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96回国会参議院1982/04/27

農林水産委員会 第10号

発言数
196
登壇者
14
会派数
4
開催日
1982/04/27

会議録

坂元親男自由民主党

○委員長(坂元親男君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  去る二十三日、山田譲君が委員を辞任され、その補欠として坂倉藤吾君が選任されました。     —————————————

坂元親男自由民主党

○委員長(坂元親男君) 漁業再建整備特別措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。  本案につきましては、すでに趣旨説明を聴取しておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言を願います。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 今回の法改正は、いわゆるざっくり言いまして、省エネの新造船を建造あるいは取得をした際の割り増し減価償却、この税制特例を受けるということが目玉のようであります。再建整備事業の柱として、この省エネ、合理化ということについては、これは大変なウエートを占めておるわけですから、これは当然の話でありますが、これを明文化をしたということだけが趣旨ですか。

松浦昭水産庁長官

○政府委員(松浦昭君) 御案内のように、漁特法は、昭和四十八年の第一次の石油ショックのときに、燃油価格の高騰、あるいは二首海里の到来ということを間近に控えまして、漁業環境等が非常にむずかしくなるだろうということから、漁業の再建整備を図るために、困難な事情にある漁業経営の再建、あるいは中小漁業の構造改善、減船等、事業の整備等につきまして所要の措置を定めた次第でございますが、現在のこの非常にむずかしい漁業の情勢をめぐりまして、われわれといたしましては、生産構造の再編等に取り組むという姿勢を予算措置をもって明らかにしている次第でございます。  今回の漁特法の措置は、当面の緊急の課題でございますところの省エネの一層の推進を図る必要がある、さらにこの省エネ型の漁船に係る租税特別措置法との関連で、現時点で漁特法の改正を行わないと時期を失するということがあるものでございますから、この際、ただいま御提案申し上げましたような内容といたしましてこの漁特法を御提案申し上げた次第でございます。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 わが国の漁業の歴史的な経過から言いますと、一つの区切りとして第一次石油ショック以前の状態、それからこの石油ショック後の問題、同時に五十一年の漁特法の制定以来の今日の状況、これは相当な変化を来しているわけですね。したがってそういう問題は、これは当然検討されていかなければならぬ課題でありますからおいおい質問に入っていきたいと思うんですが、今回の改正目的になっております割り増し減価償却の関係だけ少しまず明らかにしておきたい、こう思うんですが、この減価償却のこの割り増し特例は、いわゆる構造改善計画認定をして、五年という区切りになっておるわけです。いわゆる時限特例であります。そうなりますと、この五年間という時限の起点というものは、これは構造改善計画の認定時というふうに理解をすべきなのか、その辺はいかがなものですか。

松浦昭水産庁長官

○政府委員(松浦昭君) 構造改善の認定時でございます。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 そういたしますと、省エネの新造船の完成あるいは取得というものは、具体的に改善計画の認定時とは必ずしも同一じゃないわけです。そうすると、同一じゃないということになりますと、この特例措置を受ける期間というのは一体どういうことになるのか、五年間なら五年間の間に、その時限特例のある期間に、たとえば最後の方で新造船を取得をしたということになれば、その取得時から五年間はその船そのものに対して特例が適用されるのか、あるいは時限特例であるけれどもその辺は船単位ではなくって認定単位なのか、このところをひとつ明らかにしてもらいたいと思います。

山内静夫水産庁次長

○政府委員(山内静夫君) 構造改善計画が五年ということでございますから、その期間中に代船建造で申請を行った場合には構造改善の期間内、こういうことでございますから、新船建造してから五カ年、こういう規定にはなっていないわけでございます。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 いや、だからそういうことになりますと、たとえば認定期間の後二年間経過して三年目に新造船をつくった、こうなります、そうすると、つくりますと期限的にはつくったのが三年目ですからあと三年、四年、五年と三カ年、三カ年だけは割り増しが認められるがあとはだめですよと、こういうことになるわけですか。

山内静夫水産庁次長

○政府委員(山内静夫君) 構造改善計画は業界が自主的に構造改善計画をつくるわけでございますから、計画に基づいてやる、こういう考え方から先生御指摘のような問題が出てくると思いますが、これはいまのところやむを得ないと、こう考えているわけでございます。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 そういたしますと、今回の法改正の目玉であるものが具体的に新しい形でまとまって、これ期間も含めての話になりますからまとまっていかなきゃならぬ。そうしたときに、この構造改善計画認定をしてから最終期限の五年目ぎりぎりに建造したのではこの改正の恩典には全然浴さない、こういうことになるわけですか。

山内静夫水産庁次長

○政府委員(山内静夫君) この問題はほかの中小企業とも同じような取り扱いになっている関係で、漁業もそれにならわざるを得なかった、こういうことでございまして、五年目につくった人につきましては現在のところ割り増し償却の恩典が一年間しかない、こういう御理解をしていただきたいと思います。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 そうしますと、私はこれは改正の目玉でありながら具体的にはきわめて弱い目玉だなという話にしかこれならぬと思うんですよ。ただ、この前の関係の、この引き継ぎの問題がありますから、その分だけは救済されますね、確かに。そうすると、前にさかのぼって新造されたものがこの法の特例延長に基づいてこれはずっと継続していくんですか。

山内静夫水産庁次長

○政府委員(山内静夫君) 具体的に申し上げますと、北転船等が継続的にやっているわけでございますが、これはずっと続いて五年間と、こういうことになります。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 そこで、じゃこの特例措置と以前からあります低燃費機関漁船の所有権保存登記の税率軽減がございますね、これは差は千分の一ですね、それの関係、それからもう一つは省エネ設備の税額控除、いままでありますね、これは百分の七、これはいわゆる減価償却の割り増し特例とこの百分の七の税額控除とは見合いになっているわけですから、どちらか選択をするということになりますね。これとの関係というのは一体今回の法改正とあわせてどういうふうに考えられておりますか。

山内静夫水産庁次長

○政府委員(山内静夫君) 現在の税法の体系から言いますと、今回の割り増し償却と先ほど先生御説明の税制とは別個の体系になっておりまして、本制度とは関係がない、こう理解しているわけでございます。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 関係がないと言やあ関係がないんですが、漁船あるいは漁業という観点からいけば、別の制度ではありましても、これは継続をしていると思うんですね。そうしますと、その制度を強化をしていけばあえて今回この省エネで特例措置というような形に目をつけて改正を求める必要というのはあったんだろうか、ここのところを私は問うわけですよ。この辺は一体どういうことなんですかね。余り価値のない改正だな。

山内静夫水産庁次長

○政府委員(山内静夫君) 従来、省エネ関係の機器につきましては割り増し償却制度があったわけでございますが、船という一つの単位では認められなかった、こういうことでございまして、今回この制度を改正することによりまして、省エネ関係機器全部含めまして割り増し償却の恩典に浴する、こういう考え方でございます。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 ちょっとよくわからぬですが、船そのものにはだめだと、しかしいままでは船単位になっているんじゃないですか、この特例というのは。だから、減価償却にしろ、税制のいわゆる軽減の特例にしろ、それは船の単位じゃありませんか。

池田澄水産庁漁政部企画課長

○説明員(池田澄君) お許しを得てお答えいたします。  省エネルギー関係、幾つか税制特例ございまして、いま先生御指摘の省エネルギー施設等を取得した場合の特別償却または税額の特別控除という制度がございます。この方は特別償却あるいは税額控除いずれかを選択をして適用するわけでございますが、それは省エネルギーの施設等ということになっておりまして、たとえば船舶推進軸の動力利用装置とか、あるいは直接触媒方式の冷凍施設とか、こういう装置、機械を単位に適用になってきたということでございます。で、今回の漁特法に基づきます割り増し償却につきましては、漁船という一つの単位で適用になっておるということでございまして、この漁特法による割り増し償却は一つのまとまりとしてかかってくる、適用になるということでメリットがあるんじゃないかというふうに考えている次第でございます。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 そうしますと、船形を、船の形を昔のちょうど二百海里の始まったときみたいにだるま型にふくらしたり、底を広げたりという形のものが、いわゆるやせ型船形に変わると。したがって、そういう前提があるから、船そのものを適用したと、こういう理解でいいんですか。

池田澄水産庁漁政部企画課長

○説明員(池田澄君) 漁船につきましての割り増し償却は、漁特法に基づきまして以前も実は制度はございました。それが特別の措置ということでの五年間が済みましたものですから、その後北転船を除いては適用になってなかったという状態でございます。で、そういう特別措置をもう一度やるということにつきまして、ほかの制度との絡みもございまして、なかなか認められないという事情がありましたが、今回省エネルギー船ということに限りまして認めると。で、省エネルギー船といえば何かと申しますと、主として四つの要点を考えております。一つは、やはり船自体を軽くするということでございます。それからもう一つは、いま先生御指摘になられましたように、できるだけ抵抗を少なくする、やせ型のものにするということでございます。それから三番目には、低燃費のエンジンを積む。それから四番目には、大きいプロペラ、大口径のプロペラで低速回転をして効率よく進むと。そういう四つの要件でございますが、業種によってはもういろいろ違いますし、操業実態も相違がありますので、その四つの要件を業種によって違えて適切に適用していきたいというふうに思って、いまその要件については検討を進めておる段階でございます。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 そういたしますと、それぞれの業種別、船の装備あるいは船そのもの、それについての基準を設けると。それに適合しなければこの特例はだめだと、はっきり言って。たとえば三つの要件がありますね、三つの要件あるいは四つの要件でもいいんですが、四つの要件のうちの三つまで備えたけれども一つがだめだったと、こうなったときはこれはもうだめなんですか。

山内静夫水産庁次長

○政府委員(山内静夫君) 省エネの船の基準等につきまして、いろいろ先ほど申し上げましたとおりあるわけでございますが、すべての要件を満たさなければだめだ、こういうことではございませんで、各業界等の意向を打診いたしまして、どういう船をつくったらよろしいかと、こういうことを勘案いたしまして、これから具体的な基準に取りかかるわけでございますが、できるだけ省エネ船という恩典に浴するような方向で検討を加えていきたいと、こう思っております。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 じゃ、今回のこの特例措置ができまして、適用されることになって、新船建造というのはどれぐらい進む見通しを立てているんですか。いわゆる投資意欲というものは期待ができるのかどうか。これはいろんな意味での論議があるところなんですが、まずその見通しをひとつ先に聞かしてくれますか。

池田澄水産庁漁政部企画課長

○説明員(池田澄君) 現在、漁業におきましては各業種とも非常に経営が苦しいということでございまして、代船建造の意向といいますか、そういうものが極端にかつて見られないほど落ちております。それですから、これからどのくらいの船が建造されていくかということについての見通しは非常にむずかしいわけでございますけれども、船齢の推移、それから過去の実態等、こういったものを勘案いたしまして、現在の構造改善八業種につきまして算定いたしてみますと、五十六年から六十年度までに、船といたしましては約千五百隻ぐらい建造されるのじゃないか。そのうちどの程度省エネルギー船になるかという見通し、これまた非常にむずかしいわけでございますけれども、最近省エネルギーについての認識なり熱意が非常に上がってきたということで、その八割というふうな見方をいたしますと、約千二百隻ちょっとということに私どもは見通しておる次第でございます。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 いままでの推移から言いますと、たとえばこの漁特法に基づく大臣の基本方針、この基本方針でも省エネ船の奨励は大きな柱になっていますね。その柱になっているときで、いいですか、柱になっているときで、いわゆる新造船のうち省エネの期待に沿えるような船というのは非常に率は少ないですね。その流れからいって、これが八〇%まで伸びるという、こういう見通しが立てられると、いまの説明は。そうなるんですか。

山内静夫水産庁次長

○政府委員(山内静夫君) 第一次オイルショック当時、油の価格が非常に上がりまして経営が苦しくなると、こういうことから、国といたしましても省エネルギー船というかっこうで大分進めたわけでございますが、その当時、魚価等との関係もありまして、省エネよりもたくさんとると、こういう考え方が業界の中に結構ありまして、なかなか実現できなかったと、これは事実でございます。  しかし、第二次オイルショック以降、非常にまた油が上がりまして、従来とは変わった様相を呈してきたと。言うなれば、第一次オイルショック後はある程度それに比例して魚価が上がっていったところ、第二次オイルショック後は魚価が低迷したと、こういうことから、省エネ等につきましての関係漁業界の認識が非常に強くなったと、こういうことから、今後は、第一次オイルショック後から現在までの考え方で、今後の考え方は大幅に現在変わっていると、こういう理解から八割程度いけると、こう踏んでいるわけでございます。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 私は、まず今日の状況の中でなかなかそこまでいかぬだろうというのが一つ、これは推測ですからね。  それからもう一つは、さっきも少し説明ありましたが、今日のいわゆる経営体の状況からいきまして、新造船投資効果というのはほとんどなかろう。それは船齢が来て早くかえたい、しかし、無理をしてでももう一年というかっこうになっていく、あるいは具体的にはもうこの際にという話になってしまうということで、余りこれは進まないんじゃないのか、こんな気がするんですよ。これが期待どおりこの法改正によって進められるように、ぜひ諸手当て考えてもらいたいと思うんです。  といいますのは、たとえば、これは水産庁自体が調査をされましてよく御承知だろうと思うんですが、今日のこの経営体のいわゆる債務返済の可能性といいますか、そういう立場の論議、この論議からいきますと、たとえば他から援助の必要がない、債務の返済をするのに他の力をかりなくてよろしい。それからもう一つは、仮に力をかりるにしても、現行の制度で十分だ、間に合うだろう、こういうふうに見られておるのが三一%ですね、三一%。それから、現行制度ではもうどうにもならぬ、処理が不能だ、こういうのが一一%。それから、全くもう返済のめどが立たない、そして倒産するにも倒産のしようがないぐらいのところ、変な話ですが、やめたくても廃業ができない。こういうところまできているのが五八%あるわけでしょう。半分以上がもうにっちもさっちもならないという経営体の状況でしょう。これは皆さんも調査をされてよく御存じのはずです。  こういう状況の中で、この漁特法の改正で、しかも先ほど討論をしましたように、構造改善計画の認定時から五年間だけ特例がある。この特例認定のときにあわせて一斉に船をつくらなきゃこれは話にならぬことになります。そんなことは不可能なんですよ。そうしますと、私は、今回のこの法改正というのは一体どうなんだろうと、何の価値があるんだろうかという気がしてならぬのです。これは大臣どうでしょうね。私のこの疑問に何かすっきり答えてくれませんか。

田澤吉郎自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(田澤吉郎君) 過般、国会の暇を見まして焼津に行ってみました。あそこは御承知のように沖合い漁業あるいは沿岸漁業の拠点なんでございますが、そこへ行ってまいりまして、市長さんあるいは漁業協同組合長等といろいろ話し合ってみまして、やはり省エネの必要性、特に省エネ船の必要性というものを痛感いたしておりまして、先ほど次長からお話がございましたように、第一次オイルショック当時は確かに燃油価格は高うございましたけれども、同時に需要が非常に伸びておったので魚価が非常に高かったわけです。第二次オイルショックは、この燃油価格は上がる、同時に需要が低迷し魚価が低迷するという現状でございますので、非常に不況なんですね。これを打開する道は何がいいかと言えば、結局船を軽く、やはり抵抗のない船にせざるを得ない。しかもそれが一番なんだということに、漁業団体もいわゆる従事している方々もそういう考えになっておりますので、私は、いま構造改善五カ年計画の間にいわゆる千五百隻を目標にして進めておりまして、その中の八〇%可能だというこの予測は何かやれそうなような私は気がいたしますけれども、これは予測でございますからわかりませんけれども、かなり水産界の方々が期待をしているという状況には私はあるような気がします。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 いま大臣がおっしゃられますように、みんなが望んでいるんです。望んでいるけれどもそのことの実行はできる力がないんです。だからそこのところを何とか解決をしなければいかぬというのが、ここでせっかく改正案を出すならそこのところをきちっと着目してもらわなければ困る。  これは後の論議になりますが、ことしの場合には負債整理資金だけですね、言うなれば。ところがこの負債整理というのはまだ具体的にどういうふうに運用するのか、これは聞いてはいきますけれどもまだ定まってはいない、こうなりますね。  したがって、私は特にこれ大臣にも要望しておきますけれども、せっかく改正をしてみんなが望んでおるんだし、これが具体的に進められるような政策をあわせて展開してもらわなければ今回の改正は意味がなくなるし、やりたくてもできないという、こういうことになってしまう。これでは前のカツオ・マグロが自主減船を打ち出して承認を求めたけれどもできなかった、これはそれなりの理由がありますけれども、同じようなことになっちゃう可能性もある。ぜひひとつその立場から、具体的にこれを実行のできるような政策というものを立ててもらいたい。このことを強く言っておきます。  次に、今日の漁業環境あるいは漁業実態、こういう立場から眺めていきますと、いまお話があったように、省エネ対策を進めていくというのは石油多消費型の仕事ですからこれはあたりまえの話でありまして、そのことが再建整備に大きなウエートを占める、これはわかるわけです。わかるんですが、どうも今回のこの法改正を眺めていきますと、そのことにだけ目が集中をされちゃって、一般的に他の問題がどうなっているかということの考え方というのはなかったように思うんですが、この法改正提案に当たって漁業全般についてどういうふうな検討が行われて、結果ここに落ちついたのか、この辺のところをひとつ聞かしてほしいんです。

田澤吉郎自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(田澤吉郎君) 御承知のように、二百海里規制を初め非常に環境が悪い中で水産の振興を図らなければならない。そのためにいま漁特法をもちろん改正を行うと同時に、その振興のための背景は、やはり漁業の生産構造の再編成をまずやらなければいかぬ。それからいまのお話しの省エネルギー対策を考えて、やはり経営の合理化というものをまず一番最初に考えなければならないというので、この漁特法等を含めてお願いをいたしているわけでございまして、さらに栽培漁業の振興、あるいはまた沿岸漁場の整備等を進めまして、いわゆるつくり育てる漁業というものにもっと積極的に対策を進めていかなければならない。そのためにやはり漁港の整備というものを進めなければいかぬ、こう考えまして、今回も特に漁港の長期計画をお願いしているような状況でございます。  それともう一つは、やはり漁業外交をもっと積極的に進めなければいかぬ。今回もサケ・マスで日ソ間の交渉がある程度私たちの期待どおり進められてまいりましたけれども、日米間でまだ非常にこの交渉が難航している。あるいはまた捕鯨等の関係等も非常に厳しい状況にある。あるいは北朝鮮あるいは韓国等の関係も、あるいはまたインドネシア等考えても、かなり漁業交渉の面でむずかしい面がございますので、こういう漁業外交というものをもちろん外務省ルートを通じて進めますけれども、それ以上にやはり漁業外交を私たちとしても進めていかなければならない時代だというような感じを受けますので、こういう点に積極的な政策を進めて、新しい資源あるいは新しい漁場の確保をするということを進めてまいらなければなりません。  さらに、流通だとか加工の面にさらに積極的な努力をいたしまして、と同時にまた、消費者にいわゆる魚のよさとかというものをできるだけ普及をし、あるいはまた啓蒙をして、やはり何としても需要を拡大していかなければならない。  こういうような総合的な対策をこれまで以上に積極的に進めていかなければならない時代だと、かように考えております。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 お考えは私も賛成であります。ただ、賛成なんですが、いまのお話を聞いていまして、あるいはまた最近出ました漁業白書、これを読ましていただいたり、あるいは五十七年度にこれからやろうとしておられることを見てみましても、やはり従来の延長なんですね、はっきり申し上げて。私は新しい発想の転換というのは全然なされてないんじゃないかという気がするんです。手がつけられないということかもしれません、いまのところ。しかし私は、今日の漁業構造そのものがもっと根本的につくり直されなければならない、それが構造改善であり、そして再建整備だろう、私は基本的にそう考えるんです。ところが、そういう観点での検討というのが私はきわめて不足しているんじゃないだろうかという気がしてならないのです。確かに、いま漁業の体質にしましても、これはそれぞれのやっぱり地域的な歴史を積んで現行ができておるわけですから、これを一挙に変えようというのは大変なことだと思うんです。思うんですが、少なくとも今日の構造そのものが果たしていいんだろうかという観点から、もっと私は突っ込んだ施策というのが出てこないといかぬのではないか。同時に、基本的には私は、日本の国のいわゆる食糧政策といいますか、自給率を向上しなきゃならぬという今日の立場を踏まえまして、この貴重なたん白源であり、あるいは高栄養特性を持っている、白書でもそのよさを大きく宣伝をしようとしているわけですから、そういう立場からいきますと、今日の漁業全体の条件というのは余りにも私は危機的——危機をもうすでに超えて、もっとひどいことになっている。危ない、危ないと言うんじゃなくて、全くこれはこのままでいったらもうおしまいになってしまうんじゃないのかということまで心配されるような状況というものは、私は国家のいわゆる基本的な政策としてももっとここに焦点を当てたこれの克服策というものを出されないといかぬのじゃないか。そういう真剣な論議の経過というのが、どうもこの改正の立場、あるいはこの提案の説明等を聞いていましてないわけで、そこがきわめて残念だというふうに言わざるを得ぬのです。  そこで、次の論議に移っていきたいと思うんですが、白書の中にもありますし、それからこの提案理由の中にもあるんですが、いわゆる需要動向ですね、需要が減退をしてきている、こういう意味でのとらえ方というのが出されてきています。今日までたびたび論議をしてまいりましたように、漁業を取り巻く一つの悪条件の問題というのは、二百海里問題、燃油の高騰、魚価の低迷、この三つが一つの柱になっている、こうやってきたわけですね。ところが向きを変えて考えてみれば、確かに需要動向が云々される、これも当然の話であります。しかし、この需要に対する物の見方というのは一体どうなんだろうかということで論議を進めていけば、これはやはり消費者の価格、いわゆる水産物の消費価格というものがこの需要を減退をさしている、あるいは肉の方に移ってしまった、こういう現象になってあらわれてきているんでありまして、私はこの需要の問題については潜在的にはもっともっとふえるものだと、こう考えるんですよ。そこの見解が、もうこれずっとやっぱり減退をしていくんだというとらえ方じゃなくって、私はふやせるし、ふやすためには、一番大きなそれをふやせない要素になっている消費者価格というものをどう下げていくのか、ここの政策というものがきちっととられないといかぬのじゃないかと、こう考えるんですが、その辺のところはいかがですか。

山内静夫水産庁次長

○政府委員(山内静夫君) 漁業白書にもありますように、魚の需要の関係はある程度魚価と連動していると、これは事実でございます。消費者価格を下げていけば魚の需要はもっと伸びると、こういう考え方はこれは正しいと思うわけでございます。  そこで、われわれは水産物についての価格形成をいろいろ検討したところ、産地市場価格と消費市場価格との差があり過ぎると、こういう声もたびたび聞いているわけでございます。この間につきましていろいろ事情を調べてみますと、一般的に言いまして、産地市場では生鮮向けであるとか、あるいは加工向け、あるいは自主利用向け、こういうぐあいにいろいろ分かれまして、そのうち生鮮向けが消費市場に上場されると、こういうあれをとっているわけでございます。  それから産地における価格形成には、加工向けとかあるいは自主利用向けも含まれているから平均的な価格が出ていて、あながち消費者向けの価格だけで表示されていないから生産者価格と消費者価格の背離がある程度出てくると、こういうことでございます。  それから三番目といたしまして、鮮魚はその商品的性格から言いまして鮮度落ちが早いため、包装であるとかあるいは氷であるとか流通コストが非常に高くかかると、こういうことでございます。  それから第四番目といたしまして、小売段階におきまして大量販売によるコストダウンができにくいと、こういうことと、さらに調理のサービスが必要であるとか、あるいは店頭における売れ残りのロスがあると、こういうことから産地価格と小売価格との差がある程度開いていることはやむを得ないのではないかと、こう考えているわけでございます。しかしながら、流通コストの低減を図ることは消費者価格の安定を意味することでございまして、ひいてはこれが漁業経営の安定にもつながると、こういうことでございまして、非常に重要な問題と理解しているわけでございます。  このような考え方のもとに水産庁といたしましては、流通改善関係の事業をいろいろやっているわけでございますが、まず第一番目といたしまして、産地、消費地を通じまして水産物流通の拠点となる地域におきまして流通加工施設を計画的に整備すると、第二番目といたしまして、水産物については生産、輸入、在庫等の情報を収集整理した上、これを生産流通関係者に提供し、適正な価格形成を促進して、一ころございましたような思惑による魚価の高騰、こういうのを避けていきたいと、こう考えているわけでございます。三番目といたしまして、鮮度、賞味期間の表示など、効率的、合理的な流通システムを開発いたしましてその定着を図りまして、流通コストの低減あるいは消費者にできるだけ喜ばれるような方法で魚を提供するような方法を現在いろいろ考えているわけでございます。

田澤吉郎自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(田澤吉郎君) いま次長からお答えしたいわゆる価格政策についての考え方、確かに価格が安ければそれはそれなりに私は需要が伸びると、こう思いますけれども、一方、私は需要が伸びない大きい原因は、われわれの生活様式がかなり変わってきているということなんです。それで、生活様式が変わると同時に食生活も大きく変わっている。お米の過剰も魚の伸び悩みも私はすべてそういう大きい時代の変化によるものであろうと思いまして、たとえばいまの都会生活はあすこでサンマを焼けないような生活なんですね、われわれは。ですから、サンマをそのまま各家庭に安いからいかがでございますか、イワシが安いからどうですかと、こう言いましても、それはにおうし、あるいはまた煙が出るのでそれはどうもだめだと。むしろ加工食品の方が需要が高いというようなことにもなっておりますので、そういういわゆる国民の需要の動向というものをも把握しながら、これから需要というものの拡大を進めていかなければならないということにも非常に大きい問題があるわけなんです。ですから大きく言って、いわゆる二百海里規制だとか、あるいは燃油価格という、こういう大きい構造政策をしていかなければならないと同時に、一方、需要の動向というもの、いわゆるわりあいと生活に密着した面での考え方もきめ細かく進めていかなければならないということでございますので、漁業白書に書いているのもそのことなんでございますが、われわれはそういう一つの時代の動向全体を見つめながら本当に真剣にいま考えているわけでございますので、ただ政策として出す場合に、しからばいまここで一番の決め手は一体何なのかというと、いわゆる時代が動いている、経済が動いているという中でこれを進めることは非常にむずかしいということでございまして、そういう点でいまの漁業の特措法で一応いまの景気に対する対策を進めてみるとか、具体的に価格政策ではいまお答えしたような方向で進めるとか、省エネ対策をするとかいうようなことにあらわれるわけでございますけれども、われわれはやはり長期の展望に立って何かしていかなければならないということは十分考えて、今後もそれに向かって進めていくということだけ御理解いただきたいと思うのでございます。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 ところで、いまの御答弁にもかかわるわけですが、生活様式あるいは食生活の変更、こうしたものに合わせてやはり商品をどういうふうに新しく合わしていくのか、この努力はやらなきゃいけませんね。そのために金がかかり過ぎるというかっこうになったんではその努力はまた消えてしまうわけでありまして、そういう意味合いから言いますと、私は中間の流通のあり方についてはこれまたいままで以上に目を向けていかなければならぬと。これは中間流通がなくても、これは私、前に委員会でも申し上げたと思うんですが、私どもの方で漁業者が漁をしてきたと、漁をしてきたときには少しでも金を稼ごうということで全部市場へ放出をしたと、たまたま家へ帰ったらお客さんが来ておって、これはまあお客さんには食わさなきゃいかぬということで浜へ買いに行ったら、自分の揚げた水揚げの魚が何とまあ買い取ってもらった金額よりも五倍も六倍もにはね上がって、結果的に高い物を漁師が買っていくというようなかっこうになるわけですよ。これはぜひそういう意味合いでも合理的な一つの形にというものはもっと私は探求をしていく筋合いがあるんじゃないのかなというふうに思うんです。そういう意味からこれは、まあ流通局長はきょうはおらぬようですが、たとえば産地から消費価格に至るまでの価格に目を向けたいわゆる追跡調査といいますか、品物を少し選定をしまして、こういう形というのはやられておるとは思うんですが、その辺の評価はどうなっていますか。

山内静夫水産庁次長

○政府委員(山内静夫君) 魚が水揚げされてからわれわれ一般国民に入るまでの価格の調査は毎年現在行っております。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 その行った形からいって、先ほど次長の説明があったように高くなっているけれども、これはやむを得ぬなあと、こういうふうに判断をしていると、こういうことになりますか。

山内静夫水産庁次長

○政府委員(山内静夫君) 一般的傾向を申し上げますと、魚価の安い魚ほど産地価格とそれから小売価格の差が大きいと、これはまあはっきり表にあらわれるわけでございます。で、端的に申し上げますと流通経費の関係でございます。単価の安いたとえばイワシ等、キロ十円の魚につきまして十キロなら十キロを詰めまして、その場合の箱価が二百円とかあるいは小売が何十円、あるいは運賃が幾らと、こうやりますと必然的にかかるコストが魚の二十倍もかかると、こういうようなことになりますと、勢い産地価格と消費者価格が二十倍あるいは三十倍になると、これもあり得ることだと思うわけでございます。で、一方高い魚につきましてはそういう価格差があらわれていないと、こういう一般的な調査の結果が出ておるわけでございます。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 だから物事は僕はあたりまえだというふうに見てしまえば、これはもう工夫も何もないんですよ。むしろ、物事をやっぱり否定的にとらえてみて、そういう中から、ここはやっぱり改善をすべきじゃないのかという点を見つけ出していきませんと、私はそれは話にならぬと思うんですよ。だから調査はしている、なるほどなあ、箱代高いからこれだけ高くなるのはあたりまえだなと、こう理解したんでは工夫も何もありませんでしょう。だから追跡調査をすると言うのなら、その追跡調査が、こうすれば安くなるんじゃないのか、金がかからないで済むんじゃないのかということを生み出す一つの目的で私はやっぱりつかんでもらわなきゃいかぬと思うんです。ぜひそうしたところをこれからもやってもらって、そうしてその成果が具体的にあらわれてくるように要望をいたしておきたいと、こう思います。  それから、系統団体の調整保管事業、それからこれにかかわる魚価安定基金、これは一体どうなってますか。

山内静夫水産庁次長

○政府委員(山内静夫君) 最近における実質漁業所得が非常に伸び悩みになっていることから、消費者が魚の価格に敏感であると、こういうことから魚の消費拡大を図るために魚価の安定と、こういうことが非常に必要になっていることは御指摘のとおりでございまして、魚価安定基金の充実強化と、こういうことを水産庁も考えているわけでございます。魚価安定基金等につきましては、生産者団体が魚の消費市場におきまして価格が非常に下がったと、こういうような場合におきまして安定的な価格で供給するために一時調整保管をいたしまして、これにつきまして政府がある程度の助成をすると、こういう考え方をとっておるわけでございます。で、助成の内容といたしましては金倉の半分と、こういう考え方で行っているわけでございますが、調整保管の規模といたしましては、五十七年度におきましては前年の二十五億二千万円から二十六億一千万円に増額しておるわけでございます。多獲性魚につきましては十一万八千トンから十二万一千トンと、それからノリにつきましては三億枚を四億枚と、こういうぐあいに計画を立てておるわけでございます。  それからなお、事業実施に伴う損失貸付金でございますが、前年度の四十三億円から四十五億円に増額しておると、こういう予算措置を講じておるわけでございます。今後とも水産物の価格安定を図るため魚価安定基金の充実強化に努めてまいりたいと、こう考えておるわけでございます。

川村清一日本社会党

○川村清一君 ただいまの質問並びに答弁を承りまして、ちょっと関連してお尋ねしたいんですが、御承知のように、二百海里時代を迎えたわけですけれども、昭和五十二年以降日本の水産物の生産量というものは減ってないわけですよ。一千万トンをずっとオーバーしているんですね。それじゃ、それはどういうことかというと、言うまでもなくイワシだとかサバだとか大衆魚というか、そういうような魚が非常にとれておるために、高価な魚は減りましたけれども、こういう大衆魚の生産がふえているために、二百海里時代に入ってもずっと横ばいで一千万トンを超えておると。こういう観点から言うならば、イワシとかサバとかこういう大衆魚のいわゆる措置をどうするかというところが一番大きな問題になってくる。  で、イワシの話なんかしておりましたんでちょっとお尋ねするんですけれども、いま坂倉委員が質問されましたように、調整保管というやつをやりましたね。この調整保管は、たとえば北海道あたりはイワシをやっているわけですね。これ、漁連が主体になってやっているわけですが、去年私は千葉県の銚子へちょっと行ったところが、ちょうどイワシのまき網が魚をおろしておる。そこでたまたまそれを見ておりましたら、私を案内していった県会議員の方がその人に、この人は参議院議員だということを言ったんですよ。そうしたら、その方が、船主らしかったんで、とてもとてもこの油が高いときにイワシがキロ十二円だとか十三円だと、こんなものではどうにもならぬと、何とかしてくれということを浜でもって陳情を受けましたがね。  そこで、この調整保管制度ができたときに、釧路港では大体イワシがキロ三十円から三十五円を下回るような場合には調整保管をやったんですが、しかしいまのような状態ではさっぱりその効果がない。そこで一体どうなっているのかということを、これは坂倉委員とともに私はお伺いをしたいことが一点なんです。  それからもう一点は、五十二年、いわゆる二百海里時代に入りましてから一番大きな影響があったのは、スケソウはずっと減っちまったと。要するに、一番多い年は二百五十万トンを超えるぐらいスケソウが漁獲があったわけですね。で、釧路港では一年間に八十万トンぐらい水揚げしまして、そのうち六十万トンぐらいはスケソウであったわけですね。そのスケソウが二百海里時代に入りましてからずっと減ってしまったと。そこで、スケソウを漁業としてやっておる水産加工が全部まいってしまったと。そこで、スケソウは、言うまでもなくすり身をつくるのが加工の一番の大きな仕事ですが、そのすり身はこれはかまぼこの原料になるわけですね。そうしますと、これに伴いまして、たとえば仙台の笹かまぼこだとか、あるいは愛媛県のかまぼこの産地だとか、こういうような日本じゅうのかまぼこの生産地におきまして、このスケソウの漁獲減、すり身の減少ということによって大影響を受けましたね。そこで、あの五十二年の年に、政府は大急ぎでいわゆる加工業種に対する対策を立てました。そして、法案を出して審議して大急ぎで通したわけですが、その法案の内容というのは、いままでスケソウをすり身にする加工業のいろいろ施設があるわけですね、この施設がもう使えなくなった。そこでこれをスクラップしまして、新しく今度はたくさんとれる魚としてはイワシですよ、このスケソウを原料にするかまぼこを、イワシを原料にするかまぼこにかえられないかと、それで、かえるということで新しい施設をした場合においては、これに対する融資を、いままでは水産加工は中小企業金融公庫しか借りられなかった、融資を受けられなかったのを、これは御承知のように、農林漁業金融公庫の資金を借りることができるような法律を提案されまして、われわれは審議して、これも大急ぎでこの法案をつくったことがあるわけですが、しかしながらその後一向にこのイワシのかまぼこというのは出てこないと、どういうような一体——いわゆるこのスケソウからイワシにかわるという、それは大変なことですわな。研究なりそういうことが進められておるのかどうかということ、この問題をお聞きしたいんですね。  それと同時に聞きたいことは、いろいろ問題があるんですが、いずれか機会があるときに大臣に十分お話して議論したいところですが、要すれば、こういうもの一切合財を含めて水産庁の予算がきわめて少ないということなんです。これは農林省予算の五%が昔は水産庁の予算であったんですよ。これをやかましく言って、言って、言って、いまようやく七%ぐらいまで上がりました。昔は畜産局一局の予算と水産庁の予算と匹敵するぐらいの予算で、一体、国民のたん白食料の五〇%を提供しておる日本の水産の行政をつかさどっておる水産庁の予算が農林省全体予算の五%と、そんなばかな話があるかということをもう議論して議論して、ようやくだんだん上がってきて七%まで来ましたけれども、水産庁の予算の一番大きな特徴は、そのうちいわゆる公共事業費、つまり漁港予算ですよ、漁港予算に大半を持っていかれるわけですよ。ですから一般行政費というのはまことに少ない。いまでも総額一千億ぐらいしかないんじゃないですか。そんなものの中でやるものですから、ちょっぴりちょっぴりやっておるだけであって、何にも効果が上がらないようなこと。たとえば一例を申し上げますと、漁災法というのが出てくるわけですが、ハマチの養殖では一番大きな問題は魚の病気なんですよ。魚病ですよ。この魚病によってハマチ養殖というものは大変な目に遭っている。大体損害の八〇%は魚病によっている。魚病、魚の病気、これを防疫するような、そういうような薬品だとか、あるいはそういうような技術だとか、そういうものが一体いまだに開発されないのかどうかというところに問題がある。で、農水大臣は農水省全体のあんた責任者でございますから、農業と比べてごらんなさいよ。農業に一体、病害虫の防除だとか農薬だとか、どれほど——いまそんなものによって農業がまいっているということはないでしょう。したがって、私はこんなような研究なんかというものがどの程度なされているのか。要すれば、やりたいと思ったってお金がないからできないということになるんじゃないでしょうか。ですからいろんな問題が出てくるんであって、これは後ほどの問題ですが、それは御答弁は要りませんけれども、いま言った調整保管の問題と、それから例のスケソウからイワシにかえるという、あのために法律をわれわれ大急ぎで一本つくったことがあるんだが、その効果が何ら上がっていないような気がするんですが、この法律の運用なんというものはどういうことになっているのか。余り長くしゃべっていると大事な坂倉さんの時間がなくなりますのでやめますが、これらについて御答弁願います。

山内静夫水産庁次長

○政府委員(山内静夫君) ただいま先生御指摘のイワシの問題、まことにごもっともなお考えだと思うわけでございます。で、過去イワシの漁獲量は去年まで毎年ふえまして、実は去年は三百万トンのオーダーを超えたと、こういう状況でございます。で、現実的に申し上げますと、その大半がミールに回る、こういう状況でございまして、生鮮として口に入らないと、こういう状況でございます。    〔委員長退席、理事宮田輝君着席〕  水産庁といたしましても、こういう状況を何とかしたいと、こういうことから、たまたま五十二年の二百海里時代、スケソウの漁獲量がこれから減るであろうと、こういう前提のもとに、イワシと赤身魚を原料として、これをすり身の原料にする、こういう研究予算を毎年数億円組みまして実は去年までやってきたわけでございます。  で、その結果、ようやくすり身にするような技術開発はほぼ完成したわけでございます。で、現在その施設等につきましては、現在のところは長崎方面で非常に盛んではございますが、不幸にして消費者に受けが悪い。黒いということから、味はともあれ、黒くて受けが悪いということから、関東方面には余り出回っていない、こういう現状でございます。しかし、これが必要であるということから、たとえばくろぼこというような消費宣伝活動を国も援助いたしまして、できるだけ赤身魚を利用できるような方向でいろいろ努力を重ねているところでございます。なお、東北地方につきましても、今後八戸地区にイワシ関係の赤身魚を利用いたしまして、そしてすり身にするような施設をつくりまして、何とかイワシの加工利用を、食用に供するような加工利用方法を今後とも熱心に開発していきたいと、こう思うわけでございます。しかし、何分三百万トンと、こういうオーダーでございまして、これを一気に食料向けにする、これはなかなか至難ではございますが、方針としては全く御説のとおりでございまして、今後とも地道な努力を重ねていきたい、こう考えておるわけでございます。

田澤吉郎自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(田澤吉郎君) 御指摘のように、農林水産省の予算の中での水産関係の予算、まあ全体から見るとわりと予算としての位置づけは大きいのでございますが、いま御指摘のように、漁港に大分ウエートをとられておりますので、そういう点では水産振興という面から言うと確かに農業よりは少ないと私は思います。しかし、その中で私はかなりいま、つくり育てる漁業のために予算は着々と私は計画的に進められていると思うのでございますが、たとえばサケ・マスの放流だとか、あるいは種苗のいわゆる養殖センターを各地に設けて、それなりにわが国の沿岸水域の水産資源の確保のために努力をしているというような点などを考えますと、私はかなり進めておると思うのでございます。  しかし、今後私はもっと積極的にやはり進めていかなきゃならぬと思いますが、過般、この土曜日に私ちょうど大分県へ参りましたが、大分県の知事さんというのはなかなか農林水産業に熱心な方で、——他の知事さんも皆さん熱心でございますが、特に水産関係でマリノポリスというのをいま大分県でやっているんです。これは皇太子殿下もおいでになって進めたのでございます。これはやはり魚礁あるいは種苗等を進めると同時に、そういう加工にまでつながる一貫したつくり育てる漁業を大規模で進めている計画なんでございますが、こういう計画などは私はこれから積極的にやるべきものだろう、こう考えますので、今後マリノポリスのような大規模な、しかも理想的な漁業計画を立てて、つくり育てる漁業を進めてまいらなければならないと考えております。何せハマチのいまの飼育というのは何か海を非常に汚染する傾向もございますので、いわゆる薬づけというようなこの養殖でございますから、それ以外に新しいやはりつくり育てる漁業というものを考えていかなければならない。ちょうど大分県の知事さんがそういうマリノポリスというものをいま計画されておりますので御紹介申し上げたわけでございますが、そういう一種の新しいつくり育てる漁業というものをこれからやはり進めていかなければならないと私は考えております。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 調整保管は。

山内静夫水産庁次長

○政府委員(山内静夫君) 漁業調整保管の問題につきましては、アウトラインは先ほど申し上げたとおりでございますが、もちろん現在の調整保管等につきまして欠陥が多々あることは重々承知しているわけでございます。この問題等につきましても、今年度以降関係業界とよく意見を交換いたしまして、できるだけ国民に安定的に魚を供給できるような機能を持たせ、なおかつ魚価の安定にも資する、こういう考え方のもとにその機能の充実を今後とも図っていきたい、こう思っておるわけでございます。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 そこで、この調整保管が幾つか欠陥を持っているというので、私、まあ余り具体的に言いませんけれども、ぜひ検討をしなきゃならぬ課題は、結局系統団体の責任になっているわけですね、系統団体のね。すると、系統団体の責任だということになりますと、調整保管で確保をしたものが果たして思惑どおり調整に役立って、余り損をしないで時期が来てさばけるのかどうかというところがきわめて問題になるわけですね。必ず一定の時期が過ぎればこれはうまくいくなということが保証されれば私は調整保管の問題がきわめてスムーズにいくだろうと思うんです。ところが、そうばかりいかぬわけですね。そこに問題が出てくる。問題が出てくるということはこの調整保管にかけるかかけないかがいわゆる系統団体の責任ですから、赤字を抱え込むようなおそれのあるときはこれは働かなくなってしまう、結果として。ここを一体どうするかということが政策的に解決をされないと私は問題があるんじゃないか。したがって、系統団体責任ということが一つは問い直されるかどうか。それから、そういう見通しのないときに一体どういうような対処の仕方をするのか。ここのところをきっちり踏まえてもらいませんと、私は調整保管の機能というのは働かないだろう、こういうふうにだけ申し上げておきたいと思います。ぜひここの解決策をとってもらいたい。  それから、次に入っていきますが、提案理由の中で、これは皮肉な物の言い方になるので少し御勘弁いただきたいと思いますが、構造改善の一層の推進を図ると、こうなっているわけですね。今日までも推進に努めてきたし、これからも構造改善の一層の推進を図る、こう提案理由での説明が行われているわけです。そうしますと今日まで構造改善は一体どういう立場で何が具体的に改善をされてきたんだろうか、ここのところがよく私どもとしてはわかりません。少し整理をして説明をしてもらえぬだろうか、改善をしなきゃならぬポイントというのは一体どういうところをいま重点に考えておるか、その重点に考えておるところは具体的にどういうふうに改善をされたのか、ここのところなんですがね、ちょっと伺いたい。

山内静夫水産庁次長

○政府委員(山内静夫君) 第一期の構造改善事業は五十一年から五十五年まで行われたわけでございます。この間におきまして、沖合い底びき網漁業、遠洋カツオ・マグロ漁業等七業種で操業隻数の増統、協業化等の経営規模の拡大に関する事業二百五件、また、省力省資源型漁船、漁労機器の導入等の施設の合理化に関する事業千十八件実施しておりまして、それぞれが漁業経営の近代化にかなり役立ったんではないかと、こう考えておるわけでございます。  具体的に例を申し上げますと、沖合い底びき網漁業におきましては、省資源型船への移行、サイド式からスターン式への転換などの合理化が進み、漁獲効率の増大、経営コストの切り下げが行われた、こう考えているわけでございます。遠洋カツオ・マグロ漁業につきましては、省資源型漁船への移行、一経営体当たり増隻による経営基盤の拡充などの改善が進みまして一経営体当たりの生産量も増大したところでございます。しかし、外国の二百海里規制に伴う入漁料負担の増大であるとか、燃油価格の高騰などの急激な環境の変化によりまして構造改善事業の効果が相殺されまして漁業経営の近代化の効果が十分発揮されるようにはならなかった、こういう現実でございます。しかし、これは言い逃れになるかもしれませんが、この事業を実施していなければさらに経営の落ち込みがあったんであろう、こう考えているわけでございます。    〔理事宮田輝君退席、委員長着席〕  その他の業種につきましても一経営体当たりの漁獲量及び一従業員当たりの生産性は全般的に向上を見せておりまして、漁業経営の近代化にはある程度役立ったんではないか、こう考えておるわけでございます。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 そういたしますと、第一期の基本方針、これと第二期の基本方針、これを比較をしてみましたときに、特に、経営規模拡大、生産行程についての協業化、いわゆる経営の近代化の関係では具体的な目標数字というのは全部消えましたね。これ消えたということは、第一次で指摘をした目標統数あるいは隻数、こうしたものは一応予定どおり全部完了したと、こういうふうに理解するんですか。

山内静夫水産庁次長

○政府委員(山内静夫君) 先ほど申しました第一期の基本方針では、過剰投資を抑制しつつもなお増統による経営規模の拡大とか、経費節減等により経営の合理化を志向したものでありますが、第二期の構造改善計画では特に省エネルギー化を重点的に配置した、こういう考え方をとっているわけでございます。このような考え方から第二期の基本方針におきましては、経営合理化対策を経営規模の拡大よりもむしろ省エネルギー対策に重点を置いたと、こういうことでございまして、基本方針におきまして当該漁業に使用する漁船に低燃費機関を装備することを追加し、省エネ船の新造のみならず、既使用船の改造による省エネ合理化をも推進すると、こういうことにしたわけでございます。その反面、先生御指摘の経営規模の拡大に関する増統につきましてはなお経営合理化対策の一環としては有効であるので、第二期でも引き続き推進することとしておりますが、第一期のときと変わりまして具体的に目標を設定いたしまして画一的に推進すると、こういうことよりも各漁業経営の置かれている諸条件に即して、実態に合わせて進めることが妥当と考えまして、具体的な増統の数字は省略したと、こういうことでございます。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 それ以上突っ込むとぐあいが悪いそうですからやめますけれどもね、少なくとも第一期で、たとえば沖合い底びき等については、三統未満は「特に」というような表現があったんですよね。ほかも全部隻数も入っていますね。こういうようなことを一たん出して、出した結果がどうなっているかという評価もきちっとしないで、あるいはまた変更しなきゃならぬような要素というのは余りなくて、第二期の方がさらに具体化をしなきゃならぬというふうに私は思うのに、むしろ抽象的になっているということは、これは私は少し無責任じゃないのかなという感じを率直に言っておきたいというふうに思うんです。  そこで、今回この法改正に伴って、これは補足説明の方で、新たな基本方針を策定される見通しだと、こうなっているわけですね。新たなというのは、これは第一期、第二期と比較をしてみて、全面的に見直しをして、言うならば中身の具体性その他も新しくされるのか、あるいは第二期に省エネ部分だけを加えようとするのか、その辺のお考えをちょっと尋ねておきたい。

山内静夫水産庁次長

○政府委員(山内静夫君) 先ほど申しましたように、第一期の構造改善の基本方針は、一経営体当たりの漁獲量の増大等に見られるように、経営の合理化にかなり役立ったと、こう考えているわけでございます。しかし、第一期の途中におきましていろいろな事件が発生いたしまして、ことに燃油高騰によりまして漁業経営が非常に苦境に陥ったと、こういうこと、あるいは個人の所得の伸び悩みによりまして魚価が低迷して、漁業を取り巻く環境が非常に変わったと、こういうことから、当然のことながら第一期の方針を見直したと、こういうことでございます。  もちろん、構造改善の基本方針には、第一期、第二期とも経営安定の意味から生産コストの低減等の経営の合理化を志向すると、こういう点は全く同一でございますが、第二期におきましては、思い切った省エネルギー化対策を講ずると、これを前面に押し出しまして、なおかつこれと並行いたしまして、融資対象の肥大船の船齢を延ばすと、そしてなるべく、まあ古い船を使うと言うとちょっと語弊がございますから、過去漁業界の陥りやすかった弊でございます新船、新船というかっこうの過剰投資を避けると、こういうようなことも誘導すると、こういうことによって経営体質の改善を図っていきたいと、こう考えているわけでございます。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 そこで、私がお尋ねをしておるのはそういうことなんですが、問題は、第二期の途中にあるわけですよね、この途中にあって新たなこの基本方針の策定と、こうなりますと、それは全くこの第二期と質的にもさらに充実をした方針というものが期待をされるわけで、それにこたえてくれるのかどうなのかというところをずばり聞きたいわけですよ。ただ単にこの二期の基本方針に対して省エネだけをという話になりますと、先ほども説明がありましたように、省エネ自体はもう二期の中に入っているわけですね、はっきり申し上げて。入っているわけですから、何もこれ新たにする必要ないわけでして、したがって、新たにという意味は一体何なのか、そこの考え方を明確にしてもらいたい、こう言っているんですがね。

山内静夫水産庁次長

○政府委員(山内静夫君) 先ほどちょっと舌足らずでございましたが、第二期の基本方針は昨年八月につくったところでございまして、その間一年未満でございます。今回さらにこの方針に省エネルギー対策を積極的に推進すると、こういう方針を新たに加えて第二期の方針を拡充強化すると、こういう考え方に立っているわけでございます。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 そうしますとね、この二期のたとえば「省エネルギーの目的に沿った」云々のところとかあるいは「燃料油の消費の節減等を通じた経費の節減」とか、こういったところをとりわけ抜き出すということなんですか。

山内静夫水産庁次長

○政府委員(山内静夫君) この問題は、単に「施設の合理化」と、こういうことを抜き出すだけではなくて、漁船の運用面の改善であるとかあるいは魚種、漁船の保守管理の励行等、いろいろの省エネ効果を発揮させるような事項を定めていきたいと、こう考えているわけでございます。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 そうすると、根本は変わらないけれども、より具体的に推進のできるような基本方針ができ上がる、こういうふうに期待していいわけですね。

山内静夫水産庁次長

○政府委員(山内静夫君) そのとおりでございます。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 次に移りますが、漁港の共同利用設備、これは一つの方針に入っているわけですが、この共同利用設備の効果は、どうですか、具体的に利用設備が改善をされて設置をされて、それに対する利用の問題、そこで何か問題ありませんか。

山内静夫水産庁次長

○政府委員(山内静夫君) 漁港の共同利用施設といいますと、端的に申し上げますと、共同販売施設、荷揚げ場がこれは中心になると思います。これは管理をどうするかという問題等とも絡みますが、一般的に言いまして漁業協同組合がこれを管理して共同販売事業を行うと、こういう関係でございまして、個々のケースによりまして問題があるかと思いますが、私の聞いている範囲におきまして、共同利用施設等について特段問題があると、こういうことは現在聞いておりません。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 それは運営面の問題じゃなくて、せっかく設置をした設備が有効に利用されているかどうかという観点ではどうですか。

山内静夫水産庁次長

○政府委員(山内静夫君) 御質問の趣旨ちょっと私、誤解になるかもしれませんが、漁港におきまして荷揚げ場施設をつくる、上物をつくると、こういうようないろいろ事業が重なっているわけでございます。そういう関係におきまして多少のぎくしゃくがあるやに聞いておりますが、水産庁といたしましてはあくまでも投資効果を高めるために、漁港の岸壁ができたならば、同時に上物施設ができるような方向で部内の調整を図っているところでございます。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 私もずっと具体的に見てまいりましてね、大変りっぱな共同利用施設ができ上がっている。ところが、施設はりっぱなんですがね、漁業全体の衰退もありましてね、せっかくつくったところが遊んでいる、こういうところがちょいちょいあるんですよ。そうなりますとね、何のためのいわゆる設備なのかという疑問をやっぱり持たざるを得ないわけです。私はやっぱりこういうふうに共同利用施設というふうにして設置をしていくからには、そこに有効に活用できるいわゆる舞台づくり、それを慎重に現地の方で私はずっと詰めてそしてやってもらわないと、この設備もただでできるわけじゃありませんからね、結果的にはお互いの負担になるわけですから、そこのところをもう少し目をつけてもらって、そしてぜひひとつ検討をしておいてもらいたい、こういうふうに思います。  それから、これはグループ化、協業化の問題も同じような一つの点がございますので、これは施設利用じゃなくて、なかなか非常に協業化をしていくとかあるいはグループ化をしていくとか、こういう観点からいくと、いまのたとえば漁港に対するところの設備投資というのは果たしていいのかどうかという観点も総合的に合わしてもらわなければならぬ、こういうふうに思うんです。それは、くどくなるようですけれども、末端漁協の今日のあり方というのは、端的に申し上げまして、行政区画別でもないんです。むしろ字別に近い。それが、字別がさらに小字に分かれて漁協が設定をされているところが多々あるんです。まさに距離的に言いましても一キロぐらいの隔たりで漁協が存在をしているようなところもあるわけです。そうなってきますと、果たしてそれぞれを漁港にし、そして漁協にし、しかもそこに同じような施設をつくっていくという発想が果たしていいのかどうか。私は、これを基本的にやっぱり点検をしなきゃいけない。そして、そこからやっぱり構造改善というのが行われるべきであろう。これは非常にむずかしい課題でして、正直申し上げまして私も海岸におりますから、よくわかるんですけれども、遠くの同じ仲間とは仲がいいけれども、端的に言えば、一番近くの仲間とはしょっちゅうけんかしているというような体質があります。これはやっぱり縄張りが明確でないので、取り合いをしてもめるもとになっているんですね。しかし、そういう観点から今日は脱却をしなきゃいかぬのだということがきちっとお互いに理解のできるような指導というものを本腰を据えてやっていきませんと、私はこれはもう解決の方法はない、こういうふうに思うんですよ。ですから、そういう意味合いで漁港設置のあり方あるいは設備の仕方、そこに向けてどう利用していくのかということで、今日までの縄張りを捨てて、私はみんなで仲間が相談をして決めていくような体質、ぜひこれを指導してもらいたい、こういうふうに思うんですが、この辺は大臣も含めて御答弁をいただきたい。

山内静夫水産庁次長

○政府委員(山内静夫君) 現在漁業協同組合の置かれている環境等につきましては、先生御指摘のとおりのところが非常にたくさんあるわけでございます。ことに漁業権に基づきまして各浦浜ごとに漁業協同組合が設立されまして、そこである程度の経済事業を営むと、こういうことが非常に経済的にはロスが多いと、こういう状況でございます。こういう状況は、水産庁といたしましても、今後の水産業を展望する意味からも、ぜひ避けなければならないということから、合併助成法等によりまして組合の合併を推進する。漁港等につきましてもできるだけ浦浜に細分化したような物揚げ場をつくるような方向では望ましくないと、こういうかっこうで、各県ともいろいろ指導しているわけでございます。今後とも、先ほどいろいろ御質問等にもございました流通機構の合理化、こういう一環をもなす問題でございますから、努めてそういう不合理な点は排しまして、できるだけ大きな漁港、大きなところに集中いたしまして、組合も合併すると、こういうようなかっこうで流通コストを下げ、ひいてはこれが漁業者の所得の向上にもつながると、こういうことを漁業者に理解させるような努力を今後とも続ける必要があると、こう痛感しているわけでございます。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 とりわけ末端の系統の組織の基盤を強化をする立場からも、ぜひそれはやり遂げなきゃならぬだろう。今日、まあこれは直接の問題ではありませんが、信用事業等の問題からいきましても、規模が小さければ太刀打ちのできない今日の事態になってきているはずでして、とりわけ今日の金融関係の各事業等を眺めていきますと、これはもうまさに自由化の戦国時代が始まろうとしているわけでありまして、これに漁協の信用事業等がきちっと位置づけをして、そして進んでいくためには大胆な発想の転換、そして早期にそれを成し遂げていくという意欲、それをやっぱり求めていかなきゃならぬと思うんです。それを指導していくのが私は水産庁の当面の大きな課題じゃないのかというふうに思いますから、ぜひその辺は、私は具体的にひとつ決意を込めて臨んでいただくようにお願いをしたいと思いますので、これは大臣、ひとつその辺で見解表明を伺いたいと思います。

田澤吉郎自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(田澤吉郎君) 漁港の共同利用施設を含めて、やはり協業化というのは、これは当然この有効活用のためにも必要だと思うんです。特に私は漁業協同組合を見てみますというと、私、農業協同組合を見た目で漁業協同組合を見た関係でございましょうか、全体としてやはり、かなりのおくれがあるということは事実でございますから、特に信用部面における機能というのはかなり私はおくれていると思うのですね。そういう点で今後やはり、これからますます農業以上に大きな役割りを果たさなければならない漁業協同組合でございますので、そういう点ではさらに信用部門を大きな支え、柱にして進めていかなければならないのじゃないだろうか。そこで、利用という面をさらに大きくしていかなければならないというような感じを持つものでございますので、御指摘の点は今後も十分注意をしながら進めてまいりたい、かように考えます。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 次に、経営体の自己資本率の問題に触れていきたいと思いますが、基盤強化の基本がやっぱり自己資本率が高いか低いかによって決まってくると思いますね。そうしますと中小の漁業再建というのはまさにこの資本率が上がっていくことにすべてがかかっていると言っても私は過言ではないと思うんです。そういう観点から眺めていきますと、逆に今日、自己資本率というのは低下をしてきている。これはいろんな条件が重なっているからそうなんですと。私はわからぬではないんです。わからぬではないんですが、結果、目的と違ったようなかっこうに低下をしてきているというのは、これはもう容易ならぬことだと思うのですね。そこで、自己資本率をどういうふうにすれば高めることができるのかというところをやっぱりポイントとして押さえてもらわなければならぬだろうと思うのです。正直言いまして、財務内容の改善、それから自己資本率を高くしょうというのは、この基本方針の中にもはっきり出ているんですね。出ておって、いま申し上げますように、たとえば四十八年は一二%あったものが五十五年では七%になってきている、こういう状況だし、これも平均の数字ですから、いいところもあるわけですから、極端にこれ以下のところが非常に多いということを物語っておるわけでありまして、これは大変だなと、こういうことになると思うんです。この辺はこれからの整理の中でどう変化をしていくんでしょうか、見通しをちょっと。

山内静夫水産庁次長

○政府委員(山内静夫君) 漁業における自己資本比率が非常に低く、なおかつ、五十年代前半から現在まで非常に下がってきたと、全く御指摘のとおりでございます。自己資本比率が下がった原因等、いろいろあるわけでございますが、基本的には借入金によりましていろいろの過大な装備をした、それから漁船の新造競争や新型の機器等の導入を急ぐ余り、過大な借金を繰り返してきた、こういうことによることが大きな原因であると、こう考えておるわけでございます。このために第一期の構造改善基本方針におきましても、資本構成の是正その他財務内容の改善を図るため、付加価値の増大等による収益性の向上、利益の内部留保等を基本方針に明記いたしまして、その励行に努めたほか、漁船その他の施設の合理化を図るため、漁港、操業形態の転換、省力化設備の導入、省資源船の開発等を推進することとしたものでございます。しかしながら残念なことには、先ほど申しましたように、第一期構造改善の期間中に二百海里の規制問題、あるいは燃油価格の高騰、水産物消費の低迷等の事態が発生いたしまして、われわれ基本方針をつくったときに比べまして予期せぬ事態が発生したため、漁業経営の収益性がさらに悪化した。これが自己資本を食いつぶし、そしてさらに自己資本比率を低めた。こういう現実があるわけでございます。今後厳しい漁業経営環境のもと自己資本比率の向上は絶対必要要件でございますが、なかなかこの問題は非常に御指摘のようにむずかしい問題でございます。資本構成その他財務内容の改善はどういうぐあいにして達成するかと、いろいろ方途があると思いますが、要は漁獲経営をよくしなければなかなか自己資本比率はよくならないと、こういう前提のもとに省エネルギー型の船等によりまして経営の合理化を図ると、こういう方針を盛り込んだわけでございます。こういうことによりまして幾らかでも漁業経営を安定させまして自己資本比率を向上させると、これが第一点でございます。  それからもう一点といたしましては、減船等業界の自助努力によりまして漁業の生産構造の再編成を図りまして各漁業の経営体をよりよくして固定化負債を返したり、あるいは不良債務の整理、こういう体質改善を加えまして自己資本比率を向上させると、こういうことでございます。  それから第三点といたしまして、現有漁船をなるべく長く利用すると、それから過当競争を排除すると、あるいは操業方式等につきまして共同化とか、協業化と、こういう方式を入れまして経営の安定を図っていくと、これとともに資本構成ですか、増資できるところはすると、こういう考え方のもとに自己資本の充実を図っていきたいと、こう考えているわけでございます。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 答弁聞いておりましても大変むなしいんですよ、正直申し上げて。たとえば最後に触れられた増資のできるところは増資を求めると、こう言いましても赤字を生むところに向けてだれが増資しますか、正直申し上げて。完全にこれは黒になりますよと、もうかりますよと言うんならどんどん増資はありますよ。ところが、経営苦しいんですと、これから先も赤になるでしょうと、ひとつお金出してくださいと言ってもこれどうにもなりません、正直申し上げまして。  それから省エネ船になるべく切りかえてやっていこうというのですが、これも投資になるんですよね。したがって、これもなかなか進まない話になるんです。ただ、いま言われていることの中で生きてくるのは減船だけなんですよ、減船だけです。そうしますと、構造改善というのはまさに私はスクラップ・アンド・ビルド、そうしますと、自己資本比率の少ないところが切り捨てられると、結果としては。しかも、それは自主的という名前の中でお互いやむを得ないということでの割り切りですよね。これしか生きてこないんですよ。そうしますと、廃業、廃船になっていく、いわゆるスクラップをされるところは一体今日の状況の中でどうなるんだろうか、正直申し上げて。ものすごい負債抱えているわけですね。しかも、これからやっていけばやっていくほどなおかつ負債がふくれ上がってくる、こういう状況にありますから早く足を洗いたい人はたくさんおるんです。おるんですがその足を洗えない、ここのところをどう手当てをするかということですね。そうしますと、この課題に今度こたえるのかなと思われるのがいわゆる負債整理資金の関係ですよね。この負債整理資金というのは一体残る方にウエートがあるのか、あるいは切り捨てられる方にウエートがあるのか、一体その辺は——いままで私これに前にも触れましたから、そのときの答弁からいけば、長官の答弁からいけば、それは両方ですよと、こういう答弁になっておったと思うんですね。私もそうなければならぬと思うんですが、ここら辺のもう少し具体的な説明をしてもらうわけにいかぬでしょうか。

山内静夫水産庁次長

○政府委員(山内静夫君) 負債整理資金の生まれたいきさつと申しますのは、二百海里体制へ移行しまして、なおかつ燃油価格が高騰、魚価の低迷等非常に環境が悪化した、なおかつこれに基づきまして経営危機に直面する漁業が非常に多かった、こういうことから従来応急的な、あるいは緊急的措置としてたとえば経営維持安定資金であるとか、漁業用燃油対策特別資金等の融通の方途を図ってきたわけでございます。しかし、現在の漁業をめぐる情勢の変化はそれだけではなかなか対応できないということで構造的なものも考えられる、こういうことから新たな発想の転換を求められたわけでございます。このため五十七年度におきましてこれら応急的、緊急的な融資措置に加えまして、いわゆる経営負債整理資金の問題でございますが、業界の自助努力を基本とする計画的な減船であるとか施設の合理化等、漁業生産構造の再編整備を促進することといたしまして、このため従来からの共補償資金の融通枠の拡充、共補償負担軽減のため特定漁業生産構造再編推進事業の充実を図る一方、新たにこれらの再編整備に参加する漁業者の負債整理のための長期低利の漁業負債整理資金制度を設けることとしたわけでございます。具体的には減船者の選定等はこうした漁業生産構造の再編整備に参加する漁業者の仲間で自主的に決めるわけでございます。したがって、具体的に減船者となるか、あるいは残れるかという問題は各漁業者の自由意思で決定される、こう考えているわけでございます。  漁業経営負債整理資金は、先ほど長官のお話も出ましたが、減船者または残存者の双方を対象として融資されるものでございまして、減船者のうちに漁業を廃業する者についてはその負債整理に協力する漁協等の償還条件緩和等に要する資金を対象とする、また減船者のうち他の漁船でなお漁業を継続する者については、その者の負債整理に要する資金を対象とする、三番目に減船業種の残存者については、共補償負担を容易ならしめるためその者の負債整理に要する資金を対象とする、こういうぐあいに資金が融通されると考えているわけでございます。また、減船はしないが施設の合理化等により漁業生産構造の再編整備を行う業種の漁業者の負債についても再編整備の円滑な実施を確保するため、本資金等による所要の融資措置を講ずることとしているわけでございます。  このように負債整理資金は漁業生産構造の再編整備に参加する者の負債整理に限定して、通常のいわゆる経営安定資金よりも優遇した条件で貸し付ける制度になっていることが従来の経安資金とは違いまして、なおかつ漁業者の自由意思でやる、減船者、非減船者もこれによって分けられる、これが考え方として新しい点でございます。  今後具体的な基準につきましては早急に検討をいたしまして、この負債整理資金が十分業界の要望にこたえられるような方向で使われるような方向を見出したい、こう考えておるわけでございます。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 自主的にと言いましても、経営のいいやつをちょん切るという話にはこれはどうなってもなりません。結果的には先ほども言いましたように自己資本率が非常に低くて、そしてもうどうにもならぬというところからやっぱり減船は自主的にと言いながらも決められていくことになると思うんですよ、現実問題としましてね。そうなりますと、私は、この残る方は、これは長期低利でさらにそれを償還をしていく見通しに立てるわけですからまだいいです。ところが、やめる方の側は、これはなかなか大変なことだと思うんですね、負債を抱えたままでやめるんですから。この取り扱いは、これはちょっと簡単に長期低利の融資をしますからぼちぼち返したらいいですよということだけではおさまりそうもない。ここの知恵は一体どういうふうにお出しになるんですかね。私はそこが聞きたいんですよ、正直申し上げまして。これは負債整理資金の今日の融資という立場では解決をし得ない問題点ではないのかな、こういうふうにも思うんですが、いかがなものですかね。

山内静夫水産庁次長

○政府委員(山内静夫君) 現在、負債整理資金の対象と一番なりやすい業界としてカツオ・マグロ漁業があるわけでございます。実は、カツオ・マグロ漁業につきましては自主減船というのを五十六年度にとりまして、五十七年度にもこれを行う、こういうことになっております。先ほど申しましたように減船者の選定につきましては業界が自主的に選ぶ、こういう考え方をとっているところ、鰹鮪連合会といたしましては減船者の選定に当たっては、一応減船希望者を募る、これを第一条件にいたしまして、なおかつ経営困難な者。それから二、複船経営であって減船を希望する者。一応こういう選定方針に基づきまして地元の組合とよく相談いたしまして、主として経営不振な漁業者を優先して減船を行っている、こう聞いているわけでございます。御指摘のようにカツオ・マグロ漁業者につきましては非常に経営悪化が著しい者がおりまして、当然のことながらこの負債整理資金等によります共補償資金ではなかなか赤字が返せない、こういう事態も十分承知しているわけでございます。しかし反面、残る者につきましても現在カツオ・マグロの共補償資金といたしましては現在の売買相場をはるかに超えた相場で共補償資金を出し合いまして、共補償資金によりまして減船者を助ける、こういうことがございまして両方の兼ね合いからその辺の金の出しぐあいであるとか、あるいは減船の度合い、どういうぐあいにするか、こういうものが決まることでございまして、役所が一概にあれやれこれやれと、こういう性格ではございませんが、いずれにせよ従来の自主減船をよりやりやすくする、こういうお手伝いをすることによりまして、漁業の再編整備をよりよくして、日本の漁業——もちろん減船者にはまことに気の毒ではございますが、将来方向として日本の漁業を足腰強い漁業に育てる、こういうことからやむを得ない措置ではないか、こう考えているわけでございます。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 そこで、一つの考え方なんですが、たとえば減船をしてスクラップをしていく船等を、たとえば政府機関がこれを買い上げまして、片方ではそれはつくる漁業の立場から魚礁事業をどんどんやろうとしているわけでしょう。そういうような形に活用をしていくような、片方では船を買い上げる、これはまあ買い上げる基準がそれぞれの立場から見て正しく評価されるかどうか大変な課題になると思うんですが、これは政治的な一つの作業としまして、その辺のところに着目をし、活用をし、しかも減船者を救済をしていくという、こういう道筋というのが立てられないんだろうか、これは一つの例ですよ。そういうところまでいきませんと私はこれ大変なことだろう、率直に言ってそんな感じをするわけです。これはいま答弁それでよろしいとなかなか言えないでしょうから、あえて答弁ももらいませんが、そういうふうなひとつ考え方も十分に生かしながら、これ対処してもらいたい、こういうことを申し上げたい。  それからもう一点は、いまお話がありましたように、遠洋マグロの方ですが、これは五十六年度に六十九隻ですね、減船のこれはもう認定が行われている。それから、本年度はおおむね九十六隻、これも予定をしている。これはまさに二〇%に当たりますね、全体からいきましてね。そういうことになりますと、これはもうこの対策は私はこれ過大な共補償というようなかっこうになって、また残る人たちにも大変な負担を覆いかぶせることになりはしないのかと、率直に言ってそう心配をするわけですよ。そうしますと、過剰負担にならないような対策というのが、いま私が申し上げたようなこと等も含めてひとつ知恵をしぼってもらって対処をするようにぜひ要望をしたい、こういうふうに思いますが、そういうことを——出したのは例ですから、そのとおりやれということじゃありませんでして、そういう知恵を出してもらうということについての約束をいただけますかどうか。

山内静夫水産庁次長

○政府委員(山内静夫君) 先ほど申し上げましたように、マグロ関係におきましては日鰹連の自主減船が去年行われ、ことしも行われるわけでございます。残存者が共補償資金を出し合いまして減船者に対して金を支払うと、こういうことでございまして、減船者につきまして一隻当たり、大体二百八十トンクラスでございますが、一億五千四百万円を拠出すると、残存者一隻当たり三千五百四十万円の負担を負うと、こういうことでございます。年間約五百万円弱の負担と、こういう計算のもとに現在の共補償の仕組みができているわけでございます。残存漁業者の負担につきましては、先ほど申しましたが、短期間に負担額全額を支払うと、こういうことは非常に過重であると、こういう考え方から漁業再建整備特別措置法の規定によりまして負担金の八割に相当する額を長期低利の公庫融資、たとえば具体的には利率五%で、返済期間十五年、うち据え置き五年間という非常に金融制度としては恵まれた条件の融資を行うほか、特定漁業生産構造再編推進事業によりまして残存者の負担の軽減、たとえば金利のなおかつの助成であるとか、あるいはスクラップにする漁船に対する補助とか、こういう事業でございますが、こういう所要の援助措置を講じまして、この自主減船がうまく行われるような措置をとっているわけでございます。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 結局、いま説明されていることは私は理解をしているんですがね。二割からの減船というのはまさに、何といいますか、これからの将来漁業というものを展望してみたときに、ようやく業界自体も資源管理型といいますか、そういう方向にきちっと向いてきている。その意味では私はきわめていいと思うんですね。いいと思うんですが、そこに構造改善がぴしっと来るわけでありまして、いわゆるそれをやり遂げていこうとすれば、今日まで行ってきたことについての抜本的な改革を要するという話。そうしますと、たとえば先ほども論議でありましたように、農業関係と比較をしてみましたときに、農業のいわゆる稲作転換等の場合等も通じまして、土地改良だとか、いわゆる構造改善の課題等々比較をしていきますと、まさに構造上の問題を大きく変えていこうとしているのに、農業の方はきわめて優遇をされている。どちらかと言いますと、個人の所有財産に向かって国の方が大っぴらに援助しているのが農業なんですよ。水産の方では個人の財産援助というかっこうはまかりならぬということで、これ一切されてないんですね。全部融資なんです。融資というのは、御承知のように将来必ず返さなきゃならぬ、こういうかっこうなんですよね。ところが、構造改革まで進めていこうとするんなら、私は少なくともあの二百海里時代のときに、いわゆる北洋漁業が締め出された場合にとったようないわゆる交付金の考え方というものは私はこの際もう一遍とるべきじゃないんだろうか、むしろ。それは政治的に今日の財政事情ですから、大蔵省なかなかうんと言う筋のものではないかもしれません。しかし、これは私は今日の水産業の立場から言いましても、ぜひこれは農水大臣の政治生命にかけてでもその辺の再編強化をし、これからの漁業を維持をしていくためには、これは何としても必要なんだという立場の私は主張というものが行われて、実現に向かって努力をすべきである、こういうふうに思うんですが、これはひとつ大臣から決意のほどを、あるいは考え方をお聞きをしておきたいと思います。

田澤吉郎自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(田澤吉郎君) 確かにいま農業の面でもあるいは畜産の面でもあるいは水産の面でもいわゆる計画生産をせざるを得ないという状況にあるわけですよ。これはまあいわゆるこの経済社会の大きな変化がもたらした一つの現象でございますから、したがいまして、農業の面では御指摘のような水田利用再編対策ということで大きな奨励金つきで減反政策を行っているわけでございまして、また畜産の面でも一方五十一年から五十三年まで、これは畜産が非常に伸びた時代、そのときに大きな先行投資をしたものですから、それがいま大きな負担になっている関係で結局計画生産をせざるを得ないという状況にあるわけでございますが、まあ水産の面でもやはり減船、いわゆる計画生産をせざるを得ない現状でございますので、私はこの計画生産をした場合に将来やはり水産業が明るい見通しがあるということが一番重要だと思うんですね。そういう意味で今後もこの減船をすると同時に、この水産業全体の振興策に対して明るい見通しをやはり立ててやらなきゃならないということを感じているわけでございます。  そのことと、それともう一つは、いま御指摘のやはり減船に対して融資だけじゃないかということでございますが、まあ二百海里時代は確かに一千億程度のいわゆる補助政策を政府が講じたわけでございますが、減船の面で確かに二百海里時代にある程度似通う一つの現象なんでございますが、いまの財政難の時代にそれに対応をするのにどうしたらよろしいかということは非常に大きい問題でございますけれども、まあ今後減船している方々の負担というのは非常に大きいものですから、長期の低利での資金のみではなかなか容易じゃないと思うのでございますので、これは非常にむずかしい問題でございますけれども、私はまあ予算編成のときに、大蔵大臣が何と言いますか知りませんけれども、少し努力はしてみたいと思いますけれども、確実なお答えはなかなかむずかしいと思いますね。

坂倉藤吾日本社会党

○坂倉藤吾君 少し努力ではかなわぬので、これは言葉じりでありますからよろしいんですけどね、大いに努力をしてもらってぜひ実現に向かって取り組んでもらいたいと思います。そうでもしないと本当によくなりません。それだけはもうはっきりしているんです。  それから、まあいろいろ論議をしてまいりましたけれども、今日の漁業再建整備の急務というのは、先回のあの漁災の審議の際にも申し上げましたけれども、やはり総合的に取っ組まないとそれぞれその場だけの対症療法ではどうにもならない、これだけはもうはっきりしていると思うんです。しかもそれは漁獲のあり方、あるいは生産のあり方、加工、流通、あるいは水揚げ価格から消費価格までの間の、これはまあ流通も含めて、機構を含めての話になりますが、価格管理、さらには形態と、それから系統組織、漁協のあり方、こういう組織の形態ですね、これも含めて、あるいはきょうちょっと時間的に具体的に詰められなかったんですが、漁港のいわゆる機能それから配置それから協業化、共同化、こうした問題点、あるいは何といいますか、漁業のいわゆる生産と保管、販売に至る全体の整合性を持った一貫した施策というものがきちっと追求をされていかなければならぬだろうと、こういうふうに判断をするわけでありまして、そういたしますと、この従来の水産関係がいまも大臣から答弁がありましたように、すべてが融資関係でずっとこうつないできているわけですね。その融資をしてきたものが一体今日の状況ではどうなっているのかといえば、むしろ融資を受けた者が借金で困っているというのが一言で言って今日の現状なんです。そうしますと、せっかくよくなるだろうと思って融資をしたものが今日段階ではそれが苦の種になっておる。こうなれば苦の種をまくんではなくて、それから脱却をするような別な方向というものをつくり上げていかぬといかぬのじゃないのか。しかもいま申し上げましたようにそれが総合的に検討されなければならぬ。こういうふうに私は筋書きとしてもやはり確認をしなければならぬことだろうと思うんですよ。そうしますと、これもいまの事情の中で、はい、さようでございますかと大臣もなかなか言えない立場だろうというふうに思いますんで、ぜひひとつ早期にそういう立場からの検討をさらに突っ込んでやってもらって、早くどうすればいいのかという結論を具体的に引き出してもらいたい、これを私は最後にお願いを申し上げて、それに取り組む約束だけはひとつ大臣きちっとしてもらいたいと思うんです。

田澤吉郎自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(田澤吉郎君) いま水産業の振興のための非常に適切な御指摘がございました。私たちもそういう点を配慮しながら今後も総合的にこの施策を中長期的な観点から考えなければならないということは、これまでもずっと考えておるのでございますが、一層その点に力を入れて今後水産振興のために努力をしてまいりたいと、かように考えます。

坂元親男自由民主党

○委員長(坂元親男君) 本案に対する午前の質疑はこの程度とし、午後一時三十分まで休憩いたします。    午後零時七分休憩      —————・—————    午後一時三十分開会

坂元親男自由民主党

○委員長(坂元親男君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、漁業再建整備特別措置法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。

中野明公明党・国民会議

○中野明君 午前中の坂倉委員も申しておられましたが、この漁業再建整備特別措置法の一部を改正する法律案の審議でございますが、確かに対症療法も必要だと私も思っておりますが、まず、漁業の基本的な問題で改めて私はお尋ねしておきたいと思うんですが、日本漁業が非常に危機的な状況であるということはもうたびたび表明もされております。現実もそのとおりでございますが、改めて農林水産大臣は日本漁業の現状の認識、どのように思っておられますか、もう一度。

田澤吉郎自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(田澤吉郎君) 先ほどもお答え申し上げたのでございますが、御承知のように二百海里規制だとか、あるいは燃油価格の高騰、あるいは水産物の需要が非常に落ち込んでいる、さらには魚価が低迷しているというような、こういう状況の中でやはり水産振興を図らなければいけない、そういうためには、ただいま御審議をいただいておりますこの法案を含めてのいわゆる生産構造の再編成のための措置、あるいはまた補償のための融資等を行いまして、経営の安定を図るということが第一だと思うのでございます。  第二番目としましては、やはり栽培漁業の育成、あるいはまた沿岸漁業の整備を図る、さらには漁港をそのために思い切って整備をしていくというようなこと、あるいは、やはり何としても漁業外交をさらに進めてまいりまして、それによって新しい資源あるいはまた新しい漁場の開発を進めるというようなこと、さらには、水産物の流通あるいは加工等の合理化を図ることによって水産物の価格の安定を図る、さらにはまた、消費者に対してやはり普及あるいは啓蒙等を行いまして水産物の消費の拡大を図ると、こういうような総合的な対策を進めまして、先ほど申し上げました非常に厳しい環境を乗り切って水産振興を図りたいと、かように考えておるのでございます。

中野明公明党・国民会議

○中野明君 いま大臣のおっしゃっていることは私も理解できるわけなんですが、やはり特に日本の漁業というのは、特定の漁業に集中的に——特定の漁業、それが特定の地域ということになりましょうが、集中的にひどいところが出ているというような面もございますし、現実的に構造的な危機になっているということはもうだれもが認めているところだろうと思うんですが、漁業の経営の悪化というのは、現在の金融依存政策だけでは限界じゃないか。もうとにかく借入金で——まあ私もいろいろ資料を見せていただきましたが、年間の収入よりもはるかに借入金の方で多いというような業種もあるわけです。  こういうことになってきますと、これ抜本的に、この法律のたてまえも再建整備ということになっているんですが、そういうところから根本的に見直していかないとどうしようもないじゃないかという感じもするんですが、この辺はどうなんでしょう。

松浦昭水産庁長官

○政府委員(松浦昭君) 確かに日本の漁業は、全般的に申しまして、燃費の高騰と魚価の低迷ということからどの漁業も実は経営難に陥っておるところでございまして、イカ、トロール、カツオ・マグロ、ほとんど主要な漁業が皆経営状態が悪化しているという状況でございます。  ただいま先生御指摘のように、従来までは応急の対策ということで金融措置を中心に実施をしてまいったわけでございますが、このような対策のみでは現在の危機的な段階をとうてい越すことができないという考え方によりまして、今回は、むしろ需要あるいは資源の状況に見合いまして、場合によっては自主的な減船も含んで生産構造の再編を行っていただくということを考えておりまして、このために、従来からの共補償資金その他の資金、あるいは特別措置を越えまして、さらに負債整理資金三百五十億というものも用意いたしまして、この生産構造の再編対策に取り組みたいというふうに考えている次第でございます。  また一方におきまして、この法律によりましてその促進が図られると思っております省エネルギーの対策というものも推進してまいりまして、コストを低下するというようなことから経営の健全化というものを図ってまいりたいというふうに思っておりまして、漁業者の御努力と相まちまして、わが方の援助によりましてこの経営の危機を乗り切ってまいりたいというふうに考えている次第でございます。

中野明公明党・国民会議

○中野明君 先ほど大臣も漁業外交の推進ということもおっしゃいましたが、先日、この二十二日に当委員会で、貿易摩擦に関連をしていわゆる二十二品目、その中には水産も含まれているんですが、大臣は、この委員会でも、経済対策閣僚会議があるまでは一切そういうことは考えていない、二十二品目は断固守るというような決意も述べられましたし、同じ日に衆議院の農林水産委員会では超党派で決議もされております。私どももまたその後大臣に申し入れもいたしましたが、ちょうどその明くる日の朝、二十三日の朝のテレビニュースで報道されたところによりますと、大臣がそのような決意を国会で表明され、そして委員会でも決議をしている中で、農林水産省が、水産物は自由化の方向、他の農産物には二、三検討しなきゃならぬというような方針を固めたというような報道が明くる朝すぐなされたんです。それで、私どももこれ、大臣はあのように国会で決意を固めて表明している。国会も決議をしているというのに、一体農林水産省内部でだれがどういうふうな考え方で所見を漏らしたのか。この真意のほどを私伺いたいんですが、余りにも報道がショッキングであります。どうしてそういう報道の形になってあらわれたのか、その辺の事情をちょっと説明していただきたいと思うんです。

松浦昭水産庁長官

○政府委員(松浦昭君) 実は、二十三日は私モスクワにおりましたので、どのような事態であるかはよくわからないわけでございますが、長官がおらなくてそのような方針が決まるわけはないわけでございまして、私どもとしましては、前々から田澤大臣がおっしゃっておられますとおり、二十二品目、水産物を含めまして、自由化につきましては手を染めないという方向で御指示をいただいておりますので、その御方針に沿いまして私ども対米交渉にも当たっていくという状況でございます。

中野明公明党・国民会議

○中野明君 長官はモスクワにおられたのですが、次長、どうなんですか、それでは。そういうテレビで、しかも朝の全国ネットですから、なぜそういう報道がなされたか。そういうことをだれかが漏らしてそこから引っ張られたんじゃないかと私は思いますけれども、それならそれなりに大臣が国会であそこまで強い姿勢で答弁をしている、超党派で決議もしている、その明くる朝にすでに農林水産省の内部では、水産物は自由化、そして他は関税引き下げ、農産物は一部、そういう検討がなされて、大体その方針が固まったやにテレビで流している、これは一体どういうことになるんだろう。もし違うんだったら、長官のおっしゃるように違うんだったら、抗議をするとか、何とか文句を言うとか、それを打ち消すようなことをなさってなければ、一体国民の大多数の人は、国会の議論もさることながら、テレビの報道というのは非常に影響力が大きいですよ。その辺、どういうふうにお感じになっておりますか、ちょっと。

山内静夫水産庁次長

○政府委員(山内静夫君) 実は、長官の留守中、私がその任に当たったわけでございますが、先ほど長官が申されましたように、大臣の御指示を受けて自由化ということにつきまして水産庁からそういうことを言った覚えもなければ、恐らくテレビは憶測記事であろうと、こう理解しておるわけでございます。

中野明公明党・国民会議

○中野明君 憶測にしては余りにもショッキングですよ。もう農水省が省内部で大体そういう方針が固まったと、そうでなければあそこまで言いません。朝の七時のニュースといったら全国もうほとんど見ていますよ、あれ。それを国会で質問したら、あれは多分憶測でしょうというようなことで答弁されたんでは、私ども何のために——大臣だってあれほど力を入れてがんばっている。もしそれが、だれかからそういう意向が漏れたとするならば、これは国会軽視もはなはだしいし、農水省という役所の私は責任を疑いたくなります。農水省というのはやっぱり農林水産業をどこまでも守り、振興していくという姿勢のもとに貫かなきゃならぬ役所ですから。それは外交が絡んで、たとえて言えば、外務省の人たちがそういう考えを持っているというのなら幾らか私どもも理解はできます。けれど、農水省みずからがそういうことを考えているというに至ってはもう論外ですから、それで聞いているんですけれども、意外に、憶測記事でございますと言ってしゃあしゃあとして、そして国民世論がそれで納得してくるのを待って、そのようにするみたいな感じに聞こえてならぬのですが、大臣、これはっきりしていただきたいと思います。

田澤吉郎自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(田澤吉郎君) 農産物の自由化につきましては、ここで何回か御答弁申し上げたのでございますが、特に農産物の残存輸入制限品目につきましては、過般の日米貿易小委員会で、まず牛肉、オレンジについて十月以降に話し合いをしましょうと、他の残存品目については作業部会で進めましょう、話し合いをしましょうということになりまして、しかもその作業部会は、お互いその国の状況は率直に言い合うことにいたしてはどうですかと、それは感情的になっちゃいけませんという条件で作業部会を四月の十二、十三日に開いたのでございます。その折、アメリカからは完全自由化を強く主張するものでございますから、わが方としては、それは残存輸入制限品目はすべての畜産、水産に関する重要な品目であるから、これ以上やはり自由化するわけにまいらぬということで、きちっとお断りしたわけなんですよ。そうしますというと、アメリカ側は、もはや作業部会の協議はこれ以上進めても意味がない。そこでガット二十二条協議に移しましょう、二十二条協議というのは二国間の一般的な協議であるから、対立を意味する、対決を意味するものじゃございませんよということでしたので、そのまま引き帰りまして、内閣としては、やはりガットで二十二条に持ち込むということですから、それに対応する措置でいこうということで態度を決めておったわけでございます。その後、いわゆるアメリカ大使館を通じてとか、あるいはアメリカから直接にいろんな緩和策が流れてきているわけでございます。  そこで、しかし完全自由化の看板は一体どうなるのかというと、それはおろすわけにはいかない、緩和だけはやりなさいということで第二段の措置をある程度促進するアプローチがされるものでございますから、それと関連して、水産物についての二十二品目にある特にニシン等について、何らか緩和してみてはどうかというようなことがいわゆる憶測として流れてきているわけでございます。そのことがいま次長のお話しのように憶測として流れているものでございまして、決して水産庁としても、いま水産庁長官がお話しのように、あくまでも二十二品目についてはこれを手を染めないという私の姿勢を、私の考え方を水産庁としてもこれまでも維持してきておりまするし、今後もその方向で進むことは変わりはございませんので、そういう点はどうかひとつ誤解のないように御理解をいただきたいと思うのでございます。

中野明公明党・国民会議

○中野明君 大臣が御説明になっていることは、われわれは理解できますし、わかっているんですが、何も知らない一般国民が、朝の七時のテレビ放送を通じて農水省がこういう方針に固まったようだという報道が流れたらこれは誤解するなと言ったってそっちの方が本音じゃないかと、いま大臣はたてまえをおっしゃっているのじゃないかというふうにとれてしようがないわけです。ですから、そうなるとやはりそういう報道がなされるということは、外交交渉が絡んでいるだけに、よほど慎重にしていただかないとならないという感じは私もしますし、そういう点、水産庁として報道機関に、推測でああいう影響の大きいことは困るというような抗議なり何なり申し出たような経緯があるんですか、それとももう知らぬ顔しておったのですか、どうなんです。

山内静夫水産庁次長

○政府委員(山内静夫君) NHKの記者が参りまして、どうしてああいう記事を流したかと、こういう言い方はしましたが、厳重に文書をもって抗議と、こういうようなことはしておりません。ただ影響甚大でございますから、そういう言い方はした覚えがございます。

中野明公明党・国民会議

○中野明君 それならそのときどう言っておったんですか、向こうは。

山内静夫水産庁次長

○政府委員(山内静夫君) 先走って申しわけないと、こういうような言い方をしておりました。

中野明公明党・国民会議

○中野明君 本当にそういう点が意外におざなりになって、結局、結果から見たらそのとおりになったというようなことがまま過去にあるわけですから、そうすると国会で決議をしても大臣がどんなに決意を述べられても、結局何にもならないということになるとこれは大問題でして、そういう点で私もあの報道を聞いて、水産庁なり農水省の姿勢というのはそういうところにあるんかしらと、私自身が疑いたくなるような非常にびっくりしたことがありましたので、いま申し上げているわけですが、今後そういう点についてはよほどこういう問題は慎重に発言も、各担当者も慎重にしていただかないと、推測されるような雰囲気というものがあったのじゃないかという気がしていけません。  それで、こういうことを言っておってもしようがありませんが、先ほど長官モスクワで大変御苦労さんでございましたが、この機会に日ソ交渉がまとまりましたこの状況と、今後の見通しですね。これだんだん厳しくなって、ことしはよかったと思いますが、大変御苦労でございましたが、今後の見通しについてどういう感触を得て帰られましたか、少しちょっと御報告いただきたい。

松浦昭水産庁長官

○政府委員(松浦昭君) 本年の日ソサケ・マス交渉につきましては、当初交渉開始の期日が一週間ほど延びましたこともございまして、大変心配されておったわけでございますが、四月の十三日からモスクワで開始されまして、当初は、ソ側はきわめて厳しい要求をわが方に突きつけてまいりまして、その一つはここ数年間続いておりました四万二千五百トンの総漁獲量、これを三万七千トンにするということと、それから三角水域と申しておりますが、非常に重要なわが方の漁獲水域におきまして漁期を短縮するということ、それから日本側の漁獲のシェアに応じた漁業協力費、これは四千七百万ルーブルの二七%と言っておりましたが、これで計算いたしますと、四万二千五百トンのベースで計算いたしますと、現在の四十億をはるかに上回る、そういう漁業協力費になるというような要求をわが方にしてきたわけでございます。  それからまた、昨年わが国の特に中部のサケ・マスの漁船につきましてかなり違反が出たものでございますから、取り締まりの問題が今回の交渉の非常に大きなウエートを占めまして、当初これにつきましても、ソ側は日本監視船に向こうの監視員を乗せる、つまり共同取り締まりという体制をとりたい、あるいは陸揚げ地におきまして監視員を駐在させるといったようなきわめてきつい要求を出してまいったわけでございます。  そこで、わが方としては鋭意これに対しまして交渉を続けたわけでございますが、当初は両方の主張が平行線をたどりまして、一時は非常に交渉が妥結するかどうか心配もいたしたわけでございますけれども、特に取り締まりの問題につきましては、ソ連側のオブザーバーを日本の監視船に乗船させる。そのかわりこの点につきましては、日本の取り締まり権及び日本の管理権、これは漁船の監視船の運航も含めた権限でございますが、これにつきましては日本側のみに属するということで、またソ連側のオブザーバーはこのような日本の監視員に対しましてその取り締まりの支障になるようなことは一切しないという約束を取りつけましてこの日本監視船への乗船を認めることになったわけでございます。この解決が図られまして、さらに最後の第三回のクドリャフツェフ次官と私の会談におきまして、漁獲割り当て量及び漁業協力費は前年同の四万二千五百トン、それから協力費も四十億円ということで妥結いたしまして、二十三日議定書の署名が行われたというのが経緯でございます。  今後の見通しでございますが、率直に申しまして、この交渉の過程におきましても、ソ側は基本的にはやはり沖取り漁業というものについては、決してソ側としてはこれが適当であるということは思えないということは繰り返して申しておりますので、そのような意味では完全にこのサケ・マスの漁業が安定したとまでは言い切れない面がございます。しかしながら、今回の交渉の過程におきましても、ことしの末で切れますところの日ソの漁業協力協定、これがサケ・マス漁業のもとになっているわけでございますが、これにつきましてはこの協定を打ち切るという意思は全く表示をいたしませんでした。  さような意味で、先方としては今後ともこのサケ・マス漁業につきましては少なくともこれを当面継続するという意思があるのではないかというふうに私どもとしては心証を得て帰ってきたという状態でございます。  ただ、今後の個々の問題につきましては、毎年の交渉でございますので、これからもなおわれわれ努力いたしまして、この漁業が安定的に操業できるようにしてまいらなけりゃならぬというふうに考えている次第でございます。

中野明公明党・国民会議

○中野明君 大変御苦労さまでございました。  それで、ソ連の問題は一応ことしは片づいたと思うんですが、今度は日米の問題ですね。もうアメリカはすべて攻勢に移ってきているんですが、これまた報じられるところによりますと、四割ぐらいは削減というようなことまで報じられているんですが、その辺どう対応していかれるんですか。

松浦昭水産庁長官

○政府委員(松浦昭君) アメリカはことしの漁獲割り当て量につきまして従来とは違った方式をとってまいりまして、年の当初におきましてはまず五〇%割り当て、四月にその半分、二五、それから七月に二五割り当てるというふうに考えられておったわけでございます。ところが四月の二十六日に米側が日本の政府に対しまして、正式に四月分から、四月に割り当てる分、つまり第二回の対日割り当て量を通報してまいったわけでございますが、これを見ましたところ、予定されていた四月の一日より約一カ月おくれておりまして、しかもその上に、その量も予定量の二五%を大幅に下回りまして一五%、十七万トンという量を通報してまいったわけでございます。このような通告の中で、米側が何ゆえ対日割り当て量を削減したかという理由は必ずしも明確にしてきませんのでございますが、従来の交渉の経緯から考えてみますると、これは米漁民からの洋上買い付け量等につきまして恐らく対米協力の内容に不満を持っているということがこの削減の原因ではないかというふうに判断されるわけでございます。  わが国としましては、率直に申しましてアメリカの水産物輸出総量の半分近くを実はわが国が輸入をしておるわけでございまして、しかも洋上買い付けにつきましても段階的に拡大するということで、去年からことしにかけましても、去年が実績一万一千トンでございます。ことしはこれを六万トンまで拡大してやっているわけでございまして、さような意味で私どもは米国漁業の発展に協力しているというふうに思っておるわけでございますが、今回これらの努力につきまして割り当て量に反映されなかったということは、まことに遺憾であるというふうに考えている次第でございます。  したがいまして、われわれとしましては、この削減分が早期に追加割り当てされない限り、わが国の漁業に支障を生ずるということは明らかでございますので、わが国としては、まずこのような米国のとった措置に対しまして遺憾の意を表明するということをまずやりますと同時に、今後ともあらゆるルートを通じまして洋上買い付けに関するわが国の態度等を十分に米側に説明をいたしまして、わが国の漁業の操業がこの水域においても安定いたしますように努力をしてまいりたいというふうに考えている次第であります。

中野明公明党・国民会議

○中野明君 非常に私、残念に思っておりますのは、貿易摩擦にしても農林水産業に焦点がしぼられてきているような感じもするわけですが、特に水産業に対する政府の位置づけといいますか、食糧安保ということを言われております。この食糧安保上の位置づけというんですか、基本的な取り組みというのがしっかりしてないと、なし崩し的に、もう国内のいわゆる政策的な位置づけがはっきりしないと、やられてしまうんじゃないかという心配をするわけですが、余談になりますが、昔は農林省と言いよりましたし農林大臣と言っておったのが、農林水産省、農林水産大臣と、このように呼称は変わったんですが、しかし、中身はほとんど従前と同じような感じがして、けさの川村委員の質問でも、予算面におきましても非常にさみしい現状であるということも私、同感でございますが、せっかくこの農林水産というところまで呼称までもうはっきりしてきて、重要性は位置づけされていると思いながら、いろいろの面で中身を検討していっておりますと、一体食糧安保上に日本の漁業というものをどういう位置づけをしているんだろうか、このように見ていきましたら、非常にあいまいもことしております。  それで、まずその面から長期の見通しということがございます。食糧需給の長期の見通しの中で、五十年度に立てられた見通しでは、六十年度で大体九五%ですか、生鮮魚介類ですね、一千百九十五万三千トンですか、それで九五%と、このように五十年には需給の見通しを立てておられるようですが、ところが五十五年度の見通しでは、もうほとんど達成しているような状態になっておりますが、自給率というものは算定をされておりません。しかも、水産物の見通しそのものが参考資料、位置づけが参考資料なんですね。ですからもう、参考資料というのは、簡単に申し上げれば参考までにということで、お添え物みたいに参考までに言っておきますよと、こういう取り扱いですよ。その辺が日本漁業に対する国の取り組みの姿勢ということがこれはうかがわれるんじゃないかと、こう思うんですが、この辺はどういうふうにお考えになっていますか。

松浦昭水産庁長官

○政府委員(松浦昭君) 水産物は動物性たん白質の中でも半分を占めているという非常に重要な地位がございますし、たん白の供給源としての魚、水産物というものが国の食糧の安全保障の上からも非常に重要なウエートを占めているということは申すまでもないことでございまして、さような角度から私どもは全体の食糧の需給の中でこの水産物の供給というものが安定的に確保できるように努めてまいらなければならぬことは当然でございます。ただ、若干水産物につきましてはこの長期の需給見通しの中においてやや違った立場がとられております理由は次のようなことからでございます。つまり農産物につきましては、農業基本法に規定いたしまして、需要と生産の長期見通しを作成し、公表するということになっておりますが、水産物については、実は生産が海況あるいは漁況等の自然条件が変動すること、それからまたそのような変動の状態から長期的な見通しを行うということは非常にむずかしいということがございまして、特に日本の場合には、いわゆる沖合い漁業、たとえばイワシの場合でございますと、この漁況を長期的に見通すのは非常にむずかしゅうございます。回遊魚と申しますか、浮き魚が多い状態では非常にむずかしいというようなこともございまして、実は長期的見通しを法律上で作成を義務づけていないという違いがございます。ただそうは申しましても、当然これは先ほど申しましたように、水産物が国民の食生活上非常に重要であり、また重要なたん白供給源であるということから、農産物の需要と生産の長期見通しの公表に際しまして水産物の需給見通しも一緒に立てるということになっておるわけでございます。ただその場合に自給率に触れていないということはおかしいではないかということでございますが、この点につきましては、五十五年度の策定の場合には確かに自給率を示さなかったわけでございますけれども、これは一つはわが国の水産物が国内生産が主力である、農産物のように大量の穀物を外国から入れているような状態にまだ至っておりません。それからまた輸入依存度が小さい、それから非食用向けの利用配分量が大きい、それから食用向け、非食用向けが相互に非常に流動的で相互補完をしているといったような特徴を持っているということから実は自給率を示していなかったという経緯であるというふうに聞いておる次第でございます。しかしわれわれといたしましては、やはり二百海里体制の移行といったような新たな事情もございますし、また輸入水産物も多くなってきているというような現状もございますので、あくまでもわが国の国民への食糧供給源として重要な水産物の役割りというものにつきましては、十分にこれは自覚いたしまして、水産物の需給の見通しにつきましても十分念頭に入れながら、先ほどのような流動的要素がございますけれども、そのようなことを念頭に入れまして今後ともこの対策には万全を期してまいりたいというふうに考える次第でございます。

中野明公明党・国民会議

○中野明君 長官のおっしゃるのはわかるんですけれどもね、この取り組みの姿勢と位置づけということを私じっと考えてみまして、やはり日本にとりましては、特に海洋国家であるとともに昔から魚に非常に親しんできている国民ですし、食糧の確保という上には絶対欠くことのできない基本的な条件ですね。それが何かしら口ではそう言っているんですけれども、取り組みの中にあらわれていない、それが現在の水産業を象徴しているんじゃないだろうか、そういうような気がしてならぬのです。それで、これは関係がないとおっしゃるかもしれませんけれども、先日も私どものところに農林水産省から「世界食料需給モデルによる食料需給予測結果の概要」、こういうのをいただきました。これをちょっと読ましていただいたんですけれども、これを読んでみましても、「国際食料需給の動向が食料供給構造に大きな変動をもたらすので、国際食料需給をめぐるさまざまな要因について注視し分析して行くことが重要」だとされて、「その検討の一環としてわが国独自に計量的手法により、」云々と、こうなっております。なるほど食糧のことをいろいろ勉強もされ検討もされ、私どもにも参考としてよこしていただいたんだなと思っておりますが、これ見たってこれは穀物だけです。農畜産物だけです。水産物は何にも入っておりません。何の考慮も検討の中にも入っていない。だから、わが国独自にやったというんですから、わが国独自にやったとしたら当然これに対して生鮮魚介類の——動物性たん白質の半分は魚でとっていると長官もおっしゃっているとおりでございます。こういう重要なものが検討の柱の中から抜けているということになると、水産業というものの位置づけ、農林水産省という名前までなったんですから、その水産の位置づけというのはほとんどないんですよ、見ますと、肉や牛乳はありますけれども。そういうことから見るとどうも漁業というのは何かお添え物になっているんじゃないか。私たち漁業関係者と話し合ってみても、特に後ほど触れますが、遠洋漁業の乗組員なんかと話してみましても、同じ食糧を生産するために従事している、大臣から言えば農林水産従事者です、それでこんなに差があるんかとひがんでいますわね。農業の関係者は非常に優遇されて、おれたちはもう五百日もマグロを追いかけて家もめちゃくちゃになって嫁の来手もないというような状態の中でがんばってそれで減船だというたらもう意外に冷めたいというんですか、そういうことで非常に不満を持っております。いろいろこう端々の人と話をしてみて、施策の面ではずいぶん立ちおくれもあります。そういうことをいろいろ考えますと、結局漁業というもののいわゆる国の政策的な位置づけが非常に弱いという感じ、弱いというよりも農業の中にもう取り込まれてしまって、せっかく農林水産省としていただいて大臣も農林水産大臣となられたその意味が一つもあらわれてないんじゃないかと、そういうような気がしていかぬのですが、その点を再認識をしていただかないと漁業の立て直しというのはこれちょっと無理じゃないかというような気がしてならぬのですが、御見解をお聞きしたいです。

田澤吉郎自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(田澤吉郎君) 確かに農林水産省から過般出しました二〇〇〇年の展望については穀物を主体にしていわゆる自給力の維持確保というものを発表しているわけでございますが、だからといって水産業の問題を全くこっちに置いてそれで自給力を維持しようと言っているのじゃないのでございまして、あくまでも農林水産省はいわゆる食糧全体を考えて政策を進めているわけでございます。そういう点はひとつ誤解をなくしていただきたいと思うのでございます。ただ非常にむずかしいのは、水産業の面ではとらえ方が非常にむずかしいということなんでしてね、それでたとえば水産業における一つのとらえ方をどういう時点でとらえるかということなどは非常にむずかしいと思うので、いま現に動いている水産業の進め方、それからどういう時点でそれをとらえるかというようなことなどが非常にむずかしい問題だと思いますので、これは特に水産庁にこの点はお願いをして特別な対策を、見通しを立てていただいているということでございますので、決して水産庁の長期見通しはないというようなことではないのでございますので、その点はひとつ御理解いただきたいと、こう思います。

中野明公明党・国民会議

○中野明君 先ほども長官答弁がありましたように、確かに水産物というものはとらえ方むずかしいし、いろいろ私もわかりますよ、わかりますけれども、このようにこちらの方は参考資料として、参考としてでもおつけになっているわけです、法律でうたわれてなくても重大な問題だといって。せめて、私は参考そのものは不満ですけれどもつけてある、そしたらこれだけのものをわが国独自に計量的手法を使ってと言って、これだけのものを検討されるんですから、やはり参考資料として、いわゆる生鮮魚介類ですか、これについても別途検討しているとか、何とか一項目ぐらいあってしかるべきだと思うんですよ。これを読んだら農林省ですよ。農林省で、農林水産省じゃありませんわ。だから、また名前をもとへ戻してもらわにゃいかぬみたいなことになるような感じで、農林水産省が出しているんですから、食糧の需給ですから、だからむずかしいことはわかりますけれども、いわゆる水産業の計数というものを入れていけば別途こういう形になりますとか、あるいは参考として漁業についての、水産業についてのことを一項目触れても別におかしくないと思いますよ、鶏の肉や卵まで書いておるんですから。だから、そういう点が私は農林省自体の姿勢といいますか、農林省自体の中で何か食糧の需給のことについて一生懸命考えるときに、もう水産庁は別の役所みたいによそへのけられているんじゃないか、意見も言えぬのじゃないか。相談があったら、もし意見を言うなら、水産庁長官なら私これ見て黙っていないと思いますよ。これは動物性たん白質の半分とおっしゃっているんでしょう、大変なものですよ、これ。それがなしの、わが国独自の——言いますと、それなら農林省が言うている日本型食生活というのは一体何やと。大臣だって所信の中でおっしゃっておりましたわね、日本型食生活の普及徹底。それなら、日本型食生活というのは魚がなかったら日本型食生活になりませんよ。こういう点が基本的に根本的に欠けているからやっぱり水産業というのがきちっとせぬのじゃないかと。再建や何とか言って、もうとにかく危機を通り越していますよね、いま。ですから、それについてのこれからの対応というのは大臣がけさほど来答弁しておられます。全部大事なことで、総合的な施策が要ることは私も十分わかっております。だけれども、いま私が申し上げているのは、農林水産省という役所の中で漁業というものに対しての位置づけが、それぞれ専門を持って一生懸命なさっていますから、それはもう当然認めているわけですけれども、その中で水産庁というものがあって、そして食糧のことについて物を言うときに、全然、参考になってみたり何もなしになってみたりしているから、ここをきちっとしてもらわないと日本の漁業をやっている者はたまらぬじゃないか、そして再建もできないですよ、これから伸ばすこともできないですよ。消費の拡大とかいろいろこれからありますけれども、その辺をはっきりしていただきたい、私こう思うんです。どうでしょうね。

松浦昭水産庁長官

○政府委員(松浦昭君) ただいま先生がおっしゃられました、農林水産省が出しました資料の中に水産物が入っていないということでございますが、この分析はたしか穀類を中心にしてやりました分析でございまして、まだまだたん白の分析はこれからの問題であるというふうに考えられるわけでございます。たん白の問題が入ってまいりました場合には、当然これは水産物が中に入りませんとこの分析は完全なものじゃないということは当然のことと思います。  私どもとしましては、このような長期の需給予測というものを当然水産庁としてもつかみまして、それによって全体の農林水産業の施策一体として食糧政策ということでとらえていくべきであるというふうに考えておるわけでございますが、先ほどから申しておりますが、やや技術的な面においてまだなかなかその長期の見通しが立たないという面がございます。特に日本の周辺の二百海里内の資源の状態、これもいま一生懸命手をつけておるわけでございますけれども、何分にも海の中のことでございまして、完全なものがなかなかできないという問題がございます。  それからまた、遠洋漁業につきましては、何分にも外国と交渉しているという状況のもとでどれだけの水産物をわれわれの漁船の手によって確保できるかということはなお流動的な要素がありまして、その意味でなかなか将来の長期展望がむずかしいという要素がございます。しかし、これらの点につきましても、われわれ当然外交交渉を展開することによって対外的な漁場の確保ということも安定のめどをつけていかなきゃならぬと思いますし、また調査、研究によりましてわが国周辺の二百海里水域内の資源もつかまえていくということによりまして需給の関係を長期的にも把握できるという状況はつくっていかなきゃいかぬというふうに考えておりまして、さような努力はいたしておる次第でございますので、その努力の結果をごらんになっていただきまして、これが全体的な食糧の政策の中に組み込まれる日がありますことをわれわれとしても期してがんばってまいりたいと思う次第でございます。

中野明公明党・国民会議

○中野明君 いませっかくの長官の答弁ですけれども、これには要するに牛乳乳製品とか、牛肉、豚肉、それから羊の肉、それから鶏の肉、卵、こう書いているんですよ。そして、こうなっていくだろうと。魚はないということを言っているんですよ。これがアメリカが出しているならわかりますよ。これ日本の農林水産省がわが国独自に計量的手法を使ってやったと言うんですから、だからここに動物性たん白質の魚の項目が抜けているということは一体どういうものだろうか、水産庁は一青物を申せないんだろうかということを僕は言っているのでありまして、これは大臣官房企画室というところでつくったらしいんですが、その大臣官房企画室というのが水産庁を忘れておらないかということでしょう、僕の言いたいのはそういうことなんですから。大臣、これどう考えられますか。参考資料でもつけるべきじゃないですか。肉とかなんとかいうものは全部、一・七倍に増加するとか、一・六倍に増加するとか言って、それで漁業再建ということになるとどうしても消費の拡大ということは一つの大きな柱として出てくるんでしょう。それで、現在でも半分は動物性たん白質をとっていると言うんでしょう。そして、食糧の需給の中に魚のことなんか全然触れないで、それで私どもこれ見せていただいて、参考にしてくれと言われたって、何か一本歯が抜けているような気がしてならぬのですが、大臣、むずかしいことはわかります。だから、何もこのとおりしろと言うんじゃなしに、これは別途考えているとか、別途検討しているとかということがどこかに書いておって初めて、ああそうかというふうに、漁業に従事している人だって元気が出ますよ。このままじゃ、これを読んだ限りでは、日本はもう漁業は要らぬのだというふうにとられてもしようがないでしょう、農林水産省の出したやつですから。どうですか。

田澤吉郎自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(田澤吉郎君) 確かに穀物を中心にして一つのまとめをしたということでして、そういう関係からやはり水産物あるいは野菜、果物、さらにその他がその中に入っていないということでございますので、御指摘のような点はともすれば誤解を招くこともございますので、今後この種のいわゆる統計を示す場合には十分水産物についても配慮して発表いたしたい、かように考えます。

中野明公明党・国民会議

○中野明君 いや、穀物とおっしゃいますけれども、穀物も確かにそれは基本ですけれども、肉なんか皆書いておるんですよ。卵まで書いておるんですよ。

田澤吉郎自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(田澤吉郎君) 野菜も入ってないです、野菜、果物。

中野明公明党・国民会議

○中野明君 だから、こういうことを考えていったら、これはやっぱり魚というのは日本型食生活には欠かすことのできないものでしょうし、やはり食糧の需給問題を考えるとどうしても魚のことはむずかしいと言って避けて通っておったらどうしようもありませんので……。

田澤吉郎自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(田澤吉郎君) ちょっと委員長——実は穀物を中心にしたものでございますから、畜産物が入るわけなんですよ。それは飼料作物というものはほとんど輸入に依存しているというような関係もございまして、どうしても飼料用穀物というものが対象になるものですからその範囲にとどめたということでございまして、将来は水産物なり果物なり野菜なりをやはり総合的に判断した上での統計は今後出してまいらなけりゃならぬ、かように考えます。

中野明公明党・国民会議

○中野明君 それは、そういう意味はわかるんですよ。そう言われることもわかっていますけれども、私の言いたいのは、わが国独自に計算をしたと言って、ただそれだけで食糧需給のことを論じられたらこれは間違いじゃないか。ましてや漁業が最大の危機になってきているときにね、きょうは私、感じたことを申し上げておるんでありまして、統計的にむずかしければむずかしいでよろしい。だけども、これからはいわゆる水産物は外しているとかということをちゃんとやっぱりきちっとしておいていかれた方がいいんじゃないだろうか、そういう気がしてなりません。漁業はもう何か農林水産省の中でまま子扱いになっているんじゃないかというようなひがみが出てきそうな感じがしておりますので申し上げておるわけです。  それじゃ、次の問題に移らしていただきたいと思うんですが、けさほど来の議論にもありましたように、漁業の再建整備ということになりまして、省エネということが今回の法案の一つの柱になっておりますが、省エネと言いましても、現状、再建整備ということになりますと、いま私、四国の高知なんですが、室戸というところを抱えておりまして、遠洋カツオ・マグロの現状というものは、これはもう大変なものでして、業界が自主的に減船に対応するという、減船するということになっておるんですが、地元としてはこれは大変なことでしてね、もうすでに水産庁長官も御承知のように、ただ単に船が十隻なら十隻減船されたと、そんなもんじゃないんですよね。あんな小さな三万足らずの町ですから、そこで何でしょうね、百人ぐらい失業者が出たら、もう市の財政にまで影響してくる。町はもう商店街も何も一切だめと。それに頼っていままでが町づくりも生活の基盤もそこにあったわけです。  そういうことでございますが、この業界の自主減船に対して政府はどういうふうな対応をお考えになっておりますか、改めて。

松浦昭水産庁長官

○政府委員(松浦昭君) 先ほども御答弁申し上げましたように、いままで漁業危機が叫ばれてまいりましたけれども、それに対します対応が応急的な措置であったことは事実でございます。そこで、やはり資源あるいは需要の実態に見合いまして、場合によっては自主的な減船をも考えていただきまして、計画的に生産の構造を再編していただくということが今回の私どもの考えておる施策の中心であるわけでございます。  ただいま先生の方からお話にございましたカツオ・マグロの減船につきましても、これは本当に容易ならざることだということは、私どもよくわかっております。また、地域経済に及ぼす影響も非常に大きいものであるということもわかっておりますが、とにかく日鰹連を中心といたしまして二割の減船ということで、五十六年度分六十九隻、それから五十七年は九十六隻の減船を全国ベースで行ってまいるわけでございますが、もとよりこれは、実質的な減船と申しましても、これに対しまする政府の支えがなくてはとうていできないことはもちろんのことでございます。  かような意味から、私どもとしましては、漁業再建整備の特別措置法に基づきますところの、いわゆる共補償融資というものを行いますと同時に、これも五十六年にございましたが、特定漁業生産構造再編整備推進事業によります助成、これは共補償の利子を軽減するためにこの資金を使ってもよろしいし、あるいは新船のための助成ということで使ってもよろしいわけでございますが、この予算も倍額にふやしております。さらにことしは、これに加えまして、先般通過をさせていただきました予算によりまして、三百五十億の負債整理資金というものを用意いたしまして、この負債整理資金によりまして、減船なさる方、あるいは残っていかれる方、この方々の負担を長期低利の融資によって軽減していくということの措置、あるいはさらに、信用基金に増資をいたしまして、これによりまして代位弁済等の事態が起きました場合の措置も十分に考えまして、総合的にこの実質的な減船に対する対応策というものを進めておる次第でございまして、従来までの減船の措置に比べまして、一段と強化された形で御支援を申し上げたいというふうに考えている次第でございます。

中野明公明党・国民会議

○中野明君 それから、この遠洋のカツオ・マグロの現況なんですが、省エネということでいろいろいわゆる船の構造とか、そういうことが言われているわけなんですが、前々からこういう議論もあったやに聞いておりますが、結局、何日も魚を追いかけて、燃料たいて、そうしてまたそれをとったら積んで持って帰ってくるというんじゃなしに、現地で母船のようなもので、とった魚を近くにおるのがそれへ持ってきて、そしてまた漁に出ると。そして船員は飛行機なら飛行機で交代させるとか、そういうふうにしていけば非常に省エネという面については違った面で、もちろんエンジンとかあるいは船体とか、そういうことに省エネを取り入れることはもう当然のことですが、往復するというんですかね、それにずいぶんとエネルギーがむだに使われるような気がしてならぬのですが、そういう点は水産庁としてはどういうお考えをお持ちか、そして何かそういう面で指導されるような考えはないんですか。

松浦昭水産庁長官

○政府委員(松浦昭君) 省エネは、コストの減少を図りまして、経営を安定させる上において非常に重要なポイントでございまして、今回省エネ特別措置法と関連いたしましたこの法案を御提案申し上げたのも、そのような意味でございますが、このような省エネルギー措置というのは、単に漁船あるいはその機器ということだけの省エネということにとどまりません。もちろんこれも非常に重要な部分でございますが、しかしながら、操業の形態を変えていくといったような角度からの省エネの方式というものは当然あるというふうに考えております。ただいま先生おっしゃいましたような共同運搬といったような形によりまして、船は現地まで参りまして、そこでとったものを共同で運搬していく、船はその地域にとどまっているというような方法もございますし、あるいは共同探査といったようなこともあると思います。と申しますのは、各漁船がばらばらで漁場を探査していくということよりも、むしろ調査船的なものを先行させまして、そこで漁場を見つけて、そこに皆ほかの船が行くというようなことによっても省エネができるというふうに考えております。  このようなことから、五十七年度におきまして、私ども新しい漁業技術の体系化ということを目指しまして、漁業技術等の再開発計画というものを実は立てまして、その中で、関連業界と話し合いまして、一つ一つこういう問題を詰めて、できるものから実施していこうという体制を実はしいておりまして、かなり話し合いが進んでいるわけでございます。カツオ・マグロ業界などにおきましても、ただいま先生のおっしゃられましたような思想と申しますか、考え方をもとにいたしまして、実は省エネルギーのそういった意味での措置、ある意味では協業化的な措置であると思いますが、そういうものを進めていきたいというふうにも申しておりますので、私どもとしましては、このような業界の意向に対しましても、ぜひこれを支援して省エネを進めていきたいというふうに考えている次第でございます。

中野明公明党・国民会議

○中野明君 それから省エネなんですが、これは実際に操業しておる乗組員ですね、この方々の体験といいますか、この方々が知恵を働かして、こうしたら省エネになるじゃないかというようなことが一番、どう言うんですか、現場に即して知恵から出てきた、体験から出た知恵というのは私はばかにならないと思うんですが、ただ、そういうふうにして、一般の会社でも同じことで、会社の、いわゆる業績に功績のあった人には、それなりの報酬といいますか、手当といいますか、そういうものが与えられるように、やはり乗組員が省エネについてお互いに工夫して、そしてそれによって成果が上がったことによって乗組員に還元されるというんですか、給料がそれだけ有利になってくるというようなシステムを奨励していくことによって意外に省エネというものが、われわれ船に乗ったことのない者にはわからない省エネの方策というものは新しく生まれてくるんじゃないだろうかと、そういう気がしておるんですが、こういう点について、やはり省エネ、こうしたら節約できる、こうしたら非常にいいぞというようなことを発案した人が、それだけ何かの形で自分に恩典があるようにしていけば、なおさら励みができて、意外に旧態依然としてやっておった中に新しい改革が生まれてくるんじゃないかというような気もするんですが、その辺は何か指導する方法とかいい方法はないものだろうかと思うんですが、どうでしょうか。

松浦昭水産庁長官

○政府委員(松浦昭君) 省エネの推進のためには、確かに漁船とかあるいは機器の導入に際しまして省エネ型にしていくといったようなことも重要でございますが、しかし非常に重要な部分は、先生おっしゃいますように、漁船員も含めまして船主、船員挙げて省エネに取り組むということが非常に重要であることは間違いのないことでございます。このような省エネ意識も、第二次のオイルショック以降はかなり進んでまいりまして、たとえば船の速度を若干落とすというようなことをいたしますれば、それで大変な省エネになるわけでございます。そのようなことから、実は五十五年の燃費の消費量は前年に比しまして八%減というようなことにもなっておりまして、このような機器の、あるいは船の導入だけではなくて、このような船員の努力というものも非常に大きなものであるというふうに考えるわけでございます。そしてまた、同時にいろいろな工夫の方も各会社が独自でやっている分野が非常にございまして、たとえばC重油の混焼、これはC重油は安うございますからA重油と混焼するとか、あるいは場合によってはAとCだけの機関をつくるといったようなことでいろんな工夫をしていることは事実でございます。  このようなことを考えてまいりますと、省エネルギーの推進を図るために、船主と船員とが一体になって体系的に省エネに取り組むということが非常に重要でございますので、私どもとしては一方では新しい技術、これを先ほど申しましたような漁業技術の再開発計画の中でこなしていくということによりまして、さらにこれを進めていく。それからまた、漁業労働対策の一環といたしまして、漁船員の技術の向上あるいは安全操業のための講習といったような中で、省エネルギー教育を活用していくといったようなことも考えられますし、さらにまた、確かにそのようなことで経営がよくなってまいるわけですから、当然その中での賃金も上がっていくということで励みもついていくだろうと思います。さような意味で、総合的な意味でこの省エネが進んで、かつ船員の方にも給与が上がっていくといったようなことが実現できていけばいいというふうに考えられます。また特に、そういった省エネに努力をした船員に対するメリットが落ちるような制度ということにつきましては、業界ともよく話し合ってみたいというふうに考える次第でございます。

中野明公明党・国民会議

○中野明君 それでは時間の関係で次へ進ましていただきますが、この消費拡大というものを図る上には、いま魚離れというようなことを言われております。消費を拡大しようと思ったらどうしても魚離れの現状と、なぜ魚離れになったのかという原因を把握しないと消費の拡大は効果を奏さないと思うんですが、水産庁としてはなぜ魚離れになってきたというふうに認識をしておられますか。

松浦昭水産庁長官

○政府委員(松浦昭君) 魚離れという言葉は非常にもう聞くのが耐えられない言葉なんでございますけれども、実は水産物の消費につきましては、確かにここ数年間大体一人当たりの生鮮魚介類の消費が十五キログラム前後で推移しておりまして、そのようなことで、昭和四十五年六百三十六万トンというのが食用向けの消費量でございましたが、大体ここ数年七百五十万トンから七百七十万トンという状況になっております。一時、最近若干これが低下をするというような現象も見られまして心配されたわけでございますが、五十五年には七百七十一万トンということで増加をしておりますし、それからまた、国民一人当たりの動物性たん白質供給数量に水産物の占めておる割合も、五十五年は前年を若干上回りまして四六%ということで少し上回ってまいりましたので、私どもは決して魚の消費というものが落ちていくというふうには考えないわけでございます。ただしかしながら、魚離れということをおっしゃいまするならば、やはりそこにわれわれが懸念をしなければならない問題があるということは事実でございまして、今回の漁業白書においてもかなりこれは分析をいたしまして、実は需要から今回の漁業白書が入っていったということはそのような点も意識いたしまして実は記述をいたしたわけでございます。  このようなことを考えてまいりますと、一つはやはり畜産物の伸びに比べまして水産物の伸びが緩やかであるということが一つ挙げられます。それからまた住宅様式の変化、あるいは煙や残滓が出るという調理法がいやであるという、そういう消費者意識の変化というようなことがございまして、魚がどうも畜産物に比べてやや伸びが鈍いんじゃないかというようなことが言われております。また、最近における実質所得の伸び悩みで消費者がどうしても価格、品質等に非常に敏感になってまいりまして、価格が上がれば消費が減るという傾向が非常に顕著になってきたということが言えると思います。それからまた、このような状況のもとにおいて燃油価格が高騰いたしておりまして、生産あるいは流通のコストが増大しているということから、生産者がなかなかこれに対応できないという状況があるということが心配される点でございます。  そこで、私どもの基本的な考え方でございますが、やはり一つは中高級魚介類、これを対象として施策を立てていかなければならぬということで、最初に大臣もおっしゃられましたが、いわゆる日本の沿岸の二百海里というものを見直しまして、つくる漁業というものを振興していく。これは中高級魚がほぼその対象になっていくというふうに思います。これらの生産の増大によってこの魚離れという現象を食いとめるということと同時に、また食用の利用率が低いイワシとかサバとか、こういういわゆる多獲性大衆魚と申しておりますが、これの利用を増進していくということが非常に必要でございまして、そのためにはいわゆる消費者のニーズに合ったような形でこれを加工し流通させていくということが必要じゃないかというふうに考えておりまして、それにはやはり技術の革新も必要であるということから、漁業白書の中でも特に技術の章を起こしまして、その中でこの多獲性大衆魚の技術開発の必要性というものを訴え、また現実にも助成等も行っているという状況であるわけでございます。

中野明公明党・国民会議

○中野明君 大臣ね、私この当委員会でいろいろ議論さしていただいて、自分なりに議論しながら矛盾を感じておるところがあるんですが、とにかくすべての農林水産物の中でお互いに現状を再建さし、そして向上さしていこうとすれば、どうしても消費の拡大ということがもう外せないわけです。消費の拡大をしていくことによってその分野が発展するということはこれはわかるんですが、しかしながら、いま長官がおっしゃったように、国民の嗜好の動向というもの、これも無視できません。消費の拡大ということをそれぞれの部門で一生懸命に検討もし知恵も使っていただいているわけですが、そうかといって、肉をたくさん食べたらもう魚は食べないでしょうし、魚をたくさん食べたら肉は食べなくなってくるでしょうし、お米をたくさん食べたら今度また肉も減るでしょうし、人間の腹は一つですから、食べろ食べろと言っても二倍も食べられないという、そういう矛盾を感じながら、私自身どうしたらいいんだろうかということで、結局、食糧の需給を農林水産省として調整といいますか、長期の見通しを立てる上から言っても何にしても、やはり何かの目標を持っていなければ、全部が全部野放しに伸びるということは考えられないわけです。ですから、その辺をどういうふうに大臣としてはお考えになっているんでしょうか。  私自身、たとえて言えば、畜産のときには畜産の消費拡大、そして牛乳をもっと飲まさなければいかぬじゃないかと、米のときが来たら米食わさなければいかぬと、米の消費拡大、それに予算もつけて、ずいぶん皆それぞれの分野で努力なさって互いに競争しているんですが、よく考えたら入るところ、人間の胃袋は一つだと。だから、これはどこかで調整をするといいますか、一応目標を決めてコントロールして、それに対応した再編整備というんですか、これをやるところがないとどうもならぬじゃないか。ただ委員会で消費拡大、消費拡大言うて、それで一生懸命やります、やりますと言うたごし、どっかがだめになっていくというような感じがしていかぬのですが、大臣、この辺どうお考えになりますか。

田澤吉郎自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(田澤吉郎君) 自給力を維持するために私たちは、何回も申し上げておりますけれども、長期の展望に立って生産性の向上を図ると、しかも国内で生産できるものは極力国内で賄おうと。その原則、加えて、国民の需要の動向というものを常に見守りながら農業の再編成を図っていくということが基本なんでございまして、しかし御指摘のように、私たちが自給をすることができるものはお米であり、野菜、果物あるいは畜産物ですね。まあ水産も大体自給できる段階にあると思うんです。そこで、一番畜産なんかの問題——その中で特に今度は自給のむずかしいものというのはやはり穀物ですよ。小麦、大豆あるいは飼料穀物でございます。これを外国に依存しなきゃならないわけでございますが、この穀物の中でも特に飼料作物の問題が私は非常に大きい問題だと思うんです。このことが私は、水産物といわゆる畜産物との調整を図って自給力をどういうように維持していくかということがこれからの私たちの課題であり、日本の自給力維持のための大きい課題だと思うんですね。ですから、私たちは常に、いま御指摘のように、日本型食生活を奨励しているのもそのことなんです。まず、お米を中心にして、たん白、炭水化物等を適当に配分した日本型食生活こそまことに日本の自給力維持のために重要な役割りを果たすと。ですから、お米を中心にして、あるいは魚、あるいは肉、あるいは卵、牛乳等を加えて進める食生活が一番よろしいのであるということを主張しているわけでございまして、問題は、御指摘のように、やはり自給力を維持する、あるいはまた食糧を増産すると。それから、需要を拡大すると言いましても、互いに国内での競合はしてはいけませんものですから、いわゆる計画的な生産等を進めながら私は日本の全体の食糧の自給力を確保していくということがこれからの私たちの課題だと考えております。

中野明公明党・国民会議

○中野明君 国内の調整ということがまず基本にあって、そして消費の拡大、あるいは需要の動向に応じた対応、これが必要だろうと思いますので、これ大臣のいまのお話、せっかくの御努力を特に僕はお願いしたいと思います。  それで、時間が余りございませんので、ちょっとこの問題から外れるかもしれませんが、先日来、千葉の沖合いとか徳島の阿南市なんかで海難事故がありまして、そのために漁業に非常に被害が出て住民の人たちも漁民の人たちも困っていると、こういうことに関連をしまして、きょうは海上保安庁の方にもおいでいただいておるんですが、先日私、四国の愛媛県の今治というところへ参りましたが、そうしますと、今治の港で台風のために突堤が壊れたということで突堤を伸ばしたんですね。百メートルほど伸ばしたようです。ところが、突堤は伸ばしたんですけれど灯台がもとのところにあるものですから、灯台より先に百メートル突堤が出ている。それで、あの辺は御案内のように備讃瀬戸と並んで濃霧の、霧の非常に発生するところでして、しかも普通の港ですから旅客船が出入りをするということで、灯台を頼りに霧のときに港へ入ってくるわけなんですが、灯台より先に百メートルまだ突堤があるということになると、これは海難事故の起こる最大の原因だろうと心配をしているわけです。一体どうしてこういうことが起こるんだろうかと。これは漁港でも同じことが言えるんじゃないかと思いますが、特に今治の場合は漁港じゃございませんが、事故が起こったらもうたちまち魚介類に影響があるわけでして、この場合は人命に影響があります。そういう点で、どうしてこんなことが起こるのかということをちょっと海上保安庁の方、説明をいただきたいんですが。

佐藤弘毅海上保安庁燈台部監理課長

○説明員(佐藤弘毅君) 今治港の防波堤につきましては、五十七年の三月に百メートルの延長工事が完了したものでございます。今治港につきましては、底質——底の方でございますけれども、これが砂地でございます。したがいまして、その延長しました部分が少しずつ現在沈下しておるという状況でございます。このような場合におきましては、少なくとも一年間はその沈下状況を見まして、安定を待ってその移設を検討するというような工事上のことを実はやっておるわけでございます。そういうことで現在移設がなされておらないということが実態でございます。  なお、移設が行われるまでの航行上の安全対策ということにつきましては、航行警報その他の公示手段によりまして当該延長部分があるということを周知するということをやっておりますとともに、簡易灯火を先端部とそれから中間部、こういうところに港湾管理者を指導いたしましてつけておるわけでございます。そういうこともやっておりまして、航行安全上現在著しい支障があるということはないというふうに理解しておるところでございます。ただ、先生おっしゃいますように、霧のときなどは状況によりましては非常に見えにくいということも、そういう声もございますので、現在ナトリウム灯を暫定的につけてもらうように指導をいたしておるところでございます。  なお、現在全国の海上交通安全運動をやっておりまして、今治海上保安部に旅客船の事業者等に集まってもらっていろいろ講習をしたわけでございますけれども、その際も当該延長につきまして十分周知を図るとともに、注意を図るように喚起をいたしておるところでございます。

中野明公明党・国民会議

○中野明君 どういうことでこんなことになるのかと思って不思議でたまらぬのですが、地元では結局、縦割り行政のいわゆる欠陥といいますか、政治に対して非常に不信を起こすような感じになっておるわけでして、灯台よりも百メートル先に突堤が出ていると、欠陥港じゃないかと、海上保安庁なりあるいは港湾管理者がそういうことがわからずに一年もそのままの状態であるということ自体が問題じゃないだろうかと、そういう素朴な市民の不満といいますか、あるわけです。全国にやっぱりこういうところが何カ所かあるやに私たちも聞いているんですが、もっと、どう言うんですか、突堤をつくるときにそういうことを徹底させるということができないものか。それで、業者を集めて指導したとおっしゃるんですが、先日の徳島の事件なんかでも、明かりをつけてない、タンカーが全然無灯火で結局衝突している。こんなことは、船長さんなりあるいは航海士はもうこれ当然の義務を怠っているわけです。もう初歩的な間違いだと思います。そういうことですから、もしこの一年の間に船が事故を起こしたら責任は一体どこが負わなきゃならぬのですか。この辺はどうお考えになっていますか。百メートルも出ているんですから。それで、霧が発生して、また台風なんかで緊急避難してくるのもあるかもしれませんし、どういうことが起こるかわかりません。そのときに聞いている人と聞いていない人とおって、それで灯台があるからこれは港へだって入れると思って入ったところが百メートル堤防が続いておったというようなことではこれはもう事故が起こるのは当然過ぎるぐらい当然だと私どもは思うわけですが、そういう事故が起こったときの責任は一体だれがとるんですか。

佐藤弘毅海上保安庁燈台部監理課長

○説明員(佐藤弘毅君) そのような事故が起こらないように十分現在指導もしておるつもりでございますし、今後も指導を強化してまいりたいと思う次第でございます。一年間はどうしても、やはりそういう砂地の場合には沈んできますので、安定を見なければその上に灯台を建てますとまた灯台がぐらついてひっくり返るとか、そういう工事上の問題もございます。やはり一年間は安定期間として十分に様子を見なければならないというふうに考えておるところでございます。

中野明公明党・国民会議

○中野明君 そうすると、一年間は事故が起こるかどうかびくびくして一年間過ごさなきゃならぬということなんですが、もし起こったときには港湾管理者の責任ですか、それともどこが責任をとるんですか。その点は僕は不勉強でわからぬのですが、保安庁わかりませんか。

佐藤弘毅海上保安庁燈台部監理課長

○説明員(佐藤弘毅君) ケース・バイ・ケースということにもなろうかと思うんでございますけれども、私どもはあくまでも事故がないように徹底した指導、広報その他をやってまいりたいというふうに考えておるところでございます。

中野明公明党・国民会議

○中野明君 それは事故のないのが結構でございますが、交通事故にしても何にしても事故を起こそうと思って事故を起こしている人は一人もおりませんで、だれでも事故を起こさぬように努力しているんですけれども起こるんですから、だからいまおっしゃっているように、この港はこの灯台から先まだ堤防が百メートルありますよと言うて、業者には言うたとおっしゃるんですけれども、何か緊急事態が起こって知らぬ人が入ってくるかもわかりません。台風とかあるいは濃霧警報とか、いろいろのことがあるでしょうが、そのときに一年間何も手が打てないというのは、どう言ったらよろしいでしょうかね。だから、港湾管理者が堤防つくるときにそういうことを知らなかったのか、その辺は海上保安庁と打ち合わせができなかったんでしょうかね、どうなんです。

佐藤弘毅海上保安庁燈台部監理課長

○説明員(佐藤弘毅君) 堤防を延長します場合には、延長部分が完成する前にも同じように突端がどんどんでてきていくわけでございます。途中の問題ももちろんございまして、要するに航行の安全の観点から配慮しなければいかぬ問題でございます。そういうこともございまして、海上保安庁といたしましては工事中につきましてもその先端部に簡易灯でございますけれども、それをつけていただきまして十分に周知を図ろう、海難を防止するということをやっておるわけでございます。それで、でき上がりましても一年間は堤体の安定度を見るわけでございますけれども、その期間もそれをつけておいてもらうということにしておりまして、現在二基ばかりついております。大体先端部分の明かりにつきましては、これは霧の状況その他気象条件によって必ずしも一律には言えないんですが、大体六キロメートルぐらいは普通の日であれば届くと、晴天の日ならば届くという程度のライトはつけておるわけでございますけれども、先ほど申し上げましたように、非常に見にくい場合もあるという声も多うございますんでナトリウム灯をつけてもらうようにしようということで現在指導をしておるところでございます。

中野明公明党・国民会議

○中野明君 そうしますと、現在の灯台はやっぱりそのままで生きているんですね。

佐藤弘毅海上保安庁燈台部監理課長

○説明員(佐藤弘毅君) はい。

中野明公明党・国民会議

○中野明君 生きとって別に先端にくっつけているわけですね。

佐藤弘毅海上保安庁燈台部監理課長

○説明員(佐藤弘毅君) はい、さようでございます。

中野明公明党・国民会議

○中野明君 そうすると、やっぱり灯台の方が高いし明るいし、間違う可能性、見間違う可能性というのはやっぱりありますね、灯台の方が高くて明るいし。ですから普通の船の人たちは灯台を頼りに行っているんですから、恐らく先端につけていると言ったって下の方でしょうから、灯台ほど高くないでしょうから。やっぱり間違う可能性がある、そういうことで、まあいまここで議論をしても始まらぬのですが、こういう欠陥港と見られるようなのが全国でどれぐらいあるんですか。

佐藤弘毅海上保安庁燈台部監理課長

○説明員(佐藤弘毅君) 港湾工事があちこちで施工されておるわけでございますけれども、私ども五十八年度の関係でどの程度出てくるのかということを予測しておるわけでございますけれども、大体三十数基は出てくるんではなかろうかというふうに考えてございます。

中野明公明党・国民会議

○中野明君 全国で三十数基といえば三十数カ所ということでしょうけれども、そういう非常に何かこう行政の担当者が連携が悪いというんですか、それとも、いまのお話ではいずれの場合でも一年間はしんぼうしてもらわにゃいかぬのやというようなことになってくると、これは非常に厄介なことだと思うんですが、私は、きょうはこれ農林水産委員会ですからね、これ以上触れませんけれども、事故が起こったらやはりこれ水産物にもたちまち影響もできるし、今度のような場合はこれは人命にかかわる問題ですので、私はこれは大変な問題だと思ってちょっと来ていただいたんですが、これ何かいい方法はないんだろうかというふうに思いますが、いまおっしゃっているように、もっと明るいのをつけろというふうに指導していると、こういうことですが、港湾管理者の方も本当にこれ海上保安庁ともっとその実情を聞いて初めから対策をしておかないと、三月にできていまごろになってから危険だからもうちょっと明るうせいとかいうようなことで、まだこれ向こう一年間灯台ができないということになると、非常に心配でしようがないんですが、事故が起こったときにはこれどうするんだろうかと不安でしょうがありませんので、質問をいたしたわけでございます。いずれにしてももっともっと周知をしていただいて、先日の阿南なんかはもう僕は頭にきておりますが、タンカーの方が明かりをつけないでそして貨物船と衝突して、それでその辺の海が油だらけになって大迷惑かけておると、こういうようなことだってあるわけですから、それでこんな欠陥の灯台をそのままにしておいたら、事故が起こったときどうするかということで、注意を喚起したいと思って質問したわけです。  じゃあ以上で終わります。

下田京子日本共産党

○下田京子君 漁業経営問題にとっていろいろ問題ございますけれども、当面一つ、北海道漁民にとって非常な関心事になっております例の三自衛隊の上陸訓練問題、これは四月の一日内閣委員会でもってことしの五月にも北海道の方に陸上部隊を輸送することを中心にしました統合演習を行いますということを防衛庁の方は発表したわけですね。そして当委員会でも問題になりましたが、北海道新聞がそれを三日付で詳しく話したと、これは推測部分もあるよという話がありましたが、その後いろんな委員会で問題になってまいりまして、いまのところとにかく五月下旬東北の太平洋側に輸送部隊を集めまして、そして北海道方面の太平洋側のしかるべきところに行くと考えている、こういうことで統合演習を行うよとなっているわけですね。  最初に水産庁にお尋ねしたいんですけれども、防衛庁から説明のあったのは四月九日ということなんです。そして、四月の二十一日に水産庁として防衛庁に二点にわたって申し入れをした、その二点というのは、一つはやはり演習に先立って地元の了解を得ること。二つ目には事故のないよう万全の対応をとること。——というふうなお話だったと思うんですね。とすれば、当然水産庁としては演習の場所、演習の中身、大枠これは承知していると思うんですけれども、念のためにいかがですか。

松浦昭水産庁長官

○政府委員(松浦昭君) 本件につきましては、確かに四月九日防衛庁から水産庁に説明がありました。それからまた、わが方からの二点についての申し入れを行ったことも事実でございます。その演習の内容につきましては、訓練の時期なり訓練の海域なりあるいは訓練の規模、内容、広報の時期といったようなことだったというふうに聞いております。

下田京子日本共産党

○下田京子君 演習の場所、演習の中身、承知しているかどうか。

松浦昭水産庁長官

○政府委員(松浦昭君) 一応承知しております。

下田京子日本共産党

○下田京子君 一応承知していると。  防衛庁にお尋ねします。その演習場所なんですけれども、いままでの防衛庁のお答えですと、いろんなところでしかるべき質問があっても、地元の了解が得られたら発表したいと、こういうことだったと思います。その地元のお話なんですが、まあはっきり申しまして輸送部隊の集結場所は青森県の八戸それから上陸場所が十勝の大樹町旭浜周辺という情報が入っているんですけれども、この候補地の中にこれら含まれているかどうか。そして、なお折衝中なのかどうか。

今西正次郎防衛庁防衛局運用第二課長

○説明員(今西正次郎君) 昭和五十七年度統合演習の具体的内容につきましては、私どもが訓練を実施することを希望いたしております場所を含めまして、ただいままだ発表できる段階にはございませんので、その点コメントをすることは差し控えたいと存じます。

下田京子日本共産党

○下田京子君 地元の了解はまだ得られませんか、得られましたか。

今西正次郎防衛庁防衛局運用第二課長

○説明員(今西正次郎君) 私ども、演習訓練を実施するに当たりましては地元の皆様の御理解、御協力が必要でございますので、かなり早い段階から地元に対する御説明、御連絡を行ってきておるところでございます。ただいまもそういう努力を続けております。

下田京子日本共産党

○下田京子君 再度言いますけれども、先ほどの二地点は入っておりますか、入ってませんか。

今西正次郎防衛庁防衛局運用第二課長

○説明員(今西正次郎君) 先ほどお答え申し上げたとおりでございまして、ただいまそういう状態でございますので、具体的訓練実施場所につきまして申し上げることは差し控えたいと考えます。

下田京子日本共産党

○下田京子君 差し控えたいと言うけれども、入っているかどうかということでもまだだと。  で、実は単なる情報ではなくて、私は大樹町町当局、助役さんから次のようなお話を伺っているんです。第四普通連隊の西沢副連隊長から説明があったと。それから大樹町の漁協の参事さんが、第四普通連隊の菊地連隊長から説明があったと。これは、最近は四月二十一日、そして最終的にはこの四月の二十九日に、帯広市に地元関係者と道水産部、そして自衛隊等含めた会議が招集されていると、こういうことですが、これは事実ですか。

今西正次郎防衛庁防衛局運用第二課長

○説明員(今西正次郎君) 私ども、関係地方公共団体、それから漁業関係団体を含めまして、演習実施に当たりまして、御理解、御協力が必要と思われる関係方面に対して御説明を行っていることは事実でございますが、具体的な団体名等を具体的に詳細に申し上げることは、まだそういう段階に至っておりませんし、またお話し申し上げている方々に対してあるいは御迷惑をかけることもあり得るかとも思いますので、先ほど来申し上げておりますように、まだ最終的な確定をしておることではございませんので、具体的に申し上げることは差し控えたいと存じます。

下田京子日本共産党

○下田京子君 いろんな事情があって差し控えるのはいいですけれども、これだけ具体的に説明があったわけですから、水産庁も御承知だと思いますが、いかがですか。

松浦昭水産庁長官

○政府委員(松浦昭君) 先ほども申し上げましたように、この演習の件に関しましては、一応説明は受けておりまして、概略は説明を受けているわけでございますが、先ほど防衛庁からの御答弁もございましたが、私どもとしても、防衛庁がお話しにならない限りは私ども答弁は差し控えさせていただきたいと思います。

下田京子日本共産党

○下田京子君 本省の方はみんな差し控えさせていただくということですが、地元では具体的に説明があった、これは事実ですね。そして、訓練の中身がまた問題なんです。これもまた差し控えてということになるかもしれませんが、あえて申し上げましょう。  地元の大樹町の関係者にはこう説明されていると。  実施時期については五月の二十日から五月の三十一日、その間に。で、具体的には別途また御説明をしたいと。そして、三陸沖合いから襟裳沖合いまではこれは統合実動演習であると。旭浜への上陸訓練はこの実動演習とは別であって、五十五年の訓練と全く同じあると。こう説明されている。それで町長さんは、五十五年と同じだということなら——旭浜は五十四年も五十五年もやっているんですね。例年どおりだということならば、先行き不安だけれどもやむを得ないだろうと言って了承をした。で、漁協の理事会でも協議をしたそうです。その中で、結果としては了承しているそうですけれども、いろいろと条件をつけている。たとえば、夜間の演習は中止すること。海上がガス状況だとか、非常に一般漁船とのトラブルが想定されるような天候状況の中ではやらないこと。いま、また流し網の操業の時期であるから、時間帯等はよく十分に考えること。もし万が一補償問題等が起きた場合には万全の対応をすること等々、いろいろつけて、しかしまあ仕方がないということで了承したと、こういうお話なんですけれども、防衛庁、全く五十五年の訓練と今回の訓練の中身、上陸訓練において同じですか。同じか違うかだけ。

今西正次郎防衛庁防衛局運用第二課長

○説明員(今西正次郎君) 地元の関係者の皆さんに対しましては、いろいろの関係者に御説明をいたしておることは事実でございまして、それぞれの当該関係者が御関心を持たれるであろうと思われる範囲内におきまして私どもの検討していることを御説明しておるわけでございます。で、先方の関係者からいろいろ御注文なり御意向なりが出ました場合には、その御意向を十分尊重させていただくということで対応してまいりたいと考えております。  で、訓練の中身につきましては、実施場所とか訓練の方法、そういった詳細を含めまして、発表できる条件が整いました段階で発表することにいたしたいと思いますが、いずれにいたしましても、すでに国会の他の委員会等においても申し上げておりますように、五月下旬に実施したいというタイミングで考えておりますので、近いうちに発表できることになると思いますが、その段階において発表させていただきたいと考えております。

下田京子日本共産党

○下田京子君 上陸用舟艇を使った上陸訓練がやられる中身になっているのかどうか。五十五年当時と同じなのかどうか。これは一般的な話ですからお答えいただけるでしょう。

今西正次郎防衛庁防衛局運用第二課長

○説明員(今西正次郎君) 私ども、ただいま検討いたしております訓練内容のうち、東北方面の、東北地方の太平洋岸から北海道の太平洋岸に陸上部隊を輸送するという演練項目が、演練内容が含まれております。で、そこまで運ばれました部隊は当然上陸することになると考えます。上陸と言うよりも揚陸と申した方が適当かと思いますが、そういうことは、先般、二十二日の当委員会におきまして川村委員の御質問に対しても申し上げたところでございます。

下田京子日本共産党

○下田京子君 輸送艦による統合実動訓練ですから、念のためにもう一度言いますけれども、いままでの上陸訓練というのは、もう浜辺近くまで行きまして、そこから戦車も何もだあっと輸送艦から出て上陸していましたよね。そうではなくて、上陸用の舟艇を使った訓練になるんでしょうと、そういうことを聞いているわけです。

今西正次郎防衛庁防衛局運用第二課長

○説明員(今西正次郎君) すでにたびたび申し上げましたとおりでございまして、訓練のそういったきわめて細部にわたる問題でもございますので、これはもう近く発表できるかと思いますが、発表できる段階になりましたらきちっとした形で発表いたしたいと考えております。

下田京子日本共産党

○下田京子君 もとに戻ります。  四月一日に、参議院の内閣委員会で、五月にも北海道の方に陸上部隊を輸送する統合演習を行うんだと。これは前から計画があったわけです。ですから、その計画はとにかく上陸用舟艇を使った訓練だという中身なんでしょう。これはお答えできるでしょう。

今西正次郎防衛庁防衛局運用第二課長

○説明員(今西正次郎君) 統合演習の中では、私どもこれまで御説明申し上げております範囲内では、陸上部隊を北海道の方に輸送することを含む演習であるというふうに御説明しております。

下田京子日本共産党

○下田京子君 いままでと同じ方法ですか、変わってますか。

今西正次郎防衛庁防衛局運用第二課長

○説明員(今西正次郎君) ただいまお尋ねの点につきましても、これは訓練の細部でございますので、まだ最終的に確定して発表できる段階にはございません。

下田京子日本共産党

○下田京子君 いまのようなやりとりも含めて、水産庁、御承知ですか。

松浦昭水産庁長官

○政府委員(松浦昭君) 概略は承っておりますが、私ども詳細は必ずしも存じてないわけでございます。また、ただいま防衛庁の方から御答弁ございましたように、訓練の詳細につきましてはあくまでも防衛庁の方からしかるべき段階で御発表があるものというふうに考えております。

下田京子日本共産党

○下田京子君 そこで、水産庁の責任の問題なんですけれども、先ほど、二点について申し入れを二十一日に行っていると。事故のないよう万全の対応をと。ところがいまのお話ですと、まだ詳細については聞いてないと。しかるべき段階にあって聞くことができるだろうと。これではやはり私、問題だと思います。政府部内の中で、万全の対応をとれと言っても、事故のないようにせよと言っても、詳細な訓練内容をつかまないで、時間、場所、戦闘隊形、そしていま私が言いましたように、上陸用舟艇を使うのか使わぬのか、隊形はどうなるのか、そのことによって漁具等にどういう被害が出るかというのは予想だにつかないわけです。少なくともこういう問題についてはきちっとした私は具体的な内容等もつかんだ上でやはりやられるべきだと、これは大臣にお聞きしたいと思います。

田澤吉郎自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(田澤吉郎君) 水産庁長官から御答弁さしたように、今回の演習の概要については防衛庁から通報があったわけでございますので、昨年の日米合同訓練の状況もございますから、現に演習を行った場合に漁業に大きな被害を与えては困りますよと。ですから、そういう点は十分注意してください、そのためには漁業の現状はこうです、漁労の状況はこういう状況になっておりますので、これに対する演習をする場合の対応はしっかりしてくださいということを申し上げておるのでございまして、具体的な内容についてはこれから防衛庁が私たちの漁業の状況に応じて被害のないようにしてくださるものと信じております。

下田京子日本共産党

○下田京子君 それでは全く信じて疑わないなんていっても起きてまた大変な結果になる、ですから私、それ言ってるんです、一般的に公表された段階では間に合いませんよと。現にいまいろいろ担当者が窓口で話し合っているというのは聞いているわけです。その時点で詳細な訓練内容をつかみなさいよと、大臣の責任でそれはきちっと防衛庁と話し合って対応しませんと、道の水産部任せ、地元の漁協任せ、さあ事故になっちゃってからどうしようということでは遅いんで、これはアメリカとの話じゃない、もう政府の中での話でしょう。そういうことが明確にならないで万全の対応とれと言ったって、それはただやりなさいという話だけじゃありませんか。精神訓話にしかすぎませんよ。ですから、そういう点で大臣の決意ですね、大臣いいですか、決意です。きちっと防衛庁にそのいわゆる一般発表になる以前にもっと詳しく出しなさいと、これが一つ。それからもう一つ、地元の了解をということなんですけれども、その地元とはどこまでを指すのか。地元というのは水産庁が申し入れましたでしょう、で、地元の了解をよく得るようにと、こういうお話。ですが、地元というのは集結地点や上陸地点はもちろんなんですよ。しかし、私がさっき言いましたけれども、大樹町の漁協や町役場に対する説明ですと、三陸沖から移動していって、そして襟裳の沖合いまで行って、そしてそこから今度はずっと旭浜に行くんだと、こういう話になっているわけですね。そうしますと、その間に今度は沖合いだとかその他の操業もあるわけです。ですから、もちろんそういう輸送途中の沖合いとか関係漁協、自治体にも私はきちっとした了解をとるべきじゃないかという、その地元了解という点ではもっと厳しく見てきちっとした対応を防衛庁にしてやりませんと、なかなかこれは容易じゃないだろう、こういう点での大臣の決意を聞きたいわけです。

田澤吉郎自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(田澤吉郎君) 発表前にこれは防衛庁と具体的にそういう点は私たちの主張はきちっと申し上げて納得のいく線を把握いたしたいと考えておりますし、また、地元の了解を得る点についても、これは防衛庁と地元と進めておられることでございますけれども、水産庁としても地元に対して昨年のような状況のないように十分指導してまいりたい、かように考えております。

下田京子日本共産党

○下田京子君 地元への説明ですと、四月の二十九日、帯広にもう関係者集められますから、その後では遅いですよ。それ以前にやはりきちっと詳細な時間、場所、もちろん、戦闘隊形——上陸用の舟艇を使いますと、私も防衛の専門じゃないからわかりませんけれども、なかなか隊形によっていろいろこれはもう被害等、影響等が心配されるということがはっきりしてます。ですから、事故のないよう万全の対応をということですが、そういう状況を把握した上でこれは問題だといったときにはやはり私は中止をきちっと申し入れるべきだと思います。なぜこれは私、強く言うかといいますと、御承知だと思うんですけれども、昨年の日米の合同演習の際にも、ちょうど昨年五月十四日でした、私当委員会で演習中止すべきじゃないかと、こう言ったんです。そうしたらいや万全の対応をしていますと、こう言うんですね。そんなこと言って明けて翌日ですよ、やられたのは。しかも、まだ補償問題が解決されていないわけですね。そういう点からお聞きしているわけで、繰り返しそういった点で対応いただきたい。  いまのお話に移りますけれども、補償問題の解決は一体めどが立っているのかどうか、日米合同演習の方の。

松浦昭水産庁長官

○政府委員(松浦昭君) 昨年五月秋田沖で行われました日米の共同演習の際に生じましたはえ縄等の切断事故でございますが、水産庁が関係道県を通じまして行った調査、取りまとめの結果とともに米側及びソ連側に対しまして調査、損害賠償の請求が行われたことは先生御承知のとおりでございます。このうちで米国につきましては、外務省を通じまして在京米大使館に対しまして速やかな処理方の申し入れを行ってきておりますけれども、米国側はできる限り迅速に結果を得べく鋭意検討中ということを申している段階でございます。ソ側は、ソ連艦船は何らの損害も与えていないという旨を回答をしております。農林水産省としましては今後とも関係省庁と協力いたしまして補償問題が速やかに解決されるよう努力していきたいと考えております。  なお、八割の分につきましてすでに対応いたしたことは先生よく御承知だと思っております。

下田京子日本共産党

○下田京子君 いまのお話なんですが、これは十一月十一日の行財政改革に関する特別委員会の総理並びに担当省庁に対する質疑のときの答弁と同じなんです。事故があって一年です。原因についても補償問題についてもいまだ進展なし、財政問題云々と言いつつも防衛予算の中からとにかく漁民にはまず八割方補償をと、それはそれで重要な問題でしたけれども、このまま放置することはとうてい容認できる問題じゃないということですね。それだけに、戻りますけれども、防衛庁さっきまだ水産庁にもそういう具体的なことを説明していない、これは重大です。もう課長さんに言ったってしょうがないけれども、そのことをあえて申し上げておきます。大臣はさっききちっと発表以前に詳しいことをつかんでおやりになるということですから、それを期待したいと思います。よろしいですね。

田澤吉郎自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(田澤吉郎君) よろしゅうございます。

下田京子日本共産党

○下田京子君 よろしいということですから、次に移りたいと思います。  具体的な今度は漁業経営の問題なんですけれども、これはもう状況等話している時間もございませんから、端的に伺いたいんですが、もうあらゆる魚種が大変な事態になっています。特に沿岸の小規模経営漁家ですか、これが大変で、特にまたイカ釣り漁民、大変な実態です。  三点についてまず具体的な要望が出されておりますので、返答いただきたいと思うんです。  一つは、日本海沿岸の六県会議がイカ釣り組合等で資源保護のために自主規制案が出されたのですけれども、案がまとまっていない。水産庁の援助と指導をぜひお願いしたい、こう言っています。  それから二つ目には、沿岸小規模漁業者にも負債整理資金が活用できるようにしてもらいたい、さっきから議論になっております。  三つ目には、新しい魚種に転換するための魚種開拓を具体的に実現方お願いしたい。  まずこの三点について……。

松浦昭水産庁長官

○政府委員(松浦昭君) ただいま三点御要望ございましたが、これは各道県におきまして、まず業界と話し合いましてその計画を立てつつある状況でございますので、それを十分に勘案いたしまして私どもこれに対応してまいりたいというふうに考えている次第でございます。  漁場の開発についても同じでございます。  なお、沿岸漁業の負債につきまして、負債整理資金が適用できないかというお話でございますが、これは漁業構造の再編整備や減船等の手法を中心にしてやるものでございまして、どちらかと申しますと、やはり中小漁業中心という色彩が否めないわけでございまして、なかなか沿岸漁業を対象にするということはむずかしいんじゃないかと思いますが、決して対象外とするつもりはございません。ただ、沿岸漁業の実態から考えてみますると、減船という手法でやることはかなり無理があるというふうに思いますので、今回の対策につきましては、沿岸につきまして考えてみますると、通常の漁業経営維持安定資金の活用ということと、それからいま一つは、何と申しましても沿岸漁業の経営安定資金、これを活用するのが一番いいんじゃないかというふうに思います。この点につきましては、五十七年度予算で特認制を設けまして、一人当たり貸付限度額を五百万から八百五十万まで引き上げておりますし、また金額そのものも枠も拡大しておりますので、これによって整備をしていくということが沿岸にとっては最も適応した対策ではないかというふうに考えております。

下田京子日本共産党

○下田京子君 まあ、特に負債整理資金の活用は沿岸小規模の漁業者は対象外には置いてないということだけれども、減船を主に中心だと、これ困るんです、やっぱりね。さっきも言っていましたけれども、減船を主とするもの、減船外も含めての検討で、これから具体的な実施要綱は発表していきたいということですから、ぜひそういう点で再度検討をいただきたいと思います。  それにしましても、いろいろありますけれども、漁業経営の中で最大の問題の一つになっているのは、やっぱり燃油の高騰だと思います。これは全体的な話もさることながら、秋田県の北部漁協の話、具体的に聞いておりますからちょっと御紹介したいと思います。  これは、ここの隻数は三十五隻なんですけれども、五十一年当時の水揚げ額が四億七千八百八万二千七百七十円と。それが五十六年が一億七千七百七十万ということで、何とまあ五十一年次に比べますと三七・二%という実態ですよ、水揚げ金額が下がっているの。ところが、重油の単価はどうかと言えば、五十一年がキロリットル当たり三万五千五百円、五十六年になりますと、何と七万八千二百円、倍以上。これは一般的な話でなくて、ここの漁協の具体的な話なんですが、本当に驚いたわけです。  そこで、その燃油対策、これもいろいろお話ししたいんですけれども、もう一つずつ要望を申し上げて、一点だけ具体的に御答弁いただきたいと思います。  一つは、どういうことなのか、水産庁のあるいは大蔵の財政事情厳しい折からという根回しが効いたのかどうかわかりませんけれども、五十五年、五十六年とずっと全国漁業団体等が言われておりました例の第二次石油危機による値上がり分二分の一程度の価格差補給金対策問題、これが強い要望であったのに、もうやむを得ぬみたいなかっこうで皆さんあきらめているんですよ。それがあると、これはまあ考えてもらえないかと。  それから二つ目には、食糧生産に伴う漁業用の国内産A重油について、免税制度を創設して、コストアップによる漁業経営者への著しい圧迫を緩和することを考えられないか。財政再建途中厳しいと言いつつも、今後長中期的に見て、やはりこれは考えるべき内容じゃないかと。  さらに、これは日本貿易振興会の「農水産月報」等を見ますと、ジェトロの報告ですが、ヨーロッパ各国、特にフランス、イギリスというのは漁業用の燃油は無税になっているんですね。フランスなんかの場合には、漁業用燃油の購入に対して国が補助金出しているわけですが、いろんな国際的な関係もあってでしょうけれども、これは労働者への何か対応というかっこうで、名目は変わっていますけれども、実際的には補助金だとか税の減免だとかやられているわけです。そういう国際的な動きを見て検討できないかという、いろいろ三つのいま検討内容を出しましたが、それにしても具体的答弁いただきたいのは、これは北海道の問題なんですが、主要港における漁業用のA重油の価格の推移を見て驚いたんですが、大手と中小で、それから地方によって物すごくばらつきがあるということです。五十六年の十月段階で幾らかと言いますと、キロリットル当たり釧路港が七万六千三百円、函館港は七万七千三百円、根室港が七万七千三百五十円、北の端、稚内に行きますと何と八万円と、これはいろいろありましたけれども、せめてもこういう、何といいますか、確かに輸送コストいろいろかかりますよ、しかし、これらの価格差是正といいますか、何らかの補助策というか、援助というか、あってしかるべきではないかと。前の三点については、今後検討する余地があるかどうか、最後の一点は具体的に検討いただけるかどうか。

松浦昭水産庁長官

○政府委員(松浦昭君) 燃油価格がきわめて高騰いたしておりますことは確かにそのとおりでございまして、これが経営に与えている影響も非常に大きいことは事実でございます。  まず前三点でございますけれども、私どももこの国産のA重油の減税の問題につきましては、いろいろ検討もいたしてまいったわけでございますけれども、率直に申しまして技術的に非常にむずかしいということで、これはきわめて困難であるという判断をせざるを得なかったということが一つございますし、それからまた価格差補給につきましても、これは単に漁業だけの問題ではなくて、非常に広範囲に国民の生活、産業活動に影響する重油の価格の問題でございますから、これはなかなか価格差の補給金といったようなことはむずかしいという判断に立っておるわけでございます。  ただいま先生の御指摘になりました大手の場合と、それから漁連の場合に末端価格が非常に違うということでございますが、確かにある程度までの格差があるということは事実でございます。ただ大手の場合は、多くは東京とかあるいは大阪とか神戸とか、そういう製油所からじかに元売りの各社が直接給油をしておるというのが普通でございまして、漁連系統はどうしても末端の事業者が全国に所在しておりまして、ほとんどは製油所から転送されているということで、その輸送コストがかかることと、それからもう一つは、荷口が小さいために流通経費が大きくなるということが問題であろうというふうに思います。  そこで、私どもとしましては、このような格差というものは一応やむを得ないというふうに思うわけでございますが、これからできるだけ荷口等が大きくなりまして、それによって価格が低下するといったようなことで、これは全漁連の方も扱っておるわけでございますから、さような系統団体の購入、販売につきましては、いろいろと指導してまいりたいというふうに考える次第でございます。

下田京子日本共産党

○下田京子君 最後に一点大臣に。  いろいろと予算の問題、研究、資源の問題、まだまだあるんですけれども、もう時間になります。大臣に最後に具体的なことを含めて一つだけ検討いただけるよう決意をお伺いしたいんですが、いま全国各地で本当に漁業の生きる道を探り皆さん苦労されております。北海道にあっても、それぞれの団体がいろいろと調整されて苦労しております。そういう中にあって具体的に一点出したいと言いましたのは、えりも漁協にあって、マゴスケだとかピンスケなんという言葉を私もあそこへ行って聞いたんですが、小さなお魚までどんどんとっちゃってどうにもならないと。だから、これは沿岸も沖合いも含めて、ともに資源を守り、そしてともに生きる道を考えた漁業調整等を含めたそういう今後のあるべき姿を検討していく必要があるんでないかということです。ですからそういう、えりもの皆さん方の具体的なことについては、担当者はよく御承知ですから、後でお聞きいただいて、これは北海道指導漁業協同組合連合会が漁業制度に係る改正意見ということも出しております。そういう関係者の御意見をよく聞いた上で、再建問題も今後の漁業のあり方についても進めていただきたい。当然だと思いますけれども、あえて御決意をお聞きしたいと思います。

田澤吉郎自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(田澤吉郎君) 水産業の振興は何としてもやはり水産資源を確保するということが基本でございますので、そういう点から言いますというと、遠洋漁業はもちろんでございますが、沿岸漁業においても資源の確保というのはやはり一番重要な課題でございますので、北海道庁ともよく連絡をとりながら、ただいま御指摘の点は指導してまいりたいと、かように考えます。

坂元親男自由民主党

○委員長(坂元親男君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

坂元親男自由民主党

○委員長(坂元親男君) 御異議ないと認めます。     —————————————

坂元親男自由民主党

○委員長(坂元親男君) 委員の異動について御報告いたします。  本日、村沢牧君が委員を辞任され、その補欠として赤桐操君が選任されました。     —————————————

坂元親男自由民主党

○委員長(坂元親男君) それでは、これより討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。——別に御発言もないようでありますから、これより直ちに採決に入ります。  漁業再建整備特別措置法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

坂元親男自由民主党

○委員長(坂元親男君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  鶴岡君から発言を求められておりますので、これを許します。鶴岡君。

鶴岡洋公明党・国民会議

○鶴岡洋君 私は、ただいま可決されました漁業再建整備特別措置法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・自由国民会議、日本社会党、公明党・国民会議、日本共産党、民社党・国民連合及び第二院クラブの各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。     漁業再建整備特別措置法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   最近の漁業経営は、海洋新秩序の定着に伴う国際規制の強化、第二次石油危機による燃油価格の高騰、水産物需要の停滞等により、著しい苦境に陥つている。このような状況を打開するためには、漁業生産構造の再編成を強力に推進し、活力ある水産物供給体制を整備するとともに、新たな長期的視点に立つて水産業を食料産業として確立することが必要である。   よつて、政府は、かかる厳しい漁業情勢を踏まえ、次の事項の実現に万全を期すべきである。  一、漁業経営における省エネルギーの重要性にかんがみ、省エネルギー漁船・機器の普及を図るとともに、操業形態の適正化、漁業者の省エネルギー意識の徹底及び省エネルギー効果についての情報の提供等に努めること。    なお、漁業経営の財務体質の悪化を考慮し、省エネルギー漁船・機器等の導入に当たつては、過大な投資につながらないよう十分指導を行うこと。  二、減船等の生産構造の再編整備が必要な業種については、経営の安定化に資するようその計画の円滑な推進及び再編整備の効果の具現に努めること。  三、減船の実施等については、漁業離職者を出さないことを基本とし、万一、その発生が余儀なくされる場合には、再就職の確保及び円滑な職業転換のための職業訓練等に特段の努力を払うこと。  以上でございます。

坂元親男自由民主党

○委員長(坂元親男君) ただいま鶴岡君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

坂元親男自由民主党

○委員長(坂元親男君) 全会一致と認めます。よって、鶴岡君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、田澤農林水産大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。田澤農林水産大臣。

田澤吉郎自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(田澤吉郎君) ただいまの附帯決議につきましては、その御趣旨を尊重いたしまして、十分検討の上、善処するよう努めてまいりたいと存じます。

坂元親男自由民主党

○委員長(坂元親男君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

坂元親男自由民主党

○委員長(坂元親男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————

坂元親男自由民主党

○委員長(坂元親男君) 次に、農用地開発公団法の一部を改正する法律案を議題とし、政府から趣旨説明を聴取いたします。田澤農林水産大臣。

田澤吉郎自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(田澤吉郎君) 農用地開発公団法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び主要な内容を御説明申し上げます。  開発途上地域においては、食糧の増産及び農業の振興が重要な課題となっており、開発途上地域からの農業開発に関する協力の要請は、大幅に増大しつつあります。しかも、その開発プロジェクトの内容は、大規模化、複雑化する傾向にあります。  わが国は、開発途上地域に対する経済協力につきまして、昨年一月、政府開発援助に関連する国の予算の倍増等を内容とする新中期目標を設定いたしました。また、農村、農業開発を経済協力の重点分野の一つとする方針を明らかにいたしております。  かかる情勢のもとで、わが国としては、量的、質的に拡大する農業開発に関する協力要請に円滑に対応することが必要となっております。特に大規模、複雑な開発プロジェクト等につきましては、多種多様な分野にわたる技術を総合的に活用し、幅広い対応ができるようにしていくことが不可欠であります。このため、国際協力事業団を通ずる政府ベース技術協力の実施体制のもとにおいて、公的機関による組織的推進が必要となってまいりました。  農用地開発公団は、わが国の農畜産物の供給体制を整備することを目的として、昭和四十九年に設立された特殊法人であります。同公団は、国内において、大規模な農業開発の事業を行い、農畜産物の濃密生産団地の拠点的な建設を積極的に推進してまいりました。これらの事業の実施を通じて、同公団は、農業開発に関し、多種多様な分野にわたる総合的な技術を蓄積しております。  この技術と経験を生かせば、同公団は、開発途上地域における大規模、複雑な農業開発プロジェクト等についても、十分な対応ができると考えられます。このため、同公団が、開発途上地域におけるこのような農業開発に関し、国際協力事業団等の委託に基づく調査等の業務を行うことができるように所要の改正を行うこととするものであります。  次に、この法律案の主要な内容を御説明申し上げます。農用地開発公団は、従来の業務の遂行に支障のない範囲内において、次の業務を行うことができることといたしております。  第一に、国際協力事業団その他の者の委託に基づき、農林水産大臣の認可を受けて、開発途上地域における農業開発に関する調査その他の業務を行うことであります。  第二に、第一の業務に関連して必要な開発途上地域における農業開発に関する情報の収集及び整備を行うことであります。  以上が、この法律案の提案の理由及び主要な内容であります。  何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。

坂元親男自由民主党

○委員長(坂元親男君) 次に、補足説明を聴取いたします。森実構造改善局長。

森実孝郎農林水産省構造改善局長

○政府委員(森実孝郎君) 農用地開発公団法の一部を改正する法律案につきまして、提案理由を補足して御説明申し上げます。  本法律案を提出しました理由については、すでに提案理由において申し述べましたので、以下、その内容につき若干補足させていただきます。  第一に、開発途上地域における農業開発に関する農用地開発公団の業務の規定の整備を行うことであります。  農用地開発公団の主要な業務は、国内の広範な低未利用地域において、近代的な農業経営を確立するための農業生産団地を建設するため、農用地の造成及び農業用施設の整備等の事業を行うことであります。本法律案は、開発途上地域における農業開発の推進に資するため、このような従来の業務の遂行に支障のない範囲内において、開発途上地域における農業開発に関する調査等の業務を行うことができるよう、農用地開発公団の業務に関する規定を整備することとしております。  まず、国際協力事業団その他政令で定める者の委託に基づき、農林水産大臣の認可を受けて、開発途上地域における農業開発に関する調査その他の業務を行うことであります。なお、国際協力事業団以外の者からの委託に基づく場合には、政令で定める業務に限って行うこととしております。  次に、ただいま申し上げました業務に関連して必要な開発途上地域における農業開発に関する情報の収集及び整備を行うことであります。農業開発に関する情報の乏しい地域について基礎的なデータを収集するとともに、既存の貴重なデータを簡便に利用できるよう整理、蓄積しようとするものであります。  第二は、第一で申し上げました新しい業務に関する業務方法書の作成、大蔵大臣との協議等諸規定の整備を行うことであります。  なお、本法律案は、昭和五十七年十月一日から施行することとしております。  以上をもちまして本法律案の提案理由の補足説明を終わります。

坂元親男自由民主党

○委員長(坂元親男君) 以上で説明は終わりました。  本案に対する質疑は後日に譲ります。     —————————————

坂元親男自由民主党

○委員長(坂元親男君) 次に、種苗法の一部を改正する法律案を議題とし、政府から趣旨説明を聴取いたします。田澤農林水産大臣。

田澤吉郎自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(田澤吉郎君) 種苗法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び主要な内容を御説明申し上げます。  種苗法は、新品種の登録制度により育種の振興を図ることを目的として、諸外国における新品種の保護の動向をも踏まえつつ、昭和五十三年に農産種苗法を改正して制定されたものであります。自来、種苗法の適正な運用を通じて品種登録制度の定着に努めてまいりました。  一方、植物の新品種を保護する条約といたしましては、従来ヨーロッパ諸国を中心とした植物の新品種の保護に関する国際条約があり、新品種の育成者の権利を保護していたところであります。  しかしながら、種苗の国際交流の増大に対応してより多くの国の参加のもとに新品種の国際的な保護を図るため、昭和五十三年十月に従来の条約の内容を基礎として新しい条約が作成されました。この条約は、その後発効に必要な数の加盟国の参加を得て昨年十一月に効力を生ずるに至りました。  政府といたしましては、育種の振興を図ることによりわが国のみならず世界の農業の発展に資するため、今般の発効を機会にこれに加盟することとし、今国会に別途本条約の締結の承認案件を提出し、先般御承認をいただいたところであります。  本条約に対応した基本的な制度はすでに種苗法に規定されているところでありますが、本条約に加盟するに当たり技術的な面で若干の整備を行う必要が生じておりますので、この法律案を提出いたした次第であります。  次に、この法律案の主要な内容につきまして御説明申し上げます。  まず第一に、品種登録を受けることができる外国人として、新たに、条約加盟国に住所等を有する者を加えることとしております。  第二に、外国へ品種登録の出願をした者がその後一年以内にわが国へ出願をする場合の優先権に関する規定を整備することとしております。  第三に、条約の効力に関する規定を設けることとしております。  以上が、この法律案の提案の理由及び主要な内容であります。  何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。

坂元親男自由民主党

○委員長(坂元親男君) 次に、補足説明を聴取いたします。小島農蚕園芸局長。

小島和義農林水産省農蚕園芸局長

○政府委員(小島和義君) 種苗法の一部を改正する法律案につきまして、提案理由を補足して御説明申し上げます。  本法律案を提案いたしました理由につきましては、すでに提案理由説明におきまして申し述べましたので、以下その内容につき、若干補足させていただきます。  本法律案は、一九七二年十一月十日及び一九七八年十月二十三日にジュネーブで改正された一九六一年十二月二日の植物の新品種の保護に関する国際条約への加盟に伴い、種苗法の規定について所要の整備を行うことをその内容としております。  まず第一に、品種登録を受けることができる外国人の範囲の拡大であります。  現行法においては、品種の育成に関し日本国民を保護する国の国民は品種登録を受けることができることとされておりますが、新たに条約加盟国に住所もしくは居所または営業所を有する者についても品種登録を受けることができることとするものであります。  第二に、優先権に関する規定の整備であります。  同一の品種については、先に出願をした者が品種登録を受けることができることとされておりますが、すでに外国へ出願をしている者がその後一年以内にその品種についてわが国へ出願をする場合には、その出願が先願であるか否かを判定するに当たり当該外国への出願日をもってわが国への出願日とみなすという特例的な規定が設けられております。  今回の改正により、この出願日の特例のほか、優先期間におけるその品種の公表、譲渡に関しても特例的な規定を設け、条約に定める優先権と同一の内容を有する優先権を規定することとしております。  すなわち、品種登録の出願者は、加盟国への出願をした後一年以内にその品種についてわが国へ出願をする場合等には、優先権を主張することができることとし、優先権を主張したときには、加盟国等への出願の日からわが国への出願の日までの間に、同一品種についての出願、公表、譲渡がされても、品種登録は妨げられないものとしております。  第三に、工業所有権保護条約その他の国際条約に対応する他の国内法の立法例にならい、条約に別段の定めがあるときは、その規定によるものとしております。  以上のほか、本法の施行に伴う経過措置等の規定を整備することといたしております。  今国会に別途提出しておりました植物の新品種の保護に関する国際条約の締結につきましては先般御承認いただいたところでありますので、本法律案が成立いたしますれば、政府といたしましては、速やかに本条約に加盟することとしております。  本条約への加盟を通じて種苗の国際交流及び新品種の国際的な保護が促進され、新品種の育成の振興、ひいてはわが国農林水産業の発展が図られるものと期待されます。  以上をもちまして種苗法の一部を改正する法律案の提案理由の補足説明を終わります。

坂元親男自由民主党

○委員長(坂元親男君) 以上で説明は終わりました。  本案に対する質疑は後日に譲ります。  本日はこれにて散会をいたします。    午後三時四十七分散会

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