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96回国会参議院1982/03/23

内閣委員会 第2号

発言数
277
登壇者
28
会派数
5
開催日
1982/03/23

会議録

遠藤要自由民主党

○委員長(遠藤要君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。  まず、理事の補欠選任についてお諮りいたします。  委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。  理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

遠藤要自由民主党

○委員長(遠藤要君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事に片岡勝治君を指名いたします。     —————————————

遠藤要自由民主党

○委員長(遠藤要君) 国家行政組織及び国家公務員制度等に関する調査並びに国の防衛に関する調査を議題といたします。  まず、今期国会における本委員会関係の内閣提出予定法律案について説明を聴取いたします。宮澤内閣官房長官。

宮澤喜一自由民主党内閣官房長官

○国務大臣(宮澤喜一君) 今国会の内閣提出予定法律案は、三月二十三日現在総件数七十六件、冒頭成立分を含むと八十二件であり、うち予算関係法律案は三十六件でございます。このうち、すでに国会に提出されておりますものは六十六件、冒頭成立分を含むと七十二件であり、うち予算関係法律案は三十六件となっております。なお、現在国会に提出されていない法律案につきましては、できる限り早期に提出するよう努力中でございます。  これら内閣提出法律案のうち、参議院内閣委員会に付託が予想されます法律案は十件ないし十一件、そのうち予算関係法律案は八件になることと存じますが、これらの法律案の件名及び要旨はお手元の資料のとおりでございます。  なお、委員会への付託につきましては、議院において御決定をなされる問題でございますので、若干の変更もあろうかと存じます。  以上でございます。

遠藤要自由民主党

○委員長(遠藤要君) 次に、総理府総務長官から所信及び昭和五十七年度内閣、総理府関係予算の説明を聴取いたします。田邉総理府総務長官。

田邉國男自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(田邉國男君) 総理府本府の所管行政について所信の一端を申し述べます。  初めに、今国会で御審議をいただいております二件の法律案について申し上げます。  第一には、地域改善対策特別措置法案についてであります。  御承知のとおり、現行の同和対策事業特別措置法の施行後十三年間にわたる関係施策の推進の結果、対象地域の住民の生活状況の改善向上には見るべきものがあり、また国民のこの問題に対する理解度も高まってきております。しかしながら、現在なお残された問題も少なくありません。そこで、これらの問題の早期解決を目指して、これまでの経緯を踏まえ、歴史的社会的理由により生活環境等の安定向上が阻害されている地域における経済力の培養、住民の生活の安定及び福祉の向上等に資することをこの法案の目的とするものであります。  第二には、恩給法等の一部を改正する法律案についてであります。  昭和五十七年度における恩給の改善措置につきましては、昨年七月の臨時行政調査会の答申を踏まえ、厳しい財政事情のもとではございますが、恩給年額を増額するとともに、戦没者遺族に支給する公務扶助料等についてもでき得る限りの配慮をし、恩給受給者の処遇の一層の充実を図ることといたしております。  次に、法律案以外の事項について申し上げます。  わが国の将来を考えるとき、近年の青少年の非行はまことに憂慮すべき状況にあります。青少年を健全に育成していくためには、幼児のころからのしっかりした家庭教育、学校における教師と生徒の信頼関係の確立、地域社会における健全な環境づくり等、社会全体が一体となって当たらなければならないと考えます。総理府といたしましては、青少年行政を総合調整する立場から、関係行政機関等との緊密な連携のもとに非行対策に取り組むとともに、健全育成施策について積極的に進めてまいりたいと考えております。  障害者対策につきましては、医療、福祉、雇用、教育、生活環境など広範な分野にわたっており、これを計画的に推進することが重要であります。このため、障害者対策に関する長期計画を定めるとともに、国際障害者年推進本部を改組し、今後の障害者対策を総合的かつ効果的に推進することといたしております。  なお、障害に関する用語の整理を行うため、今国会に法律案を提出することとしております。  次に、最近増加傾向を示している交通事故の防止につきましては、関係省庁とさらに緊密な連携を確保しつつ、第三次交通安全基本計画に基づき、道路交通環境の確立、交通安全意識の高揚、被害者救済対策の推進等の交通安全対策が総合的かつ強力に推進されるよう努力してまいる所存であります。  さらに、公務員制度に関しましては、行政に対する国民の信頼を確保するため、官庁綱紀の厳正な保持及び公務能率の増進に一層努力するとともに、公務員に対する適切な処遇の確保に努めてまいりたいと考えております。  その他の総理府本府所管事項につきましても、施策の一層の推進に努力してまいる所存でありますが、ここに所信の一端を申し述べ、委員各位の深い御理解と格段の御協力をお願いする次第であります。  引き続いて、昭和五十七年度における内閣及び総理府所管の歳出予算要求額について、その概要を御説明いたします。  内閣所管の昭和五十七年度における歳出予算要求額は、百六億九千四百四十九万八千円でありまして、これを前年度歳出予算額百一億八千八百八十七万七千円に比較いたしますと五億五百六十二万一千円の増額となっております。  以下、予定経費要求書の順に従って申し上げますと、内閣官房に必要な経費四十六億九千八十七万九千円、内閣法制局に必要な経費五億五千七百四十五万三千円、人事院に必要な経費五十三億一千三百九十万七千円、国防会議に必要な経費一億三千二百二十五万九千円であります。  次に、総理府所管の昭和五十七年度における歳出予算要求額は六兆九百九十三億四千五百八十万六千円でありまして、これを前年度歳出予算額五兆八千二百三億四百三十七万五千円に比較いたしますと二千七百九十億四千百四十三万一千円の増額となっております。  このうち、総理本府、青少年対策本部、日本学術会議、官内庁及び行政管理庁の歳出予算要求額は一兆八千七十三億六千九百三十七万五千円でありまして、これを前年度歳出予算額一兆七千二百五十五億二百四十四万四千円に比較いたしますと八百十八億六千六百九十三万一千円の増額となっております。  以下、予定経費要求書の順に従って申し上げますと、総理本府に必要な経費一兆七千七百六十億九千四十一万六千円、青少年対策本部に必要な経費二十二億七千四百三十一万二千円、日本学術会議に必要な経費七億七千三百十七万七千円、宮内庁に必要な経費六十八億四千八百八十二万七千円、行政管理庁に必要な経費二百十三億八千二百六十四万三千円であります。  次に、これらの経費について、その概要を御説明いたします。  総理本府に必要な経費は、交通安全対策、広報及び世論調査、恩給の支給、統計調査等のための経費でありまして、前年度に比較して八百四億四千四百六万六千円の増額となっております。  青少年対策本部に必要な経費は、青少年非行防止活動、青少年健全育成国民運動、青年の国際交流及び国民健康体力増強等のための経費でありまして、前年度に比較して三千百六十三万六千円の増額となっております。  日本学術会議に必要な経費は、科学に関する重要事項の審議、内外の研究連絡調査と国際共同事業の協力に関する業務等に必要な経費でありまして、前年度に比較して四千百七十一万円の増額となっております。  宮内庁に必要な経費は、皇室の公的御活動、皇室用財産の維持管理に附帯して必要となる経費等でありまして、前年度に比較して四億一千七百十七万六千円の増額となっております。  行政管理庁に必要な経費は、行政管理庁一般行政及び国の行う統計調査事務に従事する地方公共団体職員の設置の委託等のための経費でありまして、前年度に比較して九億三千二百三十四万三千円の増額となっております。  以上をもって、昭和五十七年度内閣及び総理府所管の歳出予算要求額の説明を終わります。  よろしく御審議くださるようお願いをいたします。

遠藤要自由民主党

○委員長(遠藤要君) 次に、行政管理庁長官から所信を聴取いたします。中曽根行政管理庁長官。

中曽根康弘自由民主党行政管理庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) 第九十六回国会における内閣委員会の御審議に先立ち、行政管理庁が所管する業務の諸問題につきまして御説明を申し上げます。  まず、当面の政府の最重要課題である行政改革についてであります。  内外情勢が急激に変貌しつつある今日、新しい時代の要請と国民一般の要望に即応して、高度成長期に拡大した行政を刷新合理化し、その対応力を回復するとともに、中長期的観点から行政の全般にわたる見直しを行い、一九八〇年代、九〇年代を展望した新たな行政の体系を確立することは当面の緊要な課題であります。  このため政府は、国会の御承認を得て、昨年三月各界の有識者から構成される権威の高い機関として臨時行政調査会を設置し、広範な角度からの検討、審議を願ってまいったところであります。その間、二次にわたる答申が提出されましたが、政府はこれを最大限に尊重するものとの基本方針のもとに所要の施策を鋭意推進してまいりました。  すなわち、昨年七月の「行政改革に関する第一次答申」につきましては、これを受けて、いわゆる行革関連特例法の制定、昭和三十一年度以来の緊縮予算編成の過程における各種制度、施策の合理化の推進、国家公務員第六次定員削減計画の策定、国、地方を通ずる公務員給与の抑制、適正化等の措置を講じたところであります。  さらに、本年二月提出された「行政改革に関する第二次答申」につきましても、これを最大限に尊重し、別途政府部内で取りまとめました許認可等一千百四十七事項の整理計画とあわせて、許可認可等行政事務の簡素合理化を積極的に推進してまいる方針であります。このうち、法律改正を要する事項については、今国会で御審議を願うべく、このほど関係法律を御提案する運びといたしたところであります。  政府はまた、臨時行政調査会の答申を待つまでもなくみずから取り組むべき課題につきましても積極的に改革措置を講じてまいっているところであり、昨年末の閣議了解におきましても、すでに述べました許認可等の整理計画のほか、特殊法人の統廃合の計画的推進、公社・現業の経営合理化等行政改革の推進に関する当面の措置方針を決定し、その推進に努めております。  本年は、臨時行政調査会から行政の基本的課題に関する答申が予定されており、まさに本格的行政改革に取り組むべき年であります。  政府といたしましても、今後、国民世論の動向や臨時行政調査会審議の動向、国会における御審議等を踏まえつつ、行政改革に関する政府としての施策の検討及び立案、推進に当たる所存であります。  第二に、昭和五十七年度の行政機構、定員等の審査について申し上げます。  まず、行政機構につきましては、今後の高齢化社会に対応すべく、既存機構の再編合理化を前提として、厚生省の老人保健部、労働省の高齢者対策部の設置を認めることといたしましたが、これ以外の部局の新設はすべてこれを認めないことといたしました。  また、国家公務員の定員につきましては、新たな計画に基づく定員削減を着実に行うとともに、新規行政需要につきましても極力重点的な配分を行い、全体としての増員数を厳しく抑制いたしました。この結果、行政機関等職員につきましては、千四百三十四人に上る大幅な縮減を図ることとしております。  今後とも、行政機構等の審査に当たりましては、膨張抑制の方針を堅持しつつ、新しい時代の要請に即応した行政機構等の実現に努めてまいる所存であります。  第三に、行政監察について申し上げますと、今後の行政改革を進めるに当たって、行政の合理化、効率化及び行政運営の適正化を推進する行政監察の果たすべき役割りはますます重要なものとなってきております。  このような現状認識のもとに、昨年末の閣議了解におきましても、政府全体として監察・監査機能の連携強化を図り、その効果的活用に努めることとされたところであります。  そこで、今後の行政監察業務の運営に当たりましても、許認可等の整理、日本国有鉄道の合理化等行政改革推進のための監察を重点的に展開するとともに、行政サービスの点検、行政の公正確保など国民の立場に立った行政運営の改善の推進に精力的に取り組むほか、難民対策の見直し、輸入検査手続の改善などの重要な課題についても、必要に応じ、タイムリーな監察を実施するなど、なお一層効果的な運用を行う所存であります。  なお、行政監察結果に基づく勧告は閣議の席において報告を行い、なお一層政府部内における改善効果の挙揚に努めてまいりたいと考えます。  国民と行政とを直結する業務であります行政相談につきましては、新たな試みとして好評を得ました行政苦情一一〇番の機能をさらに活用して、国民の要望、苦情を積極的に受け付け、その迅速的確な解決を図るとともに、必要な場合には監察機能を活用して事案の解決を行うなど処理の重点化を図り、国民の行政に対する信頼の確保に努めてまいる所存であります。  第四に、行政情報処理の総合調整につきましては、とりわけ近時情報化の進展に伴い、プライバシー保護対策の重要性が高まってきており、これについての一昨年九月のOECD勧告もあることでもあり、当庁としてもプライバシー保護対策について幅広い見地から積極的に検討を進めているところであります。  また、統計の総合調整につきましては、社会経済情勢の変化に即応して精度の高い統計の作成に努めるとともに、統計調査業務の効率的な運営と国民の申告負担の軽減を図るなど調整機能の一層の充実強化を推進してまいりたいと考えております。  以上、所管行政の業務運営につきましてその基本方針を申し述べましたが、先ほど述べましたとおり、本年はまさに本格的な行政改革に取り組まなければならない年であります。当庁としましては、国民の期待にこたえるべく、簡素で効率的な行政の実現を目指して最善の努力を傾けてまいる所存であります。  委員各位におかれましても、一層の御理解と御支援をいただきますようお願いする次第であります。

遠藤要自由民主党

○委員長(遠藤要君) 次に、防衛庁長官から所信を聴取いたします。伊藤防衛庁長官。

伊藤宗一郎自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(伊藤宗一郎君) 参議院内閣委員会が開催されるに当たり、防衛政策につきまして私の所信の一端を申し上げます。  最近の国際軍事情勢は、ソ連の一貫した軍事力の増強とこれを背景とする周辺地域及び第三世界への勢力拡張、特にアフガニスタンへの直接軍事介入やポーランドへの陰に陽にわたる影響力行使等によって、西側諸国のソ連に対する不信感が高まっております。このため、軍備管理、軍縮交渉等の話し合いは行われているものの、東西間においては対立の側面が強まっております。また、中東における情勢は引き続き混迷しており、朝鮮半島及びインドシナ半島においても緊張した情勢にあるなど、国際軍事情勢は総じて不安定かつ流動的であり、依然として厳しいものがあります。  このような情勢のもとにあって、わが国は、外交、経済、エネルギー、食糧等総合的な安全保障の視点から政府全体として整合性のとれた施策を推進するのはもとよりでありますが、侵略を未然に防止し、また万一侵略が生起した場合にこれを効果的に排除できるよう、適切な規模の防衛力を整備するとともに、米国との安全保障体制によってみずからの安全を確保することとしております。  政府は、昭和五十一年に閣議決定された防衛計画の大綱に従い、防衛力の整備を進めておりますが、現下の厳しい国際情勢にもかんがみ、平時における基盤的なものとしていわば最低限の防衛力ともいうべき同大綱に定める防衛力をできる限り早く達成するため、なお一層の努力を行う必要があると考えております。  このような観点から、昭和五十七年度の防衛関係予算につきましては、厳しい財政事情のもと、国の他の諸施策との調和を図りつつ最大限の努力を払ったところであり、これにより質の高い防衛力の着実な整備が図られるものと考えております。  なお、防衛関係費が特別扱いされたとの批判がありますが、昭和五十七年度の防衛関係予算は、防衛計画の大綱に従って着実に防衛力を整備していくとのこれまでの考えに沿って、わが国防衛のための必要最小限の経費を計上したものでありますので、何とぞ御理解を賜りたいと思います。  また、昭和五十八年度から昭和六十二年度までを対象とする五六中業は、昨年の国防会議で了承された方針に基づき、防衛計画の大綱に定める防衛力の水準を達成することを基本として、現在防衛庁において鋭意作業を進めているところであります。  同時に、いわゆる有事に際し保持する防衛力を最も有効に運用し、最大限にその能力を発揮し得る態勢を整えておくことは必要不可欠なことと考えております。このため防衛庁においては、従来から防衛研究、日米防衛協力のための指針に基づく共同作戦計画等の研究、有事法制、奇襲対処問題といった、いわばソフト面についての研究作業を行ってきております。有事法制の研究については、昨年四月に防衛庁所管の法令についての中間報告を行い、現在他省庁所管の法令について防衛庁としての立場から検討を進めているところであります。  最後に、防衛施設に関する主要施策について申し述べます。  防衛施設の設置・運用に当たっては、周辺地域の発展や関係住民の民生の安定との調和を図るべく、防衛施設周辺の生活環境の整備等に関する諸施策を講じることにより、防衛施設の安定的使用について周辺住民の理解と協力を得たいと思います。  また、在日米軍の駐留経費の負担については、政府は今後とも地位協定の範囲内においてできる限りの努力を続けてまいりたいと考えております。  以上、防衛政策に関する私の所信を申し述べましたが、防衛政策の遂行に当たっては、シビリアンコントロールの確保について国民にいささかの疑念も生じないよう留意し、今後とも民主主義のもとにおける自衛隊の適正な運営に努めてまいるつもりでありますので、遠藤委員長初め委員各位の一層の御指導と御鞭撻を切にお願いを申し上げる次第でございます。

遠藤要自由民主党

○委員長(遠藤要君) 次に、昭和五十七年度防衛庁関係予算について、政府委員から説明を聴取いたします。矢崎経理局長。

矢崎新二防衛庁経理局長

○政府委員(矢崎新二君) 昭和五十七年度の防衛庁予算について、その概要を御説明いたします。  まず防衛本庁について申し上げます。  昭和五十七年度の防衛本庁の歳出予算額は二兆二千九百三十一億五千三百万円で、前年度の当初予算額に比べますと一千六百七十七億三千万円の増加となっております。  次に、新規継続費は、昭和五十七年度甲型警備艦建造費等で一千四百四十六億三千四百万円、国庫債務負担行為は、武器購入、航空機購入、艦船建造、装備品等整備等で九千六百十四億八千六百万円となっております。  また、昭和五十七年度における自衛官の定数の増加等法律の改正を要するものについては、防衛庁設置法及び自衛隊法の一部を改正する法律案、防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案を提出し、御審議をお願い申し上げております。  次に、防衛本庁の予算の内容について申し上げます。  昭和五十七年度予算においては、防衛計画の大綱の水準をできるだけ早く達成する必要があるとの認識のもとに、経済、財政事情等を勘案しつつ質の高い防衛力を着実に整備することといたしております。  特に重点を置いた事項は、次のとおりであります。  第一に、陸上装備、航空機、艦船等の主要装備については、更新近代化を中心としてその整備を進めることとし、特に航空機については、対潜哨戒機P3C及び要撃戦闘機F15の第三次調達を予定するとともに、新たに対戦車ヘリコプターAHlSの調達に着手することとしております。  第二に、均衡のとれた防衛態勢を整備するため、弾薬の備蓄、魚雷、機雷の実装化を初めとする継戦能力、即応態勢の向上、航空機用掩体の建設等抗堪性の向上、中央指揮システムの整備等指揮通信能力の向上のための諸施策を進めることとしております。  第三に、平時における自衛隊業務の中心をなす教育訓練の重要性にかんがみ、所要の教育訓練関係経費を確保し、隊員の練度の維持向上を期しております。  第四に、隊員施策については、前年度に引き続き自衛官の停年延長、就職援護施策等を実施することとしております。  第五に、研究開発を推進し、防衛力の質的水準の維持向上に努めることとし、特に新戦車及び地対艦誘導弾の開発に着手することとしております。  以下、機関別に内容の主な点について申し上げます。  陸上自衛隊の歳出予算額は九千八百六十億二千百万円、国庫債務負担行為は一千九百八十五億五百万円となっております。  陸上装備については、七四式戦車七十二両、七三式装甲車九両、七五式百五十五ミリ自走りゅう弾砲三十四門、二百三ミリ自走りゅう弾砲十三門等の調達を予定しております。  地対空誘導弾については、引き続き一個群の改良ホークへの改装を予定するとともに、八一式短距離地対空誘導弾六セット等の調達を予定しております。  航空機については、対戦車ヘリコプター十二機、観測ヘリコプター六機、多用途ヘリコプター六機、連絡偵察機一機、合わせて二十五機の調達を予定しております。  また、予備自衛官の員数を一千人増加することとしております。  海上自衛隊の歳出予算額は六千二十九億二百万円、新規継続費は一千四百四十六億三千四百万円、国庫債務負担行為は二千六百十七億一千九百万円となっております。  昭和五十七年度の海上自衛官の定数は、艦船、航空機の就役等に伴う六百四十一人の増員により四万五千百九十九人となります。  艦艇については、護衛艦二千九百トン型三隻、潜水艦二千二百トン型一隻、掃海艇四百四十トン型二隻、深海救難艇一隻、合わせて七隻の建造に着手するほか、艦艇の近代化二隻を予定しております。  航空機については、対潜哨戒機七機、初級操縦練習機二機、計器飛行練習機三機、対潜ヘリコプター八機、救難ヘリコプター四機、初級操縦練習ヘリコプター二機、合わせて二十六機の調達を予定しております。  航空自衛隊の歳出予算額は六千三百三十六億六千八百万円、国庫債務負担行為は四千七百億九千六百万円となっております。  昭和五十七年度の航空自衛官の定数は、航空機の就役等に伴う三百十一人の増員により四万六千八百三十四人となります。  航空機については、要撃戦闘機二十三機、支援戦闘機二機、輸送機二機、高等練習機五機、救難ヘリコプター一機、合わせて三十三機の調達を予定しております。なお、F4型機について、構造安全管理態勢の整備を図るとともに、代表機一機について能力向上のための試改修を行うことといたしております。  地対空誘導弾については、八一式短距離地対空誘導弾三セット等の調達を予定しております。  内部部局、統合幕僚会議及び附属機関の歳出予算額は七百五億六千二百万円、国庫債務負担行為は三百十一億六千六百万円となっております。各種装備品等の研究開発費、その他各機関の維持運営に必要な経費であります。  また、昭和五十七年度の統合幕僚会議に所属する自衛官の定数は、防衛庁中央指揮所の開設準備要員等三十人の増員により百二十九人となります。  以上のうち、昭和五十一年十一月五日に閣議決定された「防衛力の整備内容のうち主要な事項の取扱いについて」に基づき、国防会議に諮り決定されたものは、自衛官の定数及び予備自衛官の員数の増加、七四式戦車等主要陸上装備の調達、地対空誘導弾の改良ホークへの改装、八一式短距離地対空誘導弾の調達、対戦車ヘリコプター、対潜哨戒機、要撃戦闘機等航空機七十二機の調達、護衛艦二千九百トン型等艦艇六隻の建造並びに新戦車及び地対艦誘導弾の開発着手であります。  続いて、防衛施設庁について申し上げます。  昭和五十七年度の防衛施設庁の歳出予算額は二千九百二十八億五千万円で、前年度の当初予算額に比べますと百八十八億五千三百万円の増加となっております。  また、国庫債務負担行為は、提供施設整備及び提供施設移設整備で三百五十二億一千八百万円となっております。  次に、防衛施設庁の予算の内容について申し上げます。  昭和五十七年度予算において特に重点を置いた事項は、次のとおりであります。  第一に、基地周辺対策事業については、防衛施設の設置・運用による障害の防止軽減のための事業に重点を置き、基地周辺地域の生活環境の整備等を図ることとしております。  第二に、米軍駐留経費の負担については、日米安全保障体制の円滑な運営に資するため、前年度に引き続き地位協定の枠内で提供施設の整備を推進することとしております。  以下、各項別に内容の主な点について申し上げます。  施設運営等関連諸費は二千四百五億八千三百万円となっております。  このうち、基地周辺整備事業については、基地問題の実態に有効に対処し得るように、個人住宅の防音工事費四百五十六億一千四百万円を含め、一千四百四十九億九千万円を計上しております。  このほか、日米安全保障体制の円滑な運営に資するため、提供施設の整備として歳出予算に三百五十一億八千二百万円、国庫債務負担行為で三百十九億七千七百万円をそれぞれ計上しております。  調達労務管理費については、駐留軍従業員の離職者対策及び福祉対策等に要する経費として百八十七億七千六百万円を計上しております。  提供施設移設整備費については、提供施設の整理統合の計画的処理を図るため、歳出予算に百二十四億四千二百万円、国庫債務負担行為で三十二億四千百万円をそれぞれ計上しております。  そのほか、相互防衛援助協定交付金一億三千二百万円、一般行政事務に必要な防衛施設庁費二百九億一千七百万円を計上しております。  以上申し述べました防衛本庁及び防衛施設庁予算に国防会議予算を加えた昭和五十七年度防衛関係費は二兆五千八百六十一億三千五百万円となり、前年度に対して一千八百六十一億一千七百万円、七・八%の増加となります。  以上をもちまして、防衛本庁及び防衛施設庁の予算の概要説明を終わります。

遠藤要自由民主党

○委員長(遠藤要君) 次に、昭和五十七年度皇室費について、政府委員から説明を聴取いたします。山本宮内庁次長。

山本悟宮内庁次長

○政府委員(山本悟君) 昭和五十七年度における皇室費の歳出予算について、その概要を御説明いたします。  皇室費の昭和五十七年度における歳出予算要求額は二十八億八千八百六十九万四千円でありまして、これは前年度予算額と同額となっております。  皇室費の歳出予算に計上いたしましたものは、内廷に必要な経費、宮廷に必要な経費及び皇族に必要な経費であります。  以下、予定経費要求書の順に従って事項別に申し述べますと、内廷に必要な経費二億二千百万円、宮廷に必要な経費二十五億五百十万六千円、皇族に必要な経費一億六千二百五十八万八千円であります。  次に、その概要を御説明いたします。  内廷に必要な経費は、皇室経済法第四条第一項の規定に基づき、同法施行法第七条に規定する定額を計上することになっておりますが、前年度と同額となっております。  宮廷に必要な経費は、内廷費以外の宮廷に必要な経費を計上したものでありまして、その内容といたしましては、皇室の公的御活動に必要な経費三億二千四百七十一万九千円、皇室用財産維持管理等に必要な経費二十一億八千三十八万七千円でありまして、前年度に比較して百四十二万八千円の減少となっております。  皇族に必要な経費は、皇室経済法第六条第一項の規定に基づき、同法施行法第八条に規定する定額によって計算した額を計上することになっておりますが、前年度に比較して百四十二万八千円の増加となっております。これは、寛仁親王第一女子彬子女王の御誕生に伴うものであります。  以上をもちまして、昭和五十七年度皇室費の歳出予算計上額の説明を終わります。  よろしく御審議くださるようお願いいたします。

遠藤要自由民主党

○委員長(遠藤要君) それでは、これより質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。

山崎昇日本社会党

○山崎昇君 冒頭に、三人の大臣に見解をお聞きをしておきたいと思うのですが、本来ならこれは予算委員会等で総理自身にお聞きしたいことであるのですけれども、予算委員でもございませんので、この機会に一点お聞きをしておきたいと思うのです。  最近の世論調査によりますというと、鈴木内閣に対する支持が極端に落ちてまいりまして、新聞報道あるいはNHKの調査でも、少し数字は違うものはございますけれども、支持しないものが急速にふえてきておる。これは私は大変なことではないのだろうかと思っております。そこで、大変失礼でありますが、亡くなりました大平さんの著書の中に、「マスコミというものは、多少われわれにとりまして厄介な存在であることは間違いありません。けれども、その厄介な存在であるマスコミがあるがゆえに、日本におきましては、この社会の清潔が保証されているとすれば、このマスコミという厄介さは、われわれが民主主義の名において払わねばならない代償ではないかと思うのであります。」という演説の一節があります。これから考えますというと、各種マスコミの発表いたします世論調査等々は、私ども野党も含めまして、きわめて重大視をせねばならぬと考えております。そういう意味から、最近の各紙におきます鈴木内閣に対する不支持の増大というものは、きわめて私どもは重大視をしておかなければならぬのではないかと思っています。  なおまた、けさNHKの報道がございまして、鈴木内閣に対して評価しないというのが五二・六%、こう発表になりました。また、昨年の八月から政治的な不満が物すごく増大をしているというのも発表になりました。また防衛問題につきましても、一%以内に抑えるべきというのが四一・一%、大幅削減が一二・九%、合わせまして五五%がこの防衛問題についての世論という形で出されております。  こういう点から考えると、鈴木内閣に対する支持が減ってきているという重大性について、本来なら総理自身にお聞きしなければなりませんが、並んでおられます閣僚は重要な閣僚でありますから、総務長官、行管庁長官、そして防衛庁長官の順序で結構でありますが、感想をひとつお聞かせを願いたいと思います。

田邉國男自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(田邉國男君) いま御指摘がございました世論調査、私ども大変に残念に思っております。ただ、鈴木内閣が誕生をいたしまして以来、日本の経済につきまして、国際的にも経済摩擦の問題、また同時に新しい行革に取り組む問題、また日本の経済の低成長、こういう中で従来の高度成長時代の国民の期待しておる景気の動向というものと比較をいたしますと、やはりこの新しい時局に直面をした内閣といたしましては、大変な苦労をいたし、またその対応を鋭意努力いたしておるわけでございますけれども、やはりこの新しい時代に国民の皆さんが深い理解と協力をしていただくような、いわば時代に合った対応を心がけていただくことも大事な私は要素であろうと思います。政府といたしましても、私どもは内閣一致協力をいたしまして、この行革、そしてまた臨調の新しい時代に備えた小さい政府の誕生、そしてまた冗費の節約、あらゆる問題に取り組みまして、そしてこの時代を乗り切っていかなければならない。  特に日本の経済というものが、ただ単に日本経済だけではなくて、世界の経済の中の一つである日本経済でございますから、世界各国とも大変なインフレと不況に悩んでおる中で、日本の置かれている現状というものは大変多くの各国からの厳しい批判を受けておると同時に、また一面においては、大変うらやんでおる私は現状であろうと思います。したがいまして、私ども貿易摩擦の問題にいたしましても、できるだけの努力を払い、アメリカ、ヨーロッパへの対応というものに積極的に取り組んでおるわけでございます。こういう問題につきましても国民の皆さんの深い理解と協力をいただきたい。  また同時に行政機構、臨調の問題につきましても、ここに長官がおいでになりますが、私どもはこれはやらなければならないという大変厳しい問題ではございます。こういうものをとらえて、やはり国民の皆さんが大変に厳しい時代、大変に従来よりも違った形になってきている。これが私は大きな世論調査に反映をしたものではないか、こう考えております。この点について、今後も私どもは最善の努力を払って、国民の信頼と期待に沿う行政をやってまいらなければならない、かように考えております。

中曽根康弘自由民主党行政管理庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) 不支持が増大しつつありますことはきわめて重視しなければならぬと思っております。充実した行革を断行して、国民の皆さんの御期待におこたえしなければならぬと思っております。

伊藤宗一郎自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(伊藤宗一郎君) 最近の世論調査の結果につきましては、鈴木内閣の一員といたしましても謙虚に素直に受けとめていかなければならないことだと思っております。また、内閣の一員としても、鈴木内閣がこれまでやってまいりましたこと、またこれからやらねばならぬことをなお一層国民の皆様方に御理解なり御協力がいただけますようにそれなりの努力を私はしていかなきゃならぬという閣僚としての責任を感じております。  また、防衛問題につきましての御指摘もございましたけれども、われわれは、先ほども申し述べましたように、平時においてどうしてもこれだけは備えておかなければならない、そのことによって国民の皆様方に御信頼をいただけるというような防衛力の整備に当たっているわけでございまして、そのことにつきましてのなお一層の国民の御理解なり御協力を得なければならぬなということを、最近の世論調査によって防衛庁長官としてもそういう面での責任を感じております。今後とも御理解をいただきながら、われわれが目指す防衛力の整備に一日も早く到達したいものと念願をするものでございます。

山崎昇日本社会党

○山崎昇君 きょうは私も時間がありませんし、なぜ鈴木内閣の支持が減ってきているかという理由は、委嘱審査の際に改めて整理してお尋ねをしてみたいと思いますので、きょうはこの程度で打ち切っておきたいと思うんです。  そこで、防衛庁長官にもう一点だけお聞きをしておきますが、実はこれも委嘱審査の際に少しく私も聞いてみたいと思っている点の一つでもありますが、有事立法だけ一点お聞きをしておきたいと思います。  実は、海原さんの著書によりますというと、昭和四十二年に全部有事立法については研究が終わって法律案要綱までつくっておる、こういう著書がございます。そして、昨年の四月に中間報告というのを出されたんだが、いまさら中間報告とは何だろうか、こういう感想さえ持つというのが海原さんの意見でもあるようであります。  したがって、この昭和四十二年にできました法律案要綱と昨年出されました中間報告とどこがどういうふうに違ってどうなっておるのか、その点についての見解と、できれば委嘱審査の際までにそれらの資料を提出を願いたいと思うんですが、長官の見解をお聞きをしておきます。

夏目晴雄防衛庁長官官房長

○政府委員(夏目晴雄君) ただいま御指摘がありました昭和四十二年の資料というのは、確かに防衛庁の部内におきまして事務担当者のレベルでの検討したものはございますが、これいずれも防衛庁として正式に決定されたものでもありませんし、防衛庁の見解として公表すべきものでもないということは、従来再三御答弁申し上げたことがございます。  そこで、昨年の四月に中間報告をいたしました有事法制の問題点につきましては、四十二年にあったものとは全く別個の立場から、新しい立場から検討を行ったものでございまして、私どもとしては、現在の有事における自衛隊の行動が円滑にできるようにというふうな面から、一応現在の自衛隊法によってその骨幹的なものは整備されておりますけれども、防衛庁の所管にかかわるもの、それから他省庁の所管にかかわるもの、あるいは所管の明確でないものというふうな三つの分類に分けまして御報告したわけでございます。第一分類の防衛庁所管の法令について、昨年四月にそのあらましについて御報告をしたわけでございまして、ただいま第二分類の他省庁所管の法令について鋭意防衛庁の立場から問題点の拾い出しといいますか洗い出しといいますか、そういった検討をしているというのが実情でございまして、昭和四十二年当時のものとは全く別個の立場から、新しい立場で検討をしているということを申しております。

山崎昇日本社会党

○山崎昇君 これも深くやりませんが、少なくとも四十二年には防衛庁限りであろうとも、法律案要綱までつくられた内容だと、こういう。そして昨年の四月に、いまお話ありましたように中間報告という形で出されておる。一体、新たな観点と言うんだが、どこがどう違ってどこら辺が新たな観点なのか、これをやっぱりわれわれとしては明らかにしてほしいということなんです。  それから、これから安保条約によります有事立法にあなた方また改めて検討に着手しているようでありますが、もしそうだとすれば、自衛隊法第三条に違反してくるのではないか、自衛隊法三条ではもはや律し切れないのではないだろうか、私はこういう気持ちさえ、いま、持っているわけです。そういう意味でお聞きをしているわけなんで、ぜひそれらの比較したものをお出しを願いたいと思うんですが、重ねてお聞きをしておきます。

夏目晴雄防衛庁長官官房長

○政府委員(夏目晴雄君) いま先生のお言葉の中に、防衛庁の立場からというふうなお話がございましたが、あくまでもこれは防衛庁の事務レベルの段階において検討をしたものがある。しかし、これは防衛庁の庁議なり参事官会議で正式に決定されたものでもなく、防衛庁としての方針を決定したものではないということでございますので、こういった資料についての提出は御遠慮さしていただきたい。  また、それとの比較においてということですが、防衛庁として決めたものでもございませんので、そういうものを比較することはいかがかというふうに私どもは考えておりまして、私どもとしましては、昨年の四月に公表した、中間報告しました有事法制の内容というものは全く別個の立場から解しているということを御理解いただきたいと思います。

山崎昇日本社会党

○山崎昇君 それは理解するわけにいかないんです。あなた方の内部で秘密にいろんなことをやっておって、そして現役の時代には言いませんでしたが、やめた後に防衛庁の職員が、そういうものありますよということを公開をする、そして、いまさら中間報告とは何だということまでさえ言われる。われわれ国会議員、そういうことが何にもわからないんですよ。そういう意味では、私は重ねてあなたにこれは出すように申し上げておきます。改めてこれは委嘱審査の際にやらしてもらいたいというふうに思っています。きょうは防衛庁、私は深くやるつもりでありませんので、この程度にしておきたいと思います。  それから、行管長官に通告してありますように、一点お聞きをしておきますが、これはこの委員会で同僚の野田委員から一度質問した点だと思うんですが、最近また「都道府県における天下り官僚の実態」というのが全日本自治団体労働組合から出されまして、これを見ますというと、全体で六百三十八名ぐらいになる。そして、ほとんど主要なポストというのが各都道府県では占められております。この資料によりますというと、自治省関係が百七十八名、建設省二百人、農林水産省九十二人、厚生省九十三人、その他七十五人、合計六百三十八人、これが都道府県全体で言うならば約四割を占めるという。そしてその内容が、知事、副知事あるいは総務部長、財政課長、地方課長、言うならば主要なポストはほとんど中央の方々で占められる。そして中央の人事異動によって適宜交代させられる。自治体の事情によって交代するのではない。その平均を見れば大体二年、長くて三年ぐらいで交代させられておりまして、この資料によりますというと、何年卒業のだれはどこからどこへ行ったということが詳細に載っておりまして、恐らくこれは長官の手元にも私は行っているんじゃないかと思いますから改めて申し上げませんが、これが国と自治体との関係におきます天下りの問題の一つなんですね。  これは、長官は前に、たしか野田委員の質問に答えまして、今後そういうことのないように、重大だから検討いたしますという答弁であったと私は記憶しておるんですが、一体行管庁としてこういう問題にどう対処されるのか。いま盛んに臨調でもやっておられますけれども、あなたの見解をお聞きをしておきたい。

中曽根康弘自由民主党行政管理庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) 自治大臣が監督して行われていることでございますから、おっしゃいますように、私個人の考えといたしましても、最近の模様を見ますと、中央から地方にいわゆる天下りと思われるようなものが多いように思います。これは中央、地方ともに戒めなければならぬところであると思っております。恐らく中央の諸官庁あるいは自治省等においては、いろいろ人事の調整上、そういうような措置をやりやすいものと考えてやっておるのでございましょう。また地方におきましても、中央との連絡あるいは人材の吸収、そういうような面から中央に人を求めるという安易な形をとってきつつあるのではないかと思われます。  しかし、いずれにせよ、一つは地方の公共団体においてしっかりとした人材を蓄えて、中央に依存しなくても済むようなそういう自給自活の体制を速やかに形成していただくということがやはり基本ではないかと思います。と同時に、中央におきましても、ややもすればそういう人事によって地方に対して介入するであろうと思われるような誤解を受けるようなことはやめるようにしなければならない、このように考えております。

山崎昇日本社会党

○山崎昇君 いま長官はこの前の答弁と同じようなことを述べられておるんですけれども、私はやっぱりきわめて遺憾だと思っておるわけです。いまも数字を申し上げました、たとえば自治省から出たもので言えば知事十七人、副知事二十二人、総務部長が二十人、財政課長が二十三人、地方課長が十九人。都道府県全体で言えば、主要なポストの四割は全部中央の役人が占めておる。昨年の暮れにも北海道庁の総務部長が交代になりました。どこから行ったかというと消防庁から行っておる。これは本当に真剣に考えませんというと大変なことじゃないだろうか。ですから、行く人については私はとやかく申し上げませんが、受け入れる側でいろんなことが起きてくる。赴任した人に対して大変気の毒な思いさえするような事態が出てくる。これは、ひとつ行管庁長官として、所管の大臣ではありませんけれども、自治省の所管ではありますけれども、全体的に天下り人事の問題を臨調でやっているわけでありますから、そういう意味でいまあなたにお聞きをしているわけなんです。ぜひ重ねて申し上げておきますが、ひとつ真剣にお考えを願いたい、こう思うんですが、重ねてあなたの決意をお聞きをしておきます。

中曽根康弘自由民主党行政管理庁長官

○国務大臣(中曽根康弘君) 先ほど申し上げましたように、地方に対する中央の人事の調整関係と申しますか、ちょっと私の感じでは、地方公共団体に関します限りは過剰ではないかと思われる節がございます。御意見の趣旨を体しまして、われわれも自治大臣等とよく相談をしてまいりたいと思います。

山崎昇日本社会党

○山崎昇君 行管庁長官に通告はきょうそれだけでしたから、改めてまたお伺いいたします。  そこで、人事院総裁と総務長官にきょうは少しくお尋ねをしておきたいと思うんです。  御存じのように、現在臨調で人事院の機構改革等も含め、あるいはまた人事局との関係等も含めて、七月あるいは八月とも言われ、あるいは来年の三月とも言われますように、基本答申の中に問題点が整理をされてくる、こういうふうに私ども新聞等で聞いているわけでございまして、そこでまず第一にお聞きをしておきたいのは、人事院総裁にお聞きをしますが、ことしの二月以降臨調に何回か人事院が招請をされまして見解を述べられたと聞いております。その際、臨調側の考え方というのは一体どういう点で、またそれに対して人事院はどういう見解を述べられたのか、私どもよくわかりませんので、この機会にその点、まずお聞きをしておきたいと思います。

藤井貞夫人事院総裁

○政府委員(藤井貞夫君) 臨調はいま非常に精力的に審査を進めておられるようでございまして、いま御指摘になりましたように、人事院関係につきましてもいろいろの御照会なり調査をなさっておるようでございます。本年に入りまして、二月の一日と八日の二日でございますが、前の給与局長が呼ばれまして、いろんな問題について説明をいたしました。臨調の関係では、これを担当いたしておりますのは第二部会の第一分科会というのでございまして、私も、御承知のように昨年臨調の本会議に出ていろいろな御説明を申し上げたわけですが、その後非常に事務的に詳細にわたって調査をしておられるようでありまして、その点からの資料の提出要求があり、また実際にるる御説明を申し上げるということで給与局長が行って御説明を申し上げました。  その内容は、詳細にわたっては何でございますが、概略だけ申し上げますと、そもそも給与に関する人事院勧告というもののプロセス、全体の手順というものをどういうふうにしてやっておるのかということが中心でございます。したがいまして、民間給与の実態調査はどういうふうにやっておるのか、官民の比較というものは具体的にどういうふうにやっておるのかということが中心になりまして詳細な御説明を申し上げてまいっておるわけでございます。その過程におきまして、臨調側からもその他の問題についていろいろ御質疑がございました。それは、公務というものについて能率あるいは効率、生産性というものはどういうふうに考えていったらいいのか、国の財政問題、財政状況というものと勧告との調整をどういうふうに位置づけて見るべきであるかとか、その他万般の点について御質問もございました。まだしかし、これは臨調としていま御審議の過程でございますので、臨調全体としてどういうふうな方向に考えておられるかということは、それはまだいまのところわかりません。わかりませんが、そういうことでございますので、人事院といたしましては、従来の方針に基づきまして、また基本的な態度というものを踏まえまして、詳細にわたって御説明を申し上げてまいっておるというのが現況でございます。

山崎昇日本社会党

○山崎昇君 私ども断片的に新聞記事しか読まないわけでありますが、いま総裁から概略のお話がありました。また、三月二十五日の「週刊新潮」によれば、今度事務総長になられました長橋君が短い談話というのですか論文というのですか、発表しておるわけなんですが、そういうもの等々も私ども見ますと、いま総裁からきわめて技術的な点だけのお話がございました。しかし私は、人事院擁護論をするつもりではありませんが、少なくとも人事院ができた経過、それは労働者の権利というものを制限をして、第三者機関である人事院というのが決めるのが一番いいんだといって、当時私は北海道で組合運動をやっておりまして反対をしましたけれども、いまの公務員法というのが成立をして、今日まで三十年の歴史を刻んでいるわけですね。そういう意味で言うならば、人事院ができました歴史的な経過並びに労働基本権を制限をした経過との関係について、臨調は一体どういう見解をお持ちになって、あるいはあなたがたはそれに対してどういう説明を行っているのか、重ねてお聞きをしておきたい。

藤井貞夫人事院総裁

○政府委員(藤井貞夫君) いま御指摘になりました点はまさしくそのとおりでございまして、私たち人事院の立場といたしましては、公正確保ということと、それから代償機能達成ということ、この二つがやはり人事院の職責としては一番大事なことではないかというふうに思っております。これはまた、まさしく国家公務員法の基本的な立場である、理念であるというふうに理解をいたしておるわけでございます。詳しくは申しません。先生も大変お詳しいですから、ここで詳しくは申し上げませんが、私は公正の確保ということと、それから代償機能の発揮ということは、これは二本柱としてどちらも完全に確保していかなきゃならない、これは日本のやはり近代的公務員制度の一番の支柱であるという考え方に立っております。大方の御理解を得まして、この点の公務員制度はわが国においてもまずは——いろいろ局部的な面から言えば御批判もございましょう。われわれの面から見て問題点もございますけれども、全体といたしましてはやはり定着をして今日まで来て、それなりの成果は私は発揮をしてきておるというふうに考えております。  したがいまして、いま当面の一番の問題としては給与勧告の取り扱いの問題がございますけれども、この点につきましては、やはり公務員について労働基本権が制約をされておるということの代償機能として定立され、確立されて今日まで歴史を刻んできた問題でございまして、それなりに良好な労使関係の維持発展ということに大変効果があったものと確信をいたしております。そういう観点から申して、いまのこの制度のある限り、これは確保していかなきゃならぬという強いこれは私の信念でございます。  そういう角度から対応いたしておりますが、臨調の立場といたしましては、やはり一つの簡素、合理的な政府の樹立というような面からいって世論の趨勢もございますので、公務員の給与のあり方というようなものについていろいろそれなりの御検討を加えておられますことは、それ自体としては特にわれわれとしていろいろ申し上げるべき筋合いではないかもしれませんが、しかし制度のたてまえというものは、やはりこれは誤ってもらっては困るということを基本といたしましてるる御説明もし、また資料も出しております。その過程において、各委員さんからいろんな立場からの御発言もあり、また御質疑もございます。しかし、それに対してはいま私が申し上げました基本的な立場というものを踏まえた説明を申し上げ、また主張をいたしておるというのが現在の状況でございます。

山崎昇日本社会党

○山崎昇君 いま総裁から公正確保と代償機能、これが二本柱で人事院制度が大変重大である、こういうお話でありました。特に昭和四十年にILO始まって以来といわれますドライヤー報告というのが出されまして、あの際に、たくさんの項目が載っておりますけれども、一番当時も議論になりましたのは三点に集約されたわけです。  一つは、人事委という委員の任命について労働組合の意見が余り反映されていないということですね。それから第二が、当時人事院勧告というのが完全実施でありませんでしたので、代償機能としての人事院の機能が発揮されてないということ。今後はそれらの点をもっともっと労働組合の意見が反映できるような仕組みにしなさい。こういうのが三点集約すれば昭和四十年のドライヤー報告の主眼であったわけですね。  それで、この委員会でも私は何遍か申し上げましたし、ほかの委員からも質問等もございまして、大変重視をいたしまして、本来なら私ども人事院という制度そのものは、あえて言えば調停あるいは仲裁裁定の制度ぐらいになればもっといいのかなという気持ちもありました。しかし、人事院制度というものができて相当な年数たって、それなりの社会的な地位を得ておりましたからそれ以上の論議はいたしませんでしたけれども、いずれにしてもそういうILOの国際的な背景もあっての人事院の今日までの経過だと思うんです。  そういうものが、最近の新聞論調だけで言えば、何かしらん給与の勧告の問題の技術論だけに歪曲されてしまうといいますか、そこだけに集約されちゃって、本来持っておりました労働者の権利を制限した代償という点がどこかへ行ってしまって、人事院そのものの存在が形骸化されそうないま状況にあるのではないか。これが公務員諸君がいま一番心配している点ではないんだろうか、そう思うんです。  そういう意味で、重ねていま総裁から公正確保と代償機能という点が出ましたから、この代償機能をやるためには、労働基本権を制約したわけでありますから、その点について、なかなか臨調どのやりとりを一々ここで言うわけにはいかぬかもしれませんが、あなたの言える範囲内で、一体どういう臨調の見解があり、あなた方が述べられたのか、できる範囲で結構でありますが、お聞きをしておきたいと思います。

藤井貞夫人事院総裁

○政府委員(藤井貞夫君) 昨年私が参りまして御説明を申し上げたときのことを若干申し上げますと、これはいまの二点に尽きるわけでございますが、これを敷衍をして非常に詳細に申し上げたのであります。これがもし無視されるということになれば大変ですよということを私は口をきわめて申し上げました。いまでもその点私は信念として変わりはございません。これを堅持しておればこそ今日の公務員制度というものの定着があったのではないかというふうに考えておる次第でございます。  そこで、昨年私が参りましたときには、これについては皆さん特に御意見なり御発言はございません。全然と言っていいと思うんですが、この点についてはよくおわかりをいただいたという私の認識でございました。それは少し思い過ぎと申しますか、非常に楽観論に過ぎるという見解もございましょうが、私といたしましては、少なくとも皆さん方もよくおわかりをいただいたというふうな理解でもって帰ってまいったのであります。  その後、しかしああいう抑制論というものが出てきたと。これはどういうところに根拠があり、どういう背景があるかということは、とやかくの論議は差し控えますけれども、しかしそういう要請が一部にある。特に財政的な見地からそういう要請が出てまいっておることは事実でございまして、そういう観点からする委員さんの御意見なりというものが、また質問というものがございます。財政的な見地をもっと人事院としても考えてみることがいいのではないだろうか、それから生涯給与なんということも、これもやはり勧告の際には考慮するような制度的な仕組みというものについて考慮を払っていくべきじゃないだろうか、民間から見れば、どうも公務員というものは親方日の丸であって、生産性、効率性というような面からいって大変問題があるのではないかというような御議論、御意見がございます。  それに対しましては、その都度それはそれとして、謙虚に批判としては受けとめますけれども、しかし公務の本質、公務員の性格からいって、そのままで、さよう、そうでございますかというふうに引っ込むわけにはまいりませんよと、それはこういう点こういう点がございます、そういうことも資料を具して詳細に申し上げて今日まで来ております。  私といたしましては、機会がございますれば、最終段階でもなんでも何回でもお伺いして、その信念に基づくところは、申し上げるべきことは申し上げたい。それでないと、私はやはり国家の将来から言っても大変深憂に値するというような危機感を持ってこの問題には取り組んでいきたいというふうに思っております。

山崎昇日本社会党

○山崎昇君 総務長官にお尋ねしますが、総理府でも臨調に呼ばれまして、かなり人事局の機構あるいは権限等々含めて、いろいろお尋ねが臨調からあったようでありますし、また見解が述べられているようでありますが、どういう臨調の見解があり、総務長官からどういうふうに説明されたのか、総務長官からもお聞きをしておきたい。

山地進総理府人事局長

○政府委員(山地進君) 臨調には昨年の五月六日、それから九月七日、十月二十六日、それから本年の二月十五日とお呼びがございましたので、私が行きまして御説明をいたしたわけでございます。  まず、最初の昨年の五月六日でございます。これは、その当時の第二特別部会——第一と第二がございましたけれども、第二特別部会でございました。特に人事院の勧告前でございますから、一般的な御説明をしたわけでございますが、私どもで資料をもって御説明いたしました事項は、過去の給与改定の状況、それから全農林の警職法事件の最高裁の判決、それからILOにおける日本政府の報告というようなことを資料を提出いたしまして御説明をいたしました。  それから九月七日は、これは調査会自体でございますが、このときは臨調の中間答申、それから人事院の勧告というものがございましたので、九月七日までにおける政府の取り扱い状況というものを御説明し、それから第二部会と調査会との関係で調査会がまた別でございますので、第二部会で、特別部会で提出したようなことについても一般的に御説明をいたしました。  それから十月二十六日は第二部会の第一分科会でございますが、これはいろいろの委員の御質問がございまして、人事管理一般についてこれも御説明をいたしました。  それから本年の二月十五日は、同じく第二部会の第一分科会でございますけれども、日本の人事院の勧告制度と対比するという意味で、アメリカの給与決定方式がどうなっているのかということを御説明し、またいろいろとお尋ねがございましたので、いま先生のおっしゃったような人事管理機構、人事院と人事局との権限配分がどうなっているかというようなこと、あるいは生涯給与というようなことについても御質問がございましたので御説明をいたしたと、かような次第でございます。

山崎昇日本社会党

○山崎昇君 中身がよくわかりませんでね、ただ何日に行ってこんなことありましたからこう言ったというだけで、あなた方がどんな見解を述べたか、中身が何にもわからないんです、私聞いていて。本来中身を知らなきゃ方法がないんですが、これはきょう、あと時間がそうありませんから改めて中身は詳細に聞きたいと思っていますが……。  最近、報道によりますというと、給与の総額制とかあるいは生涯給与の比較だとかが言われている。これは、生涯給与の比較とか生涯賃金というのは、昨年のこの委員会でも私も質問いたしましたし、他の委員も質問してかなり論点となっている点でありますが、一体この給与の総額制というものをどういうふうに臨調が考えておられるのか、また生涯賃金というものについて臨調はどんな考えを持たれて、それに対して総理府並びに人事院はどういう見解を述べられたのか、時間が余りありませんので、簡潔にひとつ御回答願いたいと思う。

藤井貞夫人事院総裁

○政府委員(藤井貞夫君) 生涯給与の問題と、それからいわゆる給与総額制、具体的に御指摘ございましたので、この二点にしぼってお答えをいたします。  生涯給与論の問題は、これは従来この委員会でもたびたび取り上げられてきておるわけでございますが、人事院といたしましては、従来からるる御説明を重ねてまいっておりますように、立場としては一貫しております。すなわち給与は給与、退職手当は退職手当、年金は年金、それぞれについて民間との対比をやるということは、これは合理的でございます。したがって、その面から比較をしてしかるべき均衡をとっていくための措置をいろいろ考えていくことは結構でございますということでございます。ただ、それを一緒くたにして、それは総額を合わせて、もってこうこうだから毎月の給与についても何らかの抑制措置を講ずべきであるという議論にはくみしません、それは間違いでありますということは従来から一貫してとってまいっておる議論、立場でございます。したがって、毎年お願いをいたしておりまする給与勧告というのは、まさしく毎月の生活費、毎月の給与がどうあるべきかということで民間との対比をやって、差額が出ればそれを埋めていただきたいということで申し上げております。  また、退職手当につきましても、これは先般いろいろ当委員会でも御議論をいただきました。そういうことですが、法律案を提案をいたしまして、いろいろ御論議の末決定をいたしまして、これは従来のものに適切なる——適切と申しますか、しかるべき抑制措置を講ずる、減額措置を講ずるということが決まったわけであります。  また、年金等についても、これはるる民間においてもいろいろ御議論がございます。ございますが、しかし、これにつきましても非常に微温的じゃないかというふうな御議論はいろいろございますけれども、一つの方向を持って民間にある程度近づけていくというそれなりの努力はしておるというふうに私は理解をいたしております。  いずれにしても、やはりそれぞれのことで対比をするという方向についてはさらに合理的な検討をし、結論が出ればその方向の措置を講ずるということは賛成でありますという態度をとっておるわけであります。  それから第二の点で、給与総額制の問題でございますが、これは実はまだ、いま先生からも御意見ございましたが、それぞれの分科会、それから総会等の間で委員さん方の個別的な御意見なり質問というものはございますけれども、御承知のように、まだ分科会としてあるいは部会として、いわんや総会として結論が出ているわけではございません。そういうことで、まだ結論めいたことに対してこちらがとやかくというような段階ではないということを前提として申し上げておきたいと思います。  ただ、御質問がございます際には、それに対応して所要の説明をいたしておるということでございますが、特にこの給与総額制についても何を意味しておるのか、私たちもいろいろ関心がございますので、どういうことかとかいろいろその都度調べておりますが、これはわかりません、いまのところどういう意味であるのか。何らかのやっぱり抑制措置を講じて、その枠内において処理をしていこうという発想があるようではありますけれども、具体的にこれはどういうことをやるかということはわれわれも承知をいたしておりません。おりませんが、こういう議論が出てまいりますれば、それに対して、やはり現行の制度がある限りはそれとは別問題でしかるべき結果が出て、官民対比をした上で差額が出れば勧告は従来どおりいたしますと、その勧告はいかなる事由があろうともやはり尊重をしていただかなきゃ困ります、最大限の御尊重をお願いしますということは従来からも繰り返し申し上げてきたところでございまして、その方針には変わりはございません。

田邉國男自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(田邉國男君) ただいま人事院の総裁がおっしゃったことに尽きておると思いますが、臨調においては基本的答申に向けて公務員制度について鋭意審議を続け、検討をしておるということを聞いておるわけでございますが、いまだ成案が出ておりません。したがって、現在の段階で私どもが見解を述べるということは差し控えた方がいいんではないか、こう考えております。

山崎昇日本社会党

○山崎昇君 いや、私がここでいまあなたの見解を聞いたんでないんだよ。先ほど人事局長から、四回ばかり昨年の五月の六日、九月の七日、十月二十六日、ことしの二月十五日、四回呼ばれて第二特別部会あるいは調査会そのものにいろいろ説明をしたというんだ。何をどう説明したかということを何も言わないんだ。ただ、日にちと、行きましたということだけ言った。だから中身が全然わかりませんから、改めてこれは聞かなきゃなりませんけれども、いま人事院が、人事院制度の重要な課題に対して私の方から二、三お聞きしたら、基本的な考え方を述べられました。総務長官はいまの人事院総裁の見解で尽きると、こういうお話でありますから、人事院と同様のお考えだというふうに私は理解をしておきたいと思うんですよ、いま答弁された点で。  そこで、重ねてあなたに聞きますが、先ほど総裁から公正と代償機能というのが二大柱で重要だというお話がございました。この代償機能というのは、何といっても労働基本権を制限した代償機能でありますから、したがって総理府としても、この労働者の労働基本権というものについて総務長官としてはどういうふうにお考えになるのか。これは本来はあくまでも労働者に返して、労働者の権利というのは守るのが本筋でありますけれども、そういういま制度でないんですね。ないのにかかわらず、この人事院勧告制度そのものが、いま何か知らぬけれどもどこかへやられそうな気配のためにいま議論をして、公務員自身もまた不安を感じているわけなんで、この労働基本権についてあなたの見解を改めて聞いておきたい。

田邉國男自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(田邉國男君) 私は、先ほど人事院の総裁から基本的人権の尊重、言いかえれば労働基本権の制約、こういう問題についてはっきりした御意見が出ておりました。そういう意見に基づいていわば人事院の勧告というものがなされるわけでございます。したがって私どもとすれば、人事院の勧告を尊重するという従来の基本的な方針、考え方については変わりはないということと、そしてまた人事院の勧告についてはあとう限りの尊重をしてやってまいる、こういう基本的考えであります。

山崎昇日本社会党

○山崎昇君 そこであなたに重ねて聞きますが、いま人事院総裁は、給与は給与で決定すべきである、退職手当は退職手当として比較をして決定すべきである、年金は年金として比較をして決定すべきである、これが最も合理的である、こういう答弁であります。あなたも大体人事院総裁の見解に異論がなかったようでありますから、総務長官としてもこういう考え方が前提だというふうに私は考えまして次の質問をするわけでありますが、最近また、これは行政機構論として給与の勧告は人事院でやる、退職手当は総理府でやる、年金は大蔵省の所管でやる、そこでこれらの問題を統一して扱うような機構にしたらどうかという意見がかなり議論されているように私は聞いております。したがって総理府としては、そういう機構論になれば、これは行管もかむわけでありますけれども、一体どういう御見解を持つのか、先ほどの考え方からいけば多少行政機構論としてはばらばらな感じもありますけれども、それぞれが所管をしてやることがいいのか、一括して人事院なら人事院が所管をしてやるのがいいのか、それらについて総理府としてはどんな検討をなされ、またどんな考え方をお持ちなのか、お聞きをしておきたい。

山地進総理府人事局長

○政府委員(山地進君) 退職金、年金それから給与の問題につきましては、臨調の昨年の七月十日の第一次答申の中にもそれらについて今後検討するというようにたしかなっていたように私どもは理解しておるわけでございますが、ただいまの臨調におきましてもそれらについて御検討中でございます。  私どもに対して生活給与の話ということで御質問はございましたけれども、機構の問題はまさに臨調で御検討中でございます。私どもに直接御質問のあることではないかと思うんでございますが、今後臨調の方の御検討を待ちたい、かように考えております。

山崎昇日本社会党

○山崎昇君 次にお聞きをしておきたいのは、先ほど総裁からも言うならば決意のほどが先に述べられたわけでありますが、現行制度がある限りことしも勧告いたします、言うならば手順として四月一日現在の民間調査を行う、従来の方針ですと、六月十五日くらいに一たん締め切って、そしてコンピューターにかけて八月の初旬に勧告をする、その間、春闘等でおくれた点があれば追加として勧告の中に入れているわけでありますが、この手順に間違いありませんね。そしてまた、ことしはどんな数字になるか、私、これから春闘でありますからわかりませんけれども、人事院は厳たる態度でことしもまた勧告をしていきたい、こういう気持ちだというふうに考えるのですが、どうですか。

藤井貞夫人事院総裁

○政府委員(藤井貞夫君) 現行制度がございます限りは、この線に沿ってすべての手順を進めることは当然でございます。そういうことで、ことしにつきましてもすでに一月十五日現在で国家公務員の実態調査を実施いたしました。なお、民間の実態調査については、いまお話がございましたように、四月一日現在を基準にいたしまして毎年どおり実態の調査を詳細に実施をいたすつもりでございます。その結果を集計をいたしまして、これも同じ手法でもって較差を比較し、較差が出ればそれについての穴埋めをしていただきたいということで勧告を出す、それもすべて従来の手順どおりに考えております。私は組合の方々にも申し上げておりますが、ことしもやはりそれこそ淡々として、毅然として従来どおりの歩調でもって仕事を進めていきたい、そういうことで御了解賜りたいということを申し上げてきております。

山崎昇日本社会党

○山崎昇君 そこで、もう時間ありません、最後になりましたが、総務長官に、昨年私は給与法のときにあなたに給与費の財源の一%問題でお尋ねいたしました。しかし五十七年度もまた一%ですね。これは秋の恐らく補正予算でまたかなり私はもめる問題ではないかと思うんですが、あの際あなたは最大限の努力をしますと言ったけれども、結局は一%で終わっておる。しかし、あのときにも申し上げましたけれども、五十七年度の経済の見通しは、これは何も給与ばかりでありません、いろんなものが含まりますが、勤労者の所得収入というのは六・九%ぐらいの上がるであろうと見込んでいる。いま春闘で、新聞等によれば六%ないし七%台が攻防であろうとも報道されておる。言うならば、一%の財源でどうにもならぬことだけは明らかなんですね。したがって、あなたが人事院勧告を尊重すると言うならば、当然この財源についてあなたは責任を負わなきゃいけないと思う。  もう一つは、昨年はこれも私どもずいぶん指摘をした点でありますが、今日まで人事院勧告で昨年のような給与法が出たことはなかった。あんないいかげんな法律で公務員が律せられたのではたまったものではないと思うんですね。そういう意味でことしはあんなことが——去年は総理も異例な措置だと、こう述べておりますけれども、ことしはよもやあんなばかなことはすまいと思うんです。そういう意味で、改めて給与財源の問題と、人事院勧告を完全実施するというあなたの決意を伺って、私の質問を終えておきたいと思うんです。

田邉國男自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(田邉國男君) お尋ねの給与改善の計上につきましては財政当局の主管でございますけれども、人事院の勧告の改善率が予想困難であるために、実は一応財源措置としてあらかじめ一定の割合を計上したものでございます。実は、昨年お尋ねがございましたように、私はできるだけの財源を必ず計上するというお話をいたしました。このことにつきましては、昨年の十二月の二十二日の閣議におきましても、私から給与改善費の計上につきましてはぜひともひとつ配慮をしてもらいたい、こういう提言をいたしまして、強く要望をいたした次第でございます。しかしながら一%にとどまったわけでございます。その点は御理解をしていただきたいと思います。  今年につきましても、人事院の勧告も当然出てまいります。私どもは、これにつきましてはできるだけ尊重をするということの従来からの基本的なたてまえに立ちまして、誠意を持って対処をしてまいることをお約束をいたします。

野田哲日本社会党

○野田哲君 まず、本年初めて本委員会での防衛問題についての論議でありますから、すでに発表され報道されていることでありますけれども、改めてまず事実関係について伺っておきたいと思います。  去る一月八日の日米安保協議委員会において極東有事の研究について合意がされ、そして一月二十一日にその第一回の会合が開かれた、こういう報道になっておりますが、その経過について御報告を願いたいと思います。

加藤良三外務省北米局安全保障課長

○説明員(加藤良三君) ただいま御質問のいわゆる六条事態の研究作業につきましては、御指摘のとおり一月二十一日に双方の担当事務レベル間で第一回目の会合が持たれました。こういう形でようやく研究作業が緒についたばかりということでございます。その後も日米間で話し合いが随時行われているという状態でございます。

野田哲日本社会党

○野田哲君 いままで協議が行われていなかった問題に今回着手するに至った理由について、まず、これは外務省の安全保障課長ではなくて、責任ある防衛庁長官から聞かしてもらいたい。  極東地域で有事を想定するような情勢の変化があったという認識に立ったからこの研究に着手したのかどうなのか、あったとすればどういう情勢を認識するに至ったのか。この点、直接これは防衛庁長官も、一月八日に合意をされる段階で両大臣が出て合意をされているというふうに報道されておりますので、長官から示してもらいたいと思います。

加藤良三外務省北米局安全保障課長

○説明員(加藤良三君) 恐縮でございますが、ちょっと私から、事実関係に関する説明でございますので、御説明をさしていただきたいと存じます。  実は、このいわゆる六条事態の研究というものにつきましては、すでに一九七五年の当時の三木総理とフォード大統領の会談、同じ年に行われました坂田防衛庁長官とシュレジンジャー当時国防長官、この会談ということにすでに端を発しているものでございまして、その後この六条事態の研究というものをなるべく早い機会に開催いたしたいということで米側と日本側との間で話し合いが続いてきたわけでございますが、これがようやく本年一月八日、日米安全保障協議委員会第十八回会合の席上、その開始につき発表を行なうというところまで合意ができたというわけでございます。したがいまして、今回この時点に始まったということについて、それ以上に特段の理由はないということでございます。

野田哲日本社会党

○野田哲君 私も三木内閣当時からのいきさつはわかっております。問題は、今回極東有事の研究をやろうということであるとするならば、極東地域においてのどういう情勢認識に立ってやるのか、この点を私はまず聞いておきたいと思うんです。そうでないと、アメリカのおっしゃることだけを基礎にして極東有事の研究が行われるということであれば、これは大変なことになるんじゃないか、こういう懸念があるからこそ、日本側としてはどういう情勢認識をいま極東地域で持っているのか、一体どの地域でどういう有事が発生しようという想定をしているのか、こういう点をまず伺っておきたいと思います。

塩田章防衛庁防衛局長

○政府委員(塩田章君) 要点は先ほど外務省の課長からお答えしたとおりでございますが、五十三年の十一月の例の日米ガイドラインができ上がりましたときに、具体的にその後それではどういう段取りでどういう作業に入るかというときに、実は御承知のように五条関係の研究に入ったわけでございますが、米側としましては、そのときから実は六条もやりたい、あるいは六条を先にやりたいような気持ちもあったわけでございます。私どもの方は、それはそんなわけにいかない、五条から先にやろうではないかというようないきさつも、これは内々の話でございますが、ございまして、六条は後回しということで当時五条の方に先に入った経緯がございます。  それで、一応御承知のように去年の夏に五条につきまして、一つのシナリオについてではございますけれども、概成を見たということで、引き続き今度は六条に入りたいということを、これは去年の大村・ワインバーガー会談等を通じましてもアメリカ側の希望が示されておりまして、私どもも今回それについては特段の異議がないということで、いつから入ろうかというようなことでことしの一月八日の決定を見た、こういうことでございまして、いま先生のお話のように、現在の時点で極東に何が起こった、あるいは何が起こりそうだということで今回始めようじゃないかといういきさつのものではないということを御理解賜りたいと思います。

野田哲日本社会党

○野田哲君 五十三年のガイドラインに五条条項、六条条項についてやっていこうということがずっと記述されていることはわかっています。特に六条条項について一番最後の方に三行ばかり書いてある。局長の説明によると、これは先に五条をやったから、五条が終わったから六条に入ったんだと、こういうことですけれども、私が聞きたいのは極東有事、こういうことなんですから、一体極東でどこの地域でどういう問題が発生するということを前提にしているのか。ずばり伺いますが、朝鮮半島を想定している、こういうことなんですか。

加藤良三外務省北米局安全保障課長

○説明員(加藤良三君) お答え申し上げます。  いわゆるこの六条協議というものは、日本以外の極東における事態で日本の安全に重要な影響を与える場合ということについての研究作業でございます。具体的な事象というものに即しましては、それは諸般の状況というものを勘案して判断されるべきものでございまして、あらかじめ一般的抽象的にこういうことだというふうに言うことが困難な問題でございます。あえて申し上げれば、極東における国際の平和及び安全の維持、これに関連する諸情勢でわが国の安全に重要な影響を与える場合であって、米軍の行動が必要とされるような場合ということであるということが言えると思います。しかし、先ほど来申し上げておりますとおり、これを一般的抽象的にあらかじめ規定することはあれでございますし、それから極東ということについて、これを特に朝鮮半島ということを想定するということではございません。

野田哲日本社会党

○野田哲君 そういう抽象的なことをぼくは聞いているんじゃないんですよ。極東という区域を定めているわけでしょう。そして、極東の中で安保条約からずっと一連の取り決めの中で極東地域ということを定めてあるわけでしょう。その中で、有事ということを想定する地域というのは一体どこなんだということを私は聞いているんですよ。そしてアメリカが行動を起こす必要がある地域、そして日本がそれに協力をしなければならない地域というのは一体どこなんだと。私は、ずばり朝鮮半島を考えているんですか、こういうふうに聞いているんですが、有事研究というのをやっていこうとすればそのぐらいのことを国会の審議の場で明確にしなければできないでしょう。そうじゃないですか。

加藤良三外務省北米局安全保障課長

○説明員(加藤良三君) 恐縮でございますけれども、私ども今度のいわゆる六条協議の研究ということを進めるに当たりましては、特に極東の中のどこという具体的に地域的特定を行うということはいたしておりません。したがいまして、朝鮮半島ということを想定しての作業を進めているという現状ではございません。

野田哲日本社会党

○野田哲君 新聞報道等によると、第五空軍司令官は今度の極東有事研究を進めるに当たって朝鮮半島ということを想定をし、そして今度の極東有事研究を進めるに当たっては、一九五〇年代のあの朝鮮戦争のときの状態を想定をして、その際日本側が米軍の行動に協力したあの先例を基礎にして日本側に協力を求めている、こういう報道がされているわけですが、防衛庁長官はそういうアメリカ側の要望について接触されたことがあるかどうか、あればその内容について伺いたいと思います。

伊藤宗一郎自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(伊藤宗一郎君) 先生お話しのことも私どもちょっと新聞では見ましたけれども、私に対して、また日本側に対して具体的にそういう要請はまだありません。

野田哲日本社会党

○野田哲君 外務省はいかがですか。

加藤良三外務省北米局安全保障課長

○説明員(加藤良三君) お答え申し上げます。  私どもに対してもそういうような要請がいままであったということはございません。  なお、若干補足させていただきますと、朝鮮動乱がいわゆる起こった場合のわが方から米軍に与えられた便宜供与ということでございますけれども、これはいわば講和発効前の日本が占領時代にあったときの便宜供与の態様でございます。私どもがいま研究作業を行っておりますところのいわゆる六条事態の研究というものは、そういうところと根本的な状況を異にいたしますので、この両者を同列に論ずるというのはいかがなものかというような感触を持っております。ただ、いずれにいたしましても現在の作業はまだ緒についたばかりでございまして、現在随時専門家レベルでの接触が行われているというところにとどまるものでございます。

野田哲日本社会党

○野田哲君 ガイドラインの合意の前提条件として、両国政府の立法の措置を義務づけるものでない、こういうふうになっているわけですが、そうすると、これからやっていく極東有事研究の対象事項については現行法、いまある法律の枠内に限る、こういうふうに考えていいのかどうか、その点いかがですか。

加藤良三外務省北米局安全保障課長

○説明員(加藤良三君) いわゆるガイドラインで言及されております現行法令というものは、ガイドラインが策定された時点における現行法というような時間的な定めというのはかかっておるものではございません。現行法令につきましては、今後この六条事態の研究というものが進んでいき、恐らくこれは非常に長期間かかる作業ではないかと推測されますけれども、その時点時点、研究が進んでいく時点、その時点における現行の法令という意味合いでございます。

野田哲日本社会党

○野田哲君 合意したときの現行法ではなくて、時点時点の法令の範囲、枠内、こういうことになると、このガイドラインに記述されている両国政府の立法の措置を義務づけるものではないというのは、全くこれはしり抜けになるんじゃないですか。  ガイドラインの中身の方をあなた方の常套手段で秘密にしておいて、そして日本の国内法を先に秘密でガイドラインで内容を詰めておいて、そしてその中身は秘密にしておいて、法律だけをどんどん先行させていく、こういうことであればいつまでたってもこれはあなた方の言う法律の枠内ということになってしまうわけで、国内法の立法を義務づけるものではないという歯どめというのは、実質はこれはないということになりはしませんか、この点どうですか。せっかく防衛庁長官お見えだから、その点はやはり政府の責任者として答えてもらいたいと思います。

伊藤宗一郎自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(伊藤宗一郎君) 義務づけはされておらないわけでございまして、まずそこに歯どめがありますし、またいまもお話しのとおり、現行法の枠内である、そういう歯どめとともにやっぱり国会という大きな御審議の場があるわけでございまして、全然歯どめがない、まるっきり歯どめがないということではないと思います。

野田哲日本社会党

○野田哲君 防衛庁長官は、この間のこの問題で行われた——この問題だけではないんだけれども、防衛問題を中心テーマで行われたNHKの番組「政治討論会」で、極東有事の事態を想定をした日米共同研究の際に、米軍への便宜供与を進める上で国内法の改正問題も検討課題になるだろう、こういう意味の発言をされている。つまり、これはガイドラインに言うところの両国政府の立法措置を義務づけるものではない、こういう取り決めがあるけれども、実際は共同研究を進めていきながら必要な法改正はどんどんやっていく、こういう趣旨をあらわしているんじゃないかと思うんですけれども、この点いかがですか。

伊藤宗一郎自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(伊藤宗一郎君) 確かにそういうことを申し上げましたけれども、私はただ抽象的に大枠としては「両国政府の立法、予算ないし行政上の措置を義務づけるものではない。」という中で研究を始めるわけですけれども、ただ研究を進めていく過程で、米軍に対する便宜供与の具体的実施が現行法令の枠内では困難なことが指摘されることもあるかもしれない。しかし、そういうことが万が一指摘をされましても、それは冒頭に申し上げましたとおり、義務づけられてはいない、そしてまた、そういうことについてどういうことの対処をするかということは、防衛研究とは別個の問題として、われわれが自主的に判断することだろうという趣旨で申し上げたのでございまして、全く抽象的に申し上げて、またさっきもお答え申し上げましたとおり、最終的には政府が自主的に判断をし、そしてまた、もし万が一そういうことがあるとするならば、さっきも申し上げましたとおり、国会の御審議にまつということのようなことの意味のことを申し上げたつもりでございます。

野田哲日本社会党

○野田哲君 ちょっと角度を変えて防衛庁長官なり防衛局長に伺いたいと思うんですが、安保条約の六条に基づいて在日米軍が日本の基地から極東地域に行動を起こす場合事前協議が行われる、そのような事態になったときに、その米軍が行動を起こす対象地域が朝鮮半島、こういう場合は一体防衛庁としてはこれに対してどういうふうに対処するのか。つまり自衛隊法の七十六条、七十七条がありますね、七十六条の中には「外部からの武力攻撃のおそれのある場合を含む。」という括弧書きがある。そして、これに対して防衛出動、それから七十七条の防衛出動待機命令。事前協議があった、そして米軍が六条に基づいて朝鮮半島に出動する、こういう状態になったときは、防衛庁としては七十六条の括弧書きによる防衛出動態勢をとるのか、それとも七十七条による防衛出動待機命令の態勢をとるのか、それとも日本は特段の措置はとらないのか、これはいかがですか。

塩田章防衛庁防衛局長

○政府委員(塩田章君) 六条事態の研究の場合と別の問題としてこれは御理解いただきたいんですが、七十六条、七十七条はあくまでも五条事態、つまり日本自身がそういうおそれがあるかどうか、あるいは待機命令を出す必要があるかどうか、こういう判断に基づいて行われるわけでございまして、それがその際の状況としまして、どこでどういうことが起こっているからそういう判断をするかということは一応別の話でございますから、いまの六条の研究あるいは六条事態で、米軍がいまの御指摘であれば朝鮮半島に行く例を御指摘になったわけですが、そういうことと一応別の話としまして、われわれは七十六条の判断あるいは七十七条の判断、これは日本に対しどういうおそれがあるか、どういう事態であるかを判断して対処する、こういうことになろうかと思います。

野田哲日本社会党

○野田哲君 朝鮮半島の問題については、防衛白書においてもあるいは政府の総理や外務大臣、防衛庁長官等が国会等でも何回も発言をされておりますね。朝鮮半島における安全問題は日本にとってもきわめて重要だという意味のことを発言をされている。今度のこの問題、日米間の極東有事研究の発足に当たっての日米安全保障協議委員会でも、櫻内外務大臣がそういう趣旨の発言をされた、こういうふうに報道されているわけですね。政府のこの方針は、朝鮮半島でもし異常な状態になれば、これは日本の安全保障にとっても大変なことなんだと、こういうことをかねがね政府は言っているわけですが、そういうことで、もしこの六条に基づいて米軍が行動を起こす、そして日本にも事前協議があった、こうなったときに自衛隊は七十六条、七十七条で、一切これは朝鮮半島のことだからということで何ら発動しないということなのか、七十六条の括弧書きなのか、七十七条なのか、これを私は端的に聞いているんですよ。防衛局長は朝鮮半島のことでは余り言いたくない、こういうふうなことのようですけれども、いつも朝鮮半島のことを言っているじゃないですか。朝鮮半島でもし万一のことが起きたときには、日本の安全にとっては大変なことなんだと。言っているとすれば、これはどういう対応をするのか、そこを私は伺っておきたいと思うんです。

塩田章防衛庁防衛局長

○政府委員(塩田章君) 朝鮮半島の安定ということがわが国にとっても、あるいは極東全体にとっても非常に重要な意味を持つということは、これはもう何回もお答えいたしておりますし、事実そのとおりだと思います。  ただ、いまの朝鮮半島でしからば何か起こった場合に米軍が出動する、それに対してはどうかという問題は、先ほど来議論になっておりますように、日本はいかなる便宜供与ができるかということで、いま検討に入ったということでございます。そのことと、先ほど来お答えいたしておりますように、わが国が七十六条の「おそれのある場合」の判断をするか、あるいは七十七条の待機命令の判断をするかということは、別にこれは朝鮮で何が起こったかということとは関係なく、日本側が日本としてそのときの情勢をどう判断するかということにかかってくる問題でございますから、これはやはり分けてお考えいただきたいと思うんです。  私がこういうことを言っているのは、何も朝鮮半島の事態がわが国にとって余り重要でないとか、そういうことを言っているのじゃなくて、非常に重要な関係を持つであろうということは、これはしばしばお答えしているとおりでございまして、そのことは肯定した上で、しかし問題は別であるということを申し上げたかったわけであります。

野田哲日本社会党

○野田哲君 平生のあなた方が言っていることからして、問題は別であるということは、いまここでどうしても私は、あなた方の平生の言動からすれば一貫性がないじゃないかと、こういうふうに受けとめられるんですがね。  もうちょっと角度を変えて伺いたいと思うんですが、先ほど山崎委員も指摘をされましたが、昨年の四月に有事法制の研究の中間的な発表が国会でも報告をされています。引き続いてこの研究を続けているんだと、こういうことなんですが、昨年四月に発表されたこの有事法制の研究、これを見ると、この中に共通している考え方というのは、有事法制を制定をする、あるいは現在ある自衛隊法の百三条を発動する場合、つまり有事ということで百三条を発動したり、あるいはこれからあなた方が研究している有事法制に基づく発動をする、こういう時点は、自衛隊法の七十六条の時点では遅過ぎる、七十七条の待機命令の時点からでなければ間に合わないから、そういう立場に立って有事法制の研究を続けていくし、それから自衛隊法の百三条についても取り組んでいくんだと、こういう思想がずっと私は私なりに受けとめられるわけですね。  そうすると、これから防衛庁が各省と協議をしながら有事法制を考えていく、そうしてその発動時期は七十七条の待機命令の時点になるんだ、こうなってくると、アメリカとの関係についても現行法、いまある法律では六条条項による協力体制もはみ出してしまうような条項についても日本側の有事法制をどんどん広げていって、そして自衛隊法の七十七条の待機命令の時点からそれが発動できるような体制にして、これといまの極東有事のアメリカへの協力体制、後方支援体制を協力をしていく、これとをつないでいく、こういう手法になってくるんじゃないかというふうに私は懸念をするんですが、この点いかがですか。

塩田章防衛庁防衛局長

○政府委員(塩田章君) まずお断りいたしたいのは、去年の四月に中間発表されました、現在私どもがやっております有事法制の研究というのは自衛隊の行動に関する研究であります。これはいまさら申し上げるまでもないと思います。その中で、いま御指摘のように、たとえば陣地の構築でありますとか予備自衛官の招集でありますとか、そういったようなことについてはできればいまの七十六条発動の時点よりも早くいたしたいという問題点の指摘をしております。それは事実であります。一つの案として、七十七条の待機命令が出たぐらいの時点からそういうことはできるようにしたいという問題提起をしておることは事実でございますが、いま先生は、さらにそれを今度の六条関係の研究と結びつけてアメリカとの関係においてそういうことを考えておるんではないかという趣旨のお尋ねのようでございますけれども、この点はっきり申し上げたいと思いますが、私どもは有事法制の研究は、あくまでも自衛隊の行動に関して研究をして、現在、昨年のような中間発表をさせていただき、さらにその後各省との関係の法律の勉強を続けておる、こういうことでございまして、今回のとは全然別個の話でございますので、その点は分けて別の問題として御理解をいただきたいと思います。

野田哲日本社会党

○野田哲君 そうすると、これから極東有事研究をずっと継続してやっていく中で、恐らくこれは報道されているように、一九五〇年の朝鮮戦争当時のことをベースにしてアメリカが日本側に協力を求めてくる、後方支援体制を求めてくるだろうと思うんです。そのときのできることとできないこと、つまりイエスとノーの基準というのは、先ほどは安全保障課長は、当時はまだ講和に至っていない、占領下だった、それはそのとおりなんです。いまとは時点が違うんだから。すると、できることとできないことのイエスとノーの基準、根拠というのはいまの法律によってやっていく、これを明確に確認しておいていいですか。

塩田章防衛庁防衛局長

○政府委員(塩田章君) それはそのとおり確認させていただきたいと思います。といいますのは、繰り返しになりますけれども、ガイドラインの三項にもはっきりと「日米両政府は、日本が上記の法的枠組みの範囲内において米軍に対し行う便宜供与のあり方について、あらかじめ相互に研究を行う。」と、こういうことを明記してありまして、その点は今回の協議に当たりましても日米関係当局者同士でさらに確認をいたしております。その範囲内で研究をいたすわけでございます。

野田哲日本社会党

○野田哲君 だから、それはこれからつくる法律、これから新たな法律ができればそれが今度は基準になるということではなくて、いまの法律なんだ、こういうことでいいんですか。

塩田章防衛庁防衛局長

○政府委員(塩田章君) それはそうではございません。先ほど外務省の課長がお答えしましたように、実際に適用になる時点における施行されておる法令と、こういうことでございますから、その点は先ほどの外務省の課長のお答えしたとおりでございます。

野田哲日本社会党

○野田哲君 だから、結局行動できる法律をどんどん広げていって、その時点時点でそれを根拠にする、こういうことでは歯どめはないじゃないか、こういうことを私は言っているわけなんですがね。  そこで、朝鮮戦争の当時のできることは現在ではできないことなんだ、こう言われたわけですけれども、アメリカ側の報道されている日本に対する要求というのは、朝鮮戦争当時の協力体制を求めてくるだろう、こう言われているので、幾つか朝鮮戦争当時の日本がとった行動と現行法の関係について伺っておきたいんですが、まず厚生省から伺いましょうか。  朝鮮戦争当時、日赤の看護婦さんなどがかなりの人数をアメリカの占領軍の命令によって米軍の戦傷者の治療のために病院へ派遣をしていますね。これは事実は間違いないですね。どうですか。

長尾立子厚生省社会局庶務課長

○説明員(長尾立子君) お答えを申し上げます。  朝鮮戦争の当時——昭和二十五年でございますが、福岡県の国連軍病院におきまして日赤の看護婦が勤務についたということが日赤の福岡支部の歴史を記しました文書に載っておりますので、先生御指摘のような事実があると思います。

野田哲日本社会党

○野田哲君 国連軍といっても、実質は米軍であったわけですがね。いまはそういうことはできるんですか、どうなんですか法律的に。

長尾立子厚生省社会局庶務課長

○説明員(長尾立子君) いま申し上げました朝鮮戦争当時、日赤の看護婦がどういう形でこの国連軍病院に勤務するようになったかということでございますけれども、どういう形でその勤務を命じたものか、どういう形の要請があって行ったものか、実は現在、資料が膨大なものでございますことと、古い時期でございますために明確にわからないわけでございます。いま書いてございます記述から考えますと、その当時国連軍病院におきまして看護婦さんが不足をいたしましたので、日赤に勤めておった看護婦さんにつきまして協力を要請されたのではないかというふうに考えるわけでございますが、現在のところ日赤におきましては救護班等の組織があるわけでございますが、これは災害等がございますと、その支部の要請によりまして、家庭に入っておられます看護婦さんも出てまいりまして協力をいたしますけれども、いま先生御指摘のような国連軍病院にこういったような要請をされるということは、現在は予想いたしておりません。

野田哲日本社会党

○野田哲君 海上保安庁見えておりますか。——海上保安庁に伺いますが、海上保安庁の資料を見ると、朝鮮戦争当時、海上保安庁は二十数隻の船団を編成をして日本特別掃海隊、いわゆる掃海の部隊を編成をして仁川とか元山とか、朝鮮半島の周辺でアメリカの要請に基づいて機雷の掃海業務に当たっている。そして、触雷してあるいは座礁で二隻が沈没をして死者が一名と重軽傷者が八名出ている。中谷坂太郎さんという当時二十五歳の方がそこで触雷で死亡している、こういう記録があるわけで、現地へ派遣された者が千二百名、それから後方でその任務についた者が二百五十名、約千四百五十名の者が米軍の要請によって朝鮮半島の沿岸で掃海任務に当たった、こういう記録があるわけですが、これは事実ですね。

吉野穆彦海上保安庁警備救難部長

○説明員(吉野穆彦君) 機雷の掃海に関する業務につきましては当時海上保安庁が所掌しておりましたが、昭和二十七年に現在の海上自衛隊に引き継いでいることもありまして正式の記録は当方にはございませんけれども、当時のことを記載しました刊行物等によりますと、二十五年の十月に、当時の連合軍から日本政府に対しまして朝鮮周辺海域におきます掃海作業に関する協力を要請してまいりまして、当時日本政府といたしましては、占領下にあったことでもあり、これに応ずるということになりまして、海上保安庁では十月の六日に掃海船が二十隻、それから巡視船が四隻、それと試航船が一隻、合計二十五隻をもって特別掃海隊というものを編成いたしまして下関に集結しております。そして一朝鮮海域に向かいまして朝鮮沿岸の元山、群山、仁川、海州、鎮南浦というような港の掃海作業に十月の十日から十二月の六日まで従事しておりまして、二十七個の機雷を処理しております。そして、十二月の十五日に編成を解いております。この間に、先生がただいまおっしゃいましたように、元山沖で掃海船一隻が触雷して沈没をいたしまして、乗組員の一名が殉職、八名が負傷というようなこともございました。

野田哲日本社会党

○野田哲君 海上保安庁、正式の文書ではないと言われたが、いまのあれは「海上保安庁三十年史」という中に載っていますよね。それから、海上保安庁の長官であった大久保さんが書かれた「海鳴りの日々」という中にもっと詳しく書いてあるんですよね。そして、この当時の状況を生々しく触れておられるわけですが、これは言うまでもないことですけれども、現在の法律ではこんなことはできませんね。

吉野穆彦海上保安庁警備救難部長

○説明員(吉野穆彦君) 海上保安庁は海上における人命、財産の保護と法令の励行といったようなことを業務としておりまして、それで、かつ海上保安庁法には軍事的な機能を有するものではないのだということが明記されております。したがいまして、他国の戦争に軍事的に協力するというようなための業務というものは行うことができませんし、また現在、先ほど申し上げましたが、機雷の掃海に関する業務は、昭和二十七年ごろに現在の海上自衛隊の方に引き継いでおりまして、私どもには掃海に適した船舶とか装備とかあるいは技術とかというものも保有しておりません。

野田哲日本社会党

○野田哲君 運輸省、それから防衛施設庁になるんですか、二つ伺いたいんです。  一つは、LSTに日本の従業員をかなり乗り込ませて、米軍の朝鮮半島への上陸作戦等にLSTの従業員として参加をしている。それからもう一つは、日本側が民間の船を借り上げた商船隊を編成をして物資等の海上輸送に当たった、こういう記録がありますが、この事実も間違いないと思うんですが、概要をちょっと報告してもらいたいと思います。

野尻豊運輸省船員局労政課長

○説明員(野尻豊君) 昭和二十五年の四月一日に船舶運営会から改組されました商船管理委員会が、アメリカから借りましたLST三十九隻につきまして軍需輸送を行っております。その際に、商船管理委員会に所属しております船員がこのLSTの運航に当たっております。

富田長治運輸省海運局次長

○説明員(富田長治君) 後の方の質問にお答え申し上げます。  終戦後わが国の商船隊はアメリカ軍の管理下にございまして、GHQの中に日本商船管理局というのがございました。それで、そのアメリカ軍の下部機関として先ほどの船舶運営会があり、あるいは日本商船管理委員会というものができたわけでございますが、それの主なる仕事は、先ほど課長が答えましたように、LST等の米貸与船の運航業務のほか帰還輸送業務等をやったわけでございます。ところが、朝鮮戦争が勃発いたしましたので、その下部機関が用船のあっせんをしたということを聞いております。したがいまして、これはあくまで運輸省そのものでございませんのでわれわれ詳細に承知いたしておりませんけれども、一番多いときに五十隻程度の船をMSTSと申します極東米軍輸送部隊に用船させるのにあっせんの労をとったというふうに伺っております。

野田哲日本社会党

○野田哲君 国鉄の関係を伺いたいんですが、国鉄は相当この朝鮮戦争当時米軍の人員、物資の輸送体制に、まあ協力をしたというのが適切かどうか、かなりやらされていると思うんですけれども、これは当時の朝鮮戦争に関連をする軍需輸送としてはどういう体制をとってきたわけですか。

原田秀実日本国有鉄道外務部長

○説明員(原田秀実君) 当時の体制といたしましては、総司令部の管下に第八軍がございまして、その第八軍の中に第三鉄道輸送司令部というのがございました。それと当時の日本国有鉄道の間の折衝によっていまおっしゃったような輸送が行われたわけでございます。貨物で申しますと、大体二十六年の四月の一日平均で言いましてざっと一万一千トンぐらい、旅客で申しますと、非常に波動がございましたが、動乱期間中約五百本の軍用列車を運転しております。

野田哲日本社会党

○野田哲君 この国鉄の輸送について、いついつどこそこから要員をどこへ何人運ぶとか、あるいは燃料とかあるいは弾丸等を輸送することについて、この事実が外へ漏れることについては米軍もかなり秘密保持に神経質になって、これは確かにそうでしょう、そこでかなり強い秘密保持の指令が出された。そして非常に危険な物資を運ぶのにも、日本の国内の基準法令等は全く度外視をして厳しい秘密保持によってやらされた、こういう状況の記録があるんですが、そのとおりですか。

原田秀実日本国有鉄道外務部長

○説明員(原田秀実君) 当時の記録が非常に不備でございまして正確なところはわかりませんが、刊行物によりますと、たとえばこういうようなことが記録されております。  危険物の輸送につきましては、原則として当時の国内規制によったと、米軍の解釈する危険物の範囲と国有鉄道のそれとが食い違っている場合が間々あった。その場合、米軍の定義による危険物がわが方の定義による危険物の範囲よりも幅が狭いことがしばしばあった。したがって、当方の解釈による危険物で向こうは危険物としてないもの、これについても国鉄の判断でこれを危険物扱いしたというような記録が残っております。

野田哲日本社会党

○野田哲君 防衛局長、いま朝鮮戦争当時の幾つかの事例、厚生省の報告なんか、日赤の看護婦さんの派遣とかあるいは海上保安庁の掃海部隊とか、商船隊とかLSTの乗り組みとか国鉄の問題と、いろいろ述べられたわけですが、この中で現行法でいつでも自由にできるものがありますか。

塩田章防衛庁防衛局長

○政府委員(塩田章君) ちょっとまさにいまからの検討事項でございまして、第一、米軍がどういうことを言ってくるか、それから前提として一番最初に外務省の課長からお答えいたしましたように、占領下の時代といまの時代とで違いますから、そういうこともございましょうし、それから具体的に米軍がどういうことを希望してくるかということをよく踏まえた上で検討をいたさないと、いまこの時点でどれが適当だとか適当でないとか、そういうことはちょっといまお答えできるような段階ではございませんので、御了承いただきたいと思います。

野田哲日本社会党

○野田哲君 いや、朝鮮戦争当時日本がやった行動が、いまの日本の法律で、いま述べられたような事項について法律上できることできないこと、これ区別すればどれとどれはできる、どれとどれはできない、こういうことにどうなるんですか、これは。

塩田章防衛庁防衛局長

○政府委員(塩田章君) 一つは、それがまさに検討事項だということと、もしそういうことを米軍が要求してきたらの話ですけれども、要求してきたら検討事項だということと、それからもう一つ、これはぜひ御理解いただきたいんですが、それぞれの法律の所管の省がございまして、窓口は当然外務省になると思いますが、御検討をいただくことになります。いまいずれも防衛庁の所管でございませんものを、いま私がこの法律は適当だ、これは適当でないということを申し上げることはちょっと御容赦いただきたいと思います。

野田哲日本社会党

○野田哲君 しかし、あなたのところと外務省の方とでやっていくわけですよ、これから極東有事研究をやっていくわけですから。他の省のことだから答えられないということは、これは一応遠慮をしているんだろうと思うんだけれども、私が判断をして、できるものはほとんどないと、いまの日本の国内法で。  そこで、ガイドラインに返るわけですけれども、五条条項で後方支援活動というのが五番目のところに書いてありますね。補給それから輸送、整備、施設と、こういうふうにそれぞれ四つの項目を挙げて後方支援活動を掲げているんですが、六条条項の場合の後方支援活動というのも大体これと同じことになるんじゃないかと思うんですね。この点はいかがですか。

塩田章防衛庁防衛局長

○政府委員(塩田章君) 事柄としまして同じようなことになるのかもわかりませんが、用語も使い分けておりまして、六条の方はあくまでも、自衛隊の場合でございますが、自衛隊の場合は便宜供与のあり方ということで、「基地の共同使用その他の便宜供与のあり方」と、こうなっております。それ以外には「日本が米軍に対して行う便宜供与のあり方」と、こうなっておりまして、後方支援活動という言葉を使っておりません。それはどういう趣旨かと申しますと、やはり六条というのは、あくまでもまだ日本としては日本の有事事態ではございませんので、御指摘——御指摘といいますか、申し上げるまでもなく軍事行動はできないわけです。直接的な軍事支援はできないわけです。そこで、そういう意味で、軍事支援行動に当たらない便宜供与ということで六条の方は用語を使っております。  五条の方は共同態勢でございますから、まさにこういったことをどうやってやるかということから掲げられております。その点も区別しております。これは、米軍が六条の関係でどういうことを期待してくるかまだわかりませんけれども、事柄としてここに書いてあるような補給だとか輸送だとか整備だとかというふうなことが問題になるんだろうとは思いますけれども、あくまでも便宜供与としてわれわれはどういうことができるかという観点からこれを受けとめていく、こういうことでございます。

野田哲日本社会党

○野田哲君 これはまだいろいろ範囲が大きいですから、とてもこの一時間ではこなし切れないし、また機会が近くあるようですから、引き続いて進めてまいりたいと思うんです。  防衛庁としては、これらの研究を進めていくに当たってガイドラインでこれからやろうとしていること、これを進めていくに当たって、本当にあなた方の方では自衛隊法を変えなくてもできると考えているんですか。これははっきり示してもらいたいと思います。

塩田章防衛庁防衛局長

○政府委員(塩田章君) 先ほど長官からもこの点はお答えを申し上げたとおりでございます。今度の研究はあくまでも現行法の法体系の中で行うということはしばしば申し上げたとおりでございまして、その点は御理解賜りたいと思います。

野田哲日本社会党

○野田哲君 それでは、現行法の枠内ということでいま言われたのですから、これから私どもも事態の推移を見守りたいと思います。

塩田章防衛庁防衛局長

○政府委員(塩田章君) 現行法といいますのは、その時点における現行法でございますから、きょう現在の現行法でないことは先ほど申し上げたとおりでございます。

野田哲日本社会党

○野田哲君 いや、その時点における現行法なら、重ねて聞きますが、いまある自衛隊法三条、これでできますかどうなんですかということを私は最後に伺いたいと思います。

塩田章防衛庁防衛局長

○政府委員(塩田章君) その時点の現行法ですから、現在の時点の研究においては現在の法律で研究をいたします、したがって自衛隊法の中で研究をいたします、こういうことでございます。

遠藤要自由民主党

○委員長(遠藤要君) 午前の質疑はこの程度とし、午後一時四十分まで休憩いたします。    午後零時四十一分休憩      —————・—————    午後一時四十四分開会

遠藤要自由民主党

○委員長(遠藤要君) ただいまから内閣委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、国家行政組織及び国家公務員制度等に関する調査並びに国の防衛に関する調査を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

峯山昭範公明党・国民会議

○峯山昭範君 それでは防衛庁長官に、先ほど所信もお伺いしましたので二、三お伺いしたいと思います。  初めに、長官が大臣に就任されまして、当時記者会見で述べられたこと並びにその直後新聞記者の皆さんにいろんなことをおっしゃっておりますが、その中から二、三お伺いしておきたいと思います。  いわゆる大臣就任の弁というのがあるわけですが、大臣の言葉はなかなか感銘を受けるようなすばらしい言葉をおっしゃっておりまして、これは原稿も何にもなしで日ごろからこういうふうに考えていらっしゃるとすれば、本当に大変なことだと私は思っているわけであります。  それによりますと、「二度と来ない青春の学生時代を軍国主義の中で育った私の原体験に基づいて、軍国主義大国の道を戻ってはならないし、通ってはならないと思っている。まず、政治がしっかりして質の高い防衛力を備えることが必要である。シビリアンコントロールの制度は整っているが、政治家の方にその認識が薄い」。ちょっと間があくんですが、「防衛問題は国民の意識から離れて、ひとりよがりのプロ意識でやるべきものではない。私の二十一年間の政治家の経験をぶちまけて、伊藤色のにじみ出る防衛政策を考えてみたい」、こういうふうな趣旨の発言を大臣はしていらっしゃいますが、特にこれは非常に大事な問題をおっしゃっております。私も、大臣がこのように日ごろから考えていらっしゃるとすればそれなりに評価をするわけでありますが、まず大臣はこの点覚えていらっしゃいますか。

伊藤宗一郎自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(伊藤宗一郎君) いま先生から御指摘を受けますと、大変ある意味においては責任の重いことを、それだけまた防衛庁長官としてなお一層努力しなければならない私なりの努力目標を申し上げたようなことでございまして、改めて長官としての責任の重さを痛感しております。

峯山昭範公明党・国民会議

○峯山昭範君 そこで、この中にも出てまいりますが、「ひとりよがりのプロ意識でやるべきものではない」と、これは大体どういうことを指していらっしゃるわけですか。

伊藤宗一郎自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(伊藤宗一郎君) 就任直後でございますから、具体的にどうということが頭にあったわけではございませんけれども、若干冒頭にも申し上げておりますように、私はいまちょうど五十八歳でございますけれども、五十八歳ということは、ちょうど昭和の年号と同時に育ってきたわけでございますから、物心ついたときから軍国主義、サーベルの音をいつも耳にするようなそういう時代に育ってまいりました。また、生まれが東北、宮城県でもございますから、よく親戚、友達、同級生等が、あるいはもちろん先輩でもございますけれども、満州事変その他で出征をして遺骨になって帰ってくるということを身辺にもう大変悲しみながら味わったものですから、これは一体どういうことだろう、やっぱり国を守るということはみんなで守らなければならぬのに、むしろ一将功成りて万骨枯るというような感じでもございましたし、もう少し国民の総意の中から国の防衛というものがあらねばならぬ、おれたちが守ってやるからおまえたちは黙っていろというようなことでなしに、国民の本当の理解と協力の中からこれからの日本の防衛というものがあらねばならぬ。まず基本は国民の皆様お一人お一人の国を守らねばならぬのだというそういう気概の中から、また理解の中から本当の意味での防衛というものがあらねばならぬのだろうかというようなことを思ったものでございますので、そういうようなことを含めまして、おれたちがやるからおまえたちは黙っていろというようなそういう国民を疎外したようなことであってはならないというような意味を申し上げたつもりでございます。

峯山昭範公明党・国民会議

○峯山昭範君 もう端的で結構ですが、総理も絶えず同じようなことはおっしゃっているわけです。防衛は国の存立にかかわる重大な問題であるだけに、国民的合意が形成され、その支援によって、その裏づけがあって初めて国の防衛というのは成り立つんだというようなことを総理もおっしゃるわけです。それで、いま大臣がおっしゃった中身、先ほど私が読み上げましたあれですが、「防衛問題は国民の意識から離れて、ひとりよがりのプロ意識でやるべきものではない。」このとおりだと私は思うんです。これは賛成なんです。  そこでもう一点だけ、これは一遍長官にどうしてもお伺いしておきたいんですが、シビリアンコントロールというのはどういうふうなものだと大臣はお考えですか。

伊藤宗一郎自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(伊藤宗一郎君) 制度として申し上げますならば、文民である防衛庁長官が制服の方々の上にあって、法律上の定めに従っていろいろの命令をするということ、そしてまた、その上にこれまた文民である内閣総理大臣が自衛隊の最高の指揮監督権を持っているということであります。そしてまた日本の防衛なりその他の防衛政策について国会の御審議でしっかりコントロールをしていただくということだろうと思います。それも、先ほど私申し上げましたひとりよがりのプロ意識で日本の防衛を進めてはならない。それは世界的にも言えることだと思いますけれども、日本が一度犯した大きな過ちを二度と繰り返してはならない。そういう意味でも日本にとっての防衛政策の本当の要諦は、やっぱりシビリアンコントロールは、どんな場合でもどんな時代になっても、どういう事態でも何としても死守、守っていかなければならない私は最大、最高のプリンシプルだというふうに考えております。

峯山昭範公明党・国民会議

○峯山昭範君 余り言葉じりをとらえては申しわけありませんので、要するに大臣のシビリアンコントロールという問題については、これから一つずつきょうは細かく詰めていきたいと思っているわけですけれども、大臣がいま最後の方でおっしゃったいわゆるシビリアンコントロール、ずっとせんじ詰めていきますと、これは私の手元にも、いままでシビリアンコントロールというのはどういうことかというのを国会でずいぶん議論しまして、ああいうことだ、こういうことだといっぱい書いてあるわけです。  いろいろありますけれども、拾い読みしましてもずいぶんありますが、「文民優位ということは当然国民優位であります。国民の意向や利益に反しては、自衛隊は一歩も動けないことであります」と、それから「文民優位ということは国会優位ですから、国会が健全である限りそのようなことは絶対に容赦しない」とか、いろいろずっといっぱいあるわけです。それで、結局こういうふうなものをいろいろとせんじ詰めますと、「市民の代表が国会であると考えれば、国会の統制というのが究極的な形ということになろう。」と、これは本の中にそういう論調で書いておるところもあるわけです。  したがって、この論調からいきますと、先ほどの大臣の答弁の中でシビリアンコントロールについてずっといろいろおっしゃった最後の方で、国会の審議でヨントロールするというようなお言葉がございましたが、まあ大体そういうようなことではないかと私も思っておるわけです。これはよろしいですね、そういうことで。

伊藤宗一郎自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(伊藤宗一郎君) そのとおりでございます。

峯山昭範公明党・国民会議

○峯山昭範君 そこで大臣、実はそういうふうなことを前提にいたしまして、これはもういままで何回も、今国会始まって以来衆議院の予算委員会等、現在参議院の予算委員会が開かれているわけでございますが、F4の試改修の問題ですね、これはやっぱりもうどう考えたって大臣がお考えの問題とはちょっと違うんじゃないか、これは大臣が言うひとりよがりのプロ意識でやるべき問題ではない、そういうふうな考えからおっしゃればこういうような問題は起きてはならない問題ではないのか、私こう思うんです、実際問題として。お隣に専門家の局長がいらっしゃるから、局長は自分ではようわかっているわけですよ。ようわかっていてみんないろいろ説明したわけですけれども、聞く方からすれば、それは専門家じゃないわけですからわからない点もあったわけですよ。ですから、そういう点から考えて、これは大臣にお答えいただきたいわけですけれども、こういうような問題はひとりよがりのプロ意識でやるべきものじゃないという大臣のこの言葉からすればこういう問題は起きてはいけない問題ではないのか、こう思うんですが、大臣どうですか。

伊藤宗一郎自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(伊藤宗一郎君) まず、今回のことにつきましては、これも何度も申し上げましたし、繰り返しになるわけでございますけれども、これからF4を延命をしたい、延命をするからにはある程度の能力アップもしたい、その一つの中で爆撃機能の問題も付随的に追加されるということでございまして、それなりのいろいろの検討の結果、最終的には防衛庁長官が、言われておりますような他国に侵略的、攻撃的な脅威を与えるおそれはないものとの判断のもとに予算も計上し御審議をいただいておるわけでございますけれども、したがって、その点では私はシビリアンコントロールの原則というものは守られてまいったというふうに確信をしておりますし、その確信のもとにただいま御審議もいただいておるわけでございますけれども、その後衆議院の予算委員会また参議院の予算委員会、また本日ただいま峯山先生からも御指摘がありましたように、このように御論議があった、また現にあるということに深く思いをいたしますならば、もう少し詳しく御関係の皆様方に、言うならば国会にもう少し詳しく御説明を申し上げておけばよかったなというまじめな反省は正直持っておるわけでございます。

峯山昭範公明党・国民会議

○峯山昭範君 大臣、そこへ書いていらっしゃる答弁書にそう書いてあるのかもしれませんが、私そんなむずかしいことは何も言うていません。ですから、要するに大臣がおっしゃるように防衛問題というのは、さっきから何回も言いますように、国民の意識から離れてひとりよがりのプロ意識でやるものじゃないと、大臣もプロかもしれませんが、お隣の局長は物すごくプロなんですよ。私は素人なんです。大臣も素人でしょう。その素人と素人といまやっているわけですから、玄人の議論を出さなくていいわけです。  要するに、そういうひとりよがりがいかぬという考え方からいけば、実際総理の本音というものは、やっぱり大臣がさっき言ったように、F4を改修すれば、私は改修して経費節約をするとは聞いていたが爆撃装置をつけるとは知らなかったとか、現実にそういうような、それに近いような類する発言があるわけですから、防衛庁長官、前の大村さんが当時官房長官も同席して説明したときのいわゆる説明の要旨も新聞等に報道されていますけれども、そういう専門的なことはいいわけです。実際はひとりよがりの説明があったから大臣もはっきりわからなかったんだし、われわれこれ内閣委員会でここでも議論したわけですけれども、当時中身まで詳細にわからなかったわけです。ひとりよがりだったわけです、実際問題として。だから、ひとりよがりじゃいかぬというシビリアンコントロールという面からいけば、きちっとした歯どめがあって、本当にそのとおりになっておれば、こういうことは起きてはいかぬことなんです。説明不足だったということは起きてはいかぬことでしょうと言っておるわけです、ぼくは。むずかしいこととは違うんですよ。ほかのむずかしいことを言っているんじゃなくて。そうでしょう、実際問題として。

伊藤宗一郎自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(伊藤宗一郎君) さっきも申し上げましたとおり、説明不足があったということは認めさしていただきますし、またその点に関しての反省は深くいたしております。

峯山昭範公明党・国民会議

○峯山昭範君 どうも余りむずかしくお考えにならないで、素直にすっとおっしゃっていただいて結構ですから。  それで、実はそれに関連をいたしまして、きょうはF4の問題にこれから入るわけでありますが、まず長官、F4には爆撃装置は施さない、施さしめないとか、当時ずいぶんいろんな議論があったわけですが、こういうことを発言されたいわゆる増田長官の発言を委員会で聞かれた記憶が大臣はあるかどうか私は知りませんが、もう二十一年間議員をやっていらっしゃるわけですからもしかしたらあるかもしれませんが、大臣の当時の記憶ですね、そういうふうなものがあるのかどうか。  あるいは増田長官の決意というのは、ただ単に、いま言われておりますように、爆撃装置はつけないというふうに、私たちはそっちのところに主点を置いて議論を進めておりますけれども、また先日の防衛庁の統一見解によりますと、長官の先ほどから読んでおられます「わが国は他国に侵略的、攻撃的脅威を与えるような装備は持たない」ということと、爆撃装置をつけないというとと。これは政府の統一見解によりますと、増田長官の真意は、「他国に侵略的、攻撃的脅威を与えるような装備は持たない」という点に主眼が置かれて、それでその上でこのF4に爆撃装置はっけないと、こういうふうになっておるわけですね。  ところが四十三年のこの議論というものをひっくり返して読んでみますと、これはもう総理大臣の答弁にしても何にしてもそれはすごいわけです。要するに、とにかくF4を採用すると、したがって他国に侵略的、攻撃的な脅威を与えないということはもうこれは国の基本的な問題であって、この問題を前提にしてもちろんこういう議論があるわけでしょうけれども、いわゆる爆撃装置をつけないということでF4採用のための議論が集中してあるわけです。その中身は、政府の統一見解を読んでみますと、たった一回、こういうような増田長官の答弁というのがあったようにありますけれども、実際はそうじゃなくて、当内閣委員会におきましても昭和四十二年ごろから四十三年にわたりまして衆参の内閣委員会、予算委員会、決算委員会等で、何回となく増田長官の決意として、あるいはその当時の発言としてずっと出ているわけです。それは一回や二回の問題じゃないわけですね。  しかもそれだけじゃありませんで、何と言いますか、増田長官の発言の中にも、これは増田長官だけの発言じゃなくて、こういうのもあるわけです。「そこで私と総理大臣と」と、「私」というのは増田長官です。「私と総理大臣と話が合っており、皆さまに申し上げた責任ある結びは、戦闘機を採用する場合にかりに足が長くても爆撃装置は施しません、総理大臣も同じく私の言うことを、増田の言うとおりであるとは言わずに、爆撃装置は施しませんということばを重ねております。」というふうに、ややこしいことをいろいろ言いましたけれども、要するに増田長官の発言というのはただ一回の発言ではなくて、総理大臣の言葉等も踏まえてもう相当何回にもわたっている答弁であり、しかもこの問題について増田長官は、総理大臣の答弁の後にも、与野党ともにこの爆撃装置をつけるという問題について監視をされて私どもを見ていただきたいと、こうおっしゃっているわけですね。  だから爆撃装置をつけるには、少なくともこれだけ国会で議論され、しかもシビリアンコントロールという問題が重要であるという点からいたしますと、これは、国会でこの問題について試改修をしたいのだというふうな議論なりあるいはそういう発言があって、少なくとも国会の了承を得て今回のこの問題が取り上げられるというのが常識論じゃないか、実際そう思うのですね。  ずっといろいろ申し上げましたが、長官、長い間議員をやっておられて、場合によりましたらその長い間の議員生活の中では増田長官の発言を聞かれた場面もあるかもわかりません。あるいは本会議等でそういう発言があったのを聞いたことがあるかもわかりませんが、ただ単に増田長官の発言でぱっと一回だけこういうふうに言ったんじゃない、そんな簡単なものじゃないという認識のもとに、この問題について大臣の御見解をお伺いしておきたいと思います。

伊藤宗一郎自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(伊藤宗一郎君) 増田長官並びに総理を含めまして、その時点で爆撃装置を施さないということを申し上げておりますことは、その時点でもまたその後の議事録の勉強に際してもよく存じております。ただ、爆撃装置を施さない、なぜ施さないかということを言ったかということを追求していきますならば、再三先生も私も引いております他国に侵略的、攻撃的な脅威を与えるおそれのあるようなものは施さないんだということから出発をして爆撃装置は施さないということになっておるわけでございまして、この方針については依然として変わりはないのでございます。  ただ、そういう方針を堅持をしておりますけれども、その方針の具体的な適用の仕方についてはいろいろな情勢の変化によって変わり得ることもあるのではないか、年限的にもその他の情勢の変化によっても変わり得ることがあるのではないかというようなことで今回試改修を試みまして、その予算を計上し、国会の御論議の中に置いていただいているということでございます。  したがいまして、われわれとしては、シビリアンコントロールというものは貫かれておりますし、またいずれこの試改修が成果を見まして、またその成果を踏まえまして大量の改修をする場合においては、国防会議、また予算の問題で国会の御審議をちょうだいするということでまいらしていただきたいというのが、いま私どものこの問題に対する態度であるわけでございます。

峯山昭範公明党・国民会議

○峯山昭範君 大臣、先ほど私がずいぶん長い間しゃべりましたけれども、要するに増田長官の発言というのは、たった一回国会でぺらぺらとしゃべった問題ではないということ。さっきシビリアンコントロールというのは、終結は要するに国会審議でコントロールするということであるという大臣の答弁もあったから、わざと控えてそれを踏まえて言っているわけですが、国会の中であれだけ議論になり、総理もそれを踏まえて答弁をしている、その国会審議の重みというものを大臣はどう考えているかということなんです。そんなものは全く無視して、要するに他国に攻撃的、侵略的脅威を与えないような技術的な問題で解消されてきたからもうつけてもいいんだと、そういうわけにはいかないんでしょうというんです。技術的にどうなろうと、国会であれだけ問題になった問題である、しかも総理もそれを踏まえて何回も答弁をしておる、これはやっぱり国会にきちっと筋を通して話をしないとどうしようもならない問題ではないか、そういう判断をして防衛庁としてはそれにきちっと対応しなければいけないんじゃないかということなんです。これはどうなんですか、大臣。

伊藤宗一郎自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(伊藤宗一郎君) そうでございますので、増田長官の方針なり発言の重みは重々防衛庁としても身に体しております。ただ、繰り返して申し上げますけれども、その増田長官が爆撃装置を施さないということを言ったゆえんのものは、その時点において他国に侵略的、攻撃的なおそれのあるものと判断をされて爆撃装置は施さないということにしたわけでございまして、他国に侵略的、攻撃的な脅威を与えるおそれのあるものは施さないという方針は変わりありませんけれども、その方針の具体的な適用のあり方、対応というものは、いろいろの条件、情勢の変化で変わってもいいのではないかということで、われわれはいろんな軍事技術の変化等も考えまして、今回試改修はやらしていただいて、もう他国に侵略的な攻撃的なおそれを与えるものにはならないんじゃないかと。しかも一機の試みでもありますし、大量の場合においては国防会議で御審議もいただき、また国会でも御審議をいただくということで今回の対応をぜひひとつお認めいただきたい。  しかし、先ほども申し上げましたとおり、今回の時点で衆議院の予算委員会、参議院の予算委員会また本日も内閣委員会等で御論議があるということを思いますならば、さっきも申し上げましたとおり、やはり国会の御発言の重み、また御論議の重みということを重ねて考えますならば、もう少し詳しく御説明をすべきであったと、しておけばよかったのではないかというような反省はさっきも申し上げましたとおり持っているということは事実でございまして、今回のことを一つの大きな反省の糧として、私自身も先ほど御指摘いただいておりますとおり、やはり国民の理解なり支援なり、また御理解がなければ、仮にどんなりっぱな戦闘機をつくっても、どんなりっぱな自衛隊をつくり上げても本当の力にはならないわけでございまして、その原点に返りますならば、ますますやはり防衛庁としても虚心坦懐に国会を通じまして国民の皆様方にもう少し詳しく御説明をする努力をなお一層積み重ねていかなければならぬという心構えでおりますということで、ぜひひとつ御理解を賜りたいと思います。

峯山昭範公明党・国民会議

○峯山昭範君 大臣、いろいろとしゃべっておられまして、最後の方になれば多少国会審議の重さということをおっしゃっておりますけれども、口でおっしゃっているだけで、実際は本当にこれ無視されているという感じになるわけです。大臣、それじゃ増田長官の発言は今日においても変更する意図はない、しかし国会やいろいろなところでもう少し説明すればよかったと、こうおっしゃってはおりますけれども、それじゃもう少し増田長官の発言の問題で突っ込んでみますと、その点だけですけれども、要するに他国に侵略的、攻撃的脅威を与えるような武器は用意しないという考え方、見解というのは、これは国の基本的な考え方なんでしょう。どうですか。

伊藤宗一郎自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(伊藤宗一郎君) 国の基本的な考え方でございます。

峯山昭範公明党・国民会議

○峯山昭範君 これは不変的なものですね。

伊藤宗一郎自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(伊藤宗一郎君) 変わらないものでございます。

峯山昭範公明党・国民会議

○峯山昭範君 そうしますと、それは他国に侵略的、攻撃的脅威を与えるという、不変的なものですから、増田長官の発言というのはそれを取ってしまうと何になるかというと、F4に爆撃装置をつけないというそれしか残らないんじゃないですか。そうでしょう。増田長官の答弁を変更しないとあなたはおっしゃっていますけれども、攻撃的、侵略的脅威を与えるような武器は持たないというのは、これは不変的な考え方でしょう。そうすると、あとに残るのは爆撃装置をつけないというのだけじゃないですか。つけないというのをつけるようになるんですから、増田見解、何にも空っぽ、がらがらじゃないですか。ということは、逆に言えば増田見解は修正され、もうなくなっているわけじゃないですか。どこを何を変更しないのですか。他国に侵略的、攻撃的脅威を与えないと、それはもう不変的な国の基本的なものだといまおっしゃったじゃないですか。そうすると、あとには増田見解の何が残るんですか。攻撃的な爆撃装置はつけないというのがF4につけることになったわけでしょう、今度、あなた方は。何が残っているんですか。

塩田章防衛庁防衛局長

○政府委員(塩田章君) 先ほど長官からお答えいたしましたように、基本的な方針としまして、他国に侵略的、攻撃的脅威を与えるような装備は持たない、これはもう不変なものと私たちも理解をいたしております。  問題は、当時増田長官の発言の趣旨は、そういう基本方針をまず踏まえた上で次期戦闘機——当時における次期戦闘機でございますが、結果はF4になったわけでございますが、次期戦闘機には、いまのような他国に侵略的、攻撃的脅威を与えるような誤解を生じかねないようなそういう爆撃装置は施さないということを言っておられるというふうに、全体的にそういうふうに受けとめておるわけでございます。  そういう観点から申しますと、基本的な方針は当然不変なものといたしまして、今度問題になります爆撃の計算装置というものは、当時考えたように、これは他国に対してそういった誤解を生じかねないようなものかどうかということを判断いたします場合に、これまた先ほど防衛庁長官からお答えいたしましたように、その後の軍事技術の変化、発展といったようなことを考えました場合に、現時点において今回のような計算装置を付与することが他国に侵略的、攻撃的脅威を与えるようなおそれを生じせしめるといったような心配はないだろうというのが今回の時点の防衛庁としての判断でございまして、そういう意味におきまして、増田長官の見解に何といいますか異なった立場をとったものではない。  ただ、先生がおっしゃいますように、当時とにかく計算装置を落としたわけですから、今度計算装置をつけるわけですから、そのこと自体をつかまえれば変わっているんじゃないかということをいまおっしゃいましたが、それはそのとおりでございますが、その間において時代の変化等を考えれば、今回の計算機能を付与することをもって他国にこれこれのおそれがあるものとは考えられないということ、私どもはそういう立場をとっているわけでございます。

峯山昭範公明党・国民会議

○峯山昭範君 いや、それは局長、そういうのはあきませんで。いまおっしゃることはわからぬでもありませんが。しかし、いずれにしてもあなた方が増田長官の答弁を変更したかどうかということについては、基本的な方針は今日においても変更する考えはないと言っているけれども、実際は中身は何にもないじゃないかと、一〇〇%も変更してしまっているわけですから、実際問題として。どうしてもっとはっきり物を言えないんですか。きちっと変更するならする。もうちょっとわかりやすく、素人に。局長、僕ら素人です。ですから素人に、われわれにわかりやすく言うてほしいわけです。わかりにくい議論をしているからいつも難儀するわけです。われわれは専門家じゃないわけですから。そういうふうな意味では、これはもうわれわれはどうしようもないわけです。この点、もう一つ時間がありませんから次へいきますけれども。  これは、さっきこの問題で、国会の審議の問題についていろいろ言いました。これは局長はどう考えているんですか。国会でこれだけ議論されましたね、四十二、三年当時は、もう内閣委員会や法務委員会等でもありましたし、予算委員会でもありましたね。あれだけ議論されて総理も答弁をされ、あれこれありましたね。たとえ試改修とはいえ、この間からの統一見解でも、大量生産になれば国防会議にかけ云々ということを言っていますが、そういうことじゃなくて、やっぱりこれだけ議論されたものについては、もう少しわれわれの前にわかるように提示していただきたいと私は思うんです。それが非常にわかりにくいところで議論をされて、そしてひょんなところから出てくる、それでは非常に困るわけです。  そういうふうな意味では、もう少しわれわれの国会の議論の重要性というものを踏まえて、少なくとも内局の防衛局長がその任にあるわけですから、そういう人たちが、この間ここでこういうふうに議論になったこの問題については、今度われわれとしてはこういうふうにするんですよ、よろしいなと言って念を押すぐらいのことをやっていただかないと、われわれは突っ込まれることをそれだけすることないんやと、そうお考えになるかもしれませんが、それでは困るわけです。そういうふうな意味では、もう少しわかりやすく提示していただきたいと思うし、国会審議の重要性というものを認識していただきたいと私は考えるんですけれども、これはどうですか。

塩田章防衛庁防衛局長

○政府委員(塩田章君) 先ほど大臣からも申し上げましたが、いま御指摘の点が、まさに私どもとして今回のことを振り返ってみましてまことに申しわけなかったと考えている点でございます。先ほど来申し上げておりますことは試改修そのもの、今回の試改修そのものは防衛庁長官の判断として国防会議にもかけずにやらしていただいているわけでございますが、そのことと別に、このF4の爆撃装置の問題については当時あれだけの議論があったことでございます。当時あれだけの議論のあったことを踏まえて考えてみた場合に、これを提案するに当たっては事前に十分各方面に御説明をすべきではなかったかという点が、私どもといたしまして今回のことを通じまして最も深く反省をいたしておるところでございまして、その点につきましては、先ほどから大臣からもお答え申し上げたとおりでございます。

峯山昭範公明党・国民会議

○峯山昭範君 確かに、いまの答弁の中でもこれは問題点が幾つかあるわけです。これは官房長官の統一見解の中で、いわゆる長官の考えで試改修はできるのかどうかという問題があるわけですね。これは後ほどやるとしましても、もう少し細かくそれじゃお伺いしておきたいと思います。  長官、大臣に就任されまして、このF4の試改修の問題について大体どこら辺の時点で大臣には御説明があったのですか、事務当局から。

伊藤宗一郎自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(伊藤宗一郎君) 私は、十一月の末日に防衛庁長官に就任をさしていただきまして、早速すでに五十七年度の予算、概算要求は出ておりましたけれども、いよいよ予算折衝に入るわけでございましたので、予算折衝に臨むための事務当局からの説明として、五十七年度の業務計画案の説明があり、また予算折衝に臨むためのわれわれのいろいろの打ち合わせ等の段階で事務当局から説明を受けております。

峯山昭範公明党・国民会議

○峯山昭範君 大臣も何回かいままでお聞き及びのとおり、総理の試改修についての説明について、新聞報道ですから多少正確でないかもしれませんが、総理の発言を要約いたしますと、F4を改修すれば一機十億程度で耐用年数を十年ほど延ばせるというし、戦力アップにもなると思うので、行革の折でもありF15を新しく買うよりは結構なことだと思ったと、こういうふうに総理は新聞報道の中で述べておられます。この言葉のとおりであるとすれば、総理には、F4の試改修についてのいわゆる事の本質といいましょうか、これは何にも説明をしていない。たとえば昭和四十二、三年ごろ増田発言についてこういう問題が相当国会で議論されたのだと、こういうことだったのだということは総理にも説明してない。ただ耐用期間が延びると、また行革の折でもあり費用が安くて済むと、だからそういうところに説明の要点がすりかえられているのじゃないか。  大臣、これは率直にお伺いしたいのですが、実際問題として大臣に説明があったとき、四十三年当時の説明については当時どうだったのですか。

伊藤宗一郎自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(伊藤宗一郎君) 先ほど申し上げましたとおり、私は十一月の末に就任をし、早速予算に入ったわけでございまして、その時点で、さっき申し上げましたとおり、五十七年度の業務計画案の説明を受け予算に取り組みました。そのときの説明、さらにまたいよいよ国会ということでございまして、国会の前の想定問答の説明等に当たりまして、この試改修についても当然説明を受けまして、その中でレーダーの換装、セントラルコンピューターの装備等により要撃能力が向上するほか対地攻撃能力も向上すると、しかしこの場合でも、かつて取り外したような対地攻撃専用装置を持つわけではなく、軍事技術の発達をも考慮するならば、他国に侵略的、攻撃的脅威を与えるようなものとの誤解を生じさせるおそれはない旨、増田元長官の発言との関連で説明を受けました。  そういうことを踏まえまして、私も、再三申し上げましたわが国の基本的な普遍的な防衛政策にのっとるものであるし、本件の試改修を行うことが必要と判断をいたしまして、すべに五十六年度からの引き続きの問題でもございますので、五十七年度予算にも所要の経費を計上することにして今日御審議をいただいているということでございます。

峯山昭範公明党・国民会議

○峯山昭範君 それは大臣、想定問答の中で説明を受けただけだと、いまの大臣の答弁だとそうですね。想定問答というのは、予算委員会とかいろいろなところで大臣が答弁するためにつくる想定問答でしょう。この試改修について、正式にきちっと事務当局から説明はなかったのですか。総理大臣の答弁は、さっきも言いましたように、行革の折でもありF15を新しく買うよりは結構なことだというふうな意味の、先ほども一番初めに言いましたよね、官房長官の立ち会いで大村長官と一緒に説明が総理にあったわけです、大臣じゃなかったわけですけれども。大臣が就任になってこの試改修という問題についてきちっと説明がなかったのかということです。それは想定問答というのは説明じゃありませんよね、大臣が答弁するためのものでしょう。それは、想定問答あるのかないのか知りませんけれども、大臣、想定問答とおっしゃっていろいろおっしゃったから、想定問答の中にそういうものがあったわけですな。

伊藤宗一郎自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(伊藤宗一郎君) 先ほども申し上げましたとおり、予算に臨むための五十七年度の業務計画案、さらに国会前の想定問答等の説明に際しまして、私はさっき申し上げたような内容でこの問題の説明を事務当局から受けております。

峯山昭範公明党・国民会議

○峯山昭範君 そうすると、F4の試改修については、大臣は事務当局から正式にこうですという説明は受けてないわけですか。

塩田章防衛庁防衛局長

○政府委員(塩田章君) 先ほど来長官からお答えを申し上げているとおりでございますが、繰り返しになるかもしれませんが、長官が大臣に就任されましてすぐ予算問題に入ったということで、予算要求の中身を御説明を申し上げたわけでございますが、その際に、いわゆる前大臣からの引き継ぎということで業務計画案、これももちろん御説明を申し上げ、予算概算要求案の御説明を申し上げた。しかし、想定問答は、その後一月の終わりになっていよいよ予算委員会が始まるということで想定問答の勉強はいたしたわけでございますが、どうしても、先生これは御理解いただけると思うのですが、業務計画書の説明でありますとか、あるいは予算書の説明でありますとか、これら個々具体的な問題よりも、全体をさあっと説明をいたしますので、やはり大臣によくのみ込んでいただくためには、個々の問題を御説明申し上げる、それが想定問答という形はとっておりますけれども、大臣に防衛庁のいまの当面しておる問題を一番よく理解していただく一つの手立てといたしましてそういうことをやっておりまして、御就任以来予算委員会までそんなに時間がございませんものですから、そういう点からいきましても、大臣に御納得いただくのに一番いい方法ではないかということで、当面しておる問題点の中の個々の問題点という形でそれを取り上げて想定問答という形で御説明をいたしておりますので、これは先生の御指摘のように、それは正式な説明ではないと、それは国会に対する問答の勉強会じゃないかというふうに受け取られるのもごもっともだと思いますけれども、それが実は私どもとしては一つの内容を詳しく御説明申し上げる一つの機会であるということで御説明申し上げたわけでございますので、その点は御理解いただきたいと思います。

峯山昭範公明党・国民会議

○峯山昭範君 そういうふうにして結局、長官、こういうふうな問題は、これは本当はもう少し詳しく一つずつ——想定問答はいま局長のおっしゃるとおりだと、私はそう思っているわけです。思っているけれども、実際問題としてこのF4の試改修の問題についてどういうふうに話が進んでいき、どうなったのかと、しかもこれが防衛庁長官サイドで試改修の問題が全部できるなんということになってくると、これは大変なことになってくるわけです。私たちはいまでもそれができるとは思っておりません、実際問題として。したがって、これを長官に対してはどういうふうにこの説明があったのかということを詳しく説明を聞きたかったわけですけれども、実際はその想定問答の中で大臣にわかりやすいようにするためにそうやったということで、それが説明になっているわけですな、これ。  それからもう一つは、大村長官からはこの問題についてはどういうふうな引き継ぎがあったんですか。

伊藤宗一郎自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(伊藤宗一郎君) 引き継ぎをいたしましたけれども、この問題を特にピックアップしての引き継ぎはございませんでした。

峯山昭範公明党・国民会議

○峯山昭範君 そういうふうにずっとなってまいりますと、局長、やっぱり事務局——長官を補佐する立場の事務次官なりあるいは局長なり、周りの人たちの考え方によってすべて左右されてしまうわけですよね。これは非常に私は大変な問題だと思うんです。それで今度の問題、これは何回か長官もおっしゃっていますし、局長もおっしゃいましたが、説明が不十分だったとかあるいはどうこうすべきだったというふうなことをおっしゃっていますが、これはやっぱり責任がきちっと出てくるんじゃないですか、責任問題になるんじゃないですか、この問題。これは長官自身も説明をきちっと受けなかった責任もあるかもしれませんが、これはやっぱり大変な問題になってくる。責任問題については長官はどういうように考えていますか、この問題。

伊藤宗一郎自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(伊藤宗一郎君) 先ほど防衛局長自身も申し上げたわけでございますけれども、また私も再三申し上げておりますとおり、また先生のお言葉をそのままお借りさしていただくならば、国会の御審議の重み、また増田長官の再三再四の御発言等々を考えますならば、やはりもう少し詳しく特に問題提起のような形で御説明を申し上げておけばよかったし、またそういう流れをつくるべきであったというふうな反省は、私を含めまして防衛庁で持っておりますわけでございますけれども、本試改修につきましては、再三申し上げておりますとおり、防衛庁長官の権限と責任の箕囲内で行えるものと考えておりますし、また、その時点での防衛庁長官に御説明をし、その御決定を受けての今回の予算計上となっておりますので、事務当局に特段の責任があるものとは考えておりません。  ただ、またもう一回繰り返しますと、もう少しやっぱり国会の御審議の重みというものを、防衛庁当局が今後の防衛行政の運営の問題で国会審議の重みというものを、二度とこういうような混乱を招かないような形で防衛行政の運営のために取り組んでいかなきゃならぬということは、防衛庁長官としてぜひ事務当局にしっかりとひとつ肝に銘じてもらえるように今後指示をなお一層強化をしてまいりたいと思っております。

峯山昭範公明党・国民会議

○峯山昭範君 これはもう防衛庁の長官の権限、職務の範囲内と、こういうふうにおっしゃっておりますけれども、この問題はまだまだ納得できる問題ではありませんし、きょうは時間の関係もありますので、この次の機会に譲りたいと思います。  それから、今回のこの問題につきましては、これは昭和四十二年当時から、爆撃装置をつけるということにつきましては、局長、これは前から制服の皆さんはそう希望していたわけですよね、実際問題として。機会があれば何とか増田発言を撤回して、そして、できたらなし崩しにしてこの装置をつけたいと、そういう希望があるやに、それはもう何回も新聞にも出ておりますし、聞いておりました。また防衛庁のいま皆さんが、統一見解やあるいは局長がおっしゃっているF4に今回の装置を施した理由と、それから空幕長が発言をしている中身とは、ちょっとやっぱり食い違っているように私は思いますが、この点についてはどうなんですか。

塩田章防衛庁防衛局長

○政府委員(塩田章君) まず、前段でございますが、昭和四十二年、三年当時、F4を導入するに当たってこういう装置を外すか外さないかという問題が起こった当時に、制服組としましては外さないでほしいという希望があったということは私も聞いておりますし、恐らくそうであったろうと思いますが、その決定した後、特にこの問題について制服組が希望しておるというふうには私は承知いたしておりません。  それから、今回の試改修の問題につきまして、空幕長の主として記者会見での発言をとらえておられるんだろうと思いますが、記者会見での発言と私の国会等での答弁とが食い違っているではないかという御指摘でございますけれども、これもよく空幕長の記者会見の会見内容をずっと詳細に読んでみますと、私は別段食い違ってはいないというふうに考えておるところでございます。

峯山昭範公明党・国民会議

○峯山昭範君 そこのところもこの次の予算の審議のときに詳細やりたいと思います。  それから、先ほどの防衛庁長官の権限の問題と絡みまして、もう一点だけお伺いしておきたいと思うんですが、局長、今回の改修は一応一機を目標にしていますね。そうしますと、量産に自信のついた時点で正式に国防会議に諮ると、そして現在やっておるのは防衛庁長官限りで決定したと、これは官房長官もこう言っているわけですね。そうしますと、これはやっぱり、ただ単に——装備そのものが変わるわけですね。そういうふうな意味では一機のときから国防会議にきちっとかけると、そこのところはもうはっきりしておかないといけないんじゃないでしょうか。長官の権限というものがそんなに大きいのかどうか私は知りませんけれども、いずれにしても初めにきちっとしておかないといけないんじゃないか。  しかも防衛庁の統一見解の、先ほどの防衛庁長官が読み上げましたこれによりますと、初めから全部つけたいという意向はあるわけですね。初め一機だけというよりも、要するに今度の改修は全部つけたいという意向が初めからあるわけでしょう。そういうふうな意味では、これはただ単に一機だけというあれじゃないんですね。試改修ができるなら全部やりたい。だから一機だけというのはごまかしなんでしょう、実際問題として。ですから初めから全部やりたい、そこに焦点があるわけですから、これはやっぱり本末転倒しているんじゃないでしょうかね。  ですからこれは、基本的には、この問題はただ単にF4の試改修という問題だけではなくて、防衛庁のいろいろな装備について、これからこうしたい、ああしたいといういわゆる制服の皆さんやいろいろな希望がある。そうすると、どんな問題でも、いわゆる試改修と称して長官の権限で何でもできるということにエスカレートする可能性があるんじゃないか。こういう問題にも発展していくわけですけれども、こういう点はどうですか。

塩田章防衛庁防衛局長

○政府委員(塩田章君) 御指摘のとおり、今回は一機の試改修でございますが、初めから全部つけたいという意向があるのではないかということでございますが、これはもちろん試改修、試みの改修をやります以上は、改修について成功することについてのめどといいますか目算といいますか、そういうものは当然あるからこそ踏み切りたいと考えておるわけでございますが、しかし、やはりそうは言いましても、やってみなければわからない試改修であることもまた事実でございますし、また同時に、この技術的な成功というのみでなくて、やはり費用対効果ということも将来の時点では考えなくてはならない大きな問題であります。  そういう意味で、初めから確かに私ども、できましたら将来百機程度やりたいという願望はもちろん持っております。持っているからこそ踏み切らしていただいているわけでございますが、しかし、現在の時点においてはやはり試みの改修であり、これがどうなるかについて必ずしもいまの時点で確定的に申し上げることができるものでもないということも、これはぜひ御理解をいただきたいと思います。  そういう点から申し上げまして、この間の、俗に言われます統一見解という防衛庁のお答えの中でお示しいたしましたように、今回の試改修は代表機一機について行うものであるから、防衛庁長官の判断でやらしていただいて、そうしてこれがもし成功しました場合には、費用対効果ということも十分検討の上で量産改修についての時期に国防会議にかけるということで、これはあるいは先生と見解が異なるかもしれませんけれども、私どもとしてはそういう立場で今回措置をとらしていただいたわけであります。

峯山昭範公明党・国民会議

○峯山昭範君 これは、やっぱりそれを逆さまにして、局長、今回は説明不足だったとか、いろいろ先ほどおっしゃっておりましたけれども、これは国防会議なり何なりにきちっとかけて、しかるべきところで手続をきちっとして、それからその試改修にかかってきちっとする。それがやっぱりこれからの手続の本筋じゃないんでしょうかね。これについてはどうお考えなんですか。

塩田章防衛庁防衛局長

○政府委員(塩田章君) 何回も申し上げるようでございますが、今回のケースは昭和四十二、三年当時以来いろいろの時点で問題になったケースであるということについて、私どもが十分配慮しなかったということは深く反省をいたしております。そのことについては先ほど来お答え申し上げておるところでございますが、事柄としての試改修自体は、これは一機の試改修であり、先ほど申し上げましたような防衛庁長官としての判断でやらしていただいてよろしい事柄ではないだろうか。ただ、その事柄が、今回の場合は、そういう国会でのかつての議論を踏まえた問題であるので御説明が不足であった、もう少し詳しく御説明すべきであったというそういう反省を私ども非常に深くいたしておりますけれども、事柄としては一応別の事柄で、防衛庁長官の権限として国防会議にかけずに今回の試改修に踏み切らしていただいたことは、別の事柄として御理解を賜りたいと思うわけであります。

峯山昭範公明党・国民会議

○峯山昭範君 なるほど、大体わかってきましたね。結局いま深く反省しているとかいろいろおっしゃっているのは、昭和四十二、三年当時に国会で相当議論をされたことについて、いわゆる国会に報告し、相談し、いろいろしなかったことについて深く反省しているのであって、試改修そのものについては、これは防衛庁内の長官の権限としてやらせてもらいたいと、こういうことですな。  それで、そうだとすると、私はこれ先ほどもちょっと申し上げましたけれども、その試改修という問題については国会で問題になるということもありますし、あるいはそうならないにしても、試改修という名目なら、それじゃ高度な技術導入、いろいろな問題ありますね。それは結局防衛庁の中では何でもできる、こういうことになってくるわけですけれども、その問題について、試改修についての歯どめか何かあるんですか、防衛庁の中では。

塩田章防衛庁防衛局長

○政府委員(塩田章君) 防衛庁長官限りの権限でできると申し上げましたが、それでは歯どめはどこかということでございますが、現在防衛庁長官の上の判断としましては、当然国防会議があるわけでございます。国防会議にかける事項につきまして、御承知のように法律並びに閣議決定がございますわけでございますが、一機の試改修の今回のケースを考えてみた場合に、国防会議にかけるべき事項であったかどうかということにつきましては、私どもは先ほど来申し上げておりますように、国防会議にかけるべき事項ではなかった、かける必要はなかったというふうにその点については判断をいたしておるわけでございます。歯どめにつきましては、国防会議付議事項というものがございますので、そこの点の運用に係る問題ではないかと思います。

峯山昭範公明党・国民会議

○峯山昭範君 局長、それは議論は逆さまですよ、やっぱりどう考えたって。要するに国防会議にきちっとかけて、そしてそれから試改修して、きちっとして筋道立てた方がいいじゃないですか。そうでないと、要するに一機一機とおっしゃっていますけれども、一機でも十億かかるわけです。一機試改修して成功したと、それでそれから国防会議にかけたらだめになったら、それは十億パーじゃないですか、要するに。そういうような意味で言えば、初めからこれは装備が大きく変わるわけですから、航空機百何十機という、百機以上の航空機が、いままで国会でもさんざん議論になった爆撃装置つけちゃいかぬというのは多少当時とは技術的に変わったにしても、装備全体がばっと変わるということでしょう。ですから、ただ装備だけの問題じゃないですね、結局防衛政策そのものを変更するということになると私は思うんです。  ですから、そういうふうな意味では、初めにそういう問題は国防会議なり何なりにきちっとかけて、そしてその上できちっと試改修なり何なりをすると、試改修だって大体そんな失敗するということをあれしてやるわけじゃないわけでしょうからね。しかも局長や皆さんの答弁やいろんな話の中からは、中身みんな出ているでしょう、いままでも。何千時間航空機のあれを延ばすとか、それから装備の内容はどうするとか、具体的に出ているわけですから、それはそう簡単に失敗するわけでもないわけです。ですから、そういうふうな意味ではやっぱりもう少し何というか方法を、長官の権限は権限として私はどこまで認められるのか、それは中身を詳細精査しなければわかりませんけれども、少なくともこの問題に限って言えば考え方が本末転倒しているんじゃないか。  それともう一つは、これを繰り返していると、いろんないわゆる何といいますか研究開発についても、本来なら国防会議にかけなくちゃならないような問題でも、防衛庁の権限ということで、たった一機だから、ほんのわずかだから、研究だからという名目でこういうようなものがなし崩しになっていくんじゃないか、こういうふうに考えるわけです。  もう時間ございませんので、この点については非常に私たちも心配でありますし、これに関連をいたしまして、本当はこの後国防会議の問題も少しやりたかったわけですけれども、時間ございませんからやりませんけれども、そういうふうな問題、特にこういうふうなことは国防会議にかけるという問題は、これは非常に重要な問題でありますので、ぜひ今後こういうふうな問題は、事前にきちっと手続等についてはやっていただきたいと考えております。  それからもう一つ、大臣、最近どうも私たちわからないのは、総理が大臣に対して、これも新聞報道によりますと、海空重視という問題について長官に指示を与えたというふうな記事が新聞に報道されていましたですね。こういうふうな問題も、やっぱりこれこそ本当は国防会議にきちっとかけて、相当議論をして、そしてその上で総理が正式に防衛庁長官に指示をする、それならわかるんですけれども、そうじゃなくて総理大臣がどこかでひょっと思いついてひょっと言う、あるいは日米のいろんな会合に出て、そこで話を聞いてきてそのまま言っちゃうというのじゃなくて、やっぱり国の基本にかかわるような問題については、あるいは国会で相当議論されたような問題、こういうような問題は、ひっくるめて国防会議なり、しかるべきところできちっと議論をして、そしてしかるべき手続を踏んで今後対応していただきたいと考えておりますが、それらの点について御答弁をお伺いしたいと思います。

伊藤宗一郎自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(伊藤宗一郎君) 去る一月の十二日に総理から私にいろいろの御指示がありまして、その中に先生御指摘のような点もございました。総理はいろいろ私に御指示を与えた時点でも、こういう指示を防衛庁の内部の専門家でよく検討した上でこれからの政策に移してほしいというようなことで、わざわざ防衛庁内部でよく専門家的な感覚なり考え方でやってほしいということをつけ加えたわけでございまして、そういう御指示を踏まえまして、われわれも専門的にただいま検討し、これから生かすべきものがございましたならば早速にも、また検討を要すべきものがございましたなら、多少時間をかけても生かしてまいりたいと思っておるわけでございまして、その時点で、当然その検討がまとまって具体的に装備を整備する場合には国防会議に付議すべきものが出てくるものとは考えておりますけれども、今回の総理の御指示そのものは、国防会議に付議してからというべき性格のものとは考えておりません。それは、さっきも申し上げましたように、総理御自身が、よく防衛庁内部で専門家で検討してほしいという言葉もあったということでございます。  なお、先ほど来防衛庁長官の権限なり判断で何でもできるというような御趣旨の御指摘がございましたけれども、防衛庁長官の権限もまた力もそれほど無制限ではございませんで、やはり専守防衛、さらには憲法あるいはまた先ほど来問題になっております専守防衛のプリンシプルから言うならば、他国に攻撃的、侵略的な脅威を与えるおそれがあるものは装備しないというようないろいろの大きな、またわれわれが今後守っていかなければならない数々のプリンシプルが防衛庁長官の権限なり力の上にあるわけでございまして、その範囲内でわれわれはやらしていただくということでございますので、そしてまた、その結果は、当然のことながら国会の皆様方の御審議の中でこれからの防衛政策が進んでいくということでございますので、あわせて御理解を賜わりたいと思います。

柄谷道一民社党・国民連合

○柄谷道一君 私は、去る三月一日の決算委員会で、一月十二日に総理より防衛庁長官に対し行われました防衛政策上の指示について質問をいたしましたが、その御答弁では納得いたしかねますので、本日改めて御質問をいたしたいと思います。  まず、総理はその指示の中で、「防衛大綱を達成し、基盤的防衛力をつくっていくことは、私が内閣をつくって以来の変わらない方針である。防衛費予算を伸ばしたのは、国際情勢の緊張に対応したものではない。私は脅威対応の防衛論はとらない。」このようにいわゆる没脅威論を強調されておりますけれども、長官はこの点についてどう受けとめていらっしゃいますか。

伊藤宗一郎自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(伊藤宗一郎君) 総理から、先ほど私も申し上げたような時点において柄谷先生御指摘のような大体そういう御趣旨の御指示がありましたことはそのとおりでございます。ただ、そういう総理の考え方は、政府が従来から一貫してとっているものでございまして、そもそも防衛計画の大綱というものが脅威というものを無視して策定されたものではありません。防衛庁としては、最近の厳しい国際情勢にもかんがみ、このような大綱に定める防衛力の水準をできるだけ早く達成したいと、その努力をいま続けているところでございまして、そういう形で総理の御指示にこたえてまいりたいと思っております。

柄谷道一民社党・国民連合

○柄谷道一君 確認をいたしますが、すると防衛庁長官も没脅威論に終始一貫立っていらっしゃるわけですか。

伊藤宗一郎自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(伊藤宗一郎君) ただいま申しますとおり、没脅威論ということが正確にどうということになるのかちょっとわかりませんけれども、そもそも防衛というものあるいはそれを全うするための防衛計画の大綱というものが脅威というものを全く無視して作成されたものではないわけでございまして、そういう意味では没脅威論ということには当たらないと思います。

柄谷道一民社党・国民連合

○柄谷道一君 では問題を進めてみましょう。  昨年五月八日、鈴木総理とレーガン大統領は共同声明を発表していらっしゃいます。その第二項には、「首相と大統領は、ソ連の軍事力増強並びにアフガニスタンへの軍事介入及びその他の地域における行動にみられる第三世界におけるソ連の動きに対し憂慮の念を示した。」第七項に、「首相は、先進民主主義諸国は、西側全体の安全を総合的に図るために、世界の政治、軍事及び経済上の諸問題に対して、共通の認識を持ち、」——いわゆる共通の認識ですよ。「整合性のとれた形で対応することが重要であるとの考えを述べた。首相と大統領は、すべての西側先進民主主義諸国がその平和と安全に対するこれらの国際的挑戦に対処するに当たり、」——その前にいろいろ情勢を、共通認識を述べておるわけですが、これらの国際的挑戦に対処するに当たり防衛云々について努力する必要があることを認めた、こう共同声明に書かれているわけですね。  これは、いわゆる同盟関係を結んだ日米共同宣言は、明らかに最近におけるソ連の軍事的脅威というものに対して共通認識に立った上でのお互いそれぞれの国情に応じての努力を確認したのではないんですか。

伊藤宗一郎自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(伊藤宗一郎君) 国際情勢について日米両国の首脳が共通認識に立ったということは、仰せのとおり共同声明にあるわけでございますけれども、われわれとしては、先ほど来私が申し上げておりますとおり、自主的にわれわれがすでに決めております防衛計画の大綱を一日も早く達成したいという念願でおるわけでございまして、総理が私に指示をしたのもそういう意味で先ほどは指示をしたということを申し上げたわけでございまして、国際情勢あるいはまたわが国に対する潜在的脅威等について、日米両国の首脳が共通の認識に立ったということはあるということは申し上げていいと思います。

柄谷道一民社党・国民連合

○柄谷道一君 どうも論理が一貫しないんですけれども、さらに同じ日に総理大臣はプレスクラブにおいて演説をしていらっしゃいます。これ、外電の報ずるところによりますと、総理の演説の趣旨は、ソ連の一貫した軍事的脅威、いわゆる東西両陣営のバランスが崩れてきたという点を強調しつつ、潜在的脅威が高まっているとの見解を強調していらっしゃいます。  私は、このようにして一連の動きを客観的に眺めてみますと、やはり潜在的脅威というものを意識して、もちろんわが国には憲法がある、非核三原則がある、侵すことのできない一線はありますけれども、その共通認識に対し、日米両国がそれぞれの分において防衛力整備のために努力し合おうということを確認したことは明らかでございまして、いまさら防衛庁長官に対して、私は脅威対応の防衛論はとらないということを言われたということはどうも腑に落ちませんし、この新聞報道等を正確に読んでおる国民からすると、戸惑いを感ずると思うのですね。  一応もう一度防衛庁長官、防衛の基本方針は何なんですか。没脅威論に立っているんですか。防衛大綱をつくったときはデタント時代ですね。国際情勢は非常に変わってきておるんです。その国際情勢の変化の中で、依然としてデタントを前提とした防衛政策の基本方針をいま堅持していらっしゃるんですか。

伊藤宗一郎自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(伊藤宗一郎君) これまで防衛庁が申し上げてまいりましたのは、防衛計画の大綱においては、わが国周辺の軍事能力を念頭に置いた上で、わが国が保有すべき防衛力の機能、質等について定めているものでありまして、その規模についてもそれを念頭に置き、限定的かつ小規模な侵略に対して有効に対処し得るような防衛力を定めているものでありまして、同大綱が脅威を無視して整備すべき防衛力を定めているということはないということでございます。  また防衛庁として、現在この防衛計画の大綱に基づいて防衛力の整備を進めていくに当たりましては、わが国周辺の国際軍事情勢をも念頭に置いているところであり、この観点からも規模、質の両面において大綱の水準をできるだけ早く達成してまいりたいと考えております。  このような防衛庁の考え方は従来からも一貫しているところでございまして、また総理の防衛についての基本方針と食い違っているものとは考えておりません。

柄谷道一民社党・国民連合

○柄谷道一君 どうもわかりませんね。現在の防衛大綱を支えております情勢分析はデタント時代につくられたものですね。それは間違いないですね。  そこで民社党は、その後の国際情勢の変化というものを指摘しつつ、一体現実の国際情勢というものや脅威を念頭に置かない防衛論というものがあり得るのかという点について過去たびたび質問をしております。そうすると、逐次防衛庁長官の答弁は、デタント時代の没脅威論から潜在的脅威に対応する防衛力の整備という答弁に変わってきておることは、もうこれ事実を見れば明らかなんですよ。  五十五年十月十一日、衆議院予算委員会で「私どもは潜在的脅威を念頭に置いて対応することを考えている次第でございます。」とお答えになっています。五十五年十月二十八日、衆議院内閣委員会、防衛庁長官、「大綱は脅威を無視した平和時の防衛体制をとるということではなく、わが国に侵略し得る軍事能力、すなわち潜在的脅威を念頭に置いております。」とお答えになっている。さらに、五十六年八月に発表されました防衛白書、その中で基盤的防衛力構想について、「防衛力が外部からの脅威に対し備えるものであるとの考え方に変わりはない」、こう明記していらっしゃいます。  ということは、総理が内閣をつくって以来一貫して没脅威論をとっておる、その考えには変わりがないというのであれば、この答弁は何ですか、これ。国会に対してまやかしの答弁を、防衛庁長官は総理の意思に反した答弁をしておられるということになるんじゃないんでしょうか。いかがですか。

伊藤宗一郎自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(伊藤宗一郎君) 御指摘のように、現在の国際軍事情勢は、防衛計画大綱策定当時の情勢と比較いたしまして厳しさを増していることは否定できません。しかしながら、いま政府は防衛計画の大綱に従って防衛力の整備に努めているところでありまして、いまだ防衛計画の大綱に定める防衛力の水準に到達していないのが現状でございます。したがって、同水準の可及的速やかな達成を図ることが目下の急務であると考えておるわけでございます。したがいまして、御指摘がございました発言が従来の防衛力整備についての新しい考え方を述べたということではないのでございます。

柄谷道一民社党・国民連合

○柄谷道一君 とすると、伊藤長官、二月二十四日の衆議院の安全保障特別委員会で長官みずから、これは前長官じゃありませんよ、伊藤長官みずからが述べていらっしゃいます。これは新聞報道ですから間違ってはいないと思うんですが、その中で長官は、ソ連軍の増強で国際情勢の緊張が強まっているとの見方を詳しく説明していらっしゃいます。そして、「米国は遠からず東西間の軍事バランスがソ連に有利に傾くことを深く懸念、日本や西欧の同盟国に一層の防衛努力を期待している」と、このように述べた後、「現下の厳しい国際情勢」「わが国の防衛力の現状が規模的に防衛計画の大綱の水準に達しておらず、装備の老朽化など質的にも問題がある」、こう指摘されて、「米国がわが国に「なお一層の努力」をするよう期待を表明している」、このように述べた後、「このような米国の期待を念頭に置き、日米安保体制の信頼性の維持向上を図ることも必要だ」、こう述べたと新聞に報道されているわけですね。これは間違いございませんか。

伊藤宗一郎自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(伊藤宗一郎君) 間違いありません。

柄谷道一民社党・国民連合

○柄谷道一君 ということは、これは明らかに、最近の国際情勢の大きな変化というものに、一挙に防衛大綱をはみ出すわけにはいかないけれども、その情勢の厳しさ、潜在的脅威というものを念頭に置いて、できるだけ早くまず大綱の水準を達成しようという方針である。とすれば、それは明らかに潜在的脅威を念頭に置いた防衛政策であり、それを前提とした予算の編成である、こう理解するのが客観的なとり方じゃないですか。

伊藤宗一郎自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(伊藤宗一郎君) 先ほどから申し上げておりますとおり、すでに防衛計画の大綱そのものが脅威というものを全く無視してつくられているものではございませんし、また先ほども御答弁申し上げましたとおり、計画大綱の時点より国際情勢の厳しさが増しているということも否定できません。しかし、現在われわれはその計画の大綱の水準すら到達していないわけでございまして、まずそれを達成することが目下の急務でございまして、いろんなことを、国際情勢の厳しさあるいはまたアメリカの日本に対する防衛努力の期待等々を念頭には置くわけでございますけれども、実際にやらねばならない急務というのは、防衛計画の大綱の水準を一日も早く達成する、そのことが急務である、それに防衛庁長官として邁進をしたいということでございます。

柄谷道一民社党・国民連合

○柄谷道一君 それじゃこれは国務大臣としてお伺いいたしましょう。いまアメリカの下院公聴会で防衛問題、貿易問題について日本に対する非難が集中いたしております。まさに戦後最大の日米関係の危機とも言える状態でございますけれども、その公聴会のいろいろの証言の中でジョンソン元駐日大使の証言、その中で、ソ連の脅威について日米間の認識に差があるのが最大の問題である、いわゆる日米関係危機のルーツはこの国際情勢に対する認識にアメリカとそして日本との間にずれがある、そこにアメリカのいら立ちが生まれ、そして多くの議員立法が提出されている背景があるのではないか、このように指摘されておるわけです。しかも、このことはサンケイ新聞三月二十二日の「正論」の中にも、詳しくこの公聴会のアメリカの証人の発言を分析をして、ここに最大のルーツありとこう指摘しておるわけですね。  私はこう思うんですね。国際情勢は日米首脳会談で認識は一致したんですから、それはそれで正確に国民に言うべきだと思うんですよ。その共通した認識のもとで何をなすべきか。それには、わが国には憲法がある、非核三原則がある、しかも現実にはまだ防衛大綱の水準が達成されていない、したがって潜在的脅威というものを前提にしつつもわが国が当面対処し得るのは水準の早期達成である、そのように説明することが私は日米間の信頼を回復するゆえんであり、かつ国民の防衛、安全保障に対する合意を求める政府の方針、あり方ではなかろうか、こう思うんです。アメリカとは共通の認識を一致さしておきながら、防衛庁長官に対して、脅威対応の防衛論はとらない、そこに私は大きな国際不信を招き出している要因があると思うのですけれども、これ国務大臣としてそう思いませんか。

伊藤宗一郎自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(伊藤宗一郎君) 日米両国は、世界の中でもこれぐらい緊密な関係を持っている国はないわけでございまして、防衛問題のみならずいろんな問題で大変な対話が重ねられておるわけでございまして、その頂点に立つのが防衛問題だろうと思いますけれども、そうは言いながら、ぴったり一致した認識というものはなかなか国が違う以上むずかしいことだろうと思います。  現に今回の公聴会でも、別な方の証言で、脅威の問題について日本側は脅威の二つの要素の一つの意思については非常に重要に思う、しかし能力についてはそれほど関心を持たない、アメリカは脅威の二つの要因のうちの一つの能力、軍事能力について非常にアクセントを置くけれども、そういう潜在的脅威の持つ意思についてはそれほどアクセントを置かないというようなことを言っておった証言がございましたように、そのようにいろいろ認識のずれがあることは、方向としては一致しておっても中身に入りますと多少のずれがあることは、残念ながらあるようでございます。  そういうことを踏まえまして、これから日本の踏み出すべきいろいろの防衛政策について、われわれはわれわれの自主的な判断でやっていくことが正しいわけでございます。そういう意味での自主的な防衛努力というものをアメリカに対して間断なき対話を通じて説明をし、理解を求めていくという努力は、なお積み重ねていかなければならないものと考えます。

柄谷道一民社党・国民連合

○柄谷道一君 私は、何もアメリカの言うなりにせいと言っているわけじゃないですよ。もちろんこれは自主的判断でわが国の安全と防衛は考えるべきです。しかし、いま長官おかしいことを言われたですね、日米間の認識は必ずしも一致してない。国際情勢について一致したからこそ日米共同声明が出されたんじゃないんですか。そして、そのために同じ情勢分析を共通に認識したらばこそ同盟関係という事項がここに生まれたんじゃないのですか。認識してないということならば、この共同声明はうそなんですか。

塩田章防衛庁防衛局長

○政府委員(塩田章君) 先日の三月六日と思いますが、ジョンソン元駐日大使の公聴会での証言は、防衛問題につきまして四点ばかり言っておられるように思います。  念のために申し上げてみますと、日本の防衛予算に関する議論が余りにもGNPの観点に集中し過ぎておるのではないかというのが第一点。第二点が、いま御指摘のまず脅威という問題について日米間に認識の一致を図るべきでないかということの指摘が第二点。あと二点ばかりございますが省略さしていただきますが、そういう第二番目に脅威について日米間に認識の一致を図るべきではないかということを言っております。このことはジョンソン元駐日大使の意見として公聴会の場で述べられたことは事実であります。それ以上いまここに詳しいテキストを持っておりませんけれども、そういった趣旨のことがあったんだろうと思います。  そのことと、私どもいま御指摘の去年の日米首脳会談にいたしましても、その後の大村・ワインバーガー長官の会談にいたしましても、私ども政府レベルでの協議におきまして日米間において防衛問題についての意見の一致ということは、しばしば申し上げているとおり一致いたしておりまして、特に私ども日米間で食い違いがあると、もちろん極東の問題でございますが、食い違いがあるというふうには思っておりません。ジョンソン元駐日大使のこういった見解があるということは、それは私はそのとおりだと思いますけれども、政府間において私どもは現在食い違いがあるとは思っておりません。

柄谷道一民社党・国民連合

○柄谷道一君 では問題を変えますが、同じ指示の中で総理は、地政学的に日本が海洋国家であるということを強調された上でのハリネズミ論、ハツカネズミじゃないですよ、ハリネズミ論を述べていらっしゃるわけですが、防衛庁はこれをどう受けとめていらっしゃるか。

塩田章防衛庁防衛局長

○政府委員(塩田章君) いわゆる海洋国家論、ハリネズミ論が報道され、また報道されたと言いますかその前に私どもの長官が御指示を受けたわけですが、その後私も総理のところへ伺いまして話を伺ったわけですが、まず第一に、あのときに総理がおっしゃったのは、海洋国家という言葉を使っているけれども、要するに四面環海の日本として日本の防衛、特に端的に言えば対上着陸作戦に対する防衛についていかにも海洋国家としてのふさわしいあり方があるんではないかという趣旨であって、海洋国家という言葉から言えば、まずシーレーンの防衛といったような問題が頭に浮かぶんだけれども、私は今回の指示は、特にそのシーレーンの防衛のことを指示したつもりではないと。それはまた重要な話であるけれども別の問題で、今回言ったのは、日本の本土の防衛、対上着陸作戦に対する防衛として何か知恵はないかということを言ったんだという趣旨のことがまずございました。  その後、第二の問題としまして私からお尋ねしたわけですが、これは今回私ども五六中業という作業をやっておりまして、防衛計画の大綱という一つの目標に向かっていま進んでおります。それとは別の話ですかと言いましたところ、それはそうではないと。その防衛の大綱の中で君たちが作業しているその作業に当たってそういうことに知恵を出せと、こういうことだという趣旨のお話がございました。私どもはいまそういうふうに受けめて、現在の作業の中で総理のお気持ちをどう生かすべきかといったことを考えながら作業をいたしておる、こういうところでございます。

柄谷道一民社党・国民連合

○柄谷道一君 私は、与えられた時間が短いのでこれ以上質問することができないのは本当に残念なんですけれども、私は防衛戦略というものについて、また防衛の基本方針というものについては、やはり予算の見通しもなく、また国防会議にも諮らず軽々に一国の総理が口にするということは非常に重大なこれ問題があると思うんです。総理は日本防衛に当たっての最高責任者であります。さらに総合安全保障の実践者であり、防衛の総指揮官としての責任を持っていらっしゃる方でございます。私はこのような、——しかも国際的にも非常に与える影響が大きいわけでございます。少なくとも防衛の基本方針に対する指示というものを防衛庁長官に対して与えられるというのであれば、より慎重な配慮というものが当然あってしかるべきである。どうも本日の質問では、総理の指示と、指示のその底にある総理の考え方とただいまの答弁とは必ずしも整合性ありと私はどうも受け取れません。しかし、これ以上防衛庁長官に質問しても答えは同じでございましょうから、私は改めてこの問題は総理直接に、ただいまの答弁を速記録を見ながら、一遍総理にその基本方針をただしてみたい、こう思います。きょうは一応これぐらいにおいておきます。  総理府長官にお伺いしますが、本日趣旨説明があります地域改善対策特別措置法案でございますけれども、その第一条の中に、日本国憲法の理念にのっとり、歴史的社会的理由により生活環境等の安定向上が阻害されているものについて改善をしていこう、こういう趣旨が「目的」に述べられているわけですね。とすれば、私はウタリ対策というものも同じ歴史的社会的事由によって今後生活環境の安定向上というものが必要な対策であると、こう思うんでございますが、この法案とウタリ対策の関係はどうなっていますか。

田邉國男自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(田邉國男君) いまお尋ねの、現行の同和対策事業特別措置法におきましても同和という用語の規定はなく、同法第一条に規定をされております、いまお読みになった規定でございますが、「すべての国民に基本的人権の享有を保障する日本国憲法の理念にのっとり、歴史的社会的理由により生活環境等の安定向上が阻害されている地域」という定義規定により、初めて同法に基づく事業の対象地域の特定が行われているところであります。  同和対策事業特別措置法施行十三年の間に、この定義規定によりましていわゆる同和地域を指すことが行政的にも確定していることによりまして、同法施行期間内に解決できなかった諸問題に対処するための今回の法案においても、行政の混乱を避けるために全く同じ定義規定を踏襲をしたものであります。  したがって、地域改善対策特別措置法案の対象となる地域は、現行の同和対策事業特別措置法と全く同一でございまして、お尋ねのウタリ地区は対象となり得ないものである、こう考えております。

柄谷道一民社党・国民連合

○柄谷道一君 すると、ウタリ対策の所管官庁は北海道開発庁でございますか。

宇山喜代人北海道開発庁計画官

○説明員(宇山喜代人君) 北海道開発庁が政府の窓口になりまして北海道のウタリ対策を推進してございます。

柄谷道一民社党・国民連合

○柄谷道一君 すると、お伺いいたしますが、明治三十二年施行の北海道旧土人法、昭和九年施行の旭川旧土人法、これは何省が所管していらっしゃいますか。

加藤栄一厚生省社会局保護課長

○説明員(加藤栄一君) 北海道旧土人保護法につきましては、当初教育扶助あるいは医療扶助、生活扶助的な条文もございまして、そういうこともございまして厚生省の所管として扱ってきております。

柄谷道一民社党・国民連合

○柄谷道一君 二つの法律とも厚生省所管でございますか。

加藤栄一厚生省社会局保護課長

○説明員(加藤栄一君) 旭川市旧土人保護地処分法につきましては、土地の処分制限のみの内容でございまして、厚生省では所管しておりません。

柄谷道一民社党・国民連合

○柄谷道一君 何省の所管でございますか。

加藤栄一厚生省社会局保護課長

○説明員(加藤栄一君) ちょっと私どもの方で調べましたんですが、大変恐縮でございますが、いまのところはっきりと私どもの方ではわかっておりません。

柄谷道一民社党・国民連合

○柄谷道一君 北海道開発庁はいわゆる陳情等を処理する予算調整の窓口なんですね。北海道旧土人法は厚生省、しかし旭川旧土人法は所管すらわからない。私いろんなところへ聞くんですが、みんなおれのところじゃない、おれのところじゃないといって逃げるんですな。これひとつ総理府長官、一遍検討してその所管省庁を明確にして、後ほどで結構ですけれども御通知を願いたいと思いますが、よろしゅうございますか。

田邉國男自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(田邉國男君) ただいまお話しの所管問題でございますが、所管外でございますから私から何とも申し上げかねるのでございますが、御質問の趣旨に対しましては、十分関係省庁と相談をいたしまして対応をしてまいりたいと思います。

柄谷道一民社党・国民連合

○柄谷道一君 総理府、最近不快用語の追放、まあ本国会にも内閣委員会に法案が出てくるわけでございますが、いずれもこれ旧土人法という名称を使っているんですな。私は広辞林を引っ張りまして、土人とは何か——原始的生活をしている蛮人と、こう書かれてあります。国際障害者年を契機に、身障者に関する不快用語は前国会でも今国会でもこれを追放しようとしておられる。しかし、いまだ生きている法律に旧土人法という法律がある。私はこれはまさにべつ視語の最たるものであると思うのですね。ところが、これを直せといっても所管庁すらわからない。いろいろ政府委員に聞くんですけれども、いや建設省だろう、いや厚生省だろう、いやそれは他の省庁に属さない法律だから総理府だろうと、キャッチボールをしているんですね。これは私はまことに問題があると思うのです。  時間が参りましたので一括して申し上げますけれども、同和関係はいままで法律があった。それで、期限が切れようとして新法をつくろうとしておる。ところがこのウタリ対策に関しては、同じ背景を持っていながら根拠法がない。したがって、予算は十二億幾らついておりますけれども、これ全部予算補助なんですね。しかも補助率は、同和の三分の二の補助率に対してウタリは原則二分の一の補助率でございます。私は、法のもとでの平等という点を考えますと、やはり歴史的社会的な長いいきさつの中から同和を進めなければならない、生活向上を図っていかなねばならない。その同じ目的を持つこの二つの対策が、片や法律補助である、しかも三分の二補助である。片やウタリに関しては予算補助であり、かつ二分の一補助である。しかも名称すら旧態依然として旧土人という名称が使われている。これは私は憲法の法のもとでの平等という原則に照らしても明らかに現存している大きな矛盾ではないかと、こう思えて仕方がございません。  そこで、これは所管庁はありませんから、ひとつ国務大臣として、総理府長官の善処を私は求めたい。これに対するお答えをいただきたいと同時に、せっかく北海道開発庁に来ていただきましたけれども、最後に、どの程度の道単独事業をしておられるのかということと、自治省はその単独事業に対して起債ないしは地方交付税の面でどの程度の配慮をしていらっしゃるのか、この点だけをお伺いし、残余の質問はまた改めていたしたいと思います。

田邉國男自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(田邉國男君) ウタリ対策につきましては私の所管外でございますので、何とも申し上げかねることについては御了承いただきたいと思います。御質問の趣旨につきましては、関係大臣にお伝えをしたいと考えております。

宇山喜代人北海道開発庁計画官

○説明員(宇山喜代人君) 北海道開発庁からお答え申し上げます。  北海道のウタリ対策につきましては、昭和四十九年以降北海道開発庁が政府の窓口になっておりましてこの推進に当たっておりますが、推進に当たりましては、北海道が策定しました北海道のウタリ福祉対策の考え方を尊重しまして、社会的経済的に低位にありますウタリの方々の生活水準の向上を図り、一般道民との格差是正を図ることを基本方針といたしまして、北海道が進めておりますウタリ福祉対策について、国においてもこれに協力し推進をしていくという考え方で所要の対策を講じてございます。  先ほど御質問ございました北海道の単独事業ということでございますが、国といたしまして特別枠で行っております国庫補助事業と、同じく一般枠で行っております国庫補助事業のほかに、北海道の単独事業といたしまして、昭和五十六年度におきましては六千二百四十二万九千円という単独事業が行われてございます。なお、五十七年度についてはまだ単独事業の額について決定を見ておりませんので、以上で説明を終わらせていただきます。

鶴岡啓一自治大臣官房参事官

○説明員(鶴岡啓一君) お答え申し上げます。  現在、ウタリ対策に要します地方公共団体の経費につきましては、建設事業につきましては地方債をそれぞれ適債事業に応じまして充当しておりまして、全体の地方債のそれぞれの額は掌握しておりませんが、主たるものであります住宅関係につきましては、五十五年度の許可実績としまして約六億五千万の事業債を許可しております。それから、特別交付税につきましては年々その算定内容を充実してきておりますが、昭和五十六年度につきましては、道府県並びに関係市町村分合わせまして四億円を措置いたしております。

柄谷道一民社党・国民連合

○柄谷道一君 時間が来ましたので、これ以上の質問を避けたいと思いますが、いま長官、関係省庁と相談してと言うんだけれども、非常に十数省庁にまたがっておりまして、どこがそれを基本——予算はいま道庁ですよ、開発庁ですよ。しかし、法律改正ということになると、どこが担当するのか、その責任の所在すらいま明確でないというのが実態ですから、これは私は、総理府あたりが本腰を入れて指導性を持ってこの問題の検討を行っていかないと、一北海道開発庁だけで法律の大改正まで手がけるということは無理だと思うんですよ。その点、ひとつ閣議でも一遍この点を話題にしてみてください。声の上がるところばかり重く見て、声の上がらないところはいつまでも旧態依然たる法体系のもとに放置されておるということは決して許されることではない、この点だけを強調して、私の質問を終わります。

遠藤要自由民主党

○委員長(遠藤要君) 防衛庁、委員長から特に要請しておきたいのは、いま民社党なり、これから秦委員から質問がございますけれども、質問時間が非常に少ないもので、答弁の方でひとつ実のあるところをお答えいただけるように要請しておきたいと思います。

秦豊新政クラブ

○秦豊君 最初に防衛庁、いまの委員長発言を特に留意してください。  ソビエトのバックファイアの最近の動向についてちょっと伺っておきたいが、ウラジオ周辺を含めた極東への配備数に変更があったのかどうか。それから、昨年から実施をしているらしい沿海州、千島列島それから太平洋方面、この方面への訓練飛行の頻度、これは最近どうなっているか。また、何を目指した訓練飛行なのか、知るところがあれば述べてもらいたい。

新井弘一防衛庁参事官

○政府委員(新井弘一君) お答え申し上げます。  バックファイアにつきましては、御承知のとおりソ連の海空に所属しております。それで、ソ連全体で百五十機以上と、極東につきましては内陸部に航空部隊それから沿海地方に海軍部隊、その配備数は三分の一ないし四分の一というふうにわれわれはつかんでおります。  他方、このうち御質問の第二の点でございますけれども、航空部隊に配属されているバックファイアにつきましては、その任務は戦略爆撃、戦術爆撃それから偵察等を主としていると了解します。他方、海につきましては洋上爆撃——具体的には空母、機動部隊を対象にする。それから海上交通路の阻止さらには洋上の哨戒ということが主たる任務であると思います。  そこで、最近の訓練状況等でございますけれども、御承知のとおりもう配備されまして数年たっております。この間、実際の訓練状況等につきましてもそれぞれの目的に応じて次第にその実戦力を高めているということは言えるかと思います。ただ、具体的にどうかということになりますと、秦先生の前で大変恐縮でございますけれども、その詳細については回答を留保さしていただきます。

秦豊新政クラブ

○秦豊君 配備数はふえていないわけね。

新井弘一防衛庁参事官

○政府委員(新井弘一君) 配備数は全体の傾向としてふえていると思います。

秦豊新政クラブ

○秦豊君 バッジXとポストナイキの問題を少し確認しておきたい。  一昨年十一月二十七日の当委員会で、私の質問に対して塩田さんが、バッジXは五十六年度にはシステム選定までいきたいと言われたけれども、現状はどうなっていますか。

塩田章防衛庁防衛局長

○政府委員(塩田章君) 五十六年度の作業としましては、昨年の八月に関係会社に対しまして提案要求書というものをこちらから出しました。それによりまして、一月末までに各会社の提案書を出しなさいということを言いまして、現にことしの一月末までに出てまいりました。それを現在審査中という段階でございます。

秦豊新政クラブ

○秦豊君 それはいつごろ締めくくりますか。システム選定としてはいつごろ終わりますか。

塩田章防衛庁防衛局長

○政府委員(塩田章君) 目標としましては、新年度に入りましてなるべく早い時期ということで、夏前というふうな気持ちでおります。

秦豊新政クラブ

○秦豊君 バッジXは、かつてあった超しSI技術組合的なコンソーシアム的なパターン、たとえば東芝、日立、三菱、富士通それから日電というふうなものがシンジケート——連合を組むような形になるのか。その場合は、超しSIのときは通産主導で二百九十億円の政府補助が出ているけれども、バッジの場合どうするのか、この点を伺いたい。

和田裕防衛庁装備局長

○政府委員(和田裕君) バッジXにつきましては、いま防衛局長からお話ございましたように、提案書の内容を鋭意審査している段階でございます。したがいまして、どういうような最終的に発注の方法になるかということについてまだお答えできる状況にございません。

秦豊新政クラブ

○秦豊君 このバッジXですね、完全国産化というのは果たして可能ですか。と言う意味は、悪天候下の誘導システムなんかはヒューズの方がかなり進んでいるという場合は、一部のソフトはアメリカから他の大部は国産と、こういう組み合わせになりそうですか。

和田裕防衛庁装備局長

○政府委員(和田裕君) 現在、バッジにつきましては三社、あるいは一社につきましてはグループと申し上げた方がいいかもしれませんが、そういったところから提案を出していただきましたが、出していただく前に私どもが申し上げたことでございますが、アメリカの会社と、私どもが提案要求をするときに声をかけました六社以外の会社から協力を求めることにつきましては何ら差し支えないということでございまして、現に確かに私ども提案している会社それぞれに聞きますと、アメリカの会社等から技術的な援助といいますか、そういった支援を受けているという実態がございます。

秦豊新政クラブ

○秦豊君 だから和田さん、確認として、一部のソフトはヒューズを含めてあり得るんですね。

和田裕防衛庁装備局長

○政府委員(和田裕君) あり得ると思います。

秦豊新政クラブ

○秦豊君 それからポストナイキを考えた場合、これは塩田さんの方でしょうかね、ペトリオットまたはパトリオット、依然として防衛庁としては魅力あふれる最大の関心の対象ですか。

塩田章防衛庁防衛局長

○政府委員(塩田章君) 防衛庁としましては、現在パトリオットとナイキフェニックスの両者を候補といたしまして五十七年度の調査研究を行うつもりでございます。

秦豊新政クラブ

○秦豊君 残念ながら、やはりパトリオットの場合は、この一個分で二千億円を超えると私は思います。性能はまあまあ、マッハ三を含めてなかなかよろしい。難点は高過ぎる、これが泣きどころではないかと思うんだが、ナイキフェニックス構想とパトリオットという場合には、財政的な観点を優先すれば私はナイキフェニックス、性能の優位さをとればパトリオット、これは決しかねると思うが、場合によって持ちあぐねて、処理しかねて——塩田さん、六月か七月でどこかにかわられるらしいんだけれども、次の防衛局長——防衛庁長官はまだいらっしゃるようですが、そうすると次の防衛局長のアイテムになるのか、あるいは一年間延ばすというふうな思い切った選択があり得るのか、どうでしょう。

塩田章防衛庁防衛局長

○政府委員(塩田章君) 五十七年度いっぱいを調査研究の期間にしておりますので、その間にいまの問題を詰めていきたい、こう思っています。

秦豊新政クラブ

○秦豊君 それから防衛庁長官、これについてちょっと一言申し上げておきたいことがあるんだが、これは風聞にすぎなければ結構です。しかし、もっぱらかなり強い感度で檜町あたりからは、生田目空幕長は日本電気に天下り、こういう説が頻々ともたらされる。空幕長ですよ、重要な防空システムに参入する主な企業に空幕長が堂々と天下りをする、これは私時期的にも大変問題があると。そんなことを許してごらんなさい、防衛施設庁の問題どころじゃありませんよ。みやげを持って天下りなんて言われかねませんよ。もし本当におなかが痛くないならば、痛くない腹を探られることになる。こんなことを黙って放置されますか。問題とお考えになりませんか。

伊藤宗一郎自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(伊藤宗一郎君) 全くの初耳でございますので、いまのところ何とも申し上げられませんけれども……。

秦豊新政クラブ

○秦豊君 調べてください。

伊藤宗一郎自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(伊藤宗一郎君) 調査してみます。

秦豊新政クラブ

○秦豊君 それから、空中給油の訓練の問題は、あなたは二月の予算委員会で私にばかっと明確に答弁されたけれども、これはちょっと矛盾があるんじゃないかと思うんだがね。  昭和五十三年三月四日、政府が「F15の対地攻撃機能及び空中給油装置について」という見解を出されましたね。あの四項にF4ファントムの空中給油がちゃんと出ているんですよ。それで、わが国の領空ないし周辺において空中警戒待機、CAPですね、これはなかなか有効だと認めつつも、ファントムがわが国の主力戦闘機である期間においては、同装置、つまり空中給油装置は必要とは判断しない、こうなっているでしょう。じゃ、今度皮肉にも試改修で延々寿命を延ばして、九〇年代の有効性を持とうという段になると、途端にこの条項との矛盾になってくる。だから、あなたはあんなふうにきっぱり答弁したけれども、これと、申し上げた試改修が完成し、かなりな数が配備されるとそれは邪魔になりますよ。そうはお考えになりませんか。

塩田章防衛庁防衛局長

○政府委員(塩田章君) 御指摘の文書を私もよく承知しております。  まさに御指摘のように、十年延命ということになりますと、期間的にあの文書が言う期間にまさに当たってくるだろうというふうに思います。思いますが、それを踏まえた上で現時点で私どもは給油装置のことを考えてないと申し上げ、また訓練もしておりませんと申し上げたわけであります。ずばり、しないと言ったと言われますが、いまの時点で考えておりませんということでございます。その点は変更するつもりはございません。

秦豊新政クラブ

○秦豊君 少し塩田さん、率直なニュアンスが出ていましたね。一番最後の部分、あのセンテンス。つまりうんと寿命が延びる、ファントムをどんどん使う、西ドイツ空軍よりも。そうなると、空中給油装置の復活ということはあり得ない選択ではないと理解しても常識ですね、軍事的に。

塩田章防衛庁防衛局長

○政府委員(塩田章君) 将来の時点の装備をいまここでないとかあるとかということを申し上げることは、私はやっぱり控えるべきではないか。いまどうかと言われれば、いま考えておりませんということをこの間も申し上げて、きょうもそういうお答えにさしていただきたいと思います。

秦豊新政クラブ

○秦豊君 次第に軍事的合理性に迫られてくると私は思いますよ。ただ、十分にあなたの答弁からは含みは感じ取りました。  それから、DC10はアメリカですね。DC10を改装したKC10ですね、KC価の後継機ですけれども、アメリカはこれを二十機購入するという運用を考えているらしい。ところが、これは空中給油機だけじゃなくて、足の長い性能のいい輸送機としてもかなり使える。そこで、私はこれは空幕の一部には現にあると思うんだけれども、このKC10空中給油機の導入の検討を始めるのではないか、あるいは私に言わせれば優に検討に値するのではないかと思うんだけれども、いかがです。

塩田章防衛庁防衛局長

○政府委員(塩田章君) この点は、いま空幕で云々とおっしゃいましたが、私全く初耳でございまして、現在検討いたしておりません。

秦豊新政クラブ

○秦豊君 チームスピリット82、いまや行っていますね。このチームスピリット82では、米韓合同によって初めて対島海峡封鎖訓練を行うんです、鎮海をベースにして。対島西が対象だと思います。これは有事の際にあり得べき一つのシナリオ、パターンとしまして、共同防衛の。対島西は鎮海をベースにしたアメリカプラス韓国、対島東は佐世保をベースにしその他の基地群を動員した日本主体と、つまり対島東、西の両海峡の封鎖作戦というのは、三国の共同防衛作戦の対象になると私は思うし、きわめてあり得べきシナリオであると考えているんですよ。防衛局長はどういう判断ですか。

塩田章防衛庁防衛局長

○政府委員(塩田章君) 今度のチームスピリット82の中でそういう訓練があるということについて、私はまだ聞いておりませんので、いまコメントいたしかねます。

秦豊新政クラブ

○秦豊君 そういう逃げ方が一番いいんだけれども、空幕から聞いていないとか、初耳とかね。もっと情報の吸収をよくしてもらいたい。それが防衛局長の職責。  では、この問題については御存じでしょう、あなたの主管だから。五六中業の策定がかなりいま言うまでもなくおくれている。いつまでおくれていいものではない。総合的に考えて、万事を考えて、この策定についてのぎりぎりのタイムリミット、これをいつごろに想定していらっしゃるのか。

塩田章防衛庁防衛局長

○政府委員(塩田章君) 五六中業の作業は私いまの時点でおくれていると思っておりませんが、ぎりぎりはいつかということでございますれば、この夏までにはめどとしてはぜひやりたいというふうに考えております。

秦豊新政クラブ

○秦豊君 それはどの範囲。檜町内部の策定ですか。大蔵側等々周辺横並びでの作業も含めて夏とおっしゃったのか。ならば、国防会議にかける時期というのは秋ごろと考えてそう非常識ではないのか。

塩田章防衛庁防衛局長

○政府委員(塩田章君) 現在の私の願望、めどといたしましては、国防会議にかける時点を夏ごろまでにいたしたいというのが気持ちでございます。

秦豊新政クラブ

○秦豊君 それから、これ防衛庁長官、総理は一%以内、五六中業もと言われている。一%以内で五六中業の策定自体可能ですか。

伊藤宗一郎自由民主党防衛庁長官

○国務大臣(伊藤宗一郎君) 可能になるように目下ぎりぎり努力をしておるところでございます。

秦豊新政クラブ

○秦豊君 不可能を可能にするという作業になると思います。各幕の積算をいかに刈り込むか、圧縮するか。その場合、では防衛局長、陸海空についてどういう重点項目あるいは装備を刈り込めば一・〇以内に無限に近づくのか。その作業は現実にやっていますね、八月までならば。

塩田章防衛庁防衛局長

○政府委員(塩田章君) 目下五六中業の作業を鋭意やっております。

秦豊新政クラブ

○秦豊君 それからもう一つ。幾ら読んでもわからないんだけれども、防衛計画の大綱時点のあなた方の作文ですね、説明。この一%という範囲内で千海里というのは結びつかないでしょう。はみ出してくるんじゃありませんか。あの当時はせいぜい周辺海域です。ほんのそれこそ庭先です。鼻先です。地先沖合いみたいなものだ。これは千海里じゃないんだ。結びつかないんですよ。一%で有効な千海里防衛が可能というふうなことを防衛局長は責任を持って言えますか。

塩田章防衛庁防衛局長

○政府委員(塩田章君) まずお断わりをしたいのは、あの時点というのは、つまり防衛計画の大綱をつくった時点で千海里という構想がすでにあったと、私どもは、あの構想の中身にはもちろん数字は入っておりませんけれども、構想として、千海里は航路帯について守りたいという前提であの構想はできておるということでございます。それと一%は結びつかないではないかということでございますが、先生も御承知のように、防衛計画の大綱の後、別な閣議決定として一%というのがあるわけでございまして、これは本来もともと結びつけたものではない。別に閣議決定、あれはたしか一週間ぐらい後だったと思うんですが、別な閣議決定でやっておるわけでございます。

秦豊新政クラブ

○秦豊君 塩田さん、夏の国防会議というのは僕は意外だったんですよね、さっき。正直言ってもっとずっとおくれると思ったものだから。それはあなた方への過小評価じゃないんですよ、冷静な判断としてね、こちらの、第三者の。  そうすると、でき上がってくるものは、すり合わせをして一%以内にしなければ大政治問題になりますからね。秋の臨時国会吹っ飛んじゃうから、それは、臨時国会に。やっぱり一%以内にそろえるんでしょう、すり合わせ。恐らくそういうものをつくる以外に答案はできない、点数はもらえない、及第点はと思うんだが。そうなると、逆に一年前倒しということと絶対矛盾を来すと思うんです。一年前倒しはいまでも可能とお思いですか。僕は一年前倒しはおろか、下方修正に迫られると見ておるんだが、どうでしょう。

塩田章防衛庁防衛局長

○政府委員(塩田章君) 国防会議を夏までにというのは、私の現時点でのめどであり、願望であります。作業目標であります。  それから、一年前倒しとおっしゃいますのは五三中業のことでしょうか。——五三中業につきましては、しばしば申し上げておりますように、主要な項目について一年前倒しができるようにということで、そういうペースで五十六年度、五十七年度お願いをしているわけです。五十六年度はかなりいったわけでございますが、五十七年度も主なものはいけるというふうに見ておりますが、一年前倒しはそういう意味でなら可能であり、そういうものを含めて、つまり五十七年度の今度のいまの予算を含めて次の五六中業に入っていくということでございますから、そういう意味での一年前倒しを含んで五六中業に入っていくというふうにお考えいただきたいと思います。

秦豊新政クラブ

○秦豊君 そうなると、微妙なのはバトンタッチしますよね、五六に。昭和六十一年か六十二年というのはまさにシリアスな問題になってくる。さっきから同僚議員が聞いているような対米準公約ですからね。そうなってくると、いよいよむずかしくなるのは、五六中業の前倒しは非常にデリケートになると私は考えているが、どうでしょう。

塩田章防衛庁防衛局長

○政府委員(塩田章君) 六十一年か六十二年がきわめてデリケートになるとおっしゃいましたが、五六中業の六十二年というのはこれは変わらないんで、私ども前倒しとはまだ一度も申し上げたことがございませんので、先ほどのは五三中業の前倒しについて、主要装備品について図っておるということでございます。

秦豊新政クラブ

○秦豊君 これ時間がないからずっと私言いますから、イエスとノーだけちょっと言っていただけませんか。  F4の現有は、去年だと思ったが、小松の三〇六飛行隊を含めて百四十機ですか。  それから、昭和六十二年までのF4ファントムEJの減耗をどの程度に見ていらっしゃるか。あわせて。

塩田章防衛庁防衛局長

○政府委員(塩田章君) F4の現有は百三十二機でございます。つくったのが百四十機でございますから、八機減耗いたしました。  今後の減耗見込みでございますが、ちょっといま調べてお答えいたします。

秦豊新政クラブ

○秦豊君 それじゃ時間がないから……。  これはお答えになれるでしょう。作戦用航空機の範囲は要撃、支援それから偵察、早期警戒、輸送、この五つで間違いありませんか、あわせて答えてください。要撃、支援、偵察、早期警戒、輸送、ほかに何かありましたかな。

塩田章防衛庁防衛局長

○政府委員(塩田章君) そのとおりでございます。

秦豊新政クラブ

○秦豊君 あれ、わかりましたか、減耗。

塩田章防衛庁防衛局長

○政府委員(塩田章君) 減耗でございますが、これは見込みになるわけですが、一応計画上は毎年度三機程度あるだろうという計画といいますか、減耗を計画することは本当はおかしいわけでありますが、見込みでございます。

秦豊新政クラブ

○秦豊君 大綱水準に言うこの約四百三十機、これは装備の上限を決めたものという理解になるんですか。

塩田章防衛庁防衛局長

○政府委員(塩田章君) 整備する目標という意味においては上限でございます。平時に保有すべきものとしては下限でございますということをかねて申し上げているわけでありますが、平時からこれだけは最低持っておくべきだというのがあの大綱の考え方であります。しかし、私どもはそこに向かっていま整備を進めていくという意味においては上限でございます。

秦豊新政クラブ

○秦豊君 これは、こういう聞き方をしてもあなた方は決してイエスという答弁は返さないという習性があるんで、時間があればいろんなデータをやって逃げ道をふさいで、ぐさっとワンポイントだろうが……。  ちょっと時間がないから、これ軽くぱっと竹刀を返されそうだけれども、私どもの調査では五三中業、さっきのね、最終年度昭和五十九年なんですが、F15が四、F4が六、F1が三の編成と見てそう間違いではありませんか。

塩田章防衛庁防衛局長

○政府委員(塩田章君) 四、六、三でございます。

秦豊新政クラブ

○秦豊君 そのとおりですか。——ならば少しわかってきました、四百三十の中で。  防衛庁の言うこの要撃十個飛行隊というのは、あくまでも現行の十八機体制を踏まえたものなのか、あるいは生田目氏がぱっと言ったような発言の方向、二十五機体制をすでに前提として考えているのか、この点はどうでしょう。大事な点ですけれども。

塩田章防衛庁防衛局長

○政府委員(塩田章君) 原則としてF1は十八機、FSは二十五機でございます。

秦豊新政クラブ

○秦豊君 それで、FSの二十五機体制はいつごろから実施のお考えですか、十八機から二十五機へ。

塩田章防衛庁防衛局長

○政府委員(塩田章君) 四百三十機という場合にFSを大体百機というふうに見ているわけですが、百機の前提が一スコードロン二十五機ということでございます。いま六十数機F1を持っておるわけでございますが、いまそれがいつになるか、ちょっと手元に資料ございませんので恐縮ですが、後にさせていただきたいと思います。

秦豊新政クラブ

○秦豊君 防衛庁長官、私がいまから申し上げたいことは提案が含まれております。つまり、飛行機のスコードロンの機数の変更ということを防衛庁限りのほしいまま、恣意的に自由にどんどん行って果たしていいものだろうかという疑問が私にはあるんです。大綱は認められている、国防会議で。問題なしという軽く考えないで、本来部隊の装備の編成とか機数の変更ということは、これは国防会議が細々と規定していなくとも、時の防衛庁長官がこれを国防会議に報告をする、了承をつけるという慣習とシステムをつくるべきだと私は思うんですよ、いろんな歯どめの考えからしましてね。伊藤さん、どうお考えでしょうか。

塩田章防衛庁防衛局長

○政府委員(塩田章君) 先ほどFSの基本数二十五機と申し上げましたが、かつそれまたいつごろできるのかというお尋ねでございましたが、これは五六中業の検討事項として二十五機体制でいくことをいま検討しておるということで御了承いただきたいと思います。  それから、飛行隊の機数の変更について国防会議にかけるべきではないかということでございますが、現在すでに、たとえばF15百機あるいはP3C四十五機といったような場合にかけておりますが、その際に一飛行隊にはどういうふうに配置するんだというようなことは国防会議で御説明をいたしております。

秦豊新政クラブ

○秦豊君 塩田さん、いまから申し上げることは初耳とかおっしゃらないでいただきたいんですがね。まさにあなたの言われた空幕の五六中業の作業の中に、恐らくはすでにF4EJは支援戦闘機隊として組み込まれていて、F1が二個飛行隊、F4が一個飛行隊で、しかもちゃんと各隊二十五機編成が前提になっていると、私はそう思うんだが、初耳とおっしゃらないで、それが事実かどうか答えてもらいたい。

塩田章防衛庁防衛局長

○政府委員(塩田章君) 各幕から現在の五六中業の作業過程の中でどういう意見が出ておるかというような内容につきましては、これは作業途中のことでございますので、中身はお答えは控えさせていただきたいわけですが、FSの後継につきましては、いずれにしましてもF1がそう長くございませんので、FSXをどうするかという問題はいずれ検討に入ります。しかし、現時点ではまだ入っておりません。

秦豊新政クラブ

○秦豊君 五三中業のところはすぱっと出てきたんだけれども、正直な答弁が。  私はなぜそういうことを言うかというと、僕の調査によれば、同じ時期の要撃戦闘機隊としてはF4が三個飛行隊、しかもちゃんと機数が二十五機になっているんですよ。合計七十五で積算されているんです。だから聞いたんです。違いますか。

塩田章防衛庁防衛局長

○政府委員(塩田章君) これはまだ幕と私どもの間でいろいろ検討しておる段階のことでございますから、だれがどういう案を出しているというようなことは控えさしていただきたいということを先ほど申し上げたわけでございます。

秦豊新政クラブ

○秦豊君 幕の二十五機提案をあなた方が拒否できる論拠と展望はないですよ、ないとぼくは思うんですよ。いつか生田目発言ありき、そうしていつかそれが現実の編成になったという事態に必ず結びついていくと私は思う。違いますかね。じゃ二十五機編成ではなぜ悪いんですか。

塩田章防衛庁防衛局長

○政府委員(塩田章君) 私はいま幕とわれわれの間でいろいろやっていると言いましたが、二十五機で悪いというふうな価値判断をお答えしたつもりでもございません。

秦豊新政クラブ

○秦豊君 もちろん。

塩田章防衛庁防衛局長

○政府委員(塩田章君) 議論をしておるということでございますので、その点でいま中身について、だれがどういう案を出して、われわれはどういう案を出してやっているんだということは控えさせていただきたい、こういうことでございます。

秦豊新政クラブ

○秦豊君 F4の改修問題、二月不十分だったからちょっと一問追加しましょう。  このF4の試改修では例の慣性航法装置ですね、現在はASN63をつけているわけなんだけれども、それを今度アメリカ空軍のA10サンダーボールドII型を使っておりますね、ARN101に換装するというのは果たして事実なのかどうか。事実であれば私はかなりな問題点を含んでいると思うんで、理由と事実かどうかをあわせて御答弁願いたい。簡潔にお願いしますよ、和田さん。

和田裕防衛庁装備局長

○政府委員(和田裕君) 機種でございますが、LN391A10搭載のものでございまして、米国リットン社製でございます。目的は、航法精度等を向上するために換装させるわけでございます。

秦豊新政クラブ

○秦豊君 では航法性能だけですか、ちょっと説明が足りないんじゃありませんか。それは防衛学校の一年生に答える答弁じゃありませんか。ほかに何かありませんか。A10というのは強力な対地攻撃機ですよ。その慣性航法装置ですよ。じゃ単にそれだけだったらいまのいわゆるASN63でなぜいかないんですか、あるいは高い金を出してアメリカのものを買うより、F1のJのASN1、これでも十分間に合うじゃありませんか。防衛庁が言うように要撃性能、航法のちょっとした改善、性能向上だけならA10のものを使う必要などは毛頭ない。あえてそれを使おうとするところに重大な目的がある。その目的を一向に説明しない。これはあなた、和田さん失礼だが、誤った答弁です。違いますか。

和田裕防衛庁装備局長

○政府委員(和田裕君) 慣性航法装置の換装は航法精度を向上するためでございますが、航法精度を向上させますと、当然のことながらそれによりまして要撃戦闘能力も向上する。その他慣性航法装置が果たす機能全体の向上によりまして付随的な機能も向上してくる、こういうことだと思います。

秦豊新政クラブ

○秦豊君 それはあなた帰って空幕に聞きなさいよ。いいですか、要撃機として使うだけであればいまの慣性航法装置で十分なんです。基地帰投能力を含めていまので十分。なぜアメリカが新たに開発をした強力な対地支援攻撃機A10のものを使うかと言えば、明らかにこれこそF16のFCSを使い、F15のセントラルコンピューターを使い、そしてきわめつけはこの慣性航法装置でまさに鬼に金棒になるわけだ。これで対地攻撃、対艦攻撃能力が飛躍的に向上することを補うシステムなんだ。主位一体なんですよ、これは。和田さんが言っているような手軽なものじゃないの。それなら何も高い金を出して買う必要は毛頭ないじゃありませんか。あなた方は政府統一見解と言うけれども、あれがそもそも偽りの、うそのかたまりだから、付随的に攻撃能力の向上、そのうそをぼくは一つ一つ明らかにしたいと思って二月の委員会ではF16の問題を出した、FCS。きょうはA10の問題を出したんだけれども、答弁は十分じゃありませんよ。そんなあいまいなことでF4ファントムの試改修問題がすんなり国会を終わった、予算の執行停止は解いてみせる、こんなことは許されませんよ、あなた。そんな答弁じゃ納得できない。

冨田泉防衛庁参事官

○政府委員(冨田泉君) ただいまのA10用のINSの装備でございますが、これは、ただいまのF4がつけております慣性航法装置は入力及び出力の形がアナログ方式のものでございまして、今回のF4試改修につけますセントラルコンピューターとの連接を図るためには、これはディジタル方式の入出力のものでなければつながらないということがございまして、そのために候補機種を探しておりました段階で、A10のものがディジタル方式の入出力のものであるということ、それから大きさと、それから値段等の関係で……

秦豊新政クラブ

○秦豊君 システムはいいんですよ、そういうコメントは。運用を言っているんだから。

冨田泉防衛庁参事官

○政府委員(冨田泉君) そういうものでつなぐということでございまして、つなぎ方そのものは、セントラルコンピューターの方で機能は決まるわけでございまして、慣性航法装置というのは、そういう自分の姿勢であるとか、自分の位置、そういったものを入力をするためのものでございますから、そう特別A10がどうのF4がどうのということは直接の関係はないと思います。

秦豊新政クラブ

○秦豊君 そういういわゆる技術テキストの一ページ目に書いてあるようなことは必要ないの。私は、全体としての運用の結果、対地攻撃能力が三位一体で強化されるという点がむしろ主眼であるということを二月以来言っている。その一つの裏づけとしてこの問題を出した。だから、あなた方の答弁は私の質問になじまないし、またしっくりしないし、納得しないから、この質問は留保する。  ただ、時間が時間だから、最後の質問になりますか、この点について防衛庁の見解を聞いておきたいんだけれども、いま自由民主党首脳の間から急速に、防衛摩擦と貿易摩擦を一挙に解消する一つのラフなスケッチとしてE3A——AWACSのかなりまとまった機数の購入というようなことを考え始めた周辺があると私は思っているんだけれども、一機四百億円もしますからね、十機で四千億円ですよ、これは。ヒステリックなアメリカの上下両院も鎮静されるかもしれませんけれども、それは別として、単にこの段階では説だから。やがてまじめに検討を要請されるような時期が来ないとも限らない。E3Aの導入については、防衛庁は魅力ある検討対象というふうにお考えかどうか、これが一つ。  それで最後の質問は、やがてF104Jが昭和六十年ごろすべてリタイアする、それにさっき言ったF4の減耗がある、三機じゃ済まぬと思うけれども、それから支援機への換装、十四機しかないRFの増強、こういう問題をさまざま総合勘案すると、結局、四百三十機が一応上限としても、八十機程度の作戦機をどう埋めるかという問題に必ずあなた方は逢着する。その場合にF15の追加購入という選択が一つありますね、それからF16Eというふうなきわめてすぐれているらしい支援機、これ機種、これを考えるということもあり得ないわけではない、あるいは国産の可能性に挑戦するということもそう乱暴でないかもしれぬ。ただ時間がない、早過ぎる、時間がなさ過ぎるという問題があるんだが、私は、F15を買い増しするという検討作業、これ必ず浮上してくると思うんだが、二つ欲張った質問で恐縮だが、それを答えていただきたい。

塩田章防衛庁防衛局長

○政府委員(塩田章君) 最初の——最初のといいますか、先ほど留保されましたINSの候補のことでございますが、その趣旨は冨田参事官から申し上げたとおりでございますが、もちろん先生の御指摘のように、これによって爆弾投下のために必要な情報供給が可能になります。そういう意味で性能の向上になることは、これはもう当然でございます。ただ、なぜこれを、A10を採用したか、これは候補機種としてもF16のものも考えてみたわけですが、この方が安いわけでございます。そういう意味で今回A10のものを採用するということを考えました。  それから、AWACSがいろいろ風聞があるけれども防衛庁として検討に値する魅力ある対象かということでございますが、全くこれいまそういう話はございませんので、全く検討したこともございませんので、その点はコメントはいたしかねますということでございます。  それから、四百三十機の枠に対しまして八十機程度の不足が予想されるではないか、これを何で埋めるかという問題でございます。まさに今度の五六中業の中で私どもが、陸海空を通じていろいろ問題ございますけれども、一番頭の痛い問題でございまして、まさにいま検討中であるということで、きょうのところはそれ以上……

秦豊新政クラブ

○秦豊君 さっき言ったようなことを含めて検討中ですね。

塩田章防衛庁防衛局長

○政府委員(塩田章君) 何をどうするということはいまの時点ではお答えは差し控えさしていただきたいと思います。まさにそれを検討中でございます。

遠藤要自由民主党

○委員長(遠藤要君) 本日の調査はこの程度といたします。     —————————————

遠藤要自由民主党

○委員長(遠藤要君) この際、地域改善対策特別措置法案を議題といたします。  まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。田邉総理府総務長官

田邉國男自由民主党総理府総務長官・沖縄開発庁長官

○国務大臣(田邉國男君) ただいま議題となりました地域改善対策特別措置法案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。  御承知のように、現行の同和対策事業特別措置法は、昭和四十四年に十年間の限時法として制定され、さらに三年間の期限の延長が行われたものでありますが、本年三月末日をもって、その有効期限が経過しようとしております。  顧みますと、同和対策事業特別措置法施行後十三年間にわたる関係施策の推進の結果、生活環境、産業基盤の改善整備を初めとして、地域住民の生活状況の改善向上には見るべきものがあり、また国民のこの問題に対する理解度も高まってきております。  しかしながら、現在なお生活環境、産業基盤の改善整備等について残された問題も少なくないこと等から、これら問題の早期解決を目指して、今後とも引き続き、日本国憲法の理念にのっとり、歴史的社会的理由により生活環境等の安定向上が阻害されている地域について、生活環境の改善、産業の振興等に関する事業を円滑に実施するために必要な特別の措置を講ずることにより、当該地域における経済力の培養、住民の生活の安定及び福祉の向上等に寄与することを目的として、この法律案を提案することといたした次第であります。  次に、この法律案の概要について御説明申し上げます。  第一に、対象地域について実施する地域改善対策事業の範囲及びその内容を明らかにするため、これを具体的に政令で定めることといたしております。  第二に、地域改善対策事業の円滑な実施を図るため、国及び地方公共団体並びに国民の責務を定めるとともに、同事業の推進に当たり配慮すべき事項を定めることといたしております。  第三に、現行の同和対策事業特別措置法におけると同様に、地域改善対策事業に要する経費について、地方公共団体の財政負担を軽減するための特別の措置を講ずることとし、同事業に係る国の負担または補助については、原則として、予算の範囲内で三分の二の割合をもって算定するものとするとともに、地方公共団体の起債について特例を設け、その元利償還金を地方交付税の額の算定に用いる基準財政需要額に算入することといたしております。  第四に、本問題の早急な解決を図るため、この法律の有効期間を五年間とするとともに、現行の同和対策事業特別措置法の失効に伴い必要な経過措置等を設けることといたしております。  以上がこの法律案の提案理由及びその内容の概要であります。  何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願い申し上げます。

遠藤要自由民主党

○委員長(遠藤要君) 本案に対する質疑は後日行うことにいたします。

遠藤要自由民主党

○委員長(遠藤要君) 小委員会の設置に関する件を議題といたします。  同和対策に関する調査のため、小委員八名から成る同和問題に関する小委員会を設置することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

遠藤要自由民主党

○委員長(遠藤要君) 御異議ないと認めます。  つきましては、小委員及び小委員長の選任は、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

遠藤要自由民主党

○委員長(遠藤要君) 御異議ないと認めます。  それでは、小委員に伊江朝雄君、板垣正君、林ゆう君、片岡勝治君、中尾辰義君、安武洋子君、柄谷道一君及び秦豊君を指名いたします。  また、小委員長に林ゆう君を指名いたします。  なお、小委員及び小委員長の辞任の許可及びその補欠選任並びに小委員会から参考人の出席要求がありました場合の取り扱いにつきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

遠藤要自由民主党

○委員長(遠藤要君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。本日はこれにて散会いたします。   午後四時二十六分散会

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