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96回国会参議院1982/08/03

農林水産委員会 第18号

発言数
239
登壇者
15
会派数
4
開催日
1982/08/03

会議録

坂元親男自由民主党

○委員長(坂元親男君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  去る七月三十日、川原新次郎君、板垣正君及び関口恵造君が委員を辞任され、その補欠として中村禎二君、熊谷弘君及び田原武雄君がそれぞれ選任されました。  また、昨二日、下田京子君及び熊谷弘君が委員を辞任され、その補欠として神谷信之助君及び林寛子君が選任されました。  本日、三浦八水君が委員を辞任され、その補欠として板垣正君が選任されました。

坂元親男自由民主党

○委員長(坂元親男君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  農業協同組合法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に参考人として、農林中央金庫理事長森本修君及び全国農業協同組合中央会常務理事櫻井誠君の出席を求めることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

坂元親男自由民主党

○委員長(坂元親男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————

坂元親男自由民主党

○委員長(坂元親男君) 農業協同組合法の一部を改正する法律案及び昭和四十四年度以後における農林漁業団体職員共済組合からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案、以上両案を便宜一括して議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 私は、本日の議題になっている農協法の一部改正法律について質問をいたしますが、その前に、日本の農業にとっても農協にとっても重要な問題であり、また、国会においても早急に解明しなければならない問題がありますので、若干質問いたします。  日本社会党は、いわゆるブロック書簡に対して政府が真相を解明すべきであると、このことを中央執行委員会の決定によって、去る七月三十日、飛鳥田委員長名をもって鈴木総理大臣に申し入れを行いました。この席上、宮澤官房長官は、早急に調査をして御回答を申し上げるというような返事があったわけでありますが、私はこの問題について緊急を要する問題でありますから質問をいたしますが、ここまで来ている問題でありますので、どうか答弁をされる皆さん方におきましても、ひとつ正確に、率直に答弁してもらいますことを要望しておきます。  そこで外務省に伺いますが、去る五月十一日パリで開催された経済協力開発機構、すなわちOECD閣僚理事会に出席していた櫻内外相にアメリカの通商部代表ウィリアム・E・ブロックから日本の市場開放を求めるべきだという書簡とあわせて、その添付書類として、日本の総理が世界に向けて市場開放を宣言をすべきだというような添付書類が渡されておるわけであります。このことについては事実でありますか。

妹尾正毅外務省経済局次長

○政府委員(妹尾正毅君) お答え申し上げます。  五月十一日、御指摘のとおりOECD閣僚理事会に櫻内外務大臣が出席しておりました際に、米側からパリにおきまして大臣あてにブロックUSTRからの書簡が届けられたということは事実でございます。これはわが方が自主的に検討を進めておりましたいわゆる市場開放第二弾に関連して届けられてきた内容のものでございます。  それから、それに……

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 事実かどうか聞いているんです。いいですよ。

妹尾正毅外務省経済局次長

○政府委員(妹尾正毅君) 事実でございます。関連した書簡が届けられたというのは事実でございます。  それからその際、総理の談話の案というようなものが添付されていたということも事実でございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 この書簡は外務大臣ほか通産、大蔵、経済企画庁の四大臣にも出されているといいますが、通産大臣は受け取っておりますか、通産省。

福川伸次通商産業省貿易局長

○政府委員(福川伸次君) 当時安倍通産大臣はパリにおきまして三極会合に出席をいたしておりまして、五月の十二日に安倍大臣一行の随員でございます審議官がこれを受領をいたしております。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 外務省、次長、当然その書簡を見ており、内容を承知してますね。

妹尾正毅外務省経済局次長

○政府委員(妹尾正毅君) お答えいたします。  承知しております。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 この書簡は国民に多くの疑惑と不信を招いており、今日大きな問題になっており、また国会においても解明しなければならない問題であります。したがって、私はその書簡の全文を当委員会に提出していただくことを要請をいたしますが、委員長によってしかるべくお取り計らいをお願いします。

妹尾正毅外務省経済局次長

○政府委員(妹尾正毅君) 今回と申しますか、先般ブロック代表から届けられました書簡は、内容的に申しまして日米間の話し合いの経緯にかかわるものでございますし、それから親展秘というふうに先方から指示しておりまして、先方の立場もございますので、私どもといたしましては、これを公表することは差し控えさしていただきたいと考えております。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 委員長に要請したんですけれども、外務省がそういう意見ですから委員長としても取り計らいはできないということですか。

坂元親男自由民主党

○委員長(坂元親男君) このことにつきましては、後刻理事会でいろいろ検討さして、御相談さしていただきます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 それでは、その書簡の全文を当委員会に提出していただくことは理事会で検討していただくとして後に譲りますが、外務省は秘密文書であるから公表することができないと言う。しかし、私の持っている新聞によると、パリから打電をされた極秘のブロック書簡、出ています。しかも、その中身の記事を見ると、「書簡は、本文(週刊誌大よりやや大きめのA4判で三十四ページ)と添付文書(五ページ)から成り、本文では、牛肉、オレンジを除く九品目(トマト製品、ラッカセイなど)の段階的自由化、関税の引き下げなど農業、工業分野等の対日市場開放要求を明記している。そして添付文書は、これら市場開放策を打ち出すに当たって鈴木首相が世界に宣言する「日本の総理大臣の日本市場開放宣言」の案(草案)を示している。」、こういうふうに報道されているんですが、次長はこの新聞を当然見ているというふうに思いますが、これはブロック書簡にほぼ間違いないというふうにお認めになりますか。

妹尾正毅外務省経済局次長

○政府委員(妹尾正毅君) 先ほども申し上げましたとおりでございまして、ブロック書簡につきましては、その経緯、先方の立場等ございまして、私どもの方からその具体的な内容にわたりまして御説明申し上げるわけにいかないわけでございまして、申しわけございませんが、ただいま御説明のありました点につきましても、それ以上のことを申し上げるわけにはまいりませんので、御了承いただきたいと存じます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 私が聞いていることは、あなたはこの新聞をごらんになって、この新聞の記事、写真はほぼ間違いないと認められておるのかどうか、そのことを聞いているんですよ。

妹尾正毅外務省経済局次長

○政府委員(妹尾正毅君) 申しわけございませんけれども、その点につきまして、私はそのとおりであるともないとも申し上げるわけにいかないということでございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 ですから、私は先ほど冒頭にお断りしていたんですよ。日本社会党が中央執行委員会でもって決定して、政府に解明しなさいと。宮澤長官も何とか解明してお答えしますと言っている。ここまで来ているんですよ。きょう私の質問だけで終わる問題じゃないですよ。あすも衆議院でも各委員会で行われますし、わが党としても、私としても本会議でもやりますよ。それが、この新聞が事実かどうか言えないというそんな態度があるんですか。見てくださいよ。見ましたか、あなた。ちょっと見せてください。(新聞を手渡す)

妹尾正毅外務省経済局次長

○政府委員(妹尾正毅君) お答えいたします。  この新聞ただいま現物拝見いたしましたけれども、私もこの新聞の記事はさきに読んで承知しております。

坂元親男自由民主党

○委員長(坂元親男君) 読んでおる、はっきり。

妹尾正毅外務省経済局次長

○政府委員(妹尾正毅君) 読んでおります。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 読んでおれば、これが写真入りで載っておるんですね。これがほぼ間違いないというふうにお認めになるかどうか、そのことをさっきから聞いておるんですよ。私はまだ内容に至って聞いておるわけじゃないんです。

妹尾正毅外務省経済局次長

○政府委員(妹尾正毅君) 先ほど申し上げましたとおりでございまして、このとおりであるともないとも申し上げるわけにいかないということでございます。

坂元親男自由民主党

○委員長(坂元親男君) 答えられるところは答えてください。

妹尾正毅外務省経済局次長

○政府委員(妹尾正毅君) お答えいたします。  私、御質問の御趣旨を取り違えていなければ、これがブロック書簡であることを認めるかどうかといべ御質問であったと思います。その点については認めるとも認めないとも申し上げられないと申しているわけでございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 それじゃもう一問だけ質問しておきますが、この新聞についてもこれがイエスかノーか、そのことも答えられない。そうすると、文書は提出できない。文書を提出することは一歩譲るとしても、この書簡の性格あるいはその内容の骨子、特に農産物についての要求あるいは添付書類の内容、これらについては口頭であなた説明できますか。

妹尾正毅外務省経済局次長

○政府委員(妹尾正毅君) ブロック書簡は、当時わが国でいわゆる市場開放対策といいますか、対外経済措置の第二弾について検討を進めていたわけでございまして、そういう状況下におきまして、わが国が行っているこういう自主的検討に当たっての参考とするためにブロック代表の考え方を内々に示してきたものであるということでございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 それは内容の骨子でもないし、それから添付書類の内容でもないわけですね。そんなことを聞いているんじゃないんですよ。それも言えませんか。

妹尾正毅外務省経済局次長

○政府委員(妹尾正毅君) お答えいたします。  内容の面につきましては、ブロック代表の考え方を広範囲にわたって述べているものでございます。それから添付書類につきましては、先ほど委員の方からも御指摘ございましたけれども、総理大臣の談話案といったような英文が添付されていたというのは事実でございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 それならば、私が指摘をしたこの新聞に書いてあることはお認めになっていいじゃないですか。これ違うんですか、新聞に書いてあることが。

妹尾正毅外務省経済局次長

○政府委員(妹尾正毅君) 違うと申し上げているわけではございませんが、この書簡の具体的内容にわたることにつきましては、先ほど申し上げました理由がございますので、申し上げるわけにはいかないと、残念ながら申し上げられないということでございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 それでは、これから国会で論議するにしても新聞の記事も何とも認めることはできない、あるいは内容についても言えない。これは全然審議に入っていかないじゃないですか。私は審議できないですよ、これじゃ、何も言えないことだったら。せめて、あなたが口頭で言うことができなかったならば、新聞の記事ごらんになっているんだから、ほぼそれに間違いないとか、こういうことだというならば審議に入れますけれども、どっちも否定しておったら審議に入れないじゃないですか。

妹尾正毅外務省経済局次長

○政府委員(妹尾正毅君) お答えいたします。  私がこの新聞の内容について具体的に意見を申し上げるわけにいかないと申しておりますのは、この新聞について、書いてあることがブロック書簡のとおりであるかないかということを私が申し上げたくないということではもちろんないわけでございまして、事柄の性格上、私の方から、そのとおりであると現時点で申し上げるわけにはいかない、日米間の話し合いの経緯にかかわるものであり、かつ先方から親展秘ということを言ってきておりますので、先方の立場も考えなければいけない、そういうことで具体的内容にわたって意見を申し上げることができないということでございます。したがって、いまこの場で私に、具体的に内容についてこのとおりであるとかないとか、意見を述べろということでございましても、現時点ではどういたしましてもそういうわけにいかないということでございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 これは私が示した新聞だけではなくて、その他いろいろな新聞に載っているわけですね、この内容と思われるものが。これ全部、あなたはこれは本当だともうそだとも言えないという立場なんですか。もし、新聞がうそだとするならば、あなた、本当のことを言ってくださいよ。

妹尾正毅外務省経済局次長

○政府委員(妹尾正毅君) 私は、うそだと言っているわけではございません、申し上げるわけにいかないと言っているわけでございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 じゃ、もう少し質問しておきましょう。  それでは、この附属文書は、常識的に見て総理の宣言を示唆するものである、こういう受けとめ方をしておりますか。

妹尾正毅外務省経済局次長

○政府委員(妹尾正毅君) 総理の宣言というものを示唆といいますと、具体的内容のことになりますので、示唆しているかどうかということについても、申しわけございませんけれども、お答えするのを控えさせていただきます。

坂元親男自由民主党

○委員長(坂元親男君) もう少し大きな声で。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 わからないですよ、いま言った答弁。

妹尾正毅外務省経済局次長

○政府委員(妹尾正毅君) よく聞こえないということでございますので、それではもう一度申し上げますが、具体的内容にわたることにつきましては、申しわけございませんが、先ほどから繰り返し申し上げておるとおりでございまして、御説明申し上げるわけにいきませんので、どうぞ御了承くださるようお願い申し上げます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 そんなことを聞いているのじゃない。そんなことは何回もあなたは繰り返しているんだ。この附属文書の、日本の総理大臣の宣言案の草案だと書いてあるでしょう。これは日本の総理大臣の宣言を誘導し、示唆するものであるのか、そのことを聞いているんです。常識的に見てどういうふうに感じたか。

妹尾正毅外務省経済局次長

○政府委員(妹尾正毅君) そのブロック書簡が総理の宣言を誘導し、示唆するものであるかどうかおいうことにつきましては、私、現時点で具体的に申し上げる立場にございませんが、ただ総理の談話、市場開放第二弾といいますか、二回目の措置が発表されましたときに総理が出されました談話というものはあくまでも自主的に日本側の検討に基づいて、米側から言われたということではなくて日本側のイニシアチブによって検討が進められ、決定され、発表されたということは絶対間違いございませんので、御報告させていただきます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 その談話とこのブロックから示された宣言案との関係については後ほど質問してまいりましょう。  そこで、いろいろこの書簡については疑惑を持たれている、特に通産省は疑惑を持たれているわけですね。疑惑を晴らすためにもこれは全文と言わなくとも附属文書ぐらいは国民の前に、国会の前に明らかにした方が、その方が日本政府の態度として毅然たる態度じゃないですか。私は昨日もある通産省の課長と話したんですが、むしろ話してもらった方がいいと通産省も言っているんですよ、疑惑を晴らすために明らかにしてもらった方がいいと、通産省言っているんですよね。通産省、どうなんですか。

福川伸次通商産業省貿易局長

○政府委員(福川伸次君) このいま御指摘の附属文書の点でございますが、この点に関しましては、私どもといたしましては、いままで市場開放策を講じますに当たりまして農産物の自由化が非常にむずかしい問題があるということで、むしろ工業製品の自由化にあるいは関税の引き下げに私どもとしてはできるだけ努力をしよう、こういうことで努力をしてまいったわけでございます。また、この総理の談話に関しましては、今後第二次のパッケージをつくるに当たりまして、私ども昨年その製品輸入の点につきまして各方面に通産大臣から要請もいたしましたけれども、やはり諸外国におきましてはまだ日本の市場の閉鎖性ということが指摘されておるということもございまして、外国製品あるいは外国投資をこの際歓迎するという態度を政府の最高首脳が呼びかけるという形が一つの方法としてあるのではないかということを考えておったわけでございますが、これは関係省庁ともいろいろ十分御相談の上、最終的に五月二十八日のものに、総理談話に練り上がっていったわけであります。この構想に関しましては、五月の上旬に、安倍通産大臣が連休中に中東を訪問いたしましたその結果を総理に御報告をいたしました。その過程で……

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 答弁中ですが、私の質問時間も限られておりますから、私の質問したことについて答えてくださいよね。

福川伸次通商産業省貿易局長

○政府委員(福川伸次君) かしこまりました。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 あなたは、通産省としては、こういう附属文書もこんなに疑惑を持たれているのなら国民の前に明らかにしてもらいたいという気持ちを持っているのかどうかと、そのことなんですよ。

福川伸次通商産業省貿易局長

○政府委員(福川伸次君) 私どもとしましては、いまの総理談話、いま申し上げましたようなことでやっておりまして、私どもとしては今回その評価をしてもらいたいということのためにそれぞれの働きかけと申しますか、根回しをいたしたわけでございますが、その点に関しまして、私どもとして、もしそういうことについて疑惑が持たれておるということでございますれば、それを、正しいあり方を十分御説明をいたしていく必要があるし、またいたしていきたいというふうに思っております。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 あなたの説明でも納得できないから、ですから、そういう附属文書を国民の前に出せばいいじゃないですか、国会へ。そうすれば通産省に疑惑があるのかないのかわかるわけですよ。外務省だってこんなことをこだわっている必要ないじゃないですか。  そこで外務省に重ねて伺うけれども、この書簡を受け取った外務省は、在来日本大使館に調査を指示したというふうに言われている。少なくとも一国の政府高官の出してきた書簡を再調査をする、これまた通常では考えられないことですがね。一体外務省は何を疑問として、何の目的でもって大使館に調査を命じたんですか。

妹尾正毅外務省経済局次長

○政府委員(妹尾正毅君) お答えいたします。  私どもが在来大使館に指示いたしましたのは、この書簡の背景等について調べるようにということでございますが、こういうことは別に特別のことではございませんで、外交的なやりとりのある過程におきましては、必要に応じてしばしばそういうことはやっているわけでございますが、さらにつけ加えますと、この書簡の内容の具体的な点については、私は、先ほど申し上げましたようなことで余り具体的なことにわたるわけにいかないわけでございますけれども、農産物の問題にたとえばそこで言及されていたということ、それがその前にジュネーブで行われました日米農産物についての話し合い等のかかわり等がどうもよくわからないということとか、それから御指摘の総理談話の案のようなものが添付されていると、それからさらに外務大臣だけでなくて数名の閣僚に届けられているというようなこと、それから突然説明もなく届けられたというようなことで、ちょっと唐突な感じもいたしました。そういうことで本来もっともっと必要に応じてやることでございますし、さらにいまのような事情がございましたので、そういう大使館を通じて調査を行ったということでございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 アメリカを代表する通商代表部の高官から文書を送られたと、その内容について指摘していることがおかしいから調査するなんというのはあり得ないと思うんですね。いまあなたは背景についてもいろいろ疑惑を持ったという話があったんですが、その背景とは何か。つまり文書の作成の形式あるいは表現の方法、これが従来アメリカから外務省に来る文書表現とは大分違う面がある、そんなことをやっぱり疑惑に思って調査をさしたんではないですか。

妹尾正毅外務省経済局次長

○政府委員(妹尾正毅君) その点だけということではございませんけれども、その点も頭に置いてということでございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 もちろんその点だけじゃないけれども、その点は十分頭に置いてやっぱり調査をしてみようということになったわけですね。それは文書の表現がおかしい、表現方法がおかしい、アメリカの通常の文書とは違う、そういうことを頭に置いて調査をした、その調査結果はどういうことなんですか。すなわち調査というのは通商代表部の関係の方に意見を聞いたと思うが、どういう意見がはね返ってきたんですか、率直に言ってください。

妹尾正毅外務省経済局次長

○政府委員(妹尾正毅君) お答えいたします。  その前に一言、いま御指摘の点でございますが、文書の形式がおかしいからということでございます。その点も頭に置いたわけでございます。秘親展ということでございましたのでどういうことかなとも思ったわけでございますが、それだけで調べたということではございません。それから調べた結果でございますが、この点につきましてはやはり外交上のやりとり等にかかわる問題でございますので、残念ながら具体的に御説明を申し上げるわけにはいきませんので、御了承くださるようお願い申し上げます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 あなたは国会の審議というのをどういうふうに考えるのですか。なるほど文書そのものは外交上のいろいろな問題があるから出さない、そのことはある程度理解するけれども、あなたが在米大使館に命じて調査をした、その結果どういう答えがはね返ってきたのか、そんなことまで言えないって、そんなことで私は引き下がるわけにはいかないのですよ。はっきり言ってくださいよ。

妹尾正毅外務省経済局次長

○政府委員(妹尾正毅君) ただいま申し上げたとおりでございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 私はこれ以上この問題については審議をすることはできませんので、理事会でひとつ協議してください。

坂元親男自由民主党

○委員長(坂元親男君) 理事会で検討さしていただきます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 検討してもらったって進めない、これじゃ。休憩してください。——では、私はこれからもっと質問続行しますが、あなた方のいまの答弁では何にも質問はできなくなっちゃうわけですね、答えられない、知りませんということじゃ。ですから、いまもここで理事で協議したのですけれども、午後理事会で協議するということでありますから、私の質問時間は残しておきますから、午後続行しますから、その前にあなた方答弁できるようにしてください。  じゃ、いま申しましたように私は質問時間を残しておきます。  それでは議題の農協法に入ります。  大臣、農業を取り巻く情勢が非常に厳しいときに、農協に対する期待も一段と高まっているわけであります。今日、農協は単協や県中央会を通じて非常に大きな組織となっておりますけれども、しかし、組合員の期待に十分にこたえておるかというと必ずしもそうは言い切れない面があるわけです。農業や農村の環境変化が激しければ厳しいほど、農協本来の使命を自覚して活力ある組織体制を確立しなければならないというふうに思いますけれども、大臣の農協に対する期待、あるべき姿、それに対して現状はどう考えますか。

田澤吉郎自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(田澤吉郎君) 農業協同組合は、御承知のように、農民の自主的な協同組織といたしまして昭和二十二年から発足いたしたわけでございまして、自来今日まで農家あるいは農村のいわゆる経済的な社会的な地位を非常に高めてまいったということは、これは高く評価すべきだと思うのでございます。  その後、やはり社会経済情勢の変動に伴いまして、農業そのものも大きな転換期を迎えているわけでございまして、たとえばお米の過剰等農産物の需要がいわゆる停滞してきているというような事情あるいはいま御指摘のように、対外経済摩擦の問題というものが非常に出てまいりまして、農産物の市場開放という要求が各国からずいぶん要請されてきているというような状況等、加えて米の過剰等いわゆる農産物の需要の停滞が兼業化を来たす、あるいは農村社会の混住化を来たす、老齢化をもたらしてきているわけでございますので、こういういわゆる一つの現象に常に対応した協同組合運動が進められなければならないのじゃないだろうか。しかし、残念ながらいま農村の生活あるいはまた営農等に直接関係のない、いわゆる収益を追求するための事業等が行われているとも指摘されておるものでございますので、私はそういう意味では、今後農業協同組合がやはり本来のいわゆる農協の精神に立ち返っていただいて、そうしていわゆる農業の新しい方向づけに対して指導的な立場で進めていただくことを期待いたすわけでございまして、私たちもそういう点については及ばずながら御協力を申し上げたいという考えでおるのでございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 農協は申すまでもなく自主的な協同組織であります。しかも、その力は強い。したがって、行政が余り介入をしたりあるいは自主性を損なうような圧力をかけることがあってはならないけれども、しかし大臣がいま述べられたような農協のあるべき姿を実現していくためには、行政政府としても必要な助言と指導、あるいは農協経営が健全化するような環境整備も行わなければいけないわけですけれども、農協に対する指導、助言、それと自主性、この間の関連をどのように見て、そして大臣としてはいまの農協はどうあるべきか、どういうところへ力を入れていくべきか、そのことについてはどういうふうに考えますか。

佐野宏哉農林水産省経済局長

○政府委員(佐野宏哉君) お答えいたします。  確かに、農協の自主性尊重と行政指導との関連というのはなかなか私はデリケートな問題を含んでいるように思いますが、最近農協をめぐる各種の問題として御指摘をいただいているような諸問題につきましては、幸いにして現在農協の系統組織におきましてもそういう問題の所在は十分認識をしておられるようでございまして、本年秋に開催を予定されております第十六回全国農協大会に向けて、その具体的な対処の方策を検討を進めておられる状況でございます。私どもといたしましては、その農協の系統を挙げての組織討議の状況を見守りながら、実りのある結論を得るよう適切な助言を行っていくというふうに考えております。  ただ、農協がやっておりますいろいろな活動の中で非常に公共性の高いもの、あるいは事業の運営いかんによりまして社会的に大きな影響を及ぼすもの等につきましては、これはやはり行政庁としてもう少し踏み込んだ指導をしていかなければならないというふうに思っておりまして、一例を申し上げますと、最近とかく中小商業者との間の地域社会内部での摩擦が問題視されております購買店舗の運営につきまして、最近通達を出したところでございます。こういう特に公共性の高い分野あるいは社会的影響の大きい分野につきましては、今後とも引き続き踏み込んだ指導をしていかなければならないというふうに思っております。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 いま局長から答弁いただいたんですが、農協の自主性に任して、農協みずからが努力することに期待をするというようなことであって、農林水産省としての基本はこうあるべきである、あるいはこう未来像を持つべきだという、こういう指導性についてはほとんど行われておらないんです。ですから、農協のことはひとつ農協さん一生懸命やってくださいという程度にしかすぎないわけでありますが、そのことの答弁は時間の関係上求めません。  きょうは参考人として森本さん、それから櫻井さん、御両氏にお出かけ願っているところでありますが、大変お忙しいところありがとうございました。  参考人にお伺いいたしますが、まず櫻井参考人、農協は農民にとっても地域にとってもなくてはならない組織であるということは私も認識をしております。ところが、最近組合員の農協離れ、あるいは農協の組合員離れ等が言われて、農協に対する批判があることは否定することのできない事実なんです。参考人は、農協の理念に照らして現状をどう思うのか、また克服すべき課題はどのように考えますか。

櫻井誠全国農業協同組合中央会常務理事

○参考人(櫻井誠君) お答え申し上げます。  農業協同組合の理念といいますのは、個人個人の農家ではきわめて力が弱いわけでありますけれども、相互扶助の精神にのっとりまして協同してみずからの営農と生活を守り高めていこうというところにあろうかと思っておりますし、農協の本質、ほかの企業と違う本質といいますのは、農業生産を行います農家の協同体である、したがいまして協同活動によりまして営農と生活を高めていく、また法人である農協それ自体は営利を追求してはならないということでございますし、企業と違いますのは、農協を組織する組合員が同時に農協の事業の利用者である、また農協運営の主体者であるという点にあろうかと思っております。  いま先生がお尋ねのような組合員の農協離れあるいは農協の組合員離れというふうな現象が一部の農協にあることは確かであります。具体的には、経営主義的でありましたりあるいは投機性を持ったり、場合によりましては事業の推進に当たりまして売り込み的なことをやる、あるいは営農指導を軽視する、あるいは組合員をお客さん扱いするというふうなことが一部の農協にあることは確かでございまして、これは農協の理念、本質に照らしまして私は問題があるというふうに考えておりますし、農協のそういった理念、本質に照らした事業の展開、運営の展開がなければいけない。したがいまして、全中並びに県の中央会の指導、これが一層責任がございますし、強化をしていかなきゃいかぬというふうに思っております。  なお、克服すべき課題といたしまして私どもが常日ごろ考えておりますのは、いま申し上げましたような農協の理念、本質に照らしました農協事業の展開、運営の展開、これが第一点であります。  第二点といたしましては、現在日本農業は大変な困難な時代にかかっておりますけれども、やはり系統農協が総力を挙げまして日本農業、地域農業の振興に努力をより一層していくというのが二点目でございます。  三点目におきましては、農協の経営の効率化あるいは合理化を徹底いたしましてこの刷新強化を図り、強固な組織に農協を仕上げていくというところに課題があろうかと思っております。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 ありがとうございました。  続いて参考人にお伺いいたしますが、「農協運営に関する指導の徹底について」という全中の文書もいただいておるわけでありますが、これを見ると、いまお話があったように、農協の一部で組合員の営農、生活にかかわりのない事業への進出、あるいは収益追求に偏した経営などが見られる。したがって組合員のニーズに立脚した事業運営を行わなければいけない、そのためには員外利用制限を遵守しなければならないとも言っているわけですね。  こうした基本的な立場に立つならば、いま法律改正をしようとする員外利用制限緩和、制限規定を緩和する、こういうことと農協の指導とは矛盾をするような気がするんですけれども、これはどういうことでしょうか。

櫻井誠全国農業協同組合中央会常務理事

○参考人(櫻井誠君) 現在御審議をいただいております農協法改正の中身といたしまして、単位農協におきます内国為替業務の取り扱い並びに信連の有価証券の元利金の支払いの取り扱い、また特定の信連におきます員外貸し付けのいずれも員外利、用制限の撤廃ないし緩和、こういうことが法改正の中心でございますけれども、この点につきましては、一見協同組合は組合員が主体である、あるいは会員が主体であるというところからすると矛盾するような印象を与えるというふうな先生の御指摘でございますけれども、まあ言ってみますと、農協と他の金融機関との競争条件を整備するというのが一つでございますし、それからもう一点は、信連の保有します地方債、これの元利金の支払い業務をみずからやることによりましてメリットを確保する。三番目には、都市化地域の信連の資金運用力を強化するというところに焦点があるわけでございまして、言ってみますと、時代の変化、それから組織基盤の変化に伴います最小限の改正であろうというふうに考えております。員外利用の制限の基本は厳としてございますし、いま申し上げましたような改正がそのまま農協の本質から逸脱をするというふうに考えていないわけであります。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 その点については後ほど政府側からも聞いてまいりたいというふうに思いますが、重ねて参考人にお聞きをしますが、五十六年の農協の決算状況は、信用、販売、購買、共済とも伸び率が前年度を下回っている、当期の剰余金も二年続きの減収になっているということが報道されていますが、その実態について、大まかでいいですから明らかにしてください。

櫻井誠全国農業協同組合中央会常務理事

○参考人(櫻井誠君) 昭和五十六年度の総合農協の経営速報を、全国中央会の方で最近調査し、発表をいたしております。これによりますと、五十五年度と五十六年度を比べますと、貯金の伸びは五十六年度が若干向上をいたしておりますが、貸し出しの方は五十五年度より落ちております。また共済の面では、前年度よりも伸びが鈍っております。販売が若干向上し、購買におきましてはかなり伸びが落ち込んでおると、こういうことであります。  で、事業の方の状況を申し上げたわけでありますが、経営の方から申し上げますと、事業総利益は、五十六年度は六・四%の伸びであります。事業管理費が六・五%、事業利益といたしまして、五十五年度は前年度対比マイナスの二一%ということでございましたけれども、五十六年度は五%の伸びということであります。当期剰余金から当期損失金を差し引いたもので比べますと、五十五年度は五十四年度に比べマイナスの二・七%ということでございましたけれども、五十六年度は二・九%の伸びということになっておりますので、経営的には若干の回復があるというふうに認識をいたしておりますけれども、事業の伸びが思ったほど伸長していないということでございまして、前年度よりも剰余金が減少、もしくは損失金が増加、こういった経営悪化の組合が全体の農協の四五・七%を占めておる状況でございますので、経営状況が回復をしたというふうには私ども見ていないわけであります。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 そこで参考人、伸びた部門もあるけれども、しかし伸び率は悪い、総体的に落ち込んでいる。これは私もそういうふうに指摘をするんですが、農協の事業がこのように伸び悩んでいる、あるいは落ち込んでいるということは、農協事業のあり方、言うならば執行体制がうまくいかないからこういうことにだんだんなってくるというようにお考えになるのか、それとも農業や農村を取り巻く環境の悪化が大きな要因である、そのようにお考えになりますか、どうですか。

櫻井誠全国農業協同組合中央会常務理事

○参考人(櫻井誠君) 五十五年度から農協の経営はかなり、何といいますか、悪化といいますか、という状況になっておりますけれども、これは私どもは一過性のものというふうに考えておりませんで、構造的なものであろうというふうに思っております。  その主な原因といたしまして、農産物価格全体が低迷をしておる。それに伴いまして、農家経済自体がなかなか上向いていないという状況が大きく影響をいたしておりますし、低成長経済に伴いまして、一般の企業と農協との競争がきわめて熾烈なものになっておるというところに大きな経営問題があろうかというふうに考えておりますし、もちろん私ども執行陣といたしまして、より経営の合理化なり効率化を徹底いたしまして、農協の体質を改善し、強固な存在として生き抜くということがより以上また大事であろうと考えております。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 次は森本参考人にお聞きをしますが、金融問題については後ほど何点か聞きたいわけでありますが、総括的に農林金融の現状と背景について聞きたいと思うんです。  系統金融は、農村向けの金融をほとんど担っているわけですけれども、最近は、系統資金の伸び悩み、あるいは農協信用事業収支面の悪化などが目立ってきておるわけなんです。参考人は、最近の系統金融の現状は私は承知をしていますが、その背景をどのように分析をして、今後どのように対処しなければならないというふうに思われますか。

森本修農林中央金庫理事長

○参考人(森本修君) 御指摘のとおり、最近の農協の金融事業は、事業の伸び悩み、貯金にいたしましても、あるいは貸し出し面にしましても、従来の伸び率に比べまして最近かなり鈍化をしてきております。そういった事業の伸びの停滞に加えまして、いわゆる利ざやの縮小というような傾向がございまして、事業収支も漸次停とんをすると、こういう傾向になっております。  背景はどうかというお話でございますが、背景は一つにとどまらないと思います。やはり根本的には農家なり農林経済の停とんというようなことがございます。それからまた、先ほど来お話がございますように、農協の基盤がかなり変化をしてきておる。農家の状況にいたしましても、あるいは農村社会の状況にいたしましても、かなり変化をしてきておるというようなことが背景にあろうかと思います。  また、それよりもさらに大きな環境としては、一般の経済あるいは金融の情勢が非常に大きく変わってきておる。低成長に伴いまして資金の流れが変わるというようなことで、しばらく前から金融機関にとっては大変厳しい環境が出てきております。  また、金融の状況にいたしましても、いわゆる金利の自由化、金融の自由化といったようなこと、あるいは金融機関の競争激化、また資金の選択につきましても、かなり個人あるいは企業において、いわゆる金利選好というようなものが高まってきておる、こういったことが総じて金融機関の経営を非常に厳しいものにしております。一般の金融機関も同様な環境にさらされておる、そういった情勢が農協にも押し寄せてきておるということが、今日の農協信用事業の非常に厳しさを加えておる背景であろうというふうに思っております。  で、対応策はどうかというお話でございますが、何といいましても、やはり各種の金融機関の間の競争に耐えて農協が生きてまいりますには、農協の総合事業としての協同組合の特性を踏まえながら、組合員とあるいはその家族と密着をしながら利用度を確保し、向上をしていくというようなことが非常に大事であろうと思います。また、その裏づけとして金融機関を強化していく。今日お願いをしておりますところの法案の内容もそれに関連をしておるわけでございますが、そういった為替機能でありますとか、そういう金融機能を強化していくということが必要であろうと思います。それを通じて組合員にサービスをしていくということがまず第一だと思います。  それからさらに、業務面では運用の能力を強化していく。つまり、主として貸し出しでありますが、貸し出しを伸ばすようにできるだけ体制を整えるということが第二番目。  それから三番目は、やはり効率経営に徹するということでありまして、資金コストをできるだけ上げないようにする、あるいはさらに下げるように努力をする。またその他の経費面におきましても効率化に努めていくといったようなことが対応策の主な内容ではないかというふうに思っております。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 そこで大臣に伺いますが、農協がみずからの努力によって経営の改善を図っていくことは当然のことであるが、しかし、自助努力だけでは解決のできない問題、構造的なものが、いま話があったように、山積をしておるわけであります。農協の各事業の成績は、農業生産だとか農家経済、あるいは農村景気に左右されることは申すまでもないというふうに思うんです。米を初め、主要農産物の大幅な生産調整やあるいは価格の据え置きあるいは実質引き下げ、反面この生産資材や物価は上がっておる。また高齢化の進行によって農家所得も伸び悩んでいる。これでは農協さん一生懸命やりなさいといったって農協だけの責任に帰するわけにはいかないんです。いまの農業を取り巻く情勢が、言うならば、大臣が進めている農業政策が農協のこうした事業にも大きく影響していると私は指摘をしますが、どうですか。

田澤吉郎自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(田澤吉郎君) 確かに農業協同組合にだけ依存して新しい農業をつくるわけにはまいらない。したがいまして、農林水産省としても積極的に営農いわゆる農業政策を進めてまいらなければならないと思いまして、この委員会でもしばしば申し上げておりますように、非常に厳しい環境の中で、何としても生産性を向上させなければならない。そのためにはやはり国民のニーズにこたえるために、この国民の需要の動向に応じたいわゆる農業の再編成を進めなければいけない。しかも、私は、そのためにはいわゆる中核農家を基本とした経営規模の拡大あるいはまた高能率のやはり生産の集団化の育成、さらにはまた基盤整備等、いわゆる土地基盤整備等を進めるための対策を積極的に進める、また農業技術の開発を積極的に進めるというようなことによりまして新しい農業をつくるための指標をずっと私たちはいまつくってそれをお示ししているわけでございますが、問題は、そういう一つの国の政策にやはりできたら私は協同組合としては各農家が時代に即応する経営をしていただくために生産の指導をしていただく、生活、生産設計をしてもらう、経営の指導をしていただくということが私は協同組合のこれからのやはり大きな役割りではないだろうか。  また、私たちもそういう中で互いに連携をとりながら新しい農業をつくることが必要ではないだ、ろうかと考えておりますので、私たちとしては私たちなりに、新しい農政をどうつくったらよろしいか、どうしなければならないかという一つの指標を、できるだけ正確なものを提示して、そして皆様方の御協力をいただくというようにいたしたいと考えているのでございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 大臣の構想はそれだけに私も認めるところがありますけれども、大臣の言われたとおりにいまの日本の農業は進んでおらないわけですね。中核農家を育成しようと思ってもなかなか期待をしたようにならない。基盤整備もあるいは農業技術の振興も臨調の答申やあるいは行政改革によって補助金も減らされる、あるいは技術革新をしようとしても農業改良資金は減らされる、そういう指摘がある。これでは農業はよくなってこないんですよ。ですから、そのことについての論議はまた改めてやりましょう。  そこで、櫻井参考人にまた重ねてお伺いいたしますが、農協がなるほど時代の変化に対応した経営をしなければならない、そのことも大事だというふうに思いますが、今日日本の農協はかなりの大きな組織と力を持っているわけですね。時代の変化に対応するだけでいいのか、つまりいま農業が財界や臨調の内圧あるいは輸入の外圧の中で一体どういうふうに日本農業を持っていくのかという重大なときなんです。農協も力を持ってるんですから、ただそのときどきの変化に対応するんじゃなくて、日本農業はこうあるべきだということを農協自体だってやはり打ち出して、そのための具体的な施策なり構想を持たなければならないと思うんですが、全中どうですか。

櫻井誠全国農業協同組合中央会常務理事

○参考人(櫻井誠君) 先生のおっしゃるように、ただ時代に対応するだけでなくて、先手必勝といいますか、そういった前向きの取り組みがきわめて大事だというふうに考えております。系統農協におきましては、本年十月七日、第十六回の全国農協大会を開催をするわけでありますが、ここにおきまして取り上げていこうとしておりますのは農協によります日本農業の振興方策であります。並びに農協自体の経営刷新強化という二つの大きな課題を討議をし、方針を決めようということで現在組織討議を進めておるところでありますが、私どもが、いま日本農業にとりまして一番大きな課題として考えておりますのは、需要に応じます農業生産の再編成、これが第一。第二番目に農業構造自体を変革をいたしまして、活力ある生産の主体をつくっていくということであろうかと考えております。  第一番の問題に関連いたしまして、いま米作農家の間で問題になっておりますのは、これ以上の転作はきわめてむずかしいということでございます。現在の水田の能力を活用していくというふうに考えますと、加工用あるいはえさ用等のいわゆる主食用以外の他用途利用米の需要の開発と、またそれに関連する仕組みをつくらなければいけないのじゃないかということで、この問題について系統農協が大きな決心をもって取り組みをしようじゃないかと考えております。  第二番目の問題に関連をいたしましては、特に農業構造の変革でございますけれども、系統農協全体といたしまして、これからの日本農業の方向としてコストの二割引き下げを目標にひとつやっていこうじゃないかという提案をいたしておるわけであります。  経営規模拡大の目標といたしまして、北海道におきましては二十ヘクタール、都府県におきましては、東日本五ヘクタール、西日本三ヘクタール、集団的な生産組織におきましては二十ヘクタール、ここら辺をめどに経営規模の拡大を図ってまいりたいというふうに考えます。その場合、一番大事なのは土地利用をいかにして統一的に、効率的な利用を図っていくかということであろうかと思っておりますが、そうなりますと、まあ集団的な土地利用、これを促進することがきわめて大事でないかというふうに考えておりまして、農協の考え方といたしましては、その集団的な土地利用とそれから労働力、機械、施設を効率よく利用をしていく、そのための地域の営農集団、これをひとつ大いに育成をし活発にするように持っていくことが大事であるというふうに考えまして、その方向で現在対処をするつもりであります。  さらに、農産物の需給調整、これがきわめて大事でございますので、現在進めております地域農業振興計画の策定、現在四割の農協しかまだやっておりませんけれども、現在努力をいたしまして全農協が地域農業振興計画を策定し実践をしていこう、それを基礎といたしまして、農産物の全般的な需給調整をやっていきたい。五十七年度におきまして七十三作目につきましての全国生産販売計画というふうなものを策定をいたしたわけでありますが、これをさらに五十八年度以降も継続、強化をいたしまして、農協みずからの力によりまして需給調整をやっていきたいと考えておりますし、特に加工の問題につきましては、これまできわめて系統農協の取り組みは弱かったわけでありますけれども、付加価値を高めると、農家手取り価格を高めると、こういう意味合いにおきまして、加工部門につきましても相当な強化を図っていく、こういうふうな方向で現在取り組みをいたしておるところであります。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 ぜひひとつ前向きに、ともかくあなたのところは組織が大きいんだから、あなたの組織によって政治を動かすということもないかもしれないけれども、農林省に対してだって強い力を持っているんですからね、あなた自身が、やっぱり全中自身がもっとしっかりした方針を持ってやっていかなきゃいけないと思うんですよ。そのことはお願いをしておきます。  そこで、大臣ですね、農業を取り巻く背景の中で、私は一点だけお伺いして具体的な信用問題に入りたいと思うんですが、それは米価の問題です。  ことしの米価の決着はああいうことになったんですがね、これも農家経済、農協に及ぼす影響は大きいと思うんですよ。申すまでもありませんが、私も論議をいたしましたが、大臣は米審に対して据え置き諮問をした。その後、米審が答申を得ずして長い間かけて与党と政府と政治折衝した。私流に言うならば、これはもったいをつけたにすぎないんだ。しかも、その財源は何か、一・一%、一俵百九十五円上げるのに自主流通米の補助金を百八十八億円削って、基本米価が百五十三億円要ったと、百五十三億円です。あと三十五億円残るわけです。おつりが来るわけです。こんな茶番劇やって、いまの農民が与党さんよくやってくれた、大臣よくやってくれたと思うんですか。こんな決定の仕方がいいのですか。大臣は米価の決定についてどういう反省をしているのですか。

田澤吉郎自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(田澤吉郎君) 米価の決定については、もうすでに御報告申し上げましたように、私の方では据え置きの諮問を米価審議会にお願いし、——まあしかし、実質的に答申に近い米価審議会から意見をいただきまして、それは答申やむなしということでございましたので、私たちはその結果を踏まえながら関係方面といろいろ協議をしながら、最終的には一・一%アップに決定を見たわけでございます。しかし、財政的ないろんな問題につきましては、これは別に米価決定のために、値上げのための自主流通米の問題を取り上げたわけじゃございませんでして、自主流通米の流通対策についてはそれなりにいまの現状からして、これは慎むべきであるということ、それから米価の値上げに対しては、これだけはやはりしていかなければならないということでございまして、結果論から、いまこういう形ではおかしいじゃないかという御指摘でございますが、決して私たちは、財政のつじつまを合わせるための方式じゃない、一つの考え方、一つの考え方にのっとってつくられたものであるということは御理解いただきたいと思うのでございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 いずれにしても、この問題についてはまた後刻いろいろと、とってきた態度、今後の方針について論議をいたしましょう。  そこで、この法律に関係をする信用事業について森本参考人にお伺いしたいのですが、お話がありましたように、最近農協の貯金の伸び率が鈍化をしておる、また。農家の預け先は、郵便貯金や銀行は拡大をしており、あるいはほぼ同じ水準にあるけれども、農協は大幅に落ち込んでいる、貯貸率も伸びない、こういうことからして、一体今後の農協金融のあり方はどうすればいいのか、この原因はどこにあり、どう改善をすればいいと思われますか。そしてまた、今回の法律改正によってこうしたことが挽回できるというふうにお考えになるでしょうか。

森本修農林中央金庫理事長

○参考人(森本修君) 先ほども申し上げましたように、過去に比べますと農協の貯金の伸び率が低下をしてきております。ただ、他の金融機関に比べまして、時期によって比較の程度は変わりますが、それほど大きく落ち込んでおる、他の金融機関の最近の状況に比べて落ち込んでおるということはまあ言えないのではないかと思います、必ずしもよくはありませんが。そういう貯金の状況であろうと思います。  ただ、貯貸率は、御指摘がございましたように、かなり低下をしてきております。特に最近は四〇%を農協段階では割るというような状況でございまして、私どももこの情勢に対しましては、何とかひとつ対応策を講じなけりゃならぬということで鋭意努力をしている最中でございます。何といいましても、貯貸率を維持し、上げてまいりますには、やはり貸し出しをふやさなけりゃならぬということは当然でございます。したがいまして、私どもとしては、農業貸し出しの面におきましても、あるいは生活金融の面におきましても、できるだけその農家が借りやすいような段取りを講じていく。要するに、資金需要に対しては十分対応できるというような体制を整えていかなければならぬということで、御案内のように、貸し出しの面におきましては系統資金を原資といたしますところの制度資金といったようなものがございます。あるいはまた、政策の関連の融資といったようなものにも力を注ぐということあるいは系統自体で、いわゆる要綱融資というようなことで、特に重要な融資種目につきましては、できるだけ金利その他の借り入れ条件をよくして利用の便に供するというようなことで従来やってまいりましたが、できるだけ今後もこういう方向で努力をしたいというふうに思います。  さらに、農協のいわゆる融資体制というようなものも、今後できるだけひとつ見直して改善に努めなきゃならぬということで、四、五年前からいわゆる融資基盤確立運動というのを全国的に展開をしております。内容は詳しくは申し上げませんが、農協の貸付体制でありますとか、手続をできるだけ簡便にするとかあるいは金利につきましても弾力化、低下を図るとか、また保証機能を充実するとか、そういう各般の措置を講じまして、農業なり生活融資が、できるだけ農家の方々に利用していただけるような農協の体制をつくりたいということで努力をいたしております。今後ともこういう面にひとつできるだけ系統を挙げて努力をしてまいりまして、貯貸率の低下を防ぎたいあるいは維持向上に努めたいというふうに思っている次第でございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 農水省にお聞きをしますが、農協の信用事業あるいは金融を取り巻く環境については参考人からいろいろと意見を聞いたところであります。こういう状態の中で農水省としては法律改正等との関連もありますが、今後どういうふうに指導し、欠陥を克服していったらいいというふうにお考えになりますか。

佐野宏哉農林水産省経済局長

○政府委員(佐野宏哉君) 私どもは、一つは農協の信用事業が急速に変化しつつあります金融環境の中で、これに迅速に対応できるようにしていくということが、一つのポイントであろうと思っております。それで、今回御審議を煩わしております内国為替取引についての員外利用の制限の撤廃というようなことも、御高承のとおりとうとうと進んでおりますオンライン化の中で、全銀内為制度に加入をするということによって、農協が急速に変化する金融環境の中で、金融界の孤児のようなものになってしまうということを回避したいということに出るものでございます。  それからもう一つは、先ほど来御議論を賜っておりますような貯貸率の低下と申しますか、あるいは有価証券運用等に奇形的に依存をしております資金運用の変則的なパターンをどうやって是正をしていくか、ないしはこれ以上悪化するのを防ぐかという問題がございます。これにつきましては、まず何と申しましても農協の信用事業でございますから、組合員に対する貸し出しを伸長することが基本でございまして、まず農業の融資につきまして、先ほど中金理事長からも言及されましたような融資体制の整備あるいは櫻井参考人からお話のございましたような地域農業振興計画の樹立との関連において、さらに資金需要を発掘していくという努力が積極的に行われることを期待をいたしております。農業以外の分野につきましても、最近系統の信用事業におきましては、住宅資金なり奨学資金なり組合員の生活面のニーズにこたえる貸し出しを伸ばすための努力をやっておられまして、私どもとしては、このような努力が今後さらに引き続いて強化されるべきものであると考えております。  私どもといたしましても、このような農協の系統内での貸し出しの伸長につきましては、近代化資金等の利子補給制度あるいは信用保障基金協会等の信用補完制度について助成をすることによりまして、応援をしておるところでございまして、今後引き続きこのような努力をしていかなければならないと思っております。  しかしながら一方、若干の信連におきましては、信連の会員の自賄い資金ポジションが非常に極端に言えば改善され過ぎてと申すべきでございましょうか、自賄い傾向が強くなりまして、信連の段階に相当巨額の余資が集中をしてきて、員外に貸そうにも貸せない。そういう中で有価証券に奇形的に偏った資金運用が行われておるという実態がございますので、その点を是正をする必要があるというふうに考えまして、今回御審議を煩わしておりますような例外的な信連について員外利用の特例的な措置を講ずることにしたいというふうに考えておるわけであります。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 櫻井参考人にもう一点だけ伺っておきますが、今回提案された法律改正によって信用事業の整備改善を図るためには、農協が全銀内為制度に加盟しなければならない。全中はこの体制整備を進めておりますけれども、現状とその見通しについて簡潔に御意見を聞かしてください。

櫻井誠全国農業協同組合中央会常務理事

○参考人(櫻井誠君) 御承知のとおり、現在系統農協を挙げまして全銀内為制度への加盟を、運動を続けておるわけでありますが、そのための体制整備といたしましていろんな条件整備をいま図っております。特に全銀内為制度に加盟するにつきましては全農協が一時に加盟をしなければいけないと、こういう条件になっておるわけでございまして、御承知のとおり、現在内国為替業務を行っていない農協が約八・九%ぐらい存在をいたしておるわけであります。  で、なぜ内国為替業務ができないかというと、この承認の基準といたしまして貯金十億以上、それから信用事業専任の職員が四人以上いるという条件が必要なわけであります。で、そういった条件につきまして合致するように現在、場合によりましては実質的な合併の推進というようなことも進めておるわけでありますけれども、私どもといたしましては全農協一致して加盟できるというふうにいたしますためには、いま申し上げましたような十億円以上、信用事業専任職員四名以上というふうな承認基準の特例的な緩和という面につきましても行政庁の方に要請をしてまいりたいというふうに考えております。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 農水省に聞きますが、この法律が施行され、全中は五十八年三月までに条件整備をしようというふうな目途のもとにいまやっているようですけれども、いまお話がありましたようにいろんな基準がある。あるいはいま参考人から話があった以外に、この職員の関係だとか、それから名称の問題もあるでしょう。いろいろある。三月までにこの条件整備ができなかった場合には一体どうなるのか。いま参考人の方では何か基準も緩和してもらいたいというようなお話があったんですが、農林水産省としてはどうお考えですか。

佐野宏哉農林水産省経済局長

○政府委員(佐野宏哉君) 私どもといたしましては、系統農協の方から為替取扱承認基準の緩和についての御要望は承っておりまして、私どももこれは緩和をするつもりでおります。それで、この法律案を当委員会で御可決いただけますれば直ちに検討に着手して、至急緩和された特例的な承認基準を定めることにいたしたいと思っております。  ただ、それによってもなお救済しがたい農協というのはなお残るかもしれません。そういう場合には、私どもとしては信連が為替業務を代行するという、そういう方途も含めてすべての農協について内国為替が取り扱えるように内為制度加入の時期までに間に合うように措置をするつもりでおります。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 そこで、この法律の改正による全銀加盟の指導方針は、言うならば総合農協に重点を置いているというふうに思うんです。農協には、総合農協以外御承知のとおり専門農協もあるわけですね。この専門農協の中でも全銀加盟を希望しているところがありますが、これはどういうふうに扱うんですか。

佐野宏哉農林水産省経済局長

○政府委員(佐野宏哉君) そもそも信用事業を行っておりません協同組合というのは、平たく申せば要するに金融機関ではないわけでございまして、これが全銀の内為制度に加入をするということはちょっと実際的には考えにくい問題であろうというふうに思っておりますが……。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 私の言っていることは、総合農協でも加盟を希望するところがあると。それは信用事業をやっているんですよね。総合農協だってやっているところあるでしょう。それはどういうふうにするんですか。

佐野宏哉農林水産省経済局長

○政府委員(佐野宏哉君) 私ども役所で使っております総合農協という用語は、信用事業を行っております農協はすべて総合農協というふうに私どもは呼んでおりますので、いま申し上げましたのは信用事業を行っております農協はすべて内為制度に加入できるようにするつもりで手当てをいたしますというふうに申し上げているわけでございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 それでは、専門農協であっても信用事業を行っていれば内為制度に加入できる。その場合、名称ですね、これは何々専門農協、たとえば何々園協、何々酪農協という名前であってはいけない、こういうことを聞くんですが、そうですか。

佐野宏哉農林水産省経済局長

○政府委員(佐野宏哉君) 名称問題につきましては、私の承知しております限りでは、全銀内為制度加盟との関係で名称が問題になっておりますのは、長過ぎてコンピューターの容量から見て受けつけられない長過ぎる名前を変えていただかなければいけないという話と、それから同じ名前の農協が複数ある場合には識別可能なようにどっか違うようにしていただかなければいけないという話は承知しておりますが、それ以上のことは私は寡聞にして聞いたことはございません。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 そこで、長過ぎちゃいけない、なるほど十五字以内に名前が入らなきゃいかぬと。その場合、何々園芸協同組合、これ農協ですね、園協も。協同組合ですね。園芸だとかあるいは酪農という言葉は使ってはいけない、こういうことが言われているようですが、それ、関係ない。いいですね、じゃ使ったって。はっきりしなさい、話は。

佐野宏哉農林水産省経済局長

○政府委員(佐野宏哉君) 私は、長過ぎるのを短かくする、短くするやり方の中で、園芸を削るとか酪農を削るとかという話はちょっと寡聞にして聞いたことはございませんが……。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 確認しなさい。いいですか、それは使って。信用事業を行っている専門農協が、何々農協じゃなくて何々園芸農業協同組合という園芸を入れていいですか。酪農を入れていいですか。

佐野宏哉農林水産省経済局長

○政府委員(佐野宏哉君) 実は、その点は役所が決めることではございませんので、どういうぐあいになっておりますか、あるいは参考人にお尋ねいただいた方が……。私どもは一切その点はノータッチでございますので……。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 じゃ、櫻井参考人、いいですか、政府じゃわからぬというんですが、そういうのを使っちゃいけないというふうに言われている向きがあるということを私は聞いているんですから。

櫻井誠全国農業協同組合中央会常務理事

○参考人(櫻井誠君) 銀行の方と中央機関でこの問題については十分相談をして対処したいと思っております。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 したいということじゃなくて、だからそういう園協という名前を使っちゃいけないから定款変更して名称を変えなさいと、そういうふうに言われているというんですね。それじゃ困るという専門農協があるんですよ。変えなくていいのかどうかと、そのことを確認しておきたいんですよ。

佐野宏哉農林水産省経済局長

○政府委員(佐野宏哉君) 私どもとしては、いま村沢先生御指摘の問題については、関係者の間の御相談さえつけばいかように御処理いただいても役所としてとやかく申し上げることは一切ございません。

櫻井誠全国農業協同組合中央会常務理事

○参考人(櫻井誠君) いまの問題につきましては、全銀の方との折衝事項になっておりますので、先生がいまおっしゃる方向で私どもとしても努力をしてまいりたいということであります。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 そこで、私がそういうことを質問したことは、具体的に何々園協というのがあるのを、園協という名前を使っちゃだめですから園協という名前は使わないようにしてください、そういうことを言われているというんですね。ですから定款変更して名称を変える。やっぱり園協でも酪農協でもトレードマークであって非常に名前を売っておるわけですね。それを変えなきゃいけないということです。強いて言うならば、そういうのは総合農協にひとつ合併していらっしゃいとまで言われているようなことを聞いているんですがね。そこまでこの法律を使っちゃちょっと行き過ぎだと思うんですね。ですから、その点については十分農林省も一緒になってよく検討してください、いいですか。

佐野宏哉農林水産省経済局長

○政府委員(佐野宏哉君) 私どもといたしましては、全銀内為制度に加入するためには業態一括加入、すなわちすべての信用事業を行っている農協がこれに加盟をするということでなければいけないのであるということを踏まえまして、内国為替の取扱承認基準を緩和しようということを先ほど申し上げたところでございまして、したがいまして、この全銀内為制度に加入をするためにその農協の存立を放棄して別の農協に合併しなければいけないなどというのは本末転倒もはなはだしいことでございまして、さようなことはないように私どももきつく指導をいたしたいと思っております。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 その点は確認しておきますからよく指導してください。  それから、この農協の内為制度取引に加盟するためには員外利用の規制を撤廃することが前提だと、そのことはわからぬわけではないけれども、そうすると農協の本質、果たすべき役割りというのはどうなのか。つまり農協の本来の使命は組合員の社会的経済的地位の向上を図ることでしょう。言うならば組合員の職能組織ですね。この職能組織である組合員、そうすると、なるほど職能組織といっても地域と連帯してやらなきゃいけないことは否定するわけじゃありませんけれども、そういう農協の本質、本来の姿と員外利用の制限を撤廃するということとはどういうふうな関連を持つのか。組合員に不利益になるようなことがあってはいけないというふうに思うんですが、どうですか。

佐野宏哉農林水産省経済局長

○政府委員(佐野宏哉君) 私どもといたしましては、農協が組合員のニーズによりよくこたえていくという面で今後強化されるべき一つの分野として決済機能ということがあると思っております。それで、今回私どもが全銀内為を可能ならしめるための法律改正につきまして御審議を煩わしております真意もそこにあるわけでございまして、農協が組合員のニーズによりよくこたえるためには、やはり農産物の販売代金でありますとか、あるいは都会の学校に行っておる子弟に対する送金だとか、そういう組合員のニーズによりよくこたえるためには、やはりこの全銀の内為制度に加入することが必要であるというふうに考えております。  それで、全銀の内為制度に加入いたします以上は、これは他種の金融機関と一つのネットワークの中で連結されるわけでございまして、ほかの金融機関に一々これは員内であるか員外であるか、何%まで届いているか、もうこれ以上やると員外利用制限を超えるのかどうかというようなことを確かめてから依頼を受け付けるというふうにやってもらうということはとても期待できないわけでございまして、そのためにこういう改正をさしていただくということもやむを得ざるところであるというふうに考えておるわけでございますが、こういう改正案について御審議を賜っております真意はあくまでも組合員に対する利便によりよくサービスするということがねらいでございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 ぜひそういうふうにお願いしたいというふうに思いますが、そこで、この制度に加盟をするために、弱小規模の農協を条件整備するための最大の手段としては合併を考えておるようですが、この農協合併も助成法は本年三月で期限切れになった。三十六年にこの法律が制定されて以来五回もう改正になり、延長されてきたわけですけれども、政府としては、この法律の意図していた目的を達したというふうに思われますか。農協が健全なる発展を図っていくためには適正な経営規模を持たなければならないことは、これは認めるとしても、大型農協になることによって組合員との関係がよくなると必ずしも言い切れないと思うんですね。逆に疎遠になることもある。あるいは農協離れになるという現実も起こっている。したがって、農協合併が必ずしもその効果を十分発揮しているとは言いがたいんですけれども、特に今度はこの制度加盟によって、条件整備をするために合併という問題が助成法は切れたけれどもさらに促進をしていくという動きが出てくるというふうに思いますけれども、今日まで進めてきた合併の功罪、今後あるべき姿というのはどういうふうに考えますか。

佐野宏哉農林水産省経済局長

○政府委員(佐野宏哉君) お答えいたします。  私ども、従来農協合併を推進をしてまいりましたのは、やはり農協といえども効率性を発揮して経営管理体制を強め、事業経営の基盤を強めていくと、そういう見地から見ますとやはり一定の規模を備えておることが望ましい。そうすることによりまして営農指導の面におきましても、あるいは農産物の販売事業におきましてもよりよく組合員に奉仕することができるようになるであろうと、そういう期待のもとで農協の合併を推進をしてまいったわけでございます。しかしながら、合併農協の現状を見ますと、合併を通じまして規模が拡大をされた。その効果を十分に生かし切っているかということになりますと、必ずしも農協の内部組織なり管理運営がその規模の拡大にふさわしいように充実しているとは言えないというような事例も見られるわけでございまして、また、農協が大型化したためにかえって組合員との結びつきが弱まっている例も見られるというのはただいま先生御指摘のとおりでございます。そういう意味では、私どもとしては、今後ともなお零細な規模の農協が多数存在いたしますから、自主的な農協合併は推進されるべきであるというふうに考えますが、農協合併の効果を十全に発揮して、かつ組合員との結合関係が希薄化するというような副作用を防止しながら進めるということは、これはなかなかむずかしいことでございまして、そういう利害得失を冷静に判断しながら農協の合併の効果を十分生かし切れるという見通しを持って合併を進めてくれるということでなければ困るというふうに思っております。したがいまして、今回の全銀内為制度に加入するために、利害得失を十分吟味することなしにやみくもに農協合併を推進するというようなことは全く邪道であるというふうに考えておりまして、その点は従来の合併の経験に照らして合併の効果を十分生かし切れる自信のあるところで合併を進めてもらうべきものであって、内為制度に加入するために、そのために合併を進めるというのは本末転倒であろうというふうに考えております。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 先ほど私が当初に質問したブロック書簡について適切な答弁もいただいておりませんので、委員長に要請し、理事の皆さん方にお諮りいたしましたが、私は農協法に対する質問をこれで終わりまして、若干時間を残しまして冒頭の質問について継続をします。

坂元親男自由民主党

○委員長(坂元親男君) 両案に対する午前の質疑はこの程度とし、午後零時四十分まで休憩いたします。    午前十一時四十二分休憩      —————・—————    午後零時五十四分開会

坂元親男自由民主党

○委員長(坂元親男君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、農業協同組合法の一部を改正する法律案及び昭和四十四年年度以後における農林漁業団体職員共済組合からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案、以上両案を便宜一括議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 外務省の局長が参りましたのでお尋ねいたしますが、私は午前中の質疑の中で次長に対して、ブロック書簡の全文を当委員会に提出してくださいという要請をいたしました。委員長から取り計らっていただきましたが、これは極秘文書であるから出すことができないという答弁がありました。また、文書を出さないならばブロック書簡の骨子、特に農業問題に関する点、それから附属文書、これについて口頭で説明してくださいという質問をいたしましたが、これもだめでございますという、こういう答弁でありました。さらに私は、この問題は局長御承知のとおり、いろいろな新聞でスクープされていますね。特に、ある新聞は写真まで入れてその内容の記事が載っているんです。極秘文書というものがこんなに簡単にスクープできるものかどうか私わかりませんが、この新聞記事についてもイエスかノーかということを言っても、それもお答えができませんということだった。局長はいま三点についてお答えができますか。

深田宏外務省経済局長

○政府委員(深田宏君) 昨日来外務省の試験の委員を仰せつかっておりまして、その関係で伺うのが遅くなりまして大変恐縮でございます。けさほどの御審議の経緯、したがいまして全部承知しておりませんで、失礼な点があるかと存じますけれども、ただいまの先生の御質問の最初の点でございますが、ブロックさんの書簡及びその別添の性格につきましては、その冒頭に、英語で恐縮でございますが、パーソナル・アンド・コンフィデンシャルという言葉が書いてございまして、これはいわゆる御親展、御直披というような性格のものであろうかと存じます。したがいまして、その内容について詳細を申し上げるというのは差しさわりがあろうかということであったのであろうと思います。  この書簡の大筋と申しますか、どういうものであったかと別添を含めてお答えいたしますと、書簡そのもの本文は日本文に訳しまして二ページほどのものでございまして、ブロックさんとしての日本の市場開放問題についての考え方を申し上げたいという前書きでございます。  それから、書簡についております一番の本体でございますが、これはブロックさんのいま申しました考え方、いわばアメリカ側の希望と言ってよろしいかと存じますが、これにつきまして農水産物から始まりまして、輸入手続の問題、関税引き下げの問題等につきまして具体的に希望を申し述べているくだりでございます。一々申し上げるのは適切でないと思いますけれども、たとえば農水産物に関しましては、どういう品目について輸入制限の緩和を希望しているということが書いてございます。また、関税の引き下げにつきましても、関心品目表をつけてリストアップしております。また、輸入手続の緩和につきましても、規格、検査、関税手続等に対する関心の表明、さらにはサービス産業の問題、市場アクセスの改善と申しますか、商慣行、流通網の改善、輸入の促進、先端技術分野におけるアクセスの改善というような事項が列挙してございます。  それからもう一つの別添でございますが、これがいわば日本側で総理大臣から、外国品を大いに買おうじゃないかというようなことで、門戸を開こうじゃないかということで呼びかけていただくとすればこういうことも一つの案であろうということが盛られましたいわば談話の一つの案と申しますか、サゼスチョンといいますか、そういうものがついているわけでございます。  それからもう一つ、この点につきまして若干私どもといたしましても先方にどういう背景でこういうものが出てきたかということを問い合わせたわけでございます。これは、書簡は五月の十一日付でございまして、私どもの間い合わせば現地時間の十二日に行ったわけでございます。これももちろん先方の立場もございます。特に先方の方から、余り自分の説明そのまま表へ出るようなことはひとつぜひ勘弁してほしいということでございますので、ここで詳細を申し上げるということは御容赦いただきたいと思いますが、こういう背景を尋ねました理由といたしましては、一つにはちょうど私自身お手伝いをいたしておりましたけれども、農産物の交渉に関しまして、アメリカ側と若干意見の食い違いと申しますか、行き違いがございまして、いわばその仕切り直しというようなこともございまして、ジュネーブの方まで先方との打ち合わせに農林省の経済局長と御一緒に伺ったような経緯がございます。そのあたりのところが、先ほど概要を御説明しました文書においてどういうふうに反映しているかという点につきまして、若干先方にただしたい点がございました。  それからこの書簡は、私どもとしましては、櫻内外務大臣あてということでちょうだいいたしたわけでございますが、同時に若干の他の大臣方にもあてられておったということがわかりましたので、その辺これどういうふうに考えているのかなということで、私どもとして先方の意向を聞いてみたいと、こう存じたわけでございます。  最後に、総理大臣の談話についても、こういうものが別添されておった背景については、向こう側の考え方、これは一応聞いてみた方がよろしいというふうに思いましたので問い合わせた次第でございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 その総理大臣の談話なり宣言を、こういう文書で出したらどうですかというブロックの示唆ですね、これは日本の総理大臣の談話を出すに当たって一つの常識的に見れば誘導するものであり、示唆を与えたものであるというふうに私は考えますが、ごらんになった局長はどういう感じを受けたですか。

深田宏外務省経済局長

○政府委員(深田宏君) 私どもの受けとめ方ということでのお尋ねでございますが、先方の意図ということを推察いたしますに、当時アメリカ側としましては、日本に市場開放を求めるという立場であると同時に、米行政府といたしましては日本とアメリカとの関係がこの市場開放の問題をめぐって不必要にこじれるというようなことはないようにという配慮も当然あったわけでございまして、そのように推察されるわけでございまして、そのような観点から、先方としてアメリカ側の希望というものはできるだけ詳細かつ具体的に伝えた方がよろしいという判断に立っていろいろな、先ほど来お答え申し上げて、御説明申し上げておりましたような文書を出してきたのであろうというふうに思うわけでございます。したがいまして、この総理大臣の談話ということにつきましても、日本側にこういうことをしろと指示をするとか、高圧的にこうすべきであるということを唱えておるというふうには私ども受けとめておりません。これはむしろできるだけ参考になる材料は親切に提供をすることが日米双方にとってプラスであるというふうな判断に立ってのことであろうかと、こう存じます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 その総理大臣の談話をこういうふうにしろという指示はしておらない、具体的に文句には書いてないけれども、私はそういう書簡が来たと、日本の総理大臣の談話をつくるに当たっては、それがやっぱりそのブロック書簡を頭に置いて考えることは当然のことだというふうに思います。この問題については答弁は求めません。  そこで、先ほど局長はブロック書簡について、在米日本大使館を通じて調査をしたと、その調査をした、なぜ調査をしたかということについてお話がございました。先ほど次長はそういうことともに、背景ですね、私はその背景というのはこの文書が、文書の形式から言って、表現から言って、従来のアメリカから来る文書とは大分違っておる、そういう御心配もあって調査もしたと思うんですよ。そのことは次長も認めておりますけれども、その結果、向こうの回答はどういうことなんですか、率直に言ってください。私は一々内容についてだとか、他の大臣にあてたとか、そんなことは聞いておりはしない。私の質問したことについて、その調査の結果はどういう御返事だったんですか。

深田宏外務省経済局長

○政府委員(深田宏君) 先ほどちょっと触れましたように、この書簡、同文のものと思われますが、同文のものが複数の関係大臣に同時に発出されました点等、従来通常の外交文書と申しますか、アメリカ政府としての正式の日本側への申し入れということになりますと、これは国務長官の名前で参りますとか、あるいは大使館等の口上書という形をとる場合もいろいろございますけれども、基本的にはワシントンの大使館なり外務省なりに発出される。同時に同じものの写しが出るということ、あるいは同じものが複数発出されるということは通常余りございません。本文が参りまして、それを私どもの方から関係省庁に至急お知らせをするということでございます。そのような関係で、若干手続的には異例と申しますか、であったということで問い合わせ等行ったわけでございますが、先方は当初申しましたように、この働きかけはパーソナル・アンド・コンフィデンシャルと、公的な立場に立ってのことではございますけれども、いわば形式的には、あるいは手続的には非常に非公式な形で行ったということであったわけでございます。そのような点を先方について確認をいたしたわけでございますが、いずれにいたしましても、日本側の市場開放措置そのものは、こういうものを一つの参考——相手のあることでございますから、一つの参考にはいたしましたけれども、そういうものによって最終的に左右されたわけではございませんで、日本側で関係省庁御議論いただきまして、自主的に、総理大臣の御了承を得て決定を見たわけでございます。したがいまして、このブロックさんからの働きかけは、日本側にとって一つの参考ということであったわけでございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 私の質問が抽象的であったら具体的に申し上げましょう。私はこういうふうに思うんです。この文書はアメリカの通商代表部が作成したものではない、通産省が持ち込んできたものである、内容がよくできていたのでブロック書簡として同文で出した、このようにアメリカ通商代表部からの回答があったんではないですか、私はこれが真実だと思いますが、イエスかノーか、答えてください。——いや、外務省に聞くんですよ、外務省が調査したんですから。

深田宏外務省経済局長

○政府委員(深田宏君) 大変恐縮でございますが、この点につきましては先方の非常に強い希望もございます。調査と申しますか、問い合わせた相手の立場もございますので、このイエス、ノーという形で御返事をしろというせっかくの御要望でございますけれども、この席ではひとつ御容赦いただきたいと存じます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 本当にそういうことがないとしたらば、絶対ありませんと言って答弁することが政府の態度だと思うんですね。答弁ができないということは、何かこの間に、背後におかしなものがある、そのことをわれわれは疑問に思ってるんですよ。ですから、局長もいろいろな新聞ごらんになっていただいたと思う。たとえば、私は次長に先ほど提出いたしましたが、七月二十日の新聞記事、これは農業新聞ですが、それから大新聞の朝日の七月二十三日の記事には私がいま申し上げたようなことが載っている。こういうことについてもあなたは否定をするんですか、答弁ができないんですか、どうですか。

深田宏外務省経済局長

○政府委員(深田宏君) 先ほど申しましたことの繰り返しになって大変恐縮でございますが、この際お答えをするのは先方の立場もあり、適当でないということでございます。答弁ができないという、そのいずれかと御指摘があれば、まあ答弁を差し控えさしていただきたいということでお願いをいたしておるわけでございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 あなたが答弁に真実を言うことによって政府部内の他の省なりあるいは政府不統一、いろいろな影響を及ぼしてくるということは私は知っています。ですから答弁を差し控えさしてくださいということですけれども、差し控えるということはやっぱり重要な問題があるから控えるんです。日本にそういうことはなかったということなら胸を張って答弁すればいいじゃないですか。ですから私はこの問題は、いまの局長の答弁は、きわめて答弁すると重要な問題だということがあるから答弁できない、そのように受けとめておきますよ。  そこで、時間も余りありませんから通産省にお伺いいたしますが、私はここに総理の談話を持っているわけですけれども、これは通産省が作成したものですか、起草したものですか。これも内容はいいですよ、そのことだけを聞かしてください。

福川伸次通商産業省貿易局長

○政府委員(福川伸次君) 五月二十八日に発表いたしました総理の談話は、これは経済企画庁がおとりまとめ役になられまして関係省庁が相寄りまして調整の結果練り上げたものでございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 五月二十八日に発表した鈴木総理の談話と五月十一日に来たブロック書簡の附属文書ですね、この草案とはその骨子において大変似ている。ブロック草案の方が文書が長いし、英文と日本語の違いでありますから若干の表現が違いあるけれども、しかしその言わんとするところは同じだと。実は昨日私のところに通産省の某課長が参りましてこの問題をただしたら、内容は大体同じですという答弁があった。局長お認めになりますか。

福川伸次通商産業省貿易局長

○政府委員(福川伸次君) 私どもといたしましては、いま外務省からお答えのようにブロック書簡に添付されておりますその総理談話のサゼスチョンなるものにつきましては、ここでその詳細はお答えするのは差し控えさしていただきますが、たとえば長さにおいてある程度違う、一部項目において違っている点はございますが、大筋似通った内容のものであると認識いたしております。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 五月十一日にブロックの書簡が来た。鈴木総理の談話は五月二十八日に発表した。しかもその内容は大体似通っている。ですから私はブロック書簡が総理談話を示唆したものではないかと、先ほど来このことを言っているんですよ。関係がないというふうに言っていますけれども、自主的にやったものだと言いますけれども、関係のないものが若干の文句や使い方は違ったとしても、なぜこんなに似るんですか。

福川伸次通商産業省貿易局長

○政府委員(福川伸次君) 若干この経緯を御説明さしていただきますと、午前中も御答弁申し上げましたように私どもとしては第二弾の市場開放策、これは失敗を許されないと、ベルサイユサミットを控えておりましてぜひ成功さしたいということでございまして、しかも私どもとしても工業製品を中心に市場開放策をぜひ講じるようにというわけでありまして……

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 時間がないですからね、そういうことは私は知っていますから。なぜ似ているんだと、そのことだけ答弁してください、質問にね。

福川伸次通商産業省貿易局長

○政府委員(福川伸次君) はい。その点につきましては、私どもとしては五月の六日でございましたか、安倍大臣が鈴木総理に、中東の訪問の御報告の際に、今後こういう総理の談話というようなことも一つの案ではないかということを御進言申し上げ、総理の大筋の御了承を得ましてひとつ三極の会合でその辺の理解を得るようにという御指摘がございました。私どもとしては五月の七日にたまたまUSTRから三極の議題のお問い合わせがありました一環といたしましてその回答をいたします際に、大体の総理の骨子を御連絡を先方に申し上げたということでございました。大臣のUSTRにおきます根回しの一環といたしまして、事前にそのような骨子を先方に通報をいたした次第でございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 五月七日に通産省がアメリカ通商代表部に電話でもって鈴木総理の談話の骨子を申し上げたということですね。しかしそうなると、それは五月十一日にブロックの書簡が来ているんですね。その骨子を受け取ったアメリカ通商代表部としては、ブロックさんの言わんとするようなことがこの総理の談話だと。つまりブロックの書簡と総理の談話は似ていますからね。にもかかわらず、なぜ十一日にまたブロック書簡として添付書類が来たというふうに思いますか。考えなきゃいけません。何もブロック書簡が、あなたが七日にアメリカへ通報したらば、あの総理談話を、十一日にブロック書簡としてまた添付書類として総理談話をこういうようにしてくださいと言ってくる必要ないじゃないですか。どうなんですか。

福川伸次通商産業省貿易局長

○政府委員(福川伸次君) 私どもも、先方がどのような経緯、考え方を持ちましてこのブロック書簡に添付してきたかは、先方のお考えのことでございますから私どもとしてはその経緯をつまびらかにいたしませんけれども、先方としては、先ほど深田外務省経済局長がお答えになられましたように、いろいろなことで日米間での意思の疎通を図る、こういう一環で一応私どもとしてはまず大方の考え方の大筋の骨子を連絡をいたしたわけでございます。その後、それに基づいてアメリカ側もいろいろ日米間の対話というような一環でアメリカ側の希望を御表明をしてきたと、こういうことになっているんではないかと推測をいたしております。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 外務省にお尋ねいたしますが、日本の総理の談話を共同声明か何かは別として事前にアメリカに通告しなきゃならない、そのことが私はわからぬし、よしんばそういうことがあったとしても、これはこんなこと電話でやりとりするなんていうことが普通外務省の常識上考えられますか。それと同時に外務省は、五月七日に通産省がアメリカの政府に対して鈴木総理はこういう談話を発表しますという報告をする、そのことについては事前に了解を得て、承知しておったんですか。

深田宏外務省経済局長

○政府委員(深田宏君) 順序は逆でございますが、そういう御連絡をなさることについて事前に承知いたしておりませんでした。  それから、最初の御質問の総理の談話の案と申しますか、そういうものをこういう形で出してくるということ、これはいろいろ御意見があろべかと存じますけれども、先ほど御説明いたしましたように、先方の希望を表明と、お互いに仕事をやりやすくするようにという配慮で出してきたというものであるというふうに私どもは受け取っておるわけでございます。連絡の方法が電話であるかどうかの点につきましては、一般的には大変長いものでありましたら電話というのはなかなかむずかしいということもございますけれども、これは一概には必ずしもそうは言えない、時と場合によっていろんなやり方があろうかというふうに存じます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 外務省が知らないところで、通産省が総理の談話はアメリカに対してこういうことを言いますよというようなことも私は政府の機構の中では考えられないことである、まさに通産官僚の思い上がりだと思うのですね。外務省がこういうことを知っておっても何ともおっしゃらなければまたこれもおかしな話ですね。日本の外交というのはそういうものですかね。各省ばらばらにそういうことを、しかも総理の談話ですよ、やっていいでしょうかね。もう一回どうですか。

深田宏外務省経済局長

○政府委員(深田宏君) ただいまの御連絡をいただかなかった点につきましては、大変残念であったというふうに私どもとしては考えております。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 ですから私は、通産省がこういう姿勢であるので総理宣言の草案をもう事前にアメリカに渡してあったわけです。したがって、ブロック書簡の附属文書として送ってきた日本の総理大臣はこういう談話を発表してください、声明してくださいというのは通産省が事前に渡した。そして通産省がこれを段々まとめて、五月二十八日かに発表する総理の談話としてまとめ上げた、これが真実だと私は思いますが、あなたは絶対そういうことはないと答えることができますか。

福川伸次通商産業省貿易局長

○政府委員(福川伸次君) 私どもといたしましては、先ほど申しましたように五月の六日に鈴木総理に安倍大臣がこの大筋の御了承を得たわけでございます。この談話は、確かにいろいろ御意見はあろうかと思いますが、むしろ工業製品を対象にいたしまして国内に言っていることでございまして、私どもとしては国内への呼びかけということで、これを一応アメリカ側の理解、評価を得られるという一環で先方にその骨子を、もちろん政府部内としてこれから練り上げていくまだ途中の過程でございますが、その骨子を安倍大臣が三極の会合の際に御説明をする際の便宜のために御通報をいたしたということでございまして、私どもといたしましては、そのような文書を事前に渡す、あるいは通産省がそのような総理談話を出させる、あるいはブロック・レターを出させるというようなことを仕組んだ事実はございませんので、その点は御理解を賜りたいと思います。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 御理解も何もできないんですがね。  そこで、私の持ち時間もぼつぼつなくなってまいりましたが、先ほども申しましたように、私だけの質問で終わることではない。政府は、日本社会党も正式に申し入れをしているんですから正式な回答を出さなければいけないというふうに思いますし、国会においても追及されるでありましょうが、いまの通産省の局長の答弁に対しましては私は納得できない。やがてこの真実は明らかになるでしょう。  そこで、大臣にお伺いいたしますが、この書簡には農産物のことが非常に載っているし、また一番関心のあるのは農産物です。ところが、この書簡では農水大臣あてではなかったと言うんですね。あなたはかやの外に置かれておった、むしろ来なかった方がよかったのかもしれませんが。しかし、中身をどうするとか、大臣あてでないので悪いなんてことはアメリカさんの言うことだから私は言わない。しかし、いま答弁の中でありましたように、少なくとも日本の独立国の総理の談話に対してアメリカがこういうことをひとつ言ってもらいたい、しかもその原稿の草案までつけて文書で送りつけてくる。このことについて、あなたは農水大臣であり国務大臣として、一体どういうふうにお考えになるか。アメリカの言うことをそのままに聞かなきゃいけないのか。  それからもう一つは、いずれこの問題が明らかになるでしょう。もし私が指摘したような問題があったとするならば、政府としても重大な問題だ。あなたは国務大臣として、真相をやっぱり明らかにして、そして国民の疑惑を解く必要がある。このことをぜひやってもらいたいし、もし私が指摘したようなことがあったならば、毅然たる処置をとらなければいけないと思いますが、大臣どうですか。

田澤吉郎自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(田澤吉郎君) 御指摘のように、ブロック書簡のあて名は農水大臣ではないものですから。しかし、外務省を通じて内容は農水省に参りました。  私は、この委員会でもしばしば市場開放について申し上げておりますように、残された輸入制限品目についてはわが国の基幹産業品目であり、あるいは重要品目でございますので、これ以上市場開放には手を染めずに対応したいという態度を委員会でも申し上げると同時に、アメリカに対してもその態度を常に主張してまいっております。したがいまして、この農林水産物に言及した部分につきましては、外務省を通じてわが方の意向を積極的に申し入れをいたしたのでございます。そして交渉の結果は、私たちの交渉は決して、農水省の考え方がむしろ貫かれたものと私は理解しております。これまでも私たちは、農産物の交渉に当たっては常に農林水産省が窓口でやるのだと、いままでもやってまいりましたし、今後もまた農産物の交渉については農林水産省が窓口で、責任を持ってやるという姿勢を貫きたい、かように考えております。  なお、先ほどのお話のように、ブロック書簡問題については各方面から真相の解明の申し入れがございますので、目下政府部内において必要な調査を行っていると聞いていますので、その結果がまとまり次第、速やかに御報告申し上げたいと、かように考えております。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 もう一点、答弁落ちていますね。  ブロック書簡に対して、附属文書で日本の総理大臣にこういう宣言をしてくださいといって要求をしてくる、これについて必ずしもその要求を受けてやったわけではない、自主性を尊重してやったと通産省は答弁しているけれども、内容は全く同じなんだ。こういうことに対して独立国の国務大臣としてどういうふうに考えるんですか。

田澤吉郎自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(田澤吉郎君) 先ほども申し上げましたように、私は農林水産大臣としてやはり現在の農業の置かれている現状をいわゆるアメリカに説明をし、また閣議においてもあるいは関係閣僚会議においてもその旨を主張して、そうして今日までまいりましたし、今後もまたそういう態度で進んでまいりたい、かように考えますので、いま御指摘のブロック書簡とのあるいはまた附属文書との関連、内容、あるいは事実等にあるいはまた評価等については、私としてはコメントをする立場にないということだけは申し上げておきます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 時間ですから。

藤原房雄公明党・国民会議

○藤原房雄君 農業団体職員共済組合のことにつきまして若干の御質問を申し上げたいと思います。  これは毎年のことでありますので、これらの諸問題については問題点何点かにしぼられて今日まで議論されてまいりました。この年金の問題に入る前に、やっぱり農業団体に所属していらっしゃる職員の方々の環境、また日本の農業全体について、諸問題についてもこれは考えなければならないことだろうと思います。限られた時間ですからそんな大きなことばかり並べているわけにもまいりませんが、最初に農水大臣、このたびは日豪の経済閣僚会議ですか、御出席になられてその前には総理とともに南米ですか、ことし、——ことしになってからということよりも最近とみに貿易摩擦、先ほども同僚委員からお話ございましたように、貿易摩擦の、特に農産物の問題については非常に農業を守るという立場から大臣もいろいろ苦慮し、今日まで施策も講じ、御努力いただいていることについては、それなりに私どももわかるわけでありますが、みずから豪州へあるいはまた南米へと足を運ばれて関係の方々とのいろいろな折衝、お話し合い、こういうことの中から率直にそれが日本のいま問題になっております農産物の自由化云々ということ等と合わせまして、大臣がお感じになられた諸問題についてまず御所見を伺っておきたいと思うんです。

田澤吉郎自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(田澤吉郎君) まず中長期的に見て、世界の食糧の需給状況というものが非常に厳しい状況にある。しかし現実、いま現在はかなり緩和された状態にありますけれども、中長期的に見てかなり厳しい問題がある。それに対してアメリカ初め各国とも将来の問題として深刻な問題であるから、それぞれの国がそれぞれの立場で自給力を強化していかなければならないという態度は非常に強いと思うのでございます。  また一方、世界経済の不況が、やはり対外経済摩擦の問題が非常に大きく取り上げられておりますので、その対外経済摩擦解消のためには何としても市場開放というものはやはり積極的に進めなければいけないという空気が非常に強いわけでございます。ことにアメリカなりあるいはまたオーストラリア等においては農産物のいわゆる輸出によって貿易収支のバランスをとろう、その国の経済の振興を図ろうという考えがございますので、それだけに日本へのいわゆる輸入要請というものは非常に強いということを感じたわけでございます。ことに今回豪州へ参りまして、豪州は近年にない干ばつに見舞われておりまして、これは農産物に与える影響はもちろんでございますが、畜産に与える影響も非常に強うございまして、ですから綿羊なりあるいはまた牛を価値のある間にやはり屠殺をしていかなければならない状況に追い込まれていると。したがいまして、牛肉あるいは綿羊肉をできるだけ日本で消費していただけないだろうかという要請が率直に述べられるなど、そういう非常に厳しい状況にあることなどを聞きますというと、非常に国際間における貿易問題、ことに農産物の置かれている現状というものは非常に厳しいと。そういう中で、私たちは日本の農林水産業を進めることでございますので、かなり中長期的な目標を立てて、それに向かって食糧の安全保障というものを進めてまいらなければならない時代であるということを痛感いたしたような次第でございます。

藤原房雄公明党・国民会議

○藤原房雄君 いま大臣がいろいろ現地等のいろんなお話の中でお感じになられていた諸問題については、これは今日までも議論されておったところのものでもありますし、大臣のお話のように、やっぱり中長期という長い目で見ませんと、現状としましては、需給ということはそんなに逼迫した状況ではないのかもしれません。つぶさにごらんになられたそういう諸問題について、まあ外国ではこの農産物の輸出によってということでしょう。しかし日本の置かれておる立場、そういう諸外国の思惑とはまた逆な立場にあるわけでありますから、非常にこれからも、今日までも種々の問題について提起され、またそのときの問題についての対策を講じてまいりましたが、特にアメリカ、豪州、またヨーロッパ等、これから一段とまた農産物の輸入問題につきましては厳しさを増すのではないか。いまの大臣のお話を聞きましても、それぞれの国の国情というものも決して日本の立場がよくなるといいますか、貿易摩擦の上で摩擦が少なくなるということではございませんで、農産物の輸入自由化問題について厳しさこそ増せ、問題がさらにまた増幅しつつあるというのが現状のようにいまのお話で承ったわけでありますが、今後こういう諸問題、みずから体験をしてきた立場としましていろんな政策面や今後の対処としましてお考えいただかねばならないのだろうと思いますけれども、今後のこういう問題について、農産物問題についての農林水産省としてどういう対処というものをお考えになっていらっしゃるのか。これからいろいろ具体的なことについては御検討なさるんだろうと思いますけれども、当面する問題として大臣がお考えになっている、大綱的なことで結構でありますからお伺いしたいと思います。

田澤吉郎自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(田澤吉郎君) 私が農林大臣に就任してから、対外経済摩擦解消問題というのはわが国にとって非常に重要な案件でございますので、したがいまして、経済対策閣僚会議を開いて、六項目にわたる対外経済対策を決定して、それに基づいて第一弾対策を一月に決めたわけでございます。その後、やはり国際的な情勢は一層厳しくなってまいりましたので、ベルサイユ・サミット前を契機に第二弾対策を決定するために非常に努力をした。  幸い、わが国の非常に厳しいこの状況の中でつくられた結果が、幸いベルサイユ・サミットでも各国に非常に第二弾対策は評価されたのでございますので、私たちはこれまでの第一弾、第二弾対策を含めて、いわゆる市場開放に対する努力というものをアメリカ初め諸外国によく理解をしていただく。さらにまた日本の農林水産業の実態というものも理解していただく。説明をし理解をしていただく。それから、アメリカあるいはヨーロッパ等、特に農産物についてはかなり保護政策的な面が強いのでございますので、こういう点を比較検討してもらうというようなことなどを積極的に努力をいたしまして、御理解をいただくのにこれから努めてまいりたい。  間もなく十月には牛肉、オレンジを初め他のいわゆる残存輸入制限品目についての協議が始められるわけでございますので、それまでに私たちはこのような努力を一層重ねてまいりたい、かように考えております。

藤原房雄公明党・国民会議

○藤原房雄君 いま大臣いろいろお話しになりましたこと、春にも市場開放の強い声が高まりましたときに、日本の農業をどう守るかということで当委員会におきましてもいろいろ議論がございました。まあ急場のことですから、そこでどうすると言いましても、非常にまあむずかしい問題がございましたし、経済局長も、流暢なことを言ったって、そんなわけにはいかぬということでありますが、いま大臣がお話しございましたように、深いこの日本の現状と、また農産物そのものとのいろいろな、まあ欧米におきましてもそれなりの保護政策はあるわけであります、いまお話しのように。そういうものとの対比の中から、日本の現状等を理解を深めるということも、これは時間のかかることですから、あす、あさってまたそれがどういう結果になるということではないのかもしれませんが、不断の努力が大事だということをいろいろ私申し上げましたけれども、経済局長さん、そんなこと言ったって簡単にはいきませんというようなことを言っておりましたが、確かにあのときは非常に急迫した状況のようでありました。常日ごろからのじみちな積み重ねが大事なんだろうと思います。  この問題だけ云々しているわけにまいりませんので、これはまたその時を見ましたらまたいろいろお話しさしていただくといたしまして、年金制度につきましては、今日までもそれぞれの年金についていろいろ論議されてきておるわけでありますが、最近特に共済年金制度基本問題研究会、これは大蔵大臣の私的諮問機関ですか、この共済年金制度基本問題研究会でいろいろなことが発表されておるわけでありますけれども、共済年金全体の改革をどう進めるかという上において、これは高度成長の時代から低成長の今日、一つの時代を画した今日におきまして、これはその視点といいますか、年金の基本的な考え方とか福祉というものについての基本的な考え方に相違はないのだと思いますけれども、時代の推移の中でやはりそれぞれの立場での検討が必要だろう。そういう点ではこの共済年金制度基本問題研究会の発表も一つの示唆に富んだ方向性を打ち出しておると、こう思うわけでありますが、これを受けまして農林年金を担当いたしております農林水産省としましては、これをどのように受けとめられていらっしゃるのか。その辺まずお伺いをしておきたいと思うんであります。

佐野宏哉農林水産省経済局長

○政府委員(佐野宏哉君) お答えいたします。  農林年金の制度につきましては、先般行いました財政再計算の際にも、昭和六十年に、いまのままで事態が推移いたしますと、昭和六十年には年間の給付が掛金収入を上回る、七十一年になると年間総支出が総収入を上回る、八十一年には保有資産がゼロになる、そういう見通しでございましたから、再計算の段階からすでに農林年金の財政問題が将来大変むずかしい課題を提起するであろうということは私どもも十分認識はしておったわけでございます。しかしながら、今回共済基本研の報告を拝見いたしますと、単にそういう意味で何年になればそろばんが合わなくなるということだけではなくて、さらにそこから先に踏み込んで、そういう事態に対して掛金をアップして対応していくという考え方にも、それにもまたおのずと限度があるのだぞと、そこへいずれは突き当たるという問題を考えておかなければならない、そこへ突き当たるという問題を念頭に置いて考え直してみると、年金制度というのは広く勤労世代と老齢世代との間の所得移転の関係を律するルールである、そういう角度から年金制度というのを位置づけて、それで勤労世代と老齢世代との間の生活水準のバランスという視点を導入してこの問題を考え直してみるベきであるということを基本研はおっしゃっておられるわけでございまして、これは私どもにとりまして非常に貴重かつ示唆に富む問題提起であるというふうに考えております。したがいまして、私どもとしては、単に財政状態から見てパンクしそうだから掛金を何パーミル上げるかと、そういう角度からばかり考えるべきものではないということを戒められたという意味では大変貴重な御意見であるというふうに伺っておりまして、私どもも確かにこういう角度からは考え直してみなければいけないのだなと痛感をいたしておるところでございます。

藤原房雄公明党・国民会議

○藤原房雄君 これは財源の要ることでありますから要望のみ多くてもその裏づけになるものがきちっとしていなきやならぬということでありますけれども、この農林年金はどちらかというと、ほかの年金から比べますと非常に給付額が比較的低い、そしてそれは団体職員の給料、ほかの年金の方々と比較しましても給料は非常に低いという、非常にというか、比較の問題でありますから、おしなべてそれぞれの共済の制度との対比を見ますと、一番低いということではないのかもしれませんけれども、現職の職員の方々の給料体系というのはほかから見ますとずっと下の方になっているんじゃないかと思いますね。それが年金の設計上のいろんなものに波及しておるということが数字を見ましても、そういうように思えてならないわけであります。しかし、年金は、ただいま局長からもお話ありましたように勤労者、働いていらっしゃる方とお年寄りの方との生活のバランスをどう見るかということで、お年寄りの方々の生活保障という意味も明確にされているわけでありますから、しかし根っこが小さいということになると、どうしても私どもがいろいろ申し上げていることが実現が非常にテンポが遅いという、こんなことになるわけでありまして、またそういうことから見ますと、ただいまのお話の中にもございましたが、共済基本研のこの見方、それはそれなりに示唆に富んだものといたしましても、この農林年金そのものも将来、現状のままで行くといろんな問題が起きるぞと、六十年度、七十一年度、八十一年度、いまお話のあったこと、憂慮されておったことも事実でありますが、そうしますと年金の現状というものを私どもは一歩踏み込んで認識をしておかなきゃならぬと思うんでありますが、一つは成熟率ですか、これは厚生年金や私学共済よりはやや高い位置にあるようでありますけれども、上昇速度というものが非常に速いスピードといいますか、テンポで進んでおる。それから収支比率、これも厚生年金や私学共済よりは高いけれども、非常にほかのものから比べて低い位置にある。積立倍率、これも私学共済の次、厚生年金とほぼ等しい状況ですか。それから積立比率、これは私学共済に比べてかなり低いという、この農林共済の位置がほかの共済年金と比較いたしますと、どうも中位からやや低い状況にあり、体質的にもほかのものに比べましても非常に強いとは言えない状況を、どうも数字の上からは私どもは感じておるんですけどね。こういう認識についてはどうでしょう。

佐野宏哉農林水産省経済局長

○政府委員(佐野宏哉君) いま先生御指摘の成熟率、収支比率、積立倍率につきまして各種の年金制度の比較の中で農林年金の位置というのを申し上げますと、まず成熟率につきましては、昭和五十五年度の段階で農林年金の場合は十二・五%でございます。それで各種年金の中で農林年金より高いものといたしましては国共済、地共済、それから公共企業体がございます。一方農林年金よりも成熟率が低い方といたしましては厚生年金、私学共済というものがございます。そういう意味では成熟率は平均よりちょっと低いというぐらいの感じでございます。  それから、その次に収支比率でございますが、これがやはり五十五年度で四八・五でございまして、これも先ほど申し上げました国共済、地共済、公企体の場合には収支比率は農林年金よりも悪い状態でございまして、農林年金と、厚生年金の四八・四というのがほぼ並んでおりまして、私学共済の二一・三というのは飛び離れていい状態であるということでございます。  それから積立倍率でございますが、積立倍率は、私学共済の二〇・一倍というのがこれが群を抜いて高うございますが、それ以外を並べますとその中では農林年金の九・〇倍というのが一番高うございまして、あと厚生年金の八・六、地共済の七・〇、国共済の五・四、公企体の二・五というような数字が並んでおります。  でございますので、指標によりましていい方、悪い方、それぞれいろいろございますが、大ざっぱに言って真ん中ぐらいではないかと思っております。  それから、先ほど先生の御指摘のございました給付水準が他の年金に比べて低いというのは、これは何年か前に退職なさった方がその方々が在職なさった当時の給与、あるいはその方々の勤続年数が短かったためにそういうことが起こっておるのでございますが、ごく最近時点の新規の受給者について比較いたしますと必ずしも悪いということではございませんので、五十五年度の新規の年金受給者について比べてみますとすでに厚生年金の水準は上回っておりまして、私学共済と比べてももう差は一割未満ということでございますので、最近の退職者についてみますと、たとえば私学共済との比較で申し上げますれば、勤務地の立地条件の差などで合理的に説明する範囲の格差にとどまっておるというふうに考えております。

藤原房雄公明党・国民会議

○藤原房雄君 これは年々数字というのは動くわけですし、職員の数とかそれから年齢構造とか、こういうものによって推移が違いますから、いま私も申し上げ、また局長からもお話があったことは現時点での統計のとれた点ということですから、これがどういうスピードで変化していくかということは年齢構造とか総員の中の比率、こういうものがいろんな形になって出てくるんだろうと思います。  こういうことで、いまも局長のお話ありましたが、最近は厚生年金なんかと比較してそう劣らない状況になってきたということでありますが、いままでは確かに数字的に見ましても低いことは否めない事実だろうと思います。去年の当委員会における附帯決議におきましても決議をしておるわけでありますが、新法と旧法の給付格差、これを何とかひとつ改善できないのかというのは毎回これ今日まで論じられてきておるわけです。行財政改革というこういう中で福祉を後退させてはならないという大前提があるんでありますけれども、このたびも給付期日が一カ月おくれる。私どもは、総体的にこのたびのこの共済年金の方向性といいますか、この法案の問題については賛意を表しているわけでありますけれども、しかし、内容的に一つ一つ見ますと、それなりにやっぱり——今度の法律でこれが通れば施行になるわけでありますけれども、今後に大きな課題を残しつつ、また改善努力していただかにゃならない問題が何点かあるということですね。その中の一つとして、新旧の年金の格差を何とか縮めることができないのか、それも財源の要ることでありますから一朝一夕にできることじゃないだろうと思いますけれども、今日まで低かったものに対しての手当てについても、これは附帯決議にありましたから今日までいろんな御検討をなさっていらっしゃる、今日まで御検討していただいたんだろうと思います。附帯決議を軽々として文書としてとどめるなんということではないだろうと思うんですけれども、その御検討なさった経緯等について御説明いただきたいと思いますが。

佐野宏哉農林水産省経済局長

○政府委員(佐野宏哉君) 最低保障額の新法、旧法の格差の問題につきましては、これは各種共済制度共通の問題でございまして、それぞれの共済制度がそれぞれの中で新法、旧法の格差を持っておって、それぞれ給付事由発生時点において適用される制度が決まってくるという仕組みになっておるものでございますから、農林年金自体についてその財政負担の多寡を論ずるということになりますと議論の分かれるところでございましょうが、農林年金について新旧格差を撤廃をするということになりますと、連鎖反応の及ぶ範囲が共済のみならず恩給にも及ぶということがございますので、まあ現下の財政事情のもとでとてもそこまでは踏み切れなかったということでございます。しかしながら、今回、御審議を煩わしております本年度の改定によりましてもさらに新旧格差は圧縮されることになっておりまして、五十六年度で六十五歳未満の方についてみますと、旧法の最低保障額は新法に対して七七・八%でございましたが、今回、御審議を賜っております本年度の改正が行われました暁にはこの七七・八%でございましたものが七九・七までいく、そういうことでございますので、新旧格差の是正については引き続き私どもも努力しておるというところをおくみ取りいただきたいと思う次第でございます。

藤原房雄公明党・国民会議

○藤原房雄君 これは農林年金だけでできることじゃありませんから、総体の中での努力もいただかなきゃなりませんが、いま局長からお話ありましたように、そういう中でいろいろ努力をしたという——数字的なものもいま出ましたけれども、今後もひとつその御努力をお続けいただきたいものだ、こう思うんであります。  それから、いまこういう時代ですから、行財政改革ということでにしきの御旗のもとにいろんなものについて検討がなされております。過日、基本答申が出ましたから、これがまたどういうふうに進められてまいりますか。  しかし、いかなる時代になろうと、いかなる状況にあろうとも、年金は勤労者、働いている方とまた退職なさった方とのお互いの信頼関係というものがなければならないだろうと思いますし、また若い人たちが、年金を納めている方々がそれなりの、年金に対しての信頼感というものが失われるようなことになりますとこれは大変なことになるだろうと思います。  そういうことで、このたびの既裁定年金の改定、一カ月おくれですね。金額的には大した金額でないということなのかもしれませんけれども、また総枠的にはできないほどの金額ではなかったと思うんでありますが、こういうことがしばしば行われますとやはり国民の信頼というものを失うことになるのではないか、そういう点では私も非常に——事情はいろいろあって、農林年金だけでできることじゃ決してないんですけれども、残念なことだと思うわけであります。  それともう一つは、国庫補助金の四分の一相当額のカットですね。これは六十年以降に返すということでありますけれども、これもいつの時点で返すのか、返還利息といいますか、このカットされた分についてはどういうふうに扱うのか、こういうことも明確にしておくことが信頼を得る一つの大きな問題ではないのか、こういうことで、しばしばこういうことが行われることのないように今後の運営は考えていかなければならないだろうと思います。これは農林年金だけじゃなくて各年金に全部共通なことでありますから、ここだけの議論ではないのかもしれませんけれども、担当する農林省としましてもこの点についてはひとつしっかりした認識を持っていただきたいと思いますが、どうでしょう。

佐野宏哉農林水産省経済局長

○政府委員(佐野宏哉君) まず、年金額の改定を昨年度までのやり方に比べて一カ月ずらしたという点についてでございますが、本年度の場合には、実は先生御指摘のようにこの問題は共済共通の問題ではございますが、共済のみならず厚生年金におきましても、従来、毎年六月に実施しておりました物価スライドを一カ月繰り下げるということを行っておるという事情がございます。  それからもう一つは、昭和五十六年度の公務員の給与改定がこれが人事院勧告どおりに実施されたわけではございませんで、かなりの抑制措置が講じられたということがございます。それで、したがいまして国家公務員につきましてこういう給与改定の抑制措置がとられますと、退職者と在職者のバランスという点から見ましても、退職者についての既裁定年金にやはりある程度の抑制措置を加えるということはこれはまたやむを得ざる事情でございまして、そういう事態になりますと、同じ共済年金グループに属する農林年金としても横並び的に対処せざるを得ない、そういうことになるわけでございます。  それで、かてて加えて御高承のとおりの例年にない厳しい財政事情ということもございましたので、やむなくこういうことに相なったわけでございます。実を申しますと本来財政当局は改定の時期を七月までおくらせるようにということを内示をしてまいりまして、財政当局は非常に頑強にがんばったわけでございますが、粘り強く折衝をした結果ようやく五月実施ということにこぎつけたわけでございます。それで、先ほど来申し上げておりますように、これは国共済、地共済等もすべて共通に実施しておることでございますので、農林年金の発足以来の関係者の願望でございます少なくとも地方公務員並みにというそういう物の考え方から言えば国共、地共とも横並びということであれば納得とまではいかないかもしれませんが、がまんをしていただける措置なのではないかというふうに思っておるわけでございます。  もう一つ四分の一カットの方お答えするのを失念をいたしておりました。これにつきましては、特例法適用期間経過後に速やかに繰り入れ措置を実施をする方針でございます。ただ、最終的に何年度までにとか、各会計年度幾らずっとかということはいまの段階でまだ決定を見てはおりませんが、特例適用期間経過後速やかに繰り入れ措置を講ずるということはすでに大蔵大臣も御答弁になっているとおりでございます。その際には単に元本部分のみならず今回の四分の一カットによって失われた利子についても適切な措置を講ずるということでございます。このような措置をとることによりまして、農林年金の財政にあの特例法の結果有害な事態が生ずるということは回避できるものと確信をしております。

藤原房雄公明党・国民会議

○藤原房雄君 運用する立場からすれば確かに特例法期間後に速やかにということですが、いままで国の施策というのは非常に状況の変化に柔軟に対処してきておりますから、この時点になりますとまた何か起きるかもしれないという不信感がないわけでもない。とにかく特例期間が終わりましたらまず早急に、こういう問題について明確にできる時点に参りましたら早急に運用する立場の方々の不信を生まないような施策というか、対策といいますか、ぜひこれはしていただきたいものだと思うんです。  それから、農林漁業団体の方々の定年のこともこれもいつも問題になりますけれども、——その前に既裁定年金の改善で、いつもこれ附帯決議の中に出てまいりますが、公務員給与の引き上げに対応した自動スライド制の導入を検討すべきであるという、これは局長からお話ありましたが、これはこのたび国家公務員の削減でございましたからそれに準じてということでやむを得ない措置だということは私も重々わかりますけれども、公務員の給与を定めるにはその前の一年間の物価動向とかいろいろで決めるわけですから、それで決まったものをさらに年金ということになりますと、決めた時点から見ますと年金受給者というのは二年の差が出てくる、そういうことから自動スライド制というものはやはりこれは時宜にかなったといいますか、今日のように物価上昇がそう大きな隔りがないときはいいのかもしれませんが、こういうことも十分に検討してもらいたいということは毎日これ附帯決議で出ていますね。この問題についていろいろ検討した結論といいますか、途中経過であれば途中経過でも結構ですけれども、公務員給与の引き上げに対応した自動スライド制の導入ということについてはどのようにお考えといいますか、現在の時点で検討していらっしゃるか、その辺のことについてお伺いしておきたいと思います。

佐野宏哉農林水産省経済局長

○政府委員(佐野宏哉君) お答えいたします。  厚生年金の場合には、御承知のとおり財政再計算の時点で法律改正を行いまして給与水準を定めて、それでその後五年間について年金額の実質価値の目減りを防止するために、いわゆる物価スライドと称せられる仕組みで修正を毎年行っておるわけでございます。したがいまして厚生年金の場合には年金の給付水準の実質価値は法律改正を通じて国会の御審議を賜って決めると、それであとは実質価値を物価修正で維持していくと、そういう仕組みになっておるわけでございます。それに対しまして、これまた申すまでもないことでございますが、国家公務員の給与の場合には毎年度人事院勧告に基づきまして給与法を改正しておるわけでございますが、この場合の人事院勧告は官民較差と申しますか、民間賃金準拠ということで人事院勧告をいたしておりますので、これは必ずしも物価変動に伴う実質価値の目減り防止ということだけではございませんで、むしろ実質的な待遇改善を含む勧告を行っておるのが通例でございます。これは毎年の消費者物価指数の伸び率と人事院勧告のアップ率を比べると歴然としておるところでございます。したがいまして、国家公務員給与に連動した自動スライド制を取り入れた場合には、国会の御審議を賜ることなしに実質的な改善分も含めて自動的に引き上げると、そういう制度になるわけでございまして、これは厚生年金の場合のように実質価値目減り防止のためのスライド制というのとは著しく事の本質が異なってまいるわけでございまして、その点がどうも厚生年金の例にならって自動スライド制を導入するということをためらわせておる主要な原因でございます。しかしながら、しきたりといたしましては、毎年度国会の御審議を賜って国家公務員にスライドした既裁定年金の額の改定を行っておりますので、年金受給者の立場から見ますと、それはそれなりに御満足いただける取り扱いになっているというふうに思います。しかしながら、これだけそういうしきたりが定着してまいりますと、厚生年金横並びというわけにいかない制度上の差異があるとはいえ、これだけしきたりとして定着してきたものを自動スライド制に切りかえられないかという御議論は確かにごもっともな点があるわけでございますが、この問題を考える場合にはどうしても年金額の算定方式とか改定の指標等、そういうものを幅広く検討すべき問題があるわけでございまして、現下のように年金財政の事情が非常にむずかしい局面のもとでは共済年金共通の問題としてなかなかちょっと前向きにという元気は出にくい事情があるわけでございますが、確かに能率的な方法ではあるわけでございまして、引き続き検討さしていただきたいというふうに思います。

藤原房雄公明党・国民会議

○藤原房雄君 それから共済年金制度基本問題研究会の意見の中では、支給開始年齢ですね、将来六十五歳というふうなことも言われておりましたですね。これは高齢化社会が他国にないハイスピードで進みつつあるということがいろいろなデータの中からも言われておるわけでありますけれども、現在農林漁業団体の方々の定年というのは平均的には五十七、八歳といいますか、非常におくれて、この問題については局長からも昨年ですか、一昨年ですか、いろいろ関係団体に対しての通達等出されておるようなことも聞いておるわけでありますが、定年制の六十歳ということについては、これは国会でもいろいろな論議がございましてその方向に大勢的には進みっつある現況でありますが、農林漁業団体は定年の現状というのは、六十歳に至るテンポは非常に遅いような感じがしてならないんですが、これはどういうところに問題があるのか。現在まで通達を出された経緯の中からその現状についてちょっとお伺いしておきたいと思うんです。  それから農業団体の方々の将来六十五ということになりますと、これすぐ短期日のうちにそういう方向に進むというわけでは決してないんですけれども、毎回年金問題の論議のときに定年延長の問題が出されておりますけれども、ここのところの現状は一体どういうふうになっておるかということをちょっと御説明いただきたいと思います。  それから農林年金の事業としまして長期の給付事業として、退職給付とか、障害給付とかいろいろ給付があるわけですが、福祉事業がございますね。これらのことについて、これは特に福祉事業の方、いま給付事業についてはいろいろお聞きしておるわけでありますが、福祉事業の方についても現状、詳しいことはいいんですが、運用状況というのはどうなっているかということについて、二点お伺いしておきたいと思います。

佐野宏哉農林水産省経済局長

○政府委員(佐野宏哉君) 先生御指摘のように、共済年金制度基本問題研究会、支給開始年齢六十五歳程度とすべきであろうが、というふうに言っておられますが、ただ研究会もそれはちょっと短兵急には無理だろうということで、当面六十歳にする時期を早くしろという、そういう提言をしておられます。これは先ほど申し上げましたような年金制度を勤労世代と老齢世代の間の所得移転関係というふうにつかまえて考えてみますと、これからの高齢化社会に対処していくためにはどうしても就労年限を引き上げていかざるを得ないという認識に基づいておられるわけでありまして、それはそれなりに確かにごもっともな指摘であると思います。しかしながら翻って農林漁業団体の現状を見ますと、実は農林漁業団体の中では、農協などはまだましな方でございまして、土地改良区でございますとか、森林組合でございますとか、財政状態もきわめて、どちらかといえば脆弱な多種多様な農林漁業団体一万三千余を傘下に抱えているわけでございまして、その中で定年延長という問題は、先ほど先生もお触れになりました通達を出してそれぞれ督励に努めておるところでございますが、そうはかばかしく定年延長が進んでおるというふうには認めがたい実情でございます。これは残念ながら主としてそういう多種多様な農林漁業団体、しかもその中の相当のものが経営基盤が必ずしも充実しておらないという事情に由来するものであろうと思います。しかしながら私どもといたしましては、一定の経過期間を置いたとはいえ、すでに六十歳支給開始年齢ということに踏み切ったわけでございますので、その間にすき間の出ることのないように定年延長にはさらに一層努力していかなければならないと存じます。  ちなみに、総合農協の場合で申しますと、五十四年八月の調査で、これは男子の場合でございますが、平均の定年の年齢が五七・一歳ということになっております。私どもといたしましては、全中にことしの八月にも再度アップ・ツー・デートなデータを集めさせるつもりでございまして、その結果を踏まえて支給開始年齢の延長との間でそごを来しかねまじき事態であるとすれば、さらに一層拍車をかけて督励をしなければならないというふうに考えております。  それから福祉事業の関係でございますが、現在福祉事業といたしましては、組合員の保健、保養等に関する施設を経営をいたしております。これが保養施設が十カ所ございます。保健施設と教養施設がそれぞれ一つずつございます。それからもう一つは組合員の臨時支出に対する資金の貸し付けを行っておりまして、この貸付金の残高が五十六年度末で八百二十一億円に達しております。この二つが福祉事業の内容になっております。

藤原房雄公明党・国民会議

○藤原房雄君 これは施設十六所あるのはわかっているんですけれども、この運用状況はどうかということなんですけれども、建物を建ててもそれがまた結局若い人たちに対して、現在働いている方々に対してそれなりの補償といいますか、年金を納めている方々に対してのレクリエーションの場としてのこういう考え方の上に建てられたのだと思いますが、現在各省庁でたくさんいろんなものを建てておるわけですけれども、それが大変な足かせ手かせといいますか、足を引っぱる要因になっている。十カ所程度ですから、そんな大きな金額にはならないのかもしれませんが、こういう福祉事業の運用面ということについても、それなりにひとつ十分な配慮があってしかるべきだろうということでお尋ねしたんですが、時間ございませんから、後からでもひとつ御説明いただきたいと思います。  私ども公明党としましては、やはり最近言われております年金の一元化、厚生年金とか国民年金等も含めてということもいろいろ提言があったり論議がされておるわけでありますが、やはり国民基本年金、その上に所得比例年金というものが二階建てでなければならないだろうという、基本的な問題については、基本的に国民年金として保障する、その上に所得比例年金というものがあってしかるべきだ、こういう考え方に基づいておるわけですが、現在各年金それぞれの発足時点での経緯がありまして、そういうことですから、非常に各年金間に差がある。これは今後こういうむずかしい時代でありますから、しかも十年を出ずしてそれぞれの年金で問題が出てくるということも言われておりますから、早急にこの問題についてはいろいろ議論されるし、またその問題についての結論というものも早急に出して、また実施ということもしなければならないときが来るんだろうと思います。  きょうは農林年金のことが中心でありますから、やはり農業団体の職員という立場であった方々というのは、その地域で農林漁業の先導的な、先駆的な役割りを担っている方、その方の老後ということはやはりそれなりのその地域社会に及ぼす影響というものも大事だし、農林年金の内容の充実といいますか、こういうものがまた職員の資質向上の上にも大きな役割りを果たすのではないかと思います。  こういうことで、現在、先ほど局長のお話がありましたように、土地改良区とか、森林組合、確かに基盤の脆弱な団体が一方では非常に多いことも事実であります。日本の農林漁業、おしなべて農林漁業、一次産業というものが、最近の貿易摩擦等におきましてとかくに軽視という言葉が妥当であるかどうかわかりませんけれども、二の次三の次に見られるような傾向にあるということは否めない事実だろうと思います。農林大臣としまして日本の農林漁業というものを守るための施策としましてひとつ強力な政策を実施していただきたいということと、こういう農業団体の職員の方々に対しての立場も十分に配慮した今後の対策も必要だろうと思います。それがまたよき職員、資質の向上と相まって、それがまた産業の振興に大きな役割りを果たしていくだろう。これら農林年金のことにつきましては、個々にいろいろお尋ねしたいこともあるんですが、時間になりましたので、結局は農林漁業が一歩一歩後退するんじゃなくて、一歩一歩着実な体質強化というものが図られることが何といっても大事なことだという結論といいますか、そんな感じがしてならないんですけれども、最後に大臣にひとつ御所見を伺って終わりたいと思います。

田澤吉郎自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(田澤吉郎君) いま厳しい環境の中で農林漁業を振興させる、そのためには何としても生産性の高い農林業を進めなければならないわけでございまして、そのためにやはりこれの担い手である職員の資質の向上あるいはまた熱意のあるものにしていかなければならない。そのためにはやはり農林年金制度というものは大きな役割りを果たしていると思いますので、私は将来ともこの農林年金の育成のために努力をいたしたい。確かに厚生年金から分離独立して農林漁業団体だけの年金制度が発足したのでございますので、それだけに多くの問題があろうと思います。しかし、それに対して先ほど来局長から答弁さしておりますようないろんな問題もありますけれども、私たちはやはり勤労世帯から老齢世帯への所得の配分でございますので、それである以上、両世帯の生活水準を適切にやはりバランスを保ちながら進めていかなければならないというこの大きな課題を常に念頭に置きながら年金制度の維持のために努力をしてまいりたいと、かように考えております。

中野明公明党・国民会議

○中野明君 私は、農業協同組合法の一部を改正する法律案の質疑をしたいと思いますが、本題に入る前に二点だけお尋ねします。  その一点は、けさほど来同僚の村沢委員が指摘をしておられましたブロック書簡の問題でございますが、外務省と通産省とのやりとり、これをお聞きになっておりまして、農林大臣どういうふうにお考えになるか。非常に農林大臣の答弁にもありましたように、やはり窓口は農林省が一本だというふうにおっしゃっておりますが、外交が絡んできますから外務省も当然関係はあるでしょうけれども、そこへ通産省が横から出てきたと、こういうことで窓口の一本化どころか窓口が幾つもできて、せっかくまとまるべき話がかえってこじれて、日本の農業のためによろしくない結果が出そうな気がして私ならぬのですが、この一連の関係で伝えられる、通産省で原稿をつくって向こうへ渡して、それがブロックの書簡として、書簡の添付書類として総理大臣あるいは日本の他の閣僚に渡された、こういうことを一般紙はもちろん農業新聞等でも大々的に報道されているわけです。これを農民の皆さんはかなり農業新聞は読んでいると思いますが、非常に影響力が私は大きいと思うのですが、これをこのままでほっとくということは許されないと思いますし、農林大臣としてこの問題についての所見をこの際やはり明らかにして、今後の対応策というものをこの委員会でも明確にしていただかないと、農民の不信とそれで不満、こういうことが解消できないと思いますが、最初に御所見を。

田澤吉郎自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(田澤吉郎君) 貿易摩擦の問題の中で、特に農産物の市場開放については、日米間の、アメリカは要請というのは非常に強うございまして、したがいまして、先生御指摘のように、三月以来日米小委員会を開きまして、何回かにわたって農産物の協議を進めたのでございます。その間に一時はアメリカは完全自由化と、それで私は応ずるわけにはいかぬというので、ガットに持ち込もうという段階にまで至ったわけでございますが、まあ仕切り直しをしようというわけで、ジュネーブ会議が始まったわけでございますが、そのジュネーブ会議での休戦の上でいろいろと対策を考えようというようなことに相なりまして、その間にいろいろブロック書簡等が出てまいったと私記憶いたしているわけでございますが、先ほども村沢委員にもお答えいたしたんでございますが、農林大臣あてのものじゃなくして、あくまでも外務大臣、通産大臣の名前でこの書簡は来ておるようでございますが、しかし農林省へもその点が参りましたので、私は早速これは私の主張している農産物の市場開放に対する態度とは違うので、これはあくまでも外務省を通じて私の方の考え方を主張しなければならないということで外務省にお願いをし、私の考え方を申し入れしたのでございます。幸いにして、結論的には五月二十八日の農産物日米交渉は農林水産省の窓口で処理することができて、その結果、政府としての第二弾対策が決定されたということでございますので、私は農林水産省としてはあくまでも農林水産省の責任においてこの日米農産物交渉が行われたという自信を持っているわけでございます。今後もまた私はいろんなサゼスチョン等があるかもしれません。しかし私はあくまでも農林省は窓口で責任を持って農産物の交渉に当たるということを申し上げてお答えにしたいと思うのでございます。

中野明公明党・国民会議

○中野明君 大臣の決意はよく承知しておるわけですが、けさほどからの外務省あるいは通産省と村沢委員とのやりとりを大臣もじっとお聞きになっておりまして、そういう大臣のおっしゃっている本筋はわかるわけなんですが、その裏で非常に不明朗な、しかも独立国として主権を疑われるような、そういう行動がとられているということ、これに対して農産物の交渉は交渉として、該当の農林大臣として閣議等で黙っておられるということは私はあり得ぬと思います。まことに潜越な話でして、農林省が一番関係の多いこの農産物の自由化、農林省が主体というようなことを通産省が横から要らぬことをして、そして向こうとの連携をとりながら農産物の自由化の問題について言及するということに当たって農林大臣に相談もない、まことにけしからぬと私は思うわけです。そういう点について与党の中でもかなりこれ問題になっておりますし、何らかの形で実はこれはこういうことでしたと、明確にしないと農家はもちろん農業団体を初め国会のわれわれも納得できません。この点について大臣としては何かアクションを起こされて各党——村沢委員のお話では、社会党さんとしても中央執行委員会の決定で宮澤官房長官に申し入れておられるようですし、それぞれ各党党内でかなりこれは大きな問題になっております。何らかの形ですっきりするように納得できるような結着をおつけになる必要があると思いますが、この辺について大臣はどういうお考えですか。

佐野宏哉農林水産省経済局長

○政府委員(佐野宏哉君) まずちょっと事実関係だけ御説明をさしていただきますが、ブロック書簡の中で農産物に言及をしておりました部分はブロック書簡本体でございまして、いわゆる総理談話案の別添の方ではございませんで、本体の方でございます。  それで、本体の方で農産物に言及しておりましたくだりにつきましては、私どもは直ちに適切な措置をとったつもりでございますが、この部分については日本側のだれかが通商代表部にたきつけたのではないかという議論は一切行われていないというふうに承知しておりまして、疑問点があって御議論を賜っておりますのは、別添の総理談話案の方をめぐっての御議論が行われておるというふうに承知しておりまして、農産物プロパーに関するくだりにつきましては、これは日本側のだれかが仕組んだというような話は私はかつて聞いたことはございませんし、書いております中身も従来から通商代表部が言っておったようなことでございますので、特にだれかが仕組んで書かしたというものであるというふうには思っておりません。

田澤吉郎自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(田澤吉郎君) いま局長から事実関係の説明をいたしたわけでございますが、先ほど申し上げましたように、農林水産省にブロック書簡が参りまして、それで農産物に言及した部分について私も聞きましたものですから、これを直ちに私は外務省に農林省の意向を伝えまして、そうしてもうすぐさま伝えたのでございますから、こういう点は私は決して農林水産省としてはこれに対する対策はおくれたとも思いませんし、またその結果大きな損失になったというようなことにもなっていませんので、その点は御理解をいただきたい。  私は常に申し上げているのは、これまではどうか知りませんけれども、いま私たちは現に進めている農産物の交渉については農林水産省が責任を持つんだ、農林水産省の窓口で進めるんだというような責任ある態度でいままでも臨んでまいりましたし、今後もまたそういう態度で進めたいということを御理解いただきたいと思うのでございます。

中野明公明党・国民会議

○中野明君 大臣のおっしゃることはもう私よくわかっております。ただ、新聞でこれほど発表された、これをこのままでうやむやで何ともなかったんやということでほうっておくということは私は許されないと思うんです。間違いなら間違い、そんな事実はないんならないということをやはり明確にする場所がなければ、恐らく政府に対する農業関係者の不信というのはますますつのってくるんじゃないかと、こういうふうに思いますので、この点は村沢委員が追及しておられましたが、農林大臣だけがおられる席ではどうしようもないと私は思っております。本来ならば予算委員会のようなところで総理を中心にしてこれは詰めなきゃならぬぐらい大事な問題だろうと私どもも思います。この点がはっきりしないとやはり今後の問題として尾を引くんじゃないか、このように思いますので、要望だけしておきます。  きょうはこれが本題でございませんので、もう一点お尋ねをしておきたいのは、ことしは、この前の委員会でも私申し上げましたように空梅雨で農業被害が出るんじゃないかと心配しておりました矢先、今度は逆に一転して長崎県を初めとして大変な災害、それから引き続いてこの十号、これについて全国的にとうとい人命も失われて、まことにお気の毒にたえぬわけですが、と同時に、その犠牲者の中には農家の人もいらっしゃるでしょうし、あわせて農業災害、田畑の流失とか、冠水とか、そういうことで私どもも台風常襲県でいつも災害の後で大変な大騒ぎをしているわけなんですが、今回は非常に広範にわたって影響が出ております。この点について、農林省として今回の災害についての取り組みをどういうふうになさろうとしておるのか、それお聞きしたいと思います。

佐野宏哉農林水産省経済局長

○政府委員(佐野宏哉君) 私どもといたしましては、関係機関に照会いたしますとか、あるいは構造改善局関係の農地農業用施設関係の被害の実情を調査するために担当官を現地に派遣をするとかいたしまして被害の状況を取りまとめ中でございますが、調査結果がまとまり次第適切に対処することとしております。

中野明公明党・国民会議

○中野明君 大臣、これ非常に事がまだ途中で掌握も大変でしょうが、早急に災害対策本部を設置されるなりなんなりして、万全の体制をとって取り組んでいただきたい、このように要望しておきます。  それじゃ法案に入りたいと思います。けさほど来議論がありましたが、今回の法改正の一つの大きなねらいは内国為替取引の員外利用制限の撤廃ということ、これ一つの大きな柱でありますが、農協の中で、自国内で未取り扱いの農協があるということがけさほどの議論でもありましたが、大体どれぐらいあって、そしてこの未取り扱いの農協をどういうふうに指導し、処置されようとするのか、その辺が第一点です。

佐野宏哉農林水産省経済局長

○政府委員(佐野宏哉君) 現在、内国為替の取り扱いを行っておりません農協が三百九十七農協ございます。それで、現在内国為替の取扱承認基準は、貯金残高十億円以上であること、それから信用事業専従職員の数が四人以上、それから諸払い準備資産が財基令所定の額以上を有しておること、それから繰越欠損がないことという四つの指標によって為替取り扱いを承認するかしないかを決めておるわけでございます。それでこの三百九十七がそれぞれどれに該当するかという重複がございますが、貯金残高不足によるものが三百四十五、それから専従職員が不足しておるものが二百八十四、諸払い資産の不足が十一、繰越欠損金を抱えておるものが五十ということでございまして、これは複数の事由に該当するものもございますから合計していただいても合いませんが、そういう実態でございます。  それで、全銀の内為制度に加盟いたしますためには、先ほど来御答弁申し上げておりますように、いわゆる業態一括加入ということでございますので、すべての農業協同組合がこれに参加をするということでなければならない、そうでないと受け付けてもらえないということでございます。したがいまして、私どもといたしましては現在の為替取扱承認基準を特例的に緩和する必要があるというふうに考えておりまして、この法律案を御可決いただきましたら直ちに検討に着手して緩和された基準を設けることにしたいと思っております。  なお、その際、単協独自の能力ではいかように承認基準を工夫してみてもどうしても単協の実力がなくてだめだという単協も存在するという可能性がございますので、そういう単協がどうしてもあるということであれば、その場合には為替関係の事務を信連が責任を持って代行するということでこの全銀内為制度に加入できる道を用意をすることにいたしたいというふうに考えております。

中野明公明党・国民会議

○中野明君 大体いろいろ指導なり努力なりなさるんでしょうけれども、現在三百九十七も取り扱ってないわけですから、これなかなか大変だろうと、この作業は、私はそう思うんですが。最終的にいま局長がおっしゃったような条件になるのはどれぐらい期間を見ておられるんですか。

佐野宏哉農林水産省経済局長

○政府委員(佐野宏哉君) お答えいたします。  五十八年末までには体制を整備する必要があると考えております。  それで先ほどちょっと申し上げました信連代行というケースを含めれば五十八年度中に処理可能であるというふうに考えております。

中野明公明党・国民会議

○中野明君 それはどうしてもできないところは——もう一度ちょっと聞き取りにくかったんですけれども、どうしてもできないところは合併すると、そういうことですか。

佐野宏哉農林水産省経済局長

○政府委員(佐野宏哉君) 信連に為替の業務を代行させることにいたしたいと思っております。

中野明公明党・国民会議

○中野明君 それは為替業務を代行する、そういうことで可能なんでしょうかね。

佐野宏哉農林水産省経済局長

○政府委員(佐野宏哉君) これは可能であると考えております。

中野明公明党・国民会議

○中野明君 わかりました。  それから、その次の問題は今回の全銀内為制度に加入をするということになりますと、条件を他の銀行と同じようにしなけりゃなりませんが、休みの日とか通信の時間帯とか共通のルールで運営することを要求されていると思いますが、そうなるとこの農協の事務処理に必要な体制ですね、土曜日の午後とかそれから休日、これなんかの窓口事務のあり方、こういう点について体制がうまくいくんだろうか、どういうふうに指導なさるつもりなのか、ちょっとなかなかこれ大変だろうという気がするんですが、どうでしょう。

佐野宏哉農林水産省経済局長

○政府委員(佐野宏哉君) お答えいたします。為替の通信の時間帯につきましては、これは農協とそれから全銀とは同じ時間帯でやっておりまして、土曜日の場合も全銀の方も十三時三十分までということでございますが、これは農協と全く同じでございます。ですからその点の支障はないものというふうに存じておりますが、唯一の違う点は、平日は全銀の方が十六時で終わるんですが、農協系統の方は十六時三十分というのがございますが、これは支障にならないと思います。農協の特殊性からお盆休みとかそういうものが農協の場合にはございまして、これはちょっと全銀側と調整をする必要があるわけでございますが、これは私ども全銀と農協陣営との間で十分話し合いのっけられる問題であるというふうに思っております。

中野明公明党・国民会議

○中野明君 まだまだ調整せなけりゃならぬ部分は残っていると思いますが、そういう点をスムーズに移行するようにしてもらいたいと思いますが、私特に心配をしますのは、これは確かに為替業務の員外利用制限なんか撤廃することは望ましいと私も思いますけれども、とにかく農協の体制というものがいま現在でもさっきお話にありましたように三百九十七も農協が未取り扱いになっていると、こういう現状から一挙に員外利用制限を撤廃して果たして十分な体制が整うんだろうかと、巷間いろいろ農協の金融に対して問題点が指摘をされたり事件が起こっております。結局不正融資だとかあるいは使い込みとかそういうことで新聞紙上をよくにぎわすわけです。そういう状態で見ましたときに人材の問題、あるいは経験の問題、経営手腕の問題もありましょうし、特にお金を扱うということになると倫理の問題があります。こういう問題で今回員外利用制限を一挙に撤廃することによって、とにかくさきの三百九十七、これらも一挙にそういう方向に持っていこうというところに何かそういう内容的に少し見劣りがするのを、一挙に競争をしなけりゃならぬということで不手際といいますか、経験不足といいますか、そういうところで他の金融機関と競争をするということになって、一番弱点が一挙に噴出してくるのじゃないか、事故が続発するのじゃないかという心配も一応してみるのですが、こういう点はどうお考えになっておりますか。

佐野宏哉農林水産省経済局長

○政府委員(佐野宏哉君) オンライン化に伴いまして、いろんな不祥事が発生しないようにという心配は、これは一般の金融機関にも同様の心配があるわけでございますが、    〔委員長退席、理事宮田輝君着席〕 農協系統におきましても確かにそういう心配がないわけではございません。  それで、現在農協系統で講じております対策をかいつまんで御説明いたしますと、現在農協では為替業務の取り扱いを始める前には、必ず事前に農協の実務担当者に対する研修を実施をいたしております。それで、農協の各為替取扱店舗ごとに必ずこの為替の研修を受けた者を複数名配置をするということにいたしております。さらに今回の全銀内為制度加盟に向かって、これらの為替担当者の研修をさらに強化いたしまして、これらの為替担当者のうちから為替取扱実績が一年以上あり、中金及び信連の所定の実務研修を受けた者について為替実務専門員認定制度というのを設けまして、これらの職員が為替取扱業務の中心になって円滑に事務を処理していくようにしたいということでございます。現在、為替実務専門員制度は五十四年から実施されたわけでございますが、本年三月末で約八千名が認定をされておりますが、今後二カ年間にこの数を約二万二千名ぐらいまでふやして、各店舗ごとに最低二名ずつはこういう有資格者を配置するようにしたいという心組みでせっかく準備中でございます。それに加えまして、もちろん一般金融機関と同様に内部牽制の問題は、これは当然万全の対策を努力しているところでございます。私どもといたしましても農協のこういう自主的な努力を見守りながら、必要に応じてさらに指導してまいりたいと思っております。

中野明公明党・国民会議

○中野明君 この不正事件といいますか、そういう最近の状況を資料でいただいたのですが、これはいま局長が言われたように、他の金融機関でもやはり事故はお金のことですからついて回っているようですが、特にこの農協の場合見せていただきますと着服が非常に多いんですね。ですからこれは質の問題だろうと思うんですよ、倫理観の問題、金を扱うというのは、銀行でもそれは着服はあるでしょうけれども、非常に不正貸し付けとかそういうことはあるとしても、着服が多いというのは私はえらい気になるんです。結局質の問題だと思いますね。そういう点について、今回こういう機会に一挙にそういうことが噴出しなければいいがということで万全の指導と注意を払っていただきたいと、こう思うわけです。  それで、ひとつきょうは具体的な問題が起こってきましたので、これを中心にお尋ねをしてみたいと思うんですが、大蔵省見えておりますかね。——済みません、大変待たせましたが。最近香川県の庵治町で高松東部農協という農協がございますが、そこが町の公金を預っているということで指定金融機関になっているんですが、その収入役に対して、——収入役に対してじゃないんでしょうけれども、普通の金利のほかに奨励金というものを渡した。ところが、その町の収入役はその奨励金を、普通の金利は一応町の帳簿に上げて、奨励金というのは裏金利として自分がそれを着服した、ポケットに入れた、そういうことで背任横領というような形でいま刑事事件になっておる。非常にこれやっかいな事件のようでございますが、農林省はこの状況をどこまで掌握しておられますか。ちょっと概要を説明していただきたい。

佐野宏哉農林水産省経済局長

○政府委員(佐野宏哉君) 私どもが香川県庁から受けております報告によりますと、高松東部農協は、日銀のガイドラインで定められております金利に貯金奨励金という名目で〇・一%相当額を上乗せを行っていたということが、ただいま先生の御指摘の庵治町の収入役の事件に関連して発覚をしたというふうに報告を受けております。

中野明公明党・国民会議

○中野明君 大蔵省はこの奨励金——これは私たち余り素人でよくわかりませんが、臨時金利調整法ですか、それにどういう関係がありますか。違反ですか、どうでしょう。

松田篤之大蔵省銀行局特別金融課長

○説明員(松田篤之君) いま農林省の方から御説明がございましたように、本件はいわゆる臨時金利調整法と申しまして、農協を含む金融機関というものは、金利の最高限度を定めた場合にはそれを超えてはならないという法律がございまして、その限度が大蔵大臣の告示によりまして定まっております。その限度にさらに上積みをいたしまして金利同様のものが支払われていたということが、いま先生御指摘の事件をきっかけに判明をいたしまして、私どもがその直接の所管庁でございます香川県から私どもの四国の財務局あるいは農林省を通じまして伺いましたところによりますと、この法律に定められた告示を超えた支払いがあるということでございますので、先生御指摘のように、この法律に違反する行為があったと私どもは考えております。

中野明公明党・国民会議

○中野明君 農林省にお伺いしますが、こういう種類のお金を奨励金として支払いをしておった農協は、いままで調べられた中で、香川県だけで幾つ判明したのですか。

佐野宏哉農林水産省経済局長

○政府委員(佐野宏哉君) 香川県からの報告によりますと、高松東部農協を含め七つの農協においてこの種の奨励金が支払われていたということを農林省は確認しておるということでございます。

中野明公明党・国民会議

○中野明君 いま局長が言われたように、香川県にかなり農協があるんですが、その中で、昨年五十六年の九月以降に十四の農協の検査を行って、その中で半分これがあったと、まだ検査してないところがずいぶんたくさんあるということです。  それで、香川県でこういうことがあるということは、全国的にやはりこういう奨励金という形で部外者に、員外の人に余分の利子を払っているんじゃないかと、そういう心配をするんですが、その辺はどうなんでしょう。

佐野宏哉農林水産省経済局長

○政府委員(佐野宏哉君) 香川県のケースが報告されましたので、私どもも至急他の県についても同様の事例がないかどうか、目下照会中でございます。

中野明公明党・国民会議

○中野明君 それで、ほかも一遍徹底してお調べになった方がいいんじゃないかと思いますが、香川県はまだまだあるように地元でも言っております。どうしてこういうことをしなきゃならぬのだろうかと思って、私も不思議に思って現地にも行ってみたのですが、この庵治町というところは銀行は何もありません。農協だけが、一つの銀行の出張所か何かあるようですけれども、だから別に農協にそんなに——どう言うんですか、奨励金まで出してしなくても農協しかないんですから当然公金取り扱いの金融機関としてあたりまえだと思うんですね。そういうところになぜこんな裏金利のような奨励金を出さなければならぬか、出すから収入役はこれ幸いと帳面には普通の金利を上げておいて、これは余分におれのかい性でもらったんだ、というぐらいにしてポケットに入れてしまった。単純に言えばそういう事件ですから犯罪を引き起こす引き金になっていると、こういう気がします。香川県が各農業組合長に通達を出したのを見ましても、いままでからしょっちゅうあって余りよろしくないことなんだというふうに指示をしてきたけれども、一向に改まっておらぬということのようです。これでは非常に困るわけでして、こういうことについて今後の対策としてどうなさるつもりなんですか。大蔵も御返事いただきたいのですが、こういう違反の金利を払ってそうすることは、やはり金融制度そのものの混乱を招くおそれが出てまいります。農協としても自主的な組織と言いながら、金融機関として今回も員外利用の制限を撤廃してそして互角に競争していこうというようなそういう時期に、ルール破りといいますか、内々で自分たちのあれだから適当でよかろうというようなことでは困るわけでして、そういう点の指導をよほどきっちりなさらないと、香川県の農林部長の通達にしましてももう本当に読んでみて大したことはないですわ。これは年じゅう言うているようなことで、この事件が起こってからの通達にしては余りにも通り一編の通達のような気がしてなりません。こういう点について大蔵と両方今後こういうことについてどう指導し、対処なさろうとするのか、教えてください。

佐野宏哉農林水産省経済局長

○政府委員(佐野宏哉君) 実は私どもはもう少し紛らわしい形式で特利まがいのものを払うことについても従来これをきつく戒める選達を出して指導をしてきたところでございまして、今回のように紛らわしいどころではなくて、どう見ても金利そのものと思われるようなものを臨金法を超えて払っておったという事件が発覚をしたことは、私どもとしては大変遺憾に存じております。それで私どもとしては、今後これがはっきり違法であるということの認識をよく周知徹底させて廃止させるように力を尽くしてまいりたいと思っております。

松田篤之大蔵省銀行局特別金融課長

○説明員(松田篤之君) 先生御指摘のように、この法律が守られるということは金融の秩序を守り過当な競争を行わせない、ひいては預金者の保護にもつながる大変大事なことだと思っております。本件につきましてはすでに四国財務局というところで県の方に対しまして強力な指導を要請をすでにしておりますけれども、まずこういった問題の解決のためには、先ほど先生もおっしゃっておられましたが、法律を守るということについてのきちんとした姿勢が農協の側になければいけないことだと思っております。  本件につきましては、実は昨年の十一月に検査がございまして、翌年の一月に農協に対しまして県の方から是正をしてくれという指示を示達という形ではっきりやっておるにもかかわらず、この七月にまだ是正はされてなかった。それがたまたま事件として発覚したというケースのようでございます。そういう点からいたしますれば、まず法律を守るということを農協の方に趣旨徹底していただくように、先ほどお答えしましたように単位農協に関する直接の行政庁というと都道府県になっておりますので、都道府県を通じまして強力な指導をしてまいりたいと考えております。

中野明公明党・国民会議

○中野明君 それで農林省に聞きますが、この農協の内部の監査というのはどういう形式になっておるのですか。内部監査というのは、もう自主的な組合ですから、余り本気でやってないんじゃないかと。それで、これ組合員には損失を与えることになるでしょう。組合員に利益を何ぼか奨励金として還元したというならば私もわからぬことはありません、これは組合員でつくっている組織ですから。ところが、部外者に余分な奨励金まで払って、——そうすると、それだけやはり農協組合員自体に損失を与えたということになるんですから、幹部もこれは責任が出てくると思うんです。そういう点の監査、何か県の方も黙認をしておる。もう農協だからしょうがないわというような、そういう感じがあるんじゃないかという気がしていかぬのですが、こういう機会に、今回はもう他の金融機関と競争をしていこうというような時代にまできたんですから、そういう点をやはりきちっとしないと、どう言うんですか、私どももちょっと考えられないんですが、そういう点について、もう一度農林省見解をお聞きをします。

佐野宏哉農林水産省経済局長

○政府委員(佐野宏哉君) 現在農協系統が行っております監査には三種類ございまして、一つは、経営者が内部統制の一環として自主的に行っておる内部監査、それから監事が行っておる監査、それから農協中央会が行っております監査士の監査という三とおりございます。監事が行う監査、これはもう当然すべての農協がそれぞれ行っておるわけでございますが、理事者が内部統制として行っております監査、これの普及状況を見ますと、残念ながらそう高い水準ではございませんで、現在約一五%程度の組合で実施されておるわけでございますが、比較的規模が大きい組合では相当高い実施率になっておるようでございます。それから、中央会の監査士が行っております監査、これは約三〇%の農協において実施をされております。率直に申しまして、現在行われております監査というのは、決して十分であるというふうには認めがたいと思っております。で、この点は、農協系統においても自覚をしておるところでございまして、五十五年十二月の全国農協中央会の総合審議会の答申を受けまして、全中の内部で具体的な実施方策を研究して、ことしの三月、その結果を取りまとめて、監査体制の整備について取り組んでいるところでございます。農林水産省といたしましても、行政検査を一層強化していく必要があると考えておりますが、何と申しましても、農協がまず自主的に監査をきちんとやってくれるということが必要であるというふうに思っておりますので、さらに今後とも農協を督励してまいりた  いというふうに思っております。  それで、今回の事件についての当該農協の理事者の責任問題でございますが、まあ私どもとしては、金融秩序を乱し、かつ農協の信用を失墜させるきわめて遺憾な事件であると言わざるを得ないというふうに存じておりますが、理事者の責任問題というのは、基本的にはやはり農協の内部の機関、たとえば総会において当該責任ある理事者を問責するという性質のものであるべきであろうというふうに考えておりますが、指導的立場にある香川県庁におきましても、目下、これについてどのような指導をするか検討中であるというふうに聞いておりますので、    〔理事宮田輝君退席、委員長着席〕 農林水産省としても、県の当局の措置を見守って、適切な助言をしていきたいと考えております。

中野明公明党・国民会議

○中野明君 この同じ東部農協がやはり公金を取り扱っているのに高松市というのがあります。この高松市では、奨励金はこんなものは要らぬということで、おかしいということで戻しているわけですね。ですから、本当にこの東部農協自体がやはりおかしいと自分では思っているはずですね。そういうことがなかなか直らないのはどういうものだろうかと思って、私も、そういうことが全国的に行われてるとしたらこれは大変なことですので、改めてそういう点についての通達もしていただいて、そうして、こういうことが出てきますと非常にこの農協というのは、金融機関には違いないでしょうけども、不安だとか、いいかげんなことをしてるというような印象を与えるとよろしくありません。そういう点では厳重に、こういうことが起こったときにはきちんとけじめだけはっけていただきたい、このように思います。  それから、じゃあ最後に大臣にお尋ねをしますが、私この農協の問題につきまして、先ほど大臣の御答弁にもありましたが、日本の農業を取り巻く環境というのは非常に変わってきて、農協の役目というのは非常に大きな役目がありまして、今日の日本の農業を支えてきたことは事実なんですが、大都市並びに大都市近郊、このあたりになってきますと、もうほとんど農地がなくなって、そして農業指導員の必要も指導する相手もおらぬというような状態で、こんな町の中に農協があるかと、ほとんどやってる仕事はもう農業とはおよそ関係のない仕事だけをやってるというような農協も見受けるわけですが、この大都市並びに大都市近郊の農協に対して農林省としては一体どうお考えになってるのか、このままで放置しておっていいものかどうか、この点の大臣のお考えをお聞きしたいんですが。

田澤吉郎自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(田澤吉郎君) 農協の役割りは、いま中野委員御指摘のような、非常に大きな役割りを果たしてまいったわけでございまして、かつては、戦前はいわゆる産業組合、それから農会、こういう形で進められてきたんですが、戦時中は農業会というもので、この農会と産業組合が一本になりまして農業会というものになって、その後、二十二年に今日の自主的ないわゆる農協機構ができたわけでございまして、その間、大変なやはり経済的にも社会的にも大きな役割りを果たしてきたと、こう思うのでございますが、いま中野委員御指摘のように、兼業化だとかあるいは農村社会の混住化、あるいは老齢化のこの現象の中で、農協の役割りというのは非常に大きい、しかし、その大きな転換期を迎えてると私は思うんです。組合員の資格を一体どうするのかとか、それから事業をどういう形で進めなければならないかというようなことなどが非常に大きいと思うんです。ことに都市での農協は主として信用と共済部門が非常に多いのでして、指導部面だとかというものはほとんどしていないというような農協が多いのじゃないだろうかと思いますので、私は、それぞれの地域の特性を生かした農協のあり方というものを再認識しなければならないのじゃないだろうかと、かように考えているわけでございまして、いましからばそれに対する具体的なものはあるかと言えば、直ちにお答えするわけにまいりませんけれども、少なくとも私は、その地域の特性に応じた農協のあり方というものがいま現に求められていると、こう思いますので、私たちもそういう点をできるだけ指導してまいりたいと、かように考えております。

中野明公明党・国民会議

○中野明君 非常に大臣おっしゃったように、これはこれからの課題として非常に私は大事になってくると思います。最近、何か新聞報道によりますと、与党さんの中でも農協のあり方について非常に厳しい御意見も出てるというような報道もなされております。やはり地域の中に溶け込んでやっていかなきゃなりませんけど、どこまでもやはり農協の設立の趣旨から言いまして、やはり農民が主体になってくるわけですから、そうなりますと、農業に従事している人がほとんどおらなくなった大都市なりあるいはその近郊の農協というもののあり方というものは非常に私は問題になってくると思います。その点大臣として、やはり何かの形で指導方針といいますか、基本的な考え方をお出しになる必要があるんじゃないだろうかと、そういう気がいたしましてお尋ねをしておるわけでありまして、どうか今後非常にこれは重要な問題になってくると思いますから、よろしく御検討を重ねてお願いして私の質問を終わりたいと思います。もう一言。

田澤吉郎自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(田澤吉郎君) 最近農村社会の、いわゆる混住化社会の中での農業の振興策というものを私たち農水省としては考えているわけでございますが、それはやはり農業社会でございますから、農業を基盤として、しかも他の職能に従事している人も、そこに混住しているわけでございますから、しかしあくまでも農村社会に生活している者は農業に協力する、農業に理解を持つという形でその社会をつくるということは一番重要だと思うのです。ですから、都市近郊の農業におきましても確かに都市近郊農業というものはあるのでございますから、その中で住まう多くの人々がその農業に協力すると、理解を持つという形で、私は農協のあり方というものはつくられるのじゃないだろうかと、かように考えますので、そういう点を今後も実態に合った形で、あるいはまた組合員のニーズに従って進めていかなければいけない。そのためには組合と農協の幹部とのいわゆる交流がなきゃ、常に話し合いがなければ私はならないと思うのですね。ですから、ともすれば農協あって農業がないとか言われることでは私はいけないと思うのでございますので、そういう点を密にして、それで具体的にこの地域社会をどういうように進めることが一番よろしいのかということを基本的な問題、また最も掘り下げて問題を処理していくということがいま一番必要じゃないかと思いますので、そういう点について農林水産省としても実態に即応して指導をしてまいりたいと、かように考えております。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 私は農林年金の改正法案に関連して若干御質問をいたします。  まず、農水大臣にお伺いしますが、臨調の基本答申では、社会保障の項の中で、年金給付の引き下げ、それから保険料の値上げ、それから支給開始年齢の引き上げの後、年金制度の統合、一元化、このために五十八年度末までに成案をつくって実施に移すというようにあります。  これに対して、衆議院の方の議論の中身を見てみますと、政府側の方の答弁では各種の年金制度はそれぞれ独自の沿革、目的及びいろいろ違った財政事情などを抱えているという説明をされて、農林年金についてもかつて少なくとも市町村職員並みの待遇は確保したいという農協職員の切なる願望にこたえて厚生年金から独立をしたと、そういう経緯のある制度であるということを強調なさっています。そして結論として、現行どおり運営をしていくということが現実的なものではないかという判断を示されておるように思うんですけれども、この点大臣、基本答申は大筋では尊重するということではありますが、私はまあこれを具体化をしていくという、特に農林年金の場合、こういう独自性から考えてどう受けとめておられるか、この所見をまずお伺いしたいというふうに思います。

田澤吉郎自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(田澤吉郎君) ただいま御指摘のように、第二臨調の基本答申、あるいはまた共済年金制度基本問題研究会の意見は、やはり尊重されなければならないと考えておりますが、御承知のように年金制度の一元化という問題につきましては、発足時点当時からやはり目的だとか沿革だとか、あるいはまた財政状況等が全く違うものでございますから、そういう点から言いますというと、いま直ちに、にわかに一元化するということは非常にむずかしいと私は思います。しかし、一元化のための努力はしていかなければならない。したがいまして、私は給付の内容だとかあるいはまた負担水準等をできるだけそろえていくということが、いま私たちに課せられた課題じゃないだろうかと思いますので、そういう点に努力を進めながら一元化のための目標に向かって努力をしたい、かように考えております。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 われわれも、一元化の方向を進めるべきだという基本方向は同じなんですね。ただ、そろえていくというのが悪い方へこうそろえていくんじゃ、これは何にもならない。そういう点で、もう少し具体的にお尋ねをしますが、いまの基本答申では、「高齢者雇用の動向を勘案した支給開始年齢の引上げと弾力化、」という問題が出ています。農水省では、昭和五十四年十二月の改正に伴って、農林年金における退職年金の支給開始年齢、これ六十歳に段階的に引き上げるということになりまして、農協、漁協、あるいは森林組合等の農林関係諸団体に定年年齢の延長とそれから男女別定年制の改善について、五十五年の三月ですか、経済局長やそれから水産庁、林野庁長官、それぞれ関係へ通達を出しておられますね。  そこで、定年制の現状が現在どういう状況になっているかどうか、それから定年年齢の延長と男女別定年制の改善が、どのようにこの通達によって前進をしてきているかという点を、局長で結構ですからお答えいただきたい。

佐野宏哉農林水産省経済局長

○政府委員(佐野宏哉君) 御指摘の通達を出します少し前になりますか、五十四年八月の時点での全国農協中央会の調査がございますが、この調査について見ますと、たとえば男子職員の場合、五十五歳をもって定年としておるケースが三三・六%、女性の場合は五十五歳というのが三三・二%、五十七歳という定年を決めておりますのが男子の場合十二・四、女性の場合一〇・五、五十八歳の場合が男子一五・二、女子十二・九、それから六十歳の場合が男子三二・九、女子二八・八と、そういう状況でございました。それで、五十五年に通達を出しまして、それ以来各県の農協所管課長会議でございますとか、あるいは全中を通じまして、各県の中央会に定年延長の趣旨の指導徹底を行いまして、各県の中央会もこれを受けて定年延長問題に対する委員会などを組織いたしまして、定年延長に関する啓蒙普及、趣旨の徹底、それから定年延長に伴って経営内部の問題としていろいろ手当てをしなければならないことがございますので、そういう必要な事項の研究等を行っているところでございます。  ただ、農林漁業団体全体として多種多様な農林漁業団体を多数抱えておりますので、定年延長に当たってはなかなかむずかしい実情があるようでございますが、ともかく逐次定年延長の方向に進んでいるというふうに考えておりますが、私どもといたしましては、さらにアップ・ツー・デートな材料を手に入れるために、全国農協中央会にことしの八月、定年延長の実施状況について調査をしてもらうことにしておりまして、その結果を踏まえてさらに馬力をかけていきたいというふうに思っております。  それから、この定年延長問題の指導をするに当たりましては、当然男女格差の問題についてもあわせてそういう指導を行っておるところでございます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 これは全中の調査が五十四年八月の調査で、通達が五十五年の三月に出されているわけですから、その通達がどの程度実践をされているかというのが、これからやる八月の調査を見ないとわからぬと、こうなっていますので、そういう点ではどうかなという感じがするんですが、ひとつ定年制の問題では、年金の支給開始年齢との差というかギャップですかね、これがあくような点はいままでのところないと。少なくとも今後ともそういう差、たとえば六十歳から支給するんだけれども定年制で五十八と、二年間差があくと、ブランクがあるというようなことにはなっていない、いままでなっていない、あるいはこれからもそうしないと、そういう点ははっきりしているんですか。

佐野宏哉農林水産省経済局長

○政府委員(佐野宏哉君) これは、六十歳への支給開始年齢を繰り上げることにつきましては経過措置がございまして、三年ごとに一年ずつという段階になっています。それで、まず最初の一年の段階が来年来るわけでございますので、従来のところはすき間があいてないわけでございますが、これからも少なくともすき間はあかさないということを基本に据えて、少なくとも三年間に一年ぐらいは定年延長できないはずがないということですき間はあかさないように精いっぱい努力してまいりたいと思っております。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 その辺すき間があかないようにこれは明確な指導をしてもらいたいというように思うんです。  それからもう一つ、特に経済局長通達で非常にはっきり指摘をされておりますが、男女別の定年制について、これは就業規則や協約を仮につくってみてもそれは無効だという判例が続いているということも指摘をなされています。現状で農水省の農協課へ聞きますと、たとえば京都ではまだ三つ残っていると、女子が五十四歳以下と、男子に差をつけてという状況がまだ続いているというんですね。これは年金の支給開始年齢とは関係なしに男女格差をなくすというのは当然やらにゃいかぬ問題、局長通達でもそれは就業規則や協約で仮に決めておっても無効なんだという点も指示をされているわけですね。この点の指導というのは一体どの程度進んでいるんですか。

佐野宏哉農林水産省経済局長

○政府委員(佐野宏哉君) お答えいたします。その点は、実は男女別格差の問題は定年延長から独立した問題であるということは私どもも承知をしておりますが、実際に県なり農協なりの皆さんにこの点の周知徹底をするに当たっては、定年延長問題と同じ定年の話でございますので同じ場を使って話をしております。ですから、先ほど申し上げました各県の農協主管課長会議でございますとか、全中を通じて各県中に指示をしてつくってもらっております委員会とか、そういう共通のフォーラムで議論をしてもらって進めておりますが、事柄の性質としては、これは支給開始年齢とかそういう問題に埋没させるべき問題ではないということはよく承知しておりますが、指導の実務としては便宜的に同じフォーラムでやっておるというのが実態でございます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 実際上は埋没させてはいかぬと言いながら指導の実態としては並列的というかそういうことになっている。これはひとつ改善してもらいたいと思いますね。そうしないと、徐々にこれは直したらよろしいという性格のものではないということですから、その辺ひとつお願いしておきたいと思うんです。  それで大臣、高齢化社会を迎えていくと定年制の問題もしかしなかなかそうは言いましても進まないわけですね。労働省の方でいろいろと指導をなさって最近発表された先月の三十一日まとめた雇用管理調査、これを見ますとやっと六十歳定年が主流になってきたというんです。しかし、調査対象からいわゆる製造業などの九大産業の七千社、従業員三十人以上ですけれども、それを対象にしてやっていて、やっぱり大企業の方はずっと全体としてそういっているけれども、だんだん中堅企業に広がってきていると。中小零細の方はまだずっとおくれてきているという状況なんですね。だから単協で言いますとそういう状況が今日まだ多分にあるわけで、おくれてきているというのもあると思うのですけれども、高齢者の雇用問題が解決されないのに、なかなかですね。そっちの方がおくれているのに年金の支給開始年齢だけは六十から今度は六十五に上げるということは、これは高齢化社会に対する対応としては余りにも経済主義的な考えになっちゃっている。本当に高齢者に社会的にさらに力を発揮してもらう、貢献をしてもらうという点からいっても問題が出てくるだろう、こういうように思うのですが、この点についての見解はいかがでしょう。

佐野宏哉農林水産省経済局長

○政府委員(佐野宏哉君) まずちょっと事実関係だけ最初にお答えいたしますが、実は臨調の答申もその点はわきまえて答申をお書きになっておられまして、「高齢者雇用の動向を勘案した支給開始年齢の引上げと弾力化、」というふうにお書きになっておられまして、高齢者雇用の事態が進まないのに無理無体に支給開始年齢を引き上げろという答申をなさったわけではないというふうに承知をしております。  それから一方、共済年金制度基本問題研究会の方でございますが、これも将来展望として六十五歳ということを書いてございますが、さしあたりの目標としては早く六十歳までに上げろということを言っておられるわけでございまして、その点は臨調にいたしましても共済研の方にいたしましても先生御指摘のような問題は十分念頭に置いて答申なり報告なりをお書きになっておるというふうに私どもは承知しております。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 いや、大臣の方はどうですか。

佐野宏哉農林水産省経済局長

○政府委員(佐野宏哉君) いや、でございますので……

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 臨調や年金制度の研究会の意見はわかっておるのだよ、あなた。政府の対応はどうだと聞いている。

佐野宏哉農林水産省経済局長

○政府委員(佐野宏哉君) したがいまして私どもといたしましては、先ほど来申し上げておりますように、支給開始年齢の引き上げが高齢者の不安を招来しないように定年延長に努力をすることによってすき間があかないように対処してまいりたい、こういうふうに考えておるわけでございます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 さらに、臨調の基本答申のこの問題に対して言っているのでは、制度運営の安定化を図るために給付水準の適正化というものが問題だというふうに出ています。だから、これは現役の者が支えていく、そういう年金制度の財源の問題等とも関連をして掛金をふやすか給付水準の引き下げかという問題になってきているわけですね。したがって給付水準の引き下げの問題というのは当然非常な危険な問題として出てきている。衆議院の議論で大臣は現行を守っていくということに努力をしなきゃならぬという答弁をなさっておりますが、私はこれは当然だと思うのです。とりわけ農林年金の場合、他の公的年金制度と比較をいたしますと、これは農水省の側も御答弁なさっているように、一つは掛金率が千分の百九で国公共済や地公の共済あるいは私学共済などに比べても高いということです。しかし二番目には、反面制度別一人当たりの平均報酬月額を見ますとこれは十五万五千七百二十円ですか、資料によりますと最も低い状況にある。したがってそれに関連をして退職年金の支給金額も最低だと、こういう状況になっています。これは農林年金が昭和三十四年に発足をしてまだ歴史が非常に浅いし、成熟度も一一・八%と低い、そういう特殊な事情にあるということでありますし、それからまた職域年金ですからそういう点で被用者団体の規模が小さいし、団体の財政基盤も弱いという点、それから組合員の給与水準も低いというそういったいろんな要素からこういう状況が生まれているというように思うのです。だからこういうときに他の公的年金との横並びで右へならえということで一カ月削ってしまうと、おくらせると、同じように。ということは、結局農協なんかの農林関係団体職員の老後の生活の安定という点から言うと、これは問題ではないかというように思うんですね。ですから、特に大臣には、今日こういう公的年金制度の問題について、いろいろな議論がなされているときですから、とりわけ農林年金制度について改善を進めていく、そういう立場からの決意を伺っておきたいと思うんです。

田澤吉郎自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(田澤吉郎君) 農林年金の現状は、これは現状のまま推移していきますというと、御承知のように八十一年度には財政的には行き詰まる見通しだと、こう言われておりますので、必然的にその事態を回避するためにはやはり組合員の負担の増高を避けるということと、一方では給付の問題を考えなきゃならぬということに相なりますので、これは他の年金とも私は共通する問題だと思うのでございます。しかしながら、私は、農林年金についてはできるだけ現行の現状を守りたいと、かように考えておるのでございまして、大変むずかしい問題でございますけれども、私はこれを貫くために何とかいい案を考えていきたいと、こう考えます。  ただ、そのためにはやはりいま第二臨調の答申だとかあるいは共済年金制度基本問題研究会の研究報告等は大きな資料に私はなろうと思います。したがいまして、これらの資料を中心にして、一層私たちはこの現状を守り、あるいはまた農業共済の本来の目的を達成するために努力をいたしたいと考えております。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 最後に一言申し上げておきますが、わが党としては、いま大臣おっしゃるように、いまの仕組みのままでいきますと、これは財源がもう大変なことになってくる、それは事実ですね。したがって、これを解決する道としてわが党の提案を出しています。これはもう時間がありませんから詳しくは申しませんが、検討していただきたいと思うんですが。いずれにしても、私は臨調の基本答申の考え方は、自分のことは自分でやれと、自立自助というんですね。これはもう言うなれば、一昔前の考え方といいますか、昔の救貧施策というんですか、そういう考え方になってくる。それではなしに、やっぱり政治の要諦が生活の安定にある、民生の安定にあるというその見地からの解決策というものを考えるべきだということを私ども提起をしていますので、またぜひ検討していただきたいと思いますし、したがって、そういう臨調の基本答申にはわれわれ反対をして、そういう解決の方向を国民の暮らしをより発展をさせるという方向での解決を実現するために、われわれはがんばるという決意を持っていることを申し上げて、終わります。

坂元親男自由民主党

○委員長(坂元親男君) 他に御発言もなければ、両案に対する質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

坂元親男自由民主党

○委員長(坂元親男君) 御異議ないと認めます。     —————————————

坂元親男自由民主党

○委員長(坂元親男君) 委員の異動について御報告いたします。  本日、中村禎二君及び林寛子君が委員を辞任され、その補欠として仲川幸男君及び村上正邦君が選任されました。     —————————————

坂元親男自由民主党

○委員長(坂元親男君) それでは、これより農業協同組合法の一部を改正する法律案について討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。神谷君。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 私は、日本共産党を代表して、農業協同組合法の一部を改正する法律案に対する反対討論を行います。  反対の第一の理由は、信連の資金貸し付けにおける員外利用制限の緩和が農協系統金融の農外依存を一層促進し、相互金融としての独自性を弱めるという点であります。今回の改正の背景となっている貯貸率の異常な低さの根本原因は、米作減反の拡大、農畜産物価格の抑制、そして外国農産物の大量輸入など、政府の農業破壊政策のもとでの農業投資の不振にあることは明白です。  こうした事態を打開するためには、農林漁業金融公庫と農協金融との分野の調整、中小農民にも十分利用できるような農業近代化資金の改善・拡充、負債対策など、国の利子補給による農協資金を活用した制度金融の拡大など、農業金融における農協金融の分野の拡大を目指すことこそ必要であります。  本改正では、このような農協金融の歩むべき道をとることを放棄し、とめどもない農外への傾斜を促進させるものと言わざるを得ません。  第二に、全銀内為制度加盟の条件づくりの一つとしての単協の内為取引の員外利用制限の撤廃についてであります。全銀内為制度加盟は、組合員にとって便利になる側面を持っていることを否定するものではありません。  しかし、この加盟が一九八三年十月全農協一括加盟という方針で進められているため、大きな問題点が生じています。  その一つは、為替未取り扱い農協の解消のためと称して、組合員の要求に立脚することなく、為替取扱認可基準を満たすための合併が進められるということであります。  二つは、現在でも厳しい状況の農協経営にオンライン導入による新たなコスト増要因をつくり、そのことが営農指導など不採算部門の切り捨てや、農協労働者に貯金獲得のための外勤が強化されるなど、経営至上主義的な合理化が促進されるということであります。  したがって、このような全銀内為制度一括加盟を前提とした、為替取り扱いの員外利用制限撤廃には賛成できません。  第三に、信連の有価証券取扱業務における員外利用制限の撤廃についてです。この有価証券の範囲については、地方債にとどまらず、大臣の指定があれば国債についても可能となり、このことは信連の国債保有が年々急増しているという傾向に拍車をかけ、農協を国債抱き込み機関とする可能性が強いものと指摘せざるを得ません。  以上、本改正案の中心的内容である農協信用事業制度の改善方向は、一九七三年の農協法、農林中金法改悪に引き続いて員外利用制限を緩和、撤廃することによって、農協金融の独自的性格をさらに弱め、一般金融機関との均質化を目指すものであります。こうした方向は、金融再編、自由化の進展のもとで、一般金融機関との競争を一段と激化させ、農協金融の不安定性を一層増大させることは明白であります。  むしろ、農協金融の安定と今後の展望を切り開くためにも、いま求められていることは日本農業の危機を打開し、農家の経営と暮らしを守る方向で、協同組合金融としての機能を一層強化することにあることを指摘して討論を終わります。

坂元親男自由民主党

○委員長(坂元親男君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。  これにより採決に入ります。  農業協同組合法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

坂元親男自由民主党

○委員長(坂元親男君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  この際、坂倉君から発言を求められておりますので、これを許します。坂倉君。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 私はただいま可決されました農業協同組合法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・自由国民会議、日本社会党、公明党・国民会議、民社党・国民連合及び第二院クラブの各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。     農業協同組合法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、農協系統組織の我が国農業発展に果たす役割の重要性にかんがみ、その本来の目的に即した組織・事業運営を通じ、協同組織としての特性が発揮できるよう、本法改正を機に、次の事項に留意しつつ、適切な指導、監督に努めるべきである。  一、農協及び連合会の執行体制の整備と責任体制の確立を図ること。  二、農協及び連合会の信用・共済事業に依存している経営体質を改めるとともに、販売事業については、地域農業の再編に対応し、その機能拡充を図ること。  三、金融機能については、組合員の資金需要に積極的に対応するため、信用事業の効率化を促進し、コスト低減を図ること。  四、金融機関のオンライン体制の拡充に即応し、事務処理体制に万全を期すること。    また、週休二日制については、他の金融機関の動向に即し円滑な導入を図ること。  五、信連の員外融資については、融資の健全性に十分配慮しつつ、地域還元を基本とした運用を行うこと。  六、地域社会との調和を図り、組合員中心の事業運営を徹底するため、員外利用制限の規定を遵守させ、購買店の設置・運営の改善、さらには協同会社の設立・運営について適正な措置を講ずるとともに、一部農協の事業運営に関する内外からの批判については指導の徹底を図り、これを払拭すること。  七、農協及び連合会の健全運営を維持するため、内部監査体制の整備充実を図るとともに、行政庁による検査の充実を図ること。  八、今後の農業、農村の変化を展望しつつ、都市農協の将来のあり方について、長期的課題として取り組むこと。   右決議する。  以上でございます。

坂元親男自由民主党

○委員長(坂元親男君) ただいま坂倉君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

坂元親男自由民主党

○委員長(坂元親男君) 全会一致と認めます。よって、坂倉君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、田澤農林水産大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。田澤農林水産大臣。

田澤吉郎自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(田澤吉郎君) ただいまの附帯決議につきましては、決議の御趣旨を尊重いたしまして、十分検討の上、善処するよう努力してまいりたいと存じます。     —————————————

坂元親男自由民主党

○委員長(坂元親男君) 次に、昭和四十四年度以後における農林漁業団体職員共済組合からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案の修正について、勝又君から発言を求められておりますので、この際、これを許します。勝又君。

勝又武一日本社会党

○勝又武一君 ただいま議題となりました昭和四十四年度以後における農林漁業団体職員共済組合からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案に対する修正案につきまして、日本社会党、公明党・国民会議、日本共産党、民社党・国民連合、第二院クラブを代表して、その提案の理由及び内容につきまして御説明申し上げます。  今回、政府から提案されております農林漁業団体職員共済年金改定案は、農林漁業団体職員共済組合による給付に関し、恩給制度、国家公務員共済制度等の他の共済組合制度に準じて、既裁定年金の額の改定、年金の絶対最低保障額の引き上げ等により、年金給付水準の引き上げ等を行おうとするものであります。  しかしながら、今回の改正案におきましては、年金改定の実施時期を、例年の四月から一カ月おくらせ、五月実施としております。  この年金改定の実施時期につきましては、昭和四十八年度の十月実施から順次改善され、五十二年度以降、四月実施が定着してきておりますことは周知のとおりであります。  また、従来の四月実施におきましても、現職者の給与の改定時期より一年おくれの年金改定であり、その改善が望まれていたものであります。  今回の措置は、こうした実情にあります年金改定の実施時期を後退させようとするものであり、これまで逐次整備改善を図ってきた年金充実の方針転換にほかならないのであります。  年金制度は、組合員の老後生活の支えとして、大きな役割りを果たしてきておりますが、今後は、その加速化が予想される高齢化社会を迎えるに当たって、制度の一層の改善、充実が望まれているのであります。  かかるときにおいて、年金改定の実施時期をおくらせることは、年金受給者の生活を不安にさせるばかりか、社会保障の拡充という近代国家の今日的役割りに逆行するものであると言わざるを得ません。  私たちは、このような立場から修正案を提出するものであります。  修正案の案文はお手元に配付してありますが、その内容は、年金改定の実施時期の五月を一カ月繰り上げ、例年どおり四月から実施しようとするものであります。  以上が修正案提出の理由と内容であります。  委員におかれましては、よろしく御賛成いただきますようお願い申し上げます。

坂元親男自由民主党

○委員長(坂元親男君) ただいまの勝又君提出の修正案は、予算を伴べものでありますので、国会法第五十七条の三の規定により、内閣から本修正案に対する意見を聴取いたします。田澤農林水産大臣。

田澤吉郎自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(田澤吉郎君) ただいまの修正案につきましては、政府としては反対であります。

坂元親男自由民主党

○委員長(坂元親男君) これより昭和四十四年度以後における農林漁業団体職員共済組合からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案並びに修正案について討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。——別に御意見もないようでありますから、討論は終局したものと認めます。  それでは、これより昭和四十四年度以後における農林漁業団体職員共済組合からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案について採決に入ります。  まず、勝又君提出の修正案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

坂元親男自由民主党

○委員長(坂元親男君) 少数と認めます。よって、勝又君提出の修正案は否決されました。  それでは次に、原案全部の採決を行います。  本案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

坂元親男自由民主党

○委員長(坂元親男君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  この際、勝又君から発言を求められておりますので、これを許します。勝又君。

勝又武一日本社会党

○勝又武一君 私は、ただいま可決されました昭和四十四年度以後における農林漁業団体職員共済組合からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・自由国民会議、日本社会党、公明党・国民会議、日本共産党、民社党・国民連合及び第二院クラブの各派共同提案による附帯決議案を提出をいたします。  案文を朗読いたします。     昭和四十四年度以後における農林漁業団体職員共済組合からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、農林年金について、財政基盤の強化等に努め、共済制度の一つとして、農林漁業団体職員の老後保障を確保するため、次の事項を検討し、その実現を図るべきである。  一、国の財政再建期間中減額されることとなつた国庫補助額については、当該期間経過後すみやかに適正な利子相当額を加え、その減額分を補てんすること。    また、年金財政の長期的健全性を確保するため、増大する不足財源についても十分考慮すること。  二、最低保障額については、今後ともその改善を図るとともに新旧格差の是正に努めること。  三、遺族年金については、支給率の改善を含め、給付の適正化を検討すること。  四、毎年度行つている既裁定年金の額の改定については、その都度法的措置によることなく、自動的に行い得るような制度の導入につき検討を進めること。  五、農林漁業団体の経営基盤の強化に努めるとともに、これら団体職員の定年制の延長等雇用条件の改善が図られるよう適切な指導を行うこと。   右決議する。  以上でございます。

坂元親男自由民主党

○委員長(坂元親男君) ただいま勝又君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

坂元親男自由民主党

○委員長(坂元親男君) 全会一致と認めます。よって、勝又君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、田澤農林水産大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。田澤農林水産大臣。

田澤吉郎自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(田澤吉郎君) ただいまの附帯決議につきましては、決議の御趣旨を尊重いたしまして、十分検討の上、善処するよう努力いたしてまいりたいと存じます。

坂元親男自由民主党

○委員長(坂元親男君) なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

坂元親男自由民主党

○委員長(坂元親男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。本日はこれにて散会いたします。   午後三時五十一分散会      —————・—————

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