予算委員会 第3号
- 発言数
- 380 件
- 登壇者
- 40 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 1982/02/17
会議録
○委員長(植木光教君) 予算委員会を開会いたします。 昭和五十六年度一般会計補正予算、昭和五十六年度特別会計補正予算、昭和五十六年度政府関係機関補正予算、以上三案を一括して議題といたします。 —————————————
○委員長(植木光教君) まず、理事の補欠選任についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任をいたしたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(植木光教君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に伊藤郁男君を指名いたします。 —————————————
○委員長(植木光教君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 昭和五十六年度補正予算三案審査のため、本日の委員会に日本道路公団総裁高橋国一郎君を参考人として出席を求めることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(植木光教君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 なお、出席時刻等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(植木光教君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(植木光教君) それでは、昨日に引き続き寺田熊雄君の質疑を行います。寺田君。
○寺田熊雄君 昨日に引き続きまして低レベルの放射能の処理についてお尋ねをいたすつもりでございましたけれども、きょうまた、F4戦闘機の爆撃装置をこれにつけるという問題でちょっと総理の御答弁が明瞭を欠くようであります。これは衆議院の予算審議が終了するまで執行を停止するというおつもりなのか。もしそうとすると、予算はなるほど衆議院の方が先議権はありますけれども、しかし、参議院もやはり同等の立場でこの審議に当たるのでありますからして、参議院の審議を全くネグレクトしてこの問題を処理しようというのはいかがなものでしょうか。参議院軽視につながるように思います。総理の御見解をお伺いいたします。
○国務大臣(鈴木善幸君) F4ファントムの試験的な改修予算の取り扱いの問題でございますが、これは、衆議院におきましてこの問題をめぐりまして議事が紛叫をし、中断するという異常な事態に逢着をいたしまして、理事会その他いろいろお話し合いを願いまして事態の収拾に努力いたしました結果、あのような結論に落ちつきまして審議の再開の運びに相なったわけでございます。 この問題につきまして、きのう矢田部さんから私に対しまして、参議院の立場としての御意見がございました。その際にお答えをしたのでありますが、政府といたしましては御承知のようにこの予算は、契約によって執行ということに相なるわけでございますが、現在まだ契約に至っておりません。つきましては、御審議もいただきまして御理解をいただき、そして予算も議決、決定をしておることでもございますので、政府としては一日も早くこれを執行に移したい、このように希望をいたしております。
○矢田部理君 関連。
○委員長(植木光教君) 矢田部理君の関連質疑を許します。矢田部君。
○矢田部理君 総理に対しまして、私もその点を少しくどいぐらいお聞きをしたわけでありますが、宮澤官房長官の朝のお話では、五十六年度予算を当面執行を停止する、引き続き審議、協議を衆議院でいただくということが衆議院レベルで決まりました、参議院については、まだ御要望がありませんからそうなっておりませんというお話でありましたので、総理に対して、単に参議院には協力を願うというだけではなくて、非常に重要な予算の執行上の問題でありますから、参議院レベルにおいても十分に審議を尽くす、そのことをせずして執行停止を解除しては困るという向きのお話を申し上げましたところ、総理も、参議院でも審議を願うという旨の御返事があったというふうに私は理解をしているんですが、そう受けとめてよろしいでしょうか。 と同時に、もう一つ、内容的にも私どもはこれはシビリアンコントロールの問題もある、政策変更の問題もある、あるいはその他、各大臣の言動についてもいろいろ問題にしなきゃならぬ問題がたくさんあるわけであります。本来ならば、五十六年度予算の執行の問題でありますから、当然この補正予算でもっと集中的に議論をしてしかるべきだと思いますが、経済問題も大事でありますので、私どもは序論程度のことで実は今後の審議の場を総理にも約束をいただいて、その場で本格的にやろうということで、私も問題点の提起だけできのうはとどめおいたわけでありますが、その点、総理としてこの際明確にしておいていただきたいというふうに考えるわけであります。
○国務大臣(鈴木善幸君) これは、私は率直にお答えをしておるつもりでございます。現在政府はこの予算を、契約ということを通じまして執行をいまだいたしておりません。これはもうお認めいただいておるところでございます。そしてこの問題は、いきさつは先ほど述べたとおりでございます。参議院におきましても昨日来熱心にこの問題を御審議をいただいておるわけでございますので、私は、国会においてすでに議決された五十六年度予算の問題でもございますから、一日も早く執行をしたい、こう考えておりますので、御審議をいただいて御協力をいただきたい、このように率直に申し上げておるところでございます。
○矢田部理君 その御審議という意味が——私どもはきのうきょう補正をやっているわけです。それだけではなくて、今後引き続き本予算が来るわけでありまして、五十六年度、五十七年度予算、両予算にかかわるわけでありますから、本予算の審議も十分に尽くした上でこの全体の執行問題は考えるというふうにしていただきたいと思うのでありますが、その点確約いただけますか。
○国務大臣(鈴木善幸君) 五十六年度予算は、すでに国会の議決、御承認をいただいておるわけでございまして、政府に執行権がゆだねられておる、私はこのように理解をいたしておりますが、しかし、国会でいろいろこの問題について御論議もされておりますから、そういうことを総合的に勘案をいたしましていまだこれは契約もいたしておりませんし、そして国会の御審議の模様を私ども見ておるわけでございますので、できるだけ早く御理解をいただくようにお願いをしたいというのが五十六年度予算についての態度でございます。 五十七年度予算につきましては、これはいま現に国会で御審議をいただいておりますので十分御審議をわずらわしたいと、こう思います。
○寺田熊雄君 この予算委員会の権限というのは、来年度予算の審議もさることながら、前年度の予算の執行問題を論議する権限を持っております。いまは補正の予算を審議しておりますが、私どもは本予算の段階で五十六年度予算の執行問題も五十七年度予算の審議とあわせて論議するつもりであります。ですから、その論議がまだ終わらないうちにこの重大な問題を、もうこの補正予算の段階だけで決定してしまうというのは納得できません。これはもうとうてい納得できません。
○政府委員(角田禮次郎君) 非常に厳密な意味で申し上げるのと、それから実際上の慣例的に行われている事柄について申し上げるのと若干違いがあると思います。 厳密な意味で申し上げれば、五十七年度予算というものは、今日まだ参議院で審議されていないということは事実だと思います。ただ、将来五十七年度予算が審議されるときに、そういう問題をめぐっていろいろな問題が現実に予算委員会という場で論議されるということも事実だと思います。
○寺田熊雄君 これは、衆議院と同じ扱いにしていただかなければいけません。参議院軽視というそういう御見解にはとうていくみし得ないものでありますから……。
○国務大臣(鈴木善幸君) 先ほど私はその辺をよく申し上げたつもりでございます。 この問題をめぐっての審議の中断、それの収拾、与野党の話し合い、これは衆議院の予算委員会で起こった問題でございます。これも事実でございます。そこで、参議院におきましてもこの問題に非常に関心をお持ちいただいて、昨日来重点的に御論議がなされたのも事実でございます。 そこで、政府といたしましては、五十六年度予算ですでに国会の議決、承認をいただいた案件ではございますが、まだ契約という執行段階に入っておりません。したがいまして、参議院におきましても非常に関心を持っていらっしゃるわけでございますから、御審議をいただきまして、一日も早くこれが執行ができますようにお願いをしたい、こういうことを申し上げておるところでございます。(「答弁になっていない」「質問に答えていないじゃないか」と呼ぶ者あり)
○委員長(植木光教君) 速記をとめて。 〔午前十時三十九分速記中止〕 〔午前十一時十六分速記開始〕
○委員長(植木光教君) 速記を起こして。 鈴木総理大臣。
○国務大臣(鈴木善幸君) 防衛庁予算の執行にかかわる問題でございますから、防衛庁長官から御答弁を申し上げます。
○国務大臣(伊藤宗一郎君) お答えをいたします。 F4試改修に係る五十六年度予算は執行を停止しておりますが、引き続き御審議をいただき、政府としては一日も早く執行されることを希望いたします。
○寺田熊雄君 昨日に引き続きまして、低レベル放射能廃棄物の処理の問題をお尋ねをいたします。 地中処分については昭和五十年代半ばから実証試験を行うとありますが、これはどうなっておりますか。
○政府委員(小松国男君) お答え申し上げます。 昨日御答弁申し上げましたように、現在は地上施設において貯蔵するということにしておりますが、今後は地中処分についてもその方向で検討をしたいということで、五十六年度以降から五十九年ぐらいにかけまして、地中処分についての処分技術の確立、また安全性の確保のための実証のための試験その他検討を進めてまいる予定にいたしております。
○寺田熊雄君 実証試験に続いて、本格的処分予定地において試験的陸地処分を実施するということになっておりますが、この本格的処分予定地の選定はすでになされたんでしょうか。
○政府委員(小松国男君) お答え申し上げます。 まだ実証試験を続けている途上でございますので、最終的にどこの場所を選定して最終処分をするかということは決めておりません。
○寺田熊雄君 昨年の十二月からことしの二月にかけまして、財団法人原子力環境整備センターが岡山県備中町の金平鉱業株式会社山宝鉱出宝事業所において地質調査をすることとして県や町に同意を求めておりますが、これは本格的予定地とすることを前提にして試験的なものをするおつもりかどうか。現地ではどうもそういうふうに受け取っておるようです。そういうにおいを感ずると言っておりますが、どうでしょうか。
○政府委員(小松国男君) ただいまお話がございましたように、現在岡山県の川上部の金平鉱業の山宝鉱山におきまして、石灰石鉱床で地質調査、ボーリング調査その他を行うべく準備を進めて、地元との調整に入っておる段階でございます。これは、あくまでも陸地処分の中での地中処分の検討につきましての基礎データを収集するということが目的でございまして、現地において実際の処分を前提としてこれを行うということではございません。あくまでも実証試験をこの場所で行うのが適当であるということで、現在そのための調整を進めておるということでございます。
○寺田熊雄君 昨日からきょうにかけましてのあなた方の御説明を伺いますと、五十一年十月八日原子力委員会が決定いたしました放射性廃棄物対策、これの目標と大分おくれておるようですね。これを何か見直すというような話もあるようですが、そういう見直し作業は現実に行われておるんでしょうか。
○政府委員(石渡鷹雄君) お答え申し上げます。 五十一年の原子力委員会決定の目標といいますか、当時のスケジュールから若干ずれているということは事実でございます。ただ、方向としては何も変わりがございませんで、その基本的方針の実際化と申しますか、高レベル、低レベルそれぞれにつきまして、より具体的な検討を進めているというのが現状でございます。
○寺田熊雄君 見直し作業が行われているかどうか。
○政府委員(石渡鷹雄君) 見直しという意味ではございませんで、五十一年十月の委員会決定は基本的な方針、考え方を決めたものでございまして、その具体化ということで検討を進めているということでございます。
○寺田熊雄君 ちょっと委員長、失礼します。(資料を手渡す) 河本長官は一月二十日、生産性本部の春闘セミナーで、当面の政策課題と題して特別講演をなさったそうですが、内需の回復振興には根本的な政策が必要だと思うと、可処分所得をふやすためには年俸所得をふやすこと、所得税などの公的負担を小さくすること、物価を安定させることの三つが肝要である、こういう一遍の趣旨で講演をなさったという報道がありますが、間違いございませんか。
○国務大臣(河本敏夫君) 大体そういう趣旨の講演をいたしました。
○寺田熊雄君 これは私も全くそのとおりだと思うのですが、ただ、日経連の労働問題研究所ですか、これの報告によりますと、国全体の平均賃金上昇率を国民経済の実質生産性上昇率の範囲内にとどめねばホームメードインフレが出るんだ、そういう立場で賃金決定をしなさいと、こういう議論を展開しておるようでありますが、たとえば五十五年度一年をとりましてもGNPの実質成長率というのは二・六であります。就業者増加率が二・五である。そうすると全体の賃上げ率というのは〇・一%になってしまう。これはもう物価の上昇が五十五年は七・八%であります、消費者物価上昇率。ところが国全体の賃上げ率は〇・一%、こういうようなことではとうてい消費を拡大し内需中心の日本経済を確立するなんということはとても不可能なことだと思いますが、いかがでしょう。
○国務大臣(河本敏夫君) きのうも日銀総裁との間にそのテーマで議論がございましたが、私も大変興味深く拝聴しておりました。日銀総裁は、その場合には物価は上昇しないものと、そういう前提条件のもとでの議論じゃありませんかと、こういう趣旨のことを言っておられたように私も聞いたのでございます。 それはさておきまして、生産性の向上という概念に私はいま二つあると思うんです。日経連あたりで言っておられます生産性の向上というのは、実質成長率から就業者の伸びを引いたものを国民経済上の生産性向上と、こういう概念で呼んでおられると思います。ことしは政府の目標は五・二でございまして、就業者の増加率は一・一と想定をしておりますので、それを引きますと四・一%とこういう数字になりますが、それを生産性の向上と呼んでおられるわけでありますが、それは国民経済上の私は概念だと思うんです。 生産性本部あたりで言っております生産性の向上というのは、労働生産性という立場から議論をしておりまして、概念が違うように思います。個個の企業がベースアップをいたします場合には、これは国民経済上の概念でベースアップの基準を決めるということよりも、むしろ個々の企業の労働生産性を基礎にして判断をするのではなかろうかと、このように思います。
○寺田熊雄君 労働大臣の御所見いかがでしょうか。
○国務大臣(初村滝一郎君) お答えいたします。 日経連の方の労働問題研究委員会の報告の中で、国全体の平均賃金上昇率を国民経済の実質生産性上昇率の範囲内でとどめるべきであるという
○寺田熊雄君 もうちょっと大きな声で。
○国務大臣(初村滝一郎君) 労働問題研究委員会報告の中で、先生おっしゃるとおりに、国全体の平均賃金上昇率を国民経済の実質生産性上昇率の範囲内でとどめるべきであるというような見解を述べております。 賃金問題はあくまでも労使の交渉で決める問題であって、これについて私どもが政府として意見を述べることは控えたい。あくまでも労使交渉のもとに円満な解決をやってもらいたいというのが私の見解でございます。 いま経済企画庁長官から五・二%の五十七年度の経済成長率、これに雇用者の就業の一・一%増、これを引いた四・一というような計算をやっておりますが、こういうことについて、私どもはやはり日経連は日経連の立場からの計算であろうかと思いますので、こういうことについて意見を挟む余地はありません。そういうことで御了解を願いたいと思います。
○寺田熊雄君 すでに確定した数字が出ておりますのは五十五年度ですから五十五年度を基準にとってみますと、先ほど申し上げたように、国民経済生産性伸び率というのは二・六である、それから雇用者の増加率が二・五である、これを日経連の言うごとく引いてしまうと〇・一にすぎない。しかし実際の賃上げは、民間主要産業の賃上げ率は七・六八である。人勧も五・二三、これは定昇を含まないで五・二三であった。しかし、インフレは起きるどころか物価は安定していた、こういう結果があります。したがって、いかに日経連のこういう計算が宣伝のための宣伝であって実際的な価値がないものかということがおわかりいただけると思うんです。 この日経連のこういう数字は宣伝のためである、こういう宣伝をすることによって労働者、国民を巻き込んで賃上げを抑制することを目的とするものである、プロパガンダの有効性の問題だというようなことを、これは東京経済大学教授の川辺平八郎氏がこういう批判をしております。これは経済企画庁長官どういうふうにお考えでしょうか。
○国務大臣(河本敏夫君) 政府といたしましては、先ほど労働大臣からも答弁がございましたが、賃金交渉につきましては労使の間で決定をしていただく、政府はそれに対しては介入をしない、意見は言わない、こういう態度を堅持しておりますので、日経連の出しておられますいろんな資料に対しまして批判を加えるという、そういう立場にはございません。政府としてやらなければならぬ課題は、景気をよくして労働生産性を高める、そして不況業種をなくしてすべての業種が利益が得られるような、そういう状態をつくり上げまして、そして労使交渉が円滑に進むような、そういう背景をつくる、これが私どもの務めであると考えております。
○寺田熊雄君 まあ河本長官のお考えの点は、先ほど最初にお尋ねして、これは生産性本部で講演をなさった、それと変わりないというお話でありましたので、それはそれとして結構だと思うんですけれども、何かきょうの新聞ですか、長官と大蔵大臣のお二方の間で、景気を浮揚するために五十七年度の公共事業を前倒しするほかはないというふうに意見が一致したというような新聞記事もございましたけれども、これはそういうふうに大体お二方の御意見が一致したんでしょうか。
○国務大臣(河本敏夫君) 五十六年度も御案内のようにある程度公共事業の前倒しをしております。五十七年度予算編成に際しましても、私と大蔵大臣とでいろいろ意見交換をいたしました結果、五十七年度も引き続いて公共事業の前倒しをすることが必要でなかろうか、具体的な内容については適当な時期に相談をいたしましょうとこういうことになっております。
○寺田熊雄君 ただ、それはやはり何といいますか、ケインズ流の手法で、一時しのぎのもので、つまりECやアメリカなどが非常に日本に希望している経済の基本構造ですか、それをやっぱり内需中心の、外需に依存しない内需中心の経済で日本経済のかじをとるべきであるという、それを実現するためにはどうしても雇用者所得を増加させて、その購買力をふやしていく……
○委員長(植木光教君) 寺田君、時間が参りました。
○寺田熊雄君 はい。 かつてルーズベルトが国民労働関係法、ワグナー法で冒頭にそれをうたった、やっぱりああいう考え方でいかないといけないように思いますが、これを大蔵大臣とそれから経済企画庁長官、お二方にちょっとその点の御意見を求めて質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(河本敏夫君) 内需をどうすれば拡大できるかということにつきましては、これは幾つかの課題があろうかと思うんです。消費の拡大が必要ですし、住宅もやっぱり計画どおり進まなければならぬと思います。それから民間の設備投資も、やはりこれもある程度伸びなければならぬと考えております。公共事業ももちろんある程度の量が必要だと、こう思っておりますが、やはり一番大きな課題はこの消費と住宅でなかろうか、こう思います。そのためにはやはり国民のふところが豊かにならなければならない、特に実質可処分所得がふえなければならぬ、こういう課題がございます。 さて、その実質可処分所得がふえるのにはどういう課題があるかということになりますと、私がこういう講演をしておるではないかというお話がございましたが、三つの課題があろうかと思うんです。しかしそれを、どうしてそういう状態を実現するかということにつきましては問題が非常に多うございますので、これはまた別の問題であろうと、こう思っております。
○国務大値(渡辺美智雄君) ただいま企画庁長官からお話があったようなことを中心にして、今後も具体的に検討をいたします。
○委員長(植木光教君) 以上で寺田熊雄君の質疑は終了いたしました。(拍手) 午後零時四十分まで休憩いたします。 午前十一時三十七分休憩 —————・————— 午後零時四十一分開会
○委員長(植木光教君) 予算委員会を再開いたします。 昭和五十六年度補正予算三案を一括して議題とし、これより大川清幸君の質疑を行います。大川君。
○大川清幸君 あらかじめ御通告を申し上げました質問に入る前に一、二所見をお伺いいたしたいと思います。 先ほどもちょっと混乱をいたしましたが、F4戦闘機の試改修の予算の扱いの問題でございますけれども、まず第一点として、議会で議決をされた予算の執行にかかわる規定については財政法で決まっておると思いますが、財政法上これはどういうことになりますか。
○政府委員(松下康雄君) 財政法上、まず予算が成立いたしますというと、内閣は、国会の議決いたされましたところに従って、各省各庁の長に対してその執行の責めに任すべき歳入歳出予算、継続費及び国庫債務負担行為を配賦することとされてございます。財政法三十一条でございます。したがいまして、その執行は各省各庁の長の権限と責任において行われることになるわけでございます。
○大川清幸君 そうしますと扱いについて、今回の執行停止についてはどういう解釈ですか。
○政府委員(松下康雄君) 予算の執行の停止につきましては、財政法上には特段の規定はございません。ただ、一般に各省各庁の権限と責任によりまして所管の予算を国会の議決に従って執行するということでございますので、その判断の中の一つの事実行為として一時その執行を見合わせるということがあるものと考えます。
○大川清幸君 そこでお伺いをいたしますが、今回のこの執行停止の措置ですね、これについては今回限りの扱いですか、それとも国会でこういう扱いが一回成立していますから今後ルール化するつもりですか。国政にかかわる重要な問題ないしは防衛の重要な問題にかかわる問題です。このことについてはどういう御解釈なんですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) こういうことは異例のことでございます。
○大川清幸君 異例なことはわかっています。ですから、今回限りで終わりの措置ですか。こういう措置をとって国会で事実行為としてこれは一応認めたことになりますけれども、法律上の解釈で言うとしり抜けなんですよ、いま答弁あったように。シビリアンコントロールの中に入る入らないの問題は別としまして、そのほかの重大な問題と関連して考えてみますと、これはこのままでなし崩しで時間がたったら終わりじゃ困るんですよ。審議はすると言っていらっしゃいますから、扱いはそれで、今回はこれでいいでしょう。こういう問題についての扱いについては今後ルール化するという解釈でよろしいんですね。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 異例の措置ということは、ルール化はしないということであります。
○大川清幸君 それではそういう御答弁で、後々これは国政にかかわる重大問題で、いまの答弁だとこれからもめますよ、また、統一見解をお出しになった方がいいんじゃないですか。総理どうですか。
○国務大臣(鈴木善幸君) 私は、いま申し上げたようなことでございまして、特別に統一見解を出す必要はない、こう考えます。
○大川清幸君 それでは、この問題は今回限りということで、この論議はまた後でひとつすることにいたします。 次にもう一つ、通告をしてない問題ですが、これは社会不安にもつながる重要な問題でございますので……。 けさほど報道されております電電公社札幌データ電信施設所の主任技師、これが前後三回にわたつてコンピューターのデータを盗んで百三十三万円を引き出したという事件でございます。これは責任ある立場の人がやった犯罪なので、銀行のオンラインの悪用、いままでも幾つか出ておりますけれども、今後もこれは社会的には大変重要な問題になるので、これに対する対処の仕方は早くしておいた方がよろしいと思いますが、御見解を伺っておきます。
○国務大臣(箕輪登君) まことに遺憾な事件だと考えております。 先生御承知のとおり、データ通信というのは、いままだ犯罪の手口は的確につかんでおりませんけれども、こういうことをやろうと思えば理論的にはできるのであります。しかし、公社の職員は通信の秘密を守ることを知っているはずであります。その他人の秘密を盗んで、それを逆用して犯罪を起こした、まことに遺憾なことであります。特にいまやデータ通信自由化の時代に入らんとしているときであります。こういう事件が起きたことは本当に残念でたまりません。厳正に対処していきたいと思っております。
○大川清幸君 総理、この件については御感想はございますか。
○国務大臣(鈴木善幸君) これからデータ通信が大きな経済的、社会的な役割りを果たさなければならない重要な時期に当たりまして、こういう悪質な事件が発生いたしましたことはまことに遺憾に存じます。ただいま郵政大臣から申し上げましたように、厳重に調査をし措置をしたい、こう考えております。
○大川清幸君 それでは次に補正予算にかかわる質問を続けたいと思いますが、五十六年度財政再建元年、これは政府の統一見解という認識でよろしいですね。
○国務大臣(渡辺美智雄君) そう言っております。
○大川清幸君 そう言っておられるそうですが、この補正予算の説明の第一の「総説」の中に、いままでもさんざん論議になったんですが、経費がよけい出ることについては災害等があったこと、これは納得いたします。災害等があってこれは補正をしなければならないことはわかります。しかし、特例公債三千七百五十億、これを発行する一つの原因になったやっぱり租税、印紙税の収入の減ですね、このことについての説明は「物価の予想以上の安定等により減収が避けられない見通しとなった」、これだけの説明なんです。この説明書だけじゃなくて、補正予算説明、提案理由のときも大蔵大臣これだけしかおっしゃらない。大変これは粗雑な説明の仕方だと思うんですよ。もう少し正確に説明してもらわないと、これは経済の専門家が聞いても、大蔵大臣どういう理由で説明したんだろうということになりますよ。これ説明し直す必要があると思いますが、どうですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 物価の予想外の安定という例示的な言葉を使ったわけでございますが、安定の原因は何なんだと。安定の原因というのは、一つには、それはかなり消費節約という運動が一般にも徹底したとも言えるでしょう。そのことは裏返しに言えば、消費の減退を招いたとも言えるでしょう。それはまた、景気の立ち直りにブレーキになったということも言えるでしょう。いろんな見方がございます。ございますが、そういうようなものの中で予想外——われわれが予想したのは、卸売物価が平均四・一ぐらい、消費者物価が五・五ぐらいのことを当初予想したわけでございますが、それが卸売物価に至っては半分以下というような値上がり率ということで、非常に意外だというように感じたものでございますから、そういうようなものを例示的に申し上げて説明をしたわけでございます。
○大川清幸君 それは消費者物価や卸売物価は予想以上に鎮静をした。まあそれは数字の上で言えば、これが減収につながる一つの要素ではありますよ。だけれど、再建元年の補正予算の説明で、赤字公債まで出しておいてこれだけで片づけるというのは、これは国民をなめた説明の仕方ですよ。経済政策の失敗だとかなんとか、きのうからも議論がありました。その点も率直に認めるのはなかなか立場上むずかしいでしょうけれども、この原因の主なものを一つじゃなく二つぐらい挙げて、国民が聞いても経済学者が聞いてもなるほどなあと、税収の見込みはそういうことで狂ったのかという説明をしないとこれはいかぬと思うんですよ。どうなんですか。
○政府委員(福田幸弘君) お答えします。 補正減をお願いしておる理由でございますが、物価の安定というのは確かにございます。これが物価に関係いたします税目のところでは大きく影響してまいります。 その関係をまず申し上げますと、物品税のところでクーラーとか自動車等が、これがやはり御存じのように物品税、従価税でございますので、蔵出し価格が安定いたしますと、その価格の面からやはり税収が伸び悩むということがございます。それから印紙収入というのも、これは階級定額ということで、金額が多いと高い印紙を張りますので、物価がその分安定しますとそれで落ちつくということがございます。それに加えて、取引形態の変化がございますけれども、そういうことでこの辺は御説明をおきます。それから石油税の方でございますが、これは国際的な価格の安定というようなことに加えまして、輸入数量の減というのが入ってきます。これは国内の消費を節約をしておるということの両面から来ております。 そういうことで、物価の関係がやはり影響をいたしておる部分が大きいということがございますが、源泉のところで、これは一人当たり雇用者所得を七・五から実績見込み六・二と見直しがございましたが、これは大きな法人ですと春闘で上がったのでしょうが、物価が安定しておりますと、中小のところではなかなか上げつらいという環境があるというようなことも間接に影響します。だから、物価のところがどこまでが物価というのは問題でございますけれども、やはりその回復のおくれというのもうらはらに読めるわけでございますけれども、両面から、その物価の安定というのが一方においては回復のおくれということにも正直言って一体になっておるというのが、正直な感じでございます。
○大川清幸君 ところで、この租税・印紙収入の減額補正四千五百二十四億円ですが、きのうの大蔵大臣の御答弁、なかなかおもしろいことをおっしゃっておりまして、まあ事実だからそのとおりなんですけれども、当初の税収の見込みなんというのは大体当たらないのがあたりまえみたいな答弁をなさいましたね、きのう大蔵大臣。ここで大きい声でおっしゃったんだ。これは新聞の統計でも、四十年から五十五年まで大体当たってないんですよ。それは認めます。しかし、今度は補正、これだけ下方修正しましたね。今後、決算期までの見通しは、きのうの答弁ではほぼできるだろうと言っているんですよ。その方の予想は大丈夫なんですね、それじゃ。
○政府委員(福田幸弘君) 専門的な見積もりを税目ごとにやっていますので私から答弁させてもらいます。 振れが確かにございます。ちょっと御質問から外れるかもしれませんが、四十八年でプラス二〇で、しかしこの反動が五十年でマイナス二〇となっております。そういうことでございますし、五十二年ではこれは決算調整資金ということで、こういう振れがあっては困るという、やはりオイルショックの影響を考えて、決算調整資金及びその他の歳入欠陥措置が制度的に設けられたわけです。そこでやはりマイナス五%。その次の五十三年度は、三月決算を取り込むという年度区分の改正というやり方で二兆円を処理しておるわけです。これはマイナス一〇%なんですね。ですから、この一〇%は、次の五十四年度でプラス一〇%と反対に振れておるのですね。だから二〇、二〇が上下、さらに一〇、一〇という上下の振れが二回あった。そういう後を受けての、経済環境のもとでの見通しですから、非常に困難であるということは御承知願いたいと思うのです。これは特に法人税が中心になっておるということはきのう申し上げたのです。法人税は日本の場合三分の一を占めておるというわけで、ヨーロッパでは一〇%以下なんですね。そういう非常に法人税依存型で、しかも年度区分で取り込んでおるというのが振れが大きいということでございますので、諸外国でもやはり収支じりのところでは差額が出てきます。正直言って非常に読みづらい環境のもとで最善の努力をいたしておりますので、われわれとしてはいまのところ、補正後の数字という以外の数字は置けないということでございます。決算がどうなるかは経済及び企業の決算次第であるということでありますが、われわれ現段階ではこれ以外の数字は見込めないということでございます。
○大川清幸君 いま御答弁ありましたが、そうするとあれですか、補正後の税収については、きのうの答弁でもほぼできるだろうという大蔵大臣の答弁、それからそれに関連して、総理大臣も大きな狂いはないと思うとおっしゃっています。この御答弁をそのまま受け取りますと、再補正の必要は全くないということでよろしいんですね。
○政府委員(福田幸弘君) 再三私から申しわけございませんが、税収の見通しというのは非常に専門的でございますので、これは政治的な判断というよりも行政的な見積もりでございますので、申しわけないのですが御答弁を続けさせてもらいます。 これは先ほどから申し上げておりますように、いまの段階で限られた資料でいろんな制度の制約下では、これ以外の数字が何が正しいかということは考えられませんので、予算の見積もりとしてはこの数字がわれわれとしては適切なものであると、こう考えておるということで御了解願いたいと、こう思います。
○大川清幸君 それでは、大蔵大臣たびたびお手数ですが、昨年の十月二十一日、昨年ですよ、秋です、当時の安倍自民党政調会長、それから金丸衆議院行財政改革特別委員長の方々と会合した際に、なかなか予想はむずかしいとおっしゃっているんですが、五十六年度の予算ですが、六千億から二兆四千億の、何というんですか、税収不足が見込まれそうだというような話があって、最悪の事態になりそうだというようなお話をしているのが報道されているんですよ。それで、今回専門家がはじき出して四千五百二十四億の下方修正したんですけれども、そのときの発言と今回の補正と考え合わせてみますと、やはり念のため伺っておくんですが、再補正は必要ないんですね。
○国務大臣(渡辺美智雄君) これはどこでそういう話になったのか知りませんが、ここで言っている話が正しい話でございます。いろんな見積もり方がございますけれども、やはり大蔵省には主税局というのがあって、専門家が何十人がおって、最新鋭の機械を駆使してやっておるわけですから、大蔵大臣としてはそういうようなものの結果を尊重するというのは当然でございます。したがって、目下再補正の必要はないと、そう思っております。
○大川清幸君 それで、もう一回確認しますが、十月二十一日の六千億から二兆四千億の税収の低調ぶり、税収不足の最悪の上限に達するような見込みだということをおっしゃっているんですが、そういう見解をお持ちになったことがあるんじゃないですか。違うんですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 原典はどこですか、出典は。(大川君資料を手渡す)これは記者会見したわけでもないし、新聞がいろんなものの伝聞のまた伝聞、それを集めて書いたような解説記事のようにお見受けいたします。したがって、この中身について私は責任を負わされても困ります。
○大川清幸君 いや、責任のことなんか言ってない。予想が立たない、よく予想を立てる……
○政府委員(福田幸弘君) 委員長。
○委員長(植木光教君) 答弁を求めておりません。 大川君。
○大川清幸君 委員長、何か答弁あるそうです。お願いします。
○政府委員(福田幸弘君) ちょっと失礼しましたが、いまの御質問の時点は十月の終わりでございますか、そのころはわれわれ見積もりをやっておる最中でございまして、十月末及び——むしろそれより以降、十一月から十二月の時点で見積もりをやります。そういう意味で、その時点では非常にわかりづらい、法人税では二割しか入っていません。全体の税収も三五しか入ってない、そういう時点でございますので、いろんな意見はあったと思いますが、われわれの判断としては四千五百二十四億落とした方が正直であると。財政民主主義から言えば、むしろここではっきり出して、いままでの実績で出ている部分をお示しするということで大臣とも御相談したというわけであります。
○大川清幸君 それでは先ほどもちょっと一部説明があったんですが、具体的に各項目について伺いますが、まず物品税です。これは対前年比で千八百八十億の増収を見込んでおりました、法改正も含めて。今回一千七十億の減収補正です。先ほど物価が鎮静していたいきさつについての税収の減の説明はほぼ承わったんですが、これは進捗率五〇%。十二月実績で小型冷蔵庫などを中心に大分いいようではありますけれども、四月から十二月までの累計実績で言うと六・二%の増にしかすぎない。進捗率五〇%。これは年度の税収として見通しはどうですか。取引の状況等もわかればあわせて報告願いたい。
○政府委員(福田幸弘君) お答えいたします。 物品税でございますが、補正減は先ほど申し上げたようなことで立てたわけですが、六・二というのが十二月まで、今後五〇%伸びなきゃいけない、こういうことになります。伸び率は徐々に上がっていまして、十二月がいま発表している最新のものですが、二一%というところで、ずっと上向きになってきています。これは九月ごろまでは横ばいだったわけですから、この角度の問題であろうと思うのです。ルームクーラー、冷蔵庫、これも在庫がはけたという問題から九月までは昨年の半分程度、九月は昨年の半分程度しか伸びてなかった。へこんでおった。それが十月は一五三・五、十一月一九一・七という在庫の一掃後の売れ行きがあらわれております。出荷面であらわれています。これが続けばと思うわけでありますが、冷蔵庫も同じく十一月一四三、小型乗用車もこれは九月−十二月の新車の登録が二けた程度で続いています。十二月足踏みが気になっています。それから新規課税物品のVTR等が十月蔵出し分から課税になりますから、一月分税収から入ってくる。そういうことで新規課税分もございますし、その辺のモデルチェンジ等による新しい物品がどういうふうに在庫一掃後にはけていくか、この辺はわりにいい数字が続きますけれども、いずれにしましても、これは見込みでございますが、われわれとしてはこの数字を期待しておるということであります。
○大川清幸君 同じ性格の問題として印紙税ですね。これも四千三百九十億、法改正分含めてこれだけ増収を見込んでおりましたが、今回の補正予算で九百九十億の減です。十二月実績、これは大分、前年比で四七・三%で持ち直している感じはいたしますが、四月から十二月までで四〇%、ほぼいいところかなと思いますが、進捗率が六四・七%ですね。これは不動産その他の物件なんかも動かないし、どうも経済の状況も低調なようです。印紙税もなかなか見通しむずかしいと思うんですが、六四・七%、これから先の見通しについて一応伺っておきましょう。
○政府委員(福田幸弘君) お答えします。 印紙税でございますが、これが十二月末で一四〇伸びております。今後、一九二の伸びという数字になるわけでございますが、補正減を立てた理由は御説明したとおりでございます。これは二倍の増税をやっておりますので、その二倍の増税が正直に表に出るかという問題が一つかかっています。いままでのところ、取引形態の変化という問題が低迷の理由の一つにあったような気がいたします。この辺、取引が今後どうなるかという問題の一方において、執行面でその把握体制を整備すると。印紙税については、いままで十分でなかった面もありますし、増税に伴う租税回避が合法的であればよろしいのですが、その辺の対応を十分にやっていくということもあわせ行って予算額の達成——これはしかし達成と言いましても、あくまで租税法律主義でございますので、課税強化というのじゃなくて、適正化ということで心がけたい、こう思っています。
○大川清幸君 いずれにしても、これは経済の動向によってだから、目標率が達成できるかどうか大変頭が痛いですね、大蔵大臣、これ。 次に、所得税に関連して伺います。 所得税の中の源泉所得税千二百八十九億の、これも減額補正になっているということ。大蔵省の発表された昨年十二月の税収実績ですが、十二月で前年同月比で一六・四%、四月から十二月までの累計で一五・一%、当初の予想から見ると大変低いわけですね。進捗率六二%ですから、これから三月期決算の法人まで入れてどうなるかということがありますけれども、この見通しは大変厳しいんじゃないかと思うんですが、どうですか。当初の目標達成というか、補正、修正した後の目標達成は困難でしょう。どうなんです。
○政府委員(福田幸弘君) お答えします。 源泉所得税の御質問でございますが、源泉には給与のほか利子配当があるということでございます。まず主力をなすのは当然源泉所得税、給与の関係であります。御質問の点全体を踏まえますと、源泉所得税で十二月末の伸びは一一五・一ということで、今後一五・二という数字でございます。進捗率が六二・八ということでございますが、補正減の理由は給与所得にかかわる源泉所得税の伸び悩みということで、企画庁の方の一人当たり雇用者所得の当初七・五が見込み六・二でございますから、そのままそれを年間通じて直しておる、年度を通じて。 今後の問題でございますが、これは直しましたので、この辺はわりにあく抜けしておるわけですが、今後のところの判断の資料で所定外の労働時間が——まあいいところだけ拾うわけじゃありませんが、最近増加傾向というので昨年よりは上回っておるわけで、四月から八月までは下回っておりましたので、この辺が一つの指標でございます。 それから、賃金の伸びも最近上昇傾向ということで、十月は四・七、これは民間給与の前年同期比ですが、十一月五・九、十二月速報六・七ということで、賃金の伸びの上昇、これが続けばと思います。 十二月税収は一一六・四ということで、従来にないいい数字でございます。それまでは一〇という台の数字が三カ見続きました。それに剰余金減税をやったわけですが、そういうことで、あと配当を会社がどうやるかという問題も絡んでいます。それを含めまして源泉がどう推移するか、この辺は今後の賃金動向及びその辺の企業の配当動向が関係しますけれども、補正をいたしますので、この数字を期待しておるということでございます。
○大川清幸君 ところで、源泉所得のいま御説明あったんですけれども、もっと心配なのは申告所得税の方なんですよ。この方がよけい状況厳しいんじゃないかと思いますが、これは前年対比で六千九百億円の増額を見込んでおったわけですな、当初は。今回、補正で八十五億減額補正なさっています。十二月の実績では四・五%の増、四月から十二月までの実績で六・四%ということです。これは進捗率も非常に悪くて三四・六%です。状況は非常に悪い。しかも源泉税と違って、これは申告所得税というと捕捉が大変むずかしい。しかもこの中には、論議になっておりますように、中小企業、小規模企業というのが多いんですよ。これは後に触れる法人税のところでもちょっと立て分けて報告願えればしていただきたいと思っておりますが、中小企業が悪いことは御承知のとおりです。これは八十五億ばかりの減額補正で十分なんですね。どうなんでしょう。
○政府委員(福田幸弘君) お答え申し上げます。 申告所得税でございますが、これはいままでの数字が異常な数字であるということをお含み願いたいと思うんです。これは不振でございました五十五年分の確定申告、昨年の三月の確定申告が低かったということでございまして、これを申告納税額の伸びで見ますと、昨年度は、五十五年は八%しか伸びておりません。これはいろんな要因があったと思うんですが、その前の年は二六%、その前の年は二八%、それが八に落ちましたその低い水準をベースにします予定納税でございますので、いままで低く出ております。 で、その数字は、これはわれわれは予測としては余り利用することができない。今後一三五・三、いままでが一〇六・四でございますので、非常に問題に見えますけれども、いままでが低いということ、これは五十五年のペースで予定納税をやってきたということでありますから、三月税収がどうなるかということにかかわるわけであります。これは中小とその辺の比較はできませんが、中小的な感じが税収面ではございます。それは個人所得でございますので、中小の下の方の感じとよく似ますが、この三五・三といいますのは、いまのような年税額の昨年の低さというのがありますので、今後この差額としてあらわれるというふうに期待するわけで、その数字としては、五十四年は三〇・二とか、五十年には二六・二とか、四十八年には七〇、四十七年は四八とか、いろいろ数字がございまして、この辺そういう姿としては今後の申告にかかるという気がします。三期分の納税の収入割合は六〇%ですから、そこにかかっております。 いずれにしましても、歳入が心配があるからといって課税強化を、割当て課税としてやるということは邪道で避けなければいけません。われわれは心配はございますが、租税法律主義というのを守って適正に課税をやるということに徹したいと、こう思っております。
○大川清幸君 それでは、ここまで聞いてまた戻ることにしましょうか。 次に法人税、これも論議になりました。これも十二月で前年同月比で六・六%、十二月までの累計でマイナス〇・二%。この数字に間違いないでしょうな。
○政府委員(福田幸弘君) お答えします。 十二月末で九九・八です。それから所要伸び率が一三〇・四ということでございます。
○大川清幸君 そこで、昨年の予算委員会のときにも大蔵大臣に言ったら、これは大変そっけない答弁だったんです。法人税一律二%アップで、やっぱり中小企業、小規模企業には過酷じゃないんですかと言ったら、そんなことないみたいなことをおっしゃったんですが、中小企業の状況の悪いことを見ると、やっぱりそのとおりじゃないんですか、どうなんですか。
○政府委員(福田幸弘君) お答えします。 中小企業と大法人の関係はなかなか読みづらいところでございますが、大法人の数字似、これは十一月二三・〇、十二月二八・四、最近の数字もこの傾向が続いています。大法人がいいということは言えると思います。それから中小は、いままでのところは一〇〇ぐらいで横ばいであるということでございますので、これが大法人の関係でのいろんな関連で中小は強くなっていくことを期待する。大体大法人がよくなって中小がよくなるという感じが従来ございますけれども、今後の推移にかかってきます。
○大川清幸君 これは民間調査のデータの報告が二月十日に載っておりましたが、ことし一月の一千万円以上の負債を抱えて倒産した企業の件数が一千二百三十九件で、これは五十二年、五十六年に次いで史上三番目だというような報道があったんですが、こういう実態を見ますと、景気の動向等から見て、どんな御感想を持たれますか。
○政府委員(福田幸弘君) 法人の動向を倒産からおっしゃっていると思うんですが、われわれも倒産の数字は見ますが、倒産の件数はいまのところ横ばい、むしろ負債金額もいままでよりは落ちついておるという感じがございます。むしろ倒産があっても法人数はふえておるというような問題もありまして、むしろ問題は、法人の中で赤字法人が半分というのがそのまま続いておるというところに問題があるという着目はいたしております。
○大川清幸君 ところで、中小企業対策や景気刺激策等について、昨日のその問答のやりとりでも、経済企画庁長官は景気刺激策なり中小企業対策なりについて、何か三つ項目を挙げてお答えになりましたね、材料だけ。これは何でしたか、可処分所得と住宅と公共事業とかとおっしゃったでしょう。
○国務大臣(河本敏夫君) ちょっともう一回おっしゃってください。
○大川清幸君 景気を浮揚する対策とかあるいは中小企業対策等のことで同僚議員が質問したときに、こういうことができますよと、三項目ここで御答弁なさったんですよ。
○国務大臣(河本敏夫君) 内需を拡大するという話だと思いますが、内需を拡大するためには、まず消費が伸びることが第一だと思います。それから住宅、それから設備投資。これは大企業と中小企業と二つに分かれます。それから公共事業の関係。それと貿易の拡大均衡。こういうことが柱だと思います。
○大川清幸君 住宅あるいは消費の拡大、それから設備投資、公共事業。きのうも材料だけ挙げてあとの御説明がなかったんです。公共事業は、政府の指導によって前倒しでも何でも幾らかの効果を出すことはできますよ。あのとき三つ言っているんです。可処分所得とか住宅建設とか公共事業とか、こうおっしゃったんですよ。公共事業の方は効果を上げる方法があることはわかりますから、これはお聞きしなくて結構です。 住宅は大体建つんですか。これが一つ。大変状況は困難ですよ。 もう一つ、可処分所得をふやすとか、これはここでおとぎ話されちゃ困るんですよ。減税やらないと総理も大蔵大臣もがんばっているのに、可処分所得をふやす方法はどういう手法なんですか。これは言った以上説明してもらわぬと困りますよ。
○国務大臣(河本敏夫君) 可処分所得をふやす方法は三つあると思いますが、一つは物価の安定でございます。所得がふえても物価が安定いたしませんと、これはもうどうにもなりませんので、物価の安定が大前提だと思います。それと、根っこの所得がやっぱりある程度ふえる必要があろうかと思います。それからまた公的負担が非常に重いということになりますと、これも可処分所得がふえません。 可処分所得を増加させる方法としては三つしかないと思いますが、さてこれをどう具体化するかということになりますと、非常にまたむずかしい問題になりまして、別の問題だと思います。
○大川清幸君 どうも別の問題——別の問題ですかね、これ。なかなか答弁むずかしいということだと思うんです。このことに余りこだわっていてもいけませんが、どっちにしてもこれは税収にかかわる問題でもあって、景気浮揚策なり何なりきわめて困難なようですな。 先ほども聞いたんですけれども、再補正の必要については何にもおっしゃらないんですが、中小企業対策についてはいろいろ融資その地やっておられるんですけれども、ここで何か名案といってもなかなかむずかしいんでしょうが、いかがです、長官。
○国務大臣(河本敏夫君) 可処分所得をどうふやすかということは、これは幾ら考えても三つしかないわけでありますが、そのうち物価の方は引き続いて安定基調を維持しております。五十七年度消費者物価四・七と想定をしておりますから、しかしそれ以下におさまるように引き続いて努力を続けるつもりでございます。五十六年度も当初の目標よりも一%近く低くおさまっておりますので、できるだけ低い水準に安定をさせたいと、こう思っております。 あとの二つの問題につきましては、これはなかなか問題が多うございまして、一概に結論は出せないと、こう思います。
○大川清幸君 それは可処分所得の内容を充実するためには、いまおっしゃったとおりの条件があると思うんですよ。物価の安定は大事なんですよね。予想以上に安定するとまた減収のことで大蔵大臣、ぐあいが悪いらしいですよ。 それからもう一つ聞いておきますが、国際貿易市場で、アメリカも金利を下げないし、円安の影響はまだ続きそうなんじゃないですか。国内の物価に影響がいずれ出てきますよ。その見通しはどう考えているんですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 御指摘のように、アメリカの高金利が続くというようなことから、円安が続けばそれは何らかの影響は避けられない、そう思っております。
○大川清幸君 それでは税収の問題については、最後にもう一回くどいようですが、念を押します。 いま幾つかずっと税収の項目について聞いてきたんですよ。専門家が洗い直していろいろ言ったけれども、やっぱり見込みだから確定的なことは言えないのは私も承知なんですよ。大変厳しいようですね、お互いに聞いていても。それでもきのうも論議しているから細かいことまでは言いませんけれども、決算調整資金だとか国債整理基金の借入だとか、いろいろ手法は事務レベルであります。それでおっつけで始末がつけばいいんですけれども、大変な穴があく。ぼくは責任問題までとやかく言うつもりはありませんけれども、これは財政、予算のあり方として形だけでも問題ですよね。 それでももう一回聞いておきます。再補正の必要は全くないんですか。それともはっきりこの点は言えませんか、どうですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) それはすれすれのところでいけるというように期待をいたしております。
○大川清幸君 すれすれのところでいけると。これは記録に残っていますからね。 ところで、次に既定経費についてお伺いをいたします。 この予算委員会に提出していただいた資料です。これによりますと、五十五年度で節約額と不用額合わせて七百三十八億幾ら、約七百四十億ですね、このときに出たやつが。今年度、五十六年度の補正が六百億五千万です。金額が余り総体的で、節約額が多いとか少ないとか、金額で私はいい悪いの評価をしようとは思っていないですが、大変厳しい予算編成の態度でお臨みになったんですが、まあ百億違いますけれども、余り節約額が変わらなかったんじゃないですか、総体的に見て。大蔵大臣、どんな感想をお持ちですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) それは五十六年度予算の編成に当たりましては、一つは経費の縮減、合理化、一部は増税というような形で編成をしたものですから、いままで従来よりも経費に緩みがなかったということも言えるだろうと存じます。
○大川清幸君 それじゃ、全体のことで言っていると論議が雲をつかむみたいだから、なお伺います。 この資料によりますと、私の調べでは、不用額の方は五十四年が六百二十億で、五十五年が五百四十億、約ですよ。今年度が不用額で二百五十三億。これはだんだん縮まってきているから、当初予算の張りつけでそれだけ厳しくやったんだろうなと、数字の上から言うと解釈できるんですよ。ところが、節約額の方は、昭和五十四年が約百二十億です。それから五十五年が約二百億というか、百九十七億です。五十六年度三百四十六億だ。とても大きいんですよ。節約だから金額のでかい方が節約したように見えます。だけれど厳しい予算編成でいろいろ一けた成長か何かでおやりになるこの五十六年度ですけれどね、こんなに出たというのは当初の張りつけ方が甘かったんじゃないですか。どうですか。
○政府委員(松下康雄君) 五十六年度予算の実行に当たりましては、非常に財政、財源事情が厳しい、つまり税の自然増収が期待できないという状態のもとで、やはり追加の財政事情というのは相当の額に達するだろうというふうに見込んでおりましたので、例年よりも早い時期から各省庁に協力を呼びかけまして、補正の必要が生じた場合にひとつ各省庁も自省の予算をよく見直して節約すべきところは十分節約をしていただきたいということをお願いをして、御協力を得て、この節約額をできるだけ多く計上をしたのでございます。
○大川清幸君 節約額を多く計上したことは結構ですと言っているんです。だけれど予算編成の段階で一この表を見てくださいよ。大蔵省と郵政省は総額で言っても減っている、前年度から見たら。五十六年度当初の張りつけ方は相当厳しくやったんだろうと思うんですよ。ほかの省庁を見てください、節約額と不用額でほぼ倍からひどいところ三倍ですよ。予算編成のときの姿勢を私はもう少し考え直してもらいたいから言っているんです。節約額がでかければいいという問題じゃないじゃないですか。どうですか。
○政府委員(松下康雄君) 当初予算の編成に当たりましては、五十六年度予算は国債減額を実現するために一般歳出の増加を極力抑制をしようということで、一般歳出の増加全体は四・三%の伸びにとどめてございます。前年度予算もそれまでの年に比べれば非常に抑制をいたしましたけれども、たしか五・二%程度の伸びでございました。そういう意味では全体といたしましては、極力経費の節減に努力をしまして、経費の増加というのを抑えるという姿勢はとってございました。その後の執行についてさらにもう一段の節約をお願いした次第でございます。
○大川清幸君 前年度の予算の額の伸び率や何かのことを聞いても何にもならないんですよ。これは過ぎたことだからしようがないんですが、五十七年度、五十八年度、心してもらいたいので言っているんですからね。予算編成のときに考えてやらないと、従来の慣例でふくらんだのをそのまままたくっつけられたんじゃ困るんです。ゼロシーリングや何かで厳しく洗い直してやると大蔵大臣言っているんだから。 ちょっと具体的な問題でもう少し伺いましょうか、それじゃ。 この一般会計の使途別表で見ますと、旅費と物件費に限ってみましょうか。五十四年度、これは当初予算に比べて節約した部分の数字になるんですが、六億九百万ですね、旅費。五十五年度十一億六千四百万、五十六年度十三億九千万。これはこの間に旅費が毎年上がっていますから、国鉄さんが赤字なので、その中でこれだけに抑制してきたということは、旅費の方では予算を張りつけるときに大分がっちりやったんで、旅費の値上げがあるにもかかわらず余りふくらまないし、出てきた数字は少ないと思うんです、節約額ですよ。ところが、物件費で言うと五十四年度四十六億九千百万円、五十五年度はブラス百二十二億九千三百万円でふえちゃった。今年度は前年度でふえた分ぐらい、同じぐらい今度は百二十三億三百万円削っている。五十五年度ふくらんだのをこっちへ持ってきて、ここでまた予算のつじつまが合わないから節約の減額をした、これ操作したみたいに意地の悪い言い方すると見えるんですけれども、単年度で予算編成やって張りつけやるからあれですが、物件費なんというのは各省庁で、どの仕事、どのような物件がどのくらい要るかぐらいは、綿密にやれば各省庁でこれ承知しているはずなんです。洗い直せば一番節約できる分野だと思いますよ。こんなにふくらんじゃって、またことし節約したって本当は節約じゃないんです、前年度と比較すると。物件費の扱いについてはどういうようなチェックをなさったんですか、予算編成時で。
○政府委員(松下康雄君) 各省庁の経費の中で行政官庁が日常の事務を行いますために必要な、いわゆる一般行政経費は、その中に旅費、物件費等が含まれてございますけれども、これにつきましては、たしか五十二年度以来総額をふやさないという方針のもとに全体を抑制を続けてまいっているところでございます。 ただいまお示しの数字は、ちょっと計数から判断いたしまして一般行政経費の問題以外の政策的な諸行政経費の内容であると存じますけれども、ちょっと私の方でいま数字の突き合わせをやっておりますので、その内容につきましての御説明はしばらくお待ちをいただきたいと思います。
○大川清幸君 とにかく、財政的にも大変問題があるので、こうした経費の節約等についても、もう少し中身についても厳しい態度で今後臨んでいただきたいと思いますが、大蔵大臣の所見を伺います。
○国務大臣(渡辺美智雄君) ただいま主計局長からお話がありましたように、庁費等は数年間据え置いているわけですから、その間の物価の値上がりというようなものを考えれば実質的には二十数%、三〇%近い実は節約になっているわけです。しかし、こういう財政事情でございますから、今後とも一層節約できるものについては節約させる方向で努力をしてまいります。
○大川清幸君 時間がありませんので、それでは、節約分の中でちょっと伺っておきますが、職員の諸手当を削減なさったですね。大変な努力だったろうと思います、評価してもいいんですが。大体職員なんというのは定数や事務事業の量なんかからいって一番細かく査定できるところですね。これ削っちゃって職員の士気なんかに影響ないですか、大丈夫ですか。
○政府委員(松下康雄君) 御指摘のございました職員諸手当の減額につきましては、五十六年度に特殊の事情があったわけでございます。それは人事院勧告の実施に当たりまして基本給の方はおおむね勧告どおりの引き上げを行いましたけれども、御承知のように期末、勤勉手当につきましては前年度同額にこれを据え置くということでございます。予算上は給与改善費の一%分が職員諸手当の中にも同じように一%含まれてございますので、その部分が不用になってまいったわけでございます。 ただ、御指摘のように、人件費といえども、やはり当初の予算でいたずらに多くを見込むべきではない、やはり年度内の各省庁の人事管理の計画をよくお伺いをしまして、必要最小限度の査定にすべきものだということで今後とも努力してまいりたいと思います。
○大川清幸君 時間がなくなりましたが、不用額の中でちょっと一、二聞いておきます。農林省関係ですが、このいただいた資料の百七十九ページの農林一次産品共通基金出資金十五億余でございますが、当初予算でそっくり今度は減額で削ってあります。これは国際金融公社等の関係もあるんでしょうが、当初の事情それから削られた根拠をお願いいたします。
○政府委員(加藤隆司君) 日本が昨年の六月に批准書を寄託したわけでございますが、協定の成立要件、百六十三カ国の中で九十カ国が批准書を寄託しませんと成立いたしません。五十六年度に関しましては成立する見込みがなかったものですから不用にいたしまして、五十七年度でまた再計上をさせていただいております。
○大川清幸君 それでは時間がなくなりましたから、補正予算のことは残っていますが残念ながら次の機会に譲りまして、きょう大阪高裁の判決で、これは総理御承知だと思いますけれども、大阪三区の有権者の方々が一票の重みの格差について訴訟をなさっておりまして、きょうの一時ちょっと過ぎの法廷の判決で、まあこの判決は選挙の平等の立場から言えば、憲法で保障されているその立場から言うと違憲である、違反であるということが一つ、ただし選挙の無効の訴訟についてはこれはできないと、従来どおりに——いままで幾つかありましたよね。五十一年、五十三年、五十五年、こういうふうに最高裁での判決あるいは東京高裁での判決があった。今回大阪で全く同じような判決が出ました。違憲であることについてはこれはずっと一致をしておるようです。定数の格差については国民のやっぱり……
○委員長(植木光教君) 大川君、時間が参りました。
○大川清幸君 はい。 主権にかかわる問題でございますので、この判決に関係をいたしまして所見を伺っておきたいと思いますが、いかがでしょう。
○国務大臣(鈴木善幸君) まだ御指摘の高裁の判決、私つぶさに承知いたしておりませんが、この問題はかねてから提起されておる問題でございまして、定数の問題は選挙区制の問題その他定員の問題いろいろ絡んでまいります。十分政府におきましても検討を進めてまいりたいと、こう思ってます。
○大川清幸君 終わります。
○委員長(植木光教君) 以上で大川清幸君の質疑は終了いたしました。(拍手) —————————————
○委員長(植木光教君) 次に、佐藤昭夫君の質疑を行います。佐藤君。
○佐藤昭夫君 最初にF4ファントム問題について幾つか質問をいたしますが、まず総理にお尋ねをいたします。 中川長官が、総理が知らぬでは済まぬということを発言をして新聞でも報道されておりますが、私もそうだと思うんです。閣内からのこういった発言について、まず総理の見解をお聞きしたい。
○国務大臣(鈴木善幸君) F4ファントムの問題につきましては、防衛庁当局から当時私に対する報告の内容は、代表的な一機を試験的に改修をいたしたいと、その結果うまくいけばほぼ十年ぐらい耐用年数が延びるのではないか、延命できるのではないかということが第一点。第二点は戦闘機として機能が向上できる、こういうことで試改修をやりたいと、その結果によりまして、将来それを大量に改修をするということになれば、これはもとより総理の御判断も仰がなければならないし、また国防会議にも諮るべき事項と心得ておりますと、こういう報告を受けたことがございます。私は、その際に爆撃装置がどうだとか、そういうような技術的なことはございませんでしたが、防衛庁長官のいわば責任と権限において行われるべき事柄でございますが、それを防衛庁当局から私に、いま申し上げた程度の報告があったと、こういうことであって、私は防衛庁当局としてもその判断は間違いがなかったと、このように承知をいたしております。
○佐藤昭夫君 私がまずお尋ねをしたのは、中川長官が閣内で、総理がよく知らぬというのはおかしいという発言をしておられる、このことについての総理の意見はどうかと。
○国務大臣(鈴木善幸君) 私が申し上げておるのは、いま申し上げたようなことは承知をしておると、こういうことでございます。
○佐藤昭夫君 しからばお尋ねをいたしますが、総理は知らなかったと、段階があったというふうにいまもみずから言っておられるわけですけれども、具体的には何を知らなかったんですか。
○国務大臣(鈴木善幸君) いまF4の試改修に当たって搭載をするF15と同じような装備、それをやるということは聞いておりましたが、それによって爆撃装置がどのような機能を持つのか、どうなるのかと、そういうような技術的な細部にわたっては説明もなかったし、私からも質問をしなかったと、それはしたがって承知しておりません。
○佐藤昭夫君 重大な問題ですけれども、しからば、その後いつどういう内容を総理としては把握をされたんですか。
○国務大臣(鈴木善幸君) それは、今回国会におきまして四十三年当時の増田防衛庁長官と国会における御審議の模様等が審議の過程において明らかになりましてから、私は防衛庁当局を呼びまして詳細に内容の説明を受けたと、こういうことでございます。
○佐藤昭夫君 国会での審議が始まってから事の重大性に気づいて防衛庁側から報告を求めて把握をしたという、この御説明であったかと思うんですけれども。そこで一体この装備の改修をやるというわけですけれども、どういう目的のためにその装備の改修をやるんですか——いや総理、詳しく聞いたと言うんでしょう。
○国務大臣(伊藤宗一郎君) いろいろ情勢も変わってまいりましたし、ファントムの命数を十年以上延ばしてみたいと。そのためには、昭和六十年代の前半から後半にかけて使用されることになりますので、その辺の情勢も考えまして能力アップをしたい。それから行政改革の折からでもございますので、できるだけ費用を少なくして日本の防衛に全きを期したいと。そういう意味からもこの試改修が成功すれば大体一機十億円程度でりっぱな航空機、戦闘機として使用されるということでございますので、それらを目指しながらとりあえず一機だけ試改修の予算を五十六年度に計上させていただいて、これを国会でお認めいただいたというのがいままでの事情でございます。
○佐藤昭夫君 いま三つの目的を言われましたが、果たしてそれだけですか。
○政府委員(塩田章君) 改めて今度の試改修の目標、目的を申し上げます。 まず第一点は、寿命の延長という問題であります。御承知のように、現在のファントムは三千時間ということで決められておりますが、これを私たちのいまの予定、推測によりますと二千時間程度延長できるではないかという見込みがございますので、これを今回の試改修に当たりまして、まず第一の目標として二千時間程度の延長を図りたい。そうしますと、約年数にしまして十年程度の延長になります。そうしますと、第二の大きな目標といたしまして約十年間延長するとすれば、その間の飛行機の使用は古い形のまま、あるいは古い能力のままの飛行機ということになりますと余り延長した意味もなくなりますから、やはり能力アップということを図って、その上で延長をいたしたいと、こういうことで能力アップということを考えたわけであります。その能力アップの具体的な内容といたしましては、これもやはり大きくは二つに分かれるかと思いますが、一つは低位目標対処能力でございます。これは主としてレーダーの問題でございますが、現在のファントムは自分よりも低いところを飛んでおる、特に超低空で行動をしておる飛行機に対しましてそれを捕捉する力が劣っております。したがいまして、これを超低空で飛んでおる飛行機を捕捉する能力をアップしたいと、これが第一点であります。 それから第二点は、戦闘能力のアップでございますが、これもさらに分けますと、一つは搭載するミサイル類の強化、拡大ということが一つあります。それは現在もスパローなりあるいはサイドワインダーを積んでおりますけれども、これを一番新しいサイドワインダー、スパローに切りかえるということと、それからわが国で開発いたしましたASM1空対艦ミサイルの採用ということを考えております。それからそれはいまはミサイルの関係でございますが、そのほかに戦闘能力向上のためにセントラルコンピューターを採用いたします関係で、セントラルコンピューターがいま言ったミサイル類の計測ができるばかりでなくて、地上を攻撃する能力におきましても、爆弾の投下に関しまして現在はパイロットの自分の判断による攻撃しかできないのに対しまして、今度のコンピューターは爆撃をコンピューターによって計算することができますので、その点は地上爆撃能力がアップされます。以上戦闘力のアップということを申し上げました。そのほかに、いま大きな点というほどではないかもしれませんけれども、元来の飛行機の航法の性能アップ、管制航法能力でございますが、そういったものにつきましても現在の機器がもうすでに古うございますので、新しい機器にかえていきたいというふうに考えている。以上が主な内容でございます。
○佐藤昭夫君 戦闘能力の向上の一つとしてASM1と触れられましたが、その内容をもっと具体的に説明してください。
○政府委員(和田裕君) お答え申し上げます。 これは基本的には空対艦に用いられるものでございまして、速度につきましては遷音速——音速の非常に高い領域でございます。それから重量は六百キログラム、全長が約四メートルで、太さが四十センチのものでございます。誘導方式は、まず管制誘導をいたしまして、最後の終末走路はレーダーホーミングというふうになっております。射程につきましては秘密ということでございますが、常識的に言いまして数十キロ程度というふうにお考えいただきたいと思います。
○佐藤昭夫君 総理にお尋ねいたしますが、いま防衛庁側からこの改修の目的、これについていろいろありましたけれども、これらの目的については総理としても全面的に把握、承認をしておられますか。
○国務大臣(鈴木善幸君) 先ほども御答弁申し上げたように、五十六年度予算の編成当時におきましては、お答えをした程度のことを私報告を受けて了解を与えておるわけであります。本来、こういう代表機一機程度の試験的な改修等の問題は、これは防衛庁長官の責任、権限でやれる範囲のことなんでございまして、しかし、防衛庁長官は私に先ほど申し上げたような程度の報告はしておったと、こういうことで承知をいたしております。
○佐藤昭夫君 私は、ASM1の問題については非常に重大な問題点があるというふうに考えるのでありますが、もう少しほかの角度からひとつ全般的に御質問をしておいて続けたいと思います。 政府は、今回の改修はすでに国会で承認を得ているF15と同じ装備だから問題はないというふうにしきりに言っているわけでありますが、これはきわめて国民を欺くものだと私は思うんです。 今回のF4ファントムの改修は、昭和四十七年のFX選定の際の政府見解、また五十三年三月四日の政府統一見解さえ踏みにじるやり方ではないか。当時、御存じのとおり、資料としてもお手元にお配りをしておりますので、ごらんをいただいたら、私が提示をしております資料の三枚目、四枚目、会議録を載せておりますが、特にその四枚目、そこで「同機の行動半径の長さを勘案すればいわゆる「爆撃装置」を施したままでは他国に侵略的、攻撃的脅威を与えるようなものとの誤解を生じかねないとの配慮の下に、同機には同装置を施さないこととしたところであり、この点は、昭和四十七年十一月七日の衆議院予算委員会において政府見解として述べたとおりである。」というふうに防衛局長も明確に述べておられるわけでありますけれども、ところが、今回ファントムにこの爆撃装置をつけるということになればどうなるかという問題について、続けてその会議録にも書いてありますように、「F−15は、F−1はもちろん、F−4に比しても行動半径が長いが、先に述べたように、要撃性能に主眼がおかれた戦闘機であって、そのとう載装置からみても、他国に侵略的、攻撃的脅威を与えるようなものではなく、また、F−4の場合のような配慮を要するものでもない」、こういう言い方で、言うならばF15の導入を図ってきたわけですね。ところが今日、F15と変わりがないからF4のこの改修というのは問題がないのだというのは、この当時の政府統一見解に照らしても重大な矛盾じゃないか。論理的にも矛盾じゃないか。しかも、内容について言えば、これを勝手に踏みにじっていくというきわめて不当な措置じゃないかというふうに思わざるを得ないんですが、総理、どうですか。政府を代表しての見解でしょう。
○政府委員(塩田章君) いまお読み上げになりました議事録でございますが、確かに読み上げられたとおり、終わりの方で「また、F−4の場合のような配慮を要するものでもないと考えている。」と書いてございます。そこの点を御指摘になっているのだろうと思いますが、ここで言っておりますことは、F4の場合、つまり昭和四十三年にFXを採用するかどうかということで大分議論がありまして、結果はF4になったわけですが、その場合に、当時増田長官初めいろいろな方の発言がございまして、結局F4になったときに、実際に採用するに当たって爆撃装置等を外したわけです。そのときの場合のような配慮をする必要はないと、こういうふうにここで述べておられまして、F15のときにはそういう配慮をする必要はない。しかし、これはあくまでも四十二年にF4を採用するに当たっての議論を踏まえて当時のようなそういう配慮する必要はない、こういう発言であろうというふうに私は思います。
○佐藤昭夫君 私が言っているのは、F15を導入するときに、このF15はF4のような攻撃性を持ったそういう装置はつけておらぬから、これは問題はございませんということでこう言ってきた。そのことに、歴史的経緯に照らして今回の政府の論法というのは、F15と同じ装置をつけるのであるから問題はありませんというふうに言っているわけですね。これが重大な論理矛盾じゃないかという点については何も答弁がないので、再答弁を求めます。
○政府委員(塩田章君) F4を採用した当時にああいう議論があって、他国に侵略的、攻撃的脅威を与えるかもしれないそういうような爆撃装置を施したものは採用しない、持たないということを言明いたしまして、その後実際にF4と決まりまして、当時のF4の能力から見て、当時F4が持っておったあの専用の爆撃装置というものは、先ほど言いました、他国に侵略的、攻撃的脅威を与えるという誤解を生ずるおそれがあるということで外したわけであります。そのことをF4の場合いまして、そういう配慮はF15の場合に必要がない。F15の内容から見て、他国にそういう脅威を与えるようなおそれがある場合として外さにゃいかぬという判断をする必要がないというふうに述べたのが先ほど先生の御指摘になった議事録の内容だろうと思います。ですから私が申し上げておることは少しも矛盾していないと思います。
○佐藤昭夫君 総理の答弁を求めます。政府の責任者の総理。
○国務大臣(鈴木善幸君) 装備の技術的な問題でございまして、いま防衛局長から御説明を申し上げたとおりであると考えております。
○佐藤昭夫君 決して技術的な問題じゃないんです。日本の憲法、同時にまた、この憲法が基礎になりながらのいわゆる防衛力整備についての政府の今日までとってきている政府方針、これに照らしての重大なこの変更にもなりかねないような解釈の変化が出てきている。事は重大だから、政府の責任者である総理の答弁をはっきり求めたいと思っているのに、技術的問題ということで矮小化されることには断じて反対です。答弁を求めます。総理。
○国務大臣(伊藤宗一郎君) 総理からも再三御答弁がありましたとおり、今回の試みの改修によりまして今後F4ファントムが付随的に爆撃機能を向上することとなりましても、これはかってF4から取り外した専用の爆撃計算装置や、ブルパップ空対地誘導弾及び核爆撃のための装置を保有するものではなく、また最近における軍事技術の発達により、同機の相対的な能力低下を考慮すれば、F15の場合と同様、他国に、侵略的、攻撃的脅威を与えるという誤解を生ずるおそれはないものであると考えております。
○佐藤昭夫君 総理、総理の答弁。 さっき言いました理由で、事は重大問題であるので、政府責任者の総理の答弁を再度求めます。
○国務大臣(鈴木善幸君) まず第一点といたしましては、他国に対して攻撃的、侵略的な脅威を与えるような装備は持たない。これは専守防衛に徹するというわが国の基本的防衛政策から言って、一貫して堅持しておるところでございます。この大方針は変わっていない。 そこで第二の問題は、そのような装備の改良、改装等でそういういまの大方針に抵触するかどうかという装備の問題になるわけでございますから、いま防衛庁当局からその説明をさしておると、こういうことでございます。
○佐藤昭夫君 総理は事の重大性の御認識がないというふうに考えざるを得ないわけですけれども、それならば角度を変えて聞きましょう。 昭和四十三年、F4ファントムの採用に当たって、先ほど来話が出ていますけれども、何を外したんですか。
○政府委員(塩田章君) 外したものは爆弾投下用計算装置、核管制装置及びブルパップ誘導制御装置、この三つでございます。
○佐藤昭夫君 そこで、今回F4の改修に当たって新たにつけ加える装備として、前段の御答弁でASM1、これを装備するんだということが言われておるわけですけれども、これの機能はどういう機能ですか。
○政府委員(和田裕君) 先ほど申し上げたとおりでございまして、ASM1というのは飛行機に搭載いたしまして、その飛行機から艦艇を撃つということを基本的目的としているミサイルでございます。
○佐藤昭夫君 船を攻撃をする機能だというふうに矮小化をされていますけれども、決してそういうことではないと思うんです。船を攻撃をする能力はこれは当然、地上に対して攻撃をする能力を持つということは当然だろう。資料の一ページ目、二ページ目に出ておりますのでごらんを願いたいと思いますが、特に一ページ目の自衛隊監修の「米英略語小辞典」、その右の欄の下の方をごらんになりますとASMというのがある。これは空対地ミサイルですね。すなわち地上攻撃、これを目標、目的とするミサイル。紛れもなくこういうミサイルが今度のF4に新たに装備をされるという重大な問題ではないか。F15と同じだから問題がないというこの論法は通らないと思うんですが、どうですか。
○政府委員(和田裕君) いまいただきました資料を見てまいりまして、確かにASMのところにエア・ツー・サーフェス・ミサイルと書いてございますが、先生も御存じかと思いますが、サーフェスというのは地表面だけではございませんで、海洋の表面、要するに地球の表面になっておりますものは全部サーフェスというふうに言っております。これはほかのところでもそういう用語がございます。したがいまして、地上であるということには当然にはならないわけであります。それが第一点でございます。 それから、(発言する者あり)ちょっと待ってください。その点はこれから申し上げます。
○委員長(植木光教君) 傍聴者の発言は慎んでください。
○政府委員(和田裕君) それで、ASM1の方は、これまで艦艇を攻撃するためのものということで開発しておりまして、そのように使っておりまして、これまで地上目標を対象にして試験をしたということはございません。そういう事実がございます。 この二つから明瞭だと思います。
○佐藤昭夫君 ただいまの答弁でも、地上を除く部分に対しての攻撃能力という説明では何一つないわけです。地上を含めての攻撃能力を持つということがますますいまの答弁でも明瞭になってきた。事柄は重大じゃないか。 で、私が言っているのは、F15と同じですと、こういう論法は通らないと言っているんですから、答えてください。
○政府委員(塩田章君) ASM1につきましては、いま装備局長がお答えしたとおりですが、それが先生のお尋ねは地上にも攻撃できるじゃないかというお尋ねのようでございますが、残念ながらといいますか、それはできないんです。 なぜできないかと申しますと、あのミサイルは対地上のレーダーを持っておりません。海の上のレーダーと地上のレーダーとは性能が全然違いますから、あのミサイルは船を攻撃するために開発したミサイルでございまして、そのための能力は持っておりますけれども、地上を攻撃するには、そのための能力を持っておりません。
○佐藤昭夫君 そういうごまかしを言っても、ずっとごまかしを重ねてきたんですから、私どもとしては、ああそうですかということで承知するわけにはいかぬ。 そうしたならば、このASM1についての性能並びに設計図、こういったものを国会へ資料として提出てきますか。
○政府委員(和田裕君) ASM1につきましては、わが国が開発いたしました非常に独自のミサイルでございまして、これについての詳細の内容を外に出すということは、これは秘密の問題がございまして、できないと思います。
○佐藤昭夫君 そうすれば、いまのこの政府の説明についても信頼ができないじゃないですか、うそばかりついてきたんですから。 重大なことは、この昭和四十三年の方針で取り去った爆撃計算装置を、これを復活させるということにとどまらず、ブルパップ対地誘導弾制御装置、これも事実上の復活をさせる、そういう方向でASM1が入ると、こういうことになってきているのは明確だと思うんです。 こうなれば、いよいよもって今日までの政府が言ってきた政府方針に照らしても事は重大。こういった点で、こういう計画は断じてやめてもらいたいというふうに重ねて要求しますが、総理、どうですか。
○国務大臣(鈴木善幸君) いま御説明を申し上げたことであり、また他国に対して攻撃的、侵略的な装備とわれわれは考えておりませんし、国会の御承認もいただいておることでありますから、これを取りやめるということは考えておりません。
○佐藤昭夫君 政府は、試験的な改修だから総理への報告や国会の承認は不要だというふうに言っておりますが、以上のようなF4の機能の重大な変更、これは試験的改修としてごまかすことができるような問題ではないと思うんです。しかも、もうすでに引き続いて音機程度の改修計画の方針が立てられている。こういう点から言っても、こういう政府の論法、これは撤回をしてもらいたいというふうに思うが、どうですか。
○政府委員(塩田章君) 先ほどのお尋ねにも関連いたしましてもう一度申し上げますが、先生いまF4の当時の爆撃能力及びブルパップの実質的復活ではないかという意味のお尋ねでございましたが、きのうもお答えいたしましたけれども、今度の爆撃装置といいますのは、かつてのF4が採用する以前に持っておったような専用のものではなくて、F15が持っておりますように付随的な、言うなればワンポイント攻撃といいますか、現在パイロットによって勘によって爆弾を落としている、それを計算できる能力があるので、これが計算できることになるということを申し上げておるだけで、従前のように連続自動爆撃といったような専用の爆撃装置ではございません。 それから、ブルパップと今度の、いま御指摘のASM1とが、あたかもそれが復活であるかのごとくおっしゃっておられるようでございますけれども、このブルパップは、御承知のように地上を攻撃するミサイルでございまして、それだけのレーダーも持ち、それだけの性能を持ったものでありまして、かつ核、非核両用のものであったわけでございます。そういうものを私ども復活するということは全然考えておりません。 それから試改修に当たりまして、すでにもう百機という計画もあるではないかという点の御指摘でございますが、私どもこれがうまくいけば、確かに現在持っておるファントムにつきまして、費用対効果という点を考えながら、わが国の防衛力整備上効果があると判断されましたら計画を進めていきたいと思っておりますけれども、現在の時点で具体的にどうこうするという前の、まだ試改修をやりたいという段階でございます。
○佐藤昭夫君 いろいろ言われましても、それを裏づける証拠を国会へ提示がない限り私どもは信頼するわけにはまいりません。総理は、今後ともシビリアンコントロールを貫くというふうに言っておられますが、制服から総理への報告、国防会議での検討がやられればそれで事足れりという、そういう問題ではないんです。最も重要なことは、国会へすべての資料が提出され、審議を尽くす、これがシビリアンコントロールの根本問題である。こうした点で、今回のF4改修の内容、目的、これを国会へ隠してきたことについて、しからばここで明確に謝罪をしていただきたいと思うんです、総理。
○国務大臣(鈴木善幸君) この防衛の問題、この問題は国政の中でも非常に重要な問題であり、わが国の憲法並びに専守防衛、さらに非核三原則というような大きな制約の中で、防衛力を必要最小限度に整備しようということでございますので、もういままでこの防衛の問題につきましては、日本の国会ほど——真剣に御検討をいただいたし、また政府としてもできるだけの御説明も申し上げてきておるところでございまして、国会は国権の最高機関として、このシビリアンコントロールの面におきましても一番重要なとりでであるというぐあいに私は考えておりますので、今後とも国会で十分に御説明も申し上げ、御理解とまた御承認を得ながら進めてまいりたいと、こう考えております。
○佐藤昭夫君 中川科技庁長官の衆議院予算委員会欠席をめぐる昨日の同僚委員の質問に対する答弁は、全く反省の色がないというふうに私聞きました。トイレで退席をしたと言っても、わざわざ二階の部屋へ出入りする必要は全くない。大臣としての委員会出席の義務放棄ではないかと思うんですが、中川長官は明確にこの国会に対して謝罪をされたい。総理としてもしかるべき処分を行ってもらいたいと思うが、見解をお尋ねをします。
○国務大臣(中川一郎君) 委員会に国務大臣の出席は大事でありますから、当日出席しておったわけでありますし、ただ、生理現象で採決に若干おくれた。入り口まで来たことも事実でございまして、間に合わなかったことはまことに遺憾でございます。(「なぜ二階に行った」と呼ぶ者あり)二階になぜ行ったか。三階が込んでおったからでございます。
○国務大臣(鈴木善幸君) 私も中川科学技術庁長官からその当時の事情を聴取したわけでございますが、いま御本人からお話があったとおりでございまして、私も了承いたしておるところでございます。
○佐藤昭夫君 それでは次の質問に移りますが、ロッキード疑獄にとどまらず、従前から土地転がし等の田中金脈問題は国民の大きな批判の的となってきました。最近また、田中ファミリー企業の、建設業法もじゅうりんしての公共事業独占の問題が重大化をしています。 質問しますが、道路公団、昭和五十四年度発注の北陸自動車道大積パーキングエリア休憩施設新築工事、関越自動車道の小出職員宿舎新築工事について一括下請違反で処分されたというが、その処分内容、処分の理由を御説明を願いたいと思います。
○参考人(高橋国一郎君) お答え申し上げます。 北陸自動車道大積パーキングエリア休憩施設新築工事は、昭和五十四年九月十日、東急建設株式会社と一億七千四百万円で契約しています。東急建設株式会社は、この工事の下請負として東北電気工事株式会社ほか四社に合計六千九百八十二万円を下請させたいという旨の下請負承認願を提出いたしまして、私ども日本道路公団では審査の結果承諾したわけでございまして、工事は昭和五十五年九月二十八日に完了しております。 しかるに、その後の調査によりますというと、元請人である東急建設株式会社は、工事のほとんど大部分を公団の承諾なしに株式会社吉原組に下請負に出していることが明らかになりましたので、これは私どもの工事請負契約書第七条一これは一括下請負の禁止でございますが、この項目に違反しておりますので、指名停止処分としまして二カ月、また下詩人の株式会社吉原組は、元請人から工事のほとんどを請け負ったこと、これは私どもの公団の有資格業者でございますので、有資格業者として不誠実な行為であるということで指名停止二カ月の処置をしております。 また次に、関越自動車道小出職員宿舎新築工事は、昭和五十四年三月二十日、大木建設株式会社と二億三千百五十万円で契約しております。大木建設株式会社は、この工事の下請人としまして、先ほどの株式会社吉原組ほか九社に合計一億一千五百八十五万円を下請負させたいということで、私どもの方に下請承諾願等を提出いたしまして、審査の結果、公団の承認を得て工事は昭和五十四年十月十六日に完了しております。 ところが、この工事もその後の調査によりますというと、元請人である大木建設株式会社は、公団に提出しました株式会社吉原組に対する下請負の内容と異なる内容の工事を吉原組に下請負させておることが明らかになりました。このことは、工事請負契約書に定める手続に違反しておりますので、文書による警告、また下請負人の吉原組に対しましては口頭による注意の処置をとったわけでございます。 以上でございます。
○佐藤昭夫君 建設大臣にお尋ねいたしますが、建設省としては何か独自の調査をなさっておるのか。 いずれにしてもいま報告が出ておるようなこういう問題で建設業法に基づいてのどういう措置をとるべく準備をしておられるかお尋ねをします。
○政府委員(吉田公二君) ただいまの件につきましては、関係業者の方から事情の聴取もいたしておりますが、発注者でございます日本道路公団が処分をいたしました。 私どものところへまだ正式に報告は来ておりませんが、道路公団のきちっとした報告書をもらいまして、その上で建設業法上適正な処分をいたしたいと思っております。
○佐藤昭夫君 公団にお尋ねをしますが、まだ建設省に報告をしていないというのは、その理由はなぜか。 それから、その他のケースでこうした一括下請のこの種事例ですね、事犯、そういうものがないのかお尋ねします。
○参考人(高橋国一郎君) ただいまの処分につきましては、建設省当局に口頭での御説明はもうすでに済んでいるはずでございます。ただ、文書による報告がおくれているのではないかと存じます。 二つ目の御質問のこの種の事犯がほかにあるかどうかということでございますが、現在のところ私どもの耳にはそういうことは入っておりません。もしあるとしますれば、調査いたしまして処置したいというふうに考えております。
○佐藤昭夫君 私の資料三枚目をごらんを願いたいと思いますが、同じく北陸自動車道の関係で、パーキングエリア売店新築工事をめぐって同様の一括下請の問題が発生をしておるということで、ほかにもこういう例はあるわけですね。ぜひ公団並びに建設省としてこういった問題をよく調査をして、しかるべき措置をとってもらいたいと思うんですがどうですか。
○政府委員(吉田公二君) パーキングエリアにつきましての一括下請の疑いにつきましては、事情を調べたところそうしたケースに当たる可能性がございます。したがいまして、道路施設協会の方の調査を十分受けまして、これにつきましても対処をしてまいりたい、かように考えております。
○参考人(高橋国一郎君) ただいまのサービスエリアの件につきましては、恐らく先生がおっしゃっていますのは道路施設協会の件かと存じますが、これは監督官庁でございます建設省で調査するということのいまの答弁でございます。 その他、もしございますならば、私どもの方についても調査をいたしましてしかるべく処置したいというふうに考えております。
○佐藤昭夫君 同じく、公共事業をめぐる悪徳ぶりのもう一つの典型として、越後道路サービスの問題が重大化をしてきています。この会社は、社長が田中角榮の義弟風祭康彦、役員もほとんど田中一族で固めておるという会社であって、この会社が職員数の水増し、うその専任技術者や事務所住所のうその報告、こういう多くの虚偽の申請で許可を得てきたという重大な法律違反が明白となって、十三日には新潟県の聴聞会も開かれ、近く処分も行われると伝えられているわけでありますが、建設省としてはどのように事実を把握をしていますか。
○政府委員(吉田公二君) 越後道路サービスは、新潟県知事の許可を得て設立されておる建設業者でございますが、ただいま御指摘のような疑いにつきまして、新潟県知事におきまして立入調査及び聴聞の実施がなされております。そこで、たとえば許可を受けます際におきます技術者の問題、営業所の問題等々の点についての調査が行われているところでございます。 私どもといたしましては、知事の許可に係る業者でございまして、御指摘のように十分の調査を行い、また聴聞も行っているというところでございますので、具体的な法の適用につきましては、新潟県知事におきましてしかるべき処置をとるということで、知事の態度を見ておるところでございます。
○佐藤昭夫君 私は建設省の指導方向を尋ねておるわけでありますけれども、建設業法第四十五条には虚偽または不正の事実に基づいて許可を受けた者は、最高三年以下の懲役または三十万円以下の罰金を定めているわけでありますけれども、当然こういう法違反に伴って許可の取り消しとか営業停止とかいうのはもちろんのこと、同法第四十八条では会社役員も処罰の対象になると定めているわけでありますけれども、こうした点についての建設省の見解を尋ねたいと思います。
○政府委員(吉田公二君) 具体の法違反の実態との問題でございます。 この実態につきましては、先ほど申し上げましたように新潟県知事におきまして詳細に調査をいたしまして対処しているところでございますので、その内容を十分考えて知事が処理するものというふうに思っておりまして、その態度を見守っておるという先ほど申し上げたとおりでございます。
○佐藤昭夫君 見ているだけですか。どういう指導方向をとるのですか。
○政府委員(吉田公二君) 適正に対処するように指導しています。
○佐藤昭夫君 刑事罰の問題についての見解をお述べ下さい。
○政府委員(吉田公二君) 刑事罰の問題につきましては、本来司法当局の問題でございますが、こういったものについてどういう態度をとるかということも行政側の立場としてはあり得る問題でございますが、先ほど申しましたように一番具体に内容を調査し、実態を把握している知事の対処を見ているというところでございます。
○佐藤昭夫君 道路公団にお尋ねをいたしますが、いまいろいろ触れました越後道路サービスの悪徳ぶりにもかかわらず、去年の九月に開設をされた道路公団の長岡管理事務所管轄内のいろいろの工事、ほとんど越後道路サービスがもう独占的にそれを請け負っておるという実態を私ども把握をしているわけでありますけれども、建設業法違反が明白になった今日、道路公団としてはこのまま引き続き仕事をやらせていくということでいいのか、そこの見解を尋ねたいと思います。
○参考人(高橋国一郎君) 越後道路サービス株式会社が建設業法に違反することが明らかになった場合には、その処分の内容を検討した上で、道路公団といたしましても厳正な処置を行うつもりでございます。
○佐藤昭夫君 総理にお尋ねをいたします。 以上の事例を私挙げましたのは、田中新金脈ともいうべき悪徳行為のほんの氷山の一角であるわけですけれども、今日公共事業をめぐっての不正行為、談合問題など、非常に重大な政治問題になっておる今日、こういうことを一掃をしていくための総理の決断、総理としての指導方針、指針、こういったものをお尋ねをいたしたい。
○国務大臣(鈴木善幸君) ただいま建設省当局、道路公団等からその実態を十分調査をし、その結果によって厳正な処理をするという答弁がなされました。私はいま公共工事等をめぐりまして、いろいろな疑惑が出ており、その改革、改善ということが強く望まれておる際でもございますので、これらの問題につきましても厳正にひとつ当局として対処してもらいたい、また、今後私としても指導してまいるつもりでございます。
○佐藤昭夫君 もう一つ角度を変えてお尋ねをいたしますが、公共事業の発注については、言うまでもなく公正かつ明朗さが求められることは当然でありますが、指名競争入札における指名は、特定の業者に偏らず公正となるようどのような努力が監督官庁としてはやられていますか。
○政府委員(丸山良仁君) 建設省関係事業の発注に当たりましては、建設省の次官通達をもちまして、指名基準というのを定めております。これに基づきましてその工事に適した業者を選ぶわけでございますが、その場合には、技術的適性あるいは地理的条件あるいは経営状況等を十分勘案した上で、特定の業者に偏らないような指名をいたしているところでございます。
○佐藤昭夫君 その場合、たとえば十社の業者を指名するという場合に、資本や大事などにおいて互いに関連するような業者、こういう業者は同一の指名の中には入れないというふうに心がけられるべきだと思うんですが、その点、どうなっていますか。
○政府委員(丸山良仁君) 工事の発注に当たりまして、個々の業者について、それが同族企業であるかどうかということは、同族企業でありましても別の企業体としての活動をしているわけでございますから、基本的には、同族企業であっても指名から外すべきだということにはならないと存じます。しかしながら、やはり同一人が代表取締役をしているような場合におきましては、競争の適正化が図られがたいというおそれがあるわけでございますから、そういうような場合には十分配慮してまいりたいと考えております。
○佐藤昭夫君 それでは、具体的にお尋ねをいたしますが、八一年五月二十六日の北陸地方建設局長岡国道工事事務所が入札を行った長岡管内維持工事、この指名業者はどこになっておるか。 それから、八一年六月の九日、北陸地建本局の池ヶ島道路その三工事、この指名業者はどこになっておるか、そして、落札業者はどこになったのか、お答えを願いたいと思います。
○政府委員(丸山良仁君) 長岡管内維持工事につきましては、指名業者は長岡舗道、吉原組、松井組、越後道路サービス、大石組、長鉄工業、階建設、山崎組、丸運建設、中越道路の十社でございます。 それから、池ヶ島道路その三工事につきましては、日特建設、大旺建設、大石組、中越興業、階建設、長鉄工業、山崎組、吉原組、丸勝建設、松井組の十社でございます。 落札業者は、長岡管内維持工事につきましては長岡舗道株式会社でございます。 それから、池ヶ島道路その三工事につきましては山崎組でございます。
○佐藤昭夫君 それで、私の資料ナンバー四をごらんを願いたいと思いますけれども、そこで見ますと、いまの長岡国道工事事務所十社に対する指名が行われて、その中の六社が田中ファミリー企業であります。北陸地方建設本局の池ヶ島道路のこの工事、十社指名をして、その半分五社が田中ファミリー企業であります。こういう実態が一体どうなのか。これがまかり通っていいのかというふうに思います。 また、資料七ページをごらんください。いまずっとこの指名業者として上ってきます各会社の代表取締役また取締役、監査役、こういう役員がどういうふうに兼任をしているかという一覧表がそこにずっと出されておる。代表取締役なんかを兼ねてやっておるというのは余り好ましくないというようなことをおっしゃいましたけれども、現にそういう姿が出ているわけです。この姿をどうやって是正をしていくか、ぜひその問題の改善方法の検討を始めてもらいたいというふうに思うが、どうでしょう。
○政府委員(丸山良仁君) この資料はただいま拝見したところでございまして、このとおりであるかどうかは確認できないわけでございますが、先ほども御答弁申し上げましたように、一般的には別の企業でございますから、役員を兼ねているということで一々指名から外すということはなかなか困難だと思います、実際の問題といたしまして。しかしながら、代表取締役等を兼ねている場合にはやはり公正を害するというような問題もあるわけでございますから、指名に当たりましては配慮してまいりたいと思います。
○佐藤昭夫君 この一覧表が信用できぬと言うんだったらよく調査してくださいよ。私どもの責任を持って調べた結果がこういうことでありますから、調べれば必ずこういう状況というのが把握できるでありましょう。ぜひ問題を早く改善をするために鋭意検討を開始してもらいたいというふうに思います。 〔委員長退席、理事土屋義彦君着席〕 そこで、私は本日、一つは建設業法違反まで犯して、うそまでついて、そしていろいろの仕事の分捕りをやっておるという田中ファミリー企業、片や、この指名の中で半分以上ファミリー企業でそれをがあっと仕事を独占をしていく、こういうひどい姿、二つの事例を典型的に挙げたわけでありますけれども、これはまだまだきょう挙げています具体的事例はほんの氷山の一角だと思うんです。 わが党が調査をしたところでは、五十六年一月から十二月のこの一年間に、長岡市周辺の建設省発注の工事で、一件が一千万円以上の工事三十六件のうち、田中直系業者七社で三分の二の二十四件を請負っている、こういうことを私どもの調査ではつかんでいるわけでありますけれども、全く官民結びついて談合以上のひどいことが進行しているんじゃないかというふうに思わざるを得ないわけです。 そこで総理、ぜひ一つは、こういう実態を是正をするための必要な調査をやる、そして建設省も改善方向を検討したいと言っていますけれども、政府として早くこの事態の改善の方向、対策、こういうものの検討を政府としてぜひやってもらいたい、総理に先頭に立ってやってもらいたい、こう思うんですけれども、どうですか。
○国務大臣(鈴木善幸君) 先ほども御答弁を申し上げましたが、これはあに新潟県下の問題だけじゃなしに公共工事にかかわる公正を期する、正しい競争原理によってこの請負等が決まる、こういうような体制にしたいというのが建設省がいま取り組んでおるところでございます。私は、建設大臣を督励をして、この問題につきまして早急に改善策を講じたい、こう思っております。
○佐藤昭夫君 早急に改善策を講ずるべく検討をやりたいという、ぜひこの場限りの答弁に終わらないようにそのことを推し進めてもらいたいということを重ねて要求をしておきます。 きょう、田中ファミリー企業による公共事業の独占悪徳ぶり、こうした点を具体例としていろいろお尋ねをしたわけでありますけれども、若干の前向きの答弁もありましたけれども、まだまだ事の重大さ、深刻さ、これが十分具体的に当局が把握をしていないというふうに思わざるを得ないわけであります。
○理事(土屋義彦君) 佐藤君、時間が参りました。
○佐藤昭夫君 そこで総理、鈴木総理は鈴木内閣の最大の田中軍団を支えとし、二階堂灰色高官を幹事長に起用してはばからないという態度をとってこられたわけでありますけれども、いままたこの田中新金脈問題、これについても、もう一つ総理が先頭に立ってこの問題の改善に取り組んでいこうという姿勢が感ぜられないわけです。 そうした点で、この問題でも田中ファミリー、田中軍団による不法行為の擁護にわたるようなことは断じてないよう……
○理事(土屋義彦君) 佐藤君、時間です。
○佐藤昭夫君 ぜひともあなたの姿勢を明確にしてがんばってもらう必要がある、努力をしてもらう必要があるということを重ねて主張をして、私の質問を終わります。
○理事(土屋義彦君) 以上で佐藤昭夫君の質疑は終了いたしました。(拍手) 高橋参考人にはお忙しいところありがとうございました。御退席をいただいて結構でございます。 —————————————
○理事(土屋義彦君) 次に、栗林卓司君の質疑を行います。栗林君。
○栗林卓司君 わが党は、結党以来審議拒否をしないことをもって党是としてまいりました。しかし、わが党を含めて新自由クラブ、社民連が参加したくてもできない状況に置かれたまま、昨夜未明、衆議院予算委員会並びに本会議で補正予算の採決が行われました。この点については他の院にわたることでありますから、これ以上は触れません。ただ、そのときに審議に参加できなかったわけでありますから、わが党として明らかにできなかった問題について若干お尋ねをしたいと思います。 先ほど防衛庁長官が内閣を代表する形で、F4ファントムの試改修については現在執行停止中であるというお答えがございました。 〔理事土屋義彦君退席、委員長着席〕 そこで総理にお尋ねをしたいのでありますが、この執行停止というのは憲法とのかかわりでどういう性格のものであるのか、お示しを願いたいと思います。
○国務大臣(鈴木善幸君) 御指摘のF4ファントムの五十六年度予算、これは国庫債務負担行為で計上されておりますことは御承知のとおりでありますが、現在その執行はなされておりません。 私は、いま国会でいろいろこの問題が御審議中でございますから、審議を尽くしていただくことを希望いたしますし、なお、一日も早くこれが執行できるように希望いたしておるところでございます。
○栗林卓司君 この執行停止は、重ねてお尋ねをしますが、政府としてしたかったんですが、したくなかったんですか。その点はいかがですか。
○国務大臣(鈴木善幸君) これはせっかく国会の御承認、議決をちょうだいしたことでございますし、政府としては一日も早く執行いたしたいと考えています。
○栗林卓司君 いま総理が言われましたように、五十六年度予算の中でありますから、昨年のうちに成立がしておるわけですが、成立を見た予算案がなぜいま審議中なんでしょうか。どうお考えになりますか。
○国務大臣(鈴木善幸君) これは御承知のように五十六年度、そして引き続き五十七年度予算に継続して予算が計上される、五十七年度予算でも——いま御審議をいただいておるわけでありますか、五十六、五十七両年度にお願いしておる予算によってこれを執行したい、こういうことでございますから御審議をいただいておると、こういうことに承知しております。
○栗林卓司君 お答えになっていない気がするんでありますけれども、もともと国庫債務負担行為というのはそういう性格のものでしょう。したがって、五十七年あるいは五十八年度にわたるものを五十六年度で、五十六年度の国庫債務負担行為として両院で議決したわけですね。で、成立したものをなぜまた改めてここで審議をしているんでしょうか。それをお尋ねしたいんです。五十六年度のファントム試改修十三億というのは五十六年度の国庫負担行為として議決されたんですよ。支払いが起きるのはもっと後ですよ、もちろん、五十七年度あるいは五十八年度。しかし、国庫債務負担行為というのは後年度にわたるのは承知の上で決めるのが国庫債務負担行為なんです。したがって、F4ファントムの基本設計関連費十三億というのは審議が終わっているんです。それをなぜいま、大変失礼ですけれども、澄ました顔してただいま御審議をいただいておりますのでという御説明になるんでしょうか。
○国務大臣(鈴木善幸君) 五十七年度予算の審議に関連をして、五十六年度のこの債務負担行為で御承認いただいた問題が衆議院でも論議をされた、審議された、こういうことに承知しております。
○栗林卓司君 そうしますと、いまの御答弁を言い直しますと、五十六年度予算案は両院で議決成立をした、したがって、国としては誠実に執行する義務がある、ところが衆議院の方で何かの議論があって、そこでこの問題が再燃をし、したがって政府としては、何とか早く執行できるようにしてもらいたいものだと、こういうふうにおっしゃったんだろうと思うんですが、そういたしますと、そういう衆議院側の意向については、F4ファントムの試改修問題について現在執行停止をすることについて衆議院に議決を求めたのですか。
○国務大臣(鈴木善幸君) 五十七年度予算につきましてはいま御審議をお願いをし、議決承認をお願いを申し上げておるところでございます。 五十六年度の債務負担行為につきましては、すでに議決承認は国会でお決めいただいた、こういうことに承知しております。
○栗林卓司君 執行停止というのは、五十六年度に承認された国庫債務負担行為を執行停止にしたのではないんですか。
○国務大臣(鈴木善幸君) 五十六年度の国庫債務負担行為、これはもうすでに議決をちょうだいしております。その執行はまだいたしておりません。
○栗林卓司君 ああそうですか、そうすると、いや、まだやっていませんということを執行停止という言い方で呼んだだけだと、そういったことですか。
○政府委員(角田禮次郎君) 一般論をまず申し上げたいと思いますが、五十六年度予算においていま問題になっている債務負担行為はすでに国会の議決を経、承認を受けているわけでございます。すでにそれは予算の執行という問題に移っているわけでございます。予算の執行につきましては、これは申すまでもないと存じますが、政府の権限であり、また責任であると思います。その執行の停止について改めて国会の議決をお願いをするというような性質のものでないことは明らかだと思います。 そこで、執行の停止とはどういうことかと言いますと、結局、予算の執行というのは、議決された予算の内容を具体的に実現するための一連の手続を言うものだと思いますが、その一連の手続の中で幾つかの手続を重ねていくわけでありますが、ある段階で次の段階に移ることを一時見合せる、こういうことを政府の責任においてやる、これが予算の執行の停止だと思います。
○栗林卓司君 いや、ですから、F4ファントムの試改修については現在執行の停止中であるという大変ぎらぎらする御答弁が重なるものですから、何事かと思って聞いてみたら、要するに、いまやっておらぬだけだと、ちゃんとやるから心配するなというようなことなんでございますかというようなことをいま聞いたんです。 それで、予算は議決成立しておりますから、あとは行政の権限と責任でありますと言うのだけれども、この責任というのはどういった意味なんですか。権限は国会が行政に付与したんですよ、予算によって。伴う責任というのは執行する責任ではないですか。やらなくてもいいという責任を、そこで裁量権を大幅に付与したんではないと思いますがね。法律にはそう書いてありませんよ。だから実際問題として考えたら、予算が成立をしました、だけれども、するかしないかこっち任せだと。ところが、じゃ一体歳入はどうなるんです。歳入は、その歳出が予定どおりやれるものと前提を置いて増税がされ、税法が整理をされ、こっちは動かないんですよ。しかし、もともと予算というのはだれが出すんですか。予算というのは政府の行政計画の財政化されたものでしょう。したがって、権限と責任とあなたおっしゃるけれども、責任というのは忠実に履行する責任がある。そうは言ってもできないことがある、その場合には補正をいたしましょう、それだけではないんですか。 そこで話を戻しますけれども、五十六年度F4ファントムの試改修基本設計費として十三億円が国庫債務負担行為として認められた。それは、きょう現在は二月の何日かでありますから、まだやらなくてもいいという判断なので、そういったことなんだけれども、あれだけ衆議院がもめた、したがって、まあこの際は執行停止とでも言っておけばおさまるかなあという程度のことだったのでございましょうか。
○政府委員(角田禮次郎君) 執行の停止という言葉自体は、法律上の一つの独立した手続として法律の上で決められているわけではございません。しかしながら、実際に国会における過去の論議の場でいろいろ執行の停止ということが現に用いられているわけで、その意味を法律的な角度から申し上げれば、先ほど申し上げたように、それぞれ予算の執行について政府が責任を持って執行する過程において、ある段階でそれを一時見合わせると、こういう理解の仕方を私は申し上げたつもりでございます。
○栗林卓司君 そうすると、あなたが言われる行政の権限と責任の範囲内において執行が停止をされたんだと理解をしておりますということであるのなら、この忙しいのに衆参両院の予算委員会で何を審議することがあるんですか。両院とも議決成立したんですよ。その問題を何を審議する必要があるんですか、もう一遍答えてください。
○政府委員(角田禮次郎君) ちょっと私の答弁の責任範囲内を超える面があるように思いますけれども、私が申し上げたのは、改めて予算の執行について、それ自体を国会の議決にかかわらしめるというような意味の審議というふうには申し上げてないつもりであります。国会において予算が成立をしている、その成立した予算の執行について、たまたま国会におけるいろいろな御議論があるということを前提として申し上げたつもりでございます。
○栗林卓司君 総理、いまの見解で御異存ございませんか。
○国務大臣(鈴木善幸君) いま法制局長官が申し上げたとおりでございますが、政府としては、せっかく国会の議決承認を得た案件でございますから、一日も早くこれを実行に移したいということを強く希望をいたしております。
○栗林卓司君 御存じのことを申し上げますけれども、憲法の八十三条に財政処理の根本原則が書いてあります。内容は、「国の財政を処理する権限は、国会の議決に基いて、これを行使しなければならない。」、言っている意味は、財政そのものを国会のコントロールの下に置くというのが基本精神です、御承知のとおり。したがって、国会というのは財政に関する最高の機能を持つしかも唯一の決定機関であるというのがほぼ通説だと私は思います。問題は国庫債務負担行為ですけれども、八十五条、「国費を支出し、又は国が債務を負担するには、国会の議決に基くことを必要とする。」、国会の議決が先ほどもいまも出てまいりましたけれども、一般的、抽象的な議決と個別的な議決と二種類あるであろうという中で、国庫債務負担行為というのは個別的な議決に当たるという、これはコンメンタールが引いてあるんですが、大体そのような書き方が書いてある。もともと私はそうだと思います。国庫債務負担行為を大ざっぱに一まとめにして幾らというかっこうではなくて、この国庫債務負担行為はどうか、この行為はどうかということについてそれぞれに国会が議決を与えるというのが本来の私は趣旨だと思います。したがって、いま問題になっているのは国庫債務負担行為ですから、F4ファントムの試改修基本設計費十三億円、これを実施年度としては五十六年度にいたしますという内容で国会が、賛否は別ですよ、賛否は別として両院で可決成立をしたのですから、当然政府としては五十六年度中に執行する義務がある。五十六年度中に執行する義務があるということと、いま総理が言われた政府としてはなるべく早くやらしていただきたいという意味と、どうつながるんですか。 そこで、先ほど来衆参予算委員会との兼ね合いで、一体いつまでぼくらに審議期間をくれるのだということで午前中来もめました。具体的に伺いますけれども、この十三億円の基本設計費、この国庫債務負担行為というのは一体いつまでに契約をしなければ間に合わないんですか。
○政府委員(和田裕君) 本年度の三月三十一日までと承知しております。
○栗林卓司君 国庫債務負担行為、これも釈迦に説法です。これは繰り越しは認められません。したがって、三月三十一日までにその債務負担行為がなされなければパーです。パーになるということは、五十七年度予算の中にこの基本設計費の国庫債務負担行為の結果として歳出予算化されている十三億、そうでしょう、これもパーになる。そうすると、そうなったら五十七年度予算を組み直さなきゃいかぬ、提案段階で。しかも繰り越しはできない。何としても三月三十一日までにこれは処理をしなけりゃいかぬ宿命に政府は立っているんです。立っていながら五十七年度予算審議の中でどうとかこうとかとわけのわからぬことを言うから議論がかみ合わないんですよ。したがって、これはすでに成立をした予算でございますから、何としても三月三十一日までと、まず政府が言ってくれないとわからぬじゃないですか。政府の真意はあれでしょう、三月三十一日になればとにかくまあ何とかできるだろうと。どのみち三月三十一日に契約をすれば済むんです、もともと。それをそれまでの間契約しないのは、たまたま執行停止だと言ってあめ玉を野党にくれてごまかしたとしか言えぬじゃないですか。総理の答弁求めます。
○国務大臣(鈴木善幸君) 私はしばしば御答弁申し上げておりますように、一日も早くこれを執行いたしたいということを強く希望もし、国会にもそのことを申し上げておるところでございます。三月三十一日でいいんだということでなしに、一日も早くその執行をしたいということは、これは繰り返し申し上げておるところでございます。
○栗林卓司君 逆にお尋ねします。 三月三十一日を越えてもよろしいんでしょうか。これは再三の議論がありますように、四十二年の増田元防衛庁長官の発言以来非常に深くて広い問題を抱えた案件であります。それがいわば再燃したかっこうで、もともと議決成立をした予算でありますけれども、いま国会の話題になっている、その審議の及ぶままに三月三十一日を越えてもよろしいんでしょうか。
○政府委員(矢崎新二君) お答え申し上げます。 ただいまの御質問の点につきましては、三月三十一日を過ぎますと、これは国庫債務負担行為の執行ができません。したがいまして私どもといたしましては、遅くとも三月三十一日という話でございまして、諸般の準備等もございますから、総理からもお答え申し上げておりますように、一日も早くこれを執行するようにいたしたいということをお願いをしているわけでございます。
○栗林卓司君 この辺を正確に総理から言っていただかないと困りますのは、現在の状況でいきますと、暫定予算が果たして要るか要らぬかというような状況ですからね。参議院で五十七年度予算案が通過をするのはやっぱり四月の上旬、よくて。四月の上旬まで予算委員会で審議しているんですよ。その途中で、ここでやってくれないと困りますと言っていただく場合と、とにかく一日でも早くよろしゅう頼みますわと言うのでは違うではないですか。俗に執行停止と言われますと、きょうにでも契約をしたいのを、とにかく停止をしたんだと受け取れるんですが、実際には、防衛庁に伺いますと、三月三十一日で十分ですと、私もそうだと思いますよ、契約ですもの。しかも、現在どこの会社に発注するかも決まってない。ゆっくりすれば三月末まで行っちゃいますよ。それは行ったっていいんですけれどね、それをいかにも意味ありげに執行停止という言葉で、政治的に持って回るからこの騒ぎになるんだと私は思うんです。 それからさらに申し上げますと、政府としてはしたいんでありますけれども、いろいろと支障が衆議院の予算委員会でございまして、各党いろいろ合意の結果を見られたようでありますので、執行停止という形にしましたと、これは先ほど御答弁になったと思います。ところが、現実にそうかといいますと、いわゆる中道三派でまとめました意見というのは、これはその前に自民党国対委員長から各党の国対委員長に話があって、それに対する回答として、三会派合同国対として合意した事項です。「一、総理から政府見解について、釈明を受けるため、委員会の開会を要求する。一、総理の釈明後、直ちに質疑を行う。但し、他の諸条件については合意できない。」この「合意できない」というのは、F4ファントムの執行停止について合意できないという意味なんです。したがって、衆議院でさえ意見がまとまっていない。だから、私は衆議院で議決したんですかと聞いたんです。行政府が国会の意見を推測して、推測に基づいて行動するというのはだめですよ。 したがって、例のごたごた続きの衆議院の経過を顧みながら、この執行停止というのは、正確にわかるように言えばどういったことだったんですか。行政府としては当然予算が成立をしたのでありまするから、忠実に執行する責任がある。後は国会の問題なんですと、そうなるのか、その中に巻き込まれて執行停止というあめ玉だけ何となくしゃぶらす片棒を内閣が担いだのか、あのごたごたというのは国会内の問題ではないですか。 したがって、この経過について総理からわかるように御説明願いたい。(「責任ある行政府として答えてくれ」と呼ぶ者あり)
○国務大臣(鈴木善幸君) 非常に国会の運営の問題につきましては、多年の経験をお持ちになっておる当予算委員会の各位のことでございますから、国会運営を円満にし、そして、五十七年度予算の審議もぜひ促進をしたい、お願いをしたい、そして、この五十六年度の債務負担行為につきましても一日も早く実行したい、総合的に判断をしたことでございまして、その点は良識ある、特に参議院の皆さんでございますから御理解がいただけるものと思います。
○栗林卓司君 執行の停止、議決成立した予算の執行の停止ということになりますと、実際に総理がそれに対してどうお考えであるかは別にして、いかにも事実上修正をしたかのような印象を周りに与えることは、これは総理、否めない事実だと思うんです。ということをもっと正確に言いますと、これは衆議院で起こった問題ですから。官房長官もよくそうおっしゃる。衆議院で起こった問題ですから、いかにも衆議院が五十六年度予算に対して異なった議決を行ったかに見えた、多くの人は。それはそう思う方が本当ですよ、自然に見ればね。異なった議決をそのままでほうっていいという問題ではなくて、予算というのは衆参両院の議決で成立をするのは御承知のとおりです。したがって、衆議院がF4ファントム試改修問題についていかにも異なった議決を行ったかのごとき印象を呈した。しかも、政府はそう回答された。したがって、この問題は当然参議院にも影響が出るでありましょうし、真意はこうでありますと、私はそれぐらいは総理として当然御配慮があってしかるべきだったと思うんですが、では一体参議院の議長にその面の了解は求められたんでございましょうか。
○国務大臣(鈴木善幸君) この問題につきましては、昨日来御質問に立たれた各党の質問者の各位との論議を通じて、私の考えというものはよくおわかりいただいておることだと思います。
○栗林卓司君 全然わからないから何遍も聞くんです。 委員長、あなた予算委員長なんだけれども、参議院の予算委員長として、この問題についてかくかくでございますという説明が内閣からございましたか。
○委員長(植木光教君) 昨日の朝の理事会におきまして、官房長官の出席を求めまして、衆議院におけるF4ファントム問題についての経過につき説明を伺いました。
○栗林卓司君 そのとき委員長は、これは予算修正に事実上当たる問題だとお考えになりましたか。そうではなくて、ただの経過説明だとお考えになりましたか。
○委員長(植木光教君) 経過の説明でございましたから、委員長のみならず理事も説明を聴取いたしました上で、予算委員会の席上でこの問題が取り上げられるならば、その問題についての審議が行われるであろうというふうに考えた次第であります。
○栗林卓司君 仮にも予算執行上にかかわる問題でございまして、実質これが修正になるのかどうかは先ほどの話を聞いていてよくわからないのでありますけれども、修正にわたる可能性を秘めた問題であることは事実ですね。そんなものを口頭で説明するなんて内閣はどこにもありませんよ。審議をするといったら提案してくれなきゃ、提案しないんだったらただのおしゃべりですよ。だから予算修正について御審議願いたいというんだったら、どんなかっこうで審議をしたらいいか内閣として提示をいただきたい。提示に応じて議論のしようもある。何となくきのうの続きみたいなかっこうで言われたってこれはただのおしゃべりですよ。一体、じゃ参議院の予算委員会として、いつ、何を決めるんですか。何を決めればこの予算の執行停止の、いいですか、執行停止解除の要件になるんですか。しかも、これがあいまいでさっきみたいに何となく五十七年度予算の中でもやろうみたいな話になる。そんなことに首を突っ込む前にする仕事があるじゃないですか。ですから、その意味で審議をしていただきたいというのであれば、当然政府としてしかるべき理由を付して提案をすべきではありませんか。
○国務大臣(鈴木善幸君) この点は私と粟林さんの間には一点の食い違いもないと思いますが、それは五十六年度予算におきまして債務負担行為としてF4ファントムの試改修の問題は議決承認をいただいておる、そしてその執行は政府の権限であり責任である、この点は栗林さんと一致しておると思います。 そこで、この執行を私どもは一日も早く行いたい、こう思っておるわけでございまして、衆議院以来のこれをめぐるいろいろの諸事情から論議をいま委員会でなさっておるという段階でございますので、政府としては一日も早くできるような状況になることを期待しながら、その審議の模様を見ておるというのが率直なところでございます。しかし、先ほど来申し上げておりますように、三月三十一日までに執行いたしませんといけない問題でございますので、政府としてはぜひこれを年度内に実行に移したい、こういうことでございます。
○栗林卓司君 これは、ばかにしかつめらしく言うわけじゃないんですけれども、衆参どっちでもいいですよ、国会が、自分たちが議決成立さして内閣に権限を付与した内容について、後でごちゃごちゃ言う内容がいかにも有権的な意味を持つかのごとくに考えるというのは、三権分立のたてまえからいってそれは国会の間違いです、そうあなたはおっしゃっていいんじゃないですか。それで、内閣の方は予算が成立をしたのですから、誠心誠意その執行に努力をしておりますと。 なぜこれを私申し上げるかといいますと、いまF4ファントム試改修十三億の問題だからまだいいんですよ。さあ、文教から福祉予算から何だらかんだら、それまでが全部そんなことになる前例を開かれたら予算を通した意味なんかないではないですか。そういう意味で、いまいかにもわけがわかるような形で総理はおっしゃいますけれども、それは総理として断じてとってはいけない態度なんです。あくまでも三権分立の一方の長、総理として筋を通さなければだめですよ。どうお考えになりますか。
○国務大臣(鈴木善幸君) 三月三十一日までにはこれを実行に移したい、筋ははっきり通しております。
○栗林卓司君 まあ、問題は総理おわかりだと思うんです。思うんですが、この辺のところを何となく、口先とは言いませんけれども、逃げた答弁でお通りになること、これが国会に不要な混乱をもたらしているんです。時間がありませんから深く触れませんけれども、F4ファントムの爆撃装置の問題もそうですよ。何で四十三年の古証文にいまわれわれがつき合わなきゃいけないのか。あれは四十三年の話。いまは昭和五十七年。言えばいいじゃないですか。(「何が古証文だ、基本にかかわることじゃないか」と呼ぶ者あり)いや、基本にかかわることと言いますけれども、じゃ増田元防衛庁長官が当時四十三年にファントムから何を外したか。先ほど防衛庁からお答えがございました。一つは、あれでしょう、爆弾投下用計算装置ですよ。これがないと一体どうなると思いますか。私も素人ですから聞いたんですけれども、照準器はついているんです、取り外さないで。爆弾投下用計算装置、まあコンピューターですな。これが何をするかというと、速度が変わると照準点も変わっちゃうんだそうです。したがって、速度に合わして照準点が変わってもねらえるようにするのが爆弾投下用計算装置。これ取っ払っちゃったものですから、じゃパイロットはどうやって爆撃するか。勘でやるしかない。 それから、ブルパップ制御装置、これも取りました、当時は大変精鋭兵器であるというので取ってしまったものだからないんですね。じゃ、ないからロケット弾は何でねらっているのか。要するに当時の議論というのは、弾の当たるF4を弾の当たらないF4に変えたんです。これが現実なんですよ。したがって、F4の一番の問題というのは、あの百数十機が全部むだ遣いなんです。政府関係者がこのぐらいはっきりと言わないと議論が進まないじゃないですか。しかも、ブルパップは射程十八キロですよ。敵に脅威を与えるわけないじゃないですか。しかも、増田防衛庁長官の見解だと言われている、他国に侵略的、攻撃的脅威を与える性能を持つ兵器を保有しない、これは増田長官の方針ではありませんよ。これは憲法の精神ですよ。だれが総理になろうと、だれが防衛庁長官になろうと、これは持てないし、持たないんです。
○委員長(植木光教君) 栗林君、時間が参りました。
○栗林卓司君 はい。 この辺も十三年間逃げ回ってきているだけに何と同じように不毛の議論が多いか。私はよくわかりましたよ。要するに総理とすると、私、口が悪いけれども、適当にあめしゃぶらしとけ、実害は何にもない、向こうは取った、取ったと言っておるよと。そこまで私は国会の権威がさげすまれていいんだろうか、しみじみ思いながら質問を終わります。
○委員長(植木光教君) 以上で栗林卓司君の質疑は終了いたしました。(拍手) —————————————
○委員長(植木光教君) 次に、秦豊君の質疑を行います。秦豊君。
○秦豊君 ファントムに入る前に、外務大臣と官房長官にちょっと伺いたいことがあります。 それは日本と韓国の経済協力問題でありますけれども、いよいよあすから第二回の実務者会談が開かれます。ところが、それに先立った櫻内発言が看過できない。それはつまり、せんじ詰めて言えば、政治決断で総枠提示という櫻内さんの発言なんです。このことは、前任の園田外相を引き合いに出すまでもなく、プロジェクトごとの積算積み上げ、厳重な審査という在来の日本外務省 方針を大幅にこれは転換するものではないかと私は考える、したがって看過できないと言っているんだけれども、私はこの問題は例の安保絡みの論点もあり、急ぐべきではないという大前提で聞いているんだけれども、あえて櫻内さんがこの段階でそういう発言をされた真意、ねらいは一体何なのか、念のために聞いておきたい。
○国務大臣(櫻内義雄君) 秦委員、新聞等で経過を御承知でございましょうが、第一回の高級実務者レベルの会議で韓国側が十一のプロジェクトを提示しておる、また商品借款の要望をしておる。で、それらにつきましては日本側で持ち帰りまして関係各省でいろいろ検討をしたわけであります。そこで、韓国の方に第二回目として日本側の作業の模様を申し上げる、そしてそれに対する説明あるいは日本側でなお念を押したり説明を求めたい点もございます。そういうような点を聞く、これが簡単に言えば第二回の実務者レベルの会議でございます。 そこで、いろいろ両国の問題点が出そろいますね。出そろいました結果、それじゃ実務者レベルで結論に持っていくのかどうか。それは私はそうじゃないと思うんですね。これは最終的には両国の外相の方へ上がってくる。外相の方に上がってきたときにおおよそ幾らという、それを総枠と言えば総枠なんです。おおよそ今度の経済協力はこんなことになるではないか、そういうような点について昨日の記者会見で、あすからいよいよ第二回目が始まりますが、どういうことになりますかというのに対して私がいろいろ説明したのが、新聞の見出しとしては外相は外相会議で総枠と言っておる。しかし、新聞の中をごらんいただきますと、積み上げ方式ということもはっきり書かれておりますし、それから日本の経済協力の基本方針の中でやるということも、これも記事の中にはっきり書いてあるんですね。ただ、私が最終的にはそれはやっぱり外相会議で話を決めるものじゃないかというのが、表現が新聞によっては総枠というような書かれ方がしておったと、これが私が記者会見した内容の真相でございます。
○秦豊君 閣僚の悪い癖なんだが、何でもマスメディアの報道の仕方に収斂する悪い癖がある。外務大臣の発言といったら非常に重要なんだ。しかも第二回の実務者会談の前ですよ。したがって問題にしている。じゃ、在来の方針に変化がないと言い切れますか、あなたは。
○国務大臣(櫻内義雄君) 別に私、マスコミにどうということじゃないですよ。ただしかし、それはあなたの方も新聞を見てお取り上げになっているから、それで新聞記事の中身をごらんいただければこうなっているじゃないですかと、こう申し上げておるので、新聞によっては見出しもある程度違うところがございます。したがって、何かつかみ金でどうというような、そういう意味合いにおとりであったら、そういうことは絶対ありません。これはもちろん積み上げ方式で根拠がなければならない。また、従来わが国のとっておる経済協力の基本方針の中でやるということもこれは事実でございます。それで、これはこれからのずっと交渉事でございますから、そういうわれわれの方針で臨んでまいると、こういうことを申し上げておきたいと思います。
○秦豊君 官房長官、これ各省庁の必ずしも姿勢、見解が同じ方向ですり合わせができていない、対韓援助。あなたはどういう方針で各省庁の調整、すり合わせ、コーディネートしていくつもりか、伺っておきたい。
○国務大臣(宮澤喜一君) ただいまのお話で私にも御言及がございましたので、実は私は、幸いにして櫻内外相の会見の記録を全部記者会見の前に読んでおったものでございますから、それを読みますと、まさにつかみ金というような印象のことは言っておられませんで、かなりジグザグした長い会見でしたが、従来の方針について違うことを言っておられないと私は思ったものでございますから、そのとおりのことを記者会見で申しました。はからずも、ただいま櫻内大臣の言われたことと同じ印象を私は実は持ったんです。 それで、この交渉の方針でございますが、いま外務大臣も言われましたように、プロジェクトごとに積み上げていって、わが国の従来の経済協力の基本方針にのっとってやっていく。もちろん事務方が話を詰めていきまして、ある段階では両方の外相がお話し合いにならなきゃならぬことはあろうかと思いますけれども、外務大臣にお任せをしておっていい問題であると考えております。
○秦豊君 さっきの話じゃないが、外務大臣、では、いつごろまでにこれは外相会談に持っていき、そしていつごろまでに両国間の合意があり得ればよいのか。
○国務大臣(櫻内義雄君) あすから高級実務者レベルの会議が行われるのでありますから、その経緯を把握しないと申し上げかねると思うんですね。幸か不幸か、きのう記者会見で、いよいよそういう会議があるからというので、私も進んで、あすから会議というのに言いたいところじゃないんですね。しかし、しようがないですね、それは。だから私は正直にいろいろ申し上げたので。それでしかも、あすの実務者会議ではどういう話になるのか、その話の結果を見てなおさらに折衝しなければならない点もあるかもしれませんし、それで、いまのところ見通しといっても、そう近い機会に決着ということは私としてはなかなか困難ではないか。しかし、あすを前にしておって、また日本の外務大臣はこういうことをしている、けしからぬと言われても困るので、あすの経緯を見て、その後、先ほども申し上げたような従来の日本政府のとっておる基本の方針に従って誠意を持って努力をしたいと、こう思っています。
○秦豊君 防衛庁、昨年の十一月二十六日、当院行革特別委員会連合審査の議事録をお持ちだと思うが、そのうちの二十四ページ、F4ファントム問題についての当時の大村長官と私との応酬、やりとり、これをここで披露してもらいたい。
○政府委員(塩田章君) 議事録のとおりに読みます。 ○秦豊君 防衛庁、いまこれは今年度予算だと思いますが、F4EJファントムの改装をしていますね。何のためなのか、つまり何を目指したものなのか。 ○国務大臣(大村襄治君) お答えいたします。安全度を審査の上、耐用年数を…… ○秦豊君 なるべくひとつ簡潔にお願いいたします。 ○国務大臣(大村襄治君) 耐用年数を延長すると同時に装備の近代化を図る、二つのねらいがあります。 ○秦豊君 その装備の近代化の中に、たとえば対地支援のために国会でもさんざん問題になった例の爆撃照準装置、附属のコンピューターシステム、レーザー照射装置等の換装も含まれますか。 ○国務大臣(大村襄治君) お答えいたします。低高度目標対処能力、搭載ミサイルの改善等の装備の改善でございますので、先生の言われたような点は含んでおりません。 以上でございます。
○秦豊君 大変上手な朗読でした。 しかし、総理並びに委員長、また委員の各位お聞きのとおりでありまして、今日に照らせば重大なこれはうそであります。うその答弁であります。違いますか、あなた。とんでもない答弁です。うそのつき始めなんだ、これが。
○政府委員(塩田章君) 質疑応答はいまお読み申し上げたとおりでありますが、きのうも衆議院でもお答えいたしましたが、秦先生の最後の質問の、その装備の近代化の中に、たとえば対地支援のために国会でもさんざん問題になった例の爆撃照準装置、これこれの換装も含まれますかというお尋ねがございまして、当時、私もその場におったわけでございますが、その後、当時の大村長官にもお聞きいたしましたが、先生のこのお尋ねを受けたときに、例のさんざん問題になった爆撃照準装置というので、F4のファントムの、結果は採用しなかったわけですが、あのときに落としたああいう専用の爆撃照準装置というものをおっしゃっているんだなということで、大村大臣のお答えは、先ほど来私が申し上げております二つの目標、一つは低高度目標対処能力、一つは搭載ミサイルの改善等の装備の改善、こういう大きな項目をお答えいたしましたわけですが、同時に、先生のおっしゃったような、さんざん問題になったような例の爆撃照準装置あるいは附属のコンピューターあるいはレーザー照射装置、特にレーザーはもともとありませんので、そういう点を考えまして、先生のお尋ねをそういうふうに受け取りまして、いま先ほどお答えしたようなとおりお答えをしたわけであります。
○秦豊君 そんなことを簡単に了解できますか、あなた。一番肝心な眼目の爆撃装置についての答弁をすりかえておいて、なぜ。それは答弁漏れとか舌足らずという領域じゃありませんぞ、防衛局長。重ねて答弁。だめ、そんなもの。
○政府委員(塩田章君) 先ほども申し上げましたように、当時私もそばにおりましたが、率直に申し上げまして、いま申し上げたような気持ちで大臣がお答えいたしたわけでございますが、さらに御議論があれば搭載ミサイルの改善等の中身は何かということは当然いろいろお答えをすべきものであったと思います。非常に急いでおられまして、簡潔にお願いしますというようなことでもございましたし、いろいろ先生が次にすぐほかの質問に移っていかれまして、当然またこれは私ども、正直に申し上げまして準備はしておったわけでございます、答弁の準備は。だけれども、次にすぐ移っていかれまして、まあ正直申し上げてそういったチャンスがなかったと。この点はしかし、いまにして思えば、搭載ミサイルの改善等のところはさらに詳しく申し上げるべきであったという反省はいたしております。
○秦豊君 ああいう不謹慎な答弁は勘弁できぬ。何を言っている、あなた。私は確かにここで時間切れになった。やむを得なかった。しかし、このF4の試改修についての眼目中の眼目は何か。対地支援、要するに攻撃能力、爆撃照準、これなんだ。その肝心のところを答弁から外しておいて、あの言い方は何だ、一体。不謹慎のそしりを免れぬ。納得できぬ。何を言っている。
○政府委員(塩田章君) これは先生ぜひ御理解いただきたいんですけれども、眼日中の眼目とおっしゃいますけれども、そうではないんです。
○秦豊君 冗談じゃない。
○政府委員(塩田章君) 何回も申し上げておりますように、F15のコンピューターを入れますから、入れることによって、現在パイロットの勘によってしかできない爆撃がなるほどコンピューターによってできるということになりますけれども、それが眼目で今度の試改修をやっておるわけではございませんで、全体的に、航法にしましても、あるいはミサイルを含む要撃戦闘能力全体のアップを図っておりまして、そのための器材として現在のF15のコンピューターが一番よろしいと。それを入れますといまのような爆撃効果もできるし、それは当然われわれはメリットとしては考えておりますけれども、それが最大の眼目という意識でいまの改修を考えておるわけではないんです。それはぜひ御理解いただきたいと思います。
○秦豊君 では防衛局長聞くがね、すでに昨年の十一月二十六日、この段階で爆撃照準装置、つまりいま問題になっている試改修の方針は、では確定していたのかいないのか。
○政府委員(塩田章君) いま考えておるようなことは当時も当然考えておりました。
○秦豊君 そうなりますと、いま防衛庁は対地支援戦闘機、三菱製、F1、これは現在何機配備しているか。
○政府委員(塩田章君) 約六十機でございます。
○秦豊君 今後何機ぐらい生産をするのか、F1です。
○政府委員(和田裕君) F1の生産は中止しております。
○秦豊君 当初は何機ぐらい生産の予定でした。
○政府委員(和田裕君) 当初の計画は特にこれは決まっていなかったということでございます。 それから先ほど申し上げました……
○秦豊君 何げなくつくったの。漠然とつくり始めたの。何機じゃなくて漠然と。
○政府委員(和田裕君) 漠然とと言われますと困りますが、特に何機ということを決めたというような決定はいたしておりません。 それから先ほど申し上げましたF1でございますが、いま今度の予算にも入っておりまして、その点はちょっと訂正をさせていただきます。
○秦豊君 ちょっと語尾がわからなかった。いま何ですって。
○政府委員(和田裕君) 先ほどのF1につきましては生産を中止しておりますというのはちょっと勘違いでございまして、いまは生産をまだしております。
○秦豊君 肝心なことを間違わないでもらいたい。 では、何機まで生産するんです。
○政府委員(塩田章君) 四次防当時に六十八機の計画がございます。
○秦豊君 ではあと八機で生産打ち切りのおおむね方針ですか。
○政府委員(塩田章君) 現在六十機所有いたしておりまして、所要の予備機を、現在取得しておるのは予備機でございます。現在所有しているのは六十機でございます。
○秦豊君 なぜ対地支援戦闘機、国産唯一のこのF1の生産をこの程度で打ち切るのか。理由は何です。
○政府委員(塩田章君) 防衛計画の大綱で、支援戦闘機のスコードロンを三個スコードロンということに決めてあります。これを御承知のように現在までF1でもって充当してきたわけでございますが、今後のF1Xといいますか、支援戦闘機の機種をどうするかという問題を今後詰めていかなければなりません。まだ現在はそこまでいっておりませんけれども、そういった段階で改めてF1をどうするかという問題は起こってくると思いますが、現在の時点では三個スコードロンの支援戦闘機部隊ということで、先ほど申し上げたような数字を整備してきたわけでございます。
○秦豊君 専門家の間では、あなたもその一人だとは思いたいが、このF1が対地攻撃能力が非常に中途半端である、特にプイロードの点で。というのは常識ではないですか。それが打ち切りの理由じゃないですか。
○政府委員(塩田章君) F1は対地支援戦闘機でございますが、いま御指摘のように、プイロードの点におきまして必ずしも十分でないという点は確かにあろうかと思います。
○秦豊君 少しその部分は正直です。では、F1Xの選択としては三つあると思うが、まずF1改をつくる、ファントム改をつくる、F16を導入する、この方向はどうか。全部含まれますか。
○政府委員(塩田章君) 先ほども申し上げましたように、F1Xをどうするか、FSXですね、をどうするかという問題、今後の課題でございまして、いまから考える——いまからといいますか、まだ検討に入っておりませんが、いま御指摘のような、先生のお挙げになったような機種がその時期において議論の対象になるであろうということは申し上げられると思います。
○秦豊君 そこでいよいよ今回の試改修問題が結びついてくる。いま言った三つの選択の一つ、政府はいろいろ言っておるけれども、まさに眼目中の眼目、第一義の目的は対地支援能力の向上、これにある。空幕には本来支援戦闘機百機構想がありましたね。
○政府委員(塩田章君) 先ほど防衛計画の大綱上三個スコードロンと申し上げましたが、三個スコードロン約百機、大綱上には数字は出ておりませんけれども、考え方としまして三個スコードロン約百機というのが構想であります。
○秦豊君 だから、まさにF16はなかなか導入がむずかしい、ならばファントム改をつくるのが一番捷径である、早いという認識になったとしても、その部分は私認めます。だからこそファントム、この試改修問題が浮かび上がってきたという理解に対してはどうですか。
○政府委員(塩田章君) そういうふうに結びつけてお考えになっているようですが、私どもはそうではなくて、主力戦闘機の現在のF4を将来要撃戦闘機全体の所有につきまして、配備につきましてどう持っていくかというようなことを考えました場合におきましても、F4をどうしていくかということは大きな問題でございます。たまたまといいますか、航空技術の発達によりましてF4を延命できるというような情報が入りましたものですから、それで延命できるならこれは一つ有力な考え方であるということが発端でございまして、初めから、いま先生のおっしゃいますようにFSの後継機の機種として考えていこうという発想で今回やっているわけではございません。
○秦豊君 F1の爆弾搭載量はほぼ一・八トンです。ファントムは六・四トンです。この決定的な違いが魅力になっている。 そこで、官房長官に伺いますけれども、あなたのこれまでの御発言をずうっとトレースしますと、今回のF4の改修というのは要撃戦闘能力を向上させる結果の付随的機能にすぎないというふうなトーンがある。ところが、実は空幕は四十三年当時から、さっきも同僚委員が触れたけれども、外すことに、それは軍事的合理性への挑戦だというので、もう頭から反対しておる。その怨念とその執念がこの試改修になって噴き出していた、こういう脈絡になると思う。ところがあなたはいとも手軽に、バラの木にバラの花咲く程度にさりげなく、あなたが言うとよけいそう聞こえるんだが、何でもありません、付随的です。そうではないんです。ペイロード、爆弾搭載量からして四倍以上のファントム改がどんなに魅力なのか、そこから万事出発している。だから、これは大きな防衛政策の変更なんですよ。装備計画の改変なんですよ。一機だから、あるいは量産だから、量産は国防会議でチェック、網の目にかける、一機は結構、フリーパス、試改修は聖域だ。これはナンセンスの議論なんです、あなた。そうお考えになりませんか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 私の申しましたことは、試改修でございますので、相当の時間もかかります、また技術的にもいろいろむずかしいこともございましょうから、成功することをもちろん期待いたしますけれども、その結果を見た上でなければ、これを本当にわが国の防衛力に加えるかどうかということはわからないわけでございますから、その大事な決定は、試改修が見通しを得てそして生産に移る、その段階において国防会議等で決定をすればいいことであって、恐らく防衛研究所等においてはいろいろな研究をいたしておるわけでございますけれども、その研究の段階で一一総理大臣がそれを知っておられなければならないようなことではない、文民であるところの防衛庁長官が御存じであればそれで十分ではないか、こういうふうに思ったわけでございます。
○秦豊君 問題をいとも安易にすりかえようとされている。ここが私納得できない。総理、これはさっきから申し上げているように、単に一機だけの試改修、ほんの手軽な問題ではないんです。あなたの言う水際撃破あるいは洋上攻撃、その能力を飛躍的に拡充することが空幕のそもそものねらい、これなんです。事はそこから発している。だから、こういうものをこそ国防会議でチェックしないで、一体何をチェックするんですか。そうはお考えになりませんか、基本的に。
○国務大臣(鈴木善幸君) 先ほど来官房長官並びに防衛局長等から御説明申し上げておるとおりでございますが、このF4ファントムの代表一機をまず試験的に改修をして、そして十年ぐらい延命ができるのではないか、また戦闘機としての機能を向上もさせる、そういうことであれば、特に財政再建下における防衛の進め方として私はきわめて適切である、こういう判断のもとに了承をいたしたわけでございます。その際に、F15と同じような器材を搭載する、要撃機としての戦力もアップするし、またそれに付随して爆撃能力も向上する。こういうことが試改修の結果出ることがいま防衛庁の説明からいって私も理解をいたしておるところでございます。これを、成功いたしました暁におきましてどの程度に量産するかということになりますと、これは相当多額の予算も必要といたしますし、自衛隊の装備の大きな変更にもつながることとなりますから、その際は当然これは国防会議に付議し国会の御承認を得なければならない、このように考えております。
○秦豊君 総理の答弁にも納得できない。これはもうすでに確固とした空幕には方針がある、願望が。それでF1では責任が持てない、だからファントム改だ、しかも大量に。できればF16だ、それはむずかしい。そうなっている。ベターな選択としてのファントム改なんだ。そこで事は、一機とか量産の問題をはるかに超えて、いわんや追及する野党に持たせる花の問題ではなくて、これはやっぱり明らかに防衛政策、装備計画の決定過程とその監視機能、シビリアンコントロールのありよう、事はまさに根源と結びついているんです。しかもあなたは国防会議議長なんです。その議長の認識と把握、受けとめ方としてはいかにも不十分でならない、私によれば。重ねてこの問題について答弁を願いたい。国防会議議長の権威が問われている。
○国務大臣(鈴木善幸君) この試みの改修が、先ほど来防衛庁から申し上げるような目的に向かって成功いたしますれば、これは私は今後の防衛政策に対して大きなプラスになる、このように認識をいたしておりますが、いま試改修をやろうという段階でございまして、これは防衛庁長官の所掌事務であり権限の範囲内である、このように私は考えておるわけでございます。しかし、先ほど御答弁申し上げたようなことで大筋は私も報告を受けておりますから、シビリアンコントロールに一点の疑義を差し挟む問題ではない、このように考えております。
○秦豊君 やはり最近押されぎみの内局はなし崩しにこういう路線と方向を認めたがる。あなた方は一機だ、量産だで区別をしようとする。ところが、あざ笑われているのはまさにそういう国防会議のチェック機能があざ笑われている、おとしめられている、掘り崩されている。そうはお考えになりませんか。
○国務大臣(鈴木善幸君) そのようには考えておりません。そして国会が最高のシビリアンコントロールのよりどころでもございますから、国会の御意見というものは私ども十分拝聴しながら防衛政策を進めてまいります。
○秦豊君 じゃ、わが国が備えるべき対地支援攻撃能力はどの程度を持つべきかというふうなことにかかわるんだから、国防会議にかけてみたらどうですか、練ってみたらどうですか。そういうお考えはありませんか。
○国務大臣(鈴木善幸君) F4ファントムの改修機、まだめどが立っておらぬわけでありますが、これからですが、それを前提にして国防会議にかけるというわけにはまいりません。
○秦豊君 官房長官でしょうかね、これは。非常に素朴なことを伺っておきたいんですよ。五十六年度、いままさに問題の焦点、十三億円の執行停止諭がいま交わされています。それをあなた方が認めたのならば、なぜ五十七年度の八十五億円にもそれが援用されないんですか。それを拒否する論理をお持ちですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) 執行停止の点につきましては、総理大臣がしばしばお答えになりましたように、政府としてはなるべく早くひとつ執行ができるようにお願いをしたいと、こういう立場でございまして、したがいまして今年度中に執行し得るというふうに希望をいたしておりますし、またそういたしたいものと存じております。そういう立場でございますので、五十七年度の問題は御審議当院ではまだいただいておらないような状況でございますけれども、継続して考えてまいるわけでございます。
○秦豊君 もう一つ素朴な質問を重ねましょう。ならば、政府が言うように、これは何も問題ないんです、さりげないんです、付随的です、増田答弁の枠内です。F15の枠内ですというならば、なぜ予算の執行を停止したんですか。
○国務大臣(宮澤喜一君) これは、やはり国権の最高機関におかれまして成立した予算ではございますけれども、広い意味での国政調査権の御発動と考えますが、これについて議論をする必要がある、こういうお話でございますので、政府としてはぜひ年度内に執行はいたしたいと考えておりますが、それの範囲内であれば、やはりそういう国会の御意向に沿うということ、これも大事なことではないか、こういう判断であると考えております。
○秦豊君 すでにして二階堂幹事長の増田発言の見直しをほのめかした発言も現に生起しています。 それから宮澤官房長官も、いわゆるこの試改修は研究に値するとも述べられている、肯定されている。政府はあくまでもこの段階で、なおかつ今後とも増田答弁に閉じこもる。これは非常に怠惰な態度です。謙虚でさえもありません。むしろ居直りです。無理です。無理に無理を積み重ねます。私は、やっぱり政府の重要な構成メンバーからそういう発言もある以上、さっきの予算執行停止に関するあなた方のいわゆるあいまいな統一見解じゃなくて、やはりこのF4ファントム改修とわが国の局地防衛政策についてというふうな政府見解を改めて出すのが謙虚な国防会議としての、政府としての態度ではございませんか、総理。どうお考えになります。
○国務大臣(鈴木善幸君) この問題につきましての衆議院並びに昨日来の参議院における論議を通じまして、政府の考え、立場というものは御理解がいただけるもの、このように考えておりまして、いま統一見解というものを考えておりません。
○秦豊君 防衛庁、ファントムから撤去されたのは爆撃照準だけじゃない、空中給油。制服のひそかな願望の中では、この際縦深性がないが、南北に長大な列島の防衛を考えた場合には、できれば空中給油装置も復活したいなあというほのかな願望はある、本音を言えば。こういう問題については内局は断じて拒否を貫くという方針ですか。
○政府委員(塩田章君) ファントムの空中給油装置は落としておるわけでございますが、これを復活する考えは持っておりません。
○秦豊君 関連しまして、日米共同訓練が次第に深まっている。多重、多層になり、統合軍同士の訓練になる。その場合に、米軍のKC135を対象とし、F15イーグルを対象とした空中給油訓練、わが国に空中給油機はないんだから、そういう訓練は当然考えられる方向でしょうか。
○政府委員(塩田章君) 空中給油の訓練につきましては、現在考えておりません。
○秦豊君 それから塩田さん、御苦労ですがね、答弁が続いて。あなたか和田さんか知らないが、試改修の契約はどことやるんですか。
○政府委員(和田裕君) まだ具体的に決まっておりませんが、F4そのものの機体が三菱重工業にこちらでライセンス生産をお願いしたという関係もございますので、そこら辺を重点的に考えて決めることになるのではないかというふうに考えております。
○秦豊君 常識的に考えて、三月三十一日は来月の話です。なぜいままで試改修が実行できなかったんですか。
○政府委員(和田裕君) これはほかの契約とも同じことでございますが、先ほども法制局長官からもお話ありましたように、予算の執行にはもろもろの手続がございます。
○秦豊君 いや、今度の事件以前ですよ、聞いておりますのは。
○政府委員(和田裕君) はい。そういったようないろんな手続もございまして、慎重にそういった手続を重ねておった結果、これについてはまだ契約するに至らなかった、こういう事情でございます。
○秦豊君 どう試改修するかについての凝集、煮詰めが終わっていないから実行できなかったんですか。難点がちらついているんですか。
○政府委員(塩田章君) 御指摘のような点はございません。
○秦豊君 試改修に当たっては、たとえばウエスチングハウス社製のAPG66を使うのか、ヒューズのAPG65の方を使った方がベターなのか、そういう検討は終わっていますか。
○政府委員(塩田章君) 66の方を使うつもりでございます。
○秦豊君 総理、臨調の作業の中でごく最近出てきているんですけれども、現在の国防会議ですね、あなたが議長をされております。軍事偏重という印象をまずお持ちになっていて、文字どおり総合安全保障会議の方向に改組、強化すべきである。それとともに、防衛庁長官は特段適材の人材を選ぶ。これは伊藤さんに対する皮肉じゃありません。さらに、その任期をかなり長期に固定すべきであるという作業、答申の方向を打ち出しつつあります。これは国防会議議長とし、総理としては十分尊重に値する方向というふうなお考えでしょうか。これを最後の質問にしたいと思います。
○国務大臣(鈴木善幸君) 臨調の方からまだ中間的な御報告も聞いておりませんし、御意見の御披露もまだ承っておりません。 私は、国防会議とそれから総合安全保障閣僚会議、これを一昨年の十二月に設置したわけでございますが、この二つの機関を十分機能を発揮してもらいまして、両々相まってわが国の防衛と安全保障を確保していきたい、こういう方針でいま臨んでおるわけでございます。 臨調からは秦さん御指摘のようなまだ内容に触れたお話は伺っておりません。将来において臨調から御答申があれば、十分政府としても検討してみたい、こう思っております。
○委員長(植木光教君) 以上で秦豊君の質疑は終了いたしました。 —————————————
○委員長(植木光教君) 次に、山田勇君の質疑を行います。山田君。
○山田勇君 総理にお尋ねいたします。 総理は、この六月に開かれる第二回国連軍縮特別総会に出席することを世界の首脳に先駆けていち早く表明され、その取り組みに積極的な姿勢を見せておられることは大変喜ばしいことであります。 軍縮の目的は、際限なくふくらんでいく軍拡競争に歯どめをかけ、むだな軍備を減らし、世界の平和を維持することにあると考えますが、とにかく軍備にかける金は人類社会にとって大きな浪費であります。アメリカのレーガン大統領は年頭教書で、このままでは八〇年代半ばにソ連との軍事バランスが最悪の事態になるとして、八三会計年度予算では二千二百十億ドル、日本の防衛支出の約二十倍という膨大な国防費の支出権限を議会に要請し、これによって軍需ブームを起こし、景気回復の主な要因にしようとしております。まさに死の商人の発想であります。 また、米ソともに人類にとって最も危険な核兵器の開発と備蓄のために、一日一億ドル余りの金をつぎ込んでいるとも言われております。スウェーデンのストックホルム国際平和研究所の資料によりますと、世界の軍事支出は一九八〇年一年間で五千億ドル強に達したとなっております。この膨大な浪費の半分でも平和な経済の分野に回せれば、どれだけ開発途上国などが潤うかわかりません。 もちろん、一口で軍縮と言っても、軍事面はもとより、政治、経済、科学技術にまたがる広範で複雑な問題を抱えており、国連の場で実効ある軍縮論を展開するためには、綿密な調査研究が必要だと思いますが、わが国の軍縮に取り組んでいるスタッフは、外務省の軍縮課の七人だけだそうでございます。この点については問題はありませんか、総理。国連の場で米ソがともに受け入れられるような適切な具体的な軍縮案を提言し、米ソ間の相互不信が解きほぐされることを期待するものでありますが、総理の自信のほどをお伺いいたします。
○国務大臣(鈴木善幸君) 軍縮、特に核軍縮を含むところの軍縮問題に対する御熱意、基本的なお考え、これは私は全く同感でございます。ただ問題は、お話にもございましたように、実効あるものとしてこの軍縮の運動、働きかけをやっていかなければならない。いかにして効果的にこれを展開するかということが問題であるわけでございます。現実はきわめて厳しい。アメリカ並びにソ連を中心とする東西の軍事バランス、核兵器を、核戦力を含んだところの軍事バランスというものが辛うじて世界の平和と安定を確保しておることを考えました場合に、この均衡を保持しながらこれを軍拡の方向でなしに軍縮の方向に軍備管理なり軍縮を進めていく、そして最終的には核軍縮から核の廃絶へと、こう進めてまいりますためには、バランスをとりながら着実にこれを進める必要がある。特に米ソの超大国、これが話し合いによって世界の平和のためにこれを進めようということにならなければ、私は実際の効果的な展開が望まれない、このように考えるものでございます。わが国は特に世界におけるただ一つの被爆国でございます。そういう観点から、核兵器の不使用の問題、あるいは核の不拡散の問題、あるいは実効のある全面的な核実験の禁止の問題、そういう問題につきまして、今後、国連の場その他を通じまして真剣に努力をしてまいりたい、このように考えております。 それからもう一つ、そういう日本にとっては非常に大事な軍縮の仕事をやるのに、外務省のスタッフが非常に貧弱ではないかという御指摘につきましては、外務大臣から答弁をさせます。
○国務大臣(櫻内義雄君) 外務省は予算折衝の折に、外交体制強化のためにぜひ御指摘のような軍縮関係の分野も強化をいたしたい、そういう心がけで進めておるわけでございます。
○山田勇君 総理はいま軍縮にかける期待といいますか、効果の問題をお話しされました。 続いて質疑をいたしますが、昨年は西欧諸国では反核平和運動が急速に拡大し、核戦争に反対する声が各地に高まりました。核による戦争抑止力も、限定核戦争が論じられるようになり、にわかにその効力が薄れ、戦場になるヨーロッパの人々にとって、反核運動は切実な問題になっております。わが国としましても、決して人ごとではありません。六月の軍縮総会に向けて、政党も文学者も音楽家も婦人団体も労働組合も、各界各層の人人が反核軍縮の運動に立ち上がっております。私は、この際国として、政府として、これらの運動を統括し、一大国民運動として結集し、そして日本の国民の総意として国連の場に持ち込んではどうでしょうか。 第一回軍縮総会では、当時の園田外務大臣はわが国のことについて、核兵器のもたらす筆舌に尽くしがたい惨禍を体験した唯一の国であると言明され、核廃絶に向かって先頭に立つことを誓ったわけでありますが、国を挙げての反核運動は、国際舞台で一層の説得力を発揮するものと思います。軍縮総会への出席が総理の意気込みだけに終わることなく、実効あるものであることを願うものですが、国民運動について総理の御所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(鈴木善幸君) 核軍縮の問題あるいは核の廃絶の問題につきまして、ヨーロッパ各国におきまして非常にこれが国民的な反響を呼び、大きな運動として高まっておるということも私承知をいたしております。と同時に、わが国におきましても各界あるいは各政党、さらに各労働組合その他の各界各分野におきまして、この運動が最近特に高まってきておりまして、広範な署名運動も展開をされる、このように承知をいたしておりまして、私はこの国民的な盛り上がり、世論の上に立ちまして、来るべき国連の特別総会には、この全国民の願い、悲願というものを私は率直にこれを述べたい、国際世論に訴えたい、このように考えておるわけでありまして、先般も御提案がございました国連に出席する前に各党の党首会談等も考えてみたらどうか、こういう御意見もございました。十分そういう点も勘案しながら、国連総会に臨む全国民的な態勢、これを整えて力強いものにしたい、このように考えています。
○山田勇君 次は選挙制度について総理に続いてお尋ねをいたします。 総理は金のかからぬ選挙ということで、参議院全国区の改正に執念を燃やしておられます。こんないい総理が何でこんな制度に執念を燃やすかちょっとわかりません。二院クラブといたしましては金がかかり過ぎるというより、かけ過ぎている実態を棚上げして、結果的には参議院の政党化、ひいては参議院無用論につながる法改正の危険性を追及してまいりました。 ところで、二月十一日は建国記念日でありましたが、私たちにとっては市川房枝先生の一周忌でありました。生涯を通じて婦人の地位向上に取り組み、また政界の浄化に献身をされた市川先生について、総理はいま改めてどういう感慨をお持ちでしょうか。
○国務大臣(鈴木善幸君) 参議院の全国区制、この公職選挙法の問題に関連いたしまして市川房枝先生のことをいまお話がございました。 市川先生が多年婦選のために先頭に立って働かれ、また婦人の権利の伸長のために御努力をされた、そしてこの全国区制の問題につきましても、市川さんとしての一つの御主張、御見識を持っておったということを私承知をいたしておるところでございます。
○山田勇君 市川先生は政治家の理想像としていつまでも歴史に残ることと思います。 私はここに第二院クラブの了解事項として、昭和五十二年八月の二日に取り決めたものがあります。その一、「参議院は無所属議員によって構成されるべきものであると信ずる。」、その二、「議員は正当な選挙によって選ばれたものでなければならない。」、その三、「議員は企業からの政治献金を受けない。」など数項目ありますが、市川先生の政治に対する情熱と清潔な姿勢は万人の認めるところでありましたが、もし市川先生が存命されているといたしまして、いま提案されている全国区改正案が成立したとすれば、市川先生はその政治理念上立候補できなくなります。前回無所属で金もかけず清潔な理想選挙で、それも最高点二百七十八万余人に上る人々の支持を受けて当選した市川先生が立候補できないという矛盾が生じますが、総理はその点どうお考えになっておられますか。
○国務大臣(鈴木善幸君) 現在の参議院の全国区制につきまして、いろいろ改善を望まれておる問題点が多く存在をしておるということは、これは国民の皆さんがよく指摘をしておられたところでございます。私は、また一方におきまして、日本のこの議会制民主主義というのがだんだん成熟をしてまいりまして、政党政治、政党化が進んできておるということも、これも現実の姿であると思います。全国区制がそういう中にありまして非常に通信費その他金もかかる、さらにまた、選挙運動をする方にとりましても、肉体的にも大変なこれは限界を超えたような運動を強いられるという問題もございます。それから有権者の側につきまして、候補者の選択につきましても非常に困難な問題がございます。そういうようないろんな問題があるわけでありまして、これを根本的にひとつ見直そうではないかという機運も出ておるわけでありまして、自由民主党におきましては、一つの案を策案をいたしまして、これを御提案を申し上げておる、各党においてもそれぞれの党のお考えをお持ちになっておる、まとめつつある、こういうことでございますので、私はぜひこの国会におきまして、せっかく熟してきたこの機運を背景として、全国区制というものが各党の協調によりまして合意点に達して、そしてこれが改正されることを期待をいたしておるところでございます。
○山田勇君 総理、この改正法案だけはぜひ思いとどまっていただきたいと思います。 次に、運輸大臣にお尋ねいたします。 去年秋の臨時国会で、高齢化社会に進む中で、老人に対するきめ細かい福祉対策の一つとして、欧米などではすでに実施をされております老人の運賃割引について検討をお願いしたのですが、塩川前運輸大臣は「早急に勉強し結論を出すようにいたしたい」というふうに申されたのですが、その後この問題はどうなっておりますでしょうか。
○政府委員(杉浦喬也君) お答えいたします。 昨年の十月に御質問がございまして、運輸大臣から検討いたしますというお答えを申し上げたわけでございますが、その際にも、老人の割引制度につきましては社会政策上あるいは福祉政策上の配慮からするというのはなかなか問題がございます、営業政策上の問題としてとらえるならばこれは十分検討いたしますというようなふうにお答えを申し上げたわけでございます。 その後、国鉄に検討を命じていままで勉強してまいってきておりますが、まあ今度運賃改定をいたします際におきましては、特に老人だけというわけではございませんが、オフシーズンの割引制度をかなり取り入れていきたいというふうに考えております。 それからもう一つは、昨年の十月から発売しております中高年の御夫婦でそろって行かれる場合に大きく割引をいたします切符を発売をいたしたわけでございますが、これは大変好評でございまして、こうしたようなことも今後継続してやってまいりたい。まあその他十分御趣旨に沿うように今後とも勉強してまいりたいと思います。
○山田勇君 関西新空港について二、三簡単にお尋ねをいたします。 新空港の建設予定地が泉州沖か神戸沖かいまだに決定をしておりませんが、これはどういう条件が整えば決まることになるんでしょうか。
○国務大臣(小坂徳三郎君) 関西新空港につきましては、航空審議会でただいま御指摘の二地点ほかさらに二地点、四地点につきまして二年十カ月検討されて、その結論といたしまして泉州沖が適当であろうというような答申をいただいております。われわれもその方向で環境調査その他を進めておるところでございます。
○山田勇君 運輸省としては、関西新空港はいろんな財政的な問題もありましょうが、いつごろ完成すればよいとお考えになっておられますか。
○国務大臣(小坂徳三郎君) 現在の日本の国際空港のみならず航空事情から申しますと、一日も早くより大きな国際的に使える飛行場が欲しいのでございまして、しかし何と申しましても現在のところ、地元その他の意見もだんだんと泉州沖に固まりつつあるようでありますが、さらに環境調査等を十分いたしませんと、また問題が発生する可能性もあるということでございます。それからさらに一方財政的な問題もございますのでありますが、われわれといたしましては、五十七年度の予算においては特に大蔵当局と運輸省の間でこれを前向きに進めるということを中心に事務的な話を進めて、煮詰めて、従来よりもさらに数歩前に出た形で泉州沖の前進を図りたい、そのように考えておりますが、遺憾ながらいまここで何年にできるということはまだ申し上げかねる次第でございます。
○山田勇君 次に移ります。 覚せい剤の汚染は年々広がり、少年や主婦層にまで及んで凶悪犯罪にもつながり、非常に憂慮すべき事態になっております。取り締まりがなかなか徹底しないようですが、警察庁は薬物対策室を新設し、覚せい済の乱用、密売事犯の取り締まりに当たっておりますが、その実効はどの程度上がっておりますでしょうか。
○国務大臣(世耕政隆君) お答え申し上げます。 警察としましては、覚せい剤問題を治安上きわめて広範囲な影響を持つ重大な問題として重要視して取り上げております。 さらに、覚せい刑事犯の取り締まりを現在も今後とも一層強化してまいるところでございますが、なかなか思うように進展しませんで、先日の大阪のような殺人事件が、通り魔事件が起こりまして、大変遺憾に思っているところでございます。 また、一つの方向として今後覚せい剤を乱用するような社会的な構造、つまり社会的な環境、こういうものをできるだけ縮小して、小さくしていく、つまりそういった環境を廃絶させていく方向に啓発活動を非常に強く展開してまいり、今後ともその方針でまいっていくところでございます。 また、現在行われている詳細なことに関しましては、政府委員から答弁させます。
○政府委員(谷口守正君) 覚せい刑事犯の取り締まりにつきましては、警察の最重点項目の一つとして取り上げているところでございます。各都道府県警察が一体となって取り締まりを展開した結果、昨年一年間におきまして二万二千二十四人を検挙いたしました。これは対前年比で一〇・六%の増というような状況でございます。それから押収量も百四十一キロというような状況になっておる。対前年比でいいますと七・七%の減ということになっておりますけれども、大量の押収を見ておるというような状況でございます。 今後の課題といたしまして、私どもとしては、大きく言って三つ取り上げておるところであります。 第一には、何といっても大部分の覚せい剤が海外から持ち込まれておるということでございますので、密輸入事犯の水際での防遏をやりたいということでございまして、税関初め関係機関あるいは外国の捜査機関と連携をとって対処してまいりたいと、こう思っております。 それから第二点は、暴力団の密売組織の壊滅ということでございます。御案内のとおり覚せい剤密売が暴力団のかっこうの資金源になっている。そういうようなことで、昨年の検挙人員中に占める暴力団の関係者は約半分というような状況でございます。この関係につきましては刑事部門などのいろんな部門と連携をとりながら対処してまいりたいと、こう思っております。 それから第三点でございますけれども、末端の乱用者ですね。これを検挙しなければならぬということでございます。最近は全国各地に蔓延してきておるということでございますし、それから一般市民層、特に少年層への広がりというのが多くなってきております。昨年の場合で申し上げますと、少年の検挙者が全検挙者の一一・七%にもなってしまったというような状況でございまして、ゆゆしき事態になっておるわけでございます。そういう面で、この乱用者の徹底的な検挙などを重点に取り締まりを強化してまいりたいと、こう思っておる次第でございます。
○山田勇君 先ほどのお話では、水際作戦といいますか、密輸出国とのいろんな連携といいますか、緊密に連絡をし合って取り締まることが必要だと思えますが、そういうことについて外国の警察との連絡というのは現在どういう形で行っておられますか。
○政府委員(谷口守正君) 関係諸国との連携というのがきわめて重要でございます。そういう意味におきまして、現在警察といたしましては、国際刑事警察機構——ICPO、そういったものを通じたり、あるいは各種の国際会議の機会におきまして関係諸国捜査機関との情報交換を図っております。また、国際協力事業団と協力いたしまして、毎年麻薬犯罪取り締まりセミナーというのを開催しておるわけでございますけれども、その際に関係諸国の捜査官に参加していただきましていろいろ協議をしております。今後とも関係諸国との連携の強化に努めてまいりたいと、こう思っております。
○山田勇君 覚せい剤中毒患者を検挙します。そして病院へ収容するなり、またリハビリテーションを行っていると思うんですが、厚生省の所管だと思いますが、そういう麻薬患者についての更生保護といいますか、どういう形で、施設がどのくらいあって、どういうふうにされておりますかお尋ねをいたします。
○国務大臣(森下元晴君) 覚せい剤患者の問題につきましては、社会問題また家庭問題、大きな犯罪問題でございまして、厚生省としても審議会に専門委員会を設けまして審議してもらっておりますし、そのかかった方のリハビリ、更生等につきましては政府委員から詳しく説明をさせていただきます。
○政府委員(三浦大助君) 覚せい剤中毒者の社会復帰につきましては、現在精神病院それから社会復帰施設におきまして必要な医療と保護を行っておる、またリハビリテーションも行っておると、こういうことでございまして、今後ともこういう施設を十分活用してやってまいりたいと思っておりますが、精神病院はいま全国で千五百四十五カ所ございます。それから精神障害者社会復帰関係施設というのは全国にいま二十八カ所ございまして、ここで治療なり保護なり、それからリハビリテーションをやっておるということでございます。
○山田勇君 ほかにも二、三質問通告しましたが、時間の都合で割愛をさしていただきます。 最後に総理に伺います。 総理、党利党略によって選挙制度が変えられることは民主主義の基本を無視するものとして納得できません。また莫大な金を選挙にかけて権力を維持しようとする。そして先ほど来問題になっております公共事業など利権をあさる。最近の談合問題でもわかりますように、政治はもうかるものとの印象を国民に与え、政治不信をつのらせております。総理が一日も早く政治倫理を確立し、リーダーシップを発揮され、言い古された言葉ですが、国民本位の政治の実現に努力されるよう、その決意を伺って私の質問を終わります。
○国務大臣(鈴木善幸君) 山田さんからお話がございますように、政治倫理を確立をし、そして政治家各人が姿勢を正し、政治に対する信頼を回復をするということが議会制民主主義の私は原点であると、このように考えております。そういう観点から、私を含めまして、常に政治家たる者は国民の代表として姿勢を正さなければなりませんと同時に、国会にも、各党のお話し合いで何とか倫理委員会のようなものでもおつくりいただいて、倫理綱領、そういうようなことで制度的にもお進めをいただいたらいかがかと、これを各党のお話し合いに期待をいたしておるところでございます。 自由民主党におきましても、倫理憲章というものを制定をいたしまして、党員が真剣に政治倫理の確立のために努力をしておるところでございます。
○委員長(植木光教君) 以上で山田勇君の質疑は終了いたしました。 —————————————
○委員長(植木光教君) 昨日の矢田部君の質疑に対し、渡辺大蔵大臣から発言を求められております。これを許します。渡辺大蔵大臣。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 昨日、矢田部委員から御質問のあった五十六年度における石特会計の取り扱いにつきましては、SRCIIプロジェクトの中止に伴う不用などが見込まれるところであり、原重油関税収入の減少が明らかになった場合にも執行面において十分対処可能であると考えております。 なお、この場合、SRCIIなどの不用によって生じた財源も、当初予算で議決された範囲内の歳出に充当するものであって、新たな歳出権の追加を伴うものではありません。 本件についてはこのように対処してまいりたいが、今後重要な事案についてはその執行状況を適宜必要に応じ御説明するなど、誠意を持って対処したいと存じます。
○委員長(植木光教君) これにて質疑通告者の発言はすべて終了いたしました。質疑は終局したものと認めます。 —————————————
○委員長(植木光教君) それでは、これより補正予算三案に対する討論に入ります。 討論の通告がございますので、順次これを許します。なお、発言者は賛否を明らかにしてお述べ願います。矢田部理君。
○矢田部理君 私は日本社会党を代表して、昭和五十六年度補正予算案に対し、反対の立場から討論を行います。 今回の補正の第一の問題は、税収不足で歳入欠陥が明らかになったことであります。政府はこれを物価の予想以上の安定によるとしておりますが、物価安定を税収不足の理由とするのは筋違いと言わなければなりません。物価の安定は本来個人消費の拡大等につながるはずのものでありますが、そうならず、税収不足となったのは、勤労者の実質可処分所得の落ち込みなど消費不況が深刻であり、また内需の予想以上の停滞など、政府の経済政策の失敗に最大の原因があります。 第二は、政府は減収見込み額を四千五百二十四億円としておりますが、今日までの実績や現状から見て、さらに大きく落ち込む可能性が高いと見なければなりません。もし政府の見積もりが大幅に外れたときは、まさに政治責任が問われるべき問題であると考えますが、政府はみずからの政策の失敗を認めないばかりか、見積もりは見積もりであって、例年そのとおりにはなっていないなどと無責任な態度をとっていることは何としても許せません。 第三には、このたびの補正で赤字国債を増発していることであります。 政府は増税なき財政再建をうたい、五十九年度までに赤字国債をゼロにすると言い、今年度を再建元年と位置づけてきたのに、その初年度から三千七百五十億円という特例公債を追加発行し、今後の財政再建を事実上破綻させた責任はきわめて大きいと言わなければなりません。経済は生き物であるなどと責任を回避する態度では困るわけであります。鈴木総理の、財政再建公約が守れないときは政治責任をとるという言明を厳しく見詰めていくことを申し添えておきたいと思います。 第四に、石特会計について原重油関税の大幅な落ち込みが想定をされ、またわが党がかねてから指摘をしてきた石炭液化プロジェクト予算もSRCIIの中止に伴って相当額が不用額になるなど、歳入歳出について重大な変更を余儀なくされております。にもかかわらず、補正予算を提出せず、大蔵省の事務レベルで処理をするというやり方は財政民主主義を形骸化するものであり、もってのほかであります。 第五には、所得税減税について誠意を見せない政府の態度を厳しく糾弾をしておきたいと思います。 五十二年度以来所得税減税を実行せず、租税負担率も急上昇していることは明白であります。物価の落ちつきにもかかわらず個人消費が拡大をしないのは、賃金の抑制等と相まって、ここに大きな原因があります。財源問題については、わが党もすでに突出した軍事予算の削減を初め、具体的な提案をいたしており、捻出方法は幾らでもあります。要は政府の姿勢に尽きると思うのでありますけれども、政府の再考、検討を強く求めておきたいと考えます。 最後に、F4ファントムの試改修に係る五十六年度予算について言及をしておきたいと思います。 ファントムの爆撃装置につきましては、昭和四十三年に増田防衛庁長官がわが党などの追及を受けて取り外したものであり、政府は自来今日まで増田答弁を踏襲してまいりました。にもかかわらず、試改修とは言え、今年度予算にこっそりと持ち込み、既成事実化を図ろうとしていたことは、防衛政策の重大な変更であるとともに、国会軽視であり、断じて許すことができません。この事実を総理すら知らなかったということであればなおさらのことであります。 したがって、F4の試改修予算の執行は、一時停止するのではなく、執行を取りやめ、不用額として処理すべきであります。 この問題は、先ほど防衛庁長官から、引き続き参議院予算委員会でも審議をしてほしい旨の答弁がありましたので、参議院の本予算審議の際改めて取り上げ、関係者の責任問題を含めて本格的に論議をしていきたいと考えております。 以上、数点にわたり反対の理由、問題点等を述べて私の討論を終わります。(拍手)
○委員長(植木光教君) 岩崎純三君。
○岩崎純三君 私は自由民主党・自由国民会議を代表して、ただいま議題となりました昭和五十六年度一般会計補正予算外二件について、賛成の討論を行うものであります。 今回の補正予算は、災害復旧費、農業保険費及び公務員給与改善費など当初予算作成後に生じた事由により、国民生活上このまま放置できない緊要なものについてその予算上の追加措置を講ずるとともに、他方、年度当初には予想できなかった租税の減収という状況のもとで、これら追加経費の財源を確保するため、建設公債二千五百五十億円及び特例公債三千七百五十億円、計六千三百億円の公債の増発を行おうとするものであります。 以下、今回の補正予算の主な内容及び問題点について所見を述べてみたいと存じます。 まずその第一は、災害復旧費の追加についてであります。 一昨年の冷害に引き続き、昨年は大豪雪による被害を初めとして風水害など各種の大災害により、その被害額は史上最大となり、ために速やかな復旧が望まれるところであります。 今回、政府では、五十六年発生災害及び五十五年発生災害による公共土木及び農林水産業等災害復旧経費二千六百二十三億円を計上し、その早期復旧を図るため、初年度の復旧進度を引き上げております。このことは内需拡大の観点からも評価できるものであります。 第二は、農業保険費の追加についてであります。 低温、暴風雨等による水稲、リンゴなどの被害の異常な発生に伴いまして、農業共済再保険特別会計の農業勘定及び果樹勘定の再保険金支払い財源の不足に対処するため、今回の補正により同特別会計へ六百十八億円の繰り入れを行うものでありますが、これは被災農民に対する適切な措置であると考えます。 また、国家公務員の給与改善費千五百五十二億円が追加計上されております。国民の奉仕者としての公務員諸君にあっては、一層職務に精励をされ、綱紀の厳正保持を期待いたすものであります。 歳出の追加補正は、以上のほか義務的経費、水田利用再編対策、住宅対策等について行われておりますが、一方、既定経費、地方交付税交付金及び予備費について減額が行われておりまして、差し引き今回の補正による追加額は三千三百七十二億円と相なっております。 また、今回の補正予算においては、年度当初には予想できなかった税収の落ち込みと特別減税を合わせまして四千五百二十四億円の租税収入の減額が行われており、災害復旧を初めとするこれら歳出財源は、建設公債のみならず当初予算で二兆円の特例公債の減額を行ったにもかかわらず、同年度内での特例公債の増発によっております。 今回の税収の落ち込みは、景気回復の立ちおくれや予想以上の物価の安定によるものであり、財政再建元年としてまことに残念でありますが、反面、物価の鎮静化という国民生活の安定にとって好ましい状況もあることを理解しておく必要があります。 いずれにいたしましても、流動する経済情勢の中で税収もある程度上下することは避けがたく、このような事態の中で、公債増発という政策選択をとったことはやむを得ざるものと思うものでありまして、このことは、財政再建の基本路線を崩すものではなく、経済財政事情に対処した微調整と理解すべきものと考えております。 最後に、政府に要望いたしたいのでありますが、いま何よりも必要なことは、物価の安定基調を堅持しながら内需の振興を中心として景気を拡大せしめ、雇用の安定と貿易摩擦の解消を図ることであります。政府の適時適切な経済運営を強く要望いたしまして、補正予算三件に対する賛成討論を終わります。(拍手)
○委員長(植木光教君) 田代富士男君。
○田代富士男君 私は、公明党・国民会議を代表して、ただいま議題となりました昭和五十六年度補正予算三案に対して反対の討論を行います。 まず冒頭、鈴木内閣の経済運営並びに防衛政策について申し上げたい。 政府は、昨年一月における当初予算審議以来内需主導による経済運営を確約され、五月には早くも景気底離れを宣言され国民に期待感を抱かせました。しかし、その後の経済の展開は、この期待を大きく裏切り、内需不振、外需依存を改めることができないまま景気の低迷のうちに推移しました。 すなわち、企業規模、業種、地域によって景気に格差を生じた跛行状態が続き、政府の五十六年度当初の経済見通し五・三%をすでに大きく下回り、その後の改定見通し四・一%はおろか、三%台に落ち込む可能性すらあります。 特県民間調査によれば、中小企業の倒産件数はこの数カ月間連続して危機ラインの月間千五百件を超えております。 また、物価の安定、消費の回復という政府の公約に反し、税金、社会保障費、公共料金などの負担の増加によって可処分所得は実質マイナスとなり、家計を大きく圧迫しております。 このような消費停滞の結果、わが国経済は内需不振に陥り、特に景気に大きな影響を与える住宅建設の不振を招いており、政府の年間建設目標の百三十万戸の達成は不可能となっています。この内需不振の反面、経済は外需依存を一層強めるところとなり、そのため深刻で解決の困難な貿易摩擦を引き起こしております。このような政府の経済政策の失敗の責任はまことに大きいと言わなければなりません。 一方、近年次第に高まりつつあるわが国の軍事大国化の動き、特に米国のあからさまな防衛力増強の要求に応じる政府の姿勢は、すでにわが国平和憲法の枠を大きく踏み外してきております。 また、表面化したF4ファントム戦闘機爆撃装置試改修予算問題に関連して、制服組の発言と政府説明の食い違いなど政府のシビリアンコントロールのあいまいさに対して、国民は不信を増長するとともに、事態に対する鈴木総理の認識の甘さは見逃すことのできない重大問題であり、いずれも政府の防衛政策の根幹を揺るがすものと考えます。 また、武器の輸出や共同開発問題についての政府の姿勢の後退によって国民は大きな不安を抱きつつあり、これら重要諸問題については今後とも政府の責任を厳しく追及しなければならないことをまず申し上げ、以下四点の反対理由を述べたいと思います。 その第一は、税収の見込み違いについてであります。 さきにも述べた経済運営の失敗は、一兆円を超える巨額な税収不足というゆゆしき事態を招来させ、その責任はまことに大きいと言わなければなりません。 補正審議中の現時点においてすでに二次補正が課題となっているありさまであります。 政府は、本補正において所得税初め石油税について当初より四千五百億円の減収を見込んでいますが、中小企業の経営の低迷、個人消費の落ち込みから法人税、物品税についてはさらに下回るのは確実と見られているにもかかわらず、これを等閑視しており、この歳入補正はまさに欠陥予算と言わざるを得ません。 第二は、いま述べた歳入欠陥についての対策の欠如についてであります。 本補正においては、税収減を補てんするために公債の追加六千三百億円に帳じりが合わされています。しかし、現在の経済活力による税収動向からはさらに税収が下回り、五十六年度の財政運営の乗り切りが危ぶまれている以上、まず本補正でその歳入落ち込み分を減額補正し、国会審議にかけるべきであって、現時点において決算調整資金の取り崩し、国債整理基金の余裕金の借り入れを云々するということは財政民主主義に反すると言わなければなりません。 第三に、国民生活への配慮の不備についてであります。 所得の低迷、税など各種負担の増高によって国民生活は次第に圧迫されてきており、これに対して公明党を初め各野党はそろって五十七年度所得税減税を強く要求しているところであります。 このようなときにもかかわらず、政府はこの補正予算において社会的弱者のための施策という財政の持つ大きな機能を放棄しており、これをこのまま認めることはできません。 第四に、本補正によって財政再建が一段と後退したことであります。 当初二兆円減額を目指した特例公債は、本補正で一兆六千二百五十億円に下方修正されました。歳出面において国民は相当の困難な協力を強いられる一方で、経済運営の失敗や歳入面の見通しの甘さから最重要課題である財政再建が遠のくことは、ひいては国民生活に大きな影響を及ぼすことになり、本補正に反対せざるを得ません。 以上四点を申し上げましたが、最後に政府は今後とも国民生活の擁護を第一義に一層の行財政改革を推進されることを要求し、私の反対討論を終わります。(拍手)
○委員長(植木光教君) 沓脱タケ子君。
○沓脱タケ子君 私は、日本共産党を代表して、昭和五十六年度補正予算三案に対して反対の討論を行います。 反対理由の第一は、本案が五十六年度当初予算の反国民的性格をそのまま引き継ぎ、深刻な消費不況と国民生活に何ら有効な対策を講じないばかりか、逆に国民へのしわ寄せを一層強めていることであります。伸び率で社会保障費を初めて上回った軍事費の突出、一兆三千億に上る大増税、福祉、教育の切り捨て、これが当初予算の特徴でした。五十六年度当初予算は、国民生活破壊による軍備拡大の予算であります。このことを端的に示したのが、本案審議の中で明るみに出たF4ファントム戦闘機の爆撃装置復活問題です。この爆撃装置の復活は、政府が再三国会で表明してきた、F4には他国に侵略的脅威を与える爆撃装置はつけないとする方針を変更するものです。しかも、国会にも報告しないばかりか、鈴木総理も知らなかったというに至っては、国会と国民を欺くものであり、断じて許すことはできないのであります。わが党は、爆撃装置復活予算の減額修正、少なくとも執行停止とし、不用額として処理することを強く要求をいたします。 さらに、五十六年度当初予算の執行は、四年連続の所得税減税の見送りによる実質増税と、相次ぐ公共料金や社会保険料の引き上げで可処分所得の低下に苦しむ国民に追い打ちをかけ、深刻な消費不況を招いたのであります。中小企業の経営難や失業者の増大は最悪の事態を迎えています。ところが、政府は本案で当初予算よりさらに私学助成費十六億円、国立学校運営費五十七億円、国立病院運営費五億円など国民生活に不可欠な歳出をカットしているのであります。これは軍事費の思い切った削減と国民生活の充実を求める国民の切実なる願いに真っ向から挑戦するものと断ぜざるを得ないのであります。 反対理由の第二は、本案が財政危機をますます激化させていることであります。鈴木総理は当初予算の成立に際し、国債の二兆円減額を公約いたしました。ところが、本案では六千三百億もの国債を追加発行しようとしています。鈴木総理の公約は根底から覆っていると言わざるを得ません。しかも、事態はより深刻なのであります。今年度の税収欠陥の見通しは、本案に計上されました四千五百億の減額程度ではどうにもならないほど巨額なものであります。それにもかかわらず、政府はその重大な歳入欠陥を覆い隠しているのであります。本補正予算案の税収見込みを達成するには対前年度比一八・五%の税収の伸びを必要といたしますが、四月から十二月までの実績は一〇・三%にすぎません。このままでいくならば、実に二兆二千億にも達する税収欠陥が予想されるのであります。戦後三十五年間、決算段階で赤字が生じたことはただの一度もなく、大幅な歳入欠陥が確実視される現状はまさに異常と言わざるを得ないのであります。これは政府の財政再建計画と臨調路線の完全な破綻を示すものであります。 反対理由の第三は、労働基本権を奪った代償である人事院勧告を大幅に値切った上で、国債の追加発行について、人勧実施に給与改善費や、史上最大規模の災害復旧のためなどを理由にしていることであります。もともと、従来の人勧の内容や予算編成の慣習を無視して、当初予算でわずか一%という常識外れの低い給与引き上げ分しか計上しなかったことにこそ大きな問題があったことは明らかではありませんか。 反対理由の第四は、本案が、地方交付税交付金の四百四十七億円減額など、地方財政をさらに圧迫する内容を持っていることであります。とりわけ重大なのは、地方交付金の減額がこの補正の範囲よりはるかに大きくなることが確実になってきていることであります。先日の大蔵省発表の税収累計をもとに計算をいたしましても、国税三税分の年度末での税収減からくる地方交付金の減額は七千億にも達すると見られるのであります。これにより地方財政が一層窮地に追い込まれるということは必至です。 以上の理由により、私は本案に強く反対することを表明をいたしまして、討論を終わります。(拍手)
○委員長(植木光教君) 伊藤郁男君。
○伊藤郁男君 私は、民社党・国民連合を代表して、ただいま議題となっております昭和五十六年度一般会計補正予算案三案に対し、一括して反対の討論を行うものであります。 いまから一年前の国会論戦の中で、わが党の佐々木委員長は、昭和五十六年度当初予算に対し次のような批判と提言を行ってきたところであります。すなわち、佐々木委員長はこう述べたのであります。行財政改革がほとんど行われず、二兆円の国債減額分の大部分がそのまま国民の負担に転嫁されました。もし政府が真剣に民間の活力を期待するというのであれば、中小企業者に対する各種の増税の取りやめ、物価調整減税の実施、住宅並びに土地対策の推進などを図るべきであります。そうでなければ五・三%の政府経済見通しもとうてい達成できない。このように断言したのであります。ところが、政府・自民党はわれわれの主張には耳をかさず、わずかに一人当たり五百円という超ミニ減税でその場をしのいできたのであります。その後の日本経済の動きはどうであったか。われわれの主張どおり、個人消費は全く停滞し、民間の活力を維持するどころか、中小企業の設備投資も盛り上がらず、住宅建設はますますじり貧傾向をたどったのであります。これがため、政府の経済成長見通しは、当初の五・三%が十月には四・七%に下げられ、ついには四・一%にまで引き下げられたのであります。そして、この四・一%でさえ、その達成は困難な状況にあると言わなければなりません。確かに経済は生き物であり、的確な予測は困難とはいえ、初めから全く裏づけのない希望的観測だけを国民に示し、実績は大幅に狂うというのでは、国民の政治不信はつのるばかりであり、政府の政治責任はきわめて重いと言わざるを得ません。 このことは単に国内だけの問題ではありません。国外に対しても、輸出主導の経済成長は貿易摩擦問題を激化させ、日本はきわめて困難な立場に追い込まれているのであります。 さらに見逃すことのできない問題は、補正予算において四千五百二十四億円の租税収入減を招き、これがため三千七百五十億円の赤字国債の追加発行を行っていることであります。鈴木内閣は当初予算において二兆円の国債減額を最大の公約にして財政再建のスタートを切ったはずであります。ところが税収減が生ずるや否や、いとも安易に赤字国債を追加発行しようとする姿勢は、きわめて無責任な態度と断ぜざるを得ません。政府は、物価が予想以上に安定したので税収減はやむを得ないと抗弁していますが、これは全くの詭弁であります。むしろ政府は、物価が安定すれば消費が回復する、それがきっかけとなって中小企業の設備投資も上向きに転ずると述べていた事実を思い起こすべきであります。確かに税収不足は過去にも経験しているところであります。問題はその穴埋めの方法であります。今回は、当然行財政改革の断行によって処置すべきでありました。税収減即赤字国債の追加発行というのでは、何のためにこれだけ行財政改革の議論を積み重ねてきたのか、全く国民には納得がいかないところであります。鈴木総理が行革に政治生命をかけると言う以上は、年度途中といえども、税収不足は行政経費の徹底切り詰めによって対処するのが当然であります。にもかかわらず、補正予算に計上されている既定経費の節減及び不用額の減額は例年より少ない六百億円にしかすぎません。これでは鈴木総理の行革にかける熱意も上辺だけのきれいごとであり、国民の信頼を得ることは全くできないと言わざるを得ません。 以上、私は昨年の政府の経済運営に対する厳しい批判と、補正予算に対する反対の理由を述べてまいりましたが、このことは過去についての批判だけで済まされる問題ではありません。昭和五十七年度予算と経済運営についても、昨年と全く同様の失敗を再び政府は繰り返そうとしているのであります。特に所得税減税について、ことしもまた財源対策を理由にしてその実現を見送ろうとしているのでありますが、このような姿勢は、昨年の経済運営の失敗の教訓を全く酌み取ろうとしない傲慢な態度と言わざるを得ません。いまこそ総理は、発想を根本的に転換し、勤労者の不公平感を解消し、内需中心の適正な経済成長を図るため、所得税減税を断行すべきであります。 減税は、一時的には税収の減収になりますが、長期的には経済成長を促進し、税の自然増収が期待でき、財政再建に大きく寄与するものであります。このように発想を根本的に転換することが、現在八万ふさがりに陥っている経済、財政問題を解決する一歩ともなります。このことは、まさに政府に最も強く求められている政策課題と思いますが、総理の決断を強く期待して、私の反対討論を終わります。(拍手)
○委員長(植木光教君) 以上で討論通告者の発言はすべて終了いたしました。討論は終局したものと認めます。 それでは、これより採決に入ります。 昭和五十六年度一般会計補正予算、昭和五十六年度特別会計補正予算、昭和五十六年度政府関係機関補正予算、以上三案を一括して採決いたします。 三案に賛成の方の起立を願います。 〔賛成者起立〕
○委員長(植木光教君) 多数と認めます。よって、三案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。(拍手) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(植木光教君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 これにて散会いたします。 午後五時三分散会