予算委員会 第12号
- 発言数
- 328 件
- 登壇者
- 35 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1982/03/20
会議録
○委員長(植木光教君) 予算委員会を開会いたします。 昭和五十七年度一般会計予算、昭和五十七年度特別会計予算、昭和五十七年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。 —————————————
○委員長(植木光教君) 質疑に入るに先立ちまして、渡辺大蔵大臣から発言を求められておりますのでこれを許します。渡辺大蔵大臣。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 一昨十八日、参議院予算委員会における五十七年度予算に関する質疑中、所管大臣として、責任の重大性についての十分な配慮を欠き、そのため途中退席したことにより、委員会の審議に支障を生じましたことは、まことに遺憾に存じます。 今後は、かかることのないように十分注意いたします。 —————————————
○委員長(植木光教君) それでは、安恒良一君の一般質疑を行います。安恒君。
○安恒良一君 私は、総括でいろいろ議論をした点、また残した問題点等について少しお聞きをしたいと思いますが、まず老齢福祉年金の水準とその引き上げ幅の問題でありますが、来年度の福祉予算については、福祉水準を引き下げないように努力をしたと盛んに宣伝されておりますが、私は、この論議自体は現在の福祉水準は正しいという前提に立った論議だと思います。 そこでお伺いしますが、無拠出の老齢福祉年金の水準は来年度はどのように改善されますか。
○政府委員(山口新一郎君) お答え申し上げます。 昭和五十七年度におきましては、二万五千百円に引き上げることを考えております。その考え方は、拠出制の老齢年金の方が物価スライドをするということでございますので、その物価スライド幅にほぼ相応する金額として引き上げを図るということでございます。
○安恒良一君 答弁不十分です。それだけじゃないでしょう。二万五千百円だけですか、そうじゃないでしょう。
○政府委員(山口新一郎君) 失礼しました。中間段階の金額のを一つ落としておりましたが、ただいま申し上げましたのは、扶養義務者の所得が六百万までの方でございまして、扶養義務者の収入が六百万を超える方につきましては月額で三百円の引き上げということでございまして、金額といたしますと二万五千百円から千八百円の支給を停止するということでございますので、二万三千三百円ということでございます。
○安恒良一君 物価スライドの適用になる他の年金のスライド幅はどうなっていますか。
○政府委員(山口新一郎君) 昭和五十七年度の政府の経済見通しによりますと、五十六年度の物価上昇の実績見込みが四・五%ということでございますので、一応拠出の老齢年金につきましては四・五%の幅で予算計上をいたしております。
○安恒良一君 そこで、まず大蔵大臣、それから続いて厚生大臣にお聞きしますが、いま言われたとおりで、特に三百円引き上げのところは一・三%の上昇にしかならないわけでありますが、この上げ幅で福祉水準を引き下げないと言えるのでしょうか。大蔵大臣、それから続いて厚生大臣御答弁ください。
○国務大臣(渡辺美智雄君) もともと福祉年金は無拠出年金でございまして、加入できなかった方を対象としておるわけであります。したがって財政事情の許す限り、無拠出ではあっても、いままで水準の引き上げに努力をしてきたところでございます。今回は所得によって制限をつけたわけでございますが、それは、現実に国民の他の人たちの税金の中からみんな支給をされるものでございますので、所得のある方には御遠慮を少しいただいたということでございます。
○国務大臣(森下元晴君) お尋ねの件は、六百万円から八百七十六万円の場合はお説のとおりでございます。そうでない方は二万四千円から二万五千円でございますから、大体物価スライドをしております。お説のとおり、一・幾ら%ということは福祉水準がかなり下がっておると。数字的にはそうでございますけれども、考え方として、所得のかなり高い扶養者のある場合にはごしんほう願うということでお願いしておるわけでございます。
○安恒良一君 質問を正確に聞いてお答えください。 私は一・三%のところだけ言ったわけじゃないんですよ。福祉年金の引き上げ幅が四・五%だと。片方、高額所得は一・三%と。ですから、この上げ幅で福祉水準を引き下げないと言えるのかどうかということをお聞きしたんですから、もう一遍大蔵大臣、厚生大臣御答弁ください。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 何を基準にして引き上げたと言い、引き下げたと言うかということも問題でございますが、額的には引き上げておるわけです。だけれども、率からいって、恐らく物価の上昇とか、そういうものを頭に入れてそれを中心で物を言えば、一・数%というのは、そんな物価にはおさまらないんだから、その部分は引き下げられたんじゃないかという見方もそれはあろうと思います。しかし、額から言えば引き上げたというのも事実でございます。
○国務大臣(森下元晴君) 過去の上げ幅等から見れば、確かに足踏み状況に近い状況になっておりまして、御指摘のような御意見もあるかもわかりませんけれども、厳しい財政事情の中で極力努力をしたということだけは申し上げたいと思います。
○安恒良一君 四・五%の引き上げの幅というのは消費者物価上昇率です。でありますから、政策的な引き上げ分は全く含まれておりません。そういたしますと、これは現行の老齢福祉年金があるべき水準に達しているという理解でないと成り立たないと思いますが、そのように考えていいのでしょうか。あるべき水準に達していると、こういうふうに考えていいのでしょうか。これも大蔵大臣と厚生大臣の御答弁をお願いします。
○国務大臣(渡辺美智雄君) あるべき水準というのは、何があるべき水準なのかという問題が一つございましょう。私どもとしては、財政事情の許す限りもっと引き上げたいという考えは持っておりますが、問題は財源の問題でございまして、同じ国民が、それはみんなが持ち寄って差し上げるわけでございますから、そういうような点を総合的に考えると、現在の状態ではまあその程度でいたしかたがない。しかし、これですべて終わりということには考えておりません。
○国務大臣(森下元晴君) どの程度にすればいいかという比較の問題でございまして、非常にむずかしゅうございます。いろいろ諸外国の例とか、過去十年間の上げ幅、また経過等を考えまして、これで果たして満足であるかどうかということは、私自身もはっきり言ってこれで百点満点であるとは言えません。しかしながら、現在のところはかなりの水準にいっておる。いろいろほかの問題もございますけれども、そういうことで、拠出の年金のこともございますし、かなりな水準に達しておる、こういうふうに理解しております。
○安恒良一君 自民党内閣はずっと継承されておるわけですから、あるべき水準のお話をお忘れになっては困ります。三木総理時代にお約束があるんですが、厚生大臣、大蔵大臣御存じございませんか。
○国務大臣(森下元晴君) 当時の厚生大臣は田中厚生大臣だったと思うのです。そのときに、老人福祉年金の額を軽費老人ホームの利用料程度に引き上げるというようなお話があったやに実は聞いておりまして、この点との比較でおっしゃっておられるのだろうと思います。 昭和五十年当時、御指摘のような点について福祉年金の新しい財政方式のあり方を含め検討したいという経過があるということは承知しております。しかしながら、全額国庫負担という仕組みのままではむずかしいと考えております。
○安恒良一君 厚生大臣、「あったや」では困るわけです。これはしかも予算委員会で、当時わが党の書記長が三木総理と田中厚生大臣に質問をした中で、明確に田中厚生大臣から、福祉年金の水準は軽費老人ホームに入れる程度の水準にしたい、こういう答弁をされていますから、そのときそのときの答弁では困るんです。予算委員会で答弁したことについてはきちっと覚えて、そしてそういうのがある、しかし、こうこうこういう理由でできない、こういうことであるならば私はあれだと思いますが。 そこで、大体その額はいまだったら幾らになりますか。
○政府委員(金田一郎君) ただいま安恒先生の言われました額は、おおむね三万八千円に相当いたします。
○安恒良一君 いま言われたとおり、大蔵大臣、厚生大臣お聞きください。三万八千円であります。五十年からすでにもう六年経過しています。老人ホームの生活費と年金額は開くばかりなんです。ですから、ことしのようにたった物価スライドだけで、こういうことでいいんでしょうか。この点私は、今回の引き上げ幅についてはいろいろ理由を言われるが、全く納得できません。 さらに、受給者は年々減っています。十年後には現在の一割程度になるわけです。そこで、せめて老人ホームの生活費程度を目標に引き上げるべきだというふうに考えますが、この点につきましては厚生大臣、それから大蔵大臣、そしてきょう総理はおいででございませんから、全体の省を統括される官房長官に、三木内閣のときにそういうお約束があって、これだけたっているという観点から、三人の大臣からのお考えをお聞かせください。
○国務大臣(森下元晴君) 軽費老人ホームの利用料三万八千円、これと現在の老人福祉年金の差があるじゃないかということでございまして、そのとおりでございます、数字的には。しかし、そのことはよく承知しておりますけれども、現在の厳しい財政状況下におきまして、今回の二万五千百円、また所得の高い扶養者のある方は二万三千三百円という金額でございますが、他の拠出制の五年制また十年制等の額に比べて余り差がないというようなことにもなりますし、この点、現在のところは厳しい財政状況のもと、決して私はこれですべて満足して、すべていいとは申し上げませんけれども、現状この金額でやりたいということでございます。 なお、三木内閣のときのお話はよく承知しております。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 確かに昭和五十年の二月一日の予算委員会における多賀谷委員と総理大臣、田中厚生大臣の間のやりとりの中で言われております。それはしかし、三万円と単純に言っているわけじゃなくして、答える方はそういうようなことが理想としてはよいということを言っておりますし、田中厚生大臣も三万円というような老人ホームに入居できるぐらいの水準、大体その程度のことを考えて、いま苦心をしておるところでありますというようなことを言っておられます。私は、そのことは理想としてはそういうふうに持っていきたいということを言っておるわけであろうと、問題は、御承知のとおり福祉年金は本人の掛金によらないで国民の税金によって給付をされるものでございますから、一方ではやはり掛金を払って給付を受ける人たちとのいわゆるバランスというものも多少、もちろん考えなければなりません。税金を納める方も考えなければなりません。昭和四十八年に老人福祉年金は月五千円だったと私は考えております。それが二万四千円になり、二万五千百円。したがってこれは約五倍になっておるわけでありますが、一方租税収入、国民全体の払う税金の方は大体二・七倍ぐらいでございますから、税金によってこれは賄われるものでございますので、そういうような点から言っても、その財源の伸び率よりもはるかに五倍というのは約倍近い、税収よりも大きな伸び率でやっておるわけですから、国民のだれかがそれを負担をしておるわけなので、もっと多くしたいという願望はあっても、それらとの関連という点から、現状ではまずこの程度ということで御了承を願いたいと考えております。
○国務大臣(宮澤喜一君) 三木内閣の当時、そのような質疑応答がありましたことは関係各省もよく記憶をいたしております。そのような理想形に比べますと現状は決して十分とは申せない、安恒委員の言われるとおりでありますけれども、諸般の情勢のもとで、とにかくベストを尽くしておるというのがただいまの姿と思います。
○安恒良一君 余りこれで時間とれませんが、大蔵大臣が言われたようなぼかした答弁にはなってないんです。最後に、わが党の書記長の質問に対して、「大体その程度のことを考えて、いま苦心をいたしております。」ということですね。ですから、それからもうこれだけたっていますから、少なくとも私は厚生大臣に申し上げておきたいんですが、大蔵大臣にもね、掛金を掛けてない掛けてないと強調されるけれども、掛けようと思っても掛けられなかったんじゃないですか。国民年金が発足した際にすでに一定の年齢になって、国民年金に加入したくても加入できなかったのですから、その限りにおいては、少なくともその水準は老後生活の基礎的部分を満たすという。ですから大蔵大臣がお金を預かっている立場で防戦されるのはわかりますが、厚生大臣はもっと前向きにこれは努力すると。しかも、官房長官覚えていると言われたが、覚えていなかったんです。私から言われて、あわてて議事録見て。覚えてない、二人とも。厚生大臣が覚えてないようじゃ本当に困るんですが、そこらの点を含めて、前向きにひとつ努力しますか。どうですか、厚生大臣。
○国務大臣(森下元晴君) 実は議事録は取り寄せておったのですが、いまおっしゃいましたように、大体その程度のことを考えていま苦心をしておると。それから五年も六年もたったわけでございますから、御指摘はそのとおりでございます。そういうことで、前向きでやりたいと思っております。
○安恒良一君 それではぜひ前向きに各大臣とも、せめて私は生活の基礎的部分になるように御努力願いたいということを強く要望いたしまして、次に参ります。 次は、国民健康保険の問題でありますが、御承知のように十一カ月予算ということになっています。そこで、保険者としては、市町村国保、国保組合にどういう指示をされましたか、去年。
○政府委員(大和田潔君) この点につきまして、昨年の十二月、予算を開始いたします時期でございますけれども、その時期に国の予算、これは十一カ月予算、保険者の方の受け入れ予算も十一カ月予算ということで合わせるように、そういうような方針でいくというような内簡をお出しいたしました。その後、関係省庁と……
○安恒良一君 聞いてないよ、まだその後の話は。
○政府委員(大和田潔君) そのようなことで、十二月の二十三日にまず指示いたしたわけであります。
○安恒良一君 こっちが聞かぬことを先に答弁することないんだよ。 そこで、今度は自治省にお聞きしますが、こういった厚生省の態度に対して、どういうお考えをお持ちですか。これは政策問題ですから、まず私は大臣からお考えをひとつ聞かしていただきたい。
○国務大臣(世耕政隆君) わが方から厚生省に対しては、十一カ月では困るから十二カ月にしていただきたいという要請をいたしました。
○安恒良一君 そこで、この行政指導に万全を期すべき行政当局が、行政機関の意思疎通の不手際のために、末端ではこの予算編成に市町村や国保が大変な混乱をしております、二転三転したために。これは不手際だとお思いになりませんか。この点は大蔵大臣、自治大臣、厚生大臣にお聞きをいたします。
○国務大臣(森下元晴君) 御迷惑をおかけしております。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 連絡がうまくいかなかったという点は認めなければなるまいと思います。
○国務大臣(世耕政隆君) この国民健康保険をめぐっての三省の間での論議がなかなか白熱を帯びてまとまりにくかったので、こういう結果になったかと思います。御迷惑をおかけしたかもしれません。
○安恒良一君 御迷惑をおかけしたかもとはどういうことですか。どういう意味ですか。迷惑をかけておるじゃないですか、現実に。もう一遍自治大臣、お答えください。 それから最後に、官房長官、いまお聞きくださったように、三省の間の話がまとまらぬために政府の通達が二転三転をして末端は大変困っているという点に、官房長官、総理のかわりにどうお考えになりますか。
○国務大臣(世耕政隆君) かもしれないと申し上げたのは、私どもの方はおかけしたという意識に乏しいから申し上げたわけでございます。
○安恒良一君 ちょっと官房長官答える前に——あんなこと言っているんですね。厚生大臣は御迷惑をおかけしました、大蔵大臣は御迷惑をおかけしました、自治省は、おれたちは正しい主張をしておれたちのとおりになったから迷惑をかけてないと、これじゃ閣内不統一じゃないですか。統一して言ってください。
○国務大臣(宮澤喜一君) それは主体的にはいろいろな主張はございますからいろいろな感想が生まれると思いますが、結果として御迷惑をかけた、遺憾なことだと思います。
○安恒良一君 それでは、まあ政府を代表して、御迷惑をかけて大変遺憾であるということを言われましたからそれで結構なんですが、そこで今度は少し事務的にお聞かせを願いたいんですが、国民健康保険では十一ヵ月の医療費支出に対応する予算を調整しろと、そしてそういうことをされましたが、すでに組合会の議決が終わっておるもの等については、どういう修正をさしたんですか。
○政府委員(大和田潔君) お答えいたします。 すでに組合会の議決等の終わっておりますところは、一番問題になりますのは、すでに全国から組合員を招集いたしまして組合会で議決をしてしまった、さらに引き続きまた組合会を招集するというのはなかなかむずかしいというようなところにおきましては、理事専決で十二カ月分の予算を組む。しかしながら、保険料についてはそのまま当初の組合会というようなことでやむを得ない。そこで、いわゆる予算の認可の問題でございますが、その段階で予算の認可をいたしましょう、しかしできるだけ早い機会に正当な予算を組んでいただきたいと、こういったような特例を設けるように御指示をいたしたわけでございます。
○安恒良一君 国民健康保険法の第二十五条の二項に基づく予算修正を行えという指示をしたことはありませんか。
○政府委員(大和田潔君) 私のいま御答弁申し上げたとおりでございまして、特に二十五条、いま先生のおっしゃいましたような意味合いの指示をいたしたつもりはございません。
○安恒良一君 それじゃ、そのときに出されました通達文書を少し読み上げてみてください。
○政府委員(大和田潔君) これは、五十七年二月四日付の内節でございます。当該部分につきまして、これは記の1、2とありますが、当該部分につきまして朗読をいたします。 2 国民健康保険組合であって、十一ケ月間の医療費支出に対応する予算を調整し、既に組合会の議決を経ているものについては、 (1) 都道府県知事への認可申請期限(昭和五十七年二月末日)までに組合会の招集が可能な国民健康保険組合については、十二ケ月間の医療費支出に対応する予算を計上するよう修正を行うこと。 (2) (1)が不可能である国民健康保険組合にあっては、旧民健康保険法第二十五条第二項の期定に基づき、理事の専決処分により、十二ケ月間の医療費支出を予算に計上するよう修正を行うこと。ただし保険料収入についての修正は行わないものとし、この措置により、歳入不足の予算となる場合であっても昭和五十七年度の特例措置として予算を認可することもやむをえないものであること。 この場合においては、予算認可後可能な限り速やかに組合会を招集し、歳入の修正を行う旨の条件を附するものであること。 この点につきまして、後段につきまして私が先ほど御説明したところであります。
○安恒良一君 前段もちゃんと説明してもらわぬと困るんですよ。自分の都合のいいところだけ言ったらいけません。 そこで大臣、いま言われましたように、私はやはりこういうやり方では大変皆さんに御迷惑をかけたということを官房長官も政府を代表して認めた。そこで、五十七年度国保組合の臨時調整補助金は七十五億円であります。当然十一ヵ月分に相当するということで大蔵省と厚生両省の間で認められておりますが、各保険者には十二ヵ月分の予算を編成しろと、こう言っておきながら、国の予算は十一ヵ月というのでは平仄が合わないのではないでしょうか、どのように対応されますか。
○政府委員(大和田潔君) 先生がおっしゃいますように、一ヵ月分をどうするかという問題でございますが、これにつきましては、私ども基本は何といいましても国保事業の、国保組合の事業運営に支障を来さないということが基本でございます。それを技術的にどのようなことにいたしましてカバーするかという問題を私どもいろいろ考えておるわけでございますが、現段階におきまして、五十八年度予算でこれをカバーいたすということにいたしまして、国保組合の事業運営に支障が生じないように、そういうような形で措置をいたしていきたいというふうに考えておるところでございます。
○安恒良一君 重ねて大臣にお聞きしますが、補助金は十一カ月分で七十五億なんですよね、このことはもう明確です。ところが、保険者の方には十二ヵ月で組めと言われているわけです。そうしますと当然一カ月分不足をいたしますから、いま大和田局長の方は五十八年度でその分を処置をしたいということだろうが、私お聞きしたいのは、たとえばいま予算を審議している段階でありますが、公共投資の七十何%前倒しとか税収の不足等があれば大型補正なども考えざるを得ないじゃないかという論議がすでにいろいろ出ています。ですから私は、少なくとも五十七年度の問題は五十七年度じゅうにこれは決着をつけなきゃならぬと思いますから、五十八年度などということじゃなくて、五十七年度であと一カ月分相当額をぜひ補正の中で考えてもらいたい、まあ補正予算を組む場合は、補正の中でぜひ考えてもらいたいと思いますが、厚生大臣どうですか。
○国務大臣(森下元晴君) 五十八年度でということで大和田局長御答弁したわけですが、いま五十七年度の補正でどうかというお尋ねでございますが、現段階では、この補正予算を前提として議論することはなかなかむずかしいと思いますけれども、私としては、状況に応じて努力をしてみたいということを申し上げます。
○安恒良一君 状況に応じてというのは、迷惑をかけたことは事実なんだから、迷惑をかけたらかけたようにこれは処置をするのがあたりまえだと思いますから、ぜひ御努力願います。 この問題の最後でありますが、厚生大臣の私的諮問機関として国民保険問題懇談会の設置が決められ、すでに委員名まで発表をされました。ここで検討する検討項目、それからいま一つは、私はやはりこの国保運営の広域性についてもいろいろ考えなきゃならぬと思いますから、国保組合の代表をこのメンバーの中に入れるべきだと思いますが、その点どうでしょうか。
○国務大臣(森下元晴君) 国保問題懇談会のメンバーに国保組合の代表を加えるべきでないかという御質問でございます。 この問題につきましては、国保全体を代表する者といたしまして国保中央会の理事長の御参加をお願いしておりますが、国保組合の意見が懇談会にそれで反映するかどうかということになるわけであります。 そこで、国保制度につきましては、昭和五十七年度予算編成時に、関係大臣間で国、地方の役割り分担を含めて云々というようなことも合意しておりますし、これはかなり重要な問題でもございます。こういうことで、その中に組合の代表を加えて遺憾なからしめるようにやれということでございますので、この懇談会の運営上の問題としてこれは検討してまいりたい。そういう方々を何名お入れするということは申し上げられませんけれども、よく懇談会に御趣旨のような内容のものが反映できるように調整を図る、そして懇談会の運営上の問題として検討をしてまいりたいということであります。
○安恒良一君 検討項目。
○国務大臣(森下元晴君) 検討項目といたしましては、国、地方の役割り分担を含め保険制度の全体の体系の中における国保制度のあり方等でございます。
○安恒良一君 御承知のように、国保全体の代表として国保中央会の理事長が参加されていますが、これは必ずしも国保組合の意見を正確に反映する組織体になっておりません。 そこで、大臣に重ねて要望しておきますが、いま言われたような重要項目をやるのですから、ぜひ国保組合の意見が懇談会に直接反映できるような方法をお考えを願いたいということを強く要望して、次に移ります。 次に、公共交通問題について質問をしたいと思います。 実は、本会議並びにこの前の総花の中で、私は公共交通の問題について総理並びに関係大臣に質問をいたしましたが、なかなか真意が十分御理解願えないようで、これもちょっと思い出していただくために言っておきますが、ただ単に、総理は自動車の生産、販売に対しては、いわゆる失業問題の観点から、わが国の経済の観点から制限を加えるのは適当でないという一面だけを強調されました。 そこで、私はいろんな観点からこのことを聞いたのでありますが、まず一つ、私が一番心配をしておりました交通渋滞という問題が大きく出てきております。特に東京都内における交通渋滞の問題が出てきておりますから、この点自治大臣のところで、ひとつ交通渋滞、昨年どういう状況になったのかということについて御説明願います。
○政府委員(久本禮一君) 交通渋滞の現状につきまして、現在手元にございます資料で御説明をいたします。 警視庁からの資料によりますと、最近の交通渋滞の推移は、昭和五十六年におきまして、昭和五十五年に比べて約六・六%増加をしている。これは東京の数字でございます。これは、昨年に比べまして増加の度合いがかなり高まっているということは事実でございます。 次に、月別の交通渋滞状況として五十六年の特徴でございますが、これはちょっと私どもの意表をついたような感じではございますが、七月が一番多かったと、次いで十二月といったような月別の渋滞の推移の報告がございます。 それから……
○安恒良一君 渋滞の時間。
○政府委員(久本禮一君) 失礼いたしました。 渋滞時間は、昭和五十六年の渋滞時間が千四十五という数字で出ております。これは平均でございます。それから、ただいま申し上げました五十六年の七月の渋滞、これは昨年のトップでございますが、千三百三十二という数字でございまして、二番目の十二月の千二百六十三を上回っているという数字でございます。 それから、一週間の渋滞の傾向といたしましては、昨年は金曜日が平均千二百二十ということで一週間の中では一番多い。次いで月曜日の千百六十五といったような数字の傾向の報告がございます。 大体、東京都における渋滞の概要、警視庁の資料でございますが、以上でございます。
○安恒良一君 五十一年から五十五年までは渋滞はどうなっているでしょうか。 それから、いま言われた原因と、これに対する対策をどうされますか。
○政府委員(久本禮一君) お答え申し上げます。 最近の年次の傾向でございますが、最近五年間の傾向で申し上げますと、昭和五十二年が渋滞時間九百八十四、五十三年が九百九十八、五十四年が九百五十七、五十五年が九百八十で、五十六年がただいま申し上げましたように千四十五という数字でございます。
○安恒良一君 伸び率。
○政府委員(久本禮一君) 伸び率は、申しわけありません、ちょっと五年間を通じての数字が出ておりませんが、五十三年以降の前年対比といたしましては、五十三年がプラス一・四、五十四年がマイナス四・一、五十五年がプラス一丁四、五十六年が先ほど申し上げましたようにプラス六・六という伸び方でございます。 この点につきましての対策でございますが……
○安恒良一君 原因と対策。
○政府委員(久本禮一君) 失礼いたしました。 原因は、一般的に渋滞は交通量の増加ということが頭に浮かぶわけでございますが、率直に申し上げまして、昨年におきましてそれほど交通量が急激に伸びたという点は確認されておりません。したがいまして、交通量の増のほかに、やはり特に都心部等における交通のパターンが景気動向の変化等によってかなり変わったのではないかという予測をいたしておりますが、現在のところ、必ずしも十分にその原因がつかめているとは申せません。 それで、対策でございますが、交通警察といたしましては、交通の安全と並びまして都市交通をいかに効率的にこなしていくかという点を大きな重点として努力をいたしているつもりでございます。具体的には、交通規制はもとよりでございますが、あわせまして交通の情報伝達の体制をできるだけ整備いたしまして、いわば都市内における自動車交通流が効果的に誘導されることによって、できるだけ効率的に運行されるような状態をつくり出してまいりたいというふうに考えております。 あわせまして交通管制、これは東京は全国でも最も進んでいる方だと思いますけれども、さらに管制の機能の高度化を、現在も推進しているところでございますが、さらに推進をいたしまして、バス優先信号の併用等の手段も講じながら、管制の機能の高度化を今後とも図ってまいりたい。 このような規制と管制と情報の三者を有機的に結合させて運動させることによって、交通警察としては少しでも都心部における交通渋滞を解消してまいりたいというふうに考えております。
○安恒良一君 資料がないということですから、私の方から言いますと、五十一年から五十五年ではわずか三%しか伸びてないんじゃないですか。それがこの一年で六・六%伸びたというふうに見て間違いありませんか。
○政府委員(久本禮一君) おっしゃるような数字に説得力がございます。
○安恒良一君 そうなりますと、いま言われたようにこれは大変なことだと思うんですよ。一年で六・六%。四、五年かかって三%しか伸びていない。 いろいろの対策を言われましたが、交通規制ということについての具体的な中身をちょっと聞かしてください。たとえば例を申し上げますが、この五年間で東京都におきましてバスのいわゆる専用レーンもしくは優先レーン等がどれだけふやされましたか。
○政府委員(久本禮一君) 東京におけるバス優先対策の状況について御報告申し上げます。 昭和五十年度末におきまして都内におけるバス優先方策、優先レーン、専用レーンあるいは専用道路等の延長でございますが、二百四十九・四キロの延長がございます。これが五十五年度末——五十六年まだ出ておりませんので、五十五年度末の数字で三百・八キロに増加をしております。
○安恒良一君 もう一回言ってください、わからぬから。
○政府委員(久本禮一君) もう一度申し上げます。 昭和五十年度末がバス優先対策総延長二百四十九・四キロでございます。これが五十五年度末におきまして三百・八キロになっております。五十一・四キロの増、プラス二〇・六%増加さしたという数字でございます。
○安恒良一君 そういう遅々たるやり方では、五年間かかってせいぜいそれぐらいですから、五十六年度が出てないそうですから、またこの問題で改めて議論しますが、やはり年間に六・六%も交通麻痺が続いて、それが日本のいろんな経済に重大な影響を与えておるということをしっかり覚えておいてください。 そこで、次は環境庁にお聞きしますが、私は、車がふえることによって大変な状態になるんじゃないかということをお聞きしたのですが、環境庁長官は、車はふえても走らなければ大したことないのだと、こんなやりとりになっていますが、すでにこれまたいま言ったような事情の中で、五十五年一年間で都内に大気中に放出されたNOx、これはどれだけになっていますか。
○国務大臣(原文兵衛君) 交通量の増加のことにつきましては、いま委員から御質問があって警察庁からお答えしたとおりでございますが、東京都内のことにNO2の環境基準の達成率が非常に悪いわけでございます。そういうようなものにつきまして、数字的にいま大気保全局長の方からお答えさせたいと思います。
○安恒良一君 NOxとNO2。
○政府委員(吉崎正義君) お答えをいたします。 五十五年度における実は東京都のものは面接は推定をいたしておらぬのでございますけれども、窒素酸化物一都三県で五十五年度およそ十七万トンぐらいではなかろうか……
○安恒良一君 東京都の分。
○政府委員(吉崎正義君) 都の分を推計をいたしますと六万トンぐらいではなかろうかと推計をいたしております。
○安恒良一君 東京都が発表していますが、きょうあなたは新聞読まないでおいでになったんじゃないかと思いますが、五十五年の一年間で東京都内の大気中に放出されたNOxは七万五千トンと出ていますが、六万トンでは大分違いますね。
○政府委員(吉崎正義君) 私どもの方、これまで実は一都三県で試算をいたしておりまして、それで一都三県で十七万トンでありますが、あえて東京都を試算いたしますと六万トンでございました。けさの新聞を実は見ておりますんですが、若干の差はございます。
○安恒良一君 若干じゃなくて六万トンと七万五千トンはたくさん違いますから、これは一つ一つ後で数字を調査してください。いいですね。 そこで、今度は環境庁長官にお聞きしますが、これは東京だけでなくて大阪でもこういう状況だということで、これは大変なことだ。自治体自体として、たとえば都心乗り入れの規制その他いろんなことを考えなきゃならぬということがきょう新聞にでかでかと出ているわけですね。だから、大気汚染について非常な私は心配があると思いますが、これらの問題について環境庁長官として、自治体自体がこういうことをもうすでに考えなきゃならぬということを言って動き出そうとしているのですが、環境行政の最高責任者であるあなたはどのようにお考えですか。
○国務大臣(原文兵衛君) 自動車交通量の増加に伴う大気汚染、これをやはりわれわれとしては深刻に受けとめなければならないわけでございまして、自治省、警察当局、その他関係省庁と協議をいたしまして、この交通量の対策、交通渋滞等がふえないように、むしろ減少していくような対策をいかにしたらいいか、いろいろなむずかしい問題もたくさんあります。また、いろいろな対策もあるわけでございますが、十分にひとつ検討して実効の上がるように努めてまいりたいと思っております。
○安恒良一君 自治大臣にお聞きしますが、大阪とか東京ではこれがための具体的な対策をいろいろ出しているようですが、こういう点について自治大臣はどのようにお考えになり、そして自治大臣として環境庁長官並びに警察庁——あなたは警察庁の長官も兼ねておられるわけですから、おやりになる気ですか。
○国務大臣(世耕政隆君) だんだんスケールの大きくなる交通情勢の上から、これは機能的にも道路の面からも、あらゆる面から総合的にいろんな計画を立てて、各仕事の分野の分析をしながら総合的に合理的に計画立案をして、それを実行していくべきと、このように考えておる次第でございます。
○安恒良一君 いま言いましたのは、国家公安委員長を兼務されているわけですから、国家公安委員会の最高責任者でありますから、そういうふうに訂正しておきます。 それで、私はこれ以上これで時間どれませんから、どうも答弁を聞きますと非常に抽象的ですが、大気汚染が非常に進んでいることは事実でありますから、早急に自治大臣それから環境庁長官、その他関係大臣の中でぜひひとつこれはお考えをお願いをしたいということを申し上げておきます。 そこで、次は建設大臣にちょっとお伺いしたいのでありますが、わが国の道路の舗装率ですね、これは道路統計年報一九八一年版によりますとどうなっているのか。アメリカと西ドイツとイギリスと日本、これについてひとつお教え願いたいと思います。
○政府委員(渡辺修自君) お答えいたします。 世界の道路統計一九八〇年版でございまして、実際の数値は七九年のものでございますが、舗装率で主要国を申し上げますと、大体西欧諸国ではほとんど舗装率一〇〇%でございますが……
○安恒良一君 道路統計年報が出ているじゃないか、一九八一年版が。
○政府委員(渡辺修自君) ちょっとお尋ねの趣旨がはっきりわからないわけでございますけれども、ヨーロッパでは大体主要国は舗装率一〇〇%、西ドイツあたりでは若干これを下回っております。それから、スウェーデン等では約六〇%ぐらい、それからアメリカに参りますと、これは非常に国土の広い点もございまして、大体八〇%台と、こういった状況でございます。
○安恒良一君 私の質問を正確にお聞きになってません。私はきのう通告しておきましたと同時に、道路統計年報一九八一年版によるアメリカ、西ドイツ、イギリス、日本の舗装率をお聞きをしている。これは通告しておきました。
○政府委員(渡辺修自君) わかりました。失礼をいたしました。 アメリカでは八二%、西ドイツ八七%、イギリス九六・四%に対しまして、日本は一六・二%という数字が出ております。
○安恒良一君 それじゃちょっと非常に日本が低いように見えるのですが、わが国では市町村道が全体の道路の延長の八四%を占めてます。そこで、日本の市町村道に相当する道路総延長は、アメリカは格別といたしまして、フランスはどのくらいになっていますか。それから、西ドイツはどのくらいになっていますか。イギリスはどうなっております。イタリアはどうなっているでしょうか。日本はどうなっているでしょうか。
○政府委員(渡辺修自君) 道路の種類の分類は各国によって違うわけでございますので、明確に日本の市町村道と比較できるかどうかは若干問題はございますが、国道あるいはいわゆる日本で申します都道府県道、こういったものを除きましたその他の道路という分類がございますが、アメリカでは全延長の八〇・八、それから西ドイツは七八%……
○安恒良一君 キロを聞いてます、キロ。
○政府委員(渡辺修自君) 延長でございますか。延長では西ドイツの場合約三十八万キロ、それからフランスの場合四十二万キロ、イタリア十四万キロ、こういったことでございますが、日本の場合は約九十四万キロということになっております。ただし、フランスの四十二万キロにはいわゆる田園道路というものが含まれておりませんので、これがフランスでは約七十万キロございます。
○安恒良一君 これもあれしておきましたが、建設省の道路総務課が監修されました「道路行政」五十六年度版の八十八ページに書いてある数字と大分違うんですが、おたくで監修されていますから。フランスが八十万キロ、西ドイツが四十七万キロ、イギリスが三十五万キロ、イタリアが二十九万キロで、日本は百万キロを超えている、こういうふうに出ていますが、間違いありませんか。おたくでおやりになった仕事ですから。
○政府委員(渡辺修自君) 先生の御指摘になりましたのはいわゆる公共道路の総延長でございまして、先ほど私が答弁申し上げましたのはいわゆる市町村道とみなされるものの延長でございます。
○安恒良一君 じゃ、八十八ページをちょっと読んでみてください。そうおっしゃるならば、「道路行政」五十六年度版の八十八ページを読んでみてください。
○政府委員(渡辺修自君) 「道路行政」をただいま手元に持っておりませんので、再度答弁さしていただきますが、いわゆる高速道路、国道、地方道、その他の道路を合計いたしまして西ドイツ四十八万キロ、イギリス三十五万キロ、フランス八十万キロ、イタリア二十九万キロに対しまして日本が百十一万キロでございます。
○安恒良一君 お持ちにならないのなら、これ読んでください。(資料を手渡す)読んでください、それを。
○政府委員(渡辺修自君) 「諸外国では、日本の市町村道に相当する地域道路の要件がやや厳しいので、道路延長も我が国のものよりはるかに少なくなっている。たとえば、道路総延長は、アメリカを別格とすればフランス八十万キロメートル、西ドイツ四十七万キロメートル、イギリス三十五万キロメートル、イタリア二十九万キロメートルで、日本のように百万キロメートルを越えている国はない。このためもあって、わが国の道路の整備率は諸外国のものに比して極端に低い結果となっている。」、こういうことでございます。
○安恒良一君 間違いありませんか。これ、おたくのお書きになったやつですから。
○政府委員(渡辺修自君) それは道路の総延長の話でございますから、間違いございません。
○安恒良一君 これもちゃんと数字は通告しておったんですが、お持ちにならなかったようですから読んでいただきました。私は道の問題について、これをなぜ読んでいただいたかというと、わが国の舗装率が低い、低いと言われますから、正確に比較をしなきゃならぬと、こういう意味でこれを読んでいただいたわけです。 そこで、お聞きをしたいのですが、道路審議会が二十一世紀を目指しての道づくりを提言をしています。その中で、財源確保のためにガソリン税、自動車重量税等々、自動車特定財源を堅持する必要が訴えられていますが、私は、今日まだ自動車問題が全部解決したとも思いません。まだ問題が残っているだろうと思います。しかし現在は、道よりも下水道、公園、住宅など立ちおくれているものがたくさんあります。また、地域の公共交通問題もあります。だから私は、道路だけが特定の財源を持つことは国民の疑惑、疑問を強めることになると思いますが、この低経済成長の中で、しかも財源難であります。こういう場合、このまま特定財源制度を続けていけば道路の整備だけが突出をして進み、公共投資全体の配分がゆがめられる、こういう懸念を私は持っています。 そこで、特定財源制度は見直すべき時期に来ていると思いますが、この点について建設大臣、大蔵大臣、中曽根行管庁長官——官房長官はいま退席されていますから後でまたお聞きをすることにいたします、それから経企庁長官等々で、いま申し上げた特定財源制度を見直すべき時期に来ていると思いますが、どうでございましょうか。
○国務大臣(始関伊平君) お答えをいたします。 道路につきましては、現在第八次道路計画を実行いたしておるところでございまして、五カ年計画というものを建設省だけで七つも持っておりますが、そのうちで、わが国では最も古いのが道路でございます。道路は全国の至るところにあるわけでございますから、道路の整備が十分であるかどうかという見方は場所によって非常に違うと思いますが、ある程度進んでまいりましたのは、ただいまお話しになりましたガソリン税、それから自動車重量税と、こういういわゆる特定財源があったことが大きく寄与しているということについては私も同感でございます。ただ、しかしながら、重要な基礎物資でありますガソリンについて税を取る、また交通のやっぱり一つの基礎的な輸送の手段であります自動車についても税金を取るということは、これは一般財源としてはふさわしくないのでございまして、やはり特定財源として、受益者あるいは損傷者負担という考え方で、道路利用者である自動車のメーカー、また、自動車を動かすにはなくてはならないガソリンの生産者と申しますか、石油関係業者がこれを負担するということが一つの筋の通った考え方になるわけでございまして、むしろ最初からこれを一般財源、としてこういう税金をやろうと言えば、その当時私があればやはり反対せざるを得ないと、こういうことになると思うのでございまして、また一方道路は、田舎の方に参りますと、地域開発の先駆として道路に対してはあこがれのようなものが大変強いわけでございますし、またすでに都市化しておる地帯、たとえば東京などにつきましては、ただいまの御指摘のように道路交通が多くなりまして渋滞も起こっております。それに対しまして建設省としては対処する方策を検討中でございますが、こういったようなことでございまして、いま御指摘のような、一般財源とするということにつきましては、この税の本質から申しまして反対でございますし、またそういう時期になってない。もちろん下水道、その他の関係につきましてはこれも重要でございまして、これは一般財源なりあるいは財政投融資なりの利用ということになるわけでございますが、バランスをとるということはもちろん重大な関心を持っておりますが、御指摘のような問題の提起に対しましては、建設省は反対の立場であるということをお答え申し上げたいと思います。
○国務大臣(渡辺美智雄君) このような厳しい財政事情になりますと、当然財源に限りがありますから、いまおっしゃったように道路、公園、住宅、特に下水、そういうところがおくれておってそれに一般会計からたくさんの財源をつぎ込む余裕がないということも事実。したがって、いま安値委員のような御意見が広く識者の間で主張をされておることも事実でございます。できることならば大蔵大臣としてもそうしたいという気持ちも事実。しかしながら、いま建設大臣から話があったように、それぞれの財源が、特定財源としてできたいきさつというものがあるものですから、急になかなかうまくいかないという現状もございます。何とか財政再建期間中だけでもその中でやりくりができないかというようなことで、われわれといたしましては建設省のそれぞれの事業のバランスもあるわけですから、道路だけどんどんよくなっていいというわけでもない。しかしまた道路をもっとよくしなくては困るという強い主張があるのも事実です、これは。だけれども、そこのところ話し合いで、私は御主張のような方向で幅広く検討をしていきたいと思っております。
○国務大臣(中曽根康弘君) すべて財源は国民全体のものでございますから、情勢の変化に応じて常にこれを見直し、幅広く検討していく必要があると思います。昨年七月の魔時行政調査会の答申におきましても、常にこれを幅広く検討していくと、そのように言っております。
○国務大臣(河本敏夫君) いま政府の進めております社会経済の発展計画、七カ年計画というものがございますが、その一番大きな柱の一つがこの道路建設の五カ年計画でございます。これは、わが国の社会資本投資の中核になっておるわけでありますが、その財源の最大の柱がいまお述べになった特定財源だと思います。したがいまして、ずっと将来のことといたしましては、これは国全体の問題として総合的に検討する必要はあろうかと思いますが、現時点では私は建設大臣の御意見をもっともだと考えております。
○国務大臣(世耕政隆君) 自治省としても道路に関しましては、各般のその所管庁と連絡をとりまして十分な処理を考えていきたいと思っております。
○安恒良一君 自治大臣は私の質問を聞いておられなかったですね。そんなことを聞いたんじゃないんです。私は、道の整備だけが突出して公共投資全体の配分がゆがみやしないか、あなたに直接関係します水道とか、公園とか、住宅とか、説もこれは関係しているわけですから、そういう意味からその点はどうなのかということをお聞きしていますから、いまの答弁では全くピント外れています。 それから、経企庁長官に重ねてここでお聞きしますが、なるほど七カ年計画の中に道も重要に位置づけられていますけれども、環境整備という問題で下水道や公園や住宅も非常にきちっとされているわけです。それが私は道だけが前に出て、おくれやしないかと、いわゆるバランスが、公共投資の全体の配分がゆがめられやしないか、こういうことを聞いているわけですから、経企庁長官から重ねて御答弁ください。
○国務大臣(河本敏夫君) 七カ年計画に基づきましていま十数本の五ヵ年計画がございます。いまお述べになりました下水道の計画とか、公園の計画、住宅の計画、すべて重要な社会資本投資計画でございますが、この特定財源のないところは一般会計とか、財投等から資金を持ってくる、こういうことになっておりまして、もしこの道路の特定財源を一般化してしまえば、それはまた一般会計からその分だけ持ってこなければならぬ、こういうことにもなりますから、だから同じことだと私は思うんです。それで従来のいきさつ等もございますので、現時点では私は建設大臣のお考えを支持する、こう言ったわけでございます。
○国務大臣(世耕政隆君) 自治省の関係では、いろいろなほかの省と関連した仕事が多うございまして、上下水道とか公園とか、いろいろなものに関連した補助金その他交付金の性格の中にそういうものがありますし、そういうことで、これはまあ均衡をとりながら、よその部署といろいろ連絡をとりながら道路に対しても考えていかなければならない、こういうふうに考えております。
○安恒良一君 この問題まだありますが、官房長官がまだ御出席でありませんから、ちょっと後からまた重ねて官房長官、運輸大臣にもお聞きすることにして、次の問題に入ります。 次は、産業用ロボット問題ですが、通産省にお尋ねしますが、現在、企業に導入されているロボット数を産業別、企業規模別に明らかにしていただきたい。さらに、産業用ロボットの生産状況を説明してください。
○政府委員(豊島格君) 産業用ロボットの需要部門別の設置台数というのが第一番目の御質問だと思いますが、五十五年末、推計でございますが、大体十万台ぐらいあるということですが、業種別には、昔からのはちょっとございませんので、五十三年から五十五年の合計を一応業種別に分けてみますと、四万二千台のうちに一番多いのが合成樹脂で一万三千九百七十六台。それからその次が電気機械で九千九百五十七台。それから自動車が七千八十四台。そういうところが中心でございます。 それから、企業規模別というお話は、大企業か中小企業がということだと思いますが、中小企業に使われているのも相当多いと思いますが、自動車、電気機械等は大企業でございます。規模別に正確な数字は持ち合わせておりません。 なお、生産台数はどうかということでございますが、五十三年一万百台、五十四年一万四千五百台、五十五年一万九千九百台、このように年々大幅な増加をしております。なお、金額にこれを換算いたしますと、五十三年二百七十三億、五十四年四百二十四億、五十五年七百八十四億、五十六年は千億以上、千二百億ぐらいになる、このように考えております。
○安恒良一君 そこで、三月四日のNHKテレビの番組でロボット問題が取り上げられたときに、中小企業、鉄工所ですが、これは山崎鉄工所ですが、現在二百十五人の労働者を雇用しているが、ロボット機械を六十八台導入することで労働者は十二人しか要らなくなる、しかもこれは四十億の投資で大幅な人件費の節約によって二年間で元を取り戻す、こう言って経営者がPRされておったのでありますが、こういうことに対して、これではどんどん労働者が職場から排除されることになると思いますが、労働大臣と通産大臣はこれをどう受けとめられていますか。
○国務大臣(初村滝一郎君) お答えいたします。 いま委員が申されるとおりに、いよいよロボットというのが非常に産業用に侵入してくるわけでございますが、私どもは、これに当たっていろいろな配置転換の対応がロボット時代になされるものである、これまでのところ失業の発生というものは生じていないと考えておりますけれども、いま一つの、中小企業を例にとって、二百数十人が十人程度というような縮小の動きにあることは将来間違いないと思います。そこで、産業用ロボット等の普及が今後さらに急速かつ広範に進むとすれば、いまおっしゃったような雇用面にも多様な影響が生じると予想をされます。このために労働省としては、産業用ロボットを初めとする技術革新の雇用量に及ぼす影響、こういうところを御指摘のような点も含めまして、総合的な調査研究を本年度、五十七年度から本格的に進めていく予定にいたしております。 わが国経済の発展や国民生活向上の上で、産業用ロボットを初めとした技術革新の推進は重要な課題であると考えなければなりません。これに当たっては、労働者の雇用の安定あるいは能力の活用が図られるとともに、労働要件あるいは職場環境等の面でも、労働者の職業生活の改善につながるように十分な配慮をしていかなければならないと考えます。そういうことで、この間からこの問題について産業労働懇話会においても再三問題が出まして、先日、雇用問題政策会議において関係者の意見の交換を行ったところであります。したがって、今後とも雇用問題を中心に、同会議で政労使等関係者間の十分な意思疎通を図っていって、雇用の問題を大きく取り上げていく考え方でございます。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 産業用ロボットの導入につきましては、現在までのところ、御承知のように危険な作業であるとか過酷な労働であるとか、そうした単純労働を中心にして進んでおるわけでございまして、これは労働安全衛生の向上という面から見れば非常に大きく貢献をしておる。いまのところは、いま労働大臣も説明をいたしましたように、雇用に大きな影響は出ておらない。いわば役割り分担が行われた形で進んでおるわけでございますが、しかし今後の方向としては、老齢化社会の進行によりまして、重労働を回避するためのロボット開発が行われるなど、これからの経済的な社会的環境に適した形でロボットの導入が進むことが望ましいと考えておりまして、通産省といたしましても、いま日本は世界のロボットの中で七割を占めておると言われますが、これからのやはり将来の課題というものに取り組んでいかなければならない。こういうことで、いま調査会等を設けまして、雇用の問題も含め、ロボット産業の将来展望等につきまして研究、検討を進めておることでございます。
○安恒良一君 官房長官、留守中のお話聞いていただけましたか。——官房長官がおいでにならないときのお話、聞いていただいたということですから、官房長官に二つ、それから運輸大臣にもお聞きしますが、長官おいでにならぬときにいろいろ交通の問題について議論したのです。そこで私は、ひとつこれは官房長官にもお聞きしたいのですが、結局道路という特定財源がございます。ところが、下水道や公園や住宅などが立ちおくれていますから、道路だけが私は突出したらいけない、やはり公共投資全体の配分をゆがめてはいけないのじゃないか。だから、もうぼつぼつ特定財源を私は税制を含めて見直すべきところに来ているのじゃないかということを、各大臣の所見を承りましたら、いろいろニュアンスの違いがあります。そこで官房長官に、その点について政府を代表してひとつお聞かせを願いたい、これが一つ。 それから第二番目は、いろいろ言いましても、もう大都会の総合交通量の規制に踏み切らなければ環境から交通渋滞か食言っても大変なんです。また、公共交通を守る点からも大変なんです。こういうことで、各大都会の自治体は真剣に取り組み始めていますが、この点について運輸大臣、どうお考えでございましょうか。 また官房長官、この前、総理は、いとも簡単に車のことについて雇用面のみからお答えになりましたから、総理おいでになりませんから、ひとつお答えをお願いしたい。
○国務大臣(宮澤喜一君) 道路整備特定財源の問題につきまして、関係大臣からそれぞれのお立場でお答えをされたわけでございますので、私からその上で政府独自の、あるいは私独自の見解を申し上げるということは実はむずかしいことでございます。要するに建設大臣が言っていらっしゃいますような本質論、沿革等々、本来ならばそういうことであろうと思います。財政的にこういうふうに苦しくなってまいりましたものですから、それについていろいろ閣内でも議論が出てきておると、こういうことかと思います。予算編成のたびに議論になっております。今後とも各省庁の考え方を調整していくということ以外に、私からどうも確たることを申し上げられない大変むずかしい問題でございます。 それから交通整備のことでございますけれども、交通量の規制のことでございますが、自動車の販売を規制する、あるいは自動車専用道路の建設を規制すると申しましても、なかなかそれはそれで問題があるところではなかろうか。要は、閣内で総合的な交通対策閣僚協議会等々を通じて検討を進めていくということではないかと思います。
○国務大臣(小坂徳三郎君) 委員の御質問の御趣旨は、公害面からのことと、それからもう一つは、交通渋滞による時間的なロスが目に余るものになってきたというようなこと、またそれと同時に、公共交通がそれによって非常に圧迫をされると申しますか、こういったような問題に関連したことだと思うのでありますけれども、私はいま官房長官がお答えしたように、その一番の担い手であるところの自家用自動車と申しますか、こうしたものに対しての規制をいまここでとるということはなかなか困難であろうと思います。それとともに、先般も委員から御質問ございましたのでありますが、それによってバスの運行がどれほど六大都市でスピードが落ちるであろうかという予測など大変いい指摘を受けたので、いま運輸省としても十分それを検討を開始しております。一応の概算はできておりますが、こうしたようなこととともに、もう一つ重要なことは、公共交通の財政的な問題について、これはもう前々から国会においての御決議もあり、今日まで私もひもといてみましたら、委員が毎回このところ、この問題についてこの予算委員会において御質問なさっていることもよく承知をしております。そのたびに政府としても努力をするという御答弁を申し上げておるわけでございまして、こうしたことが、たまたま今回の臨調の特定財源についての見直しの議論が先般七月に出されております。また、先ほどの大蔵大臣の御答弁にも多少そうしたことに触れておると思うのでありまして、五十七年度は——今回出しました予算でありますが、来年度につきましては、さらにこうした面も含めて、公共交通の重要性の認識に立った対処をより積極的に展開していくのが正しいのではないかと思っております。
○安恒良一君 委員長、私の答弁で時間をとって困るんですがね。総交通量の抑制策についてどうお考えですかということを官房長官と運輸大臣に聞いたのですが、私は車の生産そのものを言ってないんです。総交通量の抑制をお考えになりますかなりませんかと、こう言うんです、大都会で。官房長官、運輸大臣、どうですか。
○政府委員(石月昭二君) 運輸省といたしましては、各交通機関の持つ特性を最大限に発揮させるということを政策の基本といたしております。そういう観点から申しますと、大都市のように交通の非常に混雑するところでは、できるだけ自家用車から大量公共交通機関である鉄道であるとかバスであるとかに旅客を転移させるということが政策の基本ではないかと考えております。そういう観点から、バス優先レーンであるとか、バス優先信号でございますとか、そのほかに自家用車に対する駐車禁止を強化するとか、そういう意味で、パスと自家用車との規制面での差を設けていただくというようなことを関係官庁にもお願いいたしまして、そういう面で政策を推進してきているところでございます。 総量規制に関しましては過去においても議論をいたしたことがございますが、なかなか自家用車がここまで普及していると、それからまた、実際の交通のニーズというものが千差万別でございますので、一般的の自家用車の規制という問題についてはなかなか国民的コンセンサスがむずかしいのではないか。それからさらには、たとえば一部の外国で——シンガポール等で、そういう自家用車の都心流入規制というようなことをやっておりますが、そのような場合にも、その監視体制をどうするかというような問題、いろいろございまして、現在ではやはりそういう間接規制と申しますか、交通規制の面等で自家用車の総量を抑制するという考え方に立っておる次第でございます。
○安恒良一君 まあ、官房長官と運輸大臣から御答弁ありませんでした。 私は、やはり少なくともその総交通量の抑制については、大都会ではもう考えなきゃならぬところへ来ているのじゃないか。やり方はいろいろあると思います。ですから、これはひとつぜひ、運輸省だけでできることでありません。関係官庁の中で、私はこの大気汚染の問題、交通事故の発生の問題、さらに交通渋滞におけるところの時間的な国民経済のロスの問題、公共交通優先の角度からも、真剣に私はぜひ総交通量の抑制策について政府としては関係官庁の中で英知を働かしてもらいたい、こういうことを強くこのことをお願いをしておきます。 それから、運輸大臣がもうすでに先に答えられたのですが、私は財源問題についてこの前運輸大臣からお答えを願ったのですが、少なくとも予算委員会では、各大臣も前向きに前向きにと、でれば議事録を見ていただくと四年間続いているのです。ところが、現実には一つも進まないのです。この前私がお聞きしたときには、こういう財源があるああいう財源があるということをごく抽象的にお答えになりました。しかし、私はいまさっき各大臣と少しやりとりしましたこの道路特定財源ですね、これ等も一つの有力な財源だと思います、有力な財源だと。というのは、前の国会で立法、行財政措置を講ずるということが満場一致衆議院で決まっているわけですから、こういう点について最後に運輸大臣のお考えをもう一遍聞かしてください。
○国務大臣(小坂徳三郎君) そういうこの御決議に対しまして、われわれも全力を挙げて今後努力をいたしたいと思っております。
○安恒良一君 どうぞぜひ来年の予算委員会のときには、ここまで進みましたと、私は世の中一遍にいくとは思いませんけれども、努力しますと言って全然進んでないことのないように強くお願いしておきます。 それで、今度は産業用ロボットに質問を戻します。 いま、労働大臣から答えていただきましたし通産大臣から答えていただきましたが、どうも私は両大臣の御認識が少し甘いのではないかという心配をしています。そこで、この前本会議でもいろんな答弁されましたが、もう一遍労働大臣、これによって新しい職域がどの程度拡大されるのでしょうか。また、これによってどの程度失業者が出てくるのでしょうか。特に、高齢者の雇用対策はいまわが国の当面の急務でありまして、時間があればそれも伺いたかったのですが、時間がありませんが、このロボットの導入が高齢者の企業内での雇用安定にどう機能すると思いますか。それらについて、納得のいく答弁をひとつ労働大臣からお願いをしたいと思います。
○政府委員(関英夫君) お答え申し上げます。 ロボットの雇用に及ぼす影響という面につきましては非常に多面的でございまして、国全体の雇用量としてどうなるかという問題、あるいは具体的に導入されましたところで非常な省力効果があるわけでございますから、そこに従来働いておりました人が職場転換ができるかどうか。それから、新しいそういうロボットを使っての作業に、御指摘のありましたように中高年労働者が十分適応していくことができるかどうか。その他さまざまな面に非常に大きな、重大な影響を及ぼすと思いますが、正直申し上げまして、この問題につきましての調査検討ということはまだ緒についたばかりでございます。私ども昨年、一つの調査を実施いたしまして、その結果からこの問題についての研究の委員会のようなものを組織いたしまして研究を始めたばかりでございまして、先ほどの大臣の御答弁にもありましたような、ああいった会議を通じて十分な意思疎通を行い、また、来年度省を挙げていろんな調査研究をして対処していきたいと考えているところでございます。
○安恒良一君 それではこれは労働大臣にお聞きしますが、いま言われたように、その大臣の私的諮問機関として雇用問題政策会議にMEをめぐる技術革新と雇用問題をテーマにしていろいろ諮問をされるということでありますが、そういうことであれば諮問の内容を具体的に、それから、どういうメンバーでいつごろまでに答申をいただかれるつもりですか。そのことについてお聞かせください。
○政府委員(関英夫君) 私から事務的に御説明をさしていただきたいと思いますが、お話にございましたように、雇用問題政策会議においてMEを中心とした技術革新と雇用問題、こういうことをテーマにお話し合いをいただいておるところでございます。 まず、メンバーでございますが、学識経験者、それから労使の代表の方々、それから地方公共団体の代表の方々、そういった方々をメンバーにいたしまして、特定の諮問事項ということでなく、このMEを中心とした技術革新が雇用にどのような影響を及ぼしていくか、それに対してどう対応していくべきかということを忌憚なく意見交換していただいて、その辺でコンセンサスが得られるようにいたしたいということで先日第一回をやりまして、次回は私どもで調査研究をお願いしている委員会の座長さんから今日までの検討状況を報告していただく。そして、その後のやり方については、またこの会議自体で十分お話し合いをいただきたいというふうに思っているところでございます。
○安恒良一君 それでは、大臣並びに局長から五十七年度から二ヵ年計画で本格的な調査に乗り出すと答弁されたのですが、その調査項目と調査の規模を明らかにしてください。 それから、この雇用問題政策会議、大臣の諮問機関でありますが、そこから雇用安定面に悪い影響が出るということが明らかになったときはどういう対策をとりますか。また、なぜこの問題を正式の諮問機関である中央職業安定審議会に語らないのですか。その理由についてお聞かせください。
○政府委員(松井達郎君) まず、私の方から最初に調査研究についてお答えさしていただきます。 先ほどからお話が出ておりますように、このMEの問題につきましては、雇用への影響だけではなくて技術技能の問題とか、あるいは職場環境の問題とか、あるいは労使関係の問題、いろんなところへ影響が出てまいるわけでございます。 それで、私どもとしていま考えておりますのは、まずそのタイトルとしましては、技術革新と雇用に関する調査と名づけておりますが、これにつきましては、このロボットやMEの生産利用の実態、これが雇用、生産性、職種等へ及ぼす影響、あるいは雇用管理、職業訓練等の問題につきましての調査を一項目まず考えております。 その次に、労使関係に関する研究ということで考ておりますのは、このMEの導入等に対応しますわが国の労使の対応の仕方、実態、これをケーススタディーを中心にやっていきたいということを考えております。 その次に、今度はMEの雇用に及ぼす影響に関する研究といたしまして、これは産業別、職業別に見ました雇用への影響を定量的に研究していきたいということを考えております。 第四点目としましては、産業用ロボットの導入に伴う産業安全確保システムの研究ということを考えております。 以上四項目でございまして、その予算の額としては大体六千万を予定いたしておるところでございます。
○政府委員(関英夫君) お答えいたします。 雇用問題政策会議でこの問題を取り上げていただきます背景には、昨年暮れからことしにかけまして、労働団体から非常に強くこの問題について労使間で話し合うような場というものを設けるべきであるというような御意見もございまして、私どもで毎月やっております産業労働懇話会におきましてもまたそういう意見が、先日の産労懇におきましてもこの問題が特にテーマといたしまして論議が行われたわけでございますが、そういった論議の上でこの問題は雇用問題政策会議で引き続き雇用を中心として検討していただいたらどうかというような座長の取りまとめもございました。 そこで、雇用問題政策会議にいまお話し合いを願っているわけでございますが、御指摘ありましたように、これは法律的に置かれております審議会ではございません。なぜそこで先にやるかということになりますと、この問題は非常に影響するところも大きく、また将来の問題として、多面的で複雑なむずかしい問題でございますので、まずこういった政策会議で自由な御意見の交換をいただきまして、そこで一定の方向が出てまいりまして私ども対応を必要としますれば、その対応の仕方につきましては関係審議会に、たとえば職業安定の問題であれば職業安定審議会、訓練の問題であれば訓練の審議会等に諮問いたしまして、御意見をいただいて対応策をとっていくというような手順で進んでいきたいと考えているところでございます。
○国務大臣(初村滝一郎君) 中央職業安定審議会になぜかけずに雇用問題政策会議にかけたかということでございますが、このロボットの問題は雇用の問題だけでなくして多くの問題を抱えておりますから、そういうところでそれを審議した結果、政府委員が答弁したようにそれぞれの機関に向き向きな問題を投げかけるというのがねらいでございます。
○安恒良一君 そこで通産大臣にお聞きしますが、通産省でも今度総合調査をされるということですから、通産省の調査目的、調査項目それから調査対象と調査規模、それから労働省でもおやりになりますから労働省とどこが違うのか、同じところがあるなら同じところがあると、こういうことでひとつ通産省のお考えを聞かしてください。
○政府委員(豊島格君) 先ほど大臣も御答弁しましたように、産業用ロボットの普及は、一方では生産性の向上あるいは労働災害、職業病の発生防止とか、また単純な仕事を人間が繰り返すということではなくて、人間の嫌がるといいますか、そういう作業からの解放という意味で非常に労働福祉に役立つわけですが、一方、そこで労働代替的な効果がもちろんできてくる、その結果、従来働いていた人と質の違った労働に変わるというようなインパクトもあろうかということでございます。 そこで、私どもがいたしますロボット産業動向調査というものの目的ということでございますが、これは産業用ロボットの普及に伴う経済的、社会的、技術的な影響について調査研究を行って、今後長期的なわが国のロボット産業政策についての議論をしていただくということで、大体調査審議していただく項目としましては、産業用ロボットの技術動向あるいは産業用ロボットの需要動向、それから産業用ロボットの普及に伴ういま申し上げましたような影響、特に産業構造面あるいは雇用面、あるいは国際経済面、あるいは経営管理面と、幅広くその辺を調査したいということでございまして、いわば技術革新という産業経済のポテンシャルといいますか、原動力となるそういうロボットの導入という、まあ広く言えばマイクロエレクトロニクスでございますが、そういう全体的な経済の発展と、その中においてどのように対処していくかということがこの中心でございます。 なお、委員としては大体産業界あるいは学識経験者、あるいは労働界の代表ということで、内田忠夫東大教養学部教授に座長になっていただいておるわけでございます。 規模ということでございますが、これは予算規模としては大したことではございませんので、今年度、高度技術集約型機械産業動向調査というのを二千七百万円ばかり、本年度と申しますか、五十七年度予算をつけていただいておりますが、そのうちの一部を使ってやりたいと、こういうことでございます。
○安恒良一君 調査対象と、労働省とどこが同じなのか、違っているのかということ。
○政府委員(豊島格君) ちょっと舌足らずでございましたが、労働省の場合は企業のマイクロエレクトロニクス化といいますか、ME化の雇用に及ぼす影響とか、労使関係ということとか労働問題、そういう雇用とか労働の問題が中心でございますが、私どもは全体の産業、経済発展の中における社会的、経済的な影響ということで、先ほど申しましたように産業用ロボットの技術がどのようになっているか、あるいはその需要がどうか、あるいはそれが及ぼす影響は単に雇用だけじゃなくて、経営とかあるいは産業構造とか、国際経済とか、そういうもう少し広い分野で見ていきたい。雇用そのものにつきましては労働省の方が御専門でございますので、その点につきましてはむしろ労働省の審議会に私どもも山さしていただいて意見を申し上げさせていただくと、こういう関係にあるかと思います。
○安恒良一君 これは中曽根長官にお聞きを願っておきたいと思いますが、同時に二つの省が調査を始めますからぜひむだがないように、こういうのが行政改革だと思いますから御配慮をお願いしておきます。御答弁結構です。 時間がございませんから最後の質問になりますが、賃金が安いということで発展途上国に下請作業をわが国の企業が輸出しておりますが、さらに今度はロボットを使えばもっと生産コストが安くなる、こういうところでロボットぐるみの下請作業を輸出している電機部門企業等があるのでありますが、海外では下請の切り捨てたと、こういうことでいろいろ問題になっていると聞いています。 そこで通産省にお尋ねしますが、こうした実態が事実であり……
○委員長(植木光教君) 安恒君、時間が参りました。
○安恒良一君 はい。 さらに拡大輸出されるならば、先進諸国だけでなく発展途上国からもまた反発が加わってきますが、大きい国際摩擦を起こすと思いますが、こうした実態と対応策について通産省の御答弁をお願いいたします。
○政府委員(豊島格君) ただいま先生の御指摘になったような実態が非常に顕著であるかどうかという点については、私どものところにはそのような情報は十分入ってきておらないのでございますが、産業用ロボットの現在の導入というものは、どちらかというと日本の労働といいますか、労働面で危険であるとか、あるいは安全性の問題、あるいはダーティーワークということでございまして、そういうものから解放するということで、必ずしも従来、コスト面だけではなくて、むしろそういう作業の実態に即しておるわけです。したがって、発展途上国の場合はどちらかといいますと労働力が非常に安いわけでございまして、いろいろな面でそういう分野にも当然のことながら労働力は集まるということで、必ずしも日本の現在入れておるようなそういう要請というのはむしろないじゃないかと、ロボットを使えばかえって高くなるといいますか、そういうことになろうかと思いますので、それは余り現実的には起こっておらないと思います。ただ、将来のことでございますからいろいろとロボットも開発されて、そういう非常にすぐれたロボットが出てきますと、労働代替的な部面が相当広範に広がる、こういうことも予想されますが、いずれにいたしましても、日本が失業を輸出する、あるいはそういうことによって、何と申しますか、国際的な問題を起こすということのないようにいたしますのは、ロボット問題のみならず全般的に通産省としては考えておるわけでございまして、その辺は当然摩擦を起こさないような配慮というのは十分していかなくちゃいけない、このように考えています。
○委員長(植木光教君) 以上で安恒良一君の一般質疑は終了いたしました。(拍手) 午前の質疑はこれまでとし、午後零時五十分まで休憩いたします。 午前十一時五十分休憩 —————・————— 午後零時五十三分開会
○委員長(植木光教君) 予算委員会を再開いたします。 昭和五十七年度総予算三案を一括して議題とし、堀江正夫君の一般質疑を行います。堀江君。
○堀江正夫君 私は、ますます厳しさを増す現在の世界情勢を見た場合、今日の政府の防衛に対する姿勢や施策で、果たして日本の平和と安全を確保することができるのだろうかと心から憂慮をしている一人であります。そこで、本日は防衛政策に対する政治の基本姿勢の若干につきまして政府の見解を伺いたいと、こう思います。できるだけ国民にわかるように、具体的にお答えいただくようにあらかじめお願いをいたしておきます。 そこでまず第一は、わが国の防衛政策を決めるに当たりまして、もちろん憲法が基本となる、その内容によっては財政上の制約等も受ける、これはもう当然のことでありますが、同時に、軍事的合理性も欠くことのできない最も重要な要素ではないか。防衛政策の中でこの軍事的な合理性をどのように位置づけるべきだとお考えなのか、防衛庁長官と官房長官にお伺いをいたしたいと思います。
○国務大臣(伊藤宗一郎君) 先生篤と御承知のとおり、一国の防衛政策、すなわち国の防衛の基本的な考え方、防衛力の整備、維持及び運用についての方針等が、これまた先生御指摘のとおり、憲法を踏まえて策定されますことは当然であるわけでございますが、国の防衛というものが侵略の未然防止とさらに侵略の排除を図ることを目的としている以上、防衛政策の策定に当たっては憲法を踏まえ、また、国民の御支持と内外の諸情勢を考慮しながら御指摘の軍事的合理性が当然考慮されるべきものであると考えております。
○国務大臣(宮澤喜一君) ただいま堀江委員が御指摘のごとく、また防衛庁長官がお答えになられましたとおり、私もさように考えております。
○堀江正夫君 大体基本的な考え方は一致しておるようでございます。そこで、防衛の基本政策となっておりますいわゆる専守防衛につきまして、昨年のこの委員会でも御質問をいたしましたが、本日も引き続いてお聞きいたしたいと思います。 昨年は、この問題につきましては、政府の見解がそのときその人によってまちまちである、少なくも基本政策であるからにはもっとはっきりと見解を統一すべきだと、こういう観点から指摘をしたわけでありますが、本日はその内容について詰めさしていただきたいと、こう思うわけであります。 そこでまず、内容を詰める前に官房長官にお尋ねをしたいのでありますが、五十六年版の防衛白書には相当詳細にわたって専守防衛についての考え方が述べられております。これは政府の最新の統一見解であると理解をして差し支えございませんか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 昨年も堀江委員からこの関係の問題について御質問がございました。そこで、この防衛白書は閣議に報告された上で公にされたものでございますので、ここに述べられておりますことが政府の意思と異なるということはもとよりございません。他方で、特に政府部内で専守防衛について、政府として協議の上統一的な定義を下したということは別段ございませんけれども、ここに述べられていることについて各省庁に異論があるとは考えておりません。
○堀江正夫君 大体政府の統一見解であると、こういう御趣旨だと思います。 そこで、まず防衛庁長官にお尋ねしますのは、それではこの見解は日米安保条約に基づいて行動する米軍をも拘束をするのかどうか。強いて拘束をするとすれば、武力行使の対応面ではないかなと思うわけでありますが、いかがでございますか。
○国務大臣(伊藤宗一郎君) 政府が従来から述べてきております専守防衛の考え方は、私もまた官房長官からも御答弁申し上げましたとおり、わが国の防衛力の整備及び運用についての基本的な方針をいうものでございまして、この方針が米軍を拘束するといった問題ではございません。いずれにいたしましても、わが国は従来から専守防衛に基づいて防衛力の整備を行っております。そして米国との安全保障体制と相まってわが国の平和と安全を確保することとしているのでございます。 なお、米軍といえども国連憲章の規定に従って行動するものであり、したがって、わが国に対する武力攻撃が発生していないにもかかわらず、わが国の防衛のたの米軍が武力を行使することはないものと考えております。この考え方は、わが国が武力を行使する場合におきましても同じでございます。
○堀江正夫君 米軍を基本的には拘束するものではないと、こういうことでございます。そうしますと、この百十二ページに書いてありますが、「わが国の防衛の基本的な方針」だと、こう書いてあるわけであります。わが国の防衛は、いまもおっしゃったように日本だけでできるわけではない。米軍の支援を得なければいけない、こういうことであります。ところが「わが国の防衛」というふうな表現で見ますと、これはどうも矛盾を感ずるのじゃないか。もしもそうであるなら、そのようにはっきりと日本の自衛隊の装備品あるいは部隊運用を拘束するのだと、それの基本的な方針なんだというふうにやっぱり明示すべきじゃございませんか。
○国務大臣(伊藤宗一郎君) 御指摘のように、白書で言っております「わが国の防衛の基本的な方針」というのは、わが国がとっているところの防衛の基本的な方針という意味で述べたものでございまして、先生の御指摘等につきましては今後の白書の段階で検討してまいりたいと思っております。
○堀江正夫君 いまほど、米軍も先制攻撃をするわけにはいかないのだと、こういうお話でございました。それはそのとおりだと思いますが、これは仮にでございますが、米ソの中東紛争、これに連動して朝鮮半島にも紛争が生起をした、日本に対する侵略も懸念される事態になった、この際作戦行動中の米機動部隊等が事前に相手の基地の攻撃を行う。これはもちろん差し支えないと思うわけですが、いかがでございますか。これは外務省ですか。
○政府委員(栗山尚一君) ただいま先生の御質問の御趣旨は、現実の問題としてはわが国がまだ武力攻撃を受けていない、しかし、朝鮮半島の方面において武力攻撃が発生して、それに対して米軍が行動することは禁じられてないんであろうと、こういう御質問だろうというふうに理解いたしましたが、そのような場合であれば、米軍が国連憲章上あるいは国際法上持っております集団的自衛権に基づきまして、国連憲章に従って米軍が行動する、これは当然国際法上認められております。
○堀江正夫君 それでは次に、この内容に逐次入っていきたいと思いますが、相手から武力攻撃を受けたとき初めて防衛力を行使する、また相手に開戦と先制攻撃の主導権を与えることになるのだと、このように白書では言っております。このことは地理的関係から見ましても、当初に致命的な打撃を受ける公算がきわめて大きい。したがって、事後の対応はすこぶる困難にもなるし、もちろん当初から国民を戦禍に巻き込み、さらすことにもなる。最初からわれわれは並み大抵でない大変な戦いを強いられることになるのだと、こういうことは十分に覚悟をされておるんだろうと思うのでありますが、防衛庁長官と官房長官に伺いたいと思います。
○国務大臣(伊藤宗一郎君) 武力攻撃がまだ発生しておらず、そのおそれのあるにすぎない段階で先制攻撃をかけることはしないということは、特にわが国だけの考え方ではないものと存じておりますけれども、いずれにしても、わが国を不法に武力攻撃をするものは武力攻撃をする時期、場所等を御指摘のように選ぶことができるだけに、これに対して即応して適切な対処ができない場合には、御指摘のようにわが国は大変な被害をこうむることになるものと思います。したがいまして、防衛庁としては平時からの警戒、監視及び情報収集の態勢を初め、即応態勢、抗堪能力の整備を図ることが非常に重要なことであると考えているところであります。このためこれらの態勢、能力の改善、充実を行い、万一わが国に対して武力攻撃が発生するような場合には早期にこれを探知し、できるだけ海上において、さらには水際においてこれを阻止、排除し、国土に戦闘が及ぶのを最小限に食いとめてまいりたいと考えております。いずれにいたしましても、わが国としてはみずから適切な規模の質の高い防衛力を整備するとともに、日米安保体制を堅持することによってすきのない、すき間のない防衛態勢を築き、もって侵略を未然に防止することが防衛の基本であると考えておるとこみでございまして、このためのできる限りの努力を今後とも続けてまいりたいと思います。
○国務大臣(宮澤喜一君) 堀江委員あるいは私ども青年のころに双葉山という力士がおりました。不世出の力士と言われましたが、この人は常に受けて立っておった。自分から先に手を出したことがないと言われて、それはそれだけ強いということで言われておったと思います。で、わが国は専守防衛という立場をとらなければならないのでございますから、それはむしろそれだけのやはり備えがなければならないということだと私は思います。
○堀江正夫君 どうも私は大変なことになるんじゃないか、そういう認識をお聞きしたのですが、対応まで全部述べられてしまったわけですが、それはそれで結構です。 それで、いま長官等が申された、だからいろいろしっかりと対応措置を講じなければいけないと、こう言っておられます。そのとおりだと思います、私は。 そこで、それでは計画大綱達成時にはいまおっしゃったような高度の即応態勢なり、奇襲防止の情報活動なり、そのほかのもろもろの施策について心配ない程度まで具体的に施策を進められるつもりなのかどうか、そのめどはどうなのか、それをお聞きしたいと思います。
○政府委員(塩田章君) 大綱自身にはいわゆる防衛の構想といたしまして、いまお話しのようになっておりますような警戒、監視の必要性、情報収集の態勢の整備というようなことは書いてございますが、具体的にどういうことをしろとは別に大綱自身には書いてはございません。 そこで、具体的にわれわれとしましてはどういうことを考えていくかということになるわけでございますが、現在、私どもで整備いたしております五三中業において特に私どもが考えておることを幾つか述べてみますと、たとえば警戒、監視、情報収集といった点からいきますと、バッジシステムの近代化というようなことも一つ考えております。まだ着手いたしておりませんけれども、現在考えております。それから固定三次元レーダーへの換装、これは逐次実施しております。E2Cの整備によるところの航空警戒管制の能力の向上といったようなことを一つ取り上げてやっております。また、即応態勢といったような観点から見ますと、陸上自衛隊の人員充足率の向上の問題、それから中央指揮所の整備、あるいはまた一昨年から実施しておりますところの対領空侵犯措置におきますところのミサイルの搭載、あるいは護衛艦に対する一定数の魚雷の搭載といったような問題、あるいは海上自衛隊におきまして機雷、魚雷の実装調整場を逐次整備していく、あるいは航空自衛隊におきまして慣性弾、ミサイルでございますが、慣性ミサイルの集積所の整備といったようなことを逐次進めておるといったようなことは現在やっております。別に、今度は物の面ではございませんけれども、これと関連いたしましてやはりそういった観点から整備していかなくてはいけない問題としまして、昨年に中間発表いたしました有事法制の問題で、たとえば予備自衛官の招集時期を早めたいとか、あるいは陣地構築のための土地収用の時期を早めたいとかといったような問題等も別途ございまして検討中であることは、先生御案内のとおりでございますが、そういったような施策が具体的に考えられることといたしまして、今後さらに進めていきたいというふうに考えております。
○堀江正夫君 いろいろ施策をされておるのは十分承知をしておるわけですが、現在八五年ごろの危機説というのが一般的に深刻に受けとめられておりますが、それでは、いま五三中業でいろいろ施策をしておられる、いま言われた程度の施策で心配ないんだと、この点においては、こういう基本的な方針とっておっても。そのことを国民にお約束していただけるのかどうか、その辺いかがでございますか。
○政府委員(塩田章君) いまいろいろなことを例を挙げて申し上げましたが、たとえばバッジをとってみましても、まだ具体的な着手というとしろまでいっておりません。何年かかかると思います。そういったような状況でございまして、五三中業の時期はもちろんでございますが、五六中業の時期に引き続き、いま申し上げたようなことを着実に実施していく必要があるだろうというふうに考えております。いま御指摘の、たとえば八〇年代の半ばごろに具体的にどこまで整備されて、もう大丈夫なのかというようなお尋ねでございますけれども、まあどこまでいけば一〇〇%安心だとかというようなことではございませんけれども、私どもとしましては、少なくとも防衛計画の大綱に定めておる趣旨が実現できるように、少しでも早く到達したいということをかねてから申し上げておりますが、そういった線で努力してまいりたいというふうに考えております。
○堀江正夫君 いまお話が出ております高度の即応態勢と奇襲防止の情報活動等その他のもろもろの施策、これは当面最重点施策としてやらなきゃならないことであることは間違いありませんが、しかし仮にそれができたとしても、日本の置かれておる地理的関係からしますと容易ならざる事態になるんだと、こういったことを十分に認識をして、政府は責任を持ってそれに対するところの対応措置を講じてもらわなけりゃいけない、私はそう思うわけであります。そうでなければ専守防衛なんていうことはできっこないんだと、こう思うわけでありますが、いかがでございますか。
○国務大臣(伊藤宗一郎君) ただいま防衛局長から、いろいろ防衛庁としてのできる限りの努力を続けていることを御説明を申し上げましたけれども、なお不十分である面も多々ございますので、先生の御指摘なり御指示を尊重しながら、今後、鋭意その改善整備を図ってまいりまして、本当に国民の皆様方に御信頼がいただけるような防衛力の整備に一日も早く到達をしてまいりたい、そのための努力をさらに続けてまいりますということを申し上げておきたいと思います。
○堀江正夫君 このことは官房長官、大蔵大臣にもお聞きしたいところでありますが、恐らく同意であろうと思いますので、次に進みます。 白書では、「防衛力行使の態様も、自衛のための必要最小限度にとどめ、」また「侵略が開始されて以降も待ち受けの態勢によって対処することを念頭において十分な準備を」要すると、このように言っておるわけであります。この必要最小限度の防衛力行使というのがよくわからないわけです。まさか警職法の正当防衛や緊急避難の考え方、思想によって行動するということではないと思うわけでありますが、いかがでございますか。
○政府委員(塩田章君) 白書で、いま申されましたように自衛のための必要最小限度の防衛力行使と言っておりますのは、自衛隊法の八十八条の第二項を受けまして、八十八条第二項は武力行使の規定でございますが、「事態に応じ合理的に必要と判断される限度」という規定がございますが、それを受けて記述したものでございます。もちろん具体的な状況によって判断されるべきものでありますが、いま先生の御指摘のように、警職法でありますとかそういうこととはこの場合は関係ございませんで、いわゆる有事といいますか、防衛出動後の事態でございますから、警職法といったようなことを考えての文言ではございません。
○堀江正夫君 侵略開始後も待ち受けの態勢だという、どのようなことを考えておられるのかどうも私にもよくわからないのでありますが、いまの二つの問題を通じまして、以下若干具体的にお聞きをしてみたいと思います。 第一は、戦術的な攻勢はもちろんよろしいと思いますがどうですか。
○政府委員(塩田章君) 当然だと思います。
○堀江正夫君 それなら白書の中でそのようにもっとはっきりと書いて誤解を与えないようにすべきじ中ないか。この文章なり説明からはそういったようなことは一つも出てこないわけですね、いかがですか。
○政府委員(塩田章君) 御指摘の白書の具体の個所は、「専守防衛を旨とするわが国は、侵略が開始されて以降も待ち受けの態勢によって対処することを念頭において十分な準備を施さなければならない。」と、こう書いてある点を御指摘だと思います。このくだりがあります個所は防衛白書の中で「専守防衛についての考え方と必要な努力」という題で述べられたところでございまして、この記述自体が日本の、わが国の基本的な考え方が専守防衛であり、専守防衛の考え方というものはどういうものかということを記述しておりまして、同時にいま申し上げました見出しにも「必要な努力」とありますように、その専守防衛という方針を受けてわれわれは具体的にどういう態勢が必要か、どういう努力が必要か、先ほど私が申し上げましたようないろんな即応態勢なり情報収集、警戒態勢、監視能力といったようなことが念頭に浮かぶわけでありますが、そういう必要な努力ということを説明をしておるくだりでございまして、このことが何も戦術的攻勢をとってはいけないとかとらないとか、そういうことを述べているところではございませんので、先生の御指摘のように、戦術的攻勢がとれるならとれると書くべきじゃないかという御指摘は、そのこと自体はごもっともだと思いますが、この個所の説明の趣旨はそういうことを説明しようとしているものではなかったということをひとつ御理解いただきたいと思います。
○堀江正夫君 私が読んでもそのようにはこの文脈からは受けとめられない。まして国民が見るならばそんなことは全くわからない、それを私は言っておるわけでありますが、いかがですか。
○政府委員(塩田章君) 言葉としては具体的には「待ち受けの態勢によって対処する」ということでもございますので、先生のような御心配が出てきたのではないかと思います。そのこと自体はわからぬではございませんが、先ほど申し上げましたように、基本的な態勢は「待ち受けの態勢」、専守防衛の態勢ということは言っておりますが、個々の戦闘場面におきまして、戦術的攻勢をとることはこれはまたむしろ当然でございまして、そのこと自体をここで触れておらないことは確かにそのとおりでございますが、今後の防衛白書の記述におきまして、そういう先生の御指摘のようなことも配慮して記述してまいりたいと思いますけれども、ここではそういう趣旨であるということをぜひ御理解いただきたいと思います。
○堀江正夫君 それでは、相手の侵攻基地の偵察はできるのですか。
○政府委員(塩田章君) 相手の基地というのは相手国の領土内にある基地のことだと思いますが、偵察行動というものもこれはやはり何といいますか一つの軍事行動でございます。わが国は、そもそも自衛権の発動はわが国の領土、領海、領空に限らず、公海、公空に及ぶことあり得べしと、自衛の許す範囲であればあり得べしということばかねて申し上げております。偵察行動ということも軍事行動でございますから、いま申し上げました考え方の中で考えるべき問題であるというふうに考えておるわけでございます。
○堀江正夫君 それでは侵攻が開始された、その後も同じですか。
○政府委員(塩田章君) 先ほど申し上げましたことは、侵攻が開始された後も同様な考え方でございます。
○堀江正夫君 それではもう事前も事後もみんな偵察行動もできないんだと。それじゃ全くめくらで作戦をやれということになるわけです。いや、それはもう米軍からもらえばいいじゃないか。米軍からわれわれの必要なときに必要なものがもらえるかもらえないかは防衛庁がよく知っておられる。そんなことでは自衛隊は事後の作戦計画さえも立て得ないんだ、そういうことが非常に多いんだということは認められますか。
○政府委員(塩田章君) 日米ガイドラインに基づきますところの表現によりますれば、日本の自衛隊は日本国防衛のための防勢作戦を行い、米軍はそれを支援し、自衛隊の及ばない機能を分担すると、こういうことになっておりまして、いまのような問題の点につきましては米軍が日本の自衛隊の及ばない機能として支援をするといったてまえになっております。そのための具体的な作戦計画は現在双方で検討中である。一つは概成いたしましたけれども、逐次今後とも研究を進めていくということになっております。先ほど来具体的に偵察行動ができるかできないかという点につきましてお答えをいたしましたが、私が先ほど申し上げましたように、偵察行動もやはり軍事行動でございますから、先ほど言った、自衛権の行使の範囲内の限定を受けるということを先ほど申し上げたわけです。ただ同時にまた、先生もこれもよく御存じのように、国会の従来からの政府の答弁で、わが国は何も常に座して死を待つべきものでもなくて、相手方のミサイル基地をたたかなければもうほかに手段がないという場合には、ミサイル基地をたたくということもあるだろう。それは法理上は許されることだという答弁もございますことはよく御存じだと思います。そういう場合に、基地をたたくといいましても、全然偵察行動もなくしていきなりたたくということは、これはもう全く軍事常識上あり得ないことでございますから、そういったようなことに関連をいたします偵察行動というのは、これは考えられるわけでございまして、そういう意味で絶対にないかと言われると、そういうわけではございませんけれども、先ほど申し上げました基本的な考え方として、わが国の自衛権の範囲で許される防衛のための行動の範囲の中で考えるべきものだということを申し上げたわけであります。
○堀江正夫君 いま座して死を待つわけにいかない、ほかに手段がないときには基地をたたくことを法理的には許しておるんだと、こういう解釈でありますね。実際にもそういう場合にはやらなきゃいけないというお話でございました。しかし、それならそのような訓練をしておかなきゃいけないでしょう。装備もそれに応ずるような装備を持っておかなければやれないでしょう。あるいはそれは専守防衛でできないんだと、それなら特攻でやれと言われるのか。これはいかがですか。
○政府委員(塩田章君) 訓練をしているかと言われますと、いたしておりません。それはどうしてかと言われますと、わが国は基本的な考え方が専守防衛ということで、先ほども先生がお触れになりましたけれども、装備両におきましても外国を攻撃できるような装備は持たない、侵略的、攻撃的な脅威を与えるようなものを持たないといったてまえでまいっております。現実の問題で考えましても、現在わが国の飛行機でもって相手国をもし仮に攻撃するというようなことができるかといいますと、現在の飛行機ではできません。というのは、単に爆弾を持っていって落とすこと自体はできますけれども、地形追随装置といったようなものもございません。そういうような状況でございまして、いまの時点でそういうことを仮に訓練をするといいましても、現実の問題としては意味がありません。もっぱらわが国といたしましては要撃のための訓練、あるいは迎撃のための地上支援訓練等は実施いたしておりますけれども、他国に侵入をして攻撃するというための訓練はいたしておりません。
○堀江正夫君 それじゃまた問題を変えまして、相手を追い詰めた、相手は領海、領空外に退避をした、その場合どの程度まで追撃できるのですか。
○政府委員(塩田章君) わが国が自衛権の行使としまして、わが国を防衛するための実力行使ができる範囲、地理的範囲でございますが、これはかねてからわが国の領土、領海、領空に限られるものではないということは一貫して申し上げてきております。したがいまして、相手がわが国の領海、領空外に退避したという場合に、もうそこでわが国の領土、領海、領空から退避したら途端にもう攻撃ができない、追撃できないというわけでは必ずしもない。公海、公空で追撃することはできるというふうに、もちろん自衛戦闘の範間内として許される範囲という限定はございますけれども、必ずしも領土、領海に限られるものではないということはかねてから申し上げてきておるところでございます。
○堀江正夫君 ある程度領海、領空でもやっつけられる、しかしもう一歩というところで向こうの基地に逃げ込む、そのときはできない、こういうことじゃないかと思います。そんなことでは結局相手に中休みをしてくださいと、それじゃまた改めて攻撃をしてくださいと、結局こちらは何度もそういうような状況下で自然消滅をしてしまうんだと、こういうことも当然覚悟しておかなけりゃいけないことになると思うわけです。 最後にもう一つ具体的に、仮に開戦になった。わが北方領土なんですね。わが北方領土に対してこの場合もちろん基地に攻撃もやってもいいし、占領もしていいんだろうと私はそう思うわけですが、それはいかがでございますか。これは外務省ですか、防衛庁ですか。
○政府委員(栗山尚一君) 御質問の御趣旨が必ずしも私理解いたしませんでしたのですが、開戦になった場合に北方領土に対して日本が実力を行使できるかという御質問でございますか。
○堀江正夫君 そうです。
○政府委員(栗山尚一君) 依然としてちょっと御質問の御趣旨がよくわからないのですが、基本的には自衛権の行使は、わが国に対します武力行使、武力攻撃、急迫性の侵害が起こった場合に、それに対してそれを排除するための必要最小限度の範囲内でわが国が実力を行使する、こういうことでございまして、いまも御質問の御趣旨が必ずしも私理解いたしかねたのでございますが、北方領土に対しまして、わが国が自衛権を行使しなければならないというような状況というのは、具体的にちょっと私理解できませんので、その点はちょっとお答えできないと思います。 〔委員長退席、理事土屋義彦君着席〕
○政府委員(塩田章君) 北方領土はわが国の固有の領土でございますが、現在ソ連によって不法に占拠されております。現在しかし、この問題は日ソ間の懸案としてあくまでも平和的に解決すべき問題だということで対処されてきているということはよく御存じのとおりであります。こういう現在の状況の中で、仮定の話にしましても、ソ連から武力攻撃があったらどうするということを仮定しまして、北方領土を攻撃するとかしないとか、できるとかできないとかいったような議論をすること自体が、こういう席で取り上げることは適当ではないのではないかと私は思っておるわけでございます。
○堀江正夫君 この問題は、本当は法律論といいますか、政治判断の問題だと思いますが、まあこれはこのくらいにしましょう。 いま武力行使の態様につきまして幾つかの具体的な問題について私いろいろと申し上げてきたわけであります。その中で、肯定されたものもありますし否定されたものもございます。これについて、私は問題が二つあるように思うわけであります。 その一つは、できるものはできるようにはっきりと、やはり国民がわかるようにしてもらう必要があるんじゃないか、それが防衛白書じゃないか、こういうことでございます。 もう一つは、いやしくも侵略をされる、国民が戦禍にさらされておる、国の安全と独立が脅かされておる、このような事態に、戦技上勝つべき方法をあれもこれももぎ取ってしまっておる、そんなことで本当に自衛隊はやれると思っておられるのだろうか、そんなことで自衛隊に必勝の信念を持てと言われて持てるというふうに考えておられるのだろうか、あるいはそんなことで国民がそれでもうしようがないんだというふうに納得し、了承すると思っておられるのだろうかと、このように思われてならないわけですね、私には。 防衛庁長官と官房長官、いかがでございますか。
○国強大臣(伊藤宗一郎君) 国民に本当に御信頼がいただけるように、また広範な御支持がさらにいただけるようにするためには、いま先生おっしゃいましたように、できることとできないこと、まだこれからの防衛力の整備の状況についていろいろのPR、またコミュニケーションを重ねていかなければなりませんけれども、その一つでございます先生御指摘の防衛白書でございますが、このことについての記述等についての御指摘もございましたが、そういう問題を含めまして、わが国の基本的な防衛政策となっております専守防衛というものの意義を明らかにし、このため必要となる防衛態勢の考え方について、さらに具体的に記載をし、国民の理解を深めるように努めてはおりますけれども、一層の努力を積み重ね、またわが国が平和憲法のもと、専守防衛に徹するとの基本方針をさらに堅持し、このために必要な防衛態勢を整備することについて一層具体的な記載をしながら、国民の広範な支持を得てまいりたいものと考えております。何といっても、先生も御指摘、私も何度も申し上げましたけれども、国民に本当に信頼されるような防衛力の整備には、もう一段の御理解と御協力が必要でもございますし、われわれとしても精いっぱいの努力がなお必要なものと考えております。
○国務大臣(宮澤喜一君) 防衛白書のこの部分は、結局、専守防衛というものについて、それは決して安易なことではない、非常にむずかしい、非常な努力が要ることであるということをるる述べておると思います。そしてまた、場合によってはかえってそれが、それだけの備えがなければむずかしい、それぐらいの努力の要ることであるということも、この部分は私は言っておるのだと思います。それでもわが国は専守防衛に徹しなければならない。いわゆる攻めるは守るなりというようなわけにはいかないということを述べておるのだと思います。 先ほどから堀江委員が御指摘になりましたことは、そういうむずかしいことをやるだけの準備をちゃんと自衛隊は持っておるのかということを種々の方向から御質問になったと思います。わが国の場合、率直に言って、防衛計画の大綱すらまだ達成しておりませんから、専守防衛を完全に、こういうむずかしいことを常に完全にやり切るというだけの態勢は、あるいはまだ整えていないかもしれない、その途次にあるということであるかもしれないと思いますが、しかしそれでも専守防衛の基本方針は崩してはならない、こういうことだと私は思います。
○堀江正夫君 私申し述べましたのは、一つは、準備をしっかりやっておかなきゃいけないということもそのとおりでございます。しかし、準備を幾らやったって、いまのような、具体的にいろいろ申し上げましたようなことをそうだと言うならば、本当に勝つ手段、勝つ方法というものをもぎ取っているんですね。本当にそれでいいですかということを実は申し上げたつもりでございます。まあ、それはそれだけにしましょう。 先ほど防衛庁長官が、対応措置としてできるだけ海上で、さらに水際で阻止、排除をし、着上陸されたら極力早期に排除するんだと、このように言われております。いろんな侵略の態様が考えられるわけですが、地理的に見てみましても、またその能力の実態、さらに今後の計画等から考えてみましても、確かにそのような努力はしなきゃならないわけでありますけれども、しかし海上や水際でやっつけるといったようなことは、もう実際は非常な限界がある。したがって、上着陸されることもあり得るというのじゃなくて、これが常態だと、私はそのように思います、日本の置かれた実情から見ますと。それについてどうお考えですか。
○政府委員(塩田章君) 自衛隊は外部からの武力攻撃に対しまして、できるだけ、白書の記述にもございますように洋上において、さらには水際においてこれを阻止したい、これはどなたも御異論ないだろうと思います。そしてできる限り、国土に戦闘が及ぶことを最小限に食いとめたいということは、当然のこととして私どもは考えていかなければならないことだと考えております。 〔理事土屋義彦君退席、委員長着席〕 しかし、実際にはそれはきわめて至難のことではないかと、実際問題としては上着陸は覚悟せざるを得ないのではないかという御指摘でございます。これは実際問題として私どもは、縦深的にいろいろな段階で、いろいろな手段でわが国に侵略しようとする部隊を迎え撃つということになろうかと思いますが、どの手段をとるにしましても、特定の手段でこれで事成れりというわけにはもちろんいきません。非常に縦深的によく考えておかなければいけないということを常に考えておりまして、上陸されるということも考えて、上陸された場合の措置ということも当然私どもとしては考えておくべきことだというふうに考えております。
○堀江正夫君 まさにおっしゃったとおりでございますが、願望と実際は違うわけですね。海上で縦深でやらなきゃいけない。いま防衛庁が考えておられるのは限定的な攻撃、これを想定している。それじゃ、やれる海上の範囲で、どのくらいの時間、どの範囲でやれるのかと、こういうことを見ますと、また現在、本当に防衛庁が希求をしておるところの防衛力整備の方向から考えまして、私はこれは願望なんだと、努力目標なんだ、しかし実際は違うんだと、地理的に見てそれは可能と木可能があるんだと、そういうことをやはりもっと現実的に防衛庁はとらえておられるわけですから、それならそのように記述もはっきりさしていただく必要があろうかと、こう思うわけであります。 最後の専守防衛の考え方の中で、保持する防衛力も自衛のための必要最小限度にとどめるのだと、このように言われてわります。それは質についてももちろんそうだと思いますが、いかがですか。
○政府委員(塩田章君) お尋ねの趣旨、実は私必ずしもよくわからない点があるのでございますが、保持する防衛力は自衛のために必要最小限度のものでなければならないというのは、質もそういう含んでの考え方かということでございますが、二面から言えるかと思いますが、一面は、当然質的にも自衛の範囲を超えるようなものは持てない。他国にもっぱら壊滅的打撃を与えるようなICBMとか長距離爆撃機というようなものは持てないということは、すでにしばしば申し上げてきておるとおりでございます。 また一方、他の面からの——御質問の趣旨が必ずしもわかりませんので、もう一面から申し上げてみますと、自衛のために必要な最小限度のものを持つという場合のその質は、当然その時代の変化によって科学、軍事技術の進展に応じて質的にも向上を図っていくべきものであるという趣旨のお尋ねであれば、それはそのとおりだと思います。
○堀江正夫君 質の面においてはもちろん変化に応じて変わってくる、それはもう量の問題も国際情勢の変化に応じて変わってくる、その必要最小限度の防衛力というのが一定のものでない、それはもう当然のことですね。
○政府委員(塩田章君) その点は先ほど申し上げたとおりでございます。そのとおりだと思います。
○堀江正夫君 そこで、今回のF4の試改修の問題とも関連をしておるわけでありますが、他国に脅威を与えるような侵略的攻撃的な装備品、これが問題になったわけですね。これは元来の政府の説明を聞いておりますと、ICBMとかIRBMとか一方的に相手に壊滅的に打撃を与える装備品、これが侵略的攻撃的な他国に脅威を与える装備品だからこれは持たないんだと、こう言われてきた。ところが、それがいつの間にかぼやけてきたわけですね。その辺に私は一つ問題があるのではないかと、こう思います。そこで、もう一度当初からの原点に帰るべきじゃないか。余りぼやかしてしまいますと、たとえば、これは例ですよ、樺太に行動できるような航空機はだめなんだ、あるいは、国後に届く砲やミサイルはだめなんだ、こういったばかげた議論にまで発展しないとは言えないのではないですか。ですから、その辺を、他国に侵略的な脅威を与える武器、装備品と、こういったようなことをもっとはっきりとさすべきだと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(伊藤宗一郎君) 先生御指摘のとおり、政府はこれまで他国に侵略的攻撃的脅威を与えるような装備は保持しないという基本的な方針を述べてまいりましたが、これは、わが国はあくまでも自衛のため必要最小限の範囲内で防衛力を、保持するものであり、これに反するような装備は保有しないということを敷衍して申し上げているものでございます。 したがいまして、他国に侵略的攻撃的脅威を与えるような装備とは、わが国を防衛するためにどうしても必要だと考えられる範囲を超え、他国を侵略あるいは攻撃するために使用されるものであり、またその能力を持っておると客観的に考えられるような装備を言うものと考えておりますが、どのような装備がそれに当たるかということは、これまた先生も御質問の中で触れられましたように、その装備の用途、能力あるいは周辺諸国の軍事能力など、そのときにおける軍事技術等を総合的に考慮して判断すべきものであるものと考えております。したがいまして、その判断基準を具体的に申し上げることは困難でございますが、性能上もっぱら他国の国土の壊滅的破壊のためにのみ用いられる兵器、先生御指摘のたとえばICBM、長距離戦略爆撃機等はこれに該当するものと考えております。 なお、昭和四十三年当時F4を導入した際に爆撃装置を取り外すこととしたのは、これを施したままでは他国に侵略的攻撃的脅威を与えるようなものとの誤解を生じかねないと配慮したからでございます。
○堀江正夫君 限られた時間でございまして十分意を尽くさなかったわけでありますが、いままで白書で言われておる専守防衛の考え方についていろいろとお尋ねをしてまいりました。以上を通じて私は次のような提言をしたいと、こう思うわけであります。 それは、この専守防衛ということは基本的にいろいろと誤解も招きやすいし矛盾撞着に満ちておる。したがって、こういうような言葉は、これは当時の中曽根防衛庁長官に怒られるかもしれませんが、使わない方がいいのではないかなと私はそのように思われてなりません。しかしもうこれは定着しているのだと、どうしても使うのだということであるならば、これは私は憲法の精神に基づいて外征の軍は起こさないという政治の基本姿勢を示すものに改めるべきではないだろうか。それでも、いや現在のような使い方をするのだとおっしゃるならば、これはいままでもいろいろと問答の間で私御指摘しましたように、内容と実際合っていないものあるいは誤解を与えかねないもの、これはもっとはっきりとわかるように直していただく必要があるだろうということ。
○委員長(植木光教君) 堀江君、時間が参りました。
○堀江正夫君 それから同時に、元来憲法の精神だけを装備や部隊運用を主とした防衛戦略の分野にまでストレートに適用しようとしたところに大変な無理がある。軍事的な合理性の無視や軽視の姿勢というのは、国家存立の大事のときに自衛隊を全く有効性のないものにしかねない。憲法解釈と軍事的合理性との接点を具体的に詰めるべきではないかと、私はそう思うわけであります。 以上について、最後に防衛庁長官、官房長官、さらに、きょうは大蔵大臣にも打つき合いいただきましたから、大蔵大臣の御所見も承りたいと、こう思います。
○国務大臣(伊藤宗一郎君) 先ほどからの復習になりますけれども、専守防衛とは相手から武力攻撃を受けたとき初めて防衛力を行使し、その防衛力行使の態様も自衛のための必要最小限度にとどめ、また、保持する防衛力も自衛のため必要最小限度のものに限られるということでございまして、こういう憲法の精神にのっとりました受動的な受け身の防衛戦略の姿勢を言っているわけでございまして、これはわが国の防衛の基本的な方針となっているものでございます。貴重な御指示も賜りましたけれども、この基本的な方針につきまして、現在再検討することは考えていないのでございます。
○国務大臣(宮澤喜一君) 昨年もさようでございましたが、ただいま堀江委員のお話を伺っておりまして感じますことは、いわゆる専守防衛というのは、専門的な軍事的な立場から言えばもう非常にむずかしいもので、あるいは場合によっては不可能に近いものであるというふうに御指摘があったのだと私は思います。それは軍事的な見地から言えばそうかもしれませんけれども、わが国の自衛隊が専守防衛に徹しているというのは、私はやはり政治的な決断であろうというふうに考えております。しかしそのことは、決して安直を意味するのではなくて、むしろかえって非常な苦心と、また備えを必要とするものであるかもしれない。それでもしかし、攻めるは守るなりというようなことはやってはならないというのが、政治的な私は決断ではないかと思います。 そこで大切なことは、これだけお話を伺っておりますと、そういう政治的な決断はそれでいいとして、それならばそれを軍事技術の面でどのようにして可能にしていくかということをもう少し解明しておかないと、現実に自衛隊が日々の業務をやり、あるいは装備をしていくときに困るだろうと、そういうことを私は御指摘になっているのだろうと思いますので、その点は重々そのとおりでございますから、政府としては努めなければならないと存じますが、専守防衛という姿勢は変えるべきものではないと思っております。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 官房長官と同じであります。
○委員長(植木光教君) 以上で堀江正夫君の一般質疑は終了いたしました。(拍手) —————————————
○委員長(植木光教君) 次に、渡部通子君の一般質疑を行います。渡部君。
○渡部通子君 最初に、政府規制とそれから独禁法の問題について若干のお尋ねをしたいと思っております。 先進国では公共部門の増大が目立っているわけでございますが、二回の石油ショック以降、経済の停滞、財政赤字、こういったものが深刻化しております中で、民間経済の活性化、この問題で政府の介入とか規制、こういったものがいろいろ見直されていると認識をしております。さてわが国は、公共部門は先進国に比べれば小さいし、経済もうまくいっている、こう言われておりますが、しかし現下の状況やこれからの社会を考えてみますときに、国間、公共部門ともに効率化、活性化、これを極力していかなければならない、この観点で若干の御質問をいたします。 昭和五十四年九月、OECDは、政府規制と独禁法適用除外制度の見直しを求める勧告、これを加盟国にいたしましたが、内容はどんなものでございますか。
○政府委員(橋口收君) OECD理事会は、五十四年の九月に加盟国に対して、政府規制及び独占禁止法適用除外分野の見直しについてという勧告を出しておりますが、その内容をかいつまんで申し上げますと、独占禁止法施行当局の参加のもとで幾つかの点につきまして再検討を行うことということを言っております。 第一点は、規制を行うこととした当初の理由、現時点での妥当性。第二は、規制目的の達成度。第三は、規制による利益と規制に要する社会的、経済的、行政的コストとの比較考量。第四が、規制目的が市場機能の活用により、または競争制限の程度のより少ない政府規制の方法で達成できないか。以上四点が指摘事項でございまして、規制が公共政策を達成するために依然として望ましいものである場合には、規制の目的と合致する範囲で競争の拡大、独占禁止法の適用の有効性について考慮することということを申しております。 全体として、政府によって規制された産業領域をできるだけ少なくするということを目標といたしておりますし、また、規制制度の存否につきまして、競争当局が積極的に影響を与えるように規制当局との間に協議をすべきであるということを申しております。
○渡部通子君 それをどう政府として受けとめたか、これは公取委員長と、行革を推進しているお立場にあります中曽根大臣に伺っておきたいと思います。
○政府委員(橋口收君) OECDの勧告が出ましたのは五十四年の九月でございまして、本格的に公正取引委員会として検討を開始いたしましたのは昭和五十五年度に入ってからでございまして、昭和五十五年の四月に行政管理庁との間に合同検討会議というものを設けておるわけでございまして、私どもとしましては、競争政策の立場から公正取引委員会独自の立場での検討ももちろんでございますが、同時にまた、規制制度が緩和されますと行政事務の簡素化につながるわけでございますから、そういう観点から行政管理庁とも御相談して、問題の検討を進めたいということで、現在進めておるところでございます。
○国務大臣(中曽根康弘君) 許認可等の整理合理化につきましては、国民負担の軽減、行政事務の簡素合理化、民間活力の助長等の見地から、主として各種の資格制度、各種の検査、検定制度、事業活動等に対する規制、一般国民の日常生活等を対象とした規制等々を対象にして調査審議を進めてまいっております。 なお、調査審議に当たっては、公正取引委員会と関係各行政機関が実施する政府規制に関する調査の結果や、OECD勧告を初めとする諸外国の動向等も十分参考といたしております。
○渡部通子君 この政府規制分野がわが国経済に占めるウエートはどれほどおありなのか、また、これを見直すことは行政事務の軽減や経済の活性化になるのかならないのか、これをやはり行管と公取に伺います。
○政府委員(橋口收君) 政府によって規制された産業領域の経済に占める割合につきましては、私どもの方で一応の試算をいたしております。昭和五十年の産業関連表の生産金額をもとにして試算をいたしておりますが、それによりますと、政府が何らかの意味で民間に介入している割合は約四割でございます。さらにそのうちで政府が事業免許等の参入規制とあわせて設備、数量、価格につきましても介入しておりますいわゆる規制の強い分野は、約二割見当でございます。 先ほどお話がございましたように、公共部門の経済に占める割合は、先進諸国に比べてまだ依然として高率ではございませんが、しかし急速に公共部門に占めるウエートというものが増加をいたしておるわけでございまして、これが御指摘もございましたように、民間経済の再活性化のための一つの隘路になっているわけでございますから、できるだけ政府の行政介入を減らすことによって、自由な産業活動が行われるようにすることが日本経済の将来のために望ましいことだというふうに考えております。
○政府委員(中庄二君) お答えいたします。 現在、許認可等の規制行政の数でございますが、法律で見まして約五百二十九ございます。これに関連いたします課でございますが、本省庁で四百四十六、実際の件数で、いろいろな分け方がございますが、一万件を超えておるというようなことでございますので、この合理化は非常に重要な問題だと思っております。
○渡部通子君 御両所で合同会議を開かれているそうでありますが、今日までどのくらい開かれてどのような経過で来ていらっしゃるか、報告できたらお願いいたします。
○政府委員(橋口收君) 合同検討会議は、本会議と実務担当者会議と分けて設けておるわけでございますが、昭和五十五年度は合同会議が一回、実務担当者会議が四回でございます。それから、五十六年度は合同検討会議が一回、実務担当者会議が三回でございまして、討議の内容としましては、日本における政府規制の現状及び問題点、それから諸外国における規制の状態あるいは規制緩和の方向等につきましての情報の交換が主であるというふうに聞いております。
○渡部通子君 主要先進国においてはこれは緩和の方向にあると、こういうことでございますが、その見直しの状況、外国の状況がおわかりでしたら簡単に教えていただきたいと思います。
○政府委員(橋口收君) 昭和五十四年のOECD理事会の加盟国に対する勧告は、OECDにおきましてかなり長い期間にわたりまして検討した結果に基づく勧告でございまして、諸外国の事例で申しますと、一番進んでおりますのがアメリカでございまして、これは一九七五年から今日まで続いておるわけでございまして、その大半はカーター政権の時代に行われたものでございます。 内容を簡単に申し上げますと、証券業、航空業、銀行業、トラック運送業、鉄道業、石油業及び通信部門におきまして大幅な政府規制の緩和がすでに実施をされ、あるいは実施に移されつつあるところでございます。 イギリスにおきましてもサッチャー政権下でかなり大幅に行われておりまして、トラック運送業、バス輸送業、通信部門において国有企業のあり方の見直し及び政府規制の緩和政策が推進されておるところでございます。
○渡部通子君 昨年十二月に公取は政府規制に関してアンケート調査を実施いたしましたが、調査の目的、対象業種、これを教えてください。
○政府委員(橋口收君) 昭和五十五年度から本格的に検討いたしておりますが、これは既存の資料なりあるいは書物を通じての検討でございまして、関係省庁からは特に御意見を伺っておるわけでもございませんし、また関係業界からお話を伺っているわけでもございませんので、規制が仮に緩和された場合にどういう状態が生ずるか、規制についての問題点等につきまして関係業界及びユーザー業界に対しての意識調査を行ったわけでございます。 現在アンケート調査の回収を終わりまして、いま内容の分析をいたしておりますが、対象にしました業種としましては十六業種でございまして、蚕糸業、銀行業、証券業、保険業、酒類業、通運業、トラック運送業、ハイヤー・タクシー業、航空業、海運業、港湾運送業、倉庫業、データ通信、電気、ガス、食肉の十六業種でございまして、出しましたアンケートの数は約千二百弱でございまして、その半分程度が回収になっておるわけでございます。
○渡部通子君 いまの業種のうち、金融、運輸業などではどのような規制が調査の対象となっておりますか。
○政府委員(橋口收君) 先ほどもお答えしましたけれども、経済全体に占めます政府によって規制された割合は約四割でございますし、そのうちさらに強い規制の行われている領域が約二割見当でございますが、これは業種によって差等がございまして、たとえば金融、保険、証券業はいわば一〇〇%規制でございます。それから運輸、通信業につきましても約七〇%程度が政府によって規制された領域になっておるわけでございます。したがいまして、規制の割合の高い領域、なかんずく強い規制の行われている領域につきまして調査の重点を置いておるわけでございまして、そういう点から申しまして、金融業、保険業、証券業、あるいは運輸、通信業等がその主な対象になっておるわけでございます。
○渡部通子君 いまの金融のうち、預金金利の規制についても見直しの対象になっているのか。また、銀行の店舗開設認可や新商品の開発などの規制についてはどうお考えですか。
○政府委員(橋口收君) 金融機関の金利調整につきましては、御承知のように臨時金利調整法というものが制定されておるわけでございまして、まあ臨時という名前はついておりますが、制定されましてから三十数年経過しているというふうに思います。それから金融関係につきましては保険業法、証券取引法、銀行法等がございますが、銀行法につきましては新しい銀行法が制定されましてことしの四月から施行になるわけでございますが、新銀行法の評価をどういうふうに見るかということでございますが、全体としては硬軟織りまぜておりますが、自由化の方向に向かっておるというふうに評価をいたしておるわけでございまして、したがいまして、いま御指摘がございましたような店舗の認可のあり方等につきましては、公正取引委員会として公的な見解を出すという計画はございません。ただ、いろいろ新しい銀行法の施行に関連しまして、施行令等々が近く制定されるわけでございまして、そういう点につきましては当方から意見は申し上げております。
○渡部通子君 預金金利の……
○政府委員(橋口收君) 預金金利は、いま申し上げましたように臨時金利調整法によって規制をされておるわけでございまして、これは臨時という名前がついて三十数年たっておりますから、これはまず第一義的に大蔵省でお考えになるべきものであるというふうに考えております。
○渡部通子君 では、運輸業につきましては認可許可、この規制が大変多いと受けとめておりますけれども、これについてはどのような感想をお持ちでございますか。
○政府委員(橋口收君) 運輸業は海上運送、陸上運送、航空業、港湾運送、あらゆる分野にわたりまして強い規制が行われているところでございまして、その規制の態様にも幾つか違いがございますが、企業間取引の場合と、対消費者取引の場合とは分けて考えることが必要ではないかというふうに思うわけでございまして、そういう角度から、運輸業につきましてはいろいろな立場から検討を進めておるところでございまして、これはアメリカでもトラック運送業とか鉄道業については自由化が行われておりますし、イギリスのごときはある地区を限って全く規制をしていないというような実験的な試みも行われておるわけでございますから、将来の規制緩和の問題につきましてはかなり重要な分野になるのじゃないかというふうに考えておるところでございます。
○渡部通子君 政府規制及び独禁適用除外の見直しというものが今後進んでいく方向というふうにいまの議論で考えられますが、行管庁としてはこの公取の見直しを行革に生かしていくおつもりなのかどうか、どう評価をされているのか伺いたい。
○政府委員(中庄二君) ただいま橋口委員長からお話ございましたが、公取との連携はもちろんやっておりますが、私ども独自での許認可の監察もやっております。政府の方では五十四年の閣議で、ただいま先生がおっしゃいましたような趣旨の改善をやるということを決めまして、私ども五十五年、五十六年で当時のものの監察をやっておるわけでございますが、その後臨時行政調査会ができまして、臨時行政調査会の方でも私どもの方へ調査の委託等も来ておりますので、いわばこの三者が——臨調と行管と公取と、三者があわせて改善を進めていく。臨調の方ではすでに一次の改善も出ておりますし、政府の方といたしましてもただいま法案の準備中ということでございまして、着実に改善も進めておりますし、今後の準備もやっておるという状況でございます。
○渡部通子君 いま政府委員から御説明いただきましたが、長官、公取のおやりになっていることに対して有効にそれを生かし、推し進めていただけるかどうか、それを伺っておきます。
○国務大臣(中曽根康弘君) 公取は厳正公平に、的確に調査を進めておられるようでございますから、大いに参考にいたしたいと思います。
○渡部通子君 運輸大臣にお伺いをいたしますが、タクシー料金改定においては同一地域、同一運賃、六大都市同時認可、こういう方針だそうですが、これはそうなのか。また、どういう根拠に基づかれているのか御説明ください。
○国務大臣(小坂徳三郎君) 運輸省といたしましては、行政方針といたしまして、同一ブロックにおいては同一の賃金額を適用することを原則として今日まで運営をいたしております。それで、ブロックごとに標準的な経営を行っている事業者につきまして、経営状態を審査の上所要の運賃改定を行うといたしております。 なお、こうしたことをやっておりますことは、第一には旅客に対して不適正な運賃がばらばらに要求されるというようなことや、あるいはまたその混乱が起こってはならないということ。第二点におきましては、中小零細企業、個人タクシーを含めましてタクシー事業においては大変多うございますので、この中において不当な競争が起こりやすい可能性があるし、したがって、その不当な競争の結果経営が非常に不安定になるということを防ぎたいというのが第二点でございます。 なお、このある程度の運賃を統一的にブロックの中で決定するという方法の中のさらに私らが重視しておりますことは、タクシーの労働条件の改善ということがこうしたことによってある程度均一に進められるということを非常に重視しておるのでございまして、もちろん消費者に対しての問題もありますが、同時に、労働条件の質の悪化ということは非常に安全性を阻害する可能性があるというふうに考えておるのが大体その理由でありますし、またお尋ねの基準と申しますか、方針でございます。
○渡部通子君 それはよくわかります。それで公取は、二月七日に前回のタクシー料金値上げに関して、運輸省へ独占禁止法違反の疑いがあるという申し入れを行っていらっしゃいますが、その申し入れに至った経緯と、それから独禁法のどこに違反をなさるのか、その点を伺います。
○政府委員(橋口收君) タクシー業者の値上げ問題につきましては、昭和五十一年ごろから問題があったわけでございまして、かつてはタクシー協会の一括申請という制度が広範に行われておったわけでございます。つまり個々の事業者の料金改定の認可申請を協会でまとめて行うという制度が広範に行われておりまして、これがすべての事業者の考え方を統一させる。したがって個々の事業者の自由な判断に対して影響を与えるという点から独占禁止法上好ましくないということで運輸省にお話をいたしまして、自来一括申請は個人タクシー業者を除いては行わないというふうになったわけでございます。 ことしの二月運輸省に対しまして公正取引委員会の事務局から申し入れをいたしましたのは、京都市のタクシー業者が五十五年の秋ごろからタクシー運賃について同額または近似の額の運賃引き上げ申請を行おうとした際に、京都府乗用自動車協会はこれに同調しない会員に対して同調するよう圧力をかけた疑いがある。これはあくまでも疑いでございます。こうした行為は独禁法の事業者団体の活動の規制に関する規定に触れるおそれがございますので、また他の組合が今後同様な行為を行う可能性もございますので、昭和五十二年運輸省と公取との間で申し合わせのできました指導の趣旨をもう一度業界に周知徹底していただきたい、独禁法違反の疑いを持たれるような行為をしないようにしていただきたいという申し入れをしたわけでございます。
○渡部通子君 運輸大臣は、これに対してどう対応なされますか。
○国務大臣(小坂徳三郎君) 公取から運輸省に対しまして口頭でこの件について、今後事業者団体が構成員の行為を制限する等独禁法に違反することのないよう指導してほしいとの口頭のお話が来ていることは事実であります。なお、われわれといたしましては、従来から事業者団体に対しまして独禁法に抵触することのないように指導してまいりましたし、今後もこの方針は十分念頭に置いて行政を行っていく所存でございます。
○渡部通子君 最後がちょっと聞き取れなかったのですけれども、それを尊重していくとおっしゃるのでしたらば、今度MKタクシーが値下げ申請をしているといいますが、それには応じられますか。
○政府委員(飯島篤君) 先生がいまおっしゃいました事業者から、三月十一日付で大阪陸運局に値下げ申請がございました。何しろ申請が出たばかりでございます。また、昨年の十月閣僚会議にも諮った上で二年ローテーションの運賃改定を認めたところでもございますし、今後申請内容を十分検討の上慎重に処理するつもりでございます。
○渡部通子君 先ほど自動車協会からの同調値上げに同調しないという圧力があったというお話がありますが、新聞報道によると、運輸省からもかなり圧力があった、こういうことになっているわけですね。いま、公取さんの申し入れは受けとめる、それから事務当局は慎重に検討する、こういうことでございますけれども、大臣としては、いずれこういう事態というものに対して対応を迫られると思うのですけれども、同一運賃であることのその安定性というのも私も大事だと思います。しかしそれが余り行き過ぎますと、せっかく経営努力をして何とか安く乗せようという業者が現実にここにいるわけです。しかも値下げ申請が出てきた。これは消費者にとっては大変好ましいことでもあるし、公取の勧告もある。こういう事態に至って、この値下げ申請というものにどう大臣は対応されますか。私は値上げは同一と言わなくても、幅があってもいいのではないか、そういう気もするのですが、いかがですか。
○国務大臣(小坂徳三郎君) 私も就任早々でございまして、値上げをしたばかりにまた値下げの要求が出されているということはつい最近聞いたばかりでございますが、しかしこの値下げということは消費者から見れば結構なことだと思います。しかし値下げによってかえってその地域全体の一般のタクシー業者あるいはまた個人タクシーが、この値下げをきっかけにして非常な混乱に陥れられるということもあると思うのでございます。そうした面につきまして、特に陸運局あるいはまた出先の事業者団体の話もよく聞いてみながら私はこの対応をするのがいいのではないか。値下げがあるから結構ですということになりますると、いわゆる公共料金としても大都市のタクシー料金というものは消費者にとりまして非常に重要なファクターでございますので、その必要から四十四年以来経済閣僚協議会を経て決めてまいっておるものでございますので、その辺との絡み合いも十分考えなくてはならぬというふうに思っております。
○渡部通子君 重々大臣のおっしゃるその理由はわかるのですが、値下げと言うと、言葉は悪いですけれどももとへ戻してくれ、もちろん値上げするときにこのMKは嫌だったという、それが同調させられたというもとの状態があるわけでございますしね。それからそれを無理に値上げさせたとなった場合にはそこに公取の勧告が生まれてきているわけでありますし、ですから、先ほど申し上げたように、そういった場合に、もとへ戻すとかあるいは同調をさせなかったというもとの状態に返すとか、あるいは値上げ幅というものを何も同一に何十円まで一緒にしなくても、そこに経営努力をしている会社に対して多少の幅を持たせるとか、そういう運用はできませんかと重ねて伺っておきます。
○国務大臣(小坂徳三郎君) やや事務的かつ現実的な問題だと思うので、いまここで私が御答弁申し上げることが適当であるかどうかちょっと迷うのであります。値下げということは確かにりっぱなことである、値上げ万能の世の中に大変結構だと思いますが、承りますと、このMKタクシーというのは、一挙に自動車の台数を百五十台値下げを機会に増車してくれという要求が出ておるのだそうであります。そうしたことが起こりますると、あの京都はもちろん大変にタクシーの需要が多いところだと思いますけれども、一社が一度に百五十台、そんな多量の自動車の保有を同時に認めてくれということになりますると、これはやはり特に私は個人営業の方々には非常な大きな影響があるのではないかなというふうに思っているのでございまして、私はそうした面のこと、そしてまた一面から言うと、業界の圧力によって決められたというようなお話が新聞に出たそうでありますが、こうしたことも今後は大いに慎まなければなりませんけれども、そのもとが異常な増車を同時に要求しているというようなことも、私はちょっとこれは社会良識的に見ても反省してもらわなければならぬところではなかろうかというふうに思っております。したがいまして、この値下げをいますぐどうするこうするということにつきましてはもう少し時間をかしていただいて、つまり円満な事態においての京都地区におけるタクシーの業界の運営がなされることを私としては期待をしたいと思っております。
○渡部通子君 では次に、独禁法内の不公正な取引方法の一般指定の問題について伺います。 この一般指定の見直しを公取はなさっているそうでございますが、その経緯について御説明ください。
○政府委員(橋口收君) 不公正な取引方法は独占禁止法の三つの柱の一つでございまして、大変重要な地位を占めておるわけでございます。どういう行為が不公正な取引方法に該当するかということにつきましては、昭和二十八年に一般指定という形で行為類型を明らかにいたしておるところでございますが、何分にも制定以来四分の一世紀以上経過いたしておりますし、社会経済情勢も大きく変化をいたしておりますので、新しい情勢に即応して、規定の内容の明確化ということに主眼を置いておるわけでございますが、同時にまた、現在の十二の行為類型では不足だというような事態も生じておりますので、昨年の七月から研究会を設けて検討いたしておるところでございまして、できれば全面的な改正をしたいというふうに考えておるところでございます。
○渡部通子君 ことしの二月に中間報告をしていらっしゃいますけれども、指定の中の優越的地位の乱用禁止について、押しつけ販売、協賛金、量販店のヘルパー要求、こういったものは適用状況は必ずしも明確ではなかったのでございますが、これらはどうなるのか、具体的な項目としての独立を考えていらっしゃるのかどうか。
○政府委員(橋口收君) 重点的な内容項目につきましていま申し上げるのはちょっと時期が早いと思いますが、いま具体的に御指摘もございましたので私どもの考え方を多少申し上げてみたいと思いますが、われわれが念頭に描いておりますのは、たとえば抱き合わせ販売の問題でございまして、これは当委員会でもしばしば御指摘をいただいておるところでございますが、現在の規定で抱き合わせ販売に最もふさわしい規定があるかと申しますと、これは必ずしも十分でないと思います。したがいまして、ある商品の販売に関連して他の商品を押しつけるという抱き合わせ販売につきまして、何らかの意味で明確な規定をしたいというふうに考えておるのが第一点でございます。 それから、第二点としましては、再販売価格維持行為につきまして、単に拘束条件つき取引の一環として規制をされておるわけでございますが、しばしば行われておる行為でもございますので、再販売価格維持行為につきまして明確な規定を設けたいというのが第二点でございます。 それから第三点は、先生から御指摘がございました問題に関連をいたします優越的地位の乱用行為の問題でございまして、これは百貨店、スーパーの押しつけ販売の問題等々あるわけでございまして、こういうもろもろの行為につきましての類型化を図りたいというのが第三点でございます。 それから第四点としましては、最近しばしば問題になりますいわゆる不当廉売の問題でございまして、どういう行為が不当な廉売行為に該当するか、この辺も明確になっておりません。これらの点につきましても可能ならば明確にしたいというふうに考えておるわけでございます。
○渡部通子君 具体的に伺いますけれども、公取は最近東京瓦斯から事情聴取をしていると伺っておりますが、事実かどうか。それはやはり不公正な取引方法にどのような疑いを持たれたのか伺います。
○政府委員(橋口收君) 東京瓦斯、大阪瓦斯等地域独占の会社の行為につきましては、いわゆる自然独占として独禁法の適用除外になっておるわけでございますが、本来のガス供給事業と直接関係のないガス器具の販売、あるいは工事業者の工事等に関連しまして、たとえば特定のガス会社のガス器具を買った者を優先的に工事をするとか、あるいはガス会社の指名した工事業者の工事を優先的に取り扱うとか、いろいろ問題があるわけでございます。 〔委員長退席、理事土屋義彦若着席〕 厳密に申しますと、独禁法の不公正な取引方法に該当するわけでございまして、こういう問題につきまして、現在広範に調査をいたしておるわけでございまして、関係事業者からアンケート調査により、その実態を明らかにすべくいま調査をいたしておるわけでございまして、これは従来東京瓦斯等に対しましても口頭でしばしば注意を喚起しておるところでございまして、最近の調査としましては、従来の経緯にもかんがみ、実態がどうなっているかを工事業者あるいはユーザー、ガス器具のメーカー等から具体的に調査をして、その結果適正な判断をしたいということで現在調査をしているところでございます。
○渡部通子君 いろいろ具体的な独立させたいという項目をお教えいただきましたが、一店一帳合い制なども今度の見直しの中でどう位置づけられていくのでしょうか。
○政府委員(橋口收君) 一店一帳合いは販売先の制限ということでございまして、それと似たような問題としましては、たとえばテリトリー制と言われておりますような販売地域の制限の問題もございます。ただ、これらの制限は優越的な地位を持つ事業者あるいは総合的な事業能力の高い事業者にして初めて行い得る行為でございますから、独禁法上の問題としまして不公正な取引方法に該当する可能性なり疑いというものが強いわけでございますが、これを独立の項目として扱うのがいいのか、先ほどちょっと触れました再販売価格維持行為に比べますとその重硬度はやや低いのではないかというふうに思っております。したがいまして、これを独立項目として規制対象にするのがいいかどうかはさらによく検討いたしてみたいと思っております。
○渡部通子君 一般指定の見直しの原案はいつごろ公表されるのか、またどういう手続で効力を持つのか、いかがでございましょう。
○政府委員(橋口收君) 私どもの計画としましては、四月の下旬に、公正取引委員会の私的諮問機関でございます独占禁止懇話会というのがございます、そこに案を諮りまして一般に公表したいというふうに思っておるわけでございまして、いままでも関係団体、商工会議所等々からは御意見を伺っておるわけでございますが、四月の下旬に公表いたしまして、それから具体案につきまして正式に御意見を伺って、できればことしの夏ごろまでに最終決定をし、告示をしたい。告示をすることによって完成するわけでございますが、告示をしましてすぐ施行にするか、あるいは一定の猶予期間を置くかは、今後の検討の課題ではないかと思っております。
○渡部通子君 そうしますと、今度は百貨店等の特殊指定というのがございますが、これにはやはり押しつけ販売、協賛金、こういったものが入ってないわけで、一般指定の見直しをなさるとなると、当然特殊指定の見直しということになりますね。
○政府委員(橋口收君) 現在特殊指定が幾つかございますが、率直に申しまして特殊指定が非常に大きな力を持っているかと申しますと、具体的な事件の処理に対しましてはそれほど大きな力を持っていないわけでございまして、どちらかと申しますと業界の自主的な申し合わせというような性格がやや強くなっております。したがいまして、一般指定の見直しに関連をいたしまして特殊指定を全般的に見直すかどうかは今後の問題でございますが、特殊指定の中にはいわゆる景品表示法に移行し得るものもたくさんございます。いま御指摘のありました百貨店特殊指定等は、その当時の要請に基づいて返品等につきまして詳細に規定をしてあるわけでございますが、まさに押しつけ販売とか、あるいは協賛金の強要につきましては規定がないわけでございます。したがいまして、一般指定を出しました後で特殊指定につきましてさらに再検討するのがいいのか、たとえば押しつけ販売、協賛金等につきましては現在百貨店協会なりチェーンストア協会で自主規制というものを持っておられます。したがって、自主規制の基準につきまして検討を加えこれを改正していただくという方法がいいのか、その辺はさらに検討すべき課題だというふうに考えております。
○渡部通子君 これでもう一点伺っておきますが、具体的な運用基準をおつくりになるのか、それは同時告示をなさるのかどうか。
○政府委員(橋口收君) 告示をいたしましても、それで行為の内容そのものが完全に解明されるということではないと思いますので、必要な運用基準はつくりたいというふうに考えております。ただ、現在の作業段階で申しますと、まだ告示案をつくるということで手いっぱいでございまして、運用基準につきまして手がついてないところでございます。まあ私どもの考えとしましては、できるだけ一般指定によって事態を明らかにして、どうしても明らかにし得ないような部分につきまして補完的に運用基準を設けたらどうかというふうに考えておるところでございます。
○渡部通子君 もう一問公取委員長にお伺いをしたいのですが、現在認可されております不況カルテルですが、これが全部今月末で期限が切れる。これらの不況カルテルは今後どのようになっていくのか、どういう予見をお持ちか、それを伺っておきたいと思います。
○政府委員(橋口收君) 現在三つの不況カルテルが進行中でございますが、恐らく三月末にすべてがなくなるのではないかと思います。不況カルテルは、御承知のように、需給のアンバランスを回復するために生産の調整をするわけでございまして、生産の調整の結果として在庫量が減り適正在庫率になり、市場に対する圧力が消えることによって市況が回復すると、こういうパターンをとっておるわけでございまして、幸いにして、今回不況で認可をいたしました九業種につきましては、いま申し上げましたような過程を経てそれぞれ卒業をしつつあるわけでございます。独禁法上の不況カルテルのほかに、中小企業団体法による不況カルテルもまだ幾つか残っておるわけでございますが、私どもとしましては、該当業種につきまして、法に適合するような条件があります場合には審査をして、必要であればこれを認可するという考え方には将来とも変わりはございません。
○渡部通子君 公取委員長への御質問は以上で終わりでありますが、後半は独禁法になりましたが、前半は政府規制についての概略のお話を承りました。 最後に、運輸大臣と大蔵大臣と公取さんの見解を伺って終わりにしたいと思いますが、特に政府規制の問題につきましては大変むずかしい問題だと思いますけれども、簡単なきょうは議論しかいたしませんが、ある意味では行政改革にもまさるとも劣らぬ大事なことだと思います。ある意味では同じものを別の観点から見ている部分もたくさんあるわけでございまして、公正取引委員会は公正に大胆にやっていただきたい。そして民間企業の活性化、効率化ということに寄与していただきたいと私は思っておりますが、この辺の見解につきまして、運輸、大蔵、公取の御見解を伺ってこの問題は終わりにしたいと思います。
○国務大臣(小坂徳三郎君) 交通部門におきます政府規制のあり方につきましては、 〔理事土屋義彦君退席、委員長着席〕 先ほど来御議論になっておりましたOECDの理事会の勧告を参考にいたしまして、昨年の七月に運輸政策審議会におきまして一応の方向づけがなされております。この中で、特にわれわれとしましては、時代の変遷に伴って不要となった規制が行われているかいないかということにつきましては、特に必要に応じて見直しを行うということを基本的な姿勢にしながら、公正な競争が展開されるということを基本にして、こうした審議会の答申を十分踏まえて今後対応してまいりたいと思っております。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 銀行等についてはこの前の、去年の銀行法の改正等によって銀行の自主性というものを尊重するようにいたしました。できるだけ自由濶達にやらせようと思っております。しかしながら、いずれも非常に社会的な公共性の強い業務でありますから、預金者保護も考えなきゃならぬ。銀行経営が危うくなってしまう、過当競争であっちこっちつぶれるというようなことは、これまた大変な社会不安を起こしますので、そこらの兼ね合いを十分考えながら適正に対処していきたいと考えます。
○政府委員(橋口收君) 先ほどのお答えで尽きておると思いますが、多少落としましたのを補足して申し上げますと、第二臨調との関係でございますが、昨年私も第二臨調に出まして公正取引委員会の考え方を説明したわけでございますし、また部長も担当の部会に出まして御説明をいたしておりますし、また事務局同士でもいろいろ意見交換をしておるわけでございまして、この問題はいま先生がおっしゃいましたように大変むずかしい問題でございますから、一公正取引委員会だけで問題の処理が可能であるというふうには毛頭考えておらないわけでございまして、関係省庁の御理解なり御協力というものがもちろん必要でございますし、第二臨調の答申の中に許認可の整理が将来再度行われるということも伺っておりますので、第二臨調とも御相談して適確な結論を得たいというふうに考えておるところでございます。
○渡部通子君 では、次に薬の問題について若干の御質問をいたします。 薬の問題は、価格、量ともに大変な国民的な話題になっているわけでございまして、やればやるほど根は深いという、こういう実感を実は持っているわけです。 まず、抗生物質のことについてお尋ねをいたします。五十五年の抗生物質の日本での全生産金額、それから薬剤総生産額に占める割合、欧米諸国との比較、こういった点をまず御説明ください。
○政府委員(持永和見君) いまお尋ねの抗生物質の生産金額でございますが、五十五年で見てみますと八千百四十三億でございます。八千百四十三億というのは医薬品の総生産額が三兆四千八百二十一億でございますので、これの約二三・四%に当たります。 もう一つお尋ねの欧米との比較ということでございますが、残念ながらヨーロッパの各国では日本のように政府機関など公的機関の生産金額の調査はございませんので、日本と直接に比較し得るデータは私ども実は持っておりませんが、ただアメリカにつきましては商務省の統計局によるデータがございます。それによりますと、これは年が違いまして、一九七八年でございますから昭和五十三年でございますけれども、この生産金額はアメリカドルで八億七千五百万ドル、日本円にいたしますと約千九百億程度になるかと思いますが、こういうことになっております。ただ、この数字は、統計手法の差異とかあるいは為替レート、そういった問題がございますので、わが国と単純に比較するにはちょっと難点があるかと思っておりますが、ちなみにアメリカの場合には総医薬品の生産金額に占めます割合は八・四%ということでございます。
○渡部通子君 いま昨年の年度の比較ではないのですけれどもお示しをいただきまして、それは比較をいたしますと五十三年度で日本の方が二・九倍、それから五十二年になりますと三・四倍、こう計算するとふえるわけです。私の見たあるデータによりますと、アメリカが日本の約四分の一、西独半分、英仏が三分の一ぐらい、これが抗生物質の生産高。いかにわが国がたくさんつくっているか、こういうことがいま厚生省さんがお示しくだすった資料だけでもわかると思うのですが、これほど抗生物質の生産高が高いという理由を厚生大臣はどうお考えですか。原因ですね。
○国務大臣(森下元晴君) 御指摘のとおり抗生物質の医薬品総生産金額に占める割合は非常に高こうございます。五十一年からずっと見てみましても、二四%、それから二一、二三と、大体この程度推移しておりまして、抗生物質が非常に多く使われて、しかも金額的に高い。これ私も一考せざるを得ないと思いますけれども、詳しい事情につきましては十分承知をしておりません、残念ながら。その点につきまして業務局長よりも答弁をさせます。
○政府委員(大和田潔君) なぜ抗生物質がわが国において使用量が多いのかと、こういう御質問でございますが、この問題につきましては、最近におきまして抗生物質の開発に伴いまして特に感染症による死亡が激減した、こういう背景がございまして医師の抗生物質の使用に対する抵抗が少ない、それからまた患者側におきましても抗生物質の使用を好む傾向があるということが言えるのではなかろうかと思います。しかし、抗生物質使用につきましてはその効能、効果、用法、用量等に基づきまして医師が病原、微生物による疾患の治療上必要と認められる場合に投与しているものでございまして、適正な投与の結果といたしましてその投与量が多いといたしましても、一概に問題であるとは判定できないわけではございますが、ただこの薬剤使用につきましては抗生物質のみならず、これは医学的見地から見まして不適切と考えられる投与が行われている場合には、適宜指導監査の対象にする、こういうことでございます。一応若干先生のお答えに対しましては、前段の方に偏るかと思いますが、以上のようなことではないかというふうに思うわけでございます。
○渡部通子君 お答えですから伺っておりましたがね、質問のところとちょっと違うのです。抗生物質の日本での全生産金額が非常に多い。これほど金額が多いのは、理由は何だと思いますかと、こう聞いているのです。非常に常識論ですから、厚生大臣どうですか。
○国務大臣(森下元晴君) これは需要と供給の関係でございまして、それだけたくさん使われると、またそれだけ必要量があるということでございます。
○渡部通子君 まあそれもある。たくさん使われる。価格が高いということは考えられませんか。
○国務大臣(森下元晴君) 私の知識の範囲では、抗生物質のこのバルクライン方式、いろいろ二百円があったり、三十円があったりいたしまして、それを医師が、どのような診断のもとに、どのように使っておるかと、それが診療点数に響いてくるわけでございまして、これはやはり医師のその患者に対する、どの薬が適当であるかという判断に関係するわけでございます。 いずれにいたしましても、抗生物質は、戦後面期的につくられましたこの医療、平均寿命を延ばすためには大変有効であると。非常に私は、医薬としては貢献をしておりますけれども、ただ、おっしゃいますように、占める割合が非常に多いということにつきまして、この詳細まで的確な御納得いく御答弁はちょっとできにくいということでございます。
○渡部通子君 ちょっとピント外れなんですね。抗生物質の全生産金額が非常に多い。これは八千百四十三億円ですね。そうすると、全薬剤生産額に占める割合は二三%。このくらいお金がかかっちゃっているのですね、抗生物質をつくって。本当に使っているのかどうかは別としてですよ、これほど高いお金が使われている。これは健保財政を大変に圧迫しているのですね。これは西欧諸国と比べても、非常にその金額が高い。なぜですかと聞いたのです。これは常識的に考えて、日本の抗生物質が高過ぎるのか、使用量が多過ぎるのか、どっちか以外にはないでしょう。
○政府委員(大和田潔君) ただいまの諸外国と比べて日本の抗生物質がどうなっているかと、こういうことになろうかと思うのであります。これは、幾つかの国等私ども調べてみたわけであります。ただ、医薬制度が日本と違っておりますので、どの程度びたっとした比較になるかという疑問はあるわけでございますが、アメリカ、イギリス、西ドイツ、フランスなどと日本の抗生物質の、これは薬価基準収載の価格と比較をしてみましたわけでありますが、物によりましては、日本よりもほかの国が高いものもありますし、また日本の方が高いものもありますが、やはり一般的に言って、やや日本の方が高いと、こういうふうな感じを受けるわけでございます。 おっしゃいますように、従来からもそのような感じで言われておりまして、御承知のように、昨年の六月の薬価基準改定につきましては、四五%という引き下げを抗生物質において行ったわけでございますので、やはり実勢価格との差がこれだけあるのではないか、かなり日本の抗生物質が、先生おっしゃいましたように、実勢価格との比較におきまして薬価基準は高かったのではないか、したがいまして四五%の値下がりになったと、こういうことでございます。
○渡部通子君 諸外国の比較は、そちらから資料を出していただきましたので、あえて説明すると時間もったいないですから、説明はいたしませんが、いま控え目におっしゃってやや高い。かなり高いんですよ。それはここでは議論をおくとして、欧米諸国との抗生物質との状況比較というものに対して、資料いただくの大変苦労をいたしました。これはぜひとも厚生省としても検討していただきたい。お出しをいただきたいと私はお願いをいたします。 昨年暮れに、三十六成分八十五銘柄の新薬が収載されましたけれども、そのうち抗生物質の注射が五種類、これが収載をされたわけですね。その中の四種類というのはほとんど四千円台。すべて従来のセフォチアム薬価という、薬効を大体比較して同じものだからということで四千五百二十六円、四千四百三十三円というふうに、セフチゾキシムとかセフォタキシムとかラモタキセフとかセフォペラゾンとか、こういうものが新しく収載されているわけです。この価格自体がもう高いのです。薬価を決めるときに、それは去年の暮れにこの比較された薬のセフォチアムが決められたときに、本当は三千円くらいでよかった。それが四千七百円というような値段がつけられましたから、薬価基準で下げられたにしても四千円台。そしてことしまた新しく収載された注射液抗生物質というものは、やっぱり四千円に類似効果として収載をされるという、これは議論は横に置いといて、そこで質問をいたしますけれども、ドイツから輸入しておりますセフォタキシム、これは二グラム包装と一グラム包装がありますが、お幾らですか。
○政府委員(大和田潔君) セフォタキシム注射用の一グラム力価、これが四千四百三十三円、ただいま先生おっしゃったとおりです。二グラム力価が五千七百六十三円となっておるわけであります。
○渡部通子君 そうしますと、二グラム五千七百六十三円、お安いからこれで買いまして、注射に使うときは一グラムずつ使う、あるいは一グラム包装を使ったように請求をする。すると、その薬価基準で買ったとしても、五三%もよけいに請求できるわけですか。これは合法的ですか。
○政府委員(大和田潔君) 実際に使ったことと違う請求があれば、それは合法的ではないと、こういうふうに考えております。
○渡部通子君 どうやってチェックするのですか。
○政府委員(大和田潔君) なかなかチェックの方法は具体的に私いま申し上げられないわけでございますけれども、やはり使い方が実際に使ったのと請求とが違うというデータが——データといいますか、事実がわかれば、これはもう不正であるというふうに考えるわけであります。
○渡部通子君 運輸大臣、お帰りいただいても結構でございますが、せっかくおいでいただきましたので、私、お帰りの前に、一言伺っておきたいのです。 というのは、最近の国鉄のだらしなさというものは目に余るものがありまして、国民はみんな怒っております。これは臨調答申が出てからとか、そういう答申を待ってからとか、行政改革だからとかという、それ以前の道義的な話ではなかろうかしらと、こう思う次第でございまして、これに対して運輸大臣がいかなる決意と方策をお持ちであるか、これをひとつ明らかにした上で御退出いただきたいと思います。
○国務大臣(小坂徳三郎君) いま国鉄問題が国民の非常な関心事で、またある場合には非常な憤りを覚えておる問題であることは私もよく認識をいたしております。 それで、先般来新聞その他に非常に多くの、いわゆるやみ給与とかポカ休であるとか、あるいは職場の討議の時間が非常に長いとか等々、昨日は就職の問題まで報道されておりました。これは結局私は、こうしたような事態の問題に対しての国鉄の対応そのものが、労使ともに非常に危機にあるということを十分認識してもらって、まずこうした社会的な常識から見ておかしいと思うことを直すということに、相協力して力を合わせてほしいというふうに私は思っておるわけでございます。 そうした意味におきまして、一義的に国鉄当局に対して、三月四日にこれらの事態の各職場別の厳正な実態報告を求めておるわけでございまして、この実態報告を今月いっぱいに出してもらうことになっておりますが、それとともに、国鉄の総裁に対しまして、各重役と申しますか、理事は、現地の各管理局に赴いて、ひざ詰めでいろいろと実態の話を聞く。そしてまた一方においては、私は国鉄当局に期待したいことは、いわゆる経営陣にある者が、大きな責任と行動力を持ってこうした事態の改善のために当たるということを進めておるのでございまして、私は、分割論であるとかその他の御議論の前に、非常に高い公共性を持つ現在の国鉄というもの自体の、そのまた最も重要な要素である人間関係、こうしたものが正常になることを期待して、その方向での努力をいまし出しておるところでございます。
○渡部通子君 どうぞ、それではお帰りになって、がんばっていただきたいと思います。 質問続けますが、おかしいですね、業務局長。二グラムで買っといて——安いですから、それを一グラムずつの包装請求をしたとしたら、これは違法だと。しかし、チェックの方法はないのです。奇々怪々なんです、こういう薬価の決め方というものが、一つ例をとりましても。同じ薬効を持ちますセフォタキシム、これをイギリス、ドイツのグラム包装で調べてみましたが、やはりイギリスでも一グラム四・五ポンドなら、二グラム九ポンドです。それからドイツでも、一グラム五本入りが、これはドイツマルク百五円で、日本円に換算しますと三千百四十八円。これが二グラム五本入りになりましたら六千八十円、大体倍なんですね。それがどうして日本の場合は二グラムになると五三%も安い価格になって、請求してもチェックのしようがないなどという、こういうのを放置しておいて、一体保険財政がもっとお考えですか。
○政府委員(大和田潔君) この一グラムの価格四千四百三十二円、それを二グラムにいたしますと五千七百六十三円、確かに二倍にはならず、一・三倍程度だと思いますが、これは容量が二倍になった、したがって価格も二倍にするということ自体、私の方は問題じゃないかという気がいたします。それで、これは特に一グラムから二グラムになりましても、経費的には二倍にはならないというふうにわれわれ考えます。しかも、この薬につきましては特に二グラム力価のものができたということは重症用という、重篤時の大量使用というものを想定したものでございますので、そういった意味でこれを二倍にするということ自身、また問題が出てくるのではないかということで、いまのように二倍にはしません。これはこのほかの薬につきましても、先生がおっしゃいましたように、二倍にするということはやっておりませんで、一・五倍とかそういったようなことをやっておるわけでございますけれども、このセフォタキシムという薬につきましてはさらにそれを下げた価格で二グラム力価を決めておると、こういうことでございます。
○渡部通子君 だけどね、不正請求をした場合のチェックの方法はないのですから、それなら一グラムを三千円ぐらいにすればちょうどいいんですよ。だから、強弁をなさることはよくわかりますけれども、薬価の決め方自体が非常にいいかげんであるということを私は申し上げたいし、この辺に目を光らせていただかなければ、いつになってもこの保険財政は底抜けだということを申し上げたいんです。大臣の御見解を。
○国務大臣(森下元晴君) お説のとおりでございます。いま私が計算してみますと、医療費に占める薬の割合が三五%から三八%、五十五年度の統計では三八%に実はなっております。そのうちで、先ほどお示しいただきました抗生物質が二三とか二四ということになりますと、総医療費の中で占める抗生物質の割合が約一割、一〇%というような数字が出てまいりまして、いかに保険財政、ひいては国家財政に占める薬価の決め方、また薬の使い方、価格の決め方、これがいかに大事であるかということを私どもは常に頭に置きまして、この薬価の基準を適正に決めていきたいというようなことで、薬価の基準については毎年見直すというようなことがございまして、本年度につきましても薬価の調査、また、その調査結果をもってこの薬価算定の作業を行うべく準備をしておるわけでございます。御指摘のとおりでございまして、この点はそういう方向で進めていきたい。そして適正な薬価を決めていきたい。 ただ問題は、私考えまするには、この薬の製造は、もちろんこれは一つの自由経済の中で薬がつくられて、そしてこれが一定の基準に合っておれば製品として売られる。しかし、これが使われる場合にはやはり社会診療という形で一つの規制の枠の中に入れられるというところの不連続線的なところに非常にむずかしい点が実はあるわけであります。これをいかなる整合性に合わしていくかという——やれば、私はりっぱな制度はできると思うのですが、まことに試行錯誤的な点があることも否めません。そういうことで、できるならば先進国といままで言われてまいりました欧米先進国よりも、私は日本の場合はりっぱなそういう自由経済とまた一つの規制の中で前向きの社会保険また社会診療という面がうまく調整されるように全力を挙げてまいりたいという覚悟でございます。
○渡部通子君 じゃ、今度は逆に安い、しかも効き目の高い薬の話に移りたいと思うのです。いまは一グラム四千円とか三千円とかという話ですが、今度は一グラム一円とか二円とかという、こういう局方医薬品というものがありますが、これはどういうものか、御説明してください。
○政府委員(持永和見君) 先生お尋ねの局方医薬品でございますが、局方医薬品は日本薬局方に収載されている医薬品でございます。この自水薬局方というのは、薬事法の規定に基づきまして医薬品の性状と品質、そういったものの適正を図るためのものでございます。この日本薬局方に収載されている医薬品のうち、代表的なものといたしましては、繁用される医薬品ということで、具体的例を申し上げますと、たとえばアスピリンでございますとか、ブドウ糖液、そういったものがございます。それから二番目といたしまして繁用はされていないけれども医療上重要な医薬品ということで、日本脳炎のワクチンでございますとか、塩酸モルヒネ、こういったものがございます。こういったものが日本薬局方に収載されている局方医薬品と言われるものでございます。
○渡部通子君 大変ベーシックな薬だと思うのですけれども、生産額をどのくらいに見込んでいらっしゃるのか。薬全体の生産額の何%ぐらいになるのか。あるいは薬価基準に収載されているのはどのくらいあるのか。全体の比率とあわせて御報告ください。
○政府委員(持永和見君) 局方医薬品の生産額は約五百億円程度ということが言われておりまして、三兆五千億近くでございますから一・四%、全体の一・四%じゃないかと思います。それから局方、日本薬局方には現在のところ千十六品目収載をされております。
○渡部通子君 その薬価基準に収載されている千五、六百たしかあると思うのですが、その中で手品目あたり、それから五百億という、まことに安いですからわずかな額になるのは当然だと思うのですけれども、この薬がベーシックな薬だと言われながら、今日忘れられてしまっているというのは、原因は何でしょうか。
○政府委員(持永和見君) 先生お尋ねのように、忘れられているということに直接お答えになるかどうかわかりませんが、日本薬局方の医薬品は、先ほど申し上げましたように基礎的な医薬品、あるいは脳炎の薬だとか、そういう重要な薬でございまして、決して忘れられていることはないと思います。それはそれなりに十分便われているものだというふうに考えております。
○渡部通子君 去年、薬価を大幅に下げたときに、この薬だけは薬価を上げたのですね。この理由、内容を説明してください。
○政府委員(大和田潔君) 昨年の六月に薬価引き下げをいたしました段階におきまして、先生おっしゃいますように、局方品につきましては実勢価格を基礎といたしまして、その製造諸経費の値上がり等を考慮いたしまして、局方医薬品の薬価基準に収載されております医薬品のうち約五〇%の品目につきまして値上げをいたしております。それから、約三三%、約三分の一につきましては据え置きと。それから、約二〇%については値下げ、引き下げと、このように処置をしておるわけでございます。
○渡部通子君 政治的に非常に値上げをしたというお話でございました。値上げをしても、二円とか三円とか五十二円とかというようなのが出てくるわけで、およそ抗生物質とは、もちろん新薬ですからもう全然異質ではありますけれども、余りにも違い過ぎるというのを私は思うわけですね。 それで、これは私がゲルマトールというんで薬局で買ったのですけれども、二十五グラムで四百円です。もうこれ二、三年前から同じ定価ついてますから赤さびてるのですけれども、奥の方から出してきて、こんなの請求する人もいないし——ところが、やっぱりこの黄色い薬というのは、昔赤ちゃん産んだときにへその緒につけたというほどこれはすべてに効く。いまでも切り傷であろうがやけどであろうが、こういう薬を家庭に置いといて常備薬として使えば一番いいわけです、副作用はないし。十年たってもこれは薬効が変わるなどということはないわけですね。局方医薬品の中にはこういう大衆薬として使える、安価で非常にいいもの、これがたくさんあるわけですけれども、こういうものがいま一般には全然知られてない、すぐ抗生物質の方に走ってしまう、すぐ医者に行って薬をもらってくるなどということになるわけでございますね。こういうことになって、この辺にやはり私厚生省の一つの指導の欠落した部分があるのではないかという気がするわけですね。何とか厚生大臣、こういう赤チンとかヨーチンとか、葛根湯とか、ゲルマトールとか、こういう大衆薬が安くていいのですから、これをPRする方法ございませんか。
○国務大臣(森下元晴君) 局方医薬品が非常に安価で効能的であるということは大変私も教えられました。私もちょっとのどが痛くて、先ほど病院へ行ったら、早速いろいろこうありまして、その中にこれは——これ抗生物質が大体入ってきますね。こういう形になるわけでございますから、恐らく高くなるんじゃないかと思うのです。 そういうことで、この局方医薬品をいかに啓蒙運動をやるかということも非常に大事なことでございますし、高いから効くと、安いから効かないということはございませんので、そういう点も十分これ検討さしていただきまして、医療費が下がるということは、それだけ保険財政にも国家財政にも寄与するわけでございますから、十分気をつけてやってまいりたいと思います。
○渡部通子君 結局、新薬、新薬という高いものに押されてしまって、こういういいものが忘れられてきたと、知られなくなってきたということは、やはりこれ一つの行政の責任だと思うわけです。 私は保健所機構を使ってもう少し普及するとか、婦人会、町内会あたりも使ってもらうとか、消費者センターあたりでも知らしめていくとか、あるいは業者にPRの指導をするとか、何よりもかによりも、これを売って商売になるように何とか法的処置を講じて差し上げたらどうかと。全然、売っても何銭などという利益では、これは薬屋さんが売らないですよ。 そういった意味で、どうせ政治判断で価格を上げるぐらいのお力があるのでしたらば、これに対してもう少し大幅な国民のため、健保財政のために売ってもうかるような処置がとってもらえないものだろうか、業者をリードしていただけないものだろうか、これを重ねて伺っておきたいと思います。
○政府委員(大和田潔君) この局方品の薬価基準の改定はやはり実勢価格を基礎にいたしまして、その製造諸経費の値上がり等考慮いたしまして価格を決めたわけでございますが、確かに先生のおっしゃいますようなことはあるわけであります。局方品は非常に期待されながら、採算といいますか、医療に使われないというようなことがございます。したがいまして、とにもかくにも昨年の六月には、先ほど申しましたような引き上げの改定を行ったわけでございますが、これは、先生のお言葉をあれいたしまして、今後ともこの問題につきましては、十分私どもも前向きに検討していきたいというふうに考えておるわけでございます。
○渡部通子君 次に、第二薬局問題を聞きます。 昨年、私御質問申し上げて、厚生省は実態調査を約束をされましたが、その指導した状況、その実態調査の結果、報告してください。
○政府委員(持永和見君) いわゆる第二薬局というものでございますけれども、これは薬局の開設者が医療機関の開設者と何らかの関係がある、本人でありますとか、配偶者でありますとか、そういう条件、それから特定の医療機関に隣接して設立された薬局であるというような、そういう定義のもとに、第二薬局の調査をいたしました。それによりますと、五十五年の十二月末に調査を行っておりますけれども、総数で千七件ということになっております。
○渡部通子君 それはわかっているのですが、決して好ましいものではないわけですから、その後指導した状況、監査の結果、何らかの処置をとったものがあるかどうかです。
○政府委員(持永和見君) いわゆる第二薬局でございますけれども、これは薬局の独立性という面、経済的にも機能的にも、構造的にも独立してあるべきだというような点から申し上げますと、確かに好ましいものとは言えないわけでございます。 私ども、薬事法の関係で申し上げますと、第二薬局は、そういうことで薬局の開設に当たりまして、いろいろと現場の段階で指導する、こういう立場にございます。私どもといたしましては、各都道府県に対しまして、担当課長会議、そういった際に、こういった第二薬局のあり方というのは決して好ましいあり方ではないので、薬局としての独立性を十分保つような、そういう薬局を設立してほしいということで、指導の強化に際しまして、担当課長会議の都度、そういったことを申し入れを——申し入れと申しますか、都道府県に対しまして強く指示しているところでございます。
○渡部通子君 そこで、問題にしたいのは、節税した上に処方せん料を稼ぐ第二薬局の存在によって、医療費のむだがどのくらい出ろと厚生省はお考えですか。試算していらっしゃいますか。
○政府委員(大和田潔君) なかなかむずかしい御質問でございますが、五十四年値の国民医療費が十兆九千五百億円ということで、このうち薬局調剤が一・一%ということになりますと、千百五十五億円というのが出てまいりますが、いわゆる第二薬局による調剤費がどの程度を占めるかというのは、なかなかこれはむずかしいわけでございます。非常な大ざっぱなあれを、前提を置きまして、業務局で行いました実態調査の結果でも、院外処方せん発行総数の約三〇%がいわゆる第二薬局に出されているというこの仮定で推計いたしますと、約三百六十億程度がこれになると、ただこの中には薬剤費も含まれておるということでございます。したがいまして、先生おっしゃいました御質問には的確なお答えにはなっていないわけでございますが、非常にアバウトな推計ということで、薬剤費も入っておるけれども、ただいま申しましたような数字というものを推計してみたわけであります。
○渡部通子君 大変アバウトで三百六十億、私も大変適当な数字が出ているのじゃないかなと思うのです。 それで、あれですね、私は、逆の立場からこう計算をしてみますと、ほぼ一致するのです。と申しますのは、医療機関で調剤して薬を出すと院内調剤料というんですか、処方料というんですか、それが四十円か五十円、そのくらい出るだけなのですね。ところが、厚生省が医薬分離をしていただきたいからということで、薬局に、処方せんを書いてもらうと、医療機関としての処方せん料が五百五十円、それから今度は薬局の方では調剤基本料が三百二十円、それに内服薬ですと調剤料が一日一剤で五十円、大体四日分を出すとしますと二百円、合計いたしますと、千七十円、これが大体第二薬局に分離してやると経費がかかっているわけですね。それを医療機関が薬局を第二薬局として経営した場合には、全部同一人に入ってしまうわけですから、だから院内で調剤した場合の数十円を引いたといたしましても、第二薬局をつくって調剤をすれば、大体一同やるたびに千円は利ざやがあると、これははっきり出てきます。そして一日に大体百二十人ぐらいが診療している。保険機関の調査によると八十名から百五十ですから、百二十人を診療したといたしますと、千円掛ける百二十で一日十二万、二十五口診療したとすると一カ月で三百万、一年にいたしますと三千六百万第二薬局をつくった場合には収入がかさ上げになるのですよ。それが厚生省は一千七ヵ所あると言うのですから、一千カ所と計算して三百六十億。ぴったりじゃありませんか。 だから、どっちから計算してみましても、そのくらいの薬剤費、医療費のむだというものが第二薬局を見逃しておくことにおいて出ているのだ。これはもうはっきりしているわけです。そうでなきゃふえるわけないでしょう。しかも、医者の税金が五段階に分かれたときから途端にでき出したのですから、むしろ節税法として、私に言わせれば脱税ですけれども、節税法として指導されているくらいなんです、業界内では。だから、正直にやっているお医者さんのためにもこの第二薬局のような存在は厳重に取り締まってもらわなきゃいけないわけです。これに対して厚生大臣いかがですか。
○国務大臣(森下元晴君) 第二薬局につきましては、余り好ましい存在でない、私も実はそういう気持ちもございます。しかし医薬分業という一つの政策をとっておりますし、諸外国に比べて非常に率が悪うございます。そういう点もございまして、過去、医薬分業のためにもでき得る限り薬局を使ってくださいと、こういうことをやってきたわけですが、まだまだ日本人の感覚では、薬は医者からもらわないと効かないというような、昔の薬師という、医者というのは薬師であるというような感覚が多少あるようでございますし、またいまおっしゃいましたような、悪意にとればいわゆる節税対策のためにそういう方法をとっておるというようなこともございまして、この医薬分業問題、また第二薬局の問題、またそのために大きな金額が浪費される、いろんなもろもろの問題も出ております。こういう点も、厚生省といたしまして、やはりこれも保険行政の改革したりまた考え直さなければいけない大きな問題の一つでもございますし、ひとつ今後とも前向きで取り組んでまいりたい。 以上であります。
○渡部通子君 第二薬局等の脱税、それから犯罪にも値するような行為をやっている場合には、保険薬局の指定を認めないとか、あるいは処方せん科を下げるとか、何らかの具体的な処置が必要だと思いますから、それに対する御見解を伺いたいのと、それから先ほど年一回の薬価基準の改定と厚生大臣もおっしゃいましたので、ことしももうそろそろ声がかかってくる時期でございますので、ことしはどうなるのか、それについて伺います。
○政府委員(大和田潔君) 第二薬局に対します規制措置につきましては、具体的にいまどうするかという問題につきましては、まだお答えする段階でございませんけれども、医療機関からの独立性というものが阻害されるような、そういう性格のものとしてこれがあることにつきましては、非常に問題でございますので、私どもといたしましては、何らかの方策をとりまして指導の強化あるいは指導監査の強化ということで是正をしていくような方向に努力をしてまいりたいというふうに考えておるわけであります。
○国務大臣(森下元晴君) 私に対しましては二点ございまして、ことしも薬価基準の改定、見直しするかと。これはよく調査いたしまして見直しいたしまして、まあ現状維持という結論が出るかもわかりませんし、上げるかもわかりませんし、また下げるかもわからない。また各銘柄別にかなりのアンバランスの点もございますから、そういう点も含めて本年もできるだけ早く見直しして処置をいたしたいと思っております。 それから第二薬局の問題につきましても、いま大和田局長がお答えいたしましたように、そういう欠点、またそれが大きな保険財政のマイナスにならないように十分チェックいたしまして、規制する点は大いに規制をいたしたいと、このように思っております。
○渡部通子君 ちょっと頼りない返事なんですが、第二薬局がこれほど悪いということがわかっているのですから、もう少し強い態度で臨んでいただきたいと思うのです。これに対しては大蔵大臣の御所見も伺います。 それから薬価基準の改定、ことしもやりたいと言うのですが、大体いつごろになるか。 それからもう一つ、薬局の指導監査で廃止に至った薬局はあるのかどうかも伺っておきます。
○政府委員(大和田潔君) ただいまちょっと、最後の薬局につきまして……
○渡部通子君 第二薬局の指導をしていらっしゃる、監査もしていらっしゃると……
○政府委員(大和田潔君) わかりました。お答えいたします。 これにつきまして、第二薬局がこの中で幾つかということにつきましては、正確にお答えはできないわけでございますけれども、保険薬局の指定取り消しというものにつきましては、五十五年度では四件行っておるわけでございまして、これらはやはり保険薬局が保険の面におきまして不正な行為があったということでこれを取り消しをしておるところでございます。
○国務大臣(森下元晴君) 薬価をいつ決めるかという問題でございますけれども、本調査及び今後実施される一連の調査結果をまって薬価算定作業を行い、薬価基準の改正に着手したいということでございまして、何月の何日というようなところまではまだ参っておりません。できるだけ早く決めさせていただきます。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 渡部通子先生の御質問は、私も毎年非常に関心を持って実は聞かしてもらっています。食品添加物の話とか、それからカーテンとかおもちゃ等の添加物の話、いまでもみんな覚えております。 きょうも大変いい適切な御質問を聞いておるわけでございますが、問題は、この第二薬局それ自体が脱税だということは言えません。これは諸理の根源は何にあるかと申しますと、一つは、一律七二%医療費、診療報酬の中から経費と見るという制度がありまして、これが一つの最大の諸悪の根源。しかしこれは是正されると。したがって、どこかへこれが今度は逃げるわけですから、どこへ逃げたかというと、結局は、それでもかなり高額所得ですから、五割とか六割の税率がかかるということになれば所得の分散。その分散の一つの方法として第二薬局がつくられる。これは医療法人が容易に認められないというところに一つ問題があるのです。八百屋、魚屋ならすぐ認めるけれども、三人以上とかベッド二十以上とかいうものですから認められない。そこに一つの不自然さがある。だから、それを逃げるために第二薬局をつくったり、それから賃貸で病院を建てた力といういろんな手が使われておる。 そこでもう一つ問題は、要するに、実勢価格と薬価の基準価格との差額に乖離が多過ぎる。したがって、そういうものも、その所得でとらえた方がいいのか、法人税でとらえた方がいいのかということを計算すると、うんと高い人は法人にした方がいいということにもなる。したがって、これは薬価のそういう三つの問題が絡んでおるわけですから、この三つの問題について合理的な案をやっぱり厚生省で考えてもらわなければ、なかなかこれは抑えようとしても抑えがたい問題。まあ、使わない薬をつくったようにしたのはこれは全然別の問題でして、これは立ち入り検査でもやってもらう以外わかる方法はないのじゃないか。今後ともよく厚生省と一緒に適正に医療が行われるように検討してまいりたいと思っています。
○渡部通子君 時間が大変なくなってきて、通産大臣大変お待たせをして申しわけありません。ガス漏れ事故について一点伺っておきたいと思います。 最近非常に頻発をしてニュースで私たちの心胆を寒からしめているのですけれども、この二年間における公共施設の埋設管にかかわるガス事故について、その件数、事故原因等を御報告ください。
○政府委員(神谷和男君) LPガス全般の数字、年間約五百数十件という数字は、事故件数はここ二、三年横ばいでございます。そのうち公共施設という形でとらえたものはございませんが、最近特に問題になっております学校のガス漏れ事故というところで集計いたしますと、五十五年一月から現在までの二年間、正確には二年間ちょっとでございますけれども、小学校、中学校、高等学校等のガス漏れ事故は、当省に報告があったところで十三件ございます。内訳は、五十五年四件、五十六年三件、五十七年に入りまして六件に、これは一月、二月だけで六件に上っております。現在実は私ども一斉点検をやらしておりますので、三月末を目途に各県でガス漏れの件数を取りまとめ中でございますので、この報告が参りますと、若干この数字——若干といいますか、かなりこの数字が変わってくるのではないかと考えております。
○渡部通子君 ともかく公共施設のガス漏れ事故というのを出していただきましたら、全部小中学校になっているのですが、文部大臣はそれを掌握していらしたかどうか、あるいは原因等について何かお考えがおありですか。
○国務大臣(小川平二君) 学校施設の安全確保という点につきましては、従来から設置者等の指導に努めてきておりますが、最近一部の学校でガス漏れ事故が出てきておるということ、まことに遺憾なことだと存じております。文部省といたしましては、ことしの二月に都道府県教育委員会と関係者に対しまして、ガス漏れ対策に万全を期するようにという通知を出しております。また、現に通産省が行っております緊急一斉点検に協力をいたしております。その結果をも踏まえまして、ガス漏れ対策の徹底を期するように努力してまいるつもりでございます。
○渡部通子君 文部省は実態を掌握していますかと私伺ったんです、文部省サイドとして。それから通産省はそれに対してどういう処置をおとりになろうとしているのか、あるいはとったのか、これも伺います。
○政府委員(柳川覺治君) お答え申し上げます。 ことしに入りまして文部省の方に都道府県から報告のありましたガス漏れ事故は一件でございます。青森県一件が報告ありますが、あと新聞報道その他でいま通産省の方でお答えになられた件数は承知をいたしております。
○政府委員(神谷和男君) 私どもといたしましては、先ほど若干触れさせていただきましたが、ことしに入りましてからの学校の、特に埋設管の腐食あるいは破裂等によりますガス漏れ事故が頻発しておることにかんがみまして、二月四日付をもちまして各都道府県知事に埋設管の緊急一斉点検を指示いたしまして、現在点検実施中でございます。一部の県では取りまとめ中でございます。これによりましてガス漏れを未然に発見いたしまして、直ちに適切な対応をとらせるようにいたしております。さらに一般的には——これは学校等公共施設、人の多く集まるところに限って集中的に行わせておりますが、一般的にガスメーターの検針時にガス漏れの有無についても点検するよう販売事業者を強力に指導いたしておるところでございます。 さらに、先ほど触れさせていただきましたように、埋設管の事故の原因が腐食であるとかあるいは地盤沈下による埋設管の亀裂である、こういう原因が最近ではほとんどすべてでございますので、これらの防止対策、特に技術的な面について早急に検討をさせるために高圧ガス保安協会に学識経験者による委員会を設置させまして、現在検討を進めさせておるところでございます。その結果を踏まえて適切な措置を早急にとりたいと考えております。
○渡部通子君 そこで、文部大臣と通産大臣に重ねてお願いとお伺いをしておきますが、いまも御答弁ありましたように、文部省サイドでは事故はわかってないわけですね。通産省とそれから新聞発表で初めて知る、こういう状況でございまして、これでいいのかどうか。私はやっぱり子供たちのためにもう少し文部省自体としても対応を考えてみる必要があるのではないか。あるいはいま埋設管の事故などもありましたけれども、最近五年、十年に建った校舎に全部そのガス漏れが走っている、地盤沈下が非常に原因があるというのですね。そうすると、建設省あたりともよく話し合って、学校を建てるときそもそもこれは用心が要るわけでございまして、そういう総合的な対策を文部省自体としてもお考えになる必要があるのではないか。 通産大臣にも同じでございます。保安規程の徹底というものをもう少し、文部省、建設省、そのあたりとよく話し合った上でやっていただきませんと、技術者もいま非常に質が落ちておりまして、鉄は、日本の鉄は大変優秀らしいのですが、ちょっとした埋設のときの傷とか、そういったところで腐食が繁殖するという例が非常に多いようでございます。こういった点は、大臣が先頭切って総合的に対策をお立ていただきませんと、未然防止にはならないのではないかと思います。この点で、二大臣の御決意を伺いたいと思います。
○委員長(植木光教君) 時間が参りました。
○渡部通子君 はい。
○国務大臣(小川平二君) 事故発生の原因につきましては、ただいま通産省においてその解明に努めておるわけでございますが、これが埋設管の腐食によるものであるか、あるいは仰せのような地盤沈下によるものであるか、だんだんこれは判明してくるに違いございません。報告を求めました上で、学校施設の技術担当者の会議等におきまして安全対策の徹底を期してまいるつもりでございます。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 販売業者に対しまして、従来から通産省としても法定の調査点検ということで厳重な履行を指導してきておるわけでございますが、最近非常に事故が勃発をしている、こういうことで、いま局長が答弁しておりますように、埋設管の緊急一斉点検を実施いたしておるわけでございますが、こうしたガス漏れについてやはり早期発見、こういうことが必要でございますので、この調査点検の厳格な実施のほかに、メーターの検針時にガス漏れの有無についても点検するように販売業者を強く指導していかなければならない。こういうふうに考えてもおりますし、またいまお話がありました腐食防止、あるいはまた地盤沈下による埋設管の亀裂防止対策につきましては、いま学識経験者によるところの委員会において検討を行っておりますが、この結果を踏まえて、事故防止のために何らか有効な措置はないかということで検討を進めて措置を早急に急ぎたい。そういうふうに考えておりますし、また事故防止対策を講ずるに当たりまして、やっぱり都道府県にその趣旨を徹底をしなければなりません。そういう意味での連絡というのも大事だと思いますし、いまお話しのように各省庁にまたがるいろいろな関連の問題もあるわけですから、そういう点も十分踏まえながら、総合的にひとつ対策を進めて事故の防止というものを図っていかなければならない、こういうふうに考えております。
○渡部通子君 終わりますが、ひとつよろしくお願いをしたいと思います。 なお、水道水の問題できょうはただすつもりでおりましたが、常任委員会に譲って、時間でございますので、これで終わらしていただきます。(拍手)
○委員長(植木光教君) 以上で渡部通子君の一般質疑は終了いたしました。 二十三日は午前十時から公聴会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後三時三十分散会