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96回国会参議院1982/08/05

文教委員会 第14号

発言数
238
登壇者
13
会派数
4
開催日
1982/08/05

会議録

片山正英自由民主党

○委員長(片山正英君) ただいまから文教委員会を開会いたします。  まず、委員の異動について御報告いたします。  本日、小西博行君が委員を辞任され、その補欠として伊藤郁男君が選任されました。     —————————————

片山正英自由民主党

○委員長(片山正英君) 私立学校振興助成法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 本題に入る前に、最初に教科書問題について二、三お伺いをいたします。  先週、わが党の小野委員からもいろいろと詳しい質問があったわけでありますけれども、いまこの教科書の問題は文部省の手を離れて、外務あるいは総理周辺というような、上の方に行ってしまったという理解に立っていらっしゃるのか、やはり文部省は中心的な存在であると、こういうふうにお考えになっているのか、いかがなものですか。

小川平二自由民主党文部大臣

○国務大臣(小川平二君) 問題は教科書の検定、文部省がみずからの責任と権限において行いました教科書の検定に端を発しておるわけでございますから、これを総理にお預けしてしまう、あるいは外務省に任せっ放しにしてしまうということができるはずの問題ではございません。そのように考えております。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 そういたしますと、先回鈴木初中局長が説明に行った。しかし、それでもなおかつこんな説明では問題にならないと、こういう態度であるわけですから、あれ以上に前進をした態度を文部省がとらなければ、この問題の解決にはならない。ところが、新聞報道などを見ますと、きのう自民党の文教の何人かの方々、その中にはここの提案者にいらっしゃる西岡さんの名前も入っているわけですけれども、そういう方々と文部省と話し合いをして、絶対に訂正には応じないと、外国からの圧力には屈してはいけないということが確認されたという報道がありますけれども、そういうことであってはこの問題は私は解決しないというふうに思うわけであります。外国からの圧力があったから訂正をするしないということもさることながら、国内からもこの問題についての異論がたくさん出ているわけですから、私は国民の声を聞いて文部省が新たなる対応をやるということは少しもおかしいことではないというふうに考えるわけであります。  特に韓国においては国会の文教委員会で日本政府に記述修正を求める与野党の共同決議案採択をやると、こういうことが載っております。わが国で言えば、この文教委員会で全会派一致で決議をやるということと等しいことだというふうに思うわけです。また、中国では新たなる動きとして、中国教育者は日本の国民——国民といってもこれは多分教育者ということになるのではないかと思いますが、連帯をしていかなければならないというような記事が載ったということも報道をされております。そういうことを考えてみますと、文部省は新たなる対応をやるということも含めているのかどうなのかということでありますね。あわせまして検定は一切訂正をしないという立場に立っていらっしゃるとしても、いままで検定をした後でこの教科書が訂正をされているという事実があると私は思うのですけれども、そのことはないというふうにお答えになるのかどうなのか、お伺いします。

鈴木勲文部省初等中等教育局長

○政府委員(鈴木勲君) この問題に対します文部省の基本的な方針につきましては、大臣がお述べになりましたように、あくまでもその申し入れにつきましては謙虚に耳を傾けて、できるだけ理解を求める努力を続けるということでございまして、その方針には変わりはないわけでございます。私は、中国並びに韓国の公使に対しまして、この方針に基づきまして日本の教科書の検定の趣旨等につきまして御説明を申し上げたわけでございますけれども、なお理解を求める努力が不足をしているというふうなことも報ぜられておりますので、その余地があればさらに努力を続けなければならないというふうに考えているわけでございます。  それから、検定済み教科書につきまして訂正をした過去の経緯はないかというお尋ねでございますが、これはたとえば原子力発電所の問題等につきまして、正誤訂正という形で処理をした経緯はございますけれども、この経緯は先般国会のお求めに応じまして御説明を申し上げましたが、検定の意見を付した事項ではなくいたしまして、その後の客観的な情勢と申しますか、統計数字の変更とか、そういう意味で正誤訂正の規定に該当する事項ということで、その規定に照らしまして処理をしたということでございまして、今回のケースとは事柄が違うということでございます。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 これは私ども日本社会党が出しました「教科書攻撃の本質」というパンフレットなんですけれども、正誤訂正どころじゃなくて、検定済みの後でちゃんと修正をさせているじゃないかと、そのことを指摘しているわけですよ。具体的にあるんです。客観的な状況と、こういうふうにいま初中局長おっしゃいましたけれども、客観的な状況はいままた大きな変化をしつつある。そういうことをちゃんと考慮に入れながら新たなる対応を考えるべきであろうというのが私の考え方なんですが、大臣に最後にお伺いをいたします。  新聞報道ですからわからないんですけれども、官房長官は韓国の申し入れに対して、申し入れはうなづけると、こう理解を示したと書いてあるわけですね。官房長官が申し入れは理解ができるというお考えであるのに対して、文部大臣は一体この申し入れに対して理解ができるのかできないのか。もし理解ができるとするならば、何が理解ができるのかということと、いままでの態度を絶対に変えないとおっしゃいますけれども、これからその理解をできるとするならば、新しい対応というものが日本の政府として行われるわけでありますから、文部省も当然政府の一つでありますから、その方向に沿って動くことがあり得るかどうか、それをお伺いして質問を終わります。

小川平二自由民主党文部大臣

○国務大臣(小川平二君) 私は韓国政府の申し入れに対しましても、また韓国の国内で行われております種々の議論に対しましても謙虚に耳を傾けるつもりでございます。官房長官は、「理解ができる」という表現を用いたようでございますが、私も気持ちにおいて同様でございます。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 ちっとも積極的な姿勢、この問題に対する解決をしようとする努力、それが見られる御答弁じゃない、非常に不満であります。しかし、本日は与野党合意で二、三問ということにもなっておりますので、私の質問はこれで終わりますけれども、いずれ時期を見まして徹底的に中心的にこの問題を取り上げていきたいと思うのであります。  それでは本題に移ります。  最初に大臣にお伺いをいたしますけれども、戦前の私学法制のもとでは、私立学校は民法の財団法人によって設置をされてまいりました。で、諸学校令には、学校を設置できる者として三者——この三者というのは国、地方公共団体、学校法人でありますが、それ以外に青年学校令、実業学校令、専門学校令、盲学校及聾唖学校令で私人が設置できると、こういうふうになっていたわけであります。現在の私立学校法は、戦前のそういう法制に比べて根本的に違う部分があるというふうに思うわけですけれども、私立学校の任務の重要性と絡み合わせましてどのようにお考えになっていらっしゃるか、お伺いいたします。

小川平二自由民主党文部大臣

○国務大臣(小川平二君) 私立学校は学校教育法に基づいて設置されておるのでございまして、改めて申すまでもなく公の性質を有しております。また、今日まで私立学校はそれぞれの建学の精神あるいは独自の校風に従って活発な教育活動を展開してまいりまして、学校教育の普及の上に大きな貢献をいたしておるわけでございます。粕谷先生に改めて申し上げる必要はない数字でございますが、学校教育で私立学校の占めております比率は、高等教育機関で学生数の七七%、高等学校で三八%、幼稚園で約七四%、専修学校で九三%ということになっておるわけでございまして、わが国の教育の進展は私立学校における教育研究に負うところがきわめて多いと考えておりますので、かような私立学校の役割りの重要性にかんがみまして、私立学校振興助成法の趣旨に沿って従来から私立学校の充実に努めてまいりました。今後も同じ姿勢で、及ばずながら努力をしていくつもりでございます。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 文部省にお伺いしますけれども、国公立学校と私立学校というものが違う部分というのは一体どういうところですか。

阿部充夫文部省管理局長

○政府委員(阿部充夫君) ただいま大臣からお答えもございましたように、学校教育法あるいは教育基本法等によりまして、学校はすべて公の性質を持つということになっておるわけでございます。そういった面では共通をしておるわけでございますけれども、ただ教育基本法等の規定によりますと、たとえば宗教教育でございますとか、そういった面につきましては私立学校の独自性というものが認められるというような余地が残されておるわけでございます。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 私学の独自性という意味では、最近の私学は非常に整備もされてまいりましたし、独自性もずいぶん高まってきているというふうには思うわけでございます。中にはいろいろ問題がありまして、いずれまた次の機会にやりたいというふうに考えていることもあるわけですけれども、先日の新聞にも載っておりましたが、文部省幼稚園教育課内幼稚園教育研究会が出しております「幼稚園教育早わかり一問一答」、この中にも入っているわけですけれども、すでに幼稚園に障害児が一万人も通園をしているということがあるわけですね。養護学校の義務化に伴って、重い障害を持っている子供たちは普通の小学校にいれない、養護学校に入りなさいと、こういう指導が国公立の場合は行われている。しかし、私学の中では——私学だけじゃなくて幼稚園、私立保育園も含めてでありますけれども、そういう障害を持った子供も一般の子供たちと一緒に保育をするあるいは教育をするということが非常にいいことなんだという、こういう実践を国公立に先駆けてやっていらっしゃる。私の友人も宮崎で、地域の子供は地域の学校に入れるべきだ、その前提になる幼稚園教育は非常に重要だということで、障害児を積極的に受け入れてやっていらっしゃるという事実も見ております。私学の自主性なんということはこういうところから始まらなきゃならない、本当にすばらしい実践だというふうに考えているわけであります。こういうのが私学の独自性なんだというふうに思うわけであります。  この私学の独自性に対して歴史的に振り返ってみますと、教育刷新委員会が昭和二十一年の十二月に、学校経営主体の健全な発達を助成し、これに公共的、民主的性格を付与するために云々と、こうして学校法人化をしていかなければならないんだということを示唆しておられますね。そして、この私立学校法が提案をされたときに高瀬文部大臣は、私立学校を設置する法人はこれを特別法人として民法による財団法人以上に教育的な、また基礎の強固なものにすることが必要である。いわゆる民法財団の私立学校よりは学校法人の私立学校というのはもっともっときちんとしたものになるんだということを提案の内容に入れていらっしゃるわけであります。  私は、これほど重要な私立学校、特に今回は私立の幼稚園でありますから、この幼稚園をどのように指導し助言をしていくかということが文部省の大きな任務であろうかというふうに思うわけです。  教育基本法の第六条に、「法律に定める学校は、公の性質をもつものであって、国又は地方公共団体の外、法律に定める法人のみが、これを設置することができる。」とこうしてあるわけで、公の責任を持つがゆえに設置者は自覚を持たなければならない。その自覚というのは一体何か。教職員をそろえること、施設設備を整えていくこと、教育課程を編成し、そして児童を教育あるいは保育をして卒業させるという、こういう計画を持たなければならないというふうに考えているわけでありますが、その意味から見てみますと、昭和五十年の行管庁の幼稚園及び保育所に対する報告書というのは非常に問題があるというふうに考えているわけであります。  たとえば、施設設備等の基準、これなんか大変なことを言っていますね。認可定員を超過している、こういう指摘があります。中には無届けで学級増をしている、そしてそのために増築をしている、四十人以上のクラスがある、認可定員の二・三倍にも達する自治体がある。これはどういうことなんですかね、二・三倍なんてすし詰めもいいところです。二番目に園舎、運動場。これは私立の幼稚園では七七・三%が基準を下回わっている。ほとんどが基準を下回っているということも指摘しております。それから、専任の教諭の数が学級の数の三分の二を下回るなど、教諭の配置基準に達しないのが六・九%ある。先生の数が学級の数の三分の二というのは大変なことですね。建物があるから教育ができるのではない、先生がいるから教育ができるんだと、私はこういうふうに思うわけですが、こういうことに対して監督官庁である都道府県の知事、教育委員会の設置認可の態度はどうであるか。これがまたお粗末なんですね。非常に手厳しい指示をしておりますけれども、こういう問題についてはいまどのような改善といいますか、前進といいますか、指導が行われたかということについて伺います。

鈴木勲文部省初等中等教育局長

○政府委員(鈴木勲君) 先生御指摘のように、五十年の十一月に行政監察結果に基づく勧告が行われまして、文部省におきましては、その勧告を受けて文部大臣名で行管庁長官に回答をいたしたわけでございますが、回答の趣旨は幾つかございますけれども、監察結果の趣旨に沿いまして是正を必要とするところは是正をいたしますというのが大筋でございますが、具体的には五十一年二月に初等中等教育局長の通知を出しまして、たとえば幼稚園設置基準の遵守等につきまして、御指摘のございました園舎の問題でございますとか、あるいは施設設備の問題でございますとか、教員配置の基準の問題でございますとか、そのほか非常災害設備、避難、消火訓練の実施等につきまして、通知によりまして詳細に指導をいたしているわけでございます。その結果、都道府県におきましても、この通達の趣旨によりまして幼稚園の指導を行い改善が図られておりまして、幼児の収容数とか教員の配置等につきましても改善が見られているところでございます。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 具体的にどういうふうに改善をされているかという数字的な統計などなければ、ちょっと信用するわけにいかないのですよね。この行管庁の指摘で、「これに対し、監督庁である都道府県知事及び同教育委員会の幼稚園設置認可に係る審査状況」は云々としてありまして、「設置認可の際に必ず実地調査を行っているものが十三県あるが、」、これは検査対象が二十七都道府県であります、実地調査を全く行わないで書類審査だけで認可しているものも認められる、こういういいかげんな認可の状態であります。  それから、既設の幼稚園に対する指導の状況も、公立幼稚園にしかしていないもの、これが六都県であって、私立幼稚園についてしか実施していないものが四府県あって、ほかは全くやっていないんだ、こういう指摘もされておりますので、初中局長がどのように改善をされていますとおっしゃっても、私は数字的なものがなければこのことを信用するわけにいかないと思いますので、御報告ください。

鈴木勲文部省初等中等教育局長

○政府委員(鈴木勲君) 行政監察の結果につきましては、ただいま申し上げましたように、通知をしまして指導をしたわけでございますが、その後いろいろな会議におきましてこの趣旨を徹底し、基準の遵守等について指導の強化を図っているところでございます。個々の幼稚園の入園児数とか施設設備の状況についての調査は具体的には行っていないわけでございますけれども、全体的な、四十人以上収容している学級の数とか、そういう点につきましては改善が図られているような数字もございますし、全体といたしましてこの趣旨に沿って努力がされているというふうに解しているところでございます。今後とも機会あるごとに指導の徹底を図って注意を喚起してまいりたいと思います。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 私はこの間のホテル・ニュージャパンのことを思い出すわけですけれども、行管庁はやっぱりそのことについて現行基準の問題点があるという指摘をしているわけであります。現行の設置基準及び最低基準についてある問題を、文部省としては新たに改善をしていったという例がありますか。  たとえば幼稚園では、「設置基準では非常災害設備及び避難、消火訓練の基準を定めていないため、非常口の不備なもの、避難、消火訓練を実施していないもの等がみられる。」、もし水害のようなときに、こういうことがあったときに、この安全基準が守られていないとしたならば、一体その責任はどこにくるのかというようなことで非常な不安を覚えます。また、設置基準では、専任の園長が配置されていない幼稚園の場合には、学級ごとに専任教諭を配置するほかに一名の教諭を配置することを原則としているが、この一名は必ずしも置かなければならないということになっていないので、置いてないところが非常に多い。これでは子供たちを安全に誘導するとか一人の先生が病気でお休みになったとか事故があるとか、そういうような場合に、りっぱな教育というものができないというふうに思うわけです。この設置基準の指導をどのようにやっていらっしゃるか。  あわせまして、一クラス四十人以下にする、こういうふうになっておりますけれども、これを引き下げるという考え方はないものかということであります。それはなぜかといいますと、幼稚園の数が一学級四十人以下になったというのは明治三十二年です、明治三十二年。その当時の小学校の一クラスの数は七十人以下です。特別の場合には八十人入れてもよろしいと、こういうことになっているんです。そういう時代のこの基準がいまなおまかり通っているというところに大変な問題がある。  あわせて、保育所を考えてみますと、三歳児二十人に保母は一名以上、四、五歳児は三十人に保母が一名以上と、こういうふうに一名以上となっているわけですね。この辺の考え方はいかがでございますか。

鈴木勲文部省初等中等教育局長

○政府委員(鈴木勲君) 御指摘のございました非常災害設備及び避難、消火訓練の基準の制定等につきましては、非常災害設備につきましては建築基準法、消防法等におきまして所要の規定がございまして、幼稚園の新設の認可に当たりましては関係当局の確認を行うよう指導しておりますし、既設の幼稚園につきましては関係当局の定例的、臨時的な現地調査等によりまして、設備の点検や改善指導が行われているところでございますが、全般的な、学校全般に共通する避難、消火訓練につきましては、これは小中高等学校、幼稚園もそうでございますが、学校災害の防止につきまして三十六年十月二十六日通知を発しておりまして、これに従って指導をしているところでございます。なお、先ほどの申し上げました五十一年二月の初等中等教育局長の通知におきましても、この旨の徹底を図っているわけでございます。  それから、専任園長の問題でございますけれども、公立学校におきましては、幼稚園の普及を図るというふうな趣旨もございまして、幼稚園を小学校に併設するというふうなところも多々あるわけでございますが、その際には園長が兼務をするというようなこともございまして、専任園長でない幼稚園があるわけでございますけれども、設置基準にございますように、その原則は、その際、専任の教員を置くことが原則となっておりますので、私どもとしてはその原則の趣旨を徹底するように指導をしているわけでございまして、先ほど申し上げました五十一年の通知におきましてもこの旨の指導を行っているところでございます。  学級編制の問題につきましては、四十人以下とするという基準になっているわけでございますけれども、幼児数の減少傾向にかんがみて、この際、基準の改正をしたらどうかという御意見はいろいろ根拠のあるところであろうかと思います。ただ、これは市町村が設置主体でございまして、市町村の財政状況とか設置状況とかいろいろ、配置等の問題もございまして、一律の基準によりましてこれを改正するということは、現下の財政状況等を考えますと、御提案の趣旨はよくわかるわけでございますけれども、直ちにこれを行うということはまだ問題があろうかというふうに考えております。将来の検討課題だというふうに考えております。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 将来の検討課題といいましても、いずれ触れるわけでありますけれども、この法律を三年間延長して、その三年間の延長した間に就学前の子供たちの教育をどのようにしたらよろしいかということを考えるということなんでありますから、その将来というのは遠い将来であるのか、このいま提案をされている法律の期限の切れるころまでの間にその点を決着をつけるというふうな考え方なのですか、どちらですか。

鈴木勲文部省初等中等教育局長

○政府委員(鈴木勲君) この法律とは直接関連するということではございませんで、やはり幼稚園の教育の水準をどのように維持するかという観点から、教員の配置、財政状況その他いろいろ勘案いたしまして検討しなければなりませんので、三年間にとかそういう期限を切った形ではございませんで、できるだけ慎重に詳細に検討いたしまして対応していきたいという気持ちを申し上げたわけでございます。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 私は、公の性質を持つというこの私学のきわめて重要な任務にかんがみ合わせて、この設置基準を変えるということは緊急の課題であるというふうに思います。  で、「当分の間」というのが、もう四半世紀を過ぎて、三十年たっても百二条園なんというのが現存するわけであります。いまの初中局長のように、将来になどと言ったら、いつになるかわからない。こういう不安を持つわけでありますので、私は強く要望して、この問題については積極的な取り組みをやるべきであるということを申し上げておきたいと思います。  さてもう一つ、この私立幼稚園の姿勢について私は伺いたいと思うのですが、公の性質を持つのですから本当にりっぱに教育をしなきゃならない、こういうふうに努力している学校があることもよくわかります。先ほど申し上げたあの障害児の受け入れなどについても本当に全精力を傾けてがんばっていらっしゃる幼稚園があることもわかります。しかし、先日国税庁が発表いたしました中身を読んで、こんなことがあるんだろうかと、例年思っていたんですけれども、特にまた思ったのであります。  どういうことを国税庁が発表しているかといいますと、先日も文部省を呼んだら、いや、ことしはベストテンの中に入りませんでしたという話でしたからね。ベストテンの中に入るのは「ザ・ベストテン」ぐらいで結構であります。徴収漏れがあったから追徴税を払うなんというのがこの十位以内に入るなんという、こんな恥ずかしい話はないわけであります。しかも、その中でもこの不正計算の手口が複雑であるとか、悪質という言葉なんだと思うんです、言いかえれば。そういうものには「「特別調査」により徹底した調査を行っている。」という、そういう中に入っているんですね。昭和五十一年が六位です。五十三年が八位、五十四年が五位、五十五年が九位、今回はずいぶんランクが下がりまして十四位でありますが、それでもなおかつ一件当たりの申告漏れ所得が五百五十七万円、そして追徴税が百八十五万円、申告漏れの割合はどのくらいかといいますと二〇%なんですね。五園に一園はこういうことが行われているという国税庁の調査なのであります。  昭和五十一年のその国税庁の例を読んでみますと、「納税者C(東京都)は、保母等約三十名園児数約六百人の二年保育の幼稚園を経営しており、良好な業績をあげている。不正計算の方法は、本代、教材費、行事費などの臨時的収入を全額除外したほか、取引先に架空又は水増しの請求書を作成させ、これを経費として計上していた。」こういうことが報告があるわけです。「この申告もれ所得による資金は、仮名又は無記名の預金や有価証券の購入にあてていた。」こういうところからグリーンカード問題が出てくるわけでしょう。こういうことをやっているからグリーンカードには反対だと、こういう声が出てくるわけであります。これが公の性質を持つ幼稚園のやることですか。  五十三年、これも東京都ですが、納税者Bは、保母等十六人、園児数三百三十人の幼稚園を経営している。このBは園児数を二クラス分過少に申告している。二クラスピンはねしているわけですね、八十人分。うちの園にはいませんよと言って報告をしているわけであります。そのほかに、入園料徴収、施設拡充費、通園バス代、父母会費等の各種納付金について、その全部または一部を除外するなどの方法によって多額の所得を脱漏していた。幼稚園に子供を上げている父母というのは非常に若い層でありますから、その納付金や保育料などというのは、額で言えば大したことでないかもしれないけれども、大変重く感じているわけであります。設置者を信用し、先生を信用してその幼稚園に上げているのに、そういうことをやっていて、しかもその申告漏れ所得による資金は、定期預金、マンション、貴金属、高級外車の取得等に充てていると、こういうふうに書いてあります。もう読むのがいやになるぐらいですけれどもね。  さらに五十四年は、月謝、給食費、施設費等の各種納付金について、単価及び人員を過少にして計算するなどのことをやって、土地建物の購入費及び仮名預金などにそのお金を充てていたなどということが指摘をされているわけであります。これは、学校法人でこういうことができるのかどうなのか、この点についてお伺いいたしたい。  これは何も私立幼稚園ばかりじゃなくて、大学などにおきましても見せ金つくったりあるいは裏金つくったりいろんなことをやっているわけですから、学校法人だからできないということではないというふうに思いますけれども、この辺についてはどのようにお考えですか。

阿部充夫文部省管理局長

○政府委員(阿部充夫君) ただいま御指摘がございましたようなケースが国税庁の発表によりまして新聞等に報道されておりますこと、大変に遺憾に存じておるところでございます。私立学校は公共性を有しておるわけでございますから、その管理運営というのは姿勢を正して行うべきだというふうに私どもも考えておるわけでございまして、こういったことの報道されますことは本当に遺憾なことだと思っております。  なお、学校法人であるかどうかというあたりのところにつきましては、国税庁から内容の発表がございませんので、私どもも承知ができないわけでございますけれども、しかしながら、学校法人の場合には、その経理につきまして公認会計士等の経理が及ぶとかいったような形での経理監査の道があるわけでございますので、そういった点から申しまして学校法人でそういうケースはないのではないかと思っておるわけでございます。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 ですから、私言いましたでしょう。私立大学においても——私立大学は全部学校法人じゃないですか。そこにおいても何十億というお金が裏金に使われていたり非常に不正なことがあるといって、しばしば文教委員会の中でも取り上げられたじゃないですか。だから、こういうことは学校法人の中ではないと思うなどと言うことが間違いであります。  それじゃ、こういう国税庁の発表が例年ずっと出されて、ベストテン入りしているわけでありますから、文部省としてはどういうことが具体的に起きているのかというようなことについて調査をされたことがありますか。

阿部充夫文部省管理局長

○政府委員(阿部充夫君) この個々具体のケースにつきましては国税庁は公表しないということになっておりますので、具体にどことどこがこの脱税等ということで指摘された対象になっているかということは、私どもでは把握ができないわけでございます。しかしながら、ここにございますことは、こういう指摘を受けておりますということは大変遺憾なことでございますので、これからも関係の都道府県等を通じ、あるいはいろいろな機会に一般に注意を喚起をしてまいりたいと思っておるわけでございます。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 しかし、補助金をもらっている学校がこういうことをしたらどうなるんですか。その補助金どうするんですか。

阿部充夫文部省管理局長

○政府委員(阿部充夫君) 経常費補助金の交付を受けております個人立幼稚園、あるいは一般のものについても同じでございますけれども、特に個人立幼稚園について申し上げますと、その幼稚園経営に係る会計は特別会計ということで、分けて補助金に係る部分については経理をしなければならないわけでございます。そういう形で監査の目等も行き届いておるということでございまして、その部分については適正な経理が行われているはずでございます。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 そういう説明ではだめなんですよ。補助金の部分は正確ですよと。しかし、父母からもらったものについては会計の検査の手が行ってないわけですから、そのことについてこういうことがあったという場合には補助金はどうするんですかということを聞いているんです。

阿部充夫文部省管理局長

○政府委員(阿部充夫君) 補助金に係る部分につきましては、その補助金として正当に経理が行われているかどうかということによってその補助金の判断をするわけでございますので、これ以外の部分についてということと補助金の経理とは関係がないわけでございます。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 そのことはおかしいことだと思いますね。どんな悪いことをしても国家の金を出してやるんだ、そういう姿勢なんですか。  たとえば学校法人の某大学、国会の中でも大変問題になった。二割五分の補助金はカットされた。こういうのがあるんじゃないんですか。どうですか。

阿部充夫文部省管理局長

○政府委員(阿部充夫君) 先ほども申し上げましたように、ここで指摘されておりますようなケースにつきまして具体のケースが私ども把握ができておらないわけでございます。この税金の関係につきましては、国税庁は、関係した学校法人あるいは個人的な幼稚園のケースについて公表がされないわけでございますので、私どもとしては承知をいたしておらないわけでございます。しかしながら、先ほども申し上げましたように、具体にこういうケースがあるということは非常に遺憾なことでございますので、関係都道府県等を通じ、あるいは直接文部省所管のものにつきましては、関係の大学等につきましては、こういうことのないような注意等は喚起をしてまいりたいと思っておるわけでございます。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 大学においてはこういうことになっているではないか、それでは幼稚園ではなぜそれが許されるのですか。あなたは調査をすることができないと言いますけれども、いま私が報告したように、Aは東京都、Bも東京都と具体的に挙がっているわけです。そして、保母の数なんかもきちんと出ているし、園児の数なんかも出ているわけですから、本当に調査をさせよう、しなきゃならない、私立幼稚園の姿勢をきちんとして、本当に国民に正しい評価、尊敬の気持ちを植えつけなきゃいけないと思ったら、きちんとした姿勢というのは大事だというふうに思うわけです。  大臣、こういうことを許しておいていいと思いますか。いかがですか。国民の血税だ。

阿部充夫文部省管理局長

○政府委員(阿部充夫君) もちろん、私の言葉が足りなかったかと思いますけれども、補助金の交付に際しまして、会計処理に不正があるということが明確な場合には交付等は行わないということでございます。ただ、具体のケースが、どの幼稚園がどうかということについて、これが発見できました際にそれをいたすということでございます。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 法律の第五条によって「補助金の減額等」の五の項目に該当するということをいまお認めになったようでありますから、私はそれで納得いたしますけれども、こういう報告が公式に国の責任としてなされているのに、その指導監督に当たる文部省が調査の指示もしないでいるということについては非常に憤りを覚えるわけであります。もう少し姿勢を正して指導してもらいたいという気持ちがいたします。  あわせて、学校法人立の幼稚園にはそんなことないんじゃないかと、こういうふうにおっしゃいますけれども、全私幼ニュースというのをこう見てみまして、その中で、全私幼のこれ顧問弁護士なんですよね、秋山昭八さんという方が第三回目のところでこういう講演していらっしゃるんですよね。   皆さん方が金もうけのために、幼稚園をやっているなどということを言う者もおらんだろうしそういう実態もないと思います。私はまあ声を大にしていうわけでありませんが、学法の幼稚園こそ、自分の財産をなにかこう法人にとられちまったから、ひとつ脱税でもやって取戻してやろうかと、いうような考えがあるんではないか。非学法の皆様はほんとうに、自分の財産として、そしてこれを公けの幼児教育の為に捧げて、嘘も隠しもなく幼児教育の為にこれを全部提供し  なんというようなことをお話ししていらっしゃるんですね。いかにも学法幼の人たちが脱税しているようなお話を、顧問弁護士ともあろう者がやっていらっしゃるということについて、私は非常に不思議な感じがするんです。いまの局長のおっしゃった、学法にはそれはありませんというのと、具体的に顧問弁護士をやっていらっしゃる方がそういうことを言っていらっしゃるんですからね、大きな差があるわけです。私は、もう少し私立幼稚園の姿勢を正すように心からお願いをしたいと思って、この問題については終わります。  次に、先ほどお話がありました私立学校の自主性、独自性それから公の性質などについての一般原則というのは、当然私立の幼稚園にも適用されるというふうに思います。いい教育をしなければならないから学校法人にするんだ、学校法人だけが設置者になれるんだというこの原則があるのに、ではなぜ一〇二条園があるのかということの理由をお伺いいたします。

鈴木勲文部省初等中等教育局長

○政府委員(鈴木勲君) 御指摘のように学校教育法第百二条におきましては、私立の盲聾、養護学校及び幼稚園は、当分の間、学校法人によって設置されることを要しない旨の特例が認められているわけでございますが、この趣旨は、これらの学校が比較的小規模でございまして、必ずしも学校法人のようにまとまった組織を必要としないこと、あるいは沿革的な理由から、これらの学校が主として個人、宗教団体等によって設置されてきた事情があること、またそれらの学校が現在学校教育上重要な役割りを果たしているということ等を踏まえまして、このような特例の規定が設けられているものと考えているわけでございます。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 重要な役割りを果たしているからこそ、これをぜひ学法にしていくという指導が大事なんであって、いつまでもこの百二条を残しておくからこそ、篤志家による自由な設置を認めるというよりも、当分は不十分な条件で設置されることに目をつぶるという行政の怠慢を示したものだというふうに考えているところでございます。  それで、百二条学校がこの学法制定時代に一体どのぐらい存在をしていたのか、あなたのおっしゃるいまの説明から考えてみると、どんなにたくさんあったんだろうかということについてお伺いします。

鈴木勲文部省初等中等教育局長

○政府委員(鈴木勲君) これは、いま制定当時の数字につきましては、私立の盲聾学校についてのお尋ねかと思いまして、その数字だけは用意してございますが、二十三年当時におきましては、盲学校十三校、聾学校八校計二十一校であったわけでございます。それが、養護学校は学校教育法によりまして初めて設けられた学校でありましたために、養護学校につきましては、いまの数字にはございませんが、その後この百二条の規定によりまして社会福祉法人、学校法人等によりまして設置の促進が図られまして、二十四年社会福祉法人によりまして初めて学校が設置されたわけでございますが、四十一年までに七校が設置されまして、その後いろいろ異動がございまして、現在社会福祉法人の設置にかかわる養護学校は三校のみが存続しているというところでございます。  私立幼稚園の数につきましては、恐縮でございますが、昭和二十九年の統計数字がございますけれども、学校法人が三百八十三校でございまして、その他の法人、これは個人立区別しておりませんけれども、千七百八十二校となっております。現在どうなっておるかと申しますと、五十五年の数字で恐縮でございますが、学校法人が四千八百十八、その他法人が千七百三十四、個人が二千二百二十九というふうに推移しているわけでございます。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 そういたしますと、この百二条学校というのは、盲学校もいまゼロになっている、聾学校もゼロになっている、りっぱな法の趣旨に沿った学校として存在をしている、養護学校もその数が減って、最後に社会福祉法人として子供たちを預かっているところが特別に教育をするということでその学校の名前をとり、百二条校として存在をしている。そういう中で、宗教法人立、個人立、財団法人立、幼稚園だけがずっと伸びているわけです。ここのところに私はメスを入れなければならないと、こういうふうに考えて、それだからこそ、いま提案者の西岡さんも来ていらっしゃるけれども、私立学校の振興助成法というものができて、早くこれが学校法人になれるようにということの努力がなされたんだというふうに思っているわけです。  この百二条の一項というのは「当分の間」と、こういうふうになっているわけですね。この「当分の間」というのを文部省は一体どのくらいの期間に考えているんですか。

鈴木勲文部省初等中等教育局長

○政府委員(鈴木勲君) 法令の用語といたしまして「当分の間」が意味しておりますものは何年という具体的な期限でございませんで、やはりその規定しております規定内容等によりまして、相当長期間、あるいはその条件が整いますればある程度見通しがついた期間というふうに、それぞれ規定によりまして異なるものかと思いますが、この場合には、現在も学校法人によらない学校がございまして、またそれが学校教育として重要な役割りを果たしているという見地から、この当分の間の期間があと何年というふうにはなかなか申し上げにくい規定かと思います。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 大臣にお伺いいたしますけれども、いま局長が重要な役割りを果たしているとこうおっしゃっているわけです。私もそう思います。それだからこそ学校法人化してりっぱな仕事をやるという条件をきちんと国民の前に姿勢を示すべきだというふうに考えるわけですけれども、すでにもうこの法律が制定されてから三十年、四半世紀を超えているわけであります。「当分の間」が四半世紀を超えるなんというのは、ほかの条項にもたくさんあるわけですけれども、子供たちをなめている、甘く見ている、幼児教育を大事にしていないというふうに判断せざるを得ないわけですね。早急にこの条件を整えて一〇二条というのは削除されなければならないと思いますけれども、いかがですか。

小川平二自由民主党文部大臣

○国務大臣(小川平二君) 幼稚園の継続性、安定性、あわせてまた公共性を担保いたしますために学校法人化の促進を図って今日に至ったわけでございます。今回ここで法律が改正されますれば、その趣旨に即して、文部省といたしましてもあとう限りの努力をして目的の達成に努めてまいるつもりでございます。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 提案者、さっきからそこで首を横に振っていらっしゃるんで私非常に気になるんですけれども、一〇二条のこのあれは条件を整えてなくしていくということの方が正しいんじゃないんですか、法律の精神に沿うのではないんですか、いかがでしょう。

西岡武夫自由民主党

○衆議院議員(西岡武夫君) お答えをいたします。  粕谷委員御指摘の点は、法律のたてまえ、精神から申しますと、学校教育法で定められております学校法人によって設置されるということが前提であるという御趣旨の御意見は、これはもう何人も疑う余地のないことであろうと考えております。ただ、現実の問題として、粕谷委員御承知のとおり、わが国の幼児教育の中で果たしてこられた個人立、宗教法人立等の幼稚園のこれまでの大きな役割りというものを無視することはできないということもまた事実だろうと思います。そうしてさらに学校法人化への道を進めていかなければいけない、促進をしていかなければいけないということを考えました場合に、設置基準等の緩和というような措置もすでにこれまでとってきたところでございますけれども、それでもなおかつ現になかなかその基準を満たすだけの園地が取得できないというような問題を中心として、これが最大の理由ではございませんけれども、そういうことによって法人化をしたくてもすることができないという園が現に存在をしているということもお認めをいただきたいと思うわけでありますし、また先ほど百二条園というものが依然として残って、いつになったらばこれが法人化されるか見通しがつかないではないか、どんどんふえているではないかというお言葉でございますけれども、昭和五十年の段階から、五十一年に今回御提案を申し上げました、延長をお願いいたしましたもとになります五年間の特別の措置を行いましてからは、絶対数におきましても、また全体の幼稚園の中で占めております個人立、宗教法人立の比率も年々着実に減少をして、学校法人化の実が上がってきているということも粕谷委員お認めをいただきたいところでございまして、これが五年間特別の措置をとってなお設置基準等を緩和したとしても、なおかつ個人立、宗教法人立だけがどんどん伸びて、その占めております比重も一向に低下しないということでございますれば、粕谷委員御指摘の点についてこれまでの文部省の行政について問題があるのではないか、行政指導について問題があるのではないかという御指摘を甘んじて文部当局も受けなければいけないと思いますけれども、現に五十一年度個人立の場合で申しましても、三三・四%の比重を占めておりました、実に三分の一の比重を占めておりました個人立の幼稚園が、一番新しい数字で五十七年度の当初の段階で二二%まで低下をした、絶対数におきましても二千六百七十二園ございましたのが二千園台をもう割って千九百五十八園というふうになってきている、一方において学校法人化が着実に進められているという事実もぜひお認めをいただきたいと思うわけでございます。  先ほど初中局長から答弁がございました、それじゃこれから先何年間かかって学校法人化が全部行われるのかということにつきましては、これは設置基準等についても先刻来衆議院におきます論議でも御指摘がございましたし、また一昨日の本委員会における審議を通じて御指摘がございましたように、やはり教育の一定の水準というものを保つためにはそうこれ以上設置基準を甘くして学校法人化を図っていくということにも限度があるということを考えますれば、学校法人化を図るという努力を一方において進めつつ、なおかつ現実の幼稚園の設置形態というものを踏まえて幼児教育のあるべき姿というものをこの際は速やかに新しい仕組みというものを考えていかなければいけない、そういう時点に立たされている。そのためにとりあえずは三年間の延長をお願いいたしまして、この間抜本的な幼児教育のあり方についての施策を立案をすべきである、またしたいものであるということで御提案を申し上げているわけでございまして、この点については御理解をいただきたいと思うわけでございます。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 いま御説明のありましたことは、私も数字を調べておりますから、文部省の指導も各都道府県の指導も確かに効果は上がっている。しかし、それにしても法律が五年と、こうあったわけですから、その五年の間の進捗状況から考えてみれば大変不満足であると、これは評価の違いでありますから、私たちはそういう考え方に立っているわけであります。特に設置認可の状況などもこれは多分指導がよく行き届いているのでありましょう、学法は年々ふえておりますけれども、宗法などは五十四年にはゼロ、五十五年には二、こんなふうになっておりますし、その他の法人については五十二年に一件あっただけであとはゼロ、それから個人立についても五十一年に六件、五十二年に一件、五十三年に二件の九件で終わって、五十四年、五十五年はもう認可をしてないわけですから、そういう意味の私は前進というものは正しく評価をしていきたいというふうには考えているわけであります。ところが、ぜひ一〇二条園でなくて、あるいは学校法人にしていきたい。それから、いま学校法人になることを志向しているのを、なるべく早くやってもらいたい、こういうふうに考えているにもかかわらず、これに足を引っ張っているような動きをしているところがありますね。発議者の方、御存じですか。

西岡武夫自由民主党

○衆議院議員(西岡武夫君) お答えをいたします。  そのような足を引っ張っているという意味は、具体的にはどういう意味で粕谷委員御指摘であるか私もつまびらかでございませんけれども、そういう事実はないものと心得ております。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 事実はないんですかね。なければよろしいんですけれども。私、この全私幼のニュースというものを見ているんですが、四年も前の話ですから、ずい分古い話だと思うんですけれども、ここのところに実にいろんなことが書いてあるんですね。見出しを見ますと、「一〇二条園危機打開策を語る」、「存廃の危機と対策」というふうな課題でもって、「顧問弁護士秋山昭八氏講演から」というのがずっとあるわけですね。この方がこういうことを言ってるんですね。学法よりも非学法の方が公の性質を持ってるんだ。学説なんですからいろいろおっしゃる方があって結構だと思いますけれども、そんなことになったら、この学法というのは公でないような感じがする。  それから、憲法二十六条に立脚したわれわれの運動は教育闘争なんだ。私立学校振興助成法附則二条の五項は憲法違反である。この点については先日の委員会でも不作為の憲法違反ということで宮之原委員が言われましたから、そういうこともあるかもしれないと思うわけですけれども、文部省としてはこの私学振興助成法の附則二条五項は憲法違反だというふうにお考えなのかどうか。あわせて措置要求をしていきたい、これを撤廃するように努力をしたいというふうなことを大変お話しをなさっているわけですね。これ、どうですか。

阿部充夫文部省管理局長

○政府委員(阿部充夫君) ただいま憲法との関係についてのお尋ねでございますが、私立学校振興助成法の附則二条五項は補助金を受けました場合に、個人立等の幼稚園が翌年から五年以内に学校法人化の措置をしなければならないということを法律上の義務として課しておるわけでございまして、この規定に則して現在補助を行っておるわけでございます。このように補助対象を学校法人化を進めている幼稚園に限定しておるというのは、私立学校の永続性、安定性を担保し、公共性を確保するということから、私立学校の設置者は学校法人とするということがたてまえであるという原則に立ちまして、国民の税金を使って補助をするものでもあることでございますので、その原則に立ち返って学校法人化を進めていこうという大きなねらいを持ったものであるというふうに考えております。したがいまして、この施策は十分合理的な理由に基づいて行われているものでもございますし、ただいまお挙げになりましたような憲法二十六条の教育の機会均等、あるいは十四条の法の下の平等の精神に反するものではないというふうに考えておるわけでございます。  なお、この法律案がまとまってまいります以前の段階におきましては、幼稚園関係のいろいろな団体、あるいはいろいろな方々のいろいろな御意見があったということは事実であろうかと思いますけれども、現在の時点におきましては、この改正案の内容につきまして日私幼、全私幼とも積極的に賛成をされておるわけでございますので、これに反対する動きというようなことは承知をしておらないわけでございます。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 それでは関係幼稚園団体の了解が得られた、こういうふうに考えていらっしゃるようですから特別深く追及はいたしませんけれども、そういうふうにこの三年延長させなければならない、しなければならないというような状況に追い込んでいったやっぱり私は運動が一つあったんだというふうに思うんですよね。「廃園伺のご提出方お願い」という全国私立幼稚園連盟の理事長の金子愛治さんという方の文書がこうあるんですが、廃園闘争でもって対抗していこう、こういうことだったと思うのですが、「この廃園伺は一括取りまとめの上、最終交渉において、文部当局及び関係各位のご高覧に供する予定でおります。尚、この文書は廃園の認可権を持ちます都道府県に対するものではなく、正式文書ではありません。」というのですから、これはどういう意味を持つものですかね、いろいろと想像するものでありますけれども、こういう動きが一つあったということはまた事実だろうと思います。  それとあわせまして「私幼時報」という、これおもしろいんですね。「悲願成らず一〇二条園対策」、「森私案見送りの公算」というので、これは五十六年の五月の十日ですから、去年の話です。ここに「西岡議員、スジ論で反対」というのが書いてあります。まず森私案に対し、「最終私案に対し、反対のノロシをあげたのは、新自由クラブから自民党へ返り新参となった西岡武夫議員である。彼は、私学振興助成法制定当時の文教部会長として活躍したが、」云々とこう書いてあるわけです。「森私案に、まっ向から反対した。」。それから(「いろいろなことがあったわね」と呼ぶ者あり)——いろいろなことがあったんですね。「当初から森私案に反対していた全法幼は、西岡議員の出現によって、大いに勇気づけられたようである。」云々とこう書いてありますね。さらにまた「五月一日の第三回会談で、玉置議員は森私案を引き下げ、西岡議員の主張する三年延長案に妥協した。西岡議員に押し切られた形となったが、日ごろ強気一筋ともみられる玉置議員が、三回にわたる西岡議員との会談を通じていつになくおだやかな態度であったという。」というなど、実にほうふっとさせる裏話が出ているんですね。一人一人の御性格なども、私この八年ほどの間にだんだんわかるようになってまいりましたが、実によく分析をしている文章だというふうに思うわけですけれどもね。  こういういろいろなことが出てきているわけですけれども、私たちはこの延長には反対なんです、三年延長には。なぜ反対かというのは、いままでも基本的な態度は宮之原委員の方から質問をし、いろいろなことが明確になりましたからおわかりだというふうに思いますけれども、大体、そうでしょう、五年間補助金をもらった人は三年間また延長して、八年間もらえるわけですね。いままで四年間補助金をいただいた人は二年間延長して、六年間もらえるわけですね。それから三年の人は一年しか延長してもらえないで四年間、ずいぶんこの補助のあり方としてはおかしいんじゃないですかね。公平な態度というんですか、公正な補助金というんですか、その辺のアンバランスというものは一体どこ、何を基準に考えられたものですか。(「三年後を見てください」と呼ぶ者あり)信用できないから、いま質問しているんです。

西岡武夫自由民主党

○衆議院議員(西岡武夫君) お答えをいたします。  確かに粕谷委員御指摘のとおり、三年間延長するということが自民党の内部で決定をするまでにはいろいろな紆余曲折がございましたし、また当初の案は現実に幼稚園幼児のための教育に果たしていただいております個人立、宗教法人立の幼稚園というものを実際廃園に制度として追い込んでしまうということは、現実的な文教の施策、幼児教育についての行政として適切ではないというところから、時限をやはり切ることによって各党の御理解もいただけるのではないかということで御提案を申し上げたわけでございますが、確かに、それでもなお助成のあり方、補助のあり方につきましては、なかなか率直に申し上げて理想的な補助の継続の方式というものがむずかしゅうございまして、策定の段階で苦慮したところでございます。しかし、実際問題としては今回御提案を申し上げたような方式しか私どもとしては提出までに思い浮かばなかったということで、いろいろ問題点は含んでいるということは率直に認めざるを得ないところでございます。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 まあ三年たったら見てくださいという不規則発言などありましてね、見てくださいというのは、本当に法律の趣旨に沿った実態が出てくるのかという点で非常に心配を持っているわけであります。その点は、提案をされている側も文部省としても本当にど根性を入れてやっていただきたいと思うんですが、いかがですか。

西岡武夫自由民主党

○衆議院議員(西岡武夫君) お答えをいたします。  今回あえて三年間の延長をお願いいたしました以上、提案をいたしております自由民主党といたしましても、これは三年間の間に幼児教育の行政のあり方、幼児教育の設置者の形態のあり方、また幼児教育をめぐっての家計負担の格差、保育所との調整の問題、こうした非常に難問でございますけれども、三年間の間に明快な答案を出す責任があると、このように自覚をいたしております。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 この法律が五年でということについて、この法律自体に対する質問というのが議事録の上に余り載っていないですね。衆議院なんか全然やっていないようでありますし、参議院でも簡単に短い期間しかやっていないようでありますから、こういう法律案が出されるということも私たちの闘いが弱かったんだなあという反省も含めながら、たとえばグリーンカードの問題ですね、実施しますよという法律案ができたわけでしょう。ところが、いまいろいろな運動が出てきている。自民党の内部で、またこれについては五年間凍結をする、最後はこれはもう廃案だ、法律案を廃止するんだというような動きまで出てきているということを現実の問題として私たちが肌身に感じているときに、この三年間でこのことはきちんとしますよという保証は一体どこにあるのですか。

西岡武夫自由民主党

○衆議院議員(西岡武夫君) お答えをいたします。  粕谷委員のお言葉でございますが、グリーンカードをめぐる問題と幼児教育について今回御提案を申し上げている問題とは全く異質のものであると、このように考えております。この三年間の間に、私どもといたしましては幼児教育全体のあり方、保育所の問題も含めまして、幼児を中心として、行政はどうあるべきなのか、幼児教育というものはどうあるべきなのか、保育に欠ける子供たちのために設置された保育所というものが、それぞれの地域社会の中で、現実の社会の大きな変化の中で幼稚園が果たす役割りを代行しているという実態、こうしたものを踏まえて新しいやはり制度というものを生み出していかなければいけない。そのために、現実に個人立、宗教法人立の幼稚園が現存をしている、幼児教育に貢献をしていただいているわけでございますから、これを行政として、また政治として切り捨てて、幼児教育を考えるべきではない。やはりこれは行政、政治の責任において明快な答えを出さなければいけないという考え方、信念に基づいて御提案を申し上げているわけでございますから、これは一昨日のこの委員会でもお願いを申し上げましたように、自由民主党といたしまして、具体的な案を文部当局と十分打ち合わせの上で素案、たたき台の案が策定されました時点では、各党のいろいろな御意見もいただいて、でき得べくんば多くの政党の皆様方の御賛同も得て、よりよき案をつくり上げてまいりたいという考え方に基づいているわけでございますので、この点はぜひ御理解をいただきたいと考えるわけでございます。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 議員立法ですから文部省が答弁するのも大変むずかしいんだろうというふうに思います。いまの発議者の西岡提案を了解をいたしまして、きちんとやっていくということを確認したいと思います。  それで、おとといの文教委員会でもさんざんもらい得という言葉が出されましたね。もらい得だ、もらい得だと言って批判をされるのであれば、私はこの法律案に反対をした方がよさそうなものだというふうに考えているわけですけれども、学法化がこの五年間にできなかった、その阻害をしている原因というものが三日の文教委員会で私にはまだまだちょっと理解ができなかったわけであります。ここのところをもうちょっと説明をしていただきたいと思います。

阿部充夫文部省管理局長

○政府委員(阿部充夫君) 昭和五十一年度から補助を受けております幼稚園で、五十六年度中に学校法人化できなかったという四百八十の幼稚園につきまして各県を通じましてその事情の調査をいたしたわけでございますが、その結果、これまでもお答えしたことでございますが、繰り返し申し上げますと、幼児の減少が当初の予測よりも大幅なものというふうになってきたために、今後の幼稚園経営が不安であるという理由を掲げておりますものが百五十四園。それから、学校法人化につきまして宗教法人の本山や、あるいは法定相続人となる家族の了解を得るのになかなかむずかしい点が生じてきているというものが百三十八園。それから、園地を具体に取得する、あるいは借用するということにつきまして地主との交渉が難航しているというような理由のものが七十七園。それから、学校法人認可の手続が計画からおくれているという、これはいずれ学校法人化する見込みのあるものでございますけれども、これが三十九園。それから、現状のままでは幼稚園設置基準に土地等の要件が満たないというのでその点が難点になっておりますのが二十八園。その他というようなことになっておるわけでございまして、主な理由は、幼児の減少の問題と、それから、宗教法人あるいは個人の相続者あるいは本山等の同意が得られないといったあたりのところに集中をしておるわけでございます。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 幼児の減少の問題ですけれども、文部省のつくった第一次幼稚園振興計画、第二次振興計画がありますね。あのときの幼児の人口というのは何を根拠に立てられたんですか。

鈴木勲文部省初等中等教育局長

○政府委員(鈴木勲君) 第一次の幼稚園教育振興計画は三十九年から四十五年まででございますが、この場合の計画につきましては、人口一万人以上の市町村における五歳児の就園率を六三・五%まで高めることを目標としたものでございまして、七年間にこれだけの目標を達成するということで、人口推計と申しますよりは幼稚園の普及という観点からこの就園率を六三・五%という目標に達するための就園率による計画でございます。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 質問が悪かったんですかね。  そうすると、第一次振興計画は人口推計を利用しなかった。じゃ第二次は何を利用したんですか。

鈴木勲文部省初等中等教育局長

○政府委員(鈴木勲君) 第二次の計画につきましては、これは基礎となりましたのは昭和四十四年九月の厚生省の人口問題研究所の全国男女年齢別将来推計人口を基礎といたしまして必要な全国的な学級数を算定したものでございますが、その見込みがかなり狂いまして、そのために補正等を行ってまいったという事情がございます。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 私はこういう計画というのは非常に科学的な基礎というものを整えておいてやらなければならないというふうに思うんですね。幼児出生数の推移という厚生省の人口問題研究所の発表の数字が五十五年に大幅に書きかえられていますね。数字で言うとどのぐらい違うんですかね。四十万人ぐらい減っている数字になっていますね、カーブを見てみますと。(資料を示す)こんなにカーブに違いが出ています。四十万人の幼児減というのは大変なことですよね。しかし、たとえば小学校なんかにおいては自分の学校のクラスが四十五人、四十七人になったらこれは二クラスにしなきゃいけない、あるいは四十一人だったらどうなるんだろう、だれか転入して来ないだろうか、こういうふうに非常に神経をとがらしていますからね。自分の市町村の出生の数というのをちゃんと統計とっているわけですよね。そういうものが幼稚園には、あれは義務制ですからそうだとおっしゃるかもしれませんけれども、しかし私は態度が足りないんじゃないかと思うんです。逆に言えば、総理府で人口統計というのをやっていますね。何年に子供が何人生まれたかというのが出ているわけです。推計でなくても幼稚園に入ってくるのは三歳児が一番初め、四歳、五歳とこうなるんですから、五年前の統計というのは私はある程度見直すことができるというふうに思うんでね、その辺の指示を早く都道府県に教えて都道府県が明確に保育所と幼稚園の関係をどうするかというような指導をしていらっしゃれば認可に当たってもそのような不安というものはある程度少なくなったのではないかという感じがしてなりません。  それから、いま局長がおっしゃった使用中の園舎などの所有権の移転が非常にむずかしいとおっしゃるけれども、そんなのは志向園になる前からわかっていて志向園になっているわけなんですからね。そのことは私は理屈にはならないというふうに思います。  それから、もし子供が入らなかったりして何かのことで廃園になったりすると法人が解散されて自分の資産がなくなると、こういうふうにおっしゃいますけれども、志向園になるということはそのことを承知で私は志向園というものを選んだんだというふうに思いますんで、これも絶対になれないんだという理由にはならないというふうに思います。しかし、この幼児人口の減少というのは厚生省の推計にもある程度の責任が出たりいたしますし、こればっかりは不可抗力なんで、この辺のところの指導をどのようにしていくかというのが一つあると思います。  それから、この人たちが心配している問題に、近隣に公立の幼稚園や保育園が新設されないという保証がないということを言っていらっしゃるわけです。発議者の方ではこの辺のところは今後の政策としてはどのように考えていこうとなされているのでしょうか。

西岡武夫自由民主党

○衆議院議員(西岡武夫君) お答えをいたします。  五年間の時限で特例の措置を御提案申し上げましたときにただいま粕谷委員御指摘の点が一つの大きな問題点であったわけでございます。それぞれの地域社会において公私立の幼稚園の適正配置というものが適切に行われるということが何といいましても必須の条件でございまして、そうでなければ私立の幼稚園の経営というものは将来にわたって不安定になるわけでございますから、これにつきましては文部省機会あるごとに、またこの法案を議員立法として提案をいたしました自由民主党といたしましても、あらゆる機会に関係者にはそうした調整の機関というものを設けていただくということがどうしてもこれは必要な前提であるということを申し上げてきたわけでございますが、すでに御承知のとおりに地方における行政が、地方の都道府県自体におきましても、私学に対する行政と公立の教育委員会を中心とした行政に二元化されているということもございまして、その点が問題点の一つとして私どもも指摘をしてきたところでございますし、これから教育行政を一元化するという問題もこれは非常に大きな問題でございますけれども、公私立を通じての教育行政を一元化していくということが実は私学振興助成法を制定する時点におきまして私どもとしては関係者の間に都道府県におきましても御提案を申し上げてきたところでございまして、これは文部省当局におかれても真剣に都道府県教育委員会あるいは知事部局等と御相談をいただき適切な方向づけをできるだけ早くしていただきたいと提出者としては強く希望をいたしているところでございます。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 しかし、幼保懇の報告などを見てみましても、適正配置についての委員会が必ずしもすべての県にあるわけではない、三日の御答弁の中でもそういうふうにあったわけですよね。だからこの辺のところはもう少しきちんとしていただかなければならない。これは行政の怠慢だというふうに思うわけであります。  もう一つ心配なのは、学制改革があって義務教育年齢が一年下がるんじゃないか、五歳児はみんな小学校に入れられるんじゃないか、こういうことだと思うのです。特に自民党の文教族が集まって文部省の腰の上がり方が足りないということでもって強引に学制改革について中教審に対して諮問をやらせたというようなことが記事に載っておりまして、本当かうそか、その辺のところも御報告をいただきたいと思うのでありますが、この辺はいま発議者としてはどのようにお考えになっていらっしゃいますか。

西岡武夫自由民主党

○衆議院議員(西岡武夫君) お答えをいたします。  自由民主党といたしまして正式に現時点で六・三・三・四の学制改革に着手するということを党議として決定しているわけではございません。しかし、すでに昭和四十六年の中教審の答申におきましても学制改革というものが第三の教育改革として行われるべきであるという答申が打ち出されているということはすでに御高承のとおりでございまして、自由民主党の文教部会の、いま族というお言葉でございましたが、関係者といたしましては六・三・三・四の学制改革について早急に具体的な政策課題としてこれを検討の俎上に上げるべきである、このように考えているところでございます。しかし、その場合に義務教育の年齢を満五歳まで早めるという考え方は具体的な案としては全く持っていないところでございます。と申しますのは、これにつきましては昭和四十六年に中教審の答申におきまして前期初等教育というような構想も具体的に示されておりまして、満四歳、五歳、六歳、七歳、これを前期初等教育という考え方もあるではないかというような示唆もされたわけでございますけれども、当時坂田文部大臣のもとで中教審の答申を受けまして幼児教育についての民間有識者、学識経験者で構成されます文部大臣の私的な諮問機関というような形で幼児問題についていろいろなお話し合いをしていただいたことがございます。そのときに二つの考え方がございまして、義務教育を早めるということはいまのわが国の教育のあり方、教育制度のあり方の中で余り小さな子供たちにいまの小学校の教育をさらに満五歳からあるいは四歳から詰め込んでいくというような形に流されかねない、これは余り好ましいことではないのではないか。あるいはまた、満五歳と満六歳とのたった一歳の違いでございますけれども、非常に心身の発達の度合いについての個人差があるというようなこと、また一方においてはゼロ歳からの教育というようなことも言われているわけでございますけれども、そのときの空気といたしましては満五歳から義務教育化するということについてはなお慎重に検討をすべきであるという方向——これは決定ではございませんが、そういう感じが出てまいりまして、自由民主党の文教部会といたしましても、この点については満五歳から義務教育化するという考え方を六・三・三・四の学制改革の具体的な内容としていま考えているということでは全くございません。この点は明確に申し上げておきます。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 しかし、いま考えているところでありません、それでこの補助が打ち切りになるのは三年後ですよ。それから後になってまた五歳からやられますよということになったら廃園に追い込まれることになるんではないか。これはもう当然の心配だというふうに思うわけでありまして、その三年間に結論が出されるのかどうなのかという見通しをお伺いしたい。

西岡武夫自由民主党

○衆議院議員(西岡武夫君) お答えいたします。  これは自民党の文教部会といたしましての正式の決定ではございませんので、それを前提としてお聞き取りをいただきたいと思いますが、満五歳から義務教育化すべきであるということについては当面考えていないという意味は、これから六・三・三・四の学制改革の問題に着手する課題としても考えていない、このように御理解をいただきたいと思います。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 そうすると、学制改革で五歳からという義務教育はないという見通しの方が非常に強いと、こういう御返事なんですか。正式決定でないんですから絶対にやりませんということでないように思いますからね。そういう理解でよろしいですか。

西岡武夫自由民主党

○衆議院議員(西岡武夫君) お答えをいたします。  私の個人的な見解をこの席上で申し上げるのはできるだけ差し控えたいと思うわけでございますが、現時点における自民党の文教関係者の間でのこれは絶対的という言葉を使うことは差し控えたいと思いますけれども、小学校の六年というものはかなり定着し、むしろ六・三・三・四の問題点は中学校、高等学校の三年、三年という区切り方に最大の問題がある、また、大学高等教育機関のところに問題があるという認識が主たる認識でございまして、そういう意味で満五歳から義務教育化の方向に進むというよりは、むしろ現在の小学校の一年生、二年生の教育内容も含めた教育のあり方について幼稚園の方向に近づけるということの方が正しいのではないかという空気が自由民主党の文教部会の中にはかなり強い空気としてあるということだけを御参考までに申し添えておきたいと思います。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 いまの最後のところは非常に重要なことでありましてね、幼稚園の方に近づけることの方がいいのではないかという空気が強い、それはもう文部省の中でもあるんではないのですかどうですか。

鈴木勲文部省初等中等教育局長

○政府委員(鈴木勲君) 文部省におきましても学制の問題につきましては省内において局長懇談会等でいろいろと議論をいたしまして、その中にはいろいろな意見がございます。ただ、いま粕谷先生がお述べになりましたような小学校の教育を幼稚園に近づけるというような意見があるかと言われますと、それは中教審の御答申の中にはそういう考え方もございますけれども、具体的に今後学制改革について検討を進めるという場合にいまのようなお考えが内部にあるかと申しますと、いろんな考え方がありますけれども、その考え、いま申し上げましたような考え方が具体的に表明されているかといいますと、その点はまだ分明でございませんで、まだまとまったものとしては出ていないということでございます。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 しかしこの一問一答を見てみますと、やっぱり幼稚園の方に近づけるのがいいのだ、こういう書き方が強いように私は思っていますよ。そこのところでこの三年間にどうするかというのが非常に大事になってくるのであります。行管庁の指摘に基づいて文部省と厚生省がこれに関する懇談会をやりましたね。略称幼保懇というのでありますが、この幼保懇では一体どういうふうなことを言っているかというと、三年もかかって十二回委員会やりましてどんな結論出たかというと、幼稚園は幼稚園の自主性があるのですよ、保育所は保育所の自主性がある、もうそれぞれの任務があるのですからそれぞれにやらなきゃいけないという結論なんですね。そんなこと三年もかかって出すのであれば、行管庁がもう五十年に指摘しているのですから何にもやった意味がなかったというふうに思うわけです。だから、もう文部省の段階、厚生省の段階ではこの就学前の教育についての新たなる展開というのは私はできないというふうに思っています。それを乗り越えたものをこの三年間にお考えになるという、何というのですか、雰囲気といいますか、方向なのでありましょうか、提案者にお伺いします。

西岡武夫自由民主党

○衆議院議員(西岡武夫君) お答えいたします。  そのとおりでございます。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 そういうふうに考えますといろいろと申し上げたいことはそれぞれの党にもあるわけでありますから、先ほど御説明のように自由民主党としてもお考えになるかもしれませんけれども、他党とも十分な連絡をしながら、関係団体とも十分な連絡をとりながら、画期的な就学前の保育——保育というのは教育が含まれているわけですからどのようにあるべきかという方向をぜひお互いに創意を結集してつくり上げていきたいというふうに私も考えている者の一人でございます。  そういう中で、もう時間が大分——地方公共団体で保育所と幼稚園と入園の年齢差を設けているところがありますね。そういう市町村がふえているのですよね。一歳から三歳までは保育園それから後四歳、五歳は幼稚園、あるいは四歳までは保育所それから五歳は幼稚園と、こういうふうにいろんなあれありますけれども、この年齢差によって子供の保育を変えているところがあります。これに対して行管庁はどう言っているかといいますと、五十年のときにはその実態をやっぱり指摘をして、その理由をこういうふうに説明しています。「実地調査した市町村の場合、四歳又は五歳になれば必ず幼稚園で教育を受けることを保護者が希望しているためであると説明している。」、これは市町村がたぶん行管庁にそう説明したんだと思いますね。これをどのようにとらえていらっしゃるのか、これ重要なことだというふうに思うわけであります。私は行管庁に対する市町村の報告、説明というのは非常に一方的であるというふうに思います。保護者が幼稚園への転園を積極的に希望したというよりは、もう行かなければならないような制度にしてしまっている。希望ではなくて、もうそういう制度にしちゃって、どうにも動きがとれないようにしているというふうに私は考えないわけにはいきません。そのことは国会図書館で出している「レファレンス」三百五十六号に明星大学の岡田教授が実態調査をしてずいぶんすばらしい報告をしていらっしゃるわけであります。先日も、全国私立保育園連盟ですか、あそこでつくりました資料集などを見てみましても、最近そういうふうな方向が出てきて、保育所から四歳児が少なくなって五歳児が全くいなくなってきている。こういうことについての私立保育所の悩み、廃園に至るのではないかというそういうことについての心配が出されておりますが、そういう中でこのごろ保育園に四歳児が戻ってきた、五歳児が戻ってきたという報告もまたことしの資料には出ているわけであります。それは一体どうなのか。それは働く母親たちがどうしても幼稚園の教育では自分たちの働く条件を保障してもらえないんだと、こういうところから入っていて、闘いながら保育所に子供を入れていくわけであります。私はこれはもう当然のことだというふうに思うんですね。ところが、この幼保懇の出した結論ですね、保育所には保育所の使命があるんですよ、法律で決まっているんですよ、幼稚園には幼稚園の使命があるんですよ、これも法律で決まっているんですよと、こういうことになっているわけですが、そういうことになれば幼稚園は四時間の教育をやると、なぜ預かり保育をやるなんというようなことが堂々と最近はまかり通っているのか、この辺がわかりません。文部省はその点についてどのように説明をされるのですか。

鈴木勲文部省初等中等教育局長

○政府委員(鈴木勲君) ただいま御指摘の幼稚園と保育所の幼児の対象を年齢で区分するというふうなことは、そのような事例について都道府県との会議等におきまして聞き及んでいるわけでございますけれども、やはり幼児教育という観点から申しますと、入園を希望するすべての三歳以上の幼児を幼稚園に収容して幼児教育を行うというのが幼稚園の趣旨でございますから、機械的に年齢で区分するということは制度の趣旨に反するというふうに私ども思います。  また、預かり保育につきましては、これは幼保懇の報告にも出ているわけでございますけれども、この問題につきましては文部省としてはいろいろ検討すべき問題点がございますので、今後これをどういうふうに考えていくかということにつきましては、関係者の意見を聞くなど、問題点を十分検討いたしまして、当面は地域の実情に応じまして設置者の判断すべきところであると。これは地域の実態に応じていろいろ幼稚園、保育所との関係あるいは両親の勤労の関係とかいろいろございますでしょうから、設置者において判断すべきことであるということで、文部省がこの点について積極的に乗り出すとか指導するとかいうことではございませんで、問題点を当面は慎重に検討して対応したいというふうに考えています。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 私は提案者にお伺いしたいと思うんですけれども、そういう問題についてこの三年間に討論をなさるんだというふうに思いますけれども、いまのところ大体どういうふうなお考え方をお持ちでいらっしゃいますか。もう親なんかはどちらでもいいんですよ。保育所の中で幼稚園同様の教育をやろうと、こういうことはもう昭和三十八年に通達として出ているわけです。だから、保育所の中でも幼稚園並みのいい教育が行われるんだというふうに思っているわけですね。そして、同じ四十年の八月には厚生省の児童家庭局から保育指針がその趣旨に沿って出されているわけです。ぜひ保育所に入れたいと、こういうふうに思っているわけですよ。それが五歳になったからこっちへ入れなさいというようなことについてのお考え方はいかがなものですか。

西岡武夫自由民主党

○衆議院議員(西岡武夫君) お答えをいたします。  ただいま粕谷委員から御指摘のございました岡田先生の詳細な調査に基づく幼稚園、保育所についての御研究の成果も私も拝見をしているところでございますが、一つはやはり粕谷委員すでに御承知のとおり、全国の保育所と幼稚園との普及が非常にバランスが地域によって違っているという実態がやはり一番大きな問題点であろうと思います。そういう実態を踏まえて、それぞれの地域における、市町村における実態に対応してこれからの幼児教育についてのあり方というものを考えなければいけないと思いますし、私どもも、ある一時期の時点で年齢で行政の一元化というものを達成すると、年齢で一つ区切ることによって一元化を達成するということが一つの一番、何と申しましょうか、明快な方法ではないかということを考えたことも正直に申し上げてあったわけでございますけれども、それでは解決をしないというふうに現時点では考えております。  そういうことを考えますと、やはりこれだけ就学前幼児の数が絶対数として減少をしてきているという中で、しかも父兄負担、家計負担の格差が非常に存在をしていると。そういうことになりますと、いままでは幼稚園から保育所に子供さんをやった方が家計負担が軽減されるということが中心でございましたけれども、最近では公立の幼稚園が保育所のそばにできれば、満五歳になったときにはお母さん方はもう保育所からかえて公立の幼稚園の方に通園させるというような形で、保育所自体が経営の基盤が緩んできているという、そういうような実態も存在をしてきているわけでありますし、また一方におきましては、保育所の保育時間八時間という中で、幼稚園が求めているところの四時間の教育というものを行い、さらにそれに加えて四時間の保育というものが一体保母の皆さん方に非常に大きな負担になるのではないかというようなことも考えますと、これは根本的に保育所のあり方、幼稚園のあり方というものを考えなければ、安易に、非常に単純に物事を割り切って行政を一元化するということ、いままで論じられていたようなことでは済まない複雑な問題がここには存在をしていると、このように認識をいたしておりますので、私ども今回の提案を申し上げました自由民主党といたしましては、党内に幼児問題調査会を設置をしておりまして、現時点におきましては関係者の御意見をいま十分お聞きをいたして、それを一通りお聞きをいたした段階で、さてどうするかという作業に取りかかりたいという慎重な態度で対応をしているところでございます。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 文部省にお伺いしますけれども、大阪に幼児教育センターができましたね。それはそういうことも含めて検討をなさるんですか。あの役割りというのは、一体何をするんですか。

鈴木勲文部省初等中等教育局長

○政府委員(鈴木勲君) 大阪にできました幼児教育センターの機能は、幼児教育全般に関する調査研究が主たるものでございまして、またその一面といたしまして、教員に対する研修等もそこにおきまして一体的に行うという機能を持っているわけでございますから、いろいろな問題についての幼稚園に関連する事項につきましては調査を行うというたてまえになっておるわけであります。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 私、ハバロフスクに行きまして保育園を見せてもらいたいと、こう言いましたら、通訳がどうしても幼稚園幼稚園と言うんですね。日本での幼稚園の印象を持っているものですから、幼稚園だから、じゃどのくらいの時間を保育するのかなと思っていましたら、朝の七時から夜の七時までなんですね。この六月に二週間ほど中国へ行きまして、北京と上海で幼稚園を見せられた。幼稚園という名前であるんですけれども、朝早くから夜遅くまでこれは保育をしているわけです。そして二十四時間どころじゃなくて、一週間やっぱり預かりますよと。一週間も預けるような親はどういう親ですかと言ったら、公務員だとか先生だとかというふうなことを、こう言っておりましたけれどもね。こういうふうに幼稚園というのと保育園というのと、通訳の関係もあるんでしょうけれども、やっぱり長時間保育をするんだ、そしてその中で教育が行われるんだということが現状のような感じがいたしてなりません。デンマークに行きましたときも、幼稚園がありますよというので幼稚園へ行きましたら、ずいぶん朝早くから遅くまで幼稚園教育をやっていらっしゃるわけですね。朝鮮へ私行ったことはないんですけれども、年齢できちんと区別をしているようであります。  そういうような問題を基本的に考えますよと言われますと、さて、そういうことになったら今度の学校法人は、法人化した場合にはどうなるんだろうか、新しい心配も出てこないわけではないというふうに考えるわけです。その点の作業というものは、常に連絡をとりながら、公表されながら行われるのかどうかということをお伺いいたします。

西岡武夫自由民主党

○衆議院議員(西岡武夫君) お答えいたします。  当然この問題は、幼稚園の関係者、これは国公私立を問わず、それぞれの関係者の皆様方、もちろん父兄の皆様方は当然でございますが、それと保育所の関係の皆様方に私どもとして取り組んでまいります過程につきましては、常時議論の進捗状況については御報告をしながらオープンに作業を進めてまいりたい、このように考えております。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 先ほど、保育園は保育料が安くて幼稚園は保育料が高いと、こういうお話が出ておりましたけれども、決してそうではないですね。税が正しく捕捉をされているかどうかということと絡まってくるわけですけれども、共働きをしている特に公務員なんていうのは額面が高いわけですから、二人で働いているとすごく月給が高くなる、そうするとその率に応じて税金が高くなる、そうするとその税金からこの保育料というものを割り出されるわけです。高い人なんていうのは相当の額を払っているわけですね。公立の幼稚園にやった方が、あるいは私立の幼稚園にやった方が安いという部分も出てくるわけです。もっともそこへやりまして、またさらに預かり保育、二重保育などを頼みますと、これは父母負担は決して安いものではないというふうに思いますけれどもね。この辺のところも含めまして、早急に私は文部省としても研究をしていただきたいというふうに考えているわけです。  そういう中で大臣にお願いをしたいことは、やっぱり幼稚園の未設置県がまだある。文部省の第二次計画があるにもかかわらずまだあるわけですね。私の調査によれば市町村数の三分の一に当たる九百八十六というふうな数字が出ているわけですけれども、希望するすべての四、五歳児の就園を目指しての整備、この目標に達するにはどうしてもやっぱり財政というものが問題になってくると思いますね。いままで幼稚園を設置していない町村というのは大体人口規模と、こういうふうに行管庁報告が出ておりますけれども、人口規模というよりは私はやっぱり財政の問題だというふうに考えるわけです。そういう意味で、大臣がどのように予算折衝をなさったり、あるいは補助金の折衝をなさったり、あるいは第二次臨調の中で、非常に厳しい財政状況の中で幼稚園教育を振興させるかというのは、大変重要な役割りの時期にきているのではないかと思いますが、御決意のほどをお伺いいたします。

小川平二自由民主党文部大臣

○国務大臣(小川平二君) 財政の状況はこれきわめて逼迫した状態にあることは申すまでもございませんが、さような状況下におきましても幼児教育の普及、振興の必要性を強調して、未設置県につきましても極力幼稚園の設置が促進されるように折衝をするつもりでございます。

粕谷照美日本社会党

○粕谷照美君 終わります。

片山正英自由民主党

○委員長(片山正英君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時十分まで休憩いたします。    午後零時六分休憩      —————・—————    午後一時十五分開会

片山正英自由民主党

○委員長(片山正英君) ただいまから文教委員会を再会いたします。  休憩前に引き続き、私立学校振興助成法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

田沢智治自由民主党

○田沢智治君 本来は文部大臣にお聞き申し上げたいところでございますが、衆議院の本会議が開かれておるということで、そちらに行かれておるやに聞いております。  そこで管理局長にお伺いいたします。昭和五十八年度の文教予算の概算要求時期というのは迫っているんじゃないかと思うんですが、いつごろを予定しておりますか。

阿部充夫文部省管理局長

○政府委員(阿部充夫君) 概算要求書の提出は八月三十一日までに内閣に対して提出をするということになっておるところでございまして、現在文部省といたしましてはその期日に向けて鋭意内容を検討しておるところでございます。

田沢智治自由民主党

○田沢智治君 特にその中で私学振興助成金の問題が取りざたされると思うのでございますが、去る七月三十日に臨調より第三次答申が出たのでございますが、その中に「私学助成については、当面総額を抑制し、その配分に当たっては、私学の独自性が十分発揮され、その質的向上が図られるよう、適切な教育・研究プロジェクトについての助成を重視する等の改善を図る。」ということになっておるわけでございますが、それをどのように受けとめ、どういう位置づけをなされようとしているのか、基本的な考えがあればお話しいただきたいと思います。

阿部充夫文部省管理局長

○政府委員(阿部充夫君) 去る七月三十日の臨調の答申は、ただいま先生から御説明がございましたように、一つは当面私学助成についての総額を抑制するという点、それから第二点といたしまして今後の配分につきましてたとえばプロジェクト方式のような御提案、この二つが含まれておるわけでございまして、この財政の厳しいという状態を反映しての御提案かと思いますが、全体として大変厳しい御提案であるというふうに受けとめておるわけでございます。  私ども文部省といたしましては、この臨調の御提案というものも踏まえながら、なおかつ非常に日本の学校教育の中におきます私学の位置づけの重要性ということも深くかみしめておりますので、私学関係者その他の御意見等も承りながら、これからのことについては慎重に対応を考えてまいりたい、このような気持ちでおるわけでございます。

田沢智治自由民主党

○田沢智治君 特に欧米諸国に追いつけ追い越せということで、先端技術を含めて日本の水準というものはかなり高く評価され、大きな成果を上げることによって今日技術革新時代を迎え、経済成長も世界一をきちっと位置づけしている。その裏には教育立国日本の教育力がそれを支え、今日その成果が位置づけられているのではないかと思います。そういう意味で、学校教育制度の大きな柱は私は私立学校であると思いますが、文部省におかれては高等教育に占める私学の割合、高等学校における私学の割合、専修学校、各種学校における私学の割合、幼稚園における私学の割合のパーセンテージがわかればお知らせいただきたいんです。

阿部充夫文部省管理局長

○政府委員(阿部充夫君) ただいま御指摘がございましたように私立学校は建学の精神に基づきまして特色のある教育を行い、わが国の学校教育の普及と発展に多大の貢献をしてまいっておるわけでございまして、先生から御質問のございました私立学校が占める学校教育等の中での比率につきましても、まず高等教育につきましては一これは学生数に関して申し上げますと、高等教育の場合には七七%が私学、それから高等学校につきましては二八%が私学でございます。それから幼稚園につきましては七四%が私立、それから専修学校については九二%までが私立学校ということでございまして、この数字からもわかりますように、義務教育以外の分野におきましては、私学が非常に重要な役割りを果たしておる、かように考えておるところでございます。

田沢智治自由民主党

○田沢智治君 そこで、私は日本を今日支え大きく発展さした要因は、とにかく私立学校の力に依存せざるを得ない国情であったという認識を相互にできるのではないだろうかと、こう思うのでございます。特にこれからは幼児教育というものの重要性というものの中に校内暴力あるいは非行青少年の防止というものを考えたとき、幼児における教育の充実強化を図っていかなければこの問題は解決しない、こういうような物の考え方に立つ人たちは、私は多いのではないだろうか。そういう次元の中で幼稚園教育というものの国全体に占める私学の依存度というものは七四%をしのいでいるということになると、私学の幼稚園の振興を図ることが即国運の隆昌を位置づけるものであると私は思っておるんです。そういう意味で、昭和五十一年四月一日から施行されたこの法律の目的、趣旨はそういう視点に立って議員立法がなされたのかどうかお聞かせいただきたいと思いますが、提案者よりお願い申し上げたいと存じます。

西岡武夫自由民主党

○衆議院議員(西岡武夫君) お答えをいたします。  ただいま御指摘のとおりでございます。

田沢智治自由民主党

○田沢智治君 今日に至る間にその目的、趣旨がどのように達成されておるか、どういう点が問題点として残っておるか、おわかりになるかと存じますが、お答えいただきたいと存じます。

西岡武夫自由民主党

○衆議院議員(西岡武夫君) お答えをいたします。  すでに御高承のとおり、私学振興助成法を制定いたしましたとき、私ども提出をいたしました自由民主党の立案者一同は、私学振興助成法の目的は、私学の経常費の二分の一を少なくとも助成をするということを目標に掲げていたわけでございまして、これが法律化されるまでの過程の中で明確に達成年度あるいは二分の一ということを明示することができなかったという経緯もございまして、非常に残念なことでございますけれども、一つの目標として二分の一以内ということが設定をされ、何年までにという年次計画が明示されないまま毎年毎年の予算折衝の中で皆様方のお力添え、関係者の皆様方の熱意に基づきまして予算を計上することができたわけでございますが、結論的には立法当時の精神から申しますと道いまだ遠しという段階の中で財政が危機に陥ったという状況を迎えているという、非常に私どもといたしましても当初の目的をいまなお達成できていないということを率直に認めざるを得ないわけでございまして、まことに残念であると、このように考えております。

田沢智治自由民主党

○田沢智治君 文部省にお伺いしますが、昭和五十一年度より五十六年度までの個人立等の幼稚園の数はどのようになっているかお聞かせください。

阿部充夫文部省管理局長

○政府委員(阿部充夫君) 昭和五十一年から始まったわけでございますが、念のため五十年の数字を基準年度として申し上げさしていただきますと、個人立の幼稚園について申しますれば、昭和五十年に二千七百三十一校でございまして、五十一年に法律が施行になりましたときが二千六百七十二校でございました。これが逐次学校法人への転換等で減少してまいりまして、昭和五十七年度現在の数字で申しますと、千九百五十八校というところまで減少してきておるわけでございます。

田沢智治自由民主党

○田沢智治君 そのうち、五十一年度から五十六年度まで国庫助成を受けている幼稚園数と、受けていながらいまだ法人化できない幼稚園の数はどのくらいでございますか。

阿部充夫文部省管理局長

○政府委員(阿部充夫君) 国庫補助の対象となりました幼稚園数は年々変化をいたしておりますので、最近の時点、昭和五十六年度で申し上げますと、千四百四十二園でございます。このうち学法化がすでに済みましたものが八百六十一園でございまして、学法化がまだ済んでないで残っているものが千二百三十五園ということになっております。その他の、この間に出てきます差は、廃園になったもの、あるいは途中で辞退したもの等若干の出入りがございますので、差が出ております。

田沢智治自由民主党

○田沢智治君 国庫補助を受けている個人立等の幼稚園の支給額はおよそどのくらいになりますか。

阿部充夫文部省管理局長

○政府委員(阿部充夫君) 大体一園あたりに平均をいたしまして、国庫補助額は約八百五十万円でございます。

田沢智治自由民主党

○田沢智治君 現在、国庫補助を受けていながら学校法人化できない幼稚園数は四百八十園あると聞いておりますが、事実ですか。

阿部充夫文部省管理局長

○政府委員(阿部充夫君) 昭和五十一年から補助を受けましたものは昭和五十六年いっぱいで期限が切れたわけでございますが、その期限が切れて法人化できなかったものが四百八十園ということでございます。

田沢智治自由民主党

○田沢智治君 個人立等の幼稚園で法人化の見込みがない、あるいはお金なんかもらわなくていいということでもらわれていない幼稚園はおよそどのくらいございますか。

阿部充夫文部省管理局長

○政府委員(阿部充夫君) ただいま計算した数字を持っておりませんが、その他の幼稚園、個人立等の幼稚園数は三千七百五十三園でございますが、そのうち補助対象で現在補助を受けておりますのが千四百四十二園でございますので、その差に当たります二千三百園余りが補助を受けていないということになるわけでございます。

田沢智治自由民主党

○田沢智治君 個人立等の幼稚園の学校法人化の進展状況はどうなっているかお知らせいただきたいのです。

阿部充夫文部省管理局長

○政府委員(阿部充夫君) 昭和五十一年から五十六年までこの法律が適用されております期間での法人化の状況でございますけれども、個人立等から学校法人化をしましたものは、合計いたしまして九百六十七園でございます。この九百六十七園のうち国庫補助の対象となった幼稚園が法人化をしましたものが八百六十一園でございますので、その差の百園強は国庫補助を受けないけれども学校法人化をしたというものが含まれております。

田沢智治自由民主党

○田沢智治君 五十六年度までに、個人立等の幼稚園で国庫補助を受けていて中途年度で辞退した数が二、三あると思うんですが、どのくらいございますか。

阿部充夫文部省管理局長

○政府委員(阿部充夫君) 辞退をいたしました園が五十一年から五十六年まで総計で九十七園ございます。

田沢智治自由民主党

○田沢智治君 この人たちは学校法人にできないという前提で辞退しておったのか、あるいは受けた金は返還義務はないのか、その辺のところをお答えください。

阿部充夫文部省管理局長

○政府委員(阿部充夫君) これらの辞退をいたしました幼稚園でございますが、実際に学校法人化を目指してスタートをしたけれども諸般の事情からその見込みが非常に乏しくなったということで自発的に辞退をされた園もございますし、あるいは県側の指導によって、無理だろうからやめろということで、辞退された園も含まれているというように聞いております。

田沢智治自由民主党

○田沢智治君 学校法人化が進まない理由は何であるか、今後の見通しについて所見があればお聞かせください。

阿部充夫文部省管理局長

○政府委員(阿部充夫君) この点については午前中にも申し上げたところでございますが、学校法人化が進まない主な理由につきまして、特にこのことしの三月末をもちまして期限が切れました四百八十園について調査をいたしたわけでございますが、その結果といたしまして類型別に申し上げますと、まず幼児の減少が当初予定しておったよりも大変大幅なものになってきたために今後の幼稚園経営が不安だということでちゅうちょをしているような向きが百五十四園。それから、学校法人化につきまして、それをねらって努力はしてきたけれども、宗教法人の場合に本山の了解が得られないとか、あるいは法定相続人となる家族の同意が難航しているというような事情のものが百三十八園。それから、園地の取得または借用につきまして地主と交渉を続けているけれども、地主の側との関係でまだ妥結に至っていないというものが七十七園。それから、学校法人認可の手続が当初の計画よりおくれたということで、これは近く学校法人化可能ということが比較的はっきりしているものでございますけれども、これが三十九園。それから、園地等が幼稚園設置基準に満ちていないということで現在法人化に至っていないというものが二十八園。その他が四十四園というようなことになっておりまして、主たる理由は幼児数の変化の問題とそれから用地の取得についての問題というあたりのところに基本的な問題があるようでございます。  なお、これからのことについてのお尋ねがございましたが、こういった事情でございますので必ずしも容易ではないと思いますけれども、私どもといたしましては、今回この法律の改正が成立いたしました暁には、立法府での御議論等を十分踏まえまして法人化が進むように最大限の努力をしたいと思っておるわけでございます。

田沢智治自由民主党

○田沢智治君 この法律ができて施行する時点で、結局設置基準を達成するのには現状はなかなかむずかしいということで、用地、建物等の基準を通常の二分の一に下げた措置を講じておるというように聞いておるんですが、事実でございますか。

阿部充夫文部省管理局長

○政府委員(阿部充夫君) 昭和五十一年の十二月に、学校法人化の関係から、これを促進するためにこれまでの認可基準等につきましていわば緩和措置を講じたわけでございます。  具体的に申しますれば、第一は園舎の敷地、運動場につきまして基準面積の、まるまる本来ならば自己所有でなければいけないところでございますけれども、二分の一まで自己所有であればあとは借用でもよいというような措置を講じ、あるいは特別の場合や宗教法人等の場合にはさらにこれを緩和するようなことも認め得るというような仕組みも講じたわけでございます。さらにまた、設立の際の負債の引き受け等につきましても、一定の制限のもとにこれも認めるというようなことで、学校法人化が円滑に進むよう配慮をいたしたところでございます。

田沢智治自由民主党

○田沢智治君 私は、それは非常にいいことをしたと思っているんです。というのは、文部省の統計を見ますと、個人立幼稚園等の学校法人化の状況を見てみますと、五十一年の十二月にそういう措置を講じたということを見ますと、五十二年に百六十園が学校法人化され、五十三年になると百四十三、五十四年には百六十三、五十五年には百九十二、五十六年には二百三十六と。それで、四十九年、五十年、五十一年ということになると、四十九年中には五十、五十年には六十八、五十一年には七十一という数字が五十二年には倍増以上しているというようなことを思い合わせると、やはり学校法人化しなさいというだけのスローガンばかり上げたってなかなかできるものではないので、現状の幼稚園に対しては学校法人化できるような環境づくりを行政施策の中で、あわせていろいろな実態に即して適用していかなきゃならない、救済していかなきゃならないという手当てがおくれておったのではないだろうかと私は思うんですが、提案者いかがでございますか。

西岡武夫自由民主党

○衆議院議員(西岡武夫君) お答えをいたします。  御指摘のとおり、五十一年の十二月に設置基準等についての改定が行われるまではなかなか学校法人化が進まなかったということがございまして、それまではおくれていたというふうに率直に申し上げざるを得ないわけでございますが、ただ問題は、さらに設置基準等を緩和するということと、幼児の教育環境、教育の水準等を維持するという問題との兼ね合いの中で、これからさらに学校法人化を進めていく上で条件を緩和するということについては相当慎重な検討の必要があろうかと、このように考えております。

田沢智治自由民主党

○田沢智治君 条件を緩和する即教育水準を下げるということに対しては私も反対でございます。しかし、教育条件を現状維持し、かつ将来向上する可能性があるという見通しの中で弾力的に下げるべきものは下げ、手当てすべきものは手当てし、補足するものは補足していくという行政サイドの努力がない限り、私学は何ぼがんばったって国立並みのことは経済的にできっこない、私はそう思うんです。教育的内容においては国立以上のことをやっている学校はたくさんあると思うんですけれども、経済的基盤とか物的条件ということになると、やはり国立以上のことができるかというと、これはできっこないわけです。ですから、教育水準を低下させないという限度の中で合理的な物の考え方をもっと勇気を持ってやらなきゃ私はだめだというふうに考えておるんです。ということは、たとえば厚生省が学生寮等に貸し付ける場合、大体学生厚生寮の建築については長期貸付資金を五十年ぐらいで貸す。敷地の条件はどうかというと、二十年間の借用地保証条件があればこれは認めましょうというようなことで片方の行政省はやっていると。文部省だけはいやだというような硬直した物の考え方あるいは硬直した物の尺度で法人化せい法人化せいというようなことをやることは私はよくないと思うんです。宗教法人なりその他の法人などについては、その法人そのものは安定的な内容があるとするならば、二十年間お貸ししましょうという契約の中で、二十年ならばいいじゃないかというくらいな弾力性のある行政指導というもの、思い切った措置というものもひとつこの辺でけじめをつけてやるということも大切ではないかと——これは一案ですよ。それによってどれだけよくなるかと言われてみれば、まあいまよりもよくなるだろうということを、アンケートの中でやはり土地問題が非常に問題化しているという現実があるわけですから、そういうような、二十年間保証すればこれは認めましょうというような施策に踏み切るような考えを私は持つべきだと思うんですが、文部省いかがですか。

阿部充夫文部省管理局長

○政府委員(阿部充夫君) ただいまお話があったことに関してでございますけれども、五十一年に改定、緩和をいたしました基準におきましては、学校法人が所有権を取得できないということについて合理的な理由があり、かつ教育上支障がない場合につきましては全面的な借用を認める場合もあり得るというようなことで、国とか地方公共団体あるいは宗教法人等からの借用でどうしても所有権移転ができないような場合、認めているというケースはあるわけでございます。  御指摘のケースは、こういった基準の解釈の問題、運用の問題になろうかと思いますが、この件につきましては、これから都道府県側の現実に指導しております側の方々の御意見等も十分承った上でなお検討さしていただきたいと存じます。

田沢智治自由民主党

○田沢智治君 検討さしてもらいたいというのはいいけれども、後ろ向きで検討するのか、前向きで検討するのかはっきり答えてください。

阿部充夫文部省管理局長

○政府委員(阿部充夫君) この基準の緩和の問題につきましては、西岡議員からの御答弁もございましたように、基準を緩和していくということと学校法人化しやすくしていくということと、片一方で学校法人としての永続性、安定性を確保するという要請のぎりぎりのところで判断をしなければならない性格のものでもございますので、御指摘の点は、たとえば二十年以上長期にわたり借用云々ということでございますが、この借用の形態等も、たとえば借地権を放棄するとかいろんなやり方もあろうかと思うのでございます。そういったいろんな問題もあわせて検討したいということでございます。

田沢智治自由民主党

○田沢智治君 まあひとつ前向きでやってください。そうすると、私学の方も、それならがんばろうといって努力を私はすると思うんですよね。おまえらなぜしないか、なぜしないかなんと言うよりも、やっぱりしやすい条件を質的に低下させないという合理性の中で追い上げてやる、あるいは手を差し伸べてやるという、やっぱり教育行政というのは温かみ、ぬくもりというものの中にすべて私は解決する道があると思うんですよ。少なくとも教育行政をやる人は根性の曲がった人は別として、いい子供を育てたいという祈りと願いというものはその心の中にあるから、教育行政を私は今日やると思うんです。もうけ仕事でやるという時代はもう終わっておるし、やはり先ほど話したように幼児教育の重要性の中に二十一世紀を担う日本の若人をどう育てるかという使命感に真剣に燃えている人がほとんどすべてであるというふうに思ってもいいくらい、今日の私学の実績というものは結果の中で実績を上げてきておるのですから、そういう心意気でひとつやっていただきたいと思うんです。  また、法人化できない理由の中には、幼児数の自然減少の傾向、過疎地域における幼児数の減少、将来の幼稚園の存続等に不安を感じておるというのも私はかなりあると思うんですね、かなりある。じゃ、しからば、こういうような経営的に不安を感ずるという条件を分析して、行政面でこの点は支えていけるぞ、こういう面はこう手当てすればこれはできるんだというような、やはり具体的な救済なり具体的な施策というものが私はいままでは欠けておったんじゃないだろうかというふうに思えてならないんです。  たとえば、幼児減少期を迎え、私立幼稚園関係者の不安を抱いている大きなものの中には、都道府県、市町村における公私の幼稚園の適正配置等について積極的な指導を行うべきではないか、こう思うんですけれども、この辺文部省はいかがお考えですか。

鈴木勲文部省初等中等教育局長

○政府委員(鈴木勲君) この点につきましては、文部省におきましては従来から指導を行っているところでございますが、三十九年の八月の「幼稚園教育の振興について」の通知におきましては、都道府県に対しまして幼稚園の拡充整備を円滑に推進するため、「幼稚園の設置にあたっては、その配置に関し、既設の公立および私立の幼稚園の設置状況等をじゅうぶん勘案すること。」とし、「たとえば連絡協議会を設けるなど連絡調整の方途を講ずるようにすることが望ましい」という指導を行っているわけでございますが、五十一年の十二月の通知におきましては、都道府県に対し、特に管下市町村における公私立幼稚園の拡充整備に当たっては、条例等による公私立幼稚園の連絡協議会を設けるよう指導の徹底を図っておりまして、三十九年におきましては、「たとえば」という形で勧奨したわけでございますけれども、五十一年におきましては、条例等による根拠のある連絡協議会を設けて積極的な調整を図るべしという指導をしているわけでございます。

田沢智治自由民主党

○田沢智治君 私、これは非常にいいことだと思うんですね。やはり私立が一番心配するのは、いま東京でも公立高等学校が私立の高等学校の近くにできるということで、一体何でそんなことをやらなければいけないのかというような苦情もあるわけですけれども、公私の協議会というものが円満にいっているところと円滑にいってないところというのはかなり私は格差があると思うんです。まあしかし、条例等でそういうものを設けて既存のものをよく守りながら、お互いに共存共栄していきなさいというような行政指導は私はいいことだと思うんですね。これをやはりより徹底させるように努力してもらいたい、こう思うのでございますが、私の意見に対してもっと徹底的に協力いただけるかどうか。うまくいっているところといってないところがあるわけです、現実に。いってないところはさっぱり効果を上げてない。上げてないところがあればあるほど不安があるということですから、その辺のところのないように、徹底するように御指導をさらにいただきたいと思うのでございますが、いかがですか。

鈴木勲文部省初等中等教育局長

○政府委員(鈴木勲君) そういう指導をしてまいったわけでございますが、現況を申し上げますと、都道府県におきましては昭和五十六年度現在二十八道府県でございますし、市町村におきましては公私立間及び幼保間の連絡調整機関といたしまして置かれておりますのが、これは五十三年度の数字でございますけれども、四百六十七市町村ということでございまして、かなりまだ普及していないということがございますので、五十一年からかなり時間もたっておりますので、都道府県及び市町村における公私連絡協議会の設置につきましては、改めてこの時点で通達を出すことも含めまして、さらに積極的な指導を徹底してまいりたいというふうに考えております。

田沢智治自由民主党

○田沢智治君 いま局長さんが新たに行政指導に対する通達を徹底して出してもいいというお話でございますが、これはぜひやっていただきたい。そして、やはり公私が仲よく本当の教育について話し合い、安心して教育行政、あるいは安心して教育事業が遂行されるということが結果において幼児教育の充実を図る道だと私は思うんです。物的な面もありますけれども、精神面における支えというものがどれだけ教育を大きく発展さしていくかという目に見えないところの価値観というものをお互いに再認識していくということは教育にとって欠かしてはならない条件の大きなファクターじゃないかと私は思うんです。  どうか、そういうようなことを既存している幼稚園のいろいろな団体にも徹底なさっていただいて、文句があればひとつ都道府県、市町村に通達を出してあるからよく相談に行けというくらいな励ましを私はしてほしい。そうすると不安の条件というものはかなり私は変わってくるんじゃないだろうか。せっかく国庫助成をやって、もらい得なんだ取り得なんだというような変な不公平な原則というものをなくすということにおいては、行政上においてあるいは教育配慮の上において、できる限りもらった幼稚園は全部法人化できるような状態を醸し出していくというような努力を今後も行うべきであると、こう思いますが、提案者いかがでございますか。

西岡武夫自由民主党

○衆議院議員(西岡武夫君) お答えいたします。  御指摘のとおりであろうと思います。

田沢智治自由民主党

○田沢智治君 文部省にお伺いいたしたいんですが、幼稚園の振興十カ年計画が多分時間としてはことしで終わりになるかと存じますが、その計画内容の遂行実態と今後の展望について簡単に御説明いただければと思います。

鈴木勲文部省初等中等教育局長

○政府委員(鈴木勲君) 第二次の幼稚園振興計画は、五十七年当初までに幼稚園に入園を希望するすべての四歳児、五歳児を就園できるようにすることを目標として策定されたわけでございますが、五十七年度の学校基本調査に基づきまして就園率を算定いたしますと、四歳児は六八・一%の目標に対しまして約五二%、五歳児は七〇・五%の目標に対しまして約六四%となっております。この計画は五十六年度をもってその期間を終了したわけでございますが、ただいま申し上げましたように、まだ就園率の達成状況が十分でございませんし、また公立幼稚園等の未設置の市町村も三分の一もあるという状況でございますし、また現下の財政状況等もございますので、当分の間は未設置市町村の完全設置を勧奨するなどの施策を進めまして、その間は現状の計画の目標達成に力を注ぎまして、その後の状況を勘案してさらに次の振興計画を立てるかどうかこの期間に検討をさしていただきたいというふうに考えております。

田沢智治自由民主党

○田沢智治君 いずれも目標には達成していない、今後の取り組み方については未設置の市町村、およそ日本で三分の一ぐらいある、既存している私立幼稚園等の経営を圧迫するようなことのないように配慮するというふうに受けとめてよろしゅうございますか。

鈴木勲文部省初等中等教育局長

○政府委員(鈴木勲君) そのとおりでございます。

田沢智治自由民主党

○田沢智治君 ぜひそれをお守りいただいて、教育事業が安心して内容充実等教育水準の向上に全力を経営者が挙げていくというような状況をつくっていただきたいと思います。  次に、宗教法人立や個人立等の幼稚園は、設置者の教育理念に基づいて、地域住民に親しまれ、手づくりの行き届いた幼稚園教育を行っているところにかなりの特色が私はあると思うんです。このことは、今日高度化する社会の中で多様化時代を迎えた現状に対応する考えがあるのではないだろうか。ということは、必ずしも幼稚園というものは学校法人にしなきゃ国庫補助をやらないよというような画一した物の考え方であっていいのかという一つの課題が私はこの辺で出てきていいんじゃないだろうかと。金をやるからひとつおまえ学校法人になれ、ならなきゃやらないよと。しかし、その場合、学校法人にならない、学校会計基準とは別に適当に使っていいよというようなことじゃなくして、公認会計士を入れてきちっとした経理内容を位置づけさせる、監査機関等をもってきちっとやるんだというような仕組みを考えながら、物の見方、考え方の中に、もう学校法人は絶対なんだ絶対なんだというような従来の物の考え方でいいのかなと私は思うのでございますが、こういう考えに対して提案者、いかがでございますか。

西岡武夫自由民主党

○衆議院議員(西岡武夫君) お答えをいたします。  現行法のもとにおきましては原則としてあくまでも学校法人によって設置されるということがたてまえでございますから、そういう意味におきましては、現行の制度のもとにおいては、学校法人であるべきであるということは、制度の許容する——それ以外の設置形態についてはやはり例外的なものであるというふうに考えざるを得ないわけでございます。ただ、ただいま御指摘のとおり、それはそれといたしまして、幼稚園の経営に関して、あるいは幼児教育のあり方に対して費用の負担のあり方については新しい変化に対応した工夫がなされるべきであるし、またその工夫の余地は十分あるのではないか。そうしたことも含めて、この三年間の延長をお認めをいただきました暁には、この三年間の間にそうした新しい助成の方策というものを設置形態のいかんにかかわらず編み出してまいりたいと、このように考えているわけでございます。

田沢智治自由民主党

○田沢智治君 将来性の中では多様化時代なんだからいろいろな幼稚園の形態があってもいいというような認識に立たれておりますか。制度上学校法人じゃなきゃお金は上げられませんよということはわかるけれども、将来性の中で硬直した物の考え方のみによっていわば教育を縛るということになると、やはりこれ画一化的現象を来して本当のいい教育というものが私はできないと思うんです。やっぱり私学の場合は十人十色、十園十色のよきものがあって、人間の隠された個性なり能力というものをそれぞれの分野で引き出して、国家、社会、人類のために貢献できる人材の養成というものが、これは私立学校そのものの私は独自性であり主体性であり特色であり本質だと思うんですね。何かそういうものを縛っちゃっているような形態が続いておる。私はそれでいいのかという問題を感じます。もちろん国からのもらうお金ですから合理性がなければいかぬし、公共性に富んだ使い道というものを学校会計基準の中できちっと位置づけるということは、これは当然のことであると私は思うんですけれども、将来の問題としてそういう次元の物の見方、考え方というものを私は持ってほしいと要望するものであります。  次に、今回の改正の趣旨は何か、なぜ三年だけ延長することにしたのか、来年で終わっちゃうのもあるんじゃないかというような、いろいろのこの三年というものの適用について公平さ不公平さが残るんじゃないかというような条件がわかっていながらなぜ三年という限度をつけたのか、提案者よりお聞かせください。

西岡武夫自由民主党

○衆議院議員(西岡武夫君) お答えをいたします。  御指摘のとおり、三年間の時限にいたしましたことについての理論的根拠は何かということにつきましては、率直に申し上げて特に理論的な根拠というものはございません。残念ながらございません。ただ、五年間の時限立法として個人立、宗教法人立の幼稚園に対する財政援助の道を開いたと。この間に学校法人化が促進をされたという実績はございますけれども、なお、個人立の幼稚園にいたしましてもかなりの数の個人立の幼稚園が存在をしているということは無視できない。そういうことも踏まえまして、いまここで直ちにこれまで行ってきた助成の措置が打ち切られるということになりますと、わが国の幼稚園、幼児教育の現場に大きな混乱を来す。これはあくまでも幼児、子供たちのことを中心に考えた場合に、行政としてまた政治としてゆるがせにできない問題であるということも実態として踏まえつつ、しかし、おのずからこれには限度があるわけでございまして、そういう節度の一つの目安として三年間という年度を設定し、その中に若干の不公平はそこに生じてくるということはまことに残念なことでございますけれども、三年間というものを設定する中で、幼稚園あるいは保育所等が置かれております厳しい環境の中で、少なくとも三年間ぐらいの間には抜本的な幼児教育のあり方、幼児教育についての行政のあり方についての新しい形態を生み出していかなければ手おくれになるのではないか。そういう意味で三年間というものがぎりぎりの年数ではないかということで御提案を申し上げているわけでございます。

田沢智治自由民主党

○田沢智治君 三年間延長という中には合理性が私は余りないと思うんですよね。ということはなぜかというと、じゃ三年を四年にし五年にした場合、大半のまだ法人化していない幼稚園は法人化できるんだと、しかし五年もたっても六年もたってもこれ法人化する見込みがないからぎりぎり三年にした方がいいとかというような、やっぱり何か物の考え方に根拠があって三年なり四年なり五年なりというような数字が出てこないと私は納得できないと思うんですが、そういうような物の見方、考え方の中で、まだ国庫助成をもらっていながら学校法人化されていない、できていない幼稚園の意見を聞いて三年というような物の考え方の尺度にしたのかどうか、そういう作業をなさって三年というものを出したのかどうか、提案者にお聞きしたいんですが。

西岡武夫自由民主党

○衆議院議員(西岡武夫君) お答えをいたします。  当然、今回の提案を申し上げるに当たりましては、幼稚園関係者皆様方の多岐にわたる御意見を私どもも十分拝聴をいたしまして、その中で、先ほど御指摘のございましたように、必ずしも合理的な三年という理論的な根拠というものではございませんけれども、三年間という年数は先ほど申し上げましたような新しい制度をつくり上げていく上で、できるだけ早い方が望ましいわけでございますけれども、必要な年数であろうということで三年間ということを定めさせていただいたわけでございます。  なお、先ほど管理局長からも答弁がございましたように、学校法人化のための条件の緩和を五十一年の十二月に初中局長と管理局長の名前で都道府県の教育委員会並びに知事に通知を出しました際に、その中で述べておりますように、借地が二分の一以下である、ただし特別に教育の条件というものが損なわれないということが確認されれば例外もあり得るという規定が設けられているわけでございまして、通知の中には明記されているわけでございまして、そうしたものが必ずしも都道府県、市町村の第一線の現場において十二分に行政指導として行われていないという面もあるいはあるかもしれない。そういうふうなものも勘案いたしまして、なお文部事務当局の行政指導というものがきめ細かく都道府県に及ぶということもこの三年間の間に当然行われてしかるべきであろう。こうしたことを総合的に考えまして、三年間ということを御提案申し上げているわけでございます。

田沢智治自由民主党

○田沢智治君 そうしますと、三年延長した場合、どのくらいの幼稚園が学校法人化する見通しであるかということをお考えになられましたか。

西岡武夫自由民主党

○衆議院議員(西岡武夫君) お答えをいたします。  何園ぐらいの園が学校法人化を行うであろうという具体的な見通しの数字を申し上げることは不可能でございますが、ただ五十一年度に国庫補助対象園になりましてからことしの三月末までに幼稚園の法人化ができなかった理由の幾つかの中で、やはり幼児の減少期を迎えて将来の経営に不安があるんだということが一番多い、三二%を超える数字になっているわけでございます。また、法人化について宗教法人あるいは家族の同意が得られない、これはある意味では将来の不安ということとダブってこうした理由が述べられていることと思いますけれども、そのことと並行いたしまして、さきの御質問等でも、午前中の御質問でもあったわけでございますけれども、義務教育を満五歳から行うということになるのではないかという学制、学校体系の変革というものに対する見通しがはっきりしないというようなこともこうしたことの背景として当然あることと思いますので、こうしたこともこの三年間の間に明示することによって将来の見通しというものが明らかになれば、かなりの園が学校法人化の努力をさらに続けていただけるものであろう、このように基本的には期待をいたしているわけでございまして、具体的に大体まあ残された個人立、宗教法人立の幼稚園が学校法人化に何園がなるだろうという数字は、残念ながらお答えすることは私の能力をちょっと。

田沢智治自由民主党

○田沢智治君 西岡先生はこれのベテランだと言われているから、私は何でも聞けばちゃんと答えてくれるんじゃないかと、こういうふうに期待してお伺いしたのでございますが、精いっぱいやる、やるべきであると、不安条件があればそういう条件もなくしていくように努力するように行政当局にも働きかけるというようなお話でございますので、ぜひそうやってほしいと、私はそう思っております。  次に、三年後個人立等の幼稚園には補助金を完全に打ち切るのかどうか、この辺はっきりしてください。

西岡武夫自由民主党

○衆議院議員(西岡武夫君) お答えをいたします。  今回御提案を申し上げました趣旨から申しまして、あくまでもこの措置は三年間で終了する、このように御理解をいただきたいと思います。

田沢智治自由民主党

○田沢智治君 終了する、それは結構だと思うのです。ただ、終了しちゃって学校法人化しませんと。まあ一生懸命学校法人化した幼稚園と、結果においてしなかった幼稚園と不公平感が必ず出てくると思うのですね。それと、先ほど言ったもらい得というような気風を助長していったとすれば——私は教育は責任態勢の確立だと思うのです。ほかに何もないと思うのですよ。自分が教育した子供がこうなったんだと、しかしこの点は反省しなきゃならないと、だからこうしなきゃならないというように、積み重ねの中で人格完成というものができる。これは一生かかると思ってもいいと思うし、孫の代まで続けなきゃならぬだろうと思うのです。しかし、その中に一貫して流れているものは何かといえば、これはやっぱり責任態勢の確立を、うちのおやじはやったんだといって、こういう一つ一つのけじめの中に教育の発展性というものは確立されなければ何にもならないんじゃないだろうかと、常日ごろ私はそういうふうに感じておるのです。  そういうようなことを思えば思うほどいろいろな問題が出てくる。だから、三年延長するんだというだけの行政的措置を法律化するというようなことじゃ私はだめだと思うのですよ。ですから、立法趣旨を生かすためには、延長後の補助金を受ける個人立等の幼稚園に対しては、法人化する確約書をやっぱりきちっと取るような措置をまず講じて、責任態勢をきちっとなさられるということの必要性があると思うのですが、提案者いかがですか。

西岡武夫自由民主党

○衆議院議員(西岡武夫君) お答えをいたします。  ただいま御指摘の点につきましては、すでに文部省の調査によりますと都道府県が志向園であると認定をして補助金を交付する際に、当該幼稚園から確約書を取っております府県が十五県あるというふうに報告を受けているわけでございまして、これは今後の都道府県の幼稚園についての行政についての責任というものを確信をして、信頼をしていくというふうに考えてこの三年間の延長ということをお願いを申し上げていると、この時点ではこう申し上げる以外にないわけでございまして、ただいま御指摘の点はまさにそのとおりであろうと、このように考えております。

田沢智治自由民主党

○田沢智治君 私はこれがけじめだと思うんですよ。責任態勢だと思うんですね。  文部省いかがなんですか。この辺のところを、ただ通達を出しました、やるように努力しますというんじゃ私はいかぬと思うのですよ。やっぱり私は、学校法人化しなければ国庫助成をやらないよというのは私は元来は反対なんですよ。多様化時代だからやっぱりきちっとした学校会計制度の確立をし、公認会計士をつけてそして運用していくならば、公正に合理的に運用していくならば、公共性に資する教育費は国庫助成していいと私は思っているんですが、現法制下の中では学校法人にしなければだめだというならば、学校法人にするためにやった以上は、やっぱりきちっとした措置を講ずるというのは行政側の責任もあると思うのですが、文部省どうですか、それは。

阿部充夫文部省管理局長

○政府委員(阿部充夫君) 御指摘がございましたように、今回の改正の趣旨を生かしまして、文部省といたしましても、延長に伴うその後の指導については全力を傾けるつもりでございますが、学校法人化の計画あるいはそれに伴う決意と申しますか、こういうことの確認につきましては従来以上に厳密な認定を行ってまいりたい。衆議院の附帯決議等でも触れられているところでもございますので、この立法府の御議論を踏まえて対応してまいりたいと思っております。

田沢智治自由民主党

○田沢智治君 また、今後においても法人化する見込みのない個人立等の幼稚園に対しては、辞退を含む適切な措置を私は講ずべきだと思うのです。これはやっぱりきちっとけじめをつけなきゃいかぬと私は思うのですよ。ですから、提案者いかがですか、これ。

西岡武夫自由民主党

○衆議院議員(西岡武夫君) 御指摘のとおりであろうと思います。

田沢智治自由民主党

○田沢智治君 これは文部省どうですかね。これやらないともらい得だ、あるいは何とか得だというようなやっぱり行政上不公平な結果を国庫助成の中で起こすということは、これはやっぱり臨調の精神にも合わないし、教育の責任体制の確立ということにおいても私は禍根を残すと思うんですがね。この辺のところをきちっとやるべきだと思うんですが、いかがですか。

阿部充夫文部省管理局長

○政府委員(阿部充夫君) 現実に補助を受けながら学校法人化の見込みが乏しいというものにつきましては、これまでも、先ほど数字で申し上げましたように、九十四園辞退をしていただいたというケースもあるわけでございますが、御指摘がございましたように、今回の法改正に伴いまして従来より一層こういうケースについて厳正に対応してまいりたいと思います。

田沢智治自由民主党

○田沢智治君 私は、局長さんは人柄がいいし、うそをつくような顔をしていないし、人格もなかなかりっぱなように聞いておりますので間違いないと思うんですけれども、私がなぜこれ厳しいことを言うかというと、教育を愛するがゆえに言うのであって、やはり教育というものはその辺のところをきちっとすればできるんですよ。設置者がそういう気持ちになれば必ずできるものなんですよ。これは不思議なものですわ。設置者がまあまあなんて思ったら絶対できません。どんな条件が整ってもできないんですよ。やはり武士は食わねど高ようじで、教育というものは、貧しい中にも、この教育事業はわが人生のすべてであり、わが財力のすべてを投入しても惜しまないんだという、昔の教育者はみんなそういうような気概を持ってやって今日ここまで来たんですから、いろいろ苦しいとは言うものの、パン一切れでがまんするという時代はもうないわけですから、私はそういう決意が設置者にあるとするならば、これは間違いなく全部できると思うんですよ。ですから、そういうような反面における啓蒙をしていくというところに、新しい日本の夜明け星になるんだと、そういうための延長なんだということになると、西岡先生、これは相当の成果を後の世に残すんじゃないかと私は思っているんですよ。ですから、そういうようなやっぱり根性でやるということが大事です。  それと同時に、補助金が打ち切られちゃったから幼稚園の経費が足らない、これは学費の値上げをしよう、教育水準を落とさなきゃならないというようなことになると、これは意味がないわけですね。ですから、こういうようなことも予想されるはずですが、そういう事態を招かないように今後どういうような措置をあわせて研究なさられ、手当てしていかなきゃならぬかと思いながら三年間の延長を考えられたか、提案者からお聞かせいただきたいと思います。

西岡武夫自由民主党

○衆議院議員(西岡武夫君) お答えをいたします。  先ほどからお答えを申し上げておりますように、やはり幼児教育についての行政の将来にわたっての見通し、方向づけ、こうなるんだということを行政また政治が明示するということがやはり大事であろうと思います。その上で幼稚園の関係者の皆さん方に努力を要請するということでなければならないと思いますし、三年間の延長をお願いいたしておりますのは、三年間の時間を十二分に使ってと申しますよりは、一日も早くあるべき幼児教育についての行政のあり方、制度の仕組みというものについて、家計負担のあり方等も含めた答えをできるだけ一日も早く出していくということが、今回三年間延長をお願いをし、御提案を申し上げております趣旨でございまして、三年たってから案を出していくということではなくて、できるだけ早く、この問題は非常にむずかしい保育所との調整等を考えますと、これまでの経緯から申しますと気の遠くなるほどむずかしい問題でございますけれども、やらなければいけないと、このように考えておるわけでございます。

田沢智治自由民主党

○田沢智治君 私は、このためにはどうしても公私がやはり一体的次元の中で幼稚園教育の内容の充実を図っていく、これは私非常に大事なことだと思うんです。ですから、補助金がなくなったから教育水準が落っこっちゃったんでは困るんで、やはり公私の調整の中で幼児教育の充実を図るというのは国民的課題、国家的課題だと私は思うんです。  そういう意味では、鈴木局長さんいかがでございますか。公私の協調の中で幼稚園教育の充実を一緒に考えて、力をかしましょうというようなお気持ちがあると私は思うのでございますが、決意のほどをお聞かせください。

鈴木勲文部省初等中等教育局長

○政府委員(鈴木勲君) 幼稚園教育は、公立、私立という設置者のいかんを問わず、やはり幼稚園として幼児を受け入れまして適切な保育を課するという意味で重要な教育機関でございますから、公私それぞれ併存いたしまして、その機能、特色、あるいは私学における独自の建学の学風というふうなものを維持しながら協調していくということが必要であろうと思いますし、今後とも私どももそのような地域配置等におきましても適切な調整を図りながら充実、推進を図っていく必要があるというふうに考えておる次第でございます。

田沢智治自由民主党

○田沢智治君 私はなぜこれを強調するかということは、今日、戦後第三の非行少年の増加を見て、大変な日本になるんじゃないだろうかと、こういうことはだれしもそう思っておるわけです。わが子に対しわが親が責任を持って教育し、わが親の気持ち、子供の痛みがわかるかということになると、なかなかわからない。親子の中でもちろんそういう状態なら、学校へ行ったってこれはいろいろ理屈があって、果たしてどうなのかということを考え、かつその犯罪の内容をこう見てみますと、凶悪犯罪は私は青少年の次元の中では戦後一番低いんじゃないだろうか。じゃ何がふえているんだというと、粗暴犯とか、あるいは万引きしたという遊び型犯罪が多いということは、これはやっぱり幼児期のしつけが私は問題だと思うんです。幼児期のしつけをよくするとするならば、青少年犯罪を防止するために使う経費とか、あるいは国家がそれに対していろいろな施策を講じなければならないという経費を全部幼児教育へ入れたとしてもまだ余るんじゃないだろうか。いい子供が育てば親も喜ぶし、学校の先生も喜ぶし、国民も喜ぶし、世界も喜ぶとするならば、幼児教育に対して国が基本的に助成していく姿勢を考えるということが一番私は大事だと思うんですが、文部大臣いかがでございますか。

小川平二自由民主党文部大臣

○国務大臣(小川平二君) まことに仰せのとおりと存じております。

田沢智治自由民主党

○田沢智治君 そういう意味で私は、法人化する個人立等の幼稚園には出しますよ、しないものには出さないよというような、何ですかね、わかったようなわからないような物の考え方はやめて、やっぱりその辺のところを一歩踏み込んで、ひとつ与野党ともよく相談しながら、あるいは自民党は自民党で相談し、それぞれの党はそれぞれの党で相談しても私はいいと思うんですけれども、少なくとも子供の教育の次元においてはひとつ真剣にお互いに考えて、共通的地盤の中で日本といいうものを支えていくすばらしい幼児教育の主体性ある物の見方、考え方の基礎づくりをしなきゃならぬだろうと私は思っておるんです。ですから、余りにも領域的に条件をつけてやるというような従来の行き方をもう五年ぐらいの期間の中で一掃して、これでいこうじゃないかというような施策の研究というものを大いにやるべきだろうと思うんですが、提案者いかがですか。

西岡武夫自由民主党

○衆議院議員(西岡武夫君) お答えをいたします。  先ほどもお答えを申し上げましたように、この問題は与党でございます自由民主党の文教部会におきましても、また党全体といたしましても、幼児問題調査会を設置いたしまして鋭意関係者の御意見をいま承っているところでございますが、ある時点で他党の皆様方とも意見を交換し、一つのよりよき案をつくり上げていくように努力をいたしたいと、そのように考えているわけでございまして、御提案につきましては全くそのとおりと考えております。

田沢智治自由民主党

○田沢智治君 次に、私立幼稚園等に対する補助金の実態はどうなっていますか。

阿部充夫文部省管理局長

○政府委員(阿部充夫君) 補助金の総額で申し上げますと、五十七年度の私立幼稚園に関連いたします国の補助金といたしましては、経常費補助として出しておりますものが二百六億円、それから就園奨励費補助が百四十一億円、施設整備費補助三十六億円ということになっております。

田沢智治自由民主党

○田沢智治君 園児一人当たり幾らぐらいになりますか。

阿部充夫文部省管理局長

○政府委員(阿部充夫君) 就園奨励費と施設整備費の方はちょっと性格が異なりますので経常費助成についてだけ申し上げますれば、国庫補助が一人当たりにいたしまして一万六千五百九十円でございますが、これには地方交付税の裏打ちがございますので、交付税の方の四万百円を合わせますと五万六千六百九十円が国として措置をしておるわけでございます。

田沢智治自由民主党

○田沢智治君 そこで、文部大臣にお願いしたいんですが、五万六千六百九十円園児一人当たりの財源措置を講じているということなんですが、これは臨調等の答申で私学の補助金を抑制する、場合によっては五%減らすんだというような答申内容にも聞いておりますが、この補助金が五万六千六百九十円、これより減らしちゃうなんていうことになるとこれは問題が残ると思うんですが、これを少なくとも確保しさらに積み重ねていただけるような御尽力を賜ることができますか。

小川平二自由民主党文部大臣

○国務大臣(小川平二君) 今回の臨調の答申は高等教育についてなされたものでございますから、さしあたって幼稚園にはこれは関係のないものでございます。仰せの点につきましては十分留意をいたしまして努力するつもりでございます。

田沢智治自由民主党

○田沢智治君 提案者にお聞きしたいんですが、幼稚園と保育園の一元化問題がいまいろいろ検討されております、話題にもなっております。一元化することについて一元化できるものとできないものが私はあると思うんです。ですから、この問題については、安易な形で一元化していく、経済的な理由で一元化することなく、教育的配慮というようなものも真剣に考えながらこの問題を議論しないと、大体保育園というものの設立についてはこれは古い歴史もあるでしょうしこれは保育を主体とした物の考え方である、幼稚園については少なくとも就学前教育というような時点の中での取り組み方、そういうような本質がやや違う次元での幼稚園と保育園があって、それを一元化していこうというこの一元化という表現は私は問題があるんじゃないだろうかと、こう思うんですが、これは安易に物を考えていくということに対して私は反対なんでございますが、提案者はどうお考えですか。

西岡武夫自由民主党

○衆議院議員(西岡武夫君) お答えをいたします。  もともと御指摘のとおり保育所と幼稚園とはその設けられます趣旨が異なっていたわけでございますが、しかし、社会の大きな変化の中で幼稚園に対しても保育所的な要請が非常に高まってきている、保育所が幼稚園の役割りを求められているという実態が存在をしております。同時に、すでに御高承のとおり、地域によって、たとえば沖繩県の場合などは幼稚園の就園率、これは満五歳児でございますけれども九六%近くになっている、そういう県におきましては保育所は一%に満たないというような、非常に地域によって保育所と幼稚園との設置がばらつきが存在をしているということを考えますと、ただいま御指摘のとおり安易に一元化するということによって済む問題ではないということはもうそのとおりであろうと思いますし、むしろ保育に欠けるということの基準というものが、どれくらい厳格にと申しましょうか、はっきりとした線として打ち出すことができるのかということのところに問題の本質があるのではないだろうかということを考えますと、行政の姿勢としてこれを明確にしていくことによってある程度の解決策は見出し得るのではないだろうか。幼稚園も保育所もそれぞれの役割りというものを持ちながら、なおかつ行政が二元化されているということによる混乱というものについても一つの解決策というものが見出し得るのではないか。と同時に、先ほどからるる申し上げておりますように、家計負担の格差を是正するというようなことを一つのてこにいたしましてこうした問題についての答えがその面からも出し得るのではないかという、まだこれは明確なるビジョンではございませんけれども、基本的な考え方でこれから取り組んでまいりたい、このように考えております。

田沢智治自由民主党

○田沢智治君 私は、保育所は保育所としての個性があり、幼稚園は幼稚園としての個性があると思うんです。しかし、保育所、保育園の中では幼稚園じゃできないものもあるし、幼稚園の中では保育園でできないものがあると思うんです。しかし共通的なものも存在していると思うんです。ですから、共通的なものは共通的に生かし、個性は個性で生かしながらどのように連帯さしていくかというようなところが一つの問題点じゃないだろうか、こういうふうに思っておるんです。二つを一で割って何かいいものを生み出そうというような物の考え方ではなくして、生きているものの歴史性と実態と形態と今後あるべき人間像というものを求めながら、どういうように絡み合い、どういうように個性を伸ばして磨き合っていったらいいものになるかというような考えのもとにこの問題をまとめなければならないんじゃないだろうか、こう思うんですが、鈴木局長さんいかがですか。

鈴木勲文部省初等中等教育局長

○政府委員(鈴木勲君) この問題につきましては長い経緯がございまして、先ほど御指摘のございました幼保懇談会におきましても先生がお挙げになりましたような提言になっているわけでございまして、幼稚園にいたしましても保育所にいたしましても、それぞれの長い設立からのまた運営の歴史的経過がございまして、地域におきましてもその機能を独自に果たしているというものでございますから、これを簡単に一元化ということはなかなか困難な点があるわけでございます。  いずれにいたしましても、いろんな見解がございますけれども、その見解につきましても現在の両施設の歴史的背景を根拠といたしましていろんな見解がございましても、これの機能を一つにまとめるということにつきましてはなかなか容易ではないというふうに思います。当面私どもとしては幼稚園の機能を大事にいたしまして、これをできるだけ充実強化を図っていくということに力を挙げていくことが必要ではないかというふうに考えております。

田沢智治自由民主党

○田沢智治君 鈴木局長さんもなかなか熱心な方ですから、内容的な次元の中でも私はかなりいい知恵を出していただいて、ひとつこういう問題も真剣に取り組んでいただく中で、いいような方向性の中で皆が合意できる内容の実態を醸し出していただきたいと存じます。  次に、今回の改正の中には専修学校、各種学校について改正の内容になっておると思うんですが、これはどういう趣旨でございますか。

阿部充夫文部省管理局長

○政府委員(阿部充夫君) 今回の改正案の中に専修学校、各種学校関係の規定が入っておるわけでございますが、本件は私立学校振興助成法が昭和五十年に成立をいたしまして、その五十年以前の段階におきましては私立学校に対する助成、監督が私立学校法第五十九に規定されておりました。それが各種学校を設置する準学校法人にも準用されておったわけでございます。私立学校振興助成法の成立に伴いましてこれの関係規定の改正が行われたわけでございますが、その結果といたしまして準学校法人への準用規定がいわば欠缺をしたというような経緯があるわけでございまして、今回この規定の整備を図る必要があるという趣旨であると了承しております。

田沢智治自由民主党

○田沢智治君 専修学校、各種学校を設立する準学校法人の学校数は何校ありますか。

阿部充夫文部省管理局長

○政府委員(阿部充夫君) 準学校法人立の形になっております専修学校が五百九十七校ございます。

田沢智治自由民主党

○田沢智治君 これも国公私の割合から見ますと九七%前後私立のように聞いております。やはりこの分野の中でも私立がかなり補っておるというような実態が言えると思います。それに対して都道府県が補助を行う場合、これらの準学校法人についても会計処理を適切に行うよう指導するとともに、監査についても適正に行われるような御指導をなさるべきであると私は思うんですが、それに対する見解はいかがですか。

阿部充夫文部省管理局長

○政府委員(阿部充夫君) 今回の改正に伴いまして準学校法人に関しましても規定の整備が行われ、助成、監督の規定が明確になるということになるわけでございますけれども、これらの準学校法人が都道府県から補助を受ける場合に会計処理を適正に行う必要があるという御指摘はまさにそのとおりであろうと存じます。私ども文部省といたしましても、これらの準学校法人の会計基準が適正に行われるように都道府県に対して指導をしてまいりたいと存じておりますし、特に経常的経費についての補助が行われるというような場合につきましては、現在高等学校や幼稚園などにおいて行われておりますものと同様に、公認会計士の監査報告を義務づけるというようなことも必要なことかと思いますので、都道府県が補助要綱等によりまして必要な措置をとりますよう文部省として指導してまいりたいと存じます。

田沢智治自由民主党

○田沢智治君 とかく国庫補助をもらうところに公認会計士によって監査がきちっとなされ、会計処理上やはり適正というものを位置づけるということは、私は、社会批判に対してこたえていく、行政整理していく基準だと思うんです。将来どうしてもそういう方向をひとつ御指導いただきたいと、こう思うのでございますが、いかがですか。

阿部充夫文部省管理局長

○政府委員(阿部充夫君) 御趣旨のように努力をいたしたいと存じます。

田沢智治自由民主党

○田沢智治君 文部大臣に私お聞き申し上げたいんですが、幼稚園教育の充実強化、先ほど話したように、三つ子の魂百までもでございますので、小さいときの幼児教育というものがその人の人間のすべてを決めると言っても過言ではないと思うんです。そういう点において幼児教育の充実は今後の日本を支えていく上において教育のかなめであると確信するんですが、それに対する御所見があればお聞かせいただきたいと思います。

小川平二自由民主党文部大臣

○国務大臣(小川平二君) 幼児期は、人格形成のいわば基礎を培わなければならない非常に大切な時期と心得ております。したがいまして、このためには幼稚園あるいは地域社会、家庭一体となって幼児教育のためのよい環境をつくり、同時に、内容の充実に努力していかなければならない、このように考えております。

田沢智治自由民主党

○田沢智治君 最後に、文部大臣に教科書問題で一言私もお聞きしたいと思うんです。  新聞によりますといろいろな憶測が出ておるんですが、文部大臣は教科書問題について櫻内外務大臣と会談し、具体的ということはあるかないかよくわかりませんけれども、協議をなされたことがございますか。

小川平二自由民主党文部大臣

○国務大臣(小川平二君) たまたま外務大臣は相当長期にわたって出張なさっておりましたので、外務大臣と私との間で直接いろいろ協議をするという機会は今日までないままにきておるわけでございます。今日までのところ、外務、文部両省の事務レベルの協議、相談を続けてきておるわけでございますが、今後適当な機会に外務大臣にもお目にかかりまして、この事態にどう対応していくかということについて御相談をいたしたいと思います。

田沢智治自由民主党

○田沢智治君 教科書問題に関して、文部大臣はいかなる批判に対しても謙虚に耳を傾け、日本の真意を理解していただくようあらゆる努力をするという姿勢は私は非常にすばらしいものだと思うんです。これをひとつ曲げないでほしいと。しかし、中国及び韓国政府の批判、抗議内容を見ますとき、いまや政府次元での対応が当然求められてくるような状況になっているのではないかと私は推測します。  そこで日本国政府は、過去の戦争の責任の反省の上に立って今日の平和憲法を変えないと鈴木総理は言っているんですから、現行憲法を維持するということは、決して軍事大国にならないとする日本国政府の決意をもとに中国及び韓国政府に特使を派遣する気運が出たとすれば、大臣はこれに御同意をされる御用意はございますか。

小川平二自由民主党文部大臣

○国務大臣(小川平二君) 今後の一つの対応の手段といたしまして特使を派遣するということ、検討すべき問題だと考えております。まだ具体的にそのような方針を政府において決定をいたしておるわけではございませんが、一つの検討課題であると考えております。

田沢智治自由民主党

○田沢智治君 私は、そういう意味で、戦前、戦中、戦後を通して中国なり韓国の方々に対しては、日本はいろいろな意味でのかかわり合いを持ってきたし、そしてまた、お互いに憎悪もあったと思うんです。そういうものを過去のもの一切清算して日中友好条約をつくり、日中の国交樹立もしたし、韓国との国交回復をしてきた。それにはいろいろな思いをして、それぞれの国がそれなりに日本との国交回復をしてきたこの実態というものを謙虚に日本が受けとめて対処なされるというきずなを決して今回の問題で失ってはならない、私はそう思うのでございますが、文部大臣の所信はいかがですか。

小川平二自由民主党文部大臣

○国務大臣(小川平二君) かつて日本が行いましたことの厳しい反省の上に立脚して中国その他の国との友好関係を一層深めていかなければならないという基本的な姿勢にはいささかも変わりがございません。したがいまして、今回のことも、中国あるいは韓国との友好関係を損なうことなしに円満に解決しなければならない、かように考えて、いろいろ苦慮いたしておる次第でございます。

田沢智治自由民主党

○田沢智治君 ぜひそういうお気持ちで御対処くださいますことを切望いたします。  終わります。

佐藤昭夫日本共産党

○佐藤昭夫君 私も最初に教科書問題で三点質問をいたしたいと思います。  きょうの昼のテレビで、本日の午後、紛糾をしております教科書問題について鈴木−小川会談が行われる予定と、こういう報道がされておったんですが、先ほど文部省事務局に聞きますと、まだ正式にはそういうことは決まってないという話でありますが、それはともかくとして、文部省と文部大臣のかたくなな態度のために事態は国際的にもますます重大化をして、文部大臣の中国訪問を中止せざるを得ないと、こういうふうになってきたわけでありますが、文部省と文部大臣がこの態度を続ける限り鈴木首相の訪中にも影響が出てくるんではないかということをすでに一部の新聞などが報道を始めているわけであります。文部大臣としては、総理の訪中に影響が出てもいまの文部省の見解は変えるわけにはまいらぬと、こういう態度なのか。今後とも文部省の見解を変えないために総理の訪中に影響が出た場合、文部大臣としてはその責任をとるのか、このことについてまずお伺いします。

小川平二自由民主党文部大臣

○国務大臣(小川平二君) 今日の事態まことに憂慮すべき事態でございますが、私は今日までかたくなな態度をとったつもりはないのでございます。中国にいたしましても韓国にいたしましても、政府の申し入れはもとより、国内の論議にも謙虚に耳を傾けまして、誠意を持って当方の真意を理解してもらう努力をしたい、かように考えておる次第でございます。問題を円満に解決いたしまして総理の訪中に支障を生ずるというようなことなからしめるためにただいま懸命に努力をしておる次第でございます。

佐藤昭夫日本共産党

○佐藤昭夫君 「侵略」という用語が教育上適切でないんだというふうに文部省は今日まで言ってきたわけですけれども、日本とともに第二次世界大戦で侵略者の役割りを果たしたイタリア、ドイツ、このイタリアの教科書では自国のエチオピア、アルバニア併合も明確に「侵略」と記述をしているわけであります。西ドイツの教科書もナチスの犯罪行為や抵抗闘争を詳細に記載し、反ファシズムを基調とし、東ドイツの場合もヒトラー・ナチスの台頭から第二次大戦への突入と残虐な侵略のほか侵略戦争に反対をする各国の闘争に多くのページを割いております。そして、両ドイツとも、日本の「アジア侵略計画」あるいは「軍事独裁」、こういう用語を正式に使って西ドイツの教科書に記載をしているわけであります。  アメリカの場合でありますが、ワシントンで採用されているホルド・リンホルト・ウィンストン出版の「人びとの世界」という高校用の歴史教科書でありますが、この中の記述では、「日本はまたアジア征服の準備を進め……。政府内の軍国主義者は三〇年代に中国への侵略計画を推進した」というふうに書いている。また科学研究連合出版、ここの「世界史」という教科書でありますけれども、その記述は、「ひとたび奉天を支配すると、政府は軍を抑制できなかった。三二年までに満州の征服は完了、日本の支配するかいらい国家が建てられた。」というふうに記述をしておりますが、これらイタリア、ドイツ、アメリカの教科書の例、これは文部省は知らぬはずはないと思うんです。にもかかわらず「侵略」という用語を使うのは教育的でないということを言い続けていると。前々回、私、七月の二十九日の当委員会で中国、韓国の教科書の実物もここへ提示をして、日本の侵略ということをはっきり記述をしておるということも指摘をしてきました。この「侵略」というのが特定の価値判断を伴う表現だから適当でないと、こういうふうに言っているんですけれども、みずからの侵略という事実を歪曲して子供に教育をしようとすることこそ政府の特定の価値判断を教育を通して未来の子供たちに押しつけると、こういうものになるんじゃないか。これこそ非教育的な誤りではないかということを重ねて私は文部大臣に問いたいと思うんですが、どうですか。

小川平二自由民主党文部大臣

○国務大臣(小川平二君) 改めて申し上げるまでもないことでございますが、「侵略」という字句を改めることを修正意見として提出いたしまして検定に合格する条件としたというような事実は全くないのでございます。たとえば日本史の教科書について見ますれば、十種類ある教科書の中で一種類について改善意見としてこの問題に触れたわけでございます。  それはすでに御説明を申し上げたかもしれませんが、その教科書の原稿におきましては、中国と諸外国との戦争を記述する際に「進出」という言葉を使っている。しかるところ、日本についてだけ「侵略」という言葉を使っている。歴史の教科書であるから用語の統一をなさったらいかがであろうかと。その際「進出」という表現の方が表現としてより客観的ではないでしょうか、かような改善意見を出した結果、「侵略」という言葉を他の表現に改めたわけでございます。この表現を改めました場合にも、たとえば「日本の中国侵略」という表題を用いておったのを「満州事変・上海事変」と改めておるのでございまして、この表題のもとになされておる記述は一字一句も改訂をしておらないわけでございます。歴史の教科書におきましては、客観的な事実を教える、客観的に物事を考察し判断する力を養わせるべきものでございましょうから、かような趣旨から、この教科書につきましては、どちらかと言えば客観的な表現である「進出」という文字をお使いになった方がよろしくはございませんかという改善意見を出した、これだけのことでございまして、軍国主義の復活を企図する、あるいは歴史の改ざんを試みたというようなことでは決してございませんから、そのようにぜひ御理解いただきたいと思います。

佐藤昭夫日本共産党

○佐藤昭夫君 いささかもかたくなな態度はとっていませんということを言いながら、これだけ、当文教委員会としても何回も議論をやってきた。国際的な批判も高まるばかり。にもかかわらず、いまもなお文部大臣がそういう見解を固執し続けることこそかたくなな態度。いわんや政権を握っておるその一翼としての文部大臣だから、多数を占めておる自由民主党であるからということであなたがそのような態度を続けるのはもう言語道断、まことに許せない態度だと思うのです。時間の関係がありますからそのことを指摘をしてもう一点聞いておきましょう。  前回私も指摘をしましたし、きょう粕谷委員もこの質問の中で取り上げられておる問題でありますが、いわゆる正誤訂正規則、文部省の教科用図書検定規則第十六条、これに基づいてすでに昨年中学校社会科の教科書の検定後の訂正をやらせてきたというこの問題でありますが、学習を進めるのに支障を来す場合、こういう場合にはいまの検定規則第十六条四号、これを根拠として文部省がそういう措置をやってきたわけでありますけれども、当時の三角初中局長、これは、昨年の二月二十日、衆議院の予算委員会での答弁でありますが、こういうことを言っていますね。「内容としては一番適切なものがいいのでございまして、より不適切なものということは、適切なものを使う場合に比べますれば支障が生ずる」ことでありますと、まあわけのわかったようなわからぬような、文部大臣もいま笑っていられるようなわけのわからぬような、まことにこじつけ的な恣意的なこういう解釈で文部省の権限を乱用してそういうことをやってきているわけですけれども、ところが今回は正誤訂正の趣旨に反するからということでこれだけ意見が出ておるのにかたくなに再訂正をやるということを拒否している。しかも、私が質問をしたのに対して文部大臣は、あの日中戦争あるいは第二次世界大戦、その性格について、正当化することのできない戦争だとか、あるいは侵略戦争ではないということを毛頭言っていませんということを片一方で言いながら、ところが「侵略」というそういう表現用語を諸外国では教科書でどんどん使っていると、にもかかわらず日本で使うのはまずいのだということで、仮に全部でないにしても、幾つかの教科書についてそれを文部省の指導で変えさせたということは、もう紛れもない事実でしょう。なぜ一体、この態度についての反省を示さないのか。こういう、国際的には、もう言うなら常識の問題であり、日本の国内でもこれだけ議論がやられておるというこの問題について、ここの侵略戦争というこの認識を、用語を変えることによってそこをあいまいにしてしまおう、結果としては侵略戦争を容認、美化をしようとする、ここの基本態度を変えない限り、何ぼ中国と真実を尽くして話をしていくんだと言ったって、それは誤解が解けるものではありません。そういう文部省と日本政府のごまかしの姿勢としてしかそれは映っていかない、絶対に了解点に達する問題ではないというふうに私は思うんですけれども、文部大臣はどうですか。

小川平二自由民主党文部大臣

○国務大臣(小川平二君) 絶対に——何とおっしゃいましたか、氷解点とおっしゃいましたかな。

佐藤昭夫日本共産党

○佐藤昭夫君 了解点。

小川平二自由民主党文部大臣

○国務大臣(小川平二君) 了解点に達しないというのは先生の御判断、先生のお見通しでございましょうが、私は必ずしもそうは考えておらないわけで、誠意を持って当方の真意を理解してもらう努力をすることによって、この問題は打開できると考えておるのでございます。  かつての戦争が厳しく反省をしなければならない行為であったということについてはことごとくの教科書が書いておるのでございまして、そのような認識の裏づけとして歴史の教科書は信憑性ある資料に基づいた客観的な事実を書いておるわけでございますから、たまたま一つの教科書を例に引きますれば、見出しを改めて、「侵略」という言葉を「満州事変・上海事変」と書いたからといって、過去の戦争を厳しく反省するという姿勢を放てきしたというようなことには決してならないと、私はそう考えておるわけでございます。

佐藤昭夫日本共産党

○佐藤昭夫君 理事会で三問に限るという、こういう約束でありますので、本日はこの程度にして。しかし、指摘した問題、よく大臣として考えておいていただきたいと思うのです。次回、さらに質問をいたします。  そこで、法案に移りますが、私は、前回本法案に関連をして幼稚園問題を中心に取り上げてきたわけでありますが、本法案のもう一つの眼目であります、この法改正によって専修学校にも私学助成の道が開かれるということになるわけでありますので、専修学校をめぐる問題について幾つか質問をしておきたいと思います。  文部省の資料によりますと、今日、専修学校の在学者は昭和五十六年で四十七万人を超えている、学校数も二千七百校に達したということでありますが、この入学者がふえている理由として、今日国民の中に実践的な専門技術、知識を身につけ、あるいは資格を取り職業につきたいとする、そういう志向が高まっている一つの反映だろうというふうに思うわけですけれども。しかし、専修学校におけるこの教育条件の整備は、国による助成が非常に貧弱だ、ほとんどないということのためにずいぶんおくれた教育条件にあるわけであります。  それで、発議者にお尋ねをいたしますが、今回の法改正によれば、準学校法人もそういったことで私学振興助成法の対象となると、こういうことで、今後専修学校に対しても当然経常費助成の対象に上せるということになっていくかと思うのでありますけれども、その点はそういうことでしょうね。

西岡武夫自由民主党

○衆議院議員(西岡武夫君) お答えをいたします。  ただいま御指摘のとおり、将来のあるべき姿として、専修学校に対する国の助成の道を具体的に開いていかなければいけないという課題を私どもは抱えていると、このように考えております。すでに都道府県におきましてはかなりの県が経常費についての補助を行っているわけでございまして、こうした実態が現実に地方自治体において進んでいるということを考えますと、当然この私学振興助成法の趣旨にのっとりまして、国の、都道府県の助成に対する補助が行われるという方向に努力をしていかなければいけないと考えております。ただ佐藤委員御承知のとおり、大変財政が厳しいという状況の中でございますので、具体的に五十八年度からこれが予算化できるかというような見通しにつきましては、残念ながらいま明確な見通しを申し上げるということはむずかしいというのが、率直なところ実態でございます。

佐藤昭夫日本共産党

○佐藤昭夫君 専修学校に国の公的助成がないと現実にどういうことになるのか。一例として保母を養成する教育機関の問題を通して文部省に尋ねてみたいと思うわけでありますが、厚生省の説明によりますと、今日保母の養成機関は全国で三百三十一カ所、三万一千七百四十五人の定員を持っているといいます。この内訳は、児童福祉法に基づく養成施設が四十三カ所、残りはすべて学校関係で大学が十八、短大二百十二、専修学校四十一、各種学校が十八、こういう状況であります。保母の職域は従来からの保育所にとどまらず、今日では各種の児童福祉施設、乳児院とか、幼児、障害児施設、学童ホール、いわゆる児童館、そうして老人施設、ここも含めて今日保母の職域になってきておる。そういう意味で、保母の養成というのは、社会的に見て、今日非常に重要な問題としての関心が大きく高まってきていることだと思うのです。これに対して国はどういう公的助成を行っているのかということでありますが、厚生省関係の社会福祉法人、そういう関係の養成施設四十三カ所については、学生一人当たり約十四万七千円強の国庫助成が人件費補助として出されているということであります。  一方、文部省管轄の私学の大学、短大、これはもうよく御存じのとおり、経常費の二八%程度の国庫助成がやられている。これに引きかえて、同じ文部省管轄のもとで、同じ保母養成の教育機関でありながら、専修学校、各種学校、これは何ら国庫助成がない。勢いこのしわ寄せは教育条件の低下となるか、父母、学生の負担増、こういうことにならざるを得ないということだと思うのでありますけれども、これは保母養成という一つの例でありますが、同様に医療の関係、福祉の関係、教育の関係、公的な性格の強いものについては、やはりこういった実情を改善を図っていく必要があるだろうと、財政危機のもととは言え、その中での可能な限りの改善を図っていく必要があるだろう、こういう見地で専修学校の問題に対しての国庫助成問題が、積極的に検討される必要があるのじゃないかというふうに文部省に要求をしたいんですけれども、文部省どうでしょうか。

阿部充夫文部省管理局長

○政府委員(阿部充夫君) 今回の法改正は、先ほどもお答え申し上げましたように、専修学校等を設置する準学校法人についての助成、監督の規定の整備を図ろうということでその制度的整備を行ったものでございまして、今回の改正に伴いまして、直ちに国として専修学校に経常費の助成を行うということを考えているわけではございませんが、これまでも専修学校教育振興という観点から、専修学校教員の資質の向上のための研修事業に対する援助でございますとか、あるいは専修学校教育のための教材の開発研究事業に対する援助、さらには専修学校生徒に対する奨学金貸与事業を実施するというような各種の施策を講じ、順次進めてきたところでございます。  今後とも専修学校に関する施策については総合的に研究をし、逐次その充実を図ってまいりたい、かように考えておるところでございます。

佐藤昭夫日本共産党

○佐藤昭夫君 確かに現在も専修学校に対して幾つかの補助がやられておることは否定はしませんけれども、一番重要な問題は経常費助成、ここが今日私学の関係者の一致した課題になっているわけですね。こうした点で、国や文部省は口を開けば専修学校の振興ということを言っておるわけでありますけれども、この経常費助成というのはこれからの課題と、こういうことになっている。そして、さっきも西岡さんの答弁の中にも一部ありましたけれども、すでに都道府県においては幾つかの都道府県がそういう方向をやり始めている、こういう現状にあるわけでありますし、五十六年度について見ますと、十四億四千四百万円という総額のそういった助成を都道府県は始めているということでありますので、こういった自治体の努力を励ましつつ、国としてもそれに照応をしたひとつ助成を考えていく、援助を考えていくということでぜひ鋭意検討を始めてもらいたいというふうに文部省に要求するんですが。

阿部充夫文部省管理局長

○政府委員(阿部充夫君) 先ほどもお答え申し上げたとおり、専修学校に関連いたしましては、その整備のためにこれからいろいろ総合的に施策を講じていかなければならないと思っておるわけでございます。御指摘の点もその中の一つの課題であろうと思いますが、そういった幾つかの問題点につきましてどの点から手をつけていくのが専修学校にふさわしいか等の問題もございますので、今後慎重に検討しながら対応を考えてまいりたいと思います。

佐藤昭夫日本共産党

○佐藤昭夫君 次は、専修学校卒業生の就職の問題といいますか、職業紹介制度の問題です。  いわゆる一条校、一条校においては無料職業紹介事業というのが実施をされ制度化をされているわけでありますが、ところが専修学校はいまのところこの事業を行っているのは百二十五校、全体から言えば数%にすぎないという実情にあります。これ以外のところはもっぱら縁故関係による職業紹介となっているわけでありますが、この問題についても早急な改善が望まれておる問題ではなかろうか。  一条校については届け出だけでやれる事業が専修学校、各種学校では許可制でやられてきたというのは主として歴史的背景によるところが大きかったように思われます。一条校に無料職業紹介制度が導入された昭和二十四年という時期は、和洋裁など女子教育の場としての各種学校、理美容、看護婦、これらの職業教育を行うところの各種学校が主流で、業界と学校とのつながりも強く、今日の多彩な課程、学科を置く専修学校とは比べようもない限定された分野しかなかった。したがって、縁故就職で何とか対応できたという時期であったんじゃないか。ところが、今日のように大きく分野も広がり、多彩な学科を擁する今日のこの専修学校、各種学校というこういう段階では、当然卒業をしていく生徒たちの就職の問題についても就職紹介制度についての改善が求められてくるというのも自明の問題だろうと思うんであります。  一条校が職業紹介を行う意義について、教育課程の決算としての就職問題という位置づけからであるとよく説明をされるわけでありますが、そうであるならば、職業教育に重点を置いておる専修学校においてこそ教育課程の決算としての就職問題ということが一層重要になってくるんじゃないかと私は思うんです。  で、一条校と専修学校との間に差をつける理由は今日もうなくなってきている。もちろん専修学校の側が学生、生徒の職業紹介事業の責任の重さを十分自覚をして、その制度の充実に努力されることを、これを当然の前提にした上で、しかし、しかるべき時期に職安法を改正して専修学校も一条校並みの扱いに持っていく、こういう方向が当然目指されるべきではないかというふうに思うんですが、労働省、まずどうでしょうか。

鹿野茂労働省職業安定局業務指導課長

○説明員(鹿野茂君) お答えします。  先生御指摘のように、新しく学校を卒業する人々に対する職業紹介のやり方としましては、学校教育法第一条に示されております大学あるいは高校生に対しましては、労働大臣に対する届け出で無料の職業紹介ができることができておりますし、またもう一つのやり方としましては、御指摘のように一条校でない専修学校につきましては、労働大臣の許可によって職業紹介事業を行うというような二つの方法があるわけでございます。  そういう意味で、同じ学校を卒業する人々に対する紹介方式としては均衡を欠くという意味では先生の御指摘かと思うわけでございます。  そういう意味で、私ども職安行政としましては、専修学校の卒業生が近年かなりに増加いたしておりますし、またこの卒業生に対する企業社会における関心というものも非常に高まっておるわけでございます。  そういう意味で、この専修学校卒業生の職業紹介というものを円滑に推進してまいりたいということで、まず私ども行政自身の力で、学校と連携をとりながら十分な御援助をしていきたいという方法と、あわせまして学校みずからが職業紹介にも十分な活動ができるように、現在の大臣の許可を受ける手続なりあるいは許可要件等がかなり繁雑と申しましょうか、複雑な面もございますので、こういう面について十分な検討を加えながら専修学校卒業生の円滑な職業紹介体制というものを確立していきたいというふうに考えているところでございます。

佐藤昭夫日本共産党

○佐藤昭夫君 許可要件の改善ということが言われておりますので、なおもう一言付言をしておきたいというふうに思うんでありますが、たとえば一例で言いますと、専任の職業紹介責任者を、専任者を置かなくちゃいかぬということになっているんですが、一条校の場合には事務担当者と兼務でもよいということになっておりながら専修学校は専任でなければならぬという、むしろ専修学校の方に厳しくなっている。一般的に考えて、一条校の学校に比べて、一般的に専修学校というのは学校規模が小さい、職員構成も規模が小さい、こういうことになっている。その中で専任の職業紹介責任者を置くということについては財政的にも困難が予想されるわけですね。  ですから、こういった点こそ、ひとつその実態に即して弾力的な運用をやって、この専修学校関係者の期待にこたえられるような、ぜひそういう対応を、そういう改善をお願いをしておきたいというふうに思うんですが、どうですかね。

鹿野茂労働省職業安定局業務指導課長

○説明員(鹿野茂君) 確かに専修学校の職業紹介事業を営む場合の許可要件としましては、先生御指摘ございましたように、各種学校時代からの歴史的な背景と申しましょうか、その遺産が引き継がれておりまして、職業紹介事業を責任を持ってやっていただくために専任の職員を置かなければならないというような規定が現在も生きておるわけでございますが、こういう教職員の方々の兼任の問題であるとか、あるいはまた学校という大きな施設を持っているわけでございますので、その職業紹介事業に必要なスペースの問題であるとかそういう問題につきましては、実態を十分把握しながら実態に即応したものに、改善についての検討をしていきたいというふうに考えております。

佐藤昭夫日本共産党

○佐藤昭夫君 それからもう一つ、専修学校卒業生の就職に関する問題として、それで職業紹介を受けて就職をしていくわけでありますが、果たして一条校と同じように平等に就職の門戸が開かれているかどうか。それから就職をした暁、一条校に対応する格づけといいますか、労働力の格づけといいますか、たとえば初任給、こういった点について平等な待遇が行われているかと、こういった点で実態をどう認識され、改善の要を認められないか、こういった点は労働省どうでしょう。

鹿野茂労働省職業安定局業務指導課長

○説明員(鹿野茂君) 専修学校を卒業した方々の就職後の問題についてのデータは残念ながら私ども持ち合わせていないわけでございますが、ある民間の機関の調査によりますと、五十五年度に専修学校を卒業した者を採用した企業というものが五八・五%に及んでおると聞いておるわけでございます。五十一年当時三〇%強でございましたので、かなりの企業で専修学校卒業生が受け入れられておるし、またその条件にいたしましても、たとえば二年の専門課程を卒業した人々については短大卒と同じような初任給を与えておるという企業が七〇%になるというふうに聞いておるわけでございます。このように企業側におきます専修学校卒業生に対する評価なりあるいは期待というものは非常に高まっておるわけでございますが、反面、専修学校卒業生を採用する理由というものをその調査結果から見てまいりますと、残念ながら、大学あるいは高校卒業生の中に優秀な人材が採用できなかったからその代替要員として専修学校卒業生を採用したというふうに答えている企業もまだかなり見受けられるわけでございます。私ども労働省としましては、これは学歴というんでしょうか、すべての場合共通いたしますが、企業における採用条件あるいはその管理というものは、適性あるいは能力というものを十分評価して労働条件を決めていただきたいというふうに指導いたしておるわけでございます。  そういう意味で、今後、私ども行政がこの専修学校卒業生の職業紹介の分野に十分努力をいたしながら、専修学校卒業生の持っておる能力あるいは適性あるいはまた知識、専門的な技能というものが十分評価されるようなものになるように事業主を十分指導、啓発してまいりたいというふうに思っておるわけでございます。

佐藤昭夫日本共産党

○佐藤昭夫君 確かに、いまの答弁にもありましたように、民間企業について見ると年々専修学校卒業生の採用がずっと前進をしていっていると、こういう統計的数字も発表されているわけでありますし、それから国家公務員、地方公務員、この場合にはそういう学歴に関係なく採用試験に応募できるという今日制度になってきておると。ところが、私、問題だと感じますのは、依然政府関係機関にありながら専修学校卒業生は採用をしないということになっておる、そういう政府関係機関があると、国鉄、電電公社、専売公社、いずれも新規採用はゼロであります。  一例として電電公社においで願っておりますのでお聞きをしますけれども、毎年三千数百名前後の高卒者を採用し、約百名の高専卒業者を含めて四千名前後の新規採用をしておる電電公社でありますが、専修学校の新卒は採用しないという方針なんです。春の新卒新規採用、この段階では採用しないということになっておる。こういう方針というのは、これはもういまや社会的に見ても通らない姿ではないか、ぜひとも至急に改善を求めたいと思いますが、電電どうですか。

児島仁日本電信電話公社職員局長

○説明員(児島仁君) 現在の状態をちょっと申し上げますと、四月に、先生ただいま御指摘ありましたように相当数の卒業生を大学、高専、高校と採っておりますが、この際には確かに三月に卒業見込みの者を中心に採っております。実は私ども年度当初に年間必要要員のすべてを採るというのは人件費的に見てもいろいろ問題ございますので、十月期等に中間的に補助的な採用を行っております。この数も年間ほぼ千ないし二千ぐらいでございますが、その際にはこの専修学校の生徒さんも採りております。ただ、体系的な採り方は確かにしておりませんが、五十六年度の実績で申しますと百七十名程度の採用はしておるわけでございます。

佐藤昭夫日本共産党

○佐藤昭夫君 それ、中途採用ですね。

児島仁日本電信電話公社職員局長

○説明員(児島仁君) 中途採用と申しますか、正規の採用でございますが、四月の採用ではないということでございます。

佐藤昭夫日本共産党

○佐藤昭夫君 それで、私が問題として指摘していますのは、中途採用はやられておるということは承知をしつつ言っているわけですけれども、やっぱり量的に一番たくさん採用するのは春の新採用のこの時期でありますし、ここが一番注目をされているわけですね、内外ともに。ところが、中途採用では採用しながら新規採用ではそういうことにはできぬというのは筋が通らぬ問題でもあるし、ひとつ新規採用のここの部分を改善を図る必要があるという点についてぜひ検討を開始してもらいたい。

児島仁日本電信電話公社職員局長

○説明員(児島仁君) 結論からお答えさしていただきますと、先行き四月期の採用につきましてこの専修学校の生徒さんたちを採っていくということはぜひ検討さしていただきたいと思います。  ただ、一つだけ申し上げておきたいと思いますのは、この専修学校ではかなり専門的な教育をなさっておりますが、私どもが求めている技術力と申しますか、学力と申しますか、そういったものと、各種それぞれの学校の程度のバランスといいますか、程度というものがなかなかうまく合致しない場合があるというふうに考えられますので、したがって採用後の訓練の体系を一体どうするか、それから初期の賃金でございますが、これをどう設定していくか、それから訓練後の配置並びに任用についても将来的にはこれ当然考えていかなくちゃいかぬと思います。そういった意味では、検討すべき事項、相当多くかつ深いものがあると思いますが、結論としましては採用に向かって検討していきたいと、そういうふうに思っています。

佐藤昭夫日本共産党

○佐藤昭夫君 次は、専修学校に対する育英奨学資金制度、この問題についてお尋ねをしますが、それに先立って、先日御存じの臨時行政調査会のこの基本答申が発表されました。その中ですでに昨年からいろいろ議論を呼んできた問題でありますが、この育英資金制度の問題に関して外部資金の導入による有利子制度、それから返還免除制度の廃止、こういったことが基本答申の中にうたわれてきたわけであります。文部省としては事柄を慎重に進める必要があると、こういう立場から、検討会といいますか、諮問機関、これを設置をしてそこで十分各界の意見をくみ入れて諸外国の制度とも対比をしながら検討をやっていくんだということをやっておるこの時期に、言うなら、再び頭ごなしというか、そういう国会の議論あるいは政府のそういう検討方向、これもさらに超越をするかのような形で臨調がこういう基本答申を発表したということは私はきわめて不届きだというふうに思っておるんでありますが、そういうことに関して、こういう有利子制、返還免除制度の廃止、こういう方向が出てきたというこの問題について文部大臣としてはどういう御見解でしょうか。

小川平二自由民主党文部大臣

○国務大臣(小川平二君) 臨調は外部の資金を導入することによって有利子制への転換を図れ、かような提言をいたしておるわけでございますが、申すまでもなく、これは今日の育英奨学制度の根幹にかかわる問題でございます。同時にまた、高等教育に対する助成のあり方とも関連する問題でございますから、ただいま仰せがございましたように、育英奨学事業に関する調査研究会におきまして育英奨学制度のあり方について調査、検討をお願いいたしておるところでございます。

佐藤昭夫日本共産党

○佐藤昭夫君 とにかく今回の臨調答申の方向というのは、現在の日本の育英奨学制度これ自体が先進諸国に比べてみれば非常におくれた姿になっておる。これをさらに改悪をしようということは言語道断でありますから、そういうことで私どもは絶対にこういう方向を認めるべきではない、文部省としては徹底してひとつ臨調と闘ってほしいというふうに申し上げた上で、現在育英会から奨学金を受けている学校種別に見てどういう人数比率になるのか、率ですね、これをまず簡単に御説明願いたい。

宮地貫一文部省大学局長

○政府委員(宮地貫一君) 学校種別に見た貸与率についてのお尋ねかと思いますが、高等学校の場合が二・七%、大学の場合が平均いたしまして一一・三%、大学院が五二・四%、高専が二六・二%、専修学校については一・二%というような貸与率になっておるのが五十七年度の予算で計上されております人員についての貸与率でございます。

佐藤昭夫日本共産党

○佐藤昭夫君 ただいまの数字にも明らかなように、専修学校生徒に対する貸与率はきわめて低いということが如実にあらわれておると思うんでありますが、片や年々生徒は増大をしていく。大体、その生徒というのは経済的に困難なそういう子供たちが多いというそういう実情、そういうことから来年度の予算編成に向けてこの専修学校に対する育英資金貸与率の改善の問題をひとつぜひ文部省としては取り上げて努力をしてもらう必要があるんじゃないかと思いますが、この点を最後にお尋ねをして、終わります。

宮地貫一文部省大学局長

○政府委員(宮地貫一君) 五十八年度の概算要求につきましては、大変、財政的に要求枠自体きわめて厳しい状況でございますが、私ども、専修学校関係については五十六年度に増員をいたしました、それの学年進行に伴います増の経費については増額要求をただいま検討いたしておるところでございます。

伊藤郁男民社党・国民連合

○伊藤郁男君 最初に、大臣に、私は教科書問題で通告はしておかなかったんですが、いままでの質疑に関連をいたしまして二点だけお伺いをしておきたいと思います。  今回の問題が新聞、テレビに連日報道をされているわけですが、これが報道されれば報道されるほど、もちろんもう国民は大きな戸惑いを感じていると思います。その中で、私は、わが国の教科書検定制度の仕組み、たとえば委員の任命だとか、審議がどのように行われているとか、あるいは教科書の採択の過程、こういうものが率直に言って国民にはなかなかわからない。この過程がきわめて閉鎖的、不明朗な点が多いのではないか、こういうように感じているわけです。  そこで、これは今後の重要な課題として検討されていくと思うんですが、この教科書検定制度のあり方について大臣として今後どのように検討をされていくのか、あるいはいくつもりがあるのかどうか、その点をまずお伺いします。

小川平二自由民主党文部大臣

○国務大臣(小川平二君) 検定の制度は、改めて申し上げるまでもなく、教育の水準を全国的に同一に保つという要請、あるいはまた、当然のことでございますが、誤ったことを教えてはならないという要請、これを受けてつくられておるものでございますが、御高承のとおり、教科書の編集、発行、検定、採択、給与等を含めて、教科書のあり方について中央教育審議会に諮問を申し上げておるわけでございます。遠からず答申がいただけると存じておりますが、答申をいただきましたならばその趣旨を十分尊重して検討していきたい、こう考えております。

伊藤郁男民社党・国民連合

○伊藤郁男君 それから、第二点ですけれども、大臣、これ質疑を通じましても、再三謙虚に中国や韓国の批判を受けとめていきたい、そしてかつ円満に解決をしていきたいと。このことはきわめて重要なことですから、それは当然そうなんですけれども、そこで、その謙虚に受けとめていくという意味の中に、いま最大の問題になっている用語の改訂の問題、いわゆる「侵入」を「侵略」に改めるのかどうかですね、謙虚に受けとめるという意味の中にはそういうことも含めているのかどうか、この点お伺いをします。

小川平二自由民主党文部大臣

○国務大臣(小川平二君) たとえば中国あるいは韓国の申し入れに対しまして、これは日本の内政問題であるから要らざる世話をやいてもらいたくない、かようなことを申しますれば、これはきわめて高飛車な、謙虚ならざる態度でございましょう。私はさようなことを申してはならないと考えておるわけでございまして、日本の国の検定の制度、仕組みその他に精通しておらない人が新聞の報道だけで判断いたしまする場合に、たとえば仰せの「侵略」という字句を改めたという点につきましても、あたかも文部省が強制して一切の教科書の原稿本から「侵略」という言葉を削除せしめたように理解をしたとしてもこれはあるいはきわめて自然のことかもしれない、そういう点を念頭に置きまして先方の対応を見る、さような意味で謙虚にということを申しておるわけでございます。

伊藤郁男民社党・国民連合

○伊藤郁男君 教科書問題はそれだけにしておきたいと思います。  そこで、これは発議者にお伺いをしておきたいんですが、今度の法改正で若干心配な点がありますのでお伺いをしていきたいわけですが、先ほどもお答えの中で三年間の延長根拠をお伺いしたんですが、よく根拠が私まだ納得できないところがあるわけです。しかも、三年間延長した後で、その三年間の間、法人化の見通し、これもなかなかむずかしい、はっきりした見通しがなかなか聞けない、こういうところに私不満を感じておるわけです。  そこで、具体的にお伺いをするんですが、零歳から四歳の幼児、これから一体ふえていくのか減っていくのかですね、きわめて急速に減ってきているんだろう、こういう話なんですが、今後の見通しとして一体どういうように変化していくのか、どの程度一体減っていくのか、この点の数字がわかりましたらお伺いします。

鈴木勲文部省初等中等教育局長

○政府委員(鈴木勲君) わが国の今後の年間の出生数の推移でございますが、五十六年十一月の厚生省の人口問題研究所の予測、これは「日本の将来人口新推計」でございますが、五十五年の国勢調査をベースにいたしました推計によりますと、昭和四十八年が二百九万人あったわけでございますが、それから四十九年の石油ショックのときに急激な減少がございまして、それ以後ずっと年間約五万ないし六万という形で逓減をしておりまして、昭和六十一年が百三十六万人まで逓減いたすような傾向になっております。六十二年からは漸増と申しますか、若干回復してまいりますが、かなりその回復のカーブは緩やかである、そういう状況でございます。

伊藤郁男民社党・国民連合

○伊藤郁男君 そうすると、厚生省の推計によりますと、五十七年、五十八年、五十九年、六十年、この法案の三年延長の期間、この期間は減り続ける、しかもそれが百三十九万人、百四十万人程度にも達する、こういう数字になっているわけですね。そこで、もうすでにそういう幼児が減っていくという傾向の中で、経営的な面から幼稚園と保育所の幼児の奪い合い現象、これはもうすでに始まっていると思うんですが、そうすると、いまの推計からいきますとさらにこれが奪い合い現象というのが激しくなっていくというように思うんですが、その点の見通しどうなんでしょうか。

鈴木勲文部省初等中等教育局長

○政府委員(鈴木勲君) これは先生御高承のとおり、幼稚園と保育所との配置の状況は都道府県の歴史的な経緯によりましてかなり異なっているわけでございまして、長野県等におきましては保育所が多いとかあるいは香川県におきましては幼稚園が多いというふうに、幼保の配置の実態は地域によりまして異なるわけでございまして、まだ地域によりましては普及が十分徹底していないというところもあるわけでございます。しかしまた、過密地域等におきましては幼児数の急速な減少とかそういうことで幼稚園と保育所との間に御指摘のようなことがあろうかということが推察されるわけでございます。  文部省といたしましては、そういうことにつきましては大変厳しい状況ではございますけれども、幼稚園と保育所との適正配置という観点から、これは厚生省とも協議をいたしまして都道府県に両者の普及については十分連絡し合いまして計画的に進めるよう指導しているところでございますけれども、今後ともその指導を徹底してまいりたいというふうに考えております。

伊藤郁男民社党・国民連合

○伊藤郁男君 結局そういう地域にはバラつきはあるけれども、幼児の奪い合いというのは激しくなっていくだろうという推定ですね。そうすると、そういう奪い合い現象の中で経営基盤の強い幼稚園は残っていく、あるいは学校法人になっているようなところは残っていく、ところが経営基盤の弱いのは結局そういう競争の中で廃園に追い込まれていくのもかなり出てくるのではないか、あるいはますます経営が困難になってくる、幼児が減るために困難になってぐる、そういう見通しの中で果たして幼稚園というのが法人化に踏み切っていくのだろうか、法人化に踏み切るよりも廃業した方がいいとか、そういうように意識が変化していくのではないかということを私は心配をしているわけです。その辺のどうなんですか、見通しというんですか、もし見解がございましたら発議者にお伺いしたいと思います。

西岡武夫自由民主党

○衆議院議員(西岡武夫君) お答えいたします。  ただいま御指摘のように確かに幼稚園経営をめぐる環境というものは非常に厳しい状況になってきているわけでございまして、それだけに先刻来お答えを申し上げておりますように、今回の三年間の特別の措置の延長がお認めいただけますならば、この間に将来の幼児教育についての行政の方向づけというものを明確に打ち出す。何と申しましても経営に対する不安ということが学校法人化を阻害している最大の原因になっているわけでございますので、そうしたことが明確に打ち出されることによってかなりの幼稚園の皆さん方が学校法人化への具体的な努力に踏み出していただけるものであると、このように期待をいたしているところでございます。

伊藤郁男民社党・国民連合

○伊藤郁男君 そうすると、そういう方向づけというのはもう早くやらなきゃいかぬですね。とにかく一、二年の間には明確にしておかないと、すでにもう急速に減っていっているわけですからね、先ほどのように、予想とすれば激しい児童争奪戦が行われる、その過程で基盤の弱いのがつぶれていく、法人化どころではない、こういう話になると思いますので、その点は早急にそういう方向を打ち出していただきたい。これは希望しておきます。  そこで、これは文部省の方にお伺いをするわけですが、これは衆議院でもこの法案に関連をして附帯決議がつけられておるわけです。附帯決議の効力についてはここで云々するつもりはありませんが、附帯決議というのはどうも委員会の最後のときに各党一致の線でしゃんしゃんと決まって、そして最後に大臣が誠実に努力すると、これで終わってしまうんですね。非常にその辺が残念でならぬわけです。そこで、今回の衆議院で行われました附帯決議に関連をしてお伺いをしておきたいわけです。この衆議院の文教委員会における附帯決議の中で、一つは「補助金の交付を受けた学校法人以外の私立の学校の設置者で学校法人化をなし得なかった者について、なし得なかった理由及び経過についての報告書を提出させること。」と、こうなっているわけですね。これはぜひやっていただきたいと思うんです。  そこで、この決議について文部省としてはこの点をどのように受けとめて、どのような形で報告を求めていきたいと考えておられるか。まだ法案全部成立しておりませんからでしょうけれども、この辺は何とかしてこういうことをやっていきたいという気持ちもあるやに先ほどの質疑で聞いておりますので、どのような内容で報告書を提出さしていきたいと考えておりますか、御見解をお伺いします。

阿部充夫文部省管理局長

○政府委員(阿部充夫君) 附帯決議に関しましては、衆議院での審議の際に大臣からもお答えいたしましたように、誠実にこれを対応して考えてまいりたいと思っておるわけでございますが、ただいま御指摘のございました五年間の期限が経過したにもかかわらず学校法人化をなし得なかった幼稚園について、その理由あるいは経過について報告を受けるべきだという御指摘につきましては、この附帯決議の趣旨を十分踏まえまして、また具体的な措置につきましては都道府県側と相談をしながら進めたいと思っておりますが、御趣旨に沿った措置をとりたいと考えております。

伊藤郁男民社党・国民連合

○伊藤郁男君 それから、この決議に関連をして、もう一つお伺いをしておくわけですが、この決議で、今回の期限延長に伴い、引き続き補助金の交付を受けようとする者については補助金の交付に先立ち、学校法人化への計画及び学校法人化への努力を誠実に行う旨の文書を提出させてほしい、これが決議に盛られているわけですが、この点について文部省としてはこれをどのように受けとめて、これを実行していく考えがおありなのかどうか、この点をお伺いしておきます。

阿部充夫文部省管理局長

○政府委員(阿部充夫君) 当初の五年の期限が経過したにもかかわらず学校法人化をなし得なかった幼稚園、現在のところ四百八十園あるわけでございますけれども、これらが今回の延長に伴い、引き続き補助金の交付を受けようとする場合にはその計画あるいは法人化への努力を誠実に行うという旨の確認をせよという附帯決議の御趣旨だと承っております。これも先ほど申し上げましたことと同様に、具体的な方法については、文書等によることをもちろん考えておりますが、内容等につきましては都道府県側の御意見も聞きながら、この趣旨に沿った対応を考えてまいりたいと思います。

伊藤郁男民社党・国民連合

○伊藤郁男君 ぜひひとつお願いを申し上げておきます。  それから、それと関連をするわけですが、法人化への計画書が出されて、しかし、その計画書の中身を見て、これはもう明らかに学校法人化はできないと、不可能だと、こういうように認定するというんですか、考えた場合に、国庫補助の交付の延長を行うべきではないと思うんですけれども、その点についてはどうですか。

阿部充夫文部省管理局長

○政府委員(阿部充夫君) これまでも補助金を受けた幼稚園につきまして、学校法人化への努力が十分でないとか、あるいは実現の見込みが乏しいといったようなケースにつきましては御辞退を願うということも行ってまいったわけでございまして、これまで五年間で九十四園がそういう意味で辞退を願っておるわけでございますが、今回の新しい制度に伴いましても、これまでのその努力の状況でございますとか、あるいは今後の計画、決意のほど等につきまして一層十分に精査をいたしまして、補助金を継続するか否かの判断はそれによって行いたいと思っているわけでございます。その結果、志向園と認められないというようなケースが出てまいりました場合には、補助金の交付をしないということも当然あり得ることだと考えております。

伊藤郁男民社党・国民連合

○伊藤郁男君 この三年の間に法人化への努力をするということで誓約書も出し、計画も立てられておった。しかし三年たったら法人化ができなかったと、しかし三年間の間は補助金をいただいておりましたと、こういう場合、わが党の中村委員もこの委員会でこの点に関して質疑を行っているようですが、そういう場合には、いままで支給していた補助金というものは返還をさせることはできない、こういうことですね。返還をさせることはできないだろうけれども、いままで交付した補助金の相当額の何らかのものをやっぱり返還をさしていくと、こういうことでないと、先ほどからの議論のようにやっぱり不公平感が残っていく。この点はきわめて重要な問題と思うんですが、そのくらいの厳しい態度というものがなければ法人化促進にももちろんならぬと思うんですが、この点の考え方はどうなんでしょうか。その点をお伺いします。

阿部充夫文部省管理局長

○政府委員(阿部充夫君) この法律が成立いたしました暁、三年間延長ということになるわけでございますが、その三年間に学校法人化ができなかったというようなケースが生じました場合の返還の問題についての御指摘でございます。  この点につきましては、経常費補助というこの補助金の性格から見まして、この補助金自体は毎年毎年教職員の人件費あるいは子供たちの教材費という形で消費をされてなくなっていくものでございます。そういう意味で、最終的には子供たちが受益者というかっこうになっておるものでもございますので、そういった補助金の性格から考えますと、これについて学校法人化できなかった場合に返還を求めるというのはなじまないのではないかということで従来から対応してまいっておるわけでございます。  なお、先ほども申し上げましたように、今後の補助金の支出に当たりましては、学校法人化の意思やあるいは計画の確認等につきまして十分精査をいたしまして、従来以上に学校法人化の推進のための指導に努力をし、御指摘のようなケースが少なくなるように最大の努力をいたしたいと思っておるわけでございます。

伊藤郁男民社党・国民連合

○伊藤郁男君 最後になりましたけれども、臨調の答申で、先ほども話がありましたけれども、私学経常費補助の凍結、抑制方針が出されておる。これは高等教育の部門だけだと、こうおっしゃるわけですが、それはそれとして受けとめておきますけれども、そしてかつ、五十八年度の予算編成において一般歳出についてはマイナスシーリングにするという閣議決定も行われておるわけですね。このような状況を受けまして、文部省として、五十八年度予算において私学経常費補助の編成を一体どのように行っていこうと考えておるのか、そして八月三十一日ですか、この日までに提出をしなければならない概算要求額は一体五十七年度と比べるとどの程度ふえるのか減るのか、この辺のところが大変心配でもあり関心のあるところですが、この点のお考えをお聞きして終わります。

小川平二自由民主党文部大臣

○国務大臣(小川平二君) 五十八年度の概算要求につきましては、私学助成等の経常経費につきましてマイナスシーリングという非常に厳しい枠が設定されておりますので、ただいまその取りまとめに、正直に申し上げまして、はなはだ苦慮しておるところでございます。しかし、私学助成が私学の教育、研究条件の維持向上に果たしておりまする役割りはきわめて大きいと考えておりますので、さような認識のもとにあとう限りの努力をする決心でございます。

片山正英自由民主党

○委員長(片山正英君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。  なお、採決は次回に行います。     —————————————

片山正英自由民主党

○委員長(片山正英君) 次に、国立又は公立の大学における外国人教員の任用等に関する特別措置法案を議題といたします。  まず、発議者衆議院議員石橋一弥君から趣旨説明を聴取いたします。石橋君。

石橋一弥自由民主党

○衆議院議員(石橋一弥君) 国立又は公立の大学における外国人教員の任用等に関する特別措置法案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。  急激に進展する国際化の時代にあって、わが国が、今後国際社会の一員として、諸外国と協力、協調しつつ国際社会に対して貢献していくためには、教育、学術、文化の国際交流を一層活発化することが、現下の重要な課題と言わなければなりません。特に大学における研究教育に関しては、国際化の必要性はきわめて大きいものがあります。  しかしながら、現在の国立または公立大学の教授等の任用の制度について見ると、わが国では、従来より公務員に関しては、「公権力の行使又は公の意思の形成への参画にたずさわる公務員となるためには日本国籍を必要とするものと解すべき」との解釈がとられてきているため、今日まで、これらの職に外国人がつくことは認められなかったのであります。  このような現状については、  第一に、大学における研究教育は、真理の探究を旨とし、世界に通ずる普遍的なもので、国際的に開かれたものであるべきであるにもかかわらず、教授等の任用についてこのような閉鎖的な姿勢をとることは、大学の本質から見ても問題があることと考えます。  第二に、いわゆる欧米先進諸国の状況を見ても、すでに早くから外国人に対して、正規の教授等として任用する道を開いており、わが国のような閉鎖的な制度をとっている国は皆無といってよいのであります。  以上、申し述べたようなことから、国立または公立の大学においても、できるだけ有能な外国人を教授等として積極的に採用できる道を開くべきであると考えたものであります。  そして、こうした措置を講ずることは、研究・教育面での国際交流の活発化を促進するのみならず、学問研究の上で、よい意味での国際的な競争関係をつくり出し、学問研究の向上に役立つことと考えたのであります。  以上が本法律案を提出した理由であります。  次に、本法律案の内容について申し上げます。  第一は、国立または公立の大学においては、新たに、外国人を教授、助教授または講師に任用することができることといたしました。  第二は、国立または公立の大学に任用された教授等は、外国人であることを理由として、教授会その他大学の運営に関与する合議制の機関の構成員となり、その議決に加わることを妨げられないものといたしました。  第三は、国立または公立の大学に任用される教授等の任期については、大学管理機関の定めるところによることといたしました。  第四は、国立大学共同利用機関及び大学入試センターにおける外国人職員の任用等についても、大学におけると同様の取り扱いをすることといたしました。  第五は、従来の国家公務員法第二条第七項に規定する勤務の契約による外国人教師・外国人講師制度等は、引き続き存続することといたしております。  以上が、この法律案を提出いたしました理由及びその内容の概要であります。何とぞ、十分御審議の上、速やかに御賛成くださるようお願い申し上げます。

片山正英自由民主党

○委員長(片山正英君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。  本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後三時五十四分散会      —————・—————

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