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96回国会参議院1982/04/01

文教委員会 第6号

発言数
230
登壇者
22
会派数
5
開催日
1982/04/01

会議録

片山正英自由民主党

○委員長(片山正英君) ただいまから文教委員会を開会いたします。  前回に引き続き、予算委員会から審査を委嘱された昭和五十七年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、文部省所管を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

柏原ヤス公明党・国民会議

○柏原ヤス君 きょうは海外子女教育について質問をいたします。  近年、わが国も国際的活動が拡大され、それにつれて海外に在住する日本人もふえております。その子女の数も三万人を超えたと言われております。この海外子女教育のために、現在日本人学校が七十校、補習枝が八十二校、国の援助で設置されております。若い時期に海外生活を経験するということは、語学その他その人にとってははかり知れないメリットがあると思います。そこで海外子女教育の理念というか目的というか、日本人としての自覚を持ちながら豊かな国際性ある人材を養うという点にあると思いますが、この点について大臣の御見解をお伺いいたしたいと思います。  また、海外子女にどういう人間に育っていくことを期待していらっしゃるかお聞かせいただきたいと思います。

小川平二自由民主党文部大臣

○国務大臣(小川平二君) 日本人学校あるいは補習授業校は、日本の国内とは異なる生活環境あるいは教育環境のもとに置かれておりまする日本人の子女に対しまして、日本人にふさわしい教育の機会を提供し、維持していこうと、こういう目的で設置されておるわけでございますが、ただいま仰せのように、一口に申しますれば国際性を身につけると申しますか、これから先ますます大切な問題になってくる、こう考えますので、海外に在住していたという貴重な経験を十分生かして望ましい成長発達をいたしますように、この点について十分な配慮をすべきものと考えております。

柏原ヤス公明党・国民会議

○柏原ヤス君 いまお聞きいたしたいのは、どんな人間に育っていくことを期待していらっしゃるかということをお聞きしたわけですが。

小川平二自由民主党文部大臣

○国務大臣(小川平二君) 申すまでもなく、これからの日本を担っていくための頼もしい日本人を育てるということが主眼でございます。同時にあわせて国際性を培う、これも大切な目的の一つと心得ております。

柏原ヤス公明党・国民会議

○柏原ヤス君 いま大臣の御答弁の中にも国際性という言葉がございました。また、所信を拝見した中でも、国際人としての日本人の育成ということをお述べになっております。  そこで、端的に言って、大臣は、国際人としてどんな条件を身につけねばならないと考えていらっしゃるか、具体的に御説明をいただきたいと思います。

小川平二自由民主党文部大臣

○国務大臣(小川平二君) ますます緊密化の度合いを増してきておりまする今日の世界の現状というものを十分認識いたしまして、外国の人たちからも尊敬され、信頼されるような人間を育てていかなければならない。その際、申すまでもなく、語学を十分習得し、これに習熟させることが必要だと考えております。

柏原ヤス公明党・国民会議

○柏原ヤス君 いま大臣がおっしゃった国際人としての資格、おっしゃるとおりだと思います。  そこで、私もこれだけは最低の条件ではないかと思われるものを考えたんですが、やはり第一には外国語が自由にしゃべれるということ。まあ日本の国内での英語教育、これも行われておりますけれども、ジャパニーズイングリッシュだと、英語の先生が外国に行っても一言も通じなかったなんという話がございますが、何としてもやはり国際人としては通ずる外国語が自由にしゃべれる、まあせめて英語はこなせるということが第一条件だと思います。それに加えて人種的偏見を持たないこと。海の向こうを見ていれば、どうしても他国に対する考え方というものは偏見にならざるを得ない。また、他国人を尊敬できること。こういう条件、三つ挙げたんですけれども、これは生活の中から、生活を通して身につけていく、認識せずして評価ができない、こう考えますと、いまの日本人にはこの三つが欠けていると言われていると思います。日本の国内にいたのでは身につかないと言えると思うんです。そういう中で子供のうちに海外に行き、現地で学ぶということ、こんなすばらしいチャンスはない。国際化社会の中にある日本の将来のためにも、いませっかく海外に行っている子女がそういう意味の真の国際人に育ってもらいたい、育つ機会があると思うんです。こういう観点から、私は、日本人学校、また補習学校のあり方、また帰国子女教育について種々御質問をさせていただきたいと思います。  そこで、大臣がおっしゃるように、海外子女教育の重要性、特に子供たちが国際人として育ってほしいとお述べになっておりましたが、現状はどうか。特に日本人学校の場合ですが、日本に帰った場合の進学に配慮せざるを得ない。大臣の御期待どおりにはなってないのではないか。端的な例ですけれども、社宅、スクールバス、日本人学校というこの世界にだけ閉じこもって、日本人社会からほとんど足を踏み出さない、現地人との接触はゼロという子供も少なくないと言われております。むしろその傾向が強まっているんじゃないか。日本人学校が受験予備学校のような内容になるのではないかという心配があるわけです。こういうことでは、発展途上国などでは、特に親が何気なく漏らす現地人への偏見をそのまま身につけて帰ってくるということにもなりかわない。これでは国際人として育っていけないのではないか。こうした現状、こうした点を大臣はどのようにお思いなんでしょうか。

小川平二自由民主党文部大臣

○国務大臣(小川平二君) 日本人社会という閉鎖社会の中に閉じこもって、そこから全く足を踏み出さずにいるということでございますると、国際人として児童生徒を育てていくという観点から大いに問題がございますので、その国の制度等が許しまする限り現地の学校との交流を図るということも現にやっておりまするし、あるいはまた一般的に申しますと、現地の国の言葉や歴史、地理の学習を取り入れる、このようにして現地の理解を深めをほかに、特別活動につきましても、社会見学、遠足などを現に行っております。あるいはスポーツ大会、音楽会等、現地枝との交流についても、実際問題としていろいろ困難な場面もあるようでございますが、極力努めてきておるのが今日の実情でございます。

柏原ヤス公明党・国民会議

○柏原ヤス君 大臣の御認識は大変よくいっている日本人学校のことをおっしゃっているんじゃないかと。しかし、日本人学校の現状はそんなものじゃないと、こういうふうに思いますが、大臣はそうじゃない、こういうふうに御認識なんですか。

小川平二自由民主党文部大臣

○国務大臣(小川平二君) ただいま私が把握いたしておりますところをそのまま申し上げたわけでございますが、言うまでもなく、それぞれ国情も異なっておりまするし、なお足らざる点がございますれば、この際御指摘もいただきたいと思っておりますけれども、努力の至らざるところがありますれば、さらに工夫を重ねて改善をしてまいりたいと考えております。

柏原ヤス公明党・国民会議

○柏原ヤス君 くどいような御質問ですけれども、ありますればと、あればと、そういう御認識なんですかね。現実に日本人学校は、開かれた日本人学校にしなきゃならない、開かれた日本人学校としての創造をするのがこれからだと、こういうように言われて、開かれていないわけなんですね。開かれているかのような大臣の御認識、そういう問題がありますればなんという大臣の御認識には私納得いかないんですけれども。

小川平二自由民主党文部大臣

○国務大臣(小川平二君) 私は遺憾ながら現地の学校を自分の目で見た経験もないわけでございまして、きわめて一般的にただいま現にやっておりますこともあわせてお耳に入れたわけでございますが、何分邦人が在留しております国、今日では非常に数も多くなってまいりまするから、それぞれ国情の異なるに従いまして、努力の足りない点、たくさんあるに違いないと思っております。

柏原ヤス公明党・国民会議

○柏原ヤス君 日本人学校が国内受験志向になるのじゃないか、こういう点を一番私、心配するわけで、アメリカンスクールなどがやっているように、他の国や現地の人々の子弟も受け入れる方向に進むべきではないか、そのための体制づくりというものは、どういう形で受け入れるかということは当然検討の問題点だと思います。そうでないと、日本人の文化的閉鎖性、現に他の国から非難を浴びているわけですから。この点、いかがでしょうか。

小川平二自由民主党文部大臣

○国務大臣(小川平二君) ただいまの御質疑は、海外に在留しております邦人の子女が日本へ帰ってきた場合の受け入れ体制についての御質疑かと思っておりますが、帰ってきた子女を能力、適性に……

柏原ヤス公明党・国民会議

○柏原ヤス君 帰ってきた子女の問題じゃないんです。

小川平二自由民主党文部大臣

○国務大臣(小川平二君) 失礼いたしました。もう一度承らしていただきます。恐縮です。

柏原ヤス公明党・国民会議

○柏原ヤス君 日本人学校というのは外国の学校ですよ、大臣。

小川平二自由民主党文部大臣

○国務大臣(小川平二君) はい。

柏原ヤス公明党・国民会議

○柏原ヤス君 ごめんなさい、そんな失礼な言い方。取り消します。  その学校が国内受験志向になっている。日本の国へ帰ってきてから、入りたい学校へ入れない。そのために日本人学校で勉強しているときには、もう受験のことばかりに頭がいっちゃっている。父兄もそうなんですね。それだけでは日本人学校の意味、特に大臣が国際人を育てたいという日本人学校としては余りにも偏っているんじゃないか。そういう点でアメリカンスクール、この学校は非常にうまくいっているわけなんですね。ですから、日本人学校の内容においても他の国や現地の人々の子弟を受け入れる方向に進むべきだと。そのための体制づくりはいろいろ今後の問題として検討しなければ、さあ受け入れますよと言っても、その体制ができていなければ簡単にできるわけじゃございませんから、いまの日本人学校もそういう方向に考えていくべきじゃないか。日本人学校はこれからふえる傾向にあるわけで、それが受験志向の日本人学校にやっぱりなっていたのではまずいと思うんですね。新しくつくる日本人学校の中にもそうした考え方を取り込んでいくようなそういう検討がされていいんじゃないか。私たち日本人というのは非常に閉鎖性を持っていると、これはやむを得ないかもしれませんけれども、今後はこの閉鎖性を打ち破っていかなければ、国際人をつくるなんて言ったってつくれない、こういうふうに思って申し上げるわけなんです。

小川平二自由民主党文部大臣

○国務大臣(小川平二君) 日本人学校等では、国内における義務教育諸学校で行っております教育に準じた教育をやっておるわけでございますが、これが受験の予備校のような実態になるということは非常に遺憾なことだと考えております。  いま御指摘のような観点から現にどのようなことをやっておるかという点につきましては、政府委員から答弁を申し上げさせます。

松浦泰次郎文部省学術国際局長

○政府委員(松浦泰次郎君) 柏原先生御指摘のようにアメリカンスクールは方々にございまして、日本人の海外にいます子供たちもそこでお世話になっている子供もかなりいるわけでございますが、御指摘のとおり日本人学校等につきましても、現地の子供の入学につきましては、関係者等の合意が得られれば可能な範囲で受け入れるということは非常に望ましいことだと思います。  ただ、国によりまして教育方針等がいろいろ違う点もあるわけでございますが、大臣がお話しになりましたことにつきましてちょっと例を申し上げますと、オーストラリアのシドニーの日本人学校におきましては、向こうの関係機関との話によりまして国際学級というものが設けられております。ここには現地の子供が入っておりまして、また特定の科目等につきましては日本語による授業も受けるというようなことが行われておるわけでございます。オーストラリアの方ではなお今後こういうふうなものをもっと拡大したいというようなお気持ちもあるやに聞いております。  それから、メキシコの日量学院というのがございますが、ここには日本コースとメキシココースというのがございまして、それぞれ日本人の子女あるいはメキシコの子供たちというのが中心でございますけれども、それぞれが先ほどお話ございましたような語学の関係では日本コースではスペイン語を教える、それからメキシココースでは日本語を教えるというようなことも積極的に取り込むというような方向で行われております。  それから、それ以外にも、日本人学校でほんの一名か二名ぐらいのようでございますけれども、日本人学校を希望する外国人の子供が入っておるというような例もあるのでございますが、ただ日本人学校がだんだんと整備されてまいっておりますけれども、一般的に申しますとなかなか校舎等にも不自由をしているところが多うございまして、そういう点で希望がありましても十分受け入れられないという面もあるわけでございますが、しかし先生御指摘のとおり今後開かれたものになっていくということが必要なわけでございますので、今後ともそういう方面、私どもとしましても努力してまいりたいと考えておる次第でございます。

柏原ヤス公明党・国民会議

○柏原ヤス君 そこで、日本人学校における外国語の授業のあり方についてお伺いいたします。  私は、その国の言葉は大いに学び、しっかり身につけるべきだと思います。その意味でそれに充てる時間が少ないのではないかという気がするんです。これは日本人学校のカリキュラムをずっと見たんですけれども、パリに日本人学校があります。そこでフランス語を教えておりますが、このフランス語の学習時間も高学年になるとずっと減っている。聞くと、父母がフランス語なんかいいですよと、もっと受験勉強の方に時間をとってくださいというような意見が強くて七時間やっていた時間を三時間に減らしちゃった、こういうようなことも聞いているわけなんです。フランス語などはとても日本で勉強するということはむずかしい。花の都のパリのフランス語を身につけるなんていうのはもう本当にいいチャンスだと思うんですわ、こういうような実例。やはり先ほど大臣がおっしゃったように、まず語学が自由にこなせなければ国際人じゃないと。やはり現地でその国の言葉をそのまま耳に入れる、またしゃべるということが本当に使える私は語学だと思う。日本の話学は目の話学だと、耳の話学じゃないと言っている人もいるようですから、私はこういう時間の問題もこのままでいいのかしらと、こう思っております。  さらに問題なのは英語の授業ですけれども、現地の外国人教師に適任者がいると思うんです。生きた英語、通ずる英語、これを学ばせる日本人学校の英語の授業であってほしいと思うんです。それをわざわざ日本から英語の教師を派遣している。なぜ日本から英語の教師を派遣しなきゃならないかと、これは受験のためのものと思わざるを得ない、こう思いますが、この点どうお考えですか。

松浦泰次郎文部省学術国際局長

○政府委員(松浦泰次郎君) 日本人学校等におきまして、国によりましてはその国の言葉を義務として学ばなければならぬというところもございますが、しかし先生御指摘のとおり、そういう非常にいい機会を利用してその国の言葉、先生がお話しになりましたように現地の人に直接教わるということはその話学を身につける上において大変大切なことだと思います。  ただ、お話ございましたように、三年とか五年滞在しまして日本に帰りますと、日本に帰ってから日本のいろんな学校制度等にも早くなじむようにしてほしいという父兄の希望もあるわけでございまして、一概にそれも拒否できないというようなことでございます。その辺の調和が非常に大切であろうと思いますが、英会話とか会話等につきましては現地の方を講師にしまして指導を受けておるのが実情でございます。ただ、使用します教科書が日本でつくられた英語の教科書を使うものでございますから、そういう会話でない通常の学校教育的な授業につきましては、現地の方に適任がある場合には先生のお話のようなこともできるかと思いますけれども、一般的に日本語も堪能でなければならぬとか、あるいは教授指導法が熟達していないといけないというようなこともございまして、現在のところはやはり日本から派遣した先生が指導しておるという点が多いのでございますが、まあしかし、先生の御指摘のような点につきましても、今後私どもやはり研究をしていかなければならぬ問題だと存ずる次第でございます。

柏原ヤス公明党・国民会議

○柏原ヤス君 研究する必要はないと思うんですね。やはり外国語を身につけさせるのには、日本人学校の現地語の学習時町を減らしていくと、なくしちゃうなんていうことをなくすればいいわけでしょう。まあパリの場合でしたら中学三年生のフランス語の時間がないんじゃないですか。小学校のお子さんにはフランス語の時間をとってますけど、中学校になったら、しかも三年生がゼロなんていうのは私はおかしいと思うんですね。三年生ぐらいこそぺらぺらでなきゃならないのに——まあぺらぺらだからゼロにしたのかもしれませんけど、なくすなんていうのは私はおかしいと思いますね。やはりそれは受験枝になりかかっている一つの私は例じゃないか。しかも中学校でしょう、もう高等学校へ行ったら、まあ日本でいい学校へ入るようにと、フランス語なんて受験には何にも役に立たないよという父兄の意向もそうであるかもしれないけれども、それに押されてゼロにするなんていうことは、私は本当に子供本人の将来を考えたならば、これでいいのかしらと、そういうふうに思うわけなんですね。くどいようですけれども、大臣いかがですか。

小川平二自由民主党文部大臣

○国務大臣(小川平二君) 現地で学校運営いたしてまいります場合に、父母の意向あるいは希望というものをまるまる無視してしまうわけにもまいりかねるかと思いまするが、それはそれといたしまして、先ほど来仰せの点は私もまことに御同感でございますので、そのような方向へ持っていきますように努力もし、指導もしてまいりたいと思います。

柏原ヤス公明党・国民会議

○柏原ヤス君 ぜひ大臣がそうした国際人をつくるとおっしゃっている大臣の御認識をやはりもっと持っていただきたいと思うんです。  次に補習授業校についてお伺いいたしますが、これは日本人学校よりも数も多い。特に先進国においては子供たちを現地校に入れてあとは補習授業校に力を入れると、これが豊かな国際性ある人材を育てるために大きい効果があると思うんです。したがって、この補習授業校に対しては今後大いに充実させていくべきだと。まあ日本人学校をつくる方にばっかり向いてないで、この補習授業枝は数も多いんですし、非常に国際人をつくるための私はいい学校だと思うんですね。ところが、補習枝を日本人学校に格上げして補習枝をなくしてしまうというような、そういうやり方もとっているようにちょっと聞きましたけど、私はそういうことはすべきじゃないと思うんです。この補習授業校への派遣教員、またその待遇の改善、こういうことをやっていただきたい。文部省は今後こういう点にはどのように充実していく方針か、お聞かせいただきたいと思います。

松浦泰次郎文部省学術国際局長

○政府委員(松浦泰次郎君) 先生御指摘のとおり、補習枝で始まりましてそれがまあ日本人学校に転換をしていくという例が実際に多いわけでございますが、私どもとして積極的にそれを指導しておるということはないんでございますが、先ほど御指摘のような、やはり帰国後の問題等に絡みまして父兄からのそういう要望が出ました場合は、そういう転換を認める場合もあるということでございます。  ただ、御指摘のように、補習枝は現地の学校に行きながらまた日本語による日本の授業を土曜、日曜とかあるいは放課後等に受けるというふうな形でございまして、国際理解を深める、外国の文化も理解し風俗習慣にもなじむという点では非常にまた特色のある面もあるわけでございます。今後ともそういう方向につきましては努力してまいりたいと思いますが、現在までのところ教員の派遣がなかなか思うに任せませんで、少ししかまだ出していないということでございますが、この海外子女教育につきましては文部省と外務省で共同してやっておりまして、そういう補習校で現地から採用された先生方につきましては、外務省の方で給与の補助をしておるというようなこともございます。私ども、その辺、外務省ともよく連携をとりまして、そういう補習枝でできるだけ現地の学校での授業を尊重しながら、また補習校における授業の整備にも努力してまいりたいというように考える次第でございます。

柏原ヤス公明党・国民会議

○柏原ヤス君 次に、派遣教員の問題についてお聞きいたしますが、この派遣する教員の選び方、これがどのように選ばれているか、またどういった地域から先生が多く集められているか、この点お願いいたします。

松浦泰次郎文部省学術国際局長

○政府委員(松浦泰次郎君) 選考につきましては各都道府県の教育委員会にお願いしまして、そこで希望者の中から第一次的な選考をしていただいて文部省の方に推薦をいただきまして、その場合大体平均しまして二・八倍ぐらいな数を推薦をしていただいております。そういう方々につきまして管理職、一般教員の別に分けまして、文部省の方で志望され各動機あるいはその海外子女教育への意欲、それから指導力それから外国の事情への適応力とかあるいは健康状態というようなものにつきまして書類選考と、それから面接と記述試験を行いまして、そうして最終的に決定をしておるわけでございます。またその場合に、受け入れます日本人学校とか補習校の教科構成とかそれから年齢構成というような事情も勘案しながら最終決定をいたしておる次第でございます。こういう派遣教員につきましてたくさん出していただいております県は、五十七年度の状況で申し上げますと、東京都それから神奈川県、埼玉県、北海道、愛知県という地域が多くなっておる状況でございます。

柏原ヤス公明党・国民会議

○柏原ヤス君 優秀な教員を派遣することが海外子女教育の効果を上げる私は決め手だと、父兄にとっても、何よりも希望し、そこに関心を持っていると思うんです。それだけにいまお聞きした教員の選び方には私は問題があると思います。その点について「子女教育を考える会」という会があって、そこで懇談会が開かれ、いろいろとその問題が議論されているんです。その中で選考に当たって文部省が行うんですね、この面接というのは。それが十分間面接だというんですね。十分間の面接でこの先生がいい先生かどうか判断できるのはむずかしいんじゃないかと、こういう意見が出ておりますが、私も十分間というのは余りひど過ぎるじゃないか。あとは書類で一応判定なさるんでしょうけれども、文部省が最後の決定をするんであって——その点どうですか。

松浦泰次郎文部省学術国際局長

○政府委員(松浦泰次郎君) 先生御指摘のとおり優秀な教員を選考しなければならぬわけでございますが、確かに面接が十分間というようなことでは短いというふうに感じております。以前は非常にそういうことで短うございましたが、最近では十五分とか二十分ぐらいにするように努力いたしておる次第でございます。ただ、合計しますと千人ぐらいな最近の応募がございまして、そういう方々を手分けをしてやるわけでございますけれど、余り時間かけますとなかなかその全体の事務処理ができない。この選考は、御存じのように政府の予算案が決まりましてから取りかかるものでございますから、そして早く決めてあげなければいろんな準備もあるということでせかされる面もございます。そういう面では、私ども都道府県の教育長協議会等があります場合には、できるだけ現地の段階で、都道府県が責任を持った方を推薦していただくようにお願いしたりして連携プレーで対応しておるわけでございますが、しかし、今後その点、許す範囲で私どもさらに努力してまいりたいと考える次第でございます。

柏原ヤス公明党・国民会議

○柏原ヤス君 十分を二十分にしたからいいというもんじゃないと思うんですね。そこで、国側の姿勢、文部省の姿勢がやはり自治体任せだと、お願いするような姿勢でこの派遣教員の選考がなされていると。私は優秀な教員を選ぶという熱意と言おうか責任、これを事務的でやるべきではないと。そういう点で私、文部省のこの派遣教員を選ぶ方たちの姿勢というものを、もう少し親の立場に立っていい先生を選ぼうという、そういう熱意が欲しいと思うんですね。ですから、現地の父兄の声はいい先生を、いい先生をという希望がすごく強いわけなんですよ。そこで、この「子女教育を考える会」の懇談会の中にもそういう問題がいろいろ出た。文部省は痛いところを突かれましたなんて言って閉口しているわけですけれど、中にはこの注文がいろいろ出たことに対して、学校の授業を放り出して魚釣りばかりに行っているような先生があるとすれば、親は子供に、世の中にはそんな人間もいるのよと言いなさいと、そのくらいの観じゃなきゃだめだなんて言っているんですね。私はその言った意味は、もっと親が自信を持ちなさいと、先生にばかり依存してないでということをこの文部省の担当の方がおっしゃっているんだと思うんですけどね。魚釣りばかりしている先生にみんなが困るなあと言っている。その親が、世の中にそんな人間もいるのよなんて言えるわけがないと思うんですね。どうですか、この感覚が私は許せないと思うんですよね。

松浦泰次郎文部省学術国際局長

○政府委員(松浦泰次郎君) 優秀な教員を確保するために処遇も一つの問題かと思いますが、昭和五十二年から全額国の方で負担するということになりました。それ以前は、ちょっと笑いぐさでございますけれど、自分の県から行っておる子供だけの教育じゃないから何で自分の県から教員を派遣しなきゃならぬかというようなこともございましたが、その全額国庫負担になりましてからは積極的に都道府県の方でも優秀な教員を出していただいておるという状況だというふうに認識しておる次第でございます。  ただ、先生御指摘のようなそういうこと、私もちょっといま初めてお聞きしたんでございますけれど、最近の傾向としましては、そういうような制度改善等もございまして、また先般五十七年度から派遣される先生方の研修会もございましたけれど、非常に雰囲気としまして皆さんが明るく積極的になっていただいておるということを担当者皆が感じまして話し合った次第でございますが、約千人に近い先生方が出ておりますので、どうも御指摘のような方がおられるとすると大変遺憾なわけでございますけれど……

柏原ヤス公明党・国民会議

○柏原ヤス君 いるんですよ。名前もわかっているんですよ。

松浦泰次郎文部省学術国際局長

○政府委員(松浦泰次郎君) 今後気をつけまして、さらに十分留意しまして、努力してまいりたいと考える次第でございます。

柏原ヤス公明党・国民会議

○柏原ヤス君 努力じゃないと思うんですよ、私は。努力というのはいい条件の中でそれをもっとよくしていくというんです。こういうことあってならないと思うんですよ。こんな姿勢で優秀な先生が選ばれますか。十分でもいいですよ。時間がないと、本気になって私は、十分なり二十分なりに、その先生を優秀な先生として送り出せるような、そういう気構えというものが必要だと思うんですよ。文部省の面接というのは非常に真剣な面接が行われると言われるような文部省の態度でなければ、私は地方の教育委員会から選ばれてくるその選び方もやっぱりいいかげんになると思うんです。これ以上は申し上げません。  次に、もう一言お伺いしたいのですが、これは東京都の教育委員会の方も言っておられたんですが、現在教頭の地位のある教師は余り——余りと言っておきます——海外に行きたがらない。なぜかといいますと、その教頭が海外に派遣されて校長になると、向こうでは校長になっているけれども日本に戻ってきて校長じゃないと、また格下げでしょうね。日本にいれば校長にはなれるけれども、海外に行くと結局そのときだけ校長になれても日本へ帰ってくれば教頭という、こういう立場にまた戻ると。それでは教頭というベテランクラスの先生は外国の日本人学校などには行かないと思うんです。むしろベテランの先生が多く派遣されるべきだと、特に外地の日本人学校の中では、私は、いい校長先生がいるということがその日本人学校をりっぱにする一番大事なところだと思うんですね。そのいい校長先生になるような方がなかなか出ないと、これは問題だと思うんです。ですから、日本に戻れば校長になれると、むしろその貴重な体験がその校長としての一つの特色になると、あの先生は海外で校長をしてきた先生だと、見識があるというような校長になれると私は思うんですね。また、中堅クラスの教員が行った場合にも校長試験を免除するというくらいの優遇をしないと、りっぱな校長というものは日本人学校の校長の地位に座らないと思うんです。そういう点いかがでしょうか。

松浦泰次郎文部省学術国際局長

○政府委員(松浦泰次郎君) 東京都の例でお話ございましたが、東京都の場合、校長になるためには校長登用の試験があるわけでございます。それで、具体的にその方が帰ってから校長になれなかったというようなお話で、ちょっとその点はどういう事情によるのかわからないんでございますが、その校長登用試験を海外に行っていたために受けられなかったというようなことではないかと憶測するわけでございますが、一般的に他の教員と、海外に行ったために不利な扱いをされるというようなことはないように聞いております。ただ、海外の勤務がいろんな地域がございますし、また先生方がその国の言葉に必ずしも堪能でない方がほとんどでございまして、しかも大体側夫婦同伴で行かれないと生活ができないというような地域も多うございまして、そういう意味では大変な負担、御苦労があるわけでございます。そういうところで、優秀な方々に積極的に出かけていっていただきまして、海外子女教育を充実していただきたいと思うわけでございますが、先ほどお話ございましたように、県によりましては海外勤務をした方々はできるだけその実績を考えて有利に配置を考えてくださるというような県もぼつぼつあるわけでございます。そういう方向を私ども都道府県とも連絡をとりまして、今後拡充に努力してまいりたいと思う次第でございます。

柏原ヤス公明党・国民会議

○柏原ヤス君 次に帰国子女教育についてお伺いいたしますが、海外子女教育を充実させることはもとより重要な施策と思いますが、その子供たちが日本に帰った後の受け入れ体制、これをしっかりやることが一むしろ海外子女教育を成功させる出発点ではないかと思います。どちらかというと、帰国子女教育の充実に真剣に取り組んでいただきたいと思っているんです。  そこで、帰国した後の受け入れ体制ですが、小・中・高・大学と、それぞれ入学試験というむずかしい課題を乗り越えなければならないんですが、まず義務教育段階ではそれはどのように行われておりますか。

三角哲生文部省初等中等教育局長

○政府委員(三角哲生君) 義務教育段階の児童生徒が海外から帰国しましたときには、義務教育というもののたてまえから、私立または国立学校に入学ないしは編入学をする場合を除きまして、その他のすべての児童生徒が帰国しました先の住所地の公立学校におきまして、それぞれその年齢相当学年に受け入れると、こういうことになっておるのでございます。  昭和五十五年度で見ますと、この一年間に義務教育段階で帰国した子女の数が六千六百三十四人と、こういうふうになっておりますが、義務教育年齢の海外子女のうち約四五%は、先ほど来御質疑がございました海外の日本人学校に入っておった子供でございます。それから約三五%は、現地の学校などに在学をしながら、日本語による補習授業を行う補習授業枝に通学しておった、こういう子供たちでございまして、比較をいたしますと、いま申し上げましたその両方の児童生徒は、帰国後も国内の学校教育に比較的よく適応していると、こういう状況がございます。  で、いま申し上げました八〇%に入らないそれ以外の、現地の学校でございますとか、あるいはインターナショナルスクールだけに通学した者などの中には、どうしても日本語というか国語の理解力が十分でございません。それからまた、外国で受けた教育内容と国内の教育が相違をしている点がございますために、学力の面などで問題がある者が見られるわけでございます。文部省としては、いま申し上げましたような児童生徒の国内の学校教育への適応を促進するというようなために、一つは帰国子女教育研究協力校を指定する、そしてこの教育のためにしっかりと取り組んでもらうと同時に、こういった子供たちの指導についての研究を深めていただく、こういうことをしております。ただ、研究協力校というのは、どうしましても、やはり帰国子女の数が比較的多いそういう地域の公私立の小中学校、これを指定してやっておりまして、これらにはできるだけ積極的に帰国した児童生徒を受け入れてもらう、こういうことをお願いしておるわけでございます。同時に、せっかく海外生活で得た経験や特性もそこに生かした配慮をした教育をしていただく、こういう取り組みをしていただいてございまして、この協力校は年々お願いをしまして、拡充と申しますか、ふやしてきておりまして、昭和五十二年度は全体で三十五枝でございましたが、五十六年度では小中学校で五十三校を指定しておる、こういう状況でございます。  それからもう一つとしましては、国としても一つの姿勢を示すという観点もございまして、帰国子女の比較的多い地域を中心といたしまして、普通学級における学習に非常に困難を伴う者に対して特別の指導を行う。同時に、そういった教育のあり方について研究を行いますために、国立大学の附属小中学校に帰国子女教育学級というものを設けましたり、あるいは帰国子女と一般の児童生徒を同じ学級に入れて教育を行う。そういうまあ混合学級というようなことで呼んでおりますが、そういった形のものを設置するというような措置も講じておりまして、五十六年度では小学校五枝、中学校十枝、合計十五校、定員が六百人というような形でそういった教育を行っておるのでございます。ちなみに、五十二年度のときには六校しかございませんで、定員も二百五十五人、こういう状況であったわけでございます。なお、ただいまお願いしております明年度予算案におきましても一校をふやすことにしまして、それは愛知教育大学附属の名古屋小学校、こういうことでございます。

柏原ヤス公明党・国民会議

○柏原ヤス君 いまお聞きいたしますと、確かに文部省はこういうことをやっております、やってますとおっしゃって、確かに受け入れについては一生懸命やってますけれども、年々外国に住んでいる日本人の数もふえてる、ふえてるっていうことはまた帰ってくる日本人も多いと、子供も多いと、それに対して受け入れ体制が非常に私は不十分だと、もっともっと真剣にやらなければならないんじゃないか、特に義務教育の段階では私は万全を期していかなければ、これは国の怠慢じゃないかと、いうふうに言いたいわけです。  それで、いま局長は比較的うまく適応してるなんて言ってますけど、とんでもないことですよ。この新聞にも大きく出てますよ。これは新聞記事になるくらいですから問題なんです。もう「アメリカへ帰りたい」「死にたい」なんて言ってるお子さんもいる。転入校がなくてショック受けてるとか、いろいろ問題あるわけですよ。「帰国児童に冷淡な教育」っていう見出しで出てるくらいですからね。それで、私いま御説明いただいたのは大体私も調べてみたんです。そこで私は、現地枝に通っていた児童生徒が協力校以外には入れないと、協力枝をこれだけつくってるんですから、そこへ入ればいいでしょうって言わんばかりですけれども、その協力校だって少ないですよ。遠いところからどうするんですか。ないところだってありますよ、その県には。だから、近くの地元の学校へ行きたくても自由に行けないというところに問題があるわけです。義務教育の段階では、行きたい地元の学校へ行けるというような体制がしかれなければならないと思います。  そこで、これは委員会でも何回も問題になっております。それで、その委員会の先生方の質問に対して政府が答えてる、その答え方が、いかにも本気なのかなと思いたくなるような答え芳してるわけですよ。まあ言葉じりをつかまえるようで悪いんですけど、「そういう面についての県の研究協力という点をもう少し積極的に進めてまいりたいというふうには考えております。」——何かこの言い方が、まあ言い方だけ申し上げてごめんなさい。ですけど、「進めてまいりたいというふうには考えております。」なんて、本当に考えてんですか。これは私は文部省が協力校を指定して受け入れる体制をつくっているけれども、それも自治体にお願いするような立場で、積極的に体制づくりをしてはいない。しかし、積極的な協力校と自治体の教育委員会がタイアップすれば万全な体制がつくれるんですね。考えなくてももうつくっているところがあるんです。文部省も御存じだと思うんです、これ。これは大宮市の例ですけれども、教育委員会の中に帰国子女教育主任をつくって、この大宮市には協力校が芝川小学校一校しかありません。けれども、この一つの協力校と教育委員会とが手を組んで市内の各学校に参加を求めて帰国子女教育協議会というものをつくっているわけです。だから、帰国子女が市内のどこに住んでいても大丈夫だというその体制をつくっているわけですね。これ御存じでしょう。

三角哲生文部省初等中等教育局長

○政府委員(三角哲生君) ただいまのお話のことは義務教育の関係でございますから、これは基本的にはどこの公立の小学校、中学校でも帰国子女が来た場合にはこれを受け入れるというのが原則といいますか、それが当然のことでございます。  その場合に、やはり帰国子女というものは、これはいろいろ国内で学習を続けてきた子供とは、先ほど来御指摘のように、条件、環境が違うところでの教育を受けてきたわけでございますから、これを温かく受け入れまして、特別な教育的な配慮に基づく指導をどこの学校でもしなきゃいけない、こういうことでございますけれども、やはりわりと帰ってくる子供たちが多い地域で、一つの言ってみますれば、当初発足のときには苦肉の策みたいなことで研究協力校というものをお願いして、研究をすると同時に受け入れもきちっとスムーズにやっていただこうと、こういうことでやりまして、ただいま御指摘の大宮市のケースは、これはいわばそういう意味の帰国子女の教育についての中心になる、こういうようなことで、そして実践研究の成果を集めたり、その分析の結果をほかの学校に提供したりしまして、市内各校でたとえ一人でも二人でも帰国子女の教育に当たっている教師がいます場合にはそれの研修会を開催するというようなことで、一種のセンター校としての役割りを持たせて、市内の全体の学校が積極的に帰国子女教育に取り組む体制を整えておるということで、私どもとしては一つの非常に望ましい模範的な展開を心がけてやっていただいている、こういうことでございますので、今後ともこういった方向で私どもも考えてまいりたいと思います。

柏原ヤス公明党・国民会議

○柏原ヤス君 時間がありませんので、最後に私はお尋ねします。  大変結構なものができている、こういうふうにおっしゃった。そこで、帰国子女の四〇%が帰ってくるという東京都内、これを見ますと公立の協力校はわずか三校にすぎない。千五百以上ある小学校の中で三校ですよ。東京都内には私、各区にこの大宮方式のような体制をつくるべきだと思うんです。これはまた東京都の問題ですと、こういうふうにおっしゃるかもしれないけれども、文部省も自治体任せではなく本腰を入れて取り組むべきだ、こういうふうに思います。これは大臣の御答弁をいただいて終わらせていただきます。

小川平二自由民主党文部大臣

○国務大臣(小川平二君) 帰国いたしました子女を能力、適性に応じて積極的に学校に受け入れていくということ、これからますます大切な教育行政の課題になると存じます。文部省といたしましても、及ばずながらその方向で、ただいま申し上げたような各種の施策を講じておるわけでございますが、おしかりをいただかなければならないような点も多々あると存じます。鋭意改善を図りまして、御期待に沿うつもりでございます。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 本日は委嘱審査でございますから、いわゆる予算数字にかかわるところの問題を中心にしていろいろお聞きいたしたいと思いますが、まず教員の定数問題ですね。大臣は所信表明の中で「五十五年度から発足した小中学校における四十人学級の実現を含む学級編制と教職員定数の改善計画についても、児童生徒一人一人の能力と適性に応じたよりきめ細かな教育を行い得るよう財政事情を考慮しつつ、その改善に努めてまいりたい」と、このように述べておられますね。この大臣の所信表明と、いま審議をされておりますところの五十七年度の文教予算関係を見ますと、どうしてもそれは一致するように見えませんがね。ちぐはぐのように感じられるんですが、その点どうなんですか。

小川平二自由民主党文部大臣

○国務大臣(小川平二君) 第五次教職員定数改善計画でございますが、いわゆる四十人学級につきましては、全体の計画の規模、あるいはこれを達成するために予定いたしております期間、いずれも変更を加えておらないわけでございます。しかし、財政再建期間中におきましてもあとう限りの努力はいたしておるわけでございまして、これまでに実際に四十人学級を実施してまいりました小学校については学年進行で改善を図っておるわけでございます。あるいは教職員の配置率の改善でございますが、研修に伴う代替教員、あるいは特殊教育諸学校の養護訓練担当教員等の改善を行い、これらに伴いまする教職員の定数の増七百二十二人を措置することにいたしておるわけでございます。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 全然大臣の所信表明と一致しないという、この実感というのはこれは私一人ばかりじゃないんですよね。大臣は、財政事情の許す限り、非常にあたうる限りの努力をされたと、こういうことですけれども、結果から見ますと、これは財政事情を考慮しつつどころか、全く実際は財政事情に屈服した形の文教の定数関係しか出ておらない、こう申し上げた方が私は適切だと思うんですよ、これ、この点、たとえば文部省としては相当な前進的な、教育を前進させるという立場から予算要求をしたけれども、健闘むなしく予算内示のところで切られてどうにもできなかったというんなら話わかるんですよ。けれども、実際そうじゃないじゃありませんか。概算要求の際からもう前年度寄りの削減を打ち出しておられるでしょう。これだったら、いわゆる財政事情を考慮するどころじゃなくて、まさに臨調の言う財政事情に屈服した形で、文部省は一歩も二歩も後退をして初めからこれは予算要求されておるとしか判断できないんです、大臣。これは後からおいおい申し上げますけれども、財政事情と片一方では言いながら、防衛予算だけは聖域化でしょう。七・七五%も増大をする。そのしわ寄せが教育にきたということも、これは世論の指摘しておるとおりなんですよ。私はここで防衛論争をやろうとは思いませんけれども、しかしやはり一番国家百年の大計の中では教育ということが大事だということは、文教関係者のひとしく指摘をするところなんです。まああの山本有三さんの「米百俵」の話じゃないですけれども、こういうときにこそむしろ教育の条件をつくり上げていくというところに文部省自体積極的な姿勢を示してこそ、私はやっぱり世論の支援も受けると思うんですがね。どう考えてみてもそうは思えないんです。初めから一歩も二歩も後退した形で昨年度よりもうんと定員減をして概算要求からやっておる。これはもちろん大臣の就任以前の話でしょうけれども、大臣、いかがなもんですかね、こういう姿勢であなたは文教行政を預かるところの最高の責任者ですから、私は少なくともそれであっては困る。本当に大臣が苦労をして、集中攻撃を受けて悪戦苦闘して大蔵査定で削られたというんなら私は、先ほど申しましたように話はわかるんです。初めからその方向に沿ってやっておるという、これでぼくは大臣が所信表明でおっしゃるところの、児童一人一人の能力と適性に応じたよりきめ細かな教育を行うという所信に対比いたしましてどうだろうかと思うんですがね。こういう物の考え方について大臣いかがですか。大臣の所信と関連をしてお聞きしたいんですがね。

小川平二自由民主党文部大臣

○国務大臣(小川平二君) 改めて申すまでもなく、教育行政はいわゆる国家百年の計でございまするから、非常に厳しい財政状況のもとにおきましてもあとう限りの努力をして拡充を図っていくべきものだと存じております。しかし、財政の事情というものをまるまる無視するわけにはまいりません。今日の財政の状況が非常に憂慮すべき危険な状況に立ち至っておりますことは御高承のとおりでございます。財政が崩壊して文教施策も福祉施策もあり得ないわけでございまするから、今日の財政の状況というものは正しくこれを認識する必要があると存じております。  ただいま御指摘の問題につきましては、臨調の答申が、「「第四次公立高等学校教職員定数改善計画」の実施を停止するとともに、」云々となっておるわけでございまして、臨調の答申に対してどのように対処すべきかということについては、政府が閣議決定もいたしておるわけでございます。したがいましてこの答申は尊重せざるを得ませんけれども、にもかかわらず、先ほど申し上げましたようになし遂げ得たことは、きわめてささやかなことかもしれませんが、私といたしましてはあとう限りの努力をいたしたつもりでございます。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 言葉じりをとらえるわけでございませんが、私は国の財政上まるまる無視してでもやるべきだと申し上げておるんじゃないんですよ。それはやはり国全体ですから予算考えなきゃならぬ。しかし、片一方はそう言いながら防衛予算をうんと伸ばしておるでしょう。ぼくは、一国のいわゆる文部行政に当たるところの大臣なら、防衛か教育かのいずれを選択するかを迫るぐらいの気概と抱負があって、この問題を堂々と、国家百年の大計のためにはこれだけ必要なんだと、これぐらい声を大にして閣議の中で言うぐらいのあれがあっていいんじゃないでしょうかね。その点から見れば、それは前大臣の引き継ぎですから、レールの上に乗せられておったといえば乗せられておったんでしょうけれども、去年の暮れに大臣が就任をされたときには、私実はそのことを小川文部大臣に非常に心ひそかに期待をしておったんですよ。このキャリアにあられるところの大臣がどれだけこの問題を巻き返していただけるだろうかと、こう思って非常に期待を申し上げておったんですけれども、どうもいまの御答弁はお隣の局長のメモをそのまま言われたようなかっこうで、非常に私いまちょっと悲観をしておるところなんですがね。  それでは具体的に数字で申し上げますと、たとえば教職員定数の自然増の問題を見ましても、前年度までのこのペースでいきますと当然九千百二十名というかっこうになるんですよ。ところが、初めから五百名減をされておりますね。八千六百二十名の要求をされておるというこの後退姿勢ですよ。あるいはまた教職員の定数の年次別の改善計画ですよ。この点から見ますと、初年度の五十五年度分、第二年度の五十六年度分、このペースから見ますと、実に初めからこれまた千九百名前後も削減をして文部省は要求をされておるんですよ。そのために結構、事務、養護、学校栄養職員はゼロですよ、これは。プラスはないんですよ。一般教員も、二百五十名増でございますけれども、その二百五十名も——大臣、聞いてくださいよ。内訳を見ますと、兵庫教育大へ行くところの先生方のかわり分の百名と、同和教育分の百五十名前後ですよ。いわゆる一般的なものの教員増という定員増にはなってないんですよ、これ。加えて、四十名学級の問題にしてもそうでございましょう。なるほど十二年計画はそのまま、本来ならば、三年次分から見ますと、五十七年度分は六百十二名前後要求をされなきゃならぬ。これまた初めから二百九十名減の要求でございましょう。十二年というあの四十名学級の議論をしたときでさえも、十二年というのはきわめて長い年月なんだと、一体これでどうするんだという議論の中から、いやこれは今後見直すことがあり得ますと——その見直すという言葉は、十二年というのを場合によっては十年なり八、九年にも短縮してこの実現をしてやりますというのが当時の当局の皆さん方の御答弁だったんですよ。ところが今度は逆ですよね。計画そのものはあるけれども、このペースでいけば、十四、五年にはやっぱりなりますわね、来年もこういうかっこうになるとするならば。だから、私が申し上げたように、事ほどさように、定数関係を具体的にこの数字で当たって従来のペースと対比をいたしますと、著しく低めて要求をされておるんですよ。それを査定に持っていく。結果的には、それはいろいろなやりとりはありましたけれども、要求どおりの、もとの初めから引いたところにおさまったというのがこれが落ちでしたね。私が先ほど申し上げたように、文字どおり教育を取り巻くいろいろな条件があります。いろいろな問題の要因がありますけれども、子供一人一人の特性に応じその能力を引き出す行き届いた教育をするという場合に、この教員定数の問題というのはきわめて重要な問題なんですよ。  そこで私が言いたいのは、初めからはいそうですかというような形のこの文部行政のあり方の中で、このことが、大臣が所信で述べられたところの抱負を実現するということの裏づけになるかどうかということを非常に疑問に思うだけに、いま私はその問題を申し上げておるわけですけれども、それでもあれで十分だったと、こういうふうに大臣は御答弁なされるんですか。いかがでしょう。

小川平二自由民主党文部大臣

○国務大臣(小川平二君) 予算は多々ますます弁ずることはもとより言うまでもございませんから、私は決して現状に満足をいたしておるわけではございません。概算要求は私が提出したものではございませんけれども、私といたしましては、予算折衝に際して概算要求をまるまる獲得するために全力を傾注いたしたような次第でございます、

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 だから私は、あなたは最後のときにおられただけなんだから、あなたの責任だと申し上げておるんじゃないんですよ。責任というよりも、こういう文部行政の姿勢というのはいかがなものですかと、こうお聞きしておるんですよ。  私は率直に申し上げて、やっぱりあの高邁な大臣の所信表明からいたしますと実態は肌寒い感じがしておるんですよ、これは。それだけに、五十七年度は仕方がないとしても、五十八年、五十九年という問題がある。最低どんなことがあっても五十八年度予算へのレールは大臣に敷いてもらわなきゃならないんだ、それは、私は最後の詰めまで大臣がおられるかどうかはわかりませんけれども、少なくともやっぱりそのレールを敷かれるのはあなたなんです。そのあなたが五十七年度のこういう教育予算の定員関係の面を踏まえて、これに対してどうするかという反省と抱負を私はお持ちいただいても結構じゃないかと思う。そうしませんと、私はやはり悔いをこの行政の中に残すことになりはせぬかと、こう思いますだけに、大臣に今後の抱負を含めてのお気持ちをお聞きしたいと、こう思って先ほどからお尋ねしているんです。私は、言葉の言い方が悪いかもしれませんが、大臣、追及というよりは、こういう結果になっておるだけに、日本の教育の将来ということを考えれば考えるほど、これで一体いいのかという気持ちが強いだけにその点をお尋ね申し上げておるんです。その点、改めて大臣のお気持ちをお聞かせ願いたいんです。

小川平二自由民主党文部大臣

○国務大臣(小川平二君) 五十八年度予算についてのお言葉でございましたが、恐らく財政の状況ますます逼迫の度を加えるに違いないと見通しておりまするけれども、そのような状況のもとにおきましても、ただいまいろいろ御高教をいただきましたことを念頭に置きまして、私としては顧みて悔いなぎ努力をするつもりでございます。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 特に最近の政治情勢は、恐らくまたアメリカの要請もありましょうから、防衛防衛という声だけが大きくなりまして、一番そのしわ寄せを受けやすいところの教育がまた五十八年度さらにしわ寄せを受けかねないところの私は政治情勢にあると見ておるんです。それだけに私は、文部大臣のこの問題に対しますところの積極的な取り組みの姿勢ということがきわめて重要な要素になるだろうと思いますだけに、この五十七年度予算案を実際見ながら率直にいま申し上げておるわけでございますから、その点いまお答えいただいたように、本当に一体教育がどうなのかというぐらいの思い切った、世論に問うぐらいの打ち出し方と抱負でもって、私はことしの後半、この問題についてぜひがんばっていただきたいと思いますよ。  そこで、これは局長に聞いた方がいいと思いますが、小学校では一昨年から、中学校は去年から実施をされておりますところの新学習指導要領によるところの教育課程、これは文部省のキャッチフレーズによれば、ゆとりのある教育、充実した教育という形で過当なりの授業時間を減じたと、浮いた時間はそれぞれの学校で自由に裁量しなさいと、こういうような形でやっておるんだとしきりにPRされておるんですが、何か新聞報道によると、これ文部省は抽出調査をしたようですが、この実施状況どうですか。

三角哲生文部省初等中等教育局長

○政府委員(三角哲生君) 私ども、やはりいま仰せになりましたように、小学校、中学校、これに引き続きまして高等学校も、ことしから学習指導要領の改訂を行ったわけでございますが、これの教育現場におきます実施状況と申しますか、定着状況と申しますか、これを追跡調査と申しますか、フォローアップしていくことは非常に文部省という日本全体の教育の水準の確保あるいは普及を図る行政当局として大事なことだと思っておりまして、四年計画での実施状況調査を小学校及び中学校両方で行おうと、こういうことでございまして、ことしは去る二月の下旬に小学校におきまして国語と算数について全国の児童数の一%を抽出いたしましてペーパーテストを実施したわけでございます。  なお、教科によりまして、あるいは同じ国語、算数といったような教科にしましても、いわゆる到達度というものをペーパーテストではかるのには適切でないような部面がございますので、それにつきましては各教科ごとに全国で五校程度ずつの調査協力校をお願いいたしまして、これはその学校の中での状況につきまして、各県ないし市町村の指導主事等の協力を得まして、具体的にケースに当たって状況について把握をしていく。こういう両建ての形をとりまして、明年は小学枝は社会、理科、それから明年から中学校につきましても国語、数学、明後年、中学枝の社会、理科、外国語、こういうことで調査をいたしまして、四年目の五十九年度に全体の集約をいたし、かつ専門家の先生方によりまして状況の分析もしていただきまして、その結果をまたこれは各県の学校の方にお戻しする。そしてその後の学習指導の改善に役立てていただきますと同時に、また将来におきます私どもの学習指導要領の改善、検討の一つの材料ともいたしたい、こういうふうに思っておるわけでございます。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 ちょっと私の言い方が悪かったのか、あるいはまたあなたのお答えが間違ってとられたかどうかわかりませんが、私の言っているのは、その教育課程の実施状況を調べたのはどうですかと、こう言っているんじゃないんですよ。それはいまからほとんど本格的にやるんでしょうが。私が言うのは、そういうキャッチフレーズをやって、過当なりの授業時間というのを少なくして、学校で浮いたところの時間は学校の創意性を生かして自由に裁量して教育活動をやりなさいというのが一つの特色だね、あの教育課程はね。そのことについて、あなた方は実施されたんでしょう。そこのところの状況はどうなっておるんですかというのをお聞きしているんです、これ。

三角哲生文部省初等中等教育局長

○政府委員(三角哲生君) ただいま御指摘の問題につきましても概況について調べております。ちょっと質問の御通告にそこまでなかったのでいま担当が来ておりませんので細かくは申し上げられないのでございますが、それぞれこのゆとりの時間をどういうふうに活用しているかということについては学校なり地域なりでいろいろ工夫をしておるようでございまして、たとえば学校給食の時間を延ばすというようなことに用いましたり、それから部分的には子供の休憩の時間を延ばしてやるというものもございます。それからクラブ活動等を充実する。あるいはそういった部面の一環としまして動物の飼育あるいは植物の栽培、そういったようなことを取り入れる。あるいは学校近隣の、たとえばお寺等かございますればそういったところの環境美化というようなことに子供が活動をするというようなこともございますし、いろいろ工夫してやっておるという概況は調べておるわけでございます。  それからなお、学習指導上何もが問題のある子供たちに対して、これはいわゆる補習と申しますか、受験のためのというような意味合いと違います意味の、おくれを取り戻す補習、こういうような活動をやっておるところもあるのでございます。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 その皆さんが調査をされたところの結果の資料を出してくださいよ、それはいいでしょう。

三角哲生文部省初等中等教育局長

○政府委員(三角哲生君) 検討させていただきたいと思います。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 検討というのはどういうこと。あなた方が秘密で調査したんじゃないでしょうが。何をとぼけたこと言うの、あなた。

三角哲生文部省初等中等教育局長

○政府委員(三角哲生君) お出しして結構でございます。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 いかに暖かいからといって、そんないいかげんな答弁しなさんなよ、あなた。当然この問題は大事な問題だし、しかも、そのゆとりの時間という問題は——何もあなたに小言を言うわけじゃないですけれども、教員定数のあり方の問題ともやっぱり関連するんですよ。それは質問に予定しておらなかったから資料を置いてきたんだなんて、ちょっと人を小ばかにしたところの答弁をしないでくださいよ。あなた方はこの委員会のあり方というのをどういうふうに理解しているの。いかなる場合にも即応して答えるような準備をするのがあなた方の仕事でしょう。それを予想しなかったなんてね、緊張感がひとつも足りないということだね。大体官僚は予想質問というものに対して非常な準備をしてくるというのが習性なんだ。どうも私は本委員会を見ておいて、その点の配慮がきわめて欠けておるということを申し上げておきたいんです。——まあ小言はそれぐらいにいたしますが、この新聞の報道する限りでは非常に皆さん手前みそで、それぞれよくみんな工夫しておると、こういうふうに報道をされておりますが、私もそれは何らかの工夫がそれぞれの学校でなされておるだろう、前向きの努力をしておるという点は非常に評価をしたいと思うんですが、しかし、本当に学校の現実というのはそういうふうなものだろうかという疑問を私は提起しておきたいのです。  ゆとりの教育のために、かえって忙しくなってゆとりがなくなったと、こういう声が学校現場にありますよ。しかも、学校で自由に決められるところのはずの時間が、教育委員会からこのゆとりの時間はこうしなさいああしなさいというこの枠をはめたところの指導のもとに、本当にそれぞれの学校の実態に見合ったところのゆとりの時間の活用ができないという報告を私ども知っています。実態も知っています。ただ、残念ながら、そういう報告は文部省の調査の中にはあらわれないようでございます。それはどういうことかといえば、今日のやはり受験体制と言われるところの中で、特に中学校あたりではそのゆとりの時間をむしろ教科の補習的なところに使われておるという傾向が少なくないんです。先ほどあなたは答弁の中で、学校給食の時間をふやすことなどをしておるというお話ですが、確かに小学校にはそれがあります。しかし、中学校はかえって逆なんですよ。給食の時間のゆとりさえもないぐらいに追い回されているでしょうが。これはあなたの担当じゃないけれども、たとえば学校給食の実態の中で、小学校は九〇%前後この学校給食が実施されておるけれども、中学枝は実施率がきわめて低い。特に大阪だとか東京あたりでは中学校の実施率が低いというこの実態は何かというと、大都会におけるところの受験競争の中で、給食の時間のゆとりさえもないというかっこうの学校教育の現場の現実なんですよ。そこのところをあなた方は中央におられて、ただ教育委員会からの報告だけを待ってよくいっておるんだと、こういう理解をされるとするならば、それはやっぱり大変な間違いでございますから、その点はもっともっと目をそれぞれの小学校なり中学校あるいは高等学校がどうなっておるかと、ここに私は目を向けていただきたい。ただ、私はそのゆとりの時間と関連して申し上げたいことは、そういう実態の中で一つの大きなこの問題の要素になっているのは、やっぱり学校の教員の定数問題ですよ。もっともっと学校の教員の定数をふやして、それでお互いがそれぞれの教科の分野で、あるいはそれぞれ担当学級の分野で補い合うということになれば、文字どおりゆとりのあるところの教育というものの時間的な余裕ができて、学習指導要領のねらうところの方向の実効が上がるかもしれません。したがいまして、私が言いたいのは、皆さんの言うところのゆとりのあるところの時間活用という問題と教職員の定数の改善という問題はきわめて密接な関係があるという点を皆さんは認識が足りないんじゃないですか。その点局長、どう思うんですか、それ。

三角哲生文部省初等中等教育局長

○政府委員(三角哲生君) 定数改善はやはりこれはできるだけ行き届いた教育ができますようにという趣旨で計画を立てたものでございまして、その点については間違いございません。ただ、今回の学習指導要領のこの改訂によりまして、教育内容を基礎的、基本的なことに精選をして、それをしっかり身につけてもらうようにするということを基本にして、そうしてゆとりあると同時に充実した教育をやっていこうと、こういう趣旨はそれはそれで実践をしていかなきゃならないことでございます。まあ、これは児童生徒の側に立っての考え方でございまして、そのために教員の方にゆとりが出ると、こういうことではないわけで、教員の方々にはこれまで以上にいろいろと努力をしていただくと、こういうことが必要であると思っております。  で、ゆとりの時間というものをどういうぐあいに考えていくかということ、これはまあ、これについての判例なり、基準なりがないと困るというような意見も、要望のようなものもあったようでございますが、私どもとしましては、こういった時間の活用というのは、やはり地域や学校や、そこにおります児童生徒の状況を十分に考えまして、そうして学校でこれは自発的に創意工夫をして考えてもらうと、こういう大前提でありましたので、文部省からあるいは教育委員会からこうせいああせいと言うことは、むしろ御要望があってもできるだけこれは控えるべきであるということで、そういう取り組みを私どもの方としては進めたわけでございます。したがいまして、これは初めて取り組んだことでございますから、恐らく各学校でもいろいろと御相談をし、あるいは知恵をしぼって取りかかっていったと、こういうふうに思いますので、それは当初はいろいろな意味で、これに取りかかるために、学校内部でも先生方が、場合によりますと非常に忙しい思いをされたと、こういうことは現場であっただろうと、こういうふうに思いますけれども、これは一つの新しい試みでございますので、それに対する努力ということで御理解いただきたいと思うのでございます。  定数との関連でございますけれども、これは当然先生の数と生徒の数ということでございますから、おっしゃいます意味合いはわかるのでございますけれども、私といたしましては、これは定数計画は、先ほど来御指摘のように十二年計画ということでやっておりまして、この学習指導要領はそれと並行して進んでいくわけでございますので、現状においても各学校で真剣な取り組みをしていただきたいと、こういうふうに思っているのでございます。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 三角さん、あなたいまの答弁は二つのきわめて重要なことを言っているんですよ。一つはなかなかいいことを言っておる。一つは問題だと思うことを言っているんですよ。そのゆとりの教育のあり方の内容について文部省としてあれこれ言わぬと、全くそのとおりですよね。それならば県の教育委員会にもそういう指導方針を貫いてくださいよ。これは文字どおり学校の中でそれぞれの実態に見合って、創意的に創造性を働かしてやるというのがあれでしょう。あなた方は、文部省はどう言わぬと言いながら、県の教育委員会、いろんなものを見ていれば、その時間はこうしなさい、ああしなさいと。はしを取り上げなさい、はしを置きなさいというところまで指導しているんですよ。これではどうもあなたのいまの答弁と違ったものが実際に下では行われているということなんです。もしあなたがいまおっしゃるように、内容についてはかれこれ言いませんというなら、そういうかっこうで指導してくださいよ。  それからいま一つ、このゆとりの時間というのは教員のゆとりのことを言っているんじゃない、それは定数と余り関係がないと言わぬばかりの話ですが、これはとんでもない違いですよ。いわゆる行き届いた教育をし、内容を豊かにするためには、先生方にももっと教材を研究して、充実のあるところの教育を一時間一時間送らせるようなことを配慮することがきわめて大事でしょう。その先生がやっぱり教材の研究に対して相当な時間を持って教壇に立つというこの時間的な余裕というのが、大臣の所信表明で言われたところの、それぞれの適性と能力を引き伸ばすところの教育に通ずるんですよ、これ。けれども、そのゆとりの時間は子供のゆとりの時間であって教員のゆとりの時間でないという物の考え方、これはいささかいただきかねますね。あなたは教育の実態、教育の実際の運営ということをご存じないからそうなんです。エリートコースに乗って、ただ中央の官庁の方から命令すれば教育は行われるという、そこに一つ問題があるんじゃないですかね。もう一回そこのところは少し考え直してもらわなきゃ困りますよ。  時間がありませんから次に移りますけれども、とにかくこのゆとりの時間という問題と、この教員定数という問題はきわめてかかわりのある問題だという点だけはきちんと認識しておいてください。  それではお聞きいたしますが、従来のペースから対比いたしますと、この自然増の五百名を抑え、四十人学級の二百九十名を抑えた。大体抑えた分で予算が年間幾らになるんですかね。

植木浩文部大臣官房会計課長

○政府委員(植木浩君) 予算の数字のことでございますので私からお答えいたしますが、五十八億ほど減になるわけでございます。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 それがあれですか、あの財源がない財源がないと、国に協力をしなければならないということで削ったんですか。この五十八億という金は文部省予算の中でも不急不要のやつを圧縮するなり削減することで私は達せられると思うんですよ、端的に申し上げて。一番肝心なやはり教育論を充実をしていくところのこの学級の定員、あるいは四十名学級の実現、これで五十八億ということになればね。たとえば大臣、これは文部省というよりも自民党かもしれませんけれども、与党の方かもしれませんけれども、おたくの方が予算化されておるところの主任手当、四十五億円ですよね、国費は。しかしこの実態は、それは喜んでもらっておるところの人もおるでしょうけれども、大部分はいやだいやだと言っているんだ、要らないって。だから、自主的に拠出をするという運動にもなっている。この四十五億円とかをみんな削るとか、あるいは海外研修費二十億というのがある。それをいろいろ削るとか、いろいろなところからやりくりすれば、優にこの五十八億という金は出てくる金なんですよ。本当に教育という、大臣のおっしゃるところのゆとりのある、しかもまだ充実したということになると、学校定員というものの非常な重要性を考えれば、それくらいの英断があってしかるべきじゃないでしょうかね、大臣。恐らく大臣はそれはできませんと言うに決まっているでしょうけれどもね。どうですか、もう一回、この教育の原点に立ち戻って、与野党でやかましく対決しているそんな主任手当なんて要らぬと言っているのが多いんだから、それぐらいは削るぐらいの度胸はありませんかね。それでこれに金を回したらいかがですか。

小川平二自由民主党文部大臣

○国務大臣(小川平二君) これは改めて申し上げるまでもございませんけれども、主任の仕事、いろいろな問題につきましての連絡、調整、あるいは指導、助言、現にこのような仕事をなさっておる。それに対しまして手当を支給いたしておるわけでございますから、決してこれは無意味なものではないと私ども考えておるわけでございます。これを削れという仰せでございますが、これは意味のある予算だと思っておりまするので、これを削減するというつもりは持っておらないわけでございます。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 残念ながら想定どおりの答弁ですけれどもね。だって、現場の先生方の多くは要らぬと言っているんですよ。いやだいやだと言うのを、もらえもらえと押しつけておるのが実態なんですよ、これ。ただ、それぞれの政党の教育政策上の違いからでしょうけれどもね。御承知のように、この問題はかつて教育界を混乱させたところの大きな問題ですよ。これ以上論争しようと思いませんけれども、いやだいやだと言うのを、くれてやるくれてやる。必要だ必要だというものの金は、それはやらぬと。これではいかがでしょうかね。そのことだけは申し上げておきます。  それで、時間の制約もありますから次に移りますけれども、教育予算で、直接教育費の父母負担とかかわりのある予算の中身の——時間がありませんから簡単にお願いしますけれども——大まかな状況というのはどうなっておるんですか。やはりこの物価高、あるいは減税もされないという世の中で、多くの国民は青息吐息だ。そういう状況の中で教育費は年々かさんでいくというのは何とかならないかというのが国民の声なんですがね。今度の予算の面にあらわれた、その声にこたえましたと言い得るところのこの中身というのは、それではどういうのですか。ちょっと初中局長、答弁してください。

三角哲生文部省初等中等教育局長

○政府委員(三角哲生君) 文部省が毎年度実施しております父兄が支出した教育費調査、これの五十五年度の結果によりますと、児童生徒に学校教育を受けさせるために父兄が支出した学校教育費、これは給食費も入っておりますけれども、これは公立小学校児童一人当たり年額七万四千四十五円、公立中学校生徒一人当たり十万八千三百四円、公立高等学校全日制生徒一人当たり十六万六千九百二十三円、こうなってございます、これを前の年と比較しますと、小学校が四・三%、中学校五・一%、高等学校が八・九%の上昇となってございますが、これは消費者物価指数の伸び八・〇%に比べれば、全体を見ますとやや低目でございます。この数年間で見ますと、消費者物価指数に比べて特に教育費が高くなっているという傾向は見られないわけでございます。  文部省といたしましては、これは公費をもって負担すべき学校経費に係る父兄負担の軽減につきましては、教材費につきましては御承知のような昭和五十二年度を初年度とする十カ年計画の五年次分と、それから五十四年度を初年次とする中学校技術家庭教材整備九年計画の四年次分、こういうものをやってきておるわけでございます。それから施設設備にかかる負担金、補助金については、施設費関係について所要の事業量の確保を図り、あるいは設備関係につきましても理科教育設備整備費補助等について計上を続けておるわけでございます。  それから、ただいまの父兄が負担をすることをたてまえとしている学校経費にかかる父兄負担の軽減につきましては、教科書の無償のほか毎年度御承知の要保護・準要保護児童のための手当あるいは遠距離児童生徒の通学費補助その他僻地関係の補助、給食関係の補助等を実施しているわけでございます。いろいろ御説明まだありますけれども、時間が長くなりますのでとりあえず以上といたします。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 私は、いま物価上昇やそれぞれの国民の生活水準のいろんなことから見て大した上昇じゃないというこういう物のお考えにいささかあきれるものですよ。それは文部省の深々としたいすに腰かけておると庶民の生活実態もおわかりにならぬから無理ないと思いますけどね、しかし考えてごらんなさいよ、この予算の中に出たやつを。授業料も大学三千円アップ、高専一千三百円、高校千八百円と、それでいて奨学金は据え置きでしょう。学校給食費も小学校四円一銭、中学校四円七十銭、あるいは学校給食用の牛乳の補助単価にいたしましても上がっておる。さらに私立大学関係の補助費を見ますと据え置きか切り下げでしょう。そのしわ寄せはみんな子供を持つところの親御さんがかぶるんですよ、これ。——三角さん、聞いているの。こういうものに対して、大して影響ありませんと言う心臓にはいささかあきれますね。ちょっといかがかと思いますよ、これ。  もう私、はしょりますけれども、私の手元に文部広報があります。これは去年の十二月二十五日の文部広報で、学校教育費の「父母支出学校教育費」というこういうPR文書がありますね。これを拝見をいたしましても、この支出項目で、今度は角度を改めますけれども、公立小学校教科学習費の占める割合が四七・一%、小学校ではこれが一番高い。中学では同じく教科学習費の占める割合が三六・三%と高い。全日制の高等学校になりますと授業料の占めるところの割合が二九・四%と一番高いんですよ。これは一体何を物語るかということなんです。これをどういうふうに皆さんは理解しておられるかということですがね。特に高等学校の授業料の割合が高いということは、なるほどこの統計は公立学校の全日制の学校ですけれども、公立が上がりゃ当然私立はいろいろなものが上がっていく、それだけにこれが大きな影響を及ぼすということははっきりしておるんです。これ皆さんでおつくりになったところの資料ですけれども、ここのところの読み方を皆さんはどう読んでおるんですか。それでも父母は大して困っておらないと、教育費の増のことは。そういう御理解ですか、ちょっとそこのところを聞かせてください。

三角哲生文部省初等中等教育局長

○政府委員(三角哲生君) いろいろな父母負担というものは、先ほど御説明申し上げたほかに一種の善意に基づく寄附金のようなものもあるわけでございますけれども、そういったものも出てくると、こういうことがあろうかと存じますが、これは年々そういうものは減らしてきておるという実績も一方においてあるわけでございます。それで、私どもこれはこういう調査の現時点までというのは、すぐいまのいまというのは調べられないわけでございますけれども、昭和四十一年と五十四年を比べますと、父兄支出の学校教育費というものは、小学校で四十一年を一〇〇としますと四六四、中学校で四三五と、こういうことでございます。これに対しまして国民一人当たりの民間最終消費支出四十一年一〇〇に対しまして五十四年は五〇〇ということでございますから、そういう状況であるということを申し上げたいと思います。それから、それに対比しまして公費支出の方は四十一年を一〇〇としますと五十四年は小学校が六八二、中学校が七九九と、こういうことが全体状況でございますから、その一人一人についてどういう状況があるかということではございませんけれども、公費支出の伸び率は大きい、父兄支出の方の伸び率はむしろ低目であると、こういうふうに申し上げられると思っておるのでございます。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 それは逆じゃありませんかね。先ほども言ったように、私は先ほどは教員定数の問題を主として申し上げたんですけれども、いわゆるきのうも私のところの同僚議員から質問がありましたところの私学関係の経常費補助の据え置きあるいは研究設備費の据え置き、幼稚園施設の整備補助費の削減、こういうようなもの、これ見てみますとそうは言えぬのじゃないですか、それ。あなた方は非常に御自分の御都合のいいようなふうに物事を解釈していますがね、これは大きな違いですよ。  それで、時間がありませんから次のこと尋ねますけれども、同じくやはりその広報の中に学校種別におけるところの父母が支出した教育費の一覧表がありますわね。これを見ておりますと、家庭教育におけるけいこごと学習費、これが小学校では四一・七%で最も高い。中学校では今度は逆に補助学習費としての家庭教師・学習塾費の三五・四%が最も高い。さらに、学校教育費においては、特に高等学校の場合は間接支出金が五一・二%と最も高い数字が出ておる。その間接支出は何かというと、授業料、修学旅行、PTA会費という説明なんです。一体これはノーマルな学校教育のあり方から見て好ましい傾向だ、これは文部省の行政がうまくいっているというふうにこの数字は示しておるものでしょうかどうでしょうか。それどういうように理解されていますか。

三角哲生文部省初等中等教育局長

○政府委員(三角哲生君) こういう数字の読み方を余り主観的に割り切って申し上げることは適当ではないと思っております。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 割り切らぬでもいいから、じゃ言ってください。

三角哲生文部省初等中等教育局長

○政府委員(三角哲生君) やはり先ほど来御指摘のように、年々のこういう状況の変化等もあわせて見る必要もございますけれども、父兄がこれはみずから自主的に御自分の判断でいろいろの全体収入の中からどの程度教育なりあるいは教養なりの方に振り向けるかと、こういうことをあらわしている数字でございますから、それはわが国の場合にはもう古来子供が幼少のころはおけいこごと、そういうことをやるという伝統もございますし、そしてそれからまあ中学校の場合には御指摘のようにいろいろ子供のためを思って予習復習等をしっかりやるということで、親がみずからは働きに出ているというような場合には、そういう手だてを講ずるという一つの熱心さのあらわれということがあろうかと存じます。  いずれにいたしましても、こういう関係の経費がふえるということは、一方においてはそれぞれの家計というものにそれだけの状況といいますか、それはほかを抑えてこちらに振り向けるという意味の熱心な場合もありましょうけれども、全体的に申し上げますればそれなりのゆとりといいますか、余裕が出ておるというふうにも見られるわけでございます。ただ、私どもとしてはやはり学校が本来学校としての教育機能というものを十分にこれは果たしていただく必要がある。学校がもしその点で不備であるために学校外のもので補うということであってはならないと思いますので、その辺のところはこれからも十分に配慮していかなければならないと、こういうふうに思うのでございます。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 これね、話は私は逆だと思うんですよ。熱心さのあらわれと評価するよりは、一体自分たちの教育行政の施策が適切かどうかというところにまずあなたの方は視点を置くべきじゃないでしょうか。それは門外漢なりあるいはほかの省の皆さんだったら、これは日本国民の生活の反映で熱心のあらわれでございますと、いわゆるけいこごとをさせるのは日本の伝統でございますと、それでしゃあしゃあとしておられるかもしれませんけれどもね。少なくともやっぱり文教の行政を預かる者は常に省みて、一体これは自分たちの行政の中でどこが足りなかっただろうかという反省があって私は行政の筋が通っていくと思うんですよ。そこのところがどうも三角さんのお答え聞いておりますと当たらずさわらずの話なんですけれども、あなたは教育官庁の局長なんですから、しかも初等中等局長なんだから、もっとその立場から物をとらえるように少し考え直してくださいよ。  そこでもう一つ関連してお聞きしますが、若干大学関係のものもお尋ねしようと思ったんですけれども、これ時間がありませんが、実はきのう私の同僚議員から臨調の問題で質問があったんですが、これ柳川局長は大分こう持って回った物の言い古されておったんですがね、端的に聞きますから端的に答えてくださいよ。  臨調の大学政策のこの抜本改革という問題ですね、これは三月の十一日前後の新聞にも出てたと思うし、きょうも出ておるんですけどね、現在の教職員給与や研究旅費などの経常経費に対する二分の一以内の補助方式、それをやめて、今後は大学の特性に応じた研究プロジェクト補助に切りかえろと、端的に言えばこういう方針なんですよ。これ賛成ですかどうなんですか、端的にちょっと意見聞かせてください。これは大臣の意見も聞かなきゃならぬけれども。

柳川覺治文部省管理局長

○政府委員(柳川覺治君) いま先生御指摘のとおり、第二臨時行政調査会で高等教育が検討の対象となっております。その中で私学助成につきましても御検討がされていることは承知しておるわけでございまして、私どもは私学助成の重要性、また従来とってまいりました配分の考え方、その基本の上に立ちながらこの臨調の御検討の推移について重大な関心を持って対処しておるというところでございます。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 ちょっとその、関心を持って手をこまねいておられるんですか。そこのところを、これは大事なあなた方文部行政の責任者の立場ですから、聞きたいんだけれども、そういうかっこうに切りかえられていくということに相なるとすればどうなるでしょう。なるほどそろばん勘定から言えばそれはいいでしょう。しかし、大学間のこのことが経常費ということよりもそのことにウエートを置くということになると、物の考え方、大学の特色が出るという表面の利害はいざ知らず、本当はいまあるところの大学、特に私立の場合の格差を助長するだけですよ、これ。しかも今後のこの経常費の負担というようなことを片一方削減をしていくというようなことに相なるとすれば、これはそれだけ今度はツケはみんな父母に回っていくんですよ。これは目に見えておるでしょう。一体この方式が今後の高等教育のあり方あるいは特に私立学校関係、私立大学関係に及ぼすところの影響ということを考えてみた場合に、あなた方はこれでいいとお思いなんですか、どうなんですか。これは大臣の御見解を私は最後に聞いてあれしたいんですが、これは大きな問題ですよ、大臣。これもまた経緯を見守りますと、拱手傍観であっては困りますね。まさに物を言うときはどっとこう言ってもらわなければならぬのだ、これ。そのことに対しますところの大臣のこの臨調のいまの議論されているところの問題がまとまってしまってからどうだこうだと言われたらこれは時遅いんですよ。これがいま議論されているところの段階で皆さん物を言うべきでしょう。大臣この点どうお考えになりますか。

小川平二自由民主党文部大臣

○国務大臣(小川平二君) 大学の経常経費に対しまする助成につきましては、配分のあり方について、これは臨調答申とは別の問題でございまするが、この際見直しを行い、検討をいたすことになっておるわけで、すでに検討を開始いたしてもおるわけでございます。臨調における御審議の過程で御指摘のような意見が出ておることは承知いたしておりまして、局長がお耳に入れましたように大きな関心を持っておるわけでございます。ただし、答申をまだいただいておるわけじゃございませんから、ただいまのところはこれに対する文部省としての意見を申し上げることは差し控えさせていただきます。いずれにいたしましても、結論的なものを得た時点で文部省としての態度を決定したいと、こう考えておる次第でございます。

宮之原貞光日本社会党

○宮之原貞光君 もうこれで終わろうと思いましたけれども、きわめて重要な問題に対して余りにも消極的な姿勢で私は歯がゆさを覚えるんですよ。これは恐らく与党の皆さんの大学関係者もいまの御答弁には私は満足されておらぬと思うんですよ。だってほかの省を見てごらんなさいよ。たとえばいろんな分括案に対しても堂々と意見は言っておりますよ、それは困るとかどうだという意思表示を。いまの大臣のお話は、出た後にいろいろ検討したいと。あなた方の内閣は、鈴木内閣は臨調答申を尊重しますともう言っておるんですよ、出た後にはどうにもならぬというかっこうになるんでしょうが。一体日本の教育、高等教育を預かるところの責任あるところの府として、それは重大な関心を持って見守りますと、これでいいんですか、本当に。いわゆる討論過程の中でこそ、こういう問題点、こういう問題点、こういう問題点がありますと、これ積極的にぶつけるのがあなた方の仕事じゃないんですか。ちょっと私はいまの大臣の御答弁、納得もできませんし、これはいわゆる物の考え方を別に離れてもこれはいかがかなと思いますよ、大臣。もう少し積極的に、それは中身を言うのは差し控えますというなら話はわかりますよ。しかしながら、この問題は出来るまでは待ちますでは、これはとてももう文教の責任者としていかがかなと思いますよ、それは。言葉が過ぎるかもしれませんけれども、もう一回あなたの考え方を聞かせてくださいよ。そしてもっと積極的にやってくださいよ。

小川平二自由民主党文部大臣

○国務大臣(小川平二君) 結論的なものを見ました時点でこれに対してどう対処するかを決定いたします。さような意味で申し上げたわけでございますが、文部省の省内におきましてもすでにこの補助金の配分のあり方について検討を開始いたしておるわけでございます、文部省といたしまして、方向が出ました際には、申すまでもなく臨調の最終結論を待たずに文部省としての意見を臨調に対して表明をするつもりでございますが、ただいま仰せの問題につきましていまの時点でどうするかというお尋ねでございますと、いまの時点では私の考えをはっきり申し上げるわけにはまだ至っておらない、こう申し上げるほかないわけでございますので、どうぞひとつそのように御理解をいただきとう存じます。

片山正英自由民主党

○委員長(片山正英君) 本件に対する午前の質疑はこの程度とし、午後一時十分まで休憩いたします。    午後零時十二分休憩      —————・—————    午後一時十二分開会

片山正英自由民主党

○委員長(片山正英君) ただいまから文教委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、予算委員会から委嘱された昭和五十七年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、文部省所管を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

高木健太郎公明党・国民会議

○高木健太郎君 ここにございます「予算額(案)主要事項別表」というものに沿いまして、いろいろお尋ねやら御提案も申し上げたいと思います。  まず第一は、六ページのところですが、現在校内暴力ということが非常にわれわれを悩ませているわけでして、それに対する対応策というものがまだしっかりしていないという状態で、文部省においてもいろいろ工夫をされているんだと思うわけです。事実、先般いただきましたが、教育モニター報告というものをお出しになりましてその対策を探っておられるところではないかと思います。私も、青少年のこういう暴力あるいは非行というものが将来の日本に非常に大きな影響を持つということで心痛をしている者の一人でございますが、この六ページのところにありますカウンセリングあるいはカウンセラーというのは、そのような子供に対して指導をする、あるいは話を聞いてやるというための制度であろうと思うわけです。で、もう一つ、実は実質的にカウンセラーと同じような仕事をしている養護教諭といいますか、そういう方は、実は体を診るための制度でございまして、学校の中では保健室を与えられている。ところが実際に子供は、頭が痛い、お腹が痛いと、あるいは眠られないという訴えを持ってこの保健室へ来る子供が、多いときには一日四十人ぐらいも来るということでございますが、何の病気らしい病気もないのに実はそのような病状を訴えてくるわけでありまして、無気力な子供もやってくるのだろうと思います。で、これをよく調べてみると、実は母親が夜出ていていないとか、そういうように家庭の事情もございますし、学校の指導についていけないという子供もありまして、これが現在よく言われる心身症の病気として発現していると。この前もお話ししましたように、母原病というのもこういうところから来ている一つの病気でございますが、こういう者の一部分は非行というものに走るのじゃないかと思うわけです。  そこでお尋ねしたいんですけれども、カウンセラーというのは何%ぐらい充足しておるのか、それから、この養護教諭というのはどれくらい充足しているのか、その点をまずお聞きをしたいと思うわけです。  私の方から申し上げますが、恐らくカウンセラーというのは全学枝に充足しているんじゃないかと思うわけです。ところが、この養護教諭というのは七五%ぐらいしか実は充足していないという状況ですね。しかも、この保健室に来ますと、子供は自分の悩みのあらゆることをその教諭に訴える。相手が大部分が女性でございますために、子供としては非常に訴えやすい。何もかもその教諭に言っている。これが子供の非常に大きな助けになっているように私は思うわけです。  お聞きするところによると、これは間違っておったら御訂正願いたいんですけれども、カウンセラーがやるべき仕事の多くが実は保健室に来ている。保健室の方に子供がたくさん来て、カウンセラーの方には余り行かない。これは私の想像ですけれども、カウンセラーの先生はいわゆる先生でございまして、男性が多いわけで、そこへ行くとおまえどうしたというふうに上からぽんぽんとやられると、またどうせ文句食うに決まっているというふうに子供心に思って、養護教諭の方へ逃げていくと、こういう状態があるように思うわけです。事実、いろんな報告や新聞を見ますと、そういうことが書いてございます。私は、非行、暴力の一つの対策として、この養護教諭というものをもう少し充足されまして、学校内における地位を高めてあげるということが、実は暴力、非行の防止策としてきわめて有効な方法でないかと思うのですが、ひとつ御意見を伺いたい。

三角哲生文部省初等中等教育局長

○政府委員(三角哲生君) カウンセリングと申しますか、教育相談と申しますか、御指摘のように学校ではこの機能が大変大切でございまして、これはまあ個々の子供たちが持っておる悩みですとか困難でございますとか、そういった問題を解決するための手助けをしてあげると、こういうことでございまして、そして学校生活への適応を図りまして、人格形成への援助を行っていると、こういう重要な機能でございます。  先ほどの御質問でございますが、このカウンセラーというのはその者が独立した一つの学校内における人員として定めておる者ではございませんので、その学校の中で適宜決めていただくということでございまして、御指摘のように、大概の学校でそういう担当者という者を決めておると思います。  それから、養護教諭の方は、まあ七五%とおっしゃいましたが、それよりちょっと多いかと思いますが、小学校二万五千枝のうちで二万一千百六十六人配置になっております。中学校は約一万校のうち八千八百人程度配置、それから高等学校は約五千二百校のうち四千人程度配置と、こういう状況でございまして、小規模校の方に、未配置でございますので、今回の定数計画の中でその分を考慮しておる、こういう状況でございます。  それで、御指摘のように、養護教諭は子供たちが運動場でちょっとすり傷を負ったりしましてもすぐ参りますし、いろいろと特定の個々の子供と接触する機会は多うございまして、養護の先生というようなことで子供からも親しまれているケースが実態としては非常に多いだろうと思っております。  私どもとしては、カウンセリングといいますか相談は、まずもってやはり学級担任の先生というのが、特に小学校の場合は一番接触が多いわけでございますので、その先生たちの機能、役割りに期待するわけでございますけれども、やはり養護教諭あるいはカウンセリング担当の教員、これらがそれぞれ教育相談の機能をやってくださるというように思っております、  特に、御指摘でございますが、養護教諭は体の健康のみならず心の健康も含めた生徒の健康全般について担当しておりますので、その専門的な能力でございますとか、あるいは平素から生徒に接する際の非常に母性愛的なきめ細かな心配りとかやさしさとかというような面で生徒指導につきましても適切な役割りを果たしていただくように期待が持たれるのでございます。

高木健太郎公明党・国民会議

○高木健太郎君 ここにございますが、そこへ行くのは授業がつまらない、友だちがいなくてさびしい、家庭がうまくいってない、こういういろんな家庭の悩みや進学の悩みを持ってくるのは、実はカウンセラーの方へ僕は行くべきだと思うのが、養護教諭の方へ行っている。これはやはり女性であり母親らしいものを子供は求めるし、母親が夜はいない、そういうときにどうしてもそういうところに相談に行きたい。もちろん友たちのところにも行くでしょうけれども、その友だちがいないという子供もいる。こういうことで、私はこれはカウンセラーも必要かもしれませんが、養護教諭の方にもう少し力を入れられたらどうか。ここにカウンセリングのために何回かの講座をお開きになるようですが、全体として何千人という数をお教えになるようでございますが、教える人が大学の先生でして、余り学内暴力なんということは知らないじゃないか。自分の得意なことをしゃべって、聞く方はああ聞いて帰ってきたというようなことに終わるんじゃないかという懸念を持つわけです。ここにある予算を少しでもこういうところへ出す方がかえって実効があるんじゃないかというふうに思いますので、もう少しここら辺のところを見直していただいたらどうかということを最初に申し上げたわけです。  ちょっとあわてておりますのでごちゃごちゃしますが、もう一つ申し上げたいのがあるんです。この子供の暴行につきましては、これは一つの心の病気だと私は思うわけですね。社会的にも学校にも家庭にもいろいろ問題のある心の病気で、これは日本だけにこういう病気があるわけじゃなくて、諸外国にも、特に先進国にはこういう状況が見られる。特に豊かになった社会にこれがあらわれるという一種のわれわれが初めて経験するような病気でないか。昔もありましたが、いまはちょっと性格が違うと思うんですね。そういう意味では、これに関する本当の研究とかあるいは研究の結果をときどき学校の先生にお集まりいただいてそこで研修をするという、研究と研修の場をひとつおうくりになったらいかがかというのが私の提案でございます。まあ、お聞き捨ていただいても結構でございますが、絶対に私は必要なことであろうと思うわけです、  次は、「海外研修事業費」でございますが、英語の研修に米英国に年間五十二人ずつ百四人、滞在日数は六十日であるということです。向こうへ行ってどういうような生活をされているのか。ただ英語の勉強にというと、どうやって向こうで勉強をおやりになるのか、その計画をちょっとお聞かせ願いたい。

三角哲生文部省初等中等教育局長

○政府委員(三角哲生君) いま御指摘の海外研修は中学校及び高等学校の英語教員を米国または英国に派遣いたしまして、自分自身の英語能力とそれから英語教育の指導力を高めようということを目的としておるのでございます。  研修の内容でございますが、概略申し上げますと、やはり英語を聞き話す能力、これを高めるためにミネソタ大学、ミシガン大学、オハイオ大学、英国の場合はアストン大学でございますが、オハイオはオハイオ州立大学でございます。そういった大学で約六週間研修をしていただく。  それからそのほかに、現地での家庭生活でございますとかあるいは中学校、高等学校等の学校生活の理解を深めますために学校訪問、家庭滞在を約二週間行っているという状況でございます。

高木健太郎公明党・国民会議

○高木健太郎君 大学で六週間学ぶのも私結構だと思います。向こうでも日本の学校と同じように中高なら中高の学校に見学に行かれるあるいは授業を一緒に受けられる、また、家庭に入る、これは私の思ったとおりでございますが、実は大学に六週間おられる間も、向こうの家庭と連絡をとっていわゆるホームステイということをおやりになることが大事でないか。語学というものが本当にわかるのにはその社会というものがわからないと、あるいは家庭というものがわからないと語学というものはわからない。いわゆる言葉というもののバックグラウンドになっているものを同時につかんでこなければ、自分で勉強してもこれはできるはずのものでないですから、その間はぜひ向こうの学校なり家庭なりに入り込んでしまう、こういうことをおやりになったらどうか。学校で授業のときに聞いていたいと思っても、大体向こうは夏休みでございましょうからだめでしょうが、向こうのドミトリーは空いている。そこへ先生が行って泊って昼間だけ学校に行く、こういうことでは全然よくわからないんじゃないかと思うんですね。ぜひ家庭の中へ入り込むかあるいは寄宿舎で向こうの方と御一緒に住んでその生活実態を自分で経験をしてくるということがなければ、これはかなり無意味なものになるのではないかと思うので、ぜひホームステイあるいはスクールステイというような制度をこの中に加えていただきたい。金はかえって安くつくんじゃないかなと思います。しかもお互いによく理解ができる、こういう意味で語学だけじゃなく、語学のバックグラウンドになっているものに直接触れてくる、こういうことをぜひ私は勧めたいと思うんです。いかがでしょうか。

三角哲生文部省初等中等教育局長

○政府委員(三角哲生君) 先ほどの御説明のとおりなんでございますが、二週間は高木先生のおっしゃるホームステイをしながらその近隣の中高等学校へ通いまして、向こうの授業の状況を見たりあるいは向こうの先生方といろいろ意見交換をする、こういう形でございます。  大学の六週間についてなんでございますが、これはそれぞれの大学で非常にインテンシブなスケジュールを組んでくださいまして、夜の八時くらいまで、状況によりましてはいろいろフィルムを見て早読みの練習をするとかいろんなことがあろうかと思いますけれども、中身が詰まっておりますために現実問題としてなかなかホームステイというのをそこまで平行してやりにくいんでございますけれども、ただ、御提案の御趣旨は全くそのとおりだと思いますので、さらにまた私どもとしては研究をいたしてみたい、こう思います。

高木健太郎公明党・国民会議

○高木健太郎君 せっかくお金を使うわけでございますから、最も有効に、そしてそれが子供の教育に響くようにしていただきたい。  御存じのように国際交流の一つに4Hクラブというのがございますが、その4Hクラブでもやはり会員の自宅でそれぞれを過ごしている、こういうことがお互いの理解あるいは言葉というものに対して非常に大きな影響があるということを言われているわけですから、これをぜひ私は実践していただきたいと思います。  次は、この二十四ページでございますが、一つお聞きしたいのは、「特別推進研究」というのが科学研究費の中に一つ新規として入ってきております。これは十億の予算が入っているんですが、これは一体どういうことをお考えで、何人ぐらいに分配をされて、そういうプロジェクトはどういうものをお考えになって特別推進研究、こういうものを設けられたのか、その趣旨それからその分配の方法等をひとつお聞かせ願いたい、

松浦泰次郎文部省学術国際局長

○政府委員(松浦泰次郎君) いま先生御質問の特別推進研究につきましては、本年度科学研究費を拡充いたしました事項の一つでございますが、御承知のように科学研究費補助金は研究者に対しまして大体均等に配分されます一般の研究費以外に、すぐれた研究計画で金がかかるものにつきまして特別に助成を図るというような内容のものでございます。  本年度三百五十八億円でございましたが、約一万二千件のそういう研究計画に対しまして補助を行っておるものでございます。社会的な要請の強いエネルギーの特別研究とか、それから学術的にも意味の深い超電導の問題、あるいは新材料物質、たとえばアモルファスの問題とか、それから遺伝子組みかえ等というようなものも取り上げておりますし、それから若手の研究者を対象にしたもの、それと海外学術調査というようなものも含まれておるわけでございますが、最近新聞等でいろんな大学の研究者の研究成果が大きく報道されておるところでございますけれども、そのほとんどがこの科学研究費の補助金によって裏づけをされておるものでございます。先般ノーベル賞を受賞されました福井謙一先生も、昭和二十七年でございましたか、この研究費を六万円もらってやられた研究がそのノーベル賞を受賞されたものの一番もとになっておる研究だというふうに聞いておる次第でございます。  この「特別推進研究」と申しますのはそういういろんなものがございますけれども、中でも国際的に高い評価を受けておる研究でございまして、それを一層推進する必要がある、しかし相当多額の研究費を要するというようなものに重点的に配分していこうというものでございます。二、三年試験的にわずかなテーマを拾って実行上やったものもございますが、五十七年度の予算にはおかげさまでこの十億円が計上されておる次第でございます。  この配分に当たりましては、学術審議会におきまして第一線の先生方が厳正な審査をして配分をしていただいておりますが、予算積算でございますので、一課題当たり一億円というような積算で十件というような積算になっておりますが、実際にはもっと多額のものもありましょうし、いまは大きくございましても若干少ない金額でも済むというものもあろうと思います。そういうものにつきまして、三年ないし五年の期間にわたりましてこれを一億円とか三億円程度配分して、重点的にこの推進を図っていこうというものでございます。  御存じのように、この科学研究費補助金は見えない研究所とも言われておりまして、複数の先生方が個人的にはできないようなもので共同してその特別のテーマを推進していただくというようなことでございまして、すでに試験的に行ったものの中で新聞報道等になったものもございますけれども、今後そういうものを強力に推進していこうというようなシステムでございます。

高木健太郎公明党・国民会議

○高木健太郎君 結構なことだと思います。ただ、いわゆるボスたちの発言が強くなりがちでございますから、そういうものはなかなかやりにくい面もあろうと思いますけれども、そういうことでなくて、隠れたる人材をここから引っ張り出すというような工夫をぜひしていただきたい。  それから、三番目の「将来性ある若手研究者の育成」とあって、表面づらは三十五歳以下の人に与えたいと。これも私非常に望ましいことだと思いますが、実はこれは表面上はこうなっておるので、一般に均等に分けてしまうということになってはいけない、若い人にできるだけ研究費を与えて伸ばしてやる、こういうような気持ちでやっていただきたい。  それからビッグプロジェクトの方は、科学技術庁の方もそういうものを出すわけですね。エネルギーだとか遺伝工学というようなものはもう産業的になっておりまして、基礎的な研究からかなり離れている部分もあるわけです。こういうものは金がかかるからというんでここへ十億が用意されたんではなくて、やはり純基礎的なものに金を与えると、科学技術庁とよくそういう点は相談をして、お互い見合わせた上で金を出さなければむだになる。技術庁の方はまたこれと一けた違いますから、それと競争するということは私はむだじゃないかと思いますので、ぜひその点を留意していただきたいということです。  次は、「海洋科学」というのがございます。文部省の方からもいろいろ資料をいただきました、私、これ、海洋科学というのは日本でもたくさんやられております。事実、国立にも私立にも海洋科学の研究所なり講座もございます、しかし、それらはすべて工学関係のことでございまして、例の相模の方にありますシートピアというのは大きな潜航艇のようなものをつくっているわけですね。あるいはそこで住もうではないか。これはもう工学方面の研究でございます。  ところが、医学方面の方、講座なり研究所というのは全然皆無のわけなんです。ところが、アメリカでは「アンダーシー・バイオメディカル・リサーチ」というので、こういうりっぱな雑誌が出ているわけです。また、いろんな、ほかの雑誌あるいは単行本も出ております。機械をつくるのはいいですけれども、そういう高い圧力のところで人間が住んでいくという、これは将来非常に重要なプロジェクトではございますけれども、人間がどうなるかということをおいて工学を進めてもこれは無意味になる、こういうふうに考えますので、ことしの予算でなくとも、将来はいわゆる医学なり生物学なり、そういう方面の海洋医学とかあるいは海洋生物学とか、こういうものをひとつおやりになることが大事だと思うんです。そうでなくて、これだけに金をやりますと、これは掘削計画ですから、何かしらもうほとんど工学的なことであろうと思うわけです。  最近は橋をつくるにしましても、トンネルをつくるにしましても、非常に高圧のところで働いているわけですね。そういうところに、人間を長い間置いておくということがどのぐらいの変化をもたらすのか、あるいはまた炭鉱で——日本の炭鉱は非常に深いところにございますが、ああいうところではかなり圧力が高くなっていると思うんです。そういうところで長い間労働をするということが人間にどう響くか、こういうことを研究しておく必要があろうと思います。  また、日本、韓国には非常に特異なものとしまして海女というものがいるわけです。それらの健康も国際的に調べたこともございますけれども、しかしそれの根になる講座というものがないわけです、あるいは研究所というものがない。こういう研究部門——研究所でなくても、研究部門をぜひこの国際深海掘削計画というようなものと並んでひとつやっておく必要があろうと思いますが、いかがお考えでしょうか。

宮地貫一文部省大学局長

○政府委員(宮地貫一君) 御指摘の、二十五ページに載っております「国際深海掘削計画分担金等」というのは、その分担金と、ほかに東京大学の海洋研究所の代船建造分の経費等が載っているわけでございますが、御指摘のように、海洋科学に関する一般的な教育研究といたしましては、従来から工学部系統が多いわけでございますが、ほかにも理学部とか水産学部等におきまして全体で、国立大学では十七大学で六十講座が設置されているというのが現状でございます。また、大学の附属施設としては、海洋科学に関するものとしては、東京大学の海洋研究所外七大学に設置をされているわけでございます。  また、ただいま御審議いただいております五十七年度予算におきましては、たとえば佐賀大学の理工学部に海洋熱エネルギー変換実験施設ということで、海水の温度差を利用した発電についての実験施設というようなものも新規に計上をさせていただいておりますが、御指摘のように、医学に関する分野についても確かに関連する分野としては必要なことではないかと思います。それぞれの大学において今後具体的な検討がなされてまいろうかと思いますが、そういう方面の充実には今後とも努力をしてまいりたい、かように考えます。

高木健太郎公明党・国民会議

○高木健太郎君 いつでもそうなんですけれども、機械の方が先に進んで、そして人間がそれに後からついていく、これが近代文明の進め方の一つでございますので、どうぞ人間を重視した考え方で今後の研究所あるいは研究部門の設立というものをお考えいただきたい、こういうふうに思っているわけです。  それから次は、生体防御医学は一昨日ここで可決されたわけですが、そのときも申し上げましたように、この研究所は離れておりまして、汽車で参りますと三時間かかるところである。こういう意味で、この連携を保たなければ仏つくって魂入れずというようなことになりますので、それの交通費、通信費がここではゼロになっておりますので、何とかこれを見てあげるべきじゃないかと思います。  その次の二十七ページのところでございますが、「私立大学等の経常費に対する助成」というのがございます。それは、五十六年度二分の一、それから五十七年度二分の一の経常費補助ということでございますが、これの学生経費というところを一つお聞きしたいと思うんです。学生経費というのは、入学定員に対してやるのか、実際に入学した学生に対する経費として賄っておられるのか、それから留年した学生に対してはどうしておられるのか、その点をひとつお聞きしたいと思います。

柳川覺治文部省管理局長

○政府委員(柳川覺治君) 御指摘の私立大学等経常費補助金のうちの学生経費でございますが、これの配分に当たりましては、定員を基礎にいたしまして算出いたしております。具体に、在籍の学生総数が総定員を上回っておるという状態におきましては総定員を基礎といたしますし、また総定員に対しまして在籍学生数がこれを下回っておるという場合にはその実員をもって算出するといういたし方をいたしております。  私立大学等に五%ほどの留年の学生がおると推定されますが、私立大学につきましてはその大半が定員超過の状況にございますので、先ほど申しましたとおり留年生につきましても、その定員超過部分に含まれておりますから、具体に当たりましては補助金算定の基礎からは除外されておるというのが実態でございます、

高木健太郎公明党・国民会議

○高木健太郎君 いま五%ぐらいの留年者ということでございますが、いわゆる国家試験の合格率が悪いという学校ではとてもそんな留年数ではないわけなんですね。大体六百名の定員の大学で、A、B、C、Dというふうに、名前を挙げないでお調べ願ったわけなんですが、A大学では百八十一人、B大学では百七十二人、C大学では二百十人、D大学では百九十四人というので、六百人定員のところを二百人近くの留年生があるということなんです。この結果はどういうことになりますかというと、留年生は学校側からは、おまえは文部省の方から何の補助ももらってないからおまえたちがいるのは邪魔になるんだ、早くどこかへ出ていけというようなことをしょっちゅう言われる。おまえたちは頭がもうばかだからやめたらどうだというようなことをしょっちゅう言われる。そして、同じ学年に何回もとどめおかれる。学生はどうなるかというと、もう全く勉学の意欲を喪失する、いわゆる無気力になる。中学生であれば暴行に走るかもしれませんし、非行に行くかもしれませんが、大学の場合はこれは無気力になってしまう。こういうことを考えて、学生のいまの割り出し方は非常に理詰めではございますけれども、このような二百人近い学生を大学の中に置いておくということは国家的にも非常に不経済である。というのは、こういう学生は大体私立に多いわけですけれども、私立てはまずまず一千万円ぐらいの金は医学部では出して入っているわけですね。なおそれ以上の金を出して入っている人もあるわけです。父兄の方は、これはもう卒業させていただけるものだと思ってお金を出しておるのに一向卒業させてくれない。途中でやめていけと言っても行くところがない。こういう状態に子供は追い込まれているわけなんです。しかも、一人の学生には国家としては年間百八十五万円の補助をやっておりますし、父兄にしますと、学校も全部合わせまして医学部を六年間で出るのには四千五百万から五千万ぐらいの費用がかかっている、こんな者をいつまでも置いておくのは非常に不経済じゃないかと一つ思うわけです。しかも二〇%以上の落第生を出すというのは、本人も悪いかもしれませんけれども、これは中学校や小学校と違って義務教育ではないので、入学をさせるという許可を入れて、おまえは勉学可能であるというので入れているわけです。それを百人も二百人も留年させるというのには学校としての教育にも私は欠陥があるんじゃないか。国家的に見ても不経済だし、本人も不幸であるし、どこから考えても非常に私は不合理なことをやっておられると思いますので、この点をひとつ厳しく今後監視して、そしてそういう人間を出さないようにする。しかも、そうやって留年をさせてまずまずいいだろうと思って出した者の六六%ぐらいしか国家試験には合格しない。これでいいのかということですね、それなら初めから六百人入れない方がいいじゃないかと私は思うわけです。アメリカのように途中で退学をさせると。だめなときにはだめですよと初めから言われて入れるのとは違いまして、日本の場合には入れるということは卒業させるというような一般常識になっているんです。それをいまになっても、もうおまえだめだから出ていけというのはちょっと私は筋が違うんじゃないか。それならそれで、あらかじめ今後少し方針を変えられて、大学というところはこういうところであるというように言われれば初めから入らなかったんじゃないかなと、こうも思います。大体何点ぐらいで入ったのか。選抜を入れていますからできない者も入っているわけです。平均点何点以上というふうに入れているんじゃないわけです。資格試験ではないことにこれ一つ原因もあると思うのですが、国家的にも不経済なことですし、また人間資源としても非常に不経済な話であると思いますので、何とかこの点を文部省としては処置しなきゃならぬ問題じゃないかと思いますが、いかがでございましょうか。

宮地貫一文部省大学局長

○政府委員(宮地貫一君) 御指摘のように、特に私立の医科大学におきます留年生の問題に関連してのお尋ねでございまして、私どもといたしましては、入学者選抜に当たりましてそれに本当にふさわしい人物を入れるということがまず第一点ではないかと思います。そして、実際に留年生の状況に応じましてそれぞれ、たとえば指導教官等をふやすとか、あるいは学業成績不振の者に対する指導の充実の徹底を図るというような事柄などについても個々の大学で対応しているところでございますけれども、それらの点については、今後特に私立の医科大学の入学者選抜に当たりましてそういう観点を十分配慮することが必要ではないかと、かように考えております。なお、大変不幸にいたしまして入学後に必ずしも将来医師となるに適性のない者というような者については、その学生に対してあるいは学部を転ずるなど進路の変更についても適切な指導を行うということも必要ではないかと、かように考えております。

高木健太郎公明党・国民会議

○高木健太郎君 ごもっともなことなんですけれども、私言っているのは、これは選抜試験をやったのだというんですね、入学をさせたと。ということは、全部がいいというわけじゃないでしょうけれども、途中で頭が変になるのもおりますけれども、それは十分調べて入れるというのがその学校の僕は責任だと思うんですね。入れておいてその後で、金は出したが出してもくれぬということは、これはどう考えても私は変だと思うんです。学校としては、卒業させるともっと合格率は落ちるからできるだけ学校の中にとめておけというような安易な気持ちでおやりになるということはよくない。中学や小学枝の義務教育とそれは違うんだと、だから、学校も入れなければ経営が成り立たないというふうに追い込まれたところもありますでしょう。いろんな事情がありましょうが、中の教育でもっとしっかりしたらいいじゃないかと言うと、今度は教授、先生方の方は、それだけおれたちは時間外勤務手当をもらわなきゃいかぬとか手当が足らぬとか、そういう問題が起こってくるわけです。ところが、文部省の方からは補助金が来ないから、おまえたちは邪魔なんだ、こういうかっこうで人間がそこへとどまっているからますます無気力になってしまうということになるんじゃないか。だから今後は、こういうことは出さないように、いまいる生徒も何とか考えなければいけませんが、今後はそういうことが起こらないように、たとえば、共通一次試験は私立大学はまだ受けておりません。おりませんが、何かそういうチェック機関がありまして、これは医者になるかならないかは大体わかるわけですね。だから、そういう者をひとつあらかじめそこでふるいにかけておく。それからまた、医学部というのは元来は昔の旧制高校の三年を出まして、それから大学は四年だったわけですから、七年間、いまの一般教育と合わせてやっていたんですが、現在は教養部と専門課程を合わせて六年しかないわけです。ところが、医学で学ぶべきことはもうここ、戦後十倍ぐらいになっているというのですね。だから短い時間の間でもとの十倍くらいのものを教えなきゃならぬ、ここにも矛盾があるわけですね。だから、もっと基礎的なものを教えて、余り学生に負担がかからないで、これならば医者としてやっていける、あとはまた卒業して勉強しなさいというようにした方が私はかえっていいのではないかとも思っております。そういう授業課程のこともございますし、それからまた、入学試験のこともございます。そういうことを十分御勘案になって、今後こういう不幸が起こらないようにせひ努力をしていただきたい、こういうふうに思いますが、どうでしょうか。

宮地貫一文部省大学局長

○政府委員(宮地貫一君) 御指摘のように、一部の私立の医科大学において御指摘のございますような実態になっていることは大変遺憾に存じております。  近年は特に入学者選抜に当たりましても定員に近い数で抑えるというような形で、順次それらの点は私ども改善されてきておるというぐあいに伺っております。今後ともそういう面で指導を徹底させまして、改善の努力を続けてまいりたい、かように考えます。

高木健太郎公明党・国民会議

○高木健太郎君 それからもう一つお尋ねしたいんですけれども、私立大学の経常費、これは医科大学ですけれども、ある大学は同じような入学定員と教官がおるんでしょうが、非常に少ない大学がありますね。これはどういうわけでこういうふうに少なくなったんでしょうか。たとえば、名前を挙げていいでしょうけれども、川崎医科大学、愛知医科大学、金沢医科大学、いずれもいろんな名前の出ている大学でございますが、これ、非常にほかから比べてぴょこっとへこんでおるわけです。どういう計算でこういうふうになったんでしょうか。

柳川覺治文部省管理局長

○政府委員(柳川覺治君) 他の大学に比しまして教職員の数が少ないという理由でございます。  学生数と教職員数の割合が、教職員の割合が低いという結果からこのような数字になっておるわけでございます。

高木健太郎公明党・国民会議

○高木健太郎君 これはちょっと初めて聞きましたんですが、存じませんでしたが、初め設置されるときにある程度の教職員の数が足りなければ許可をされないわけでしょう。そうすれば大体同じぐらいの数がそろっているんじゃないでしょうか、これ。いままでそれじゃほかの大学はそれよりもはるかに多く教職員を雇っておられるんでしょうか。

柳川覺治文部省管理局長

○政府委員(柳川覺治君) 歴史のある大学でございますと、それなりに講座の数もふえてきております、研究面の重視というようなことであるいは新設の大学でございますと、その面がなお日浅いということで、所要のものはそろえておるわけでございますけれども、それが必ずしも豊かにまだなっていないというような状況であるかと存じます。

高木健太郎公明党・国民会議

○高木健太郎君 私もちょっと勉強が足りませんでしたからわかりませんですけれども、余りに違うものですからね。金沢医科大学というのはこれ四億三千万ですね。ところが同じようにできたと思うんですけれども、愛知医科大学は七億七千万、そして川崎医科大学は八千七百万、それが必須の教職員を置いて——そうすると金沢医科大学は四億ですが、片一方に日本医科大学というのは二十八億あるわけです。そうするとこれ四、六、二十四で六倍も教職員がいるということですか。また勝手に講座をどんどん置けば置くほど補助金がふえるわけでしょう。あるところで切るべきじゃないですか、必要な教職員で。それ以上は補助しない、置きたいのは置いてもよろしいが、医科教育としてはこれだけで十分である、こういうふうに僕は言うべきじゃないかと思いますが、いかがなんですか。

柳川覺治文部省管理局長

○政府委員(柳川覺治君) 先生御指摘の金沢医科大学につきましては、補助金を算出しました所要額の五〇%に減額いたしております。これは学校の管理運営に適正を欠いたということがございまして、二分の一の減額措置ということで四億三千三百万ということで学生一人当たりにいたしますと四十七万円にとどまっておるということでございます。あと通常先生御指摘のとおり百七、八十……

高木健太郎公明党・国民会議

○高木健太郎君 わかりましたまあいいですが、それは不幸になるのは学生ですから、その点もよくお考えいただきたいと思います。  もう最後になりまして、ちょっと時間がいつの間にか過ぎましたんですが、ちょっと二分ぐらい……

片山正英自由民主党

○委員長(片山正英君) 一問だけお願いします。

高木健太郎公明党・国民会議

○高木健太郎君 一問だけですね。  最後に、国際交流というのがありまして、いろんな外国との交流をやっておられる。このことは非常にいいことなんですが、実はこれはニューズウィークの一月二十五日号に、国家でありませんが、いわゆるハイテクニックですね、トップレベルのテクニックは大学で行われているわけです。それは幾らでも軍事用に使えるわけですね。そういうものが外国へ流れるといういろんな事実がございました。そのために政府は、それに対してチェックをするということをアメリカはやり始めたわけです。幾つがその例が挙げてございまして、私もこれを読んだときに非常に驚いたわけです。現在、文部省では、いわゆる外国の教官の任用ということを法案として議員立法でお出しになろうとしておられるわけですけれども、どこの国も対等にやる、東側国家にも西側国家にも対等にやる。そして、ハイレベルテクニックに幾らでも接する機会を与え、幾らでもそれを自分のものにすることができる、その国家に役立てることができるというふうに、もしも日本がそのままいきますとアメリカとの学術交流で、アメリカはチェックしようとしている、日本に対してはそれはくれないということになりまして、片側通行の国際交流になるのではないか。そういうこともございますので、私としては、外国人任用という問題も含めまして、今後の国際交流、特にトップレベルの学術交流に対しましては、いまのうちから十分考えておかれないと、非常な問題を起こしてくるのではないかと思いますので、この際申し上げておきたいと思います。  きょうは時間がございませんから詳しいことは申し上げませんが、またいつかの機会にこれ追加させていただきます。この点ひとつ文部大臣にも十分お考えになっておいていただきたいと、こう思います。

小川平二自由民主党文部大臣

○国務大臣(小川平二君) 仰せの趣旨は十分理解いたしました。研究をさせていただきます。

高木健太郎公明党・国民会議

○高木健太郎君 では、終わります。

小野明日本社会党

○小野明君 きょうは人事院からお見えいただいておりますが、まず給与局長にお尋ねをいたしたいと思います。  まあ春闘の時期でもありますが、民間の賃金調査をやがて始められると思うわけです。昨年も五%以下の賃金格差であったと思いますが、今年は五%を超えればこれは勧告をするのに問題はないと思うんですが、もし賃金の民間との格差というものが五%を切った場合でも人事院の勧告は行うおつもりであるのかどうか、その点をお尋ねをいたしたいと思います。    〔委員長退席、理事大島友治君着席〕

斧誠之助人事院事務総局給与局長

○政府委員(斧誠之助君) お答えいたします。  最初に人事院の基本的な姿勢を申し上げておきますが、公務員給与を決めます場合に民間準拠方式、これによりまして勧告を行うということが大方の御理解を得られるものということで、従来そういうことで勧告をしてまいったわけでございますが、この方式というのは現在ではもう定着しているものだというふうに私たち考えております、したがいまして、本年につきましても官民の給与を調査いたしまして、これを正確に比較いたしまして、格差が生じますればこれを埋めていただくという勧告を行うという基本姿勢でことしもやってまいりたいと考えております。  ところで、もし五%を切ったらということでございますが、現在、先生おっしゃいましたように春闘本番でございまして、これから民間給与もだんだん決まっていくということでございます。したがいまして、いまどれくらいの格差になるであろうかという予測はとうていできないわけでございますが、ただ過去の実績を申し上げますと、昨年は実は五・二三%の格差で五%を超しておったわけでございますが、五十二年、五十四年、五十五年、この三年連続いたしまして五%を切る格差でございました。しかし、人事院は、この格差を埋めてくださいということで給与改定の勧告を行ってきたという実績がございますということを申し上げておきます。

小野明日本社会党

○小野明君 そういたしますと、五十三、五十四、五十五年、この年にならって、五%を切った場合でも、これはもちろん余り大幅に切れば問題がありましょうが、切った場合でも勧告はなさるというふうに受け取ってよろしゅうございますね。

斧誠之助人事院事務総局給与局長

○政府委員(斧誠之助君) この三年間にわたりまして五%を切りましたが勧告をいたしました際の考え方は、この格差を勧告をしないで翌年に残せばさらに翌年の格差が大きくなってしまうということと、それから基本的な給与が相当高くなっておりますので、率は低くても絶対額は非常に大きくなっておるということもありまして勧告を申し上げたわけでございます。そういう考え方はことしもそう変わらないものといま現在は考えております。

小野明日本社会党

○小野明君 給与局長結構です。  総理府統計局長ですね、昨日家計調査を発表されておられますが、これ一月の時点での調査、一月の数字なんですが、過去三年間、五十四、五十五、五十六、こういうところで勤労者の家計調査結果ですね、これも昨日発表になりました分もあわせてひとつ要点だけ御説明いただけませんか。

永山貞則総理府統計局長

○政府委員(永山貞則君) ただいまの家計調査の結果でございますが、勤労者世帯の実収入で申し上げますと、昭和五十四年が名目で七・〇、上昇率対前年比、五十五年が七・三、五十六年が五・〇、御承知のように物価上昇がございますので、その物価上昇を差し引きました実質で申し上げますと、五十四年が三・三%の増加、五十五年が〇・六%の減少、それから五十六年は〇・一%の増加とほぼ横ばいという結果でございます。

小野明日本社会党

○小野明君 最後にお尋ねしておりますように、新しい数字は一月ですね、一月は若干増であったというような御発表のようですが、いかがですか。

永山貞則総理府統計局長

○政府委員(永山貞則君) 昨日発表いたしました家計調査の一月分で申し上げますと、実収入が名目で七・五%の増加、それから実質でもプラス四・一%の増加、最近若干停滞しておりましたけれども、一月はただいま申し上げました数字のように若干プラスの方向が出始めているという感じでございます。

小野明日本社会党

○小野明君 五十六年の十二月の数字はどうでしょうか。ありますか。

永山貞則総理府統計局長

○政府委員(永山貞則君) 五十六年の十二月は、同じく勤労者の実収入で申し上げますと、名目値でプラス三・九、物価を引きました実質値で申し上げますとマイナス〇・四%、わずかながら減少という結果でございます。

小野明日本社会党

○小野明君 昨年のボーナス期である十二月で前年比が〇・四であった、ところが一月調査で実質四%プラスという、これは統計局ではこの読み方はどういうふうに読んでいますか、この原因は。

永山貞則総理府統計局長

○政府委員(永山貞則君) 御承知のように、昨年はかなり停滞ぎみでございまして、先生御指摘のようにプラスになったりマイナスになったり、ほぼ横ばいぐらいの状態でございました。  ただ、ことしに入りまして私たちもちょっと予想以上に若干上向いているというのは、まだ恐らく二月、三月少し経過を見ないと本当に上向いたかどうかということはわからない。ただ、景気動向なんかを見ましても若干明るさは出ている感じはいたしますけれども、この一月のが本物かどうかはもう少し二月、三月の結果を待ってから判断をしたい、いまはそういうふうに考えております。

小野明日本社会党

○小野明君 統計局長もう結構です、  大臣にお尋ねをいたしたいと思います。五十七年の給与改定費は五十六年と同じように一%アップしか見込んでいないわけですね。それで五千六年の予算の場合は前年比が九・九という一けたの数字におさめるために、数字を丸くするためにこの一%という上昇に抑えたというのがどうも大蔵大臣の真意のようであったようです、二けたの伸びにしないという。今年度も合わせて給与改定費が一%しか増を見込んでいないということについては、閣議でどういう御主張になり、あるいは大蔵に御主張になってこられたのか、あるいは給与改定費がわずか一%しか組んでいないということ、いま統計局からいろんな数字が発表あったわけですが、それらもあわせ考えて大臣の御所見を伺いたいと思います。

植木浩文部大臣官房会計課長

○政府委員(植木浩君) まず、私からお答え申し上げますが……

小野明日本社会党

○小野明君 大臣じゃないじゃないか。

植木浩文部大臣官房会計課長

○政府委員(植木浩君) まず、技術的な点についてお答え申し上げたいと思います。  給与改定費につきましては、政府全体の方針といたしまして、年によりパーセントが違いますけれども、近年は御指摘のとおり一%ということでございまして、五十七年度も一%の数字を盛り込んでおるわけでございます。私ども実際に予算の編成事務を担当するものといたしましては、この辺の数字を何%にするかということにつきましてはいろいろと、文部省は人件費が多いものでございますから関心はあるわけでございますが、要は人件費の割合が大変多い文部省の予算の構造を踏まえまして、文教施策の充実に必要な予算をどう確保するかということに配意をしてきておるわけでございます。

小野明日本社会党

○小野明君 実収入が五十五年も五十六年も問題にならないぐらい低い。たまたま一月がいま発表ありましたように四%の増であるけれども、これはまあ二、三と続いて見ないとわからぬということで、恐らく私はさらに減少ということに、相なろうかと思います。それはもう五十四年、五十五年と数字はわかっていることですから、しかも人事院の官民較差ということに対する態度もお聞きのとおりなんですが、こういう支出の実績がありながら給与費については一%の増しか見ていない。これは政府全体の予算ですから、文部省だけどうということではないんですよ。これについて大臣はどのようにお考えですかとお尋ねしているわけです。

小川平二自由民主党文部大臣

○国務大臣(小川平二君) 従来の例によりますると、人事院の勧告を受けました後補正予算で積み上げる、かようなやり方をいたしておるわけで、今回もこれを踏襲していくつもりでございます。

小野明日本社会党

○小野明君 しかし、それは余りにも数字合わせに過ぎますし、一%しか組んでいないと、これはもちろん大蔵大臣の責任でもあるんですが、そういった中で大臣が公務員給与についてどういう御見解をお持ちかと、実態に合わぬではないかということは、公務員給与あるいは教職員給与というようなものを踏まえ この実質生活増を図ってもらわなければならぬ 場にあろうかと思うんですよ。いたしかたなしで一%増であとは補正ですればいいじゃないかというのは、これはいささかやっぱり教職員あるいは文部本省その他公務員全体の生活実態を考えない予算の組み方だと、非常識な予算の組み方だというふうにはお考えにならぬでしょうか。

小川平二自由民主党文部大臣

○国務大臣(小川平二君) ただいま申し上げましたように、今日まで数年間、人事院勧告を受けて補正予算で措置するという方式をとっておりますので、本年もこれを踏襲していくつもりで、格別本年に限って特段の措置ということはただいま考えておらないわけでございます。

小野明日本社会党

○小野明君 そうすると、たとえば人事院から勧告がありました場合には、大臣は、これを完全実施をしなさい、こういう主張をなさるおつもりですか、どうですか。

小川平二自由民主党文部大臣

○国務大臣(小川平二君) 人事院の勧告につきましては、きわめて長い間にわたって毎年改善を図りまして、最終的には近年完全に実施をいたしてきておるわけでございます。しかるに、ただいまのこのきわめて窮迫した財政状況のもとで、従来どおり完全に実施をする、文字どおり完全な実施ということは困難でございますが、私といたしましては政府の方針に従いまして対処をいたしていくほかない、かように考えております。

小野明日本社会党

○小野明君 そうすると、大臣はどうも文部大臣と違って大蔵大臣におなりになったような御見解のように受け取れましたが、昨年の教職員、公務員の賃金というものが人事院勧告によってどういうふうに処理されたか御存じでしょうか。

小川平二自由民主党文部大臣

○国務大臣(小川平二君) 昨年のことにつきましては、私、就任以前のことでもございまするし、きわめて詳細に知悉いたしておるわけじゃございませんから、これは政府委員から答弁を申し上げさせます。

小野明日本社会党

○小野明君 大臣は教育を所管されておる。教育は人なり、教職員の云々ということは大臣になられてからもずいぶん各委員から御指摘があっておるわけですね。教職員の生活が安定をしないでいい教育ができるわけがないんですよ。そういう基本的なものは、大臣、踏まえてもらわなければ困る。  昨年は人事院勧告がありまして四月一日の実施、一応の実施にはなったわけですよ、こういうことを私から言わなきゃならぬというのはまことにこれは情けない気がするんですが、あえて申し上げますが、ところが期末勤勉手当というのが、大臣、六月と十二月に出ることは御存じでしょうね。三月の年度末手当というのも御存じと思う。これは旧ベースで支給されたわけですよ、旧ベースで。四月一日に上がった以前のもので支給されてきたわけです。これは私は非常にけしからぬことだと思うんです。  もともと人事院が置かれたというのは、人事院制度というのは大臣も御承知と思いますが、これはスト権の代償措置として人事院が置かれておるわけですね。ですから、期末勤勉手当を旧ベースでやり、人事院勧告どおりにやらなかったということは非常にけしからぬ。これについて、私は、現業の職員を持っておる大臣としては人事院勧告を完全実施、勧告があれば完全実施をすべきである、こういう主張を閣議の中でも、あるいは大蔵に対してもきちんと主張をします、こういう御答弁があってしかるべきだと私は思いますが、いかがでしょうか。

小川平二自由民主党文部大臣

○国務大臣(小川平二君) 制度の趣旨は、ただいま仰せになりましたように、公務員に対して基本的な権利に制約を加えておる、その事実に対応してこの制度が設けられておるという趣旨は私も理解をいたしております。  ただ、今日ここまで財政が窮迫いたしておるわけでございますから、むろん文部省の予算に占める人件費の比率というものはきわめて大きいわけでございますから、給与の問題については強い関心を持っておりまするけれども、政府の全体として決定した方針にこの際従うほかないと、こう考えておるわけでございます。

小野明日本社会党

○小野明君 いや、これは政府全体として決定をした方針に従うしかないというような、そういう教育に従事する者に対する処遇というものを大臣が主体的にお考えになっていないということは、これはきわめて大臣、問題ですよ。政府で決めるという、政府で決める、大臣は閣僚ですよ。その中で大臣はどういう御主張をなさるのか、それは人件費が大きいといっても、各省皆横並びで一%ですからね。人事院の勧告あることはもうあたりまえである、各省大臣皆公務員を持っておるわけですから。その中で大臣が本当に教育を考えるならば、教職員の待遇について、生活について考え、きちっとその配慮をするならば、それは当然人事院の勧告の完全実施を私は主張しますとおっしゃって、これはしかるべきではないかと思うんです。  私は昨年の行革国会でも、鈴木総理に質問をしたんですよ。鈴木総理でさえも、一番責任者でさえも人事院勧告は完全実施すべきものであると思いますと、答弁してるんですよ。しかるに、文部大臣が政府のとおりいたしますなんて言うのは、対岸の火災みたいなことを言われたんじゃ、これはどうにもならぬですよ。これはあなた、現場の教職員、大臣が所管なさっておる教職員あるいは地方公務員である教職員、それは二百万ぐらいおると思いますが、それらに対してどうあなた釈明をなさるんですか、いまの御答弁は。どうですか。

小川平二自由民主党文部大臣

○国務大臣(小川平二君) 教職員の処遇の改善ということ、非常に大切な問題でございまするから、従来長い間にわたってこの改善の努力もし、またこれを実現もいたしてきておるわけでございます。今日もこの問題につきましては強い関心を持っておりまするし、人事院勧告は制度の本来の趣旨から申しまして、完全に実施さるべきものだと存じておりまするが、これを文字どおり完全に実施できないということは申すまでもなく今日の財政の現状から見てやむを得ないことだと、こう考えておるわけでございまして、したがいまして、この問題に対処いたしまする際には、全体としての政府の決定に従うほかないと、このように申し上げておるわけでございます。

小野明日本社会党

○小野明君 きわめて私は、いまの御答弁も若干前に来たようですが、またもとに戻る、これは大臣いけませんよ、そういう答弁は。鈴木内閣の閣僚の一人として、現場教員を持っておるものの一人として、あるいは人事院制度というものの置かれた趣旨あるいはこの制度を尊重するという立場からも人事院勧告は完全実施されるべきものであると思いますと、こういう腰でないと文部予算は初めからもう削ってください、人事院もいいかげんにしてくださいと言うのと同じですよ、それは。大臣、それは再度大臣の見解をきちんとしてくださいよ。承知できませんよ、いまの。

小川平二自由民主党文部大臣

○国務大臣(小川平二君) 勧告が完全に実施さるべきことは申すまでもございませんから、政府・自民党、きわめて長い間にわたって逐次改善を図ってまいったことは、先ほど申したとおりでございます、しかし、財政の現状からこれを文字どおり完全に実施できないということについては、すでに政府の方針が決まっておるわけでございます。ただいまの時点で私が振り出しへ戻って完全実施すべしと申しましても効果が期待できることとは思っておりません。この上は政府の決定した方針に従っていくほかない、こう申し上げておるわけでございます。

小野明日本社会党

○小野明君 いま人事院勧告が完全実施ができないというのは政府の方針でありますと、いつ決めましたか。今年度人事院勧告はまだあってないんですよ。すでにあなた、そういうことはいつ決めたですか。

小川平二自由民主党文部大臣

○国務大臣(小川平二君) 今年度の人事院勧告は、行われますのはこれから先のことになるわけです。私はただいままでのことをただいままで答弁してきたつもりでございますが、今後のことを仰せになっておるのでございますれば、これは問題はまた別になるわけでございます。

小野明日本社会党

○小野明君 去年は値切って済んだ、だからあなたはもう大体値切られる——ことしも値切るものだというような政府の方針のように説明を聞いた、私は。

小川平二自由民主党文部大臣

○国務大臣(小川平二君) いや、そんなことはございません。

小野明日本社会党

○小野明君 恐らく皆さんもそうだと思う。そういう言い方ですよあなた。きちんとあなた、ことしの勧告がない前に、もう抑制さるべきものだ——臨調じゃないんです。あなた、臨調の委員じゃないんですよ、文部大臣ですよ。きちんとやってくださいよ。

小川平二自由民主党文部大臣

○国務大臣(小川平二君) 勧告につきましては、先ほど人事院から答弁があったとおりでございまして、人事院の今後の勧告について、私がただいままでいろいろ申し上げたように御理解をいただきますと、これは間違いでございますから、私の方で御質疑を取り違えておったとすればおわびを申し上げますけれども、今後の問題でありますれば、これは別の問題でございます。予算の中で非常に大きな人件費の比率を持っておりまする文部大臣といたしましては、財政の状況は非常に困難でございますが、完全に実施されることが望ましいということについては、いろいろの機会に発言もし、努力をいたしてまいります。これは当然のことでございます。

小野明日本社会党

○小野明君 やっとそこまで来ましたね、やっと。大臣、教職員給与という問題について、もっとやっぱりこれは関心を持ってもらわなきゃ困りますよ、これはね。この文部省所管の教職員あるいは公務員は、大臣がどういう閣議で御発言になるか、政府の決定にどうかかわっていくかということは注目をしておるんですからね。ひとつこれらの厳しい生活実態も踏まえて、人事院という制度を尊重する、あるいは生活実態をきちんと捕捉をする、その上での御発言、これをやっぱりなさってもらわなきゃ困りますよ。  そのことばっかりで時間をとりまして、私の時間はあと五分ぐらいしかなくなったんですが、もっときちんとした私はお答えがいただけるものと思っておったんです。  それでは今年度、五十七年度文部省予算、これはいろんな方からも御指摘がございました。伸び率でいって二・六%ですね。社会保障が二・八%、これは戦後最低の伸びだと、こう言われております。まあそのとおりだと思いますが、また国の一般会計予算に占める割合から言いましても九・二%。私はここに昭和三十三年からの一般会計に占める予算の割合というのを、数字を持っておりますが、九・二で最低です。悪いのは、昭和四十八年度が九・九でしたが、その次に悪いのが九・六の五十六年で五十七年は九・二%。国の一般会計の中に占める文部省所管予算の割合はそこまできている。伸び率は最低である。社会保障も最低である。この傾向は、防衛関係費の急増と比べると余りにもこれは低い伸び率である、そういうふうに思います。国がこういうふうであれば地方自治体もこれに右へならえするわけですよ。文教予算が地方自治体の中に占める予算も、国がこうだからということでずつっとやっぱりその比率が落ちてくる。教育は、もう申し上げるまでもなく、国家百年の大計をはかるにあるわけですね。それがこういう貧困な予算である。こういう状況になったことについて、大臣は大臣の所信表明については全然そういうことを書いていない。文部予算はこれで十分である、一生懸命にやりました、よくいっていると思うというような所信表明になっていると思います、いわゆる手ぼめですね。文部省予算が余り取れなかったということに対する批判はこれから先もないんです。非常に私は遺憾に思います。ですから、五十七年度予算に対する大臣の——大臣は、表面的なものではなくて、大臣の所信表明に書かれたようなものでなくて、裏ではかなりそれは大蔵との厳しい折衝もあったでしょうが、どういう見解をお持ちであるのかお尋ねしておきたいと思います。

小川平二自由民主党文部大臣

○国務大臣(小川平二君) かねてお耳に入れました所信の表明あるいは予算の説明におきまして、五十七年度予算について私は自画自賛をするようなことはいささかも申しておるつもりはございません。所信表明におきましても、あるいは予算の御説明に際しましても、今日の財政の状況がきわめて厳しいという事実、あるいは概算要求提出の時点で、いわゆるゼロシーリングを設定せざるを得なかったという事実をも指摘いたしておるわけでございます。非常に厳しい状況のもとにおきまして、私といたしましては及ばずながらあとう限りの努力をいたしてきたつもりでございます。仕上がりはもとより十分満足すべきものだとは存じておりませんけれども、今日のこの状況を念頭に置きますとき、この厳しい財政状況のもとにおきまして、まずまず必要な最小限度の予算を確保できたのではなかろうかと、かように考えておるわけでございます。

小野明日本社会党

○小野明君 最小限度の予算は確保できたのではなかろうかという、それを大臣、私は自画自賛だと、こう申し上げたいんです。もうむちゃくちゃですよ、これ。削減をされておる中身は、私から申し上げるまでもありませんが、当然増が五百人。四十人学級実施に伴う教職員増が二百九十人削減。公立文教施設整備の縮減が前年比四百五十九億円減。しかるに国立大学の授業料引き上げは、きょう、四月一日から三万六千円の増。育英会の奨学金は据え置き。私立大学の助成は据え置き。国立大学所有財産の二百億円売却。これはめちゃくちゃになたふるわれておるじゃないですか。これをもって最低限確保できたと、これは私は通らない。しかも、戦後最低の文教予算の伸び率であると。これを見たらもっとシビアに、国全体における文教行政府としてのポジションが非常に下がっている。これをやっぱり自覚しなきゃだめじゃないでしょうか。

小川平二自由民主党文部大臣

○国務大臣(小川平二君) 私といたしましては、今日の状況のもとで及ばずながらあとう限りの努力をいたしたつもりでございます。いろいろ御指摘をいただいております点については私もきわめて残念でございますが、今日の状況下でこれ以上のことができなかったと、力の足らざる点を反省をいたしてもおるわけでございます。

小野明日本社会党

○小野明君 終わります。

佐藤昭夫日本共産党

○佐藤昭夫君 それではまず、少年非行の問題について最初にお尋ねをいたします。  今日少年非行がますます増加をし、大きな教育問題、社会問題となっているわけでありますが、その非行の原因は複雑で、社会的な問題、家庭の問題、学校教育のあり方などいろんな要因がある。それが絡み合って子供の発達のゆがみを引き起こし、非行問題となってあらわれているわけでありますが、文部大臣も所信表明の中で、この非行問題の解決を大きな重点として挙げられているわけでありますが、しからば、五十七年度の予算案において、この非行対策のためどのような予算措置が計上されておるのか、まず文部省から御説明をいただきたいと思います。

三角哲生文部省初等中等教育局長

○政府委員(三角哲生君) 五十六年度までいろいろとかなりきめ細かい生徒指導のための予算措置ないしは施策を継続してまいっておるわけでございますが、五十七年度の新たな事業といたしまして、まず第一に、中学校の生徒指導推進会議というのを新規に計上をいたしてあるわけでございまして、これは中央並びに各都道府県におきまして、特に都道府県の場合には年に二回それぞれ開催をしていただきまして、学校関係者あるいは社会教育関係団体の関係者、あるいは地域におきます関係機関の方々、これらに相寄り相集まっていただきまして、非行対策を中心として生徒指導のための協議、検討をしていただくと、こういう考えでございます。  もう一つは、生徒指導のための教員研修をいろいろやってきておりますが、明年度から新たにカウンセリング技術指導講座を、これを地区別に開催をすることにいたしたいと。従来はこれは中央段階でやっておりましたんでございますが、そうしてカウンセリングの技術というのは、なかなか日本では専門家の層がそう厚いとは申せません。これをできるだけ広げていきたいということで新たに地区別にそういう講座をいたしまして、そうしてこれがまたできる限り現場でその知識や技術や経験を広めていくようにしたい、こういう趣旨で考えたものでございます、  それからもう一つは、勤労生産学習を推進したいということで、これは各県に勤労生産学習研究推進校というものを指定をいたしまして、農産物なら農産物の、土地を耕し種をまき育て雑草を取り、そして産物を収穫するという、そういう過程を通じて勤労の楽しさあるいは勤労の価値というものを体得させると同時に、友達同士協力し合って物を育てる、こういう行為を実際にやってみる、こういうことで、これは一つのやはり研究的実験的なプロジェクトでございますが、新しくそういうことを考えておる次第でございます。  なお、社会教育関係、体育関係につきましては担当の局長の方から申し上げます。

別府哲文部省社会教育局長

○政府委員(別府哲君) 社会教育の分野におきましては、特に青少年が幼児の段階からの教育が大切でございますので、家庭教育あるいは地域社会における教育等にわたりまして従来からいろいろの施策を講じてきておるわけでございますが、特に最近の青少年の非行問題の重要性にかんがみまして、家庭教育の分野におきましては、昭和五十六年度から新たに家庭教育学級の一環として、あすの親のための学級、まだ幼児を抱える段階になる新婚あるいは妊娠期の両親を対象にした学級を五十六年度から新たに開設をいたしましたけれども、五十七年度はこれをさらに拡充をするということでお願いをしておるわけでございます。また、地域社会におきます青少年の活動の場を用意し、少年たちが大自然の中で伸び伸びと宿泊訓練を行うことのできる青年の家、少年自然の家等につきましては国立の施設、さらに公立の施設に対しても助成を行っておりますが、昨今の大変厳しい財政事情の中ではございますが、国立の少年自然の家は、この予算を上げていただきましたならば四月早々に第七番目の国立少年自然の家を発足させたいと考えておりますし、また明年度開設を予定して第八番目の少年自然の家の準備室を五十七年度中に開きたいと、着々と準備を進めているところでございます。また、青少年が地域社会におきましていろいろ活動を行っておりますが、特に郷土学習を行い、あるいは仲間づくりをし、地域に対する奉仕活動を進めるという青少年の地域活動については、さらに個所数をふやし、またPTAが地域の青少年に対する健全育成事業を行います青少年健全育成PTA活動につきましてもさらに個所数をふやすという対策を講じておるわけでございます。  そのほかにも経常的な施策はたくさんございまして、予算的にもふえているものもございますけれども、特に目立つものを御説明申し上げた次第でございます。

佐藤昭夫日本共産党

○佐藤昭夫君 ただいまの予算の説明の中でも多少あらわれておったと思うんですが、青少年の、子供の非行対策のために、親の積極性を引き出し、そことの協力体制によって効果的な非行対策を進めていこうという方向が出ておると思うんですが、文部大臣のお考えをここで尋ねたいと思いますけれども、子供たちが人間として豊かに成長、発達をしていく上で、またいまの問題で言えば、非行問題への効果的な対処と、こういった点でも保護者の役割りの大切さについてどのような御認識が、大臣のお考えを聞きたいと思います。

小川平二自由民主党文部大臣

○国務大臣(小川平二君) ただいま政府委員からの御説明の中でも言及いたしておると存じますが、やはり家庭におけるしつけがなおざりにされておるというのが一つの問題として指摘をされておると存じます。そうして母親に対しまして子供のしつけに関する学習をする機会を提供するための各種の施策を実行いたしておるような次第でございます。

佐藤昭夫日本共産党

○佐藤昭夫君 私がお尋ねをしておるのは、この学校と親との協力体制の重要さという問題についてどういう御認識かということで尋ねているわけです。

小川平二自由民主党文部大臣

○国務大臣(小川平二君) これは学校、家庭、地域社会、互いに連携しつつ一体となって取り組んでいくべき問題でございますから、学校と家庭との協力ということを非常に大事なことだと心得ております。

佐藤昭夫日本共産党

○佐藤昭夫君 非行問題に対しては双葉のうちに厳しく対処する必要があることは言うまでもありませんが、同時に、それはあくまで教育的対処が中心に据えられなければならぬということも言うまでもない問題だと思うんです。この点で子供の教育の当事者の一員である保護者の立場も全く無視をするような形で最近非行問題、非行対策という形で少年の人権をじゅうりんするような事件が相次いで発生をしておるということを私は大変ゆゆしい問題だというふうに思っております。  そこで若干の事例についてお尋ねをしますが、警察庁おいでですか——昨年の七月十二日のこの集団暴走、道路交通法違反事件で少年院に保護処分をされていた少年が、その後の再審査でアリバイが明白となり、本年の二月二十日東京家裁の八王子支部で処分取り消しが行われた、その経過を説明してください。

桑田錬造警察庁交通局交通指導課長

○説明員(桑田錬造君) 警視庁からの報告によりますと、新聞に報道されました事案は、昨年の七月十二日午前三時過ぎでございますが、世田谷区内の環状七号線におきまして、都内の暴走族「ねずみ小僧」というグループと「スペクター」というグループの構成員三十名ぐらいが二輪車に分乗いたしまして集団走行中に、たまたま走行しておりましたタクシーを巻き込みまして警察ざたなどの共同危険行為を行った事案でございます。  この事案につきましては、当夜暴走行為の取り締まりに当たっておりました警視庁の第二交通機動隊が担当いたしまして、暴走行為に参加いたしておりました八名の者をその場で検挙いたしまして、その後これらの者の取り調べから、事前におきます打ち合わせの状況あるいは出発前の指示の状況、それから走行中の状況等を解明いたしまして、参加者のうちから複数の目撃証言が得られました少年十九名につきまして検挙いたしたものでございます。

佐藤昭夫日本共産党

○佐藤昭夫君 いや、その検挙だけじゃなくて、私も触れました、その後の審査の中で東京家裁で処分取り消しが行われている。御存じですね、その点の御確認を願いたい。

桑田錬造警察庁交通局交通指導課長

○説明員(桑田錬造君) そのとおりでございます、処分取り消してございました。

佐藤昭夫日本共産党

○佐藤昭夫君 同様に、昨年の十二月十九日に、このひったくり事件を行ったとの理由で警察に逮捕された十七歳の少年、    〔理事大島友治君退席、委員長着席〕 これも同様に、事実誤認で本年の一月二十八日、東京の家庭裁判所で不処分、いわゆる無罪判決、これになっている、この経過、間違いありませんね。

石瀬博警察庁刑事局保安部少年課長

○説明員(石瀬博君) ただいまお尋ねのありました事件は、昨年の十二月十九日午後五時三十六分ごろでございますが、東京都練馬区大泉学園町の路上におきまして、自転車で通行中の婦人の自転車の前がこの中から、後ろを追尾してまいりましたオートバイ乗りの少年がひったくりを行いまして、七千五百円ぐらいの金が入っておりましたセカンドバッグというものを盗んだと、こういう事件でございます。問題になりましたのはこの事件だけでございますが、当時、昨年の十月初旬ごろから十二月の中旬ごろまでにかけまして、練馬区、板橋区、杉並区等内におきまして同様の事件が三十件ばかり多発いたしております。しかも、その被害品の遺留品がすべて警視庁石神井管内の比較的限られた地域に遺留されているということで、石神井警察署ではプロジェクトチームを組みまして、警視庁本部並びに関係各署とも連携をとりながら強力な捜査を進めておりましたところ、いまほどお話のございました十七歳の少年が浮かんでまいったわけでございます。少年の供述に基づきまして引き当たり捜査その他の捜査を行いました結果、犯人としての確信を深めまして、昨年十二月二十七日、東京地検へ送致いたしましたが、一月二十八日に東京家庭裁判所で不処分の決定があったということで、われわれとしましては警察の捜査の結果が適切に家庭裁判所の審判に反映されなかったということで非常に残念に考えております。

佐藤昭夫日本共産党

○佐藤昭夫君 私は、二つの例を挙げて、少年がいわゆる冤罪事件ということで一時期不当な処分を受けておった、そういう冤罪事件の事例を挙げてみたわけですけれども、特に前の方の例、この中には現に高等学校に通学をしておるという高校生も含まれているわけでありますが、こういった高校生に対しての心に与えた傷、これははかり知れないものがあるだろう、大臣もその点は御同感なはずだというふうに思うんでありますが、なぜこのような事実誤認、冤罪事件が起こったのか、警察としてはどのように分析をしておるのか、それから、法務省としてはこの問題についてどのように分析し、見ているのか、お尋ねをします。

桑田錬造警察庁交通局交通指導課長

○説明員(桑田錬造君) 先ほどの八王子家裁の件でございますけれども、私ども警察といたしましては、捜査の結果自信を持って家裁に送致したわけでございますけれども、新聞等で報道されましたように、その一部の者につきましてアリバイがあるというようなことで不処分または保護処分の取り消しの決定が行われたわけでございます。  このような結果になりましたことにつきましては、先ほど少年課長から申し上げましたとおり、捜査活動の成果を十分に審判に反映させることができなかったという点で反省をいたしておりますのと、アリバイ捜査の点につきまして若干徹底を欠いた面がなかったわけではないという点で反省をいたしておりまして、この事件を教訓といたしまして、今後の暴走族の適正な捜査の推進について指導してまいりたいと考えております。

松田昇法務省刑事局青少年課長

○説明員(松田昇君) 御指摘のありました暴走族関係の事件でございますが、先ほど警察庁からもお答えいたしましたように、東京地検としましては、本件の少年を道路交通法違反の共同危険行為の禁止違反ということで警察より身柄つきで送致を受けまして、十分な捜査を遂げました上で九月の二十一日に東京家庭裁判所に送致したものであります。その間の捜査の状況について私ども承知いたしておりますのは、一応全面的に被疑事実を認めているということでございました。共犯者その他関係者からも特段これに反するような供述がなされていなかったということであります。それに従いまして家庭裁判所に送りましたところで、後日になりましてああいう結果が出た、かようなところでございます。

佐藤昭夫日本共産党

○佐藤昭夫君 警察も法務署もとにかく子供の心にもういやしがたい、消すことのできない深い傷を与えた冤罪事件について全く反省もいまの時点でない、家庭裁判所の結論がいかにも不当だと言わんばかりのそういうことを私はきわめて心外に思うわけです。  なぜこういうことが起こったのか、これは警察における少年の取り調べに当たってきわめて人権を無視したいわば自白強要、誘導、ここへ持っていく非常にひどいやり方がやられたということを私は指摘せざるを得ないわけです。これは何も私が勝手に言っているんじゃない。かなりいろいろ公表されている文書がある、  一つは、これに限りませんが、二月の二十一日の毎日新聞にもどんなにひどい取り調べを受けたかということについてある少年がテープレコーダーをポケットに入れておった。これが公表され、自後これの援助に当たった弁護士が記者会見でもこのテープの発表をしているわけです。テレビでも放映をされた。  それから「週刊プレイボーイ」という雑誌がありますけれども、これの三月三日号にかなり詳しくテープでの記録をされた警察の取り調べ官と少年とのやりとり、一問一答がかなり詳しくこれのテープを起こして記録として載っている。  「判例タイムズ」という法律家専門の雑誌がありますけれども、四月一日号ナンバー四六〇、ここにもテープの記録が採録をされておるということで、その中のごく一部を紹介をしておくとすれば、たとえば少年をおどして無理やり自白へ持っていこうというやり方の一例として、おまえ留置場にほうり込むのは簡単なんだぞ。道場へ行こうかということで、そういう形で脅迫をして、結局自白を無理やり強いる。この自白が強制された自白ですから、後からそれがひっくり返るわけですけれども、鑑別所から少年院だぞ。逮捕状というのは簡単につくれるんだよ。逮捕されりゃあ、何年たったって一生不利だよとこう言ってみたり、運転した人は免許状の取り消しになるけれども、同乗者というのは大した罪じゃないのだ、簡単に認めい、そうしたら地検にも送るということにはならないのだから、簡単に認めておいた方が身のためだと、こういうことを言っておる。これがはっきりとテープに残っているわけであります。  あるいはまた、ある少年が弁護士にその後相談をする、その相談の模様の一部は、これまたさっき言いました「プレイボーイ」という雑誌の中で紹介をされておるわけですけれども、「私の頭を机の上にガンガンと十回ほどぶつけました。」「ノートで二十回ほど往復ビンタを受けました。」「若い警官が竹刀で私の体や体のまわりを何回も叩きました。」ずっと一時間以上正座させられて「足がしびれるばかりでなく全身に電気が走るような痛みを感じました。」等々、こういうことを弁護士に訴えているわけであります。  また、もう一つの方の事件、後の方の事件ですね、このひったくりと称する。これについて母親がその後弁護士にこんなひどいことなんですということで切々と訴えておるその話を私は弁護士から直接聞きましたけれども、保護者の立ち会いというのを全然認めてくれないということでありますし、この少年の場合、三日間事実上の逮捕に等しい状況ということで、午前八時から午後十一時までこの三日間いろいろとあれやこれやということで、おどし、誘導、あらゆる方法を使っての取り調べがやられる。晩の十二時近くまでやって家まで送ってきたら、家の前で朝までエンジン吹かせて車が待っておる、翌日まで。それから逮捕についてはついに後にも先にも警察からの正式の連絡はなかったと、こういうひどい状況だったということを、その弁護士の方に、母親が切々とこんなひどいことがあっていいのかということで訴えているわけであります。こういった問題について、警察は全くその担当の調べ官が調べたこういう事実についてあなた方は知らないというふうに言い張るのか、それから法務省はどのように把握をしておるのか、お尋ねします。

桑田錬造警察庁交通局交通指導課長

○説明員(桑田錬造君) 先ほどのテープの件につきましては、私ども警察の方ではこのテープについて実際に聞いた者はおらないわけでございまして、いつだれがどのようなかっこうでこのようなテープをとったかということについてはよくわからないわけでございます。ただ、テープの内容が報道されたということで、取り調べを担当いたしました者につきまして十分調査をいたしましたけれども、少なくとも暴行とか脅迫といったようなことは絶対ないという確信を持っているところでございます。  ただ、暴走族少年につきましては、違反歴があったり非行歴があったり逮捕歴があったりする少年もかなりおるわけでございますので、中には大変ふてくされるような態度をとる者もございますので、注意、叱責するというようなことはあったと思われます。

石瀬博警察庁刑事局保安部少年課長

○説明員(石瀬博君) 少年事件の取り扱いにつきましていろいろ御指摘があったわけでございますが、私どもの方では、問題になっております少年の再非行を防止しその健全な育成を期するという観点から、少年の特性をよく理解しながら取り調べ等を行っているということでございます。私ども部内的に犯罪捜査規範というようなものも定めておるわけでございますが、その中にも、少年の特性にかんがみ、特に他人の耳目に触れないようにし、取り調べの言動に注意する等、温情と理解を持って当たるというようなことで部内を指導いたしておるところでございます。  さて問題の、御指摘のありましたひったくり事件の問題でございますが、幾つかの御指摘があったわけでございますが、まず取り調べの時間につきまして十二月の二十二日から二十五日まで四日間取り調べておりますが、午後の十一時にわたりましたことは二回ございます。これは供述が二転三転いたしまして、その供述の裏づけに相当の時間を要したということで時間が若干遅くなったという点はございます。その他は午後の八時あるいは六時四十分に打ち切っております。  それから、取り調べが終わって自宅へ帰し、その後警察官が張り込みをしているんではないかという御指摘でございますが、非常に本人の容疑が濃厚になり、われわれとしては心証を深めていたわけでございますが、少年の事故防止とかあるいはまた所在が明らかでなくなっては困るという角度から捜査員が自宅周辺に張り込んでいたという事実はございます。  それから自白の強要その他につきましては全くございません。先ほどお話がございましたけれども、やはり最近の子供は非常に悪い子供がおりまして、本人の反省を求める意味からも警察は厳しい態度で供述を求めるということはございますけれども、自白の強要をしたというような事実はございません。本人の再非行を防止し、健全に立ち直らせる意味でも、時として厳しい言葉で本人の反省を求めるということは通常の取り調べの過程であることでございます。

佐藤昭夫日本共産党

○佐藤昭夫君 何か言うことありますか。

松田昇法務省刑事局青少年課長

○説明員(松田昇君) 委員御指摘のひったくりの事件でございますが、検察の事件の経過について御説明いたしておきたいと思います。  東京地検では、五十六年の十二月二十七日に本件の少年を連続ひったくりの窃盗ということで警察から身柄で送致を受けまして、これを勾留いたしまして捜査を遂げたわけでございます。そして翌一月の十四日に東京家庭裁判所に送致いたしております。この間、本件少年は同地検の検察官の取り調べに対しまして当初から全面的な自供の態度がありまして、それが継続いたしておりましたし、供述の内容にも特段の不自然さは認められなかった、こういうように私どもは承知しております。  以上でございます。

佐藤昭夫日本共産党

○佐藤昭夫君 私から改めて申すまでもないわけですけれども、少年に対する警察活動に関しては「少年警察活動要綱」というものが訓令として出されている。その第七条少年の処遇の基本について、第八条呼び出しの留意事項について、第九条面接上の留意事項についてということでそれぞれ定めておるわけですね。  若干引用いたしますと、第七条「少年の処遇の基本」、この中で少年の特性の理解 少年の心理、生理その他の特性に関する深い理解を持って当たらなくちゃならない。——いま何かちょっと言われていますけれども、文部大臣、文部省としては子供たちの、本当に児童憲章でも定めているように、未成年者なんですから、この子供をどう周りからの温かい援助で正しく育てていくか、こういうことでやっていく。特にだから私は文部大臣に聞いていただきたい。第七条でそういうふうに定めている。  それから第八条「呼び出し上の留意事項」ということで特に重要なのは、警察へ、呼び出すというときにはできる限りその用件を明らかにした書面をもって、保護者の納得を得て行うように努めなくちゃならぬと書いておるんですけれども、こういうことはやってないと。  それから第九条「面接上の留意事項」、ここのところで、面接時間は長過ぎないようにしなくちゃいかぬと。ところが、いま警察の方も確認をされておるように、そのうち二回は午後十一時までかかりました。だれが考えてみたって深夜にまで長い時間、事実上拘束をして調べをやっていたということは明白だということで、みずからが警察活動の指針としておる要綱、これらの条項に違反をする逸脱をする、そういうことをやっておるというのはこれは明白じゃないかというふうに思うんですけれども、どうですか、

石瀬博警察庁刑事局保安部少年課長

○説明員(石瀬博君) ただいま引用いたされました「少年警察活動要綱」七条、八条、九条、それらの規定を踏まえて処理されたものと考えております。

佐藤昭夫日本共産党

○佐藤昭夫君 そんな答弁をしたってそれでは通らないですよ。たとえば十一時まで身柄拘束して調べておったというのが、この警察活動要綱で定めておる長時間にわたってやったらだめだと、このことに逸脱をしてないと言うんですか、明らかに逸脱じゃないですか。

石瀬博警察庁刑事局保安部少年課長

○説明員(石瀬博君) 当該少年に対しましては任意で取り調べをしていたわけでございますが、この規定にもございますように、できる限り面接時間は長過ぎないようにすることということでございまして、当該少年の供述が二転三転しまして、その裏づけをとるためにどうしても必要な捜査をしなければいけないということで、事情やむを得ず午後の十一時までに至ったと、こういうことでございますので御了解いただきたいと思います。

佐藤昭夫日本共産党

○佐藤昭夫君 やむを得ずなったということと、そういうふうにしてはならないというふうに要綱で定めておることと明らかに違うじゃないですか。大人の場合には、事後弁護士がいろいろ弁護活動をすることができるという道が開かれている。ところが少年の場合にはそういうのがないということで特別の場合を除いては——この特別の場合というのはきのう最高裁にも来てもらって聞きますと、親子関係が非常に不正常で同席をしておったら真実を聞きとることがむずかしいというのが特別の場合、それ以外はこれは努めて保護者を同席をさせるというのが少年に対する警察活動のやり方の基本なんだと言っておるんですが、そういうことやってないじゃないですか。

石瀬博警察庁刑事局保安部少年課長

○説明員(石瀬博君) いまほど御指摘のありましたように、保護者につきましてはすべての取り調べに当たって同席させるというようなことはしておりません。家庭的にもいろいろと問題もございまして、そういった点を配慮してそういう措置がとられたものと考えております。

片山正英自由民主党

○委員長(片山正英君) ちょっと佐藤君にお願いしておきますが、予算を中心にしてひとつ御議論をしていただきますようにお願いします。

佐藤昭夫日本共産党

○佐藤昭夫君 ですから、まず最初に予算聞きましたよ。(「そんなことないよ」と呼ぶ者あり)いやいや、そんなことないよ。(「文部大臣まで、これだけ大ぜいの方に来てもらって……」と呼ぶ者あり)委員長の許可を得て発言しているんだから、黙りなさいよ、あなたは。

片山正英自由民主党

○委員長(片山正英君) 予算を中心にしてなるべくお願いいたします。

佐藤昭夫日本共産党

○佐藤昭夫君 私は、最高裁は予算委員会、決算委員会、法務委員会、これ以外は出席をしないという例になっておるということなんで、きのうあえて私の部屋へ最高裁の方に来ていただいていろいろ聞いた。それがさっき申し上げたように、この少年に対する取り調べのこの観点、これはさっき言いました親子関係が非常に悪いという、この場合を除いては保護者を同席をさせてやるというのが常だと、これが最高裁の見解だということをあしたの委員会で言ってもらっても結構ですと、ここまで聞いて実は私は質問をしておる。それをいかにも最高裁のその見解が誤りであるかのごとく、警察のとった態度の方がこれが正しいんだという態度のごとく言うあなたの答弁は、それはきわめて不遜ですよ。不遜だけじゃなくて、そういうやり方で実は子供たちの人権がいま次々とじゅうりんをされるような、踏みにしられるようなそういう遺憾な事件がたくさん起こっている。きょう挙げているのはただその全く二つの例だけなんですよ。  そこで、私は文部大臣に特にさっきも言いました、きょうここの文教委員会で取り上げたのは、文部省というのはいろんな教育行政、直接の学校教育の行政だけじゃない、社会教育ということも通して広く子供たちに対してのどういう豊かな施策を進めていくかと、具体的には児童憲章も一つのメルクマールにしながら子供の健やかな成長のための援助をどうやっていくかということについて責任を持っておるのが文部省であり文部大臣だと思うんです。ところがいま子供の人権をめぐってこういう問題が起こっておるということを、よく文部大臣として御認識を願いたいということと、こういうことに対しては深い注意を払って問題が改善をされていく方向での努力をしてもらう必要があるというふうに思うんです。ずっとこの間のやりとりお聞きになって、まず文部大臣の所感をお聞きしたい。

小川平二自由民主党文部大臣

○国務大臣(小川平二君) 一般に犯罪の捜査に際しまして人権を無視するような行為が行われる、きわめて好ましくないことだと存じておりまするし、ことに心身の発達が十分でありません青少年に対しましてはこの点について格段の配慮がなされることが望ましい、かように考えておりますが、ただいま警察の当局の説明を聞きますると、さような点において何ら欠けるところはなかったということでございます。したがいまして、この事件につきましては私がこの場で論評すべきことは何もないと存じておりますが、先ほど警察の当局からも言明がございましたように、今後もそういう点に十分配慮をして捜査の適正を期するということでございまするから、警察当局の今後に信頼をいたしておるわけでございます。

佐藤昭夫日本共産党

○佐藤昭夫君 文部大臣は警察活動についての直接の指揮監督権のそういう地位にはないわけです。ですから、そのことについて、きょう問題にしたこの事件、直接についての見解というよりも、前段で大臣が御答弁をなさった、子供の人権は大切にされなくちゃならぬし、それを守っていく方向での行政の運営に心がけていく必要があるという、そのとおりだと思うんです。  そこでもう一つお尋ねをしますけれども、いま政府のもとに青少年の非行対策の関係省庁連絡会議がつくられておりますね。こういう場も通しながらそういう子供の人権を守るための行政を一遍よく振り返りながら、それをどう一層具体的に強化をするか、そのために文部大臣としても閣僚の一員として一層の積極性を発揮していただきたいという、この点についてはどうでしょうか。

小川平二自由民主党文部大臣

○国務大臣(小川平二君) 青少年の健全育成という問題につきましては、関係省庁の連絡会議もあることでございまするから、文部省といたしましては、この問題に対処いたしまする文部省の態度、また関係省庁に要望すべき事柄につきましては絶えずこれは申し上げておる次第でございます。  ただ、今回の事件につきましては、私として特に捜査の段階で自白を強要する等人権無視の行為があったと断定するわけにはまいりませんから、この事件を引用いたしまして人権尊重の必要なるゆえんを強調するというつもりは格別持っておりません。

佐藤昭夫日本共産党

○佐藤昭夫君 最後に警察庁に聞いておきますけれども、私は二つの事例を本日提起をいたしました。一定の答弁はこの席上でやられておりますけれども、果たして子供の人権侵害にわたるようなことがなかったのかという問題について、もう一遍実情を調査をしてもらいたいということを要求しますが、どうですか。

石瀬博警察庁刑事局保安部少年課長

○説明員(石瀬博君) 御指摘のありました二つの事件はすでに家庭裁判所で不処分の決定を受けておるわけでございまして、これにつきましては現在の少年法のもとでは争い得る道というものはない、事件としてはもう終結しているという感じでございます。したがいまして、この点につきまして格別掘り下げて根掘り葉掘りするようなことは差し控えたいというふうに考えております。

佐藤昭夫日本共産党

○佐藤昭夫君 警察が行った処分が妥当であったかどうかという、ここの問題についてはもうすでに家庭裁判所で結論が出ておるわけです。だからそのことについて処分の妥当性云々という、これの調査、検討をやれということを私は言っているんじゃない。この問題についての警察の調査、取り調べ、いわゆる警察活動、ここをめぐって子供の人権じゅうりんという問題がなかったか、あったんじゃないかということを私は提起した。これについてもう一遍よく状況を調べ、整理をしてみるということをやってもらいたい。

石瀬博警察庁刑事局保安部少年課長

○説明員(石瀬博君) 先ほど交通指導課長からも答弁がありましたように、私どもの捜査の結果が必ずしも家庭裁判所の審判に適切に反映されなかったという点で、非常に残念に思っておるわけでございますが、それとは別にいたしまして、この事件の二つの処理の過程で人権侵犯その他の問題があったというふうには考えておりません。したがいまして、この二つの事件につきまして、そういった角度から調べ直すというふうな考えは持っておりません。

佐藤昭夫日本共産党

○佐藤昭夫君 あなたがそういうかたくなな態度を続けるんであれば、それはもう別途の方法で、別途の場で責任者に対して改めて私のこの要求を主張いたしましょう。そうせざるを得ないんだけれども、そういう状況を続けておるということはあなた方が定めているいろんな要綱や規範、これにも反しておるということをひとつ重ねて言っておきますから、銘記しておいてください。  それでは次の問題へ移りますが、大学夜間部の問題で幾つか質問をいたしたいと思います。  文部省はかねて、この生涯教育ということを強調をして、昨年十月、生涯教育の観点に立った文教行政というものをまとめ、学校教育、社会教育、家庭教育とも連携をし、総合的、効果的に生涯教育を進めていくというふうに発表をしているわけでありますが、こうした角度から、かねてから放送大学を生涯教育の中核的な高等教育機関として位置づけてきたところであります。しかし同時に、この生涯教育という場合、働きながら学ぼうとする国民にとって、国公私立を問わず、大学の第二部、大学の夜間部、これは大きな歴史的役割りを果たしてきたし、いまも果たしているということは明瞭だと思います。  本日新聞にも報道されておりますように、昨日の臨調の部会で高等教育の改革案を打ち出し、国立大学の学部、学科の新増設の抑制、私学助成の総額抑制、受益者負担原則の強化ということを打ち出しておるわけでありますが、また、これと呼応して、今日までも自由民主党を中心に量から質へという思想のもとに、私立大学の学部、学科の新増設を抑制する動きが強まっているわけであります。しかし、こうしたことのために国公私立の大学夜間部が最も犠牲を受けるということになるとすれば、事は重大だと思うんです。  そうした点で、文部大臣にまずお尋ねをいたしたいと思いますけれども、大学教育への国民の門戸を一層広げていく、こういう角度から生涯教育の政策において、むしろ国公私立大学の夜間部は一層拡充の方向を目指すべきではないかというふうに私は思うんですが、大臣の見解をまずお尋ねしておきます。

小川平二自由民主党文部大臣

○国務大臣(小川平二君) 近年、生活実態の変化等に起因いたしまして、夜間部に入学する者の数が漸減してきております。漸次減ってきておるということは事実でございます。五十二年度以降について見ますると、一部の私立短大で学科を改組して夜間部を縮小した例もございます。ただし文部省といたしましては、学部あるいは学科を新設する見返りに夜間部を廃止すべしというような指導は決してやっておりません。仰せのように生涯教育という観点からいたしましても、夜間部が果たしてまいりました役割り、今後も果たすに違いない役割りというのは非常に大事なことと考えておりまするので、いま申し上げましたように、そのような指導は全くやっておらないわけでございます。  国立大学につきましては、夜間部の入学定員の増員を行ってきております。私立大学につきましてはその設置等の認可は抑制しているわけでございますが、特に勤労者を対象とする夜間部等必要性の強いものについてはこの設置を認めておる、これが文部省の現にとっております方針でございます。

佐藤昭夫日本共産党

○佐藤昭夫君 いま、大臣の基本的見解を伺ったわけでありますが、実はこれ予算委員会に提出をされておる文部省の資料でありますが、確かに国立大学の夜間部を設置しておる学校数、それから学生数、これはここ十年ほど振り返ってみても確かにふえてきておる。ところが公立は大体横ばいで、私立がたとえば昭和四十七年と昭和五十六年、この十年間の推移を比較をしてみますと、昭和四十七年には私立の大学夜間部は百六学部、十二万二千六十五人、これが五十六年になりますと四十八校一百一学部、十万六千六百三十人、結局正学部マイナス、一万五千四百三十五人マイナスということで、私学については夜間部は顕著にやっぱりずうっと減ってきておるという数字が疑うべくもない数字として出てきているわけですね。こうしたことで、なぜ一つは減ってきているのか。これは文部省の方針として意図的に減らしてきたのか、いやそうじゃない、別の理由で減ってきたのか、この点についてはどうでしょう。

宮地貫一文部省大学局長

○政府委員(宮地貫一君) 先ほど大臣からも御答弁申し上げましたように、基本的には、勤労青年に対する教育の機会を与えるというような点で重要な役割りを果たしております夜間部については、特に国立については、その入学定員をふやすという方向で努力をしてきておるわけでございます。  私立大学につきまして御指摘がございましたが、私立大学についても一般論としましては、近年基本的には私学の質的な充実を図って、量的な拡大は抑制をするという対応はいたしておりますけれども、先ほども大臣からも申し上げましたように、大学設置審議会で決めております設置等に関する取り扱い方針におきましても、たとえば勤労者等を対象とする夜間学部、通信教育等については、必要性のあるものについては認めるという方向で対応しているわけでございまして、文部省がそういう形で、私立大学の夜間学部、二部等について、指導して減らしてきているという事実はないわけでございます。ただ、社会全体の風潮と申しますか、生活実態の変化というようなこともございまして、比較的夜間部へ参る学生が少なくなって、昼間の学部を希望する者がふえてきたというのは実態としてあります。  したがって、全体の夜間の入学者の実数としては、最近漸減する傾向にあるということは言えるわけでございます。恐らく具体的な、御指摘のような私立大学の学部数が減ってきている実態は、いわばそういう社会的な変化に対応して、個々の私学において二部の募集をやめるケースは実際問題としては出てきている、そういう対応をしてきたもの、その結果によるものと思われます。

佐藤昭夫日本共産党

○佐藤昭夫君 文部省の方針として、私立の夜間部がずっと減ってきているということではないということでありますが、それで先ほどの冒頭の大臣の御答弁で、まだ私が聞いてもいないところまでお答えになったわけでありますけれども、どっかの大学において新しい科を増設をする、それと引きかえに夜間部を縮小ないしは廃止をする、そんなようなことをさらさら文部省としては考えておるものではありませんというふうに言われた。そういうことであればそれはそれでよいということで確認をした上でお尋ねをするんですけれども、実は私、私立の工学院大学、ここの夜間部において情報工学コースを情報工学科、コースを科に昇格をさせるということが学内で議論をされておるわけですけれども、それの学園将来計画大綱案というものを私入手をしているんですが、その中でこの情報工学コースを情報工学科に昇格をさせようと思うと、第二部、いわゆる夜間部は「文部省の行政指導によって募集停止せざるを得ない。」というふうに書いておるわけです。これが事実とすれば、大臣が冒頭に言われておる実際に個別の大学で進められておることとは違うわけでありますから、いま言ったような文部省の行政指導によってそうせざるを得ないということで工学院大学でこういうものが議論をされておる、このことを御承知かと、そういうことはあり得るのかあり得ないのか、この点をお答え願いたい、

宮地貫一文部省大学局長

○政府委員(宮地貫一君) 具体的には、一般的な方針としては先ほど大臣から御答弁申し上げたとおりでございまして、文部省としてはそういう方針はとっていないということでございます。  御指摘の工学院大学の問題について、工学院大学は新宿にある大学ですが、ただいま移転の議論が出ているという事情は大学の関係者からも話は伺っております。しかしながら、工学院大学に対して具体的に私どもそういう行政指導をしているという事実はございません。

佐藤昭夫日本共産党

○佐藤昭夫君 いずれにしましても、大学の夜間部というのが置かれておる今日の位置というのは、社会的使命としては非常に大きなものがありながら、しかし十分それが援助をされ、育成をされていくべき行政上の施策というのは現状は必ずしも十分じゃないということで、たとえば私学助成という問題をとらえましても、昼間部に対して、夜間部に対しての一層の特別助成を強化する、その問題について文部省としてはどう考えておるか。  それから、働きつつ学ぶ、そういう学生を援助していくという点で、奨学金の配分についてもそういう勤労学生に対する助成という点の強化をどう図っていくのか。  それから、いわゆる就職差別ですね。夜間部であるがゆえに十分な力を持っていてもなかなかいいところへ就職がしにくいという、こういう問題を打開をするために、あるいは働きつつ学ぶという上での自治体や企業の側の労働時間の面なんかでの協力体制あるいは勤労者所得控除、この引き上げは文部省だけでできることではありませんけれども、こういう問題について大蔵省とどう協力体制をつくっていくか、こういう点について大学夜間部の一層の拡充強化と働きつつ学ぶ学生の援助の体制をどう強めていくか、こういった点で幾つか課題を挙げてみたんですけれども、文部省としてどういう強化策を考えておるか、最後にお尋ねをしたいと思います。

柳川覺治文部省管理局長

○政府委員(柳川覺治君) 私立大学の夜間学部に対します経常費補助でございますが、夜間学部が勤労者に勉学の機会を保障していることに注目いたしまして、すでに昭和五十年度以降特別補助の措置を行っております。学生経費につきまして二五%の増額措置を特別補助として行っておるわけでございまして、ちなみに昭和五十六年度は百七校に対しまして約六億一千万円の特別補助を講じて、このことによりまして夜間学部に対する勤労学生の勉学の推進に資しておるということでございます。

宮地貫一文部省大学局長

○政府委員(宮地貫一君) 勤労学生に対する施策としては、もちろん先ほど来御指摘の国立大学等について入学定員をふやすというようなことで対応もいたしているわけでございますが、ほかに勤労学生の所得控除の問題にいたしましても、私ども文部省としては大蔵省にも働きかけをいたしておるところでございますが、本年度の税制改正ではそれが実現を見なかったという点はまことに遺憾でございますが、今後とも勤労学生の立場に立った施策を全般的に進めていくことは必要であろうか、かように考えております、  なお、先ほどの工学院の問題について若干補足をして申し上げますと、これは一般例でございますが、都内の大学については校地面積が基準から不足をしているというケースが多い場合がございまして、移転に際してあるいは新たに学部なり学科を増設するという場合に、既存の学部、学科についても設置基準を満たしているということが必要になってくるわけでございまして、そういう基準の面からいろいろ議論が出ているということは承知をいたしている点でございます。

佐藤昭夫日本共産党

○佐藤昭夫君 ちょっと答弁漏れ、就職差別に対する対策。

宮地貫一文部省大学局長

○政府委員(宮地貫一君) 就職の問題につきましても通知を出しまして差別の行われることのないように十分指導徹底を図っているところでございます、     —————————————

片山正英自由民主党

○委員長(片山正英君) この際、委員の異動について御報告いたします。  本日、宮之原貞光君が委員を辞任され、その補欠として松本英一君が選任されました。     —————————————

小西博行民社党・国民連合

○小西博行君 まず冒頭に教育費の問題について質問をさせていただきたいというふうに考えます。  国内の教育につきましては、社会的なニーズといいますか、あるいは父母のニーズといいますか、大変進学率も上がっておりますし、しかも学校も量的な拡大が図られております。そういう意味では、私は、この文教行政もある意味ではずいぶん進んでいるんじゃないかという評価もできないわけでありませんけれども、しかし、現実問題といたしまして教育費の高騰というのが大きな問題になっているような感じがしてならないわけであります。  そういった意味で何とかしてこの教育費の負担を下げたいというような観点から幾つか質問させていただきたいと思います。  これは大臣でも事務局でも結構でございますけれども、いま教育費に大体どのくらい一般の家庭で支出されているか、その辺のデータをどの程度つかんでおられるのか、それからまずお伺いいたします。

宮野禮一文部大臣官房審議官

○政府委員(宮野禮一君) 私どもの方で毎年度父兄が支出した教育費という調査を実施しておりますが、それの新しい昭和五十五年度の調査結果によりますと、いろいろな費目があるわけでございますけれども、学校教育費について取り上げますと、公立小学校の場合、子供一人当たり年額七万四千四十五円、それから中学校生徒の場合には一人当たり年額十万八千三百円、公立の高等学校は、全日制の場合でございますが、一人当たり十六万六千九百円でございます。これは年額でございます。  それで、先生も御心配のように、毎年これが少しずつ上がっているわけでございますけれども、前年度と比較しますと、小学校の場合四・三%、中学校の場合五・一%、高等学校の場合八・九%の上昇となっていまして、これを家計と照らし合わせてどうかというお話でございますが、便宜消費者物価指数の伸びに比べますと、五十五年の場合は前年に比べて八・〇%の伸びでございますから、大体消費者物価指数に比べればやや低目でございます。この数年間を見ましても、大体、特に高くなっているというふうな傾向はないように承知しております。

小西博行民社党・国民連合

○小西博行君 教育費を見る場合には、大変複雑な要因があると私は思います。平均で見るというのは、これは多少問題があるんじゃないかというふうに考えます。たとえば、私立の幼稚園から私立小学校、中学校、高等学校、あるいは大学、こういうふうに私立ばっかりをずっと通して行かれる方、あるいは公立ばっかりで大学まで出られる方、あるいは同じように国公立てあっても、その中でのいろいろ教育費以外の、たとえば下宿だとかなんとかというような問題がありますから一概に判定が非常にしにくいと思うんですね。そういう意味で私はデータとしては東海銀行のデータをとって、いろいろこれかなり詳しくアンケート調査を「子どもの教育費」というので出しております。  これを見てみますと、先ほど私が申し上げましたように、公立てずっと幼稚園から高等学校まで行った場合に百三十二万八千円というような数字が出ております。そして大学の場合は国立、これは多分平均ということで出したと思うんですが、三百五十万円、これ四年間で三百五十万円という数字だと思います。合わせてみますと四百八十二万八千円。これは恐らくごく最近のデータをいろいろ調べてみましてもかなり安い数字になっております。つまり、小学校の場合というのは、もうずいぶんこれは昔のデータかもわからないというようなこともあるんでしょう。現実はもう少し金額的には負担が大きくなっているんじゃないか。私立の方をずっと行きますと、これまた最後のトータルが千百六十二万六千円、こういうふうになっておりまして、この数字もばらつきがありますから、本当に単なる平均という形で出したように考えますので、いずれにしたって五百万から一千二百万。これ平均ですから、さらに高いところ、特に医者の部門、医学部なんかになりますと、これはもうとんでもない数字になると思うんですが、いずれにしましても大変大きな数字じゃないかなあというような感じがしておるんですが、この点については大臣の所感はどうなんでしょうか、お伺いしたいと思います。非常に高価になっている、教育費が高いというこの実際のデータなんですけれども、それに対してどういうふうにお考えでしょうか。

小川平二自由民主党文部大臣

○国務大臣(小川平二君) 教育費が年々上昇を続けて今日に至っておりますことは否定できない事実でございますが、なおかつ消費者物価の上昇と比較いたしまするとやや低目という現状であろうと存じます。  それにいたしましても、教育費の負担軽減ということは非常に大事な問題でございまするから、そのための各種の施策も今日まで講じておるような次第でございます。私学の文教費に対する助成もそうでございまするし、所得の特別低い階層に対してはこれに対応する配慮もいたしておる、かような現状でございます。

小西博行民社党・国民連合

○小西博行君 さらにもう少し詳しいデータがありますのでちょっと発表させていただきたいと思いますが、教育費を一般に言う場合には、学校教育費それから家庭教育費、こういう二つの項目に分かれておりますね。ここにありますデータは、幼稚園から高等学校まで公立と私立というふうに非常に細かく分けております。  それを見てみますと、幼稚園の場合ですと、トータルで、公立の場合が年間大体十一万ぐらいですね。私立の場合が十九万五千円ぐらい。小学校の場合は、これ残念ながら公立だけしかないんですが、大体十五万二千円ぐらい。中学校になりますとこれが大変差が出てきまして、公立が十六万四千円ぐらい、私立の場合が四十九万七千円、高等学校になりますと二十万と大体四十万、このように私立の方が金額が大変大きくなっておりますね。二倍、三倍というような数字になっている場合もあるわけですね。  しかも、その中で私は非常に驚いたのは、つまり学校教育費——これは学校にかかるいろんな教育費用ですね。これに対して家庭教育費という割合が中学校になりますともう極端に、たとえば学校教育に対しまして大体五倍ぐらいの勢いでもって伸びている。たとえば中学校の公立の場合は大体五倍になっておりますね。それから、私立の場合は少し家庭教育費の方が多くなっている。つまり塾だとかなんとか、そういうような、あるいは家庭教師とか、あるいは別に参考書を買うとか、そういうようなものがすべてこれに入っているんじゃないかなという判断をしたわけです。高等学校の場合でもそういう現象が見られますね。つまり、学校の中だけでの勉強ではどうも追いつけないといいますか、落ちこぼれになるんじゃないかということで、それ以外のところへずいぶん投資をしていらっしゃる、そういう数字が私は出ているんじゃないかと思いますね。  そういう意味で、これから先、教育費の問題を考える場合に、その点も十分勘案した上でないと問題が起きるんじゃないか。  家庭教育費の塾その他の問題につきましてはまた後ほど質問させていただきたいと思いますので、この程度でいまの問題は終わりたいと思うんですが、こういう教育費——教育費という単なる言葉で言っても、実は内部を細かく分析すればするほどかなり明確な答えが出てくる。対策もそれによって立てられるんじゃないか、そのように感じるわけですが、この点についてはどういう対策、具体的な方法、これをお考えか、お答え願いたいと思います。——感じでも結構ですよ。

宮野禮一文部大臣官房審議官

○政府委員(宮野禮一君) いま先生のお話の中に、学校——私、先ほど答弁いたしましたのは、学校教育費といいまして、学校教育に直接間接に要する経費について私どもが調査しているところを申し上げさせていただきました。そのほかにも、たとえば壁とか家庭教師のよう。に、先生のおっしゃるように、いろいろな経費が現実には各家庭で支出されているのは御承知のとおりでございます。  私どもの方でも、ただいま家庭教育費につきましてもなかなか把握しがたいところであろうかと存じますけれども、一応調査させていただいております。その数字につきましては、先ほど先生のおっしゃいました東海銀行の数字とはちょっと違うかと存じますが、これも年々少しずつ上がりまして、学校教育費の伸びに比べますれば、家庭教育費の伸びは若干上回って伸びていることは事実でございますけれども、先生のおっしゃるほど私どもの調査では高額になっておりません。  中学校のお話が出ましたので申し上げますと、私どもの五十五年度の調査では学校教育費が中学校の場合十万八千円という金額がかかっておるわけです。それに対しまして家庭教育費は、公立中学校の生徒につきましては五万六千円かかっている。これはその前の年に比べますと、先ほど申し上げました消費者物価指数八・〇%を上回る九・六%の伸びになっておりまして、家庭においてお子さんの教育のために親御さんがいろいろ御心配になってこういうことをおやりになっているんだと思いますが、この家庭教育費は、先生のおっしゃいましたように、壁とか、あるいは家庭教師とか、あるいはおけいこごとみたいなものすべてを含んだ調査でございます。それはそれぞれの家庭なり子供なりの状況に応じまして、学校教育以外でやりたいこと、あるいはやらせたいことをやっているものでございますから、一概に文部省の方でこれを直にどうすべきかということはなかなかお答えしにくいんじゃないかと思います。

小西博行民社党・国民連合

○小西博行君 先ほどの数字、私の方が間違えましたから。ただ、申し上げたいのは、公立私立の比較という面で、ずいぶん全体の教育費というふうに考えると二倍、三倍になっていると、そういうふうに御理解願いたいと思うんです。  そこで、やっぱり家計に占める割合となりますと、学校だけじゃなくて、実際の、塾に行かさなきゃいかぬというニーズがやっぱりそこに私あると思うんで、教育費全体を考えてみるのも一つの方策じゃないか、そのように思うんです。そういう面でいきますと、これ五十一年から五十五年までの消費者物価指数と教育費という対比をずっとこうとっておるんですね。一番ひどいのはやっぱり五十一年ですね。五十一年というのは消費者物価指数は九・三%に対して、教育費は二三・二と一番教育費が上がっている年度になると思います。五十五年度は八・〇に対して一二・五%、こういう数字になっております。これはもう先ほど申されたとおりだと思いますが、一般の教育費、つまり塾その他も全部入れてこういうふうな数字になるんじゃないか、このように私も判断しているわけです。  次に移りたいと思いますが、教育費の国民一人当たりの個人の消費支出に占める割合というのがあるんですね、こういうデータがあります。それを見てみますと、大変、これも幼稚園あたりでは、大体公立て九%、私立て一六・三%ということになっているんですが、——中学もそうですね、中学の私立というのは四一。五%、個人の消費の中でそれだけたくさん教育に金をかけているというデータが出ております。大学で、特に私立になりますと五八・八%、このように私はこれ恐らく現実にそうじゃないかというふうに考えます。小学校、中学枝というのは私は余りわからないのですが、大学の学生は、実際の生活、月謝を含めて月に十万あるいは十一、二万ぐらいかかっているというのは現実に見ておりますから、一人の学生を家庭から送り出すというのは、まあ大変なことだと。地元の国立大学であればそうでもありませんが、私立てしかも遠方へやる場合には恐らく相当たくさんの金をつぎ込むんじゃないか。五八・八%という、大変大きな数字になっております。したがって、二人行かせますともうほとんど給料がなくなってしまうというのが現実に——恐らく皆さん方の子供さんもそういう場合があると思いますので、コーヒー一杯飲めないということが現実問題として私はあるような気がしてならないわけです。  そのように数字で一つ一つ追っかけてみますと、大変教育費というのは意外にお金がかかるんだなと。それでもなお、親は子供のために何としても学校へ行かせたい、その辺が一つの大きな私は問題につながってくると思うんです、これはまあ塾の問題も含めて、後ほどまた触れてみたいというふうに思います。  もう一点ですが、これお答えしていただきたいんですが、教育費、特に学校教育費ですね、先ほども申されました学校に必要な教育費、これは所得の大小にかかわらず必ず一定にかかるものだというように私、考えるわけですね。そういう意味では何かこれを給与の所得控除の対象として考えられぬものだろうかな、そういうことで、きょう大蔵省の方にもちょっと来ていただいたんですが、多分だめだろうというような話になるかもわかりませんけれども、あわせて文部省の所見と大蔵省の考え方もお聞きしたいというように思います。

小川平二自由民主党文部大臣

○国務大臣(小川平二君) 御発言の御趣旨は、私も十分理解をいたしておるつもりでございまするし、このことが実現いたしますことを強く期待もいたしておるわけでございます。政府といたしましても、かつて十数年という非常に長い間にわたって、繰り返し繰り返しこの問題を提起して大蔵省と折衝もいたしたわけでございますが、税の問題を論議いたしまする場合に、何よりも税の公平の原則というものに突き当たるわけでございまして、かような観点から幾つかの問題点が出ておるわけでございます。所得が免税点以下であって、税金を全く払っていない人との間に公平を失することになりはしないか、あるいはまた義務教育を終えただけで社会に出て働いておる勤労者との間にもそのような問題が出てくるんじゃなかろうか、いろいろな問題点が出てくるわけでございまして、ただ制度の趣旨を大きな声で説明をしただけではなかなかこの壁を乗り越えることができないという問題もございます。懸命に努力をいたしたわけでございますが、なかなか目的が達成できない。加えて最近のこの財政事情でございます。昭和五十六年度ベースの一つの試算でございますが、教育費を所得控除いたします場合に、国税、地方税を合わせておよそ四千億の減税という結果にならざるを得ない。さようなわけで、御趣旨は十分理解をいたしておりまするし、私もこのことを切望いたしておりますが、当面、この問題を持ち出して大蔵省と談判をするということが率直に申しまして、どうも現実的な提案にはなり得ない、このような考え方を持っておるわけでございます。

滝島義光大蔵省主税局税制第一課長

○説明員(滝島義光君) お答えいたします。  小川大臣は、税制についても大権威でいらっしゃいまして、いまお答えの中にポイントはすべて尽きていると思います。したがいまして、私から追加して申し上げることはないんでございますが、一、二申し上げさせていただきますと、本件につきましては、政府の税制調査会でも何度も議論をされました。最近の代表的な答申といたしまして、五十五年の十一月の七日に、いわゆる中期答申と申しまして、中長期的に見た税制のあり方を示された答申でございますが、その中にこういう記述がございます。「教育費控除、豪雪控除等の新規控除創設の要望があるが、そもそも納税者の個別的事情を税制においてしん酌するにはおのずから限界があると認められるので、税制をいたずらに複雑にすることを避ける見地からも、これらの新規控除の創設は適当でないと考える。」ということでございます。ただ、昭和四十九年の税制改正におきまして、小西先生の御指摘のような教育費負担に対する配慮を何らかの形で税制面でもすることができないかという観点から、それまで基礎控除と配偶者控除に比べて扶養控除の額は減らされていたわけですが、それを同額にするという改正が行われました。この辺は実質的には教育費負担に対する配慮が払われたものだということができようかと思います。  それから、これはやや脱線するかと思いますが、わが国の所得税の累進構造は、御承知のように大変きつくなっております。それで、名目的には七百万円とか八百万円とか、わりあい高い所得を得ておられる方々、これらの方々が実際にはお子さんを学校にやられるということで相当苦しい生活をなさる、その辺の累進税率というのがかなり急になっているわけです。減税問題、いま盛んに論議されておりますが、財源問題がネックになっております。将来この財源問題が何らかの形で解決された場合には、これは個人的見解にわたって恐縮でございますが、その辺のことも考慮して税率構造のあり方を考えなければいけないんじゃないか、そういうふうに考えております。

小西博行民社党・国民連合

○小西博行君 確かに、きょうは幸いにも大蔵省が出てきていただいておりますので、大臣、きのうも乱そういうことを話したんですが、確かに理論武装をぴちっとやって、教育というのはこれだけ大事なんだという、社会のニーズもこれだけあるんだという、何か前向きなものを先取りしていかないと、どうも文部行政というのは守りばっかりで、大蔵省のところへ持っていったらけ散らされるというような感じが私は出ているんじゃないかと。だから、この四十九年度の税制改正要望事項案というのもこう出ていまして——そしてこういう種類のものは毎年ずっと出しておられるんでしょうかね、その以後は具体的にこういうものはないんでしょうかね。これ、どちらに聞いたら——文部省。

加戸守行文部省大臣官房総務課長

○説明員(加戸守行君) 教育費の所得控除につきましては、昭和三十九年度から要望申し上げまして、昭和五十二年まで十四年間連続して要望いたしております。

小西博行民社党・国民連合

○小西博行君 五十二年まで。その後はなぜやらないの。

加戸守行文部省大臣官房総務課長

○説明員(加戸守行君) 先ほど大臣からもお答え申し上げましたような諸種の問題もございまして、壁が厚かったということでございまして、昭和五十三年度以降におきましては、私学助成その他諸種の施策を反映させることによりまして父兄負担の軽減に資するという施策をとるという観点から、五十三年度以降の教育費に関します所得控除要望は行っていないという状況でございます。

小西博行民社党・国民連合

○小西博行君 いずれにしましても、教育費というのが比較的楽に父兄が負担できるような形にしてあげると非常に助かると思うんですよ。何も遊びで子供さんを大学へ、やらないよりやった方がいいからというものではなくて、案外、父兄の方に会ってみますと、もう子供にかけるんだと。言葉は悪いんだけれども、おやじはもうだめなんだから子供にかけるんだと、何かそういうような非常に悲壮感を持って当たってこられます。私自身が大学にいたものですからよくわかるんですが、何としても大学へ行かせたいというような要望があるんですね。そうなりますと、どうしても月謝なりあるいは生活費なり、そういうものをやっぱり送ってやらなきゃいかぬという問題がありますね。  そこで、実際の奨学金なんかをずっと調べてみましても、国立、これ申請が大体四一・三%ぐらいなんだけれども、受給者というのは三四・一%。大体一〇%弱ぐらい減っておりますね。実際もらう人はそれだけ少ないというわけでしょう。それから、公立になりますと三五が二八・六と、私立になりますと一九・七が一六・三と、このように本当に一部の人しか奨学金がもらえないという実態ですね。これが一つだと思います。  それから、いろいろ金が足らぬものですからアルバイトなんか一生懸命やるんですけれども、どういうアルバイトをやっているというように大臣ちょっとお考えでしょうか。われわれ学生時代のアルバイトというのはすぐわかるんですけれども、最近のアルバイトというのは、職種で言ったらどういうものでアルバイトやっていると思いますか。これちょっと突然ですから申しわけないんだけれども。

小川平二自由民主党文部大臣

○国務大臣(小川平二君) まあ社会の状況、経済構造も変わってきておりまするから、青少年のアルバイトの場としていろんな新しい職場が出てきておるに違いない、とんでもない職場もあるんだと存じますが、遺憾ながら具体例については余り承知をいたしておらないわけでございます。

小西博行民社党・国民連合

○小西博行君 これ分け方がちょっと大ざっぱなんですが、軽労働というのが五〇%ですね。だからちょっとして働くやつですね。道路の白線引くのも軽労働に入ると思うんですが、そういう種類のものが五〇%。われわれが中心に音やりました家庭教師というのが二七%という数字が出ています。これはもちろん学校によっても地域によっても違うと思いますが、平均で大体家庭教師が二七%ということですね。ちょっと私も意外に思ったんです。家庭教師の方がもっと多いんじゃないかと思ったら、いまの社会の反映か何か知りませんが、軽労働が非常に多いというような結果が出ておりますので、御認識を願いたいと思います。  それから家庭からの仕送り、これが大体七六%という数字が出てますね、自分で生活する場合の大体七六%は家庭からの仕送りで賄っていると。あと残りは、アルバイト、これが二〇%、奨学金が一〇%。そういう状態でありますから、何としてもやっぱり家庭からの仕送りに期待しなければ学校は行けないし、卒業できないという、そういう実態が出ているというように思います。その金額は、大体年間八十三万円という形で出ております。  そこで、これもう少しずっと突き詰めていきますと、いまの国公私立の一流校と言われるもの、こういう言葉というのよくないかもしれませんが、「一流校へ行くためには」というのがありまして、これ後で塾の中で詳しく出てまいりますけれども、いわゆる父兄の収入、いわゆるPTAに当たる人の収入の金額、この金額の大小というのが大変影響しているという結果が出ているんですね。つまり、一流の大学へ行くためには相当年収の金額の多いところから行かれていると。たとえば、特に東大なんというのは相当金持ちじゃないと行けないという実際のデータが出ている。そういう問題もあわせて出ておりますので、どうもこれからの教育というのはある程度やっぱりおやじさんの収入がよくないとなかなかいい学校へは行けないというのが通説になりつつあるんじゃないか、そういう心配いたしまして、何とか——これ大蔵省、大臣によく言っておいてください。これ教育減税という、過去のいろんないきさつがあってなかなか、公平の原則からいってもできないんだと言うんですけれども、現実にこれから先の日本のためにはということでもう大上段に振りかぶって、これは科学技術もそういうふうにうたっております。すばらしい人間、独創性のあるという、こういうことをうたっておりますので、ぜひとも何かの方法をとってあげないと優秀な子供さんであってもいい学校へは行かれないような、そういう状態になっているんじゃないかな、そういう感じがいたします。  この教育費の問題、もっともっとやりたいんですけれども、このぐらいで次に進んでいきたいというように考えます。  次は塾の問題です。塾の問題ですが、最近は壁あるいは専修学校とかあるいは各種学校、こういうような学校が物すごい数あるわけですね。これはもう大臣も大体その数字は御理解されていると思うんですけれども、専修学校が大体二千五百二十校、各種学校は五千三百三校と、物すごい数の学校がありますね。塾なんというのはもうさっぱりデータもわからないです。たとえば三人、四人教えている場合もありますからね。家庭教師となると、これもうさっぱりわからないというふうにいろんな学校ができておりますね。そういうような実態について大臣はどのようにお考えになっておるのか。一般の小学校、中学校、高等学校、大学じゃないんだから別におれ関係ないというように表現されるのか、あるいは何かほかに考え方を持っておられるのか、それをまずお聞きしたいと思います。

小川平二自由民主党文部大臣

○国務大臣(小川平二君) 日本という国が子供の教育ということにとりわけ熱心な数少ない国の一つだと承知いたしております。そこで、所得の水準も高まっておりまするし、それに伴って家計の余裕が出てくる、また生活水準が上昇するのに伴いましていろいろな情報あるいは文化的な事象に対する関心もまた高まってきていると、これが今日の実情であろうと思っております。こういうことが相まって、子供にいろいろけいこ事をやらせたい、あるいは学習塾へ通わせたい、この結果、塾等がふえてきておるのではなかろうか。特に塾につきましては、人生の比較的早い時期に獲得をした学歴というものを非常に高く評価するいわゆる学歴偏重の傾向、このような風潮というものが大いに影響しておると思うのでございます。国民が能力に応じて適切な教育を受ける機会を等しく与えなければならない、いわゆる機会均等を維持するということは非常に大事でございますので、文部省としては、入学試験の改善、あるいは学校での学習指導、進路指導を充実させる、あるいは教員の資質を向上する、このような各種の施策を講じまして、父兄から信頼されるような公教育の充実ということを図ってまいるつもりでございます。

小西博行民社党・国民連合

○小西博行君 大臣、塾は好ましいというふうにお考えでしょうか。いまの入学試験の問題とかなんとかというのがありますね。私は塾はもうどうしても必要だから塾へ行っているんじゃないかというふうに理解しているんですよ。つまり本来ならば学校で十分に勉強して、そうしてちゃんと学校へ進学していくというのが私はあたりまえだと思うんですが、これ、もうデータを見て私びっくりしたんですけれども、これは恐らくもっとパーセンテージ高いんじゃないかと思うんですが、小学生が大体三一%、中学生が五三%、高校生は一三・七%、こういう数字が出ておりますね、金額も全部出ておりますけれども。そのように、特に中学生が非常に塾へ通っている、それは塾に行かないとやっぱりいい高等学校へ入れないし、将来いい大学へ入れないという心配があるからじゃないでしょうかね。だから私は、この塾の問題に対してもやっぱり相当真剣に考えなきゃいかぬのではないか、いまの教育では無理なんだろうかどうなんだろうか、ちゃんとした学校へ行って自分の希望するそれぞれの大学へ入るためにはどうなんだろうかなと、そういう感じがしてならないんです。恐らく大臣が子供のときにも塾なんというのはなかったと思いますしね、われわれもそうでしたから、塾へ行った覚えないんですけれどもね。最近はどうも塾へ行かないとだめだという傾向が明確になってきておるんで、塾へ行くべきかどうかということを聞くのは非常に失礼なんですけれども、壁もやっぱり当然教育の一環として考えなきゃいかぬというふうにお思いなんでしょうか、それをちょっと。

三角哲生文部省初等中等教育局長

○政府委員(三角哲生君) 私どもの方でも、ちょっと古いんでございますけれども、塾といいますか、昭和五十一年六月中に学習塾に通ったことのある者の状況を調査をしております。これは地域によってあるいは都市部、農村部によっていろいろ違うと思いますが、この調査によりますと、ちょっと小西委員のただいまおっしゃいました数字と違っておりますが、塾に通ったことのある者の割合は、小学生で一二%、中学生で三八%、平均すると二〇・二%、こうなっておりまして、そうしてこの塾の内容でございますけれども、小中平均で申しますと、予習復習という目的で行っております者が四七・六%、それから進学準備ということで行っておりますのが二一・一%、それからおくれを取り戻させるという形の者が一七・一%、その他が一七・七%、こういうことになっておりまして、そうして教科の種類はこれは小学校は算数、国語、中学校は英語、数学、国語、こういうのが大部分、こういう状況でございます。そうして通わせている理由なども調べてみましたら、やはり一番多いのは子供が希望するから、こういうのが多くなっております。次が学校で習うことがむずかしくて家庭ではそれをまた教えられない、その他いろいろ、それからもう一つは自分一人では勉強しようとしないから、こんなのもあるわけでございます。  この塾の問題でございますが、私ども、わが国の場合には非常に、先ほど来の質疑応答にもございますように非常に教育に熱心である、そうして日本の現状では非常に不動産なんかの価格が世界的に見ても高い状況から見まして、子供のために親が恒産を残しておいてやるということは非常に戦後はむずかしくなっておりますので、やはり教育というのは一つの——投資というと言葉は悪うございますけれども、子供のためにしてやれる非常に大切なことだと、こういう認識なり理解なりが非常に強いと思うんでございます。ですから、塾のようなものがありますと、それに行きたい行かせたいという、こういう需要があると同時に、わが国のような非常に自由な、そうして個人のいろいろな意味で教育とか文化とかということを自由にやれる国と国柄におきましては、小人数の子供を集めて指導する——これは学習塾のみならず、おけいこごとの塾でもそうですが、そういうことはもちろん自由にやれることでございます。ただ私どもは、そういう社会状況がありますので、これについて一概に悪いとは言いかねる面がございます。しかし、公教育を担当しております私どもの立場から、こういうものが余り熱気を帯びるという風潮にいくことは好ましくないと、こういうふうに思っているのでございます。  したがいまして、先ほど大臣も申されましたが私どもは本来の学校教育自体の中身をできるだけ充実していく、それに努力をする必要がある。塾そのものに対してこれを規制するとか抑制するとかということを直接やることはできませんし、また余りそういうやり方は好ましくないところであろうと思います、反面、いまの入学試験、この試験のやり方、これについてもいろいろと工夫をし改善をしてきておりますが、なお、一部の学校に非常にむずかしい問題を出す、あるいは問題はむずかしくなくても、二足の時間に相当の分量をこなさないといい点数がとれない。ですから、それを解く頭を持ってはおりましても、何らがその試験に対する一つのなれと申しますかテクニックを覚えておかないと一時間なら一時間の間にたくさんの問題をこなせない。二時間かければ全部できるけれども、やはりそういう訓練を受けてないと全部やり切れないというふうなものもあるようでございますので、そういった部面の改善はこれは一生懸命考えていかなきゃいけない。そういうぐあいにして、なるべく塾へどうしても——先ほどおくれを取り戻すとか、中にはいろいろ存在理由というものを私どももある程度認めていいものもあると思いますけれども、受験競争のためにそこへ行った方が有利になるというような状況は外側から私どもはいろいろなことを講じてそういう理由がだんだん稀薄になるような状況に持っていく必要があると、こういうふうに思っています、

小西博行民社党・国民連合

○小西博行君 大学教育、特に大学受験ですね。大学受験ということでは相当エスカレートしていますね。まあこれは新聞、雑誌にはたくさん出ておりますけれども、大体ちょっと高いところですと月に十五万ぐらいの月謝なんですね。これはもう具体的に名前もちゃんと出ておるわけですが、京都のある塾なんですがね、月謝十五万、それでもまあ大ぜいの人が詰めかけると。なぜかというと、そこへ入りますといい大学へ入れるという保証つきみたいな感じで募集しておると。そういうようなこともありますし、あるいは医学関係では札幌に医学ゼミナールというのがありまして、これは一流ホテル並みの部屋で、コーヒーが出て、たまにはワインが出ると。こういうような形で大体四十五日間で大体七十万ですね、これは医学進学塾、こういうようなスタイルでもってまたやっているとか、あるいは子供のためにはマンションを買ってそこへ家庭教師を呼んで勉強さすんだとか、私はちょっと行き過ぎじゃないかという感じが相当出ているような気がするんです。そうは言っても、さっき局長が答弁なさいましたように、どうもこれから先は、さっきおっしゃったように不動産も買えないし、貯金しても何か全然目減りしていくので何とか子供に投資をして、将来いい会社でも入ってもらって元をとるんだ、そういうような親御さんが非常にふえてきていると、子供に期待していると。そういうことで、教育費に対しては惜しくないんだという概念が私はあるような気がしてならぬのですね。  そういうこともあわせて、この塾問題、一時期はこういうことがありましたね。学校の先生がアルバイトで塾へ出るので、何とかそれだけはやめさそうというようなことで、塾に対してはストップだというような方向も大分あったんじゃありませんか。最近は私はどういうふうになっているかわからぬですが、局長、どうですかね、最近はそういう傾向というのは少なくなりましたか。

三角哲生文部省初等中等教育局長

○政府委員(三角哲生君) ただいま御指摘の問題に対しましては昭和五十二年の三月に「児童生徒の学校外学習活動の適正化について」ということで文部省初等中等教育局長通達を出しておりますが、その中で、ほかのことも言っておりますが、一つの柱として、「学校の教員が学習塾の講師となっている場合もみられるが、学校の教員は、自己の使命を自覚し、その職責の遂行に努めて父母の信頼を得るようにしなければならないものであること。特に、教育公務員にあっては、その職務と責任について十分自覚を促し、服務の適正を図るよう措置すること。」ということで、この塾の教師になるということは適当でない、こういう指導をいたしております。

小西博行民社党・国民連合

○小西博行君 塾の問題はこの程度にしておきたいと思いますが、恐らくこれから先はこの塾以外にも専修学校の問題、それからさっき申し上げたような各種学校、こういう問題に対しても相当いろんな問題が私はあると思うんですね。ある意味では、いまの教育がだめだから何かそれとは違ったわれわれの期待できるような学校をぜひつくっていただきたいと、昔で言えば寺小屋式の精神をひとつぴしっと入れていただいたようなそういう学校に期待するというものも私がなり出ているんじゃないかなと。それだけに文部省も教職員組合もあわせて、権利闘争みたいな形だけじゃなくて、何かいい教育をしていきたいんだという、やっぱり私はそこが非常に大切な問題になってくると思うんですね。ところが、こういうふうな問題というのはなかなか審議の中でも触れにくいのかどうかしれませんけど、少ないだけに、私は全体としてもう一度教育行政について、塾を含めて学校教育を含めて、この際真っ正面から取り組んでいくべき大事な問題じゃないかなと、そのように考えますのでぜひとも検討していただきたい。  そしてデータにつきましても、私は実はきょう一流大学についてはこういう所得だということも皆さん方にお知らせしたいなというふうに思っておったんですが、データが非常に古いんですよね。ごく最近にはそういうようなことはなかなか人権問題もあるんでしょうし、あなたの収入は幾らですかといって東大の父兄に聞くわけにはいかぬというようなことで最近のデータはないんですが、大分前のデータをずうっと見てみますと、明らかにそれが出ておりますね。もちろん慶応、早稲田、こういうような学校にしても相当収入がよくないと行けないという現実があります。これはお金がないという問題と、またそういうようなところへ子弟が行くのはお父さんお母さんの教育の程度が高いんだという結果も出ているわけです。特にお父さんよりもお母さんの教育の程度によって子供さんの進学の方向が決まってしまうというようなことも非常に貴重なデータとして入っておりますので、私はそういうような分野もどんどん文部省の中でひとつ研究していただきたいというふうに思うんですね。これは明らかに具体的な数字なもんですから、数字でもって教育をやっぱり押えていくということではないと、大蔵省に対してのいろんな予算折衝しても非常に弱いんじゃないか、そういうふうに感じるもんですから、ぜひとも大学局長もよろしくお願いしたいと思います。  次、海外子女の問題について、もう午前中からずいぶん審議がありましたので、もう大半は飛ばしまして、特にいまちょっと資料をお配りしましたが、これは電機労連の資料で大変異味深いところが何点か載っておりましたので全部皆さん方には届かないんですけれども、抜粋してお渡ししたわけです。  その中で、特にこの電機労連の三番の資料があります。この「子供を残留させている理由」というのがありますね。つまり、お父さん、お母さんがアメリカならアメリカへ行っても子供さんを国内へ置いている場合がありますね。連れていかない。そういう場合の理由というのがここの数表にちゃんと出ておるわけです、これはたとえば一番は、「家族を帯同するには適さない地であったため」——たとえばアメリカの場合だったらわりあいスムーズに連れていくかわかりませんが、東南アジアなんかですと、ちょっとあそこへ連れていってもかえって教育にならぬだろう、英語の勉強にもならないとか、そういうようなことで連れていっていないというパーセンテージが出ているんですね。二三・六、四九・一%、これは向こうへ実際に行っている場合と内地へ帰ってきてからのパーセンテージ、両方なんですね、後のが内地へ帰ってきた場合、四九・一%。二番目は、日本での高校・大学受験が迫っていたためにやむを得ず連れていっていなかった、こういう数字が入っておりますね。海外子女の問題についていろんな条件が整備されていないという問題がずっと言われておりますね。つまり、日本から向こうに出ていって、それで向こうでの学校での勉強の仕方、それから帰ってきた場合の受け入れ体制、あるいはさらにこれからの進学、こういうような問題がうまく行っておれば、わりあいこれスムーズにいくんだと思うんです、その辺が整備されてないということでいろんな議論がなされますけれども、これも現実のデータとして出ておりますね。  次は「日本人学校の問題点」というふうに書いてあります。これは電労の4の資料です。これを見ますと、校舎の規模及び設備これが非常に悪い、授業料の負担が高い、それから通学距離あるいは通学手段が悪い、こういうふうなことがずっと書いてあります。  こういうような具体的な資料を、大臣いま見られたかどうか知りませんが、こういうのを見られてこのデータの信頼性といいますか、この信頼性についてはどういうふうにお考えでしょうか。これは電機労連のたまたまのデータなんですね。

小川平二自由民主党文部大臣

○国務大臣(小川平二君) この資料は相当の程度に実情を反映しておる資料だと、かような印象を持っております。

小西博行民社党・国民連合

○小西博行君 私は、こういうようなデータを文部省のお方が何かの形で、たとえば外国にいるいろんな企業の方々からデータを求めるとか、何かもう少し具体的な分析をもっときめ細かくやりますと各国ごとのいろんな実情というのは当然違うと思いますので、そういうデータを出していただきたいと、あるいは調査していただきたいなという感じがしてならないんですね。余りそういうデータありませんですね、文部省には。これはもうもちろん外務省のお仕事にも一部なると思いますんですけどね、そういう資料が大変不足しておりまして、数字に基づいた質問というのはなかなかできないものですから、電機労連のこれはずいぶん金かかっていると思いますけれども、貴重なデータとして私はぜひ研究の対象にしていただきたいなと、このように思います。  そして、この海外子女の問題で、特にいま向こうに行きまして海外でのいろんな教育条件というのは当然もう早く日本並みにしてあげなきゃいかぬという問題がありますね。ただ、帰ってきて受験という問題がありますね。これは私何かうまい方法はないんだろうかと思うんですよ。いわゆる日本人に試験しますね、それと同じような方法でやるから大変問題があるんであって、たとえば語学による試験というのも一つの方法だと思うし、あるいは海外に行っている方は国際的にバカロレアというのがあるわけですから、そういうような何か試験の制度を設けてやってあげるとか、そういう方策について考えはございませんでしょうか。

小川平二自由民主党文部大臣

○国務大臣(小川平二君) 御指摘の問題につきましては、現地における学校のあり方、あるいは受け入れ体制、双方ともまだまだ改善の余地を残しておると考えております。それにつけましても正確なデータが必要でございますので、五十七年度におきまして調査を開始すべくただいま準備をいたしておるわけでございます。  バカロレアの問題でございますが、これは担当局長から答弁させます。

宮地貫一文部省大学局長

○政府委員(宮地貫一君) 帰国子女の大学入学を円滑にするための方法ということでインターナショナルバカロレアの制度にもわが国も加わりまして実施をいたしておるわけでございます。五十四年度以降その事業に参加をいたしておるわけでございますが、このインターナショナルバカロレア資格の保有者で十八歳に達した者にはわが国国内の各大学への入学資格を認めておるわけでございます。この保有者で大学に入った者は五十五年度で十人、五十六年度で十一人ということになっております。  そのほか特に帰国子女の大学入学に当たりまして特別の配慮をすべきでないかという御指摘でございますが、それらにつきましても、推薦入学等の方法で特別の措置をとる大学は五十六年度入試で申しますと、十八大学七十八学部になっておりまして、順次ふえてきているということが言えるかと思います。たとえば具体的に申し上げますと、国立大学では五十七年度京都大学法学部がこのインターナショナルバカロレア資格の保有者を含む帰国子女につきまして特別選抜を行うというようなことも実施をいたしておりまして、順次そういう大学がふえているわけでございますが、それらの点については、私どもとしてもさらに各大学に対して十分円滑に行われるように指導は徹底してまいりたいと、かように考えております。

小西博行民社党・国民連合

○小西博行君 国際交流という面でこれを考えましても、何とかこれいい方法はないんだろうかなということをつくづく感じるんですね。いろいろ調べてみますと、国が全然タッチしなくても民間の団体でもって海外へ行かすとか、あるいは帰ってきた場合にこういう対策をとるんだとか、民間の場合でかなり私はそういう積極的にやっているグループも幾つか知っているわけです。これは去年のたしかいまごろだったと思うんですが、そういう質問もずいぶんさせていただいたり、あるいは東京都内にも幾つかありますから、そういうところへ私出向いていろんなその実情を聞いてきたりということやっているわけですね。そういう面からいって、何か文部省自体がもうちょっとリーダーシップとっていただいて、本当にこれから先の日本の将来というのは、当然貿易でもって国の発展を期さにゃいかぬということがもう明らかになっているわけですわ、資源がないわけですから。そういう面からいっても、せっかく海外へ行っているわけですから、もう少し行ったその意味を私は国内で反映できるような体制あるいはもう少し大ぜい行けるような、あるいは今度は逆に留学生を受け入れて、そして安い費用でもって日本で勉強できるようなそういう体制をとっていただきたい。  この間も実は韓国へ行ってまいりまして、向こうの学者集団と議論をしてまいったわけですけれども、大ぜいの中でやはり日本の東大出だというのは一人だったですね。ほとんどハーバードあたりへ行っているわけです。どうしてなのかと聞きますと、やっぱり日本の場合は生活費からその他ずいぶん金がかかるんでなかなか行きにくいと。  それからもう一つは学位の問題ですね。なかなか日本では学位をもらえない、だから私たちはみんなアメリカとかイギリスへ行くんですというような答えがもう目の前ですばっと返ってきますので、私はそういう面も含めて、もっと国際的な教育という問題を堀り下げてやらないと、恐らくこの経済問題をとらえても大変な事態になるんじゃないか。だから向こうの学者も政治家も語学が非常に強いですね。そういうものをこれから先考えていただいて、まず積極的にやっていただきたい。  最後になりますけれども、予算もずっと私見せていただきましたけれども、やっぱり予算は総花的になりますね。もう少しこれトータルが同じ金額であっても、まあ少し伸びたわけですけれども、めり張りをつけるような方法を——これは大臣の意思としてこういう方向に持っていきたいということがなければ、私は大臣がかわっても余り変わらないというのをこの前ちょっと申し上げたけれども、余り変わらないんじゃないか。それを、どうせ一年ぐらいしかやられないんだろうというような前提になりますと、大変質問するときにもしにくいわけですね。実際そうだと思いますね。そういう意味で、小川大臣はこれをやったという何か一つの意思をそこに出してもらえるような予算編成からスタートしないと、いまのいろいろな問題を言っても、ほとんどこれ人件費でつぶれるわけですから、この文教予算というのは。人件費が中心になってくるわけで、何か特別な事業をやっているわけじゃないものですから、それだけによっぽど意思を明確にして私はやっていただきたい。ことしの予算はこういうかっこうになるんだと思いますけれども、この中でやっぱり私はめり張りをきかす方法もなきにしもあらず、そのように考えますので、最後に大臣の所感をいただきまして質問を終わりたいと思います。

小川平二自由民主党文部大臣

○国務大臣(小川平二君) 教育行政を進めていきます上で対応しなければならない問題は、申すまでもなくたくさんあるわけでございまして、いずれに優先順位をつけるかということは簡単な問題ではないと存じますが、御発言の御趣旨を受けまして、概算要求提出までの時期に、私といたしましても一生懸命検討をいたすつもりでございます。  いろいろきょうは御高教いただきましてありがとう存じます。

片山正英自由民主党

○委員長(片山正英君) これをもって昭和五十七年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、文部省所管についての委嘱審査は終了いたしました。  なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

片山正英自由民主党

○委員長(片山正英君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時三十五分散会

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