農林水産委員会 第6号
- 発言数
- 184 件
- 登壇者
- 17 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1982/03/31
会議録
○委員長(坂元親男君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。 砂糖の価格安定等に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。 本案につきましては、すでに趣旨説明を聴取しておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○坂倉藤吾君 今日、わが国の甘味情勢を表現をしまして、一言で甘味離れということが言われておるわけです。したがって、甘味離れについて一体大臣はそのことが事実なのか、その分析はいかがなものでしょうか。
○国務大臣(田澤吉郎君) 甘味離れというよりも、むしろ砂糖離れだと私は思うのでございますが、いわゆる戦後高度経済成長以来、私たちは食生活に非常に注意をするようになりまして、自分の健康というものを第一に食生活を考えようという方々が非常に多くなりました。そういう関係でこの糖分を砂糖よりも果物だとか、あるいは他のいろんな形で甘味料をとろうという傾向になってまいりまするものでございますから、自然砂糖離れというものがだんだん大きくなっているような傾向じゃないかと私は思います。
○坂倉藤吾君 砂糖離れといいますか、砂糖の消費が具体的に——砂糖と言いますより精製糖ですね、これの消費が減ってきているという認識ですから、私はある意味では正確に認識をいただいているなと、こういうふうに思うんですが、ちなみに砂糖を取り巻く環境を眺めてまいりますと、五十一年から五十六年までの間に、確かに砂糖の消費量というのは三百十六万七千トンが、五十六年度の場合、これはまあ売り戻しのトン数ですが、それが二百六十万五千トン、それに対しまして異性化糖の場合は十六万二千トンが五十二万トンにふくれ上がっている。さらに、ビスケットケーキ等の輸入は、五十一年に二千三百四十五トンのものが五十六年では四千九百五十三トンになり、これは二千六百八トンもふえているわけです。それから、キャンデー類につきましては四千二百十八トンのものが五千三百四十二トン、千百二十四トンも増加をしております。あるいはチョコレート菓子等につきましては四千五百八十七トンのものが五千十七トンで、これも四百三十トン増加をしておる。ココア調製品の場合は一万二千八十一トンのものが、二万七百四十三トンにまで八千六百六十二トンも増加をしておる、こういう形になっております。練りあんなんかは千九百十二トンであったものが、一万三千二百七十六トンまで、これも大変な増加であります。一万千三百六十四トンも増加をしておる、わずかの間に。それに加えて、国産のこれは精糖換算でありますが、国産糖の場合は五十一年で五十三万四千トンのものが、五十六年では七十六万五千トン、二十三万一千トン増加、こういうことになる。これ総体的に眺めてまいりますとまさに砂糖の五十六万二千トンのいわゆる減、それよりも甘味全体としてはむしろ需要が伸びている、伸びているけれども、いま私が具体的に申し上げたような情勢になっている、こういうことになるわけであります。そうしますと、国産糖のいわゆる価格、これを安定的にと、そしてそれを調和のとれたものにしていこうという立場の、この仕組みが本来なら構造的に、根本的に問い直していかなければならぬ課題になっているわけですね。これが含まれて今回糖安法の改正ということに持ってこられた、こういうふうに理解をするわけであります。したがって、これからの運用はそのことを基本に据えて私は考えていかざるを得ない。ここは一番重要なところだろうというふうに思います。 そういう意味からいきますと、次の質問に入りますが、今回、この糖安法の中に異性化糖を組み込んだわけでありまして、そこで調整金を課すことになるわけですね。ところがその調整金を私の考え方から言えばそういう取り巻く条件でありますから、まさかその交付金を軽減をする方に回すなんというようなことはしないだろう。むしろ、これは糖価の安定の維持、あるいは糖価を引き下げるためにこの調整金というものが活用をされているというふうに期待をしたいんですが、この調整金、異性化糖に対するところの調整金について私のいま申し上げたような考え方で御確認がいただけるのかどうか、そこのところをひとつ……。
○政府委員(渡邊文雄君) 結論から申し上げますと、先生のおっしゃるとおりでございます。若干中身を申し上げますと、今回の改正法案では従来、輸入糖にお願いしておりましたと同じような、売買差額という形での国内産糖の価格補てんの意味での調整金をいただくことをお願いしているわけでございますが、この異性化糖の調整金をお願いすることに伴いまして、輸入糖の事業団の売り戻し価格は従来の価格よりも異性化糖からの調整金の収入見込み分だけ減らすことにいたしております。もう一度言いますと、異性化糖には若干の御負担をお願いいたしますが、逆にお砂糖にお願いしておりました調整金は若干ではございますが減額されると、決して国の交付金の減に充てるというようなことは考えておりませんし、法案上もその点は明瞭にしてあるつもりでございます。
○坂倉藤吾君 そこでもう一つの問題は、これはユーザーあるいは一般消費者から国際的に比較をしてみて、日本の砂糖の小売価格というのは高いじゃないか、こういう指摘をされておるわけです。確かに今日の国際的な小売価格を見てまいりますと、これは五十六年二月一日現在の小売価格でありますが、西ドイツの場合は百七十三円、イギリスが百九十円、カナダが二百四十一円、フランスは百六十円、イタリアが百七十九円、アメリカが二百二十六円、日本の場合は二百八十三円、こういう価格が並んでいるわけであります。したがって、少なくともいまユーザーの皆さんやあるいは一般消費者が高いと言っているのも、これはもう数字から見てもあたりまえの話であります。そうなりますと、この価格をいかにして引き下げていくかということは、私はこの監督行政にあり、それを指導しておる農林水産省としての基本的な任務だろう、こう考えるわけです。そうしますと、食品の中で一つだけ不思議なことがある。それは何かと言えば、砂糖消費税が現在がかっているということです。しかも、この砂糖消費税というのは一体どういう歴史でこうなっているのかということになりますと、ちょうど明治三十四年に戦争財源というかっこうで、その当時は確かに砂糖がぜいたく品だったろう、こういう立場で消費税がかけられてきた。そのままずうっと今日まで続いてきているわけです。しかも、そのことによって精製糖が他の諸外国と比較をして高いという話は、私はこれは政府自体が何とかしなきゃならぬ課題だろうと思うんです。そうしますと、この消費税、現在の消費税というのはきわめて矛盾の多いままに来ているわけでありますから、これを一日も早く撤廃をするという課題は、私は農林水産大臣としてもきわめて責任が重いと思う。その辺は、大臣、いかがお考えでしょうか。
○国務大臣(田澤吉郎君) 砂糖の消費税につきましては、これまでも農林水産省としては財政当局に撤廃を極力お願いをしてまいっているわけでございますが、財政当局として、財政再建の現状からして、なかなかこれを了承していただけないというのが、率直に申し上げて、そういう現状でございます。したがいまして、私といたしましては、これからも引き続きこの消費税の減額あるいは撤廃等について積極的に財政当局に主張してまいりたい、お願いをしてまいりたい、こう考えております。
○坂倉藤吾君 お考えになっている流れ方は基本的に変わらないと思うんですが、私は、いま説明を質問の中でしましたように、砂糖消費税が今日の時代の中であること自体が問題だと思う。したがって、これは減額なんというようなことはあり得ないんです。減額ということは、その矛盾を認めて、抵抗を少なくしていこうという考え方でありまして、私はその消費税があること自体が問題だと思う。こういう認識であります。ぜひ撤廃に向けて政治生命をかけてもらいたい、こう思います。まして国民の立場から眺めてみましたときに、国の財政がえらいから、年間五百億あるわけですから、この五百億が財政上きわめてプラスになるんで、矛盾はあるけれども置いておきますというのは理屈に合いませんよ。これは政治家のすることじゃない。財政当局がどう言おうとも、私はそこに問題があるわけでありまして、ぜひこれは検討いただきたいと思います。 きょう、時間があれば大蔵省からも来ていただいてこのことの論議をしたいと思っておったんですが、余り審議の時間がないわけですからこの程度でとどめますが、ぜひひとつ大臣、いま私の申し上げました方向で、意見の食い違いかなければ、そのお約束をもう一遍いただきたいと思うんです。
○国務大臣(田澤吉郎君) 先ほど申し上げましたように、極力この点については撤廃するように努力をしてまいりたいと考えます。
○坂倉藤吾君 次に、甘味資源農家の経営の安定、それから精製糖、異性化糖の各業界の健全育成、これを図っていかなければならぬわけですが、これを図るためには適切な需給の関係というものを維持をしていかなければならない。冒頭申し上げましたような甘味を取り巻くような状況でありますから、非常に構造上幾つかの変化が起こっている。この変化を含めまして、長期的な需給関係というものは見通しを立てなければならぬし、さらにまた短期的にも的確にそれを抑えていかなければならぬということが私は任務であろうというふうに思うんです。 そうしますと、今回の糖安法の中で、精製糖の分野、異性化糖の分野あるいはまた国産糖の分野、言うならばこの三本の根っこができたわけです。少なくともこの三分野について、数量あるいは価格、これを含めた需給見通し、これが的確でなければならぬということになるわけであります。そういう意味合いで、これは供給者あるいは消費者、さらにはまた行政を含めまして、三者構成という言い方が適当であるかどうかは御検討いただきたいと思うんですが、少なくとも供給者、消費者あるいは行政、これが参加をする、需給に関して相談をする協議会的なもの、これをぜひ設置をする必要がある、こういうふうに判断をするわけであります。売り戻し特例法が、法下の段階では需給協議会がありまして、これは本日で切れるわけであります。したがって、その需給協議会というものについて、いままでやってきた歴史もありますが、さらにこの特例法が切れた段階に向かって、この糖安法の改正の趣旨に従うように広範な立場でそういう制度をつくる必要があるというふうに思うんですが、この辺はいかがでしょうか。
○政府委員(渡邊文雄君) 御指摘のように、五十三年の二月から動き出しました特例法下におきましては、その運用のために需給協議会というものを設けまして、四半期別の輸入糖あるいは国産糖の出回り量等、さらにごく最近からは異性化糖の出回り量等も加味しながら、四半期ごとの需給の数字を関係者で議論をし、その結果に基づいて運用をしてきたわけでございます。特に特例法下におきましては、御案内のように、各企業別に定められました一定数量以上は実際上輸入できないような仕組みになっておったために、一定数量を決めるという意味で非常に厳格——厳格といいますか、強い意味での必要性があったわけでございますが、今回お願いをしております改正案につきましてはそれほど強い意味での需給調整というものを直接意図しておるわけではございません。そういう意味で、全く特例法下におけるような意味での需給協議会と同じようなものを設ける必要があるかどうかということにつきましては若干議論——議論といいますか、私自身もまだいまの段階ではやや迷っている点もございます。しかし、御案内のように、別な意味で今回から異性化糖を糖安法の対象にお願いをしておるということ、あるいは最近における国産糖の自給力の向上等の傾向等もございますわけでございますので、そういう意味で、総合的な観点から全体の需給見通しというようなものを関係者相寄って議論をし、お互いに理解を深めながら運営していくということの必要性も、御指摘の点は私わからないわけではございませんので、できればそういった方向も、御指摘の方向も加味しながら、具体的にどういう形で運営していくということを現在真剣に考えているところでございます。
○坂倉藤吾君 私は前の特例法制定の際にも申し上げましたが、残念ながら精製糖工業界等の体質を見ていきますと、大変それぞれの企業間の競争意識というのはきわめて激しいわけですね。そういうような状況の中で、たとえばカルテル形成等についても、二回行って、その期間中はまあ若干安定したけれども、それが切れると直ちに戦国時代になると、こういう歴史的経過を繰り返してきているわけですね。今日眺めてみましても、正直言ってその体質が私はますます強化をされたような感じがいたしまして、私どもが期待をしておったような条件になっていないというのが現実であります。そうなりますと、先ほども申し上げましたように、これからの甘味政策を行っていくに当たって、きわめて早く対応して方針を提起をしていかないと問題が多くなる、こういう気がするわけですね。 そこで、現に本日で特例法が切れてしまう、切れてしまって、この糖安法でこの改正の点が一体どういうふうに施行をされていくのかというところ等を眺めていきますと、その空白が仮に起こった場合に、一体各企業というのはどういう争いを展開するんだろうかということが実はそら恐ろしいような気がするわけであります。ここについての抑えが私は担当行政としてきっちりできるんなら、これはまあそう問題はないと。そこのところの自信が私どもから眺めておってきわめて心配だということが一つ。 それから、具体的にこの四−六・四半期の問題につきまして、需給協議会が発動されてないわけですからね、現実には四−六は。そうなってまいりますと、この四−六の関係はどういうふうに具体的に対応しようとしているのか。この空白の問題等については農水省としてはどうするのか、ここのところを聞いておきませんと安心ができない、こういうことになるんですが。
○政府委員(渡邊文雄君) 私自身がじかに経験したことでございますが、特例法をつくりましたときもいわゆる駆け込み輸入というのがかなりございまして、せっかく特例法をつくっていただきながら当初二、三カ月はその効果が全然発揮できなかったという苦い経験を私自身持っております。それから当時におきましても、せっかくそういうことで法律ができるんであるからということで、役所は役所なりの努力をしたわけなんでございますが、なかなかそれが浸透しなかったという事実もございます。 今回も二つ問題があろうかと思いますが、一つは、法の施行までの期間についての御指摘だろうと思いますし、それからあるいは異性化糖につきましては半年ばかり準備期間が要るということで、施行期日がずれていると、その期間どうするんだということにつきましての御心配だろうと思いますが、私自身もその点大変心配をしておりまして、業界には折々そういうようなことがないようにということを強く申しておるつもりではございますが、なかなかこれを完全にそういったことが起きないようにするということは至難のわざではないかというふうに思っております。しかし、先生の御指摘もございますし、さらに一層そういうことが起こらないように関係業界への指導は徹底をするように努力をしたいと思っております。
○坂倉藤吾君 そういう意味では、きちっと法律的に抑えられないという立場ですから、行政指導を強化する以外になかろう、こういうふうに思うんですが、ぜひきちっとしてもらいたいと思うんですね。 そこで、軌道に乗った場合、具体的にはやはり事業団に対する売り戻し数量の関係は、これはやはり従来を踏襲されていくわけですね。その場合に、特定企業の中で、この売り戻しあるいはまた移出の数量ですね、この数量に仮にその企業で期間中に満たなかった場合、言うならば供給責任が果たせなかった場合ですね、この場合は一体次年度の売り渡し数量なりあるいは移出の数量なりというものはどういうふうに計算をされていくことになるのか、この辺のお考えはいかがですか。
○政府委員(渡邊文雄君) 今回の改正案でお願いをいたしておりまする各企業ごとに定める一定数量と申しますのは、法律の仕組みといたしましては、一定数量までは通常の調整金をお願いをし、その数量を超える部分につきましては、いわゆる市価参酌用の財源に充てる調整金をプラスしてお願いをするという仕組みをお願いしておるわけでございますが、その農林水産大臣が通知をする、あるいは定める数量と申しますのは、もう御承知のように、指定糖の輸入申告者あるいは異性化糖の製造業者ごとに通常年におきます売り戻し数量等を基礎として大臣が定めるということにいたしておるわけでございます。 この場合の数量は、具体的には、過去の一定の期間の中で、国際糖価が大暴騰したとか、あるいは価格に異常な動きがあったというような異常と思われるような年を除いたいわゆる通常年というものの数字を基礎として考えていきたいというふうに思っておるわけでございますが、御指摘のように、その決められました数字がある年で、何と申しますか、消化し切れなかったという企業が出てきたような場合に、それの理由が、たとえば災害とか工場が火災に遭ったとかいうような場合、まあ合理的な理由と言っていいか悪いかあれでございますが、そういうリーズナブルな理由があって、そういった当該企業の数量が減少したような場合には、次年度での数量の取り扱いにつきましては、現在の段階で私どもその分を、十分何といいますか、減った形で処理をしてしまうということではなくて、減少させるということはしない方向で処理をしていきたいというふうに考えておるわけであります。 ただ、供給義務責任というお言葉がございましたけれども、特例法のときには、先ほども申しましたように、一定数量以上は事実上使うことができなかったという意味で、逆に言いますと、各メーカではそれなりの供給責任的なものが社会的に要求されただろうとは思いますが、今回はそうではなくて、一定数量を超えた者も、市価参酌用の財源さえ納めていただければ操業は可能であるという点がございますので、ニュアンスの差は若干あろうかとは思います。
○坂倉藤吾君 余り追及をしたくない部分なんですがね、その市価参酌の調整金というものが低ければ、そのことを承知の上で、これは利益の問題ですから、どんどんふくれるということになりますね。ここの調整金の設定というのは、政治的にも価格安定上もきわめて大きな課題になると思うわけです。この辺のところはきちっと抑えられておると、こういうふうに思うんですが、この辺は大臣よく御理解をいただいておるところでしょうかどうでしょうか、ちょっと心配なんですが。
○政府委員(渡邊文雄君) 法律案にもございますように、市価参酌用の調整金を私どもお願いをしております背景にございますのは、最近の砂糖をめぐります情勢の変化を背景に、現在の糖価安定制度上二つの問題が生じてきたと、一つは、いろいろな事情で輸入糖が激減をしてきたということになりますと、従来輸入糖にお願いをしておりました国産糖の不足払いの財源の一部を御負担願うという姿が、輸入糖が激減をしてまいりますと、大変な過重な負担になってくる。一方国産糖の自給力の向上も図られますと、それが倍加されてくるということがございますので、その点につきましては異性化糖に御協力をいただくという形で処理をいたしたい。 それからもう一つは、従来もあったわけでございますが、国産糖の売り戻し価格を定めます場合に、私ども形成糖価と言っておりますが、いわゆる砂糖の平均的なコスト価格と現実の市価との間に時たま乖離が生じまして、それで形成糖価で国産糖を売り戻しをいたしますと、市価との乖離部分が国産糖業者の持ち込みになる、それは円満な国産糖の育成に支障を来すということで、その間の七割部分を市価参酌という形で補てんをしておるわけでございますが、今回特例法が切れますと、特例法のような形での強い需給調整措置がなかなかできないということになりますと、そのおそれがさらに強まるということもございますので、今後は一定数量を超える部分につきましては市価参酌の部分の財源の御負担をお願いするという発想に立ち至ったわけであります。そこで、当然のことながら市価参酌の数字は、供給数量の増というものが砂糖の市価に及ぼす影響の程度というものを勘案して決めるというのが理の当然だろうと思いますし、そういう意味での法案をお願いしておるわけでございますが、過去のかなり長期にわたります期間の各種のデータを現在駆使して詳細な計算をやっておる最中でございます。いずれにしましても、そういった結果出てきました適正なものとしての市価参酌用の調整金をお願いするということで、現在具体的な数字につきましては鋭意検討をしておる段階でございます。
○坂倉藤吾君 もう一つ聞いておきたいんですが、いまの説明にありましたように、売り戻し特例法下のような形でのいわゆる数量規制というかっこうは弱くなる。そうなってまいりますと、現実に価格安定を含めた政策の中で特に問題になりますのは、実質的にはやはり売り戻し数量あるいは移出の数量というのがはじき出されてきておるわけでありますから、そうすると、そのはじき出された数量について、いまの構想からいけば従来どおりひとつ四半期区切りぐらいでそれは行われるだろう、こう思うわけですが、その間に、たとえば示された数量が具体的に消化できないということで、従来もとられたケースがたくさんあるわけですが、他の工場、他の企業にその不足する部分を委託をする場合がありますね。その委託をする場合には二つのケースがありまして、製品だけつくってもらって、自社のブランドマーク、企業名、これで製品をつくって戻してもらって、それを販売ルートに乗せるやり方、それから委託したものはもうそのまま委託先のブランドマークあるいは社名でもって扱ってもらうやり方、この二つのケースが出てくると思いますが、そういう形でやった場合に、その企業に対するところの売り戻し数量の示し方、あるいは移出数量の示し方、こういう問題はどういうふうにいま考えられておりますかね。
○政府委員(渡邊文雄君) 特例法下におきましても生じたいわゆる委託生産の扱いの問題ではなかろうかと存じますが、一般的に言いまして、災害とか事故とか、あるいは契約した輸入糖の入船が遅延したというような場合に、自社の工場が一定期間操業ができない、あるいは遠隔地間の輸送コストの合理化をお互いに図るというような意味で委託し合うというような場合もあろうかと思いますが、そういった場合には、私ども委託生産と考えておりますのは、最終製品は自分のマークといいますか、自社のマークで販売をすると、そういうものを委託生産と考えております。したがいまして先生御指摘の、後者のように、何といいますか、実質的に原糖を売ってしまったような形での、逆に言いますと受託者が受託者のマークで売るようなもの、これは私、委託生産という範疇には入らないものではないかというふうに考えております。
○坂倉藤吾君 ところで、この改正法律はいつ施行されることになりますか。
○政府委員(渡邊文雄君) 現在、従来の糖安制度の基本的な考え方を維持しながら、最近の情勢に応じた改正をお願いしておるわけでございますが、法の公布、施行の時期でございますが、いわゆる異性化糖に関する部分につきましては今年の十月一日ということで、新しい砂糖年度からお願いをしたいと思っております。それは、異性化糖から新しく調整金をお願いする場合のいろいろな準備、その他の期間がかかるわけでございますので、その点は御了承いただけると思います。 それから砂糖に係る部分につきましては、一カ月以内で政令で定める日から、ということにいたしておりますが、現在政令案その他を鋭意関係方面と詰めておる段階でございまして、私どもとしましては一日も早くこれが施行に付きせるよう、最大限の努力をいたしたいと思いますが、あとしばらく時間をちょうだいいたしたいと思っております。
○坂倉藤吾君 そうしますと、まあ異性化糖は新たな分野でありますから十月一日、これはまあやむを得ない。精製糖の場合は、現に四−六期始まることになるわけですね、あすからね。そうすると、その間はまあ先ほどもありましたようにこれはまあ明確でないわけでありますから、そうしますと、この四−六期関係は従来の慣行からいって出てきたときに空白期間中のものというものはどういう形で整理をされることになるんでしょうか。
○政府委員(渡邊文雄君) 異性化糖はまあそういうことで、あと半年後に相なるわけでございますが、輸入糖につきましては十日あるいは二週間程度のいわゆる空白期間といいますか、特例法も改正法案も動かない状態が起こり得るだろうと思います。で、先ほども申しましたように、いわゆる駆け込み的なことが行われて市場が混乱する、あるいはせっかくの改正法案がなかなか、しばらくの間機能を十分に果たさないということは、まあ特例法のときに苦い経験を私持っておるわけでございまして、その経験を踏まえて業界の指導にはできるだけの努力はいたしたいと思いますが、完全にそれが防ぎ切れるということもなかなか現実問題としてはむずかしかろうと思っております。要は、一日も早く施行できるように努力する一方、関係業界につきましてはそういったことでよけいな問題は起こさないように指導いたしたいというふうに考えておるわけでございます。 それから、まあ四半期単位で物事を考えていくというときに、先生御指摘は恐らく一週間、十日すれた場合に、四−六期のその空白期間のものをある時期のものとしてとらえてさかのぼって適用するといいますか、そういったことはどうかという御指摘ではないかと思いますが、法律が施行されていない期間のものをさかのぼって云々するというのは、なかなか法律の運用としてはいたしがたいことではないかと、適当ではないというふうに考えておるわけでございます。そういった場合には日割りになりますか、どういうことになりますか、細かいことはあれでございますが、四半期の中をさらに小分けしたような形での処理をいたしたい。逆にいいますと、その空白期間に妙な——妙なといいますか、かつて経験したようなことが起こらないように業界には強く指導したいと思ってるわけです。それから、同じような心配を業界からも申してくる方がおられるわけでありますが、まあそれに頼るということではもちろんございませんが、一つは、異性化糖について言えば、輸入の原料に調整金をお願いするという形ではございませんでして、蔵出しの製品にお願いするということでございます。そうしますと、異性化糖の現在の技術水準でございますと、製品はやはりまあ十日とか二週間とか程度の日もちの関係で、そうむちゃなことは物理的に行われないだろうということは業界の方もおっしゃっております。それから輸入糖の方につきましては、まあこれも思惑がいろいろ働くだろうとは思いますが、現在の円安傾向とか国際糖価が下りぎみであるということからいきまして、余り先物を手当てし過ぎて為替の差損あるいは国際糖価の変動に基づく損のおそれもあるものでございますから、そこら辺は業界自体も商売の問題として自重せざるを得ないという要素も若干あるようでございます。しかし、いずれにしましても、先生の御指摘私よく念頭に置きましてできるだけの努力はいたしたいというふうに考えております。
○坂倉藤吾君 ざっくばらんに言いまして、たとえばこれは空白期間がありまして、後、施行後具体的にこの法律で動くと、こうなりますね。空白期間中のものは法律的にこれは適用されないわけだから、そこも含めて逆算をして考えるということはできないと、こうなりますね。そうしますと、空白期間中にフル生産をやった、後、施行後ぼちぼちやったと、仮にこうなりますと、ぼちぼちやった場合はぼちぼちやったのが実績になりますよと、こう見ていいわけですな。
○政府委員(渡邊文雄君) 四半期単位に決めますいわゆる農林水産大臣が定める数量と申しますものは通常年の数量ということで、これからの四半期だけの問題を来期の実績にするというふうにいまの段階ではストレートに結びつけては考えておらないわけでございますので、その点は御理解を賜りたいと思います。
○坂倉藤吾君 それ以上は追及しないでおきましょう。 次に、農政審の長期見通しがあるわけですが、これは五十五年十月末のやつですね。これに砂糖も含めてあるわけですが、これはたとえば砂糖の需要、国内産糖百二万トン、輸入糖二百十九万トン、それから国内産糖のいわゆる自給率三二%、こういう形が示されておるわけですね。これは異性化糖の関係は一体どういうふうになるんでしょうか。
○政府委員(渡邊文雄君) 率直に申しまして、六十五年度の見通しを一昨年に決めました段階におきましては、これは結果論でございますが、輸入糖、御指摘のように二百十九万トン、あるいは砂糖の需要量自体が三百二十万トンということを見込んでおったわけでありまして、現時点におきまして砂糖自体の輸入量は二百万トンをはるかに下回る姿になっておりますし、それから砂糖全体の需要量も三百万トンを下回る姿になっておるわけでございまして、結果的に砂糖の見通しを先般定めました際に異性化糖のことを十分考慮していなかったという御指摘につきましては私ども認めざるを得ないと思っております。
○坂倉藤吾君 そうすると、機会を見て、先ほどの質問にも関連をいたしますが、三分野の需給長期見通し、こうしたものを早い機会にひとつ整理をしてもらいたいということだけきょうは申し上げておきたいと思います。 それから次に、異性化糖の企業数と工場数、それから日産能力、年間生産能力、これは操業日数を含めてですが、この辺の数字をちょっと教えてもらいたいと思います。
○政府委員(渡邊文雄君) まず、異性化糖の企業でございますが、現在十六社十七工場となっております。それから製造能力でございますが、これはもう御案内のように、ブドウ糖、水あめなどの製造との競合、あるいは使用いたします酵素の私ども力価と言っておりますが、その酵素のそういった能力、使用方法等、それぞれ各社ごとに少しずつ違うという点がございますので、精製糖の精糖能力というのはそれほどきちんと数字の上で把握することはなかなかむずかしいわけでございますが、一応一般的といいますか、昨年の需要の最盛期の状況等から私ども判断をいたしますと、日産能力は固形換算で約二千トン程度というふうに押さえております。 それから異性化糖は需要期、不需要期の差が非常に大きいわけでございます。各メーカーとも最盛期の需要に合わせて施設がつくられておるわけでございまして、たとえば六月、七月、八月ごろは稼働率は九〇%から一〇〇%ぐらいになりますが、時期によりましては五割前後に落ちるというようなこともございますので、なかなか稼働日数からして、何といいますか、稼働率というのはなかなか言いにくい面がございますが、一応年末年始のボイラーの検査等除いた年間の稼働日数というものを三百三十日として仮に計算をいたしますと、製造能力は乾物換算で六十六万トン程度というふうに私ども考えておるわけであります。
○坂倉藤吾君 いろいろとその辺を整理をしなきゃならぬところがあるんですが、異性化糖企業ですね、これは糖化工業会、ここが具体的に今回の糖安法に加わってきたメリット、これはその一つは過当競争を排除するということが一番大きな私は点じゃないのかと、あえて調整金、いままでなかったものを今日までも国産糖の抱き合わせをやって苦労をされてきているわけでありまして、そこへまたさらに調整金、こういう課題を吹っかけられて、なおかつ国の政策に従って総合甘味という課題に乗っかっていただいたわけでありましてね、そういう意味からいきますと、乗っかっていただいた今日の業界の考え方というのは明らかにこの過当競争をどう排除をしていくのかということがやっぱり明確になるということが一番の大きな私はメリットだろう、こう考えるわけであります。したがって、いままでずっと討論してまいりました課題自体が私はそういう意味合いを含めて、基本に置きながら論議をしてきておるわけですが、この過当競争防止策というものは具体的にこれから通してきちっと据えていかれるのかどうか。きょうのところ具体的に伺えませんが、そこの基本的な物の考え方をひとつきちっと出していただいて、午前中の質問を終わりたいと思います。
○政府委員(渡邊文雄君) いわゆる異性化糖産業と申しますのは、先生十分御承知のように、砂糖と同じようにいまや一つの装置産業になっております。それからその製品の品質でございますが、果糖の含有率の差によって固有商品名はいろいろございますが、品質的に見ますとメーカーによる差異というのは余りないようでございますし、一方異性化糖の需要というのは清涼飲料向けが相当部分であるということもございまして、季節的に需要が大幅に動くというようなこともありまして、他の産業に比べますとやや過当競争に陥りやすい本来的な体質を持っているというふうに私ども見ておるわけでございます。この異性化糖業界が安定的といいますか、安定的に発展していくということは、お願いをしております改正糖安法の円滑な運営のためにも、また北海道、南九州のバレイショ、ないしカンショ作のイモ作農家の経営の安定にもこれは非常に重要であるということを私ども十分理解をしているつもりでございます。今回御協力をいただきまして糖価安定制度の対象にお願いをしているわけでございますが、異性化糖の経営者の中にも自分たちのそういった経営体質というものを踏まえて、私どもは直接的には需給調整措置とは考えておるわけではございませんが、一定数量を超えるいわゆる市価参酌用調整金の徴収の運用に当たってはそういった点を十分配慮してくれないかというお申し出があることも事実でございます。 制度のたてまえはいま申しましたようなことではございますが、そういった業界が御希望を持っているということも踏まえまして、法の運営には適切を期して、業界の適正な発展が図られるように努めてまいりたいというふうに考えております。
○委員長(坂元親男君) 本案に対する午前の質疑はこの程度とし、午後一時まで休憩いたします。 正午休憩 —————・————— 午後一時三分開会
○委員長(坂元親男君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、砂糖の価格安定等に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○坂倉藤吾君 まず、異性化糖の工場なんですが、現在工場の所在する地域というのはよく把握をされておると思うんですが、各地に分散をしていることになりますね。したがいまして、今度の糖安法の中に組み入れてチェックをすることになるわけですが、いわゆる移出のチェックをしていくのに、これは各地分散という課題があって大変困難だろうというふうに思うわけです。現実チェックですね。それに対応するのに、たとえば事業団、ここの出張所というのは増設をして対応しようとするような考え方があるのかどうか。これは精製糖の場合は大体港に出張所が設けられてチェックをしている、こういうことになるんですが、それらの関連はどういうふうにお考えになっていますか。
○政府委員(渡邊文雄君) 今回お願いしております糖安法の改正に伴いまして、蚕糸砂糖類事業団に新しく異性化糖の買い入れと売り戻しの業務をお願いすることになるわけでありますが、御指摘のように、異性化糖メーカーの工場の立地条件によりましては、従来の輸入糖の売買業務にさらに異性化糖の売買業務が付加されるということで若干仕事がふえることは御指摘のとおりであります。現在詳細にどういう具体的な実務でこれを処理するかということは、十月の施行日までに適正な事務の執行の仕組みを考えるべく検討中でございますが、御案内のように、事業団の事務所、出張所は現在のところ約十数カ所ございます。そこにそれぞれ職員が配置されておるわけでございますが、異性化糖工場と精製糖工場との配置が必ずしも一致しておりませんので、たとえば九州地区のような場合に、鹿児島に二社ございます、異性化糖メーカーが。それの業務はたとえば福岡が行うのか、あるいは宮崎の出張所が行うのかというようなことがいろいろあろうかと思いますが、さらに売買の実務も一々工場に出向いてチェックをするということではなくて、何か包括的な契約を結んでおきまして、定期的にチェックに行く、あとは書類審査で処理をしていくという形で、事後チェックにするという仕組みをとるのか、事業団の実際の人員配置との関係もございますし、かといって、現在の行政改革につきましての国民的な世論もございます中でもございますので、当面のところは現在の執行体制、事務所体制で何とかこの事務を処理していきたいというふうに考えておるわけであります。
○坂倉藤吾君 現実に十月一日になれば予定として仕事をしなきゃならぬ、こういうことになるわけでありまして、この事業団の職員定数その他から言っても、相当具体的に増員を図っていかなければならぬ、こういう課題に立ち至ることは目に見えでいるわけですね。ただ、その場合に予算とのかかわりで年度途中でありますから、この辺をきちっと配慮をしておかないと、計画はできたが実効を伴わない。その間すべて職員に大きな課題が出てくるという関係や、それからさらにこれから初めてのケースでありまして、最初が肝心だと思うんですね。そういう意味から言って、この移出チェックの問題に粗漏を来したりというようなことになったのでは、私は困ると思うんです。そういう意味で、いまの局長の答弁というのは事情から言ってわからぬではありませんが、予算、これは委嘱をされてわれわれあす審査をすることになりますが、具体的にはそれらの課題が検討課題としてものってない、予測もされてない、こういうことになるわけでして、正直言ってその意味での不安が隠し切れないんですね。 これは大臣、そういう意味合いで具体的にこれから検討に入るわけですから、結論がどうなるかはわかりませんが、それらに対応できる体制については、これは財政当局とも十分にその辺の含みも持たしてもらわなきゃならぬと思いますが、この辺の判断はいかがなものでしょうか。
○国務大臣(田澤吉郎君) 先ほど来の議論の中で出てまいりますように、甘味をめぐる情勢というのは、非常に大変な状況にございます。したがいまして、いままでのメカニズムが大きく変化している状況でございますので、これまでの状況をずっと推移を見ながら、やはりいま御指摘のような点は十分注意をしながら進めてまいりたいと、かように考えています。
○坂倉藤吾君 いまの答弁は財政裏づけも含めて遺漏のないようにすると、こういう意味合いに受けとめていいわけですね。——異論がないようでありますから、次へ進んでいきます。 次に、精糖業界の体質改善の問題については前々から、たびたび私自身も指摘をしてきたところであります。この体質改善というのはどういうふうに進んでおるんでしょうか。いま私の手元に、五十五年の五月の、精糖工業会が提起をしております「精糖業界の構造改善についての問題の所在と経緯」という文書があるわけでございます。 これ以後今日まで、さらにこれに類するいわゆる報告、あるいはまた改善の意見、こうしたものが出されてきておるのかいないのか、その辺も含めて体質改善についての進行状況をひとつ報告してもらいたいと思います。
○政府委員(渡邊文雄君) その前に、具体的なその後の実施状況を御報告いたします前に、私どもの方の基本的な考え方について御説明を申し上げまして御理解をいただきたいと思いますが、私ども精製糖企業というものをながめてみました場合に、やっぱり幾つかの特色があるんではないかと思います。一つは、各社でつくっておられます砂糖というものが会社別の商品特性がなかなかない。いずれも砂糖、白い砂糖ということであります。それからもう一つは、精製糖企業の多くが砂糖というものだけをつくっている単品産業であるということも指摘できるんではないかと思います。それから、まあ言わずもがなのことでございますが、すべてがそれら装置産業であるというようなことで、そういった三つの特色があるんではないかと私は思っておるわけでありますが、そういったことから本来競争、過当競争に陥りやすい体質がある。それに加えて需要の大きな変化が伴うわけでありますので、よりその体質がアクセレレートされるということはあろうかと思います。 そこで、これはなかなか現実的な問題となりますとむずかしいことだろうとは思いますが、私どもはこれまでもできるだけ、砂糖単品の生産ではなくて、経営の多角化を図って企業の存続を図るように努めていただいた方がいいんではないかという点と、それから、そういった競争に陥りやすい物理的な体質もあるわけでありますので、できるだけ業界全体が、競争の中にも協調を保って、需要に見合った供給ができるような、業界内部の協調というものができるような、そういう体質にすべきではないかということを申し上げてきておったわけであります。しかし、御案内のように、なかなか思うに任せない面がいろいろあるわけであります。 従来の経過を若干申し上げますと、五十三年の二月に特例法が施行をされました当時は大変な、膨大な、日豪砂糖協定に基づく赤字を持っておったわけでありますが、特例法のおかげでその後数年間砂糖の需給がおおむね適正に推移し、国内糖価もほぼ適正な水準で形成された。さらに企業も、労使相協力をしていただきまして、不稼働資産の処分とか、あるいはその他の経営の体質の改善にお努めいただいたというようなことがございまして、これは上場十一社についての数字でございますが、五十二年の九月期に九百数十億円の繰越欠損がございましたものが、昨年の九月期では二百億強までにどうやら減らすことには相なったわけであります。 その間の各企業の御努力に対してましては大変なものがあったんだろうと私も拝察をしておるわけであります。しかし、それだけ赤字が減ったからいいということではなくて、やはり需要に見合った生産を行うために、その設備につきまして適正な規模にすべきではないかということで、いま御指摘の五十五年の五月に、精糖工業会におきましては一つのプランを立てまして、役所の方にも申し出があり、その実行に入られたわけであります。その後、そのときの全体の計画といたしましては、現時点におきますと全体の需要量の見込みについて問題がなかったわけではないわけでありますが、いずれにしましても日産約三千トン弱の過剰設備という認識のもとにそれを整理をいたしたいということでやっておったわけでありますが、現在までのところ私どもが報告を受けておりますのは、加盟二十二社中九社におきまして合計約千トン、日産能力約千トンにつきましての設備の整理といいますか、削減整理、封印等が行われたというふうに承知をいたしております。 しかし、先ほど申しましたように全体の需要見通しが大変異性化糖のその後の急増等によりまして狂ってきたということがあるわけでありまして、この姿でよろしいというふうな認識で私どもいるわけではありませんでして、さらに全体の需給の動向を見ながら、業界が自主的にさらに熱意を持ってこの問題に取り組んでいただきたいというふうに期待をいたしておるわけであります。
○坂倉藤吾君 幾つか細かくこの体質改善の問題については聞かなければいかぬのですが、要約をしまして、いまいろいろと述べられましたが、現実問題としては、私非常に残念に思いますのは、いま局長の答弁の中にも、労使それぞれ大変な苦労をしたということはありますがね、むしろこれは労働組合関係の協力がなかったらでき得ないことなんですよね。 しかも、先ほど具体的に出されましたように、累積赤字が九百四十億からあったのがようやく二百億近くに減らすことができた。減らすことができたんですが、その減らしてきた実際の犠牲というのは一体どこにしわ寄せが行っているんだろうかというふうに考えましたときに、まさにそこにその企業に働く労働者に全くまともにかかっておるというのが今日の状況なんですよね。 ところが、この体質改善についての精糖工業会のこの書類を見ましても、労使関係の問題、一言も触れてないんですよ、どこを探しましてもね。私は、ここにきわめて大きな精糖工業会全体の認識の不足というものを指摘をせざるを得ない。 これは前の論議の際にも申し上げましたように、具体的に法律でもってあっちもこっちも手足を縛ってしまうということは、私は今日の状況の中で最悪のやり方だと思っておるんです。少なくともそれらを業界なりあるいは関連をする労働組合なりが今日の状況を判断しつつ、許容範囲の中でそれらが自主的に整理ができる。それが体質改善の一番中心課題じゃないのか。 そうなってまいりますと、精糖工業会が現実の対応をどういうふうにしていきたいということについて、基本はやっぱり対応する労働組合、ここの話し合いを抜きにしまして、そこに対する物の考え方を抜きにして提起をしていることに抜本的に私は骨が欠けていると、こういうふうに指摘をせざるを得ない。 そのことのあらわれを私、次に質問を兼ねながら指摘をしていかざるを得ぬと思うんですが、たとえばいま申し上げております精糖工業会のこの文書の中に、まず年間溶糖能力なんですが、四百二万という基礎数字をはじいていますね。これは粗糖ベースなんですが、四百二万という粗糖ベースというのは、溶糖能力として一体どこを根拠にとらえているんだろうか。これは検討をされたでしょうか。 たとえば、日産能力は当然はじき出される一つの課題だと思うんですね。と同時に、操業日数というのは一体どうなのかというようなことがあると思うんです。この点は農林省として、この四百二万というこの数字についてどう把握をされておるか、ここのところまず第一に聞いておきたいんです。
○政府委員(渡邊文雄君) 五十五年に精糖工業会が出しましたペーパーに四百二万トン粗糖ベースとして載っておりますことは御指摘のとおりでございます。これにつきましては、工業会加盟二十二社の五十四年の四月におきます日産の、一日当たりの溶糖能力を約一万五千、端数が若干ございますが、一万五千余トンと置きまして、それに年間二百六十日稼働ということで乗じまして四百二万トンというふうにいたしておるわけであります。この年間溶糖可能日数二百六十日につきましては、砂糖の需要の動きその他によりまして、各工場によりましてそれぞれ若干ずつ事情は異なるとは思いますが、判断の基準といたしまして各企業、各工場とも需要量あるいは販売面では特別の制約はないということで年末年始、夏休み、それから機械の保全、修理、それから溶糖前後のロス等の操業休止日数等を操業形態別に算定をいたしまして、三百六十五日から百五日を差し引く、三百六十五日からいま申しましたようなものを差し引きますと、百五日を差し引きますと二百六十日になる、その二百六十日を一万五千余トンに掛けまして、年間四百二万トンというふうに算定したというふうに私ども承知をいたしております。
○坂倉藤吾君 そうしますと、この基礎になっているのは、たとえば十年後における消費量との、いわゆる砂糖消費量との差でもってこれが過剰なんだと、こういう置き方になっているわけですよ。そうしますと、たとえばこれから十年間、この五十五年の当時から十年間先行きを見たときに、たとえば労働日数その他からいってこれで妥当なのかどうなのかという検討はどうなってますか。たとえばいま国が挙げて週休二日制というのはこれはもう労働省中心になって全部やろうとしている。いまその進行状況がまだおくれている、特に金融関係でおくれているということで問題は提起をされておりますが、これにしたって目下のところ大いに進めていこうということになっておるわけでしょう。諸官庁はもうすでに入っているんじゃありませんか。そうなってまいりますと、この週休二日制の問題を取り上げていっただけでもいま言われた日数のはじき方なんかきわめて問題だというふうに思います。まして十年先の労働条件、労働者を働かせる一つの条件の問題として果たしてそれでいいんだろうか。私は、そこのところがきちっと抑えられないでいわゆる設備過剰云々をする体質改善の問題というのは、全くこれはもう抜けたお粗末な話じゃないのかというふうに指摘をせざるを得ないんですよね。もうなりますと、大体この基本の稼動日数というのは二百二十八日が大体の数字になるんじゃないかと思います。先ほど言いました二百六十日と二百二十八日じゃ、日産の溶糖能力一万五千トンからいきましても大変な数字になってくる。こういうところにどうも、何といいますか、骨組み自体をきっちりしないで体質改善だというふうにして取り組んでいるというようなことが私は言えると思うんです。これは労働組合の意見を聞きながら話をしておったら当然指摘される問題なんですよ。ところが、労使関係がそういうかっこうで調整がついてないからこういうようなぶざまなかっこうというものが出てくるんじゃないでしょうか。これは監督をする農林省としてもきちっと踏まえてもらわなきや困る、こういうふうに思うんですが、どんなものでしょうか。
○政府委員(渡邊文雄君) 五十五年の工業会のその物の考え方につきましては先生御指摘のような問題点があることは私もうなずけるところであります。 さらにもう一つ問題がありますのは、全体の需要見通しを三百二十数万トンに抑えたということにもまた一つ問題がございますし、それから反面、操業日数を一つの考え方で整理はしたんでありましょうが、二百六十日とされたこと、あとは計算の問題として何割過剰であるとかないとか、その何割過剰であるということにそういう意味で非常に絶対的な意味があるというふうにとらえるということについては、私、確かに問題があろうと思います。 週休二日制の問題等将来の問題ではありますが、そういうことが出てき、各社がそれなりの対応をしてくるということになりますれば御指摘のような計算の結果は当然でありますので、それなりによく理解できるわけであります。しかし、私は、いわゆる精製糖メーカーの体質改善というものは、単に設備が過剰だからこれを云々すればいいという単純な話だというふうには思っておらないわけでありまして、先ほども申しましたように、精製糖企業が持っております本来的な幾つかの特色、それを改善するということがやっぱりベースにございませんと、なかなかこれだけの厳しい食品産業界の中における競争の中で企業として存続していくということには問題があるんではなかろうか、そういうこともあわせてお考えいただくことが必要ではないかというのが私の基本的な考えであるわけであります。
○坂倉藤吾君 それで、細かい点を全部これやっていますと大変問題があるんですがね、たとえば過剰設備を削減をしていくこの見解等につきましても、現在ある一工場の部分的な設備を省略するということは、これは不可能だと思う。だから、設備過剰に対処をするためには工場ごとにやらなきゃならぬ。それから能力の少ない、それから能率のあんまり上がらない、こういうところについては、数社集めて、数工場集めてひとつ考えていくべきじゃないかというような指摘がたくさんあるわけですよね。いずれにしましても、これはそういうふうなかっこうの設備の節減計画だとか、あるいは全体の供給数量にかかわるいわゆる年間労働日数等を含む問題は、これは労働条件の基本の問題なんですよね、労働組合の側から言えば、労働者の側から言えば。そうなってまいりますと、これはそのことをお互いが理解を得る場というのは労使交渉の場なんですよ。前の特例法のときにも申し上げましたように、残念ながら精糖工業会にしましても労働組合全国組織に対応するような対応能力持ってない。したがって、ここのところを行政としては大いに指導をすべきであるという話は私もしましたし、その意味を含めて附帯決議の中でお互いが決議をし合ったわけであります。政府はそれに従って実行をひとつやっていこうというふうにこれは大臣がお答えになっているはずでございます。ところが、聞くところによれば、精糖工業会の方で労働組合に対応する窓口担当だけは決めたけれども、その人間がどれだけ労働組合と真剣に話をしましても、そこでまとまったものがそれぞれ参加をしている各社まで行くと、それは担当が勝手に決めたことだということで全体の合意にならないという体質を持っているわけですね。私はこれはけしからぬ話だと思っているんです。今日、法規制に頼っていわゆる企業の維持改善を一面ではやっておる。ところが片方の側では、それは食い合いですよというような話で、それで自分たちが共同責任を持たない。これはこの体質の一番悪いところじゃないんでしょうか。そうなりますと、私は再び少なくとも全国組織に対応したこの工業会の業界のいわゆる機能というものを兼ね備えた中央労使交渉の対応がとれるような、そういう構え方をぜひ早くつくり上げてもらいたい。しかも、今日この糖安法の中で踏み込まれていきます異性化糖の問題にいたしましても、糖化工業会の方にいたしましても、同じような私は体質を指摘をせざるを得ないと思うんです。これは従来の生い立ちのそれぞれの歴史がありますから大変むずかしいことはわかるんでございます。わかるんですが、今日のこの社会状況から判断をして、それにこたえていくのが当然の業界としての責任である、労働組合としての責任である、こういうことになると思うんですね。ですから、ぜひこの点はそれに対応する機関設定、その場所の設定、これを真剣に、これは精糖工業会も糖化工業会の方も具体的に指導をしてもらいたい、こういうふうに思うんですが、約束していただけますか。
○政府委員(渡邊文雄君) 先般の特例法以降、そういった御指摘を踏まえまして、工業会の中にそういう意味での担当窓口といいますか、そういうものが決められたわけでありますが、これはもう率直に申し上げて御理解いただいた方がよろしいかと思いますが、工業会を構成している各社の経営者自体がその後いろいろな事情で数多くかわっておるということもございますし、経営者自体が自社の経営の再建に大変多忙であるといいますか、というようなこともあるわけでありまして、組織だけはできたけれどもなかなか魂が入らなかったということはあっただろうと思います。それぞれの担当はそれなりの御努力はいただいたものだとは思いますが、不十分であったという御指摘はそういうことではないかと思うわけであります。今後、ただいまの御指摘も踏まえまして、私も私なりに工業会の幹部とその点につきましてよく話し合いをしてみたいというふうに考えております。
○坂倉藤吾君 労働省からも来ていただいておりますので、いま私が申し上げたような点で、私はせっかくここで法改正もしまして、業界の立場も踏まえて維持、安定のできるような、こういうかっこうにしていきたい、そのための今日的な情勢の中で役割りを担う労働組合と、いま申し上げましたような中央段階、業界代表との話し合い、これは前々からの懸案になっておるわけですね。ぜひ労働省の方もそういう意味合いでこの指導方針なりというものを示しながら実効の上がるようにしていただきたい、こういうふうに思うんですが、これは法的に問題がありますか、ないでしょうか。それと同時に、そういう御指導をいただけるかどうか、そこをひとつ明らかにしていただきたい。
○説明員(齋藤邦彦君) ただいまの御指摘でございますけれども、一般的に申し上げましてどの産業を通じても同じことだろうと思いますが、労使の間の意思疎通を十分に図るということは必要不可欠なことだろうと思いますし、また特にいま御議論になっておりますような精製糖業界のように、非常に周囲を取り巻く環境について問題が多いというような業界にあっては、特に労使間の意思疎通といいますか、お互いに協力をして問題を解決していくという態度が必要だろうと、特に要請される業界ではなかろうかというふうに考えるわけでございます。 ただ、具体的にどのような段階であるいはどのような方法でどのようなレベルで労使間の意思疎通を図るかということは、労使当事者がお決めになることが原則だろうと思います。その辺に向けて労使が真剣なお話し合いなりあるいは御努力をなさるということは当然のことだろうと思いますし、またそのような意味でいろいろ労使当事者は御努力をいままでにもしてきたんではないかというふうに思います。ただ、先生が御指摘になりましたように、なかなか労使間の意思疎通が不十分であるというような御指摘もございましたことも踏まえまして、先生の御趣旨を十分に体しまして労使双方いろいろこれからもお話を伺うことにいたしたいと思いますし、それによって労使関係の実態を十分にわれわれとしても常に把握しておくということにいたしたいと思いますし、また労使それぞれに対しましてわれわれとしてできるようなことがあるとすれば御協力をし、またいろいろお話を申し上げるということはやぶさかではないというふうに考えておる次第でございます。
○坂倉藤吾君 特に私どもの耳に入ってきていますのは、精糖工業会は中央で労使協議をしまして一つの結論が出てきても、それを業界全体に周知徹底をするような、またそういう約束をするような約款になってない。したがって、そういう口実で労働組合の意見というものについてきちっと受け入れようとしない。ここが問題なんですね。約款がそうなってないんなら、約款変更してでも今日それに対応すべきであるというところが私はポイントだと思うんであります。ぜひそこを具体的に押さえて指導をしてもらいたいということを申し上げておきたいと思います。 次に、てん菜糖の今日の状況ですが、てん菜糖の工場の操業日数ですね、これは実態はどうなっておりましょうか。
○政府委員(渡邊文雄君) 北海道におきますてん菜糖の生産につきましては、御案内のように近年増産が進んでおります関係上、工場の操業日数と申しますか、私どもこれを裁断日数、原料の裁断日数で押さえておりますが、それは少しずつ高まってきております。百五、六十日であったものが、五十五年産が一番増産されましたときが百七十日をちょっと超えております。今年産が若干減産だったこともございまして、今年産が百六十日ばかりになっております。
○坂倉藤吾君 いま数字が示されましたように、もともと考えておりました数字よりも早く始めて遅くかかる、こういう実態が続いているわけですね。ここは八工場、その八工場の中の勤務状態という立場からいきますとほとんどが二交代勤務になっていますね。三交代やっているのはわずかに二工場で、他は二交代制だと、こういうふうに聞いています。私はこれは現場へ行っていませんので現場で確認しているわけじゃありません、そういうふうにお聞きをしている。そうなりますと、二交代で欠けのない、切れ目のない操業をやっているわけですから、私はそれだけでも大変な労働条件だと、こういうふうに言わざるを得ません。しかもフル期間、週休もほとんど買い上げでやり切るという体制ですから、まさにこれは今日の一般的な労働条件から見て気の遠くなるような悪条件ではないんだろうか、こういうふうに言わざるを得ません。 聞くところによると、労働基準監督署からも勤務改善の勧告が出されたやに聞いておるんですが、この辺はいかがなものでしょうか。
○政府委員(渡邊文雄君) 現在、先生御指摘のようにてん菜糖八工場ございますが、そのうち三交代制は二工場でございまして、他の大工場は二交代制でやっておるわけであります。御指摘の点は五十五年の七月、十二月、五十六年八月にビートの製糖メーカー三社の労務担当が北海道の労働基準局に呼ばれまして、そこで勤務改善の話し合いが行われました際に、五十九年までに三交代制をとること、それから年間の実労働時間を二千時間以内とすること、それから三交代制実施に至るまでの間の勤務状況を基準局に報告すること、それから労使間で時間短縮の話し合いがあったときにはその旨報告するという四点を基準局から言い渡され、各社とも現在その方向で努力しているというふうに承知をいたしております。
○坂倉藤吾君 そうなりますと、てん菜工場そのものについて具体的に相当総体を再検討をしていかなければならぬ課題も含めて私は今日置かれているというふうに思いますね。さらにまた、てん菜糖のいわゆる増産に向かってこれからも私は進めなきゃ目標達成に至らぬわけですから、そういうことになっていくだろうと。したがって、それを完全にこなせるだけの体制、しかもそこでの労働条件というのは近代的な労働条件になるようにという課題を含めてひとつ真剣に取り組んで解決策を見出すようにぜひひとつやってください。あと細かく私言いません。五十九年までということですが、これは早いほどいいわけですから、ぜひその辺も含めて要請をしておきたいというふうに思うんです。 あともう時間ほとんどなくなってきましたから次に移っていきますが——労働省の方はいまのこの勧告したのはお聞きになっていますか、わかっていれば。
○説明員(齋藤邦彦君) まことに恐縮でございますけれども、私の担当でないものですから承知しておらないものですから……。
○坂倉藤吾君 私の方がそのことを言ってなかったものですからね。ただそういう課題でありますから、お聞きのような課題でありますから労働省としてもこの現地の基準監督署が見るに見かねてそういうふうに当事者を呼んで勧告しておるという課題になりますのでぜひひとつ細かく検討を加えていただいて、これは農林省の方とも御相談をいただきながら最善策をとっていただきたいというふうに要望しておきます。 このてん菜の作付の関係でいまもちょっと触れましたが、これからも伸ばしていくということになると思うんです。現地の方はいわゆる長期見通しで決められております七万七千トン、これ以上に作付を保証してもらいたいという要請が強いわけですね。これはこたえていくべく課題であろうと私も思います。同時にそうなりましたときに、いま言いました工場との関係も出てまいりますが、いわゆるこの作付を保証する限りはそれを優先に取り扱うというこの仕組みもきちっと保証していかなければならぬと思います。したがって、そういうところを踏まえつつ前にも提起をいたしましたように、いわゆる粗糖化の問題を私は具体的に早く実行に移せる、こういう問題にしてもらいたいと。ただ現地の方で単に粗糖化と言ったときに、粗糖化をすることについてのまだまだ幾つかの問題が残されておるはずでありますからこれも解決をしなければいかぬと思うんですね。したがって粗糖化を現地の方も相協力をして両者が納得をしてやれるような体制を前提にしてこの粗糖化の問題についてきちっと取り組んでもらいたいという要望を申し上げておきたいんですが、いかがなものでしょうか。
○政府委員(渡邊文雄君) 北海道におきましてビート作が寒地作物として非常に大事な作物であるということは私も十分認識しておりますし、長期計画の見通しでも六十五年度七万七千ヘクタールということに向けて一応順調に伸びてきておることも事実でございます。ただ、短期の問題といたしまして一昨年から昨年の初冬にかけましてございましたような、一つは異性化糖が急増いたしましたことによって従来のビート糖の販売先でありました清涼飲料業界がビート糖を買わなくなった、異性化糖に移ってしまったと、そのためにビート糖の売り先を失ったということに加えてビート糖自身がそのとき大増産された、二重の意味でビートが砂糖の価格全体に悪い影響を与えたということもあるわけであります。したがいまして、当面の私どもの考えといたしましては、そのビート糖が自分の販売力の増加に見合った形で、モダレートな姿で増産されることが一番望ましいので、その点は十分配慮してほしいという現地に対する指導は行っているわけであります。先生の御指摘はむしろそういった問題よりも長期の問題といたしまして、大事なビート作を将来とも増産するとすればビートの粗糖化ということについて検討すべきであるということをちょうど一年前にこの席で先生から強く御指摘をいただいたわけであります。私ども今年からどういった形でそういうことが行われるかということをことしの精糖期から若干ずつ実験、調査の段階に入っております。御案内のように輸送の問題とか、あるいは相当程度のコストの違った形での原料糖をつくらなきゃいけないという技術上の問題とか、あるいはどういう形のものであれば従来の精製糖メーカーの操業のラインに乗せ得るかとか幾つか解決しなければならない技術上の問題がございます。時間はかかるとは思いますが、方向といたしましては私どもその方向を踏まえまして、これもまた関係者の理解と協力がないとなかなか進まないという側面もありますので、そういったことの働きかけも十分行いながら真剣にこの問題は取り組んでいきたいというふうに考えております。
○委員長(坂元親男君) 坂倉君、簡単に願います。
○坂倉藤吾君 時間が来てますから何ですが、大臣ね、午前からずっと引き続いて論議をしてまいりまして最後の方をちょっと急ぎましたので何ですが、大変各分野むずかしいんです。大変むずかしいんです。農林水産省としての本流じゃないんで力の入れ方が少し弱いんじゃないかというふうに懸念をするところもありまして、これは決してそうじゃなくて、重要な国民の基本食糧でございますし、この問題きっちり押さえていきませんといけませんので、ぜひそういう意味合いで予算的な問題、あるいはいまの政策的な問題、ぜひひとつきちっと目をつけていただきまして、この複雑怪奇な仕組みはもちろんの話でありますが、現実にそれぞれに関係する人々の生活も含めましてきちっと取り組んでいただくように最後に要望しておきたいと思います。
○国務大臣(田澤吉郎君) 先ほど来いろいろお話を、この質疑の中ですでに出ておりますように、国民の一般的な砂糖離れ、あるいはまた異性化糖の進出、さらには国内産糖の増産、あるいは輸入糖の減少等これまでのメカニズムが変化したという、こういう中でやはり非常に複雑に錯綜しているこの問題の処理というのは非常にむずかしいと思うんでございますが、いよいよこの改正法が制定をされますというと、この実施に当たってはいわゆる予算の面でも十分な配慮をして糖価安定のために努力をしたい。特に農林水産省としてはやはり国内産糖というものに大きな中心を置いて進めなきゃいかぬものですから、そういう点を十分配慮しながら進めてまいらなきゃいかぬと。同時に糖価の安定というものに十分配慮して進めてまいりたいと思いますので、今後予算措置等をも含めて十分検討してまいりたいと、かように考えているわけでございます。
○中野明君 まず最初に、大臣に御見解をお聞きしたいんですが、わが国の砂糖の値段が世界の主要国の中では最高に高い、こういう点について大臣としてどういう感想を持っておられるのか、またその理由をどうお考えになっておるのか。
○国務大臣(田澤吉郎君) 確かにイギリスあるいはアメリカその他に比較しましても、日本の糖価は非常に高いわけでございますので、これについてはできるだけ私は国際競争力に対応できるやっぱり糖価、砂糖にしていかなければならないということでございます。しかしながら、先ほど来板倉委員にも御答弁申し上げておりますように、甘味の現状というのは非常に複雑でございまして、いまわが国での国内産糖を含めての糖価安定というものは非常に複雑なメカニズムの中で行われておりますだけに、非常にむずかしい問題がはらんでいるわけでございます。しかし、私たちはそういう中でもできるだけ糖価の安定、できたら国際競争力に対応できるような価格にしてまいらなければならないと、かように考えておるのでございます。
○中野明君 やはり高いという理由の中には、いま大臣お答えになりませんでしたが、消費税の問題あるいは輸入糖に対する課徴金の問題等が含まれております。この辺、けさほど来の質疑で大臣も御答弁になっておりましたが、ぜひこれは価格を安くしようという基本的な考えをお持ちになっておるんならば、やはり税金の問題は当然、世界の状況を見ましてもやはり税金を取っているところばかりじゃないようですので、格段の努力をしていただきたいんですが、いま一度、この消費税について御答弁いただきたい。
○国務大臣(田澤吉郎君) 御指摘のようにね、やはり調整金だとかあるいはまた関税、さらに砂糖消費税等がその要因になっていることは御指摘のとおりでございます。したがいまして、いま消費税の問題につきましては先ほどもお答えいたしましたけれども、これまでも砂糖消費税については撤廃を財政当局にお願いをしてまいっているのでございますけれども、なかなかその実現を見ないで今日に至っているわけでございますから、私といたしましても今後さらに消費税の撤廃のために努力をしてまいりたい、かように考えております。
○中野明君 この法の精神からいきましても格段の努力をお願いしたいと思います。 それから、これまた砂糖離れということです。消費の動向を見ましても大変砂糖の需要量が落ち込んでおります。この砂糖離れということについて大臣はどういう理由で砂糖離れになったとお考えになっておりますか、この点も御感想をお聞きしたいです。
○国務大臣(田澤吉郎君) 戦前、戦中は砂糖は私たちは余りとる機会、あるいはとる生活は余りしていなかったのでございますが、戦後高度経済成長以来、やはり砂糖のわれわれが摂取する量というのは非常に多うなってきておりまして、日本の銀座のこじきが糖尿病だなんて言われるほど非常にカロリーがふえている、それが、特に砂糖の摂取量が多いということじゃないかと思うんです。そういう高度経済成長を経ていま私たちは食生活を見直そうという、それが私たちの保健につながるんだという考え方はずいぶん出てきておりまして、私などもいままではこんな腹がずっと出ておったのをいまできるだけ引っ込ましているわけでございますが、やはり砂糖の摂取というのをある程度砂糖でなく他の違った甘味を、他のいわゆる果物だとかあるいは他の異なるもので摂取することが健康上よろしいのじゃないだろうかということが最近言われるようになりまして、糖分そのものは減っていないと、むしろふえていると思いますけれども、砂糖の消費量はむしろ減っているのじゃないだろうかというこの現象が私たちの食生活の中にあると、またそれがこれからますます何か進むような気もするというのが現状じゃないだろうかと思うのでございます。
○中野明君 それから、次の問題なんですが、てん菜糖の生産についてお尋ねいたします。 主に北海道等におきまして、年々生産の効率化によりまして、あるいは作付面積の増加に伴いまして、非常に急ピッチでてん菜の増産が進んでおります。この要因、これを農林省としてはどう受け取っておられますか。
○政府委員(小島和義君) てん菜は、先ほど渡邊局長からお答え申し上げましたように、寒地の畑作物として大変適切な作物でございます。で、以前は非常にこう手間のかかる作物だということでございましたが、近年農林省の積極的な奨励策もございまして、また品種の更新なども影響いたしまして、単収も向上いたしてまいりました。また、機械化が進みましたことによりまして、労働時間もかなり短くなってきております。そういったことが相作用いたしまして、あわせて水田転作という事情もございまして、作付面積、生産量とも大幅に増加してきておる、こういうふうに見ておるわけでございます。
○中野明君 それで今後の、このてん菜糖の生産が急激にふえているわけなんですが、この推移見通しですね、これをどう見ておられますか。それから、他の糖の原料と比較をいたしまして、てん菜糖はどの程度が妥当とお考えになっているのですか。その辺を……。
○政府委員(小島和義君) 砂糖の量として全体でどういうふうに見るかという問題は、食品流通局長からお答え申し上げると存じますが、作物の作付動向として見ますと、御承知のように、六十五年度見通しにかなり接近をしてきておる、こういう状況でございます。で、全体を客観的にながめてみますと、これによりまして北海道の畑作全体が不健全な方向に向かっておるというふうには見ておらぬわけでございますけれども、一部の地域については過作、連作と、こういう問題が出てくるのではないかという心配もあるわけでございますし、また他の畑作物の中でいまよりはもっとつくってもらいたいと、こういう作物もあるわけでございます。一方、先ほどお話が出ておりました砂糖の需給、販売、こういう点から見ますと、てん菜のみがひとり急ピッチに伸びてくるということもいかがかという感じもいたすわけでございます。何と申しましてもこれは輪作物の一環でございますから、健全なる畑作の輪作が確立するように、また長期的な需給という点も踏まえまして、適切な生産が行われますように指導いたしてまいりたいと思っております。
○政府委員(渡邊文雄君) 畑作物でございますてん菜自体の生産につきましては、いま農蚕園芸局長からの御答弁のとおりでございますが、それからできますてん菜糖、製品としてのてん菜糖でございますが、これは七万七千ヘクタール六十五年度ということで置きまして、もし単収を五・ニトン、最近の単収の動向から見まして五・二トンというふうに置きまして計算しますと、全体の生産量が約四百万トンになろうかと思います。その四百万トンに歩どまり——これも年によっていろいろ違いますが、最近の動向等加味もしまして一五・四%程度の歩どまりを一応想定いたしますと、生産量としましては六十一万二千トンという数字が出てまいります。私どもは六十五年度におきまして六十一万二千トンの製品としてのてん菜糖というものの一つの見通しを持っておるわけでございますが、先ほど大臣からの御答弁にございますように、砂糖全体の需給はいろいろ問題ございますが、てん菜糖の生産見通しといたしましては六十万トン前後というものを六十五年ごろに実現するというのが一つの望ましい姿ではないかというふうに考えておるわけであります。
○中野明君 これも議論になっておりましたが、五十五年の閣議決定で、六十五年度目標の「農産物の需要と生産の長期見通し」、これは非常に日本農政のやはり基本になっているものだろうと思います、大臣も所信の中でも非常に強くおっしゃっておりますが。ところがこの長期見通しで、てん菜糖につきましてはただいま御答弁がありましたように、長期の目標水準、六十五年度で七万七千ヘクタール、ところがもうすでに五十六年の現在で、作付面積が七万四千ヘクタール、こうなっております。ほとんど六十五年度目標に近づいているわけなんですが、そうなりますと、これ長期見通しを見直す必要があるのではないか。もちろん、後ほど触れますが、異性化糖の出現等も恐らくこの長期見通しの中には含まれてなかったろう、このように私ども理解しているわけなんですが、この辺、長期見通しの見直し、そして、改めてもう一度お尋ねしたいんですが、どの程度までてん菜を考えておられるのか、この二点お尋ねいたします。
○政府委員(渡邊文雄君) 先生ただいまお触れになりました六十五年度の見通しに際しまして、全体の砂糖の需要量を三百二十万トン程度に見込んでおったわけでありますが、それを見込むときに、異性化糖のその後の急増というものを十分見通してなかったという点についての御指摘は、私そのとおりだろうと思います。しかし、見通しの中は、全体の需要量ももちろんございますが、国産の産糖量をどの程度に見込むかという点につきましては、私ども農蚕園芸局の畑作の指導と相まちながら、六十万トン程度のてん菜糖ができるということは、六十五年度においてもきわめて望ましい姿だというふうに受けとめているわけであります。
○中野明君 大臣、長期見通しは、やはりこれはほかのものも乱そうだろうと思うんですが、お米の消費にしましても全然違ってきておりますし、そういう点について長期見通しというものがやはり日本農政を動かしていく基本になるわけですから、これが余りにも現実と違うということはいかがかと私どもも思います。そういう辺から、日本農政に展望がないと言われる理由もあるやに思いますので、早期にこれは長期見通しというものをいま農政審でも鋭意なさっているんだろうと思うんですが、変更する必要があるんじゃないだろうか、このように思いますし、前回の特例法のときの附帯決議の中にも、やはりこの国内甘味資源作物の長期生産目標、あるいはそれに必要な生産、価格、これを一層整備しろ、こういうことも附帯決議の中で述べております。そういう点から、大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(田澤吉郎君) 先ほど来各局長から答弁さしておりますように、確かに六十五年度までの目標は七万七千ヘクタール、しかし、五十六年でもうすでに七万四千ヘクタールにビートは達しているわけでございまして、これを、ですからただすぐ長期目標を変更してはどうかというお話でございますが、私は北海道の普通畑全体をどう計画的に生産体制を整えるかという問題が一つあろうと思うんです。 それは先ほど来申し上げておりますように、てん菜は輪作の一環でございますので、したがいまして、普通畑がいま北海道では四十万ヘクタールあるわけでございまして、それで輪作可能面積というのは二十七万から二十八万ヘクタールなんでございますよ。その中でてん菜あるいはバレイショ、豆類、小麦、青刈りトウモロコシ等を輪作するわけでございますので、やはりこの構造面をある程度考えていかなければならないと私は思いますね。もちろん水田利用再編対策等の作業もその中に加わってまいりますけれども、全体として輪作作物全体をどういうように進めていくかということがまた残された問題としてあるわけでございますので、今後、この輪作作物全体の伸び率をどういうように把握するか、どういうようにしていくかということによっててん菜の長期見通しというものが出てまいると思いますので、そういう点をいま直ちに見直すというわけにまいらぬ状況じゃないかと思います。しかし、十分私たちとしては、長期見通しについても農政審等の意見を承りながら今後十分検討はしてまいりますものの、現段階ではいま申し上げたような状況でございますので御理解をいただきたいと思うのでございます。
○中野明君 現在、農政審も鋭意審議をなさっている最中だと承知しておりますので、この長期需給の見通し、生産の見通し、これが閣議決定までされる重要な問題ですので、この辺がきちっとしないとやはり日本農政の展望というものが開けてこないし、農家もやる気が起こってこない、こういうことにもなりますので、その辺は十分踏まえて検討をお願いしたいと思います。 それから、先ほど来お話が出ておりますように、砂糖の消費動向が非常に落ち込んでいるこういう現在、政府としては砂糖の国内自給率、これをどの程度にお考えを持っておられるのか。この自給率の内訳としては、異性化糖が急激に伸びてまいりました。この異性化糖を含めて、甘蔗糖、てん菜糖それから異性化糖、それぞれどのような割合に想定をするというんですか、お考えをなさっておるんですか、その辺お考えがあればお聞きしたいです。
○政府委員(渡邊文雄君) 砂糖の一人当たりの消費量がベースとして減っているということがあるわけでありますが、三、四年前の姿を見てみますと、当時におきましては全体としての砂糖の需要量というものは約三百万トン前後あったわけであります。当時におきまして、国内のてん菜糖と南の甘蔗糖と合わせました生産量のいわゆる自給率というのは二五、六%というのが長い間続いておったわけであります。現時点におきましての消費の動向を見ますと、当時二百数十万トンございました輸入糖が二百万トンを大きく割り込むに至っております。一方、当時存在しておりませんでした異性化糖が砂糖見合いの乾物換算で約五十万トン近く出現をしておるわけであります。一方、国産糖の、特にてん菜糖の増産がその間にあったわけでありまして、砂糖だけの姿を見てみますと、現在三十数%の自給率に反射的にはなっておるわけでありますが、異性化糖を含めた場合に異性化糖の生産の原料の相当部分が輸入トウモロコシによっているということを考え、かつ、異性化糖を砂糖と同様にして考えてみるというようなことをしてみますと、マクロで見ますとやはり約二六、七%の自給率が実力といいますか、そういうものではないかというふうに考えているわけであります。ただ、砂糖の輸入がなくなったというような場合を想定した場合の自給率あるいはその力というものを考えでみますと、異性化糖と申しますのは御案内のように砂糖と同様なものでございまして、その原料はでん粉でございます。従来砂糖の世界だけで考えておりましたときには、沖縄と鹿児島の一部でつくるサトウキビと北海道のビート糖しかなかったわけでありますが、国内で芋でん粉を増産しそれを異性化糖につくりかえるということを考えますと、異性化糖を含めました場合の潜在的な自給力というのはかなりなものに評価できるのではないかというふうにも感じております。
○中野明君 これはやはりなかなかむずかしい問題だろうと思うんですが、この自給率の一応やはり目標、これは設定される必要があるんじゃないだろうか、このように私考えております。 それで、今回の法律は、けさほど来の議論でも承知しておりますが、非常にむずかしい状況の中にある現在の砂糖を取り巻く環境の中で、非常に苦心してまとめ上げられたというふうに私どもそれは評価することはやぶさかでございません。しかしながら、ちょっと考えまして、冒頭に触れましたように、日本の砂糖価格が国際的にも非常に高いというこういう観点から考えまして、この法律というのは非常に苦心されて各界協力を得てつくられたことはもう認めるわけですが、何だか消費者だけが不在じゃないだろうか、消費者不在で何とかまとまったんじゃないか、こういう感じもぬぐい切れません。その点冒頭に触れましたように、何とか消費者に対して、この法律の目的でもあります国民生活安定ということもあるわけですから、砂糖価格を少しでも引き下げられるようなそういう方策がなければ、——やはり政策遂行に当たって大事なことは、一般消費者、国民の理解と協力というものがあってすべてがスムーズにいくだろうと、私もこのように思っております。ですから、その点を特に留意をしながら今後この法の運用をしていただきたい、このように要望をしておきます。 それから、てん菜糖に並んで国内の重要な糖源であります甘蔗糖の生産地、これは御案内のように沖縄と鹿児島、これが主体でございます。特に沖縄県におきましては他の産業もそうないところでもありますし、離島も多い。そういうことで県の基幹的な産業になっております。ところが、現実に生産性を上げるということになりますと、なかなか基盤整備といいますか、これが非常におくれているように思いますが、今後この甘蔗糖の生産を上げるというんですか、そういう面で、基盤整備について農林省としてはどういう考えでいま対策を講じておられるのかお答えをいただきたい。
○政府委員(渡邊文雄君) 北海道のビート作と異なりまして、沖縄、鹿児島の南西諸島におきましてサトウキビがつくられておるわけでありますが、北海道と非常に際立って違います点は、広大な畑作面積があるということではなくて、それぞれが小さな島で、その気候条件、土地条件からいきますとサトウキビ以外になかなかいい作物がないという現実があるわけであります。そういったことを踏まえまして、サトウキビの生産の振興につきましては、私ども面積の拡大ということよりも、むしろ単収の向上ということにねらいをつけまして生産指導に励んでおるわけでありますが、特にその場合問題になりますのは、しばしば当委員会でも御指摘ございますように水の問題でございます。そういった意味で、構造改善局で、年々限られた予算の中ではございますが、特に沖縄のサトウキビの生産、そのために不可欠な基盤整備につきましては、水の手当て、圃場の整備あるいは農道の整備等につきましてできるだけの努力をしているところであります。
○中野明君 それじゃ法案の中身になりますが、今回国内産糖、特にてん菜糖の増産と異性化糖の進出、砂糖消費量の減少、こういう状況から輸入粗糖が大幅に減少している、こういう現状でございますが、今回この異性化糖を糖安法の対象として調整金を課せられることになりました。いろいろ異論があったやにも聞いておりますが、その経過と、そしてなぜ今回異性化糖を糖安法の対象として調整金を課するようになったか、その理由を御説明いただきたい。
○政府委員(渡邊文雄君) 異性化糖が特に五十五年の春先以降、果糖分の含有率の高い高果糖、異性化糖として販売されましてから、急激に販売量がふえたわけであります。その結果、輸入糖からつくります甘蔗糖いわゆる砂糖の需要がそれに置きかわったということがございまして、輸入糖の激減に結びついたわけでありますが、その際二つの問題が出てまいります。 一つは、現在の糖価安定法のメカニズムは、御承知のように輸入糖から調整金をいただきまして国産糖のコスト価格と市価との差額のおおむね半分程度を輸入糖の調整金によって不足払いの財源の確保をお願いしておるわけでありますが、一方国産糖がビート糖の増産等によりましてふえてまいります反面、輸入糖が激減をしてまいりますと、輸入糖の単位当たり価格、単位当たりの御負担願う調整金の単価というものが急激にふえてまいります。そういたしますと、輸入糖と異性化糖との間の価格差がさらに開くという結果になりまして、輸入糖を扱っておられます精製糖企業からは、さなきだに関税、消費税等で差があるほかに調整金においてまでこれほどの差をつけられる、そのために砂糖の値段が上がり、異性化糖の値段との格差が開くということは不公平ではないかという強い御主張が寄せられるわけであります。それは御主張としてはまことに当然だろうと思うわけでありますし、一方糖価安定の制度の運営面でまいりますと、輸入糖の調整金単価が上がりますことは、即砂糖の値段の上昇にもつながるということもございまして、消費者のためにも決していいことではないということにも相なるわけであります。 そこで、いろいろ議論はあったわけであります。特に異性化糖は、自分たちは割高な国産のでん粉の消化に従来からずっと協力をしてきておったと。それでそういう意味での公の負担は背負ってきたつもりであるところ、不公平だからということで単に調整金をかけるということはなかなか承服できないという御議論もこれもまたうなずけるわけでありますが、そういった議論の経過を踏まえまして、異性化糖といたしましても、全体の糖価安定制度のメカニズムに協力するということにつきましては理解をいただき、このような法案の提案に至ったわけであります。
○中野明君 これは物の考え方なんですが、私冒頭にも言っておりますように、この日本の砂糖の価格は高いというその点について、大臣の提案理由の説明にもありますように、国内の「甘味資源作物の保護育成」、これが一つの基本の柱にあります。ですから、そういう面では国内の甘味作物を保護育成するという上においては、これは国が責任を持ってめんどうを見て、そして輸入糖によるいわゆるいままでいただいている課徴金等は、いわゆる砂糖価格を引き下げる方向、そういう方向に回すというそういう考え方が私は正しいんじゃないかという考えをいまなお持っております。まあ現在のシステムがそうなっておりませんが、そうする方が国民も納得しやすい、このように思うわけなんですが、しかし現実はいま局長が説明されたとおりでありまして、本当は国内の甘味資源の作物を保護育成するということは国の責任でやることじゃないだろうか、このようにも考えて、砂糖の価格は上がっているというのもその辺にも理由があるように思うわけで、この点は将来の課題として一考していただきたいと思いますし、その問題はその程度にとどめておきます。 さて、異性化糖に課する調整金の問題でございます。これは異性化糖製造にかかわる一定数量を超える供給分に対して課することになっておりますが、各企業ごとの通常年における事業団に対する売買数量、これに基準を求めることに法案ではなっておりますが、そこで、私ども心配いたしますのは、今後における企業にとって通常年のとらえ方、これが経営戦略に重大な影響をもたらすと考えますが、その基準設定のあり方と調整金の妥当額、この需要の見通しを含めてどういうふうにいまお決めになるのか。具体的に政府の基本的な方針をこの際改めてお聞きしておきたいと思います。
○政府委員(渡邊文雄君) 今回の改正案におきましては、一つは異性化糖に糖安法の対象になっていただいて御協力いただくというのが一つございます。それからもう一つは、輸入糖、異性化糖を通じまして各企業ごとに定められました一定数量を超える部分につきましては、市価参酌用の財源に充てるための調整金を別途お願いをするという二つの点が改正のポイントでありますが、その第一点の異性化糖を対象にするという点につきましては、砂糖と輸入糖にお願いをしている場合と全く同じ仕組みで考えておるわけであります。それは、御案内のように、合理化目標価格と輸入糖の輸入価格との差額にいわゆる自給率、私ども調整率と申しておりますが、それを乗ずることによりまして一定の額が出てまいりまして、それを輸入糖にお願いをしておりまして、これが現時点で二十七、八円になっておるわけでありますが、異性化糖に同じことをお願いする場合に、メカニズムとしては同じ考え方をとりますが、さらにその得られました数字に対して異性化糖が砂糖の価格に与える影響の程度というものを勘案して、それともう一つは、品質差というものを勘案してその異性化糖の負担していただく調整金の適正化を図るという仕組みにいたしております。 そういたしますと、異性化糖は十月から実施されるわけでございますので、その時点におきます国産糖の収入の見込みあるいは全体の需要量の見込み等々がはっきりいたしませんと、先ほど申しました調整率の算定がいたしかねますものですから、現時点において異性化糖に十月以降課される調整金単価が幾らになるかということにつきましては計算がいまのところできませんが、考え方といたしましては、いま申しましたように、異性化糖が砂糖の価格に与える影響の程度あるいは品質格差等を砂糖の負担していただいている調整金に乗ずるという仕組みをとっております関係上、恐らく現在の数字で申しますれば、現在の単価の何分の一かに異性化糖の単価はなろうかというふうに思っております。 それからもう一つの市価参酌用の調整金についての考え方でございますが、これはいろいろ御議論ございまして、北海道あるいは南の国産糖の側からは、本日で期限が参ります特例法の延長というものの強く御希望があったわけであります。これは特例法期間中は輸入糖の数量規制を行うために国内の砂糖価格の維持が図りやすい。そのことが国産糖の安定的な発展のために非常にいいことであるという御理解で、強くその延長の御要望があったわけであります。一方、ユーザー、消費者の側からは、特定の産業が法律によって需給調整の恩恵にひとり浴するというのはおかしいではないかという意味で、砂糖のユーザーからは強くその延長に対する反対の意思表示があったわけであります。そういった中で、私どもはその両方をにらみながら、別途、糖価安定の仕組み自体といたしまして、たとえば特例法がなくなりました姿を考えてみた場合に、やはり需給が乱れて市価が下がりますと事業団の国産糖に対して行っております市価参酌に必要な財源の確保に支障を来たすことがあるということで、一定数量以上の操業をいたす企業につきましては、供給量の増加が市価に及ぼす影響の程度というものを算定して得られます一つの数字をはじきまして、それを通常の調整金に上乗せをしていただくという仕組みを考えたわけであります。この市価参酌の基礎になっております一定数量というのは、ただいま先生御質問ございましたように、通常年における一つの実績というものをベースに考える、操業の実績というものをベースに考えたいと思っておりますが、通常年というものは言葉のとおり私ども考えておりまして、たとえば国際糖価が非常に乱高下をいたしまして国内の価格にも大変な影響、トラブル、混乱を起こしたというようなときは除く、文字どおりの通常の年というものの実績というものをベースに判断をいたしたいというふうに考えておるわけであります。
○中野明君 それで、異性化糖について重ねてお尋ねいたしますが、この異性化糖は御案内のように近年普及してきた甘味料でございますが、特性としてやはり用途面に制約がございます。今後の需要の伸びもいままでのように著しく上昇することもないという見方をする人もあります。ですから、これに負担を課せられるということになると、それだけ清涼飲料水とか食料加工品の価格にはね返って消費者価格の値上がりに波及することにならないだろうか。通常、単純に考えますと、いままで要らなかったものが要るようになったわけですから、しわ寄せが消費者に来ないか、 〔委員長退席、理事宮田輝君着席〕 こういう心配をする向きもございます。政府はこの点について政策的に何か対策を考えておられるんですか、その辺について。
○政府委員(渡邊文雄君) 御指摘のように、異性化糖は現段階ではリキッドの状態でしか流通できないとか、あるいは熱を加えますと褐変するというような意味での品質上の砂糖に比べて不便な点があるわけであります。それから一昨年から昨年にかけましてのような急激な伸びというのは今後期待できないのではないかという点も、御指摘の点私どもよく理解できるわけであります。 そういったことで、結局異性化糖に今回お願いをいたします調整金の単価というものがいろいろ問題になるんではないかと思うわけでありますが、これは先ほど申しましたように、通常の平均輸入価格と合理化目標価格との差に調整率を掛けて、現在砂糖に御負担願っております二十数円の計算と同じようなプロセスを通して計算をするわけですが、さらにそれに品質差、あるいは法案上は異性化糖が砂糖の価格に与える影響の程度を考慮して農林大臣が定める率を乗じて云々とございますが、そういった品質差とかあるいは影響の程度ということでその数量の比率というふうなものを勘案をして調整金に乗ずるといたしますれば、現在の時点での数字を仮に置いて申し上げますと、数分の一になるというふうに私ども考えておるわけであります。したがいまして、さらに異性化糖の値段自体は調整金の単価によりまして動くということではありませんでして、というよりもむしろ、異性化糖の原料でございますトウモロコシあるいは国内産でん粉の価格動向にも大きく左右されるわけでございますので、いま申しましたような程度の調整金の額であれば異性化糖のユーザーの最終の製品にすぐにつながるような形ということにはなかなかならないんではないかというふうに私ども判断をいたしておるわけであります。
○中野明君 それから、異性化糖というのは大体国際価格が高水準な時期に成長してきたと私思うわけですが、今後国際糖価が落ちついたり、あるいは原料のトウモロコシの価格が高騰に転ずる、そういう可能性もなきにしもあらずでございますが、現在の需給バランスと違った局面を迎えだというような時点に対しての対策は何かお考えになっておりますか。
○政府委員(渡邊文雄君) 御指摘のとおりでございまして、もしも原料であるトウモロコシの価格が大きく暴騰をしたというようなときに、そうでない場合と比べてまだ同じような調整金を課すということはこれは実態に合わないことでございます。その点は御指摘のとおりであります。したがいまして、法案の中では、一つは合理化目標価格に見合います異性化糖の調整基準価格と輸入糖の平均輸入価格に見合います平均移出価格の差に調整率を乗ずるという仕組みをいたしておりますが、その平均移出価格の算定は平均的な異性化糖のコスト価格というものを置くことにしておりますから、もしも輸入トウモロコシの価格が非常に上がってまいりまして調整基準価格との差がなくなり、あるいは縮まり、あるいはなくなれば——なくなれば当然調整金はゼロになりますし、それから輸入トウモロコシの価格が上がって調整基準価格というものとの差が小さくなれば調整金の単価はそれに応じて小さくなるという仕組みをとっておりますので、御心配の点は私どもとしても十分考慮をいたしたつもりでございます。
○中野明君 次に、精糖業界についてお尋ねをいたしますが、現在の精糖業界は市場規模に比較して企業の数が多い、品質格差も少ないという商品の特性から、新たな開発や発見、発明のような多角化ができない上にきわめて付加価値の低い装置産業であると言えます。ところが高度経済成長時代の影響を受けまして砂糖の需要が拡大しました。それに伴って設備も増大したということなんですが、現在はその逆で深刻な過剰設備に悩んでおられます。これに対して五年前に砂糖売り戻し特例法ができました。業界に体質改善を指導してきたわけでありますけれども、一遍延長もしました。その成果をどうごらんになっておりますか。
○政府委員(渡邊文雄君) 砂糖の売り戻しの特例法は、日豪の民間で、当時大暴騰しておりました、六百ポンドくらいまで上がっておりました国際糖価を背景に民間ベースで五年間、年間六十万トン、二百三十ポンド程度の価格水準での長期契約が結ばれたわけであります。その後その長期契約が実行に入りました五十年の秋以降まことに不幸なことではあったわけでありますが、国際糖価が大暴落をいたしまして、五十年から五十二年にかけまして国際糖価の倍以上もする豪州糖を年間六十万トンも契約に基づき引き取らなければならないという事態に立ち至りまして、その間に業界全体では一千億を超すといわれる赤字ができました。それの赤字、経営苦況に陥ったために長期契約に基づきまして毎年引き取らなければならない六十万トンの豪州糖の引き取りを当時の精糖メーカーが事実上拒否したということで、御記憶にあろうかと思いますが、東京湾に十数隻の豪州の船が並んで荷揚げにも通航にも支障を来たすというような日豪間の大きな国際問題が生じたわけであります。そこで、それを引き取りを事実上行わせるためには、当時で申しますと年間二百三、四十万トンの輸入糖のうち百八十万トン前後が百ポンドの国際糖価で入っておりますし、六十万トンが二百三十ポンド程度の長期契約糖として入ってくるわけでありますが、国際糖価は百ポンドの方に足を引っ張られて、国内の砂糖の市価は百ポンドの相場に合った市価になってしまうためにコストに見合わない、そのために引き取れないということでございますので、考え方といたしましては、六十万トン分は国際糖価の倍以上しているものだということを前提にしたプールのコスト価格が実現できるようにすることによって長期取り決めを円滑に運用させようということで、国内の市価をそういう意味で上げるためには溶糖量の規制をするほかに名案がなかったわけでありまして、そういう意味で売り戻しの特例法をつくり、実質上輸入糖の規制を行ったわけであります。その結果、国内糖価はプールのコスト価格を実現することができまして、輸入糖の長期契約糖の引き取りもその後円滑に行われたわけでございます。 〔理事宮田輝君退席、委員長着席〕 したがいまして、特例法、その後延長されましたが、特例法の効果といたしましては、その目的といたしました豪州糖の円滑な引き取りができたということ、あるいは付随的に当時大変な赤字を抱えておりました国産、国内の精製糖企業の赤字が、企業の労使共同による御努力ももちろんあったわけでございますが、相当大幅に減少することができたというような点を考えますと、特例法というものはその目的は十分に果たしたのではないかというふうに私ども認識をしておるわけでございます。
○中野明君 今回は特例法がなくなるわけなんですが、その点またもとに戻るような心配がないのかどうか。精糖業界の皆さんも労使協力して非常に努力されているようにも私お伺いをしておりますけれども、この特例法がなくなったことによってまた過当競争になるとか、そういうような心配は一切ないのかどうか、その辺はどういう見通し、感触を持っておられるんですか。
○政府委員(渡邊文雄君) 特例法自体については、特例法の目的にもございますように、国際間における粗糖に関する協定の円滑な履行に云々とございますわけでありますが、その日豪の砂糖協定は昨年の六月に終わっておりますので、特例法自体を私どもとして延長をお願いするという立場にないわけでございます。そういたしますと、特例法期間中は輸入糖の数量を規制することによりまして国内の需給がどうやらバランスすることができたということからいたしますと、それがなくなると大変国内の市場が混乱をして心配であるということを申し出られる方ももちろんおられますし、その点の御心配私もそれなりにわかるわけでありますが、一方考えてみますと、五十年から五十二年の大きな混乱というようなものは日豪協定がなくなった現時点においては考えられないと思います。ただ、五十年以前の状態、要するに特例法もなく、日豪協定もなかった状態に戻るだけだというふうに考えればそういう見方もできようかと思います。しかし、それにいたしましても精製糖企業の持っております過当競争的な体質というものがあるために、五十年以前におきましても国内の価格の形成に当たってはときどきトラブルを起こしておったわけでございますので、そういったことが今後起こり得るということはそれなりにあるわけでありまして、私どもといたしましては今度の改正案でお願いしております点は、そういった場合に生じます市価参酌に伴う事業団の財政負担に対する対応として改正法案をお願いをしてございますが、それはそれといたしまして、別途できるだけ需要に見合った供給が行われるように関係業界をできるだけ指導いたしまして、その心配が少しでも少なくなるような努力はいたしたいというふうに考えておるわけであります。
○中野明君 非常に私も危惧しておりますので、その点は特に留意してお願いをしたいと思います。 それから、最後の問題になりますが、国産糖の価格支持に要する資金ですが、これは御案内のように輸入糖からの徴収金と国の交付金。ところが、この五十五年度の事業団の不足金というのが百七十二億円というふうに聞いておりますが、砂糖事業年度で計算しまして現在はこの不足金がどれくらいになっておりますか。
○政府委員(渡邊文雄君) 昨年の九月末の、五十五砂糖年度末ということで申し上げますと、二百億近い数字になっております。
○中野明君 こういう事態になってくるということは、国産糖の価格支持制度に基本的な欠陥があるんと違うかという意見もあるんですが、その点はどうお考えになっておりますか、この不足金。
○政府委員(渡邊文雄君) これは御案内のように、糖価安定法によります国産糖の不足払いの財源の一部を調整金にお願いをしておるわけでありますが、その調整金の徴収の仕方は、毎年度合理化目標価格と平均輸入価格との差額に調整率を掛ける。その調整率は、当該年度の国産糖のいわば自給率でありまして、法律にございますように、分母に輸入糖の見込み数字、それから国産糖の見込み数字を置きまして、分子に国産糖のその時点からの一年間の見込み数字を置くという形で運用をしておるわけであります。したがいまして、それからの一年間の実績と見込みがぴたり合致をいたしますと調整金の収支というのはそれなりにないわけでございますが、過去の実績を見ましても、四十年以降の収支を、調整金の収支状況を見ましても、年によりましては二十数億の黒字を出し、時によりましては十数億の赤字を出す、あるいは三十億の赤字を出すということを繰り返しておるわけであります。 ただ、もう一つ先生の御指摘の点は、そういったことではなくて、市価参酌ということによる赤字というものが最近多いんではないかという御指摘ではないかと思うわけでありますが、その点は確かにございまして、過去における調整金収支の赤字も、その原因はその数量の見込みが実績に合わなかったということももちろんベースにございますが、予定以上に市価参酌が出たというようなことがあって赤字になったということもあるわけであります。特にこの二、三年来の調整金の収支じりにつきましては、一昨年から昨年の当初にかけまして異性化糖が急増し、その反面輸入糖が減ったことによる調整金収入減とか、あるいはそのことに伴う市価の大暴落、形成糖価と市価との乖離が大きくなりまして、したがいまして市価参酌が大幅に出たというようなことが直接の原因として挙げられるんではないかと思っておるわけであります。で、今度の改正案ではそういうことを念頭に置きまして、そういった市価参酌に伴う赤字が新しくふえるようなことがないように、市価参酌用の調整金につきまして手当てをいたしたいというふうに考えておるわけでございます。
○中野明君 それじゃ、事業団の会計というのは単年度制度というふうに承知しておるんですが、この不足金はどのように解消されますか。
○政府委員(渡邊文雄君) これは当然借り入れを国産糖業者に支払うわけでございますから、借り入れをもって行っておるわけであります。で、現在あります赤字が進むこと自体どうするんだという御指摘もあろうかと思いますが、私ども新しく赤字が発生しないような手当ては今度の改正法案でお願いをしたつもりでございますが、この過去の赤字自体を一挙に埋めるというようなことまで考えますと、大変な高い調整金をお願いすることにもなりますので、それはとるべき方策ではないというふうに考えているわけであります。むしろ、過去においても実績と見込みとの差によって赤字が出たり黒字が出たりしたことがあるわけでございますので、今後長期にわたりましてそういった姿の中で何とか処理をしてまいりたいというふうに考えているわけであります。
○中野明君 それじゃ最後に大臣に、非常に砂糖を取り巻く環境というのはお聞きのとおり大変でございます。どうか、この三者の協力によって生まれたと言えますが、私があえて申し上げましたとおり、消費者は不在のような気がしてなりませんけれども、一応この法案をまとめられた、そしてまた各界の協力、理解、これは評価することにやぶさかではありませんが、せっかくできた法案ですから、運用を適切にされて、そしてこの法の目的達成のために格段の努力をお願いしたいということで、大臣の最後に決意をお聞きして終わりたいと思います。
○国務大臣(田澤吉郎君) 現行の糖価安定制度は、異常に変動する国際糖価の影響を防止するということ、さらに国内の砂糖の価格の安定を図るとともに、北海道だとか沖縄等の国内甘味資源作物の保護育成を図るということ、この二つのいわゆる目的を持っているわけでございまして、いま先生御指摘のような非常に厳しい甘味資源の現況でございますので、この目的達成のために最善を尽くしたい、かように考えております。
○喜屋武眞榮君 私、きょう実は沖特もかけ持ちいたしておりまして、その挟み打ちを食らいまして、私の持ち時間を三分の一程度に圧縮しなければいけないことに非常に戸惑いをいたしているわけであります。それで、勝負は二本勝負で終わりたいと思いますのでよろしくお願いいたします。 糖安法の目的は、何よりも国内甘味資源作物の生産振興と国内産糖業の健全育成、それに国民生活の安定といったところにあると思われるわけでありますが、これはわが国の食糧自給の向上、いわゆる食糧安保の点からも当然過ぎるほど当然なことだと思うわけであります。 そこで、お尋ねしたい点を集約いたしまして、まず国内甘味資源作物の生産振興という場合には、何としても私の立場からは、サトウキビについての現在最も大事な問題は、一つ、土地基盤整備の促進。二つ、優良種苗の開発普及。三つ、病害虫防除対策充実。四つ、機械化作業体系の確立と、こういうふうに大まかに分けられる大事な柱があると思いますが、それぞれの問題に対しての大臣の基本姿勢、それから現状をどう把握しておられるか、将来の展望、この三つの方向から、これが一本の勝負であります。 二本目は、沖縄の含みつ糖と分みつ糖についてはどのような方針をお持ちか、そしてそれに対する対策を持っておられるか。 以上でございます。
○国務大臣(田澤吉郎君) 食糧全体については、御承知のように私たちは長期の展望に立って、国内で生産できるものは極力国内で賄うという基本に立って、国民の需要の動向に応じて生産性を向上するということでございまして、砂糖についても甘味資源についても同様の考え方で進めているわけでございますので、先ほど申し上げましたように、一つは国際糖価の影響の防止をして、国内の砂糖の価格の安定を図るということと、もう一つは北海道、沖縄等の国内甘味資源作物の保護育成を図るということが私たちの基本的な考え方でございます。 したがいまして、沖縄の甘味資源作物の保護のためのいわゆる土地改良事業だとか、あるいは水確保の問題だとかという問題に積極的に取り組んでまいらなければ甘味資源作物保護、育成にならないわけでございますので、私たちとしては、国内産甘味資源の作物保護という面に大きな力を置いてこの法案もつくられているのでございますので、今後そういう点に一層の力を入れて、甘味資源作物の育成のために努力をいたしたいと、かように考えております。
○政府委員(渡邊文雄君) 沖縄におきますサトウキビから、現在分みつ糖と含みつ糖と両方あるわけであります。分みつ糖につきましては、ただいま大臣からも御答弁ございましたように、各般の施策を講じ、さらに今回お願いをしております改正されます糖案法によりまして、その運用を適切に行うことによりまして、その振興を図っていきたいというふうに考えております。 それから、含みつ糖でございますが、もう先生十分御承知のように、沖縄の含みつ糖は分みつ糖化できないような面積の小さい離島で行われておる産業でございまして、さらにその地区ではそういったもの以外に適当な作物がないという地理的な条件で農家の方に御苦労いただいておるわけでありますが、そういった含みつ糖につきましては現在までも種々の助成措置を講じておったわけでございますが、これからも含みつ糖の生産の維持のためには現在行っておりますような格差補給措置というものは当面これを続けることによりまして、その生産の維持を図ってまいりたいというのを基本に置いて考えているわけであります。
○喜屋武眞榮君 問題を広げていきたいんですが、先ほど申し上げましたとおり、次の沖特での質問の時間になってまいりましたので、一応申し上げなくても百もお察しくださる大臣、そして関係者の皆さんでありますので、よろしくお願いを申し上げまして、失礼さしていただきます。 ありがとうございました。
○委員長(坂元親男君) 暫時休憩をいたします。 午後二時五十三分休憩 —————・————— 午後三時七分開会
○委員長(坂元親男君) 休憩前に引き続き質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○下田京子君 一言おわび申し上げます。委員の皆さんには大変お待たせいたしました。 早速質問に入らせていただきますけれども、今回の法改正の中心点というのは二つあるかと思うんです。一つは、異性化糖に調整金を課して、砂糖との価格調整を図る。それからもう一つは、市価低迷のときに一定数量を超えて輸入または輸出する、そういう砂糖や異性化糖に市価参酌用の調整金を課すということだと思うんですが、中身を見ますと、農水大臣が定めるという範囲が余りに広くて、なかなか理解できない、国民がわかりにくい、そういうところが多いわけです。 明快に御答弁いただきたいんですけれども、第一にお聞きしたいのは、市価参酌用調整金、この問題、昭和五十五年度に調整金の赤字が大変膨大になったということで、その財源対策としての目的を持って今度やるんだという説明もされてるんですが、調整金の収支状況がどうなっておりますでしょうか。二つお答えいただきたいんです。一つは、昭和四十七年度から五十四年度、会計年度ベースで結構です。それから二つ目には五十五年度、どうでしょう。
○政府委員(渡邊文雄君) 事業団の四十七年から五十四年度までの調整金の収支でございますが、年度別に申し上げますと……
○下田京子君 合計でいいです、時間ないから。
○政府委員(渡邊文雄君) 合計でよろしいですか、四十七年から五十四年までの収支。——それではじりということで申し上げたいと存じますが、調整金収入九百十二億九千九百万円に対しまして支出は八百九十九億五千万円となっておりまして、差し引き十三億四千九百万円の黒字となっておるわけであります。しかし、四十六年度末、——四十七年の前の四十六年度末の調整金残高が十二億八千七百万円ございます関係上、累積で申し上げますと、五十四年度末は六千二百万円の黒字となっております。 それからもう一つ、お尋ねの五十五年度の事業団の調整金の年間の収支状況でございますが、五十五年度の収支状況は、御案内のような国際糖価の高騰によります調整金の収入減、これは昭和五十五年の六月から五十六年の一月まで……
○下田京子君 端的に答えてください。数字だけで結構です。
○政府委員(渡邊文雄君) それでは数字だけ申し上げますと、五十五年度では収支差が百七十億一千七百万円ということになっております。それから累積では、先ほどの黒字六千二百万円を整理いたしますと、百六十九億五千五百万円という赤字になっております。
○下田京子君 要は、いろいろ述べられましたけれども——確認きちっとしてください。四十七年度から五十四年度のこの間ではどうかと言えば、黒字十三億四千九百万円。間違いございませんね。それから、五十五年度は単年度で赤字が百七十億一千七百万円、こう出ていると思うんです。 次にお尋ねしたいんですが、五十六会計年度の調整金収支見込みはどうなってますでしょう。それからもう一つ、五十六砂糖年度、つまり五十六年の十月から五十七年の九月、今後の見込み、どういうふうに見られておりますでしょうか。
○政府委員(渡邊文雄君) 五十六会計年度末、まだ数字が確定しておりませんが見込みで申し上げますと、年間の収入三百十四億一千五百万円に対しまして支出が四百四億八千百万円と見込んでおります。したがいまして、収支差は九十億六千六百万円というふうに私ども見込んでおります。五十六砂糖年度末といいますとことしの九月末になるものでございますので、その計算はこれからの国際糖価の動向にもよりますので、そういった試算はいたしておりません。
○下田京子君 要するに、いまのお話で、まだ今後のことは見込みがつかないというお話なんですけれども、大体この間の形成糖価の推移とそれから市価とを見ていけば収支とんとんではないかというふうなことが私は予想できるわけなんですけれども、これは見なきゃわからないと言う。ただ、はっきりしていることは、調整金の赤字が五十五年度に異常に大きくふくらんだということがわかるわけなんですけれども、その五十五年度調整支出分の中で市価参酌額というのは幾らぐらいになりますでしょうか。
○政府委員(渡邊文雄君) 支出額の中で市価参酌ということで出たものと私ども推定しておりますのは、約百二十七億円というふうに試算をしております。
○下田京子君 単年度だけで市価参酌によって百二十七億円の赤字が出たということですね。そうしますと、五十五年度の場合見てみますと、これは市価が非常に低迷していたわけです。で、今度の法律によりますと、大臣は市価参酌用調整金を徴収する旨を告示する際に、一つは市価が低迷したときというふうにも言っておりますし、同時に、徴収するのは各メーカーごとに定められた数量をオーバーして輸入もしくは移出したものにかけることになるわけですね。そうしますと、五十五年度の場合には、砂糖の売り戻し特例法下ではございましたけれども、オーバーして輸入してくるという事態ではなかったと思うんです。とすれば、いま出されている法律をさかのぼってもし適用させようということになったときに、この市価参酌調整金ということを徴収できなくなるんじゃないかと思うんですが、どうでしょう。
○政府委員(渡邊文雄君) 五十五年度におきまして多額の市価参酌が出ましたのは、ただいま先生御指摘のように、砂糖の価格がかなり低迷をしたという時期があったからでございます。 で、その原因は、御指摘のように、見込みと実績が違ったわけでありますが、その違った最大の原因は、五十五年の春以降、いわゆる高果糖、異性化糖の出回りがあれほど急速にふえるということが事前に見通せなかったということが一つ挙げられようかと思います。それからもう一つは、五十五年産の国産のビート糖が好天に恵まれまして大変な増収になったということが事前に見込めなかったということも原因の一つであろうかと思います。いずれにしましても、そのために輸入糖の数量を十分なコントロールをいたさなかったというために市価の低落を招いたということだろうと思います。 それから、さらに付言させていただきますと、もし仮に輸入糖の数量を規制いたしたと、その時点で数量をかなり減らしたといたしますれば、輸入糖から上がります根っこの調整金の収入もかなり減るということにも相なりますので、もし仮に輸入糖を減らしたとしてもこの赤字が、市価参酌用の部分はあるいは出方は少なかったかとは思いますが、調整金の赤字がなかったというふうに想定することはなかなかむずかしいんではないかというふうに考えております。
○下田京子君 私伺っておりますのは、いまの制度を五十五年度に仮に当てはめようとしたときには、調整金を課すことできないんじゃないでしょうかって聞いているんです。
○政府委員(渡邊文雄君) もし仮に、その時点におきましてこの改正法案が成立していたとすれば、おっしゃるような結果に相なったかと思います。
○下田京子君 そうしますと、やはりこれは別途財源対策ということを考えなきゃならないと思うんですよ。御説明では、この法律の中身でこうした財源対策なんだということで市価参酌用の調整金問題を考えていると思うんですけれども、五十五年度のような事態になるとそれが働かないということがはっきりとしたと思うんです。とすれば、その財源対策として、いまも現に事業団に低利の融資を、民間からの融資があると思うんですけれども、国が低利融資ということを考える必要があるんじゃないかと思うんです。この点いかがでしょうか。
○政府委員(渡邊文雄君) 過去におきましても事業団の収支を単年度で見ますと収入が支出を上回る、あるいはその逆の年等ずっとあったわけでございます。これは先生も御案内のとおりだと思いますが、その時点ではその時点なりに借入金をもってその処理をしてきたという経過がございます。それから、その借入金はその後の収支が逆になった場合に補てんをしておるということが過去十数年間の間に何回か経験されてきておるわけでございます。今回は確かに額は過去の例から比べますと倍以上の額でございますので、若干のそういった危惧の念をお持ちになろうかと思いますが、私どもは従来と同じような形での借り入れをもって処理をすることによって十分足りるというふうに考えております。 この際、特に一つだけ御理解いただきたいんでございますが、調整金の徴収に当たりましては、現行法にもございますように、合理化目標価格と平均輸入価格との差額に調整率を乗ずる、調整率の算定は国内産糖の見込みあるいは輸入糖の見込みの比率をもって云々するということになっておりますので、見込み額の差によりましてこういった事態が生ずることは制度からいきましてやむを得ないことだろうと思っております。
○下田京子君 ですから、市価が低迷したときに輸入云々で割り当ての制度、それはもういいんです。だけれども、現実的に調整金を課すことができない事態があるんだということをお認めになったわけですから、財源は別途考えなさいということですから、これはお考えいただきたいと思います。 次に、需給協議会の問題なんですけれども、現在の売り戻し特例法の中では、四半期ごとに見直しをしていくんだということで需給協議会があると思うんです。これは特例法が切れるということで自然消滅になるんじゃないか。とすれば、それにかわる何らかのやはり機構というものが必要ではないかと思うんです。特に、この点では現在どういう状況になっているかということを申し上げますと、一定の割合をどこにどういうふうにやっていくかという点で重要なやっぱり役目を持つんじゃないかと思うんで、いかがでしょうか。
○政府委員(渡邊文雄君) 御指摘のように、今月末といいますか、本日をもって切れます売り戻し特例法期間中は、法の運用といたしまして、四半期に一回ずつ需給協議会を開きまして、関係者の意見を聞きながら特例法下におきます一定数量の算出の基礎となる需給の見通しといったものをつくっておったわけでございます。特例法下におきましては、各社別に決められました一定数量以上を輸入することは、法律上は可能でございますが、実際上はできないような仕組みになっておりますために、それだけに非常に厳しいと申しますか、きつい制度の仕組みになっておったわけでありますが、今回の糖安法の改正案におきましては、そういった特例法におきますような需給調整措置というものを直接ねらっておるわけではないわけでありまして、一定数量以上は実質上輸入できなかった特例法下に比べますと若干ニュアンスが違う、そういう意味で全く特例法下と同じ意味での需給協議会が必要であるかどうか、若干私も迷っておる段階であります。しかし反面、今回のように異性化糖を糖安法の対象にしていただき、総合的な視点での甘味対策を行っていくということ、そういう新しい意味において総合的な観点から全体の需給の見通しというものが必要ではないかという気も十分しておるわけでありまして、具体的には私今後の問題として十分本件を検討さしていただきたいと思っておるわけであります。
○下田京子君 総合的な甘味対策という観点からそういう機構を考えたいということですね。 大臣にこれはお答えいただきたいんですけれども、いままでの需給協議会、これはどういう構成がといいますと、十四名おります、この中には砂糖製造メーカー関係者が国産糖含めて四人おります。それから輸入商社も含めまして販売会社関係者が三名、ユーザー側としては食品産業センターの理事長、それに主婦連の副会長、そして農林中金それから学識経験者、座長の事業団理事長ということになっております。私が大臣にお答えいただきたいというのは、総合的な甘味資源対策だというふうなことをお述べになっておりますので、生産者の代表、これはぜひ考えてほしい、それから労働者の代表、これもぜひ考えていただきたい、いかがです。
○政府委員(渡邊文雄君) 御指摘のように、現在需給協議会のメンバーは御指摘のようなことでございますが、基本は、特例法下におきます一定数量ということを決める場合に、いろいろ御意見を伺う、全体の需給の数字を決めてそれを割り振るわけでございますので、そういった意味で御指摘のようなメンバーになっておるわけであります。もちろんその中にはジャーナリストあるいは学者あるいは主婦連の副会長をやっておられる方等もお願いをしてございますし、流通に携わっておられる方も入っておりまして、余り、たとえば国産糖企業からの要望が強過ぎればそれを輸入糖関係の業者からチェックをしてもらう、あるいはユーザー、消費者の場合からあるいは加工メーカーの立場からいろいろ御議論をいただくということで、私はいまの仕組みというのはそれなりの姿ではないかと思っておるわけであります。 今回、総合的云々という場合に一番大きな問題は、何と言いましても異性化糖をこれに入っていただくことが必要ではないか、もし需給協議会的なものを継続的に行うとした場合にはそういった措置が必要ではないかというふうに考えておるわけでありますが、いずれにしましても法律が従来の特例法とは違ったものとなっておりますので、従来と同じような形での需給協議会を開くかどうかにつきましてはいましばらく私検討いたしたいというふうに考えておるわけであります。
○下田京子君 大臣、お答えくださいよ。従来と違う新しいものをつくるというわけでしょう。ですから考えてほしいんです。いままでのことを見てみますと、何もこれだから絶対悪いということじゃありませんけれども、農水省のOBが十四人中四人入っているんです。ですから政府の意向は十分だけれども、生産する農民やあるいはそれに直接かかわる労働者等の意見も踏まえてやるということはもう大事なことではないかということが一つです。 せっかくお答えいただくんですからもう一つ含めてお願いしたい点は、いろいろ砂糖と異性化糖のその問題をどう調整するかという調整のやり方なんです。私、基本的には、以前からこれは政府でも考えておられたと思いますけれども、やはり砂糖消費税の引き下げ、そしてまた行く行くは撤廃という方向で持っていくことこそが消費者も喜び、また関係者みんなが喜ぶところじゃないかと思うので、この二点まとめてお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(田澤吉郎君) いま局長から答弁さしたように、需給協議会はまだできていないのでございまして、これからできるだけこういうこの種の協議会をつくりたいと、こう考えておるわけでございまして、したがいまして、メンバー等につきましてもまだ明らかじゃございません。しかし先ほど局長から答弁さしたように、異性化糖の関係者はやはり入れていかなければいかぬなという考えは、これはいまの改正法からいっても当然だと思いますので、そういう意向を私たちは持っておるわけでございます。今後、生産者あるいはまた労働関係者等をこのメンバーに加える等については今後この協議会が設置するかしないかということが決定された上でいろいろまた十分考慮してまいりたいと、かように考えております。 また、砂糖消費税の廃止の問題については、すでに坂倉、中野両委員にもお答えしたのでございますが、御承知のように、精製糖業界あるいはユーザー団体からは、これは撤廃しなさいという要請が出ております。また、農政審議会においてもこれはぜひ審議の過程で撤廃すべきであるという意向もあるんです。したがいまして、私たちとしては、この点について財政当局に強く要請をしているのでございますが、まだ見直しの段階に至っていないというのは非常に残念でございます。したがいまして、今後この撤廃については私として極力財政当局に主張してまいりたい、かように考えております。
○下田京子君 最後にもう一問。
○委員長(坂元親男君) 時間が参りましたので……。
○下田京子君 委員長、よろしく、最後に。
○委員長(坂元親男君) 時間が参りましたので……。 質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(坂元親男君) 御異議ないと認めます。 これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。——別に御発言もなければ、これより採決に入ります。 砂糖の価格安定等に関する法律の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(坂元親男君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 川村君から発言を求められておりますので、これを許します。川村君。
○川村清一君 私は、ただいま可決されました砂糖の価格安定等に関する法律の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・自由国民会議、日本社会党、公明党・国民会議、日本共産党、民社党・国民連合及び第二院クラブの各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 砂糖の価格安定等に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、本改正案の施行に当たっては、砂糖の国際需給等の不安定な動向に対処し、国内における甘味の安定的な供給を確保するために、甘味資源作物の生産振興と国産糖業界の育成及び精糖業界と糖化業界の健全な発展を図り、併せて次の事項について適切な措置を講ずべきである。 一、輸入糖及び異性化糖の事業団の売戻価格の特例措置については、砂糖及びどうもろこしの国際需給動向に的確に対処して、甘味の供給安定を図るため、関係者の意見が十分に反映されるよう構成された需給協議会の設置等により、的確な総合的甘味の需給見通し等に基づいて、適正な運営を行うこと。 二、甘味の各流通段階における価格動向を正確に把握し、一般消費者及び関連事業者の利益が不当に損われないよう十分に留意すること。 三、総合的な甘味対策を講ずるに当たっては、糖化業界が国産でん粉の円滑な消化に寄与していること等にも留意し、同業界の秩序ある健全な発展を図るとともに、本法の施行までの経過期間を含め、適切な指導を行うこと。 四、本法の施行に並行して、精糖業界の体質改善が円滑に行われるよう、経営の多角化等に対する各般の措置を講じ、関係商社も含め指導を強めること。 また、体質改善を進めるに際しては、業界段階における労使の話合いが円滑に行われ、労働者の雇用の安定、労働条件の改善等が図られるよう万全の指導を行うこと。 五、砂糖の自給力の向上を基本とする国内甘味資源作物の生産性の向上、長期生産見通しの達成及び国産糖業界の健全な育成と生産農家の経営の安定を図るために、 (一) てん菜については、合理的な輪作体系の確立等により生産の安定化を図るとともに、てん菜の生産に対応した原料処理体制について万全を期すること。 また、てん菜糖業に対し、労働条件等を含む製造関連対策をも十分に講ずるよう指導を行うこと。 (二) さとうきびについては、土地基盤整備の促進強化、優良種苗の開発・普及、病害虫防除対策の充実、試験研究の推進及び機械化作業体系の確立等の実効ある生産対策を講じ、さとうきびを基幹とした複合経営の推進に努めること。 右決議する。 以上であります。
○委員長(坂元親男君) ただいま川村君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(坂元親男君) 全会一致と認めます。よって、川村君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、田澤農林水産大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。田澤農林水産大臣。
○国務大臣(田澤吉郎君) ただいまの附帯決議につきましては、決議の御趣旨を尊重いたしまして、十分検討の上、善処するよう努めてまいりたいと存じます。
○委員長(坂元親男君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(坂元親男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(坂元親男君) この際、御報告いたします。 昨三十日、予算委員会から、三月三十一日及び四月一日の二日間、昭和五十七年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、農林水産省所管、農林漁業金融公庫について審査の委嘱がありました。 この際、本体を議題といたします。 田澤農林水産大臣から説明を求めます。田澤農林水産大臣。
○国務大臣(田澤吉郎君) 昭和五十七年度農林水産関係予算について、その概要を御説明申し上げます。 昭和五十七年度一般会計における農林水産関係予算の総額は、総理府など他省庁所管分を含めて三兆七千十億円で、対前年比〇・二%、八十五億円の増加となっております。 本予算におきましては、財政再建と行政改革の推進の方向に即し、予算のより重点的かつ適切な配分、補助金等の統合・メニュー化等を図りつつ、農林水産行政を着実に展開するよう努めたところであります。 以下、予算の重点事項について御説明いたします。 第一に、生産性の向上を基本とした地域農業を展開するための予算について申し上げます。 需要の動向に応じた農業生産の再編成を行いつつ、農業の生産性の向上を図るためには、地域の自主性と活力を基盤とした総合的な生産対策等を推進する必要があります。 このため、従来各作目ごとに行われてきた生産対策等を統合・メニュー化し、耕種部門につきましては新地域農業生産総合振興対策として、畜産部門につきましては畜産総合対策として実施することとし、生産性の向上の促進等を図ることとしております。 また、中核農家や生産集団を育成し、これらを中心とした地域農業生産体制の整備を図るため、農村地域農政総合推進事業を引き続き推進するとともに、地域ぐるみで農業の再編整備が図られるよう、地域農業再編整備資金の拡充を図ることとし、七百億円の貸付枠を予定しております。 さらに、中核農家の経営規模の拡大等農業構造の改善を促進するため、農用地利用増進事業に積極的に取り組もうとする地区において、作付地の集団化、農作業の効率化、農用地の利用関係の改善等を図る農用地利用増進特別対策事業について八十一億円を計上するとともに、新農業構造改善事業、農地保有合理化促進対策等を引き続き推進することとしております。 第二に、食糧の安定供給、農業の生産性の向上等を図るために必要な農業技術の開発を長期的視点に立って積極的に推進するとともに、新技術の普及指導、統計情報の整備に努めることとしております。 このため、細胞融合、核移植等により新生物、新品種を創出するための技術開発に着手するとともに、転換畑作技術の高度化、超多収作物の開発等を推進するほか、畜産新技術、省エネルギー技術等の実用化の促進に努めることとしております。 また、普及事業をさらに効果的、効率的に推進するため、地域への一層の密着を主眼とした指導、情報活動の充実等を内容とした新普及システム推進事業を新たに実施することとしております。 さらに、地域統計情報を含め、生産、流通、消費の各分野にわたる統計情報の整備に努めるとともに、統計情報ネットワークの整備等を通じその活用を図ることとしております。 第三に、農業生産基盤の整備であります。 農業生産の基礎的条件である農業生産基盤の整備につきましては、需要の動向に即した農業生産の再編成等現下の農業を取り巻く諸情勢に対応して、排水対策等水田の汎用化のための事業、畑作振興のための事業等に重点を置いて推進することとし、前年度とほぼ同額の八千九百九十七億円を計上しております。 なお、事業の実施に当たっては、今日の厳しい財政事情のもとで事業効果の早期発現を期するため、新規事業を極力抑制し、継続事業の着実な推進を図ることとしております。 第四に、農業生産対策等につきましては、地域の特性を踏まえつつ、需要の動向に応じて実施することが肝要であり、水田利用再編対策につきましては、第二期の枠組みのもとで着実かつ的確に実施することとし、奨励補助金等として三千五百億円を計上しております。 また、麦、大豆、果樹、野菜等の農産物につきましては、生産性の向上を一層促進するため、先ほど申し上げました新地域農業生産総合振興対策を実施することとし、六百二十八億円を計上しております。 畜産部門につきましては、地域の特性を反映させつつ、生産から流通、消費に至る各種事業が総合的に実施できるよう畜産総合対策を実施することとし三百五十二億円を計上しております。 なお、これらの生産対策等とあわせて、各種農産物の価格の安定、飼料穀物、大豆の備蓄量の確保等を図ることとしております。保 第五に、農林漁業を基盤とする住みよい農山漁村を建設するため、生産基盤と生活基盤の一体的な整備を推進するとともに、地域住民の福祉の向上に努めることとしております。 このため、地域の特性に応じた住民の自主的な共同活動を推進するとともに、農村総合整備事業、農村地域定住促進対策事業、第三期山村振興農林漁業対策事業等の推進を図るほか、農業者年金の充実等に努めることとしております。 第六に、食料品に対する需要の多様化に対応して、農産物等を適正な価格で安定的に供給するため、生産対策、価格対策等とあわせて、食品産業対策、流通消費対策の充実に努めることとしております。 このため、食品産業の一層の近代化を進めることとし、中長期の展望に立った食品産業政策の課題について検討を進めるとともに、食品産業の技術水準の向上を図ることとしております。 また、卸売市場の計画的整備、小売業の近代化、流通情報の活用等により食品流通の効率化を推進するとともに、JAS制度の充実、食生活改善のための消費者の啓発に努めることとしております。 さらに、国民の栄養バランスの保持、総合的な食糧自給力の維持等の観点から、米等わが国の風土に適した基本食糧を中心とした日本型食生活の定着促進を図ることとしております。 第七に、開発途上国等における農業開発の重要性にかんがみ、農業開発協力を一層推進することとしております。 このため、国際協力事業団等を通じた調査、指導、資金の融通等を行うとともに、最近の協力案件の増大、大規模化等に対応して、農用地開発公団の活用を図ることとしております。 以上申し上げましたほか、農業金融の充実、農業災害補償制度の円滑な運営等により、農業経営の安定を図ることとしております。 第八に、森林、林業施策に関する予算について申し上げます。 林業につきましては、国内林業の振興と森林の公益的機能の発揮とを調和させつつ、森林、林業施策を推進することとしております。 まず、林道及び造林事業につきましては、一千二百五十一億円を計上し、林業生産基盤の整備を進めるとともに、治山事業につきましては、新たに第六次治山事業五カ年計画を策定し、その計画的推進を図ることとしております。 また、木材不況の深刻化等に対処して新たに木材産業の再編整備を図るための低利融資を行うことを目的とした基金造成等の措置を講ずるとともに、林家の定住促進のため特用林産振興を主体とした総合的な集落振興対策を推進することとしております。 さらに、間伐対策の充実を図るほか、マツクイムシ対策につきましては、新たに被害木の特別伐倒駆除を実施する等により、総合的、計画的な対策を講ずることとしております。 このほか、新林業構造改善事業、林業の担い手対策、木材需給の安定対策等の推進を図ることとしております。 第九に、水産業の振興に関する予算について申し上げます。 水産業につきましては、二百海里時代の本格的到来、燃油価格の上昇等の厳しい情勢に対処して、わが国水産業の振興と水産物の安定供給を確保する必要があります。 このため、漁業生産構造の再編整備を推進することとし、新たに長期低利の負債整理資金を設けるなど漁業経営安定対策を拡充することとしております。 次に、わが国周辺水域の漁業の振興を図るため、沿岸漁業構造改善事業、栽培漁業振興対策等を引き続き実施するほか、新たに第二次沿岸漁場整備開発計画を策定するなど沿岸漁場整備開発事業の推進を図ることとしております。 また、漁港施設につきましては、新たに第七次漁港整備長期計画を策定してその整備を促進することとし、五十七年度は一千六百五十三億円を計上しております。 さらに、水産物の鮮度等を表示し、これを消費段階において保証するシステムの開発等水産物の消費拡大と流通改善対策を推進するとともに、引き続き水産物の価格安定対策を講ずることとしております。 このほか、漁業災害補償制度については対象の拡大等を図るとともに、漁業共済事業に係る不足金対策を講ずることとしております。 次に、特別会計予算について御説明いたします。 まず、食糧管理特別会計につきましては、米の消費拡大やモチ米の需給安定を図るほか、本年四月から米の政府売り渡し価格の改定措置を講ずるなど食糧管理制度の運営の改善に努めることとし、一般会計から調整勘定への繰入額を四千九百八十億円に減額したところであります。 また、五十四年度から計画的に実施している過剰米の処分に要する経費として、一般会計から国内米管理勘定へ一千四百二十一億円を繰り入れることとしております。 国有林野事業特別会計につきましては、国有林野事業の経営改善を計画的に推進することとし、事業運営の改善合理化等の自主的努力とあわせて、国有林野における造林、林道事業に対する一般会計からの繰り入れを行うほか、財政投融資資金の導入の拡大を図ることとしております。 このほか、農業共済再保険等の各特別会計につきましても、それぞれ所要の予算を計上しております。 最後に、財政投融資計画につきましては、農林漁業金融公庫等による総額八千四百九億円の資金運用部資金等の借り入れを予定しております。 これをもちまして、昭和五十七年度農林水産関係予算の概要の説明を終わります。 よろしく御審議くださいますようお願い申し上げます。
○委員長(坂元親男君) これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○宮田輝君 大臣、そして農林水産省の皆さん、連日の激務まことに御苦労さまでございます。 予算案が常任委員会でも審議されることになりまして、きょうはその初日で、私がトップバッターということになりましたが、私は基本的なことをお尋ねしたいと存じます。 五十七年度農林水産予算案につきましてはただいまお伺いいたしましたが、まず、大臣のたとえばこの予算執行に当たっての姿勢はどんなものかお尋ねしたい。 あわせて、大臣が、私も予算委員会で毎日大臣の答弁を伺っていたわけでございますけれども、予算委員会等でよくおっしゃっております農業者等の自主性の尊重ということ、それから、ときどきおっしゃいます新しい農業ということでございますけれども、そういう点についてお聞かせをいただきたいと思います。
○国務大臣(田澤吉郎君) 五十七年度の農林水産予算案につきましては、これは厳しい財政の中で、特にこの中で効率的な予算を編成しなければならないという点に力点を置いて編成されたわけでございまして、特に、皆さん一番心配されました農林水産予算の補助金の扱いでございますが、これまでは各部局でそれぞれ補助金の要求をいたしておりましたのを、今回は統合・メニュー形式によりまして、効率的な補助金の扱いをいたしたい、かように考えておりまして、したがいまして、全体としての伸び率は〇・二%でございますけれども、しかし、その内容はかなり豊かなものであろう。また、実質的に、効果的にこれが各種の事業が実施されるものと私は期待いたしておるのでございます。 また、私は、農業の基本的な考え方、農政の基本的な考え方でございますが、これは、私としてはやはり長期の展望に立って生産性の向上を図らなければいけない。しかも、それは国内で生産できるものは極力国内で賄うという基本に立って、やはり国民の需要の動向に応じて農業の再編成を図るということが私の基本でございまして、そこで、そのため、そういうような基本に立ちながら、新しい農業をじゃどうつくるのかと言えば、私は、いま、農林水産業の環境が、一つには、国際的には中長期的に見て食糧の需給が不安定である。もう一つは、国内的にはやはり米の過剰だとか、いわゆる経営規模の拡大の渋滞だとか、あるいは老齢化だとか、あるいは混住化、兼業化といういろんな問題がある中で、私たちは、新しい農業を進めるとすれば、まず食糧、米の過剰というものを処理しながら、その中から新しい芽生えをつくるということがいま一番必要なんじゃないだろうかと思いまして、私は、水田利用再編対策という、いま二期対策を進めているわけですが、この中からいわゆる新しい芽生えをつくっていくことが、すなわち、この水田利用再編対策は国民の需要の動向に応じていま進めているわけでございますので、新しい芽生えはそういうところから始めなければならないのじゃないだろうか。そういう意味で、これを緊急避難的なものじゃなくて、あくまでも集団定着化さしていくことが新しい農業の方向づけになるだろう。それで、私はその水田利用再編対策というものを基本にしながら、この事業に必要なための基盤整備をするとか、これに必要な技術開発をするとか、経営規模の拡大を進めることが私は新しい農業への道につながるものであろうと。——御承知のように、新しい農業はいま点でございます。私は、この点を線にして、できたら面にしていかなければならない、これが私たちのこれからの仕事であろう、かように考えております。
○宮田輝君 すでに点は方々にあるかと思います。おっしゃるように、それを線にし、面にするということがこれからの大仕事ではないかと思うんです。いま大臣のお話の中にも補助金ということも出てまいりました。補助金というと、すぐ農林水産予算というふうに結びつけるくらい予算の時期になると話題になるのが農林水産省の補助金でございます。 私は、大臣がおっしゃるような、日本農業が強くなってほしい、日本農業が強くなるための補助金というのは大事なもんである、必要なもんではないか、たとえばですね、そんなふうに考えるんですが、補助金について一言お伺いいたします。
○国務大臣(田澤吉郎君) 先ほど申し上げましたように、新しい農業をつくるためには、やはり技術の開発、普及だと思うのでございます。その技術を開発し、それを普及するためには、やはり補助金によるもの以外に私はないのじゃないだろうか。今日、農業ばかりじゃなく、日本の産業全体も私はそうだと思うんですが、自動車産業が今日このように世界的な産業として成長したのも、ひっきょうするに自動車産業への国の大きな財政的な援助があったからにほかならないと思います。また、いま代替エネルギーの問題についても、かなりの補助金が出ております。これについても、こういうことを考えますというと、単に農業だけじゃなく、新しい技術開発をした、それを普及するためには、やはり国の財政の援助によって初めて新しいものが生み出されるものであろう、私はこう考えますので、単に農業だけじゃなく、——農業だけが補助金によっての過保護的な産業だと言われるのはむしろ誤解じゃないだろうかと私は思います。
○宮田輝君 私もそう信じております。 国の台所を賭う大蔵当局としては、この補助金についてどんなふうにお考えでいらっしゃいましょうか。厳しい財政事情の中でございます、特にお骨折りをいただいているんじゃないかと存じます。お願いいたします。
○説明員(千野忠男君) ただいま先生から御指摘になられましたように、私どもも日本農業が強くなるために補助金を最も効率的に使いたい、こういうふうに思っております。 よく従来から、農林水産関係予算は補助金を少しつけ過ぎてはせぬかというような意見もよくあるわけでございます。けれども、われわれは従来から整理合理化に努力してきておりまして、五十七年度予算におきましても、臨調の答申なども踏まえまして、補助金の統合・メニュー化等を進めておりますし、農林水産関係予算において補助金がつけ過ぎているじゃないかということは、われわれとしては当たらないと思っております。 ただ、先ほど御指摘のように、それがどういうふうに使われているかということは問題でありまして、したがって、われわれは今後とも予算の一層の効率化ということを目指す見地から、見直しは厳しくやっていかなきゃいかぬ、かように考えており良す。 農林予算の中での補助金に対する考え方でございますが、まあ一つ、農業それから水産業、これは非常に零細多数の農林漁家を対象としておる行政でございますので、地方公共団体を通じて行わざるを得ないといった面がございます。それからまた、国全体の立場から、一定の方向なり、水準なりの行政を確保する、そのためにも補助金というのは、一つの有効な手段であり得るわけであります。 最近の農林水産業をめぐる情勢から見まして補助金を、要するに農林水産業のいま大きなテーマであります農業生産の再編成なりあるいはその農業構造の改善と、こういった大きな政策目標を全国的な視野でかつ各地域のバランスも考えながら進めていくとなれば補助事業による誘導というのは一つの有効な手段であると、こう考えます。 ただ一方、補助金はよく言われますように、硬直化とかあるいは既得権化とかといったような傾向がないわけではございません。したがいまして、われわれは、今後とも一体この補助金は目的をもうすでに達したんじゃないかとか、あるいはその経済的社会的実情に合わなくなったんじゃないかとか、あるいは補助効果は乏しくないかとか、あるいは受益者負担とかほかの措置でやれないとかいう、いろんな見地からの見直しは十分やっていきたいと考えております。
○宮田輝君 これからも強い日本農業をつくり上げていくためにどうかひとつ前向きに取り組んでいただきたい、お願いを申し上げておきます。ありがとうございました。 いま、たとえば補助金の問題についてもあるいは外国との関係についても、ものが食べる物につながることでございますんで、農業が多くの国民に関心を持たれるようになった時期ではないかと思うんです。私は、これはいいことではないかと、こう思っております。私たちの豊かな食生活は農家の皆さんの御努力のおかげで支えられておりますし、そういうことも知らされ、外国の人々の協力をいただいてバラエティーに富んだ食卓にもなっていると、こういうこともわかるわけでございまして、いま農業にとっては貿易摩擦の飛ばっちりと言ってもいいかもわかりませんけれども、まことに迷惑な話にもなっているのと同時に、やや農業離れになっている日本人に改めて農業の重要さを考え、関心を持っていただくチャンスにもなり得るんではないかと思うわけでございます。 で、よく農業問題を話し合う初めに、世界の人口と、それから耕地の話題が出ることがございます。今世紀の初めに世界の人口は十九億というふうに知られておりますけれども、それから五十年たった一九五〇年に二十五億になり、七五年には四十億になり、国連の推計では二〇〇〇年には六十二億になるということでございます。ところで、食糧の生産でございますが、地球の潜在生産量は膨大なものという推定の説もございますが、一九八〇年のアメリカ政府のレポート「西暦二〇〇〇年の地球」では、二〇〇〇年にかけて耕地はわずか四%しか増大しないと見ているようです。また、作付面積の年増加は今後二十五年間に平均年一%を超えないであろう、あるいはそれを下回るかもしれないということも聞いております。そこで、世界の人口増加と食糧生産、これには水産物その他もございますけれども、ここでは農畜産物、中でも耕地との関係についてお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(佐野宏哉君) ただいま宮田先生御指摘のとおり、西暦二〇〇〇年の人口というのはFAOの推計で六十二億、米国農務省の推計では六十三億五千万という数字がございます。それから一方、耕地面積でございますが、米国農務省の推計によりますと十五億四千万ヘクタールということで、現状に比べて四%増という見通しになっております。こういう中で先進国、開発途上国ともに農業生産の増大に精いっぱい努力をいたしましたとしても、何しろ自然条件に左右されることでもございますし、それから先進国を中心とする畜産物の消費の増加に伴いまして飼料穀物の需要の増大が見込まれるということ等、まあいま申し上げましたような人口の増加ということがございますので、これはFAOの推計によりますと、現状のままの趨勢的に事態が推移すれば、二〇〇〇年で栄養不良人口が約五億九千万、精いっぱいの努力をしてもなおかつ二億六千万程度の栄養不足人口が残るであろうという推定になっておりまして、まあ長期的に見ますと大変ゆゆしき事態であるというふうに認識をいたしております。
○宮田輝君 まあ、長期的に考えると決して楽観はできないというふうに私も考えておりますけれども、とにかくいまの日本の食糧事情は、先ほどの砂糖法案のときに大臣もおっしゃいました、銀座のこじきは糖尿病とかいうことでございますけれども、まあいろいろな物の消費拡大を図るというぐらい非常に豊かであるという食糧事情は全くありがたいことでございますけれども、しかし、本当に長期にわたって考えると、決してそんな甘いものではなさそうでございます。食糧を確保するということはなかなかむずかしいことではないかと思うんでございますが、農林水産省におかれて世界の食糧需給の見通し作業を行っていると伺っておりますけれども、これは現在どんなふうになっておりますでしょうか。
○政府委員(角道謙一君) お答えを申し上げます。 御承知のように、一昨年の十月に農政審議会から「八〇年代の農政の基本方向」という答申が出たわけでございますが、その中で食糧の安全保障あるいはそのほかえさ米あるいは日本型食生活の問題がございますが、これらについて検討を深めるようにという答申がございました。自後昨年の秋以来農政審議会の専門委員会におきまして、いま申し上げました食糧の安全保障問題を検討いたしたわけでございますが、それに関連をいたしまして、今後の世界の食糧需給はどうなるかという問題がやはり大きな問題になりますので、私ども専門委員会におきましてこの問題を現在取り上げておるわけでございます。 たまたまきょう農政審議会の専門委員会を開いておりまして、そこに農林水産省で開発をしました食糧需給モデルというものによります試算を現在出して御審議をいただいております。これは、西暦二〇〇〇年というものを将来の目標にいたしまして、それまで各年の間にどういうような食糧の需給事情が変化をしていくかということを現在検討いたしております。対象の品目といたしましては、耕種四品目、これは米、小麦、粗粒穀物、大豆、畜産につきましては六品目、牛乳・乳製品、牛肉、豚肉、羊肉、鶏肉、卵というものにつきまして二〇〇〇年までの間、どういうような状況で動いていくかということを見ているわけでございます。 詳細につきましては省略をさせていただきますが、これによりますと、今後一九八五年ごろまでは各穀物、大豆とも需給は緩和基調で推移するのではないか、したがいまして、どのような状況に対応いたしまして、主産国であります。アメリカにおきましては本年からセットアサイドを再開しておりますが、一九八三年以降もセットアサイドということで休耕を実施をしていくのではないかと、そういう見通しを持ちまして生産制限をやる結果、一九八〇年代の後半になりますと世界的な在庫減というものから、逼迫基調に転ずるのではないか。そのために、穀物等の実質価格も上昇する。また、若干のタイムラグを伴いまして畜産物価格、これはえさ価格の高騰等に伴いましてやはり畜産物価格も上昇するのではないか。 こういうことによりまして一たんまた逼迫期へ入りますけれども、この反動といたしまして世界的な食糧需給が一時的に若干緩和をするといたしましても、先ほど経済局長から御説明申し上げましたような耕地の制約の強まり、あるいは単収増もテンポが鈍化をしてくる、あるいは畜産物につきましての需要が増加をしてくるというようなことから見まして、二〇〇〇年にかけましては徐々に逼迫基調を強めていくというように考えておりまして、中長期的に見まして世界的な食糧需給というものはやはり楽観を許さないというような私どもの観測が裏づけられるというような資料になっております。
○宮田輝君 世界の食糧自給の見通しですが、資料としていただけますか。
○政府委員(角道謙一君) 後ほど御配付を申し上げたいと思います。
○宮田輝君 栄養水準でございますけれども、大体日本人の体格からいっていまいいぐあいにいっているのではないかということを聞いております。このごろでは一日一人二千五百キロカロリー程度。これも現状程度でいいんではないか。たん白質、脂質、炭水化物の組み合わせのバランスも健康上望ましいものに近い、こう言われておりますけれども、だとしますと、いまのように食糧の安定供給を図るということが大切だということになるのではないかと思うんです。その食糧を確保するためにこれからどうすべきかということでございます。いま食べているものがみんな日本でできるものならばまことに心強いわけですけれども、外国依存になっているのは事実でございまして、それも国民の要望に沿い、また一国の総合的な安全保障を考えたときに重視されなければならないのは当然だと思います。しかし、不測の事態に対する備えとしても、食糧供給のかなりの部分が、高い生産性の国内生産によって担われることが基本的には大事なことではないかと思うんです。こういう点については、「八〇年代の農政の基本方向」でも指摘されているところでございますけれども、国内生産をふやし、自給率を向上させるには、先ほどちょっと大臣も触れられましたけれども、技術開発がかなり大事なのではないか、こう思うんでございますが、大臣の技術開発に対する取り組み方針をお聞かせいただきたいと存じます。
○国務大臣(田澤吉郎君) 過般、対外経済摩擦の関係で、アメリカから上院議員が日本へ参りました。その折に、その一人が、私はアメリカにおって日本に対する認識は、自動車だとかテープレコーダ等は確かにすばらしいだろう、そういう認識で日本に来てみまして、多くの方々、多くの地域を視察をしましたら農業が、特に農産物の質が非常に高いということを私、発見しました。それは一つはリンゴであり、一つはバラの花でございますと、こういうことでございます。リンゴはまさにすばらしい。それからバラの花はエリザベスという花だそうでして、これアメリカでは一番好きな花なんですが、アメリカにはこういうりっぱな花はございません。日本の花はすばらしいですと、こういうお話でございまして、これは、私はいわゆる資源のない日本が今日、自動車産業はもちろんでございますが、農業のこれだけの振興は、農業技術の開発によるものだと思うのでございます。 したがいまして、私はこれからの新しい農業をつくるためには、技術の開発こそやはり新しい農業への道である、こう考えまして、たとえばいま水田利用再編対策を進めておりますが、いわゆる湿地田に対する転作作物を何にするかということで非常にこの対策の面で苦慮しているわけでございますが、もし、えさ米が品種が固定することができたならば、これは大きないわゆる革命的な転換に私はなろうと思うのでございます。 そういう点から言いまして、私は技術開発こそ新しい農業の道につながるものである、かように考えまして、いま積極的に、——いま筑波学園初め多くの技術試験場は非常にすばらしく設備が整いましたし、また農業技術者もすばらしい最高の権威者をいま抱えておるわけでございますが、研究費の問題等も思い切って私は配慮してすばらしい農業をつくるための一つの基盤にしたい、かように考えております。
○宮田輝君 リンゴに話題が及びまして、大臣のほおが緩んだような感じで私はいいことだと思うんです。 大臣は、たしか青森県南津軽郡田舎館村、その名も農業にぴったりのところで大きくなられたと聞いております。あのかいわいはリンゴどころでございます。隣に藤崎という町がございますが、あそこには農林省の試験場もあったはずでございまして、バナナが自由化された昭和三十八年ですか、リンゴが大変心配されたころがございますけれども、リンゴの方の研究も大変進みまして、いま店頭で必ず見られるあの「ふじ」という種類などは、一番最初は大臣のお隣の藤崎の試験場で交配されたということを私も聞いております。 これも農林省は競馬までやっているわけでございますけれども、昭和十四年に国光を母親、それからデリシャスを父親として交配し、結実した五百九十六個体の中から昭和三十二年に選抜、三十七年に「ふじ」として農林登録された、こういうことでございますね。かつては紅玉、国光というのがこれが主流だったと思いますけれども、いまはスターキングデリシャス、それから「ふじ」、これが大きな流れになっているようでございます。 おっしゃるように、技術開発、研究というのは大もとではないかと思います。リンゴ園の中で大きくなられたような大臣に、これは生産者の方が大変努力されて、それからまた役所もそれにこたえてみんなで力を合わせて努力された結果、リンゴも大分値段の高いものも売られるようになったというふうに思うんでございますが、香り豊かなところでお育ちになった大臣に、そのリンゴについて言いかがでございますか。
○国務大臣(田澤吉郎君) かつてリンゴ産業——産業全体でございますけれども、やはり国民の需要の動向にこたえるということが一番でございますので、リンゴ産業も戦後食生活の改善その他によりまして、主として都会の好みがリンゴにもやはり反映してまいりまして、いわゆる国光だとか紅玉だとかという品種は大体需要がなくなってきたわけですね。そういう関係から新しいやはり都会の消費者の好む品種をつくらなければいけないということでスターキングが生まれ、さらには「ふじ」が生まれたわけでございまして、その苦労というものは大変なんですね。試験場では確かに何年かの研究の結果生まれた、そのできた品種の「ふじ」を普及するためには大変な苦労なんです。あの大きな木を根っこから切って新しい苗木を植えるとか、大きい木に芽接ぎをするとか、いろんなことをして圃場全体を「ふじ」あるいはスターキングにすることでございますので大変な苦労なんでございますが、その苦労がいまリンゴ生産産業に大きなプラスを与えている、そのことが若い者に魅力のある産業にしているということなんでございますので、最近の農業にやはり足りないのは、ひとつ思い切ってこれを新しいものにしようとする意欲といいましょうか、努力がどうも足りないのじゃないだろうか、それがあって初めて新しい産業としてすばらしい未来を持つ産業に私は農業が成り立つものと、こう考えますので、そういう努力をお互いしていかなければならないというような感じを持つのでございます。
○宮田輝君 お話を伺っておりますと、津軽の野面がこう目に浮かんでくるような感じがいたします。 そこで、米について考えてみましても、稲作の収量増加にはこれまた長い歴史があるようです。日本の昔から先覚者が努力をされているということは、たとえば天平十四年から延暦四年と、これは西暦七四二年から七八五年だそうでございますが、一町歩当たり六・七石、十アールで大体百キロぐらいとれていたという記録がございます。それから約千五十年たって天保七年、一八三六年には十二・八石、十アールで百九十二キログラムになっております。明治時代は大体二百キロ台、大正、昭和は二百から三百キロ、戦後は二十一年が三百三十六キロですが、三十五年には四百一キロと伸びております。これまで特にそういう生産性が上がってきているわけでございますけれども、戦後の米の増収、それから近年特に味をよくするという御努力があるわけでございますけれども、そのためにどういう試験研究をなさっていらっしゃるか、そしてその主要な成果はどういうことになりますか、お伺いいたします。
○政府委員(岸國平君) ただいま宮田先生の御指摘のように、米につきましては明治二十六年に農事試験場が初めて創設されましたけれども、それ以来九十年近く試験研究の面で、特に品種の育成ということを中心に非常に大きな努力を重ねてまいりまして、今日農林登録の品種だけでも二百六十七品種できております。それを達成するためにいま先生が御指摘くださいましたような努力を続けてきているわけでございますが、特にその面で努力しておりますのは、一つは、日本は非常に北から南まで長いという、気候的にも非常に寒いところから暑いところまでということがございますので、地域に適合した品種、特に良質で多収、耐冷、耐病性といったような性質を持った品種をつくるということに一つは大きな努力を注いでおります。 それからもう一点は、土地基盤整備技術の確立ということで、これも特に稲の場合には非常に重要な技術でございますので、その点にも大きな努力を注いでおりますし、その結果として、事業として非常に大きなものが行われ、現在のようないい水田ができ上がっているわけでございます。 それから三番目は、田植え機の開発とそれから機械移相のための育苗技術の開発ということで、今日日本の稲のほとんど九〇%以上が機械移植が行われているということで、そのために多収、——非常に安定した稲作が行われる大きなもとになっておるわけでございます。 それからもう一つは、施肥技術の改善ということに長い間努力をしてまいりました。 それからもう一点は、日本はアメリカなどと違いまして、特にアメリカのカリフォルニアなどでは非常に多収を上げておりますけれども、カリフォルニアの場合なんかを見ますと、非常に乾燥した地域で灌漑をして行っているということで、病害虫がなかなか出にくいというような状況を持っているわけでございますが、日本の場合には非常に稲の生育期間に雨が多いという事情がございまして、病害虫に非常に悩まされる。それに対して新農薬の利用等を中心とした病害虫防除の技術というものを非常に努力をしてきております。その成果も実ってきております。 それからもう一点は、雑草の防除の技術の開発につきましても非常に力を注いでまいりまして、現在ではほとんど手で田の草取りというようなことをしなくてもいいような状況になっておるということでございます。 それから最後は、田植え機を初め自説型のコンバイン、そういったものを入れた機械化一貫作業体系というものができ上がりまして、非常に省力的な稲作ができ上がったというようなところで、私どもこれはただいま稲を中心にして試験研究の開発についてお答え申し上げましたが、そのほかの面についてもほぼ同様な努力を重ねております。
○宮田輝君 アメリカの話もちょっと出ましたけれども、カリフォルニアの稲作などはかなりの収量を上げていると、カリフォルニアだけでは七百キロ台ということも聞いておりますけれども、アメリカも財政赤字、そういう中で当然のように農務省のほとんどの予算は削られているというのに、科学・教育局の予算はふえたということでございますね。これは田澤大臣のおっしゃるように、研究開発、技術開発が大変大事だと、それによって農産物の輸出を強化しようということのようでございますが、米はおかげさまでおいしいものがたくさんとれるようになった日本です。しかしこれもまたいろいろな条件が、自然との産物でございますから、年によっていろいろなこともあろうかと思いますので、一層ひとつ研究の手綱を緩めることなく続けていただきたい、こう思います。 米でございますが、たくさんとるという超多収品種の研究ですが、おとといの朝の新聞で、「エサ米、59年から生産 農水省過剰解消の切り札に」と、こういう見出しで記事を載せております。この問題については後ほど岡部委員が質問されますので私は深入りいたしませんけれども、農林水産省の技術会議には飼料用稲開発のための段階目標試案、逆七五三計画というのがありますね。これによりますと、五十六年、五十七年、五十八年の三年で一〇%増、それから五十九年から六十三年までの五年間で三〇%増、六十四年から七十年の七年で五〇%増、つまりいま五百キロとれるところは十五年で七百五十キロと、たくさんとれるところではやがて一トンもとれるようになるということなんです。これは試験場ではなくて全国平均でこうなるということでございますが、大体そうなると考えてよろしいんでございますか。
○政府委員(岸國平君) ただいま先生御指摘の計画、私ども逆七五三計画と申しておりますが、これは計画でございまして、十五年後にいま先生のおっしゃられますように確実に五〇%増が実現できるのかとおっしゃられますと、私どもそれに向かって最大限の努力をするということで計画をいたしまして、従来はそういうはっきりとした数字の目標まで示して研究を始めるということは余り研究者は得意でなかったんでございますが、この問題につきましては、非常に行政的にも重要な問題であるというふうに認識をいたしまして、とかく研究を実施していけばいいんだという研究者を、しっかりした目標のもとに結集してその目標達成に努力するという意味でこの計画を立てておりまして、現在すでに五十六年から始めておりまして、五十五年からもう予備的に始めておりますけれども、二年目を迎えておりますが、いままでにつくっておりました系統あるいは外国から導入しておりました系統、そういったものを対象にいたしまして、現在達成できる収量はどうかというようなところから試験を着々と進めておりますので、その状況を見ておりますと、今後、計画の中でかなりいいところまで行けるのではないかというふうに期待もし、またそれに向かって努力をしていきたいと考えております。
○宮田輝君 御期待申し上げます。 プロジェクト研究の中にグリーンエナジーというのがあります。太陽エネルギーの研究などもそこにあるようでございますが、石油などの資源事情や環境保全を念頭に農業の果たすべき役割りを考えますときに、この自然エネルギーの効率的利用についての研究というのは、私ども生物の一員としての人間がやらなければならないことかもしれないと思うんです。 そこで、たとえば太陽エネルギーはまだまだ利用できるのではないか。というのは、たとえばトウモロコシだとかサトウキビだとか、そういうものの方が米なんかよりも利用しているということも聞いているわけでございますが、太陽エネルギー研究の実情と、それから、これは五十三年から六十二年度までという十カ年計画でございますが、この終了時には、何かいまの超多収品種のように大きな期待を持たせていただいてよろしいんでございましょうか。
○政府委員(岸國平君) ただいまグリーンエナジー計画という名前で五十三年から六十二年までに向けて十年間の計画で研究を開始いたしておりますが、この研究の内容は、いま先生の御指摘のございましたように、一つは、植物のいわゆる太陽エネルギーを用いてでん粉その他の成分をつくっております植物の太陽エネルギーの利用効率をできるだけ高く持っていく、そういう研究が一つでございまして、それからもう一つは、太陽エネルギーそのものを、現在いろいろな化石エネルギーをいろいろな形で用いております作業の体系の中、あるいはエネルギーの利用の体系の中に、自然エネルギーを用いて、それに代替するような技術の開発ということを目標にして研究を進めております。もうすでに四年ほどたちますので、第一の研究のところでは、たとえば、先ほどの御指摘の中にもありましたようなトウモロコシやサトウキビが属する、C4植物と言っておりますが、太陽エネルギーの効率よく使えるたぐいの植物でございますが、その力を稲その他のC3植物に属するものの方にそういう性格を持ち込むような研究というところに焦点を当てて研究を推進しておりまして、まだ、稲とかそういうすぐに農作物に結びつくところの種類にまでは及んでおりませんけれども、そのテスト植物の段階でございますが、世界でもかなり例の少ない研究の成果が出つつございまして、そういうもののところから今後DNAの組みかえその他のところも結びまして新しい技術に発展させていきたい、そういうふうに考えております。 なお、このグリーンエナジー計画につきましては、第二の計画の方はかなり実用的なものでございまして、一つ一つ、現に北海道あたりで実現されておりますハウスを用いての太陽エネルギーの有効利用というような、いろんな冬場の石油暖房を使わない方式というようなことで開発しております技術は、すぐに現場に入っていけるわけでございますが、第一の方は、すぐに稲の超多収に結びつけるというところまではなかなかむずかしい点がございますが、最終的にはそういうところに実地に結びつけるというつもりで努力をしていきたいというふうに考えております。
○宮田輝君 大いに御期待を申し上げたいと思います。 作物の品種改良と試験研究の推進が必要なことは、どこでも、またいつの時代も変わらないと思うんですけれども、先ほども申し上げましたように、実際に生産している農業者も大いに努力をされているところです。 で、農林省もまた、お話しのように、一生懸命やっていらっしゃるということがわかりますのは、農林省が持っている特許権をちょっと調べさしていただきましたら、昭和五十六年度に登録された権利だけで、これは林野庁や水産庁は含まずに、十四件あるということです。昭和五十五年度のこの特許権の使用料ですね、つまり国としては歳入になるわけです。これは三千七百十九万二千円と、これだけ特許権で、まあ俗に言えばかせいでいらっしゃるということで、これは私は、その件数だとか金額がどうこうではなくて、いいことではないかと思うんでございます。 そういうことを考えれば、なおさら農業というのは考える産業と言うことができるんではないかと思います。いまの日本の農業は、実は後継ぎにも困っているという農家なんかが多いわけです。中には、せっかく大学で農業課程を終えられたという方が、うちの仕事である農業につかないというのはもう珍しくございません。文部省の調査によりますと、大学卒業者のうち農学関係の学科の卒業者、そのうち農林漁業作業者というのは四%弱、こういう数字が出ております。大臣は、魅力のある農業にしなければならない、新しい農業を建設しなければならない、こういうお話でございますが、りっぱな方に日本の農業を継いでいただきたいという気持ちから申し上げたわけでございます。それにはやはり、先ほど来のお話しのように、技術開発も大変重要なことでございます。それらは、自然との関係もございますから、長期にわたることが多いんではないかと思いますね。したがって、その間に国際情勢やあるいは国内の政治、経済に変化があることも考えられるわけです。ごく素朴に思いますのに、どんな時代になっても、人間生きていくためには食糧は要るんではないか。食糧生産のたとえば農業は、これからは特に進んだ頭脳労働の仕事ということになるんではないかと思うんです。私は、日本の進んだ農業技術を考えてみましても、先覚者や、いま努力されておる農業者の並々ならぬ御精進に敬意を表するものでございますが、歴史の長い農林水産省も、総じてみごとな実績を残しておられると思います。なかなか容易なことではありませんけれども、さらに御努力をいただきたいと存じます。 私は、足腰の強い日本農業であることを願っております。やる気のある人材が中心になっての日本農業でなければならないんではないか。また、それによって総合安全保障の中でより重要な役割りを果たす日本農業になっていくのではないかと考えて質問を申し上げたわけでございます。 期待される農林水産省は、自主性の尊重はもとよりのことでございますが、農林畜水産業者の生活を守り、国民食糧の安定確保に努め、より信頼される農林水産省になっていただきたいと思います。大臣の御所見と御決意を伺って、私の質問を終えたいと存じます。ありがとうございました。
○国務大臣(田澤吉郎君) 農林水産業は、農山漁民にとっては生産の場であると同時に生活の場でもございますので、したがいまして、その地域の安定の基盤でございます。日本の安定の基盤と言っても差し支えないと思うのでございますので、私は、いま兼業化あるいは混住化、老齢化しているこの日本農業、農林水産業を活力ある、魅力あるものにするためには、やはりその地域の社会が、人との交わりの温かい社会でなければならないし、また活力のある社会でなければならないと思います。そのためには、何としても後継者、優秀な後継者がやはりなければならないと思うのでございますが、残念ながらいま嫁さんも来手がないというような状況にあるわけでございます。 私はいま、教育と農業の関係に大きな疑問と反省をいたしているわけでございますが、農家、農民が、せっかく自分の息子を自分の後継者にしようとして農林高校へ入れる、あるいはまた大学へ進めてやることによって農業に魅力を持つかと言えば、かえって農業離れになっているというような現状なんです。したがいまして、こういう農業教育というものは果たしていいのかどうかということを私は非常に疑問に思っているんです。私は、少なくとも農林高校にはこれから農業をやるという者だけに門を開いた方がよろしいのじゃないだろうか。また、農業大学に入ったら少なくとも相当多数の者がやはり農業に従事するというような、また研究機関に参加するというような若人でなければならないと思うのでございます。したがいまして、私は、そういうためにはやはり教育の面、あるいはまたいま現に農業をしている人たちのいわゆる心構えといいましょうか、自信といいましょうか、農業に対する一つの信念と申しましょうか、そういうものが足りないのじゃないだろうか。高度経済成長を経た今日、高度経済成長がともすれば物を中心にした関係から、本当に文化の積み上げとか、そういうこれは労働のとうとさというものがだんだん失われてきまして、目先のいわゆる換金というものにのみ、経済というものにのみ目を向けているところに大きいこういう農業に対する問題が起きたのじゃないだろうかと思いまして、私はいまそういう点を非常に考えているわけでございます。 私は、学生時代から一番好きな人は、宮沢賢治であり、松田甚次郎でございます。私も学生時代ずいぶん宮沢賢治の著書を読みました。松田甚次郎の農民としての努力も、私はずいぶん随筆等で読みました。あの方々は、盛岡農林高校を卒業して、短い人生をあの東北の零細な、しかも冷害対策に対して身を挺して農業に全生涯をささげた人でございますが、ああいう人が日本の農業大学を出た者の中に、いま厳しい農業のこの現状を私が打開してみようという若い力がないだろうかということを考えているのでございますが、私はそういう意味で、今後そういう教育が必要じゃないだろうかと、こう思います。 私、最近、よそへずっと参りますというと、ここにおられる方で農業に関心を持ち、いま現に農業をおやりになっている人で息子さんが二人以上あったら、どうか一番頭のいい人を農業に従事さしてください、二番目をサラリーマンにしてくださいと、こういうことをいま宣伝して歩いておるのでございます。というのは、やはりいま単に農業技術の面においても、あるいはまた流通経済等においても、また国際経済の面からいっても、農業の置かれている現状というのは非常に厳しゅうございますから、その中で農業を進めようとすれば、頭脳産業でございます。したがいまして、私は一番頭のいい人がこの産業に従事していただくことを期待いたしているわけでございます。
○宮田輝君 ありがとうございました。
○岡部三郎君 五十七年度の農林水産予算案は、御案内のように財政再建や行政改革の推進という観点から、ゼロシーリングというかつてない厳しい環境下で編成されたわけでありますが、結果的には対前年比一〇〇・二%、昨年並みの予算額が確保され、内容的にも相当充実したものが盛られているわけでありまして、もちろん現在日本の農林水産業が当面しておる現状を考えますと、これで十分というわけではありませんが、しかし、厳しい編成条件下ではまずまずの成果であったのではないかと存じ、大臣初めその衝に当たられた方々に対し、深く敬意を表する次第でございます。 そこで、予算の内容につきまして以下具体的に二、三質問をいたしたいと思うわけでありますが、その前に、最近、対外経済摩擦が大きな問題になっておりまして、その中で、農産物の市場開放を米国あるいはECが強く求めておる。これに対して農業関係者が大変な不安を覚えておるわけでございます。政府としてはこれにどのように対処していかれるのか、その基本方針についてまず大臣のお考えを承りたいと思うわけであります。
○国務大臣(田澤吉郎君) 対外経済摩擦の解消については、政府としても非常に重要な案件でございますので、昨年対外経済閣僚会議を開きまして五項目にわたる対外経済対策を決定して、それに基づいていまもろもろの政策を進めているわけでございますが、特に、御承知のように、関税率の前倒しをやり、あるいはまた輸入検査手続の緩和等をいたしまして、このことを、いわゆる市場拡大の日本の態度をアメリカあるいはECによく説明をし、理解を求めていると。あるいはまた、日本の農林水産業の現状を理解するためにこれまでも努力をしてきているわけでございます。ちょうどその折に、——今年に入りましてから、日米貿易小委員会が開かれまして、その折にいまの残存輸入制限品目についての話し合いをいたしました。アメリカは、農産物の市場開放については非常に強い要求がございます。ところが私たちといたしましては、この会議においては、やはり農林水産、いまの残存輸入制限品目については農畜産物のやはり基幹をなす作物である、あるいはまたその地域の重要な作物であり、水産業の振興のための重要な品目でございますので、どうしてもこれを緩和するわけにまいりませんということを強く要請をいたしてまいったのでございます。 そこで、この残存輸入制限品目につきましては、いま作業部会を日米間で設けまして、四月の十二、十三、アメリカでこれを開くことにいたしております。また東京ラウンドで合意されましたいわゆる牛肉、オレンジについてでございますが、これは御承知のように一九八三年まで合意されておりまして、それ以後いわゆる一九八四年以後のこの協議はこれから進められるわけでございますが、その点については今年の十月以降日米の適当な時期にこれを協議しましょうというスケジュールができたわけでございますので、私たちとしてはこのスケジュールにのっとって残存輸入制限品目の日米間の協議を進めてまいりたい。先ほど申し上げましたように、残存輸入制限品目については、農家、農民はもちろん農業団体が大きな関心と不安を抱いているのでございますので、私たちとしてはできるだけわが国の農林水産業の実情、現状、さらにはまた私たちがいままでとってまいりました市場開放の努力等を理解していただいて、できるだけこれは残存輸入制限品目については手を染めないように努力をいたしたい、かように考えております。
○岡部三郎君 大変に力強い御方針を承ったわけでございますが、ぜひそういうことで農業者が安んじて農業に従事できるような処置をお願いをいたしたいと思うわけであります。 そこで、今予算のいわば目玉であります補助金の統合・メニュー化、これは地域の自主性や創意工夫を尊重することをねらいとしていると言われておりますが、まあ各種の事業の中で最も大きな統合・メニュー事業であります新地域農業生産総合振興対策、これを代表事例として以下二、三お尋ねをしたいと思うわけであります。 まず第一に、こうした総合事業というものは、まあ従来からも必要なものを弾力的、有機的に実施できるというふうな非常に大きなメリットがあるというわけでございますけれども、その反面とかくこのメニューにあるものを幾つかセットで実施しないと統合という名に値しないというふうな考え方から、まあ余り必要度の高くないものを押しつけると言うと語弊があるんですが、やらせるというふうな嫌いがないでもない。また受け手の方から見ましても、その事業効果の不要不急のものまで取り込んだりしがちだと思うわけでありますが、こういった心配が今回の事業ではないかどうか。 それから二番目には、地域によっては必要なものだけを一つだけ重点的に実施したいといったようなところも、そういう希望を持ったところもあろうかと思いますが、こういった補助対象が単品のものでもこれらの事業で取り上げるのかどうか。 そして三番目は、営農用の機械に対する助成でございますけれども、機械に対する助成については従来から融資事業に切りかえた方が効率がよいのではないかといったような意見もいろいろありますが、こうした機械の取り扱いをどうお考えになっておるか。この点についてお尋ねをしたいと思います。
○政府委員(小島和義君) 新地域農業生産総合振興対策、私ども略して新生産総合と呼んでおりますが、この事業の趣旨は、冒頭大臣から御説明申し上げましたように、今日の農業生産の課題と申しますのは、需要の動向に即応した農業の再編成を図っていく、あわせて農業の生産性向上を図ると、こういうことをねらいといたしておるわけでございます。まあ平たい言葉で申し上げますならば、地域ごとにどういう作物をつくっていくのかということと、いかにしてつくっていくかと、こういうことをねらいといたしておるわけでございます。で、もちろんいままでもそれに応じました対策はとっておったわけでございまして、主要なものは作物別の予算と、こういうことに相なっておったわけでございます。しかしながら、お話しございますように地域の自主性を尊重し、その活力を利用して農業生産をやっていくと、こういう観点からいたしますと、余り種類の多い補助金が作物別に配置されておる、設けられておるということは、行政のいたずらな煩瑣を招く。あわせて各地域の実行上もなかなか物差しが合わないと、こういう問題も出てくるわけでございます。そこで、いま申し上げましたような生産対策のねらいを具体化し、あわせて臨時行政調査会などからも御指摘がございます補助金の統合・メニュー化と事務の簡素化と、こういう御要請にこたえましてこのような予算をつくったわけでございます。したがいまして、これまでございました総合事業の中にはいわゆるセット事業、一地域何億というふうなセット事業もございますけれども、これは成り立ちからいたしましてそのようなものではございませんで、いままでございました作物別の予算というのを統合・メニュー化したと、こういう性格のものでございます。もちろん若干の新しいメニューも用意はいたしてございます。したがいまして、各地域でそれぞれわが市町村の農業生産をこれからどうやっていくかということについて十分な御検討の上に立ちまして、必要なものを取り上げて補助事業としてやっていくと、こういうことでございまして、御心配になりますような不要不急の事業が押しつけられる、あるいは単品であるから補助しないと、こういうふうな心配はいささかもないものでございます。 また機械に対する補助金でございますけれども、かねがねトラクターを初めといたしまして個別経営にもういまやかなりなじんでおります機械、さらにはその普及度から見まして、いまや補助事業として取り上げる必要がないのではないかというふうな機械もふえてまいっておりますので、機械の内容に応じまして従来補助対象となっておりましたものも融資に切りかえていくと、こういう措置をあわせて講じておるわけでございまして、必要な融資等の金額についてはそれぞれ所要の手当てをいたしておるわけでございます。
○岡部三郎君 次に、公共事業についてお尋ねをしたいと思いますが、今後生産性の高い農業を実現し、健全な農村社会を形成していく上におきまして、農業基盤整備事業の役割りはきわめて大きいものがあると思うわけであります。その計画的な実施を図る基礎となるのが土地改良長期計画でございますが、これが現行のものは五十七年度で終了するというふうな形になっておりまして、五十八年度以降は新たな農業情勢に対応した強力な新長期計画を打ち立てていかなければならないと思うわけであります。これについては当委員会におきまして、昨年前大臣にもお願いをし、目下着々その作業が進められておることだと思いますが、その進捗状況なりどういう点に力点を置いてその構想をまとめられようとしておるのかといったような点についてお尋ねをしたいと思います。
○政府委員(森実孝郎君) 御指摘のように、現在の土地改良長期計画は五十七年度で終了するわけでございます。私どもはいま新しい長期計画の検討を進めております。基本となります考え方は、先般農政審議会から答申のありました「八〇年代の農政の基本方向」並びに閣議決定されましたいわゆる「農産物の需要と生産の長期見通し」を一つの目標というか、目安として取り組んでいくことだろうと思いますが、そういった状況、また今日の農業が置かれております客観的情勢、そういうものを念頭に置いて考えますと、やはり主要な課題として大体四つぐらい考えられるのではないだろうかということで論議を進めております。その一つは、やはり長期的に見た農用地と水資源の確保という問題でございます。 二番目は、今日的な課題として、やはり水田利用再編という視点から汎用水田化の推進という問題が大きな問題になるだろうと思います。 三番目は、特に狭義の構造政策と申しますか、やはり規模の利益が発揮できる農業を実現する条件を整備するという意味で、土地利用の集積とか集団化とか、あるいは大型機械の導入のための基盤の整備という視点だろうと思います。 四番目は、今日の混住化社会現象の進展なりあるいは農村内部においても広範に通勤兼業農家が存在している現実を頭に置きました場合、やはり農村社会全体として住みよい社会をつくっていく、定住条件を整備するための環境整備の充実という問題ではないだろうかと思っております。 また同時に、私どもといたしましては限られた国土資源のもとで、やはり日本の経済発展を考えていく上に当たっては農業基盤整備事業というものが調整的な役割りを果たしてきたという事実も強く主張していく必要があるだろうと思っております。十分そういったことを頭に置きまして、いま作業を進めているわけでございます。 御案内のように、なかなか厳しい財政事情でございますが、できるだけわれわれの主張を政府の内部において認めてもらって、実りのある具体案を取りまとめていきたいと思っております。
○岡部三郎君 ぜひがんばってりっぱなひとつ長期計画を立てていただきたいと思うわけでございます。 土地改良事業の強力な実施と同時に、いま話のありました農村における定住条件の整備を進めるための農村整備の仕事も、これもまたきわめて重要な事業だと考えるわけで、最近は御案内のように農村も混住社会化しておりまして、非農家もおれば兼業農家もおる、しかもこういう人たちが農村にやはり居住していただかないと活力のある農村社会というものはできないわけであります。利用権の集積を通じて農業の構造改善を図るといたしましても、健全な農村社会というものがなくなったんではこれは高生産性の農業も実現することは不可能になるわけでございます。近ごろこの農村整備に対しましてその必要性が多少薄いとか、あるいは特にこの農村整備で実施されておる上物と称する各種の施設整備等につきまして、若干ぜいたくであるとかいったようないろいろな議論がなされておるわけでございますけれども、こういった農村整備の必要性から考えますと、私は、決してこういった議論にくみするわけにはいかないわけでありまして、現在、農村に居住しておる人たちが今後も喜んでその地域に住んでいかれる。さらに、都会からも田園生活を求めて農村に人々が住むようになるという、そういったコミュニティーづくりこそ構造政策の基本でなくてはならないと思うわけであります。 また、国土の均衡ある発展という見地から考えましても、農村地域におけるこれらの生活環境の整備はぜひ進めるべき重要な課題だと考えるわけでございますが、これについての大臣の御見解をひとつお伺いをいたしたいと思います。
○政府委員(森実孝郎君) 御指摘がございましたように、非常に混住化現象が進んでいる、それからもう一つは大都市圏の過密化がひとつの極限状態に来て非常に生活条件コストも高くなってきている。また、コミュニティーの形成、維持ということが今日の日本の生きがいある社会をつくるためにはやはり重要な課題だろうと私ども思っております。その意味では国土の均衡ある発展、定住条件の整備、さらに農業自体を中核農家を中心にして健全な育成をしていくためにはコミュニティーづくりのこの種の制度は非常に重要なものだろうと思います。 その意味で、私ども農水省といたしましては、農業生産基盤の整備と一体となった農村生活環境の総合的整備を計画的に進める必要があるし、山村、平場農村あるいは都市周辺等、それぞれのタイプに応じて社会的ニーズを受けとめて前向きにこの事業を進める必要があるだろうと思います。確かに臨調その他の議論を通じましていろいろな御批判もございます。私どもも反省すべき点は反省しなければならないだろう。たとえば各種の事業の間の計画の調整をしっかり図っていくとか、あるいは共同施工を考えていくとか、そういう執行面なり補助内容等についてはやはり世の中の御批判も受けながら重要な見直しをしていかなければならないと思いますが、基本的にはいま申し上げましたように健全な地域社会づくりという意味においても、また狭義の農政を進める意味においても重要な施策と思っております。その意味で、今後とも決意を新たにして積極的な展開を図る必要があると考えております。
○国務大臣(田澤吉郎君) いま局長から答弁さしたとおりでございますが、やはり兼業化あるいは混住化、老齢化していく農村社会を魅力ある社会にするためには、どうしても農村の環境の整備が最も必要だと思いますので、そういう点で、私たちとしてはこれに積極的な努力をしてまいらなければならないと思っております。 過般、私は埼玉県の農村のモデル地帯を視察をいたしました。その折に、やはり混住化社会なんですね。農業に従事している人あるいは完全にサラリーマンであったり、あるいはまた他の職業を持っておる方あるいは兼業農家、これは一つの集落をなしているわけでございますが、そのモデル地帯へ参りましたら、やはり現に農業を営んでいない人でも、農業に理解を持ってその地域社会を明るいものにしようというテーマで、その地域社会の建設のために努力をしている。その一番の魅力はやはりその方々がみんなでコミュニケーションの場をつくるということでございます。また、その地域をやはり都会並みの生活環境につくるということにあるようでございますので、そういう意味ではいろいろな御批判もあるようでございますけれども、この農村総合整備事業には今後とも積極的な取り組み方をいたしたい、かように考えております。
○岡部三郎君 力強い大臣の御方針を承りまして、私どもも非常に意を強うしたわけでございます。 次に、本予算のもう一つの大きな柱であります研究開発につきまして二、三お尋ねをしたいと思います。 先ほどもちょっとお話が出ましたが、えさ米に関する試験研究の現状及び今後どのようにこれを進めていかれるか、もう少し具体的にお話を承れればと存じます。
○政府委員(岸國平君) お答えを申し上げます。 えさにすることを考えますと、まず非常に重要なことは現在食用につくっております品種よりも格段と多収であるということが一つの大きな条件であろうかと考えております。 それからもう一つは、非常につくりやすいということを目指さなければいけないんじゃないかというふうに考えておりまして、現在、超多収品種の育成に関する試験研究ということで、主に稲を対象に試験を始めておりますが、これは五十六年度から始めておりまして、五十六年度に国とそれから都道府県の指定試験を合わせまして六千三百万円という規模で始めておりましたけれども、五十七年度には二億四千六百万円という規模になりました。これで実施をする予定をいたしております。 その試験研究の中身といたしましては、これまでの研究蓄積の上に立ちまして、先ほどの宮田先生のときにもお話し申し上げましたように、当面五割増ということを大きな目標に掲げまして試験を実施いたしております。そのときに、特に農薬等も余り使わずにできるというような意味で、耐病性、それから北の方でも十分に使えるようにということで耐冷性ということを特に大きな目標といたしまして、耐病、耐冷、そういった性質を十分に持った超多収の品種の開発、またその品種を用いて、一方では安定的に多収を図れるような栽培技術の開発といったことを中心にいたしまして現在研究を始め、その方向で研究を実施することにいたしております。 いままでの研究の結果といたしまして、外国からすでにたくさんの品種が昔から導入されたものがあるわけでございますが、そういうものを幅広くセレクションをいたしまして、半矮性のインド型の品種の中にかなり多収を図れるようなものが出つつございまして、それらを中心に今後育種を進めていく予定でございますが、ただそれらの品種には先ほど申し上げました耐冷性それからいもち病に対する抵抗性といったような点でまだ問題がございますので、そういう点に特に留意をいたしまして今後研究開発を進めていくということを予定いたしております。 それからもう一点は、単に穀粒を使うということだけでなくて、途中でホールクロップサイレージにいたしまして、牛に給与するということも考えられますので、ホールクロップサイレージの調製の技術あるいはそれを家畜へ給与するときの給与法の研究といったようなものにもことしからはかなり重点を注いで研究を進めていくということを予定をいたしております。
○岡部三郎君 今年度から新たに細胞融合、核移植等による新生物資源の開発といったテーマが取り上げられてこの研究が進められようとしておるわけでありますが、これは私はこれからの農業における種の重要性といったことから考えますと非常に大切なことではないかと思うわけでありまして、今後こうした最先端のバイオテクノロジーを十分活用して、優良品種の創出に農水省としても全力を挙げていただきたいと思うわけであります。さらに、そのもとになる植物遺伝子の原生種の収集保存、これはこの間もNHKのテレビでやっておりましたが、先進諸国に比べると、こういう面ではわが国は大変劣っておるということでもあります。いかに細胞融合等の品種改良の技術が進歩しても、その素材がなくてはこれは何の意味もないわけでありますから、こうした面でもしっかりした対策を立てていただきたいと思うわけであります。さらに、先ほどの米の多収穫品種の改良に当たっても、こういった最先端の技術を適用して強力な育種を図り、先ほどお話がありました逆七五三というような計画のテンポをもっと早めるわけにはいかないのかといったことについてお伺いをしたいと思います。
○政府委員(岸國平君) 御指摘の、本年から始めることを予定しております細胞融合、核移植の技術を利用した新しい育種法の研究についてでございますが、そういった新しい技術を育種の面に活用をしたいと思いまして、これらはいずれも大変基礎的な研究でございますが、精力的に進めていきたいと考えております。 その場合に、先生御指摘のように、そのもとになる遺伝資源が非常に重要ではないかというお話でございますが、私どももその点非常に重要であるというふうに考えておりまして、いままでにも遺伝資源の導入については非常に長い期間——日本の中はもちろんでございますが、外国からも収集を図ってきておりますが、今後もそういうことを積極的に進めていきたいということで、ことしから中国の雲南省に人を派遣いたしまして、中国側と共同研究で雲南省での貴重な遺伝資源を活用して研究を進め、またその遺伝資源を導入さしていただくというようなことも考えております。 それから、そういうものを活用いたしまして、御指摘のような飼料用米の育成にも活用し、逆に七五三計画の年限をもっと短縮できないかというお話でございますが、この細胞融合のようなバイオテクノロジーを用います研究の手法と申しますのは、現在あるナス科植物でありますとか、比較的扱いやすい、あるいは単細胞でございましても新しい個体を発生するのにしやすいような植物、そういうものにつきまして基礎的な技術を開発しているのが現状でございまして、稲のような非常に細胞膜の厚い植物でございますと、これは単細胞の細胞膜を取ったプロトプラストというようなものをつくるのにも非常に困難を伴う点がございまして、直接その細胞融合の技術を、あるいはDNAの組みかえの技術を稲にすぐに使えるかということになりますと、まだ私どもそこまでの自信を持っておりませんが、やはりこういう技術を開発する最終の目標は、稲でありますとか麦でありますとか、そういうわれわれの生活にとって非常に重要な作物に活用するということを目標に置いておりますので、いずれそういうところに持ち込むような技術に仕上げたいというふうに考えております。それを直ちに逆七五三計画の短縮に活用できないかという点につきましては若干十分な自信がないのでございますが、ただこの品種の、飼料用米の育成につきましては、これは非常に急がれる問題でございますので、バイオテクノロジーを活用するということだけにとどまらずに、むしろ現在すぐに使える技術をしっかりと育て上げまして、一年でも二年でも早く目標とするような品種の開発を図りたい、こういうふうに考えております。
○岡部三郎君 ぜひそういうことで一日も早くりっぱな品種をつくっていただきたいと思うわけでございます。 最近、海外農林業に対する技術協力を推進する必要性が叫ばれておりますが、今予算におきましても、新たに農用地開発公団の業務を拡充して、発展途上国における農業開発をその中に含める、そのための経費が計上されておるということは大変に好ましいことだと考えるわけでありますが、さらに今後の問題として、農林業においてはその風土に適した技術の開発なくしてはなかなか国際協力も十分な実を結ぶというわけにはいかないわけでございますので、そうした意味で研究協力の充実ということが非常に重要になってくると思うわけであります。 現在、熱帯農業研究センターというのがございますが、この定員はわずかに百名足らず、研究職はそのうちで七十名ぐらいということでございますし、農林省全体の研究職の数からしても、海外農林業専門にその研究に当たっている人たちが二%程度ということは非常に少な過ぎるのではないかというふうな感じも持ちますし、しかもその対象は熱帯あるいは亜熱帯ということの農業に限定をされる。最近国際協力、技術協力をやっておりますのは、たとえば中国の三江平原とか、あるいは中南米とか、必ずしも熱帯、亜熱帯に限らず相当幅広い範囲で行っておるわけでございますので、そうした面でこの対象範囲ももっと拡大し、この研究、情報活動を活発にするために、現在の熱帯農業研究センターを拡充強化して、たとえば海外農林業研究情報センターとでもいうような機関にしたらばいかがかと思いますが、その点いかがでしょうか。
○政府委員(岸國平君) 熱帯農業研究センターの問題についての御指摘でございますが、ただいま御指摘のございましたように、熱帯農業研究センターでは、熱帯、亜熱帯に位置する開発途上国の農林業技術の発展を助長するとともに、わが国における当該分野での研究領域を拡大し、研究水準の向上に資するという目的でこの研究センターがつくられておりまして、現在そういう目的で仕事を進めております。 一方、先生御指摘のように、海外からの技術協力の要請のときに、研究協力というような面で協力を要請されることが最近非常に多くなっておりまして、私ども試験研究機関、現在農業関係だけで二十場所ございますが、そこから毎年かなりの数の研究者を派遣いたしております。その場合に、熱帯農業研究センターの定員の中から派遣する場合ももちろんございますが、主にこれはJICAのベースで稲の研究の協力が要請された場合には、農業研究センターあるいは地域農業試験場等の中から実際に稲の研究を実施しているエキスパートを派遣するということで対応いたしておりますし、また、野菜のようなものについては、野菜試験場等の職員を派遣するというようなことで対応いたしておりまして、先生御指摘のように熱帯農業研究センターの陣容を拡大して対応するという方法もあるわけでございますが、現在までのところを見ておりますと、必ずしも熱帯農業研究センターだけで対応ということがいいとばかりも言えない点もございますので、今後熱帯農業研究センターの中を充実させるということにも大いに努力をしていきたいと思いますが、それと同時に、そのほかの研究機関の力も用いまして、十分に海外からの要請にこたえるような努力を続けていくということにしてまいりたいと思っております。
○岡部三郎君 最後になりましたが、三月二十九日付の日本経済新聞によりますと、農水省はえさ米生産を今後の農政の最重点課題に位置づけ、五十九年度から本格的な生産を開始する方針を固めた、と記されてありますが、このような事実があったのかどうかということをお伺いをいたしたいわけでございます。私もこの問題につきましては、食用米との価格差をどうやって補償するかと、非常に困難な多くの問題があることを十分承知をいたしております。 しかしながら、一方で私もいろいろ農村を歩いてみますと、現行の水田利用再編対策による畑作物への転換は非常にうまくいっているところもございますけれども、また自然的条件等からかなりの地域ですでに限界に来ておる、麦や大豆への転作もなかなか定着がむずかしいといったようなところもあるわけでございまして、そうした面で何とかこのえさ米の問題が解決できればと考えざるを得ないわけであります。 水田を田畑輸換で利用するということもございますけれども、私もかつてこのことについてはずいぶんいろいろと勉強もしてみましたが、なかなか田畑輸換をやるための水管理というのはむずかしい面がありますし、この個別経営の現状ではなかなかなじみにくい土地利用方式だと言わざるを得ないわけであります。また、技術的にも水田を畑にしますと、水田の下の硬盤とでも申しますか、かたい土の層がありますが、これに亀裂が入って縦浸透がよけいになって、そのために寒冷地等では冷害にかかりやすいと、水稲をつくったときに冷害にかかりやすいといったような意見も専門家の中にはあるわけでございますので、どうしてもこの転作した水田というものは永久的な畑地になりやすい。現に北海道あたり、相当の、五〇%もの転作をしておるところでは、揚排水施設などが荒廃してしまって永久畑地化した例もあるわけでございますけれども、ひとたびこういうふうに水田の構造が壊れてしまうと、これをもとの姿に戻すということは、これはもう多額の金と時間がかかるわけでございますから、日本農業の将来のためにも、また自給率を向上させて国民食糧の安全保障を図る上からも、大変困難な問題ではございますけれども、この三期対策の実施に当たって、このえさ米の本格的な検討ということは避けて通れない問題ではないかと思うわけでございますが、これについての大臣の御見解をお伺いをして質問を終えます。
○国務大臣(田澤吉郎君) えさ米の問題につきましては、技術的な面では先ほど事務当局から答弁さしたとおりでございます。しかしながら、いま水田利用再編対策、二期対策をいま進めてみまして、やはり何としても集団化、定着化させなければいけない、こう思いまして進めているわけでございますが、これまで水田利用再編対策というのはどうも緊急避難的で、農家あるいは団体、あるいは市町村等においても積極的でなかったようでございますけれども、最近はやはりこの水田利用再編対策こそ新しい農政につながるのだという考えがずいぶん各地から出てまいりました。したがいまして、転作作物を適当なものを与えるということは一番重要だと思うのでございます。水田利用のためのやはり転作作物としてはなかなかいいものはございません。したがいまして、その関係からやはり二期対策等が定着してない面が多いものでございますから、私も就任早々えさ米について何とかならないのかということで、筑波の研究所へも行ってみました。現に試験研究をしている状況等も視察をいたしたのでございますが、何さま品種を固定させるためにはかなりの時間がかかる、細胞融合等の新しい技術が生まれたとしても、なかなか思うようにいかないのがこの技術開発のようでございますけれども、何としてもできるだけ早い機会にやはりえさ米の定着を私はしてほしいということを希望いたしているわけでございます。そのことによって私は日本の新しい農業が芽生えるのじゃないだろうか、こう思いますので、極力私はこの点については努力をいたしたいと、そのためには、いろいろな問題があるようです。先ほどもやはりお話がありました価格の問題もありますし、あるいは食糧用の米と、えさ用の米との区別もしなきゃいけない、色の面からも、あるいは粒の大小の面からも区別をする。それからまた、余りにも高いものであってはいけませんので、やはり多収獲であると同時に、やっぱり耐冷あるいはまた病虫害に強いという品種でなければならない等いろんな問題があるようでございます。 しかし、私としては、技術の開発によって、できるだけ早い機会にえさ米が定着できるように、私もこいねがっておりますし、そのために最善を尽くしたいと、かように考えております。
○岡部三郎君 終わります。ありがとうございました。
○委員長(坂元親男君) 他に御発言もなければ、本件に対する本日の質疑はこの程度とし、これにて散会をいたします。 午後五時三十分散会