内閣委員会 第13号
- 発言数
- 161 件
- 登壇者
- 21 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1982/08/19
会議録
○委員長(遠藤要君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。 まず、理事の補欠選任についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(遠藤要君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に柄谷道一君を指名いたします。 —————————————
○委員長(遠藤要君) 厚生省設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。森下厚生大臣。
○国務大臣(森下元晴君) ただいま議題となりました厚生省設置法の一部を改正する法律案について、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 今日、わが国においては、諸外国に例を見ない速さで人口の高齢化が進みつつあることは御承知のとおりであります。このため、本格的な高齢化社会の到来に対応し、国民の老後における健康の保持を図るため、壮年期からの予防、健康づくりを初めとする総合的な老人保健対策の確立が急務となっております。 政府といたしましても、この要請にこたえるべく、第九十四回国会に老人保健法案を提出し、今国会においても御審議を煩わしたところでありますが、さらに、老人保健対策の総合的な推進を図るための体制整備を行う必要があります。このため、厚生省公衆衛生局に老人保健部を設置することとし、この法律案を提出した次第であります。 以下、この法律案の内容につきまして御説明申し上げます。 第一に、老人保健対策を総合的に推進するため、公衆衛生局に老人保健部を設置することとし、これに伴い医務局次長を廃止することとしております。 第二に、老人保健部においては、老人保健法の施行に関する事務等を所掌することとしております。 なお、施行期日につきましては、老人保健法案の施行に合わせて定めております。 以上がこの法律案を提案する理由及びその内容の概要であります。 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
○委員長(遠藤要君) これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○吉田正雄君 ただいま提案になりました厚生省設置法の一部改正案に対する具体的な質疑に入ります前に、五十八年度予算の概算要求に対する厚生大臣並びに大蔵当局の基本的な見解について当初お尋ねいたします。 去る七月九日の閣議では、五十八年度予算の概算要求枠について、徹底した歳出の節減合理化によって財政再建を目指すため、各省庁の一般歳出の概算要求額を原則として五十七年度予算額の五%減にとどめることが確認されたと聞いております。 そこで森下厚生大臣にお尋ねをいたしますが、五十七年度予算では、たとえば当然増が約七千四百億円、新規政策に基づく増が九百八十億円、計八千三百八十億円というものが増額になっておるわけですけれども、そのうち年金の平年度化分として二千百五億円、これが別途、別枠で認められたわけですから、結局約六千三百億円をどう節減するかということになりまして、そこで厚生省当局としては、たとえば厚生年金給付国庫負担の一部、これは五%ですが、この一時繰り延べあるいは国民健康保険の十一カ月予算編成、こういうものによってそれぞれ約二千億円弱というものを捻出をしてゼロシーリングヘのつじつま合わせの予算編成を行ってきておるわけです。五十八年度の場合、一部例外があるとはいえ、マイナス五%シーリングの制約の中で厚生省予算をどのように編成をしていこうとされておるのか、まず当初に基本的なお考えをお尋ねいたします。
○国務大臣(森下元晴君) ただいま吉田委員から御指摘のように、五十七年度の予算編成につきましては大変やりくりをいたしました。率直に申し上げますが、そのとおりでございます。私どもは、福祉後退と言われないように、本当に必要な福祉はむしろ前進をすべきであると、こういう方針で実はやらしてもらったわけでございまして、そのために十一カ月予算にしたり、また特例的に負担金を延ばしてもらったりいろいろいたしましてやったわけでございますけれども、内容的には御承知のように決して個々の福祉は後退しておらない。むしろ老人保健法とか在宅福祉等の面においてかなり前進した面も評価してもらいたいということでもございまして、この点はおっしゃるような御指摘もございますけれども、私の方としては一生懸命やらしてもらったわけでございます。 ただ、問題は五十八年度の予算でございまして、実は非常に苦慮をしておるのが現状であります。財政が非常に逼迫しておりますし、歳入も非常に窮屈であると、その中で福祉が後退しないようにするためにはいかにしていくかということが現在厚生省また私の一番心配の実は種でございまして、御指摘のように、福祉が後退しないように非常に国民も見守っておるわけでございますし、また臨調等でも「活力ある福祉」というような言葉も使われておりますから、この面では全力を挙げて予算獲得のためにやっていきたい、このように実は思っております。 なお、五十八年度の概算要求のシーリングの決定に当たりましては、生活保護費等の一定の経費については前年同額の扱いとされておりますが、こういう問題はやはり総枠の積算の一つの内容として整理されたものであるというようなことで、これからいよいよ具体的な内容に入っていくわけでございます。そういうことで、ただいまの御指摘は激励と承りまして、福祉後退がないように全力を挙げたいと思っております。 以上であります。
○吉田正雄君 そこで、もう少し五十八年度予算の見通しといいますか、についてお尋ねをいたしますが、五十八年度の社会保障関係費の自然増が現在どの程度に上るというふうに試算をされておるのか、厚生省の見通しとそれから大蔵当局の見通しではどうなっておるのか。たとえば大蔵の推計では、一部報道されたところによりますというと約七千五百五十九億円というふうにも伝えられておるんですけれども、それがどうなっておるのか。 さらに、七月九日の閣議決定では、例外項目といいますか、別枠として年金、恩給等については五%、二千四百億円というものを例外枠として認めるんだというふうなことが報道されておりますけれども、実際はどうなっておるのか、この点についてもお聞かせ願いたいというふうに思います。
○政府委員(正木馨君) 厚生省関係の予算につきましては、先ほども大臣からお話ございましたが、人口の老齢化あるいは年金の成熟化、あるいは医学、薬学の進歩によります医療費の増高、これらの影響を受けてまいります。そういった面でのいわゆる当然増経費というものが問題になるわけでございますが、現在最終的な詰めをやっておりますが、大体七千億円から八千億円程度の当然増が五十八年度においては見込まれるのではないかというふうに思っております。 それから、先生の第二の御質問でございました年金の平年度化等による特例といいますか、それにつきましては厚生省関係では大体千五百億円強が見込まれるというふうに思っております。
○説明員(小村武君) 大蔵省といたしましては、厚生省関係の予算の平年度化あるいは自然増等につきましてまだ精査したわけではございませんが、ただいま御答弁のあったような感触を私どもも持っております。
○吉田正雄君 そういたしますと、当然増というのがほぼ昨年並みということになるわけでありますけれども、新規政策、たとえば今度の新しい老人保健法の成立等あるいはこの厚生省設置法の一部改正案が通った場合等、いろいろあると思うんですけれども、この新しい分野における予算増というのはほぼどれくらいと見積もっておいでになりますか。
○政府委員(正木馨君) これもただいま申し上げましたように、厚生省関係予算につきましては当然増経費というものが非常に多く見込まれます。一方におきまして、来年度の予算の厳しい枠内で一体これをどうおさめていくかというのが問題でございます。そこで、先生おっしゃいますように、いろいろな政策増という経費も見込んでいかなければならないわけでございますが、現段階におきましては、総体の枠の中で一体五十八年度予算をどう編成するのか、各施策全般にわたりまして、大臣も申し上げましたように、いま全般的な見直し、詰めをやっております。それとの見合いにおきまして、来年度一体どういった点について政策増が見込まれるのか、まだ最終的な結論を得るに至っておらない段階でございます。
○吉田正雄君 そういたしますと、いま見通しが定かでないということでありますが、非常に厳しい制約が課せられておるわけですから、昨年以上に新規政策に基づく予算増ということは余り考えられないのではないかと思います。そういたしますと、いまお話のありました当然増から年金の別枠で認められるもの等が約千五百億円といたしますと、それにしても約六千億円前後の財源というものをどう確保をするのかということが非常に大きな私は課題になってくると思います。 そこで、たとえば五十六年度の予算を見ましても、歳入決算では、先般もずいぶん問題になりましたように二兆五千億円以上の歳入欠陥があるということが明らかになったわけでありますし、それからさらに五十七年度についても不況の回復がはかばかしくないというふうなこともあって、本年度予算についても大幅な税収の減というものが見込まれるのではないかと。したがって、この秋の臨時国会においては相当大規模な補正予算を組まざるを得ないではないかというふうなこともすでに取りざたをされておるところです。 したがって、数字の上から見まして、昨年同様六千億円からのそういう当然増に伴う財源というものを確保していくということになりますと、先ほども申し上げましたように、年金、恩給等の別枠扱いであるとか、あるいは生活保護費あるいは健康保険の国庫負担分、これは本年度はゼロシーリングにするというふうなことがあってもその他一律マイナス五%シーリングということであるわけですから、厚生予算の編成というのは各省庁予算の中にあって最も厳しい編成を迫られるのではないか。もっと端的、率直に申し上げるならば、まさに全く数字の上のみのつじつま合わせに終わる危険なしとしないというふうに思うわけであります。 こういう面に関して、この不足と思われる六千億前後の財源をどう確保していくのか、それを予算編成上どういうふうに処理をしていくのか、また財源をどう見込むのか等について、厚生大臣それから大蔵当局の見解をお尋ねをいたします。
○国務大臣(森下元晴君) 御指摘のように、非常に厳しい中での予算編成をこれから考えていきたいと思っておりまして、国会終了後直ちにこの具体化にかかっていきたいと、こういうふうに思っておりますけれども、確かに厚生予算につきましては、先ほども申しましたように、福祉の後退が許されない。特に老人問題それから障害者の問題、これが非常に重点的な施策でもございますし、また各審議会等からも答申もいただいておりますし、そういう趣旨も十分生かさなくてはいけないということで、これから全力を挙げまして御趣旨のような方向でやっていきたい。非常にむずかしいと思いますけれども、全力を挙げるということを申し上げたいと思います。
○説明員(小村武君) 先生御指摘のように、財政は非常に厳しい状況のもとにございます。また、高齢化社会に向けてこれから財政の対応能力をつけていかなきゃならぬという時期でございますので、大変厳しい予算編成になるのではないかと思っております。具体的な予算要求は八月三十一日厚生省から提出されます。それを待ちまして私どももまた検討をさしていただきたいと思っております。
○吉田正雄君 概算要求が出ておらない段階ですから、質問も数字の面で具体的にお尋ねをすることはなかなか困難なんですが、もう少しいまの部分に関してお尋ねをいたしますと、先ほども申し上げましたように、閣議決定では生活保護、健康保険の国庫負担についてはゼロシーリングだという、要求枠がぴたっと決められておるわけですね。したがって、常識的に考えるならば予算編成は不可能ではないか、そのとおりいったならば予算編成は不可能になるだろうと、そうでなければ架空の歳入というものを盛らざるを得ないのではないか。そうするとまた五十六年度の歳入欠陥、そして五十七年度も大幅に歳入欠陥になるんじゃないかということが言われておる同じ事態がまた五十八年度において繰り返されるのではないか。しかし三回もそういうことを繰り返すということは、これは国民の批判を受けるということで、実質的に社会保障関係の予算に大きなしわ寄せがどうも来るのではないかということを心配いたしておるわけです。 たとえば、つじつまを合わせるために、生活保護費については、一般国民生活の消費水準が向上しておるにもかかわらずこれを据え置くとか、逆に所得制限の強化等によって圧縮をしていくとか、あるいは消費者物価に見合った改善が行われない、あるいはまた年金、恩給の物価スライドの見送りと、こういうふうなことを逐次強化をせざるを得ない。こういう事態に追い込まれるということを私ども一番心配をいたしておりますし、また国民もそのことを非常に心配をいたしておると思います。 ところで、臨調におきましては、土光会長も実は防衛費といえどもこれは聖域ではないんだというふうなこともずいぶん強調されたことがあるわけですね。一方、その防衛費というのは、これは新聞報道でもありますように、突出ということが盛んに言われておるわけです。福祉や教育を切り捨てて、国民生活を圧迫してまで軍備の強化拡大を図るということは、世界的に現在反核、軍縮の世論と運動というものが非常に盛り上がっておるわけです。そういう中で日本がまた、かつての道ではありませんけれども、軍事大国化の道へ突き進んでいくのではないかという懸念やおそれというものが世界的に何か広まってきつつあるというふうに私は思うわけです。 例は違いますが、これと関連をして、たとえば教科書検定制度に対する昨今の中国や韓国を初めとする東南アジア諸国の批判というものは、単に教科書問題だけではなくて、いま言ったような反核、軍縮あるいは国連総会における鈴木総理の軍縮に対するすばらしい演説とは別に、具体的な予算編成の面では突出と言われる大幅な軍事費の拡大というものがある中では、果たして日本の軍縮に対する熱意というものがどうなのかということをやはり疑わせていることになっているのではないか、そういうふうなものが絡んで教科書批判にも出てきておる、それに影響を受けているというふうにも私は思うわけですね。 そういうことで、私は、最近の靖国問題を初めとして、一連の右傾化の傾向というものについても多くの国民世論としてはそれなりの心配をいたしておると思うんですね。その具体的なあらわれが私はやはり予算だろうと思うんです。そういう点で、先ほど森下厚生大臣も激励と受けとめるという言葉がございましたけれども、まさに私は厚生省を大いに激励する意味も込めまして、来年度予算編成に当たりましては、いやしくも福祉を切り捨てるというふうな印象——印象だけではなくて事実、社会福祉切り捨てというふうな予算編成になったのでは私は大変ではないかというふうに思いますので、そういう点で、ひとつ大臣のこれに対する決意というものをぜひお伺いをいたしたいと思います。 また、大蔵当局に対しましては、国民生活と防衛という関係をどのように考えるのか。いずれにしても、国民の納得のいく予算編成でなければ、いかに言葉の上で福祉を重視をしておるとか防衛費は突出ではないと言っても、そうは国民は受けとめないと思うんですね。そういうことで、厚生省予算、とりわけ社会福祉関係予算については、厚生省の正当な常識的な要求については厳しい予算編成の中にあっても大蔵当局は最大限これを認めるべきではないかというふうに私は思いますが、そういう点でまた大蔵当局の見解をお尋ねをして、一応この予算面についての質疑は終わりたいと思います。
○国務大臣(森下元晴君) 非常にむずかしい問題でございますけれども、私は福祉というのには個人福祉、社会福祉、それから国家福祉と、そういう分け方もあるんじゃないかと思うんです。やはり私は、国家福祉という問題、これは国が自由で安全で繁栄することであると、そういうものを予算にあらわす場合に、防衛費が幾らであって福祉関係——厚生省の予算が幾らであるか、これは私が防衛費の方へ口を入れるわけにいきませんけれども、やはりバランスがとれておることが必要である、実はこのように思っておるわけであります。 ただ、高齢化社会に入ってまいりますし、年金の問題、また医療が非常に高度化して医療費がどんどんふえていく、こういう問題をどうするか。それからまた、過去におきましては慈恵的なと申しますか、いわゆる救貧対策が主であったのが、それから一部負担もお願いしたい、それがかえって公平になるんだという福祉のひとつ見直しの時期も来ているように思います。それが互助であるとか自助であるとかという言葉であらわされておりまして、かつて福祉元年——昭和四十八年でございましたけれども、十年後の今日になりましてまた一つの大きな見直し期が来た。 しかし基本は、やはり福祉は後退させてはならないということでございますので、約八千億近い当然増、このうちから千五百億くらいを引きましても六千億か六千五百億くらいどうしても足らぬわけでございますから、これをいかに捻出するかということに全力を挙げる。時には、やはり大蔵大臣、大蔵省にかけ合ってでもふやしていただくとか、またいろいろな知恵をしぼりまして、そういう非難を受けないように、また国民に失望感を与えないようにすることによってやっていきたい。また同時に、福祉がばらまき福祉とか、また平等の不平等になるようなことになりまして怠け者ができないような、そういうような面でも前向きにやっていきたい、このように思う次第であります。
○説明員(小村武君) ただいま大臣の御答弁にもありましたように、各行政分野におきましてやはりバランスがとれていないといかぬというところは全く同感でございます。福祉の面におきましても、公正で効率のいい福祉の実現ということがこれから求められようと思います。私どもとしましても、臨調答申等を踏まえまして、そういった観点から今後も厚生省とよく相談してやっていきたいと思っております。
○吉田正雄君 森下厚生大臣にはぜひそういう点でがんばっていただきたいと思います。ただ、言葉じりをとらえるわけじゃないですが、ちょっといまの答弁の中に、ばらまき福祉まではいいんですけれども、その後に、怠け者をつくらないようにというお言葉がございましたけれども、何か社会福祉というと怠け者をつくり出すような、そういうまた印象を与えるような言葉ではないかと思いますので、この点については今後ひとつ御配慮をお願いしたいというふうに思います。 それでは設置法の一部改正案についてお尋ねをいたします。 法案の概要とそれから提出の理由については、ただいま大臣の方から趣旨説明がございましたのでおおよそ理解ができるところでありますけれども、この法案の提出理由の一つとして、老人保健法の成立というものに合わせてやるんだといううらはらの関係があると思います。そうであるならば、老人保健法案と同時といいますか、あるいは法案の形式としては一本化された形でのセット提案というものができなかったのかどうなのか、その経過あるいは理由というものについてお尋ねをいたしたいと思うんです。 それはなぜかといいますと、実は老人保健法案が通らなくても、私は厚生省の老人保健行政という観点からこの設置法の一部改正だけでもできるんではないかという感じもいたしますし、また逆に、この設置法の改正をしなくても、老人保健法案の成立を待って、それらの行政所管事項については現在の機構でも運営をなし得るんではないか、推進できるんではないかというふうにも思うわけですね。もっと端的に言うならば、単なるこれは機構いじりではないかと、あっちの課を削ってこっちへ持ってくるというだけの話になるんではないかということも考えられるわけですね。そういう点で、なぜセットにして提案をしなかったのかということをまずお尋ねをいたしたいと思います。
○政府委員(吉原健二君) 現在の老人医療に関する行政あるいは老人の保健行政、ヘルスについての行政がどういうふうな組織、機構で行われているかということを最初に申し上げますと、医療につきましては厚生省の保険局が所管をしておりますし、それから老人医療の公費支給、その仕事は厚生省の社会局で所管をしております。それからいわゆるヘルスの仕事は厚生省の公衆衛生局で所管をしている。こういうふうにそれぞれ三つの局に分かれましてばらばらにやっているというのが実情でございます。 それで今度の老人保健法、老人保健制度というのは、そういった保健とか医療というものをばらばらにやっていたのではいけない、それから従来のように医療あるいは治療に偏り過ぎていたものを改めまして、予防なりあるいはリハビリテーションを含めた総合的な保健対策、医療対策というものを推進したい、こういうことで新しい老人保健法というものの制定をお願いしたわけでございます。そういたしますと、どうしても機構の面でも新しい法律を総合的に効率的に運営していくためには、一元的な機構、組織の整備が必要である、こういう考え方に立ちまして、厚生省におきましては公衆衛生局でこの法律を総合的に所管をして推進をしていくということにいたしたわけでございます。 それではなぜ老人保健法の改正と厚生省の設置法の改正を同時に出さなかったのかということを御質問かと思いますけれども、実はこの老人保健法というのは、昨年の通常国会、会期末に近い時期になりましたけれども、実は五十六年の五月に提出をして成立をお願いしたわけでございます。五十六年に成立をした上で、五十六年度から約一年ないし一年半の準備期間を置きまして五十七年度から実施をしたいという考え方であったわけです。で、実施の際にはそれなりの、いま申し上げましたような考え方での組織の整備もしたいと、ですから、法律の成立は五十六年度にお願いをして、組織の整備は五十七年度からということを考えていた、そういうことが理由になりまして老人保健法の提出と設置法の提出というものが、いわば一体じゃなしに、一年おくれて設置法の提出をお願いをするようになったということでございます。 実際問題といたしましても、厚生省の老人保健部の設置が予算的に認められましたのも、五十七年度の予算編成で最終的に認められましたので、老人保健法とは切り離して後からこれを追う形で設置法の改正を国会にお願いをさしていただいたわけでございます。
○吉田正雄君 各省庁の機構、組織とか運営というものは、事業内容、行政の内容と一体的であるべきなんですね。そう考えますと、老人保健法案が提案をされておれば、当然それに伴って厚生省の、じゃ機構、組織、運営がどのように変化をしていくのかということは同時並行的に論議をされなければならないと思うんです。法案ができ上がって、これは別途切り離してこれはこれだけで審議してくださいということでは、どうも整合性というものが果たして得られるのか、あるいはまた論議が十分行われるのかという点で疑問を持っております。 したがって、これからも質問をいたしますけれども、単に設置法の一部改正だけということで狭い分野で質疑をするならば、私はものの十分か十五分でこの質問は終わってしまうと思うんですが、そうならない。やはり老人保健法と法案の中身とか機構というのは一体でもって出されているわけなんです。そう考えますと、やはり同時並行的に審議をする、しかし老人保健法案が成立をしないのに設置法の方だけが先に成立をするというのも、これは確かに問題が出てまいるわけですから、それは関連委員会等の審議状況を見ながら、双方で足並みをそろえた審議をやっていけばいいことなんですね。 ところが、そうでないいまの法案の提出のやり方でありますというと、やはり内閣委員会で審議をしたくとも、これはストップを食っているといいますか、足踏みをさせられているという状況になってまいるわけです。法案によっては、たとえば先般の行革法案などというのは、一本のもとにあらゆる法案というものがまとめられるというふうなこともありまして、そういうまとめがいいのか悪いのかは別にして、少なくとも同時審議が行われるような法案の提出が当然ではないかというふうに思うんですね。そういう点で、今後私は再びこういうことが行われるのかどうかわかりませんが、行われるとしたら非常にまずいと思いますし、余り前例もなかったのではないかというふうに思いますので、今後はこの提出方法については検討を加えられるべきだと思いますが、その点はいかがですか。
○国務大臣(森下元晴君) おっしゃるとおりでございます。 ただ、参議院の段階で審議していただいたときに連合審査会なんかやりましたけれども、この設置法の方は衆議院から実は参りまして、本当ならば連合審査会等で一緒にやるべきだったと私は思うんですが、そういう手順が食い違って非常に御心配をおかけをしたと、言われるとおりでございまして、今後十分気をつけてやっていきたいと思う次第であります。
○吉田正雄君 それから、当初いただいた資料ですというと、施行期日は「老人保健法第五章の規定の施行の日から施行」というふうになっておって、昨日いただいた資料ではそこのところが直っておりまして、今度は「規定の整理に関する改正は老人保健法附則第四十一条の規定の施行の日」のところを五十八年二月一日から施行と、こういうふうに直った資料をいただいておりますけれども、この施行期日については一体どうなっておるのか。そういう施行の期日の定め方というものは、やはり設置法としては従来の例から見ると異例ではないのかというふうに思うんですね。 いま言った、変えたのをいただいたというのがちょっとおわかりでなければ、前のものでもいいんです。前にいただいたのでは、「施行期日」として、「老人保健部の設置に係る改正は老人保健法第五章の規定の施行の日(昭和五十七年七月一日を予定)から、規定の整理に関する改正は老人保健法附則第四十一条の規定の施行の日(昭和五十七年十月一日の予定)から施行する。」、こういうふうになっておりますけれども、「老人保健法第五章の規定の施行の日」という、そういう定め方というのはどうも異例ではないかと。これは当然定員と一体であるべきなんですね。そういう点からいたしますというと、別の法案の施行にこれゆだねていくということもおかしいと。結局は、これはまた法案の提出が別途それぞれなされたというところからくる特例的な書き方になったというふうに思いますけれども、そういう点でこの施行期日がじゃ明確にはどうなるのかということと、そういうやっぱり提案は従来のあれですとちょっとおかしかったんじゃないかという点についてはどのようにお考えになっているか、お尋ねいたします。
○政府委員(吉原健二君) 実は厚生省の設置法の施行、具体的には老人保健部の設置は、私ども当初は本年の七月一日を予定していたわけでございます。法案自体の実施期日というものを本年十月と予定をし、それに先立つおよそ三カ月ぐらいまでには、本省の組織、機構の整備、それから同時に社会保険診療報酬支払基金における組織の整備、業務の開始というものが必要でございますので、その両者の施行というものを同時に七月一日ということで予定をしていたわけでございます。ただ、その七月一日というものも、法律上七月一日ということで規定をするのではなしに、政令で七月一日ということを規定をする、予定をするということにしていたわけでございます。で、老人保健法の成立が当初から大分おくれましたので、七月一日からの施行が実際問題として不可能になった。本体の実施期日も、法律成立の際に当初の十月実施というものが来年の二月実施ということになりましたので、本省の組織の整備、それから支払基金の業務の開始もそれに伴って若干ずらしていかざるを得ない、こういうことになったわけでございます。 そういったことがございまして、法律上の技術的な整理の仕方、整合性のとり方というようなこともありまして、御質問のようなややわかりにくいといいますか、御疑問の出るのもごもっともなような感じの法律の規定になっておりますけれども、経緯なり理由はいま申し上げたようなことでございます。 いずれにいたしましても、実際上それではこの設置法の施行、老人保健部の設置はいつごろを考えているのかと申し上げますと、いまの時点におきましては来月早々できるだけ早い時期に施行をさしていただきたいというふうに思っているわけでございます。
○吉田正雄君 いまもちょっと政令で定めるというふうにおっしゃったんですが、私は、この施行期日については公布の日から何カ月以内とかの政令で定める日というふうな通例の書き方をやってもらった方がわかりがよかったんではないかというふうに思って御質問をいたしたわけです。——わかりました。 ところで、いま行革行革ということでずいぶんいろんなことが言われておるんですけれども、行政というのはできるだけ一つの分野に関するものは一つの機構、組織で取り扱っていく、余りあっちこっちの省庁にまたがる、あるいは同じ省庁の中でも各部局がばらばらでもってそれぞれ縄張りを持ってやっていくんだということでは円滑にいくわけがありませんので、そういう点で、この設置法の一部改正というものがそういう趣旨に沿って行われるものであるとするならばあえて反対ということにはならないと思うんですけれども、老人保健法が成立をした、じゃ現行組織ではそれは行い得ないのかどうなのか、その辺の理由といいますか、がどうも余り明らかでないし、説得力がないように思うんです。 実は、先ほど、現行の組織関係についての説明では、社会局には現在老人福祉課と老人保健課というのがございますが、いただいた資料によりますと、この老人保健課というものを廃止をして公衆衛生局の方に新設される老人保健部の中の老人計画課というものにかえていく、これが単なる衣がえであるのか、どういうふうな所掌業務がそこに付加されてくるのか、この辺どうも余りはっきりしないんですが、もし一本化をするとするならば、社会局の中の老人福祉課というものも当然この老人保健部の方に統括をされてしかるべきではないかと思うんですが、これは何かこのまま社会局に残されるのかどうか。もし残されるとすると、先ほどの、総合的に一本化をしてやるという趣旨からは、どうも現状合わないんじゃないかという感じがいたします。もう少し詳しく、新しい機構に衣がえする目的と、それから現行組織とがどう新しい組織に統合されていくのか、先ほどの説明ではわからないんですよ。まだ中途半端だという感じがいたします。そこをもう少し詳しく説明をしていただきたいんです。
○政府委員(吉原健二君) 先ほど申し上げましたように、現在の老人医療あるいは老人のヘルスに関する厚生省の組織というものは非常にばらばらになっておりまして、保険局と社会局と公衆衛生局に分かれている。それが実は一番大きな問題でございまして、分かれている上に、対策というものが医療費の支給ということに偏っている。保健対策、予防対策、あるいはリハビリ等の対策が非常に不十分である。そういった予防から医療あるいはリハビリテーションに至る包括的な保健対策というものを総合的に進めるというのがこの老人保健法のねらいであるわけでございますから、現在のようなばらばらの組織、機構では包括的にそういった対策を進めていくことができないわけでございます。どうしてもやはりどこか一元的に総合的にやり得る体制というものを整備をしていく必要がある。そういう基本的な考え方に立ちまして、どこでやるかについていろいろ議論があろうかと思いますけれども、厚生省としては、公衆衛生局で総合的に一元的に所管をするのが一番この法律を運営していく上で望ましいのではないか、この法律の運営の組織としてはそれが一番ふさわしい組織ではないかということで、公衆衛生局に部をつくりまして一元的に所掌をしていくということにしたわけでございます。 いま御質問のございました、じゃ、そういったものをつくるのであれば社会局の老人福祉課も一緒にしたらどうだという御意見、御質問かと思いますが、私は、老人対策として総合的に考えた場合には確かにそういった御指摘もごもっともだと思います。将来やはり高齢者対策というものを総合的にやっていくためには、単に保健とか医療だけではなしに、福祉の面あるいは年金、所得保障等の面も含めた総合的な対策を進めていく、あるいはそのための組織、機構というものを考えていく必要があると、私はいずれそういう時期が来ると思いますが、さしあたって老人保健法の実施推進に当たりましてはそこまでは無理である、さしあたっては公衆衛生局で保健対策、医療対策というものを総合的に進めていきたいということでこのような設置法の改正をお願いをしたわけでございます。
○吉田正雄君 老人保健法の改正の一つの大きな目的として、治療もさることながら、予防とかあるいはリハビリ等、健康——ヘルスに重点を置いていく。そして、老人の医療から保健から総合的に対策というものを強化をしていくんだ、こういう趣旨が盛られておるわけですね。また、それを受けて厚生省設置法の一部を改正して、それに見合った機構にしていこうという趣旨なんですね。 そういたしますと、いま機構改革をするには最もふさわしい時期なんですよね。しかも、九十四国会に老人保健法案が提案されてきましてから今日までずいぶん審議を重ねてきたんですね。しかもおっしゃったように、設置法の方はおくれて提案をされておるんですね。そういたしますと、社会局の中に老人福祉課という、非常にいまの保健法案の成立に密接に関連のあるこの老人福祉課、これだけが一つひょこっとここに残っておって、そしてあとは総合的にやるんですといって公衆衛生局の方に一本化をしたと言いながら、トカゲのしっぽとは言いませんけれども、何か半分、半身こっちへ残っているような中途半端な機構改革に終わっているという感じを私は否めないんですよね。だから、説明と現実の改正案というのはどうも合っていないという感じがしてなりません。 これはもう老人保健法案と関係なくても、設置法そのものの改正案から見ても、この老人福祉課というものは当然公衆衛生局の中に一本化をされるべきではないかというふうに私は思うんですけれども、当面は当面はとおっしゃって、いずれとおっしゃるんですけれども、今日ほど機構改革に最もふさわしい時期はないのであり、せっかくやられるんですから、なぜこれが踏み切れなかったのか。将来はとおっしゃっていますが、将来やるという考え方であるならば、いま行い得なかった理由というのは何なんですか、それをお聞かせ願いたい。
○政府委員(吉原健二君) 確かにそういう御指摘もわかりますけれども、老人保健法案というのは、あくまでも保健医療対策を総合的に進めていこう、その所管をどこにするか、それは厚生省の現在の組織におきましては公衆衛生局で総合的にやることが望ましい、あくまでも保健と医療の対策を総合的に進めていくということで公衆衛生局に部をつくって実施していくということにしたわけでございます。 広い意味での老人対策あるいは高齢者対策というものは、おっしゃいましたように福祉対策もございます。福祉対策だけではございませんで年金対策、所得保障の対策もございます。それは年金局で所管をしているわけでございます。厚生省以外にも、各省において高齢者に着目をした高齢者のための対策というものはいろいろ進められているわけでございます。しかし、それを将来どういうふうな形にしていくのが一番望ましいのか、私は、いろいろなお時間をかけて検討をしていかなければならない問題ではないかと思います。それは将来の課題として、ひとつ宿題として残さしていただきたい、もう少し時間をかしていただきたいと思いますが、少なくとも老人保健法の実施、保健医療対策の総合的な推進のためには、この老人保健部の設置、それを公衆衛生局に設置をすること、置くということが最小限どうしても必要だということでこの法律案の成立をお願いしているわけでございます。
○吉田正雄君 これ以上言うと、これは何か討論的なものになったり、お互いに意見の相違とか見解の違いというふうなことにもなりかねませんから、これ以上はこの問題については申し上げませんけれども、たとえば公衆衛生局の中の結核成人病課と難病対策課、これを統合というよりも改めて、分解をして、そして結核難病対策課、成人保健課という新たな名前にしてまた二つの課に分けた。これはいただいている資料ではそうなっているわけなんです。そういうふうに考えますと、どうも中途半端な印象を免れないということだけ申し上げておきたいと思うんです。この程度ならば現行組織でもやれないことはないじゃないかという感じもするのでして、だからやはり何でも物事中途半端というのはどうもよくないなという感じを私自身持っていることをつけ加えて、ここのところはその問題は終わります。 次に、一本化をするメリットというのは先ほど申されたのですけれども、この老人保健部の概要ですね。いただいているところでは、これは公衆衛生局の中に老人保健部というものができるということなんですけれども、これまた先ほどの結核成人病課と難病対策課というのをばらして、そして結核難病対策課というものと、もう一つは老人保健部の中の成人保健課という中に分解されてきているんですよね。だから同じ公衆衛生局の中といっても、同じ老人保健部の中ではなくて、そこの部分だけばらしてきたということになるわけなんですが、これらを考えますと、二課一室で老人保健部が二十一名となっていますけれども、全体の数としては一体ふえるのかふえないのか。 老人保険法案の成立に伴って相当保健業務というものが拡大をしてくるのではないかというふうに思いますので、単に窓口を一本にしたとか機構を統合したというだけで増大する業務をこの新設の老人保健部のこれだけの機構、人数で果たして処理し得るのかどうなのか、その点お聞かせ願いたいと思いますし、私は同じ人数でただ集めたというだけでは業務量の増大に対応し切れないという心配を持っております。したがって、次年度以降この老人保健部の拡充について計画があるのかどうなのか。もしあるとすれば——現に具体的なものはなくても、将来拡充の方針であるとか、考え方を持っているということであるならばそれをお聞かせ願いたいと思います。
○政府委員(吉原健二君) 老人保健部の組織でございますけれども、二課一室、具体的に申し上げますと、計画課それから計画課に所属する指導調査室それから老人保健課、この二課一室で構成をすることにいたしておりまして、定員として現在考えておりますのが二十一名でございます。二十一名の定員のうち、いままでの課、組織からの振替によるものが十六名それから新規の増員が五名認められたわけでございます。したがいまして、当面定員は二十一名で部を発足させるということを考えているわけでございます。 私ども、実はもう少し定員増を要求いたしたわけでございますけれども、こういった御時勢でございますのでなかなか定員増というものが要求どおりは認められなかったわけでございます。しかしながら、いま申し上げましたように、こういった情勢の中におきまして新規の増員五名が認められております。最小限、私ども法律の施行なり実施というものに支障のない定員、組織というものがこれによってでき上がったというふうに思っているわけでございます。将来、この法律の施行事務の増大、そういったものを見合いながら来年度以降新たな増員その他をお願いをしてまいりたいというふうに思っておるわけでございます。
○吉田正雄君 それから、同じくこの改正で従来の医務局次長というものが今度廃止になるわけですね。この資料ですと、点々々と行ってこれが老人保健部ということになっておるわけなんですけれども、これは従来の医務局次長の役割りといいますか、所掌業務というものがどういうふうなものであったのか。これ、廃止をして、ただ老人保健部、これが部長になるのかどうかわかりませんけれども、というふうなことで全部そこへ引き継がれるのかどうなのか。この医務局次長の所管の業務というものがそのまま全部老人保健部に引き継がれるのかどうなのか、あるいは逆に医務局次長の所管業務の一部はこちらの方に残されるのかどうなのか、これで支障が一体生じないのかどうなのか、簡単な図面だけではちょっとわかりませんので、もう少しそこの役割りというか分担といいますか、所掌事務がどういうふうになっていくのかという点、お聞かせ願います。
○政府委員(大谷藤郎君) 医務局次長は廃止になりますが、老人保健部長が新設される、こういうスクラップ・アンド・ビルドということになっておりますが、先生がただいまおっしゃいましたように、医務局次長の仕事が老人保健部長に行くというわけではございません。医務局次長の仕事は、厚生省設置法によりますと、医務局長の仕事を助け、局務を整理する、こういうことになっているわけでございます。医務局行政の全般にわたって総括的に事務を整理し局長を補佐するというわけでございますが、この仕事につきましては、別に官房審議官のうち一人を医務局担当ということにいたしましてこれを配置いたしまして、実質的には従来の医務局次長の仕事が支障のないようにいたす、こういう所存でございます。
○吉田正雄君 どうもいまの説明と、この図面をいただいたからかえって理解がしづらいのかもわからないのですけれども、医務局次長を廃止をしても支障がないとおっしゃるのですけれども、とにかくこれは点線になって老人保健部の方にずっと来ているわけですね。ですから、もっと端的な言い方をすれば、医務局次長が人がかわったとしてもそこに相当する職務の人が老人保健部長になるのだと、ポストを一つこっちを減らしたかわりにこっちへ一つ新設をしたという単純な考え方でいいのかどうなのか、どうもはっきりしないのです、これが。もうちょっと詳しくおっしゃっていただけませんか。
○政府委員(大谷藤郎君) 現在行政改革の非常に厳しいさなかでございまして、厚生省としては老人保健部長を新設いたしたいということはあるわけでございましたが、やはり新しい部長を設置するということはそういった非常に厳しい情勢の中から大変むずかしいということで、医務局次長は長年にわたりまして医務局の事務をつかさどってきたわけでございますが、どちらが重要かというふうなことで、老人保健部長を新設するという場合に医務局次長を廃止いたしまして、そのかわりに実質的には支障のないように官房審議官の一人を医務局担当として振り充てると、実質的に従来医務局次長がやってきたことをそれにやらせると、こういうふうなことで支障のないようにいたしたい、こういうふうにいたしたわけでございます。
○吉田正雄君 そうすると、いまの説明を聞きますと、官房審議官が五名おるらしいのですけれども、その中のだれか一人を代行して充てるのだと、それでやっていけるのだということになると、従来は余っておったのだという説明に聞こえてくるのです、これは。そうでしょう。現にこれだけ厳しく新しく業務が増大をしてくるというときに医務局次長のポストは一つ減らす、新しい老人保健部は設けます、しかし医務局次長についてはその残っている審議官の中からだれかかわってめんどうを見てもらいますと言えば、従来めんどうを見れたと、逆に言うならば一人余っておったのだと、余裕があったというどうも説明に聞こえるのです、これは。どうもそうなりますと、機構改革は一体どうなっているのか、それほど余っておったのならおかしいのじゃないかと。もうちょっとわかりのいい説明をしてください。
○政府委員(正木馨君) 医務局の次長を廃止しまして老人保健部長を新設していただくということになっておりますが、医務局の次長が現在厚生省設置法で法律職として定められております。この法律職の医務局次長を廃止しまして、新たに法律職としての老人保健部長を設置するというスクラップ・アンド・ビルドになっているわけでございます。一方、厚生省に——各省そうでございますが、いろいろな審議官がおりますが、私は総務審議官というのをやっておるわけでございますが、そのほかに公衆衛生の担当の審議官であるとか、あるいは薬務担当の審議官であるとか、いま吉原がやっております老人保健の成立準備ということで老人保健担当の審議官があるわけでございます。 それで、医務局次長が廃止をされまして老人保健部長が新設されると。法律職の関係ではそこでスクラップ・アンド・ビルドになるわけでございますが、官房審議官の中でこれまで老人保健を担当しておりました審議官というものが、これが成立いたしますとその仕事が一応終了するというような関係もございますので、官房審議官の中で医務局の担当の審議官に充てるという措置をとるということで賄っていく——賄うというと何でございますが、処理をしていきたいというふうに考えておるわけでございます。
○吉田正雄君 意地悪く質問をしておるわけではございませんでして、私は、ますますこの医療行政、厚生行政というものが複雑多岐にわたり、内容的にも大変だということはわかるんですよ。ただし、いまの説明ですと、医務局次長の仕事というのは何も老人保健部だけの仕事ではございませんと、ほかにもございますよということをおっしゃっているわけですね、さっきから。しかしそれは廃止したと、廃止をしてスクラップ・アンド・ビルドだということで、審議官がそれを今度はどなたかが手伝いますと、担当しますということになりますと、担当する審議官は一体どこの審議官がどのように担当するのか。じゃいままでそれだけの余裕がその審議官にはあったというふうに受けとめられるのですよね、いまの説明ですと。どうしてもわからない、それ。五人審議官現在おりますか、何人審議官はおりますか。
○政府委員(正木馨君) どうも説明が悪くて恐縮なんでございますが、官房審議官というのは、現在おりますのは、老人保健担当の審議官、それから公衆衛生担当の審議官、それから薬務担当の審議官、それから医療保険担当の審議官、それから社会保険庁の審議官がおるわけでございます。審議官は大臣の命を受けまして特定事項の担当を充てられるわけでございますが、医務局の次長の廃止に伴いまして、その官房審議官を現在それぞれ担当しております担当部署を変えまして、医務局の担当という形にいたしまして、従来の医務局次長がやっておりました局長を助け、局務を整理する仕事に当たらせようということでございます。
○吉田正雄君 そうするとますますおかしくなるのですね。公衆衛生局、それから老人保健部に、それから薬務局、保険庁、医療保険と、これ五人の審議官。で、その中のだれかに従来の医務局の次長の仕事を担当してもらうということになると、この五人のうちどなたをその担当にさせるということになるんですか。
○政府委員(正木馨君) 社会保険庁はのけまして厚生省の大臣官房で申しますと、繰り返すようでございますが、現在おりますのは、公衆衛生担当、薬務担当、医療保険担当、老人保健医療担当、それから技官の科学技術担当、五人おるわけでございます。それで医務局次長が廃止をされると、一方におきまして老人保健部長というものが設置されるわけでございますが、現在五人の審議官のうちの老人保健医療担当というのがあるわけでございますが、これが新たに老人保健部長というものができましてそちらの方に参ります。それから全体としてその五人の審議官が担当しております部署を、担当をもう一度見直しをいたしまして医務局担当に一人を振り向けるという形になるわけでございます。
○吉田正雄君 どうもいまの説明、大臣聞いておいでになっておわかりになりますか。どうもわからないんですよ、これは。だから、先ほどから何回も言っておりますように、ますます医療保険行政というのが複雑多岐化していくであろうということで、新たにこの老人保健部が設けられるということの意義についてはだれも否定しないというんですよ。だけれども、いまの説明ですと、役割り、任務分担をいろいろこれから再検討をして、再分配をすることによってだれか一人を医務局次長に充てるということになりますと、それでは従来もそれでやってこれたんじゃないか、一人余分だったんじゃないかということになるんですよ、これは、いまの説明ですと。どう考えたってそうでしょう、役割りをいろいろ再検討してだれか一人をここへ充てるというんですから。少しずつ動いて充てるということになるのかどうかわかりませんけれども、とにかくそれだけ余裕が出てくると、こういうことなんですから、いままではむだがあった、余っておったと、裏返して聞くとそういうふうな説明に聞こえるんですよ。 これ以上言ってもまた同じ説明の繰り返しになるでしょうから、これ大臣ね、大臣も聞いておいでになって聞けば聞くほどだんだんわからなくなってくるという説明ですので、この辺は行革ということがいま盛んに言われている中で、私ども決して必要なものを減らせと言っているんではなくて、必要なものはむしろ遠慮しないでどんどん要求されたらいいと思うんですよね、特に社会保障の分野については重要な問題ですから。しかし、いまの説明では、これは大蔵省だってなかなか納得しないだろうと思うんですよ。だから、もう少しうまい説明という言い方もよくないんで、正しい説明をひとつやっていただきたいということなんです。
○委員長(遠藤要君) ちょっと速記をとめてください。 〔速記中止〕
○委員長(遠藤要君) それでは速記を起こして。
○国務大臣(森下元晴君) 老人保健法は高齢化時代に備えて非常に重要な法案でございますし、ぜひともやらなくてはいけないし、またそのためには機構、組織というのがいかに大事であるかということは痛感しております。ただ、いろいろな事情がございまして、本当でございましたならば定員をうんとふやしていただきましてやりたいわけなんですが、諸般の事情等もございまして、まあ苦肉の策と申しますか、最善ではありませんけれども、次善の策でこういう機構でさしてもらった。今後ともやはりこの法案が十分生かせるように、またこの機構が十分生かせるように全力を挙げるように努力をしてまいりたい、このように思う次第であります。
○吉田正雄君 ちょっと時間をとりましたが、次に移ります。 いまの機構の説明でも十分すとんと落ちなかったんですが、同様に、老人保健部が新設をされたからといって直ちにそれをもって老人保健行政が円滑に遂行されるという保証あるいは担保には直ちにつながらないというふうに思います。先ほど来説明がありましたように、従前からの健康相談であるとかあるいは衛生教育あるいは看護指導等、こういうものが一層重視をされてくるということになるわけですけれども、もう少し端的にお聞きしますと、老人保健法が成立をいたして、そこにはいろいろ書いてありますが、老人保健部の新設に伴ってこの老人保健部の政策といいますか構想、そういうふうなものはどういうふうにお考えになっておるのか、またこれを円滑に遂行するためにどういう保証といいますか担保といいますか、そういうものがあるのか。単に機構をいじったというだけでは意味がないわけです。そういう点で、新しい老人保健部の部長がどなたにおなりになるかは別にして、その方の抱負、政策といいますか構想、そういうものがどういうものであるのかという点をまず一点お聞きをいたしたいと思います。 それから、老人保健法案の審議の中でもいろんな質疑が行われておりますけれども、「保健事業につきましては、第一次五カ年計画に引き続きまして、第二次五カ年計画を策定し、施設、マンパワーの強化を図ります。」というふうなことをわが党の安恒委員の質問に対してお答えになっておるわけです。そして、その第二次五カ年計画の中で全保健所等の整備、それから保健婦の雇い上げですね、パート、これを定員化すること、さらには全保健所及び市町村に対する栄養士、精神衛生相談員の配置等これらの拡大についてはどういうふうに考えていますかという質問については、「全保健所等の整備につきましては、第一次五カ年計画終了後引き続いて第二次五カ年計画を策定し、全保健所を整備します。」と、それからパート保健婦の定員化については、「第二次五カ年計画の中でさらに増員するとともに、パート保健婦については定員化に努めます。」云々というふうなことで、ずっとこう答弁をされておるわけです。答弁は簡単なんですね。しかし、現実に保健所であるとか保健婦の施設設備の拡充、充実、あるいは保健婦のいま言ったようなことを現実にやろうとすると、これは財政的にも地方自治体にとっては大変な負担になってくると思います。 そこで、この両法案が成立をした場合、どのように保健所なりあるいは保健婦の役割りというものが変わっていくのか、役割りは変わらないけれどもこういうふうに仕事量がふえていくというふうなことですね、どういうものが追加をされていくのか、それをまた国としてどのように保証していくのか、これは財政面だけでなくて行政の面でもどのように指導し、円滑な遂行に向かって施策をつくっていくのか、こういう点をお聞きをいたしたいと思います。これは厚生省に。 さらに自治省にもその点についてお尋ねをいたしますけれども、これは厚生省の場合もそうなんですが、一例だけとりますと、たとえば保健婦の場合、現行五十六年度では現在市町村及び保健所で成人病、老人病、老人保健対策に従事している人の数が約二千人と、こうなっておって、五十七年度を初年度としての五カ年計画の中では、この保健婦の数を五十七年度は四千人にふやすと、それから六十一年度には八千人にふやしますと、こういう目標が設定をされておるわけです。 たとえば五十七年度を見ますと、現在は約二千人おるわけですけれども、新規採用を四百人、それから退職された保健婦の皆さんをいわゆるパートとして雇うというものについては約千五百人というふうなことが計画として乗っかっているわけなんですが、これが円滑に計画どおり進む保証があるのかどうなのか。これらについての財政的な補助等については厚生省ではどのようにお考えになっておるのか、あるいは自治省としてはまたどのような財政保証といいますか、そういうものをお考えになっておるのかどうか。こういう具体的な面をひとつ明らかにしていただきませんと、保健部はできました、しかしそれは単なる机上の政策だけであって、現実面では少しも進展をしなかったということでは困りますので、その点の具体化について現在どのようにお考えになっておるのか、お聞かせを願います。
○国務大臣(森下元晴君) 老人保健法の実施に当たりましては、ただ中央、いわゆる老人保健部ができただけでは御指摘のようにだめでございます。やはり地方組織の方々にお願いしなければいけない。いわゆる現場にお願いしなければとうていできない。マンパワーの確保の問題もそうでございます。そういうことで総合的機能を発揮するように十分配慮していきたい。そのためには、都道府県とか市町村に対しましても新制度の実施に遺漏のないよう体制づくりを指導するとともに、関係の機関また関係団体にも十分連絡いたしまして実行に万全を期する所存でございます。 なお、具体的には三浦公衆衛生局長より答弁いたさせます。
○政府委員(三浦大助君) ただいま先生から御指摘ございました保健所等の施設の整備それから保健婦等のマンパワーの問題、こういう基盤の整備につきましては、私ども無理のない範囲、最善の努力をいたしまして達成可能な範囲で一応五カ年計画を作成してあるわけでございますが、これにつきましては私ども、現在保健婦さんのたくさんいる市町村もございますし、また一人もいない市町村もございます。したがいまして、たとえばマンパワーの一番中心的な主役になっていただきます保健婦さんにつきましては、五カ年間で、一応六十一年までにある一定の水準にまでこの保健事業を水準を持ち上げていこうと、こういうことで組んでおるわけでございます。 たとえば保健婦さんの八千人の増員、それから保健所の施設整備につきましては、一応四百二十五カ所の保健所をこの五カ年間にともかく重点的に整備していこうと。この四百二十五カ所と申しますのは、根拠は広域市町村に一カ所の保健所をりっぱなものに育てていこうということでございまして、あるいはまた検診等につきましても、いま現在、市町村で行っております循環器検診の実施率というのはまだ一二、三%程度でございますが、これを五〇%にまで受診率を引き上げていこう、それからがんにつきましては、胃がん、子宮がんともに現在七%か八%の程度のものでございますけれども、これをともかく三〇%にまで引き上げていこう、そういうことでいま目標をつくっておるわけでございます。 したがいまして、先生先ほど御指摘ございましたように、第一次五カ年計画が終わった後、さらに私どもこれを全国的な規模で保健所も整備し、保健所は現在八百五十五カ所ございますが、これも整備し、さらにまた保健婦さんも充実強化を図っていく、こういう第二次五カ年計画は立てなきゃいかぬだろうと、こういうことで御答弁を申し上げてあるわけでございまして、その裏づけになりますやはり予算措置でございますが、全力を挙げてこれが達成できるように私ども予算折衝を進めてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
○説明員(前川尚美君) 老人保健法の施行に伴いまして、地方団体におきましては健康手帳の交付等新たな業務が出てまいりますし、また既往の健康教育でありますとか健康相談、健康診査等々の業務につきましても、これはかなり業務量が増加してまいるものと私ども考えております。したがいまして、これに必要な要員の面につきましても先々相当の増員が必要になってまいるのではないかと考えているわけでありますが、昨今の諸般の状況等を念頭に置きますと、やはりこの増員につきましてもできる限りスクラップ・アンド・ビルドと申しますか、先ほど議論もございましたが、そういうことも含めてそれぞれ地方団体において検討していただきたいと考えております。しかし、特に保健婦等のスペシャリストの問題になりますと、スクラップ・アンド・ビルドと言いましてもこれは限度のある話でございまして、実質増員が必要になってくるという面も多々あるわけでございます。 一方、現在の地方団体の関係方面の行政の仕組み等を見てまいりましても、やはり地方団体によりましてあるいは地域によりまして非常に実情は区々でございます。また、その団体の財政状況も非常に区々でございます。私どもといたしましては、そういった地方の状況を念頭に入れながら、これは毎年毎年厚生省の方の御計画もお伺いする中で地方財政面での対応策を考えてまいりたいというふうに思っております。
○吉田正雄君 これは特に自治省に要望しておきたいんですが、これは何も厚生関係だけでなくて、教育に関しても、地方自治体に関しては中央の施策、政策、そういうものが全部自治体に反映をし、はね返っていくということで、交付税の算定等においても、自治省なりに地方財政が逼迫をしている中では地方財政計画を立てるのに大変苦労されていると思うんですけれども、せっかくこの老人保健法案が成立をしたわけでありますし、第二次五カ年計画の中でいま申し述べられたような構想といいますか、そういうものが出てまいってきておりますので、自治省の立場からも自治体に対する適切な指導と可能な限りのやはり財政補助等についても考慮をしていただきたい。これは要望としてつけ加えておきます。 それから次に、中央優生保護審査会を公衆衛生審議会に統合するということになったわけですが、その経緯、どうしてそうなったのかそのいきさつ、それから公衆衛生審議会の概要ですね、人数等も含めてそれがどうなるのかということについてお聞かせ願います。
○政府委員(三浦大助君) 老人保健法に基づきまして新しく老人保健審議会が設置されるわけでございますが、これにつきましても行政機関のスクラップ・アンド・ビルドという観点から中央優生保護審査会を廃止いたしまして、優生手術に関します適否の再審査、こういった事務を公衆衛生審議会の所掌としたということであるわけでございます。 公衆衛生審議会は、公衆衛生に関する厚生大臣の諮問機関といたしまして昭和五十三年に設けられました。現在、総合部会それから精神衛生部会、それから栄養部会、結核予防部会、伝染病予防部会、それから予防接種健康被害認定部会と、この六部会が置かれてあるわけでございますが、これに優生保護部会というのが今度こちらの方に部会をつくって、そこでいろいろ御審査をいただこうと、こういうことになるわけでございます。現在、実定員は公衆衛生審議会の方は八十六人おります。それから中央優生保護審査会の方は十六人おります。したがいまして、公衆衛生審議会の方は今度六部会から七部会ということになるわけでございます。
○吉田正雄君 もうちょっと詳しく聞きたいんですが、時間がありませんので、それ、その程度でやめておきます。 ところで、老人保健法の施行に伴い、国家公務員等の共済組合の保険者として拠出金を負担するということになるわけですけれども、各共済組合の短期掛金率にどういう影響を及ぼすのか、その負担予想額がおおよそどれくらいになるというふうに見込まれておるのか、この点、まず一点お聞きいたします。 また、法案の修正によって、次年度以降の保険者拠出金の加入者案分率は老人人口の増加率等を勘案して毎年度政令で定める率とし云々と、こういうふうにありますけれども、これも老人保健法の審議の中で若干論議が行われておりますが、きわめて抽象的な答弁になっておりますけれども、この政令で定める率というのはどのようにお考えになっておるのかということと、それから法施行後三年以内を目途として見直すという、見直しの方向というのはどういうものなのか、その視点をお聞かせ願いたいと思います。
○政府委員(吉原健二君) 現在、共済組合に加入しておられる七十歳以上の方の数というのは約四十四万人ほどおられるわけでございます。全体の加入者に対する老人加入率は平均して三・五%程度でございますが、この法律によりまして従来よりどのくらいの負担増になるかと申し上げますと、現在こういった七十歳以上の方々に対する医療費の負担として約千五百三十億円程度共済組合は負担をしているわけでございますが、この新しい法律によりまして千七百四十億円程度の負担になるわけでございます。したがいまして、差し引き約二百十億円程度の負担増になります。五十七年度の満年度の試算でございますけれども、そういうことになるわけでございます。 それぞれの共済組合において具体的にどうなるかといいますのは、共済組合個々に老人の加入率、それから現在の短期給付の掛金率というものが組合によって全部違いますので一概にはなかなか申し上げられませんけれども、平均をいたしますと、月額にいたしまして約三百二十円程度、毎月三百二十円程度の掛金の負担増になるわけでございます。これを事業主——国なり地方公共団体が事業主であるわけでございますけれども、それと、それから組合員が折半で負担をするということになるわけでございます。これを率に換算をいたしますと、健康保険等に準じた計算によって換算をいたしますと約千分の一・二程度の掛金率の負担増になるわけでございます。 それから、この法律によりまして、新しい制度の実施に伴う保険者の負担増に一つの歯どめをかけるという趣旨で、その負担増を毎年の老人人口の増加率程度にとどめるという考え方での修正が行われたわけでございます。毎年度の老人人口の増加率というのは年によってもちろん違いますけれども、昭和六十年ころまでの平均で申し上げますと、約三・六%程度七十歳以上の老人の方がふえていくわけでございます。したがいまして、具体的に端的に申し上げますと、共済組合なり、あるいは負担増が一番大きいのが健保組合でございますけれども、健保組合の負担増を昭和五十八年度以降前年度に対して三・六%の範囲内で抑えていくということになったわけでございます。 そういう考え方で五十八年度以降の拠出金の計算の仕方、具体的に言いますと加入者案分率を政令で決めるということになっているわけでございますけれども、具体的には、その加入者案分率というのは、毎年の老齢人口と毎年の老人医療費の伸びがどうなるか、それとの関連によって決まってくるわけでございます。そういったことで、毎年老人保健審議会の意見を聞いてその年度当初までに率を決めていきたいというふうに思っているわけでございます。 それから、そういった三年間のいわば特例措置が設けられまして、三年後にそういったやり方について見直しをするということにされたわけでございますけれども、この見直しをどういう方向でするのかということにつきましては現在まだ決めておりません。法律自体の中に、三年間のこの法律の施行の状況、そういったものを十分見きわめた上で見直しをすべきであるということが規定をされましたので、この法律の施行後の状況を十分見きわめて見直しの方向、見直しの内容というものを決めていかなければならないというふうに思っているわけでございます。
○吉田正雄君 そこで、財政面だけから異なる保険者間の連帯といいますか、が行われるということになるんですけれども、各共済の給付内容とか掛金率とか、それぞれ異なっておるんですけれども、そういう点で、元来の共済組合の制度の趣旨からするとこれは必ずしもなじまないんじゃないか、金の余っているところから何かどうも取っていくというような感じがしないわけでもないということなので、私に言わせれば、単にそういうこそくな手段でいいのかどうなのか、もうちょっとこれは抜本的に検討する必要があるんじゃないかというふうに思われるんですが、これに対する厚生省と大蔵当局の見解をお尋ねいたします。
○政府委員(吉原健二君) 老人保健法の基本的な考え方というのは、老人の医療費というものを国民みんなで出し合って支えていこうという考え方に立っているわけでございます。具体的に言いますと、各保険者間が共同で資金、費用を持ち寄ってこの老人医療費を負担していこうという考え方に立っているわけでございまして、もともと社会保障というものがそういう基本的な考え方に立っているわけでございます。それから現在の共済組合自体も、これは組合員相互の相互扶助、連帯、これはそれぞれの法律の目的の中にはっきり書いてあるわけでございますけれども、組合員の相互扶助、連帯という考え方に立って短期給付なりあるいは長期給付の制度というものをやっているわけでございます。 今度の老人医療、老人保健法の考え方というものは、個々のそういった一つ一つの健保組合なり共済組合あるいは国民健康保険、そういった保険制度を一つの制度、一つの組合の枠を超えて同じ共同連帯の考え方で老人医療費というものを賄っていこう、こういうことでございますので、私は決して現在の共済組合の趣旨に何といいますかなじまないというものではなしに、むしろ共済組合がよって立つ連帯の考え方を組合の単位を超えたより広いものに広げていったと、国民的なものに広げていってこの老人医療をやっていこうということだというふうに思っているわけでございます。
○説明員(野尻栄典君) お答え申し上げます。 御質問のとおり、共済組合制度というのは、健康保険組合と同じようにその職域の中での相互連帯による医療給付を中心とした諸給付を行うことを目的としております。それが基本ではございます。しかしながら、いま厚生省からのお答えにもございましたとおり、この老人保健法は単なる職域内での相互連帯の枠を超えて広く国民全体が老齢者の医療費を支え合っていこうということから提案され成立したものというふうに理解しておりますが、こうしたこの法律の理念というものは共済組合を設けております理念と共通した基盤の上に立っているものというふうに理解しておりまして、共済組合設立の趣旨と反するというふうには考えておりません。
○吉田正雄君 私は、その考え方といいますか、非常に重要な問題を含んでいると思うんです。今回は老人保健法という面だけで七十歳以上の人に限定して各共済の枠を超えて全国民的な立場で考えていくんだということなんですが、私は基本的には、そうすると厚生省なり大蔵省としては、老人という七十歳以上に限るべきではなくて、全国民的な視野という観点からするならば、将来に向かっては保険医療制度というものについてはこれを統合する方向というものを志向した上でのこの老人保健法改正案というふうに受けとめてよろしいんですか、どういうことなんですか、これ非常に重要な問題だと思うんですよ。現在の共済保険制度のあり方についての私は抜本的な問題を提起しておると思いますので、単にここのわずかな赤字のところをどうするとか案分するというふうな小手先の問題ではないというふうに受けとめておるんですが、その点はいかがなんですか。そこまで検討されてのいまの御発言なのかどうなのか。
○政府委員(吉原健二君) 現在の医療保険制度のあり方につきましてはいろいろな問題点というものがかねてから指摘をされているわけでございますけれども、やはり最大の問題点の一つというのは、いろんな制度が分立をしていて、給付なり負担の面において非常な不均衡があるということでございます。したがいまして、私どもは将来の社会保障のあり方、医療保険制度のあり方としては、できるだけそういった各制度間の不均衡なりアンバランスなりというものを是正をしていくという方向で考えていかなければならないというふうに思っているわけでございます。しかしながら、それぞれの制度にいろいろな背景なり事情あるいは沿革、それからそれぞれの何といいますか集団の特色というものがございますから、一挙に制度を一本化することはむずかしいと思いますけれども、できるだけ社会保障のあり方としては、医療保険にいたしましてもあるいは年金制度にいたしましても、将来一元的に統合する方向で考えていかなければならないというふうに思っているわけでございます。 今回の老人保健制度でございますけれども、これは七十歳以上の老人医療費につきまして非常な各制度間のアンバランスというものがあるわけでございます。特に被用者保険とそれから国民健康保険の間に給付とそれから特に費用負担の面において大きなアンバランスがあると、それを是正をしていくと、で、老人の医療費というものを公平に国民みんなで負担をしていくと、こういう考え方で新しい老人保健法というものを制定をいたしたわけでございます。
○吉田正雄君 時間が参りましたので、非常に重要な問題を含んだ内容なんでして、これについては非常に論議があると思うんで、これはまた次回に持ち越したいと思うんです。 時間が来ましたから一言だけ答えていただきたいと思うんですが、八月十七日の新聞報道によりますと、老人への上乗せ福祉については廃止、是正を厚生省としては各自治体に指導していくんだと、こういうことが出ておるわけですけれども、この指導が地方自治体の自治権を侵害するとか、あるいは罰則を伴うというふうな補助金のカットであるとかというふうなことももう一部ささやかれておるようでありますが、そういうことを考えておるのかどうか。これは同様に自治省に対しても、特別交付税の枠の中でそういう県についてはカットをするとかというふうなことを現在考えておいでになるのかどうか、簡単で結構です、お答えをいただきまして、私の質問を終わります。
○政府委員(吉原健二君) 端的に申し上げまして、老人医療に関する地方自治体の単独事業につきましては、この法律が制定されましたのを機会に廃止を含めて見直しをお願いしたいという気持ちを持っております。しかしながら、やはり地方自治体の単独事業はそれぞれの地方自治体の自主的な判断で行われているわけでございますので、最終的にはこれをどうするかというのは自治体の御判断にお任せしたいと思っておりますし、自治権の侵害というようなことをいたすつもりはございません。
○説明員(金子清君) 老人医療に対します地方団体の上乗せの問題につきましては、当然のことながら地方団体が自主的な判断によって対処すべきものであるというふうに私ども原則的に考えております。しかしながら、老人保健法というものが成立したわけでございますので、この老人保健法の趣旨を十分踏まえまして、この法律による施策との均衡あるいは将来にわたります財政負担の動向等、総合的に勘案をして各地方団体において慎重に対処していただきたいというふうにも考えております。そういうことで、ただいま先生の方から特別交付税での云々というお話ございましたが、私ども現在そういうようなことは考えておりません。
○委員長(遠藤要君) 午前の質疑はこの程度とし、午後一時まで休憩いたします。 午前十一時四十八分休憩 —————・————— 午後一時三分開会
○委員長(遠藤要君) ただいまから内閣委員会を再開いたします。 厚生省設置法の一部を改正する法律案を議題とし、休憩前に引き続き、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○峯山昭範君 私は、きょうは厚生省設置法の一部を改正する法律案に関連をいたしましていろいろと質問をしたいと思っております。その前に、本案に入る前にちょっと一遍お伺いしたいと思っておりましたことがありますので、その点時間をとりましてちょっとだけお伺いしたいと思います。 中国の残留孤児の問題でありますが、この問題につきましてはいろいろな問題がありまして、いろいろな委員会でことしの春等ずいぶん議論されてまいりました。国会ももう終わりでありますので、この問題について二つ、三つ詰めて質問をしておきたいと思っております。 先般の集団招待による肉親捜しによりますと、来日した六十人の孤児の中で四十二人が劇的な対面を果たしているようであります。また、公式のルートを通じて肉親捜しを依頼してきた残留孤児のうち、肉親の判明しない者は本年の二月一日現在で八百七十人にも上っている状況であるとお伺いをいたしております。来年度、政府は孤児の招待枠を倍増して百二十人程度にしたいと、一回六十人を二回というふうに聞いているんですが、こういうペースでいきましてもこれを消化するだけでも相当な年数がかかります。また、その背後には日本人の残留孤児の皆さんが数千人ともあるいは一万人近くいるとも聞いているわけでありますが、年齢等の状況から考えまして、これはもう時間的な猶予が許されないような状況にあるわけであります。 そこで、もう少し来年度予算で予算的にも大幅な予算を具体化していただいて、もっとたくさんの人たちに日本に来ていただいて、あるいは呼んで、この問題を解決するような方向という問題について厚生省ではどういうふうにお考えになっていらっしゃるのか、初めにこの点についてお伺いしておきたいと思います。
○国務大臣(森下元晴君) 中国におられる残留孤児の問題につきましては、ことしの春にいろいろな方から御心配もいただくし、また激励も受けたわけでございます。やはり戦後処理問題と同時に、中国に対する感謝等の気持ちも込めて対処していきたいと思っておるわけでございます。ただ、問題は、その後養父母に対する問題等が出てまいりまして、当初私どもの考えておったようなやり方では中国の認識とかなり隔たりがあるということが派遣をした係官の報告によってわかりました。九月に総理が訪中されるようでございますから、このときにいまおっしゃいましたような基本的な問題についてもお話し合いされますし、またもう日にちもございませんし、余り長くかかるとせっかくの待たれておる孤児の方にも御迷惑をかけると。予算の問題等もございますけれども、一日も早く解決できるように、また八百七十名という数字でございますけれども、その背後にもかなりの方がおられるんではないだろうかということも実は想像されます。そういうことも含めまして、五十八年度の予算編成に国会が終わればかかっていくわけでございますから、その中にも十分織り込んでいきたい、そういう気持ちで実は取り組んでおるわけでございます。 以上でございます。
○峯山昭範君 この問題は、いまおっしゃっていただきましたように、養父母等の問題も確かにその後出てまいりまして、きょうもこの問題についてもお伺いしたいと思っておるわけでありますが、もう一つは、中国残留孤児問題懇談会というのを設置しておられるんですね。これはことしの何か夏ごろをめどに一応の結論が出るというふうに聞いておりますんですが、これはどうですか、その方向なんでございましょうか。
○政府委員(北村和男君) 先生おっしゃいますように、本年三月に厚生大臣の私的諮問機関としての懇談会を発足させたところでございます。懇談会には各界の有識者の方々あるいは長年この中国孤児問題に関するボランティア活動に従事してこられた方々にお集まりいただいたわけですが、三月以来非常に精力的に御審議をいただき、実は本日も三時からやるわけでございますが、今月の末までに一応の御答申をいただく運びにいま進めているところでございます。
○峯山昭範君 この問題でまた内閣委員会で問題になるようなことを私は言うつもりはありませんけれども、これは私的諮問機関ですから、答申をもらうなんて言うとまたもめるわけですが、実際は残留孤児の問題を解決するということで実質的に役に立つお考えをそういうふうな有識者の皆さんから聞くということで有効なことでもあるということでありますのであえてこの問題については深入りしませんが、ことしの、もうすぐ出そうでありますから、ぜひこういう問題も含めまして、その意向が十分五十八年度予算に反映をされてこの問題が一日も早く解決できるようにしていただきたい。それと同時に、これはもう少し計画的にやらないといけないと思っているわけですが、たとえば年次計画とか、そういうようなことをやるお考えはございませんか。
○政府委員(北村和男君) 私どもの認識といたしましても、先方の養い親、それからこちら側の親、ともに相当高齢に達しておりますので、先ほど申し上げました有識者の方々に御意見を承る際にも、なるべく早くこれを解決することが前提であるということを厚生大臣からも申し上げたわけでございます。いま御懇談中でございますが、やはり先生方も、まあ両三年のうちにこの問題を中国政府の協力を得ながら片づけるべきであるというような方向でいま御懇談をいただいているところでございます。
○峯山昭範君 先ほどから養い親に対する問題が出ておりますので、この点を先に質問しておきたいと思います。 これは確かに中国でもこの問題が問題になりまして、養い親からの民事訴訟が実際に提起されまして、中国の法院で養育費を支払えというふうな判決がなされたように私も聞いております。そういう点では、この養父母に対する報恩措置といいましょうか、非常に大事な問題が残っているわけであります。この問題につきましては、衆議院の予算委員会や参議院の予算委員会等でも何回か検討するというふうな答弁がなされているわけでありますが、この問題については政府としては具体的にどういうふうにしようとお考えなのか。養育費の問題につきましても、個人の問題としてだけでは非常にこれはむずかしい問題がたくさんあると私は思います。そういうような意味で、政府としてもこの問題についてもう少し何らかの突っ込んだ議論なりお考えがなければいけないんじゃないかと、問題解決のためにはこの問題を解決しなけりゃいけないわけですから、そういうような意味でお考えをお伺いしておきたいと思います。
○政府委員(北村和男君) 中国の養い親ないしは中国社会全般に対しましてどのように感謝の意を表するかということも、有識者の先生から御意見を承る際に、私どもとして重要なテーマとしていま御審議をいただいているところでございます。 先ほど大臣からも申し上げましたように、私ども先般中国政府と事務的な折衝をいたしましたところ、先方としては、その問題を含めたいろいろな問題に一番先決する問題として、残留孤児ないしその家族が日本に帰国いたします際に家族との離別の問題が起きるという提起がございました。で、急遽有識者の先生からもその問題にとりあえずしぼっていろいろ御懇談いただいているところでございますが、先生方の御意見としましては、やはり扶養の問題はその原因のいかんとかいろいろな問題がありましょうけれども、基本的には個人の問題であろうけれども、何分帰国いたしましたすぐには日本語もしゃべれず、日本の生活習慣にもなじまないという特殊な事情でございますから、できるだけ有利な状況で政府としてもバックアップをすべきである、そういう御意見でございました。でございますので、私ども部内でもいろいろ調整いたしまして、低所得者に対します長期低利の融資制度を活用して、この帰国に際して親族との約束をいたしました扶養の資金をお貸しするという方向でとりあえず考え方をまとめて、これから中国政府と折衝をしようと考えております。 なお、民間から大変いろんな善意あふれる寄附金その他がございます。懇談会の方でも、制度自身の弾力的な運営とそれからその寄附金なんかの有効な活用を図ることによりまして、孤児に過重な負担がかからないように温かく配慮することが必要だと、そのようにいま御議論をいただいているところでございます。
○峯山昭範君 次に、受け入れ体制の整備の問題についてお伺いをしたいと思います。 肉親のもとに帰った孤児の皆さんがまず突き当たる問題としまして、やっぱり言葉の問題があると思いますね。言葉だけではなくて、生活習慣の問題やあるいは自立のためのいわゆる就職の問題、これは非常に大事な問題だろうと思います。こういうふうな問題について、現在、大部分が肉親やあるいは民間の協力で賄われているわけですね。こういうふうな問題でいきますと、政府の対応というのはやはりまだなまぬるい、もう少しやっぱり政府がこの問題についても本気になって取り組まなければいけないんじゃないか。残留孤児の皆さん方の立場からすれば、三十数年間中国に残されて夢にまで見た祖国へ帰ってきて、ところが実際は自殺をしたり、非常に厳しい状態の中へ追い込まれているわけであります。そういうふうな意味でこの受け入れ体制という問題を非常に重要視して皆さん方も取り組まなければいけないんじゃないか、そういうふうに思っているわけです。そこで、自立援護施策のための大幅な拡充、充実というのが必要になってくるわけです。 それで、政府として、この帰国した者がスムーズに日本の社会に同化できるような、あるいは同化するための言語の指導とかあるいは職業訓練とか、あるいは職業の紹介とか、あるいは社会教育まで含めた総合的な適応訓練を行うことが必要である、そういうふうに私たちは考えているわけですが、政府はこの問題についてどういうふうにお考えになっていらっしゃるのか。あるいはその一時受け入れの施設をつくるとかいうふうな問題についても当然必要になってくると私は思うんですけれども、この問題についてもどういうふうにお考えなのか、一遍御見解をお伺いしておきたいと思います。
○政府委員(北村和男君) 先生のお説のとおりでございまして、日本語がわからず、日本の生活習慣に全く通じないまま家族を連れて残留孤児世帯が帰ってくるわけでございますので、当面、まず日本の生活習慣と日本語を勉強することが第一段階でございます。これがある程度できましたときには、それぞれ今度は職業訓練等を受けまして自立をするというのが第二段階でございまして、この際は、第一段階、第二段階ともに当然生活保護の適用を受けることになります。第二段階を過ぎますと、職につく能力も身につけ、日本語もでき、生活習慣も身につきますので、自立をしていくということでございます。 私ども、いままでこの問題に携わってまいりまして、先生おっしゃいますように、第一段階で本当に生活習慣のちょっとした違い、それから日本語がわからないということで非常に不幸なケースが出ていることでございますので、いま先生お話しの収容するセンター構想も含めて、ただいま有識者の先生方にいろいろ御意見を承っているところでございますので、その線に即して来年度予算に対処をいたしたい、さように考えております。
○峯山昭範君 外務省はお見えになっていますか。——総領事館の設置の問題についてちょっと外務省にもお伺いしておきたいんですが、この問題を解決するためには、特に関係者が戦時中にたくさん住んでおりました旧満州地区、そういうところに総領事館を設置して、いわゆる適切な情報活動や相談体制を現地で確立するということが非常に大事なことだと私は考えております。 そこで、先般の参議院の予算委員会でも、外務省のアジア局長が、いま総領事館を追加する場合はたとえば東北の藩陽、これが中国では一番優先度が高い地区ではないかと、こういうふうな答弁がなされているわけでありますが、外務省としては総領事館の設置という問題についていまどういうふうにお考えなのか、また、当然そういうふうなことをする場合には、これは外務省としても行管庁にも相談せにゃいけないでしょうし、あるいは、相手のあることですから、中国側との相談も要るわけですが、この問題についてはどういうふうになっているか、一遍お伺いしておきたいと思います。
○説明員(畠中篤君) 先生御指摘のとおり、本件事務をとり進めますには、やはり現地にそういう総領事館等がありますことが非常に事務を促進するということで、私どもも東北地区に総領事館を設けますことを非常に重要視しております。 現状を申し上げますと、そういうことも踏まえまして、行管に対する要求等を現在部内で最終調整をしておる段階でございます。
○峯山昭範君 これはぜひ、最終調整ということですから、前向きに検討されているとお伺いしておきます。 それから、もう一点だけこの問題についてお伺いしておきます。 これは永住帰国者の年金権の問題、これはちょっと一遍これから検討しなければならない問題であろうと私は思っております。帰国した孤児の皆さん方は大体平均年齢が四十歳を過ぎていらっしゃる方が多いわけですね。そうしますと、国民年金に加入しても老齢年金を受給することは不可能ということになるわけであります。そういうような意味で、たとえば政府の負担による特例納付の実施などによって、これら運命の孤児に対し年金権を付与するとか、あるいは老後の所得保障の道を開くべきであると、そういうことが言われておりますし、そういうふうに考えるわけでありますが、この問題については御検討をされていらっしゃるのかどうか、お伺いしておきたいと思います。
○政府委員(山口新一郎君) ただいまのお尋ねの問題は、年金制度の立場から申しますと中途加入者の問題ということになるわけでございますが、現在の国民年金制度におきましては、中途加入者の場合には任意に脱退ができるという仕組みをつくっているわけでございます。しかしながら、現行制度が考えられましたのは三十年代の前半でございまして、二十年以上前の状況下でそういうような仕組みを考えたわけでございます。その後、国際化の時代と言われておりますほどにいろいろ世の中の情勢が変わってきておりますので、ただいまの問題は次の大改正の際には一つの重要な問題として検討をいたしたいと、かように考えております。
○峯山昭範君 最後に、大臣にお伺いしておきます。 この中国残留孤児の問題につきましては、これはいろんな問題があります。いま何点かお伺いしましたけれども、この残留孤児の皆さん方がどういうふうになっているかという調査の問題、あるいは速やかな帰国をどういうふうにするかというふうな問題、あるいは先ほどから問題になりました養父母に対する報恩措置の問題、受け入れ体制の整備の問題、あるいは国籍、戸籍の問題、それから帰国の費用の問題、それから外交上の、いま外務省からお話のございました大使館、領事館等の問題、あるいは国内においてはテレビによる肉親捜しの問題、そういうふうな幾多の問題があるわけでありますが、いずれにしてもこの問題について速やかに解決できるように大臣としても真剣に取り組んでいただきたいと要望いたしておきたいと思うんですが、大臣のお考えをこの点についてお伺いしておきたいと思います。
○国務大臣(森下元晴君) この問題は事を急ぐ問題でございますし、非常に重要な問題でもございますので、総理大臣からもいろんな機会にも前向きの答弁をされましたが、厚生省また厚生大臣といたしましても、この問題につきましてはあらゆる手段、方法を通じまして誠意を尽くして、また予算の許す限り全力を挙げて取り組んでいきたいということを申し上げます。
○峯山昭範君 それでは、この法案の問題についてお伺いをしたいと思います。 老人福祉対策は非常に重要な問題であります。政府の老人福祉対策に対する基本的認識ということで、昨年末の新しい日本の将来人口推計によりますと、人口高齢化はさきの推計、昭和五十一年十一月よりもさらに急速に進むことが明らかにされております。その資料によりますと、六十五歳以上の人口の割合が昭和五十五年には九・〇五%、それで五十一年の推計では昭和七十五年には一四・三%であったわけであります。そして昭和九十五年には一八・八%。それが五十六年十二月の新しい推計によりますと、昭和七十五年には一五・六%、九十五年には二一・八二%というように五十一年の推計よりも大幅にふえておりますし、老齢化が進むということになります。こういうことを受けとめて、私たちは老人福祉という問題についてその政策をきちっと整備する必要がある、そういうことで今回の法案が成立したと、こういうふうに考えているわけであります。 そこで具体的に幾つかお伺いをしたいと思います。 政府は老人福祉施設の現状をどういうふうに認識されているかということであります。確かにこの十年間を見てみますと、特別養護老人ホームはかなり増設されておりますが、六十五歳以上の人口一千六十万人に対しまして養護、それから特養、軽費老人ホームの在所者を合計しましても約十五万七千人で一・五%にすぎない状態であります。施設の数がどのくらい必要であるか、あるいは在宅対策の充実や医療制度あるいは社会的扶養に対する意識、選択によって影響されるのでいろいろむずかしい問題もありますが、寝たきり老人が三十八万六千人、一人暮らしの老人が九十一万人いると、こういうふうな統計が出ております。また、諸外国における老人ホームの収容状況等から見ましても、わが国のこういうふうな施設が非常に不足していると、こういうふうに考えるわけでありますが、政府としましてはこの施設についてどういうふうにされようとしていらっしゃるのか、基本的なお考えを初めにお伺いしたいと思います。
○政府委員(金田一郎君) ただいま先生おっしゃいましたように、高齢者がますますふえてまいりますし、施設に対する需要も多くなってまいることかと思います。特に、ただいま先生が言われました特別養護老人ホーム等につきましても、寝たきり老人等を中心としまして非常に需要が高いわけでございますので、鋭意従来からその整備に努めてまいったところでございますが、先生ただいまおっしゃいましたように、老人に対する扶養意識等の問題、あるいは都市部、農村部等の違い等によりまして各地で需要は区々でございます。毎年特別養護老人ホームだけでも約百カ所、定員にいたしまして一万人程度をふやしているわけでございますが、今後とも私どもとしましては施設をさらに需要に応じてふやすように努めてまいりたいと思っております。
○峯山昭範君 いまの説明によりますと、特別養護老人ホームは毎年百カ所とおっしゃっておりましたね。私の手元にある資料によりますと、五十五年度までしか書いておりませんが、確かに五十三年度が七百九十九カ所、五十四年度が九百三カ所、五十五年度が千三十一カ所となっておりますね。確かに百カ所ぐらいずつふえていますね。現在どのくらいあるんですか。
○政府委員(金田一郎君) 五十六年度現在でございますが、特別養護老人ホームの総数が千百六十五でございまして、定員が八万九千五百十ということでございます。
○峯山昭範君 そこで、在宅の対策の現状とその推進についてお伺いをしたいと思います。老人在宅対策としましては、主なものは家庭奉仕員の派遣、それから介護人の派遣、それからデーサービス事業、寝たきり老人短期保護事業などが行われているわけでありますが、最近の動きから見まして、デーサービス及び寝たきり老人の短期保護のいわゆる地域開放事業の伸びが目立っております。これに対しまして、在宅対策の中核である老人ホームヘルパーはそれほど伸びなかったようであります。 そこで、ホームヘルパーにつきましては、昭和五十一年にそれまでの老人、身障者、心身障害児とそれぞれ分けられていたのが統一メニュー化されておりますが、四十九年度、五十年度は前年度より千五百人、九百人とそれぞれ増員されておりますが、その後はその増員が五百人、三百人、二百人しか増員されていないようであります。五十五年度、五十六年度は百人しか増員されていないようであります。したがって、在宅対策が叫ばれたにもかかわらず、在宅対策の進展はなかったと言っても過言ではないような実情であります。そこで、厚生省はこれまでの在宅対策をどう見ているのか、この点についてお伺いをしたい。 それからさらに、ホームヘルパーについては現在の人員で国民の要望にこたえていると判断していらっしゃるのかどうか、この点についてもお伺いしておきたいと思います。
○政府委員(金田一郎君) まず最初に、ホームヘルパーについてお答え申し上げますと、老人福祉対策といたしましては、施設の整備だけではなく、在宅対策が必要であることは先生おっしゃるとおりでございますが、私どもといたしましては、ただいま先生が言われましたような過去の数値はございますけれども、昭和五十七年度からは画期的にホームヘルパーの対策を拡大することにいたしまして、従来は低所得階層だけでございましたが、あらゆる階層にこのホームヘルパーを派遣することにいたしたいということにいたしました。そこで、ただいまおっしゃいましたように、五十五年度、六年度、百人程度しか増員になっていなかったわけでございますが、五十七年度には三千二百九十八人の増員を図りまして、合計一万六千六百十八人というようにいたしたわけでございます。今後とも年次計画をもちましてさらに増員に努力してまいりたいと思っているわけでございます。 それから在宅対策でございますが、どうしても大多数の老人は自宅におられるわけでございますし、また寝たきり老人等心身に障害を有する場合でございましても、現に住みなれた地域の中で生活を引き続きやっていきたいという御希望が非常に強いわけでございます。そういうわけで、家庭奉仕員等在宅対策の強化をいたしたわけでございます。 一方におきまして、特別養護老人ホーム等の需要も強いわけでございますが、私どもとしましては、これから施設を在宅福祉を中心とする地域福祉サービスの供給システムの一環として考えてまいりたいと考えております。ただいま先生が例示されましたような寝たきり老人に対する短期保護事業、一週間程度の保護事業でございますが、あるいは通所または訪問することによりまして、入浴、給食、洗濯あるいは日常生活訓練を行いますデーサービス事業、これらはいずれも老人ホームを利用いたしてやっておるわけでございますが、そういう意味におきまして、施設機能の地域開放をさらに進めまして在宅対策の一環にも資してまいりたいと考えておるところでございます。
○峯山昭範君 このホームヘルパー制度の拡充につきまして、先ほど五十五、五十六年度百人と申し上げましたが、五十七年度は三千二百九十何人とおっしゃっていましたね。三千三百人近く増員されたわけでありますが、何かこれ、この派遣対象を何か拡大したようにお伺いいたしておりますが、そこで具体的に何点かお伺いしてみたいと思います。 まず第一点は、今回のこの増員によりまして全員で一万六千人の体制になったわけですね。この体制になって、これまでの週二回半日程度がどのように改善されるのかという問題が一つ。 それから二つ目に、課税世帯にも派遣するというふうに聞いておりますが、今年度の三千三百人の増員によりまして、これまで週一回しか来てくれなかったという実情を解消することができるのかどうかという問題ですね。要するに、低所得者層へのホームヘルパーの派遣がこのことによってないがしろにされることはないのかどうか、その点について心配する向きもありますので、お伺いしておきたいと思います。 それから三番目に、課税世帯については所得に応じて費用を徴収する方針というふうにお伺いいたしておりますが、徴収方法は課税世帯について二つのランクに分類され、高い方は全額自己負担、低い方は半額自己負担とされるように聞いておりますが、その金額等についてはどういうふうに決められるのかということですね。 それから四つ目に、ホームヘルパーの身分につきまして、市町村職員、社会福祉協議会の職員あるいは常勤職員、非常勤職員等非常に複雑に分かれているわけであります。その身分によって手当に差があるわけでありますが、国はこれをどういうふうに改善しようとお考えなのか。その改善の方策については市町村にすべて一任していらっしゃるのかどうか、そこら辺のところをお伺いしたいと思います。 それから五番目に、昭和五十四年の十月の全社協の行った家庭奉仕員実態調査によりますと、ホームヘルパーの研修では、初任者研修を行っている四十六県の中で、県主催によるものが二十三県——五〇%です。各県ヘルパー協議会独自で一八%実施しなければならない状況であります。中堅研修になりますと二三%も独自で研修実施しなければならないことが明らかにされております。しかも研修回数は、初任者研修で年平均わずか一・八回、中堅研修で三回、日帰り研修が多いことが明らかにされております。 家庭奉仕員が在宅対策の中核を担っていくのでありますし、老人家庭奉仕員派遣事業運営要綱にあるように、身の回りの世話だけでなく、相談、助言することとされておりますので、非常に大事な研修であります。そういうような意味で、ホームヘルパーの研修につきましては重要な課題であります。さきの研修状況ではホームヘルパーの質的向上は実現できないというのが現実の姿であります。この問題について厚生省はどういうふうにお考えになっていらっしゃるのか。 全部で五点申し上げましたが、この五点について御答弁をお願いしたいと思います。
○政府委員(金田一郎君) まず、ホームヘルパーの週二回半日程度ということでございますが、私どもの考え方といたしましては、できるだけ個々の老人の世帯の実情に即した派遣をしてまいりたいと考えております。必要な場合におきましては毎日お伺いしてもいいんではないかと考えております。それで、今回ある程度有料化もいたしました。低所得階層は従来どおりでございます。そこで、今回の考え方といたしましては、必要に応じまして、もし毎日派遣を希望される世帯であれば毎日、あるいは従来どおり週二回半日程度というところであればその程度、こういうことで弾力的に対応してまいりたいと考えております。 それから第二のお尋ねでございますが、したがいまして低所得世帯が従来に比べてマイナスになるというようなそういった点は全くございません。 それから第三点でございますが、所得に応じて徴収いたします場合の経費でございますが、全額徴収される世帯で、大体モデルでございますが、おおむね月額二万円程度というように考えております。 それから第四点でございますが、身分につきましては、ただいま私が申し上げたようなことでございまして、ある世帯では毎日昼食時に来てほしいというようなところもございます、比較的そういうようなところが多いようでございまして、そこで一日御勤務される場合ヘルパーの方ばかりが必要なわけではございませんので、各地域の実情に応じまして常勤、非常勤等取りまぜて勤務していただきたいと、そういうように思っております。ただし、その場合におきます手当につきましては、特に一時間単位等に割り振ってみますと、特に差を設けておるわけではございません。 それから最後に研修でございますが、研修につきましては、私どももできるだけホームヘルパーは、先生おっしゃいましたとおりでございまして、その資質の向上を図ることが必要であると考えております。いま回数を詳しくお述べいただきましたが、私、ちょっと手元に資料がございませんので恐縮でございますが、先生がおっしゃいました御趣旨に沿ってこれからは私どもも研修の強化をできるだけ督励してまいりたいと思っております。
○峯山昭範君 最後にもう一点だけ、法案の中身と関連をいたしまして老人保健部の新設についてお伺いしたいと思います。 かなりなスピードで高齢化社会が進んでいるわけでありますが、そういうような中でお年寄りの皆さんの健康保持という問題は非常に大事な問題であります。そういうような中にありまして、医療と福祉の両方が車の両輪として働かなければならないと思うわけです。そういうような意味で、行政の面でもその接点のところがスムーズに連携をとり得るように組織づくりをする必要があると思っております。そういう点で中央で今回こういうふうな組織ができるわけでありますが、これに対応いたしまして地方できちっとした組織をつくらなければならないわけでありますが、この点についてはどういうふうに指導していかれるのか、そのスケジュール等もあわせまして御答弁いただきたいと思います。
○政府委員(三浦大助君) この老人保健制度を的確に運営していくためには、これにふさわしい組織、機構の整備が必要であることはもう言うまでもないわけでございますが、したがいまして都道府県、市町村におきましても国に対応しまして保健事業の総合的な実施が確保されるようにということで、私どもいままで衛生、民生にわたって行われておりましたこれらの事業の部局の一元化を図るということで必要な組織体制の整備を都道府県の方にお願いしておるわけでございます。
○峯山昭範君 そこで、今回の老人保健部を公衆衛生局に新設をしまして、先ほどからも説明がございましたように、そこに二課一室を設けて、医療に関する指導及び監督の実施に関することを除いてそこで老人保健法の施行を所管することとなると、こういうような説明があったわけでありますが、この老人の保健という問題と医療は一体的に運営されることが望ましいと思っておりますが、その間の連携はどのようになっていくのか、この点についてもお伺いしておきたいと思います。 それから、あと具体的な細かい問題で、老人保健部の具体的所掌事務については組織令なりあるいは組織規程なりで定められることとなると思いますが、予定されております二つの課、一つの室、その中身は具体的にはどういうふうな事務分担になるのか、この点についてもお伺いしておきたいと思います。 それからもう一点、今回新設される老人保健部というのはどういう理由で公衆衛生局に設けられるようになったのか、これをちょっとお伺いしておきたいと思います。
○政府委員(三浦大助君) ヘルスと医療の一体化ということでございますが、今度の部の設置に伴いまして計画課、それからその中に指導調査室がございます。それから老人保健課というのがございまして、この老人保健課で医療以外のヘルスの事業をすることと、それからここで診療報酬に関する医療問題を取り扱っております。計画課の方で老人保健制度の総合的な企画調整あるいは老人保健法によります医療の実施、それから保険者の拠出金に関することということは計画課の方で実施するわけでございます。なお、指導調査室につきましては、地方公共団体あるいは保険者に対する指導、こういうことで、保健部でヘルスから医療まで一体的に行おうということになっているわけでございます。 それから三番目に、なぜ公衆衛生局にというお話がございました。いままで公衆衛生局では健康相談、健康教育とかあるいは循環器検診あるいはがん検診、こういうものを一括して行っておったわけでございます。なお、午前中にも御質問ございましたが、社会局の方でこの医療問題をいままでやっておったと、こういうことでございまして、やはり今度の対策はかなりヘルスに重点を置いておるということでございまして、ヘルスから医療に至るものを一体的に実施しようと、こういうことで公衆衛生局に老人保健部を設置するということになったわけでございます。
○安武洋子君 この厚生省設置法の一部を改正する法律案でございますが、これは老人医療費の無料化制度を根底から覆するもの、これと一体になっておりますので、私どもの党としてはこれに賛成することができないという立場をまずはっきりさせておきまして質問に入ります。 そこで、お伺いいたしますけれども、いま全国の地方自治体——県、市、町村を含めまして、老人医療につきまして国の水準以上の制度をとっている、こういう単独事業をしている地方自治体というのは数は一体どれぐらいに上っておりますでしょうか、お伺いいたします。
○政府委員(吉原健二君) 年齢の引き下げ等を行っております県が東京、大阪を初め十都道府県ございます。それから年齢の引き下げ及び所得制限の緩和を行っております県が十五都道府県ございます。それから所得制限の緩和だけを行っております県が十二県ございまして、全国で三十七都道府県におきまして何らかの形で老人医療についての単独事業を行っておるわけでございます。
○安武洋子君 私はいま、県もですが、市町村も含めてというふうに申し上げたんですが、その数はわかっておりませんのでしょうか。
○政府委員(吉原健二君) 市町村の数で申しますと、二千五百四十七市町村が単独事業を行っているということでございます。
○安武洋子君 老人医療費の無料化でございますが、これは私がもう申し上げるまでもなく、七〇年代の初めに住民それからお年寄り、こういうところから大変強い要求がありまして、地方自治体がこれを受け入れるというふうなことでこの制度が始まっております。そして、国がこの制度を後追いしたというふうなことで七十歳以上の無料化というのが一九七三年の一月から始まったと、こういうふうな経過をたどっております。 老人医療の無料化の歴史というのは、いま申し上げたように、国よりも地方自治体の方が早くからやっていると。そして、こういう経験の上に立ってその制度を発展もさせてきているというふうに思います。そして、国が不十分な制度を地方自治体が単独事業というふうな形で、先ほど御答弁にもあったように所得の制限を緩和するとか、あるいは年齢を引き下げるとかというふうな施策をとってきているというふうに思います。 私は、そこでお伺いいたしますけれども、厚生省としてはこういうふうな地方自治体のとってきた医療制度についてどういうふうな評価をなさっていらっしゃるでしょうか、お伺いいたします。
○政府委員(吉原健二君) 現在まで、いまおっしゃいましたように、地方公共団体が何らかの形で地方単独事業を行ってこられたことにつきましては、私はそれなりに地方自治の考え方に沿って、あるいは地方住民の福祉のために一つのやはり評価をすべき施策であったというふうに思います。 ただ、現在の時点で考えてみますと、国の法律として老人保健法が制定された時点におきましては、やはりこの国の法律の考え方、新しい制度の考え方に沿って地方自治体のそういった単独施策についても改めて再検討なり見直しを行っていただきたい、またそういう時期に来ているというふうに思っているわけでございます。
○安武洋子君 私は、国が一九七三年にこの制度を地方自治体の後追いをして取り入れたということは、やはり地方自治体のやり方が適切である、住民の要求にこたえているということを国としても評価をされたと思います。この当時の厚生大臣でございます斎藤昇厚生大臣は、老人の負担能力が十分でないために医療が確保されていないので、医療費の無料化によって老人が必要とする医療を容易に受けられるようにすると、こういうふうな御説明をなさっていらっしゃいます。現に、この制度が発足いたしましてお年寄りの受診が大きく伸びまして、七十歳以上のお年寄りの平均寿命というのは確実にこの間に二歳以上伸びているというふうに思います。 ですから私は、現在もやはりこれが原点であろうかと。お年寄りに対して医療を十分に確保するということで、負担能力が十分でない、だから医療が確保されていないから、医療の無料化によって老人が必要な医療を容易に受けられるようにするというふうなことが、これはいまもやはり変わらない原則であろうというふうに思います。だから、法律をこういうふうに変えたんだから地方自治体もそれに従うべきだというふうなことはおかしい。やはりいままで評価されてきたその原点は、この厚生大臣の御答弁に私は端を発しなければならないんではないかというふうに思うわけなんです。いまになってこういうお考え方を否定なさるんですか。その点をお伺いいたします。
○政府委員(吉原健二君) 国の老人医療の無料化制度ができましたのは昭和四十八年でございますし、それよりも何年か早く地方自治体でこういった単独事業というものが行われていたわけでございますけれども、私はやはりそのころの事情と現在とではかなりいろいろな面で違ってきているだろうと思います。 当時は、社会保険、社会保障の制度を見ますと、医療保険の給付率というのはまだ五割でございました。老人を含めた家族についての医療保険の給付率は五割でございまして、かかった医療費の半分は本人負担であったわけでございます。現在は医療保険の給付率は、被用者保険につきましては七割ないし八割に上がってきております。 それから、老人の方々の所得保障の政策というものを振り返ってみましても、昭和四十年代におきましてはまだ年金の額というものは非常に低かった、福祉年金にいたしましてもまだ一万円にも満たないような低い額であったはずでございますし、現在では二万五千円という水準に上がってきております。拠出制の年金も、先生御存じのように、現在では月に実際の受給額が、平均をいたしまして老人の方々、老齢年金十万円を超えるような水準になってきているわけでございます。したがいまして、当時の老人医療の無料化制度は、そういった背景で老人の方々ができるだけ医療というものが受けやすいようにしようではないか、そういう施策の必要性が非常に強かったわけでございます。私は、その後の医療保険それから年金制度の面におけるいろいろな施策の推進によってかなり状況は変わってきていると思います。 それからもう一つ、そういった無料化制度を発足をいたしましてその運営状況等を見てまいりますと、やはり無料化施策によっていろいろな弊害なり問題点というものが指摘をされてきている。医療がただであるということによって、何といいますか、むだな診療、受療というものが生じやすい、あるいは健康への自覚というものを弱めている、行き過ぎた受診というものを招いているという指摘というものがいろんな方面からされてきたわけでございます。やはり必要な医療というものができるだけ容易に受けられるということはもちろん必要でございますけれども、そういったいわゆる弊害というものはなくしていくようなことを考えなければなりません。そういったことから、基本的には老人の方々に無理のない負担をお願いして、必要な医療は受けていただく、そういった考え方で今度の老人保健法におきましては、ごく一部老人の方々に負担をしていただくということにしたわけでございます。
○安武洋子君 いまいろいろ条件を挙げられました。私は、当時と条件が全く変わっていないとは申し上げませんけれども、しかしいまおっしゃったようなことは根本条件の変化ではないというふうに思います。お年寄りは確かに年金生活者が多いです。しかしこの年金は、いまの物価とかそういうことに比べて決して多い額ではございません。ですから、気がねなく医者にかかれるというふうなことでは、やはりこれは私は特に低額層、低所得の人たち、こういう人たちのところにしわ寄せがいこうかと思います。ごくわずかだというふうにおっしゃいましたけれども、たとえわずかでも負担ということになればお年寄りが受診を控えるというのは、これは目に見えております。 そしていま、むだな、弊害が指摘されたというふうにおっしゃいますけれども、これは老人健康調査でも、病気がないと思って治療を受けていないお年寄りを調べてみても、その四三%が要治療の対象という報告が出ているように、決して受診がむだになされているというふうに一概に言ってしまうのはおかしいと思いますし、受診を抑制したことによって自覚が出てくるなんというのはとんでもないことで、だれでも自分の体を一番大事に考えるのはあたりまえのことだろうと思います。 そういう観点から、厚生省が、老人保健法が成立したというふうなことで、七十歳以上の医療費の一部負担、これを導入するというふうなことに伴いまして、六十九歳以下の無料制度をとっている地方自治体に対しまして、不公平になるというふうなことで廃止ないし是正、こういうことをするようにというふうなことで要請をされるというふうなことが新聞報道されております。これ、二十四日に行われる各県の老人保健主管部長会議ですか、この席上で、上乗せ福祉の廃止、是正、これを各県に強く要請する予定だというふうになっておりますけれども、これは事実でございますか。
○政府委員(吉原健二君) ことしの一月に各県の民生部長会議、衛生部長会議がございましたけれども、そのときにも実は老人保健法が成立した暁にはひとつこれまでの各県の単独事業についても見直しをお願いをしたいということを申し上げたわけでございますけれども、去る八月十日に保健法が成立いたしましたので、改めて二十四日に予定をされておりますその部長会議の席におきましても同じような趣旨でお願いをしたいというふうに思っております。
○安武洋子君 憲法で保障されました地方自治、この尊重がございます。それで、地方自治法によりましても、この自治体がいま上乗せしている事業というのは法違反でも何でもないわけです。したがって私は、地方自治体に対して国が干渉することは許されないことだというふうに思っております。で、地方のこの単独事業につきましても、これは私は地方自治体が独自にやはり判断をすべき問題だと、だからこの上乗せ福祉の継続かあるいは廃止かというふうなことにつきましても、これは地方自治体の判断に任せるのが筋だというふうに思いますが、いかがですか。
○政府委員(吉原健二君) 私は、地方自治体の単独事業をどうするかということについての最終的な判断は地方自治体にもちろんやっていただきたいというふうに思っておりますが、やはり地方自治体側といたしましても、国の法律ができたときに、地方としての対応というものを真剣に実はいま考えておられるわけでございます。そのときに、一体国の考えはどうなんだということを私ども聞かれるわけでございます。そのときには私ははっきりと、国の考え方としてはこうなんだと、またこういうふうにお願いしたいというふうに申し上げているわけでございます。
○安武洋子君 お年寄りに必要な医療をやはり確保するというのが私は老人医療の根本原則ではなかろうかというふうに思います。ですから、定年退職が六十歳以下というのがまだまだ多いわけですから、十割給付というのは、定年退職すると今度は老人保健が無料になるまでにすき間があいてきたとか、いろいろ問題がありますけれども、私はそこらは漸進的に考えるべきことだと思うんです。 ところが、受診のむだだとか、いろんなことをおっしゃいますけれども、むだであるなら、経済的な面から考えるなら、私は製薬企業とか医療機器メーカーとかの大もうけにメスを入れるとか、あるいは軍事費みたいな、こういうむだ遣いにメスを入れるとかというふうなことで、何としても政治の原点というのはお年寄りを大切にしていくというふうなことでなければいけない、せめて医療費ぐらいはお年寄りが安心できると、何かそういうことをすると自覚がなくなるというふうなそんなこともちらりとおっしゃっておりましたけれども、とんでもないことで、だれでも自分の健康については自分で責任を持って一番真剣に考えていると思うわけです。ですから、そういうふうに地方自治体が判断するなら、それは地方自治体の自主性に任せるべきだというふうに思うんです。私は一切圧力をかけていただきたくない、そういうふうに思いますが、一切圧力をおかけになりませんか。
○政府委員(吉原健二君) 圧力をかけるつもりは毛頭ございませんで、やはり国の考え方を十分御説明をし、老人保健法の新しい制度の趣旨というものと十分ちぐはぐにならないような整合性のとれたような施策をお願いをしたいと思っております。今度の老人保健法が老人の方々に対して必要な医療を抑制をするというような結果にはならないというふうに思っております。
○安武洋子君 抑制をする結果にならない、そういうふうにやっぱり一方的に決めつけられるところに大変問題があろうかと思うんです。私どもは抑制をすることになるというふうに思っておりますし、そういうふうに判断する自治体があるというふうなときに、私は、それに対して圧力をおかけになっては困るということなんです。 そこで具体的に聞きますけれども、新聞報道で、上乗せ福祉が続くようであれば自治体への国庫補助金を削減するということも検討というふうなことがありますけれども、これは自治省がおやりになることですが、自治省がもしこういう態度に出られたときには、厚生省としてはそういうことに断固反対をされてそういうことがないようになさいますね、お伺いしておきます。
○政府委員(吉原健二君) 国庫補助の削減ということまでは現在は考えておりません。自治省においてもそういった考え方は私はないものと思っております。
○安武洋子君 だから、そういうことがもしあったときには、厚生省としても断固そういうことをしないようにという申し入れは自治省に対してなさいますねということを聞いております。
○政府委員(吉原健二君) いまの時点で私どもはその必要性、そういった御心配はないというふうに思っております。
○安武洋子君 私は、いずれにいたしましても、地方自治法もありますし、地方自治を尊重するという立場にきっちりお立ちいただいて、地方自治体に対して圧力をかけていただいては困る、一切圧力をかけないようにということを強く申し上げておきます。 臨調の事務局、お越しいただいておりますか。
○委員長(遠藤要君) 速記をとめてください。 〔午後二時四分速記中止〕 〔午後二時十五分速記開始〕
○委員長(遠藤要君) 速記を起こして。
○安武洋子君 臨調にお伺いいたしますけれども、基本答申の中で「医療保険制度の合理化」ということで、この中で「医療保険の在り方として、高額な医療については適切に保障する一方、軽費な医療については受益者負担を求めるという方向で制度的改善を図る。」と、こういうふうになっておりますけれども、この「軽費な医療については」云々というふうなことなんですが、この点ちょっとどういうことなのか、具体的に簡潔に説明してください。
○説明員(谷川憲三君) お答えいたします。 軽費医療について受益者負担を求めるという趣旨は、医療の高度化に伴う医療費の増大、これに対応して国民がみずからの健康への自覚と責任を持っていただく、そしてあわせて医療資源の効率的活用に資する、こういうのが基本的な考え方でございますが、具体的にどういうことを考えているかということにつきましては、これはかぜ等の特定の疾病について負担を求める、こういうことではございませんで、たとえば一定の金額の範囲の医療について負担を求めるということは考えられると思いますけれども、そういう具体的な受益者負担の内容とか程度につきましては、この提言の趣旨に沿って政府の方で具体的に検討していただきたいと、こういう趣旨でございます。
○安武洋子君 臨調では一体じゃ、金額ということをおっしゃいましたけれども、どれぐらいの医療費を軽費というふうに一応考えてなさってこういう提言をされたんですか。
○説明員(谷川憲三君) 部会を通じまして、調査会の審議の過程では具体的な金額は必ずしも先生方の意見としては出されておりません。
○安武洋子君 ずいぶん無責任な私は提言の仕方じゃなかろうかというふうに思うんですね。軽費の医療の定義というのをはっきりさせろと言いましても、これは大変むずかしいんじゃありませんか。金額云々とおっしゃいましたけれども、一体その金額をどこからどこまで切るのかということでもずいぶん違ってくると思いますし、最初診たときはかぜぐらいだと思っていても、これはずいぶんと重い病気であったということが医療の途中でわかってくるというふうなことになりましたときに、その金額を一体どこで切っていくのかというふうなことで軽費医療に見るのかそうでないかというふうなことにもなってきましょうし、私は、いずれにいたしましても、こういうことは保険制度の根幹にかかわる問題というふうに思うわけですね。受益者負担を求める方向ということになりますから、いまの保険制度を覆すというふうなことになると思うんです。 それで、厚生省にお伺いいたしますが、臨調の方ではこの軽費の医療というふうなことで一定の金額を考えているんだと、そして受益者の負担の方向を打ち出しているというふうなこういうふうなのがあって、これを考えてほしいということでございますが、厚生省はこれについてどうお考えでございましょうか、お伺いいたします。
○国務大臣(森下元晴君) 「軽費な医療については受益者負担を求める」というこの臨調の答申の考え方でございますが、今後の医療保険制度のあり方に関しまして保険給付と患者負担はいかにあるべきかという制度の根幹にかかわる非常に重要な問題でございますので、慎重にこれは検討しなければならない、このように実は考えておる次第であります。
○安武洋子君 臨調ね、こういうことを答申なさっているわけですね。答申をなさる限りは、私は、「高額な医療」云々というこの反語として今度は「軽費な医療」というふうなことで、「受益者負担を求める」ということで出てきているわけですが、この「軽費な医療」は、先ほど私が申し上げたように、こういうことを定義をせよということ自体が本当にできないことではなかろうかというふうに思うわけですよね。この金額でと、云々と。それは金額はどこで切るのかというふうな問題だって、これはずいぶんと問題になろうかと思うわけです。ですから、実際にこういうことは非常に現状に合わないんではないかと。こういう答申を無責任にお出しになるということは、こんなことは私は許されないことだというふうに思うわけです。 ですから、いま厚生省と臨調とが共通していなくて非常にニュアンスが違うというふうに思うんですが、しかしいずれにしても、こういうことは受診抑制にもつながりますし、医療費の一部を受益者に負担させるというふうなことで、保険制度の根幹にかかわっていくというふうな重大問題であるわけです。重大問題をこういうふうな実に無責任な形で答申するというふうなことをやられる臨調に対して私は大きな反発を感じるわけです。 次に聞きますけれども、その次にも「国民健康保険制度については、地域医療保険としての性格を踏まえ、広域化等保険制度としての安定化を図る方向で改革を行う。また、国庫補助制度の改善合理化を検討する。」と。それから、もうちょっと時間がありませんので全部一括してお伺いしておきますが、「被用者保険制度の中には、日雇労働者健康保険制度等対象が限定され、財政的安定が期し難いものがあるが、その制度の在り方を含め早急に検討を加え、合理化を図る。」とか、「医療供給の合理化」云々というふうなことがありますね。これ、ちょっと簡潔で結構ですから、一体どういうことを具体的に考えていなさってこの答申をされているのかということを御説明願います。
○説明員(谷川憲三君) それでは簡単に申し上げますと、国民健康保険制度につきましては、現在市町村が保険者としてやっているわけでございますけれども、小さな市町村においては、高額な医療負担が伴います患者が発生しますとその保険そのものの経営が危うくなるような状態も起こり得ると。そういうことで、その経営の、保険制度としての安定化を図るということで制度の改革を考えていく必要があるんではないかと。その場合、一つの例としては、市町村単位である保険をもう少し広域化するということが考えられると、こういう趣旨でございます。 それから「国庫補助制度の改善合理化を検討する。」ということでございますけれども、これは必ずしも具体的な改善方策が考えられているわけでございませんけれども、現在国民保険制度については国が二兆円を超える補助、負担をしているわけでございますので、もう少しその辺を合理化する。たとえば、かかった給付費すべてについて何%かという国の負担を自動的に行うという制度についてもう少し工夫する余地はないかと、こういうことが議論されまして、「改善合理化を検討する。」と、こういう表現になったわけでございます。 それから被用者保険の日雇い労働健保等について申し上げているのは、日雇い労働者健康保険制度については、御承知のようにその保険制度自体では非常に財政的安定が期しがたい、制度そのものの性格からそういう状態になっているということでございますので、これも他の保険制度と統合する等、その制度の合理化を検討していくべきではないかと、こういう趣旨でございます。 それから「医療供給の合理化」につきましては、ここに書いてあるとおりでございまして、相当説明をしておりますけれども、趣旨は前半で述べておりますような患者、保険者その他に負担を求める場合に供給面での公平な供給ということが確保されなければならないと、こういう趣旨で供給の合理化を図っていくべきである、こういう提言をしたわけでございます。
○安武洋子君 いまの点につきまして一つ一つ質問してまいりたいんですが、時間がございません。それで、これはまた後刻に譲るというふうにいたしまして、ここで最後に厚生大臣に私申し上げとうございますが、この臨調の答申の中の「医療保険制度の合理化」という欄で書かれております、とりわけ「軽費な医療については受益者負担を求めるという方向」云々というふうなこの件でございますが、これはほかの点でも全部受益者負担を強化するというふうな面が強く打ち出されているわけです。そして、軽費な医療についてもこの受益者負担を求めるという方向が打ち出されておりますが、これは保険制度の根幹にかかわる問題というふうなことで、大問題であろうかと思います。私は、こういう現行の保険制度を崩すというふうなことではなくて、そして受益者負担を本当に強めていくというこういうことではなくて、いまの医療制度をしっかり守るという立場に厚生大臣には立っていただきたい、そのことを要望いたしますが、いかがでございましょうか。
○国務大臣(森下元晴君) 慎重に検討させていただきます。 —————————————
○委員長(遠藤要君) この際、委員の異動について御報告いたします。 ただいま堀江正夫君が委員を辞任され、その補欠として梶原清君が選任されました。 —————————————
○柄谷道一君 すでに成立いたしました老人保健法の特徴は、一つは、従来治療に偏しておりました医療体制を予防治療、リハビリを通ずる包括医療として推進する。第二には、その医療費を各種保険者及び被保険者も応分の負担をすると、この二点に集約されると思うわけでございます。 そこで、私は七月八日の連合審査及び八月三日の社労委における討論の中でも指摘したところでございますが、法制定に伴う実施体制、特に保険事業の円滑な実施を図っていくためには保健婦、栄養士、理学療法士、作業療法士、精神衛生相談員などのいわゆるマンパワーの確保及び保健所及び市町村保健センター等の施設の整備、この二点が老人保健法の成果を期待する上にきわめて重大ではないかという質問を行い、大臣からの前向きの御答弁もいただいておるところでございます。この際、どのようにして実施体制を整備していくのか、改めて大臣の御決意をお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(森下元晴君) 老人保健事業につきましては、厚生省としてはおおむね五カ年を目途に保健婦さんやOT、PT等のマンパワーや施設等の整備を年次計画的に行いまして、全市町村で本格的な事業が実施されるよう行財政面において全力を尽くしてまいる所存でございます。特に、実施主体である市町村においては、新たに市町村保健婦につき相当の増員を図りまして、保健婦未設置町村についても逐次その配置を進めてまいりたいと考えています。また、保健事業の実施の場となる市町村保健センターについては整備をスピードアップすることといたしまして、目標年度には全国で一千カ所としたいと考えております。その一方で、これらの市町村の事業を積極的に支援協力するために、保健所の機能の強化についてもあわせて推進してまいることとしております。 以上であります。
○柄谷道一君 他の委員からも指摘されたところでございますが、そのような年次計画を推進していくためには当然財政的裏づけというものがなければならない、このように思うわけでございます。ただいまの大臣の御答弁は、そうした予算措置についても今後厚生大臣として全力を尽くす、そういう決意が秘められてのものであると当然思うのでございますが、そのとおりでございますか。
○国務大臣(森下元晴君) そのとおりでございまして、この実現のためには全力を挙げさせていただきます。
○柄谷道一君 老人保健法の実施に伴いまして自治体病院の果たすべき役割りというのはきわめて大きくなると思われます。 そこで自治省にお伺いいたしますが、しかし現状を眺めてみますと、自治体病院は、一つには過疎地域の医療、救急医療、高度医療、精神、結核等の特殊医療など、不採算医療を地域住民の期待にこたえて率先推進してきた、こういう要因と経営そのものの効率的運営に問題がある、いろいろの理由が重なりまして五十五年度末の累積欠損金は二千三百二十八億三千九百万円、不良債務は七百二十七億五千三百万円にも及んでいることが資料で明らかになっているわけでございます。 そこで、今後自治体病院の機能を大きく発展さしていくためには、これらを計画的に解消し、公衆衛生部門と自治体病院の連携の機能を発揮する必要がある、こう思うわけでございます。どのような今後財政措置を講じて、また他の施策を並行さしてこの自治体病院の健全経営の方途に近づけていく考えを持っているのか、明らかにしていただきたいと思います。
○説明員(渡辺明君) 自治体病院の経営につきましては、五十一年度以降全般的には好転しつつありましたけれども、五十四年度をピークといたしまして以後再び悪化の兆しを示しまして、五十五年度末では御指摘のような状況になっておるわけでございます。 自治体病院の経営の健全化を図りますことは、申すまでもなく地域住民の健康を保持する上からも重要なことでございまして、自治省といたしましても昭和五十四年度におきまして、経営が不振であっても経営努力の徹底によりまして収支の均衡を図ることが可能と見込まれる百三の病院事業に対しまして、特別交付税を措置することによりまして計画的に不良債務の解消を図ることとしておりまして、おおむね順調に不良債務を解消しておるところでございます。 また、この対象とならなかった団体におきましても、それぞれの経営の実態を踏まえまして健全化を進めるよう指導をしてきたところでありまして、今後とも地方交付税の措置を含めまして、その自治体病院の経営健全化に努めてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
○柄谷道一君 累積欠損金を持つ事業数は全体の五七・二%を占めているわけですね。不良債務を持つ事業数は二九・一%を占めておる。これは自治体病院の経営というものが非常に深刻であるという一面をこの数字はあらわしているわけですね。 そこで私は、この自治体病院の経営を健全化していくためには、単に累積欠損金を持っているというだけの表面づらの分析ではなくて、その欠損金のよって来るゆえんは一体何なのか、それが地方住民の要望を受けて、いわゆる不採算医療というものをあえて行わなければならないという部分については、これは国が財政的にそのカバーを行うべきである。で、病院の経営そのものについてなお改善、改良すべき問題があるとするならば、その面は自治省が厚生省と十分連携をとってその改善、改良に努力すべきである。この両者の両輪が相一致しなければ、私はこの老人保健法制定に伴う自治体病院の機能を発揮し得ないという状態が今後続いていくと思うんです。その点今後そういう視点で努力されますか。
○説明員(渡辺明君) ただいま御指摘のございましたように、自治体病院の経営状況というものはきわめて厳しい状況にあるということは御指摘のとおりでございまして、その原因といたしましては、一つには五十五年度の決算の状況につきましては、社会診療報酬が昭和五十三年二月以来据え置かれておったこと、また医療の材料費等の値上がりによる費用の増高があった反面、経営合理化が不十分であったという面などが考えられるのでございますが、自治体病院の病院経営といたしましては、御指摘のような不採算医療部門を多く抱えておるわけでございまして、この面につきましては、地方財政計画上その必要な財源措置につきましては今後とも十分措置をしてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
○柄谷道一君 本年に入りまして、自治体病院老人医療対策委員会が「効果的な老人医療対策を進める上で自治体病院の果すべき役割」という題名のもとに報告書を発表いたしております。私は、今後の施策に生かすべき貴重な提言であると、こう受けとめているわけでございます。 そこで、この報告書では国及び都道府県等に七項目の要望を行っております。時間があればこの七項目を全部聞きたいんでございますが、時間の関係上二点について自治省の対応をお伺いいたしたい。 その一つは、提言の六の第二に、「老人保健法の施行にともなう恩典を、地域による格差がなく全国民均しく受けることができるようにするため、農山村・離島等財政力の低い市町村の財政基盤の充実を図ることである。」と、こう指摘いたしております。そして第四に、「老人医療にかかる医療機関の整備は、地域住民の意向を十分に尊重して策定された地域医療計画に基づき行われることが望ましく、営利目的とみられるような老人病院の無秩序な設立は、厳に規制する必要がある。」と、かつ医療法第七条の二に定めておる、いわゆる自治体病院の病床の規制というものについてはこれを廃止すべきではないか。この二つの今後の医療体制及び財政運営に関しての重要な提言を行っているわけでございます。 この二点について、自治省としては提言をどう受けとめておられるのか、また、その方向に沿った施策を今後進めるという確答が得られるのか、お伺いします。
○説明員(渡辺明君) 老人保健法の施行に伴い必要となります経費につきましては、地方交付税の基準財政需要額に算入することといたしまして、財政力の差によって老人保健法の施行に支障がないよう財政措置を講ずることとしているところでございますが、法施行後の事業実施状況に応じましても適切に対応してまいりたいというふうに考えておるところでございます。 次に、第二点目の病床規制の問題につきましては、住民に対します医療供給体制の整備を図るためには、自治体病院につきましてその適正配置、また適正規模の確保を推進する必要がある、このような観点から、自治省といたしましては公的病院の病床規制につきまして再検討されるべきであるというふうに考えておるところでございます。 以上でございます。
○柄谷道一君 厚生省にお伺いいたしますが、自治体病院が地域医療の中核的組織として重要な役割りを果たしてきた、そして老人保健法の実施を機にさらに一層の役割りが期待される、これは厚生大臣も御同感であろうと思うのでございます。しかし、自治体病院は現在必ずしも有効に機能するような体制になっているとは思われない面が幾つかございます。これに対して厚生省の認識をお伺いいたしたい。 なお、あわせまして、社労委員会における確認の中で、次期通常国会に医療法改正について提案を行うという旨の確認が行われたわけでございますが、いまの自治省答弁は公的病院の病床規制問題について検討の要ありというお答えでございますけれども、厚生省もそのような認識で医療法の検討に取り組まれるのか、この点あわせてお伺いします。
○国務大臣(森下元晴君) 自治体病院は救急医療、僻地医療を初めといたしまして特殊、高度な医療や不採算医療を積極的に推進しておりまして、地域住民の健康保持、増進のためきわめて重要な役割りを果たしているところでございます。ただ、いま御指摘ございましたように、必ずしも有効に機能し得るような体制になっていない点もあるようでございます。その問題につきましては、自治体病院がその本来の機能を十分発揮することができるように、特に人材の適正配置等を含めまして、病院の経営改善を図る中で十分対処するよう今後とも積極的に指導してまいりたいと思います。 あとの問題につきましては関係局長より御答弁させます。
○政府委員(大谷藤郎君) 医療法第七条の二によります公的病院病床の規制の廃止をするかどうか、この問題でございますが、これにつきましては、公的病院の開設あるいは増床を抑制し医療資源を病床不足地域に振り向けるということによって適正配置を図るという趣旨から昭和三十七年に設けられたものでございます。しかし、先ほど先生が御指摘いただいておりますように、公的病院の公的な性格、救急あるいは僻地その他不採算医療といったようなそういった医療につきます重要性ということを考えまして、この規制のうち除外の規定を設けまして、そういった特殊な重要な診療部門につきましてはこれを除外するというふうな規定を設けまして運用しておりまして、私どもといたしましては、当面この除外の規定で適正に運用していけるというふうな考え方を持っておりまして、現在廃止の問題につきましてはなお慎重な検討を要するものであるというふうに考えているわけでございます。
○柄谷道一君 今日の段階ではそれ以上の答弁はむずかしいと思うんですけれども、私は、現在の除外の、例外ですか、それと運用の実態、これをにらみ合わしていただいて、これは老人保健法の制定という一つの大きなわが国の医療体制にとっては大変化でございますから、従来どおりそれでいいという考えではなくて、改めての視点から、その除外の範囲をさらに拡大する必要があるのかどうか、こういう点についても、これ関係団体がいろいろありましてお立場はわかりますけれども、厚生省としてはもっと勇敢な施策というものを打ち出すように積極的な御検討を要望しておきたい、こう思います。 そこで、次にわが国の国民医療費でございますが、五十七年度に十三兆八千億円にも達しました。このうち老人医療費は約三兆円、昭和六十年には四兆四千億円になると見込まれております。そして、七十歳以上の老人は全体の五・七%を占めるにかかわらず老人医療費は全体の一八%も占めておる、そういう現実を直視しなければならない。もちろん老人には有病率が高いという問題もございますから、単にパーセンテージだけで問題の是非を論ずることはできないということはもう十分承知しておりますが、医療費適正化対策への厚生省としての今後の取り組みについてこの際明らかにしていただきたいと思います。
○国務大臣(森下元晴君) 今後の人口の老齢化、医療の高度化に伴いまして医療費の増加が予想されておりますが、こうした状況におきまして限られた医療資源を有効適切に活用していくことが必要でございます。こうした観点から、昨年六月に薬価基準を大幅に引き下げるなど医療費適正化対策のための諸施策を講じてきているところでございます。今後とも指導監査の強化、レセプト審査の充実改善、薬価基準の適正化等の医療費適正化対策を強力に推進してまいりたい、このように思っております。 先ほども言われましたように、高齢化社会、しかも医療費の全般の中に占める割合が非常に大きい。そのために今回の老人保健法を成立させていただきまして将来こういうパーセントを下げていこう、健やかに老いていただく、こういう趣旨でもございます。ただいまのところは、いま申し上げましたように、医療費適正化対策のためには以上申し上げましたようなことに全力を挙げていきたい、このように思っております。
○柄谷道一君 いま大臣が御答弁されました指導監査の強化とかレセプト審査の改善充実とか、薬価基準の適正化等が医療費適正化対策として重要である、これはもうそのとおりでございます。しかし、そのほかに支払い方式、診療報酬体系の適正化ということもまた重要な一要因であると、こう思うのでございます。今回の法律によりましてこの問題は中医協に検討が付託されることになるわけでございますが、厚生省としてはいつ中医協にこれを諮問するのか、さらにその諮問する形が、厚生省としての原案をつくって諮問するのか、フリーで検討を委嘱するのか、いわゆるその諮問の形式、形というものについてもあわせて方針を明らかにしていただきたいと思います。
○国務大臣(森下元晴君) 診療報酬の問題は非常に大事な問題でございまして、中医協に老人医療に関する学識経験を有する専門委員を新たに加えまして十分な審議を願いたいと考えております。審議はできるだけ早い時期にお願いしたいと考えておりまして、具体的な諮問の方法についてはこれまでの例も踏まえて今後検討してまいりたい。そういうことで、まずいままでの行き方をいろいろ調べますと、初めはやはり総括的な、たとえば医療費はいかにあるべきかというような総論から入りましてだんだんとしぼっていく、こういう方式をとられておるようでございます。したがって、できるだけ早い時期に始まります審議会はやはり総論的な面から入っていくであろうと、このように思っておるわけでございます。
○柄谷道一君 そうすると、確認したいんですが、まず包括的諮問を行って大きな立場からの中医協の審議が始まる、そこである程度議論が煮詰まった段階で厚生省は考えを、案を提示されるんですか。
○政府委員(吉原健二君) 従来の医療費の改定についての諮問の仕方が、いま大臣から申し上げましたように、最初に包括的な審議なり検討をお願いした上で、議論が煮詰まった段階で具体的にそれまでの審議の経過それからいろんな御意見を踏まえまして具体案を改めて諮問をするというようなやり方をとってきておりますので、恐らく老人医療についてもそういったやり方が適当ではないかと思っているわけでございます。初めから細かい具体案をいきなりお示しして御議論願うのではなしに、やはり老人医療の診療報酬のあり方につきましては大変その根本的な検討、見直しというような御議論がございましたので、そういったことから御検討いただいた上で、しからば具体的にどうするかというふうにお願いをしたいというふうに思っているわけでございます。
○柄谷道一君 そこで、医療費適正化の一環として支払基金における審査の一層の強化というものが当然求められると思うのでございます。支払基金は今後新たに老人保健業務を行うことになります。これらの業務体制の充実強化というものがきわめて必要になってくると思われるわけでございますが、これをどのような方針で今後推進されようとしておるのか、局長からの答弁を願います。
○政府委員(大和田潔君) 支払基金におきます審査の充実でございますが、これを図りますために五十七年度には審査委員それから職員、これの増員を行いますとともに、コンピューターを導入して重点審査を行うといったようなことで、その重点審査を行うための資料作成というものを行うことにしておるわけでございます。 さらに、いま先生おっしゃいましたように、老人保健制度の創設という問題がございます。これに伴います老人保健業務を適切に実施していかなければならぬ。そのために、これは厳しい環境のもとでございますけれども、本年度は初年度として所要の定員増というものを行ってまいりましたわけでございまして、次年度以降も必要な配慮をしていくというつもりでございます。もちろん、そういったようなことでございますが、今後とも支払基金の業務体制の充実を図りますために格段の努力をしてまいりたいというふうに考えております。
○柄谷道一君 ぜひお願いいたしたいのですが、コンピューター導入等による機械化の問題、定員の充実の問題、これは当然やられると思うのですが、基金の持つたとえば審査権限の強化等も今後検討の課題に上がってくるのではないか、こう思うのですが、いかがですか。
○政府委員(大和田潔君) 支払基金のあり方、これは基金の持つ審査権限の問題も含めましていろいろ問題があろうかと思います。これにつきましては基金から改善、要望というものも出ております。私どもそれに沿いまして逐次検討、さらに改正を行うべきものにつきましては改正を行ってきたわけでございますが、これらにつきまして今後ともさらに検討いたしていきたい、改正すべきものは改正してまいりたいというふうに考えているわけでございます。
○柄谷道一君 二点についてお伺いいたします。 一つは、医療法上の看護婦、薬剤師等の職員の配置基準でございますが、現在の基準は戦後間もないころにつくられた基準でございます。そして、それは病院の機能、性格のいかんを問わず、画一的と言っては失礼かもしれませんが、決められております。しかし、当時と現在では大きな状況の変化があるわけでございます。そこで、この際配置基準についてももう見直す時期に来ておるのではないか。さらに、老人病院等の看護婦の配置基準につきましては、疾病の慢性的な特性というものにもかんがみまして、たとえば患者の身辺の世話等の一部業務につきましては正規看護婦にかわって看護補助者をもって充てるなどの発想が検討されていいとも考えるわけでございます。要員のすべてを正規の医療資格者にのみ頼るということはわが国の経済の現状からして困難であり、それらの方々はもっと国民保健という大きな視点に立つ業務に御活躍を願う、このような視点が必要ではないかと思われるので厚生省のお考えをただしたい。これが一点でございます。 次の第二点は、現在の医療法では医療施設を病床数の上で病院と診療所の二つに区分するにとどまっております。しかし、今後高齢化社会が急速に到来するということを考えれば、私は病院と家庭ないし福祉施設との中間施設というものが病院病床の有効活用、さらには医療費の適正化のためにその必要性が増してくると思われるわけでございます。 そこで、中間施設、たとえばナーシングホームのあり方等について私は諸外国の例等を参考にしてこの制度の設立に関して早急に検討に着手する必要があると、こう思われます。この医療法をめぐる二つの今後予想される問題点について、厚生省としての取り組みの姿勢をお伺いをいたしたいと思います。
○国務大臣(森下元晴君) 初めは配置基準の問題でございますが、これは戦後決めたときはそれなりに評価されたわけでございますが、その当時とただいまでは諸情勢は御承知のとおり大きく変化をしてきたところでございます。その基準を変えることにつきましては、医療水準であるとか医療の内容の変化、それぞれの医療施設の性格それから機能、さらには看護婦等の需要の動向等の諸条件の推移を含めて考える必要がございますので、今後の研究課題としてまいりたいと、このように考えております。 それから二番目の、この老人医療の福祉か医療か、または福祉、医療の一体性というようなことを考えました場合に、ナーシングホームのような中間的な機関が必要であるというお説でございますが、私もそのとおりであると、やはりそういう将来の老人対策全般の中で福祉と医療、保健も含めましてのそういう一体性というものが必要であるということから考えました場合には、やはりそういうような設備が必要であるということを申し上げたいと思います。
○柄谷道一君 時間が参りましたのでこれで質問を終わりますが、私は、老人保健法の制定ということにかんがみまして、単に機構的に老人保健部を設置すれば事足りるという問題ではない。現在の医療法をめぐる幾つかの問題点、そして保健事業を推進するための体制の整備とその予算措置、こういったものに対して厚生省が今後いかなる実効性ある施策を確立し、これを推進するか、それが本法案に課せられた最大の問題点である。このことを指摘し、大臣のせっかくの今後の努力を強く期待いたしまして、質問を終わります。
○国務大臣(森下元晴君) ただいまお説のように、この老人保健法は画期的な将来の高齢化社会に対する一つの突破口と申しますか、試金石であるわけでございますので、いまおっしゃった御趣旨にのっとりまして、この老人保健法が十分機能するように全力を挙げるし、また予算措置につきましても全力を挙げたいわけでございます。 また、ただいま御審議いただきましたこの機構、組織等の問題につきましても、有効に機能いたしますように全力を挙げることを申し上げまして、御答弁といたします。
○委員長(遠藤要君) 以上をもって質疑は終局したものと認めます。 これより討論を省略し、直ちに採決に入ります。 厚生省設置法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(遠藤要君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(遠藤要君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(遠藤要君) これより請願の審査を行います。 第二五二号傷病恩給等の改善に関する請願外百七十一件を議題といたします。 請願の願意につきましてはお手元の資料で御承知を願いたいと存じます。 これらの請願につきましては、理事会において協議の結果、第八一四号行政改革の実施に関する請願外四十五件は議院の会議に付するを要するものにして内閣に送付するを要するものとし、第二五二号傷病恩給等の改善に関する請願外百二十五件は保留とすることに意見が一致をいたしました。 なお、委員長といたしまして、目症者に対する処遇の改善及び従軍看護婦、元日赤看護婦に対する処遇の改善に関しましては、委員長から特に政府に対し善処方を申し入れることといたしたいと思います。 以上のとおり決定することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(遠藤要君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(遠藤要君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(遠藤要君) 継続調査要求に関する件についてお諮りいたします。 国家行政組織及び国家公務員制度等に関する調査並びに国の防衛に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、両件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんが。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(遠藤要君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 なお、要求書の作成につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(遠藤要君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(遠藤要君) 委員派遣承認要求に関する件についてお諮りいたします。 国家行政組織及び国家公務員制度等に関する調査並びに国の防衛に関する調査のため、閉会中に委員派遣を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(遠藤要君) 御異議ないと認めます。 つきましては、派遣委員、派遣地、派遣期間等の決定は、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(遠藤要君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後三時一分散会 —————・—————