文教委員会 第10号
- 発言数
- 193 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1982/04/22
会議録
○委員長(片山正英君) ただいまから文教委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 本日、岡田広君が委員を辞任され、その補欠として増岡康治君が選任されました。 —————————————
○委員長(片山正英君) 公立学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。 本案の趣旨説明はすでに聴取いたしておりますので、これより直ちに質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○本岡昭次君 まず初めに、この法律改正に伴う基礎的な問題について御質問をいたします。 今回の法改正によって利益を受けるというんですか、法改正に伴って年金を担保にしてお金を借りられるという、そういう対象者は何人あるんですか。
○政府委員(高石邦男君) 今回の法律改正によって、年金担保融資の対象となっております年金受給者は一人でございます。その方はもと大阪府の公立中学校の学校医をされていた方で、現在障害補償年金を受けていらっしゃるわけでございます。
○本岡昭次君 どのような状態でその方が障害補償を受けるような状態になったんですか。
○政府委員(高石邦男君) この方は災害を受けられたのは昭和五十年の五月九日で、当時年齢が七十歳でございまして、心臓検診の打ち合わせを学校でやっているそのときに発作が起きまして、脳出血で倒れられたわけでございます。そういうことで、この法律の対象として年金を支給するということで、障害補償年金を支給しているわけでございます。昭和五十六年度の年金額は、障害の等級が三級でございまして、年金額が二百四十三万四千円、これは昭和五十六年度における年金額でございます。
○本岡昭次君 公務災害という場合に、教職員が学校で倒れた場合の公務災害の認定と同じような方法でやるんですか。
○政府委員(高石邦男君) 基本的には同じ取り扱いでございます。
○本岡昭次君 私の経験では、学校の教職員が、たとえ教壇の上で子供を教えていた状態であっても、脳出血等で倒れた場合になかなか公務災害が受けられず、家族が非常にその後生活にも困る。また、その職場の同僚もその問題の救済あるいは事後の子供たちの行方問題等々について、私的な意味でもお互いに大変な助け合い運動をやるんですが、脳内出血という症状によって倒れた場合、この人の場合はどうしてこれ七十歳という高齢で——恐らく高血圧とか何か脳出血を引き起こすに足る原因というものがあったと、こう思うんですが、教員の場合なんかは絶対といっていいほど、こういう場合、公務災害にならぬのですがね。どうしてこれなったんですか。私、この人がなったことを悪いと言っているんじゃないんですよ。お聞きします。
○政府委員(高石邦男君) 基本的な原則の取り扱いはいま先生御指摘のとおりでございますが、学校の先生の場合でも、たとえば生徒指導の観点で夜遅くまで連続して仕事が重なって、そしてその過労が蓄積して学校の授業中に脳出血で倒れるというようなことになりますと、その原因というのが過労のたび重なることが一つの要因になっているという認定をされれば公務災害補償になろうかと思うわけであります。この先生も同じような傾向がございまして、年齢が当時七十歳で、過去数カ月間にわたって学校のいろんな児童生徒の心臓検診の打ち合わせその他で夜遅くまでかなりたび重なる会議が行われたようでございます。したがいまして、倒れられた前日も深夜の遅くまでその打ち合わせ会議が行われておったということで、持病によるというか、本人の病気による脳出血というよりも、そうしたたび重なる学校における学校医としての会議が重なっていた。そしてしかも、前日も遅くまで会議が行われておった、その翌日にこういう状態で倒れられたというような認定をされまして公務災害の対象になっているわけでございます。
○本岡昭次君 いまおっしゃったように、倒れる以前に公務による疲労がどれほど蓄積されて、そのことが脳出血という状態の引き金にどれほど直接大きく影響したかというふうなことが最後の判定の基準になるのですが、その段階になりますとなかなか医学的な問題が入り込めず、本当にそれが公務であったのかなかったのかとかいったような実態問題で論議をされてしまって、私も現場にいましたときに、よく冗談で、脳出血で倒れそうになったらそこの教卓に頭でもぶつけてでも死ねと、そうしたら物理的に死んだことになって家族も助かるからというふうに言ったんですよね。だから、災害補償問題の中で、教育現場で最近脳内出血によって倒れるという状態が非常に多くて、それが公務によるのかどうかという認定が非常にむずかしい。そういうことで、これは若干わき道にそれておりますけれども、学校の教職員の公務災害認定について、脳出血による死亡あるいはそれによって不具廃疾のような状態になって、再び教壇に立てないというふうな状態になったときの認定の仕方というものについて、もう少し実態に合った、現場の教職員の教育労働というものの質と量、そうしたものをもう少し厳密に見て認定をするというふうなことについて、文部省の積極的な対応というものを期待したいと思うのです。でなければ、現場の教職員もいまのような子供たちの状況の中にあって、大げさな言い方かもしれませんが、ほとんどの教師は命を張ってやっているというふうな状況もあります。中には社会からいろいろ指摘されたり批判されたりする教職員もいますが、ほとんどはいまの青少年の問題が直接自分たちの責任で起こっていることでないにしろ、学校という場において何とかこれを直さなければということで必死になってがんばっている。そういう状況からこういう脳出血とかいうふうな形の病気が非常に多発するようにもなっていると思うので、そういう点についてひとつ文部省の現場に対する暖かい配慮みたいなものが欲しい、こういうふうに私は思います。 文部大臣、そうした公務災害の問題と教職員の現場における関係について若干いま局長と質疑をしたんですが、何かいまの私の話の中で御感想のようなものでもありましたら一言お願いしたいと思います。
○国務大臣(小川平二君) 教職員が災害に遭いました場合、これが公務に起因するものかどうかという判定をする、私もとより素人でございますが、恐らく非常にこれはむずかしい問題であるに違いないと存じます。したがいまして、この問題につきましては、これから先も各種のデータを集める等のことをいたしまして、十分慎重に検討を加えて御趣旨に沿うべきことだと考えております。
○本岡昭次君 そこで、非常に立ち入った質問になるんですが、この方がこの法律改正によってお金を借りるとすれば、国民金融公庫かあるいは沖繩振興開発金融公庫に年金を担保にしてお金を借りるんですが、一体どのぐらいのお金を借りることができるのか、あるいはまた年金を担保に供することのできる相手が国民金融公庫と沖繩振興開発金融公庫というふうに限定した理由、これはどういうところにあるんですか。
○政府委員(高石邦男君) 今回の法律改正の、年金受給者がこれを担保にして国民金融公庫または沖繩振興開発金融公庫から受けられる貸付条件がございます。それはまず、原則的には年金額の三年分以内に相当する額ということで、ただしその額が百六十万を超えれば百六十万を限度とするということでございます。したがいまして、この方は二百四十三万四千円の年金を受けていらっしゃいますので、この限度額いっぱいということになりますと、借りられるのが百六十万ということになるわけであります。で、借りられる期間は四年以内でございます。そして、その利率は財政投融資の利率と同じでありまして、昭和五十七年度の現在では年七・三%というようなことになっているわけであります。 なお、これらの年金を担保にして借りられることを二つのものに制限したというのは、この二つは性格的にそうした人たちに対する融資をする制度としてつくられているので、そこに、政府の公の仕組みとしてつくられた二つのものに限定して対象にしたということでございます。
○本岡昭次君 いま年金は二百四十三万受け取っておられるということをお聞きしました。その年金を算定するに当たって補償の基礎額というふうなものがあるわけですが、この災害補償額を算定するための補償基礎額について伺います。 学校医の場合は、聞くところによりますと勤務年数に応じた本俸のみとなっている。しかし、国家公務員の災害補償法では過去三カ月間の給与総額の平均となっていて、しかも初任給調整手当とか、あるいは超過勤務手当等も含まれているというふうに、こう聞いているんですが、そういう両者を比較するときに、国家公務員災害補償法の適用の方が有利ではないかというふうに私は見ます。 そこで、なぜ学校医の場合、そうした国家公務員災害補償法の補償額算定の方法をとらないのかという問題についてひとつお答えいただけたらありがたいと思います。
○政府委員(高石邦男君) この公務災害補償の基礎となっております補償基礎額の算出方法は、学校医及び学校薬剤師につきましては、一般職の職員の俸給に関する法律の医療職俸給表における医師及び歯科医師としての経験年数に応じた給与によりその日額を定めましてやっているわけでございます。学校薬剤師につきましては、医療職俸給表の(二)により同様な取り扱いをしているわけでございます。したがいまして、一般職の職員の給与を基礎額にしておりますので、たとえば十年から十五年未満の医師としての経験年数がございますと、仮定号俸というのを考えまして、その場合に仮定号俸は三等級六号俸で二十四万一千二百円というような形になっているわけでございます。したがいまして、一般の国家公務員の医師が常勤の公務員であるならばという推計した数字にして対応しておりますので、その限りにおいてはバランスのとれた基礎額の計算というふうになるのではなかろうかというふうに思っているわけでございます。
○本岡昭次君 いまの問題は後でもう少しお聞きしますが、いま言いましたように、学校医の場合は本俸だけであると、しかし、国家公務員の災害補償の場合はそのほか手当等がその基礎額の中に組み込まれているというふうに聞いているんですが、そうであるのかないのか、これはどうなんですか。
○政府委員(高石邦男君) 国家公務員の場合には特別手当みたいな制度がございますので、それは基礎になるようでございますが、その限りにおきましては若干の差があるというふうになろうかと思います。
○本岡昭次君 実際に学校医が学校に専門的にそこに常勤をして、そこでいろんな手当をもらうという性格ではございませんから、当然そうしたものが基礎額の中に入ったらどうなるかということではないと思いますが、しかし、その学校医を公務ということによる災害そしてその補償ということを考える以上、これは他の公務員の災害補償と同じようなやはり位置づけを私はすべきだというふうに考えるんです。 そこで、いまおっしゃるように、そういう手当等は基礎額に入らなくとも、仮定号俸の算定の段階で、決して学校医が不利になるようなことになっていないということもいまおっしゃいましたが、それについても果たしてそうかということがあるわけなんです。いま局長は、十年以上十五年未満の三等級六号俸二十四万一千二百円という一つの仮定号俸に対する俸給を算定して、そこから日額を計算するということを申されたんですが、その場合、実際に三等級六号を適用されている人、この人の経験年数というのは一体何年なんですか。
○政府委員(高石邦男君) 三等級六号は経験年数十年ということでございます。
○本岡昭次君 そこが全体にわたって五年未満とか、五年以上十年未満、十年以上十五年未満というふうに五年刻みで経験年数をはじき出して、そして仮定号俸がある。その仮定号俸がいまおっしゃるように十年から十五年という場合には十五年をとらずに十年をとり、五年から十年という場合は五年をとりとして、その後ろの一番下位のところを全部とって仮定号俸決めておるんです。なぜそれを中間かあるいは一番上にとれないかということなんです、細かいことを言いますが。しかも、医者の報酬が十分出されているというならまだしも、ボランティア活動に近いような形でしか医者の報酬がいってないという現実が一方にあって、公務災害に遭ったときの補償の基礎になる金額が、仮定号俸の算定のときに一番下位のものしかとれない、十年というふうにされるのはいいけれども、しかし、十五年未満という場合に、十四年十一カ月とか、十四年十カ月とかという方は一番低いところでランクされるという状態です。これは仮定号俸の設定を、十年じゃなくて十五年と高い方に設定をするというふうに、せめて学校医のいまの状態から見て改善をすべきではないかと。仮定号俸のとり方だけの問題じゃないかと、いまのあなたの話を聞いておって私は思ったのですが、これは改善の余地はないのですか。
○政府委員(高石邦男君) 非常勤の人の場合に、一般的な公務員でございますと、現に支給されている報酬額を基礎に換算して決めるわけです。したがいまして、通常は非常勤の諸手当というのは、かなり常勤に引き直した場合に低いというのが実態であろうかと思うんです。したがいまして、そういうことであってはいけないという意味で、確かに、常勤の人が十五年未満勤めているのに十年の仮定号俸で決めているのは若干不利があるんじゃないかというような議論もございましょうけれども、この人は現にもらっている報酬額を月額に換算し、年額に換算していくというような形をとりますと、一般的に相当不利な状況になってしまうわけです。したがって、そこに歯どめをかけたというような形になっておるものですから、なかなかその常勤のトップでそれをやっていくということについては、そこまでの対応はできかねるということでこういうふうにしておりまして、他の非常勤職員の計算方式と学校医との関係について申し上げれば、学校医についてはかなり優遇された基準で決められている、こういうふうに理解しているわけでございます。
○本岡昭次君 いや、私はいまのあなたの意見に特段反論はないんですけれどもね。そういうふうにされていると思うんです。しかし、常時、報酬としてもらっている分ということの考え方、それも私は高いとは思わぬのですが、それはいろんな事情があることで、話は横に置いておいて、公務災害に適用されるという事態ですよね、通常の状態じゃないんです。公務に従事しておって災害に遭って、そして死亡あるいはまた一生働けない、あるいはまた身体的な不自由の状態のまま働かなければならぬとか、あるいはそのために休業しなければならないとか、いろんなことが起こるわけで、そういう状態のときに、補償の基礎額として、いまあなたのおっしゃっていることとは別に、せめて災害補償の場合だけは高い方のランクのところで仮定号俸を設定するということの改善の検討、そういうふうなものもひとつこの際、いま聞きましたら全く数少ないんでしょう。——一人ですか。そういう数少ない状態で、万一起こったことに対する措置ですから、もう少しそこは大げさな優遇とかいうふうなことじゃなくて、わずかなことですから、改善の検討をされたらどうですか。
○政府委員(高石邦男君) 御指摘の趣旨はよくわかるわけでございます。ただ、一般的な国家公務員の非常勤職員、それから地方公務員の非常勤職員に対する制度のバランス問題ということも一方においては考えなければならない問題であります。それから、現に医者の処遇というか、医者の得ている報酬、そういう問題とのバランス問題も考えなきゃならぬと思います。そういうことで、いまここで直ちに御指摘のように上の方に持っていくということをお答えできかねますけれども、そういうバランスを考えながら、改善し得る面がございますれば改善してまいりたいと思います。
○本岡昭次君 ひとつ検討をしていただきたいと思います。 そこで、学校医の年間平均報酬額ですが、これは年間の勤務日数がそれぞれ違いますから、それに応じて金額も変わってこようと思います。五十四年度の、学校保健課の調べられた資料によりますと、学校医で、小学校十三万六千三百二十一円、中学校で十四万四百七十円、高等学校で十四万一千九百十一円という平均が出ています。そのほか、歯科医とか薬剤師の平均もあるわけですが、この際は学校医だけにしぼって考えますと、十四万ということのようでございます。しかし、昭和五十六年度の地方交付税の積算単価は、学校医一人に対して十一万六千円というふうなことになっているようですが、実際の学校医の勤務、それに対する報酬、こうしたものの実態をここは反映をしていないんじゃないかというふうに思います。私は、地方交付税の積算単価の仕組みというふうなものを十分承知していないので的外れな質問をしているんじゃないかとは思いますけれども、もう少し地方交付税の積算単価が実態に合わせて引き上げられてもいいんじゃないかと。また、そういうことが学校医に対する報酬問題の改善の糸口になるんじゃないかというふうなことを思いますので、そういう点はいかがなんですか。
○政府委員(高石邦男君) 御指摘のように、地方交付税では標準規模の小中学校について、昭和五十六年度におきましては、学校医につきまして十一万六千円ということで、現実的に年間支払われている報酬額との関係では差があるわけでございます。これは標準規模の学校で積算されておりますので、規模の大きい学校になりますと当然加算された金額になるということで、毎年交付税の額そのものにつきましては改善を加えてきているわけでございます。そこで、今後とも自治省と十分協議をしながら、この改善を図っていきたいというふうに思っておりますので、このトータルの数字で支払われているトータル数字と、交付税で財源措置されているトータル数字は大体バランスがとれている状況ではないかというふうに思っている次第でございます。
○本岡昭次君 そこで、学校医の災害補償制度ですが、私立学校の学校医の災害補償制度は、これはどのようになっていますか。
○政府委員(高石邦男君) 私立学校の場合には、労働者災害補償保険法という法律によりまして補償するということになっているわけでございます。
○本岡昭次君 その内容はどうですか。公立学校と比較して私立学校の災害補償の内容について、同じようになっているんですか、それとも差異があるんですか。
○政府委員(高石邦男君) 補償制度は全く同じような補償制度になっているわけでございます。
○本岡昭次君 全く同じ補償制度ということは災害補償の算定基準からすべてにわたって同じと、こういうことなんですか。
○政府委員(高石邦男君) この場合に非常勤の人でございますので、その基礎額になります報酬額の算定につきましては公立学校の場合のような仕組みというわけではなくして、現にもらっているその人の報酬額を基礎にいたしまして支払われるということになりますので、その報酬が先ほど申し上げました公立学校の場合よりも高いようになれば支給額も若干高くなるし、低いということになると下回るという、額についてはそういう変動があるわけでございます。
○本岡昭次君 それでは、一般的に公立と比べて報酬額は高いのですか、低いんですか。
○政府委員(高石邦男君) ちょっと具体的な計算というかそういうのをしておりませんので、高いか低いかということになりますとちょっとこの場で申しかねますが、感じといたしましては私学の場合はやや低くなるんではないかというふうに思われます。
○本岡昭次君 私学の問題は後ほどまた触れていきます。 それでは、次の質問に移ります。 次に、いまいろいろお伺いしました学校医の配置状況についてお尋ねをいたします。これは歯科医も含めてですが、国立、公立、私立別に、そしてまたそれがそれぞれ診療科別にどういう配置状況になっているかということについて概略わかる程度でひとつ説明をしていただけませんか。
○政府委員(高石邦男君) まず、小学校について申し上げます。国立の場合、学校医の配置率が九八・六%、それから学校歯科医これが九五・八%、学校薬剤師九七・二%、公立の場合、学校医九七・九%、学校歯科医九七・四%、学校薬剤師九一%、私立学校の場合、学校医九一・六%、学校歯科医七九・五%、学校薬剤師二七・一%というのが小学校でございます。 中学校もいま申し上げた傾向と同じような傾向で、大体国公立はほぼ同じような配置率でございますが、私学の場合には、中学でいいますと七三・一%が学校医、学校歯科医が五七・七%、学校薬剤師が二〇・六%というような配置率になっているわけでございます。 それから、公立学校における診療科別の配置状況でございますが、小学校で申し上げますと、内科医が九〇・一%、眼科医が四一・四%、耳鼻咽喉科二四・一%、その他の医師一三・四%、中学校の場合は内科医が八七・八%、眼科医四三・九%、耳鼻科三五・八%、その他一七・六%というような状況になっております。
○本岡昭次君 ありがとうございました。 それで、いまの診療科別のその他という項に小学校が一三・四%、中学校が一七・六%ありますが、その他というのはどういう診療科の専門のお医者さんが学校医になっておられるんですか。
○政府委員(高石邦男君) 外科、整形外科とかそういう人とか、それから科目が組み合っている場合、内科の先生と神経系統の先生というような専門以外のもの全部その他にしております。ですから、外科関係とかそれから内科の先生と、内科の中でもそれぞれ何というか、神経系統の専門でもあるというような人、そういうのはその他にランクしているわけでございます。
○本岡昭次君 いろいろ診療科別にお医者さんがいらっしゃいますが、産婦人科のお医者さんというのはこんなとこにまじって入ってるということは絶対ないでしょうな。
○政府委員(高石邦男君) 一般的には小中学校ではないと思いますが、高等学校あたりではそういう必要性があって、そういう人が場合によったらお願いしている場合もあるかもしれません。
○本岡昭次君 私も自信がないんですが、そういう話を聞くんです。一度調べておいてみてください。 そこで、配置が国立、公立、私立、小中合わせていずれも一〇〇%というのがないわけですね。ということは未配置校があるということです。学校保健法に学校医、歯科医あるいは薬剤師の配置が定められていますが、それに対してこのように配置されていない学校があるということは、これはどのように考えればいいんですか。
○政府委員(高石邦男君) 学校保健法では「学校医、学校歯科医及び学校薬剤師は、それぞれ医師、歯科医師又は薬剤師のうちから、任命し、又は委嘱する。」というようなことで、大学以外の学校にはこれらの人を置くものとするというふうに制度上はなっているわけであります。そこで、現に置いてない学校があるわけでありますが、それは学校医が得られない僻地というような学校では、その発令をしようにも発令する医者がいないというような地域があるわけであります。だから、そういうところはちょっと委嘱しておくというわけにはいかないというような状況になっているわけであります。しかしながら、そういう学校には派遣制度を活用いたしまして、学校の健康診断であるとか、学校の保健管理につきまして、僻地に対する都市部からの先生を派遣してその仕事に当たってもらうというような仕組みを考えているわけであります。
○本岡昭次君 その未配置校にいま医者の派遣を要請して、そして必要な就学時の健康診断、毎年の健康診断、そのほか学校保健法に言うところのさまぎまな仕事をしてもらってるというんですが、実際可能なんですか。学校保健法上に言う学校医、歯科医あるいは薬剤師が執行する職務としている内容を、いまおっしゃる未配置校に対する派遣制度というふうなもので十分やれているというふうにお考えてございますか。
○政府委員(高石邦男君) 固定した学校医の先生が得られないので、そこの学校に置いてある場合に比較いたしますと、十分なことがやられていないというふうに思われます。 そこで、具体的には健康診断が中心でございますが、たとえば昭和五十七年度の予算額で申し上げますと、対象校が千三百九十七校に対して派遣人員が七千八百七十人の医師を派遣する、それに必要な経費を国が僻地学校保健管理費補助という形で予算を出しているわけであります。そういうことで、少なくとも学校における健康診断につきましては、その体制によって一応カバーできているというふうに思いますが、それ以外の日常における子供たちの健康問題ということについては、御指摘のとおりに十分な体制ではないわけでございます。
○本岡昭次君 これは文部大臣もよく聞いておいていただきたいんですが、学校保健法第十六条には、いま局長も答弁されましたように、「学校には、学校医を置くものとする。」というふうに明文化されております。この学校保健法は昭和三十三年に制定をされているわけですから、この「学校医を置くものとする。」という立場から見たときに、これは非常に未配置校が依然として存在するというふうなことは、この法律の上から見れば、これはもう大変な事態が今日においてもなお放置されているというふうに思うんですね、文部省の責任だとすべてを言うつもりはございませんが。しかし、文部省を初めとする教育行政のそれぞれの機関が、この法律に基づいて「置くものとする。」というものを置かないまま放置しているということの責任は免れないと、このように思うんですが、文部大臣いかがですか。
○国務大臣(小川平二君) 確かに、仰せのとおり法律の趣旨が具現されておらない、そういう事態が存在をいたしておることで、このことはまことに残念なことでございますが、僻地等におきましては、実際問題として種々の困難が伴うこととは存じますが、今後は法律の趣旨が生かされますように、都道府県教育委員会等を通じて指導してまいるつもりでございます。
○本岡昭次君 またそれは、いまの答弁については最後に、総合的に大臣に、今後の学校保健のあり方、学校医のあり方ということで御見解を伺うことにいたしまして、その他の問題に入っていきます。 そこで、先ほどもありましたが、内科医の方は、小学校が九〇%、中学校が八七・八%ですか、ということでございますが、そのほかの歯科医とかあるいは耳鼻咽喉科になってまいりますと、四〇%、三〇%、二〇%というふうになってきております。 そこで、その眼科医あるいは耳鼻咽喉科医を学校医として指定することについてはどうなんですか。それぞれの教育委員会、学校が任意にやるんですか。それとも、それは内科医とあわせて学校医として配置すべきものだという立場に立っておられるんですか、これはいかがですか。
○政府委員(高石邦男君) 標準的な学校においては、学校医の積算としては三人を予定しているわけです。その三人の組み合わせをどうするかということだと思います。したがいまして、内科医の先生が一人、それから眼科の先生が一人、それから耳鼻咽喉科の先生が一人というような形が大体全国的に多いということでございまして、そこの仕分けについては地域の実態に応じて考えてほしいということで、私の方で別にこの種類の三人というような限定はしていないわけでございます。
○本岡昭次君 学校医の配置は三人ということを標準にしてそれぞれ指導しているということですが、そうすると、先ほど報告いただいた学校医の配置状況ということのパーセントは、その三人の医師を配置しているところをもとにしたパーセントであるのかないのか。そこはどのようになって——一人でもおれば、それは配置校と、こうなっているのか、やはり三人いなければ配置校と言わないように統計上なっているのか、そこのところはいかがですか。
○政府委員(高石邦男君) 先ほど申し上げました数字は学校医として一人以上いる学校ということでございます。したがいまして、学校の規模によりますと五、六人の学校医をお願いしているところもあるわけですね、大きな規模になりますと。それから、小さい学校ですと一人しかお願いしてないというようなことがございますので、パーセンテージのとり方としては一人以上の学校医が配置されている学校ということでございます。
○本岡昭次君 くどいようですが、そうしたらその規模ですね。三人以上配置することが望ましいというんですか、すべきであるというんですか。それはどのぐらいの規模の学校に対してそういう指導、あるいはまた二人、一人というふうなことをどうも規模別に何か指導なさっているようですが、それはどういう規模でもって配置されているんですか。
○政府委員(高石邦男君) 学校規模別まではデータがございませんが、一人を置いている学校が五〇%、二人置いている学校が一四・九%、三人以上置いているのが三五・一%ということになっております。これは小学校の場合でございます。
○本岡昭次君 いや、私が言っていますのは——いまの答弁はありがとうございます。それで状況はつかめたんですが、その規模によって一人、二人、三人というふうに考えていけばいいということをおっしゃった。しかし初めは、学校医として三人を、それはどういう組み合わせにするかは学校なりあるいは地域で考えてもらったらいいけれども、三人を配置することが望ましいんだというお話であったんですよね。しかし、次の答弁になると、もう今度は、それは規模によって三人で、あるいは二人で一人でということも考えられると、こうおっしゃったんですが、その学校医の配置数というのは、その規模によってこうやりなさいというふうにおっしゃるのか、あるいはまた、三人というのが適正配置であって、その三人の中身は、内科、眼科、耳鼻咽喉科とするかどうかというのはそれぞれの地域にしたらよろしいとなっておるのか、それはどちらなんですか。
○政府委員(高石邦男君) これは財源措置をしております地方交付税におきましては、標準規模として学級数十八学級、児童数八百十人、これは小学校の場合ですが、中学校の場合は学級数十五学級、生徒数六百七十五人ということがわれわれが地方に対する財源措置をしている考え方であります。したがいまして、少なくとも十八学級以上のところは三人以上置けるような財源措置をするというような形になっておりますので、文部省として何学級以上は三人、何学級までは二人、何学級は一人でいいと、そういう具体的な中身までは示していないということでございます。
○本岡昭次君 まあしかし、学校医はやはり三人最低配置することが望ましいという、その基本線というものはあるということは間違いないんですね。
○政府委員(高石邦男君) 理想としてはそういうことでいきたいというふうに思っております。
○本岡昭次君 そこで、一人しか学校医がいない、その多くは内科医であろうと、こう思いますが、そこで最近の状況を見てきたときに、学校医の配置問題として、お医者さんが内科のお医者さんとかあるいは眼科、耳鼻咽喉科というふうに昔ながらのそうしたお医者さんだけでいいのかというと、最近は必ずしもそうでないような学校の実態、生徒の実態があるように思います。きょうも新聞を見て驚いたんですが、東京都の都立教育研究所が児童、生徒の生と死に関する意識調査というものをやったところが、幼稚園で二・五%、小学校一年生で八%、小学校三年で一八%、小学校六年生も一八%、中学一年生で二〇%、中学三年で二七%の子供が最近一年間で死にたいと思ったことがあるということを面接調査あるいはアンケート調査の結果から出てきているのに私は驚いたんです。幼稚園の子供が四十人に一人死ぬことを考えた——一体このころの子供の心理の状態として死というものをどういうふうに意識しておるのかということも私はよくわかりませんが、やはりだんだん小学校、中学校と上がってくると、しまいに中学三年生では二七%の子供が自殺したいというふうなことを考えるという、この数字は非常に大きいと思います。捨てておけない状況だと思うんです。 そこで、それではこういうふうな子供の心理状況を一体学校の中でどのように保護していくのか、つかまえていくのかと。学校医にそんなことをすべて任せろと言ったってこれは任せるものじゃない。もちろん教師が教壇に立って自分の預かっている子供の顔を見、そして心を読み取ってそうしたことに対する対応措置をしていかなければならぬでしょうし、そういうことを思わないような教育をやっていかなければならぬと基本的にはそう思うんですが、しかし現にこういう児童生徒がいるということも事実であるわけです。したがって、自殺、その前段にはノイローゼがある、その前段には登校拒否というものが起こってきます。だから登校拒否、ノイローゼ、自殺というこの一連の進行していく子供の心理状態を正確につかんでいくシステムというものがいまの学校には必要ではないかと、私はこう見ているんです。 そこで、そうした一連の問題を内科のお医者さんとかあるいは眼科のお医者さん、耳鼻科のお医者さんに御相談申し上げ、あるいはそのお医者さんを中心にいろいろ学校が保健計画を立てていくということで、まあ専門家でございますから、われわれ素人よりもこうした子供の自殺とかいうふうなことに最後追い詰められていく子供の心の動き、体の動きを指導いただくことは可能かと思います。しかし、やはり専門は、この間の日航機の墜落事故じゃございませんけれども、これは精神あるいは神経、そうしたところの神経科医、精神科医、そうしたお医者さんの領分であろうと、私はこう思うんですね。だから、今後学校医という形で学校で子供たちの保健、健康をお世話いただくお医者さんは、いままでのような形のお医者さんだけでなく、精神科あるいは神経科、こうしたお医者さんの配置というものも考えていかなければならぬ状態が現実にあると。そのことは文部大臣も、青少年の非行、校内暴力、これにはもう頭を痛めている、これは特に力を入れて解決していかなければいかぬということをおっしゃっているわけですが、そのこととも深く私はこれかかわっていると思うんですが、この点についてひとつ文部省の御見解をお伺いします。
○政府委員(高石邦男君) 学校保健の観点から、しかも医学の多様化、専門化というような観点で従来の定型的なパターンがどんどんどんどん多様化していくということは事実だと思うんです。したがいまして、そういう方向で子供の健康相談ないしは子供の健康管理というような点から、そういう精神科の先生方も将来学校医に委嘱するというようなことは考え得ると思うんです。ただ、現時点でそこまでの精神科とかそういう先生も全部置きなさいということを制度上位置づけして指導するということは、ちょっとまだそういう先生の数も少ないし、現実的にはなかなかむずかしい問題があると思うわけであります。 それともう一つは、学校における子供の健康管理または学校における健康診断というのは、いまのような事例でございますと日々の日常生活の中で常にそれに対応できるカウンセリング、そういう者がいないとなかなか防止できない。だから、それは学校の先生なり学校の養護教諭なりそういう人たちがやっぱり常日ごろの態度を見ながらカウンセリングに応じていくという校内整備をとる、そしてあわせてそういう先生方が相談に行ける、専門の先生として精神科の先生にも相談に行けると、そしていろんな指導を受けられるというような仕組みにする、これは必要なことであろうと思うんです。で、そういう方を学校医という形で発令するか、専門の先生方にそういう指導を受けられるような体制をとっていくという形にすればそこのチャンネルはつなげると思うわけなんです。そういうことで、いま直ちに専門ごとの先生方を全部学校医として配置するということは非常に困難な情勢であるけれども、そういうことを生かし得るような方向での体制づくりと、これは大切だろうと思うんです。
○本岡昭次君 文部大臣、いまの局長のお話はやや前向きのお話であったんで私も少しは安心したんですが、将来ということでは待てないのがいまの子供の現状ですね。子供というのは学校におるときが児童生徒であって、何年かすると学校からいなくなってしまうんですね。だから将来どうなるからということは、地域での問題はあり得ても、学校の保健という限りにおいては小学校は六年で終わり、中学校は三年で終わり、そういうことで非常に一過性みたいなものがあるわけなんです。だから、将来ということではなくて、やはり視点はいまというところに置いてやらなければこれはどうにもならない。それで、自殺を考えるとか、ノイローゼ、登校拒否というような問題はいま起こっているんですからね、いろいろな社会情勢の反映として。将来はなくなるかもしれない。もっと少なくなるかもしれない。いま必要なことなんです。だから、もう少し局長のおっしゃっていることを強めて——制度上直ちに、おっしゃるように、だからといって精神科あるいは神経科のお医者さんが学校医にたくさん配置されるほどおられるかという問題、これは現実問題としてあると思いますが、しかしそれを抜きにして、いまおっしゃったようにカウンセリング、相談、指導、この連係プレーをどうやっていくかということについては、学校に任せずに、もっと綿密に一つのシステムとして指導していく必要があるんじゃないかと思うんですね。一つのシステムとして、それぞれの地域の病院の神経科あるいは精神科のお医者さんと教育委員会との対応、そしてそれと学校との関係、こうしたものをもっと綿密につけて、そして学校自身もそれに対する対応をきちっと確立していくというふうなことの指導というものを強化してもらいたい。それで、できればどこの地域からでもいいから精神科あるいは神経科のお医者さんが幾つかの学校を兼務しながら、学校医としてそこに配置できることの可能なところは可能なところからやっていくというふうなもう少し前向きの姿勢というものが必要ではないか、こう思うんですが、ひとつ文部大臣いかがですか。
○国務大臣(小川平二君) いわゆるノイローゼにかかる、あるいは自殺を考えるというような心境に立ち至るということ、それぞれ原因があり背景があることでございましょうから、これは養護教員が相対でゆっくり事情を聞いてやり、原因となっている事柄を取り除くことによって解決できる問題もずいぶんあるに違いないと存じます。必ずしも精神構造そのものの異常に起因するものばかりとは存じませんけれども、そういう生徒もあるに違いありません。さような場合には、専門医の診断を受け、治療する必要がございます。 そこで、ただいま仰せの御趣旨は十分理解できまするので、何かこの問題に対処するための仕組みということを考えてみたいと思います。
○本岡昭次君 次にもう一つ、体の問題として脊柱側湾症と言うんですか、背骨が曲がる病気、特に中学校の女子に多いとされていますが、この脊柱側湾症の早期発見という問題、文部省も通知を出してこれはいま下部に早期発見を指示されております。私は非常に大事なことだと思うんですね。過去余り例がなかった。こういうのは、大人になって重たい物を持つとかいう、非常に人間の体にいびつな影響を与える力仕事をやる人に背骨が曲がるという病気が起こると考えられておったのが、最近は中学校の子供に非常に続発するようになった、百人に一人とか二人とかというふうな形で出る。私の住んでおる兵庫県にもそういう調査が行われましたが、非常に大きな数字で私は忘れましたけれども、背骨の曲がっている子供が発見されて大変問題になったことがあるんです。高齢になってきますと、今度は整形外科というふうになってくるわけで、こうなってくると子供の——子供というのは一番病気の少ない世代だと考えられておったのがいまやもう大人と同じような病気が全部子供がかかるという大変な状況になっておりますね。だから、この問題についてあわせて整形外科の連携の問題等々もやっていかにゃいかぬと、こういうふうになるわけで、そこで文部省としてはどうですか、学校保健という問題を従来のパターンのままではもうどうもできないと、もっと何か新しい一つのシステムというんですか、型を考えていかなければ子供自身が昔と変わってしまっているんだというところの認識をしっかり持って学校保健のあり方のもっと抜本的な改革をやってもらわなければならぬじゃないかと、私はこのような気がしてならぬのですが、局長いかがですか。
○政府委員(高石邦男君) まず学校保健の基礎的な対応としては、健康診断を通じてその子供に異常があるかないかと、それが目から始まり体全体をチェックするというような形で健康診断をやっているわけです。したがって、そういう疑いのある、治療を要するような子供の保護者に対して、おたくのお子さんはこういうところが心配だから専門の病院に行くなり医者に診せてよく精密検査をして治療すべきものがあれば治療してほしいと、そういうような指導をしていくと、こういうような仕組みができているわけでございます。したがいまして、病院における精密検査で病人を発見する、病気を発見すると、そこまでの徹底した体制はなかなか学校の場をかりた健康診断では達成できないということでございます。したがいまして、そこまで踏み込むというのは非常にむずかしい問題がございますので、疑わしきものに対して適切な専門医に行って、なお治療なり観察をする必要があるものについては重ねて検査をしてもらうというアドバイス体制とこれを強化していくというのがまず学校保健の仕組みとして重要なことであろうと思うんです。 それから、先ほど来お話がございますように、市町村の教育委員会では子供たちの健康管理の観点から、学校医としてはそういう専門の先生を全部配置することはむずかしいとするならば、教育委員会がそういう専門の先生方に知恵をかりるための組織なり委員会、そういうものをつくりましてそして年に何回かそういう観点からの先生方の意見を聴取していくような組織づくり、体制づくりというものを一方においてつくっていく。そして、できるならば、その先生方と学校での保健活動が連携がとれるというような形でそこにチャンネルをつなぐというような体制ということが必要であろうと思うんです。そういう方向で子供たちの健康管理というものをやっていくということが必要であります。そういう方向に向かって、学校の保健教育という点も重視した、充実した対応をしていかなければならないというふうに考えております。
○本岡昭次君 ちょっと話は横にそれますが、いまちょっと頭に思い浮かべたのですが、定時制高校とかあるいはまた夜間中学校というふうなものが現に存在をするのですが、そういうところの学校医というのはこれはどうなっているのですか。定時制高校というのは夜子供が学びます、夜間中学校もそうですが、学校医を配置するということは、そういう学校はどういうふうにこれはなるのですか。
○政府委員(高石邦男君) 定時制だけを取り上げた調査というのはございませんで、高等学校単位で調査をしているわけでございます。しかしながら、定時制高校にも、二、三の学校に当たって聞きますと、内科の先生を一人ないし二人併置をするというようなこと、それから眼科とか耳鼻咽喉科、学校歯科医、こういうのを定時制の独立校には置いておるということでございますので、大体定時制関係についても一応健康診断についてチェックできる体制をとっているということでございます。
○本岡昭次君 それでは、定時制にも配置される、それは当然だと思いますが、配置されていると言いながらその学校の子供たちだけをやっているのじゃなくて、幾つかの学校を兼務をしているという状態の中での配置ということに資料を見るとなっていますが、この私の持っている資料の中で学校医の一人当たり平均兼務校数というのが公立学校の場合にあって、小学校、中学校、高等学校のそれぞれについて内科、眼科、耳鼻咽喉科その他歯科医あるいは薬剤師というふうになっています。そして、それぞれ平均値が出ておりますが、内科医は二・六校、眼科医は七・二校、耳鼻咽喉科医は五・九校、その他が三・二校ということで、学校医としては四・八校の兼務を学校医一人が行っている。歯科医も三・六校、薬剤師も三・六校を一人の方が兼務しておられる。こういうことで先ほどの九〇%とか八〇%という結果が出ていると、こういうことなんですね。だから、内容は必ずしも学校保健法によって子供たちの保健の問題が非常に充実しているというふうに私は言えないと、こう思うんですよ。 そこでお尋ねしますが、兼務というのもいろいろあるわけで、この平均四・八校という平均が出る兼務なんですが、それでは一体最高どのぐらいの学校を兼務しておられる方がおられるのですか、兼務の実態として。
○政府委員(高石邦男君) 内科医で申し上げますと、最高二十二校というのがあります。 その分布状況をちょっと申し上げますと、一校だけが内科医では四三・五、二校が二四・七、三校が一二・九、四校が七・一、五校が二・七、六校が一・二、七校が一・二、大体あとは零コンマ台でございますが、八校、九校、十校というのがあって、一つだけ突出して二十二というような内科医がおります。ですから、大体平均が、ここに出ておりますように、内科医ですと二・六ぐらいになるわけでございます。
○本岡昭次君 聞いて驚いたんですが、一人の内科のお医者さんが二十二校兼務して、そして学校の児童生徒の保健の問題に当たる。具体的には、就学時の健康診断、毎年の健康診断、学校の教員の健康診断、最低これはしなければならない。そのほかもろもろの相談業務とかいうことになりますと、これは大変なことなんですが、これはどうですか、何校兼務してもいいんですか。これはもう実態任せということなんですか。
○政府委員(高石邦男君) 兼務自体が悪いということは言えないと思います。要は、その学校医の先生がちゃんと学校における健康診断ないしは学校における健康活動の仕事がやっていただけるという状態であれば、二校でも三校でも、そういう形でやってもらえば、これは問題ないわけです。問題は、非常に多いためにおざなりの健康診断が行われるということになると問題があると思うんです。したがいまして、私どもといたしましては、そういう非常におざなりになるような形での兼務というのはできるだけ解消していかなければならないということを考えておりますので、二校、三校を兼務しているのがそのこと自体で悪いということは、直ちに言えないというふうに思っているわけでございます。
○本岡昭次君 それはあなたのおっしゃるとおりで、問題は学校保健法施行規則に基づくその学校医の職務を、それでは文字どおりここの規則にあるように執行できるのかと、職務につくことができるのかということが問題なんですよね。一体どうですか。学校医が施行規則上果たすべき仕事というのは一体どれだけあるんですか。ひとつ挙げてみてください。
○政府委員(高石邦男君) まず、学校医について申し上げますと、学校保健安全計画の立案に参与すること。 二が、学校の環境衛生の維持及び改善に関し、学校薬剤師と協力して、必要な指導と助言を行うこと。 三が、健康診断に従事すること。 四が、疾病の予防処置に従事し、及び保健指導を行うこと。 五が、健康相談に従事すること。 六が、伝染病の予防に関し必要な指導と助言を行い、並びに学校における伝染病及び食中毒の予防処置に従事すること。 七が、校長の求めにより、救急処置に従事すること。 八が、市町村の教育委員会または学校の設置者の求めにより健康診断に従事すること。 その他、必要な学校保健の専門的事項に従事するということで、かなり幅広い職責を学校医に期待しているわけであります。
○本岡昭次君 それだけの重要な仕事をたくさん規則上求められている学校医なんですね。それがいまおっしゃったように二十二校も兼務しているというこの事実について、これはやっぱり放置できないと思うんですよね。 また、それでは一体何校ぐらいの兼務がいまおっしゃったような学校医にお願いする仕事として良心的に責任を持ってやれる内容かというものもおのずから決まってくると思うんですよ。子供の健康診断だけであれば、それは何人という量で決まるかもしれませんね、千人とか二千人とか。そうすると、学校も三つ兼務しても、その学校三つ合わせた千人だからいいということになるけれども、いまおっしゃった学校医の仕事というのは、単に子供の健康診断だけじゃなくて、それぞれの学校の保健計画にタッチしていくということでしょう。そうすると、学校の大中小にかかわらずそれぞれ一つとしての仕事があるわけですから、僕はこんな兼務の実態というのは一刻も早く取り除くべきだと、ましてや二十二校兼務してやっているというのは子供がかわいそうですよ。こんなことを放置しておる教育委員会はどういう神経しておるんですかね。学校医が配置されております——僕はむちゃくちゃ、でたらめだと思いますよ。全くおざなりになっておるという実態がここで出たと思うんです。 これは文部省の方々も私たちも、ここの皆さん方も、学校医というものを学校で私たちが存在として見ることができるのは、小学校に入る前に、ずらっと並んでみんな泣きながら、わあわあ言いながら診てもらったということと、あるいは一年に一遍、身長、体重、それからお医者さんに目を診てもろうて、まあいいところ五秒ぐらい、はい、はい、はい言うて流れ作業で、一体診てくれたのか診てくれないのかわからへんという形の学校医しかみんな知らないわけなんです。だけれども、子供というのは一番病気をしない一つの年代だから、まあまあこれはどうやってもいいということになるかもしれないけれども、あの形の学校医であれば、それは二十二校であろうが何ぼであろうが兼務できるかもしれない。しかし、あれであってはいけないわけですね、本当は。だから僕は、この兼務の実態というのは、これは捨ておけない中身だと思います。 まして、私が初めからずっと言っておりますように、いまの児童生徒の心身の状態というのは、社会環境の結果、かつての私たちの少年時代と相当変わった状態にある。だから、これは文部省の指導によってこの兼務というものをできるだけ少なくする、そしてこういう規制というものはできないかもしれないけれども、少なくとも何校以上兼務してはならぬと、また一人当たりのお医者さんが保健という立場からかかわれる人数は児童生徒何人ぐらいまでであろうという一つの枠というものをはめなければ、こんなことで九十何%配置していますなんて言われたら、これはごまかしもいいとこじゃないですか。どうですか。考え直して、きちっとしたそういう指導をやれませんか。
○政府委員(高石邦男君) 問題は、実はそうした学校医が得られないという地域が相当あるわけであります。市町村の教育委員会とか県の教育委員会の話を聞きますと、基本的にできるだけその校区内にいらっしゃる医者の方に学校医をお願いする、しかしどうしてもそういう人が得られないから兼務というものがふえざるを得ないというので、姿勢といたしましては、いま御指摘のありましたように、できるだけ多くの先生に専任したような形で、兼務を少なくして学校医の仕事をやってもらいたいという姿勢を、県の教育委員会も市町村の教育委員会も姿勢としては持ち続けてきているわけです。ただ、現実的に地域によってはなかなかそこまでの医者がいないというようなところがあって、やむを得ざる措置として幾つかの兼務をしていかざるを得ないというような形が出ているわけであります。したがいまして、要は学校医としての仕事が十分やってもらえるような体制で学校医の配置をしていくという点についてはそのとおりでございまして、そして、でき得るならば形式的に兼務の校数が少ないというのが望ましいというふうに思いますけれども、これをなかなか文部省が基準を示して画一的に指導すると、そのこと自体で実は空白を生ずるような学校がかなり出てくるというようなおそれもありますので、姿勢としてはそういうことでやってほしいということを重々踏まえながら県の教育委員会、市町村の教育委員会を指導してまいりたいと思います。
○本岡昭次君 それは現実論の問題はそういうことになりますが、しかし現実論でいけばそういう学校ではそれではどういう学校保健が行われておるのか、どういう健康診断が行われているのか、あるいはまた児童生徒に対する医療の事後措置というようなものはどのように行われているのかということになってくるんでしょう。結局兼務をたくさんするということは非常に不十分な状態になる。ましてや未配置校に定期の健康診断のときだけ医者が来て派遣的にその時間だけ診ると、最低の問題をそこに果たしているだけでしょう。そうすると、そのほかの学校保健にかかわるいろいろなことはだれがどのようにするのかということになってきますわね。不十分な状態、現実やむを得ざる状態に置かれて、その学校が保健というものについて学校医がきちっといるところと同じようにやっていこうとする場合だれがするんですか。医者がいないという現実に対してだれがそれをカバーをしているとあなた方は思っておられるんですか。
○政府委員(高石邦男君) ちょっと質問に的確に、どういうお答えをすると的確か……。
○本岡昭次君 もっとはっきり言います。 早い話が二十二校兼務とかあるいは十校兼務があったとしましょうか。子供の健康診断をやるときにどういう状態でやるんですか。お医者さんがいて、そして看護婦さんがいて、そこにはちゃんとした——それは学校じゃないんですよね、それは一つの医務室という衛生環境をそこに整えにゃいかぬのでしょう。わかりますか。そういう準備一体だれがするのか。私も眼科医のいない学校に勤務したことがありますが、私が本当に的確な判断をしたのかどうか知りません。こんなものをずっと見て乱視かそれとも色盲かというのを自分で書いてこうやってみて、いやこれはどうこうであってと、眼科の判断を得ぬままやった経験がありますよね。結局だれがやっているかというと、全く素人の教師が、子供の目がどうだったとか何がどうだったかといって健康診断書に書いておるんですよ。それが子供の体はどうかということになってくる。そうすると、健康診断になると看護婦が来ないものだから、仕方がないから学校の先生が出てきて、そこの綿花とかいうものにアルコールを浸したり、お医者さんの使ういろいろなものを全部準備するんですよ、一般の者が。あんなもの医師法から言ったら全く違反のようなことを学校ではみんなやっているんですよ。それは兼務ということから起こってくる実態ですよ。兼務でなければ、そこに一つの診療体制ができて、ちゃんと看護婦さんが来て全部それを準備してきちんとやりますよ。ところが、そうでないところは全部学校の職員、全く素人の職員が手伝わなければならぬ。あるいはまた代行しなければならぬ。そういうことによって辛うじて学校保健というものが維持できておるんですよ。そして外側にはできましたとなっているけれども、そんなものはできちゃいないんですよ。そこのところを現実、実態とおっしゃるなら、片方のそのために起こっている実態をこのまま放置していいのかという問題を私は声を大にして言いたいですよ。どうなんですか、それ。だから私はそのことを具体的に聞いているんですよ。学校でだれが一体、綿花にアルコールを浸して医者のこうふくやつを準備するのか、看護婦さんの代行をだれがするのか。養護教諭のいない学校だってあるんですよ。
○政府委員(高石邦男君) おっしゃるとおりに学校における健康診断をやる際に専門の医者がちゃんと学校に来て、そして十分な体制を整えて健康診断が行われるという方向に持っていかなければならないとわれわれもそう思っております。また、そのために努力していかなければならない、そう思っております。 そこでそういう環境づくりをしていく過程でそれにふさわしい人を確保したいというのが実は市町村委員会における頭の痛いことであります。それだけの人がおれば、近くにそれだけの医者が確保できれば、そういういま先生のおっしゃった理想の姿で学校医を配置して整備していくということを当然設置者としても努力していかなければならないと思うんです。ところが、残念ながらそれだけの数のお医者さんがどうしても得られないというような事態に立ち至った場合には、次善の策としてその人に幾つかの学校を兼務してもらうという措置をとらざるを得ないということから、実は兼務の問題というのが生じてくるわけであります。ですから、今度はそれを抑えてしまうと空白校を生ずると、二校以上は兼務さしてはならぬと言った場合に、じゃ三校目のところは医者がいなくて空だと、こういうふうにするのもどうかというようなことで、実はいろいろ苦労をしながらそれぞれの市町村教育委員会、学校はこの学校保健の問題に取り組んできているわけです。もっともっといま御指摘のあったように学校の保健、それから健康診断の体制を充実していくということは当然の目標としてわれわれも努力していかなければならないし、市町村委員会でも努力しているわけでございます。そういう実態がその実態であろうというようなことでございまして、形式的に兼務を二校以上はだめ、三校以上はだめと言って抑えた結果、そういう抑え方の方が全体的にいいのかどうかということを実は心配して申し上げているわけでございます。
○本岡昭次君 あなたはそういう私の話を横にそらしちゃだめですよ。私はあなたの言っているそこの実態はもうわかったと言っているんですよ。わかった上で話をしておるんです。しかし、あなたのおっしゃっているように兼務しなければならない実態があって、その兼務しているという実態が実際子供の健康診断とかあるいは保健指導、保健計画、そういうようなものを実際実行していく上にどういう影響を及ぼしているかということを言っておるんですよね、私はあなたに。もちろん医者がおればいいんですけれども医者がいない。どうするのかという問題の解決。しかし私はいま言ったように、学校で具体的に医療職でない者が医療職員と同じような仕事をして代行しなければ、兼務という実態を裏づけることはできないことがあるということを言っているんですよ、あなたに。とすれば、いま頭に浮かんだことですからとっぴなことかもしれませんが、教育委員会に、学校の少なくともそうした健康診断とかさまざまな保健問題に対して直接かかわっていける医療職員を一人でも二人でも配置するということにすれば、医者がいなくとも、その人の手によって、健康診断のときに学校の先生が看護婦さんの代行をするとか、その準備のために素人がそれにかかわっていかなければならぬというふうなことをしなくても済むでしょうと。だから、医者が少ないから兼務が起こる、しかしその兼務を禁止すると医者がいなくなる、そんなばかげた論議だけのところであなた方がくるくる回っているから現場は対応ができなくて困っているんじゃないですか。やる方法はあるじゃないか。そういうことだってできるでしょう。だから、そんな医療職の仕事だけをするのが養護教諭の仕事だと、すべてだと思いません。しかし、いなければ、そうした学校の保健計画の中心はこれは養護教員がやっていくんですから、少なくとも養護教員をどんなことがあってもこれは配置をするんだという、これは文部省が無医村との関係、医者のおらぬ関係のところでこれは特別に配置してもいいところでしょう。六百人子供がおったら一人とか、五百人おったら一人とかという人数に割り振っていくだけでなしに、特別にそうした問題をやっていくということだって考えられないことはないでしょう。そういう具体的な問題の対応というものが何もできていないということをあなたに言っているんじゃないですか。私は何もそんな兼務をやめろと、やめたら医者がなくなるというふうなそんな空中戦をやっているんじゃないんです。
○政府委員(高石邦男君) 申し上げている角度がちょっと違って申し上げているから話がかみ合わないかもしれません。実は、医者の全然いない村とか町というのもかなりあるわけですね一だから、そういうところが実は僻地における派遣制度として、先ほど申し上げましたように、都市部から医者を派遣して健康診断体制をしくという対応をしているわけですね。ですから、いま言ったように、少なくとも学校医というような形で配置できるところはそういう配置をして当該学校における健康診断をやっていくというのが原則だと思うんです。そして、じゃそういう原則を除去するために教育委員会に一人だれか専任の先生を置けばいいじゃないかという意見もあるかもしれませんけれども、そういう考え方でじゃ医者が得られるかどうかと、市町村の教育委員会に来てくれるようなお医者さんがおるかと言われるとなかなかこれは非常にむずかしい。県のレベルですらそういう専門の医者を配置することが困難であるというような状況下でございますので、むしろ専任の医者を配置していま言ったような問題を解消していく方が手っ取り早いじゃないかというような意見かもしれませんけれども、逆にその道を探るのは非常にむずかしい対応になると思うんです。ですから、いや専属の教育委員会の職員になってもらわぬでも結構ですと、しかし健康診断をやるときだけはひとつ時間を割いてやってきてくださいというような形でお願いをしてそういう面での充実をしていかないと、現実的な対応というのは実現性がないというような角度で申し上げておりますんで、少し話がかみ合わない点はあろうかと思います。
○本岡昭次君 かみ合わないのは、雲の上の人と現場で大変な泥だらけになってがんばっている人間との感覚の違いですよ。あなた方は実態を知らぬとそこで紙ばっかり見てやっているからわからへん。 それで、私が言ったのは、専門医を市町村に配置するとかということだけじゃなくて、看護婦さんの代行を、学校のいろんなそういう兼務をたくさんしているところであれば、職員を置くということでも学校は兼務校からくるいろんな煩瑣な仕事から解放でき、また診療行為ということに学校の教職員がかかわっているという状況も外すことができるんじゃないかということをいま申し上げているんですよ。 そこで大臣、老人保健法なんというのが一方、出てきてますね。これから老齢化社会になるんで老人のいろんなものを新しいシステムで体系的につくっていかにゃいかぬと、こう言いますわね。一方、児童生徒の子供の場合、いま文部大臣も初めて実態をお知りになったと思うんですよ。恐らく文部大臣も学校医の存在とか、それがどういう仕事をしてどんな実態かということはおわかりにならなかったと。私も実は今度初めていろいろ調べてみてわかったようなことなんです。だから要するに、児童生徒の健康とか、保健とかいう問題が学校の中においてどういう実態かというと、まことに寒々とした実態にあるということを現状認識せにゃいかぬと思うんですね。 だから、いまおっしゃるように、児童生徒の学校保健、学校内における健康管理の問題だけを専門に見る医者、学校専門医を置くというようなことは、そんなのは夢みたいな話ですというふうに局長はおっしゃる。確かに夢みたいな話でしょう。しかし、政治とか政策というのは、夢みたいな話をやっぱり実現させていくのが政治の道筋だと思うんです。一方、老人保健法なんというようなものができていくんなら、児童生徒の学校における健康管理を中心とする保健、それを専門的に体系的にやっていく制度、そしてそれを中心的に進めていく医者、こうしたものを将来的にどう確保するかという問題を検討し始めてもいいんじゃないかと。幸い文部省の計画によって全国で医大のない県はないというところまで充実されたんでしょう。そして、いまお医者さんはどんどんできるわけですから、その中にそうした児童生徒の心理学、そうした問題も十分見きわめていきながら次代を担う心身ともに健全な子供を育成するために学校保健がどうかかわっていくかということをやっぱり総合的につかんでいく、そういう仕組みというものをつくっていく。そこがなければ、これはもう兼務があるとかないとかいろいろ言ってみたって、何かどろどろした出口のないトンネルの中でやっているみたいなことに僕はなると思うんです。だから、政治というものがあるならば、そうした問題に日の光を当てていく、将来に向かっていまからその準備にかかると、そういうことの検討も始めるということがあってもいいんじゃないかと、私はこの学校医のこの問題をずっと見てそこのところに思い至ったんですが、どうですか。これ大臣、これはもお互いにそんなむずかしい、あした、あさってのことじゃない。将来に対してそういう迫っていくのが政治ですから、私たちのおるときにできるかできぬかわからぬ問題でも、やはりこういうことは必要ではないかということが当然政治の場の論議としてあっていいんじゃないかと思うんですが、ひとつ、余りこれは答弁の要旨とかそんなものにこだわらぬと、大臣の率直なお考えのようなものを聞かせていただけませんか。
○国務大臣(小川平二君) お尋ねの点につきましては答弁の要旨というものを実はもらっておりません。 先ほど来文部省が現状をありのままにお耳に入れたわけでございまして、文部省の勝手な論理というようなおしかりもございましたが、決して現状を是認をいたしておるわけでもございませんし、放置して差し支えのない現状だとも思っておりません。ことに学校医が非常に多くの学校を兼務いたしておる結果として、健康診断とか予防注射ということも満足な姿で実行できておらないという学校もきっとあるに違いないと考えております。 そこで、いろいろの御提案がございました。学校の保健管理ということを専門の仕事とする医師を市町村に置く、あるいは都道府県に置く。一つの御見識であり、私どももきわめて望ましいことだと考えておりますが、やはり直ちに突き当たります問題は、そのような医師を獲得できるかどうか、これは恐らく非常にむずかしいことだと考えております。これから先、学校における保健管理のあり方ということについても絶えず検討を進め、改善を図っていかなければならないと存じまするし、さらにまた医師の数の今後の推移というようなこともあわせて考えませんと、御提案をなかなか直ちに実行いたしますという答弁も申し上げかねるわけでございますが、御趣旨はことごとく私ども御同感でございますから、だんだんそのような方向へ向かって改善を図っていきたいと考えております。
○本岡昭次君 そこで文部省には幾つかの文部大臣が諮問される審議会というものがございますね。学校保健の問題について諮問する審議会はあるのですか、ないのですか。
○政府委員(高石邦男君) ございます。保健体育審議会という審議会がございまして、そこで保健の部会がございます。
○本岡昭次君 文部大臣、いま答弁がありましたように、保健体育審議会というものが文部大臣の私的な諮問機関としてあるようでございます。これは十年前の昭和四十八年に諮問している文書を私は見ましたが、どうですかね。このいまの論議というようなものもひとつ踏まえて文部省内でも検討していただいて、いま文部大臣も非常に頭を痛めておられる児童生徒の非行とか校内暴力とかいうこの社会的問題あるいはまた心身の発達が従来と違った形で行われている。そして病気の内容も大人がかかるような成人病までも子供がかかるようになる。骨が折れやすい。背中の曲がっている子供ができるとか、教育が百年の計というふうな立場に立つならば、いろんな捨てておけない状況がいまあるわけで、そうしたものを踏まえて新しい児童生徒の保健問題というものを一遍検討してくれという諮問をなさるぐらいのことがあってもいいんじゃないかと私は思っているんですが、いかがでございますか。文部省はいつも諮問なさるじゃありませんか、困ったらすっとそっちの方へ。
○政府委員(高石邦男君) 実は「児童生徒等の健康の保持増進に関する施策について」ということを諮問いたしまして、答申をいただいているわけでございます。したがいまして、その答申の中でいろんな角度からの御提案がございますので、それを現在尊重しながら随時実行していくということで来ているわけでございます。また、時移って事情が変わっていくと、そして再度これらの専門の方々の意見を聞かなければならないという時期が来れば、当然そういう点での諮問をしていかなければならないと思っております。
○本岡昭次君 そういうときが来ればじゃなくて、私は来ているんじゃないかと、こう思っているんです。あなたも将来ということをおっしゃいましたが、子供たちは将来ではどうにもならぬですよ。いま学校に子供がおる、そのいる間に新しい対策をしてやらなければどうにもならないわけで、だから将来の問題に向かって、いま私は子供たちの心と体の問題にしっかりと焦点を当てた保健問題ということについて、文部大臣がその審議会に諮問されて、しかるべき答申をもらうということは非常に時宜を得ているんじゃないかと、こう思うんですよね。そんな、これから先ということじゃなしに、いま重要なときだというふうに思うんですが、いかがでございますか。
○政府委員(高石邦男君) 実は、昭和四十七年十二月に答申をいただいておりまして、この中でも、ここ十数年来の急激な生活環境の変化等のもとに、児童生徒の健康の問題にも大きな変化が生じて来ている。すなわち、児童生徒の体格は著しく向上したが、体格の伸びに体力の伸びが伴わない傾向がみられ、なお肥満傾向児が増加している。児童生徒の疾病等の傾向をみると、結核、トラコーマ、寄生虫卵保有は急速に減少してきたが、う歯、近視などは増加し、と、また心臓、腎臓などの疾患というようなことで、かなり先取りのような形で、現在いまわれわれが手を打つべき内容についても実はこの答申をいただいておりまして、いまわれわれがやるべきことは、その答申の趣旨を具体的に政策の中に実行していくという段階だと思いまして、諸種の施策を実行しているという段階でございますので、時期が参りますればまた考えていかなければならない、こういう意味で申し上げておるわけでございます。
○本岡昭次君 私はそれをもってやろうと思ったんですがね。何もいま文部省の怠慢をここでわあわあ言ったって何の意味もないと思ってそのことを言わなかったんですよ。しかし局長、昭和四十八年にはすでにあなたがいまおっしゃったようなことが書いてありますと、それをあなたが言うなら、なぜ私がここで言わなくてもいいように、そのことをこれまで実行してこなかったかということを私は責任追及をしなければならなくなるじゃありませんか。私はそんな場にしたくないから、それにはあえて触れずに前向きに何とかならぬかという話をしているんでしょう。そこに書いてあるからそんな必要はないと言うんなら、なぜそのことをいままで、私がここでこれだけ言わなくてはならないような材料をいっぱい十年間にわたって放置したかということになるでしょう。だから大臣、いまの局長のああいうことではだめですよ。やっぱり大臣として、大臣は官僚じゃないんですから、前向きにひとつ本当の児童生徒の心や体の問題を考えて、ここで直接大臣から——高石さん横で聞いてもらわなければいかぬ——そうしますとかしませんとかいう答弁をいただくということはむずかしいと思います。だから私はそのことは強く要望しておきます。そういう時期だということをね。だから高石局長がおっしゃるように、それはもう十年前に先生のおっしゃるようなことは言うてますからというふうなことをここで言うようなことであっては逆に私は困ると、こういうことですからひとつ十分検討して、本当に子供たちの身心のいまの問題についてメスを入れて、親やそれから社会全体が安心できるようなひとつ施策の樹立に向けて一歩を進めていただきたいということをお願いを申し上げておきます。 それからあと残りました時間、簡単に健康診断の中身について触れて終わりたいと思います。 まず、健康診断の検査項目が第四条のところに挙げられてあります。ずっと幾つかの項目がここにあるわけですが、その中で尿の検査の問題はどのようにして行われているのか、お教えいただきたいと思います。
○政府委員(高石邦男君) 尿の検査の項目は昭和四十八年に答申の内容に即して改善をして検査をすることにしたわけでございます。先ほど答申を受けて何もやってないとおっしゃいますが、実はやっていることがいっぱいありまして、全部申し上げると大変だと思って省略したわけであります。尿の検査もその一つとしてやっているわけであります。 そこで、この尿は、尿中のたん白等について試験紙法により検査をするということでやっております。検査に当たりましては、あらかじめ保健調査等によって肝臓の疾病等に関する既往症等を把握しておく、それから採尿は起床直後の尿について行うというようなことで、そのものを試験紙法によって調査をするというようなことで尿検査をやっているわけでございます。
○本岡昭次君 肝心なことをいまおっしゃっていないようですね。私がいまから言うことは本当ですか。この施行規則には第四条の十に「尿」ということが書いてあるわけです。そこで実際に行われている尿の検査ですね、小学校では二年生、四年生、六年生、中学校では中学二年生、高校では高校二年生、高専では二年と四年、大学以上は除くことができるという形で尿の検査が行われているようですね。なぜこの二年、四年、六年、中学、高校が二年ということなんですか。なぜこれ全学年行わないんですか。
○政府委員(高石邦男君) いまお読みになったのは改正前の内容でございまして、五十四年度から全部毎年実施するということにしております。
○本岡昭次君 それは結構でした。 もう一つ、それならお伺いします。検査の内容はたん白というふうに言われたけれども、糖とかいう問題あるいは潜血という内容についても検査はそれでは同時に広げられているんですか。
○政府委員(高石邦男君) 原則的にはたん白を中心に調べるということになっておりますが、可能ならば潜血反応検査をあわせて行うことが望ましいというようなことで、尿検査の内容についても毎年徹底できるような改善を加えてきているところであります。
○本岡昭次君 糖尿病の子供とか最近でき始めたというようなことで私たち大変驚いているんですが、そういうふうな事柄にかかわっても、内容もたん白だけでなく、先ほど言いました糖の問題あるいは潜血の問題、そうしたふうな内容にまでこれは広げていくべきだというふうに思うんですが、いまの答弁では、実態に応じてやっているということで、全体としてたん白とあわせて三つの点については最低やりなさいということにはなってないんですか。
○政府委員(高石邦男君) たん白を中心にやりますが、一つは潜血反応検査、それからもう一つは糖の検査ということをあわせてやることが望ましいというような指導をしておりますので、これは漸次そういう面まで検査が充実されるという方向にいくものと期待しております。
○本岡昭次君 そこでその検査機関ですが、検査はその学校に医者が来て健康診断をやってすぐわかるもんじゃないですね。それはどこかの検査機関に行って調べてもらって答えが出るわけですが、それでは一体それはどういう形でその検査をやっているんですか。無医村とかいうふうなところ——保健所とかいうふうなところがそれぞれ児童生徒の尿検査に対応できるような状態というものが全国的に整っているんですか。
○政府委員(高石邦男君) 通常の場合は検査機関にお願いをしてやるということにしております。
○本岡昭次君 だから、その検査機関というのはどういうところですか、それを尋ねている。
○政府委員(高石邦男君) 通常は公益法人によってつくられた安心のできるしっかりしたところに頼むということで行われております。そういうところが得られないところは病院の機能でそういうところを持っているところにお願いをするというようなことで、いずれにいたしましても前向きでこういう問題については取り組んでいきたいと思っております。
○本岡昭次君 いまおっしゃるように安心して任せられるところということで、そうでなかったら困るんですがね。しかし、これも実態論をやっておりますと先ほどのようにまたたくさん言わなければならないということが実際はあるようですがね、尿の検査というふうなものについても。これは深くは触れませんが、もう一度文部省としても、本当に安心して尿の検査がやれるような検査機関というものをそれぞれ各市町教委が確保してやっているのかどうかという問題について十分なひとつ点検をしていただかなければならぬ問題だというふうに思います。 次に心臓検査なんですが、これは私の知っている知識というのは一年生のときだけにするということになっているんですが、先ほども、いやもうそれは五十四年に改正していますということですが、これももう全学年にわたって心臓の検査というものは行われているんですか。
○政府委員(高石邦男君) 心臓の検査も毎年やっておりますが、特に第一学年においては、エックス線の間接撮影による検査とか、特に留意をして心臓の検診をやってほしいという形で指導しているところでございます。 それから、補足して申し上げますと、心電図検査を実施しているところがかなりふえてきておりまして、小学校では五四・六%、中学校では四九・七%、高校においては七三・八%の学校が心電図による心臓検査を行っているわけであります。 そういうことで、心臓の検診につきましても漸次その内容を深めていくということで実施をしようということで、実は今年度も新しい試みを心臓検診についてやろうということで、今年度の予算で新たに計上したわけでございます。
○本岡昭次君 この心臓検査の問題も、私は専門的じゃありませんけれども、やはりそういう欠陥が発見できた場合、その子供が小学校、中学校を病気を持ってどのようにして勉強し卒業していくのかという問題について、全学年にわたってそれを十分カバーをしていけるような検査体制というものが持てるようにひとつ充実をしていただきたいと思います。 それから次はレントゲン撮影なんですが、これはどうなんですか、文部省の指導によりますと、学校における保健室はレントゲン車が横づけされるような場所が望ましいというふうなことも書いてありまして、考え方としてはレントゲン車でレントゲン撮影を行えということのように思うんですが、しかし私ももう現場から遠ざかっておりますので古くなっているんじゃないかと思うんですが、実際は保健室でレントゲン撮影をやっているというところがまだ非常に多いんじゃないかと思うんですが、しかし、そういう保健室でレントゲン撮影を行うということ、今日の時点においてそれがいいのかどうか、これはどうなんですか。
○政府委員(高石邦男君) レントゲン撮影はちょっと学校の保健室でやるということは不可能だと思います。したがって、専門のレントゲン車だとかそれから保健所に行ってレントゲンを撮るとか、そういうことで、これはもう専門的な形でやらなければならないということで、実態はレントゲン車を利用するか保健所のしかるべきところに行って撮影をするかという方式が多いと思います。
○本岡昭次君 私の聞いておるのには、あなたのおっしゃるとおりでなければならぬと思うんですが、やはり学校の保健室でそれをやっているところがあるということを聞くんですがね。できないんですか、学校の保健室では。
○政府委員(高石邦男君) ちょっとあのレントゲンの写真を保健室で撮るというのはむずかしいことで、われわれとしてはそこはそういうふうに聞いておりませんけれども。
○本岡昭次君 そうですか。いや、そういうことがあってはならぬことが耳に入りましたから、もう一遍私も実際そういうことがあるのかどうか確かめてみたい、このように思います。 最後に、ずっと子供の問題を取り上げてきたんですが、最後に関連して教職員の健康診断の問題をお尋ねして終わりたいと思うんです。 教職員の健康診断の問題もだんだんと充実をされておりますので、それはそれとして結構なことだと思うんですが、しかし基本的には、先ほど児童生徒の問題のときに触れましたように、教育委員会なりに専門医というものの存在がどうしても必要ではないかと思えて仕方がないんですね。教員の職業病というのが他の産業と比べて多いのか少ないのかよくわかりませんが、しかし労働安全衛生法というものに基づいてそれぞれの企業には産業医を置くというふうなことが言われています。日航のあの問題を見ても産業医の置き方というふうなことが今回の事故につながるというふうな問題にもなっておりますし、一つの教育委員会に二千人、三千人という教員を配置するというふうなところももうすでにたくさんありますし、そういう意味で、教員の健康管理というものを専門的に行っていく医者の配置、労働安全衛生法というものからすれば当然置ける人員あるいは機能というふうなものがあるのではないかと思うんですが、これはどうなんですか、無理なんですか。
○政府委員(高石邦男君) 職員の健康管理というのは常に留意していかなければならない問題で、一通りの健康診断だけでいいかどうか、それを補う意味で人間ドックだとかいろんな形で職員の健康管理をやらせているわけですね。それと、やっぱり大人ですから、できるだけ専門の先生が専門の角度から診ていくというようなことを、やっぱりやるとすれば考えていかなければならない。だから、一通りの学校における健康診断のほかに、むしろ体制としては、専門のところでより詳細な健康診断体制がとれる、ないしは人間ドックを大いに利用するという方向で充実していった方がいいのじゃなかろうか、こういうふうに思うわけでございます。
○委員長(片山正英君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。 正午休憩 —————・————— 午後一時二分開会
○委員長(片山正英君) ただいまから文教委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、公立学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○高木健太郎君 私は、公務災害補償ということについては直接お尋ねはいたしませんで、それに関連して学校医制度のことについてお尋ねをしまして、その後、学校内に起こるいろいろの災害のことの二、三についてお伺いして、最後に私の御意見をもお話ししてみたいと思っております。 まず最初に、学校医制度というのがいつごろできましたか。その前と後とではどのように違っておるかというようなことを御説明をお願いしたいと思います。学校医制度があって、児童生徒が安心して授業を受けられる、またその父兄も学校に送り出して非常に安心して家におれるというようなことで、学校医制度というのは非常に大きな教育効果もあると思いますが、三十三年ごろできたということを承っておりますが、その前後における主な違いをお話しいただきたいと思います。
○政府委員(高石邦男君) 学校医はずいぶん古い時代から置かれておりまして、一番古い沿革をたどりますと、明治三十一年に公立学校学校医設置に関する規定というものが設けられております。そして同年に学校医職務規程という省令がつくられております。当時は任命は地方長官が任命するという形で推移しているわけでございます。戦後になりまして学校教育法が制定され、学校教育法施行規則が昭和二十八年に改正されまして、そしてその中で学校医に対する職務の内容、それから任命についての規定が位置づけられているわけであります。昭和三十三年に学校保健法という法律ができまして、学校保健に関する基本的な内容をこの法律で決めまして、そして学校医に対するいろんな内容についてもこの法律で明確に位置づけをしたという流れをたどってきているわけでございます。したがいまして、戦前戦後を通じまして何らかの形でそれぞれの学校に学校医が置かれて、児童生徒の保健管理、健康管理というものが学校の制度と並行して行われてきたと、こういう経緯が続いているわけであります。それが最もまとまった形でできたのが昭和三十三年の学校保健法の制定でございまして、これが学校保健に対する基本法に相当する内容として、現在そのもとに学校保健行政が行われるというような状況が続いてきているわけであります。戦前の詳しいことはよくわかりませんが、報酬とか処遇その他につきましては必ずしもいわば明確な取り扱い基準がなくて、それぞれの設置者でばらばらであったんではないかというふうに思われるわけであります。現行制度のように、地方交付税上における財源措置を明確にしてきたのは戦後のことでありまして、そして学校医の分野、領域もそれぞれ広がりを見せてきたのは戦後のことであろうというふうに思う次第でございます。
○高木健太郎君 その職務内容としての大きな違いというのはどういうところでございましょうか。昭和三十三年以前のものと以降では、その職務内容にはどんな違いがありますか、主な違いについて。
○政府委員(高石邦男君) 流れとしては、職務そのものについて大きなかかわり、大きな変化はずっとないわけでございますが、学校保健法ができて学校医のやるべき仕事の範囲をかなり詳細に午前中の事項で申し上げたような形で明確化したというのは学校保健法制定以来でございます。当時も児童の健康診断、健康相談、こういうものを主として取り扱うものとして学校医の職務があったと思われるわけでございます。
○高木健太郎君 私も、身体検査——そのころは健康診断と言わないで身体検査というのを受けたわけですけれども、大抵はいわゆる外形ですね、身長、胸囲というようなものをはかる、それが通信簿というようなものに書いてあるという程度でなかったかと思うわけですね。いまのようにいろいろの病気をも含めて学校の先生に診てもらうというようなことは余りなくて、いわゆる健康診断というようなものではなくて、お医者さんがおられたかどうか知りませんが、ぐあいが悪くなったときに職員室へ行って診てもらうというようなぐらいであったと思うのですが、現在はここに勤務しておられる学校医あるいは歯科医というような人は一日どれぐらい働いておられ、あるいは一カ月どれぐらいの時間数勤務しておられるか、あるいは常勤の方も非常勤の方あるいは嘱託医の方もおいででしょうが、そういう方々がどういうふうに働いておられるのか、その勤務状況をひとつお知らせいただきたいと思う。
○政府委員(高石邦男君) まず勤務の形態で申し上げますと、学校医の年間一人当たりの平均勤務日数というデータがありまして、小学校では六・三日、中学校では五・五日、高等学校では六・三日というような勤務形態であるわけであります。これらの方々は、おおむね非常勤の職員として教育委員会から任命されているわけでございます。
○高木健太郎君 一カ年に一週間以内ぐらい勤めておられるということですが、先ほどの本岡さんの御質問から、大体三人ぐらい、少ないところでも一名おられるということですけれども、そうすると、そのお医者さん方は交代交代に出てきておられて、あるときには内科医、あるときには耳鼻科医というふうに勤務しておられるんでしょうか。
○政府委員(高石邦男君) 主として学校における健康診断にかなりの時間を費やされております。したがいまして、そのときにはそれぞれの内科の先生が一緒にいらっしゃって人を分けるなり、それから検査の項目を分けて検査をされるというような形になっているわけであります。 それから、学校における健康教育についての基本的な取り組み、そういうものについて学校の職員の職員会議と申しますか、保健委員会というようなものがありまして、そこにおいでいただきまして学校の養護教諭とか教職員に対してのアドバイスというか助言ということをおやりになる、また学校における健康教育の問題について、いろんな環境の問題もございますから、そういうものに対してのアドバイスをいただく、そういう形でございまして、先ほど申し上げましたのは、これは年間の平均でございまして、一カ月じゃないんで、かなりそういう点では、六日ないし五日ということでございますから、健康診断が中心になって学校においでいただく、それでその健康診断の結果、異常があった場合に、具体的に学校の先生がそれぞれの病院なり専門の医者に診せなさいということを親たちに対してアドバイスする、そういうような仕組みで行われているわけでございます。
○高木健太郎君 ずいぶんと少ないもんだなと思いましたが、突然病気になったというような場合には、どこかかかりつけのお医者さんに連れていく、こういうことになるんですか。
○政府委員(高石邦男君) これは学校がそういう病院に連れていくというよりも、そういう病気を治すことは保護者の責任でやっていただく、そこで保護者が自分の子供の健康問題について学校の注意なりアドバイスによって具体的な治療行為を保護者の責任でやるというようなことになると思います。もちろん学校で突然起きたような病気その他につきましては、学校の担任の先生がついて病院に緊急に連れていく、そういうことは当然起こり得ますが、一般的な病気の治療については、先ほど申し上げたようなことでございます。
○高木健太郎君 そうすると、薬剤師が置いてあるというようなことですが、これはどういうわけで置いてあるのですか。だから、治療というのはほとんどおやりにならぬ、診断ということであるなら薬剤師はどういうわけで置いてあるのですか。
○政府委員(高石邦男君) 主として学校薬剤師は環境衛生検査を中心にやっていただいております。たとえばプールの水質を保持するためにどういうような薬を使ってどうした方がいいとか、それから便所の衛生的な消毒についてはどういう薬を使ってどういうようなことをした方がいいとか、そういういわば薬の調合というよりも、学校の環境衛生全体についての仕事をしていただくというようなことが中心でございます。
○高木健太郎君 なるほど。私、何か薬でも置いておられるから薬剤師がおられるかと思いましたが、そういうことであれば、何か衛生技師とか医学部の衛生の先生なり、そういう人を呼んでこられる方があるいはいいかもしれないと思いますですね。 それから、いま任命という、これは教育委員会からの任命でございましょうが、医師会との関係はどういうふうになっているのか。というのは、私、学校医というのはかなりいろいろなことを知っていなければいけないと思うわけですね。だから、余り専門医であると、もう自分は心臓のことしかわからないと、ほかのことは何もわからないという医者がこのごろは非常にふえているわけです。そういう意味では最近言われるいわゆる包括医療といいますかプライマリーケアをやれるようなお医者さんの方がいいのじゃないかなと思いますね。そのときにただ、教育委員会からこれをやりますと言われたんではよくないので、学校医としてこの人は非常に適当な医者であるというようなことを医師会からでも推薦をされるというようなことはないのでございますか。
○政府委員(高石邦男君) 市町村が具体的に学校医を選任する際には、できるだけ医師会と密接な連携を保ってやりたいということで、医師会からの推薦を求める、また医師会からの意見を聞くというような形で発令して、そしてその後における保健活動につきましても、学校医だけの集まりで論議していただくのではなくして、医師会との連携によって実現していかなければならぬものは、そういう面でも取り上げていただく、こういうような運営をしているところが大部分だと思います。
○高木健太郎君 それは非常に私、結構なことだと思いますし、ぜひそうされる方がいいと思うんです。卒業したての医師は経験が少ないですから、ある程度の経験年数を持ち、あるいは実際の経験のある医師、ある程度その意味では年齢も少し多くなるだろうと思いますが、そういう医師の方が私は望ましい。だから、医師の選定に当たっては、そういうことをよく教育委員会の方とお打ち合わせになって、そのような医師を選択されるということがいいのではないかと思います。 そこで、そういうものを検査されましてデータがいろいろ集まってくると思うわけですが、その個人のデータ、あるいは昔は健康手帳というようなものがございましたけれども、そういう健康手帳というようなものがいまはどのようになっておるのでございましょうか。
○政府委員(高石邦男君) 健康診断は、まずそれぞれの学校で在学している場合に一年から六年までのものが保管されていくわけでございます。そしてその子供が、たとえば小学校から中学校に上がる場合には、その健康診断の内容が中学校に送付される、また高等学校に行きますと中学校時代における健康診断の内容が送付されるというような形で行われておりまして、その面については小・中・高の連携がとれるような形でやっているわけでございます。 それから、学校において健康手帳を作成してそしてやらせているところもございますが、これはむしろ学校におけるそれぞれの自主的な判断でつくっているということで、家庭との連携を密接にしていこうということで健康手帳をつくっているところがあるわけでございます。
○高木健太郎君 いまのようにぜひ小・中・高と一貫したそういうデータの集積が望ましいと思いますし、できれば大学へ行きましてもその手帳は本人が持っておるということが私は非常にいいことではないかと思います。もちろん小中ではなくて、幼稚園におけるデータあるいは昔は母子手帳と申しましたが、そういうものも一緒にその個人の一つの記録としてとっておかれるということが、その個人のためだけではなくて、全体の医療行政といいますか、そういうものにも役に立つというので、今後はひとつ生まれてから死ぬまでその人の健康状態が記入してあるというふうなものをつくる一つのきっかけになると、そのような方式が私望ましいと思います。 ただ、いつでもそうですけれども、学校の中では文部省、その以前と以後は厚生省でやると。今度は老人保健制度なんかできますと四十歳以上の者は健診制度を設けるとそれとこれとはまた別々に離れたものになる。こういうところは省庁間の連絡をひとつ密にして、その個人の幸せのためにあるいは健康のために十分子供のときからの記録をとっておくということが私は非常に望ましいことではないかと思いますが、ぜひそのようにひとつお考えをいただいたらどうかと思うわけです。 それから、これは幼稚園に行っている歯科のお医者さんから聞いたことでございますけれども、国公立の歯科の検診の場合にはちゃんとそういう予算がつきまして手当が出る、しかし私立の幼稚園の場合にはそういう予算がないと。そのために理事長のポケットマネーでやっているというふうなことを聞いたのですが、私立と公立のこのような歯科医に対する報酬はどのようになっておるんでしょうか。
○政府委員(高石邦男君) 公立学校につきましては地方交付税で財源措置をしておりまして、そして具体的には市町村の条例で報酬の規定をつくって支給するという形になっているわけです。国立の場合には国の予算で計上しておりまして、学校医、学校歯科医、学校薬剤師、それぞれの手当の単価がございまして、働いていただいた日数に応じて支給をするというような形になっているわけであります。 私立につきましては、これは制度上は私学の自主性というか、そういうことで国が基準を決めて手当を出すとか、そういうような仕組みになっていないわけです。あくまで私学自身の責任と判断によって学校を経営していく、そして経理をしていくという形になっているわけでございます。したがいまして、それぞれの私立の学校で学校医の先生方を委嘱する場合の報酬とか勤務日数につきましては、個別の私学で対応していくということになるわけです。その際に、国でどうやっているか、公立でどうやっているかというのを参考にしながら一般的に私学の場合も決められていくのが多いと思います。しかし、中には、余りそういう点に力を入れないで、報酬額も本当に車代程度でお願いをしているというような私学もあろうかと思うわけでございます。そういう点で、私学について国が画一的に最低基準でこうしなさいということを言うような法制でないものですから、そこはあくまで自主的な判断で対応してもらうしかないということでございます。
○高木健太郎君 私、健康というのは私立であれ公立であれ、また将来の日本の人口問題を考えたときに非常に重要な問題だと思いますので、ある程度これは命令といいますか、そういうことによってやはり歯の方でも体の方でも、私学でもこれをある程度強制すると、あるいは命令するというぐらいなことがあってもよさそうに思いますが、そういうものがなければ、どういう方法でやるかは別としまして、ぜひ何らかの制度を設けていただいた方がいいんじゃないかという気がいたします。 次いでお聞きしますが、国立大学では健康センターというものがいろいろできております。しかし、公立の場合にはこれは各自勝手でございまして、その自治体の勝手に任せていると。国立がつくったからつくろうじゃないかという機運はあるようでございますが、なかなか予算も伴いますのでうまくいかない。また、同じ大学でありましても、医学部のない大学は大変健康診断が受けにくい状態になっているわけです。医学部がある場合でも医学部の医師たちが何日かがつぶれるものですから、それを嫌がると言っちゃ悪いですけれども、余り喜んではやらないという状況にあるわけなんで、そういう意味では健康センターがあって、そこに権威があって、適当な機関で健診をやるということはこれはいいことだと思いますが、ほかの一般のそういう医学部を持たない、そういう大学の健診というのはどうなっているんでしょうか。
○政府委員(高石邦男君) ちょっと実態をそこまで、大学の医学部のあるところないところがどういうような形でしているか、ちょっと正確なデータをここに持ち合わせませんのでお答えができないわけでございますが、一般的には学生の健康管理というのは幼稚園から大学に至るまで基本的にやっていかなければならない問題でございますし、どのような体制をとっていくのがより必要であるかというのは、これは十分考えていかなければならない問題だと思っております。
○高木健太郎君 まだ社会保険にも入っていない階層でございますので、働いているとか会社へ属しているとか、ある団体に属しておりませんので、やっぱり学校保健という意味で全体を引っくるめて大学まで、社会に出るまではとにかく何とかすると、あるいは大学院というのもこれも考えてやらなきゃならぬ問題だと思うわけです。そういう意味では、先ほどから何回も申し上げますように、生まれてから死ぬまでという気持ちで、その間の学校に関することは文部省で責任を持ってその健康を保持するような設備なり制度なりをお考えいただきたいと、こういうふうに私は思います。 次いで、先ほど本岡さんからも御質問がございましたけれども、最近子供の病気が非常に多様化して、大人の成人病といわれるようなものもあるということですね。あるいは齲歯や近視が非常に多くなったというような話を聞いております。そうなりますと、健康診断といいましても、昔のように聴診器だけを持っていきゃあそれで済むというようなものではなくなりまして、最近の医学の進歩に伴ってそんなものはもう健康診断とは言わなくなっているわけですね。だから、種々の測定器械なり設備を必要とするようになっておると思うんです。だから、学校ではかれる範囲というものが私はあると思う。先ほど来エックス線を受けないというお話もございました、しかし、心電計の置いているところはあるというふうなばらばらの状態ですが、どこら辺までを学校医としての守備範囲とお考えになっておるか、そういう点をお聞かせ願いたい。それから、設備はどんなものを大体標準としてはお考えになっておられるかという点。
○政府委員(高石邦男君) 健康診断の検査項目を学校保健法施行規則で書いておりますが、従来から行われていた身長、体重、胸囲とか、それから視力、聴力の検査そういうもの、最近になりまして脊柱などの疾病の状況、それから目の疾病の状況、それから耳鼻咽頭炎の状況、皮膚の状況、それから歯及び口腔の状況、結核の有無、心臓の疾病、尿、それから寄生虫の有無、その他の疾病というような形で大体こういうようなものでございますので、これらの検査を行うに必要な備品と申しますか、器械と申しますか、それは設置者の負担で学校で整備しておると。それからなおどうしても尿検査のように専門的なものについては専門の機関に委託して分析をすると。それから、心臓検診につきましては漸次内容を深めてきておりますので、これをそれぞれの学校で備えつけて検査する。備えつけるのには大変な金がかかるというようなものには巡回方式によって心電図とかそういう器械を積んで回るというような対応をしてきているわけでございます。なおこれらの検査に当たりまして、医学の発展に応じて新しい対応をしていかなければならない分野がふえてくると思いますので、そういうものは積極的に前向きで整備していくということを基本として考える次第であります。
○高木健太郎君 前向きでだんだん拡大していくと、りっぱにやろうと思えば思うほど非常な大きな設備が要るようになるというふうに思うわけです。私が守備範囲と申し上げるのは、学校医としては、あるいは学校保健としてはこの程度までというようなことをもう少し正確に決めておかれないと、ある学校ではある器械があったと、ある学校ではない、なかったために私の子供は病気になったと、それを学校で見つけてくれなかったからこうなったというような文句も起こってくると思うんですね。だから、これは私は学校でできるのは、総合病院とかあるいは大学病院でできるようなことはとうていこれは私無理だと思うわけです。そういう意味では私十分守備範囲をお考えになっておくと、ここまでをやるんだと、そしてそこをやれば大体病気であるかどうかは少しはわかるだろう、ここまでがわかりますというようなことを決めておかれないと、学校で健診を受けて何でもございませんでした、ただ後で妙になったと、学校で何してくれたんだというような責任問題にもなりますので、できるだけりっぱな設備を備えたいというお気持ちはわかりますけれども、その範囲を決めておかれるということも私は非常に重要な一つの問題であると思います。 たとえば心電図の器械があったとしましても、心電図といってもいろんな撮り方があるわけでして、それを簡単に心電図を撮っただけで心臓の疾患が全部わかるわけでもないというようなこともありますので、ここまではわかるんだと、ここまではやるんだという範囲を少し決めておかれることが大事であると私は考えるわけです。 心電図を積んでいる検診車が来ましても、撮る人は医療の技師であって、これは心電図を見る専門の医師ではない。そこでは診断はとてもできないわけでして、それが専門のところにかかって初めてわかるというようなことになるのじゃないかと思いますので、できれば私は守備範囲を決めておかれるということが大事であろうというふうに思います。そういうことで、いまお話が出ました検診車というようなものをあるいは巡回車というようなものを回されるというこういう考えは私は非常にいいと思いますが、いまどれぐらい文部省でやっておられるのか。検診車というのは地方自治体で持っておられる検診車じゃないかと思うんですが、文部省としては何か地方自治体とどのような関係で検診車というのを回しておられるのか。
○政府委員(高石邦男君) 先ほど守備範囲の問題が出ましたが、これも学校保健法施行規則で検査をする「方法及び技術的基準」というようなことで、その検査の方法なり基準が非常にばらばらでないようにという意味のものは一応は決めてあるわけでございます。その手法によって学校の健康診断をやっていただきたいというようなことを考えております。 それから検診車は、たとえば心臓の場合は新しく今年度の予算で市町村が——市町村がというよりも、県単位でそういうものを購入し委託をする場合に補助をしていこうというような制度を本年度の事業として初めて行おうとしているわけでございます。地方の自治体においては国がなかなか——国の持っている検診車というのは実は余り必要ないと申しますか、公立の小中学校を対象とする場合が多いわけで、地方公共団体でそういうものを整備するというたてまえにしております。したがいまして、地方公共団体でどの程度の数量がどういう問題についてどれだけ整備されているか、ちょっとここにデータございませんので正確なことは申し上げかねるわけでございます。 ただ、心臓検診につきましては本年度から自動解析心電・心音計、そういうものの器械を整備したもので早期発見に努めるという助成事業を展開しようとしているわけでございます。今年度は八カ所の県を対象にモデル的に実施をしたいというふうに思っているところでございます。
○高木健太郎君 大変それは私は結構なことだと思いますが、検診車だけでなしに、学校医だけでできない面が大変ふえておりますから、たとえば先ほどは保健所というようなことも出ておりましたが、文部省関係の病院もあることですし、厚生省関係のものもある、あるいは個人の総合病院というのもある。そういうのとある程度の契約をして、児童をそこで、精密検査までとはいかなくてもある程度の検査をしていただければ足りない部分を補うことができると、そういうこともお考えになっているんじゃないかと思います。ひとつそのような形で、どこまでも自分のところで何でもできるようにというのじゃなくて、他のものと協力をして健康管理に努めるというような形をつくっていただきたいと思います。 その次に、たとえば肥満児がいるとか糖尿病を持っている児童がいる、あるいは腎臓疾患があると、こういう場合にちょっと心配なのは、体育はおまえは腎臓だからいけない、心臓だからいけないということはこれは言えるでしょうが、給食はどういうようにそれは指導しておられますか。
○政府委員(高石邦男君) これは実は非常にむずかしい問題で、まず肥満児に対して食べる量を減らして配分するということをやっぱり考えてほしいというので、クラス担任の先生がそういう子供たちの食生活に対する指導を学校で給食の際に行うと、どこまで徹底して行えるか若干問題のところがありますが、観点としてはそういうことを考えております。それから味のある、塩気を余りとってはいけないというような問題までは、ちょっと学校給食で味のつけ方まで差をつけるということはできないので、むしろそれは家庭における食生活でそういう分野をカバーしてもらうというようなこと。それからまた、どうしてもそういうものを食べられないという子供に対しては、それを非常に少量しか摂取しないというようなこと、そういうことを給食の指導上も行っているわけでございますが、なかなか、そこは集団給食でございますので病院における給食指導のような形には実現することが非常にむずかしいという状況でございます。
○高木健太郎君 それはもう無理じゃないかと思うわけです。病院でも特殊の食品をつくって患者に特殊な栄養食を与えているわけですから、そんな病人でもないでしょうし、無理だと思いますが、ぜひ学校医と相談をされまして、先生と家庭と一緒になって、食物であれあるいは体育であれ、個別の指導をしていかなくてはいけない。これは健康上における落ちこぼれといいますか、そういうものに対する配慮も今後必要になるだろうというように思うわけです。 ところで、あとの時間を、学校の校内におけるいろいろの災害がございますが、そのうち私がちょっと経験したことで水泳中の事故というようなことでお聞きしたいと思います。 水泳中に、といってもプールの中でも事故があるでしょうし、あるいは海や川でもあるだろうと思います。こういうことについて、件数なんかはきょうは時間がございませんからお聞きしないと思いますが、これは教育の中に入っているわけですね、水に入るときの注意というものが入っております。それを見ますと、なかなかいいことも書いてあるのです。この小学校、中学校の保健体育の方を見ますと非常にいいことも書いてございます。こういうふうにして水になれさせるということはいいことだなというふうに私も思いますし、なかなか系統的にそれを書いてあるということはいいと思うのです。それを全部をここで申し上げるわけにはまいりませんが、ただ、水に入る前はその環境をよく見ろ、禁止地区には入るな、そういう禁止項目がたくさん書いてございます。それから、いきなり水に入らないで準備体操をしろ、体がぐあいが悪いと思うときには水に入るなとか、いろいろの注意事項が中学校あたりから大分出てきているようでございます。 ただ、いつでも私は教科書を見て感ずるわけなのですが、外国の教科書に比べて非常に何でもが抽象的であるということなのですね。指導要領を見てもそういう具体的なことが書いてない、教科書を見ても書いてない。学校の先生がそれは非常に勉強してこられれば別ですけれども、教科書の中だけで言うと、これじゃちょっと困るのじゃないかなと思うことが幾つかございます。たとえば、準備体操をしなさいと、こういうわけですが、どんな体操をするんだろうかなということなのですね。あるいは、よく昔から言われるように、入る前には水を皮膚にもかけなさい、顔や頭にもかけなさい、こういうように書いてある。これは私非常にいいことだと思うのですが、その準備体操というようなものももっと具体的に書いたらどうだということです。あるいは、指導要領にでも書くのですか、あるいはどこかに書いてあるのか知りませんが、そういう準備体操というものはこういうものなんだというようなことも書かなければいけないのではないか。それから、顔を水につけてもぐったり上げたりするという、練習するというのはいいのだけれども、あるいは、口の中に水を入れて出す、特に塩水の場合には口の中に入れて出す、これは非常にいいと思うのだけれども、鼻の中に水が入るということは余り書いてないんですね。鼻の中に水が入って一遍にショックを起こして死ぬ子もあるわけなんです。だから私は大体こういうところに入るには一遍全部入れたらどうかというようなこともひとつ学者先生と相談されて、そういう絶対にショックを起こさないようなことを子供によく教えておくことが大事じゃないか。そういうことは書いてございません。口の中に水を入れるぐらいまでは書いてあるけれどもほかは書いてございません。 それから、危ないと思ったら大声を立てて呼びなさいということが書いてあるわけです。ところが実際におぼれるときには大声は立てられないんですね。ずぶずぶと入ってしまうわけなんです。そういうことで同じ溺死といっても、おぼれそうで苦しいから大声を出すというときには出せますが、溺死というようなときには声も出せないということの方が多いわけでして、いつの間にか水の中に沈んでしまっている。教師も父兄も気がつかないというようにしておぼれる人がずいぶんございます。こういうこともこの中には出ている。 私は、教科書というものは学校保健の中の一つの非常に重要な指針であると思いますので、子供が自分自身でそういうことを十分学ぶということで学校保健を支えていかないと、何もかもお医者であるというふうにすることは、私は学校保健の本筋じゃないように思うわけです。この子供たちが大きくなって自分自身の健康を守っていくわけですから、また、子供を今度世話するわけですから、やはり義務教育の間に、これは私は水を一つの例にとったわけですが、それだけではなしに自分自身で自分の健康を管理していくということを学校保健の中で教えていくというようなことをされることを私は希望いたします。そう思いますと、この学校保健というものは何か物足りないし、これだけでは大人になって間に合わないのではないかというふうに思うからでございます。 もう一つ、どうしてもこれは申し上げておかなければならぬことがございますが、救急処置のところがたくさん書いてございまして、心臓マッサージまで書いてあるわけですが、医者でも心臓マッサージをした人は余りないんじゃないかと思うわけで、ちょっとこれは余分じゃないかと思うのです。とてもじゃないが、子供が中学生くらいで心臓をマッサージすることはできない。心臓がどこにあるかさえ余りよく知っておりませんから、文句では知っておっても、現実的にはよく知らないのに心臓マッサージはちょっと無理じゃないか。そういう余分な物すごい偉そうなことは書いてあるけれども、現実的なもっと具体的なことが書いてないというところにこの教科書の不満を覚えるわけです。 それから人工呼吸ですけれども、この中学の教科書を五冊ぐらい見ましたけれども、たとえば大日本図書、東京書籍、学習研究社、それから高校では講談社、大原出版、教育出版いずれも文部省検定済みの教科書でございますが、これが全部口移し法というやつです。マウス・ツー・マウスという人工呼吸でございまして、これはどういうわけでそんなことになってしまったのか。そしてこれを実習させると書いてありますが、どうやって実習するのか、その点は文部省の方でどういうふうにお考えになっておられますか。たとえば学習研究社というやつなんですけれども、学習研究社の人工呼吸法というのが百三十五ページに載っております。呼気吹き込み法がすぐれていると書いてありまして、それで口移し法の図が書いてございます。その後にちゃんと実習というのがありまして実習するんです。これは実習ってどうやってやるのか。
○政府委員(高石邦男君) 実習する場合には模擬の人形みたいのがありまして、それでやるので本物の人間とはなかなかそこまではいかないわけでございます。ですから、人工呼吸のやらせ方にもいろいろなやらせ方があると思うので、私たちが教科書に取り上げる際には、それぞれの専門の先生方の意見を聞いて、一体どういうのを教えておくのが一番いいかということでやっているものですから、時代が変わってこういう対応がいいんじゃないか、新しいもっといい方法があるというようなことが出てくると、またそういうものが教科書の中で取り上げられていく、こういう形になろうかと思います。
○高木健太郎君 じゃ、模型の人形はあるわけですね、どの学校にも。それを聞いて安心しましたけれども、どうやって実験やるんだろうかと思ったわけです。特に日本ではなじみが浅いですから、これはむずかしいだろうと。 ところが、やっぱりここにも具体的に書いてありまして、一分間十二回やれと書いてあるんです、十二回ぐらいがよろしいと。子供では十八回とか、大きな人だったら十二回、こう書いてある。この前もちょっとお話ししましたけれども、人が倒れて、呼吸がとまって真っ青になって、ぐったりしておる。そこへ冷静に行って口をつけて、そして一分間十二回ということは、とうてい勘定ができないものなんです、これは。やってごらんになるとわかりますけれども、できない。だから、アメリカなんかの本には、自分の息に合わせてやれというようなふうに書いてあるんですね。要するに、どういう危急の場合でもそれはできるということは書いてあって、一分間十二回といっても、十二回という数が私は勘定できぬと思う、時計を持っておっても。だから私は、この書き方がもっともっと具体的に、必ずそれはできるというふうに教科書には書いておくべきじゃないかと思います。私、このマウス・ツー・マウスという方法は非常にいい方法だとして、通常の場合にはマウス・ツー・マウスということを推薦をしております。だから、お書きになった方が悪いというわけじゃなくて、人工呼吸法というものを取り出せば、これは現在の一番やりやすい、しかも効率的な方法だと思います。 さて今度、水泳ということになりますと、溺死の場合には、実際は肺の中に水が入るんじゃなくて、肺の中には全然水は入らなくて、全部胃の中に入っているわけですね。飲み込んでいるわけです。おなかはばんばんになっておりまして、その水を吐き出させるということで呼吸が戻ってくることが多いわけです。だから、口移し法ではその水は出すことはできないわけでして、昔から言われるようなシェーファー法というようなもので、うつむけにして、上から乗る、そしてやると一緒にここから水をがぼがぼ出してくる。それで呼吸が戻ってくるというようなことが非常に多いわけでして、いつでも、口移し法という人工呼吸というふうなものといわゆる学校内災害というものとばらばらに離さないで、水におぼれて水を飲んでるなと思うときにはこうしなさいというように、個々に親切に書くべきじゃないかと私は思います。 これは、私の言いたいことでございますが、いずれにしろ、私の申し上げたいことは、学校医ということの制度は非常にいい制度だと私は思いますから、そのことについて反対するわけではございませんが、自分の健康というものを保健体育で十分学んで、そして自分の健康を自分で守っていくというようなことを若いときから教えていくということが、今後の日本のあり方としては私は非常に大事なことじゃないか。特に、老人もふえてくる、医療費も多くなってきますので、できるだけ自分で処置できるというような教育というものがこの保健体育の中になくてはならぬ。しかもその上に、もしも他人が何かあった場合には、自分がそれにある程度のお手伝いができるというようなことでなくてはならぬと思います。そういう意味では、私は、学校保健法はいいとしましても、保健体育と学校保健法との間の関係をもう少し密にしまして、そのように金さえかければ何でもできるというような考え方じゃなくて、個人個人で健康を守っていくというふうにしていただいたら結構じゃないかと思うわけです。 最後に、マラソンで大分死ぬ人があるわけなんですが、どれくらい一年間に亡くなっているものでしょうか。学校関係だけで結構です。
○政府委員(高石邦男君) これは五十年以降の状況でございますが、たとえば五十五年でございますと、マラソンというよりも運動によるもの、これが七十二、その他が二十七、五十六年に参りますと運動によるものが六十九、その他が六十五ということで、大体百人から百二、三十人の子供が突然死というような形で亡くなっているわけでございます。
○高木健太郎君 いまでも、もちろん医学の方でもいろいろの仮説はあっても、その原因究明ということは十分になされていないと思います。ただ、こういうマラソン競技なんかをおやりになるというような場合、あるいは体育をおやりになる場合には、あらかじめ調査あるいは検査ということはおやりになっておるんでしょうか。
○政府委員(高石邦男君) 学校においてマラソンをやる場合には、事前に健康診断を受けさせるというようなことをマラソン大会の参加者に対して指導しておりますが、一般的に、日本陸上競技連盟とか各都道府県の指導者、担当者に対しても、こういうことを義務づけて、そして申し込むというような仕組みをとっているわけでございます。
○高木健太郎君 そのような処置をとっておってもなお百人ないし百二十人の急死というものが出てくるということはまことに残念なことでございまして、これは、一方では、医学がまだ不完全であるということであると思います。ついては、私は、いつでも、そういう事件が起こったならば、そういう事件が今後絶対に起こらないようにするということが亡くなった方に対する一番大きな恩返しであるんじゃないかと私は思うわけです。その事故が起こった場合のいろんなデータはお集めになっていると思うんですが、それは事故報告書として、何かきちっと出ておるわけですね、どういうんでしょうか。
○政府委員(高石邦男君) どういう状況で亡くなったかというのは、安全会で給付事業をやる際に、その原因とか場所とか、そういうものの報告をした上で出してもらうということになります。したがって、そういうもののデータを整理していって今後の予防措置を考えていくということは当然やり得ることでございます。
○高木健太郎君 このような急死の場合に、病理解剖というようなものをおやりになったことはございますか。
○政府委員(高石邦男君) ちょっとそこは具体的に調べておりませんのでよくわかりませんが、保護者との関係その他もございますでしょうし、できるだけやる方向で対応しているようでございますけれども、どれくらいのパーセンテージが実施されているかということはちょっとここではお答え申しかねます。
○高木健太郎君 最後に、それじゃ、いまおっしゃったように、日本では、それ、非常にやりにくい事情にあることは私の方がよく存じているわけなんでして、まして、かわいい子供さんが亡くなった、そうしたら、その死体をちょっと病理解剖したいからよこせというようなことは、親御さんもお聞きにならないし、周囲の学校の先生も申し上げにくい、お医者さんも突然のことですから申し上げにくいというようなことになりましょうし、大学とかその大学病院あたりで亡くなれば、病理解剖にぜひお願いしたい、原因が不明ですからというようなことで申し上げても、十人のうち何人がその申し出におこたえいただけるか、非常に数少ないものだと思っております。しかし私は、こういうことをしておったんでは、いつまででもこれくらいの数の方は亡くなるんじゃないかなと思うわけですね。だから、犠牲者をこれ以上ふやさないで、犠牲者をもっと少なくしていくためには、何とかして、そういう場合に、環境条件はわかりますけれども、解剖なりをして、そしてその原因の究明に力をかすということが今後の事故を防ぐということになるんじゃないかと思いますので、何とかその点をひとつ今後もお考えいただきたい。学校事故原因検討委員会というようなものでもおつくりになりまして、そこに文部省関係の大学病院の先生なんかがお入りになりまして、そういうことがあれば、特定の大学病院、あるいは大学病院でそういうものを勉強しておきまして、そういうものの原因を十分に究明していくというふうにすれば、私はこの数を半分にでも三分の一にでも下げることができるのではないか。それはまた文部省だったらば関係病院を各県に持っておられますのでできないことではないというふうに思うわけです。そういうことを申し上げます。事実は、私、マラソンと水泳だけを取り上げましたが、その他における学校内における事故あるいは病気というようなものにつきましても、もう医学もずいぶん変わってしまいました。非常に進歩してまいりました。だから、学校内だけで片づけるということはこれはもうできないわけですから、今後は他の関係機関と十分協力をして、そして十分な健康保健管理をやっていかれるということを希望いたすわけでございます。
○佐藤昭夫君 午前中からも同僚委員からいろいろな指摘があるわけでありますが、まずお尋ねをしますけれども、いわゆる学校における児童生徒の健康診断、これがどういう教育的な意義があるのか、学校の教育計画全体の中でどういう位置づけがされる問題なのか、その点についてまず御説明を願いたいと思います。
○政府委員(高石邦男君) 児童生徒に対する健康診断は学校教育の一環として実施をしているわけでございます。したがいまして、学校における学校行事であるとか、それから学級指導であるとか、そういうような位置づけの中で随時健康診断をやっているわけでございます。 その基本的な考え方は、児童生徒の健康管理をできるだけ学校の場でも配慮しながらやっていくというのが一つ。それからもう一つは、学校でやる健康診断での限界があるわけでございます。学校は病院と違うわけですから、その健康診断をやった上で病気を治すというところまで含めての健康診断を実施するということは、とうてい無理なことであります。したがいまして、学校でなし得ることは、その子供に異常があるかないか、また、その疑いがあるかないかということをチェックして、そしてそれを保護者に的確に伝えていく。そして、保護者は、子供について健康管理上、病院に行って治すべきものは病院に行って治すというような仕組みに連動していかないと、なかなかできないんで、学校で調べてから治療まで全部完成させるということを学校の健康診断でやっているわけではございませんので、そこはいろんな機関と連携をとりながら、最後の治療行為まで持っていかなければならないということになろうかと思います。
○佐藤昭夫君 ただいまの答弁で、医療機関は医療機関としてのプロパーの役割りがあり、それを学校の健康診断をもって代行するということはできないという限界はありつつも、しかし日常的に学校教育の中での子供の健康な体をどう育てていくかという、こういう上で非常に重要な教育的役割りがあるんだということだと思うのですけれども、ところが実際はそういうふうに学校の健康診断がよく子供たちの健康状態に心を配ったやり方がやれるような、そういう体制になっているかといえば、必ずしもそうではないんだということが午前中本岡委員の質問の中でも出ておったと思うのです。 私も、先週京都に帰りまして、ある小学校の実例をいろいろ聞いてみたんですけれども、これは約一千人規模のいわば大規模校、そこの小学校の例でありますけれども、内科の健診を大体午後一時半から三時半、約二時間の予定で一学年に一日ずっとって、そして六日間それでかかる。あと一日は障害児の子供や教職員に一日かけるという形で、こういう大規模な学校では、いわゆる健康診断のために七日間手がかかるんだということでありますし、耳鼻科について言えば、とても一人では手が回らぬ、大変なので臨時に二、三人の人に頼んで、これも同様にすべての子供の健診をやっているという状況だという話でありました。内科の場合、一人のお医者さんでやっているわけですけれども、約二時間に一学年、平均百六十名、ですから一人当たり一分もかけることができない。ごく機械的な割り算をしますと一人四十五秒、このテンポでばあっと数をこなしていかなくちゃならぬという姿になっておるわけでありまして、これは決してこの学校の極端な例ではない。ほとんどおしなべての学校の健康診断の姿というのが、本当にこの一人一人に問診をして、最近の体の状況はどうかということを子供に聞いて、いろいろ健康診断をするという、そういう心を配った状況にはおよそなってないというのはもう共通をしたことだと思うのですが、こういう状況で本当によく心を配った診断ができる状況にないというのは明らかだろうと思うのですが、一方学校医の配置基準ですね、これについては午前中もありましたけれども、いわゆる複数配置をするめど、どういう基準になっているのか、もう一遍ちょっと説明をしていただきたい。
○政府委員(高石邦男君) 規模別によってまず違うし、また地域の実態によっても違いますが、国として考えておりますのは、小学校では十八学級、中学校では十五学級、こういう学校には標準的に内科医というか学校医三、それから学校歯科医一、それから学校薬剤師一というような形の人を配置するということになっているわけです。したがいまして、それ以上具体的にどの学校に何名置くかというのは、そうした交付税の財源措置を考えながら地域の実態で設置者の判断で置いてもらうということで、画一的に何学級以上には何人置けと、そういうような具体的なところまで示していないというのが現状でございます。
○佐藤昭夫君 実際にお医者さんの任命をし、配置をするのは、それは市町村の教育委員会ですから、いまの文部省の考えているのは交付税の算定基準ですね。その考え方だということですけれども、現状は、それならどうですか、文部省が全国を眺めておられて、いまのお話ですと小学校であれば十八学級、中学校十五学級、これを超えれば複数配置という考え方だというのですけれども、実際はどうなっておるのか。実際はそれよりもずいぶん配置のひどい状況になっているんじゃないかと思うんですが、どうですか。
○政府委員(高石邦男君) 実態の規模別のデータがございませんので、ちょっと正確な答弁ができませんが、たとえば眼科、耳鼻咽喉科、それから内科というようなのが標準的なパターンですけれども、その内科の先生が一人で足りないというんで内科の先生を複数置く、ということは四人ということですね。学校医としては四人とか五人とか、そういう形のものを置いているところがあるわけで、たとえば小学校の場合ですと、三十学級を超えますと三人が四人置かれているというところが四八%ということでございます。中学校では約七〇%が内科医二人、それから眼科、耳鼻咽喉科一人と、こういう形で置かれているという状況でございます。
○佐藤昭夫君 私が京都市の関係で聞きましたあれでは、京都の都市部では小学校が百九十三校あると、そのうち文部省が言う十八学級八百十人、この基準を超えて千三百人以上の大規模校、これが二十四校あるんですけれども、この二十四校のうち内科のお医者さんが複数配置、二名以上配置されておるというのは十七校しかないということで、これも一つの例だと思うんですけれども、全国的に交付税の算定基準にしておるそれよりもずいぶんまだまだひどい状況が——京都市においてさえこういう状況ですから、起こっておるんではないかというふうに思うんです。 この交付税の、いま言った小学校十八学級以上、中学校十五学級以上というこの基準は何年以来の基準ですか。
○政府委員(高石邦男君) いつから始まったかちょっと正確にはわかりませんが、十数年来の基準であろうと思います。
○佐藤昭夫君 その配置の目安としての交付税上の基準が十数年来余り改善をされていない。確かに報酬の額の単価は、それは少しずつ上がってきておりますけれども、配置の基準そのものは十数年来余り変わっていない。午前中も話が出ていましたけれども、保健体育審議会答申、これが出されて約十年というそういう状況でも余り変わっていないということですね。そこで、本当に行き届いた健康診断、また健康相談、これがやっていけるような、そういう体制をつくっていくために学校にお医者さんの複数配置をしていくという、問題は二つあると思うんですけれども、都市部とそれからお医者さんが不足をしておるというふうに考えられる過疎地、僻地ですね。この都市部についてはお医者さんが不足をしているから複数配置が実際は必要でもこれが十分できないんだという、こういう事情ではありませんね。
○政府委員(高石邦男君) 先ほどの答弁の補足を申し上げてお答えしたいと思いますが、学校薬剤師についての交付税の財源措置がされたのが昭和三十六年からでございます。それから眼科医が昭和四十二年からでございます。それから耳鼻咽喉科、これが昭和四十五年からでございます。したがいまして当初は学校医一人、それから学校歯科医一人というのが昭和三十五年度までの対応であったのが、昭和四十五年度までにいまのような形の学校医三人、学校歯科医一人、学校薬剤師一人というような形で地方交付税における財源措置を講じてきたということで、改善を試みながら今日に至っているということでございます。 それから、都市部における医者不足によって複数配置ができないということは、まず事情としては私もないと思っております。
○佐藤昭夫君 若干補足をされましたけれども、しかしごく大ざっぱな言い方をして、昭和四十五年ごろから配置基準については交付税上は余り変わってないということははっきりしているわけです。 もう一つお尋ねをしておきますけれども、学校医の方が勤務につく日数として交付税上の算定基礎となっておるのは八日ですね。これはどうなんでしょうか。年間を通じて八日以上は学校医の方は仕事をしていただく必要はないんだと。さっき高木先生の質問に対して、職務についた平均日数というのが六日とか七日という話ありましたね。交付税上の算定基準も八日だと。ということは、国自身も、文部省自身も八日以上は学校医とか学校歯科医とかいう、こういうお医者さんに仕事をしてもらう必要はないという考え方なんでしょうかね。
○政府委員(高石邦男君) そういう考え方ではございません。必要に応じて、学校医としての職務をとっていただくに必要なだけ学校医として勤務していただきたいというような気持ちでございまして、その必要性が十日であれば十日出てもらうということになるわけです。ただ交付税における財源措置は、全国的な実態を見てどのように財源措置をしていくかということで、八日というのが入れられておりまして、現実的に全国平均は六日ないし七日というところが実績でございますから、交付税における財源措置はトータルとして十分に行われていると、こういうふうに思っている次第でございます。
○佐藤昭夫君 それは、私がさっきのようにお尋ねをすれば、学校保健法の施行規則でも、本岡委員の質問の中に出てましたけれども、かなり広い範囲にわたって学校医、学校歯科医の職務は左記のごとくということでずっと定めておる。これを本当にやっていけるような体制をとろうと思えばこんなの年間通して八日間ぐらいで済むはずがない。私もこれ聞いたんですけれども、京都の府立高等学校の夜間定時制、ここでは、働きつつ学ぶ青年を相手にしてますからというので、やっぱりいろいろ病気をしたりなんか、そういうことも起こりやすいというので、週一回健康相談日というのをつくって、学校医のお医者さんが学校へ出ていっていろんな子供の相談に当たる。こんな週一回出ておったらとても年間八日間で埋まるはずがない。そういうことで、必要なところでは学校側とお医者さんと相談をし合ってそういう体制をとっておるというところもあるわけですね。 そこで文部大臣、お考えを聞きたいわけですけれども、一つは予算的には交付税上、一年間通して八日間——予算上はですよ。理念上じゃなくて、予算上は八日間働いたらまあそれで何とかかっこうつくと、こういう予算になっている。それからさらに、大規模校にはお医者さんを複数配置をしなくちゃならぬというこういう考え方ではあるけれども、小学校であれば十八学級以上、中学校であれば十五学級以上というこの基準自身が十年来変わっていない。ところが、この十年というのが実はもう御存じのとおり、子供たちの健康や体力をめぐって社会的にもいろんな問題がずっと指摘をされてきておるこの十年。こう考えてみれば、この十年来変わっていないというこの基準、この考え方、これについては一遍見直しをすべき時期へ来ているんじゃないか、そういう検討を開始すべきじゃないかというふうに私思うんですけれども、どうでしょうね、大臣。
○国務大臣(小川平二君) 当面の実態に対応いたしまするには十分なだけの交付税で財源措置を講じておるわけでございます。 なお、今日までの間におきましても、十分とは申せませんけれども、何がしかの改善も実行いたしてきておるわけでございますが、今日の実態が現に行っております交付税措置ではなお不十分ということになりますれば、その時点で検討いたしたいと考えております。
○佐藤昭夫君 不十分ではないかと、こう指摘をしているんですから、特に八日という、これについては、実態は八日も仕事がやられてないという、こういうふうにあなたも局長もおっしゃりたいかと思うんですけれども、それならもう一つ、私が言っている、十年来基準自身が変わってないというこのことについては、どう考えてみたってそれでいいのかという問題でありますから、よく御研究を願いたいと思うんです。 それからもう一つの問題は、再々話に出ます昭和四十七年十二月の保健体育審議会の答申、この中では「学校医、学校歯科医および学校薬剤師は、その役割をじゅうぶん果たすためには、学校保健のあり方や学校の教育活動についての理解をいっそう深める必要がある」として、いわば学校医のための研修の改善充実、これを答申の中で提起をしておったわけでありますけれども、午前中も子供たちの新しい病気が最近いろいろとふえてきているということで、従来のカテゴリーの内科、眼科、耳鼻科、これでは対応し切れない問題がいろいろ出てきているんではないかということも出ておったわけでありますけれども、そういった点で、子供の病気をめぐる新しい状況に即して学校医の方々の役割りを十分発揮してもらえるような、そういう研修についての改善充実策はどうなっているでしょう。
○政府委員(高石邦男君) まさに学校医、学校歯科医、学校薬剤師の皆さん方に学校保健の内容を十分理解していただく、そのための研修を積極的にやっていかなければならないという点についてはそのとおりに考えるわけでございます。また、子供たちの体の健康の状況も時代とともにある変化をしていくということもあろうと思いますし、その変化に対応できるような研修をやっていくということもきわめて大切なことだと思います。 そこで、そういう観点で、全国学校保健研究大会というのを毎年定期に開催いたしまして、学校医、それから養護教諭とか学校歯科医、そういう人々を対象にして実施をするということで、学校歯科医、それから学校薬剤師の方々に対しても同様な研修を行ってきているわけであります。また、学校医の団体自体が自発的に研修会を開催するというようなことをやられておりまして、これらの研修のために日本学校保健会を通じてそういうものの事業に対する援助をしていくというようなこともあわせてやっているわけでございます。 昭和五十六年度における主な研修を申し上げますと、学校医のための研修は、日本学校保健会の主宰により、幼児の健康度調査、児童生徒の健康調査、健康教育の長期的展望というような点を研究協議していただいたわけであります。学校歯科医についても同様な観点で歯科の観点の研究協議を重ねる、学校薬剤師に対してもいろいろな研修を重ねるということで、これらの研修を今後とも強化していかなければならないと思っております。
○佐藤昭夫君 学校医の配置状況の問題のもう一つの側面であります、いわゆる過疎地域、僻地における小学校や中学校がどういう状況になっているかという問題でありますが、午前中も、ずいぶん兼務が多いという話がいろいろ出てました。 まずお尋ねをしますけれども、これは厚生省がいいんでしょうかね、いわゆるお医者さんのない無医地区というのはどれくらいあるのか。もっと具体的にして、小学校の通学区域、この中にお医者さんが一人もいないという小学校区というのは現在幾つあるのか、それをお答えいただきたい。
○説明員(山内豊徳君) 私の方から前段の点だけお答えさせていただきたいと思いますが、いわゆる私ども行政的につかまえております無医地区、これは大体、半径四キロメートルぐらいの地域で人口が五十人以上あるものということでございますが、これが現在一番新しい数字で全国的に千七百五十地区ぐらいというふうに数えております。ただ、小学校区を単位にとられた場合に、その区域内に医師のない小学校区につきましては、私どもちょっと手元で行政上、資料をつかまえておりませんので、お許しをいただきたいと思います。
○政府委員(高石邦男君) 私の方で学校単位で申し上げますと、小学校が五百三十校、中学校が三百四校が学校医のいないところでございます。
○佐藤昭夫君 角度を変えてお尋ねをしますけれども、しからば、その学校医の配置されていない小学校、中学校、それぞれ幾つありますか。
○政府委員(高石邦男君) いま申し上げたのはその数でございます。
○佐藤昭夫君 私が尋ねておったのは、小学校の通学区域というのがありますね、エリアが。それなら、このエリアの中にお医者さんが一人もいないというそういう学校は幾つぐらいありますか。
○政府委員(高石邦男君) そういうとらえ方をしたことがありませんので、そこまでのデータはございません。学校医が配置できない学校が先ほど申し上げた数字でございます。
○佐藤昭夫君 それは調べてみたことがないということですか。——いや、私がお尋ねをしておるのは、さっきの学校医の無配置校、これが、答弁がありましたように、小学校五百三十、中学校三百四というんですね。その地域というのは本当にお医者さんが一人もいない地域なのかという質問です。
○政府委員(高石邦男君) そういう逆の見方であれしたことはありませんが、学校を中心にいたしまして四キロメートル以内に医療機関がないというところは大体学校医が置かれていないというふうに理解しておりますので、これらの小学校、中学校には学校医がまず八、九割はいらっしゃらない地域ではないかと、こういうふうに理解いたします。
○佐藤昭夫君 私、文部省のずっと午前中からの答弁が、とにかくお医者さんが不足をしておって配置しようにも配置がむずかしいんですという答弁が繰り返されておるんですけれども、果たしてそうなのか。本当に教育的に学校医の配置が必要だと、こういう角度からよくお医者さんを探してよく話し合いをしてそういう仕事についてもらうようなそういう努力がやられているだろうか、またそういう方向で各地方の教育委員会が努力をするような指導が徹底をしているだろうかということについて大変な疑問を持つわけですけれども、どうも数字的な答弁がないのではっきりしないわけです。 もう一つお尋ねをしますけれども、しからば本当に学校保健法にも定めておる一これはまあいわば養護教諭設置義務の定めと違って、別に附則、ただし書きもついて、当分の間は置かないこともできるというふうに学校保健法には書いているわけではない。とにかく学校医、学校歯科医、学校薬剤師、これを置くものとするというふうに明確に書いておるこの法の趣旨からいって、それなら今後どういう年次計画で学校医の必置をやっていくそういうプランを持っているのか。養護教諭の方については非常に不十分だけれども、十二年計画というのを持って、それでも一〇〇%設置にはいかないという。学校医についてはどういう年次計画、プランを持っておるんですか。
○政府委員(高石邦男君) これは、文部省が学校医の要請までやっているわけではありませんし、非常に具体的なプランを置いて、じゃ無医村の解消のためにここに先生を配置するとか、そこが非常にできないので、その具体的なプランもつくりにくいわけですが、基本的には従来僻地のないところでも学校医の資格のある先生がいらっしゃれば、あしたからでも学校医を発令したいというように思っているわけです。それが現実的にできないので、僻地における保健管理についていろいろ苦労をするところであります。そういう地域については医師を派遣して子供たちの健康診断その他に当たっていただくというような体制をとっているわけでございます。
○佐藤昭夫君 これも私、実際に数字を挙げた訴えを聞いたわけでありますけれども、これらの過疎地域、僻地における学校医の状況というのは、内科、歯科医の先生方、これは配置されておっても、特に耳鼻科、眼科医、これが非常に少ないということで、京都の与謝地方という——これは天の橋立なんかがあるようなあの地域でありますけれども、一昨年までは耳鼻科、眼科の検診というのがもうほとんどできていなかった。それを昨年度から無医地域に京都市内からの医療機関の協力を得て四グループに分かれて耳の診察を一回、目の診察を一回という健康診断を約七千人の小学生、中学生を対象に行ったというわけですけれども、その結果判明をしたことは、鼻炎ですね、鼻の病気、これは小学生が、この僻地の与謝地域で一七・三%、京都府全域、都市部を含めての全域ですと一一・五%、それからへんとう腺肥大、これが小学生、与謝地域では九・六%、京都府全域では六・〇、結膜炎が与謝地域では五・二、京都府全域では三・一、中学生も同様の傾向ですが、明らかに僻地の地域ではそういう耳、目、こういうものの疾病の状況が率が高いということで、まあ最近では珍しいと言われるトラコーマの小学生一人も発見をされたというふうに報告をされているわけですけれども、こういう点で僻地の耳、目含めての健康診断の体制を充実をするということが一層必要になってきているという一つの事例の報告だと思うんです。 こういった点で、こういう僻地地域に対する目や耳、この検診を一層徹底していくために文部省としてはいまどういう方策を考えておるのか。その中には公立病院にもこういう耳鼻科、眼科の専門医を配置するという形でそういった健康診断体制の充実を図っていくという方策も必要じゃないかと思うんですけれども、この点は厚生省のお答えになるかと思いますけれども、それぞれのひとつ見解をお尋ねしたいと思います。
○政府委員(高石邦男君) 僻地学校保健管理費補助というのがありますが、派遣人員が約七千八百七十人というのを一応予算の積算に置いているわけでございます。そこで、具体的に僻地の子供たちの健康管理を、健康診断をやっていく際に、単なる内科医だけではなくして、いまお話しのありました耳鼻咽喉科ないしは眼科、そういう専門の方も行ってもらってやっていくということも可能なような予算の積算にしているわけでございます。したがいまして、その地域の持っている特性を十分考えながらこの派遣制度を活用する場合には、設置者がそういうことを考えて協力を求めていくというような形で医師の派遣をやっているということでございます。
○説明員(山内豊徳君) ただいま御指摘のような事例を踏まえての厚生省なりに行っております医療対策でございますが、いわゆる僻地医療一般を対象といたします施策につきましては、診療所を僻地に設ける、あるいはその診療所のバックアップができるような僻地の中核病院と称しておりますが、この整備を図るというようなことで、現在昭和六十年までの五カ年間を第五次の僻地医療対策期間としているわけでございます。 ただ、先生御指摘のように、一般的な住民医療につきましては僻地医療対策が私どもある程度の効果を持ってきていると思うんでございますが、眼科、耳鼻科につきましては、単科の診療所——耳鼻科だけの診療所、眼科だけの診療所というのを私ども補助対象にはしておるのでございますが、なかなか実効が上がらないというのが現状でございます。 理由につきましてはいろいろございまして、結局はそういう単独の領域の診療所ではなかなか経営がうまくいかないということにあろうかと思うんでございますが、そこで、あるいは一つの方法として手近な公的病院にそういう専門医を配置してはどうかということ、これも各都道府県でそういった工夫をしておられるところも確かにございます。厚生省が直接運営しております国立病院につきましてもそういった診療科の設置が地元から要望があったというような例もあるわけでございますが、僻地医療対策全体が実を申しますとそれぞれの僻地に診療所を設けて住民医療を確保するという施策にやはりどうも限界があるようであるところから、どうしてもある程度まとまった中核病院の医療機能を巡回診療なり、場合によっては患者搬送という形でお世話をするということが、ある意味では現在当面の僻地医療のやり方の中心になっておるわけでございます。個別的な例につきましては地元の衛生当局と教育委員会とのお話し合いなども必要な面もあろうかと思いますが、もう少し事細かに私どもとしても実態を踏まえて対処してみたいと思っておるところでございます。
○佐藤昭夫君 文部省の方の御答弁で、お医者さんなどの派遣経費の五十七年度予算これが七千八百七十人だと、こういうお話ですが、その内訳は、医師、歯科医で四千七百五十、薬剤士で三千百二十人、このトータル。ところが問題は、確かに薬剤師は五十六年度に比べて五十七年予算ではふえていると、医師、歯科医師の関係が六千四百四十二人から四千七百五十人と減っているわけですね。これは一体どうしたことなのか。薬剤師がふえたからといって、薬剤師の方が内科医やあるいは歯科医の方々の代行ができるようなそういうことが期待できるものではないということでむしろ減っている。しかも、問題は、私が指摘しているのは、その中で目や耳やここらの診療を担当するお医者さんはどういうふうにふえてきているのかというこの内容がよくわからぬわけですけれども、その点どうですか。
○政府委員(高石邦男君) この補助金は、実は昭和二十九年僻地教育振興法ができて以来行われている補助金であります。その間、相当な歳月がたちまして実態の見直しを昨年度やったわけです。そして、できるだけ実態に合わせる予算要求にしていくことが必要であるというようなことで、従来は従来の数字をもとにして単価改定程度でずっと流してきたわけですが、実態を見直しましたところ、今度新しく要求しているような内容が最も実態であるということになりまして、額面から言うと大幅に減ったりふえたりしておりますけれども、二十九年以来のものを見直したその結果の数字でございます。
○佐藤昭夫君 さらに一般の学校医全体についての報酬、これが年十一万六千円、一日にすれば一万四千五百円と、年八日というそういう計算です。一方僻地へ派遣をするこの報酬が一人一回一万五千九百円ということですから、千四百円ふえるだけと。そうすると、わざわざこの僻地の地域へお医者さんとして出向いて検診活動に当たってもらおうというそのための旅費も含めて千四百円ふえる程度だと、こういう交付税の計算ですか。
○政府委員(高石邦男君) これは交付税の財源措置ではなくして、私の方の僻地教育振興に必要な経費という補助金でやっているわけでございます。この一万五千九百円というのは、内訳を申し上げますと、報酬に相当するのが一万二千三百円、旅費に相当するのが三千六百円ということが込みになった単価になっているわけでございます。
○佐藤昭夫君 どうもいまの説明ではよくわかりません。いずれにしても、この人員の点でもあるいは単価の点でも本当にそういう僻地に対する手だてが充実した方向へ向いていくということに果たしてなっているだろうかという点で疑いを持たざるを得ぬような、そういう数字についての私、意見を持つわけです。しかし、よくその点はもう一遍検討しておいていただきたいと思うんですが、時間の関係がありまして別な話に移りたいと思います。 この養護学校においては宿泊の学校行事がいろいろあるわけです。たとえば移動教室とか修学旅行、学校によっては年二、三回ですけれども、年間九回というそういう学校もあると聞きます。もしも現地で非常事態が起これば二人の先生が現地の医療機関に連れていくわけですけれども、時間がかかって措置がおくれるという場合も大変心配になる。また二人の先生が抜けてしまった後の子供たちの指導体制も非常に不安が起こる。こういう点で、たとえば東京都の場合には都立の施設、都立の海の家とか山の家とかこういうところに行く場合にはお医者さんの付き添いを認めて付添旅費の補助を出すという制度を東京都はとっているわけですし、京都なんかの場合には各学校に乗用車を配置してすわという場合にはすぐ車で往復ができる、こういう体制をとるなどいろいろ自治体は工夫をしているわけですけれども、文部省としてもそういう障害児の宿泊行事におけるお医者さん、学校医の付添制度、これをやっぱりひとつ制度化するという方向について検討を開始すべきじゃないかというふうに思うんですが、どうでしょう。
○政府委員(高石邦男君) 修学旅行のような場合に、まず基本的には事前に児童生従の健康診断を的確に行って、そういう行事にたえるかどうかというようなことをチェックするわけでございます。そして、修学旅行に関しては養護教諭を同行させる、また必要に応じては保護者の付き添いをお願いするということ、付添人の交通費については就学奨励費の対象になっているということでございます。 そこで、具体的には医師の同行の問題は、そこまで制度化するのはどうかという気もするわけであります。と申しますのは、そういう常に医師の看護下でなければならない者を修学旅行という行事に参加させるというようなことまで徹底するのはやっぱり問題が残るということが一つと、それから修学旅行地というところには大体医療機関があるので、現地に行った際の緊急措置をその医療機関とも事前に連絡をとりながら緊急事態が発生した場合にはそこの医療機関で処置をしてもらうというような対応、そういうものの中でそうした修学旅行を実施するということにしているわけでございますので、医師同行制度までこの中で導入することについてはどうかというような気がするわけでございます。
○佐藤昭夫君 まことに冷たい答弁だと思いますね。 別の問題でお尋ねをしますけれども、障害児の歯の治療の問題です。 健常児にとっての虫歯と障害を持った子供たちの虫歯、その重要さが全く異なるということはいろいろお聞き及びのことと思います。すなわち健常児の場合は歯が痛ければ親に訴えて治療を求める。ところが障害児であるがために声も出せない、そういう訴えをする力もないということで奇声だけを発したり、血が出るほど指をかんで表現をしてみたり、壁に力いっぱい頭をぶつけて訴えると、こういうことが障害児の場合起こってくるのだということはあります。私がこの訴えを聞いた問題でありますが、ある十歳の女の子が重症核黄疸による脳性麻痺で寝たきりの生活をしていて、ある病院に来院したときには体重が九・五キロ、実際十歳の子供ですが、一歳半の幼児の半分ほどしかないと、本当にやせてがりがりになったそういう状況ですけれども、しかも口の中は乳歯も永久歯も全部虫歯で、歯茎もそこらじゅうがはれたり化膿をしたりしている。あちらこちらの病院や歯科医院を回っても全部断られて、結果、最後この病院に来たときには、臨床検査の結果ひどい貧血症状で、血の色素量が八・〇グラムと健康成人の半分、不用意に抜歯もできない大変危険な状態だということで、常時歯茎からうみが流れているという姿だった。それを入院をさせて、父親の血液を三回にわたって輸血をし、全身麻酔下でのこの歯の集中治療をやった。その結果、食欲がみるみる回復をして、顔色も見違えるようによくなり、数カ月後にはこの色素量も十一・九グラム、体重も十二・五キログラムということで、急速に元気になって明るい子供になっていったということで、担当医はやっぱり歯の問題が決定的だったというふうに語っているわけですけれども、ところが実際は、養護学校が義務化されて障害の重い子供が多く入学をしてきているわけですけれども、現行の学校健診制度、こういう状況のもとではもう口をあけさせるということも大仕事ですからというので、もうこの子は歯の治療は不能だという、そういう判定で、何の検診治療もできないまま放置をされておるという、こういう状況が多いわけであります。 そこで、まず厚生省にお尋ねをするわけですけれども、こういった障害児の子供たちの歯の治療の問題について、疾患があり、やはり一定の検診をきちっとさせるべきだというケースについての、それをしっかり受けとめていく制度的保障をぜひ考える必要があるんじゃないかということで、いま一例として提起をしたわけですけれども、こういうことが起こらないような障害児の歯科医療を促進をするための、一つは歯医者さんをふやすという問題もあるでしょうし、また現行の診療点数制度、これを改善して、こういう子供たちの治療をする際の補助金をふやす問題とか、一定の優遇措置、こういうことについての積極的な検討がやられるべきじゃないかというふうに思いますが、どうでしょうか。
○説明員(山内豊徳君) 私ども厚生省で直接の施策として取り組んでおりますのは、主として普通校に通うような場合の、家庭にいらっしゃる身体障害児が対象になろうかと思いますが、御指摘のように、順序は前後いたしますが、社会保険の点数の上でも、たしか五十年代に入りまして、幼児加算に加えて心身に障害のある方の加算がつけ加えられたというようなこともございます。その結果、私どもの観測では、かなり一般の開業歯科医の方でも心身障害児に対する診療の頻度が高まっているというデータもあるわけでございます。ただ、それだけではなかなか一般地域におきましても十分な心身障害児に対する歯科医療ができないということから、五十年度からでございましたか、都道府県なり、場合によっては地元の歯科医師会で、口腔保健センターというような形で一カ所のセンターをまとめて決めて、歯科診療が心身障害児を中心に行われる場合の補助制度も組んでおるわけでございます。補助金の対象になったものならないものを合わせまして、大体現在全国で九十カ所を超えるセンターができておりますが、それの約五割、半分ぐらいのところでは障害児の歯科診療が行われているという報告をいただいております。 ただ、いま先生が御指摘になったような例を前提に考えますと、実はこの歯科治療の問題は、単に心身障害児を開業医の方が相手になさるかなさらないかだけではなくて、常時ある程度の子供なら子供さんとお医者さんの人間関係がございませんと、あけるべき口もあけないというようなこともございます。その意味で、センターに連れてきて治療するだけではなくて、何とか手近なところでそういうお子さんも歯科医療のサービスを受けられるようなことを普及すべきではないかということから、現在日本歯科医師会を中心に開業医の先生方に対する啓蒙普及の機会も毎年ございますものですから、ここ数年心身障害児歯科治療のことは一つの歯科医師会としてのお取り組みのテーマにもなっているわけでございます。 歯科医師の養成ということも、たしか先生からも御指摘があったと思いますが、最近、十年前に比べますと、私ども厚生省所管の児童福祉施設、身体障害児施設などでもかなり常勤の歯科医師の若い先生がおいでになるような状況もできております。そういった意味で、先生も御指摘のあった社会保険医療における加算その他の心身障害児対策の充実ということがそういうあらわれにもなったんじゃないかというふうに受けとめている次第でございます。
○佐藤昭夫君 もう一つ、障害児の定期健康診断における問題点について質問したいと思いますが、それは具体的には障害児のレントゲン撮影をめぐる問題です。 多くの場合はこのレントゲン撮影は、立った姿、立位で撮影をするという場合が多いわけですけれども、障害者なるがゆえにきちっと立てないということで検査不能ということにされるとか、あるいは教職員が数人がかりでやっと立たせて、しかもそれもずいぶん無理な姿勢で撮影をせざるを得ないという、こういう例が多いわけですけれども、寝たままの姿勢でレントゲン撮影ができないのかということが関係者の中でいろいろ意見が出ているわけです。一部の病院にはそういう装置を持っているところもありますけれども、非常に数は少なく料金も高いということで、学校における健康診断の通例でありますレントゲン車がやってくるわけですけれども、このレントゲン車の中に、いまのようなそういう寝たままで撮影ができるような装置、これを施していけば、そういう障害者のレントゲン撮影もずいぶん容易にできるようになっていくんじゃないか、これがひいては子供たちの健康にも役立っていくんではないかという問題だと思いますけれども、そうした点で、レントゲン車にそういう寝たままで撮影ができるレントゲン装置、これを配置する方向でぜひ検討を開始してもらいたいというふうに思うんですが、どうでしょうかね。
○説明員(山内豊徳君) 御指摘の身体障害児童の、特にエックス線撮影のための一つの方法でございますが、現在実は数社のメーカーにおきましては、確かに車いすのまま背中にレントゲンフィルムを入れるとか、あるいは寝たままの姿の場合にはそのままで写せるというようなものも開発されているようでございます。ただ、これは御案内と思いますが、やや価格も高いということもございまして、私ども直轄の児童福祉施設について調べてみたのでございますが、まだ数カ所が購入したというような例でございます。 ただ、これを車の中で使える状態でできますものかどうか。私が理解しております限りは、いまのところはやはり病院の中とか施設の中で使えるものがやっと開発された段階でございます。車の中のレントゲン撮影は、御案内と思いますが、本人はもとより、そばにいる付き添いの人がエックス線を被曝しないように配慮しながらやらなければいかぬものでございますから、確かに脳性麻痺で体のけいれんがあるようなお子さんの場合、考え方としてはそういったものが可能ではございましょうが、介護の方がよけいな被曝を受けるということがあってはならないわけでございます。 そういった意味で、いま病院とか施設でも数カ所例があると申し上げましたのは、実はあくまでそこの専属のエックス線技師の方が自分なりに工夫をしながら、レディーメードじゃなくて注文生産でやっているような状態でございますので、将来の研究課題としては、なお車にもそれを積んで、特に条件の悪い施設やあるいは場合によっては養護学校を訪問するということは必要かと思いますので、課題としては研究させていただきたいと思いますが、いま直ちにどの程度具体的な方向でできますかにつきましては、きょうのところは御答弁を控えさせていただきたいと思います。
○佐藤昭夫君 厚生省として研究、検討をしてみたいということでありますが、最後に大臣にお尋ねをしたいと思いますけれども、国際障害者年を受けて、そのためのわが国としての長期行動計画、こういうものも打ち出されておるという時期でありますけれども、一遍教育のサイドから見て、きょうはこういう学校医、歯科医のこれにかかわる法案でありますけれども、障害者の子供たちの健康問題、あるいはひいては健康診断の問題、これについてどう改善を図るべきか、必要な省庁間でどういう問題の協議に上せていくかということでたまたま私はきょうはレントゲン車の問題を提起をしてみたわけでありますけれども、このことも含めてぜひ積極的方向で文部省としてもいろんな諸問題についての検討を進めてもらいたいということを最後に大臣にお尋ねをして終わります。
○国務大臣(小川平二君) 心身障害児の健康管理、健康の維持増進ということに関連してただいま幾つかの御提言にも接しておるわけでございますが、文部省といたしましては今後一層この問題に意を用いて改善充実を図ってまいるつもりでございます。
○委員長(片山正英君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。——別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 公立学校の学校医、学校歯科医及び学校薬剤師の公務災害補償に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(片山正英君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(片山正英君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
○委員長(片山正英君) 連合審査会に関する件についてお諮りいたします。 老人保健法案について、社会労働委員会に対し連合審査会の開会を申し入れることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(片山正英君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 なお、連合審査会開会の日時につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(片山正英君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。 本日はこれにて散会いたします。 午後三時三分散会 —————・—————