法務委員会 第1号
- 発言数
- 92 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1981/12/22
会議録
○委員長(鈴木一弘君) ただいまから法務委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 去る四日、杉山令肇君が委員を辞任され、その補欠として世耕政隆君が選任されました。 また、去る十八日、中山太郎君が委員を辞任され、その補欠として中西一郎君が選任されました。 また、昨二十一日、世耕政隆君及び安井謙君が委員を辞任され、その補欠として岩本政光君及び福田宏一君が選任されました。 また、本日、中西一郎君が委員を辞任され、その補欠として江島淳君が選任されました。 —————————————
○委員長(鈴木一弘君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い、現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(鈴木一弘君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に平井卓志君を指名いたします。 —————————————
○委員長(鈴木一弘君) 調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。 本委員会は、今期国会におきましても、検察及び裁判の運営等に関する調査を行うこととし、この旨の調査承認要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(鈴木一弘君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 なお、要求書の作成につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(鈴木一弘君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(鈴木一弘君) 坂田法務大臣及び竹内法務政務次官から発言を求められておりますので、順次これを許します。坂田法務大臣。
○国務大臣(坂田道太君) 一言ごあいさつを申し上げます。 このたび、はからずも法務大臣に就任いたしまして法務行政を担当することになりました。私は、法務行政に課せられました使命は、法秩序の維持と国民の権利の保全にあると考えております。国民生活の安定を確保し国家社会の平和と繁栄を図るためには、その基盤とも言うべき法秩序が盤石であって国民の権利がよく保全されておるということがきわめて肝要であると存ずるものであります。特に、わが国の内外にわたりきわめて困難な問題が山積しておりますこの時期に当たりまして、その職責のいよいよ重大であることを痛感いたしておる次第であります。 私は、こうした認識のもとに、法務行政の各分野にわたり一層の充実を図り、時代の要請に応じた適切な施策を講じ、真に国民の期待する法務行政の遂行に万全を期してまいりたいと存じております。もとより、これらのことは、委員長初め委員各位の御理解、御協力なくしてはとうてい果たし得ないのでありますから、どうかよろしく御支援、御鞭撻のほどをお願い申し上げます。 以上、簡単でございますが、所信の一端を申し述べ、就任のごあいさつといたします。(拍手)
○委員長(鈴木一弘君) 竹内法務政務次官。
○政府委員(竹内潔君) このたび法務政務次官に就任いたしました竹内潔でございます。 時局柄、大任でございますけれども、坂田法務大臣のもとでよき補佐役として、時代に即応した法務行政に、微力でございますけれども最善を尽くしたいと思っております。何とぞ委員諸先生の御指導、御鞭撻をお願い申し上げます。 簡単でございますけれども、ごあいさつにかえます。(拍手) —————————————
○委員長(鈴木一弘君) 裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案及び検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案を、便宜一括して議題といたします。 まず、政府から順次趣旨説明を聴取いたします。坂田法務大臣。
○国務大臣(坂田道太君) 裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案及び検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案について、その趣旨を便宜一括して説明いたします。 政府は、人事院勧告の趣旨等にかんがみ、一般の政府職員の給与を改善する必要を認め、今国会に一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案及び特別職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案を提出いたしました。そこで、裁判官及び検察官につきましても、一般の政府職員の例に準じて、その給与を改善する措置を講ずるため、この両法律案を提出した次第でありまして、改正の内容は、次のとおりでございます。 第一に、最高裁判所長官、最高裁判所判事及び高等裁判所長官の報酬並びに検事総長、次長検事及び検事長の俸給は、従来、特別職の職員の給与に関する法律の適用を受ける内閣総理大臣その他の特別職の職員の俸給に準じて定められておりますところ、今回、内閣総理大臣及び国務大臣等を除く特別職の職員について、その俸給を増額することとしておりますので、おおむねこれに準じて、高等裁判所長官の報酬並びに次長検事及び検事長の俸給を増額することといたしております。 第二に、判事、判事補及び簡易裁判所判事の報酬並びに検事及び副検事の俸給につきましては、おおむねその額においてこれに対応する一般職の職員の給与に関する法律の適用を受ける職員の俸給の増額に準じて、いずれもこれを増額することといたしております。 これらの給与の改定は、五号から十二号までの報酬を受ける判事補及び十号から十七号までの報酬を受ける簡易裁判所判事並びに十三号から二十号までの俸給を受ける検事及び七号から十六号までの俸給を受ける副検事にあっては昭和五十六年四月一日にさかのぼって行い、その他の裁判官及び検察官にあっては昭和五十七年四月一日から行うことといたしております。 なお、最高裁判所長官、最高裁判所判事及び高等裁判所長官並びに検事総長、次長検事及び検事長に支給する調整手当については、当分の間、内閣総理大臣及び国務大臣を除く特別職の職員の例により増額できるようにいたしました。 以上が、裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案及び検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案の趣旨であります。 何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願いいたします。
○委員長(鈴木一弘君) 以上で趣旨説明は終わりました。 これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○寺田熊雄君 ただいま大臣から提案の趣旨を御説明になりました裁判官、検察官の報酬、俸給のアップに関する法律案でありますが、ただいま御説明がありましたように、今年の四月一日にさかのぼって適用をされる裁判官、検察官というようなものの給与を見ますと、いずれも月額が二十五万程度の額であります。昨今の物価その他の経済事情にかんがみますと、これらの給与の額というものは決して多額であるとは考えられない。それぞれに教育を授ける子弟を有しておるこれらの職員の生活というものが決して豊かなものでないということが、われわれの常識で考えられるわけであります。人事院の勧告は、そうした区別をせずに、一律に本年の四月一日にさかのぼってこの改正の俸給額を適用するというものであったと思いますが、これは間違いありませんか。
○政府委員(長橋進君) そのとおりでございます。
○寺田熊雄君 そうといたしますと、今回のこの法案の趣旨、この原案を決定いたしました政府、鈴木総理大臣以下政府のお歴々は、公務員の生活は楽である、公務員はぜいたくをしておるというような誤った認識を持っておるんではないだろうか、そしてその誤った認識を吹聴して公務員と民間の俸給生活者との間の心理的な疎隔を図るというか、とかく公務員はぜいたくをしておるというような民間のジェラシーをたきつけるというか、誤った政策がそこにあると考えざるを得ないわけであります。 また、人事院勧告は、憲法二十八条によって公務員に与えられた労働三権を公務員法によって奪ったことの代償措置としての意味があるわけで、これは憲法にその制度の基礎を持っておるわけでありますから、その人事院勧告をないがしろにしてこういうような法案を提出するということは、国民生活を守るといういまの坂田法務大臣のお言葉からしても、そうした目的に逆行するわけであります。 人事院としては、自分の職責を大切にして、それから自分の仕事を誇りにしておられるのならば、こういうふうに勧告をないがしろにされておるということに対しては、やはりたってこれに抗議をするというか、もっと自己の職責を十二分に果たしていかなければならない、私はそういう義務があると思う。これに対して人事院としてはどういうふうにお考えになっていらっしゃるか、ちょっとお伺いしたい。
○政府委員(長橋進君) 今回の人事院勧告に対する取り扱いにつきまして、人事院としてはどう考えておるかというお尋ねでございますので、勧告当事者という立場からということでお許しをいただきまして、率直に考えておりますところを述べさせていただきたいと、このように思います。 現在、財政事情等が大変厳しい状況にあるということは、私どもも重々承知しているつもりでございます。そういう状況の中で、いわゆる一般職員の月例給与等の大部分が四月一日から改定されるということは、それなりの配慮があったものというふうに考えております。 しかしながら、人事院勧告制度につきましては、先生ただいま御指摘のとおり、第一には、労働基本権の制約に対する代償措置であるということ、第二には、国家公務員の給与につきましては民間の給与に準拠するということをたてまえといたしまして、人事院が専門的中立な機関といたしまして、官民双方の給与の実態というものを正確に調査、把握いたしまして、その結果に基づきまして、職員に対する公正適切な処遇を確保する、それによって公務の円滑な運営というものが図られるということから、国家公務員の給与についてはこれこれの改善を図る必要があるということを給与の専門機関として判断して、確信を持って御勧告を申し上げたところでございます。 最終的にはこれは勧告でございまして、内閣と国会に御勧告申し上げたところでございますから、最終的には国権の最高機関の意思決定に従うということではございますけれども、人事院の給与勧告につきましては、これはもう申し上げるまでもないことでございますけれども、四十五年以来、実施の時期、内容等も含めて完全実施されておるということでございます。これはすでに十年にわたって行われておりますので、私どもとしましては慣熟し、また定着した公務員給与決定手続としての一つの確立されたルールであるというふうに私どもは考えております。 そういう立場から申し上げますと、今回の取り扱いは大変残念であったということでございます。総裁もすでに国会で申し上げておりますけれども、大変に人事院としては遺憾に思うということを申し述べておるところでございます。私としましても、率直に申し述べましてそういう感じを持っております。 しかしながら、先ほど申し上げましたように、最終的には最高機関の決定に従うということであろうと思いますが、今後人事院勧告に対する取り扱いにつきましては、ことしのような措置が前例とならないように人事院としましては切望する次第でございます。
○寺田熊雄君 いま局長の言われたように、やはり人事院としては今回政府のとった措置は遺憾である、残念であるというだけではなくして、来年度にもやはりこの制度がありますし、あなた方がやはり御勧告になると私どもは考えておるわけです。これが前例とならないように切望するというお答えでありましたけれども、来年度はやはり今年度の経緯にかんがみて、総裁以下、相当な重大な決意でこれに当たっていただきたいと思う。もしもやはりこういうふうに勧告がないがしろにされるというようなことがあれば、総裁は政府の措置の不当を鳴らして、職を辞してその不当性を国民に訴えるというぐらいなやはり決意を持っていただかなくちゃいかぬ。 私は、きょう総裁の御出席を求めたいと思ったけれど、総裁は内閣委員会が所管委員会で、それにお出になるということでありましたので局長にかわっていただいたわけであります。私どもは、やはりそれぞれのつかさつかさが御自分の職責を大切にし、誇りを持って、これが最善と考えた以上は、軽々にそれを捨てて省みないというような扱いを受けた場合には、やはりそれなりのそれに対するふさわしい対応の措置をとっていただきたいと思う。 私がきょう要望したことは局長、総裁によくお伝え願いたいと思うんですが、いかがですか。
○政府委員(長橋進君) 人事院といたしましては、その与えられた使命を自覚いたしまして、職責を全うするために最善を尽くすつもりでございます。したがいまして、来年以降につきましても、人事院に与えられた使命のもとに、自覚のもとに、従来どおりの基本姿勢、これを踏み外すことのないように努めてまいるつもりでございます。 なお、ただいま御指摘の点につきましては、人事院総裁にも篤と伝えておきたいと思います。
○寺田熊雄君 大臣、いま人事院の給与局長と私との間で、いろいろお尋ねしたりお答えがあったりしたことなんですが、大臣はどういうふうにお考えでしょう。 この給与法の改正案によりますと、今年の四月一日にさかのぼるものと、来年の四月一日から適用があるものとのその境というものは、月額が二十五万程度の裁判官であり検察官であるわけですね。私ども多少裁判官、検察官の御生活というものは知らぬわけではないんですが、これらの人々は生活が楽である、人事院勧告の実施をそのとおり、額面どおり行わなくても構わない、困ってはおらぬぞという御認識ですか。それともやはり、いま昨今の経済事情にかんがみますと、二十五万程度の子供を持つ検察官あるいは裁判官の生活はやはりそう楽じゃないんだ、人事院勧告どおり実施してしかるべきであったとお考えになりますか。どちらですか。
○国務大臣(坂田道太君) 私は法務大臣に就任間もないわけでございまして、余りつまびらかにはいたしておりませんけれども、しかし、いま給与局長からお話がありますし、また先生の御指摘もございますし、また事務当局から聞きましたところによりますと、決して楽ではないというふうには認識しておるつもりでございます。
○寺田熊雄君 やはり大臣のおっしゃるとおり、決して生活は楽じゃないようですね。ただ、この人事院勧告をめぐる私の予算委員会の論議にかんがみますと、どうも鈴木総理以下給与担当閣僚の皆さんは、何か公務員は困っていないんだ、生活は楽なんだという間違った認識を持っていらっしゃるのじゃないだろうか。だから、財政が苦しければやっぱりこらえてもらうんだ、民間とは違うんだというような御認識があると思うのです。これは間違いだと思いますからして、大臣は恐らくそう短命な大臣ではいらっしゃらない、相当な輿望を担って御就任になられたお方でございますので、そういう誤った認識は是正していただくように閣内で十分御発言をいただきたいと思いますが、いかがでしょう。
○国務大臣(坂田道太君) やはり裁判官あるいは検察官にいたしましても、それぞれ生活を持っておりましてなかなか楽ではない。そういうようなことをやはり十分承知した上で、今後法務行政を行ってまいりたいというふうに思いますし、先生の御指摘は御指摘として承っておきたいと思います。
○寺田熊雄君 次に、大臣御就任になられましてまだ日が浅いようでございますが、前の奥野法務大臣、非常にお仕事に御熱心でいらっしゃったわけであります。事務当局を鞭撻されて刑法改正あるいは国籍法の改正、監獄法の改正等について、そのスケジュールを大いに早めるようにと大声疾呼されたような感じがするわけであります。 そのことは、新聞紙上に何回も報道せられましたので大臣も御存じと思いますが、刑法改正というのは、御承知のように、国民生活を規律する六法のうちの非常に重要な法律でございますので、その意欲の盛んなることは評価をいたしますけれども、私ども、新しい保安処分等の制度を盛っておるようでございますので、これはやはり日弁連でありますとか、あるいは所管の厚生省でありますとか、精神神経学会等とも十分意思の疎通をお図りになられまして、その上で態度を決していただきたいと考えておるんですが、こういった点、大臣はどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(坂田道太君) 刑法改正というのは、これは非常に重大な改正、基本的改正、ことに明治四十年以来初めての大改正というふうに聞いておるわけでございます。しかも、昭和四十九年の五月二十九日に法制審議会から、刑法に全面的改正を加える必要がある、改正の要綱は同審議会の作成いたしました改正刑法草案によるという答申があるわけでございます。 それ以来、もう七年たっておるわけです。法務省といたしましても、歴代の法務大臣がこれに取り組んでこられたと承っておるわけでございまして、前法務大臣からも引き継ぎを受けました。事務当局の話によりますと、来年の三月ごろをめどに通常国会に出すべく作業を進めておると、こういうことでございました。 しかしながら、一方、先ほど申し上げますように、この刑法の改正というのは国民生活に密接な関係を持つものでございます。非常に重大な私は法案だというふうに思います。内容も私はそうだと思います。したがいまして、やはり私といたしましては、これに対しては、前任者は十分やられたと思いますけれども、私自身もやはり十分責任を持って衆議院、参議院に提出できるものにしなければならないと思っております。 したがいまして、内容についての検討、それか・らまた、民主社会におきましてはやはりその手続というのが非常に大事だと私は考えるわけでございまして、日弁連、あるいは厚生省その他いろいろのところとの折衝ということは、やはりこの法案ができ上がって、そしてたとえば両院を通過いたしまして施行されるというときに、本当にみんなが支持できるかどうかということが、法の運用にはきわめて私は密接なかかわり合いを持つという意味合いにおきまして、その手続もやはり慎重にしなければならないではないかと思っておるわけでございます。 私のいまの気持ちは、ただいま申し上げましたとおりでございます。
○寺田熊雄君 大臣のいまの御説明ですべてが十分足りておるわけではございますけれども、しかし、もう一歩進めてお尋ねをいたしますと、いままで法務委員会、予算委員会等でこの問題が論議せられましたときに、保安処分に関連しましては、とりわけ厚生省の方は、どちらかというと、園田厚生大臣当時でもそうでございましたけれども、現行の措置入院制度等の活用をもって賄えるという御意見もないではなかったわけであります。 その後、法務省と厚生省との間の完全な意思の合致がもうすでにできておるのかどうか。それから御承知のように、日弁連との間には相当激しい反対論があること、これは御存じのとおりであります。精神神経学会またしかりでありますが、これらのものとの間の意思の疎通は現段階において十分にできておるのかどうか、また、来年の三月までにそれが完全に果たし得るのかどうか、そのお見通しはどうか、こういう点についてお答えいただきたいと思います。
○政府委員(前田宏君) 刑法の全面改正につきましては、ただいま大臣からお答えがございましたような基本的な方針で臨んでいるわけでございますが、ただいまお尋ねの二、三の点につきまして申し上げますが、ただいまお尋ねの中で、厚生省はどちらかというと消極的ではないかというような感じでのお尋ねのように聞こえたわけでございますけれども、私ども必ずしもそうは理解していないわけでございます。ただ、いろいろと保安処分につきましては検討すべき問題も多々あるわけでございますので、かねてから厚生省とも協議といいますか、話し合いを続けているところでございますけれども、その話し合いを現に継続しているところでございます。 また、日弁連との関係につきましては、寺田委員も御案内のように、いろいろな機会に日弁連の意見を聞いておるわけでございますけれども、現在もいわゆる意見交換会ということで意見の交換を続けているところでございます。ただ、遺憾ながら、率直に申しまして、窓口といいますか入り口のようなところで議論がつかえているというような感じもするわけでございますので、今後、より具体的な意見を求めたいという考えでございます。次回が二十六日ということに予定されておりますので、その機会には、いま申しましたような意味で、私どもの現在考えております考え方等もある程度具体的に日弁連の方に示しまして、そのことによって具体的な意見を求めるというようなことも考えているところでございます。 そういうようなことでございまして、基本的には三月国会提出をめどということで鋭意作業を進めているところでございますが、それは今後のいろいろな交渉なり折衝なりという結果を待ちまして決まることでございますので、いまのところはっきりしているわけではございません。
○寺田熊雄君 局長、いかがですか、三月までにはあなた方としてはそういう各方面の了解が取りつけられるという自信をいまお持ちの状態ですか。あるいはいま混沌としてまだ不明であるというのでしょうか。そのどちらでしょうか。
○政府委員(前田宏君) 私どもといたしましては、最大限努力をいたしまして各方面の御理解を得たいと、かように考えております。
○寺田熊雄君 あなた方のお気持ちはよくわかるんですね。ただ、見通しはどうですか。
○政府委員(前田宏君) 私どもといたしましてはいま申し上げたとおりでございますが、相手のあることでございますから、私だけの考えのとおりにいくというわけにはまいらないと思いますけれども、繰り返して申し上げますように、最大限の努力をいたしまして御理解を得たいということでございます。
○寺田熊雄君 保安処分などは、精神神経学会なり医師の協力を得ませんと実際できませんわね。それからいまの財政難で、本当に学問的な検討の後に十分満足だと言えるような新しいそういう施設がいまの財政事情で可能かどうかということを考えても、われわれとしてはどうも不可能ではないかというような感じがするわけです。それから人的、物的に言って、理想的なものというものはちょっと困難なように思うわけですね。そういう面の自信というようなものは、事務当局はお持ちなんでしょうか。
○政府委員(前田宏君) 新しい制度を導入するわけでございますから、いろんな意味で困難な問題があることは承知しているわけでございます。それもいわば制度の内容いかんによりまして、いろいろと予算的な面も変わってくるわけでございますから、具体的にいまそういう面も検討しているところでございまして、いまおっしゃいました言葉をおかりいたしますと、理想的なものと考えますとなかなか困難かと思いますけれども、そういうものを待っておりましてはいつまでもできないということもあるわけでございまして、やはり物は現実的に考えて一歩一歩進めていくということも一面必要ではないかと、かように考えております。
○寺田熊雄君 きわめて国民の基本的人権に密接な関係のある制度であります。そして、人の自由を束縛する制度でありますので、余り粗末な速成的なものでともかくやるんだ、ともかくスタートするんだというのは、どうもわれわれとしては慎重であってほしいと考えるわけであります。 法務省というのは、予算その他いつもどちらかというと重要官庁、産業官庁などと比べますと予算が乏しいのであります。願わくはやはりそういう点、十分慎重に理想的なものを追求してほしいと私どもは考えておるわけであります。その点は大臣もひとつ十分お考え願いたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(坂田道太君) やはり刑法改正が、基本法でありますだけに慎重でなければならない。しかし、やはりそこには理想と現実との調整というものも必要だというふうに考えております。 しかしながら、いまお話しのような諸点につきましては十分検討させていただきまして、できるだけ私たちが目指しております方向へ取りまとめていきたいと考えております。
○寺田熊雄君 なお、前の奥野法務大臣、お仕事に御熱心であったことは先ほど申し上げたとおりであります。ことに御熱心さの余りでしょうか、あるいはまた他に存念がおありになってのことでありましょうか、そこのところはわかりませんが、とかくロッキード事件に関する検察官の公判維持の努力といいますか、そういうものに水をかけるのではないかというような言動、御自身のお気持ちはともあれ、客観的に見るとそう思われても仕方のないような言動がおありになりました。 私どもそれについては、当法務委員会において厳しくその点の是正を求めていったつもりでございますけれども、やはり大臣の検事総長に対する指揮権といいますか、それは、何か検察権の行使が法秩序の維持の上で間違った道を歩むというような場合でないと私は許されないと思います。ロッキード事件のように政界の腐敗というものを除くんだと、そういう高い次元から涜職の事犯あるいは議院証言法違反の事案、外国為替管理法違反の事案、そういうものに関して検察官が捜査をし公訴を提起し公判の維持に努力するというのは、これは検察当局としては当然の義務を果たしておるわけで、法秩序の維持の上からまことに適切な措置でございますね。それに水をかけるというようなことは、これは法務大臣としてはちょっと足を踏み外していらっしゃるんじゃないかと私は考えたわけであります。 大臣としては今後そういうふうに、そういう御意図はないことはよくわかるんですが、客観的にそういうふうに思われても仕方がないというような言動は、これは厳にやっぱり慎んでいただきたいと思うわけであります。大臣のそういう点の御所信をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(坂田道太君) 私、法務大臣を引き受けました以上は、やはり私に与えられました職務が公正に行われるようにしなければならないというふうに思っております。したがいまして、奥野法務大臣は奥野法務大臣といたしまして、私は私として、公正な厳正な公判活動と申しますか、そういうものが行われるようにしなければならないのじゃないかと思っております。そのためには、やはり現在一生懸命努力をしておりまする検察当局を信頼していきたいと考えております。
○寺田熊雄君 次に、刑事事件におきましては、弁護人必置の事件につきましてもその他の事件につきましても、貧困のために弁護人を付し得ない人々に対しては、国選弁護の制度がございますね。それから、私権を侵害された人が弁護士を依頼できない場合に、法律扶助協会というのがありまして、弁護士をつけ得るように経済的な援助をする、そういう制度もあります。これは奥野法務大臣も大変力を入れてくださいまして、昨年度、法律扶助協会の補助金ですが、久方ぶりに増額を見たわけであります。これについて大臣の御認識はどうかということ、この点、ちょっとお伺いしたいと思います。
○国務大臣(坂田道太君) 法律扶助事業に対する補助金の予算の確保につきましては、最大限に努力をしてまいりたいというふうに考えております。 公正なる裁判が行われるためには、やはり一方において検察の罪の追及があると同時に、それを弁護する弁護人の活動があって初めて裁判官は公正な裁判ができるものだと私は確信しておるわけでございまして、その意味合いにおきましても、貧しいためにそういうものをつけられない、そういう人たちに対して、やはりそれがつけられるようにしてあげるということが私は裁判の公正を図ることじゃないかというふうに素人なりに実は考えておるわけでございます。
○寺田熊雄君 法律扶助協会は民事事件でございますので、大臣、どうぞひとつ法律扶助協会についての御認識を深めていただきまして、これに対する、この仕事の重要性につきましても十分御努力をお願いしたいと思いますが、いかがでございましょう。よろしゅうございますか。
○国務大臣(坂田道太君) 最大限の努力をいたしたいと考えております。
○寺田熊雄君 最後に、法務行政の中でいま非常に重要性を持っておりますのは、法務局の仕事が非常にふえてまいりました。そこで、職員の増員につきまして、従来、これはもちろん法務省御当局も大変御努力になっておりますが、職員の労働組合であります全法務労働組合なども大変力を入れて、この場合は職員も当局も一体となって法務局の仕事を完全なものにしたいという努力を続けておるわけであります。私ども、大蔵省当局にその要望をいままでしてまいりましたところが、責任ある大蔵省の当局者が、この問題はいずれは大臣折衝にゆだねられなきゃならぬ問題だというふうに私どもの方にも申しております。重要性は認めておるけれども、昨今の財政事情でありますので非常にそこに困難もある。結局、大臣折衝でこれはやはりやっていただかなきゃならぬ問題だというふうに言っておるのであります。 法務大臣として、やはり事務当局から事情をよくお聞き取りになりまして、法務局の職員、保護観察所、入管職員、そういう非常に事務量が増高しておるにかかわらず職員がふえていないという分野については、御就任間もないことでございますけれども、一層努力をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(坂田道太君) 実は、昨日の閣議におきましても特に発言を求めまして、法務省においては法務局・地方法務局の登記部門の事務量が激増しており、刑務所等の矯正施設においても被収容者が増加する傾向にあるなど業務処理が著しく困難になっており、所要の増員を確保する必要があるので、このような特殊事情を十分配慮してもらいたいということを申し上げておるわけでございます。 私、事務当局から聞きましても、この十年、昭和四十五年から五十六年まで、登記事務につきましても甲号が大体一・二一倍、登記乙号につきましては二・二七倍になっておる。ところが一方、登記従事職員は一・一五倍にしかすぎない。これをもってしても、いかに仕事が加重されておるかということがわかると思うのでございますし、一方、法務省は国民に対してサービスをする必要がある。ところが、これではなかなかサービスができないのではないだろうか、そういう実情じゃないだろうかというふうに思いますので、この問題は今後とも先生の御指摘のとおりに努力してまいりたい、かように考えております。
○寺田熊雄君 法務大臣に対するお尋ねはこれで終わりまして、最後に最高裁判所の方にちょっと一言。 これは、日弁連等から強い要望があります国選弁護料の引き上げの問題がありますね。それで私ども、いままで最高裁事務総長にも強くこの点の要望をし、大蔵当局にも要望してまいりました。あなた方のこの問題に関する御方針は、大体物価等の増高の状態を見て、昨年度よりも六・六%のアップという原案を作成して要求していらっしゃるというように聞いておりますが、間違いないでしょうか。それから、その後の大蔵省当局との間の折衝の経緯はどんなふうか、ちょっとお伺いしたいと思います。
○最高裁判所長官代理者(小野幹雄君) 私どもの方で大蔵省に要求しておりますのは六・六%でございまして、地方裁判所で申しますと三開廷を要する事件、ただいまのところは四万四千百円というのでございますが、それを四万七千円ぐらいにしたいと、こういうことで要求して、その必要性をいろいろと説明しているというところでございます。
○寺田熊雄君 六・六%というのは、大体昨今の経済事情から見てまあまあ最低のものであると私ども考えておるわけですが、なかなか厳しい財政事情ではあると思いますけれども、そのあなた方の御方針を貫徹するように鋭意努力してもらいたいと思うんですが、その点いかがですか。
○最高裁判所長官代理者(小野幹雄君) 私どもはこれで十分だと思っているわけではございませんで、ただいま御指摘がございましたように、厳しい財政状況というようなものも考慮してこういうことにしているわけでございまして、私どもとしてはこれはぎりぎりということで、これからもこの額を何とか実現していただくように努力していきたいと考えております。
○藤原房雄君 裁判官の報酬等に関する法律並びに検察官の俸給等に関する法律の一部改正案ということでございまして、これは毎年行われておることでございますが、二、三点、この問題お尋ねをいたしたいと思いますが、それに伴います法務行政につきましても二、三お尋ねを申し上げたいと思います。 最初に大臣から所信といいますかごあいさつがございましたが、法の秩序の維持のため、また国民権利の保全のために真剣に取り組んでいきたいという力強いお話がございましたが、いま同僚委員からもお話ございましたように、非常に大事な時点でもございますので、ひとつせっかく御努力をいただきたいものだと思います。詳細なことについては、再開国会等に個々の問題についてはまたお尋ねを申し上げたいと思います。本日は給与のことが中心になりますので、その問題に入っていきたいと思います。 最初に、何点かについては先輩委員からもお話ございましたが、このたびの給与改定に当たりましては、十一月の二十七日の閣議決定で給与改定に関しましての取り扱いについて決定がなされたわけでありますが、これを見ますと、給与改定の財源確保のため、歳出削減、事務の簡素合理化等の措置を行うものというふうに言われておるわけですけれども、これは法務行政の中で、私どももここ数年いろいろ見さしていただいておりますが、財源確保のために歳出削減とか事務の簡素化、合理化ということは一番むずかしいことだと思います。 特に、裁判所につきましては、この文言というのは具体的にどういう形でこれが措置されるのかということを考えますと、非常にむずかしいのではないかというふうに思うわけですが、こういう閣議の決定を受けて、裁判所としましてもこの問題についてはいろいろ御討議をなさったんだろうと思いますが、その辺の経過ですね、また処置、これはどういうふうになっていらっしゃるか、ちょっとお尋ねいたしたいと思いますが。
○最高裁判所長官代理者(大西勝也君) このたびの公務員の給与改定につきましては、ただいま御指摘のように、十一月二十七日の閣議決定でおよその給与関係についての御方針というものが内閣で決定されたわけでございます。 裁判官の報酬の関係につきましては、藤原委員御承知のことと存じますけれども、最近の裁判官の報酬法のあり方といたしましては、裁判官の報酬法十条とも関係いたすことでございますけれども、一応その対応金額スライド方式という方式でございまして、一般の公務員の給与の金額に対応する裁判官の報酬、その対応金額に従いましてスライドをいたしましてアップしていただくというやり方をとってきておるわけでございます。 したがいまして、今回の裁判官の報酬法の改定に当たりましては、内閣総理大臣それから国務大臣につきましては据え置き、その他のそれ以下の裁判官につきましてそれぞれの特別職、一般職の各公務員の対応しておる金額にスライドいたしまして、凍結したところもございますし、上げたところもございますし、まあいろいろということでございまして、特に今年変わったやり方ということではございませんで、従来どおりのやり方で報酬法を作成していただいている、こういう経過でございます。
○藤原房雄君 これは裁判所も準じていることですからあれですが、法務当局としましては、この財源確保のことについては——財源確保といいますか、歳出削減とかいろんな御努力をなさったろうと思うのでありますけれども、このことについては私どもこの前の質疑の中でも一部については認識はいたしておるわけですけれども、今度のこの給与改定の財源確保というこういうことでありますから、非常に限られた中でのことでいろんな御配慮があったんだろうと思います。 中身のことじゃなくて、この財源確保のための歳出削減とか事務の簡素化、合理化、こういうことに取り組んだ諸問題について、こういう努力がなされたんだという処置とか経過とか、その間のことについてお尋ねしたいと思うんですけれども。
○説明員(千種秀夫君) この給与法関係につきまして、特にその財源確保のための措置ということになりますと、これは給与の改善について一般政府職員の給与と同様な削減措置をしたということに尽きてしまうのでございますけれども、政府全体といたしましては、ただいま予算の折衝中ではございますが、その中におきましてそれぞれの歳出の削減についていろいろな努力をしておるわけでございます。その詳細につきましては私の方から御説明申し上げる筋ではないのかもしれませんけれども、各局におきましてそれなりの努力を払っていることと理解しております。 私ども担当の給与法に関係する限りだけを申しますと、ただいま裁判所の方からも御説明ございましたように、一般職の給与の改定にならいまして、特に上の方の部分相当部分につきましては来年の四月一日から給与を改定することにいたしまして、ことしの分につきましてはそれをとどめるという措置をとったわけでございます。
○藤原房雄君 ちょっと担当のことでないからまことに申しわけないんですけれども、大臣、このたび十一月二十七日の閣議決定で、三番目の「上記の給与改定は、大幅な財源不足下における措置であることにかんがみ、各般にわたる財源確保の方策の一環として経費の節約を行う等歳出の一層の節減を図り、人事院勧告実施の財源の一部に充てるとともに、今後なお引き続き、既定経費の見直し、経費の重点化・合理化等により経費の増加の抑制に努めることとし、」云々と、こうあるわけなんですけれど、私ども法務委員会でいろいろ今日まで勉強さしていただきましたが、なかなかほかの省庁と違いまして、大臣も、文部省、また防衛庁、ベテランでございますけれども、こういう経費節減という文言の実施ということは非常にむずかしい省庁ですね。そういうことでありますし、さらにまた裁判所ということになりますと、これまた別な観点から考えねばならぬことでございまして、ほかの省庁とは違って、非常にこういう点ではむずかしい省庁であり、それなりの配慮というものがなければならぬ。 これは節約して財源に充てろというようなことになっておるわけですけれども、こういうことの厳しい省庁であり、また特別な配慮がなければならぬ、こういうことを私らも痛感をいたしておりまして、それだけに、これからまた二、三申し上げるんでありますけれども、このたびの報酬、俸給それぞれにつきましても、これは非常に無理といいますか、国家公務員に準じてということでいろいろ配慮がなされ、苦労している跡がにじみ出ているということを痛感をいたすわけで、これはぜひ大臣も今後の課題としまして、就任早々ではございますが、ひとつ真剣にお取り組み、また御配慮、そしてまた御努力いただかなきゃならないことだと思うんです。 私は、ちょっと担当の方がいらっしゃらぬようで、給与関係ということですから、給与のことについてお話ししなきゃならぬだろうと思うんですが、一つは、最近の年々の給与の改定で、上の方は抑え据え置かれるということや、その伸び率もなかなか伸びないということや、そういうことで、中間という言葉が妥当かどうか知りませんけれども、給与体系といいますか、全体を見まして、裁判所につきましても、検察官の俸給にしましても、ちょっと非常に変形的な形になりつつあるという、今度の処置で年収総額が逆転するようなことはないようでありますけれども、それにしましても、給与体系というものは、こういうように年々押し込まれて何年か経過しますと、どうしても正常な、ノーマルな姿でなくなる、こういうことを非常に心配するわけなんです。 財源というこの二文字を押しつけられますと、これはもう物あってのことでありますから、財源あってのことですからそうかもしれませんけれども、しかし、いま大臣のお話のような法の秩序の維持というようなことからいたしますと、これはやっぱりなすべきことはしなきゃならぬだろうという、こういうことで、先ほど来御努力していただかなきゃならないことが多々あるということでもお話ししておるんですけれども、これは上の方が圧縮され、そして中間でいろいろ操作される、こういう中でだんだんいろんな問題が出てきつつあるということについても、部内でもいろいろ御検討になっていると思うんですけれども、このことについてはどのような御認識をお持ちでしょうか。法務当局と裁判所と、それぞれひとつお伺いしたいと思います。
○説明員(千種秀夫君) ただいまの御質問は、一番働き盛りの中間層のところに給与のしわ寄せがいくのではないかという御心配かと存じますけれども、私どももそういう点につきましては重大な関心を持っているつもりでございます。 ただ、今回の給与改定につきましてその点を考えてみますと、今度の人事院勧告もそういう中堅どころの給与の改善については意を用いているようでございまして、給与表の改定につきましては全体のバランスもとれているように見受けられるのでございまして、これを受けまして私どもも、判事補あるいは検事のその辺のところ、と申しますのは、要するに管理職とそれ以下のところの境目の辺でございますが、この辺のところにつきましても給与法の改定は一応バランスのとれたものとしてできておると理解しておるわけでございます。問題は、財源の確保あるいは節減ということからいたしまして、そこのところで切りまして、実際の改定は管理職相当のところは来年に繰り越した、ことしの分を据え置いたと、こういうところに差が出てきたわけでございます。 そういう意味におきましては、給与の体系そのものは表の上ではそう崩れていない。実際はむしろ一番上の最高裁判所長官及び最高裁判事のところは表の上でも据え置かれたために、下の方がだんだん上がっていきますとその差がなくなっていくというような点に、むしろひずみができてきているように思われるわけでございます。 そういう実情でございますけれども、先生御指摘のように、管理職と管理職以外のところのちょうどその境目の辺は、ちょうど働き盛りの、また生活費も子供ができ学校に行って一番費用の要る時期でもございますので、そういう点につきましての給与の改善ということにつきましては、今後も十分配慮していかなければならないと考えております。
○藤原房雄君 去年やっぱり給与の改定のときに御質問申し上げたときに、最高裁判事とそれから東京高裁長官との差は当然あってしかるべきだということでありますが、十万ですか、その程度はまだ許容し得る範囲だというお話でしたけれども、ことしは今度五万ということですね、いまちょっとお話ございましたが。そういうことになりますと、この許容し得る範囲という範疇に入るのかどうか。先ほどの御答弁の中にもそういうひずみが出てきたということでお話がございましたけれども、それは具体的な一つの事例としてですけれども、全体的にはやはり据え置く、それから下に厚く、中ほどを見る、こういうようなことでその年度年度いろいろなことを処置されてきていますわね。ですから、先ほども同僚委員からもお話がありましたが、中間層といいますか、子供さんを教育するとか、一番大事な立場の方々のところに、いろいろそれなりのもっと厚くしなきゃならない立場の方々がありながら、そこのところがなかなか手が入らないという、こういうふうな感じをぼくら非常に受けるわけですね。 こういうことについては、これは財源とのにらみ合わせですから簡単にできることじゃないかもしれませんけれども、今後の課題としてぜひひとつお取り組みをいただきたいものだと思うんです。やはりこれは人事院勧告がその基本になるわけですから、人事院勧告の完全実施、それが何といっても基本にあるんだろうと思います。それができ得なかったことについては私どもも非常に遺憾とすることであり、法務当局としまして独自にといいましても、これはやはりこれに準じてということでありますから独自にこれはできることじゃないだろうと思います。ただ、今回一般職の場合の指定職とか管理職ですね、一般公務員のこれに準ずるものとして、法務当局にしましては大変な御苦労をしましていろいろそれに対応する処置をとられたようですね。 こういうことも、財源という絶対的なものの上に立ってやむを得ない処置かもしれませんけれども、法の秩序維持という大事な立場にあるそういう役職柄からいたしまして、やっぱりその人たちが十分なお仕事ができるような観点で、これは一般職とは違った立場から厳しく見ていってそれなりの処置をするような配慮が、是が非でも必要ではないかということを私は痛感するんです。すぐできることじゃないかもしれませんが、今後の課題としてひとつお取り組みいただきたいと思いますが、どうでしょう。
○説明員(千種秀夫君) ただいま先生の御指摘のように、裁判官の報酬あるいは検察官の俸給というのは、司法の一翼を担う重責にふさわしいものでなければならないと考えておりますので、現在の法体系のもとにおきましては、先ほど来お話ございますように、一般職の例に準ずる措置もやむを得ないと思いますけれども、その本質にふさわしい給与になるように常に研究していきたいと考えております。
○藤原房雄君 先ほど同僚委員からもお話ございましたが、法務省の窓口業務ですね、これは非常にどこへ視察に行きましても必ず言われることであり、数字的には先ほど大臣からもお話がございました、件数がもうこの十年の間に二倍を超す。しかしながら定員がふえていない。これは総定員法とかいろいろ枠があるんですけれども、しかし現実仕事がふえているということや、また外部の方々に、延べ人員でおよそ七十万ですか、部外者の方々にお手伝いをいただいてこの仕事をやっておるという、こんなことも言われておるわけですけれども、時代の推移の中で、これは世の中が同じで同じ仕事量でどこの省庁も同じならば結構ですけれども、やはり高度成長のときに業務が倍増する、こういうところにはそれなりの配慮がなけりゃならぬと思うんですね。 こういう人事のことについて、定員のことについていろいろ検討するのは行政管理庁ですか、行政管理庁では法務省のこういう仕事量の増大、その中で必死でお仕事をしておりながらどうしてもできない部分については、外部の六十万、七十万という方々の手を煩わしながら何とかこれは個人の大事な権利の保全というお仕事に携っているわけですけれども、ここに事故がございますと——これは事故も一、二、あったわけでありますが、大変なことになります。 この点については、行管庁としましても十分に認識はしていると思うんですけれども、どうですか、これはぜひ法務省の実情をひとつ調査の上、これは対処していただかないと、もうパンク状態だと言わざるを得ないし、今後このまま推移をすることは非常に酪だと言わざるを得ないと思いますが、どうですか。
○説明員(伊藤卓雄君) ただいま先生の方からお話ございました件につきましては、個人の権利の保全云々というお話ございましたので、登記所の問題を念頭のお尋ねかと思いますけれども、私どもも従来より登記所の業務の増大については配慮をいたしておりまして、過去、削減計画が始まりまして以来、相当各省とも苦労して削減計画を立ててくる中で、やはり重点的なものに充てていくというものの代表として登記所が常に浮かび上がっておりまして、これについては格段の配慮、査定をしてまいっておるわけでございます。 なお、法務省全体といたしましても、現場的な業務を抱えておられるということで、全体的にも私どもとしては精いっぱいの努力をしてきておるというつもりでございます。
○藤原房雄君 升の中でのことですから、精いっぱいの努力ということでしょう。それはそれなりに評価しますけれども、現場へ参りますと人口急増地帯、そういうところではもうあらゆる面でこれは想像を絶する状況で、私どもも全国各地視察をさしていただきましたけれども、いま省庁間の配置転換とかこういうことで、定員増ができなければそっちの方でやろうというようなことでいろいろ御努力になっているようです。 ところが、現場へ行っていろいろお聞きしますと、大分年配の方が配置転換になっていらっしゃるケースが多いようですね。ですから、ある程度の地位につかれた方が急に職場が変わるということで、お変わりになりましても、それなりの戦力としてやるには、やっぱりそれなりの環境なり事務になれるには月日もかかるだろうと思いますし、こういうことで精いっぱいの努力はよくわかるんですが、とにかく最重点にもなっているようですけれども、非常に現状というのは、行管庁としましてもそれなりに調査をして調べていると思いますけれども、これは場所にもよるかもしれませんが、非常に急迫を告げている。言語に絶する非常な仕事量という中で孤軍奮闘しておる。 こういうことを私どももじかに見、またいろんな全国的な統計は統計としましても、その部署部署におきましてあるんですね。今度の五十七年度、これは内示がありまして、これからまたいろんな検討をし最終段階になるんだろうと思いますけれども、行管庁としましても最重点にしているという以上、こういう現状に即した御努力をひとつしていただかなきゃならぬし、これに対しましては行管庁としてもひとつ最大の努力をしていただくとともに、これは行管庁としましては定員の問題とそれに伴う予算の面もあろうかと思いますけれども、大蔵との折衝もあるんだろうと思います。それらのものを超えて、国務大臣である大臣にもこれはぜひ強くひとつお取り組みをいただかなきゃならない大きな大きな課題だろうと思います。 先ほど寺田委員も御質問になっておりましたけれども、改めてまた大臣に、このことについての決意のほどをお聞きしておきたいと思います。
○国務大臣(坂田道太君) いま先生からるる御指摘になりましたところは、十分私も承知をいたしております。これだけ仕事の量がふえておるわけでございますが、それにはそれなりの人員も配してもらうということも私は至当だというふうに思っておるわけでございまして、そのために最大限の努力をいたしたいというふうに考えております。
○藤原房雄君 去年も申し上げたのでありますが、裁判官の初任給の額ですね。初任給調整手当というのは、これはずっと十年ほど据え置きになっておりますね。ここのところがほかの学卒の方が仕事につくのとちょっと違うケースではあるわけですけれども、まず最初、去年は特に裁判官の方々いろいろ問題がございまして、こういう給与の問題についても、何も経済面だけでこういう問題は論じられないかもしれないけれども、経済的な安定ということも一つの非常に大事なことでもある。こういうことで初任給のこと等いろいろお話しした覚えがあるんですけれども、そこのことについてはことしの配慮はどうなっておりますか。裁判官の初任給の額、それからこれの算定の根拠とか調整手当のことについてどうでしょう。
○説明員(千種秀夫君) 初任給につきましては、ただいま御指摘の問題は初任給調整手当の件かと存じますけれども、今回、初任給調整手当につきましては特に改定はございませんでした。 その趣旨はどういうことかと申しますと、初任の判事補あるいは検事につきましては、同じような修習の課程を経た者から弁護士にもなりますので、弁護士の初任の収入というようなものとの格差を埋めるために、この初任給調整手当が設けられているわけでございます。そういたしますと、現在、弁護士になる者の最初の、初任弁護士と申しますか、そういう者の収入と、初任の判検事の報酬または俸給との間にどのぐらいの格差があるかということを考えまして、この調整手当の増額という問題を考えるわけでございますけれども、今回調査をいたしましたところによりますと、まだその格差というものは、この調整手当を改善するほどの問題ではないということが大体明らかになっております。 少し具体的に申しますと、初任給調整手当を加えた初任の判検事の給与というのが大体十九万一千円ぐらいになります。一方、弁護士の方でございますと、大阪、東京あたりの初任の弁護士の俸給を調査いたしましたところ、すべてが同一というわけじゃございませんが、調査した結果を大体平均してみますと、二十三万数千円ということでございまして、三万余の差がございますけれども、これは住居の手当てとか、弁護士の場合でございますと自分で住居の手当てをいたさなければならない、そういう費用もございますし、そういった目に見えない実質的な待遇というものを勘案いたしますと、この差というのはあえて調整手当を手当てするほどのことはなかろうと、こういう判断に達したわけでございます。 そういうようなことから、今回は初任給調整手当につきましては特に手当てをいたしませんでした。 —————————————
○委員長(鈴木一弘君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、加瀬完君及び瀬谷英行君が委員を辞任され、その補欠として竹田四郎君及び大森昭君が選任されました。 —————————————
○近藤忠孝君 まず、法案に即して申しますと、私も人事院勧告を完全実施すべきだ、こう思います。 法案が判検事の報酬並びに俸給に関するものですから、その関係で若干質問いたしますと、憲法七十九条の趣旨が生かされているのだろうかという、こういう問題ですね。確かに俸給表の上では一般職に比べてそれなりの差があることはこれは重々わかりますが、問題は二年の修習、それからその前に司法試験に受かるまでに最近大分年数がかかっている、合格者の高年齢化の問題ですね。先ほどずっと事務担当者にも聞いておったんですが、一般職に見合うそれぞれの同じ給与額に関して、その年齢の比較がされていないようですね。私はこの辺を調べてみて、実質的にやっぱり憲法の趣旨が生かされているかどうか、これを見てみるべきだと思うんですが、どうでしょうか。
○説明員(千種秀夫君) ただいまの御指摘まことにごもっともと存じます。ただ、おっしゃいますように、特に司法試験がむずかしくなって任官者の年齢が上がったということもございますが、一般職の場合に上級職の公務員の年齢が果たして幾つであるかということが法律で決まっているわけでもございませんものですから、一応対応関係においてどの程度の差があるか、それがもし浪人をして三年、四年という差ができた場合に、三、四年の差というものがどのぐらいになるか、こういう観点から見ていかざるを得ないかと思います。 まず、年齢を抜きにいたしまして、初任の判検事について対応する一般職の職員の給与というものを報酬月額ということだけで比べてみますと、上級職の場合は修習生二年がございませんので、大学を出て任官して三年目というようなことになってまいりますが、この場合には、給与法で申しますと六等級の二号ぐらいになるかと思います。六の二でございますと十二万五千円ということになりますが、これに対応します判事補の十二号、検事の二十号というところが十五万五千六百円でございます。これには初任給調整手当もつきますし、絶対額で比べましてもここに三万円ばかりの差があるわけでございますが、初任給の調整手当がついて五万余の差がある。もっとも、上級職の甲につきましては残業手当というようなものもございますので、実際の額がどうなるかということは、ちょっとなかなか比較しにくいのでございますが、いま申し上げました数字からいたしまして、初任の場合には相当の差があると考えられるわけでございます。 それでは、数年たち、また十年たってどういうことになるであろうかということでございますが、一つの例を十年目ぐらいのところにとって考えますと、一方において一般職の職員では十三年目ぐらいに相当するかと思います。この場合に何号俸になるかということは、成績その他の考課もございまして一律には申せませんけれども、少なくとも四等級の六号ぐらいにはなるのではないか。この場合の俸給の月額が二十万三千四百円でございます。これにはもちろん手当というものも加算されるわけでございますからこのままではございませんけれども、一方、これに対応いたしまして、十年目の判事——裁判官の場合はちょうど十年で判事になります。判事の八号、検察官の場合も八号でございますが、この八号というのが四十万四千円ということになっております。したがいまして、その月額だけを裸で対比いたしますと倍近い額になっております。手当を加算いたしましても相当数の差があるであろう。 そういう数字から考えまして、これが三年ぐらいの浪人差というものがあると仮定いたしましても、なお相当の差があると考えております。
○近藤忠孝君 まあ、裸で言えばそうなる。ですが、実際は本当にどうなのかということですね。実際調べてないようですから、ちょっとその辺も今度一度調査されたらどうかということを申し上げたいと思います。 それから、次に大臣にお伺いしますが、先ほど刑法改正問題について、内容だけではなくて手続について慎重を期したいということですが、そこで日弁連との協議を慎重に続けていくという趣旨だと思いますが、これについては見切り発車はしないということは答弁いただけますか。
○国務大臣(坂田道太君) 見切り発車という言葉がどういうことか、私よくわからないわけでございますけれども、とにかく基本的な法律でありまする刑法、これがきちんと行われるためには公正な裁判が行われなきゃならぬ。そのためには、やはり検察で罪を追及する一方、弁護をする、そのことによって裁判官が公正な裁判ができる。これが私は、民主主義社会における裁判じゃないかと素人なりに考えておるわけでございます。 したがいまして、一方の当事者でありまする日弁連というものの役割りというものは非常に大事だというふうに思うわけなので、この方々とはやはり十分話し合いをするということは必要じゃないだろうかと思っております。
○近藤忠孝君 それから次に、今回の内閣改造でだれが法務大臣になるかということが一つの大きな焦点で、新聞でもずっと書いてありましたね。たとえば毎日ですと「坂田新法相に光る国民の目」と、大変注目されて大臣におなりになったということは明らかですが、その点はどういう御感想をお持ちですか。
○国務大臣(坂田道太君) 世間でどういうふうに私を見ておるかということ、これは非常に大事なことでございます。したがいまして、私ももう三十六年国会議員をしております。そして、大臣も四回ですかやりましたし、できるならばもう法務大臣なんてやりたくないと実は思っておったと、これは率直なところなんでございまして……。ところが、どうしてもということのようでございまして、そこで私考えたのは、文学士ではあるけれども、法律のことは本当にわからない。しかし、法務大臣というのは法の番人だと、それぐらいのことはわかっておるわけです。さあ、そこでどうしたらいいか、引き受けたらいいか引き受けるべからざるかと、ずいぶん実はハムレットのように悩んだわけでございます。 しかし、よう考えてみますると、法律の問題については法務省の人たちはベテランでいらっしゃるから、その方々を信頼して、そして政治姿勢だけはひとつきちんとしていく、それさえできれば法務大臣の職責は全うできるのじゃないか。私も全く一人の人間でございますから、いろいろの誘惑もあればいろいろあると思います。しかし、四十年この方、とにかく余り人からとやかく言われないように、それからもちろんのこと、法律に違反するようなことのないように努めてきたつもりなのです。つもりですけれども、これはやっぱり人間でございますから誤ったこともあったかもしれませんし、いろいろそういうことは反省いたしたいと思いますけれども、いずれにいたしましても、お引き受けした以上は、これはひとつりっぱな法務大臣として職責を果たしたい、これがお引き受けした気持ちでございますし、今後私が法務行政をやっていくための自分に言い聞かせているような覚悟でございます。どうぞよろしく。
○近藤忠孝君 前大臣の奥野さんが、ある意味では法律知識を大いに振りかざして——私に言わせるとこれは乱用されたような経過もありまして、そういう意味じゃ法律を逆にお知りにならぬ方がうまく務まるかと思うんですが、そこでお伺いしたいのは、十二月十七日号の「週刊現代」、これは大臣、ごらんになりましたか。
○国務大臣(坂田道太君) 「週刊現代」は、私読んでいないのでございます。
○近藤忠孝君 ここでは奥野さん、当委員会ではあの人の道発言に関してはこれは一般論だと言っておったんですが、ここで見てみますと、実際検察官を指揮するつもりだったと、こう言っておるんです。そういう点ではこれは大変私は大問題で、またほかのところで問題にしたいと思いますけれども、ひとつそういうことがないようにということだけ申し上げて、次に移りたいと思うんです。 そこで、次のもう一つの問題。これはかつての検察のあり方についての国民のどうも納得できない、こういう問題が一つあると思うんです、歴史的に。これは下山事件です。下山事件は、御承知のとおり、自殺説と他殺説とありまして、そして捜査機関でも二つに分かれたというんですが、いろいろ記録をたどってみますと、どちらの立場に立ったものも、はっきり決着がつかないまま、うやむやのうちに終了したことに一様にみんな不満を持っておるようですね。 そこで、私はこういうことは再び繰り返してはならないと、こう思うんですが、最近朝日新聞でも、御承知だと思いますけれども、この下山事件の当時の記録の標目を書いた目録が発見されたんですね。それで、この点の存在はどうでしょうか。
○国務大臣(坂田道太君) この下山事件の問題につきましては刑事局長からお答えを申し上げたいと思いますが、たまたま私は大屋運輸大臣のもとで政務次官をいたしておりました。下山君とは一緒に仕事をした者でございます。やめまして間もなく、一月ぐらいたってからあの事件が起こったことをちょっといま気づきましたので、申し上げておきます。
○政府委員(前田宏君) ただいま、過日の新聞に当時の事件の関係資料等があるというような報道がなされたことは承知しておりますが、その点につきましては、現在そういうような資料が検察当局において保管中であるかどうかをいま調査中でございまして、まだはっきりいたしていないわけでございます。したがいまして、確定的なことはしばらく時間を置きましてから申し上げたいわけでございますけれども、委員も御案内のとおり、そのことにつきましては昭和四十四年にも国会で御質疑がございまして、その当時一応お答えしているところがあるわけでございます。 したがいまして、資料の内容等にもよるわけでございますけれども、それらの資料は、結局は起訴されなかった事件に関します当時収集された資料でございまして、被害者とか関係者の名誉の問題あるいは一般的な捜査に与える影響等の問題から、その扱いは非常に慎重を要するのではないかというふうに考えているわけでございます。
○近藤忠孝君 これはもうすでに公安課長に私の方から資料はお示しをしておりますので、中身は御存じだと思うんですね。 となりますと、ここに記載された各証拠書類等が存在したかどうか、それが一つあります。いまの刑事局長の答弁では、これがどこにあるかどうかは調査中であるということでありますけれども、問題は二つありますよね。 前段階の、ここに記載されたものは存在しておったかどうか、この点どうですか。
○政府委員(前田宏君) まず、中身の前に、いま御指摘のその目録のようなものでございますけれども、そういうもの自体がまずあるかどうかという問題があろうかと思いますが、どうもいままでの話では、そういう目録自体は現在どうもないようでございます。 なお、先ほど申し上げましたように、その資料そのものがあるかどうかということにつきましては、現在検察当局に調査を依頼していると、こういうことでございます。
○近藤忠孝君 当時の担当検事だった布施健さん、元検事総長ですが、この方もこの目録を見て決してこれは否定されてなかった。むしろ一定のことを示唆されたというぐあいに聞いております。 となれば、私はこういう先輩に、さらには金沢検事もおられるようでありますし、こういう先輩検事に確認してみて存在をむしろ明確にしていくべきじゃないかと、こう思いますが、どうですか。
○政府委員(前田宏君) 先ほど申しましたように、検察当局が現在保管しているかどうかということでございまして、その点につきましては、当時の関係者からもいろいろ聞かなきゃならないということで調査をしているものと承知しております。
○近藤忠孝君 大臣、私は二つのことをまず言っておきたいと思うんです。 一つは、早く存在を確認するということですね。それから、そしてその上で、これは公開できるものは公開すべきである。私は、日本の検察の歴史にとって大変大事なことだと思います。 それからもう一つは、これは後に歴史的にも、歴史の研究上も大変重要だと思うんですね。そういう点では、これを永久保存にすべきだと思うんです、存在が明確になった場合。こういうような点どうでしょうか。
○政府委員(前田宏君) 先ほども若干仮定論のようなことで申し上げたわけでございますけれども、いわゆる公開の問題につきましては、先ほどもちょっと触れました昭和四十四年当時の国会での御議論でも政府側が答えているところでございまして、関係者のいろいろ名誉の問題であるとか、また捜査資料そのものを公にすることによる一般的な捜査への影響であるとか、そういう点がございますので、公表あるいは公開ということにつきましては慎重に対処すべきものであろうというふうに考えるわけでございます。 また、ありますことを前提とするわけでございますけれども、それなりの重要なものであるといたしますならば、その扱いにつきましては、先ほども申しましたように慎重に取り扱うべきものであろうというふうに思います。
○近藤忠孝君 この中の幾つかのものは、すでに昭和三十九年六月二十六日の衆議院法務委員会に提出されておるわけですね。だから私は、これは存在間違いないと思います。 それから、これはひとつ専門家である刑事局長にお伺いしたいんですが、こういう目録を見ますと、これが勝手にある者が創作したものか、あるいは現に存在したものをまとめたものか、これは私は判断つくと思うんですが、その点どうですか。
○政府委員(前田宏君) ただいまお話のありましたように、三十九年でございましたか、鑑定書につきましてはその要旨を国会に御報告しておると承知しております。 それから第二点の、いまの目録のようなものでございますが、一見いたしまして全くの架空といいますか、のものではないだろうというふうには思いますけれども、いつごろつくられたものか、またいろいろと保管ないし整理も変わってきているというような問題もあろうかと思いますので、そのとおりのものがあるかどうかということも明確にはできないわけでございますし、先ほどもちょっと触れましたが、現在の話では、そういう目録自体は現在はどうも見当たらないというふうに聞いておるわけでございます。
○近藤忠孝君 時間が来てしまったので、最高裁と民事局長、大変申しわけありませんが、要望だけ申し上げます。 これは、すでに同僚委員からも指摘があった法務省並びに裁判所の人員確保の問題です。大事だと思いますので、ひとつぜひとも確保してほしいと思いますし、特に大臣につきましては、十八日に党の方から参ったところ、早速それを閣議で反映してくれたということで大いに評価しますが、ただ、法務省なり最高裁の概算要求はこれは本当につつましいものですので、その点もひとつがんばってほしいと思います。 それから、最高裁に申し上げたいことは、定年制になりますと、職員がまだ十分働けるのに就職先が、他の省庁と違って天下り先がないものだから、大変これは問題だろうと思いますし、その辺の対処も、一般職員ですね、裁判官はよろしいですが、その辺も大いに対策をこれから立ててほしいということを申し上げて、質問を終わります。 —————————————
○委員長(鈴木一弘君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、岩本政光君が委員を辞任され、その補欠として高木正明君が選任されました。 —————————————
○委員長(鈴木一弘君) 他に御発言もなければ、両案に対する質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(鈴木一弘君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより両案に対する討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○寺田熊雄君 この法案に反対の趣旨で討論をいたしたいと思います。 その趣旨は、結局人事院勧告は憲法二十八条によって公務員に与えられた労働三権を公務員法によって奪ってしまった、それの代償措置としての意味を持つ重要な国家的な制度でありますのに、その人事院勧告を完全に実施しておらないという点で、この法案には非常に欠陥があるということであります。 先ほども大臣にお尋ねをいたしましたように、いまの鈴木総理大臣を初め内閣の諸公におかれては、公務員は生活が楽だというような間違った御認識をお持ちのように思います。そういう誤った御認識を持っておるがゆえに、人事院勧告の完全実施をサボったのでありますが、そういう趣旨において、この法案には非常に低い俸給額の方々については完全実施をしておりますので、その点においては賛成すべきものがあるわけでありますけれども、大筋におきまして、いま申し上げたような欠陥を持っておりますので反対せざるを得ない、こういう点であります。 以上で討論を終わります。
○近藤忠孝君 私は、日本共産党を代表して、両法案に反対する立場から討論を行います。 わが党は、これまで人事院勧告の昇給についての完全な実施を要求してまいりましたが、それは、人勧制度が憲法に定めた労働基本権を奪ったことに対する代償措置として、いわば最低限の保障として定められたものであり、政府は従来どんなことがあっても完全実施の線は貫徹したいと機会あるごとに言明してきましたが、今回政府はこれらの約束を真っ向から踏みにじって、民間労働者の賃金引き上げの実績はもとより、物価上昇にさえ及ばないきわめて不満足な人事院の給与改善勧告をさらに値切ろうとしています。これはILOなどでも政府がこれまで表明してきた、公務員から労働基本権を奪ってもその代償機能は存在しているのだという論拠を、みずから掘り崩すものと言わなければなりません。しかも、今回の措置が、国民生活破壊、財界奉仕、軍拡推進のにせ行革の名のもとに強行されようとしているものであり、その点でもきわめて重大であります。 特に両改正案について見るならば、判事補の一部など下級裁判所の裁判官、検察官の報酬、俸給までも値切るとともに、期末手当などの計算ベースを八〇年ベースにするという値切りは全裁判官、検察官に及び、とりわけ、号俸の低い判検事には少なくない影響を及ぼすものと言わなければなりません。裁判官は、独立してその職務を行うものであり、政府の一方的な判断のもとに報酬を不当に低く抑えることは、司法の独立を守るという見地からも重大な誤りであると言わなければなりません。 以上、両法案に対するわが党の基本的な考え方を表明するとともに、人事院勧告を値切るという不当な措置を二度ととることがないよう要求して、反対の討論を終わります。
○委員長(鈴木一弘君) 他に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(鈴木一弘君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより採決に入ります。 裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(鈴木一弘君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 次に、検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(鈴木一弘君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(鈴木一弘君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午前十一時四十八分散会 —————・—————