それぞれお答えを願いたいと思います。
○政府委員(谷口守正君) 未成年者喫煙禁止法では、満二十歳に満たない者の喫煙を禁止しておりますけれども、処罰につきましては、未成年者に対して親権を行う者などが喫煙を制止しないときに四千円以下の科料、それから、未成年者自身が喫煙することを知りながら、たばこまたは器具を販売した者に対しまして八千円以下の罰金というような規定になっております。
○政府委員(三角哲生君) ただいま警察庁の方から御答弁がございましたと同じでございます。 未成年者に対して親権を行うものが情を知ってその喫煙を制止しないというときに処分をされますし、それからやはり、未成年者が用いることを知って、たばこまたは器具を販売した者が処罰されると、こういうことになっております。
○片山甚市君 専売公社。
○説明員(森宗作君) 未成年者喫煙禁止法違反の場合でございますが、ただいまお答えがありましたとおり、親権者、監督者は未成年者の喫煙の制止義務というものがございまして、このものにつきまして違反の場合に罰則がございます。それからまた、販売者は未成年者への販売禁止と、未成年者がみずからたばこをのむというようなふうに思われる場合の販売を禁じております。あと、違反者につきましては、たばこ、器具の没収というのがございます。
○片山甚市君 なぜこういうようなことを聞いたかというと、自動販売機がはんらんをしておって、他の分野では問題になっています。わいせつ文書などではなっていますけれども、この機械は未成年者の判断がついて売っておるのか、自動販売機は未成年者が来たら売らないよと言うのかどうか、そして、その自動販売機は全国に何台たばこを売るために置いておるのか、説明してもらいたい。
○説明員(森宗作君) 自動販売機につきましては、昭和五十五年度末におきまして二十六万八千台ございます。
○片山甚市君 判別できるのか、未成年か、成年か。
○説明員(森宗作君) 自動販売機につきましては、いろいろ未成年者の問題がございます。こういったことにつきましては、専売公社としましては販売店に対しまして、みずから喫煙をするというふうに思われる未成年者には販売をしないような、そういうものを営業心得で指示をいたしております。また、自動販売機の設置に当たりましては、その設置場所が管理者の目が行き届くようなところに置くように指導をしておりまして、いわゆる自販機コーナーというようなところにはなるべく置かないようにしております。また、自販機それ自身につきましては、これは未成年者の喫煙は罰せられますと、こういうような趣旨の文言というものを表示するようなことを指導いたしておりまして、さらにこれを徹底するために、公社でステッカーをつくりまして、これを貼付することを義務づけております。また、最近の自動販売機は製作時からこのような趣旨の文言が入っておるというようなことになっておるわけでございます。
○片山甚市君 未成年者がたばこを買いに行けば、未成年者は罰せられないで、親権者あるいは保護者が罰せられることになる。ですから、自動販売機のときはだれが見張って、だれが証明をするんですか。できないじゃないですか。ざる法じゃないか。
○説明員(森宗作君) 自動販売機の場合は、その管理者がなるべく目が届くような、そういうような場所に自動販売機を設置するような指導をいたしておるところでございまして、先ほど申し上げましたが、自飯機コーナーという自動販売機ばかりが並ぶようなところ、そういったところにはたはこの自販機というものをなるべく置かないような指導をいたしておるわけでございます。
○片山甚市君 そうすると、最近スーパーマーケットでも販売しておるようでありますが、未成年かどうかのチェックも不十分でありますので、そのような大量販売店におけるところの販売は、これはやめられる方がいいと思いますが、いかがでしょう。
○説明員(森宗作君) スーパーマーケットでございますが、このスーパーマーケットにつきましても一般の販売店と同様に、みずから喫煙をするというふうに思われるような未成年者にはたばこを販売しないような指導をいたしております。また、スーパーマーケットの売り場はいろいろでございまして、対面販売と申しますか、私どもの方ではそういうように呼んでおりますが、一般の小売店のように道路に面した売り場を持っているというような店もございますが、こういった場合には、未成年者の喫煙は罰せられますと、こういう趣旨の文言を何らかの形で掲示をするというようなことにいたしておりますし、またこれを自動販売機という形でたばこを売るような場合には、一般の自版機と同様に、未成年者の喫煙は罰せられますというような趣旨の文言の入ったもの、これは公社のステッカーを張るというような場合もございますが、そういうものを義務づけておるわけでございます。ただスーパーマーケットの場合は、販売の従事者がパートタイムというような場合がしばしばあるわけでございまして、こういった場合には、公社のこの方針というものがなかなか十分徹底しないというような場合もございます。今後こういうようなことのないように、私どもとしては指導を徹底してまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
○片山甚市君 どちらにいたしましても、たばこというものは、大蔵大臣がおっしゃるように、できるだけ少な目に吸うたらいいというお話にとどまらずに、大変病気に関係をする。そういうことで、若い人々、幼児、それから青年期については、たばこを、喫煙をさせないようにすること。結婚して子供が産まれるようなお母さんたちには、子供のためにも吸わないようにする。そういうことに中心を置きながら、国民全体が喫煙による害を徹底して学習する、こういうことが必要だと思いますが、厚生大臣いかがでしょう。
○国務大臣(森下元晴君) たばこを吸ってはいけない未成年者、それから健康上よくない妊産婦等の保健の問題につきましては、十分いま御発言されましたような内容につきましては、厚生省といたしましては、省でできる範囲内のことは全力を挙げて実施していきたい。 〔理事土屋義彦君退席、委員長着席〕 そして、結果的には、現在の法律等では各自の自制にまつということでございますけれども、たばこの害というものが世界的にも認められておるわけでございますから、御指摘のような方向に努力をすることを申し上げます。
○片山甚市君 実は、日米貿易摩擦の関係からたばこの自由化の話が出てまいりました。きょうは長々とやったのは、わざわざアヘン戦争百年記念日のように、アメリカからたばこを受け入れなくてもいいじゃないか。専売公社というのは、やはり国がつくっただけに公益性を発揮をして、公共性を発揮して、財務関係もございましょうけれども、これをきちんと守ってもらう。というのは、当然民営にすれば広告宣伝の費用がかかる、それであふるということになるので、何としても臨調が考えておるところの民営化については賛成できないのでありますが、まず大蔵大臣として、たばこ民営についてどう考えるか、そしてたばこの外国からの自由化についてどう考えるか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(渡辺美智雄君) たばこを民営にするとどういうようなメリットがあるのか、私もちょっといまのところ理解に苦しむところでございます。しかし、いい案があって、本当にそれが国民のためになるというものであれば話は別でございます。臨調の答申でどういうような答申が示されるか、非常に重大な関心を持って実は見ておるところであります。 それから、アメリカのたばこの問題につきましても、たばこは嗜好の問題でありますから、幾ら吸えと言われても銘柄の違うたばこというのはもらっても吸わない人が多いのでありまして、やはりそう急にアメリカたばこが好まれるというようには思っておりません。自然の成り行きに征したらいいんじゃないか、そう思っております。
○片山甚市君 それでは、通産、大蔵、厚生、それぞれにもう一度お伺いしますが、いままで私が申しましたのは、たばこというのは有害商品であると思っています。これを貿易摩擦の解消の手段に利用しようとすることについては何としても賛成できないし、国民の健康、公衆衛生上の観点からも重大な問題を抱えておると思いますから、これについては公社の制度改変を含めるような措置をとるべきでないという意見について御所見を賜りたいと思います。
○国務大臣(森下元晴君) 厚生省といたしましては、外国のたばこであろうと国内のたばこであろうと害のあるものは害があるわけでございまして、外国たばこが特に害があるという場合は別でございますけれども、それがなければ別に厚生省としてはそれをとめる、また制限するということには口は出したくないという気持ちでございます。害のあるものでございましたら、国内であろうと、また外国たばこであろうと、同じような考え方でおるということを申し上げます。 それから民営論もお尋ねがあったように思うんですが、この点、私は深くわかっておりませんので、御答弁を控えさしていただきます。
○国務大臣(安倍晋太郎君) たばこの問題は、アメリカ側からも強く市場開放を迫っておりまして、これに対しましては、わが国とアメリカとのこれから交渉になるわけでございまして、われわれとしては注意深くこれを見守っておるわけであります。 民営論につきましては、臨調が精力的に取り組んでおられますので、臨調の結果を見て、臨調の御答申を踏まえて、その時点で判断をしなければならないと考えております。
○片山甚市君 最後に、有害商品として、これ以上競争してたばこの宣伝を行い、青少年や婦人に喫煙の習慣を与えることは望ましくない。そのためにはいまの専売公社の制度以上のことをする必要がない、そういう立場から強く政府がこの問題について注目してもらいたい。国民の健康を守るか喫煙を守るか、お金をもらうか命を滅ぼすか、どちらを採択するかと言えば健康を政府がとる。そのためにはみだりにたばこを外国からいただくことがないようにしてもらいたい。そう思いますが、大蔵大臣、財政上の問題もありましょうが、国の政策上どちらをとられますか。それを聞いて終わりたいと思います。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 国民の健康を優先することがいいと思っております。したがいまして、過激な広告、過大広告等は慎まなければならないし、それから値段の問題についても制限的に値上げをするということも一つの方法かと、そう思っております。
○委員長(植木光教君) 以上で片山甚市君の一般質疑は終了いたしました。(拍手) ―――――――――――――
○委員長(植木光教君) 次に、目黒今朝次郎君の一般質疑を行います。目黒君。
○目黒今朝次郎君 私は、最初に、貿易摩擦の関係とか国内内需の停滞、特に住宅問題の非常な落ち込みなどで木材関係が大変な不況に陥っておるわけでございます。したがって、この問題を中心に、若干の時間、質問いたします。 通産と林野庁に、五十四年から五十六年の木材輸入の実績と、五十七年から六十年度までの木材需要の見通しと供給の展望について、まずお示しを願いたい、こう思います。
○政府委員(中澤忠義君) お答え申し上げます。 まず、私の方からは、木材の輸入実績についてお答え申し上げます。 木材輸入は、先生御承知のように、丸太と製材に分かれるわけでございますけれども、丸太の輸入量につきましては、五十四年約四千五百万立米、五十五年に三千八百万立米、五十六年に約二千九百万立米というふうに逐年減少しております。 製材につきましては、五十四年に五百十二万立米から五十五年には五百五十七万立米と若干上昇いたしましたけれども、五十六年には三百八十四万立米というふうに、対前年度比六九%というふうに著しく減少しております。
○政府委員(秋山智英君) お答えします。 最近の輸入実績を見てまいりますと、五十五年、五十六年の木材の輸入量につきましては、需要の減退に伴いまして大変減少してまいっております。五十六年の丸太の輸入量は、四十年代の前半の水準まで低下しております。五十四年で申し上げますと、木材全体で五千万立米でございますが、うち丸太が四千五百万立米、五十五年は、木材全体が四千三百万立米でありますが、うち丸太が三千八百万、五十六年は三千三百万の木材のうち丸太が二千九百万立米と減少してまいっております。
○目黒今朝次郎君 今後の見通しはどうですか。三年か五年ぐらい。
○政府委員(秋山智英君) 最近の木材需要の減退から、五十六年におきましては一億立米を切りまして九千四百万立米に落ちているわけでございます。私ども林野庁といたしまして、現在、林産物の需給の長期見通しを立てているわけでございますが、それによりますと、六十一年には一億一千八百万立米を見通しております。それから以降につきましては、これは非常にむずかしい見通してございますが、七十一年には一億三千万立米を見通しております。
○目黒今朝次郎君 それは最近の住宅の落ち込みを見込んだ上での見通しですか。
○政府委員(秋山智英君) お答えします。 これは五十五年に策定した関係がございまして、最近の、特に五十六年の落ち込みにつきましては含まれておりません。
○目黒今朝次郎君 そうしますと、この五十六年、五十七年でありますが、五十七年はさらに落ち込んでいるという実情にありますから、いま言われた六十一年の問題は早急に修正をしなければならぬ、こういうように考えるわけでありますが、いかがですか。
○政府委員(秋山智英君) 特に五十六年に入りましてから落ち込み傾向がございますので、ここ一、二年の木材の需要状況を踏まえまして検討していかなければならない、かように考えております。
○目黒今朝次郎君 相当厳しい情勢にあるという点はわかりました。 それからもう一つ。生産国であるインドネシアが最近原木輸出の規制を行うということを発表しておりますが、これに対する通産省と林野庁の対応についてお示し願いたい、こう思います。
○政府委員(中澤忠義君) 先生御指摘のように、インドネシアの方からは最近輸出規制につきましてまた厳しいアクションをとってきておるわけでございますが、ただいまも数字で説明されましたように、日本の木材資源、やはり相当量の、約七割の木材供給は海外に依存せざるを得ないという状況でございますし、日本の木材の生産状況等から見ましても、やはり需要に見合った安定的な輸入が必要であるということでございます。したがいまして、その安定輸入を図る上では、木材の産地国との間で相互に十分な意見交換あるいは情報交換が必要だということで、いろいろな場を通じて話し合い、相互理解を図るということがまず必要かと思います。また、基本的には、南洋材諸国との間で森林資源の造成に対しましてもろもろの協力をするというようなことも行いながら、産地国との国際協調を進めていくということかと考えております。 また、インドネシアの最近とりましたような規制措置につきましては、所管官庁から外務省を通じて相手国に対しまして、厳重な抗議と申しますか、是正を求める措置をとったというふうに承知しております。
○政府委員(秋山智英君) お答えします。 わが国の国内の森林資源の構造から見てまいりますと、当分の間やはり過半を外材に依存しなければならぬ実情にございます。したがいまして、私どもは、国内の需要に見合った安定的な輸入をしてまいらなければならぬという見地に立ちまして、いままでも政府間での話し合いあるいは情報交換、さらには海外の資源造成への協力というふうなことを通じまして、安定的にこれを入れていくところに現在対処しているところでございます。 なお、インドネシアの今回の丸太輸出規制に対する対応でございます。インドネシア政府におきましては、本年の二月十六日に、この三月から従来の丸太輸出規制に対しまして、さらにこれを強化しまして、数量で規制を行うということを発表したわけでございます。 そこで林野庁といたしましては、二月の十九日に在京のインドネシア大使館の公使に対しまして、今回の措置に対する遺憾の意を表明すると同時に、措置の再検討を要請したわけでございますが、現在、なお大使館を通じまして正確な情報の収集に努めるとともに、その情報の収集と相まちまして今後の対策を検討したいと考えております。
○目黒今朝次郎君 通産大臣、いま二人から説明あったのですが、いわゆる木材の需要に見合う安定供給するだけの輸入確保という点については、見通しとか自信がありますか。その点の見解を。
○国務大臣(安倍晋太郎君) いま政府委員からお答えをいたしましたように、最近では国内の住宅建設等が低迷をいたしておるというふうな関係もあって木材の需要が減っておるわけでございますが、しかし国内の森林資源はいまなお育成過程にあるものですから、どうしても相当量外国に依存せざるを得ない。ところが、いまもインドネシアのお話が出ましたけれども、売る方が強いということで、インドネシアなんかは、やはり付加価値を高めるとかあるいは雇用対策ということもあって製材ということを中心に売ろうという動きがあるわけでございます。これに対しては、わが方としても、いま話しましたように抗議も申し入れておりますが、われわれとしては、今後ともやはり内需の拡大ということを進めていくには住宅建設を推進をしなまやならぬ。それに伴う木材需要等も今後はやっぱり必要になってくるわけでありますから、これが安定輸入をどうしても確保していかなければなりませんので、そうした観点からやはり各国、生産国等との協調関係は十分保ちながら、輸入の安定のためのこれからあらゆる対策を進めてまいらなければならぬと、こういうふうに考えております。
○目黒今朝次郎君 林野庁、安定輸入ということを言われていますが、大体どの程度が安定輸入のめどなのか、具体的な数量で示してもらいたい、こう思います。
○政府委員(秋山智英君) お答えします。 五十七年度におきましては、政府の住宅着工目標百三十万戸ベースで、木材需要もこれに見合った形で対応していかなければならぬと考えておるわけでございますが、五十六年に九千四百万立米ということで落ちてまいりましたが、五十七年度につきましては、近々中央の木材需給協議会を開きまして、具体的なめどにつきまして決定しようという段階に来ておりますので、いまだ確定した数字を持っておりません。
○目黒今朝次郎君 御存じのとおり、木材、特に丸太の問題をめぐって、ここ二、三年大変な落ち込み、深刻な情勢にあるわけでありますが、この木材関係者の雇用問題についてどのような現状であるか、労働省から御答弁願いたい、こう思います。
○政府委員(関英夫君) お答え申し上げます。 木材関係の需要の落ち込みから、特に港湾におきまして木材関係の運送関係に従事する業種におきまして雇用調整が行われている現状にございます。昨年五月から私ども、木材関係の港湾運送事業につきまして対象業種に指定いたしまして、雇用調整給付金によってできる限り失業者を発生させないで休業で処理していただくように、この制度の活用を願っているわけでございますが、具体的な数字は、私ども日本標準産業分類で言いますと、運輸・通信業として集計しておりますので、木材関係だけの港湾運送関係の数字をいま直ちにお答えできる状態にございませんが、昨年五月以降この運輸・通信業関係の雇用調整給付金の支給決定金額が非常にふえてきております。そういう意味で、こういった雇用調整をいま関係各社で実施している現状にあるというふうに思っております。
○目黒今朝次郎君 数字は。
○政府委員(関英夫君) 失礼しました。 運輸・通信業全体の数字でございまして、木材関係だけの数字でないので恐縮でございますが、昨年四月が支給決定金額で八百三十三万円でございます。五月に千三百三十万、六月に二千二百万、七月に三千七百八十万、八月に四千七百万、九月が五千二百五十万、十月が七千八十万、十一月が六千六百四十万、十二月が六千八百七十一万、ことしの一月が八千二百九十二万というような支給決定金額になっております。
○目黒今朝次郎君 そうしますと、私も長い間労働問題を担当した者として、この四月に八百三十三万が十月段階で七千八十万という膨大な伸びになっている、八百万から七千万ですからね、この背景は何かということを調査分析するのが私は労働政策の任務であろう、こう思うんですが、運輸・通信業でどの部門がどうなってこんなに十倍もふえたか、それを把握していますか。
○政府委員(関英夫君) 先ほどお答え申し上げましたように、木材運送関係だけの集計をいたしておりませんのでいま直ちに数字を申し上げる段階ではございませんが、私ども各県から聞いておりますところでは、ごく一部トラック運送関係がございますけれども、その他大部分は木材関係の港湾運送関係だというふうに承知しておりますので、八割あるいは九割程度は木材関係の港湾運送事業であろうというふうに思っております。 なお、いま木材関係だけの数字について調査中でございます。
○目黒今朝次郎君 じゃ、これは運輸省にお伺いしますが、これは無通告ですが、こんな激変というのは結局運輸産業界に何か大きな変動がある、変動がなければこんなに十倍もふえないと思います。どんな変動があったのですか、去年。
○政府委員(吉村眞事君) お答え申し上げます。 昨年来の、まあ昨年と申しますよりも一昨年来非常に急激な木材の輸入の減がございまして、その結果、港湾の関係の木材を扱っております業界でかなりの倒産等の現象がございました。
○目黒今朝次郎君 そうすると、運輸省としては木材、特に港湾関係の激変に伴う問題だと、こういうふうに理解し、同時にそういうことは労働省も大勢としては異議がないと、こういうふうに理解していいんですか。両方どうぞ。
○政府委員(関英夫君) そのように理解いたしております。
○目黒今朝次郎君 確認します。 では次に、昨年の十二月二日、新旭川KKの倒産に関連して、政府に倒産防止対策各省協議会ということが持たれておりまして、その中で安定的な南洋材輸入の確保、関連企業への安定的な原木供給について商社への協力要請、こういうことを決定しているわけでありますが、これが具体的にどういう産業なりどういう効果があったのか、御答弁願います。
○政府委員(中澤忠義君) 木材関係港湾労働者に対する全般的な対策としての御質問として、私、貿易局でございますのでお答えいたしますが、木材関係の中央対策協議会の設置問題につきましては、事柄が港湾運送事業が中心でございますので、所管省の運輸省の対策に対応いたしまして通産省としてはアクションを起こすというふうに考えております。
○目黒今朝次郎君 答弁になっておらぬ。答弁になっておりませんよ。これについてどうなんですか。「倒産防止対策各省協議会」幹事後中小企業庁長官、政府でやっているでしょう、これ。やっておりませんか、去年の十二月二日、やっているじゃないか。
○委員長(植木光教君) 林野庁長官わかりますか、質問の内容は。 質問の内容は、安定的な南洋材輸入の確保、関連企業への安定的原木供給について商社への協力要請についてであります。
○政府委員(秋山智英君) お答えします。 新旭川の倒産に伴いまして中小企業の連鎖倒産の防止対策を検討するために昨年の十二月二日に第二回の倒産防止対策各省協議会を開催したわけであります。そこで、これらの新旭川関連の企業を含めまして中小企業信用保険法の倒産事業者として指定することによりまして関連中小企業に対する倒産関連保証の保険の特例を適用する。それから第二点といたしまして、地方ごとに倒産防止対策の推進協議会を開催する。また第三点といたしまして、中小企業倒産対策貸付制度、中小企業体質強化の資金貸付制度、さらには、中小企業倒産防止共済制度を活用するというふうな対策を決定したわけであります。 この決定に基づきまして十二月十一日に新旭川株式会社等をこの中小企業信用保険法の倒産事業者としまして指定をいたしました。さらに関連の会社の東京並びに広島地方におきまして倒産防止対策推進協議会を開催しております。 また林野庁といたしましては、木材産業の連鎖倒産の防止のために、金融、雇用等の関連の施策が総合的また効率的に実施されるように、各都道府県に通達を出しまして指導をしておるところでございます。
○目黒今朝次郎君 それ違うんだ。
○委員長(植木光教君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(植木光教君) 速記を起こして。
○目黒今朝次郎君 中小企業庁、幹事役、幹事役いないの。中小企業庁。
○政府委員(秋山智英君) ちょっとその前に私お答え申しますが、倒産の問題が起きましてから私ども関連商社を呼びまして、やはりこの丸太が円滑に入ってまいりませんと関連業界非常に大変なことになりますので、安定輸入、商社間あるいは企業間で丸太の融通等をしながらこのピンチを乗り越えるように行政指導をいたしております。
○目黒今朝次郎君 その業者関係に私も去年の十一月、ことしの三月、ここへ行ったんですが全然反応がないんですよ。むしろ玄関払いをしている。玄関払いをしているんじゃ協力になりませんのでね。その協力要請した相手の反応と取り組みはどうなんですか。商社、伊藤忠。
○政府委員(秋山智英君) 私ども伺いますところ、伊藤忠でそういう話があったと伺っておりますが、そういうことがあってはいかぬ問題でございますので、さらに重ねて行政指導を進めているところであります。
○目黒今朝次郎君 去年の十一月とことしの三月五日重ねて要請しているんですが、おたくの方ではどういう行動をしたのですか。
○政府委員(秋山智英君) 輸入協会の会長並びに南洋材の輸入協会の会長を通じまして、強くその問題につきましては重ねて要請をしてございます。
○目黒今朝次郎君 農林大臣、全然商社は反応ありませんからね。もうこれ以上林野庁は無理ですから、全然反応がないということだけ確認して、反応のあるようにやってくださいよ、どうですか。
○国務大臣(田澤吉郎君) いま林野庁長官から答弁させたような状況でございますが、今後、目黒委員の御指摘のような点は十分検討してまいりたいと、かように考えます。
○目黒今朝次郎君 じゃ、強く要請します。 それからいま、住宅建設の話がよく出るんですか、建設大臣、百三十万という話がありますが、これは本当に見通しがあるんですか。いやそうは言ってもやっぱり百十万ぐらいじゃないか、後になって困りますから、その点を具体的な展望を含めて聞かしてもらいたい、こう思うんです。
○国務大臣(始関伊平君) 住宅建設百三十万戸は大丈夫かというお尋ねでございます。御承知のとおり、わが国の住宅建設は従前では白五十万戸内外の水準を維持しておったわけでございますが、五十四年の石油ショックの年を契機といたしましてちょっと落ち込みまして、いまのような低迷の状態を続けております。しかし、住宅問題は衣食住三つのうちで一番日本では問題の多い分野でございまして、狭過ぎるとか遠過ぎるとかいう不満を持っておる者が全戸数の大体二割ぐらいはある。外国にはラビットハウスとかなんとか言われて、批判と申しますか悪口を受けているわけでございまして、こういったような点から、居住水準の向上という問題を含めまして、住宅に対する潜在需要というものはかなり多い。これは議論の余地が余りないだろうと思うのでございます。 しかし、それにもかかわらず落ち込んで、おりますのは、よく言われておりますように住宅価格と取得推力との違い、乖離でございますね。ですから、私どもが政策面でその乖離をできるだけ縮めていくという努力をすれば、これはかなり回復する可能性があるわけだと思うのでございまして、ここに詳細に一々申し上げることを省略さしていただきますが、昨年の暮れの予算編成、財政投融資、それから住宅宅地の税制改革、こういう時期に当たりまして、かなり思い切った、私の当事者としての印象でございますが、いまの政府が動員できる一切の政策手段を動員して今日に至っておるわけでございますし、また内需回復の非常に大きな柱でございますから、ぜひこれをやり遂げていきたい。その効果がだんだんあらわれてくると思うのでございますが、実は一月の末から三月の初めにかけまして、五十六年度の第四回目の住宅金融公庫の募集をいたしたのでございます。募集戸数は六万戸でございましたが、応募は十一万九千戸と、ほぼ倍十二万戸に近い応募でございまして、これは最近では一番高い応募率でございました。 なおまた、政府自身の力によります公共住宅と、いまのような公営、公的資金による住宅と、それから銀行ローンなどでやる純然たる民間資金によるものと、この三つあるわけでございまして、この辺にいま問題があると思いますが、大蔵大臣にもかねてお願いいたしまして、銀行ローンにつきましても利率をできるだけ下げてもらいたい、それから資金量も確保してもらいたいというようなことで、そういうことを考えていただけるような金利の情勢等も整ってまいったと思うのでございまして、非常に大事な政策でございますので、各方面と御相談をいたしましてその協力をいただきながら、何としてでも百三十万戸の達成を期してまいりたい、かように考えましてただいまがんばっておるところでございます。したがいまして、木材の方にも相当程度に好影響を呼ぶものと期待をいたしております。
○目黒今朝次郎君 建設大臣、最大の努力を要請します。 ただお願いは、政策見通しの誤りが、いま話があった木材関係、ひいては木材関係労働者に大変な影響を及ぼしますから、先々を読んでおって、これは大変な時代だなというときには、先手先手と対応策を林野庁なり労働省と相談をして打ってもらいたいということを要望しますが、いかがですか。
○国務大臣(始関伊平君) 私は実は千葉県の森林組合連合会の会長をいたしておりますので、林野の状況あるいは木材の状況は若干存じておりますが、ただいまのような御意見が出るのはごもっともだと思って、林野庁その他とも御相談いたしまして、木材の方の面でも、できるだけ木造住宅を多くいたしまして御期待にこたえるようにしていきたいと、かように存じております。
○目黒今朝次郎君 よろしくお願いします。 それから労働省、雇用調整助成金は現在の法律では最高二百日と、こうなっておるわけでありますが、いま前段で言ったいろいろな条件から、この二百日だけでは事業者自身もどうにもならないという情勢にあるので、特別の延長の措置を講じてもらいたいと、こういう要請があるわけでありますが、いかがですか。
○国務大臣(初村滝一郎君) この雇用調整助成金制度は、五十年の一月から実施しておるわけではございますが、これは大体、景気の動向等に対応した一時的な雇用調整に対して助成を行うものであるというのが趣旨でございます。 このような制度の趣旨から、現行の雇用調整助成金においては、支給限度日数は二百日としておるわけなんですね。これは対象事業所において労働者全員が完全休業をしたとしても約八カ月分まで支給をされるというようなことになっておりますので、これは十分に手厚いものではなかろうか、かように考えますので、日数の増加については検討をしかねます。
○目黒今朝次郎君 大臣、あなたの部下が、輸送、交通、通信関係で、先ほど四月から七月で大体十倍はね上がっていると。そういう現状はあなたはよく認識してもらいたい。 それから参考までに、時間食って損ですが、これは港湾自体も、事業者自体も大変な努力をしているという一例を紹介します。これは港湾福祉分担金という制度がありまして、一トンに一円ということで全国の港湾の事業者が拠出をしている。その金は年間約六億二千万。ところが、ことし分でも六億二千万あるわけですが、もういま、こういう労働省からの金をもらったほかに、実際の港湾のいかだの労働者の問題で、いま現在四億九百九十四万円もう使っている。六億のうちもう四億使っている。あと、請求があって支払っていないのが二百三十名の一億九千三百万。そうすると、全体の事業から見るとごくわずかのいかだの方々のために一年間の六億をまるまる使っている、もう財布は空っぽだと、こういう現状なんですよ。どうにもこうにもならないと、こういう現状でありますので、ひとつもう一回労働省で港湾局とよく相談して、事業者の意見を聞いて、もう前にも後ろにも進み切れないと、こういう現状を認識して再検討してもらいたいし、運輸大臣には、港湾機能の確保のために、非常に大変なこの危機を乗り切っていくために、運輸大臣も最大の努力をお願いしたいと、こう思うんですが、両大臣から答弁願います。
○国務大臣(小坂徳三郎君) 昨年の十一月十日の申し入れにつきましては、よく拝見しておりますが、こうしたいろいろな御提案に対しても、われわれは前向きに今後対処してまいりたいというふうに思っております。
○国務大臣(初村滝一郎君) 先ほど初めて拠出金の六億幾らを、いかだ関係だけでもすでに四億幾ら使っておるじゃないかというような数字を聞いたわけでございます。したがって、関係者とよく内容を詰めてみまして、できるだけ別な方法があるかどうか検討してみたいと思います。
○目黒今朝次郎君 まあよろしくお願いします。 それで、原木の輸入の関係などがありまして、今後の問題もありますから運輸省と労働省にお願いしますが、やはり六大港と地方港に分離して木材関係の実態を十分把握してもらいたい、こう要請しますが、両省いかがですか。
○政府委員(吉村眞事君) できるだけ実態を把握するようにいたします。
○政府委員(関英夫君) 運輸省とも協力しつつ実態を十分に把握いたしたいと思います。
○目黒今朝次郎君 それで、私は港湾の基本的な問題を若干お伺いいたしますが、わが国の経済社会では貿易活動が主流だ、貿易活動にはいやがおうでも港を通らなければ物にならぬ、これは常識だと思うのでありますが、日本の主要資源の国内一生産と輸入の依存率、これがどうなっているか、参考までに通産省から御答弁願いたい。
○政府委員(中澤忠義君) お答え申し上げます。 数量が多く、かつ輸入依存度の高い主要な原燃料についてお答えいたしますと、原油が二億五千万キロリッター、国内は四十八万キロリッターでございますから九九・八%の輸入依存度でございます。同様にその他の品目について申し上げますと、鉄鉱石が一億三千万トンの輸入に対し国内が百七十六万トン、すなわち九八・七%の輸入依存率。銅鉱石が百九万トンの輸入に対し国内生産が五万トンでございまして九五・四%。燐鉱石が二百七十万トンに対して国内がございませんから一〇〇%の輸入依存率。ボーキサイトも同様に五百七十万トンをすべて海外に依存しておるということでございます。そのほか大きなものといたしましては、石炭が輸入が八千百六十二万トンに対し国内生産が千八百万トンでございまして、輸入依存率が八一%、かようになっております。
○目黒今朝次郎君 そうすると、いま説明があった点から考えますと、貿易活動には港湾機能と港湾作業というのは不可欠、重大な問題だ、こういうふうに私は理解いたしますが、この問題について運輸大臣と通産大臣、そして官房長官にもひとつ見解をお願いします。
○国務大臣(小坂徳三郎君) ただいまも数字が挙げられましたが、港湾を通る物資の量は二十九億トン五十五年度でございました。これか港湾を通っておるわけでございまして、港湾はきわめて貴重な社会資本であるという認識を持っております。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 運輸大臣と同様な意見を持っております。
○国務大臣(宮澤喜一君) ただいま両大臣がお答えになりましたとおり、港湾はわが国にとりまして必要不可欠の社会資本であると考えております。
○目黒今朝次郎君 そういう認識に立ちますと、港湾の機能というのは関係当局、それから港湾の設備、そこに働いている港湾労働力、この三つが密接不可分のものだ、このように考えますが、運輸大臣の見解をお伺いいたします。
○国務大臣(小坂徳三郎君) いま御指摘の三点、きわめて重要な要素であるという認識を持っております。
○目黒今朝次郎君 もう一つ、港湾はそういう点から考えますと、国民の生存に不可欠な産業だということと、交通にも陸海空がありますが、港湾労働は他の交通機関と違いまして代替のきかない仕事だ、この点についてはいかがですか。
○国務大臣(小坂徳三郎君) いかなる仕事も同じと思いますが、設備がありましても労働力がなければどうにもならぬわけでございまして、そうした意味において港湾労働力というものはきわめて貴重な日本の国民的資産であるというふうに思います。
○目黒今朝次郎君 その国民的な資産をあずかっている港湾労働者の労働条件というのは、いま原木輸入問題でお話のあったとおりきわめて不安定、しかも長時間と低賃金にある、こう私は思うのであります。特に私も中へんの仲間として、陸海空の交通労働者から見ると港湾労働者の労働条件は下の方のランクにある、こういうように思って今日まで取り組んできましたが、これについて労働大臣と運輸大臣の認識についてお答え願いたい、こう思います。
○国務大臣(小坂徳三郎君) 労働省の労働統計調査報告によるのでありますが、運輸業は八・四時間、製造業八・四時間、全産業八時間、大体このようになっておりまして、港湾労働は八・六時間でございますので、全産業に比べても〇・六時間多いという認識を持っております。
○政府委員(石井甲二君) いま運輸大臣からお答えになりましたが、港湾労働の労働時間は一般よりもやや長いという実態がございます。 労働行政といたしましては、昨年定期監督におきまして港湾荷役の事業場を監督をいたしました。その中で違反事業場数が五百四十五ございました。労働時間につきましては、その中でさらに六十八、休日については十二ということでございまして、それぞれについて是正勧告をいたしまして、これを直させることにいたしております。今後ともこの改善につきましてさらに監督を厳正に行って、その改善に努めてまいりたいというふうに考えております。
○目黒今朝次郎君 私は、いま両大臣から話があったとおり、特に港湾には港湾労働法という非常に特異な労働法があるわけでありますが、この港湾労働法がなければ港湾労働が確保できないくらい、やはり港湾労働者の環境が悪いということを示しているのだと思っております。 きょうは時間がありませんから、私はいま木材の問題から始まって労働条件についてもお話ししましたし、逆に港湾の重要性ということについても官房長官以下御理解があったと思います。 したがって、私この際、一つの提案でありますが、港湾労働法を含めて港湾労働のあり方、雇用、賃金、社会保障、こういう問題について、たとえば海運とかあるいは航空あるいは一部国鉄も含めて国の資金を投入しておるわけでありますが、国の資金の投入も含めた抜本的な労働条件の改善ということが当然検討さるべきだ、このように考えておりますが、これについては運輸、労働、官房、各大臣から見解をお聞きしたい、こう思います。
○国務大臣(小坂徳三郎君) いま委員から御提案がございましたが、一つの考え方であるというふうに思います。しかし、現時点におきましては、運輸省といたしましては雇用の安定は即港湾運送事業の健全な運営にあるのだろうということを考えまして、われわれはそっちの方の面からの運輸事業そのものの健全化ということ及びその近代化、近代化即また労働の近代化になると思いますが、こうした面を推進することをいま努力をいたしておるところでございます。 なお、委員もすでに御承知のところでございますが、施設整備に対する低利融資あるいは構造不況産業対策等々を積極的に展開いたしておるとともに、港湾福祉厚生面におきましては、福祉厚生整備につきまして種々対策を進めておるわけでございますが、いずれにいたしましても低利な資金の供給というようなことで、ある一面においてはやはり国家がきわめてこの問題に深くかかわり合っているという認識を持っておるところであります。
○国務大臣(初村滝一郎君) 港湾労働法は昭和四十一年に施行されまして、昭和五十四年に一部改正をして今日に至った経緯があるわけであります。そこで、いま委員炉言われるようないろいろな問題があるので、この際、法の内部を再検討したらどうかという声もありますので、私どもはそのために現在、総理府に設置されております港湾調整審議会に今後の港湾労働対策について抜本的な改善趣旨の検討を煩わしておるわけであります。したがって同審議会では、学識経験者で構成する専門小委員会を設けて鋭意検討しておる段階でございます。 御承知のとおり、港湾運送事業というものは、いまもお話がありましたとおりに、海陸輸送の接点として最も重要な地点を占めておるというものでありまして、そこに質の高い労働者を確保するためには、何といっても雇用の安定、労働条件の向上、さらには港湾労働自体を魅力あるものにしなければならない、そういう必要がありはしないかと考えております。それには港湾運送事業の近代化によってその体質の改善強化を図ることが基本的には必要でありますが、そうした事業面の対策と対応しながら、労働対策の面でも関係審議会の検討結果を踏まえて、その充実改善に努力してまいりたいと思っております。
○国務大臣(宮澤喜一君) ただいま運輸、労働両大臣からお答え申しましたとおりでございますので、御了承をお願いいたします。
○目黒今朝次郎君 私は、両大臣にお願いしたいのですが、運輸大臣の言うことあるいは労働大臣の言うことを、私も国会にお世話になって運輸、社労やってまいりましたから、言うことはわからないわけではありません。しかし、丸太の問題であらわれているように、いわゆる縦は十分なんですけれども、横に結ぶ連絡がほとんど不十分だと、こういうことをいやというほど痛感してまいりました。ですから、いま運輸大臣あるいは労働大臣の言うことも含めて、これに大蔵大臣の金の問題も絡んでこないと本物にならない、あるいは通産大臣の方の意向も自動車関係で絡んでこないと本物にならない。こういう点で、仮称で結構ですが、港湾労働対策会議、こういうふうな総合的なものについて、ひとつ設置方について、ここで答弁できなければ、官房長官において十分に関係各省とどうするかということについて、前向きに設置について検討したいと、こういうひとつ官房長官の答弁をいただきたい、こう思うんですが、いかがですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) よく検討させていただきます。
○目黒今朝次郎君 よく検討方お願いします。 それで当面の課題ですが、私は、関係業界と輸入商社、港湾運送事業者、港湾労働者の代表、こういう方々によって当面、ここ二、三年、大変な木材、丸太に関する緊急対策存、立てるためにこの問題の中火対策会議、これを設置してもらいたい。これは去年の十一月とことしの三月、私もずいぶん駆け回って各省にお願いし、業界にもお願いして歩いた対策なんでありますが、このことについてはひとつ関係各省からお答え願いたい。特に運輸省が焦点でありますから、運輸、農林、通産、労働各大臣からひとつ改めてこの緊急の取り組みについてお答え願いたい、こう思います。
○国務大臣(小坂徳三郎君) 先ほどもお答え申し上げましたが、十一月十日の申し入れ文書によって拝見しております。その後のことでございますが、輸送業者のサイドとこの問題について話し合いを当局と申しますか、港湾局の方でいたしたのでございますが、実は四者構成というよりも、むしろまず一義的に輸送業者の内部において、港湾労働者の方々と労使の二者会談をひとつ進めたい、それでどうにもならないときにはひとつ拡大した方にお願いしたいが、一義的には業界内部で労使で十分話し合って対策を立ててまいりたいから、もう少し待ってほしいというような意見があると聞いておるわけでございます。 また、商社の方のことは、われわれの方の所轄外でございますので、まだ闘いでおりませんが、しかし、私はこうした問題はまず一義的には当事者が十分話し合うことからスタートしませんと、政府が一つの力を加えてまとめようといたしましても、なかなか実効が上がらぬのではないかというふうに私はいま考えておりますが、もう少し、本日の御質問の趣旨を踏まえ、業者間――業者間と申しますより、労使双方の話し合いを積極的に進める方向を促進してまいりたいというふうに思っております。
○政府委員(中澤忠義君) お答え申し上げます。 通産省といたしましては、木材関係の港湾運送機能ともいうものが、非常に輸入木材の円滑な流通のために必須条件であるということは十分承知しておるわけでございまして、そういう意味で各省ともよく連絡をとっておるつもりでございますけれども、現在御提案の中央対策協議会につきましては、私どもも先生方の御提案を昨年来聞いております。この問題につきましてはやはり、港湾運送機能をどう持っていくかということが中心になるわけでございますので、ただいま運輸大臣からお答えいただきましたように、運輸省としてのこれに対する対応を踏まえまして、通産省としてもこれにつきまして通産省の範囲内で御協力申し上げていきたい、かように考えております。
○国務大臣(初村滝一郎君) 運輸大臣並びに通産省からいろいろ話がありましたが、私どももよく関係省庁と話し合って、業界あるいは労使ともにそういう会議を設ければ、私どもできるだけ関係省庁と話し合って善処したいと思います。
○目黒今朝次郎君 農林省。
○政府委員(秋山智英君) お答えします。 ただいま運輸大臣から考え方のお示しがございましたので、私どもはそれを踏まえまして、木材関連産業を所管する立場からこれに応じてまいりたいと思っております。
○目黒今朝次郎君 そうすると、運輸大臣が焦点なんですよね。私の認識では、もう去年から大分やってきているから、労使の詰めはデッドロックに乗り上げておる、こう思うのですが、商社の関係あるいは大蔵大臣の金の関係、今後の見通しの関係などで労使問題がデッドロックに乗り上げておるから、それを打開するためにというのが私の提案の趣旨なんです。もしもここでその問題で議論したって並行線になりますから、やはりここで答弁したことと私の質問をこの委員会が終わってからもう少し詰めて、労使の状況をよく検討してみて、ここがタイミングだという場合にはぜひ踏み切ってもらいたい、こう思いますが、いかがですか。
○国務大臣(小坂徳三郎君) 私は、くどいようでありますが、労使関係で話がいい方向が出ませんと、後いろいろとやりましてもなかなかうまくいかないというふうに思っておりますが、せっかく委員の御発言でもございます、実情をさらによく調査して、そして進める方向で考えていきたいというふうに思っています。
○目黒今朝次郎君 運輸大臣、どうにもこうにもならなくなっているから、きょうこういうふうに国会で議論しているんですよ。傍聴人もいっぱい来ている、同志が。だから私は無理言ってない。労使の状況を十分あなたと私で詰めてみて、一つのここがタイムリミットだなというときにはお互いにそれぞれ決断をしてやるという方向はいかがですかと、港湾機能がとまったらどうしますか、あなた、大臣として。ですからそこは私はハッパをかける気持ちはない。お互いに労使で話し合ってみて、あなたと私で話を詰めて、一つのタイミングだなあと思ったときには決断をしましょうやと、このぐらいは政治家としてあなたオーケーを言ってくださいよ。
○国務大臣(小坂徳三郎君) 私は別にあなたの発言を否定しているものではありません。また、そういうタイミングであるかないかという判断はもちろんわれわれも十分して対応しますから、そうした時期が参りますことの――あなたは非常に早くそういう時期を持てというお話でありますが、われわれの方としてはもう少し時間が欲しいということを率直に申しているのでございまして、誤解のないようにお願いしたいと思います。
○目黒今朝次郎君 今月末になると大変なことになりますから、そういうことにならないようにひとつ最大の努力を要請いたします。 次に、通産省にお伺いしますが、アルコール専売事業の移管の問題の現在までの状況をお知らせください。
○政府委員(真野温君) 目黒先生お尋ねのアルコール専売事業の現在の状況でございますが、これにつきましては、現在アルコール専売事業におきましては、工業用アルコールにつきまして製造をいたしております。この製造部門につきまして、このあり方について従来からいろいろ政府部内で検討いたしておりまして、昭和五十四年十二月に閣議におきまして新エネルギー総合開発機構へ移管するという方針が決定いたしております。これに基づきまして昨年の十二月の閣議了解によりまして、ことしの十月に移管することを再確認いたしました。私どもこの方針に基づきまして、昭和五十七年度の予算案におきまして移管に伴う必要な予算措置及びこれに伴う必要な法的措置といたしまして、アルコール製造事業の新エネルギー総合開発機構への移管のためのアルコール専売法等の一部を改正する法律案をこの国会に上程いたしまして、御審議をお願いしている段階でございます。 このような状況を基礎にいたしまして、現在私どもにおきましては移管が円滑にいきますよう関係省庁あるいは労働組合等との間で調整を行っておる段階でございます。
○目黒今朝次郎君 労働大臣、このアルコール専売労働組合は公労法の適用組合でありますが、公労法の適用組合とすれば、この事業後の閉鎖、移転、移管、統合などについては労働者側の大変な問題でありますから、当然労使の合意が前提である、こう思いますが、公労法の解釈、運用でお答え願いたい、こう思うんです。
○政府委員(吉本実君) アルコール専売職員がアルコール製造部門の新エネルギー総合開発機構に移管になるわけでございますが、それに伴います退職する際の労働条件につきましては、法律に規定するもの以外はもう当然団体交渉の対象となるということでございますし、また、新しい新エネルギー総合開発機構への採用後の労働条件につきましては、これは新しい新エネルギー総合開発機構と関係労働組合との間の団体交渉によって処理するということでございます。 それから、労使の話を通じてやるという点でございますが、まさに移管が円滑に行われるよう労使間においても十分話し合いをされることを当然希望しているわけでございます。
○目黒今朝次郎君 労働省、この話し合いがつかないままに法律がひとり歩きをするから云々ということは、公労法の精神からいってあってはならないことだと、こういうふうに理解しますが、大臣いかがですか。
○政府委員(吉本実君) 先生のおっしゃるとおり、それぞれ話し合いをつけてやるということが当然と思います。
○目黒今朝次郎君 通産大臣、いま交渉中でありますが、労働省の見解のとおり話をまとめて移行すると、こういうことについてお考えはいかがですか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 労使の話し合いがまとまって、円満に移管できるように通産省としても努力を重ねていきたいと考えております。
○目黒今朝次郎君 通産大臣、まとまった労働条件はあなたの責任で新エネルギー事業団に引き継ぐ、いわゆる簡単に言えば移行して労働条件を引き下げるというようなことは行わないと、そういう行政の指導を通産省は仲立ちをするということについては御異議ありませんか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 労使関係で話がまとまった点については、これは確実に新エネ機構において守られるように、通産省としても間に立ってこれを確保したいと考えております。
○目黒今朝次郎君 よろしくお願いします。 それから、時間がないから、国鉄の問題を若干お伺いします。 最近の国鉄をめぐる情勢については、私も四十何年国鉄で飯を食った人間でありますから、いいことと悪いこととしゃくにさわることといろいろありますが、きょうはそういう愚痴を言ってもしょうがありませんから、一つ、二つお伺いします。 一つは運輸大臣に、この国鉄再建の問題については、ここ十年間歴代の内閣、運輸大臣と再三再四議論をしてきたわけでありますが、この歴代の運輸大臣、近くは塩川運輸大臣を含めて国会で予算委員会、運輸委で答弁した方針はお守りになるのか、踏襲されるのか、お願いします。
○国務大臣(小坂徳三郎君) 歴代内閣の運輸大臣の発言並びに前大臣の発言は尊重してまいります。
○目黒今朝次郎君 そうしますと、この前、元運輸大臣、現国会対策委員長田村元さんが田村提案というものをやったわけでありますが、これは原則的には了承されるわけですね。
○国務大臣(小坂徳三郎君) 田村元大臣の国鉄再建に対する計画案は承知をいたしております。
○目黒今朝次郎君 いや、了解するかどうかですよ。
○国務大臣(小坂徳三郎君) まだ十分に省内においても検討をいたしておりません。
○目黒今朝次郎君 五十二年の十一月十五日、現在の国鉄再建措置法あるいは国鉄運賃緩和法審議の際に私と一問一答をやって確認したのがいわゆる田村提案と、こうなっておるわけでありますが、その国会の意思は尊重する意思はないんですか。
○国務大臣(小坂徳三郎君) 局長から一応御答弁申し上げて、そしてなお私から御答弁をいたします。
○政府委員(杉浦喬也君) いろいろな問題につきまして先生から御指摘がございまして、こちらからもまた大臣が御答弁申し上げました主な点につきまして概略お答え申し上げますと、まず、総合交通体系の問題につきましていろいろとお話がございました。これは昨年七月に運輸政策審議会でその答申が出まして、将来のエネルギー等の制約条件、そういったような諸般の情勢の中で一体今後交通体系はどうあるべきかというような将来展望をここに描いたものでございます。運輸省としましては、この答申を今後の指針といたしまして、着実に実施してまいりたいというふうに考えておるわけでございまして、先生の御質問の趣旨に沿った線になるものというふうに考えるわけでございます。 それから第二番目の問題といたしまして、いままで何回も再建対策をやっておるが、何回も失敗しておるということの過去の原因、分析、まあ二度とそういうものがないようにというような点での御質問もございました。こうした点を今回は十分踏まえまして新しい再建法をつくり上げ、それに基づいて措置をしておる。 第三番目の問題といたしましては、労使関係の問題につきまして、これは健全な労使関係がどうしても必要であるというような御趣旨のお話につきましては全くそのとおりでございます。 第四番目に、いわゆる公共負担の問題、この問題につきましては残念ながら、関係各省において検討を重ねておりますが、まだ結論に至っておりません。しかしながら、今後とも検討を続けてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。 いままで先生が御質問になりました要点四つ取り上げましてお答え申し上げた次第でございます。
○目黒今朝次郎君 田村提案問題は、なかなか大臣は答弁しにくいでしょう。それ以上追及しません、きょうは。 それで、五十五年十一月二十七日、経営再建措置法の問題で鈴木総理が運輸委員会に出て、総括質問を私一時間やりました。そのとき鈴木総理は、これがぎりぎりの案であって、この際これを達成することが当面の最大の課題だ、また運輸委員会で、いろんな議論については最大限尊重して今後の国鉄再建に生かしていく、こういう答弁をしたわけでありますが、この答弁は現時点でも総理の意向として変わりがないかどうか、官房長官の見解を聞きたい。
○国務大臣(宮澤喜一君) 十分遵守しております。
○目黒今朝次郎君 遵守しておるとすれば、総理大臣は十一月六日、日本経済のインタビューで、国鉄は二十万体制でやるべきだ、中曽根、大蔵両大臣は再建計画措置法ではだめだと。ここにいらっしゃいます河本企画庁長官は国鉄は民営化すべきだと、四人ともばらばらな発言をしているんですが、一体いまあなたはそのとおりと言ったのですけれども、総理答弁とこの四つの事案というのはどちらが鈴木内閣の国鉄再建の方針なんですか、官房長官。
○国務大臣(宮澤喜一君) 総理大臣が国会で申し上げましたことが政府の方針でございます。
○目黒今朝次郎君 そうすると、この四大臣の食言は、総理大臣のことも含めて、どういう責任をとるのですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) そのような閣僚の御発言を正式発言として私存じておりません。
○目黒今朝次郎君 この前、地方行政委員会と運輸委員会の連合審査で全部私は確認しました。どちらが本当ですか。
○国務大臣(小坂徳三郎君) 他の国務大臣が国鉄再建について私見を述べられたということは承知しておりますが、運輸大臣といたしまして、また総理大臣からの委嘱の基本は経営改善計画を真っ当に全力を挙げてやろうではないかということでございまして、いまわれわれはそれを一番重要な考え方の基点として現在の国鉄問題に取り組んでおるところでございます。
○目黒今朝次郎君 総理大臣が正式の委員会で私の質問に答えたことと、総理大臣が日本経済のインタビューに答えたことと、それから総合交通担当である河本さんが民営移管だと。これは第三者が聞いてもばらばらじゃないですか。私だけが頭おかしいのですか、皆さんがおかしいのですか。私はこの総理大臣の二枚舌といいますか、二枚舌は絶対に許すわけにまいらぬ。したがって、官房長官、どうしますか、これ。
○国務大臣(宮澤喜一君) 総理大臣が国会で申し上げましたことが政府の態度でございます。
○目黒今朝次郎君 もうこれ以上官房長官に言ったって答弁しないだろうから……。そろそろ時間が参りましたので。 それで、私はこれは厳重に今後理事会でこういう問題については取り扱いについてきちっとしてもらいたいということを委員長に要請しますが、いかがですか。
○委員長(植木光教君) 理事会で協議いたします。
○目黒今朝次郎君 じゃ要請いたします。 それから、その上に立って、いま臨調でいろいろな議論がされてわるわけでありますが、私は元鉄監局長、運輸次官の住田氏あるいは元国鉄監査委員の角木氏、そういう方々が、自分が国鉄経営に責任があるくせに言いたいほうだい、鈴木総理と同じように二枚舌を使っている、こういうことについては運輸大臣としてはどういうふうにお考えになりますか。個人の自由ですか。
○国務大臣(小坂徳三郎君) 国鉄の現在の問題はきわめて国民的課題であるという面から見て、かつまたこうした諸君が現在臨調の専門委員として勤務していられる、その方々が、公的があるいは私的か存じませんけれども、いろいろな発言をしておられるということは、これは私は別にそう気にとめることはないというふうに思っております。
○目黒今朝次郎君 そうすると、今日の国鉄に導いた一半は鉄監局長あるいは運輸次官に一連の責任があると思うんですが、それはもう退官してしまえば問答無用、こういう姿勢でいいんですか。
○国務大臣(小坂徳三郎君) 本人たちに聞いてみませんとどういう真意であるかわかりませんから、私はちょっとここでお答えしかねるのでありますが、しかしやはり今日の国鉄の状態というものはいずれにいたしましても、この百年間の歴史の中で培われた国鉄という巨大な企業形態があり、中に多くの人々が参画し、またやめて出ていったと思うのでありますが、いずれにいたしましても今日の状態を、きわめてすばらしいものだと言う人は少ないのではないかと思います。そうした意味において、関連を持った方々は戻れなりの反省があってしかるべきだというふうに思います。
○目黒今朝次郎君 私も国鉄で四十年飯を食っていますから、反省せいと言えば反省するにやぶさかではありません。しかし、国鉄の問題を労働組合の次元にだけ問題をしぼって、経常の責任、政治の責任というものをパアにしてしまうという現在の、昨年の動向はけしからぬと私は思うんですよ。それについて、じゃ官房長官、どうですか、われわれも反省するところは反省し、立て直すためには大いに努力するんですよ、国鉄労使が。単に労働組合つぶしに無点を合わせるような動向があってはならない、真の再建はあり得ない、こう思うんですが、官房長官の、全体の意見としてあなたの見解を聞きたい。
○国務大臣(宮澤喜一君) 全体の意見としては、世の中の批判は非常に厳しいと思います。
○目黒今朝次郎君 じゃ、国鉄にお伺いしますが、全体が厳しいという中であなた方は右往左往するのか、あるいは運輸大臣が、当面は経営再建措置法、これを完全に消化することだ、こう言い切りましたが、そのことだと総裁が思っているのかどうか、総裁の見解を聞きたい。
○説明員(高木文雄君) 現在、私どもはいまお触れになりました国会での審議を経て成立しておりますいわゆる再建法に基づきまして、またあのときの国会での多くの各党からの御意見を十分拝聴いたした上で経営改善計画を立てたわけでございまして、そしてそれを政府で御承認いただいておりますわけでございますから、私どもとしてはまず何はともあれあの計画を実施をいたしたい、それが書いたものに終わってはならない、現実のものとして実行いたしたいということが、私どもが最も中心に考えておることでございます。
○目黒今朝次郎君 世間では労働組合が合理化問題に協力しないとかいろいろ言っていますが、私は国鉄にお伺いしますが、ここ三年か五年で結構ですから、いわゆる具体的に労使関係でどういう合理化案と取り極み、どういう成果があり、どういう問題点があるのか、そういうものについてやっぱり天下に向かって言うべきだと、こう思うんですが、国鉄側の説明を求めます。
○説明員(吉井浩君) 最近の三年ということで、五十三年から五十五年度まで、この三年間にわたって主としてどのようなことについて合理化をやってきたか、またその成果がどうであったかということについてお答えを申し上げたいと思います。 この三年間の合理化といたしましては、この間に東北、上越新幹線の開業のために要する人員の養成、配置等々のことがございました。そのために約一万六千程度の増員を必要としたわけでありますが、それを賄って、かつ二万五百名に及ぶ要員の縮減ということを実施をいたしました。したがいまして、いわゆる合理化といたしましては三万六千六百という数に相なっておるわけでありますが、その中の主たるものといたしましては、いわゆる投資という関係の設備改良投資等々によるものが約二千三百でございます。それから作業方式の変更、たとえば動力車二人乗っておるものを一人にいたしましたり、あるいは乗り組み基準を改正いたしましたり、いわゆる作業能率の向上ということに関連いたしますものが約二万六千八百という数でございます。そのほか、部外能力活用その他の方法によりますものが六千超ということで、合わせて三万六千の合理化の成果を上げたと。また今年度は一万二千の要員縮減というお約束を果たすべく現在最後の追い込みをやっておるということでございます。まあ問題点といたしましては、たとえば設備改良というふうなものにつきまして投資のテンポの問題がございます。また効率アップにつきましても、まあ組合との間にもちろんいろいろなやりとりはございますけれども、最終的にはいわば平和裏にこのような成果を上げつつあるということを御報告を申し上げます。
○目黒今朝次郎君 官房長官が時間が何か大変らしいんだけれども、五、六問官房長官に用意してきたのですが、あなたの都合もありますから御協力しますが、会計検査院法の改正について、もうこれは昭和五十二年ですか、そして国会でも衆参両院本会議、決算委員会を含めて、私単純に計算したけれども、六十回ぐらいあるんですが、その都度あなたから答弁があって、あなたの答弁も非常にかっこうのいい答弁もあったり、まあ詭弁を弄すると言っちゃ失礼かもしれませんが、なかなか苦しい答弁があったり、あるいはもう第三者に責任を転嫁するような方針があったり、議事録こんなにあるのですが、あなたの議事録だけで全部要点だけしほったのです。本当は実はこれは時間があれば全部あなたに読んでもらおうと、こう思って準備したのですが、三者三様、そのときどきの情勢によってあなたの答弁が変わっているんです。 それで、私はここ二年ばかり決算委員をやらしてもらいまして、いろんな問題があったり、談合問題あるいは大蔵省の関係の銀行問題などいろいろあったりした中で、会計検査院法の改正については踏み切って改正をするのが、憲法のたてまえからいっても、あるいは国民の税金が有効に正しく使われるという点からも、やはり会計検査院法の改正についてはこの国会で踏み切るべきだというのが私の結論です。その結論について官房長官の見解を、今後の問題もありますから、ひとつ聞かしてもらいたい。特に私があなたにお願いしたいのは、大蔵省の渡辺大蔵大臣がどうの、あるいは農林がどうの、あるいは通産がどうの、後で聞きますが、それはいろいろあることはわかるわけでありますが、あなた自身としてこの会計検査院法の改正案をどう受けとめて、官房長官宮澤としては賛成だけれども、どうも大蔵大臣がうるさい、通産大臣がうるさい、農林大臣がうるさいと、閣内が調整しかねるということで踏み切れないのか、あなた自身も反対だから踏み切れないのか、その辺をひとつわかりやすくお答え願いたいと、こう思うんです。
○国務大臣(宮澤喜一君) 御指摘のようにこの問題は非常に沿革の長い問題でございまして、昭和五十三年、福田内閣のときに及んでおります。要は、目黒委員はよく御承知でございますけれども、会計検査院の検査機能を拡充強化すべきである、そのためには関係の法律の改正をすることが必要なのではないかということがしばしば言われてまいったわけでございます。そこで、私の前任者の時代から閣内におきまして、会計検査院と関係各省庁との間で何かしかるべき法律の改正の方法はないものか、何度か調整に努めてまいりました。私もさようでございます。 私の答弁が変わってきたと言われますことは、実はそのとおりでございまして、私としては、会計検査院の希望されるような法律の改正について、各省を何度か説得しようと努めたことは事実でございます。しかるところ関係各省は、これも御承知のことでございますけれども、会計検査院が、政府関係金融機関等はもちろん問題はございませんが、その先の融資先まで立ち入って調査をする、法律上の権限に基づいてそれをするということは、いわば自由主義経済体制への公権力の過剰な介入ではないかといったようなこと、あるいはもっと平易に申しますと、たとえば政府関係機関から金融を受けたところの中小企業あるいは農業関係者、正直を申して十分な帳簿というようなものを備えていない場合も間々あると思いますが、その場合に、こわいお役所から検査に来るということになれば、これはちょっと政府関係機関から金を借りるということそのものをやはりちゅうちょせざるを得ないというようなことになって、政府関係機関のそういう融資を行う政策目的が達成できないといったような、それ自身はもっともな反対論が関係各省からございました。また中小企業団体、農業団体等からもこの法律改正はぜひ思いとどまってほしいという、したがって意思表示があったことも事実でございます。 そこで、そのようないきさつを踏んまえまして何度か調整に努めましたが、調整をすることができない。そこでやむを得ず会計検査院に対しまして、会計検査院が現在考えておられるような法律案では閣議の決定を得ることができない、したがいまして会計検査院としても改正の内容を再考してはいただけないかということを昨年の夏に私の方から要請をいたしました。他方でしかし、会計検査院の検査機能の拡充強化ということは、これはいかなる意味でも必要だというふうに考えましたので、同時に関係各省庁に対して、会計検査院への検査員の検査等への協力については十分これを徹底するようにということを、同じく七月の段階で各省庁の事務次官に伝えたと、こういう経緯でございます。
○目黒今朝次郎君 あと折り返し質問したいんですが、長官の時間がありますから、今後決算委員会もあるし、決算の総括もありますから、決算の総括の際にも十分に時間をかけてやりたい。私としては、何としてもこの国会で院法の改正を行うべきだという見解を持っているということだけは重ねて強調しておきたいと、こう思います。 それで、大蔵大臣ね、これは私は実は具体的な問題を提案しようと思っておったんですが、いろいろありますが、あなたも私と平和相互銀行の問題で大分やりとりした経緯がありますね。あのときの米里銀行局長の問題についても、私はそれなりに了解をしたつもりです。ところが今回、経済現代という別冊の本に、おたくの政府委員である宮本さんという方が何か雑誌社と対談されて、私の名前が出てまいりまして、けしからぬというような話があったやに聞いております。私の秘書がことしの二月の十五日、銀行局長に抗議を申し入れに行った経緯もありますが、それについては私は省略いたしますが、まず最初銀行局長に、経済現代という雑誌社と対談をしたことがあるかどうか、同時にその対談の内容について、私の秘書が抗議を申し入れたことについてそのとおりであるかどうかということを、銀行局長の名誉のためにもこの際国会で御発言願いたいと、こう思うのです。
○政府委員(宮本保孝君) 先生御指摘の経済現代の件でございますが、昨年秋ごろ経済現代の記者と一度会ったことがございますので、その記事は承知いたしておるわけでございますが、御指摘の点につきましては、私の真意を正しく伝えるものでございませんので、先生の秘書の方の申し入れにつきましては十分理解できるところでございます。
○目黒今朝次郎君 そうすると、会ったけれども、あの記事の中にあります目黒議員の国会活動に対する中傷、誹謗的なものについては、そういう会談はなかったということを再確認して結構ですか。
○政府委員(宮本保孝君) そのとおりでございまして、私どもといたしましては、従来から先生からもいろいろ御指摘いただいておりますけれども、国会等におきまして御議論や御指摘をいただいている点につきましては、実際の行政とか、あるいは検査に際しまして貴重な指針とさしていただいておるわけでございまして、今後ともそれらにつきましては十分尊重しながら対処してまいりたいと、こう思っております。
○目黒今朝次郎君 大蔵大臣、私は銀行局長の名誉のためにこれ以上追及しません。しかし、いろいろな雑誌社で対談する際に、やはり国会での質疑の問題については十分配慮するし、雑誌社の対談についても、それなりにやはり大蔵省は大蔵省らしい矜持と誇りを持ってやってもらいたい。そういう意味で大臣の指導方を特に要請しますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 誤解を与えないように十分慎重に対処するように申し伝えます。
○目黒今朝次郎君 これで大臣二回目ですからね。何事三度になりますとどうなるかわかりませんが、何事三度がないように要請をしておきます。 それから、いま官房長官の話についてやはり大蔵、農林、通産、現時点でもいま官房長官が言ったような主張については変わりはないと、こういうふうに思うのですが、いかがでしょうか。院の改正。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 結論から申しますと、さようでございます。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 通産省としては、もちろん会計検査院の機能を強化していくということについては異論はないわけでありますが、政府関係機関の融資先の中小企業荷にまで立入検査権が及ぶというのは、中小企業者に非常に過大な責任といいますか問題が出てくるのじゃないかと、こういうことで問題はあるというふうに考えておりますが、先ほど官房長官が答弁をいたしましたように、官房長官のもとでいろいろといま調整をしておると、こういうことで承知をいたしております。
○国務大臣(田澤吉郎君) 先ほど官房長官が御答弁したように、農林漁業金融公庫資金の借入者を調査の対象にする場合には、調査に応ずるための特別の準備を余儀なくされるということになります関係から、農林水産業者の間ではやはり借り入れを見合わせるという人が非常に多いようでございますし、そういう関係もございまして、農業団体等からも非常にこれは反対の意向がずいぶん出ておりますから、私たちとしては、この法の法制定の形式には慎重な態度でいきたいと、こう考えているのでございます。
○目黒今朝次郎君 会計検査院にお伺いしますが、これは小さな事案ですが、昭和五十五年十一月十八日、中小企業金融公庫から株式会社フロンティア商事という会社が、これは建材卸業、資本金三百万、従業員四名、この会社がいわゆる中小企業公庫から四千五百万お借りしたのですね。それで五十六年三月十日、五月十日、七月十日、三回だけ元金のちょっぴりと利息を払って九カ月後に倒産をしたと。私が内容を調べてみますと、建材卸売業というのは真っ赤なうそで、金融ブローカーであったと。年間約何億円という申告だけれども、年間の売り上げも全然でたらめと、こういうのをはっきり私は把握しているのですが、こういう不当事項は依然として会計検査院の検査の対象にあると思うのですが、これをどういうふうに対処をするのか。 もしも大蔵大臣は、この問題があった場合に、あなたはどういう立場で四千五百万円の国民の税金に対して言いわけができるのか、両方からお伺いしたい。
○説明員(丹下巧君) ただいまお話のありました郡案につきましては東京支店の事案のように承っておりますけれども、五十四年の四月に東京支店は検査しただけで、その後検査をいたしておりませんので、大体サイクルといたしまして、そろそろ検査という時期でもございますので、その際に御趣旨を踏まえまして十分検査したいというふうに考えております。
○目黒今朝次郎君 四千五百万どぶに投げてしまった。中小金融公庫からフロンティア商事という会社が四千五百万借りた。ところが、これは金融ブローカーだったと。倒産しちゃったと。
○政府委員(勝谷保君) 中小企業金融公庫は中小企業庁が所管をいたしておりますから、事実関係について先に説明をさしていただきます。 先生ただいま御指摘のございました中小企業金融公庫からフロンティア商事への貸し付けに関しまして私どもの方で聴取したところ、以下のとおりでございます。 中小企業金融公庫はフロンティア商事に対しまして、事業計画とか事業の見通し、貸付金の回収可能性等の審査を行いまして、所要の債権保全措置を講じました。これは担保をとっております上に保証人をとっております上で、昭和五十五年の十一月十八日に、新工場建設資金としまして四千五百万円を貸し付けました。これによりまして同社は昭和五十六年六月に新工場を完成しております。この新工場というのは、カキの殻をつぶしまして、これを飼料として鶏に食わすということでございまして、これで優良な卵が出るということでございます。その後、同社は取引先企業の倒産の影響を受けまして、五十六年の八月十八日に銀行取引停止処分を受けて倒産をいたしました。しかし、昭和五十六年十一月に、中小企業金融公庫に対します同社の債務は事業とともに別会社に引き継がれましたが、それ以降現在に至るまで、その返済は債務引受時に取り交わされた約定どおり行われているところでございます。 このような状況でございますから、推察しますところ、中小公庫における当該貸し付けの取り扱いについては特段の問題はないのではないかという推定をただいまのところいたしているところでございます。
○目黒今朝次郎君 きょうは時間がないから、じっくり決算委員会でやるから後お楽しみにしてください。 それから、最後に厚生大臣にお伺いしますが、老人保健法案が参議院に来るわけでありますが……
○委員長(植木光教君) 目黒君、時間が参りました。
○目黒今朝次郎君 はい、わかりました。 経団連、日経連など経済四団体があれば困るという声明を出して自由民主党に申し出る、こういう話があったのですが、われわれはいまから法案審議に入るのですから、これは大事なやっぱり一つの判断ですから、責任ある厚生大臣の回答をお願いして私の質問を終わります。
○国務大臣(森下元晴君) お答えします。きょう、経済四同年――経団連、日商、同友会、日経連、この四団体から自民党の三役、それと参議院の議員総会長に対しまして、老人保健法案は老人医療費の負担を安易に被用者保険に転嫁するものであり、賛成できないという旨の申し入れがあったことは実は承知しております。 そこで、この法案は御承知のように、高齢化社会の到来に対応して総合的老人保健対策の推進によりできるだけ老人医療費の節減を図り、公平な負担を目指すものでございまして、経済団体にも十分その趣旨を御理解いただき、現在参議院で御審議をいただいている法案の一日も早い成立をお願いしたい、こう考えておるわけであります。
○委員長(植木光教君) 以上で目黒今朝次郎君の一般質疑は終了いたしました。(拍手) ―――――――――――――
○委員長(植木光教君) 次に、藤原房雄君の一般質疑を行います。藤原君。
○藤原房雄君 公明党・国民会議を代表いたしまして、一般質疑を若干さしていただきたいと思います。 最初に、同僚委員からも今日までいろいろ指摘がございましたが、景気の低迷状況につきましては、数値的にはいままでもいろいろ論議ございましたから一々挙げませんが、いずれにしましても、政府の経済見通してあります五・二%、これが四・一、現状では三%もむずかしいのではないかという、こういうことが言われておるわけでありますが、こういうことになりますと、これはきょうも午前中同僚委員からもいろいろお話ございました。質疑があったわけでありますけれども、これは景気浮揚という対策につきましては、すでに、三%といたしましても、当初の四・一から三%ということで一・一、相当な乖離が出てきているわけですね。ですから五十七年度の経済見通しにも大きな影響力が出てくる、こういうように思うわけでありますが、政府のいろいろな今日までの報告では、ありきたりといいますか、こういう深刻な現状というものに対する認識がどうも欠けておるのじゃないかと思うのですけれども、どうですか。
○国務大臣(河本敏夫君) 経済の現状につきましては、十分深刻かつ重大に考えております。何分にもいま世界経済の状態が昨年の後半からことしの前半にかけてが一番悪い状態である、このように言われております。ほとんど全部の国がマイナス成長に陥ったわけで、たくさんの失業者を抱えておる、こういう状態でございまして、しかしながら各国政府も、いまはこういう状態であるけれども後半は回復するであろう、このような見通しを立てておりますし、OECDなどの権威ある機関なども、おおよそそのような見通しを立てておるのでございます。政府の方も世界経済全体がことしの後半は回復するであろう、もっとも回復の幅とか時期等について、若干の各国政府の見通しの狂いは出てくるかもわかりませんが、大勢はそういう方向に行くであろう、このように考えております。 しかし、いまとり得る景気対策は何かといいますと、公共事業とか住宅計画のうちの公的住宅、これを技術的に可能な限り最大限前倒しをする、それしかただいまのところとるべき対策が考えられませんので、それを全力を挙げてやってみよう、こういうことをいま考えておるところでございます。
○藤原房雄君 回復の兆しは出てくるであろうということでありますが、どういう要因があるから回復の兆しがあると見通されるのか。また、前倒しのことについては、これはことしも、五十六年度も災害がございました。そのほか前倒しにつきましてはそれなりの手だてはしているわけでありますけれども、これだけ落ち込んだ状況の中から、当初のこの経済見通しということは、非常にこれはそこまで持っていくには、余り土台が落ち込んだだけに非常に厳しい。いままでのような他力本願といいますか世界的な趨勢、いろんな要因があるわけでありますけれども、いままで論じられているだけの手だてでこういうところからの上向き、上昇ということが容易にできることではないのではないか、やっぱり思い切った施策がなければならないというように思うのですけれども、その点もう一歩突っ込んでどういうふうにお考えになっていらっしゃるか、回復の兆しについての要因。
○国務大臣(河本敏夫君) 五十六年度の第一・四半期の経済の動向を分析してみますと、一・二%成長でありますが、外需の関係が一%成長、それから内需が〇・二%成長、合わせて一・二%成長になっております。それから第二・四半期は〇・六%成長でございますが、外需の関係が〇・八%、内需がマイナス〇・二%。それから第三・四半期がいま落ち込んだ、マイナスになっておるというお話がございましたが、外需の関係がマイナス一・三%であります。内需の関係はプラス〇・四%でありますが、特に民間需要は〇・七%のプラスに転じております。これは在庫調整が終わったからだと私どもは考えておるのです。やはり在庫調整が長らく経済の足を引っ張っておった、こういうことでございますが、それはおおむね解消したと、こう思っております。第三・四半期がマイナスになったということは外需の関係でマイナス一・三%という大きな影響を受けた。こういうことでございまして、これは要するに世界経済が落ち込んでおるから外国へ物が売れなくなった、こういうことでございます。その経済がことしの後半は回復するであろうということになりますと、貿易も現在のようなひどい状態ではない、いずれある程度の調整ができるであろう、このように考えておりますし、やはり私は、アメリカの経済は景気回復のための相当な起爆剤を持っておりますので、後半回復しないということを言われる向きもございますが、私どもは、アメリカの経済はアメリカ政府の見通しのままそのとおりいくかどうかは疑問でありますけれども、大勢としては回復の方向に行くであろう、このように判断をいたしております。 なお、公共事業七五%以上技術的に可能な限り最大限ということになりますとその効果も相当出てくる、このように考えておりまして、内外からある程度景気回復の兆しというものが出てくるであろう、こういう期待を持っておるのでございます。もとより経済は激動期にございまして、非常に厳しく世界経済、日本経済とも変化をしておりますので、こういう変化に即応する適切な経済政策をその都度機敏に立てなければこの経済成長は軌道に乗らないということは当然でございまして、あくまで適切な、機動的な経済運営をするということを前提としての経済成長を考えておると、こういうことでございます。
○藤原房雄君 この経済ということについてはいろいろお尋ねしたいと思っておるのですが、文部大臣が何か所用で時間が迫っているようで、ちょっとここに入るのはどうかと思うのですが、一点だけお聞きして、お時間のようですから。 実は、十四日発表になりました五十六年度の学校保健統計調査ですね。これで高度経済成長時代に育った子供たちが、非常にかっこうはいいけれどもひずみがあるのだという、そのほかいい面のことについても、甘さ離れといいますか、食生活の変化とか、いろんなことによって虫歯の子供が少なくなったとか、めがねをかける者が少なくなったとか、そういう傾向があらわれつつあるという、次代を背負う青少年の教育ということで非常に大事なことであります。この統計の結果につきまして大臣の御所見お伺いをしたいと思うのでありますが、どうですか。
○国務大臣(小川平二君) 仰せのとおりに、経済が急速に成長いたします過程で、物質的な環境はますます豊かになっていく反面、心の大切さということが忘れられておる今日の風潮、これが今日の少年の非行あるいは校内暴力等を引き起こす根本の原因だと心得ておりますので、御承知のとおり学校教育におきましてもゆとりのある教育を行うために努力をいたしておるわけであります。また、文部省におきましては、豊かな心を育てる施策推進会議というのを設置いたしまして、そのために文部省が従来やってまいりました施策、新たな施策をも加えて全省を挙げて対処していこうといたしておるところでございます。
○藤原房雄君 現在、青少年に対しての心の問題については、いま豊かな心をというお話でございましたが、今後の施策としまして、青少年育成のためにさらに力を入れていただきたい大臣としまして、いまお考えになっていることがございましたらお述べいただきたいと思いますが。
○国務大臣(小川平二君) 最近青少年の非行あるいは校内暴力ということが頻発いたしておりまして、私もこれには心を痛めておる次第でございます。これが出てまいりまする原因を一言にして申しますれば、家庭、学校、あるいは社会、それぞれの教育機能が低下しているということでございますから、これに対処いたしますためには学校、地域社会、家庭、連携して、一体となって取り組んでいく必要がございます。 一つの問題は、乳幼児期における子供のしつけという、人格の形成にとって非常に大きな影響を及ぼす点がなおざりにされておる。そこで、母親に対しまして子供のしつけに対する学習の機会を提供いたしまするために、家庭教育のための講座あるいは相談事業等を行っておるわけでございます。学校におきましては生徒に対する指導を強め、ことに一人一人の生徒に対して十分な配慮すべきことを指導いたしておる傍ら教員の資質向上にも努めておるわけでございます。こういう時期におきましての青少年の健全育成のためには非常に細々した各種のことをやっておるわけでございまして、これを列挙して申し上げるというのはなかなか大変なことでございますが、従来の施策をこの際総合いたしまして、全力を挙げて取り組んでいこうと、こう考えておるわけでございます。
○藤原房雄君 大臣、時間ですからあれですが、一言だけ聞いておいてください。 これは学校保健統計調査ですから、児童、生徒の健康、身体的な、肉体的な面についての、高度成長の中で育った子供たちがいままでの子供たちと違う面があるということについて非常に憂慮されておる。最近はもう子供たちの体に何かが起きておるのではないか。小さいときに外で遊ぶことが少ない。それからまたはだしで歩くことが少ない。そういうことが体にどういう影響があるのか、いろんな子供に対する身体上の、健康上の問題について論議もされてきましたですね。そういうことの一つの集大成としての今回の統計、いろんな分析の仕方があると思いますから、これですべてじゃないのですけれども、そういう健康上のことについて私も今日までいろいろ関心を持ってまいり、取り上げてきただけに、教育部面ではなくして、保健という、健康、身体的な、肉体的なこういう面のことについての配慮というものも、これまた文部省としても大事なことだろうと思いますけれども、こういう推移の中で、今後りっぱに、健全に心身ともに成長していくように文部省としましても真剣にひとつ取り組んでいただきたい、こう思うのです。
○国務大臣(小川平二君) 最初の御質疑の御趣旨を多少取り違えておったかと存じまして恐縮でございます。 いま御指摘の点は、確かにこれからの教育行政の上の大きな問題点と心得ておりまするので、十分研究をいたしまして真剣に対処してまいるつもりでございます。
○藤原房雄君 大臣、結構です。 経企庁長官、さっきの話に戻るわけでありますが、前倒しということもずいぶん言われておりますけれども、仕事をする企業にとりましては、前倒し七五名、それは確かに集中的に仕事が出てくる。それは今日までも七〇%台のことについてはやっておりますから、これは地方自治体ともに仕事の手配の方についてはそれなりの態勢、準備というのはあるのだろうと思いますが、その後どうなるかということは、企業にとりましては、やるだけやって後半よく息切れとかいろんなこと言われておりますけれども、そういうことで、せっかく企業として雇用したもの、または準備したものが、設備投資が、設備した機械が十分に効果を上げ得るのかどうかという、こういう問題も出てくるわけですね。 〔委員長退席、理事土屋義彦君着席〕 これについては今日までもいろいろ論じられておりますが、企業家として仕事をする立場から、この後半のことについては、やっぱりこれは明確に一明確というか、現時点でどこまで考えられるかわかりませんけれども、しておきませんと、仕事する立場からは非常に大変だという、これはもう十分御察しいただけることだと思います。後半についてはこのように考えておるという御所見をまず伺っておきたいと思うのですが。
○国務大臣(河本敏夫君) 政府といたしましては、公共事業、住宅、あるいは災害復旧事業、こういうことをできるだけ前倒しをするということで経済の力を回復したい。そして先ほども申し上げましたように、民間経済の活力も後半にはある程度回復するであろうからそれにつないでいきたいと、こういう考え方でいま対策を進めておるわけでございますが、いまのお話は、万一そうならぬ場合には一体どうなるのか。民間の仕事の量がぐっとふえてきて、そして公共事業の減少を補うと、こういうことになれば大変いいが、それがうまくいかないと、こういう場合には大変困るじゃないかと、こういうお話だと思いますが、万一そういうことになりますと、これは景気対策上からも放置するわけにはまいりませんから、そのときには有効で適切な手段を考えなければならぬと、このように考えておりますが、それではいまの段階で有効適切な手段とは何ぞやということになりますと、まだ政府部内ではそこまでは相談をいたしておりません。
○藤原房雄君 このことについてもいろいろお聞きしたいことがございますが、時間もあれですから次に移りますが、要するに、先ほど経企庁長官もお話しになっておりましたように、現時点では世界的な影響とは言いながら国内でも非常に景気が低迷いたしているわけでありますが、特にもっと地域的に見ますと、地域間の格差というものはこれまた非常に大きいと言わざるを得ないと思います。何せ農業が主体、一次産業が主体でありますところについては、二年連続の冷害、東北、北海道、そして所得が伸びないという、いま乳価また畜産品、こういうものについての価格問題につきましても、また米価にしましても、しかもそこへ追い打ちをかけるように冷害、水害、台風の影響、こういうことで非常に格差がある、こういうふうに私どもは見ているわけですが、この点について経企庁、全国的な地域性、こういうものでどういうふうにお考えになっていらっしゃいますか。
○国務大臣(河本敏夫君) やはり地域間の格差にいたしましても、業種間の格差あるいは企業の規定による格差等にいたしましても、抜本的にこれを解決しようといたしますと、経済全体の活力を回復してそのことによって初めてそういう問題が解決される、このように考えておりますが、それまではそれぞれの格差についての適切な対応が必要であろう、このように思っております。北海道などはこれまで一次産業と公共事業が中心の経済でございましたが、最近は昨年の大きな災害がございまして、その災害に対しましては激甚災法を適用いたしておりましてその事業が非常に幅広く行われておりますので、北海道はやや地域間格差という問題につきましては持ち直しておるように思いますが、やはり東北とか四国等に問題があろうかと思います。そういう地域に対しましては、地方の知事などに対しまして、地方単独事業をできるだけやってください、それに対しては政府としてもできるだけの援助をいたします、こういうことで地方単独事業をできるだけ自力でやっていただく、こういうことをお願いをいたしているところでございます。
○藤原房雄君 仙台の通産局でいろいろ統計をいたしました、東北全体としまして五十六年度の冷害また台風十五号の影響、この農業被害が他産業にどのくらいの影響があるかという試算がありまして、およそ一千三百億というようなことが言われておるわけですね。全体的に素材産業というのが低迷しておるという中で農業の、これは北海道についても同じことだと思いますけれども、農業が二年も被害を受けるということの影響性というものが地域に大変な影響を及ぼしている、こういう認識についてはどうですか。景気に及ぼす影響としまして、農業が非常にこういう二年連続の被害を受けたということの地域に及ぼす影響性というものは非常に大きいということですね。経企庁長官、どうですか。
○国務大臣(河本敏夫君) 二年続きの農業災害がございましたから、これはもう当然その地域は相当大きな影響を受けておると思います。
○藤原房雄君 相当な影響じゃなくて、これは役所の試算でもこういう影響が現実にはじき出されておる。 こういう中にありまして、ところで農林大臣に御出馬をいただかなければならないのですけれども、この二年連続の冷害、しかもことしもまた気象庁の発表なんかを見ますと、非常に夏が短いのではないかというふうに言われておる。こういうことで、農業に対しての指導というものは、農林省としましてはどういうことを眼目にして稲作、これからの農業のあり方についての指導をしていらっしゃるのか。それから、農村における大変な疲弊状況、低迷状況が地域に及ぼす影響というのは、農林大臣が一番よくこういう問題についてはおわかりなんだろうと思いますけれども、そういう農業が持つ、農村が持つ経済に対する影響力、これは工業生産地域とは違う面でそれなりのまた影響があろうかと思いますが、その間のことについて農林省としてはある程度試算なりお考えがまとまっておればお聞きしたいと思いますが、どうですか。
○国務大臣(田澤吉郎君) いま農林水産、特に農林関係でございますが、米の過剰という大きな課題を抱えているわけでございまして、これを解消することがまず第一の問題でございますので、いま水田利用再編対策を積極的に進めておりまして、そのことから新しい農政、安定した農政を確立しようという考えをいま進めているわけでございます。そのことがやはり地域分担にもつながりますし、日本全体の農業の安定附な地位を確保するものと、こう考えるわけでございます。また一方、二年連続の災害によりまして大変な不況の状況に置かれておりますし、また食糧全体の面から考えましても、この点を十分配慮していかなければならない。気象状況等も今後考えながら農業政策を進めてまいらなければならないと思うのでございます。先ほど経済企画庁長官からもお話がありましたように、農業の不況がやはりその地域の中小企業にも大きな影響を与える、その地域の経済にも大きな影響を与えるというような面から考えますと、非常に農業の持つ役割りというのは重要だと、こう考えますので、今後私たちはいま御指摘のような点を十分配慮しながら農業の政策に万全を期してまいりたい、かように考えております。
○藤原房雄君 減反をしてその安定的な農業をということですけれども、こういう不況下の中で、長期的に言えばそういう言い方もあるのかもしれませんが、現実は大変な厳しい中にあることは間違いありませんね。五十五年の九月に総理大臣の東北の定住構想等についての諮問がございました、国土庁長官。過日、これが「定住構想を推進するに当たり、特に東北地方の開発・整備を積極的に進めるための方策について」という審議会の報告がなされたわけでありますが、国土庁長官、これをごらんになりまして、また担当する大臣としましてどのような御所見を持っていらっしゃるかお伺いしたいと思います。
○国務大臣(松野幸泰君) お答えいたします。 御承知のように、東北地方は国土資源が豊富なこと、首都圏に隣接していることなど、その開発可能性はきわめて高く、三全総においても、今後定住の場を拡大していく地域としてその開発が大きく期待されているところであります。国土審議会は、昭和五十五年九月から東北地方開発特別委員会において調査、審議を進め、去る三月二日、交通体系の整備、産業の振興等のための具体的方策を盛り込んだ報告をまとめました。この報告は国土審議会の貴重な意見であり、定住構想実現のための一つの柱ともなると考えられますので、国土庁としては本報告を踏まえ、関係省庁との連携を図りつつ、今後とも一層積極的に東北地方の開発整備を進めてまいる所存でございます。
○藤原房雄君 大臣は中部地域、中部圏の開発等につきましても大変な御見識を持っていらっしゃると聞いたわけでありますが、三全総におきましても大変な評価をいたしております東北につきましていろいろな角度からこのたびこういうまとめができたわけであります。その中にはいろいろなことがありますが、要するに、一次産業がまだどちらかというと比重が多いわけでありますけれども、それと首都圏を結ぶ高速道というものが非常に重要である。これは飛行場も、新幹線に伴いましての東北横断自動車道、交通網の整備こそが東北開発の一つの大きな柱ではないかということがこの中でも言われておると思うのであります。国土庁は調整官庁ということですから実施部隊ではないのかもしれませんが、東北の三全総の中に盛られておるこういう状況の中からも、またいまお話がありました一次産業がどうしても比重の多い東北の発展のためには、道路網の早急な着工といいますか完成といいますか、こういうものが待たれる、こういうことについてひとつせっかく御努力をいただきたいと思いますが、どうでしょうか。
○国務大臣(松野幸泰君) 私、御指摘の意見、全く賛成でございます。 御承知のように、東北地域は水資源と緑豊かな、しかも環境に恵まれた地域であることは先ほど申し上げたとおりでございますが、世界的な視野に立ってみましてもあの地域が非常にすぐれたところであって、なぜ今日開発がこんな状態であるかというと、御指摘のように道路交通網の整備が遅々として進んでいないということ、また治山治水が完璧でないということもありますので、せっかくに御指摘の点につきましては格別な御支援、御協力をいただきまして全力を挙げてまいります。
○藤原房雄君 それと、大臣はまた北海道開発庁の長官でもあられるわけでありますが、国土面積の二二%を占める北海道、この開発につきましては、明治以来拓植計画、個人が営々として今日まで築いてまいったわけでありますが、経済成長率とか工業生産指数とか、こういうものを見ましても、なかなか全国比には遠く及ばない。企業倒産件数、企画庁長官、まあ少し冷害があって仕事をしたからよくなったのだろうということですが、倒産件数はやっぱり非常にこういう波風を受けやすい状況の中にある。産業別の純生産構成比から見ましても、これは一次産業はどうしても全国四・二%、北海道は九・九%ということですから圧倒的に高いわけでありますが、今日まで開発庁が北海道という全国の二二%を占めるこの広大な地域の開発のためにいろいろ努力をしてまいりましたけれども、三十年間開設以来果たしてきた役割り、これは開発庁としてはどういうふうに考えていらっしゃるのか、まずお伺いしたいと思います。
○政府委員(楢崎泰昌君) 御指摘のように、北海道の開発は、北海道開発の企画立案、予算の一括計上、そして開発局における公共事業の総合的執行というような形で行われてきたわけでございます。このような体制のもとで先生御指摘のように篠津、根釧などの農業開発が進められ、また他地域には見られない高い生産性の農業地帯が実現をしているとともに、苫小牧臨港地域の開発等に見られるごとく国内有数の工業地帯もその中に形成をされてきた。そういう意味で、わが国の食糧基地として、また国民経済の発展に相応した経済力を持った地域として発展をしてきたというように思います。しかしながら、北海道開発の歴史は浅いわけでございまして、昨年の大災害等に見られますように社会経済基盤等はまだまだ脆弱性を持っているわけでございます。今後とも北海道開発をそういう意味からも進めてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○藤原房雄君 大臣御自身冬の北海道にいらっしゃったことがあるでしょうか。
○国務大臣(松野幸泰君) 就任早々十二月十二日、十四日現地へ行ってまいりまして、特に中山峠の除雪の現場も見てまいりましたが、大変な豪雪地帯で皆さんが御苦労しておられることもよくわかりをすけれども、しかしこれを世界的な視野から見ればもっともっと北海道はそれよりも有利な地域であることを痛感いたしてまいりましたが、いま答弁申し上げましたように大変有望な地域であるということで期待いたしております。
○藤原房雄君 数字的なことを述べて長々しゃべっていますともう時間がありませんからあれですが、夏の避暑がてらにいらっしゃって、それが北海道のすべてみたいに考えているような方が多いのではないかと私は思うのです。十二月にいらっしゃったということであればまことにりっぱだと思いますが、そういう現実的な状況の中から、寒風吹きすさぶ厳寒の中で半年暮らさなければならぬ、そういうハンディを背負いながら、しかし日本の行政というのは、現在まだ雪が降っておる北海道と、もう桜の散った沖縄、ようやく桜の吹こうとする東京、こういう南北に長い列島に行政が携わるわけでありますから、画一的に物事をしようというときにはどうしても無理のあるのは当然であります。しかもまだ全国比率二二%という広大な面積があるわけでありますから、この開発がいかに大事であるかということは論を待たないと思うのでありますけれども、開発庁が今後将来に向けてなさねばならない役割りというのは非常に大きいと私は思いますが、どうですか。
○政府委員(楢崎泰昌君) 仰せのごとく北海道は全国の二二%の面積を持った広大な地域でございます。また、産業に適し開発に適しあるいは人間の住むに適した平地面積という点から申しましても、全国の二五%を占める地域でございます。しかし残念なるかな、気候的諸条件あるいは開発の歴史が浅いというようなこともございまして、人口で見ますと全国の五%しか占めていない。しかしその反面、一人当たりの住んでいる国土面積というのは全国の五倍あるというような条件に恵まれているところでございます。さらに申し上げますれば、苫小牧東部のような開発地点あるいは人間が住むに足る自然を持った地域ということであろうかと思っております。 したがいまして、私ども二十一世紀に向けまして長い目で見てわが国の人口と産業をいかに配置していくのが理想的であるかという長期的展望に立つならば、北海道はわが国の将来に向けての戦略拠点である。またわが国にとっても北海道に期待するところが多いのではないか、さように思って開発の仕事をいたしておるわけでございます。
○藤原房雄君 食糧安保ということが言われておりますが、農地開発可能地が全国の二八。八%、三割、三分の一北海道にあるということであります。今日まで揺れ動く農政の中で大変な苦しい思いをしながら開発が進められているわけでありますが、日本は、もう食糧は日本でつくらなくてもいいということならば別ですけれども、そうでなければ、北海道に対してはもっと集中的な今日まで以上の力を入れなければならないのは当然です。北海道についての考え方がもし現状よりも後退するような考え方があるならば、それは日本の農業は自給率を高める必要がないという、こういうことにつながるのではないかと私は思うのでありますが、これは各大臣というわけにもいきません。大蔵大臣、官房長官、ちょっとお答えいただきたいと思いますが、代表して。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 私は持論といたしまして、日本の農業全体から見れば日本の農業は私は滅びることは絶対にない。その理由は、日本の農業は一人当たりの面積は少ないかもしれないが、これはやり方である程度規模は大きくすることができます。それから、世界じゅうが日本は世界で一番いい農産物の市場だと言っておるわけです。中国やインドは人が多くても市場とは言っておりません。それは人が多いばかりでなくて購売力のある国民がたくさん住んでおる、こういうことでありますから、私はその一番いい市場の一番近くに住んでいるのが日本の農業でありますから、私はやり方次第で悪いことはないし、現に一粒五十円、百円のイチゴを食べてくれる国民も日本人だけてあります。
○国務大臣(宮澤喜一君) 規模の大きな農業ができる可能性のあるわが国としてはほとんど唯一の地域でございますから、まさに御指摘のように思います。
○藤原房雄君 時間もありませんからあれですが、大臣、さっきも申し上げた数字から言いましても、一次産業に非常にウエートがかかっております北海道、東北、特に青函トンネルができるわけですから、これは国鉄総裁か運輸大臣に言えばいいのかもしれませんが、つくられたものがやっぱり消費地にすぐ届けられるという交通網というものは非常に地域開発には大事なことは論を待たないんだと思います。青函トンネルが六十年にできるということになりますと、昨日しぼったものが次の日、大消費地であります関東、首都圏にこれが運ばれる。こういうことも決して不可能じゃないわけでありまして、今日まで国鉄の赤字、それは貨物に多い。こういう大量輸送体係というものをしっかりひとつ確立をして、地域の開発とまたこの交通運輸行政という両面から、これは大臣にしっかりひとつふんどしを締め直して取り組んでいただくようにしていただきませんと、これはまたトラック輸送、フェリー、そういうものがどんどんどんどんできてしまった後からですともう手の打ちようがなくなる。現在この青函トンネルの開通が目前に迫っておる時点でひとつ強力な施策を御検討いただきたい。これは運輸省、国鉄、ぜひひとつ御提携して進めていただきたいと思いますが、どうですか。
○国務大臣(松野幸泰君) 全く同感でございます。
○藤原房雄君 同感だけじゃだめなんで、それの実現のために全力を尽くしてやるという、こういう決意をひとつ。
○国務大臣(松野幸泰君) 一生懸命やりますので、よろしくひとつお願いいたします。
○藤原房雄君 農業問題についていろいろお尋ねしたいと思いましたが、官房長官、これは去る二十二日、貿易摩擦の問題が深刻になっているとの認識から、五十七年度予算編成の後にパリ・サミットまでに貿易摩擦解消等をまとめるとの意向を示されたようですけれども、これ実は三月九日、十日両日、日米貿易小委員会、ここで合意事項がございましたですね。その内容よりももっと踏み込んだものが予算成立後に考えられるのかどうか。三月の九、十、日米貿易小委員会で合意なされたのは知っているんですけれども、二十三日ですね。貿易摩擦問題が深刻になった、こういう認識の上で、この予算成立後、総理がサミットまでにこの問題解消のためにまた考えようということですけれども、何かもっと踏み込んだものが考えられておるのかどうか。どういうことなのかちょっとお伺いをしたいと思うのですが。
○国務大臣(宮澤喜一君) それは実はこれからのことでございますが、日米貿易小委員会では若干の合意がございました。また同時に幾つかの問題点の提起があったわけでございます。そこで、私のせんだって申しましたのは、サミットまでとは申さなかったのでございますけれども、これは非常に大切なしかも重大な局面でございますから、本院で予算の御審議が終わりましたならば総理大臣以下多少時間的に楽になりますので、そのときには総理のもとに関係閣僚、当面の問題をどうすればいいかということについて、とにかく全力を尽くして答えを出したい、総理の指揮のもとにそういうふうにすべきであると思う、こういうことを申しましたので、それらの中身が具体的にどういうことであるかということは、まさにこれから各省庁で決定をしていかなければならない問題でございます。
○藤原房雄君 次に移りますが、行政改革のことにつきましては昨年来これは大きな課題となっておるわけでありますが、国民的な課題でありますが、ところで、これは臨調の答申があってそれに取り組む、これはまあ当然――そういう機関を設けていろいろ検討しておるわけでありますから当然でありますが、しかし、それとは別に内閣としましても取り組まなければならない、できることはみずからしなければならない、こう思うのでありますけれども、それともう一つは、この臨調の答申が六月からちょっとずれるんじゃないかというようなことも報じられておるようですが、その間の事情についてはどうでしょうか、行管庁長官。
○国務大臣(中曽根康弘君) 第三次答申がずれることはないと思います。六月ないし七月には答申が出るものとわれわれは期待しております。それから、答申を待たずとも内閣としてやるベきことは一生懸命やっておりまして、許認可の整理の問題、あるいは許認可以外の法律の廃止の問題、あるいは行政サービスの向上改革の問題等々は独自にやっておる次第でございます。
○藤原房雄君 過日これは同僚委員からもちょっとお話あったのですが、第二臨調でも検討の対象となっております公的レジャー施設の実態について、私ども調査をしたことに関連しまして関係大臣にお尋ねをするわけでありますが、各省庁にこれは非常にまたがっておりまして一つ一つ申し上げる時間もないのでありますけれども、最初に農林水産省に、四十七年度から新規事業として着手いたしております自然休養村整備事業、これについて御説明いただきたいと思います。
○政府委員(森実孝郎君) お答え申し上げます。 自然休養村の整備事業は、いわば農林漁業者の就業機会の増大を図ると同時に、都市住民と農山漁村の自然の交流機会をふやしていくということをねらいとして出発した事業でございまして、四十七年から五十三年までに採択し、五十六年に事業が全地区終わっております。この間七百六十五億の事業費で、国費がその半分補助を行っているという形になっております。 内容は、一番大きいのは圃場整備その他の土地改良の小規模のものでございますが、これ以外に、農業の機械化とか案出荷の合理化に必要な施設の助成、それからいま御指摘がありました環境保全とかあるいは自然休養村の管理運営センターの整備等を行っております。
○藤原房雄君 会計検査院で、五十五年度の決算検査報告でこの問題について報告、指摘をされておりますけれども、その内容について御説明をいただきたいと思いますが。
○説明員(高橋良君) 自然休養村整備事業は、先ほど農水省の方からお答え申し上げましたような目的で行われているわけでございますけれども、要するに自然環境を生かした観光、またはレクリエーション資源を生かして、これと一体的有機的関連のもとに農業構造の政善を推進するというのが目的でございまして、生産基盤の整備あるいは近代化施設の整備、管理運営の施設の整備などの事業を総合的に組み合わせましてやっているものでございます。 この事業につきまして検査いたしましたところ、その事業効果が十分発現されていないと認められるものが多数ございまして、このうち特に適切を欠いていると認められるものの中には、たとえば土地基盤の整備事業とかあるいはトラクター導入などの近代化施設だけを部分的に実施しておりまして、自然休養村としての実態をなしておらず、観光あるいはレクリエーション資源を生かした農業構造の改善を行うという目的からほど遠い実態となっているもの、あるいはこの事業で実施しました果樹園とか養魚場あるいはセンター施設などが著しく低利用となっておりまして、農林漁家経済に役に立っていないもの、中には無断で処分されているものなどがありましたので、第二次農業構造改善事業に続きます新農業構造改善事葉の中では、これと同様な自然活用型の構造改善事業が行われている現況にかんがみまして、観光またはレクリエーション資源の状況、設置する施設等の地理的条件とか道路条件などについての調査計画を十分に行うなどして、今後不適切な事態を生じないよう是正改善の措置を要求しております。 以上でございます。
○藤原房雄君 これは趣旨、目的、また全部が全部悪いと言っているわけじゃ決してないのですけれども、いま会計検査院から報告があったようでありますが、もう一つ休養村内に管理センターを有している百三十五カ所のうち百八カ所、およそ八〇%が地方財源を投入している。要するに赤字だということですね。こういうようなことについては農林大臣は御存じですか。
○政府委員(森実孝郎君) お答え申し上げます。 御指摘のように百三十五地区、全地区で二百地区の事業をやりましたうち百三十五地区で御指摘の管理センターを設置しておりますが、そのうちの百九が実は一般財源を市町村から受け入れている、二十六だけが収支が均衡しているという実態がございます。設置の目的から言って本来収益を目的とする性格のものではございませんけれども、まさにこの点は御指摘のように問題だと考えております。 その意味で、施設の利用率の向上を図るということから、検査院の指摘等を十分頭に置きまして、全地区の調査、特に指摘を受けました問題地区についての改善計画の樹立、さらに各種の組織との利用提携の強化、研修会の実施等を行うことといたしまして、実はことしの三月二日付で改善対策を各県に通達いたしたところでございます。
○藤原房雄君 行政管理庁長官、四十七年から総事業費の七百六十億を費やした大事業で、いまいろいろ指摘のあったように基本的なミスとか、それから経営が不可能になったとか、また処分したところもあったようでありますが、今後の計画、百カ所以上もこれ計画があるのですね。これはやっぱり時代の推移の中で、どうしても行管庁、いろいろ御検討いただかなければ――ちょうど高度成長のときにそういう時代的な要請とともになされたものでありまして、現時点ではやっぱり御検討いただかなければならないと思いますが、どうでしょう。
○政府委員(中庄二君) お答え申し上げます。 私どもの方では昭和五十一年に先生御存じかと思いますが、公的余暇施設の調査をやりました。その中で、ただいま御指摘の休養村の問題につきましても利用率の実績が低い、収支率が悪いということの指摘をしております。その後農林省でも改善を進めておると思いますが、私どもいま同種の監察を公的機関がやっておりますが、宿泊施設の監察をやっておりますので、もう少し各省の動向を見守ってやっていきたい。なお地方ごとに問題がございますれば私どもの地方監察で対処していきたいと、こういうふうに考えているところでございます。
○藤原房雄君 環境庁、自治省にお尋ねしますが、まず環境庁ですが、国民宿舎の現況ですね。これはどうですか。
○国務大臣(原文兵衛君) 国民宿舎は御承知のように昭和三十一年に発足しましてから、大変国民に親しまれて、利用者も毎年ふえてまいりまして、昭和四十九年には年間利用者が五百十三万人という数に上ったのでございますが、どうもその後、昭和五十年以降は激減しておりまして、そのために経営の苦しい国民宿舎が増加しているというのが現状でございます。
○藤原房雄君 この赤字が自治体の重い負担になっているという、こういう現状については自治省としてはこの実態は把握なさっていらっしゃいますか。
○政府委員(土屋佳照君) 私どもも直接所管しておりませんので詳細は存じておりませんが、最近の状況を聞きますと、かなり経営が悪化しておるところも出ておるようでございまして、私どもとしてはそこの原因を十分見きわめた上で、地方団体として適切に改善の努力をしていただくように指導はしたいと思っておる次第でございます。
○藤原房雄君 いまあるものをなくするなんということは私は言うつもりはありませんけれども、とにかく時代の流れが、変化が余りにも激しかったという、設立当時はそれなりの意義があったのだろうと思いますけれども、そういうことから、現時点で整備計画の全面的な見直し、不経済、不合理、こういうものを未然に検討するという、こういうことが国民宿舎についてもどうも必要じゃないかと思いますが、どうでしょう。
○国務大臣(原文兵衛君) 御指摘のように、国民宿舎につきましては赤字経営の宿舎の方が半分ちょっと上回ったというのが現状でございます。ただ、国民宿舎につきましてはアンケート調査などもやりましたが、安心して利用できる宿舎としてなお国民宿舎利用の希望者も結構多うございますので、 〔理事土屋義彦君退席、委員長着席〕 私どもといたしましては、現在関係の有識者による国民宿舎に関する懇談会を設けまして、その意見を聞きながら検討いたしております。その検討の結果を待ちまして、今後国民宿舎の健全な運営を図るように積極的に指導してまいりたいというふうに思っておるところでございます。
○藤原房雄君 厚生省にお伺いしますが、大規模年金保養基地ですね。この計画とか基地建設における進捗状況とかをお尋ねしたいと思います。
○政府委員(山口新一郎君) 大規模年金保養基地につきましては、年金受給者の生きがいを高める、同時に年金制度の加入者の健全な余暇利用に役立っていただくというようなこと、同時に三世代の交流の機会をつくるというようなことを考えまして、総合的な保養施設といたしまして四十八年にわざわざ法律改正もしていただきまして事業を始めたわけでございます。現在の段階では十一カ所基地を指定いたしまして、事業費総額二千億で構想をしたわけでございますが、五十五年の七月に兵庫県の三木基地及び北海道の大沼基地、二カ所をオープンいたしまして、引き続きまして目下新潟県の津南基地及び鹿児島県の指宿基地について建設工事を進めておりまして、この両基地につきましては六十年度オープンを目標といたしております。しかしながら、この事業を構想いたしました当時に比べまして、オイルショック以降、社会情勢、経済情勢、大きな変化がございました。一方、地元といたしましては非常に期待は大きいわけでございます。そこで、より効率的に事業を進めるという観点から、一昨年、従来の方針に加えまして、各基地の地域的な特色を生かすと同時に効率的な運営を図るという観点から、基地の運営につきまして県に委託をする方式を取り入れるということにいたしまして、現在、岩手県、広島県、和歌山県、熊本県所在の四基地につきまして県当局と協議のもとにこの建設の促進を図っておりまして、基本設計をいまやっている段階でございます。中には五十七年度に着工できるところも出ようかと思っております。さらに引き続きまして、岐阜県、福岡県とも協議が整ってきておりまして、さらに促進されるものと思っております。
○藤原房雄君 この事業に対しまして、会計検査院が将来にわたっての問題点を指摘されましたけれども、その内容について御説明いただきたいと思います。
○説明員(丹下巧君) 昭和五十二年度の決算検査におきまして、年金福祉事業団の大規模年金保養基地につきまして調査いたしましたところ、昭和四十八年度から五十二年度までの間に全国の十一基地十三カ所につきまして三千八百八十九万一千平方メートル、総額三百八十億三千四百六十九万円の用地を取得していたわけでございますけれども、五十二年九月現在で基本計画の大臣承認を受けたものが十一基地中四基地で、そのうち建設工事を施行しているものが二基地というふうなことでございまして、事業が大変おくれていると、このまま推移いたしますと取得用地の大部分が投資効果を発揚しないのじゃないかというふうな事態があったわけでございます。 この利用につきまして検討してみましたところ、これはやはりその後の石油危機等の社会変化あるいは経済変化というふうなことがございまして、まあ想定どおりの利用見込みが立たなくなったというふうなことであったわけでございますけれども、こういうふうな事態を打開していくためには、事業の規模とかあるいは時期、内容、そういったものについて見直しが必要となってくるわけでございますけれども、この保養基地につきましては、地元の関係者の方々の中で雇用の問題とかいろいろ期待してきているところがございますし、またこれに関連いたしまして、関連の公共事業も進めているような状態でございましたので、こういう関係者の方々との調整をいたしまして事業を進めていかなけりゃいけないというふうなこともございまして、特記事項として私の方で問題提起したわけでございます。
○藤原房雄君 具体的なお話なんですが、五十六年に事業団、岩手県と広島と、これ覚書を交わしておりますね。その覚書に第四条で「基地の建設規模は当面五十億円程度とすること。」とありますけれども、これは当初二百億の計画を五十億円に縮小するということなのか、この当面というのは一体どういう意味か、これは地元では大変問題になっているのですがどうですか、厚生省。
○政府委員(山口新一郎君) 当初全部で総額二千億というようなことでございまして、いまおっしゃいましたように、平均ほほ二百億近いという構想を考えておりましたが、この中には用地取得費も入っております。それから、基地によりましてはいろいろ内容も差がございます。たとえば、いまオープンしております三木基地及び大沼基地を比べましても、事業規模には相当大きな差があるわけでございます。 ただいまお話しの広島と岩手県のものにつきましては、まず第一段階として四、五十億程度のものを建設をいたしまして、その状況を見て、またさらに後も考えていこうというような考え方をとったわけでございます。
○藤原房雄君 まあこれ、土地の選定等に当たりましても、またこういうふうに計画が決まりますと、また地域としましても相当資金を投入することになりますから、地元では大変に当初の見込みとは違うという、話が違うじゃないかという、こういう。ことも言われているのです。 それから大臣、年金財政というのは非常に厳しいと、こう言われているのですよね。今日までも大体まあ事業費が三百七十億、九年間で二百三十七億、月平均二億――六百億ぐらいの資金がもう投入されている。これからまた九カ所つくろうということですね。建設しようというのに水差す気持ちはないのですけれども、これは当初計画した時代と今日ではずいぶん違う。これからのことを最低見積もっても一千億を超えるお金がかかる。これは現時点では非常に厳しい状況じゃないかと思いますが、どうですか大臣は、これどうお考えでしょう。
○国務大臣(森下元晴君) 貴重な年金のお預かりしたものを運用するために発想した事業でございますけれども、大体十年前といまとでは経済的環境、また社会的環境、また国民の余暇に対する考え方等もかなり変わっております。まあ事業は事業として効果的にやらぬといけませんけれども、やはり時代に合ったような方向づけということも考えなければいけない、そういうことで県に移管したり、また規模を縮小したということもそのような理由からでございまして、常にそうした資金の効果的な活用と利用ということもやらなくてはいけないし、着工したものも一日も早く完成して利用すると、そして遊休化を避けると、こういう方針で今後まいりたいと、このように思っております。 いろいろまあ御指摘もございました。要は、貴重な資金をむだに使わないで効果的に使うように今後とも十分気をつけてまいりたいと思っております。
○藤原房雄君 建設省が四十五毎度からスタートをいたしまして十年計画でやっておりますレクリエーション都市の概況について説明してください。
○政府委員(加瀬正蔵君) お尋ねのレクリエーション都市は、昭和四十五年に建設省が定めましたレクリエーション都市整備要綱に基づいて新全国総合開発計画の一環として、大都市圏その他の都市圏域から生ずるレクリエーション需要を充足するために計画的に設置するものでございまして、屋外レクリエーション活動のための大規模な都市計画公園を核としまして、その利用に伴う休養施設、宿泊施設及び各種のサービス施設を配置し、民間の開発エネルギーを活用しながら、その都市の整備を公共民間協力方式によりまして都市計画として一元的に整備しようとするものでございます。人口おおむね五百万人に一カ所程度の配置を考えておるわけでございます。 整備に当たりましては、総合的な都市計画に基づく土地利用計画を定めまして、緑の確保と水質の保全を図りながら都市公園、道路等の公共投資を重点的に行い、自然環境と調和した開発を強力に推進し、また、地元の農林水産、商工業とレクリエーションを縮合し、新しい雇用の発生を促すような都市形成を図り、地域の開発に寄与しようとすることを整備の基本方針としているわけでございます。
○藤原房雄君 まあ、これ各省庁やっていますと、もう時間もぼくなるのですけれども、それぞれの目的はわかります。それぞれの必要があったでしょう。まあ、しかしこれは各省庁でやっておるものですから、相当総合的な見地に立っての調整といいますか、そういうのがないところに一つは大きな問題があると思うのです。まあ、さっきそれぞれの立場で言っておりましたが、会計検査院につきましては、これらの施設につきまして、ぜひひとつこれは厳しく再点検をしていただきたいと思いますが、どうでしょうか。
○説明員(高橋良君) 御指摘の点を踏まえまして施設の実態をわれわれ十分念査してまいりたいと、かように考えております。
○藤原房雄君 行政管理庁につきましても、こういう競合する部分が非常に多い、現在もうそれぞれにいろいろな問題が出ておるわけでありますから、行政管理庁としましても、これ当然再点検をすべきだと思いますが、いかがですか、大臣。
○国務大臣(中曽根康弘君) 全く同感でありまして、各省庁が競って雨後のタケノコのごとく出ている感を禁じ得ません。今回は地方監察でそのような施設等も十分監察いたしまして、むだを排除していきたいと思っております。
○藤原房雄君 たまたまいろいろ見まして調べてみましたところ、ほかにもあるのか知りませんが、福岡県で七十六の施設が、それから岩手県が六十四、それは中にはそれなりの運用されておるところもありますが、効率的な施設の運用を期するために県ではそれを統括する部局をつくらなきゃならぬ。ところが、これは国の方ではそれぞれの省庁でやっておるということでどこにどういうふうになっているか、実際、地方自治体が頭を痛めているのが現状なんですね。私は、そういう乙との中から、官房長官おいでいただいたのは、やっぱりこれは各省庁でいろいろ計画なさるのは結構だと思いますけれども、調整するところがないというところに一つは大きな問題……
○委員長(植木光教君) 藤原君、時間が参りました。
○藤原房雄君 一つの県に七十六もということで、これ長官、これは官房としましてぜひこの全体の調整、またいまいろいろの問題点を指摘しましたが、それらのものとひとつ突き合わせて御検討いただきたい。時代の推移もございます。それから、大蔵省としましても予算執行に当たりましては、やっぱりこういう点、もう少しひとつ厳しく見ていただきたい。まあ当初計画したのだからしようがないということじゃなくて、やっぱり時代の推移、これはよく見ていただきたいものだと思いますがいかがでしょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) まことに御指摘のとおりだと思います。臨調からもいろいろお知恵を拝借できるかと思いますが、政府としても十分にそのような努力をいたさなければならないと思います。
○国務大臣(渡辺美智雄君) ただいま御指摘がありました中には、その時代としてはまあよかろうと思ったもので買い込んじゃったようなものがあっても、現在になってみれば荷厄介になっておるというようなものはなきにしもあらずでございますから、よく見直してもらいたいと思います。
○委員長(植木光教君) 以上で藤原房雄君の一般質疑は終了いたしました。(拍手) ―――――――――――――
○委員長(植木光教君) 次に、対馬孝且君の一般質疑を行います。対馬君。
○対馬孝且君 まず、官房長官にお伺いをいたします。 最近、鈴木内閣の世論動向につきまして第一点をお伺いしますが、NHKがきのう発表いたしました。これによりますと、一年前に比べて、鈴木内閣を支持するというのが三二%、支持しないというのがまさに六〇%、歴代内閣の末期的症状になりつつあります。しかも、この世論調査によりますと、何が一番不満かといいますと、まさに実質増税、公共料金の値上がり、福祉の後退、これが四八%でございます。官房長官、鈴木内閣を代表する長官として国民の声にどのような御感想をお持ちですか。これひとつお伺いします。
○国務大臣(宮澤喜一君) 国民のそのような御不満に対して十分にこたえることができないことはまことに残念なことに存じます。ただ、多数の国民は、このようなむずかしい経済財政状況はわが国だけではない、わが国としては他の先進国に比べればまあまあよくやっている方だという国際的な批評は恐らく国民も御存じであろう。であるから、何も罪を逃れるというわけではございませんけれども、やはり石油危機以後の厳しいそういう情勢のしからしめるところが相当あると存じます。政府としては、全力を尽くしましてそのような国民の不満に対処をしてまいらなければならないと考えております。
○対馬孝且君 いま不満に、率直に国民の声にこたえたいというようなお答えでございますが、まあ外国に、アメリカに住んでいるわけじゃないですかる、日本国民は日本に住んでいるわけですから世界じゅうの話をしたってこれはぴんとこないのです。日本の国民は日本に住んでおるということ、これの世論ですから、そこらあたりを少し踏まえてもらいたいと思います。これは答弁いいです。 そこで、長期エネルギーの需給見通しにつきまして率直にお伺いします。 端的に申しまして、昭和工十四年八月に長期エネルギー需給見通しの計画が策定されました。その後、見直しの問題が出されています。それは、一つは経済成長率が四・一%に修正せざるを得ない状況、電力需要の異常な横ばい、後退、省エネ、こういう問題等を総合いたしまして当然長期エネルギー需給見通しを見直す段階に来ておると、こう判断しますが、通産大臣いかがですか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 長期エネルギー需給見通しにつきましては、現在、総合エネルギー調査会需給部会におきまして専門委員会を設けて検討していただいております。 具体的な数字につきましてはまだ成案を得ていないわけでございますが、検討の方向は、第一にはやはり東京サミット等で決定された昭和六十年六百三十万バレル・パー・デーの石油輸入目標を相当程度下回りつつあり、その安定供給の確保を図ること。二番目としては、現行見通しにおける昭和五十六年度七億キロリットル――これは原油換算でありますが、このエネルギー需要の相当程度の引き下げを目指すこと。大体そういうことでいま検討を進めていただいておりまして、いまの段階では四月の末から五月にかけましては成案を得て御報告がいただけると、こういうふうに考えております。
○対馬孝且君 その見直しの基本に立っているものは何と何ですか。この重点見直しの基本方針をお伺いします。
○政府委員(小松国男君) お答えを申し上げます。 現在の石油需給が非常に緩和しております中で、代替エネルギーの開発、導入、それから省エネルギー、これが相当進んでまいりまして、そういうことの結果としてエネルギーの需要の伸びが若干鈍化しているということは事実でございます。 内容的には、一つは産業構造、これがエネルギーコストが急速に上がりましたことによりまして、エネルギー多消費産業が今後伸び率が鈍化するという問題がございます。それから、各産業内部での省エネルギーが相当進むと、こういうこともございまして、そういう中で脱石油を図っていくたてまえから代替エネルギーの開発、導入を積極的に行うと、こういう観点を踏まえまして、現在、昭和六十五年度を目標とする長期需給暫定見通しの改定作業を総合エネルギー調査会にお願いしているわけでございまして、そういう観点で現在検討が行われております。そういう意味で、先ほど大臣からもお話し申し上げましたように、需要見通しは、現在、六十五年七億キロリットルを相当下回ることになるのではないかというふうに考えております。
○対馬孝且君 いまエネルギー庁長官の答弁ありましたが、一番大事な問題は、代替エネルギーの基本である原子力問題がこれは当然下方修正されなければならない。その理由は、必ずしも需要が伸びたからといって弾性値が多くなるという現象は出ておりません。逆に需要が伸びてもエネルギーの弾性値は実は低くなっています。こういう観点から申し上げますならば、エネルギーの見直しの原点は原子力である、この点の見直しをどうお考えになっておるか、お伺いします。
○政府委員(小松国男君) いま先生からお話のございましたように、産業構造が変わり、また省エネルギーが進んでおりますので、経済成長に対するエネルギー弾性値が総体的に落ち込んできているということは事実でございます。 その中で、私どもとしては日本のエネルギー構造というのは石油依存度が非常に高いという脆弱な構造にあるわけでございますので、この構造を脱石油を図っていくという観点から代替エネルギーの開発導入を積極的に進めるということで、現在その作業をしているわけでございますが、その段階で脱石油ということになりますと、原子力、石炭、LNG、これが中心でございますし、さらに地元エネルギーとしての地熱の問題、さらに新エネルギーとしての石炭液化、太陽エネルギーの開発導入、さらに国産エネルギーとしての水力の開発、こういうものを総合的に見て、できるだけ脱石油構造を図るための見直し作業をしておるということでございます。
○対馬孝且君 弾性値の数字を発表してください、五十三年、五十四年、五十五年。
○政府委員(小松国男君) エネルギー弾性値というのは、これ非常に見方がむずかしいのでございますが、一応総合エネルギー統計をベースにしまして計算をいたしますと、昭和五十四年度はGNPの五・三%伸びに対してエネルギーの需要の伸びが二・八%でございまして、これはエネルギー弾性値は〇・五三ということになります。それから五十五年度はGNPの伸び率は三・七%でございますが、エネルギー需要はマイナス四・五%ということでございまして、これはまさにマイナスでございますので、数字が言えないわけでございますが、長期的に見ますと四十五年から五十五年の十カ年で計算してみますと、エネルギー弾性値は大体〇・五八%、それから最近、五十年から五十五年という最近時五年をとりますと、〇・三七%という数字になります。こういうことで、総体的、また長期的なトレンドとしてはエネルギー弾性値が下がってきているということでございます。ただ、これは年によって相当ばらつきがございますので、エネルギー弾性値自身が今後の需要見通しをやっていく場合の決め手になるかどうかという点については、私どもは若干疑問を持っております。
○対馬孝且君 いまあなたは、私の弾性値は必ずしも需要が伸びたからといって弾性値が上昇するという今日的エネルギー事情にはなっていない、これはお認めになりますね。
○政府委員(小松国男君) おっしゃるとおりでございまして、経済成長に対する弾性値は低下傾向にございます。
○対馬孝且君 そこで、私はこれを分析をしてみたわけですが、この需要によって弾性値が必ずしも上昇するものでないというエネルギーの今日の現況を判断する場合に、やっぱり原子力の問題が実は一つの修正をすべき段階にきている。それは要件としては住民パワーの運動もあるでしょう。問題はやっぱり素材産業、いまも言ったアルミ、パルプあるいはこういう産業の電気の缶詰と言われる産業がみずからの自家発電に切りかえている、北海道の例も申し上げろとわかるのでありますが。そういう徴候はこれは見逃してはならないことである。つまり、省エネが成功している、こういう意味で、やっぱり原子力を基本的に見直すという姿勢があっていいのじゃないか、これいかがでしょうか。
○政府委員(小松国男君) 現在、アルミその他については確かに自家発電がございますが、逆に自家発電が重油火力であったために高くなってまいりまして、これを切りかえなきゃいかぬというような問題も出ておるのが事実でございます。 そういう中で、今後のエネルギー需要を考えますと、長期的にはやはり電力シフトという形で、エネルギー需要の中で占める電力の比重というのはむしろ高まっていくという傾向にございます。その電力について、今後の安定供給を考えますと、できるだけ脱石油を図りまして、石油以外の燃料で発電をするということを中心に進めたいということで、私どもは、先ほど申し上げましたように、原子力、LNG、石炭、こういうものに切りかえる努力をしているわけでございまして、先ほど先生からお話ございましたように、原子力その他については、立地その他確かにむずかしい問題がございますが、そういう中でも可能な限り、原子力というのはコストの面、また、安定供給の面でも非常にすぐれた電源の一つだというふうに考えておりますから、できるだけその推進を図っていきたいということで、現在、政策を進めておるわけでございます。
○対馬孝且君 「エネルギー科学のパラドックス」という、「エネルギー戦略の再構築」という、これは日本エネルギー経済研究所が出したデータがございます。これはまあ通産省はおわかりだと思うんですが、これは六十五年度には当初の計画でいきますと五千三百万キロワットの原子力達成目標になっております。これは三千八百万に修正いたします。これは御案内のとおり、ここにございますように、これは日付が十二月十日ですから、この点についてまさに修正をされているわけで、明瞭だと私は思うのです。この点をどう評価しておるのか、明快にしてもらいたいのです。直すのならきれいに直してもらいたい。
○政府委員(小松国男君) 今後の原子力発電の設備能力をどう見ていくかという問題でございますが、これは確かに民間その他でもいろいろの数字が出でございますが、原子力発電、昭和六十五年度、私どもの現在の暫定見通しは五千三百万キロワットという数字を目標にいま進めておるわけでございますが、この数字については、先ほど大臣からも御答弁申し上げましたように、現在、総合エネルギー調査会でその検討を行っていただいているわけでございます。確かに現在の立地状況その他を見ますと、昭和六十五年度というのは非常に近いわけでございます。そういう観点で五千三百万キロワットという数字の達成が非常にむずかしい状況になってきておるということは事実でございます。 ただ、どうするか。私どもの政策としては、できるだけ最大限原子力の開発を進めたいということで、現在、その見通しその他の数字についても、その審議を総合エネルギー調査会にお願いをしておるという段階でございます。
○対馬孝且君 長官、これははっきり言った方がいいんだよ。この間の――三年前、五年前の話じゃないのだ、五十七年二月二十三日の衆議院石炭対策特別委員会で、向坂エネルギー経済研究所会長が来て、わが党の同志である岡田質問にこう答えているんですよ。一九九〇年の原子力の設備能力は五千百万キロワットを若干超えると想定していたが、これは今日の段階では困難である。もはや三千八百万に修正すべき段階に来ていることは明らかでありますと明瞭に答えているのだよ。この答えを、いま言うようにあいまいなことじゃなしに、五千三百万を修正するならすると、それは何ぼにする――下方修正になるかは別にして、修正する段階に来ていると、このことだけはひとつはっきり国民の前に言ってもらわぬとね。これは確認の意味ではっきりしてください。
○政府委員(小松国男君) 現在の原子力発電の立地の進みぐあいその他を見ますと、確かに五千百万ないし五千三百万キロワットと私ども目標を立てておるのですが、この五千三百万キロワットの達成がむずかしい事態にあるということは事実でございます。ただ、具体的にどこまで下がるかという数字につきましては、現在、調査会で検討をいただいておるわけでございますので、その検討を待って私どもとしても今後の政策を考えたいというふうに思っています。
○対馬孝且君 五千三百万は一応下げざるを得ないという、これわかりました。 それではひとつこの問題に関連いたしまして、下げるという基本方針がはっきりされたと思うのでありますが、まず原子力基本法の第二条をちょっと読んでください。
○政府委員(小松国男君) 読み上げさしていただきます。 「第二条原子力の研究、開発及び利用は、平和の目的に限り、安全の確保を旨として、民主的な運営の下に、自主的にこれを行うものとし、その成果を公開し、進んで国際協力に資するものとする。」。
○対馬孝且君 現在、電調審その他地方自治体でこのとおり行われていますか。
○政府委員(小松国男君) 法律の趣旨を体して運営をいたしております。
○対馬孝且君 それではお伺いしますがね、この原子力の民主的な手続、明快になっていますね。この「民主的な運営の下に」云々とあるのが、現実、北海道の場合は共和・柏原発ですよ、道議会が九日間もストップをして、しかも共和町という町ではリコール運動が起きている。現在千二百名のリコール運動。加えて請願採択が八件、賛成反対あります。これもまた採択をされていない、こういう状況の中で知事の同意意見書が強行された。これが民主的な運営の下に行われたと、こういう認識に立ちますか。
○政府委員(小松国男君) いまお話のございました共和・泊原子力の問題でございますけれども、これはすでにこれが計画されましてから約十二年間地元で議論がされてきておりまして、地元の話し合いも相当程度進み、地元関係者の理解も得られつつあるというふうに私ども考えております。こういう前提に立ちまして、地元の町村長の意向を聞かれた上で北海道知事が最終的に電調審にこれを上程することに同意するという判断をされたとものというふうに考えております。
○対馬孝且君 住民の同意とは一体、リコール運動は住民の意思反映の原点ではないのですか。
○政府委員(小松国男君) 現在共和町においてリコール請求があってその署名運動が行われているということは承知をいたしておりますけれども、共和町長自身が今回の原子力発電に賛成をされる前提としては、町議会その他関係者等十分話し合いをされ、その了解のもとに知事に同意の回答をされておるというふうに私どもは理解いたしておるわけでございます。
○対馬孝且君 話をされたって千二百六十名の住民のもはや署名運動が上がっているのですよ。これが何で住民の意思が反映されたということはどこに言えましょうか。これが一つ。 請願案件はいまだ――福井県の原発、高浜原発、敦賀原発、鹿児島県の川内一号、二号、島根県の原発、この場合も一切請願処理の後に意見書が出されています。今回初めてです、北海道のケースは。これがノーマルな状態と言えましょうか。
○政府委員(小松国男君) 過去の例は私もつまびらかにしておりません。いま先生お話がございました各県について請願その他についてどういう処理がされたかというものは必ずしも承知をいたしておりませんけれども、これは地元自治体及び議会の判断に基づいて処理さるべきものというふうに考えております。 今回、北海道知事から同意の意見が出されております前提といたしましては、北海道知事としては地元の市町村長の意見を十分聞かれ、その上で北海道知事としてもすでに地元の理解その他が相当進んでおるという御判断のもとに今回電調審の上程についての同意の意見を出してこられたものと、私どもはかように解しておるわけでございます。
○対馬孝且君 請願採択をされぬケースはほかの県ではないではないか、採択後に同意しているじゃないかということを言っている。
○政府委員(小松国男君) 請願をどう処理するかというのはまさに地元の議会の問題だというふうに思いまして、過去そういうケースがあった場合にそれぞれの自治体、県議会等でどういうふうに処理されているかというのは私ども必ずしもつまびらかにいたしておりません。
○対馬孝且君 これは経済企画庁長官に、電調審の取りまとめの一応の長でございますから、こういういま申し上げました実態をどういうふうに受けとめられているかということをちょっとお伺いします。
○国務大臣(河本敏夫君) 北海道の知事からは関係市町村の了解は得られたと、漁業協同組合が一つまだ完全な了解には達してないが、近くおおむね了解を得られる予定である、そういうことを総合的に判断をして知事としての賛成の意見を出しますと、こういうことでございました。
○対馬孝且君 実は、知事に対する不信任案の動議が出されて、しかも道議会軽視というまさに暴挙であるということがはっきりしています。しかも、論点の中で何も解明されていないのは、いま現在ある知内の火力発電所、苫小牧厚真の一号、二号機が一年半もおくらしているのです。これだけの電力事情が、余っているのに足りないというなら、これ一年半おくらす理由はない、何で一年半おくらしたか。こういう事情でありながらなぜ駆け込みにこれをしなきゃならないか、どうもやっぱり北画と癒着をした今日の道政の姿勢ではないか、このことを言わざるを得ません。この点はどうですか。
○政府委員(小松国男君) 先生からお話がございました苫東厚真二号、これが繰り延べられておるというのは事実でございますけれども、繰り延べられた結果の運開予定が六十年九月でございます。こういうことで、最近一、二年幅力需要は非常に低迷をいたしておりますし、六十年九月との関係で五十九年から一年間運開予定が延期されておるわけでございますが、今回の共和・泊の原子力発電の運開予定はそれぞれ六十三年九月、それから六十五年二月ということでさらに先でございまして、先ほど私が申し上げましたように、今後電力需要というのはここ一、二年低迷はいたしておりますが、エネルギー需要全体としては電力シフトが起こる。また、北海道電力の地域といたしましては安定供給のためにどうしてもこういう電源が必要である。しかも、先ほど申し上げましたように、これが電源開発については相当な期間がかかりまして、運開が六十三年九月、六十五年二月、先でございますので、できるだけ早くこれに着手するということが電力の供給安定のためには大事ではないかというふうに考えております。
○対馬孝且君 長官、十七年だよ。伸び率が六・八、六十年まで計画を持っていながら実際は二・三でしょう、五十四年、五十五年。何でこれが電力が必要なのか、理屈にならぬだろう。
○政府委員(小松国男君) 先生御指摘のように、五十五年、五十六年というのは確かに電力の需要の伸びが低いわけでございます。今後、私どもいま需要想定やっておりますので、これは長期的には長期需給見通しが現在行われております、その線に沿って検討されなければいけませんけれども、電力シフトということを考え、今後五%程度の成長を前提にしますと電力需要の伸びもそれに近い形で伸びていくわけでございますので、どうしても現段階で電力、電源の開発を相当進めていかなければ安定供給に支障が来る、かように考えておるわけでございます。
○対馬孝且君 それから現地の段階が、環境が整備されるというけれども、いまだにまだ堀株という住民の会で石村、日野、繋馬、三人はまだ同意してないんでしょう、これは。明快にこれ同意してますか。これはっきり証明してください。
○政府委員(小松国男君) 土地の取得につきまして、現在必ずしも全部にわたって取得の同意が得られているわけではございません。私どもの知る限りにおきましては、地権者百二十二名のうち未同意が四名ということで、ただ同意者の地域が全体の九八・七%を占めておるということでございまして、今後ともこれにつきましては立地を進めていく段階でその同意を取りつけながら支障ないように御努力いただけるものというふうに考えております。
○対馬孝且君 こういう条件あなたがいまお認めになっておったとすれば、何も三月だけが電調審があるわけじゃないんだから、六月もあり九月もあるという電調審のあれですから、そこにこだわらずに、住民のコンセンサスを得ると先ほど言ったように、理解と説得の段階で、あなた電調審にかけたっていいのじゃないですか。この点長官どうですか、これ。何が住民のコンセンサスだ。
○政府委員(小松国男君) これは地元市町村長の意見も聞かれた上で知事としても地元の理解が相当深まり、それからそれについての調整が整いつつあるということで同意していただいたわけでございますので、これを踏まえて私どもとしては電調審の慎重な御審議をいただいた上でできるだけ早く電源開発に着手してもらう体制ができることが望ましいというふうに考えております。
○対馬孝且君 まあ、慎重にといういま長官の言葉ですが、少なくとも私はこれノーマルの状態ではない。リコール運動というのは青年の自主的な運動です。農民の怒りの席で立ち上がったのが千二百六十人、現在、署名を得ている。あるいは請願は採択されていない。地方議会といえども約九日間空転している。住民が怒りに立ってハンガーストライキにまで立った。こういうアブノーマルの状態に対してやはり電調審の段階で慎重に住民の意志というものを説得するか、あるいはそこに時間をかけてやっぱり慎重な扱いをすべきものであると考えますが、この点むしろ取りまとめをする長官にひとつお伺いをしたいと思います。
○政府委員(谷村昭一君) 御指摘の点は、地元の情勢その他聞かれます電調審の委員の先生方に十分説明をいたしました上で慎重に御審議をいただいて結論を得るように進めたいと思っております。
○対馬孝且君 長官にそれじゃひとつもう一度答弁重ねてお伺いします。
○国務大臣(河本敏夫君) 局長が申し述べたとおりの趣旨で処理をいたします。
○対馬孝且君 それでは、いま言った実態を踏まえて、ひとつ住民の声に耳を傾けて慎重に電調審でなされることを強く要求いたします。 それでは、次に地震の問題でちょっとお伺いいたします。 きょう参考人に東海大学の浅田先生においで願っておりますが、御苦労さまでございました。 浦河地震を中心とする地震問題につきまして、まず第一点、この地震をどう見識者として受けとめられているか、同時にどういう対策を今後必要とするかということをひとつ参考意見としてお伺いしたいと思います。
○参考人(浅田敏君) 地震が起こりまして、いろいろな余震などの観測をいたしまして、かつ、その地震の前のデータも収集いたしまして、そういうものが集まってきますと、その地震のまあ性格といいますか、全貌が次第に明らかになってまいります。今日まだそういうものは完全に集まってはおりませんけれども、私が知り得たところでは、大体において一九五二年十勝沖地震と一九六八年十勝沖地震の間のすき間に起こっているのであるということが一つと、それから地震にはその低角の逆断層と申しますけれども、海洋プレートがもぐり込む、そのもぐり込む面に起こる地震と内陸の地震と二つございますが、浦河の地震はどうも内陸の地震らしいということになりつつあります。内陸の地震の特徴と申しますと、太平洋沿岸の低角の、つまり角度の緩い断層面に基づく地震は、再来時間と申しますけれども、二回目に起こる時間が短いのでございます。 たとえば、南海地震などは百年に一週ぐらいの割りで起こっております。北海道沿岸はその種の地震がメジロ押しに起こっておりますので、したがって、浦河という町は震度五とか六を、もう日本のほかの土地に住んでいる方とは比較にならないぐらいたくさん経験なさっておるはずでございます。幸いそういう地震は海の方に離れておりますので、やや被害は少ない――北海道ではでございます。今度の地震はまだ名前はついていないと存じますけれども、大分陸に近いところに起こった、それから深さが浅い、そのために小さい地震――小さいといいましてもマグニチュード七はあるのでございますけれども、マグニチュード八の地震に比べるとエネルギーは三十倍も小さいにもかかわらず、相当の被害が出た、こういうことでございます。しかし、幸いに震度六と気象庁は言っておりますけれども、震度六のうちの強い方ではございませんでしたので、幸いに人命の被害はなかったわけであります。 今後どうなるかといいますと、もちろん大きな余震が起こることもあると思いますから、それにはそれ相当の注意をしなければなりません。内陸の地震というのは、いま申し上げました再来時間というのが非常に長いということになっております用地震というものは同じ場所に繰り返し起こるのでございますけれども、太平洋岸の地震が百年とか二百年に一遍同じ場所に起こるのに対して、数百年、千年あるいは数千年、ひどいものは何万年に一つということになっております。でありますから、浦河の今度の地震と同じような地震はもう当分はわれわれとは全く関係のない何百年後に起こるのであると、そういうふうに解釈してよろしいと思います。しかし、マグニチュード七の地震というのは小そうございますから、まだすぐ隣に地震の起こる場所があるかもしれません。二、三十キロ離れた先にまたマグニチュード六・五が起こるということはあり得ることでありますから、そういうことによってまた多少の被害を受けるということはそれはあり得ることであります。もう、一つ起こったから安心とは非常に言いかねる面もあります。今後どういうふうにすればいいかということでございますけれども、マグニチュード八の地震ですね、東海地震に代表される、この予知というものは原則としてできる、努力をすればできる――もちろん間違うかもしれませんけれども、と考えられておりますが、マグニチュード七クラスの地震はいまのところできないと思われております。もちろん、技術の進歩、学問の進歩は非常に速うございますから、この十数年間で大変進歩いたしたのでありますから、あと十年以内にできるようになるという保証は、もちろんできませんけれども、いまのところできない。でありますから、たとえば地震によって家が緩んだり何かしたことがあるとすれば、そういうところは適切に補修して、地震というものはもう一遍起こったから安心というのがそれは教科書的な言い方でございますけれども、適当な注意を怠らずに暮らされるのが土地の方としてはよいと思います。私は浦河の地震をいま申し上げたように見ております。おしまいです。
○対馬孝且君 いま貴重な御意見をいただきましたが、五十一年十月四日に当委員会で秦野先生が浅田先生に質問いたしておりますね。そして東海地震を含めまして、会議録を私持っているのですが、何とか予知を、察知することがこれからの大きな課題だと、予知を事前にやっぱりすることだ、この設備なりこの対策というのは重要ではないかということを秦野先生も言われておりますが、この関係についてひとつこれからの具体的なことをお伺いしたいと思います。
○参考人(浅田敏君) 東海地震のような大きな地震は予知をすることができますけれども、小さい地震は非常にむずかしゅうございます。しかし、学問が進歩をすれば、それはいずれできるようになるものと思っております。現在、そういうふうに進みつつあると思っております。
○対馬孝且君 いまお伺いしまして、そのとおりならわかるのでありますが、これは私が知り得た範囲では二十七年、三十三年、三十八年、四十二年、四十四年、四十八年、六回これ実は浦河に来ているのです。そのうちの三回が一番大きい地震なんですが、たまたまきのう北海道の新聞を見ましたら、予告があると、北海道で、それは奈良県の鍵田という市長さんが入道雲、地震雲でもって二日前に予告したと、こういう予知が一体科学的にあるのかどうか、この点ひとつお伺いをしたいと思います。
○参考人(浅田敏君) たとえば動物が騒ぐというようなことはあながちうそとは思っておりませんけれども、私は雲のことは信じておりません。
○対馬孝且君 そうですか。
○参考人(浅田敏君) はい。
○対馬孝且君 これは現実の報道ですから、科学的根拠があるのかどうかということでいまお伺いしたわけであります。 そこで先生、現在、これから政府の方にお伺いするわけでありますが、地震の予知研究の予算措置につきましてどのようにお考えになっているかということと、それから予知連絡会としてこれからあの内陸型の地震に対してどういう対応を強化すべきだと、この二点ちょっとお伺いします。
○参考人(浅田敏君) たとえば天気予報というものは百年の歴史がございますが、地震予知というものは研究を始めてから十数年でございます。人の数も少ない。そういうことを考えあわせますと、現在の予算措置はほどほどによろしいのではないか、そう考えております。
○対馬孝且君 ほどほどで、大体いま聞きますと、五十一年、ちょうど秦野先生はこれ予算を強化せいということを訴えた時点でありますが、二十三億、現在は六十六億ですね、大体三倍ぐらいになっているのでありますが、科学技術庁長官おりますから、これからの、浦河地震を教訓に予算体制を、もちろん十分だと思いますけれども、あるたびに見られます泥流災害、こういう問題もございますので、これからひとつ、予算上の措置はもちろんでありますが、研究体制について長官としてどういう評価をされるのか、この点お伺いしたいと思います。
○国務大臣(中川一郎君) わが国は世界有数の地震国家でございますし、お互い、対馬先生、私どもの北海道もしばしば被害をこうむっておりますので、当然のこととして深い関心を持っており、科学技術庁もいままで相当、東海あるいは関東直下型に対して対応しておるつもりでございますが、これを契機にまたさらに一段と努力をしたい、臨調で非常に厳しいときですけれども、今回を契機に一層努力したいと思います。
○対馬孝且君 災害だけは待ったなしですから。これ地震が起きたら、これはもう東京都だったら何千名の犠牲者が出たろう、これぐらい見識者が言われておりますから、P3C一機は百十五億ですから、せめてその予算ぐらいは、一機ぐらい回せば地震の万全の対策がとれる、こう思っておりますので、自信を持って長官やってもらいたい、このことをひとつ申し上げておきます。 そこで、災害の調査結果について、概況でいいですから、新しい取りまとめを御報告願います。
○政府委員(川俣芳郎君) 二十四日十五時現在で判明をいたしております主な被害状況について申し上げます。 負傷者百六十二名、うち重傷者十四名でございます。死者、行方不明はございません。住家の全壊十二棟、半壊十八棟、一部破損百九十九棟であります。また、橋梁の損傷等によりまして、道路は国道二百三十五号で交通どめ二カ所、鉄道は国鉄日高本線の一部が不通となっております。 そのほか各地で停電、断水等の被害が発生したわけでございます。
○対馬孝且君 そこで、各省のひとつ対策をお伺いしたいと思います。運輸省それから北海道開発庁、国土庁の対策をひとつ。
○国務大臣(松野幸泰君) 今回の地震は、マグニチュード七・三の大きな地震であったにもかかわらず、死者、行方不明がなく、また地震につきものの二次災害としての火災の発生もなく、被害が最小限にとどまったことは不幸中の幸いでありました。 先ほど被害状況を報告申し上げましたように、二十四日十五時現在判明している主なる被害状況は、負傷者百六十三名、うち重傷者十四名、住家の全壊十二棟、半壊十八棟、一部破損百九十九棟となっており、また橋梁の損傷等により、道路は国道二百三十五号で交通どめ二カ所、鉄道は国鉄口高本線の一部が不通となり、その他各地で停電、断水等が発生しました。 地震発生後、北海道庁に北海道地震災害対策連絡本部、浦河町ほか七市町村に災害対策本部が設置され、災害応急対策が実施されております。また、要請に基づき自衛隊約百名が給水活動に当たっております。 これら災害応急対策の結果、低気、電話は全面復旧しており、断水していた十一町についても九町ですでに復旧しております。 なお、国土庁、北海道開発庁におきましては、早速係官を現地に派遣し、被害実情調査及び現地との連絡調整に当たらせましたほか、関係の省庁におきましても係官を現地に派遣し、被害状況、復旧工法の調査に当たっております。 今後の対策につきましては、二十三日夕刻国土庁において災害対策関係省庁連絡会議を開催し、鉄道、道路、水道等の早期復旧及び罹災者に対する復興のための適切な援護措置を図ることとしました。 今回の地震災害は、地域住民の適切な対応もあり、被害は最小限にとどまりましたが、関係省庁と密接な連絡をとりつつ今後の対策に万全を期してまいりたいと考えております。
○委員長(植木光教君) 浅田参考人には、お忙しいところを御出席いただきまして、まことにありがとうございました。御退席いただいて結構でございます。
○政府委員(楢崎泰昌君) ただいま大臣御答弁いただきましたように、北海道開発庁におきまして、直ちに係官を現地に派遣する等、被害状況の把握に努め、特に交通どめとなっておりました国道等の復旧に鋭意努めていろところでございます。 国道の通行どめは二カ所ございますが、そのうちの一カ所は幸いに昨日交通どめを解除いたしまして交通を確保をいたしておりますが、残っております一カ所は静内橋の損傷によりました交通どめでございまして、これにつきましては、橋脚の損傷が著しいために、本復旧に向けまして北海道開発局の土木試験所それから建設省の土木研究所等の専門家に検討をいま依頼し、早急に復旧に向けて努力しているところでございます。
○対馬孝且君 いま災害状況は私も承知しておりますが、今回の場合、激甚災害の指定あるいは災害救助法の指定ということはなかなかむずかしいと、こういう判断があるわけでございますけれども、ひとつ何といっても、災害復旧が早期に実現をするためには、災害救助法並みの扱いをして、現地の一日も早く生活に支障のない体制をつくってもらいたいと、こういうことを開発庁長官に、あるいは国土庁長官という立場で申し上げておきます。いかがですか。
○国務大臣(松野幸泰君) 御質問にありましたようになかなか、ぎりぎりのところまで努力しておりますけれども、御期待のようにきちんといっておりませんけれども、しかし最善を尽くして努力してまいります。 そこで、御承知のように、わが国はその自然的条件から地震災害を受ける宿命的位置にあり、また近年における人口及び産業の都市集中に伴って、その被害も最大化、多様化する傾向があります。したがって、特に都市の震災対策につきましてはますます強化する必要があると考えております。 このような観点から、政府といたしましては、大都市震災対策推進要綱等に基づいて、第一に避難地、避難路の整備、建物の不燃化の促進等による都市の防災化の促進、第二に自主防災組織の強化、震災対策訓練の実施等による防災体制の強化と防災意識の高揚、第三に地震予知の研究の推進に重点を置いて施策の推進に努めてまいるところでございます。これらの施策の実施は関係省庁、地方公共団体が行っておりますが、国土庁といたしましては、その総合調整を図ることにより、対策の推進を図ってまいる所存でございますので、何とぞ御了承いただきたいと思います。
○対馬孝且君 いまの答えでわかりますけれども、私が言ってるのは、やっぱりかさ上げ率の問題その他に関連をするわけですから、災害救助法並みの扱いをせいというのはそういう意味のことを言っているのでありまして、それを踏まえてひとつ対処してもらいたい。よろしゅうございますね、大臣。
○国務大臣(松野幸泰君) 御要望の趣旨については、できる限り努力いたします。
○対馬孝且君 それでは厚生大臣にお伺いいたします。 まず第一点として、先ほども若干出ましたが、財界ペースで、老人保健法をいわゆる廃案にすべきであると、こういう強固な態度が表明をされています。ただ、それだけでなくて、どうも厚生省は、それに対しまして、再修正で解決をしたいと、こういう報道がなされていますが、このことについては事実ですか。 〔委員長退席、理事土屋義彦君着席〕
○国務大臣(森下元晴君) 老人保健法の廃案の申し入れが経済四団体からあったか、それに対する見解はどうかという趣旨でございますが、廃案ということは実は申してきておりません。まあ、一部修正と申しますか、数点についての申し入れはございますし、また、きょう自民党の首脳に対しまして財界からいろいろ御意見等を聞かしていただいたようでございますが、厚生省といたしましては、老人保健法案は、高齢化社会の到来に対応いたしました総合的な老人保健対策の推進により、できるだけ老人医療費の節減を図る、公平な負担を目指すものでございまして、経済団体、また健保連にも十分その趣旨を御理解いただいて、現在参議院で御審議いただいている法案の一日も早い成立をお願いしたい、こういう方針は変わりません。 それと、一部修正をやるのかどうかということでございますけれども、衆議院での十分な御審議の結果、自民党、公明党、民社党の共同提案による一部修正の上の衆議院通過でございますし、参議院に送付されたものでございますので、一日も早く成立をさせていただきたい。いまのところ再修正ということは考えておりません。
○対馬孝且君 いずれこれは法案の審査の段階で質疑をしたいと思います。 そこで第一点、年金生活者、福祉諸手当の給付の引き上げにつきまして、例年に比較して一ヵ月おくれたわけですね。この問題については、私はこういう言葉を使いたくないのだが、弱者と言われる方々に対してどうして一ヵ月繰り延べをしなきゃならないのか、おくらさなきゃならないのかと、これはどうも私はやっぱり納得いきませんね。この点政治の原点である見直しの一番暗い谷間に置かれている方々にこそむしろ目を向けるべきである。厚生大臣の考え方をお伺いします。
○国務大臣(森下元晴君) 御趣旨はよくわかるわけでございますけれども、現下の非常に厳しい財政状況のもとで一ヵ月おくれとなったわけでございまして、この点御理解をぜひお願い申し上げたいということでございます。
○対馬孝且君 御理解願いたいと言ったって、やっぱり一番弱い層に目を向けるということが基本であって、そこらあたりがどうもがまんしてもらいたいということでは納得できませんね。 それじゃ、再度お伺いしますけれども、老齢福祉年金は今度二万四千円が二万五千百円になりました。これだって私はどうも納得いかないんですよ。この点、どうして二万五千百円より上げることができないのか、この根拠をひとつ明確にしてください。――いや大臣、大臣に聞いているんだ。
○国務大臣(森下元晴君) 老齢福祉年金のスライド率は四・五%でございまして、二万四千円が二万五千百円、扶養義務者等の収入が六百万円以上八百七十六万円未満、こういう方々には二万三千円が二万三千三百円ということで、四。五%と一・三%ということで福祉後退であるというようなお説でございますが、これも先ほど申しましたように非常に財政状況厳しい折でございまして、ごしんぼうを願いたいということで決めさしていただくわけであります。
○対馬孝且君 ごしんぼうと言うけれども、根拠が私は納得できないというのは、大臣、この場合の増額率は四・五%でしょう、この老齢福祉年金の。ところが、生活保護法の方々は六・二%上がっているんでしょう。一番底辺の、一番弱者と言われる底辺の方が六・二上がっているんだから、片や老齢福祉年金は四・五だというのは、これは筋が通らないんじゃないですか、この点は。その点はどうもやっぱり福祉切り捨てと言われてもしようがないじゃないですかな、この点。いかがなものですか。
○国務大臣(森下元晴君) 実は拠出制年金との見合いもございますし、そういう点で生活保護のスライド率よりは低い率でございますけれども、そういう見合い上そういう結果になったわけでございまして、上げるほどいいとは思いますけれども、すべて財政情勢の厳しい折でもございます、こういう数字で出さしていただいたわけであります。
○対馬孝且君 これは厳しい厳しいということはわかるのだけれども、言葉で、答弁ではあれだけれども、片や生活保護法が六・二で、福祉対象者の場合はほとんどこれはあれでしょう、国民年金の加入されていない生活者でほとんどの方々が限られておりますのが実態ですから、老齢福祉年金の該当者というのは。この方々がどうして六・二までいくことができないのか、私はどうもそこが納得できないのだ。いまの財源財源と言うけれども、財源ならこれ何ぼかかりますか、この捻出だけで。私はそう大した額ではないと思っている、後から申し上げますけれども。
○政府委員(金田一郎君) 生活保護についてお答え申し上げますと、生活保護は、先生御承知のとおり最低生活を営んでおられる方々用でございます。生活保護につきましては、経済見通しによりまして、先生御承知のように、翌年度の消費の動向を見ました上で算定しているわけでございまして、福祉年金の場合とその算定方法は従来からも異にしているわけでございますが、いずれにいたしましても、生活保護の方々は最低の生活の方でございますので、そういった方式を従来からも踏襲しているわけでございます。
○対馬孝且君 この老齢福祉年金の該当者というのは、国民年金をかけたくてもかけられない方々が老齢福祉年金の対象になるわけだ。それとどうして生活保護とが違うのかという基本の置き方を僕は言っているのだよ。その点同じレベルで考えたっていいのじゃないか。そのあたりが僕は納得できないんだよ。
○国務大臣(渡辺美智雄君) これは大蔵省も関係のあることでございますから一言お答えを申し上げますが、御承知のとおり、生活保護を受ける方は、財産を持ってで生活保護を受けるというわけにはいかないわけです。老齢福祉年金の方は、仮にかなりの財産があったとしても、所得が大きくなければ、山を持ってたっても売らなければ、老齢福祉年金を受ける資格があるわけです。それから家族がおるとか。したがいまして、生活保護と同じに考えろというわけにはいかない。生活保護の場合は、自動車持ってちゃいかぬとか、ピアノ持ってちゃいかぬとか、財産持ってちゃいかぬとか、指輪を持ってちゃ、ダイヤモンドを持ってちゃいかぬとか、いろいろ制限がありますが、片方はそういう資産の制限はないわけですから、そういうような点等も考え、もう一つは五年年金というような年金とのバランス、こういうことも考え、財政事情もこれあり、諸般の事情からそういうように決めていただいたわけで、生活保護と上げる率において老齢福祉年金は差があっても、それはやむを得ないと考えます。
○対馬孝且君 それじゃ、厚生大臣、ちょっとお伺いしますが、これは五十年二月一日に衆議院の多賀谷、私の同僚議員が質問しているのですよ。いまおります田中元厚生大臣、非常にいいこと言っている。どういうことを言っているかというと、ここに会議録ありますよ。いわゆる老齢福祉年金の基準というのは、つまり軽費老人ホームに入る方々の水準であるべきである、そうしなければならない、こうお答えになっている。 そのとき、それじゃ何ぼかと多賀谷委員が聞いたら、当時は二万円です。年金が一万二千円のときに、軽費老人ホームの方々は二万円。このことを考えたら、僕は、さすが田中厚生大臣というのはりっぱだったと思うのだ。まさにやっぱり福祉優先の基本に立って考えたと思うのですよ。この点からいくと、五十年から今日の段階で、そのとき一万二千円でしょう。そのときは軽費老人ホームの入居の方々は二万円のベースなんだ。当然現在の段階でいったら、倍になってしかるべきじゃないですか。どうですか、この点。角度変えて。いやいや、厚生大臣に聞いてるんだよ、あんた。何言っているんですか。
○国務大臣(森下元晴君) 当時の多賀谷委員から田中国務大臣への質問、またその答弁、承知しております。田中国務大臣は最後に、「大体その程度のことを考えて、いま苦心をいたしております。」という答弁で終わっております。そういうことで、この老齢福祉年金につきましては、福祉年金の新しい財政方式のあり方を含め検討したという経緯があるということは、いま御指摘のように承知しておりますが、全額国庫負担という仕組みのままでは結論的にはむずかしいということでございます。
○対馬孝且君 現在の老人ホーム養護受託者の甲地、乙地の特老の金額、何ぼになっておりますか。
○政府委員(金田一郎君) 先生お尋ねは、特養というのは特別養護老人ホームと考えてよろしゅうございましょうか。
○対馬孝且君 そうそう。
○政府委員(金田一郎君) 特別養護老人ホームは、現在一番高いところで十八万円でございます。
○対馬孝且君 甲地だよ、甲地乙地の。
○政府委員(金田一郎君) 一番高い甲地で十八万円台でございます。
○対馬孝且君 最低は。
○政府委員(金田一郎君) ちょっとただいま私資料を持っておりせんが、大体十六万円程度かと思います。
○対馬孝且君 生活費は。
○政府委員(金田一郎君) うち生活費の部分でございますか。
○対馬孝且君 ええ。
○政府委員(金田一郎君) ただいま手元に資料がございませんので、すぐ調べてお答え申し上げたいと思います。これは生活費の部分と事務費の部分に分かれているわけでございますが、ただいま手元に数字がございませんので、失礼いたしました。
○対馬孝且君 生活費の分は、これは養護老人ホームの養護受託者の場合で甲地で三万五千八百十円ですよ。特別養護老人ホームの場合で四万五千二百七十円。乙地で三万四千十円。それから特老の場合で四万四千百三十円ですよ。これだけの水準になっているんだから、当時の田中元厚生大臣の考え方からいったならば、私はもう当然四万円超えてなければならないと思うんですよ。大臣、そういう認識を持たないで、そこで私はなぜ生活保護法を言ったのかといったら、せめて生活保護法のレベルぐらい上げたってしかるべきじゃないかと。本来ならこの水準に達するべきなんだよ。田中元厚生大臣の考え方を踏襲するなら、この額に到達すべきですよ。おかしいじゃないですか、この点。どうですか。
○国務大臣(森下元晴君) その後、田中大臣に引き続きまして各大臣から、同じような質問がいろんな委員からされまして、答弁されております。やはりその答弁の内容を見ましても、非常に無理だというような御答弁もございますし、特にこの財政情勢厳しいし、その軽費老人ホームに一致さすということは現段階ではむずかしいということを申し上げたいと思います。
○対馬孝且君 厚生大臣、何もあなたを責めるあれじゃないんだけれども、政府がかわったわけじゃないんだから、大臣かわったからって次々に発想が変わってもらったら困るんだよ、あなた。しかも一番弱者を言っているわけですから。 私の言いたいのは、これはいまここで申し上げてもあれですが、ひとつこういう認識が、経過があるのだから、そこを踏まえて、ことしはこれで一応決まっちゃったからしようがないけれども、最終的にはまだ決まってはいないけれども、いずれにしてもこれを若干見直していくという、ひとつ検討課題ということにしてもらいたいと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(森下元晴君) この田中当時の厚生大臣の発言の中でも、いまの財政方式では非常に困難である、いわゆる全額国庫負担という財政方式ではむずかしいというようなことで、見直すにしてもかなりこれはむずかしい問題も含んでおりますが、歴代大臣も予算の許す限りで前向きで検討する、慎重に検討する、そういうような御意見がずっと続いております。私も同じような考え方で、非常に厳しい情勢でございますけれども、前向きで検討をさしていただきます。
○対馬孝且君 いま元田中厚生大臣の考え方を踏襲して前向きで検討したいと。前向き前向きというのは言葉じゃなくて、実質的に実るようにぜひひとつやってもらいたい、こういうことを申し上げます。よろしゅうございますね。 それでは、これは福祉灯油の問題で、大臣、これは私は三年前からこの問題で法案を提出をしています。福祉灯油に関して、東北、北海道、寒冷地、一級、二級、三級地までの適用を全部、これは東北から北陸へかけまして全部出しております。これはもう毎回大臣かわるたびに変わるんだよ。これもぼくはもう腹立たしく思うんだけれども、園田厚生大臣と私との間では、モデルケースで一回検討してみたいと、福祉灯油というのを。一冬、北海道は灯油、生活するには二十三万円でしょう、これは。二十三万もこれは年金生活者、母子家庭――特に昨年は身体障害者年、このときにひとつ何とかやってみよう、こういうお答えがあったんだが、その後さっぱり前進していない。この点大臣どういうふうにお考えになっていますか。
○国務大臣(森下元晴君) 福祉灯油の問題につきましては、対馬議員非常に御熱心にこの問題と取り組んでおられます。園田元厚生大臣がモデル的に検討したいというようなことも聞いております。そういうことで、この問題につきましては、対馬議員の強い御要請もございまして、実地調査のために担当官を先般北海道に派遣したわけでございます。厳しい財政状況のもとでもございますし、なかなかむずかしい問題でございますけれども、このできる、できぬは別にいたしまして、今後とも勉強を続けてまいりたいと考えております。
○対馬孝且君 これ大臣、ちょうど三年になるのだよ。石の上にも三年ということわざあるけれども、そろそろ三年間たったら一つや二つ、全部とは言わぬけれども、ドラム缶一本程度ぐらいはひとつモデルとしてやってみると、たとえば母子家庭からでも結構です。あるいは身体不自由児家庭からでも結構だ、そういうことを考えてもらわぬと、去年は障害者年ということでスタートしようと、こういうモデルケースでやろうという話があったが、遺憾ながらできなかった。しかしこういう問題についていま検討を続けるということですから、ひとつこれは言葉でなしに、やっぱり積極的にこれを検討していただいて、何とか三年目で実らしていただくと、このことを強く私は希望申し上げます。 それでは、時間もありませんので、先ほどもちょっと出ましたが、北海道開発庁の統廃合に関する問題につきまして、私の認識と違っているかどうかということについて、まず開発庁長官にひとつお伺いをしたいと思います。 第一点は、北海道開発の資金が投下されてから今日、明治以来大体百十年余りになるわけでありますが、しかし本格的な開発がこれからである、まさに言うならば戦後が開発だったと、こう言っても過言ではないと思います。そういう意味で、先ほども若干出ましたけれども、北海道における社会資本、公共資本などの蓄積がまだきわめて不十分であるという私は認識に立っているわけです。 抽象論言ってもあれですから、具体的に申し上げますが、北海道の収容指標を次のとおり私も調べてみました。面積は先ほども出ましたが二二%、平地面積で約二六%、農地開発可能地は二九%、森林面積は約二二%、臨海工業団地面積は五四%です。日本の二分の一は北海道で実は占められている。こういう状況が今日の北海道の実態である。一方、人口は全国比で見ると約五%。今後の人口増を考えるときに、その収容キャパシティーは非常に私は大きいものがあると、こう思っているわけです。したがいまして、二十一世紀に向けてわが国の経済の発展と人口と産業の望ましい地域配置にとってきわめて重要な地域であると、こう私は認識をいたしておりますが、この点長官との認識の相違がおありでしょうか、この点をお伺いします。
○国務大臣(松野幸泰君) 認識の相違は持っておりません。お説のとおりでございます。
○対馬孝且君 認識は全く同意見だといま回答がございました。長官が就任された直後に北海道へ出向きまして、むしろ日本の開発は、北海道はこれからである、こういう力強い開発庁就任のあいさつの――どこで言ったか私は知りませんが、力強いごあいさつがあった。松野開発庁長官はりっぱな人だと、こう道民は非常に感銘したようでありますけれども、これは新聞記事ですから、そういうあれが出ておりますが、その方針に変わりはありませんか。
○国務大臣(松野幸泰君) その方針には変わりはありませんし、いま御指摘のありましたように、三十年の開発庁の歴史を振り返ってみますると、この開発庁の果たしてくれた使命というものは非常に大きく私は皆さんが理解していただいておると思っております。
○対馬孝且君 いまの認識、そういう大きな役割りを果たしたという評価をしたわけでありますが、そこで私は、この北海道開発の体制についていま一つ申し上げておきたいと思います。 行政の改革に当たっては、現に効率的に進められてまいりました。いまも評価をされましたけれども、私はそういう意味では、これから北海道の開発庁の開発計画というものは、企画あるいは調査、立案、こういう予算の一括体制のもとにむしろ総合的な機能を強化する必要がある、こういう認識を持っておりますが、いかがなものでしょうか。
○国務大臣(松野幸泰君) お説のとおりでございますが、実は、北海道の知事からも北海道議会の議決、それから市町村長、市町村の全員の議決を持ってこられまして、北海道から二人の閣僚が出ておられますが、この方と三人に強力に知事から要請は受けております。
○対馬孝且君 私も北海道開発議員三年やりましたから、開発計画にいまなお経済問題――求人倍率は、先ほど出ましたが、いま〇・三六です。これはまさに全国一の沖縄に次ぐ求人倍率です。こういう現況。あるいは後進地帯と言われ、第一次産業にしても非常におくれをとっております。こういう意味で、いま長官はそういう考え方をお持ちになっていただいたということは了としますが、そこで、中川長官にひとつお伺いしますが、この件についてどういう所見をお持ちであるかということをお伺いします。
○国務大臣(中川一郎君) 北海道開発庁は、戦後、資源のない日本、諸外国から引き揚げてこられた失業者を対象として人口収容力をと、こういうことから国家的使命を持って設置された役所でございます。それなりの効果を上げてまいりましたし、またこれからやはり資源についても、農業、林業、水産業あるいは地下資源、特に観光資源等、非常に魅力のあるところである。しかも開発庁は七十八名のきわめて少ない人間で効率を上げている役所であって、これからもしっかりがんばってもらいたいと、こう思っております。 ただそれに関連して、北海道も、国の投資だけではなくて、やはり民間の投資というものもいくようにしなきゃならない。よけいなことですが、そういうことでは条件が非常に悪いのじゃないか。たとえば電気料金が高い。こういうようなことも産業が来ない一つの原因である。そういうところから、いろいろ事情があっても原子力発電等もやって、やはり国も努力するが民間も努力をしてもらう。こういう一体として北海道の将来を考えでいきたい、こう思っておる次第でございます。
○対馬孝且君 それじゃ、北海道出身の箕輪郵政大臣の御所見をお伺いします。
○国務大臣(箕輪登君) 北海道は私どものふるさとでありますが、対馬先生と同様の認識を持っておりまして、非常にまだまだ開発の余地がある、社会資本もまだまだ少ない。そうした中で、北海道開発庁はこの三十年間非常に、いま中川先生からも話がありましたが、七十八名とか、わずかな人間でよくここまで効率のいい仕事をやったなあと。しかしまだまだ、これからが北海道だと。これからの北海道を考えますと開発の余地がたくさんある。開発庁の使命もそこにまたあるのだというふうに私は考えております。
○対馬孝且君 ただ問題は――中央官庁が統廃合し、一定の行財政というものも合理的にやっぱりするものであるという認識は私も持っております。ただ問題は、宮澤長官にお伺いしますが、今度、北海道開発の体制について行革でもちろん第二臨調の答申が出ると思います。出ますが、やっぱりこれだけの大きな問題でありますから、中央官庁を画一的に整理統合されるということはもちろん基本問題でございますけれども、中央官庁のあり方について十分やっぱり住民の声に耳を傾ける、住民の意見も聞く、こういう問題は整理をして政府としてもそこらあたりをひとつ地域の住民の声に傾ける、そういう場をつくる、こういうことをひとつ積極的に行ってもらいたい。その上に立ってひとつ政府の態度を決定をしてもらいたい。こういうふうな考えを持っておりますが、いかがなものでしょうか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 便宜私からお答え申し上げます。 北海道開発庁を含め中央省庁のあり方は、わが国行政組織の骨格をなすものでありまして、行政施策の基本的なあり方と深いかかわり合いを持つものでありますので、その改編の影響はきわめて重大でございます。現在臨時行政調査会においては、このような視点から中央省庁のあり方についても鋭意検討が進められているところであり、政府としては同調査会から提出される答申についてはその趣旨を尊重し、その内容の実現につき最大限の努力を払ってまいる所存でございます。 なお、その際、先刻から対馬委員がるるお述べになりました御所見につきましては十分参考にさしていただきます。
○対馬孝且君 それでは開発庁長官に最後にお伺いしますが、いま全開発に対しまして二千名に上る非常勤の整理問題が出ています。これだけ重大な開発行政の中で除雪の問題、これから春を控えまして道路上の問題あるいは港湾の問題、これはまさに十年以上二十年近い、非常勤という言葉はいいけれども、実際は常勤労働者であります。
○理事(土屋義彦君) 対馬君、時間が参りました。
○対馬孝且君 これをどうして整理をされようとするのか、これを最後にお伺いします。
○政府委員(楢崎泰昌君) ただいま北海道開発庁といたしましても、事務の執行につきまして、その合理化あるいは効率化を図るべく検討をしているところでございます。私ども非常勤職員を仰せのとおり相当数抱えておりますが、その中でいかなる仕事が効率化できるか、合理化できるかということと関連しまして、ただいま検討をしている最中でございます。
○対馬孝且君 特に要望しておきますが、労使話し合いで、あくまでも決着のつく段階までひとつ労使の団交で詰めてもらいたい、このことを特に要求しておきます。 以上で終わります。(拍手)
○理事(土屋義彦君) 以上で対馬孝且君の一般質疑は終了いたしました。 〔理事土屋義彦語退席、委員長着席〕
○委員長(植木光教君) 次に、矢田部理君の一般質疑を行います。矢田部君。
○矢田部理君 私は、問題になっております日韓経済協力について伺いたいと思うのでありますが、日韓経済協力の前提は、韓国が八二年から行うところの第五次経済発展五カ年計画、これに対していかなる協力をすべきかすべからざるべきかというところに焦点があるわけでありますが、この韓国の五カ年計画は、五カ年で軍事力の増強をどの程度もくろんでいるのか、これが第一点です。 それから第二番目には、その軍事力増強のためにどの程度の財政支出を見込んでいるのか、二点目。 そして三点目は、当然のことながら韓国は武器などを外国から購入するわけでありますが、この軍事支出のうち武器購入等のために外貨をどの程度必要としているのか。 以上三点、外務付もしくは防衛庁に伺っておきたいと思います。
○政府委員(塩田章君) ただいまの韓国の今後五年間の軍部力の増強の見通しといったようなそれに関連するお尋ねでございますが、ただいま私ども内容を承知いたしておりませんのでお答えいたしかねます。
○委員長(植木光教君) 速記をとめてください。 〔速記中止〕
○委員長(植木光教君) 速記を起こして。
○政府委員(塩田章君) 私どもいろいろそういったような情報も関心を持って見ておるわけでございますけれども、韓国側は今後の見通しにつきまして一切明らかにいたしておりませんので、私どもとしてもわからないというのが実態でございます。
○委員長(植木光教君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(植木光教君) 速記を起こして。
○政府委員(木内昭胤君) 韓国が新しい防衛力増強の五ヵ年計画を持っておられるということは私ども承知いたしておりますが、その詳細の内容については把握いたしておりません。私どもが承知いたしております数字は、ここ数年来、おおよそGNPの六%、それから各年度の予算の三五、六%前後を国防費に割いておるということでございます。 その前に、遅参いたしましたことをおわび申し上げます。
○矢田部理君 三問目に答えていない。
○政府委員(木内昭胤君) 武器の購入につきましては、かつてはアメリカから相当額の無償の軍事援助を得ておりますが、最近ではこれがなくなりまして、有償の軍事協力、すなわち延べ払いで武器をアメリカかも調達しておると承知いたしております。 近年の数字でございますが、おおよそ一億五千万ドルないし二億ドルと年次によって変動はございますが、その程度の武器をアメリカから調達しておると承知いたしております。 そのほか、これは商業ベースで購入しておる数字もあるというふうに聞いております。
○矢田部理君 ちょっと質問を聞いてないから無理もないのかもしれませんが、第五次五ヵ年計画の中で総体としてどのぐらいの軍事費を見積もっているのか、その中で外貨をどのぐらい武器購入のために使うと考えられるのかという質問なんですから、全然質問に答えてないのですよ。
○政府委員(木内昭胤君) 遅参いたしましたために、御質問の趣旨を明確に承知しないでお答えいたしましたこと、重ねておわび申し上げます。 経済五ヵ年計画との関連で、その中に外貨所要分がどのくらいあるかというお尋ねでございまするならば、おおよそ七十二兆ウォンをこの五ヵ年計画に見込んでおりまして、そのうち四百六十五億ドルが外貨分であるというふうに私ども承知いたしております。すなわち、おおよそ四割足らず、三十数%が外貨分であるというふうに把握いたしております。ウォンとドルの相場が変動いたしますので、どういうドルとの数値で計算しておるかによって若干の変動がございますが、おおよそそういうことであるかと思います。 それから、この五ヵ年計画は、先ほど言及いたしました韓国軍の近代化のための五ヵ年計画とは全然無関係のものでございまして、経済五ヵ年計画につきましては軍事的な要素というものは一切含まれておらないわけでございます。
○矢田部理君 全然答えてませんよ。
○委員長(植木光教君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(植木光教君) 速記を起こして。
○矢田部理君 いまの答弁にはいずれも納得できないわけでありますが、第一には、防衛庁が韓国の軍隊の増強状況について全く知らぬというのも少しふざけた語でありますし、それから二番目には、五ヵ年計画と軍事問題は全く関係ないという議論もこれはとんでもない話なのでありまして、第五次経済発展五ヵ年計画の韓国の経済企画院が出した文章の中では、基本目標の第一に、自主国家安保能力のレベルアップだと、これを目標の第一に掲げているのですよ。これが関係ないという話はないわけでありまして、いずれもいまの答弁は納得できません。
○政府委員(木内昭胤君) この第五次計画の基本目標に自主国家安保能力のレベルアップというのがありますのは先生御指摘のとおうでございまして、それに加えまして、国民の生活水準の向上、世界経済に果たす韓国の役割りを高めるという目標がございます。この経済の安定のために韓国が策定いたしております五ヵ年計画の基本目標はそのとおりでございますが、私どもが協力を要請されておりますのには……(「そんなこと聞いてないじゃないか、そんなことは。何言っているんだ。」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)
○委員長(植木光教君) 答弁を続けてください。
○政府委員(木内昭胤君) 先ほど申し上げましたとおり、私どもが要請されております対日経済協力要請は十一のプロジェクトからなっておりまして、加えまして商品援助の部分がございますが、これはいずれも社会インフラが主たるものでございます。すなわち、上下水道の整備であるとか、多目的ダムであるとか、そういう経済的な要請に即したものでございまして、五ヵ年計画が軍事絡みであるということは、全く私どもは承知いたしておりません。
○政府委員(塩田章君) 先ほどもお答えいたしましたように、韓国軍が整備計画を持って整備しておるということは承知しておりますけれども、その中身は一切韓国側で明らかにいたしておりませんので、先ほど申し上げましたように、私どもとしては承知いたしておりません。
○矢田部理君 各国の軍事力増強の現状とか計画とかというのは、かなり防衛庁は、ソビエトはかくなったとか、中国はこうだとか、全部分析をしているわけでしょう。韓国についてだけとんと知らないという話はないのでありまして、あわせて私は、外務省に質問をしたのは、日本とのかかわりが五ヵ年計画でどうなっているかではなくて、韓国自体の五ヵ年計画がどうなっているかをまず前提として伺っているわけでありまして、答えは全くすれ違いでありますから、いずれの答弁も納得できないというところにあります。
○政府委員(木内昭胤君) 先ほどお答え申し上げましたとおり、私どもは韓国の経済発展五ヵ年計画についての協力要請を承っておるわけでございまして、安保経協というような色彩は一切ないということははっきり申し上げられると思います。
○委員長(植木光教君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(植木光教君) 速記を起こして。 都合により、矢田部理君の本日の質疑はこれまでとし、残余は明後日行います。 明日は午前十時に委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後七時五分散会