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96回国会参議院1982/04/27

逓信委員会 第7号

発言数
175
登壇者
11
会派数
3
開催日
1982/04/27

会議録

勝又武一日本社会党

○委員長(勝又武一君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。  まず、理事の補欠選任についてお諮りいたします。  委員の異動に伴い、現在、理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。  理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

勝又武一日本社会党

○委員長(勝又武一君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事に大森昭君を指名いたします。     —————————————

勝又武一日本社会党

○委員長(勝又武一君) 次に、放送法等の一部を改正する法律案及び電波法の一部を改正する法律案、以上両案を便宜一括して議題といたします。  まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。箕輪郵政大臣。

箕輪登自由民主党郵政大臣

○国務大臣(箕輪登君) 放送法等の一部を改正する法律案について、その提案理由及び概要を御説明申し上げます。  国民の多様な情報に対する要望にこたえて、テレビジョン多重放送を実用化するため、また、外国人等による放送会社の株式の取得の結果、当該放送局の免許が取り消されるという不測の事態を防ぐ等のため、放送法、電波法及び有線テレビジョン放送法につき所要の改正を行う必要があります。  この法律案を提案した理由は以上のとおりでありますが、次にその概要を御説明申し上げます。  まず、放送法の一部改正の内容について申し上げます。  第一は、テレビジョン多重放送についてであります。  テレビジョン多重放送のうち、当面実用可能なテレビジョン音声多重放送及びテレビジョン文字多重放送を日本放送協会に行わせることとするとともに、テレビジョン多重放送のための放送設備の賃貸を日本放送協会の業務に加えることとしております。さらに、この賃貸の場合の郵政大臣の認可については、両議院の同意を要しないこととしております。  また、日本放送協会を含め、テレビジョン放送とテレビジョン多重放送をあわせ行う放送事業者は、テレビジョン放送の内容を豊かにし、その効果を潜めるようなテレビジョン多重放送の放送番組をできるだけ多く設けるようにしなければならないこととしております。  このほか、郵政大臣は日本放送協会及びテレビジョン放送事業者に対し、テレビジョン多重放送のための設備の利用等に関する計画の策定、提出を求めることができることとしております。  第二は、日本放送協会の出資についてでありますが、日本放送協会は、その業務に密接に関連する事業を行う者に出資できることとしております。  第三は、外国人等の取得した放送会社の株式の取り扱いについてでありますが、上場放送会社等は、外国人等の株式取得により放送局の免許の欠格事由に該当することとなるときは、当該外国人等の取得した株式の名義書きかえを拒むことができることとしております。  第四は、災害の場合の放送についてでありますが、日本放送協会及び一般放送事業者は、災害の場合には、災害の予防または被害の軽減に役立つ放送をするようにしなければならないこととしております。  その他、所要の規定の整備を行うこととしております。  次に、電波法の一部改正の内容について申し上げます。  これは、テレビジョン放送をする無線局の免許が効力を失ったときは、そのテレビジョン放送の電波に重畳してテレビジョン多重放送をする無線局の免許も効力を失うこととするものであります。  最後に、有線テレビジョン放送法の一部改正の内容について申し上げます。  第一に、有線テレビジョン放送事業者は、郵政大臣の指定するテレビジョン放送の難視聴区域においては、その区域に係るテレビジョン多重放送も義務的に再送信しなければならないこととしております。  第二に、有線テレビジョン放送事業者がテレビジョン多重放送を再送信する場合には、義務再送信の場合を除き、そのテレビジョン多重放送事業者の同意を要することとしております。  その他規定の整備を行うこととしております。  なお、この法律の施行期日は、公布の日から起算して六月を経過した日としております。  以上が、この法律案の提案理由及び概要であります。  引き続いて、電波法の一部を改正する法律案について、その提案理由及び概要を御説明申し上げます。  航海の安全を確保するため、船舶の運航に携わる船員に必要な知識及び技能の基準を国際的に設定しようとする作業が、政府間海事協議機関(IMCO)を中心に進められ、昭和五十三年にロンドンで開催された国際会議において、千九百七十八年の船員の訓練及び資格証明並びに当直の基準に関する国際条約が採択されました。この条約は、今国会で御承認をいただくために別途提出されており、明年中にも発効することが予想されておりますので、同条約の発効に備える等のため、船舶において無線通信の業務に従事する無線通信士に関し、規定の整備を図る必要があります。  また、最近の国際情勢下において、在外公館からの無線による通信を確保することは、わが国の外交活動を円滑に遂行し、国益を確保する等の上から必要となっておりますので、わが国の在外公館に無線局設置の道を開くため、在日外国公館に無線局の設置を認める必要があります。  さらに、最近における無線局の免許申請者の増加に対応して、かねてより行政事務の簡素合理化を図る見地から、免許の簡略化の検討を進めてまいりました市民ラジオの無線局について、その免許を要しないこととする必要があります。  この法律案を提出した理由は以上のとおりでありますが、次にその概要を御説明申し上げます。  まず第一に、船舶において無線通信の業務に従事する無線通信士に関する規定の整備でありますが、船舶局の無線設備の操作に関して郵政大臣が行う訓練の課程または郵政大臣がこれと同等の内容を有するものであると認定した訓練の課程を修了した者について船舶局無線従事者証明を行うこととするとともに、郵政省令で定めることとしております一定の船舶局の無線設備の操作については、この船舶局無線従事者証明を受けている無線従事者でなければ行ってはならないこととするほか、船舶局無線従事者証明の失効等必要な規定を整備することとしております。  第二に、外国の大使館、公使館または領事館の無線局についてでありますが、この無線局は、固定地点間の通信を行うものについて相互主義を前提といたしまして免許を与えることができることとしております。  第三に、市民ラジオの無線局の開設についてでありますが、この無線局については、技術基準の適合性を確保した上で郵政大臣の免許を要しないこととしております。  その他、所要の規定の整備を行うこととしております。  なお、この法律の施行期日は、この法律の公布の日から起算して一年を越えない範囲内において政令で定める日から施行することとしております。ただし、市民ラジオの無線局及び外国公館の無線局についての改正規定は、昭和五十八年一月一日から施行することとしております。  以上がこの法律案の提案理由及び概要であります。  何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願いいたします。

勝又武一日本社会党

○委員長(勝又武一君) 以上で説明の聴取は終わりました。  これより両案について質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言を願います。

片山甚市日本社会党

○片山甚市君 まず、放送法、電波法一括して御質問をさせていただきます。  去る三月十九日、放送の多様化に関する調査研究会議が一九九〇年代に向けて取り組むべき放送政策の課題について報告書を郵政大臣に提出しておりますが、その理念、方向について大臣の御所見をまず伺いたいと思います。

箕輪登自由民主党郵政大臣

○国務大臣(箕輪登君) 先般、放送の多様化に関する調査研究会議から報告書が提出されたところでありますが、郵政省としても今後の放送行政のあり方について貴重な御意見をいただいたものと考えております。この報告書の趣旨を踏まえて、今後放送行政の推進に当たってまいりたいと考えているところであります。特に、新しい放送サービスの実用化については情報の多元化、多様化に資するものと考えられますので、既存の放送秩序との調和にも配意しながら国民の多様なニーズに対応した放送政策を推進してまいりたい、このように考えております。

片山甚市日本社会党

○片山甚市君 報告書によりますと、今回の放送法の整備に関連するものについても触れられておるんですが、今回の法改正との関連、並びに今後多重放送等に関する免許方針の策定に当たって報告書の提言をどのように生かしていかれるか、提言について御説明願いたいと思います。

田中眞三郎郵政省電波監理局長

○政府委員(田中眞三郎君) 報告書の中には、テレビジョンの多重関係の問題あるいは衛星放送の利用関係その他について御提言があるわけでございますが、特にそのうち文字放送の円滑な実施を図るためには次のような御提言をいただいておるわけでございます。  まず、広く国民各層に事業参加の機会が与えられて情報の多元化が図られるべきである。また、既存の放送事業者のすでに設置、利用しておる放送設備を使うということになるわけでございますので、第三者が円滑に利用できるように十分配意する必要がある。それから三番目に、文字放送の具体的な事業主体でございますけれども、情報の多元化の確保を図る、それから放送メディアの特性に応じた情報提供能力あるいは競合メディアの状況等色総合的に勘案しながら検討する必要がある。  このような御提言を踏まえまして、私ども今回の放送法改正に当たりまして文字多重放送の第三者利用の道を開く、こうしたものでございますけれども、その第三者の免許方針の策定に当たりましては、多重放送事業者もまた一般放送事業者になることでもございますので、電波法等関係法令に基づきまして、地域の密着性、マスメディアの集中排除等、従前の基本的方針に即しまして検討したいと考えておる次第でございます。

片山甚市日本社会党

○片山甚市君 そういたしますと、放送サービスの普及と充実、文字多重放送についてのお話は聞きましたが、衛星放送あるいは新しい放送サービスのための技術基準に関するコード伝送方式等についての提言はどうなっていますか。

田中眞三郎郵政省電波監理局長

○政府委員(田中眞三郎君) ただいま多重について申し上げたわけですけれども、次に衛星放送の関連ですけれども、衛星放送につきましては、その利用方法あるいは事業主体のあり方等につきましていろいろ御提言をいただいております。そうした場合に、NHKが放送衛星を難視聴に使う場合あるいは放送大学の場合につきましては、ある程度路線といいますか、考え方はおのずから出てくる面もあるわけですけれども、問題は、その第二世代あたりから出てまいります第四番目のチャンネルの使い方、あるいはその次の時代に出てきますいろんな新しい、放送衛星でないとできない、あるいは放送衛星だからこそできろというような、PCMの問題とかあるいは高精細度テレビ、そうしたものについてのいろいろなお考えをいただいておるわけでございまして、さしむき問題になりますいわゆるBS3、これにつきましては四チャンネル乗るということになりますと、早速NHKあるいは放送大学以外の関係諸機関等々で新しい事業体が参入してくるという問題も起こりかねませんので、そうしたことについてはいろいろ関係諸機関との連携も図りながら考え方を詰めてまいりたい、このように考えておる次第でございます。  それから従来から行っております難視聴の解消あるいは放送サービスの普及と充実、従来路線のテレビなりFMについての充実についても一層推進するようにと求められておるわけでございますけれども、これらにつきましても引き続き積極的に対処してまいりたい、前向きの姿勢で対処してまいりたい、このように考えておる次第でございます。

片山甚市日本社会党

○片山甚市君 そこで、わが国の放送体制はNHKと民放と放送大学学園放送の三本立てになっておりますが、今回の放送法の整備についてはNHKと民放に限られ、放送大学学園放送については触れられておりませんが、この理由はどういうことでありましょうか。

田中眞三郎郵政省電波監理局長

○政府委員(田中眞三郎君) 仰せのとおり、放送大学学園についてのコメントする部分はないわけでございますけれども、私ども、放送大学学園につきましてもNHKないし民放同様テレビジョン多重放送の利用はできる、認めることにしているということでございます。ただ、学園の行います放送は大学教育としての実質を有するものでございますし、多重放送等を十分に活用して多面的かつ充実した教育を行ってもらいたいということでございますので第三者利用というのは認めるべきではない、認めないことが適当であるという考え方からいたしまして、放送大学学園法の第二十条にその学園の業務が掲げられておりますけれども、そうしたものの改正には手をつけておりませんし、また同じような趣旨から第四十四条の六項、いわゆる補完的利用に関する規定も特には必要がないということで準用はしない形になっておるわけでございますが、繰り返しますけれども、放送大学学園がその本来の目的のためにこの多重の技術を利用するということは妨げるものではない、このように考えておる次第でございます。

片山甚市日本社会党

○片山甚市君 そこで、放送法改正案が提出されるに当たって、いわゆる受信料の支払いを義務づける規定を盛り込むのではないかと一部で予想しておりましたが、事実はどういうことになったか。このことは、去る三月三十日、NHKの昭和五十七年度予算審議の際、私が確認しましたとおり、事業の経営努力に負うところが大きいということと同時に、将来とも義務化の規定を設けないというように解釈しておるのでありますが、省としてまずお答えを願いたいと思います。

田中眞三郎郵政省電波監理局長

○政府委員(田中眞三郎君) 受信料の支払い義務化についてでございますけれども、受信料制度の現在の趣旨を一層明らかにする、あるいは受信者の負担の公平に資するというふうに考えておるわけでございますけれども、五十五年度の受信料改定後から現時点までに及ぶ受信料の収納状況等関心を持って見ておるわけでございますが、比較的順調に推移しておるというふうに判断しておるわけでございまして、ここ当面NHKの経営努力に期待し、その推移を見守ることが必要ではないか、そういう考え方でございます。

片山甚市日本社会党

○片山甚市君 NHKにお伺いしますが、三月三十日のときに言明をされたように、今日の段階では事業として努力をし、法律の規制を受けなくても達成するということでございましょうか、お答え願います。

坂本朝一日本放送協会会長

○参考人(坂本朝一君) 御指摘のように、今回の郵政省から提案されました放送法等の一部改正案には受信料の問題は入っておりませんけれども、いま先生のおっしゃいますように、NHKといたしましても、現在のいろんな状況を踏まえまして、五十五年度の受信料改定後の契約、収納の面で努力を重ねました結果、比較的滞納等の増加も抑制でき順調に進んでおるというふうに考えておりますので、いましばらくわれわれは経営努力によってこの問題に対処したいというふうに考えておる次第でございます。

片山甚市日本社会党

○片山甚市君 私は、将来ともにそういう法律を設けるのでなくて、いわゆるNHKの努力でお金が集まってくる、番組がいいからみんな見たいという、こういうふうにしてもらいたい。法律でお金を取るようなことでなくて、むしろ自発的に番組が民放と比べてみてもやはりNHKはいい、見たいというものをつくるというように会長が言われるものと思ったんですが、どうも当分の間、ちょっとの間、一年ぐらい、次の値上げのときには何とかまた、こういうように聞こえますので、そういうことでは、やはり視聴率がどうかということではないと言われましても、視聴率そのものが番組の価値ではないとこの間も言われておりましたけれども、やはり国民からの信頼ということになればNHKが負うべきところは大きいと思いますが、もう二度、将来にわたって努力をするつもりなのか、当面ちょっとするということなのか、お伺いします。

坂本朝一日本放送協会会長

○参考人(坂本朝一君) 先生のおっしゃいますように、受信料制度というのはあくまでも受信者の理解、それが前提である、そういう認識には立っておるつもりでございます。したがいまして、毎々申し上げますように、私はそういう面で受信者の理解を得る、その上でこの制度を守っていきたい、そういう考え方であるということを重ねて申し上げたいと思います。

片山甚市日本社会党

○片山甚市君 わかりました。  放送法の抜本整備については、昭和三十九年九月の通称臨放調、臨時放送関係法制調査会の答申に基づいて電波法と放送法の改正案が昭和四十一年に提案されまして、廃案、未成立になりましたまま今日に至っておるんですが、すでに電波・放送事業が大きく変わっております今日、電波・放送行政の根幹をなす両法について時代の要請に沿い得る整備が必要であろうと思うんですが、それについて当局の考え方を示してもらいたいと思います。

田中眞三郎郵政省電波監理局長

○政府委員(田中眞三郎君) 抜本的改正につきましては、四十一年に提出いたしまして御高承のとおり廃案になって、それから今日まで来ておるわけでございますが、いろいろ検討すべき問題はあるわけでございます。放送番組の問題あるいは一般放送事業者のあり方等いろいろございますけれども、事が何分にも言論の自由にかかわる問題が多い、また既存の放送秩序に影響を与える、そうした問題も考えなきゃいかぬということで、関係の方面の御意見も非常に多岐にわたるわけで、なかなか早急に国民的合意を得るのは困難だと考えております。  したがいまして、そうした問題についての法改正については今後とも引き続き検討を重ねていく必要はあるということで検討を重ねていくわけでございますけれども、今回はともかく早急に実用化が必要なテレビジョン多重放送の規定の整備あるいは外国人等の株式取得に対する措置など、当面緊急を要する事項につきまして改正案を御提案申し上げて御審議いただいておる。申し上げますと、引き続き検討すべき問題はある、このように理解しておるわけでございます。

片山甚市日本社会党

○片山甚市君 いま局長からお話がありましたけれども、放送・電波両法の周辺には多重放送や放送衛星あるいは放送大学等の新しい状況が生まれておりまして、放送法が表現の自由を保障する重要な性格を有することは十分承知の上であります。二十年間が経過している両法について抜本的な整備をすべきだと私は思います。昭和四十一年に提案された改正法案が合意を得られずに廃案になったということはわかりますが、今後どのように対処していかれるのか、具体的に今後の両法の抜本的改正について取り組まれるスケジュールを説明してもらいたいと思います。

田中眞三郎郵政省電波監理局長

○政府委員(田中眞三郎君) いまも申し上げましたように、特に放送法につきましては従来からいろんな問題があるわけでございますが、先生いまおっしゃいましたように、いろんな技術の開発に伴って新しい問題も出てくる、そうした問題にどう取り組むのか、あるいは放送大学の放送に放送衛星を使うという問題も出てくるだろう、こういうことでございますが、そうしたものにつきまして法的措置が必要である、そうしたものについては国民的合意を得られるように努力しながら、そうした得られるようなものについて随時法改正を行うべきである、そう努力してまいりたいというふうに考えております。そのためには、当然たとえば放送大学等でございますと文部省あるいはその他関係機関が多いと思いますけれども、そうした方面の意見を徴しながら同意を得られるように、それで法改正の必要なものについては前向きに取り組んでいく、こういう必要があろうかというふうに考えております。

片山甚市日本社会党

○片山甚市君 臨放調答申の提言によりますと、「今後とも、放送関係法制を放送界、放送技術界の変動、進歩に対応させるため、この種の調査検討を一定の期間をおいて繰り返し行なう必要がある」と述べられておりますが、それをどう受けとめておられるか。また、このことは、公的な権威ある機関の設置や国民的合意を得る手続が必要であると考えるが、大臣の御所見を賜りたい。いま局長の答弁では放送大学の問題等で文部省等と御相談することになっておりますけれども、公的な権威ある機関を設けて、今後の放送法のより充実した抜本的な改正が行われるように努力する必要があると思いますが、いかがでしょうか。

箕輪登自由民主党郵政大臣

○国務大臣(箕輪登君) 放送法の抜本的改正については、問題の性格上なかなか国民的な合意が得にくいもの等がございますので、郵政省としては、必要なものであって国民的な合意が得られるものについては随時法改正を行っていきたい、こう考えているわけであります。

片山甚市日本社会党

○片山甚市君 そうすると、昭和四十一年に出されたようなものは今日の段階で包括的に出す。すなわち、昭和四十一年に出されたのは、電波の適正な利用を図るとともに、行政の公正と一貫性を確保するため、周波数の使用を計画化すること、放送局の免許の基準及び手続を整備すること等が必要であって、それについてのそれぞれのいわゆる提案をされているのでありますが、これから出されるとすれば放送上必要なものを逐次その都度出していくという改正方法をとりたい、こういうふうに理解をしてよろしゅうございますか。

田中眞三郎郵政省電波監理局長

○政府委員(田中眞三郎君) いま先生がお挙げになったようなこと、非常に多くの問題があるわけでございます。チャンネルプランを法定するとか、あるいは一般放送事業者のあり方等、難視解消の問題を含めまして、いまのままでいいのかとか、あるいはNHKの現在の体制と申しますか、機構その他についても検討すべき点はあるのじゃないか、こうしたことにつきましては随時私ども検討を続けておるわけでございますが、繰り返すようでございますけれども、なかなかコンセンサスといいますか、十人の方に聞きますと、極端な場合には十人が十人御意見が違うというようなものもあるわけでございます。そうしたわけで、問題意識は常に持ちながら、いま大臣もお答え申しましたように、随時新しい技術の開発とともに必要なものも出てくるであろう、そうした必要なもの、それからやはりコンセンサスといいますか、十人のうち少なくとも六、七人ぐらいのコンセンサスが得られるようなものについては随時その法改正をやっていく、こうした手法もあるであろう。一方、片一方で根本的な検討も進める、こういうことでございます。

片山甚市日本社会党

○片山甚市君 非常にコンセンサスを得る、合意を得ることのむずかしさのお話がありましたけれども、憲法で保障された表現の自由、こういうことからいいまして、この取り組みは慎重でなければならぬと思いますから、いまの答弁を承っておきます。  そこで、今回の法律案をつくりました中心になる多重放送について、まず総括的な立場からお伺いいたします。  放送法改正案によれば、今回NHK、民放にテレビジョン多重放送のうち音声及び文字多重を実用化するための措置を講ずることでありますが、テレビジョン多重放送の技術開発の状況はどのようになっておるのか。すなわち、音声、文字、静止画、ファクシミリ等ありますが、当面音声と文字についてのお話があるんですが、それを含めて御説明を願いたいと思います。

田中眞三郎郵政省電波監理局長

○政府委員(田中眞三郎君) まず、音声多重でございますが、これは実用化試験局というような形でもうすでに実施に移っておると申しますか、用を前提とした放送が行われておるわけでございます。  次に、文字多重でございますが、いろいろ御意見もあるところでございますけれども、パターン方式とコード方式というものがあり、そのうちのパターン方式については非常に日本の象形文字あるいは漢字国においては適当であるということで電波技術審議会の答申も得ておる、またコードが非常に伝送速度も速いということで魅力ある方式である、これにつきましては五十五年度以来研究しておるわけですけれども、できる限り早急に技術基準の審議を終えてもらいたい、こういう状況になっておるわけでございます。二、三年を要するであろうというようなことでございますが、この音声多重、文字多重につきましては、いずれにしましても、実用化のめどがついたという形で今回御提案申し上げ、御審議いただいておるわけでございますが、多重につきましては、いま先生御指摘のようにファクシミリ放送とかあるいは静止画放送あるいはコードデータ放送などが音声多重、文字多重以外にも考えられるわけでございまして、その開発の現状でございますが、まずファクシミリ放送についてでございますが、これも現在電波技術審議会において審議を進めておるわけでございます。  審議の状況でございますけれども、ファクシミリ放送システムの室内実験用に試作いたしました送受画機によりまして、既存のテレビジョン放送などへの影響の有無及び所要の伝送品質について室内実験を行いまして、一応の成果を得ているという現状でございます。今後は、さらにファクシミリ放送に必要な送信機の諸特性あるいは多段放送波中継を行った場合の伝送特性、画質に乱れが出ないか、文字に乱れが出ないか、そうしたものについて室内及び屋外実験を含めて検討する必要があろうか、このように考えております。  次に、コードデータ放送あるいは静止画放送でございますが、まだ電波技術審議会の審議ベースには上がっておりませんけれども、それぞれNHKあるいはその他の研究機関において御研究いただいておるというところでございます。緊急警報信号方式につきましては、コードデータ伝送放送の一部になろうかと思い、これは別途早急に必要だということで今年度中にも御答申をいただく、こういう形になっておりますけれども、緊急警報信号方式も一種のコードデータ放送の一部である、こういうような理解をいたしておるわけでございます。

片山甚市日本社会党

○片山甚市君 音声多重放送は昭和五十三年九月から試験放送を実施しておられますが、文字多重放送については、このような過程がございません。そこで、法案成立後はいきなり本実施ということになるんでしょうか、まずお答えを願いたい。

田中眞三郎郵政省電波監理局長

○政府委員(田中眞三郎君) 音声多重方式の導入の仕方と文字多重方式の導入の仕方がステップが違うようだ、こういう御指摘でございますけれども、この文字多重放送につきましては、先ほども申しましたように技術的に可能である、またそれなりの強い御要望もあるということで、それから第三者利用という従来の音声多重放送とは違った形態といいますか、放送形態が考えられるということで、今回ただいま御審議いただいている法案の改正によりまして、音声多重放送、文字多重放送の将来のあり方というものを明確にしていただくわけでございますけれども、その段階で多重放送の普及を図る観点からいろんな措置を適切に処理してまいりたい。繰り返しますけれども、音声多重放送と文字多重放送につきましてはいささか扱いを異にすべき技術的内容もある、そのように考えておる次第でございます。

片山甚市日本社会党

○片山甚市君 もう一度お聞きしますが、大体いきなり本実施になりましても混乱はないですね。本実施になりましても大体きちんとやれるという政府としての自信がある、そういうことで提案をしておる。

田中眞三郎郵政省電波監理局長

○政府委員(田中眞三郎君) 一言で申しまして、そのように理解し、また指導し、準備も進めてまいりたい、また関係の機関に御協力を得なければいけない面も多々ある、その辺御理解を得ながら進めてまいりたい、そうすることが結局は文字多重を導入する上での早道であり、われわれのとるべき道だ、方法だ、このように理解しておる次第でございます。

片山甚市日本社会党

○片山甚市君 文字多重放送の伝送方式としてパターン方式、コード方式、ハイブリッド方式がございますが、当面どの方式でスタートをするのか、その根拠はどういうことか。こういうことは、昭和五十六年の三月、電波技術審議会からパターン方式についての答申がありますが、それらを踏まえて御説明を願いたいと思います。

田中眞三郎郵政省電波監理局長

○政府委員(田中眞三郎君) いま御指摘のように、パターン、コードあるいはハイブリッドというような方式が提案されておるわけでございますが、結論的に申しましてパターンで先行する形になろうかと思います。これは予測でございます。ただ、私どもといたしましては、コードの技術基準が早急に審議、答申され、ハイブリッド方式等々も市場に出てくるということであれば——今日ただいまの時点においてどちらかに決めておるわけではございません。ただ、実際問題として、パターン方式については五十六年三月に電波技術審議会の答申を得ておる。コード方式は五十五年度からやっておるけれども、いろいろ表示方式、特に誤り訂正方式についての基本パラメーターの検討を行っているということで、もう少し時間がかかる。いずれにいたしましても、それらの検討の前提といたしましてはパターン方式との併存、これを考え、無視してはならない、パターン方式との整合がとれるということがあくまでも前提である、こういう形で御審議をお願いしておるわけでございます。そして聞いてみますと、コードについてはやはり三年程度、あるいは二年という方もおられますけれども、私どもとしましては三年程度かかるというふうに技術審議会の先生の方々から御返事をいただいておるわけでございます。  そうした場合に当然混乱の起こらないように、パターン方式を先行いたしましても、時間的にはその方が早いということになればパターン方式を先行導入せざるを得ないと考えておるわけでございますけれども、繰り返しになりますが、そうした先行方式とあくまでも整合性のとれたコード方式なりあるいはハイブリッド方式という形で導入し、いたずらに視聴者に御迷惑あるいは混乱を与えることのないようにすべきである、このように考えておるわけでございます。

片山甚市日本社会党

○片山甚市君 そうしますと、まずパターン方式でスタートすることに大体なろうと思いますが、コード方式の技術基準が確立された段階で両方式が併存、併用となるということでございます。そこで、視聴者の立場になると、二重投資を避けるためにパターン伝送方式の受信機を買い控えることにならないだろうか、そのために価格が高くつくのではないだろうか、これが一つであります。放送事業者も、多重放送の効果が減衰すると見て意欲をそがれることにならないか。コード方式の採用の展望としては二、三年ということでありますが、パターン方式とコード方式の併用の段階を短くするのか、それともこれについての対策はどのようにされますか。質問は、その場しのぎの政策をとられますと機械を売ればいいということになって国民が非常に被害をこうむると思いますから、それについての政府の考え方を示してもらいたい。

田中眞三郎郵政省電波監理局長

○政府委員(田中眞三郎君) 多少繰り返した御返事の部分が出てくるかとも思いますけれども、まずコード方式の検討を急いでくださいということでお願いしておるわけでございますけれども、そのコード方式の検討の前提条件といたしましてパターン方式との整合を十分図ることをお願いしているわけでございます。したがいまして、パターンが先行してコードが後から入るという形になろうかとも思うわけですけれども、いま申しましたように、あくまでも整合を考えるという前提がございますので、せっかくパターンを買ったのにすぐ使えなくなったというような二重投資を強いることにはならないというふうに考えておるわけでございます。  結局、受信機の形態としてどうなるのかということですけれども、最初パターン方式でいくわけですが、コード方式が導入された段階におきましてもパターン受信機の受信者はコードコンバーターというものを付加すればコード方式の受信ができるように容易になるものとしまして、そうした考え方から積極的な普及に努めてまいりたい、このように考えておるわけでございます。結局、将来はどうなるのか、オールチャンネル受信機の場合と同じように内蔵型の受信機が普及されるというふうに予想するわけでございまして、郵政省といたしましては、アダプターの、受信機の操作の容易さあるいは価格の低廉化等につきまして関係業界とも十分話し合いしながら指導すべき点は指導してまいりたい、このように考えておる次第でございます。

片山甚市日本社会党

○片山甚市君 国民に二重投資をさせないようにできるだけ慎重な態度で要求に応じられるように、非常にむずかしいことでありますが、期待をまずしておきます。  そこで、文字多重放送がパターン伝送方式でスタートした場合、一Hあたり十番組程度となると言われますが、既存の放送事業者と第三者にどのように利用させるのか、その方針について説明を願いたいと思います。

田中眞三郎郵政省電波監理局長

○政府委員(田中眞三郎君) テレビジョン文字多重放送というものは、テレビ放送の放送電波の垂直帰線消去期間内の水平走査線期間、Hと申しておりますけれども、ホリゾンタルの略でございますが、そうしたものを利用して行われるもので、この垂直消去期間中にHが二十数Hあるわけでございますけれども、その多重に使える部分というのはさしむき二H。先生ただいま申されましたように二Hでございます。二つの水平走査線期間は、番号で申しますと第十六Hと第二十一Hでございますけれども、この利用につきましては十番組ずつ送れるということでございますけれども、既設放送事業者が一H分、あるいはいわゆる第三者が一H分。第十六Hにするのか第二十一Hにするのか、その辺はまたそれぞれの事業者等とも相談してまいりたいと思っておりますけれども、いずれにしましても、それぞれ一Hずつが適当ではないか、このように考えておる次第でございます。

片山甚市日本社会党

○片山甚市君 そこで、多重放送の番組編集についてでございますが、いわゆる補完的利用を主とし、主番組の内容の充実に努めるべきだということを義務づけておりますが、これを担保するための補完的利用の利用比率等、免許条件をどうするのかについて説明願いたいと思います。

田中眞三郎郵政省電波監理局長

○政府委員(田中眞三郎君) 番組を豊かにし補完的利用に努力していただきたいという条文をお願いしておるわけでございますけれども、その補完利用の番組比率を条件として付すかどうか、あるいはたとえばテレビジョン放送番組のうち文字多重放送で補完するのになじむ番組がどの程度あるのか、あるいは放送をする側でどの程度これに対応ずる能力と申しますか、番組制作能力、手数というようなもの、いろいろございますので、十番組入れられるうち二番組にするのか三番組にするのか、その辺につきましては放送事業者側の計画というものも参考にしながら今後検討してまいりたいと思っておりますけれども、精神といたしましては、非常に補完的利用を望まれておる向きもございますので無視していただいては困る、その辺に御努力いただきたいという考え方でございます。

片山甚市日本社会党

○片山甚市君 放送の多様化に関する調査研究会議の報告書では、「聴力障害者への字幕放送サーービスが円滑に実施できるように、国、地方公共団体及び放送事業者その他関係者の幅広い検討と協力が望まれる。」と記されておりますが、この字幕放送に対する経費負担のあり方については、NHKと民放では経営財源が異なるはずでありますが、基本的にどのようにお考えですか。まず政府から。

田中眞三郎郵政省電波監理局長

○政府委員(田中眞三郎君) 聾唖者向けの字幕放送の制作というものには非常に多額の費用を要するということを聞いております。また、時間的にも大変である、あるいはそうした向きのエキスパートの養成も要るというふうに聞いておるわけでございますけれども、何分にも有限、希少な電波を利用していただいて放送をやっていただいておる、それからこうした特定者向けに特に要望されておる放送であるということで、放送事業者、NHK、民放含めまして、その社会的責務というような立場から、やはり企業努力あるいは特別な創意工夫というものによりまして対応してそうした要望の向きにこたえるように御努力いただきたいと期待いたしておるわけでございます。

片山甚市日本社会党

○片山甚市君 協会の会長として、いまの政府の答弁について御見解がございましたら、お願いします。

坂倉孝一日本放送協会専務理事

○参考人(坂倉孝一君) いま電波監理局長からお話がございましたように、この聴力障害者向けの字幕サービスにつきましては、これはいろいろなまだ検討されるべき問題点が残っているわけでございます。NHKにおきましては、現在プロジェクトチームをつくりまして、いろいろなテスト版の制作など、あるいはソフト面での手法の研究、検討を進めているわけでございますけれども、やはりこの漢字、かなのまじった日本語をどう文字化していくか、あるいはいま御指摘のございましたような専門家の養成の問題、そういった問題を抱えているわけでございまして、実用化に当たりましては相当な設備、要員、経費が必要になるわけでございます。  こういった問題につきましては、外国におきましてもやはり統一されました、たとえばアメリカにおきましてはNCIという全米字幕機構といいますか、ナショナル・キャプショニング・インスティチュートというようなそういう専門機関ができまして、政府の資金といったようなものも入れてこういう字幕の制作等に努力をしている実情でございます。日本におきましても、やはり各方面からの基金その他によってそういったようなものを持っていく方向ということも検討されるのではないかというふうに考えるわけでございますけれども、NHKといたしましては最大努力をしていきたいというふうに考えているわけでございます。

片山甚市日本社会党

○片山甚市君 そうすると、電波監理局の方に聞きますが、民放の方は財源的にどういうような考え方に立つものでございましょうか。

田中眞三郎郵政省電波監理局長

○政府委員(田中眞三郎君) 既設のテレビ放送事業者の場合に第三者に利用させる、話し合いの上でそうした会社ができた場合にやるという面については先生の御質問にはないと思いますが、その放送事業者自体が行う、そうした、特にはっきり申しまして聾唖者のための番組をつくるということについての費用の捻出についてどう考えるか、こういう御質問かと思いますけれども、やはり基本的には放送事業者自体がそうしたものをやるのだ、そうした方々のために社会的責務を考えてやるのだという姿勢を期待いたしたいわけでございますけれども、またそれなりの創意工夫によりまして。外国の例等で申しますと、そうした趣旨に賛同するグループというものも、そんなに豊富ではないでしょうけれども、ないわけではない。財団というようなものからの寄附等々もあり得るというふうには考えておるわけでございますが、基本的にはやはり番組を毎日制作しておく、一時的に投資すればそれでいいというものではございませんので、やはり日々における放送事業者自体の御理解あるいは責務を感ずるというようなことでの御協力をお願いする必要があろう、このように考えております。

片山甚市日本社会党

○片山甚市君 ハードの設備の問題については、それはある程度財産にもなりますし、適当にできると思います。ところが、ソフトの方になりますと、人材の問題になりますし、大変これからの長期的なことになりますから、いいということで公共的な役割りを果たそうと思ったところが、金がなければ今日の国鉄みたいにたたかれ踏まれたりする。うっかり公共性に賛成してやってみたら後で赤字線のために命をとられるというような恐ろしい世の中でございますから、よほど考えてみないといいことかわからない、こういうふうに思います。これは私の私見でありまして、社会党の意見でありません。どうもいいことだと思ってやることは一番危ない。だめだだめだと言いおるのは、監視しているから大丈夫だという気がするので、この字幕放送がだめじゃなくて、この財政的な経営的なことをどのようにするかということをはっきりさせないで、突っ走ってから後で引き返すことができないということがないように特に要望しておきます。  そこで、音声多重放送についてですが、現段階では一チャンネルで一番組しか利用できないと聞いておりますが、仮に独立的利用を認めるとすればテレビジョン放送局が単独のラジオ放送局を持つのと同じになり、ラジオ単独事業者の経営基盤に影響を与えることになる。放送事業者全体の調和ある発展という視点からこれをどのようにお考えですか。

田中眞三郎郵政省電波監理局長

○政府委員(田中眞三郎君) 既設放送事業者が行います特に音声多重につきましての独立的利用でございますけれども、まさに先生ただいまおっしゃいましたようなことで、情報の多様化などの観点からはまさに音声多重の独立的利用というものは有用な利用方法ではあると言えるわけですけれども、マスメディアの集中排除の趣旨に反しないか、つまりテレビ局がラジオ局も持つというようなことにならないか、音声放送全体のあり方からいたしまして、ラジオ放送とFM放送とテレビがやるところの独立的な音声放送、こういうような音声放送全体のあり方からして適当かどうか、また補完的利用が十分行われなくなるのではないかという問題があるわけでございます。  そこで、現在のところ、ともかく音声多重は一チャンネル一番組しか送れない。こういうところから、当面はステレオ、二カ国語放送とその他の補完的利用という立場で使ってもらいたい。音声多重放送の特性を生かしまして国民のニーズにきめ細かい対応をしていただきたい。こういう形で、一言で申しますればテレビの音声多重につきましては補完利用、現在の形でやるのが最も適当であろうか、このように判断しておるわけでございます。

片山甚市日本社会党

○片山甚市君 それでは、NHK関連の文字多重放送についてお伺いします。  今回、NHKの必須業務としてテレビジョン音声及び文字多重放送を行わせることにしておりますが、全国普及義務を課していない理由は何でしょうか。まず、郵政省からお答え願い、後、NHKからお答え願いたいと思います。

田中眞三郎郵政省電波監理局長

○政府委員(田中眞三郎君) NHKはあまねく日本全国において受信できるように放送を行うことを目的として設立された法人でございますから、テレビジョン多重放送でございましても全国普及に努めるべきものだと考えておるわけでございます。  ただ、テレビジョン多重放送の場合、少なくとも現時点ではテレビ、ラジオあるいはFMというように基本的な放送サービスではない、やはりあくまでも多重である、そういう考え方からいたしまして第九条の第四項には特に加えなかったわけでございますが、もっとも物理的特性を考えてみますと、テレビジョン多重放送というのはテレビジョン電波に重畳して行われるものでございますので、テレビジョン放送の放送区域というものがありますと、当然多重の番組もそこにサービスが行き渡るわけでございます。物理的にはそういう性質でございますが、いまのような考え方で特に九条の第四項には加えなかったということでございます。

坂本朝一日本放送協会会長

○参考人(坂本朝一君) NHKといたしましては、毎々申し上げておりますように、多様化する視聴者の要望に計画的、継続的にこたえて、放送法の第七条に規定されております「公共の福祉のために、あまねく日本全国において受信できるように放送を行う」というNHKの目的を達成するために、テレビジョン多重放送につきましても放送法第九条一項で国内放送として明確に位置づけられることが必要であるというふうにかねてから考えてまいった次第でございます。したがいまして、今回の改正案において、テレビジョン文字多重放送についてテレビジョン音声多重放送とともに第九条一項のNHKの業務に加えられるということになっておりますので、NHKといたしましてもこれに賛意を表しておる次第でございます。したがいまして、第七条の目的を達成するために全国あまねく受信できるように努力したいというふうに考えております。

片山甚市日本社会党

○片山甚市君 会長から、義務規定がなくてもNHKの方針としてあまねく放送ができるように努力をするということで承っておきます。  そこで、文字多重放送は聴力障害者にきわめて有益であり、先ほどもお話がありましたように、特に公共的使命を帯びておるNHKとして積極的にその導入を図っていくべきだと考えます。しかし、音声多重放送の試験放送の実績を見ると、大都市圏にとどまっている。多重放送が本サービスとなった場合、NHKはどのような方針で音声あるいは文字多重を進めていくのか、お答えを願いたいと思います。

坂本朝一日本放送協会会長

○参考人(坂本朝一君) テレビジョンの音声多重放送につきましては、御承知の昭和五十三年の十月に東京、大阪で実用化試験放送を開始して以来、逐次その拡大を図ってまいりまして、大体五十六年度末で約六〇%から五十七年度末には六八%ぐらいになる見込みでございます。  毎年度の放送対象の区域の拡大につきましても、実施局につながりますいわゆる中継局についても、すべて同時に音声多重放送を実施してきておりますので、私は、今後そういう方向で努力する所在でございますから、いわゆる文字多重放送につきましても同様の趣旨でいわゆる大都市偏重ということにならないように努力したいというふうに考えております。

片山甚市日本社会党

○片山甚市君 先ほどお話がありました多重放送を実施するためには相当の経費がかかると思われます。多重放送が基本的サービスではなく全国普及義務が課せられておらないということで、その経費負担については制約はないのか、NHKは多重放送に要する経費負担について今後どのように考えていくのか、まずNHKからお答え願いたいと思います。

高橋良会計検査院事務総局第四局長

○参考人(高橋良君) お答え申し上げます。  先ほど会長から御説明ございましたように、継続的に、なお計面的にということでございますので、ただいまの時点におきましては一つの仮定を立てて御報告を申し上げたいと思います。  まず、伝送系と制作設備系に分けてまいりますと、たとえば東京発でもって全国をカバーするための放送網にかける経費、これが再生中継機などが必要になってまいりますので、現在持っておりますネットワークに対しまして約十一億がプラスされるというふうに考えております。  次に、制作設備系でございますが、東京で最初は大部分の番組を制作いたしまして、逐次計画的、継続的に地方局でも制作できるようにするという考え方をとってみましても、まず東京でこの画面並びに文字の入力端末機器、これにつきまして約七億ぐらいかかるのじゃなかろうかと思っております。  なお、概算でございますが、たとえば大阪とか仙台とかというような管内担当局単位並びに地方局単位にローカル放送をやるといたしますと、これの制作設備費が一局平均で約一億というふうに現在は試算しているわけでございます。したがいまして、管内担当局が七つございますから概算七億、さらに将来県域単位で四十局で行うといたしますと約四十億というのが概算試算でございます。  ただし、これはパターン伝送方式を仮定した場合でございまして、コード方式になりますとこれの約三割から四割現時点において価格が上がるのではなかろうか、そのように判断しておるわけでございます。  なお、番組制作につきましては、先ほど坂倉専務理事から説明ございましたように、番組のあり方並びに番組の制作費用、こういうものを含め検討中でございますので、現在は試算していないというのが現状でございます。ただいま検討中でございます。

片山甚市日本社会党

○片山甚市君 そこで、NHKが多重放送を実施する上で、次のような問題についてお聞きしたいんです。  多重放送の実施に当たって、電波の有効利用、情報の多元化を図る見地からNHKも民放同様第三者利用を認め所要の措置を講じているが、NHKではテレビが二系統、ラジオの多重化も近い将来行われると思います。衛星放送も実用化段階に入れば占有周波数帯幅が二十七メガヘルツ、テレビは六メガヘルツと広いことから各種の放送が可能となり、NHKの業務は今後かなり増大すると思われます。  そこで、放送の多様化に関する調査研究会議の報告書によると、NHKの巨大化は弊害ありとして適切な配慮が必要と提言されておるんですが、郵政省としてはこの巨大化は弊害があるということについてどのような歯どめをされるのか、まず簡単にお伺いしたいと思います。

田中眞三郎郵政省電波監理局長

○政府委員(田中眞三郎君) 当面、文字多重放送に利用できますのは二Hでございまして、改正案の中でも聾唖者向けの字幕放送等補完的利用に努めるべきであるという規定もあるわけでございまして、そうした観点からNHKにつきましても一H分の使用は認める、こういうことでございまして、その限りにおいてNHKの巨大化といいますか、マスメディアの集中という問題は生じない、このように考えておるわけでございます。もう一HはNHKから外す、新しい放送事業者というものを考えておるということでございます。

片山甚市日本社会党

○片山甚市君 今回、NHKに対し、放送設備を多重放送を行うものに賃貸できることとし、出資条項を緩和して放送設備を共用する多重放送事業者への出資の道を開くことにしておりますが、郵政省の免許方針によっては第二NHK的なものとなり巨大化に輪をかけるとの批判がありますが、そのような心配はいまのお話ではないと思いますが、いかがでしょうか。

田中眞三郎郵政省電波監理局長

○政府委員(田中眞三郎君) NHKの第三者につきましてですが、全国的な第三者といいますか、放送をするものを認めるといたしますと、第二NHK的と申しますか、そうしたものになる可能性もある、このような御意見もあるので、その場合、たとえば地方単位あるいは県域単位というような形での第三者を認めるのが適当であるのではないだろうか、このように考えておるわけでございます。  なお、NHKの放送設備を使用する第三者でございますけれども、あくまでもNHKからは独立した別の法人であり、新たな放送事業者として、また番組編集の自主性も持つべきものだ、こう考えておるわけでございまして、第三者があらわれるということがNHKの巨大化につながる、このようには考えていないわけでございます。

片山甚市日本社会党

○片山甚市君 第二NHKをつくるような免許の方法をとらないというようにお答えになったと聞いておきます。  放送法第九条の六項、同三十条の二項などの立法趣旨から見ると、NHKが他の放送事業者へ出資を認めることに問題はないか、その法的見解はどうでしょうか。

田中眞三郎郵政省電波監理局長

○政府委員(田中眞三郎君) 放送法の第九条第六項はたしか受信機メーカー等に対する規制であり、また三十条の第二項は会長等が放送事業等に出資をすることの禁止規定だと思いますけれども、こうした規定は健全かつ公正な放送の発展を期待するという観点から設けられたものであると思います。今回の改正案では、NHKがNHKの設備を共用する多重放送事業者にも出資できるように、このように考えて出資条項をさわったわけでございますけれども、これは設備を共用いたしますNHKと第三者の業務提携関係を円滑にする、そしてそれによりまして多重放送の公正かつ健全な普及発達を図るという考え方でございます。そうしたものでございますので、放送法の第九条第六項あるいは第三十条の第二項の趣旨にも合っている、抵触するというふうには考えていないわけでございます。

片山甚市日本社会党

○片山甚市君 それでは、具体的に聞きますが、放送の多様化に関する調査研究会議あるいはNHK長期ビジョン審議会の報告書で見ると、「NHKの放送設備を利用する第三者の選択については、」「NHKの性格や使命に十分留意した対応を図る必要がある。」としておりますが、NHKの放送設備を利用する多重放送の実施主体としてどのようなものをNHKはお考えですか。

坂本朝一日本放送協会会長

○参考人(坂本朝一君) NHKの設備を利用して文字多重を行う第三者につきましては、やはりNHKのチャンネルイメージを損なわないという、そういうことが重要な条件になろうかと思いますので、そういう点を考えまして、そして新しい法人をつくるという、そういう方向で検討しておるわけでございます。

片山甚市日本社会党

○片山甚市君 それでは、放送局の外国性の排除について話を進めたいと思います。  当該地域を基盤とする放送会社、これは民放ですが、この民放会社が株式を上場し、電波法で規定する外国性排除に抵触するおそれが出てきたからといって特別立法をしてまでこれを保護する必要があるのかどうか、当局の見解をまず聞きたいと思います。

田中眞三郎郵政省電波監理局長

○政府委員(田中眞三郎君) 外国性排除について特別の法的手当てを今回しようとしておるがということですけれども、今回の五十三条の二の規定を設けましたのは、上場会社等株式を公開しておる会社が、会社の意図とは関係なしに外国人等によりまして一定数以上の株式を取得されることになる、そうすると放送局の免許を取り消されるという事態が電波法から出てくるわけですが、そういう事態を避けまして国民に対する安定かつ継続的な放送サービスを確保する必要があるということで、そうした観点から妥当な措置と申しますか、必要な措置である、このように考えておる次第でございます。

片山甚市日本社会党

○片山甚市君 納得できませんが、放送会社が株式を公開してまで資金調達を図る必要があるというのはいかなる理由でしょうか。

田中眞三郎郵政省電波監理局長

○政府委員(田中眞三郎君) 民間放送事業者の事業経営についてでございますが、言論報道機関といたしましての自主性を高度に尊重するという観点から、ただいま御指摘の民放が株式を公開するかどうかを含めまして、民間放送経営者の自由にゆだねられておるわけでございまして、郵政省としまして、その株式を公開している各社の公開理由というものを詳細に承知しているわけではないわけですけれども、昭和四十一年の商法改正以前にありましては株式の譲渡制限を行うことができない状況にあったわけでございまして、それにもかかわらず放送施設の拡充等に必要な資金を効率的に調達するということで株式の公開を行った社が幾つかあった、このように理解しておるわけでございます。基本的には民間放送経営者の裁量によるものである、私どもこういうふうに理解いたしております。

片山甚市日本社会党

○片山甚市君 理解できませんが、放送会社が株式を公開し一般市民から資金調達を図ることとしているのは、放送事業への投資というのではなく、本来業務とは関係のないホテル、貸しビルあるいはゴルフ場経営などサイドビジネスのために必要であり、またそのために放送を私物化していると思われる節もある。北海道テレビ放送の例もあります。株式上場の放送会社の資金需要など経営の実態をどう把握しておられるか、不適当と思われるものは皆無であったのかどうかについて、それだけ御答弁願います。

田中眞三郎郵政省電波監理局長

○政府委員(田中眞三郎君) ただいま先生が御指摘なさいました公共的な放送事業を行うものとしていささか問題であるというような事実がなかったとは申しませんけれども、私どもといたしましては、先ほども申しましたように、放送事業を行う上で番組の制作や施設の建設に多額の資金を要する、そうした経理事情によりまして資金調達のために株式の公開をした会社が幾つか、先ほども申しましたように当初においてあった、こういうことで株式の公開はあくまでその時点におきまして安定した放送サービスというものを提供するための放送事業を行うためである、このような理解をいたしておるわけでございます。

片山甚市日本社会党

○片山甚市君 上場しておる会社はいわゆる五社程度であります。そのうち東京にある二つのいわゆる放送会社が、外資が一つは一三・一九%、一つは一〇・七八七%ということで危なくなったので駆け込みをして政府に助けてもらう。このごろ臨調では民間の活力と言うじゃありませんか。放送局は民間じゃないんですか、民放は。そしたら民間の活力でやればいいのでありまして、株主が八千名おろうと五千名おろうと、体育館で集めようと武道館で集めようとやればいいのであります。そしてちゃんとした昭和四十一年の商法改正に基づいて手続をとればいいので、こういうような国の保護でいわゆる放送をうまく乗り切って株式会社を守ろうということについては局長が言われても反対であります。賛成できません。  さて、放送事業が外資企業に経営支配されないための電波法による欠格事由や民放の地域密着性についての免許要件があるにもかかわらず、株式を公開し、これは五社だけですが、外国企業からの防衛努力もせず、地域社会への密着性も無視している放送会社を特別立法で救済するということになれば、すなわち既存の民放局の予備免許の条件、事業主体の構成、株式の譲渡制限の定款の作成などにも法的拘束力がないとして問題視されるおそれがあります。電波法の抜本整備が要求されているのに、さらに矛盾を拡大するようなこういうような特別立法をすることについてはいかがなものと思いますが、もう一度、田中局長、同じことを言われるでしょうが、簡単に答えてください。

田中眞三郎郵政省電波監理局長

○政府委員(田中眞三郎君) 百十数社あります民放のうち、ごく限られた会社であり、自衛努力といいますか、みずから手当てする、株式の譲渡については取締役会の承認を要するというような定款変更の手当ての方法もあるのではないかということでございますが、なるほどそういう方法もあるわけでございます。  ただ、実際問題として、株主がかなり多い場合、総株主の過半数にして発行済み株式総数の三分の二以上に当たる多数による株主総会の決議を要するということでございまして、非常に実際問題としてはむずかしいといいますか手数を要するというようなことで、やはりこうしたものにつきまして安定した放送サービスの提供という私どもの放送政策上の観点からしてもやむを得ない必要な措置であるというふうに考えておるわけでございます。それによりまして重要な放送会社の立場というものを守るべき措置を講ずべきである、このように考えた次第でございます。

片山甚市日本社会党

○片山甚市君 日本の国の株式会社の株主総会というのがいかにインチキといいますか、適当なものであるかということの証明をこのマスコミの放送会社が明らかにしておると思います。株主の三分の二が集まれないということは、それは架空の株主なのかどうかわかりませんけれども、当然私は手続上集めるべきだという立場をとります。これ以上局長に言っても仕方ありませんけれども、日本の国の民主主義の顔、いわゆる世の中でおれほどりっぱな正義の味方はないというマスコミの会社が国の法律によって自分の仕事を手助けしてもらわなきゃならぬということでは、余り大きい顔をしてわれわれに迫ってくるのはやめてもらいたい。自分の会社の経営を日本政府、国会で決めてもらわなきゃできない、自分の株主と対等に話ができない社長、これは納得できない。NHKでも相当国会で議論をして予算を決めておる、そして批判もさしていただいておる。ところが、民放の方はだれにも制約されずにやっているということは納得できません。  そこで、放送会社の中で株式を公開していないが譲渡制限の定款を設けていない会社がかなりあると聞いておるんですが、これらの実態はどのように把握されていますか。簡単でよろしゅうございますから説明してください。

田中眞三郎郵政省電波監理局長

○政府委員(田中眞三郎君) 上場会社が三社、それから店頭売買が一社ございます。それから定款によりまして取締役会の承認を要するという形になっておるものがほとんどでございまして、そうした形になっていない、定款に決めていないものが二十五社、そういう形になります。二十五社と六社、合わせまして三十一社、それ以外のものにつきましては定款で取締役会の承認を要する、こういう形になっております。

片山甚市日本社会党

○片山甚市君 いま局長から説明があったように、放送会社が百十五社、そのうち三十一社が譲渡制限の定款を持っておらない、そのためにこの国会でこのような法律をつくる、非常に勝手なことであります。その代表的なのが東京放送、日本テレビ放送網、これが大体大変だということで出しておるんだそうですが、これは日本の国のキーステーションを持っておるところで、大変残念だと思う。意思表明だけしておきます。  最後に、電波は有限の天然資源であり、しかも公有財であります。その意味で国民共有のものでなければならないのに、実態はそれを自由に使える権利を持つ者は特定少数の者であります。周波数の独占を獲得さえすれば金もうけができる、社会的影響力が大きい、そこに利権亡者が群がるということになっておると思います。これに対する行政当局の責任は非常に重いと思います。マスメディアの持つ社会的責任を一層明確にする抜本的政策の確立について郵政大臣としての御所見を賜り、質問を終わります。

田中眞三郎郵政省電波監理局長

○政府委員(田中眞三郎君) いわゆる臨放調、臨時放送関係法制調査会の答申書でございますけれども、二十九年九月いただいたわけでございますが、「電波の公正かつ公平な利用を図り、マス・メディアの集中ないし私的独占が生じないこと」とする考え方を妥当としておりまして、そうした趣旨も盛り込みまして、先ほどから先生に御指摘いただいております四十一年の第五十一回国会に放送法、電波法の改正を提案したところでございます。今回の改正案におきましても、そうした趣旨から文字多重放送のためにいわゆる第三者利用の道も開こう、こういうことでそうした、文字多重放送につきましても、いろんな第三者利用として考えられる企業体等につきましてもマスコミの独占排除という趣旨にのっとりまして対処してまいりたい、このように考えておる次第でございます。

箕輪登自由民主党郵政大臣

○国務大臣(箕輪登君) 御趣旨のとおりでございますので、この電波・放送の分野におけるマスコミの独占排除については今後とも心がけていくつもりでおります。

新谷寅三郎自由民主党

○新谷寅三郎君 ただいままで片山委員からいろいろな問題について詳細に質問が行われましたが、なるべく重複を避けまして、非常に重要だと思います数点について、私の見解を交えながらお尋ねをしたいと思います。  まず第一に、問題にされました放送法の改正案の中の五十三条の二の問題でございます。この問題は、昨年の当委員会において当時の郵政大臣と私は意見を交換いたしまして、日本の国益を守る意味において外国資本が日本の放送会社の中に無制限に入ってくることを防止しなきゃならないという観点から質問をいたしました。この点は、御承知のように、終戦直後、国会において新聞社の資本構成の中で外国人の資本が入ることを規制する法律が成立いたしました。これが現行法でございます。それと軌を一にしておる問題でございまして、あるいは多少観点が違いますけれども、日本船舶、日本航空機というようなものについてやはり同じような趣旨の規定があることは言うまでもございません。私は、そういう意味において日本の言論機関としての放送会社が、外国資本が入ってきたために免許を取り消されるというような事態が起こらないようにした方がいいという考え方から、山内郵政大臣に意見を申しまして了承されまして、それが今日この法律案になって出てきておるのでございます。  これについて質問をいたしますが、「証券取引所に上場されている株式又はこれに準ずるものとして郵政省令で定める株式」と書いてございますが、「これに準ずるもの」というのはどういう性格を持った株式でありましょうか。恐らく、これは証券取引法の第六条あるいはそれに伴って制定されておりまする施行令というようなものに掲げております店頭売買の証券を言っているのではないかと思いますけれども、「これに準ずるものとして郵政省令で定める株式」というような表現で、これは有権的な解釈としてそういったものが当然包含されるということでございましょうか。法務省の方もおいでになっておるようですから、法務省の方からも御意見を伺い、後、郵政省から、これは大臣は必要ありませんから、政府委員で結構です。御答弁を願います。

稲葉威雄法務省民事局参事官

○説明員(稲葉威雄君) 五十三条の二の立案に当たっては私どもも御相談にあずかったわけでございますけれども、ここで証券取引所に上場されている株式に限定してこのような規定を置いたということは、特にこれについて必要性が高いということもございますけれども、半面、取得をいたしました外国人が名義書きかえを断られたときにその利益をいかにして図るかということと関連するわけでございまして、上場株式でございますと、外国人が名義書きかえを拒否されましても、証券会社へ行き、取引所を通じて売却をして投下した資本を回収することができるということになるわけでございます。その趣旨でこの上場株式に一応限定するということでございますけれども、先生御指摘のように、証券取引法はさらに店頭銘柄というものを認めておるわけでございまして、これも大体上場株式に準じた流通状況にあるということになっております。  したがいまして、これは当然にそういうふうになるということではございませんで、もちろん郵政省令で定めるということになっておるわけでございますが、郵政省令でお定めいただく場合にはそういう趣旨を体してお定めいただけるものだというふうに考えておりまして、その趣旨は、やはり流通と申しますか、それが簡単に外国人が売却することができるということが前提になるわけでございまして、それに類するものとしては御指摘の店頭銘柄というものが当然考えられるのではないか、かように考えております。

田中眞三郎郵政省電波監理局長

○政府委員(田中眞三郎君) 郵政省令で定めるものとして何を考えているかということでございますけれども、具体的なものといたしましては、証券取引法六条二号、証券取引法施行令三条に決めます有価証券と同内容のものと考えているわけでございます。いわゆる店頭売買のもの、このように考えております。

新谷寅三郎自由民主党

○新谷寅三郎君 御趣旨はわかりましたが、それによりますと、各会社の定款に株式の譲渡制限をしていない放送会社が相当数、先ほど御説明のようにありますが、こういう会社の株式の名義書きかえをしないということによって電波法第五条の制限規定に該当するような放送会社は恐らく全くなくなるだろう、こういう結果を予想してよろしいと言われるんでしょうか。

田中眞三郎郵政省電波監理局長

○政府委員(田中眞三郎君) 株式を上場あるいは店頭売買していない放送会社にありましては、株式の譲渡について取締役会の承認を要する旨定款で決めている社が多いわけでございまして、これで十分対処し得ると考えておるわけでございます。問題は、このような譲渡制限も決めていない社、二十五社あるわけでございますけれども、これらの社の意見につきましても、今回提出する以前に関係のところの意見も聞いたわけでございますけれども、それらの社は各社とも株式が移動して外国人の手に渡るおそれはないということでございますので、十分対処し得るというふうに考えておる次第でございます。

新谷寅三郎自由民主党

○新谷寅三郎君 この問題については、昨年、当時の郵政大臣と話し合いました結果が十分これで出ております。その趣旨が全うされていると思いますので、ぜひこれは間違いのないように省令をつくられて、そういう事態が起こることを防止せられたいということを希望しておきます。  次には、多重放送について若干お尋ねしたいと思います。  申すまでもなく、この多重放送は長い間の懸案でありまして、いろいろの審議会等におきましてもこれの実現方を要望しておられたのでありまして、今度それを初めて実用化しようということでありますので、この趣旨は結構でありますが、要するに、この多重放送を行いたいといういわゆる皆さんの言っておられる第三者とそれから既設の放送事業者との関係は、お互いに自由に契約をして、言いかえますと両者が同意をした条件のもとに実現しようということが本旨だろうと思いますが、一時、伝えられるところによると、郵政大臣が命令を出して多重放送は強制的にやらせるんだというようなニュースも流れたくらいでございますが、その点はこの法律案を見ますとどこにもあらわれておりませんが、先ほど申し上げたような趣旨で両者が自由な立場で協定をして、その契約に基づいて実行するということが本旨だろうと思いますが、それに違いはありませんか。

田中眞三郎郵政省電波監理局長

○政府委員(田中眞三郎君) それに間違いございません。ただ、そうした基本的な契約に基づきまして、私ども第三者からいわゆる電波法に基づきましての申請がございました場合に、当然その契約が今後多重放送をやっていく上におきまして常識的に阻害する要因はない、円滑にやれるような契約であるかどうか、その辺についての審査はさしていただきたい、このように考えておりますが、先生のおっしゃるとおり、基本的には既設テレビジョン事業者と第三者との自由な契約に基づくものでございます。

新谷寅三郎自由民主党

○新谷寅三郎君 ちょっといまの御答弁で私、問題になる点があるんじゃないかと思いますが、次の問題に関連しますから。  四十九条の三の規定によりますと、大臣が協会に対して、これはNHKを言っているんだろうと思いますが、既設の放送事業者に対して多重放送に関する計画の策定及びその提出を求めることができるということを書いてあるわけですね。これは計画を策定したときにそういった郵政大臣に対してその内容を届け出なさいということを言われるのだろうと思うんですが、多重放送を普及させたいという考え方から、その計画の策定を強制的にしたり、あるいは早くそれをやりなさいと督促をしたりというようなことが行われると、先ほど問題にしましたような両者が十分に話し合いをして、自由な協定をして、そしてその協定のもとに多重放送を両者が共同して行うんだという趣旨から逸脱するおそれがあるのじゃないかと思うんですね。電波監理局長がさっき言われたことにも関連するものですから、この点はこれからの運用方針あるいは行政指導等によって決まってくると思いますけれども、これについてはどういう考えを持っているか、率直に言ってください。

田中眞三郎郵政省電波監理局長

○政府委員(田中眞三郎君) この計画を策定して提出を求める内容でございますけれども、まず放送事業者自身が多重を行う多重放送のための設備等の整備計画、あるいは自分自身でおやりになる実施計画、あるいは第三者から申し込みがあってそれに貸し付けする予定等々を聞くという形でございます。その際には、第三者との契約内容についてまでは——そのテレビジョン放送事業者自体からもある程度わかりますけれども、それにつきましては第三者が既設テレビジョン放送事業者と契約が成立して申請された段階において最もはっきりする。もう一度繰り返しますと、テレビジョン放送事業者から計画の策定等いろいろお話を聞くわけでございますけれども、第三者との契約の具体的な内容につきましては第三者から聞くことになろうかというふうに考えておるわけでございます。いずれにしましても、私どもテレビジョン多重放送というものの普及を図る観点からいたしまして審査をいたしたい。ちょっと具体的に申せませんけれども、どうもこれじゃやりにくいのじゃないだろうかというようなものが仮に推測できるといたしました場合には、その辺の真意を聞いてみるということは必要であろうか、このように考えておる次第でございます。

新谷寅三郎自由民主党

○新谷寅三郎君 そういうことを言われるから私は質問しているんですよ。それは多重放送は両者が一体になって、そして円満に行われることは非常に結構だと思うんです。しかし、両方の意見が違って、それでこういうのでは自分は多重放送をやってもらいたくないという既設の事業者があるとしますね。それでも何とかして多重放送をやりなさい、それにはどういう計画を持っているんですかというようなことをあなた方が言われるとすると、さっき申し上げたように、郵政大臣が、今度はそんな権限はありませんけれども、行政指導というような形でもって多重放送をやりなさい、それでどんな考えを持っているんですかというように干渉をしてそれを督促するというようなことになると、先ほど申し上げたような方針とは違った方向に進まれると思うから聞いているんです。  これは、この法律ができる段階でわれわれも多少の意見を申し上げたことがありますが、双方で、極端に言うと非常に意見の違った場合がある。この本放送ですね、親会社といいますか、親会社とそれから多重放送を申請する会社との間で、たとえば全然違ったコマーシャルあるいは文字が出てきて、それが見る人に非常に困惑した印象を与えるというようなことがあっては困るじゃないか、お互いに補完し合って、そして見る方もそれを非常に尊重するというようなことでないと、多重放送をおやりになるという趣旨が没却されるんじゃないかというようなことも申し上げたことがあると思いますがね。そういう点からいって、いまの局長の考え方は、私は言葉どおりに考えると賛成できないんです。だから、これはどこまでも多重放送をやりましょう、それにはこういう条件でやりたいと思いますと、そういう考えを持ったときに、そこに対してどういう計画ですかというようなことを聞かれるのは、これはあなた方当然おやりになっていいと思うんですよ。しかし、どこかに書いてありますね、多重放送を普及をさせることが大事だと。普及させるために、どうもやりたくないと言っているのに計画を出しなさいというようなことをもしおやりになるとすれば、それは法律の精神と違うし行き過ぎだということを言っているんです。

田中眞三郎郵政省電波監理局長

○政府委員(田中眞三郎君) ちょっと誤解しておとりいただくような発言をしたかもしれませんけれども、あくまでも貸す側のテレビジョン放送事業者と借りる側の多重放送事業者になろうとしている方々との間の円満なお話と申しますか、それが基本である、このように考えております。

新谷寅三郎自由民主党

○新谷寅三郎君 それでは、私のいま申し上げたような心配は要らないということですか。

田中眞三郎郵政省電波監理局長

○政府委員(田中眞三郎君) そのように考えております。

新谷寅三郎自由民主党

○新谷寅三郎君 それでは、大臣も、ひとつそのおつもりで運用をしていただきたいと思うんですね。これは沿革がありまして、郵政省の初めの案は、これは必ずしも決定したものではなかったと思いますけれども、多重放送をやる場合には既設放送事業者が設備を提供しなければならないという義務づけまでしようというような、そういう意見がどこかにあったんですよ。だから、その意見がいまでもどこかに残っていると今日提案しておられる多重放送に関する法律の精神と違ったことになる。だから、これはそういうふうにいろいろ考えられた結果変えられたんですから、変えられた方針に基づいて忠実におやりになっていただきたい。大臣にも、これは特に希望しておきます。  それから多重放送を行う既設放送事業者が、これは従来も一般の放送事業の免許を受けているわけですね。今度は自分で多重放送をやりたい。恐らく今後はこういったケースが相当多いと思うんですね。そういう場合には免許の申請を新しく出すのか、あるいは免許を受けているんだから多重放送も新しい免許申請をしなくてもやれるのか、それはどちらなんでしょう。

田中眞三郎郵政省電波監理局長

○政府委員(田中眞三郎君) 文字多重あるいは音声多重でございますけれども、あくまでも従来行っておられるテレビジョン放送とは別の独自の番組を送り得る放送である、こういう考え方からいたしまして、既設放送事業者が多重放送をやりたいという場合にも新たに音声多重あるいは文字多重の多重放送の免許というものを要するもの、そのように考えている次第でございます。

新谷寅三郎自由民主党

○新谷寅三郎君 あなた方の免許申請は、われわれも見せてもらったことがあるけれども、実に膨大な資料をとられるんですよ。ですから、既設の事業者が多重放送を自分でもやりたいんですという場合は手続をできるだけ簡便にして、ああいう非常に膨大な資料を要求しないでやるようにしてもらいたいと思いますが、これはそのとおりやっていただけると思うから答弁は要りません。  それから多重放送についてのいろいろの免許の条件、これについては省令等によりましてだんだん明らかにせられると思うんですけれども、実は私が一番心配しておりますのは、キーステーションの関係よりもむしろ各県にありますローカルステーション、そういう地方地方の放送事業者、それと地方のたとえば商工会議所であるとかあるいほ商工会とかあるいは各種の新聞等との関係の方が具体的には一番これは問題を起こしやすいと思うんですね。新聞社一つとってみても、放送会社は民放が二つか三つしかない、新聞社の数は非常にたくさんあるというような場合に、非常にやっぱり地方的なトラブルが起こりやすいだろうと思うんです。これをどう処理するか、なかなかこれは具体的な事情によって違いましょうけれども、郵政当局もこれは考えなきゃならぬ問題が多かろうと思うんですね。ですから、これはやっぱり先ほど冒頭に申し上げましたように、既設の放送事業者とそれから多重放送の申請をしたいという第三者との間でお互いに契約をして、両方が共存共栄でやっていこうというような条件が整ったときにそれを優先的に考慮して免許申請を取り上げていくというような大きな方針を持っておられないと、地方の問題としては非常に私はシリアスな問題が起こりやすいと思いますので、これは大臣、特にその点について御留意を願いたいと思います。  ことに、これに関連して申しますと、一般的には放送事業の免許というものは大体三年で更改することになっているんですね。三年ごとに更改するでしょう。こういう多重放送については、これからこれを健全に発展させるのには、いままでの放送事業のように非常に画一的にいろんな条件を決めていかれるということは、私はこの際は慎重に考えた方がいいと思うんです。だから、免許期間のごときも必ずしも全部三年ごとに更新するんだというような画一的な方法ではなしに、たとえば一年間やってみたけれども、これはどうもうまくいかないからやめたいというようなのはどんどんやめさせたらいいと思うんです、多重放送のこの第三者ですね。そういったケースがこれから多くなると思うので、余り画一的な、従来の一般放送事業について与えられておったような免許方針でなく、ここでもっと柔軟性を持った免許方針を採用される方が、将来に対して健全な発展を所期する意味では正しいのじゃないかと思っているんです。大臣、この点いかがでしょう。

田中眞三郎郵政省電波監理局長

○政府委員(田中眞三郎君) さしむき二Hというような形で利用できるわけでございますけれども、そのHも十番組程度入れられる。またコード方式ともなれば、非常にスピードも五倍、十倍となりまして情報量も多くなる。また一方、使い得るHの数についても六つばかり可能性があるということでございまして、その辺も含めまして政令あるいは省令の決め方の段階においても、十分にそうした利用の形態等も様子を見ながら融通性のある対応をしてまいりたい。このように考えておりまして、ただいまの先生の御提言につきましても十分私ども考えに入れながら、この多重というものを盛んにすると申しますか、取り入れてまいりたい、このように考えております。

新谷寅三郎自由民主党

○新谷寅三郎君 その方針でやっていただければ結構だと思います。  それから先ほど片山先生からお話がありましたが、多重放送についてのコード方式とパターン方式の問題ですね。これは技術的にもコード方式の方はこれから少し時間がかかるんだということで一応ごもっともだと思いますけれども、ただ、どの方式をどうしろということ、私は技術者でないからわかりませんけれども、しかし一長一短があるようです。しかし、将来に対してはどこでもコード方式を基本として採用した方がいいというのが通説のようですね。もしそうなるとしますと、せっかくこういう多重方式を採用するんだから、なるべく早く実現したいというのはこれは郵政省の希望だろうと思いますけれども、私は半年や一年それがおくれても、むしろ視聴者のためになるかならぬか、コード方式でちょっとしたアダプターをつけたらいいんだというような考え方ではなしに、さっき局長が言ったような、経費をかけないでも両方の方式が採用できるようなそういう技術開発がやがてできるのなら、半年や一年おくれたって視聴者のために私はその道を選んでもらいたいと思うんですよ。あなたが、さっき片山委員の質問に対してパターン方式の方が先行すると思いますがと言ったけど、そういう考えじゃ困るんですよ。視聴者の立場からこれに対して二重投資になるようなことは絶対あってはいけないし、視聴者の立場からこれをお考えになる必要があるということ、これは厳守してもらわぬと困ると思うんですが、どうですか。

田中眞三郎郵政省電波監理局長

○政府委員(田中眞三郎君) 受信者に迷惑をかけないようにというのが大前提でございます。それからこのようにいろいろ今国会でも御審議いただいているわけでございまして、そうした審議の反映というものは、当然電波技術審議会の場でも反映されるわけでございます。そこの場において御存じのように現在コード方式の御検討をいただいておるわけですけれども、ハイブリッド方式とかいろいろ御議論があるわけでございます。そこの場においても、技術的検討ではございますけれども、当然経済性その他、導入に当たっての投資、送り側の投資であると同時にまた受信者の投資でもあるわけですけれども、そうした経済的要素も考えた上で電波技術審議会としての将来を見込んだ答申と技術的審議も出していただきたい、このように考えておる次第でございまして、迷惑のかからないようにというのが大前提であるべきだ、このように理解いたしております。

新谷寅三郎自由民主党

○新谷寅三郎君 そういうお考えならそれで結構ですから、その点は十分慎重におやりになるように希望しておきます。  それから最後に、もう一つ、まだちょっと時間があるようですから、先ほど片山さんも問題にされました放送衛星の問題。  これについては、これからの発展の過程で新しいメディアをどうするかとか、いろんな問題があります。それはしかし、片山さんからもお話がありましたし、先般私はNHKの予算のときにもそういったことについて意見を申し上げましたから、きょう申し上げるつもりでないんですが、ただ、私はこの数年来非常に気になりまして、歴代の郵政大臣にも、またある機会には科学技術庁あたりにもそういうことを申し上げているんですが、つまり衛星というものについての基本的な方針が政府で決まっていないんですね。そこに、これから実用衛星を打ち上げていった場合に非常にたくさんの問題が起こるわけなんです。それについて、私はぜひ、一番先にこういう実用衛星を打ち上げられるのは郵政省でございましょうし、またこれからどんどんそういったものを活用していくのも郵政省の仕事になっておりましょうから、これは郵政大臣が、関係大臣といいますと科学技術庁長官もありますし、また大蔵大臣もありましょうし、いろいろな方面と連絡されまして、基本的な方針だけはなるべく早く確立するようにしなきゃいけないということなんです。  たとえば、申し上げますと、衛星というのは、やっぱりこれはまさか船舶とか軍艦とかいうようなものと違うので、これは領土でもないんだから、一つの物体でしょう、これは法律上は。それに対して、私は詳しい法律論はよく知りませんけれども、しかし条理から言うと、やっぱり民法に書いてある物体だ、一つの物だという観念以外にないでしょうね。そうしますと、衛星の一体所有権はだれが持っているんだ、所有権者はだれだということですね。いまは、たとえば放送衛星ですとNHKが六〇%、国が四〇%持っているというんですね。そうすると、一般論からいいますと、六〇%のNHKはマジョリティーを持っているわけでしょう。そうしますと、この所有権がどうなっているかというと、これは結局共有ですわね。NHKと政府の共有だ。そうすると、これをどういうふうに——民法にも書いてありますね、使用、収益、処分の権能と。これは所有権ですわね。そうすると、政府で、NHKはこういう波を使いなさい、残った波はだれだれに使いなさいと言っても、これは持ち分の関係からいいますと、政府のそういう命令権、監督権なんていうのはないんですわね、所有権の点からいいますと。そういった点をどういうふうにこれから規制をし秩序立てるかということを政府において考える必要があるということが言えるわけですね。これは一例ですよ。  それから先般「ゆり」ですか、実験衛星BSですね、あれが作動しなくなったですね。それで、いまも衛星の姿勢の制御とか、そういったところは実験対象になっている。しかし、絵も送ってこない、音声も送ってこないというので、その方の実験はもう全然できないというかっこうになっているでしょう。こういった場合に、一体だれが責任を持つんだというようなことが明瞭じゃないでしょう。それは初めて打ち上げる場合に、いままで失敗した例がありますわね。これについては、ここでは詳しく申し上げませんが、とにかく政府と関係のユーザーとの間で交渉して、とにかく損害は半々で持とうということにされたようですね。それには保険がついている。そういったことのようですね。  ところが、一遍打ち上げてしまって、後、軌道に乗って衛星が動いているという場合に、今度はそれに対して、いま政府でもどこでも何らの補償の規定というか、補償の約束なんというのは何もないでしょう。一遍打ち上がってしまって動き出したら、その衛星が仮にいまの「ゆり」のように障害が起こった場合にどうするんだということについては何らの取り決めも何もない。方針も決まっていない。私は、これからどんどん実用衛星を打ち上げていかれるのにこのままでいいかどうかということは、これは政府の責任としてお考えにならないといけないのじゃないかと思うんですよ。とにかく残された問題が余りにも多いんですね。私の意見はあります。ありますけれども、これはむしろ政府全体でもってお考えになっていただく問題だと思いますので、実用衛星が打ち上がるのは近いですから、それまでには何かこういった重要な基本方針について政府の意見をまとめておかれる必要があるのじゃないかと思いますので、これは郵政大臣、特に気をつけて努力していただきたいと思うんです。  それからこれに関連して、衛星については、先般、通信・放送衛星機構法というのが出ていますね。これにつきましても、きょうは詳しく言いませんが、この衛星機構の理事長からもこういう点について困っているんだというのがたくさんあります、問題が。郵政省は、私はそうでないと思うんですけれども、衛星機構は衛星を管理する権限があるのだというようなことをときどき言われるんですよ。衛星の管理ですね。ところが、衛星機構の法律を見ましても、これは打ち上げをほかのだれかに、それは宇宙開発事業団でしょうね、それに対して委託をして衛星を打ち上げる仕事とか、それから衛星の姿勢の制御をすることとか、それから衛星に搭載された無線設備、これを用いて無線局を開設する者に利用させることというようなのが衛星機構のこれが業務になっているんですね。法律に書いてあるんですよ。衛星の管理なんていうのはどこからも出てこないんです。それを便宜主義か何か知らぬけれども、何か衛星機構が衛星を管理しているんだというようなことをときどきどこかで言われるらしいですね。  もし管理しておられるのなら、さっき申し上げたような衛星が動いているその最中にどこかに故障ができた、衛星の本体にできる場合もあるし、中のミッション機器に故障ができる場合もある、管理しているのなら管理者としてそれを直すのが当然でしょうね。そんなとても追いついていくだけの衛星機構の財政状態じゃないですよ。これらの点は、ただ私は、場当たりでおっしゃっているのかしらぬけれども、やはりもっと基本的な考え方に立って見直して、これから先の衛星というものはどういうふうにして管理し、どういうふうにしてチャンネルその他の使用について政府が責任を持ってやるならやる、どういう方法でやるのかというようなことをもう一遍基本的に洗い直してもらって、早くそういう基本精神のもとにスタートしてもらわないと混乱するばかりだと思うんです。この点は、特に、長くなりましたが、最終的に私の考え方として伝えておきますので、ひとつ善処をお願いしたいと思います。これは答弁は別に要りませんが、大臣、ひとつしっかりやってください。  以上をもって、私の質問を終わります。

勝又武一日本社会党

○委員長(勝又武一君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時十五分に再開することとし、休憩いたします。    午後零時十五分休憩      —————・—————    午後一時十八分開会

勝又武一日本社会党

○委員長(勝又武一君) ただいまから逓信委員会を再開いたします。  まず、委員の異動について御報告いたします。  山中郁子君が委員を辞任され、その補欠として宮本顕治君が選任されました。     —————————————

勝又武一日本社会党

○委員長(勝又武一君) 休憩前に引き続き、放送法等の一部を改正する法律案及び電波法の一部を改正する法律案、以上両案を便宜一括議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。

福間知之日本社会党

○福間知之君 最初に、総括的な点について所見を申し述べて御質問したいと思います。  テレビやラジオあるいはまたFM放送、これらは国民の日常生活あるいはまた人間の形成という面で非常に大きな影響を与えていると思います。それだけに電波あるいは放送行政、これは公正かつ適正に行わなければならないことは申すまでもありません。  このために、いわゆる合議体の行政機関として昭和二十五年六月一日に電波監理委員会が発足をいたしましたが、その後この委員会は廃止されまして、二十七年八月一日からは放送行政を含む電波行政はいわゆる郵政省の所管となりました。従来七人の委員で行っていた権限を郵政大臣が行うことになり、その対応策として五人の委員から成る電波監理審議会がこれに関与することになりました。昭和三十九年九月に出されました臨時放送関係法制調査会、この答申におきましては電波行政の公正中立と行政の一貫性についての制度的保障を担保する見地から電波監理審議会の強化が必要だとなされております。  今日、テレビジョン文字多重放送や音声多重放送の実用化を初め、各種のニューメディアが次々と開発、実用化される趨勢にあるわけでありますが、既存の放送秩序に大きな変革をもたらそうとしておるだけでなく、電波監理審議会の機能強化の必要性はそれにも増して倍加しているものと考えられます。  午前中に同僚委員の質問を聞いておりましても、電波・放送両法の抜本的な整備には今後かなりの時間をなお必要とするものと理解をいたしましたが、それでは電波監理審議会に関する制度改善に的をしぼって考えるときに、この電監審の早期整備、審議の充実強化を図るべきだと思いますけれども、郵政当局のお考えをまず冒頭にお聞きをしておきたいと思います。

田中眞三郎郵政省電波監理局長

○政府委員(田中眞三郎君) 電波監理審議会でございますけれども、これは電波及び放送の規律に関します事務の公平かつ能率的な運営を図るために、その事務に関する事項を調査審議し、また郵政大臣に必要な勧告をすること等を目的として設置されたものであります。郵政省令の制定、改廃、予備免許、その他の処分等の必要的諮問事項のほか、免許方針の策定、変更等の重要な政策の決定に当たりましてもその判断をお願いしているところでありまして、その機能を発揮していただいておると私ども認識しておりますが、審議時間に比べまして、かけている案件等についての御質問もすでにあったところでございますけれども、私ども、先生のいまおっしゃいましたような趣旨も踏まえまして、今後とも同審議会の設置の趣旨というものを十分考えまして、その機能を十分発揮していただくように、私ども審議資料その他の準備も十分努力するというような形で電波監理審議会の機能がより一層発揮できるように努力もするし、また先生方にもそうした立場での御審議をお願いしたい、このように考えておる次第でございます。

福間知之日本社会党

○福間知之君 これは後ほどまた触れますけれども、ニューメディアが実用化される今日以降の状況の中で、電監審の結論的な文書は一定の時間がたった後で手に入りますし、読ませてもいただいておりますけれども、どういう議論が行われているのかというところまでは推測の域を出ません。これは一にかかって電監局長を中心に指導というか、一応当局側を代表して参加されている皆さん方の一定のリーダーシップといいますか、そういうものによるところが大きいと思うんですけれども、私の観念としては、どうも最近はこういう新しいメディアの実用化についてハードの面、ソフトの面でかなり進捗著しいにもかかわらず、それを秩序づける、制度化する、そういう場であるべき電監審の審議というものが何といってもおくれぎみではないのか、こういうやや不満を持っているわけでございまして、そういう観点でお聞きをしているわけですから、電監審のメンバーに責任を負わせる気はありませんが、やはりそれをリードしていかれる、あるいはまたコーディネートしていかれる当局として電波監理局長あたりの格段の御努力をひとつ期待しているわけでございますが、どうですか、今後そういうおくれを何とか取り戻すということについて御自信はおありですか。

田中眞三郎郵政省電波監理局長

○政府委員(田中眞三郎君) 電波監理審議会の必要的諮問事項の中には、いわゆる国民の権利義務に重要なかかわりを持つものについてはすべてかけるというようなことで、件数としてはこの面が非常に多くなっております。たとえば音声多重の処分、再免許等につきましては各免許人につきまして、いわゆる電波放送行政をどう持っていくかという立場の判断といたしましては一つで済むものなんですけれども、件数とすると千件余りにもなるというようなことが実はあるわけでございまして、いまそうした国民の権利義務に直接関係する必要的諮問事項のほかに、やはり方向的、政策的あるいは新しいものに対してどう持っていくべきか、そういうことの方針こそ大いに電波監理審議会の先生方のお知恵をおかりして、十分に説明すると同時に方向づけをもしていただいたらどうかという御提言のように伺うわけでございますけれども、私どももいまおっしゃいましたような形で、今後電波監理審議会の先先にお願いするのにも、より方向づけ、あるいはそのかじの持っていきよう、そういうようなことについての周囲の状況と申しますか、新しい技術の動向等も御説明する、あるいはいろんな場で御審議いただいた報告書あるいはペーパー等も御説明するような形で電波監理審議会の先生方の大所高所からの御判断を今後とも仰いでいくように、そちらの方にもより重点を置いていくべきである、このような先生の御提言という形で承らせていただきたい、このように思う次第でございます。

福間知之日本社会党

○福間知之君 ぜひそういうお気持ちでこれから対応願いたいと思うんですけれども、先ほども新谷先生から出ていました、たとえば実用衛星をめぐる考え方にしても、これは電監審だけの問題ではありませんが、当然議論をされるわけでございましょうし、あるいはまたパターンかコードかという問題もすでに午前中に出ておりましたけれども、その問題もしかり。あるいはまたペイテレビの問題にしても、これはかなり以前から問題になっているわけですけれども、そういうものを将来どう取り扱おうとしていくのか。確かに電監局長おっしゃるように、将来の方向性というものをもちろん考えなければいけませんし、したがって、それに見合って整合的にステップを踏んで一つ一つの案件に結論を出していかなければならぬという、そういうむずかしさは確かにあるんですよね。あるんですけれども、私は世界の趨勢から見て一つのパターンというものは、一応太い流れというものはやっぱり存在しているわけですね。わが国はそれにむしろ完全にまだ乗っかるところまで行っていないというところで、試行錯誤というか、判断のむずかしさというのがあるのだろうと思うんですけれども、これは具体的にはまた後ほどの課題に譲るとしまして、ぜひひとつ、積極的なそういう方向づけ、あるいはそれに伴った一つ一つの制度的な確立というものを期待したいわけでございます。  ところで、今回のこの放送法の改正内容を見てみますと、当面実用化が可能な多重放送のうちでテレビジョン音声多重と文字多重放送について整備を図ろう、こういうことになっております。放送・電波をめぐる技術革新は目覚ましいものがありまするし、各種のニューメディアが次々と誕生をしている昨今でございます。国民の放送に対する期待にこたえるためにも長期的展望を持った法整備を図る必要がある。先ほどもこれは申し上げたところでございますが、今回テレビジョン多重放送のうちで音声多重と文字多重だけに限定して法整備を図ろうとされているわけですが、それは幾つかの理由、考え方があると思うんですけれども。

田中眞三郎郵政省電波監理局長

○政府委員(田中眞三郎君) いろんな技術開発の成果というものはまことに目覚ましいものがあるわけですけれども、そうしたものをどう考えるかということですが、私ども基本的にはそうした技術開発の成果というものはできる限り早急に社会に還元すべきであろう、こういうふうに考えておるわけでございます。音声多重につきましては五十三年九月から実用化試験をやっておるところですし、また文字多重放送につきましては五十六年の三月に電波技術審議会の技術基準の答申も得てある。こういうようなことで、いま先生も申されましたように、技術的に実用化の可能なテレビジョン音声多重、文字多重につきましては強い社会的な要望も酌みまして今回法整備を御提案申し上げておるところでございますけれども、その辺で結局、多重放送といいますと、まだ静止画放送あるいはファクシミリ放送等々についても考えられておるわけでございます。そこらをどうして入れていないのかというような御質問にもかかわるかと思いますけれども、その辺につきましては技術的な見通しがつきました段階でその時点において早急にその措置をとるという方がいいのではないだろうか。いまのところ、まだ技術的にも定着もしていませんし、非常に可能性は考えられるわけですけれども少し早過ぎる。先取りして何らかの枠といいますか、決めをするのにはいましばらく様子を見ても遅くはないのではないだろうか。こういうような形で、繰り返しになりますけれども、さしむき、かなりはっきりしております音声多重、文字多重に限らしていただいた、こういうことでございます。

福間知之日本社会党

○福間知之君 いま局長が触れられたように、静止画放送とかファクシミリ放送とかデータコード放送とかあるいはFMの多重放送、こういうのが考えられるわけですけれども、いつごろそれは実用化されるだろうか。余り固まった考え方でなくてもいいですが、そう遠くは私は放置できないだろう、こう思うんですけれども。

田中眞三郎郵政省電波監理局長

○政府委員(田中眞三郎君) そうしたもの、FM多重等のお話もありましたわけですけれども、やはり基本的には成果が出たときにできる限り早く還元するんだという考え方の上でやってまいりたい。そして技術のグループあるいはメーカーあるいは番組をつくる側とそうしたものの様子を見まして物にすべきだといいますか、時期が来ました場合には時を失せずに措置を講じていきたい。そして今度多重の中の音声多重、文字多重というものを取り上げるわけですけれども、そうした線上で、いま先生の申されましたような新しい多重の技術も今回やっておけば非常にその時点でも取り入れやすい、路線はしかれておる、その延長線でいける面が相当多い、このようにも考えておる次第でございます。

福間知之日本社会党

○福間知之君 郵政大臣、いまお聞きのとおり、いろんなメディアがメジロ押しと言ってもいいほど今日まで開発され実用化を待っているわけでございまして、国民の側からいっても、送られてくるところの番組に対する関心の度合いも強いし、またテレビを見る視聴のための形態も非常に多様化してきているわけでございまして、そういう時代にいま私たちはあると思うんですね。先ほども触れましたように、そういうものを制度面でもちゃんと担保をして実用化に支障のないように対応していかなきゃならぬわけですけれども、大臣としては、一体こういう時代のニューメディアの実用化あるいは積極的な推進というものについての基本的な御所見はいかがですか。

箕輪登自由民主党郵政大臣

○国務大臣(箕輪登君) ニューメディアがたくさん出てまいりまして、そのニューメディアの活用と申しましょうか、実用化について国民のニーズに対応した政策をとっていけ、それについての郵政大臣の見解はどうか、こういう御質問だと思いますが、御承知のとおり、先般提出されました放送の多様化に関する調査研究会議の報告書の趣旨を十分踏まえまして、情報の多元化、多様化を図る観点から技術開発を積極的に推進するとともに、その実用化についてはニューメディアの特性の活用を図り、既存の放送秩序との調和を図りながら国民の多様なニーズに対応して方策を図ってまいりたい、こう考えているところでございます。

福間知之日本社会党

○福間知之君 局長にお伺いしますが、一昨年の昭和五十五年十月にいわゆる有料テレビの申請が行われたことがあります。これは「にっかつ」という会社でございますが、したがって、その当時この有料テレビ問題がクローズアップしたわけですけれども、郵政当局としては、それはいままでの放送法からしても簡単には認めるわけにいかぬ、こういうふうな見解で認可されるに至っていないと承知しておりますが、ただいまの郵政大臣のお話じゃありませんが、放送の多様化に関する調査研究会議も発足し、いろいろ見解を提言されているわけですけれども、基本的に今後どういうふうに対処しようとされているんですか。

田中眞三郎郵政省電波監理局長

○政府委員(田中眞三郎君) 先生おっしゃいますとおり、五十五年の十月に日本有料テレビ株式会社というところから有料テレビの放送局の申請があったわけでございます。これは地上でございます。地上放送による有料テレビの導入、こうなりますと、御存じのように日本のテレビにつきましては、NHKそれから民間放送というものがそれぞれの形でいままで非常に盛んな形で存在するわけでございます。そうしたところへ地上放送によります有料テレビの導入、こういうことになりますと、いま大臣が引用されました、先般の多様化に関する調査研究会議でも指摘されておりますように、何分にも有料テレビのサービスの対象というものが、潜在需要の多い特定の地域、たとえば東京近辺とか大阪近辺とかそういう地域に偏るだろう。そうすると、地域格差がますます高まるというような形になる。また、放送でやるわけでございまして、有料放送用の周波数をそれじゃ偏らないように全国的に割り当てる、こういたしますととても周波数がない。こういうようなことで、地上放送におきまして有料テレビを導入するというようなことにつきましては、いま申しましたような点を考えながら十分慎重に検討していく必要がある。ただ、地上となるとかなりむずかしいという感じがするわけでございます。放送衛星等による空から降ってくる場合には、いま申されましたようなスクランブル方式等によって有料ということも考えたらどうかという御意見もあることでございますけれども、地上の有料テレビというつかまえ方といたしましてはかなり消極的なお答えをすることになろう、このように思っております。

福間知之日本社会党

○福間知之君 私もまだ自分自身の考えで、これは完全に肯定して物を言っているわけじゃないんですけど、五十五年十月にそういう一つのきっかけができたわけですけれども、その後うやむやになっておるんじゃないかということで、もう一度、将来的な問題としては考えていかなきゃならぬというか、突っ込んで議論を本格化しなきゃならぬというふうな意味で申し上げているわけですけれども、たとえばいまの電監局長のお話だとしますと、アメリカなんかで、その当時の新聞報道でも、カリフォルニア州で六つか七つの局がある。アメリカでは一九六八年、いまから十四年前から、ペイテレビと呼ばれる第二世代のテレビだ、こういうことで開局が認められている。カリフォルニアで六、七局。その一方で特定地域向け、先ほども各地域というお話がありましたけれども、特定の地域向けの有線テレビ、CATVが全世帯の四分の一に当たる一千四百万世帯をカバーしている、こういうふうな報道記事があるんですね。  しかも、これはアメリカの場合には三大ネットワークでは満足し切れない番組内容というものを集中して放送しているわけで、かなり利用は積極的なものがあるんだ、こういうふうな報道はあるんですけど、大体アメリカのそういう考え方と、いま局長が頭に描いておられる、また考えられている日本の現状におけるこの種の問題についての受けとめ方、これはどういうところで違うんですか。日本の場合、これじゃいつまでたっても、アメリカは十四年前から実用化に入っているんだけど、日本の場合は全然進みそうな気配を感じられないんですけど、どこらあたりが違うんですか、アメリカと日本と。

田中眞三郎郵政省電波監理局長

○政府委員(田中眞三郎君) 放送行政等私ども進めていく場合に、やはり一応先進国でありますアメリカあるいはヨーロッパの状況と比べてどうかということがよく言われるわけでございますけれども、最近は日本も相当追いつきまして、アメリカやヨーロッパをリードするというような面も非常に多いわけでございますが、たとえばいま先生がお話しになりました有線テレビの普及状況、あるいは有線でなくてもペイテレビというような形のもの、あるいはもうちょっと別に言いますと、FM等は非常にアメリカと日本は事情が違っておるといいますか、使い方が違っておるというのは事実でございます。  その辺の原因をどう考えるのかということでございますけれども、これは人によりまして意見がいろいろあろうかと思いますけれども、やはり一つにはテレビなりそういう情報に求める。日本の場合は、かなり細かいといいますか、情報が中央的といいますか、画一的と申しますか、日本人の、単一民族と申しますか、言語の共通性、こういうようなこともあると思いますし、翻ってアメリカの場合は、たとえて言いますと、一万数千の世帯があれば十分にローカル新聞も成り立つというような形の新聞のあり方等々でも非常に違いがある。それからまた、有線テレビがアメリカで普及しておるのに日本は余り普及しないのは、これは逆に日本のテレビが非常に早目に普及されましたので、アメリカの場合は有線テレビは中央の大きな三大ネットワーク等々が届かない地域が非常に多いものだから有線テレビが普及した、こういうような面もあるのじゃないか。長くなりましたけれども、かなり地域の大きさ、それからマスコミに求める国民のニーズ、あるいはコミュニティー情報を求めるアメリカ国民と日本国民との違い、いろんなものがありまして、相当アメリカにおいても日本においても進んではおるわけですけれども、形態としては違った形で今日のような状態がある、このように私は理解しておるわけでございます。

福間知之日本社会党

○福間知之君 いまの後段でおっしゃられたような違いがそういえばあることも理解できるわけですけれども、日本がそれならば今後どういう姿になることが望ましいのかということは依然として残るわけでありまして、何もアメリカのまねをしなきゃならぬというふうには考えていませんけれども、たとえばかつて私もここで何回か申し上げたんですが、FMならFMだけをとらえましても、全国普及ということとあわせてやはり人口の集中している大都市で複数のFM局を設置するという、またそういう期待もないことはないわけで、アメリカ帰りの人たちに私は何遍も聞かれて、何で東京で、大阪でFMは一つしかないんだ、二つしかないんだ、こういう疑問にはちょっと明確に答えられないですね。いや、全国普及が先なんだ、こうも言っておられないわけでして、なかなか全国普及するためにはそれこそペイするかどうかということまで考えなきゃならぬわけですから、そういう意味で画一的、一元的にやるということだけでもいかぬというのがそのFMの場合でも感じられたことなんですけれども、それはさておきまして、今後の課題として研究をせっかくお願いしたいし、われわれも考えたいと思っております。  次に、放送の多様化に関する調査研究会議のアンケート調査の結果を見てみますと、民放のテレビが二チャンネルしか使用できない地域ではチャンネル数への不満が強くてもっとふやせという要望もあるやに伺っております。またFM放送についても、先ほど申し上げましたように数が少ないことをやはり不満と考えている方が多いという結果がアンケートで出ているわけであります。既存のテレビあるいはFM放送を使用して多重放送が今後実用化されてくるとした場合に、基本となるテレビあるいはFM放送のサービス地域の格差がそのまま多重放送についても格差として引き継がれていく、情報の地域格差が一層拡大するということになるんですから、そういう懸念があるというわけでございまして、したがってこの格差を是正する対策が必要になってくる。それは民放テレビのチャンネル数の不均衡を是正することが必要になってくるということでありますが、この点についての具体的な考え方はお持ちでございましょうか。

田中眞三郎郵政省電波監理局長

○政府委員(田中眞三郎君) まず、民放テレビの拡充の問題でございますけれども、私ども、従来から地域間の格差といいますか、大都市と地方とのチャンネル数の不公平、格差を是正する方向で努力してきたところでございますけれども、おっしゃいますとおり、いまだに二チャンネルあるいは三チャンネルしか見られない地域が残っておるわけでございます。こうした地域にありましては、大都市地域との情報格差を是正するようにという要望も強いわけでございまして、今後ともそうしたものについてはやはり人口、経済力あるいは周波数事情等を勘案する必要がございますけれども、基本的にはチャンネル数の不均衡は是正すべきである、その方向に進むべきであるということで、ステップ・バイ・ステップで施策を進めてまいりたい、このように思っております。  次に、FMでございますけれども、FMははっきり申しまして、民放のFMとなりますと東京、大阪等わずか十一地区に施策としてチャンネル割り当てをしておる、こういうことでございますが、電波といたしましては現在のところ五カ所で電波が出ておるにすぎない、こういうようなことで、まずやはり全国的にも早く普及を図るべきであろう、そしていつ、どうした時点かはまた今後の検討にまつといたしまして、やはり二波目といいますか、そうした問題も当然検討すべきであろう、こういうふうに考えておるわけでございます。

福間知之日本社会党

○福間知之君 FMの方は、この国会が終わりますとかなり全国的にチャンネル設定をされますか。

田中眞三郎郵政省電波監理局長

○政府委員(田中眞三郎君) 新しいFMの作業をどうするかということでございますが、私どもの作業手順といたしましてはそういうことになろうかと思いますが、いずれにいたしましても、これは諸般の事情を考えながら大臣に御決裁いただくわけでございまして、私ども事務当局としてはただいま国会の方に一生懸命やっておるわけでございますけれども、当然そうした作業につきましても、何分にも十数年前に四局始めながら、いま時点は五局しか電波が出ていない、そして施策としては全国四十数県の中で十一県についてしか施策をしていないというのが実情でございますので、当然にその辺の施策はすべきであろうという形で大臣の御決裁を仰ぎたい、このように考えておる次第でございます。

福間知之日本社会党

○福間知之君 これは何遍やっていても切りがないんですけれども、まあいいでしょう。  次に、これもかねがね問題になっているんですけれども、NHKで難視聴地域の解消のために努力をされ、逐年これは成果を上げてきていますけれども、朝ほどの実用衛星との関係でNHK全国放送に関する限りは難視聴地域解消についての大きなめどは採算の問題は別にしまして立っているわけですが、これは局長、民放に対する対策というのは具体的にどう考えたらいいんですか。

田中眞三郎郵政省電波監理局長

○政府委員(田中眞三郎君) 昭和五十五年度末におきます難視聴世帯数は民間放送で百二十八万世帯、このように言われておるわけでございます。私どもは、NHKのみならず、民間の難視聴につきましてもその解消に努める必要があるというふうに考えておるわけでございまして、私どもといたしましては、再免許のとき等は当然でございますし、その他いろいろな機会、イベント等におきましても放送事業者に対しまして中継局の設置あるいは難視聴の解消というものを強くアピールいたしまして今後ともその指導に努力してまいりたい、難視聴解消を図っていくべきものである、このように指導し、また強く訴えていきたい、かように考えております。

福間知之日本社会党

○福間知之君 次に、テレビの多重放送の実施対策についてお伺いしたいと思います。  民放連やら新聞協会から、それぞれ郵政大臣あてに要望書が出されていると聞いておりますが、今回の放送法改正内容に対してこれらの団体がどういうふうに受けとめており要望書が出されているのか、概要を一応承りたいと思います。

田中眞三郎郵政省電波監理局長

○政府委員(田中眞三郎君) まず、民放連の要望書の要旨でございますが、大きい点は二つあろうかと思います。  一つは、文字放送の標準方式につきましては、電波技術審議会におけるコード伝送方式の答申を待って、さきに答申されたパターン伝送方式との比較検討を十分に行って、将来性のあるすぐれた方式を採用すべきであるという、方式に関するパターンとコードに対する考え方が一つ出ております。  それから既存の放送事業者に放送設備の提供を法的に義務づけてまで第三者利用を認めることには反対である。この二つが民放連の要望書の趣旨でございます。  次に、日本新聞協会要望書の要旨でございますけれども、新聞や通信社が公平、平等かつ自由に文字多重放送の運営に参加できるということが望ましい、これが一つでございます。  次に、二番目といたしまして、文字多重放送は新聞による情報伝達作用の延長にあるのだ、文字でございますから延長線上にある機能を持つものと考えるので、たとえば放送番組の編集基準として放送法の四十四条がございますけれども、この編集基準の放送法四十四条などは新聞の延長と考えた場合は適用は望しくないと考える、そういうのが二番目の考え方でございます。  三番目は、放送界との円満な協力関係を維持しつつ文字多重放送の実現を図りたいという趣旨がございます。  四番目といたしまして、電波多重のファクシミリ、これは非常に新聞に近くなると申しますか、文字多重よりも新聞に近づくわけでございますけれども、電波多重のファクシミリについては文字多重放送とは別個に今後新聞、通信社の意見を聞くように要望する。こういうふうな趣旨のものになっております。  そのほかに、文字多重放送問題地方新聞連絡協議会の要望書及び全日本聾唖連盟から要望書が出ております。

福間知之日本社会党

○福間知之君 民放連の方はちょっと後へ回しますが、いま後段にお答えいただいた新聞協会の要望書、その中で、「番組の編集基準(第四十四条)などの適用は望ましくないと考えられます。」云々、こういうことが一つありますね。これについては当局としてはそうではない、こういうふうにお考えだろうと思うんですが、いかがかということ。それから多重におけるファクシミリについて今後新聞社、通信社の意見を十分聞いてくれということですが、これはどういう願意があるんですか。

田中眞三郎郵政省電波監理局長

○政府委員(田中眞三郎君) まず、四十四条の適用でございますけれども、私どもは、文字ではございますけれども、やはり貴重な放送電波を使った形のものになるわけでございますので放送法四十四条の適用はすべきである、このように考えております。  それから新聞協会のファクシミリ多重といいますか、これに対するものは、別の言葉で言えば電波新聞とも言われておりますので、これからの技術の可能性、あるいはそれがどういう形で出てくるのか、プリンターと申しますか、そうしたものの開発もあろうかと思いますけれども、技術の可能性がいろいろ考えられるということで、その時点においてまだわからないので意見を十分聞いてくださいよ、こういうことだろうと思います。

福間知之日本社会党

○福間知之君 戻りまして、民放連の要望書でございますけれども、局長が挙げられました幾つかの点で、コード方式とパターン方式との関連、これは考えようによれば非常に重要なんでございまして、けさほど来も新谷委員からも一定の見解が出ておりましたけれども、しかし電波技術審議会で当面パターンで実施しよう、こういうことが決まり、特にNHKはそれに対応すべくいま諸種の準備を一定の費用をかけてやっていこうという段階にすでにあるわけですね。この民放連の方の要望書を見てみますと、確かに局長おっしゃるように、「コード伝送方式の答申をまって、先に答申されたパターン伝送方式との比較検討を十分に行い、将来性のある優れた方式を採用すべきである。」。幾つかこの理由が挙がっているわけですね。納得できない理由もあるんですけれども、挙がっているわけです。ということは、民放連はNHKが先行してパターン方式で来年度後半から実用化に入ったとしてもそれに追随しない、民放当局は追随しない、当分NHKの実施状況を見守る、こういう可能性が非常に強いと思うんですね。  聞くところによれば、仮に電波技術審議会でコード伝送方式の実用化の答申といいますか、そういうものが行われたとしてもさらに二、三年この準備にかかるなどということも耳にしているわけですけれども、そうなりますと、民放連が主張をしているであろうところのこのコード方式による多重放送の実現というのは数年以上先になってしまうんじゃないか、そんな懸念があるわけですけど、この点は行政当局として、NHKだけが先行してしまうという可能性を含めてどういうふうに考えて対処されようとしているんですか。

田中眞三郎郵政省電波監理局長

○政府委員(田中眞三郎君) そのコード方式の審議の進め方でございますが、今日ただいまにおきましてもこうした方式に関する議論が国会を初めとしていろんな分野で活発に闘わせられておるわけでございます。ですから、そうした情報を技術の方々も十分入った上で毎日の御審議をいただいておる、そして経済性その他、あるいは普及を阻害しないかという面も当然含めまして御審議いただいておる、こういうことでございます。  それで、ただいま御審議いただいております放送法等の改正案の中には、ただ文字多重放送あるいは音声多重放送というものについての道を開くという形の手当てをしておるだけでございまして、その方式についての、パターン方式でいくとも書いてございませんし、コード方式でもないし、そういうような方式に対するものは法レベルでは載っていないわけでございます。実際にこうして手当てを徐々にやっておるわけですけれども、これをどう普及さしていくかという点につきましては、いま御議論いただいております方式のほか、どうした形の魅力のある番組が回転の速いサイクルで置きかえられてつくられ、またそれを待ち受けておる受信者の側に入るのかということでございますが、民放につきましてはやはり多重ということで現在送っておりますテレビジョン放送に乗っけるわけですけれども、その多重を受信するためにはその時点においてはテレビジョン放送の方は見えなくなるというような問題もあるわけでございますし、また補完するという形で聾唖者のための番組をつくろうといたしますと、それについても非常にお金もかかるし、また特殊なエキスパートも必要とするというようなことでいろいろ問題はあると考えておるわけですけれども、やはり公共放送であるNHKを中心として、あるいはリーダーになってもらい、また民間放送におきましても非常に熱心な方々もおられるわけでございまして、そうしたかっこうでせっかくできました、新しく開発されましたこの技術というものを国民に早く還元できるようにという形でそれぞれの立場において普及を図るべく努力してまいりたい、私どもといたしましても当然その衝に当たる者としていろんな角度からの努力を払うべきである、このように考えておる次第でございます。

福間知之日本社会党

○福間知之君 ここで余りやっている時間がないんですけれども、どうもこの民放連の要望書の各項目を見てみますと、当面民放当局としてこの多重放送を本格化するということについては消極的な感じが察せられるわけですよ。私、それがちょっと気になりまして、ましてや先ほどの「設備提供を法的に義務づけてまで、第三者利用を認めることには、絶対に反対である。」、こういう文言がありまするし、あるいは「海外においても文字放送は、」「第三者に免許して実施している例はない。」と言い切っておりまするし、マスコミの集中排除という行政方針もさることながら、憲法上、「事業者の財産権を法的に制限してまで文字放送を第三者に免許する程の公共的理由は、認められない。」、そういうふうにかなりはっきりとみずからの見解を表明されておるわけです。  ところで、私は、これは民放当局だけじゃなくてNHKにもお聞きしたいんですけれども、NHKにもこの第三者利用という道が今度は逆に開かれて一定の出資等も可能になるということで、私はいいんじゃないかなというような気がしてるんですけれども、これはNHKの方ではどのようにお受けとめになり、具体的にはそういう第三者機関の設置というものについて構想をお持ちかどうか、お聞きしたいと思います。

坂本朝一日本放送協会会長

○参考人(坂本朝一君) いま先生からいろいろ御指摘がございましたように、NHKといたしましては、昭和五十七年三月の放送の多様化に関する調査研究会議の報告書におきましても、NHKの放送設備を利用する第三者の選択については、NHKの公共放送としての性格あるいは視聴者に対するチャンネルイメージ、それを維持することが大事ではないか、その設備が視聴者の受信料によって形成されているという性格や使命を十分留意した対応を図ることが必要である、そういう御指摘をいただいておるわけでございまして、NHKといたしましても、NHKの放送設備を第三者に貸与する場合は、いま申し上げましたようなNHKの公共的性格と使命を理解して、NHKの番組編集の基本方針を尊重して、そして業務運営に当たっていただける放送事業者である必要があるというふうに考えておる次第でございます。

福間知之日本社会党

○福間知之君 NHKが衆議院の逓信委員会で述べられました御意見の中に、ただいまの会長の御説明も含まれておると思います。  引き続いてNHKにお聞きしますが、このテレビ音声多重、文字多重が第九条一項のNHKの業務に加えられたことは適切なことだと歓迎をされております。あるいはまた、NHKが出資することのできる範囲が法律上拡大されたという御理解に立って、今日までの宇宙開発事業団あるいは通信・放送衛星機構あるいは有線テレビジョン放送施設者等きわめて限られた対象になっていたのが、今回は「業務に密接に関連する政令で定める事業」ということで、政令で具体的には定められるにしても範囲が拡大するということで、これもまた歓迎をされておるようでございまするし、長期ビジョン審議会からの提言にも沿っている、こういう御認識のようでありますが、NHK並びに当局は、多重放送の実施に伴って必要な第三者機関に対する出資にとどまるわけですね。かねがね巷間クローズアップもしておりましたNHKの外郭団体等がありますが、これにはいまNHK当局は出資をしておらないと承知をしておりますが、今回こういう多重放送に関して出資の幅を広げるということを念頭に置きますと、業務に密接、関連の深い外郭団体といいますか、そういうものにまで出資を拡大していくということが可能なようにも思うんですけれども、これは当局とNHK両方、御希望があればそれも含めて、率直に一遍お聞かせを願いたいと思います。

坂本朝一日本放送協会会長

○参考人(坂本朝一君) 先生御指摘のように、NHKの既存の外郭団体という、その中でも特に株式会社の形態をとるものにつきましては現在までNHKは一切出資することが法的に不可能であったわけで、いわゆるNHKが出資した子会社という状況ではございません。それぞれの設立の経緯のもとに独自の資本構成を持っているわけでございまして、したがって現在までの経緯あるいは運営状況、そういうものを十分尊重しなければならないというふうには考えておるわけでございます。しかしながら、今回の改正案によって、協会の業務に密接に関連するものについては、政令で定める事業を行う者に出資の道が開かれる、こういう新しい時点になったわけでございますから、その際、既存の外部関連会社への出資についてもその必要性の可否をやはりわれわれとしては十分検討して対応していかなければいけないのではないだろうかというふうに考えております。

田中眞三郎郵政省電波監理局長

○政府委員(田中眞三郎君) 出資条項の拡大でございますけれども、当然に、今度考えております多重の第三者は対象になるわけでございますけれども、その他いろいろ考えられるものとしては、協会が放送する放送番組を収録したビデオテープあるいはビデオディスク等の制作、それからそれを販売する業務、それから放送番組やその素材の制作、提供に関する事業等で、NHKだから持っているというようなものがあるわけでございまして、そうしたものの販売、そうしたものに出資をするということはこの趣旨に沿うものであるということで、実際には協会の業務に密接に関連する政令で決める事業ということでございますので、その政令の制定に当たりましてはNHKあるいはその他の関係のところとも十分連絡をとりながら決めていくべきものだ、このように考えております。

福間知之日本社会党

○福間知之君 局長、NHKの会長が申されたことと局長の申されたことは、これは別に矛盾しないんですね。そういうふうに理解していいんですね。

田中眞三郎郵政省電波監理局長

○政府委員(田中眞三郎君) いまも私申しましたように、相談するといいますか、意見を聞きながらということで、当然、私は矛盾はしないというふうに思っております。

福間知之日本社会党

○福間知之君 時間が迫ってきましたので、少し技術的なことでお伺いしたいと思います。  文字多重放送の実用化に当たりましては、先ほどからもパターンだとかコードだとかいうことで議論があるわけでございますが、音声多重についてはすでに三年有余にわたりまして試験放送が行われて、受信機対策も一応は整ってきたと思うわけであります。今後、この多重放送のシステムが、コード方式の併用といいますか、共用といいますか、そういう方向に進んでいくとした場合、やっぱり受信機の標準化というものについて可能な限り早く電波当局としては方針を立てる必要があるんじゃないか。でなければ、結果的にユーザーである国民が二重投資、二重負担を強いられるということにもなりかねないわけであります。さらに、来年度からはもう一つのメディアであるキャプテンシステムが実用化に入っていく。これにつきましては放送の多様化に関する研究会議の報告書によりましても、文字多重放送とキャプテンシステムについてのアダプターに関しては、技術的に類似性があるので共用による価格の低廉化を図り、かつ操作を容易にするなどのために相互の互換性を考慮した標準化、共用化を図ることが必要だ、こういうふうにも述べておるわけであります。  また、先ほど引用した民放連の見解の中にも、「キャプテンシステムは、約二年間パターン伝送方式による実験を続けてきたが、表示速度が遅いとの批判が多いため、実用化のさいは、コード伝送方式を採用する方向にある。」、こういうふうにやや先走った見方をしておりますが、いずれにしろ、パターンとコードというのは半面は非常に対立的に要素だけが表に出ましてむずかしいわけですけれども、将来を考えますと、これは誤字が多い、電波が弱くなった地域では字が間違ってしまって当面は実用にたえられない、こういうふうな欠陥が現在あるわけですけれども、それが克服されていくという、その延長線上でコード方式というものが国際的な趨勢としても採用を考慮せざるを得ないと私は思うわけです、中間的なハイブリッドとかいうシステムを採用するにしろ何にしろ。したがって、私は、当面のこのパターンでいった場合の将来の方向として、国民あるいはまたセットメーカー等が混乱を生じないような方向づけだけはしていかないと経済的にもロスがある、こういうふうな考えなんですけれども、当局としてはどういうふうに手を打っていかれますか。

田中眞三郎郵政省電波監理局長

○政府委員(田中眞三郎君) ただいま先生から、パターンとコードの整合性と申しますか、そうした標準方式がいろいろ言われている中でどうした受信機対策を講ずるのか、またキャプテンシステムとの共用性あるいは操作の容易性あるいは価格の低廉化等々いろいろ考えるべきではないかというお話でございますけれども、今国会を通じていろんな形で御審議あるいは御提言いただいているわけでございまして、この場におきます審議を十分電波技術審議会の場にフィードバックし、その真意がどこにあるかということも電波技術界議会の各先生方にも十分御理解いただいた上で、コード方式の審議を促進するなりキャプテンシステムとの共用性を図るなり、またパターンとの問題点というようなものも、経済性を含めまして十分今日の論議をフィードバックした上で、その電波技術審議会の場においても技術的な審議にはね返った上で審議してもらう、そのような方向で各方面の方々が関与しておる電波技術審議会の場にお願いしたい、このように考えておるわけでございます。そして、その上で、伺ってまいりました審議の状況及び中間報告あるいは答申等を十分また政府として考えまして、その論議の中を十分見た上で方向づけを私どもすべきであろう、このように思う次第でございます。

福間知之日本社会党

○福間知之君 NHKにお伺いをいたします。  音声多重の場合の試験放送では都市部を中心にサービスをしてまいられたと思うんですが、いよいよ本格化する多重放送のこれからはどのように全国普及を目がけて対応されようとしているのかということ、それが一点。  それから先ほどちょっとお尋ねをいたしました、出資の拡大によってNHKの経営の基盤の強化とかいうことにこれは必ずや役立つもの、こういうふうにお考えかどうか。その二点をお伺いしたいと思います。

坂本朝一日本放送協会会長

○参考人(坂本朝一君) 音声多重につきましても、御承知のように現在NHKは逐年その拡大を図っておりまして、先ほども申し上げましたように、全国的なカバレージは五十六年度末六〇%から五十七年度末には六八%というふうになる見込みでございます。新しい放送法の改正によっていよいよ本格化するというところに向かうわけでございますが、文字多重につきましても、音声多重につきましても、私はいわゆる都市部中心というようなことではなしにやはり全国的にこれを推し進めていくという、そういう積極的な考え方で対応したいというふうに思っておる次第でございます。  それから二点目の、NHKの出資の拡大ということがNHKの経営の基盤にどう役立つのかという御指摘でございますけれども、私は、やはり毎々申し上げておりますように、経営の効率化に資するという、そういう目的も当然この出資の拡大ということは考えるべきであろうというふうに思っておりますので、これは両々相まって経営の基盤を強固にするという、そういう基本的な考え方のもとにこれに対応したいというふうに考えております。

福間知之日本社会党

○福間知之君 ちょっと聞き落としたんですが、カバレージがいま六〇%、ことし以降はどういうことになりそうでございましょうか。  それからもう一点。カバレージとあわせまして、放送時間が、現在私の承知しているところ、これNHKの資料ですけれども、一日当たり二時間二十分であります。民放はこれよりも少のうございます。これをもう少しロングにするというお考えはあるのかどうか。

坂本朝一日本放送協会会長

○参考人(坂本朝一君) カバレージにつきましては、大体五十六年度末が六〇%で、五十七年度末には六八%になるであろう、音声多重でございますけれども、そういうことでございます。  それから放送時間につきましては、大体逐年三十分ないしは 時間ぐらいずつふやしておりますし、今後もふさわしいそういう番組を積極的に開拓していきたいというふうに考えておりますので、決してティミッドになっているということではございませんので、その点は御理解賜りたいと思います。

福間知之日本社会党

○福間知之君 次に、市民ラジオ関係についてお聞きをします。  今回、市民ラジオ局については技術基準適合性を確保した上で免許制を廃止する、こういうことになっておりまして、これは行政の簡素化、国民の利便という点から歓迎すべきだろうと思いますが、しかし一面、免許申請の手数料が今日は四千円で開設できるものが今後は技術基準適合証明の手数料として一万二千円、約三倍になりそうですけれども、これは一体どういうことでございますか。

田中眞三郎郵政省電波監理局長

○政府委員(田中眞三郎君) 現行の免許申請手数料は一局四千円になっております。それから現行の一ワット以下の技術基準適合証明手数料は一万二千円ということで三倍ということかと思いますけれども、私どもこの技術基準適合証明を受けました市民ラジオは免許を要しないこととしようと考えておるわけでございますけれども、市民ラジオは簡便な機器で試験項目も少なくて済むわけでございます。また同時に、かなり大量の機器を試験できるということで効率的な処理もできるということで新たに手数料を決める必要があるという、現在は一ワット以下ということで、この中にはいま俎上に上っております市民ラジオを対象としていませんので、そういう形でございますので、新たに一局四千円と申しましたけれども、それを下回るように関係方面と調整もするし、またそれが可能であるというふうに考えております。つまり四千円以下にするつもりでございます。

福間知之日本社会党

○福間知之君 ぜひそういうことで改善をしていただくことが望ましい、こういうふうに思います。  それから市民ラジオのように免許制を廃止することは一気にはできないにしましても、最近無線機器が非常に高性能になったりコンパクト化したりしまして非常にすばらしいものができているわけでありまして、実用上、利用上もそう障害があるように思いません。そういう状況にありますから、免許を取るのにもう少し簡易な方法で取れるようにできないものかどうか、そういう検討はされる考えがおありかどうか。

田中眞三郎郵政省電波監理局長

○政府委員(田中眞三郎君) ただいま御指摘のような考え方は、実はかねてからそうした線の上での検討を進めているつもりでございまして、また可能な範囲で実施もしてきたわけでございますが、昨年、九十四通常国会で電波法が改正されまして技術基準適合証明制度というようなものも取り入れましたけれども、私ども、やはり先生御指摘のような線上での一環の措置であるというふうに考えておるわけで、今後ともこうした制度を最大限に活用すると同時に、またいろんな角度での簡素化への方向の検討というものは中止すべきではないというふうに考えておる次第でございます。

福間知之日本社会党

○福間知之君 次に、今回、国内の外国公館に無線局の設置の道を開くことを相互主義に基づいて実施しようということでございます。これは結構なことでございますし、ポーランドのああいう事態が出たときに少なからず情報に私たちは飢えておったということもありまして、こういう改正になってきたのだと思うんですけれども、逆説的に、恐縮ですけれども、いままでなぜこれが認められなかったのか。

田中眞三郎郵政省電波監理局長

○政府委員(田中眞三郎君) やはり現在の電波法第五条でなぜ外国性を排除しておるのかということかと思いますけれども、やはり電波は有限で希少性といいますか、資源的にそう豊富ではなかった、逆に言いますと、そうした観点から国際的にも使い方があるいは業務別、地域別に分配されておりまして、その枠内において各国が有効に使っておるというわけですけれども、御存じのように無線局に対する要望というものは増加の一途というようなことでございまして、まず外国人に使わせるよりも自国の国民の需要をまず第一義的に満たすべきである、このようなことだと思います。  ただ、特別の場合、飛行機とか義務船舶等々につきまして、いわゆる電波法の実験局とか電波法の第五条第二項各号の場合及び百三条の二の無線局、これは例外でございますけれども、やはり電波は貴重である、したがって本国人というか自国人にまず使ってもらおう、こういう思想であるというふうに考えております。

福間知之日本社会党

○福間知之君 局長、今度こうすることによって、たとえば欧米諸国並みにこれでなるのかどうなのか。  それからもう一つは、外国公館に無線局設置を認めても、これは外交特権を持っていますから一般の無線局のように立入検査ができるわけじゃなし、管理監督は行き届かないという嫌いがあると思うんです。まず、問題は平常的にあるとは思いませんけれども、そういうことだろうと思うんですね。そういうことによる支障は出てこないかどうかでございますが。

田中眞三郎郵政省電波監理局長

○政府委員(田中眞三郎君) 二つ御質問があったかと思いますけれども、一つは、幾つかの国がすでに相互主義によりまして他国の公、大使館等にも開放しているところがあるわけでございますけれども、先進国並みに開放したということは言えるかと思います。それぞれ何カ国ぐらいというデータはあるわけでございますけれども、七十六カ国が外国公館に無線局の運用を認めておる、それでそのうち六十一カ国が相互主義を前提としておるということで、七十六カ国ないし六十一カ国並みになったということでございます。  それから無線局の管理監督はどうするのかということでございますけれども、やはり無線局でございますから、国内の一般の無線局と同様、免許に当たりましては周波数あるいは空中線電力等を指定するといいますか把握いたしまして、他の無線局に混信等の妨害を与えないような措置が必要であると考えております。  ただ、一般にこうしたところでは立ち入りというのは嫌うわけでございますけれども、これは電波は出ますので、電波の質あるいは空中線電力あるいは高調波の強度というようなものは十分外部からも測定ができるわけでございまして、実質妨害を与えることのないといいますか、管理監督は十分行い得る。外国公館の不可侵ということによりまして無線局の管理監督が不十分になるというようなことはないと考えておる次第でございます。

福間知之日本社会党

○福間知之君 最後に、船舶局の無線従事者証明という問題が今回提起されているわけでありますが、これについてお伺いします。  千九百七十八年の船員の訓練及び資格証明並びに当面の基準に関する国際条約、この条約の発効に備えまして新たに船舶局無線従事者証明制度というものの導入を図っておられるわけでございますが、船舶局の無線設備の操作についてはむしろ新しく無線従事者の資格を設けるのも一つの方法ではないかという考えがございますが、これを設けようとされなかったのはなぜかということ。  それから二つ目に、船舶局無線従事者資格証明は、連続して五年以上無線通信の業務に従事しなかった場合等はその効力を失うこととなっておりますが、これを担保するため郵政大臣が報告を徴収する権限の新設や証明の効力を確認するための書類の提出を求めることとしております。果たして証明の効力の有無の把握はこれでなされ得るかどうか。二点についてお伺いしたい。

田中眞三郎郵政省電波監理局長

○政府委員(田中眞三郎君) まず、新たな無線従事者資格を設けなかった理由はなぜかということでございますけれども、現在、わが国の無線従事者制度でございますが、一般に一つの無線従事者資格、一級無線通信士なら一級無線通信士という資格で海上だけではなくて航空及び陸上の無線局の無線設備の操作も行えるというようなことになっておりまして、その資格も終身ということになっております。これに対しまして条約の方でございますが、船舶局に勤務する無線従事者につきまして、遭難等船舶の非常の場合に関する一定の知識の追加、遭難等の知識でございます、及び実際的訓練、救命艇についておるSOSの設備をどう動かすかというような実際的訓練を求めまして、そうした能力を船舶に従事するための資格証明の要件とする、こういうことになっておりまして、しかも連続して五年以上船に関する無線通信の業務に従事しなかった場合には再訓練を受ける、再訓練を受けない限りその証明の効力を認めないことにしよう、こういう制度が国際条約で決められたわけでございます。そうしたために、この条約を受けました新たな無線従事者資格を創設するということになりますと、まず資格の有効期間あるいはその他の面で現行の国制度度とのそごを来す、適当ではないというふうに考えたので、追加の船に乗るための資格というものを必要とすることにしたわけでございます。新しい無線従事者資格は設定しなかった。  それから次に、船舶局無線従事者証明は五年以上船の無線局あるいは海岸局等に従事しませんと効力を失うことになる、あるいは、再訓練を受けていないと効力を失うことになるというわけですけれども、その把握でございますけれども、無線局の免許人は、無線従事者を、選解任と申しておりますが、選任または解任したときには遅滞なくその旨を届けてほしいと義務づけになっております。法の第五十一条でございます。また、今回の法の第十条の改正で、無線局の定期検査あるいは臨時検査の検査事項、これは法の七十三条の第一項と第三項でございますけれども、その定期検査、臨時検査の検査事項に船舶局無線従事者証明の有無を含めることといたしておりますので、こうした規定によりまして一応の把握は可能であるというふうに考えております。また、いま先生もおっしゃいましたように、証明が失効しておる疑いのある者につきましては効力のための書類の提出、今度加えました法の第八十一条の二第二項でございますが、書類の提出を求めるなどの措置をとることといたしておりますので把握は十分である、このように考えておる次第でございます。

白木義一郎公明党・国民会議

○白木義一郎君 放送法並びに電波法の一部改正案についてお尋ねいたしますが、中でも特に多重放送について何点かをお伺いしたいと思います。  けさほどからの当委員会の論議を伺って、あるいはまた大臣の趣旨説明を伺いましたが、郵政省はなぜこのテレビジョン多重放送について今回の法改正を急がれるのかという疑問を私は持ちます。最初に、その理由をお尋ねをしておきたいと思います。

田中眞三郎郵政省電波監理局長

○政府委員(田中眞三郎君) テレビジョンの多重放送の技術でございますけれども、最近の技術革新に沿った一連の成果でございます。こうした技術開発の成果というものはできる限り早急に社会、公衆に還元すべきものであるという基本的な考え方がございます。そういう考え方から、音声多重放送及び文字多重放送については実用のめどもついたということで、今回所要の法整備を行おうということで御提案申し上げておるわけでございます。特に、そのうち文字多重放送につきましては、耳の不自由な方々にとってもきわめて有益であり、早期の実現を望む要望が数多く出されておるわけでございまして、一刻も早くこれらの要望にこたえる必要があるというふうに考えたからでございます。

白木義一郎公明党・国民会議

○白木義一郎君 私も実はそういうつもりで伺ったわけですが、けさほどからの論議を伺いますと、大変その実現には息の長い、また大変先の長い話を伺っているわけです。そこで、郵政当局に、将来にわたってこの多重放送の実現についての基本方針並びに利用計画についての御説明をお伺いしたいと思います。

田中眞三郎郵政省電波監理局長

○政府委員(田中眞三郎君) この法の御審議を得まして、さしむき二Hという分をパターン方式でいけば二十種類程度の番組を送れる、こういうことでございますけれども、将来性がいろいろあるわけでございます。まず、Hがふえる可能性がある。現在二Hですけれども、六Hほど加わる可能性がある。それからまたパターンでなくてコードになりますとスピードも五ないし十倍になる。こういうことでございますけれども、そうした将来の利用計画でございますが、一応、当面は実用可能な二Hの利用形態というものをやはり参考にしたい。これ自体もかなりいろんな考え方で、将来楽しい利用の形態がいろいろ考えられるわけでございまして、やはりさしむきは二Hの利用形態と各事業者の創意工夫にまちたい、こういうふうに考えております。また、コード方式の実用化で非常にふえる。これにつきましても可能性はいろいろあるということで、これは標準方式も決まらないといいますか、ただいま御審議いただいておりますので、そうした段階で関係者と相談しながら決めていくべきものである、可能性は非常に強い、こういうふうに考えておる次第でございます。

白木義一郎公明党・国民会議

○白木義一郎君 いま局長からの御答弁で、文字多重放送が耳の不自由な方々にとってきわめて有益であり、また大変要望が強い、こういうお話でした。そこで、お尋ねしますが、この耳の不自由な方々の団体が政府やあるいは関係諸団体に陳情あるいは請願をされているようですが、その内容を御承知でしたら、ちょっとお知らせを願いたいと思います。

田中眞三郎郵政省電波監理局長

○政府委員(田中眞三郎君) 文字多重放送についての耳の不自由な方々からの要望書でございますけれども、一言で申しますと、実用化が近いと言われておる文字多重放送の電波の一つを聾唖者専用としてもらいたい、こういう内容でございますけれども、こうした種類の要望はいろんな団体あるいは市町村等々からいただいておるわけでございますけれども、また早期実施につきましてもたびたび要望は受けておるわけでございまして、電波の一つを聾唖者専用としてもらいたい、こういうものでございます。

白木義一郎公明党・国民会議

○白木義一郎君 いままでの御説明を伺っていると、すぐにも実現するようでありながら、また大変息が長い、一体どういうことか。耳の不自由な方々の立場に立ってみますと、それこそのどから手の出るような話ではないかと思うんですが、実際にNHKではそのような文字多重放送がいつごろ実現できるのか、その内容が私どもに不明です。この法案が成立すればすぐにでもというような感じを受けざるを得ないんですが、NHKとしてはいつごろこの実現ができるか、あるいはそのためにはこういう隘路があるんだというようなことがおありだろうと思いますが、具体的に御説明を願いたいと思います。

坂本朝一日本放送協会会長

○参考人(坂本朝一君) NHKのテレビの多重放送を本格的に実施するためには、この改正案が施行されまして、また必要な省令が整備されまして、これに基づいてその放送局の免許の申請を行いまして免許を得る必要がある、そういう前提条件がございますので、NHK側の予定だけでいつから実施するというふうに申し上げるのはなかなかむずかしい状況にございますので、そこら辺の具体的なXデーというようなことにつきましてはいましばらく御猶予を願いたいと思いますけれども、しかしいろいろと話題になっております聴力障害者の方々に対するサービス等、この文字多重放送には大きなそういう公共的な使命も託されておりますので、財政的な状況やそういう御要望を十分勘案しながらわれわれとしては積極的に対応していきたいというふうに考えておるわけでございます。

白木義一郎公明党・国民会議

○白木義一郎君 サービスは大変結構なんですが、いつになるんだいつになるんだ、いやいや、これからいろいろと手続をして省令をつくって、それから研究しましてなんていうことは表面的には伺っておくわけですが、もうすでにその見通しもついて踏み切られたわけですから、私どもも早期実現についてできるだけ協力をしなければならないという立場でお伺いをしているわけです。したがって、先ほど若干この設備等に対しては十一億とかあるいは七億とかというような御説明がありましたけれども、とてもそのぐらいの費用でこれが実現をし、あるいは利用者にサービスというようなことになろうとは素人考えとしても考えられないわけです。  そこで、当時者のNHKとして、いろいろな問題が山積されていることは当然準備をされ研究されているはずだろうと思います。私どもとすれば、こういうふうにできました、それで法律さえできれば大体いつごろから放送ができます、こういうふうになってもらいたいわけですね。ところが、いま会長さんのあれでは、法ができたらこうやって、それからこうやってというふうな子供だましみたいな話で、ここでNHKの苦心のありのままを話していただいて、みんなで協力ができることは協力をさしていただいて、幅広いサービスの実現と、こういうことでお伺いをしているわけですが、資金的な面でもいろいろ問題があるのじゃないか、こう思うんですが。

坂倉孝一日本放送協会専務理事

○参考人(坂倉孝一君) ただいま会長が申し上げましたのは、ここでいまのこの放送法の改正についていろいろ御審議が進んでいるわけでございまして、これが施行されてから政令、省令、いろいろそういう手続的な面がこれから先さらに細かく詰められていくわけで、そういったものがすべてでき上がりましてこの文字多重放送というようなものが実際に出るのは相当先になるということを申し上げたわけでございますけれども、いま先生おっしゃいますように、私どもといたしましては、これまでもいろいろなハード面、ソフト面での研究、検討は進めてまいっているわけでございます。  少し、具体的にというお話なので御説明さしていただきますと、特に先生のいま御指摘のございました聴力障害者向けの字幕サービスといったようなものにつきましては、先ほども申し上げましたように、プロジェクトチームをつくりましていろいろテスト版の制作などやっているわけでございますけれども、要するに画面に出ている番組内容を文字にしてスーパーをつける、これはやはりそういう番組内容を要約するということが必要であるわけでございますけれども、これは中に書いてある内容はできるだけきめ細かく、しかも正確に伝えなければいけないし、また画面と文字とのスピードの調整の問題というようなことで、非常に要約の手法というようなものもまだまだ研究を進めていかなければならない部分があるわけでございます。それからアメリカ等と違いまして、この漢字、かなのまじった日本語をどういうような形でもって迅速に文字化していくのかといったような問題もございますし、そういった要約あるいは文字化の専門家をどう養成していくかという、そういうような問題があるわけでございます。  外国の例で言いますと、一時間の番組の字幕をつくるのには三十五時間ぐらいは要するというような実情にあるわけでございます。そういった技術的な問題のほかに、実用化に当たりましては、いま先生御指摘のとおりに相当の、先ほど高橋技師長が申し上げました設備面のほかに、ソフトの面での要員なりあるいは経費を必要とするわけでございまして、やはりこれはいろいろな解決すべき問題を、福祉社会といったような観点からみんなで考えていかなきゃならない問題が多々あるのではないかと思うわけでございます。  午前中もアメリカの例を申し上げましたけれども、アメリカでの聴力障害者向けのサービスは、やはり非営利の専門機関が設立されて、この機関がABCであるとか、それからNBCであるとか、PBSであるとか、そういったような各放送機関を通じて放送される。つまり、その機関が一元的にそういった字幕制作をやるというような形をとっていて、そこで要員の訓練などもやっているというふうに聞いておりまして、そこのNCIというその機関の財源として、政府資金としては六百九十万ドル、そのほか生命保険会社であるとか民間団体からもいろんな資金を入れて、そういうような機関をつくってやっているわけでございます。  日本の場合におきましても、一昨年、民間の基金によりまして聴力障害者情報文化センターという団体ができまして、昨年、社会福祉法人の認可も受けておりまして、ここがすでにテレビ番組や映画の字幕等をつけてビデオカセットをつくるというような仕事のライブラリー業務をやっているわけでございますけれども、これにはNHK、民放連等も加わっているわけでございまして、そういったようなところが中心になりまして、今後各方面のいろんな御協力を得ながら積極的にそういう推進というものを図っていくべきではないかというふうに考えるわけでございます。

白木義一郎公明党・国民会議

○白木義一郎君 ほんの表面的なことだけいま御説明をいただいたわけですが、それだけ伺ってもこれは大変なことだ、その技術的な開発の苦心あるいは時間、当然その裏づけとなる資金、その手当て等が、私ども、ただ見る視聴者、利用者だけの立場から見ますと、こういう法律ができるとすぐにでも始まるんじゃないか、こんな錯覚をするのは当然だろうと思うんです。いわんや耳の不自由な方がかねてから要望していた、それで政府が実現に向かって踏み切って法律をつくった、それじゃと楽しみにしていたところが、何年たっても、そのうちに用意はできたけれども金の出どころがない、NHKも赤字がだんだん累積してくるというようなことになってくると、健康な人はほかに幾らでも娯楽を求め情報を求めることはできますけれども、ハンディキャップのある方々は、それこそこういうことをしたためにせっかくの期待がよけいな苦しみを与えるというような心配を私はするわけです。したがいまして、大臣も、こういったようなことでは私と同じように素人じゃないかと思いますが、この実現方について積極的に資金の面、あるいは早期にNHKを初めとして実施をする方向へ努力をすべきじゃないか、このように思うんですが、大臣、御所見をひとつ。

箕輪登自由民主党郵政大臣

○国務大臣(箕輪登君) 白木委員がおっしゃるとおりでありまして、せっかくこういう新しいメディアが出てきて、いよいよ法律を通し、その実現を期そうということでありますが、いつできるかわからないというようなことではいけないと思いますし、私が承っているところでは、いま御審議いただいている法律が成立をして、諸準備にかかりまして大体一年から二年後には実用的な放送ができる、こう聞いているのであります。  ただ、NHKはこういう財政困窮の折からでございますけれども、先ほど来御説明があったように十一億円程度の金がかかりそうだ、これは国から金を出すということもやっておりませんし、NHKは全部受信料でやっているわけでございますから、ひとつお互いに創意工夫は資金面でもいたしたいと思いますが、まずNHKの自助努力、苦しいときではありますが、自助努力もひとつ御期待をいたしておきたい、こういう考え方でございます。

白木義一郎公明党・国民会議

○白木義一郎君 いまも大臣が十一億程度、こういう大ざっぱなとらえ方で御答弁なさいましたけれども、NHKさんの方はとてもそういうことでは実現に向かうことはどうなんでしょうか。

高橋良会計検査院事務総局第四局長

○参考人(高橋良君) ただいま先生のお話にございました十一億というのは直接建設投資の一部のお話でございまして、先ほどの御質問にもお答え申し上げましたように、伝送系として、たとえば東京発で全国の現在の放送網を利用いたしまして文字放送を現在の放送網のカバレージのところにお届けしよう、そのために伝送系に付加する建設投資額を十一億と申し上げたわけでございます。  それからもう一つの設備といたしましては、制作設備費があるわけでございます。これは御承知のように、文字をつくるとか図形をつくるというような制作設備費でございますが、これにつきましては、東京で大部分の番組をまずつくるのだと仮定をした場合に約七億ぐらいかかる。あとは将来のことでございますけれども、各地方局でもこれをローカル的に放送をやるということになりますと、各局の放送の制作設備として一局単位約一億かかるということを申し上げたわけでございます。  それで、いま先生のお話でございますけれども、これはきょう現在での試算勘定でございまして、当然でございますが、先生御指摘のように、制作費そのものにつきましては、番組のあり方並びに制作手法、これによっても非常に金のかかり方が違ってくるわけでございます。その辺につきまして、特にデフサービスについては、ただいま坂倉専務理事からも御説明申し上げましたように、そういう福祉団体のようなものを外国のようにつくりまして、先生方にも御協力いただいて、そういう形で一緒になってつくっていただければ、この辺についてNHKの持ち分の番組制作単価というものは当然に下がってくるという判断もあるわけでございますが、補完利用その他もございますので、これにつきましては、先ほど会長から御説明申し上げましたように、われわれといたしましては積極的に日常のニュースその他の補完番組というものについては対処してまいりたい。さように考えておりますし、なお、先生御指摘のように技術が非常に進歩しておりますので、一日一日と制作設備そのものもよくなってまいりますし、また非常に簡単なものができるのじゃなかろうかということで、鋭意その面の制作設備の研究開発もいまやらせている最中でございますので、その辺につきましての御理解も賜れば幸いだと思う次第でございます。

白木義一郎公明党・国民会議

○白木義一郎君 設備のために要する資金、これは簡単に出てくると思うんですが、制作費とかスタッフの人件費とか、そういったようなわれわれにうかがい知れないような問題がたくさんあるのじゃないかと思うんです。どこかに資金源を求めてというようなこともいまからどんどん進めなければ、大ざっぱに一、二年先にできるんじゃないかというようなことでは、こうしたいんだ、どうか審議してもらいたいと言っても、これからやがてこれができれば、それからやります、それからやりますと言うのじゃ、何だかパン食い競争、馬の鼻面にニンジンをぶら下げて走れ走れと言われているようなもので、われわれはいいにしても、いつもテレビの番組を、耳は聞こえないけれども目で勉強もしよう、楽しもうと言っている方々に大変悲しい思いをさせやしないかというのが私の一つの考え方でございます。それについても付加装置の問題が当然浮かび上がってくるわけですが、この点についてもあらかじめ、そういうふうにはなるけれどもこれだけ金がかかりますよ、できるだけ低廉でというようなことでしょうけれども、その辺の見通しをお伺いしておきたいと思います。

田中眞三郎郵政省電波監理局長

○政府委員(田中眞三郎君) 文字多重放送を受ける場合には付加装置が要るわけでございますけれども、一般に普及すると考えられます文字多重放送の受信機の価格でございますけれども、内蔵された場合は、内蔵されない場合に比べてパターン方式のものでは三万円高というような試算が出ております。ということは、本来なら、少々高い機械ですけれども仮に十七万だといたしますと、多重を受けられると三万円高になりまして二十万円程度、それがコード方式だと七万円程度プラスの二十四万円になる、こういうような試算ができておる次第でございます。

白木義一郎公明党・国民会議

○白木義一郎君 そこで、郵政省は難聴者の方がどのぐらいおいでか掌握をされているでしょうか。また、その中で生活保護なり福祉手当を受けている方がどのぐらいあるか。

田中眞三郎郵政省電波監理局長

○政府委員(田中眞三郎君) 厚生省の調査でございますが、五年ごとでございまして、一番最新のは五十五年のものでございますが、五十五年の二月、厚生省が実施しました身体障害者実態調査の結果によりますと、全国の聴覚障害の人の数は三十一万七千人、そのうち生活保護を受けている人は一万一千人と推計しておる、このように聞いております。

白木義一郎公明党・国民会議

○白木義一郎君 この法案の文字多重放送の実施理由の柱の一つとして、まず第一が福祉のため、すなわち耳の不自由な人たちに対する放送が第一番目、その次に進めるのが第三者利用の制度、最後が独立利用というふうに先ほどから伺っておりますが、要するに付加装置を必要としなければならない、買い求めなければならないのは耳の不自由な方たちであるということになります。それにもかかわらず、生活保護並びにその他の福祉手当を受けている人が、いま御報告いただいたように大変多い。さらに難度が軽くて生活は苦しいがその手当の対象にならないという方も大変多いと思いますが、このような人たちに郵政省が有益と力説する付加装置が果たして手に入るかどうか、買えるかどうか、そういう点について郵政省は当然検討されてきたと思いますが、その点をお伺いしたいと思います。

田中眞三郎郵政省電波監理局長

○政府委員(田中眞三郎君) 耳の不自由な方々、特にその中でも生活困窮者というわけですか、そうした方々に対してこうした新しい技術の成果というものを還元するために郵政省としても何らかの便宜を図るべきではないかということでございますけれども、この点につきましては、一応身体障害者に対しますいわゆる福祉施策の一環といたしまして所管のところが、もちろん郵政省は応援する立場でございますけれども、検討をきれることを期待いたしたい。ただ、郵政省といたしましては、むしろ、先ほど先生が最初に取り上げられましたように、送る側での経費も非常にかかる、日常的に番組を送るわけですけれどもかなりの経費がかかるわけでございまして、そうした面での推進策と申しますか、事業者に対する要望、NHKを初めとしまして、やはり放送事業者といたしましてはそれぞれの財政というものがあるわけですけれども、その範囲内で創意と工夫と努力というようなものでできる限り早く豊かな多重の番組をふやしていくという形で推進してまいりたい、このように考えておる次第でございます。

白木義一郎公明党・国民会議

○白木義一郎君 それでは、いまお尋ねしたようなことが外国ではどういうふうに実施されているかということを、おわかりになる範囲で御説明をいただきたいと思うんですが。

田中眞三郎郵政省電波監理局長

○政府委員(田中眞三郎君) 海外におきます文字多重放送の実情ということでございますけれども、現在のところイギリス、フランス、西ドイツ等のヨーロッパ諸国及びアメリカにおいて本放送ないし実験放送が実施されております。  まず、イギリスでございますけれども、BBC——イギリス放送協会及びIBA——独立放送協会が、それぞれ一九七六年及び八〇年から本放送を開始いたしまして、ニュース、スポーツ、買い物案内等のサービスのほか、最近は聴覚障害者向けの字幕放送を開始した模様でございます。  次に、フランスでございますけれども、テレビ電気通信共同センターが七九年度から本放送を開始いたしまして、株式情報、気象情報、地域情報等のサービスを行っております。  次に、西ドイツですけれども、西ドイツ放送連盟、第二テレビジョン放送及びドイツ新聞出版協会が八〇年度から実験放送を開始しまして、番組案内、ニュース速報などのサービスを行っております。  次に、アメリカでございますが、PBS——公共放送サービス、ABC及びNBCが、先ほどもお話の出ましたように、民間の非営利団体でありますところのNCI——全米キャプショニング機構の協力を得まして聴覚障害者向けの字幕放送を実施しております。なお、このほか、アメリカではKSL・TV、ユタ州の独立局でございますが、あるいはCBSなどが、イギリスあるいはフランスの技術を導入いたしまして実験放送を行っているそうでございます。  特に、経費の問題でございますけれども、文字多重放送に要する経費は、各国とも放送事業者が第一義的には負担している模様でございます。  なお、イギリスでございますけれども、IBAは、最近文字多重放送に広告を挿入している模様というような情報が入っております。  また、NCIでございますけれども、ちょっと先ほどもお話が出たようですけれども、アメリカの字幕放送は、PBS、ABC、NBCがNCIに経費を支払いまして聴覚障害者向けテレビジョン番組に字幕をつけさせているということを聞いております。なお、NCIの場合、連邦資金及び字幕放送デコーダー販売会社などからの資金も得ている模様でございます。  ともかく、字幕放送については大変お金がかかるというようなことで、その維持に関しましては大変私どもといたしましても関心を持っておる次第でございます。

白木義一郎公明党・国民会議

○白木義一郎君 伺いますと、わが国はこの方面では大変外国に水をあけられているように伺いましたが、いろいろその要因はあるだろうと思いますが、なぜ立ちおくれているのか、ちょっとお考えを。

田中眞三郎郵政省電波監理局長

○政府委員(田中眞三郎君) 外国の場合、コード方式といいますか、アルファベット二十六文字でございますので、いままで御説明しましたのは全部コード方式でございます。日本の場合やはりかたかなだけというわけにはまいりませんので、かたかな、ひらがな、漢字が入るわけでございます。そうすると、二十六文字に対して漢字といいますと万というようなオーダーになるわけでございまして、それに適したのがやっぱりパターンだろうというようなことで、まず日本の場合は象形文字と申しますか、漢字に適したパターン方式が電波技術審議会と申しますか、技術の方々のグループとしては必然的にパターン方式についての結論が早く出せた、こういうことでございます。裏返して言いますと、コード方式については何分にも一万字——最近LSIと申しますか、非常にいわゆる素子の値段も下がったそうでございますけれども、この辺の技術が開発当時は相当に高かったというようなことがございます。最近になりまして素子の値段が非常に下がったということで、漢字のような、一万字といいますか数千字を必要とするような文字発生器についても価格的にも可能性が出てきたというのが真相で、どうしておくれたのかということを一言で申しますと、漢字、かたかな、ひらがなという問題であろうかと思っております。

白木義一郎公明党・国民会議

○白木義一郎君 いま伺ったようにいろいろ隘路があって、特に繰り返して申し上げますけれども、耳の不自由な方々はのどから手の出るようにこの放送を待っているわけです。ところが、現実は大変ほど遠いとうかがわざるを得ないわけですが、したがって、この実況の放送は相当将来年月をかけなければならないということを明らかにしておいた方がその方々にはいいんじゃないか。と同時に、それの実現方を一日も早く短縮して、そしてその希望に沿うように政府並びに当局の方々にがんばっていただきたいことを要望して、私の質問を終わります。

勝又武一日本社会党

○委員長(勝又武一君) 両案に対する本日の審査はこの程度にとどめます。  次回は五月十一日午前十時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後三時二十七分散会

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