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96回国会参議院1982/05/13

地方行政委員会 第13号

発言数
265
登壇者
15
会派数
5
開催日
1982/05/13

会議録

上條勝久自由民主党

○委員長(上條勝久君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。  まず、委員の異動について御報告いたします。  昨日、藤井孝男君、関口恵造君、鈴木和美君及び塩出啓典君が委員を辞任され、その補欠として江藤智君、増岡康治君、志苫裕君及び和泉照雄君が選任されました。  また、本日、増岡康治君が委員を辞任され、その補欠として大坪健一郎君が選任されました。     —————————————

上條勝久自由民主党

○委員長(上條勝久君) 次に、警備業法の一部を改正する法律案を議題といたします。  本案の趣旨説明につきましては、前回の委員会において聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言を願います。

山田譲日本社会党

○山田譲君 大臣も御都合があって後で退席されるようでございますから、まず最初に、ひとつ大臣に、警備業法につきましての基本的な考え方をお伺いしておきたいわけですが、とりわけ私が心配いたしますのは、警備業法というのは、いわゆるガードマンにつきまして、従来は届け出で自由にできていた、これが今回の改正によって、警備員たちの質の向上を図っていく、そして悪い警備員たちを排除していくという、こういう精神で改正がなされるわけでありますけれども、そこで私どもが心配しておりますのは、そのこと自体は問題ないにしましても、これを一つのきっかけといたしまして、警備員、いわゆるガードマンたちを警察の何といいますか支配下に置こうと、警察の統制の下に置こうと、そういうふうなことにこれが乱用されては非常に困るというふうに思うわけです。  それで、たとえば法律の中を見ましても、後ほどいろいろ御質問していきますけれども、かなり警察の権限が、少なくともガードマンに対しましては相当強化をされているということ、これは事実だろうと思うんです。ガードマンの質の向上を図るとかいう点から言いますと、それはある程度の警察権限の強化ということはこれはやむを得ないし当然のことだと思いますけれども、それが必要以上に乱用をされて、そしてガードマンが警察の指揮下に、完全に配下に入れさせられるようなことをやられるとすると、これは非常に問題が出てきはしないか。私どもはその辺が一番今回の改正についてまず問題にしたい点でございます。  端点に申し上げますと、こういったことをいろいろな別な面に利用していく、活用していくというふうなことになってはこれはもう相ならぬ話であるというふうなことがありますので、ぜひその点について大臣はどのようにお考えであるか、そんなことは絶対にないと、こういうふうにおっしゃるかどうか、とにかくそこら辺をまず最初に大臣にお伺いしておきたいと思うんです。よろしくお願いいたします。

世耕政隆自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(世耕政隆君) 今回の警備業法の改正は、従来からありました警備業務にいろんな欠陥がございまして、それの適正化を図るという意味において今回の措置になったわけでございます。  警備業務自体が私的な依頼を受けて国民の財産とか生命とか、そういうものを守っていく性質を持った業務でございまして、その点では何ら行政的なものとは関係のないものでございまして、警察はあくまで警察、警備業務はあくまで私的機関としての業務であって、こういうふうに今回の改正になったわけでございますが、法律はそこまででございまして、後は、これは警備業務の会社の内容さえ正常であれば何ら警察がちょっかいを出すべき分野のものはない。本質的に警察業務と警備業務は明らかに異なったものである。したがって、それ以上の干渉とかその他のことに関しては警察は一切権利を不当に行使することはない。このように考えておるものでございます。

山田譲日本社会党

○山田譲君 いまお話を伺ったわけでありますけれども、もう一遍お尋ねしておきたいわけですが、それは、いま大臣おっしゃったようなことではありますけれども、しかしやはり法律でこれだけ相当な、たとえば従来の届け出制を認定制にするとか、あるいはいろいろな研修みたいなものをさらに積極的にやらしていこうとか、こういう話になってきますと、これはどうしても警察権限がそれなりに強化をされていくということはやむを得ないし、事実であろうと思うんです。ただ、それと同時に、警備業というものの一つの公共性ということをかなり重視してきているということも事実であって、だから単純に、単なる私的な問題である、警備業とそれからそれぞれの会社なり個人との関係は単なる私契約にすぎないんだというふうにおっしゃいますけれども、ただそれだけじゃだめだからということでこういう法律ができてきていると思うんですね。ですからやはりその点は、考え方として、従来の単なる私的な機関でしかないというふうな割り切り方ではすでに済まなくなってきている、こういうことは事実だろうと思うんです。  それはそれで私は結構な話だと思うんですけれども、心配しますのは、それだけに警察権限というふうなものがどうしても従来以上にこの法律に基づいて警備業の中に入っていかざるを得なくなる。その程度が非常にむずかしいとは思うんですけれども、それがいまおっしゃられましたような精神を超えて不当にその中に入っていってしまう、あるいは言葉は悪いですけれども、いわゆる警察予備軍的なものにガードマンをしていこうというふうなことになりますと、これは非常に大きな問題であると言わざるを得ないんで、そこのところについてはもう一遍大臣のお考えをお伺いしておきたいと思います。

世耕政隆自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(世耕政隆君) 御指摘のような、御懸念になる事柄は一切ないと、そのようにお答え申し上げておきます。

山田譲日本社会党

○山田譲君 それではそういうことで、いまの大臣の固い御発言を了として、ひとつぜひその線で今後この法律ができた場合には運営に当たっていっていただきたいというふうに思います。  それでは法律の中身に入っていきたいと思いますけれども、まず最初に、非常に従来の行き方と違う点の一つと思われます認定という問題であります。従来は単純な届け出でよかったわけですね。これが届け出じゃだめだと。認定という非常に行政法上聞きなれない言葉でありますけれども、こういう言葉を使われている。かなりこれは警察庁におかれても相当苦心の結果じゃないかというふうに思うんですけれども、まず、この認定という言葉ですね、この言葉の法律的な意義、法律的な意味はどういうことであるか。つまり普通は、届け出、それから許可だとか認可だとかという行政行為があるわけでありますけれども、そのどれにも当てはまらない認定という言葉を使われているところは非常に真新しいところだと思うんですけれども、この認定についての法律的な意義、意味はどういうことにあるか。そして、いわゆる許可、認可、届け出とどの点が違うかということについてお尋ねをしたいと思います。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) 今回の改正法案では、現行法の届け出制から認定制へ移行したいということでございます。  そこで、現行法の届け出制と申し上げますのは、御案内のとおり、警備業法では警備業者の欠格事由については実質的な項目として一項目あるわけでございます。すなわち、特定の前科者についての規定でございます。この欠格事由に該当するか否かの審査手続でございますが、現行法の届け出制では、警備業を営もうとする者は、極端なことを言いまして、営業開始の前日までに都道府県公安委員会に届け出をするわけでございます。それで、その届け出が終わりますと翌日からでも、どなたでも警備業を営むことができるというような仕組みになっております。都道府県公安委員会は、その届け出を受理いたしますと早速、欠格事由に該当するか否かにつきまして調査をいたします。通常の場合はほとんど、該当しないということでそのままになるわけでございます。ただ、まれに欠格事由に該当する、すなわち特定の前科者であるということがわかりますと、この業者に対しまして廃止命令を出しまして、警備業の営業を廃止させるというようなシステムになっておるわけでございます。  ところが、今回の改正法の改正項目の主なものといたしまして、この特定の前科者に関する欠格事由だけでは不十分である、不適格業者を排除することが十分でないというようなことで、欠格事由の整備を図ることにいたしたわけでございますが、そうなりますと、やはり都道府県公安委員会としてその欠格事由に該当するかどうかの審査に非常に時間がかかるというようなこともございますし、営業を開始してからその後に欠格事由に該当するということで廃止するということになりますと、当該業者はもとよりでございますが、ユーザーの方々にとっても不利益になるというようないろんなことがございまして、この点につきまして、今回、認定制というものをお願いしておるわけでございます。  認定制と申しますのは、警備業を営もうとする者が、その欠格事由に該当するかどうかということが中心でございますが、そういった審査をしてもらうという意味であらかじめ都道府県公安委員会に申請をするわけでございます。それを受けまして都道府県公安委員会が審査を行います。その結果、大部分の申請者につきましては欠格事由に該当しないと思いますけれども、認定証を交付をします。それを受けますとその者が警備業を行うことができるというようなたてまえになっておるわけでございます。そのことによりまして現行の届け出制の持ついろいろな問題点というものが排除できると、こういうことでございます。  以上のような届け出制と認定制との違いでございまして、これをまとめて申し上げますと、結局、警備業につきましては営業の自由というものを前提にしておるわけでございます。どなたでも警備業を営んでもらって結構ですと、こういうことでございますが、特定の前科者などにつきましてはこれはやはり排除せざるを得ない。その排除の仕方につきまして、現行法の届け出制では事後審査になる、それを今度の改正法案では事前審査にする。あらかじめ審査してそして認定証を交付してやるということでございまして、この警備業法の考え方というものは今回の届け出制から認定制への移行に伴って何ら変わるところはない、たまたま手続上の違いだけであるということでございます。  そこで、認定というのは法律的性格はどうだという御指摘でございますが、これは行政法学上のやはり確認行為と考えられるわけでございます。この警備業法に言う認定制で申し上げますと、ただいま申し上げましたように、認定申請者が警備業の要件を満たしているか否かを確認する行為である、こういうことでございます。  次に、それでは許可制と届け出制ないし認定制との違いいかんということになろうかと思います。  許可制につきましては、御案内のとおり、こういった業法につきまして申し上げますと、当該事業につきましては一般的に禁止をしておるということでございまして、そして特定の資格、能力、信用のある者に対しまして、行政官庁がその禁止を解除して許可する、それで初めてその事業というか営業を行うことができるということになっておるわけでございます。そういう面で許可要件というものが非常に厳しく定められておりますとともに、その要件の存否などにつきましては一定の裁量が認められる、まあ行政庁の判断に基づくものとなっておるわけでございます。そういう許可制の場合には、当然のことながら許可を受けないで営業をした者に対しましては、一般的な禁止行為、禁止に違反するということで重い罰則が直ちにかけられるというような形になっておるわけでございます。それに対しまして、届け出制あるいは認定制というのは、あくまでも営業の自由を前提としながら一定の欠格者を排除する、いわば個別的禁止というのですか、個別的な排除というような形になるわけでございます。  そういうことで、無届け営業あるいは改正法案の無認定営業者に対しまして、欠格事由が該当するにもかかわらず依然として営業している者に対する罰則の問題でございますが、無許可営業のように、直ちに重い罰則を適用するということではなくて、廃止命令を出しまして、それに従わないで依然として営業を続けておるといった場合に、廃止命令に従わなかったということで初めて罰則が適用されるというようなことになっておるわけでございます。そういった罰則のあり方につきましても、やはり許可制と認定制、あるいは届け出制との法律的な性格の違いが出ておるわけでございます。

山田譲日本社会党

○山田譲君 実は私も、認定ということはやっぱり法律的に言っていけば一つの確認行為かなということは感じていたわけです。そうしますと、確認というのはあくまでも法律にこれこれの欠格事由があるからこれに該当するんだということをするかしないかを確認すると、こういう文字どおり確認ですから、そうしますと、この認定という言葉は確認と同じだということになると、行政庁の——この場合公安委員会ですか、公安委員会の判断、それ以外の判断というものは全然入る余地がないというのが私どもの考えですけれども、そこはどうですか。文字どおり確認であれば、法律にあるとおりであるかどうかということを確認するのであって、それ以外の行政庁の判断というものが入る余地はないと思うんだけれども、この認定という言葉は、何となく単なる確認じゃなくて、それ以外にちょっとそこに行政庁、公安委員会の判断というふうなものが入ってきやしないか、入ってくる余地があるんじゃないかというふうに思いますけれども、いまおっしゃられたように、文字どおり確認行為であるということに違いないとすれば、そういう行政庁の判断はそれ以外に一切入らないというふうに考えてよろしいですか。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) 警備業の要件につきましては、第三条で一号から八号まで列挙されておるわけでございます。これらのいわゆる欠格事由を中心とする警備業の要件でございますが、この列挙しておる事項に認定申請者が該当するか否かという事実の認定を都道府県公安委員会が行うと、それだけでございまして、先生のおっしゃる、いわゆる許可制の場合の一定の資力とか信用とか、若干覊束裁量的な判断というものにつきましては、この一号から八号をごらんになってもおわかりになりますように、いわゆる欠格事由を中心に掲げておるということで、その事実というんですか、ここに列挙されております警備業の要件に該当するか否かの確認ですか、を行うということでございます。

山田譲日本社会党

○山田譲君 そういうことであるとわかりましたけれども、もう一つ、従来は届け出であったために、届け出で営業していて、その後欠格事由に該当したからその営業をやめさせた、こういうことのないように、今度は事前にやるんだ、こういう話ですけれども、そうすると、いままでやっていたこの届け出というやつは、ある程度様式はもちろんあるでしょうから、ただその様式に当てはまってさえいれば、内容を全然見ないで警察の方は受け付けておられたかどうか。  これはほかの例で申しわけありませんが、たとえば労働基準法上で就業規則を事業所はつくらなければいかぬということになっている。就業規則は純粋な届け出なんですね。監督署に届け出ればいい。だけれども、それはそういったって受け付ける監督署の側は、当然のことながら、その就業規則を中身を一応そこで見まして、それでこれはやっぱりこういうふうに直した方がいいじゃないかという指導をして、場合によってはもう一遍それを返すこともあり得るわけです。  ところが、いまお話を聞いた限りでは、一切そういうことをしないで、警察、公安委員会がそのまま受け付けて、それで届け出があったんだからあしたから営業してよろしいということであったとすると、これは余りにも形式的じゃなかったか、従来の届け出そのものが。届け出とはいうものの、現に監督署の場合はそういうことまでやっているわけです。就業規則は届け出でよろしいと言っているけれども実際には中身を全部監督官が見てやるというふうなことをしているわけですけれども、そうすると、いままではそういうことを一切やっていなかったかどうか。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) 先ほど申し上げました届け出の場合、普通の手続の流れを申し上げたまでのことでございまして、当然、届け出書が出た場合に形式的審査をし、また、疑問点があれば当該申請者に対しまして問い合わせるということで、そこで欠陥というのですか、書類記載上のミスがあればそこで補完する、是正を促して、そして受理するというふうな形でございます。  ただ、先ほども申し上げましたように、あくまでも現行法の警備業法は、警備業というものはだれでもできるんだということでございまして、特定の前科者というのも本当に制限されたような形でございます。大部分の方はどなたでもやられて結構ですというようなたてまえでございます。だから、次から次に届け出が来ますと、それをチェックして、そうして翌日からでも営業を開始するというようなたてまえになっておるわけでございます。いわゆる最小限度の規制がかかっておったというようなことだと思います。

山田譲日本社会党

○山田譲君 当然、届け出であるからただ文字どおり届け出で、それでもっていいんだということじゃなくて、いまおっしゃったようなことで、ある程度警察としても届け出てきた書類を中をごらんになったに違いないと私は思うんです。そうしますと、そこでもってある程度チェックできるわけですから、最初言っておられたように、ただ単純な届け出だから後になってそうでないことがわかりましたというふうなことには大体ならないと思うんですよね。そうだとすると、それは受け付けた警察が大体ちゃんと見なかったということになってしまう。  だけれども、ただ私が思いますのは、確認だというふうにおっしゃいますけれども、今度は欠格事由を見ますと、いわゆる暴力団的なものを排除する、こういう規定が——これは暴力団という言葉は使っておりませんけれども、やはり出ている。これは新しくできたところだろうと思うんですけれども。そうすると、暴力団とわりあい一口に言うけれども、そう簡単に、法律的に暴力団なんという用語があるわけじゃありませんから、かなり苦心をして、第三条の四号にいわゆる苦心の作がここにあらわれている。恐らくこれは実体は暴力団のことを言おうとしたと思うんです。四号を見ますと、「集団的に、又は常習的に暴力的不法行為その他の罪に当たる違法な行為で」云々というふうな表現をして、これはかなり苦労した結果だろうと思うんです。こういうことになるとこれはやっぱりただ届け出ではいけない、そこまでわかるんです。同時にまた、これを確認するということもこれ非常にむずかしい話で、やはりこの確認の際に、ただ確認といったって、こうなってきますとかなりここに行政庁の判断というものが入ってこざるを得ないんじゃないかというふうに思うんです。つまり、この「集団的」とか「常習的に暴力的不法行為」というような言い方になってきますと、なかなかそれは単純に確認というわけにもいかない。そうすると、やはりそれなりの公安委員会の判断というものがここに入ってこないわけにいかなくなると思うんですが、そこら辺どんなものですか。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) 現行法では、特定の前科者ということで、客観的な表現が使われておるわけでございます。禁錮以上の刑に処せられて三年たたない者というようなことで、ある程度欠格事由に該当するか否かの事実確認というものは容易にできると思うのでございます。ただ、最近の不適格業者を排除するためには、その特定の前科者だけでは不十分であるということで、御指摘のように暴力団員などがやっている例がございます、そういったものを排除いたしたいということで、このたび御審議をお願いしておるところでございます。  第三条の四号では、これは暴力団に関する条項でございまして、これはなかなか法律上定義がむずかしくてあれでございますけれども、実はすでに政令の段階では暴力団の定義がございまして、「集団的に、又は常習的に暴力的不法行為を行なうおそれのある組織」、これが暴力団だということで、それを援用しまして欠格事項としましてここに入れたわけでございます。ただ、この条項について申し上げましても、「暴力的不法行為その他の罪に当たる違法な行為で」というだけではなくて、さらに「国家公安委員会規則で定めるもの」ということでしぼりをかけるつもりでございます。  これはどういうことかと申し上げますと、やはり「暴力的不法行為」だけでは押さえ切れませんので、たとえば賭博をやるとかあるいは銃刀法違反の問題とか、いろいろ暴力団がやるおそれのあるような犯罪があるわけです。それを全部列挙するというのはむずかしいので「国家公安委員会規則で定める」ということにしておるわけでございますが、それを行うおそれがあると認めるに足りる相当な理由がある者ということでございまして、この理由があるか否かにつきましては、都道府県公安委員会が最終的に判断をというんですか、そういう面の事実認定、事実確認をするということでございます。  この点につきましては、特定の前科者と違いまして、確かに明々白々でない面も率直に申し上げてあると思うのでございます。こういった点につきましては、当該申請者につきましていろいろ事情を聞き、いろいろな資料の提出を求めまして、それで警察既存の資料、そういったものを総合的に突き合わせまして慎重に行いたい、こう思っておるところでございます。

山田譲日本社会党

○山田譲君 実は、いまお伺いしようと思ったところですけれども、ここで言う「国家公安委員会規則」ですね、この内容は、いまもうできているかできていないかわかりませんけれども、どういうことを大体考えていらっしゃるか。いまちょっと聞いたわけですが、もう少し具体的に示していただきたいと思います。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) 第三条第四号に言う「国家公安委員会規則」の内容でございますが、「暴力的不法行為」につきましては、暴力的手段をもって人の生命、身体または財産を害するような不法な行為を言うということでございますが、ただいま申し上げましたように、そのほかに暴力団員が犯しやすい犯罪行為というものが考えられるわけでございます。それを国家公安委員会規則で定める予定でございます。  たとえばでございますが、殺人罪、傷害罪、暴行罪、凶器準備集合罪、脅迫罪、強要罪、威力業務妨害罪、それから窃盗罪、恐喝罪、強姦罪、強制わいせつ罪、それから賭博罪、それから暴力行為等処罰法違反、それから銃刀法違反、たとえば銃砲刀剣類の不法所持など、それから覚せい剤取締法それから麻薬取締法違反、こういった覚せい剤、麻薬の不法所持等ということでございまして、当然のことながらそういった罪種というんですか、罪を列挙するという予定にしております。

山田譲日本社会党

○山田譲君 何回もお聞きしておりますように、あくまでもこれは営業の自由なんだ、それを侵すようなことはしたくないと。しかし、別な面でいろんな問題が出てきているからそこを押さえなきゃいけない、こういう趣旨で法律改正が出てきたと思いますけれども、考えによっては営業の自由を非常に制限することになるわけですから、ここの第三条の四号というのは国家公安委員会規則でもって決めるようですけれども、これは中身を、いまおっしゃったようにごく限定的にきちっと列挙していただきたいと思うんですね。そうしませんと、そこにどうしても別な主観的な要素が入るようなことになりますと、考えようによっては営業の自由を不当に侵すことになると思うんです。そこら辺はぜひはっきりと具体的なものを国家公安委員会で決めていただきたい、そういうふうに思います。  そこでもう一つお伺いしたいのは、同じく認定の問題に関連して、第四条の二の「総理府令」というのがありますね。「総理府令で定める書類」。この「総理府令」というのは、内容はどんなものですか。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) 第四条の二に言う「総理府令」のことでございますか。

山田譲日本社会党

○山田譲君 そうです。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) これは認定申請書の添付書類に関するものを総理府令で定めることになっておりますけれども、現在私どもが意図しておるものは次のとおりでございます。  認定申請者が個人の場合でございますが、履歴書、住民票の写し、それから外国人にあっては外国人登録証の写し、それから第三条第一号及び第五号に該当しないことを証する書面、つまり特定の前科者、それから精神病者あるいはアルコールなどの中毒者、それからもう一つは警備員指導教育責任者を選任することを証する書面。それから認定申請者が法人の場合でございますが、この個人の場合の三種類の書面以外に定款及び登記簿の謄本ということを予定しております。

山田譲日本社会党

○山田譲君 その後もいろいろこの公安委員会の規則であるとか総理府令とか、私ども考える限りはかなり多くこういうものがそういうところに委任したところが出てきますけれども、最初にまず聞いておきたいのは、「総理府令」あるいは「都道府県公安委員会規則」とか「国家公安委員会規則」とかいろいろありますけれども、これはどういう区別で、これは総理府令でやるとかこれは公安委員会規則にしましたとか、これは何か基準的なものはあるんですか。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) 総理府令、国家公安委員会規則に委任しておるわけでございますが、これらにつきましては、他の法令の場合と同じでございまして、手続に関する事項だとか技術的な事項、あるいは事態の推移に応じて臨機に措置しなければならないといった事項につきまして委任するという形にしておるわけでございます。  両者の使い分けでございますが、この点につきましては、一応国家公安委員会規則につきましては、専門的、技術的な事項につきまして委任するというような形にしておるところでございます。

山田譲日本社会党

○山田譲君 ちょっとわからないんですが、もう一遍はっきりと、こういうものは総理府令にする、こういうものは国家公安委員会規則にしましたという、この区別の基本的な考え方の違いがあるわけでしょうから、それらは何ですかと聞いているわけです。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) ただいまもお答え申し上げたとおりでございまして、委任される事務の性質上、専門的、技術的な事項につきましては国家公安委員会規則に、それ以外のやや手続的な事項につきましては総理府令に委任することにしておるわけでございます。  これは、御案内のとおり行政組織上の問題があるわけでございますけれども、国家公安委員会制度というものがあるために御理解しにくい点があろうかと思いますけれども、やはり警察行政上専門的知識を要する事柄につきましては、専門知識を有する国家公安委員会自体が責任を負うべきであるというような考えから、法令の形式上もこれを明確にすることが望ましいと考えたからでございます。

山田譲日本社会党

○山田譲君 都道府県の公安委員会の規則というのはありませんか。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) 確かに都道府県公安委員会で具体的な基準を定めるというようなことで委任している例もございます。この点につきましては、それぞれの都道府県の地域性といいますか、それを考慮する必要があるという場合には都道府県公安委員会規則で定めるということでございまして、ただ御案内のとおり、その場合であっても法律、政令ですか、あるいは総理府令あるいは国家公安委員会規則に定められた範囲で、その基準に準拠してやるということでございます。

山田譲日本社会党

○山田譲君 それでは次に、この四条の二の四項によりますと、五年でもう一遍やり直すというんですか、こういうことになっていますね。これは従来三年だったわけですか、とにかく従来と変わっているわけですけれども、どうして五年というふうにしたかどうかですね。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) 現行法の届け出制のものにつきましては、一たん届け出をしますと、その者が欠格事由に該当したり、あるいは法令違反等によりまして警備業法でいろんな「指示」云々ということでされない限りにおきましては警備業を営むことができるわけでございます。その点につきまして、今回の認定制をとるに当たりましては、認定というのが警備業を開始する際の確認行為であります。その時点で警備業を営む要件を充足しておる、逆に言いますと欠格事由に該当しないということを確認したにとどまるわけでございまして、その後欠格事由に該当する場合が出てくるおそれがあるわけでございます。そこでやはり五年に一度はチェックをいたしたいということで、いわば更新という考えを入れたわけです。それが具体的に、その認定証の有効期間を五年といたしました。五年ごとに更新の手続を踏んでいただく。そこで都道府県公安委員会が再度欠格事由に該当するかどうかということをチェックするというシステムにしておるものでございます。

山田譲日本社会党

○山田譲君 その次に、第三条の二号ですね。この「禁錮以上の刑に処せられ、又はこの法律の規定に違反して罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、」、その次に——これは一般的な法律用語ですからここだけの問題じゃないと思うんですけれども、一応解釈をはっきりと伺っておきたいのは、その次に出ております「又は執行を受けることがなくなった日」、この「執行を受けることがなくなった日」というのはどういう日ですか。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) たとえばでございますが、刑の執行の完成あるいは仮出獄を許された者がその量刑の残余期間を終了したような場合を言うわけでございます。したがいまして、刑の執行停止を受けているというような場合につきましてはいまだ刑期継続中と考えられますので、ここに言う「受けることがなくなった」という中には入らないということでございます。

山田譲日本社会党

○山田譲君 いまの例で、仮出獄でもって、たとえば五年の刑という人が三年で仮出獄してきた場合、その場合に、刑の執行がなくなった日というのはいつですか。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) その場合は、残余期間が終わったときということになります。

山田譲日本社会党

○山田譲君 そうすると、執行猶予三年とか五年とか言いますね、その場合はどうですか。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) 刑の執行猶予の場合でございますが、刑の執行猶予の言い渡しを受けた後、その言い渡しを取り消されることなく猶予期間を経過したといった場合だと思いますが、こういったものにつきましては、その猶予期間が経過した者につきましてはその時点で御案内のとおり刑の言い渡しによる法的効果が将来に向かって消滅すると解されておりますので、ここで言う欠格事由云々の問題は起きないということでございます。

山田譲日本社会党

○山田譲君 そうすると、たとえば五年ということで刑が決まって、それで執行猶予三年としますね、そうすると、その人が謹慎の意を表しておとなしくいて、三年たって執行猶予期間を過ぎた、そうすると、その過ぎたその日か翌日か知りませんが、要するにその日から起算して今度五年とかなんとかという話になるわけですかね。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) ただいまの設例で、五年の懲役刑、それで三年の執行猶予といった場合につきましては、刑が確定して三年たった日、その翌日からはこの欠格事由に該当しないということでございます。その点は先ほどの仮出獄の場合と違うということでございます。

山田譲日本社会党

○山田譲君 それは欠格事由に該当しないというんじゃなくて、その日から計算して五年という意味でしょう、ここで言っているのは。この五年というんだから。刑の「執行を受けることがなくなった日から起算して五年」ということになっていますから、その日から欠格事由がなくなったんでなくて、その日から起算して五年後には欠格事由がなくなると、こういう意味でしょう。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) 刑の執行猶予につきましては、その猶予期間を取り消されることなく経過した者につきましては、御案内のとおり、刑の言い渡しそのものの法的効果が将来に向かって消滅するということになっておるわけでございます。そこで、執行猶予期間が三年の場合、三年の間はその欠格事由に該当するわけでございますけれども、その執行猶予の期間が終わりますと翌日からはここに言う欠格事由云々の問題は起きない、該当しないということでございまして、そこから五年ということではございません。

山田譲日本社会党

○山田譲君 そうしますと、いまの場合で、三年の執行猶予期間が無事に過ぎました、そうすると、三年前にさかのぼるというか、すべて何もなかったという状態になるわけでしょうかね。その三年間はもちろんできないだろうけれども。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) 将来に向かってその刑の言い渡しという法的効果がないものとするということでございますので、その間はそういういわゆる法的制限というんですか、法的効果というものは課せられておるわけでございまして、そういう面で執行猶予期間中の者は、この警備業法で言いますとやっぱり欠格事由に該当する者としまして警備業を営むことができない。ただし、執行猶予期間が終りますと翌日からこの関係では欠格事由に該当しないということになるわけでございます。この点、他の立法例で多数あるわけでございます。同じような解釈をとっておるところでございます。

山田譲日本社会党

○山田譲君 くどいようですけれども、もう一つ、それじゃ大赦とか、恩赦とか、そういう場合はどうですか。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) 恩赦法に定める大赦の場合でございますけれども、この場合も有罪の言い渡しの効力を失わせるということでございますので、この執行猶予の場合と全く同じ形になるわけでございます。

山田譲日本社会党

○山田譲君 それでは次へいきます。  第三条の四号、先ほどもちょっとお話しありましたけれども、「集団的に、又は常習的に暴力的不法行為その他の罪に当たる」者というのは大体暴力団を意識したことだと思いますけれども、「又は」ということで言ってしまうと暴力団の定義からちょっと外れてきはしないか、必ずしもぴったりこないんじゃないかというふうに、つまり「又は」じゃなくて両方あわせなきゃいけないんじゃないかという感じがするんですね。集団的に暴力的不法行為をやる、あるいは常習的に暴力的不法行為をやるというんでなくて、集団的でしかも常習的にやっている、こういうことにならないとちょっと暴力団の定義としては足りないんじゃないかという感じがするんですけれども、これはどうですかね。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) 御案内のとおり、暴力団あるいは暴力団犯罪とは何かというようなことになろうかと思いますけれども、やはりこれは結論から言いますと、択一的というのですか、どちらか充足しておればということでございます。まあ「集団的に」ということで、当然のことながら暴力団という組織で集団の力をかりて、あるいはそれを背景にしていろいろな暴力的不法行為をやるということでございますし、また、「常習的に」、何回も何回も繰り返してやる。その不法行為を自分たちの組織活動の資金源というのですか、源にしてやるというようなことでございますので、やはり「集団的に、又は常習的」ということでないと完全に包含できないんではないか、こう思っているわけでございまして、現に、現在の政令の段階でございますけれども、そのようにいま定義づけられておるということでございます。

山田譲日本社会党

○山田譲君 そうしますと、「常習的」というのは、それだけでいきますと集団性というものは全然必要ないということになりますか。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) おっしゃるとおりでございまして、「常習的」、それだけで言いますと直ちに集団的というのが一つの判断要素になっておるわけでございますので、集団でなくてもいいということになるかもしれませんけれども、やはり常習的にやるという場合につきましては当然何らかの不法グループ、いまの場合で言うと暴力団でございますけれども、そういった組織のもとに行われるというような形になろうかと思うわけでございます。

山田譲日本社会党

○山田譲君 それはちょっとおかしいんじゃないですかね。「常習的」という言葉の中からは直ちに集団性が当然出てこないと思うのですよ。だから極端な話、一人の人がいて絶えず文字どおり常習的に何か不法行為をやりますと、こういった場合はこれはどうしたって集団とは思えないわけで、個人がやっているわけだから、だからそういうものはどうなるか、そういうものも暴力団と言えるかどうかということです。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) 暴力団の定義、意義でございますけれども、取り締まりの観点から実態に即して申し上げますと、主として市民の日常生活を脅かすような反社会的な集団である、その行動ないしは生態において、団体もしくは多数の威力を背景に集団的または常習的に暴力的不法行為を行う、あるいは行うおそれのある者であって、それを生活資金獲得の手段としている組織団体と、こういうことになろうかと思うわけでございます。  おっしゃるとおり、「集団的に、又は常習的に」ということで、「常習的に」は集団性というあれが入っていないじゃないかということでございますけれども、こういった常習的に暴力的不法行為等を行う者につきましては、当然集団的に行うというような形になろうかと、こう思うわけでございますけれども、そういった実情を踏まえて規定したということでございます。

山田譲日本社会党

○山田譲君 こんなことは余りしつこく言うつもりはないけれども、どう見ても、ちょっと普通の常識のある人が見ればこれは別だというふうに考えざるを得ないし、常識的に不法行為をするというふうなおそれのある人というのは確かに個人でもあるわけですよね。そうすると、そういう場合であってもそれは集団だ、集団だと言ったってそれは無理な話じゃないかと思うんですけれども、それはどうですか。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) 四号は、いわゆる暴力団に係る条項であるわけでございますけれども、御指摘のように、全くの一人の場合、個人の場合ですけれども、ある特定の者が常習的に何回も何回も暴力的不法行為をやる、あるいはすり、万引きをやるという者が仮にいたとして、その者が警備業をやりたいと言った場合にはこの規定が適用されるということになろうかと思います。

山田譲日本社会党

○山田譲君 そうすると、さっきあなたのおっしゃった、「常習的に」ということは暴力団、いわゆる集団性も入るしと言ったけれども、そうじゃなくて、暴力団は前の「集団的に」というやつであって、いまおっしゃった、たとえば常習的なすりみたいな人、これは暴力団じゃないわけですね、一人でやるんだから。それもここに該当しますということですか。つまり、四号というのは暴力団だけじゃなくて、そういった人も含むという考え方ですか。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) 四号は、暴力団に係る問題が多いわけでございますけれども、例外的なケースとしてそういうこともあり得るのではなかろうかということでございます。そういう面で、御指摘のように「集団的に、又は常習的に」ということで択一的に規定さしていただいているということでございます。

山田譲日本社会党

○山田譲君 その次に、同じく六号ですね、「営業に関し成年者と同一の能力を有しない未成年者。」、これはどういう意味ですか。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) この第六号に言います「営業に関し成年者と同一の能力を有しない未成年者。」とは、未成年者の中で親権者または後見人から営業を営むことについて許可された者あるいは婚姻をして成年者とみなされた者以外の者を言うわけでございます。そういった者につきましては当然のことながら法律行為を行うのに法定代理人の同意を要し、独立して営業を営みたい者のために規定しておるということでございます。

山田譲日本社会党

○山田譲君 「営業に関し」というのはどういうことですか。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) 営業につきましては、当然、民法とか商法とかいろいろな法律の規制があるわけでございますけれども、その関係法令上の法律行為といいますか、行為能力といいますか、そういった問題につきまして「成年者と同一の能力を有しない未成年者。」ということでございます。先ほど申し上げました民法等の規定で「同一の能力を有しない」、簡単に言えば普通の未成年者という場合でございますが、御案内のとおり、先ほど申し上げました、たとえば婚姻をしますと成年者とみなされるわけでございます。そういった者は除きますということでございます。

山田譲日本社会党

○山田譲君 それでは、その次の七号の意味をちょっと教えてください。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) 今回の改正の項目はいろいろございますが、その大きな問題といたしまして、警備員に対する指導教育の充実強化ということがあるわけでございます。もちろん現行法でも教育の時間だとかあるいは科目につきましては法律または総理府令等で規定されており、各業者ともいわゆる社内教育としていろいろと指導教育をやってもらっておるわけでございますが、現状においては、残念でございますけれども必ずしも十分でないということでございます。  そこで今回の改正法案では、警備員指導教育責任者というものを営業所ごとに選任しなけりゃならないということにしたわけでございます。この警備員指導教育責任者というものがそれぞれの業者の中にありまして、警備員の指導教育の文字どおり責任者、中心的役割りを果たしてもらうということを期待しておるわけでございまして、ある意味においては今回の改正法案の大きな目玉になるわけでございます。  そこで、その警備員の指導教育責任者の選任、配置の関係でございますが、ただいま申し上げましたように、非常にその指導教育責任者の果たす役割りというものが重要でございます。そういうことから、やはり警備業開始当初からぜひ選任して配置してもらいたいということで、そういった制度の実効を期する意味から警備業法改正に当たっての要件に加えたということでございます。

山田譲日本社会党

○山田譲君 それでは先に進みまして、第四条の四の三項、ここに「認定証の有効期間の更新を申請した者が第三条各号のいずれかに該当すると認めたときは、総理府令で定める」ということになっていますが、この総理府令の内容はどんな内容ですか。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) この第四条の四の第三項の関係でございますが、これは、いわゆる欠格事由に該当した場合には、有効期間を更新しない旨の通知をするという規定でございます。総理府令では、都道府県公安委員会が申請者に対して認定を更新しませんという通知書の書類様式を定めるということにしております。

山田譲日本社会党

○山田譲君 そうすると、これは認定しませんという通知書のことを総理府令で定めると、こういうことですか。そんな簡単なことの審査を総理府令でやる必要もないと思うんだけれども、そんなに複雑な内容なんですか。おまえさんのところは認めませんというその内容のものは。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) いずれの行政につきましても同じだと思いますけれども、書類につきましては当然のことながら斉一、統一を期さなきゃならぬということと、この場合につきましては結局更新しません、欠格事由に該当しますという都道府県公安委員会のいわゆる確認の通知ということでございまして、関係者にとって大きな意味を持つということでございます。その様式をきちんと決めて氏名云々と、それから認定しない理由というのですか、事由というのですか、そういったものを決めたいということでございます。

山田譲日本社会党

○山田譲君 これは、いまおっしゃったのは認定しませんというだけのように聞こえたから、当然その理由が一定の様式に基づいて書かれると思うんですけれども、そういうことを聞きたかったわけです。  それから、同じく総理府令の問題で、第六条の「廃止等の届出」のところに、「総理府令」というのが二つか三つ出てきますね。これは大体どんな内容ですか。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) 第六条の、廃止等の場合の都道府県公安委員会に対する届け出の関係でございまして、いずれも、届け出書の様式あるいは添付書類ということになろうかと思います。  具体的に申し上げますと、廃止の届け出の場合につきましては、届け出書の様式でございまして、氏名、名称、認定番号、年月日、公安委員会名。それから添付書類といたしましては認定証ということでございます。それから変更の届け出でございますが、主たる営業所を当該公安委員会の管轄区域を越えて移転する場合でございますが、届け出書の記載事項につきましては認定申請書と同じでございまして、氏名、名称、主たる営業所などでございます。それから添付書類につきましては、認定申請書の添付書類と同じということでございます。  その他の変更の届け出につきましても大体同じような状況でございます。

山田譲日本社会党

○山田譲君 かなり個人にとっては一番大事なところなんですね、どういう書類を出すかという。ですから、そういうものは明らかに、できれば総理府令なんて言わないできちっとした法律の中身として書いていただければいいと思うし、考えてみますと、とりわけ廃止の場合なんかはそんなにむずかしい書類を必要としないんで、やめますという一言だけでいいんじゃないかという気がする、大きさはそれはある程度書類の整理上必要かもしれませんけれども。だから、廃止の場合にごたごたいろんな理由などを書かせることはまさかさせないと思うんですけれども、できるだけ簡便にしていただきたい、こういうふうに思います。  先へ進みまして、第十条に行きますが、「護身用具」というのが出ていますね。護身用具について公安委員会規則ができるように書いてありますけれども、護身用具というのは大体どんな内容を考えておられるわけですか。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) 通常、業者が使用しておる護身用具でございますが、警戒棒と言われるものでございます。昨年の六月末現在でございますが、合計いたしましてですけれども、約四万四千本というような形でございます。この護身用具につきましては法令の規定によりまして各都道府県に届け出るということになっておりまして、私どもが集約したものがただいま申し上げた状況でございます。

山田譲日本社会党

○山田譲君 もう少し詳しく教えてもらいたいと思うんですけれども、ここでもう一つ聞いておきたいのは、公安委員会がどうして都道府県公安委員会規則にゆだねたか。つまり、先ほどのお話によると、これは非常に技術的な話ですから公安委員会規則で一律に決めていいんじゃないか。どうして都道府県ごとに規則を定めさせるような仕組みにしているかどうか。こういうこともひとつ聞きたいと思うんです。  もう一つ、その中身ですね。いま何万本とか言ったけれども、そんなんじゃなくて、一体どういうものが許されるとか許されないとか、こういうことが聞きたいわけです。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) 第十条によりまして、護身用具の携帯の制限というものが具体的に都道府県公安委員会規則によって定められることになっておるわけでございますけれども、これは先ほど申し上げましたように、当該都道府県の地域性を勘案して、各都道府県公安委員会が規則で定めるという形になっております。ただ、現実の運用といたしましては、大体すべての都道府県同じような形になっております。  具体的に申し上げますと、警備業者、警備員というものは、金属製の盾、これを所持してはいけない、携帯してはいけないということ。それから、「鉄棒その他人の身体に重大な害を加えるおそれのあるもの、ただし警戒棒(長さ六十センチメートル以下、直径三センチメートル以下及び重さ三百二十グラム以下の円棒をいう)を除く」という形になっております。つまり、警戒棒だけが具体的には警備員の携帯が認められておるということでございます。  その場合でも、運用を見ますと、昼間はそういう警戒棒を携帯すとという必要はまずないわけです。夜間異常発報があって、それで現場に行かなきゃならない、あるいはパトロールというんですか、巡回しなきゃならないといった場合に、必要に応じて警戒棒を携帯してよろしいというようなことになっておるようでございます。

山田譲日本社会党

○山田譲君 そうすると、いろいろ言っていますけれども、結局警戒棒だけなら持ってよろしいと、実際は。事実上はそういうことになっている。そんなものが都道府県の地域性なんてあるのかどうか私にはわからない。地域によって警戒棒の長さ、あるいは太さが違うということは考えられますかね。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) この規定は現行法のあれなんでございますけれども、御案内のとおり、現在各都道府県の犯罪発生状況等を勘案しますと、特にそこで地域性を加味して云々ということはないかと思います。ただ十年前、現行法が制定された場合には、そういった地域性をも加味する必要があるんじゃないかということと、それからあくまでもこの警備業者に対する指導監督というのは都道府県公安委員会が行うということになっておるわけでございます。そういうことで、都道府県公安委員会が当然のことながらその地域地域の実情を勘案して規則で定めなさいというふうに規定されたものでございます。実務上は、すべての都道府県が全く同じ規定を決めておって、警戒棒だけしか携帯してはいけない、しかも夜間特別な場合だけであるというのが実情でございます。

山田譲日本社会党

○山田譲君 それでは少し先へ行きまして、「検定」というのがありますね。十一条の二ですね。「公安委員会は、警備業務の実施の適正を図るため、国家公安委員会規則で定めるところにより、警備員又は警備員になろうとする者について、その知識及び能力に関する検定を行うことができる。」、これで私はいろいろ伺いたいのは、これは本当にやる気があるんですかないんですかということと、やるとすれば、一体ガードマンになるための知識及び能力というふうなものは何なんですか、また、この検定に合格した者は一体どうなるんだと、こういうふうなことについて伺いたいと思うのです。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) 今回の改正法案で検定制度を採用することについてお願いしておるところでございますが、御案内のとおり、警備業務というのは、最近の社会的な実情を反映しまして、非常に警備業務が多岐にわたってきております。その業務範囲というのが、たとえば空港、あるいは原子力関連施設だとか、あるいは金融機関の施設警備というようなものにまで広がりつつあるということでございます。そういうようなことで、その警備業務の適否というものが社会に及ぼす影響というものがきわめて大きくなってきておりますし、それとともに、専門的、技術的な知識及び能力がますます要求されてきておるわけでございます。そういう面で、警備業務の実施の適正を図るためにはどうしても警備員の知識及び能力を向上させる、これを維持させるということが必要でございます。そういうことで今回警備業者に対しまして警備員の教育義務を、いままでも課しておったわけでございますけれども、知識及び能力の向上の努力義務を課しますとともに、さらに進めて、警備員の知識及び能力の向上を図る制度といたしまして検定制度を取り入れたものでございます。  この検定の効果ということでございますが、いま申し上げましたように、警備員の知識及び能力を向上維持させる、そのことによって警備業務の実施の適正化を図ろうということでございまして、逆にその検定合格者でなければ特定の仕事はできないというような、いわゆる就業制限を伴うような法律効果というものは考えていないところでございます。しかしながら、やっぱり検定に合格した者が一定水準以上の知識及び能力を有するということを法的に認められたというようなことで、恐らく会社の内外におきます評価というんですか、あるいは処遇ですね、こういった面につきましてもおのずから異なることになると思いますし、検定に合格した警備員にとりましてはやはり誇りというんですか、一層の自主的な研さんというものが期待されるところでございます。  そういう検定のねらいがあるわけでございまして、当面どうするのかということでございますが、この点につきましては、現在のところは交通誘導業務、それから原子力関係の警備業務、それから危険物輸送警備業務と、こういったやや特殊専門的な警備業務、これに係る検定について実施してみたいと、こう思っておるわけでございます。  この関係につきましては、当然のことながら関係機関あるいは団体、そういった方々の協力を得ながらやってみたいと、こう思っておる次第でございます。

山田譲日本社会党

○山田譲君 そうすると、この検定については今年度じゅうに早速始めるわけですか、いまの三つの種目について。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) 改正が成立した暁の場合でございますけれども、今年度直ちにこの検定制度を実施するということはちょっと不可能ではないかと思います。やはりやる以上は十分な準備が必要でございますので、相当期間をかけてそして実施に踏み切ってまいりたいと、こう思っておる次第でございます。

山田譲日本社会党

○山田譲君 これは実施主体はどこになるのか。警察庁ですか、公安委員会ですか。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) 都道府県公安委員会ということでございます。

山田譲日本社会党

○山田譲君 私は、おっしゃることは全然わからないわけではありませんけれども、そんなにどうしてもやらなければいけないというふうな必然性のあるものじゃないんじゃないかというふうに思うんです。しかも、実際大多数の警備員はそんな特別なことをやるわけじゃないんでしてね。ですから、改めて検定なんということを、そんな仰々しいことをやって、これは将来これに合格すれば警備士とかいうふうな名前でもつけようということですか。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) そういうことは全然考えておりません。

山田譲日本社会党

○山田譲君 恐らくいまだってちゃんとみんなやっているはずですしね。ですから、資質の向上ということから言えばわざわざ検定なんかしなくたって、ほかに今度の法律改正によっていろんな教育を、研修をしなければならないことになっているんだから、その場所でやればいいことであって、何か検定というようなことを都道府県ごとにやるにしても、かなり無理な話じゃないかと、どうも必然性がないんじゃないかという感じがしてならないんです。何か突如としてこれをこの法律に出してきたというその意味がよくわからない。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) 先ほどお答え申し上げましたとおりでございまして、警備業務といってもいろんな種類のものがあるわけでございます。単純な業務もないわけじゃないと思いますけれども、いずれも人の生命、身体あるいは財産の保護に任ずるという意味で重要な仕事ではございますが、それにプラスいたしまして、先ほど申し上げましたように、最近は専門技術的な分野にまで警備業務というものが行われておるということでございます。そういうことに着目いたしまして、警備員の知識、能力を向上させる、そのことによって警備業務の適正な実施が図られるのではないかということで検定制度を取り入れようとしたものでございます。

山田譲日本社会党

○山田譲君 こんなことを余り長く言っているつもりありませんけれども、どうも余り必要でないことを、何となく一種の権威主義じゃないかという感じがしてならない。検定に合格したやつじゃなければだめだとか、まあそうじゃないんだとおっしゃるけれども、それならますますもって一々そんな制度をつくらなくたっていいじゃないか。しかも、さしあたり当面やるつもりもないんだということになりますと、これはまさしく何かこの際少しでもというふうなことで、警察の権威をこの辺で高めようなんという野望があるんじゃないかという感じがしてなりませんけれども、まあこれはこれで結構です。——結構ということはそれ以上答えていただかなくても結構だという意味で、非常にいいことであるという意味の結構じゃないですから。  それからその次、十一条の三の二項、だれがこれを認めるのか。「同等以上の知識及び能力を有すると認める者」と書いてありますけれども、これは一体だれが認めるわけですか。その認めの基準みたいなものは特別にあるんですか。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) 第十一条の三の第二項第二号でございます。この同等以上の知識及び能力を有すると認めるかどうかということでございますけれども、これは都道府県公安委員会がその判断を行います。具体的には、国家公安委員会規則で定めるところによりまして行うということになるわけでございますが、警備業務の適正な実施に関する知識、指導及び教育を含めた管理経験等を考慮した基準を定めることにいたしております。たとえば警備業務に関しまして管理的地位に一定期間あった者などがこれに当たるということでございます。

山田譲日本社会党

○山田譲君 これはかなり具体的にきちっと基準をつくられなければ、これは試験をやったりなんかするわけじゃないから、認められればそれでいいわけでしょうから、そうなるといろんな恣意的にやられてしまう。そういうことですから、あくまでもきちんとした基準がやっぱりなければおかしいんじゃないかというふうに思うんです。  それと、いまお聞きした限りでは、管理的な地位を何年かやった人ということ、その程度なんですか。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) 具体的には恐らく、警備業務に関し管理的地位にたとえば十年以上ついておった者というふうなきちんとした形の規定になろうかと思います。これはあくまでも二号は一号を補完する問題でございまして、一号で、各都道府県公安委員会が講習を実施いたします。そして、その課程を修了しましてテストをやって、それにパスしたといった者に資格者証を与える、これが大原則でございます。  これで運用してまいりたいと、こう思っておるわけでございますが、いま申し上げましたように、ある業者で管理的地位について十年なら十年以上継続してやっておったという場合につきましては、講習を経ずして同等以上の知識、能力があると、こういうふうに認定しまして、この指導教育責任者たる資格は有するようにしたいということでございます。あくまでも例外的、補完的な運用で、しかも慎重に実施してまいりたいとこう思っております。

山田譲日本社会党

○山田譲君 十一条の三に、「警備員指導教育責任者」というのがありますね。これを各営業所ごとに置かなきゃいけない、こういうことになっているんですが、これはどんな小さいところでも必ず一人ずつ置かなきゃならない、そういう趣旨ですか。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) 警備員指導教育責任者を営業所ごとに選任しなければならないということでございます。何人置くかということについては触れていないわけでございますが、必ず営業所ごとに置いてくださいということでございます。  と申しますのは、やはり営業所が警備員の活動拠点になっておる。法定教育はもとよりでございますが、日常の業務執行を通じて絶えず指導してもらいたい、その方が大事だというようなこともありましてやっておるのでございます。そこで営業所ごと必ず置いてもらいたいということであります。  ただ、非常に小規模の営業所で他の営業所にきわめて近いというような場合につきましては、兼任ということも考えられるのではないかと、こう思っております。

山田譲日本社会党

○山田譲君 余り機械的に、とにかくどんな小さなところでも必ず一人ずつ置かなきゃいけませんというふうなことは実情に合わないと思うんですよね。ですから、やっぱり無理してわずか二人や三人のところにまで一々これを仰々しく置くというふうなそういうやり方はかえって零細の警備業者に対する非常な負担を与えることになるんですから、そこら辺は十分考えていただきたいと、こういうふうに思います。  先に行きますけれども、一番終わりの方ですけれども、十七条の三、総理府令の問題です。「この法律に特別の定めがあるもののほか、この法律の実施のための手続その他この法律の施行に関し必要な事項は、総理府令で定める。」こういうことになっておりますけれども、大体この内容はどんな内容であるか。いままで各条項でそれぞれ総理府令とか国家公安委員会規則とか出てきているわけですよね。それでもまだ足りないのか。また、かなり大幅な委任になってくるとするとこれは問題が多い。ですから、一体どんな内容のものがこれ以外に考えられるかと、こういうことです。

佐野国臣警察庁刑事局保安部防犯課長

○説明員(佐野国臣君) 政令あるいは総理府令というふうな場合には、通常は上位の法令で特別の委任があるというのが原則だろうと思います。それともう一つは、それを執行するためのいわば執行命令的なものであろうと思います。通常の場合、上位法令で委任の根拠も、たとえば総理府令の定めるところによってというふうなことであらかじめ執行を予定して書いてある場合もございますが、しかし、必ずしもその上位の法令でいま言いました執行に関しまして全部逐一網羅的に必ずしも書けない場合もあるというところから、最近の立法のこれは一種の慣例とでも申しますか、そういった点からいたしますと、念のために、いわゆる通常はそれぞれ各上位法令で根拠規定を置くのが原則でございますが、万一漏れがあったりしたような場合には、こういった規定によりましてそういった事態に備えるというふうな一種の例文的な根拠規定というふうに理解しておるわけでございます。  したがいまして、いまのところでは具体的にこれ何があるかといいましても、これはあくまでいま申しましたように本来なら全部ほかのところで始末しているわけですが、もし万々一それでカバーできない場合のやつはどうするんだという、万一に備えてのこういう例文規定というやつが最近の立法としては比較的多うございますものですから、そういったものにならったというところから、では、いま具体的に何を書くかというものは格別予定いたしておりません。

山田譲日本社会党

○山田譲君 最近の流行のスタイルだからそれにならったまでであって、いまのところ中身は何も考えていませんと、こういう話ですけれども、概してこの法律は、先ほども言いましたとおり、総理府令であるとか、公安委員会規則であるとかというところにかなり各条にわたって委任してあるわけで、大体そこら辺で網羅されているはずだと思うんです。それに対してさらにこういう委任をこの根拠を置いておく、何が起こるかわからないと、こういう調子ですけれども、そういうことであればやはりますますもって何が起こるかわからないようなことをここでもって書かれたんじゃかなわない。これを盾にとって、将来起こるべきいろんなことが考えられるとすれば、それを全部総理府令でやっちゃいますというふうな話になると困るんですけれども、そこら辺はどういうものですか。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) すべての事項につきまして法律で規定するということが望ましいわけでございますけれども、当然手続的な問題だとかあるいは技術的、専門的な事項につきましては総理府令等に委任するという形になっておるわけでございますが、その具体的な中身につきましては、当然のことながら法律の枠内において、しかも関係者の権利擁護あるいは合理性とか便宜性、そういったものも十分参酌いたしまして規定しなければならない。今後もそういうつもりで作業をしてまいりたいと、こう思っておる次第でございます。

山田譲日本社会党

○山田譲君 私たちとしては、はやりとはいうものの、こういった法律そのものに非常に疑問を持ちます。しかし、その運用をするに当たっては、これを乱用するようなことの絶対にないように特に注意をお願いしておきたいと思います。  それから次に、別な観点からですけれども、この法律はかなりいろんな義務を警備業者に負わせるということになっているわけですけれども、こういう法律を実際やっていくと、現在三千幾つからある警備業者、中小規模のかなり零細なものもたくさんあるようです。でかいのは少ない、少ししかない。そうしますと、余りこういう厳重な規制を警備業者に負わせようとすると、いまやっておられる相当数ある零細的規模の警備業、この業者が非常にやっていけなくなるというふうなことがあるんじゃないかと心配されるわけですけれども、この辺はどういうものですか。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) 今回御審議をお願いしております改正法案、改正項目としては大きく言って三つだと思います。第一は、不適格業者を排除するために欠格事由を整備する、それから開始に当たっての手続につきまして、届け出制から認定制に切りかえる、これが第一。第二は、警備員のレベルアップを図るために各営業所ごとに指導教育責任者を置くという新しい制度が中心。それから第三が、今日的課題でございますが、機械警備に関するものを新たに置くということだと思います。  第一の、いわゆる不適格業者を排除する云々ということにつきましては、これは大部分の業者は該当しないわけでございまして、それについても届け出制から認定制に移行すると煩瑣になるんじゃないかとかおっしゃるかもしれませんけれども、これはやっぱり不適格業者を完全に排除するためにこういう仕組みをお願いしておるということで御理解いただけるんじゃないかと、こう思うわけです。  第二の、指導教育責任者制度の新設を中核とする教育の充実強化でございますけれども、この点につきましては、先ほどお答え申し上げましたように、現行法ですでに教育をしなさいということをお願いしております。当然のことながらすでにすべての業者が二、三年とか最低限度の教育を行ってそのレベルアップを図っております。これはどんな業者でも同じでございましょうけれども、警備業務の持つその公共性にかんがみて必要だということでやっておるということだと思うんです。  それで、教育責任者について今度は法定化しようということでございますけれども、これは負担になるんじゃないかということかもしれませんけれども、この点につきましては、やはりむしろ業者の方からきちんとやって自分たち自身の問題として受けとめてやる方がいいんじゃないかと、こういうことでございます。  残るのは機械警備の関係でございます。機械というのはやっぱりある程度の資力がないとそういった設備を備えつけられないという面で、事実上法律以前の問題として若干の制約がかかることはいなめない事実だと思いますけれども、これはこの改正の問題とは直接関係ないというようなことだと思います。  そういうようなことで、今回の改正を通じましてでございますけれども、規模の大小によってどうのこうのということではないと、こう思うわけでございます。なるほどいわゆる全警備業者三千二百十ございますけれども、規模の小さい業者が多い業界だと、こう思うわけでございます。規模の小さい業者は業者なりにそれぞれの特色を生かしながらそのコミュニティーでりっぱにやっておられるわけでありまして、私どもも、それを広い意味の指導育成を図ってまいりたいと、こう思っておりますので、そういう規模によってどうのこうの、ましてや今度の改正法案によって規模の小さい業者に対して過酷であるとは私どもは思っていないところでございます。

山田譲日本社会党

○山田譲君 それでは、多少問題を変えて、警備員たちの労働問題に移りたいと思います。労働省の方、来ておられますね。  まず最初に、警備員たちの労働条件が一体どうなっているか。具体的には、賃金だとかあるいは労働時間、そして警備員というものに対する基準法上の扱いは一体どうなるか、こういうことについて、その解釈をまずお伺いしたいと思うんです。

岡部晃三労働省労働基準局監督課長

○説明員(岡部晃三君) 警備員の労働条件につきましては、たとえば昭和五十五年の賃金構造基本統計調査によりますというと、警備員男子の月間の所定内実労働時間は二百十一時間、超過実労働時間は三十四時間でございまして、合計二百四十五時間でございます。これを全産業平均の男子労働者と比較いたしますというと、それは所定内実労働時間で二十九時間長く、超過実労働時間で十六時間長いということで、合計いたしまして四十五時間月間において労働時間が長いということでございます。  それから、賃金につきましては、同じ調査によりますというと、警備員男子の決まって支給する現金給与額月額は平均十五万四千四百円でございまして、全産業の男子労働者の平均二十二万一千七百円と比較しますというと六万七千三百円低くなっている、こういうことでございます。ただ、これは単純に平均値でございまして、警備員は比較的高齢者が多いという状況を加味してこれを理解する必要があろうかと思うのでございます。  なお、この賃金、労働時間につきまして、労働基準法上の取り扱いということになりますというと、もとより警備員と一般労働者との間に差はないわけでありまして、たとえば労働時間につきましては警備員も一般労働者と同様に一日八時間、週四十八時間という労働時間制度が適用されるわけでございます。ただ、その業務の内容等によりましては、労働基準監督署長の許可、すなわち監視、断続的労働の許可を条件に労働基準法上の労働時間等の規定の適用除外が認められる場合もある、このような取り扱いに相なっております。

山田譲日本社会党

○山田譲君 いまのお話の、十五万何がしというお金は、これは超過労働も含めた賃金ですか。

岡部晃三労働省労働基準局監督課長

○説明員(岡部晃三君) 超勤手当を含んだ金額でございます。

山田譲日本社会党

○山田譲君 一般的にやはり超勤手当、いわゆる三六協定といいますか、こういう協定は警備員についてもちゃんとやられておりますか。

岡部晃三労働省労働基準局監督課長

○説明員(岡部晃三君) これは三六協定が必要でございまして、私ども監督指導の際にも、もし三六協定がない場合にはこれを締結するように指導をいたしておるところでございます。

山田譲日本社会党

○山田譲君 そういう点で何か基準法違反があったことはありますか。

岡部晃三労働省労働基準局監督課長

○説明員(岡部晃三君) これは全国的に調べましたのは、若干古くなりますが、昭和四十八年七月に調べた全産業とそれから警備業との監督指導結果の対比を見ますと、たとえば労働時間関係の違反を見ますというと、全産業平均の違反率は一〇・四%であるのに対しまして警備業関係では五一・五%の労働時間に関する違反というものが挙がっております。それから割り増し賃金につきましては、全産業平均で六・九%の違反率でございますが、警備業界につきましては三八・六%というふうな違反率が挙がっておるところでございます。

山田譲日本社会党

○山田譲君 警察庁の方、お聞きのようなことで、労働時間についてはもう一般の民間企業よりも圧倒的に多くいろんな違反が行われている、それから賃金についてもこれは決して高くはない、そういうふうなことで、警備員の人たちも、それは数はものすごくふえているし、年齢もかなり高いということはありましても、とりわけ労働時間の問題、これは仕事の性格からして非常にむずかしいところがあると思うんですけれども、それにしても基準法をちゃんと守ってやってもらわないと困る。そういう点で、お聞きのような状態で非常に違反が多いわけですよ。ですからこの辺はひとつ、警備業をりっぱに育てるというのは結構だけれども、それと同時に、片方やっぱり警備員たちの労働条件の問題についても重大な関心を持って、業者団体でもかまいませんから、そういうところを通じてひとつ指導を厳重にやっていただきたいと、こういうふうに思います。  それから次に、労働問題ですけれども、たとえば警備員をピケ破りなんかに使ったというふうな実例はありませんか。これは労政局。

齋藤邦彦労働省労政局労働法規課長

○説明員(齋藤邦彦君) いま御指摘ございましたように、いわゆるガードマンをピケ破り等に使う場合があるかどうかと、こういう御質問でございますけれども、遺憾ながらこういうような事例をすべて系統的に把握はしておりませんが、われわれが承知している感じを申し上げますと、そもそもこの警備業法ができましたとき、たしか四十七年だと思いますが、この法律ができるに至った背景の一つと申しますか事情の一つに、やはりガードマンをいろいろ労働争議等の場で使うというような事例が多々あったというようなことが一つの事情になっているというふうに承知しているわけでございます。  最近、そういうような事例は少なくなってきてはいると思いますが、全然なくなったわけではないというふうに承知をしているわけでございます。  今後ともいろいろと実態の把握につきましては努めてまいりたいと思いますし、そういうようなことのないようにいろいろ適切な指導というのは場合に応じてやらせていただきたいと、こういうふうに思っている次第でございます。

山田譲日本社会党

○山田譲君 それはピケ破りそのものが非常によくないと思いますけれども、まして、事もあろうに警備員を使ってピケ破りをやったり、暴力団まがいに労働組合に圧力を加える、こういうふうなことになったら、これは何のために警備業法なんかをつくったのかわからない。ですから、ひとつ警察庁の方もそこら辺厳重に考えていただきたいと思うんですが、どうですか、この辺は。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) 現行の警備業法第八条でも、「警備業者及び警備員は、」「他人の権利及び自由を侵害し、又は個人若しくは団体の正当な活動に干渉してはならない。」という基本原則が明示されておるわけでございます。どのような職業につかれる方も同じだと思いますけれども、特に警備業務に従事される警備員が、いやしくも団体の正当な活動に干渉するということがあってはならないことは言うまでもないわけでございます、そういった面につきまして今後も指導監督を強化しながら、この基本原則に準拠した警備業務の適正な実施を図っていくように指導してまいりたい、こう思っておる次第でございます。

山田譲日本社会党

○山田譲君 それはひとつ厳重に注意をしていっていただきたいと思います。  それから、さっき基準局の課長にちょっと一つ忘れたんですが、警備員たちの労災保険といいますか、労災補償みたいなものは、かなり危険な仕事もやっておるわけだから、出ているかどうか。そしてまた、労災保険というふうなものが完全に加入され、保険料もきちっと徴収されているかどうか、この辺はどうですか。

岡部晃三労働省労働基準局監督課長

○説明員(岡部晃三君) 労災保険につきましては、私ども統計の区分といたしまして、その他の各種事業という中に警備業が含まれておりまして、警備業だけを取り出しての実は数字がないわけでございます。労働災害発生状況につきましても統計はその他の事業という区分でございまして、必ずしも十分に把握ができておりませんが、ただ、労災保険料率から申しますというと千分の五と、最も低い料率のグループに入っているわけでございます。  なお、先生御指摘の、警備業の労働災害発生状況あるいは労災保険の徴収適用の状況ということは、私ども今後勉強させていただきたいと思います。

山田譲日本社会党

○山田譲君 この警備業法が改正されるということになれば、いろいろ今後とも問題が出てくると思うんですけれども、とりわけ人数についても十万以上もいるというふうなことで、ひとつ十分注意をしていっていただきたいというふうに思います。  それから、労働関係の最後の問題でありますけれども、警備業そのものが労務供給に職業安定法四十四条違反の問題が出てくるおそれがあるんじゃないかと、こういう気がしてなりません。それでまず最初に、職安法の第四十四条の労務供給についての供給であるかどうかという認定の基本的な要素が四つほどあるようでありますけれども、そこら辺をひとつ一般的に説明していただきたいと思います。    〔委員長退席、理事亀長友義君着席〕

若林之矩労働省職業安定局業務指導課長

○説明員(若林之矩君) ただいま御指摘ございましたように、職業安定法四十四条におきます「労働者供給事業」と申しますものは、供給契約に基づきまして労働者を他人に使用させることをいうわけでございまして、その判断基準は職業安定法の施行規則第四条に具体的に定められているところでございます。これによりますと、業務を請け負いました事業主や作業の完成につきましても、あるいは作業に従事する労働者に対しましても事業主または使用者としてすべての責任または義務を負うこと、指揮監督を行うこと、作業について技術専門的な経験を必要とする作業を行うものであることなどの要件を満たしていない実態がございます場合は労働者供給にならないというものでございます。

山田譲日本社会党

○山田譲君 一つの警備業があって、そこに二十人なら二十人警備員がいますね。そして、どこかの会社が何か工事をしますから警備員を頼みますということになると思うんですが、その場合に、もちろん形式的には雇用関係はその当該警備業者との間にあると思うけれども、じゃ、行きましょうといって行った警備員たちは、たとえば工事なんかの場合でしたらば、行った先の現場の建設会社なら建設会社の指揮監督下に入る。あるいはまた、そうでなくても一般のビルか何かに行った場合であっても、そのビルの管理者の方から何時何分にこういうふうに回ってくれとか、こういう点注意してくれとか、そういう指揮監督は当然行った先のところから受けると思うのです。どう考えてもこちらの警備業者の指導監督がそこに及ぶはずはないと私は思いますよね。そうしますと、形式的には確かに雇用関係は警備業者との間にはあるとは言うものの、実態的な労働の面から考えていきますと、それは明らかに行った先の方の人たちの指揮監督下に入って仕事がさせられている、こういうことだと思うのですけれども、その辺どうですか。

若林之矩労働省職業安定局業務指導課長

○説明員(若林之矩君) これは個別の実態によりましていろいろなケースがございますので、ごく一般的なこととしてお答え申し上げますが、請負の契約でございましても、請負の仕様と申しますか、それにはいろいろな形があろうかと思います。それにはいろいろ具体的な指示がその仕様というものの中に組み込まれているということはあるわけでございまして、これは一般の請負契約の内容でございます。そういう現場におきまして、発注事業主が請負事業の個別の作業を指揮監督するということになりますと、ここにございます請負事業主が指揮監督を行うということから外れてくるわけでございます。しかし、発注事業主が請負事業の責任者に対して指示をいたしまして、その請負事業の責任者が個々の労働者に対して指示をしていくということは考えられるわけでございます。

山田譲日本社会党

○山田譲君 それは確かに個々のそれぞれの実情を見なきゃ何とも言えないわけの話だと思いますけれども、いま聞いたことから言っても、警備業者のところにこっちのビル管理会社の方からだれか警備員を三人くれと、こう言って発注する。受けた方の業者は、それじゃ一カ月やって何万円ください、こういうふうなかっこうで、それでAさんBさんCさんという警備員が出かけていって、そしてそのビルの管理をする。こういうふうになるのが普通だろうと思うのですね。そのときに、一々事細かに、こっちの警備業者が行った先の細かい点まで全部指導できるはずはないんで、当然包括的にとにかくおまえ行ってこいというふうなかっこうでやられると思うのです。それで行ったら、行った先でもって今度はビル管理会社の指揮監督下に入って、そしてその警備員が夜昼警備をして歩く。そして、いろんな警備の方法についても、行った先の方から教わってやっていく。指導監督を受ける。こういうのが普通のいき方じゃないかと思うのですね。そうしますと、金は請け負った警備業者が取って、そして、賃金はある程度やるんでしょうけれども、その賃金も先ほどお聞きになったように非常に低い賃金である。請負金額がどのくらいかもちろんわかりません。そうなりますと、やはりそこに労務供給的な一つのピンハネみたいな実態的にものが出てきやしないか。こういうおそれが、私は警備業というものの性格からして当然出てくるんじゃないかというふうに思うのです。  ですから、私は実はきのうも労働省に電話して、そういう警備業の職安法上の問題はないかと言ったら、若林課長さんじゃありませんけれども、別な人が、一切ありませんと答えられたわけね。ところがどう見てもそんなはずはないなと思ってぼくはよくよく見てみたら、むしろ警察の方が詳しく調べられて、ある警察で現にあるんですよ、警備業者の職安法第四十四条違反というのが。労働者供給事業でもって違反があったというのが、年次別に五十一年もすでに二十一件もある。五十二年も七件。五十三年は七件。五十四年は五件。五十五年になるとぐっとふえて二十四件。五十六年は十三件というふうに、警察の方から取り締まられた例があるわけですね。  そうなってきますと、また警察も冷たいんじゃないかと私は思うのは、職安法違反だったらば地元の安定所に連絡するくらいしたっていいと思うのだけれども、全然それが行われていない。ですから、職安法違反でありながら、警察の方はちゃんと取り締まっている、肝心かなめの安定行政の方は何も知らないという、こういう状態じゃ非常に困るわけですけれども、この辺どう思いますか。

若林之矩労働省職業安定局業務指導課長

○説明員(若林之矩君) 警備業が他の事業所の施設内で作業をいたしておりますことから、発注企業が受注企業の個々の労働者を指揮監督しやすい環境に置かれていることは否定できないと存じます。私ども、今後とも発注者が個々の労働者を具体的に指揮監督するなどの、こういう職業安定法施行規則第四条に規定しました四項目に該当いたしまして、労働力の供給を真の目的とするものにつきましては、監督指導を厳しくしていく考えでございます。  ただいま御指摘の指導監督の状況でございますけれども、職業安定機関といたしましては、通報に基づきまして労働者供給事業関係事案の監査を行っておるわけでございます。適切でない点につきましては是正させるなどの措置を講じてきておるわけでございますが、最近のまとめで、昭和五十五年でございますが、六十六件の監査を行っております。これは警備業だけでございませんけれども、このうちで違反が確認されましたのが三件でございますが、この三件はいずれも警備業関係でございます。今後ともこういった形での監査は通報に応じまして進めてまいる考えでございます。  ここでちょっと一言申し上げさしていただきたいのは、やはり警備業もそうでございますけれども、いろいろな形の業務処理請負につきましては、経済活動に伴います多様なニーズにこたえまして一定の役割りを果たしているのも現状であるわけでございまして、ただ、使用者としての責任が明確でないなどの問題もございます。こういったような状況の中でこれらの事業のあり方を検討する必要性が高まり、また、そのことが指摘されておるわけでございまして、このため、現在、公労使から成ります労働者派遣事業問題調査会というものを設置いたしまして、ビルメンテナンス業、警備業、情報サービス業、事務処理サービス業、こういうものを対象といたしまして、これらの事業のあり方について検討を重ねているところでございます。

山田譲日本社会党

○山田譲君 ぜひ実態をよく調べて、適切な措置をしていただきたいと思うんです。  いまおっしゃられたような、たとえばビルメンテナンスとか、警備業もそうですけれども、恐らく職安法ができた当時予想もされなかったような新しい仕事、業務がずっとふえてきている。そういうところに対してやはり場合によっては職安法を当てはめるのはなかなかむずかしい問題もあるとは思いますけれども、警察でさえすでにこれだけの件数をいろいろ注意しておられるところを見ますと、今後ともこの警備業の実態ですね、警備員がどういう状態で働かされているかということについてひとつよく実態を把握していっていただきたいというふうに思うんです。  最後に、いまのお話お聞きになったとおりで、労働行政上も非常に問題がある、それから基準法上も物すごく問題がある、それから職安法上も問題があるという、こういう警備業であります。ですから、幾らこういうかっこうで警備業法を整備されても、これはあくまでも警備業をやる業者の方の話でしょうけれども、やはり警備員との労働関係というふうなものもよくよく警察庁としても指導をしていただきたいというふうに思うんです。  時間が来ましたから、最後に、せっかく警察庁長官が来ておられますし、一言ぜひ伺っておきたいんだけれども、そもそもこういう警備業というものが非常に栄えていく、警備業者もふえるし警備員もふえていくというような実態をどういうふうに評価されておられるか。意地の悪い言い方をすれば、警察の方がちゃんとしないからそういうものがやたらにふえていくんだとこういうふうにも考えられないこともないんですけれども、こういった新しい法律をつくらなきゃならないほどそういう警備業者がふえ警備業がふえているという、こういう実態を警察庁長官としてどういうふうに評価をされておられるか。これを伺って私の質問を終わりたいと思います。

三井脩警察庁長官

○政府委員(三井脩君) 警備業法ができましてからすでに十年たっておりまして、警備業という実態はまたその十年前から始まっておると、こう思うわけで、この状況を見ますと、やはり世の中の経済発展、社会の発展に伴いまして、安全に対する意識の高度化といいますか細分化といいますか、変化等もあり、それらを背景といたしましてニーズが深まったといいますか増大をしたということに対応して発展してきておるのだろうと思います。いろいろの問題がありましたが、今日では社会的存在として、一定の安定した企業として社会的機能を果たしておると、こういうように思うわけでございます。  国の治安を警察は公的な立場から維持するわけで、社会全体の治安を維持するわけでございますが、治安というのは国民生活に密着した、国民生活の平穏と安全の保持という性格からくるために、当然のことでございますけれども、自主的な安全意識、それに基づく自主的な防衛といいますか、そういうものと警察との協力関係というのが基本でないと本当にきめ細かな安全、平穏の保持ということは困難だと思うわけでございまして、その自主的な防衛といった観点を補完し代行するという側面を持っておるのがこの警備業だと思うわけでありまして、私たちは健全に警備業が発展する、社会のニーズにこたえていくということを期待しながら、同時にそれとの関係において警察の任務もしっかりと果たしていきたい、こういうふうに思うわけでございます。

山田譲日本社会党

○山田譲君 どうもありがとうございました。終わります。

亀長友義自由民主党

○理事(亀長友義君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。    午後零時六分休憩      —————・—————    午後一時六分開会

上條勝久自由民主党

○委員長(上條勝久君) ただいまから地方行政委員会を再開いたします。  警備業法の一部を改正する法律案を議題といたします。  休憩前に引き続き質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。

大坪健一郎自由民主党

○大坪健一郎君 午前中、社会党の山田先生の御質問を伺っておりまして、大体私どもの観点と似た点も御質疑がありました。余り時間がいただけておりませんから、最初に条文について若干の御質問申し上げて、それから時間の許す範囲で長官の意見をちょっとお聞きしたいと思っております。  警備業が、都会の整備、ビルがたくさんできるというような状態の中でだんだんと広がってまいりまして、非常に広範な仕事になってまいりました。それに伴ってまた問題も出てきたということは新聞だねにもなりましたので私どもよく承知しておりますが、今回はそういう点で、たとえば警備業の欠格事由を整備をされて、警察庁としても警備業をいわばもう一遍とっくり見直そうというお考えがあるのではないかと思いますが、この法律改正の概括的な意図と申しますか、ねらっておるところをひとつまず概略お申し述べいただきたいと思います。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) 先生御指摘のとおりでございまして、警備業が社会的な需要の増大に伴いまして著しく成長を続けておるわけでございますが、反面、一部には暴力団関係者などの不適格業者も見られるほか、警備員に対します指導教育義務を怠る業者が増加しております。警備員の非行を初めといたしまして、警備業務の実施の適正を害するような事件も依然として後を絶たないという状況にあるわけでございます。また、最近急速に普及いたしております機械警備業につきましても、その即応体制が必ずしも十分でないというようなこともありまして、事件、事故の発生時に十分に対応できないというような不適切事案が多発しておるわけでございます。  こういうような情勢にかんがみまして、まず第一に、警備業を営む者の要件を整備する、警備業を営もうとする者はこれに関する都道府県公安委員会の認定を受けることとするとともに、警備員指導教育責任者制度を設けるなど、警備員の指導及び教育についての規定を整備しました。あわせて、機械警備業に対します規制に関する規定を新設いたしまして、もって警備業務の適正化のための必要な措置を講じようとするものでございます。

大坪健一郎自由民主党

○大坪健一郎君 欠格条項をある意味で非常に厳しくされて、そしてかつ、従来届け出であったものを、先ほどの午前中の御説明によれば、認定という確認行為にかわらせたということでございます。そういう改正の意図は私どもも了とするところでありますが、警備業はあくまで私契約による特定な者の生命、身体、財産の安全を守る営業でございますから、午前中山田委員が言われたように、特に警察権力との接点に近い仕事もあるわけでございますから、業界の監督についてはそういう点で誤解のないように十分お気をつけいただきたいと思うんです。  それで、条件を厳しく整備すると同時に、業界の姿勢を正す意味で教育に力を入れられる条文の整備が行われているようでありますが、その点について二、三御説明をいただきたいと思うのです。  一つは、警備員あるいは警備員になろうとする者の検定をするということでございますが、この検定というのはどういうものについて検定をするのか。  それから、仕事の検定一般ということになりますと、私どもの存じておる範囲では、労働省の技能検定とぶつかるような気もするんですが、そこら辺はどういうふうに調整されたのか、そこをちょっとお伺いしたい。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) 警備業務の適正な実施を図るためにいろいろな改正事項をお願いしておるところでございますが、その一つといたしまして、検定制度をお願いすることにしておるわけでございます。  これは、最近警備業務が非常に複雑多岐になってきている、社会のいろんな分野にまで警備員の活躍する場面が多くなってきたということでございます。それに伴いまして、やはり警備業務で専門的な知識と能力というものが要求されるわけでございます。そこで、この検定制度を採用いたしまして、警備員の知識、能力の向上を図ろう、その結果警備業務の適正な実施を図ってまいりたいと、こう思っておるところでございます。当面、検定の対象業務といたしましては、交通誘導業務、それから機械警備業務、危険物の運搬業務などが考えられるわけでございます。  そこで、先生御指摘のとおり、職業訓練法によりまして労働大臣が技能検定を行っておるわけでございますが、それとの関係について申し上げますと、ただいま申し上げましたように、警備業法に言う検定と申しますのは、あくまでも警備業務の適正な実施の確保をするという必要にかんがみまして、警備業法に定められました義務の履行を確保する、あるいは警備業務に従事する者に必要とされる資質の向上維持の見地から行われるものでございます。これに対しまして職業訓練法に定められております技能検定でございますが、これはあくまでもその労働者の職業の安定、それからその地位の向上を図ることを目的とするものでございまして、両者はその趣旨、目的というものは異にするものでございます。

大坪健一郎自由民主党

○大坪健一郎君 いまの説明でちょっとまだわからぬところもあるんですけれどもね。つまり、警備員も私契約に基づく警備の仕事をするわけですから、これは労働者の職能の一つでございますからね。特に警備業法で検定しなきゃならないものというのは、中身がやっぱり警備業法の目的に沿わなければならないような趣旨のものに限定されなきゃいけないんではないかという感じがするんです。その点をちょっとお答えいただきたい。  それからもう一つは、同じ第十一条の関連で、十一条の三の、警備員の指導及び教育に関する計画を営業所ごとにつくって、その計画に基づいて警備員を指導する、あるいは警備員を教育する、そういう警備員指導教育責任者を置けということになっておりますけれども、これは一体どの程度を置くべきだとお考えになっておられるのでしょうか。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) まず第一点の、本法に言う検定制度でございますけれども、これは先ほどお答え申し上げましたように、警備業務の適正な実施を図るためということでございますので、おのずからそこで具体的な検定種目というんですか内容というものが限定されてくると、こう思うわけでございます。  先ほどお答え申し上げましたように、当面、交通誘導業務だとか機械警備あるいは危険物運搬業務といった、本来警備業務の適正な執行に必要で、かつ専門的な知識が要求される、そこでその検定によってそういう警備員の知識、能力向上を図れるというような目的のためにやろうというものでございます。これに対しまして、職業訓練法に言います技能検定というのがそういった業者あるいは業務そのもののその適正な執行云々ということじゃなくて、個々の労働者がその技能検定を受けてパスするということになりますと、当然その職業の安定あるいはその地位が向上するというようなねらいがあって行われておるものということでございまして、やはり両者の中身は趣旨、目的を異にするということでございます。  それから第二点でございますが、警備員指導教育責任者の選任につきましては営業所ごとにしなければならないということにしておるわけでございます。つまり、警備員の活動拠点になります営業所ごとに一人置いて、その者が教育あるいは日常業務の遂行を通じましていろいろな指導をしてまいりたいということでございます。

上條勝久自由民主党

○委員長(上條勝久君) 速記をとめて。    〔速記中止〕

上條勝久自由民主党

○委員長(上條勝久君) 速記を起こして。

大坪健一郎自由民主党

○大坪健一郎君 ビルがたくさん建っておりまして、そのビルに、そのビルの維持管理をするいろいろの形の人が入っておると思うんですけれども、ここで営業所ごとにその指導員、指導をする責任者を置かなきゃならないというのは、そういったビルに置かれておる管理者のような人を全部その指導者にしなきゃいけないという意味ですか。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) そういうことではなくて、警備業者の営業所にそういった指導教育責任者を置いてくださいということであって、その当該営業所から警備員が数カ所のビルに派遣される、派遣というかそこに常駐警備するということになると思うんですけれども、そのビルごとに置く必要はないということでございます。

大坪健一郎自由民主党

○大坪健一郎君 そうしますと、たとえば私の郷里などでも何とか警備会社というのもございますし、何とかビル清掃会社とかいうのもありますし、留守番を請け負う会社もあるようでございますが、そういったいろいろな会社のいろいろな業態も一応契約に基づいて警備的な仕事をしておると思いますが、そういうものは包括的にこの十一条の三で総理府令で定める警備指導教育責任者をその営業所に置かなきゃならぬと、こういうことになるわけですか。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) 当該業者が警備業法に言う警備業務を行う限り、営業所ごとに置いていただきたいということでございます。  ちなみに、普通の場合には営業所が一カ所、すなわちその本店がもう営業所というような場合が多いのではなかろうかということでございます。

大坪健一郎自由民主党

○大坪健一郎君 全国で大体どのぐらいありますか。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) 私ども、届け出を受けております警備業者は、昨年末現在でございますけれども三千二百十、そのうち千六百九十二業者がこういったビルメン業者との兼業者でございます。

大坪健一郎自由民主党

○大坪健一郎君 そうすると、結局、この新しい教育を充実する制度によりまして警備員の指導教育責任者というものをそれぞれの業者が置かなくてはならない。この業者を、つまり指導員の指導といいますか、指導員の訓練と申しますか、指導員の養成と申しますか、それを警察庁で責任を持っておやりにならないといけないのではないかと思うんですが、そこはどういうふうにお考えでしょうか。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) そのとおりでございまして、改正法案の第十一条の三の第二項でございますが、都道府県公安委員会が行う講習を受けまして、その課程を終了した者、これに資格者証を出しまして、その者から選任して配置していただくということでございます。

大坪健一郎自由民主党

○大坪健一郎君 そうすると、この資格者のための講習は公安委員会がおやりになるんですか、それとも、この法令によりますと、第五項で「総理府令で定める者に」「委託することができる。」と書いてありますけれども、だれか、そういう委託できるようなものを警察庁の方で御指導になって、そこにやらせるのか。たとえば車検なんかもそういう傾向が出ておりますけれども、その辺はどうでございましょうか。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) この指導教育責任者の役割りの重要性、また、それに関連して講習の持つ重要性にかんがみまして、各都道府県公安委員会が直接に講習を実施するということでございます。いまのところ委託するということは考えておりません。

大坪健一郎自由民主党

○大坪健一郎君 いまのところは委託する考えはないということでございますけれども、さっきお聞きすると三千近い業者がおる、営業所になれば恐らくその倍ぐらいはあるんじゃないかと思いますけれども、そういうところに置く人間を全国で同じ基準で同じように訓練しなきゃならないということになりますと、よっぽどこれを上手にしっかり組織をしていただかなきゃならぬのじゃないかと思いますが、この法律の条文では、公安委員会で認める民間の資格のある者にはやらせることができるようになっておるということにも書いてありますけれども、もしこの仕事をやってみて、車検がかつてそうであったように、民間の方の参入も求めて教育を充実していくという必要が生じた場合には、一体どういう組織をその委託の対象に選ぶつもりなんですか。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) 御指摘のとおり、この改正法案制定時におきましては、その一年間以内に少なくとも六千人の方に講習を受けさせなければならぬということでございます。相当な事務量になるかもしれませんけれども、その場合でも各都道府県公安委員会がやるということでございます。一たんその一年間を過ぎますと、これは補充をすればいいということでございます。そう大きな事務量にならないと思うわけでございます。それと、先ほど申し上げましたように、この講習の持つ重要性にかんがみまして、都道府県公安委員会が直接行うべきであると、こう考えておるわけでございまして、十分対処できると思います。

大坪健一郎自由民主党

○大坪健一郎君 長官がお見えでございますから、もう持ち時間がなくなりましたので、最後に長官にひとつお願いを含めて御質問いたしたいと思います。  警備業が非常に広がってまいりまして、中には不心得者がおって警備業の警備業たるゆえんが傷つけられたりする事例もあるようで、大変新聞だねなんかにもなっておりますので、今回のこの法の改正は私どもは非常に賛同するものでございますけれども、実際上警察が介入するというような印象で警備業法が直っていくということは余り好ましいことではございませんから、今度の改正では公安委員会がいろいろとお指図をなさったり、認めたり、資格審査をしたりというようなところが出ておるようでございますけれども、運営にはよほどお気をつけいただきたい。そして、業界の自主性でりっぱな警備業が育つようにしていただきたいと思いますし、すでにいままで全国の警備業の協会でございますとかあるいはビルを管理する協会でございますとか、そういったところができておりますから、そういったところの知恵も使って、将来この警備業が国民の幅広い支持の中で育っていくように御指導をいただきたいと思うんです。その辺についてひとつ長官のお考えをいただきたいと思います。

三井脩警察庁長官

○政府委員(三井脩君) 警備業が今日大変発展して大きくなってきたということに伴う世間からの期待も大きくなってきておるわけでございまして、そういう情勢を踏まえまして、警備業の社会的責任を適正に果たすための発展を期待するという考え方でございますので、警察、公安委員会のこれに対する介入といいますか、タッチといいますか、仕方は最小限度にとどめまして、警備業自身が自発的に社会的責任を果たすためになすべきことを努めていただく、これに対して私たちもそれを期待し、最小限度の関与の中で御協力を申し上げていきたいと、こういうふうに考えるわけでございます。

大坪健一郎自由民主党

○大坪健一郎君 終わります。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 初めに、基本的なことでお伺いをしたいと思います。  というのは、この警備業法が創設をされました昭和四十七年、その当時、この法案の中でとりわけ特色とされていた問題が四点ありますが、その特色とされていた項目についても今回は改正をする問題も出ておりますので、この法律が発足してから十年たつわけですが、そうした社会的な変化の背景を受けて今回の改正に踏み切られたと思うんですけれども、この警備業そのものに対する認識なり位置づけについて何か変わった点があるのかどうか、この基本的な問題についてまず伺います。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) 結論から申し上げますと、警備業に対する評価といった点につきましては変わったと言わざるを得ないと思いますけれども、警備業法に規定されております警備業あるいは警備業務のあり方については何ら変わっているところはないということになろうかと思います。つまり、警備業は一般国民の方々が自分たちの生命、身体、財産を守るという基本的な権利、それを補完あるいは代行をするものとして社会的に定着し、民間におきます防犯システムの一つとして重要な役割りを果たすに至っておるわけでございます。それがこの現行警備業法制定以来十年間その社会的需要の増大に伴いまして著しく成長を遂げてきたということでございます。  しかしながら、警備業務の性格からいたしまして、警備業者、警備員が警備業務を行うに当たりましては、この法律によって特別に権限を与えられてない。また、他人の権利とか自由を侵害する、あるいは個人もしくは団体の正当な活動を干渉してはならないという基本原則があるわけでございますが、そのたてまえといったものにつきましては、今回御審議をお願いしております改正法案でも何ら変わるところがないわけでございます。  十年間の運用を見まして、新たに出てきましたいろいろな問題点を是正したいということと、機械警備のように新しい問題が生じてきておりますので、改正法をお願いいたしたいということでございます。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 いま御答弁の中にもありまして、基本的な認識については変わっていないというふうに解釈をいたしますが、念を押して伺います。  この四つの特色のうちで、警備業法は警備業に対し特別の地位は一切認めない、都道府県の公安委員会でもこの基本にのっとって扱っておられると思うし、本法でも、現行法第八条でもこの権限の規制をしておりますから心配はないんだろうと思うんですが、特別の地位は一切今後も認めないというこの原則、これはいまの御答弁でいうと変わらないということでよろしいですね。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) 御指摘のとおり、この第八条で、警備業者及び警備員がこの法律によりまして何らの権限も与えられていないということが規定されておるわけでございますが、このことは今回の法改正においても全く変更はないということでございます。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 それでは次に、都道府県の公安委員会が業者の認定をする、届け出が出た段階で認定をする。あるいは警備員についてもこれは認定をすることができるとなっておって、しなきゃならぬということじゃないですからね、資格のあれで。後で触れますけれども。そういうこととか、あるいはまた、警備員の指導教育責任者あるいは機械警備業務の管理者についての資格、その資格者証の交付、こういうようなものが新たに入ってきたわけでございますが、これは警備員なりあるいは警備員指導教育責任者、あるいは機械警備業者、これらの質的な向上の上では必要なことであったろうと私も理解をいたすんですが、そうした認定をするというような手続を経ることになりますと、この警備員なりあるいは指導教育者なり業者そのものが、結果としては何というか、権威づけをされたことになる、そういうお考えはないでしょうけれども。そういうようなことで、どうも権威づけが行われた形に結果としてはなる。このことが先ほど長官の御答弁でも民間の警備業とそれから警察で行う業務との間の分け隔てについては明確に御答弁があったんで心配ないとは思いますが、こうした認定の条件がもし権威づけとして受け取られるようなことであれば、世間一般からの認識で権威づけではなかろうかという受け取り方もあるし、後ほど触れたいと思いますが、これは警備の内容がしっかりしている方がいいんであって、今度は依頼をする方の業者等からも質的な選別の上でこれが働くというようなことが考えられはしないかという心配があるわけですね。したがいまして、いわゆるプライベートポリスというような要素が入ってくるような心配がちょっと私はあるわけなんで、その辺のところについてはどう考えておられるんですか。心配ないでしょうかね。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) 今回の改正で、届け出制から認定制に移行いたしたいということでございまするが、この点につきましては、あくまでも不適格業者を排除するために欠格事由の整備を行う、それを前提にいたしまして、事後審査である届け出制だと、不適格業者を完全に排除するのが困難であるというようなことから、事前審査である認定制をお願いしておるところでございます。つまり、許可制とは本質的に異なるものでございまして、あくまでも警備業の営業の自由を前提にしながら不適格業者を排除するというだけのことでございます。そういう面で何ら警備業者に対して特権的な地位を与えるものでないということでございます。  それから、指導教育責任者制度の新設をお願いしておるところでございますが、この点につきましては、現行法でも警備員の教育というのが充実強化を図ることが必要でございますので、すでに教育時間とかあるいは教育科目につきまして義務づけておるわけでございますが、だれがどのようにしてやるかといった点につきましては何らの規定がない。そこで、一部の業者ではございますが、必ずしもその教育が十分に行われていないという面があるわけでございます。そこで、すでに大部分の業者が教育担当者というものを決めまして教育は充実しておりますけれども、その教育担当者のレベルアップを図りたいということでございます。都道府県公安委員会が講習を行います、その講習を受けて、その課程を修了した者に対しまして資格証を渡しまして、その者のうちから指導教育責任者を選んで各営業所ごとに選任、配置しなさいと。その指導教育責任者が中心的な役割りを果たしながら、教育はもとよりでございますけれども、日常業務を通じて指導してほしいというだけでございまして、いわばどの会社でもやっております社内教育を、この指導教育責任者制度を法制化しまして優秀な者を配置すると、担保しながらやってもらいたいという制度でございます。  それから検定につきましても、あくまでも警備業務の適正な実施を図るためには、ますます複雑多岐あるいは専門化してきております警備業務に対応するには、個々の警備員の専門的、技術的な知識、能力、これの向上を図る必要があるわけでございます。そのために指導教育というのも充実強化しなきゃならないわけでございますけれども、検定制度というものを、任意的なものでございますけれども、設けさしていただきまして、これによって個々の警備員のレベルアップを図る、その結果警備業務の適正な実施を図っていきたいということでございます。  そういうようなことで今回いろいろ改正をお願いいたしておりますけれども、いずれの項目につきましても、あくまでも現在他人の委託に基づいて警備業務をやっている私的な性格、これを前提としながらその実施の適正を図ろうとするものでございまして、何ら警備業者あるいは警備員に対して特別の権限、地位というものを付与するものではないわけでございます。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 ところで、その検定のことで、くどいようですが念を押して伺いますが、十一条の二ですね、ここには、「公安委員会は、警備業務の実施の適正を図るため、」、ねらいはこれで結構なはずです。「国家公安委員会規則で定めるところにより、警備員又は警備員になろうとする者について、その知識及び能力に関する検定を行うことができる。」です。「行うことができる。」だから、必ずしもやらなくてもいい規定だろうと思うんですけれどもね。そうすると、警備員になろうとする者の知識、能力の検定ですが、先ほど検定はどうするのかという話があって、技術的なことは多少お話しがありますからさておいて、先ほど答弁のあったように、検定合格者でなくても警備業につくことができるという御答弁がありましたね。ですから、この検定の条項は十一条の二に入れたんだけれども、強制規定ではないので、従来と同じように検定を受けない人でも警備業に従事できる。この辺は、検定の規定が入ったけれども従来と大勢としては全く変わらない、こういう認識でいいですか。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) そのとおりでございます。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 これは後で触れましょうかね。そこのところがちょっと扱いとして将来どうなるかという心配があるんで、これが一種の権威づけなり質的選択の問題にやはり検定が作用してくるんじゃないかという心配を実は私持っているんですけれども、その論議は後にしましょう。  ところで、本法律が創設をされた当時、先ほどもちょっと申し上げたんですが、警備業に対する規制そのものは必要最小限度にとどめる、これも本法の中での一つの特色だろうと思うわけで、この立法の当時は一番弊害があると思われる点について最小限度の規制をするんです、こういう説明でした、四十七年当時。そのほかについては行政指導を徹底していくから余り心配はないんだ、こういう考え方であったように私は理解をいたします。今回、こうした点についてかなりの規制の強化等が行われる方向、実情としてはやむを得ない面もあることはわかりますけれども、四十七年のこの法創設当時のように、今後も行政指導を強化することでこれは処置できなかったのかどうか、この点はどうですか。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) 御指摘のとおり、四十七年現行法創設時におきましては、それまで全くの自由であった警備業に対しましていろいろな不適正事例が多発することにかんがみまして、最小限度の規制を織り込んだ法律ができ上がったわけでございます。私どもといたしましては、現行法のもとにおきまして行政指導を徹底してまいりました。しかしながら、その後十年間に急速に発展を遂げてきております。先ほど申し上げましたように、警備業務が複雑多岐になっていることはもとよりでございますが、たとえば警備業者の数でも約四倍、それから警備員数では約三倍というふうな状況になってきております。また、機械警備の発展など、大きく変化してきておるわけでございます。このように、その社会的な役割りというものが増加、増大してきておるにもかかわらず、一部の業者ではございますが、たとえば暴力団関係者など不適格業者が見られるということでございます。また、警備員に対する指導教育義務を怠る業者が増加して、警備員の非行だとか、あるいは不適正な業務実施の例も残念ながら後を絶たないわけでございます。  われわれとしては、今後さらにその指導を強化していかなければならない、まだまだ努力の足らぬことを反省するわけでございますが、たとえば欠格事由一つとらえてみますと、現行法では欠格事由というのは一項目しかないわけでございまして、特定の前科者だけということでございまして、問題となっております暴力団関係者は直ちに排除できないということもございますし、あるいは社会的にいま問題になっております覚せい剤中毒者、こういった人が業を営もうとする場合に排除できないというようなことで、現行法上のいろいろな問題点が出てきたわけでございます。  そこで、このたびの改正で、欠格事由の整備、あるいは開始手続、あるいは指導教育の充実、それから機械警備員に関する、これも最小限度の規制になると思いますけれども、そういったことをお願いするに至ったということでございます。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 私の手元に届いている資料でも、確かに、警備業法違反の事件の件数でも、五十六年は一千五百十三件で飛躍的にこれは増加をしておりますし、行政処分対象になった事件も五十六年で五十五件あるわけですし、それから刑法犯については、五十四年で三百十四件、五十五年が四百六件、五十六年は三百六十二件、うち勤務中は五十五件などというデータがありますので、いろいろ事件がふえてきておりますが、先ほども申し上げたとおり、事犯が多くなったからといって行政指導の手が及ばないということではなかろうと私は思うのですが、行政指導で片づかないような悪質あるいは規模の大きい事件といいますか、そういうようなものが、報告されているこの件数の中で実際にはどの程度あったんですか。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) 警備員の非行事例、あるいは警備業者自体の不適正事例に対しましては、現行法で行政指導あるいは指示、停止命令、廃止命令、行政命令が出せます。また、悪質な事案につきましては、それぞれ罰則を適用いたしまして刑事事件として処分しておるということで、それなりに対応をしてきておるわけでございますけれども、先ほど申し上げましたように、欠格事由の問題をとらえてみますと、現行法では一項目しかないというふうなことで、それ以外については、たとえば暴力団関係者が堂々と営業を営んで、しかもそういった場合には悪質な事例が起きておるわけです。そういった暴力団関係者が経営する警備業者に対しましては、もちろん行政処分は科しております。指示、場合によっては停止命令を科しております。ところが、たとえば六十日の停止命令を科して、それが終わってしまいますと、その後はまた営業ができるのが現行法のたてまえなんでございます。これを完全に排除することができない仕組みになっておるわけでございます。そういう面で欠格事由の整備をお願いしておるというふうなことでございます。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 悪質な事件等があってやむを得ないということのようですが、いまの全国の警察の体制で言うと、世界で一番治安がしっかりしているというふうなことで、私は体制としては警察のいまの状況を信頼するわけですから、行政指導なり何なりで措置ができるんじゃなかろうかなという感触を持っておるんですけれども、御承知のとおり、業界の状態を見ますと、一業者当たりの人数というのが少なくなっているということは、小規模零細企業がこの業界ではきわめて多くなっている。約半分近くあるでしょう。四十何%。まあ数字はいいですが。そういうふうな状況でいわゆる零細業者が数多くふえていて、どうも指導監督するのに手に負えなくなった、こういうようなことで今回の改正が行われたんじゃないかという世の中の批判もありますので、その点はどうなんですか。実情はそうではないということですか。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) 御指摘のとおり、警備業者の場合には比較的規模の小さい業者が多うございます。警備員が十人以下という業者が半分を超えておるというような状況でございます。しかしながら、そういった規模が小さいからどうのこうのという問題はございません。大手の業者が全国的な組織を持ち、機械警備を駆使してやっておられる。それからまた一方、規模の小さい業者はそれなりにそれぞれの地域的な特色というんですか、業者の機動性というものを発揮されながらスーパーマーケット関係の警備に当たられるとか、あるいは最近学校だとかそういったところの当直勤務というのも多うございます。そういうようなことで、社会的な機能というんですか、役割りというのを果たしておるわけでございます。  業者の数が多くなったのではないかと言われるんですけれども、これも昨年末で三千二百十業者ということで、御指摘のように年々一業者当たりの警備員の数は低くなってきておりますけれども、全国で三千余の業者でございます。各都道府県、方面警察本部まで含めますと五十一あるわけでございまして、それなりに対応して指導をやっておるということでございまして、決して業者の方が急にふえたから手が回りかねる云々ということで今回の改正をお願いしておるものではないわけでございまして、先ほどからお答え申し上げておりますように、現行法ではどうしても対処し切れなくなった部分につきましてお願いしておるということでございます。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 ところで、現行法のもとでいう人的欠格の事由づけですが、これが届け出制ということでやってきたわけですけれども、創設の当時これに似たような法律というのは、いわば貸金業等の取締に関する法律ぐらいのものであって、たとえば古物営業だとか、あるいは質屋営業等と同じ程度の規制で同列ぐらいの扱いをしてきたはずで、できる限り営業の自由を尊重するということは、この現行法を成立させるときの提案者側の説明では、これは大変大きな特色として説明されておったと思うんです。それで、会議録を読んでみますと、警備業が労働争議や学園紛争に介入する事例があの当時多かったと、時代的な背景もあると思います。かつまた暴力的な事例も多々あったと、こういうような事情があったものですから、規制が多少あのころ弱過ぎるのではないかという意見もあったりした。そうした批判に対して当時の警察庁側の答弁としては、許可制や登録制をとらないと規制できないほど著しい弊害は生じないんだと、あのころですね。こう説明をされておりまして、届け出制によって公安委員会が業者の実態を掌握し、必要な指導監督を行うことによって所期の目的を達成できると、こういうふうに御説明になっておったわけです。  先ほどもお聞きしたんですが、いろいろ事情が変わってきたりしたというような御説明が一応あったんですが、今回の認定制、これはまあいわば許可制と同様の規制だというふうに解釈もできるわけでございまして、その点から考えると、先ほどの御説明も一応あったんですが、重ねて伺いますが、人的欠格条項、この事由づけの、届け出制によってはもう規制できないと、そういう著しい弊害がこの十年間であったんだと、こういうふうに理解しなきゃならないでしょうかね。どうなんですかね。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) 確かに外国の立法例を調査してみますと、こういった警備業に関する法的規制をしております先進諸国では、いずれも許可制をしいておるわけでございます。もとより法体系が違いましたり、あるいは警備員に対する権限付与——日本の場合には全く一私人と同じ立場でございます。それに対しまして武器の携帯を認めるとか、そういった権限が違うというようなこともありますので、一概には比較できないとは思いますけれども、やはり先進諸国では警備業務の持つ公共性と申しますか社会性というものに着目いたしまして、一定の資格、能力といいますか、それから信用、あるいは資力といいますか財産的な資力、そういったものを許可要件にするところが多うございます。アメリカのある州の例でございますけれども、グッドキャラクターということで、日本語に訳すと品行方正か何かになるのかもしれませんけれども、そういう要件をつけているということでございまして、許可制にしておるところが多いわけでございます。  これはやっぱり、先生御案内のとおり、許可制というのは、一般的に禁止しておってそういった一定の資格、能力のある者に禁止を解除して許可をして営業させるということでございます。率直に申し上げまして、業界の方からは、届け出制から許可制にしてくれという強い陳情、要望がございました。そういった点をも含めまして私ども真剣に検討をしたわけでございますけれども、結論から言いますと、社会的役割りは増大していることは間違いありませんし、いろんな弊害が出てきていることは間違いないわけでございますが、事開始手続に関しましては従来どおりのたてまえで臨みたい。つまり、営業の自由を前提にしながら個別的に人的欠格事由のある者を排除する、不適格業者を排除するということでございまして、許可制をとって厳しい規制をかけなければうまく動かないというふうには考えていないということでございます。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 現行法の第八条の規定、これが置かれたのは、現行法が創設された当時は、先ほど申し上げたように、労働争議とか学園紛争がかなりあって、警備員がそれに暴力的な介入をしたというような事例があったんでこれが必要になったように聞いておりますが、こうした労働争議への介入事例、その後今日に至るまでは事例としてはふえているのか減っているのか。それから、もしあったとすれば、こうした不当な介入事件に対する行政処分等は適正に行われてきたのかどうか。この辺について御報告を願います。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) 現行法の制定の一つのきっかけになりましたのが、一部の警備業者が不当に労働争議に介入したということだと思うわけでございます。  先生御指摘のように、八条で明文の規定を置きまして、そしてこの規定に違反した場合につきましては十四条または十五条第一項によりまして、都道府県公安委員会が警備業者に対しまして指示あるいは営業の停止命令を科することができるようにしたわけでございます。そういった制定の趣旨から、そもそもこういった正当な活動に介入するというのが不当であることはもとよりでございますので、こういった点につきましては、私ども、個々の警備業者あるいは警備業界の団体その他いろいろなルートによりまして、方法によりまして指導、取り締まりを強めてまいりました。  その結果、業法制定以来十年でございますが、私ども警察庁が把握しております労働争議に係るトラブルというんですか、そういったものが七件でございます。それから、大型店舗の建設反対などの住民運動などもございます。そういったものが七件、それから学園紛争関係なんかもあるのでございますけれども、こういったものが三件で、合計十七件ということでございます。これに対する措置でございますが、この十七件に対しまして行政処分をしましたのが四件でございまして、そのうち一件は営業停止処分に科したということでございます。また、いろいろな刑事事件としてこのトラブルをめぐって送致いたしましたのが七件あるというような状況でございます。  それで、十年で十七件ということで、一年に二件というのが多いと見るか少ないと見るかあれでございますけれども、最近特に、やっぱり警備業者あるいは個々の警備員も、警備業務の実施に当たりましては慎重に行動しておるようでございまして、警備業法制定前に比べましたら激変しているというふうに思うわけでございます。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 状況としては鎮静化をしているような状況のように御報告を受け取ったわけでございますが、実は本法創設当時、私どもとしてはこうした労働争議への不当介入だとかあるいはいろんな大型店舗の反対運動等があったときに、バリケードを取っちゃうとかなんとかいろんなことがあっては困るので、そういう心配があったものであの当時本法の成立に反対をした経緯も、実は私どもの党としてはあるわけなんですが、今回、この改正法案をずっと見ていきますと、届け出制から認可制にするとか、いろいろ基本的なことで大きな改革が見られるわけですけれども、こうした面に関する、いま申し上げたような問題に関する規定は、別に新たにこれが加えられてもいないし手直しもされていないという点を見てみますと、従来どおりの規制なりあるいは行政指導でこの点に関しての今後の心配、これは当局としてはないんだと、こういうふうに考えておられるわけですね。心配ないんですね。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) 御指摘のとおり、警備業務の実施に関する基本原則を定めました第八条は現行法を踏襲しておるわけでございまして、その限りにおいては何ら変わってないということでございます。  ただ、申し上げたいのは、今回お願いしております改正事項としまして、不適格な業者というものを排除したい、あるいは警備員を排除したいということで、欠格事由の整備をお願いをしておるわけでございまして、そういった面で、そういったいろいろな不適切事案を起こすような業者、これはごく限られた者でございますけれども、それらが欠格事由の整備によって排除されていくんではないか、こう思います。それから、やはり個々の警備員のレベルアップというものが必要だと思うんです。その教育の充実強化を図るための新しい制度をお願いしておるわけでございます。なかなか一朝一夕にはできないと思いますけれども、そういった二つの観点から、警備業務の適正な実施につきましてある程度担保できるんではないか、こう思うわけでございます。八条の基本原則の遵守につきましては、従来から私ども業者に対しまして厳しく指導してまいったところでございますけれども、事はやっぱり基本的人権にかかわる問題でございますので、この改正を契機に、改正事項とは直接関係がなくてもさらに指導を強化してまいりたい、こう思っております。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 次に、今回の規制の強化に係る問題で何点かお伺いをしておきたいと思うんです。  実は、これは日経新聞の報道された中身で、運用にもよるが、改正案どおりだと既存業者の二、三割は廃業するかもしれないなんていう記事が実は出ているんですよ。なるほど業界の実情を見ますと、警備員が十人以下の業者、これが全体の五四・六%、非常に小規模の業者が多いということだと思います。いろいろな規制どおりに義務を果たさなきゃならないという業者の立場を考えますと、どうもこの新聞記事にあるような負担というのはやはりかかってくるんじゃなかろうか。この辺の影響はどう考えておりますか。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) 日本経済新聞の記事、私も読ませてもらいましたけれども、こう言ってはあれでございますけれども、やや正確を欠くのではないかと思うわけなんでございますけれども、と申しますのは、この欠格事由の整備は確かに項目としてはふえるわけでございますけれども、大体特定の前科者に準ずるような場合というものを想定しておるわけでございます。そういった今度の改正で追加される欠格事由に該当するという者は少ないのではないかと、こう思うわけでございます。ただ、暴力団関係者が若干あるかもしれません。それからもう一つは、警備業者の大部分は法人でございます。役員一人一人につきましてこの欠格事由に該当しないことが要件とされておるわけでございます。それだけに厳しいと言われるかもしれませんけれども、逆に言いますと、そのうちの一人が欠格事由に該当した場合には、その役員を交代、更迭をしていただければ結構なんでございまして、その点ではそう欠格事由の整備によって厳しくなるということはないと思います。  それから、指導教育責任者の問題でございますけれども、これは現在どんな規模の小さい業者であっても教育担当者というものが定められております。場合によっては社長さんみずからがやられるというような場合もありますけれども、現実に行われております教育担当者の方に今度は都道府県公安委員会の講習を経て、そして指導教育に必要な実力をつけてもらいたいというだけでございまして、その結果、今度の改正法が実施された際に、現在三千余もある業者のうちの二、三割が廃業云々というようなことはちょっと考えられないと思います。むしろ大部分の業者はそのままの形で営業を引き続きやっていただけるんじゃないか。ただ私どもとしてはレベルアップをこの改正によってお願いいたしたいと、こういうことでございます。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 いま暴力団の話も出ましたんで、この欠格条項の問題で、やっぱり雇用する業者の側の立場で言うと、小規模な業者なんていうのはなかなか身元調査なんかも十分できないわけでしてね。そういう中で気がかりになりますのは、たとえば精神病者等は診断書等があるんで判断の基準が明確に出る媒体がありますよね。ところが暴力団員等の場合は、説明を見ましても、必ずしも累犯歴のあることを要しないなんていうことになっていますから、これは暴力団員だと、リストアップ等はちゃんとしてあるんじゃないかなと私も推測をいたしますけれども、これらのチェックはちょっとなかなか民間ではむずかしいんですけれどもね。届け出されたときにそちらできちんとおやりになるんでしょうけどね。これは業者側の方でもなかなか大変な作業になっちゃうんじゃないかと思うのですが、この点はどう考えますか。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) 人的欠格事由につきましては、警備業者の場合とそれから警備員の場合とがあるわけでございます。  前者の警備業者の場合につきましては、今度の認定制に基づきまして主たる営業所を管轄する都道府県公安委員会に対しまして認定申請があります。それを受けまして当該都道府県公安委員会が調査して、そして欠格事由に該当するかどうかという審査を行います。これは当該都道府県公安委員会の責任においてやるということでございます。  問題は後者の場合でございます。警備員の人的欠格事由の場合でございます。この点につきましては、すでに現行法上の問題でもあろうかと思うわけでございますが、と申しますのは、第七条で、いわゆる人的欠格事由に「該当する者は、警備員となってはならない。」というのが第一項。第二項は、「警備業者は、前項に規定する者を警備業務に従事させてはならない。」と、こういう義務づけが課せられておるわけでございます。そこで、第一項の方はみずからの問題でございますからあれなんでございます。もちろん第一項違反の場合、罰則はもとよりでございますけれども、何らかの処分云々という問題はないわけでございます。いわゆる訓示規定でございます。  問題は、第二項でございまして、「警備業者は、」人的欠格事由に該当する者を「警備業務に従事させてはならない」ということでございます。この点につきましては、現在欠格事由というのが特定の前科者だけでございますけれども、ある警備業者に雇ってくださいという者が、私は前科者なんですけれども雇ってくださいと言うことは絶対ないわけでございまして、そういった過去の経歴を秘匿して応募してくるという場合でございます。それに対する警備業者側はどの程度の調査が課されているかということになろうかと思います。現実には、当然のことながら当該応募者から履歴書とか関係資料を提出させるということでございますけれども、その中の一つに誓約書を出させておるわけです。まあ警備業法何条に言うその欠格事由に該当しないということを誓約いたしますということでございます。それで、業者の方はやっぱりみずからの企業責任で採用するわけでございますから、社会通念上妥当な範囲でそれを調査して、そして偽りないことを確認しながら採用すると、こういうことになろうと思います。  前科者であることを知りながら故意に採用するという場合が最近東京都の例がありましたけれども、これはもう極端な例でございまして、結局採用してから後でわかるという場合があると思うんです。これにつきましては、確かに第二項違反になる場合もあるのかもしれませんけれども、この場合には行政指導でそういった者を排除しなさいということです。その場合でもこれは警備員に関する人的欠格事由でございまして、警備業の一般事務職員、これについての欠格事由ではないわけでございますので、配置転換をしていただく等の措置が講じられるわけでございます。  そういうようなことで、今回欠格事由の整備をお願いしておりますけれども、考え方としては現行法と全く同じでございまして、やはり誓約書を出す、あるいは、必要に応じてでございますけれども、診断書等を提出させるというようなことで、業者がそれなりに社会通念上妥当な範囲で調査してもらえば結構でございます。

上條勝久自由民主党

○委員長(上條勝久君) ちょっと速記をとめて。    〔速記中止〕

上條勝久自由民主党

○委員長(上條勝久君) 速記を起こして。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 大体いまの御説明でわかったんですけれども、暴力団員の欠格の事由については、これはどうも累犯歴等がなくても適用するような説明になっているんですが、その点は警視庁ないしは地元の警察でなければこれはわからぬでしょう、これ。どうなんですか。暴力団員であるとかないとかいうのは。どうなんですか。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) 暴力団犯罪の取り締まりを捜査二課ないし四課が担当しておるわけでございまして、暴力団犯罪の取り締まりという観点から必要な資料というのは整備されておりますけれども、そのこととこの警備業法に言ういわゆる暴力団に関する欠格事由というのは直ちにリンクされないということでございます。  それで、申し上げたいのは、先ほども申し上げたんですけれども、結局、業者の方の認定に当たってこういった欠格事由があるということを念頭においてくださいということでございますし、それから警備員の配置状況と申しますか、どういった警備員がいるかについては各営業所にその名簿を備えつけなければならぬということでございまして、私ども警察は立入検査をして実情を把握するというだけでございまして、警備員の実情というのは都道府県警察本部でも直ちにわからない、ましてや警察庁でもわからないというような状況でございます。あくまでも警備員の人的欠格事由については、第一次的には警備業者と警備員との問題であるということだと思います。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 ところで、この警備業界とは密接な関係があくまでもそれはあるわけですが、業界に対する状況認識ですね、これはどんなふうに受け取っていらっしゃるかということです。というのは、実は太陽神戸銀行の「産業の動き」という書類を見ますと、成長過程にある警備業界、これが大手と中小業者の間の摩擦が大変ひどいみたいなんですよ。要するに格差がだんだん目立ってきているんじゃないでしょうかね。経営環境が中小業者の方がきわめて厳しいと、こういうようなことで、後ほどお伺いをする質的な問題に係るダンピングの問題やなんかも出てきそうな心配があるんですが、業界の実情についてはどのように把握なさっておるんですか。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) 現行法のたてまえから、第一条の「目的」にも明記されておりますように、警備業務の適正な実施を図るために警察が必要な規制を行うということでございます。そういう面で、いわゆる他の業法とはちょっと違うんじゃないかというような感じがするわけです。あくまでも警備業務は私的な性格で行われておるわけでございますけれども、警備業務の持つ公共性、社会性というものに着目して届け出制をやる、あるいは人的欠格事由を考えるということでやっておると思うんです。そういうことで実は警備業者の経営実情については私どもはよくわからないというようなことでございますが、ただ、経営状態の悪化によりまして、その結果個々の警備員の労働条件が悪くなってそして適正な実施ができないということになると困りますので、関心を持ち、関係省庁とも十分連絡をとりながらこれに対処してまいりたいと、こう思っておる次第でございます。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 大臣が二十分から退席されるそうですから、本当は二つばかり聞きたかったでんすが、とりあえずお伺いをしておきます。  業界がいまそういう状態で摩擦が確かにあると思います。警察庁の立場で言うと、そういう商業ベースの問題や経済経営の問題について直接関知しなくていい立場にあります。また、指導のしようもないと思います。ただ、この業界が今後社会のニーズに応じてやっぱり拡大されていく傾向にある業種だろうと、こう思うわけでございまして、治安の一部を担っている業種でもありますので、業界の健全な発展についての十分な配慮、これはぜひともお願いしたいと思うんですが、御所見を伺っておきます。

世耕政隆自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(世耕政隆君) おっしゃるとおりでございまして、この改正法をやるときに一番最初に問題になりましたのは、いろいろこうやって認可制に移行していく場合に、当然淘汰されていくべき性格の業者もあると思うんですが、そのときに中小業者でまじめに仕事をしている業者をどうするか、これを圧迫するようなことになりはしないか。つまり、大きな企業の方へ合併されたり吸収されたりしていくおそれはないか、この点を十分保護したり、この点を十分配慮してやるべきではないか。これがこの法案を出す以前の一番大きなポイントになったところでございまして、いろいろ検討を加えた結果、これは保護助長していかなければならない、そういう立場に立ちましてこの法案を提出したわけでございます。そこで、今後そういったいろんな問題は多分起こらないとは思いますが、そういったいろんな点に配慮をしまして、とりあえずこの今度提出された法案でやっていきたい、そこでこの御審議をお願いしたい、こういう立場をとっている次第でございます。  今後とも御指摘の点は十分留意しまして配慮しつつ行ってまいりたい、このように思っております。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 そこで、要するにユーザーの側から言いますと、コストが安く上がった方がいいんですな。業者、業界の方も、中小なんかのところでは仕事を取りたい。そういう経済的な必要にも迫られて、実は業界の大手と中小業者との間の摩擦等もこれあり、事実上ダンピング競争なるものが行われているはずです。こういうことから中小業者が淘汰されてしまうというような心配もあるわけなんですね。こうした問題の処理については業界自体の自浄手段による以外にない。警察側の方としては、いま言った欠格要件その他をチェックをして健全な警備業をやってもらえばいいんだ、こういうことでしょう。こうした問題について、今後も考えてみるとダンピング競争等が起こりてくる、景気は悪いし、深刻化するとますますこの危険性は十分考えられるんですけれども、これらに対しての対応の仕方がないと思うんですが、どうなんですか、これは。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) 御指摘のように、最近ダンピング競争が激しくなっておるわけでございまして、その結果でございますけれども、どこかでペイしなきゃならぬしというようなことで、極端な例でございますけれども、学生アルバイトを大量に雇って、教育も何もしないで、その結果不適切事案を起こしてしまったというような例もあるわけでございます。  私どもの立場から言いますと、今回お願いしております改正によりまして指導教育を充実してもらう、あるいは不適格業者を排除する、そのことによって業界あるいは業者の自浄作用というものを助長する、間接的ではありますけれども。そういうことによって結果的にダンピング競争というのがなくなり、そしてその適正な実施というのが、そのことが翻って業者に対する国民の皆さんの、ユーザーの信頼を高め、また、業界の秩序の確立にも寄与するのではなかろうか、こう思っております。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 それじゃ、時間がなくなりましたから次の問題に移ります。  これは衆議院でも問題になったんですが、結論が出ていないようです。最近の警備業務ということで言うと、例のニュージャパンの事件もこれあり、防火防災業務、これもやはり十分心得てもらわないと警備そのものの役目は果たせないというニーズが出てきております。今回は、この点についての配慮が全くなされていない点で私は心配な点が一つあります。これは今回改正に至らなかったことについては、事務的に間に合わなかったということですか、どうなんですか。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) おっしゃるとおり、常駐警備、施設警備をやっている警備業者の大部分が、防犯だけではなく防火業務をもあわせて実施しておるという実情でございます。ユーザーの立場からもいろいろな要請があるところでございます。また、業界団体の方からも、改正する際には警備業務の中に防災業務を加えてもらいたいという要望がございまして、そういうことで消防行政を担当されております消防庁とも十分検討を加えたわけでございますが、結論においては、今回の改正ではお願いしていないということでございます。  理由としていろいろあるわけでございますが、当面、警備業法に言う警備業務の中に防火あるいは防災業務を加えてほしいというような改正の場合につきましては、警察は都道府県警察、それから消防は市町村というふうな形で組織上の違いによります監督関係を調整しなければならぬとか、あるいは規制内容につきましては消防の関係は当然消防法の問題も出てきますし、そういったいろいろな調整が必要になってくるわけでございます。いろいろな問題も多いということで、今回の改正にはこういった防火業務に関する規制を盛り込むことについては見合わせたところでございます。  ただ、やはり警備業者が防火業務を実施していることは間違いないわけでございまして、私どもの立場から申し上げても、火災発生後の避難誘導などにつきましては警備員に対する教育訓練が必ずしも十分でなかったと思いますので、そういった現行法の枠内でできる問題につきましては業界団体ともよく連絡をとりながら所要の措置を講じてまいりたいと、こう思っております。  また、伺いますところ、消防庁の方ではこの問題につきまして研究委員会も開かれているわけでございますが、警察庁におきましても、すでに警備業問題研究会というのが五十年十二月に発足しまして、現行法の基本的な問題について洗い直して、そして今回の改正法案に至ったわけでございますけれども、この研究会を再開しまして、こういった新しい問題、基本的な問題等につきましても検討を進めてまいりたいと、こう思っておる次第でございます。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 東京都みたいなところは消防警備業務資格者試験制度等、これは特殊な行政の体制があるからできるのですけれども、他の地方公共団体だと、これがなかなかそう東京都みたいに簡単にいかないと思うのです。いま御説明のあったとおり、消防庁では防火防災の管理体制についての総合的な検討をなさっておるそうですが、これの結果が出るのはいつごろかということが一つ。  それから、これは長官に最後にお答え願った方がいいかと思いますが、この防火防災のいろいろな知識なり技術的な面なりはやっぱり警備員に身につけてもらった方がいいわけですよね。ですから、そういう点から考えると、消防庁側の研究の結果が出た場合に、警備員の、何というんですか、教科内容というかカリキュラムというのかわかりませんが、そういうようなものに、いずれは指導内容なりにつけ加えるお考えはあるんですかないんですか。この点をお伺いしておきます。

鹿児島重治消防庁次長

○政府委員(鹿児島重治君) ただいまお話しがございました防火管理体制研究委員会でございますが、昨年の九月の下旬に設置をいたしたわけでございますが、設置の趣旨は、すでに御承知かと思いますが、最近の社会経済の進展に伴いまして、防火管理のあり方について非常に大きな変化がいろいろ出ておるわけでございます。その中で、たとえば用途別、規模別の防火管理のあり方でございますとか、あるいは防火管理者の社会的な位置づけでありますとか、その一環として実は夜間の防火管理体制の問題も研究項目に入っております。お話しがございましたニュージャパンの問題もございましたので、この夜間の防火管理体制につきましては、無人化対策を含めましてこれは分科会におきまして早急に検討を進めているところでございますが、何分問題が非常に多々ございますので、いまこの場でいつまでということははっきり申し上げられませんけれども、私どもできるだけ早急に結論を得たいというぐあいに考えておりまして、できれば年度内ぐらいには結論を得たいということで進めております。  それから、後の方のお話で申し上げさしていただきますと、私どもはやはり各施設の防火管理につきましては、現在の防火管理者制度、それに基づく消防計画、その消防計画の中でたとえば警備業者に委託をするとかしないとか、全部するとかあるいはしないとかいう問題がございますので、そういう一環の中でやはり警備業者の方にも御協力をいただくということで、すでにたとえば東京都あたりにおきましては火災予防条例で、まあ一定の講習をするというようなこともございますので、そういった形で今後とも指導を進めてまいりたい、このように考えております。

三井脩警察庁長官

○政府委員(三井脩君) ただいま消防庁から御説明があったとおりでございますが、私たちもそういう情勢を踏まえながら検討を加えてまいりたいと思います。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 時間ですから、終わります。

伊藤郁男民社党・国民連合

○伊藤郁男君 最初に警備業界ですね、特殊な分野の仕事だとは思うんですが、いただいた資料によりますと、大変警備業法違反が多いわけですね。二社に一社が違反を起こしているという、まさにこれは異常な状態だと思うんですが、こういう二社に一社が警備業法違反を起こすその理由はどこにあると把握されておりますか。その点からお伺いします。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) 御指摘のとおり、単純計算で二社に一社が違反しているというような状況でございます。ただ、違反の内容につきましては、悪質な場合もありますし、形式的な違反の場合もありますし、それから一社で数件も違反しているというような場合もあるわけでございますが、それにいたしましても、こういった違反が多いといった点につきましては、私どもの指導がまだまだ足りないんだということを痛感しておるところでございます。いかなる業者であっても同じだと思いますけれども、特にこういった警備業務をやっておる業者の場合につきましては、まず、みずからが法律を遵守するということが大原則でございます。そういうようなことで各種法令の違反を起こさないようにということで強く指導してまいったところでございます。  ただ、最近都道府県警察に対しましては、実は指導、取り締まりの強化を指示しておるところでございまして、大体一年に一回でございますけれども、取り締まり月間を設定しております。警視庁の例で取り上げますと、昨年十一月にやりまして、本年も来月に実施するというような予定でございます。そういうようなことで、立入検査というものが回数がふえてきたということにもよろうかと、こう思うわけでございますが、何分こういった違反が多くなっておるということにつきましては、私どもとしましても深刻に受けとめておるところでございまして、今後、各都道府県警察に対しまして、警察側の指導監督体制の強化を指示し、また、警備業者に対しましては業界団体等を通じていろんな啓蒙活動などの活発化につきまして必要な指導をして、法令の遵守が図られるように努めてまいりたい、こう思っておる次第でございます。

伊藤郁男民社党・国民連合

○伊藤郁男君 いや、私が御質問申し上げましたのは、こういうように二社に一社、いまのお話だと一社の中で数件も違反を起こすと。どうしてこの業界はそういうような二社に一社が違反と、まあ平均すればですよ。なぜそういうような状況になっておるのか。いまの説明ではまだよくわかりませんが、まあそれはいいです。  そこで、悪質な業者というものについては現行法でも十分に排除できる道が私はあると思うんですよ。たとえば、各県の公安委員会は業者に対して必要な報告を出させ、場合によっては警察官が業者のところに立ち入りもできる、あるいは、時には営業停止を命ずることもできるし、欠格事由が十分にある者が営業をやっている場合にはその営業の廃止を命ずることもできる。現行法でも悪質な業者というものを排除できる余地が十分にあるのにもかかわらず、今回さらに規制を強化していく。その辺のところの理由というんですか、事情を御説明いただきたいと思います。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) 御指摘のとおり、現行法でも立入検査あるいは行政処分を行って、こういった悪質業者について排除するということもできないわけではないのでございますけれども、ただ、人的に欠格事由というのが特定の前科者に限定されてしまっておるということでございます。そこで、暴力団関係者の場合につきましては、現行法の特定の前科者条項、つまり刑務所を出まして三年たってしまいますと、堂々と警備業の看板を掲げて営業をできるという形になってしまうわけでございます。そういった暴力団関係の業者の場合につきましては悪質な法令違反というのが多うございます。そういったことが先ほどの二社に一社ということにも関連するのでございますけれども、やはり、いわゆる不適格業者がいろんな形で違反を犯す、また不適切な事案を惹起するというようなことでございます。  これに対しての現行法の排除の方法でございますが、率直に言いまして、暴力団関係につきましてはできないわけでございます。悪質な警備業法違反がありますと指示、命令を出しまして是正させるわけでございますけれども、その場合でも聞かないという場合もあります。そうすると停止命令をかけるわけでございますが、それで何日間か停止させる。ところがその後の問題があるわけでございますね。欠格事由に該当しない限りはその営業を廃止することができない仕組みになっておるわけでございます。これは改正法でも全く同じ仕組みでございますけれども、そこが問題なんでございます。幾ら指示、停止命令という行政処分をかけてもどうしようもない。それじゃ刑事処分があるじゃないかということでございますけれども、御案内のとおり、特別法違反になりますと罰金刑だけということで大体終わってしまうということでございますし、その場合であっても、場合によっては経営者をすりかえて、実質的な黒幕となって警備業を営んでいるというような場合が多いわけでございますので、これに対する現行法の措置というものが必ずしも規定が十分ではないということでございます。  それからもう一つの問題は、やはり何といっても個々の警備員がしっかりしていなければいけない。まず、十分な知識、能力があり、りっぱな社会人としても通用できる人でなければいけないと思います。年々発展してきました警備業でございますので、最近若い人でも大学を出ましてすぐ警備業に飛び込むという例が多くなってきておるわけでございます。業者、業界の方もレベルアップを図りたいという、いわゆる魅力ある職場にしたいという機運がどんどん高まってきておるわけでございますけれども、その場合に、やはり指導教育というのが非常に重要である。ところが、現行法では、教育の科目、時間についての規定しかないわけでございまして、だれがどのようにしなきゃならぬということが規定されていないというようなこともありまして、その点についての指導教育責任者制度というものを設置したいというのが改正法のあれでございますし、あと、全く新しい問題でございますが、機械警備の問題もあるということで今回の改正をお願いしておるところでございます。

伊藤郁男民社党・国民連合

○伊藤郁男君 そこで、先ほども出ておりましたが、この業界の八割が資本金一千万以下、十人以下が一千七百五十二会社ですから、もう半分以上ですね。要するに中小零細が大半だと、こういうことになるわけですが、先ほども大川さんからもお話しがありましたように、日本経済新聞の書いたのを取り上げられまして質問があったんですが、日経の判断はちょっと余りにもきつ過ぎるというような御答弁もありました。あるいは大臣からは、そういうものに余り影響を与えないように十分検討して、大丈夫だという判断でこれ提案したんだと、こういうことですが、今回これだけのきつい要件をつけて今後は営業をしていかなきゃならぬわけですが、どうしてその中小零細が余り影響を受けないのか。大丈夫なのか。その根拠をもう少し御説明いただけませんか。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) 警備業者の規模についてでございますが、いずれも昨年末の調査によりますと、資本金別で申し上げますと、会社、法人の場合につきましては、資本金が百万円以下の業者が五百七十九業者、全体の一八・〇%、それから百万を超え五百万円以下というのが千二百三十五業者で構成比が三八・五%というような状況でございます。それから、個人企業でございますが、これも二百八業者でございまして六・五%を占めておるというような状況でございます。それから、営業所別に申し上げますと、営業所が一カ所というのが二千三百六十一業者で全体の七三・五%と申しますから四分の三、つまり本店と営業所が全く一緒になっているというもの。それから、二ないし五の営業所を持っているのが七百三十四業者で二二・九%を占めておるというような状況でございます。それから警備員数別に申し上げますと、十人以下が千七百五十二業者で全体の五四・六%を占めておるというようなことでございます。そういうようなことで、警備業者については比較的規模の小さい業者の場合が多いということがこの調査結果でも出ておるわけでございます。  しかしながら、警備業務といってもいろいろな種類のものがございます。確かに機械警備になりますと相当の資本を投資し、あと施設、車両等の装備を必要とするわけでございまして、ある程度の規模の業者でないとなかなかできない、こう思うわけでございますけれども、常駐警備、あるいは交通誘導警備でございますけれども、道路でいろんな工事をする場合に交通誘導をする警備員がありますけれども、こういった業態になりますと必ずしも大手業者でなくてもいいわけでございまして、むしろその地域に根を張って健全な経営をしておられる業者の方が信頼をかち得て、スーパーマーケットとかあるいは道路工事の会社の方から依頼がある、それで警備業務に従事しておるというような形でございます。やはり私どもは、当然のことでございますけれども、規模が大きいからどうのこうの、小さいからどうのこうのということは全然考えていないわけでございまして、要するに一般国民から警備業に対しての信頼というんですか期待というのがどんどんどんどん高まってきておる、その期待にこたえて警備業務を適正に執行してもらいたいというだけのことでございます。その点は現行法と全く変わらないわけでございます。そういった基本的な姿勢を前提にいたしまして、現行法で生じたいろいろな問題につきまして改正をお願いしておる欠格事由の整備だとかあるいはそれに伴っての届け出制から認定制への移行、あるいは指導教育責任者制度の新設とか、あるいは全く新しい問題でございますけれども機械警備の規制の関係ということでございます。  第一の問題につきましては、私は率直に言って中小規模の業者についても何ら痛痒を感じないと思うのでございまして、負担にはならない、こう思うわけでございます。まあ認定手続になりますから、五年ごとの更新で若干負担が重くなるかもしれませんけれども、そのことによって規模の小さい業者が排除されてしまうという問題ではなかろう、こう思うのであります。それから、指導教育責任者制度につきましても、すでに九割以上の業者が何らかの形で教育担当者というものを置いて実施しておるわけでございますから、その教育担当者のレベルアップを図るべくその制度を法定化しようというだけでございまして、これも業界からの要望に基づくものでございます。機械警備につきましては、確かに本当に規模の小さい業者はやっておりません。やはり中規模以上の業者がやっておるわけでございますけれども、この機械警備に関する新たな規制につきましては、負担感から見ますと、大手業者であろうと中規模の業者であろうと全く同じたてまえでこれにかかってきておるというふうな形になろうかと思うわけでございますし、その場合でも業務管理者制度新設とか、あるいは適正な配置に関する基準を定めてそれを遵守しなさいというような規定でございますけれども、要するに最小限度の規制でございまして、そのことによって規模の小さい業者が排除されるというようなことはないと思っておるわけでございます。  まあ三千余の業者がこの改正法が施行された暁どのくらい排除されるかということにつきましては、これは私ども全部チェックしたわけでございませんのでわかりませんけれども、感じとしましては、暴力団関係者が十数業者ありますので、やはりそこら辺が排除されていくんじゃないかというような感じがしておるわけでございます。

伊藤郁男民社党・国民連合

○伊藤郁男君 まだよく理由がわからないんですが、確かに現在中小のものが多い。指導員も現実に自分たちがつくって九割近くはもう指導員を配置してやっているんだから、今回の法改正によってもそう影響はないんだと、こう言われるんですが、私がちょっと心配しますのは、結局いま問題を起こしている、悪質な事件を起こしているのが二分の一に達している、したがって、そういうものをとにかく排除しなきゃならぬと。それで、警備業という特殊なあれですからね、これは。大変重要な仕事だと思うんですよ、私は。それだからよけい欠格条項というものをつくって規制をしていかないと社会的に問題が生ずるということで、そういう規制面にだけに重点を、力点を置くがゆえに、かえってあなたがいまおっしゃったような優良な企業ですね、あるいは社会的にその地域においては評価をされている企業、そういうものが結果的に排除されていってしまうんじゃないか。大企業に全部吸収されてしまうというような結果を招来をしないだろうかということが心配で御質問を申し上げておるわけであります。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) 外国の立法例で許可制をしいておりますし、それから、業界団体から要望がありました許可制ですね、これを採用しまして、その中の許可要件で、一定の資力、たとえば資本金どれだけ以上というような、あるいは警備員が何人以上でなきゃいかぬというような許可要件を付するというようなことになりますと先生御指摘のような問題が出てくるかもしれません。規模の非常に小さいところはその要件に充足しないということで、勢い合併するかあるいは大手の方に吸収されちゃうというようなことでやらざるを得ないと思うのでございますけれども、この点につきましては、確かに届け出制から認定制ということで一見手続が変わるような感じがするわけでございますけれども、基本的には営業の自由を保障しながら、それを前提としながら、特定の人的欠格事由に該当するものを排除する。排除する仕方を事後審査である届け出制から事前審査である認定制に切りかえただけのことでございまして、その規模の大小によって排除云々という規定はもう全くないわけでございます。その点は確かに、規模の小さい業者の方々からやや心配の声が聞かれないわけではないわけでございますし、私どもも真剣にそれを受けとめ、いろいろ事情を伺うことがあったわけでございますけれども、改正法案の骨子につきまして業界団体その他を通じましてよく説明しました結果、一応御理解いただいておるところでございます。  ただ、おっしゃるとおり、私どもは、先ほどから申し上げておりますように、規模の大小にかかわらず警備業務の適正な実施を図るということがこの警備業法の本来の目的でございますし、それを受けていろいろ指導しておるわけでございます。その点につきまして、従来からやってきておりますけれども、今後とも十分注意して指導をしてまいりたい、こう思っておる次第でございます。

伊藤郁男民社党・国民連合

○伊藤郁男君 それでは具体的にお伺いをしますが、この警備業を営む者の要件の中の、例の欠格事由というんですかね、欠格事由の中の三号、結局、この法律に基づく違反を行ったりあるいは重大な不正行為をした者については五年間営業を停止するわけですね、これは。そういう者については五年間営めない。そういう違反を犯した者あるいは重大な違法、不正行為をした者については五年間営業を営むことができない、こういうようにしたその理由をお伺いしたいんです。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) 第三条の第三号の、いわゆる「重大な不正行為」に係る欠格事由でございますけれども、「最近五年間に、この法律の規定、この法律に基づく命令の規定若しくは処分に違反し、又は警備業務に関し他の法令の規定に違反する重大な不正行為で国家公安委員会規則で定めるものをした者」ということでございますが、これを具体的に申し上げますと、たとえば悪質な無認定営業者でございますが、欠格事由に該当するにもかかわらず認定申請もしないで営業を営んでおるというような悪質な場合、あるいは他の法令の関係では、「警備業務に関し」という限定文言はついておりますけれども、つまり、警備業務を行うに当たりまして、あるいは警備業者もしくは警備員としての立場を利用して行います窃盗、横領など、人の財産を害する罪、それから殺人、傷害等の人の生命、身体を害する罪、それから職業安定法違反でございますけれども、職業安定法の第四十四条でいわゆる供給事業が禁止されておるわけでございますが、そういったものに違反するというような場合はやはり、他の法令ではございますけれども、警備業務の実施の適正と密接な関係にありますので、そういった違法行為につきまして国家公安委員会規則で定めたいという立場でございます。  そこで、このような重大な不正行為につきまして欠格事由といたしましたのは、やはり、この警備業というものが非常に重要な営業であるということ、それから、社会的にも非常に各方面に浸透し始めているというようなことから、この警備業の要件というものを厳格にしなきゃならないわけでございますが、特にこういった、犯罪歴でございますけれども、につきましては、やはり警備業務の持つ性格上厳しくすべきであるということで、他の立法例等も勘案しまして五年間ということにしたわけでございます。

伊藤郁男民社党・国民連合

○伊藤郁男君 それからこの四号ですね、今度は「警備業の要件」になったわけですが、この四号の中の、もちろん暴力団はこれを排除するのは当然でありますけれども、暴力団にもかかわりがなくて、そして「国家公安委員会規則で定めるものを行うおそれがあると認めるに足りる相当な理由がある者」、よく読んでみますと、結局、暴力団ではないけれどもそれまがいのことをするおそれのある者まで排除をしていくということになるとちょっと問題があるような気がするんですが、この点、もう少し理解できるようにうまく説明していただけませんか。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) この四号でございますけれども、もっぱらと申し上げますか、暴力団関係者を排除したいという欠格事由でございます。暴力団と一般には言われておるのでございますけれども、暴力団の定義というのは警察庁の組織令に一つあるだけでございまして、それが「集団的に、又は常習的に暴力的不法行為を行うおそれがある組織」というような形になっておるわけでございます。それを今回暴力団関係者を排除するために規定したものでございます。ただ「暴力的不法行為」だけに限定いたしますと、やはり賭博だとかあるいは覚せい剤だとか麻薬だとかそれから銃刀法違反などが直ちに包含されませんので、「その他の罪に当たる違法な行為」というふうに書きまして、具体的には国家公安委員会規則で限定適用をするという形にしておるわけでございます。  そのように四号は暴力団関係者に対する事項でございますが、例外的な問題といたしまして、たとえば常習的にすりをやるというような場合でございますけれども、問題は、二号の方でいわゆる特定の前科者というものを排除するということになっておるわけでございます。ところが、これは刑務所を出て五年を経過してしまいますと後はフリーになってしまうわけですね。ところが、これは極端な例でございますけれども、すりの大親分ですか、すり団がありまして、その大親分で刑務所を出所して五年たってしまった、その者が警備業をやるといった場合にこれはやっぱり問題があるんじゃないか。この「集団的に、又は常習的に」何々を「行うおそれがあると認めるに足りる相当な理由がある者」と、非常に表現としてはくどいまでに書いてあるわけでございますけれども、認定に当たりましてはこれは相当厳格に運用するということになろうと思いますし、いますりの大親分を言いましたけれども、こんなことも普通ちょっとあり得ないと思いますので、やはり暴力団関係者がこの項目によって排除されるというようなことになろうかと思いますし、あと実務上の運用に当たりましても、認定申請があったその際に、この条項に該当するような人が、暴力団何々組の親分という人が出てきたらこれに該当するかもしれませんよというような一つの指導というのですか、そういうようなあれになってきておりまして、恐らく実際にやってそれでその結果却下される云々というような問題にはならないんじゃないかというような感じがするわけでございます。  私が申し上げたいのは、やはり特定の前科者ではカバーできない問題が出ておる。特定前科者に接着するその周辺部分があるわけでございます。それを何とか排除したいということでございます。そのことは先ほど御質問がありました三号でも同じことでございまして、これでは、警備業法あるいは職業安定法に違反する重大な不正行為で国家公安委員会規則で定めるものをした者という者で、こういった場合には罰金刑だけで終わってしまっている者が多いわけでございますね。そうすると、罰金刑だと、たとえば職業安定法四十四条の問題だとこれは二号では排除できないんですね。それをやっぱり三号で、「重大な不正行為」ということで排除したい。それから四号では、いわゆる暴力団の大親分の場合、みずからは何も刑事事件を起こさない、自分の配下の組員に悪いことをさせて、その上納金でのうのうとしてやっている、その組長が警備業をやりたいと言った場合に、この条項を発動して排除したいということでございます。  そういうようなことで、この各条項ともいずれもでございますけれども、認定に当たりましては、各都道府県公安委員会が最終的な判断をするわけでございますけれども、十分慎重な運用をするということになろうかと思うわけでございます。

伊藤郁男民社党・国民連合

○伊藤郁男君 それから、先ほども問題になっておりましたこの認定ですね、届け出を認定に改める。その認定というものの制度ですが、これが実質的には許可制と異ならないではないか。要するに今度は、営業を営みたいと思う者は事前に公安委員会に書類を提出するわけでしょう。届け出というか、届け出書を出しますわね。そして欠格条項を調べられて、よろしいということになって、営業をやってよろしいという認定が出てくる。要するにその認定ということを通過をすることによってやっと営業の許可がおりてくる。認定を認められた場合には営業の許可が出るというそういう効果が発生をしてくるわけですよね。だから、先ほど来いろいろ説明がありますけれども、届け出制、認定、許可とこうあるんでしょうが、結局は、この法律で言う認定というのは許可と同じじゃないかと思うんですがね。ここでいま言っている、この新しい言葉になって出てきたと思うんですが、この認定と許可と、本来の許可制と一体どこがどう違うのか、その点の御見解をお伺いをしておきます。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) 認定と届け出制との関係でございますが、あくまでも警備業につきましては営業の自由を保障しておって、それで特定の人的欠格事由に該当する者、これだけについては営業させませんということでございます。個別的に禁止指定をかけているというような形でございます。  問題は、その欠格事由に該当するかどうかという都道府県公安委員会の審査、これを現行のように事後にやるか事前にやるかという問題だとこう思うわけでございます。現行法では、営業開始前に、直前に都道府県公安委員会に届け出さえすれば営業はできてしまう。その後人的欠格事由に該当する希有な例があれば廃止命令を出すというようなことで排除するということでございますけれども、やはり人的欠格事由につきまして、このたび整備いたしました。すでに先生からいろいろ御指摘がありましたように、いろいろな資料を総合的に検討して事実確認をしなけりゃならないという必要性があるわけでございます。それには若干時間を要するというふうな問題が出てきておるわけでございます。そういう意味で、現行の届け出制をそのまま踏襲いたしますと、たとえば一カ月とかたってから急に欠格事由に該当するからということで廃止命令が出る、そうなりますと、その業者は直ちに警備業を廃止しなけりゃならぬ。せっかく事務所を設け、警備員を雇い、あるいは車を買い、営業を始めた後になって、あなただめですよということを言われますと、業者にとって非常に損害を与えられる場合もある、不安もあるということ。それからユーザーにとりましても、警備業をやっておるといった場合に安心して依頼をするわけでございます。ところが、依頼したところがその業者は欠格事由に該当するということで廃止命令が出てしまった。相手先がなくなっちゃったというようなことになりますと、それは契約違反とか、後の損害賠償とかなんとかの問題があるかもしれませんけれども、ユーザーにとってはこれは非常に損害を与えられるということになるわけです。そういうことで業者あるいはユーザー両面にとっても不満があるということ。それから、営業開始から結論が出るまでの一カ月なら一カ月の間、後の不適格業者が堂々と営業をしたという事実が残ってしまうわけです。それはやっぱり問題があるのではなかろうかというようなことで、欠格事由を整備することを前提にしますと、現行制度のままではちょっと困るのではないかということでございます。そこで、認定制というのを今度はお願いしておるということでございます。  認定制は、これはあらかじめ欠格事由に該当するかどうか、警備業の要件を充足するかどうかということを都道府県公安委員会で審査をしてもらうということでございます。これは確かに前科者あるいは重大な不正な行為をしたか、あるいは、たとえば覚せい剤中毒者はおれは中毒者でないと思うかもしれませんので、いろんな方が認定申請してくるかもしれない。それをある程度の期間をかけまして都道府県公安委員会が審査しまして、そしてその時点で、ここに掲げてあります欠格事由には該当しないことがわかったといたしましたら認定証を渡す。認定証をもらったら営業を開始して結構ですという、認定証というのは一つのいわゆる確認行為ということでございます。  そういうことで、説明が長くなりましたけれども、届け出制と認定制とは基本的には変わらない。たまたま手続が事後から事前に変わってきたということでございます。  これに対する許可制の関係でございますけれども、これは一般に禁止をしておきまして、そして特定の資力、能力といいますか信用といいますか、そういったものにつきまして行政官庁がその能力があるということでそして許可をする。つまり、一般的な禁止を解除する、これが許可だということになるわけでございます。一般的に禁止がかかっていて解除するというあれでございます。そういうことでございますので、その禁止を解除するにふさわしいだけのやっぱり能力がないと許可しないというたてまえになっておるわけです。ですからもうたてまえが全然変わっておるわけでございます。禁止しておいて解除するのと、一般に自由で特定の者だけが禁止されておるのとということでございます。この警備業につきましてはこれは後者の場合でございまして、営業の自由を保障する。やむを得ず最小限度の規制として特定の人的欠格事由に該当する者だけは営業させないということでございます。

伊藤郁男民社党・国民連合

○伊藤郁男君 そこで、時間がありませんので消防庁の方にお伺いをしておきますが、最近、特に大都会では夜間無人となるビルが多くなったわけですね。そういう意味で機械警備というものの重要性というものはまたどんどんとふえてきていると、こういうことですが、消防庁として、これは上野消防署管内で無人ビルの実態調査をしておると思うんですが、その実態調査の結果どんなことがわかったのか、具体的にちょっと教えていただきたいと思います。

鹿児島重治消防庁次長

○政府委員(鹿児島重治君) ただいまお話がございましたのは、三月の下旬だったと思いますが、財団法人の日本消防設備安全センターという団体がございますが、そこで、ビルの防災管理システムについてのパネルディスカッションがございまして、そのパネラーとして東京消防庁の職員が発表した資料だろうと思いますが、それによりますと、東京消防庁の上野消防署の管内、御案内のように東京消防庁には七十幾つの消防署がございまして、その一つでございますが、面積が約六平方キロ未満、そして人口が八万人弱という消防署の管内でありますが、そこの無人化と考えられます防火対象物を百十六ほど調べたそうでございます。  この百十六対象の防火管理の状況を見てみますと、やはり無人の百十六の中では、用途から申しますと、地域の特性もあろうかと思いますけれども、飲食店、販売店舗、事務所、雑居ビル等に無人化の建物が多かったという結果が出たそうでございます。それから、その中で、防火管理者の設置義務を有するものが大部分でございまして、百十六のうち百十三件は消防法上の防火管理者の設置義務を有する施設だったそうでございます。それから、建物の管理区分で申しますと、雑居ビルその他がございますので、管理権原者が一人のものが全体の約七割強ということでございまして、残りの三割弱というものは複数の管理権原者が存在していた。  以上、そういう状況でございます。

伊藤郁男民社党・国民連合

○伊藤郁男君 そこで、いまお話しがありました百十六件のうち百十三件ですか、防火管理者を置かなきゃならぬということになっているのですが、夜間は人がいませんね。そこで、その中で結局警備会社に委託をして防火防災のことは任しておくというのはどのぐらいになりますか。

鹿児島重治消防庁次長

○政府委員(鹿児島重治君) 百十六の防火対象物のうち、警備業者に警備を委託しておりましたのが五十四件だそうでございます。全体の四六・六%でございます。そして、同じく百十六対象のうち、機械警備方式をとっておりますのが四十七件ということでございます。

伊藤郁男民社党・国民連合

○伊藤郁男君 そうすると、半分近くはもう委託と。これは委託警備はこれからもふえる可能性が非常に多いというわけですね。  そこで、さらに、そういう委託を受けている警備会社と消防との関係なんですがね。結局夜間、あれは何というのですか、基地局で見ていると、そうすると火災が発生したという合図がある、そして飛んで行って見るというわけですわね。そのときに警備会社は、いまの段階では消防署にわりあいにもたれちゃって、何か異常が発生するとすぐ消防へ連絡する。自分で現場確認することなくして消防連絡だと。消防は行ってみると別にそこに火災も発生してないという例が大分あるんじゃないかと、こういう事例があるんですが、その実態はどうでしょうか。

鹿児島重治消防庁次長

○政府委員(鹿児島重治君) 確かに御指摘の非火災報が非常に多いようでございまして、私ども実態は全国的には調査いたしておりませんけれども、たとえば東京消防庁が、昨年の十月から十二月までの三カ月間だけでございますけれども、三カ月間に三千九十一件のいわゆる通報があったそうでございますが、このうち実際に火災でございましたのは七件でございまして、要するに非火災報が九九・八%、大変大きな数字を占めているということでございます。

伊藤郁男民社党・国民連合

○伊藤郁男君 そういう、確かに警備会社にしてみれば、何らかの信号が来た、さあこれは現場へ行って見ているよりは消防署へ連絡した方が早いし、もしも本当に火災が発生していたら消防署に先に行ってもらった方がいいわけですが、その辺の関係がこれはきわめて重要な問題に私はなってくる。しかも、いまおっしゃったように、三千九十一件のうち七件が実際に火災であったけれども、あとは全部空振りだったというわけでしょう。消防署は大変な苦労をしているわけですね。  そこで私は、もう時間がありませんので別の観点からまた話を聞きたいんですが、あのホテル・ニュージャパンの火災事故の場合でも、防災計画の中では、警備会社に夜間の防災のことも依頼をしているわけですね、委託をしている。ところが、この警備の人は、結局あそこの自動火災報知機を現実に検査したりすることができない。実際にもう何カ月も前にこの自動火災報知機がオフになって、固定されちゃって動かないようになっている。それを見て警備員が、これじゃいけないじゃないかというふうに、現実に警備員がそういうことを指摘できる、あるいは警備員が直接そういう権限を持つ、あるいはそういう資格を持った警備員がそういうところへ配置される、こういうことにならぬとたとえばニュージャパンのようなことが起こってしまうということになるんですが、その辺のことはどうなんですかね。いまもう警備会社は、機械警備会社というのは、会社の定款にも、火災のことについてもわれわれやりますよということで広告してやっておるわけですからね。しかし、現実に現場に派遣された警備員は、その火災報知機が正常になっているかどうかということを点検をする権限がもしないとすれば、実際には意味がないじゃないかと、こういうように思うんですが、その辺は消防法との関連で、一体警備会社、警備員がそういう火災報知機やなんかを点検できるのかできないのか、この辺のところをちょっと聞いておきたいんですが。

鹿児島重治消防庁次長

○政府委員(鹿児島重治君) 実態はかなりいろいろ複雑だろうと思いますが、たとえば警備業者に防火管理の仕事をお願いする場合におきましても、それを全面委託をしているのか、あるいは部分委託をしているのかという問題もございますし、それからまた、当該施設におきまして、防火管理者がつくる消防計画の中でどういう位置づけをしているかというようなことによりましても、非常にバラエティーがあろうかと思います。しかしながら、警備業者に夜間あるいは無人化した施設の防火管理を委託をする場合には、方向としましては、おっしゃるように、そういう警備業者の方が防火管理につきまして十分な知識を持つということが望ましいことはおっしゃるとおりだろうと思います。

伊藤郁男民社党・国民連合

○伊藤郁男君 そこで、どうですか、先ほども出ておりましたがね、警察の方で。この警備業法をつくるに際して、防火防災の部分については今回は入れなかったけれども、これからも検討していくんだと、こういうことですけれども、いま言いましたように、特に都会の場合無人のビルが多くなってくる。そうすると、ますます警備会社に対する需要が多くなってくる。そして会社そのものが防火防災についても業務の一つとしてやるようになってくるというようになった場合、もうはっきりとそういう面について緊急に検討をして結論をつけてきちっとやっていかないと、いろいろな問題が起こってくると思うんですよ。その辺の見解を伺いたい。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) 御指摘のとおり、大部分の警備業者が、防犯的な観点の警備業務とともに防火防災業務を請負っておるということでございまして、個々の警備員にとってみますと、防犯的な仕事とともに防火的な仕事もやらなければならぬということでございます。こういった関係につきまして法規制のあり方をどうするか検討が迫られておるわけでございます。  当然消防当局の方では検討をされておられるところでございますが、私どもとしましても、警備業者を監督するという立場におきましてどうあるべきかにつきまして、消防当局ともよく連携をとりながら、基本的なあり方、規制の仕方、そういった面につきまして検討を進めてまいりたい、こう思っております。

伊藤郁男民社党・国民連合

○伊藤郁男君 最後に大臣、いまのように防火防災、その部分についても警備会社が委託を受けてやるということで、そしてさまざまな問題がまたそこで派生をしてきている。私は、警備会社が、——たとえば自動火災報知機とかなんかを調べる資格があるんでしょう、あれは取れるわけでしょう、資格を。そういうものを調べる資格というのがあるわけですよね。そういう資格を警備会社がやはりそういう無人ビルやなんかに派遣をする警備員に取らせて派遣をするとか、そういうようなやらなければならぬ分野がいっぱいあると思うんですよ。そういうことについて、法のさらに一層の整備について、大臣としての御見解をお伺いして終わります。

世耕政隆自由民主党自治大臣・国家公安委員会委員長

○国務大臣(世耕政隆君) これは大変必要な、かつまた大切な問題でございまして、今度のこの改正法案、御審議願っているものが一〇〇%絶対確実ですぐれたもの、完璧なものであるかといいますと、これは絶対ということはあり得ないわけでございまして、どこかに問題点がまだ残されているような場合も当然考えなきゃいけませんので、今後とも御指摘の点、充実、完璧を期して遺漏のないように計らってまいりたいと存じております。

上條勝久自由民主党

○委員長(上條勝久君) 速記をとめて。    〔速記中止〕

上條勝久自由民主党

○委員長(上條勝久君) 速記を起こして。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 大臣にはずっと議論を聞いてもらって、その上で政治家として、閣僚の一員としての御意見を承り、あるいは努力の方向を聞きたいと思っていたんですけれども、御出席が当初だけですから、その点ではちょっと無理だと思います。ですからこの辺、後でひとつ議事録その他で十分お含み置きをいただいて、善処をしていただくことを冒頭にお願いしたいと思うんです。というのは、問題点が十分把握されないままでお聞きするのは失礼に当たると思いますから、そういうようにしたいと思います。  そこで、最初に警察庁長官及び消防庁の次長に見解をお聞きしたいと思うんですけれども、自主防衛それから自主消防という面もありますけれども、しかし特に警察ではプライベートポリスというんですか、そういう思想はおとりになっておらないように伺っております。そういう点からいいますと、本来治安維持とかそれから防火防災問題、これは公権力によって基本的には処置するというのがたてまえではないかというふうに思うんです。そういう観点から、今日の警備業の急速な成長ということについて、警察庁長官あるいは消防庁次長の方でこれを歓迎すべきことと考えておられるのか、あるいは逆の考えなのか、この点をお聞きします。いまのような観点からの見解をお聞きします。

三井脩警察庁長官

○政府委員(三井脩君) 警備業がこの二十年の間に発展をしてまいりまして、企業としても社会的な一定の地位を確保したといいますか、安定的な地位に達したと思うわけでございます。それにはそれなりの理由があるわけでございまして、そのことを歓迎するかどうか、こういう御質問でございますが、必要上そうなったというこの事実を率直に認めて、それが適切に社会の期待にこたえる、ニーズにこたえるというように運営されることを私たちとしては期待をする。警備業ができたからといって警察の責任がそれだけ楽になるとか、警察の仕事がやりやすくなるとかという、警察がそれによって手を抜くとかなんとか、こういうような関係にはないというように考えております。

鹿児島重治消防庁次長

○政府委員(鹿児島重治君) 基本的な認識につきましては、ただいまの警察庁の考え方と全く同じでございまして、私どもは、消防機関はなすべきことは今後とも十分なしていきたいということが基本でございますし、警備業の関係について申しますと、これはやはり個々の施設のまず自主防衛がございまして、その自主防衛の中で防火管理者制度があり、防火管理者のもとに夜間なりあるいは無人化あるいは省力化した場合にどういうぐあいに警備業を組み込んでいくか、こういう形で理解をしていきたいというように考えています。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 それで、特に警察庁長官には引き続いてお伺いしたいと思うんですけれども、確かにこの二十年の間に大きな変化がありましたから、それに対応するというそういう御趣旨はわかるし、したがって、だからといって警察が手を抜くつもりはないということです。これは当然そうだと思うんですが、ただ、この業法制定当時の四十七年の五月の国会で、当時の後藤田警察庁長官がこういう答弁をなさっていますね。「こういった会社が続出をするということについては、警察としては、それなりに十分反省を要するところがある。」という点、さらに申し上げると、「私は、この種のものが続出をするということが好ましい状況であるとは考えないわけです。これは、ことばは必ずしも適切でないかもしれませんが、やはり必要悪といったような考え方で対処しなければならぬ」というのが当時の警察庁長官の、本法制定当時の、四十七年というからちょうど十年前の御答弁です。  だから、警備業が急速な成長を必要とした社会的な背景というもの、これは認めながらも、それから、治安維持に当たる行政当局としては十分反省をしなきゃならぬという面も強調されながら、しかし本法の制定が必要だという趣旨だろうと思うんですが、この認識は、現在の状況では、いまの長官の御答弁では変化したと見ていいのかどうか。この辺はいかがですか。

三井脩警察庁長官

○政府委員(三井脩君) 私は観点が違うわけでございますので、必ずしも当時の認識というものが変わったというふうに言っていいかどうか問題であろう、こう思うわけですが、と申しますのは、当時は警備業法がないときでございまして、警備業の会社ができて、ガードマンがいろいろ悪いことをした、そういう悪いことをされる状態というのは警察としては好ましくないからどんどん取り締まらなきゃいかぬという意味が一つあると思います。それから、「必要悪」と言われる意味は、大変高度の哲学的な観点から、そういう意味でいきますと警察も必要悪かもわかりませんが、そういうような意味ではなかろうか。  いずれにいたしましても、そういう現実を踏まえて、十年間法律はなかったのにこの際つくらにゃいかぬ、こういう観点で言われたものでございまして、今日はそれからまた十年たって状況も変わってまいりましたので、適切に対応して、警備業が社会的に適切な警備業であってほしい、こういう観点でございます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 始まったのが三十七年ぐらいですかね、十年たってみて、一面では悪いことをするやつもおる、それで、しかし社会的な条件の中からそういうものもできてくる、それを哲学的表現をなさった。その後の十年たつと、またより悪いやつができてきたんで今度は取り締まりせないかぬと、こうなってきているんですね。  そこでその四十七年から今日までの十年間で、この警備業に対する認識が一体どの辺で警察庁自身変化したのかという点を警察白書でいろいろ見たんですよ。たとえば五十一年度の警察白書を見ますと、「増加する警備業」という項目で、警備業の現状を述べて、法違反等もあるので「指導に努めている。」と、これはもう非常に簡単なんですよ。ところが、五十四年度の白書になりますと、「警備業の役割」という項目を設けて、「警察が行う警戒活動と警備業者が行う警備業務との間に有機的な連携を確保し、全体として最も効率的な警戒システムの形成についても検討を行う必要がある。」、こういうように、警備業を積極的に警察活動の中に位置づける方向を初めて、五十四年の白書を見ますと出てきているんですね。  こういう白書の記述の変化というのは、この白書にあるような変化が警察庁自身の警備業に対する認識の変化というように見ていいのか、この辺の御説明はいかがでしょう。

三井脩警察庁長官

○政府委員(三井脩君) 警備業自体が発展してまいったという事実をまず踏まえるということでございまして、そういたしますと、警備業が適正に社会の期待にこたえる、その営業を遂行するということを、警察としてもそれには努力をせにゃいかぬだろうと、こういうことでありまして、    〔委員長退席、理事名尾良孝君着席〕 全体の警察のネットワークの中に警備業を抱え込んで警察の下請をやってもらうと、そういうような魂胆があるわけではございません。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 これは徐々にいきますが、しかし結局五十四年の白書を見ますと、「全体として最も効率的な警戒システムの形成についても検討を行う必要がある。」という表現になっていますよね。だから、ネットワークがどの程度のネットワークかは別にして、そういう意図があるんではないかと考えざるを得ない表現になっています。  しかも重要なことは、その方向を当時将来を見通して非常に御研究、御検討をなさっているんではないかという節があるんです。それは、五十四年の十月一日の一部の朝刊に載った警備業法改正の問題に関する記事が出ております。それは、当時の山本長官が視察先の石川県で記者に対して発言なさった表現なんです。だから、正確さはどの程度かこれはわかりませんけれども、報道によりますと、「八〇年代警察の在り方と絡めて都市型犯罪に対応した総合的な防犯対策を検討していた警察庁は」「警備会社のガードマンを積極的に育成、指導するという立場から、警備業法を七年ぶりに全面改正する方針を固めた。」と、こうおっしゃっているし、それからさらに、国の財政再建政策上、警察官の定員増が今後むずかしくなるとの見通しがある、したがって、警察活動との調整が必要になってきたと。さらにその報道によりますと、業法改正によって警備業界が事実上警察行政の枠に組み込まれ、私設警察づくりの批判が起きるであろうという展望も予想されておるようにお述べになっている報道があるんです。だから、かつて必要悪とまでおっしゃっていたものが、育成、指導ということになり、しかもいま申し上げたように、国の財政の困難がもう当時明らかになってきている、そういう条件の中で、それをも見通して、保護、育成といいますか、育成、指導を強化すると。それは当然私設警察づくりで批判があるだろう、それも承知の上だという趣旨の発言があるんです。  だから、こうなりますと、いま一生懸命長官はそんなつもりは一切ございませんと言うのだが、どうもまだ疑いの目を持って見ざるを得ないというように私は思うんだけれども、再度お伺いいたします。

三井脩警察庁長官

○政府委員(三井脩君) 私は、いまの、前長官がそういうふうに話をしたということは、それは事実と違うんじゃないか、こう思います、考え方はわれわれもよくわかっておりますから。一般的な観測として、あるいは一部の話を聞いて、それをコメントとして、解説してそういう記事になったのかというように思うわけでございます。  大変基本的な考え方を申しますと、警備業が大きくなってきたので、社会的な立場といいますか、地位というものを持ってきたので、これはその責任をそれなりに果たしてもらわにゃいかぬ。それについては警察的、法に許された指導なり規制なりというものをやらにゃいかぬだろうということが一つあります。  それからもう一つ、世の中が、都市化という言葉がありましたが、都市化してまいりますと、犯罪はふえます。これは客観的事実でございます。しかも複雑といいますか、殺人事件なんかでも知能犯的に行われる、こういうような状況でございますので、言わば安全に対するニーズ、期待というものが高まるといいますか、きめ細かくなってくると、こういうのはございます。したがいまして、警備業はそれにこたえておるという一面はございますが、都市化していく、そして犯罪が厳しくなっていく、量もふえていくということに対処するには、警察は当然の仕事としてやります。しかし同時に、市民がともに安全を保つという自主的な努力というものにも期待し、そういう市民の自主的な努力にこたえるといいますか、そういうものを受けとめながら警察も警察の責任を果たしていくと、こういうことがあると思います。その際の市民の自主的な努力の一側面をあらわしておるのがいまのガードマン会社であろう。市民がやる自主的な活動の補完であったり、代行という面を持っておりますから、そういう面を言っておる。  先ほどおっしゃったような全体としての治安云云というのも、そういう市民の気持ちのあらわれを警察も警察的に評価をして、それを関係ないというんじゃなくて、全体として双方効果を上げて治安が保てると、こういう方向で努力すべきであるという、かなり高度な、理想的な表現だと思いますが、ということでございまして、われわれの手先に使おうとか、そういうけちなことを考えておるわけでございませんで、財政が厳しい折でございますけれども、警察として増員すべきところは増員するとか、施設を強化すべきところは強化すると、これは真剣にやっていかにゃいかぬというふうに考えております。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 くどいようですが、どうもその辺が——これは警察庁の総合検討委員会で検討された「八〇年代の警察」なんです。これに「犯罪の予防と安全な生活環境を守る活動の強化」という項目があって、そこでもこの警備業の役割りについて一定の評価がありますし、それからまた別の項で、特に警備業について項を設けなさっています。時間がありませんから細かく言いませんが、その中で特に、「警備業の健全育成」と、それから「警備業務と警察活動の調整」を進めるという、積極的に警備業と警察活動との関係を位置づけ、育成をするという方向が出されておるんですが、けちな考えは持っていないとおっしゃりながらも、しかしわざわざ「八〇年代の警察」に、これ、いろんな角度が込みになってくるんだけども、知能犯から細かいこと、少年犯罪みたいなものやら、いろんな分野を検討されていますが、それの中で、特にこの警備業務の警備の問題について言われている表現については、これは何を意図して、あるいは何を意味しているんだろうという疑問を持つんですが、この点はいかがですか。

三井脩警察庁長官

○政府委員(三井脩君) 先ほどから申し上げているように、格別御心配いただくような特別の意図を持っておるわけではございません。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 抽象的な議論をやっていますとなかなか先へ行かぬので、少し具体的に申し上げますが、御承知のように業界は現在三千二百十社ですか、そのうち十人以下の業者というのが五四・六%、零細業者が非常に多いというのが実情でしょう。  そこで、衆議院における例の指導教育責任者講習の委託の問題についての答弁の中で、要旨こういうように御答弁になっていますね。現在業界は全国警備業協会と全国ビルメンテナンス協会、あるいはその他の団体に分かれているが、将来この二つの団体が中心になって一つになり、委託するにふさわしい団体になれば委託する場合もあり得るとして、法第十一条の三第五項を規定したという趣旨の答弁をなさっています。このことは、いま三千二百社余りの業態である。しかも使用人一人という警備業者もある。それから何千人という業者もあります。そういうように業態も非常に多種多様です。それをそのまま全体として管理するんじゃなしに、業界の再編成をし、その上で警察との連携、それらを強化をしていく。現在の状態では、率直に言って、そのまま警察の指揮下に置いたってどうにもこうにもならぬ。あるいは暴力団が中に入っておるかもわからぬようなそういう実態を考えると、そうはいかぬ。そういう再編をも含めた考え方、これらが今回の法改正の一つのねらいではないかとさえ思うんですが、この辺はいかがでしょう。長官、具体的に。

三井脩警察庁長官

○政府委員(三井脩君) そういう意図は毛頭持っておりません。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 そういう意図はないということを明言をされました。  そこで消防庁に聞きますが、消防庁で、先ほどからも同僚委員から言われていますが、警備業法の改正の問題は、当然防火防災問題というのを検討しなきゃならぬ。消防庁の方でこの問題の検討のための研究会とかそういうのを開始されたのはいつごろからですか。

鹿児島重治消防庁次長

○政府委員(鹿児島重治君) 昨年の九月の下旬でございますけれども、防火管理体制研究会というものを設置いたしまして、防火管理全般の問題について検討を始めております。その趣旨は、先ほどからも申し上げましたように……

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 いつからかだけでいいです。  それは警察庁の方から警備業法の改正問題があるのでという話の上でなされたのか、消防庁自身自発的に始められたのか、その点はいかがですか。    〔理事名尾良孝君退席、委員長着席〕

鹿児島重治消防庁次長

○政府委員(鹿児島重治君) 全く私ども独自の判断でございます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 では、警察の方にお聞きしますが、これは保安部長で結構ですよ。本法の改正を企図されたのは、いままでのいろいろ御説明を聞いていますと、五十四年の山本長官の先ほど言いました石川県の発言がありますが、それを受けたのかどうかは別にして、この警備業法の研究会をおつくりになったのは五十四年の十二月というようにお聞きしておりますが、それは間違いございませんか。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) そのとおりでございまして、五十四年十二月に設置をいたしております。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 私は、警察庁の方は五十四年の十二月から研究を始められる、それから消防庁の方は、警察庁から別に話もなしに自主的に去年の九月から研究を始められる、この関係が常識的にいうとおかしく思うんですよ。  それで私も、業界の実態について、全国警備業協会でしたか、その協会とか、あるいは大手並びに五十人前後の若干の業者の方々の意見をいろいろ聞きました。それによりますと、ビルメンテナンス、いわゆる清掃とか管理保守ですね。そういった関係の仕事をやっているところ、それから、警備、すなわち防災、防犯、これをやっているところ、あるいは兼業しているところ、いろいろあるんだけれども、実際には最近要求の方が、両方やってくれと、そういう要求が実際問題としては強くなってきているという、ユーザー側の要求があるんだという話も出ています。それから仮に警備をするだけにしても、たとえば土木現場の自動車の交通整理とか、あるいはそういうたぐいのものは別にして、一般企業の建物の管理といいますか、警備という場合には、防犯だけではなしに、防火防災のやつもやってくれ、特に防犯よりも、泥棒が入ってくるという場合よりも、最近はもう放火が大分多くなっているわけですね。片っ方では無人化が進んでいる。そういう点では、逆に防火防災の面は特に落としてもらっては困る。それとプラス泥棒が入らぬようにという、言うなれば要求の度合いからいうと、防火防災関係の要求の方が期待が強いというのを私がずっと接触した数社の関係で聞いたんですが、そういう実態からすると、警察側の方で警備業法の改正の問題を五十四年の十二月から研究会を組織された、勉強を開始されたとすれば、当然この業界の実態についてもまず調査をされ、認識されるだろうし、そういう認識に立つならば、これは単に警察側だけの問題ではない。消防と協議をし、消防にも問題を提起し、消防でも早く研究してもらわないと、これは総合的な全般的な警備業法の見直しということにならないというのは当然落ちつく先ではないか。ところが、片一方は片一方でやる。片一方は片一方自主的に去年の九月からやっている。そして、こっちの方はまだ研究の結論が出ていませんので、今回の改正には間に合いませんでしたと、こうなっているんです。この辺が私は大変おかしいのじゃないのか。縦割り行政だからそうなのかしらぬけれども、われわれから見ると、常識から見て当然そこに行き当たらざるを得ないと思うんだけれども、この辺はどうなんですか。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) 警備業問題研究会は、先ほどお答え申し上げましたように、五十四年十二月から五十五年十一月まで六回にわたって開催されました。この際に、現行警備業法の持ついろんな問題点につきまして、民間有識者、それから警備の専業者ですね、それから先生お話しのありました兼業者、それからユーザーの方、こういった方にお集まりいただきまして、基本的な問題点について総点検をしたということでございます。その際に、この防災業務、防火業務をどうするかということは当然話題になったわけでございます。いろいろ検討は加えたわけでございますけれども、今回見送った一つの理由としまして、やっぱり現在の行政機構の問題、あるいはその規制内容をどうかみ合わせるかというようなことが指摘されまして、今後の問題として、当面は棚上げしたというんですか、になったということでございます。  ただ、先生も御指摘のとおり、やはりわれわれとしては警備業者あるいは警備員があわせてやっている、フィフティー・フィフティーかどのくらいかわかりませんけれども、やっていることは間違いございませんので、過去のことは過去のこととしまして、今後消防庁ともよく連絡をとりまして、研究をしてまいりたい、こう思っております。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 いまのお話ですと、行政機構の問題、かみ合わせの問題、そういう点で見送った形になっておりますね。しかし、そういう点が議論になっていることは事実だという点は後でまたなにしますが、もう一つお聞きしておきますが、警備会社の中で、いわゆる零細業者は別にして、百人以上といいますか、ぐらいの規模の警備会社の中で、労働組合の組織率はどのぐらいですか。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) 私ども、労働組合の組織率というんですか、把握しておりません。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 情報を完備している警察にしては何だけれども、言ってみればほとんどないんですよ。たとえば、五十三年の十一月に、北海道千歳空港の警備を担当している日本空港警備保障会社、そこで五十三年の十一月に約四十人ぐらいで労働組合が結成されました。しかし、直ちに五人の執行部が解雇されて、それで、解雇された者は札幌地裁に地位保全の仮処分の申請をして闘争に入ろうとしたんだけれども、みごと切り崩されて、そして形の上で和解で、二人は復職したけれどもすぐ退職で、結局、労働組合自身はもうなくなってしまう、こういう状況になっているんですよね。  普通われわれの考えからいくと、百人あるいは数千人の規模の会社もあるんだけれども、そういうところに一つも労働組合が組織もされないというのはきわめて不思議に思うんですが、警察の方は、やっぱり何ですか、警察官は労働組合組織することはできませんわな、だからおまえのところもしたらいかぬというような、特にそんな指導はやっているはずはないと思うんだけれども、どうですか。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) 警備業法に基づきます、都道府県公安委員会と申しますか、警察の指導の立場は、再三お答え申し上げておりますように、やはり警備業務の持つ性格あるいは社会的な役割りに着目して、最小限度の規制をかけておるということでございまして、そういう立場から指導をしておるということでございます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 いや、労働組合をつくったらいかぬというような指導はしてへんのやろなと言うて聞いているのやから、その答弁を、そうしてないならしてないとはっきりしてください。あんた、質問に答えなきゃだめだ。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) そういうことはいたしておりません。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 それで済む。  ところが実際には、警備会社の状況では、たとえば司令とか司令補とか、それから警備士とかいうように、実際の職場の実態を聞いてみますと、非常にそういう階級制というものが、相当規模の警備会社で、まあ、小型の三人、五人、十人という警備会社は別ですよ、警察での階級制みたいなそういうシステムというやつが非常に多く取り入れられていて、御承知のように幹部の中にも警察出身の方も比較的多いですわね。そういう点からいって私は、どうですかね、先ほどから長官再々言明をされておるけれども、やっぱり命令一下行くんだという式の警察の体制もあるし、消防も団結権がない、そういう状態が多分にあるんですけれども、そういう警備会社の性格、本質の中にそういうものが現実に現存しておる。こういう点からも、警察予備軍的色彩というもの、あるいはそういう方向に発展をする危険というもの、これを抱かざるを得ないんですが、長官の見解はいかがですか。

三井脩警察庁長官

○政府委員(三井脩君) そういう心配は全くないのではないかと私は考えております。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 私は、いままでいろいろ質問してみましたが、先ほど、なぜ消防に——業者やらいろいろな方々の意見を聞かれて、防火防災の問題が議論になる実際の実態にある、フィフティー・フィフティーかどうかは別にしてもある。強いということ。そういうことになれば、当然関係省庁である消防庁に、おまえのところどうするんだと協議をするというのがあたりまえのことなんだ。それをあえてしないし、逆に、法案の改正が具体化してくるというような段階で、あわてて消防庁の方で消防の問題も入れてもらわぬと困るんじゃないかというのは、これは下から、あちこち消防局話を聞くとやっぱり強いですよ、今度の業法の改正についてどうだという意見を聞くと。京都の消防署長連中や局長連中に聞きましてもね。だから、そういう話があって、恐らく去年の九月から消防庁自身も自主的に研究を始める、こうなさっているんだけれども、本来は、そういうことがわかったら、五十四年の暮れでやって、五十五年から五十六年にかけてのその段階で、消防庁あんたのところはどうなんやと、気がつかなかったら言うてやり、そして検討をする。そして、同じ法律の改正をするならば、そうした問題も含めて提案をすべきではないのか。ところがそれが、先ほども言いました行政機構の問題、あるいはたとえば特に先ほど鹿児島さんも言っているように、消防の防火管理体制との関係でどうかみ合わせるかというような問題があるとかどうとか、それは去年の話であって、もっと早くからやったら結論は出ておるわけですよ。だから、そういう点を考えますと、別の角度から見たら、「八〇年代の警察」の中に想定をされている将来の警察のあり方、その中における警備業の組み込みの関係、これらを考えてみますと、警察庁と消防庁がこの警備業法に両方がかむよりも警察庁が中心になる。また、その方が警察の一元的指導がやりやすいし、それが望ましかったんだ、だからそうなったんだ、もうそう言っても言い過ぎではないのが実際の経過の歴史ではないのかというように私は思うんですが、この点長官どうでしょうか。

三井脩警察庁長官

○政府委員(三井脩君) 防火防災の問題は、先ほどもお話しありましたように、私たちの理解で言いますと、たとえば消防法体系の中でどういう位置になるのかという、警備業だけ見れば、ちょっとくっつけりゃいいだろうというような簡単なものではないように私たちも理解をいたします。だから、そういう意味で警備業法を改正するという日程とは違った、もっとスパンの長い、深い研究を要する問題だろうと、こういうふうに思いますので、先ほどのように、警備業法が十年たっていろいろ迫られた問題があるというようなことで、こちらを改正をお願いすると、まあこういう立場でございます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 だから、そこがおかしいんですよ。長官おっしゃるように、単に消防に組み込むというような簡単な問題ではないと。だとすれば、五十四年から五十六年にかけて研究会を六回にわたって開かれて、防火防災の問題は重要な問題だということはわかっていると。だから、五十五年か五十六年、それがわかったのはいつか知りませんが、その時点で早く、もうそれは聞けばわかる問題です。また、実際に警備業を担当されている警察庁自身は、一々聞かなくても本来はわかっておられる問題。だから、そういう長い研究を必要とするものですから、早く消防庁に問題提起をすべきではなかったか。これはなさっていないということ自身がおかしい。それは縦割り行政でしようがありませんのや、それが行政機構でございますということでは済まぬ内容を持っているということを私は申し上げているんですがね。いかがですか、長官の答弁について。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) 現行法の制定時に当たりましては、やはり警備業者のいろんな業務のうち、特に警備業務というものが人的かかわり合いがあるというようなことでいろいろな弊害が起きた、それの最小限度の規制をかけようということで……

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 だから、昔のやつはよろしい。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) 決められたものでございます。そういう前提に立って現在まで来たわけでございます。防火の関係は、そういう面ではやや異質のものであったわけでございます。  それで、私自身の反省にもなるわけでございますが、この警備業法に言う警備業務の中には、もう防火業務というのは一切入らないんだということで、まあ重要な問題であるということを認識しつつ、かつ、業者の方からは再三にわたって加えてほしいという陳情を受けながらも、それは別の問題だ、もう相当期間をかけて検討しなきゃならぬということで、この際とりあえず棚上げしたような形で、それで最小限度、問題になっております欠格事由の整備だとか云々ということにつきまして、今回改正法案をまとめまして御審議をお願いしておるということでございます。  そこで、やはり重要な問題であることは間違いございませんので、いままでの経緯につきましてはあれでございますけれども、今後消防庁ともよく連携をとりながら検討してまいりたいと、こう思っております。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 まあ保安部長の方がみずからの反省としてお述べになりましたから、近い将来早く消防庁と連携をとってその点の改善をしたいということですから、これはひとつそういう期待をしておきます。  これは実際私はビルメンテナンスの方は、これは片方では清掃関係ですから厚生省の管轄になっていますわね。本来から言うたら関係省庁というのは三つになっちゃうんですよ。だから、そういう点も時間があればゆっくりなにしたいんですが、本来そういう問題も含めてこの業法の改正の問題はいろいろ検討しなきゃならぬ問題であるということだけは申し上げておきたいと思います。  その次の問題に移りますが、この法改正の重点の一つであります指導教育責任者講習の問題です。この内容については、一般警備と機械警備、大別して二つに分けられておるんですけれども、教育の問題というのは現行法でも一応の規定はあるわけですわね、教育せないかぬということはね。ところが、それは実効が上がっていなかった。その点は一つはやっぱり大多数が一般警備で機械警備ではない、大多数の業者はね。しかもそれは半分以上が十人以下の零細業者だという現実にも実効が上がらなかった一つの問題点があったんじゃないか。だから、そういう点を考えると、国家公安委員会の教育講習を行うその段階の問題ですが、これらの問題では、この規模の大小別といいますかね、それから同じ警備業者といいましても、建物の管理から何からやっている業者もあれば、土木現場の交通整理だけやっている人もおるし、いろいろな業種があります。だから、そういう業種の内容に応じても教育を行うということが必要なんではないのか。たとえば、自動車で一種、二種、三種とかいう免許がありますわね。だから、そういう実態に応じた教育にしないと、どれもこれも今度は三十時間ですよ、五十時間ですよということでやるということは、今度はある程度強制力持ちますから、逆にそのことが零細業者にとっては大きな負担になるんではないか。この点はいかがですか。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) 御趣旨そのとおりだと思います。  ただ、今回の指導教育責任者制度というのは、いままで各業者の責任において教育担当者を決めてそれをやっておったということにつきまして、営業所ごとにこういった講習を終えた者を選任しなさいと、こうなったわけです。そこで、とりあえずその講習でございますけれども、この規模の大小とかあるいは業種にかかわらず最低限の必要な知識というんですか、技能というのを教えることを大前提にしまして、若干そこで、その業種あるいはその規模の大小に応じた手当てを考えてまいりたいと、こう思っておるわけでございます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 いずれにしても、これは政令の内容ですからね。これからか、もうできているのか知らぬけれども、私はそういう点も含めておやりになるということが実態に合うんじゃないかという点、検討してもらいたいというように思うんです。  それから教育内容の問題ですがね。この場合、最低たとえば憲法、特に基本的人権に係る問題とか軽犯罪法に係る問題とか、あるいは現行犯逮捕権の問題などなどありますわね。同時にまた、いわゆる警察官のような権限を持っていない、そういうこととか、それから議論にもなっていました護身用用具の使用上の諸注意ですね。こういったものが最低必要になるというように思うんですが、大体基本的にはどういうものをお考えになっているんですか。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) 指導教育責任者に対する講習の中身の問題でございますか。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 はい。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) 現在考えておりますのは、大体先生御指摘のとおりでございますけれども、まずやっぱり警備員の資質の……

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 時間がないからできるだけ簡単にしてください。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) 資質の向上に関すること、それから必要な法令に関すること、あるいは事故発生時の措置等に関すること、護身用具の取り扱いに関すること等でございます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 その場合、いままではそれぞれの業者が教育をするということになっていましたから、相当規模のそれなりの会社らしくなっているところでは、教育について、警備員が教育を受ける場合の賃金の保障というのはなされていたわけです。今度は、零細業者というか、先ほど言いましたように、労働組合もないところですからね、だから、教育を受ける場合はほとんど賃金保障がないんです。それから業者の方も、それをやらないかぬということで、結局、実務教育ということで処理をするということで、今日までの現行法での教育の義務も実効が上がっていなかったという面があるんで、したがって、この辺ひとつ、私は実際にこの教育が、各都道府県公安委員会でやる講習後今度はそれぞれの企業でやる教育が実効あらしめるためには、賃金保障がなされないと、これはもうなかなかそこまでは持てませんと、こうなってくると実効が上がってこない。保障がなくなってくるという点が一つある。それから、アルバイトを採用をされる例が非常に多いわけですね。これは土木の現場やとかあるいは興行場の混雑の整理やとかいう場合ですと、これは何も事故がなければいいけれども、事故が起こったときには大変責任が問われる、また、人命にもかかわってくる問題が起こるわけですから、したがって、そういう人たちを含めてやっぱり教育をちゃんとしておかなきゃならぬだろう。そのためには、いま言いましたような最低いわゆる賃金保障を義務づける方向での指導というもの、これが重要になってくると思うんですけれども、この辺はどうお考えですか。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) 実は、その指導教育責任者制度につきましては、業界の方からやはり必要があるということで強く陳情というんですか、要望があった制度でございます。それだけに指導教育責任者に対する講習について、そういったそれなりの講習を受ける者に対する措置というんですか、講じられている措置、それからその指導教育責任者が中心になって行います社内教育の必要性というものを認めて、業者はそれなりの対応をしておられるだろう、こう思っておるわけでございますが、私どもの立場はありますけれども、業界団体ともよく連携をとりながら必要な対応をしてまいりたいと思っております。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 私はやっぱりそれがないと、いまのおっしゃるところは賃金保障が可能なところはそういう話になりますし、一般的に協会に入っている団体というのはまだ三分の一ぐらいですからね。そのほか地域的なやつが若干ありますが、そういう点が一つあるわけでしょう。だから、それは要望として申し上げておきます。  それからその次の問題は、労働運動、市民運動への介入、排除の問題です。これは衆議院でも質問になっているわけですけれども、その根拠はこの法八条に基づくのであろうと思うんです。そういう労働運動や市民運動への介入はやらせぬという趣旨の答弁をなさっているんですけれども、いままででも、現行法でも法八条はあるんですから、そういう点から言うたら、法八条ある限りはいままでもなかったはずなんだけれども、現実には労働運動やあるいは市民運動への介入の実例というのはあるんです。それに対して、これを担保する意味で今日までに行政処分なりあるいは刑事処分なりをされた実例というのがあるかどうか、あれば、ひとつお答えいただきたい。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) 業法が制定されて十年間でございますけれども、警察庁の方に報告があったものだけでございますけれども、労働争議に係るトラブルと申しますか、これが七件でございます。それから大型店舗建設反対等の住民運動と申しますか、それに絡むものが七件、それから学園紛争に絡むものが三件ということでございます。  これらの案件につきましていままでに四件行政処分を行っておりまして、うち一件が営業停止、残りは指示処分でございます。それ以外に傷害罪など、刑事事件絡みで七件立件しておるというような状況でございます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 この点は、現場の警察署の方にも、各都道府県警察にも厳重にやってもらわないと、法八条自身が有名無実になってしまう、意味がないわけですね。だから、その点ひとつ強く要望しておきたいと思います。  それから、これも本日も大分問題になっておったいわゆる欠格条項の三条の二号、四号の問題、それから七条関係の問題です。それで、特に三条二号の問題ですがね、仮に前科者であっても、更生しようとする意欲を持っている者、更生しようとして警備員に——なかなか今日失業者がふえている状況の中で、警備員という職を見つける、そうすると、前科者ということがわかって、警察の方でわかってきて、おまえはだめだと、こうなってくる、こういう問題が一つ起こってくるわけでしょう。だからこの辺との関係は、三条二号ですと、何というか、特例措置というやつが全然ないわけでしょう、もう十把一からげで五年間はあかんよと、こうなってくるので、その辺の問題が一つ。  もう時間がありませんから続けて聞きますが、それからもう一つは、仮に禁錮以上の刑に処せられたりあるいは罰金刑等でも、その犯罪内容によって違うわけでしょう。泥棒に入ったとか人を殺したと、それも犯意によってまたそれぞれ違うでしょうし、そういう点なんかを考えますと、この三条二号というのが全部一律にこうなっちゃう。私なんかでもそうですわね。公務執行妨害罪でやられたんです。それで十九年かかってやっと二審で無罪になって、もう確定しましたけれどもね。これ、有罪ということになったら、私は警備業もやれないし、警備員にもなれないわけです、五年間は。しかもそれは何も、実際には無罪になったように、そういう事実はなかったことなんですがね。しかしこれは十九年一審二審含めてがんばれたからなんですよ。幸い労働組合という組織がバックしているからそれが可能であったけれども、私個人ならばそんな長期の裁判にもう耐えられないだろうし、どうしたって、もうしようがないわと、こうなってくるでしょう。いいかげんな裁判にならざるを得ない。だから、本当に泥棒とか強盗とか殺人とかいう凶悪犯、あるいは同じ刑であっても、刑期一年なら一年にしたって、そういう意味ではいろいろ犯罪内容によって違うものがあるのではないのか、この点はどのようにお考えか、これが第二点です。  四号で、「集団的に、又は常習的に暴力的不法行為その他の罪に当たる」云々というやつは、この問題ではいろいろ、特に「行うおそれがあると認める」というやつですね、先ほどからいろいろ聞いていますと、暴力団やらすりの親分やらということで、御説明の内容を聞けばそれもごもっともな内容なんです。しかし、われわれの側から言うと、たとえばデモをやって、たまたま警官とトラブルを起こして、それで公務執行妨害罪になる。これは集団的で、あいつはいつもデモに出てきよる、それでよう警官に突っかかるくせがあると、こういうことでもうあかんと、こうなりかねぬものを持っているわけですがね。こういった点、これは四号の場合は「国家公安委員会規則で定める」「相当な理由」というように若干阻害できる条件がありますけれども二号の方はそれがない。いま四号のやつにはそういう私が言ったようなことは考えていないならいないということを明記しながら、二号の点は一体どうなのかという点をひとつはっきりしてほしいと思います。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) まず第一点の、前科者の社会復帰というのですか、更生を妨げるのではないかといった点でございますけれども、そういうことは毛頭考えていないわけでございます。もう再三御説明申し上げておりますように、やはり警備業務の持つ重要性というんですか、公共性にかんがみまして、必要最小限度の範囲で人的欠格事由を定めたというものでございます。  なお、これは警備員に関する人的欠格事由でございますので、警備業者の一般事務職員、こういったことに前科者を更生を期待するという意味でお使いになることについては何ら妨げるものではないということを御理解いただきたいと思います。  それから第二点でございますけれども、犯罪の態様というのはもっぱらいろいろあるじゃないかと、こういうことでございますけれども、実は、これは前段と後段がありまして、後段の方は、「この法律の規定に」云々ということで罰金刑ですけれども、これはやっぱり警備業法違反だと、こうなるということですが、問題は、禁錮以上の場合にいろんな法律違反の態様があるじゃないかということでございますけれども、その場合であっても、やはり禁錮以上の刑に処せられた前歴を有する者につきましては警備業者、警備員としてふさわしくないということは、刑法犯のというか、犯罪の種類、態様のいかんを問わず同じではないかということでございます。これはちなみに、先生御案内のとおり、他の立法例でもすべてこういう形になっているということでございます。  それから第三点でございますけれども、これは、四号はもう暴力団関係者を排除するための規定でございます。「おそれ」というのが問題になるかもしれませんけれども、これは暴力団員がこういった暴力的不法行為をするおそれのある、ここに着目してそして排除したいということでございます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 私が指摘したようなことは……。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) そういうことは考えておりません。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 時間の関係で、最後になると思うんですがね。  護身用具の問題、これも先ほど出ていたかと思いますが、なぜ公安委員会規則にゆだねるのかという点を、御答弁聞きながらちょっと疑問に思うんですね。いわゆる警戒棒を夜間のみに使用するということだけでございますと、こうおっしゃる。それならそれは法定すればいいじゃないか。持つ持たないは別の問題であって、持つことができるという表現もあるでしょうし、範囲としてはそれまでですと。仮にそれ以上の護身用具をお考えになってもそれは地域的な条件がある、あるいは昼間の場合ですと、まあ競輪場やとか競馬場ですかね、ああいうのは特別にあるようですけれども。そういうように特定をするというのは地域的条件があってそれは公安委員会規則にゆだねるという、そういうことがあってもいいけれども。だから、わざわざそうおっしゃりながら、しかも法文化せずにすべてを公安委員会規則にゆだねられておるということは、護身用具として、一般的には警戒棒を夜間のみとおっしゃっているんですが、それ以外のもの、あるいはそれ以上の護身用具というもの、これを想定されているのかどうか。将来はそういうこともあり得るということで規則にゆだねるということになっているのか。この辺はいかがですか。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) 現実に運用されているのは、先生御指摘のとおりで、警戒棒でしかも夜間など必要に応じてということでございまして、この関係については今後とも同じ方針をもって臨むことにしております。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 それ以上のことは想定していないと。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) そういうことは想定しておりません。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 終わります。

上條勝久自由民主党

○委員長(上條勝久君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後四時二十四分散会

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