地方行政委員会 第12号
- 発言数
- 390 件
- 登壇者
- 22 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1982/05/11
会議録
○委員長(上條勝久君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 昨日、玉置和郎君及び山田譲君が委員を辞任され、その補欠として増岡康治君及び村沢牧君が選任されました。 —————————————
○委員長(上條勝久君) 次に、地方交付税法等の一部を改正する法律案を議題といたします。 前回に引き続き質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○佐藤三吾君 きょうは、交付税のしんがりになったわけですが、六点ほど集中的に御質問を申し上げたいと思いますので、時間の関係もございますから、できるだけひとつ簡潔に、正確に御答弁をお願いしておきたいと思います。 まず、最近とみに目立ちますのは、増税なしの財政再建という言葉で、増税の方の身がわりとしてこの三月議会を見ますと自治体の料金——使用用、手数料、そういうものが矢継ぎ早に引き上げになっておるわけですね。この実態を見ると、非常に自治体間の格差が大きくなってきておる。そのことがまた減税が五十二年以来ストップとなったことと関連いたしまして、公的負担の増大となって庶民を圧迫しておるというのが実態じゃなかろうかと思うんです。 たとえば上水道料金を見ますと、十トン当たりが山梨県の都留市の場合は二百円、ところが兵庫県の家島の場合が三千二百五十円、約十五倍近い格差になっておる。それから下水道を見ますと、二十トン当たりが熊谷市で百四十円、それから豊橋で二千九百五十円。また保育料を見ますと、D7の階層で、東京都内の二十三区が七千八百円、ところが国の基準は三万八千八百五十円。それから国民健保を見ますと、一世帯当たり平均が和歌山の北山村で九千九百五十二円、ところが北海道の南幌というんですか、そこの町では十八万五千二百二十八円、こういう実態にございます。医療費を見ますと、一年間の平均が沖繩の与那国で一人年間が二万九千百三十六円、それから北海道の歌志内が三十万五千百九十七円。公営住宅を見ますと、月千円のところもあれば四万円のところもある。屎尿手数料を見ますと、ゼロのところもあれば一万一千五百二十円、月当たり九百六十円、これは浜松市でございますが、こういうように格差が非常に広がってきておる。 さらに第二臨調では、いまの論議の状況を見ますと、サービス等受益者負担の強化を強調しておる。こういうことになりますと、国民の公平の原則というのが損なわれてくるような感じがしてならぬわけでございます。何らかの対策を立てなきゃならぬ、たとえば税外負担基本法であるとか、こういった問題も考えてみる必要があるのじゃないか、こういう気がしてならぬのですが、大臣の所見というか、感想なり考え方があればひとつ伺いたいと思うんです。
○政府委員(土屋佳照君) 使用料、手数料の実態は、いまお示しになりましたように、物によっていろいろあるわけでございますが、基本的に使用料、手数料といったたぐいのものは、特定の行政サービスによって利益を受けます住民がその経費の全部または一部を負担するということが住民相互間の負担の公平を期するということになる、そういった観点から徴収されるものでございますから、私どもとしては、財政計画なり地方交付税の算定を通じまして主要な使用料、手数料収入の標準額を示しておるわけでございます。また、行政サービスのコストなどの動向に即応して、常にそれが適切なものになるように地方団体に見直しを指導しておるというような状況であるわけでございます。 もちろん、御承知のように、たとえば機関委任事務に係る手数料については法令で限度額が決められておるとか、高校の入学金とか授業料、幼稚園の入園料、保育料等につきましては、地方財政計画なり地方交付税の算定を通じて基準を決めております。保育所等についても国で基準を決めておるわけでございますけれども、現実問題といたしまして行政サービスは種類によってそれぞれの地方団体ごとに質なり量なりいろいろ千差万別でございます。また、その地域の特性によって非常にコストが高くつく場合もございますので、差異があることはやむを得ない。そしてまた、地方団体自体でどこまで受益者負担を求めるかといったような判断もそれぞれ異なっておるわけでございます。選択の幅があるわけでございますので、ある程度不統一になることはやむを得ないと私どもは考えておるわけでございます。 ただ、きわめて基本的な国民生活に関係のあるもの、そういったたぐいのものはできるだけ負担の公平を期するという意味では何らかの基準というもので統一される方が望ましいと思いますし、保育料などはまさにそうだと思うのでございますが、それでもなおいろいろと格差があるのは事実でございます。しかし、私どもとしては、いまの使用料、手数料の基本的な性格に照らして、できるだけそれが公平な負担になるように指導もいたしていきたいというふうに考えております。
○国務大臣(世耕政隆君) ただいま局長から答弁されましたように、私もやはり、生活の一番基本になるものに関してはできるだけ同じような水準のコストの方が望ましいとは考えますが、地域のいろんな事情がありますので、必ずしもそうはいかないと思います。ただ基本的には、われわれの考え方としてはその上に立っておると、こういうふうに御了解をいただきたいと思います。
○佐藤三吾君 私も画一にせよとか一本に統一せよとか言っておるわけじゃない。しかし、最近の傾向を見ますと余りにも格差が拡大をして、しかも第二臨調の議論を聞いてみると、これは受益者負担の原則とかというような格好で、それに同調するような雰囲気もあるわけで、私はやっぱりそこら辺は、この時期でございますから、いままでのあれにとらわれずに何か税外負担基本法的なこういったものを——後ほどまたやりますが、よく皆さんは指導指導ということで、余りやらぬでいいところの指導は非常に熱心なんだが、そこら辺のことをするぐらいなら、ここはやっぱり住民の皆さんが大変期待をしておるわけだし、交付税制度というのはそういう意味合いも含めてやられておるわけでしょうけれども、ここら辺はひとつ真剣に検討する時期に来ておるんじゃないか、そう思うんです。 そこで、保育料の場合を見ますと、交付税の措置というのは国庫負担の基本額を基礎にして十分の一、十分の一と、こういう措置になっておるわけですがね。しかし、何というんですか、保育料の全体像で見ますと、いわゆる徴収金ですね、これが大きなものになってきておるわけですね。そういう面から見ると、費用総額という観点から見直す必要があるんじゃないかという感じがしてならぬわけです。これは厚生省で保育所の措置費の実態をなかなか公表しないので、自治省の方はその資料がないのでそこら辺ができないという言い方もあるかと思いますよ。これ、厚生省もきょう来ていますから、また私聞きたいと思うんですが、なぜそこら辺が自治省の方に交付税算定のときに活用できるようなあれができないのか。大蔵に要求しておる実態を見ると、それぞれ保育所の措置費の実態というのを公表しておるわけですから、こういった点もまたお聞きしたいと思っておりますが、いずれにしてもここら辺の問題について、なぜそういう措置がとられておるのか、もっとやっぱり保育所の措置費全体に対する観点から考えてみる必要があるんじゃないか、そういうふうに思うんです。 私が調べてみますと、これは古い資料で恐縮なんですが、五十二年度の保育所の措置費の実態を見ると、費用総額は一般分として四千四百四十七億八千八百八十一万五千円になっておりますね。そのうち国庫負担基本額というのは二千八百三十三億六百六十三万五千円になっておる。それで、交付税はどこを基礎にしておるかというと、四千四百四十七億の方じゃなくて、二千八百三十三億の方を基礎にしてその十分の一、十分の一と、こういう算定方法をとっておるわけですね。千六百十四億という徴収金の方はこれは省かれておるわけです。そこに保育料全体が父兄負担という形で非常に無理な問題が起こってきておると私は思うんです。 たとえばある市の実態——これは名前言いませんが、あれを見ると、措置費における国の基準というものを見ると、いわゆる保母さんの員数の配置を見ると、園長が一人、主任保母が一人、保母が七人、その他職員二名、計十一人で措置費の基礎をはじき出しておるわけですが、実態を見ると、ここはそれだけではできませんで、園長一人、保母十三人、給食調理員三人、それから栄養士、看護婦、用務員各一を加えて二十人でやっておる、こういった実態にある。その上に、徴収金の基準額表を見てまいりますと、ここにもやっぱり無理が出てきておる。そういう点が交付税の措置では全然配慮されていない、こういうような問題についていかがですか。
○政府委員(土屋佳照君) 保育料は、御承知のように具体的には個々の市町村長によって自主的に定められておるものでございますが、いまもお話がございましたように、国は基準的な経費と徴収した保育料の額との差額の十分の八を負担するということになっておりますが、その保育料の額というのが厚生大臣の定める基準に満たないときはその基準額ということで、その基準額と基準的な経費との差額、それの十分の八を負担するということになりますので、勢い残りの十分の二というものについて措置をいたしました場合には、結果的に設置者である地方公共団体に負担が生じてくるということは例としてあることでございますし、そうなるような仕組みになっておるわけでございます。 私どもとしては、いろいろ話もございましたけれども、徴収基準は世帯の所得階層区分に従って定められておりまして、厚生省において毎年見直されておるわけでございまして、それが適正なものとして私どもとしては受け入れておるわけでございます。そういった徴収基準額によって算定いたしますので、各団体が実際に徴収しております額が少ないために財政負担を生じておるという場合がございましても、それは私どもとしては直ちに超過負担と言うことはできないと考えておるわけでございます。やはり国民生活の上で基本的なサービスとして徴収基準が定められております以上は、特段の事由のない限りその基準に基づいて徴収すべきであるという私どもとしては考えをとっておるわけでございまして、それに基づいて地方団体の財政負担に対する措置もしておるわけでございます。基本はいまおっしゃいましたような徴収基準の問題にあるわけでございますけれども、実際に担当しておられます厚生省において毎年見直しをしながらこれが適正であるということを示しておられますので、それを基準として私どもとしては考えざるを得ない、そういった立場にあるわけでございます。
○佐藤三吾君 厚生省。
○説明員(末次彬君) 徴収基準の点でございますが、保育料につきましては、例年保護者の負担能力を勘案いたしまして、基本的には保育内容の維持改善によります保育サービスの実態に即して保育料の算定を行ってきているところでございます。
○佐藤三吾君 この保育所措置費の実態表は自治省に渡していますか。
○説明員(末次彬君) ただいまお示しの資料は五十二年度の表かと存じますが、多分その表は自治省の方にお渡ししておると思っております。
○佐藤三吾君 私が自治省に事前に呼んで聞いたところでは、そういう徴収額の実態資料というのが厚生省から手に入らないので検討の余地もない、検討もできないと、こういうお話だったから聞いたわけですが、手に入っておるなら、やっぱり私はさっきの財政局長答弁は理解に苦しむと思うんですよ。こういった問題をどう検討するかということは、交付税算定の際にもやっぱり議論をしていかなきゃならない状態にいまあるんじゃないかと私は思うので、そういう意味で、いま問題提起しておるわけです。いかがですか。
○政府委員(土屋佳照君) 私どもといたしましては、交付税配分に当たりましてできるだけ適切な指標をもとにしてやろうということで、関係省庁とも常に相談をしてやっておるわけでございまして、私どもいろいろな面で、たとえば保育所の徴収金の基準額表とか、いろいろ必要なものはいただいておりますが、措置費の実態といったようなものは、私が聞いております限りではそんな詳細なものはもらっていないと聞いておるわけでございます。 ただ、今後のあり方として、そういった点についてはもう少し研究を進めるべきだという御意見でございますが、私どもとしては収集できるものはできるだけ収集いたしまして、適切な実態を反映するということに努力したいとは思っておりますので、今後もう一回よく厚生省ともそこらの話は詰めてみたいと思っております。
○佐藤三吾君 厚生省、そういう資料出しておるなら、五十五年度、五十六年度、五十七年度、ありましたら、ひとつこの委員会に出してください。
○説明員(末次彬君) ただいまの資料は、私どもの方で国庫補助を、補助金を計算する際に、保護者負担が幾らであるかということをもとにして計算いたしておりませんで、個々の階層率に応じまして総額を計算いたしまして、それに基づきまして国庫の所要額と地方負担の所要額を出しております。それからさらに逆算いたしまして費用総額ということを出しておりまして、いわば一つの試算でございまして、実態として地方自治体でどの程度費用総額がかかっているかということにつきましての資料は、私どもにも実はございません。お手元の資料は、国庫補助から逆算した場合の費用総額というものでございまして、そういう意味の数字でございましたら提出いたしたいと思います。
○佐藤三吾君 そこに私は問題がいろいろあると思うんです。これはきょうはこの問題で時間とりませんけれども、たとえばさっき私が申し上げたように、国の措置費の基準の、たとえば園児何人当たりの定員の配置の問題にしましても、A市の例を見るまでもなく、国の基準は十一名、一方は二十名、こういったずれが出てきておる。なぜずれが出るかと言えば、ゼロ歳保育の問題が、国の基準が非常に実態に合わないんですね。そういうところを自治体としては見逃すことができない、現実に子供さんを預かっておるわけですから。さらに看護婦さんも入れておかなきゃならぬし、給食調理員も入れなきゃならぬ、こういった問題が国の基準にはない。そういうところにも問題があるわけです。 さらにまた、保育単価の実態を見ますと、たとえば国の保育単価をまともにもろにそれを適用した五十七年度を見ると、所得税の所得割が三歳未満で二十七万以上、三歳以上で十八万以上の者が保育単価の基礎になっておって、それ以下の人は全部減額措置をとらなければ負担能力に応じ切れないという実態にある。そこにもやっぱり保育単価の決め方に無理があるのじゃないかと私は思うんです。 しかも、それで現実においては、実態上負担能力上問題があるとして、自治体では、これは超過負担と称するのか、さもなくば自治体の意思決定ということになるのか、いろいろ議論があると思いますが、しかし先ほど申し上げたように、二十三区では七千八百円というそういう月当たりの保育単価になっておりますし、それを国基準で直しますと、減額措置をとったものでも三万八千八百五十円と、こういう開きがある。ここら辺が、私はこのまま放置をすることができないような状況にあると思いますし、しかもこの所得割という基礎が、五十二年以来課税最低限が抑えられておるということ等考えますと、何らかの検討をしなければならぬのではないか。これは先般の委員会でもそこを強調したんですが、このことで厚生省に検討の余地があるのかどうか。そこら辺の、先般の回答と違う状況があるのならお聞きして、自治省においてもひとつこの際、厚生省とこの問題について検討を深めていただきたいということを要望しておきたいと思うんですが、いかがですか。
○説明員(末次彬君) 保育料の負担につきましては、保護者の負担能力把握方法といたしまして、費用負担の公平性あるいは市町村における事務の効率性、こういった観点から、所得税課税額を中心として検討の方式を決めているわけでございまして、この方式自体は、市町村の事務能力等から見まして、これによらざるを得ないというふうに考えております。ただ、その具体的な基準の設定につきましては、保護者の負担能力も十分勘案いたしまして、今後さらに適切なものとすることにつきまして、十分留意してまいりたいというふうに考えております。
○佐藤三吾君 自治省、何かありますか。
○政府委員(土屋佳照君) 保育に要します経費は実情に合うものでなければなりませんので、そういった実態に基づいて十分計数も把握をしながら、私どもとしては交付税上の算定をしなければならぬと思っておりますが、そういったものを把握いたしましても、結局徴収基準額というものが決められておるわけでございますから、これが適正なものでなければまた地方団体の負担にも影響するわけでございます。 私どもとしては、いま厚生省から話がございましたように、毎年改定をしながら適切なものにしておられるということを前提としてやっておるわけでございます。こういった点において、担当省において今後とも適正な数値を出していただきますならば、私どもとしてもそれに対応した措置を講ずるということになるわけでございますので、よろしくその点は関係省庁とも相談をいたしたいと存じます。
○佐藤三吾君 これはひとつ厚生省も、官庁間にどういう問題があるのか知りませんが、やっぱり地方にとっては重要な問題ですから、資料はひとつ自治省には正確に出してもらって、そうしてそこら辺のいわゆる保護者の負担能力等も勘案して、実態に合う体制を検討してもらいたいということを一つつけ加えておきます。 そこで、問題は変わりますが、都市交通の問題で若干大臣の見解を聞いておきたいと思うんです。 大都市公営交通問題研究会、これが四月三十日に自治大臣に一年間の討議結果を答申をしておりますね。私も読ましていただきましたが、いろいろ問題点もありますけれども、総じて公営交通に対する具体的な問題提起、前進的な問題提起をしておるように私は伺っておるわけですが、大臣はこれをどういうふうに受けとめておられるのか、まずそこをお聞きしたいと思います。
○国務大臣(世耕政隆君) これは、答申の内容は、大ざっぱに申し上げますと、公共交通機関の機能を十分に働かせる、つまり、優先通行とか交通機関相互の運輸調整の促進とか、それから経営基盤の強化とか、そういうことが中心になりまして御答申をいただいたわけでございます。 これに対して私どもの考えとしては、大都市など地方公共団体が実施すべきものについてはそれ相当に指導強化をこちら側としては図っていく。さらに、国による援助を必要とするものにつきましては、地方公共団体と違って大都市等の経営基盤の強化を国がしなければならない、援助をしなければならないといったものについては、提言の趣旨が行政に十分反映されるように関係行政機関の協力を求めながらいろいろやっていきたい。こういう、全面的にその趣旨を了解いたしまして、その上に立ってわれわれの方はいろんな事柄を推進していく、こういう所存でおります。 —————————————
○委員長(上條勝久君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、増岡康治君、江藤智君及び志苫裕君が委員を辞任され、その補欠として関口恵造君、藤井孝男君及び鈴木和美君が選任されました。 —————————————
○委員長(上條勝久君) 質疑を続けてください。
○佐藤三吾君 そこで、この問題は私は毎年取り上げてきておるわけですが、ちょっと具体的中身について見解を承っておきたいと思うんですが、地下鉄事業、これについて答申の意味を解しますと、膨大な投資を必要としておる、それで、これを利用者の運賃だけで回収することは非常に困難だ、そのために建設費の負担の軽減措置は不可欠であると、こういう文言がございますね。そういう意味でさらにこの拡充強化を答申しておると思うんです。 そこでこの地下鉄特例債、これは地下鉄の推進に大きな役割りを果たしてきておるわけですが、五十八年度以降についてこの問題の継続、拡充についてどういうふうに受けとめておるのか。さらにまた、答申の中身としては償還年限の延長の問題なり良質資金割合の改善なり、こういった点まで触れておるわけですけれども、これについて一体どういうふうな御理解なんでしょうか。
○政府委員(坂弘二君) ただいま地下鉄についての御質問でございますが、御質問ございましたように、あの報告書の中では、地下鉄事業につきまして最も大切なことは、その収支の改善、資金不足の緩和を図るための適切な財政措置をとることというようなことでございます。 そこで、ただいまお話のございましたその地下鉄特例債の制度でございますけれども、これは御案内のとおり、昭和四十六年度以前に発行されました地下鉄の既往債について、その支払い利子に係る費用の負担を軽減するために設けられたものでございまして、関係地下鉄事業につきましては資金繰りの面において、またその収支面で非常に効果があったと考えております。ただ、これはすでに十年を経ておりますので、現在の各都市における地下鉄の経営の現状から見て、現在の特例債の制度が必ずしも最適のものであるかどうかということについては疑問がないわけでもございません。したがいまして、地下鉄特例債制度の今後のあり方につきましては、この研究会の提言も踏まえまして、大都市における公共交通の主要な手段である地下鉄の助成のあり方について慎重に検討を加えまして、昭和五十八年度予算の概算要求に当たっては所要の財政措置を講ずるように努力してまいりたいと、かように考えております。また、借り入れ条件等につきましては、従来からその改善を図ってきているところでございまして、自治省といたしましても、今後ともこの点につきましても努力してまいりたいと考えております。
○佐藤三吾君 全体的な感じとしては、あなたの答弁では、前向きに対処するというふうに受け取ったんですが、十年一区切りだからここら辺で検討するという——どういうような検討方向を考えているんですか。いま言うように、答申が出る前の衆議院のあなたの答弁を見ると、大体いまと同じような答弁をしているような感じがするのですが、その際にあなたが言っていることは、実は大都市公営交通問題研究会がいま答申の作業に入っておるので、それを受けて、というのが入っておるわけですがね。これがいま出たわけだから、そしていろいろと問題を提言して、さっき私が言ったように軽減措置の不可欠な点を強調して、拡充強化をしなさいと、こう出しておる。しかも償還年限についても、良質資金の割合についても改善を加えたらどうかということまで触れておるわけですね。この問題について、これを受けた上に立って今後の問題の検討をどういうふうにやっているのか、そこをもう少し明確にしてくれませんか。
○政府委員(坂弘二君) まず、特例債が、この制度はもともと十年間ということで一応財政当局とも話し合ってできているものでございますので、十年たって五十七年度で一応の区切りがつくということは、すでにそういうことになっているわけでございます。 そこで、五十八年度以降からどうするかということにつきましてことにこの研究会でも検討いただいたわけでございますが、われわれが従前から考えておる地下鉄事業につきましては、長い目で見れば非常に有望な産業でございますから収支がとれると思いますけれども、短期的に見ますと非常に資金不足を生ずる傾向にある、そういうふうな前提に立ちましてこの特例債制度もあったわけでございますが、研究会の方もやはり同じような結論であったわけでございます。いま、報告書が出る前と後と同じようなことを言っているとおっしゃいましたが、それはわれわれと同じような考えの研究の結果でございますので、したがいまして、先ほど申し上げましたように十年前から行われています現在の制度と、その後、新規に地下鉄を始めたところとかいろいろ経営状況が変わったところもございますので、新しい事態を踏まえまして、これらの現在の地下鉄の経営を見まして、それに一番効率的な助成制度はどうしたらいいか、そういうような点で新たに見直していくということでございます。 それから、償還年限につきましては、もちろんこれは施設の耐用年数と一致するのが一番望ましいわけでございますけれども、御案内のとおり、政府資金とかいろいろ良質資金を入れます関係上、一般の横並びと申しますか、政府資金を無制限に回すというようないろいろな面もございますので、この点は今後ともできるだけ借り入れ条件なりそういうものを改善するように努力してまいりたいと考えているわけでございます。
○佐藤三吾君 だから、要約すれば、さらに強化拡充をして答申の趣旨に沿って前進をさせたいと、そういうふうに理解していいですね。 そこで、運輸省にお聞きしますが、同じ答申の中では、大規模な地下鉄改良工事補助についてその強化改善を強調しておるわけですがね。五十六年度からこれは実施されたものですが、そのときの運輸省の趣旨も、激増する大都市の交通需要に的確に対応するために必要であると、こういうことになっておるわけですが、これは引き続き強化していくと、実態に応じて措置をしていくと、こういうふうにお考えだと思うんですが、いかがですか。
○説明員(森谷進伍君) お答え申し上げます。 改良事業に対します助成費につきましては、いまお話しがございましたように、五十六年度から輸送力増強を目的として行います大規模な改良工事を新線建設に準ずるものという考え方のもとに新たに補助対象に加える、こういった改良工事以外の工事につきましては、その工事の態様なりあるいはその工事を行ったことによる資本費負担の増加の状況とか、あるいは輸送の必要性なり効果、こういった点を考えながら今後検討していかなければならないかと思いますけれども、現在のような状況では困難ではないかというふうに考えております。
○佐藤三吾君 ちょっと聞き取れないんだがね。
○説明員(森谷進伍君) 現状のような財政状況のもとでは、現在の改良工事をさらに大幅に拡充をするというようなことは困難ではないかというふうに考えておるわけでございます。
○委員長(上條勝久君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(上條勝久君) 速記を起こして。
○佐藤三吾君 ちょっと運輸省前に出てくれぬかな。いまあなたの言うのがよく聞き取れぬのですけれども、答申の趣旨には賛成できがたいという立場なのか、どうなんですか。答申の趣旨に沿ってやるということなのかどうなのか。そこのところをちょっと聞きたいんです。
○説明員(森谷進伍君) 今回の答申を拝見いたしますと、地下鉄改良工事について、「地下鉄利用の促進等に資する大規模な改良工事についても地下鉄建設費補助の対象とすることの必要性について検討すべきである。」というふうに指摘されておるわけでございまして、先ほど申し上げましたように、こういう趣旨で私どもとしても検討をいたしたいとは思っておるわけでございます。
○佐藤三吾君 ぜひひとつそういう意味で前向きにやってもらわぬと、それでなくとも外野席の方がうるさい時期なんですから、運輸省がそういう面からひとつ、さっき委員長が言ったように、確信を持ってやってもらわぬと困ると思うのでお聞きしたわけです。 そこで、公営地下鉄、高速鉄道の助成金が五十七年度減額されて、それに対応して企業債で二十八億ほど措置をして、元利全額国庫補助とするという措置がやられておりますが、これは五十八年度以降はどういうふうに考えておるのか。これは臨調答申のものと関連して不安材料が非常に予測されておるんですが、将来についての展望があったらひとつお聞かせいただきたいと思うんです。
○政府委員(坂弘二君) 五十七年度につきましては、この行革の一割カットということにつきまして一割近く削減されましたので、その点につきましては、ひとつ地方団体が困らないように必要があれば起債で認めるとか、また、五十八年度においてこの点は措置するというようなことでやっておるわけでございます。今後とも関係地方団体が実質的に影響を受けることのないように対処してまいります。
○佐藤三吾君 実質的な影響を受けないようにということは、さらに引き続き助成を強化していくと、こういうふうに受け取っていいですね。
○政府委員(坂弘二君) はい。
○佐藤三吾君 わかりました。 それから、一般交通事業債の枠が若干増額をされたのですが、企業債の申請に対して、許可条件が非常に厳し過ぎるのじゃないかという実態があるわけですね。一般的な指導ということならわかるけれども、個別的に合理化の強要と、こういった問題等が実態としてはやられておるのではないかというふうに私は話を聞いておるわけです。ここら辺はやっぱり事業の自主性というか、それには労使の協力というものが必要なことでございますから、そういった点を勘案して私はやっぱりもっと、一般論としてはわかりますが、個別にはそう自治権なり労使協力の観点を阻害すべきじゃないと、こういうような立場に立つわけでございますが、これは一体どういうふうにお考えなのか。
○政府委員(坂弘二君) 一般の交通事業に対する起債の許可の問題でございますが、申し上げるまでもございませんが、起債はやはり借金でございますので、この返還と申しますか返済と申しますか、この見込みが立たなければならぬわけでございます。 そこで公営企業につきましては、これは企業でございますので、原則としてその支出は経営に伴う収入をもって充てるという独立採算制の原則はこれは法律で決まっておるわけでございますので、これらを大前提といたしましてその起債の許可についても検討しているわけでございます。したがいまして、赤字経営が非常に長く続くと見込まれるような場合には、たとえば財政再建が計画どおりに実施されているかどうかとかあるいは所要の経営基盤の改善のための措置がなされているかというようなこともこれは当然検討しなきゃならぬと思って、そういう点で検討したわけでございまして、むやみやたらと厳しくしていると、そういうようなことではもちろんございません。
○佐藤三吾君 まあむやみやたらに厳しくしているというのじゃないということですがね。個々の場合に、非常にあなたの仕事熱心な点はわかるのです。わかるのだけれども、しかしやっぱりそれを申請をする場合には、現場では合理化が伴いますから、労使とかなり長い折衝の上で積み重ねた実績もあるでしょうし、それから自治体の方は自治体の方でのいろんな自主的な再建案というものを含めて出しておるわけですから、そこまでは一般論としてはだから私はわかりますが、個別の場合には、やっぱりそこら辺を尊重する立場を堅持をして許可をすると、こういったことを私はやっぱり踏まえてもらいたいということをいま言っておるわけで、あなたの答弁を聞くと、そこら辺が私の意に沿ったような答弁であるようでないような感じがするのですが、その点はひとつ今後弾力的な運営をしていくというか、こういうことでよろしいですね。
○政府委員(坂弘二君) 弾力的な運営と申しますのはなんでございますが、いずれにしましても、やはり起債の許可に当たっては、しかし、現実問題といたしまして、いままで最終的に起債が留保されたとか、そういうようなことはほぼないと思います。それはやはり話し合いの上で双方関係者納得する線で計画を立てます。
○佐藤三吾君 ぜひそういうことをひとつやっていただきたいと思うんです。 次に、再建地方都市バス事業車両更新費補助についてお聞きしますがね。これは十年間地方都市のバス事業に大きな役割りを果たしてきているわけです。今度の答申の中でも、走行環境なり運輸調整の問題等を含めて積極的に進めて、財政措置についてもさらに引き続き拡充というか、強化というか、そういう措置をとられたいという答申になっておるようです。これは四月十三日の衆議院の細谷質問の中では、大蔵省も、自治省が真剣に検討して出していただければ十分それに対応して措置をしたいということを言っておるようですね。この点について、自治省の見解を承っておきたいと思うのです。
○政府委員(坂弘二君) 再建団体の車両更新費の補助でございますが、これも毎年毎年予算要求して、そして五十七年度末までということで一応なっておるわけでございます。それで、いままでにすでに五千台近くの車両の更新について補助したのでございますが、同時に、五十七年度末におきまして再建団体の過半数が再建を終了することとなります。 ただ、この制度が一応財政当局との間でもこれまでということの区切りにはなっておるわけではございますが、今後この研究会の答申も踏まえまして、やはりこれについても公営バスの経営基盤の強化と申しますか、国が助成するなら、限られた現在のような国の財政状況でございますので、その限られた範囲の中で、どうすれば一番効果的にバス事業に対する助成が行われるかということにつきまして、現在やっております制度をそのまま存続するかどうかということも含めまして、そしてやはり新たな観点から最も効果的であろうと思われる方法について研究していくと、かように思う次第でございます。
○佐藤三吾君 そうしますと、いろいろあなたの十年一区切りの議論もございましたが、走行環境とかそれから運輸調整というんですか、こういう答申に盛られた意見等を踏まえて継続強化していきたいと、こういうふうに受け取っていいわけですね。
○政府委員(坂弘二君) まだちょっと先の話でございますので確定的なことを申し上げられませんのはなんでございますが、継続すべきかどうかということも含めまして、全体として検討をしていきたいと思います。
○佐藤三吾君 ひとつ、せっかくあなたがお待ちいただいておった答申が出て、そういう方向でやられているわけですから、私は、継続するかせぬかということではなくて、もっと前向きにこの問題をとらえていただくということが必要ではないか。大蔵省の方も、この問題については自治省が真剣に検討したものについては十分それに対応してまいりたいと、こう言っておるわけですから、そこら辺をひとつ再度念を押しておきたいと思うのですが、これは時間の関係もありますから答弁は要りませんが、その点ひとつ申し上げておきたいと思います。 それから、路面交通の問題等について、答申では交通環境の整備であるとか、公共交通の優先の立場から幾つかの問題提起を行っていますね。たとえばバス専用レーン、優先レーンの問題であるとか、バス優先信号機、駅前広場の優先使用、こういった問題が幾つか提起されておりますが、この問題について、やはり一番都市交通のネックになっておると思うのです。これは私、再三いままで取り上げてきた問題でありますけれども、そういった答申に基づいての強化について、これは運輸、自治、警察、関連すると思いますが、どういうふうに受けとめており対処しようとしているのか、お聞きしておきたいと思います。
○政府委員(久本禮一君) それでは、警察庁からまず申し上げます。 この答申に盛られております都市交通の交通環境の整備につきましては、十分その趣旨について了解できるものと考えておるわけでございます。 交通警察といたしましては、交通の安全とともに、現在のような都市交通の状態が交通警察として努力すべき大きな課題であるという基本的には認識でございまして、都市交通問題の解決はまた長期的に見て総体的な交通の安全につながるということでもございますので、単に事故防止ということじゃなく、特に都市における交通を計画的にやはり合理的に処理していくということをいろいろな機会に一線の交通警察には強力に指導しているところでございます。 具体的な仕事といたしましては、先生御指摘のようにバス優先の制度あるいはバスの利用効率についていろいろ交通規制等に絡めまして促進できるような施策が幾つかあるわけでございますが、こういう点につきましては交通警察の大きな重点施策の一つとして継続的に取り組みたいということでございます。いままでもそういう方針でやってきたところでございますが、これをさらに継続的に強力に進めるという点について変化はございません。
○説明員(寺嶋潔君) 都市におきます公共交通の優先通行権につきましては、私どもといたしましても、限られました都市の交通空間の有効利用という見地から、従来より積極的に推進しておるところでございまして、ただいま御答弁のありましたように、警察庁当局におかれましてもこの問題について従来より前向きに取り組んできていただいておるわけでございますが、このような関係省庁と御協力しながら今後もこの方向で推進をしていきたいというふうに思っております。
○佐藤三吾君 私は、これは警察庁になるんですか運輸省になるのかわかりませんが、道路関係法、道路にまつわるいろいろな法律、道交法とかいろいろございますね。これはやっぱりどっちかというと、安全面にポイントを置いた法律になっていますね。この答申で出しておるのは、どっちかといえば環境整備、交通環境整備ということを強調なさっておる。そこら辺から考えてみますと、都市交などがよく主張しておりましたように、もっとそういう環境面から、交通環境をどうすべきかという観点から道路関係法を見直してみる必要があるのじゃないか、見直す時期に来ておるのじゃないか、こういうような感じもしておるのですが、これらについては、これは運輸省か警察になるかわかりませんが、一体どういうふうにお考えになっておるのか、見解があればいただきたいと思います。
○政府委員(久本禮一君) 先生御指摘のとおり、確かに道路交通はお互いに全然顔を見知らない者同士がぶつかった場合に、その両方の関係がどうなるかということから出発をしております。どんな大きな交通でもやはり最後は、そういった小さな要素に区分できるわけでございますので、その意味では確かに両者の関係というものは安全にお互いの目的を達するようにということが基盤でございますが、それをマクロと申しますか、求めてでき上がったマスの交通関係というものはやはりそういうものの積み上げでございますし、したがいまして、こういった車がふえ交通量がふえたという状況のもとにおきましては、やはりそういう大きな交通がもとをただせば一つ一つの小さな交通であるということを踏まえながら、それで大きくなった交通の全体の流れをどうするかということに発展してくるであろうと思いますので、その体系といたしまして、特に現在の交通に合わないということではなかろうと私は考えております。 しかしながら、全体としての交通をどのように合理的に流し、結果的に安全で円滑にしていくかという点についても、いろいろその組み方、持っていき方の政策というものはおのずからこういう状況に応じて出てくるであろうと考えておりますので、ときどき申し上げておると思いますが、たとえば都市総合交通規制といったような考え方は、個々の交通処理というものだけでなくて、まとまった大きな交通の流れに対してどのように対応するかという着意で物を進めるということを強調し、かつ、具体的に進めていくということを申しておるものでございまして、そういう御指摘のような方向で現在交通警察は動いていると考えておりますので、もちろん細かな必要な点につきましてはそのつど改正をお願いするようにいたしますけれども、基本的にそれで非常に支障があるというふうには考えていないのでございます。
○佐藤三吾君 運輸省どうですか。
○説明員(寺嶋潔君) 運輸省といたしましても先ほど申し上げましたとおり、都市の最も有効な交通体系の形成という見地から公共交通に対する優先通行権の確保ということがきわめて重要であるという認識に立っておりますので、ただいま御説明ありましたとおり、今後とも警察庁当局と御協力しながら一層この政策を推進していきたいというふうに考えております。
○佐藤三吾君 趣旨はわかりましたが、私はやっぱり、都市交通を優先という原則を置いて、そして一番障害になっておるのは、ここに指摘されておるいろんな環境面がかなり力強く出されておりますが、こういったものはやっぱり見直していかない限り私は庶民の足は奪われてしまう、こういう危機感を持っておるわけですね。だからそこら辺は、いま御答弁いただきましたが、必要適切な措置という意味で、ぜひ検討を深めていただいて改善をしていただきたい、そういう点をひとつ要望しておきたいと思います。 そこで、五十七年度予算の補助金の実態を見ますと、一割削減が各省別に出されております。先般私、この委員会でも質問したわけですが、たとえば警察関係を見ますと、総額二十二億ですかの中で十八億が、国民の交通災害を守る交通安全施設がばっさり落とされておる。こういうふうに落としてはならぬところが落とされて、そうしてここを落としてもらいたいという国民の要望のところがそこは残っておる。一割削減の意味をしさいに各省別に調べてみると、そういう点がかなり出てくる感じがしてならぬのですよ。私はそういう意味で、たとえば都市基幹バス路線整備費ですか、これが運輸省関係で——これは自治省ですか運輸省ですか、ばっさり落ちておりますね。それから、過疎地域にとっては死活にかかわる、いわゆる第三種の生活路線ですか、この路線の運行費が減額になる。これは自治省ですかね。——運輸省か、運輸省が一番悪いじゃないの。こういうことは私はやるべきじゃない。いま過疎の皆さんから見ても、これは率直に言って四苦八苦しておる、一番苦しんでおるところですね。そういったところがばっさりやられてしまうということは私は正しくないと思うので、少なくとも五十八年度以降についてはここら辺の問題は、再びこういうことのないように、むだな分は削っても結構だと思うんですが、こういう必要不可欠な補助については確保していく、こういう姿勢をひとつ堅持してもらいたいと思うんですが、運輸省いかがですか。
○説明員(寺嶋潔君) ただいま御指摘のありました都市基幹バス及び過疎バスの三種路線に対する補助でございますが、都市基幹バスにつきましては、五十六年度予算で名古屋市におきますモデル事業につきまして一億三千八百万円の補助を計上したわけでございます。これはモデル事業ということでございますので、五十六年度中に実施をしまして、三月末、つい先般運行開始を見たところでございますが、その成果を五十七年度におきましては十分分析をいたしまして、さらに今後の都市基幹バスの整備につなげていきたいというふうに考えておるわけでございまして、五十七年度につきましては調査費を確保しておるところでございます。先ほど申し上げましたように、三月末から走り出しました名古屋市の基幹バスは幸いにして順調に成果を上げておるようでございますので、その成果を分析しまして、いかなる効果があったかということをまとめました上で、さらに将来の整備の促進につなげていきたいというふうに考えておるわけでございます。 それから、第三種生活路線でございますが、これは金額的には決してばっさり切ったというようなことではございませんで、地方バス路線維持費の補助金につきましては、五十七年度政府予算案におきまして四・八%増、九十四億円を計上しております。その中で三種路線の分もほぼ前年並みに確保しておるわけでございます。 問題は、五十五年度以降路線ごとに三年間を限って補助するという従来の制度におきましては条件がついておりますので、この点をどうするかというのが五十八年度以降の問題でございますけれども、少なくとも五十七年度予算までに関する限り、金額的にも十分な額を確保しておりまして、実行上も申請があったところは必ず補助しております。いまのところそういうことで、制度上適合する路線については必ず補助をしております。
○佐藤三吾君 そこで三年間だが、五十八年度以降はどうするんですか。
○説明員(寺嶋潔君) 現行制度におきましては、三年の間に他のより効率的な輸送手段への転換を考える。最も望ましい方法といたしましては、その間に乗客のさらに誘致増進に努めまして、乗車密度を上げましてこれを二種路線に格上げする。こういたしますと、三年の期限というものがございませんので、永続的に補助が出るわけでございます。それから、どうしてもそれがうまくいかない場合に廃止路線代替バスに対する補助という制度がございまして、これは主として市町村が従来のバス事業者にかわってバス路線を経営する場合に、国、県がそれぞれ市町村に対して補助をしようという制度でございまして、決して、その三種路線で切れた後も切りっ放しということではなくて、国としてはそれに対する受け皿に対して補助をする用意がございます。
○佐藤三吾君 補助を継続するというわけですね。私は、国鉄のローカル線はばっさり、さらに今度はバスもばっさりになったらこれは大変な問題になると思うので、そこら辺はひとつ強く、予算で五十八年度以降も補助体制を支えていく、こういった態度をひとつ堅持してもらいたいということを強く要請しておきたいと思うんです。 そこで、時間の関係もございますから大臣にお伺いしたいと思うんですが、交通関係の場合を見ますと、なぜか非常に予算補助が多いですよ、都市交通関係を見ると。その点が臨調の答申とあわせて非常にねらわれやすい環境にある、こういうことが言えるんじゃないかと私は思うんですが、これは住民の足なり、これまで長年の都市交通の実績等に対する住民の期待、地域振興、こういう観点から見るといずれも欠くべからざる内容であろうと私は思うし、そういう趣旨の答申がなされておると私は思うんです。これに対して大臣として、今後、五十八年度予算を含めて、どう決意を持っておられるのか、お聞きして、この問題については終わりたいと思うんですがいかがですか。
○国務大臣(世耕政隆君) 御指摘の足の問題、これは国民の生活の一番基本になるものでございますから、重視していかなければならないと思います。そこで、もちろん一方では経営の合理化は図りながら、いずれにせよこれは資金不足の多い部門でございますから、その緩和を図るための適切な財政措置を今後とも続けてまいりたい。それから、企業債の償還年限の延長とか、政府資金の中での良質資金の確保とか、そういう面で今後とも配慮を続けてまいりたいと存じております。
○佐藤三吾君 ありがとうございました。警察、運輸、厚生は結構です。 次に、学校給食の問題に入りたいと思いますが、二十三日の決算委員会で私が要求しました、兵庫県の姫路市の三校の給食民間委託の問題について、職安法四十四条違反であるという観点で調査をお願いしておったのですが、その結果を、中間で結構でございますから、文部、労働両省からひとつお願いいたします。
○説明員(若林之矩君) 姫路市の教育委員会におきます学校給食の民間委託につきましては、先生より御指摘をいただきました直後、その実情を把握いたしますために、兵庫県に対しまして実態調査を行うように指示をいたしております。兵庫県を通じまして、学校給食の委託先の業者、姫路市の教育委員会等から事情聴取を行っているところでございますが、なお調査をすべき点が残っております。これらの調査を終えましたところで近く取りまとめをしたいというふうに考えております。
○説明員(奥田與志清君) 姫路市の問題につきましては、県の教育委員会を通じまして現在事情把握に努めているところでございます。すでに口頭で説明を受けているところでございますけれども、さらに細部につきまして文書等で報告を求めているところでございます。
○佐藤三吾君 労働省、ここの委託を見ますと、八名の欠員補充を要求中に、新学期が始まった四月十日に突然委託をした。もちろん労使の協議もない。調べてみますと議会の承認も求めていない。そういうかっこうでやってきておるようです。私が委託の内容を調べてみますと、職安法四十四条、それから同施行規則四条一項各号が適していない、全部。こういった面が明らかになっておるわけですが、これは、もしそういうことであるとするとという前提でも結構だと思うんですが、どういうような措置をとろうとするのか。また、いま調査の中間結果はいただきましたが、まだ集約されてないようですが、いつこの問題について掌握した上で指導に当たるのか。いかがですか。
○説明員(若林之矩君) 職業安定法四十四条に該当するかどうかということにつきましては、ただいま先生御指摘になりましたように、職業安定法施行規則の第四条に四つの要件がございます。仮にその形式が請負契約の形式でございましても、この四つの条件をすべて満たさなきゃならないということになっているわけでございまして、私ども、その事実関係が明らかになりましたところで、一つ一つの要件につきましての当てはめを行うことにいたしておるわけでございます。 したがいまして、現在時点では事実が確定をいたしておりませんので、これについての判断は控えさせていただきたいと存じますけれども、いずれにいたしましても、できるだけ早く結果を取りまとめたいというふうに考えています。
○佐藤三吾君 文部省もさっき御返事いただきましたが、あなたのところ主管省でしょう。こういう職安法に明らかに違反するような事例が起こっておるわけですが、また、後で言うもう一つ起こっておるのですが、こういった問題についてどういう指導を、道をとられておるのか。また、今後この問題についてとろうとするのか。その点をお伺いしたいと思うのです。
○説明員(奥田與志清君) 学校給食は、先生御存じのように、それぞれの設置者の責任におきまして実施するわけでございますけれども、もちろん適法に、かつ能率的にやっていただくという原則でこれまでも指導してまいっております。 ただいまお話しございましたように職安法等の問題がございますので、これは所管しておられます労働省等の御意見を伺いまして、必要がございましたら指導してまいりたいというふうに考えております。
○佐藤三吾君 ぜひひとつそういう対応を急いでいただきたい。 そこでもう一つ、いまお配りしました問題もそれと関連するのですが、福岡の学校給食公社というのがございます。実態を調べてみますと、ここが福岡市の給食センターの下請になっておるわけですね、法人ですが。それが四月十三日、十五日に春闘の中でストライキをやった。一時間ストなんですが。ところが今度はそれに対して公社の方はロックアウトをやった。これは地労委があっせんに入って四月二十四日に、ロックアウトは遺憾であったということで公社側が認めて、そして今後団体交渉に誠意を持って応ずるということになって、いま交渉が継続されておるわけですが、その実態を見ますと、ここも職安法四十四条、同施行規則四条一項の各号にみごとにまたこれ違反しておる。こういう問題がこう続きますと、私はここら辺の設置者の指導が文部省の中に抜けておったんじゃないかというような感じがしてならぬのですよ。こう次々に事態が起こっておるということは偶然ではないというような感じがしてならぬわけです。その点はいかがなのかということが一つ。 それから、いまお配りしました内容は、この公社の百四十六名の従業員の公務災害の実態なんです。お手元に差し上げてあるのを見ればわかりますように、五十五年度の——もちろんその前五十四年、五十三年もあるでしょうが、五十五年の実態を見ても、四月に八件、五月に八件、六月に六件。毎月六件から七件、八件という公務災害を起こしている。百四十六名の従業員の中で。ないのはいつかと見ると夏休みの八月だけがない。これはないはずだ。それ以外は全部公務災害が続けて起こっておる。これはまさに私は異常だと思う。五十六年度は十一月までで三十八件、五十五年度が四十八件、こういう実態が放置されておる。これは私は文部省にも重大な責任があると思うのですが、同時に労働安全衛生をつかさどっておる労働省は、一体こういう事態をどうとらえておるのか。私はこの実態を見て驚いておるわけですが、お考えがあればひとつお聞きしたいと思うのです。
○説明員(菊地好司君) ただいまの資料をいただいて拝見したわけでございますが、大変恐縮ですけれども、このように労働本省においては把握できておりませんので、重要な参考資料とさしていただきたいと思います。
○佐藤三吾君 文部省どうですか。
○説明員(奥田與志清君) 私どもも、福岡市の問題につきまして詳しいことは承知いたしておりませんけれども、福岡市におきましては、中学校の学校給食につきまして昭和四十八年度から学校給食公社というものを設置して運営しているということと、それから最近、先ほど先生もお話しございましたけれども、労働問題等がございまして地労委のあっせんを受け、それに基づいて労使で自主的な話し合いを始めようというふうな動きがあるということを承知しておりまして、私どもとしましては、その話し合いの結果学校給食が円滑に行われるということを期待しているわけでございます。
○佐藤三吾君 労働省、さっきあんた、それを初めて見て、本省ではわからなかったということだが、それを見て、ああこれは普通程度の公務災害だと思いますか。労働安全衛生法に言うところの安全委員会設置義務指定の職場と対比してみてどういう感想なんですか。それがあたりまえなんですか、日本国における公務災害の実態として。どうなんですか。
○説明員(菊地好司君) かなり発生率が高いというふうな印象を受けております。
○佐藤三吾君 だったらどうするんですか。
○説明員(菊地好司君) 実態を直ちに調べまして、所要の対応をとりたいと、かように思います。
○佐藤三吾君 私は労働省にかねがねこの質問を申し上げましたが、御存じのとおりに、自治体の現場に対しては、おたくは労働基準監督の監督業務を首長に委託していますね。そういうこともあるのかもしれませんよ。それとも同じ官庁間のなれ合いというようなこともあるかもしれません。しかし、監督署が労働安全衛生で、もしくは労働基準法違反ということで、民間に対処するのといわゆる公共施設に対して対処するのは、非常に私はもう格差があり過ぎると思うんですよ。いわゆる公共団体の場合には法律を守るところだから法律に違反することはないだろうという前提に立っておるのかどうか知りませんよ。しかしこういう実態は——これは下請けになっておるわけですね、公社というのは。こういうところでこういう事例がどんどん起こっておる。また姫路の場合は私はまだ調べておりませんが、恐らく民間委託をしておるところではこういう事例がたくさん出ておるのではないかと思うんです。そういうところには当然やっぱり立入調査をするとか、公務災害状況を調べてみて検査をするとか、勧告するとか、措置するとか、これがあってしかるべきじゃないですか。いかがですか。
○説明員(菊地好司君) 学校給食現場につきましては、昭和四十八年に学校給食事業における安全衛生管理要綱を定めまして、その周知徹底を図ることを中心にして災害防止に万全を期しているわけでございますが、本日いただいた資料を十分踏まえまして、また、御指摘の趣旨を踏まえまして所要の対応をとらしていただきたい、かように思います。
○佐藤三吾君 しかもここは安全委員会もない。安全衛生関係をずっと私、点検していますがほとんどない。百四十六名の事業所でないということ自体が異常でしょう。だから、こういった点はもっとやっぱり厳しく対処していただきたい。もし人命にかかわることになってくれば大変なことになるわけですからね。そういった点をひとつ強く求めておきたいと思うんです。 同時にまた、文部省も所管省なんだから、こういった問題が次々に挙がってくるということは、私は労働安全衛生面における指導というのが不徹底な面があるんじゃないかという気がしてならぬのです。そこら辺については今後どうするのか、きちっとしてください。
○説明員(奥田與志清君) 学校給食におきます安全衛生の問題につきましては、先ほど労働省からもお話しございましたように、私どもも要綱に基づきまして指導をしてきているところでございますが、この問題につきましての実態把握をしたいということで、昨年、労働省とも連携をとりながら、現在その調査票の集計等を鋭意急いでいるところでございますけれども、この結果を見まして必要な指導を加えてまいりたいというふうに考えております。
○佐藤三吾君 早急にひとつやっていただきたいということをつけ加えておきたいと思います。文部省は結構です。 次に、消防の問題でお伺いしたいと思いますが、四月の二十二日に都内の足立区消防で徳留弘明さんが高所人命救助の訓練中に高度七メートルから落ちまして、重傷を受けて、いま入院しておりますね。安全マットに落ちて重傷しているわけです。安全マットというのは、これは殺人マットじゃないかと思うんだけれども、この点について一体どういうふうにお考えなのか。何のために安全マットを敷くのか。その上に落ちて重傷を受けておる。この点が一つ。 それから、五十五年度、五十六年度に、こういった消防職員の事故による実態というのがどうなっているのか。その中の訓練中の事故はどの程度出ておるのかまず明らかにしていただきたい。
○政府委員(石見隆三君) 消防職員の、訓練時あるいはまた出動時におきます災害の防止につきましては、従来から私ども各消防機関に対しましていろいろと指導をしてまいっておるわけでございますが、いまお示しにございましたマットにつきましても、もとよりこれは訓練時におきまして、当然訓練でございますから十分な安全管理体制を整えながらやるわけではありますけれども、やはりそのような転落事故ということが起こりました場合に被害を最小限度に食いとめますためにマットを、一定の規格、基準に合ったものを一定の場所に設置をして訓練を行うということも指導しておるところでございます。 いまお話にございました五十五年、六年中の事故でありますが、五十六年中の資料は現在精査中でございまして、まだまとめてはおりませんが、五十五年で例を申し上げますと、訓練中に死亡をいたしましたものはゼロでありますが、負傷者が六百六十二名ということに相なっております。
○佐藤三吾君 徳留さんの件はどうなんですか。
○政府委員(石見隆三君) 恐縮でございますが、御質問の趣旨がちょっと理解いたしかねます。
○佐藤三吾君 足立区の消防の徳留さんが安全マットの上に落ちて大けがをしている、こういうことなんですが、これは一体安全マットなのかどうなのかということです。
○政府委員(石見隆三君) 恐縮でございますが、まだ報告を受けておりませんので、後刻調査をいたしまして御連絡申し上げたいと思います。
○佐藤三吾君 問題は、私がいま言うように、安全マットに落ちて大けがをしたということが一体どうなのか、ここら辺はひとつ、きょうは技官は来ていないのかしりませんけれども、これは検討をし直さなければいかぬのじゃないかという感じがしてならぬわけです。この点はひとつ調査の中でぜひ明確にしていただきたいということをお願いしておきます。 そこで、これはいまに始まったことじゃなくて、この訓練というのは、五十五年度は六百六十二名が出ておりますが、先般宮崎で裁判がございました松山さんの件もそうですし、それから四日市、松阪、熊本、佐賀ですか、こういった事故も同じようなんですが、それは訓練ということではなくて、訓練という言葉で皆さんに誤解があるといけませんが、レンジャーの大会が毎年一回ある。これは笹川良一さんが主催しておるわけだね。この大会に出るために特別訓練をやるわけです、選抜されて。その中での事故が非常に多いんです、高所訓練。これは私は前々から、五十三年からずっと言っておるわけですが、これが業務の実態に見合った訓練なのか、単なる競技なのか、そこら辺について消防職員の皆さんの意見聞くと、まさに大会専用の訓練で、業務の実態とはかけ離れている部分がたくさんあると言っている。もし業務上必要な訓練なら私どもはやらなきゃならぬと思う、しかしこれがほとんど何秒を争ってやるということで、しかも高所でタイムを追ってやっていくものだから全部事故につながっちゃう。こういう事例が起こっておるというのが一つ。 それから、種目は全国一律でやられておる。それぞれの地域には実態があります。こういう東京のように高層住宅もあれば、田舎の消防なんというのは、高層住宅もありゃせぬです、率直に言って。そういったところもある。こういった面が無視されてやられておる。しかも大会運営費が民間資金に全面的に依存しておる。こういった意味で非常に職員の中からも疑問が出されておって、こういう事故の起こったところでは、もうこれに参加すまいじゃないか、こういう動きさえ出ておるわけです。私は業務上必要な訓練ということは否定しません。それならば、堂々と消防庁が主催して、そうしてその地域に見合った業務上の訓練というものは、これはやらなきゃならぬと思いますよ。それでなくても火災現場で事故が起こったりいろいろしているわけですから、これは日常訓練が大事だと思います。しかし、笹川良一さんのレンジャー大会という、特別訓練と称するこのあり方について、私は多くの疑問を持っておる。やっぱり業務上の訓練なら公費負担で、もっときちっとすべきだと思う。そこら辺の問題をどういうふうに理解しておるのか。 これは私がずっと毎年毎年取り上げている問題ですから、ひとつここら辺で見解をきちっとしていただきたい。そうして、もしそういうことについて不参加とか、こういうことについては一体どういうふうな措置を考えておるのか、そこら辺もあわせてお聞きしておきたいと思います。
○政府委員(石見隆三君) 申し上げるまでもなく、消防職員は国民の方々の生命財産の保護、あるいはまた地域の安全の確保のために絶えず訓練を重ねてまいらなきゃならないことは事実でございます。そういう意味におきまして、消防職員は絶えず訓練をいたしておるわけでありますが、その訓練とあわせまして、ただいま御指摘にございましたような大会というものを設けまして、日ごろの訓練の成果をお互い競い合う、それによってまた技術の練磨、向上を図っていこうという趣旨でこのような大会が年に一回行われておるわけであります。 私どもといたしましては、いま御指摘にございましたように、競技のための競技になりましては本来の趣旨を逸脱と申しますか、外れることになるということはもう御指摘のとおりでございます。この競技が日ごろの訓練の成果を生かし、そしてそれがまた実戦に使えるものでなきゃならないということはお示しのとおりだと思うわけであります。 そこで、私どもといたしましては、全国消防協会の方にもお話しをいたしまして、昭和五十四年におきましてはこの実施要領を全面的に見直しまして、いままでのようないわば競技のための競技に陥らないように、すなわち、実戦に即した競技が行われますように、いま申しましたような実施要項を全面改正をいたしまして、あわせて危険の防止につきましても指導をしてまいりました。現在ではそのような改正要項のもとで訓練をいたしておるところでございます。 私どもといたしましては、いま申しましたように、訓練自身につきまして、実施要項を相当大幅な改正をお願いをして、いわば一秒を争うようなやり方というものの是正をいたしたわけでございますが、今後、訓練時あるいはまた出動時を通じまして、災害防止のために現在私の方の中に研究会を設けまして、出動時あるいは訓練時を通じての危険の防止のためにいろいろ専門家の手によって研究をいたしてもらっております。この研究成果をまちまして改めてまた地方団体にそれぞれ個別の指導を申し上げたいというふうに存じておるわけであります。 なお、この訓練に参加をしないかどうか。これは、もとよりそのような全国消防協会という、民間団体と申しますか、いわば全国の消防機関の組織がやっておられることでありますから、特段強制力があるというものではないとは存じますが、全国的な技術の向上等を図るという意味で、やはりいま申しましたような安全管理については万全を期しながら参加をされることがいいのではないだろうかというふうに考えておる次第でございます。
○佐藤三吾君 あなたのおっしゃるような趣旨なら私はこうやかましく言わない。しかし、これは大体、各消防長がこの問題の訓示をやっておるのを聞いてみますと、大体同じですが、佐賀県の神埼消防の消防長の訓示は、こういう訓示を言っておるわけです。「レンジャー大会は県主催であり県の防災訓練に次ぐ第二の大行事である」と。したがって次長も、「神埼消防署の名にかけても優勝することを命令する。」と、こう言っておるんです。これがこのレンジャー大会に対する各消防長の一般的感覚です。ですから、通常業務に支障があっても結構、選抜された者は特訓、こういうかっこうでやっておるわけです、実態は。その結果事故が次々起こりよるわけだ。だから、あなたが言うたてまえと全然違った実態になっておる。この点について私はやっぱりきちっとすべきだと思うんです。 業務上必要な訓練というものは、何遍も言いますが、私は必要だと思いますよ。それは、その地域の実態いろいろあるでしょう、それに基づいてやるべきだと思います。しかし、あなたが言うように日常訓練の成果としてということにはなっていないんだ、これは。こういう実態にあることですから、何でそんなに笹川良一さんに義理を果たさなきゃいかぬのか、私はわからない。何か消防庁と因縁があるのかどうなのかですね。そこら辺はひとつきちっとしてもらうときに来ておるんじゃないかと思うんですが、いかがですか。
○政府委員(石見隆三君) この大会におきまして、消防職員あるいは消防機関が日ごろの訓練の成果をお互い競い合うということになりますと、やはり順位というものがつけられるということに相なりますと、ただいま御指摘ございましたように、どうしても若干ハッスルと申しますか、行き過ぎが起こるということもあるいは絶無とは私ども考えておりません。しかし、ただいま申し上げましたように、やはりこれはしょせんは、日ごろの訓練の成果を競い、そして今後の実戦に生かすためのものでございますので、いまお話にございましたような行き過ぎというものが今後ございませんように、重ねて各消防機関に強く指導し、お願いをしてまいりたいというふうに考えておるところでございます。 —————————————
○委員長(上條勝久君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、村沢牧君及び和泉照雄君が委員を辞任され、その補欠として山田譲君及び塩出啓典君が選任されました。 —————————————
○佐藤三吾君 それでは、長官、この問題については、いまのあなたの趣旨を生かして直ちに、特別訓練というような措置をとるべきじゃない、日常ふだんの訓練の成果を競う場だということをきちっとしてもらって、こういう行き過ぎのないようにきちんとした指導をあなたがひとつやっていただくということについては約束できますね。 同時に、私はやっぱり基本的にこの問題に疑義がございますから、この問題に対する、レンジャー大会というこのあり方については私はこの際ひとつ検討を加えてもらいたい。そして、公務に必要な訓練というものは公費でもってきちっとやる、こういうルールをひとつ確立してもらいたい。この点はいかがですか。
○政府委員(石見隆三君) この大会に出ますための訓練につきまして、御指摘のございましたように、行き過ぎのないように今後とも十分指導してまいりたいというふうに存じます。
○佐藤三吾君 次に、四月十日に発行された「消防庁職員人事教養一問一答」というものについて、私、まだ概略見せてもらった程度ですが、その百九十二ページで、「地公法によって禁止される行為」という、問いに対する答えが出されていますね。この中身を見ますと、本条の関知しない研究会、互助会といえども、形はどうあれ勤務条件で交渉を申し入れをする団体とかを見きわめた上でこれには脱会を命令して、そして懲戒処分の対象として十分な監視をさらにさすというような文言が書いてあるんですが、これは何を意味しておるんですか。消防協という団体を目的にしておるのか。それからまた、会費で、たとえ構成員でなくとも、実態が構成員の会費に近いものと思われれば問題があると、こういう書き方もしておる。なかなか治安維持法的な発想がここにのぞいておるような感じがしてならぬのですが、これは一体どういうところに目的を持って書かれておるのか。消防協に対して目標を定めておるのか。そこら辺は、私はたしか二年ぐらい前だったと思うんですが、この場で地公法との関連でただしたときに、いや消防協については問題のある組織と思っておりませんと、こういう回答をいただいた経緯があるんですが、それが変わったのかどうなのか。見解を承っておきたいと思うんです。
○政府委員(石見隆三君) ただいまお示しにございました冊子でございますが、これは消防職員の人事管理の参考に資するためにということで私の方の消防課がまとめたものでございます。 そこで、いまお話にございましたように、百九十二ページから百九十三ページにかけまして、地方公務員法第五十二条第五項の問題を触れておるわけでございますが、これ全部をごらんいただきまして御理解いただけますように、このこと自身職員協議会のみを対象にして物を申しておるわけではないのでありまして、いま申しましたように人事管理の参考に資しますために消防職員に関しまする地方公務員法全体の問題としてこの本全体が編集されておるということであります。その一部として、ただいまお示しにございましたように、百九十二ページに地公法第五十二条第五項の問題を取り上げておるわけであります。 この内容といたしましては、もとより、ここにございますように、「職員の勤務条件の維持改善を図ることを目的とし、かつ、地方公共団体の当局と交渉する団体」を結成いたしますことは禁止をされておるわけでありますから、そのようなことが起こらないように、少なくとも職員が法律違反を犯すようなことがあってはならないわけでありますので、そのようなことがないようにと、その要件と申しますか、どういう場合にどのような問題点が起こるんだろうかということを解説したものでございます。
○佐藤三吾君 ところが、佐賀市の消防長で、昨年夏に勤務中に酒に酔っぱらって——これは私は決算で取り上げたと思うんですが、消防職員に暴行、暴言を尽くした事件がございましたね、これは処分が出ましたが。それから今度は、やっぱり佐賀の神埼消防で、このくだりを取り上げて、そうしてこれは消防協を対象にしておるんだと、これは敵なんだと、こういう暴言を吐く消防長も生まれてきた。そうして、年休申請に対しては自宅まで調査に行く、年休がやられているかどうか、そういう尾行みたいなこともやっておる。さらに四月十九日は水利調査と称して消防署全体に鍵をかけてしまっている。そうして一切入れないようにして、そうして職員を現地に行かす。こういう異常な状態が起こってきておる。 こういったことがやっぱり、あなたの老婆心的なことの意味と違って、逆な意味で現地ではとられておる実態が出ておるのじゃないか。これは、私が調べたのは佐賀県の実態だけですよ。ほかにもこれを根拠にしてとられてくるんじゃないかという気がしてならぬのですが、こういったものについては一体どういうふうに対処しようとしておるのか、お聞きしたいと思うのです。
○政府委員(石見隆三君) 私ども、個々の消防本部の具体の事案につきまして実態を詳細承知をいたしておるわけではないわけでございますが、佐賀県におきまして過去若干のいろいろ問題点があったという報告は受けております。私どもといたしましては、ただいま申し上げましたように、職員協議会というもの自身の実態というものが、いろいろあろうかと存じておりますけれども、それがやはり地方公務員法五十二条五項に違反するような事態でありますならば、これは少なくとも法律違反の事態でございますので、消防機関としては重大な関心を持たざるを得ないということもこれまた認めざるを得ないと思うわけであります。 一方、ただいまお話にございましたように、消防機関におきましてそれを理由といたしましてと申しますか、そのことから端を発しましていまお話しありましたような異常な事態が起こっておるとするならば、これまたやはりある意味での問題点だろうと思うわけであります。私ども、この五十二条五項の取り扱いにつきまして、いまのお話にございましたような事実がもしあるといたしますれば、これは適切なこととは思いません。今後、各消防機関におきます職員の人事管理につきましては十分細心の注意をもって措置いたしますように指導してまいりたいというふうに存じておるところでございます。
○佐藤三吾君 時間がございませんから、これはひとつぜひ調査をして、私が言うのが事実かどうか調べていただきたいと思うんですが、これは要求しておきます。 そこで、労働省お待ち願ったのですが、自治大臣にもお聞きしたいと思うのですが、加藤自治大臣のときだったと思うのですが、消防職員の労働安全衛生の問題で私はやっぱり労働省の見解をお聞きしましたところ、これは安全委員会設置義務の指定職場以上の事例が出ておると、公務災害でですね。したがって、当然これは消防も指定職場の中に入れるべきじゃないか、そのための改正をすべきじゃないかということについて、労働省も検討させていただきたいと言うし、自治大臣も、労働省と相談して、そこらの問題については検討をさしていただきたいということで二年間お待ちしておるんですが、その結果が一体どうなったのか、労働省並びに大臣の方からお聞きしておきたいと思うのです。
○政府委員(石見隆三君) ただいま御指摘にございました問題につきまして、私ども、民間の事業所におきます災害と、それから消防職員の災害状況というものをいろいろと調査をし、そして突合をしてみたわけであります。しかし、民間におきます災害の統計のとり方と消防職員あるいは公務におきます場合とが若干とり方が違っておりまして、技術面からこれを単純に突き合わせるということは非常にむずかしい問題であるわけであります。 そこで、私どもといたしましては、御指摘をいただきました以後、標準的な消防本部——七十五本部でございますが、標準的な消防本部として人口大体九万人から十一万人、大体標準団体十万人といたしまして九万人から十一万人ぐらいの消防本部七十五本部につきまして悉皆調査をいたしたわけであります。そこの消防職員の平均職員数が約九十七名でございますので、これと、民間におきます事業所規模五十人から九十九人まで、大体これと見合っておるんではないだろうかという、この二つを基礎を同じにしながら調査をいたしまして、その災害の度数率、強度率というようなものを突合したわけであります。その結果、少なくとも標準的な七十五消防本部、これは悉皆でございますが、それと、いま申しました民間の約五十人から九十九人までの事業所の度数率、強度率を見ました場合に、消防につきましては必ずしもその事故発生率が、強度率あるいは度数率が高いという結論は得ていないわけでございます。 今後、なおこれらの点につきまして私どもさらに精査をし、あるいはまた調査を重ねながら引き続き検討してまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○佐藤三吾君 労働省どうですか。簡潔にひとつ。その答弁であなたもう結構ですから。
○説明員(菊地好司君) ただいま消防庁の方から御説明がありましたように、当時の答弁で使いました調査資料に技術的なずれ等がございまして、その後、労働省の調査と同じ、あるいは近似した手法で調査した結果を最近いただきまして、それを拝見いたしました限りでは、ただいま御答弁いただいたとおりというふうに理解しております。
○佐藤三吾君 御答弁いただいたとおりとはどういうことですか。
○説明員(菊地好司君) 消防の標準団体を対象にいたしまして調査した結果と、規模がほぼ類似する民間企業の五十人ないし九十九人規模との対比、それから百人から二百九十九人あたりの対比、いずれをとってみましても、災害発生率、私どもは度数率、強度率という数字を用いておりますが、いずれも消防庁の数字の発生率の方が低目に出ておるという結果をちょうだいしたわけであります。
○佐藤三吾君 おかしな答弁をするんだな。あなたのところは、二年前の答弁では、これは指定義務の職場と対比すると最高だと、こういう答弁をもらったのが、数字の取り違えだと、そういう言い方をされるということは私は非常に遺憾に思うわけでありますが、まあいいでしょう。これは私はまた今後引き続き追及してまいりますが、消防庁がどういう資料をあなたのところに出したのかわかりませんが、消防庁、その資料をひとつ後で出してくださいよ。私はそんな実態はないと思います。そこら辺はいままでの災害実態から見るとちょっとその答弁承服するわけにはまいりませんので、その点をひとつ私の方でまたさらに追及さしていただきたいと思っています。 時間がございませんから一つだけお聞きしておきたいと思うんですが、住民の生命、財産の安全確保に対するための消防行財政の充実と消防職員の勤務条件改善、団結権確立に関する要請署名、これが五十万人に達していることは自治も承知しているでしょうが、これについて、大臣、どういうふうな受けとめ方をしており、今後どうするのかお聞きしておきたいと思うんです。
○政府委員(大嶋孝君) お話しのような署名運動が行われ、約五十万の署名が行われたことは、自治労の書記長等から話を聞いて承知をしております。中身については、実態その他よく検討はしてみなければならぬというふうに思っております。もっとも、適正な消防の運営といいますか、そういったものにつきましては、そういう要望あるなしにかかわらず、当然自治省及び消防庁としても考えなければならぬというふうに考えております。
○佐藤三吾君 何かぐにゃぐにゃ言うとってようわからぬね。はっきりどうするのかちょっと言いなさいよ。
○政府委員(大嶋孝君) 消防の運営と申しますか、そういったものにつきまして、自治省、消防庁としていろいろ考えるところもありますが、いずれにいたしましても、消防行政が適正に行われるということが必要であろうというふうに考えるということを申し上げておるわけでございます。
○佐藤三吾君 まあこれはまだ検討なり協議なりの時間がなかったと思うんで、答えが明確にできなかったと思うんですが、これは五十万人が署名しておるという事実ですね、大臣。そして団結権もない協議会が切実な気持ちを込めておる内容でもあると思うんで、単に消防職員という観点だけでなくて、ある意味で私はやっぱり今後のあるべき姿、問題を問うておると思うんで、そこら辺はひとつ真摯に受けとめていただいてこの問題の処理に当たっていただきたいということをひとつ要請しておきたいと思います。いいですね。
○国務大臣(世耕政隆君) 消防は御指摘のように大変国民の生命と財産に関する重要な職務でありまして、それを最大限に防衛しなければならない。また、一つの職務の面からいきますと大変危険な作業でございまして、危険な作業の中に積極的に飛び込んでいくという大変な職業であるかと思います。そこが民間の事業とまたいろいろ違うところでございまして、危険ではあるけれどもその安全、消防関係の人の現場における、それから演習時における安全というのは最大限に確保しなければならない。その面の施設の充実その他のことに十分われわれの方は配慮をしていく覚悟でございます。 また、そういった職業の上から団結権の問題が以前からかなり論議されているところでございますが、この点につきましてもいろいろな角度から検討をして、慎重にこれを検討をしながら扱っていかなければならない。つまり、消防の安全の面でも、消防職員の安全の面でも、それからその他あらゆる面にも十分慎重に、また、おのずからほかの職業と違った面が非常に多うございますので、この点十分配慮しながら今後ともいろんな検討を進めてまいりたいと存じております。
○佐藤三吾君 ぜひひとつお願いしておきます。 最後に、時間がございませんから一言お伺いしたいと思いますのは、百五十三団体に対していわゆる個別の助言指導通達というのを五十六年の十一月二十八日に出して、五十七年六月ですか、報告を求めておりますね。この問題についてですが、一体自治省の対象団体に対して報告を求めるいわゆる法的権限というのか、これについてどういうふうなお考えを持っておるのか。それから、「所要の助言指導」ということの中身は一体何を考えておるのか。さらに、自治体の方が、助言については結構でございますが、これについて参考にするということで受けとめることの方が私は正しいのじゃないか、こういうふうに思うのですが、この点は一体どういうふうに考えておるのか。さらに、是正措置を、計画を作成して自治省に提出しなさいという内容になっておりますが、これは私は提出するしないというのは自治体の判断だと思うのですが、それに対して何か報復まがいの——暴力団じゃないからきつい言葉は使わぬと思うのですが、報復まがいの考え方を持ったような意味合いのことを言っておるやに聞いておるのですけれども、まさか出さないからけしからぬということで制裁をするとか、そういうことはないと思うのですが、それはいかがかということをお聞きしておきたいと思います。 それからもう一つは、先般の地方行政委員会で私も取り上げました退職債に伴う削減条例の条件については、これは永劫不変のものではなくて、いままでもその実態に応じて対応してきておるという経緯からいって、今度のように退職手当削減の法案が通り、もしくは定年法案が通るという実態の中で、異常に退職者が頻出するという事例が起こっておるわけですから、この辺については適切なもっと緩和措置をとるべきじゃないか、こういう質問に対して、検討をするということになっておったのですが、それが一体どういうふうになっておるのか。この二つの問題についてお聞きしておきたいと思います。
○政府委員(大嶋孝君) 退手債の問題は後ほど財政の方からお答えがあると思います。 地方公務員の給与の問題でございますが、御案内のとおり、現在給与水準が国家公務員を相当上回っておるという団体があることは事実でございます。また、退職手当についても同様でございます。とりわけ一部の地方公共団体におきまして著しく高い給与水準なり退職手当といったようなものが問題にされておるわけでございまして、ひいてはそれが地方自治を信頼しないと申しますか、そういう遠因にもなりかねないというようなことから、私どもとしては、現在置かれた地方公共団体のこの問題に対する立場なり意思というものがどういうものかということを地方団体に御理解をいただきたいということでございます。そのために努力をするのは私どもの仕事であろうと思います。 そういった中で、どこに問題点があるのかということをみずから御理解をいただくために、現状分析なりというものをいまお願いをしておるわけでございます。それがわかりますとおのずからどうすればいいのかということが各地方団体で御判断がいただけるものだというふうに考えておりまして、しょせんは各地方公共団体の自律的な機能によりまして、正しいといいますか、適正な給与水準というものが達成されるということを期待をいたしておるわけでございます。 それから、計画を立てないあるいは実施しないといった場合に、私どもはいわゆる報復的な措置というものは考えていないわけでございます。しかし、それなりの努力というものは当然各地方公共団体がなされるものだと、私どもはこのように考えておるところでございます。
○政府委員(土屋佳照君) 退職手当債につきましては、先般もお答えいたしたわけでございますが、地方財政再建促進特別措置法の趣旨からいたしますならば、やはり現実に定数を削減したところについて認めるべきものだと私どもは基本的に考えております。 ただ、定年制の実施等制度が変わったことに起因して退職者が一時的に増加をする、そして退職手当が激増をするといったようなことから、財政運営に著しく支障を生ずるといったような事態が起こりました場合は、私どもとしては、当面の取り扱いとして何らかの措置が取り得るかどうかということを検討をすると申したわけでございまして、現に何らかの方法が考えられればそんなことを、適切な措置を講じてもいいのではないかと思っております。具体的にどうするかはまだ決めておりませんけれども、よく実態を見た上で対処する方向を決めたいと思っております。
○佐藤三吾君 最後に、もう時間ございませんから一言だけ申し上げておきたいと思いますが、これは大嶋さんはもう十分御存じだと思うので釈迦に説法になるかもしれませんが、地方団体の給与というのは人事委員会の勧告に基づいて労使交渉を経て、そうして議会によって条例制定されるという適法な手続をとって決定されておるわけですね。それを是正計画を出せとかどうだとか権限を否定する、地方議会も含めての権限を否定するような考え方という発想を私はとるべきじゃない。これが一つ。 それから、仮に是正計画を出すとしても、労使間で交渉をして、交渉権のある組合ございますから、この交渉をしてつくられたものを、今度は任命権者の方が一方的に是正計画をつくるという、出すということ自体がいかがなものか。これは私はやっぱり交渉権否認につながってくると思うんですね。そういう重大な問題をはらんでおるわけですから、いまあなたがおっしゃったように、出さないから報復措置をとるという考えはないということを明確にされましたが、これはあたりまえのことだと思うんで、ここら辺の取り扱いは私はやっぱり慎重に対処してもらいたい。自治省みずからが地方自治を否定するような、また、労働権を否定するような、そういうことをとることは長期的観点から見ると決してよくない。むしろやっぱりそこの自治体の中で議論をし合って、そうして住民の負託にどうこたえるかという観点から問題を処理するということが正しいのであって、そこら辺のことは私はどなたがどう言おうときちっとしてもらいたいということだけ強く要請しておきたいと思います。
○政府委員(大嶋孝君) 地方自治を発展させるということにつきましては、私どもも当然全く同じ立場でございます。 ただ、私が現在置かれた地方団体の立場というものを御理解いただきたいと申しておりますのは、地方公共団体の長も議会も、そして職員の皆さん方も含めて、そういう意味を申し上げておるわけでございまして、その点は御理解をいただきたいと思います。
○委員長(上條勝久君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(上條勝久君) 御異議ないと認めます。 本案の修正について山田譲君から発言を求められておりますので、この際、これを許します。山田譲君。
○山田譲君 私は、本案に対し、日本社会党、公明党・国民会議、日本共産党、民社党・国民連合の共同提案に係る修正の動議を提出いたします。その内容は、お手元に配付されております案文のとおりでございます。 これよりその趣旨について御説明申し上げます。 昭和五十年度以降の地方財政は、毎年度多額の財源不足に見舞われ、地方債の増発と交付税特別会計の借り入れによって穴埋めされてまいりました。この結果、いわゆる財源対策債の今年度元利償還額は一兆六百三十三億円、交付税特別会計の今年度末借入額は八兆八百二十八億円、合計九兆一千四百六十一億円となり一般財源の三一・六%となっております。このように政府の地方交付税法第六条の三第二項の規定を無視した財政対策によって地方財政は多額の借金を背負う一方、借金対策及び経済対策による地方債の増発、起債充当率の恣意的操作によって計画的運営を大きく阻害されるに至っております。加えて、第二次臨時行政調査会の緊急答申等による国の歳出カットによって国、自治体間の合理的負担関係もこれまた大きく改変させられてきております。 このような経緯に加え、昭和五十七年度地方財政は、地方財政裕福論を基調に国の財政再建に量、質とも大きく従属させられる結果を生んでおります。まず地方財政対策においては、積算根拠が一切明確にされないまま財源不足は一転収支均衡化され、あまつさえ、国の一般会計における既往の制度的負担を軽減するため約二千四百億円の協力措置が講じられる一方、国の公共事業の肩がわりとしての地方単独事業が八・五%増と大幅に拡大されているのであります。 地方財政裕福論は、地方交付税率の引き下げを企図した、ためにする議論であることはもはや明らかであり、このような認識に立つ本年度地方財政対策を容認するならば、地方交付税制度の崩壊と国から自治体、自治体から住民へという新たな負担転嫁が一層強化されることは明らかであります。 すでに昭和五十六年度においては約二兆二千億円の歳入欠陥となることが明らかとなっており、輸出の鈍化、国内需要の低迷という諸般の事情を勘案すれば、昭和五十七年度の経済、財政見通しもまた悲観的と言わざるを得ません。年度当初からのこうした見通しによって、すでに政府においては公共事業の七五%以上の前倒し、下半期における国債増発を言明しており、地方財政計画の有効性もまた半減していることは明らかであります。この意味で昭和五十七年度地方財政は、昭和五十六年度までの地方財政の状況と同様に地方交付税法第六条の三第二項が適用されるべき財政状況にあることは明らかであり、以上のような認識に立ちつつ本修正案を提案いたした次第であります。 以下、本修正案の概要を御説明申し上げます。 第一は、地方交付税率についてであります。 すでに申し上げましたように昭和五十七年度地方財政においても地方交付税法第六条の三第二項の規定が適用されるべき状況にあるとの立場から、地方財政計画における地方公営企業繰出金と決算との乖離を是正すること等地方財政需要を適切に地方財政計画に計上するため昭和五十七年度から地方交付税率を三%引き上げ三五%といたしております。 第二は、臨時地方特例交付金の増額等についてであります。 まず、昭和五十一年度から昭和五十六年度までの各年度に発行された財源対策債については、元利償還とも全額臨時地方特例交付金で措置することといたしております。また、交付税及び譲与税配付金特別会計における二千九十八億円は、当然国の一般会計で措置すべきものとの考えから、借り入れ措置は行わず同額の臨時地方特例交付金を交付することとし、あわせて一千百三十五億円の減額措置も行わないことといたしております。このような措置によって昭和五十七年度においては臨時地方特例交付金を一兆一千七百九十八億円交付することといたしております。 第三は、借入金の明記についてであります。 昭和五十年度以降、交付税及び譲与税特別会計において、すでに申し上げたように多額な借金を負っておりますが、地方交付税の借金状況を理解し得るよう地方交付税法においても毎年度借入金を明記することといたしております。 第四は、交付税及び譲与税配付金特別会計への直接繰り入れについてであります。 地方交付税は、自治体固有の財源であることを制度的にも明らかにするため、地方交付税は国税収納整理資金から交付税及び譲与税配付金特別会計へ直接繰り入れるものといたしております。 第五は、基準財政需要額の算定方法の改正であります。 道府県及び市町村の「教育費」及び「厚生労働費」の単位費用を修正するとともに、地方公営企業に対する繰出金を地方交付税法において的確に算定するため、新たに地方公営企業債償還費を設け、五十七年度においては償還額の二五%を基準財政需要額に算入することといたしております。 以上が本修正案の提案理由及び概要であります。 何とぞ、慎重審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
○委員長(上條勝久君) ただいまの山田譲君提出の修正案は予算を伴うものでありますので、国会法第五十七条の三の規定により、内閣より本修正案に対する意見を聴取いたします。世耕自治大臣。
○国務大臣(世耕政隆君) ただいまの地方交付税法等の一部を改正する法律案に対する日本社会党、公明党・国民会議、日本共産党及び民社党・国民連合共同提案の修正案については、政府としては賛成いたしかねます。
○委員長(上條勝久君) これより原案並びに修正案について討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。
○鈴木和美君 私は、ただいま議題となりました地方交付税法等の一部を改正する法律案につきまして、日本社会党を代表して政府案に反対し、山田譲君が提案した地方交付税法等の一部を改正する法律案に対する共同修正案に賛成する立場で討論を行います。 今日の地方財政は、収支が均衡し、財源対策債も廃止したことで好転したなどと言えないことは、もはやだれの目にも明らかであり、地方財政の先行きはいままで以上にきわめて厳しい状況だと言わざるを得ません。すなわち、昭和五十六年度においては約二兆五千億円の歳入欠陥となることが明らかにされており、さらにこうした結果を生んだ経済動向を無視し、きわめて高い経済成長見通しを土台として策定した昭和五十七年度地方財政計画においては、これまた五十六年度以上の歳入欠陥を生むであろうことは火を見るよりも明らかであります。自治体においては、経済の先行き不安を背景に緊縮型予算編成を行い、無理に収支を均衡化させているのが実情であります。政府の無責任な経済見通しと財政計画の策定によって自治体は、今後はかり知れない打撃を受けるわけで、政府の責任はきわめて大なるものがあることをまず私は指摘しておきたいと存じます。 以下、地方交付税法等の一部改正案に関する具体的問題点を指摘いたします。 その第一点は、二千九十八億円の借り入れ措置の問題であります。いわゆる利差臨特千九十八億円と、源泉分離課税に伴う一千億円、合計二千九十八億円は当然一般会計で負担すべきものであると思います。これを借り入れ措置とすることは、予算編成に地方財政を従属させたものであって、容認しがたい措置と言わざるを得ません。 第二点は、一千百三十五億円の減額留保の問題であります。 これまた予算編成に地方財政を従属させた措置であり、総額二千四百億円もの大金を国に協力する余裕が地方財政にないことは言うまでもありません。これを認めた自治省の態度は、今後地方交付税率の切り下げを企図する第二次臨調などの実態を無視した地方財政裕福論に道を開くものとして強く批判さるべきであります。本年度地方財政が地方交付税法第六条の三第二項の規定に相応する状態にあることは明らかであり、この規定を無視し、こうした協力措置を国に行ったことは、今後の地方財政に大きな禍根を残すものと言えます。 第三点は、地方交付税の配分問題であります。 景気対策のため単独事業の需要を厚くするとか、ラスパイレス指数の高い団体については特別交付税の配分で制裁するとか、普通交付税、特別交付税の配分の趣旨を逸脱する傾向がますます深くなってきております。まして、財源対策の名目で、本来交付税で措置すべき自治体の財政需要を財源対策債に振りかえたり、地方交付税の基準財政需要額に戻したりすることは、地方財政の計画的運営を大きく阻害するものであり、本年度における財源対策債の廃止を教訓として今後安易な起債による財源措置は厳に戒めるべきであることを強く指摘しておきたいと存じます。 以上の理由から本改正案に反対し、地方交付税法の趣旨を原点に返って実態化しようとしているわが党を初めとする共同修正案に賛成し、私の討論を終わります。
○名尾良孝君 私は、自由民主党・自由国民会議を代表し、修正案に反対し、政府原案に賛成の意を表します。 政府原案は、地方財政の状況にかんがみ、住民生活に直結する公共施設の整備等に要する経費の財源を措置するため単位費用を引き上げるとともに、昭和五十七年度分の地方交付税の総額について所要の特例を設けること等を主な内容とするものであります。 地方財政は昭和五十七年度に一応収支の均衡を回復したとはいうものの、巨額の累積赤字を持ち越し、長期的な施策としてはその基本的な体質の改善に努力する必要があることは申すまでもありません。しかしながら、公経済の一方を担う国の財政は地方よりもはるかに苦しく、五十七年度においても財政再建が最大の急務となっております。したがって、政府原案は当面の国庫負担を配慮し、交付税財源の一部留保一般会計負担分の特別会計による借り入れ措置を行いましたが、それらの措置に対しては、留保分は早期に地方へ返還し、また、借入金の償還額は全額国が負担することとしているのであります。地方の強い要望と国の財政との調和を図ったものとして、政府の努力を多とするものであります。地方交付税率の引き上げなど、租税配分の基本的枠組みを変更する時期ではないと考えます。 政府原案は、さきに成立した地方税法の改正、地方債措置などとともに地方経費の財源の確保を図り、また、単位費用の改定等により各地方団体の財源不足額の算定を合理化し、あわせて単独事業費を充実して景気の浮揚、地方の時代の要請にこたえようとするものであり、当面の措置としてはきわめて妥当なものであると考えます。 私は、以上の理由により、地方交付税率の引き上げ等を内容とする修正案に反対し、政府原案に賛成の意を表して討論を終わります。
○大川清幸君 私は、公明党・国民会議を代表して、ただいま議題となりました内閣提出の地方交付税法等の一部を改正する法律案に反対し、日本社会党、公明党・国民会議、共産党及び民社党・国民連合提出の同修正案に賛成する討論を行います。 昭和五十七年度の地方財政は、昭和五十年度以降七年間にわたって続いてきた大型財政赤字から一転して、黒字財政に転じております。このことは、過去において四兆円を上回る財政赤字が生じたことからみれば、表面的には好転したかに見えますが、質問を通じても明らかなように、五十六年度の地方の財政は膨大な欠陥を生じることが予想されております。また、昭和五十六年度をベースとした五十七年度の地方財政計画も、当然膨大な歳入欠陥が生じることは明らかであり、五十七年度地方財政は、出発当初より歳入欠陥を抱えた財政計画であります。それだけに、本年度の地方財政運営はきわめて厳しい状況に置かれていると言わざるを得ません。したがいまして、こうした地方財政の状況下において、地方交付税法も政府案では十分な対応ができないことは明らかであります。 こうした観点に立ちまして、以下討論を進めます。 初めに、地方交付税率の引き上げについてであります。 五十七年度地方財政計画は収支均衡のとれたものとなっておりますが、その内容を見ると、大幅な地方税の伸びを見込むとともに、歳出面においても、行政経費の思い切った切り詰めを行うとともに、住民税の減税を二年見送るなど、いわば住民負担と、経費の切り詰めによるものと言わざるを得ません。しかしながら、最近の地方自治体は、住民の生活様式や価値観の多様化及びこれに伴う地域的な特殊性を重視した地域づくりなど、事務量の増大とともに、運営面においても自主的な行財政運営が要求されております。こうした事態に対応するためには、具体的には中央に集中している権限の地方分権化や財源の適正な配分の見直しなどが最も重要であります。しかし政府は、こうした問題に対して根本的な解決を行おうとしておりません。したがいまして、当面の地方財政の置かれた現状を解決するためには、一般財源の拡充強化が急務であり、地方財政充実のため、野党共同提出の修正案のように、交付税率を三五%に引き上げるべきであります。 次に、財源対策債の元利償還についてであります。 昭和五十年度以降の借金財政によって、地方の借金は増大する一方であります。このため地方債の残高は、五十七年度末で三十四兆円、交付税特別会計の借入金は八兆円、合わせて地方の借金は約四十二兆円にも上っております。このため、借金返済に要する費用は、年々増大の一途にあり、五十七年度の場合、地方債の償還費だけでも地方財政計画の九%に当たる四兆二千億円を充てなければならない現状に追い込まれております。このように、借金返済に財源が食われるために、地方財政は、必然的に交付税の単位費用の締めつけなど、行政経費の切り詰めを余儀なくされているのが実情であります。したがって、こうした地方財政の実態を考えたとき、少なくとも野党修正案のように、昭和五十一年度から五十六年度までの各年度に発行された財源対策債の元利償還費については全額臨時特例交付金で交付すべきでありますが、このような施策が政府案にないことはまことに遺憾であります。 次に、交付税制度についてであります。 これまでも、たびたび論議されてきたところでありますが、国は地方財政が少しでも好転したときには、一方的に交付税会計から借金をし、交付税の実質的伸びを抑えてまいりました。また、交付税は三税収入の伸びに伴ってその総額も伸びるのでありますが、この実態をとらえて、政府は財政硬直化の主要因が交付税であるとし、交付税が国の財政の重荷であるような印象を与えようとしております。交付税は、これまでも政府みずからが明らかにしてきたように、あくまで地方の国有財源であります。国の恣意的な考えで交付税を左右するのでなく、交付税本来の性格である地方固有財源であることを制度的にも明確にすることが今日の地方財政にとってきわめて重要であると考えるものであります。この立場から、修正案に示しておりますように、直接交付税及び譲与税特別会計に入れる措置をとるべきであります。 以上、政府案に反対し、修正案に賛成する主な理由を述べて討論を終わります。
○神谷信之助君 私は、日本共産党を代表して、政府提出の地方交付税法等の一部を改正する法律案に反対し、わが党を含む四会派共同提案の修正案に賛成の討論を行うものであります。 政府案に反対する理由の第一は、昭和五十七年度の地方交付税の総額は九兆三千三百億円としていますが、その確保はきわめて困難であることがいまや明白となっているからであります。すでに五十六年度の国の歳入欠陥は、税収の落ち込みにより二兆五千億円から三兆円にも達することが確実視され、五十七年度においても経済見通しの狂いを加えると四兆円ないし五兆円もの巨額の不足が出ると見られています。こうした状況のもとで補正予算が云々され、また、大蔵大臣でさえ財政収支の中期展望の見直しを示唆せざるを得なくなっているではありませんか。地方交付税総額は、このようにすでに破綻が明らかとなった国税三税の税収をもとに算定されているわけでありますから、その確保が困難なことは明白であります。わが党は、法が成立する以前にすでに補正を必要とするような、こうした明らかな欠陥のある法改正を認めることはできないのであります。 反対理由の第二は、交付税率の引き上げの見送り、臨時特例交付金の借入金への振替及び千百三十五億の減額留保と国への貸し付けの問題であります。 政府は、昭和五十七年度の地方財政計画の策定に当たって、八年ぶりに収支が均衡し財源不足が解消したとしていますが、この財源不足ゼロは財政需要における厳しい抑制と財政収入における過大見積もりによってつくり出された不当なものであります。治山治水や公営住宅などの生活基盤に関連する事業や義務教育施設の整備など、国の補助事業は前年度に比べて大幅に削減され、生活保護や児童保護、老人保護などの費用は厳しく抑えられました。その結果、地方財政計画の対前年伸び率は戦後二番目に低い五.六%にとどまったのであります。 そして一方歳入においては、さきに述べた、達成は絶望的とも言える五・二%の経済成長を根拠とした税収見込みを国税だけでなく地方税にも持ち込むという二重の過大見積もりが行われているのであります。こうした作為的な見積もりを改め、住民の暮らしと福祉の充実に必要な財政需要額を算定し、消費不況など経済の低迷に即した財政収入額を設定したならば、五十七年度においても地方財源に相当多額の不足が生じることが予測されます。したがって、交付税率の引き上げ等の措置が必要とされたはずであります。 ところが政府は、この交付税率の引き上げを見送ったばかりでなく、千百三十五億円の減額留保まで行ったのであります。このような措置は、臨調などの地方財政裕福論に口実を与え、交付税率の引き下げに道を開くものであります。また、地方自治体固有の財源である交付税を国の都合により恣意的、一方的に減額留保するなどということは、地方交付税制度の本質を踏みにじるものであり、容認できるものではありません。政府は、昨日の五人の参考人が共通して指摘したごとく、地方交付税法第六条の三第二項の規定に基づき、直ちに交付税率の引き上げを含む自主財源の充実など抜本改革を行うべきであります。 第三は、基準財政需要額の算定方法の改定についてであります。 政府は、財源不足の解消を前提とした財源対策債の廃止に伴い、以前のように公共事業に要する地方負担額を基準財政需要額に算入するに当たって、いわゆる事業費補正を復活することとしていますが、これは交付税の補助金化を強め、使途を制限されたり条件をつけられるようなことのない地方の一般財源であるという地方交付税の基本的性格に変質をもたらすものであります。 また、小災害債の元利償還金の基準財政需要額への算入も、従来国が負担していたものを財源措置もとらずに地方負担とするものであり、容認できないものであります。 臨調第三部会は、最近、地方自治体の補助職員に対する人件費補助の打ち切りと所要額の交付税算入を云々していますが、国税三税の三二%の枠を据え置いたまま次々にこうした補助金の振替を行うのは、実質的な交付税率の引き下げをなし崩しに行うものと言っても過言ではありません。このようなやり方は改めるべきであります。 第四に、特に指摘したい点は、期末・勤勉手当にプラスアルファを支給した団体に対し、一方的に余裕ある団体として特交配分に際しペナルティーを課している点であります。この論理をもってすれば、国の基準を上回る事業を行う団体がすべて余裕ある団体とされ、ひいては地方自治を否定することとなり、絶対に許すことはできません。自主性、自律性を発揮させ、主人公である住民の意思決定を尊重すべきであります。 最後に、わが党を含む共同修正案について賛成の理由を述べます。 この修正案は、交付税率の三五%への引き上げ、財源対策債償還費を全額国の負担とすること、交付税の減額留保は行わないことなどを主な内容とするもので、地方交付税法の趣旨に基づいた正当な措置によって地方財源を充足しようとするものであります。 本修正案の成立は地方財政確立の重要な第一歩となり、ひいては地方自治の復権と拡充に貢献するものであることを強調し、討論を終わります。
○伊藤郁男君 私は、民社党・国民連合を代表して、政府提出の地方交付税法等の一部を改正する法律案に反対、日本社会党、公明党・国民会議、日本共産党、民社党・国民連合共同提案の修正案に賛成の立場から討論を行うものであります。 地方行政は、今日、きわめて厳しい状況に置かれております。すなわち、新たなる行政需要、並びに多様化した住民要求にこたえつつ、主として財政的な制約から、行政の簡素効率化等の行政改革を進め、あわせて受益者負担の導入など、住民への協力を呼びかける努力が地方自治体に対して強く要請されているのであります。 このような中で、政府自身も憲法で保障された地方自治の本旨にのっとり、地方行財政の運営を制度的に確立していく責務を有していると考えるのであります。地方税源の充実強化、補助金行政の改革、行政事務の再配分など、国、地方を通ずる抜本的な行財政改革が行われなければならず、今回の地方交付税法の改正も、その一環としての意味を持つものでなければならなかったのであります。 しかるに、政府提出の改正案は、地方行財政の改革に資するにはほど遠い内容となっていると断ぜざるを得ません。 昭和五十年以来表面化した地方の財政危機に対し、本来地方交付税率の引き上げによって対処しなければならなかったにもかかわらず、政府は、臨時地方特例交付金の交付と交付税特別会計の借り入れ、財源対策債の発行などを内容とする地方交付税法の改正を毎年度行うことにより、場当たり的な収支のつじつま合わせに終始してきたのであります。 また、昭和五十七年度においても、地方財政の収支が均衡するという政府の見込みは、地方の行政需要を低く見積もる一方で、税収を高く見積もった結果によるものであり、計画と実態が乖離するであろうことは、昭和五十七年度の自治体予算を見ても明らかであります。さらに、国も地方も五十六年度の税収が大幅に落ち込むことが確実となっているにもかかわらず、それを土台として見込んだ五十七年度計画を押し通そうとする態度は、無責任のそしりを免れません。政府に対し、地方交付税率の三%引き上げを強く要求するものであります。 昭和五十七年度の地方交付税額九兆三千三百億円を見込むに当たり、政府は一方で資金運用部より二千九十八億円を借り入れ、他方で国の一般会計に減額留保分として一千百億円を貸しつけるという、社会通念上理解できない方法をとっております。これらは本来国の一般会計から支出すべき経費であり、それを他会計に負担させることはまさに赤字国債の発行にも等しいものであります。このような措置は、地方に共通の、地方固有の一般財源である地方交付税を国の都合によって操作するものであり、断じて行うべきではありません。そのためにも地方交付税の法定額分を国税収納金整理資金特別会計から交付税及び譲与税配付金特別会計へ直接繰り入れるよう、制度の改正を行うべきであると考えるのであります。 地方交付税法の改正は五十七年度の予算編成だけを中心とした限定的なものではなく、あくまでも将来ビジョンの上に立ち、地方行財政制度を確立するという目的に沿うように行うことこそが重要であることを申し上げて討論といたします。
○委員長(上條勝久君) 他に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(上條勝久君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより地方交付税法等の一部を改正する法律案について採決を行います。 まず、山田譲君提出の修正案の採決を行います。 本修正案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(上條勝久君) 少数と認めます。よって、山田譲君提出の修正案は否決されました。 それでは次に、原案全部の採決を行います。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(上條勝久君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(上條勝久君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 午前の審査はこの程度にとどめ、午後一時三十分まで休憩いたします。 午後零時四十一分休憩 —————・————— 午後一時三十五分開会
○委員長(上條勝久君) ただいまから地方行政委員会を再開いたします。 まず、理事の補欠選任についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(上條勝久君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に山田譲君を指名いたします。 —————————————
○委員長(上條勝久君) 警察官の職務に協力援助した者の災害給付に関する法律及び消防団員等公務災害補償等共済基金法の一部を改正する法律案及び警備業法の一部を改正する法律案を議題といたします。 まず、政府から順次趣旨説明を聴取いたします。世耕国務大臣。
○国務大臣(世耕政隆君) ただいま議題となりました警察官の職務に協力援助した者の災害給付に関する法律及び消防団員等公務災害補償等共済基金法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 この法律案は、警察官の職務に協力援助し、または消防作業等に従事して災害を受け、年金である給付または補償を受けている者について、子女の誕生、入学、結婚等の一時的出費を必要とする事由が生じた場合に、その資金の需要にこたえるため、年金受給権を担保にして小口貸し付けを受けることができる方途を講じようとするものであります。 次に、この法律案の内容について、その概要を御説明いたします。 現行法におきましては、給付または補償を受ける権利は、譲り渡し、担保に供し、または差し押さえることを禁止しておりますが、このうち年金である給付または補償を受ける権利を国民金融公庫または沖繩振興開発金融公庫に担保に供することを認め、小口貸し付けを受けることができるよう措置するものであります。 なお、以上の改正は、公布の日から起算して六カ月を超えない範囲内において政令で定める日から実施することとしております。 以上がこの法律案の提案理由及びその内容の概要であります。 何とぞ、慎重審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願いいたします。 次に、警備業法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 警備業は、社会的需要の増大に伴い著しい成長を続けておりますが、反面、一部には暴力団関係者等の不適格業者も見られるほか、警備員に対する指導、教育義務を怠る業者が増加しており、警備員の非行を初め警備業務の実施の適正を害する事件等も依然として後を絶たない状況にあります。また、近年警報装置等を使用して行う機械警備業が急速に普及しておりますが、その即応体制の不備により事件または事故の発生時に十分な対応ができないこと等の不適切事案が多発しております。 この法律案は、このような警備業の実情にかんがみ、警備業を営む者の要件を整備し、警備業を営もうとする者はこれに関する都道府県公安委員会の認定を受けることとするとともに、警備員指導教育責任者制度を設ける等警備員の指導及び教育についての規定を整備し、あわせて機械警備業に対する規制に関する規定を新設すること等をその内容とするものであります。 次に、この法律案の内容について、その概要を御説明いたします。 第一は、警備業を営む者の要件及び警備業の開始手続の整備であります。 その一は、警備業を営む者の要件の整備でありますが、これは、禁治産者、準禁治産者、覚せい剤中毒者、暴力団員等に該当しないことを新たに要件に加える等所要の整備を行うことをその内容としております。 その二は、警備業の開始手続の整備でありますが、これは、現在の届け出制を認定制に改め、警備業を営もうとする者は、警備業の要件について都道府県公安委員会の認定を受けることとするとともに、認定証の有効期間とその更新、認定の取り消し、認定証の返納等について所要の規定を設けることをその内容としております。 第二は、警備員の欠格事由の整備であります。 これは、禁治産者、準禁治産者、覚せい剤中毒者、暴力団員等を欠格事由に加える等所要の整備を行うことをその内容としております。 第三は、警備員の指導及び教育についての規定の整備であります。 その一は、都道府県公安委員会は、警備員等についてその知識及び能力に関する検定を行うことができることとすることであります。 その二は、警備員指導教育責任者制度の新設でありますが、これは、警備業者は、営業所ごとに警備員の指導及び教育に関する業務を行う警備員指導教育責任者を、警備員指導教育責任者資格者証の交付を受けている者のうちから選任することとするとともに、その欠格事由、資格者証の返納命令等について所要の規定を設けることをその内容としております。 第四は、機械警備業に対する規制の新設であります。 その一は、機械警備業務を行おうとする警備業者は、その区域を管轄する都道府県公安委員会に届け出なければならないこととすることであります。 その二は、機械警備業務管理者制度の新設でありますが、これは、機械警備業者は、基地局ごとに機械警備業務を管理する業務を行う機械警備業務管理者を、機械警備業務管理者資格者証の交付を受けている者のうちから選任することとするとともに、その欠格事由、資格者証の返納命令等について所要の規定を設けることをその内容としております。 その三は、機械警備業者は、盗難等の事故の発生に関する情報を受信した場合に必要な措置をとることができるよう、必要な数の警備員、待機所、車両等を適正に配置しておくこととすることであります。 その四は、機械警備業者は、機械警備業務を行う契約を締結するときは、その相手方に対し基地局及び待機所の名称及び所在地その他の事項について説明しなければならないこととすることであります。 以上の措置に伴い、聴聞の規定の整備、手数料の規定の新設、罰則の整備等所要の改正を行うこととしております。 なお、この法律は、公布の日から起算して六カ月を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとし、施行の際に警備業者である者は、施行の日から三月の間は、認定を受けなくても警備業を営むことができることとする等所要の経過措置を設けております。 以上がこの法律案の提案理由及びその内容の概要であります。 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同賜らんことをお願いいたします。
○委員長(上條勝久君) 以上をもって両案の趣旨説明の聴取を終わります。 これより警察官の職務に協力援助した者の災害給付に関する法律及び消防団員等公務災害補償等共済基金法の一部を改正する法律案の質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○山田譲君 大体この法律の内容も見せていただいたわけでありますけれども、もう非常に結構なことで、むしろ遅きに失したという感がしないわけではございません。そこで、いろんな内容あるいは基本的な考え方について、この際ですから伺っておきたいというふうに思います。 最初に、まず警察官の職務に協力援助した方に対する補償の基本的な考え方をお伺いしたいわけであります。つまり、内容をずっと見てみますと、たとえば労災であるとか公務災害であるとか、要するにその業務に関係して災害をこうむった人と同じような、貸付条件、それから限度額、利率というふうなものが、いわゆる横並びということで大体決まっているようでありますけれども、私はやっぱり基本的に考え方が違うんじゃないか。つまり、業務によって災害をこうむった人、労働災害にしてもそうですけれども、これは明らかにその使用者の責任、無過失損害賠償責任といいますか、そういうものを問うということで補償制度はなされている。公務災害も同じような考え方だと思うんですね。ところが、この場合はそういう関係じゃなくて、本当に民間の人、そんな業務じゃない人たちが、いわば非常に人類愛といいますか、ヒューマニズムというか、そういうものに燃えて一生懸命手伝ってくださった。その結果けがをしたり、あるいは亡くなった場合もある。そういう人と労働災害だとか公務災害と一緒に扱うという——扱うといいますか、考え方がやはりおかしいんじゃないか、そういう気がしてならないんです。 ですから、その辺の基本的な考え方を、一体どう理解していらっしゃるか、まずそこをお伺いしたいと思います。
○政府委員(金澤昭雄君) お答えをいたします。 この警察官の職務に協力援助して災害を受けられた方に対する基本的な考え方についての御質問でございますが、職務でこういった災害を受けられた方と、職務でなくて災害を受けられたという方について、どちらがというよりは、むしろその職務でない方が尊重されるべきではないかというような御意見だと思います。これは確かにそういった職務という点で考えますと、そういったお考えは私どももよく理解するわけでございますが、まあ一口に言いますと、やはり同じように処理をする、処遇をするというのが基本的な考え方ではないかと思います。片や職務であるわけでございますから、これはけがをしてもある程度当然だということが言えるかと思いますが、しかし、危険を顧みず仕事を行って災害を受けるという、そういった状況を考えますときと、それから仕事でなくてということを考えますと、やはりそこで差をつけるのは、社会全体としては、差をつけることに無理があるんじゃないか、むしろ同じように扱って同じように処置をしていくという方が社会全体としては妥当ではないかと、こういうふうに考えまして、いろいろとこの法律の中身につきましても公務災害補償法と同じような趣旨で同じような中身を規定してあると、こういうふうに理解しておるわけでございます。
○山田譲君 だから、具体的に貸し付けの限度を幾らにするとか利率を幾らにするとかということは、これはなかなかその目安になるものはないから労働災害なり公務災害の方に右へならえしたということはある程度うなずけるわけでありますけれども、基本的な考え方として、やっぱり業務命令に従ってやった結果がけがをしてしまったというのと、全然業務命令も何もないんだ、極端に言えば何もやらなくてもいいというふうなことを、一つの崇高な人類愛といいますか、そういうものに基づいて、たとえば水の中に飛び込んで行っておぼれそうになった子供さんを救ってやった、救えなくて亡くなっちゃった、こういうふうな人と、それは考え方がまず違ってしかるべきではないかと、こういうことなんですよ。その辺いかがですか。 〔委員長退席、理事亀長友義君着席〕
○政府委員(金澤昭雄君) これは考え方の相違ということもあると思いますが、避け得たかどうか、それとまた、避け得るような立場にあったかどうかというのも一つの考え方としての目安になるのではないかと思います。職務上の場合ですと、これは職務上でございますから、そういった危険を回避できないという状況でいろいろと災害を受けるという一つの状況ございます。一般の方の場合ですと、これは職務でございませんので、避けようと思えば避け得たという、そういった状況のもとでのこと一これはまあ見方の相違でございますけれども、そういった避け得たという状況も一つございますので、両方あわせて考えますと、大体同じような扱いをするというのが先ほど言いましたように社会的に妥当な線ではないか。 ただしかし、気持ちといたしましては、これは同じようにといいますか、警察の場合ですと、警察官が公務災害を受けたというのと同じように、やはりわれわれ警察の場合でも、こういった方々を同じように処遇するということでその気持ちをあらわしていきたいと、こういうふうに考えるわけでございます。
○山田譲君 具体的に幾らやるかというようなことについて、労働災害であるとか公務災害と同じに扱うという、その扱い方については別に私も右へならえしておかしくないと思いますけれども、基本的な考え方がやはりそれは違いがあって当然じゃないか。それが、内容をずっと見て感じられました点は、何となく安易に、もう労働災害なり公務災害と同じに扱っていくというんじゃなくて、それは結果論としてそれでしようがないけれども、そこへ行く考え方というものはやっぱり基本的に違わなきゃおかしいんじゃないか。何回も繰り返しますけれども、本当に自分の身を捨てて飛び込んだ人、それはもう業務命令でもってやったとかそういうのとはまるっきり違うわけですわね。それによってけがをしたりあるいは亡くなったという人については、やはりそれなりの遇し方をまず基本的に考えなきゃいけないんじゃないかという感じがしてならないんです。ずっと内容を見たりあるいは事前の御説明を聞いたりしていると、何となくもう最初から労働災害と同じだというふうな気持ちでやっておられるのはやっぱり問題がありはしないかという感じがしてなりません。まあそれはそれで結構です。 その次に、これは五十五年の九十三国会ですか、このときにすでに労災だとか公務災害についての年金を担保にすることについて認められている。その後二年近くたっているわけですけれども、これは昔のことになりますが、五十五年の九十三国会において当然この関係も同じように改正すべきだったというふうに思うんですけれども、何か特別な事情でもあってその改正がなされなかったか。その点をお伺いしたいと思うんです。
○政府委員(金澤昭雄君) おくれましたということは、特別な理由というものはないと思います。この協力援助の補償の給付の規定、これは公務員の災害補償の関係に非常に条件的によく似ておるということで、法律の規定の仕方としましても、国家公務員災害補償法の規定を参酌して定めるということになっております。そういうふうなことで従来から、国家公務員災害補償法の規定が改正をされますとその状況を見ました後でこの協力援助法の規定の改正を行うということで従来からやってきておりますので、それを踏襲して今回も、ちょっと一年ばかりおくれておりますけれども改正を行おうというものでございます。
○山田譲君 特別に他意はもちろんないと思うんですけれども、先ほど言ったような精神からしても、できれば一年おくれというのじゃなくて、同時ぐらいにやってほしかったということでございます。まあこれは過ぎたことですから、遅くても出していただいたわけですからそれで構いませんけれども。 その次に、これは災害を受けた人についての法律ですけれども、協力して災害を受けなかった、病気にもならなかった、こういう人に対して、特別な報償規定みたいなものはあると思うんですけれども、その内容はどうなっていますか。
○政府委員(金澤昭雄君) 協力援助をしていただいて災害を受けなかった方の取り扱いでございますが、特にこういった給付でもって報いるということの制度はございません。これは、現場の警察の署長なり、また、事案によりましては警察本部長というポストの者が、感謝状なり表彰状というもので感謝の意、表彰の意、こういうものをあらわすということでやっております。
○山田譲君 もちろん、それは何も金をもらいたくて協力するわけじゃないから、それは別に金で解決すべき問題ではないと思いますけれども、何かその規定みたいなものはあるんですか。
○政府委員(金澤昭雄君) 各都道府県の警察本部長が定めております表彰の取り扱い規則がございます。それによりまして、その事案の内容につきましてそれぞれの段階での表彰を行う、こういうことでやっております。
○山田譲君 ですから、それはそういう規定があるんですかないんですか。
○政府委員(金澤昭雄君) ございます。
○山田譲君 それは何か金一封みたいなものがつくんですか。
○政府委員(金澤昭雄君) 特に金一封をつけるということにはなっておりませんが、報償費その他の予算の運用ということで、場合によりましては、事案の内容によりましては、部外者の方に対する報償ということで金一封をつけることもございます。
○山田譲君 これはきわめて不幸にしてけがをしたり亡くなったりしたような人の話ですけれども、そうならないことがもちろん望ましいわけでして、しかも身を挺して協力をしてくれた人に対して、やはり相当の、表彰でも結構でありますからきちんとやっていただきたいというふうに思うんですね。たまたまいろいろ聞くんですけれども、表彰はいいんですが、何か表彰してやるといったような感じでもって、もらう方は一体何のためにもらうんだということが疑問に思うような非常に一方的なやり方で、表彰状をやるんだからありがたく思えと言わんばかりの出し方をしているところがどうもあるやに聞いているんですけれども、その辺どうですか。
○政府委員(金澤昭雄君) こういった方々に対します警察の態度としましては、もう警察官にかわりまして仕事に協力援助していただいたということの全く感謝の気持ちそのものでございます。したがいまして、そういった方に対する取り扱いとしましては、もちろん災害を受けられた方に対しては当然でございますが、災害を受けられなかった方、表彰というようなことをわれわれの方でさしていただくような方、こういった方々に対する私どもの遇し方、これは非常に気を使って、それ相当のしかるべき方法でわれわれの意のあるところをあらわしておる、こういうことで、よく注意をしながらやっておるわけでございます。
○山田譲君 いま官房長のおっしゃったようなことで、ぜひ現場によく徹底をしていただきたいというように思うんですよね。仮にも表彰状をくれてやるといったような調子でもってやるようなことのないように、金は、金一封なんかを出そうと出すまいと、そんなものをもらいたくてやった人たちじゃありませんからそんなことを考えなくてもいいと思うけれども、やはり相当気持ちの上で、本当の感謝の意を込めて感謝状なら感謝状を渡す、こういう気持ちをまず持っていただくようにお願いをしたいんです。最初に言いましたとおり、決して業務命令とか何かで言われてやったことじゃないんですから、その辺をよく酌んでやっていただくようにお願いしたいと思います。 その次に、これは参考までなんですが、諸外国においてはこういった場合に大体どんなことをやっておられるか、わかっておる範囲で結構ですから教えていただきたいと思うんです。
○政府委員(金澤昭雄君) 諸外国の例につきましては、ちょっといま手元にございません。 この協力援助法は二十七年に制定されておるわけでございますが、それまでの太政官布告で行ってきましたそれを参考にしまして、二十七年にこの法律が制定されたというふうに理解をしておるわけでございます。
○山田譲君 何も諸外国のまねをする必要はありませんから、独自の立場でやっていただいて結構ですけれども、たまには外国のやっている状況なども見ていただいて、そして参考にすべきところがあったら大いに参考にしていただきたい、こういうふうに思います。 それじゃ、法案の中身といいますか、法案そのものについてお伺いしていきたいと思いますが、まず最初に、この提案の趣旨を見ますと、貸付を受ける機会に恵まれない場合も多いので、とこう書いてあります。そうしますと、やっぱり何か実際にその具体的なデータか何かお持ちの上でこういうことを言っておられるのかどうか、そこら辺はどうでしょうか。
○政府委員(金澤昭雄君) 貸付を受ける機会に恵まれない場合も多いので、ということで述べてございますが、特にそういった機会といいますか貸付をしてほしいというような要望を私どもの方で把握しておるという事実はございません。制度的にこういう貸付制度というものを充実をさして、できるだけこの救済規定といいますか制度的に充実したものにしよう、こういうことでちょっとこういう表現を使ったわけでございます。
○山田譲君 表現としては、その点ちょっと妥当でないように思うんだけれども、まあ大体想像したものをお書きになったと思うんですね。 その次にお伺いしたいのは、どうして国民金融公庫と沖繩振興開発金融公庫だけに限定したか、こういう問題なんです。つまり、何もこんなに限定しなくて、ほかに政府関係金融機関もいっぱいあるわけですから、どこでも取り扱えるというふうにした方がこういう人たちにとっても便利じゃないか、こういうふうに思うんですけれども、それはどういう事情でこの二公庫だけに限定してしまったか、こういうことをお伺いしたいんです。
○政府委員(金澤昭雄君) 現在この年金を担保にしまして貸し付けを行うことができるというふうにされております金融機関、これは法律上国民金融公庫、それから沖繩振興開発金融公庫、それに年金福祉事業団、労働福祉事業団、これに限られておるわけでございます。そこで年金福祉事業団と労働福祉事業団でございますが、これは労災補償の関係を扱っております。それから厚生年金、国民年金のそういった年金の受給者を対象としてこの二つの機関は貸し付けを行っておるわけでございます。公務災害補償とか恩給等の公務関係の年金につきましては、国民金融公庫と沖繩振興開発金融公庫、この二つが取り扱いの金融機関として現在行われておると、こういう事情によりまして、先ほど申しましたようにこの協力援助の関係は公務員の公務災害補償と非常に似ておるということで、平仄を合わせながらやっておるということを申し上げましたが、その関係でこの二つの金融機関を対象として選んだわけでございます。 なお、参考までに、つけ加えて申し上げますと、国民金融公庫の場合には全国で百四十七の支店がございます。そのほかに信用金庫、信用組合等全部で二百四十二カ所のそういった金融機関と業務委託を行っておりますので、年金受給者にとりましても相当数の多い金融機関ということになろうかというふうに考えておるわけでございます。
○山田譲君 なぜそういうことを御質問したかというと、この二つだけに限定されると、利用する方が非常に不便じゃないか、こういう気持ちからだったわけですけれども、そうすると、国民金融公庫が百四十七もある、信金なんかに委託してやっているところもある、こういうふうになると、利用者にとっては大体これでもっていける、そう不便をしなくても間に合うと、こういう理解でしょうかね。
○政府委員(金澤昭雄君) さようでございます。
○山田譲君 その次に、沖繩の振興開発金融公庫というのがありますけれども、これはいわゆる本土というか沖繩県以外のところですね、そこは国民金融公庫で、沖繩県はすべて沖繩の金融公庫と、こういうことになるわけですか。
○政府委員(金澤昭雄君) さようでございます。
○山田譲君 これは公庫は違うわけですけれども、この問題についての両方の貸付条件というのは一切同じですか。
○政府委員(金澤昭雄君) 同じでございます。
○山田譲君 この貸付条件ですね、たとえば「百六十万円」、そしてただし書きがあって、ただし「年金額の三年分以内」と括弧書きがある。その他「貸付期間 四年以内」、それから利率は年七分三厘、それから「保証人」その他ありますけれども、この百六十万円なり三カ年以内というふうなこと、あるいは貸付期間四年、それから年利七分三厘というふうなものは、それぞれどういう根拠でこういう数字が出てきたか。それはどうですか。
○説明員(福永英男君) いろいろの年金の一年間の平均が大体百万円ぐらいになっておるそうでございまして、それの三年分で三百万、それのおおむね半分ぐらい、百五十万というのがついこの間までの定めだったわけでございます。それが先回十万上がりまして百六十万になった。三百万のうちの大体半分ぐらいを貸し付ける。全部貸すのではなくて半分ぐらいで、あとは生活費に残しておけるということでこういう基準が決まっておるというふうに国民金融公庫の方のお話でございました。
○山田譲君 いや、金額だけじゃなくて、ほかの四年とか年利七分三厘というやつです。
○説明員(福永英男君) 年利の七分三厘は、恩給等に比べまして多少高いのでございますけれども、現在の他の金利から申せば大体妥当なところではなかろうかと、このように考えております。 それから、貸付期間の四年というのも、余り長いとかえって年金受給者の生活を圧迫をすることにもなりかねない。そういうことから、妥当なところとして四年というふうに定められたものである、このように理解をしております。
○山田譲君 いま、たまたま恩給の話が出ましたけれども、恩給はたしか六分じゃなかったかと思うんですね。それに対して七分三厘、横並びと言えばそれまでだけれども、どうして恩給より高いのか。そこら辺はどんなものでしょうか。
○説明員(福永英男君) 恩給の制度が一番最初に道を開いて、その当時は金利が安かったわけでございますけれども、先ほど官房長が答えておりますとおり、国家公務員災害補償法の規定を参酌してということで、これにならってやったということから、先行しております国家公務員災害補償法と同じ利率になったというふうに理解をいたしております。
○山田譲君 最初から言っていますように、まるっきり公務災害と同じに扱うこと自身が、基本的な考え方が違うのですから、考え方というか内容が違うものですから、やっぱり利率なんかについても、恩給の方でそうしているならば、むしろそちらの方に合わせるというくらいの気持ちがあってよかったんじゃないかと、こういうふうに考えます。 念のために聞いておきますけれども、年金額の最低額はいま幾らですか。最低と、最高も教えてください。
○説明員(福永英男君) 最高は二百二十万円ぐらいだったと記憶しております。最低は八十二万円ぐらいだったと記憶しております。
○山田譲君 そうすると、このただし書きの、年金額の三年分というのは、最低の場合の八十二万円について言っても二百四十万ぐらいになりますね。そうすると、百六十万円か三年分か、どっちか低い方ということでしょう、これは。そういうことでしょう。貸付限度額というのは百六十万円か、それとも年金年額の三年分以内と、どっちか低い方が限度ということになりますわね。そうすると年金の最低が八十二万円ですから、三年分を掛ければ約二百四十万円になる。そうすると、二百四十万円は貸してもらえないわけでしょう。その人は百六十万しか貸してもらえないわけですね。わかりますね、それ。そうすると、このただし書きの意味はどういうところに出てくるかということだな。
○説明員(福永英男君) 再三横並び論を申し上げて失礼でございますが、私どもの場合はたまたまいま八十二万円が最低でございますけれども、それより低い年金のところもあるわけでございます。そういうところと軌を一にするということから、私どもの場合には八十二万円でございますからただし書きが働きませんけれども、五十万とかいうふうな場合にはこれが働いてくるというところもあるわけでございまして、私どもの方はたまたま働かない、こういうことでございます。
○山田譲君 私どもの方というのは、あれですか、この協力援助法から言った場合——私がさっき聞いた最低というのはこの法律で言った場合の、あるいは政令ですか、で言った場合の最低の金額なんですよ。この八十二万円というのはそれでいいわけですか。
○説明員(福永英男君) 仰せのとおり、この協力援助法の場合は八十二万以下はございません。
○山田譲君 それだから私は聞いているわけです。三年分というとどう考えても二百四十万円以下になることはあり得ない。そうすると、片方は二百四十万円だけれどもこっちは百六十万円で、どっちか低い方に合わせるということになると百六十万に全部合わされちゃうんだから、ただし書きというのは全く意味のない規定じゃないかと思うんですけれども、どうですか。
○説明員(福永英男君) 公庫側の貸し付けの条件ということで決めてきておるということも御理解いただきたいと思うわけでございます。
○山田譲君 公庫側の事情であろうと何であろうと、とにかく最低は八十二万円なんで、三年分といえば二百四十万円になるけれどもそれは全部百六十万にされちゃうわけですから、百六十万円以下という場合があり得るならば別ですけれども、そうじゃないとすれば、公庫側の条件としても私は全く意味がない条件になるんじゃないか、こういうふうに思うわけです。この辺は検討されなかったんですかね。
○説明員(福永英男君) 私どもの方の場合には、確かに無意味な規定に現在なっております。しかし、他の年金の場合には、百六十万円と三年分とを比べた場合に意味のある場合が出てくる、こういうことかと思います。おっしゃるとおり、この八十二万が最低の場合には、先生御指摘のとおり、意味はないわけでございます。
○山田譲君 ほかのところの話をしているわけじゃないんで、この法律について言っているわけですから。だから、この法律から照らして全然意味がないということであれば要らないんじゃないかという話になるわけです。私が最初から言っているのはそこなんですよ。 だから、何でもかんでも右へならえでもってほかの公務災害や労働災害と同じに扱うというのじゃなく、少しは検討して、せめてこの法律と照らし合わせるくらいして、これは意味ないと思ったらやっぱりそれを削るぐらいの慎重さが欲しかったと、こういうことなんです。あっても邪魔にはならないと思うけれども、少なくともこの法律から言ったらおよそ意味のないただし書きにならざるを得ないというふうに思いますけれども、官房長、その辺どうですか。
○政府委員(金澤昭雄君) 確かに、先ほどから申し上げておりますように、横並びということで従来からやってきておりますので、こういう具体的ないろいろなケースにつきましてはそういう点も出てまいる可能性があるわけでございます。今後、やはり横並び第一ということではなしに、個個具体的なケースをとらえまして、よく関係方面と折衝した上で改正の際には措置をしていきたい、こういうふうに考えております。
○山田譲君 私みたいにそう時間のない人間がちらっと見てもそんな程度の問題が目につくわけですから、ひとつそういうことで単純に横並びという考え方じゃなくて、これは何回言っても同じですけれども、やはりもう少しきめ細かく見ていただきたかったということと、今後もそういう姿勢でひとつよく検討をしながらやっていただきたい、こういうふうに思います。 先へ行きますけれども、これもわからないから教えていただきたいんですが、一時金というのがありますね。これはどういう場合に出されるんですか。
○説明員(福永英男君) たとえば障害補償というのがございまして、目をつぶされたとかあるいは手をなくしたとかというのがございますが、これを障害補償と申しておりますけれども、これの重い方は年金というので毎年出す。それから、軽い方は一時金として一回きりで出す。それから死亡の場合に、御遺族の場合がありまして、これは妻とかその生計をともにしていたという場合には、子供が十八歳未満、親の場合であれば五十五歳以上という場合にはこれは年金になりますけれども、働き盛りの者が遺族であったという場合には一時金になる、こういうことでございます。
○山田譲君 そうすると、この障害給付についての一時金ですね、これは遺族給付についての一時金というのは大体幾らぐらいになるんですか、金額にして。
○説明員(福永英男君) 遺族給付の場合、最低が五百七十万、最高が九百八十万円でございます。
○山田譲君 障害の場合は。
○説明員(福永英男君) 障害の場合は態様によっていろいろございますので、後ほどお答えさしていただきたいと思います。
○山田譲君 いろいろケースがあると思いますけれども、最低のところでいいですからね、一番低いので幾らくらいか、それはいますぐわかりませんか。
○説明員(福永英男君) 傷害で一番低いのは十四級で、三十二万円でございます。
○山田譲君 死亡の場合の一時金、これは五百七十万円から上は幾らでしたか。——九百八十万ね。これはどういう区別なんですか。
○説明員(福永英男君) これは、その人の生前の得ておりました収入によりまして、高い人もあれば低い人もあるということで、低い人の場合に五百七十万円に引き上げる、九百八十万円よりももっと高い人でも、これはここで抑える。こういうことで、その人の生前の収入というものが大きく作用するわけでございます。
○山田譲君 九百八十万円よりも高い人というのはどういう意味ですか、それは。
○説明員(福永英男君) 給付日額に直しまして、日に九千八百円の収入を得ておられるという方の場合はこれを千倍いたしまして九百八十万という数字を出すわけでございますが、九千八百円よりも多く、一万円とか一万五千円、あるいは二万円も毎日収入のある方というのはここで抑えられる、こういうことでございます。
○山田譲君 そうすると、死亡の場合は決まっているわけですか、五百七十万円、九百八十万円と。その中でもって本人の生前の収入に応じてその中にランクづけられると、こういうことですかね。
○説明員(福永英男君) はい。一時金についてはそのとおりでございます。
○山田譲君 その次に、貸し付け条件の中で、連帯保証人が一人以上必要であるというふうに書いてありますね。連帯保証人が必要な場合というのはどういう場合か。つまり、年金の受給権が担保に入っているわけでしょう。そうすると、担保が確実にあるんだからそこから差し引けばいいわけで、どういう場合に連帯保証人が必要なのかという疑問なんですけれども、その点はどうですか。
○説明員(福永英男君) 万が一にも、受給権者が借りられてすぐに亡くなられてしまうとか、あるいは特異な例でございますが、妻であった人が再婚をされるということになりますとその権利がなくなるというふうなレアケースがあるわけでございます。そういうときのために連帯保証人を一名以上つけると、こういうことでございます。
○山田譲君 恐らくこの連帯保証人の条件というのが生きてくるのは、いまおっしゃったとおり、受給権者が死んだとかあるいは再婚して権利がなくなったという場合だと思うんですけれども、これは立法論として、ほかのこととは違うんだから、受給権がなくなったらそれ以上借金を追いかけるというようなことはしなくてもいいんじゃないか。保証人に迷惑かかるようなことをしなくてもいいじゃないか。しかも、そういうことになると、保証人のなり手がなくなると思うんですよ。それは、普通の金融機関から金を借りるという場合と違って、こういうふうな人たちに対する、受給権を担保にしてまで借りたいというふうな場合に、保証人まで立てて、そして権利がなくなった場合には、今度は保証人にまで借金を追いかけていくというふうな、こういう必要が果たしてあるかどうか。また、その場合に、受給権のなくなった人、死んだ場合は別として、再婚したというような場合に、当然再婚した人にも行くんでしょう、その債務を払えということで。それはどうなんですか。
○説明員(福永英男君) 確かに再婚されました場合には、後にまたこの方が年金以外の収入から払っていただければ済むことでございます。どうにもならないのは、先ほども申しました、受給権者本人が亡くなられてしまったというふうな場合で、仰せのとおり、そこまで追いかけなくてもいいんじゃないかというふうな温情あるお考えもあろうかと思いますが、貸す方から見れば、これは結局どこにも返してもらえる当てがないということで、連帯保証人でもつけて、そうした貸す側の条件も整備しておきたいと、こういうことであろうと考えております。
○山田譲君 官房長のお考えを聞きたいんですが、これは金融機関としてみれば、そんな甘っちょろいことを言っちゃいられないということになると思うんですけれども、何回も言うように、ごく特殊な人に対する融資ですから、そのくらいのことを考えていいんじゃないかと思うんですけれども、どうですか。
○政府委員(金澤昭雄君) おっしゃる趣旨はよくわかりますし、人情的な観点からすれば、そういったおっしゃられるような趣旨がよくわかるわけでございますが、やはり一つの公の制度でございますので、そういった公の立場からいたしますと、ほかの制度とのバランスというものを考えなきゃならないと思います。先ほど来何回も申し上げておるわけでございますが、特にこの連帯保証人の制度といたしますと、国家公務員の災害補償制度、地方公務員の災害補償制度というものにも同じような連帯保証人制度がございますので、そういった制度との横並びのバランスということで今回の改正にもつけようと、こういうことでございます。
○山田譲君 その話はそういうことでわかりました。 その次に、せっかくこういう法律改正をしまして、受給権を担保にして金を借りることができる、こういうふうになっても、これは肝心の受給権者たちが皆そのことを知らなければ意味がないわけですけれども、その周知徹底の仕方について、積極的に、どういう方法でもって皆さんに教えてあげるのか、これをちょっと教えてください。
○政府委員(金澤昭雄君) 現在年金を受けております方々は、警察の関係で九十五人いらっしゃいます。この九十五人の方々につきましては、これは個別に連絡をするということで今回の改正の趣旨を徹底させたいと思います。たとえば、年金証書の裏にこういったことができるということを新たに刷り込みました年金証書を交付するというようなことの方法も考えておりますし、またこういった改正を機会にしまして、協力援助法の趣旨そのもの、協力援助法そのものをよく国民の方々に知っていただくということで、警察並びに消防の仕事に対します協力関係、こういったことをぜひ良好な関係に持っていきたいということを考えております。
○山田譲君 ぜひ、相手は対象少ないですからね、だからそんなに何万人といるわけじゃないから、よく周知徹底もできると思うんです。これひとつ親切に教えてやっていただきたいと思います。 その次に、いただいた資料によりますと、警察の場合ですけれども、警察官の要請によって亡くなったりけがをした方と、現行犯人を逮捕したというのと、それから人命救助というのがありますね。この人命救助が非常に多いわけです。人命救助によって亡くなってしまった、あるいは傷病になったという人が非常に多いわけですけれども、大体これはどういう内容のものが多いんですか。
○説明員(福永英男君) 一番多いのは、やはり水泳中あるいは水に落っこちておぼれそうになっている者を助けようとして自分もおぼれた、あるいは相手にしがみつかれたためにおぼれた、あるいは急流に流されたという、いわゆる水泳中、遊泳中あるいは水に落ちた者を救助をする途中に溺死をして亡くなっておられるという方が一番多いわけでございます。 一、二例を申し上げますと、昭和五十五年十二月七日、隅田川に投身自殺を図った婦人を、自動車修理工のA少年が同女を救助するため川に飛び込んで救助活動中、みずからも力尽きて亡くなったというのが一例でございますが、こういうのが多うございます。 それから次には、山岳遭難で、山で遭難した者を助けにいく、その途中で自分たちもまた次の二次災害に遭ってやられたというふうなケースもございます。 具体的な例として一つ申し上げますと、これは昭和五十四年十二月十六日の事件でございますが、谷川岳マチガ沢で登山中の日大のワンダーフォーゲル部員二人がなだれに流されまして、うち一人が行方不明になった。これを付近で訓練しておりました別のグループの四人がこの日大ワンダーフォーゲルグループの援助要請を受けまして捜索をしておりましたところ、運悪くまた再び大きななだれが発生いたしまして、不幸にも四人全員がなだれの下敷きになって死亡したというふうなケースもございます。 そのほか、マンホールの中へ入ってガス欠というふうな条件で人が倒れる、これを救いに行ったときに、また自分も同じような酸欠の状況のために亡くなっておられるというふうなケースもまれにはございます。 〔理事亀長友義君退席、委員長着席〕
○山田譲君 そういう非常にとうとい、何というんですか、身を捨てて人のために尽くそうということでそれと一緒になって亡くなってしまったという非常に気の毒な人たち、この人命救助が多いというのは大体そういう人たちのことですね。 それで、参考までに聞いておきたいんですが、本人が亡くなって相手が助かったという例はありますか。
○説明員(福永英男君) そういう例はございます。そういうときは、もう本当にこれははっきりとわかるわけでございます。
○山田譲君 それではその次に、災害のうち、大体けがが多いと思うんですけれども、疾病というのもありますね、病気。これはどういう例ですか。
○説明員(福永英男君) 一、二例を申し上げて御理解をいただきたいと思うのでございますが、昭和五十六年の十一月十四日、岩手県の水沢署管内で、窃盗・住居侵入被疑者が追いかけられているのを見ました者が、一緒になってこれを追跡して百五十メートル全力で疾走してこれをつかまえた。他の者が警察に通報に行っておりますうちに、犯人をつかまえておったんですけれども、肉体的にも精神的にも大変緊張をいたしましたために急性心不全を起こして死亡したというふうなケースがございます。 それから、昭和四十七年十月二十四日、これも岩手県の事件でございますが、キノコ取りに行って行方不明になった者の捜索に当たりまして、警察署長から出動要請に基づいて出動した消防団員が、捜索活動中に発病したかぜが悪化いたしまして急性肺炎を患ったというふうなケースがございます。
○山田譲君 次に、消防関係の方に移りたいんですけれども、その資料がここにあるものですからこれについてお聞きしたいんですが、この消防関係の資料によると、「応急措置」という欄がありますね。「消防作業」という欄と「救急業務」という欄と、「水防」というのと「応急措置」と、これがあるわけです。死んだ方も、そう多くはありませんけれども、たとえば五十一年度に二人とか五十五年度に一人亡くなっている。この応急措置というのは一体どういうことですか。
○政府委員(石見隆三君) ここに掲げられております「応急措置従事」と申しますのは、災対法の六十五条第一項の規定に基づきまして、市町村長は、災害が発生しようとしておりますときに、その区域内の住民あるいは現場にあります者を応急措置の業務に従事させることができるという規定がございます。その規定によって災害を受けた者ということでございます。
○委員長(上條勝久君) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(上條勝久君) 速記を起こして。
○山田譲君 具体的にどんな例ですか。
○政府委員(石見隆三君) 恐縮でございますが、具体の例をちょっと手元に持ち合わしておりませんので、御容赦願いたいと存じます。
○山田譲君 これは五十一年に二件と、それから五十五年に一件だけのようですから、まあ後でも結構ですから教えていただきたいと思います。 それから、これはごく細かい話で大変恐縮なんですけれども、給付の状況を見ますと、死んだ方の数と葬祭料を出した数がちょっと食い違うわけですけれども、これは恐らく年度がわりで翌年の方に金が出たと、こういうことが多いと思うんですけれども、それはそういうふうに理解してよろしいですか。 それともう一つ、この葬祭料というのは幾らぐらい出るかお聞かせください。
○説明員(福永英男君) 御指摘のとおりでございます。
○山田譲君 いや、幾らですか、その葬祭料というのは。
○説明員(福永英男君) 先ほど申しました、五千七百円から九千八百円までの間の六十日分ということになっております。
○山田譲君 それもやはり亡くなった人の収入によってあんばいされるわけですか。
○説明員(福永英男君) そのとおりでございます。
○山田譲君 その次に一応お聞きしておきたいんですけれども、警察庁の警察官に対する協力援助の例というのはございますか。
○政府委員(金澤昭雄君) いまのところございません。
○山田譲君 それでは法律の中身で、第五条「給付の種類」というところの第二項、これは休業給付のところですね。これで見ると、もう物すごく何かしぼった考え方になっているわけです。つまり一項にいろんな給付がありますということで、その次に二項に、「前項に掲げる給付の外、協力援助者が負傷し、又は疾病にかかり、そのため従前得ていた業務上の収入を得ることができない場合において、他に収入のみちがない等特に必要があるときは、休業給付を行うことができる。」、こう書いてありますけれども、これは一体どうしてこんなにめんどうな規定になっているのか。つまり、けがをすれば当然休まなきゃならなくなると思うんだけれども、そのときはこんなぐたぐた言わないで、文句なしに休業給付を与える、やります、こういう規定で当然じゃないかと思うんですけれども、わざわざ「他に収入のみちがない等特に必要がある」というふうな言い方をどうしてしているのか。この辺がちょっとわからないんです。
○説明員(福永英男君) 御指摘のとおり、「他に収入のみちがない等特に必要があるとき」というのは大変厳しい縛りになっておるように見えるわけでございますが、「他に収入のみちがない」ということで、その方がお休みになっていても御不自由がないという方以外は大体前向きに救うという考えでやっております。大概の者は、療養して会社を休むあるいは役所を休むということになりますとそれだけ収入が減るわけでございますので、休業給付につきましてはできるだけ前向きで検討をいたしております。 具体的な例で申しますと、月収十七万円の会社員が人命救助中アキレス腱を切りまして六十九日間病院へ通ったという場合に、休業給付として二十三万七千三百余円を支払っておる。あるいは二十二万円収入のあった方が現行犯人を逮捕しようとして殴られて災害を受けて一週間休んだという場合に、三万七百九十余円の休業給付をしておるといったように、かなり前向きに休業給付を支払うようにしております。五十五年全体では十八人に対しまして四百十六万二千円という額を支給しているところでございます。
○山田譲君 そうすると、逆に、けがをして一カ月休みました、それでもなおかつ休業給付を出さないという場合はどういう場合ですか。
○説明員(福永英男君) まあ知的労働、あるいはタレントといったことで、その方がいろんな副収入をたくさん持っておられる、あるいは利子がたくさん入ってくるというふうなケースの場合には、あるいは休業給付を御遠慮願うことが出てくるかもしれないと考えております。
○山田譲君 そんなことを言わずに、それはどんなタレントであろうと何だろうと、利子が入る人であろうと何だろうと、六十日間休めばそれは何らか収入はそのおかげで減るわけなんですよね。それに対して、おまえさん一生懸命に協力をしてけがをしちゃったんだけれども、収入があるから、休んでいる間も何も見ないと、それはちょっとおかしいんじゃないですかね。どうですか。
○説明員(福永英男君) おっしゃるとおり、できるだけ厚くしてあげたい気持ちはわれわれもやぶさかではございませんけれども、まあサラリーマンあるいは公務員の場合ですと、若干の休暇は有給で取っておるというふうなケースもございますので、それにさらに加えて給付しなくても妥当性は欠かないのではあるまいかというふうなケースもあるわけでございます。
○山田譲君 変なへ理屈は言いたくないんですけれども、いまの有給休暇の場合だって、休めば有給休暇はそれから減るんですよ。だからそれは後で休みたくたって休めないわけです、その間はね。だから、公務員の場合、一週間休んだってあるいは月給はちゃんと出るかもしれないけれども、いまおっしゃるように有給休暇でやったとすれば、二十日の有給休暇が十三日かそこらになっちゃうんでね。そういう損失というものは、当然これはやっぱり協力援助したおかげでそうなってしまったということですから。 要するに私の言いたいのは、この五条二項、いろいろかなり厳しい言い方をしているけれども、運用に当たってはひとつ余りうるさいことを言わないで、とにかくその協力援助したおかげで休まざるを得なかったという場合は、それ相当の給付をして差し上げるということにしていただきたいと思うんです。もう恐らく実際はそうやっていらっしゃるんじゃないかと思うんだけれども、余りこの文章にとらわれないようにひとつ運用をしていただきたいというふうに思います。 それから、いまの休業給付ですけれども、これは率はどうなりますか。つまり、会社員が休んでしまった、ところが会社の規定でもって休めば六割しか出さない、そういう場合にはどうなるんですか。
○説明員(福永英男君) 通常、この人が得ておりました収入のやっぱり六掛けということが法律施行令の十三条に規定されておるわけでございます。
○山田譲君 そうすると、十万円の人が六万円会社から出た、そうすると、残り四万円の六割が出るということですか。
○説明員(福永英男君) 従前得ていた業務上の収入の全部または一部を得ることができない場合には、休業給付をするということになります。
○山田譲君 そんな話じゃなくて、いま私が言ったのは、具体的に、毎月十万円もらっている人が、休む場合は会社は六万円しかやらないと。その場合は幾ら出すんですかという具体的な話です。
○説明員(福永英男君) 四万円の六掛けということで、二万四千円ということになります。
○山田譲君 その次に法第八条にいきたいと思うんです。法第八条は、「給付の免責及び求償権」ということで、三項ありますね。これは実際にこういう例がありますか、一項あるいは二項、三項に該当したような例というのは。
○説明員(福永英男君) これに該当するものといたしましては、労働者災害補償保険法、いわゆる労災の給付があった場合、あるいは自動車損害賠償保障法、いわゆる自賠責保険によって保険金が支払われたような場合、その限度で給付の免責がされたケースがございます。 最初の、実例の一番でございますが、ある銀行員が取引先の郵便局へ仕事に行っておりましたところ、たまたまその郵便局へ強盗が入りまして、この犯人を追跡して格闘となり、その際銀行員の方が顔面をけがをさせられたというケースがございますが、この郵便局というのはこの人が常日ごろから業務として通っておった郵便局であったために、業務との因果関係が認められまして、労働者災害補償保険法の適用があった。そのために——当然私どもはこの警察官の職務に協力援助した者の災害給付に関する法律の方の支給を検討しておったわけでございますが、そのために支払わなくても済んだといったケースがございました。 それから、自動車損害賠償保障法の適用の例でございますが、昭和五十四年の八月三日に殺人未遂事件の被疑者捜索のために警察署長が消防団員に出動要請をいたしまして、消防団員三名が乗用車で集合を命ぜられた場所に向かう途中、交差点で停止した際、乗用車に追突をされて頸椎捻挫、いわゆるむち打ち等の負傷を受け、これが自賠責の適用を受けたために、私どもの方の協力援助者にも該当するわけでございますけれども、その限度内で免責をされたというふうなケースがございます。
○山田譲君 そうすると、いまの最初の方の例でいきますと、労災補償の法律の適用があったと。そうするとこの場合はどっちが優先するのか。つまり、労災の場合でも、ほかから出れば労災の方は出ないという場合もあり得ると思うんですよ。だから、その場合どっちの方が有利かということでやるならわかるんですけれども、労災補償の場合であれば、いま無条件で労災補償の方が先になるということはもう決まっておるわけですか。
○説明員(福永英男君) どちらが優先するかということが法の上では明確でありませんので、あるいは早く適用した法の方にいってしまうというケースもあるかと思いますが、私どもはできるだけ広く優先的に警察官の職務協力援助法を適用するように心がけてまいっておるところでございます。
○山田譲君 まあ労災補償の場合について言えば、私は基本的に考え方がおかしいんじゃないかと思うのは、労災補償の方はあくまでも業務上のけがですから一まあけがというか、死ぬ場合もあるでしょうけれども、あくまでも業務上の問題である、そちらの方の観点からお金が出るだろうと思うんですね。これは使用者側はちゃんと保険を掛けているわけです、労災保険に。そこから出すだけです、使用者の義務ということで。ところが、こちらの方で出されるのはそういう趣旨じゃなくて、一生懸命国のために協力してくれたんだ、警察の業務のために協力してくれたんだということでお金を出すわけでしょう。だから、こっちが出すからこっちは出さないというのは考え方としておかしいんじゃないかと思うんですけれども、どうですかね、それは。
○政府委員(金澤昭雄君) やはり一つの公的な部分が入っております保険的なものと、それからまた公的なものが出します給付でございます。そういったことで、両方につきましてその公的な部分がございますので、やはり調整するというのがこの法律のたてまえになっておるわけでございます。 したがいまして、どちらが先に優先適用かということでございますが、やはり業務上なり何なり特殊な関係に着目して出される方が優先して出されるべきものであって、そういった、特に何らかの補償なり保険なりというものが働かないような場合にこの制度ということで給付が行われるというふうに考える方が妥当ではないかというふうに考えております。
○山田譲君 まあどっちが妥当かわからないけれども、僕の考えは、あくまでも業務上の負傷であって、これは使用者のいわゆる無過失損害賠償責任といいますか、それから使用者に責任があるんだということで、使用者が絶えず保険を掛けていてそこから出る金なんですよね。こちらの方は、やっぱり警察業務のために協力してくれたんだ、ありがとうございましたじゃないけれども申しわけなかったということで出すお金でしょう。 そうすると、極端な話死んじゃった場合であっても労災の方から金が出ればこっちからは何も出ないということになるんですか。
○政府委員(金澤昭雄君) さようでございます。
○山田譲君 それはどうも私としては納得できないというか割り切れない気持ちですね。葬祭料なんかでもそれは労災保険の方からも出ますよ。けれども、やっぱりこちらはこちらとして、そのための葬式をやるんだから、何か気持ちをあらわさないと、何のために警察の業務に協力して死んでしまったかということになるわけで、やっぱりそれなりの警察からの何がしかの気持ちのあらわれがあっていいんじゃないか、こういう気がしてならないんです。 さっき、公的ということを言われたから、それならば生命保険なんかの場合はどうなんですか、亡くなって生命保険の方から金が出たという場合。
○政府委員(金澤昭雄君) 生命保険の場合は関係ないわけでございます、法律にも、ここにも書いてございますように、「同一の事由について」ということで限定をしておりますので。したがいまして、労災保険というようなものは同じ理由で出る場合に調整が行われますけれども、厚生年金とか国民年金といったようなものは調整の対象にはなっていない、こういうことでございます。
○山田譲君 この第三項で、「給付の原因である災害が第三者の行為に因って生じた場合においてこの法律による給付を行ったときは、その価額の限度において、給付を受けた者が第三者に対して有する損害賠償の請求権を取得する。」、これはどういうことですか。ちょっと説明してください。
○説明員(福永英男君) 犯人に刺された、あるいは殺されたといった場合に、その犯人が本当は賠償すべきじゃないか、不法行為として賠償すべきじゃないか、通常そういうことはなかなか取れないものでございますけれども、それに対して損害賠償の請求権を一応形だけは持つと、こういうことだと考えます。
○山田譲君 そうすると、悪いやつに刺された、そうした場合には、けがをした分はこの協力援助の方でお金が給付されますね。そして今度は国が——国というよりも都道府県なりが今度は刺したやつに対して損害賠償請求をすると、こういうことですか。
○説明員(福永英男君) 形はそのとおりでございますが、大体資力がないために犯人からは取れないというのが現状でございます。
○山田譲君 実際に取れる取れないは別として、一応はそういう請求をするんですか。
○説明員(福永英男君) 求償しております。しかし、現実には取れないのが大部分だということでございます。
○山田譲君 それでは、次にいきたいと思います。 だれかがけがをしたとか亡くなったという場合に給付が出るわけですけれども、その給付を受ける手続ですね、まず最初、どういう手続でもって申請というか、給付をもらおうとするのか。そしてまた、その認定は一体だれがどういう判断でされるのか。それから、認定に対して不服があった場合に何らかの救済措置といいますか、そういう措置はあるかどうか。それはどうですか。
○説明員(福永英男君) この法律の場合は、警察官がいる場合いない場合いろいろございますけれども、必ず警察が探知をできるということが大部分でございます。これを探知した警察官が、署長を通じまして県警察本部へ災害発生報告書という形で報告をいたすわけでございます。そして、この事案がこの法律に該当するかどうかを検討いたしまして、該当するということになりますと速やかに給付の対象に当たる人に対しまして災害給付通知書というものを通知いたすわけでございます。この通知書を受け取りました協力援助者の方は、この災害給付請求書を今度は実施機関、大体は県警本部でございますが、ここへ提出をする、それから手続が始まる、こういうことでございます。 なお、不服審査の関係につきましては、国の場合は長官の訓令、県の場合は公安委員会規則の形で、それぞれ認定等につきまして不服のある場合にはこの更正の申請をすることができるということになっております。この申請を受けた本部長の方では——大部分都道府県でございますので本部長になるわけでございますが、本部長の方ではよく審査をまたいたしまして、そしてその結果得た結論を再び書面で申請者に通知をするということになっております。 なお、これにも不服があるという場合には、行政訴訟に訴えていただくというふうな道しかないわけでございます。
○山田譲君 この認定をするのも警察本部長でしょう。そうすると、不服を審査するのもまた本部長ですか。認定する人が審査権者みたいになることですか。
○説明員(福永英男君) 現在の体制はそういうことでございますが、警察が協力をしてもらった人のことを審査するわけでございますので、誠心誠意やって実情を明らかにして、間違いのないようにという心構えでやっておるところでございます。
○山田譲君 それはそのとおりいけばいいんだけれども、やっぱり人間というものは欲が、まあ欲と言っちゃあれですけれども、どうも不満であると。たとえば細かくいろいろ書いてある。等級もありますよ、けがの等級。あれなんかだって、おれは十等級だとかおれは九等級だとかということについて、やっぱり不満を持つ人が私はない方が不思議だと思うんですけれどもね。その場合に、初めにおまえ九等級だとやった人が不満だと言ってまた出てきたって、私は間違ってましたなんて、そんなに素直に自分が変えられるわけはないし、そんな権威のない話はないんだから、だからたてまえとしてはやはりその審査する機関とそれから本当に認定する処分権者が異なるのが普通じゃないかと思うんですけれども、その辺、具体的に問題になった例というのはありませんか。本部長さんの認定だからこれは間違いないということで、皆そのままに済まされているのが大部分というか全部であると。そういうどうも不服があるというふうなことは問題になっていませんか。
○政府委員(金澤昭雄君) 最初の認定と、その後不服申し立てがありました場合の裁定をする者、これが両方本部長でございます。おっしゃるようなそういった心配が理論上ございますけれども、現実の問題といたしまして、まず問題となると思われますのは、そういった事案が協力援助法の適用を受けるような事案であるかどうかと、この辺のところの認定の関係が一番問題になるおそれがございます。そういった事案の認定につきましては、これは警察が最初からずっと扱っておりますし、いろいろとその事情も一番詳しく承知をしておるわけでございますので、やはり警察以外にその事実認定をもう一遍取り上げて認定し直すという機関はちょっと見当たらない。したがいまして、一番事情を知っている警察が誠心誠意よくその事実を把握するということが現実的に妥当ではないかと思われます。 そういうようなことでいまやっておりますし、人命救助、山岳遭難等の場合で過去に一件程度そういう不服申し立てというのがあったというふうに承知をしておりますが、それ以外の協力援助、警察官の応援要請であるとか、警察官がいろいろ襲われておったのを助けたというような場合で現行犯人を逮捕するというようなことで、そういった事案で問題があったということは承知をしておりません。
○山田譲君 そんなにケースも多くないし、本部長さんだって、本当にそういうことの協力してくれた人に対することですから、そんなに不利になるようなことはしないと思うけれども、制度的にやはり認定という処分をした人と不服の申し立てを受ける人というのはやっぱりある程度違った方がいいんじゃないか。それはいままで九十数人しか実際に年金をもらっている人もいないということですから、そう数も多くないわけですけれども、今後だんだんふえてくるに従って、中にはそれぞれ、もう性善説みたいなものじゃ通用しない場合もあるわけですよね。そういうときに、そういった客観的な審査機関というふうなものがあってもいいんじゃないか。特別にこのためにつくらないにしても、何かほかに適当な機関を使って、そこでそれを活用していくというふうなこともぜひお考えをいただきたいと思うんです。 それから、都道府県の給付のいろんな具体的な内容については都道府県の条例にゆだねると、こういうことになっていますね。第六条ですか、「給付の範囲、金額、支給方法等」、これは「国家公務員災害補償法の規定を参しやくして政令で定める。」と、こうなっていますね。そして今度はこの範囲は、都道府県が行うものについては都道府県の条例でもって定めると、こういうふうになっていますけれども、これで具体的に、恐らくどの都道府県もみんな条例がつくられていると思うけれども、まず一つお伺いしたいのは、なぜこの都道府県の条例に委任したか。そしてまた、そうなると都道府県は文字どおり自治ですから、ですから理論的には都道府県の判断でもっていろんな、一応政令に従うとはいうものの、理論的には少しでも差があるのは当然だと思うんです。条例にすればね。それでも構わないのかということなんです。都道府県の条例にゆだねたということは、構わないんだという前提があると思うんですけれども、事柄の性質上それじゃやっぱりまずいんじゃないか。ですから、政令にあるような内容についてはむしろ法律事項にして、文句なしに、途中に条例なんか置かないで、法律によって、こういう援助でもってけがした人に対してはしかるべき措置が講ぜられる、こういうふうにした方がいいんじゃないかと思うんですけれども、この辺どんなものでしょうか。つまり、都道府県の条例にゆだねた理由ですね。
○政府委員(金澤昭雄君) 条例にゆだねました理由としましては、警察の単位といいますか組織の単位が、現在の警察法で御案内のとおりでありますが、都道府県警察、これが単位でございます。したがいまして、全部いろんな仕事も都道府県警察ということの単位で仕事をやっておりますので、この協力援助の関係につきましても都道府県警察が——条例で定めるということにしておるわけでございます。しかし、いまお話しございましたように、中身的にはこれはやはり隣の県とこちらの県で給付の状況が違うというようなことがあっては困りますので、これは政令で基準を定めまして、その政令の基準によって条例をつくっていただいて内容の斉一は期する、しかしやはりあくまで都道府県警察という警察法の原則は崩さない、こういうことで、条例によって定めるということにされておるわけでございます。
○山田譲君 そういう一つの理屈もあると思うんですね。都道府県の職員であるし、都道府県警察の中身の仕事ですから、これは国が法律でもって関与すべきでない、都道府県がやるべきだと、こういう考え方もあると思うけれども、それは都道府県警察の職員だって国民の一人なんだから、ですから国の法律でもって書いたっておかしくはないと私は思うんです。つまり、都道府県条例ということになるとそれぞれ微妙な差が出てくる場合もあり得るわけで、そういう差は全くないんですか。全く全部同じですか、条文が。
○政府委員(金澤昭雄君) 条例の規定の仕方に差異はございますけれども、中身としては全く同じでございます。
○山田譲君 全く同じものならば、わざわざ条例をつくらせる必要はない。条例をつくらせるということは都道府県の主体性を生かすということですから、都道府県の事情によって違いがある方がむしろ自然だというふうに思うんですけれども、そこは私の意見だけを申し上げておきます。 それから、施行令の五条の二項に「公正を欠く」ということを言っていますね。施行令の五条の「給付基礎額」というところの二項で、「公正を欠くと認められるときは、九千八百円を超えない範囲内においてこれを増額した額をもって給付基礎額とすることができる。」と、「通常得ている収入の日額に比して公正を欠く」というこの言葉ですね。公正を欠くか欠かないかということはだれが判断をするのか。また、次に、その基準は何かあるのかということで、非常に抽象的な言葉であるだけに運用に当たってむずかしさがあると思うんです。どういうふうにやっておられるか、これをひとつ教えていただきたいと思うんです。
○政府委員(金澤昭雄君) この「公正を欠くと認められるとき」という表現そのものにつきましては、公務員災害補償法の規定の仕方にならっているわけでございます。 それじゃ、どういう場合がこういう場合に当てはまるのかと申しますと、これは、最低補償は先ほどから話が出ておりますように、給付の基礎額の最低が五千七百円ということになっております。これを、現実に災害を受けられた方の収入を日額に直しました場合に、五千七百円からはずっと上を超えると。それは先ほど説明がありましたように、五千七百円から最高九千八百円までの間でその人の収入にできるだけ近い線で給付基礎額を決めようと、こういうことでありまして、要するに、現在得ております収入にできるだけ近い線で、しかし最高は九千八百円を超えない範囲内で決めようと、こういう趣旨でございます。
○山田譲君 そうすると、これはほかの公務災害の場合にもやっぱりこういった表現になっていると、こういうことですね。 その次に、今度は消防関係にちょっと移りたいんですが、いまいろいろ話を聞いておられて中身は大体わかっているはずですけれども、消防関係について、警察の場合と違う点というのはどこら辺にありますか。
○政府委員(石見隆三君) 消防につきましては、給付の区分あるいは額等につきましては、すなわち給付の内容でありますが、これは消防と警察は全く同じように合わしてございます。ただ、申し上げるまでもございませんが、消防につきましての公務災害補償を行います主体は市町村長であるということ、もう一つは、市町村がいわば再保険の形で基金を設けまして、そこからのいわゆる支給を受けるという形をとっておりますことが違っておるところでございます。
○山田譲君 その共済基金ですけれども、これは共済基金に加盟していない市町村団体もあるわけでしょう。あるとすれば大体どのくらいありますか、大ざっぱに言って。
○政府委員(石見隆三君) ことしの三月二十一日現在で調べましたところによりますと、全市町村三千二百五十六のうちで、この基金に加入していない市町村は三百四十二市町村でありまして、約一割でございます。
○山田譲君 そうすると、そういう加盟していない一割の団体、これは一体どういうふうにしているんですか。とにかく給付は全く同じことをしなきゃならないわけですね。加盟しているか、加盟していないか——だから、給付の金が基金の方に積み立てたやつから出るのか、あるいは市町村が直接出すのか、どっちにしてもそれは市町村の義務になっていると思うのですけれども、出す方法は、基金に入っていないところはどういうやり方でやっているんですか。
○政府委員(石見隆三君) ただいまお話にございましたとおりでありまして、加入をしていない市町村の中で事故が発生しました場合には、当該市町村の財源負担におきまして給付を行っておるということでございます。手続その他は全く同じでございます。
○山田譲君 何か話を聞くと、ここで言う基金には入っていないけれども、自分たちだけで基金みたいなものをつくってやっているというところがあるように聞いたんですけれども、そういうところはありますか。
○政府委員(石見隆三君) ございます。いまお話にございましたように、ちょっと県名で申し上げますと、山形、茨城、埼玉、新潟、長野、この五県は自分らで、県内の市町村でこういう基金的な組合をつくりまして、そこでいわば基金の小型のような形で、県内で賄っております。そのほか京都市と大阪市は単独で、自分でひとりでやっておるという形でございます。
○山田譲君 そうすると、その基金ですね。たとえば山形県なら山形県は県内の全市町村が集まって一つの基金をつくっているんですか。
○政府委員(石見隆三君) ただいま申し上げました五県の中で、全市町村でやっておりますのが山形県と新潟県でありまして、他の県におきましては若干抜けているところもあるという状況であります。
○山田譲君 消防庁として、せっかくこういう法律によって基金ができているんだから、ひとつそういう皆加盟しないなんていうことじゃなくて、全部を入れてやるようなそういう指導はしておられないんですか。
○政府委員(石見隆三君) 私どもは、先生ただいまお示しにございましたように、やはりどのような事故が発生するかわからないわけであります。と同時に、当該市町村の財政状況でございますとか、そのときの状況によって公務災害補償が十分行えないというふうな状況に立ち至りますればこれは大変な問題でございますので、できるだけこの基金に加入されることを、私どもあるいは基金の方から強く関係市町村にはお願いをしておるわけでございますが、何分にも長い経緯がありますことと、もう一つはこれまでやってきておりまして、これらの県におきましては自分自身でもかなり基金を積み立てておりますので、いまさらという気持ちもございまして、自分らで十分賄っていけるといういわば自信のようなものを持っておられますわけであります。しかし、前段申し上げましたように、いかなる事態にも対応いたしますためにはぜひ入っていただきたいということで、強く勧誘はいたしておる状況でございます。
○山田譲君 消防の場合、さっき全く同じだというふうなことをおっしゃいましたけれども、たとえば要請を受けないで消防に協力した。たとえば火が燃え始めた、それでもちろん電話で連絡したんだけれども、現に燃えているものですから、そこへ水をかけたりなんかして協力しているうちにけがをした、こういうのはどうなるんですか、それは。
○政府委員(石見隆三君) 消防の場合には二つあるわけでありまして、ただいまお話しございましたように、火災が発生をいたしまして消防隊あるいは消防団が参りますまでにいわば消火活動をなさった、そこでけがをされたという場合が一つございます。それからもう一つは、消防隊なり消防団が参りました後で、付近の方に協力をお願いするということでやっておる最中にけがをなさるという二つのケースがあるわけでありますけれども、いずれの場合にも、この補償の適用は受けるということにいたしておるわけでございます。
○山田譲君 火事と違うけれども、水防といいますか、そういう場合はそういうことはないんじゃないんですか。まだ事実が余りないかとも思いますが。つまり、土手が崩れているから連絡するまでに自分が一生懸命やっているうちに自分が流されちゃったというふうな、こういう場合は、法律によってもこの適用を受けないということになりませんか、法律上は。
○政府委員(石見隆三君) 水防法の第十七条には、「水防管理者、水防団長又は消防機関の長は、水防のためやむを得ない必要があるときは、当該水防管理団体の区域内に居住する者、又は水防の現場にある者をして水防に従事させることができる。」という規定を設けておりまして、一応こういう場合も想定はいたしておりますが、ただいまお話がございましたように、水防の場合には火災と異なりまして、通常、災害が来ますことが事前にわかるわけでありますから、できるだけいわば専門の水防団員その他が従事をすべきでありまして、通常、一般の方はむしろ避難をしていただくということをやっておるわけでありまして、通常の場合には、一般の方が水防に従事して負傷されるあるいは亡くなられるということはきわめて例の少ないことであろうというふうに考えておる次第でございます。
○山田譲君 もう時間になりましたから、最後に、ぜひ自治大臣の決意といいますか、お気持ちを伺っておきたいんですけれども、大体、いまずっと一時間半ばかり、いろいろやりとりしてきた中で、もうお気づきになられたかと思うんですけれども、基本的には、とにかく身を挺して世のため人のために、仕事でも何でもないんだけれども、積極的に出ていって、そしてそのためにかえって亡くなってしまった、あるいはけがをしてしまった、こういう人に対して、こういった公務災害に準ずるような援助をする、援助といいますか補償をするということは非常にいいことだと思うんですけれども、基本的に、冒頭に私が言いましたように、やはり普通の業務災害なんかとは違った気持ち、国のそういう人たちに対する感謝の気持ちといいますか、そういうものはやはりあっていいんじゃないですか。それがむしろ当然じゃないかと思うんです。 ですから、内容的には大体ほかの補償制度をまねしたようなものになっていますけれども、基本的な考えとして自治大臣、そこら辺どうお思いになられるか。今後の運用について、そこら辺はやっぱり手厚く配慮していただかなきゃならないんじゃないか、こういうふうに思いますけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(世耕政隆君) 御指摘の点、ごもっともだと思っております。この今度の法律、これをこのままよりももっとさらに将来一歩ずつ進めていってりっぱな完全なものに仕上げていく、さらに私どもは、こういった職務に協力援助されてそのためにけがしたり、亡くなられたりした方々に対し、またその御遺族に対して、常に温かい気持ちでいろいろ援助の手を差し伸べていくべきである、そういうふうに思っております。さらにその援助も、ただ行きずりのものではなくて、きめ細かなものに配慮をしていきたい、こういう念願でおる次第でございます。
○山田譲君 どうもありがとうございました。終わります。
○大川清幸君 初めに、先ほど御答弁があったからいいかと思うんですが、今回の改正案をお出しになったことはまことに結構なんですが、先ほどお話がありました、第九十三国会、このときに、労働者の災害保険、それから公務員の公務災害補償の制度、これ取り入れたんですが、一緒にできなかったのは、全く事務的な事情だけであったということでいいんですね。
○政府委員(金澤昭雄君) 全くの事務的といいますとちょっとなにでございますけれども、やはり従来から公務員の災害補償制度、これを参酌して決めるという法律の規定にそういうふうにうたわれております関係上、やはりわれわれとしても、どうしてもそこの点に一番力が入って改正を行う、こういうことでやってまいりました関係上、今回も、若干時期のずれがあったというふうに御理解いただきたいと思います。
○大川清幸君 次に、警察、消防関係、毎年やはりこうした認定を受けるような事件ですね、これどの程度起こっているのか。 それから、現在年金給付対象者、両庁ともどういう状況になっているか。御報告願います。
○説明員(福永英男君) 過去五年ぐらいでよろしゅうございましょうか。——五十一年が、警察官の職務に協力援助して死亡いたしました者が十七名で、傷病にかかりました者が四十一名。五十二年は、死亡いたしました者が十九名、そして傷病が四十一名。五十三年が、死亡いたしました者が二十名、傷病が四十一名。五十四年が、死亡十二名、傷病四十二名。五十五年が、死亡九名、傷病三十二名と、このようになっておりまして、平均と言うのもおかしゅうございますが、毎年十五人前後の死亡、四十人前後の傷病というような形になっております。 それから、年金の受給者の数でございますが、ことしの三月末現在で調査いたしました時点では、障害補償年金をもらっております者が二名、遺族補償年金をもらっております者が九十三名、合わせて該当者は九十五名ということになっております。 なお、傷病補償年金というのもございますが、これの該当者はございません。
○政府委員(石見隆三君) 消防関係でございますが、消防の作業に従事して死亡または負傷された方の数でありますが、消防の場合には、消防作業とそれから救急業務、水防従事、応急措置と四つがあるわけでありますが、これの合算で申し上げますと、五十一年度で、亡くなられた方が六名、負傷が三百十六名あります。五十二年度では、亡くなられた方が二名、負傷が二百三十六名。五十三年度では、亡くなられた方が一名、負傷が二百六十一名。五十四年度では、亡くなられた方が一名、負傷が二百五十六名。それから五十五年度では、亡くなられた方が二名、負傷が百九十八名となっております。 それから、年金の受給者でありますが、これはずっと重なって、累年になってきておりますわけでございますが、傷病補償それから障害補償、遺族補償合わせまして、五十一年度では百十二件、それから五十二年では百十九件、五十三年では百二十二件、五十四年では百二十件、五十五年では百二十三件ということになっております。いずれもこれは基金の取り扱い分の数値でございます。
○大川清幸君 ところで、いまの年金受給者の中で、たとえば警察関係では障害給付年金を受けている方が二名おりますが、毎年四十人前後傷病の対象者があって、障害給付年金対象者は二名というのは、これはあれですね、大変重い障害を受けてずっと働けないとかいう特殊事情ですね。
○説明員(福永英男君) 仰せのとおり、失明したとか、あるいは手がちぎれてしまったとか、あるいは脊髄に損傷を受けたとか、働けないような状況の非常に重い、重度の者についてのみ障害年金というのを出すわけでございまして、軽い方の、多少まだ働けるという場合のは一時金ということでやっておるわけでございます。
○大川清幸君 ところで、次に今回の法案の第十条に関連してお伺いをいたしますが、年金受給権の保護の問題でございます。改正部分は、「ただし、年金である傷病給付、障害給付又は遺族給付を受ける権利を国民金融公庫又は沖繩振興開発金融公庫に担保に供する場合は、この限りでない。」、ですから、基本的に保護されてる協力者のいわば一身専属権といいますか、そういう性格のものだろうと思うんですが、金を借りる場合だからこれはやむを得ないのかという私解釈もいたすんですけれども、原則が改められるというよりは、これちょっと全く反対の性格の法律規定になってしまうんで、その辺のところはどう考えておられるのかということがちょっと気になるものですからお伺いしておきたいと思います。
○政府委員(金澤昭雄君) 御指摘のとおり、こういった年金を受けます権利、これは一身専属的なものでございますし、当然保護されなければならぬということでございます。 今回のこの担保に供することができるという改正でございますが、これはもう本当に一時的に不時の出費、そういったことに対する急場のしのぎ的な措置がないわけでございますので、その急場の措置をとれるような状態をこの法律改正で行おうということでございまして、やはり年金ということで生活を保障するというその基本的な思想は変わりないと、こういうふうに理解しておるわけでございます。
○大川清幸君 それで、一時的な必要が生じて融資を受けるということですが、その辺の融資の理由ですね、認定する場合、どんな条件が必要なんですか。条件というか理由。
○説明員(福永英男君) 子供が入学をしたとか、結婚したとか、あるいは家の増改築をするとか、一時的にちょっとまとまった金が要るという場合が広く考えられようと思うのでございます。貸す方といたしましては、一応用途を書かせると思いますけれども、まあばくちに使うとか、変な理由さえ書かなければ、大体貸してくれるというふうに理解をしておるわけでございます。
○大川清幸君 入学その他と、しかも一家の収入もある程度そこそこあって、後の返済の見込みが立っているケースというのはほとんど問題ないと思うんです。ざっくばらんに言って、そういうケースがあるかどうかわかりませんが、数の少ない中ですけれども、年金収入だけに頼っている御家庭で、ばくちやその他はいまお話しのあったとおりで全く別でございますが、ただ、何らかの生活の事情なり親族関係の事情で生活の方も脅かされるような窮状があった場合ですね、そういう場合で、家庭の不時の出費ということですけれども、全く生活が不如意というか、何というか、生活困窮者みたいな状況に陥った場合には、これは全く対象になりませんか。どうなんですか。
○説明員(福永英男君) なかなかむずかしい問題だと思うのでございますが、本来のこの制度の趣旨からいえば、借りて、その後の生活が大変圧迫される、あるいはもうやっていけないというふうな状況での借り方というのは望ましいことではなかろうと思うわけでございます。しかし、借りる方が、それでも一時生活費が足りないから貸していただきたいというふうな理由で申し出たといたしましても、まあ最後に決定するのは公庫側でございますけれども、公序良俗に反しない形での申し入れの理由であれば貸すということになろうかと思うわけで、最後はやっぱりお借りいただく方の常識にまつ以外ないのじゃなかろうかと、かように考えておるわけでございます。
○大川清幸君 次に、協力援助者に関する災害の認定の基準ですが、先ほどもちょっと論議があったようでございますが、第二条一項の規定というのはございますけれども、災害と認めるか否かの基準ですね。これは具体的にどういうことになっておりますか。
○説明員(福永英男君) 第二条に、三つに大きく分かれて規定がしてあるわけでございまして、一項の前段の方は、犯人と格闘しておる警察官が力及ばずやられかけておるとか、あるいは助けようと思って、自分も一緒におぼれそうになっておるとかいうふうなときに助けを求めて、これに応援をした、そのために災害を受けたというような、警察官の援助要請のあった場合というのが第一番目でございます。 それから第二番目は、殺人、強盗、窃盗等、人の生命、身体もしくは財産に危害の及ぶ犯罪の明らかな現行犯がおりまして、かつ、警察官その他これをつかまえるべき者がその場にいない場合に、職務によらないで自分で逮捕に向かった、あるいは被害者の救助に当たったというために災害を受けたときということになっておるわけでございます。 それから三番目は、水難、山岳における遭難、交通事故その他人の生命に危険が及び、あるいは及ぼうとしているときに、みずからの危険を顧みずこれを助けようとして災害を受けたときという三つに分類されるわけでございます。 それで、警察官の援助要請の場合、そこを逃げていく泥棒をつかまえてくれ、あるいはおれに加勢してくれという明示の意思表示がありました場合に、これはもうもちろん言うまでもないことでございますが、首を締められているために声が出ない、あるいは組み敷かれておる、あるいは自分もおぼれかけておるというために声は出せないけれどもその周囲の状況からこれは助けるのが相当であるという場合には、当然要請があったのと同様にみなすというふうに考えておるわけでございます。ただ、むずかしいのは、何かあったらよろしくお願いするという程度の抽象的な依頼があって、どうも怪しいのがおったから交番へ行く途中に滑って転んじゃったというのまで拾えるかとなりますと、少しこれは問題でございまして、もう少し切迫した具体的なものが必要であろう、こんなふうに考えておるわけでございます。 それから、現行犯人の逮捕の場合というのは、殺人だとか強盗だとか傷害だとか窃盗だとか、ここに例示されておりますようなはっきりした犯罪の場合はよろしゅうございましょうけれども、交通違反の場合であるとかというものについてまでこれを一般の人にかかわらしめるということは、別の悪い面も出てまいりましょうから、明白な犯罪に限定をして考えておるといったようなところがポイントになろうかと思うわけでございます。 御質問の趣旨にちょっと反しているかもしれませんが、そんなふうに考えております。
○大川清幸君 そこで、事件が起こったりした場合に、状況がそれぞれ違うのでなかなかむずかしい面もあろうかと思うんですが、要するに、協力援助による災害であるかどうかということを相当と認める理由ですね、これがなかなかいまの御説明聞いてもちょっと定かでないような気もするんですが、現実にいままで処理をされてきた中で、この辺の判断に問題がなかったのかどうか。この辺はどうですか。
○説明員(福永英男君) 個々のケース全部を担当したわけでございませんので定かではございませんけれども、かなり迷ったケースはあったろうと思います。しかし、法の趣旨から見まして、できるだけ前向きに積極的に解釈をしてまいったというのが多かろうと思うわけでございます。 先ほどちょっと申しましたが、首をしめられて声が出ないとか、あるいは自分もおぼれそうになっておって声が出せなかったのであるというようなのはいいわけでございますけれども、そのほかもう少し広まった場合につきましては、個々具体的に検討してやはり社会常識に沿った解釈をその都度いたしておる、こういうことで御理解をいただきたいと思うわけでございます。
○大川清幸君 大体状況わかりましたけれども、たとえば警察官等もおらないが実際に水難だのいろんなこと起こって、自主的に民間人が行動、アクションを起こして傷害なり何なりを受けたというようなケースがあった場合の認定の仕方というのはこれはどうなりますか。後で近所の人が通報したりいろんなことで、事件ですからどうせ地元の署へは届けられるので、災害の認定を行うような手続はされるんだろうと思うのですけれども、いま言ったように、現場にいなくて後でわかったというようなケースもあり得るのじゃないかと思いますが、その点はどうでしょう。
○説明員(福永英男君) 特に二項の方の人命救助の場合などは、本当に目撃者もいないというケースもあるわけでございます。目撃者があれば当然これを捜して、本人がおぼれたのでなく、助けようとしておぼれたんだということをできるだけ調査をいたすわけでございますが、本当に目撃者もいない、二人がおぼれておるというふうな場合には、状況をよく見て、一人は靴を履いたままおぼれておったが、もう一人は靴は脱いでいて、後から飛び込んで助けようとしたんじゃなかろうかというような細かい点にも注意をし、あるいは溺死の時間の前後、そうしたことを法医学的に究明するなりいたしましてやっておるわけでございますが、二人とも死亡しておった場合にどうにも判断のつきかねるというのが、神ならぬ身でございますので、ないとは言えないところでございます。
○大川清幸君 次に、第二条の二項の方の関係で、先ほどちょっと御説明がありましたが、たとえば水難とか山岳遭難あるいは交通事故のケースですね。こうした場合に、ここに書いてありますのは、「人の生命に危険が及び又は危険が及ぼうとしている場合に、自らの危難をかえりみず」云云と、こうなっております。これは、こうした水難以下の事故に遭遇した場合に、民間人が協力をするなり積極的に行動を起こす場合、この第二項の規定にあるような条件に合わなければだめだという意味ですか。どうなんですか。
○説明員(福永英男君) 法律の条文といたしましては、確かに要件として、「危険が及び又は危険が及ぼうとしている場合」に限定をされておるわけでございます。しかし、人命救助の場合というのは、何をもって危険というかというのは人によっても差はございましょうし、男女あるいは老若の差によっても差がございましょう。したがいまして、できるだけ状況から、あるいは目撃者から、前向きに積極的に検討するという姿勢で対処しておるところでございます。
○大川清幸君 もうちょっと念のために伺いますが、たとえば自発的に救助活動に出たというような場合で、いまとの条文に規定があるような状況といいますか、生死が脅かされるかどうか、そういう状況が必ずしも明確ではないわけですよね。ですから必ずしも生命に危険が及ぶかどうか、この辺のところは弾力的な解釈で災害認定をする必要があるだろう、そういうケースがあるんじゃないかと思いますが、どうですかね。
○説明員(福永英男君) たとえば冬山登山をいたしまして、予定の日に帰ってこないパーティーがおるということで心配をした家族から届け出があって捜索隊が出るというふうな場合は、無事山小屋に避難しておるかもしれませんし、本当に凍死寸前でいま救助に向かわなければならないかもしれない、本当にわからないケースが多いわけでございます。これはもう御指摘のとおりで、特に山岳遭難の救助活動などはその例だろうと思うわけでございます。そういう場合には生死不明のことが多いわけでございますけれども、これはもう助けよう、生きているうちに助けようという心でみんな出かけてくれるわけでございますから、生死不明の場合で、結果的にはその時点では死んでいたかもしれないけれども、まだ生きている者を救助に向かうために出かけていって災害を受けたというふうな方向で検討をする場合が多いと、そういうふうに前向きに考えておるということで御承知いただきたいと思います。
○大川清幸君 それでは次に、この協力援助者の給付の額の決め方の問題で何点かお伺いをしておきたいのです。 最初に、警察官への協力援助の災害給付の額ですね、これは国、地方の公務員の災害補償に準じて定めるようにされているんだろうと思いますが、これはどのように決めておられますか。
○説明員(福永英男君) おっしゃるとおり、災害補償法の規定を参酌してやっておるのはもちろんでございますが、協力援助者に支給する基礎になりますところの給付日額というものにつきましては、一番最低を警察官の巡査の中位号俸、具体的には七等級十六号俸で、これを日割り計算いたしますと、一日当たり五千七百円というのを、これを最低に決めておるわけでございます。これよりも収入の高い方もたくさんおられますので、これでは余りにも低過ぎてお気の毒である、公正を欠くという場合には、都道府県の今度は警視の中位号俸、特三等級の十号俸というのが具体的な数でございますが、この九千八百円。いま申しました五千七百円から九千八百円の間で基礎になる給付基礎額を決めまして、これに倍率を乗じたりして決めておるというのが実情でございます。
○大川清幸君 ところで、警察官の災害補償の場合は、職務上特殊な危険も伴う内容でありますので当然だと思うんですが、犯罪捜査あるいは人命救助、こういうようなことを行わなければならないわけですので、警察官の災害補償というケースではいろいろな配慮がなされておって特例加算等が実際にはありますね、警察官の場合は。どうですか。
○政府委員(金澤昭雄君) 警察官の場合と、そのほかにやはり警察官と同じような危険な職務、たとえば武器の携行を法律で認められておりますその職員が、あらかじめ予想される危険に向かって職務執行をしまして殉職をした場合というような場合には、特殊公務というようなことで、五割増しの支給がされるということになっております。
○大川清幸君 そういうことに、公務災害補償の額は百分の五十で加算をされる仕組みになっておるわけですが、警察官の協力援助者の場合になりますと、別に加算の根拠も何にもありませんし、一般の公務員の災害並みの扱いということだろうと思うんです。たまたま事故、事件が起こって警察官にかわってこういう協力活動をやるということでございますので、収入の点を考えれば九千八百円の規定もあるわけなんですけれども、実際に警察官が災害をこうむった場合等のケースで言うと、理屈を言いますと差が出てしまうような気がするんですが、この点については全く配慮はできませんか。
○政府委員(金澤昭雄君) 先ほども申し上げましたように五千七百円から九千八百円ということでやっておりますが、ただ、下の方の場合を見ますと、これは子供であります。全然収入のない子供の場合でありましてもこれは最低の補償、金額言いますと五千七百円は補償されるわけでございます。それで、非常に高額所得者でありますとこれを九千八百円で抑えますのはちょっと確かに申しわけないような感じがするわけでございますが、まあ平均的なというような感覚で、収入のない者も五千七百円、しかしうんと高額の者も九千八百円というふうなことで、大体警察官の巡査から警視までの中に一般の人を当てはめて処遇をすると、こういう感覚でございます。
○大川清幸君 いまの御説明で、その辺で扱うしか方法がないんだろうと思うんですけれども……。 もう一つ、地方公務員の災害給付とそれから協力援助者の災害給付額の算定の方法というのはこれは同じようにやるわけでしょうが、たとえば若い、扶養親族じゃない妻の、何といいますか、遺族給付年金ですか、この場合は両方の制度とも基礎となる額に百五十三を乗じた額と、こういうことになっておりますね。そこで協力援助者の場合は給付基礎額——給付基礎額という名称でありますが、これは現在幾らになっていますか。それで警察官のような地方公務員の場合は平均給与額というようなことで一応言われておりますけれども、この平均給与額というのは、概念的には平均給与額ということですが、一体これはどういうふうにして決めておられるんでしょうかね。
○説明員(福永英男君) 過去三カ月の御本人の収入を平均いたしまして、月二十七万であればこれを三十で割って一日当たり九千円と、こういう計算をしておるわけでございます。
○大川清幸君 三カ月ですか。
○説明員(福永英男君) そのとおりでございます。
○大川清幸君 そうしますと、具体的に地方公務員のケースですと、平均給与額としては扶養手当ですとか住居手当、通勤手当、時間外手当などさまざまな手当がいろいろ加算されて計算しているのが実情だと思うんです。先ほどもお話が出たんですが、協力援助者の場合は、警察官の俸給ですね、先ほどの計算方法にある日割り計算で割り出した分とこういうことになるわけですから、基本給の部分だけを標準にして計算をした形になると、こういうことだろうと思うんです。その最低額と最高額を一応決めてはありますけれども、どうもこの辺でちょっと扱いの上では妥当を欠くような問題が出てきやしないかというような気がするんですけれども、この問題についての対処の仕方については全く方法がないと、この規定でやる以外にないということですか。
○説明員(福永英男君) 現在のところは、これでできるだけ有利に対処していく以外にないと思うわけでございますが、先ほど官房長が申し上げましたとおり、収入ゼロの人については五千七百円まで引き上げておるという半面もあるわけでございまして、確かに高い方については不利でございますけれども、収入の低い方あるいは全然ない方、これは有利に取り扱っておると、こういうことで御理解をいただきたいと思います。
○大川清幸君 次に、消防庁関係でちょっとお伺いしておきますが、先ほど山田理事の方からもお話が出ておったのですが、この消防作業に従事した方の災害補償ですね、これは消防業務そのものが市町村固有の事務でありますので、災害補償については大体都道府県なり市町村が負うということになるわけですが、消防法と水防法あるいは災害対策基本法で個別にこの点についてはそれぞれ規定をしていますよね。その年金権の保護に関する規定ですね、これは共済基金法の第二十四条にあるわけですが、この消防団員等公務災害補償等共済基金法に入っている形になっているわけですね、そういうことですから。これはどっちがいいかの論議をしてもしようがないと思うんですけれども、共済基金の組織法でこれを決めてあることについては、もう少しこれはどっちかへ調整した方がいいんじゃなかろうかという気もするんですけれども、この点についてはどうなんですかね。
○政府委員(石見隆三君) 消防作業の従事、あるいは救急業務、水防従事それから応急措置と、四つの区分になるわけでありますが、法体系から見ました場合には、消防法、水防法、災対法と三つの規定に基づきましてそれぞれ市町村の条例に根拠を持ってこの補償を行うということにいたしておるわけであります。ただ、先ほどからも御議論がございましたように、このこと自身一つの権利の保護という観点に立っておるわけでありまして、そういう意味ではこの規定自身民法の規定に対するいわば特例規定だろうと思うわけであります。民法のこの特例規定を、先生お示しにございましたように、それぞれの法律に書くというのも一つの方法だろうと思うのであります。しかし、この三つのそれぞれの規定によります補償の基金業務を行っておりますのがいわば基金でありますので、その基金法の中に一括して書いたということに相なっておるわけであります。 お話にございましたように、それぞれに分けて書くのも一つかと思うのでございますが、私どももこの点、従来この法がそもそも制定されたときにどういう議論があったのかということもちょっと翻って調べてみたこともあるのでございますが、大体いま申し上げましたように、それぞれに書くのも一つではあるが、特例規定というのは、それはやはり一括して仕事をしておる基金法の中に書いておくのがいいのではないだろうかという判断のもとにこのような規定が設けられたということのようでございます。
○大川清幸君 そこで、先ほど御報告がありましたが、三千二百五十六市町村中この基金に加入していない団体が三百四十二ですか、約一割あると言いましたね。一〇%あって、これは加入するかしないかという問題についてはその市町村なり地方公共団体の任意の契約の形ですから入らないのもいるわけで、しかも京都、大阪なんかは単独で、財政力もあるかどうかは知りませんけれども、やっておられるというようなことですが、いろいろな事件が起こったときに協力をして災害をこうむった場合、扱いは結果としてみんな一緒になるからいいではないかという論議だろうと思うんですけれども、こうした非加入の団体なんかがあって、扱い上については今後も全く混乱なり不都合なことは起こらぬということですか。どうなんですか、これは。
○政府委員(石見隆三君) お示しにございましたように、いまだ三百四十二の市町村がこの基金に加入をいたしておらないわけでございますが、あくまでこれは基金と市町村とのいわば共済契約でございますので、入る意思がなければこれはもう入らないということになるわけでございます。この点につきましては、やはりそれぞれの市町村の考え方があろうかと思っております。 一つは、県単位でやっておって業務にいまのところ全然支障がない。それから、持っております基金から見ましても、基金の額と保険数理から見ました額と比べましても大体大丈夫という自信を持っておりますこと。あるいはまた、基金に入りましても、払う掛金に比べて受ける給付が少ない。いわば災害が余り発生しないというところは、掛け捨てのような感覚もないわけではない。いろいろな理由によってこういうことになっておるわけでありまして、私ども現在の時点では支障なく運用はできるというふうにいま考えておるわけでございます。
○大川清幸君 時間が来ましたから、終わります。
○神谷信之助君 時間が限られておりますから、いただいた資料で申し上げますが、まず警察庁の方。警察官の協力援助の認定外の比率ですね、この資料によりますと五十一年が一五.九%、五十二年が一六・七%、五十三年が二一.八%、五十四年が一九・四%、五十五年が八.九%なんです。この認定外の事例の特徴ですね、これをまずちょっとお伺いしたいと思います。
○説明員(福永英男君) 二条にいろいろ要件があるわけでございますが、この二条の要件に該当するのではなかろうかと署から警察本部の方へ上げてまいりましたもののうち、やっぱりそれは二条の要件に該当しないというものについて、若干申しますと、一つの例としては、独身寮の自室で寝ておりましたところ不審な物音がする。そこで見回してみると室内に妙な男が立っておる、これを逮捕しようとして負傷した、こういう事案はどうだと。この場合は、入ってきた者が泥棒を目的であったか強盗目的であったかわかりませんけれども、犯人であって、入られてつかまえようとした人は被害者本人であるというふうなケースで落ちるというケースがあるわけでございます。 それから、団地内の駐車禁止地域に停車しようとした乗用車の運転手に注意した際に車に接触して負傷をした。これはこの法律に適用ないかという疑義が来たわけでございますけれども、この場合は、「殺人、傷害、強盗、窃盗等人の生命、身体若しくは財産に危害が及ぶ犯罪」と言うには少し弱い。単に駐車禁止のところへ入れようとしただけのことでは余り明白な現行犯人云々とは言えないであろうということで落ちたようなケースがございます。 それから、デパートでエレベーターガールが客に暴行されておりますのを見て、とめに入った同店のデパートの保安係員がけがをした。しかしこの場合は、業務のうちである、言わば労災の対象ということで、「職務によらないで」とは言えない。職務の中だろうというふうなことから外れたケース等、いろいろあるわけでございます。
○神谷信之助君 そういう御説明を聞いたんですが、第一例の方は、これは先般できた犯罪被害者給付金ですか、あの法律の適用ができるだろうとそういうお話で、これはまあ救済されるだろう。 この団地内の駐車禁止区域の場合、確かに強盗とか殺人、暴力犯、そういうものではない問題ですわね。それに該当はしないという点、それはわかりますが、先ほどおっしゃっている、まあ言うたら公共の秩序維持というか、そういう点で、だから、そういう決められたことを無視をしてやろうとする、それに注意をしてけがをしたというのはこれに当たらぬとなると、もうそういう不法行為——いわゆる「人の生命、身体若しくは財産に危害が及ぶ」とか、そういう事態ほどひどいものではないけれども、しかしそういう不法行為を注意をして、それでけがをしたというものは対象にならないとすると、そんな不法行為にはもう目をつぶっとれと、見逃せということになるわけですね。この辺は警察の防犯という観点からすればいかがなものかという問題が一つは起こってくる。 それから、保安係の問題ですが、これはそういう暴力行為をやることを制止をするのは業務の一つかもしれぬけれども、しかし、だからといって、何も現行犯逮捕するとかそういう義務は負わされていない。権利はあるにしても義務は負わされてないはずだ。その場合、相手の出方によってそうなったという場合に、それを単に業務上の問題として片づけることが一体できるのかどうか。確かに業務上の傷害ですから労災の対象になる。先ほど同僚議員からありましたけれども。しかし、それによって休みを取れば、休業補償は六割しか出ない。しかし、これを適用されれば、その残りの四割のまた六割分はこれで補償請求できるわけでしょう。 だから、そういういわゆる社会的秩序を破壊をするような不法行為に対して、業務と言えるかもしれぬし、また、あるいは業務を超えて積極的にそういう不法行為を押さえる、そういう行為に対して、やっぱり適用ができるというところまで、この法律のそのままでいいかどうかは別問題として、これは考慮しなければ、法律自身の意図している趣旨から言うと私は問題があるんじゃないかと思うんです。だから、この点、いますぐどうのこうのじゃないですが、ひとつ検討課題として私は検討してもらう必要があるんじゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。
○政府委員(金澤昭雄君) 二条一項の解釈としましては、いまのところは確かに「殺人、傷害、強盗、窃盗等人の生命」云々と、こうなっておりまして、この解釈からしますと、ちょっと駐車違反の注意というようなことにはなかなかずばり当てはまらないんじゃないかと思いますが、おっしゃるとおり、確かに不法行為に対する国民のやはり積極的にそれを是正するというような気持ちなり行為というものは、これはやはり社会として守っていかなきゃならぬという考えがいたしますので、今後この法律の適用なり——適用は、ちょっとこのままではむずかしいとは思いますけれども、これを将来いろいろと検討するというようなことで、やはり前向きに対処していかなきゃならぬ問題だというふうに考えるわけでございます。
○神谷信之助君 次に、同じ問題で消防庁にお伺いしますが、消防庁の資料によりますと、五十一年度が認定外の率で〇・九、五十二年が〇・四、五十三年がちょっと多くて三・〇、五十四年が〇・八、それから五十五年が一・〇。ですから、警察の認定外の比率から言うと非常に低いんですがね。認定外とした主な理由というのは一体どういうことでしょうか。
○政府委員(石見隆三君) この先生お手持ちの資料の認定数をごらんいただきますと、五十一年から五十五年までが出ておるわけでありますが、それの合計は大体五年間で認定いたしましたものが千二百七十九件となっております。その前提といたしましての、申請がございましたのが千二百九十五件でございますので、十六件が認定外となったということであります。約一・二%ということであります。 その内訳は、応急消火義務者に係るものすべて、いわば自家火災、自分の家が焼けたのを自分で消そうとしてけがをしたというのがこれは九件であります。それから二番目は、本人の素因が大きくて災害との直接因果関係が認定しにくかったというものが五件でありまして、その他二件ということで十六件余りが不認定ということになっておるわけでございます。
○神谷信之助君 いまの第二の方の問題で、本人の素因が大であると言うが、素因とは何かと聞いたら、疾病といいますか、そういう話が出てきました。これは公務災害補償の問題でも大分問題になってきているわけで、従来血圧が高かったとかどうとか、心臓が悪かったとか、だから、それで公務上の災害と言えるかどうかという、そういう認定問題をめぐって議論のあったところです。最近大分認定されるようになってきていますわね。そういう点との関係で、この辺も私はこれ本人の素因の問題が、その素因の内容によってですけれども、説明を聞いたところではそういう疾病が中心ですという話ですから、それが中心だとすると、そのことによって外すというのはおかしいじゃないか。ただ、血圧が高いとわかっておっても、火事が起こってそれに協力する、そしてそのことによって病気になったり倒れたり、あるいはお亡くなりになるという、そういうのを、その因果関係の問題で認定外にするという点に若干私は疑義を感じているんですが、その点はいかがですか。
○政府委員(石見隆三君) この点大変認定のむずかしい部分でございまして、これはもちろん先生ただいまお示しにございましたように、公務員、あるいはその他一般の民間の事業所に勤務しております者を通じまして、いわば労災の基本的な問題になるわけでございます。私どもといたしましては、扱いといたしまして、素因がきわめて大きいという場合に限るわけでありますけれども、たとえばいまのお話にございましたように、日ごろ血圧が高い、そこへ消防業務に従事をして倒れたというときに、日ごろ高いからすべてだめということにはいたしていないのでありまして、やはり日ごろ高くても、従事したことがそれをさらに加重倍加したというような状況が医学的に認定されますれば、これはもう公務として扱っている向きもあるわけであります。この点につきましては、公務災害基金には専門の審査委員会を設けておりまして、医師ほか専門の学者の先生方にお集まり願いまして、こういう非常に粉らわしいと申しますか、認定のむずかしいものにつきましては、この審査会の議を経て決定をいたしておるという慎重な手続もとっておるような状況でございます。
○神谷信之助君 その次に、この問題の最後ですが、比率の差が他のなにと比べると大分違うんですよね。地方公務員の場合ですと、五十一年認定外比率というのは〇・九、五十二年で〇・七、五十三年が一・〇、五十四年〇・九、五十五年が一・〇。それから人事院の国家公務員の関係でも二・七、二・六、四・二、二・三、二・八という比率ですね。警察の方の関係が二割前後で、五十五年度は非常に特別に低くなっていますけれども、この比率の差というのは一体どこから来ているんでしょう。
○説明員(福永英男君) 私どもの場合は、本人から申請を最後はするわけでございますけれども、警察が、起こりました事案、要請のあった場合はもちろん、現行犯逮捕の場合あるいは人命救助の場合あわせまして、それを把握した上で、署長を経て本部長にこういう事案がありましたと報告した分を根っことして、分母としてとらえておるわけでございます。したがいまして、それを審査する過程において、それは先ほど申しましたような例で、被害者本人であるからだめだ、あるいは職務上だからだめだというふうに落としてまいりますので高くなってきておる。他の方は存じませんけれども、他の方では、もう間違いなかろうというのを慎重に審査された上で落ちてくるのがあるということから低くなってくるのではなかろうか。まあ、よそのことまで申し上げて恐縮でございますが……。
○神谷信之助君 だとすると、消防の方は大分その申請のところで入り口の方が厳しいんですか。向こうは入り口が広いんやと、間口が広いんやということなんですか。
○政府委員(石見隆三君) 私ども、入り口のところですでにもうチェックをしておるかどうかということは十分承知はいたさないわけでございますけれども、少なくとも基金におきましては適正妥当な認定をしていただいているものというふうに考えておる次第でございます。
○神谷信之助君 異議申し立ての問題ですが、先ほど警察の方は同僚議員にお答えになっていますが、消防の方はどういう状況でどういう仕組みになっていますか。
○政府委員(石見隆三君) 市町村長の認定に対しまして、いわば原処分庁であります市町村長に対しまして異議申請がどの程度出たかということにつきましては、申しわけございません、ちょっと手元に資料を持ち合わせておりませんので、調査をいたしたいと存じております。
○神谷信之助君 それはどこでやるの、審査は。その手続。
○政府委員(石見隆三君) 市町村長に対しまして異議の申し立てをいたしますので、市町村長が審査をいたすわけでございます。
○神谷信之助君 そうすると、警察の方も消防の方も、審査は、認定権者がまたその審査をやるわけですか。
○政府委員(石見隆三君) 消防につきましては、処分権者が市町村長でございますので、原処分庁であります市町村長に対して異議の申し立てをいたすということになっておるわけでございます。
○神谷信之助君 基金の審査会で審査をする手続が入っているんでしょう、あなた方の方は。その点どうなんですか。
○政府委員(石見隆三君) 基金に支払いを請求をしてまいりましたものに対しまして、すなわち基金に請求をしてまいりますのは市町村長でございますが、それに対しまして、基金の方で疑義があるというときには、基金の先ほど申しました審査会の議を経てこれを審査をしておるということでございます。
○神谷信之助君 そうすると、消防の方の基金の方の審査会というのは却下する方の審査をやるわけね。市町村長が、出しますよよろしいかという申請をする、そうするとあなたの方は、基金の方が審査をしてよろしいという場合は出すけれども、あかんという場合はあきませんよと、こう言う。だから、却下の方の審査をやるのがあなたのところの消防の方の基金の審査手続なんですか。
○政府委員(石見隆三君) 基金におきましては、基金の支払いに関する決定について異議のある市町村長が出すわけでございますので、いまおっしゃいました点につきましては、市町村が基金に支払ってくれと、こういう請求を出しまして、基金がこれは支払えないというときに、異議があればそこへ出すということに相なるわけでございます。
○神谷信之助君 この両方ともちょっとなんなのですが、消防の場合はまだなんですが、警察の方は先ほど同僚議員にも答弁ありまして、結局都道府県本部長なり警察庁長官が認定をするあるいは認定外にする、それで不服があれば申し立てをする。再更正というんですか、そういう再申請がある。それでまた、それを認定するのは同じ立場の人やと、こうなっていますわね。それは警察官の協力援助者の法律には規定が全然ないですね。不服についてはどうしなさいという規定はない、法律そのものには。それで、警察庁長官の訓令なりそれから公安委員会の規則でそういう手続がある。公務災害補償の方なり、あるいは労災の方でもそうですけれども、そういう不服申し立てについてはちゃんと一章を設けて、そういう問題についての処理について非常に事細かく規定しているわけでしょう。いままで不服の申し立てはあんまりなかったと、ほとんどないということになっているんだけれども、私は、あるなしにかかわらず、それについて不服の申し立てをする制度がこの法律の中にないというのは一体どういうことなのか。ないというのは、少なくとも警察のやることはみんな正しいとか、あるいはこちらの場合だと、市町村長による決定は皆正しいとか、そういう思想というのはどうもおかしい、考え方がね。 だから、本来そういうのは、たとえばこの法律の中で見れば、不服の申し立てについては別の施行令によって定める手続によるとかなんとか一項あればそれははっきりしますよ。ところが、法律そのものにそれはない。それで、規則でとにかくそれをやっているという、このところに私はこの法律の、まあ今度改正に際してこれ見さしてもらうと、重大な欠陥が一つあるんじゃないかと思うんです。これも先ほど申し上げました点と相まって、検討課題として私はちょっと検討をしてもらって、これはやっぱり国民が警察の業務なり、消防業務なりあるいは自然の災害に対して積極的に協力するわけですから、それに対して、もし認められたことについていささかの不服があれば申し立てることができるというものをちゃんと制度は制度としてつくる必要があると思う。特に警察の場合は、もう警察の方でやります、現場を知っているのはわれわれが一番よう知っているのやというふうに言わはるわけや。だけど、本人は違いますからね。本人は本人の考え方があるかもしれない。しかし、警察がそう言われたらなかなか異議の申し立てをするというのはむずかしいんですよ。警察官がそう言っているやつを、いや、あんたの見方と違う、おれはこうだと、仮に思っておっても、なかなか言いにくいというのがまだいまの社会の一般的常識ですわな。そういう条件の中で、異議申請がきわめて少ないというのも、私は一つ気がかりなんだけれども、それを保障することがこの法律の中にはっきりしていないという点は、一つこれは重大な問題ではないかということを、先ほどからいろいろなほかのところは横並び横並びと言いながら、これだけ横並びにしていないということも相まって気になるので、この辺はいかがですか。
○政府委員(金澤昭雄君) この法律のねらっております目的といいますか、これは、警察官の仕事に協力援助したということで、そういった実態をつかんで給付を行うかどうかを認定をする、判定をするというのは、やはり実際援助を受けました警察官、これがやはり事実を認定をし、それが内部組織に従ってやっていくのが一番実際面としても妥当な方法じゃないかというふうに考えるわけでございます。したがいまして、法律上は特にこの法律の中にそういった異議の申し立てなり、不服の申し立てということは規定せずに、それを一つ落としました訓令なり、規則ということで、付随的といいますか、補足的にそういった規定を設ける。しかし、最後的な場面としましては、これはやはり行政訴訟ということでの担保というのはあるわけでございますので、この法律自体が、そういった警察官に協力援助したということの特殊性、仕事といいますか、その協力業務の特殊性からいって、警察に全面的な判断をゆだねた、こういうふうにわれわれは考えておるわけでございます。
○神谷信之助君 おっしゃる趣旨は私はわからぬでもないですね。しかし、片一方では公務災害その他の関係法に横並びしながら、実際上はそういうことの条項を一項つくることが別にどれだけの効果を持つかどうかというのは、これは日本の社会機構あるいは警察や消防に対する考え方、これらと相まって出てくる問題でもありますから、それでまた異議の申し立てがどんどん出ることがいいのかどうかという価値判断はまたいろいろな見方もありましょう。そういう意味ではいろいろ問題ありますけれども、私は、そういう点ではこの辺、この法律自身の一つの、いずれまた検討する時期もあろうと思うんで、私は、これはひとつぜひ先ほど申し上げた点とあわせて検討をしてもらうということを重ねて要望しておきたいと思うんです。 それからもう一つは、公務災害補償と比べて有利な面もあります、不利な面もありますという話でしょう。一日五千七百円から九千八百円、確かに子供さんの場合は五千七百円、有利です、こういう言い方もあるでしょう。しかし私は具体的に、先ほど同僚委員からもありましたけれども、公務員の場合には基本給だけではなしにいろいろな諸手当も含めて給与総額で、それも三月ですけれどもそういう平均をとっている。ところが、今度の場合は、基本給ということになりますと、特に民間の企業の場合、基本給というのはできるだけ、比較的低く抑えて、いろいろな諸手当で補っていくという、そういう賃金体系がずっといまふえてきている。そういう点から言うと問題である。公務員なり、あるいは警察官なり、消防職員が、これがいろいろそういう危険な業務を行使をして、不幸にもそういう被害を受けるというのは、しかしこれは一面公務自身義務ですから、義務なき者が協力をする場合、それと比べて一体どうなんだろう。子供さんの場合はやっぱりその人本人の問題ですからね。その協力をして負傷したりあるいは死亡した人、その人にとって有利なのか不利なのか、公務員と比べて一体どうなのかというところをやっぱりとらまえないといかぬのじゃないか。そういう点ではできるだけ近づけると先ほどから話があった。近づけるというのは、たとえば協力者の収入に近づけるということであって、上回ったらいかぬのかなという話をさっきから一生懸命——それよりも有利に見ますというならばまだ話はわかるけれども、近づけるという話しか出てこないんで、この給付基礎額、決定額を。だからこの辺はちょっと、義務なき一般国民がそういう警察業務なり消防業務に協力をして、そうして社会のために働いて災害を受ける、そういうのに対しては、やっぱり社会的にも許される範囲というものが一定範囲あるだろう。それは公務員の補償と横並びより上回ってしかるべき問題ではないのか。それを、五千七百円以下の人には有利でっせといったようなことでは私はそれは説明がつかない。それは別にその人たちが有利であっていかぬと言っているのじゃ決してないですよ。それは当然だけれども、それ以上の、それから九千八百円までの間の人にやっぱり有利になるように考えていくということがこの法律自身の趣旨でもないだろうかというふうに思うんですけれども、この辺いかがですか。
○政府委員(金澤昭雄君) この法律で考えておりますものは、やはり一般民間の方々でありましても、警察官の仕事、消防官の仕事と同じような状況で災害に遭われる、こういうことを予想しておるわけでございますので、いろいろと具体的なケースはあろうかと思いますけれども、考えの主たる柱としましては、警察官なり消防官の平均的な給与のところに焦点を合わせて、それでそういった民間の方々の給与といいますか、給付基礎額、これを定めようというのが、法律としてはそういうふうに立てられておるものだと理解しておるわけであります。 具体的なケースにつきましてはいろいろあろうかと思いますけれども、法律の制度としてはそういう警察官なり消防官の平均的なところに全体の焦点を合わせる、これも制度としては一応妥当な線ではないか。したがいまして、先ほどから述べておりますように、下の方ばかり申し上げて恐縮ですけれども、下の方のあれはずっと平均的なところまで引き上げる、上の方も平均的なところまで調整をさしていただく、こういうようなことで社会的にはバランスをとったのではないか、こういうふうに考えておるわけでございます。
○神谷信之助君 私は、やっぱりどう考えてもその辺は納得できないですね。下の方を引き上げる、それはわかります。それで、先ほどおっしゃいましたように、警察官などはちゃんと武器を持っているわけですね。武器を使う危険も持つそういう業務にある。したがってその場合五割増しの特別の仕組みもある。だとすれば、一般の国民がこれ無手でいくわけでしょう。相手が出刃包丁を持っているか何を持っているか、そういう場合もあるでしょう。それで逆に刺されて死んじゃったという場合もある。そういう場合に、こっちは無手ですよね。だから、本来ならほうっておけばいいんですよ、命あっての物種やと言って。それでなくても風潮は暴力行為が行われても知らぬ顔しているというのが多いわけでしょう。あるいは暴力団がひどいことをやってももう知らぬ顔して黙っている、そういう状況が多いわけでしょう。その中で、勇気を持ってそういう暴力、凶悪に対して闘ってくれた人に対する措置としては、それは五割増しがいいのか、三割増し、一割増しがいいのか知りませんよ。それはどういうふうに考えればいいかわかりませんが、やはりそこのところは考えなきゃ、一般の巡査並みだと、下の方は上げたんだからそれでしんぼうせいと。私は、上をどの水準で切ったらいいのかどうかというのは別問題。そう深く検討はしていませんからどうも言いませんけれども、その五千七百円から九千八百円の中で、少しでもその人のいままで得た収入を上回るような、そういう——近づけるんじゃないんだよね、こういう考え方というものが根底にあってしかるべきではないかというように私は思うんですよ。 これは論争をやってもしようがないので、大臣、お聞きになって大体趣旨はおわかりだと思いますが、これは国家公安委員長としてもひとつ、本当に国民全体がやっぱりそういう暴力を許さない、不正を許さない、不法を許さない、それからまた、いろいろ火事が起こったり水難が起こる、そういうのに対して、やっぱり社会のために、また人命救助のために積極的に闘っていく気風をつくっていく。これでそういう空気ができるわけではないんだけれども、考え方の問題としては、私はそういう点をはっきりさしていかないといかぬじゃないかと思うので、ちょっとその辺、大臣のお考えを聞きたいと思います。
○国務大臣(世耕政隆君) 今回の改正法律ですね、給付制度によって実際国民がそういった場合に、暴力とかその他のあれに対して、勇気を持って臨む人々がふえるかどうかというのは、これは何とも言えないところでございますが、やはりこれは警察ももちろんそうでございますが、警察も、国民の期待を受けてその方向の取り締まりというのは厳に行って、よりよき社会をつくらなきゃいけないと思うのでございますが、それにはやはり国民の皆様の御協力を得なければならない。今度の制度は、そうした行為でいろんな犠牲になられた方々に対して報いる、せめてもの一つの方法として取り上げたものでありまして、これが全体を律する万全の方法であるとはわれわれも考えていないところでございます。しかし、その一角を築いていくものとして、これは今後のこういった警察あるいは消防災害に関する事柄にとってやはり貴重な一つの出発点になると思うので、その点で今後ともわれわれの方はこの法律の運用に当たって常に適正でかつ迅速に給付がなされ、また、それが今後充実していくように、そのように考えております。 また、遺族の方々とか、けがをされて苦しんでおられる方々にも、われわれの方は厚い援護、やさしい援護、それからいろんな点で細かく気を配って、その人たちにいろんな角度から何とかして報いてまいりたい、そういう気持ちが非常にわれわれの中にはありますことを申し添えまして、われわれの気持ちの一端をお酌み取りいただきたいと思います。
○伊藤郁男君 最初に、警察の方にお伺いをしておくんですが、この協力援助の災害給付の給付金ですか、この給付金というのは、一体この予算、一般会計というのですか、どこに組んであるんですか。どういう形の中からこれを出していくのか。それを最初にお伺いしておきます。
○政府委員(金澤昭雄君) 警察庁から都道府県警察に配賦をいたします補助金の中に計上してございます。
○伊藤郁男君 その補助金は総額でどのくらいになっているんですか。
○政府委員(金澤昭雄君) 五十六年度で約一億二千万でございます。
○伊藤郁男君 そうすると、一億二千万ということは、それを四十七都道府県に分けるとせいぜい一県二百五十万程度と、これで間に合っているということの理解でよろしゅうございますか。
○政府委員(金澤昭雄君) 現在のところ間に合っておるわけでございます。
○伊藤郁男君 それで、その一億二千万円で各県ごとに二百五十万円ですね、その補助金が要らなくなって余りますわね、その余った部分というのは、これは何ですか、そのままほかに使われると、こういう理解でいいですか。
○政府委員(金澤昭雄君) 都道府県警察に配賦をいたします補助金でございますので、これは警察法でいろいろ積算をいたします補助対象経費の二分の一を計上しておるわけでございますが、これは予算の範囲内でということでございます。したがいまして、補助金全体としましては、これは対象としましては部分的には足りないところ、足りておるところいろいろありますので、補助金を総合的にいろいろ運用いたしまして、県の方の県費と合わせまして運用しておると、こういうことでございます。
○伊藤郁男君 それはわかりました。 そうすると、今度は消防の方なんですが、警察のこの関係は補助金で運用されている。消防の方は、例の略称基金法ですか、これは。消防基金法ですね。各市町村あるいは水害予防組合、これらが加盟をして掛金で運用をされている、こういうことになるわけですが、この法人たる基金ですね、これがいまのところ何と何で成り立っておるのか。掛金のほかに何か加わって成り立っているものなのか。そうしてその総額ですね。現在のところ、基金の金というのですか、それは一体どのくらいあるのか。その辺の現状をお伺いします。
○政府委員(石見隆三君) 基金につきましては、基金の経理でございますが、五十五年度の収益計算によりますと、事業費収入が約七十一億一千三百万円であります。そのうち、いわゆる市町村からの掛金が十五億六千九百万円、それから利息配当金が四億四千八百万円、それから前年度からの繰越準備金が五十億九千六百万円、事業外収入が三千百万円ということで、総合計では七十一億四千四百万円ということに相なっております。
○伊藤郁男君 その事業外収入の中には、国庫補助金は入っていないんですか。
○政府委員(石見隆三君) これは、有価証券の償還差益等でございまして、いわゆる国庫補助金ではございません。
○伊藤郁男君 消防白書の中の、「消防庁関係予算主要事項別一覧」、その中に、「消防団員等公務災害補償等共済基金補助に必要な経費」として五千九百七十八万八千円と、こういうふうにありますね。だからその金は、事業外じゃなくて収入の七十一億の中に入っていると、こういうように見てよろしゅうございますか。
○政府委員(石見隆三君) いまお示しのございましたものは、基金の人件費の補助の分でございます。
○伊藤郁男君 いまのは人件費補助として国から出ていると、こういうわけですね。そうすると、いまのところ繰り越しが五十億ということで総収入七十一億、財政状況としては健全だと、このように見ていいわけですね。
○政府委員(石見隆三君) 五十億の準備金は持っておりますが、これはもう御案内のとおり、どのような大きな災害が起こるかわからないわけでございますので、そのときのいわゆる準備金でございます。保険数理から見まして、この額で現在の時点では十分賄い得るというふうに考えておるところでございます。
○伊藤郁男君 この基金というのは、基金法に基づいて、役員は自治大臣が任命するということですね。そして、日常の人件費は国が補助して運用されているというんですが、いまのところ、役員はどのくらいの人数で、職員はどのくらいで一体運用されているのか。事務所はどこにあるのか。お伺いします。
○政府委員(石見隆三君) 理事長は一名でございまして、これは現在非常勤でありますが、岡山市の市長さんがなっておられます。それから専任理事が一名おります。それから監事が、専任でございますが一名おります。事務局職員が約二十五名でございまして、場所は虎ノ門の、病院の前の日本消防会館の中に入っております。
○伊藤郁男君 そういう体制で基金が運用をされているようでありますが、この消防基金法の適用を受けた者の数ですね、これは中身は消防団員もあるし非常勤の団員もあるし、そして一般協力者と、いろいろあると思うんですが、そして中は何何補償、何々補償、退職金の関係もあるし、いろいろ種類別にもあると思うんですが、その中身がわかりましたら教えていただきたいと思います。
○政府委員(石見隆三君) 五十五年度で申し上げますと、団員と協力者と合わせまして、いろいろな補償を受けました者の数は、五十五年度で四千百九人ということに相なっております。
○伊藤郁男君 これは総人数ですね。団員以外のものは含まっていない、団員だけですか。
○政府委員(石見隆三君) 団員と協力者で補償を受けた方の人数が四千百九人、五十五年度中に受けておる者が四千百九人ということになっております。これは年金等につきましては、御案内のとおり累積をしてきておりますので、こういう数値になっておるわけであります。
○伊藤郁男君 そうすると、これは五十五年度で四千百九人ですね。その中で、いわゆるここで言う協力者というのはどのくらいありますか。
○政府委員(石見隆三君) 五十五年で、協力者といたしましては数で四百八十四名でございます。
○伊藤郁男君 この協力者に対しては、消防法第三十六条の三の中に、政令で定める基準で補償をしていくんだと、こういうんですが、その「政令で定める基準」の中身を教えていただきたい。
○政府委員(石見隆三君) 政令で定める基準に従って各市町村の条例を設けて補償するというたてまえをとっております。 政令の基準でありますが、政令の基準は、一つは補償の種類であります。これは警察の場合と全く同じであります。それから補償の基礎額でありますが、これも先ほどから警察の方から御答弁がありましたものと同じであります。 そういうところが主な内容になっておるものであります。
○伊藤郁男君 そうすると、その基準というのはそれぞれまちまちである、それぞれの地域によって——まあ「政令で定める」というのだから基準は政令で定まっておるわけですな、それを各自治体が条例で決める、こういうことになるわけですね。だから、基準はあるけれども、その中身についてはそれぞれ違いがあるんだと、こういう理解でよろしゅうございますか。
○政府委員(石見隆三君) 政令は基準でございますので、この基準に従いまして各市町村で条例で具体の内容を確定をするわけでございますが、それぞれの市町村で、まあたてまえ上は条例でありますから、これを基準にして、この基準の上下あり得ていいわけでありますけれども、やはりこのような公務災害についての補償という問題が各市町村ごとにばらばらというのではやはりいろいろ問題点もあるわけであります。したがいまして、私どもといたしましては条例準則を示しまして、この内容が各市町村ごとにまちまちにならないように、かつ、この政令で定めている基準を下回らないように指導いたしておるところでございまして、現在、この基準を下回っておる市町村はないというふうに承知をいたしております。
○伊藤郁男君 そこで問題は、消防も警察官もそうですが、先ほど来議論になっておるわけですがね、結局その認定の問題ですね。先ほど警察庁の方の御答弁を聞いておりますと、最終的にはその協力援助を頼んだ警察官が決め手になるということのように私は聞いたわけですね。消防の場合にも、たとえば消防士が現場において一般の方に頼むよと協力の依頼をすること、そのことが最終的には認定の決め手になる、こういうように思うんですが、その辺どうなんですかね。たとえば足の速い泥棒が逃げていく、そうすると、警察官はちょっと足が遅くて追いつかぬ、頼むよあれが泥棒だと、こう言ったときははっきりわかりますわね。わかるんですよ。しかし、火事の現場だとかそういうところでごった返しているときに、頼んだ頼まなかったなんていうことはわからないことになる場合もあると思うんですね。その辺の認定の最終の決め手になるものは何か。その辺のところをちょっと警察と両方の見解をお伺いしたい。
○政府委員(金澤昭雄君) それでは、警察の方から申し上げますが、警察の方にはこの法律の第二条にありますように、一つはもうはっきり、「警察官が」「援助を求めた場合」ということでございますが、これはいま先生お話しのような具体的に求めたという場合が一番はっきりしておるわけです。 それと、「協力援助することが相当と認められる場合」というのがございまして、これは先ほど来議論が出ておりますように、どういう場合が「相当」かというのは、典型的な例は、警察官が首を締められておって援助を求めようにも声が出ないというのが一つの典型的な例として話が出たわけでございますが、こういうだれが見ても、客観的に見て、警察官に協力援助するのが本当に妥当だと、相当だというふうに見られるような場合、これが二つ目でございます。 あとは、殺人、傷害、強盗と、そういったものの現行犯が逃げておる、状況から見てこれは犯人であるということがはっきりしておる場合に、これは警察官の応援要請があろうとなかろうと追いかけてつかまえるという行為がございます。それが犯人逮捕というようなことでございます。 そのほかに山岳遭難、水難、交通事故という、これはもう警察官が現場にいないであろうということを前提として、客観的に見てその行為が警察官の仕事に協力援助したと言えるかどうか、こういうことでございます。 大体そういった類型で判断をしておりますのでその辺のところを御了承いただきたいと思います。
○政府委員(石見隆三君) 消防につきましての協力援助には、消防法上三つを予想しておるわけであります。 一つは、消防法第二十五条の第二項にございますように、火災が発生しました場合に、消防隊が来るまでにその現場付近におりました方が延焼の防止あるいは人命の救助に協力をしたという場合が第一点であります。 第二点は、二十九条の五項にございますように、消防隊が到着をいたしました場合、消防隊が緊急必要があるときに、その付近におる方々に対しまして、延焼の防止あるいは人命の救助、その他消防作業を手伝ってくれということをお願いをした場合。 三番目は救急業務でありまして、救急業務について救急隊員が協力援助をお願いしたと。 この三つの場合に分かれるわけであります。
○伊藤郁男君 そうすると、いまの第二十五条二項によって、消防隊が来る前に、その近くにいる者は、火を消すため、あるいは人の命を助けるためにとにかく協力しなきゃならぬ。「協力しなければならない。」と、こうはっきり書いてありますね。消防隊が来なくても、火事になっていて、現場付近にいる者は、火を消すか、あるいはどうも人がやられそうだというときにはその人命を助けなきゃならないとはっきり書いてありますね。そしてそれを現実にやって、自分も巻き込まれて亡くなってしまった。そのときには消防隊は来ていなかった。本人は亡くなっているんですね。そうすると、これはだれが認定するかですね、問題は。非常にその辺のところが、大臣は温情ある適正な処置を積極的にやりたいと、こう言うんだけれども、現実に証明するものがない。これはどうしようもないと言わざるを得ないのかどうかですね。その点どうですか。
○政府委員(石見隆三君) 消防の場合には、御案内のとおり、火災が発生をいたしました場合に近所の方にはわりあいわかりやすい、煙が出るとか火が噴き出すとか、わかりやすい状態になりますので、比較的近所で見ておった方、現認した方がおられる機会が多いわけでございます。いまお話にございましたように、消防隊が来るまでに個人の方がいろいろ消火活動をしていただいたという場合には、本人の供述でありますとかあるいは火災を出しました家の方の話でありますとか、あるいはいま申しましたように火災でございますので、わりあい人の見る目が多いわけでございますので、その辺でいろいろそのときの状況を現認した方などの供述とかそういうものを消防機関としてはできるだけ詳細に聞き取りまして、二十五条二項に該当するかどうかということを判定をいたしておるのが実態でございます。 ただ、お話にございましたように、そうは申しましてもなかなか現実問題といたしましてその方が火を消そうと思ってけがをなさったのか、あるいはたまたま通りかかって転ばれたのか、その辺が非常になかなかむずかしい場合があるわけでありますが、それは個々具体の問題として、いま申しましたようにできるだけたくさんな方々の、見ておった方のそのときの状況等を聞きまして、消防機関は可能な限り判断をいたしておるというのが実態でございます。
○伊藤郁男君 そこで、私は、去年のこれは災害対策特別委員会かこの委員会か忘れましたが、例の静岡ガスの爆発事故のときに斉藤さんという方が、消防士から依頼をされて、そしてガス栓のもとを自分が知っていたものだから、それを調べに行って、途中か調べた後か知りませんが、第二爆発に遭って亡くなってしまった、こういう事件があって、遺族から消防基金法の補償の適用というものをしてほしいという申請があったけれども、なかなかこれは認められないということになった。というのは、結局、消防士が果たして斉藤さんにガス栓のもとがどこにあるか調べてくれということを依頼をしたのか。その依頼をしたと思われる消防士が亡くなっているわけですね。だから、消防の方は頼んだ覚えはない、勝手に本人は行って死んだんだというような冷たい仕打ちだったわけですね。 この補償の問題は、これは基金の本部が認定するわけじゃないんですよ。掛金を掛けている加入者の静岡市長が認定をするわけであって、その静岡市長の認定の段階で、これはもうどうにも証明するものがないと。ところが、先ほどの長官の話じゃないけれども、周りにはいろいろの人がおりまして、そして確かにあの人は消防士からそのことを頼まれたんですよ、頼まれたから行ったんですよ、あのときに頼まれなければよかった、あるいは、頼まれてもその現場へ行かなければ死ぬことなかったと、特に奥さんはそういうように証言しているわけですね。それらのいろんな証言が積み重なって申請をされていっても、結局は頼んだ者が亡くなっちゃって、頼んだ消防士そのものがいないから認定のしようがないといって、これはだめになっているんですよ。 だから、私はその辺のところを事実に基づいてお話しをしているわけですが、実際最終認定、決め手、結局は依頼した方が健在でない限りにおいてはなかなかこれが認められないということになれば、協力したくても、むざむざ命をなくしてまで協力してもつまらぬということに最終的には一般人がそういう傾向になっていくのではないか、このことを恐れておるわけでありますが、その点についてどうですか。大臣の御見解がございましたらお聞きしたい。
○政府委員(石見隆三君) ただいま御質問にございました静岡駅前のガス爆発の際に、そのビルに居住をして、かつ店舗を持っておられました斉藤富士雄さんという方が亡くなられたことは事実でございます。その際、この斉藤富士雄さんの御遺族の方から、市に対しまして二度にわたり消防隊員が協力を依頼をしたから、いわば御主人がそれに協力するために、協力しようとして亡くなられたという申請をいただいたことは事実なんでございます。 それで、地元の静岡市消防本部におきましては、このような申請を受けまして、当時関係者からいろいろと事情を調査をし、そしてまた、御本人が亡くなっておられた場所でございますとか、あるいはその他の状況等々相当詳細調査をしたわけでございますが、最終的には消防隊としてそのような協力方をお願いをした事実が確認ができないと申しますか、ないと申しますか、という状況に相なりまして、静岡市としては認定ができないということに相なったわけであります。 私どもは、その後、先生からも御質問もちょうだいし、静岡市に対しましてさらに詳細に、できるだけの関係者に当たるようにということも指導いたしまして、静岡市も努力をして調査をいたしたわけでございますが、残念ながら結論的にはいま申しましたようなことに相なったわけであります。 市といたしましては、決してこの災害補償につきまして甘くするとかきつくするとかいうような意識的なことはさらさらいたしておるわけではないわけでありまして、客観的な資料、事実に基づいて認定ができるものなら当然これは認定をすべきであるということで努力をいたしたわけでございますが、結論的にはいま申しましたように認定をするに至らなかったということに相なっておる次第でございます。 静岡市におきましては、なお引き続きいろいろとその後もこの問題について調査もし、あるいはまた、こちらの基金本部にも照会をしたりして、なおまだ努力はいたしておりますけれども、協力依頼をしたという事実の確認をするには至っていないというのが実態でございます。
○伊藤郁男君 確かにいろいろの事情はあると思うんですが、結局は、最終的には依頼した者が現存をしていればいいんですよね。その辺のところが非常に、温かいような法律でも最終的には何か大変冷たい感じを持たれるわけですよ。 その点はひとつあれですが、それと、協力して不幸にして亡くなった者がこの申請をするわけじゃないわけですよね。結局遺族がするわけでしょう。あるいは警察か消防に言われて、こういう法律があるからひとつ申請しなさいというのでするわけですね。だから、たとえばこの法律案が通った段階で、こういう法律がありますと、こういう手厚い——こういう場合に協力をして、もしも不幸にして亡くなったり、たとえば目がおかしくなったり、足が一本なくなったり、そういう不幸に遭ってもそれだけの補償の道がありますよということを、そういう法律がありますよということを国民に周知徹底をしないと意味がないわけですよね。だから、この法律案が通った後、そういう周知徹底の方法について何らかのことを考えられておるのかどうか。 それと、私が指摘をしましたようなそういう最終的な認定の段階において、大変冷たいという感じを持たれることのないような、もっと緩やかな認定の基準というものがあっていいんではないか、こういうように思うんですが、その点の大臣の御見解をお伺いして終わります。
○国務大臣(世耕政隆君) 年金受給者に対しては、全員に個別に今回の貸し付け制度の新設について詳しく公示することを考えているものでございます。そのほか、全体の趣旨についても、政府の広報機関、あらゆるものを通じて国民の皆様に周知徹底していくような方向でいろんな計画を立てているところでございます。 また、こういった法律の運用に当たって、先ほどから細かくいろいろ御指摘をいただいて大変参考になったのでございますが、やはり静岡の事件もそうだと思うんですが、周辺からの客観的な情報提供者をもとにしていろんなふうに確認をしていく、これは保険やなんかと同じような形になるだろうと私は想像しているんですが、この点でも、客観的に見ていた証明する人が死んでしまったり、焼け死んでしまったり、またその人も殺されてしまったりというようなことで、証人がだれもいないというような場合も当然考えられますので、これが今度の制度の一つの残された隘路だと思うので、もちろんこの法律が絶対完全無欠とは言えないので、そういう点も含めまして今後まだ検討の余地は残されているところがあるだろうと思います。この点をよく反省いたしまして、なるたけ広い範囲でこの制度が普及できるよう、その点を考慮しながら、今後検討を続けてまいりたいと存じます。
○委員長(上條勝久君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(上條勝久君) 御異議ないと認めます。 それではこれより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。——別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 警察官の職務に協力援助した者の災害給付に関する法律及び消防団員等公務災害補償等共済基金法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(上條勝久君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(上條勝久君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時五十八分散会