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96回国会参議院1982/07/06

地方行政委員会 第14号

発言数
242
登壇者
17
会派数
4
開催日
1982/07/06

会議録

上條勝久自由民主党

○委員長(上條勝久君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。  議事に先立ち一言申し上げます。  皆様すでに御承知のとおり、本委員会委員でありました江藤智君は、去る六月二十六日、心不全のため逝去されました。まことに哀惜痛恨にたえません。  ここに、委員各位とともに同君の長年にわたる御功績をしのび、謹んで黙祷をささげ、御冥福をお祈りいたしたいと存じます。  御起立をお願いいたします。黙祷を願います。    〔総員起立、黙祷〕

上條勝久自由民主党

○委員長(上條勝久君) 黙祷を終わります。御着席願います。     —————————————

上條勝久自由民主党

○委員長(上條勝久君) 委員の異動について御報告いたします。  去る五月十四日、大坪健一郎君が委員を辞任され、その補欠として増岡康治君が選任されました。  また、去る五月十五日、増岡康治君が委員を辞任され、その補欠として玉置和郎君が選任されました。  また、去る六月二十九日、江藤智君の逝去に伴う委員の補欠として初村滝一郎君が選任されました。     —————————————

上條勝久自由民主党

○委員長(上條勝久君) 次に、警備業法の一部を改正する法律案を議題といたします。  これより質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 警備業法の一部改正案が、延長国会でちょっと中断しまして、それだけ勉強する機会があったわけですが、きょうは時間の関係もございますから、前回の議事録を参照しながら、できるだけその問題以外の問題を含めてお聞きしておきたいと思います。  まず第一に、本法案の改正趣旨を要約しますと、警備事業の開始手続、それからその手続の届け出から認定制に変わったということと、警備員の欠格条項を加えたということ、指導教育制度というものを新設をするというか、それから機械警備についての規制を強めた、各種手数料、罰金の強化をやった、こういう点に尽きるんじゃないかというふうに思うんですが、これはいかがですか。そういうことでよろしいのかどうか。  それからその理由が、谷口さんの衆参両院の設明を聞いていますと、警備員並びに警備業者の犯罪というか、不良経営者、不良警備員の排除という、ここを強調しておるようでございますが、そういうことでよろしいんですか。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) 先生のおっしゃるとおりでございまして、改正項目としましては、私ども三点挙げておるわけでございますけれども、第一点が、警備業を営む要件を整備する、警備業を営もうとする者はこれに関する都道府県公安委員会の認定を受けることにするということ。第二点が、警備員指導教育責任者制度を設けるなど、警備員の指導及び教育についての規定を整備すること。それから三番目に、機械警備業に対する規制に関する規定を新設し、総合的に警備業務の適正化を図ろうというものでございます。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 いや、その理由は私が申し上げたようなことでいいですか。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) そのとおりでございます。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 ところが、おたくから示されました資料を見ますと、五十二年から五十六年度の対比が出されておりますが、このそれぞれの伸び率というか、たとえば業者の伸び率、従業員の警備員の伸び率、そういうものを対比しますと、たとえば営業停止の行政処分にしましても半分に減っていますし、それから凶悪犯や粗暴犯、こういった率を見ましても、これも減少しておるし、それから総件数で見ましても、業者や警備員の伸び率から見ると低下しておる。こういったことから見ると、この法律を、先ほど私が申し上げたいわゆる不良業者や不良警備員を排除するためにという前提で改正する要は見当たらないような感じがしてならぬのですけれども、どういう意味でこの改正案を出してきたんですか。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) まじ、警備業者についてでございますが、警備業法等の違反件数を見ましても、五十二年が三百六十二件、五十六年が千五百十三件でございます。行政処分の件数につきましても、二十五件から五十五件というように、まことに残念でございますけれども、違反を犯すような業者、不適正業者が多いというような状況でございます。こういった悪質または不適格の警備業者を排除しなけりゃならぬという必要性が出てきておるわけでございます。また、先生御案内のとおり、現在の警備業者に対する欠格事由というのが、特定の前科者一項目に限られておるわけでございます。したがいまして、たとえば暴力団員などが警備業を営んでおるという場合について、これを排除することができないというような問題があるわけでございます。そういった点をも含めまして改正の必要性が出てきたわけでございます。  それから、警備員による犯罪の状況でございますが、刑法犯につきましても、五十四年が三百十四件、それから五十六年が三百六十二件、それからその他特別法犯でございますが、これにつきましても、五十四年三百十六件から五十六年三百七十一件というふうな状況でございまして、この中には、凶悪犯とか粗暴犯、あるいは悪質な窃盗犯というものが含まれておるわけでございます。  先生御指摘のとおり、業者数あるいは警備員数がどんどんふえてきているじゃないか、そのわりには不適正な業者あるいは警備員が多いとは言えないんじゃないかという御指摘ではございますが、やはり、警備業務の持つ公共性というんですか、重要性にかんがみますと、やはり一件でもこういうのがあってはならないということが言えるわけでございまして、これに対する指導監督を強める必要があるということが言えると思います。  また、御案内のとおり、警備業務もこの法制定後でも十年でございますが、その間に社会的需要が増大してまいりましたので、社会の各分野で警備員の方々が活躍しておるということでございます。そういう意味におきまして、ユーザーはもとよりでございますが、一般国民の警備業者あるいは警備員に対する期待、自信というものも高まってきておるわけです。  そういう意味におきまして、やはり悪質な、あるいは不適正な警備業者あるいは警備員というものを排除する必要があるわけでございます。そういう意味におきまして、警備員の欠格事由につきましても警備業者と同じように特定の前科者だけに限定されておるわけでございますが、暴力団員とかあるいは現在社会的に非常に問題になっておりますけれども、覚せい剤中毒者その他いろいろありますけれども、そういった者を警備員から排除する必要性が出てきたわけでございます。そういう意味におきまして、今回改正法案をまとめまして御審議をお願いをしておるということでございます。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 暴力団員であるとかそれから前科者というか、あなたの衆議院における答弁を見ると、非行警備員というんですか、こういったのが三分の一おると、こう言っておるんですが、それはいつごろからふえ始めて、現在どういう実態にあるんですか。

佐野国臣警察庁刑事局保安部防犯課長

○説明員(佐野国臣君) 昭和五十六年中に非行警備員、特に刑法犯を犯した警備員でございますが、その中、約三分の一の百十九人が犯歴者であった。これのここ数年の状況を見てみますと、昭和五十四年は二一二・八%が犯歴者でございまして、五十五年が三四%、五十六年が三二・三%、五十四年に比べますと二〇%台から三〇%台になってまいってきておるという状況があります。  それからなお、犯罪白書あたりを見てみますと、再犯期間がだんだん長くなるというふうな傾向もございますので、いま申しましたような、欠格期間を厳しくするというふうなことにいたした次第でございます。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 ちょっと聞きますが、五十一ページの第二表、五十二ページの第三表、四表、これ五十二年からしかないんですが、五十年、五十一年はどうなっておるか、ちょっと数字を言ってくれませんか。

佐野国臣警察庁刑事局保安部防犯課長

○説明員(佐野国臣君) いま手元にすぐ出ませんので、至急調査して、この席で御報告を申し上げます。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 私はなぜそれを聞くかというと、この法改正をしなければならないということで研究会をつくったのが五十四年の十二月でしょう。そして、それの決意を表明した山本長官の石川発言というのが五十四年の七月でしょう。ですから、その点から考えてみると、五十四年になぜ決意をしなければならなかったのか、その前の年はどういうふうに変わってきたのかという、そこが判断をする一つの材料になるんじゃないかと思うので聞いているわけですから、きょうは当然私は用意をしてきておると思うんですが、いかがですか。

佐野国臣警察庁刑事局保安部防犯課長

○説明員(佐野国臣君) 警備員の非行のうち、刑法犯の関係を申し上げますと、四十八年では総件数二百八十八件、それから四十九年には二百九十七件、それから五十年が三百六件、それから五十一年が二百五十五件、それから五十二年はお手元にございます二百八十五件でございます。  それから、その他の犯罪関係を申し上げますと、まず、警備業法などの違反件数その他……

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 行政処分のやつはどうなっていますか。

佐野国臣警察庁刑事局保安部防犯課長

○説明員(佐野国臣君) では、行政処分の方を申し上げますと、四十八年は四十四件、それから四十九年同じく四十四件でございます。それから五十年二十七件、五十一年四十六件、五十二年二十五件でございます。これはお手元の資料のとおりでございます。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 この数字を見ると、それがなぜ五十四年に、立法してから七年になって改正を検討しなきゃならぬという理由になるんですかね。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) 警備業法が四十七年に制定されまして運用をしてまいったわけでございますが、いま警備員の刑法犯の状況あるいは業者に対する行政処分の数を申し上げました。確かに若干の山谷がありますけれども、こういった非行警備員あるいは不適正業者というものが減少しない、場合によっては増加しておるというような問題とか、あるいは先ほど御説明申し上げましたように、現行法の持つ問題点、欠格事由について申し上げますと、特定の前科者にのみ限定しておるというようないろいろな問題点が出てきたわけでございます。そこで、五十三、四年ごろから現行法あるいはそれに基づく運用について問題があるかないかというものを真剣に考え始めたということでございます。  御案内のとおり、法律ができて、それを運用するのは私どもでございますが、その運用に当たってのいろいろな問題点があるかないかというのは当然いろいろな機会を通じて検討をしなきゃならないわけでございます。また、業界の方からもいろいろな問題というものが指摘され始めたわけでございます。そういったことをも考え合わせまして一度現行法の規定の仕方あるいは運用上の問題点というものを洗い直してみようじゃないかというようなことで、五十四年十二月に保安部長を座長とします警備業問題研究会というものを設置したわけでございます。ここでは当然業者の方々、それからユーザーの方々、また学識経験者の方々に御参加をいただきまして、六回にわたって検討を加えたわけでございます。そこで出た問題点を踏まえまして改正案をまとめ、今回国会の方に提案いたしまして御審議をお願いしているということでございます。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 どうもあなたの答弁を議事録で拝見しますというと、根拠が薄弱なように思うんですね。それよりもむしろ別の意図があるのではない九という感じがしてならぬのです。これは後でまた聞きますが、言うなら不良業者なり不良警備員なりの事故率、事犯ですね。そういったものから見ると、改めてここで法改正をしなきゃならぬという特段の理由は感じられない。感じられないけれどもあなたの方は法改正をやってきた。ただ、言えるのは第三条が、いままで一項目であったのを一、三、四、五を加えてきた。ここの点については私はわからないでもない。あと、三年を五年にしたということについてはまた後で聞きますが、しかしそれ以外の問題を現行法でもって律し切れないというふうには考えられない気がしてならないのですね。  これは長官どうですか、あなたと同僚議員とのやりとりを聞いてみると、あなたはそういうことは絶対ないと言うんだけれども、やっぱりガードマンの育成強化ということと警察とのタイアップというか、そういう意味で警備体制を強化しようという、そこに五十四年の山本発言のねらいなり、研究会をそれに基づいて設置した意味があるんじゃないかと思うんですが、いかがですか。正直に言ってくださいよ。

三井脩警察庁長官

○政府委員(三井脩君) 警備業が実際に発足して約十年たち、それから現行の警備業法はできたと思いますが、それから今日までさらに十年たっておる。こういう経過の中で、警備業が社会の需要に応じて大きくなってきておる、発展してきておるという客観的事実があるわけでございます。その社会の需要に対して警備業が量的に応じておるということは、業者及びガードマンの数もふえておることでわかるわけでありますが、それでは質的に十分にこたえておるだろうかということになりますと、ただいまのお話にもありましたように、いわゆる非行、不適切事例というのがふえておることもまた事実でございます。したがいまして、このふえ方は業者やガードマンの数のふえ方と比例するとまだ少ないというおっしゃり方もあると思いますけれども、警備業という事柄の性質上、これは量よりも質の問題でございますので、この質を需要に応ずるように適正化していくということがどうしても必要だ、こういうような考え方を持っておるわけでございまして、十年というのは一つの見直しの時期でもあろうかと思うわけでありまして、この機会に社会に一層いい警備業務といいますか、警備業を提供するということが大切な時期に来ておるということにもっぱら発しておるわけでございまして、警察がそれによって楽をしようとか云々ということは毛頭ないわけでございます。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 もう一つ長官、あなたのそう言う意味はわからぬことはないんですが、ただ、量より質の問題ということになりますと、また後でちょっと質問しますが、その前に、さっき私が言ったように三条の一、三、四、五を加えることと、それから機械警備の問題、これは新たな問題として入れておかなければならぬということはそれはわからぬでもないんですが、そのほかの問題を、たとえば教育指導責任者であるとか、検定制度導入であるとか、こういったいろいろのことについては私は現行法でもって十分に、いまあなたが言った理由ぐらいなら律し得るんじゃないかと思うのですが、律し切れないと思ったのはどういう意味ですか。

三井脩警察庁長官

○政府委員(三井脩君) ただいま申しました適正な質の確保という観点から申しますと、やはりこれはガードマン及び業者のこれまた質を高めるということで、一つは形の上における質を整えるということで、以前は「欠格事由」と言っておりましたが今度は「警備業吟要件」といたしております。この要件を整備することによって業者の質がよくなるということを期待いたしますし、また今度は、個々の警備員についても同じようにその質をよくするという、形式的な形を整える、整備するというものと、もう一つは、その中で現に警備員である人の今度は内容を高めるということになってまいりますと、これは教育だろうとこう思うわけでありまして、教育をシステムとして軌道に乗せるというには、ここに規定したような諸措置が必要であろうというように考えたわけでございます。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 であるならちょっと聞きますけれども、この十年間の実態を十分調査、把握して見直しをしなきゃならぬというのが長官の趣旨だと思うのですが、そうしますと谷口さん、さて業界の実態を見た、そうしたらこの警備業務というのは防犯だけでないことはおわかりになったと思う。むしろ防火防災、こういった業務がかなり主要な位置を占めておる、これは調査すればおわかりになると思うのですね。ところがあなたの方の研究会の実態を見ますと、この問題について消防庁と協議をしたのか、五十四年十二月から。研究会の中に消防庁も入れて議論をしたのか。そういう形跡がない。そして消防庁の方は去年の九月から初めて研究会を独自に起こしておる。あなたの方から相談があったわけではなくて。こういう答弁がなされておりますね。こういう面を見ると一体、またあなたの答弁を見ると、業界の方からも、この問題をもし見直すならこの際ひとつ防犯だけでなく防災も含めて業務の実態に見合うような見直しをしてもらいたいという要望を再三受けておる。あなたもそうおっしゃっておる。ところが、この改正案を見ると、第二条の定義の四点を見ても、かけらもない。あなたはそれに対しては行政機構の違い云々ということを言っておるけれども、せっかく、十年たってこの問題を見直していくと、そしていまの長官のお話じゃないけれども、質も問題にしていかなきゃならぬ、教育も云々だとこうおっしゃった。だとするならどうしてこの問題について——別建ての法案でも結構ですよ、こめ法案の中に入れるとか入れぬとかいうんじゃない。なぜこの同じ時期に同じようなその意味での見直しを含めた法案がここに出てきて議論をする場ができないのか。どうもやっぱりそういうふうにはなっていない。議事録を見るとそういう答弁に終始しておる。それでは済まされないのじゃないですか。もっとやっぱりそこら辺も含めて消防ともよく打ち合わせをして、そうしてここら辺の問題についてはどうかということを、今後打ち合わせるのじゃなくて、五十四年十二月から二年間あったわけですから、十分打ち合わせをしたものがここに出されてしかるべきじゃないですか。それがそうなってないのは一体どういう理由ですか。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) 先ほどお答え申し上げましたように、この警備業問題研究会におきましては、現行法につきまして、あるいはその運用状況につきまして洗い直してみようということになったわけであります。その際、当然先生御指摘のとおり、警備業者が防犯業務だけじゃなくて防火業務をも担当しておるということはもう明らかになっております。それは何も研究会で明らかになったということじゃなくて、私どももつとに知っておるところでございます。ただ、先生御案内のとおり、警備業務というのは四種類ありまして、防火防災業務をも実際上担当しておるというのは施設警備に限られるものでございますけれども、それにいたしましても警備業者が防犯だけじゃなくて防火防災業務をも担当しておることは事実だと、こう思うわけでございます。  そこで、この問題をどうするかということが検討をされたことは間違いないわけでありますけれども、警備業法の中に防火防災業務をも取り込んで、そして警備業者に対する指導をするというようなことになりますと、やはり監督関係とかあるいは法的根拠の問題とか非常にむずかしい問題がありまして、相当時間を要するのではないかということになったわけであります。そこで、この問題については一応将来の検討課題というふうなことで保留のまま研究会は終了したということでございます。  なお、その研究会では消防庁の方は参加しておりません。と申しますのは、この現在の警備業法そのものは防火防災業務というものは当然入っておりませんので、警察庁が監督官庁としてこの問題について指導をしておるという、運用をしておるというような実情でございますので、当面そういうことで対処してまいりたいということでございます。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 ところが、業界を調べてみますと、定款を見ましても、実態を見ましても、あなたも調査したと思うからおわかりだと思うんですが、防犯の方が主体か防災が主体か。それから、いまいろいろな事例を見まして、ガードマンなりメンテナンスの警備の業務の社会の期待なりオーナーの期待なりを見ると、どっちかと言えばやっぱり防災防火、ここに大変な期待を持っておる。こういう業務実態を持っておる、それに対する法律ということになりますと、やっぱり当然私は消防庁と十分協議して——役所の方が分離しておるだけであって実態は、対象の方は一緒になっておるわけです。そういう問題について、しかも業界の方からもこの問題についてはおたくの研究会に対して何遍も要望をしておる。これは一緒にぜひひとつやってもらいたいと。それが、消防庁も入れぬで研究会を——十分時間はあったはずですよね、二年有半。この二年有半を独走してやってきたという理由がどうしてもうなずけない。どこか別に意図があるんじゃないですか。そこら辺、具体的に、消防庁といつ協議をしてやってきたのか。どうなんですか。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) 業界団体の方は、警備業者が現実に防犯業務だけではなくて防火防災業務をも担当しているという事実を踏まえまして、先生御指摘のとおり、再三再四にわたって国家公安委員会に対しこの警備業法改正に関する要望事項として取り上げてきたところでございます。  ただ、この点私どもが具体的に業界の方にどのような改正を望むかということをお聞きしますと、結局、警備業務の定義がございますけれども、その中に防火防災業務を含むというように入れてくださいと、こういうことであります。つまり、警備業者に対する指導というのは都道府県公安委員会がやっておるわけでございますけれども、その都道府県公安委員会の警備業者に対する指導について、防犯業務だけじゃなくて防火防災業務についても一元的に指導していただきたいというような話もお伺いしたわけでございます。これは現在の警備業法のたてまえからいって非常に問題があるわけであります。と申しますのは、先生御案内のとおり、四十七年に現行法ができた際にその必要性が問題になったわけでありますが、これは警備業者あるいは警備員の一部の方だと思いますけれども、いろいろな不適正事例があったわけであります。結局、警備業務というのが対人的な関係でいろいろなトラブルを起こす、それを最小限度規制する必要があるじゃないかということでこの現行法ができたわけでございます。そういう面で、制定当初から警備業法に言う警備業務の中には防火防災は入らない、もう本当に対人的な関係で問題になる点だけを取り上げて、そして規制をかけようと、こういうことでございます。そういうたてまえで来ましたので、このたてまえを崩すということはどうかなという私どもの懸念もあったわけでございます。  さらに、先ほど申し上げましたように、現実に現在の法制下では、警察は警察、消防は消防というたてまえで、それぞれの法的根拠も別になっておるわけでございます。業界の方々が要望されるように、単に警備業務の中に防火防災業務を含むというだけで済まされる問題ではないわけであります。これは恐らく五年、十年検討を要するような大きな問題ではなかろうかと、こういうことで一応研究会としてはこの問題について、問題点は指摘されたことは間違いありませんけれども、一応保留という形にしたわけでございます。  なお、その研究会は、五十四年の十二月から五十五年の十一月まで約一年ということでございます。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 時間があればもっとそこら辺をただしたいんですが、時間がございませんから……。  そこで、どうも私はやっぱりそこら辺は納得できない面があるんですが、こういった経緯を踏まえて、実態は防災防火と重大な関連を持つ業者が対象であるという前提に立つなら、あなたの方は今後とも消防庁とこの問題について協議したいと、そういうお話ですが、なかなか役所間の問題、縄張りというか、いろいろ権能がありますわな、行政機構の。そういう問題で、消防は市町村、こっちは公安委員会だから県だと、こういうこともあるでしょう。これは具体的に話をいまから詰めていくんですか、いかぬのですか。きょうの答弁限りの問題ですか。消防との関係の防災については、法案は法案として、今後は詰めていくんですか、いかぬのですか。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) 消防庁の方ではすでに研究会を開き鋭意検討をされておりますので、その審議経過あるいは結果については私どもも十分関心を持って対処してまいりたいと思いますし、警察庁といたしましても、警備業問題研究会を再開いたしましてこの問題について検討をしてまいりたいと、こう思います。その際に、当然のことながら消防庁と警察庁とは十分連携をとりながら対処をしてまいりたい、こう思っております。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 消防庁、簡単にいまの答弁に対して何か御意見ございますか。

大嶋孝消防庁次長

○政府委員(大嶋孝君) 先ほど来いろいろ御指摘がありますように、最近ビルの省力化が非常に進んでおるといった中で、その施設の管理の無人化あるいは省力化といったことからまいります人的な防災管理体制、これをどう確保するかということにつきましては、ホテル・ニュージャパンの火災でも明らかでありますように、防火管理体制の基本にかかわる問題であるというふうに考えております。特に、委託警備のあり方等につきましては、消防行政上何らかの規制措置が必要であるというふうに私どもも考えておるわけでございます。  そういった観点から、消防庁といたしましても、防火管理体制研究委員会を設置いたしましていろいろと研究をしておるところでございまして、その検討結果を待ちまして、規制のあり方というものも含めて検討をしてまいりたいと、このように考えております。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 そこで、谷口さんにちょっとお聞きしますが、これだけ十年たって見直したのに、たとえばデベロッパーとかマンション分譲業者などで、自分の建てたマンションに対して、一〇〇%出資の小会社をつくって、そして管理人と警備と、こういう措置をとっておるのがいまたくさんございますね。こういったものはこの対象の中に入っておるのですか、入らぬのですか。野放しなんですか。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) 御案内のとおり、警備業務の範囲につきましては第二条第一項で規定されておるところでございます。御指摘の、マンション管理の問題につきましては、いろいろな管理態様があると思うわけでございます。たとえばでございますけれども、共用部分でございますロビーだとかあるいは廊下とか、そういった施設の維持管理のみを行うという態様のものでございましたら、警備業務には該当しないと思うわけでございます。  と申しますのは、ある管理形態というのが警備業務になるかならないかということは、三つの要素から私どもは判断をしておるわけでございます。つまり、第一に、施設警備の場合でございますけれども、当然のことながら盗難等の事故の発生を警戒し防止する業務であるかどうかということでございます。それから第二は、その行為というものが業務として行われておるかどうか。つまり社会生活上の地位に基づいて同種の行為を反復継続するものであるかどうかということ。それから第三が、他人の需要に応じてということでございます。つまり、私的な需要に応じまして私的な契約に基づいて行われるかどうか、こういう三つの判断要素があるわけです。これに基づいてそれに当てはまるかどうかということで警備業務であるかどうかという判断が行われるということでございます。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 いや、それは原則は三つかありますが、いま私が申した、マンション分譲者が一つの子会社をつくって、たとえば日商岩井なら日商岩井でいいですよ。マンションずっとつくりますね、全国に。それについては子会社からどんどん派遣して管理人を入れて警備、管理をさしておる。こういう企業については——原則はいま聞きましたよ、三つ。三つ聞きましたが、この法に当てはまるのかどうなのかということを聞いておるわけです。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) 御指摘の事例につきまして該当するかどうかということは、まずその契約がどういうような形で行われるか、いわゆる契約の内容がどうであるか、それから実態がどうであるかということに基づいて判断しなきゃならぬということでございます。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 いや、それはそうだろうけれども、十年を経過してここで見直して、そういう新しい網を含めて整備をしようというのが趣旨でしょう、この改正案というのは。そうすれば、この十年間にずっとできておるわけだから、そういうのは当然調査の対象になったでしょうし、それが今度どうも見るとこの中に含まれているのか含まれていないのかわからぬから聞きよるわけだ。私は当然含まれるべきじゃないかと思うんですが、いかがなんですか。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) いまのような場合、子会社というのですか、子会社がいわゆる警備員ですか、職員を派遣してそしてマンション管理をしておるということでございますね。そうすると、そのマンション管理の態様がどのようなものかということによって判断するということでございます。別な言葉で申し上げますと、結局その子会社がそのマンションの所有者とどのような契約がなされ、どのようなことを委託されておるかということによって決まるということでございまして、子会社と今度は親会社との関係は、この警備業法の枠外の問題であるということでございます。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 いま答弁を聞いておると、あなた余りこの実態よく知らないようだね。調べてないようだね。そういった、いま私が申し上げたような業者については、そこまで調査がいっていないように感ずるんですがね。十年間たって見直しをするという前提に立つなら、そういう会社が私はどんどんいまふえていくと思うんですよ。それは日商に限らず、いろんなところでマンションをつくってやっておるのを見ると。やっぱり全国的な組織だってありますよ。そういった問題について、私はぜひひとつ検討をしてもらいたい、この問題を含めて。この点いかがですか。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) 警備業務を行う態様につきましては、確かに社会的需要に応じていろいろな分野に分かれてきますし、その活動態様というものも変わってくると思います。私どもといたしましては、警備業法という限られた枠内ではございますけれども、その実態についてよく研究し、それを踏まえましていろんな問題につきまして対処してまいりたいと、こう思っております。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 そこで、長官から質の問題が出ましたから、ちょっと質の問題で議論しておきたいと思うんですがね。  この法の改正について、実態調査をやった、そしてその上で見直しになっておるわけですからお聞きしますが、警備業者三千二百十、従業員十二万四千、このうちの専業と兼業の分布はどうなっていますか。それから従業員の年齢構成、平均年齢、これは専業と兼業はどういう平均年齢になっておるか。それから業者の規模ですが、十人以下の業者というのが何%あるのか、五十人以下の場合で何%なのか。それから従業員の、警備員の勤務年数ですが、これが三年以下が何%なのか、もしは二年以下が何%か、一年未満が何%なのか、これはどういう状態になっているかちょっと報告してくれませんか。

佐野国臣警察庁刑事局保安部防犯課長

○説明員(佐野国臣君) 事実関係が多うございますので、私の方からとりあえず御報告申し上げます。  まず、専業、兼業別の警備業者あるいは警備員数について申し上げますと、専業警備業者数は私ども把握いたしておりますのでは千五百十八社、これを専業というふうに見ております。それから兼業が千六百九十二社。それから警備員の関係を申し上げますと、専業の分が八万二千三百八十九人、それから兼業が四万一千八百九十七人。これが五十六年末現在でございますが、業者数と警備員数の関係で申し上げますとそういう状況でございます。  それから、年齢の関係につきまして、私ども実は専業、兼業別についてはちょっと把握いたしておらないので、区分しておらないのでございますが、これは私ども、五十五年十二月末現在で警備業者百二十二社を抽出調査した結果でございますが、それによりますと、警備員の、何といいましょうか、ちょうど中間規模クラスのところをねらって調べたのですが、平均年齢は四十七・一歳という数字が出てございます。これは十人から五十人ぐらいの規模の業者につきましての百二十二社の数字でございます。  それから規模別の関係で申し上げますと、昭和五十六年の十二月末の警備業者数の資本金あるいは警備員数別、こういう角度から御報告申し上げますが、まず、会社数千五百十八のうち専業について申し上げますと、個人は百八十五でございます。それから、これをいわば資本金別に区分して申し上げますと、百万円以下が三百二十九、百一万から五百万までが六百四十二、五百一万から一千万までが二百四、それから一千一万から五千万円まで、これが百三十七、五千万以上が二十一、以上が専業につきましての数字でございます。  兼業について申し上げますと、兼業は総数で千六百九十二でございますが、個人企業が二十三。それから資本金別で申しますと、百万円以下が二百五十、百一万から五百万が五百九十三、五百一万から一千万までが三百九十四、一千一万から五千万、これが三百五十一、それから五千一万円以上が八十一という数字でございます。  なお、警備員の数別で申し上げますと、まず、専業では十人以下が六百七十五、それから十一人から五十人までの規模のものが五百七十二でございます。五十一人から百人までが百六十二、百一人から五百人が九十七、それから五百一人以上、これが十二ございます。  それから、兼業について申し上げますと、総数千六百九十二のうち、十人以下が千七十七、十一人から五十人までが五百一でございます。それから五十一人から百人まで、これが五十七、百一人から五百人までが四十九、五百一人以上は八となっております。  それから、勤務年数につきまして、全体的な調査は事務的にも非常に困難でございまして、これも五十五年の十二月末現在でごく標準的なと申しますか、先ほど言いました十人から五十人クラスの規模の業者百二十二社を選びまして、勤務経験を見たわけでございますが、それによりますと、三千百七十五名対象になっておりますが、一年未満が千十八人、これは率で言いますと三二・一%になります。それから一年から三年が千二百十三人、率で申しまして三八・二%。それから三年から五年が五百三ございまして、一五・八%。それから五年以上十年未満は三百七十三人、率で一一・一七。それから十年以上というのが六十八人で二・二%という状況になってございます。  なお、賃金の関係につきまして、承知しておる限りで申し上げますと、たとえば全国警備業厚生年金基金というものがございますが、これの調査で加入業者百十八社の警備員一人当たりの賃金を見てみますと、諸手当込みで賞与は含まない場合に十六万三千四百六十一円、平均的に言いますと十六万三千四百六十一円という数字が出ております。  それから、労働時間につきましては、昭和五十五年の十二月、先ほど申しました百二十二社の調査のときにあわせてやったわけでございますが、対象者三千百七十五名の一人当たりの平均を見てみますと、一週間五十一・六時間という状況が把握されておる次第でございます。  以上でございます。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 これは労働省、賃金、労働時間、この問題については、いまの数字は大体そうですか。

野崎和昭労働省労働基準局監督課長

○説明員(野崎和昭君) お答え申し上げます。  私どもの方で把握しております数字でございますけれども、まず賃金につきましては、昭和五十五年に私どもで行いました賃金構造基本統計調査によりますと、お話しのような警備員の男子の方のボーナスを除きました給与の月額は十五万四千四百円となっております。  それから労働時間でございますけれども、同じく賃金構造基本統計調査によりますと、月間で出ておりますけれども、警備員の男子の方の月間の労働時間は、所定労働時間が二百十一時間、超過実労働時間が三十四時間、合計で二百四十五時間と相なっております。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 さて、いま実態を御報告いただきましたが、これは長官の言った質の問題とも絡むわけですけれども、ほとんど十名以下の企業、ビルメンの関係では千七十七ですか、十一名から五十名が五百一、これが圧倒的ですね、実態は。それから、専業の方の数を見ましても、これも五十名以下というのが非常に多い。それから勤務年数を見ると、三年以下の勤務年数というのは七〇%を占めている、こういう実態、いま確認いただいたとおりでございますが、平均年齢は四十七・一歳。私が調べたのでは、五十歳以上の年齢で見ると大体八〇%なんですね。それで、賃金は十六万三千四百六十一円。これはそういう年齢構成から見ると非常に賃金も低い。こういうような実態が衆参両院の委員会の中でも議論をされておるわけですが、これは長官、どういうところにこういう実態があるのか。長官としてはどうお考えになっていますか。

三井脩警察庁長官

○政府委員(三井脩君) 社会の需要としての警備業務の内容が非常に多岐にわたるのじゃないか。つまり、たとえば万国博覧会をやるというときのような大きな警備から、いわばマンションの警備に至るというような、あるいはまた工事場の警備というようなこともありますし、その辺の需要がバラエティーに富んでおるというところが一番の原因ではないかということと、それからまた、比較的警備業務が技術としてわりあいにやりやすいというようにいまのところ認識されておるというようなところもあるいはその原因かと思うわけでございます。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 谷口さんどうですか。いま長官はそういうことだが、あなたは専門的に調査をやってきたんですが、なぜこういう実態にあるのか。これを見ると、年齢構成等から見ると、ほとんど一応仕事を終わって、そうして第二就職、こういう方々が多いように私は実態上つかんでおるんですが、いかがなんですか。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) 長官からお答え申し上げたとおりでございます。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 いや、あなたは専門で調査をしたんだから私の方から聞いているわけだ。第二就職者が多いように私は判断しておるのだがいかがですかと、いま私はこう聞いておるわけだ。長官への質問と大分違うんだな、これは。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) 警備業務が多岐にわたりますので、たとえばでございますけれども、そのマンション管理だとか、あるいはスーパーマーケットに附属している駐車場の警備だとか、そういった業務の場合に比較的単純な労務の場合が多いということもありまして、まだまだお元気な方が第二の職場として警備業務に従事される場合も多いように思います。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 前文句はいろいろ言わぬでいいんだけれども、第二就職者の人が一体どのくらい占めておるとあなたは実態をつかみましたか。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) その調査は私どもちょっといたしておりません。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 多いということはわかるんだな。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) 多いと思います。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 大蔵省来ていますか。ちょっと前へ出てください。  こういう業種の場合、入札で仕事の契約をしていきますね。この入札を決めるときに、いわゆる最低制限価格制度というのがあるわけなんですが、これは地方自治法を見ると明確なんだけれども、国の関係は会計法じゃないかと私は思うんですが、これはどういうふうに違うんですか。また、この業種の場合にはどちらに入るんですか。

水谷文彦大蔵省主計局法規課長

○説明員(水谷文彦君) お答えをいたします。  お話しのございました件は、会計法及び予決令等に基準が書かれております。それで、御案内のように、国が財貨、サービスを購入いたしますにつきましては、当然のことながら、その財源は租税等の国民の負担がもとになっております。したがいまして、お話しのございましたような一般競争というものが原則になっておりまして、競争によって入札をしていただく。そこで、一般原則としましては、購入の場合にはその入札価格の中で一番低い価格でもって入札をした人に落札をする、こういうのが原則でございます。  それで、お話しがございましたような最低制限価格制度というものにつきまして、国の場合は厳格な意味で最低制限価格制度というものはとっておりません。これにつきましては、定義の問題でございますけれども、その制限価格、つまり、予定価格の範囲内で、しかも一定の価格以下のものにつきましては、自動的にそういった低廉な入札については対象にしないというような意味での最低制限価格制度というものは、これにつきましては地方自治法にございますけれども国の場合にはございません。  それから、国の場合とっておりますのは、ただそういった競争入札の中でも、工事とか製造による請負契約につきましては、一定の条件のもとで、最低入札価格の次順位のものについて、最低入札価格につきまして、余りにも低過ぎてそれが公序良俗に反するとか、そういった場合には、その次の順位のもの——下からとっていくわけですけれども、次の順位をもって入札にするという制度がございますけれども、それにつきましては、工事あるいは製造の大規模な請負契約にしか適用いたしておりませんので、お話しのございましたような一般の警備員の請負契約等につきましてはそういったものの適用がございません。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 自治省どうですか。

中島忠能自治省行政局行政課長

○説明員(中島忠能君) 契約制度をめぐる現在の法律制度のねらいの一つが公金の効率的な使用にあるというのはいま大蔵省の方から説明があったとおりですけれども、地方自治法におきましては、工事または製造の請負に関してのみ最低制限価格制度がとられておるという実態でございます。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 これは工事並びに製造請負のみに適用なさっておる。それは、なぜ工事並びに製造請負のみに適用なさっておるんですか。

中島忠能自治省行政局行政課長

○説明員(中島忠能君) 工事または製造の請負に関して地方公共団体が受けるサービスといいますか、受けるものの実態に関連して御説明申し上げるのが正しいと思いますけれども、やはり、こういうものを地方公共団体が提供を受ける場合の工事の進行管理とかあるいは検査体制というものを考えてみた場合にやはり複雑でございますので、どうしても最低制限価格制度によりまして履行の内容について担保していくというのが、公金の適正な使用という観点から必要だというふうにわれわれは理解しております。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 結果的に、検査体制が不十分だから、そういう工事並びに製造請負については、後で抜け工事とかそういうことがあっては困るからと、そういうことで実質的なこういう制度をつくったというふうに理解していいんですか。

中島忠能自治省行政局行政課長

○説明員(中島忠能君) 検査体制が不十分だといいますか、検査するといいますか、事後に確認することにつきましても非常にむずかしい内容であるというふうに御理解いただいた方がいいんじゃないかと思います。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 そうしますと、こういう業種の場合には、逆に言えば人件費が八五%を占めて、人を使っての仕事になりますね、これはもう人そのものですわね、この業種は。そしてこういう業種の場合には、契約は一年契約ということになるわけでしょう。そこで、最低価格ということで、競争の原理を導入して入れるということになりますと無理が出てきますね。言うならば、これはそろばんで実態に合わぬでも、やむを得ぬ場合受けるということも出てきますね。こういったものについては、何というんですか、入札の方法で保障するとか、こういう考え方はないんですか。

中島忠能自治省行政局行政課長

○説明員(中島忠能君) 現在の契約制度のねらいといいますか、法律で定められております契約制度のねらいというのが、契約の公正性の確保ということともう一つは経済性の確保という二つの観点から現在の契約制度というものが成り立っておると思いますので、先ほどいろいろ議論がございまして、業界の実態というものも初めて聞かせていただきましたけれども、そういう実態というものは私なりにも十分理解できますけれども、この契約制度に関連して問題を解決していこうというのは、現在の国、地方を通ずる——国のことは余り存じませんので口幅ったいことを申し上げることはできませんけれども、現在の契約制度の中でそれを解決していこうというのは、やはり若干無理があるんじゃないかというふうにいま感じておったところでございます。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 しかし、もともとこの制度ができたのは、最低制限価格制度というのは、皇居の造営における間組の入札が契機でしょう、三十八年ですか。それが契機でこういう制度が生まれたわけでしょう。やっぱりいまあなたが言うように工事の適正検査の問題もあるでしょう。しかしその工事というのは、人をよけい使っていくという問題も含まれて、ああいう一万円で皇居の造営をするなんということはあり得ない、これは何とかしなきゃいかぬ。こういうことが発端で最低制限価格制度というのをつくったんじゃないんですか。

中島忠能自治省行政局行政課長

○説明員(中島忠能君) 地方自治法に最低制限価格制度を設けましたというのは、先生御存じのように三十八年に地方自治法の大改正を行いまして、そのときに地方公共団体の実態を調べましたところが、それぞれの地方団体が条例等で最低制限価格制度を主として工事の請負契約について設けておりましたので、私たちの方では施行令で設けたという経過でございまして、皇居の例の間組の一円入札ですか——一円か千円か忘れましたが、直接それに関連してわれわれの方が制度化したというふうには御理解いただかない方がいいんじゃないかと思います。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 国の場合はそうじゃないんですか。

水谷文彦大蔵省主計局法規課長

○説明員(水谷文彦君) 国の場合は、お示しいただいたような経緯があったのではないかと思います。  それで、ただいま工事、製造に限定しておりますことにつきましては、自治省の方からるる御説明がございましたが、若干補足をさせていただきますと、やはり契約の内容を確保したい、すなわち、不当な低廉な価格をもってしては契約の内容の履行を確保できないで困るのではないかということが背景にあったわけでございます。したがって、工事、製造でございますと、契約をいたしました後で資材を調達し、あるいは労務を調達し、さらに多くの場合かなり長期間を要するわけでございます。したがいまして、契約の当初には予見できなかったような不測の事態が発生をすることも十分懸念されますし、しかもそういった大規模な工事、製造でございますと、復旧が大変でございます。代替性がないというような意味もあるわけでございます。そういったことを背景にしまして、国の場合は大規模な工事、製造に限定をしているというわけでございます。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 長官、いまお聞きのとおりですがね。問題は、そういう入札制度の仕組みがあって、そうしてこの業種の場合には最低価格制度というところの類に入るわけです。それはいま言うように競争の原理を導入して、実際問題としては、この仕事を引き受けるために必要な人員や配置のことは理由に置かずに、結果的に最低価格で入札した者が契約を取得する、オーナーから。こういう仕組みになっておる。そうなりますと、あなたが言う良質なという、良質な警備体制を確保するということを言ってみても、もとが締められておる。言うなら、そういうかっこうでもとが抑えられておる。こういうことで、結果的には先ほど申し上げたような実態になっておる、こういうことになるのじゃないかと思うんですがね。これは法改正に伴ってそこら辺を良質なものに、規制も強化するかわりに少なくともその一番もとになる保障体制を十分措置していくんだと、こういうふうに私は受け取っていいのかどうなのか、この法の改正について。  たとえば、良質な労働者を確保していくということを言ってみても、実態はいま申し上げたように第二就業、一遍正規の就業の終わった者がいわゆる定年後に就職する、こういう実態にある。そういう実態にある中で、この法改正に当たって十分実態を見たわけですから、予算措置の面でどういう保障を考えようとしておるのか、ここら辺はやはり当然私は伴ってこなければならぬと思うんですが、いかがですか。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) 確かに最近受注競争が激しいためか、一部業者だとは思いますけれども、いわゆるダンピングが行われまして、その結果、アルバイトなどを雇いまして警備業務に従事させるというような不適正事例が出てきておるわけでございます。やはり経営状態が安定し、そして警備員に対する処遇といいますか、待遇といいますか、これが適正に行われませんと警備業務が適正に行われないということになるわけでございます。  そこで、私どもといたしましては、警備業法の枠内で申し上げますと、やはり基本的には業者そのもののレベルアップを図るということが大事であると考えるわけでございます。そこで今回の改正法案でも欠格事由の整備を図りまして不適正業者を排除する、その結果、そういった不当な事例がなくなるのではないか、こう思うわけでございます。しかしながら、現実の警備業の実態を見ますといろいろ問題があるわけでございまして、私どもといたしましても十分関心を持ち、関係当局とも連携をとりながら排除してまいりたい、こう思っておる次第でございます。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 私は、いま言うように、どんなに、たとえば指導官を置いていろいろやってみても良質な労働力は確保できない実態にある、あなたもおっしゃったように。そういう中でやろうとしてもそのもとを正さなければどうにもならぬのじゃないですか。そこら辺について、これは後ほどでもいいですから長官からまたお聞きしたいと思いますが、あなたが良質良質とおっしゃるから。こういうことで、後でお聞きしますけれども、ひとつ考えておいてもらいたいと思うのです。  もう一つは、きょうは時間がございませんから先に移りますが、いわゆるこの十一条の関係で、指導教育責任者制度というものを今度新たにお設けになった。これはいろいろ言われておるのですが、率直に言って、さっき言っただけでは私は納得できないと思うのですが、これは営業所単位に配置をするということは、総数で大体どのくらい考えているのですか。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) 業者数が三千二百十でございまして、それに対応する営業所数でございますが、約五千ではないかと思っております。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 これは五十時間の講習をしてそして認定証を交付すると、こういうふうになっていますね。これは、いまおる業者の中から講習を受けてやると、こういうふうにとっていいんですか。それとも、どこか警察官の天下りを入れるというふうにとったらいいんですか。どっちなんですか。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) 現行法でも法定教育といいまして、教育の時間とそれから教育の項目が定められておるわけでございますけれども、現実にだれがその教育指導をするかということについてはまだ決めていないわけでございまして、今回の改正法案では各営業所ごとに警備員指導教育責任者を配置し、その人が中心になって警備員に対する指導教育をしてくださいということになっておるわけです。その指導教育責任者と申しますのが各都道府県公安委員会ごとに行います講習、これを受けていただいて、それにパスした者に対しまして資格者証を出す。その資格者証を有する者から各業者が営業所に配置するというたてまえになっておるわけでございます。  そこで、この改正法案が施行されまして講習が行われますけれども、その場合には、文字どおり門戸があけられておるわけでございまして、どなたでも受講していただく、一応五十時間程度でございますけれども、講習を受けていただく、そうすると資格を取得するという形になっておるわけでございます。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 そうすると、現在でも各業者は九四%教育担当者を置いてやっておるわけでしょう。あえてなぜ認定制度をつくってやらなければならぬのですか。また、認定証を交付しなければならないのですか。どうなんですか。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) この警備員に対する教育の充実強化というのが今回の改正法案の一つの大きな眼目になっておるわけでございますが、今回の改正を契機にいたしまして、この法定教育の量的整備はもとよりでございますけれども、質的にも整備いたしたいと、こう思っておるわけでございます。  たとえば、現在では、警備業務などの法令についての知識、あるいは事故発生時における措置、あるいは護身用具の取り扱いなど限定されておるわけでございますけれども、それ以外にいわゆる実務教育的なこともやりなさい、警戒、予防を具体的にどうしたらいいかというようなこと。また、警備業務が多岐にわたっておるわけでございます。それぞれにふさわしいやっぱり教育というのが必要なわけでございます。施設警備なら施設警備、あるいはボデーガードならボデーガードにふさわしい教育というものが必要なので、それもやりなさいというようなことを一応考えておるわけでございます。それの中心になるものが指導教育責任者であるということでございます。  また、御指摘のように現在業者の九四%が教育責任者というものを指定いたしまして教育を行っておるわけでございますけれども、今回お願いします指導教育責任者は、その法定教育の教育だけじゃなくて、それにとどまらず、その現場における日常の警備業務について指導するというようなことをもやってもらうことをねらいにしておるわけでございます。そういう意味におきまして、従来からほとんどの業者に置かれております教育担当者と申しますか、教育責任者に比べまして、今回の指導教育責任者の担うべき役割りというものが格段に重要になってきておるわけでございます。また、現在各社におります教育担当者につきましても何ら法的な裏づけがないというようなことでございまして、率直に言いまして、その業者によって専任される者のレベルというのですか、これもまちまちだというようなことでございますし、また、こういった教育担当者の責任範囲、こういったものも区々になっておるということでございます。そういう実情を踏まえまして、今回警備員指導教育責任者、文字どおり中心的役割りを果たすべき指導教育責任者というものを設置しよう、それによってこの警備員のレベルアップを図ろうということでございまして、この点は業者からも強くこの制度の設置を要望されておるところでございます。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 その業者というのはどっちの業者かわからぬけれども、ビルメンならビルメン協会、それから警備協会ですか、これは協会でずっと職員の研修をやって、いま教育をやって、そうして教育責任者を九四%を配置しておる、こういう実態だから、あえてここに認定証を交付して云々とか、教育指導責任者とか、こういう者を置かなければならぬという理由は業者の関係では余りないんじゃないですか、実際問題として。むしろ、いまあなたが法律で保障するということでもって励みをつけるとか、こういう説明がございましたが、そういうことよりも、むしろこういうふうに認定証を交付することによって警察官の天下りの一つの行き先をきちっとつくろうというところにねらいがあるんじゃないですか。ずばり聞きますけれども、どうですか。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) 警察官天下り云々ということは全然あり得ません。  ちょっと申し上げますけれども、先ほど業者からの要望があったということにつきましては、全国警備業協会とそれから全国ビルメンテナンス協会、両協会ともにぜひこの教育責任者制度を設置してくれという強い要望があったわけであります。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 ありませんとおっしゃったが、いま現在、こういう業界にどのくらい警察官の天下りが出ていますか。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) 五十六年六月末現在で、各都道府県公安委員会が受理しております届け出書によりまして、警備会社の役員について調査したわけであります。それによりますと、警備会社の数が三千二百十ございまして、このうち元警察官が役員に就任している会社が三百七十四社、全体の一二・一%でございます。それで、今度は全役員数でございますけれども、これが一万五千五百二十名でございます。そのうち元警察官というのが五百五十九名、三・六%というような状況になっております。  これは役員についてでございまして、警備員にどのくらい元警察官が勤務しているかどうかということは調査しておりません。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 これはひとつ調査してみてください、警備員の中にどのくらいおるか。調査してみてください、とにかく。それは要望しておきます。  そこで、時間がございませんから先に進みますが、私はやっぱり教育指導者制度というものが設けられるという必要は余りないと思うんです。現在の業界の講習制度で十分足りるんじゃないか、その内容をもっと強化すれば足りるんじゃないか、そういうふうに思います。しかし、それを今度は営業所単位に配置をするということになると、さっきあなたが言った概数だけでも約五千人近くになると。ところが業界の実態というのは、先ほど申し上げたように非常に零細企業が多い、こういうような状態にあるんです。これは私はちょっと法が実態と遊離しておると思うんですね。やはり営業所単位じゃなくて、たとえば主たる営業所とか、こういうような範囲にとどめるべきだ、こう思うんですが、いかがですか。簡単にやってください。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) 先ほども申し上げましたように、指導教育責任者の役割りから見まして各営業所ごとに設置していただきたいと、こう思っておりますが、規模の小さい業者につきましては、これは、この指導教育責任者というのは警備員でなければならないということではないわけでございまして、社長さんみずからが責任者になられてもいいわけでございますし、業者にとってそう負担にならないのじゃないか、こう思います。  なお、ここに言う「営業所」と申しますのは法案にも明記されておりますように、当該営業所に警備員が属している場合でございまして、属していない営業所のような場合には配置する義務はない、そういうことでございます。  なお、先ほどの警備員につきましての元警察官の調査でございますけれども、実は、警備員につきましては都道府県公安委員会も把握していないわけでございます。各業者の警備員の名簿というものは営業所に備えつけてあるというだけでございます。また、全体が十二万余でございますので、この調査は事実上不可能ではないかと思いますので御了承をいただきたいと思います。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 できないというわけですね、実際上。できなければこれはできぬものにしろと言ったってしようがないんだが、しかし私はやっぱり、あなたがいま言った指導教育責任者には警察官の天下りという考え方は毛頭ないと、置かないと、こういう約束をしていただきましたから、今後指導責任者に警察官の天下りの方がなることはあり得ないと、こう思っていいわけですね。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) いわゆる警察官の天下り先を見つけるというんですか、そのための制度ではないかと、そういった先生の御質問の趣旨ととりまして、そういうことは全くあり得ませんということを申し上げたわけでございます。ただ一般に、公務員が第二の職場として、在職中の経験、知識を生かして民間の分野で活躍されることはあり得るわけでございます。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 それが本音でしょう。だからそこら辺は余りたてまえを振り回わさぬで——私はだからそこに問題があるんじゃないか。こういういままでちゃんと教育制度をそれぞれビルメンならビルメンで、また、警備保障なら警備保障でやって、九四%も配置してやってきておる、こういったものを現行法に基づいて強化するというようならわかりますよ。これをもっと教育内容を充実するとか行政指導を通じて充実していくとか、こういうことならわかりますよ。わざわざ法律を変えてこういうものをつくってそれに認定証を出してやっていくというところに、どうしたって不自然に思いますよ。しかも、それが業者の実態がそれにふさわしいような実態ならいいですよ。逆に言えば、もっと変えるところがあるんじゃないですか。私がさっき言ったように、この業界というのは第二就職者、定年後に就職する人が圧倒的に多い、こういう企業の実態なんですよ。これはいわゆる大卒とか高卒から入ってくるわけじゃないんだよ。それはなぜかといえば、いま言ったように競争入札制度の中における競争の激化と合わせて、最低価格という中での業界の実態がある。ここはそのままにしておいて、そうしていま言ったように教育とかそっちの方をうんと強化しようたって、限度がありますよ。たとえば検定をやるといいますね。これは十一条の二ですか、検定制度。これだって平均年齢五十歳とか、また五十六歳の人が受けるわけだ。それが何の意味がありますか、こんなことをやってみて。  私は、そこら辺のことを考えて、さっき申し上げたように、どうもこれは本音は警察官の行き先をひとつ拡大せにゃいかぬというところに本音があるんじゃないか、こう私は思ったわけだ。するとあなたは、いやそういうことは絶対ないと。ないなら、今後これについて元警察官ということはあり得ませんなと、こう押したところが、いや、それはあり得るかもしれません、こう言うんです。本音を言いなさいよ。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) 何回もお答えするようで申しわけありませんけれども、指導教育責任者制度というものが警備員の指導教育上重要な役割りを果たすものである、こう私どもは位置づけておるわけでございます。この点につきましては、業者の方々からぜひやってほしいと、こういうことでございます。率直に申し上げまして、業者の方にとっても負担になることは間違いないと思いますけれども、やはり警備員のレベルアップをしないと警備業務の性格からいって大変なことになるということでございます。やっぱりユーザーを含めて一般の国民の方々からいろいろ期待される、信頼されておる、それにこたえるにはレベルアップをしなきゃならぬ、それにはやっぱり指導教育が必要だ、それの中心の役割りを果たすのが指導教育責任者制度であるということで強く要望された、それを受けてこの改正法案に盛り込んだということでございます。  それからなお、検定の問題でございますけれども、この点につきましてはあくまでも警備業務の適正な執行を図るために、最近警備業務のうちでもどんどん専門的技術的な知識を要求される分野が多くなってきておる。そういった状態を踏まえまして、特に必要のある業種から検定制度を実施してみたらどうか、こういうことでございまして、おっしゃるような、中高年の方陣比較的単純な労務に従事しておる、そういった業種について検定を実施するというようなことはまず考えていないということでございます。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 そうすると、検定の問題については、いままで業界でやった講習実績、こういうものを踏まえて、そうきつくやるということはしないと、こういうふうに理解していいんですか。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) 検定制度そのものは、趣旨はいま申し上げたとおりでございます。この点につきましてはやはり相当の準備が必要でございますし、また、業界の方々の意向というものも十分お聞きしまして、その上で実施に移してまいりたい、こう思っております。すぐ実施云々ということはございませんし、また、実施する場合でも、いま申し上げましたようにやや特殊なというか、専門的、技術的な分野の業種からやっていくというような形になろうかと思います。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 そうすると、これはどうなんですか、全職員にするわけじゃない、限られた者だけにすると、そのするに当たっては、これを受けなければ警備員をやめなきゃならぬとかそういうことでもないと、こういうふうに理解していいですか。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) そのとおりでございまして、全業種について検定制度を実施するということは考えておりませんし、また、おっしゃるように、検定に合格した者でなければ警備業務に従事できないといういわゆる就業制限ですね、こういうことは毛頭考えておりません。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 それなら、なぜこんな十一条の二なんか必要とするんですか。こんなものは要らぬじゃないですか。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) 先ほどからお答えしておることに尽きるわけでございますけれども、警備業務が多岐にわたってきて、そのうち、たとえばでございますけれども、機械警備業務だとか、あるいは危険物輸送業務とか、あるいは交通誘導業務のように専門的、技術的な知識、能力を要求されるというものもあるわけでございます。そういったものにつきましては、それに従事する警備員のやはりある程度の質を確保しなきゃならぬ、こういうことでございます。  その質の確保というか、レベルアップといいますか、そういった点につきましてはいろんな方法があると思います。その一つは、指導教育責任者制度というものもあろうかと思いますけれども、それとともに検定制度を導入したいということでございます。これはある程度のレベルをセットしておきまして、そしてそのレベルに達したかどうかというものを判断して、そのレベルに達しているという者につきましては合格者証を渡すと、こういうことでございます。そのことによってその業務に従事する警備員の全体のレベルアップにもなるのではないか、こういうことでございます。  もとより、先ほど申し上げましたように就業制限とか、その法的効果というものは全く考えていないわけでございますけれども、副次的な問題かもしれませんけれども、この検定に合格した者につきましては、まあ一定の水準以上の知識、技能というものを有するということが公的に認められたということになるわけでございます。そういうようなことから会社の内部あるいは外部における評価、処遇というものもおのずから異なってくるのじゃないかなと、こういうことでございます。また、その当該警備員にとりましても、誇りというのですか、一層自主研さんするというふうな形になろうと思います。それから、まだ検定を受けていないという警備員にとりましては、能力向上に関して自主的な努力というものが期待されるのではないか、こういうことでございます。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 公安委員会の規則というのが明らかにされていないからなかなかそこら辺がつかめぬのですが、そうすると、相当の期間検定講習とかいうのをやるんですか、あなたがいま言ったようなことにすれば。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) この検定につきましては、そういう一定期間の講習を受けた者云々ということではございません。御案内のとおり、労働大臣の技能検定の場合には、職業訓練を経てそしてテストに通った者について合格ということで、技能士というんですか、称号を与えるというような制度になっておりますけれども、こういう検定制度というのはそういうことではございません。都道府県公案委員会がこういった検定をしますということで、学科あるいは実務というんですか、そういうものを行いまして、テストを行いましてそれにパスした者に対して検定を合格したと、合格者証を渡すというような形になるわけでございます。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 だがら結局屋上屋を重ねるというようなものになりそうですね、いまあなたが言うのを聞くと。言うならほかの企業にも、こうい警備業じゃなくてほかの企業にも通用するような国家的な意味での検定ではない。そこの警備業の中で一定のそういう、いまのあなたの感じからすれば五十時間ぐらいか何時間か知らぬけれども、わずかな時間程度のものをやると、こういうふうに受け取れるんですがね。ちょっと中身を言ってくださいよ、どういう講習をやろうとするのか。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) 検定につきましては、そういった講習ということを考えておりません。  警備員指導教育責任者の講習の問題でございますが、これは一応五十時間程度ということを予定しております。  講習の内容といたしましては、まず警備業法その他警備業務に関して必要な法令に関する知識、それから警備員に対する基本教育の内容、それから実務教育、それから教育指導でございます……

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 いや、検定のことを言っておるんだよ。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) 失礼いたしました。警備員指導教育責任者講習については以上でございます。  検定のやり方でございますけれども、学科については簡単なペーパーテストということと、それから実技のテストというようなことでございます。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 それにしても、いまあなたがおっしゃったように、簡単な実技なり簡単なペーパーテストということだが、これは特別に資格になるわけじゃないわけですから、受けなきゃ受けなくても結構なんですね。ですから、私はあえて十一条にこんなものを入れたということ自体がちょっと実態等から考えて疑念があるんですが、それはまあいいでしょう。  いずれにしても、この問題については零細業者の皆さんの実態からいって、とにかく実態に合わないというか、こういうような運営方法を管理規則で定めるということはしない、実態に見合った方法で一やる、こういうふうに理解しておっていいですか。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) 警備業者の場合に、先生先ほど御指摘ありましたように、規模の小さい業者がいるわけでございます。そういう面で規模の大小にかかわらず改正が行われておるわけでございますけれども、特にそういった規模の小さい業者に対する配慮というものにつきましては十分行ってまいりたいと思います。具体的には、総理府令とか国家公安委員会規則とか、あるいは運用通達の問題になろうかと思いますけれども、その面では十分配慮してまいりたい、こう思っております。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 それから、教育指導責任者制度の問題についてはさっきいろいろ議論をしましたが、指導官の配置については主たる営業所ということでよろしいですか。営業所の範囲。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) 営業所ごとに配置していただくということでございます。ただ、例外的措置といたしまして規模の小さい営業所、こういった場合につきましては兼任ということも考えてもいいのではないか、こう思っておるわけでございます。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 いや、私が言っておるのは、さっきの実態報告を聞きますと、個々のたとえばビルメンの関係で見ると五十人以下というのがほとんどですわね、全業者の。それから警備の場合でも圧倒的に多いのは五十人以下の業者ですね。そういう実態のどころでは、事実上主たる、本社というのか、言うなら本社に一人と、そういうような意味で運用を図る、こういうことでよろしいんですかと、こう聞いておるわけです。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) 営業所が一つということでございますが、そういう業者が三千二百十の業者のうち二千三百六十一、構成比で言いますと七三・五%、四分の三を占めておるわけでございます。こういった業者の方は当然営業所は一つしかございませんから、一人選任していただければ結構でございます。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 それから、それ以上のたとえば百名とか二百名とかであって、しかしこの県には一人か二人しかおらぬとか、九州なら九州各県には合わせて五十名ぐらいしかおらぬ、こういう場合にはどういうふうになるんですか。各県にばらすと少ないけれども。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) そういう場合でございますけれども、いわゆる各県に一カ所ずつ営業所があるといった場合につきましても、それぞれの営業所に指導教育責任者を選任していただくということになるわけでございます。ただ、先ほど申しましたように、営業所長さんが直接責任者になってもらっても結構でございます。どなたでも結構でございます。ただ、都道府県公安委員会の講習を受けてパスすれば、資格者証を持っておれば結構ということでございます。施行直後はある意味において負担になるかもしれませんけれども、これも既存業者にとりましては経過措置で、一年間は大体従来の例でいいということでございます。その間に講習を受けさして資格を有する者をたくさんふやしていただいて、その者の中から責任者を選任していただければ結構だということでございます。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 時間がないですから、簡単に二つほど聞きますが、認定の取り消しがございますね。取り消しをされた場合に、オーナーとの間に契約がございますがこれは当然破棄されますわね、認定取り消しになった場合。これ、四条の関係ですね。その結果従業員は失職したり、また、ほかのところのオーナーとの契約もございますわね、そういうところも、取り消しになれば破棄をしなきゃならぬ。その空白の問題については、猶予期間を含めてどういうような措置をとろうとしておるのかが一つ。  それから、六条三項の中の、いわゆる名義貸しだと思うんですが、この場合の意味というんですか、これはどういうふうに理解したらいいんですか。たとえばA警備がオーナーと契約をしまして業務をもらう、それをB警備に発注しB警備が実際業務を行う、こういう場合に違反になりますか。

佐野国臣警察庁刑事局保安部防犯課長

○説明員(佐野国臣君) 行政処分によって営業を停止されたような場合に、従前行われておった営業の継続的、必然的に継続しなければならない範囲というものはどの程度がという問題は、いわば学説なり判例なりそういった解釈からおのずから限度があろうかと思いますが、そういった限度を参酌してその範囲を定めたいと、かように考えております。  それから名義貸しの禁止につきましては、この規定は認定手続を得る義務や営業停止処分の脱法を図るような行為を当該行為者に名義を貸す者の面からも禁止し、制度の実効を担保しようとするものであります。したがいまして、暴力団員など認定を受けられない者に警備業を事実上営ませるため、他の者が認定を受けてその名義を貸すような行為などが典型的な例と考えられるわけでございます。  なお、名義貸しと下請との関係もやや議論もあろうかと思いますが、当面私どもは、下請と名義貸しの問題とは一応何ら関係がないということで、下請を禁ずる趣旨、名義貸し禁止の規定が置かれたから下請が禁じられるんだというふうな関係にはないということで理解いたしております。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 要約すれば、暴力団関係というものを念頭に置いておってこの項を設けたんだと。ですから、単なる下請ということについてはこの範疇に入らない、そう理解していいですか。

佐野国臣警察庁刑事局保安部防犯課長

○説明員(佐野国臣君) おっしゃるとおりでございます。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 そこで時間がございませんので、最後に長官とちょっと議論を二、三しておきたいと思うんですが、いま私が教育指導官の問題、この問題で少し議論をくどくしましたが、これはやっぱりこの法案を全体的に眺めてみると、さっき申し上げたように、あえてこういう教育指導官というものを新設した意味というのがどうしてもやっぱり納得できない部分がある。これは業界だってそうだと思いますね。ですから、そういう面から見ると何か別の目的があるんじゃないか。これ、義務づけて、警察官のやめられた方がここに入る、一つの就職先をつくるんじゃないか、こういう憶測さえ流れるわけです。そういうことは私はあってはならぬと思うし、また、もしそこら辺がこの法案の中に意図としてあるとすればこれは大変なことだと思うんで、この辺はひとつ長官としてきょうここですっきり御答弁をいただきたいということが一つ。  それからもう一つの問題は、さっきから言っておりますように、業界の実態というのは、これは中小じゃなくて非常に零細企業ですわな、率直に言って。五十名以下、十名以下という実態。それから、そこに働いておる労働者の実態を見ると、ほとんど第二就職者が圧倒的に多い、こういう実態。こういうところにここまでいろんな規制を加えて、これはきょうは、三条ですか、欠格条項の問題とか、いろいろ言及する時間がなかったんですが、ここまで法規制を強めていかなければならぬのかという疑問がどうしても私は念頭から離れぬですね。むしろあなたがおっしゃるように警備業務の質の強化を求めるならば、こういう方法をとると同時にそれにふさわしい財政保障措置もとっていかなければならぬと思うんですよ。そこがやっぱり一番根源になって次々労働条件やいろいろな形で出てきておるわけですから、ここら辺は財政当局のいろんな見解があったとしても、私はやっぱりここまで警備業務を強化していくという、良質な警備業務を確保するという点で出すなら、そこらについて警察庁長官としてやっぱり配慮を加えるべきものがありていいんじゃないか、こう思うんですが、この辺についてはあなた一体どういうような御見解を持っておるのか。私は、そういう見解が表明できれば結構だと思うんですが、いかがですか。

三井脩警察庁長官

○政府委員(三井脩君) この法律の改正の趣旨は、現在の実態に即して、社会的な情勢に即して、警備業が安定的な地位、そしてそれにふさわしい社会的な地位を占めていくということを実現するために条件を整えていこうということが趣旨でございまして、その他のことは全く考えておらないということが第一点でございます。  ただいま、そのための教育関係にいろいろこれを改正をするということが厳し過ぎるのではないかというようなお話でございますけれども、やはりこれにふさわしい質のレベルアップといったようなことを——現に教育は業者が自分でやっておるからといいましても、やっておるがゆえにそれを土台にして、制度としてこれを明確化するということがやはり社会的評価を高めることに役立つのではなかろうか。それと、先ほどお話しの契約上のいろんな制度というものと両々相まちまして、この地位が全体として高まっていくということであろうと、こう思うわけでございまして、検定もそういう意味でいわば中小といいますか、零細あるいは小規模の業者が多いという実態にかんがみまして、検定なども義務的なものでなくて、検定を自発的、自主的に受けることが社会的評価のレベルアップにつながっていく、それがまた待遇や給与や、そういうものに対する評価の高まりにつながりまして、契約制度の中でもそれが評価されていくということにつながっていくのではないかというように考えるわけでございます。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 ちょっともう一つ最後に、せっかく大臣が来ておるから大臣に。  いま長官のお話がありましたように、警備業界の質を高めて、そして警備業務というものが国民に期待されるものにつくり上げていかなきゃならぬ、そのためにこういう制度を取り入れようとしたんだ、予算の問題については両々相まって向上していくんじゃないかと、こういうような趣旨もあったんですが、これは私は基本的に、さっきからもう何遍も言っておりますように、やっぱりそこが確立されないと、根っこうが確立されないと、どんなに上に化粧してみても結果的に体質は直らない。しかも業界の実態から見ると零細企業がほとんどと、こういう状況にございますから、これについて大臣としてどういうふうに御所見を持っておるのか最後にお聞きしておきます。

世耕政隆自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(世耕政隆君) 御指摘の点でございますが、この業界は、社会的な需要に応じてますます今後この業種はふえていくように私どもは考えております。  そこで、零細の企業の方が多い。それから先ほどから御指摘の指導員とかあるいは機械設備とか、いろいろ今後に課せられたことがかなり出てくると思うのでございますが、その点でいろいろ、それを充実するための施策というものが今後必要になってくるだろうことも当然想定されることでございまして、この法案の趣旨は、つまり零細を圧迫してどうこうするということではないのでございまして、いまある業界の方々の、先ほど長官が言われたような質の向上、それから内容の充実、それから信頼度をさらにより高めるという、そういういろんな面から法の改正が行われるわけでございます。これで一〇〇%十分かと言われると、それは一〇〇%かどうか問題のあるところもあるかと思うのでございますが、まずやってみて、いろいろ問題が出てくるだろうと思うし、先ほど御指摘の財政的な面の問題、これは融資とかいろいろ資金的な面での問題があるかと思うんですが、そういうことで、今後これは一考を要するところが出てくるのではないかと思います。そういうことに対しても今後十分こちら側としても対応できるような姿勢で、この法案がもし御認可いただければ、そういうふうな方向で、今後いろいろ問題点が出てまいりましたときに臨んで適切に対応、検討をしてまいる所存でございます。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 終わります。

上條勝久自由民主党

○委員長(上條勝久君) 午前中の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。    午後零時六分休憩      —————・—————    午後一時六分開会

上條勝久自由民主党

○委員長(上條勝久君) ただいまから地方行政委員会を再開いたします。  警備業法の一部を改正する法律案を議題といたします。  休憩前に引き続き質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 まず、警備業の範囲内問題についてお尋ねをしたいと思います。  警備業法の第二条に、施設警備、それから雑踏警備、輸送警備、それからボデーガード、一応四つを挙げておられます。この範囲が業界の実態からいうと非常に不明確なわけで、午前中も同僚議員からいろいろ質問がありました。との業法の今度の改正法で、教育の問題とか、それから検定の問題あるいは立入調査の問題等々ありますから、その点では範囲がはっきりしないと社会的な不公平の問題、格差の問題というのが生ずるおそれがあるわけです。したがってそういう点から具体的にお尋ねをしたいんですが、まあ俗っぽい言い方をしますがね、かぎを預かる業者、これは警備業に該当するというように見ていいのかどうか。この点はどうですか。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) かぎを預かる目的が那辺にあるかわかりませんけれども、かぎを預かるというそのものの業態があるとすれば、それは警備業務には該当しないと思います。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 午前中のなにで、盗難防止、それから業として行っているかどうか、それから他人の需要に応じてという三つの基準をおっしゃいましたね。それを具体的には契約内容と実態に基づくんだと、こうおっしゃるんです。かぎを単に預かっているだけでは警備業にはならない。現実にかぎを預かるというのを業としている場合に、その人が預かることを業として、それで生活をしているという場合、単に預かって渡すとかというだけじゃないわけでしょう。だから、預ける方の側は、不審な者がごそごそせぬようにしてくれ、私の家はこれから留守になりますよ、その点はよろしく頼みますよということになるわけでしょう。そのためにかぎを預ける。預かる人もそれで一カ月幾らという契約をしている。だから、この契約と実態というのは非常にむずかしいんですよね。その点はどういうように判断されますか。  だから、一般的に言って、かぎを預けて、それでこれは預け賃やと言うて金を払うというようなこと、これは、隣の人にちょっと留守しますからと預ける、これは業じゃないですわな。隣の人がかぎを預かるのはそれで生活をしている、業にしているというわけじゃないんですから。かぎを預かるということを業にしている場合、これはやっぱりその中には、預ける側から言えば、盗難の予防といいますか、防止といいますか、そういう期待も含まれる。それは契約上はどうだろうと実態がそうであれば、それはこの警備業法の適用を受けるということになるのか。その辺はどうですか。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) 先ほどお答え申し上げましたように、かぎそのものを預かる業というのは私どもちょっとわからないのでございますけれども、問題はそのかぎが、たとえばですけれども、マンションのある部屋のかぎとかあるいは会社の事務室のかぎとかというような形になろうかと思います。そこで、かぎを預かるということは、単に預かるだけじゃなくて、預かることが業務の一つであって、本来的にはマンションのある居室あるいは事務室、事務所、工場、あるいはビル、そういったものについて犯罪等を予防し警戒するというような業務であるかどうかということが警備業務になるかどうかのメルクマールになるんじゃないかという感じがいたします。  いずれにいたしましても、まず契約内容を見て、また、現実に委託された業務の態様というんですか、そういったものを見て判断せざるを得ないと、こう思います。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 午前中も話が出ていましたが、マンションを建てて、そしてそれを建設した建設会社の今度は子会社がサービス会社とかいう形で、補修なども含めて、共有物の管理を含めて、そしてかぎも預かる、こうなりますね。契約自身は盗難防止とかそういうものは明確ではなくても、実態的にそのことが頼む側の方、依頼者側の方から、いわゆる居住している側の方からそのことを期待しておれば、それは業法の適用になるということなのか。契約書そのものにその文章がなければ、いわゆる盗難防止という文句がなければ、それはこの業法に該当しないということになるのか。この点はどうですか。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) 第一次的に判断いたしますのは、やはり契約書、契約条項だと思います。警備業者がユーザーと契約する場合には、ある程度定型化されております。その中に、当然のことながら盗難等の事故発生を警戒し防止する業務をやります。契約期間は一年です。それで料金はこうですというような形になると思います。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 それは明示されておればはっきりしますわね。明示されていない場合。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) 明示されていない場合には、結局実態で判断せざるを得ないと、こう思いますけれども……。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 実態で判断というのはどういうことになるんですか。預ける側の判断なのか、預かる方の判断なのか、どっちの判断ですか、実態というのは。どうするんですか。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) 警備業者が警備契約をする際にはいま申し上げたとおりなんですけれども、定型化されておりますので明示されるということでございます。明示されないということはちょっと考えられないわけでございますけれども、仮にそういうのがあった場合にどうかということになりますと、やはり警備業者の方とユーザーの方との双方の意思というんですか、意向というんですか、契約内容はどうだというような両方からの判断になるかと、こう思います。いずれにしましても、いわゆる警備契約というのが締結される、そこには明示されているというのが通常の態様ではないかと、こう思います。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 マンションをつくって、子会社としてサービス会社をつくる、そしていま言ったように共有の部分あるいはその他のいろんな補修、維持管理、同時にかぎも預かる。そのときに、いまの盗難防止という問題が入ると、これは警備業法の適用を受けるから——実際にはそのことをやりますけれども、業法の適用受けるとこれは教育をせなならぬ、それから指導者も置かないかぬ検定も受けなきゃならぬ、いろいろ出てくるわけでしょう。だから、私のところは警備業はやっていません、だから契約にはそんなことはありませんよ、しかし実際にはやります、したがって契約金をこれだけいただきます、こうなっているんだね。だからあなたのさっきのやつでは、第一は契約で明示をされているかどうか、第二は実態。この実態というのをどうやってなにするんやということです。そうしないと、何ぼでもそういう法網をくぐる業者ができるわけでしょう。そうしたらこれ何のためにつくるのやということになりますよ。だから、その点はどうなんですかということです。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) 警備業法上は単に「盗難等事故の発生を警戒し、防止する」という規定になっておるわけでございますけれども、たとえばでございますけれども、マンション管理の場合、御質問でございますのでお答え申し上げますけれども、マンション管理の実態というのもまたいろいろの場合があると思います。あるとは思いますけれども、たとえば不審者の発見のために巡回しなきゃならぬとか、あるいは警報装置がございます、そういうようなものの監視あるいは戸締まりの確認をするというようなこと、そういったことになりますと、警備業務と考えていいのではないかと思います。そこで、単にマンションのある一室のかぎを預かっているというだけでは警備業にはならないのじゃないかと、こう思います。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 大体普通はかぎを預けるというのは余りないんですよね。自分で持って出るんだよ。まあかぎの数が少ないから、子供が帰ってきたときはあけてやってくれというので預けるかもわからぬ。それは隣でも預けられるかもわからぬ。普通かぎを預けるということは、それは一般的に常識的に言うならば、怪しいやつが入らぬように頼みますよということを込めてかぎは預けるものですよ、普通には。それは別にかぎを預けぬでも自分が持って出ればいいんだし、だからそういう点を、いわゆる警備業法の今回の改正に伴っていろいろな義務がふえますから、そういう法の網をくぐるような行為が起こり得る可能性があるんですよ。その点、明示されればはっきりしますよ、それは。問題は、明示しなくて実際はどうなのか。そういう場合に、いわゆる警備業としてやっている人たちと、それからそうやって警備業ではございませんという顔をして実際はやっているのと、その辺で不公平が起きたらこれはいかぬでしょうというのが一つの問題点ですよ。  それからその次、テナントや区分所有の場合にビル管理者が管理をするわけでしょう。あるいは自分がやるかもしれぬし、あるいは家族でやるかもしれぬし、人を使ってやる場合もあるでしょう。いわゆる集合ビルというか、複合ビルといいますかね。そういう場合はこれは適用になるんですか、適用にならないんですか。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) ビル管理の実態がよくわからないと一律には申し上げられないとは思いますけれども、結局所有者が管理をしておる、そうすると、いわゆる自家警備的な色彩になるわけでございます。そういう場合には第三の要素であります「他人の需要に応じて」ということには該当いたしませんので、警備業法に言う警備業務にはならないんじゃないかなと、こう思います。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 だから、ビル自身のところに泥棒が入っていくということはないわけよ。ビルの中の事務所なら事務所を貸しているわけでしょう。泥棒はそこへ入っていくわけですよ。だからその場合、自家管理という面で言えば、共有部分に関する分はそうかもしれぬ。だけれども、夜間なら夜間無人になる、その場合にそのビルの管理者が委託を受けて夜間なにをしている、それは警備業そのものではない。だから、一面自家管理のように見えるけれどもそうじゃないわけでしょう、実態は。こういう複雑な問題があるでしょう。これはどうなりますか。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) その場合、結局ビル管理者とテナントの所有者との関係がどうなっているか。それで特別にまた契約が結ばれておりまして、そしてそのテナントの部分についても盗難防止、警戒に当たってください、仮に、ビル管理者の方のいわゆる過失に基づいて泥棒に入られた、かぎを必ず締めなきゃならぬ、あるいは確認しなきゃならぬという義務というんですか、義務が課せられておってそれを遂行しない、履行しないために過失があって、そして損害が生じたと、こういうような場合に、通常だとやっぱり特別の警備契約を結んで警備料金、それからそういった過失によって損害が生じた場合に損失補償というようなことが明示されておると思います。最近はこういうビルがたくさん出ておりますので、私どもも全部が全部わかっておるわけじゃございませんけれども、通常の場合はそのビル管理者とテナントでそういう特別の警備契約を締結しているということはないのではなかろうかというような感じがいたしますし、警備業法に言う警備業務、三つの要素を完全に充足しているというような形ではないと、こう思うわけでございます。一般的に言いますと、そういう場合はまずビル管理者のそういった業務は警備業務に当たらないんじゃないかと、こう思います。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 この点も先ほどのマンションの例と同じでね、私はちょっと問題がある点ではないかと思うんです。これは施行令なり施行規則なりでもう少し基準を明らかにされていくのか、あるいはさらに解釈例規みたいな形で実態に即してやっていかれるのか、何らかの方法を考えなきゃならぬだろうと思うんですけれども、ぎりぎりのところなんですよね、これ。どの辺でどう線を引くか。やっぱり警備業法をいままでよりもさらにそういう意味でいろんな義務を課するという場合に、片一方の方は大変なことだ、同じことをやっておるのに片一方ではうまいことやってはると、こういう状態になってきたらこれはいいことないわけでしょう。だから、その辺は実態に即して施行令なり規則なりあるいは実態に即したそういう解釈例規といいますか、そういった問題での実態に即した指導というのは、これを実際にやっていく場合の中で、業者の意見も聞きながら実態も調べておやりになるというように理解してよろしいですか。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) あるビルがありまして、それをいわゆる警備するといった場合に、大きく言って二つの態様があると思うんです。一つは、当然のことながらその所有者、管理者が警備する、守衛さんを置いてやるいわゆる自家警備。それからもう一つは、警備業者がこのビル管理者から依頼があってそれで警備員を常駐させて警備するという場合です。前者は警備業務に当たらない、後者は警備業務に当たる、これは明々白々なんです。問題はその中間だと思うんですね。先生おっしゃるとおりボーダーラインにあるだけになかなかむずかしいわけでございますけれども、やはり契約がどういうふうに結ばれておるか、あるいは実際にどういう業務をやっているかということで判定せざるを得ないと思います。  ただ、その当該ビルの警備をやる者が警備業者と認定されるとこの規制がかかる、認定されないとならないということになりますので、こういった面につきましてはよく実態を研究調査し、また業界の方々のいろんな意見なども聞きながら、一つの指導方針というものも策定してまいりたいと、こう思っております。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 私はいまの、ビル管理を管理者自身がやればそれは自家警備だからこれが適用されないというように単純にはいかないだろうと思いますよ。そのビルの管理者が中にある事務所全部自分のものであればそれはそれで一つの、そういうことになると思います。しかし、幾つかの事務所がそれぞれ区分されている。それで管理者が管理をしている。その契約の中に明記をしてあるかどうかは別にして、それらを含めたいわゆる賃貸料といいますか、そうして自家警備をやっている形をとる。その自家警備をやっている形態は形態なんだけれども、実際はそこに入っている事務所についての盗難防止とも含まれて、そして防火防災も含めてですよ——これ、防火を入れていないからややこしくなる。普通は防火防災が多いんですけれどもね、契約の中身は。防火防災まではこれ該当せぬからそこまでは書く。警備業務については、盗難防止とかというやつを書くとこれにかかるから、そうはならないというのが起こってくるんですよね。そうすると、警備会社に頼んだやつは業法にかかるけれども、こっちはかからぬという問題も起こりますよ、この辺は実態に即して業者の意見も聞いて指導方向というやつを検討するということですから、その点ひとつ不公平が起こらないように、それからせっかくつくった法律の網の目をくぐるようなことが続発することがないように十分考えてもらいたいと思います。  それからその次の問題は、ビル内の駐車場の管理というのはこれは警備業に該当するわけですか。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) この駐車場の管理のまた実態にもよるわけでございますけれども、通常、駐車場の管理の場合には、単に駐車料金の徴収をするだけではなくて、そこに駐車してある車両の監視あるいは保全というんですか、そういった業務をも担当している場合が多いと思います。そういう場合には警備業務に該当すると考えられます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 ガレージまでちゃんとあるやつでなしに、いわゆる青空駐車というやつですね、これはどうなりますか。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) その場合でも考え方としては同じでございます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 大体警備業の、特に第二条一項の問題を中心にちょっとなにしたんですけれども、非常にいろいろ、いま言いましたような実際にはうまいことくぐり抜けるおそれもありますし、そのことによって不公平を生ずるおそれがあるので、先ほど申し上げたように、具体的には実態に即した十分な指導をやってもらいたいということを申し上げておきたいと思います。  次に、検定制度、教育に関する問題に移ります。  いままでの質疑の中で明らかになってきたんですが、検定については、十二万余りのすべての警備員に対して一斉に行うものではなくて、緊急度の高いものから行うというのが第一点ですね、大体いままでの御答弁を議事録を調べてみますと。第二は、検定合格者でなければ仕事はできないということではないという点ですね。第三点は、当面交通誘導業務、原子力関係の警備業務、それから危険物輸送警備業務、きょうの午前中の中で弔う一つ機械警備ですか、大体その四つぐらいの特殊専門的な警備業務についてやりたいというのが大体いままでの答弁の趣旨だと思うんですが、大体そのとおりだったらそのとおりと。時間がありませんから。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) そのとおりでございます。  ただ、第三点で、当面緊急度の強いものという業種でございますけれども、交通誘導業務それから危険物搬送業務ですね。それで、原子力というのは特殊専門的な分野ということでちょっと答弁申し上げましたけれども、危険物輸送業務という形でとらえております。それから第三が機械警備業務ですか。大体三業種というかこの三つの分野についていま考えておるということでございます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 いまの原子力のやつは、五月十三日の参議院の地行委員会のあなたの答弁で出ているから——まあそれはいいです。  だから、危険物輸送警備業務の中に原子力関係の警備というのは入ると。これは何ですか、原子力関係の輸送業務のことですか。原子力発電所だとか、そういうそのものの警備の問題ではないという意味ですか。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) その点、私のさきの答弁がやや正確を欠いたと思いますけれども、危険物輸送業務ということでございまして、その中には原子力関係のいわゆる核燃料物質等のものも含まれるということでございまして、原子力施設警備ということはいまのところ考えていないということでございます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 そうすると、これはそういう特殊な業務について個別に検定試験というか、やられるわけでしょう。どうなんですか、一般的な検定試験じゃなしに、危険物輸送業務とか、それからこちらは交通誘導業務とか、それから機械警備の業務と、三つなら三つの試験、それぞれ別のそういう試験をやるということなんですか。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) そのとおりでございまして、警備業務の種別ごとに必要な知識及び能力があるかどうかということで検定を行うということでございます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 こうなると、特別に知識と能力を必要とするような警備業務ということになるわけでしょう。そうすると、これは労働省がやっている技能検定の制度、これと一面同じことになるんじゃないですか。この辺いかがですか。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) 警備業法上の検定制度を取り入れることについてお願いしておるわけでございますけれども、これはあくまでも最近警備業務が非常に複雑多岐になってきた、特殊な専門的、技術的な知識、能力が要求されるようになってきた、こういうことでございます。そのために、個々の警備員についてもそういった知識、技能が必要になってきた。その個々の警備員の知識及び能力を向上させまして、その結果そういった特殊専門的な警備業務になろうかと思いますけれども、警備業務の実施の適正化を期したいと、こういうことでございます。  これに対しまして職業訓練法に基づく技能検定につきましては、職業訓練等が終了いたしまして、かつ一定の実務経験というものを有する者につきまして一定の基準を設けて試験を行う。その合格者に対して技能士という称号を与えて公称するという制度と承っておるわけでございますけれども、これはあくまでもその労働者の方の経済的な社会的な地位の向上というのですか、これを図るものであるということでございます。そういうことで、この警備業法に言う検定と、それから労働省の技能検定とは趣旨、目的というのが違うということでございます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 労働省のこの技能検定はいま部長が言われた趣旨でいいんだろうと思うのだけれども、その点の確認と、この問題については警察庁から相談はあったでしょうか、検定問題について。

征矢紀臣労働省職業訓練局技能検定課長

○説明員(征矢紀臣君) ただいまの先生の御質問でございますけれども、私どもは職業訓練法に基づきまして技能検定を実施しておるわけでございますが、その目的としましては、法律第一条におきまして、ただいまお話しもございましたように、労働者の職業の安定とそれから地位の向上、経済的、社会的な地位の向上を図るということを目的としまして実施しておる制度でございまして、その基本的な考え方としましては、第三条におきまして、「技能検定は、職業に必要な労働者の能力についてその到達した段階ごとの評価が適正に行われることを基本理念とする。」ということでございます。したがいまして、そういう観点で従来の各般の職種で必要なものについて技能検定を実施しているということでございまして、したがいまして今回の警備業法における検定制度につきまして、これは先ほど先生の御質問にございました点でございますけれども、これは政府部内におきましてやはり法律を提出する段階で事前に協議はいたしておりますが、その辺の議論をいたしまして、たとえば法文上、警備業につこうとする者についての検定というようなことも入っているわけでございますが、そういう者につきましては職業訓練法に基づきます技能検定制度には乗り得ない。これはあくまでも労働者に対します一定の実務の経験の積み重ねによりまして蓄えた技能について国家が検定する制度でございますので、そういう意味で乗り得ないものでございますが、その辺について考え方を整理したものでございます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 しかし谷口部長、このいまの危険物輸送の警備の業務とか、それからおっしゃった三つほどのやつがありますね、交通誘導等。いずれにしても、これは一定の経験も積み、それから一定の知識も持った人を対象にして試験をするわけでしょう。試験は学科と実技だと、さっきはこうおっしゃるんですから、その講習をするとかしないの問題じゃなしに、実際に一定の経験をした者、一定の知識を持った者、それを対象に、だれでも受けられると言えば受けられるけれども、実際にその検定に合格するというのはそういう人になってくるということになるわけでしょう。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) 職業訓練法に言います技能検定の場合には労働省からお答えがありましたとおりでございますけれども、結局、その労働者の職業安定というんですか、あるいは地位向上、その結果処遇もよくなるというような形、そこにねらいがあるのだろうと思うんです。警備業法の検定と申しますのはそうではなくて、警備業務の適正な執行、それにねらいがあるわけでございます。それを担保するためにこの検定制度を導入してきたと、こういうことでございます。  具体的なやり方をちょっと御説明申し上げますと、先ほど申し上げましたように、当面というか、緊急度の高いあるいは必要度の高いというのは三つの業種でございますけれども、これを実施するにしても、そんなに早々にできることじゃない、相当の準備を置いてやりたいと思いますけれども、それはともかくといたしまして、そういった警備業務の種別ごとに必要な知識、能力があるかどうかということでございますが、これはもうどなたでも受けていただいて結構なんです。そして筆記試験及び実技試験を行うと、こういうことでございます。そして一定のレベル以上にある者に対しまして合格証を出すと、こういうシステムでございます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 これは検討せぬともう一つよくわからぬですけれども、先ほど、午前中の質問の中の答弁で、副次的に、検定に合格した人が社会的にも評価をされて処遇の面でも改善されるんではないだろうかという趣旨もあります。それから片一方の、技能検定で資格を取ると、これも職業の安定ができると同時に社会的にも評価をされ、そして処遇の面でも資格を持っている者と、こうなってきますね。しかし、片一方ではその検定を受けなくっても業務はできます。たとえば現金輸送の業務なら現金輸送業務をやる。そうすると、現金輸送業務を二人なら二人で一つの車で現金輸送をする、あるいは運転手と三人になるのか知りませんが、二人なり三人なりでやる。その場合は一人は検定の合格者がおらないかぬということになるのか、ゼロでもいいということになるのか。ゼロでもいいのだったら、何で検定制度が要るのだということになるでしょう。三人で現金輸送をするという場合には、検定に合格した者が一人でもおらないかぬのだと、そうしないといざというときに対処ができない。だから、そういう意味で検定制度は必要です、これはこれで一つわかります、それは。しかし、ゼロでもいいんですよというのだったら、何で検定制度というのは要るんですか。この辺のところはどうなんですか。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) この検定合格者に対する副次的な効果につきましては、おっしゃるとおり副次的ないろいろな要素があるわけでございます。そのことによって、業界あるいは業者、警備員の自主的な努力というものが期待されるのではないかということにねらいがあるわけです。結局、警備業務の適正、レベルアップを……

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 いまの僕の例でちょっと説明してください、僕の言った現金輸送なら現金輸送で。抽象的なことじゃなしに。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) お尋ねの例で言いますと、ゼロでもいいということでございます。  それで、結局個々の警備員の質的向上を図らなければ適正な警備業務の執行が期待されないわけでございます。そのためにいろいろな制度を考えておるわけです。そのうちの一つが検定制度であると、こういうことでございます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 やはりあなた、ユーザーの方から言うたら、現金を何千万か何億かしれませんが、送ってもらうときに、検定に合格した人が一人もおらぬ、そんなところにうっかり頼めぬわいと。言うならば、検定の資格を持っている、合格しておるということになれば安心できる、ある意味ではそうなるわけでしょう。そういうことによって警備員が社会的にも評価をされるし、そしてその処遇も改善されるであろう、そしてまたそれを目指して警備員も自主的な努力をするだろう、それはそういうことになるでしょう。だから、そうなると、実際上は、検定に合格をしなくても仕事はできますよということをおっしゃりながら、しかし実際の契約関係では、ユーザーとの関係ではそのことが期待されるということになってくるんでしょう。だから、法案の当初の段階では、大体一級警備士、二級警備士というような考え方もあったんじゃないですか。  しかし、そうやってくると職業訓練法の技能検定との関係も出てくるし、その問題だけを労働省に任せるのも何だし、それで国家公安委員会の方で全部処理できるようにするには一体どうしたらいいかと。だから全員に、一応警備業に従事をする場合にはこれだけの知識を持ちなさいという教育をして、その成果を認定をして検定をするというのは、またこれはそれなりに意味があります。わかります。しかし、さっきからの答弁をずっと聞いていると、それではなしに特殊な一定の業務について行っていくんで、十二万余り全員に将来全部やってしまうというつもりはないと一面ではおっしゃる。だからこの辺の、いわゆる技能検定の問題と警備業法で今度新しく入れられる検定制度という関係というのは、非常に私は混乱をしているんですよね。  それで、国家公安委員会で全部一手にやれるようにする、労働省の関係はそういう意味ではシャットアウトするというためにいま部長は一生懸命いろいろなことをおっしゃるけれども、言えば言うほど私はどうもその辺の混乱があるように思うんですが、この点はどうですか。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) 私の説明が不十分なのかもしれませんけれども、今回お願いしている検定制度でございますけれども、やはり警備業務の適正な実施というのが、ユーザーはもとよりですけれども一般の人からも要求されておる。それを担保する方法はいろいろあろうかと思うわけでございます。とりあえずお願いしているのがやっぱり個々の警備員の質的向上を図るための制度的な担保ということだろうと思います。その一つが指導教育責任者制度でございます。これはるる申し上げませんけれども、非常に重要な役割りを果たす、そういった法的に裏づけをしまして営業所ごとに設置してやってもらうと、このことによって単に法定教育だけじゃなくて現場における指導をもやってもらうということで、個々の警備員のレベルアップ、ひいてはその警備業務の適正な執行を図ると、こういうことでございます。  それとともにというような形になると思いますけれども、検定制度を導入してみたいと、こういうことでございます。ねらいはあくまでも警備員に必要な知識及び能力を向上させなきゃならぬ、向上させる方策の一つとして検定ということです。一定のレベルに到達しているかどうかということをチェックしたいということでございます。そういう制度ができますと、個々の警備員にとってみては、挑戦しようと、合格するかどうかやってみようということで、やっぱり自主的研さんというのが行われるのではないか。合格した者はその合格者の名に恥じないように今後とも一生懸命研究しまた勉強し、それに恥じないようなことをやろうというような形になると思うんです。そういった個々の警備員の質のレベルアップに基づきましてますますその専門的な技術的なことが要求され、またそういった分野に進出されている警備業ですけれども、そういったものが適正に執行されるのではなかろうかと、こういうことでございます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 私は、一定の特殊なそういう警備業務について、そういう検定制度をやるという点はそれはそれなりの意味があるというように思いますよ。だから、それをだめだと言っているんじゃないのですよ。五十六年八月に東京ビルメンテナンス協会が調査なすった資料がありますが、その東京ビルメンの調査をしたなにによると、五十六歳以上の方というのは五八%ですよね。三十歳以下というのはもうわずか六・六%です。大体これが防火防災を主としながら警備も行うと、こうなっているわけでしょう。実際に高齢者の方が圧倒的に多いわけです。こういう人にこれはやっぱり検定をやりますのか。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) 警備業務はもういろいろな種類がございます。それで、中高年の方が従事されておる警備業務は、専門的、技術的な分野の問題よりも比較的単純な業務、単純な業種というんですか、仕事という場合が多いと思うわけです。そういった業種につきましてはこれはもう検定というものはまず考えられないと思うんです。私ども三つの業種を取り上げているんですけれども、これは緊急度、必要度の高い業種でございまして、将来これはどうなるか。また新しい分野が出てくるかもしれません。そういったものについてはまた考えるということでございましょうけれども、例を列挙しているわけでございます。だからといって守衛業務というんですか、あるいは駐車場管理業務も非常にむずかしいかもしれませんけれども、そういった業務にまで検定制度を適用していこうというような気持ちはないわけでございます。  警備業務のうちの特に技術的、専門的な業務については、いままでのあれと違いまして相当高度というんですか、技術的な専門的な知識が要求される、それに対応していかなければならぬ。それはもちろん個々の警備業者あるいは警備員の自主的努力にまつところが多いのでございますけれども、そういうものを一つ裏打ちするというんですか、それを奨励するというような意味で検定制度を取り入れたと、こういうことでございます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 だからそういう高年齢者の一般的業務といいますか、一般的警備業務といいますか、そういう特殊な知識なり技能を必要としないものについては検定を実施するということは考えていないということですね。その点はアルバイトの場合も同じですか。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) アルバイトの場合でも、その従事する業務の種類が那辺にあるかということでございます。それが通常の場合はいわゆる一般的な警備業務ということになると思いますので、検定制度の適用云々ということは考えておりません。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 その次は教育問題ですが、前回も教育問題をやりましたが、新人の場合、過去十年間、二十時間という年間の教育がなかなか消化されなかった、そういう状態だったわけです。これを今回は三十時間にふやすというわけですが、その教育の中身ですが、現行の警備員の教育科目は総理府令で決められていますね。ところがこの中にはビルメン関係でも九〇%、専業関係でも同じように大きな割合を占めている防火防災業務に関する教育というものは入っていないわけですね。この点は前回も私は問題にしたわけですけれども、これからやられる教育の、二十時間を三十時間にふやすそういう教育の中には、たとえばいままで消防庁の講習を受けてもいわゆる講習時間の中には入らないということですが、今度三十時間になる場合には、消火器の扱い方その他いわゆる防火防災関係の教育内容も含まれるようになるというように理解をしていいですか。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) 警備業務の中に防火防災業務を入れるかどうかということは非常に本質的なむずかしい問題がありますので、今度二十時間から三十時間にふやしたいと、こう思っておりまして、その十時間の中にたとえば消火器の取り扱い方とかという狭義の意味の防火教育ですが、そういったものはふやすことは考えておりません。当面私どもで考えておりますのは、警備業務の基本的な警戒予防装置、いわゆる防犯的な観点、そういったものとかあるいは警備業務がいろんな分野で行われておりますので、そういった種別ごとの特殊性、これに応じた教育というのですか、そういうものを取り入れたいと、こう思っております。  しかしながら、その中での問題でございますけれども、ビル等の施設警備の分野におきましては、火事を含めてでございますけれども、一たん事故が起きたと、そういった場合のいろんな応急措置がある。あるいは避難誘導措置、こういった関係がある。これも当然警備員としてやらなけりゃならぬわけです。こういった教育につきましては取り組んでやってみたいと、こう思っております。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 ちょっと消防庁に聞きますが、いままでにも警備業者なりビルメン業者の皆さんが防火防災の仕事を委託をされる、契約をされる。それに応じて消防署の方で要請に応じて火災予防のいろんな教育講習をやるというのは何回かやっておられるのじゃないですかね。その辺はどうなんでしょうか、実態は。

大嶋孝消防庁次長

○政府委員(大嶋孝君) いまお尋ねの点、全国的な実態というのは把握しておりませんが、いまおっしゃったような形で警備業者の団体が主催する講習会とか、そういうところに講師として出向きまして警備員等に対します指導には努めておるということでございます。  一、二の例を申し上げますと、たとえば東京消防庁でどういうことをやっているかということを申し上げますと、一つは自衛消防隊員講習の臨時開催ということでございまして、全国警備業協会などの警備業者の団体からの要望に応じまして、警備員を対象とした自衛消防隊員講習を特別に実施をしている。これは年に二、三回程度やっておるわけでございます。それから同じく全国警備業協会あるいは全国ビルメンテナンス協会等が主催いたします警備員の教育担当者の講習会に講師を派遣しておる。これも大体年二回程度やっておるようでございます。それから京都では、警備業者の会合等で講師となりまして教育をやる。それからことしの三月でございますが、これは特定の警備業者でありますが、依頼を受けまして新入社員教育のために消防学校に一日入学をさせる。あるいは大阪の例で申し上げますと、業者の団体が主催いたします講習会への講師の派遣。それから消防局主催の警備員を対象といたしました防火管理講習会を本年度から新たに開催をする予定であるというような実態でございます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 これはこの間のホテル・ニュージャパンの経験でも警備保障会社が契約していて、それも防火防災問題も含めて契約していましたわね、契約事項として。しかし、自動火災報知機の操作も知らなかったという状況が火災の被害を大きくした一つの要困になっていますね。そのことは当委員会でも明らかにしたわけですが、これを現実に警備業者やビルメン業者が契約をする場合に、防犯関係だけじゃなしに防火防災関係の契約も多い。また、ユーザーの方もそのことをよく知っている。それについては自主的に自発的に、言うたら消防庁にお願いをして講習をしたりいろんなことをやっている。こっちの方は義務化はされてないわけですね。しかし責任を持って仕事を請け負う限りはやらざるを得ないわけです。片一方は二十時間これは義務化されているわけですけれども、なかなか消化しにくい。そういう問題も片一方起こるわけでしょう。今度三十時間にするのだと。その場合に、防火防災の消防の方から受ける講習時間も三時間なら三時間、五時間なら五時間、まあ何時間が適当か僕は知りませんけれども、それらも教育内容に含めていかなければ、実際には二重の教育を、警察へ行って片一方は受けなならぬ、こっち消防庁へ行って受けなならぬ、両方やらなきゃいかぬ。そうじゃないと実際に責任を持って仕事を遂行することができぬと、こうなるわけでしょう。この辺はどうなんですか。実際これからは教育内容その他は検討されるわけですからね。実際問題としては、そういう点をひとつ業界の皆さんの意見も聞いて、もう少し実際に効果があるようなそういう教育内容にしてもらわないと、これはここで法律をつくるわれわれの責任が果たせぬと思うので、ちょっとその辺をはっきりしてもらいたいと思います。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) 先生御指摘のとおりでございまして、単に時間を二十時間から三十時間にしたらそれでいいという問題ではないと思うんです。問題は中身であり、今度は指導教育責任者が設定されますから、その者が中心になってやるというようなことになると思います。教科内容につきましてはこれから詰めていくということになりますので、消防庁とも、また関係団体ともよく協議しながら、実効の上がるような教科内容あるいは教材等も考えてまいりたいと、こう思っています。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 それではその次に、入札制度の問題、それから警備員の労働時間やあるいは賃金、そういった問題についてお尋ねしたいというふうに思うんです。  警備業は、機械警備は別にして、一般的には労働集約型の業態ですわね。したがって、専業及びビルメン関係いずれも売り上げの約八五%程度が人件費だというように聞いているんです。ところが、午前中にも出てまいりましたけれども、業界が零細業者が多いところへもってきてどんどんふえてきていますし、そういう中でダンピングが起こってきているという問題があるんですが、特にそれを助長しているのに、午前中にもちょっと問題になりましたが、官公庁の入札制度の問題という点に非常に一つ問題があるので、この点について少しお伺いしたいと思うんです。  労働省の基準局関係の方見えていますか。——労働省の基準局長名で都道府県知事あてに毎年、最低賃金の履行確保について、文書を出されておられるようです。昨年の十一月九日付の文書を労働省からいただいておるんですが、その中で、「下記に掲げるような地方公共団体が雇用する非常勤の職員、地方公共団体の関係機関が雇用する労働者等についても、最低賃金の適用上問題が生じたことがありますので、」「最低賃金の履行確保の徹底について」十分御指導願いたいということになっていますね。その中で、「とくに、地方公共団体の発注に係る庁舎の保守、清掃等の作業を請負施行するビルメンテナンス業者が使用する労働者については、最低賃金の改定実施に伴って賃金引上げが必要となるものが相当数存在する実態にありますが、人件費比率がとりわけ高いことに加えて、委託契約が最低賃金の改定に先だつて年度当初に行われるという事情から、これらの業者の中には、契約料金との関係で改定された最低賃金の遵守が困難であると訴えるものが少なくありません。」という指摘をなさっています。この辺の状況について説明をしてもらいたいと思います。

逆瀬川潔労働省労働基準局賃金福祉部賃金課長

○説明員(逆瀬川潔君) いま、先生お読み上げいただきましたとおりでございまして、警備業につきましては、ビルメンテナンス業についてもそうでございますが、官公庁との委託契約が最低賃金の改定に先立って年度当初に行われると、こういう事情がございますことなどから、最低賃金の遵守がむずかしいと、こういう事情が聞かれるわけであります。そういうことで、いま先生お読み上げいただきましたようなことで、労働省の労働基準局長から都道府県知事あてに、また各県の労働基準局長から市町村長あてに、先ほどおっしゃったような趣旨の要請をしているわけであります。  私ども、警備業とかあるいはビルメンテナンス業に対して、特に最低賃金の履行状況がどうであるかという監督を全国的にしたことはございませんけれども、東京の局が五十五年度に実施したものがございまして、それでいきますと、四十九事業場を実施したわけでございますが、そのうち、警備業でございますが、最低賃金の違反事業場が二事業場ございました。そういう状況でございます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 最低賃金の違反事業場は二事業場なんですが、違反をしなくても大体すれすれ、ちょっと上回っておるという状態じゃなかったかと思うんですが、いかがですか。

逆瀬川潔労働省労働基準局賃金福祉部賃金課長

○説明員(逆瀬川潔君) その点につきましても、全国的な統計というものがございませんのではっきりしたことを申し上げられませんけれども、最低賃金の改定が行われますと、ビルメン業あるいは警備業の労働者の賃金について改定を要する場合が少なくないというふうに考えられるのであります。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 警察庁の方で、午前中の質疑の中でも、そういう賃金の実態について、百二十二社ですか、抽出調査をなさったようですね。それで、平均賃金が十六万何がし、労働省の方の調査では十五万何がし。だから、いずれにしてもそういう実態についてはある程度御存じだというように思うんですけれども、その原因はどういうように思っていらっしゃるか。理由ですね。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) いろいろな理由が挙げられるかと思いますけれども、一つには、まだまだ警備業あるいは警備業務に対する社会的評価が十分高くないというようなこともあるのではないかと、こう思うわけでございます。そういうことで、警備業務の社会的評価を高めるということも必要なのではないかと思います。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 機械設備なんか持っている比較的大きい業者の場合は別ですけれども、一般的に、たとえば東京のビルメン、先ほど言いましたやつで五十六歳以上で五八・五%ですね、年齢構成見ると。ということは、一たん退職して、そして再就職されている。それからもう一つは年金受給者が多い。この問題が一つ私はあるんじゃないかと思いますが、その辺はいかがですか。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) 年金受給者については、私どもちょっと把握しておりません。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 それじゃ年金の方、ちょっと厚生省に尋ねますが、いわゆる在職老齢年金の支給の問題ですが、これ、いま約十五万ぐらいですか、報酬月額が。それを超えると、六十歳以上六十五歳未満の人の場合は、年金支給額はゼロになりますね。そういうことでしょう。

山口剛彦厚生省年金局年金課長

○説明員(山口剛彦君) ちょっと御説明をさしていただきますと、申し上げるまでもありませんけれども、老齢年金は、本来退職をされて収入の道がとだえた方の老後の所得保障をするという目的の制度でございますけれども、実際問題としては、高齢になられましても低賃金で働かざるを得ないという方もおられますので、先生いま御指摘がありましたように、六十歳から六十五歳までの間について言いますと、現在のところ十五万円以下の比較的低賃金で働いておられる方につきましては、その標準報酬月額に応じまして三段階設けまして、一定の割合で年金を特別に支給をするという配慮をいたしておるわけでございます。  考え方といたしましては、年金制度は先ほど申し上げましたような考え方が本来の趣旨でありますので、私どもといたしましては、老齢になられまして年金以外に収入の道がない方と、働いておられて年金以外にも収入がある方、この両者について一定の差のある取り扱いをするということについては、年金制度の基本的な性格を考えますと合理性があるのじゃないかというふうに考えております。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 いまの最後の方がちょっとよくわからぬのだけれども、年金をもらっていて、そして働いて賃金をもらう。しかしそれは、働いても年金額で抑えるということになるわけでしょう。たとえば十五万円以上もらったらもう年金はゼロになる。そのちょっと下やったら二割支給ですか、になる。もうちょっと、少なかったら五割支給やと。もうちょっと下やったら八割もらえる、年金は。だから、働いて得た収入、いわゆる賃金と年金と足したやつで一定のものを保障してやるんだと、こうなっているわけね。だから実はそこのところでビルメンの仕事をやっている人でも警備業をやっている人でも、再就職した場合に賃金は物すごく低くなるんですよ。というのは、たとえば十五万円以上もらったんではもう年金はゼロになりますからね。これでは意味ないわ、だからもう十四万五千円ぐらいのところでとめてください、それで二割でももらったらその方がまだプラスやということで、結局こちらの賃金の方を上げれば逆に年金は引かれますからね。その相関関係というものがこの六十歳代なり何なり、いわゆる高年齢者の再就職の賃金を抑える、低める。言うならばぎりぎり地域の最低賃金ぐらいのところへかろうじてなる。大体その最低賃金が上がる、あるいは消費者物価指数が上がるから、それにつれて最低賃金も上がりますわね。だから、それに合わしてこっちの年金額の基準も五年ごとに見直しをやっているんだから、だから大体最低賃金のすれすれのところぐらいで高年齢の再就職者の賃金というものが決まって、それと年金とでまあまあ何とかいけるわいと、こうなっているんですよ。  大臣、私はこれはどうもおかしいと思うんですよ。これから高齢化社会を迎えますよね。そうすると、年金だけで生活できる人もあるでしょう。しかし、いわゆる老人ぼけにならないためにはやっぱりできるだけ勤労する、労働する。そして、そのことによってまた当然の対価をもらえる。年金プラス一定の適正な給料をもらえる。だから、そこでますます高齢者の方々も自分のやっている往事に誇りを持つし生きがいを感ずる。それで老人ぼけを防ぐこともできるわけですよ。ところが逆なんですよね。年金があるからというて、年金だけでは困るさかいに、たとえば夜間の警備なり何なりに行きましょうといって、ビルメンなり警備業で働くようになる。しかし、そこでもらう賃金は、ようけもらい過ぎたら年金はもらえぬようになるのやから、だからこの辺でもう抑えてください、こうなってくる。こういう関係が本当にこれから高齢化社会を迎えるのに、お年寄りがさらに生きがいを感じて社会のために一緒に働いていく、そういうものをつくり出すことになるのかどうかというのが非常に私は疑問に思うんだけれども、大臣、その辺はお考えいかがですか。

世耕政隆自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(世耕政隆君) これは、この法案に関してだけではなくて、老後の、つまり年金と、老後を迎えた方のぼけを治すためのあれでは、仕事をどういうふうにタイアップしてやっていったらいいかということの全般的な問題になるものでございまして、御指摘の点は一番この問題のポイントだと思いますね。これは少し時間をかけていろいろ検討すべき点は十分あると思うんですがね。私ここでは、御指摘の点はもっともなところでございまして、やはりいろんな社会的な制約とか、そのほかいろんな制約があってそういうことに現状はなっていると思うのでございますが、これは今後の大きな老人福祉に関する非常に重要な点だろうと思います。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 まあ重要な問題だということは御認識いただいたようでありますし、検討をしなきゃならぬ課題だということは御理解いただいたと思うんですけれども、私は、そうのんびりと検討しておるわけにいかぬというように思うんです。  そこで、ちょっともう一遍労働省に聞きますけれども、地域の最低賃金のシステムというやつは、これ以下の労働者をなくそうということであって、それ以上の賃金をもらう一できるだけ賃金を引き上げていくこと、そのことを期待をしている制度であって、いわゆるそれ以下の労働者はなくすというか、逆に言えばそれ以上の賃金をもらえる労働者を期待をしているということではないかというように思うんですが、その点はどうですか。

逆瀬川潔労働省労働基準局賃金福祉部賃金課長

○説明員(逆瀬川潔君) 御指摘のとおりでございます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 私は先ほど、厚生省は、本来は大体原則として六十五歳未満の在職者については老齢年金、いわゆる年金は支給されないんだと。その中で若干、三段階に分けてやった措置、まあ言うならば恩恵的措置のようにおっしゃるんだけれども、だからいま言ったやつが、実は年金の契約の問題とそれから給与の契約といいますか、賃金の契約というのはやっぱり別の問題だろうというように私は思うんですよ。だから、本来は年金をもらっておろうともらってなかろうと、その労働に対する適正な対価というのは賃金として支払うべきだということが一つははっきりさせなきゃならぬというように思うんですね。ところが実際には、あなたは年金もろうているんやから、だからこの辺でしんぼうしてください、両方やったらよろしいやないか、こうなるわけね。それで今度は、しかしこんな給料では困ると言っても、いや、あなたはどうせ年金があるんだからということになるんだけれども、しかし若い人の方に対しては、あの人あれだけの年もいき、経験も持ち、技術もありながらあれだけの低い賃金でしんぼうしているんだから、あなた方もそんなむちゃなことは言うな、まじめに文句言わぬと働け、こういうことになってくるわけですよね。だから、年金があるからこれだけの低いやつでしんぼうしなさいということは、逆に言うと若い人たちの賃金をも足を引っ張っているという状況がこれは現実に起こっているということになりますと、先ほど労働省のなにから言うと、それは余り好ましくない現象だ、好ましい現象とは言えない、好ましくない方向だというように思うんだけれども、その辺ほどうですか。

逆瀬川潔労働省労働基準局賃金福祉部賃金課長

○説明員(逆瀬川潔君) 賃金というのは、あくまでも労働の対価でございますので、どういうような労働時間に応じてどういうような賃金をもらうかということでございましょうから、原則としてはやはり年金があるから低賃金でいいというような、そういうことにはならないと思います。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 ところが、警備業者の場合にしてもビルメン業者の場合にしても、実態は、実際には年金と賃金とは別やというように思っていても、それがやれない状況になっておる。何でかというと、これは一つには問題になった入札制度の問題があるわけでしょう。安値入札ですわね。先ほどもあった規定で。ですから、こうなってくると、地方自治法施行令の百六十七条の十の二項の最低制限価格の制度を導入しない限りは、言うなれば安値入札になる。そして安値入札しますから、結局年金生活者を使うことによって、その契約で経営が成り立つようにせざるを得ない。それでまたそのことを見越してお互いにダンピングをし合う。こういう悪循環が現実に起こっているわけでしょう。この辺は行政局長、どういうように把握されていますか。

砂子田隆自治省行政局長

○政府委員(砂子田隆君) いまお話しがございましたが、賃金政策なりあるいは高齢者に対する福祉政策、そういうものと、いまの百六十七の十の最低制限価格を設けている問題とはどうも質が違っておるのではないかと思っております。  本来、地方自治法の中で定めております契約の制度というのは、あくまでもその契約の公正性なり経済性なり、そういうところに着眼をして公正な入札に当たらせようということにかかっているわけでありまして、しかも最低制限価格をつくっておるというのは、むしろ非常なダンピングなどをして工事が思うように契約どおり履行できないというようなことが起きた場合大変困ります、そういうことになっては公共団体その他に大変迷惑を及ぼすことになる。そういうことを防ぐために実はこれはつくっている制度でございますから、そういう契約の執行に当たるそういう厳正なる態度の問題と、高齢者に対する福祉政策という問題は、やはり別な角度からの議論としてとらえるべきではなかろうか。先ほど大臣が申し上げましたように、やはりそれは一つのこれからのわが国が生きる新しい社会の問題でもありますから、そういう点を各省がいろいろな話し合いをしながら、この警備業法がどういうふうな進展をするかを見詰めつつ、やはり検討すべきところは検討していかなきゃならぬだろうと思っております。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 高齢者の方々の再就職される一つの職場であるわけですね、このビルメン業界なり警備業界は。だから、全体の問題としてこれ考えないと、ここだけどうしようというわけにはそれはいかぬことははっきりしていますよ。  しかし行政局長。もう一遍聞きますが、自治省としては、各地方公共団体に対して、庁舎の清掃、補修その他の管理、これはもう直接雇用している単純労務者じゃなしに、どんどん民間委託をしなさいという行政指導をやってきていますわね。また、それに応じてビルメン業者やら警備業者が入札してそれぞれの自治体と契約するわけです。これはどういうことになるんですか。市役所がそれぞれ仕事をやっておる、これは行政職(二)表の単純労務者の給料ですね、あれの適用になるそういう人たちが担当していた仕事なんだ。これは確かに行政職(一)表とは明らかに賃金の差をつけていますよね。それよりも安い労働者でやりなさいよと。それは確かに、いわゆるこれは労働集約型の仕事になるんだから、単純労務の仕事というのは。だからそっちへ行きなさいよと。それでその契約は入札は安値入札ですよと。だから、低賃金の労働者をどんどんどんどんつくれという指導を自治省の方はやってはるということになる。これ、どうなんですか。

砂子田隆自治省行政局長

○政府委員(砂子田隆君) 大変誤解をされているのではないかと私は思いますが、やはり前から申し上げておりますように、民間に対する委託の問題というのは、行政サービスを低下させないということが前提になってやっておることでありますし、それを監督をするといいますか、それをいろいろな請負に出す、あるいは委託させるというのはそれなりの管理体制があってやっていることだと思っております。ただ安値であればいいということではありませんし、先ほど労働省からもお答えがありましたように、やはり人間の労働に対する対価をどう支払うかという問題は労働政策の問題としてちゃんとあるわけでございますから、そういう問題を踏まえながら一つは委託をするならするということをやるべきだと思いますし、技能職の賃金の話になりますと、これは技能職あるいは労務職いろいろございますが、それはそれなりに実は民間の賃金というものを比較考量しながら人事院が一つの方法として出している、自治団体がそれを見習って大体基準にしているというやり方でありますから、それはそれなりに私は評価されるべきことだと思っております。だからあとは、そういうことのその契約の制度の中身というわけではなくて、そういうものに関する物の考え方、あるいはその政策の出し方ということについては、いろいろこれは問題があるところでありますが、これはそういう制度自身の議論ではなかろうかという感じがいたしております。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 いや、いろいろお役所らしい理屈はおっしゃるんだけれども、はっきりしているんですよ。それだけ民間に委託したら安うなりますよ、行政サービスも低下しませんよ、請け負った方の業者もやりますと。そうするとどこへしわ寄せが行くんですか。結局人件費でしょう。そうすると、人件費をどうやって落とすかとすれば、年金受給者を雇ってその人にやらせる。そうしたら、これはさっきの年金との関係で、年金と賃金とは別やと言いながらも、とにかくまあ年金ももろうてることやさかいと言うてしんぼうしはる、来てもらえる。だから、それで低賃金の労働者が出ているわけですよ。  だから、実際に民間委託されて、それぞれの自治体が庁舎の管理をビルメン業者なり警備業者と契約される、年間何百万円なら何百万円で契約して、そこで働いておる労働者の賃金というのは実態はどうなっているか、年齢構成はどうなっているか。それは御存じですか。調査をなさったことはありますか。

砂子田隆自治省行政局長

○政府委員(砂子田隆君) 具体的にどういうものがどうなっているかということを調査したことはございません。ただ、私が申し上げておりますのは、行政というものが物を委託をするというときには、少なくともその行政サービスが低下をしないということを前々から申し上げているわけですから、そういう前提に立ってやる。たとえば、市役所と県庁と両方の清掃ができるという能力があるという会社があった場合に、市役所だけを清掃させておく人間を雇うよりは、その方が非常に能率的であるし経済性が高いのではないかという会社があった場合には、むしろそちらにお願いをするという方が素直だということも私はあろうと思います。  だから、いろいろな社会のそれぞれの要請に従ってできているいろんな仕事関係というものをどういうふうにうまく扱っていくかということの方が、むしろあるいは労働政策としていいのかもしれません。ですから、そういう点から考えながら行政サービスの低下を来さないようにやはり私たちとしても気をつけてやるべきだと思っております。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 地方公共団体のやる仕事というのは、行政サービスを低下させないということだけが中心じゃないんですよ。同時に、その地域住民の暮らしをどうやって高めていくか、これが大事なんですよ、その地方公共団体の仕事はそれで、そこで働く労働者というのはその地域の市民であり住民でもあるでしょう。その人たちの生活も高めながら、そして同時に行政サービスも低下さをせない、この両面を統一してやらないと、行政サービスの低下さえなければいいんだということになれば、片一方のその地域の住民の——それは一定の部分にしかすぎないかもしれない、しかしそういう労働者の低い賃金がずっと存在して、それがどんどんどんどん悪貨が良貨を駆逐するがごとく広がっていくんですよ。これがいま非常に大きな問題になっている消費不況の一つの要因にもなるわけでしょう。だからそういう点を考えると私はこれは重要だと思うんですよ。  たとえば大阪府下のある市の施設警備で、調べてみたら、たとえばその市の行っている工場を、これを二十四時間二人で勤務をする、そういう態様で、五十六年は六百三十万の契約でしたけれども、五十七年になると六百二十四万になりますよ。それから事務所を夜十八時間二人でやるというやつで契約して、これは五十六年は四百四十三万ですが、五十七年には四百三十六万。それから同じ事務所で、十五時間勤務で二人でという契約で、五十六年が三百四十二万が五十七年は三百二十六万と、下がるんですよ。というのは一年契約ですから。だから、新しくそこの仕事を取ろうと思うと、いままでやっていたところよりも安い値で入札をする、こういう形態なんですよ、実際には。そうしなければ新しくできた業者は仕事ができませんからね。  官庁がそれでいくんですから、だから民間の方も、これはもちろんもう別に政策意図も何にも要りませんからね。ただ優先するのは利益をどう上げるかですから、経費をどう減らすかだけが優先するんですから。官公庁の場合であって初めてその海域の住民の生活のことを考えなきゃならぬという重要な課題があるから、一定のいろんなことを政策として考えていかなきゃならぬ。しかしその政策として考えていかなきゃならぬところで安値入札制度が存在をしているということですから、これはますます民間も含めてダンピング競争をやらしていくということになる。これはだから労働省の願っている労働者の賃金をできるだけ引き上げる、あるいは労働時間を短縮をする、そういう全体としての労働政策と全く背馳をする状態なんです。しかもそのしわ寄せは、これから高齢化社会を迎えようとする高齢者の人たちにぐんとしわ寄せがされているという状況なんですね、大臣。これは警備業法そのものから言うと若干外れますけれども、私はこれからの高齢化社会の問題をどう考えていくかという場合に非常に大事な問題ではないか。警備業者あるいはビルメン業者の皆さんのそういう高齢者の方々の賃金の実態、そういうものをいろいろお聞きをして、高齢化社会に対応するこれからの考えなければならない重大な問題だというように思うんですよ。  そこで、この問題急に言うてもそう簡単に大臣がおっしゃるように解決しないと思うんです。これは自治体自身の、いまの地方自治法の請負の入札制度の最低制限価格制度を、工事と製造でしたが、工事と製造の二つだけにやっているのをそういうものまで含めることにするかどうか。あるいは一般の公共事業の場合は三省協定で労務費の単価というやつを決めていますわね。これは労働集約型で人件費が約八割を占めるというような実態ですから、そういう点ではそういうものを導入することができるかどうか。どうすればいいのか、私にもわかりませんがね。自治体にも直接関係もあるし、それから業法をこれからやっていくとすれば警察庁が主管庁になるんだけれども、警察庁が中心になって、自治省や厚生省やあるいは労働省等の関係省庁との協議をするという方向にするのか、あるいは自治省が、自治体の関係が中心になってやっていくということにするのか、あるいは国の問題も関連をするということならば大蔵省も含めてやるということにするのがいいのかどうか私は知りませんが、どういう方法が一番いいか。いずれにしても大臣、これはこれからにとって重要な課題なんで、そういった問題を解決するために入札制度にそういう新しい方法を導入するのが適当かどうか。あるいは高齢化社会に対応する労働政策として別の方法を考える必要があるのか。こういった問題はちょっと検討してもらう必要があるというように私は思うんだ。  しかも、そうのんびりしたことを言っていられぬわけなんで、そういった全体の問題と、それから現に起こっているビルメンや警備業者の中の半数以上を超える高齢者の人たちの低い賃金の状態、こういった問題の改善策、当面の問題もあるし、大きい問題とそういう当面の具体的問題と、こういう二つの問題を解決するための検討をひとつ大臣、この席の中で一番偉い人だし、ただ一人の政治家ですから、そういう点でひとつ見解をお聞きしたいというように思います。

世耕政隆自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(世耕政隆君) 大変むずかしい問題でございます。これは私の見ている限りでは、警備業は高齢者の方にとってはわりあいかっこうの仕事場と言うとちょっと気の毒なんですが、本当にわりあい高齢者がお勤めになっておられる。業界の方とそれから契約する会社とか団体の方とのあれでは、団体の方とか経営者の方から見ますと、契約額がうんと高いとそれはどこでも契約に二の足を踏むだろう。実態は、結局自分のところで人を採用するよりも表の警備会社へお願いした方がいろんな面できわめて合理的であるということからお願いするんだろうと思うし、契約をされる警備会社の方は、やはり一定の契約額でやらなければ損失が出てくるでしょうし、その範囲内でやはりどうしても人件費の方にいろいろしわ寄せが来る場合もあり得るということで、それからお勤めになる高齢者の方は年金や何かがありますけれども、いろんなほかの意味でも小遣い稼ぎぐらいの気持ちでお勤めになる方もどうもあるようでございます。けれども、そうかといっていろんなことを無視して賃金やなんかを決めていくというのもこれもどうかと思うわけで、現行の日本の制度でいきますと、先ほどから御指摘のように、高齢者にとってのある程度の賃金の枠というのはどうしてもはめられてしまう。これは非常にこれから高齢者がどんどんふえてくることが予想されますので、やはりそろそろ検討した上で少しずつでも改善すべき点は改善する方向にしていく時期に来ているように思っておる次第でございます。また、これからの高齢化社会に備えまして、当然それは大きな課題として論議されなければならないと思っております。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 最後に、行政局長、最低制限価格制度というやつは、結局適正な工事なり適正な製造物、それを担保するためでしょう。そういう意味で言うと、人件費が八五%を占めるようなこういう役務の提供ですね。これも、だからそういう意味では安かろう悪かろうであっていいはずはないし、それは同時に、単に物の問題ではないんですよね。人間に係る問題です。だから、人間の労働に係る問題を、安値でよろしいというところの入札制度に入れておいていいのかどうかという点では問題があると思う。だから、工事や製造と同じように役務というものを並べて書くと若干異質のものを入れることになってくる、それはわかります。だから別にもう一項つくればいいんです、そういう問題では。そういう関係の役務の提供についての入札制度のあり方という問題。それがいわゆる契約の中の大部分を占めるというような、そういう形態の場合における入札制度、このあり方はどうあるべきか、こういう角度で私は検討していただきたい。その点はひとつ要望しておきたいと思いますが、いいですか。

砂子田隆自治省行政局長

○政府委員(砂子田隆君) 最低制限価格の問題というのは、御案内のとおり、実は地方自治法にだけ規定している問題でございまして、国ではそういう制度をとっておらないわけであります。これは御案内のとおり、昭和三十八年の財務会計の制度を改正をいたしましたときに、公共団体のあらかたが工事及び製造でやっておったということでつくったわけでございまして、一般的に国の会計制度と公共団体の会計制度というのは、同じ行政をやっているという立場から、そろえていくというのがいままでの通例でもあります。しかも、この問題はやはり提供されるサービスの複雑性という問題を含んでおりますから、なお検討——昭和三十八年以後のいろんな社会情勢の変化もありますから、検討に値する問題だと思いますが、いますぐこれをやりますということはとても申し上げられませんので、その点だけお含みおきいただきたいと思います。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 終わります。     —————————————

上條勝久自由民主党

○委員長(上條勝久君) この際、委員の異動について報告いたします。  本日、志苫裕君が委員を辞任され、その補欠として村沢牧君が選任されました。     —————————————

伊藤郁男民社党・国民連合

○伊藤郁男君 この法案につきましては、五月十三日の当委員会で私が質問をいたしまして、本日は補充質問のような形になるわけですが、そして、私が最後の質問者ということになるわけです。  そこで、最初に大臣にちょっとお伺いをしたいんですが、五月十三日と本日の質疑を通じてお聞きになっていて、実際この法案が通ったら、この改正案の提出の背景になりました諸問題がさまざまあると思うんですが、たとえば悪質な警備業者を排除できるのか。あるいはいままで起こってきたような警備員の不祥事、そういうものが完全になくなるのか。それはまあ法律でも完璧なものはないと思うんですが、後は運用の問題になると思うんですが、二日間の質疑を通じまして、この改正案が通ったら十分なる効果が期待できるのかどうか、自信のほどをありましたら最初にお伺いしたい。

世耕政隆自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(世耕政隆君) これはいままでも申し上げたかと思うのでございますが、われわれの方は、この法案を御審議いただいて通していただきますと、これを活用するわけでございますが、多分いままでよりもいい結果が出るというふうな自信を持っております。ただ、法律でございますから、これがもう全部完璧によくなるか、いままでよりも完璧に一〇〇%よくなるかということになりますと、これはどんな法案でも一〇〇%完全なものというのはなかなかあり得ないので、この法案が適用されております一、二年の間に、それは何かいろんなわれわれがはかり知れなかったような、予測できなかったようなことがあるいはあるかもしれないのでございます。とにかく、まあ自信はなくはないのでございますが、やってみて、その上でということもまたつけ加えておかなければならないと考えます。

伊藤郁男民社党・国民連合

○伊藤郁男君 確かにこの法案が最初にできました時点と、それから十年たって警備業というのが大変広範囲に広がってきたという新しい事態、したがってこの改正の持つ意味もあると思うんですね。しかし、まだ警備業というのはさらに急速にまた発展をしていく可能性のある業界ということになっておりますので、したがって、いま大臣のおっしゃったように、これからさまざまの問題がさらに派生をしてくるということですから、この委員会を通じましてさまざま出ました諸問題をしっかり受けとめていただいて、誤りのないようにひとつしていただきたい、これは要望をしておきたいと思うんです。  そこで、今度具体的にお伺いをするんですが、私のいろいろ聞くところによりますと、この改正案に対して業界の方々にはかなりの不安がある。新しく変わるわけですから、もう当然そういう場合には不安はあると思うんですよね。だから、さまざまな不安はあるんですが、その不安をできるだけ解消をしていく努力、これがもう当然やられなきゃいかぬと思うんですが、そういう業界の皆さんが持っている不安をできるだけ解消するためにどのような話し合いが今日まで、法案提出までの間に行われてきたのか、その点をお伺いをしたい。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) この改正案をまとめるに当たりまして、まず業界の方々の御意見を拝聴したわけでございます。いろいろな機会を通じてでございますが。特にまとまった形としましては、五十四年の十二月でございますが、警察庁内に警備業問題研究会を設置いたしました。ここでは全国警備業協会、それから全国ビルメンテナンス協会の代表の方々を初めユーザーの方あるいは学識経験者、そういった方々にお集まりいただきまして、六回にわたって検討を行ったわけでございます。それ以外にはアンケート調査をやったわけでございます。これは業者の方々に対しまして質問事項をセットをいたしまして、それらについての調査あるいは意見等をまとめたということでございます。また、ユーザーの立場の方々の意見も聞かなければいけないということで、これも特別の調査をやったわけでございます。そういった各種の調査あるいは研究会を踏まえまして、現行法上の問題点というものを洗い出したわけでございます。  そのうち、今後検討を要する事項もございますので、そういった点につきましては一応保留したわけでございますが、特に必要な事項につきましては立法的な検討も加えましてまとめてまいったわけでございます。一方その間、全国警備業協会あるいは全国ビルメンテナンス協会からも要望書が文書の形でも提出されておりますので、それも十分参酌してやったわけでございます。  この改正法案に対する業界の御意向でございますが、確かに業界紙等で見る限り、若干不安といいますか、あるいは懸念といいますか、そういったことを表明しておられるところもあるわけでございますが、ただいま申し上げましたように、この改正法案提案に当たりましては、十分業界の方々の御意見というものをお聞きして、それを踏まえてつくり上げたものでございまして、大方の方が御賛同をいただいておると思うわけでございます。もちろん陳情書にあるいは要望書に出されておる事項を全部が全部取り上げたわけではございません。たとえば許可制にしてもらいたい、あるいは防火防災業務を警備業務に加えてもらいたいといったきわめて重要な問題で切実な問題につきましては、残念ながら改正法案では盛り込んでおらないわけでございまして、そういった点も含めまして、いろいろ御意見もあろうかと思うわけでございますけれども、改正法案に盛り込まなかった理由についてよく御説明申し上げるとともに、現在御審議いただいておる改正項目につきまして、今後とも業界の方々にいろいろな機会を通じまして御説明して趣旨を徹底してまいりたいと、こう思っておる次第でございます。  問題は、この成立の暁でございますけれども、先ほど先生からもおっしゃいましたように、やはり運用が大事だと、こう思うわけでございます。関係当局とよく連携をとるということはもとよりでございますけれども、何といっても警備業法という業法の一つでございます。やはり警備業法が健全に運営されるということがこの法律のねらいであるわけでございまして、そういう面で業界の方々とよく連携をとりながら意見を参酌しながら適正な運用をすることが必要ですし、そうしたいと、こう思っておる次第でございます。

伊藤郁男民社党・国民連合

○伊藤郁男君 いまお話しがございましたように、研究会を設けたり業界の代表の方々といろいろ意見を突き合わせながらやられたという、あるいはアンケート調査もしてやられておるという努力は非常に私は評価をしますが、それでもなおかつ今日提案をされているこの改正案に対してなお大きな不安があるわけですね。たとえば第三条ですね。いままでは「警備業者の欠格事由」となっていた。これ、二項目しかなかったんですが、これが今度は「警備業の要件」ということになって、八項目の規制条項が設けられてきた。その中でたとえば、刑に処せられた、あるいは警備業法に違反をした、刑を終えてきても五日間は仕事ができないと、こういうような厳しい条項、あるいは六や七、こういう規制条項がありますので、営業の自由の問題だとか、あるいは人権侵害になるのではないかとか、そういう非常に不安があるわけですね。その点についてはどうお考えになっておりますか。

上條勝久自由民主党

○委員長(上條勝久君) 速記をとめて。    〔速記中止〕

上條勝久自由民主党

○委員長(上條勝久君) 速記を起こして。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) この従来ありました人的欠格事由でございますが、特定の前科者だけでございました。それを今回の改正法案では御指摘のとおり禁治産者などを初めといたしましていろいろな態様の欠格事由を定めるとともに、「営業所ごとに」この「指導教育責任者を選任すると認められないことについて相当な理由がある者」という要件をあわせまして警備業の要件として設定したわけでございます。確かに項目は非常に多くなっておるわけでございますが、基本的な考え方といたしましては、従来ありました特定の前科者についてと大体同じような状況とか同じような態様で、警備業者になったりあるいは警備員になったりすることが適当でないと思われる者につきまして限定的に列挙したものでございます。  ちなみに、憲法の規定でも、職業の選択の自由を保障しておりますけれども、「公共の福祉に反しない限り、」という文句が入っておるわけでございます。問題は、この警備業務という性格にかんがみ、どういったものを排除するかといったことだろうと、こう思うわけでございます。この点につきましては、御案内のとおりの警備業務がさらに増大する社会的需要を踏まえまして、いよいよいろいろな分野に広がり、また、その重要性が増してきておりますし、それに対しまして、まことに残念なことでございますけれども、依然として悪質な業者あるいは非行を犯す警備員というものが多くなってきておるわけでございます。そういったことで、こういったものを排除しまして警備業務の適正を図る必要がある、そのことが警備業務に対する国民の期待にこたえるものではないか、こう思うわけでございます。そういう意味におきましてこの「警備業の要件」を整備したものでございまして、決して厳し過ぎる云々の問題ではないと思います。現在警備業を営んでいる方、あるいは警備業務に従事されている警備員の方々、大部分の方々は、「欠格事由」にというか、「警備業の要件」に該当しないで、引き続き警備業務に従事することができると、こう思っておる次第でございます。

伊藤郁男民社党・国民連合

○伊藤郁男君 もちろん、悪質なものを排除していく、これは警備業のためにも絶対必要だ、これはもうだれもがそうなんですけれども、そこのところに余りにも力点が置かれ過ぎて、たとえばいまおっしゃられましたような職業の自由なる選択というものを制限をするようなことがあったり、あるいは人権が侵害されることのないように、これは運用の面でひとつ十分に配慮をしていただきたい、このように思います。  それから、具体的に指導教育責任者の問題ですけれども、この十一条の三で言われておりますように、これは午前中にも質疑の中でありましたんですが、ここで言う、営業所ごとに指導教育責任者を置かねばならぬとなっているこの条項ですね。これは読んで字のごとく「営業所ごと」と解釈してよろしいかどうか、この点お伺いします。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) そのとおりでございまして、ただしこの第十一条の三の第一項に規定されておりますように、ここに言う営業所は、「警備員の属しないものを除く。」ということになっておるわけでございます。

伊藤郁男民社党・国民連合

○伊藤郁男君 そこで、先ほども議論があったんですが、営業所を一つだけ持っている業者というのが二千三百六十一ある、だから、これは一名の教育指導責任者を置けばよろしい。これは当然ですが、それからお答えの中にあった規模の小さいものは兼任でもいいんだということですね。規模の小さいものは兼任でもいいという意味はどういう意味なのか、これは一点お伺いをしておきたいのですね。  それから、これから警備業界、警備業というのはますます発展をしていくという、こういうことが予想される。そこで、たとえばどんどんどんどん業者が大きくなって、東京都内二十三区の各区ごとに営業所を設けるように発展をしたとしますね。その場合には、その二十三カ所の営業所ごとというんですから、二十三人の指導教育責任者、これを置かなければ営業が認められないのかどうか。このことを二点目にお伺いをしたいんです。  あるいは、たとえば東京都なら東京都に営業所の本元があって、支店のような形で、出張所みたいなものが何カ所かあると、そういうものが東京都の公安委員会の許可を得れば、東京都の本元に教育指導者がおればいいのか。あるいは県にまたがって、東京都にも営業所がある、隣の千葉県にも営業所がある、埼玉県にも営業所を持っていると、こういう業者は、各県ごとに一人ずつ配置をしなければならぬのか。その辺のところの解釈をお聞きしたいと思います。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) ちょっと順序を変えてお答え申し上げたいと思います。  御質問の第二点の関係でございますけれども、これは指導教育責任者はあくまでもその営業所ごとに選任していただくということでございます。と申しますのは、何回もお答えして申しわけありませんけれども、法定教育を担当するだけではなくて、現場のいろいろな業務がありますけれども、それをも指導してもらうというようなことでございます。そこで営業所に一人はおって、そしてそこに属する警備員に対しまして法定教育はもとよりいろいろな指導をしてもらいたいと、こういうことでございます。もちろんそういう営業所というのは警備業者の営業所でございまして、現実に施設警備をやっている会社でございますと、そこに属する何十名の警備員はその日によってAビル会社、Bスーパーマーケットとかに行きましてそこで勤務するというような形でございますが、それぞれ現実に勤務しているいわゆる詰め所と申しますか、そういったところごとに責任者を置くということではございませんで、あくまでも営業所単位、少なくもそこに一名を選任していただきたいと、こういうことでございます。  そこで、二十三区の場合でございますけれども、二十三区それぞれに営業所があるというのは相当大規模な業者になると思いますけれども、その場合であってもそれぞれの営業所に選任していただきたい、こういうことでございます。  県が離れてもそのとおりでございます。現行法でもそうでございますけれども、改正法でも営業所というものをそれぞれ所在する都道府県公安委員会に届け出ることになっておるわけでございます。その営業所ごとに置いていただきたいということでございます。  ただし、先ほど申し上げましたように、当該営業所に警備員が属してない、そこにだれも配置されてないという場合、具体的に言いますと、いわゆる受注業務だけをやるとか、あるいは募集業務だけをやるとかというような場合もあり得るわけですね。こういった営業所につきましては、指導教育責任者の制度の趣旨にかんがみ、置く必要はないということで、これは除外されるということでございます。これが第二点についてでございます。  次いで御質問の第一点でございますけれども、小規模の営業所などの場合でございます。これはあくまでも例外的な措置として考えてみたいと、こう思っておるわけでございますが、その場合でも、総理府令でこういう場合に兼務することができるというような形にしたいと思います。たとえばでございますけれども、A、Bという営業所があって、Aの方に多数の警備員を擁しておる、ところがBというのは、営業所という形にはなっておるけれどもそこに所属する警備員が本当に一名から二名ということで、営業所の出張所みたいな形になっておる、詰め所と営業所との中間みたいなものであるというような場合などは、これは場合によってはA営業所の指導教育責任者がB営業所の指導教育責任者を兼務してやっても支障はないのではないかというようなことを一応考えておるということでございます。

伊藤郁男民社党・国民連合

○伊藤郁男君 その兼務の場合ですね、これは何らかの基準が、こういう場合には兼務してもよろしいのだという相当基準がなければ、これは各公安委員会で見るわけでしょう。それぞれが勝手に、おれの方はこの税度ならよろしいということで認めるわけにいかないわけでしょう。だから、基準というものをいまおっしゃるようにこれからつくっていくのかどうかですね。やっぱりつくっていかないとこれは対応がむずかいのじゃないかと思うのですが、その点はどうですか。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) おっしゃるとおりでございまして、総理府令で具体的に基準を策定いたしまして、そしてそれを全国に適用させるというような形でございます。これはあくまで例外的な措置でございますけれども、指導教育責任者の趣旨にかんがみますと、本当にごく小規模の営業所までに、文字どおり営業所ごとにということになるといろいろ問題が起きるのじゃないかというようなことも勘案してつくりたいと、こう思っておる次第でございます。

伊藤郁男民社党・国民連合

○伊藤郁男君 そこで十一条の三の二項のまた二号というのがありますね。これに関連をしてお伺いをするのですが、これは「前号に掲げる者と同等以上の知識及び能力を有すると認める者」がおれば、その者に「警備員指導教育責任者資格者証を交付する。」と、こういうことになっていますね。その「同等以上」という意味に関してお伺いをしておくわけですが、これは、従来業界の皆さんがある一定の講習なりやりまして、そして何らかの資格のようなものを与えていると思うんですよ。いままでにそういうものを与えられた者は改めて別に認定をしてもらわなくてもいいのかどうか、その点をお伺いをしておきたいと思うんです。いままでに業界が、それはやり方はどうやっているか私知りませんが、たとえば一週間かけて教育をした者がおるとか、何十時間もかけてそういう教育をして業界が認定をした。そういう者を同等の資格のある者と認めて、そういう者については改めて資格を取る必要もないと、こういうように考えていいのかどうか、その点お伺いしたい。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) そういう場合であっても、改めて講習を受けていただきたいということでございます。  その理由をちょっと申し上げますと、実はその法定教育につきましては、今度の改正法を契機にいたしまして教育時間をふやしますとともに、本委員会でもいろいろと御審議いただいておりますように、この教育内容につきましても再検討をしなければならないと、こう思っておるわけでございます。そういうことと、それから、指導教育責任者というのが、法定教育だけではなくて指導をも担当するということで、任務というのが非常に広範囲になってくるということでございます。これに対しまして、従来全国警備業協会、全国ビルメンテナンス協会で行われております教育責任者、教育担当者に対する講習、これはおおむね二日間でございます。これは業界の方々がやはり教育の重要性というものを認識されて、業界自身の自主的な努力でこういった講習を開催されて非常に成果が上がっておる、その点は、私どもといたしましても深く敬意を表するところでございますが、その教育体系そのものが変わるというようなことがございますので、そういった関係業界団体の行いました講習を終了された方につきましても、改めて都道府県公安委員会の行う講習を受けていただきたい、こう思っておるわけでございます。  なお、この都道府県公安委員会の行う講習はおおむね五十時間を予定しておるということでございますが、その間そういった方々が本来の業務から外れるということで、ある意味においては業者の方にとっては負担になるかと思いますけれども、やはり私考えますに、教育は人なりということを申しますけれども、その教育の責任者でございますので、ひとつ制度を御理解いただいて、御協力いただきたいと、こう思っておる次第でございます。

伊藤郁男民社党・国民連合

○伊藤郁男君 そうすると、改めて五十時間でしょう。五十時間といったら、一日八時間講習を受けたとしてやはり一週間かかるわけですね。一週間その人は抜けるわけですよね。だから、中小の業界が多いですからね、そういう中心になる人が一週間も抜けてしまう、しかし、まあ講習の内容はどうなのかわかりませんけれども、行ってみたらいままで業界でやってきた講習とほとんど何ら内容は変わらなかった、ただ免状をもらうために一週間を犠牲にすると、こういうことにならないでしょうかね。その辺は何とか、せっかく条文が「同等以上の知識及び能力を有すると認める者」ですから、業界がいままでやってきたものを、ああそんなにやってきたかと、そうしたら、これらのものについてはもう何年もそういう指導的立場でやってきているんだから、これはそのままで認めていいじゃないか。資格証だけを与えると、こういう配慮はできませんか。どうでしょう。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) この講習の内容といたしましては、法令だとか、基本教育の内容だとか、実務教育とか、教育指導を行う方法とか、いろいろ考えておるわけでございます。この教育科目あるいは講習のやり方等につきましては、業界の方々のまた御協力をいただきましてりっぱなものにしたいと思うわけでございます。それをやはり受けていただくということでございます。確かに現在教育を担当されておられる方というのはりっぱな方ばかりだと思いますけれども、ただ、やはり新しい問題、たとえば警備業法の改正法というのはこれはまだ御存じないと思うのでございますね。これがつくられて、それから総理府令あるいは国家公安委員会規則あるいは通達をつくりまして、それで講習するというような形になるわけでございます。おっしゃるとおり一週間ということで相当な負担になると思いますけれども、やはり人の教育に当たる方、その人がまずいろいろな知識、技能あるいは教育技術というんですか、そういった面とかいうものを身につけていただいて、それぞれの営業所で指導教育に当たってもらう、これが大事じゃないかなとこう思うわけでございます。  それからなお、この講習を受けて一定の考査をやって合格いたしますと資格者証が出るわけでございますけれども、一たんそれを取得いたしますと、特別のことがない限りいつまでもその資格を有するという形になっておるわけでございます。現にいま従事されておられる方にとっては何か煩わしいかもしれませんけれども、そういった制度の趣旨でございますのでひとつ御理解いただきたいとこう思うわけでございます。

伊藤郁男民社党・国民連合

○伊藤郁男君 そのやり方はいろいろあると思うんですよ。いまおっしゃられたように、それは一週間も缶詰でずっとぶっ続けでやるのか、あるいは一週間に一遍ずつ行って、教科があってこれをこなしていけば二カ月で資格を得られるとか、そういうやり方もあると思うんですね。だからその辺のところは運用を、いまの警備業界の実態を考えて教育のやり方もいろいろ配慮をしていただきたいと私は要望しておきます。  この十一条の三の五項の問題ですね。公安委員会が教育をやるわけですね。いままでの衆参の委員会の質疑を通じて保安部長さんの御答弁を速記録で拝見しますと、ここに掲げてあるように、この教育責任者講習の実施については公安委員会が責任を持ってやるんだと、委託は別に考えていないんだと、こう言っておりますね。衆議院の段階ではちょっとその委託講習の問題について厚生省とそれから警察庁の間の意見が若干何か違っているようにも私は拝見をしておるわけですが、谷口さんは、それは公安委員会で一切やるからいいんだ、別の教育機関へ委託するようなことは一切考えていないと、こういうことを明確に御答弁をされておるわけですが、とすれば、この五項なんというのは要らなくなってしまうんですね。委託はいま必要ないし、やるつもりはないし、やらないんだから五項なんというものは要らないと、こういうようにもなるのですが、その辺のところはどうですか。今日の段階でうまく整理されてお答えができるかどうか。いかがでしょう。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) 指導教育の中枢的な役割りを果たします指導教育責任者に対する講習だけに、都道府県公安委員会が行うべきだと思いますし、また行うことができると、こう思っておる次第でございます。  将来でございますけれども、委託するにふさわしい公益法人ができ上がるというような場合はともかくとして、直接都道府県公安委員会が行う、これが原則だと思います。

伊藤郁男民社党・国民連合

○伊藤郁男君 そうすると、とにかく将来は別として、今日の段階では、公安委員会が指導者の講習は一切責任持ってやると、こういうことですね。こういうことで確認をしていいということですね。それではそういうことに受けとめておきます。  時間が大分迫ってきたものですから、検定問題でお伺いをしておきます。  これは、いままでもさまざま出てまいりました警備員の平均年齢、先ほども四十七・一歳と、大変高い年齢ですね。神谷委員の東京都の例でいけば、これがもっと五十歳以上ということですね。非常に平均年齢が高い人がいま警備員になっておられる。それから、平均就業年限も一年から三年の間の人が七〇%近くあるということですね。一年ないし三年の間にやめていく人がほとんどだということですね。だから、業界の実態からいきますと、こういう方々の警備員としての質を向上さしていくということは、この法律の目的にもあるんですが、これはなかなかむずかしいんじゃないですかね。一年ないし三年で六、七〇%やめていっちゃうわけですから。だから、それを今度は補充をしなきゃならぬということで、新聞を見ると、毎日警備員募集の広告が出ているというのが実態じゃないかと思うんですね。大変人を集めるのがむずかしい、大変な仕事じゃないかと思うんです。したがって、こういう実態の中で、警備員の質的向上というものを本当に的確にうまくやっていけるのかどうか。その辺のところをお考えありましたらお伺いしておきます。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) 警備業務の中で、一般的な警備業務、あるいは通常的な警備業務活動があるわけだと思います。たとえば巡回するとか、あるいは警戒活動をするというような場合だと思います。この点につきましては、確かに第二の職場として活躍されている方が多いことは否めない事実だと思うわけでございますが、警備業務の内容もだんだん変わってきているんだろうと、こう思います。現に今度の改正法案でお願いしておる機械警備が典型的な例だと思います。十年前の現行法制定時にはそう大した問題ではなかったんですけれども、ここ十年で急速に進展してきておるということでございまして、機械警備の対象施設というのも工場、会社あるいはビルといったところだけじゃなくて、最近は一般家庭にまでふえている、こういうことで、こういった機械警備業務、その他いろいろありますけれども、そういった近代的な警備業務と言ったらおかしいですけれども、そういった比重がどんどんふえてくるのではないかと、こう思うわけでございます。それにやっぱり対応して、警備業者の方々も経営姿勢というものを変えていただかなきゃなりませんし、また、そういった業務に従事される警備員の方々も自主的な研さん、努力というものを払っていただきたいと、こう思うわけでございます。そういう面で、指導教育責任者制度というものを今度つくりましてやるわけですけれども、それとともに検定制度というものを考えたわけでございます。  そこで、いわゆる一般的通常の警備活動ということになりますと、こういった問題につきましては指導教育責任者がしっかりして、そうして指導していただければ十分ではないかと、こう思うわけでございます。もちろん、検定制度のねらいとするところは、近代的な、技術的な、専門的な、そういった警備分野での警備員のレベルアップをさせ、それによって警備業が適正に執行されることを担保したい、こういうことでございます。そういうことで十二万四千余人の警備員全体について検定を受けなさいというような指導をやるつもりは毛頭ありませんし、全業種について検定項目をセットして、設定してやるというようなことを全然考えていないわけでございます。当面、緊急度、必要度の高い三つの分野について、やるとすればこの三つかなというふうなことでございます。その場合であっても直ちに云々ということは考えられないと思います。相当の準備が必要ではないか、こう思っておる次第でございます。

伊藤郁男民社党・国民連合

○伊藤郁男君 その話はずっと何回も繰り返しお聞きをしてきたわけですが、この十一条の二の「検定」の問題を法文によってストレートに読めば、「検定を行うことができる。」と書いてあるわけだから、行わなくても法律違反にはならないわけですね。行ってもいいし行わなくてもよろしい、こういう解釈にもなりますし、やらなくても法律違反にはならぬ、こういうふうに思うんですが、その辺はどうですか。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) この十一条の二の「検定を行うことができる。」というあれでございますけれども、このことによって都道府県公安委員会が検定を行う権限を有するという意味でございます。したがって、その検定をして、合格者に対して合格者証を出すとか、そういった意味の法的効果があるわけでございます。  ただ、「検定を行うことができる。」ということで、しなければならないというのとは違うわけでございまして、ある程度都道府県公安委員会にその検定のやり方、時期等につきましては裁量的な、裁量に任せられているということでございます。

伊藤郁男民社党・国民連合

○伊藤郁男君 そこで、たびたびお答えをいただいているように、これは十二万の警備員に対し一斉にやることはない、特殊分野に限ってやるんだ、特殊というところはどういうところなのかということでいろいろお話がありました。原子力関係だとか、あるいは交通誘導業務も入るようでありますけれども、あるいは危険なもの、薬物だとかいろいろなものがあると思うんですよね。そういうものを運ぶ、そういうのに携わる警備員、こういうものに限って実施をするんだ、こういう御答弁が行われておる。そのとおり私も受け取りまして確認をしておるわけですが、それでよろしゅうございますね。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) 検定を行うにつきましては相当な準備が必要なんで、直ちにというわけじゃございませんけれども、仮にやるとすれば、その三業種から始めるということだと思います。

伊藤郁男民社党・国民連合

○伊藤郁男君 三業種からやっていきたい、しかし準備期間は相当置いてやるんだということですね。だからこれは特殊分野に限って検定をやるのであって、それは当面の措置だけじゃなしに将来もそういう方向で、特殊分野に限って検定を実施する。そのほかの分野については、たびたび御答弁が返ってきているわけですが、やるつもりはありませんと、こういうことですね。将来もそうなんだというように確認していいですね。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) 当面、三業種にしぼってということでございまして、全業種についてやるということはいまのところ考えておりません。

伊藤郁男民社党・国民連合

○伊藤郁男君 だから、「当面」という言葉がひっかかるんですがね。当面三業種については、準備期間はかなりあるけれども、それはやっていきますと。私が質問を申し上げているのはそのほかの部門ですね。わりあいに簡単な警備業務、これらについては将来にわたっても検定なんということをやらなくたっていいんだと、いままでの質疑の中でみんなそういう指摘がされておりますね。だから、将来にわたってもそういうもう特殊な分野以外はやらないんだというように私は確認してよろしいかと、こう聞いているわけです。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) 遠い将来どうだと言われてもあれでございますけれども、検定制度の趣旨は先ほどお答え申し上げましたとおりでございますので、特定の専門的、技術的な分野について検定制度を考えてまいりたい、こういうことでございます。

伊藤郁男民社党・国民連合

○伊藤郁男君 そこで、そういう特殊な専門的な知識を必要とする、能力を必要とする、そういう警備に当たる人に対して今度はまた教育をしなきゃいかぬわけですね。そうすると、かなり専門知識を持った人が、たとえば原子力の関係の廃棄物やなんかを扱う、その輸送に当たるという仕事を受け持った人がいるとすれば、放射能の知識もかなり知っていなければ危険だということになりますね。そうすると、そういう専門の知識を警備に当たる人に教えていかなきゃならぬ。したがって、先ほども議論がありましたように、検定というのは分野分野ごとにそういう知識を持っているかどうかを検定するとお答えがありました。私はそのとおりだと思うんですね。そうしなければ危ない。そうすると、そういうものを検定をする検定官の知識もまた相当知識を持っていなきゃいかぬわけですね。それが各公安委員会で検定をやるわけですから、そういう専門知識を持った人を公安委員会がこれは派遣しなきゃいかぬですね。派遣して教えていかなきゃならぬ。そうすると、そういう特殊専門の知識を持って人に教えていく立場の人というのは、かなりやっぱりこれは高い講師料を出さなければ来てくれないんじゃないですかね。その場合、検定料の問題と関連をして私はこれは質問をするんですが、そういう専門知識を持った者を講師なりに呼んで教えていく、検定をする、そういうことになると、そこにやっぱり講師料が必要になりますね。その費用はどこから出すのか。講習を受ける、検定を受ける者から検定料を取ってやるのか。取ってそれに充てるのか。その辺のところも残っていると思うんですが、その辺のお考えはどうでしょう。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) 検定制度につきましては、相当の準備を要しますので、たとえば今年度中どうだと言われたら実施するつもりは毛頭ないわけでございます。その理由としましては、先生いま御指摘の問題もあるわけでございまして、検定員が逆に検定されるようじやどうしようもないんで、やっぱり検定員にふさわしい知識が必要だということになる。それをやはりよく知っておる人から教えてもらわなきゃいかぬというようなことでございます。そういうことで、それぞれ特殊な分野の業者の方もおられますし、また業界団体もありますから、あるいは関係機関がございますので、そういった方の御協力をいただいて、そして体制を整えて実施するというようなことになりますので、相当時間がかかるのではないかとこう思うわけでございます。  そこで、経費の関係でございますけれども、これはたてまえ論で申し上げますと、検定を受ける者から当然手数料を取ることができるという規定になっておりますので徴収いたします。それで賄うという形になろうかと思います。それで足りるか足りないかということは、ちょっといまのところでは積算しておりませんので何とも言えませんけれども、たてまえ論としてはそういうことで賄いたい、こう思っておるわけでございます。

伊藤郁男民社党・国民連合

○伊藤郁男君 そこで、そういう原子力の廃棄物輸送の業務をやるという人とか、そういう特殊三部門に、いま現在十二万の警備員がおって、どの程度がそういう分野をいまやっているんでしょうか。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) 機械警備業務でございますが、約七千五百人でございます。それから危険物運搬業務は千五百人、それから交通誘導業務については調査がとれておりません。ただ、京都府の調査によりますと、全体の四二・八%がこういった交通誘導業務に従事しておるということでございます。ただいま申し上げましたのは京都府のあれでございますが、ただ、専門的にやっておる者がどれだけかというのはちょっとわかりません。こんなに多くはないと思います。

伊藤郁男民社党・国民連合

○伊藤郁男君 そうすると、まあ約一万人ですね、一万人がそういう特殊三部門の警備をやっていると。これに対して専門的な知識を教えて検定を施していく、こういうことですね。これがしかしかなり時間を置いて準備をしなければなかなかできない、こういうことで理解をしておきたいと思います。  そこで、大臣、もう私最後になりましたけれども、結局大臣もおっしゃられておりましたように、これからもさらに複雑ないろいろな要素が出てくる。したがって、委員会でいろいろ指摘された問題、かなり重要なものがたくさんあると思うんですよね。だから、それをひとつ運用の面では本当に真剣にチェックしながらやっていただきたいと思うし、やっぱり法律の直接の影響を受ける警備員なり業界の方々の意見も十分に聞きながら対処をしていただきたい、このことを、最後に大臣の御見解をお伺いして質問を終わります。

世耕政隆自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(世耕政隆君) いろいろ御指摘いただきましてありがとうございました。  なかなか、この法律を実施するに当たりましてもいろんな問題が今後出てくるでございましょうし、こういった警備業の業界の方々も、わりあいそういった高齢者を抱えているということと、さらには事業体自体が中小あるいは零細の会社の方々も多いかと思うので、いろんな問題が今後派生してくる可能性もなくはない。そのことを十分われわれも受けとめまして、きょういただきました御審議の点いろいろあるかと思いますが、その点にも十分今後配慮いたしまして、この法案が、まだ通らないうちからこんなことを申し上げてはいけないんですが、もし御認可いただければ、この法を施行していくに当たりまして十分の配慮をしながら、それから今後の法の運用に伴ういろんなもし欠点とか問題点が出てきましたならば、その点も今後十分配慮しながら、せっかくのこの法がつつがなくうまくいきますように十分配慮してまいる所存でございます。

上條勝久自由民主党

○委員長(上條勝久君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

上條勝久自由民主党

○委員長(上條勝久君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。——別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。  警備業法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

上條勝久自由民主党

○委員長(上條勝久君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。   この際、山田譲君から発言を求められておりますので、これを許します。山田譲君。

山田譲日本社会党

○山田譲君 私は、ただいま可決されました法律案に対し、自由民主党・自由国民会議、日本社会党、公明党・国民会議、日本共産党及び民社党・国民連合分各会派共同提案による附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。     警備業法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、本法施行にあたり、左の事項について善処すべきである。  一、警備業を営む者の要件に関する改正規定の運用については、中小警備業者の排除とならないよう留意し、とくに警備員指導教育責任者制度の運用にあたっては、中小警備業者の健全な発展を妨げないよう配慮すること。  二、認定制度は、単に警備業の要件に該当しているか否かを事前に判断するための手続にすぎないことにかんがみ、認定にあたっては、本法が認定制度を設けた趣旨を尊重して慎重な運用を行うこと。  三、警備業者の欠格事由の審査並びに警備業者が行う警備員の欠格事由の調査にあたっては、個人の基本的人権を侵害することがないようにすること。  四、警備業者及び警備員は、警備業務を行うにあたり、労働者の労働基本権を侵害し、又は正当な争議行為その他労働組合の正当な活動に干渉することがないようにすること。なお、良質な労働力の確保と適正な賞金が保障されるよう所要の措置を検討すること。  五、警備業者及び警備員が、業務上知り得た他人の秘密、プライバシーを漏らし、その他他人の基本的人権を侵害することのないように指導すること。  六、警備業者が防犯等の警備業務のみならず防火・防災に関する業務をあわせて実施していることが多い実情にかんがみ、防火・防災業務のあり方について、消防・防災法令の趣旨に即して適切に対処すること。  七、検定制度の実施にあたっては、特定分野に限定することとするなど、各警備業務の実態を考慮し、事業の円滑な運営に支障が生じないよう配意すること。   右決議する。  以上であります。  何とぞ御賛同いただきますようお願いいたします。

上條勝久自由民主党

○委員長(上條勝久君) ただいま山田譲君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

上條勝久自由民主党

○委員長(上條勝久君) 全会一致と認めます。よって、山田譲君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、世耕国務大臣より発言を求められておりますので、この際、これを許します。世耕国務大臣。

世耕政隆自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(世耕政隆君) ただいまは、議備業法の一部を改正する法律案について、慎重御審議の結果御採決をいただきまして、まことにありがとうございました。  ただいまの附帯決議の御趣旨を十分尊重いたしまして法律を運用してまいる所存でございます。

上條勝久自由民主党

○委員長(上條勝久君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

上條勝久自由民主党

○委員長(上條勝久君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————

上條勝久自由民主党

○委員長(上條勝久君) 次に、昭和四十二年度以後における地方公務員等共済組合法の年金の額の改定等に関する法律等の一部を改正する法律案を議題といたします。  まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。世耕国務大臣。

世耕政隆自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(世耕政隆君) 昭和四十二年度以後における地方公務員等共済組合法の年金の額の改定等に関する法律等の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。  この法律案は、地方公務員共済組合の退職年金等について、別途本国会において御審議をいただいております恩給法等の一部を改正する法律案による改正内容に準じてその額の引き上げ等を行うとともに、市町村職員共済組合の短期給付に係る財政調整事業を実施するための措置を講ずるほか、地方団体関係団体職員の年金制度について地方公務員共済組合制度の改正に準ずる所要の措置及び地方議会議員の退職年金等についての増額改定措置を講じようとするものでございます。  次に、この法律案の概要について御説明申し上げます。  第一は、地方公務員共済組合制度の改正に関する事項についてであります。  まず、その一は、恩給における措置にならい、地方公務員等共済組合法に基づく退職年金等について、その年金の額の算定の基礎となった給料を昭和五十六年度の公務員給与の改善内容に準じて増額することにより、年金の額を本年五月分から平均約五%増額する措置を講ずることとしております。  なお、増額後の給料の額が一定額以上の者に支給する退職年金、減額退職年金または通算退職年金については、昭和五十八年三月分まで引き上げ額の三分の一の支給を停止することとしております。  その二は、恩給における最低保障額等の改善に伴い、長期在職者に係る退職年金等並びに公務による廃疾年金及び遺族年金の最低保障額を引き上げることとしております。  その三は、市町村職員共済組合ごとに実施している短期給付につきまして、市町村職員共済組合連合会が財政調整事業を行うこととしております。  以上のほか、昭和五十七年四月分以後の掛金及び給付額の算定の基礎となる給料の最高限度額を公務員給与の改善内容を考慮し四十四万円に引き上げることとし、また、昭和五十七年四月一日以後に指定都市の指定があった場合については指定都市職員共済組合は設けないこととする等の所要の措置を講ずることとしております。  第二は、その他の年金制度の改正に関する事項であります。  すなわち、地方団体関係団体職員の年金制度について、地方公務員共済組合制度の改正措置に準じて所要の措置を講ずるとともに、地方議会議員共済会が支給する退職年金等についてその額の増額改定を行うこととしております。  以上が昭和四十二年度以後における地方公務員等共済組合法の年金の額の改定等に関する法律等の一部を改正する法律案の提案理由及び内容であります。  なお、本法律案については、衆議院において、施行期日について、昭和五十七年五月一日を公布の日に改め、これに伴う所要の規定の整備を図る内容で修正可決されております。  何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願い申し上げます。  委員長(上條勝久君) 本案に対する質疑は後日に譲りたいと存じます。   本日はこれにて散会いたします。    午後三時四十八分散会      —————・—————

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