文教委員会 第11号
- 発言数
- 249 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1982/07/06
会議録
○委員長(片山正英君) ただいまから文教委員会を開会いたします。 まず、理事の補欠選任についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(片山正英君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に佐藤昭夫君を指名いたします。 —————————————
○委員長(片山正英君) 昭和四十四年度以後における私立学校教職員共済組合からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案を議題といたします。 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。小川文部大臣。
○国務大臣(小川平二君) このたび政府から提出いたしました昭和四十四年度以後における私立学校教職員共済組合からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 私立学校教職員共済組合は、昭和二十九年一月に、私立学校教職員の福利厚生を図る目的のもとに、私立学校教職員共済組合法により設立されたものでありますが、それ以後、本共済組合が行う給付については、国公立学校の教職員に対する給付の水準と均衡を保つことをたてまえとし、逐次改善が進められ、現在に至っております。 今回は、昭和五十六年度に引き続き、国公立学校の教職員の年金の額の改定に準じて、私立学校教職員共済組合法の規定による既裁定年金の額の改定等を行うため、この法律案を提出することといたしたのであります。 次にこの法律案の概要について申し上げます。 第一に、私立学校教職員共済組合法の規定による退職年金等の額を、昭和五十六年度の国家公務員の給与の改善内容に基づいて行われる国公立学校の教職員の退職年金等の額の改定に準じ、昭和五十五年度以前の退職者について昭和五十七年五月分から引き上げることといたしております。また、これに伴い、旧私学恩給財団の年金についても同様の引き上げを行うことといたしております。 なお、改定年金額の算定の基礎となる平均標準給与の額が一定額以上の者に支給する退職年金、減額退職年金及び通算退職年金については、国公立学校の教職員に係るこれらの年金の額の改定に準じ、昭和五十八年三月まで、引き上げ額の三分の一の支給を停止することといたしております。 第二に、既裁定の退職年金、廃疾年金及び遺族年金の最低保障額を国公立学校の教職員の既裁定年金の最低保障額の引き上げに準じ、昭和五十七年五月分から引き上げるとともに、遺族年金については同年八月分以後、さらにその額を引き上げることといたしております。 第三に、標準給与の月額の最高額を国公立学校の教職員の掛金等の算定の基礎となる俸給等の限度額の引き上げに準じ四十二万円から四十四万円に引き上げるととも北、最低額についても七万二千円から七万五千円に引き上げることといたしております。 最後に、この法律の施行日につきましては、第一及び第二の改正は昭和五十七年五月一日から、第三の改正は同年四月一日からといたしております。 以上がこの法律案の提案の理由及び内容の概要であります。 何とぞ、十分御審議の上、速やかに御賛成くださいますようお願い申し上げます。 なお、衆議院において施行期日等に関する附則の規定の一部が修正されましたので、念のため申し添えます。
○委員長(片山正英君) これより質疑に入ります。質疑のある方は順次御発言願います。
○粕谷照美君 例年審議をされます私学共済組合法でありますけれども、昨年、おととし、この法律の要綱を私見ました。非常に短いんですね。ことしは長いんですよね。いままでと違う部分があるからこそ今回の要綱は長く書いてあって説明をされていると思いますが、どこが違うのでしょうか。
○政府委員(柳川覺治君) お答え申し上げます。 例年、昭和五十二年度から既裁定年金の額の改定の実施時期が四月となっておりました。今年度はこの面が一月おくれの五月実施ということでございます。その面が一番大きな従来と変わったところと存じます。
○粕谷照美君 もう一つありませんですか。それだけですか。
○政府委員(柳川覺治君) 失礼いたしました。 公務員の給与改定に当たりまして、比較的給与の高い者につきましてはその給与改定の施行を停止した経緯等もございますので、これらに見合いまして高額な所得者につきましての適用につきまして例外措置を設けたということの点でございます。
○粕谷照美君 局長、私も年金をもらっていますけれども、増額分の三分の一停止されるなんといったら大変なことですよね、年金だけで生活している人にしてみれば。それお忘れになるようではちょっと困るなという感じがいましたんですけれども。そういうことになりますと、四月からもらってたものをことしは五月からにします、高額者については上がる分の三分の一は停止しますと。これ、もらう方にしてみれば改正じゃなくて改悪だというふうに考えるわけですけれども、法律が「改定」になっていますけれども、私どもはどうしてもこれは改悪だというふうに考えているわけです。 それで、実施時期を一カ月おくらせるという理由は何でしょうか。
○政府委員(柳川覺治君) 共済年金の改定につきましては、従来ともその実施時期も含めまして恩給の改善措置にならうという扱いを毎年度講じてまいった次第でございまして、今年度の恩給の改善実施時期が本年五月からの改定ということになっていることとの均衡を図りまして、各共済年金とも改定の実施時期を五月としたものでございます。 また、厚生年金、国民年金などの他の公的年金のスライド時期につきましても、昨年と比べまして一カ月それぞれおくらせて実施しておるということ。これらとの均衡の上から私学共済につきましても一カ月おくれの五月実施ということの措置といたしました。
○粕谷照美君 横並びというふうに言っておりますけれども、たとえば原点は厚生年金が変わると、ここから始まっているわけですね。厚生年金に対する国の補助率というのは二〇%ですね。共済に対する補助率というのは一八%。決して横並びじゃないというふうに思っているんです。 それから、私どもはこの一カ月おくれというのは絶対に許せないと、反対だという立場をとっておりますから問題点はたくさんあるというふうに思いますけれども、まず恩給の最高額をもらっている人それからこの私学共済の最高額をもらっている人、これはどのくらいになりますか。
○政府委員(柳川覺治君) いま調べてお答え申し上げます。
○粕谷照美君 それはちょっと技術的な問題ですから、調べて後で報告していただいて結構です。 それで、一カ月おくらせるということで国の補助金はどのくらい助かるといいますか、国の財政の面に貢献をするということになりますでしょうか、金額を教えてください。
○政府委員(柳川覺治君) 私学共済につきましては、一カ月おくらせることによりまして減額いたします費用が五千九百万でございます。このうち国庫補助金は八百万に相当する額でございます。
○粕谷照美君 もう一つ、それでは、算定基礎になる平均標準給与の月額三十六万六千八百六十七円以上の者の三分の一を支給停止する、それで浮くお金というのはどのくらいになりますでしょうか。
○政府委員(柳川覺治君) いま算出いたしまして後ほど御報告させていただきます。
○粕谷照美君 大分時間がかかりますか。
○政府委員(柳川覺治君) ちょっとかかるようでございますが、失礼します。
○粕谷照美君 それでは、現在の私学共済の長期経理の財政状況についてお伺いします。
○政府委員(柳川覺治君) 昭和五十五年度におきます長期経理における収入でございますが、一千百八億円でございます。これに対しまして支出が二百三十五億円でございます。その収入差が八百七十三億円ございます。この収入差につきましては、将来の年金給付のために積み立てておりまして、その累計額は四千六百八十億円となっております。 以上でございます。
○粕谷照美君 数字はいただいた資料の四ページに書いてありますからそれはわかるんです。数字を読み上げてもわからないんですよ。その財政状況というのは非常にいいのか、危ないのか、そういうところを、質問も足りなかったかもしれませんけれども伺っておきたいと思います。
○政府委員(柳川覺治君) いまお答え申し上げましたとおり、四千六百八十億円の累積の積み立てがございますということは、それなりに余裕があるということであろうと思います。 また、この私学共済の長期経理にかかります収支の将来にわたっての見通しにつきましては、昭和五十五年一月に実施いたしました所要財源率の再計算の結果を踏まえまして、さらに組合員数は昭和六十五年度以降一定に見ます。また、給与改定率、年金改定率は八%と踏まえまして、それから資産の運用利回りは七%、掛金率は現在千分の百二でございますが、これを据え置くというような前提のもとに計算いたしますと単年度収入は二十二年後の昭和七十九年度に赤字という状態が参りますし、また、保有資産につきましては、三十年後の昭和八十七年度にこれがゼロになるという状態が見込まれます。 したがいまして、二十二年後あるいは三十年後までの間は、それなりに私学共済の長期経理につきましては、まだ赤字あるいは危機が来るということではない状態が続くというように見られております。
○粕谷照美君 大分時間かかるようですけれども、衆議院でやはり同じような質問をしているのに対して、柳川局長は、大体それは千四百万円ぐらいに該当すると、こう答えていらっしゃるように思うのですが、どうですか。前の部分についての八百万円は同じですけれども。
○政府委員(柳川覺治君) いま計算しておりますので、ちょっと……。
○粕谷照美君 ちょっとその量が出てこないと質問が続かないのですけれどもね。いずれにしろ、八百万円、千四百万円という、合計しても二千二百万円程度のものであれば、長期経理収入というものから見ればきわめて微々たるものだというふうに考えますけれども、その点はいかがですか。
○政府委員(柳川覺治君) 先生御指摘のとおり、共済の国庫補助金に相当しますこの該当部分が八百万ということでございますから、それ自体は先ほど積み立ての保有額が四千六百八十億円ございます。それらとの関係ではそれ自体は金額としては御指摘のとおりかと思います。 ただ、共済制度全般の中での均衡ということの面が強調されている課題でございますので、その面からの取り扱いということで御理解を賜りたいと思うわけでございます。
○粕谷照美君 共済制度全体の均衡ということであれば、それではほかの共済は一体どういう状況になっているか。大きく分けて八つ、しかもその八つの中でも非常にたくさん分かれているわけで、全部を教えてくださいということもありませんけれども、その他の共済では実態はどんなふうになっていますか。
○政府委員(柳川覺治君) 一カ月仮に早めることによりまして増加する額は、農林年金では一億五千三百万円、それから国家公務員共済では十四億円、それから地方職員共済、公立共済、警察共済その他の地方職員共済を合わせますと三十九億円の費用、それから公共企業体共済につきましては二十億円でございます。それから大きなものに恩給がございます。恩給につきましては七十億円を必要とする。また、その他厚生省所管の年金等でございますが、これにつきましては百億円の経費を要する、かなり大きな額が見込まれるわけでございます。
○粕谷照美君 ほかの状態もよくわかるのですけれどもへたとえばものすごい掛金を掛けていて、もう数年先にはパンクをするであろうという国鉄共済なんかにもあるわけですよ。そことなぜ良好なる成績を持っている私学共済が横並びにならなければならないのか、そこがわからないんですね。
○政府委員(柳川覺治君) 成熟度の高い国鉄等とのバランスということが必ずしも当を得ていないのではないかという御指摘は、あるいはその面もあろうかと思いますが、何分にもこの年金の問題につきましては、先ほど来申し上げました全般の共済制度、特に厚生年金、国民年金につきましても六月あるいは七月実施を七月、八月というように一カ月おくらせるという措置をとらざるを得なかったというそれとのやはり均衡ということを私どもも考えた結果でございます。
○粕谷照美君 横並びという問題と同時に、その横並びに共済が一カ月おくらされた、つまり、一カ月おくれになったというその一番の理由はどこにあるんですか。
○政府委員(柳川覺治君) 公務員の給与改定に当たりまして期末・勤勉手当の分につきましては、その支給を差し控えるということの改定がなされまして、その辺が一番の今回のこういう一カ月おくれの措置をとる点であったかというように理解しております。
○粕谷照美君 公務員の給与の改定がなされてなぜ一カ月おくらさなければならなかったのか、それはどういうふうに理解をしていますか。
○政府委員(柳川覺治君) 既裁定年金の額の改定につきましては、それぞれ現に組合員でおられる方々の掛金等に究極において依存する形のものでもございます。その面からどのくらいの額が適当かということの議論はございましたが、最低の一カ月分のおくれということで、期末・勤勉手当の不支給ということとのかかわり合いを調整したということでございます。
○粕谷照美君 じゃ、どのくらいの額が適当かという科学的な根拠は一体どこにあるんですか。納得できるような理由というものを教えていただきたい。
○政府委員(柳川覺治君) 一カ月の相当額がどのような算式になるかということをいま手元に的確な資料を持ってございませんが、この一カ月おくれということが厚生年金、国民年金につきましても同様の措置を講じてきたということで、ベースアップの実施時期につきまして恩給と公的年金とのスライド、実施月等あわせまして、一カ月おくれの結論が出たというように承知しておる次第でございます。
○粕谷照美君 どうも、それは納得できませんね。 大臣、どうでしょうね、これ。公務員の給与が改善をされました。改善されたのはいいんですけれども、年金生活者は、あなたのところは支給を上げる分を一カ月おくらせますよ、公務員はおくらせてないわけですよね、四月実施になっているわけでしょう、給与改定が。なぜ年金生活者の改善が一カ月おくれるようになったんですか。
○国務大臣(小川平二君) 公務員の給与が相当厳しく抑制されまして、期末・勤勉手当の不支給というような措置もとられておるわけでございます。こういう事実に対応いたしまして一カ月おくらせると、このように御理解いただきたいと思います。
○粕谷照美君 言われるところでは、公務員のボーナスに影響があって削減をされたというところから、年金生活者も少しは泣いてもらわなけりゃならない、こういうことで一カ月おくれになった、こういうふうに御説明をなさったと理解をしてよろしいでしょうか。 なお、一そういう理解に立てば、大臣は公務員の給与というものと、年金生活者が年金だけで生活をしている、年金で生活をするということの重みというものをどのように理解をしていらっしゃるかということをお伺いいたしたいと思います。
○政府委員(柳川覺治君) 先ほど来、大臣からも御答弁申し上げましたようなベースアップの経緯、それを踏まえると同時に、もう一つ、臨調の第一次答申におきまして、五十七年度においては恩給費の増加を極力抑制するという指摘がございました。これらも踏まえまして、恩給につきましてそのような措置がとられ、それとのかかわりで、他の年金あるいは共済年金あるいは公的年金制度につきましても一カ月繰り下げのバランスがとられたということでございまして、財政再建の問題、あるいは現におられる公務員のベースアップに対する措置、それらとの関連ということで、このような措置の結果になったということでございます。
○粕谷照美君 年金生活者のもらっている年金の中には公務員のボーナスに該当する部分というものは入っていないと思うんですよね。だから、公務員の方がボーナスについて若干の痛みを受けたからといって、何も年金生活者にそれを該当させる必要はない、こういうふうに思うんですけれども、局長どうですか。
○政府委員(柳川覺治君) 年金受給者につきましては、確かに、ボーナスのような形で年金が支給されるという形態はとっておりません。その限りでは御指摘のとおりかと思いますが、標準給与の算出等に当たりましては、それらの要素が積算の上で組み込まれて標準給与等の積算がなされるということでは必ずしも無縁のことではないというように思います。
○粕谷照美君 局長の御説明は数字を説明していただくだけであって、年金生活者の痛みというものがよくわかっていないし、また、年金生活者が、なぜわれわれが一カ月おくれで支給をされなければならないかということを納得させる御説明でもないように思うわけであります。 それで、私学共済の財政状況は非常にいい、余裕があるということは、私は非常にうれしいことだというふうに思うんです。しっかりと運営もされておりますし大変いいことだと思うんですけれども、ここの財政状況がいいという理由は一体どこにあるというふうに考えたらよろしいでしょうか。
○政府委員(柳川覺治君) いわゆる成熟度という言葉で申されていることかと思いますが、共済組合の私学共済につきましては、組合員の数が五十五年度末現在で三十一万八千九百三人おられます。年金の受給者が九千八百六十人ということで、その成熟度は三・〇九%ということでございます。国家公務員共済その他と比較いたしましてきわめて成熟度が低い。その状態が今日の状態にあるということがいま先生御指摘の最もの理由であろうというように感じます。
○粕谷照美君 成熟度の問題もありますけれども、たとえば「私学共済の概要」、このパンフレットの十三ページにあります組合員数の表をずっと見てみますと、合計三十五万人に対して幼稚園の先生が女だけで七万人ぐらいいらっしゃる。幼稚園の先生というのは、御存じのように、二十代のうんと若い方々で、大体、結婚したらやめるとか、あるいは出産したらやめるとか、そういう条件にいらっしゃる方々が大ぜいいるわけで、こういう若い人たちが年金をもらうような条件なしにやめていらっしゃる。私どもで言えば掛け捨てじゃないかと、こう思われるような感じがあるわけですけれども、そういう方々が非常に多いということも一つの理由になりはしないか。それから、私学で停年制をとっているところ、とっていないところとありますね。この間いらっしゃった方は、うちの学校では八十歳の先生がいらっしゃると。それでその八十歳の先生が一こまの授業がやれないで一時間だけやってあと休んでしまう。生徒は喜んでいるけれども、勉強したい生徒の中には、これは詐欺行為じゃないかといって怒っているなどという話もあります。また、逆に八十歳の先生がいらっしゃるけれども、若い先生よりももっと元気だと、こういうようなお話などもいろいろありました。また、某大学では組合と協議の上で七十歳で停年だと。そうしたら、理事者の方で停年を七十五歳に延ばしてくれとこう言ってきたんで、絶対に反対だと、こういうふうに言っているというのもあります。つまり、そういう高齢者の方々が年金をもらわないで、給料をもらいながらいる、掛金は掛けていくわけですからね。そういう部分なども入っているのではないかというふうに思いますし、この扶養者の数などは他共済に比べて多いのか少ないのか。その辺のところが大変経理の状態がいいという部分に入りはしないだろうか。局長が御説明になった部分は確かに第一番だというふうに思いますけれども、入りはしないかということをお伺いします。
○政府委員(柳川覺治君) 個々の理由につきまして、先生いま御指摘ございましたとおり、短期間の在職者が他の制度に比しまして大変多いということはいま御指摘のとおりでございまして、組合の構成につきまして、幼稚園の教職員の方が二六%を占めておられるというような実態、この勤続年数が比較的短いということは御指摘のとおりでございます。また、年金受給者の年金を受ける時期が平均いたしまして六十三歳というような実態でございますので、その面からも他の公務員共済に比しまして年金受給の発生の時期がおくれているというような面、御指摘のとおりでございます。また、扶養者の数につきましては、私学共済は組合員一人当たり被扶養者の数は〇・八八人でございます。文部共済につきましては一・六二人、それから公立共済につきましては一・一九人という割合でございまして、これまた他の文部共済等に比しましても二分の一の被扶養の状態というような面があろうかと思います。また、私学共済につきましては、制度発足が他の制度に比しまして新しい、また、その間に私立学校の相当の量的な拡大がございまして、それに伴いまして組合員数が大いに伸びてきたというような面の客観情勢がこの中にはあろうかと存じます。
○粕谷照美君 私も新しく私学が次々と出てきて、そして新しい組合員がふえてきたということは、支える人数がふえているわけですから、確かに業績拡大の問題になろうかと思いますが、そういう中で私学には国立大学を停年退職して、あるいは停年にならなくても退職をされてお勤めになるという方々がいらっしゃいますね。こういう人は、そういうところの年金をもらいながら月給をもらうわけですね。私学の先生方は私学を、たとえば停年制があるところもあると思いますが、きのうお亡くなりになられました池田先生なんかもそうですけれども、停年でおやめになってそして年金をもらいながらまた私学にお勤めになるという、そういうことはできるんでしょうか。
○政府委員(柳川覺治君) 現在の共済制度のもとにおきましては、同一の共済の間にございましてはその間の併給ができないという原則の取り組みになっております。したがいまして、先生御指摘の、ある停年を置きましてある年度で退職して退職年金を受ける、その上に公立、国立からおいでになった先生のような形で給与を受けるということは二重の併給ということになりますので、その場合は年金の方の支給が停止されるという取り組みになっておりますので、実際問題としていまその面は不可能な扱いになっております。
○粕谷照美君 局長、私ちょっと説明がよくわからなかったんですがね。私学の先生をおやめになって年金もらって国公立の学校にお勤めになったら、年金もらいながら給与をもらうことができるのか。私学の先生をおやめになって年金もらって、そしてまた、どうぞ来ていただきたいということでまたその私学なり別の私学へ行かれる。そうすると、年金をもらいながら給料をもらうということはできるのか。その辺と、国公立をおやめになって私学へ行った場合にはそういうことができるのか、その辺はいかがですか。
○政府委員(柳川覺治君) 前者の私学をおやめになられまして私学共済の年金受給の該当者であるということであれば年金が当然支給されます。その年金の支給を受けながら国公立の教師としての給与を受けるということは可能でございます。一方、国公立の先生が年金受給者であっても、私学に勤められまして通常の先生方と同じ給与を受けられるということはそれは可能でございますが、私学の教師が私学の勤務の状態におきまして共済組合から年金の受給を受けてさらに給与を受けるという場合は、相当の給与を受けますと、それは年金受給の方を停止する、同一の制度内での給与と年金との併給ということは行わないという原則からそういう扱いになっておるわけでございます。
○粕谷照美君 年金支給と給料をもらうということの上で非常に問題点があるというふうなことも私はいまわかったわけですけれども、さて、問題を前に戻しまして、私学共済が二十二年後には赤字になっていくという試算をしていらっしゃるわけですね。そうすると、他共済も大体そういうことになっていきますと、この年金そのものがもう大変な状況になってくるというふうに考えているのです。厚生年金の保険料というのは、これは昭和七十五年には二〇%近くまで上がるだろう、それから九十五年には三五%と。三五%などになればもうこれは年金というものは破綻に瀕していくんではないか、こういうふうに考えますが、私学共済としては今後三十年、五十年という大きな展望のもとにどのような対処をされようとしているのか、そういう対処の仕方についてのお話し合いなどあるのかどうかお伺いしたいと思います。
○政府委員(柳川覺治君) 私学共済を含めまして共済年金制度のあり方につきましては、大蔵省の方に共済制度の基本的な問題を検討する調査会が設けられておりまして、将来の見通しの上に立って各共済間の制度的な均衡を保つと同時に将来どうあるべきかということにつきましての調査研究会が設けられておりまして、それらとの一連の関係でこの面の検討は進められていくわけでございますが、私ども、私学共済につきましては、先ほど来先生御指摘のとおりまだ若い状態にございます。かなり先にまで一応共済制度としては安定するという課題でございますので、この安定下におきまして私学共済制度の持つ教職員の福利厚生という目的にかなった種々の施策を検討しつつ、より健全な共済へのその時々の適切な対応措置につきましては常時研究を重ねていく必要があるというように感じておるところでございます。
○粕谷照美君 そういう検討はよろしいんですけれども、最終的に私学共済だけで生き残っていけるかどうか。この辺の検討はどうか。生き残っていけるとしたならばそれでいいけれども、そうでないということになれば一体どういうふうなことをいまから考えていくのか。もうそちらの方にお任せしますという態度なのか、私学共済としてはこういう態度を持っていますよということなのか、その辺はいかがですか。
○政府委員(柳川覺治君) 共済制度それぞれ生い立ちの目的を持っておるわけでございます。私学共済が独立したいま共済制度でそれなりに安定しておりますが、その面を十分踏まえながらこの公的年金制度の一元化問題等が指摘されております。そういう中で対応していくということでございましょうし、また文部省といたしましては、公立学校の共済制度もこれまたあるわけでございまして、教職員という立場にございます方々の福利厚生というものは教育の実施の上できわめて大事なことであるということに立ってこの共済制度はつくられておるわけでございますから、その教職員という、あるいは教育という特性が失われない、またその面から不利にならないということに基本を置きましてこの問題につきましては取り組んでいくということであろうかと存じております。
○粕谷照美君 財政の健全化、これはどうしても考えていかなければ二十二年後の赤字がもっと早く来るかもしれない、こういうふうに考えるときに、毎年行われております附帯決議、これはどうしても実行してもらわなければ困る、努力をしなければ困ると、こういうふうに考えているんです。 それで、附帯決議の中に「長期給付に要する費用に対する国の補助率を百分の二十以上に引き上げるよう努めること。」と、この辺についてはいままでの経過ではどのようなことがあったのか。その経過を踏まえて大臣にお伺いしたいのは、この「百分の二十以上にする」ということについて大臣としてはいかがお考えかということでございます。
○政府委員(柳川覺治君) 附帯決議で強く御指摘をいただいております長期給付事業に対する国庫補助の補助率を百分の二十以上まで引き上げるということにつきましては鋭意努力をしてまいったところでございます。 ちなみに、昭和二十九年ごろ百分の十でございましたものが三十年に十五、それから四十一年に十六、それから四十七年に十八というように、それなりの改善が図られておりますが、いま二〇%までは達していない状態でございます。 なお、別途財源調整の措置がなされておりまして、一・八%に相当する財源調整額が予算化されておるというようなことの措置はしてまいっておりますが、今後さらに財政事情等も種々ございますが、この特例適用期間後、財政好転のときにはこの附帯決議の実現につきまして十分検討していくべき課題であるというように感じておるところでございます。
○粕谷照美君 いまの局長の御説明では財政好転のときにはと、こういうふうにおっしゃられましたね。いま非常に財政が大変なときなわけで、文部大臣としてはこの財政好転のときまで百分の二十以上補助金を上げなさいということについての御努力はしかねるというお考えでしょうか、どうでしょう。
○国務大臣(小川平二君) さような趣旨ではございませんが、申すまでもなく、その時々の財政事情というものは勘案しなければならない、無視するわけにはまいりません。しかし、困難な財政状況のもとにおきましてもあとう限りの努力をすべきものと考えております。
○粕谷照美君 大変力強い御回答をいただいたわけですけれども、さてその情勢は行革ムード一辺倒のところで非常に厳しくなっているというふうに思いますけれども、この行革関連特例法第六条第一項、第二項について局長から御説明をいただきたい。その説明は内容と問題点を説明していただきたい。
○政府委員(柳川覺治君) 特例法におきまして私学共済に対する長期給付に要する国庫補助金につきまして百分の十八の国庫補助率が定められておるわけでございますが、財政再建期間の五十九年度までの三カ年におきましてはその四分の一を削減いたしまして四分の三を支給していくということが定められたわけでございます。そのことによりまして、現に五十七年度予算につきましては四分の一削減に相当する十五億円の節減がなされた次第でございます。 それから、百分の十八から四分の一をカットするその差額につきましては、私学共済制度の財政の安全に支障のないよう、その差額の返済その他適切な措置を講ずることにつきまして法律の上で明確な規定がなされておるというのが特例法の内容でございます。
○粕谷照美君 十五億円カットをされまして事業の内容が損なわれることがない、これは私学共済の考え方ですか。
○政府委員(柳川覺治君) このことにつきましては、十五億三千六百五十七万一千円の削減でございますが、この削減によりまして、もちろん現在の給付の内容に当面変更を生ずるものではございませんし、また掛金につきましても影響を与えるということなく現在の積み立てました資金の中で当面の運用はできるということで、この面は組合員の方々に十分御安心いただくよう会議等で御説明をいたしてきているところでございます。
○粕谷照美君 特例適用期間経過後、これは国の財政状況を勘案しながら返すと、こういうことになっているから大丈夫だという判断だと思うんですけれども、これで安心できるのかどうかという疑問が出てくるわけであります、大変なときでありますからね。その辺は大臣としては、これは法案のときに説明をなさった鈴木総理のあの返事でもう確実に大丈夫なんだと、こういうお考えでいらっしゃるかどうかお伺いします。
○国務大臣(小川平二君) 四分の一削減いたしましたこの削減額十五億何がしにつきましては、年金財政の安定を損なうことがありませんように、特例適用期間後に、これは申すまでもございませんが、財政状況を勘案しつつ削減額の補助その他適切な措置を講じるということが法律上規定されておりまするし、前国会の政府答弁におきましても、削減分並びにその利子相当分を合わせて補てんをするということが明らかにされておりまするので、御懸念なきようにお願いいたしたいと思います。
○粕谷照美君 御懸念なきようにと思いながらも、なかなか御懸念があるわけですよ、年金だって一カ月おくらせなさいなんてやられたんではたまったものじゃありませんから。 それで、その「その他の適切な措置を講ずる」というのは、いま大臣がおっしゃった運用利益などというものも勘案して返しますよと、こういうことなのではないかというふうに考えるわけですけれども、一体何年かかってその削減した金を返すというふうな約束があるのかどうか。
○政府委員(柳川覺治君) 御指摘の点につきましては、先生御指摘のとおり、政府答弁におきまして削減分とその利子相当分を合わせまして特例適用期間後に補てんするということでございます。五十九年度の特例適用期間が過ぎました次の年度から直ちにこれが実施されるのか、あるいはそれを何年でもって返還していくのか、一年度で払い切れるのかというような問題につきましては、大臣が御答弁申されましたような財政事情等も踏まえて具体化されていく問題であろうと思います。いまその面につきまして財政当局等との間にこの面の明確な取り交わしはいたしておらないところでございます。
○粕谷照美君 しかし、十五億三千六百五十七万余りカットをされましても大丈夫ですよというほどこの私学共済は財政が安定をしているわけですけれども、財政の問題で言えばもう一つ、責任準備金の充足率というのはどのくらいありますでしょうか。額と同時に、その辺のところのもう少し説明をしていただきたい。
○政府委員(柳川覺治君) 責任準備金の充当率でございますが、五十一年に七一・二%、五十二年七〇・四%、それから五十三年八五・二%、五十四年八八・二%、五十五年九六・〇%ということで、それなりに年々充足を見てまいりまして、近く一〇〇%の充足率に達するであろうということでございます。この責任準備金の充足率が高まりましたことは、この間、この財政の安定化を図ると、また他の掛金との均衡等もございまして、それなりに掛金率を高めてこの面の充足を見てきたという経緯がございます。
○粕谷照美君 掛金率で見れば、五十年の七月まで三十八ですね、それから五十三年の五月までが四十一、これで三上がっているわけです。それからもう一年——一年も足りませんですね、五十四年の三月に四十六、それから五十五年の六月に四十九、さらに五十五年の七月から現在まで五十二・二五ですか、ずいぶん急速に、しかも連続して掛金が上がっている。それに比べて国の補助率というのは三回上がっただけ。四十一年に十五、四十七年に十六、それ以降十八と、こういうことになっているわけですけれども。また、四十七年から考えてみますと、もう十年たっているわけですね。十年間据え置きなんです。こういうことを考えてみますと、充足率が高いといっても、組合員の掛金を高めて充足率を上げている、こういうふうにしか考えられません。近く一〇〇%になるということは、またこの組合員の掛金を上げるということを意味しているのですかどうですか。
○政府委員(柳川覺治君) 昭和五十年八月の掛金率と現在の掛金率を比較いたしますと、先生御指摘のように千分の二十二・五の引き上げでございます。このことは、昭和四十九年度と五十年度におきまして大幅な給与改善がございましたし、また物価上昇も大幅でございました。そのような状況から、将来の年金給付のための責任準備金の充足率が大幅に下がりました。この辺が年金財政の悪化ということでございましたので、この面から五十一年度に財源率の再計算を行いました結果、できる限り組合員の急激な負担は伴わないようにということで、五十三年六月に千分の十、五十四年四月に千分の六と段階的に掛金率を引き上げてまいったところでございます。他の共済組合の掛金率との比較において、必ずしも私学共済の掛金の負担が過重であるということにならないような配慮のもとにこの改定がなされてまいりまして、今日、先ほど来御指摘のとおり、それなりの責任準備金が九六%の充当の状態に達したということの経緯であろうかと思いまして、必ずしも組合員の掛金に対する理解と努力ということを無視して行ったものではもとよりなく、この面につきまして私学関係者の深い御理解、御協力のもとにこの面の安定化を図ってきたという経緯と存じております。
○粕谷照美君 一〇〇%になる……。
○政府委員(柳川覺治君) 先ほどお答え申し上げましたように、現在の掛金率を変更しないというたてまえに立ちまして計算してまいりまして二十二年後に赤字というような状態ということでございますので、さきになされましたような大幅な給与改善あるいは物価の急激な上昇ということの予測し得ない事態がない限り、現状におきましてこの面の掛金の負担につきまして改定を図る考え方はとる必要がないと思っております。
○粕谷照美君 現状のままで上げないで済むということであれば組合員は大変喜ぶわけでありますけれども、もっと財政的に問題があるのは、またこれも例年附帯決議の中にあるんですけれども、「長期給付に対する日本私学振興財団の助成金について、必要な強化措置を講ずるよう努めること。」、ここは一体どういうことになっているでしょう。
○政府委員(柳川覺治君) 私学共済組合は日本私学振興財団から二点につきましての助成を受けるようになっております。一つは、被年金者の年金増額分、恩給分に限りまして、昭和二十九年一月一日前に退職した旧私学恩給財団の年金受給者の年金額及び昭和二十九年一月一日に恩給財団の従前の例によることを選んだ者で昭和三十六年十二月三十一日以前に退職した被年金者の年金額の増額に要する費用につきまして、その百分の八十二を振興財団が持つということでございます。端的に申しまして、旧恩給財団から移ってきた方々のそれぞれの年金額の改定に伴う増額につきましては、百分の八十二を振興財団で見ていくということが行われております。 それからもう一つ、昭和三十七年四月十八日に、当時の振興財団の前身でございます私学振興会と私学共済組合が協議申し合わせた事項によりまして、長期給付財源のうち整理資源、改定に伴う増額分の整理資源の二分の一、これは掛金率で見ますと千分の六相当の額でございますが、これを振興会が、現在の振興財団が補助をしていくということの取り決めがございます。これにつきましては、当初はその実効ある補助がなされておりましたが、その後組合員の増加、いろいろの所要額の増等が生じてまいりまして、現実には、昭和五十三年度は一千万円、千分の〇・〇二相当額と減少してきておりますし、昭和五十四年度にはこの額を倍額いたしまして二千万円にいたしましたが、これまた千分の〇・〇三相当額でございます。五十五年度に一千万上げまして三千万円、千分の〇・〇四相当額でございます。また、五十六年度にも三千三百万円で千分の〇・〇四相当額で、毎年少額ではございますが増額に努力は財団として重ねておるわけでございますが、当初の申し合わせました二分の一相当額にはきわめてほど遠いというのがこの実態でございまして、これにつきましては振興財団の収支になかなかにゆとりが出にくいという面もございます。振興財団はできる限り低利で融資を行いまして私立学校の給付条件の整備に資するということに取り組んでいる、その点の性格もございまして、いま申し上げましたような実情でございます。
○粕谷照美君 三千三百万円まで努力をしたというのはわかります、一年間に三百万円よけいにしたんですからね。それまでは一千万単位で上がってきたのが、今回は三百万円しか上がっていない。この約束どおりの——よく中曽根行管庁長官は「男と男の約束だ」と言うから、これはきっと男と男の約束でなかったのかもしれませんけれどもね。そのきちんとした約束があるにもかかわらず、わずかに千分の〇・〇という数字のつくお金を出しているということについては非常に不信感を持たざるを得ないわけです。もし約束どおりの千分の六であったならば、一体ことしは幾らぐらい出るということになりますか。
○政府委員(柳川覺治君) 五十七年度におきまして千分の六相当額を計算いたしますと、五十三億四千三百十七万八千円というようになります。
○粕谷照美君 五十三億円が三千三百万円だということになると、もう本当にお話にもならない数字だというふうにこう考えますが、来年もなおかっこの点については努力をしてほしいとこういう態度で臨むのか、いやまあ結構でございます、利益金の一部で結構ですという態度で臨むのか、その辺はきちんとしていただきたい。
○政府委員(柳川覺治君) 私学振興財団の収支の状況を見ますと、五十七年度予算案でございますが、利益金が五億九千八百万円見込まれております。このうち、先ほど来申しました二つの私学共済に対する助成金が三億六千九百万円が見込まれております。また、私学研修福祉会に対しまして振興財団は私学の教職員の研究福祉の向上という立場から助成がなされております。これが二億二千九百万円ということでございますので、利益金それ自体が六億足らずという状態でございますから、先ほど申し上げました千分の六相当額、五十三億をどのように実現するか、本当に不可能の状態でございます。したがいまして、この面につきまして附帯決議で御指摘を賜っておるわけでございますが、それには振興財団に対する政府出資金を大幅にふやすとかあるいはいまの貸付利率を若干でも高めていく、それとの見合いというようなことの措置をとらないと、この面の約束ごとと申しますか、三十七年の取り決めを実効あらしめることは大変困難だというように考えられますので、これにつきましては私ども率直に今後いかにあるべきか御意向も承りながら、このままで済ましていく問題でないということを率直にお答え申し上げる次第でございます。
○粕谷照美君 私もそういうふうに思うんですよ。毎回毎回国会決議が出されていて、しかもそれはもう実現不可能だというような状況のものをほうっておくということはないと思うんですね。ただ問題点は、私はその点についてのきちんとした明確な態度がそれぞれの間に出ていないというところがやっぱり問題点だというふうに思うわけであります。それと同時に、私学共済の成績がいいから、まあそっちの方はほかにも配分していることであるし結構でございますという態度があるのじゃないだろうか。この辺のところも先ほどからお伺いしたがったところですが、局長からは明確な御答弁がありませんでしたので、この点については今後の努力に——もっとも今後おやりになるかどうかについてはいろいろな情勢がありますから、別の局長になるかもわかりませんけれども、きちんとした対処をしていただきたいと思います。 さて、そういう私学共済としては成績がいいというにもかかわらず一カ月分のカットをやるということについては私たちは絶対に容認をできないわけでありますけれども、文部大臣、これまた他共済絡みといいますけれども、年金生活者をいじめるような法律というのは早くもとへ戻さなきゃいけないというふうに思うんですけれども、この点についてはいかがお考えですか。他共済とも並んで、年金や恩給とも並んでですけれども、年金生活者がいままで既得権でそういうものなんだと思っていたのに、今度からは四月実施を五月ですよと、こういま法律でやったわけでしょう。そうしたら、今度は新しい法律をつくって、五月をまたもとのように四月に直しますよという、こういう考え方があっていいんじゃないかというふうに思いますけれども、これについてはいかがお考えですか。
○国務大臣(小川平二君) 当面一カ月おくらせざるを得なかった事情につきましては、先ほど来局長からるる御説明申し上げましたところで御了解をいただきたいと存じております。したがって、いまこれを一カ月早めるということは、これはできませんとお答えせざるを得ません。
○粕谷照美君 そうしますとあれですか、ずっとこのままでやっていくと。財政が好転しようが何しようがやっていくという態度でいらっしゃるわけですか。
○国務大臣(小川平二君) 減額されました分は再建期間終了後に利子もあわせて補てんをするということは、国会ですでに政府の言明いたしておるとおりでございます。それ以上にどういう点をお尋ねになっておるのか、私はちょっとのみ込みが悪いものでございますから。
○粕谷照美君 お金は戻りますよね。お金は戻ったけれどもやっぱり四月に直らないで、切り捨てられた五月のままで年金はもらえますよと、こういうことになるのですかということです。
○政府委員(柳川覺治君) 先ほど来申し上げておりますとおり、このたびは臨調の御答申、あるいは直接には公務員のベースアップの態様とかかわったということでございます。私どもも、従来とも例年四月実施ということが恒例でございますので、そのような改善が今後はなされることを期待しておるわけでございますが、これはその年度のベースアップが、給与改定がどうあるかということとの関係の問題であろうと存じます。
○粕谷照美君 もう一つ最後に、年金についてのお尋ねですが、私学共済年金は非常に有利であるというふうに思っておりましたけれども、パンフレットを拝見しますと、十五ページになるわけですが、通算退職年金をもらっている人が、昭和五十三年は一万八千人余り、五十四年が二万一千人余り、これで三千人ふえているわけです。五十五年には二万四千人近くで約二千九百人ふえているんですね。それに比べて純粋ですね、本来の退職者で年金をもらっていらっしゃる方々は五千四百二十六人、六千二百三十二人、七千三十五人。いろいろなものを含めながら退職年金を私学でもらっていらっしゃる人が七千八百、八千七百、九千六百というふうな数字になっている。もう断然通算退職年金を選ぶ人がふえている。この理由は一体どういうことですか。
○政府委員(柳川覺治君) 先生御指摘のとおり、五十三年度退職年金受給者七千八百三十八人のうち通年ルールによるものが五千百七十一人で六六・〇%になってございます。それから、五十四年度が年金受給者八千七百七十二人のうち通年ルールによるものが五千五百八十六人、六三・七%でございます。それから五十五年度におきましては、一九千六百九十六人のうち五千九百四十二人、六一・三%の方々が通年ルールによる年金を受けておるということで、ここ近年六〇%台の方が通年ルールの受給者であるということでございます。また、廃疾年金、遺族年金等につきましては七〇%を超えて通年ルールによる受給を受けておるということでございまして、最近の厚生年金の改定等によりましてこの面の実態になっておるということでございまして、昭和四十九年以降におきまして厚生年金が大幅に給与水準を引き上げたこと等により、このような適用状態になってきたというように存じます。
○粕谷照美君 そういうふうに私学にお勤めになってやめていかれながら厚年との通算ルールをとる、これは国家公務員なんかもずいぶんこの通年ルールをとっているというふうに思いますけれども、その辺についての改革というか打ち合わせというか、そういうものの実態はどうなっておりますか。
○政府委員(柳川覺治君) この問題につきましては各共済と公的年金制度とのかかわりの問題でございますので、先ほど申しました大蔵省に置かれる共済年金制度基本問題研究会におきまして共済年金のあり方が検討されておるわけでございまして、関係各省ともこの面を協議しつつ検討して、よりよき結果を出していくということであろうというように考えておるところでございます。
○粕谷照美君 さっきの数字出ましたか。
○政府委員(柳川覺治君) 私学共済の年金を受けておられる方の最高は五百四万円であろうと推計されます。また、最低保障額は七十二万円というように見込まれますが、このたびの三分の一削減の措置によりましてカットされる総額は七千八百万円でございます。これに対しまして、うち国庫補助は百分の十八でございますので、先生先ほど御指摘のとおり千四百万円が相当額になるわけでございます。
○粕谷照美君 恩給者の最高額はどうですか。
○政府委員(柳川覺治君) 恩給につきましてはちょっといまわかりません。
○粕谷照美君 後で結構です。
○政府委員(柳川覺治君) 問い合わせてお答え申し上げます。
○粕谷照美君 これに関連をいたしまして、直接法律とは関係がないのですけれども、私立大学の歯学部あるいは歯科大学におきまして春の歯科医の試験に問題が漏洩をしたのではないかということが新聞記事に載り、その後厚生省がこれについて具体的に調査をした。そして、昨日のニュースによれば、厚生省の四人の幹部が処分を受けた、こういう事件があります。私は、私学は本当にりっぱな教育をやってもらいたいと思っていながらも、特に新設の歯科大に、連続して文教委員会でも取り上げられました非常に不明朗な入学実態からして、こういうことが起きるのではないかというふうな予測もしておりましたし、いろいろな風聞も耳にしておりましたが、このことについてお伺いをいたします。 厚生省来ておりますから、この調査をどのようになさって、どのような結論を得たかという経過を御説明いただきたい。
○説明員(三井男也君) 春の歯科医師国家試験をめぐりまして、一部疑惑を招くような事態を生じましたことはまことに遺憾に存ずるところでございます。事実の解明につきましては、私どもその全貌を必ずしも明らかにするまでに至りませんでしたが、各委員の事情聴取等の経過を踏まえまして、学生に対しての講義内容の一部及び補講に対する重点事項の指示が国家試験問題出題に関する情報として新聞に報道された事項につながったものではないかとの疑惑も明らかにいたしました。また、先生方が大学教育のお立場において大変微妙なお立場であると申しますか、そのような点については十分理解をいたすわけでございますけれども、私ども国家試験を預かる立場といたしましては、国家試験の出題委員は他の先生方とはおのずから違うものとしてお願いしているつもりでございます。こうしたことが直ちに試験問題の漏洩であり、受験生の不正受験につながったものであるといった判断、そのように直接つながったと判断したわけではございませんが、今後とも国家試験に対する厳正と公正を欠くおそれのある行為につきましては、厳にこれを慎んでいただくよう強くお願いをいたしたいと考えておるところでございます。
○粕谷照美君 本日の審議の主題が私学共済ですから、余り深くやる気持ちもありません。しかし、いま社労の委員会でわが党の対馬委員がこれについては厚生省を相手にきちんと質問をされていると思いますが、私いまの御答弁わからないのです。まず冒頭が「疑惑を招くような」というお話でした。「招くような」じゃなくて、実に招いているわけでしょう。この認識が一つ違うと思います。 それから、漏洩はなかった、こういうふうに判断をしていらっしゃるのか。直接にはつながらないけれども間接につながっていたということであっても、漏洩したんだという判断に立たないで、なかったという判断は一体どこから出てきたのかお伺いします。
○説明員(三井男也君) そのような点につきましては、いま御答弁申し上げましたように、私どもの調査で各委員から事情聴取をいたしまして、いま申し上げましたような教育の場において大変むずかしいお立場であるというような点はわかるわけでございますが、私ども試験をあずかる立場から見れば大変問題があるというふうにも感ずるわけでございますけれども、その試験問題の内容自体が委員の方々から受験生に対して漏らされたというような事実については、残念ながらはっきりさせることができなかったということでございます。
○粕谷照美君 はっきりさせることができなかったというのは、厚生省でははっきりをさせることができなかったと。もっと別の手段を使えばこれがはっきりするようになるのかどうなのか、そこをひとつ伺いたいと思います。
○説明員(三井男也君) その点につきましては、私どもの現在までの知り得た情報では、そのようなことはむずかしいというふうに判断をいたしたわけでございます。
○粕谷照美君 私は文部大臣にお伺いしたいと思うんですが、この文教委員会でも——九州にあります某歯科大学、入学者が決まったのに入学者でない人たちが聴講生としてこの大学に入っていらっしゃった。御本人の御両親から私は直接聞きましたけれども、一人二千五百万円、四人で一億円、学校のお金の中にそれは計算として入っていないわけですね。そして、わきに積まれていた。文部省も学校の落ち度であるということで、そのうちその人たちが三年生に編入をさせてくれというのを、編入はだめだ、二年生だと、こういうことで、それでも編入は認めた、そういう方々が卒業したのが去年。そういう形で卒業した人たちもこの国家試験を受けてちゃんと合格をしているんですね。 それから、これは週刊朝日の精力的な調査ですけれども、国立も含めて大学の名前がずっと上がって、その大学の中から試験委員というものの数が出ていて、その試験委員の数と奇妙に合格率が一致していくというようなことが出ておりますと、国民は歯科医だとか医師だとかに非常に不信感というものを持つと思うんですよね。そういうことはもう卒業生だから文部省には関係ないではなくて、現に文部省の指導のもとに、管轄のもとに教育がずっと六年間行われてそして卒業した、その生徒の中でもう受験対策のための委員会が持たれる、それに教師も深くかかわっているというようなことについてはどのようなお考えをお持ちか、特に今回の事件に関してどういうお考えをお持ちかということを、さらに文部省としてはどのような対策をとりたい、とってきたということについての御意見をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(小川平二君) 今度の事件はまことに遺憾な事件だと存じております。 問題になっております事柄は、授業中の教授の発言に疑惑が持たれたということ、要するに授業のあり方の問題でございます。もう一つは、学生の受験対策としてやっておりまする活動が明らかに過熱しておるんじゃないか、これは生徒指導のあり方の問題でございましょう。 いずれにいたしましても、漏洩の事実そのものがまだ必ずしも解明されておらないということもございまするし、一面において大学の自治ということもございますから、慎重に対応していくべき問題と考えております。そこで、厚生省とも連絡をいたしまして、歯学の視学委員会の意見も聞きましたり、あるいは私立歯科大学協会等の意見も聞きまして適切に対処してまいりたいと思っております。 それから、国家試験のあり方についてただいまいろいろお話がございました。それらの事実については私直接耳にしておりませんけれども、国家試験のあり方につきましては近々に厚生省において検討を開始なさると聞いておりまするので、文部省としても積極的に協力をしてまいりたいと、こう考えております。
○粕谷照美君 大学局長にお伺いしますけれども、生徒がこんなに試験対策に必死になっているというのはほかには余り見られないと思うんですけれども、これ一体原因はどこにあるというふうにお考えですか。
○政府委員(宮地貫一君) ただいま大臣からもお答えいたしました点に関連するわけでございまして、学生側の活動としていわゆる国試対策委員会というようなものが設けられて、情報収集ということが過熱をしているんではないかという点が問題点の一つということで指摘をされることかと思うわけでございます。問題は、医学についても同様でございますが、歯科大学、歯学部というのは歯科医師の養成ということを基本的には目的としているわけでございまして、歯科医師になるための歯科医師国家試験という制度がございまして、その試験に合格しなければ歯科医師になれないという仕組みでございますので、大学側においても学生側においても、歯科医師の養成ということから見れば、学生自身についても国家試験の合格ということに関心を持つということは、これはある意味では当然ではないかというぐあいに考えます。問題はその点が非常に過熱した状況になっているという点については確かに問題点があろうかと思いますので、私ども大学当局に対しても、そういう点については行き過ぎについて十分指導をしなければならない点はあろうかと思っております。ただいま大臣がお答えいたしましたように、歯学の視学委員会でございますとか、あるいは私立歯科大学協会の関係者等ともそれらの点について協議をしながら対応をしてまいりたいと、かように考えます。
○粕谷照美君 私は、なぜそういう過熱した実態が出てくるのかということについての大学局長の分析をお伺いしたかったわけです。もう常識になっているわけでありまして、入学するに当たっては多額の裏口入学金を納めたり、裏口でもうこのごろはなくなったように、合格の翌日電話が行くなどというような、堂々たる、文部省指導などもうどこ吹く風かといったような、お金を納めて高い授業料を払って、そうして歯科医師になるための医学教育を長いこと受けてきた人たちが、一回の試験でどうしても合格をしなければならないという、そこのところなんですね。実力があればそんなに心配することないわけですよ。実力がないのに入学して卒業させてもらって、そうしてどうしても試験に通らなきゃならないからこういうことが出てくるんだというふうに思いますけれども、その辺はいかがですか。
○政府委員(宮地貫一君) 御指摘の点は、一般論として従来から特に私立の医科大学なり歯学部、歯科大学について指摘されております点については、私ども大学教育の本来のあり方という観点からかねて指導もしてきている点でございます。長期的に見れば、私立の医科大学なり歯学部、歯科大学について、そういう点について鋭意努力をして改善の方向に向かっているということは私ども対応をしておりまして、そのように感じているわけでございまして、御指摘のような国家試験に受からないような者について、大学側としては、さらに歯科医師の養成なりを目的としているところであれば、試験に受かるように指導するということもこれまた大学の立場として当然出てくるわけでございます。それらの点について、本来入学者についてそれぞれ歯科医師なり医師として適性を持った者を入学させるということがやはり基本的に大事なことは御指摘を待つまでもないことでございまして、そういう大学のあり方、本来歯科医師なら歯科医師を養成するための大学としては、それの適性を持った者を入学させるように入学の段階でも十分留意することは申すまでもないことでございます。そういう点については私どもとしてもかねて指導もいたしておりますし、そういう点は漸次改善を見つつあるということも言えるんではないかと思います。その努力を今後とも一層いたしたいと、かように考えております。
○粕谷照美君 私は、私学ばかりじゃない、国立にもあったわけですからね、先生の姿勢というものも非常に厳しく問われなければならないというふうに思っているわけです。で、そういう関係者の方々とお話をしてなんてものじゃなくて、文部省は毅然たる態度で私は指導すべきだ、こういうふうに考えます。自分の息子が試験を受けるのだ、その親が試験委員になるなんてとうてい考えられない。そういうことを黙っていままで許していたというところに問題があるんだというふうに思いますが、厚生省としては今回の事件にかんがみて、これからこういうような事件が起きてこないような対策というものについて会合を重ねられ、研究を積み重ねていらっしゃると思いますけれども、その辺はどうなっておりますか。
○説明員(三井男也君) 再発防止のために、早急に学識経験者からなる歯科医師国家試験制度改善委員会を発足させまして、来春の試験方法の着実な改善が図られるよう現在進めておるところでございます。また、文部省からも御意見をちょうだいいたしましてこの改善に対処する考えでございます。
○粕谷照美君 来秋のってことになりますと、今秋は試験をやらないと、こういうことになるんですか。いままでどおりやると、こういうことですか。もしやるとすれば時期はいつごろになりますか。
○説明員(三井男也君) ちょっと発音が悪くて……。 この秋の試験につきましては現在スケジュールどおり進んでおりますが、来年の春の試験には一つでも二つでもこの改善委員会の御意見を反映させていきたいと考えております。
○粕谷照美君 最後にもう一つ伺いますけれど、大学側に問題があった、学生の態度もよろしくなかった、しかし疑惑を招くようなことはあったけれども事実についてはわからなかったという、ここのところは私はどうしても納得ができません。非常に弱腰の態度だというふうに思いますが、こういうところにきた厚生省の反省が何もないんですね。試験委員に問題がある、学生に問題があるということは出ていても、厚生省そのものの反省が何にもありませんが、その辺は処分をされたという厚生省の反省は一体何ですか、理由は。
○説明員(三井男也君) 私ども事務当局におきましても、国家試験の事務の取り扱い、保管等につきましては再チェックをいたしまして、その点について改められる点については改めて、この事件を契機に改めてまいっております。そのようなことから、今後そのような点については起こり得ないであろうというふうに考えるわけでございます。
○粕谷照美君 そこのところもう少しはっきり言いなさい。厚生省としてはこういうミスがありました、だから幹部がこういうことになりましたというその具体的なことが挙がらなければ、私たちは厚生省においてどのような問題点があったのかということを知ることができない。新聞に出ていることはこれは私たちはそうかなあとは思っても、正しい報告というふうには受けとっていないわけですから、責任ある役所として御報告をいただきたい。
○説明員(三井男也君) 私ども事務的な問題につきましては、この問題が起こりました当初あわせて事務点検をいたしまして、その中では、この試験に大きな影響を与えるような点ではないのではないかというふうに考えておったわけでございますが、各委員の事情聴取の中で、私どもの事務指導の中で、国家試験の選定会議等に使用いたしますメモの持ち出しということについては先生方に御注意を申し上げておったわけでございますが、その委員の一名の方がそのメモ等も持ち帰っておられたという事実については私ども深く反省をしておるところでございます。
○粕谷照美君 最近虫歯を持つ子供の数が減ってきた、歯医者数がふえてきた。今度は国民の方がいい歯医者を選ぶ時期にきた。いままでは歯医者さんが少なかったわけですから、そういう時期にこの試験そのものが非常に甘いという状況の中で出てきたお医者さんが日本国じゅうに蔓延をするということは非常に心配なことでありますので、今後きちんとしていただきたいというふうに思っております。 最後に大臣にお願いをしておきたいのは、私たちはこの法律に反対ですから修正案を出しますけれども、しかし、衆議院の情勢などを見てもこれは通るかもしれません。しかし、こういう法律が通っていって年金生活者の厳しい生活条件をますます悪くするようなことをいつまでも許しておくわけにはいかないというふうに思いますので、今後とも大臣におきましては、私学共済並びに国公共済と、いろいろ年金は横並びでありますけれども、年金が充実をいたしますように御努力をいただきたいというふうに思いますがいかがでしょう。
○国務大臣(小川平二君) 財政の状況は御高承のとおりでございますので、いろいろ思うに任せない点も多々ございますが、御趣旨を体して努力をするつもりでございます。
○粕谷照美君 終わります。
○田沢智治君 今日のわが国は高度福祉社会を急速に迎えた結果また国民の平均寿命が年々延びつつある、高齢者の生活をどのように維持し向上するかが大きな社会的問題となっていることは周知のとおりであると思います。 そこで、老後の生活を維持し向上するための重要な施策の一つとして、各種年金制度の充実が今後とも必要であると私は思うのでございますが、文部大臣の御所見をお伺いしたいと存じます。
○国務大臣(小川平二君) ただいま仰せのように、高齢化社会を目の前に控えまして、年金の問題は医療問題とともにきわめて重要な国家的な課題になっておると、かように認識いたしております。私学共済年金につきましても他の公的年金制度の動向を踏まえまして充実を図ってまいるつもりでございます。
○田沢智治君 そこで、老後の生活を維持し向上するためにはいろいろな施策があるかと存じますが、現在国公私立間の年金制度が八つの種類に分かれ、それぞれ異なった条件のもとに運用されていると聞いておるのでございますが、その実態はどうなっていますか、簡単に御説明をいただければと思います。
○政府委員(柳川覺治君) 先生御指摘のとおり、わが国の公的年金制度は八つに分かれておりまして、それぞれ給付の水準、負担割合、国庫負担等につきまして、制度間に若干の格差がございます。最終的にこれらの制度間の不公平がないようにしていくということで、いま共済制度全体につきましての相互の均衡を保つ方向で取り組んでおるところでございます。 教職員の関係につきましてはもとより、本日改定をお願いいたしております私立学校につきましては私学共済がございます。また公立学校につきましての公立共済あるいは国立学校関係の文部共済、これらを仮に掛金を見ますと、本人負担分、使用者負担分等見まして、本人と原則折半負担でございますから、この面につきましては、私学共済が千分の四十八・二五、公立共済は千分の五十二、文部共済は千分の五十一・五というように、この辺の掛金率につきましても負担割合が若干異になっておるというような状態でございます。
○田沢智治君 現在、私立学校教職員共済組合からの年金の受給者数と標準月額は幾らぐらい給付されていますか。
○政府委員(柳川覺治君) 現在、退職年金の受給者が九千六百九十六人ございます。一人当たりの年金額は百三十四万二千三百三円でございます。月額にいたしまして十一万一千円という状態でございます。
○田沢智治君 この標準月額は文部共済、公立共済に比べてどのような位置づけになられますか。——およそ、高い分野に入るんですか、中くらいの分野に入るんですか。およそでよろしゅうございますが、後で資料をちょうだいいたしたいと思います。
○政府委員(柳川覺治君) いま数字を調べておりますが、勤続年数等が必ずしも公立に比して長くないというような実態もあるようでございまして、全体としては、平均としては公立よりも低いのかもしらぬというような状態にございます。
○田沢智治君 私も私学共済の年金を将来受ける資格を持っておるんですが、先ほどのお話のように、二十年たっちゃうと果たして掛けた分だけもらえるのかなというような不安が一般的な教職員の中にかなり私はあると思うんです。そういうような意味で、将来的展望というものを含めて、私学共済の現状は非常にいい情勢になっているということも私聞いておるんでございますが、現在の収支の状況と将来の見通し等について御意見を伺いたいと存じます。
○政府委員(柳川覺治君) 五十五年度の長期経理におきます収支の状態でございます。収入一千百八億円、支出二百三十五億円、その差益が八百七十三億円、これを将来の年金給付のための積み立てといたしまして、その積立累計額が四千六百八十億円ということでございます。五十五年の一月に実施いたしました所要財源率の再計算結果を踏まえまして、さらに組合員の数が昭和六十五年度以降は三十四万七千四百二十九人、この組合員数で一定していく、また給与改定率、年金改定率いずれも八%と見込む、あるいは資産運用の利回りは七%といたしまして、さらに掛金率現在の千分の百二を据え置くというそういう前提のもとに計算いたしまして、単年度収入が赤字になるというときが七十九年度、二十二年後ということでございますし、また保有資産につきましては、それぞれ赤字になりました年度収支に充てていくということで保有資産を取り崩してまいりますと、三十年後の八十七年には保有資産がゼロになるという状態でございます。したがいまして、現在の状態で大きな変動がなければ二十年間は安定した体制で進むであろうというような見込みでございます。
○田沢智治君 二十二年後赤字になるだろうというようなお話ですが、これは制度がある限り、これを期待している層も数多くございますので、二十二年後どのような体制で臨んでいくか、長期展望の確立は私は必要だと思うんです。 そこでいま、将来公的年金制度の一元化問題が臨調等でも検討されておると聞いておるのでございますが、そういうような問題を含めて私学共済制度としての基本的な考え方は一体どこへ持っていった方がより豊かな内容充実した制度として位置づけられるのか、いろいろ御検討されておると思いますが、その基本的な考え方をお聞かせいただきたいと思うのでございます。
○政府委員(柳川覺治君) 年金制度の一元化につきましては、今後の年金制度を考えるに当たりまして、究極的には望ましい方向というように政府は考えておるところでございます。しかしながら、各年金制度につきまして、それぞれがその設立の目的、沿革を異にしております。早急にその一元化を図ることはなかなか容易でない問題であるというように考えておるところでございます。そのために他の年金制度との均衡ある発展につきまして、現在いろいろ配慮しながらその調整を図っていくということが当面の取り組みでございまして、今後とも均衡ある発展につきまして配慮してまいるという考え方でおるところでございます。
○田沢智治君 わが国の被用者保険制度の費用の負担は労使折半負担が原則となっていると承知しておりますが、私学共済の掛金折半負担に対して、国と公立高校の共済の場合は本人負担の割合がやや少なく、使用者負担の割合が多少多くなっている話を私は常に耳にするのでございますが、そのように理解してよいのか、また誤解があるとするならばそれは何なのか。さらに国公私立の教職員の掛金の負担率は現実にどうなっているのか、あわせて説明をいただきたいと思います。
○政府委員(柳川覺治君) お答えする前に、先ほどの御答弁漏れいたしました平均年金額の各共済との比較でございます。私学共済につきましては、先ほどお答え申しましたとおり百三十四万二千円でございますが、国立学校の公務員共済におきましては百六十五万四千円、それから公立学校共済にありましては二百一万四千円、それから農林共済は百四万二千円でございまして、私学共済の年金額が国公立に比して低い、そのことは平均の加入期間が短いことによると見られます。ちなみに私学共済の退職年金受給者の期間は二十四・二年でございましたが、国立学校関係国家公務員共済につきましては約三十年が加入期間になっておるという、そのような状態からだと思います。 以上、答弁漏れを補足させていただきました。 いま御指摘の負担の問題でございますが、私学共済組合の掛金につきましては、共済組合法の第二十八条の規定に基づきまして、組合員と学校法人等が掛金を折半負担するということになっております。大体他の年金制度につきましても労使折半負担ということが原則でございます。そのことによっておるわけでございます。いま私学共済につきましての掛金率は、本人が千分の四十八・二五、使用者である学校法人が千分の四十八・二五でございます。これに対しまして公立学校に勤務する教職員の共済組合における掛金の負担割合は、教職員の本人負担が百分の四十二・五でございます。それに対しまして使用者側でございます地方公共団体の負担が百分の五十七・五というようになってございます。この百分の五十七・五の負担の中には、使用者である地方公共団体がいわゆる公経済負担分として百分の十五を負担する。これは、私学共済につきましては百分の十八の国庫補助がございます。また厚生年金につきましても百分の二十の国庫補助がございます。それらの公経済負担分に社会保障制度の立場から保障しておる、その部分がこの地方公共団体の負担として百分の十五が加わっておりますので、使用者と教職員という関係におきましてはこの公経済負担分を除きますと、それぞれ折半負担ということになっておりまして、教職員の分は百分の四十二・五、地方公共団体の負担割合も百分の四十二・五という割合になっておるわけであります。この百分の十五に相当するところが公経済負担ということで、現在百分の十八が私学共済に補助されておるということであろうと思います。また、都道府県が実際に長期給付につきまして千分の八に相当する額を補助しております。これらが掛金の負担割合にいたしますと二%、本人分が千分の四、使用者分が千分の四でございますので、この辺のことが都道府県補助でもさらに加わっておるということから、現在本人負担が千分の四十八・二五、使用者負担が同額千分の四十八・二五という状態になっておる次第でございます。
○田沢智治君 大体公経済負担分は私学共済においても百分の十八は来ている、だから、公立、国立等の共済組合の負担分というものが使用者負担に積まれておるから実質本人負担の数字が減っているというようになっているんだという御説明をされておるのでございますが、この件については、法律では折半負担という現実はあるわけでございますが、最近私学の労使関係の中で、四対六の割合で負担し、経営者側が六、組合側が四というような一つの考えのもとに実質賃金の向上を目指す一つの動きがあることは御承知かと私は思っておるんです。私は、基本的な面で、働く方々に経済負担を軽減するということについては一般論として賛成でございます。しかし、法律では掛金が折半であるという現実になっているということだとするならば、この折半の法律がある限り、これを曲げて使用者側が余分に負担するということができるものであるかどうか、この辺のところをひとつ管理局長の御答弁をいただきたいと思います。
○政府委員(柳川覺治君) 御指摘のように、先ほど申しました負担割合が、公立共済にございましては教職員本人の負担割合が百分の四十二・五の割合でございまして地方公共団体の割合が五十七・五ということは六、四ということが言われておるわけでございますが、この分につきましては、先ほどの公経済負担分百分の十五が加わっておるということでございます。私学共済につきましては百分の十八の国庫補助が公経済負担として出されておりまして、それを差し引きまして、あるいは都道府県の千分の八の補助も差し引きました上で、折半負担ということになっておるわけでございます。 その面を実際の掛金率でいま比較を申し上げますと、先ほど申しましたとおり、私学共済は千分の四十八・二五が本人及び使用者の同額負担でなっておりますが、公立共済は千分の五十二の掛金でございます。また使用者が千分の五十二の掛金を同額出すということの掛金の率になっておるわけでございます。国家公務員の文部共済も千分の五十一・五が本人の負担であり、また同額の割合で掛金を使用者が出資しているということでございまして、この本人の教職員自体の掛金率につきましては、公立共済、国家公務員共済に比しまして低い割合になっておるということでございまして、この面が将来私学共済の共済財政が不安定になってくるということで、この面にかなりのてこ入れをしなければならぬという状態になりますと問題であろうと思いますが、現状におきましては、先ほど来先生も御指摘のとおり、それなりの安定している状態でございますから、この面から決して私学共済につきましての掛金率が公立共済に比しまして不利になっておるということではないというように私ども承知しておるところでございます。
○田沢智治君 実態はよくわかったのでございますが、やはり組合員の方々が年々充実した共済制度の確立を求める、これは当然だと私は思うんです。そういう意味において、今度は附帯決議の中に全党一致で採択されるだろうと思うのでございますが、国庫補助の百分の二十以上、そういう方向に一日も早くやはり前向きの姿勢で文部省も取り組んでいただいて、働く方々も含めて少なくとも共済組合の所期の目的を確立していく、こういう努力が私は必要だろうと思うのでございます。 そういう中で、共済組合が福祉事業の一環として宿泊施設の運営を行っておると思うのでございますが、設備投資の過剰とか、運営が果たして合理的にいっているのかどうか、こういうような問題も含めて、設備投資が多ければ多いほど組合員の実態の内容が薄らいでくるというようなことが将来あるということは私はいかぬと思うんです。そういう意味で、今後における施設の設置についての基本的な考えがあれば、そういうものも含めてお答えをいただきたいと思います。
○政府委員(柳川覺治君) 私学共済組合が組合員の職員の方々またその家族の方々のために宿泊あるいは保養の利用に供するための福祉施設関係を整備してその福祉の増進を図ることは、共済組合の目的として大変大事なことであろうと思います。すでに会館につきましては四カ所、北海道、東京、愛知、九州に設けられております。また宿泊所につきましては、松島、湯河原、箱根、金沢、熱川、有馬、白浜、別府の八カ所にその施設が設けられております。また保養所といたしまして、蔵王、赤城、志賀高原、鎌倉、葉山、那須、道後のそれぞれゆかりのある地に七カ所の施設が設置され経営を行っておるところでございます。また、現に大阪に新しく会館が建設中でございまして、近くその竣工を見るということでございますし、京都の宿泊所の建てかえもいま進めておるというところでございます。 私学共済組合はこれに加入している学校が一万二千五百校ございます。組合員の数は三十二万四千人、その被扶養者が二十八万二千人おられまして、それぞれ全国に広範にわたっておられるわけでございまして、公立共済組合のように都道府県単位に支部組織をいま持っておりません。したがいまして、きめの細かい福祉厚生事業に必ずしも円滑にいかないという面もございますので、昭和四十九年度におきまして、全国を七ブロックに分けましてそれぞれに会館を設置していくということを進めておるところでございまして、宿泊事業のほか、この会館で支部的な機能、事業も行うような計画が予定されております。設置済みの四ブロックの会館、建設中の大阪会館のほか、近く宮城につきましては用地取得済みでございますし、広島にも今後会館を建設すべく計画を進めておるところでございます。これらのすでに設置計画に盛り込まれました会館のほか、今後福祉施設としての必要性あるいは経営の健全性、組合員の要求の度合いなどを考慮いたしまして、その設置につきましては私学共済組合において慎重にかつ的確に対応していくよう取り組んでおると承知しております。
○田沢智治君 最後に文部大臣に決意のほどをお伺いしたいのでございますが、私学共済年金に対する将来的展望を先ほど聞かせていただき、さらにこれを総合施策の中で国の助成率を高めながら充実改善していくという施策がなくてはならぬものと私は思っておるんです。そういう施策を打ち立てて進めることは、教職員に対して安心して退職後の生活をより保障する環境づくりをつくることになると思うのでございます。そういう環境の展望があればあるほど、私学の教育の充実を図る上においては、先生方は一生懸命教鞭に励み、児童生徒、学生等に対する情熱をさらに注ぐことができると思います。どうかそういうような環境づくりに力強い前向きの姿勢をとられ、皆さんがやはり喜んでもらえるような私学共済組合の充実を図っていただきたいと私は切に要望するのでございますが、文部大臣の決意をお伺いいたしたいと存じます。
○国務大臣(小川平二君) ただいま仰せのように、私学教育の充実、私学振興という観点からも、年金の充実改善を図っていくこと、非常に大事な問題と心得ております。ただいま長期給付に対する補助率が一八%でございます。財源調整費を加えて一九・八となっておる。これが四分の一減額されて一三・五%という現状でございますが、特例適用期間が終了いたしました暁にはこれをもとへ戻すことは申すまでもなく、今後一層の充実を図ってまいるつもりでございます。
○田沢智治君 終わります。
○委員長(片山正英君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時二十分まで休憩いたします。 午後零時二十一分休憩 —————・————— 午後一時二十五分開会
○委員長(片山正英君) ただいまから文教委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、昭和四十四年度以後における私立学校教職員共済組合からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○柏原ヤス君 私は、私学共済の審議に当たって、特に高齢者の医療の問題を取り上げてお尋ねしたいと思います。 公務員の定年制が法定されておりますが、そのことによって私立学校の教職員の停年年齢に何らかの影響が出ていますでしょうか。その点お願いいたします。
○政府委員(柳川覺治君) お答え申し上げます。 先生御指摘のように、昨年、国家公務員法、地方公務員法の改正が行われました。国家公務員につきましては一般的に六十歳、地方公務員につきましては国家公務員の定年を基準として条例で定める年齢を定年年齢とする定年制導入の措置が講ぜられました。昭和六十年三月三十一日から施行されることとなっております。この措置の、御指摘の私立学校の教職員の停年年齢に対する影響でございますが、私立学校の教職員の停年につきましては、それぞれの学校法人の判断におきまして定められますことは御案内のとおりでございます。また実態的に見ましても、多くの学校法人が六十歳以上で停年年齢を定めているのが実情でございます。これらの関係から、このたびの国家公務員、地方公務員の定年制度導入は私学に対して直接に大きな影響はないというように考えられるのではないかと思います。
○柏原ヤス君 そこで、私立学校における教職員の停年年齢の実態がどうなっておりますでしょうか。また、その実態の上から、国公立学校の停年年齢と比較してどうであるのかを教えていただきたいと思います。
○政府委員(柳川覺治君) 私立学校の教職員の退職年齢につきましては、若い女子教員の結婚等、自己の都合によるものを除きまして、昭和五十五年度に退職して退職年金を受給する者の平均年齢によって見ますと、これが六十四・一歳という結果になってございます。同じように、国公立学校の教職員の退職年齢につきまして退職年金受給者の平均年齢によってこれまた見ますと、国立学校の場合、昭和五十二年度で六十一歳、公立学校の場合は昭和五十五年度の実態で五十六・九歳というようになっておる状態でございます。およそ退職年齢は、私立学校の方がいずれも国公立に比して高くなっているのが実態でございます。
○柏原ヤス君 私学共済で行ったアンケート調査を見たんですが、それには私学の教職員の平均停年年齢は六十三・四歳となっております。この平均停年年齢を取り上げて申し上げるわけですが、六十三・四歳で退職した後、老人医療の対象となる七十歳までの間にどういう保険制度が適用されているか、この実態をお調べになっているのでしたら教えていただきたいと思います。
○政府委員(柳川覺治君) 停年退職後におかれまして私学の教職を去られた方が、どのような再就職、あるいは悠々自適されておられるのか、その辺のデータを持ち合わせておらなくて恐縮でございますが、一般に、再就職された場合は別といたしまして、国民健康保険の適用を受けることになります。 そこで、一年以上私学共済の組合員であられた方につきましては、本人の希望によりまして、退職後二年間は従前どおり私学共済の組合員としての医療給付等の受給を受けるいわゆる任意継続組合員制度というものが設けられております。二年間はこの任意継続の組合員となりまして、その後国民健康保険の適用を受けるというケースが大部分ではないかと思われます。
○柏原ヤス君 そこで、いまおっしゃった任意継続組合員制度、この点についてもう少しお聞きしたいんですが、常識的に六十歳以上になりますと病気もする、したがってまた医療費もかかっている。就職中には長期間にわたって短期給付の掛金を納めている、やめたらばこの共済から抜けて給付水準の低い国保に入らなければならない。ここに私は問題があると思います。いまおっしゃったように、そのために任意継続組合員制度がある、非常にこの制度は大事な制度だと思うんです。 そこで、この加入状況は一体どうなっているのか、その点一点と、退職者に対してこの加入者の占める割合はどんな割合になっているのか、また他の共済に比べてどうなのか、この三つの点についてお聞きいたします。
○政府委員(柳川覺治君) 加入状況につきまして、全組合員に占める割合で申し上げますが、昭和五十五年度末で私学共済の任意継続の組合員は五千三百九十六人でございまして、一般組合員三十一万五千五百十二人の約一・七%の割合でございます。 なお、御指摘の文部共済、国立学校の場合は千四百十四人で一・一%、それから公立学校共済の場合は三万二千八百九十四人でございまして三%の割合になってございます。 なお、御指摘の退職者に対しての加入割合はどうかということでございますが、昭和五十五年度中に私学共済を脱退されました方が三万四千八百六十七人でございますが、それに対しまして五十五年度中に任意継続組合員として新規加入した方が三千九百六十八人、その割合は一一・四%となっております。 私学共済を脱退されました方々はそのときの平均年齢が三十四・四歳でございまして、このことからも、結婚により退職する若い女子教員の方あるいは若年で退職いたしまして他の職場に転ずる方などが多数含まれているというように思われます。これらを考えますと、一一・四%という加入割合はそれなりの実態ではないか、あるいは低過ぎるのかどうかという問題があろうかと思いますけれども、そういう客観の背景からしますと、それなりの成果を上げているものではないかというようにも考えられます。 なお、文部共済の国立学校につきまして同様の考え方で加入割合を見てみますと一二・七%となっておりまして、私学共済の場合とほぼ同程度の状態でございます。
○柏原ヤス君 大臣にお尋ねいたしますが、いま承ったこの私学共済の任意継続組合員の加入状況その他についてどのように評価していらっしゃりますか。
○国務大臣(小川平二君) この制度は御高承のとおり、退職直後の医療費等の変動を緩和しよう、長い間教育の仕事に携わってきた方々の老後を保障する一助たらしめたい、こういう制度でございます。ただいまの数字はこの制度の趣旨がそれなりに生かされている数字ではなかろうかと、こう考えておるわけでございます。
○柏原ヤス君 任意継続組合員は昭和五十五年度の時点で見ますと五千三百九十六人、私は加入者が非常に少ない、こういうふうに考えます。どうしてか。これは期間が二年間という非常に短い期間であるということ、また掛金が全額自己負担となっておりますので在職時の二倍の掛金を負担しなきゃならない。この点文部省はどういうふうにお考えになっておりますか。
○政府委員(柳川覺治君) 共済組合の短期給付制度を含めまして、被用者の、雇用されている方々の医療保険制度が、在職中の被用者とその事業主が費用を折半負担いたしまして、在職中の疾病等の保険事故に対しまして給付を行うことのたてまえでこの制度が成り立っております。 そこで、大臣から御答弁申し上げましたとおり、長年勤務して退職し、実際に、緊張がほぐれたと申しますか、退職直後に発病されるというケースがかなりあることが事実でございまして、共済組合制度を離れまして医療給付あるいはその費用の負担に著しい変動が生ずることなどから、この面の変動のショックの緩和と申しますか、表現が的確ではございませんが、著しい変動が、できる限りそれの影響がなく、安定した状態で第二の人生と申しますか、第二の道を歩かれるということの一助にということの、またその方面の強い御要望がございまして、昭和四十九年に、退職後一年間は引き続き短期給付制度の適用を受けることができるという、この任意継続組合員制度が設けられた経緯がございます。さらにこれは四十一年の法改正によりまして、先生方の強い御意向も受けまして、適用期間を一年から二年に延長するということが実現いたしました。それと同時に、いま先生御指摘のとおり、掛金につきましても掛金率が一般の組合員の掛金率の倍になっていることでもございますので、この面の負担の軽減も考慮いたしまして、当初は退職時の標準給与そのものを基礎といたして掛金を徴収いたしておりましたが、これを毎年の一月一日現在におきます全組合員の標準給与月額の平均額と比較いたしまして、その当該平均額の方が退職時の標準給与よりも低い場合には、その掛金の算出の基礎に平均額をするというようなことの取り扱いをいたしました。またさらに特例といたしまして、組合員の期間が十五年以上で退職時の年齢が五十五歳以上の方につきましては、退職時の標準給与月額の七割の額を掛金の基礎とするというような措置も講じまして、退職後の方の負担の軽減も図りまして、この制度が活用されるよう進めておるところでございます。
○柏原ヤス君 いまこの制度がいろいろ改善されてきたというお話をお聞きしたのですが、そういうふうにしても組合員は昭和五十年度で五千三百九十六人と、これを少ないというふうに受けとめていらっしゃるんですか、どうなんですか。その点、何か少ないと思っていらっしゃらないような感じなんですね。
○政府委員(柳川覺治君) 先ほど、国立学校、公立学校の先生方、退職後の加入率と比較いたしますと、加入状態は確かに低うございます。ただ、退職される年齢がお若いということでございますから、その面からいたしますと、公立学校の御退職された方の加入が、全組合員に対して三%ということとの比較でいたしますと、必ずしも低くはないのではないかというような感じも持っておりますが、なおこの面につきましては今後さらにこの面の活用されること、そのことは期待してまいりたいというように感じております。
○柏原ヤス君 その点、少ないような感じ、少ないと言っているような、少なくないような感じだとか、そんな感じじゃなくて、こういうりっぱな制度があり、またできた制度を本当に組合員のために魅力のある、そして組合員がいい制度だと言って喜んで入るようにしていかなきゃならないわけですね。それが加入率というのが少ないのか、当然なのか、それもあいまいで、どうしてこれがよりよい改善されるものになるかどうか、私は納得しません。何かいいかげんな答えじゃないかしらと——そんなこと言ったら失礼ですけれども。もう少しこの制度をよくしようという取り組み、実態についても、もっと的確な調査がされてもいい。私が申し上げるのは、この期間が二年ということに魅力がないわけです。私の友だちもたくさんいますけれども、何か問題ありませんかと言ったら、問題にしてないわと、二年ですものと、その言い方が、本当に文部省に聞かせてやりたいような声で言いますよ。また、掛金が全額自己負担ということはやはり負担になりますよね。どうですか。文部省だってそういう点がわかり切っていると思うんですね。本当にそのとおりだって言うだろうと思ってお聞きしているのに、何か期待外れなお答えですよ。どうですか。
○政府委員(柳川覺治君) 加入者がふえておることは事実でございます。数字で申し上げますと、五十年に改正されまして二年になりましたが……
○柏原ヤス君 一言、加入者が少ないと思っているのか思っていないのか、そこのところがはっきりしないと話は進みませんよ。
○政府委員(柳川覺治君) 五十年のときに二百六十七人の加入者が六年後に先ほど申しましたような五千人からの加入を見たということで、それなりには加入がふえてきていると……。(「結婚退職者は扶養者なんだから入らないんですよ。」と呼ぶ者あり)ええ、その面が恐らくございます。三十代での退職がほとんど大部分と、平均でございますから、そういう意味では……。ただ、先生、御趣旨のとおり、こういう制度があるわけでございますから、所要のある方はぜひ加入していただくということのPRが一番大事だというように感じております。私も最近これを身をもって知りました。
○柏原ヤス君 そこで、私は、この任意継続掛金の大幅な軽減あるいは学校法人による掛金負担の導入、それに対する国庫補助の実現、こういうようなものを図っていくべきではないかと、こう思って先ほどからいろいろとお聞きしたわけですが、この点いかがでしょうか。
○政府委員(柳川覺治君) 御趣旨の点でございますが、共済組合の短期給付につきましては、これは御本人と雇用側との負担ということになっておりまして、それ自体に国庫補助の対象にしておらないという経緯がございます。また、御指摘の任意継続掛金を大幅に軽減する、あるいは学校法人による掛金負担の導入を図る等の御指摘がございます。これにつきましては、いずれも組合員の方の負担ともかかわる問題でございますので、この辺の在職中の一般の組合員の方の御理解を得るということになかなか困難な点があろうかと思う次第でございますし、また学校法人は使用者の責任としての掛金負担という立場もございますので、退職した方々に費用の負担を強制の形ではまいりませんので、この面について何らかの適確な方途があればよろしいのですが、現在の共済制度のたてまえから、なかなかこの面につきまして強制的な形での取り組みはしにくいのではないかというように感じております。
○柏原ヤス君 私は、この任意継続組合員制度というものはもっと普及されなければならない、また拡充していくべきだと思うんです。そういうふうに考えますときにほかの共済と横並びの問題がある、こういうことになるわけですが、そういう問題もあるけれども、積極的にこの制度は検討し、改善のための努力をすべきではないかと。そういう点で、少しでも前進するような、一歩でも充実させようとする将来的な展望とか改善、こういうものをお考えになっているのかどうか、これは大臣にお聞きいたしたいと思います。
○国務大臣(小川平二君) この制度は申すまでもなく一つの特例でございますから、この特例をさらに大幅に改善するということ、簡単なことではないと存じておりまするし、いま局長から答弁申し上げましたように、在職者の負担、これにしわ寄せをするという形に事実上なっていく問題でもございますから、簡単な問題ではないという感じがいたしております。しかし、いろいろな共済制度に共通の問題といたしまして御指摘の点は重要な問題と心得ておりますから、これからも改善の方途について研究をいたしてまいりたいと存じます。 なお、お願いでございますが、こちらにおります政府委員はきょうが国会答弁の最後でございますので、歯切れのいい答弁が申し上げられますような御質問をいただいて花を持たせていただきたいと思います。
○柏原ヤス君 先ほどから大変御熱心な御答弁をいただいておりますので……。 次に、私学助成の関係でお伺いいたします。 今年度の私学助成の予算を見ますと、私立大学等の経常費補助は前年度と同額、高校以下の経常費助成補助は二十億、わずか二・五%増というまことに寒々とするような内容であると思っているわけです。こういう実質的に後退した予算、これはどうしてなのか、臨調の答申を受けてこのようになったのではないかと、こう思うわけですが、この点いかがですか。
○政府委員(柳川覺治君) 先生御案内のとおり昨年の七月に臨時行政調査会の第一次答申がございました。この中で私学助成につきましては「前年度と同額以下に抑制する。」と指摘されております。政府はこの答申を受けまして、これを最大限に尊重するという閣議決定がいたされまして五十七年度の予算編成作業に入ったわけでございます。また、ゼロシーリングという大変厳しい財政の要求枠の中で、特に補助金につきましては原則一割削減という基本方針がとられまして、その中で例年にない厳しい環境の中での予算編成でございましたが、文部省といたしましては最大限の努力を行った結果、五十六年度と同額の二千八百三十五億円を計上したという経緯でございます。当然に同額以下に抑制ということの同額のところをがんばるのが精いっぱいであったということでございます。これは一割削減という原則の中で同額の確保ということはそれなりの意義があることだというように存じております。 また、先生御指摘のとおり、私立の高等学校から幼稚園までの経常費助成を行う都道府県に対する補助につきましては、たまたま私立高等学校の生徒急減のときでもございましたので、これに対応した安定した私学教育が果たされるよう五十七年度予算において二十億円の増を図りまして八百五億円の予算が計上されました。これと関連いたしまして、地方交付税による財源措置が百二十二億の増がございまして二千二百三億円の交付税の積算がなされました。この八百五億の国庫補助金と合わせまして三千八億円という国の財政措置が図られまして、それなりに全国の高等教育の八割を占める私立大学と、また全国の二八%の割合を占める私立高校で、それぞれ優秀な者から、またあるいは世の中を自分なりにがんばって生きようとする子供たちの教育に対しまして、それなりの成果を得たと思っております。
○柏原ヤス君 いつも言われることですけれども、わが国では大学と幼稚園の学生、園児、こうした数は四分の三前後、また高校の生徒の場合は三割近くが私立学校に在籍しているというのが現状でございますが、この数から見ても国の教育施策の大部分は私立学校が背負っていると言われているわけです。その私立に依存しているというこの体質は変わっていない。ところが、私立助成の見直しは必要であるというようなことになっているんですが、私は経済政策の誤まりから起きたこの財政難を私立学校にしわ寄せするようなことは根本的な間違いだと、こう思っております。この点、大臣はどうお考えになっているか、そして大臣は私立学校の果たす役割りの重要性についての認識がどういう御認識でいらっしゃるのかも伺っておきたいと思います。
○国務大臣(小川平二君) 私立学校は現在高等教育機関の八割、それから高校の三割、幼稚園の七割、学校教育において占めておりまする比重、非常に大きゅうございまするし、それぞれの独自の校風に従って活発な教育活動を展開して教育の振興に大いに寄与してまいったものでございます。 本年度の予算につきましては、先ほど局長から答弁申し上げましたように、補助金一割削減という条件をつくられましたさなかで五十六年度並みの数字を獲得するについては財務当局との折衝がまことに困難をきわめたわけでございますが、仕上がりはようやく御高承のような数字になったわけでございます。これから先も私学振興のためにはあとう限りの努力をしてまいるつもりでございます。
○柏原ヤス君 私立学校の経営というものは非常に厳しい、また父兄の収入も決して十分でない中で教育をするという、非常に問題があるわけです。いろいろの調査にもそうしたものが出ております。私が見た東海銀行の子供の教育費といった調査ですが、幼稚園から高校卒業までかかる費用、公立だけのケースでは百三十三万円、私立のケースだと六百九十九万円、その差は五百六十六万円と、実に五・二倍私立学校のケースはかかるわけです。大学の場合でも、入学時の費用を見ただけでも、国立は二十二万三千円なのに私立は八十万もかかるというふうに調査されております。私立というのは非常に財政的に大変だと、こういう裏づけと言おうか根拠がはっきりあるわけです。文部省としても、なぜ財政当局に弱腰なのかと、もうそのように言わざるを得ないわけです。五十八年度の予算もこれから取り組むわけですけれども、今後力強い取り組みをしていただきたいという意味を含めて、私は大臣の御所見を、しかも力強い御所見を伺っておきたいと思います。
○国務大臣(小川平二君) 五十八年度予算につきましては、まだ臨調の最終答申もちょうだいをいたしておりませんし、シーリングにつきましても確定をいたしておりませんので的確なことは申し上げられませんが、いずれにいたしましても非常に厳しい状況のもとで予算の折衝をしなければならない、かように覚悟をいたしております。しかし、私学の振興ということ、非常に大事な問題と心得ておりまするので、最善を尽くして努力をするつもりでございます。
○柏原ヤス君 オイルショック以後の四十九年度から五十五年度までの消費者物価指数一・五四倍、その中で、一方では私立大学の学費は二・三五倍にはね上がっている。最近所得の実質目減りの状況から見ても、家計への圧迫は非常に大きい。こうした情勢を引き比べてみて、五十六年度の対前年度比の二百三十億の増、それから五十七年度は一挙に伸びがゼロと、こういうふうになったわけですが、こういう中で私大の学生納付金にどの程度のはね返りがあったのか、どのように見ていらっしゃるか、お聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(柳川覺治君) 先生御心配のとおり、五十七年度の私大等の経常費補助金が前年同額となったため、五十七年度、初年度の学生納付金に相当の影響があるのではないかと私どもも当然に危惧いたしてまいりました。この面につきまして、国家財政の大変厳しい状況を私立大学側にも申し上げまして、私立大学の自主的な御努力を期待してきたところでございますが、実態は、調査によりますと学生納付金が八十万円という額でございまして、対前年度比の上昇が六・〇%となっております。この上昇率は過去十年間で最低のものでございました。昨年が七・六%でございました。以前は二百億、三百億の国庫補助金の増はございましたが、経営の安定等の、あるいは給与が低かったというような面から一〇%を超える納付金の枠があったわけでございますが、本年度は幸い六・〇%という低い状態で終わりました。これは私学の側が経営努力を行いまして、学生納付金の額の引き上げの抑制に最大の御努力をされたと考えられますが、今後ともこの面の一層の努力を期待してまいりたいと思いますし、このことは一面で学生の納付金にかなりの限度が来ているという面も、またこれあるのかということも考えられるわけでございまして、国としても、私学助成につきまして、財政状況を踏まえながら、これまた最大限の努力をいたしていくことであろうかと思います。
○柏原ヤス君 大いに努力していただきたいわけですが、いまの御説明で六・〇%の上昇だと、これは過去十年間で最低の上昇率だというふうにおっしゃっています、最低の上昇率ですよと。けれども、上昇率は上昇率ですよね。上がっていることは上がっているわけです。それだけ父兄負担がふえているということは間違いない。最低だ最低だと言ったって、最低でも上がっていることは事実なんです。そういうふうに私は受けとめていきたい。上昇しているというこの事実をやはり真剣に受けとめていかなきゃならないと思うんですね、最低の方ばかりに力を入れないで。 そこで、今回六・〇%になったのは、いまのお話のように大学側が努力してアップ率を抑えたと、こういうふうに御説明でございますが、その努力は大変なものだと私は思いますが、これがまた来年度の補助がことしと同額かそれ以下というふうに今度はなった場合に、当然今回学生納付金もアップを低く抑えた大学側が今度は一気に大幅アップを図るのではないかと考えられるわけなんです。抑えられるところまでは抑えた、だけれどももうこれは限度だ、そうなればいままで抑えてきただけに大幅アップというふうになるのではないかと考えられるんですが、文部省としてもそういうお考えをお持ちですか。この点をどういうふうに見ていらっしゃるかお聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(柳川覺治君) 確かに本年度の国庫補助金が前年度と同額であったというその影響は、五十七年度の財政収支に絡む問題でございますので、その面での影響が来年度の当初の学納金につきましてどのように影響するか、これまた危惧しているところでございますが、国の財政が再建という大変厳しい環境にあるということ、これにつきましては私学側も十分御承知をされておるところでございまして、私学側のさらに一層の自主的な経営努力というものに国は期待をかけていくということは、それなりにゆえあることと思いますが、今後、先ほど来大臣が申されましたとおり、私学の果たすわが国の教育の重要性ということにかんがみまして、この私学側の経営努力とともに、国としての、文部省としての努力を重ねていくということであろうかと思います。
○柏原ヤス君 このような助成策では私大の教育研究条件は向上するどころか、教育研究条件というのはこれから複雑化する、高度化する、こういう中でむしろ現状維持すらできないのではないかと、こういうふうに心配しております。 そこで、大臣にお聞きしたいんですが、さきの行革法案の審議のときに私学助成に関する渡辺大蔵大臣の答弁がございましたが、その中にちょっと気にかかるところがあるわけです。それを二、三拾い上げて申しますと、国立よりも高い給料を払っているとか、放漫経営だとか、文部省ももう少し目を光らせてしっかりやれというようなことをおっしゃっているわけです。一部の私学の実情にはそういうふうに言われるところもあるかもしれません。あると思います。しかし、これは少なくとも一部の私学の例であって全体を評価する論法ではないと私は思います。こうした大臣の答弁は非常に私は気にかかるわけで、大蔵大臣の発言について、文部大臣もそこでお聞きになっていたと思うんですが、どうお感じになっておりますか。
○国務大臣(小川平二君) 大蔵大臣の答弁申し上げましたことは、きわめて率直に申しまして、文教行政というものが果たしておる意義、役割りを正しく認識した発言ではない、大いに批判されてしかるべき発言だと存じております。
○柏原ヤス君 はっきりおっしゃっていただいて、文部省がんばっていただきたい。また、私たちも大いに力強く今後の文部行政に期待を持っていきたいと思います。 そこで、管理局長が、私学助成のカットについて従来の配分方法に改善を加える一方、私学の経営努力を促すという答弁をされていらっしゃいますが、経営努力といっても私は限界がある。助成の伸びのゼロを前提にして教育研究内容の質を落とさないような配分方法というのはあるのかしらと、局長さんにお聞きしてこの疑問を解きたいと思うんですが、いかがですか。
○政府委員(柳川覺治君) いま私立大学等に対します経常費助成につきましては、一般補助と特別補助とで行っておりますことは先生御案内のとおりでございます。 具体的に申しまして、前年同額の二千八百三十五億円が本年度予算で計上された。そのことは、本年度、当然に人件費の単価改定に伴う所要経費もございますし、また人員増等の要素もあり、物件費につきましてもその増が見込まれる。したがいまして、約二百三十一億円が所要経費ということでございまして、これにつきまして配分方法を工夫することによりましてこの当然増の要素を吸収していくという必要がございます。この面をいま配分に当たりましてどのようなよりよき配分方法をとっていくか、鋭意検討を進めているところでございますが、配分に当たりましては、やはり私大経常費補助が私学の教育研究条件の維持向上、あるいは経費負担の軽減という目的を持っておるものでございますので、この基本を踏まえながら私学側の一層の自主的な努力を促し、またそれに応じたより効率的なものと配分方法がなるように、いま関係者の御意見を十分集めながら慎重にこの面の改善方策の考究に入っておるところでございます。御指摘のように大変厳しい状態でございますが、国の補助金のより適正な配分と、私学側の努力ということでこの状態を切り開いていくということに尽きるというように感じて、お答え申し上げた次第でございます。
○柏原ヤス君 最後に、大臣に、一言お聞きいたしますが、今年度の私立大学に対する経常費助成は伸び率ゼロになった、したがって経常費に占める割合は当然低下すると思います。そこで私は、私学助成は毎年たとえわずかでも増額をかち取りたい、また、法律にうたわれた二分の一助成へ少しでも近づけることが文部省の使命だと、こう思っておりますが、文部大臣として将来へ向けてのはっきりした決意をお伺いし、質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(小川平二君) 仰せのような認識のもとに、非常に環境は厳しゅうございますが、懸命に努力をしてまいりたいと思っております。 —————————————
○委員長(片山正英君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、宮之原貞光君が委員を辞任され、その補欠として大木正吾君が選任されました。 —————————————
○佐藤昭夫君 今回の共済改正案の一番の問題点は、午前から同僚委員こもごも触れておられますように、例年四月から引き上げるべき年金額を一カ月繰り下げて五月からの実施としているこの問題であります。私学共済として一カ月据え置かなければならない理由は、どこにもない。いわばこれは昨年の臨時国会で成立した行革一括処理法案による私学共済への国庫補助のカット、これが背景、その理由とされているわけでありますが、一カ月分の総額五千九百万円のうち、国庫補助金というのはわずかに八百万円。その削減のためにただでさえ低い私学共済年金受給者にしわ寄せが向けられておるということは実に許されない問題だと思うわけでありますが、当然こうした点で私ども後刻野党そろってこの点についての修正案を提出するわけでありますが、文部省に確認を求めますが、今回のこういった措置は五十七年度予算編成をめぐっての財政危機という、こういう異常な事態からとられてきた異例の措置であるというふうに確認をしていいわけですね。
○政府委員(柳川覺治君) ここ当分、実施時期は、給与改定が完全に実施されました場合、それと対応いたしまして既裁定年金につきましてもその改定時期を四月から施行するということが恒例になっておりまして、その面で、本年度のこの改定につきましては一カ月おくれで改定をするということは、それなりに従来の例とは異なったケースでございます。
○佐藤昭夫君 そういうふうに歴史的推移から見れば、本年そういう異例の措置をとらざるを得なかったということであるわけでありますけれども、文部大臣、決意をお尋ねしたいと思いますが、明年といいますか、五十八年度に向けて、極力従来の四月実施、給与改定と同時期の実施、こういう方向に向けて、文部大臣としては他の省庁大臣にも働きかけて最大限の努力をするというのが、大臣としての責務、今後対処をしてもらうべき方向だというふうに思うんですが、大臣の所信、どうでしょうか。
○国務大臣(小川平二君) ただいま局長から答弁申し上げましたように、今回の措置は、言うまでもなく、異常な事態に対処するための異例の措置でございます。明年度におきましても、財政の逼迫した状況、ますます厳しいものがあると存じますが、私といたしましてはただいま仰せのような方向で努力をするつもりでございます。
○佐藤昭夫君 昨年の五月十四日の当委員会で同様の私学共済法案が出ました際に、私は学校法人足立学園の岩本光司教諭の共済組合員の喪失をした資格の回復問題について文部省としての積極的な指導、援助を提起をいたしました。この種の問題については、この足立学園の件を残してはほとんどすべて資格回復が解決をされているにもかかわらず、この件のみが経営者側のきわめて不当、頑迷な姿勢のためにまだ解決を見ておりません。文部省として、この問題の速やかな解決のために、引き続き指導の強化に努めていただきたいと思うわけでありますが、どうでしょう。
○政府委員(柳川覺治君) 御指摘の件につきましては、愛知県当局におかれてもその適切な指導をするように私どもの方も進めておるところでございますし、また学校法人の運営等に関する協議会におきましても、この面につきましての趣旨の徹底を図ってきておるところでございます。本年一月二十六日に都道府県の私立学校主管部課長会議を招集いたしまして学校法人の運営等に関する指導をいたしましたが、その際、学校法人の当局も出席されましたので、私どもの担当官からもさらに御指導を申し上げたところでございますし、その後二月には県の総務部の私学振興室の方で、これまた校長に対しまして指導を重ねてきておるという状態でございます。
○佐藤昭夫君 ぜひ一層の速やかな問題解決のための指導の強化をお願いをしておきたいと思います。 ところで、時間の関係がありますので、次に私学助成に関する問題について幾つかお尋ねをいたしたいと思いますが、御存じのように、五月の二十九日、臨時行政調査会は第一部会報告を発表いたしました。重要行政施策のあり方の一つとして文教政策についてもかなり重要なことを述べております。 まず文部大臣にお尋ねをしますが、この部会報告お読みになりましたでしょうか。
○国務大臣(小川平二君) 読んでおります。
○佐藤昭夫君 報告は、その中で、私学助成の総額抑制など財政支出を減らす問題、この問題にとどまらず、中学校を含む中等教育での能力別学級編制あるいは大学進学率の引き下げ、専修学校等の役割りを重視した高等教育の多様化問題、プロジェクト別の私学助成配分など、教育内容、教育制度の改変にまで踏み込んだ報告を行っているわけでありますが、ここで思い起こしますのは、かつて中曽根国務大臣が、私は第二臨調の次に必要なものは教育大臨調だと思っているというふうにさえ語っておったわけですけれども、今回の臨調部会報告をよく見ますと非常に重大なことがいろいろ提起をされておる。こういったいわば教育への、制度これ自体、教育制度、教育内容にも立ち入ってくるような、いわばこういう教育介入とも言えるようなこういう報告に対して、文部省として一定の発言があってしかるべきだというふうに思うんですが、今日まで何らかの公式の見解表明をされたでしょうか、どうでしょう。
○国務大臣(小川平二君) 臨時行政調査会に対しまして、政府は財政再建の方途について白紙で諮問をいたしておるわけでございます。答申を得た上は最大限度にこれを尊重しよう、かようなことになっておりますことは御高承のとおりでございます。したがいまして、答申を得ざるに先立って閣僚が公然これを論評することは慎もう、かようなことを閣議で申し合わせておるわけでございまして、私もそうあってしかるべきだと考えておるわけでございます。私がただいまの時点でかれこれ論評をいたしますことは、徳義の問題、徳義上の観点から慎むべきことだと存じますので、答申を得ました時点で私の考えも申し上げ、あるいはその趣旨を体して実行すべき措置があると考えますれば、それについても申し上げますが、ただいまひとつ私が自分の意見を表明するということは御容赦をいただきたい。お願いを申し上げておきます。
○佐藤昭夫君 まだ部会報告という段階であって、臨調としての正式の答申ではないので文部省として、あるいは文部大臣としての見解を表明をする段階ではない、こういう御意見かというふうに伺うわけでありますけれども、しかし、どうでしょうか、いろいろ新聞に報道されております、それで私どもは承知をしているわけですが、たとえば国鉄を初めとする公企業の分割民営化問題、こういった部会報告に対して、たとえば国鉄問題であれば国鉄の総裁あるいは運輸大臣、こういう方々が、ああいう形で性急に事が進められるということになった場合には重大なことが予想されるということでの批判的な発言をやっておられる。あるいは電電の問題についても郵政大臣の発言、専売公社の問題については公社の総裁、それぞれの発言があるわけですし、国土庁と北海道沖繩開発庁との統合の問題についても、それぞれの関係庁の大臣の発言が出ている。こういう時期に、さっきも言いました教育の制度自体をいじるという問題にも踏み込んだような部会報告、これが出てきているという局面で、いや、まだ言うべき時期じゃない、答申が出てから言わんならぬときには言いますわ、こういうことで一体文部省は国民の立場に立って本当にがんばってくれるだろうかというふうに国民は不安を持っていると思うのですね。 この間も、私、私学の関係者の方々と一緒に同道をして文部省への申し入れ行動に付き添って行っておったわけですけれども、これだけ私学助成の問題も含めて、教育内容、教育政策についての全面的な洗い直しというか、改変というか、こういうことがやられようとするときに、文部省としての公式の発言が何にも出てこぬということに対して非常に強い不安が表明をされておるということを、文部大臣、そういう国民が気持ちを持つということは理解をされると思うのですけれども、それでも、いや正式の答申が出るまでは黙っておるんだということで終始をされるおつもりですか。
○国務大臣(小川平二君) 教育行政の果たしておりまする特殊の意義、役割り、あるいは現行のもろもろの制度が果たしておりまするそれらの制度の存立の意義等々につきましては、あらゆるルートを通じまして臨調に対して正しい理解を持っていただくように努力をいたしております。 ただ、繰り返しになりますが、私はただいま文教の府に身を置いておる者でございますから、徳義にもとり、エチケットに反するような発言はいたしかねる、こう申し上げざるを得ません。
○佐藤昭夫君 徳義にもとるような発言というのが何を言われているのか私はよく理解できませんけれども、昨年の第一次答申をめぐる、あの昨年の段階では、まだ正式の答申が出ない時期に臨調に対して、文部省としては私学助成の問題あるいは義務教育教科書無償措置の問題あるいは育英制度の問題、四十人学級問題等々こういう一連の問題について、文部省は文書によって、臨調に文部省の考えの説明という形でありますけれども、見解表明をやっていますね。やっていますね。やっているということをひとつお認めになるかどうかということと、去年の策一次答申のあの段階ではそういうことをやれたんだ、事が一層重大化をしてきておることしの段階でなぜ徳義とか何とかそういう言葉でもって文部省の発言をしていくことをためらうのか。ここはどうしても私は理解できませんね。
○国務大臣(小川平二君) 先ほど申し上げましたように、文部省といたしましてはさまざまのルートを通じまして文部省の意見を臨調に伝えておるわけでございます。昨年も同様であったと存じますが、白紙で諮問をしておいて答申の出ない先にかれこれ物を言うということは、これは明らかに徳義に反する事柄だ、これは御理解いただけると存じます。 部会の報告につきましては、いろいろの意見も出ておるようでございます。そもそも臨調というものが教育内容にまで立ち至って審議すべきものかどうかというような御批判も出ておるわけでございますが、私といたしましてはこの場で公然これを論評するということはどうしてもいたしかねますので、これだけはひとつ御容赦をいただきとう存じます。いろいろ部会の報告を見ておりますると、文部省として仮にこれが最終答申になりました場合には、よほど慎重に対処しなければならないという感じを受けておる点もございまするし、いろいろございますが、私がこの場でかれこれ申しますことはぜひとも差し控えさせていただきます。
○佐藤昭夫君 私はどうしてもいまの大臣の御答弁では納得ができません。しかし、このことをこれ以上繰り返しておっても議論が前へ進みませんので、どうしてもいまのような文部大臣の態度は納得できないということを重ねて申し上げて次へ進みます。 臨調に説明者としておいで願うことにしましたので、ここで若干臨調にお尋ねをいたしますが、部会報告で私学助成問題について、当面総額を抑制するという表現を使っておられますけれども、当面というのはいつまでを考えておるのか。それから、総額抑制というこの意味は、五十七年度私学助成総額を、これをずっと踏襲をしていくということか、それとも減らせるだけ極力さらにそれを減らすと、こういう意味なのかということが一つ。それから二つ目には、教育・研究プロジェクトについての助成を今後考えていくという表現が出てくるわけですけれども、これはどういう内容のことを考えておるのか、この二点お尋ねいたします。
○説明員(糠谷真平君) お答え申し上げます。 先ほど先生もお話ございましたように、臨時行政調査会は五月末までに四つの部会から部会報告を受けまして、ただいま親部会の調査会の方で審議をしているところでございます。ですから、最終的な結論は調査会の審議にまたなければいけないということでございますけれども、第一次部会の報告の中で言っております考え方につきまして御説明を申し上げたいと思います。 私学助成につきまして「当面総額を抑制」と、こういう言い方をしておりますけれども、第一部会といたしましても、高等教育の中での私学の重要性といいますか、そういったことは十分認識をしているわけでございますけれども、現在先生も御承知のように大変厳しい財政状況でございますので、できるだけそこのところは効率的にやっていただくということで、当面総額抑制というふうに言っているわけでございます。 この「当面」という意味でございますけれども、部会で当面というのが何年から何年までと、こうびしっと決めて言っているわけではございませんけれども、審議の中では、たとえば財政再建をやっている間とか、そういったような議論があったところでございます。 〔委員長退席、理事大島友治君着席〕 それから、「総額を抑制」という意味でございますけれども、抑制という中身につきましても、一次答申では「前年度と同額以下に抑制」という言い方をしているわけですが、「抑制」の中には、そういった抑制の仕方もございましょうし、あるいは当然ふえるべきものをできるだけふえないようにするという抑制の仕方もあるわけでございます。そういったところにつきましては、実際的には最終的には政府予算編成の問題でございましょうし、そこのところをはっきり言っているわけではございません。 それから「適切な教育・研究プロジェクトについての助成を重視する」ということでございますが、これにつきましてはやはり私学でございますので、できるだけ特色のある教育、研究を進める、そういったものに対して国としても助成をしていくということが本来の助成のあり方ではないだろうかということで、たとえば現在私学助成の中にも特別補助というんでございますか、があるようでございますけれども、たとえばそんなものをもっとふやしていくというようなことが考えられないだろうかというのが部会の審議の概要でございます。
○佐藤昭夫君 議論の前提になりますので、臨調の御説明を正式にここでお尋ねをする意味でお出まし願ったわけですけれども、もう結構でございます。 そこで、臨調が昨年の七月には例の第一次答申を出しまして、その中で私立大学等に対する補助金を前年度と同額以下に抑制をするという、こういう方向を示して、現に昭和五十七年度の補助金は五十六年度と同額の二千八百三十五億円に据え置かれるということになったわけでありますが、この結果、私立大学等の総経常費に占める補助金の比率、これは文部省の方からいただいておる数字によりましても、たとえば五十六年二九・八%、これが五十七年——これは推定ですけれども、二八・九%という、こういうことになるだろうと、明らかに補助金比率、これが逆行、後退をする、逆転をすると、こういうことは確認できることですね。
○政府委員(柳川覺治君) 御指摘の五十七年度におきます経常的経費の総額につきましては九千八百六億円と見込まれます。これに対しまして国庫補助金が二千八百三十五億、前年同額でございまして、計上費総額に占めます補助金額の割合が二八・九%でございます。前年度一九・八%は御指摘のとおりでございます。
○佐藤昭夫君 御確認のとおり、補助金比率が明らかに五十六年に比べて五十七年度の方が後退をするだろうと。そこで五十八年度予算、これがさらに臨調の第一部会報告の言うように、「当面総額を抑制」という形で抑えられるということになれば、この比率が一層低下をして、それが教育、研究条件の後退をもたらしていくことは明らかな問題だと思うのです。今日まで二分の一助成というあの基本方向に沿って、決して十分とは言えませんが、私学助成措置が年々努力をされてきた。このために、これが背景になって教育、研究条件の私学における改善が少しずつ前進をしてきているわけでありますけれども、しかし依然として国立大学と私立大学の格差は著しいという問題は歴然としているわけであります。 これは、昨年の十一月、私が当委員会で質問をした際に文部省の方から御提示のあった数字ですけれども、逐一繰り返す必要はないと思いますが、たとえば教員一人当たり学生数、五十六年度で国立大学八・一人、私立大学二十六・五人、格差三・三倍。職員一人当たりの学生数、五十六年度、国立大学六・三人、私立大学十七・八人、約二・八倍。学生一人当たりの経費、国立大学百八十九万円、私立大学では七十一万円、三七・七%。日本育英会奨学金の貸与率、昭和五十六年度、国公立大学二五・一%、私立大学七・六%、約四分の一。あるいは図書館の蔵書数、学生一人当たりの蔵書数、国立大学百十九・六冊、私立大学三十・四冊、約四分の一。その他一つ一つ指標を挙げる必要ないと思いますけれども、依然として著しい格差が今日もあるということで、私学に対する助成を一層強めて、教育の機会均等の見地からこの格差を解消をしていくための努力が、国として文部省としてますます必要になってきているという問題だと思うんですけれども、この基本方向、教育条件の格差解消のための私学助成を強化をしていくというこの基本方向は、当然今日もなお文部省としては確認をしてその努力をやっていくんだということで間違いありませんね。
○国務大臣(小川平二君) 仰せのとおりでございます。
○佐藤昭夫君 ところで、さっき臨調の方にお尋ねをした際に、教育・研究プロジェクトとは一体何でしょうということでお尋ねをしたら、私学の特色ある教育の充実発展、具体的にはいま行われておる文部省の私学助成の特別補助制度、これを拡充していくという方向が考えられるんじゃないだろうかという御説明であったと思うんですけれども、この特別補助というのは、さっきも柏原さんに対する文部省の答弁で、経常費補助の総額の五%以内、これを原資にして、勤労学生の教育、あるいは各大学の教育、研究条件の向上、こういうことのために使っていく配分方法だという説明でありますけれども、私もその内容の資料をいただきましたけれども、総額八十億のうち大学院教育のために五十三億六千万、六六・五%、半分以上、半分以上というかもう三分の二、大学院教育のために特別補助制度というのを使っておる。あと確かに、夜間学部のところに対して、通信教育のところに対して、あるいは国際交流について、大学の公開講座のために云々と、ずっとこう項目が挙がっていますけれども、三分の二が大学院。こういうふうに見たときに、いま私学助成の一番大きな重点課題である、教育の機会均等という見地から国立大学と私立大学の教育条件の格差解消を図っていくというこのことに一層役立つような特別補助制度ということでは必ずしもないわけですね。今回臨調が言っている教育・研究プロジェクト、これによって、総額は抑えても、この教育・研究プロジェクト、すなわち特別補助、このことによって抑えた分はカバーできますよと、こういう論法には私はならないと思うんです。私はこういうふうに思うんですけれども、文部省のお考えどうでしょうか。
○政府委員(柳川覺治君) 臨調の第一部会での御報告、また、この報告をもとに本調査会で検討がされておることにつきましては文部大臣から御答弁がありましたとおりでございまして、私ども、この私学助成費が本年度前年同額で据え置かれました、そのことによりまして、当然増とみなされる部分につきましてこれを何らか配分方法によりましてできる限り吸収していく、またその面につきまして私学側の自主的な御努力を期待してまいっておるところでございまして、私学助成が私立学校における教育、研究条件の維持向上を図るということ、また経費負担の軽減に資する、あるいは私学経営の健全化を目指すということのこの私学助成、経常費助成の目的の基本に立ちつつ、御指摘の特別補助等につきましても、より私学の自主的な学校運営が誘導されるようなそういう方途があればということで、いま各方面の御意見を承って、より配分の改善方法につきまして検討を進めておるところでございます。
○佐藤昭夫君 私が提起をしておる問題についてのきちっとしたお答えになってないと思うんですけれども、私は、私立大学が特別補助制度というこのことも活用をしながら一般社会人に対して大学を開放する、公開講座をどんどんやっていくとか留学生を受け入れていくようなそういう条件を整えるとか、こういうことを何も否定しているものではない。それはそれで必要なことで、どんどんやられることはそれは必要だろうというふうに思っておるわけですけれども、この私学助成に関して一番の根本問題、一番の重点とすべき問題は、教育の機会均等という見地から、国立大学と私立大学との教育条件の非常に大きな格差がいまもなお厳としてあるというこの格差、教育条件の格差をどうやって解消をしていくか、ここに私学助成の一番の中心問題があるはずだと。片一方、臨調は総額を減らすと言っていると。しかし、総額を減らす、それをカバーする措置として教育・研究プロジェクト云々ということを言い出している。それは一体内容は何ですかということでさっきも聞くと、特別補助制度のようなもの、あの内容のようなものを拡充をすることだという説明だった。そうすると、大学院教育を何ぼふやしてみたところで、そこへお金をつぎ込んでみたところで、教員一人当たりの学生数が国立に比べて私立はうんと多い。職員一人当たりの学生数というのはうんと多い。いわばそういうマンモス教育になって行き届いた教育ができない状況にある。教員一人当たりの研究室というのも非常に狭い。あるいは学生一人当たりの蔵書数も少ない。校地面積、運動場も狭い。こういう状況をどうやって格差解消するかというこれに役立っていくような特別補助制度ではないじゃないか。だから、どうしても、いまこそ文部省として必要なのは総額をふやすというここに一層の重点をかけて臨調によく文部省の意見を反映をしていく努力をやる必要があるのじゃないかというこの点について文部省の意見はどうですかと、こう聞いているんですから、この点について答えてください。
○政府委員(柳川覺治君) 私立学校の教育条件、研究条件につきまして、年々改善はされてまいってきておりますが、また、その財政状況も好転の傾向にありますが、先生御指摘のとおり、国公立学校と比較いたしました場合まだ十分でないということは私どもも十分承知しているところでございます。いま、臨調第一部会の報告では、当面総額を抑制すること、また配分方法を改善することの提言がされております。当面の厳しい財政状況を踏まえての提言と思われますが、大変厳しいものと感ずる次第でございます。 なお、この中での配分方法の改善に関連しましてのプロジェクト補助の意義につきましては、先ほど御説明がありましたとおり、現在運用上行っております特別補助のことと理解いたしておるわけでございますが、これらの特別補助、また従来の一般補助——一般補助におきましては専任の教員あるいは職員の方々の給与につきましてその標準経費の二分の一補助というごとの実現を目指して、またそれなりの実効を得てきた過程でございます。 いずれにいたしましても、今後の配分方法につきましては、先ほどもお答え申しましたとおり、経常費助成が私学の教育、研究条件の維持向上、あるいは経費負担の軽減という目的の実現を期しまして、また私学側の一層の自主的努力を促しまして、より効率的なものとなるよう十分検討、努力を重ねておるところでございます。文部省といたしましては、臨調の関係の方々が私学助成の意義、役割りを十分認識、御理解されるよう、あらゆる方途を講じてできる限りの努力を重ねてまいる所存でおる次第でございます。
○佐藤昭夫君 もう時間がありませんから、最後にお尋ねをしておきますけれども、五十八年度の私学助成の予算が、五十七年度水準の維持はおろか、マイナスシーリングという言葉で、それさえさらに削られようとするという、こういう動きを私ども大変心配をしているわけでありますけれども、さっきも触れましたように、五十七年度が五十六年度と同額であったということのために、私学の経常費の中での国庫補助額の占める比率は明らかに低下をしてきているということで、したがって五十八年度が五十七年度の同額でももちろん、さらにそれより減るということになれば、一層国庫補助の占める比率というのが低下する、その結果は私学の教育、研究条件の重大な後退を来すということは、もう明瞭だと思うんです。 そこで、これからの概算要求作業に各省庁入っていくわけでありますけれども、文部省としては五十八年度概算要求については、当然私学助成についての自然増、当然増ですね、これを含めた概算要求をしていくと。もう臨調がいろいろ言うとるからということで文部省自身が手控えて概算要求をつくっていくという、こういう教育関係者に背を向けるような態度はとらないと。当然自然増、当然増を含めた概算要求をしていくという立場でのこの作業をやってもらう必要があると。それこそ文部大臣の最善を尽くすという当面の方向というのは、そのことじゃないかというふうに私は思うんですので、その点大臣に決意を伺っておきたい。
○国務大臣(小川平二君) 概算要求の策定の作業を開始いたします前提でありまするシーリング、あるいは臨調の最終答申、まだいずれも確定をしておらない今日の時点で、具体的にどのような予算要求をするかはっきりお答え申しかねるわけでございますが、いずれにしましても、いま仰せのように、私学については当然増二百億と予想されておりますが、よほどの努力、工夫、やりくりが必要な問題になってくると存じます。私といたしましては、最善を尽くしまして私学の振興助成を図っていくための法律の目的が大幅に後退することがないように努力をしてまいりたいと、こう考えております。
○佐藤昭夫君 もう一点。そういう努力をしていただいていわゆる経常費の二分の一助成というこの文部省としての基本方向、これは堅持をして今後とも努力をやっていくと、その速やかな達成を目指して努力してやっていくという、このことは確認するまでもないと思いますけれども、念のために確認をしておきたいと思います。
○国務大臣(小川平二君) 長期の目標といたしまして二分の一に逐次近づけていく、これはもう当然でございますから、今後引き続いてその方向で努力をいたしてまいります。
○佐藤昭夫君 終わります。
○小西博行君 きょうは三十分の時間をいただいておりますので、質問を数点にしぼってやらせていただきたいと思います。 〔理事大島友治退席、委員長着席〕 まず、私学共済組合の財政状況なんかにつきましても実はお尋ねしたいと思いましたが、これも同僚議員の方から質問がありまして、かなり詳しい御回答をいただいておりますので、ダブることはやめたいというふうに考えます。 それからもう一点は、この私学共済が将来どのような財政状況で、しかも現在きわめて良好というふうに言われておるのですが、これが果たしてどうなんだろうかと、他の共済に比べて永遠に有利に展開していくんだろうか。これも二十二年後までは何とかいけるというお答えをいただきましたので、これも了解いたしたいと思います。 それから、ここで各委員の議論を聞かせてもらいながらふと感じたわけですが、先ほど大臣の方から、私学の戦後果たしてきた役割りというのは大変大きなものがある、したがって今後も私学に期待したいというふうな、そういうお話が実はございました。一概に私学といいましても、実はこれは前々回ぐらいに私も質問させていただいたと思うんですが、私学の財政あるいは教職員の給与というような問題で議論されたと思います。新聞なんかでは、非常に私学の先生方は給料がいいんだというようなお話がございました。中には三〇%ももう給料が国公立の先生に比べていいんだと。ところが、実際にデータをとってみますと、大体約半数ぐらいは何か赤字経営をしているのだというようなお話もこれ伺ったわけです。そういうふうに考えてみますと、私学というのは、これは経常費補助といえば、先輩の先生方からもお話がありましたように、二分の一というようなことがずっと長年言われておりますが、どうやら現在平均では大体三〇%ぐらいだというふうにこれも理解しているわけです。そのように、私学の教育条件を全体から見ますと、やはり相当劣っているという感じがいたします。教育条件ではやっぱり三分の一かあるいは四分の一ぐらいではないかなと。月謝にいたしますと、これはもう国公立の倍以上じゃないかなと。このように非常に条件の悪い中で、しかも平均的にはそこに働く教員というのは何となく賃金がいいんだと、したがって、年金も国公立に働く先生方と同じような形でもらえるんだと、このような議論が私されると思うんです。 そこで問題なのは、平均は確かに似通っているというふうに判断してもいいと思いますが、そのばらつきというのが一体どうなんだろうかな。年金では上限、下限ということで収入を規定しておりますので、それには十分入るようなかっこうになると思いますが、果たしてこの上限、下限のばらつき、特に私立学校の場合の教職員の賃金のばらつきというものは国公立に比べて実態的にかなり大きいんではないんだろうか、そのように感じるわけですが、いかがでしょう。
○政府委員(柳川覺治君) 先生御指摘のとおり、平均でいたしますと、仮に私学にいまおられます教職員の方が国立学校におられた場合ということで給与換算いたしますと、それとの比較では一二・四%ほど給与は平均して私学の方が高くなっておるということでございますが、これにつきましては、先生も御指摘のとおり、教員一人当たりの受け持つ学生の数が三倍近いとかいうような諸条件があろうかと思います。また、地域的に特に私学の果たしている役割りの中に、全国各地に私立大学がございまして、その地方におかれまして高等教育に特性を持った教育を実施されておるという努力をされておる大学あるいは短期大学があるわけでございまして、私も先日来その幾つか回らせていただきましたが、そのようなところでは大変定員の確保につきましてもそれなりに苦労がございますし、またそれとの関係もございまして、給与につきましては国立学校にとうてい及ばないというような中で、全国各地での高等教育の普及充実を図っておられるということでございます。 いま具体のそのばらつきの材料をここに持ち合わせておりませんけれども、都市部あるいは市街化地域あるいは全国の僻地とまでいきませんがかなり僻地化していくようなところにおける学校の御努力、またそこでの教職員の方々の御努力は並み大抵のものでないという姿を見させていただいた状態でございます。
○小西博行君 確かに私立学校の場合、特に大学の場合は国公立の停年になられた先生方を採用しているということで、実際はそうだと思うんですね。ところが現実にその大学でずっと入って研究生活を続けておられる方々が、あと十年あるいは二十年後にどういうような賃金体系になっていくんだろうか、学校の格差というのが相当あるというふうに私も理解しているわけです。主に大手の私立大学の場合には非常に補助金も大きいということもありますけれども、大変経営的には豊かであるというようなことも知っております。大変小さい学校がむしろそういう面では問題だと思うんですね。そういう意味で、学校のそういう条件というのが、教育条件というのが非常に悪い中でがんばってこられた人が、実際にこれは私立学校ですから経営努力によっては相当給与体系というのは自由につつける部分だと思うんです。それだけに、努力次第ではいい学校になり、まあいい給料ももらえる、そういう喜びを持ってがんばるというのは当然だと思うんですね。ただ、国からの助成をいただいているということで、この年金関係だけが非常に公務員と同じような、スライドといいますか、ケースでもって計算される。それなら、先ほどの私学助成経常費二分の一、これを実現するということが何よりも先決問題ではないかなというように私は考えるわけですけれども、その辺の考え方に対して大臣はどうなんでしょうか。私はそのように考えるわけですね。条件は二分の一という目標が一つあるわけですかち、そういう形になって、そして片や年金その他につきましては国公立と同じような計算をしていく、これならよくわかるんですけれども。
○政府委員(柳川覺治君) 先生の御趣旨の点が大変大事なところでございますので、かねて経常費助成の一般補助におきましては、専任の教職員につきましては標準給与——これは国立学校に準じたものでございますが、標準給与、それの二分の一補助ということは内容的に実現しております。いまの補助金の配分に当たりまして実現してまいっております。その他、一部の労務系職員とかいろんな形の大学には職員がおられるわけでございますが、そういう方々の分がまだ計上されておらないというような問題、また学生一人当たりの経費とか教官の研究等に伴う経費、これまた国立学校に準じた経費が出されるように従来とも努力を重ねてきたところでございますが、給与につきましては標準給与の二分の一は専任の方については見ておるということでございます。したがいまして、ある大学が定員どおりの学生を入学させておる、また、それにかなった適正な教員が配置されておるということであれば、そういうような教育条件を高めようと努力しておられる大学等につきましては傾斜配分で一三〇の配分をするというようなことで、この面の私学側の努力を期待して誘導していくというような配分は一応でき上がっておるということでございます。
○小西博行君 この大学の数も非常に多いものですから、同じ賃金はどうだということを調べるんでもわれわれの力ではなかなか調べにくい分野があるんですが、文部省にはそういうようなデータというのは、学校の規模別あるいは専門別というか、何か層別して明確に統計資料としてはあるんでしょうか。いただけますでしょうか。
○政府委員(柳川覺治君) 私学振興財団で、この面の配分に当たりまして当然必要なものでございますから、それなりの実態は把握してございます。
○小西博行君 それではその問題はそれで終わりたいと思いますので、資料をぜひとも一度見せていただきたいと存じます。
○政府委員(柳川覺治君) はい。
○小西博行君 次の点ですが、第二臨調第二部会でいま論議されております各種年金の統合案ですね、先ほどもその質問があったと思いますけれども、その問題点、年金を統合していこうということは非常に私はむずかしい問題じゃないかというふうに考えているわけですが、統合案が出ておりますですね。統合していくのには確かに大変だと思います。私学の方ではかなり経済的にゆとりがあると、ところが国鉄の場合はもう大変だと、こういう問題がございますので、その統合していく場合に文部省としてどういう問題があるのか、あるいは大臣は統合についてどのように考えておられるのか、その辺をちょっとお伺いしたいと思います。
○国務大臣(小川平二君) 年金制度を一元化しますということは究極的にはもちろん望ましいことと考えておりますが、それぞれの年金が設立の趣旨、目的あるいは沿革等それぞれ異なっておりますために、これを一元化していく作業というものは大変むずかしいことと存じております。
○小西博行君 局長どうですか、問題点。
○政府委員(柳川覺治君) わが国の公的年金制度は八つに分かれているというように、分類されております。それぞれが、いま大臣がお答え申し上げましたとおり、生い立ち、目的を持っておるわけでございまして、具体に給付の水準あるいは負担の割合、国庫負担等につきましても制度間に若干ずつ格差がございます。最終的にこのような制度間の不公平をなくしまして、国民全体のこの面の適正な保障がなされていくということが望まれるわけでございますが、これにつきましてはそれぞれの不均衡の是正措置、またそれに伴う負担の問題がございますので、これにつきましては、いま大蔵省に置かれます基本問題調査研究会で鋭意この不均衡の是正の問題を中心にしつつ研究がなされておるところでございます。終局的には望ましい方向ということが言われておりますが、具体には大臣の御答弁されたとおりでございます。
○小西博行君 確かに、わが国の場合は老齢者社会とよく言われますが、そういう方向でいっておりますので、何か特別なそういう推進機関なんかを設けて、徹底的に研究していかなくてはならないんじゃないかなあという感じを私は持っているわけです。そういう意味で社会保険省、これつくったらどうだろうという御意見もあるように聞いておりますが、社会保険省と文部省の関係、この辺に対して一体どのように考えておられるのか、もしこの社会保険省というのができるということになれば、文部省の対応の仕方ということもいまからもうすでに考えておく必要があるんじゃないか、このように考えております。社会保険省ですから、当然担当大臣を置いてじっくり調査研究していく、こういうことになるかと思うんですが、それに対する考え方はいかがでしょう。
○政府委員(柳川覺治君) 臨調の第二部会報告におきまして、年金行政機関の機構の一元化を図るに当たりまして、先生御指摘のように、年金に係る現業の業務を社会保険庁で一元的に処理することを提案されておりますが、これにつきましては種々問題があり、なお慎重な検討を行う必要があろうというように受けとめておるところでございまして、その理由は、先ほど大臣が申されましたとおり、制度が異なっている、そのことから、記録、管理、裁定、支払い、苦情処理、相談業務等の内容が全部異なっている。現業業務の一元化といいましても、逆に処理が複雑になり、効率化、サービス向上に逆行する等の問題がありまして、制度そのものの一元化が先決ではないかという意見もあるわけでございます。 また、厚生年金や国民年金、船員保険は、政府が保険者であるため、国の機関である社会保険庁が現業業務を行っているのでございますが、各種共済組合、厚生年金基金等は、共済組合等別法人を保険者として、これら法人職員が現業業務を行っているというような違いがあるわけでございます。この保険者の相違につきまして、法人職員を公務員に切りかえるのか、あるいは逆の形が望ましいか等の仕組みの問題も生ずるということで、この面につきましてはかなり慎重な検討の課題であろうということが言われておる次第でございます。
○小西博行君 大臣、きょうの質疑を実際にお聞きになりまして、年金というのは非常にややこしい計算式でありますし、それから過去のいきさつもいろいろあると思うんです。そういう意味で、これからは何かそれを本格的にひとつ文部省の中でも取り組んでもらわないとぐあいが悪い。ここの審議の中でなかなか答えられないようなことでは大変私は問題があるんじゃないかという心配をしておるわけですね。 そういう意味で、ぜひとも、将来どうなるかわかりませんが、そういう社会保険省というようなものがもしできましたら積極的にひとつ取り組んでいただきたい、またできる方向で取り組んでいただきたい、このように考えておるんですが、大臣の御意見だけでも結構です。
○国務大臣(小川平二君) 年金の問題は非常に技術的な側面を持っておりまするので、私などにはもとより非常にむずかしい問題でございまするし、ことに、将来これを一元化するというようなことになりますると、まずもって問題点を洗い出すことが必要でございましょう。これは、なかなか文部省だけでできる仕事とも存じておりませんが、大蔵省で鋭意研究を進めておるわけでございまして、問題点がだんだん明らかになりますのに対応いたしまして、文部省としても真剣に研究をしてまいるつもりでございます。
○小西博行君 今度の法案は、五月分から支払いするとか、あるいは三分の一という問題がございまして、従来の法案と多少変わっておるわけですが、毎年この種のもの、年金の改定というものは質疑されているわけですね。また、そこで別に何もなければ、人事院で決めた給料に従って恩給が定められ、そして年金の計算がされるという一連の作業がほとんどじゃないかというように思います。そういう場合には、これ政令事項というようなかっこうで処理できないんだろうかなあと、実はそういう感じを受けておるんですが、それに対する考え方はどうでしょう。
○政府委員(柳川覺治君) そのような形があり得るのか、それのためには、共済年金の改定につきましても、厚生年金が物価スライド制をとっている、そのように自動スライド制が取り入れられるということが可能であるかどうかということとも関連することだと思いますが、現に私学共済年金の給付水準につきましては、国公立学校の教職員のそれと均衡を保つこと、それをたてまえといたしまして、従前から国家公務員共済制度の年金の改善に合わせましてその改善を図ってきている。その国家公務員共済の年金は、国の重要な施策として法律の改正により行われます恩給の改善にこれまた準じて改善を行っているというところでございます。したがいまして、恩給に準じて改善を行うという各共済年金の引き上げにつきましても各委員会で先生方の御審議をいただき、法改正によってその改善を図ってきたということ、現在におきましてはこの形がとられていくべきものと考えられますが、なおこの面につきましては、各共済の扱いとも関連する問題でございますので、また先生方の御指導を受けてこの面の検討がなされていくべきことであろうと思っております。
○小西博行君 それでは最後にお尋ねいたしますけれども、この私学共済組合に加盟してない大学というのは結構数が多いんですね。たとえば、東京では早稲田とか慶応というようなマンモス校、こういう学校が加入してないというように聞いておるんですが、東京近辺では大体何校ぐらいあって、実際単独でそういう共済組合的なものをやっていると思うんですが、その場合の財政的な状態というのは一体どうなのか、一遍お伺いしたいと思っていたわけですが、どうでしょうか。
○政府委員(柳川覺治君) この私学共済組合の制度が発足いたしましたのが昭和二十九年でございます。その際に加入を選択しなかったいわゆる未加入校でございますが、百七十一校ございまして、その後、これらの未加入校から加入の要請が起こってまいりまして、これを受けまして、昭和四十八年の立法措置によりまして再度加入の機会が与えられたわけでございます。その結果、未加入のまま残りました学校が五十九校ございまして現在に至っておるという状態でございます。 この非加入の理由につきましては、個別には必ずしもつまびらかではございませんが、たとえば健康保険組合を独自に組織し、しかも保険料は学校側が多く負担している等のため、教職員にとりまして共済組合加入の利益が必ずしもないと判断されたことなどの理由が主たるものではないかというように思われます。 また、昭和四十八年の立法措置の際には、各学校法人に対しまして、今回が最後の機会となるので、法律の趣旨を十分理解して加入の態度を決定するよう指導した経緯もございまして、それ以来の間、この問題につきましてさらに三度目の加入の機会を与えろという要請はいま必ずしも出てないように感じております。したがいまして、各未加入の法人につきましてはそれなりの対応がなされておるというように理解しておるところでございます。
○小西博行君 終わります。
○委員長(片山正英君) 他に御発言もないようですから質疑は終局したものと認めます。 —————————————
○委員長(片山正英君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、増岡康治君が委員を辞任され、その補欠として関口恵造君が選任されました。 —————————————
○委員長(片山正英君) 本案の修正について小野君から発言を求められておりますので、この際、これを許します。小野君。
○小野明君 私は、日本社会党、公明党・国民会議、日本共産党及び民社党・国民連合を代表して、本法律案に対し修正の動議を提出いたします。 これより、その趣旨について御説明申し上げます。 まず、修正案の内容については、お手元に配付されております案文のとおり、年金額改定の実施時期について、原案の五月を一カ月繰り上げ、例年どおり四月から実施しようとするものであります。 次にその理由について以下申し述べます。 御承知のように、共済年金額改定の実施時期につきましては、昭和四十八年度の十月実施から順次改善され、五十二年度以降は四月実施が定着しているのであります。しかしながら、今回の政府の提案は、一カ月おくれの五月実施とその改悪を図ろうとするものであります。国の財政状況等によってこのように安易に実施時期など年金改定の内容に変更を加えることは、年金制度に必要な安定性、継続性に反するばかりでなく、年金受給者の老後の生活を不安にし、ひいては国民の年金制度に対する信頼感を失う措置と言わざるを得ないのであります。 いままで社会に貢献し、国の発展に寄与してきた人々の老後の生活を保障するため、年金制度の一層の拡充に努めることこそ国の責務であり、その後退は許されないところであります。 私たちは、このような立場から共同して修正案を提出するものであります。何とぞ委員各位の御賛同を賜りますようお願い申し上げます。 以上です。
○委員長(片山正英君) ただいまの小野君提出の修正案は予算を伴うものでありますので、国会法第五十七条の三の規定により、内閣から本修正案に対する意見を聴取いたします。小川文部大臣。
○国務大臣(小川平二君) ただいまの修正案につきましては、政府として反対でございます。
○委員長(片山正英君) それでは、ただいまの修正案に対し、質疑のある方は順次御発言願います。別に御発言もないようですから、原案並びに修正案について討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。別に御発言もないようですから、これより昭和四十四年度以後における私立学校教職員共済組合からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案について採決に入ります。 まず、小野君提出の修正案の採決を行います。 本修正案に賛成の方挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(片山正英君) 少数と認めます。よって、小野君提出の修正案は否決されました。 それでは、次に原案全部の採決を行います。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(片山正英君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 小野君から発言を求められておりますので、これを許します。小野君。
○小野明君 私は、ただいま可決されました昭和四十四年度以後における私立学校教職員共済組合からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・自由国民会議、日本社会党、公明党・国民会議、日本共産党及び民社党・国民連合の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 昭和四十四年度以後における私立学校教職員共済組合からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、次の事項について検討し、速やかにその実現を図るべきである。 一、長期給付に要する費用に対する国の補助率を百分の二十以上に引き上げるよう努めること。 なお、昭和五十七年度から同五十九年度までの間減額されることとなつた国庫補助額については、財政再建期間終了後速やかに適正な利子を付して、その減額分の補てんを行うこと。 二、長期給付に対する日本私学振興財団の助成金について、必要な強化措置を講ずるよう努めること。 三、地方財政の実情にかんがみ、長期給付掛金に対する都道府県の補助を充実するため、必要な措置を講ずるよう努めること。 右決議する。 以上でございます。 何とぞ御賛同くださいますようお願いいたします。
○委員長(片山正英君) ただいま小野君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(片山正英君) 全会一致と認めます。よって、小野君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、小川文部大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。小川文部大臣。
○国務大臣(小川平二君) ただいま御決議がございました事項につきましては、御趣旨を尊重し、十分検討いたしたいと存じます。
○委員長(片山正英君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(片山正英君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(片山正英君) 次に、私立学校振興助成法の一部を改正する法律案を議題といたします。 速記をとめてください。 〔速記中止〕
○委員長(片山正英君) 速記を起こしてください。 まず、発議者衆議院議員石橋一弥君から趣旨説明を聴取いたします。石橋一弥君。
○衆議院議員(石橋一弥君) 私立学校振興助成法の一部を改正する法律案につきまして提案理由の説明を申し上げます。 わが国の私立幼稚園は、昭和五十六年度において幼稚園総数の五九%を占め、わが国の幼稚園教育の普及発展に重要な貢献をしておりますが、この私立幼稚園のうちには学校法人以外の個人または宗教法人等によって設置された幼稚園が多数あります。去る第七十五回国会においては、これらの個人立等の幼稚園に対しても教育条件の向上や父母負担の軽減の観点から公費助成の道を開くとともに、助成を受けた個人立等の幼稚園は、その翌年度から五年以内に学校法人化の措置をしなければならないこととするよう所要の法律改正が行われたのであります。これにより個人立等の幼稚園の学校法人化は年々進んできたところでありますが、現在なお私立幼稚園の四二%は個人立等であり、このままで推移すれば、五年の期限の到来により補助を打ち切られざるを得ない幼稚園も数多く出てくることが予想され、幼稚園教育に混乱を招くおそれもあります。このため、学校法人化の期限を昭和六十年三月末まで延長しようとするものであります。 なお、私立学校振興助成法の一部改正を提案するに当たり、この際、専修学校または各種学校を設置する準学校法人に対する助成及び監督の規定について所要の規定の整備を図ることといたしております。 次に、法律案の内容について申し上げます。 その第一は、私立学校振興助成法附則第二条第五項の規定による学校法人によって設置されるよう措置しなければならない期限が五十七年三月末、五十八年三月末及び五十九年三月末に到来する幼稚園については、いずれもその期限を六十年三月末まで延長することといたしております。 第二に、専修学校または各種学校を設置する私立学校法第六十四条第四項の法人についても、助成及び監督の規定について、私立学校振興助成法の所要の規定を準用することとしております。 以上が本法律案の趣旨及び内容であります。 なお、本法律案に対する衆議院における修正につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。 原案の施行期日は公布の日から施行することとしておりますが、本法律案提出後の時日の経過に伴い、すでに学校法人化の期限が昭和五十七年三月末日に到来した幼稚園も生じておりますので、この際、これらの幼稚園に対し、学校法人化の期限の延長規定を適用させようとするものであります。 以上が修正の概要であります。 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛成くださるようお願い申し上げます。
○委員長(片山正英君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後三時三十五分散会 —————・—————