逓信委員会 第2号
- 発言数
- 268 件
- 登壇者
- 33 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1982/03/23
会議録
○委員長(勝又武一君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 去る一月二十二日、八百板正君が委員を辞任され、その補欠として福間知之君が選任されました。 また、去る二十日、山中郁子君が委員を辞任され、その補欠として宮本顕治君が選任されました。 —————————————
○委員長(勝又武一君) 次に、理事の補欠選任についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い、現在、理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(勝又武一君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に大森昭君を指名いたします。 —————————————
○委員長(勝又武一君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 日本放送協会関係の付託案件の審査、郵政事業及び電気通信事業の運営並びに電波に関する調査のうち、放送に関する事項の調査のため、日本放送協会の役職員を参考人として今期国会中必要に応じ随時出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(勝又武一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(勝又武一君) 次に、派遣委員の報告に関する件についてお諮りいたします。 先般、当委員会が行いました郵政事業及び電気通信事業の運営並びに電波に関する実情調査のための委員派遣について、その報告書が提出されておりますので、これを本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(勝又武一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(勝又武一君) 次に、郵政事業及び電気通信事業の運営並びに電波に関する調査を議題といたします。 まず、郵政行政の基本施策について所信を聴取いたします。箕輪郵政大臣。
○国務大臣(箕輪登君) 逓信委員会の皆様には、平素から郵政省所管業務の適切な運営につきまして、格別の御尽力をいただき、ここに厚く御礼申し上げます。 この機会に、所管業務の当面する諸問題について、所信の一端を申し上げ、皆様の御理解と御協力を賜りたいと存じます。 まず、郵便事業について申し上げます。 我が国の郵便は、いまや年間百五十億通を超えるに至り、国民の基本的通信手段として、今後とも重要な役割りを果たしていくものと考えております。業務運行につきましては、おおむね順調に推移しており、今期年末年始におきましても、年賀郵便物の配達など所期の運行を確保することができました。 また、事業財政につきましては、先般の郵便法の改正により、着実に改善が進められているところであります。 今後とも一層安定した郵便業務運行の確保に努めるとともに、事業運営の効率化の推進と国民の需要に即したサービスの提供に努め、郵便事業に寄せられる国民の皆様の御期待にこたえてまいる所存であります。 次に、為替貯金事業について申し上げます。 郵便貯金は、百余年にわたり、国営の貯蓄機関として、国民の皆様に簡易で確実な貯蓄手段として広く利用されてまいりましたが、最近における郵便貯金の増加状況は低調に推移しておりますので、郵便貯金のなお一層の推進を図るとともに、金融サービスに対する国民の皆様の多様化する要望におこたえするため、幅広く制度の改善に努める所存であります。 その一端として、ゆうゆうローンの貸付限度額を現行の七十万円から百万円に引き上げることを内容とする郵便貯金法の一部を改正する法律案を今国会に提出いたしましたので、よろしく御審議のほどお願い申し上げます。 また、郵便貯金の預入限度額の引き上げ及び郵便貯金資金の直接運用につきましては、引き続きその実現に、向けて努力してまいる所存であります。 さらに、今後における利用者サービスの拡充の基盤ともなるべき業務のオンライン化につきましては、昭和五十八年度末に全国網が完成するよう努めるとともに、オンラインによる新しいサービスの拡充、普及に努めてまいりたいと考えております。 なお、いわゆる金融懇報告の取り扱いにつきましては、昨年九月三十日に、郵政、大蔵、内閣官房の三閣僚合意が成立したことにより決着いたしましたので、この合意の趣旨に沿って対処してまいる所存であります。 次に、簡易保険・郵便年金事業について申し上げます。 簡易保険事業は、おおむね順調に運営されており、現在、保有契約件数五千三百万件、保有契約高五十八兆円に達し、資金総額は十七兆円を超えるまでに至っております。 また、郵便年金事業は、おかげをもちまして、昨年、高齢化社会の急速な到来に備え、国民生活の安定と福祉の増進に資するため、その制度の改正を実現することができ、去る九月一日から新しい郵便年金の取り扱いを開始したところでありますが、多くの国民から好評を得、順調に推移しております。 ところで、事業を取り巻く情勢は厳しさを増しておりますが、簡易保険・郵便年金事業におきましては、国営事業としての信用と責任を深く認識するとともに、常に長期的な展望に立って事業の運営に当たり、時代の要請に即応した制度の改善等に積極的に取り組んでまいる所存であります。 特に、保険金の最高制限額の引き上げ及び資金運用制度の改善につきましては、これが早期実現に向けて最大限の努力を傾注してまいる所存でありますので、格段の御理解と御協力をお願い申し上げる次第であります。 さて、申し上げるまでもなく、郵政事業は、三十一万余という多くの職員を擁し、人手に依存する度合いのきわめて高い事業でありますので、事業の円滑な運営を図るためには、明るく活力に満ちた職場をつくることが必要であり、今後ともそのために積極的な努力を傾けてまいる所存であります。 さらに、労使関係につきましても、相互の信頼関係の確立を基礎に、より安定した労使関係の確立に努めてまいりたいと考えております。 また、郵政犯罪の防止につきましては、従来から省を挙げて努力してまいったところでありますが、今後とも、防犯体制の整備充実と防犯意識の高揚を図り、事業の信頼確保に万全を期する所存であります。 次に、電気通信行政について申し上げます。 電気通信は、近年におけるその役割りの増大と多様化の進展等に伴い、経済、産業、社会、文化等の広い分野において、広範かつ複雑な課題が生起しております。 データ通信につきましては、昨年来、その制度の整備について鋭意検討を重ねてまいりました。いわゆる自由化につきましては、わが国における通信秩序の維持を前提としつつ、データ通信の健全な発展に資する制度づくりを行いたいと考えており、今回はそのための措置として、公衆電気通信法の改正等で対処してまいりたいと存じます。 国内電気通信におきましては、電話の需給均衡を維持し、さらにサービス内容の向上や質的充実を図るとともに、綱紀の粛正と事業運営の効率化をより一層推進することにより事業に寄せられた国民の期待に十分こたえていくよう、日本電信電話公社を指導監督してまいる所存であります。 また、国際電気通信につきましても、増大し、多様化する国際電気通信需要に適切に対処するための諸施策を引き続き推進するよう指導してまいる所存であります。 なお、電気通信行政の重要性の増大にかんがみ、電気通信行政の一層公平かつ能率的な運営を図るため、既存の審議会の再編成により、電気通信審議会を設置することとし、関係法律案を今国会に提出いたしておりますので、よろしく御支援のほどお願い申し上げます。 次に、電波・放送行政について申し上げます。 今日、電波の利用は、わが国の社会経済活動のあらゆる方面に及んでおり、今後ともさらに増大する傾向にあります。 このような情勢に、かんがみ、宇宙通信、テレビの多重放送など新たな技術の開発及び高度化する国民の情報需要の動向と電波に関する国際的動向とに即応し、適時適切な電波行政を推進してまいる所存であります。 まず、放送法につきましては、外国人等による放送会社の株式取得に対する措置を講ずること等を内容とする改正案を今国会に提出いたしており、また、電波法につきましては、一九七八年の船員の訓練及び資格証明並びに当直の基準に関する国際条約の締結に伴い、船舶の無線通信士について資格証明等の措置を講ずること等を内容とする改正案を今国会に提出いたすべく準備を進めておりますので、よろしく御審議のほどお願い申し上げます。 宇宙通信の開発とその実用化につきましては、昭和五十三年度から、実験用の通信衛星及び放送衛星を利用して各種の実験を進めており、この実験の成果を踏まえ、離島、辺地等との通信の確保、非常災害用の通信等に利用するために実用の通信衛星を昭和五十七年度に、また、テレビジョン放送の難視聴解消に利用するために、実用の放送衛星を昭和五十八年度に打ち上げることとし、関係機関とともに準備を進めているところであり、これら実用衛星の打ち上げは、わが国の宇宙通信実用化時代の幕あけとなるものでありますが、今後とも宇宙通信の発展普及のための施策を講じてまいる所存であります。 放送につきましては、最近における新技術の開発の成果を踏まえて、文字多重放送の実用化に努めるなど、新しい放送技術の開発、実用化を進めるとともに、テレビジョン放送の難視聴解消につきましても、今後とも積極的に取り組んでまいる所存であります。 以上、所管業務の当面の諸問題につきまして、所信の一端を申し上げましたが、郵政省所管業務の円滑な運営のため、委員各位の御支援、御協力を切にお願い申し上げる次第であります。
○委員長(勝又武一君) 次に、日本電信電話公社の事業概況について説明を聴取いたします。真藤日本電信電話公社総裁。
○説明員(真藤恒君) 電信電話事業につきましては、平素格別の御配慮と御支援を賜り、まことにありがたく、厚く御礼申し上げます。 先般、公社職員が通信回線における情報を盗用して、銀行のキャッシュカードを偽造・行使したという事件を起こしましたことは、国民の皆様に対しまことに申しわけなく、謹んでおわび申し上げます。公社といたしましては、この事実を厳粛に受けとめ、通信の秘密厳守など職員が守るべき基本的義務についてその重要性を再認識させ、二度とこのような事件を起こすことのないよう、全社一体となって最善の努力を行う決意であります。 日本電信電話公社の最近の事業概況につきまして御説明申し上げます。 まず、昭和五十六年度予算におきましては、事業収入三兆九千百九十九億円と見込んでおりますが、一月末までの収入実績は三兆三千九百六十六億円でありまして、これは予定収入に対し三・九%の増収で順調に推移いたしております。公社といたしましては、今後とも収入の確保に努める所存であります。 また、事業支出につきましても、新たに月次決算の手法を導入するなど経費使用の効率化、合理化に努力いたしております。 建設工事計画の進捗状況につきましては、工事費総額は前年度からの繰越額を加え一兆八千九百四億円であります。これに対して一月末における契約額は一兆七千二百七十三億円でありまして、年間予定の九一・三%程度の進捗となっております。 主なサービスのうち、一般加入電話の増設につきましては、年間予定百三十万加入に対して一月末で百六万加入、地域集団電話の一般加入電話への変更につきましては、年間予定十四万加入に対して一月末で八万四千加入の進捗となっており、公衆電話の設置及びビジネスホンなど各種商品の販売につきましても、おおむね順調に推移いたしております。 さらに、新しいサービスとして、昭和五十六年九月にファクシミリ通信網サービスを開始するとともに、ミニファックスの販売を行うなど非電話系サービスの積極的普及を図ることとしております。 また、昭和五十五年度に実施した夜間通話料金等の値下げに引き続き、昭和五十六年八月からは通話料金の遠近格差是正をさらに推進するため、遠距離通話料金の引き下げ及び日曜・祝日割引を実施いたしているところであります。 公社は、発足以来電信電話サービスの向上に努めてまいりましたが、今後とも引き続きサービスの改善に努め、安定した社会、充実した国民生活に資するとともに、健全な財務基盤の確立なくしては、公社に課せられた真の公共性の発揮が不可能になることを銘記し、事業全般にわたり一層の合理化、効率化を図り、国民の信頼にこたえてまいりたいと考えております。 さらに今後の国際社会における電気通信の役割りを展望し、わが国の情報化の進展に備えるため、高度かつ多彩な電気通信サービスを利用しやすい料金で提供できるよう、高度情報通信システム(INS)の形成に努力していく所存であります。 以上をもちまして、最近の公社事業の概況説明を終わらせていただきます。
○委員長(勝又武一君) 以上で所信及び説明の聴取は終わりました。 これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○福間知之君 ただいま大臣並びに電電公社総裁から所信の表明がございました。 まず最初に、大臣の御説明によりますと、郵便事業の業務の運行というものはおおむね順調に推移をしておる、また郵便事業財政も先般の郵便法の改正によりまして着実に改善が進められている、そういうことでございますが、担当局長から郵便事業の現況あるいは若干の展望を含めまして御説明を願いたいわけでありますが、時間の関係で、恐縮ですが、要約して簡潔にお願いできたら幸いだと思います。
○政府委員(魚津茂晴君) ただいまの大臣の所信表明にもございましたように、現在、郵便の業務運行は順調に推移しておりまして、また郵便事業財政の改善も着実に進められております。 郵便事業における課題は、まず国民に満足していただける良質なサービスを提供していくとともに、事業運営の効率化と郵便需要の確保に努めていくことであります。事業運営の効率化については、郵便事業がきわめて労働集約性の高い事業であることからおのずから限界はございますが、これまでの施策を継続して推進していく一方、新しい機械の開発や配達一度化などのサービスの適正化についても利用者の理解と協力を得ながら取り組んでいるところでございます。 また、郵便需要の確保については、従来の出される郵便から出していただく郵便への意識転換を図り需要の確保に努めるとともに、昨年七月から新しいサービスを開始したところでございます。その一つはエコーはがき、広告つきはがきでございますが、いま一つは電子郵便の実験サービスでございます。エコーはがきは、利用者の方々から好感を持って受け入れられておりますので、さらにデザイン等に工夫をこらし定着した商品に育てたいと考えております。また、電子郵便についても、利用地域の拡大を図るなどしてサービスの向上に努めていきたいと考えております。 近年、さまざまな通信手段、たとえばファクシミリや運送手段、たとえば宅配便、これらが発展を遂げているので、郵便は独占であるからといって安閑としておられるような環境ではなくなってきております。百年の伝統を誇る郵便事業ではございますが、事業運営の効率化と郵便需要の確保という今日的課題に真剣に取り組んで、国民に信頼される郵便事業の確立に努めてまいりたいと存じます。
○福間知之君 昨年来、ただいまの御説明のように、エコーはがきとか、あるいは電子郵便の実験とか、いろいろと過去にない発想で時代に対応していこう、こういう努力をされてきたことについては私どもも評価をしておるわけでありますけれども、先般、当局の方で出されました今後の展望として、一応郵便事業における損益の見通しというものについて一点だけお聞きしたいんですが、大体三年に一回二〇%強の値上げを余儀なくされるというふうに承知をしておりますが、やはり今段階でもそれは余り大きく変わらないかどうか。なかなかむずかしいところですけれども、それは努力の成果と見合っておのずから見通しが変わるんですが、局長としてはどのように把握しておりますか。
○政府委員(魚津茂晴君) 福間先生が当委員会の委員長のときに郵便法の改正について煩わしたところでございますが、そのときに、五十五年度末では約二千五百億の累積欠損金がございました。そこで、この改正法案をお認め願うとすれば五十七年度末には大体この半分程度の累積欠損金を解消し得るというふうに申し上げまして、それから十年間で物価等変動率の枠内、現在の指標からいたしますと、おおよそ二〇%程度の料金改正ということになるわけでございますが、その程度の改正を二回程度煩わすことができるとすれば累積欠損金をなくすることができます、こういうふうに当時御説明したわけでございますが、私どもの現状からいたしますと、五十七年度末では半分というよりむしろ三分の一近い形で累積欠損金が縮小してまいります。 したがいまして、当時、中期的に御説明しました展望については、むしろ改善される点があっても悪くなった点はございませんので、御説明したとおり、二回程度必要最小限の料金改正ということでお認め願って累積欠損金をなくしてまいりたい、こういう見通してございます。
○福間知之君 ただいまのお話によりますと、昨年の見通しよりも実績は大変好調であるということで喜ばしいと思います。ことし、年度末で九百億弱の累積欠損に、落ちつくということだとすれば、いまのように今後のまた経営努力でさらに収支改善が期待できるんじゃないか。これは当委員会としても、これから折に触れて皆さんと相談をして改善に努力しなければならぬ、こう思っておりますので、また後日に譲りたいと思います。 次に、貯金事業についてお伺いしたいんですが、最近、貯金の増加状況というものは低迷をしておるようでございますが、顧みると、一昨年でございましたか、ずいぶん一カ月のうちに一五五%から多いときは三五六%もふえているというデータがあるんですけれども、あのときに、いわば銀行ともいろんな考え方の相克が見られました。しかし、当委員会での御当局の説明では多分に一過性のものじゃないかというふうなことが言われてもおりました。まさに結果として、いま振り返ればそれは必ずしも間違っていなかったと思うんですが、だが、いま大変低迷しているということについての状況をどのように見ていられるか、その原因は一体どこにあるのか、御説明を願いたいと思います。
○政府委員(鴨光一郎君) 今年度の郵便貯金の増加状況でございますが、数字で申し上げますと、純増加額が昨年の四月からこの二月末までの実績で三兆四千九百億ほどでございまして、対前年比五六%でございます。元加利子を加えました総増加額で見ましても七兆六千三百億ほどでございまして、対前年比八三%でございます。 先生いまお話ございましたように、郵便貯金は昭和五十二年度を一つのピークにいたしまして、五十二年度、五十四年度と実は対前年比が純増加額では下回っておりまして、五十五年度におきましては、いわゆる金利の天井感ということ、それからいろいろな郵貯をめぐります論議の中で、郵便貯金に対しますいろいろな御理解が世間に浸透したというふうなこともございまして、この五十五年度におきましては純増加額も対前年比一四四というふうな数字になっておりましたけれども、五十六年度におきましては先ほど申し上げたような傾向になってきている。つまり五十五年度が一過的な、一時的な急増であったということが五十一年以降の傾向の中でうかがえるということが申し上げられようかと思います。
○福間知之君 そういうことで、私がお聞きしたい点、一点だけ追加してお願いをしたいんですか、この所信表明でも今後の対策として、ゆうゆうローンの限度額の引き上げはもちろんでございますが、オンラインの全国網の完成その他、いろいろと国民に対する利便の手段が強化されていくわけですけれども、そういう方法でいまの低迷している状況をさらに改善することができるのかどうか、何か新しい商品というようなものも必要じゃないかと思うんですが、そういう御見解はどうですか。
○政府委員(鴨光一郎君) 先ほど申し上げました増加の状況が低調に推移しております理由といたしましては、およそ三点ほど挙げられようかと思います。 一つは、郵便貯金が一番密接に関連をいたしておりますいわゆる家計可処分所得、これは日本経済の低成長という状況の中でこの可処分所得の伸び率が非常に低下をしております。それが一つ。それからもう一つは、各種の消費者ローンの残高が年々増大をしております。したがいまして、これの返済の負担が大きくなっているという点。それから三番目には、最近、民間金融機関におきましても、期日指定定期とかあるいは新型貸付信託といった商品が開発をされまして一層資産選択の多様化が進んでいる、こういう状況にございます。 いま申し上げましたような環境と申しますものは、経済の安定成長というふうなことからいたしますときわめて厳しい環境にあるということでございますけれども、われわれの対策といたしましては、基本的には国民の皆様のニーズに即応したよりよいサービスを、要するに各利用者の方々に、国民の方々に広く利用をしていただくということが基本であろう、またそれが最良の方法であろうというふうに考えているところでございます。 具体的には、ことしのたとえば四月から愛育貯金、定額貯金の利子のお支払いの方法を従来と変えた形で、あくまでも定額貯金という種類ではございますが、その中で利子の支払い方法を変えさせていただくというふうなこと。それからもう一つは、いま先生もお触れになりましたようなオンラインサービスということですでに始めております総合通帳あるいは給与預入サービスなどのほか、この六月からは、二十四の都府県でございますけれども、自動払い込みサービスというふうなオンラインサービスの着実な普及に努めていこう、このように考えているところでございます。 いずれにしましても、国民の皆様の資産形成のお手伝いをいたしながら、いま申し上げましたような国民の皆様に広く利用していただく、またサービスをよりよくしていくという形の中で郵便貯金の増加にも努めてまいりたい、このように考えているところでございます。
○福間知之君 この点につきましても、これから引き続いて審議をさしていただきたいと思っております。きょうは時間の関係で多く触れられません。 一昨日の新聞でございましたか、いま銀行の土曜休日制度も逐年本格化していくという方向にありますけれども、これは郵政当局においても全く例外じゃないわけでございます。そういう状況の中で、例のクレジット会社、信販会社等が百貨店あるいはスーパー等でCDとかATMの機械を使って土、日曜に融資をするというふうな事業を考えているやの報道もありました。まさにわが国金融制度が大きくいま転換をしようとしている中でございますし、ぜひそういう時代の変化というものに着目をして、当局としても対処策を怠らないように希望をしておきたいと思います。 次に、郵便年金法の改正が昨年行われましたが、それに伴って発売されました郵便年金、大変国民から好評を博しているように承知をしております。今日までの募集の状況あるいは今後の見通しについて御説明を願いたいと思います。
○政府委員(小山森也君) まず、二月末現在の募集の状況について数字で御説明申し上げます。 現在、件数は七万七千件、これは二月末現在でございます。一件平均の年金額は三十四万円になっております。これは当初五十六年度予算で申し上げました三月末四万一千件という予測を大きく上回っている結果になっております。これにつきましては、一つは、御利用になる皆様方の方から見た場合、急速な高齢化社会の到来というものに備えての自助努力の必要性、これに非常に関心が高まったこと、さらに一昨年末の郵便年金法改正案をめぐりまして、業界、マスコミの皆様方の個人年金論争を呼びまして、郵便年金というものへの関心を非常に呼んだというようなことの結果が考えられます。なお、私ども事業を進める側からいたしましても、新しい制度をここで発足させるということから郵便局の職員等も非常に大きく士気を高揚いたしまして、この個人年金普及に対する努力というようなものが非常に高まりまして、お客様と私どもの方の職員との努力、これによるものではないかと思っております。 なお、今後の見通してございますが、この制度の改善を待ち望んでいた方が非常に多かった関係上、九月から十二月まで月平均一万七千件というように非常に高い実績を呼んだわけでございますが、その後五十七年、ことしに入りまして一月以降はこのような状態から若干落ちつきまして、五、六千件というところになっております。このようなペースで大体今後は進んでいくのではないかと思っております。 なお、私どもこれに対します努力のことでございますけれども、まず第一は、やはり個人年金というのはどういうものであるかということにつきましてまだ非常に御理解の薄い点もございますので、私どもの郵便年金だけでなしに、どの業界の年金を使いましても、これは使う方の方の経済計画といいますか、人生計画の中に入るわけでございますので、まず第一に個人年金というものはどういうものであるかということを皆様に御理解いただくための努力というものをした上で、郵便年金に合う生活設計をお持ちの方はぜひ郵便年金、このように考えている次第でございます。
○福間知之君 大変好調に今日までは推移してきているということで結構かと思うんです。しかし、加入件数の中で終身年金が大体九割くらいだ、定期年金が一割だ、こういうふうに聞いているんですが、受け取る年金が毎年ふえていくという意味で終身年金に人気があるのだろうと思うんですが、余り格差があってもこれはいかがなものかと思いますし、終身年金に人気があること自体はこれは結構だと思うんですけれども、定期年金の方についてもやっぱりふやしていくという手段を講じる必要があるのじゃないかと思うんですが。
○政府委員(小山森也君) ただいまのところ、先生御指摘のように定期年金一〇・一%という非常に低い構成比になっております。これは先生おっしゃられましたように、終身年金は逓増制、これに対しまして定期年金は定額制というようなものの結果ではないかと私ども思っております。それでは、どういうような形にすれば国民の御利用に非常に使いいいような形のものであるかということについて、私どもまだこれに対する明確な解答を持ち合わせておりません。しかしながら、当然あらゆる年金の種類につきまして御利用いただけるということが私どもの仕事の一番の使命でございますので今後とも検討を加えてまいりたい、こう思っております。
○福間知之君 郵政当局はその程度にとどめておきたいと思います。 真藤総裁がお見えでございますので、所見を承りたいと思います。 ちょうど総裁が公社においでになって一年経過するわけでございますが、この間、電電公社の事業のあり方をめぐりましては、まさに電気通信分野の大きな変革の真っただ中でおいでになったということもありますが、そういうことを別にいたしましても、民間のお立場から公社のお仕事におつきになったということでいろいろとお悩みやらあるいはまたお考えがあろうかと思うんですが、総括して感想を、まずお承りをしたいと思います。
○説明員(真藤恒君) 私、参りまして、総括して申し上げられることは、電電公社の中の人員といいますか、構成している人間の性質が、非常にまじめ集団であり素直集団であるという感覚を非常に強く受けております。したがいまして、私みたいに思いがけなく飛び込んだ人間がいろんなことを申しましても、納得してくれれば本気にそれに実行にかかるというまじめさを持っておるということで、就任のときに心配しておりました人間関係ということについては、私はいま全く心配いたしておりません。それが総括的なあれでございます。
○福間知之君 抽象的で——具体的なことはむしろこれからお聞きをしなきゃならぬかと思いますが、ということになりますと、この変革に直面している電電公社の事業の進め方についても、思い切ってその施策を遂行するためには内部で十分話し合いをして理解と納得が得られれば協力をしてもらえる、こういうふうにお考えになっていると考えてよろしいですか。
○説明員(真藤恒君) そのとおりでございます。
○福間知之君 ところで、いま第二次臨調が、電電公社を初めとして三公社の経営形態の抜本的見直しということを重要課題としております。一部の報道によりますと、真藤総裁は電電公社についてその経営形態を特殊会社の方式に移行を志向しているようにも受け取れるのでございますが、この公社の経営形態について総裁はどのようにお考えになっておられるか。つい先日も臨調に御説明があったりしたことを報道で承知しておりますが、特殊会社方式というものにより傾斜したお気持ちなのかどうか、お伺いします。 また、これにつきましては、箕輪郵政大臣にも、この際、基本的な見解を承っておきたいと思います。
○説明員(真藤恒君) 経営形態につきましては、いま臨調で御審議中でございますが、私、いつも申しておりますけれども、当事者の私の立場から具体的な賛成、反対というふうなことを申し上げる立場にはおらないという認識でおります。一部の報道にそういうふうなことが出たといいますのは、臨調に、考えられる三つの資料、公社法を改正する場合、あるいは特殊会社形式のもの、それから民営の形式のものというものを臨調の御要求によって私どもなりに勉強して提出してございますが、その勉強の途中でいろんな論議をやったわけでございますが、その中からそういうふうに印象づけるようなことがあって、そういう報道が出たのじゃないかというふうに思っております。私ども、三つのあり方についての資料を同じ比重で提出しているつもりでございます。それを参考になさって臨調の方で何らかの答申が出るというふうに了解いたしております。
○国務大臣(箕輪登君) 電電公社の経営のあり方につきましては現在、臨時行政調査会で検討中でありますが、本件は、公共企業体等基本問題会議におきまして二年間にわたってもっぱら公共性とか効率性の観点から審議をした結果、つい三年余り前に現行経営形態を維持すべきという結論が出されたばかりでございます。わが国の総合安全保障、さらに通信の秘密を確保するという国民の基本的人権と深くかかわり合いを持っておりますし、きわめて重要な問題でありますので、臨調に対し結論を急ぐことなく慎重な検討をされるようお願いいたしているところでございます。 仮に、特殊会社とか民営にして現在行っている国会審議など各種の規制を緩めるといたしますと、競争がない、倒産がないという安易感から経営はどうしてもルーズになりがちであって、特定の利益に偏重したり、あるいは組合との交渉においても賃金、手当、勤務時間などを適正なものに抑えることは非常にむずかしいこととなりまして、結果は国民に高い料金を押しつけることになりはせぬかと非常に心配をいたしているところであります。また、民営であればストライキは認められることとなりますし、公社であるがゆえに要請されている職員の政治的中立なども失われることになるのではないかという心配もあります。電話の通話が一瞬たりともとまることがあってはならないこと、通信の秘密は絶対に確保されなければならないことなどを考えますと、経営形態の変更に対してはきわめて不安な要素が多いと言わざるを得ません。 いずれにしましても、公衆電気通信事業は国民生活に不可欠なサービスを提供するという高度の公共性とあわせて強い独占性を持っておりますので、経営形態を検討するに当たっては、高度の公共性が確保できるかどうか、気ままな自主経営を許し、巨大性、独占性からくる利用者、国民に対する弊害を防止するための歯どめを外してしまってよいのかどうか、規制にかわって分割による競争が導入できるのかどうかなどについて十分審議を尽くしていただかなければならないと考えているところでございます。
○福間知之君 ただいまそれぞれの最高責任者であられる総裁なり大臣の所見を承りました。なかなかこれは重要な問題であります。しかも、臨調が必ずしも十分な審議をして見解をまとめてもらえるのかどうか、それにも多少疑問があるわけでありまして、多分にいまの臨調の審議の背景に漂っているものは、単に公社だけじゃなくて国鉄もあるいは専売も、言うならば今日までの一つのわが国のそういう基本的な事業体の経営形態、そういうものをすべて洗い直そう、その一環として電電公社も俎上に上がっているわけであります。そういう点では非常に事柄は重要であるし、国家百年の大計を誤ってはならないということだろうと思いまするし、ぜひこれは当委員会でも臨調の審議と並行して率直に話し合いをするということが必要だろうと思うんです。 ただいまのお話を伺っておりましても、決して私は、公社の考え方も、郵政大臣の述べられたような重要な判断、考え方、そういうものと違背はしていないと思うんですけれども、それぞれ立場が違いまして、多少そこに見解の相違といいますか、乖離といいますか、検討してきた時間的なタイムラグも関係しまして、いろいろそこはかと違いが感じられるんですけれども、それはひとつこれからのお互いの話し合いによってよりよい方向づけをしてもらうことが、臨調に対しても、また国民に対しても必要ではないか、そういうふうに感じておる次第でありまして、重要な問題でございますので、軽々にここで私ごとき者が一つの見解を申し述べることもいかがかと思っておりまして、きょうは一応当事者のお話を承っておく、こういうことにとどめたいと思います。 次に、電政局長にお伺いしたいと思います。 例のデータ通信の自由化の問題でありまして、この回線利用の自由化につきまして、先般、何か伝えられるところによると、田中政調会長の仲立ちで郵政、通産両省の一応の合意が図られたと聞いていますが、具体的な中身について御説明願います。
○政府委員(守住有信君) 郵政省といたしまして、このデータ通信の自由化の問題につきまして、二つの側面からの政策あるいは法律案要綱という形でまとめて取り組んできたわけでございます。その一つは、データ処理のための回線利用の制度が現在あるわけでございますが、その制度が非常に制約が多い。許認可等と絡みますけれども、そういう制約が多いということへの自由化という側面と、さらには高度通信サービス、電電公社が行うべき国民に対する基本的サービスは別といたしまして、さらに技術の発展、データ通信の高度な発展を踏まえましたところの高度通信につきまして民間の企業の新しい参入を認めていこう。これをわれわれは新しい高度通信サービス、付加価値データ伝送業務とも称しておるところでございますけれども、そういう分野への参入を認めるという二つの柱を念頭に置きまして、これの制度整備あるいは制度の新しい創設ということを図ろうといたしました。 しかしながら、この後半の方の新しい高度通信サービスの問題につきましては政府部内の意見の一致を見るに至りませんで、この問題につきましては、先ほどお話に出ましたところにもございますように、継続検討ということに相なっておるところでございます。郵政省としても、今後の新しい問題として継続して鋭意検討に臨んでいく。しかし一方、いわゆるデータ処理、オンライン情報処理とも称せられておりますけれども、これの回線の利用の自由化につきましては公衆電気通信法の一部改正という形で、いわゆる臨調の許認可整理のあるいは行政事務の合理化、簡素化という流れにも沿いまして、公衆電気通信法の一部改正ということでデータ処理のための回線の大幅な自由化というものを図ろうとしておるところでございます。したがいまして、この後半の方のテーマにつきましては政府部内の意見の一致を見るに至りましたので、今後、国会へ法案の形で御審議をいただく、こういうことに相なっておる次第でございます。
○福間知之君 臨調の答申の中で指摘されていますデータ通信自由化の枠組みに比べて郵政省の考えが少し不十分じゃないか、こういう批判があるんですね。これは先ほども御説明がありましたけれども、付加価値データ伝送業務についてもそうでございますし、今後検討されるということですけれども、郵政の考えの中で、当面それを臨調の方針並みに自由化することについてはどうも問題がある、何か危険がある、こういうお考えがあろうと思うんですけれども、そこらはどうなんですか。
○政府委員(守住有信君) これはいままで電電公社の独占の世界に対しまして、新しい民間の創意工夫による高度通信サービスの提供の道を開こうというものでございますが、したがいまして、これの電電公社の独占業務との切り分けという問題がまずございます。さらに通信秩序の観点から見まして、やはりこれが情報の伝送を行うという通信サービスでございますので、従来の情報処理業とは違った通信サービスに相なってまいりますので、通信の秘密を守る体制いかんというふうな問題だとか、いろんな企業の顧客との信頼性の確保の問題等々、通信秩序を維持していくという側面の問題というか、その前提条件が大切である。その前提条件の整備のもとで初めて民間にも電電公社と同じような高度通信サービスの道を開こう。このような性格のものでございまして、その前提条件につきまして通産省その他とも意見の食い違いがあった、こういうことでございます。
○福間知之君 これは質問通告はしておりませんが、ただいまの守住局長の御見解、当事者である公社も大体同様と見てよろしゅうございますか。
○説明員(西井昭君) お答え申し上げます。 ただいま公社といたしましても、電政局長がお話しになりましたのと基本的に一致をいたしておりまして、データ通信のための回線利用は原則として自由化をするということに全く異議はございませんでして、そのほかに、データ通信でもないいわゆる高度付加価値通信業というものに対しましても、これは全部公社ができるわけではございませんので、民間に道を開くということについて異議はございません。ただ、公社があまねく公平に提供することを義務づけられておりますことの間の関係の調整方を郵政省にお願いをして、ただいま政策局長からお話のありましたような決着になったわけでございまして、公社としても基本的にその考え方に対して同意をいたしているところでございます。
○福間知之君 ちょっと先を急ぎたいと思います。 次に、放送法の改正に関しまして、すでに郵政省は改正案を国会に提出されていますが、その中で文字多重放送の実施が含まれております。いずれ、これは放送法改正案の審議の際に詳細に質疑をさしていただきたいと思いますが、この多重放送の伝送方式につきましては、御案内のとおりパターン方式、コード方式、中間のハイブリッド方式が一応考えられるわけですけれども、そのそれぞれのメリットあるいはデメリットについてどういうふうにお考えになっているか、所見を承りたいと思います。
○政府委員(田中眞三郎君) ただいま御説明がございましたように、文字多重の方式につきましては、一応パターン方式、コード方式あるいはハイブリッド方式というものが言われておるわけでございますが、ただいまのところ、五十六年三月の電波技術審議会におきましてパターン方式については技術基準が答申されております。そのパターン方式についてでございますけれども、漢字など複雑な文字あるいは精細な図形を容易に送ることができるというのが一つの特徴でございます。それから雑音等がございましても比較的影響を受けにくい。それから受信側の処理でございますけれども、比較的容易で安価な、メモリーは要るわけでございますが、ディジタルメモリーが安価なもので大丈夫だろうというようなことで、パターン方式につきましては、わが国のような象形文字国と申しますか、漢字国の方式としては適しているかと考えております。 次に、いま一つのコード方式でございますが、これはパターン方式に比べますと五ないし十倍の情報量を送れるという非常に特徴があるわけでございますけれども、受信機の側で見ますと、かなり大型の文字発生器が必要であろう。いわゆるメモリーといたしまして、かなりLSI等安価にはなっておりますけれども、多少とも高いだろう。それから受信条件のよくない地域、ゴーストが出たり、あるいはビル陰とかその他多少電界強度も低い、そういうような地域では文字誤りが起こりやすい、こういうような欠点が指摘されております。 ハイブリッド方式というのはその中間でございまして、コード方式を主といたしましてパターン方式のメリットも付加した方式というふうに私ども理解しておる次第でございます。
○福間知之君 いまおっしゃられたように、それぞれ特徴があります。一概にどちらがいい、悪い、即断するわけにはまいりませんが、ただいまの御説明のように、昨年の三月に電波技術審議会から、当面パターン方式で実用化に入っていこう、こういう答申が出されました。だが、将来的にはパターン方式一つに固定して考えていくものではない、こういうように承知しています。また、国際的な状況からしましてもやはりコード方式というのがどうも全面化しそうな感じがするわけですけれども、そこらの展望はどうなんですか。どれくらいのピッチでコード方式の併用という段階に入ろうとするのか、その見通しはいかがですか。
○政府委員(田中眞三郎君) ただいまお話がありましたように、一応私どもといたしましては、文字多重方式につきまして早目に道を開きたいと申しますか、多少とも還元を早くいたしたいと考えますと現在すでに固まっておるパターン方式から始めざるを得ないということでございますが、コード方式には、ただいまも申しましたように、文字の表示方法あるいは符号の誤り訂正方式についての検討がなお必要だということでございますので、五十五年度から電波技術審議会においてこの方式の検討も進めていただいておるわけでございますけれども、私どもとしてはなるべく早くその辺の技術的な固めをいたしてもらいたいというふうに関係の技術者に要望いたしておるところでございますが、郵政省といたしましては、そうした事態、ただいま申し上げましたような事実関係を踏まえまして、技術的検討の推移を見きわめながらなお早めたいということで、その際に受信者に無用の負担をかけてはならないというのが一つ大きな柱であるというふうに考えておるわけでございます。 それからちょっと繰り返しますと、技術的には、パターン方式で始めました後にコード方式が導入される、そうした場合でもパターン方式の受信機にたとえばコードコンバーターの取りつけられるようにというようなことで、そうした関係業界へも、指導と申しますか要望いたしたいわけでして、そうした時点におきますと、将来的には、一般的にはパターン、コード両用受信機の普及というものを前提において促進してまいりたい、このように考えておる次第でございます。
○福間知之君 御案内のとおり、民間放送の一部ではやはりコード方式の採用が強く要請されていると思うんです。技術的にも民間放送の立場からいえばほぼ問題はない、こう言っております。私が先ほどお聞きした結論は、どれくらい先になるのか、こういうことなんで、これは非常に重要なんでありまして、やっぱりユーザーの側からしてもまた新しい二重負担が受信機を購入する場合に必要になってきますし、あるいはこれと並行して進んでいますいわゆるキャプテンシステム、来年から実用化に入ろうと言っておるわけですが、それともあわせ考えますと、これはメーカー関係ではその技術基準というものを標準化して両用できるようにやっぱり対応しなきゃならぬ、こういうふうな問題も実はあるわけでありまして、そういう点で私、見通しをちょっとお聞きしたんですが、この際は多少無理にいたしましても、局長もおっしゃったように、ユーザー、国民の立場から見ても早く適切な方針を出してもらいたい、こういうふうな気持ちがしております。 民間放送に対しては、この点は話し合いもされているんでしょうが、どういう現状になっていますか。
○政府委員(田中眞三郎君) 民放連の方から、この多重放送につきましてはっきりとした要望が出されております。私どもも伺っております。 それで、その際に、先ほど私がお答えしたような、つまり受信者に無用の負担をかけないような形で採用し促進してまいりたいということで御返事もいただいておりまして、私たちとしてみましては、その辺の御理解をいただいておるというふうに考えておるわけでございます。 なお、繰り返しますけれども、パターン方式にいたしましても、あるいはコード方式、ハイブリッド方式にいたしましても、こうした場合に御審議は電波技術審議会の場でお願いしておるわけで、電波技術審議会にはいろんな問題が持ち出されるわけでございますけれども、専門のエキスパートが二百人、放送に関しましてはそのうちの五十人ぐらいであろうと思いますけれども、その中には、メーカーやあるいは学識経験者のほかに民放の方ももちろん入っておりますし、NHKの技術者も入っておるという形でございます。ここの場において一応御審議いただきながらパターン方式については答申が出た、こういうことでございます。 コード方式につきましても、ただいま鋭意御検討いただいておるわけでございますが、その中におきまして民放を代表する方々の御意見もありましょうし、またメーカーの方の立場での御進言というか御意見というようなものもある。私どもは、そうした場においていろんな立場での意見を反映しながら推進するという形の御論議をいただいておるというふうに理解しておるわけでございます。 何年、どのくらいかかるのかと私ども聞いてみましても、その立場によりまして少しずつ年数が違うようでございます。二、三年と申す者もあれば、四、五年というようにかなり時間がとるようなことをお答えになる学識経験者もございます。私どもは、その真ん中ぐらいかなということで、いずれにいたしましても、なるべく早くやってもらいたいというように考えておるわけでございます。
○福間知之君 いま局長の話がありましたけれども、そういう技術的な面とか、あるいは民放会社の内部体制といいますか、いろんな面、準備ということもさることながら、先ほどの話にありましたように、第三者利用の問題も含めましてこれは大変私は問題があるだろうと思うんです。コード方式にせい、コード方式にせいと言っている立場から考えましても、いまはさしあたって二十一フィールドのうち十六と二十一の二フィールドを使う、これで二十分、局はいま八つある、百六十分、それだけの電波が送れるわけですね、二フィールドだけで。じゃ、それを、たとえばAという民間放送会社がどれだけ使うことができるのか。大変なことだと思うんですよ。そこに恐らく当局も放送電波の集中を避けるという理念のもとに、現実、技術的にもかなりの波が送れるわけですから第三者に利用させるという道を開いたと、今度は。そうしなきゃいかぬ、第三者に使わせにゃいかぬとこれはなってないんですね、法案は。道を開いたと、こういうふうに私は理解をしているんですが、それは私は、民放の側から見てそれでも納得をしてもらえないのかどうか、なかなかこれむずかしいところなんですね。私ら素人が考えましてもなかなかむずかしいところです。そういう第三者利用に道を開いたというこの当局の確信は一体どういうところにあるのか。 それからそれが私はコード方式に持っていく場合でも一つの瀬踏みになっていくと思うんですね。実際に、この法案が通りますと六カ月以内に施行ですから、そして秋には大阪と東京で試験電波を出そう、こういうようなところまで考えておられるようですので、かなりピッチが早く進んでいくんですが、その中で先ほど言ったパターンかコードかという問題も含めて当局は考えようとされているのか、そこらちょっと言いにくい点があるんですけれども、重ねてお聞きしたいと思います。
○政府委員(田中眞三郎君) まず最初に、非常に分量が多いといいますか、情報量たくさんのものを送り得る可能性のあるものであるから第三者利用も考えたのだろう、そのとおりでございます。ただ、民放の方の強い御要望の中に義務化を避けろというのがございました。ということは、第三者に対しまして設備を義務づけるということについてはいかがかというような、その辺も勘案いたしまして、ただいま先生がおっしゃいましたような第三者に道を開いたというふうに私も理解しております。 それから実施時期でございますけれども、どの程度考えているのか。今国会に御提案申し上げたのを御承認いただければ六カ月後施行ということでございますが、施行後できるだけ早い機会に実施し、要望されておる面についての対応といいますか、実現を図りたいというふうなことでございます。これが役所の側と申しますか、法制の側での準備でございますし、当然、放送事業者の例あるいは受信機、アダプターメーカーの準備態勢等等の問題があろうかというふうに思っておる次第でございます。そして、こういう情勢にありますので、私ども、どういう免許方針でやるか、その他第三者の主体がどんなものがなるのか、まだいろんな角度からの勉強をしておるというのが実態でございます。
○福間知之君 時間が来てしまったので、FM問題とか、緊急警報装置の問題もお聞きしたかったんですが、割愛せざるを得ません。 最後に、電電公社にちょっとお聞きします。いわゆる実用通信衛星の開発に関してでございます。ちょうど昨夜一時に三度目のスペースシャトル・コロンビアが打ち上がりました。電電公社は、今後の見通しとしまして、コストの面でもあるいはまた性能の面でも一トンないし四トンという大型の衛星を打ち上げるという方向を考えておられると思うんですけれども、その場合の打ち上げ手段としていわゆる国産のロケットでは間に合わない、あるいはまた間に合うとしてもコストが高くつく、将来はスペースシャトルを活用するというふうなお考えがあるやに聞くのでございますが、一つは、そういうことを含めた公社としての御計画をお聞きをしたい。まず、それにとどめておきます。
○説明員(山口開生君) お答えいたします。 電電公社では、現在、先生御承知のように、来年の二月でございますが、国産のNIIロケットによって打ち上げられます通信衛星一号、CS2と言っておりますが、これを用いまして災害時等におきます重要回線の確保あるいは離島回線の設定、こういうことを考えて準備を進めております。さらに、CS2の次に通信衛星一号というCS3を用いまして計画がございますが、国産のHIロケットを使用することとしていろんな概要の検討を進めております。 これはいずれも国の宇宙開発計画にのっとったものでございますが、通信衛星一号につきましては、回線容量といたしまして電話換算いたしまして約四千回線、それから通信衛星一号につきましては電話換算で約六千回線ぐらいの容量になると思っております。一方、通信衛星は、御承知のように大変に広域性なりあるいは電話回線、通信回線の作成にきわめて柔軟性に富む面ですぐれた特徴を持っておりまして、通信衛星の将来の大型化あるいは経済化が達成できるとしますと、私どもいま開発を進めて完成をしております光ファイバーケーブルとともに将来のネットワークの基幹伝送技術として重要な位置づけができることと考えております。 したがいまして、こういったことを踏まえまして、公社といたしましては、通信研究所におきます研究体制を整備いたしまして、将来の大容量の衛星通信方式に関します研究を積極的に進めることとしておりまして、その目標といたしましては、当面一トンの衛星、これは電話換算約一万回線でございますが、さらに将来には四トン衛星、これは電話換算で約十万回線と見込まれておりますが、こういった構想を検討している段階でございます。 衛星の打ち上げにつきましては、先ほども申し上げましたように、国の宇宙開発の方針に協力して進めることはもちろんでございますが、ただいま申し上げましたように、大型衛星の打ち上げにはあるいはスペースシャトル等の利用も考えてもいいのじゃないか、こういうことも考えております。こういった考えでございますが、いま言いましたように、衛星計画の具体化なりあるいは宇宙開発委員会等の提案等につきましても、今後の研究の進捗状況を見ながら郵政省の御指導を得つつ進めてまいりたいと思っております。
○福間知之君 最後に、昨日の報道によりますと、ゆうべ上がったやつは九トンの器材を積んでいったようでございまして、いまのお話のように、CS3あるいはまた第三世代のCS4というんですか、四トンクラスのやつを打ち上げることは十分に可能性があるわけでして、公社がいませっかくそういう将来計画を研究室を設置してやっていられると聞いていますが、ロケットの開発という事柄とのまたそごが出て郵政当局あるいは宇宙開発委員会等と円滑にいかないようであればこれは困りますので、そこらあたりをきょうは当局からお聞きすることは控えますけれども、ぜひひとつ、経営形態の問題じゃありませんが、準備おさおさ怠りのないように、そしてまた、わが国の技術開発と整合性をもって進めていかれるように要望をしておきたいと思います。 終わります。
○長谷川信君 先ほど福間さんからも、電電公社の経営形態についていろいろ御意見というか御質問があったようでありますが、私も、電電の経営形態について、若干、総裁、大臣あるいは関係各位に御質問申し上げたいと思うわけであります。 いまいろいろ世上言われておりますように、電電公社は民営にした方がいいだろうという意見、それから全額政府で出資をして、そして経営はきわめて民間的な経営をするのが好ましいというような意見、それから幾つかに分けてお互いに競争さしてやった方が非常に効率が上がるのではないか、また、先ほど郵政大臣も若干触れられたようでありますが、いや、それはいまのままでいいんだ、いまのままでいいが、中身についてはかなりいろいろ改善あるいは改良の必要は十二分にあるというふうな、幾つかいろいろ意見が分かれておるようでありますが、どちらかというと、いままでいわば余り表に、まあ新聞ではいろいろ書いてありますが、国会の議論としては余り表へ出ておらなかったようであります。しかし、これは避けて通ることのできない問題でありますので、国会でも十分これは審議しなければならない問題であることはもちろんであります。 昨今、世界経済もきわめて不況の方向に進んでおりますし、そのあおりを食って日本経済も、税収も予定どおり上がらない、貿易もかなり下降の方に入るだろう、このような形の中でやはり民営の方が能率が上がる、一般の企業がこれだけ減量しているのであるから役所も減量してもらわなければならないという声も国民世論の大方の声であることも間違いがないようであります。そういう中で電電問題を考え、あるいは公社公団のいまの経営形態を考えた場合、さっきいみじくも真藤総裁がお読みになったというか、お話があったのでありますが、この末尾の方に、「今後とも引き続きサービスの改善に努め、安定した社会、充実した国民生活に資するとともに、健全な財務基盤の確立なくしては、公社に課せられた真の公共性の発揮が不可能になることを銘記し、事業全般にわたり一層の合理化、効率化を図り、国民の信頼にこたえてまいりたいと考えております。」と明確におっしゃっておるわけでありますが、まさに私はいまそういう事態であると思うのであります。 そういう面からいって、さっきちょっと触れましたように、国鉄もいまいろいろ問題がたくさんあるようでありますが、国鉄民営論もこれは当然出る。同じ距離で、民営の方が安くて、サービスがよくて、しかも汽車がひっくり返らないということになればこれは民営がいいということに当然なるわけでありますが、その辺、国民の世論もいろいろ出ているようでありますが、この電電の公社経営形態の変革の問題はかなり各方面から、専門的な意見もいろいろ分かれているようでありますが、いずれは、しかしこれは結論を出さなければならない問題であることはもちろんであります。 大臣がちょっと腹痛で若干時間がかかるようでございますので、まず総裁から、さっき総裁がお話しなさったこと、あるいはいま私が申し上げましたようなことを踏まえて、いまの電電公社の経営制度、現行制度を改善しなければならない、あるいは改革しなければならないというふうなことを臨調あるいは真藤総裁もお考えになっているやに承っておりますが、もっと具体的に、どういうところを改善しなければならないのか、どういうところを具体的にやらなければならないのか。総裁のこの間いただいた本の中にもありますように、最低の経費で最高のサービスをすることが経営形態のいわば基本であり根底でなければならぬということが総裁からいただいた本の中の一貫した私は考え方だと思うのでありますが、それをもっと具体的に、しかも国会で求められればおれの考えていることを資料として提出してもよろしいということを総裁おっしゃっておられたようでありますが、それらいろいろ踏まえまして、真藤総裁の御見解を、まず承っておきたいと思うわけであります。
○説明員(真藤恒君) 非常に広範な御質問でございますので、私の答えも少し長くなりますが……
○長谷川信君 どうぞ。
○説明員(真藤恒君) 現在、公社は御存じのような姿で動いておりますが、過去の状況あるいはこれからの先のことを見ますと、現在まで支出の伸びと収入の伸びが、オイルショック以後いつも支出の伸びの方が収入の伸びよりも大きい。大体平均いたしまして三%から二%のマイナスギャップになっております。総収入が約四兆円でございますので、平均しまして一年間千二百億ぐらい確実に経営状態は収支バランスの面からいくと悪くなっております。当面、私どもの当事者としての義務は、経営形態がどう変わりましても収入の伸びと支出の伸びを少なくとも平行線に持っていくということでございます。黒字である間にこの収入の伸びと支出の伸びを平行線に持っていくということが緊急な問題でございまして、赤字になりましてばたばたいたしましてもとてもうまいぐあいにはできない、そう考えまして、私、着任以来、いままでやっていないようなこと、あるいは考えていないようなことをずいぶんいろいろ申しまして、みんなの協力を得て、それが一つずつ軌道にいま乗りかけておるところでございます。さしあたり五十六の年度で、これは着任間もないので、もちろん十分なことはできておりませんけれども、それでもかなり支出の倹約、あるいは逆にいままでよりもいろんな新しい宅内機器の販売促進というのが予算以上にできましたし、それから一番大きくこたえておりますのは、現在の規定の中で金利負担を減らすということに手をつけたのでございます。合計いたしまして、そういう企業努力による数字が約千億、あるいは千億よりちょっとふえるぐらいの変化はいたしております。 そこで、私が非常に従来の三十年の歴史のある公社の中で一番違和感を与えておりますのは、予算に対する経営の当事者としての基本的な考え方でございます。もともと企業というものが採算性の責任をとらされる限りにおいては、企業というものは決算を終わって一企業というものは事業に着手する前は最低これだけの利益が要るのだということが第一目標でございます。したがいまして、それに合うようにいかに企業努力を続けていくかというのが企業の経営の第一歩でございます。長い間、行政官庁並みの予算生活で来ておりますので、予算に合えばいいのだ、予算に合わせるという考え方がしみ込んでおります。 簡単に言いますと、現在の公社の形態では、事業にかかる前にまず予算あり、予算に合わせれば事はないということでございますが、この予算というものがくせ者でございまして、よく見ておりますというと、既定経費というものについてはインフレ要因を加算しただけでまいります。新しい事業に対しては、それだけのエクストラの予算が当然出てまいります。そういうふうなことで目標利益を立てて一年間やって、みんなで努力して、決算して、その結果企業に残すべき内部留保、資本に返却すべき配当、それと従業員に還元すべき臨時給与、一時金というものが決まるべき性質のものがすべてさかとんぼになっているわけであります。 今度、約三百億から四百億ばかり予算から支出を落としましたけれども、なれませんので末端ではかなりのきしみもあったようでありますが、いずれにいたしましても、予算合わせをやってくれるな、要る金は予算がなくても使ってくれ、要らない金は予算があっても使ってくれるな、これをモットーにしただけで、月次決算のやり方とあわせまして約三百億から四百億ぐらいの経費の節減をやっております。もちろん、そういうふうなことに協力するムードが外部に販売する努力にもこたえてきておりますし、また金利の負担を減らす知恵もいろいろ出てくることになったわけでございます。 五十七年度は、やはりこの状態でさらにそういうやり方を高度化しながら持っていきたいと思っておりますが、いずれにいたしましても、独立採算、企業性、できるだけ安く電気通信サービスをするということになりますと、そういう要請というものを主体に考えますと、どうしても事業にかかる前に予算が確定しているという姿ではこれは無理でございます。やはり利益目標を幾らだ、あとはこういう範囲の規定の中で企業努力をしろという形になりませんと、ちょっとこの問題は根本的には長期にわたって解決のできる方法じゃないのじゃないかというふうに考えております。したがいまして、今度の臨調でどういう企業形態を御採択になるかわかりませんが、いずれにいたしましても、国民に世界的に見て競争力のある安い電気通信サービスをやれというのが至上命令であるとなれば、やはりそれができやすい形に持っていくことが一番大事じゃないかというふうに考えております。 それで、現状におきましては、御存じのように公社法と会計法と公労法と三つが絡み合って、その制限の中で、その三つの法律の中で私ども具体的に動いておるわけでございますが、残念ながら公社法の実態は、経営の効率あるいは財務の問題ということにつきましては公社法に書いてある実態は実行されていない部分が非常に多い。その辺、ではなぜそうなったのかということが一つ問題でございまして、なぜそういうふうに公社法と実態が変わったのか、原因は何だということをやはり考えなきゃいかぬのじゃないかと思います。 そんなふうなことでありますが、これから先の電電の私どもの義務といいますのは非常に大きな義務がございまして、御存じのように電気通信が従来のアナログ系からディジタル系に変わりつつありますし、これは日本だけじゃございませんで世界じゅうがその方向にいま急速に動いておるのでございますが、ここで、われわれがいろいろなことでディジタル系に変えて、いわゆる高度情報通信網の整備に立ちおくれますと、日本の社会活動が先進工業国の社会活動に比べて非常に能率の悪いものになりまして大きな足引っ張りになるということでございまして、このために技術的に大転換をやらなくちゃならぬ。設備的にも現在あるものはほとんど入れかえなきゃなりません。したがって、職員のほとんど全員に新しく再教育、再訓練、再配置がえということをやらなくちゃなりませんし、また、それができなければ幾ら設備ができましても完全に動かすことはできません。しかも、このディジタル系の技術といいますのは、いわゆる私どもが使います言葉でソフトサイドの非常に高度な技術を持った人が非常に多人数要るということでございまして、現在まだそういう能力を持った職員というのは微々たる数しか持っておりません。これから大変な教育スケジュールを立てなきゃなりません。そういうふうな大転換が一方あるということ。 それともう一つは、そういう高度情報通信網と申しましても、そのサービスの値段が高いものでいわゆる高ねの花だという形の高度情報通信網では社会活動に影響力も少ないし、日本の社会の後進性というものを脱却できません。したがって、大ざっぱに申し上げまして、いま一加入当たりの一カ月の払い込みの総平均が八千五百円から八千七百円でございます。これが二割ふえるか、多くても三割ふえるぐらいのところで高度情報通信網がお使いになりたい方はどなたもお使になれるという値段で提供できるようにしなきゃならない。そうしますというと、コストの方から申しましても、収支のバランスをとりながらでございますから相当現在よりも思い切った組織がえ、技術面からくる組織がえ、それからそういう財務面からくる組織がえを大幅にやらなくちゃなりません。いまどういうふうにどのスピードで変えていっていいか、ちょっと見当もつかぬぐらいの大変革をやらなくちゃなりませんが、そういうふうな状態になっておりますので、そういうことをやらざるを得ない立場に立っておりますので、そういうことが十分やれるような企業形態のあり方ということをお考え願うことが私ども当事者としてのお願いであります。 そこら辺のところが、まあ大げさに申し上げますと、技術的にも組織的にも財務的にも根っこから掘り返さなきゃ、さっき申しましたような新しい時代の電気通信サービスを提供することがむずかしいという形の直前に立たされております。従来の電話をやってきましたこの電電公社の経営形態の過去の歴史のイメージで将来の電電公社の組織なり経営のあり方を考えますと、また世間に御迷惑かけることになることは必定だと思います。その辺のところ、私ども当事者といたしましても、これからそういう高度情報通信網になったら一体世の中にどういう影響が出てくるのか、またそういうふうに変わっていく方向はどういうふうなことが考えられるのかというようなことをいま鋭意勉強して取りまとめて、だんだん皆さんに御了解を求めていきたいというふうに考えております。
○長谷川信君 いろいろ御説明をいただいたわけでありますが、ただ一般的には、いま真藤総裁のお考えになっておることは深く理解がまだできておらないところもあるようでありますので、総裁からお話ございましたように、おれの考え方はこうなんだというふうなことを、資料等ございましたらやっぱり私どもにひとつ、できたら書いたものかなんかで国会の方に資料を提出していただければ、またいろいろ審議の対象になるのではないかというふうに承知いたしておるわけであります。 大臣おいでになりましたので、大臣並びに郵政省側からもお聞かせをいただきたいと思いますが、さっき福間委員へのお答えで、郵政省としては大体いまの形で、むしろ内部の悪い点というか改善すべき点があったらどんどん改善していって、しばらく公社経営でやっていきたいというか、そのような形の方が好ましいやのいろいろ御説明が大臣からもあったのでありますが、その点もう少し具体的に、たとえば通信の高度の公共性を確保するには公社形態の方が望ましい、あるいはそれに付随して秘密性の確保は公社の方がやはり確保ができる。それに反論して、この間KDDへ電話で聞いてみましたら、あなたのところは大分経験しておられるのだが、いままで秘密の漏洩がありましたかと聞きましたら、KDDは一切さようなことはございませんと言っておりますが、きょう郵政省から説明に来ました係に聞きますと、やっぱりそういう危険性が若干あります、あるいはアメリカにおいてもウォーターゲート事件その他通信の漏洩が問題になっている点も幾つか出ておりますというふうなことも、けさちょっと私のところに説明に来ておりましたが、守住さんも含めて大臣から、先ほど福間さんの御質問にお答えになったのよりも若干もう少し具体的に郵政省の考え方について御説明を賜りたいと思うわけであります。
○政府委員(守住有信君) いろんな面にわたっておりますけれども、お話が出ましたKDDと電電公社の通信の秘密という点について、まずちょっと申し上げてみたいと思いますが、御承知のとおり電電公社は、国内は公衆電気通信という、単なる電気通信ではございません、公衆電気通信という意味合いにおきましてこれは独占でございます。KDDも国際通信につきましては独占でございますが、半分と申しますか、半分の向こう側の方はそれぞれの外国の事情になっておるわけでございまして、国内的にはKDDは、単に罰則の点だけではなくて、その社内体制、管理体制、職員のモラル等々も教育をやっておるところでございますが、半分側は外国であるということで、それは通信主権の及ばない分野があるわけでございます。したがいまして、国際通信におきましては、これはユーザーも限られておりますけれども、それぞれ自衛措置と申しますか、そういうもので、いろんな秘密がございますが、それを守らざるを得ない、またそういう実態にあるということがまず言えるというふうに思うわけでございます。 ところが、またその国際通信も国内に入ってまいりますと全部電電公社のネットワークまで至っておりますので、よけい国内通信相互間というものは、この通信の秘密につきまして憲法上の要請もございますが、単に罰則の整備があるというだけでなくて、この通信の秘密の漏洩は原状回復ができない。この間起こりました北海道のケースはあれは金銭情報でございまして、いわゆる銀行側でその状況は何ヵ月後かにはわかったわけでございますけれども、本当の通信情報の秘密というものはなかなかわからない、かつ、それがまた原状回復ができないという非常に特性を持っておるということを、私ども行政当事者としては問題意識を深くしておるところでございます。 一点だけ、通信の秘密、KDDと電電公社の関係ということについて申し述べさせていただいた次第でございます。
○国務大臣(箕輪登君) 長谷川先生御質問の、KDDから秘密が漏れたことがあるかというようなお話でございますが、これはいま守住局長が御説明を申し上げましたように、国内は公社がその回線を利用させるわけですけれども、海外の方になりますというと守住さん説明のとおりでありますが、私が聞いている範囲では、海外に電話通信をする場合にやはり企業側もよほど気をつけているようでありまして、また政府機関、たとえば外務省とか防衛庁とかあるいはその他の省庁ほとんどが、企業を含めて重要なところは暗号を使っておるというようなことのように私は聞いております。その意味においてわりあいに秘密性は守られているのだな、こう私は考えていたところでございます。 特に電電公社の経営形態の問題でありますが、先生も御指摘のように、公衆電気通信事業というのはほかの事業と比較にならない非常に高度の公共性と強い独占性を持っておりますので、経営形態を検討するに当たっては、高度の公共性が確保できるかどうか、気ままな自主経営を許して巨大性、独占性からくる利用者、国民に対する弊害を防止するための歯どめを外してしまっていいのかどうかというようなことが問題になってくるだろうと私は考えているわけであります。そういう独占、巨大性あるいは公共性の確保、通信の秘密の確保といったような問題、あるいはあまねく公平にやらなければなりませんので、離島だとか辺地だとか、あるいはまた災害時の通信確保だとか、そういうようないろいろな角度から検討されたのが、五十二年のたしか六月でございましたか、公共企業体等基本問題会議、ここで検討されたわけでありまして、その検討の結果も、先ほども申し上げましたが、経営形態を変えることはならないというような答申になっているのであります。 もう一つ、これは私は数字的にはまだ当たっておりません。したがって単純な頭で単純な計算をしてみますと、これはまた後で調べてみたいと思うわけでありますけれども、仮に、五十六年度で公社が御承知のとおり三千二百億円の収支黒字を出した。これが民営化されますと、どうしても利益を上げております関係からやはり法人税を納めなれけばなりません。三千二百億円に単純に四二%の法人税をかけてみますというと、いまちょっと計算してみたんですが、千三百四十四億円になります。今度は公社でありませんから、民営になってしまった場合には固定資産税がかかってきますね。 たしか去年の暮れでございましたか、地方納付金は半分じゃないか、もっとふやせ。ふやされる分は幾らかと聞きますというと、今度は五百八十億円ぐらい取られる。自民党の税調でも通信部会の先生方にがんばっていただきまして、それはないことになりました。ただ、私が聞いている限りでは、公社の資産というのは九兆円、これは簿価であります。その簿価から計算して五百八十億円出し増しにしなければならないということでありますが、市町村はこれは地方税でございますから、実際の評価額でやるとどうなるのだろう。九兆円の資産はどのくらいになるのだろうか、わかりませんよ。わかりませんが、そういうことを調べてみますと、かなり固定資産税も取られるのではないだろうか、電信柱の果てまで取られるわけですから。ということになれば、これは大変なことになるな、税金だけで何千億円か取られてしまうぞ、民営化した場合ですよ。単純に五十六年度の利益から計算して、固定資産税は利益があってもなくても取られるやつですから、果たしてこれは大変なことになるのじゃないかなというような私は感じがするのです。まだ細かく計算しておりませんからわかりません。 さらに、今度は民営にしますというと、払い込み資本に対しては株主に配当しなければなりません。三兆円の会社をつくれば三千億円一割配当で取られるはずであります。二兆円の払い込み資本であれば、これは二千億円取られてしまう。そうすると、三千二百億円の黒字というものは飛んでしまう。 さて、一生懸命働いている三十三万の職員がいるわけですが、ベースアップをしよう、その財源はどこから出てくるのだろうというようなことを考えますと、これは軽々に公社から民営化するというようなことも、これは細かい計算してみなければわかりませんけれども、大変なことになるのじゃないのか。一生懸命働いている人のベースアップも考えなきゃならない、どうなるのだろう。そういうことを考えてみますと、どうしても黒字倒産になるかもしれないのですね。心配があるのです、私は。その場合どうするかというと、それじゃ職員の人員をカットするか定員を削減するか、そう簡単にできる問題でもないだろう。公社から出ている三案ありますけれども、これには合理化計画というものは先生御承知のとおりございません。そう簡単にできるものじゃないと思うのですよ、やっぱり幾ら何でも。 だんだん考えてみるというと、確かに利益を上げているのだけれども、税金でがぼっと持っていかれてしまう。配当をやる、配当をしないところにだれも株持ちませんから。というようなことをするとベースアップ財源がなくなる。どうするのでしょうか。そうすると、電話料金を上げざるを得なくなってしまうのじゃないだろうか。私も小さい病院をやっておりまして経営者の一人ですけれども、やっぱり法人病院ですから四二%のあれは払うわけです。いろいろなことを考えてみますというと、これは私の考え、間違いかもしれません。総裁はりっぱな経営者ですから、いろいろな会社の経営もやってきたし、民間活力を導入してやりたい、こう考えておりますけれども、三千二百億円の利益は税金でもってぽんと吹っ飛んでしまうのじゃないでしょうかというような心配もあるので、この経営形態の問題については慎重にやっぱり検討すべきである、そうでないと大変困るようなことになるのじゃないかというようなことを私は心配するわけであります。
○長谷川信君 ちょっと懇切丁寧な御説明をお二人からお伺いしました。時間がちょっと回っているようでありますから……。 この問題、いま明確になりましたのは、郵政省と電電公社の間で若干考え方に開きがあるということがはっきりしたわけであります。これはしかし、いずれは結論を出さなければならない問題でありますし、何かやっぱり国会としても、委員長に正式に申し上げるわけでもございませんが、国会としてもこれは見逃しというか、ないがしろにする問題でもないのじゃないかと思うんです。とても一時間三十分でこれ審議できる問題でもありませんので、いずれ郵政省、それから電電公社、できれば行革、臨調いいかどうかわかりませんか、いろんな各方面から意見を聞きながら、参議院の逓信委員会としていろんな角度からまた議論してみたいと思っておりますので、委員長もひとつ御了承いただきたいと思うわけであります。 いま大臣からお話があったのでありますが、労働時間が公務員は二千百時間で、電電が千八百時間、いまの現行体制でこれが改善できるかできないかというふうな問題もいろいろお聞きしたいのでありますが、時間がないので、いま申し上げましたようなことで次の機会に譲らしていただきたいと思うわけであります。 それから時間がないので、答弁は簡単にしていただきたいと思うのでありますが、いまグリーンカードの問題がいろいろ各党の中でも議論されておりますし、また新聞その他マスコミでも掲載をされておりますが、この間、参議院の予算委員会で渡辺大蔵大臣が言っていましたね。金というのは大体暗いところに行きたがる性格があるので、たとえば財布の中だとか、あるいはたんすの中だとか、金庫の中だとか、大体、金というのは暗いところ暗いところとねらって行く性格があるんだと。 私は、去年ヨーロッパに預金関係の問題で、自民党、党でありますが、党で派遣されて若干視察をしてきたんです。スイスへ参りましたとき、スイスの金融関係のしかるべき専門家に会って、私が質問をして、あなたのところに金が集まっているようだがスイスの預金は一体どういう仕組みになっているのでありますかと聞いたら、やっぱり秘密性が第一だと言っていましたね。何といっても預金者の秘密性を保持することが第一であります。第二は、出し入れがきわめて簡単であります。第三は、インフレ進行率がわが国は世界一に低い状態であります。金利はどうかと言ったら、金利は日本よりもうんと安いので、その面ではむしろおくれておりますというふうなことを言っておりましたが、そのスイス銀行の専務だか頭取だか知りませんが、その人が言ったことが日本の現状に即当てはまるとは、私も国情が違いますから端的には申し上げることができないかわかりませんが、やっぱり預金者の一つの心理をついていることは間違いがないと思うんです。 この中でも奥さんのへそくりが幾らあるか明確にお答えできる方は、大臣、総裁以下ほとんどないと思うんですよ。もし私が聞かれたら、私もそれはできない。私も自分の貯金は幾らあるかと聞かれても、これまた恥ずかしくて、わずか二十五万円しかありませんなんてことはとても発表できない。やっぱり預金というのはそういうものだと思うんです。そういう面からして、いまの背番号制度、ボタンを押したら長谷川信は幾ら預金があるとか、あるいはどなたが幾ら預金があるとかというふうなことが、実際問題、私は技術的なことはよくわかりませんが、そういうようにとられるようないまのグリーンカード制度というものはやっぱり嫌われておる。 そこで、私ども資料をいただいたのでございますが、これは御参考になるかと思いますが、最近、金が非常に日本で売れているんですね。金の輸入が、五十五年に三十六トン買ったのが、五十六年になりましたら百七十三トン。五十六年の十一月と十二月、わずか二ヵ月の間で六十一トンの金を買っておる。しかも五十七年の一月、一カ月で二十七トンの金を買って、それだけの日本の円が海外に流出をしている。しかも、国別に見ますと、ソ連が、五十五年が二・五トンであったのが五十六年に三十七トンになった。五十七年の一月、一カ月で約七トンの金がソ連から入っておる。あとスイスだとか英国だとかから入っておりますが、極端に伸びておるのはソ連が非常に伸びておる。これは説明によりますと、ソ連のいまの経済状況がなかなか厳しいので手持ちの金を放出して食糧を買っておる。それじゃヨーロッパ、アメリカが買っているかというとほとんど買っておらないので、ほとんど全額を日本国がソ連の金を引き受けて買っているということに相なるようであります。これはいまの国際的な外交問題がいろいろある中で、いろいろ御批判が出るかもわからないような状況だと私は思うんですよ。 それからゼロクーポンが、これまた五十六年の五月から五十七年一月までで四百万ドル、五十七年の二月だけで五百五十万ドル、これだけのゼロクーポンが売られて、大蔵省の方は余り売れるものだから禁止をしたということなんでしょうが、私がいま申し上げた金とかゼロクーポンだけでなく、不動産にもいっておる、あるいは貴金属にもいっておる、あるいはその他のものにもいっておる。これはやっぱりこの間「時事放談」で言っていましたね。大蔵省の統計なんというのは、全然あんなものは問題にならないので、大変な資金がグリーンカード実施ということを踏まえて移動しているんだということで、あんなものはすぐやめてしまえと言って細川さんが大分テレビでもってどなっておられましたが、これは国会で決めたことでありますので、いろいろ議論の仕方がむずかしいとは思いますが、ある自民党の幹部は、いや、国会で決めたって間違ったことはすぐ直せよと言っておりましたが、そうしたらもっと頭のいいのが、禁止しなくても延ばせば同じことだと言っておりましたが、いろんな意見がいま出ているわけであります。いずれともかく、いまこのグリーンカード制度が国民の間からかなりやっぱり嫌われておると同時に、円の海外流出を踏まえて日本経済に大きな影響を来しておる。 それと同時に、日本人がやっぱり一番美徳なのは勤倹貯蓄の精神ですよ。勤倹貯蓄の精神をセーブするようなことがあれば、これはやっぱりゆゆしい問題だと思うんです。しかも、一説でいきますと、あれはただできるのではなくて、相当の人員を使わなきゃならない。少なくとも数千人の人間を使わなきゃならない。それじゃ、それは使ったって、うちは大蔵省の中からその人間を出すんだと説明されるかもわかりませんが、そんな要らない人間があったら、それは減らしてもらえばいいんです。それからその施設にもかかるし、それで税金がどのくらい取れるのか。恐らく一説には、五百億か六百億しか取れないだろうという説もあるわけでありますが、私は、それよりもやっぱり郵便貯金もふやせばいいし、銀行もふやせばいいし、できるだけ預金というものはふやして、そしていまのインフレの進行率をとめる。あるいは日本経済の本当の財政の基本の根幹はやっぱり預金でもってもっているのでありますから、しかも、それを財投で全部一〇〇%大蔵省を通じて使っているわけでありますから、その使い方の方が、人間を使って施設をして人に嫌われてやるよりも、集めるだけ集めて財投で公共事業を通じて使った方がどのくらい国民のためになるか。これは議論の余地がないことだと思うんですね。そういう意味で、きょう大蔵省からも御出席いただいているようでありますが、一体これをやったらどのくらい人間が要って、どのくらい金がかかって、どのくらい金が取れるのか。あと十分しかございませんから、簡単に。ひとつやってください。
○委員長(勝又武一君) 前段ありました要望につきましては、また理事会で協議させていただきます。
○説明員(内海孚君) ただいまの御意見に対してお答え申し上げます。 実態の認識につきまして二、三指摘をさせていただきたいと思うのでございますが、先ほどお話のありました、背番号がみんなついて預貯金の出し入れ、預貯金の残高が全部当局でボタンを押せばわかるというようなことは全くございません。郵貯は、三百万という限度の中で郵政省が管理してくださるわけですし、税務署が全部把握しているわけではありません。それからマル優につきましても、たとえばとこの店舗に幾らの限度を設定されたということは、現在でも非課税貯蓄申告書というのが税務署に出てくるわけですが、これが税務署でわかるだけでございまして、その点はいままでと全く変わりません。幾ら残高があるかわかりません。そういうことですから、その点は私どもももっと国民の方々にどういう制度かということをPRしていただいて、ただいま先生のようなお考えに基づいての御意見にならないように、よく御説明をしなければいけないと思っております。その点は今後われわれも留意をしていかなければいけないと思っております。 それから日本における最近の預貯金とか金融資産の動向についてでございます。わが国の五十六年度末の個人の金融資産というのは全部で三五二十八兆円ございます。そのうち預貯金は二百二十九兆円という額に上っております。これは前年に比べまして、預貯金の場合に一一・四%、金融資産は一一・七%増加しております。これに比べまして、五十六年の民間給与の伸びは恐らく七%を切っておりますので、給与をはるかに上回るような個人金融資産ないし預貯金の増加があるということも基本的事実でございまして、それが心配を惹起しているようなことはないわけでございます。 金とかゼロクーポンのお話がございました。金につきましては、確かに五十五年には増加しておりますが、同じく五十三年に金が比較的下がったときに大量に入りまして、五十四、五十五と非常に金が上がったわけでございます。一オンスたしか六百七十ドルぐらいになっておりました。それがいま御存じのように非常に下がっているというようなことがあって非常に買ったわけですが、これも五十六年中の個人金融資産の増加額に比べて〇・七%ぐらいのものでございます。 ゼロクーポンについても同じでございます。ゼロクーポンにつきましては、いろいろなことにつきまして、たとえば税の取り扱いとかあるいはいろんな種類のリスクについて十分にインフォームされていないという投資家のことを考えて一時こういう措置をとったわけですが、税の方では適切な措置を講じていくつもりでございます。 なお、グリーンカードによる増収額というのが、大体いろんな要素から前提を置いて見当をつけておりますと、少なくとも国税、地方税を合わせて二千億ぐらいというふうに考えております。国税当局のこれに要するコストは、人件費も入れまして大体平年度で七十から八十五億ということでございます。 なお、税はやはり公平でなければならないというのがいわば基本でございますので、その点は十分御理解を願って、この制度についてもよろしく御理解を願いたいと思うわけでございます。
○長谷川信君 時間がありませんので、いま御説明をされたのでありますが、なかなか理解ができないところも多々あるようであります。いずれ国会でも終わりましたら、また大蔵省の方にお伺いしまして、よくあれしていきたい。 NHKおいでになっていますか。——時間があと五分ぐらいしかないようでありますが、いまの短波放送というか国際放送、海外放送をNHKはおやりになっていますが、この間、わが党で説明を聞きましたら、人員も予算もBBCの三分の一程度の規模であるという説明をお聞きしたわけであります。これだけいま日本の国がいわば大国になって、しかも、いま経済摩擦でもって国際的には袋だたきにまさにならんとしておる。農産物なんかも説明をすればわかる点もあるいはあるかもわからないんですよ。牛肉を自由にしたって、アルゼンチンが入ったり中国が入ったり、日本のあれがなくなれば飼料も売れなくなるというふうな、いろんな日本は日本としての言い分がやっぱりあると思うんですね。だから、そういうものを国際放送あるいは短波放送を通じて、少なくともいまVOAとかBBCあるいはモスクワ、北京と比べたら、いまNHKの国際放送の規模というのは、この間説明のとおり、きわめて私は小さいと思う。しかし、それで果たしていいか悪いか。 しかも、申し上げましたようなこういう貿易摩擦の中で、これは思い切って海外放送を拡大していただいて、日本の理解を深めていただく。それは国会議員の先生方もいろんな方、役所の方も言っておりますが、やっぱり外国の相手国の国民大衆の理解を深めることも、同じくらいか、それ以上に私は大事だと思うんです。そういう意味で、予算をふやせと言ったってあなた金を持っているわけじゃないんでしょうが、これは箕輪大臣、私は、わが党の中で議論したので、非常にいい議論だと思うんですよ。この間、中国の孤児の問題も大臣にいろいろ御理解いただいてうまくいっているようでありますが、この国際放送もいまNHKから若干資料の説明をいただいて、その後で大臣から所見をお伺いいたしたいということであります。
○参考人(木村えい一君) 日米、それから日欧の経済摩擦を中心にいたしまして、これは一昨年の自動車摩擦以来ずっと続いていると言ってもいい問題でございまして、われわれの国際放送を通じましてずっと日本の立場を明らかにする放送を行ってきております。特にことしに入りましてからは、二月以来の江崎ミッションの訪米あるいは訪欧というふうな段階を通じまして、安倍通産大臣や櫻内外相の特別インタビューも含めまして、ほとんど毎日のようにこの問題についての放送をいましているわけでございます。 ただいまの御指摘がございましたように、われわれは、かなりパンチ力のある、中身のある放送をやっていると自負しておりまして、それなりの反響もあるわけでございます。たとえば自動車問題などにつきましては、消費者の立場から、政府の言っていることだけが正しいのじゃない、アメリカ人としてやはりいい自動車を安く買えることは歓迎なんだというふうな投書なども参ったというふうなことでございまして、御質問の御趣旨は、いまテレビ時代でございまして、先進国の中の情報というのはテレビが非常に大きく入っておりますけれども、しかし、短波放送というのは、われわれの編集したとおりそれぞれの国の茶の間に到達する力を持った唯一のこれはメディアでございます。そういう意味で、われわれとして、どうしてもこれをもう少しリーチを長くして、相手にやはり聞こえるような体制により持っていかなければならない状況にあるということを申し上げたいと思います。 外国の放送機関との対比でございますけれども、いま挙げられましたBBCとの差でございますけれども、大体八〇年の実績から見ますと、BBCの放送時間が七百十九時間でございまして、われわれはこのところずっと十年間週間二百五十九時間でございます。それから西ドイツが大体いま八百四時間放送しております。これは双方ともに総予算額は大体一億ドルぐらいだと考えられておりますので、現行のわれわれの国際放送関係費から比べるとかなりの差があるということがおわかりいただけると思います。 一番問題なのは、国際放送の中で時間数をふやし、さらに大きな声で自分のひとりよがりの放送をすることだけが必ずしも聴取者に受け入れられないということでございまして、その点につきましてはわれわれの送信体制は必ずしも十分ではございませんけれども、この点についての信頼感は各地から参ります投書などを見ましても十分にある。したがって、このような立場で日本の立場を明らかにしていくということは十分今後も意味のあることだと思っております。 もう一つは、短波と申しましても一万キロ以上になりますと、これはとてもやはり短波といえども一生懸命聞かなければ聞けないというふうなことでございまして、各国ともに中継基地というのを設けております。たとえばBBCの場合でございますと、アジア向けにいまシンガポールに送信基地を設けておりまして、二百五十キロワットの送信機を持っておりますけれども、しかし、中国の北京周辺での信号が、たとえばラジオ・ニッポン、われわれの信号に劣るというふうなことをもとにいたしまして、ごく近い将来に香港にさらに中国のための中継基地を設けるというふうな動きが出ているような状況にございまして、われわれといたしましても、国内の送信体制の増力、増波と中継基地というのを併用してもっとパンチ力のある、しかも効果のある放送にぜひ展開をしたいと考えております。
○国務大臣(箕輪登君) ただいまNHKから御説明がありましたように、国際放送の重要性については私も十分承知をいたしておりまして、郵政省としても鋭意前向きにこれを検討していかなければならない必要性を痛感いたしております。 五十七年度予算におきましても政府交付金をなるべくふやそうと、ゼロシーリングではありますが、とにかく十億円台に乗ったというところまでようやく参りました。NHKの五十七年度運営経費は、国際放送に関する限り四十億円であります。BBCは邦貨に直しますと百九十七億円でありまして、はるかに劣っております。これからもひとつどうしても、四十億円のうち十億円でございますけれども、交付金をこれを伸ばしていこう、こう考えているところでございます。
○長谷川信君 あと一分だそうでありますが、ちょっと番組のことで。 近ごろ、民放でなかなか経営が厳しい会社が出始めているようでありますね。したがって、どうしても視聴率を上げなければならないということで、俗に申し上げますと低俗の番組が若干ふえつつあるのではないかというふうな感じがいたしているわけであります。週刊誌とか雑誌等々いろんなのを売っておりますが、あれは私ども駅へ行って金を出さなければ手に入らないんですが、テレビは茶の間に全部飛び込んでくるものだから、孫や子供と見ておっても、いやあ、ちょっとというような感じの番組が出てくると、これはやっぱりいろいろ考えなければならない問題だと思うのでありますが、私は視聴率が必ずしも好番組につながるとも思っておらないし、これはNHKに御答弁いただくよりも大臣の方がいいと思いますが、やっぱり青少年の不良化の問題がいま非常に問題になっておりますね。それらのものにも若干のテレビの影響というものは、覆うべくして否定できないものがあると思うんです。そういう意味で、番組等々若干ひとつお考えいただかなければならないという国民の声もかなりいま出つつあるようでありますが、これに対して郵政大臣の御見解を承りまして、終わりにいたします。
○政府委員(田中眞三郎君) まず、紋切り型のなにになるかと思いますけれども、放送番組につきましては、放送法の第三条によりまして番組に干渉してはならないということになっておるわけでございまして、事業者が放送番組編集の自由を保障されておる。したがいまして、自主的に放送事業者自体の責任においてまずやっていただきたい。ただ、放送事業者となりますと、与えられた責任といいますか、社会的な責任というものは重いわけでございまして、その辺で番組の質の向上につきましては不断の努力を傾けていただきたい。基本的には、みずからお決めになった番組基準を誠実に守っていただく。それから番組審議機関というのがございますので、その機能を十分に活用するという形で番組の向上に努めてもらいたいと機会あるごとに関係者に訴えているというのが実情でございます。
○国務大臣(箕輪登君) ただいま電波監理局長からお答えしたとおりでありまして、先生の御心配よくわかるのでありますけれども、私どもは、番組審議機関に対してできるだけそういうことのないようにということを要望いたしております。ただいま御説明がありましたように、放送法第三条で郵政大臣といえども干渉できないことになっておるものですから、この点が非常にやりづろうございますけれども、しかし御趣旨を体しながらそういうことを要望していきたい、こう考えております。 ありがとうございました。
○委員長(勝又武一君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時三十分に再開することとし、休憩いたします。 午後零時二十五分休憩 —————・————— 午後一時三十三分開会
○委員長(勝又武一君) ただいまから逓信委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、郵政事業及び電気通信事業の運営並びに電波に関する調査を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○片山甚市君 郵政大臣の所信表明をお聞きしてそれぞれ質疑をするところでありますが、午前中予算の中央公聴会に行っておりましたので、直接郵政大臣からお言葉を聞くことはできませんでしたが、本題に入って御質問さしてもらいたいと思います。 まず、電子郵便の実験サービスについてでございますが、昨年の七月二十日から東京、大阪、名古屋の三都市間に電子郵便の実験サービスが開始されましたが、その概要と今日までの利用の状況はどうなっておるか、そして今後の電子郵便実験サービスの計画をどのように進めていかれるのか、お尋ねをしたいと思います。
○政府委員(魚津茂晴君) ただいま先生のお話にもございましたように、電子郵便は昨年の七月二十日から実験サービスということで商品を販売したところでございます。おかげさまで、現在までのところ取り扱い上のトラブルもなく機器も円滑に稼働しておりまして、順調に推移しているところでございます。ただ、利用状況につきましては厳しいものがございまして、二月末現在の取扱通数は約七千通でございますが、一日平均にいたしますと約二十五通ということになっている現状でございます。 ところで、今後どうするのだという御質問でございますが、私ども、五十六年度予算の具体的な実施ということで、今日、対地の拡大をやりたいということで準備を進めているところでございます。具体的に申しまして、札幌市、それから福岡市、この対地の拡大を六月を目途にして実施をしたいと思っております。 それから電子郵便の利用状況がまことに厳しいというふうに申し上げましたが、その理由の一つに取扱局が非常に少ないというような点も考えられますので、現在、東京、大阪、それぞれは取扱局が中央局一局ずつでございますが、いま御説明をいたしました六月を目途に東京においてはさらに五局の引受局をふやしてまいりたい、さらに大阪市内にも一局追加をしまして、対地の拡大と取扱局の増大を実験サービスの拡大でとりながら利用状況をもう少しふやしてまいりたいというのが当面の私ども計画しているところでございます。 さらに、将来的な展望といたしましては、対地をさらに拡大しながら少なくとも三年程度実験サービスということで続けさしていただきまして、そのデータをもとにいたしまして、今後、本格実施にするのか、さらに実験サービスを継続するのか、そういう選択を実験サービスの中から得られた資料、情報をもとにいたしまして判断をしてまいりたい、こういうふうに思うところでございます。
○片山甚市君 そういたしますと、一日について約二十五通程度でありますが、この電子郵便実験サービスについてはどのような程度の採算を見込んでおられるか。ただ、サービスがうまくいっておるかどうかだけであって採算は関係がない。将来にわたってそういうような計画になるんでしょうか。
○政府委員(魚津茂晴君) 採算ということになりますと、現在、御案内のところでございますが、一枚の電子郵便を送るということになりますと、料金といたしまして、基本料として六十円、それから特別取扱料金としての料金が四百四十円、合計五百円いただいているところでございます。しかしながら、採算ということになりますと、現在の通数といたしますと大体五倍程度のコストがかかっているのが現状でございます。これは将来を開く商品を開拓するという初期の段階においては必ずしも私ども採算がとれる、ペイをするというふうには計画としても考えていなかったところでございまして、私ども実験サービスの期間中は採算をいわば度外視して運用したいというふうに考えているところでございます。 と申しますのは、この実験の一つのテーマといたしまして、料金そのものをどうするかということもあるわけでございます。現在、電子郵便というのは、フラット制ということで全国均一の料金をとっているわけでございますが、今後の推移の中でこれをどうするかというような点も、経営採算ということを考えながら検討してまいりたい、こういうふうに思います。
○片山甚市君 郵政省の熱意のほどはわかりましたが、さて、電子郵便は電気通信を利用してのサービスでありますが、公衆電気通信事業との関係でいえばどのような法的根拠によって実験を行っているのか。実験を開始するときにもお聞きしたんですが、もう一度お尋ねいたします。
○政府委員(守住有信君) お尋ねのように、電子郵便は電電公社の電気通信回線を手段として利用しておるわけでございますが、具体的に、正確に申し上げますと、電子郵便は電電公社の特定通信回線を利用いたしております。したがいまして、特定通信回線によりまして郵便のファクシミリ通信を行うということは、公衆電気通信法の点から申し上げますと第五十五条の十三の第二項の規定でございますけれども、他人使用を認められております「公共の利益のため特に必要がある場合で郵政省令で定める場合」というものに該当するということで、ここに法的根拠を置いて私ども電気通信の方からは見ておる次第でございます。
○片山甚市君 郵政省が郵便物の範囲内に電子郵便を入れられることについてはそれぞれ見解を述べられておるんですけれども、そういたしますと、電子郵便が本実施に至るプロセスはどうなっていますか。通信法制上の再検討が必要だと思いますが、本実施の場合に当たっての手続についてお聞かせ願いたいと思います。
○政府委員(魚津茂晴君) 現在の実験サービスの法的根拠といたしまして郵便法上私たち持っているわけでございますが、この委員会等でもいろいろと御意見がございます。そこで私ども、実験期間を終えて将来本格実施に、移すという場合には、そういう御議論も念頭に置きながら法的整備をいたさなくちゃならぬというふうに考えております。いずれにいたしましても、本実施の際には、もう一度現行法規を見直しまして、整合性のとれたかっこうで位置づけをより確かなものにしてやりたい、こういうふうに思っております。
○片山甚市君 具体的に、郵便法、公衆電気通信法のどの部分をどのように検討しなきゃならないというふうにお考えですか。
○政府委員(魚津茂晴君) 現在の実験サービスと郵便法の関連といたしまして、郵便法の二十七条の二と五十七条の規定に基づく省令ということが法的根拠でございますが、いま申し上げた、仮に近い将来本格実施をするという場合には、どの条文をどういうふうに直すというようなことはまだ具体的な案としては持っておりませんが、一つの考え方といたしまして、電子郵便というものを独立した扱いというかっこうで明確にするのも従来からいただいておりますところの御意見に沿った行き方じゃないかというふうに私見として持っておるところでございます。
○片山甚市君 公衆電気通信法の問題について。
○政府委員(守住有信君) 現行の法令に基づきます省令で読めるわけでございますが、その省令の中で、これは省令の第四条の十二に相なりますが、「(加入電信の設備等を他人の通信の用に供することができる場合)」というのがございまして、その第二の点で、公社または会社が「公共の利益のため必要があり、かつ、公社又は会社の業務の遂行上支障がないと認めたとき。」という包括的な、一般的な規定になっておりますが、郵便法上電子郵便というものがはっきり位置づけられます、と、それを受けまして、この省令の中でより明確にしていくことになるのではなかろうか、このように見ておる次第でございます。
○片山甚市君 そうすると、電子郵便と電報との違いはどういうように区別をされておるんですか。
○政府委員(魚津茂晴君) 郵便と電報、さらに模写電信というようなことがかなり共通的なものとして見る一面もございますが、一方、もちろん郵便でございますと郵便システムでやるということで、模写電信あるいは電報の送達システムが異なっていることと、それから電報でございますと電話で送達をする場合もありますけれども、郵便の場合にはあくまでもファクシミリで送られたものそのものを送達するというようなことで、違いもございます。 しかしながら、一面、基本的にどう違うのだということになりますと、これは今日だれしもが認めるところでございますが、通信手段の多様化ということから、従来の観念で郵便と電気通信というものの違いというものはかなり融合してきているという傾向でございます。したがいまして、違いは持ちつつもかなり共通した実態もあるということが現実の姿だ、こういうふうに考えております。
○片山甚市君 業務が融合したところで、監督官庁である郵政省がこういう仕事を電報とは別に始められる。これについては、いわゆる電電公社との間に十分な理解を得て行われておるというように理解をしてよろしゅうございますか。
○政府委員(守住有信君) 電電公社の独占である特定通信回線を、特定通信回線使用契約の中で公社と契約関係にあるわけでございますので、当然そこにはいろんな面での意思疎通と申しますか、打ち合わせというものを経てやってまいったわけでございます。 それからまた、郵務局長いま申しましたように、この電子郵便の方の世界につきましては、欧米諸国等々におきましても、郵便の世界の中で電気通信的手段を導入しながらいろんなメディアを提供しようという新しい動きが欧州諸国等々でも動いておるところでございます。 また、消費者の国民から見ましても、いろんな多彩なメディアが今後進展されて、それぞれのメリットに応じた利用というものが出てきますし、またそういう方向にもこたえていかなければならないのではないか、このように考えておる次第でございます。
○片山甚市君 いま局長の方から説明がありました、外国における電子郵便の収支はどのような状態でありますか。
○政府委員(魚津茂晴君) 現在、外国での電子郵便というのは、私ども承知しております情報からいたしますと、西ドイツのテレブリーフと称するもの、それからオランダのファックスポストという扱い、それからイギリスの国内インテルポスト、さらにオーストラリアのクーリエ・ファックスというようなものを情報として承知しているわけでございますが、先ほど私、一日に電子郵便の利用状況の実態として二十五通程度であるというふうにお答えしたわけでございますが、外国ではまだ私どもと一緒に実験的な扱いということで、非常に利用状況がさらに厳しいというのが現状でございます。 たとえばテレブリーフは、一局当たり一カ月平均でわずか四通なんです。それからオランダのファックスポストなんかも四通。それからイギリスも四通。それからオーストラリアのクーリエ・ファックスが一カ月平均二十通ということになりますが、採算という点になりますと、やはりとても採算がとれてないという現状がうかがわれるわけでございます。 いずれにしても、これらは長期の新しい商品の販売ということで、そういうのをいましばらく採算ということを考えないでサービスをやってみたいという、日本と共通した実態の中からこういうことになっているのじゃないだろうか、こういうふうに思います。
○片山甚市君 私は採算のことを余り考えない男ですが、この会場の中には採算だけしか考えない人間もおりますし、臨調になりますと、何か効率と言えば神様の神話のごとく信じるお人もおるようでありますから、こういうようなパイオニアの仕事をするときには、まず国民の要求にこたえられるかどうか、内容として公共性があるのかどうか、こういう点ではいわゆる郵政省が行う場合に考えなきゃならぬし、特に電報の場合は御承知のように長い間赤字形態といいますか、収支合わないということがわかっておることでありますから、これに類似する仕事だけに、通称言う独立採算をとるならば大変危険な仕事を始めたと思いますから、心を決めて、これをあわてずに騒がずにゆっくりやってもらいたい。余り大きな投資をしておって、後も先も抜けられないようなことのないように、そして、やはり関係のいわゆる業界、すなわち電電公社を含めて全体と御協力を得られるような形で、監督官庁としても余りいばらずに、よく相談してやってもらいたいということを期待します。これは御答弁は要りません。 さて、郵政事業についてはいま順調な形でやっていっているような、郵政大臣のいわゆる所信表明をお見受けいたしました、私、直接お言葉を聞いておりませんけれども。そこで、小包郵便の利用減の問題を含めて郵便事業の中で最も心配をすることについて政府の方の考え方をただしていきたいと思いますから、御答弁を賜りたいと思います。 郵便事業財政は、来年度単年度において五百八十二億円の黒字を見込んでおりますが、累積では年度末になお八百六十八億円の赤字が見込まれておるようであります。これは昭和五十五年の郵便法改正の際に郵政省が提出した郵便事業財政の長期見通しと比較した場合どういうような進展をされておるのか、お答えを願いたいと思います。
○政府委員(魚津茂晴君) 五十五年に郵便法の改正法案を提出いたしまして料金改正の御審議をわずらわしたところでございますが、その際に、私ども当時累積欠損金が約二千五百億ございました。二千五百億の累積赤字を、この料金改正をお認め願うとすれば五十七年度末で約半分にするというふうに申し上げたところでございます。しかしながら、いま先生のお話にもございましたように、その半分という数字から見ますと、いまなお累積欠損金を抱えていることは事実でございますけれども、ずっと事態がよくなっているという現状でございまして、したがって今後の展望といたしますと、その半分を十年間のうちでなくしたいという私どもの考え方を御説明さしていただいたわけでございますが、したがいまして、その十年間たちますと累積欠損金をなくしますというその計画というものがいささかも変わることはなく、ここでお約束したその期間に累積欠損金をなくすことができるというふうに私ども展望をしているところでございます。
○片山甚市君 見通しを見ると、昭和六十二年次貫金マイナス五十、六十三年黒字の五百五十億円ということになる予定であるというふうに見られますが、そのように予定をしておるのでありますか。
○政府委員(魚津茂晴君) 私ども、この長期的あるいは中期的な見通しという中には、御承知といいますか、御了承願わなくちゃならない一つの仮説があるわけでございます。つまり郵便事業のコストとして人件費が今後どのように伸びるか、あるいは物件費がどういう上昇をたどるかというような点につきますと、今日の状態から確たる数字はわれわれとしては必ずしも持ち合わせてはおりません。しかしながら、当時の公的な予測として持っておりましたその数字を前提にして考えますと、その十年の間に、これは法律の改正によりましてお許しを得たところでございますが、私どもの限りでと言ったら語弊がちょっとありますが、厳格な条件のもとで省令によって物価変動率おおよそ二〇%前後になりますが、二〇%前後の値上げをお認め願うとすれば、いま先生仰せの見通しになろうか、こういうことでございます。
○片山甚市君 そのことは、昭和五十九年に二〇・八%、六十二年に二〇・八%、こういうような段階のいわゆる物価上昇あるいは人件費の上昇を見込んで料金を改定する、こういうことでありますか。
○政府委員(魚津茂晴君) 五十九年、六十二年、そういうかっこうにはなっておりますが、もちろん事実といたしまして五十九年、六十二年にやることになるかどうか、これは別といたしまして、いわゆる見込みといったこと、そしてここ十年のうちに解消するというためには、先生仰せのように二〇%程度の二回の料金値上げをお許しをいただきまして欠損金をなくしたい、こういうわれわれ見通しを持っているところでございます。
○片山甚市君 そこで、郵便事業全体としての財政事情はほぼ当時の見通しどおり推移しているように思いますが、問題は小包郵便にあると思うんですが、どうでしょうか。特に最近、民間配送業者の進出で小包の利用が減少していると思うが、最近の利用状況と原因についてどのように分析しておられるのか。
○政府委員(魚津茂晴君) 一番新しいデータで御説明申し上げますと、五十六年の四月から十二月までの間に引き受けた小包の物数は、前年の同期間に比較いたしまして十数%の減少ということになっております。したがいまして、郵便事業の財政を安定的なものにする大きな課題の一つとして、小包の収支を改善するということが当然ございます。しかしながら、いま先生のお話にもございましたように、十数%の落ち込みというものの大きな原因の中に、民間のいわゆる宅配業者の物件送達ということが原因になっておることは事実でございます。もちろん民間の宅配業者による物件の送達というのは、サービスエリアにおいて、あるいはまた民間の宅配業者の送達される物件というものが小包の重量という面において競合しないという一面もございますが、民間の宅配業者の進出と小包の利用減傾向というのは無関係でないことも事実だと思います。 したがいまして、私ども民間の小型物件の送達のサービスというものを十分勉強させていただいておりまして、そういう民間のサービスの内容で郵便事業の中に取り入れ得るものは取り入れる、よきことはまねをするという一つの考え方で、そういうことを持ちながら、一方また、小包というものは郵便の種類の一つとして郵政省がやっておるわけでございますから、郵便の特性というものも十分考えながら、今後の小包の利用傾向にプラスの、増加するきっかけを求めるべく今日具体的に検討をいたしておりまして、近くそういうような点につきまして組合にも提案しまして実施に移したいという一つの計画も持っていることは事実でございます。
○片山甚市君 ただいま民間の業者が行うサービスのいい点は取り入れても小包郵便の問題について改善を図っていきたいと局長がおっしゃいましたが、郵便法改正の際の資料によると郵便事業の赤字は小包郵便物に起因することが明らかであり、最近の利用減の動向はますます一層その傾向を強めているわけでありますけれども、原価計算上、小包郵便物の収支はその後どうなっているのか、収支の状態について御説明願います。
○政府委員(奥山雄材君) 小包郵便物の原価についてのお尋ねでございますが、昭和五十四年度におきまして小包郵便物の収支は、総原価で一千三百二十六億円、総収入で八百三十五億円で、差し引き四百九十一億円の赤字を生じておりました。しかしながら五十五年度におきましては、五十五年の十月一日からちょうど六年ぶりに郵便料金の改正が行われましたことと、それとあわせまして小包郵便物に関する各般の経費の節減に努めました結果、総原価において千二百七十五億円、総収入におきまして九百五億円で、差し引き三百七十億円の赤字にとどめております。したがいまして、五十四年度に比べまして五十五年度は赤字幅が百二十一億減少したところでございます。しかしながら、赤字幅は圧縮されたとは申すものの、先ほど先生が御指摘になりましたように、まだ郵便料金の赤字の大宗を占める小包郵便でございまして、収支を償うには至っておりません。その原因につきましては二点あるかと思いますが、一点は小包郵便物の料金体系の問題、もう一点は先ほど郵務局長が申し上げましたサービスエリアの問題、この二点であろうかと思います。 つまり第一点の郵便料金の関係につきましては、郵便法三十一条に、「小包郵便物の料金は、小包郵便物に係る役務の提供に要する費用、日本国有鉄道の小荷物運賃、物価その他の経済事情を参酌して、」定めるということになっておりますこととあわせまして、また現実には、先ほども郵務局長が御答弁申し上げましたように、小包郵便と競合関係にある民間の宅配便の料金との対比を考慮しなければならないといったような事情が大きな要因でございます。そういったことから、コストに見合った料金を決定することがきわめて困難な状況にあるということでございます。 第二点のサービスエリアの問題でございますが、これは申し上げるまでもなく、郵便法第一条の精神のいわゆる「あまねく、公平に」ということからすると当然でございますが、郵便全般の使命とも言うべき全国津々浦々にわたってあまねく郵便の役務を提供するということから、民間の宅配業者のようにいわゆる市町村のクリームスキミングを行うといったようなことができない。そういったことから、運送経費を初めといたしまして諸経費がどうしても割り高にならざるを得ないといったような事情にあることに起因するものというふうに分析しているところでございます。
○片山甚市君 努力をしていく道筋についての御説明がございましたが、郵便法改正のときの本委員会における附帯決議では、抜本的再検討を行うべきであるとされておりますが、いま申された二つの案件以外に、小包郵便物の将来についてどのような展望を持ち、検討を加えられておるかどうか、もう一度お伺いいたします。
○政府委員(魚津茂晴君) この小包というのは、その年によりまして赤字の幅というのが違っておりますが、一貫してと申しますか、小包だけを見ますと戦後一貫して赤字でございます。したがいまして、赤字だからやめてしまったらどうかというような御議論もあろうかと思いますし、また現に私どもそういう御意見を耳にすることがございますが、考えてみますと、民間の宅配業者がいかにそのサービスエリアを広げたとしても、全国津津浦々そのネットワークでカバーするということは私どもないものと思っております。したがいまして、赤字だからといってやめるということは郵便事業の持つ公共性という点から見て私はとれない今後の小包の基本方針であると思います。 したがいまして、今後とも郵政省においては、小包業務を継続するという大原則に立ちまして、国会の附帯決議にもございましたように、いろいろ抜本的な手だてを講じまして、それが全体の郵便の財政に重荷にならないように手だてを考えてまいりたい。手だてを考える具体的な問題につきましては、先ほどその一端を述べさしていただきましたが、今後、一歩一歩収支をよくするというふうな方針で対処してまいりたい、こういうふうに思います。
○片山甚市君 郵政の仕事の中のアキレス腱になっています小包について一段と御努力を願い、国民の期待にこたえていただきたいということで結んでおきます。 さて、郵政事業の経営形態の問題について、新聞報道によれば、臨調では郵政事業を公社化または政府持ち株会社化を検討しているということでありますが、郵政省としては郵政事業の経営形態のあり方について、大臣としては御所見をどういうふうにお持ちでしょうか。
○国務大臣(箕輪登君) 郵政事業は、国民の日常生活に欠かせない多くの業務や各種のサービスを、郵便局を通じて不採算地域をも含めて全国あまねく公平に提供することによって国民の福祉を増進することを目的といたしておるものであります。国が直接行うことが最もふさわしい、きわめて公共性の高い事業であると確信いたしております。 郵政事業の経営形態について、郵政省としては、郵政事業のこの高い公共性及び現行経営形態のもとで事業運営全般にわたって改善を図ってきた実績、さらには昭和五十三年六月の公共企業体等基本問題会議意見書における「三事業一体として現行の国営形態を維持することが適当である。」との提言に照らしまして、現行の経営形態において一層の経営努力を行っていくことが適当であると私は考えております。
○片山甚市君 大臣から、臨調の一部にある郵政三事業を分離する考えについての明確な御答弁がありましたが、郵便局網という一体的な機構の中で三事業が一体となって運営されることによって郵政事業の効率的な運営が維持されておると私は思います。そういう意味で、郵政省としては三事業の一体的運営の合理性を国民の前に積極的にアピールし、堅持する姿勢を明確にすべきであろう。臨調に言われたから言いわけに言うのじゃなくて、郵政省としては、こういうメリットがある、こういうことについてはうんと宣伝をして、国民にいわゆる三事業がどうして特定郵便局においてあれだけの支持を得ておるのかということについて、大都市においてもそうでありますが。多くの仕事の部分では特定郵便局は役割りを果たしていますから、その点について御所見を賜りたいと思います。
○政府委員(澤田茂生君) 郵政事業の公共性につきましては、ただいま大臣から御答弁を申し上げたとおりでございます。郵政事業は、先生御指摘のとおり三事業一体として、特定局等を見ましても大変効率の高い経営を行っているところでございます。三事業を一体として行っていることによりまして、局舎とかあるいは職員の効率的配置あるいはコストの低減というものが図られておりまして、このために国民にあまねく良質の郵政サービスというものを提供することができる、これが可能になっているということでございまして、このような見地から、今後とも三事業というものを一体としての経営形態の維持というものはぜひ必要であろうということをただいま大臣からも御答弁いただいたとおりでございます。この点についての周知、深い国民の皆様方に対する御理解というものを得るよう、今後とも努力をしてまいりたい、こういうふうに思っております。
○片山甚市君 いま経営形態のことについて大臣からお聞きし、官房長からも聞きましたが、経営形態が論じられる場合、当然企業として十分な経営能力が発揮できる条件を備えていなければならないと思います。その最大の条件とは、郵便貯金資金の自主運用体制の確立ということではないだろうか。現在のように、郵政省は金を集めるだけで、資金は大蔵省に吸い上げられ、使い方は政府の勝手ほうだい、預託利率決定も大蔵省のさじかげん一つで経営内容が左右されるということでは経営形態をどう変えてみても、変えるとは言っておりませんけれども、いまのままいっても大変不安であると思うんですが、それについての御所見をお願いいたします。
○政府委員(鴨光一郎君) 郵便貯金の資金の運用につきましては、先生御指摘ございましたように、資金を集めた機関がみずから運用するということが本来の姿でございます。これによって資金の性格に応じた最もふさわしい運用が可能になる、同時に事業の経営責任が明確になるというふうに考えております。こういった見地から郵便貯金資金の一部を直接運用することにつきまして五十七年度予算で要求をいたしましたが、五十七年度につきましては実現を見るに至らなかったものでございます。ただ、この問題は郵政省といたしましても長年の念願でございますので、今後とも鋭意その実現に努めてまいりたい、このように考えているところでございます。
○片山甚市君 いま御答弁がありましたが、まず何よりも郵貯資金の自主運用権の確立を図ることこそ、郵政事業の経営責任を果たすための重大な課題であろうと思います。そういう意味で大臣から御答弁を賜って、この問題についての質問を終わりたいと思いますが、まずお答え願います。
○国務大臣(箕輪登君) 片山先生おっしゃるとおりでございまして、五十七年度予算でもこの自主運用について鋭意がんばったところでございますが、これが実現をいたしませんでした。これからも引き続き自主運用について努力をしたい、こう考えております。
○片山甚市君 実は、先日、新聞に載っておりました高層団地住民と郵政省の関係で、「郵便箱二十年戦争」ということで大島団地のことが載っておりました。そこで、それに関係して、憲法二十一条に保障された信書の秘密は、昭和三十六年五月、郵便法第五十五条の二の規定を設けて以来、期便受け箱設置の協力要請の推移から見て、どのようにそれが確保されているのか、信書の秘密はどのように確保されているのかについて郵政省の答弁を願います。
○政府委員(魚津茂晴君) 私ども、高層建築物への配達を集合受け箱でお願いするということになったそのことで憲法上保障された通信の秘密が侵害されるということは、観念としてもいささかも思っておりませんし、事実といたしましても集合受け箱によって通信の秘密が侵されたというケースは、私は耳にしていないところでございます。
○片山甚市君 そうすると、昭和五十三年十二月、郵便規則第七十六条の一部を改正して、なぜ義務化を図らなければこれが実行できなかったんでしょうか、それから三年の経過をして今日いよいよ義務的になるんですが。
○政府委員(魚津茂晴君) この高層ビルの配達の問題というのは、マスコミ流に言いますと二十年戦争という言い方になるわけでございますが、昭和三十六年に、高層ビルの郵便物の配達というのは、当時はエレベーターのない三階以上のビルについて受け箱をつくっていただきたいということでございました。それが五十三年、今度はエレベーターの有無にかかわらず集合受け箱をぜひとも設置をお願いするというふうに規則を改正させていただきました。ただ、それは法規さえ変えればいいというものじゃございません。やはり住民の方の理解と協力を得るということで、猶予期間を三年設けましたのもそういう趣旨でございました。したがいまして、私ども、この高層建築物に対する配達という点につきまして、私どもへの理解と協力を得るいろいろの手段を講ずれば大部分のところが納得していただけるというふうに思っております。 じゃ、なぜそういう従来伝統的な各戸配達を、高層ビルにおける集合受け箱というものをやったかと言いますと、これは一言で申しますと、国会でもいろいろと附帯決議でいただいているわけでございますが、郵便事業の効率的運営のためにいろんな施策を考えるというような決議もたびたびいただいているところでございますが、この集合受け箱の問題というのは、基本的に郵便事業の効率化施策というふうに御理解を賜りたいと思います。
○片山甚市君 三月二十日の毎日新聞によりますと、東京大島町の団地のことでありますが、高層住宅の郵便受け箱設置をめぐる紛争を報じておりますが、ここだけですか。その他には、いまのところ紛争はありませんか。
○政府委員(魚津茂晴君) 現在、三階以上の高層ビルの世帯数というのは約四百五十万世帯強でございます。その中で、この三年間の猶予期間で私どもいろいろの方法で御理解と協力を賜ってきたところでございますが、この猶予期間の終了する三月の三十一日の時点で集合受け箱をつけていただけないおそれが十分だという世帯が約一万世帯というふうに見ているところでございます。その団地の所在は、東京、大阪、名古屋、当然いま先生仰せの大島団地もその一部分でございます。
○片山甚市君 必要なところ一万世帯の分についてお話がありましたが、これはビルを建てたときからの問題になりますし、ビルを持っておる者との間の関係はどうなりますか。建設省あるいは公団等の話は、どういうような段階になっておりますか。
○政府委員(魚津茂晴君) この一万世帯のそれぞれの団地の、いま先生の御質問の内容というのは、団地によってかなり違っております。しかしながら、考え方といたしますと、当然この集合受け箱を規則に基づきましてつくっていただくというのはそれぞれの所有者、大部分は公団でございますが、その公団でつけていただくということになります。ただ、その一万世帯の設置がいま期待できないというような場合に、じゃ、なぜ公団がつけないのかということになりますと、公団自身に対しては、私どもからいろいろの機会に接触を持ちまして理解を賜っているところでございますが、問題は、その公団の住宅に住んでいる住民の方々の対応の仕方、この対応の仕方の中に、絶対反対だということで公団が受け箱の設置をする工事を始めるというような場合には反対をされるというようなことで今日の姿になっているところでございます。
○片山甚市君 そういたしますと、今後建築される高層の住宅については、ビルを建てる側、公団であれば公団において責任を持ってこういうような設備ができるものと理解して、そういう話をいわゆる郵政省と建設省との間に覚書があるというふうに理解してよろしゅうございますか。なければつくるということでよろしゅうございますか。今後のことですよ。
○政府委員(魚津茂晴君) 今後は、高層ビルをつくる方々はこの規則の趣旨を理解していただきまして、まずトラブルはないものというふうに考えております。
○片山甚市君 トラブルがないといっても、信書の秘密を守るためには相当頑丈な工夫されたりっぱなものをつくらないと心配であります。私は、信書の秘密の問題について今日触れませんでしたけれども、トラブルがあるとすれば、やはり当然ビルを建てた者の責任で、便所をつくるように、下水道をつくるように責任を持つべきだと思いますが、それは郵政省が責任を持つということでよろしゅうございますか。
○政府委員(魚津茂晴君) 私ども、この受け箱をつくっていただくという場合に、受け箱という名がつけばどんなものでもいいということではございませんで、通信の秘密の観点から、あるいは郵便物の保護というような点からもそれぞれ具体的な様式を持っておりまして、その様式による受け箱をつくっていただくように、いままでもあるいは今後ともお願いをする、こういうことでございます。
○片山甚市君 郵政省の信頼は、やはりこういうところの信書の秘密、個人の秘密というようなものについてきっちり守れるということでないと、公がやっていることにならないと思います。きょうは、受け箱をつくりなさいと言ったのじゃなくて、それについて不安があり紛争があるとすれば、その国民の要求にこたえて最善の努力をされることが——法律をつくって効率化を図ることではない。どうもこのごろは土光さんばりの効率とか節約とか首切りとかいうのが大好きで、大変おもしろくない世の中ですが、郵政省、余りそんなこと言いおったらどの仕事もできませんよ。効率とか、そんなことを言うからいわゆる宅配の諸君に小包を持っていかれるのでありまして、よその仕事を取れば自分の仕事も取られるということで、よく頭を冷やして、ちょっと自分の仕事——よその仕事を取ったら、ああいい仕事だとやられるのだと。だから、お互いに、それは長い間の伝統、百年の仕事のうちで生かすものは生かし、そうして相手もそれで栄えていくようにしてもらいたい、こういうふうに期待をします。私は御答弁を求めません。 さて最後に、日本電信電話公社についてお伺いします。 昭和五十五年度、昭和五十六年度の収支差額はどのように生まれて、そのお金はどのように使われたかについて御説明を願います。と申しますのは、電電公社は金をもうけ過ぎておるではないかという御批判とともに、四兆円ぐらいしか稼げないで三十三万も人がおるのはけしからぬ、民間ならもっと金をもうけるはずだということで、民間になればあしたでもお金がざくざくと入ってくるようないわゆる考えの方がたくさんおるようでありますから、収支差額は幾らできたのか、なぜ出たのかということについてきりきりと白状をしてもらいたい。
○説明員(岩下健君) お答えいたします。 まず、昭和五十五年度でございますが、収支差額は、予算では二千七百四十四億円でございました。これに対しまして実績が三千八百八十一億円、すなわち一千百三十七億円の増加でございました。この増加の原因につきましては、収入、支出両面にその要因がございまして、収入につきましては、予算に対しまして八百六十億円、率で二・二%程度でございますが、利用者の方々の御利用によりまして、おかげさまで増収を上げることができたわけでございます。それから支出につきましては、業務の各般にわたります執行の効率化と申しますか、こういった点から、三百億円足らずでございますけれども、予算に対しまして支出が減少をしたということでございます。 それから五十六年度でございますが、これはまだ決算が出てまいりませんので、現時点におきまして余り確定的なことはまだ申し上げられないわけでございますが、収入で見ますと、この一月の実績、予算の月割りの予定額の累積額、四月から一月までの累積額に対しまして実績が一千二百七十億円程度、率で三・九%の増収でございます。これはひとえに利用者の方々の御利用のおかげというふうに私ども考えておりますが、あわせまして現場の一線職員の増収の努力、各種商品の販売等もあずかって力があろうというふうに考えております。それから支出の面につきましては、いわゆる月次決算制度を昨年四月から、年度の当初から実施をいたしまして、これを軸といたしまして事業全般にわたりますいわゆる経費の効率的な使用ということに心がけたこともございまして、現時点で年度末の支出はかなり不確定の要因がございますので、まだはっきりしたことは申し上げにくいのでありますけれども、現在のところ七百億円前後の予算に対します節減が可能ではなかろうかというふうに考えております。したがいまして、収支合わせまして、予算に対しまして二千二百億円程度のものは、収支差額は上回るだろう。予算は九百三十八億円でございますが、三千億円の収支差額を私どもは期待しておりますし、また、ぜひこの程度のものは確保したいというふうに考えております。 同時にまた、これの収支差額の使途でございますが、五十五年度も五十六年度につきましても、また過去もそうでございましたが、公社の場合の収支差額、これは先生御存じのとおり、一般の民間企業におきますいわゆる利益金の処分といったものとは違いまして、すべて利用者の方々へのサービスの改善あるいは拡充といったもののための設備投資の財源に充てる、あるいは債務償還の財源に充てておるわけでございます。これは国会での議決をちょうだいします予算でもその点は明らかにしておるわけでございますが、同時にまた、予算を上回りました収支差額につきましても同じような趣旨で、まずもって利用者の方々に何らかの形でお役に立てるような使い方をするということをやってまいりました。 具体的には、五十五年度の一千百億円余りの収支差額の増加につきましても設備投資の財源に充てる。つまり外部借り入れをもって予定しました財源を、いわば金利のかからない内部資金に充てるということによりまして長期負債を減少させる。これによって利子負担を軽減し、これを通じて総費用の抑制、圧縮を図っていく。ということは、これによりまして現行水準での料金水準をできるだけ長く維持しまして料金値上げといった事態にならないように最大限の努力をするということの考え方でございます。同時にまた、債務の繰り上げ償還、現在五兆数千億円の長期負債を抱えておるわけでございますが、これの繰り上げの償還にも充当いたしました。同じような趣旨で今年度、先ほど申し上げました五十六年度の予算を上回る収支差額の使途につきましても、現在そういった方向で対処をしておるわけでございます。
○片山甚市君 こういうような電電公社は、真藤総裁に言わせれば民間会社では倒産した会社でつまらぬ会社だ、やる気がないやつだ、こういうように言っておるようですが、ずいぶんと乱暴な、目の見えた人は、十年先、五年先倒産するかもわからぬというやつをいま倒産するんだと言っておどかして回るというおどしの経営という、これは大体いただけませんが、私の感じです。電電公社の場合は四兆円の収入があるんだから、もっともうけるべきだと言うけれども、もうけるようになっていない。ここに私は所信を述べておきます。御答弁は要りません。 そこで、せんだってから公社の衛星通信構想が出されておりますが、国の宇宙開発計画とどのように関連するのか。スペースシャトルを使って人工衛星、通信衛星を打ち上げてみたら、こういう提案もありますが、ありようによっては、今日までの宇宙開発計画の基本方針の見直しを迫るものであろうと思いますから、まず、郵政大臣なり省側から公社側の衛星通信構想についての御感想、公社の当事者の御発言を賜って、終わります。
○政府委員(田中眞三郎君) 衛星通信構想でございますが、CS2につきましてはいわゆるNIIロケットによって五十八年の二月に打ち上げる、また、その次に続きます第二世代の実用衛星CS3につきましてはHIロケットを使いまして、これで打ち上げるというようなことで検討を進めておるわけでございます。ただいま先生のお取り上げになりましたのは、さらにその次についての構想かと存じますけれども、いろいろ公社の方から構想があるというふうに聞いておりますけれども、私どもといたしましては、今後の通信政策、その時点におきます衛星通信の通信全体に占める位置づけ及び国の宇宙開発政策との整合性を考えながら、関係の各機関、科学技術庁あるいは宇宙開発委員会、あるいは電電公社も当然でございますが、その各関係の機関において慎重に検討をしていく必要があるし、またそうすべきだ、このように考えておる次第でございます。
○説明員(山口開生君) お答えいたします。 ただいま郵政省の方から御答弁がございましたが、通信衛星一号は五十八年、それから通信衛星一号が六十二年ごろに国産ロケットをもって打ち上げる計画になっております。私ども電電公社といたしましても、国の方針に基づきましてこの衛星を使わしていただいて通信に利用することにしておりますが、ただいま申しました通信衛星一号は電話換算にいたしまして約四千回線、それから通信衛星一号にしましても約六千回線でございます。一方、衛星通信の方式を使いますと、これは非常に広域性あるいは回線作成の柔軟性、こういった面でいろいろとすぐれた特徴がございます。これが通信衛星の大型化あるいは経済化がもし達成できるのでございましたら、私どもが現在開発しております陸上の光ファイバーケーブルとともに将来のネットワークの基幹伝送技術として大変に有効であろう、こういうふうに考えております。 したがいまして、公社におきましては研究体制を整備いたしまして、この大容量衛星通信方式に関する研究を積極的に進めていきたい、このように考えております。一応、目標といたしましては、当面一トンの衛星、これは電話換算で約一万回線を利用できます。あるいはさらにその光といたしましては、電話換算で約十万回線の利用ができると思われます四トン程度の衛星について、こういったことについて検討を開始をしようとしているところでございます。もちろん、先ほど郵政省からお話がありましたように、衛星の打ち上げということにつきましては、国の宇宙開発計画によっておるわけでございまして、私どもといたしましても、国の宇宙開発に協力いたしますことはもちろんでございますけれども、いま申しました大型の衛星になりますと、あるいはこれはスペースシャトル等の利用も考慮する必要があろうかとも考えているわけでございます。いずれにしましても、こういった衛星計画の具体化なりあるいは宇宙開発委員会等政府筋への提案等につきましても、今後の研究の進捗状況を見ながら郵政省の御指導を得つつ進めていきたい、このように考えております。
○太田淳夫君 それでは、郵政大臣及び電電公社総裁の所信表明に対しまして質問さしていただきますが、きょうは基本的なことだけお聞きしておきたいと思います。 最初に、アメリカの議会の公聴会等で日本の通信制度につきましていろいろと非関税障壁として非難されたことがあるわけですが、しかし世界の現実としまして、ヨーロッパ諸国とカナダ、これはアメリカの情報通信業者の侵入に対しましてはそれぞれ防衛策を講じておりまして、さまざまな非関税障壁をつくっておりますし、アメリカ自体もそういう通信業者に二〇%以上の外国資本の参加を許していない、こういう状況があります。そういった外国性の排除ということは各国とも行っているわけですけれども、日本だけいろいろと批判されるというのは非常におかしいのじゃないかと思うんですが、その点、総裁及び大臣はどのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(箕輪登君) 外国の通信業者に対して無条件で参入を認めている国はございません。わが国といたしましても、通信士椎を認めているITU条約及び世界の諸制度の動向を見きわめながらわが国の国益を守る見地からこの問題について対処していきたい、こう考えております。
○説明員(真藤恒君) 電電公社といたしましても、いま大臣から御説明がありました御趣旨に全く同じ考えをいたしております。
○太田淳夫君 それでは、最近いろいろと問題に、なっておりましたデータ通信について何点がお聞きしたいと思いますが、このデータ通信回線の利用の自由化をめぐりまして、郵政省と通産省の間で意見が対立をしてなかなか調整が難航していたようでございますけれども、その点、その状況と郵政省の基本的な方針について最初に説明いただきたいと思います。
○政府委員(守住有信君) 御指摘のような点を踏まえながら御答弁申し上げたいと思います。 まず私ども、いわゆるデータ処理と申しますか、通産省ではオンライン情報処理ということでございますが、それは現在、四十六年以来法制度があるわけでございますが、その面での電電公社の回線の使用態様と申しますか使い方というのが、許認可等の事項もあるし制約が多過ぎる、これを自由に使わせてほしいというのが、まず第一点でございます。 それからわが国のそういう技術の進展あるいは産業界の要望というのを踏まえまして、さらに、いままで電電公社が独占でございます他人の通信の媒介と申しますか、いわゆる通信業を民間の分野にも認めるべきである、こういう意見、要望が最近になってほうはいとして出てきたわけでございます。 この第二番目の点につきましては、まさしくいままで公社独占の分野でございますし、いま大臣がお答えになりましたようなわが国の通信業、通信サービス、通信主権というものにもかかわってくる問題でございますので、電電公社が今後とも行っていくべき公衆電気通信の基本サービスとの調整、振り分けの問題とか、通信の持つ特性からのいろんな通信特有の規律、通信の秘密を守る保護体制だとか信頼性の確保等々の前提条件が大切である。その前提条件の確保のもとにこのような高度通信サービスというものは認められるべきであるというのが私どもの考え方でございますが、その後半の方の新しい高度通信サービスにつきまして、その前提条件につきましてそういう規制は不要である、営業自由とか、そういう理念からの問題で非常に対立をしたわけでございます。 したがいまして、一方では今後の許認可整理法と申しますか、そういうタイムリミットもあるということで、新しい高度通信サービスに道を開く問題につきましてはなお今後継続して検討をいたす、こういうことになったわけでございますが、その前半の方のいわゆるデータ処理のための回線利用制度につきましては、大幅な自由化を図るということで決着を見た次第でございます。
○太田淳夫君 そうしますと、この許認可整理法案の中で一括処理していくということで閣議決定されて法案が提出されたようでございますが、この点について郵政大臣はどのようにお考えですか。
○政府委員(守住有信君) いま御説明しましたデータ処理の方の自由化の問題でございますけれども、今回のそれは公衆法の一部改正という形をとるわけでございますが、これにつきましては、臨時行政調査会の答申を政府として最大限尊重して所要の施策を実施に移すという閣議決定を踏まえたものであるというのが第一の点でございます。 また、改正の内容につきましても、データ処理のための回線利用の自由化、現在ある制度のいろんな許認可等の制約を取り除きながら自由化を図るというものでございますので、特定通信回線の共同使用に係る個別認可制の廃止などの面があるわけでございまして、これがいわゆる行政事務の簡素合理化あるいは許認可制というものを目的としましたところのものと一致をするということでございますので、この内容から見ましても、また臨時行政調査会の答申の線ということから見まして、いわゆる一括法に含めることが適当であると、行政管理庁あるいは法制局との審査を経たわけでございますけれども、そういう結論に達した次第でございます。
○太田淳夫君 先日、北海道において、電電公社職員によります銀行のオンラインシステムを悪用した、例の北海道銀行ですか、CDカードの偽造事件というのが発生したんですが、その概要について説明していただきたいと思います。
○説明員(山本千治君) お答えいたします。 このたび、公社職員が通信回線から情報を盗用いたしましてCDカードを偽造いたし、現金を窃取しまして、札幌中央警察署に本年二月十六日に、逮捕されるという不祥事件が起きたわけでございます。 本件に対します電電公社の措置といたしましては、本人を、本人泉谷健夫でございますが、二月十七日付をもちまして懲戒免職にするとともに、公衆電気通信法違反及び窃盗容疑で直ちに告発をいたしました。さらに、二月十九日付で関係する監督者十四名に対し戒告等の処分を行ったところでございます。 以上でございます。
○太田淳夫君 これは逮捕された人が電電公社職員であったということですね。電電公社としまししは、職員の方々に厳しい通信の秘密保護義務が課せられておる。それだけに社会的に大きな衝撃征与えたわけですけれども、また公社の信頼感も著しくそこで損なわれたのじゃないかと思うんですが、そこで公社のデータ通信システムの保守点検体制はどのようになっているのか、また今後ほどのような対策の強化徹底を図っていくのか、その点をお聞きしたいと思います。
○説明員(山本千治君) お答えいたします。私たち、このデータ通信回線の保守につきましては、センター並びに端末を直営で保守しておりまして、先生いま御指摘の通信の秘密を厳守するという大前提に立ちまして事業を進めてまいりましたわけでございますが、今回起こりましたこの事件はすべて公社の責任であるとの自覚に立ちまして、この種の問題を二度と起こさないようその対策に全力を尽くしているところでございます。 事件が起きた直後に、副総裁を委員長といたしますデータ通信に関する事故防止対策委員会を設置いたしまして、この中に、やや具体的になりますが、四つの分科会を設けまして、通信の秘密を厳守するということ、それから情報保護の立場から管理体制面あるいは設備面の現状を洗い出してこれに対して改善策を策定するということ、三点目は、内外のコンピューター悪用事例を解析いたしましてシステム改善並びにユーザーへの提言すべき事項について検討する、四つ目は、情報化社会の成熟に伴いまして職員は高度な幅広い技術を身につけてくるわけでございますが、このつけた技術力を国民の資産を守るという立場からの提言に生かしていくような方策について検討してまいりたいということで、現在まで直ちにできる事項の幾つかにつきまして現場において実行に移しているところでございます。
○太田淳夫君 最近、こういったコンピューター犯罪の増加というのは、日本ばかりでなくて世界的な趨勢であるというわけでございますが、これをどのようにして防止していくかということが社会的な問題でないかと思います。 そこで、このコンピューター犯罪防止に対する技術的な、制度的な方策について、どのように電電公社としてお考えになってみえますか。
○説明員(高橋敏朗君) いま先生から御指摘のありましたような事件似、通信回線の上を生のデータがそのまま伝送をされているということから、わりに簡単に通信の秘密を侵害をしたという大変不祥な事件が発生したわけでございますけれども、現在わが国で行われておりますデータ通信システムにおきましては、ほとんどがこのように生の情報がそのままで回線の上を流れている、こういう状況でございます。 このための対策といたしましては、技術的にもいろいろな方法が考えられるわけでございまして、たとえば生の情報をそのまま伝送いたしませんで、これを回線の両端で暗号化をして情報を送る。こういうふうにいたしますと、暗号というものも、これは人のやることでございますから絶対ということはございませんのですが、かなりの通信の秘密というものを維持する上に役に立つのじゃないか。そのほか、コンピューターシステム全体を含めまして技術的にいろいろな方法が考えられているわけでございますけれども、これにつきましては、公社の現在のデータ通信システムにおきます回線サービスの使用料金の中にはこういうことは考えていないわけでございます。したがいまして、民間のたとえば金融機関等、社会、経済に大きな影響のありますシステム等については私どもの方で現在鋭意技術的な実施の方法の検討を進めておりまして、先ほど保全局長から御説明をいたしましたように、私どもの方からも社会に御提言を申し上げたい。その御賛同をいただいて公社としてもこの実施に御協力を申し上げていきたい、こういうふうな考え方でいま臨んでいるところでございます。
○太田淳夫君 この事件に対する、報道されたところによりますと、郵政省と電電公社で多少食い違いがあるのじゃないかということでございますが、総裁としましては、鈴木総理大臣にお会いに、なったときに、金庫番が金庫の中の金を盗むようなことをして申しわけない、このように陳謝されたと報道されておりますが、それは事実でしょうか。また、総裁としましては、今後こういったコンピューター犯罪を防止するためにはどのような方策で臨んでいったらいいとお考えでしょうか。たとえば公社の独占体制の中に市場の競争原理を導入する方がいいのか、それとも法律の許認可権限によって不正に対する監視の目を光らせる方がいいのか、その点についてのお考えをお聞きしたいと思います。
○説明員(真藤恒君) 総理にお目にかかったときにおわび申し上げたのは事実でございます。 ところで、第二の御質問でございますが、私どもがいますぐ急いでやっておりますのは、まず、技術的にそういう秘密を盗用して、そしてそういう犯罪を犯すことがやりにくいような、さっき申しました暗号化、あるいはその暗号も時々刻々変えていく、あるいはそういうことのできるような設備に近寄ることに対する厳重な規定を設ける、またその規定が有効的に守れるような設備の環境にするというふうなこと、そういうふうなことを急いで、いま一番効果的である技術的な問題を探し出すということで、さっき保全局長から申しましたように、直ちに応急対策としてでも、また恒久対策としてでも、結論の出たものから片っ端からいま実行しつつあるところでございます。 まず、私どもの責任としては、技術的にこういうことを非常にやりにくい形に持っていくということでなければならないと思いまして、それにいま全力投球しております。従業員に対しましては、さっき保全局長が申しましたように、やはり通信の秘密あるいはこういう犯罪というものに対する責任観念、モラルの問題の教育を徹底的にやっていくという両方からやっておりますが、これはやはり長い時間と努力というものが要るものでございまして、さっき申しましたような委員会もできておりますので、私ども納得のいくまでこの研究は続けていくつもりでございます。いずれまたいろんな機械でよそでもいろんなことが起こるかもしれません。外国でもいろんな巧妙な方法が次々編み出されて犯罪が続いておるようでございますが、そういうふうなものも参考にしながらコンピューターそのものに対する改良、あるいはさっき申しました使い方についての改良ということを急いでやるつもりでおります。
○太田淳夫君 郵政省としてはどんなお考えですか。
○政府委員(守住有信君) 私ども、電電公社の中で、いわゆる公衆電気通信事業に従事する者が行ったという点におきまして、通信主管庁といたしまして非常に大きなショックを受けたわけでございます。午前の審議でもちょっと申し上げましたけれども、これは一つの金銭情報であったわけでございまして、これは銀行側で数カ月後にはわかったわけでございますが、何と申しますか、純粋の情報というのはこれが盗用された等々がわからないという基本的な性質を持っておるわけでございまして、この通信の秘密の法益というのは原状回復が不可能だという点が非常に特徴、特異性を持っておる。もちろん憲法上からくる義務であるということは当然でございます。 それからまた、私どもは、単にこういう問題は罰則だけを整備し強化すればいいという問題でございませんで、やはりそこに、公務員に準ずると申しますか、いわゆる高い公共性のもとでの公務的と申しますか、いろんな、倫理というものあるいは公的な人的、組織的な管理体制というものがきちっとしておらなければならない、こういうことを感じておる次第でございまして、これは余談にわたるかもしれませんけれども、単なるこれは窃盗の問題ではない、公衆電気通信法第五条違反の問題で、これに対して公社当局は当然に告訴、告発をもって臨むべき性質の問題ではないかということを電電公社にも申し入れた次第でございまして、公社もみずからそういう判断のもとに法的な手続もとっておられるということでございます。
○太田淳夫君 また、これは伝えられるところによりますと、通産省はコンピューター犯罪防止法というそういう法律を制定する方針を固めだということが報道されているわけですが、これは最近のこういったコンピューター犯罪の急増やあるいはデータ通信回線の自由化に対応するためだ、こういうことでありまして、郵政省あるいは警察庁とも連携をとった上で具体的な検討に入るということが報道されているわけですが、郵政省としてはどのようにこれは取り組まれますか。
○政府委員(守住有信君) 私どもの方でも、いわゆるデータ通信の暗号化等の問題につきまして技術的な、電電公社も入っていただきまして、いろんなこういう関連の勉強会をやっておるわけでございますが、新聞報道によりますと、通産省も、角度が多少違うかもしれませんけれども、お取り組みになるということで、いずれまたそういうお打ち合わせも必要でありましょうし、私どももまた、こういう警察当局等々との情報交換も通じて、われわれは通信という角度で通信主管庁なりに積極的に取り組んでいかなければならない、このように考えておる次第でございます。
○太田淳夫君 大臣、どうですか。
○国務大臣(箕輪登君) 私も、通産省がコンピューター犯罪についての対処の仕方を考えている、勉強しようということは新聞で拝見いたしました。郵政省はもちろん、データ通信といえども通信、そしてそれを行う人は通信業者でございますから、通信の秘密については私どもも従来から主張しておりますし、その犯罪防止についてはこれからも鋭意検討を進めていこうと考えているところでございます。
○太田淳夫君 次、ちょっと細かくなりますけれども、お聞きしたいと思いますが、公社のデータ通信事業の収支改善を図るため五十三年十二月に収支改善計画が策定されたわけです。五十六年度においては単年度収支二千億円で均衡させる、こうおっしゃっているわけですが、現在までの推進状況についてお聞かせ願いたいと思います。
○説明員(高橋敏朗君) 公社のデータ通信サービスにおきましては、回線を提供しておりますデータ通信回線サービス、それからコンピューターを含めましたデータ通信システム全体をお客様に使っていただきますデータ通信設備サービス、この向方を含めましてデータ通信事業としているわけでございますが、このデータ通信事業におきましては、ただいま先生御指摘のとおり創業以来かなりの収支の赤字を計上をしてきておるわけでございます。昭和五十三年度におきましては約二百八十四億円という赤字でございまして、五十五年度が二百十二億というふうに赤字は減少してきております。これを、五十六年度の末におきましてはこの回線サービスとデータ通信設備サービスの両方を合わせまして単年度で収支の均衡をとろうということでございまして、収入をふやすこと、それから支出を削減する、この両面からの努力を進めてまいりまして、五十六年度の決算は間もなく締め切りまして集計あるいは費用の分計等をいたすわけでございますけれども、現在までの見積もりによりますと、従来申し上げてまいりましたように、単年度でデータ通信事業としての収支の均衡をとるということは十分達成できるというふうに考えている次第でございます。
○太田淳夫君 計画どおり五十六年度収支均衡が図られるようでありますけれども、この改善計画はデータ通信回線サービスに係る収支を含めたものでありますし、大幅な赤字で収支改善が急務であるデータ通信設備サービスに係る収支につきましては、なお収支均衡の時期がまだ明確になっていない。このデータ通信設備サービスの収支均衡の時期と、そのための改善策について承りたいと思うんですが、その一つとして、何か先細りぎみのDRESSを縮小することも検討されている様子ですが、電電公社の見解を承っておきたいと思います。
○説明員(高橋敏朗君) ただいま申し上げましたデータ通信事業の中でデータ通信設備サービスにつきましては、五十四年度約五百億円の赤字でございます。五十五年度は四百三十九億円の赤字でございます。それから五十六年度は、まだ細かい数字は出ておりませんけれども、三百七、八十億程度の赤字でおさまるのではないかということで、このようにここ二、三年急速にその収支の改善を進めてきているところでございますけれども、データ通信設備サービスにつきましては、これは公社だけのサービスではなくて、民間の方も業としてこういうサービスができるいわば競争状態にあるサービスでもございます。したがいまして、私どもの方としては、いつまでもこの赤字を電話の方の利益で補てんするというふうなことでは相ならない、できるだけ早い時期に設備サービスだけにつきまして収支の均衡を図ろうということでございます。五十六年度には、ただいま申し上げましたように、回線サービスを含めまして総合として収支の均衡が図れるわけでございます。 したがいまして、今度五十七年度からは回線サービスの利益で補てんするということをやめまして、設備サービスだけで収支の均衡を図ろうという計画を発足させることにしているわけでございます。現在のところ、五十七年、八年、九年、この三年度をもちましてデータ通信設備サービスだけにつきましても収支の均衡を図るという目標で各種の施策を進めているわけでございますが、その具体策としては、やはり収入をいかにしてふやすかということと支出の節減ということでございます。 この支出の節減の中では、やはり非常に費用のかかりますコンピューターの費用の節減であるとか、ソフトウエアの生産性の向上でございますとかいうこともございますけれども、やはりその一部には、行政管理庁の御指摘にもありましたように、保守要員等の面におきましても合理化を図る余地があるということも確かでございます。したがいまして、私どもとしては、公社の行っておりますデータ通信設備サービスの将来というものはなお大きな成長を考えているわけでございますけれども、当面努力できる点につきましては一層の合理化を図りまして、ただいま申し上げました昭和五十九年度を目標とした収支均衡ということをぜひ実現したいということで努力をしてまいる所存でございます。 —————————————
○委員長(勝又武一君) 質疑の途中でございますが、委員の異動について御報告いたします。 ただいま宮本顕治君が委員を辞任され、その補欠として山中郁子君が選任されました。 —————————————
○太田淳夫君 いまいろいろと今後の改善策につきましてお話しいただいたんですが、行政管理庁からの勧告に基づいていろいろとやっておみえになるようですが、何点があるわけですが、その中の一つに要員の配置についての問題も指摘されておりますね。これは民間情報処理サービス業者よりも多い、要員配置につきましては。しかもサービスを提供しない日曜祝日にも要員配置をしているとか、あるいはセンター間で配置要員数に格差があるとか、その効率化を求めておりますけれども、この点についての公社の改善方策はどのようにお考えでしょうか。
○説明員(高橋敏朗君) このデータ通信設備サービスに係る要員につきましては、ただいま先生御指摘のような点につきまして行政管理庁から勧告をいただいている次第でございます。 公社全体といたしましては、これまでも要員配置につきましてはできるだけサービスに見合った効率的配置ということに努めてきておるわけでございますけれども、一部について見ますと、今回の行政管理庁の御指摘のありましたようなことが生じている原因といたしまして、やはりコンピューターの性能というものが非常に最近では急速によくなってきている、平たく申し上げますと故障が非常に少なくなってきているわけでございます。こうした技術の急速の進歩に対しまして、要員の配置につきましては従来の故障の多かった時代のものがまだ残っているというものもございます。新しいシステムにつきましては要員の配置を減らしているのでございますが、古い時代のものがある程度尾を引いているというようなものもございますし、それから土曜日曜のような服務形態につきましても、非常にコンピューターが障害が多かった時代には、お使いになる方が昼間使いまして公社の保守要員がそれを夜直す、そして次の日の朝から使えるように準備をしておく、こういう使い方が長く行われておりましたのが尾を引いているという点があるわけでございまして、このような状況につきましては、服務形態の見直しでございますとか、全体の要員数の効率化でありますとかいうことを鋭意進めてまいる、こういうふうに考えているところでございます。
○太田淳夫君 最近のこれまた報道によりますと、赤字状態が続いているデータ通信設備サービス部門の民営化の方向が打ち出されているわけですけれども、これに対する大臣及び総裁の見解を承りたいと思いますが。
○政府委員(守住有信君) いろいろ御指摘ございましたように、行政管理庁の方からの勧告につきましては、いま公社当局の方から今後の取り組みということで御説明があったわけでございますが、私どもの方で電気通信政策懇談会というのがありまして、専門の方々多数お集まりいただきまして、いろんな御審議、御提言をいただいたわけでございますが、その中で、民間との競合分野であるデータ通信設備サービスにつきましていろいろ公正競争条件の確保という角度から御指摘をいただいたわけでございます。 そこにあらわれておる御提言の考え方は、いろいろ行管からも御指摘あったようなものを、いわゆる公社内部での事業部制、たとえば事業部制という言い方でございますが、現在公社では、本社はデータ本部があるわけでございますが、地方は通信局、通信部あるいは電話局等、センターだけのところは別でございますけれども、全部が込みになって運用されておる。そこで、民間によくございます事業部制的なものをたとえば導入して競争条件の確保の一つにもしたらというような御提言をいただいておるということでございまして、何もこれを切り離して民営だとかどうのこうのというのは新聞紙上等に最近出だしたところでございまして、私どもとしては、この電気通信政策懇談会の御提言というものについてわれわれとしては受けとめておる、こういう次第でございます。
○説明員(西井昭君) お答え申し上げます。 ただいま政策局長から御答弁のありましたことと電電公社も基本的に考え方が変わっておるわけではございません。公社は、このデータ通信につきましては、公社のやるのにふさわしいいわゆるデータ通信三原則というものを立てまして、公共的、全国的、開発先導的なものを中心として行ってまいってきたところでございまして、現在わが国のシステムの中で公社の占めておりますシェアといいますのは一%強程度しかございませんでした。そういう意味で、民間と公社と相携えましてわが国のデータ通信の発展のために寄与していきたい、こういうふうに考えているところでございます。 ただいまもいろいろお話のございましたように、第二次臨調の方ではいろんな別の考えのある方もいらっしゃることと思いまして、いずれにいたしましても、このデータ通信の扱い方につきましては、そういう国全体の考え方あるいは第二次臨調の方とのお考え方とも調整をいたしまして今後進めてまいりたい、こういうふうに考えている次第でございます。
○太田淳夫君 それでは次の問題ですが、先ほど片山委員の方からも話がありましたが、電電公社の収支差額についてお伺いしたいんですが、電電公社の五十六年度収支差額は、当初予算の九百三十八億円、これを相当上回る模様である、この見通しと要因についてお伺いしたいんですけれども、先ほどもお話ありましたが、ことしの二月十八日でしたか、たしか公社の方々の五十七年度予算案の説明をお受けしたんですが、そのときには昭和五十六年度の収支差額九百三十八億円を基本にして昭和五十七年度の収支差額千七十六億円を見込んでいるということでありましたんですが、そうなりますと、一月に策定しました五十七年度予算案を全面的に見直す必要があるんじゃないかと思いますが、その点どうでしょうか。
○説明員(岩下健君) お答えいたします。 五十六年度の収支の状況につきましては、先ほど片山先生にお答えしましたように、おかげさまで大変順調な推移をたどっておるわけでございます。現時点におきまして五十六年度の確たる収支の見通しを申し上げる段階ではないのでございますけれども、一月末現在の状況から推定をいたしました場合に、先ほど申し上げましたような予算を相当額上回る収支差額が期待できよう、こう思っております。 それで、五十七年度の収支の算定に当たりましては、収入の見積もりの問題については、一昨年の夜間料金の値下げ、それからまた昨年八月から実施しました遠距離二段階の値下げ並びに日曜祝日割引制度の実施、こういったものの実績から見ました収入への影響、こういったものが推計ではございますがつかめたわけでございます。これをベースにしまして五十七年度の収入予算を算定いたしまして総額約四兆一千六百六十四億円という収入の見積もりをしたわけでございます。支出につきましては、従来ともにそうでございましたけれども、人件費あるいは物件費を初めといたしまして各費目につきまして、公社も当然これは経費の効率的な使用ということを前提に算定をいたしましたし、また政府当局におきますいわゆる査定というものもございました。そういった調整の結果でき上がりましたものがただいま御審議をいただいております五十七年度の予算案でございまして、一千七十六億円の収支差額を現在予定しておるということでございます。
○太田淳夫君 公社では、これまで収支の黒字はせいぜい五十七年度までで五十八年度には赤字に転落する、こういう説明をされていたと思うんですが、このように当初予算に比べまして大幅な黒字を上げていることから見ましても、これまでの収支予測というのには大分甘さがあったのではないかと考えられますが、今後の収支見通しはどのようにごらんになっていますか。
○説明員(岩下健君) お答えいたします。 収入並びに支出、それぞれ両面につきまして五十七年度以降、特に八年、九年あたりの見通しはなかなかむずかしいものがございます。ただ、申し上げられますことは、収入について言えば、御存じのとおり住宅用の電話のお客様が全体の七割以上を占めている、新規の申し込みの八割が住宅の方でございます。したがって、この御利用の少ない住宅用のお客様がふえるということは、全体としての収入、一加入当たりの収入が伸び悩む、ないしは若干頭を下げていくという懸念もあるわけでございます。加えまして、現在収入の九割を占めておりますのが電話収入でございます。この電話収入の増加を支えますのは加入電話の数自体の増加でございますが、これが現在四千万の加入電話に対しまして増設数が百万あるいは百二、三十万という、率にしまして三%強程度のものでございます。したがいまして、そういった、言ってみれば質、量両面におきまして収入の伸びはこのままでは多くを期待できにくかろうという感じがいたします。 と同時に、また支出サイドにおきましても、それぞれのいわゆる公共料金の値上がりなり、あるいはその他一般的な物価騰貴も予想されます。それからまた、設備産業としまして減価償却費ないしは金融費用といったいわゆる資本費用のある程度の増加も覚悟しなければいけないだろう、かように考えておるわけでございます。したがいまして、現状のまま推移しました場合に、五十八年度以降の収支の見通しは決して楽観できないというのが率直な感じでございます。 しかし、私どもとしましては、ただ、つかねてこれを見守るということではなしに、収入につきましては少しでも増収が図れるような各種商品の販売、あるいは先ほど出ましたデータ通信を初めとしまして、いわゆる競争領域の分野についても積極的な販売を行うことによりまして収入を少しでも伸ばしていこう。それから支出につきましては、従来以上に経費の効率的な使用を図ることによりまして、経費のいわゆる効率化という側面から妥当な支出の線をキープしていく。こういうことによりまして収支差額が減少あるいは経営全体が悪化するのを少しでも食いとめて現在の料金水準ができるだけ長く維持できるように努力をしてまいりたい、かように考えております。
○太田淳夫君 先ほども同僚議員の質問に対しまして、収支差額につきましては利用者へのサービスの改善ということでお答えになっておりましたが、やはり当初予算を上回る収支差額の一部は料金値下げ等によって利用者に直接還元すべきじゃないか、このように考えますが、その点どうでしょうか。
○説明員(岩下健君) 先ほどもお答えしましたように、予定を上回ります収支差額、これは本来の予算での収支差額と同様にまずもって利用者の方に何らかのお役に立つような使い方をすべきだということが私どもの考え方の基本でございます。 それで、昨年の八月に実施いたしました遠距離料金の値下げあるいは日曜祝日の割引の実施、こういったものも、先ほどお答えしましたような金融費用の圧縮を通じて総費用の増高を抑制する、こういったものから、いわば事業としての力といいますか、体力といいますか、こういったものを蓄えることによりまして実施ができたというふうに考えているわけでございます。五十六年度につきましても、先ほどもお答えしましたように、予算を上回ります収支差額についてこれを利用者の方方の設備やサービスの拡充改善のための設備投資の財源に使うということによりまして予定しておりました借入金をカットする、さらにまた現在抱えております長期負債の繰り上げ償還に充てるということによって金融費用の軽減を通じて総費用の圧縮を図っていく、かように考えているわけでございます。 そこで、ただいま御質問の料金の改定に充てるべきではないかという御趣旨でございますが、一昨年の夜間料金の値下げ、また昨年の料金の値下げ、そういったものも同じ一連の利用者のためにということで実施をしたわけでございますが、ただ、これは料金の水準の改定は単年度だけの影響ではございませんので、今後長くその影響が続くということから考えますと、料金水準の問題につきましては慎重に考えていく必要があるだろうと思いますが、しかし、現在抱えておりますいわゆる市外通話料金の遠近格差の是正の問題、あるいは単位料金区域の近辺におきます料金の格差の問題、こういったものを改善するということにつきましては、私どもの年来の研究課題として取り組んでおるわけでございまして、現在、関係方面ともいろいろ御指導を得ながら対処をしてまいりたい、かように考えております。
○太田淳夫君 次に、電気通信設備工事の請負工事について質問いたしますが、加入電話架設など公社の建設工事が、これは多分に技術町な問題もあろうかと思いますが、大手業者に独占されて同一業者の連続受注になっていることに関連しまして、電電公社では不明朗な事態が生じないように電気通信設備工事請負業者の資格審査制度を改定したようですが、その改定の内容はどのようになっておりましょうか。
○説明員(花木充夫君) お答えいたします。 電気通信設備工事の請負業者の資格審査制度、これにつきましては、従来建設省に設置されております中央建設業審議会、ここで示されている考え方を基本といたしまして、昭和二十七年から電気通信設備工事請負業者資格審査規程、こういう長いのでございますが、これを制定いたしまして、その後改定しつつ最近まで至っていたわけでございます。 電気通信設備工事そのものは、その特徴の一つといたしまして、工事上のわずかな誤りがシステム全体に影響を及ぼすというようなものでございますが、そういうことから資格審査に当たりましては、従来から申請者の社会的な信頼性などを一般的に評価した工事能力、それから電気通信設備工事の特質を重視いたしまして、技術者の数とか機械器具などを評価した技術能力、この二つを基本にして評価してきたわけでございます。しかしながら審査内容が、公開していなかったということからわかりにくいという御批判もございまして、今回その改定を行ったものでございます。このために、昭和五十六年、昨年でございますが、十一月に部外の学識経験者の方の参加を得まして資格審査制度審議会というものを設けまして審議していただきました。その答申の線に沿いまして今回資格審査制度の改定を行ったわけでございます。 その主な点といいますのは、できるだけわかりやすくするという点から、工事能力の算定方法、従来と違いまして、現在広く用いられております建設省の方法に準ずるよう改めたわけでございます。第二点としまして、工事能力、技術能力、先ほど申し上げましたが、この算定式及びその配点の方法につきましてこれを公開するということとしたものでございます。 以上でございます。
○太田淳夫君 算定式あるいは評価項目あるいは採点単位というのを公開しているようですが、合格基準が公開されてないのはなぜでしょうか。また、現在の電気通信設備工事請負の指定業者七十一社ありますが、これをふやす考えはあるのかないのか、お伺いしたいと思います。
○説明員(花木充夫君) 審査結果の内容でございますが、これは公開するのか、基準はどうするかということでございますが、結果につきましては申請者に通知いたします。なお、ランク別の基準点を公開するかどうかにつきましては、公開しない方向で考えております。その理由は、見かけ上の点数を高めるために作為的な投資を行うなど弊害もときには考えられるわけでございまして、国等の公の機関がやっておいでのように非公開といたしたい、このように思っております。
○太田淳夫君 その資格審査の対象として外国の業者にも門戸は開放されているのか、あるいはまた外国業者から何らかの打診があるんでしょうか。
○説明員(花木充夫君) 外国の業者からの打診はございません。国内の業者からの問い合わせ等でございます。
○太田淳夫君 関係省庁職員の発注先工事会社への天下りについていろいろと問題がありまして、その改善が指摘されております。予算委員会でも大分問題になっておりましたが、公社でもそういった認定業者への天下りが多いと思うんですが、この際、国家公務員の天下りにおける規制等を勘案して見直す考えはないでしょうか。
○説明員(花木充夫君) お答えいたします。 天下りということは、確かにあちこちで指摘もされておりますが、公社の場合は、大部分の場合要請によって派遣しているということになっております。したがいまして、いわゆる技術的な知識を買われて行っているのだということで理解しております。
○太田淳夫君 公社の入札の大部分は、やはり電気通信設備という特殊性から指名競争入札になっていますけれども、この入札に当たっては、指名業者を従来よりふやす考えはないでしょうか。
○説明員(山口開生君) お答えします。 先ほど建設局長が答弁しておりますように、今回、認定の制度を公開いたしまして、なお、その採点についても従来と違って開放的にしてございます。したがいまして、その趣旨は、やはり力を持った業者の方が応募されれば当然それについては合格するものだと思っております。
○太田淳夫君 公共工事におきまして、その入札結果の公開が指摘されているわけですが、電電公社でも入札結果を公表する方向で考えるべきではないかと思いますが、その点どうでしょうか。
○説明員(花木充夫君) 現在、建設省の方でも御検討のようでございますが、国の方針に従って検討を進めたいと思っております。
○太田淳夫君 終わります。
○中村鋭一君 たくさんお尋ねしたいことがございますので、申しわけございません、答弁は簡明直截にお願い申し上げます。 太田委員も質問しておりましたけれど、電電公社大分よくもうかっている、三千二百億円もと言われておりますけれど、そのもうかった金をたとえば投資に使うか、借金返しに使うか、それとも利用者にサービスとして還元するか、こういった考え方があろうかと思いますが、ここでひとつ直截にお答え願いたいんですが、電話の遠距離料金の値下げについて具外的にいま検討されております金額、あるいはいつから実施したい、こういうめどがありましたら御答弁をお願い申し上げます。
○説明員(信澤健夫君) お答え申し上げます。 現在の日本の電話料金、市内通話料金は諸外国に比べて二分の一から三分の一ぐらいになっておりますけれども、遠距離料金につきましては、先生御指摘のとおり二倍以上高いというのが事実でございます。現在の日本の料金体系での問題点は、この遠近格差が諸外国に比べて大きいということと、それからもう一つ、単位料金区域内と外との間、その境目の料金の格差が、三分十円、その隣が八十秒十円ということで、そこの格差が大きいという問題、この二つが日本の電話料金体系での問題点として指摘されておるところでございますけれども、この料金水準の改定につきましては長期的な見通しを持ちながら検討を進めてまいりませんと、これは将来にわたってかなり大きな影響を及ぼすものでございますので、その辺の検討を進めながら、この二つの料金体系の将来の問題について現在慎重に検討しておるところでございます。
○中村鋭一君 ですから、私が簡明直截にと申し上げましたのは、同じ答弁は先ほど太田委員にしておられるわけですから、具体的に、たとえばことしじゅうにとか、少なくとも来年の三月末日までには遠距離料金の値下げはやりますとか、それはまだ未定の段階でありますとか、あるいはもうかった金を、パーセンテージで言えば投資にどれぐらい回すのか、借金返しにどれぐらい回すのか、そういうことがもし決まっておりましたらお答え願いたい、こう申し上げたわけです。もう一度お願いします。
○説明員(信澤健夫君) 五十五年、五十六年と二回料金の値下げを実施いたしました。夜間割引の拡大、それから昨年は遠距離料金の値下げと日曜祝日についての割引というのを実施いたしまして、その結果経営にどの程度の影響を与えているのかということについていま徐々にその影響が出ておるところでございます。昨年八月から実施した結果につきましても、少なくともことしじゅうの様子を見てまいりませんと、これがどのような影響を将来にわたって及ぼすものであるかどうかということについても定かではございませんので、先生いまおっしゃった御質問の趣旨から申しますと、現在まだ検討の段階であるとしか申し上げられませんという状態でございます。
○中村鋭一君 なるたけ早く遠近格差を是正して、やはり具体的に国民に対して、いま世界第二位の電話の普及率ですから、何とか利用者が納得できる形でサービスに還元していただきたいと思います。 ひとつ、個別にお伺いしますが、これは前の国会でも私お願い申し上げたんですけれども、例の自動車電話の料金ですけれど、何回かお尋ねして、いつも何とかひとつ前向きに検討したいと特有のテクニカルタームでお答えになるんですけれど、やっぱり私、自動車電話の料金は高いと思いますよ。いま普及状況は何台ぐらいになっていますか。
○説明員(信澤健夫君) 東京、それから大阪、さらにことし一月末に名古屋、三地域でサービスを開始いたしました。たしか一月末現在の状況で一万五千台程度になっておると存じております。
○中村鋭一君 そうしますと、当初からすれば非常に飛躍的に普及しているわけですよ。いまの料金体系は当初に策定された料金ですから、この前の御答弁でも、普及すればそれだけ当然ながら自動車電話の料金も値下げすることができる、そのような御答弁だったと理解しております。一万五千台というと容易じゃない数で、大分これ普及しているわけですから、自動車電話は料金を改定して値下げしてもいい時期に来ているのじゃないかと思いますが、具体的に検討しておられますか。
○説明員(信澤健夫君) 自動車電話の料金につきましては、やはり何といっても送受信機に当たる部分の値段が安くなりませんとなかなか安くすることができないのでありますが、この送受信機の価格につきましては、鋭意技術改良を重ねまして現在さらにコストダウンをするべく努力をしておるところでございます。 それから自動車電話全体としての収支計画は、これはつまり五年ないし六年ぐらいを見込みまして収支がバランスできるように当初から計画を進めておりますので、いまから見ますと、六十年ぐらいまでには現在の見通しては収支バランスがとれるようになることを私どもは期待しております。
○中村鋭一君 恐らく総裁の車にもついているだろうと思いますので、ひとつ、なるたけ早く値下げをしていただきますように、私の言っているのは自動車の電話料金の問題でございますが、安く利用できるように、ひとつお願いをしておきたいと思います。 それから私、新幹線でよく例の列車公衆電話を使うんですが、私自身の体験からしますと、赤ランプがついている間にまず百円を入れてください、そうすると交換が出ます、番号を言ってください、交換が指示しますからあと二百円入れてください、こうなっているんですが、あの場合、赤ランフがついたと思えば消え、もうしょっちゅうなんです。ついているから入れますね。入れたらぱっと消えてしまうんです。それからまた、話中にはっと混線のようになって切れたり、それから話中音なのか呼び出し者なのか判然としないような感じでなかなか交換が出てくださらない。こういう事実があるんですけれども、列車公衆電話の性能向上というんですか、利用者からすればまだまだあの列車公衆電話は使いにくい、音質も悪い。その点について現在どのように研究をしておられるのか、性能向上にどのように取り組んでおられるのか、お伺いしておきたいと思います。
○説明員(村上治君) お答えいたします。 東海道新幹線の列車公衆電話かと思いますが、これは現在の四百メガヘルツ帯の無線方式によってやっております。これは国鉄の業務用に使います無線設備のうち公衆電話にも使わしていただくということで、六波ほどちょうだいいたしまして公衆電話に使わしていただいているわけでございます。 いま先生、品質が悪い、あるいはときどき切れるという御指摘なんでございますけれども、私も、急遽の御質問でございますので、あるいはちょっと不正確な点があるかと思いますが、この場合には約九〇%程度が良好に通話ができるというような伝搬状況になっております。したがって一〇%は、ややその通話の品質がよくなかったり、よくつながらなかったりというようなことが起こり得ます。それが一つの原因でございます。 それからもう一つは、波が先ほど六波というように申し上げたのですけれども、その波を使いまして東海道、東京から大阪までこれでやっておりますので、もちろん幾つかのゾーンに切りましてそれを繰り返し使うようなことにはいたしているのですけれども、トラフィックが大変高うございまして、同じ波を使っている列車が接近したような場合には、どちらかを切りませんと使えないといいますか、混信してしまうということで、強制的に切断するというような場合がございます。その場合には、そういったことを予測しまして、列車が接近したなというふうなときには三分前に切断予報音というような音を出したり、それから本当に切断するときにまた切断音というようなものを出したりいたしますので、いろいろな音が出ますので、確かにおわかりにくい点があろうかと思います。 そこで、これの改善の方向でございますけれども、ことしの六月でしたでしょうか七月でしたでしょうか。東北新幹線が開業いたしますけれども、こちらの方では漏洩同軸方式という一種の有線の方式を使いましていたすことにいたしておりますので、ここでは先ほど申しました電波伝搬状況といいますか、それはかなり改善できるかと思います。九九%ぐらい良好な通話状態ができるように、そういう仕組みになっております。 それから先ほどの波の問題も、これは現在は六波程度を新しい方式の中でもいただくことにいたしておりますけれども、この場合には漏洩同軸という一種の有線方式でございますので、波にはまだ予備があるようでございます。したがいまして、これは国鉄の業務用での御使用の状況、それから公衆電話としての利用状況等を見ながら、もしそういった利用が多ければまたもう少し波をふやしていただくということも国鉄と協議の上でできるのではないか、かように考えております。 したがいまして、現在の東海道の方も、そういった東北新幹線での経験等から見まして、やはり漏洩同軸の方がよければそういったことも一つの解決の手段になるのではないか、それから四百メガヘルツという帯域で電波をふやすということも一つの解決の手段になるのではないか、こういうふうに考えております。いずれにしましても、電波をもしふやすとなれば、そういった周波数帯域であきがあるかどうかということでございますので、郵政省の方の電波の割り当てをいただかなければいけませんし、それからさらに設備をふやすというようなことにつきましても、国鉄の業務用の無線設備をお借りしているという状況でございますので、国鉄側とも十分いろいろなお話をした上でございませんと解決がつかないのではないか、このように思っております。
○中村鋭一君 各家庭の加入電話よりもわざわざ高い電話代で新幹線から電話をするわけですから、緊急度ははるかに高いわけですね。その緊急度の高いものが、たとえば赤電話とか家庭の加入電話よりも音質も悪ければ、さっき一〇%とおっしゃった、これはやっぱり容易でない数字だと思うんですよ。十回に一回は不都合が生ずるというのは、これは感心しないことでございますから、いまおっしゃったような方策を積極的にひとつ実施して、特に東北新幹線もさることながら、ビジネス特急が東海道新幹線なんですから、その優位性ということも、そういうふうに比較をするのはいけませんけれども、非常に大事なビジネス特急でございますから、その緊急性と優位性を考えて可及的速やかに改善に取り組んでくださるようにお願いを申し上げておきたいと思います。 労働省にお尋ねいたしますが、週休二日制、これは貿易摩擦がいま問題になっておりますけれども、こういった観点からしても、それから勤労者の労働条件からしても当然の時代の要請だと思います。時間短縮並びに週休二日制について、まず労働省の御見解、それから現在取り組んでおられる実施方針等についてお伺いしておきたいと思います。
○説明員(八島靖夫君) 先生いま御質問の時間短縮問題でございますが、労働省は、かねてから労働者の労働条件の向上、生活福祉の改善、こういう面から労働時間短縮に取り組んできたところでございます。特に先生いま御指摘の週休二日制につきましては、労働時間短縮のあり方として週休二日制と申すのは非常に労働者の労働条件の向上や生活の改善に有用である、こういう観点から労働時間短縮のあり方として特に週休二日制の普及ということを重点にしてまいったところでございます。 最近の状況で申しますと、三十人以上の規模の民間企業では、企業数にいたしまして四八%、労働者数にいたしまして七四%というふうに週休二日制の普及率はきわめて拡大しておるわけでございますけれども、やはり中小企業などではまだまだ普及がおくれているような次第でございます。それから最近の経済状況を反映いたしまして、ここ数年間に限って言いますと、週休二日制の普及のテンポはやや緩やかになっておるように私ども考えております。そこで私どもは、昭和五十五年、推進計画を策定いたしまして、この推進計画にのっとりまして、昭和六十年度までには週休二日制が何らかの形で一般化したと言えるぐらいの普及を図りたい、こういうことで現在、中央、地方を通じましての行政指導に取り組んでいるところでございます。
○中村鋭一君 役所についてはどうなんですか。たとえば農水省あるいは大蔵省、その大蔵省の監督下にあります銀行等についてどのように指導していらっしゃいますか。
○説明員(八島靖夫君) 公務員関係につきましては人事院の所掌でございますので、私どもここでとやかく申し上げることは差し控えさせていただきたいと思います。 なお、銀行につきましては、昨年の通常国会で銀行法の改正が行われまして、銀行における週休二日制への法的条件が整備されたという状況を受けまして、本年一月、私どもの労働基準局長が村本全銀協会長に対しまして、銀行における週休二日制、特に土曜閉店による週休二日制の促進方につきまして労働省の立場からの御要請を申し上げたところでございます。
○中村鋭一君 大蔵省は、銀行協会等についてどのように指導し、どのように現在実施を把握しておられますか、お教え願います。
○説明員(藤田弘志君) お答えいたします。 金融機関の閉店によります週休二日制の実施の問題でございますが、これにつきましては、やっぱり各界各層の国民的コンセンサス、これが得られることが大前提かと思います。特に手形、小切手決済制度、あるいは為替取引、これを土曜日休むことにつきまして中小企業等の同意が得られるかどうか、これがまず第一点の問題かと思います。二番目は、土曜日閉店によります。その不便につきまして預金者の理解が得られるかどうか。それから三番目になりますが、郵便局、農協、そういう異種金融機関、これと足並みがそろえられるかどうか、こういう問題があろうかと思います。 現在、労働省の方から話がございましたが、金融界におきましては、この週休二日制の早期実施の具体案といたしまして、月一回、土曜日、店を閉めるという案を精力的に検討しております。この月一回、土曜日、店を閉めるという案でございましたら総じて比較的無理なく実施できるとは思いますが、この場合でございましても、中小企業、預金者等利用者とか、あるいは郵便局、農協を含めての金融機関全体、かような各方面、非常に多方面にわたりますコンセンサスが必要であろうかと思っております。現在の段階ではこのような諸条件が整うめどが判然としておりませんから、この四月施行の銀行法等の政令では土曜日の閉店は書き込まない、しかしながら政府といたしましては、各方面でのコンセンサスが得られる見通しが立ちますればすぐにでも政令の手当てをしたい、かように考えております。 それで、今後の進め方でございますが、政府といたしましてもできるだけ早く政令の手当てが可能となるように努力してまいりたい。そのためには、現在、信用金庫、信用組合の職員について見ますと、これは店をあけたままのものでございますが、交代制による四週五休も非常におくれている状態にございます。ただ、この店を閉めます月一回の土曜日閉店を実施するためには、当面、職員の交代制による四週五休、これをもっと普及させることが必要じゃないか。とりあえず、この交代制による金融機関の四週五休の実施につきまして、信用金庫、信用組合につきましても本年中に全面的に実施されるよう強力に指導してまいりたい、かように考えております。
○中村鋭一君 ということは、これは新聞報道ですけれど、具体的には第二土曜、これは全銀協の方で決定していることなんですね。そうじゃないんですか。
○説明員(藤田弘志君) 全銀協の内部で第二土曜日か第三土曜日、どちらかにしたいということは聞いておりましたが、正式にまだ第二土曜日と決まったとは聞いておりません。
○中村鋭一君 実施はことしじゅうですか、いまちょっとおっしゃいましたけれども。それとも来年になるんですか。大蔵省の見通しはどうなんですか。
○説明員(藤田弘志君) 私がいま本年中と申しましたのは、信用金庫、信用組合につきまして、店をあけたまま職員の交代制による四週五休、これは信用金庫、信用組合につきましても全面的に実施されるよう本年中に持っていきたいということでございまして、月一回店を閉める金融機関の週休二日制でございますが、これは遅くとも来年中には政令手当てができるように努力したい、かように考えております。
○中村鋭一君 労働省はそういう見解でありますね、ぜひこれは時代の趨勢ですから土曜日は休みの方向に持っていきたい。大蔵省も銀行をそのように指導していらっしゃる。しかし、これはやっぱり並行実施でないと私は余り意味がないと思いますね。一方がやって一方がやらなくて、その間隙で鐘もうけするんじゃ、これ何にもなりゃしません。午前中福間委員からもあるいは質問があったかと思いますけれど、スーパーなんかは、ああそうか銀行が休むのか、そしたらわれわれ土曜日にいろいろその間隙を利してちっと利用者サービスをして金でももうけようかというような動きがもうすでに出ているわけですから、少なくとも銀行、それから郵便局、さらに農協関係の金融機関、こういったものが並行実施をしなければいけない、こう思いますが、農水省のこの土曜休日についての御見解と現在の御方針をお伺いいたします。
○説明員(中島達君) 農協あるいは漁協等の系統金融機関の週休二日制の実施問題につきましては、銀行等の他の金融機関がこういった制度に移行することとなった場合につきましては、こういった系統金融機関におきましても、それ自体のいろいろな特殊性はございますが、基本的には一般の金融機関と同様の措置をとるとの方向で検討する必要があると考えておるわけでございます。 この場合、いわゆる農協また漁協につきましては、御承知のように金融機関としての信用事業部門のほかに、いろいろ季節性の強い農業及び漁業生産に直接関係をいたします販売事業あるいは購買事業等の他部門の事業も兼営をしております。こういった事業体でございますので、信用事業部門につきまして週休二日制の導入を図るためには、やはり業務運営体制の整備等みずからの組織体制の整備が必要であるということでありまして、また、こういった組合員の自主的な組織であるということから、やはり最終的には組合員農家あるいは漁家の理解と協力を得ることが必要であるというふうに見ているわけでございます。 そこで、これらの系統の金融機関といたしましても、たとえば農協系統におきましては、東京に関係の全国連合会をもって構成をいたします週休二日制の検討委員会をすでに設置いたしております。それからまた漁協の系統におきましても、信用事業の基本対策委員会というものの中でそれぞれ前向きに検討を進めているところでございますが、ただ、いろいろ他部門の事業も同時にあわせ行っているというようなことがございますので、週休二日制を完全に実現するというための条件を整備するにはある程度の時間が必要ではないかというふうに見ているわけでございます。 なお、農林水産省といたしましても、冒頭にお答え申し上げたとおり、こういった諸般の情勢を踏まえまして、系統金融機関の週休二日制につきましても検討がなされていくよう今後とも十分指導をしてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
○中村鋭一君 この系統金融機関の現場の受けとめ方といいますか、それを一言お答え願いたいんですが。非常に積極的にやっていこうというあれなのか、問題がまだまだ多いから、ちょっと待ってくれと言っているのか、一言。
○説明員(中島達君) そこは私まだ、現場におきまして組合員あるいは単協の職員あるいは執行部がどの程度の認識に至っているか、これはちょっと私ここでお答えをするほどの知識といいますか、感覚はまだ持ち得ておりませんが、先ほど申し上げたように、中央におきましては、すでに委員会を設けてそれの検討を進めようということでございますので、末端に浸透するまでには多少の時間がかかるとは思いますが、やはり週休二日制が時代の趨勢であるということにつきましては大分理解が得られつつあるというふうに見ているわけでございます。
○中村鋭一君 大蔵省、銀行はどうですか。銀行の働いている従業員の皆さんやあるいは銀行の幹部の皆さん、この週休二日制についてはどのような反応が返ってきておりますか。
○説明員(藤田弘志君) 先ほど御説明いたしましたように、全銀協としましては、この週休二日制というのは世界の大勢でございますからこれはぜひ進めたい。職員の方も当然それは強く望んでおるわけでございます。ただ、金融機関といたしましては、先生おっしゃいますとおり、金融機関というのは全体として一つの信用秩序を構成しております。農協も郵便局もやるときは一緒にやりたい、これを非常に強く希望しております。
○中村鋭一君 ありがとうございました。労働省、大蔵省、それから農水省、御苦労さんでございました。 大臣、いまお聞きのように、農水省も大蔵省も農林関係の系統金融機関も、そして銀行、証券会社はもちろん、すでに実施をしているところも多いわけでございまして、非常に前向きに積極的に時短と週休二日制にはおおむね足並みがそろいつつあるわけですね。サービス、それも人手によるサービスの提供が大部分である郵政業務につきましては、特に働いている皆さんの労働条件の向上、それが人的関係、ヒューマンリレーションというんですか、こういうものにも非常に大きな関連を持ってまいりますし、それから冒頭申し上げましたように、貿易摩擦等から考えても、この週休二日制はまさに時代の要請であろう、こう思います。したがって、ここで郵政省としてのこの週休二日制についての御見解をお伺いいたしたいと思います。
○政府委員(奥田量三君) ただいま先生もおっしゃいましたとおり、郵政省の仕事は人手に依存して運営されるという度合いが非常に強うございます。またサービスそのものが日々の国民の皆さんの生活に直結しているというようなことでいろいろ問題はございますが、同時に、これも先生おっしゃいましたとおり。従業員諸君に気持ちよく働いてもらうために週休二日制の実施について努力をいたしているところでございます。数年来、いろいろな機械化、合理化等の施策と並行いたしまして、現時点で、郵便局にいたしまして約二千局余り、職員数で十万人程度につきましていわゆる四週五休制度の実施を見ているところでございます。さらに来年五十七年度中に約六万人の職員について新たにこれを導入する。これによりましておよそ職員数の六割程度に達する見込みでございます。しかしながら六割という数字は、他の企業あるいは一般公務員等に比べまして必ずしも非常に進んでいるとは残念ながら申せない状況でございます。今後とも要員問題、財政問題あるいは機械化、合理化等の問題、またサービスの問題、何よりも国民の皆さんのサービス上のコンセンサスというふうな問題もございますが、それらに総合的な検討を加えながら職員全般にこれが行き渡るように鋭意努力してまいりたいと考えているところでございます。
○中村鋭一君 大臣も基本的なお考えを、もしよろしければお聞かせ願いたいのでございますが。
○国務大臣(箕輪登君) ただいま局長からお答えしたとおり、鋭意四週五休、これは努めてやっております。それで、お答えいたしましたとおり、五十七年度で大体六〇%ぐらいこれができるということでございます。ただいま農水省の方も答弁されましたように、銀行とちょっと違うのは、非常に小さい局がございまして、そこで兼務をするのですね。郵政事業は貯金だけじゃございませんものですから、郵便だとか小包だとか、あるいはまた保険事業だとか、兼務でやっているところが非常に多いものですから、他のように大変進捗率がいいというわけにはいかないわけでございまして、それらも努めてこれから機械化をしたり改善を行いつつ四週五休、これにひとつ協力していこう、こう考えているところでございます。
○中村鋭一君 まさに、いま大臣もおっしゃいましたように、それは仕事がいろいろあるわけですから、これは具体的に考えてまいりますと、一律に何でもかんでも週休二日制、最初はそういうふうに踏み切ることはできないと思います。そこで、分けて考えまして、貯金業務だけを行うのか。じゃ保険や年金はどうするのか。簡易局も含めますとおよそ二万二千局と私、伺いました。この郵便局の貯金窓口を、じゃ一斉に閉めてしまうのか。それから特定郵便局の問題がございますね。これ総合服務ということが言われておりますね。局員さんの少ないところは、本当にお父ちゃんとあと二、三人で何もかもやっておられるわけですから、これを一斉に閉めてしまうということは、なるほど理想としてはそれがいいんでしょうけれど、一気にはいかないと思いますが、貯金業務から入るおつもりなのか。その辺の御見解をちょっとお聞かせ願います。
○政府委員(鴨光一郎君) 先ほど人事局長からもお話しいたしましたように、郵便局は、貯金以外、郵便あるいは簡易保険の仕事もいたしております。一体として運営をしておるということから社会、経済全般に与える影響あるいはサービスといった問題で、窓口を閉めますことにつきましてはいろいろ問題がございます。何よりも国民のコンセンサスが得られるであろうかという問題。それから先ほど大臣からもお答え申し上げましたように、一体的な運営をしているということから貯金だけをというわけにはいかないであろう、このように考えております。 なお、簡易局につきましては、これは委託契約を結んでおりますので、この契約上の問題ということで処理をしていくという意味では、普通局、特定局を含めました問題とはいささか別な形での対処になろうかと思います。 なお、先生おっしゃました特定局という問題は、これは普通局も含めまして特に金融機関という立場での問題は、先ほど申しましたように他の事業との兼ね合いもございますけれども、他の金融機関との兼ね合いという点で申しますと、やはり私ども国民のコンセンサスを得ながらサービス水準をできるだけなおかつ維持をしながらということが条件であろうかと思っております。もちろん民間金融機関におきまして土曜日閉店、ただ、現在の段階では四週五休という中での土曜日閉店というふうに承知をいたしておりますが、そういった面での検討が進められているということは私どもも承知をいたしております。したがいまして、現在この問題につきましては、省内で郵便局の土曜窓口のあり方に関する検討対策小委員会というものを設けまして、先ほどから申し上げておりますような郵政事業にふさわしい土曜日閉庁のあり方というものを検討しているところでございます。
○中村鋭一君 複雑多岐なことは私も十分理解できることですから慎重に検討、大いに結構なんですけれど、仮に銀行が完全週休二日に踏み切った場合は、少なくとも郵便局の貯金業務の窓口は土曜日完全閉庁というふうにしなければならない、私はそう思うんですが、大臣、これは御確認願えますでしょうか。
○国務大臣(箕輪登君) 御指摘の問題については、貯金窓口に限って窓口を土曜日も閉鎖するという問題については、これは民間金融機関もまだ検討が進んでいないと私は承知をいたしております。国家公務員の週休二日制、これについても四週五休を実施している段階でありまして、まだ完全には行われていないことは先生も御承知だと思います。郵政事業については、郵便、貯金、保険、この三事業一体として運営しているところから、そのバランスを十分考慮する必要があるだろうと思うわけであります。このような貯金に限っての完全週休二日制については、今後、全体の諸情勢を勘案しながらさらに慎重な検討を加えてみたい、こう考えております。
○中村鋭一君 私は、前提として銀行窓口が完全週休二日制に踏み切った場合、さらに言えば系統金融機関ですね、農水関係も完全週休二日制に踏み切った場合は、少なくとも郵便局の貯金業務の窓口は土曜完全閉庁ということをやらなければならぬのだし、それを御確認願えないか、こういう意味なんですけども。
○国務大臣(箕輪登君) ただいま申し上げましたように、民間の金融機関あるいは農協、漁協等の系統金融機関、それらもまだ完全に毎週土曜日閉庁ということはこれは検討していないと私は承知しております。しかし、先生の御質問のように、もしそうなったら貯金窓口だけは閉めるだろうなということでありますが、先ほどお答えいたしましたように、諸情勢というのは、そうした系統機関、金融機関やあるいは民間の銀行あるいは信用組合、そういった諸情勢を見ながら私どもも対処していくように慎重に検討していきたい、こういうことでございます。
○中村鋭一君 貯金局長、何かそれについて御意見ございますか。
○政府委員(鴨光一郎君) ただいまの大臣のお答えで尽きるわけでございますが、なお補足的に申し上げさせていただきますと、先ほど御説明いたしましたように、私ども時間短縮あるいは週休二日制というのが時代の趨勢であることは十分承知をいたしておりますけれども、当面の問題といたしましては、まずは四週五休という形の中での土曜閉庁というものをどのようにやっていくかということが当面の先決課題であるという状態でございます。
○中村鋭一君 そこで、これは一つの提案なんですけど、簡易局も含めておよそ全国二万二千局、これ貯金業務一斉に土曜閉庁、それはなるほどいろいろ未経験なことがありますから大変だと思いますが、そこで、およそ全国で二千局ぐらいと私承知しておりますけれども、大都市のビル街の中で営業しております郵便局ありますね。大都市の大ビルはいわゆる大企業が入っておりますから、民間企業はほとんど土曜休日に踏み切っている会社が多いわけですね。現実に土曜日はそういったビル内の郵便局は閑古鳥が鳴いているわけですわね。だから、そういうところでまず試験的に土曜閉庁に踏み切る。これはトライ・アンド・エラーとでも言いますか、そこで不都合が出てきたら、それを是正しつつそれを日本列島全般の郵便局に及ぼしていく、こういうような考え方についてはいかがでしょうか。
○政府委員(鴨光一郎君) 現在のところ、先ほどから申し上げておりますように、民間におきましても当面は月一回ということで土曜閉店の問題を検討されているということで私ども承知をいたしておるわけでございます。 いま先生の御指摘のありました問題につきましては、先ほど大蔵省でございましたか、お答えの中にありましたように、郵便局につきましても郵便貯金という貯蓄手段のほかに為替あるいは振替といった送金、決済手段という問題もございます。そういった面からいたしますと、部分的な閉庁ということでいけるのかどうか、あるいはそのことが国民の皆様方のコンセンサスあるいは業務上の都合といった面でどのようなことになるのか、そういった問題を含めまして、いま鋭意検討いたしているというのが実情でございます。
○中村鋭一君 いまの局長の鋭意という言葉の強め方に、私はニュアンスとして期待をしておきたいと思います。何遍も皆さんおっしゃいますように、これは時代の要請でございますから、やはり労働者の労働条件の向上と、全般ににらみ合わせて土曜日に皆さんが休めるような体制を早く郵政省としてもおつくりくださることをお願い申し上げておきたいと思います。 電電公社と郵政省にお尋ねをいたします。 迷惑電話、これはもう本当に日本のように電話が普及してまいりますといろいろなケースが出てまいります。たとえば誘拐をいたしまして人質をとります。脅迫の電話をかけてまいります。当然これは刑法に基づきまして逆探知ということがされるわけでございますけれども、現在、電電公社が把握しておられます迷惑電話のいわゆる件数、これがわかっておりましたら、まずお教え願いたいと思います。
○説明員(信澤健夫君) お答え申し上げます。 先生御指摘のとおり、いろいろな形での迷惑電話あるいは嫌がらせ電話的なものが最近かなり発生をしてございます。ただ、この迷惑電話、嫌がらせ電話というものについての電話局に対する申告件数というのは現在各電話局ごとで把握はしておりますが、全国トータルで何件あるかということについては現在把握をしてございません。
○中村鋭一君 時間が参りましたので、一つだけお尋ねしておきます。 二重番号サービスというのを、この迷惑電話を防ぐ手段としてお考えになった。迷惑電話がかかってまいりますね。そうすると、一つの電話に二つの番号を登録しておきまして、表の番号へ迷惑電話をかけてもこちらで裏番号に操作をしておきますと電話がつながらない、これが二重番号サービス、迷惑電話を防ぐ決め手と伺いました。これを電電公社はぜひ実施したい、七百円ぐらいでできるということなんですが、これは郵政省がどうしても許可しようとしないということなんですが、郵政省、どうして許可しないんですか。
○政府委員(守住有信君) まだ具体的でございませんので許可をする、しないということではございませんが、私ども、郵政審議会等々でも長い間議論のあったところでございますので、その点だけをちょっと申し上げたいと思います。 電話というものの基本的性格、基本的理念にこれはかかわる問題になってこようかと思いますけれども、本来、発信者側の選択によりましていってもどの電話にもつながるといういわばオープンシステムとして電話社会が成り立っておるわけでございますが、その反面、着信者もその全国的な電話システムに加入する以上、ある程度まではこの電話の特性を受け入れるということになってこれは成り立っておるわけでございまして、これに対しまして二重番号サービスというものは、着信者側が発信者を選択いたしまして、それ以外の者からの着信を一切遮断するというシステムになるわけでございます。したがいまして、電話の備えておる特性と申しますか、いわゆる電話社会の通念と申しますか、相互コミュニケーションの基本ルールに反する問題を実ははらんでおるわけでございます。 実は、その基本ルールに反して迷惑電話、嫌がらせ電話が行われるわけでございますけれども、一部の迷惑電話のために全体的なシステムを受信者側の自由な選択によって遮断していいのであろうかという側面があるわけでございますので、したがって二重番号サービスを実施するに当たりましては、やはりそのサービスを提供する範囲をどこまで認めるか。たとえば病院とか公共機関等々いろんなものが考えられると思いますけれども、そういう範囲の問題、いわゆるオープンシステム、開かれた体制のものとの関連でどこまで認められるかどうか、あるいはまたどのような条件のもとでこういうシステムを認めていっていいのかどうかという基本的な論議があるところでございまして、こういう側面につきましてもこれは社会学、いろんな、単に技術だけの問題でございませんので、広い学識経験者からの意見も聞くように電電公社に対しまして指示しまして、電電公社もいまそういう角度の備えが十分必要だということで、検討を頼んでおるということでございます。 しかしまた、他面……
○委員長(勝又武一君) 簡潔にしてください。
○政府委員(守住有信君) 迷惑電話の被害というもので困っておられる方々もございますので、こういう点も両面含めて検討してもらっておるという状況でございます。
○中村鋭一君 これにつきましてはいろいろ私も意見がありますし、いまの御見解にも異論もございますけれど、時間が参りましたので質問を留保いたしまして、きょうはこれで私の質問終わります。
○山中郁子君 郵政大臣に御出席いただく初めての機会でございますので、初めに、大臣の政治姿勢にかかわって一言お尋ねをしたいと存じます。 初めて大臣に就任されたときに、これは私たまたまテレビを見ていたんですけれども、感想を求められたときに郵政大臣がこういうことをおっしゃったんですね、一番最初に。郵政大臣のポストは、私があこがれていたものだと。それほど熱烈な郵政事業に対する関心をお持ちの方が郵政大臣になられるのはそれは結構なことだと思いましたら、その中身が、故佐藤榮作氏、田中元総理、鈴木総理、それぞれが郵政大臣になられた名門ポストである、私はこういう尊敬する人々がなったポストに大臣としてつくことができるのは大変うれしい、こういうことをおっしゃったんですね、私もびっくりしたんですけれども。 きょう所信の表明が行われたわけですけれども、事もあろうに、刑事被告人田中角榮が郵政大臣をやった、そのことが理由で尊敬する田中角榮がなっていた郵政大臣のポストだからあこがれていたと。しかも、ロッキード裁判が間もなく田中角榮有罪で出るだろうということが大方の伝えられているそういう状況のもとで、大臣になられた感想の一番最初の御意見がそういうものであるということは、余りにも私は国民をばかにし国政をばかにしていることだというふうに思いましたけれども、田中角榮のどこを尊敬して何にあこがれていらっしゃるのか、ちょっと聞かせてください。
○国務大臣(箕輪登君) 私は、先生と見解を異にしておりまして、尊敬いたしております。非常に郵政事業について理解を持っております。田中先生は、郵政大臣をやっておられますし、しかも非常に行動力のある、学校は出ていないけれども、非常によく物事を知っていて政治家としては尊敬すべき人だ。しかし、いまロッキード事件の話が出ましたけれども、これはまだ犯罪は確定しておりません。どうしてその人を、たとえば疑われている人を尊敬しない、軽べつするということは、私は法の理論からいってもおかしい。犯罪は確定していないじゃないですか。私はそのように考えるのです。
○山中郁子君 少なくとも五億円の賄賂をもらったといって逮捕されて起訴されたそういう人物を、しかも判決を間近に控えて、有罪判決が多くの方によって伝えられているそういう状況で、あなたが大臣に就任されて開口一番言われたことがそういうことであるというのは、まさに政治家としての姿勢が問われるものだということを指摘しておきます。 それで、きょうは私は、本日の委員会でもすでに論議が交わされ、最近相次いで報道もされたりしております電電公社の経営形態について、公社並びに郵政省の見解をただしたいと思います。 これは御承知のように、経団連、公社、郵政省、それぞれに文書による提起が行われております。電電公社も二月二十六日に臨調第四部会に対して「経営形態に関する勉強の状況について」ということで文書を提出されました。この文書は、拝見しますと経営形態について四つの設問をして、それでそれに対しての公社の見解をまとめているものです。一つは、経営形態についての基本的な考え方。二つ目は、公社の国家的、社会的責務と、その使命を果たすための経営の効率化施策。三つ目は、現行公社制度でそれができるのかという問題。四つ目は、改善を図るための三つの方式というものを提起されています。この四つ目の改善を図るための三つの方式というのが新聞などでもたびたび報道されている。一は特殊会社方式、二は民営会社方式、三は公社制度改正方式ということで挙げています。 まず、この具体的な問題についてただしたいのですけれども、「現行公社制度においてこれらの国家的・社会的責務の履行及び公共的使命を果たすための経営の効率化施策の遂行は可能か。」という問題がまずあります。そういう設問を公社がして、そして、ここでは公社の見解として現行公社制度の歴史的運用実態においての基本的問題点として四つ挙げていらっしゃるんですね。その一つは、端的に言えば予算が官庁並みに決められていてダイナミックな経営が困難だ、こう言っておられる。この具体的例として、人件費に関する収入支出予算弾力条項の発動が形骸化している、それからまた三公社五現業の一括横並び処置が強制されているということを挙げておられます。 そこで、お伺いしたいんですけれども、弾力条項の発動の形骸化あるいは三公社五現業の横並びを強制されているということを挙げて、公社がここで言いたいことはどういうことなのか、端的に説明をいただきたい。
○説明員(小川晃君) お答えいたします。 電電公社も、御承知のようにこれまで公共性を確保するとともに、民営の能率的な経営技術というものを取り入れまして自主的な経営活動を行うという企業体としてつくられまして、その後、公社制度の中で、わが国の経済社会活動の著しい発展に応じまして、これに伴って技術革新による合理化等も推進いたしました。かつまた、四千万に上ります加入者の建設工事のための膨大な資金調達、こういうものもやってまいりました。多いときは年間三百万戸を超える電話の架設をやるというようなことで、社会資本としての電話機も量的に拡大してまいりました。しかし、御承知のようにすでに積滞も解消いたしました。かつまた自動化も完了いたしました。しかも、高度成長経済というものがいよいよ低成長に入ってまいりました。そういたしますというと、これまでの公社制度をそのまま踏襲してやってまいりますと、これから公社はデータ通信その他宅内機器等におきましても競争の問題が出てまいりますし、また、これまで毎年相当多数の要員をふやしながらやってまいりましたけれども、次第にこの増員というものもむずかしい。むしろ臨調からはできるだけ要員というものを節減しながらやっていくということを求められておりまして、またわれわれとしても新しい技術革新というものを考えますとそういう方向で考えていく必要があるということから、これまでの制度というものを見てみますというと、いま先生御指摘になったような面におきまして、われわれとしてはやはりあくまでこの公社制度におきますこの制度の硬直化といいますか、こういう点をどうしても改善しなければならないという考え方に立たざるを得ないわけであります。もともとこの予算制度といいますのは、どうしてもやはり拘束予算制度になっております関係上、単に人件費だけでなく経費全般につきましても、予算があるからそこで消化するというような考え方、また予算がないからできないというようなそういう硬直的な考え方というものにどうしても支配されていくということになるわけでございまして、また人事管理等の面におきましても……
○山中郁子君 ちょっと簡単に、余り時間とらないで。
○説明員(小川晃君) そういった拘束のために弾力的な企業経営に制約を及ぼすというような点を私どもとしては感じておるところでございます。
○山中郁子君 弾力条項発動の形骸化あるいは三公社五現業の横並び、これがあるからダイナミックな運営ができないんだ、こうおっしゃっているんだけれども、それはだから何を意味するのかと私伺っているので、お答えは見当違いで、限られた時間で時間ばかりとられるのは大変困るんですけれども、いまおっしゃった範囲でも、弾力条項の発動が形骸化しているというのはこれは政府の責任、行政の責任であって、公社としての経営形態の問題じゃないでしょう。 それから三公社五現業横並びで、それがいろんな点であなた方がおっしゃるような問題があるというならば、問題として私が指摘したいのは、公社の賃金水準は非常に低いですよ。私は自分で経験しているからよくわかりますけれども、いまは生活保護基準並みではないかということさえ多くの労働者によって言われている状態です。この根源はやはり政府の賃金抑圧政策、そうしたものが根本にあるのであって、経営形態の問題じゃない。二つともに経営形態の問題ではないということを私はここで指摘したい。あなたの御答弁でも、それが経営形態によって、公社の経営形態がもたらすものの弾力条項発動の形骸化であるということは何も論及されていないんだから、あり得ないということですね。 それから二番目に、事業内容の変化を挙げて、効率的事業運営のためには、公労法による従来の慣行的統制のもとでは弾力的、機動的対応が困難だ、こういうことを言っておられるのね。公労法による従来の慣行的統制のもとではだめだ、これはどういう意味ですか。前置きはいいですから、これがどういうことを意味するのかだけ端的にわかるように答えてください。
○説明員(小川晃君) 御指摘の公労法的な慣行のもとではという点についてでございますが、現在、公労法につきましては三公社五現業の労使関係というものを統制しているわけでございますけれども、この三公社五現業というものは、それぞれその中身を見てみますと、事業の設立の目的なり内容、実態というものがきわめて相違をいたしておりまして、一つは、たとえば国の税金、こういったものを使用して事業をやる、あるいは融資をやるとか、あるいはまたさらには私どものようにお客様からいただきました料金によりまして独立採算制の事業をやるとか、さらにはまた専売公社のようにたばこから税金というものを確保していくというような専売事業による税金の収納、それぞれ目的が違っておりまして、こういったそれぞれの企業の労働関係というものを統一的な公労法によって統制するということになりますというと、きわめてそこに画一的な処理というものがなされますというと、それぞれの企業が弾力的な事業運営をやりまして、利用者、私どもでありますと電信電話の利用者のための企業活動というものが、きわめて統一的な処理によりまして阻害されてくるということを申し上げたわけでございます。
○山中郁子君 賃金について言うなら、そうすると、調停、仲裁という決定方法でなくて、公労法による統一的な制約というのではなくて団体交渉で決めたい、こういうことになるわけですか、あなた方がここで言わんとしていることは。賃金決定問題について言うならば。
○説明員(小川晃君) 賃金につきましては、公労法上でも私ども労使交渉によりまして賃金は決定するという原則に立っておりまして、したがいまして団体交渉を行うわけでございますが、この交渉がまとまらないときは調停あるいは仲裁によって決定するということが原則になっておるというふうに思っております。
○山中郁子君 私が聞いているのは、ここで言っている、「公労法による従来の慣行的統制のもとでは、このような全般的な事業の変革に即応した弾力的・機動的対応が困難」だと考えていらっしゃる中に、賃金の問題に関して言うならば、調停、仲裁ということでなくて自主交渉でやるということによって機動的、弾力的対応が保障される、こういう意味ですかということをお伺いしている。
○説明員(小川晃君) 私どもとしては、賃金その他の労働条件につきましては、団体交渉によって第一義的にはやはり決めることが一番望ましいというふうに考えております。
○山中郁子君 それは、公労法の八条で保障されているわけですよね、いまあなたもおっしゃったように。それで、もしそれが調停、仲裁のコースになってきて、公労法の統一的制約を受けるというふうにおっしゃるならば、それはやっぱり政府の責任、行政の責任。最初にあなたがるるおっしゃった事業内容の問題についてもそうです。何ら具体的に公社の経営形態によって生み出される障害ということの論証にはならないんですよね。私は、そのことを申し上げている。だから、したがって憲法で決められた労働基本権、団体交渉権ですね、それがもっともっと尊重されなきゃいけないし、公労法自体が結局憲法に反してこうした労働基本権を侵しているというのが私たちのかねてからの主張ですけれども、その点については電電公社もそういう観点で公労法の制約というものは取り除くべきである、こういうふうにお考えなんでしょうか。
○説明員(小川晃君) 私どもが臨調に三つのケースにつきまして勉強いたしました結果を資料として提出したわけでございますけれども、私どもは、現在の公社制度のもとにおきましてこのままでいいというふうには考えておりませんで、これまでもいろんな機会に拘束予算制度の問題、その他公労法上の画一的な取り扱いの問題、こういったことにつきましては主張してまいったわけでございます。これが経営形態を直さなければできないかどうかということにつきましては、臨調なりあるいは政府、さらには国会の御判断にゆだねるべき問題だと考えておりますが、私どもとしましても、当事者としてこれを是正していくにはどういう方法があるかということにつきまして、民営化を含めて検討するという臨調のお考えに沿いまして、現行方式による場合、民営化による場合、あるいはその中間の特殊会社による場合という三つのケースについて、それぞれ考えてみますとこういうことになるのではないかということを資料として作成して提出したものでございます。
○山中郁子君 あなた方が問題だとして、こういう内容の問題があるんだということでここで述べられているから、それは私は、いまの公社の経営形態から固有に生み出されてきている問題じゃない。政府の姿勢あるいは公社の姿勢、そうしたものとの関連で生み出されてきているものである、あなた方が理由として挙げるものも。そういうことを、いま一つ一つ指摘をしています。いずれにしても、実際問題として幾つかの点でいまの公社の経営形態じゃだめなんだということをあなた方がおっしゃっているわけだから、実際には、だめだというふうに言っていらっしゃる一つ一つのことが決して公社の経営形態固有に出てくる問題じゃなくて、行政の姿勢その他から出てくる問題だということの認識がなければまずかろうと思います。 もう一つ、三番目に公社が言っていることは、公社が設備産業だから、経営の唯一の弾力性は人事労務管理のあり方によって決まると、かなり明言されているわけですね。しかし、人事労務管理面での硬直性があるから弾力性が生み出されない、こう言っているんですけれども、人事労務管理面での硬直性というのは、ここであなた方がおっしゃろうとしていることは何ですか。わかるように言ってくださいね。
○説明員(小川晃君) ここに理由として四つ挙げでございますが、その中の三つ目にいま先生御指摘の点がございます。ここで述べておりますことは、私どもの経営というものを極力機動的な効率的なものにしようという考え方をして見てみますというと、そこにございますように、財務的にこれは主として見たわけでございまして、減価償却費でおりますとかあるいは金利でございますとか、その他固定的な経費、こういうものが、ほとんど設備産業でございますので過去の設備投資によって必然的に決まってくる。そういたしますというと、これが大体五十数%になりますものですから残りの四十数%、この中のうちの三五%というものが人件費になっている。したがって、その人件費部分というものの効率を上げる。やはり労働効率を上げていくことによってよりよいサービス、また収支の改善、こういったものにつなぎ、ひいては利用者の方にも喜んでいただける電気通信事業にできるという意味で、やはりこの経費面からみますというと、こういった職員に喜んで職場でがんばってもらう、そういう能率を上げていただくということ、このことにやはり大きな眼目を置いて今後経営をする必要があるという、財務面から見た一つのこれは理由でございます。
○山中郁子君 やっぱり依然としてわかりやすく話してくださらないんですけれども、「経営の唯一の弾力性は、人事労務管理の在り方によって決せられる」、そのほかのところはもうだめなんだ、こうおっしゃっているわけでしょう。だから、それじゃこれは何を意味するのかと私、聞いているんです。 それで、「安全労レポート」三月五日号に、児島職員局長が話をしているのが出ているんですけれども、これを見るとわりあいわかりやすいんですよ、あなた方の言うことが。こういうふうにちゃんと言ってもらうといいんだけれどもね。「給与総額を超えなければいいというので、今の要員を二割減らして、それで浮いた金を職員に一割ずつ積んでやるとすれば、ヤミ給与ということでしかられる。それが果たしてヤミ給与という言葉で言えるものかどうなのか。」、こういうふうに言っておられて、「給与総額を守らねばならないとするなら、その手段をわれわれに考えさして下さいと言っているのである。」、児島職員局長がこういうふうに述べておられるんですね。つまり人間を減らしてその金を自由に使わせてくれ、そこから人事労務管理面における弾力性が生み出されるんだ、こういうふうにおっしゃっているんですね。こういうことなんですか。児島さんの話によると、そういうことのように聞こえますね。
○説明員(児島仁君) ただいま私がちょっと雑誌に話ししましたことが出ましたが、一口で簡単には申し上げられませんが、要は、職員に生き生きとして働いてもらうという場合にいろんな問題があると思います。私どものところは非常に職種が多うございますから、基本賃金のほかに職種別に一定の差をつけるということも必要でございますし、それから今後仕事の内容がどんどん変わっていきますと、その職種別の仕事の変化というものがほかの職種と非常にまた変わってくる。そういったことで、わが社の場合は特にロングレンジで見ますと、賃金問題、特に職種間に一体どういう差をつけるべきかあるいは差をつけないのが適当であるか、そういったことが非常に重要なことになってくると思います。 同時に、それじゃ賃金水準そのものをどうするかということはまた別にあるわけでございますが、それは先ほどから話が出ておりますように、給与総額の中ではとうてい大きなベースアップというのはできないということになりますと、これは公労委にゆだねられるということにもなります。一口では申し上げられないいろんな問題がありますが、要は、私の考えとしては、企業として職員に生き生きとして働いてもらうというのは経営当事者としての義務であろうと思っています。その義務を果たすために、何からでも、すべてから自由になろうとは思いませんけれども、一定の制約のもとの中でできるだけ知恵を働かしていきたい、その知恵を働かしていくための方途というものは一体この場合どういうものが許されるのだろうか、そういったことをいま模索し、かつ考えをまとめておるというところでございます。
○山中郁子君 職員に喜んで働いてもらいたい、そこのところで、あなたがここで要はとわかりやすく書いていらっしゃるのがいま私が読み上げたところです。つまり予算が決められ、お金が決められているんだから、人数減らして、そしてその分上積みするというようなことをやらせてくれたらいいじゃないか。ここには要員を減らすという、自由にあなた方が減らしたいという、そういう大問題が一つあるんですよ。 それから賃金の問題に関して言うならば、つまり職員にもっと喜んで働いてもらいたいということは、いまの電電公社の賃金が安いということでしょう、あなた方もお認めになるとおり。私は、そういう点に関して言うならば、さっき申し上げました政府の低賃金政策、その基本的な問題が一つある。電電公社の視点もあります。しかし、職員に喜んで働いてもらえるそういう職場にしたいということをいまのようなことでおっしゃるとすれば、それは余りにも白々しいと言わなければいけないということなんです。 いま公社の人事労務管理上の問題の本質は何かと言えば、そんなところにあるのじゃないんです。低賃金もちろんありますよ。だけど、人事労務管理上の問題といえば、その本質は、私、何回もこの逓信委員会でも取り上げてまいりました。それからいろんなところで問題にしてきましたし、一番最近は通研の思想差別の問題も申し上げましたけれども、ここで繰り返しませんが、もう一切全国の現場機関から通信部、管理部、それから通信局、本社、研究機関に至るまで、思想、信条によって、あるいはまたそのことが気に入らないからといって徹底した差別をして、人事任用や職務配置などに至るまで排除したり差別したりすることをやってこられて、ちっともそれが改善されてないということなんです。そのことは私、何回もここで申し上げましたし、あなた方はそのたびに、そういうことはあってはならないことです、もしあればそれは直さなきゃいけないというふうに何回もおっしゃる。だけど、現実の問題として何ら解決していない。そして労働者全体の権利を抑圧する、低賃金の強制を図る。そういう土台になっているのが、まさに電電公社のいま言う公社の人事労務管理上の問題の本質なんです。 そういうことは、公社の経営形態だから差別しなきゃならないなんという理由はどこにもないでしょう。公社だからこそ、公共企業体だからこそそうした差別がほんのわずかでもあってはならない、よけいね。それはどこだってあっちゃなりませんよ。だけど、公共企業体だからこそそういうものが一層あってはならないということが言えこそすれ、公社経営の経営形態からいってそういうものが出てくるから経営形態考えなきゃいけないみたいな問題になりっこないんですよ。私は、ここで、あなた方よくも麗々しくこの人事労務管理面における硬直性、これが問題だというふうに言えたと思います。そして、そういうことが公社の経営形態を変えなきゃいけない理由だなんてとんでもない話だ。いかがですか。
○説明員(児島仁君) 私ども、職員管理上いろいろ制約その他があるというとらまえ方は、先生がいま御指摘なさいましたような硬直性という言われ方でのとらまえ方ではないわけでございまして、私ども、特別に職員の一定の者を差別するとかといったことは当然あってはならないと思っておりますし、また過去にやったこともございません。今後もやる気はございません。この問題は、当然のことながら経営形態が現行のままであろうと経営形態が変わろうと同じように差別があってはならぬというふうに思っております。
○山中郁子君 私自身も経験者でありますけれども、きょうこちらの傍聴に見えていらっしゃる女性の方たち、みんなその生き証人ですよ。思想、信条を理由にして、場合によったらありもしないことも含めて、そういうことを理由にして十年、二十年任用の差別、そういうものが一貫して公社では行われているんですよ。そういうことをあなたたちが知らないはずないんです。それにもかかわらず、こういうことを言って、労務管理上の本質がそこにあるみたいなことは全くうそもはなはだしいということを私、重ねて申し上げておきます。 きょうはこのことにだけ時間を使うことはてきませんので、あわせてこの問題に関して一言申し上げますけれども、昨年来、私も国会で取り上げてまいりましたが、近畿電電の不正経理の問題がありました。十三億円という巨額なお金が不正に使われた。これはしかも全国的に長期にわたって行われていることですよね。そして、こういうものも一部の不心得な管理者のつまみ食いなどというものではない、組織ぐるみの犯罪であり、だからこそ公社は組織ぐるみの隠蔽工作に狂奔してきたじゃないかということは、私は何回となくこの委員会で証拠を挙げて追及もしました。公社もそれは認めざるを得ない場合がしばしばありました。そういう事態のもとで、まさにこのことがどういう背景によって起こされたかといいますと、反共的な労働組合の幹部を取り込んだり、反共的な人間を取り込んだり、そういうことで思想差別の労務管理を徹底しようという、そういうことが一つの背景になってこうしたひどい不正経理が行われたということはだれもが認めるところなんです。あわせて私はこのことを指摘をして、この問題についてはまだ別な機会に引き続き、ごまかしていいかげんなことで終わらせられるようなものではないということだけ申し上げておきたいと思います。 それから管理者サイドからの取り上げ方ということであなた方が言っていらっしゃると思うんですけれども、経営当事者の行動様式にも影響を与えている制度面、運用面の実態がある、こういうふうに言っておられますね。経営当事者の行動様式にも影響を与えていると。この制度面、運用面の実態というのは何をおっしゃりたいわけですか。それをちょっと聞かせてください。四番目です。「現行公社制度のもとにおける制度面、運用面の実態は、経営当事者の行動様式にも影響を与え、諸規制への依存による企業努力の減退、社会に役立つ公社という意識の稀薄化などが生じており、前述の諸規制のもたらす問題点と相まって、真に責任ある経営体制の確立が困難な事態となっています。」と、こう述べておられますね。これは管理者サイドからの把握の仕方だと思いますけど、これは何を意味しますか。要するに、制度面、運用面の実態というのは何ですか、ここで言う。
○説明員(小川晃君) ここで申しております制度面、運用面ということでございますけれども、これは先ほど来申し上げましたように、公社法さらには公労法、こういう体制のもとでの制度面、運用面によって各種の制約がある。特に、先ほど言いましたように、予算におきましては拘束予算制度というものがもたらす拘束といった、そういったことから私どもとしても非常に弾力的な経営ができないということと同時に、そういった弾力的な行動ができないということが、同時にまた私ども管理をやる者の立場から見ましても、目分の問題を自分で解決していくという経営当事者としての責任を、ぶつかってもなかなか成功しないということになりますというと、どうしてもそういう責任感というものをなくさせていくということで、長い間にどうしてもこの制度が形骸化いたしまして、企業努力についての安易さを招くというような点を指摘したわけでございます。
○山中郁子君 そうすると、拘束予算制度のことですか。私が質問しているのは、制度面、運用面の実態というのは何かといういま質問したんですけど、それは拘束予算制度のことですか。
○説明員(小川晃君) 私どもが制度面、運用面と言いますのは、現在の公社制度におきまして、まず拘束予算制度もその一つでございます。それからさらに公社法におきましては予算の流用問題、こういったものにつきましても、拘束予算制度から派生しまして事実上行政指導その他で拘束があるというようなこと。さらに資金面におきましてこの資金の弾力的な運用、こういったものが道が開けていないということ。さらにはまた、料金制度につきましてもほとんどすべて法定という形になって、特に基本料金でございますけれども、現在、料金体系十四段階でございますか、これもすべて個々に法定されておるというようなことで、弾力的に今後遠近格差の是正等もやっていく場合にも非常に支障を来すというような問題。さらに幾つかございますが、こういったことが大きな点ではないか。さらに、先ほど申し上げました公労法におきますところの私どもの労働条件の確定におきますところの横並びの問題、こういうことを指摘しておるわけでございます。
○山中郁子君 いま資金の問題おっしゃったけど、そうすると、これは投資面の拘束のことも入って考えていらっしゃるわけですか、設備投資。
○説明員(小川晃君) 資金と申しましたのは、私どもが、日銭が電話局で入りまして、これを直ちに国庫に預託しなければならないということになっております。これを私どもが独自に弾力運用することによりましてその利子というものを稼いでいきますというと、やはりその分だけ料金値上げというものも先に延びるということで、きわめて利用者のためになるという点からの問題でございます。
○山中郁子君 そうすると、いわゆる投資については入ってないというこ上ですね、この資金の中に。あなたが資金とおっしゃった中にはいわゆる投資上の制約は入ってないということですか。
○説明員(小川晃君) いま投資のお話がありましたが、いま私、資金と申しましたのはお金そのものに着眼したわけでございまして、これによって有効な運用をすれば、投資が必要であるということになれば、そういう稼いだものによって、これはまた認可を得まして投資に入れるという道は開けておるわけでございます。
○山中郁子君 投資も自由にやりたいということだと思うんです。 そこで私、いまあなたがおっしゃった拘束予算制度、お金の流用の問題、資金の問題、料金の法定制の附題、これは財政民主主義の問題を公社がどう考えているのかという問題に帰着するんですね。ここで財政民主主義の問題の根本に掘り下げた議論をする余裕はありませんけれども、当然のことながら財政法で独占の料金は法律で定めるという規定を初め、政府、公共企業体は、国民生活に奉仕するために、国民の意思がその経営の原則を定め、反映するように憲法に定めている国会の議決を必要とする、そういうものであるわけでしょう。そして経営の効率化を理由にして料金法定主義を外すというわけでしょう。そしてまた拘束予算制度を外す、総予算制度を外す。そうした場合に公共事業としての、国民、利用者の立場に立って財政民主主義の基本をしっかりと押さえた上での事業をするということと全く離れたことになるわけですよね、あなた方の考え方が。 要するに、電電事業はそれじゃ公共事業ではないというふうに考えているのかと思われるような内容になります。法定制外す、予算拘束外す、つまり国会の議決を受けないということですから、国民の審判を受けないということですから。それで料金は勝手に上げたい、予算も勝手に使いたい。そういうことが公共事業である電電事業にとって許されるものであるかというと、私は許されないことだと思いますよ。あなた方は、電電事業は公共事業じゃないと思っているわけですか。つまり、そこのところを財政民主主義の立場から——財政民主主義、公共性をみずから否定する、そういうものに落ち込むあなた方の見解であるということを言わざるを得ないんですけれども、その点いかがですか。御意見があるならば簡単におっしゃってください。
○説明員(小川晃君) 私ども、この臨調に提出しました資料でもはっきり申し述べておりますように、やはり公社の経営形態というものがどういうふうなものであっても、やはり公共性でありますとかあるいは独占性の弊害というものはこれは除去しなければならぬし、かつまた効率性というものも確保していかなければならないというふうに考えておりまして、いま料金の問題につきまして御指摘のあったように、私どもとしてはこの料金というものが自由に決定できるということを目指してそういうことを言っておるわけじゃございません。先ほど来申し上げておりますように、弾力的な運用ができるという、弾力的に料金というものを上げ下げできるということを考えておるわけです。特に当面、私どもやはり遠近格差の是正というようなことも求められておりまして、たとえば先般、料金につきまして遠距離を値下げするという場合でも法律を改正しなければ値下げできないというようなことでございまして、私ども、やはりどうしてもこの種のものは小刻みにやっていかざるを得ないということになりますので、料金のあくまで決定原則といいますか、こういう大原則は法律によって決めまして、個別の料金につきましては郵政大臣の認可というもので決めていくということが経営形態のいかんにかかわらずきわめて重要なことではないかというふうに考えたわけでございます。
○山中郁子君 この経営形態についての基本的考え方について述べられているところなんですけれども、こういうふうに言っておられるのね。「事業組織内の経営執行にかかわる事項については、国民・利用者の声を吸収し、国民的合意を得るための自律的規制の強化を図るとともに、所要の公共的規制を受けつつも、原則として事業当事者の責任ある決定に委ねられるもの」と考えている、事業組織内の経営執行にかかわる事項についてそういうふうに言っていらっしゃるのね。事業組織内の経営執行にかかわらない、いま現在は国民と国会の手にゆだねられている料金法定制、予算国会議決制度ですね、それもあなた方、後で書いている三つの方式の中には全部それを外すことを主張しているんですよ。 それは、文章上も私は矛盾していると思いますよ。事業組織内の経営執行にかかわらないわけだから、いま国会で決めなきゃいけないんだからね。国会で議決しなきゃいけないわけでしょう、料金にしろ予算にしろ。それを自由に外してくれ、外すことがいいんだと。その三つとも、公社制度を改正する方式でもそういうことを主張しておられる。だから、これは事業組織内の経営執行にかかわらない、いま国民と国会の判断にゆだねられている予算とそれから料金問題ですね、そのことさえも外してやるのがいいんだと、この三つの実ともそういう中身になっていますね。これはごまかしたとしか言いようがないし、あなた方が言う事業組織内の経営執行にかかわる問題だけについてこうやるんだということも、これは違うということになりませんか。
○説明員(小川晃君) 私どもがここに書いておりますのは、あくまで、公社は巨大な企業でございまして、また非常に公共性の強いものでもございます。そういった意味では、たとえばここで、現行公社制度によります場合でもやはり事業計画というものは国会にかける、その中で予算ももちろん事業計画という中に入ってまいるかと思います。しかし、その予算が成立しまして、その予算をもちまして現実に細かい経営の執行をやっていくという場合には、その予算の範囲内において経営者の責任においてこれを執行していくということが大事だと。しかし、その前提としまして、やはり公社と利用者との関係、すなわち料金の問題でございますとか、あるいはサービスの基準の問題でございますとか、こういったことは厳重に、これはたとえ民営になろうと特殊会社であろうと、この点は事業法によってしっかりと規制していくことがきわめて重要だという考え方に立っております。
○山中郁子君 もう時間がありませんから、私は、いま申し上げましたように、それは事業組織内の経営執行にかかわる問題じゃない、明らかに国民の意思と国会の議決を経なければ決められない料金の変更、それから予算、こうしたものを自由にやるようにしたい、これがあなた方の言う三案ともそういう内容だと、重大な二つの柱について。そこにあなたたちの真意の大きな柱があるということを言わざるを得ないんです。どういうふうに理屈を言って、どういうふうな言い方をしようとも、これは明らかに電電事業の公共性を否定して、そしてさまざまな問題点がありますけれども民営化の方向を志向する、そういうこと以外の何物でもないということは、この文章を一つとってみても明らかだということを私は重ねて申し上げたいと思います。 それで最後に、郵政大臣にお尋ねをいたしますが、私は、そういう点で公社のこの意見、勉強した中身というふうにして臨調に提出された内容、それからそれが提起している三つの方式、いずれもいま申し上げましたような点で基本的に、ほかにもたくさん問題ありますけれども、最も大事な基本的な点、つまり公共事業、公共性を否定して国会の議決、国民の審判から外れようという、そういう重大な内容を持ってるものだと思っておりますけれども、この点についての郵政大臣の考え方を伺いたい。 それで、郵政省は「電電公社の経営のあり方について」という文書を出されていますけれども、この点で公共性ということを主張はされておりますが、国民の意思を表示する最高の機関として国会審議、同会決議の積極的意義の指摘にはやはり欠けているというふうに私は思わざるを得ないんですけれども、その二つの点について郵政大臣の見解をお伺いをして、終わりたいと思います。
○国務大臣(箕輪登君) 電電公社が行っております電気通信事業は、これはわが国の総合安全保障や国民の通信の秘密の確保など非常に深く国民の生活とかかわり合っている重要な問題であるので、いま臨時行政調査会に対して結論を急ぐことなく慎重な検討をお願いいたしているところでございます。 現行公社制度を見ても、それは公衆電気通信事業の高い公共性を確保しながら、効率的な運営を行うために採用された公社制度であると私は考えております。先生御指摘の予算の弾力条項など、電電公社は比較的日主的な運営が認められているところであろうと思います。また、公衆電気通信事業は国民生活にとって不可欠なサービスを提供するという高い公共性にあわせて強い独占性を持っておりますので、経営形態を検討するに当たっても、公共性及び効率性の確保並びに独占性からくるところの弊害防止を考慮しつつ、単に経営という立場からのみではなくて、広く国家的、国民的な立場から検討すべきものと考えております。
○山中郁子君 終わります。
○青島幸男君 幾つか質問を用意いたしましたけども、重複する部分もありますので、それを避けまして、関心の高いところから二点ばかりお尋ねをしてみたいと思います。 先般、広告入りのはがきがつくられまして、出たのは七月ですか、やがて半年を越えようとしておりますが、これができました後の効果と申しますか、どういうメリットが生まれたかというところの御説明から、まずお伺いしたいと思います。
○政府委員(魚津茂晴君) 広告つきはがきは、先生ただいまおっしゃったとおり昨年の七月から発行をしているところでございますが、今日まで百三十四種類、それから枚数といたしましては七千四百九十万枚発行をしておるところでございます。 それで、効果として、まず第一点として申し上げたいのは、その広告つきはがきの発行が郵便の財政事情にプラスしているのかどうかという点でございますが、御案内のところでございますけれども、全国版というのは一枚についてスポンサーから九円いただいております。それから地方版というのは一枚について十円ちょうだいをしているところでございます。しかしながら、この九円とか十円という広告料は、五円まず広告はがきをお求めになる方には還元をしているところでございまして、四十円のはがきを三十五円で売りさばいております。残りの四円とか五円は印刷その他のコストそのものでございまして、したがって、この広告つきはがきの発行がダイレクトに郵便事業財政にプラスしているということは、制度的な仕組みからいいましても言えないと思います。 ただ、効果といたしまして、非常に今日広告つきはがきというのは好評を博しております。いささか自画自賛のお話をするようでございますが、客観的な事実として非常に好評のいわば新しい商品でございます。したがいまして、この好評を博している商品を売り出すことによって、安い料金で、そして非常にデザインなんかについてもそれぞれのスポンサー等が工夫をしておられまして身近なはがきというようなことから、はがきの利用というものがそれを通じまして、もしなかりせばという事態に比較しますと、利用されているという点はこれは事実としてあると思います。したがいまして、間接的な効果としては、はがきの利用増、身近な郵便ということにプラスしている点が多い、こういうふうに考えておるところでございます。
○青島幸男君 それはつくった方がつくらなかった方よりよかったということをお聞きして、私もちょっと安堵している部分もあるんですけれども、それでは企業の片棒を担ぐというかっこうで、郵政百年の歴史の上に根差した伝統を安売りしたといいますか、そういうかっこうになりゃしないかという懸念が非常にあったんですけども、もう少しメリットの点が多いことを私も予測して最初賛成をしたんですが、その程度の問題だったら余り熱心にやらなくてもよかったんじゃないかというふうな内心じくじたるものさえあるんですが、いまのお話ですと、このことではがきの使用量が増大する、はがきを書いて出すという習慣を一般の方がお持ちになるということにつながればかなり増収にも結びついてくるんではなかろうかという感じもしますので、広告がついていることに対するデメリットと申しますか、五円の差があるわけですから、百枚、千枚お出しになる方にしてみればかなり金額の差が出ますので、それは広告がついている煩わしさはその分安くなっているんだからそれで報われるという考え方をお持ちになるということもあるんでしょうし、いま申しましたように、これがはがきを出すという習慣に結びついて増収になっていくような方向で検討なすって、ますます好評を博する方向に進むように御努力いただくように、私も変に関心をこの問題には持っておりますので、要望をまず申し上げておきます。 それから次の問題に移りますが、これは新聞に出ておりました投書に基づくものなんですけども、私も全然知らなかったんですけども、小包はがきというのがあるんですね。調べますと、昭和二十六年にできたというんですが、こういう形になっておりまして、私は郵政の方は全く素人でございますけども、これは長年郵政事業に関与しておられる方でも余り御存じないというふうに思うんですけども、少なくとも大臣はこれをごらんになったことありますか。
○国務大臣(箕輪登君) あります。
○青島幸男君 それは何よりでございます。私は、不勉強で全然知りませんでした。はがきと同額の四十円で小包にこれを結びつけて発送をするということなんだそうですが、この投書にもありますように、郵便局へ行きまして、小包はがきを下さいと言っても局員ですら知らないという方々が多いというくらい普及度の低いものだそうでございますけども、これはどのくらい年間で出て、どのくらいの収益——これ自体の収益ということをここで申し上げても資料ございませんでしょうけども、どのくらい利用されているか、その利用状況などをちょっとお知らせいただきたいと思います。
○政府委員(魚津茂晴君) 最も新しい資料は、昭和五十五年度の小包はがきの売りさばき枚数ということになるわけでございますが、それによりますと年間二十六万七千枚、そういうことでございまして、もちろん売りさばいたからそれが即利用されているかどうか、これはわかりませんが、ただ常識的には、このたぐいのものは売りさばいたものが即利用というふうに見てよろしいのじゃないかと思います。そうなりますと、年間の小包物数に対しまして、この売りさばいた枚数というのは〇・一五%、つまり一万個の小包に十五通の小包はがきが利用されているという実態になろうか、こういうふうに思います。
○青島幸男君 それで、果たしてその程度の利用率で、印刷コストとか製作コストとか、それが相償って財政的に郵政事業に寄与するものになっておるのかどうか、はなはだ私、疑問に思うんですが、その点いかがなものでしょう。
○政府委員(魚津茂晴君) 四十掛ける二十六万七千ということで、ざっと一千万円程度になろうかと思いますが、一千万円程度というのは金としては大きいといえば大きいんですが、郵便事業の財政、そのことからくるいろんな手続、いろんな事務上の取り扱いという点からすると、もうかる商品では必ずしもないと思います。ただ、現実の郵便制度全体からいたしますと、小包と一緒に送り主から受取人に意思表示をしたい、一緒のかっこうで意思表示をしたい、たとえば通信販売の業者あたりが小包と一緒に意思表示をしたいというようなかっこうで利用される方も多いわけですね。現に二十六万七千枚ということは、それだけの利用があるということで、決して郵便事業を救うりっぱな商品とは必ずしも思っておりませんが、さればといって、ここで廃止をということもこの利用実態というものからするといかがなものか。もちろん、いろんなことを考えまして、それにかわり得る新しい制度というようなものを創設した上で廃止するということは、これは私ども今後の課題として検討していく中から出るかもしれませんが、現実にそういう利用の実態があるということで、私どもいまはこのままという気持ちでございます。
○青島幸男君 率直に申し上げますと、私はちょっと考えを改めました。こういうものは余り必要でないと思ったんですよ。ですから、信書の送達と小包とはこれ違うものだというふうに飛脚のころから考えられていたと思うんですね。品物はどうでもいいというんじゃないですけども、品物は金銭によってあがなえたり、あるいはかわりのもの、代替物を提供することによってあがなわれるかもしれないけれども、信書送達の責任というものは、郵政省が請け負っている場合、これはもっと形而上的な問題で、愛情とか心情とか情熱とかというものを伝えるということで、金銭ではあかない切れない重大な問題だから、これは小荷物とは別にもっと重要に考えて送達をしたいんだ、だから小荷物とは全く別に考えるべきであって、小荷物の中に信書を一緒に封入されてお送りになられたりしても当方責任持ちかねますよというようなところから、そういう荷物と信書の送達の扱い方の基本的な違い、それから出たものだと思っていたんです。 ですから、本来、言うならば、私の家の庭にカキがなりました、つきましては別便でお送りいたしました、私どももおかげさまで元気にしております、カキの実を御賞味になって私どもの家族との友好を再度御確認くださいとか、あるいは友情を温めるという意味で別便で送りましたという形が一番これは丁寧なやり方ですね。ですから、庭になったカキを何軒かにお配りするときに、別便に封書をつけてお使いの人に持たして、カキの中に信書を入れてしまうことはあり得ないわけですね。ですから、本来なら私が行ってお納めするはずですけども、ここに封書を添えますと、お使いに持たして、これは主人から預かってまいりました、これが主人の心情でございますと別途渡すわけですね。毎度処世論をひけらかして申しわけないんですけども、そのかっこうが、はがきと小包と別に送って、「別便でカキをお送りしました。御笑納ください。」というのがあるのが一番私は礼儀としてかなったやり方だと思うんですよ。これを結びつけるということは、ましてやそのガキの中に信書を封入して、カキのしみのついたのなんかもらったらありがたくもうれしくもないわけですよね。むしろ失礼。それにしてはこれは余りといえば、簡便には違いありませんが、効果は薄いといいますかね。これが考えられたのは昭和二十六年ですか。
○政府委員(魚津茂晴君) はい。
○青島幸男君 そうすると、まだ、その翌年あたりにサンフランシスコ条約でわが国は自立するわけですけれども、それ以前のあのころの食糧事情などを考えますと、信書の重要性もそうだけども、乾燥芋二キロの重要性の方が大きかったみたいな時期ですから、これが別便で届かないで一緒に届くことも重要な施策の一つかもしれないとも思うんですけども。ですから、小包の中に信書を入れてはいかぬと一方ではおっしゃられるわけですね。そういうことをいっそおやめになって——事実上入れている方が多いかもしれませんね。だから、そういうしゃくし定規のことを言わないようになすったらいかがですかという御忠告を申し上げるとともに、これは料金も同じなんですよね、四十円で。別に何のサービスにもならないし、これはおやめになった方がいいんじゃないかということを実は提案しようと思ったんです。 いま伺ったところによりますと、郵便を使って通信販売をやっている方が御利用になっているというのを伺いまして、これはその意味では大変有効な手だてだと思いまして考えを改めました。これを廃止なさることないと思います、やっぱり。率直に、私は非と思ったことは非と認めます。通信販売を業としていらっしゃって、郵政省に御依頼になってやっていらっしゃる方にとっては、これはきっと有効でしょうな、そういう意味では。ですから、そういう意味合いで実はこの論を展開して、これをおやめになったらということを申し上げようと思ったんですけども、そういう利用法があるということを私は初めて知りまして、これができ得れば、それだったら一緒に運んじゃうわけですから、ですから本当は五円安いぐらいでもいいんですよね。その辺のことをもうちょっと——これの利用度が低いということは、金額に何の割引もないし、結びつければ同じ手間で送達されるんだからというぐらいのところが、もし、これが普及しないとすればその辺に利用者に親しまれない難点があるんじゃないかと思うんですが、これをもっと積極的に利用していただくということを考え合わせるんだったら、その程度のサービスもお考えいただいてもいいと思うんですが、その点どういうふうにお考えになりますか。
○政府委員(魚津茂晴君) この小包はがきの利用というのは、先ほど来申し上げておりますように、利用をしていただいている方は結構まだいらっしゃるわけですが、大きな流れとしては前年に比べますと減ってきているものです。そういう利用を必要とされる方がおいでになることは事実の反面、減ってきております。その減ってきているというのは、やはりその小包はがきでは、先ほど来先生のおっしゃっている、ある一つの心情といいますか、ある意思の伝達とその形式というものがどうもしっくりいかないという面があって、商品としては売れないというような一面があるのじゃないかと思います。 したがいまして、外国法制なんかでも、次第に、この小包はがきというかっこうでなくて、小包と信書を同時に送達する。その送達の仕方としては中に入れるやり方もございますし、それから小包の表面に信書なり郵便書簡を張りつけて同時に送達するというような法制というのは次第に一般化していることも事実なんです。ということは、同時に日本の場合でも、そのような必要性というのは、小包はがきというものの沿革を受け継ぎながら新しく国民の気持ちに合うかっこうで何か工夫がないものかということで、今日、小包はがきははがきとして、小包と信書なり郵便書簡と一緒に送る方法を考えられないかということで検討しているところでございます。そういうことの中に先生の仰せの中身を私たちなりにいま真剣に検討しているところでございます。こういうことになろうかと思います。
○青島幸男君 実際、宅送の荷物なんかの中に信書を入れて預けちゃっている人もかなりいるようですね。これを、ああそうですか、それは結構ですというお立場にはないと思いますけども、だからといって、これをわりあいチェックする手だてもないんですよね。ですから、よっぽど宅送の方が便利だということで、またそちらへお客をとられてしまうというケースもあるんじゃないかという気がしますけども、余り信書と小包とを明確に分けてしゃくし定規にやっていくということもあるいは考え物かもしれないけども、何とか隘路を脱するために、いまるるおっしゃいました何か手だてがないものかというお考えもあるというのもわかるんですが、このはがきにもう一つ矛盾があるみたいな気がするのは、郵便法の第五条なんですけども、この辺は郵便事業の独占性を規定しているところだと思うんですが、「運送営業者、その代表者又はその代理人その他の従業者は、その運送方法により他人のために信書の送達をしてはならない。」と、こうあるのはわかるんですね。宅便が持っていってはいけないということですね、信書を。 ところが、「貨物に添附する無封の添状又は送状は、この限りでない。」ということになりますと、送り状はわかるんですけども、添え状といいますと、これはあいさつぐらいあってもいいのかなとか、どの程度書いていいのかなと、解釈のしようによってはかなり複雑な問題を提起すると思うんですね。そうなると、実際にはこれと同じことになっちゃうんですね。そうすると、宅便でもこれつけて、しかもただでやってもいいという解釈が成り立つわけですね。そういう法の不備——これは不備だと思うんですね、明らかに。こういう不備なんかも、とにかく郵便百年の事業でしょう、ですから事実上実際にそぐわない部分というのはかなりたくさん出てきていると思うんですね。 郵便法の中で信書というのはあて名書きを手書したものでなければならないなんというような規定だっていま生きているわけでしょう。実際にはそんなことないわけですよね。ダイレクトメールなんというのが発明されるなんということは、郵便業務が始まったときはだれも考えなかったことでしょうね。テープ回せば自動的にあて名書きがずっとテープで出てきて、それを自動的にカッターで切って、並んで出てくる封書にべたべたべたと自動的に張って、そのまま郵便局へいくというようなこと、これはもう信書と言えないわけですね、その本来の意味からいいますと。しかし、やっぱりこれは信書として扱っているわけでしょう。事ほどさように、発足のころ考えられなかった事態も発生しているし、発足のころ必要にして十分だと思われていた法文なり規定なりもいまは空文化してしまったり、あるいは実生活にそぐわなくなってしまったりするという部分がかなりあると思うんですね。 ですから、余りかたくなにおなりにならないで、その点は、法律を勝手に解釈しろとは申しませんけれども、実情に即したかっこうに柔軟に対処する方途を見つけるか、あるいは思い切って法律改正を行うか。その点をいたずらに人々の憶測と柔軟なあり方で矛盾を多くするよりは明快な法改正をして矛盾のないようにした方がいいんじゃないかという気さえするんですけれども、この辺の御見解を郵政省にもお伺いしたいし、いままでるる書生っぽい議論を弄しまして大変恐縮ですけれども、私申し上げましたことは、実はそれが言いたかったわけでして、そのあたりに対する大臣の御見解も承りまして、質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(箕輪登君) 郵便の諸制度について、特に小包郵便について、ただいま青島先生から各般にわたる示唆に富んだお話がございました。私なんかも、これは余分な話になりますが、郵政大臣になるまでは、小包を送るときに必ず小包の中に、息子に送ることが多いんですが、学校へ行っている子供に送るときに中に手紙を入れてやったんです。何にも知らなかったのです。今度それは違法だということがわかりましたので、自今そういうことは、郵政大臣が違法をやったのじゃいけませんから慎んでおるわけでありますが、きょうは大変示唆に富んだお話をちょうだいいたしました。いろいろこれからの検討事項の中で御参考にいたしたいと存じます。 ありがとうございました。
○委員長(勝又武一君) 本件に対する本日の質疑はこの程度にとどめます。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時二十四分散会 —————・—————