地方行政委員会 第10号
- 発言数
- 204 件
- 登壇者
- 18 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1982/04/27
会議録
○委員長(上條勝久君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 本日、江藤智君が委員を辞任され、その補欠として宮澤弘君が選任されました。 —————————————
○委員長(上條勝久君) 次に、理事の補欠選任についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い現在理事が二名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(上條勝久君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に山田譲君及び伊藤郁男君を指名いたします。 —————————————
○委員長(上條勝久君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 地方交付税法等の一部を改正する法律案の審査のため、次回の委員会に参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(上條勝久君) 御異議ないと認めます。 なお、その日時及び人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(上條勝久君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(上條勝久君) 次に、連合審査会に関する件についてお諮りいたします。 老人保健法案について、社会労働委員会に対し連合審査会の開会を申し入れることに御異議ござ一いませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(上條勝久君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 なお、連合審査会開会の日時につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(上條勝久君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。 —————————————
○委員長(上條勝久君) 次に、離島振興法の一部を改正する法律案を議題といたします。 まず、提出者から趣旨説明を聴取いたします。衆議院建設委員長村田敬次郎君。
○衆議院議員(村田敬次郎君) ただいま議題となりました離島振興法の一部を改正する法律案の提案理由の御説明を申し上げます。 離島振興法は、本土より隔絶せる離島の特殊事情からくる後進性を除去するための基礎条件の改善並びに産業振興に関する対策を樹立し、これに基づく事業を迅速かつ強力に実施することを目的として、議員提案により、昭和二十八年七月、十カ年の時限法として制定、公布されたものであります。 自来、本法は、離島振興のために少なからず寄与してまいりましたが、離島の特殊事情からくる本土との格差は、依然として除去されない実情にかんがみ、昭和三十七年第四十回国会及び昭和四十七年第六十八回国会において、本法の適用期限をそれぞれ十カ年間延長して、諸施策が強力に実施されてきたのであります。 しかしながら、離島をめぐる自然的、社会的諸条件は厳しく、本土の著しい経済成長に追随し得ず、いまだその後進性は解消されるに至っていないのであります。 加えて、離島関係市町村の財政力は脆弱であり、関係施策を推進するためには、今後とも引き続き本法による特別の助成措置が必要と考えられるのであります。 以上の観点から、この際、昭和五十八年三月三十一日が時限となっている本法の有効期限をさらに十カ年間延長することとし、関係島民が安んじて定住し得る地域社会の建設を図り、あわせて国民経済の発展に寄与せしめたいと存ずるものであります。 以上が離島振興法の一部を改正する法律案の提案理由であります。 何とぞ、御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願いいたします。
○委員長(上條勝久君) これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言を願います。——別に御発言もないようでありますから、これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。——別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 離島振興法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(上條勝久君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(上條勝久君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(上條勝久君) 次に、地方交付税法等の一部を改正する法律案を議題といたします。 前回に引き続き質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○志苫裕君 五十七年度の地方財政の対策、あるいは地方財政計画、それをもとにした交付税等を一括して伺うんですが、大臣、五十七年度の地方財政の収支見通しといいますか、地方財政計画の特徴を挙げてみてください。
○政府委員(土屋佳照君) 地方財政計画の特徴という面では、いろいろな見方があろうかと存じますが、まず、歳入面で申し上げますならば、地方税においては、前年度に比べて一一・七%増と、比較的高い伸びを見込んでおります。また、地方交付税についても七%増と、歳出総額の伸びを上回る伸びを確保しておるということ、また一方、公共事業の抑制等に伴いまして国庫支出金の伸びは一・九%と低くなっております。地方債については、財源対策債の解消等によって一〇・八%の減となっておる、こういったところが特徴かと思います。 その結果、地方税のシェアがかなり高まって四〇・六%となっておりますし、これに交付税なり地方譲与税を加えた一般財源は五八・九%という前年度のシェアから六一・四%へと高くなっておるということでございまして、地方債の方はいま申し上げたように、シェアが九・六%から八・一%というふうにウエートが低下しておるということでございまして、歳入全般的に見れば、地方の自主性なり自律性が高まる方向へ向かっておるということが言えるかと思うのでございます。 一方、歳出面では、公債費が一五・二%というふうに伸びております。公営企業繰出金が一一・八%、これも相当な高い伸びになっておりますが、一般行政経費の単独分の中の一般管理経費等につきましては、国と同じ基調でかなり抑制を図るというふうにいたしておりますことと、投資的経費の直轄補助事業が二・六%の減となっておる、そのために投資が全体としては二・七%という低い伸びにとどまっておるということで、歳出全体の伸びは五・六%と、三十年度が一・六%でございましたがそれ以来の低い伸びとなっておるというのが特徴でございます。 ただ、私どもとしては、そういう中でも御承知のように住民生活に直結した社会資本の計画的な整備ができますように、単独事業につきましては、前年度の伸びを上回る八・五%の伸びを確保するといったようなこと等にも気を配っておるつもりでございます。そういったことで、公債費を除く地方財政計画のいわゆる一般歳出の伸びは、国の一般歳出の伸びが一・八%であるのに対して、それを上回る四・七%になっておる次第でございます。 計数の上からの御質問だったかどうかよくわかりませんでしたが、歳入歳出の全般を眺めた形で申しますならば、私どもはただいま申し上げたようなふうに認識をいたしております。
○志苫裕君 おいおいと尋ねますが、まず、いま個々について少し評価を伺ったんだけれども、四十九年の下期——五十年の上期といいますか、そこから始まった、言うなら地方財政の危機といいますか、これは脱したことになるんですか。地方財政事情というのは好転をしたというふうに皆さんはとらえるんですか。そこのところはどういう評価ですか。
○政府委員(土屋佳照君) 一般的に、五十七年度の地方財政計画においては八年ぶりに収支が均衡したという形になっておるわけでございますので、好転してきたというふうに見られがちでございます。形の上では確かに健全化へ進んできておるということは言えるのでございますけれども、たびたび申し上げますように、そういった形になりましたのはいろいろな手段を尽くしてそういうことになっておるのでございまして、たとえば地方交付税においては特例によって積み上げをしておることとか、従来の交付税特別会計の借入金を五十九年度以降に送り込んでおるといったような事情が背後にあるということと、細かいことは省略をいたしますが、普通会計における地方債と特別会計における交付税原資の借り入れと、それから普通会計で持つべき公営企業債の返還分、それを合わせますと五十兆円になんなんとする借入金を抱えておるという状況でございますので、私どもとしてはできるだけ健全化を進めたということは認識をしておりますけれども、全体として地方財政の基盤が均衡がとれて健全化したというふうには決して考えておりません。
○志苫裕君 八年ぶりに収支均衡した、なるほど帳面づらで言いますと均衡がとれているわけで、ただ、いま局長からもお話しがあったように、いろいろと工夫をして手段を尽くしてそうなっておるんだというところが問題なわけでして、これから少し私の見解も交えて細かく聞きます。 私、これざっと読みまして、まず年々歳々ですけれども規模の鈍化が進んだということは言えるようですわな、これ見てみますと。かつてはずいぶん大きな伸びで伸びていたわけですけれども、それがずっと鈍化をする、これはだれが見ても言えることでしょう。それから、歳入で見ますと、地方税のいわゆる規模の伸びが平均の伸びを倍以上、ちょうど倍ですか、ずいぶん上回って、構成比も上昇をしていますね。三八から四〇に上昇している。それから一方では、国庫支出金と地方債というのががばっとと言っちゃあれですが、ずいぶん落ち込んでおるというのが特徴になっているようですね。それから、歳出面で見てみますと、一般行政経費の単独分、それから投資的経費の補助分というのが抑制をされていますね。それで投資的経費の単独分と公債費が大きく伸びておる。 こういうそれぞれに特徴があるわけですが、まず地方税の伸び、中を見ますと税制改正分、国のはね返り分それぞれありますけれども、やっぱり大どころは自然増のようですね。だれでも考えられることですが、収入がよけいになって支出が少なくなればこれはつじつまが合うわけでして、果たして地方税のこの伸びが多いのか少ないのかというのは大変な結果をもたらすわけですが、五十六年もほとんど結果が出てくるわけですが、これの動きから見ても、果たして地方税の伸びがこれぐらい見込めるんだろうかということはずいぶん大きな議論になります。見込みが違ってきます。ここのところにはずいぶん大きな落とし穴が出るわけですが、その辺の説明をしてください。
○政府委員(土屋佳照君) いま御指摘がございましたように、できるだけ財政上赤字を出さないということで努力をしたわけでございます。その結果、おっしゃいますように、歳入としては私どもとしてはできるだけ見込めるものを見込み、歳出面においては、必要な単独事業費等の伸びは十分確保したいということで努力はいたしておりますが、全般としては国と同じように抑制基調に立ってやっておる。だから、ある意味では歳入面ではできるだけ見込み、歳出面ではできるだけ抑制基調ということでございますから、赤字幅は少なくなるということでございまして、それをねらったわけでございます。 ただ、そうは申し上げましても、歳入についても不当に高いものを見込むといったようなことになりますとこれまた問題が出るわけでございます。私どもとしては、地方税においては、昨年末の状況において、国の経済見通し等をもとにいたしまして、見込めるものはできるだけ確実に見込んでいこうということで五十七年度計画を立てたわけでございます。ただ、結果として、五十六年度において国税においても法人税がかなり落ち込んでおるようでございます。地方においても法人関係税がかなり落ち込んでおることは事実でございます。そういった状況等をもとにして五十七年度というものを見通します場合に、果たして予想どおり取れるかどうかといった面ではいろいろと懸念材料もございまして、いろいろな意見もあることも承知をしております。しかし、私どもとしては政府の経済見通しにおけるいろんな指標、これはいろいろな施策をもとにして、今後の日本経済のあり方として、ある意味ではこういった形に持っていこうという目標値でもあるのかもしれませんが、そういった形でいけるという前提のもとで進んでおります。そういうことでございますので、いろいろ問題があることは事実でございましょうが、いろいろな努力によって税収は確保していきたいということを考えております。 一方、税と並んで大きな問題でございます地方交付税、これが率直に申しまして私どもも五十七年度全体の見通しが立っておるわけではございません。これも景気の動向等に左右されることは間違いないわけでございますが、現段階においては、先ほど申し上げました政府の経済見通し等をもとにして国税当局において算定されておりますものをもとにして計算をしておるわけでございます。そのものは予算にも組まれておるわけでございますから、これは絶対に確保するという前提に立っておるわけでございます。それ以外は、まあいろいろございましたけれども、私どもとしてはやはり健全化を進めるためには一般行政経費等についてはやっぱりできるだけ節約をする、財政再建を望む国民の声に応じてもそれは考えていかざるを得ない。しかし、国民生活に必要な、あるいは住民生活に必要な施設等の整備というものはこれはどうしても進めていかなければならない。乏しい中でも最低限必要なものは確保していかなければならない。そうしてまた同時に、それがひいては国民経済にも影響するような単独事業などはできるだけ伸ばす、そういう方針で来たわけでございまして、全般としては御指摘がございましたようにいろいろ懸念材料がございますものの、私どもとしては、これが適確に執行できますようにできるだけの努力をしてまいりたいと思っておるところでございます。
○志苫裕君 いろいろ積み上げていったんでしょうけれども、結果の数字をこう眺めますと、国庫支出金の減った分、地方債の減った分、この分が地方税の伸びで賄われておるという数字ですよね、これ数字的に言いますと。何か奇妙に合うんだな、つじつまが。これはずっと積み上げていったんですか。ヤマカンと言っちゃ悪いけれども、弾性値使うとか、そういうふうなものではじいていくんですか。それはどうですか。
○政府委員(津田正君) 税の推計でございますが、先ほど財政局長が答えましたように、政府の経済見通し、例の名目八・四%というようなものの数字を基礎にするほか、たとえば不動産取得税関係でございますと建築動態統計等の状況、あるいは国の法人税等の状況、所得税の状況、そこいらを積み上げまして計算したものでございます。もちろんこれは一定の推計をしております関係上、今後の経済動向いかんによっては不安材料もあるかと思いますが、経済運営の基本的なスタンスとしまして、政府としての各般の対策を講じて、政府の見通しどおりの経済を達成しようということが前提となって推計されたものでございます。
○志苫裕君 たとえば租税弾性値は国税と地方税ではどっちが大きいですか。
○政府委員(津田正君) 租税弾性値を使いますのは、私ども地方税全体あるいは国税全体というような観点から、ある程度長期的な見通しを立てる際には使いますが、たとえば地方財政計画で五十七年度の見通しを立てる場合には、弾性値というような大まかなものではなくて、工業生産指数の動向であるとかそういうような個々の数値の積み上げでやってまいります。一般的に申しますと、地方税の場合には固定資産税等のウエートがございますので、国税ほど弾性値は大きくないということは言えるかと思います。
○志苫裕君 これは何せ本元になっておる経済見通しにかかわってくることですし、私も、単純に逆算して果たして、仮に一・四の弾性値を使っているとすると、地方税そんなにないのになというふうな感じもしないわけじゃありませんが、とまれ、感じとしては地方税の伸びが大きくて、したがって構成比も上がる、交付税の見通しが一つ狂うとがたっと狂っちゃいますけれども、それも相応に伸びておるということで、先ほど局長言ったように、一般財源のあるいは自主財源のウエートが高まった、財政の自主性が向上したということになるんでしょう、その限りにおいては。 先ほども言いましたけれども、一般行政経費の単独分と投資的経費の補助分というのが抑え込まれているわけですね。補助直轄分が抑制されたのは地方のぜいだけじゃないけれども、この一般行政経費の単独分というのが、後ほども指摘しますが、ずいぶん抑え込まれておる。地方財政計画というのは、本来は収支を見積もって財源保障するということ、あるいは財政運用の一つの指標、指針になるという意味を持つんですけれども、この一般行政経費を頭からぎゅっと単独分を締めてかかっておるというのは、財源の保障どころじゃなくて逆に拘束ですね。財政運用の指標の方がずっと強く出て、拘束する意味合いが濃い。自治省さんからそう言われたからって、直接住民に責任を負う自治体は、必ずしもそのとおりに運用するとは限らぬわけでありまして、サービスに意を用いようとすれば、これはその分は詰めるつもりが伸びていくと。入る予定の税収はあるいは思うとおりに伸びないかもしれない。詰めるはずの一般行政経費は思ったとおりは詰められないかもしれないという構造は、やっぱりこの収支見通しの中に私はありありと見えるという感じがしてならぬのですが、その辺はどうですか。
○政府委員(土屋佳照君) 全般として歳入面には懸念材料があるし、歳出面においてはいろいろ節約するといっても、住民のニーズにこたえて仕事をしていかなけりゃならないという面があるので、そこらは非常に問題があるのじゃないかという御指摘でございました。私どもとしてもそういった面についてはいろいろと懸念と申しますか、気にかけておることは事実でございます。 ただ、一般行政費の単独分についても確かに抑制的な基調に立ってはおりますが、一体こういった厳しい財政状況の中でどこまでやっていったらいいのかということ、要するに財源がないからもうやめればいいというものでもないと思いますので、厳しい財政とにらみ合わせてどこまでやるかということに結局落ちつくのだろうと思うのでございますが、一般行政費の単独分につきましては、たとえば社会福祉系統経費については六%、また私学助成等については五・九%ということで、生活関連はいまの一般行政単独の全体の伸びが三・四%である中でかなり充実を図っておるつもりでございます。ただ追加財政需要が前年と同額である、かなり大きい額でございますが、四千五百億円という額は前年と同額であるということとか、それから年度内の回収貸付金、あるいはきわめて内部管理的な一般行政経費を二%そこそこ程度に抑えておる、そういう面で節約をしております結果三・四%ということになっておるわけでございまして、まあ節約した中でも必要なものは私どもとしては伸びを確保したつもりでございます。 ただ、そういうことでもなお住民の要求があれば地方団体はもう少しやらなきゃならぬという面が出てくるのか出てこないのか、そこらのところは地方団体によって違うと思います。私どもはまさにいま申しましたある程度は伸びを見ておるので、そこらを指標としてひとつ考えていただきたいと思っておるわけでございます。 なお、最初におっしゃいました、確かに、地方債と国庫支出金が下がった分では結局税の過大見積もりでカバーしておるんじゃないか、こういうことでございますが、全体のシニアとしては確かに国庫支出金と地方債は減っております。国庫支出金の減った分はこれは当然歳出面でも落ちてくるわけでございますが、私どもとしては、たとえば交付税においてはできるだけ確保するということで、例の利差臨特、財対臨特等を確保して、いわば千億の上積みをしておるといったようなことによりまして税とあわせて一般財源を充実したということでございまして、その結果、財政が均衡するということで、従来問題になっておりました財源対策債というものは措置する必要がないということでそれを取りやめた、その結果地方債が落ち込んだということでございまして、まあシェアはおっしゃるとおりでございますが、額としては、いろいろこれはそこらの問題は金額としてはあるわけでございますけれども、必ずしもそのために一方をふくらませて一方を減らしたということじゃございませんで、全体を眺めた中で形としてそういうことになったというふうに認識をしておるわけでございます。
○志苫裕君 それで、問題は果たして財源不足ゼロかと。八年ぶりに財政が収支均衡した、過不足なしというところにやっぱり政治的な意味合いがあるものだから私はいじくじと少し言っておるんですけれども、さっきも言ったように、地方税を中心にして一般財源の収入がふえて財政需要が片一方で抑制されてというような先ほど局長の言葉から、いろいろ工夫をしていけばそれは財源不足ゼロになるわけでしてね。果たして財源不足ゼロかということをちょっと指摘したいと思うんですよ。 早い話が、交付税特会借入金二千九十八億円はこれは財源不足でしょう。財源がないからこんなことをしているんじゃないの、これ。どうですか。単純明快にいきましょうよ。皆さんめんどうな説明つけるから世の中めんどうになるんでね。二千九十八億円は財源不足分でしょう、これは。
○政府委員(土屋佳照君) まあ二千九十八億円というのは従来から私どもが約束事として地方の財源としてもらうことにしておりました利差臨特といわゆる財対臨特の合計でございまして、これが当然全部財源不足とは申せないと思います。ただ、率直に申し上げまして、この二千九十八億円の借り入れ、後で国が持つにいたしましても、実質は地方が負担するわけじゃないものでありますが、形の上では二千九十八億借り入れたことになっておりますが、これをやらないで前の制度の、去年の暮れの現行制度のもとで歳入見込みを立てて、そして税制改正によって地方税と交付税がふえた。それを全部総計をして収支を見込みますと、率直に言って九百六十三億円が足りなかったと言えるのではないかと思います。そういう状況のもとで二千九十八億円を、必要なものを確保したということで、それで穴を埋めて、かつ十分足りた残りのものは留保財源としたと、こういうことになろうかと思います。
○志苫裕君 私は、これ最後の落ちを先に言っておきますと、皆さんはいろいろと工夫をしていなさるようだが、結果としては地方財政それでよしという答えをつくっていくんですよ、これは。一方じゃ前門の虎、後門の狼が待ち構えているわけ。交付税減らせとかなんとかさまざまな、地方財政ゆとり論というのもあるでしょう。こういう中で歯を食いしばっているわけだね。余りそういうことを言われぬように工夫しようとやっているんでしょう。いろんなことをやっているうちにその根拠をちゃんと与えちゃうんだな。 そういう意味で、確かにあんたいま言ったけれども、これを財源不足です、ないからこれ借りるんですとかね。そして国も金がないからいろんな工夫をしているんだということになると、銭もないくせに人様に千百三十五億もやるとは何事だと、こう言われるからあんた方財源不足と言わぬだけの話であって、これはやっぱり財源不足なんだ。それでも金持ちになったつもりで千百三十五億円人様に貸したんだから、借りた分と貸した分を差し引けば九百六十三億円、これはまず財源不足ですね、それはっきりしていいですか。
○政府委員(土屋佳照君) 二千九十八億円は、財源不足がそれだけあるから借り入れて確保したというものではないと思っております。ただ、従来のやり方で計算をいたしますと、いまも申し上げましたように九百六十三億円はどうしても赤として出てきた。しかしながら、従来から、五十六年度でもそうでございましたけれども、この利差臨特というものは、私どもとしては、毎年度収支見込みにおいては当然の財源という見込みをいつも立てて計算しておったものですから、今度の場合でも、二千九十八億のうちの千九十八億というものはこれは措置されるという前提で、大体これはとんとんでいくということで均衡したと、こう言ったわけでございます。 しかし、千九十八億だけでは私どもとしては不足である、従来から所得税において利子配当所得について源泉分離課税を選択しておったものは、これは地方のものとしてもらっていいじゃないかということがありましたので、それも実は確保したいということになったのでございますが、率直に言って、国の財政が厳しくて一般会計からはそれは出せない、将来持つからということで、借り入れてそういう金を一応つくった。しかしそれは中長期的に見て有効に使うべきだということで、必要なものだけ使って、残りは五十九、六十、六十一年と三年度にそれを使うことによって地方財政の円滑な運営を図ろうと、こういうことにしたというところでございます。
○志苫裕君 これは後でも触れるけれども、そこのところはっきりさしておかぬと、そのうちにだんだんおかしいことになっていくのよ、これ。たとえば、五十七年はとにかく利差臨特はもうやらないというんだし、それから財対臨特の分だって、昔は千幾つといっていままでは端数もあったのに、きっぱり千とかね。何だか結局つかみで金が扱われていきますと、これだんだんそのうちになくなっちゃうですよ。そういう意味で、性格をはっきりさしておいた方がいいと思ってひとつまず取り上げたわけです。 それから、五十六年度に行われた交付税特会借入金の償還方法の変更によって五十九年以降に繰り延べた分がありますわな。これ、数字が間違っているのかもわからぬが、五十六年で約三千四百八十億でしたかね。それ、地方分は千九百何がしだけれども、五十七年分が三千九百四十億と見込まれておったわけですが、後へ持っていったとはいえ、ことしのことで考えれば、これも実質的には財源不足なんでしょう。そうですか。
○政府委員(土屋佳照君) 先ほども申し上げたわけで、地方財政が本当の意味で均衡したかということを考えた場合には、いままさに御指摘なさったこと等も背後にあるんだということを私は申し上げたわけでございます。 したがって、いまも御指摘がございましたが、従来のままの償還法でいくなら五十七年度三千九百四十億円の償還が必要であって、そのうち地方負担分というのが二千百五十六億円あったわけでございますから、条件を変えないでいけば、ことしそのものが要ったかもしれない。要ったかもしれないという前提で言えば、あるいはその点は足りなかったかもしれないということでございますけれども、それはもう制度として送り込んではいますから赤字かどうかという場合には、私どもとしてはこれは計算をしない。しませんけれども、地方財政の体質を形式じゃなくて実質で見る場合は、それは本来本年度返しておれば、やはりその分その地方が負担したわけでございますから、もっと数字的に申しますならば二千百五十六億から留保した千百三十五億を差っ引いた残りの千二十一億円というものはやはり不足が生じておったのではないかということは仮定としては言えるわけでございます。それは形式的にはもう制度として送り込んでおりますから言うわけにはまいりませんが、実質を見るときはおっしゃるようにそういう点は当然頭に置いて考えるべきであり、地方財政計画をつくった際、報道陣に対してもいろいろな方面で私どもはそこらはかなり詳しく説明をしたつもりでございますが、そういった面は余り詳しく取り上げてもらっていないというのが実際でございます。
○志苫裕君 大体が仕組みがややこしいですからね。足したり引いたり、貸したり借りたり、ややこしいから人はわからない。わからないから八年ぶり収支均衡で万々歳とこうなる、万々歳と。しかし、一皮めくると、こういうものはどこか一つ順番が狂うとがたがたになるという状況があるんですよということをもっと表へ出して言ってもらわぬと困るというんで言っておるわけ。しかし最近はもう地方財政全部卒業だ、万々歳と。それで、との上月給でも減らしたり、モデルでもつくって定員減らせば、何か来年から黒字になっていくような雰囲気をつくっておるから私は言っておるんですよ、これは。 それから、歳出構造の問題だって、一般財源がふえたということで構造が健全化をしたと皆さんはそう言いたげなんだけれども、しかしちょっと中を見ますと、果たして歳出構造は本来の地方自治体が持っておる機能、任務、そういうものから見て健全化をしたんだろうか。ちょっと見ますと、私もしばしば言っていますように、一般行政経費の単独分の圧縮というのが特徴になっていますわね、とれ。私は千億ぐらいまだ足らないんじゃないかとこう思うんだけれども——これヤマカンで言っているんですが。ということは、自治体が本来機能として持っておる安全とか、福祉とか、衛生とかあるいは地場産業の育成とかなどのそういう施策が圧縮されたことを意味するわけですよ、これは。そして皆さんの数字で見ますと、これは投資的経費の事業の力点がやっぱり変わっていますね。というのは、たとえば追加財源の配分ですね、そういうものを見たり、それからそれぞれの項目ごとの構成比を見ますと、特徴的なのは、住宅、文教への財源配分が大幅に抑制されているでしょう。もう極端な数字です、この二つが。そのほか若干の福祉施設等もありますけれども、大所はこの二つですよ。すなわち前段で言うた本来自治体が果たすべきこの単独分の分野ですね、これが圧縮をされる。投資的経費の分でも力点の置き方が住宅、文教というふうに、自治体の欠かせない機能の部分が抑制をされる。こういう歳出構造の変化というものに着目をすると、財政構造の健全化ということは言えぬのではないか。 単純に、一般財源がよけいになったとかなんとかということとは別に、財源の振り向け方というふうなものを見ていくと、私は財政構造が健全化したとは言いがたいという気がいたしますが、その点はどうですか。
○政府委員(土屋佳照君) まず、一般行政費の単独分の問題については、先ほど申し上げましたので重複するかもしれませんが、全体としては三・四%の伸びではございますけれども、いま御指摘のございました住民生活と関連の深い社会福祉系統経費は六%といったような伸びを示しておるわけでございまして、ひけっておるのは内部管理的な一般行政のその他といったようなところでございまして、必要なものは見ておるつもりでございます。 もちろん、もっと充実をすべきだという声があるかもしれませんし、それについては私どもも別に反論するわけではございませんが、いまの財政との関連でできるだけのことをしておるというつもりでございます。 それから、また、投資的経費につきましては、補助直轄なり補助事業は、国の公共事業関係費の伸びが抑えられましたことから、前年度に比べて二・六%の減となっております。しかしながら、一般公共の中の生活環境整備関係、まあ公園なり都市水路なり廃棄物処理といったようなものについては一・七%の減。減ではございますが、それは全体としての二・六よりはやや緩やかであるといったようなことも言えますし、その他公共の厚生労働施設費等につきましても二・二%の減ということで、全体の中で生活関連施設分だけが低く抑えられたわけじゃなくて、そういう点は他の減り方よりはむしろ少ないといったような感じはいたしております。特に御指摘のあった一般公共の住宅対策、これが六・六%減っておるというのはこれはかなり目立つわけでございますが、私どもはどうも国においても、予算の際にいろいろ説明もあったようでございますけれども、公営住宅の建設よりも住宅金融公庫の融資に重点が置かれたといったような、私ども予算委員会で聞いておってもそういう説明もあったようでございます。その他公共の文教施設の減も、これも六・一%ございますが、これは児童生徒数の減少等によります事業量の減と、それに伴うものだと理解しておるわけでございまして、全般として窮屈であることは窮屈なわけでございますが、それなりの配慮はされておるものではないかと思っております。 さっき漏らしましたが、一般行政経費の補助分でございますが、その中でも生活保護費とか社会保障系統の経費の伸びが高いという状況になっておりますし、また、投資的経費で見ますと、国のものは低いけれども、特に生活関連部分が圧縮されたということではないわけでございまして、投資的経費の単独分につきましては、御承知のように八・五%という、こういう状況の中ではかなり高い伸びを確保するということにしておるわけでございます。そういったことで、それはまあ十分ではないということは私どもも承知をいたしておりますけれども、いまの財政状況の中では極力努力をした結果であると、私どもとしてはそのつもりで努力をした結果であると思っておるところでございます。
○志苫裕君 それから、補助金等の抑制、先ほど局長は、国庫支出金が減る、したがってそれに見合う地方の負担も減るからという話もあったんですけれども、私は、二・九%はちょっと大き過ぎるんじゃないかなという感じがしていますのは、補助金等の抑制は、即地方の支出、地方の負担の減少とストレートに結びつかないという実態があると思うんですよ、これは。逆にふえたりすることもあるわけでしてね。それは、たとえば補助対象の仕事、すなわち事業が補助金等の減少にもかかわらず存続をするということになればこれはもう待ったなしに負担がふえていきますわな。これは当然のことです。これを避けようとすれば、受益者負担を強化をするか、あるいは起債の充当率などでも引き上げてもらうか、そのようなことをしてそのサービスだけは確保したいという工夫をしなきゃならぬのですが、それにも限度があるということになれば一般財源の方に手をつけてそっちの方に振り向ける以外に方法がないという意味で、その負担は逆に総体的な意味でかさむという現象を帯びます。 それから、事業を廃止するんですと、削減じゃなくてもうそんな細々した仕事はやめるんだと。これも一つの方向として出て、あるいはメニュー化等もあるんですが、しかしまあ自治体からしますと、いままで補助金等がついておってその仕事がある程度なじんじゃったと、そういうようなものは、国の方でそれはもう少額だしやめるわい、あれは一定の目的も終わったからやめるわいと言うても、すぐやめるとは限らないという性格を持ってきますから、必要がある限り、ましてや選挙も近いなんということになりますとね、これは自治体は単独でもそれやらなきゃならぬというような衝動にも駆られてくるわけでしてね、ここでも負担要素、増加要因になる。 まあ私らこういうものについては、前からたてまえというか基本的には、補助金等を抑制もしくは整理をする場合には、一緒に財源の行ったり来たりもやってくれと、財源の振替もやってくれというふうなことを強く要望しておるし、また皆さんもその主張をしておるんですが、それは全く今回の場合は、補助金が総体として縮減あるいは縮小、メニュー化等が行われたようでありますけれども、少なくともそれに伴って財源の振替や調整が行われたという例はことしに限っては一件もありません。これは将来にとって非常に大事な意味を持つんでしてね。われわれは、補助金に手をつける場合には財源の振替も一緒に考えると、これはもう車の両輪でしてくれと言っているんですが、こいつは大した額でないにしても、そいつには手をつけないと。今後も遠慮なしに補助金ばさばさ切られていって、全部そうなったらこれはまた別の意味で大変なことになると思うんですが、その辺の見解はどうですか。 それから、メニュー化もいろいろと農水省の予算なんか見ていますと、何だかずいぶんメニュー化した統合をしておるようですが、まあ上辺だけでね。役所の窓口がそれで減ったわけでもないんで、メニュー課という課が一つふえるだけだ。その辺どうですか。
○政府委員(土屋佳照君) 五十七年度は公共事業費補助負担金が前年度を下回っておりますし、一般行政費に係る国庫補助負担金につきましても、いわゆるゼロシーリングということでございましたので、その影響でかなり圧縮されておるということはもう御指摘のとおりでございます。こういった、国において補助負担金等が圧縮をされてまいります場合は、御指摘のように事務事業というものが廃止される、あるいは縮減されるということにならなければ、結果的に地方団体へ負担が転嫁をされてくるといったような問題も生じてくるということは言えると思うのでございます。 それで、私どもといたしましても、関係省庁に対しまして予算の概算要求の時期と、また予算編成時の二回にわたって、今回は特に負担の転嫁がないように強く申し入れをしてきておるところでございます。その結果、私どもが知っております限りにおいては、いわゆる地域特例の六分の一カットというものを別にいたしますと、補助率の引き下げというような措置はとられていないと思っております。また、事務事業の縮減とか廃止を前提とした補助負担金の縮減が行われておるというふうに承知をいたしております。 一方、地方団体に対しては、国庫補助事業の予算計上なり事業の実施に当たりましては、国庫補助負担金の縮減が結果的に地方団体の負担増となっては困りますので、地方団体側においても適切に対処をするように指導をしておるところでございます。ただ、万般の仕事の中で、御指摘のございましたように、いまやりかけのものでそう言われても直ちにやめるわけにはいかない、そういったものもあるかもしれませんし、そういうものが全然地方へ負担が来なかったということを断言はできませんけれども、全体として私どもとしてはかなりチェックはしてきたつもりでございます。 そういった補助の実態についても、いまおっしゃいましたように、やめるものは事業とともに補助金もやめてしまう、それが一つの考え方でもございましょうし、また、どうしても補助事業として残すようなもので、もうすでに地方団体の事業として同化定着しておるようなものは、これはできるだけもう地方へ渡す、そしてその一般財源化を図るといったようなことなど、たびたび主張もしてきておるところでございますが、おっしゃいますように、それが目覚ましい伸展があると私どもも思っておりません。ただ、私どもも今後そういった点については関係省庁といろいろ検討をするし、地方制度調査会でもかねがね検討をされておるわけでございますが、臨調においても、国と地方との機能分担のあり方を踏まえて、補助金についてはかなり検討も進んでおるように聞いておるわけでございます。 そういった中で、いまおっしゃいましたように、地方一般財源化なりあるいは統合メニュー化といったようなものがどういう形になるのか。おっしゃいますように、過去の実例を見ましても、いろいろ各省でも努力をされておることは事実のようでございますけれども、統合いたしましても、結果的にはそれを所管するもとの課に行かなければなかなか仕事が進まないとか、手続の煩瑣な面というのはそう一挙には解決していないように思います。せっかく行政改革ということが言われて、どのような形で答申が出るかわかりませんが、そういったものを踏まえて、かねがね私どもとしても主張しておるような問題はその機会にできるだけ推進をしたいというふうに考えておるところでございます。
○志苫裕君 とにかくこの点で強調したいのは、大したこともできておらぬからそこまでいかぬで全体の節約でやれというのかもしらぬが、やっぱり原則として補助金等の抑制あるいは縮減、廃止というようなのは財源の振替とリンクをする、仮にそれが少額であっても。そういうことにもっと目を配っておかないとだめですよということを申し上げているんです。 以上、私は地方税が思ったようにこないんじゃないか、国庫支出金、収入の面でも果たしてこのとおりはこないのではないか、逆に支出の面で言うと、削減が大き過ぎてむしろ持ち出しがふえるのではないか。一般行政経費はそう詰めろ詰めろと言っても、現実に住民とつながっている限りにおいてはそう簡単に減らせるものでもないということを指摘をしてきて、どうもこの収支見積もりというのは、本来の制度である財源の保障というものよりは多分に政治的なものだという感が強いことを指摘をしておきたいんです。 ところで、政府資金の割合が五〇・五%でしたか、その辺まで少し高まってきたから、資金構成が改善をされたというので、しかし依然として六〇%の差はあるにはあるんだけれども、そっちの方には目をつぶりまして、利差臨特はやめる、こう言っているんですけれども、これはどういうことですか。五十七年だけやめるというんですか。あなた方前科があるんだ。去年、税金の方式のあれがあって、去年だけの課税最低限方式、あの話をしたときに、これ、ことしだけかと言ったら、将来も有効な手法になるでしょうというんでことしもやっているわね。この五十七年利差臨特やめるというのも将来有効な手法になっちゃうのかな、これは。これはどうなのかな。
○政府委員(土屋佳照君) 利差臨特については、御承知のように政府資金が少ないということで決められた制度でございまして、毎年度いままでは利差臨特について大蔵省との間で取り決めてきております。したがいまして、五十七年度の発行予定の地方債についてはやめたわけでございます。過去の分はずっと続いておりますから今後ともずっといくということと、五十八年度以降についてどうするか決めておりません。したがって、ことしは五〇・五%というふうに改善されましたけれども、五十八年度以降発行の地方債の利差臨特をどうするかということは、そのときの国、地方の財政状況なり政府資金比率がどうなるか、そこらを十分見きわめないといま決められるわけではございません。そういったことで、そのときの情勢によって適切に対応していかなければならぬというふうに考えております。
○志苫裕君 それ、両大臣の話し合いのときに、ニュアンスとしてはどうなんですか。五十七年度を皮切りにして、もうこれはやめるというニュアンスが強いんですか。ことしはまずはこうやって、しゃばの模様を見ようというんですかな。
○政府委員(土屋佳照君) むしろその点を言わしてもらいますならば、五十七年度の地方債発行による利差臨特は繰り入れを行わないとすることにはしておりますが、「今後、地方財政の状況に応じ必要がある場合においては、適切な配慮をする」と言っておるわけでございます、五十七年度分についても。将来にわたって。そういうことでございますので、私どもとしては、むしろこれでもう終わりだという意味合いよりは、やはりこれは実態に応じて考えていくというニュアンスで話は進めたつもりでございます。
○志苫裕君 これ、くどいようですが、五〇・五といっても単純に六〇との差が九・五とは言えぬので、あちらの公庫の方のやつがありますからね。実際に言うて金目にあらわすとどのくらいの額になるんですか、この差は。
○政府委員(矢野浩一郎君) 五十七年度の地方債発行分、従来政府資金が六〇%、それから実際に地方債計画上決まりましたものとの差について、公募債と政府資金との差を見る、こういう計算をしておったわけでございますが、これを十年間にわたって利差を補給するという仕組みを従来とっておったわけでございます。初年度は数億円の、従来から考えても数億円のきわめて小さな金額、一月分でございます。本年度の場合には六〇%の差もきわめて小さいことでもございますので、数億円にも達しないであろうと思われますが、十年間にわたって計算をいたしますと、これは十年間分全部合わせればやはり数百億円という金額には、これは試算上は出てこようかと思うのでございます。
○志苫裕君 ちょっと、私、素人かな。ことし借りた金というんですか、これはことし払う分というんですか、どちらですか、これは。
○政府委員(土屋佳照君) 利差臨特は、本年度発行の地方債分に係る差ですから、これは返すまでには時間がかかります。毎年毎年出ます。当該初年度においてはもう一月分ですからほとんど出てこないけれども、全体としては時間がかかりますから、その分に係る利差をずっと毎年見ていくわけでございますから、それを全部集めるといま申し上げたようなかなりな額になるだろう、こういうことでございます。したがって、過去の分、もうずっといま続いておるわけでございますから、五十七年度も、過去の分はいま言ったように千九十八億という金として累積してきている、こういうことでございます。
○志苫裕君 さっきもちょっとやったけれども、ことしの分を借り入れに回す。国から利差臨特出さないで、その分を借りちゃって将来返すという仕掛けにして、これが千億でしょう。千三百億とか千四百億とかという数字に普通ならなるんでしょう。それが千とこうなっているわけ。丸い数字になっちゃったわけ。ずいぶん自治省もおおようになっちゃってね、小さい方は要らぬわいと、こうやってあるわけでしょう、極端なことを言えば。そういうふうに、この利差臨特分というようなのが余り目でなくなったような扱いを私、感ずるのね。そこへもってきて、数ある中でことし借りた分だけは差はめんどう見ませんよと。仮に来年以降めんどうを見るということになりますと、いままでの分はめんどうを見る、来年以降の分はめんどうを見る、間に決まった一年の分だけの差はめんどうを見ないというのもややこしい。そのうち、どの金だかわからなくなっちゃうめんどうさもあると思うんですが、これは大臣、これは何かあってこうなったんでしょうけれども、やっぱり五〇%と六〇%の差は大きいですよ。大臣、これは特に来年以降の対策のことになりますが、やっぱりそう気前よく対処しちゃいかぬと思うんですがね、どうですか。
○政府委員(土屋佳照君) 大臣からお答えいただきますが、ちょっとその前に少し整理をさしていただきたいと存じます。 利差臨特というのはいまおっしゃいましたように六〇%ぐらいは政府資金が必要であるということで利差を補給しているということで、これは過去のものがずっと続いておりますからこれはもうぴしっと計算ができておるわけです。利率も決めて、その利差も決めてございますから。それが千九十八億なんです。それ以外に、例の所得税の源泉分離課税を選んだ利子所得に対するもの、この分が五十六年度は千三百億でことしは千億ということでございまして、これは地方財政の状況等も含めながらいまの実態に合わすということで決めております。若干千八百が千三百になり千になったりするのは、やっぱり財源不足が減ってきたということ等も関連しておると認識していただきたいと思います。千九十八億は、これはもう約束した以上はずっと計算が将来にわたってできるわけでございます。その分の五十七年度発行分についてはやらないということは、いま申しました、六〇じゃございませんが五〇%を超えたということと、それからもう一つは財源不足が、いろいろ問題があるにいたしましても、形の上でなくなったということ等もございまして、いろいろ勘案してそういうことにしたわけで、将来はやっぱり先ほど申し上げましたように、国と地方の財政状況なり政府資金比率が下がれば私どもは当然主張したいと思っておりますし、そこらを踏まえて対応するということでございまして、そういう仕組みであるということを先に申し上げたわけでございます。
○国務大臣(世耕政隆君) 五十七年度の利差臨特につきましては、国の事情からして今回、局長が先ほどから言っているようなとおりになりましたのでございますが、五十八年度以降の発行に係る地方債の利差臨特をこれからどうするかということでございますが、これはその年度の国や地方の財政状況とか政府資金がどのくらいの比率で出るかとか、そういういろんな状況などを見ながら適切に対処していくと、こういうこちらの予定でもあり、これは大蔵省との間の話もそういうふうになっているところでございます。
○志苫裕君 それはまた今後のことですからね。 いろいろありますが、ちょっと私まとめてみますと、結局、臨特が借入金に切りかえられた。五十七年度の利差臨特はやめた。交付税を一部割いて国に貸した。起債充当率は引き下げた。地域特例のかさ上げも縮減されておる。あるいは補助金の削減を行ったが財源振替はなされていない。後で出てきますが、定数の合理化はモデルまでつくって指導する。経常経費、投資的経費ともに生活関連の分野は抑制をされる。それからせっせと給与の是正は強く求めておる。単独事業への交付税の傾斜配分だとか事業費補正というようなものが予定をされておる。 ところが、幾つか、これ私十項目ぐらい挙げましたけれども、こういうものを全部まとめてみると、もう自治体の自主性なんという話じゃないんだな。何か国への従属性というのか一体性というのか、そういうことだけが強く求められておるという感じがしてしようがない。これらを全部まとめて見るとどうなるかというと、交付税率引き下げへの環境づくりをせっせとやる、地方財政ゆとり論の根拠をせっせと与えているというようなことになっちゃうんですね。これ、全部うまくいくと地方財政は万々歳だと。したがって、よくわからぬのが臨調あたりで滑ったの転んだの言うていますけれども、あの連中は上辺ばかり見て物を言っているんですからね、感じで物を言ってんだから、そういういわば地方財政目がけての総攻撃とでも言うかな、そういうものの手引きを自治省がせっせとやっておるということに結果はなっちゃうわけです。 もともと、たとえば給与費にしても定数にしても公債費にしても、そんなものが抑制されればそれはそれでいいことです。同時に、それはそれで地方財政ゆとり論の新たな根拠になるという一種の矛盾のようなものを持ってはおるんだけれども、こういうことをずっとやっていきますと、均衡するがしかしそれは縮小均衡という形になりますわな。縮小均衡ということになる。縮小均衡ということになれば税率をちっと減らせと。その中でまたせっせと縮小均衡するとまた減らされるというので、自治省ががんばればがんばるほど小さくなる。そういう何か奇妙な道にはまり込んでいるという感じがする。やっている者は一生懸命なんだけれども、何か周りから見るとずいぶんこっけいな、そんな感じにもときどきなるんです。 ですから私は、先ほど一皮むけば構造の面でもちっとも改善をされておらぬわけで、とにかくいま苦しいから、いろいろあっちこっち切ったり張ったりしながらつじつまを合わしておる。ですからたとえば、乱暴な言い方だけれども、私はことしもっと詰めるところは詰める、しかしやらなければならぬサービスはじゃんじゃんやるという、これは自治の基本ですから。その結果、やっぱり財政の足らぬものは足らぬ、これだけ詰めたがしかしやっぱり足りない分は足らぬということをはっきりさせませんと、入りもせぬ金を入るように見込んだり、切れもせぬ金を切るように見込んだりして、無理に血を出して、あげくの果てには地方財政の縮小均衡という方向にどんどん傾斜をするのはよくないという感じがするんですが、その辺大臣どうですか。
○政府委員(土屋佳照君) 財政の健全化を図るということを目標にいたすからといって、いまおっしゃいましたように、縮小均衡を図っていきさえすればいいんだと、そんな単純なものではないと私ども考えております。やはりできるだけ住民のニーズにもこたえながら健全化を図っていくということでございますから、先ほども申し上げましたように、こういう中でもできるだけ生活関連部分は伸ばしたつもりではございますけれども、それでも全体としては圧縮をしたような感じを受けられる面が多いと思います。しかし私どもとしてはいろいろな削減にも限度があると思っておりますし、また、必要な単独事業も伸ばさなければならぬということも主張してまいってそのようにしておるつもりでもございます。 今後どうしていくかという方向を考える中では、いま言われました、ただ均衡さえとればいいという単純な考えではなくて、そこら全体をにらんでやっていかなければならない。そういう中で考えます場合に、だんだんだんだん縮小すればするほど税率等へはね返るじゃないかということでございますが、私どもとしては国の財政状況も考えながらも、いまの交付税率なり何なりを下げる余裕などはさらさらないと思っております。そういう中でいかに必要な仕事をやっていくか、そしてまた同時に、過去の非常に多額に累積をいたしました借金返済にも充てていく、そこを考えるがゆえにいろいろと工夫をしておるわけでございます。それが結果的に余裕論に結びつけるということになると、それはもうまさに私どもにすればためにせんとする議論であってまことに遺憾であるわけでございます。 一方では私どもとしても、そういった点について十分理解を求めなければならぬその努力が足りなかったという点については、あるいは反省せざるを得ない面があるのではないかとも思いますが、全般としては、いまおっしゃいました懸念がない形でいくべきだと思っております。できるだけそういう中長期的な観点から今後の地方財政の運営ということを検討していきたいと思っております。
○国務大臣(世耕政隆君) いま局長が言われたのと同じでございますが、お話を伺っておりますと、確かにいろいろな問題が出てくるのでございますが、全体としてだんだんだんだん縮んでいくという考えは私どもにはありませんで、やはりこういった国全体の財政状況でございますから、厳しいのはもちろんでございますが、その中で、つまりこの一つの範囲の中で、ある部分は抑制措置、ある部分はその枠の中で助長していこうと。それで、この全体の中で地方財政のある面でのむだを省きながら、しかも財政的な措置をいろいろ苦労しながら裏づけをして、それで地方の力を強めていこう、その半面借金も返していこうと、こういう虫がいいと言えば虫がいいと指摘されるかもしれないのですが、私どもは少なくともそういう方向に向かって今後の地方財政その他を運営していこう、こういう所存でございます。
○志苫裕君 これは行革のテーマとも絡むのですが、私は、小さくなることは何でもいかぬと言っているんじゃないので、ただし、現行の枠組み、仕組みをそのままにしておいて行革がねらっておるサービス機能の縮小ということだけに目を向けると、国はお金があるようだけれども、結局そのお金を持ってきて、みんな自治体がサービス事業をやっているわけでしてね。やっぱりそこのところに一番最後のどんじりが来る。だからそういうことでは困るので、先ほど財源振替等の話もしましたけれども、そういうまさに機構なり構造の改革というものをにらまぬでおいて、ただ現行の中でやっていきますと、縮小均衡以外に道がなくなるということに特にひとつ大臣は目を向けてやってもらいたい。 それから、ちょっとしたことですが、財対債がみんななくなっちゃった。当然その分交付税に戻ってめんどうを見るわけですが、一方で起債充当率は大幅に下がっていく。これ、平均すると三、四割ぐらいになるんじゃないかな、従来の五十年以前に戻るわけですから。三、四割でしょう。あるものは六〇あたりから一遍にゼロになっちゃうものも出てくるんじゃないかと思うんですが。そうなってくると、マクロ的にはそれでいいわけだけれども、個々の自治体で見ていきますと、それぞれ金の性格が違っておるものですから、マクロの勘定は合っても個々の自治体の銭勘定はまるっきり合わないという状況が出てくるんですが、だから財対債が、そういう事業の分が減ったから交付税がそれに見合ってみんなふえるわけでもないわけでして、これの緩和措置はどうなさいますか。
○政府委員(矢野浩一郎君) 志苫委員御指摘のとおりでございまして、マクロとしては勘定は合っても、個々の団体ごとに見ますと、いままで財源不足を埋めるためとは言いながら、約七年間にわたりまして起債で具体的な措置をし、また、その団体はそれを前提としつつ事業を進めてきたという点がございます。 したがいまして、ここは私どももいろいろ考えたところでございますけれども、なかんずくその中でも最も影響を受けるのが、これも委員ただいま御指摘のとおり、五十年度以前におきまして交付税だけで措置をしておって起債を見なかったもの、具体的にはたとえば市町村の農業基盤整備事業費のようなものは、これは従来交付税だけでございましたから、全部が財対債で起債が出ておりました。これがゼロと、こういうことになるわけでございます。そういたしますと、これは現実の財政運営上もやはり影響を生ずるだろうということで、本年度におきましてはそういったものについては千二百五十億円だけ起債の中で調整枠を設けまして、そういった種類の事業についての起債措置をしていく。充当率は必ずしも従来の六〇%程度にはならないかもしれませんが、同時に交付税の需要の中でもある程度見ていくわけでございますから、両者合わせて、実際に事業を行っている団体に支障がないようにしていくということでございます。 それから、これはいろいろ従来から議論はございますけれども、従来、五十年度以前におきまして、たとえば河川費であるとか、港湾費であるといったようなものにつきましては、測定単位だけではどうしても現実の事業費がうまくはまらないということで、いわゆる事業費補正方式をとっておったところでございますが、今回の振替に際しましては、そういったものについてはやはり事業費補正方式を用いて具体的に算定をしていかなければならぬだろうということで基準財政需要額上の算定をすることにいたしております。ただ、市町村の農業基盤整備事業費のようなもの、これは従来も事業費補正を使っておりません。そういったものまでさらに広げるというわけにもまいりませんので、こういうものについてはそういう調整枠でもって措置をしていくと、こういう予定でございます。
○志苫裕君 起債に別枠を設けてその辺の激変の緩和、あるいはサービスの水準が落ちないようにするということはぜひそうすべきだと思いますし、賛成ですが、ただ後段の事業費補正の話になりますと、社会党、私らの立場からしますと、交付税の基本的な性格にかんがみて、無原則にそういう対応をすることには前から疑問を提供しているわけです。 私の出身県の新潟のようなところはそれでうんと得するわけだけれども、そう地域的な利害のことも言うておれない。制度の原則は原則でありまして、余りそう交付税が微に入り細にわたって、こっちは家一軒建ったから交付税めんどう見てやろう、橋一本よけいにつくったから富山県の分をかすめてきて新潟県の橋に回そうというやり方は、余り原則的に言って賛成でない。私、前から言っておりますように、交付税はできるだけもっと大きいファクターで配って、あと何かやろうと言ったら借金でこなすとかいうような、あるいは自分で独立財源探すとか——話が余談になりますが、そういう意味ではこれは行革の中で考えていきたいところですが、地方税法みたいに手取り足取りみんな法律で規定するというのじゃなくて、たとえば標準的な法律にしておいて、あとは住民のニーズがあったら税金をよけい取ったっていいわけですから、そんなやり方で対応する方がいいということだけはこの機会に申し上げておこうと思うんです。 財政関係はその辺で終わりまして、次に、このモデル定員というしろものについて、この間もうちの山田委員からも意見が述べられておるそうですから多くを述べませんが、ちょっと物の考え方だけは整理をしておきたい。 これ、ちょっといきさつを見ると、五十六年九月十八日の行政局長通達で、いま「定員管理指標の作成」について検討を進めておるから、「おってこれを示す予定である。」という通達が出ておるようですね。そしてことしの、五十七年の四月に入って、「定員モデル等との比較検討を行うとともに、職員配置の現状について見直しを行い」適正にやれと、こういう通達になっております。 これはあえて私が申し上げるまでもありませんが、地方自治体が地域の立地条件、あるいは伝統、文化的な環境等々のそういうさまざまな条件や住民のニーズというようなものに適確に対応して行政を確保するために必要な職員を配置するとか、適正な管理を行うということは、まさに自治そのものなのであって、自治の中身をなすものなのでありまして、自治体からこれを取っちゃったら自治はないわけね。そういうものなわけですから、どうもこのたびの行政局長通達に示された定員モデルは、それに逆らうものではないと確信はするけれども、まずはこの定員モデル、あるいはそれを示達をしたこの通達の性格はいかなるものですか。
○政府委員(大嶋孝君) いまお話がありましたように、地方公務員の定数、これにつきましては、もちろん各地方団体のいろいろな条件の中で決められていくということでございますので、これはやはり住民の行政需要に応じた行政水準の確保ということを考えていかなきゃならぬわけでございます。そういった意味で職員の定数というのは条例で決めるということにされておりまして、まさに自治権の範囲内と思っております。 片や、地方団体はわりと定数の管理がルーズではないかという意見もあるようでございますけれども、私は必ずしもそう考えておりません。各団体ともやはり合理的な効率的な行政運営というのを考えておられるというふうに思っております。そう思っておりますけれども、それじゃ各団体で適正な定員というのは一体どんなところなんだろうかというふうなことをお考えになるときに、何らかの物差しあるいは目安というものが必要になるわけでございます。今回のモデルにつきましては、そういった各地方公共団体が自主的に定員管理を考えていくといった場合に一つの指針を示したということで御理解をいただきたいと思います。それによりまして各団体それぞれ適正な職員の配置ということがなされるということを私どもは期待をいたしておるわけでございます。そういった意味でガイドラインを示したということで、地方自治を侵害するというようなことはもちろん毛頭考えていないところでございます。
○志苫裕君 一つの指針を示したというんだが、指針というのは何というか、こう指し示すものですね、だから、こうやれときつく言うか、こっち向いていたら損はありませんよという程度に言うか、それは別にしまして。 それは世の中にはいろいろ経験にたけた人もおるし、頭のいい人もおるんだし、そういう人が集まっていろいろ工夫をする、研究をする。しかし、その研究の成果というものについては、また別の研究者がいろいろな意見を持ったっていいわけですね。いろいろあるわけです。これはたまたま大臣が諮問をした一部の人たちによる研究の成果、それはそれで一生懸命にやったんでしょうから参考になるでしょう。それに対して積極的な提言ですね、おれのところから言うとこういうファクターを入れた方がもっとためになるようだよという問題の提起があってもいいし、これはあくまでもこの研究会がまとめた一つの意見なんですね。自治省として省議にかけたものであるとか、世に問うてオーソライズされたものであるとかというしろものでもないわけですね、これは。じゃんじゃん議論してもらって手直ししたというものでもないですね。そういう性格を持ったものですから、これはやっぱり地方自治体もさまざまなものを勉強の材料にし、参考の材料にする。そういう意味ではありがたい勉強材料をもらったという限りにおいて問題はありませんが、しかし、これ指針だと、指針というのは大筋それに沿って歩けということなんだから、そこからそれてはいかぬぞというにしては問題があり過ぎる。 というのは、実態が千差万別ですしね。あるところは農業に一生懸命がんばっておるところもある。伝統工芸に一生懸命がんばっているところもありますね。商業都市として何とかしょうとがんばっておるところもある。港を抱えて世界の港にしようとがんばっておるところもある。あるいは年寄りが多くおるから困るとか、いろいろなことを抱えておるさまざまな自治体があるんですが、これを見ますと、そういう中の共通する部分だけ抜いてきますから一般管理部門に限られる。一般管理部門はウエートから見るとごく少ないものですね。そのごく少ない部分のモデルなのに一事が万事ここの自治体の頭数が多いとか少ないとかというふうに全体としてそういう印象を持つものにこれが機能すると困るわけ。そういう一つは欠点もあるわけですね。等々も考えますと、やっぱりこういうのも一つの参考になるよと、われわれのところの勉強会でやったらこんな意見が出たが検討してみてくれやというものとして、皆さんが自治体の求めに応じて配る分には、そんなら局長通達なんという大仰なことを言わぬで——局長通達というのはあなた、自治体から見るとえらいのですよ、これは。相当の重みを持っているのですよ、これは。予算をこういう方針で組んだらどうかというのでも財政課長内簡でとまっておる、ほとんどあれで予算組んでいる、それが課長の内簡で終わっているのに。係長の指針程度のものだ、これは。何でこう重々しくしちゃったのですか。
○政府委員(大嶋孝君) 局長通達、大変格式が高いというお話で、あるいは公務員部長通達にすればよかったのかもしれませんけれども、局長通達の中で言いましたのは、定員管理を適正にやってくださいということを言ったわけでありまして、それでこういう定員モデルというものもできたので、これをひとつ参考にして、その中で今度は他の団体の状況なりあるいは地域の置かれた状況なりそういったものをよくお考えくださいよということを言った趣旨でありまして、別にこのモデルを非常に格式を高くするために局長通達を出したというわけではございません。
○志苫裕君 これは前にも皆さんの方も本委員会でもお答えになっておるし、また、外に向かって大臣なんかが臨調なんかにも言う場合も、特にいまこのモデルとして示された部分については、自治体も気を使って、余り人間のふえないように工夫しているのですよ。ふえている部分で、どっちかというと頭数が多いと悪口を言われるのはこっちの部分じゃないんであって、どっちかというとその他のところの部分が、国は仕事をしたい一心で、それでどれぐらい頭数があるかなんというのを勘定せぬでいろいろな施策をやるものですから、そっちの方のとばっちりを受けて、ちょっと少し頭数が多いんじゃないかと言われてきたのが今日までの傾向であることを見ると、モデルとして示された分というのは、自治省から物々しく局長通達でいただかぬでも、よくやっている部分なんだわ。今日、これだけの騒ぎになっている世の中ですから、めちゃくちゃに頭数をふやすとか、そんなようなことを自治体の長でもやれるものでもないんでしてね。やっぱり工夫してやっているわけですから。それで職員組合と話をしても、ぎりぎりのところだけ、じゃ、ここだけふやすからこの分は減らしてくれとかということでやっているわけですから、私は、言わずもがなのことを言い、出さずもがなのものを出したという感じはしますが、出たものを回収せいと言うほど執念深くもないから、これはいま御答弁もありましたが、自分のところを人様と比べてみるのに、ああこんなところになっているのかなという参考なり目安として御利用いただいて、それよりももっと工夫をして——ここに集まった方々よりももっと気のきいた人いますよ、あっちこっちに。この集まった人がどの程度の者か知らぬけれども、現場で余り苦しんだことはないんじゃないか、この人たちは。だから、そういうのもまた一つの意見ですからいいですが。 私は、なぜこんなことを言うかというと、ラスパイレスというのがありまして、おれのところの月給高いか安いかちょっと目安にしようと、これは高いからちょっと抑制しようとか、低いからもう少し働いて上げてもらおうとかいうようなことで、最初は何か参考にするようなつもりでおったら、最近はラスパイレスを使って交付税までさわるようなことまでやっておって、皆さん方の言う参考とかモデルというのは余り信用ならないんだ、これは。だんだんだんだん悪くなっていきますからね。そういう意味なんですが、特に最近は、百五十幾つかの団体までラスパイレスを使ってリストアップしちゃって、これは自治省にあるまじきことまでやっておる。まさに指導助言の範囲を超えて、強引に権力的な関与をやっている。だから自治省のいまやっているのは全部自治法違反だと思うけれども、そういったところまでいった前歴がありますので、この扱いについては特にひとつ出過ぎたことがないように。自治体はもちろん参考資料があれば積極的に参考にするものは参考にしてやりますよ。ですからその点は特に公務員部長、あなたのところでしょう、これ。
○国務大臣(世耕政隆君) 定員モデルでございますが、これは、地方団体の経費の問題になってくると、人件費とか定員とかの中へどうしても入ってくるわけでございまして、その場合に、定員の是正、適正化といっても、基準は一体どこにあるんだと、各団体でいろいろな議論になってくるんで、それでこういうふうな形で一応の参考資料として各地方へ送付するという形をとったんですが、開いてみると、でき上がってみると、私の出身県が定員超過の最優等生で、日本一ということになっちゃって、大変やぶ蛇になりましてきわめてぐあいが悪いわけなんですが、それもあえて局長通達という形で出したわけで、そういうところで、まあある程度この参考資料が本当の意味でいろいろな自治体の御参考に供して、それが何か効果が出てくることを期待いたしましてその局長通達ということになったわけでございます。 これもきょう閣議で私も申し上げたんですが、あくまで参考資料である、こうしろああしろと、こういう強制的なものではない、そういうふうに申し上げた次第でございます。
○志苫裕君 いまの大臣の答弁をよく承っておきましょう。 それにしても、五十七年三月十八日の衆議院地方行政委員会の会議録を読みますと、大嶋さんはあんまりいいこと言っていないんです。「今回、作成を試みておりますモデルというものは、地方公共団体の定員算定の一つのガイドラインを示すことを目的としておるわけでございます。したがいまして、」——この後がいいんだ、「その結果、定員配置の現状がそれに比較して高水準になっておるというような団体につきましては、早期に定員管理のあり方といったものに検討を加えていただきまして、計画的に適正化を図っていただくような方向で指導を行うということも現在考えておるところでございます。」、こうなると、これはあなたがいままで言うていることと大分ニュアンス違うんだ。参考なんていうものじゃないんだ。頭が出ておったらそれたたっ切るように指導すると書いてある。だめですよ、あなた答弁ちょっと訂正しなさい。
○政府委員(大嶋孝君) モデル定員をオーバーしておるというような地方団体に対する指導ということでございますけれども、先ほど言われましたように、個別団体を指定をして、あるいは公表して行政指導を行うということを考えておるわけではないわけでございます。 ただ、定員管理のあり方につきまして一つの物差しを示したわけでございますから、各自治体でできるだけ早く検討をしていただく、そして適正な職員配置を自主的に算定していただくということを考えておるわけでございます。 そこで私の方としては、計画的な定員の適正化、それに向かって各団体内部での努力というものを期待をし、また、その方向で指導しているというわけでございまして、もちろん定員モデルを超えておるからといって、それは各団体の地域の事情いろいろございましょう、そういった合理的な理由のあるようなものまで、これを超えているからこれはいかぬということを言うつもりはもちろんないわけでございまして、各自治体があくまでも自主的によくお考えいただきたいということを言っておるわけでございます。
○志苫裕君 くどいようですけれども、しばらく地方公務員の月給が高いんじゃないのということで、便宜的にラスパイレスという物差しではかってみたら一二〇だ、一三〇だ、これは高いな、もう少し工夫をしようじゃないかと。仮にそういうところは、おれのところは定員を減らして、少ない人間だけれども一生懸命やってもらっているんだ、それの励みのために少しは月給は高いかもしらぬという言い分があっても、ぱっと見ると高いなということを指をさされないわけでもないということで気を使っていることはわかりますよ。百歩譲って、そういう点に気を使わなきゃならぬということはわかっても、定員のことになりますと、これは本当に自治体ごとにさまざまな工夫があるんですね。ある部分を強化して、そのかわりにある部分はねじり鉢巻きで少ない人数でやることもできるわけだし、ということになりますと、この一般管理部門というものがきわめて少ない数しかないのに、そこのところをもって全体を類推されるという位置づけ。仮に一般管理部門だが、たとえばラスパイレスのようにこれを一〇〇として、大臣のところが百幾つだとか新潟県が九十幾らとか出ますね。そうすると、ごく一部分のことを言うておるのに、県職員全体が何かうんと余っているような、ブラ勤、ポカ休の専門家みたいなことを言われたんじゃ自治体にとっても大迷惑な話だわね。そういう性格しか持っていないものなのだから、これは特にその扱いについては、先ほど来大臣の御答弁もいただいたようなことで対応してもらうということをこの機会に要望をいたしておきます。 次に、消防職員ですが、消防庁長官、宮崎市の消防レンジャー訓練死亡事故につきまして、三月三十日に宮崎地裁の判決が確定しましたね。この判決についてどのような評価をなさっていますか。
○政府委員(石見隆三君) 私ども、今回の宮崎地裁の判決を詳細に読ましていただいたわけでございますが、先生すでに御案内のとおり、論拠とされておりますところは、市の債務不履行によりましての損害賠償を命ぜられた判決でございます。私どもは、この判決自身、宮崎の事故のこのケースにつきましての判決でございます。私はやはり裁判所の判断でございますので、これをこの席でとやかく論評をいたしますことは御容赦願いたいと思うわけでございますが、今回のこの判決を率直に受けとめまして、今後の消防職員の出動時あるいは訓練時におきます事故防止に役立ててまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○志苫裕君 まあ判決によりまして、当局者の安全配慮義務とでもいいますか、そういうものが強く求められたわけで、いまも答弁あったけれども、安全管理体制について改めてといいますか、なお念を入れて点検等を行って改めるべきものは改める、整えるべきものは整えるという対応をしなきゃならぬわけでありまして、私はそれらを検討の上、消防庁において、判決を機にした安全の配慮、補償についてそれこそ通達等を出してもいいのではないかと、こう考えますが、どうですか。
○政府委員(石見隆三君) 私どもといたしましては、消防職員の安全管理につきましては従来から指導の徹底を図ってまいってきておったところでございまして、御案内のとおり昭和五十三年には「消防救助操法の基準」というかなり詳細な基準を設けまして、各地方団体に示してもおります。あるいはまた、初任者の訓練をいたします消防学校におきます教材テキストといたしましても、「安全管理」というテキストをつくりまして、これを使うようにも指導をしてまいってきております。 と同時に、ただいまお話しございましたように、しかしこれでもなお消防職員の出動時あるいは訓練時におきます事故が起こっております現状でございます。私どもといたしましては、ただいまお示しにございましたように、さらに消防機関に対しまして、全国消防長会等を通じましてその指導の徹底を図ってまいっておるところでございますが、なおこの充実を期しますために、昨年実は消防庁の中に消防活動安全対策研究会というものを設置をいたしまして、現在この研究会におきまして、現在とられております安全対策の見直しをやってもらっておりまして、この研究会の検討の結果を踏まえまして今後安全管理体制の整備充実にさらに一層の努力をいたしてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○志苫裕君 安全管理とか労務管理というようなものは、使用者、当局者の側だけ、つまりワンサイドではだめなんでして、労働組合などでもあればそういう問題について労使協議とかいろいろとできるんでしょうが、この職場にはそれがないからその保障もないわけですが、しかし、それがない段階でも、なお職員の意見を反映するシステムを考える、あるいは参加への手だてを考えるということをやはり考えるべきだ。おれが言っているようにしていればおまえたちは一番不自由がないはずだというやり方は民主主義の世の中には通用しないんでして、だからそういう意見反映、参加の手だてというようなものを考えるべきである。 前からもここでも議論になっていますが、安全管理者の選任義務、安全委員会の設置義務というようなものは何遍も議論になりながらまだうまく進まぬのだけれども、こういう問題も含めてこれは早急に措置をなさるべきだと思いますが、いかがですか。
○政府委員(石見隆三君) 消防業務におきます安全管理の徹底を期してまいりますためには、私どもといたしましては、まず消防業務について豊富な知識あるいは経験を持っております管理監督の立場にあります者が、災害時あるいは消防訓練時におきまして、その状況に応じて部下職員に対して適切な注意、指示を与えていく、その現場現場で与えていくということは非常に重要なことだと思っております。と同時に、ただいまお話がございましたように、管理者といたしましては、実際にその活動の任に当たっております職員の意見を聞き、これを十分承知をしてそのような指導、指示に生かしていくということもこれ非常に重要なことだろうと思っておるわけであります。 私どもといたしましては、日ごろからこのような考え方に立ちまして、職員間あるいは上下の間におきます意思疎通を図りますために、消防機関に対しまして機会あるごとにこのような意思疎通の場を設けるようにという指導を行ってまいっておるところであります。現在では、東京消防庁その他政令都市におきます消防機関を初め全国で、正確な数字はちょっと把握しにくいのでございますが、約半数ぐらいはこのような機関を、組織と申しますか、機関と申しますか、を設けましてお互いの間の意思の疎通を図ってまいってきておるわけであります。 なお、ただいま御指摘にございました労安法によります安全管理者あるいは安全委員会の問題につきましては、ただいま御指摘にもございましたように、当委員会におきましても従来からいろいろと御指摘をいただき、あるいは御質問をいただいておるところでございます。申し上げるまでもなく、消防というものは国民の生命あるいは財産を守りますために、災害現場では危険が予測される状況におきましてもあえて身を挺して職務の遂行に当たらなきゃならないという場合が非常に多いわけでございまして、この点消防業務と民間のいわゆる事業活動とは、その職務の目的でありますとかあるいはその職務の内容につきましていささか趣を異にするものがあろうかと思っておるわけであります。したがいまして、実態といたしまして、現時点におきまして主として民間の事業所を対象として実施をされております安全管理者あるいは安全委員会の制度を、このような特別な任務、特別な職務内容を持っております消防業務の中でどのように位置づけていくかということにつきましては、今後とももう少し引き続き慎重に検討さしていただきたいというふうに存じておるところでございます。
○志苫裕君 慎重に検討するということは毎回言うので、時間がないから黙って見ていれば何十年でも検討しておるんだ、あなたたちは。 これは、この間労働省からもおいでいただいて、とにかく危険な場所が職場——職場というのは自分が日ごろ待機している工場のような職場ばかりでないんでして、それはややこしいことはややこしいところがありますけれども、これはひとつ検討を促進をしてくださいよ。 長官は、安全管理について一番造詣が深い豊富な経験を持っておるのは現場の管理者だと言うが、そうじゃないんですよ。一番豊富な経験を持っているのは、自分の身をさらしている連中が一番詳しいんです、これは。上へ行きますと、笹川さんの号令で今度コンクールがあるから出てがんばってこいなんていうのを指図するだけなんで、そんなものだから落っこったりするんだ。だから、そういう連中よりは、やっぱり身をさらしておる者の意見がもう少し反映される手だての方が、いろいろ意見持っているんですから、そういうことを私は強く要求をしているんですよ。管理一点張りで安全なんかやれるものじゃないですよ。これは毎回のことですから要望にとどめますが。 ところで、これは私が質問に立てば必ずあなたに聞くことになっているんだけれども、ILO六十七総会でしたな、去年ですから六十七回ですか。回数間違ったらごめんなさいよ。去年の総会では日本政府は、消防職員の団結権について結論を得るため審議を促進すると、こう表明をしておるんですが、その促進状況はどうなっていますか。
○政府委員(大嶋孝君) 御指摘のように、昨年の六十七回ILO総会でございますが、「消防職員の団結権の問題については、その結論を得るため、公務員問題連絡会議において関係者の意見を十分に聴し審議の促進を図るものとする。」、こういった追加情報を出したところでございます。 それで、その後政府といたしましては、この方針に従いまして、公務員問題連絡会議におきまして昨年の十月、日本消防協会から意見を聴取をしておりますし、またことしの一月には、関係機関から消防職員の勤務条件に関する説明を受けるといったようなことで、この問題につきまして誠意を持って現在検討を進めておるというところでございます。
○志苫裕君 ちょっと、その関係機関というのはどこでしたか。
○政府委員(大嶋孝君) 関係機関と申しますと
○志苫裕君 関係機関から意見を聴取するという、関係機関というのはどこですか。
○政府委員(大嶋孝君) 消防庁の関係職員ということで御理解いただきたいと思います。
○志苫裕君 関係機関と言うから相当なものかと思ったら、消防庁の中で相談しておるということか。——審議促進なんですから、きょうもまた促進をひとつ要望をいたしておきます。 最後になりましたが、大臣、臨調の一から四までの部会が何か連休明け、五月いっぱいぐらいまでには報告を出して、恐らくそれで若干たたき合いをして七月ごろに本答申という段取りになるんじゃないかと思うんですが、全部に関係がありますが、地方自治体にかかわりがあるとなると第二の公務員制度、第三の国と地方ということではないかと思うんですね。そこで私、自治体、いわば国と地方の関係がずいぶん大きくて、それの出方によっては自治体の模様も変わるぐらいの影響を持ちますから、自治省もせっせと意見を述べたりしておるんですが、同じように第三部会の公務員の制度のあり方、これも実は三百万を超える地方公務員に関係あることで大きいわけですが、たとえば国家公務員をどうするのかという議論をしておりまして、現業、行(二)なら行(二)の適用者、これを公務員から外すかというような議論をしていますね。ところが、たとえばそのこと一つ考えますと、これは地方公務員に対する影響の方が圧倒的に大きいわけです。国家公務員というのはわりあいにその分野が少なくて、地方公務員へ行くともう圧倒的に多いですからね、そういうサービス部門というのを持っている分野がね。ですから、国家公務員のことをやっているのかなといって自治省はあさってを向いてはおれないわけ。こっちの方にどかっとむしろさわりが出てくるということになるわけで、案外そんな点、少し無関心でいるんじゃないですかな。そんな気がするんだけれどもどうですか。どの程度のコンタクトをとってやっているんですか。
○政府委員(砂子田隆君) お話しがございましたように、臨調の第二部会あるいは第三部会で地方に関係のある審議をいまやっておるようであります。 お話しのように、現業の公務員の問題というのも実は大変大きい問題でございまして、前々からこの審議の内容をいろいろ聞いておりますと、公務員の問題というのをどういう形で答申をするかというのは内部でいろいろな議論がなされておるようであります。いまお話しのように、公務員の区分をすると申しますか、いまおっしゃいましたような行(二)の職員というのを公務員から離すとか離さないとか、こういう問題がいろいろあるようですが、これにつきましては内部でいろんな議論がありまして、まだ結論には達していない問題であります。しかも、この問題について七月に答申が出せるかどうかというのも大変むずかしいし、やはり公務員のそういう種類だけじゃなくてあるいは給与制度のあり方、そういうものを一括して議論すべきだという議論も中にはありますし、なかなか公務員の問題についてすぐに結論が出るという状態ではないように思っております。 ただ、私たちといたしましても、いまおっしゃいましたように、行政の(二)に属する技能労務者なり、そういう人たちにつきまして私たちも十分な関心を持っております。いまおっしゃいましたような、国の場合にはそういうものに属する者が四万五千人ぐらいしかおらないだろうと思いますから、総定員法からいいましても一割欠けるぐらいの人数でしょうが、地方公務員の場合は本当に大変多うございます。そういうことから考えまして、この問題がそんなに私たちの関心から逃れておれるというような問題ではございませんから、常に公務員の問題については注意をしながら私たちも見守っておるところであります。いずれまた六団体の方からも、実は臨調の方に自分たちの意見も十分聞いてくれということも言っておりますし、私たちの方も、そういう問題については、自分たちの意見を述べる機会があればいつでも行って述べるつもりでもおりますし、そういう形の中で公務員関係についても適時適切に対処していくという考え方を持っております。
○志苫裕君 それで、国と地方との関係については、臨調のヒアリングに自治省もしかるべき資料も出したり、また、意見の開陳もしていますし、地方六団体も熱心に取り組んでおられる。多くの部分で皆さんが述べておる意見にわれわれも共鳴をしておるし、また、過去の自治大臣あるいは自治省の周辺のいろんな審議会、調査会等が建議をしてくれたテーマについてもいろいろ述べておるわけですが、公務員制度については自治省は意見を述べていないんじゃないですか、どうですか。
○政府委員(砂子田隆君) おっしゃいますように、二部会の方から、公務員制度自身について基本的にどうするかという形についてのお話を伺ったことはありません。しかし、公務員の給与でありますとか、公務員のそういう現行のあり方とか、そういうことについては一応ヒアリングを受けたことはございます。 これについては、いろいろ言っておりますが、いまのように新聞に出ている程度しか私たちも知りませんが、ああいう形で公務員の範囲を決めていくという問題については正式にまだ受けておりませんので、そのうちそういう機会があったらぜひ私たちの意見を述べていきたいと思っておりますし、臨時行政調査会の中に実は地方制度調査会の林会長も入っておられますので、そういう点からも林さんの方に私たちの意見を述べながら、言うならばやはり公務員制度というものも地方制度の中では重要な制度の部分でありますから、これをただ看過をしておくわけにはまいらぬだろうと思っております。そういう意味でそれなりに私たちも対処していきたいと思っております。
○志苫裕君 特に公務員の範囲の問題で、日本の公務員が西欧諸国と比べて多い少ないの議論しますよね。その限り、比べようもないのに比べて少ないとかなんとかという議論もありますけれども、それじゃ多いところはといって見ますと、たとえば日本でいうとボランティアに属するような部分ですね、そういうふうなのも公務員の範囲に入るという仕掛けを持っているところもありますし、それぞれにお国柄があるわけですが、私は、公務員というのは、管理部門で指図をしておるのだけが公務員であって、実際に現場で直に体を動かしてサービスに当たっておるものを公務員と見ないという、こういう発想の立て方というのは、どこか少しおかしいんじゃないか。ただ仕事の上から見て、この部分は行政が責めを負うべきか、民間がやるべきかという議論はありますけれども、それはその議論があるにしても、何か身分的に頭から、ホワイトカラーは公務員でブルーカラーはそうでないというような、何かそういう発想がぐっと働いてくることにはいささか承認をできない。自治体の持っている機能というのはそういう分野が実は多いのであって、国が管理部門だとすると自治体は全部現場なわけですね。現場なんです。その発想でいけば公務員というのは国におればいいんで、地方団体はみんな民間だみたいな話に、極端なことを言えば行くわけでありまして、その発想に自治省自身が安閑としておっちゃいけないという意味で、この機会に注意を喚起を申し上げたい。 それから、国と地方との問題については、何かその後皆さんの方では新しい情報とかそういうものをつかんでおるんですか。どういう分野が後回しになって、どういう分野が本答申に出てくると。ひとつその辺を。
○政府委員(砂子田隆君) 第三部会におきまして、いま国と地方の機能分担の議論をやっております。聞くところによりますと、七月の答申に向けて五月中には部会の報告をまとめるという考え方があるようであります。 いまおっしゃいましたように、その中で何が先に出て、何が後になるかというお話でございますが、いま私たちが聞いておるところでは、一つは、国と地方の機能分担の中で、国と地方とがどういうふうに機能を分担をしたらよいのかというふうなあり方の問題、あるいは地方財政制度のあり方の問題、さらには広域行政なり地方の減量なり効率化、こういう問題は七月に出したいという考え方を持っているようであります。 それから、地方事務官でありますとか、国の地方出先機関の事務の見直し、こういうものは後だという感じであります。 さらに、国が持っております許認可の中で、規制監督行政と申しますか、そういうものの中で地方に関係のある許認可、これに関しましても、これはもう後だということになっております。 それから、補助金の整理合理化につきましてはやはりやるべきだという意見がありまして、これは早い時期にやろうかということがあるようであります。 ただ、第三部会に属します国の地方出先機関の問題につきましては、方針と申しますか、そういうものについては今回は出そうということでありますが、具体的にどういう機関がそういう廃止の基準になるのか、あるいは整理の基準になるのかということにつきまして、具体的な問題についてはどうも触れられないという考え方のように承っております。
○委員長(上條勝久君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時二十分まで休憩いたします。 正午休憩 —————・————— 午後一時二十六分開会
○委員長(上條勝久君) ただいまから地方行政委員会を再開いたします。 地方交付税法等の一部を改正する法律案を議題といたします。 休憩前に引き続き質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○大川清幸君 地方財政が必ずしも均衡がとれていない、実質的に余裕があるということではないという論議がさんざんあったんですが、大体地方出身の議員の方が多くて、大都市の立場の発言が余りないので、その辺実質的にバランスがとれていない中でどうも計算上割りを食っているような感じもあるんじゃないかというようなこともあるものですから、その面から二、三聞いてみたいと思っているわけです。 初めに、基準財政需要額を算出するためのいろんな手法が決められておりますが、その中で、単位費用は標準団体によって積算をされるということになっておりまして、その中のとりわけ人口でございますが、これは三十年来都道府県分が百七十万人、それから市町村分については十万人ということになっていますが、との根拠は一体どういうことですか。
○政府委員(土屋佳照君) お示しのございましたように、都道府県分の標準団体は人口百七十万、面積六千五百平方キロ、市町村分の標準団体は人口十万人、面積百六十平方キロということを想定しておりますが、これはもう申し上げるまでもなく、行政の規模なり内容が都道府県または市町村の平均的なこういった標準団体が平均的なレベルに近いということでございまして、自然的、社会的条件に格別の特異性のない地方団体を想定をして単位費用を算定する必要があるということからでございまして、そういった意味で、私どもとしてもいろいろとその後町村合併があったり、あるいは人口増加とか、いろいろあるわけでございますけれども、現在の標準団体の人口は、行政の規模とか内容が平均的なレベルである団体の人口に近いということから、特に見直す必要がないということで今日に至っておるわけでございます。
○大川清幸君 そこで、他の項目というか、計算の因子になっているものについてはその都度適当な時期に見直された経過があります。人口については、町村から市部への人口のシフト、こういうようなものも多少配慮はされているようですが、基本的にはこの百七十万と十万が三十年来そのままということについては実情に合わない面も出てきているんではなかろうかと思いますが、この点についてはどうですか。
○政府委員(土屋佳照君) たとえば五十五年の国調人口の単純平均で見ても、都道府県が平均が二百五十万ということになっておりますし、都市も十三万七千人ぐらいということで、やや標準団体の人口とは乖離が見られるわけでございます。ただ、先ほども申し上げましたように、標準団体というのは、人口の急激な増加がないということ、それから制度上特別な権能が付与されていないといった、自然的、社会的条件に格別の特異性のない地方団体、そういう形で想定されるものを選んでおるわけでございますから、単純な平均をとるということにはやはり問題があるように思えるわけでございます。 そこで、都道府県については、人口百万から二百万の団体が二十二団体ございまして分布状況が最も多いということと、また、都道府県の中間順位、二十四位ぐらいになるわけでございますが、具体的には三重県が当たるわけでございますが、その中間順位が百六十九万ということなど、いろいろ考えまして、人口百七十万が大体妥当じゃないかと考えております。また、市町村については、都道府県に比べて規模の格差というものがかなり大きいわけでございますが、標準団体としては人口十万の都市を想定をしておるわけでございますが、特別の権能を付与されております大都市、これは一応除いて考えてみてみますと、市の人口の平均が大体十万二千人ということになってきておるわけでございまして、大体現在の標準団体の人口と同じような状況になっておるわけでございます。 そういったことから、私どもとしては、ほかのものを少しいじったことはあるわけでございますが、この人口そのものは不合理ではないだろうということで特別見直しを図っていない、こういうことでございます。
○大川清幸君 それでは次に、基準財政規模の上で、ちょっと数字の上で見解を伺ってみたいと思うんですが、全国の場合、昭和四十年度、これは財政規模で言うと二兆二千三百三十四億円余でございまして、これを指数一〇〇に置いた場合、間の細かい数字は省きまして、昭和五十五年度、これが二十二兆四十六億九百万円、こういうことで、指数で言うと九八五になるわけです、四十年を一〇〇とした場合。 全国のケースがそうなるわけですが、東京都の場合は一体どんなふうになっているかということを経過を見ますと、昭和四十年度で二千二百二十九億一千九百万円で、これを全国と同じように一〇〇に置きますと、昭和五十五年度で都の場合が一兆五千六百四十一億八千百万円ということですから、指数で言うと七〇二でございます。 こういうことで考えてみますと、まあ愛知県の場合なんかは東京都と同じように不交付すれすれだったり不交付になったりというようなことが、これはトヨタがあるせいだろうと思うんですが、そういうことになっておりますが、全国平均に比べて愛知の方の伸びは全国よりたしか多少高いんだろうと思うんですが、東京都の場合はずっと歴年低く抑え込まれているというか、計算上はこういうことになっているので、どうも大枠の計算上で何か問題がありはしないかというふうに思うんですが、この辺はどう説明をされますか。
○政府委員(矢野浩一郎君) 基準財政需要額の伸びについての全国平均と東京都の場合を比較してのお尋ねでございますが、御指摘のように、長期的なと申しますか、四十年代の初めごろと最近の数字と比較いたしますと、東京都の場合はその他の道府県よりも伸びが低くなっておるわけでございます。 これは別に意図的にということ、あるいは意識的にということではございませんので、基準財政需要額を算定する場合に一番大きな要素になりますのは、その物差し、尺度でございます測定単位の数値の伸び、たとえば人口でございますとか、道路の延長や面積でありますとか、あるいは教職員の数でございますとか、こういったものが伸びる団体ほどやはりどうしても基準財政需要額の伸びが大きいわけでございます。東京都の場合は、昭和二十年代あるいは三十年代の初めごろまでは人口の増加が非常に大きかったのでございますけれども、御承知のように、その後測定単位の中でも一番大きな要素を占めておりますところの人口の伸びが、全国平均いたしますと、たとえば五十年に対する五十五年の数字でございますと、全国の、東京都を除く道府県は一・〇七五、七・五%の伸び、東京都は二・三%、五十六年度と比較いたしますと、東京都は、これは国勢調査を置きかえておりますが、一・八%に対してほかの県では一三・一%というようにかなり開きがございます。それから警察官数、道路面積等につきましても同じことでございまして、こういった測定単位の数値の伸びの鈍化が東京都の基準財政需要額を、全国的な平均に比べますと、低めてきておる一番大きな要因だろうと思います。 測定単位以外に、補正係数等の算定によりましていろんな要素を算入するわけでございますが、そういった点については私どもも都市における需要というものをできるだけ実情に即して算入するように努力をしておるところでございますが、基本となります物差しの測定単位数値の低いというところがやはりそういった傾向を示すものの決定的な要因になっておる、このように考えております。
○大川清幸君 次にお伺いすることも大体いまのような説明でお答えになるんだろうと思うんですが、その基本的な基準財政規模についての計算の大前提がそうなっておりますから、決算の方でも、いま言ったように大枠が決まっていますから大体低い結果が出ることは当然なんですけれども、試みに数字で申し上げますと、国の一般会計、これは昭和四十年度を一〇〇とした場合に、五十五年度は四十三兆四千七十億円余ですから、これは四十年度に比べて国の一般会計の規模の伸びというのは一一六六になる。大変大きいわけですね。地方全体ではどうなるかといいますと、昭和四十年度四兆三千六百五十一億余でございまして、これを一〇〇とした場合、昭和五十五年度が四十五兆七千八百七億八千四百万円ですか、ですからこれが指数でいくと一〇四九。ですから、大体国の財政規模と全国の財政規模というのはほぼ並行して、国に追随して規模が伸びているということはこれでわかるわけです。 ところで、大阪なんかも多少この東京都と似た傾向があるんですが、東京都の場合どうかといいますと、昭和四十年度で三千九百五十六億三百万円、これを一〇〇としますと、昭和五十五年度は二兆七千九百三十三億一千八百万円で七〇六です。ですからどうも国の財政規模に対比をして、地方全体では財政規模が同じような調子で伸びているんですが、東京都の場合は計算上は四十年度を一〇〇とした場合に五十五年度が七〇六ですから、指数で見ても大変これは隔たりがあるわけで、大都市なんかはそれなりに行政需要も拡大をしているはずでございますししますので、こういうことだとやりたい仕事もやらないでがまんをしなきゃならない面が出てきていはせぬか。 試みに申し上げますと、地方の公債残高は一般会計と公営企業会計突っ込みで五十兆円、東京都の方は一般会計、特別会計それから公営企業会計を入れまして五兆円ということに、起債残高の方はちょうど一割ということになっておりますが、財政規模の方と決算額の方から言うと、どうも計算上は抑え込まれている結果がこれは決算ベースで見ても出ているのではないかと思いますが、この辺はどうですか。
○政府委員(矢野浩一郎君) 基準財政需要額は、各府県の財政運営を行いますための財源措置の基礎になるものでございますから、決算がやはり同じような傾向を反映するという点についての御指摘はおおむねおっしゃるとおりだろうと思います。 一般に地方団体の財政需要の伸びを見ておりますと、都道府県の場合には比較的静態的でございますが、市町村になりますと、たとえば都市部あたりで急激に人口がふえてまいります。このときには基準財政需要額もぐんぐん伸びますし、また、決算も伸びるわけでございます。人口の伸びがとまりますと実は財政規模の伸びも鈍化いたします。 ただ、一方で、人口急増期においてやはり地方債をかなり借り入れております。学校の建設、幼稚園あるいは保育所等。さらに、人口の伸びがとまりましても今度は下水道の整備であるとかそういう基幹的な都市施設の整備を行ってくるわけでございますが、そういった起債の償還費の伸びがこれからその次の段階において出てくる、こういうことになろうかと思います。したがいまして、東京都の場合におきましても、御指摘のように起債の残高、これは非常に大きいわけでございますが、そういったものの公債の償還費というのがやっぱりこれから伸びてくる要素、これはもう当然にあろうかと思うのでございます。 東京都の場合は、これは当然ながら一つの都市と言ってもいいわけでございますけれども、都市の一つの何といいますか成熟の段階に応じて財政の中身というのがやはり変わってくる。特に、その成熟期に入りました後の段階で公債費の問題がやっぱり出てくるという点、これはわれわれも財政運営上あるいは地方財政制度を運営する場合によく注意していかなきゃならないことだと、このように考えておるところでございます。
○大川清幸君 そこで、これはいただいた資料ですが、地方財政状況をこの中で見ると、まあ計算上はよくできていまして、私も財政力の強いところから調整をして低いところへ回してする分については形の上でもうまい結果が出ていると思うのですよ。というのは、人口急増市町村の一人当たりの歳入、それから歳入と歳出の見合い、それから一般市町村、これも大体見合ってうまくできている。過疎市町村なんかも三十二億四千万、これは昭和五十年から五十六年の間の人口急増市町村のデータでちょっと見たのですが、歳出の方では三十一億五千九百万、大体うまく見合ってバランスがとれていますので、税源の配置、張りつけと決算の状況を見るとうまくできているので、私は財政力の小さいところへ回すのをやめろというような立場で言っているんじゃないので、その辺だけはひとつ間違いのないようにしてもらいたいのです。 ところで、各地方団体の租税負担額と、それから還元の状況をちょっと見てみますと、人口一人当たりの租税負担額というのは、これはたまたま東京都のデータで詳しいのがあったので参考のために取り上げたのですが、東京都は国税で五十六万百円、地方税が二十一万二千四百円、合計七十七万二千五百円。これは全国一位です。二位が大阪で愛知県が三位と、こういう順位になっています。ところで沖繩の方は、国税が七万六千七百円で地方税が五万六千円、合計十三万二千七百円で、これ四十七位。租税負担額の点では全国でこういう順位に一応なっています。 ところで、この税金の還元状況はどうかといいますと、東京都の場合は、地方税が二十一万二千四百円で地方譲与税が千四万円、地方交付税が三千二百円、国庫支出金が四万六千六百円で、合計二十六万三千六百円で、これ三十五位です。大阪もやっぱり同じような扱いを受けておりまして四十二位、愛知県が四十四位。沖繩の方は地方税が五万六千円還元されて、地方譲与税が二千四百円、それから地方交付税がやはり大きくて十二万八千八百円です。国庫支出金、これもかなり高くて十七万五千六百円、合計三十六万二千八百円になるわけです、一人当たりですね。ですから全国の順位で言うと、還元状態を調べた場合にはこれは六位で、上位にランクをされる。人口等の規模から言えば、一人当たりの還元額が大きくても全体の財政規模としてはそれなりに東京都に匹敵するようなぐあいにはならないことはよく承知をしていますけれども、一応これが計算が抑えられずに——どうも自治省でやっておる計算の方法では、基準財政需要額等が抑え込めなくなったのでいろいろな措置をされることになったような経緯もありますし、昭和五十年代、とりわけ昭和五十年度で神奈川県、五十一年で愛知県、昭和五十二年で大阪府、これが不交付団体から交付団体に変わるというような経緯もあったりして、いろいろ計算上のことがあったんだろうと私は心配をするのですが、もしこれを抑え込まないで必要な財政需要を見て計算した場合には、もっと歳入欠陥というか歳入不足に対する措置をする規模が大きくなったんではなかろうかというような疑いも持つわけですが、この辺のことについてはどのような御見解をお持ちか伺っておきたいと思います。
○政府委員(土屋佳照君) いま、一人当たりの税額とそれからいわば実際に使っておる、還元という表現でおっしゃったわけでございますが、いろいろと数値をお示しいただいたのですが、残念ながらちょっと同じような数値を持ち合わせておりませんので的確にお答えできるかどうかわかりませんが、私どもとしては、やはり地方団体に実態に応じて、いろいろ差異あるものに標準的な行政を行ってもらうということで、財源全体を見ながら、地方税だけで対応できないところを地方交付税制度をもって補足をして、そしていま申し上げたような意味での標準的な行政がひとしくできるように仕組んでおるわけでございます。 そういうことでございますから、税、交付税全体を通じていろいろ見ていく中で、地方交付税の算定に当たりましては年々変化します経済的、社会的な条件に対応して、基準財政需要の算定に当たりましてももう実態を的確に反映できるように補正系数等についても改善を進めてきたわけでございます。 いろいろ千変万化の実態でございますから、なかなか的確にぴしゃっといったかどうかということになりますといろいろ見方はあろうかと思いますが、大都市なり大都市所在都府県に係ります基準財政需要額の算定に当たりましても、たとえば流入人口による増加需要なり、地価も高いといったようなことから経費が増高するということもございます。そういった大都市の需要というものが的確に反映いたしますために、普通態容補正あるいは投資補正、場合によっては事業費補正といったようなことをやっておるわけでございまして、極力実態を反映するようにやってきておるつもりでございます。 それで、総体として交付税にも限度があるということで、昔の平衡交付金のときのように全部積み上げてやるわけじゃないじゃないかというあるいはお気持ちをもってのお尋ねかとも存じますが、地方財政計画で総体的な計画を立て、そういうものを背景として的確な基準財政需要額を見込んで、そして交付税その他一般財源で標準的な行政ができるように、こういうことでやっておるわけでございますので、おっしゃいました数値に一々的確にお答えするわけにはまいりませんが、全体として私どもは実態を反映できるようにいま努力をしておるつもりでございます。特に種地の甲などについては、ある時期をおいて人口等が発表になればその都度見直しなどもやっておるわけでございます。 しかし今後とも実態におくれないようにできるだけ合理化を図っていきたいと思っております。
○大川清幸君 それでは、いまちょっと御説明の中でも出ておりましたが、昼間の流入人口ですね、大阪とか東京という企業、事業所の集中しているところなんかは昼間の流入人口は大変大きいわけで、これがそのままその都市の行政需要にはね返るという経緯があるわけですが、試みに東京都の場合は、昭和四十年で百九万七千人程度、これを一〇〇として指数的に見ますと、五十五年度で二百三十六万九千人程度が流入をしておりますので、二一六ということで、倍強にふえておるわけでございますが、これは、本来流入人口というのは捕捉しがたいということで標準団体の積算の因子には入っておらないわけですけれども、この辺についての配慮の仕方というのはいまどうなっているんですか。
○政府委員(矢野浩一郎君) 基準財政需要額の算定に当たりまして、測定単位の数値に昼間流入人口をとるということは、これはいたしておりません。人口そのものは、いま基本的には常住人口でとらえるというたてまえでございます。ただ、御指摘のように、特に昭和四十年代以降母都市とその周辺都市との間の人口の昼間移動が大変激しくなったわけでございます。そこで、そういった点を反映させるように基準財政需要額の中でも、特に昼間人口の流入による財政需要の増高があるだろうと見られるような費目、たとえば清掃費でございますとか、あるいは消防費などもそういった要素があろうかと思います。あるいは下水道費、そういったような費目につきましてはこれはそういった状況を考慮いたしまして、交付税の需要の算定の上で都市化の度合いをあらわす態容補正、それに用います種地というのがございますが、その種地の高いところ、すなわち都市的態容の高いところにおきましては昼間流入の要素を考慮して高い補正係数を適用するということをいたしております。 なお、それだけでも不十分ということで、昭和五十三年度からはその種地そのものの決定に際しまして、それまで入れておりませんでしたところの要素として新たに昼間流入人口の要素を取り入れる。やや技術的になって恐縮でございますが、この都市化の度合いをあらわす種地につきましては、それまでは人口集中地区人口、経済構造、それから宅地の平均価格指数、これを用いましてそれぞれウエートをつけて種地の決定を行っておったのでございますが、五十三年度からはこれにさらに昼間流入人口の要素をも加えるということで、さらに全般的にこういった昼間流入人口によるところの財政需要の増加を費目全般に通じて反映をさせるように改善を図ってきておるところでございます。 御承知のように、昼間流入人口につきましては、これは最近では国勢調査で把握ができるわけでございます。ややおくれますけれども国勢調査で把握ができます。国勢調査の結果によりますところの数値の改定が行われました場合には、こういった点もさらに状況を見て改定をさらに加えていきたい、こういうぐあいに考えておるところでございます。
○大川清幸君 五十三年ごろから一応昼間流入人口等についても、ただいま御説明のあったとおり、これを加味して計算をすることにしていることについては私も承知しているんですけれども、技術上のことだから私も詳しいことわからないんですが、東京なんかの毎年度の決算の経過を聞いてみますと、どうも計算のやり方が、これは補正係数その他いろいろのものが絡んでくるので一概には言えないんだけれども、どうもずっと計算してくるともとへ戻っちゃって昼間流入人口等が余り要素に加わっていないような、もとから見ないような結果と同じようなことに計算上はなるようなんですよ、どうも報告を聞いていると。その辺はこれはどう理解したらいいんですかな。どうも流入人口等の要素を入れても余り計算上は出てこない仕組みみたいなようなんですが、そんなことはないんでしょうか。
○政府委員(矢野浩一郎君) おっしゃっておられるのは、私どもも交付税の算定については常に地方団体側の意見をよく聞いておりますから、恐らくこういうことであろうかと思います。 そういった新しい要素を算入はされておるけれども、一方では交付税の需要の算定におきましていろんな補正の手段を用いております。その中で、特に段階補正という補正がございまして、人口が多くなればなるほど単位当たり経費が割り安につくというものがございます。東京都のような人口の大きい団体では、したがいまして標準団体に比べまして割り落としになるわけでございます。人口が標準団体の十倍あったとしてもそれが八倍程度あるいは七倍程度に算定される。これはいわゆるスケールメリットの考え方からそういう補正を適用しておるわけでございます。したがって、昼間流入人口が入ったとしても、やっぱり段階補正の方で結局割り落としが行われるので、その分が必ずしも十分に反映しない。こういうような点についての不満と申しますか、もう少しそれを積極的にそういった新しい要因がはね返るようにしてほしい、こういうような御要請であろうかと思います。 段階補正についてはこれは昔から適用しておる補正でございまして、私どもには私どもなりの理屈があるわけでございますが、そういった点につきましては問題は都市化、都市における財政需要をどう計算するかということにつながるわけでございます。今後ともよく検討をしてまいりたいと存じます。
○大川清幸君 それでは、不交付団体必ず富裕団体にあらずという議論は去年もやったし、大体その辺の認識は同様の認識をお持ちだろうと思うので……。 ところで、財源調整の問題でもう一点伺っておきたいんですが、たとえば義務教育の小中学校の教員の給与あるいは退職手当、これについては本来国が支出すべきものだと思うのです、性格は。ところが、財源調整でこれは不交付団体についてはそれなりに割引計算がなされておるわけです。確かに五十五年度以降教員の給与あるいは道路譲与税の第二次抑制分の廃止、あるいは首都警察の特殊需要に対する財源の対応等一応改善はしていただいたんですけれども、先ほどから申し上げているとおり、財政規模の上での基準財政需要額の計算の上でも抑え込みがあるのかないのか、これは水かけ論みたいですが、そういうようなこともあるし、財源調整の方でもいろいろこうしたもらうべきものがもらえないというようなことが、大阪や東京など財政力の強いところでは配分を見てもそういう傾向があらわれている。とりわけ不交付団体についてはこれは往復びんたみたいな結果になるんじゃなかろうか。どこかでこれは配慮してもらってもいいんじゃなかろうかと思うのですが、この辺はどう思いますか。
○政府委員(土屋佳照君) 不交付団体をどう認識するかということでございますが、いろいろな指標に基づいて、これが富裕であるか富裕でないかということは、おのずから財源超過団体ということとはまた別問題だろうとは存じます。しかし、交付税算定上において東京都、愛知県もそうでございますが、財源超過団体であるということについてはこれは変わりないわけでございまして、そういった点から見て、全体の需要を見ながらも、全体としての財政状況を見てただいま御指摘のような制限が加えられておるわけでございます。 私どもとしても、これを全部撤廃と言われるとやはりそれについてはまだいろいろ意見もあるように思いますが、ただちょっと財源超過になったために非常に大きな制限がかかるといったようなことで、場合によっては不合理な点が起こらないとも限らない。そういったことから、五十五年度以来義務教育職員の給与費国庫負担金につきましてはかなり改善をしてまいりました。五十五年度でも四十三億、五十六年度で二十三億七千万といったようなことで、その他地方道路譲与税における財源調整等も、これは五十五年度でございますが、二十四億程度改善をしたということでございまして、そういった点では私どもも実態に合うようにやっておるわけでございます。 いろいろ見方はあるにしても、やはりいまの交付税制度においては財源超過、ある一定のルールに基づいて計算すれば財源超過という形で残っておる限り、やはりそこのところを一遍に撤去をするというようなことにもまいらぬような気がするわけでございまして、何度も審議官から申し上げておりますように、要は大都市においても実態に合った行政ができるように、そのための所要の需要を見込むということでございましょうから、そういった点についてはいろいろと見直しもしながら、また、毎年これは秋には各地方団体の意見も十分聞いております。東京都あたりとも当然接触もしておるわけでございまして、東京都に限らず大都市地域の方々の御意見も十分聞きながら改善を重ねていくということに努力をしたいと思っております。
○大川清幸君 それでは、時間がなくなりましたから、交付税関係はちょっと省きまして次の問題に入りたいと思います。余り残り時間がありませんので。 各省庁別に公的レクリエーションの宿泊施設等、大変数多くあるわけですが、地方財政を圧迫している実態というのがどうも出ているようでございまして、自治省としてはこれらの施設についての状況をどのように把握されておりますか。
○政府委員(矢野浩一郎君) お尋ねのような施設につきまして、私どもの方として、何分にも地方財政、大変膨大な内容でございますので、すべての問題について目が行き届くというわけにもいかないところでございます。 ただ、たとえば地方債の許可に当たりまして、観光施設事業であるとかあるいはレクリエーション施設といいますか、そういったようなものの許可などもいたします。そういうものに付随をして、必要であれば経理状況をとるということがございます。ただ、個別のものにつきまして、組織的にこれを調査するというようなことは一般にはいたしておりません。やはり各省庁ごとにそれぞれ御所管のところでお調べになっておるのが通常だろうと思います。
○大川清幸君 それでは、環境庁お見えですね。 昭和三十一年から設置をされた国民宿舎のうちで、現在廃止されて民間に売却されたりあるいは無償貸与をされたりというような状況になっているようですが、十六カ所ぐらいあるようですね。主に経営状態が悪くて赤字なものだからこういう措置をとらざるを得なかったという状況のようでございますが、現状について、どのようになっているか御報告願えますか。
○説明員(諏訪薗辰雄君) まず、最近におきます利用状況について申し上げますと、利用者数につきましては、昭和五十年以降漸減の傾向にございます。五十五年度で見ますと、宿泊利用者数が四百五十三万九千人、休憩利用者数が三百四十二万七千人で、合計七百九十六万六千人という利用状況でございます。 収支の状況につきましては、五十五年度で見ますと、黒字の宿舎百六十八カ所、赤字の宿舎百七十カ所で、赤字の宿舎が若干上回っているというような現状でございます。
○大川清幸君 それで、いま廃止をしてそのままになっていたり、それから施設が病院に転換をされたり、施設が無償貸与されておるような状況、これは把握しておられますね。
○説明員(諏訪薗辰雄君) 経営が悪化いたしまして廃止を承認いたしました宿舎のその後につきましては、特に追及をいたしておりません。
○大川清幸君 それで、これは「地方公共団体の設置する国民宿舎設置運営要綱」、この中で見ますと、「国民に健全な保健休養のための場を与え、もって国民生活の福祉の向上と健康の増進を図る」ということで、環境庁で融資のあっせんなどをなさった。ところが、事業そのものは地方公共団体の固有事務みたいなものですから、あっせんはしたけれども、後の経営がどうなるかということはこれ野放しで、財政措置の方は自治省が——お産婆さんはそちらがやって、後の養育費その他は自治省が予算措置の方で地方に必要があれば見るみたいな奇妙なことになっていますから、これはどこが責任を持ったらいいかというと、そこの市町村なり県が持つ以外ないんだろうと思うんですけれども、こうした公的な宿泊、レクリエーション施設が地方財政を、いま言ったように半分以上が赤字で廃止になったりしている状況から見ますと、地方財政の負担というか圧迫になっている要素があると思うんですよ。こうした施設以外にも、農林省の自然休養村とか、あるいは厚生省の年金保養基地等いろいろあって、これも予算委員会で問題になったんですが、いま地方公共団体の財政に直接影響のあるもの、つまり自治省としても一応状況を見て、せっかくの施設なんですから有効に活用されるような方向で指導するのか、財政状況を見た上で今後のあり方をどうするのか、国のほかのいろんな関連、類似施設もありますから、この方向について一回ちょっと検討してみる必要があるんじゃないかと思いますが、この辺どうですかね。
○政府委員(土屋佳照君) ただいまも審議官から申し上げましたように、地方団体のいろんな施設について、関係省庁との絡みの中で私どもがどの程度踏み入ってやるかということになりますと、全部が全部できるわけのものでもないわけでございますが、国民宿舎などについて見れば、基本的には受益者負担の原則で経営採算がとれるように努力していかなければならないわけでございますけれども、いまお示しのように、結果としてどうにもならないで一般財政負担がかかるというようなことになれば、これはまことに好ましいことでないわけでございますので、私ども、どの程度できるかわかりませんが、市町村それ自体が、何としてもやっぱり利用者が減ったということに問題があるように私どもも思いますので、利用者がふえるような形で、交通条件の整備とかあるいはもっとPRをするとか、多角的にもっといろいろな施設をあわせて利用してもらうとか、経営の合理化ももちろんでございますが、そういうことについて一層の努力をしてもらうように私ども指導したいと思いますが、せっかくのお示しでございますので、関係方面等からのわかるだけの資料をもとにして実態を見ながら、場合によってはまた適切な料金という問題も絡んでくるわけでございますから、関係省庁と連絡をとって、関心を持ってひとつそれもできる範囲で調査をしてみたいと思います。
○大川清幸君 せっかくの御努力をお願いしたいと思うんです。この施設は、もともとの発足の精神からいって、国立公園だとかあるいは県で指定した公園の中につくった施設ですから、どこかそこらの観光地へぽっとつくったのと発足の当初からの精神が違うので、いま御答弁があったとおりですが、今後の検討というか改善方法について特段の御努力をお願いしたいと思います。 時間が来ましたから、以上で私は終わります。
○伊藤郁男君 最初に、いままでもさまざま言われてまいりましたけれども、私もこの財政欠陥の問題についてお伺いをしておきたいと思いますが、国の税収不足、これはもう大蔵省も二兆円以上になるだろうということははっきりしてきたようでございまして、これに関連して地方税の場合は一体五十六年度どの程度の歳入欠陥、不足額が生ずるか、どのように見ておりますか、その点からお伺いをします。
○政府委員(関根則之君) 国税につきまして、いま先生御指摘のように、何かある確定額をもってお話しが行われておることは私どもも聞いてはおりますけれども、正式に具体的に税目ごとにどの程度のものになりそうだということは実は聞いていないわけでございます。大蔵の方の税収確保がなかなかむずかしいという状況は十分承知をしているところでございます。 ただ、地方税につきましては、国の方の税収の状況がストレートにわが方に連動して機械的に計算できるようなものではないわけでございます。地方税につきましては、地方税独自のデータに基づきまして収入状況をつかまえてそれから推計をしていく、そういう手法があるわけでございますが、たびたび御答弁申し上げておりますように、二月末現在の道府県税の徴収実績は、県税全体で計画達成の対前年度必要伸び率に対しまして四・七ポイント落ち込んでいるわけでございます。お話しのありました法人関係税につきましては、道府県民税におきまして九・六ポイントの落ち込み、事業税につきましては一四・六ポイントの落ち込みと、こういう相当ひどい状況になっておるということが偽らざる実情であろうかと思います。 これを具体的に金額で幾らというふうに見ているのかということになりますと、私ども、何せまだ最終確定数字が出ていない状況でございますので、なかなか金額的に幾ら幾らということを申し上げることはむずかしいわけでございますが、道府県税全体といたしまして四・七ポイントが機械的にこのままで年度を終了してしまったという想定をいたしますと三千億を超える金額になるであろうというふうに推計できるものでございます。
○伊藤郁男君 三千億を超えて三千五百億程度になるだろうと、こう言われておるわけでありますけれども、この地方税の減収分とそれから国税の減収による地方へのはね返り分、これはいずれにしろ何か処置はしなきゃいかぬわけですね。地方財政に支障が生じないように処置をしなければならぬわけでありますが、どのような措置が必要なのか、どういう措置をしようと考えておるのか、その辺の御見解を伺います。
○政府委員(土屋佳照君) 五十六年度、一つには地方税の減収の問題があるわけでございますが、ただいま税務局長からお答えいたしましたとおり、法人関係税については当初見込まれた額を確保することが困難な団体が出てまいりました。そうした団体から財政状況に応じて申請が参っておりますので、私どもとしては、それについては財政状況を勘案しながら減収補てん債による財源措置を講ずるということで、都道府県分で約千七百三十七億円、市町村分で三十三億円、合わせて約千七百七十億円、最終的には若干数は動くと思いますけれども、その程度の減収補てん債を許可するという見込みで通知をいたしております。それをもとにして都道府県、市町村、大体決算の収拾がつくのではないかと思っております。 ただ、一方の、国税の方の落ち込み分でございますが、これは五十六年度はもう予算どおり交付税はいただいておるわけであります。その分、減収した分は五十八年度で精算をすることになるわけでございまして、その精算減が幾らになるかはわかりませんが、言われるとおり二兆円といったようなことになりますと、そのうち八割程度はあるいは、二兆円となると全体が法人税であればもろに三二%はかぶるというかっこうになってまいりますので、これが非常に大きく影響いたします。しかし、私どもとしては、その点については五十八年度の地方財政収支がどうなるか、また、五十八年度における交付税の見込みがどうなるか。そこから減収分、落ち込んだ分を精算すればどうなるかということを全体を見ながら、いずれにしても、地方団体が必要な交付税の額というものは確保しなければなりません。それについていろいろな手段を講じていかなければならぬと思っております。地方財政の運営に支障のないようにしなければならないことは事実でございます。 それともう一つ、それに連動して、今度は五十七年度がどうなるかという問題が出てまいりますが、その点についてはまだはっきりしていない点もございますので、今後実態を見ながら、私どもとしては地方財政に支障のないような手段を考えなければならぬと思っております。現段階では、大体地方財政計画で見込んだものは確保できるという前提でおるわけでございます。
○伊藤郁男君 五十六年度の歳入欠陥、これは当然いまお話しのように、五十七年度に連動をしていく。国の予算の場合でも、大蔵大臣は四月十五日の大蔵委員会で、五十七年度も見込んだとおりにはいかないだろう、恐らく欠陥が生ずるだろう、こういうように述べているわけですね。その額が大体二兆五千億から三兆円に達するんではないかと、こういうようにも予測をされているわけでありますけれども、まだわからないと、こう言うんですが、五十七年度国の方は二兆五千億から三兆円、五十六年度から連動して考えていきますと、そうなると。地方税の場合は五十七年度一体どの程度の減収になるものなのか、その辺の見通しがおありでしたらお伺いをしておきます。
○政府委員(関根則之君) お話がありましたように、来年度の税収の確保ということは最近の経済状況から判断をいたしますと、なかなか容易ならざるものがあるという点については私どもも素直に受けとめているわけでございますが、何せ五十六年度の税収とは違いまして、まだ五十七年度は年度に入ったばかりのわけでございます。こういう状況の中で、厳しい経済環境にはあるとは言うものの、経済見通しの実質五・二%成長というのはそのまま維持をされておるわけでございます。変更されたわけではございません。そういう目標値を持っている以上、政府としてはあらゆる政策努力を傾注いたしまして、経済成長目標というものの達成のための努力がなされるものというふうに私どもは考えているわけでございます。そういったもろもろの政策努力がなされることによりまして、まあまあ経済成長が大体当初もくろみのとおりにいくことになれば、また、大体成長率と税収というのはほぼ連動するものではありますけれども、同じ成長率の中におきましても、企業の収益率に多少の差が出てくるというような問題もあるわけでございまして、そういった問題が、先ほども申し上げましたように、年度当初におきまして、年度全体でどういうふうになってくるんだということを、いまの段階で私どもそう悲観的にどの程度の減収が起こるんだというような形で見きわめをつけてしまうということは早計に過ぎるのではなかろうかという考えを持っております。 いずれにしろ、政策努力のいかんによっては、私どもが現在計上いたしております五十七年度地方税収というのは何とか確保できるのではないかというふうに期待をしながら見守っているところでございます。
○伊藤郁男君 きのうの決算委員会で、鈴木さんもいよいよ増税なき財政再建はあきらめたようでありまして、結局、増税への発想転換をしなきゃならぬと、これは大きくきょう新聞に出ているわけですが、そういうことを考えますと、五十七年度の歳入欠陥というものははっきり見通しがつけられると思うんですね。私どもは、これは一つの仮定として計算をしてみますと、先ほどの話のように、五十六年度が国で二兆円、地方で三千億円から三千四、五百億円、こういう減収になった場合、五十七年度の財政にどの程度の穴があくか、こういう計算を一応してみたんですけれども、その計算の基礎として、国の場合には政府が立てている税収の伸び率一三・四%、地方の場合には自治省が見ております地方の税収の伸び率一一・七%、そういう伸び率をそのままにしまして計算してみますと、国の例の三税の減収分から交付税分に直接もろに影響をしてくる額が約六千億円になるわけです。そして、地方税の五十六年度は三千億から三千五百億ですが、地方税の場合は五十七年度恐らく約三千七百億円になるだろう。そうすると、両方合わせて一兆円の穴があいてくるのではないか、こういうふうに想定をしているわけでありますけれども、もしそのように交付税分で六千億円も穴があいたら、どのように一体その辺のところを埋めていくのか。今年度の分はもう支払った後の話ですから、それは五十九年度、二年後に何とかする、こういう話ではあるけれども、一体このような地方交付税分だけで六千億、両方合わせれば一兆円、これだけの穴があくものを、経済の見通し、予測がなかなかつかない、こう言っても、これだけのものが穴があくおそれがあるとするならば、これは何らかの対策が必要ではないか、こういうように思うんですが、その辺の御見解をお伺いします。
○政府委員(土屋佳照君) 五十七年度の地方税収につきましては、本年の二月期、三月期決算法人の動向もわからないし、全体としての見通しは立たないということを前提に税務局長からいろいろと今後の趨勢について話があったわけでございますし、私どもとしては、現段階では見込みどおりに確保できるとは思っておりますが、確定的なことは申せないわけでございますから、今後の後半の景気の動向等をよく見た上で、いずれにしても財政計画で必要とする経費は賄っていかなければなりませんので、それに対しては適切な対応策を考えていかなきゃならないし、それはぜひともそういうことで私どもは努力していきたいと考えております。 それからもう一つの交付税でございますが、これも、いま一つの考え方として、いまおっしゃった試算を前提とすれば一つの数字というものは出てくると思いますし、五十七年度がいろいろと懸念材料があって決して楽観ができないことは私ども重々承知はいたしております。いまのところ、政府の経済見通し等を基礎にして国税当局において最も適切と思われる方法で見込まれたものでございますから、私どもとしても今後の推移を見守らなければならないわけでございますし、また、たとえば公共事業の前倒しなり単独事業等についてもかなり伸びを見ながら側面から協力をしていこうということでございますので、今後、それがどういうふうに景気へはね返っていくのか。その他住宅政策等を含めたもろもろの政策によって景気が持ち直していくということになれば、ある程度また税収も確保できるという気がするわけでございますので、そこらのところは様子を見なければ何とも申せない。 ただ、昨日、OECDあたりの予測なども出ておりましたが、そう一遍に回復するとは思っておりません。したがって、最初に申し上げましたような懸念材料があるわけでございますが、その段階においてどのような措置がとられるのか、私どもいまここで申し上げる立場にないわけでございます。率直に申しますならば、補正予算が組まれなければこれは予想どおり確保できるわけでございます。後の精算の問題になるわけでございます。ただ、補正があるのかないのか、そこらの見通しを含めて、ちょっと私が申し上げる立場にはないわけでございますが、あれだけの交付税額が必要だという前提で地方財政計画における歳出を見ておるわけでございます。それは必ずやれるような方途を考えなければならないと思います。そのための努力はいたしたいと存じます。
○伊藤郁男君 この問題はその程度にしておきたいと思います。 次に、定数モデルの問題ですが、この間から議論を聞いておりますと、何か定数モデルを出したこと自体が余り意味がないような話の方にどうも力点がいってしまっているような感じもするんですが、私はちょっと観点が違いまして、このモデルの持つ意味というものはあると思っているんです。そういう観点からお伺いをしておくわけですが、一つは、モデルを出したけれども、そのモデルの概要、それをまず御説明をいただきたいと思います。
○政府委員(大嶋孝君) 従来から、定員管理について何らかの物差しあるいは目安と申しますか、あるいはその算定の手法、やり方、そういったものが必要であるということは皆さん方お考えになっておったと思います。しかしながら、なかなかそれが現実にはなかったということでございまして、たまたま昨年臨調の答申もありましたし、閣議決定もあったわけでございますが、それをきっかけにいたしまして、私ども研究会をつくってその算定のやり方というものを研究をしてまいったわけでございます。そこで出しましたのが先ほど来論議になっております定員モデルということでございます。 一般管理部門におきます定員のあり方というものを他の団体等と比較をしながら、そしてまた各地域の実情、あるいは経済情勢、地域的な問題、そういったもので、差異はございますけれども、そういうことをさらに加味しながら算定するにはどうしたらいいかというその方式を一応結論を得まして出したというものでございまして、私どもとしては、職員の絶対値を出したという意味ではございませんで、全体として眺めた場合にどういう位置づけになっておるのかということを各自治体がそれぞれ御判断いただくというような参考になり得るもの、あるいは物差しになり得るものということで、研究会の報告を出した次第でございます。
○伊藤郁男君 私は、その内容がどういうものであるか、出すに至った目的じゃなくて、内容がどういうものであるかということをお伺いをしたかったんですがね。
○政府委員(大嶋孝君) 内容的に申し上げますと、一つは、地方公務員数がいろんな形でふえてきておる、そういった中でどうあるべきかということで、まず一つには国はどういうふうな態度でこの地方公務員の定員の問題に対して対処していかなければならないか。要するに、国が関与しておる部分、これが増加数の大部分を占めておりますので、それにつきましては国自身がそれにつきまして見直しをし、地方団体が自主的に定員管理ができるようにということをまずやらなければならないということが一つでございます。 〔委員長退席、理事山田譲君着席〕 それから、地方公共団体自身としても事務事業の見直しなりあるいは事務処理の効率化なりといったような観点から、でき得る限り効率的な定員管理といいますか仕事のやり方というものを考えていかなければならないというものが二つでございます。 それから三つ目には、このモデルでございますけれども、一定規模以上の地方公共団体につきまして、といいますのは都道府県、指定都市、それから人口二十万人以上の市を一応対象にしたわけでございますけれども、それにつきまして定員配置の現状、それから定員管理に関して適正化が進められております団体の状況といったようなものを調査分析をいたしまして、共通部分の定員算定のモデルというものをつくったわけでございます。手法といたしましては、各団体に共通する部分につきまして回帰方式を使いまして標準偏差の中に一応職員数を置いてみた。そうした中でかなり各団体によってばらつきがありますので、そういうものの修正をしながらこの算定方式をつくり上げたわけでございます。 そこで、一応都道府県について申し上げますと、この定数モデルの対象から除外したものといたしましては、たとえば議会総務系統に属しますものとしては県民センターといったようなものがございますけれども、これらは各団体について必ずしも共通ではないということから、これは除外をする。 〔理事山田譲君退席、委員長着席〕 それから民生等につきましては、老人福祉施設なり、あるいは大規模総合福祉施設なり保育所なりといった、要するに各団体にそれぞれ共通するというものでない部分につきましては、これを除外をし、残った部門について回帰方式による算定方式をつくったという内容でございます。
○伊藤郁男君 そこで、具体的にちょっとお伺いをしておきたいんですが、今回のモデルは都道府県、指定都市、人口二十万人以上の市、こういうことで対象にしておるのですけれども、どうして二十万人で線を引いたのか、その理由をお伺いしたい。
○政府委員(大嶋孝君) 先ほど申し上げましたように、従来この算定の手法というものがございませんでした。私どもある意味においては手探りをやりながらも研究を進めてきたわけでございまして、先ほど申し上げましたように、今回都道府県、指定都市、それから人口二十万以上の市というものにつくったわけでございますが、御案内のとおり、市につきましては団体数が非常に多いわけでございます。そこで、全く実態に合わないようなモデルをつくりましても何の意味もないわけでございます。ある程度実態との比較検討ということを行いながらやったわけでございまして、そういう意味合いから申し上げまして、すべての団体について一気につくり上げるということは非常に困難を伴ったわけでございます。したがいまして、とりあえず人口二十万人以上の市というようなことにしたわけでございます。 その他の団体につきましては、今後の検討課題というふうに私どもは考えております。
○伊藤郁男君 今後の検討課題と言われるんですが、この地方公共団体定員管理研究会ですね、これに委嘱しているわけでしょう。この間のお話だとこれの予算が百五十万ですかついておって、五十六年度、五十七年度でこれ終わりということなんですが、そこでこれの今度出ました中間報告書によりますと、わが研究会としては、いままで二十万以上の市を定員モデルの対象地域としてこのモデルをつくったけれども、「引続き、対象団体の拡大等を図るとともに所要の調査、検討を進める予定である。」したがって五十七年度は、いまお話しのように、二十万人以下のところも含めて全体としてどういうものが必要かということを出していくんだという、そういう見通しの中で進めていると思うんですが、そういう意味でよろしゅうございますか。
○政府委員(大嶋孝君) ただいまお話がございましたように、二十万人未満の市、あるいは場合によっては町村ということにもなりましょう。これにつきましては引き続き五十七年度中にこの研究会で調査検討を進めるという予定にしております。ただ、非常に小規模な町村についてまでこういうモデルを作成するかどうかということにつきましては、今後の研究会の検討の推移を見守ってまいりたいと思いますけれども、少なくとも市についてはこういったものを研究をし、その結果を出してみたり、このように考えております。
○伊藤郁男君 そこでもう一つ具体的にお伺いをするんですが、この定数モデルによりまして計算をしていきますと、全体として定員の削減、要するに改善ができるものが都道府県の場合には三千七百十三人と、定員モデル対象職員の一・六%に当たる。そして政令指定都市の場合が六百六十三人、二十万人以上の市の場合には二千五百五十六人で、計六千九百三十二人を改善ができるんだと、こういう試算になっておるわけですね。何県がどうだこうだといって具体的には自治省としては発表できないでしょうけれども、そういう試算が成り立つ、こういうことなんですけれども、この出てまいりました改善可能なもの、そういうものを積極的に活用して、実際それができるようなことをやっていかないと、これ何のためにモデルをつくったかという意味がなくなってしまう、こう思うんですが、その点はどうでしょうか。
○政府委員(大嶋孝君) 御案内のように、今回の定員モデルの対象となっております職員といいますのは、地方公共団体のうちで限られた一般行政部門の職員であるわけでございます。したがいまして、各地方公共団体の定員が適正かどうかということになりますと、このモデルの対象外のいろんな施設、あるいは仕事、それからさらに国がかなり定数等で縛りをかけております部門、あるいは公営企業部門といったようなものも含めて私は判断しなければならないだろうと思っております。そういった中でこのモデル対象の部分につきましての一応の算定の手法というものを発表したわけでございます。 ただ、各団体によりましては、たとえば総務系統に会計事務なりといったようなものを集中しておるというところがございます。そういったところは他の部門で職員がわりあい少なくて済んでおるかもしれないというような実情もあるわけでございます。これらは各地方団体がこのモデルを物差しにしながら、それぞれの団体の仕事のやり方といったようなものを十分総合的に御判断をいただく、そうした中でむだがあればそれは省いていくというような努力を各団体が自主的に進めていっていただかなきゃならない問題であろうと、このように考えておるわけでございます。
○伊藤郁男君 もう少し突っ込んでお伺いをしたいんですが、各公共団体がこの出されたモデルを一つのモデルにしてやっていくこと、それはもう自主的判断であろう、それは当然だと思うんですが、いま出されましたこのモデルについて地方公共団体側の受けとめ方、反応というのは現時点ではわかりますか。どういうような反応——歓迎をしているのか、よけいなものを出してくれてけしからぬと、こう考えているのか、その辺の反応はどのようなものでしょうか。
○政府委員(大嶋孝君) 現在までのところつまびらかに承知をいたしておりませんけれども、たとえばこの対象外になりました二十万人以下の団体等におきましても、そういう団体を対象にした定員モデルというものをつくってくれないかというような話が間々あるところを見ますと、かなり参考になるというふうに受けとめていただいておるのではなかろうか、このように考えております。積極的に、この定員モデルは全く使いものにならないというような話は聞いておりません。
○伊藤郁男君 この問題については自治大臣も、自分の方が一番、和歌山なんというのが一番これはワースト記録で困ったものだと、こういうことで、何らかのことを言っていかなければならぬのではないか、こういうことを言っているわけですが、やっぱり各地方公共団体がモデルと比較して余りにも人員が多過ぎるとか、あるいは低いとか、こういうものはやっぱり積極的に、なぜわが県は定数モデルといういろいろな数式を使って科学的に出されたものと比べると多くなっているのかと。それはいろいろ事情はあると思うんですよ。過去のさまざまの事情があってその定数になっていると思うんですが、そういうようにわが方はなっておるのでありますと、モデルによるとこの程度であるけれどもわが方はこうなっているのはこういう理由によるものであるということを、やっぱりこれは県民なり住民に積極的に公表をしていくのが地方自治のあり方じゃないですか。 地方自治というものは住民自治と団体自治と両方あると言われているんですが、団体自治の面ではこういう定数の問題も絡んでくるんですが、住民が支えていくわけですから、その住民に対して、わが県は全国的なモデルからいけばかなり高いところに定員があるようだという疑問を感じさしたままでおっていいのか。やっぱりこういう理由でこういうように高くなってきたということを積極的に公表をしていく、これこそが住民自治を育てる民主的なあり方と思うんですが、この点についてはどうでしょうか。
○国務大臣(世耕政隆君) この定員モデルでございますが、先ほどどういうふうに地方で受けとめられているかという、私も全部聞いたわけではないんですが、大体首長さんは、知事さんもそうですが、二十万以上の市長さんあたりですね、わりあいのんきでございまして、この定員モデルが出たときに、いや私の市はこんなに多いんかいなと、こう首をひねるようなことで、大変参考になるという意見が出てきておりました。ただこの場合は、いろんなものを積み重ねて数字で統計的にはじき出した基準値だろうと思うんですが、これは私の出身の和歌山県は定員超過の日本一になってしまいまして、大変やぶ蛇になって恥ずかしい、ちょっとぐあい悪いんですが、これなんかもいろいろ相談して、どうしてこういうふうに定員超過日本一ということになったのかといいますと、やはり事情がありまして、和歌山県の場合はチベットみたいなところが多くて、行けども行けども、川と山と原始林みたいなところが多くて、人跡まれで、人間の数より猿の数の方が多いというようなところが非常に多うございます。人口が一カ所に集中して、あとはほとんど山の中にまれに人家があるというところが多いので、そういうようにばらばらになっていますと、地方自治体としても、人の配置がかえってよけいにいろんなふうなことでかかるんだそうで、そういった固有の事情が多分各地方団体ではおありだろうと思うんです。 だから、この今度出された定員モデルというのはあくまで一つの参考資料、一つの基準のようなもので、これが絶対、断じてこうでなきゃならないんだということよりも、むしろ参考にしていただいて、是正すべきは是正していただく、適正化を図っていただくべきところはそういうことを参考にしていただく、こういう性格のもので、ただそれがいい意味で活用されることをこちら側としては望んでいるわけでございます。
○伊藤郁男君 確かに、いま大臣のおっしゃるように、これはモデルですから、この県に適用したら必ずうまくいくとか、そういうものでは確かにないと思うんですね。だから、一つの物差しとして地方自治体が自主的に活用を図っていく、こういうことが必要だと思うんですが、私が先ほど言いましたのは、やっぱり住民自治の観点からいいまして、国はこういうようなモデルを示したけれども、わが方はこういう事情ですと、この事情にはこういう、いま大臣がおっしゃったように、和歌山県は猿の方が多いくらいのところもたくさんあるんだからということで、したがってこうなっておるんですということをこの機会にやっぱり住民に公表をして、もちろん高いところも低いところも両方ですけれども、去年は給与の公表の問題を一歩踏み込んでやられたわけですが、こういう問題についてもやっぱり公表をしていく、こういうことが必要ではないかと、こういうことを私は聞いておるわけです。その点どうですか。
○国務大臣(世耕政隆君) 御指摘のことは、今後非常に必要なことだと思いまして、そのような方向でわれわれの方もいろいろ協議してまいりたいと思っております。
○伊藤郁男君 それから、先ほど公務員部長も言われましたんですが、実際国が地方を縛りつけているもの、これの是正を同時にやっていかないと、確かに地方の独自で減らし得るなんという部分は非常に少ないと思うんですよね。 先ほども公務員部長がしきりにおっしゃっておるわけですけれども、この中間報告にも、「国が講ずべき措置」として幾つか掲げておるわけですが、この部分についてどのように国としては措置をしていくのか。たとえば必置規制、定員配置基準、そういうものを見直すか、あるいはこれを廃止するか、そういう方向もとらなきゃならぬ、そういうことを幾つか書いておるわけですが、この「国が講ずべき措置」ですね、これについてどのような具体的な方法をとろうとしておるのか。これが実際進んでいかないと、地方はもう国の基準で公共部門あるいは福祉だとか、消防、警察、教員、どんどんふえていくわけですから、それを減らせと言ってみたところでどうにもならぬ。あるいはそのほか、もう必要ないような法律が現存しておって、その法律に基づいて機関をつくったり人を配置したりしておる、そういう部分がたくさんあるわけですよね。そういうものを具体的に国自身が法律を、まあ臨調の答申によって内閣委員会あたりでいまこの必置規制の見直しをやっているようですけれども、そういうような具体的な措置をとらない限り、地方だけに、おまえの方は多いとか言ってみたところで意味がない、こういうように思うんですが、この「国が講ずべき措置」に関する中間報告書の言わんとしていることに対する、何というんですか、対策というんですか、それはどうなんでしょうかね。
○政府委員(大嶋孝君) 昨年の年末、十二月二十八日でございますが、「行政改革の推進に関する当面の措置について」という閣議了解がございます。その中で、その部分に触れましたものとしてちょっと読み上げてみますと、 地方公務員の定数及び給与に関しては、昭和五十六年八月二十五日閣議決定「行財政改革に関する当面の基本方針」の記第二の三に即して、職員給与等の公表の指導、定員管理指標の作成等を進めるとともに、給与、定数等の適正化に関する指導を行う。 特に、国においては、地方公共団体の定員増をもたらす新たな施策を厳に抑制するとともに、職員配置に関する法令等による規制、関与について早急に見直しを行う。 ということが閣議了解されておるわけでございます。これがまさに私どもの言わんとしておるところでございまして、教育なり警察なり、あるいは福祉といった、国の規制、関与が行われているものの見直しにつきまして、自治省といたしましても、関係各省庁に対しましてその見直しというものを要請をしてまいったわけでございます。今後ともそういった努力を続けてまいりまして、でき得る限り、地方公共団体が自主的、自律的に定員を合理的に管理することができるというふうな方向へ努力をしてまいりたい、このように考えておるところでございます。
○伊藤郁男君 国が縛りをかけていることを、これは是正をしていくことは、恐らく臨調の答申の中でもどんと出てくると思うんですよね。かなりのものが出てくると思うんですが、それをしかし積極的に推進をしていかなければ実際は意味がない、こう思いますが、それは、やがて出るであろう基本答申を見ながらまた論議をしていきたいと思います。 そこで、これは多少これとも関連をするわけですが、国と地方の事務の配分、権限の移譲の問題ですが、これも臨調の第三部会でいま積極的に検討が行われておりまして、先週も、機関委任事務についてはできるだけ地方自治体に裁量権を与えて弾力的に運用を任せる、こういうことを柱とする改善案が固まった、こういうように報道をされているわけでありますが、この点について自治省としては、臨調のこのような方向をどのように評価されておるのか、これをお伺いをします。
○政府委員(砂子田隆君) ただいまの公務員の問題につきましては、すでに御案内のとおり、第一次の昨年の七月の答申の中に書いてございまして、そのことが、先ほど公務員部長からお話がありましたように、年末の閣議了解ということになったわけであります。この考え方は前々から私たちの方も臨調に申し述べておった部分でございまして、それが採用されたわけであります。 機関委任事務の問題につきましても、いま臨調の第三部会の中で、国と地方との機能分担という観点から、住民の身近な行政というものをなるべく身近で行えるように、住民の監視の中で行えるというような基本方針を立てながら現在検討をしているように聞いておりまして、もしそういうことが各事務につきまして具体的にこれがなされていくのであれば大変ありがたいことだと思っております。
○伊藤郁男君 具体的になされてくると思うんですが、そこで、地方が行う事業、これについて可能な限り自治体の自主性を尊重して、むやみに国の意向を押しつけたり、あるいは、何に使うのかわからないような調査は要求すべきではない、私はそういうように思っておるわけでありますが、大変各省庁ばらばらに地方に対して、一体これがどのように意味があるのか、何のために使われているのかわけがわからないけれども、こういう調査をしてくれ、こういう要求が非常に多いわけですよね。それがやはりまた地方を縛りつけている、こういう実態があるわけでありますが、この点についてはどのように認識されておりますか。
○政府委員(石原信雄君) 各省庁がそれぞれの行政施策を進める上で必要な資料等につきまして、地方公共団体に調査を依頼するというケースがたくさん行われていることは事実であります。そして、これらについて省庁間の横の連絡が必ずしも十分でない、そのために似たような調査の要求が各省から出されているということで苦情を聞くことも私どもたびたびであります。したがいまして、少なくとも自治省につきましては、各局の調査事項等については官房の方で調整をとりまして、重複しないように、また、調査そのものもできるだけ最小限度にするようにというふうに心がけているつもりでございます。
○伊藤郁男君 これはある市の例ですけれども、いま言われましたように確かに横の連絡も悪い、各省庁は勝手に地方に対してこういうものを出せということを依頼をしている実態があるんです。昭和五十年から五十六年三月までの六年間を見ますと、これは広域圏計画の策定の問題で、たとえば五十年の三月に農水省が地方都市整備計画調査報告書をつくれと言ってきた、同じ月には通産省が今度は工業用水道計画調査報告書を出せ、こういうように言ってきた、同じ五十年の三月に、今度は自治省が広域市町村圏振興整備構想研究報告書を出せと。こういうように、ずっと見てきますと六年間で農水、通産、自治、建設、国土、警察、各省庁から十数件にわたる広域圏計画策定に関する報告書の提出が求められているわけですね。こういう計画が市にずっと押しつけられていきますと、市の方はそれに対応しなきゃならない。そうすると、一つのものをつくるのに半年か一年はかかる、こういう実態が明らかにされておるわけですね。 だから、こういうものについてどう考えるか。連絡調整を図りながら、地方に余り迷惑がかからないようにやっていくように各省庁連絡してやらなきゃならぬという、精神条項だけでは意味ないと思うんですよ、実際にこれをうまく——同じような計画を各省庁が勝手にばらばらに地方に押しつけていくなんということが、これこそまさに縦割り行政の弊害なんですが、この辺についての考えはどうでしょうか。
○政府委員(石原信雄君) 確かに、地域行政といいましょうか、広域行政といいましょうか、こういった分野につきまして各省庁が類似の政策を今日進めておりまして、それとの関連で類似の調査が地方団体になされているということは事実であろうと思います。それぞれの省庁の行政施策の内容についてまで自治省の方でチェックはなかなかできないのでありますけれども、それによって影響を受ける地方団体の立場からしますといろいろ困った点も少なくないわけでありますから、私どもは地方団体の立場に立って、各省庁の調査等で余りにもひどいというようなことがあれば、この調査を受ける地方六団体などとも相談をしながらこの改善、是正について要請していかなきゃいけないと、このように考えております。
○伊藤郁男君 やっぱり地方の立場に立って行政をやってもらわぬと困るんですね。 それで、「国と地方との間の大きなムダ」ということで一つの資料があります。これは「ぎょうせい」というところで出している「自治体における行政改革」というものですが、これを見ますと、これは地方の現場の声なんですが、 各省庁から県へ、そして市町村への調査ものは類似しているものが多い。 調査のための労力や時間をかけても、それだけの効果があるかどうか解らないものが多い。 同じ省庁からの調査であっても、担当局の違いにより、同様の調査がそれぞれの局から依頼されることがある。 調査の目的、内容が不明の調査が多い。 自治省からと、各省庁から同様の調査がなされることが比較的ある。自治省一本にしぼる等方法はあると思われるが……。 と、こういうことの意見が出て曲るわけですね。 そうして、そういう現状について、これはある県の資料なんですが、たとえば自治省、消防庁関係分だけで各局、各課にわたり年間百五件にも上り統計調査依頼があるというんですね。そして延べ五千二百人以上の人間でこれをこなしている。こういうことは、結局約二十人が毎日、一年じゅう統計調査に当たっているということになる。こういうことは改めてもらわなきゃならぬのではないかと、こういうことを言っているわけでございます。 そして、特にこの中で問題のある調査の例として、何に使われているかわからない調査を押しつけられることがある。それはたとえば定員管理調査、市町村における地域政策の動向調べ、こういうものなんというのは一体何のために使われているのかわからないんだと、意味がないと、こういうことを指摘しているのですが、こういう点についてどうお考えでしょうか。
○政府委員(石原信雄君) ただいま具体的な例として御指摘のありました調査の中で、市町村における地域政策の動向調査についてでありますが、この調べは都道府県及び市町村につきまして各地方公共団体が当面しておりますもろもろの地域的な課題としてどんなものがあるのか、それから、これらの課題にその団体としてどのように対応しているのか、こういった、いわば各地域の地域政策の動向につきましてこれを把握して、整理して、国や各地方公共団体にその結果をまとめたものをお知らせすることによって、これからの地域政策の検討の参考にしていただこうということで調査を行っているものであります。 この調査の内容は、主として各地方公共団体の新しい単独施策としてどういうものを取り上げているかということを調査しているわけでありまして、この結果は関係各省庁にもお知らせする。それから調査をした地方公共団体にもその結果を配付する。それから、大学でありますとか各種の研究機関、それから民間の諸団体、こういったところにも希望に応じてこれを配布するという形で、有効に利用されていると考えております。 これにつきましては、調査がまとまらないうちから催促があるほど大変要望の強いものでありまして、私どもは、少なくともこの調査結果については、関係省庁あるいは関係の地方公共団体からは、大変有意義である、参考になるというふうに伺っております。ただ、予算の関係等もありまして、この結果の印刷物が必ずしも御要望にすべておこたえできていないという意味で、あるいは調査をお願いした団体から若干御不満が残っているのかと思いますけれども、この辺については具体的に御要望がある向きについては何とかおこたえしていかなきゃならないと考えております。 それから、これらの調査は各地方団体の地域政策の担当部課に対してお願いしているものでありまして、各団体がそれぞれ各年度の政策として決めているものを報告してもらうという形で、それほど調査に大きな負担がかかるというふうには考えていないのであります。また、各都道府県を通じて調査する場合にも、できるだけ対象団体をしぼるということで、現在各団体、府県ごとに十五団体を抽出して調査をお願いしているわけであります。したがいまして、これらについて何のためにこれが行われているかということについて調査を受けた団体に疑問が残っているということでありますれば、私ども大変これは残念なことでありまして、これは今日全国的に非常に有効に活用されているという事実を関係団体にもお知らせして今後とも御協力いただきたいと、このように考える次第でございます。
○伊藤郁男君 いまの、地域政策の動向というのは、こういう本になっているわけですよね。これは大臣官房地域政策課と、こうなっているんですが、これ、都道府県と指定都市と分かれているんですが、これをつくるのに自治省の本省のお役人は、何人で何日かかりきりでやっているんでしょうかね。
○政府委員(石原信雄君) この調査関係を担当している地域政策課の職員は八人でございますが、そのうちの一人がもっぱらこの調査の取りまとめを行っております。したがいまして、延べで何人ぐらいになるかということは正確にいまお答えできないのでありますけれども、どういう項目、どういう調査様式にするか等についてはこの地域政策課で議論いたしまして、そして具体的な様式の作成その他については一人の人間がこれを行い、それから調査結果が集まってまいりますと全員が力を合わせて集計するというような形になっております。
○伊藤郁男君 そこで、この調査なんですけれども、これは私どもがことしの予算委員会の審議の際に要求した資料の中の一つなんですが、地方公共団体に対して定期的に提出を義務づけている調査、自治省の場合にはどのようなものがあるかというものを出してもらっているんですが、この中にはいま言う地域政策の動向調査というものは入っていないんですよね。だから、これは別に義務づけているわけじゃないんでしょうね、地方に。どうなんですか。
○政府委員(石原信雄君) これは各団体の地域政策の動向をまとめて各団体の便宜に供しようということで、言うなれば任意の御協力をいただいていると、好意的な御協力をいただいているというものでございまして、義務づけているという性格のものではございません。
○伊藤郁男君 そうすると、義務づけはしていないけれども、これをつくるために官房の中で一人がかかりきりで一年じゅうこれの仕事をやっている。必ずしも義務ではない。そして地方の受けとめ方は、これが何のために使われているか意味がわからない。極端に言えば、何かこういうものを印刷する会社のためにやっているようなものじゃないか、こういう受け取り方もあるんですよね。 こういうものはできるだけ省いて、そうして、まあ中央省庁、各省庁は膨大な機構と人員をもって地方にどっと物を流してくるのですけれども、受ける方は、受け手というものは限られているわけなんで、したがって、むだだと思われるもの、そしてこういうことは改善してほしいということが具体的に要望として上がってきているものは積極的に整理をしていく必要があるんじゃないか、こういうふうに思うんですが、その辺の御見解をお伺いします。
○政府委員(石原信雄君) いろいろな調査物の中には、時代の推移とともに必要性も薄れてくるものもあると思いますから、そういった意味で常に見直しを行い、地方の負担を軽減するように努力しなければならないと思います。 ただ、いまの地域政策の動向調査につきましては、先ほども御答弁申し上げましたように、調査対象になった団体がこれが何に使われているのかわからぬという御不満があるということ、これは大変私ども残念であり、反省しなければならないのですけれども、現実はこの調査について大変各省庁あるいは各都道府県は非常に大きな関心を持っておりまして、早くこれをまとめてほしいという催促を受けるほどでございまして、私どもは、これは各団体がその各地域地域でどういう政策を今後展開していったらいいかということを考える上で非常に役立っているものと考えております。したがいまして、調査方法あるいは調査対象団体の選定等について今後改善を要する点があればそれは努力していかなければいけませんけれども、この調査自身は私は現状においてはなお必要である、非常にこれは役に立っていると、このように考えております。 しかし、一般論といたしまして、時代の推移とともに必要性の薄れてくるものもたくさんあると思いますから、そういった意味で私ども常に検討を怠ってはならないと、このように戒めていきたいと思います。
○伊藤郁男君 まあ先ほどの資料で、これは県の具体的な指摘なんですからぜひひとつ聞いてほしいのですけれども。 だから、いまのように何に使われているかわからないもの、あるいは必要以上に調査の頻度が多いもの、市町村税の徴収実績調などと、こう例を挙げているんですよ。あるいは、調査内容が多岐にわたって複雑なものがある。たとえば地方公務員給与実態調査、地方財政状況調査(決算統計)、選挙執行経費帰趨調査、こういうものもある。また、一度でできるものを数字に分割して調査を依頼してくるものがある。たとえば給与改定状況調、期末・勤勉手当に関する調査、公営企業決算概況及び事業数調、こういうことですね。それから、県、市町村レベルで利用できないもの、たとえば公務員制度実態調査など。こういういろいろな問題点が指摘されているわけですね。これはただ統計調査依頼だけの指摘なんです。このほかに中央が押しつけてくるむだなものはもうこれ以上相当の数に上るわけなんで、その辺のところをひとつ十分にこれからも検討していただきたいと思います。 そこで、もう一つお伺いをしておくわけですが、たとえばこんな調査は私は必要ないと思うんですがね。これは地方公共団体の議会の議員及び長の所属党派人員調というやつですね。これは何のためにやっておられるのか目的をお伺いをしたい。
○政府委員(砂子田隆君) 恐らくそれは選挙の結果を調べるためにやっているのが普通だと思っております。一般的な行政としてとっているわけじゃなくて、選挙結果として調べているものだと思っております。
○伊藤郁男君 そこで、選挙結果として調べるのは、これはあるいは必要かもしれませんが、党派別人員というのも実はこれ正確じゃないんですよ、全国的に出てきたものを見ますと。それはなぜかというと、地方議会ではたとえば民社党のような数の少ないのは一名しかいない、それで他の会派の人と合同して会派をつくっているわけですね。そうすると、その会派で届けというものが出て、これはどこの党かわからないものが出てくるわけです、何々会派というものが。だから、これを調べても、実際にその議員が所属している党の議員というものが何名だということは明確にすっと出てこないんですよ。こんなものは政党に任しておけばいいんですよ。何も無理に自治省が調べるというか、それを報告させるという必要がないように思うんですけれども、この点の御意見ございましたらお伺いをします。
○政府委員(砂子田隆君) 選挙の結果というのをどういうふうな形で集計をしておくかというのが一つあろうと思います。それで、一般的には立候補をしたときの所属なりそういうものを基準にしながら調べるんだと思いますが、こういう要求というのは一般的にマスコミから大変多いわけであります。それでそういう人たちにもおこたえをしなきゃならぬということもございまして、調査の内容等についてもいろんな問題点はあるのですが、何らかの意味でやはり社会的な価値があるんだというふうに思われて、そういう調査をなさらなきゃいかぬということも御了解をいただきたいと思います。
○伊藤郁男君 私は政党の本部で長い間組織担当をやってきましたのでわかるんですが、いつも自治省から発表してくる党派別人員というのは、わが方のつかんでいるものとは相当開いているんですよ。それはもう開くわけなんです。たとえば広島県などは、県会議員はわが党がかっては十名程度持っていたんですけれども、自治省の調査ではゼロなんです。それは民社党という会派で届けを出していないんですからね、だからゼロになっちゃう。だから、こんな調査を新聞に発表されてもまたこれは困っちゃうわけです。したがって、それは政党に任して、政党の調査を信頼して、それを集計した方が早いんじゃないかと、こういうように私は思うわけですが、その辺の意見があったということを、ひとつ自治省の方も受けとめていただきたい、このように思います。 それから次に入りますが、この間も私は国の補助金、分担金、そういうものが非常に弊害をもたらしているということで、大臣の見解もお聞きをしたところです。きょうもその問題でお聞きをしておきたいんですが、ちょうど民間労働組合で組織している政策推進労組会議というのがありまして、これは総評、同盟、中立労組、すべてそれらに参加している組合も入っておりまして、横断的な組織でしてね、民間の組織でございまして、これが各地方それぞれの組合が持っている組織内議員というんですね、これ一千百名あるわけですが、それを対象にして昨年の十月から十一月にかげてアンケート調査をやっているわけでございます。 そのアンケート調査によりますと、この補助金行政についての意見がきわめて厳しいものがあるわけでありますが、たとえばこの調査によって、補助金の改革について、政策推進会議としてはどういう意見をまとめておるかといいますと、一つはこの補助金政策を抜本的にとにかく見直してくれと、むだや不合理をなくすために具体的な補助金削減のための年次計画を策定すべきではないか、そういう言い方が一つ。それから、削減に当たっては一律削減ではなくて、省庁別、個別検討を行え、それからすべての補助金にサンセットの設定を行えと、いつ始まっていつ終わるか、はっきりしたサンセット方式をとれと、こういうことも言っているわけでありまして、幾つか意見を集約をしているわけでありますが、この補助金行政に関する政推会議の結果について、大臣としてどのようにこれを受けとめられますか。この点についてまずお伺いをしておきます。
○国務大臣(世耕政隆君) 国庫補助金はいろいろ種類がございますが、その意義の非常に認められる重大なものもあるのでございますが、ただ、申請事務が繁雑きわまるものが非常に多い、こういう欠点を持っておる。それから、行政の総合性の欠如、つまり、あっちへ行ったりこっちへ行ったりして、何カ所も行ってやっと一つの補助金にあずかると、そういうことでいろいろ苦情も、いま御指摘になったような御意見も出ているわけでございますが、この点やはり簡素化して単一化すべきものは単一化すべきではないか。合理化もどんどん進めていかなければならないだろう。これは非常にいろいろな各省庁にまたがっていて、これが自治省を通っていろいろなふうに流れていくわけなんですが、地方の方へもこの各省との触れ合いがいろいろありまして、なかなか合理化がすぐ右から左にいくかというと、なかなかそうもいかないだろう。いままで国全体で補助金の整理をしてきたのは、ここのところ少しあるんですが、これは目的が終わったものとか、大体時期が来てそれでもう終わってしまった、整理したものとか、そういうものが主でございまして、まだたくさん残っているわけでございます。これを補助金の整理をして地方へ振りかえたらどうか、こういうことが一つ考えなきゃならないこと。それからもう一つ、補助金を統合メニュー化して、手続その他を何本かに整理して簡素化を図ろう、これが一つのわれわれのねらいでございますが、これはよほど積極的に進めていかないと、なかなか言うはやすく、実際具体化するのは非常にいろいろな障壁にぶつかってむずかしいかと思うんですが、少なくとも目標は決めて、そのような目標のもとに積極的に取り組んでいかなければならないと、こういうふうな覚悟を決めているわけでございます。
○伊藤郁男君 大臣も御承知のように、これは国の補助金というものは三千数百あるわけでしょう。それで中央各省庁の各課で何らかの補助金を持っていない課なんというのはないですね。全部何か持っているわけですよ。 たとえば農水省あたりでは、総務課でも農業委員会費補助金なんというものを持っているのですね。金融課は農業近代化資金利子補給補助金、農業協同組合課は農業協同組合等指導事業費補助金、保険管理課は農業共済事業等特別事務費負担金と、とにかくこれは農林、厚生、建設、文部、もうすべてにわたってみんな各課ごとに一つか二つずつ補助金を持っているわけですね。これが本当は中央統制の武器なんですよね。これはやっぱり中央が金を持っているということでしょう。そして各中央省庁は各課ごとに一つの法律を所管していますから、法律上の権限を持っている。法律的権限と補助金という金を持って、中央が各課ごとに各県並びに出先機関を指導監督しているわけです。そしてこの法律の末端の仕事と言えば結局許可、認可、検査、検定というものでしょう、具体的な業務は。それで、許可を与える権限もあれば許可を取り消す権限もある。許可を受ける業者団体その他がずっとつながっているわけですね、一本の法律についてはみんなつながっている。したがって、中央のこの縦割り行政というものは、金と法律を握りながら、要するに権限と金を握って完全に中央から統制を加えている。そこにいまの行政の最大の問題点があると私は思うんです。その辺を変えていかなきゃならぬ。 中央と地方の事務の分担の問題とか許認可権限の問題とかいろいろいま言われておりますけれども、みんな結果的には私がいま言いましたところに集中的に、そういう意味を持つと、こういうように思うんですが、その点について大臣のお考えありますか。
○国務大臣(世耕政隆君) とにかく補助金に関しては手続が繁雑でして、それから自治省が関係する補助金というのはほとんどほかの省庁と関係しないものはないので、私も、この一覧表を見ましても、頭が悪いせいかとても覚えられない。それから、補助金の名前と内容がどうもちぐはぐで必ずしも補助金の名称どおりに内容がなっていないということで、非常にこれは覚えにくい。大変な業務だと思うんです。 私は、やっぱり国がひもをつけてこれからもやっていかなきゃならない業務、建築とかいろいろな関係の業務ですね、国全体の。そういったものに対する補助金とか、ほとんど地方自治体に任せてしまってもいい補助金とかそういうものが、区分けすればかなり出てくるので、つまり、国と地方とのいわゆる行政の分担をはっきりさせまして、任せるものは地方の方へ任せてしまう、国が持っているべき性質のものは持っているようにする、こういう区分けの仕方でこれを幾つかに統合して、これを今後の行政の中に生かしていこうではないか。こういう目標のもとに今後も努力をしていくし、自治省はあくまでその線を貫いていく、こういう姿勢で、今後の臨調のいろいろな答申に対しても対応していくべきである、こういう考え方を持っているわけでございます。 とにかくいまのままではこれはいつまでたってもしようがないだろう、かなり各省庁とのいろんな縦割りのあれで問題のあるところでありますが、これはやっぱり整理をして統合していくべきである、こういう考えでおります。
○伊藤郁男君 大臣も御指摘のように、まさに補助金行政は弊害だらけでございまして、ひどいのになると年度末になってからこの補助金を使えなんという、もう使えない時期になって使えというようなことを押し付けてくるところもある。押し付けてこられる補助金もあるんですよ、地方の段階から見ると。ひどいものなんですよ。だから、確かに申請から結果の報告まで膨大な事務量と人員を必要とするし、さまざまな問題がここに集中的にあらわれておるわけでありまして、大臣のさらに一層の決意でこの補助金行政の悪弊を断つために一層の御努力をひとつお願いをしておきたいと思います。 時間がありませんので次に移りたいと思いますが、次は青少年の非行対策についてお伺いをしたいと思います。 私も四月一日の当委員会の予算委員会委嘱審査におきまして、警察庁に、その際は簡単にお伺いをしたんですが、きょうは少し詳しくお伺いをしたいと思っております。 現在、少年非行というのは、警察庁の資料によるまでもなく、昭和二十六年、三十九年に続いて戦後第三のピークを形成をしていると、こういうように言われているわけでありますが、特にこの中で校内暴力事件ですね、これがきわめて多くなっている、こういうように言われているわけでありますが、今年に入ってからの校内暴力事件の推移、どういうようになっておるか、これをまずお伺いをします。
○政府委員(谷口守正君) 校内暴力事件の本年に入ってからの状況でございますけれども、特に私ども、たとえば二月まで、三月までというような集計をしておりません。 昨年一年間の状況を申し上げますと、御案内のとおり二千八十五件でございまして、一昨年対比で五百二十七件、三三・八%の増加というような状況になっておるわけでございます。
○伊藤郁男君 過去二回ピークがあったというんですが、過去二回のピークと現在迎えているピークと、ここには何か質的な相違とかあるいは特徴点とか、そういうものがあると思うんですが、その辺のところの実態をお伺いをしたいと思うんですが。
○政府委員(谷口守正君) 第三のピークを形成しております現在でございますが、昨年の非行少年の補導人員を申し上げますと十八万四千九百二人でございます。全刑法犯に占めます少年の割合が四四・二%というような状況になっておりますし、また、人口比でございますけれども、一七・八人というような状況になっておるわけでございます。 こういった第三のピークを形成しておりますその背景、原因につきましては、いろいろな理由が挙げられるかと思います。本人はもとよりでございますが、家庭、学校、地域社会などの抱えるさまざまな問題が複雑に絡み合っているのではなかろうかということでございます。 少年自身の問題といたしましては、よく言われることでございますが、自立心や耐性が少ない、あるいは自己中心的で社会との連帯感あるいは批判意識が乏しいといった問題があるわけでございます。 それから、少年を取り巻く環境の関係でございますが、まず核家族化、それから、子供が少ない、少子家族化の問題。そこで放任、あるいは過保護家庭が増加しておるということ。それから高校進学率の上昇とともにいわゆる落ちこぼれ層が増大してきておるということ。それに対しましての生徒指導が必ずしも十分行われていないというような問題もございます。 また、地域社会の問題といたしましては、社会そのものの連帯感といいますか、あるいは教育機能が希薄化しつつあるというようなこと。さらには、不健全なマスコミ、あるいは商業娯楽施設が複雑に絡み合いまして、いわゆる少年にとりましての有害環境というものが今日の少年非行の背景、原因ではなかろうか、こう思うわけでございます。 そこで、戦後の第一、第二のピークの状況を申し上げますと、まず第一のピークは昭和二十六年でございます。ちょうどサンフランシスコ講和条約締結の年に当たるわけでございます。やはり敗戦によります道徳的な混乱あるいは経済的困窮というようなことから、大人はもとよりでございますが、社会的弱者である子供にそのしわ寄せが来ている。その結果、窃盗などの財産犯罪が多かったということでございます。それで、年長少年が比較的多いというような統計がとれております。それで、補導いたしましたのが十六万六千四百三十三人でございます。刑法犯検挙人員に占めます割合というのが大体二五%程度というようなことでございます。それから人口比が一二・一%というような状況になっております。 次に、戦後第二のピークでございますが、これが東京オリンピック開催の年の三十九年ということでございます。御案内のとおり、高度の経済成長に伴いまして豊かな社会というものが形成されたわけでございますが、若干精神的にはひずみというものが出てきた時代だと思うわけでございます。当時、戦後のベビーブームに生まれた子供がちょうど中学、高校に差しかかっておるというようなこともありまして、青少年人口もふえたわけでございますが、核家族化あるいはすし詰め教育あるいはレジャーブームというものがありました。そういうようなこともありまして凶悪粗暴犯罪が多いということでございます。特に問題になりましたのが、盛り場におきますたかり、暴行、傷害というような事件が多発したわけでございます。年長少年よりもむしろ年少少年による犯行が多かったということでございます。 警察が補導いたしました人員でございますが、二十三万八千八百三十人というようなことでございまして、刑法犯検挙人員中に占める割合が三六・五%、人口比は一二・〇%というような状況でございます。 以上、第一、第二、第三のピークの特徴点を簡単に御説明申し上げたわけでございますが、一言で言いますと、第一のピークはやはり敗戦直後の混乱期というようなことが言えると思います。第二と第三につきましては、やはり経済的には恵まれた社会が形成されながらも、何かやっぱり少年を取り巻く家庭あるいは学校、地域社会に構造的にある問題点が絡み合って噴き出ているのではなかろうかというような感じがしないでもないということだと思います。
○伊藤郁男君 第一、第二、第三のピークの特徴点をお伺いをしたわけでありますけれども、特にこの第二、第三というのは非常に犯罪者の年齢が下がってきておるわけですね。特に校内暴力の場合には中学にかなり多くなってきている。しかも、昔は校内暴力なんというのは卒業時点あたりでたまたま起こってきたということが多かったわけですけれども、最近は年がら年じゅう校内暴力事件が発生をしている、こういう実態だと思うんですけれども、その辺のところはどうなんですか。少年といっても、さらに年齢が低くなった、第二よりも第三の方が。その辺のところがきわめて重要な特徴点ではないかと私は思うんですが、その辺の御見解を伺いたい。
○政府委員(谷口守正君) 先生御指摘のとおりでございまして、少年非行の低年齢化というのがいよいよ顕著になってきておるわけでございます。たとえば昨年中の刑法犯少年の補導状況を調べてみますと、前年、すなわち一昨年に比べまして十四歳から十六歳の年少少年が一七%も増加しておるということでございます。触法少年、いわゆる刑事責任を問えない年齢の問題でございますが、この触法少年のうちの十三歳だけを取り上げても実に四八・三%の増というような状況になってきております。これに対しまして、十八歳から十九歳のいわゆる年長少年でございますが、これは一昨年対比で五・三%と減少しておるわけでございます。 そういうようなことで、最近の状況を見ますと、五年ぐらい前までは年齢層で見ますと十五歳ぐらいがトップだったのでございますけれども、最近は十四歳がトップになってきておる。さらには触法少年といいますか、そういったところにどんどん移行しつつあるというような状況でございます。 また、特に校内暴力の問題で考えてみますと、これも先生御指摘のとおりでございまして、中学校における事件の発生が非常に多いということでございます。校内暴力事件総数の八八・三%、特に問題になります教師に対する暴力事件の実に九五・〇%が義務教育である中学校で発生しておるというような状況でございます。
○伊藤郁男君 非常に年齢が下がってきているということはきわめて憂うべき状況だと思うんですけれども、なぜそういうように、だんだん年齢の若い者がそういう非行に走る、暴力に走る、特に校内暴力の場合には、いま言われていましたように、先生に対する暴力と同時に、暴力の仕方が凶暴になってきているんじゃないか。いきなり刃物で傷つけたり、そういう実態、年齢は下がってくる、中身は凶暴になってくる、こういうような実態ではないかと思うんですね。 だから、そのよって来る原因というものをよく把握をしていかないと対策も立たぬというように思うんですが、警察として、いまの学校のあり方、家庭教育のあり方あるいは社会のどこかに欠陥があるのか、さまざま理由はあると思うんですが、その辺のところをどのように考えられておりますか。警察側としての見解をお伺いをしておきたい。
○政府委員(谷口守正君) 先ほどお答え申し上げましたように、少年非行の激増についての背景、原因をどう見るかといった点につきましては、一概には言えないわけでございます。当該非行少年の問題、それからその少年を取り巻く家庭、学校、地域社会、それぞれの問題が複雑に絡み合っておるということだと思います。 ただ、そのうちの校内暴力についてどうだということだと思いますが、この点につきましては、私どもはあくまでも原則として学校当局から届け出あるいは連絡があったものについての処理をしておるというようなことで、必ずしも校内暴力の実態を十分に把握しておるということはないわけでございます。と申しますのは、学校、特に義務教育である中学校だけにやはり学校当局あるいは先生が第一義的に対処すべき問題でございまして、その指導教育の限界を超えるような問題について私どもが、いわば根源的療法ではなくて対症療法として補導あるいは検挙するというようなことでございます。 そういう面におきまして、校内暴力の増加あるいは凶暴化あるいは低年齢化についてどうだと言われましても直ちにお答えできないわけでございますが、これも少年非行全般について言えるようなことがその背後にひそんでいるのではなかろうかという感じがいたします。
○伊藤郁男君 突き詰めた原因究明というのはこれは文部省あたりでやってもらわなきゃならぬと思うんですが、そこで、いまお話がありましたように、警察に届けられた件数として先ほどの数字が挙げられておるわけでありますが、実際はもっと、届け出に至らない校内暴力事件ですね、そういうものも背後にかなりあるのではないか、こういうように思うんです。届け出をしたものははっきりわかりますが、そのほかに、隠して届け出をしていないというものがよくわからないというんですが、これは届け出をしていないものを含めると——届け出をしたものに対して届け出をしないものの方があるいは倍になるのか三倍くらいに達しているのか、その辺の推定はできませんか。
○政府委員(谷口守正君) 一般的に申し上げまして、校内暴力事件が多発化する、あるいは悪質化するというような傾向に対しまして、学校当局もやはり警察と緊密な連携をとって対処しなきゃならぬというようなことになってまいりまして、学校と警察との連携というものが従来から比べまして強化されてきたということは言えると思います。 たとえばでございますが、私どもへの校内暴力発生の総通報件数に占めます学校側からの即日通報の割合でございますが、これが五十五年中には二五・四%でございましたのが、昨年、五十六年になりますと三二・九%と七・五%ふえておるというような数字が出ておりますように、学校からの被害届なども迅速に出されてきておるようになっているものと考えておるわけでございます。 しかしながら個々の事案を取り上げてみますと、先ほど申し上げましたように、やはり第一義的には学校側、先生方が対処すべき問題でございますので、すべてがすべて被害届を出すという問題ではないと思いますが、悪質な事案に対しての学校からの連絡が必ずしも十分でないという面もあるわけでございます。たとえば昨年の数字でございますが、すでに事案が発生しまして一カ月以上たってから警察に通報してきているというのが構成比で六・九%もあるというような状況でございます。そういう面で、今後とも学校当局と学校警察連絡協議会、個別連絡会を通じて適切に情報連絡を緊密にとりたいと、こう思っておるわけでございます。 警察が認知していないものがどのくらいあるかといった点につきましては、事柄の性格上必ずしも十分掌握していないわけでございますが、たとえば私どもが認知しました校内暴力事件でいろいろ捜査いたしますと、その過程で過去にこういうのがありました、ああいうのがありましたということを知る機会がございます。それから、本年の二月にNHKが公立中学校の先生に対しましてアンケート調査をされておるわけです。非常に私どもにとって参考になる調査項目があるわけでございますが、その中にこういう設問を出されておるわけでございます。 公立の中学校の先生に、過去一年間で次のような出来事がありましたかと、こういうことでございます。まず生徒の教師への暴力事件、これが一八%の先生方がありましたということです。それから、生徒同士の集団的な暴力事件、これがこの一年間にありましたか、二七%。それから、生徒の限度を超えた器物破損、これがやっぱり二五%。こういうような調査結果が出ておるわけでございます。 こういった私どもの具体的な事件の捜査過程あるいはNHKのアンケート調査から見ましても、私どもが認知しているものよりもはるかに多い事案があるのではないかと、こう推測しておるところでございます。
○伊藤郁男君 そのような実態ではないかと思うんですよね。だから警察として、いまの話でないけれども、一カ月以上もたってからやっと事件を報告してくると、相当それは深刻になってからだと思うんですよね。警察側としては、そういう問題が深刻になってから届け出られるんじゃなくて、深刻になる前に、できるだけ早くそういう事件を届け出をしてもらった方がいいのか。あるいは、あくまでそれは学校の問題だ、先生と生徒の問題だということで、学校側の処置を見守る。そして、その中で自主的に解決さえしてくれればそれはうまくいくんだと、そういうように少年の犯罪者の年齢が下がってきた、しかも凶暴化してきた、届け出をしない件数なんというものはもっと相当のものに上っている、こういういまの時点の実態から考えて、警察としては問題が深刻になる前にできるだけ早く届け出してくれと、こういうことを希望するのかどうか。この点をお伺いいたします。
○政府委員(谷口守正君) 先ほど来からお答え申し上げておりますように、やはり基本的には、校内暴力問題は、当然のことながら学校当局が生徒指導という立場から対処すべきでありまして、私ども警察としては側面的に対処する、生徒指導の限界を超えるような事案につきまして、当該非行生徒を補導する、検挙するということだと思うわけでございますが、おっしゃるとおり、だんだんエスカレートしていって、どうしようもなくなった時点で警察に対して届け出られても時すでに遅いわけでございます。 全国的に見ましても、問題校になっているケースをつぶさに調べてみますと、必ずその前兆というのがあるわけでございます。急に先生に対する生徒の言動が粗野になる、あるいは窓ガラスが破壊されるとか、そういう前兆が見られるわけです。そういった時点で学校当局から所轄の警察の方に御連絡いただいて、そしてどうしたらいいかというようなことで十分連絡協調して、そしてその初期的段階では当然先生が第一次的に対処されるわけでございますが、警察との連絡協調の上に立って先生が対処していただくということがやはりいいのではないかと、こう思うわけでございます。そういう面で、学校内でのそういった生徒のいろんな動き、校内暴力に関する動きでございますが、そういった点につきましては、やはり十分警察との連絡をとってやっていただきたい、こう思っておるわけでございます。 ちなみに、先ほど申し上げました学校警察連絡協議会というものがあるわけでございますが、これは全国に中学校が一万六百二十四校ありまして、加入率は九六・三%というような高い率になっておりまして、ほとんどの中学校がそういった学校と警察の連絡協議会に加入されておりまして、定期的に、あるいはいろんな問題が起きたときには個別的に連絡するという場が設けられておるわけでございます。こういった学校警察連絡協議会、あるいは個別的な場を通じまして、学校当局の方も遠慮せずに警察の方に御相談いただければいいのではないか、こう思っておる次第でございます。 なお、問題校につきまして、警察が学校からの通報に従いまして、何らかの形で補導、検挙した場合に、それをきっかけに問題校が正常化したという率でございますが、一昨年の場合には七二・二%、昨年になりますと七九・五%ということで、警察の措置を契機にいたしまして、正常化しておるという学校が約八割あるというようなことでございます。こういった点につきまして、おかげさまで学校当局も、あるいは教育委員会御当局も警察の役割りといいますか、これをお認めいただきまして、だんだん緊密になってきておりますので、今後とも十分連絡をとって対処してまいりたい、こう思っておる次第でございます。
○伊藤郁男君 それで、時間がもうなくなってまいりましたけれども、もう一つ校内暴力事件の特徴としてお聞きをしておきたかったんですが、最近四年間の警察庁の調べた校内暴力事件の都道府県別発生状況というこの一覧表を見ますと、校内暴力事件というのは必ずしも大都会が多いとか、そういうことでもないですね。たとえば茨城県あたりでも五十三年と五十六年を比べるともう三倍になっている、あるいは富山県では五十三年は九件だったものが五十六年は四十八件、五倍になっている。岐阜県でも三倍、三重県でも三倍、こういうことで、必ずしも大都会が——大都会の場合には、件数は多いですが、東京の場合には二倍には達していない、神奈川でも二倍に達していない、大阪あたりでも、これは二倍どころじゃない、件数として三十件程度ふえただけで一・二、三倍くらいにしかなっていないという、そういう結果が出ているんですが、こういう各県によって発生件数が極端に異なっている。この差はどこから出てきておるのか。警察庁の見解がありましたらお伺いをしておきたいんですが。
○政府委員(谷口守正君) 先生御指摘のとおり、この校内暴力の発生状況を都道府県別に見ますと、アンバランスというんですか、非常に格差が大きいという感じがいたします。絶対数でいいますと、昨年の場合でございますけれども、東京が四百二十八件ということで、それに次いで京都二百二十一件、兵庫百四十一件、大阪百三十九件。少ないところになりますと、島根のように一件、高知二件、宮崎三件というような状況でございます。暦年比較でも、だんだん増加しておるということでございますけれども、若干下がってきておるものもあるということでございます。 こういった問題についてどう考えるかということでございますが、当然のことながら、学校数だとか生徒数とか、そういったものは各県別に違いますし、それから学校を取り巻く地域社会の環境というものも違いますし、それから先ほどお答え申し上げましたように、こういった数字が警察が処理したものだけということでございますので、必ずしも校内暴力事件そのまま反映しているものとは言えませんし、一概にこの比較検討をすることができないかと思いますが、ただ申し上げたいのは、従来は西日本中心に発生しておったのが最近は全国的に広がってきておるということ、それから大都市だけじゃなくて農山漁村の中学校でもこういった事件が起き始めておるというようなことでございますので、改めて申し上げるまでもなく、やはりこういった校内暴力事件の未然防止、封圧につきましては全国的な問題といたしまして、学校はもとよりでございますが、家庭、地域社会が一体となった地域ぐるみの対策を図っていく必要があろうかと、こう思うわけでございます。
○伊藤郁男君 最後に、警察庁としては非行少年の問題で長期的な展望に立って昨年十月ですか、次長を長とする少年非行総合対策委員会を設置しておりますですね。そして、これはまあ警察庁全体としてこの問題で取り組みをする、そして同時に、各都道府県の警察においても同様の取り組みをやれということをやっておるわけですが、しかし私は、いまお話しがありましたように、この問題はそう簡単なものではない、かなり深刻なものとして受けとめて、たとえば第二のピーク時にやったように、政府が中心となって一大国民運動を非行防止のためにやっているわけですね。だから、これは具体的に大臣に見解をお伺いをしておくんですが、このような少年非行の第三のピークのこの現段階において、第二のピーク時に政府が展開をしたような一大国民運動ですね、そういうものを国家公安委員長として閣議の中で提起をしていくとか、そういうお考えはないか。あるいは、現在は総理府、文部省、法務省、こういうところで青少年行政が行われているんですよ、各省別に分かれた青少年行政というやつが。これを調整をして、一元的総合的にした青少年行政を推進するために、青少年対策基本法のようなものをこの際制定していくべきではないか。日本国家の将来のために、この第三ピーク時にそういう対策を政府全体として講じていくべき時期ではないかと思うんですが、その点の御見解をお伺いをして終わります。
○国務大臣(世耕政隆君) 青少年対策というのは非常に必要であり、これは昔からもそうでございますが、現在も、それから今後とも青少年非行というのはある問題でして、これがピークになるかならないかということですが、ただ、いま対象になっているのは、ほとんど中学生の非行が一番多くて、それを対象にしていくんですが、とにかくこの年齢層が精神とか肉体の一番変動しやすいデリケートな時期でして、警察のような形のものがいきなり出ていって指導をやるとかえって逆にだめにしてしまう場合もありますので、取り扱いは非常にむずかしいし、よほど柔軟に対処していかなきゃならないので、警察が余り前面に出てしまうと失敗する。警察はあくまで外側にいて、しかも青少年対策というのは、これは青少年非行というのは大体社会的な要因が幾つか、目に見えないものが幾つも集まって、それで非行とか校内暴力とか、教育だけの問題ではなくていろんなものが寄り集まっていますから、これはひとつ御指摘になるように総合的に取り扱って、警察の方はあくまでも外側にいて側面からいろんな形で連絡を取りながら協力をしていく、この姿勢の方が望ましいので、国家公安委員長がこわもてで先頭切って青少年対策とやり出すと青少年の方が逆にびびってしまいますので、そこのところの取り扱いが非常に大切だと思うんです。これは総理府の総務長官その他がいま対策を広い立場からまとめて練り上げておりますから、それから文部省等もちろんそうですが、こういった機関と協議いたしまして、われわれの方も積極的に側面的な面から青少年対策というものを広い立場から扱っていこうと、こういう姿勢でございます。 大変何か消極的に聞こえるんですが、われわれの方が余り積極的にやりますと逆にだめにしてしまう面がありますので、こういう点で細心の注意を働かせながら、各方面に呼びかけながら、総合対策として扱っていく、こういう方向でやってまいりたいと思っております。
○神谷信之助君 前回、地方税問題を時間の関係で残しておりますが、きょうは三十分ということですから、別の問題、すなわち中古住宅の不動産取得税軽減の問題についてお伺いしたいと思います。 この問題は、御承知のように一昨年六十日間という申告期限問題が改正をされました。しかし、これは実態を無視している点を私は強く指摘をして、自治省の方も早速弾力的措置に関する通達を出すと。そして、昨年の当委員会でさらに私は、過ちを改むるにはばかることなかれだと、その点は実態に即してやっぱり改正しなさいという点を御指摘申し上げました。この点については先般成立をした地方税法で都道府県の条例にゆだねるということに改正をされました。これ当然のこととは言いながら、私は当時の石原税務局長、現在の関根税務局長初め事務当局の努力と勇断は率直に評価をしたいと思います。 ただ、この問題で残されている問題でさらにお伺いしたいと思うんですが、昨年私はそのとき同時に取り上げた問題で、この不動産取得税の減免制度の条件が実態に合わないではないか、こういう点を御指摘申し上げました。実効あるものにする必要があるんじゃないか。当時の石原税務局長は、せっかくつくった制度が利用されていないというのであれば利用できるように、何がネックになっているのか住宅当局の意見も聞きながら検討したい、これは再検討しなければならない問題だという答弁をなさっています。したがって、自治省としてこの一年間に一体どういう御検討をなされたのか、この点をまずお伺いしたいと思うんです。
○政府委員(関根則之君) 中古住宅の不動産取得税の減免制度についてでございますが、この制度は、御指摘をいただきましたように、制度が確立いたしましてから比較的まだ日が浅いわけでございまして、五十五年度の実績については私どもも、総件数が約一万七千ほどあるという数字については把握をいたしておるわけでございますが、その後まだ五十六年度の集計ができておりませんので、どの程度の状況になっているか、その辺のところがつかみ切っていないわけでございます。昨年の当委員会におきまして、前の税務局長が御答弁を申し上げておりますけれども、これも実際その利用状況がどういう形になっていくのかということも含めての調査検討ということだろうと思うわけでございます。 御承知のように、この制度は単に私どもの方の不動産取得税だけの問題として設定されたものではございませんで、いわば持ち家促進という政策を持ちました一種の政策税制といたしまして、国の方の登録免許税の軽減税率の適用の制度と一緒になっているような制度であるわけでございます。両者の要件等が合っておりませんといろいろ法律上の問題も起こりますし、制度としての整合性もなくなってしまいますので、私どもとしては、できるだけその間の整合性はとっていきたいというふうに考えておる次第でございます。そういうことで大蔵省とも、また、政策の所管官庁であります建設省ともいろいろとお話し合いをいたしているところでございますけれども、いかんせんまだ実施をいたしましてから実質二年しかたっていないという状況の中で、いましばらく状況の推移を見ていく必要があるということで、格別の明確な結論に達していないというのが現状でございます。
○神谷信之助君 住宅当局の意見は当然お聞きになっているんでしょうね。住宅当局の意見はどういうように言っているんですか。
○政府委員(関根則之君) 現在の制度につきましては、いろいろな要件があるわけですが、私どもは四つほどに分けておりますが、分け方によってはこれは六つの条件とかいろいろな条件に分けることができると思いますが、そのうちでやはり一番大きな問題は、売り主側の要件でございまして、現在は、現に住宅を所有している人から買わなければだめだと、不動産業者ないしは宅建業者から買うというようなものについては特例措置の適用がないという制度になっておるわけですが、その点に関しまして建設省の方といたしましては、私どもは、できることならこの要件を緩和していただきたいと、こういう要望というか御意向は承っております。 しかし、実際法律の改正問題につきましては、最終的には政府案を決定いたしますまでの段階で、各省すなわち建設省と大蔵省と私どもと三者の間でいろいろと相談をしたわけでございますけれども、その最終段階においては、一応建設省としては五十七年度改正は無理であろうというところで結論を見出しているわけでございます。
○神谷信之助君 そういうようですね。住宅局の民間住宅課ですか、そういう要望があるんで、法改正の要望は出したけれども、最終的には粘らなかったというか、残らなかったと、こういう話ですね。それから実態はどうかということで、私の方で、住宅局の不動産業課ですか、不動産課というか、そこで聞きますと、買い取り仲介の実態というのはつかめないというんですよね。業者数が大体約十万七千件もあるし、大部分が中小企業者で、それが仲介に関与しているのが非常に多い、実際問題としては。だから、その買い取り仲介がどの程度占めるのかという実態がつかめないというんですよね。こういう状況なんですよ。だから、実態が実際にはつかめないし、それから今度は自治省として、各県に対して一体どれだけ適用をしたか、それから、どれだけ申請があったけれども却下したかというのも、適用数はわかるけれども却下したのまでは各県に聞いても、照会してもなかなかわからない、こうなるわけですね。実際問題としても、よっぽど意識的に見ているところであればわかるけれども、そうでなければ一般的には窓口でお断りするということで帰ってもらうということになってしまいますからね。そういう実態ですわね。 しかし、昨年、当時の石原局長が答弁になったように、政策税制としてそういう減免措置をつくりながら、実際、私の方の京都でいくと、五%ぐらいしか実効がないし、それから首都圏でも、神奈川、千葉、埼玉あたりですと大体二五%前後というんですね。こういう状況はいまも変わっていない。ですから、こうなると自治省としては、実態は片一方つかめないけれども、だから仕方がないということにはならないのではないかというように思うのですけれども、いまおっしゃった自治、大蔵、建設三省で相談をなさったときに、自治省としては一体どう物を申されたのか。この辺はどうです。
○政府委員(関根則之君) 確かに持ち家を促進をしていく、特に現在借家等に入っている人たちに対してマイホームをできるだけ買いやすくする、買う際のコストを、税金をも含めてのコストを安くしていく、こういう政策は結構な政策ではありますけれども、広い意味での租税特別措置であるわけでございます。私どもの方の非課税等特別措置の中に入るわけでございまして、やはり税の公平の観点からも、いろいろと検討をし、それについて本当に実効が上がるといいますか、真にやむを得ないものについて適用していくということですから、いわばできるだけ狭めた形での特例適用ということでわれわれは物を考えざるを得ない。税にあずかる者としてはそういう態度で臨まざるを得ないわけでございます。 一方、政策官庁であります建設省としては、いま申し上げましたような施策を促進いたしますためにどれだけの制度が必要であるか、またどれだけの制度があればどれだけの効果があるのか、こういうことを判断をしていただきまして、それらを、政策官庁と私の方との間の接点を見出しながら、必要な施策を進めていくために所要の非課税等特別措置をとっていくと、こういう話し合いであるわけでございますから、私どもの方としては、確かに先生御指摘をいただきましたような問題はあろうかと思いますので、そういう実態について建設省の方から的確なデータなり御説明を願いたいということを申し上げてきたわけでございますけれども、これもまた先生が先ほど御質問の中ですでに御指摘をいただいておりますように、実態が必ずしも明確につかめない。したがって、租税当局をして、それを確かに制度を改正することが至当である、する必要があるという結論に導くだけのいわば立証がなされていないというのが、勝手な言い分かもしれませんが、私は現状であろうというふうに考えております。 私どもも、それじゃ何も建設省だけに挙証責任を負わせないで、税務当局でも調べてみるべきではないかという議論ももちろんいただいておるわけですけれども、これを実際悉皆調査をするといいますとなかなか手間のかかる話になってしまいまして、先ほども御指摘をいただきましたように、余り過重な調査負担を都道府県に課するのもいかがなものかという問題もございますし、その辺のところをできればいま少し時間の経過を踏まえながら建設省からもいろいろと御説明をいただきたいということで、もう少し時間をいただきたい、そういう状況であるわけです。
○神谷信之助君 私は、投機行為として譲渡を行う、これは別だ、また、この制度はそんなことは容認しない仕組みになっている。しかし今日の実態はどうかといいますと、売り主の方は次の家を買おうというわけでしょう。買いかえるわけです。その場合、自分の家を簡単に売れないし、しかし欲しい家は見つかる、結局業者に仲介を依頼をして、業者がその家を買うことを条件に、下取りといいますか、そういう形で資金をする。それで売れた場合にそれで売買行為が完了するという、そういうやり方が大体いま買いかえの一般的な方向、いわゆる常識的になってきているんですね。 だから私は、高いところに土盛りをする必要はないと思うんです。この制度のねらいは、勤労市民が借家から——いまの場合は借家ですね、私が去年言ったときは小さい家から大きい家にかわるやつも対象にせいと言ったんだけれども、現行制度は借家の人が持ち家にかわるという場合に一定の条件で適用する、その場合に業者が介入しちゃだめだ。しかし業者が介入せざるを得ないような実態ですわね。自分が元金を持っていればいいですけれども現実には、借家住まいをしている状態の人が買うわけです。片一方売る方は、小さい家から大きい家にかわろうとするわけですね、そうすると、その資金というのは小さい家が売れないことには困る。そうすると結局業者を仲介にせざるを得ぬことになるというのが状況で、したがって、たとえば買い取り仲介という言葉が業界では常識の言葉になるほどもう一般化してきておるわけでしょう。 私は、この実態をやっぱりどれだけ建設省なり自治省なり大蔵省なり、当該のところが把握をしているのか。これは非常に小さい零細中小業者が間へ入っているわけですから、なかなか統計上出てくるというのは非常にむずかしいという点はわかるけれども、実際に歩いてみれば、あるいは現場の税務の関係なり府県の建設関係の連中に聞けば、その実態というやつは、何件がどうの、何%という数字まで出なくても、大体の状況というのは業界の話を聞いてもわかる。 しかも、たとえばこれでどれだけ税金が違ってくるかというと、評価額一千万円の中古マンション購入の場合で、登録免許税が、正規の税額とすると五十万、一千万円の場合ね。それから不動産取得税は三十万、合計八十万の税金になるんですよ。それで、軽減特例の税額は、登録免許税は三万円になるわけですね。それから不動産取得税が十九万五千円、合計二十二万五千円になるわけでしょう。差し引き、四十七万と十万五千円ですか、合計五十七万五千円税金が免除されるわけでしょう。それで、これは同時に所得税の住宅取得控除にかかってきますからね。この分が五万一千円ですから、合わぜると六十二万六千円ですか。これ、きのう自治省に間違いないかと言って聞いたら、間違いないという話だから、間違いないんだと思うんだけれども。ですから、庶民にとっては六十二万六千円の税の軽減がされるというのは非常に大きい問題です。 ところが実際上は、売り主の側から言うと業者を仲介せざるを得ねわけでしょう。だけれども業者を仲介すれば減免はだめだと。こうなると、これは非常に大きな問題ではないかと思う。特に、買い主の条件じゃなしにね。買い主には何の落ち度もないわけです。借家から今度こっちへ移るだけなんだ。だから、その点では適合しながら、売り主の条件でその税の減免が適用されない、売り主がどういう形で売ったかと。だから、登記簿だけで県税事務所へ行く。いろいろ工夫してね。まあ登記簿だけやったら売り主出えへんから、それで行くと、登記簿だけではあかん、売買契約書を持ってこいと。そうなると、今度は業者が入ってくるわけでしょう。そうするとやっぱりだめですと、こうなるわけです。 ですからこれは、軽減される人は買い主なんだ。ところが、売り主の譲渡の形態で軽減されるかされぬかというのが決まるというんですからね。これはやっぱりどう考えてみても私は筋が通らぬ、不合理ではないかと思うんですが、どうですか。
○政府委員(関根則之君) この中古住宅に対する税法上の特例措置をどこまで広げていくかというのは、一種の政策の問題であり、立法政策の問題であるわけでございます。必要な政策を推進するについて、どこまでの特例措置を講じるかという立案過程での意思決定によって広げたりも狭くもできる、一概に狭いからけしからぬ、あるいは広げなければ何が何でもだめなんだ、こういうことには、最初からそういうことが決まっている問題ではないと思うんです。 それで、この制度をつくりましたときに、そもそも政策官庁であります、住宅所管をしております建設省とわが方でいろいろと相談をしながらつくり上げました制度がいまのような形で、借家におります人たちが新たに取得をいたしますマイホームといいますか、その分野だけをともかく優先的にそれをやっていきましょう。小さい持ち家から大きな持ち家へという段階、それはまあ確かにそれをやるという政策もないとは申しませんけれども、それはいわば第二段の問題である。小なりといえすでにマイホームに入っている人たちに対して、税の減免までしてそれを促進する必要があるのかないのかということを、いまの与えられた条件の中で、そこまでの必要性はないということで現在の制度ができているというふうに私どもは考えるわけです。 したがって、その範囲内で物を申しますと、確かに先生のおっしゃったような言い方もできるとは思いますけれども、私どもは、いま持っている住宅を次の大きなものに買いかえていくその住宅を売る側の人の便宜というものはいまの制度では全然考えていないわけです。したがって、住宅を売る方の人がそれを売らないと、業者に売って現ナマをつかみませんと、次の大きな住宅が取得できないではないか、確かにそういう社会的な実態があるということはわかりておりますけれども、そこまでのところを政策目的としてカバーをしていないということがはやり理論的に背景としてあるものですから、なかなかそこまで手が及ばない。 しかも一方、これも御指摘がございましたように、それを入れてまいりますと、どうしても間に業者が、宅建業者なり仲介業者なりというものが入ってくる。入ってくると、その入ったものまで税金をまけるということになりますと、今度は税金をまけた利益というものがどこへ帰着をするのかという問題が出てきて、中には仲介業者のところへ実質的には入ってしまって、新しくそれを買い取る人の方の恩典にはなっていかないという問題が起こってくる。いわば投機的な仲介というものが起こってくる。それを防ぐ必要があるという住宅政策の必要からも、この問題については最初から、制度の対象とすることがむずかしいということで落ちているような次第でございまして、現時点においていま少し実態というものを見きわめ、本当にそういう弊害の心配は全くないのかどうか、あるいはまた、いまのような制度では意味が、余り利用価値がないのかどうか。私どもとしては必ずしもないとは考えていない、相当程度件数も上がっておるわけでございますから。しかし実態的にどこまで広げていかないと本当に実効が上がらないのかどうか。いま少し事実の実態というものを見きわめていきたいというふうに考えておるわけです。
○神谷信之助君 去年、さっきの六十日間の申告期限の問題を申し上げたときも、石原税務局長はもうちょっと実態を見さしてくれというようにおっしゃいましたよ。だから、実態見さしてくれということは、来年にはちゃんとすることだと、実績から言うとそういうことかと思っているんですけれども。 ただね、関根局長のいまの答弁を聞いていますと、矛盾があるんですよ。というのは、買い主は借家に住んでいるわけでしょう。そしてその買う家は、所有者は三年以上所有していなければいかぬし、二年以内にそこに住んでいなければいかぬ。少なくとも二年以内に住んでいなければいかぬという状況なんですよ。だからその売り主が別の新しい家へかわって空き家になったものを二年以内にその借家におる人とうまいこと売買が成立せぬことには適用されへんのですよ、逆に言うと。だから売り主は、二年間も遊ばしておけぬからというたって、自分でもって買い主を探すというわけにもいかぬのですよ、実際問題としては。業者に仲介を頼まざるを得ぬのですよ、仕組みは。それは常識なんです。そうでしょう。何ぼ関根さんが家持って新しい家に移るというても、もとの自分の家を二年間に、二年以内に住んでいなければいかぬのやから、二年以内には住んでいないと、三年過ぎたらあかんわけだからね。だから、その間に買い主が見つからへんかったらもうどうにもならぬわけでしょう。 確かにそういうことで、買い主から言うたら税の減免があるから、その点で売買価格というものをちゃんと——逆に言うたらその分上乗せするような業者が出てくるかもしれぬ、結局利益はそっちへ入るかもわからぬ。だからこの問題はこの問題としてチェックをする方法を別に考えればいい問題であって、それを、売り主の条件をもとにして買い主の税の減免の適否の理由にするというのは、これはやっぱり政策減税であるだけによけいにこれは筋が通らぬではないかというふうに思うんです。 それは何ですが、実は御承知のように住宅金融公庫の既存住宅の貸付条件ですね、これが今年度から変わりますと言ったわね。いままでは、いまのと同じように、三年以上所有をし、そしてかつ二年以内に居住の住宅を購入する場合というように限定されていましたけれども、今度は五十七年度からその要件を満たす個人から業者が買い取り仲介として譲り受けた既存住宅で、一年以内に売却されたものを加えると、こういうことに改正になりましたね。それで金融公庫の人に聞きますと、大体これで、仮に業者が仲介したにしてもほとんどが救済できるだろうという見通しだというんですよ。これは僕は現実に沿って、もちろん住宅金融公庫の利用をうんと強めて、いまの住宅政策三百万戸でしたね、五十七年度の目標をやろうということとも相まって出ている方向だけれども、これは同じ条件に加えたわけですね、住宅金融公庫を。これは金を貸す方ですからちょっと違うにしても、そういう点では同じ条件からは一歩踏み出しているということが一つです。 それからもう一つは、四月二十日の衆議院の大蔵の小委員会でわが党の正森議員がこの点を指摘をして、登録免許税及び所得税の住宅取得控除の問題ですね、国税に関する。これについて質問をいたしました。主税局長は、検討をしましょう、ということで検討を約束されているわけですよ。だから大蔵当局の方もこの点では、先ほど法の整合性の問題を言われましたけれども、言うなら一つ穴をちょびっと、きりみたいな穴だけれども、あける質問と答弁は出てきているというように私は思うんです。 それで、確かに政策税制で、したがって最終的には大臣なり内閣で決定をすることになるけれども、その辺の事務的な詰めを、事務当局がよっぽど奮闘してもらわないと、これは大臣にやいやい言うてみてもなかなか事務当局としてはということになって、自治省はオーケーになっても別の省ではそうはいかぬと、こうなってきまずから、そういう意味では私は局長に特にあらゆる面から、大臣もお聞きになっておわかりのように、現在の売買取引の実態からいうとやっぱり不合理なんでね、だからこの辺はもう少し実態を見てとおっしゃいますからその点はいいですから、この五十七年度の経過を見ながら五十八年度には一これは政令事項になりますからね、だからこの点ではそうむずかしくない問題でもありますから、ひとつ五十八年度にはこの問題の改正を目標として努力するということを税務局長、お約束できますかね。
○政府委員(関根則之君) お話の中で、住金の方の改善といいますか、改正のお話がございましたが、私どもも承っております。これは住金の方の話は、要するに金融の話でございますから、こちらの方の話は税金の軽減ということでございますので、負担の公平という問題と直接絡む話になってまいりますので、そこのところで、必ずしも住宅金融公庫の方がそこのところを緩めたから私の方もすぐに緩めるというわけにいかないということにつきましてまず御理解をいただきたいという点がございます。 それからもう一つは、実態がともかく直ちに不合理であるというお話でございますけれども、なかなか説明するのがむずかしいんですけれども、私どもの方といたしましては、いま借家に入っている人たちが新たに住宅を欲しがっている、その人たちに対する促進税制といいますか、そこまででとめておるんです。それから一歩を進めていって、小さな住宅を持っている人が大きな住宅に移るところ、そこまで手を進めるべきではないかという政策論があることはもちろんあるわけですけれども……
○神谷信之助君 いや、そこのところは私は言ってないよ、きょうは。
○政府委員(関根則之君) それには私どもの方は進めていないわけです。 そうすると、先生のおっしゃるようにそこのちょうど中間のところで、そうはいったって売る人の都合で買う人に差が出てくるではないかと、こういう話、そとのところの話は先ほども申し上げましたように、投機の問題、仲介業者が入ると、その仲介業者が減税の効果というものをまるまる自分で享受してしまって一向に取得者に対する効果が出てこないと同時に、そこのところで投機の刺激みたいなことに税制というものが使われてしまうということについては非常に問題があるではないか。これは当初から政策官庁である建設省の方もそういう心配をして現在のような制度ができているわけですから、いやそういう心配は全くないのだという、そこのところの実態上の検証も実はわれわれとしては欲しいところであるわけでございます。 そういう問題がいろいろございますので、いまの段階で、約束せよという御趣旨のお話でございますけれども、なかなか来年やりますという約束が必ずしもできないのが実情でございます。 しかし、いずれにしろ私ども検討しないと言っているわけじゃございません。前の税務局長が答弁しておりますように、私どもとしてもこういう問題については常々やっぱり真剣に検討すべき筋合いのものだというふうに考えておりますので、引き続き検討はしていきたいと思います。
○神谷信之助君 最後に、もう時間ありませんから、大臣にお伺いしますがね。これは私自身も経験しているんですよ。アパート住まいをやっていましてね、それで、子供ができて、どうにもしようがないから家を探そうと。だから、われわれみたいな市民は安いところを探すわけでしょう。業者を入れるといろいろ変なものが入ったら困るので直接探そうというので、一年ほどかかって、女房は歩き探しました、私はできませんのでね。結局は、もうどうにもならぬ、つてを求めてもうまくいかぬのですよ。それで業者に頼まざるを得ぬ。それで業者に仲介をやってもらっていま住んでおる家になったんですね。土地が買えたのだけれども。 これは、実際そういう経験をしてみますと、借家住まいの者が新しく家を取得をするのに、簡単に、業者なしに親類やら知り合いやら何やらかんやらでうまいこと、ちょうど売りたいと思っている人にぶつかるというのは、それこそ宝くじに当たるよりもむずかしいんですよ、現実に。だから、京都市内で見ると五%なんですよ、この適用を受けるのは。片一方売る方、持っている人の方からいうと、子供がふえてきて間数のもうちょっと広いところが欲しいとこう思っても、これもなかなか探せへんわけでしょう、現実には。いま共働きというのが多くなってきていますから、そうなかなかうまくいかぬのですよ。そうすると、結局業者を仲介にしてかわらざるを得ぬ。これは売り主の方がそうせざるを得ぬ。だからそうすると、そこでどうしても業者が介入せざるを得ぬ。そうすると、たとえば一千万円の中古マンション——中古ですからね、新築の家と違うんですよ。だから、中古ということはおるということですからね、これは私は考えてもらいたいと思うんですよ。 それで、きょう時間の関係でやりませんでしたが、たとえば電気税の非課税措置というようなのは毎年のように附帯決議がついていますわ。ところがいまだにできないでしょう。これはいずれ機会を見て質問しますけれども、具体的にやりますけれども、結局実際は鉄鋼とか石油とか石油化学とか、いろいろ大手がなかなか通産省のガードがかたくって、自治省がもうやきもきしておるけれども、なかなかそこから先には進まぬというのが実態だしね。今度の特別土地保有税の緩和の問題でも、われわれから言うと、結局そういう大きな土地を持っておる人たちの利益だけにしかならぬじゃないか。何のための土地税制の緩和だと。だから、そっちの方にはえらいさっさとうまいことやらはるのやけれども、借家住まいしていて、やっと小さいながらも一軒持とうと、しかもそれは政府の持ち家政策や、政策的に減免の措置をやってそれを促進するんやと言いながら、ちょっと業者が入ったらもうあかんと、こうなっているんですね。この矛盾は去年も指摘をして、せっかくそういうことをやりながら実際効果が上がってなければこれは問題だから、当時の石原さんは、これはもうとにかく再検討する必要ある問題だ、すなわち改善しなきゃならぬ問題だということをお認めになり、そしていろいろ努力をされているんだけれども、実際はなかなか実態は調査しにくいというのが、いま関根さんもおっしゃるように、建設省に聞いてもそうですと。しかし、現実はそうなんだからね、やっぱり現実に合った措置をとるというのが政治家の立場であって、せっかく政策減税措置をとりながらそれが実態に合わないということでは効果は上がらぬわけですからね。 この辺、確かにいま局長が言うようにいろいろの問題はあるけれども、一面では大蔵の方の主税局長も検討をついに約束をしたという条件も生まれましたからね……
○委員長(上條勝久君) 簡潔に願います。
○神谷信之助君 大臣、ひとつこの点は十分理解をしていただいて、実現のための努力をしてもらいたいというように思いますが、最後に決意をお伺いしておきたいと思います。
○国務大臣(世耕政隆君) 私も、この住宅の減税云々のことはよく理解できていないんですが、やはり借家から自分の家とかマンションとか探してあれするのには、一軒家を持つのにはなかなか普通のサラリーマンじゃ買い取れる力がないので、これは何らかの処置があった方がいいように思うんですが、税のことに関して私そこまでのあれがないんですが、これはやはり引き続いて検討する必要があるのではないか、そのように思い、引き続きいろいろ関係省庁とも検討させていただきたいと思います。
○美濃部亮吉君 私は、わりあいに政治的な色彩のある御質問をいたしますので、大臣に御配慮をお願いいたしたいと思います。 この前大臣は、所信表明だと思いますけれども、地方自治は民主主義のもとであるということをおっしゃいまして、私も全く同感でございますが、いまもそのとおりにお考えでございましょうか。
○国務大臣(世耕政隆君) 地方自治は民主政治の基盤であると、御指摘のように、いまでもそれを確信しているものでございます。
○美濃部亮吉君 そういたしますと、国の政治とそれから地方の政治との目標と申しましょうかあるいは役割り分担と申しましょうか、私はその両者の役割り分担は非常に違うのではないだろうか。国の政治というものは国全体のことを主として考える、軍備の問題であるとか、外交の問題であるとか、景気をどうするかとか、あるいは貿易全体の問題であるとか、そういう国全体のことを考えるのが主たる目標であって、その意味において国は、ナショナルミニマムとでも申しましょうか、ナショナルミニマムの実現を目指す。それに対して地方自治体は、主としてその地域住民の幸せと申しましょうか、暮らしと申しましょうか、健康にして文化的な生活を送るようにいろいろの施策をするということが政治の目標であり、優先的に考えるべきことであって、それは国の方のナショナルミニマムに対してシビルミニマムとでも申すことを目標にすべきであるというふうに考えるのであります。 それで、それがもとになりまして首相の選出とそれから地方自治体の長の選出とは選出の仕方が非常に違っておりますので、首相の方は、選挙によって政党が選ばれる、その多数の政党が首相を選ぶということになっておりますし、地方自治体は直接に、大統領のように、首長を選ぶ、そこも非常に違っている。そういう違いがあることはなぜであるかと言えば、一方はナショナルミニマムを目指し、一方はシビルミニマムを目指すと、そういうふうに考えるのでございますが、大臣はいかがでございましょうか。
○国務大臣(世耕政隆君) 私も、若干の国と地方との入り組みはあると思うのでございますが、御指摘の御意見にほぼ同様な考えを持っております。
○美濃部亮吉君 そういたしますと、国と地方自治体との関係は、何と申しましょうか、上下の関係、片方が一方に命令を下して、地方自治体は国の命令に従って行動をする、そういうものではないので、政治の中における役割りが違う、いわば同等の地位にあるものであって、その関係はチェック・アンド・バランスとでも申しますか、つまり片っ方は国で片っ方は地方住民で、それは必ずしもいつも一致するとは限らないので、それが異なる場合、たとえば防衛、軍備の拡張ということになりますと、それは国としては必要であるけれども、地方自治体、つまり市民の立場から言えば必ずしも必要でないという場合もあり得ますから、そういう場合には互いにチェックし合って、そして話し合いでもってその中間を行く、そういうのが民主主義であるということから、地方自治というものは民主主義のもとであるというふうに言うことができるのではないかと思うのでございますけれども、いかがでございましょうか。
○国務大臣(世耕政隆君) それは、国と地方というのは上と下ということじゃないと思うのでございます。上下の関係になると昔の封建制と同じになりまして、これは民主主義を基盤とするというその地方自治の本来の使命ではなくなるので、国と地方とは上下の関係じゃなくて、私どもは車の両輪である、つまり、上と下じゃなくて同じ平面の上を走っているのである。また一面では、持ちつ持たれつしなければならない、お互いにいろんな形で交流しなければならない。御指摘のように、仮に軍備というようなことはこれは国全体のものとして国が行うのが主体でありますが、やはり地方といえども一つの国と地方という両輪で走っているものでございますから、これもまた当然地方の方にも関係してくるものである。 こういうふうに、相互の交流という形から私どもは国と地方は上下ではない、両輪である。ともに一緒に、どちらが悪くなってもまずいので、一緒に走って一緒に考え、一緒に行動し協力し合っていく、それでお互いに向上していく、こういうふうな考えの上に立っているものでございます。
○美濃部亮吉君 大体において私も同じでございまして、安心をいたしました。 もう一つ伺っておきたいのは、地方自治を確立するためには地方財政の自主的な構成、財政自主権とでも申しましょうか、そういうものが僕はどうしても必要であるというふうに思うのでございますが、その点はいかがでございましょうか。
○国務大臣(世耕政隆君) 地方自治を確立し、地方の権限といいますか、地方の力を強めていくためには、どうしても地方財政の基盤を強くすることが不可欠の要件であると私は存じております。
○美濃部亮吉君 それでは地方財政の問題に移りますが、最近と申しましてももう三、四年になりますけれども、地方財政富裕論というのが起こってまいりまして——富裕というのは豊かであって余裕があるという意味でございます、国との比較においての話でございましょうけれども。地方財政富裕論というのが大合唱と申しましょうか、非常に勢いを得ているように思うのです。 それで、新聞に出た記事がもとでございますから、必ずしも正確であるとは言えませんけれども、その地方財政富裕論が宣伝というか、発言された年月日を申しますと、昭和五十五年の十月、私はこれが一番初めではないかと思うんですが、経済同友会が財政の富裕論を申しました。それから翌年の五十六年の四月に、経団連、商工会議所そのほかの五団体がやはり地方財政富裕論を唱えました。それから五十六年の七月になりますと、自民党の行財政調査会が地方財政富裕論を申して、その年の十一月にある新聞が社説でもって富裕論を申して、それから五十七年、ことしの二月になりまして大蔵省が富裕論を主張し、それから臨調がさらにそれに従って富裕論を言うと、そういうことになりまして、何といいますか、非常に地方財政富裕論が勢いを得たわけでございます。 こういう経過を見ますと、財界が初めに唱えて、それが自民党それから大蔵省それから臨調というふうに伝わっていったというふうに思うのでございますが、大臣に伺いたいのは、この地方財政の富裕論というものをどういうふうにお考えになるかということでございます。
○国務大臣(世耕政隆君) これは財源不足が徐々に減ってきて、昭和五十七年度の財政計画をつくるときに歳入歳出がとんとんになってまいりました。それが一つと、もう一つは、それに近い意見がいろいろ出てくる大きな根拠は、大体国と地方はお金を毎年約半分ずつに分けるじゃないか、そうすると国は——昨年の暮れでございましたが、予算をつくるんでもめているときですが、国は八十兆以上借金があるのに、そのころ地方の方はまだ四十兆に満たないじゃないかと。いまは四十二兆ということになって、それに公営企業の借金返すのがまだそれに加わって大体五十兆というふうにわれわれは言っているんですが、昨年は公営企業の方を入れないで大体四十兆弱と。四十兆、四十兆と言って、八十兆と四十兆じゃうんと差があるじゃないか、それだけ地方が豊かじゃないかと、こういうような意見でございました。金は国と地方と半分分けするのに、借金は片っ方は八十兆で片っ方は四十兆で、地方は明らかに裕福である、こういう論理が非常に政界の中でもあちらこちらでささやかれまして、私も就任早々かなりそれで当惑したわけでございます。豊かだから国民健康保険の一部肩がわりをやれと、そういう意見が出てきたところでございます。
○美濃部亮吉君 ゆとりがある、裕福であるという議論は、何といいますか、いまお話しのあったように、地方財政をもっと削れ、あるいは地方財政をもっと収縮しろという議論に短絡するのが世間でございまして、たとえば人件費を見直せとか、具体的に、地方交付税を三二%から三〇%に減らせとか、それから運用部からの借入金について利息を半分半分払えとか、あるいはいまの国保の負担率を四〇%から五〇%へふやせとか、福祉や教育費の上乗せをしているのは個人の負担、つまり受益者負担にしろとか、そういうふうにいろいろな面からして富裕論が、地方財政をもっと削って、つまり国の方の財政が危機的な状態を呈しているのであるからして、地方は少しは犠牲になってもいいじゃないかという議論が出てきたと思うんです。 しかしながら、私はそれは違うと思います。それは、国の方が財政的な危機に陥ったのは、いろいろ原因はあるでございましょうけれども、高度成長をしようというために公共事業に非常に多額の支出をして、そうしてまた軍備を突出させるというふうにして、その金を赤字公債及び建設公債において賄って、そうして借金が非常にふえて行き詰まったというのでございまして、何といいますか、地方自治体の責任ではないんで、もちろん地方自治体も余裕があればそれは幾らでも助けるのが本当だと思いますけれども、しかしいまお話しした富裕論、豊か論、これは地方財政は決して豊かではない。それどころか非常に乏しい。それはもちろん公債は借金と合わせて五十兆で、国に比べればずっと少ないということは言えますけれども、それは自治省というおっかないおじさんがいて、地方債の発行をきつく制限をしているからそういうふうに少なくて済んだんで、国のように自由自在に国債を発行できるというのと比べれば身分がまるで違う。そういうことも原因しているんです。あるいは、別なことを言うならば、地方自治体は賢いから公債の発行を抑えて自制していたということも言えるかもしれません。しかし、とにかく国の財政破綻の責任は地方自治体にはない。それとこれとは別の問題であって、国が困っているからといって、それは住民の幸せを図るということを捨ててまで助ける必要はないんだというふうに思うんですが、いかがでございましょうか。むずかしい問題でございますけれども。
○国務大臣(世耕政隆君) 先に局長から。
○政府委員(土屋佳照君) 大臣にお聞きでございますから、私はなるべく言葉少なに申し上げるつもりでございますが、さっきおっしゃいましたように、やはり国と地方とはこれは相協力する立場でございますから、私どもは、その点どちらがという気持ちは持っておりません。国は現在財政危機と言われておりますし、地方も苦しいわけでございます。いずれも苦しいわけでございますが、やはり先ほどちょっと御指摘がございましたけれども、第一次オイルショック以来収支は不均衡が目立ってまいりまして、一方ではやはりどうしても落ち込んだ景気を浮揚させたいということで、積極的に公共事業を借金しながら進めたと、これも一つの原因であったと思うのでございます。 そういったことで、とにかく世界の中でも日本は第一次、二次のオイルショックには比較的うまく対処してきたんだろうと思うのでございますが、結果としてはどちらも大きな借金が残った。これはやっぱり国が八十兆で地方が五十兆という、そんな比較の問題ではないと思うのでございまして、これはやはり地方の場合でも三千三百のいろいろな財政力の弱い団体も含めて借金を五十兆もしょっておるわけでございますから、なかなか楽でないことはたびたび申し上げておるとおりでございます。 ただ最近、五十四年以降の財源不足が、非常に努力の結果減ってきたということで、安易に地方財政が楽になったととられるのは私は非常に不本意だと思うのでございまして、そのために交付税率引き下げ問題とかあるいは地方財政関係費を全般的に下げるということは、これは私は当たらないと思っておるのでございます。ただ、そうは言っても、そういうことで地方もよくないわけでございますが、国の責任で地方が財政が悪くなったというわけでもないし、やはり国と地方とは同じ国民の税金でいろいろ賄っておるわけでございますし、国民ないし住民の必要のためにいろいろと効率的な金の使い方をしなきゃならないということも事実でございますし、また、それであるがゆえに両方とも苦しい中で財政再建を進めていかなきゃならぬと、こういう関係にあるんじゃなかろうかと思っております。 そこらをどう判断するか、また大臣の御意見もあろうかと思いますが、そんな関係になっておるのじゃないかと思っております。
○国務大臣(世耕政隆君) 私も、局長がいま述べられたのと同じ考えを持っているものでございますが、国が財政的には破綻みたいな形になっておって、これは地方が悪いんじゃない国が悪いんだというふうにおっしゃられました。これはいろいろ考え方があるかと思うのでございますが、私は毎月月例経済報告会で出てくるデータを見ていますと、物価の安定が、これは日本の場合はどこの国よりも安定しておる。それから経済は冷え込んではおりますが、経済の成長もまあまあ無難な形で、マイナスではなくて少しずつ成長してきておる。アメリカとかヨーロッパの一部なんかは落ち込んでいるところもございます。それから失業率が、ヨーロッパとかアメリカに比べますと、日本が抜群にこれはすぐれて少ない。こういうことはどういうところから来ているかなとよく考えますと、私は、ある面では国が、国の財政が破綻に瀕するほど以前にいろいろな投資をしてきた、それの影響力がいま幾らかそういう形で残っているかな、そのように考えまして、幾らかそういう面で、赤字をどんどん出しながらやってきた国の財政づくりということを別な観点から見ているわけでございます。 自治省というこわいおじさんとおっしゃいましたが、どんなにこわいのか、私もまだ来たばかりでそう詳しいわけじゃございませんが、どうしても関係官庁としては、地方のために台所を少しずつ締めながら、反面財政の裏づけを何とか強くしようと努力していることは事実でございまして、国の財政が悪いのは地方の責任じゃないんだからほうっておけというふうな余りつれないことも、われわれの方はなかなかちょっとそこまでは割り切れないところでいるわけでございます。
○美濃部亮吉君 本筋から外れちゃうんですけれども、私はよほど前から、こういうことを続けていたらば——というのは、いまお話しになったように、借金をしてそして土木事業を起こして、それを中心として需要を起こす。そうすると、その投資をしたのがなくなれば、また需要を起こさなければ不景気になりますから、また起こす。それを繰り返していたら大変なことになる。最終的にはもう借金ができなくなって、そこから非常なインフレーションが起こるおそれがあると。池田さんの所得倍増計画がそもそもその出発点で、僕はいまでも覚えておりますが、所得倍増計画で座談会がありまして、池田さんとお話しをして、こんなことをしていたらば、ぐるぐるぐるぐる回って、借金が雪だるまのようにふえて収拾のつかないことになりますよと言ったらば、そんなことになるものかと言われましたけれども、結局僕の言ったことは正しかった。いまそういう時期に来ているんだというふうに思います。これは全くの余談でございますけれども。 ですから、そうなったときに地方自治体が、おれの責任じゃないんだからと言ってそっぽを向くということを言ったのではないんで、そういう時代になっても、地方自治体としては最優先的に考えるべきことは市民の豊かな暮らしである、市民の幸せである、それをそういう時代になっても最優先的に考えなければならない。そうして福祉の上乗せ、国は十分なことをしないから上乗せをせざるを得ないんで、いま非常に問題になっている老人医療の無料化、これは僕が始めたことでございますので、何とかしてこれは守りたいと思っておりますけれども、それも崩れかけております。しかしながら、自治体としては、こういう非常に苦しいときになっても都民の生活を守るというのが地方自治体の責務であって、それを犠牲にして国を助けるというのは僕は間違いである。そこは価値判断は非常にむずかしい。皆さん方はやはり国に属しますから、僕らは地方自治体上がりですから、地方自治体に属しますから、どうしても価値判断は違ってくると思いますけれども、そういうときこそ地方自治体は住民の暮らしを守るということにより以上の精力を投じなければならないのではないだろうか、そういうふうに考えるんですけれども、いかがでございましょう。
○国務大臣(世耕政隆君) これは、御指摘のとおりであると思います。国の方も、どんな場合でも、やはり最大限に地方の住民のいろんな福祉のために配慮をしていかなければならないと思いますし、地方自治体は当然のことで、どんな場合にでも住民の幸せとか福祉を守っていくべき当然の義務があると思います。 それから、老人福祉のことにお触れになられましたんですが、私、老人医療の無料化というのはもちろん賛成なんですが、ただ、老人病というのは、これは非常に冷たい言い方でございますが、いわゆる老人病というのは、治らないものであって、それを、治らないけれどもできるだけいい状態に手当てをしたり、病気が発生するのを未然に防いだり、それからできるだけ健康な状態を長く延ばしていくというのが本来の医療だと思います。その点で、老人医療を受け入れる側の医者の方にちょっと私はいろんな問題がありはしないか。つまり、その本質を忘れて、薬だけむやみやたらに投薬して、普通の治る病気を相手にするようなやり方でどうも私は過剰にいろんな薬なんかを出し過ぎるような傾向があるのではないか、こういう点がちょっと気になるところでございます。 そういうことで、私も、そういう老人医療の無料化というのは、当然これは少々無理をしてもいろいろ自治体の方も協力できるところは協力する。自治体によっていろんな方法を講じているところがあるようでございますが、こういう点に関しましては私は非常に賛成の意見を持っているものでございます。
○美濃部亮吉君 老人医療の無料化が問題になりましたが、また話はそれで終わりになりますけれども、老人医療の無料化だけでなく、老人対策というものに私が力を入れるようになりましたのは、知事になりまして予算をつくるときになって、老人対策に対する費用が非常に少ない。養老院その他若干はございますけれども、若いときに社会のために尽くしたそういう人たちをもっと厚く遇するというのが当然であると考えまして、そうして尼子さんという老人医療の非常な大家がおられまして、その方のところに行って、老人のために一番何をする必要があると思うかということを聞いたらば、特養——特別養護老人ホームですね、あの特別養護老人ホームという政策は非常に間違っている。それは昔の姥捨山であって、医者もいないし、看護婦もほとんどいない、そういうところが特別養護老人ホームであって、そこに弱った老人を詰め込む、そうして死ぬのを待つ。老人病というのはそういうものではなくて、医療の中の一つの分野であって、どうしても治らないというのもあるけれども、治る病気もあるんで、そういう人のために日本では一つもない老人病院というものをつくる、これが必要だと言われまして、もっともであると思って、非常にりっぱな老人病院を建てたのでございます。 そうしましたらば、やはり困ったのは、先ほど言われました治らない老人ですね、老人病で治らない者が居座りまして、そうして治る病気の老人を入院をさせる余地がない。そこで、仕方がないから特別養護老人ホームの、医者も看護婦も備えた、死ぬまで温かい看護ができる特別の特別養護老人ホームをそれに附置いたしまして、そうしてどうしてもだめなのは老人病院からそこに移すということをしたんです。 それをやりましても、全体の老人のうち、そういう施設に収容できるのはほんのわずかでございまして、全体としては何ともどうにもしようがないことではあるけれども、少しの人でもそういうふうにするということにしたわけでございます。 それで、もう時間がございませんが、給与が高いからとか、いろいろなことを言って、それが豊かである証拠であるというふうに世間では言われます。しかしながら、給与が高いということもいろいろな背景がありまして、また、給与が高くてもいいじゃないかということも言えると思うんです。国と比べて少しくらい高くって、一〇%や二〇%高くってなぜ悪いと。それはなぜ悪いということを科学的に証明をするためには、賃金あるいは給与が絶対的に高いか低いかということを立証しなければならないんで、国と比べて高いか安いか、国が非常に安いんだったらば高くってもいいじゃないかという議論さえあるんで、しかしそれはそれとして、給与が高いということがその地方団体が豊かである、余裕があるということとは直結しない。それを直結したらば——それは東京都がそうだったんです。自治省から、高いと、ぎゃんぎゃんぎゃんぎゃん言われたんです。しかしながら東京都は、たとえば生計費などもずっと高いんですよ。そういうことも加味して、そうして人事委員会があって、人事委員会の勧告に従って勧告どおりにやる、そうしたらば高くなり過ぎたという結果でございまして、それは何にも言いませんけれども、つまりそういうふうに高ければ高いところの、そう高くせざるを得なかったいろいろな歴史的な背景があるんだろう、それから直ちに余裕があるという結論は出せないというふうに思って、そういうこともお話ししようと思いましたけれども、もう時間でございますからこれでやめます。
○委員長(上條勝久君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後五時二十二分散会 —————・—————