農林水産委員会 第17号
- 発言数
- 123 件
- 登壇者
- 7 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1982/07/29
会議録
○委員長(坂元親男君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 去る七月十四日、山田譲君が委員を辞任され、その補欠として坂倉藤吾君が選任されました。 また、昨二十八日、中村禎二君が委員を辞任され、その補欠として川原新次郎君が選任されました。
○委員長(坂元親男君) 農業協同組合法の一部を改正する法律案及び昭和四十四年度以後における農林漁業団体職員共済組合からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案、以上両案を便宜一括議題といたします。 両案につきましては、すでに趣旨説明を聴取しておりますので、これより質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○勝又武一君 両法案のうち、私は農林共済につきましてお伺いをしたいと思います。 まず最初に、本年の七月十四日、共済年金制度基本問題研究会の意見が大蔵省に出されておりますが、農林省としてはすでにお読みになったと思いますので、この中に遺族年金の寡婦加算、これについてどのように触れておるかお聞きをしたいと思います。
○政府委員(佐野宏哉君) 寡婦加算につきましては特段の言及はいたしておりません。
○勝又武一君 私は農水委員会での質疑はきょうが初めてです。そこで、この農林共済設立の三十三年以降の会議録や、特に昨年の衆参の農水委員会の会議録、これをよく読んでみました。ここにありますけれど、昨年の参議院の五月二十六日の当農水委員会で、遺族年金の寡婦加算等につきまして村沢委員あるいは中野委員等がお聞きをしております。松浦局長は、いまはどこか違うところにおるんでしょうけれども、再三にわたってこう言っているんですよね。この問題について共済年金制度基本問題研究会の学識経験豊かな先生方に御依頼してありまして、五十七年にこの結論が出ますので、それによって寡婦加算の問題、遺族年金の改善について改正を図ってまいりたい、こう答えているんですよね。この会議録に間違いありませんね。
○政府委員(佐野宏哉君) そのとおりでございます。
○勝又武一君 そうするとどういうことになるんですか。松浦局長は村沢委員や中野委員の質問に、この問題については経験豊かな基本問題研究会に御依頼をしてあったと、五十七年にはそのことについて詳しく出ると、こう言っていたというんですけれども、本当に御依頼していたんですか。
○政府委員(佐野宏哉君) 基本問題の検討として包括的にあらゆる論点は御審議を賜るようにお願いをいたしておりまして、当然寡婦加算の問題も含まれております。
○勝又武一君 冗談じゃないですよ、あなた。そんなことを聞いているんじゃない。僕は会議録をちゃんといま言って、それについて包括的に意見を聞くとは言っていませんよ、松浦局長は。局長読まれましたか、これ。昨年の会議録を、——ちょっとお待ちください。学識経験豊かな諸先生方に御依頼をした、この意見書の方は何ら触れていない、そうなると、本当に御依頼をしていたのか、あるいは依頼を受けていた方がそういう問題については触れなかったのか、どちらかでしょう。どちらにしても出なかったとすれば、村沢委員なり中野委員なりは昨年のこの五月二十六日のときには松浦局長の答弁で終わっているんですよ。これはどうなるんですか。
○政府委員(佐野宏哉君) 私どもといたしましては、基本問題研究会に検討をお願いいたしました中身の中には、共済年金のあり方、すなわち給付水準とか給付要件、そういうものについて検討をお願いしておりまして、寡婦加算というのも当然給付水準、給付要件の一つの要素でございますから、検討をお願いした事項の中に含まれておるわけでございます。
○勝又武一君 そういうあなたの話を聞いていると、去年の局長はその易しのぎの答弁しかしなかったということになりますよ。そうでしょう。明らかにこれは会議録を私は読み上げたでしょう。限定しているんですよ、一般的なことを聞いたんじゃなくって。遺族年金の改善、寡婦加算についてはと、そうちゃんと断わっているんですよ。そうして、それについてはこの基本問題研究会に御依頼してあるんだと、出してないでしょう。それが出たら具体的な改善案を検討するというんだから、出なかったらどうしてくれるんですか。そうしないと去年のこの委員会での議論というのは全くごまかされた、こういうことになるんじゃありませんか。それともこの基本問題研究会は別途何かほかにこの問題についての意見を出しているのか。五十五年六月十三日から二年間、三十二回の全体会議と十二回の小委員会を開いて検討しているんでしょう。触れてなかったら去年の松浦局長の答弁は、いまはあなたが局長でしょうけれども、どうしてくれるんですか。
○政府委員(佐野宏哉君) 共済年金の基本問題研究会におきましては、年金制度のあり方をいろいろ御検討になりました結果、現在の年金財政の状態というのが次の世紀を展望して考えますと財政的に非常に危険な状態にある。それでその問題に対処いたしまして……
○勝又武一君 委員長、そんなことを聞いているんじゃないんですよ僕は。いいです、いいです。そういうことを聞いているんじゃないんです。僕も基本問題研究会というのはあなたが言っているようなことをやる委員会だと思いますよ。当然なんだ。遺族年金とか寡婦加算とかそういうことを細かく意見を出すような委員会じゃないというように私も思うんです。読んでみましたよ、全部、これね。この意見書は全部読んでみた。もっと基本的なことを言っている。ところが、去年の松浦局長はそういう基本問題研究会の性格を恐らく知っていたにもかかわらず、去年の答弁のときには村沢委員、中野委員の追及に対してこういうその場しのぎの答弁をするからこういうことが起きるんです。そういうことをその次の年にしっかり検証しないからいつまでたってもあなた方の姿勢は直らないんじゃないか、そこのことを聞いているんです。こうなりますと、大臣ね、大臣はきょうお初めて——もっとも農水は一番専門の大臣ですから、もともとは。いまお聞きのとおり、去年の松浦局長の答弁、こういう答弁をそのままされているという点については経験豊かな国務大臣としてどうお考えになりますか。あるいはこれは農水省としてはこういう局長の引き継ぎのやり方についてどういう責任をお感じになりますか。
○政府委員(佐野宏哉君) 私がいまお答えしかかっておりましたのは、実は基本問題研究会は検討なさった結果、むしろ現在の給付水準を維持していくことさえもむしろ容易でない。それでむしろ将来の収入と見合った程度に支出を切り詰める年金水準を設定することが第一であるというお考えをお持ちになりましたので、したがって寡婦加算の問題についても特に言及をすることを差し控えられたのであるというふうに承知をいたしておりまして、その問題、寡婦加算の問題の検討をしなかったからここに何も書かなかったのであるということではないというふうに考えております。
○勝又武一君 そうしますと、去年の局長の答弁はどうなりますか。基本問題研究会がこの問題について結論を出したらそれに基づいて具体的な改善策を検討しますと、こう答えているんですから。それが出なかったと、じゃどうしてくれるんですか。
○政府委員(佐野宏哉君) 基本問題研究会が特に寡婦加算について特定の案をお示しにならなかったわけでございますから、私どもとしては従来どおりの寡婦加算でそのまま今回の法律案を提出しておるわけでございます。
○勝又武一君 大臣、こういうのは私は本当に問題が余りにも大きいと思いますね。それだけこれは指摘しておきます。 では、具体的にお伺いをいたしますが、高校卒、男子、単協に就職をいたしまして三十二歳、本年の五月に亡くなりました。これは私の自宅の近くに居住をしている実例です。勤続十四年、無職の妻、子供は三人、五歳と三歳と四ヵ月の乳飲み子です。これは寡婦加算を別にしまして、いわゆる計算式の共済方式と通年方式の二つがあるわけですね。この場合、この寡婦加算を別にして、いま農林共済の標準給与の平均月額、全国平均で十六万五千円、これで私計算をしてみました。この二つの計算方式でいずれで計算してもいわゆる最低保障額の五十七万六千七百円にはとうてい及ばない、こういうことになりますけれども、これは私の計算間違いありませんね。通告してありますから、それだけ答えてください。
○政府委員(佐野宏哉君) 農協課長から答弁させます。
○説明員(古賀正浩君) ただいまのケース、よく計算してみないといま直ちにお答え申し上げられません。
○勝又武一君 ちゃんと、大臣、計算するように通告してあるんだよ。最低保障額が、私の計算ではこの場合に五十七万六千七百円にとてもならないんです、だからそうすると五十七万六千七百円になりますね、いずれかにもならないんだから、最低保障額五十七万六千七百円に。遺族である子供が二人以上ある場合には二十一万円の寡婦加算がつきますね。そうすると七十八万六千七百円、こう考えてよろしゅうございますね。
○政府委員(佐野宏哉君) さようでございます。
○勝又武一君 この方は無職です。農協にお勤めの御主人が三十二歳で亡くなったわけです。十四年間勤めていました。いまは無職で、しかも子供は三人、五歳と三歳と四カ月の乳飲み子です。働きたくたってなかなか働けない実情にあります。 厚生省にこれはちょっとお聞きしたいんですけれども、仮にこの人が遺族年金がなかったとしますと、この場合の生活保護基準を適用しますと、これも通告してありますから、年額でお幾らになりますか。
○説明員(加藤栄一君) 御説明いたします。 ただいま御指摘の母子の四人世帯でございますが、生活保護基準、これは年齢、性別で全部違いますので、それを計算いたしますと、三十歳、それから三歳から五歳……
○勝又武一君 いや、結論的に金額だけで結構ですよ。
○説明員(加藤栄一君) その他地域によっても違いますが、中小都市の場合でございますが、最も基本になります生活扶助基準でございますと、百九万五千二百二十円でございます。それでこのほかにもしこの世帯に別途仕送り、内職等の収入があればその額を差し引いた金額を支給するということになります。
○勝又武一君 そうしますと、この方の場合には七十八万六千七百円としまして、生活保護基準が百九万、これを知らないでいるとこの差額をくれないんだそうですね。申請しないと差額をくれない、七十八万六千七百円だけもらっていますとね。これもちょっと私はむごい、温かい政治とはかけ離れているというように思いますけれども、こういう指導というのは農林共済やっているんでしょうか、やっておりますか。そういう場合には七十八万六千七百円をもらって、生活保護基準が百九万とすればその差額は申請すればもらえるんだと、こういう指導を農林共済やっていますか。
○政府委員(佐野宏哉君) 農林年金では受給者との相談員というのを置いて相談業務をやっておりますが、その中で生活保護基準を下回る場合には差額について生活保護を受ける道が用意されておるということは御説明いたしております。
○勝又武一君 一番おしまいはちゃんとしっかり答えてくださいよ。
○政府委員(佐野宏哉君) 御説明をいたしております。
○勝又武一君 自信を持って——私の調査ではなかなか現場では余りやられていませんね、残念ながら。 そこで、これはもう私は事務当局の計算とかどうとかという問題じゃないと思うんですね。だから中川大臣に、これは国務大臣として政策的な意味でもひとつお聞きをしたいのは、いまお聞きのように私の挙げた実例、その場合には七十八万六千七百円、片方では最低でも百九万、こういう生活保護基準にも満たない程度のいまの寡婦加算、私は余りにもバランスを欠き過ぎているんじゃないか、問題の所在はどこにあり、検討はむずかしいにしても、両者を引き比べた場合に、余りにもバランスを欠き過ぎているんじゃないかという、そういう点についてはどんなお感じをお持ちになりますか。
○政府委員(佐野宏哉君) 私どもは遺族年金というのはやはり退職年金との間で一定のバランスがないと体系として成り立たないわけでございまして、やはり退職年金の何%の支給率をということで決めるのは、これは制度上やむを得ざる仕組みであろうと思っております。それで、現在退職年金に比べまして遺族年金の支給率は五〇%ということになっておりますが、遺族年金につきましても、最低保障額あるいは扶養加算、ただいま先生御指摘の寡婦加算というような制度を順次設けまして、遺族年金の給付の水準の引き上げについては従来努力してまいったところでございますが、さらにこれを進めて遺族年金の支給率の引き上げによって、遺族年金の給付を改善するかどうかということになりますと、それは一番端的な方法ではございますが、遺族年金の水準なり支給要件、遺族年金のあり方全般にわたる問題があるように存じますので、私どもが所管しております農林年金独自で解決できるような性質の問題ではないというふうに考えております。
○勝又武一君 私は、先ほど計算方式には共済方式と通年方式の二つがあるということを申し上げましたね。これで計算してみましたんですよ、全国平均の十六万五千円を当てはめて。とてもそこまでいかない、月額二十万円でもいかないんですよ。その程度の計算ですよ、この遺族年金のいまの率は。そこで最低五十七万六千七百円ですね、その最低保障をしているんでしょう。だからこれは大臣にお聞きしたいんですけれどね。これは農水大臣ということよりは、私はやっぱり国務大臣としての見解をむしろお聞きしたいぐらいです。この寡婦加算は子供二人以上の場合という規定でありますけれども、子供の部分というのにもう少しやっぱり政治的な温かい配慮があっていいんじゃないか、それが私の意見です。というのは、十八歳未満の子供全部一緒ですね、たとえば小学校に上がるぐらいまでぐらい、一例ですけれども。だから三歳までとか五歳以下とか七歳以下とかですね、あるいは小学校に上がるまでぐらいの一定年数、こういうぐらいはめんどうが見れないんだろうか。つまり、いままだまだわが国の社会保障の状況はゼロ歳児保育所にしても不完全ですね。それから育児休職制度というのも電電公社とか学校教員とか、こういう程度に限定されていますね。そうなれば、私の挙げたような実例の方の場合には、何とかこの子供が五歳、三歳、四カ月というような乳飲み子を、せめて小学校に上がるまでぐらいのそういう寡婦加算の特別な検討、こういうことをこそ、もし農林年金だけでない横並びと言うなら、こういう点にきわめて経験豊かな中川大臣に私は今後御検討いただきたい、そう思いますけど、大臣いかがでしょうか。(「ちょっと待ってください。質問者が大臣に対してさっきから何回も指摘してるんだから、一々局長が答えることはないじゃないですか。大臣の政治的な見解を聞いているんだ。」と呼ぶ者あり)何もむずかしい話じゃないんだよ、きわめて政治的な課題だよ。 —————————————
○委員長(坂元親男君) 委員の異動について御報告いたします。 本日、熊谷弘君が委員を辞任され、その補欠として板垣正君が選任されました。 —————————————
○国務大臣(中川一郎君) 勝又委員の御指摘はよく理解できますので、政治家としてしかるべく検討をしていきたいと思いますが、いまここで結論を申し上げるほど準備はいたしておりません。十分頭の中に入れておきたいと思います。
○勝又武一君 いまの温かい御答弁がありましたので、もう一つだけ大臣ね、つけ加えておきますよ。局長以上のクラスの高級公務員の方々が、諸官庁の外郭団体、公団、公社、特殊法人、こういう方の役員になっていらっしゃる。その数は七割とか八割とか言われておりますね。そして、この方々の年金というのは大体年三百万から三百五十万、しかも給与は月額で七十万とか八十万とか九十万という方もいらっしゃいますね。私がいま挙げたこの寡婦の方は、月額に直しますと六万五千円なんです。余りにも私は差があり過ぎる。この月額六万五千円で、仮に生活保護基準の差額を申請すればその差額は幾らか出ますけれど、五歳と三歳と四カ月の乳飲み子を抱えて生活するわけですね。これ、大臣の私は政治的な課題としてもぜひ御検討いただきたい、そう思います。これはもう局長にはこれ以上お聞きしません。 そこで、次の既裁定年金の額の改定について伺いたいと思います。 年金の一部支給を停止することは、どういう理由がありましてもこの社会保障制度を目指す共済制度の後退だというように考えますけれども、この点についてはいかがですか。
○政府委員(佐野宏哉君) この点は実は、共済制度は国家公務員の給与あるいはそれにリンクをいたしております国家公務員の共済制度と連動をするような仕掛けになっておるわけでございまして、そういう中で昨年度は給与法の改正におきましても人事院勧告をそのとおり給与法の改正に織り込んだわけではございませんので、かなりの抑制措置が講じられたわけでございます。そういう事態の中で、これらの事情とのバランスということを考えますと、農林年金におきましてもこの程度の抑制措置は均衡上やむを得ざるところではないかというふうに考えております。ことに、御高承のとおりの財政事情の中のことでもございますので、この程度はがまんをしていただかなければなるまいというふうに思っております。
○勝又武一君 これは当局も御存じのように、国家公務員の給与改定は前年度の物価上昇率、それを基準として、基礎といいますか、基準としておりますね。その給与改定をまた基礎にして翌年度の年金改定が行われる。そういう意味からいけば、物価上昇率という観点でいけば実質的に二年おくれ、こういうことになっているというように私は考えますけれども、そういうように考えるのは間違いですか。
○政府委員(佐野宏哉君) これは厚生年金の場合には消費者物価の上昇率にリンクをいたしておりますが、共済制度の場合には国家公務員の給与の方にリンクをしておりまして、それで国家公務員の給与は、人事院勧告の場合、消費者物価ということも当然御勘案になるのであろうと思いますが、それ以上に民間準拠という考え方がもう一つございますので、共済制度の場合には、既裁定年金の改定というのはまあ国家公務員給与を通じて間接的に物価上昇率ということも要素として織り込まれますが、直接的には国家公務員準拠ということでやっております。
○勝又武一君 この給与改定ということについての議論はいろいろありますけれど、年金改定もその給与改定と同時期にやったらどうだ、むしろその方がより妥当じゃないか、こういう意見もありますけど、その点についてはどう思いますか。
○政府委員(佐野宏哉君) これは何と申しますか、一つは尺度になるべきものが決まってからそれを織り込んで、既裁定年金の年金額の改定を行うということは、これは制度の仕組み上やむを得ざるところがあるわけでございまして、その点のタイムラグということは、これはまあ私はどうもやむを得ないことなのではあるまいかというふうに思っておるわけでございます。
○勝又武一君 第二次臨調の答申にもよく使われますように、恩給費は極力抑制する、そういうことが今回の年金改定にも恐らく影響しているというように私は思いますけれども、考えてみますと、横並び横並びという議論があるわけですけれども、農林共済というのは発足以来余り恩給とは関係がない、なじまない、そういうふうに私は考えているんですよね。そういう意味からいきますと、他の共済と横並びだというけれども少なくとも恩給に準じて年金改定を行うということの是非ですね、こういうものについてはそういうものと余り関係がない共済年金のところは考え直していいんじゃないか、そういうようにも私は思いますけれども、その辺はいかがですか。
○政府委員(佐野宏哉君) 恩給ともちろん無関係ではございませんが、私どもは国家公務員共済あるいは地方公務員共済、そういう共済グループの一環としてその中で横並びが働いておるわけでございまして、それで国家公務員共済がまたがっての恩給の受給者にも一定の関係でリンクをしておるという事情になっておるわけでございまして、私どもとしては必ずしもストレートに恩給とリンクして物事を考えておるわけではございませんが、共済グループの中の一員であるということはこれは動かしがたいところでございまして、その中での横並びということは、これはどうも避けられないことなんだというふうに思っております。
○勝又武一君 他の共済との関係はわかるんですよ。ですけれども、農林年金に、たとえば恩給を受給していて、そして経過措置をとっているというような、そういう例は他の公務員と比べたらきわめて希薄ではないんですか、そういうことを私はお聞きしているんです。それはいい、それは後でまた別なところでお聞きしますから。 それで時間の関係もありますのでこの今度の改定の実施時期の問題について二、三お伺いしたいと思うんです。 これもどこの共済制度でももう同じように言われていることだと私も思いますけれども、特に私は農林共済については、この問題についてお聞きをしたいという意味は、他の共済と比べてやつ。ばり非常にいろんな意味での格差があるし、総合比較する中で劣っているからそういう点ではこの程度はぜひ考え直していいんじゃないか、そういうことが一つ前提にありますが、毎年毎年の皆さんの御努力でこの実施時期は四月になったわけですよね。これはもう公務員の給与改定と全く同じような傾向をとってきてなりましたよね。一回四月にした実施時期を変えるというのは、これは公務員の場合にも大変なことだということを私自身もよく知っています、変えることの大変さを。ところが弱い部分の年金はいとも簡単にこれは実施時期が変えられるという点については全く承服できませんね。だから本当の意味で昨年まで何回も努力をしてなってきた四月実施というのをなぜ五月実施にしなくちゃいけないのか、その辺のことは理由を具体的にお話してくれませんか。
○政府委員(佐野宏哉君) これは先ほど申し上げましたように、私どもは、農林年金はいわゆる共済グループの一つ、一メンバーでございますが、共済と厚生年金との間にもまた一種のリンクの関係があるわけでございまして、厚生年金の方の事情を見てみますと、厚生年金の物価スライドによる年金額の改定というのも、これも昨年までは六月に行っておりましたものを七月にずらすということを行っておるわけでございます。 それからさらに、先ほどもちょっと申し上げたことでございますが、やはり年金制度というのは現役の人とやめた人との間のバランス関係ということももう一つの要素としてあるわけでございまして、国家公務員共済の場合をとりますと、公務員給与が昨年度人事院勧告どおりには実施されなかったという事態を念頭に置きますと、退職者に対する年金についてもそれと均衡のとれた抑制措置が講じられるということが、これがまたやむを得ない事情であるということもございます。そういう事情と国の財政事情が例年になく厳しいという事態を考えますと、残念なことではございますが、改定の時期が一カ月おくれるということもやむを得ないのではないかと思っておるわけでございます。実はこれは財政当局は元来七月にずらせということを内示をしてまいりまして、大変財政当局は強硬にがんばったわけでございますが、私どもも粘り強く折衝をした結果、大臣折衝でようやく五月実施まで持っていったというような実態でございまして、これは共済グループすべて共通の問題でもございますので、この点は御理解を賜りたいと存じます。
○勝又武一君 ちょっと細かくなって恐縮ですけれども、いま現役とのバランスというお話がありましたからそれに関連してお聞きしたいんですが、現職者の方の五十六年度の給与改定のうち、期末・勤勉手当については旧ベースでやっていますね。そういう点を考慮したということになると、農林漁業団体の方々の五十六年度の期末・勤勉手当もみんな旧ベースでやっているんですか。
○政府委員(佐野宏哉君) これは何と申しますか、農林漁業団体の在職者の給与につきましては、これはそれぞれの農林漁業団体の当局側と申しますか、使用者側と労働組合との間の労働協約で決められることでございますので、私どもが立ち入って……
○勝又武一君 そうだと思うんですよ、私は。本来給与というのはそうですよ。生き物ですからね。全部同じになんてできっこない。だから期末・勤勉手当を国家公務員は五十六年度は旧ベースでやろうが、農協や漁協が五十六年度の期末・勤勉を新ベースでやるということは当然あり得ますよ。総合的な比較検討ということが給与の政策でしょう。だから私はこっちをちょっとこうしたからそのバランスでこっちも伸ばすんだというその議論は全く当てはまらない、理由にならない。 じゃ今度は、財政当局のお話がありましたけれども、五月と四月と一カ月ずらすと一体幾ら違うんですか。
○政府委員(佐野宏哉君) 年金額の改定のやり方は、先ほど申し上げました共済関連のグループと、それから物価スライドの関連のグループと二つございますが、前者につきまして、すなわち四月を五月におくらした分でございますが、四月を五月におくらした分で節約されます金額は給付費で一億五千四百万円でございます。ただし、節約額がこれだけということではございませんので、これを一ヵ月ずらすこととの関連で、六月に従来実施されておりましたスライドの分を七月にずらすという要素がもう一つございまして、こちらで給付費が一億二千九百万円節約になりまして、両方合わして二億八千三百万円ということになります。
○勝又武一君 私の質問をどうお聞きになったか知りませんけれども、私の方も実はこの点は非常に問題だと思って、大臣ね、修正案を出そうと思って、五月をやっぱり四月に直してもらいたいという、本日の答弁いかんによっては検討しようと思っているんです。ですから事務的に正式の機関にお聞きしているんですよ。二千百万円だという話になっているんだ。修正案出すときに必要経費というのは必要でしょう。二千百万だと言うんです。だからその程度の額でしたら、これは本当に考えなくちゃいかぬ、こう思いますけれども、私がお聞きしたいのは節減の額の効果ですね。法制局のおっしゃっているような二千百万というような額なのかどうか議論はあるにしても、年金制度全般の後退と組合員に与える信頼感の欠如、こういう点から言ったら、私はやっぱり大局に立った政策としては四月を五月に一ヵ月ずらすということは全く間違いだ、こういうふうに思いますけれども、この辺は大臣いかがでしょう、ほかのこととも関係します。
○政府委員(佐野宏哉君) その前にちょっと、申しわけございません。 事実関係についてお答えいたしますが、私がただいま申し上げましたのは給付費でございまして、給付費に伴う国庫補助額の節約が幾らであるかということになると、またちょっと数字が違ってまいりまして、国庫補助額の節約は全部で三千九百万でございます。それで、ただいま先生御指摘になりました二千百万という数字は、そのうち六月から七月にずらす方の分は外しまして、四月から五月にずらす方の分が国庫負担で二千百万の節約になるという趣旨でございます。それで国家財政全体にとっての影響は二千百万というとごく微々たるもののようでございますが、これは実は先ほど来申し上げておりますように、こういうことをするというのは共済グループ全体の問題としてそれでやっておるわけでございまして、ですから農林年金だけ一ヵ月ずらすのをやめるというわけにはいかない性質のものでございまして、国家公務員、地方公務員あるいは共済グループが一カ月ずらすのをやめれば厚生年金も一ヵ月ずらすことはやめなければいけなくなるということで、連鎖反応が非常に大きいものでございますから、二千百万という数字自体は非常に些少な金額のように一見見えるわけでございますが、実は連鎖反応の及ぶところが大きいという意味でこれは深刻な財政問題であるというふうに御理解を賜りたいと思うわけでございます。
○勝又武一君 これも残念ながら時間の関係で次に移ります。 次は最低保障額の問題ですが、先ほどもお聞きしましたけれども、二つございますね、最低保障額と絶対最低保障額。私のお聞きしたいのは絶対最低保障額というのはいわゆる恩給並みの基準ですね。さっきも言いましたように公務員共済の方は旧恩給適用者の経過措置、そういうことのバランスからいきましてある程度理解できる。ところが私は農林共済はそういう関係はきわめて薄いんじゃないか、社会保障機能を持つ最低保障の性格からいきましても、絶対最低保障額というのはそういう意味からいけば私はやっぱり不合理な制度だ。厚生年金並みの最低保障額だけでいいんじゃないか。そうすれば、毎年毎年何か農水委員会でも新旧区分の格差の議論があるようでございますが、そういうことも要らなくなるんじゃないか。そういう意味でひとつ最低保障額だけにこの農林共済の場合にはしたらいかがかと思いますけれども、この点はいかがですか。
○政府委員(佐野宏哉君) 実は先生ただいま御指摘を賜っております問題は従来から繰り返し当委員会でも御議論を賜っておる問題点でございますが、私どもといたしましては新法、旧法というのは、この問題はすべての共済年金に実は共通して存在する問題でございまして、その中でそれぞれ給付事由が発生した時点における制度によって物事が決まってくるということはこれまたすべての共済年金制度共通にそういうやり方をやっておるわけでございまして、そういう制度の仕組みの問題といたしまして、なかなか先生の御指摘のとおりに処理するということができにくいという問題がございます。それで、これにどうしても手をつけるということになりますと、これは先ほど来ほかの問題についても申し上げておりますが、これに直ちに共済グループ全体の問題あるいは恩給制度も含めて連鎖反応を起こす問題でございまして、農林年金自体をとってみますと、先生御指摘のような仕組みに改めることによる財政負担がどの程度のものであるかということは議論の分かれるところであろうかと存じますが、連鎖反応も含めて考えてみますと、とうてい現下の財政事情のもとでは考えられないのではないかというふうに思わざるを得ないのでございます。 ただ、私どもも旧法の最低保障額を何とか引き上げるという努力は従来からやってまいったところでございまして、現に六十五歳以上の方につきましては旧法の絶対最低保障額が新法の最低保障額を上回るところまで来ておりますし、それから旧法と新法の格差をごらんいただきますと、六十五歳未満の方につきましても格差は傾向的に縮小しているというところで私どもの努力をお酌み取りいただきまして、御理解を賜りたいと存ずるのでございます。
○勝又武一君 他共済グループとのいわゆる均衡、横並びということがよく言われるんですが、私はその点はきょう一番おしまいにいろいろお聞きしたいと思っていますが、他共済とずいぶん違うところありますよね。他の共済というのは全部いわゆる医療制度、短期給付ということを行っているけれども、この農林共済だけは全然やっていませんよね。だから、この議論は私はやっぱり後でお聞きしょうと思いますけれども、そういうのはやっぱりいろいろ違うと思うんですよ。だから、やっぱり農林共済自体として農水省がもっとやっぱり本格的な検討を加える必要がある、そういうことをここは指摘をしておきます。 時間がありませんので次に移りますが、先ほども遺族年金のところで寡婦加算でお聞きをしたときに、局長から相談機能のことをちょっと御答弁ありましたね。その相談機能のことをあそこで聞こうと思いましたけれども、共済年金事業報告、これは五十五年度の農林共済組合のものを少し私資料を読ましていただきましたが、それを見ますと、年金受給者の増加と累次にわたる制度改正によって給付内容が複雑化している、組合員あるいは年金受給者からいろいろの相談がある、そういうことで相談体制を強化をしている。そこで、地区相談員というのでやっているというように書いてあるんですが、この地区相談員の活動というのは現在どういう状況になっておりますか。
○政府委員(佐野宏哉君) 委員長、申しわけございません。農協課長から答弁させます。
○説明員(古賀正浩君) 農林年金の地区相談員制度につきましては、年々増加いたします農林年金受給者に対しますサービスといたしまして昭和五十三年度から発足してやっておるところでございます。 具体的な地区相談員につきましては、大体県の中央会職員の現役あるいはそのOBの方々に農林年金の理事長が委嘱するというような形でやっておるわけでございまして、その数は発足当初、昭和五十三年当時は一県当たり三名の百四十一名ということでございましたが、現在では漸次増加いたしまして、五十七年度で百八十八名、一県当たり四名というような程度になっております。以上でございます。
○勝又武一君 これは指摘だけしておきたいと思いますが、この前いろいろ私も現地、少し勉強してみました。相談員の、やはり農林年金の事務経験で見ますと、非常にやっぱり未経験者が多いですよね、残念ながら、まだまだ。確かに皆さんおっしゃるような設置目的ということはよくわかりますけれども、そういう非常にまだ未経験が多いということもあって各種相談、受給資格なり請求手続なり年金額の照会相談なり、さっき私がちょっと言ったような手続しないともらえないというような、そういうきめ細かい指導についてはやっぱりちょっとまだまだ残念ながらおくれておりますので、これらについてはひとつ経験者あるいはそういう研修、こういうことで十分組合員の要望にこたえられるように一層の御努力をいただきたい、そういうふうにこれは要望しておきます。 時間の関係で次にいわゆる問題になっております財政問題についてお伺いをいたします。 財政収支の将来の見通しですが、資料によりますと、六十年度に給付の支出が掛金収入を上回る、七十一年度に収支が逆転をする、八十一年度に年度末の試算がゼロになる、こういうように言われておりますけれど、この将来見通しについてはそういうように理解しておいてよろしいかどうか。
○政府委員(佐野宏哉君) ただいま先生御指摘の数字は前回の財政再計算のときの基礎数字でございまして、それは先生御指摘のとおりでございます。
○勝又武一君 この場合の、何と言うんですか、ファクターというのは、掛金率は千分の百九据え置く、給与ベースアップは、年金額の改定も同じように給与のベースアップと年金改定と年五%見込む、組合員数は今後五年間に一定増加する、そういうことを前提としているというように記述されていますが、これも間違いありませんね。
○政府委員(佐野宏哉君) さようでございます。
○勝又武一君 今後五年間に一定増加するという組合員数の増加はどの程度見込んでいるんですか。
○政府委員(佐野宏哉君) 五十九年の段階で五十一万人ということでございます。
○勝又武一君 毎年幾人ふえるというように見込んでますか。
○政府委員(佐野宏哉君) 七千百九十一名ということでございます。
○勝又武一君 この七千百九十一人に対して五十六年度末のいわゆる新規加入者、この増というのはたしか三千四百八十六人、こうとどまっている。つまり、伸び率は鈍化をしている。約半分、こういう状況の伸び率だというように私は拝見をしていますが、この点はいかがですか。
○政府委員(佐野宏哉君) 三千四百八十六名でございます。先生のおっしゃるとおりでございます。
○勝又武一君 そうしますと、あとの計画は数字はそのとおりとしても、この増ですね、いわゆる組合員数の増というのは約半分になっちゃった、この原因は一体何なのか。あるいはこれからのいわゆる新規の増ですね、組合員増というのの見通しはどう思われるか。
○政府委員(佐野宏哉君) 私どもも先生御指摘のような組合員数の増加が予想を大幅に下回ったという事態についてはややっというふうに思っているわけでございますが、まあ常識的に考えますと、こういう低成長時代でございますから、農林漁業団体といえども言うならば減量経営志向ということは避けられないということで、その結果がこういうことに反映されているんではないかというふうに思われもいたしますが、ただ、こういうことは五十六年度だけの一時的な現象であるのか、将来もこの程度の組合員数の増加がずっと続いていくのかということについてはちょっとただいま即断をするのは早計ではないかというふうに存じてはおりますが、私どもとしてもこういう御時世でございますので、農林漁業団体の減量経営ということは、これは必然的な流れであろうかというふうにも考えますので、必ずしも一時的な現象とは言い切れないという可能性が高いように思っております。
○勝又武一君 この辺もこの道の専門家の大臣は本当は一番よく御存じだと思いますけれども、本日はそういう立場でおいでになっていますからあえて詳しくお聞きをいたしませんけれども、私もやっぱりいま局長おっしゃるように、これからの農協の合理化なり農業の機械化なり米作人口の減なり、あるいはいわゆる農協経営の長期的な見通し、こういう観点からいけば、このやはり七千百九十一人が三千四百八十六人に約半分に減ったというこの時点は、この五十六年度だけではない、これからもやっぱりずっとあり得るという、そういう意味できわめてシビアに再検討すべきだと、こういうふうに私も思いますね。本当はこの辺を中川大臣にもうんちくを傾けてお聞きをしたいんですけれどもね、これはいろいろのきょうの立場もおありでしょうから、農水省として当然私はこの意味の財源率の再計算なり収支見通しの再検討、こういうものをやっぱり当然行うべきだと、こういうように思いますけれども、いかがですか。
○政府委員(佐野宏哉君) 先生御高承のとおり、財政再計算というのは五年ごとに行っておるわけでございまして、五十六年度についてたまたまこういう予想外の数字が出てまいりましたが、直ちに次の財政再計算の時期を早めるべきものであるというふうにまではちょっと即断いたしかねますが、ただ、次の財政再計算のときにはこのような事態を十分念頭に置いて考えていくべきものであろうというふうに思っております。
○勝又武一君 そこでね、私はいままでの答弁をお聞きしてますと、一番最初のきょうのことを思い出すんですよね。去年の局長はいまは水産庁かどこかにいらっしゃるんでしょうけどね、農水委員会で答弁もして、まあその場しのぎという言い方はお腹立ちになるんでしょうけれども、御異論があったら言ってください、さっき言ったような経過でしょう、寡婦加算の問題も。きょうもいまの局長おっしゃっていて、また局長もどこかへいらっしゃるでしょう。そうすると、またその場しのぎになる。そうじゃなくって、私が指摘したいのは、確かに五年間の再計算でしょうけどね、ここまでの事態が明らかなんだから、やっぱり私は思い切ってこの再検討ということを早急におやりになっていいんじゃないかと思うんですよ。これはだから御指摘をしておきます。 時間の関係もありまして、次にいわゆる行政改革に関連をした特例法案の取り扱いですね、この問題についてお聞きをいたします。 これももう各共済横並びの関連の問題ですが、いわゆる特例適用の期間中定率補助を減額した分について、農林共済につきましてもこの減額された分とその運用収入相当分、減った分ですね、簡単に言えば利息、こういうものをつけて返すと、これはもう再三議論されているところですから、きょうはもう時間をかけずに簡単に御答弁いただきたいと思うんですが、そういうふうに確認してよろしゅうございますか。
○政府委員(佐野宏哉君) さようでございます。
○勝又武一君 私は、いまの御答弁で、これはもうできる限り速やかに年金財政に戻す、この措置で保険料へのしわ寄せはしない、こういうもう見解が社会保障制度審議会でも明らかですし、いまのお話のように必ず運用収入相当分をつけて返す、こういう確認で結構ですが、その農林共済の運用収入実績というのは私は七・七%程度であるというふうに考えますけど、この点はいかがですか。
○政府委員(佐野宏哉君) さようでございます。
○勝又武一君 もう一つ、この行革関連特例法案に関係してお聞きをいたしますが、臨調の第一次答申というのは国庫負担の削減のほか年金の支給開始年齢あるいは保険料の段階的な引き上げ、こういう基本的な見直しについても言っておりますね。これに対しては農林共済としてはどういう見解をお持ちですか。
○政府委員(佐野宏哉君) 私どもといたしましても、現在の年金財政の状態は、先ほど先生御質問の中でも触れられましたように、そう遠くない時期に、現在の給付水準と掛金率を前提にいたしますと、パンクをするわけでございまして、その意味で年金財政というのは大変深刻な問題であるということにつきましては、臨調の問題意識と私どもの問題意識も共通でございます。それで、それに対する対処の仕方といたしましては、臨調の部会で提言をなさっていらっしゃる各種のお考えというのは、それぞれ貴重なお考えであるというふうに考えておりまして、まあ私どもの農林年金の場合につきましても、これは私どもの問題としても指摘をされておるものというふうに受けとめてよく検討を進めさしていただきたいと思っております。 それで、最近年金問題をめぐる各種の審議会、臨調もその一つでございますし、共済の基本問題研究会もそうでございますが、年金問題というものを勤労世代から老齢世代への所得移転のルールとしてこれを把握して、そういう観点から、勤労世代と老齢世代との生活水準の適切なバランスはどうあるべきかという、そういう視点からこの問題を眺めるべきであるというお考えが一つの底流をなしておるように思われるのでございますが、これはとかく従来私どもも見落としがちな論点を指摘されたものというふうに思っておりまして、これを重大な御意見として受けとめて慎重に検討してまいりたいと思います。
○勝又武一君 特例措置の終了の時期は来ますよね、来ましたら、従来からの要求であるいわゆる定率補助というのを厚生年金並みの二〇%に引き上げる、あるいは財源調整費の補助を三%に引き上げる、こういうことは再三この当委員会でも言われているわけですから当然だというふうに私考えますけれども、この取り組む本気の姿勢ですね、この辺についてはどうですか。
○政府委員(佐野宏哉君) 私どもといたしましては、特例適用期間が経過いたしました後、速やかに特例適用期間に繰り延べられたものを埋め合わせていただくということがまず第一義であるというふうに思っておりますので、まずその点をきちんとやりたい。 それから、財源調整費につきましては、特例法に基づきます四分の一カットにもかかわらず、従来どおりの水準を維持することができておりますので、この点は財政当局との間でいろいろ議論のあったところでございますが、特例法適用期間中のカットを受けずに済んだということを評価していただきたいというのがいまの偽らざる気持ちでございます。
○勝又武一君 先ほども申し上げました共済年金制度基本問題研究会、七月十四日ですね。これが出たら各紙がずいぶん大きく国鉄を中心に取り上げたですね。新聞がこれだけ国鉄問題を取り上げると、何かみんな共済年金全部一緒になっちゃう、こういう印象も与えるんですが、正確にこの意見書を読みますとそうは書いてございませんね。それから、臨時行政調査会第一部会報告、これは本年の五月二十九日ですが、これを読みましてもこの辺は明確に分けておりますね。 そこでお聞きしたいんですが、やっぱり私は、年金統合なり年金一元化という問題については、これらの臨調の第一部会報告も基本問題研究会もそれぞれ述べておるように、それぞれの特性と歴史的な経過がある。特に各共済間の制度上の不均衡是正、こういうことをまず優先すべきだと。掛金率も違うし、給付内容にも格差があるし、掛金と給付とのいわゆる相関関係というものの深い検討が必要だ、こうも思いますね。 そういう意味で、特に基本問題研究会、これを見てみますと、いわゆる国鉄共済については大きく触れて、三公社、国家公務員共済との一元化を言っておりますけれど、地方公務員共済、私学共済、農林共済、これについては、その対象者、沿革、給付の算出方法等に相違があり過ぎるから、当面はそれぞれの共済年金が持っている問題点を解決すること。この合併対象とするのは不適当である、こういうように言っておりますね。これについての農水当局の御見解はいかがですか。
○政府委員(佐野宏哉君) 私どもといたしましては、御高承のとおり、国鉄共済というのは大変財政的にむずかしい事態に直面をしております共済年金でございますので、何と申しますか、国鉄共済と一緒に一元化されるグループに入るということは、農林年金の受給者あるいは組合員にとりましてどうもそう有利なことであるというふうには考えにくいわけでございまして、国鉄共済を念頭に置いた一元化の対象から、少なくとも現在の段階で農林年金が外れておるということは、正直に申しまして私どもとしてはほっといたしておるところでございます。
○勝又武一君 まあ、ほっとしているという意味は、この意見書に出ていることとまあ同じだというように理解をしておきましょう。確かにむずかしい表現だと思いますけれど、それはそれといたしまして、ひとつ私もやはり農林共済自体の共済年金ということを本気で考えれば、ここで指摘していることは不十分ですけれども、もっともっといろいろ私なりに申し上げたいことはたくさんありますけれども、最低ここで言っていることについては、このことを十分考えていくべきだというように思います。 そこで、この年金制度に一つ関連をして、いわゆる支給開始年齢の引き上げという問題が、これまたそれぞれ各共済のバランスだということで出てきますね。私は、これは農協職員のやはり定年制ということと大きくかかわってくる。 たしか、昨年四月の会議録を読みますと、四十九年八月現在、五十六歳以上は五三・三%、五十四年八月現在で五十六歳以上が五九・六%となっておりますが、この五十五年、五十六年、あるいは最も新しい現在、これはいまいわゆる定年制というのはどうなっているのか。当局としては今後どのようにこれを指導をしようとするのか。あるいはこの開始年齢の引き上げに伴ってこういう制度についてどういうような検討をされようとしているのか。この辺をお聞かせください。
○政府委員(佐野宏哉君) 五十四年の八月現在での定年の調査の結果によりますと、五十六歳以上というのが男子で五九・六、女子で五〇・二ということでございましたんですが、農林年金の対象になっております団体につきまして定年を延長するということは、実はそれぞれの団体の厳しい経営、財政事情、そういう中で短期間に顕著に定年を延長していくということは、なかなかむずかしい点があるわけでございますが、私どもといたしましても、支給開始年齢を引き上げる以上は当然定年延長に取り組まなければならないというふうに考えまして、農協は農協、森林組合は森林組合、漁協は漁協ということで、それぞれ関係の各局長から通達を出しまして定年の延長について指導をしておるところでございます。 私どもの承知しておりますところでは、農林漁業団体でも現在定年延長の問題については積極的に取り組んでおるところでございまして、一番最近の段階の事情といたしましては、全国農協中央会が八月の段階で一番アップ・ツー・デートなデータを調査することになっておりますので、私どもとしてはその調査結果を見て、定年延長の進捗状況がもし思わしくないような事態であれば、さらに拍車をかけなければならないというふうに思っております。
○勝又武一君 年金制度というのは非常にむずかしい問題ですし、他の年金とのバランス、厚生年金とのバランス、非常に問題が複雑多岐ですから、そう簡単にいかないということは私もよくわかります。 そこで、最後にこの問題について大臣にお聞きをしたいのは、組合員の掛金負担の限界、こういう問題ですね。これは決して農林共済だけでは私はないと思います。厚生年金でも他の国家公務員共済でも地方公務員共済でも私学共済でもあるいは市町村共済でもそうだと思うんですけれども、まずいま諸税ですね、国税、県民税、市民税、そういういわゆる諸税公課、これがふえてきておる。同時にまた、他の共済では短期給付の短期の掛金、農林共済で言えば健保連合会の掛金であり、政府管掌の健保の掛金あるいは国保の掛金、こういうものがあるところへもってきて、長期のいわゆる年金の掛金ですね。一体この辺の掛金の限界というのは、これはまさに農水大臣とか代理大臣とかという意味じゃなくて、やっぱり政府全般として、特にいまの最も政策的な意味でこの辺はどの程度にお考えなんでしょうか。大臣、ちょっとお聞かせいただけませんか。
○国務大臣(中川一郎君) 年金問題は、最近議論の多いところでして、一つは高齢化社会を迎えて年金の支払い額が非常に大きくなってくるという問題がありますし、また幾つか、八つほどに分かれているんですか、年金間の横のバランスの問題もあると。一方財政が非常に厳しいという八方ふさがりの状態でございます。一つは一元化の方向へ、全体ができないにしてもブロックブロックのような考え方も出てきております。また、掛金も、高齢化社会に対応するように増を求めるべきだという意見もありますし、また、国の助成もやるべきだという意見もありますが、財政も厳しいあるいは組合員の負担ももう限界に来ている。どれをとってみても非常にむずかしい今後の政治課題だと思います。 そういう中で、いま質問は、組合員の掛金限界はどうかということでございますが、確かに厳しい状況にありますけれども、研究会の報告では、千分の二百から二百五十ぐらいが限界ではないかというようなことも出ておるようですが、それらも踏まえながらやっぱり応分の負担をしていただき、先ほど寡婦問題等もありました。年金はそもそも生活を保障するという仕組みではありませんで、生活を支えていくという仕組みでございます。しかも、その支えが組合員が中心になって負担をしていくという相互もたれ合いといいますか、助け合いの仕組みでございますから、そういうことも踏まえながら全体がバランスのとれるように、なかなかむずかしい問題でございますが、いろいろとまた御指導いただきながらあるべき姿に調整をして、全体が泣いて、全体が喜ぶ、こういう方向で時間をかげながら結論を得ていくように努力しなきゃならぬ政治課題だと存じております。
○勝又武一君 この農林共済のいろゆる全国農業漁業団体振興会というのがございますね、昨年の四月に設立されたんですか。この振興会から本年度予算を見ますと、十二億五千万円という助成金がございますね。これは振興会からの助成金としては一体妥当の数字なのか、あるいは振興会というもののこの事業計画としても今後こういう水準で助成をしていくのか、それは今後増大するのか、この辺はいかがですか。
○政府委員(佐野宏哉君) 私どもは、現在、振興会が出しております助成の水準というのはほぼ妥当なものであるというふうに思っておりますが、これをさらに増額するということが期待できるかということになると、そこはちょっとなかなかむずかしいのではないかとやや懐疑的に思っております。
○勝又武一君 私は、先ほどちょっと触れました農林共済と他の共済とのバランス、均衡問題、よく出ます。それはまさにそのとおり一面そうだと思いますね。ただ、そうじゃない問題もあるんですよね。他の共済と全く大幅に違っている、それは医療制度です。着る方の衣じゃない、お医者さんの方の医療制度。 そこで、共済組合制度というのは、本来はやはり職員年金的な性格だけでなくて、それに加えて国が行う社会保障、社会福祉の機能、こういうものを有していると考えるのが妥当だというように、あるいは当然だというように考えますけれども、どうなんでしょうか。 だから、他の共済は年金だけでなくて、いわゆる医療なり、福祉なり、厚生事業なり等を短期給付として行っている。年金と医療というのは共済組合の基本原則です。これはさきに申しました共済年金制度基本問題研究会も具体的に指摘しているところですね。だから、医療を別に年金だけだというのは私は非常に片手落ちだと思うんですよね。 そこで、先ほども言いましたように、私は農水での質問は初めてでございますので、この農林共済発足のときの衆議院、参議院の会議録というのを読んでみました。昭和三十三年三月十九日の衆議院の農林水産委員会の会議録です。 これを読みますと、これ中川大臣きっと思い出されるかもしれませんが、わが党の農政の専門家の芳賀委員がこの問題追及しているんですよね。こう言っているんですね。市町村共済も私学共済も年金の長期経理、医療の短期経理、この両方やっている、農林共済も両方やるのが当然だと私、つまり芳賀さんは考えると。それで当初は農林省も——当時農林省ですね、厚生省、両方ともやはり農林共済も短期と長期と両方やるのが当然だと、こういうように言っていたけれども、この法案では片一方の年金だけになっちゃったのはなぜなんだという追及をしているわけですよ。 これに対して、当時の局長ですね、——これ局長の答弁なんですよ、会議録全部読んでみましたけれども。短期、つまり医療をやるというのはメリットがないんだという答弁になっているんです、これずっと私は読んでみました。 そこでお聞きしたいのは、それ以来、つまり三十三年から本委員会、本日まで約二十五年たっていますけれども、この二十五年間に衆議院、参議院の農林水産委員会で、この短期給付の議論というものがありましたか、ありませんでしたか。
○政府委員(佐野宏哉君) 申しわけございませんが、全部の会議録を読んだと申し上げる自信はないんですが、私の承知している限りでは、その、後、その議論は出なかったように伺っております。
○勝又武一君 私も、農水の専門家の皆さんがたくさんわが党にもおりますので、実はお聞きをしてみたんです。そうしたら、やっぱりやってないと言うんですね、この議論は。それで、私ももちろん一〇〇%読んでませんから、斜めに読んだ会議録もありますのでわかりませんけれども、恐らく私はこの二十五年間ないように勉強してみて思いました。 そこで、三十三年の局長答弁は、短期給付をやるのはメリットがないんだということで始まっているんですから、この二十五年間に短期給付のメリットがあったかなかったかという議論を一度は私やっぱりやらぬといけないんじゃないか、そういう意味であと二、三、この時間の中でお聞きをしたいと思うんです。 それで、まず短期給付はありませんから農協の役職員の医療制度は健康保険組合か、あるいは政府管掌の健保か、あるいは国保、こういうことだろうと思いまして、健保組合などを調べてみましたら一覧表が出てきましてね。この一覧表によりますと、二十県は健保組合、他の二十七県というのは政管健保なのか国保なのか、あるいはほかの何かがあるのか、この辺はいかがですか。
○政府委員(佐野宏哉君) 私どもが集計いたしましたのは農林漁業団体の団体数で調べてみましたら、組合健保に入っておりますのが二〇・六%、それから政府管掌に入っておりますのが七四・七%、それから国民健康保険でやっておりますのが四・七%ということでございます。 それで国民健康保険に入っておりますのは小規模な土地改良区などが国民健康保険でやっておりまして、それから総合農協とか、あるいは全国連、それからちょっと意外な感じがいたしましたが、開拓農協なんというのがわりに組合健保をよく利用しておりまして、それ以外のものがおおむね政府管掌であるという形になっております。
○勝又武一君 ここに「全国農業団体健保組合一覧」というのがありまして、五十七年五月現在です。 一番最初の健保組合の結成がわが静岡県なんですよね、十七年四月一日。そしてあと二十二年とか、二十五年、二十七年、二十九年、こういうのが約九県ですね。あとの十県というのは四十七年から五十五年のところへ集中しているんですね、健康保険組合結成が。だから私の感じから言うと非常に新しいですね。そうしますと、お聞きしたいのは、これらの県は政管健保で恐らくやっていた。ところが、それよりはメリットがあるから健保組合を設立した、こういうふうに考えるのが妥当だと思いますけれども、違いますか。
○政府委員(佐野宏哉君) 私もそこのところの事情は必ずしもつまびらかにいたしませんが、常識的に考えれば先生のおっしゃるようなことだろうと思います。
○勝又武一君 そこで私は、健保組合と政管健保との給付、特に付加給付ですね。付加給付、これについての一覧表全部つくってみたんですよ。いろいろ担当のところにお聞きしたんですけれども、なかなか全部こういう資料ありませんね。あっちこっちから集めまして、厚生省や調査室や国会図書館からいろいろ資料集めてつくってみたんです。もちろん不十分ですよ、時間も短いし、それからわからないところがありますから。聞きましたら大臣、政管健保、国保でやっているところがあるんですね。国民健康保険でやっているところもあるんですよ、この農協団体、漁業団体が。そうしますと、時間がありませんから、このつくった一覧表について一つずつ具体的には挙げませんけれども、まさに政管健保なり国保よりは健保組合、いろいろな付加給付をつくる、こういうことが有利だからですね、メリットがあるからつくっているわけですよ。局長は常識的とおっしゃったけれども、具体的な一覧表をつくって見ると明らかです。一つずつ挙げるのはやめましょう、時間がありませんから。出産手当から埋葬料から家族医療費の補助から、全部ですよ。 そうしますと、私がここでお聞きしたいのは農林共済の設立の精神というか、設立の趣旨ですね、これは何だったんでしょうか。すぐ隣に小学校があり、中学校があるから、すぐ隣に市町村、町役場があるから、村役場があるから、そしてまた私学の小さな学校もあるから、私学共済なり市町村共済なり公立学校共済なりとのバランスを農協団体の職員についてもとろうじゃないか、これが発足でしょう。そして、そこの私学共済も市町村共済もそれから公立学校共済も全部短期給付で医療をやっている、付加給付をつけている。そういうもののない国民健康保険とかあるいは政管健保でやっているところの農協団体と比べたら、隣の学校と、隣の町役場と、隣の私学と大きな格差があるのは事実ですよ。これをなくすというのが農林共済本来の使命ではなかったんですか。昭和三十三年の会議録は局長の答弁は短期をつくってもメリットがないからやらないんだというように答えておいて二十五年間たってきた。二十五年間の経過を調べてみると明らかにメリットもありますよ。しかも健保の中を調べてみました、私も。農林共済の中の健保組合ですよ。これはまた千差万別ですよ。ずいぶん有利なところもあるし、つくっているけれど異常に有利なところと比べて劣っている健保組合の付加給付もあります。一覧表で明らかです。そこのところは、私学共済や市町村共済や公共学校共済に比べれば健保組合でもまだ劣っていますよ。 だから、私はぜひお考えをお聞きしたいのは、一体こういう設立の精神からいっても趣旨からいっても、私学共済、公立学校共済、市町村共済並みに全国の農林共済ですね、全国の農協団体の職員のいわゆる医療制度、短期給付というものを引き上げるべきじゃないか、こう思いますけれども、この点はいかがですか。
○政府委員(佐野宏哉君) 政府管掌健康保険と、それから他の共済組合が短期給付として行っております医療とを比べまして、政府管掌健保の方が不利であるといたしましても、仮にそういう事態でありましても、たとえば政府管掌健保から脱却する方法としては組合健保を組織するという方法があるわけでございまして、それが直ちに共済組合が医療の仕事もやってほしいという要請に結びつくのかどうかということについては、私はもう少ししさいに検討してみる必要があるように思っております。 一つは、短期給付につきましては、またその給付を賄う財源をどうするかという問題もあるわけでございまして、給付の水準を比べてあそこにはああいう付加給付があるからこっちもまねをしたいというふうに思っても、しからばそれが組合員の掛金の負担として許容、可能であるかどうかということもございましょうし、私どもとしては現在まで農林漁業団体の中からその後長きにわたって農林年金の共済の事業として短期の医療もやれという声が起こってきていないのにはそれなりの事情があるのではないかというふうに思います。 しかしながら、先生御指摘のように仮に農林共済で医療の仕事をやってみた場合に、現在ある他の制度と比べて有利な制度が仕組む可能性がないのかどうかということは長らく等閑視されておった問題であることは事実でございますので、その点はよく勉強さしていただきたいというふうに思っております。
○勝又武一君 よく勉強さしていただきたいという最後のところが去年のようにならないようにしてほしい。というのは、時間がありませんからあと一、二だけ具体的にお聞きしますが、たとえば私学共済の設立時、二十九年、農林共済が三十四年、農林共済は一万三千二百九団体、組合員四十八万、私学共済は一万二千五百三団体、組合員三十二万、明らかですよね。私学共済がやってて農林共済ができないという理由はないんです。しかも、掛金のこともお話がいま局長からありました。時間がないから全部まとめて言っちゃいますと、掛金の比較もしてみました、全部。掛金が高くなるからだめだという議論にはこのことからいってもならないはずです。 もう一つ、私学も公立学校共済も市町村も、短期は黒字ですよ。だから、私一番指摘したいのは、三十三年の局長答弁が短期給付というのはやってもメリットがないんだと、ここから始まってきているんですから、そうじゃないという事実がこの二十五年間で明らかですから、やはり農水省としてはこの二十五年前の局長答弁についても責任を私は感じてもらわないといかぬ。それでなかったら政治でないでしょう。やっぱりそうだと思ったら、これは勉強するんじゃなくて、具体的な検討こそ私はすべきだと、そう思いますね。 それからもう一つ、農業団体から意向がないと言いますけれども、さっき局長もおっしゃったでしょう。健保組合のできているところとできていないところ、できていない県は圧倒的に付加給付のない、条件の悪い国保か政管の健保でしょう、政府管掌健保でしょう。そうしたら、農林省あるいは農林共済全体として、私学がやっていることができないわけないでしょう。私学の方はいま挙げた数字のように、団体数にしたって、人数にしたって、農林共済より少ない。そして私はやっぱりこのことも考えていただいて、もちろん農協団体自体の自助努力ということも必要でしょう。 そこで、さっきちょっと振興会のこともお聞きしたんです。伏線があったんです。そういうことをいろいろ含めて考えていただいて、最後にお聞きしたいのは、そういう意味で、ぜひやっぱり責任をお感じになっていただいて、勉強するだけじゃなくて、具体的に今後の機会の中でこの問題について検討をして、やっぱり国会の中で明らかにしていただきたい。きょうで終わっちゃうんじゃなくて、勉強したということだけで終わっちゃうんじゃなくて、何らかやっぱりこの問題については今後の検討課題にぜひしていただいて、国会の中で政治の問題としてぜひ考えていただきたい、そういうふうに私は思いますけれども、これもまた大臣に、——隣りで総理大臣だって言っているから、中川大臣にこれらの問題についてはお聞きをいたして、私の質問を終わりたいと思います。
○政府委員(佐野宏哉君) まず、この農林年金の方で医療の短期給付を行った場合の、現在のそれ以外の制度で医療保険が行われている現状と比べての得失について、従来十分な勉強をしてこなかったことについては、私は率直に自己批判をしておるわけであります。それで、そこから先どうするかということになりますと、これは率直に申し上げまして、年金自体が果たして農林という枠の中で存立し続け得るものであるかどうかさえいろいろ議論が行われているぐらいでございますので、いまの先生の御指摘について直ちに前向きの機運が出るような答弁をすることはかえって無責任になると思いますので、そこまでの勇気はないんでございますが、いまの先生の問題提起についてはしかと受けとめておるつもりでございます。
○勝又武一君 終わります。
○委員長(坂元親男君) 両案に対する午前の質疑はこの程度とし、午後一時まで休憩いたします。 午前十一時四十四分休憩 —————・————— 午後一時三分開会
○委員長(坂元親男君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。 委員の異動について御報告いたします。 本日、田原武雄君が委員を辞任され、その補欠として関口恵造君が選任されました。 —————————————
○委員長(坂元親男君) 休憩前に引き続き、農業協同組合法の一部を改正する法律案及び昭和四十四年度以後における農林漁業団体職員共済組合からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案、以上両案を便宜一括議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○下田京子君 私は、農業協同組合法の一部を改正する法律案で質問いたします。 今回の法改正の一つの柱になっておりますのが、全銀内為制度加盟を前提として、内国為替の取引について員外利用制限撤廃をするということが入っていると思うのです。 〔委員長退席、理事宮田輝君着席〕 そこで、まずお尋ねしたい点なんですけれども、この全銀内為制度加盟の条件が一体どういうものなのかということなんです。農水省からいただきました資料、これは読ませていただきました。ここにはこのように書いてあります。一つには「員外利用制限の撤廃についての法的措置をとること。(加盟しようとしている信用組合、労働金庫については、すでに法的措置がとられている。)」、二つ目にはすべての農協の同時一括加盟」、三つ目に「為替通知を一時間以内で送達すること。等がある。」というふうなことで、三点について言っているわけです。ところが、全中からいただきました資料を見ますと、こういうふうに書いてあるんです。「農協が全銀内為制度へ加盟するについては、これまでの制度加盟の状況から判断して、農協法改正を行い員外利用制限のない内国為替取引を可能とすること等法令面での整備をはじめ、業態共同責任・一括加盟、名称整備および事務処理の習熟度等運用面においても種々の体制整備が必要になるものと考えられる」とあるわけなんです。 どうもはっきりしないので、具体的に局長の方から、一体この加盟条件は何なのかということを明らかにしていただきたい。
○政府委員(佐野宏哉君) 加盟条件といたしましては、行政側で手当てを考えなければいけない事項と、それから金融機関同士の実務的な相談として処理しなければいけない問題と二とおりあるわけでございますが、まず、その行政面で処理をしなければいけない問題といたしましては、現在の農協法に基づいて課せられております員外利用制限を受けずに行い得るようにするための法的措置を講ずるということが第一点でございます。これは取引の実態に即して、一々為替の業務を窓口で依頼をした者が員内であるか員外であるかということを確認をして、かつ員外利用の制限を超えていないことを確かめた上でお取り次ぎをするということは、金融機関相互間の取引として実態的に不可能であるということに起因するものでございます。したがいまして、それは員内、員外の区別を確認することなしに店頭へ来たお客さんの御要望にこたえて送金ができるというふうにしておかなければならないというのが一つでございます。これが今回法律改正をお願いしておる点でございます。 それからもう一つは、これは法律には当たりませんが、全銀の内為制度に加盟してまいります場合には業態ごと一括加入とい要請がございます。と申しますのは、これはたとえば何とか銀行虎ノ門支店で北海弟子屈農協に送金をしたいというときに、弟子屈農協が全銀の内為制度に加入しているかどうかということを一々その虎ノ門支店が問い合わせをして確かに入っているということを確かめた上でお引き受けをするということはこれはとても煩瑣にたえませんので、いやしくも農協と名前がつけば間違いなしに受け付けてよろしいと、そういうふうな状態になっていないとこの仕組みに入っていただくわけにはいかないという要請が一つございます。それで、この点は法律上の問題はございませんが、為替業務の取り扱いにつきましては従来基準を設けてやっておりましたので、その基準に照らして為替業務を行い得ない状況にある農協がたしか九%弱程度現状でございますので、それをどう手当をするかという問題がございます。 それ以外のいわゆる加盟条件というのは、なれば金融機関相互間の実務的な取引上の問題としてそういうふうにやってくれないと困るということが、先ほど先生御指摘のございました為替通知の一時間以内とかそういう問題が幾つかございます。農協の名称について先生は言及なさいましたが、これはコンピューターに入力する場合に、たとえば余りに長い名前の農協だととても機械のキャパシティーに合わないとか、そういう事情があって幾つか手直しをしてもらわないと困るというケースがあるやに承知をしております。 それから実務的な体制として、こういう仕事に取り組むために農協がそれにふさわしい実力を備えていなければならないということはこれは当然の問題でございまして、行政的にどうこうという問題ではございませんが、農協陣営といたしましてはそういう心組みで実力を備えるべく体制整備を要するというところが幾つかあるように承知をしております。
○下田京子君 およそわかったのですが、ただ、全中といま御答弁いただいた部分で違いが一点あったのです。つまり実務上のことだということでいまお断りがありましたけれども、 〔理事宮田輝君退席、委員長着席〕 為替通知を一時間以内で送達できるということも具備していればいいんだと、これは一つ、オンライン化でなくても代行為や何かでその他の措置でも可能だという論理も成り立つので念のために確認しておきたいことと、もう一つ、これはさっき北海道の弟子屈農協の話が出ましたが、確認なんですけれども、すべての農協がやはり一括加入しなければいけないというのが絶対的条件かどうか、この二点ちょっと確認をしておきます。
○政府委員(佐野宏哉君) 業態別一括加入というのは、これは不可欠の条件でございます。ただし、先生いま御指摘の一時間以内という問題は、たとえば信連の代行で処理し得るではないかというお話がございましたが、これは実は為替の承認基準との関係で、必ずしも全部の農協がこの業務を取り扱い得るような実力を備えるとは言いがたいというケースが例外的にはあり得るというこを私どもも覚悟しておりまして、その場合には信連が業務を代行するという形でその難点を切り抜けていくということを考えておりまして、それは業態一括加入の原則をそれでも具備しておるものと認めるということで全銀協とも話ができることになっておるというふうに農協側から聞いております。
○下田京子君 その為替を取り扱う場合の基準の話がいま出ましたが、業態一括加盟が絶対条件だということになりますと基準に照らして満たないところはどうなのかということが当然出てきますよね。その基準の話なんですけれども、昭和四十八年にこれは為替取り扱の際にということで、四点についてあると思うんです。 第一は、やっぱり貯金の残高十億円以上、二つ目には、定められた額以上の貯払い準備資産を常時保有している、それから三つ目には、繰越欠損金を持たない、四つ目に、取扱事務所には信用事業の専従職員を四人以上と、こういうことがあって、それ以外にも例外規定ということはあるわけですけれども、現在五十七年三月時点で見てみますと、この全中の資料で、為替の未取扱農協が三百九十七農協あるというふうに言われているわけです。さっき局長もちょっと言われましたが、約九%云々。これはどういう理由によるのか。基準に達しているんだけれどもやらないのか、あるいは基準に達していないのか。
○政府委員(佐野宏哉君) お答えいたします。 取り扱い得ない理由は、若干重複しているのがございますが、その点は度外視して数字をずうっと申し上げますと、三百九十七農協のうち、貯金残高が不足であるという事由に該当するものが三百四十五ございます。それから専従職員数が不足しておるという項目に該当するものが二百八十四ございます。それから貯払い資産が不足しておるというものに該当するものが十一。それから繰越欠損金に該当するものが五十農協ございます。それで、先ほども申し上げましたように、この数の中には複数の事由に該当しているものもございますから合計してはありませんが、そういうことになっています。
○下田京子君 いずれにしても、そうしますと、四十八年当時のその基準四点について、それぞれ満たされてないということで取り扱ってないということだと思うんですね。 そういう状況の中で、やっぱり日を限って基準に達しなければならないよというかっこうで、いろいろといま合併問題なんかも出ているわけですけれども、この点についてどうするかということが一つ大きな問題だと思うんですよ。全中の資料によりますと、五十五年の十二月二十二日に出されておりますそのことですと、貯金残高十億円未満の農協が五十五年三月末で五百八十組合、全体の十二・九%もあると。しかも、うち五億円未満の農協というのが二百十五組合もあるわけです。こういうところが単純に十億円にならないから、基準に達する見込みがないからというふうなことで、じゃ一体どうするのか、じゃそれ合併しなさいというふうに言って進めていくことが果たしてどうなのかということがやっぱり大きいと思うんですね。 これについて、衆議院農水で、四月の二十八日だったかと思うんですけれども、局長このように答えておりますね。「合併という方法によりまして、従来の承認基準に照らして内国為替が取り扱えるような状態にしていくということも一つの方法ではございますが、農協の合併というのはあくまでも組合員の自主的な判断によって処理をすべきものでございますので、全銀の内為制度に入るために無理無体に合併をする、そういうことをすべき性質のものでもないというふうに思っております。したがいまして、そういう場合には、従来の為替の取扱基準を経過的に緩和する、あるいは、それでもなお処理し切れない農協につきましては、信連が内国為替の事務を代行する、そういうやり方で、無理なく全部の農協がこの制度に加盟できる、そういうやり方にしていきたいというふうに思っております。」こう答えられておるわけです。そういう方向でもって、まず合併ですよというのではなくて、無理なく全部の農協が順次加盟できるようなかっこうをとっていきたいという、こういう方針は変わらないわけですね。
○政府委員(佐野宏哉君) そのとおりでございます。
○下田京子君 そのとおりと、これだけ答えているわけですから、それ以外にお答えはないと思うんですが、全中は一体どういう態度なのかという問題なんですね。オンライン化のための合併は邪道だというふうなところまで明確に局長はお答えになっているんですけれども、全中の合併推進の、何といいますか、旗振りというのは大変なものでありまして、ちょっとこれ御存じかと思いますが、御紹介いたしますと、「農協の全銀内為制度加盟にかかる組織の整備方針」、五十五年十二月の二十二日に全国農協全銀内為制度加盟推進本部というのができて、その中にこういうふうにうたってあるわけなんですが、「全国の農協がもれなく全銀内為制度に加盟するためにも、合併を強くすすめる必要がある。したがって、県の農協合併推進計画に、合併の重点項目のひとつとして自己為替取扱開始の基準を織込み、合併をすすめる必要がある。」んだ、そういうかっこうで、これが「キー・ポイント」なんだと、こういうふうに言っているんですよね。こういうことについて、政府としてはどのようにお考えになり、また指導されているのか、その点明確にしてください。
○政府委員(佐野宏哉君) たしかいま先生が引用なさいました文書は五十五年付だったと思いますが、確かにその当時は、私どもは全銀内為制度との関係におきまして、為替取扱承認基準をどうするかという問題について、衆議院の農林水産委員会の席上御答弁申し上げたような考え方を明確には打ち出しておりませんでしたので、あるいはその当時全中はそういう危惧の念を抱いて、しゃにむに合併を進めなければいけないというふうに思ったのかもしれません。私どもはこの法律案の改正の作業を進める段階でこの問題を考えてみまして、どうもそのために本末転倒的に合併を強行するというような事態を誘発することは好ましくないというふうに考えまして、衆議院の農林水産委員会の席上御答弁申し上げたような考え方に切りかえたと申しますか、そういう考え方にしたわけでございまして、それは全中にも、そういう考え方で農林水産省は考えておるということは伝えてございます。でございますから、その後も相変わらず全銀内為制度加入に籍口して合併を強要するような動きがあるというふうには思えませんが、仮にそういう点があるとすれば、私どもの意の存するところを再度十分伝えまして、そういう本末転倒的な事態は起こさせないように、もう一度よく話をいたしたいと思います。
○下田京子君 五十五年当時は、そういうことで無理な合併するなよということで明確な政府の方針を伝えてなかったために出ていたと、いま態度は変わってきているはずだということで、今後もきちんとそういうことで指導すると。 じゃ、そこでお聞きしたいんですけれども、局長言われておりますように、基準の問題なんですけれども、為替取扱基準緩和、具体的にたとえば十億円を五億円にするだとか、あるいは専従職員四人を三人にするとか、何かそういう具体的なお話出ているんですか。
○政府委員(佐野宏哉君) この点はちょっと私どももまだ具体的にいろんなエレメントをどういうふうに書き改めるかというところまで検討の作業が進んでおりませんので、そこはちょっといまの段階でお答えする能力を有しないわけでございますが、繰り返しになりますが、私どもとしては、無理な合併を強いることなく全部が参加できるという、そういう考え方に立脚して具体的な対処方針を考えていくつもりでございますので、その点は御心配に及ばないようにするつもりでおります。
○下田京子君 御心配しないでほしいということで、私は、心配しないような手だてをやっぱりそう言うんでしたらまずとるべきではなかったんではないかと、これはお認めいただけるんじゃないかと思うんですが。念のためそれを申しますと、局長が答弁されていることは本当に数字があるんですよ。合併は無理にしないと。だから、いままでの為替の取扱基準の緩和なんかも経過的に考えていきたいし、それでも無理だったら信連代行等も考えると、こう言っている。ところが、じゃ基準はどうかと言ったら、まだ具体的になってない。このことについては、全中の資料でも、今後どうなるかということには最終的にもうわからないと、こういうふうに述べているんですよ。 時間が本当になくなったものですから、簡単に御答弁いただきたいんですが、私は、今度の法改正の中で、いま言うようなことをおっしゃるんでしたら、やっぱりそれ以前に具体的な方策を提示すべきではなかったのか、この点についてはきちっと答弁いただきたいと思います。
○政府委員(佐野宏哉君) 現在、そもそも内為制度に加入するための前提条件でございます員外利用規制を外すことについて、その法律案の御審議を賜っておる段階でございますから、早くできればそれに越したことはなかったのでございましょうが、私どもといたしましては、法律案が御可決いただいた後、速やかに検討して具体案を示した いと思っております。
○下田京子君 速やかに基準を示したいということなんですけれども、これは私全中の方からもよく聞いたんです。信連代行による事務方式や、あるいは基準の緩和などをお願いしているんだけれども、現段階では具体的に詰めてないと、こう言 っているんです。これはやっぱり問題であるということは、私は重ねて指摘しておきます。 次に、このオンライン化に伴って農協の経営がどうなるかということだと思うんです。一つは、農協経営全体がいろいろ問題出てきておりますし、それから金融状況全体にもいろいろ問題が出てきているわけです。そういう中にあって、これ資料を見ますと、五十五年の当期剰余の増加率がどうなのかということを、これは農水省の総合農協統計表、この資料によりまして見ましたところが、前年比で一%もマイナスになっているんです。そして、農協経営の総利益の約二分の一を占めてきたと言われるその信用事業部門で、五十五年には対前年比で何と五・八一%も落ち込んでいると。こういう状況の中で、そのオンライン導入のために一体どのぐらいの投資運営費がかかるんだろうか、このことが大変心配なわけなんです。これも全中の試算でいろいろ聞いてみましたところ、農協の総投資額が一千二十二億円、対象農協が四千四百二十七農協ですから、単純にはいかないにしましても、一農協当たりざっと二千三百万円というふうなことになるわけですね。そのほかにもオンライン化に伴う負担金がどうだとか、県のセンターに伴う利用料だとか払っていかなければならないわけなんですね。そうしますと、これは大変だと思うんですが、お調べいただくように頼んでおいたので、宮城県、福島県に例を置いた場合、一農協一店舗一体どのぐらいの運営費用がかかるか御存じでしょうか。
○政府委員(佐野宏哉君) それぞれの県の信連に照会をいたしましたところ、宮城県の場合ですと、一農協当たり五百五十五万円でございます。それで店舗数は、平均いたしますと、一農協当たり一・八ということでございますので、一店舗当たりの金が三百十三万六千円でございます。福島県の場合についてみますと、一農協当たり八百五万一千円でございまして、こちらの場合には、一農協当たりの店舗数が、平均いたしますと三・三ということでございまして、一店舗当たりの金額が二百四十四万七千円ということでございます。
○下田京子君 どういう計算でその数字が出てきたか、ちょっとあれなんですが、私がいただいている宮城県の資料、後でまたごらんいただければと思いますけれども、それによりますとこういうことになっております。一店舗当たりの年間の運営費用がどのくらいかということなんですが、一つは、センターの投資運営に対しまして利用料という形で一店舗年間負担額が百七十八万八千円。それから二つ目には、センターの運営費をカバーするということで基金に一店舗当たり一千二百六十九万円拠出していただくわけで、その運用のための費用が八十八万八千円ということになります。それから三つ目には、端末側の費用として、その償却分なんかも含めますと二百四十六万円。合計しますと一店舗当たり五百十三万六千円と。いまのお話ですと、宮城県の場合には三百十余万円だというお話なんですけれども、いずれにしましても負担増になることは事実なんですね。やっぱり農協経営を新たなまた困難に追い込むことになるんじゃないかという点で大変心配しているわけなんです。 このことについて農林金融の一九八一年十二月の、これは農林中金調査研究センターで実施した調査の中でもこのことは指摘しているんです。これは全国各ブロックから一農協ずつ十組合だけ調査したんですね。五十四年度の貯金残高が百九十九億円と、全国平均よりも非常に大きい農協を対象にしてやったわけなんですが、その大きい農協であっても、オンラインの導入によりますと、直ちに端末機の購入代金であるとか回線料だとか用紙代だとか、年間の維持費なんかが大変かさんでいく。そうすると、差し引き計算すると、プラスになるのには容易でないと、こういうふうに言っております。そのために、経費増への対策として何をするかというところが大変また問題なんですが、簡単に申し上げますと、資金量を増加しなければいけない、事業量が伸びても職員を増加しないと、男子職員は極力外務活動に向けて残高の増加を図り、コストを引き下げること、組合員の利用率を上げること、以下そういうかっこうで六点にわたって指摘しているんですよ。 つまり、そのことはどういうことを言うかといいますと、農協金融のあるべき姿からかけ離れていって、どんどんどんどん、とにかく生産面はもうどうでもいいよというところまで追い込まれていってしまうんではないか。本当に大事な農協金融の独自性ということがなくなって、証券だ、あるいは商工業への進出だ云々だという形でもって、それからお金集め重点というようなかっこうにいくんじゃないか。私はあっちこっちでこういう話を聞いておりまして、大変心配されていたわけなんです。この点についてはどういうふうにお考えでしょうか。
○政府委員(佐野宏哉君) 先生の御心配は、私は確かにごもっともなところがあると思いまして、その点は御心配が及びませんというふうに申し上げるつもりは毛頭ないんですが、私どもは一つはこういうふうに考えております。 オンライン化という問題は、何も農協だけではなくて、郵便局を含むすべての金融機関に怒濤のごとく進んでおるわけでございまして、そういう中で、農協だけが孤立して全銀の内為制度に加入しないでいるという、そういう事態が起こりますと、当然利用者の立場からいたしますると、送金だとか、そういうことで非常に不便な農協は利用しにくくなると。そういうことで、言うなれば金融界の孤児になると申しますか、金融界の離島のような状態になってしまいかねないわけでございまして、そういう事態が起こった場合の農協の受ける被害ということは、私ははかり知りがたいものがあるというふうに思うわけでございます。 したがいまして、オンライン化のメリットを本当に生かしていくためには、これは相当な努力を要しますし、またオンライン化のメリットを生かすに当たって農業者としてのニーズを没却することなくそれを実現していくということは、私は決してたやすいことであるとは思いませんが、オンライン化がとうとうとして進んでおります金融界の大勢の中で、農協だけが孤立していくというわけにはいかないというのがまず第一の点でございます。 それから第二の点では、農協の陣営といたしましてもそういう動向であるということを察知いたしまして、すでにオンライン化のための投資を相当行っているわけでございまして、たとえば先生先ほど引用なさいました、千二十二億という数字を引用なさいましたが、このうちの七百四十三億はすでに五十六年度末までに投資されておるわけでございますが、そういうオンライン化に即応をしていくという心組みで、農協の陣営がせっかく準備中であるこの企てをここで挫折させてしまうということは、また大変巨額のむだをしたということにもなるわけでございまして、そういう意味では、先生の御心配のような点は私どもも思い当たるところがないわけではございませんが、オンライン化はやはり進めていかなければならないというふうに思っておるわけでございます。
○下田京子君 何が何でもオンラインの導入がまず先にというところが私やっぱり問題なんだと思うんですよ。何もオンライン化によるメリット否定全然しておりません。それから投資云々したそのことを生かせということ、殺せなんということも言ってません。ですけれども、問題はやはり農協の金融利用のあり方、農協法そのものの目的、それをどう考えているかと、それがいろんなことを基本的なところで立て直しも図らないで、まず他の金融状況がオンライン化だからというかっこうでいくというところに大きな問題がある。それはお認めになっているわけですから、じゃそのことについて具体的な問題点についてはどう対応されるかということでお尋ねしたいんですが、局長、これ簡単に答えてほしいんです、もう一回あと大臣最後に聞きますから。 いまのようなかっこうでどんどん進めていきますと、何が出てくるかということになりますと、機械化によって人員を削減していきますね。その人員削減の中でもって、過密、長時間労働というふうなことが出てきております。そしてまたその中で職業病問題なんというのも出てくる。 現実にもうこれは広島県の尾道労基署等で出てきておりますし、女性がオンラインの中でキーパンチャーで頸腕症候群になっているという実態、それからこれは宮城県でも指摘されておりまして、労働組合みずからが自主的にいろんなかっこうで検診やったわけですよ。これお医者さんの協力を得て三十人の人を検診した結果、十五名が二次検診にひっかかって、うち十名が頸腕症だと診断されたんです。で、七九年になってうち二名が労災で認定されてるんです。こういう現実がどうなのかということをまず調査していただきたいと思うんです。そして本当に健康を守ること、こういうことを保障しつつ、本当に農協が農業を守り農協法本来の目的からした仕事がやれるようにしていくべきだということを聞きたいと思います。これは局長に答弁いただきます。——ちょっと待って、私もう時間なんですよ。 大臣にお尋ねいたします。大臣にお尋ねしたい点は、きょうはもう代理大臣だということですけれども、長いこともうお詳しいんでお尋ねしますが、農協金融の本来の性格というのはどうなのかということだと思うんです。 一つには、組合員相互間の資金の相互融通を図るということで、まずこれは相互金融であるということですね。二つ目には、営利を目的とするんじゃなくて、やっぱり組合員の資金の要望にこたえていくということが最大の使命なんだと。それから三つ目には、組合員が同時に利用者であるという点で、やっぱり対人信用を原則とする。それから四つ目には、総合農協の場合には……
○委員長(坂元親男君) 下田君に申し上げますが、簡単にお願いします。
○下田京子君 営農だとかあるいは販売、あるいは信用事業、いろいろありますけれども、そういう点から組合員に奉仕していく、農家の生産と密着していくんだと、こういうところが何よりも押さえられなければならないと思うんです。 そういう点での、いま金融競争が非常に激化している中にあってどう生きていくか、その点をきちっと押さえた指導をされるようにお願いしたいんで、その決意を聞きたいと思います。局長と大臣と、御答弁いただきます。
○政府委員(佐野宏哉君) ただいま先生御指摘のございました尾道労基署管内で起こった事案につきましては、私どもも承知をしております。この場合には、病気になりました二名の女子職員は、その後治療、休養に専念をしていただきまして、その後職場復帰をなさいまして、配置転換をされて職場復帰をなさっておられます。 それで、現在各農協におきましては年二回の定期検診と時間当たりのパンチ数の制限あるいは体操をやっていただくとか、あるいは特定の人に負担のかからないローテーションシステムを確立するとか、そういうことで取り組んでおりますが、私どもも先生のただいまの御指摘を真剣に受けとめて、さらに農協にこの点はくれぐれもよく指導をしてまいりたいと思っております。
○国務大臣(中川一郎君) 農協系統金融の本来の使命は、御指摘のように組合員農家の自主的組織である系統組織が、農家相互の資金融通、資金の運用の利益の還元等を通じ、農業生産の増進、農家経済の向上を図るところにございます。農協系統金融は、農業貸し付けの伸び悩み等の問題に直面しておりますが、貸付体制の整備等を図りつつ、組合員のニーズにこたえていくことが必要であると考えております。 農林水産省といたしましては、系統組織の自主性を尊重しつつ農協系統金融の本来の使命にのっとり、組合員農家の営農や生活の実態に即した貸し付けがなされるよう、適切に指導してまいりたいと思います。
○委員長(坂元親男君) 両案に対する本日の質疑はこの程度といたします。 本日はこれにて散会をいたします。 午後一時三十六分散会 —————・—————