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96回国会参議院1982/03/23

地方行政委員会 第4号

発言数
316
登壇者
19
会派数
6
開催日
1982/03/23

会議録

上條勝久自由民主党

○委員長(上條勝久君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。  まず、委員の異動について御報告いたします。  去る二月十九日、宮澤弘君、高木正明君及び大河原太一郎君が委員を辞任され、その補欠として江藤智君、亀長友義君及び小林国司君が選任されました。     —————————————

上條勝久自由民主党

○委員長(上條勝久君) 次に、理事の辞任についてお諮りいたします。  志苫裕君から、文書をもって、都合により理事を辞任したい旨の申し出がございました。これを許可することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

上條勝久自由民主党

○委員長(上條勝久君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  次に、委員の異動及びただいまの理事の辞任に伴い、理事が二名欠員となりましたので、この際、理事の補欠選任を行いたいと存じます。  理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

上條勝久自由民主党

○委員長(上條勝久君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事に亀長友義君及び山田譲君を指名いたします。     —————————————

上條勝久自由民主党

○委員長(上條勝久君) 地方行政の改革に関する調査を議題といたします。  これより質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 消防庁長官にお伺いしたいと思うんですが、きょうはホテル・ニュージャパンの集中審議と、こういうことになっていますから、できるだけその問題を中心にやってまいりたいと思うんですが、三十二人が死亡するという痛ましい事故を起こした、また、三十四人が負傷する、こういう事件ですが、遺族の皆さんには心からお悔やみ申し上げたいと思いますし、同時にまた、負傷者の皆さんには心からお見舞い申し上げたいと思います。  ちょうど一ヵ月半たったわけでございますが、この問題に対するマスコミの論調、それから衆参両院における質疑の実態等を見ますと、この事件の問われておる内容がほぼ明らかになってきたんじゃないか、私はそう思います。  その第一は何かと言えば、横井何がしというきわめて非情な経営者、そこから来るきわめて危険な欠陥ホテルであったという実態。そしてもう一つの面は、その実態を知りながら行政当局が公表はしない、そして人命尊重の立場からの適正な措置をとっていない、その結果が今日の惨禍をつくり出した、まさに人災と言えるんじゃないかと、私はこの一カ月半の推移を見ながら感ずるわけです。これは、一昨年川治で起こりましたプリンスホテルの際にも私は強く指摘をしておいたんですが、やはりこの際もほぼ結論づけられたように人災であったと思うんです。  何かそこら辺を見ますと、消防行政——これは消防だけじゃないでしょうが、建設省にも関係大いにありという部分もございますが、また主管の厚生省、運輸省、こういうところにも関係があると思うんですが、人が大量に死ななければ行政が一歩も進まないという人柱行政というのですか、そういう感じがしてならぬのです。これはこのままいったんではやはりまた次にこういう事故が起こってくる、私はこういうような感じがしてならぬのですが、まず冒頭に長官の御見解、それからきょうは大臣が来ていないようですから政務次官の御見解を承っておきたいと思います。

石見隆三消防庁長官

○政府委員(石見隆三君) 今回、去る二月八日未明、ホテル・ニュージャパンにおきまして死者三十三名を含みます大きな惨事が発生いたしましたことは、私ども消防行政に携わる者といたしましてまことに残念に存じておるわけでございます。ただいま佐藤先生から御指摘がございましたように、火災に限りませず、あらゆる災害につきまして可能な限り災害を未然に防止いたしますために、あらゆる事態を予想いたしまして各般の対策を講じなきゃならないということは御指摘のとおりであろうと思うわけでございます。  御案内のとおり、私どもといたしましては、一昨年の川治プリンスホテル火災以後全国の旅館、ホテルの一斉点検を行いました。その結果を踏まえまして、昨年の一月二十四日に各消防機関に対しましては、一つは、防火管理体制の強化充実、二番目には消防用設備の設置あるいは維持管理の徹底、さらには不備事項につきましてこれを速やかに是正いたしますために警告あるいは指導を発し、状況に応じては措置命令をかける、そしてそのような措置命令に従わない場合にはちゅうちょすることなく告発あるいは公表の措置をとるというような内容を盛り込みました通達を出しまして各消防機関を督励をしてまいったわけであります。と同時に、御案内のとねり昨年五月十五日からは新たに表示、公表制度を旅館、ホテルにつきまして導入をいたしまして、これにつきましても、ただいま申し上げましたように、措置命令を発してもなお必要な措置を講じない悪質な者に対しましては、ためらうことなく公表する、あるいは告発の手続をとるということを重ねて指導してまいったわけでございますが、今回このような大きな事故が発生いたしましたことは、消防機関といたしましても、これまでの消防行政、とりわけ予防行政のあり方につきましていろいろ反省すべき点も多々あろうかと存じております。  私ども、今回の火災発生以後、再びこのような事故が生ずることのないように、現在各消防機関に対しましてさらに具体的にせっかく指導を続けておる次第でございます。

谷洋一自由民主党自治政務次官

○政府委員(谷洋一君) ただいま消防庁長官の方からも説明申し上げましたけれども、ホテル火災という限定された災害を振り返ってみましても、四十三年の有馬温泉満月城における火災、あるいは福島県における、あるいは一昨年の川治温泉、今回と、引き続き大変な事態を生じておるわけでございまして、まことに遺憾に思っております。四十三年の有馬温泉満月城事件以来、各省庁との関連を密にいたしまして、再びかかる災害が起きないようにしたいという強い決意のもとに当たっておるわけでございまして、今回の事件に対しましても、各省庁の連絡をさらに密にする——従前は担当課長でもって省庁会議をしておったわけでございますが、局長クラスまで上げまして今後の問題を処していきたい、こういうかたい決意のもとに、再びかかる災害が起きないように努力したいと考えておるわけでございます。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 いま、長官のあいさつなり次官の決意がございましたが、ちゅうちょなく告発をし、公表すると、そういうことを指示してきたけれども、遺憾なことであった、こういうお話がございましたが、四十九年の法改正後に告発、さらに使用停止命令は何件ございますか。

石見隆三消防庁長官

○政府委員(石見隆三君) これは先般公表いたしました五十六年版の消防白書でございますが、五十五年中に消防法第五条の規定によりまして措置命令を発しましたものが二十二件でございます。御案内のとおり、第五条でございますので、使用停止が主な内容となっております。  それから、十七条の四、すなわち消防用設備の措置命令でありますが、これにつきましては五十五年中に三百八十五件かけております。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 私が聞いておるのは、告発、使用停止命令、それを聞いておる。

石見隆三消防庁長官

○政府委員(石見隆三君) 使用停止命令をかけましたものは、うち二件でございます。  告発につきましては、ちょっと手元に資料を持ち合わせておりませんが、最近告発をいたしたという報告は受けておりません。以前には告発をやったものが数件ございますが、最近はそういう報告は受けておりません。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 これは、たとえばニュージャパンの場合、改善勧告ですか、四回出してやったけれども、長官の衆議院における答弁を見ると、実効が上がらなかった、したがって措置命令を出した、こういうことなんですが、これは率直に言って、五年間の猶予期間がございますよね、四十九年改正で。少なくともこの間にいわゆる改善点については改善をしなさいと、そのために政府融資を含めて、たとえば環境金融公庫であるとか開発銀行であるとか、いろいろな措置をとっておったわけでしょう。したがって、これは五年間がたったときに政府融資等については取りやめをしたということは、この間にやりなさい、やったものについては財政措置をとりますよという前提でこの法案が成立しておるわけですね。したがって、消防庁としては、この間にそういう欠陥ホテルや旅館については措置命令を出して、そうして完全にするというのが、これは至上命題でなかったかと私は思うんですよ。  しかし、ニュージャパンの場合には、五年たってもそれが何にもできていない。一部は若干できたかもしれませんよ。しかし、スプリンクラーにしても、できていない。こういう実態にあった。それも知っておった。そうすれば当然、この五年の期限が切れたら、告発なり所要の措置がとられてしかるべきじゃないですか。仮に、その時点で措置命令を出して、そうして一年後に告発手続をとれば、今回のこの災難は防げたわけでしょう。いかがですか。

石見隆三消防庁長官

○政府委員(石見隆三君) ただいまお示しにございましたように、四十九年に消防法の大きな改正がございまして、その内容はスプリンクラーの設置の適用不遡及を含めました大きな改正がなされたわけでございますが、五年間の猶予期限が設けられておりまして、最終的には五十四年三月三十一日までにこの法の命ずるところに従いまして旅館、ホテルはそのような設備をしなければならないということに相なっておったわけであります。  その間、東京消防庁におきましては、法施行後直ちに指導警告書を出しております。と同時に、五十四年以降、すなわち期限終了後も三度にわたりまして指導警告書を発してまいったわけであります。実態を申し上げますれば、指導警告を発しますとその都度改善計画書が出てまいってきておりまして、ホテルの側からの改善計画書は合計八回改善計画を出し、そうして若干の工事を進める、やがてはそれがとまる、また指導警告をするというふうなことで、結果的には、二年近く日がたってしまったわけであります。そこで、東京消防庁といたしましては、これ以上指導警告を幾ら重ねても改善できないという判断に立ちまして、去年の九月に法十七条の四の規定に基づきます措置命令を一年間の猶予期限を切りまして発したわけであります。  したがいまして、本来ならと申しますか、この措置命令どおり実施されたといたしますれば、ことしの九月にはこのような不備が是正されることになっておったはずでありますというそのやさきにこういう事故が発生いたしたわけであります。確かに、ただいま御指摘にございましたように、その間、法施行後も二年数カ月経過をいたしたわけであります。東京消防庁はその都度、査察の都度、あるいはまた警告書を発する都度、厳重な注意をし、指導をしてまいったわけでございますが、結果的にいま申しましたように、これらが是正されないうちに事故が発生いたしたわけでありまして、その間、行政措置としては余りにも時間がかかり過ぎたではないかという御批判は厳しく受けとめなきゃならぬだろうというふうに存じておるわけでありまして、このような今回の例は、今後の防災対策につきまして、あるいは各消防機関の対応につきまして、今後とも十分生かされなければならないというふうに私ども考えておる次第でございます。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 石見さん、初めてこういう事故が起こったのなら私はそういう答弁で済まされると思うんですよね。しかし、大阪の千日デパートですか、そうして熊本の大洋デパートであるとか、いろいろな大量死亡事故を起こして、四十九年に消防法の改正にまでなったわけですね。そうして、その上にまた一昨年川治のプリンスホテルという大事故が起こってきた。  御存じのとおりに、これは措置命令が出してなかった、川治のプリンスホテルの場合。措置命令が出してないで起こったわけです。しかも、査察のときに欠陥部分については十分消防署も把握したし、建設省も把握しておった上でやられたわけです。これも悪質な経営者だったですね。そのもうけた金はどこで使ったかというと、ドライブインをいっぱいつくって、金もうけに専念しておった。今度の横井さんの場合もそうですね。  そうしますと、こういう上に立って法改正をされ、そしてその法改正のもとにわざわざ五年間の猶予期間をつけて、しかもそれについては政府融資を優先的にしますよと、しかもニュージャパンの場合には国際観光ホテル整備法に言う政府登録のホテルでもある。外人客が泊まることは当然予測される。また、それについて税の減免措置までやっておる。そこまでやっておるところに対して、いまのあなたの答弁で国民が納得すると思いますか。ぼくはそこに問題があると思うんです。こうまでたくさんの国民を殺して、罪のない人を殺したことに対して、なぜ怒りを覚えないんですか。なぜ人命優先の基本に立った施策をやっていかないんですか。ここがやっぱり私はあなたたちの一番問題だと思うんですよ。  さっきから私が言っておるのは、だから人災じゃないかと。経営者がけしからぬ、横井英樹というのはけしからぬことはもうわかっているんじゃないですか。あなたたち知らぬことはないでしょう。それを相手に四回も改善勧告をやってきてできない、それで結果的に告発する寸前にこういう事故が起こったということで済まされますか。一番大事な点は、やはり行政当局は、これは人災である、ホテルの経営者も悪い、しかしその悪い者を相手にしてやってきた施策が、これも落ち度があった、法に照らして、その結果起こった人災である。この認定の上に立って今後どうするのかを考えなけりゃ、また起こりますよ。どうなんですか。

石見隆三消防庁長官

○政府委員(石見隆三君) 火災に際しましての最も重要なことは、先生ただいまお示しにございましたように、人命の尊重ということであろうことは、もう十分私ども承知をいたしておるところでございます。いま申し上げましたように、川治プリンスホテル以後も、人命の尊重ということを第一義に置きながら、各消防機関に対しまして消防用設備の設置、あるいはまた日ごろのそれの維持、管理、さらにはまた発災時の避難誘導、初期消火等のいわゆるハード面、ソフト面両面にわたりまする厳しい指導をするようにということで指導をしてまいり、しかもまだ、いわばこのような悪質な対象物に対しましては、ためらうことなく法に基づきます告発、あるいはまた、公表制度によります公表等も辞することがないということを基本に据えながら指導をしてまいったわけでございます。  しかし、結果的に見ますれば、いまお話にございましたように、事ホテル・ニュージャパンに関しましてはやはり東京消防庁として相手を見誤ったのではないかという御批判は私ども率直に厳しく受けとめてまいらなけりゃならぬだろうと思っております。今後はそれぞれの対象物に応じまして、状況に応じ、厳しい措置をとりますことを引き続き強く指導してまいりたいというふうに存じておる次第でございます。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 それはあたりまえのことですよ。こういう事件を起こしながら今後なおゆっくりやりますとか、そんなこと言えるはずがないじゃないですか。そんなことを聞いているんじゃない。人災であるのか、どうなのか。そのことを消防庁、自治省は認めるのか、どうなのか、そこを聞いておるんですよ。

石見隆三消防庁長官

○政府委員(石見隆三君) 人災かどうかということでございますが、人災という言葉の定義の意味もいろいろおっしゃるところあろうかと存じますが、少なくとも今回の場合、ホテル・ニュージャパンにおきまして、そういう意味でのホテル業としてのモラルと申しますか、あのようなたくさんな人を預かる施設としての経営者の感覚というものが非常に欠けておったではないかというふうに存じますと同時に、私どもただいま申し上げましたように、消防機関といたしまして余りにも時間がかかり過ぎたではないかという御批判、この両者を含めまして、これが人災と言われるならば、私はまさにこれは人災であったであろうというふうに存ずる次第でございます。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 あなたは去年消防庁長官になったわけで、責めるのは酷だと私は思うんですよ。思うけれども、これを繰り返していたのではいつまでたってもこの状態は続いていく。  いま自治省次官をやっておる近藤さんが消防庁長官のときにプリンス事件が起こった。そのときにもし近藤さんがはっきり人災として認知をして、厳しく、今度の二月十日に出されたような通知が出ておったならこの事件は起こらないんですよ。この通知が出たから、これを出した途端に東京消防庁は十六日ですか十五日ですか、公表したじゃないですか。この文書の前に書いてある、「五十六年一月二十四日づけ消防予第二十二号により、期限を付して改善指導を行い、違反状態が放置されることのないよう断固たる措置を講ずべき旨を通知したところである。」と言うけれども、これの内容を見ると、このような明確に出てないんですよ。その後に今度はこの扱いについての運用が出ておる。運用指導ですがね。こういうようなことで、この通知に対しての運用はこうだこうだというところまで書いて出しておる。そういうあいまいな態度が今日こういう状態をつくり出しておる一番大きな原因だと私は思うんです。今度はこういう措置がきちっと出されてきた。これは私は評価しますよ、断固とした措置をとるということをきちっとしていますから。だから東京消防庁は断固とした措置ができた。  何かコマーシャルの中で、便所の掃除はもとを正せとかなんとかいうのがありますが、もとが問題なんですよ。このもとを正すということがいままでやられていなかった。私はあなたに言うのは酷だと思うけれども、その意味で、長官として、こてはひとつきちっと態度を明らかにして、そうして七省のいろんな協定がございますね、五十六年一月二十四日の。これを各省にきちっとさしていくという消防庁としての態度が、今後こういう問題を再び起こさない次善の策だと思うので少し厳しく言いましたが、そういう意味で受け取っていただきたいし、いまあなたが、それでも何か引っかかるような言い方をしましたが、人災と認知をして、その上に立った措置をとってもらいたいということをひとつ付言しておきたいと思います。  そこで、東京消防庁は、改修しない二十一件について公表しました。ところが新聞を読んでみますと、これは三階以上、三十人収容のホテル、旅館九百六十一のうち、「適」マーク不適合三百四十一の中から再三にわたって警告を無視したところにやったんだと、こういうことになっておりますが、これはどういう基準をつくってやったのか。その分布はどうなっておるのか。いかがですか。

石見隆三消防庁長官

○政府委員(石見隆三君) 今回、三月の十六日に東京消防庁が発表いたしました二十一の旅館、ホテルにつきましては、この制度適用の対象旅館、ホテル九百六十一件のうち、現時点、その発表時点におきましてまだ不適合な対象物、すなわちマル通がもらえない旅館、ホテル三百十九件のうち二十一件を公表いたしたものでございます。  その発表の基準でございますが、前段申し上げましたように、現在、全国各消防機関におきましては、去年の五月から発足をいたしましたマル通の作業を進めておるわけでございますが、東京都におきましては、これと並行しながら今回のホテル・ニュージャパンの火災の以後、さらに一斉調査を行いまして、その結果を踏まえましてただいまのような数字にありますような公表をいたしたわけであります。  それで、今回東京消防庁が発表いたしました基準でございますが、一つは建築基準法または消防法に違反があるということが第一の要件であります。第二番目は、「適」マークに係ります表示基準のうちで、特に重要な事項の不適合事項が重複してあること、すなわちダブっておるということであります。それは、内容的には建築構造の問題、消防用設備の問題、防火管理の問題、この三つが複合してひっかかっておるというのが第二の要件であります。第三は、違反是正につきまして防火区画の改修あるいは屋内消火栓設備の部分改修など比較的長時間を要するもの、その他違反是正が早急にはちょっとこれはできないと見込まれるようなものであります。最後の四番目の基準といたしましては、警告、命令等の違反処理基準に該当するというような条件に該当いたしますものに対しまして公表したということでございます。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 そうしますと、こういう基準は、これは東京都でつくったんですか、消防庁でつくったんですか。

石見隆三消防庁長官

○政府委員(石見隆三君) このただいま申し上げました四つの基準は、東京消防庁で管内の実態に即しまして設けたものでございます。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 そうすると、これは全国的にはどういうふうになるんですか。「適」マークは何も東京都だけの問題じゃない、全国、消防庁の指導のもとにやっているわけでしょう。全国的にはどういうことになるんですか。

石見隆三消防庁長官

○政府委員(石見隆三君) 全国的な制度といたしましては、前段申し上げましたように、昨年五月から発足いたしております表示、公表制度に基づきまして、ただいまその作業を進行いたしておるところであります。この表示、公表制度には、御案内のとおり二十四の個所、六十五項目にわたりまして、旅館、ホテルの点検を行いまして「適」マークを交付するか否かということを決定をいたしておるわけでありますが、このような全国的な制度と並行しながらこれは東京消防庁において独自に基準を設け、今回発表に踏み切ったものでございます。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 全国消防長会会報の三百八十二号のこの五十七年一月発行のあれを見ると、「執務資料」ということで、消防庁に対して各県自治体の消防署からいろいろな問い合わせに対する答え、その他が出ていますね。その中の問い十三の中に、「表示制度の判定基準と消防法令等が要求している基準にへだたりがあるため、表示制度の適マークの交付をしても、消防法令等に違反しており、改善の指示書を交付することが考えられる。このことが、消防本部の指導に一貫性を欠き、一級隊員の混乱をおこす危惧がある。」、こういう問い。それからもう一つは、「この制度の認識を徹底させないと、表示制度の効果の期待ができないが、国はどのような方法を考えているのか。」と、幾つかこういった制度についてもっと自主判断じゃなくて消防庁自体が適正なこの判断基準を出したり、もしくはこれによって営業権の妨害だということで告訴された場合には、これに対する対応資料をつくってもらいたいとかいろいろな、現地の方はそういうものがないと、なかなか告発であるとか公表であるとかいうことに踏み切れないという悩みが訴えられている。これについて消防庁自体としてどういう対応をしようとしておるんですか。

石見隆三消防庁長官

○政府委員(石見隆三君) 私ども消防庁といたしましては、先ほども御答弁申し上げましたように、いわゆる現在進行作業中の表示、公表制度に基づきまして、二十四の個所、六十五項目についてすべてそれに適合しておるものは「適」マークを交付する。「適」マークの交付を受けられないものは引き続き「適」マークの交付を受けられますように指導をする、あるいはそのような設備の設置を促進していくということを進めておるわけでございます。と同時に、なおこのような中で消防法違反に対しましては、必要に応じ適時適切な措置命令をかけなさいということも指導いたしておるわけであります。同時に、措置命令に従わないものに対しましては、告発あるいは公表ということをやりなさいということもこの中で指導いたしておるわけであります。  ただ問題は、いま申しましたことを全国的に進めてはおりますが、そのいわゆる措置命令をかける時期あるいはかける内容等につきまして、各消防機関で非常に個々のケースに応じてむずかしい問題もあることも十分私ども承知をいたしております。したがいまして、私どもといたしましては、措置命令を、そのような五条あるいは十七条の四の規定に基づきます措置命令をかけますに際しまして、どうしても地元の消防機関で判断がつきかねます場合には、私どもに十分御相談を願いたい。私どもも一緒になってその点について個々の具体のケースに応じて検討するということを指導しておるわけでありまして、措置命令の発動要件がむずかしいからといっていつまでも自分一人で抱え込むことのないように、判断つきかねるときには私どもに速やかに相談してほしいということも連絡をしておりまして、そのような中で全国的なこの措置命令の内容あるいは要件につきましての指導をしてまいりたいというふうに考えておるところでございます。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 それでは、ちょっと参考のために聞いておきたいんですが、東京の二十一の悪質ホテル、欠陥ホテルと列挙した中で、ラブホテルでない普通の、たとえば駿河台ホテル本館であるとか、こういうところについてはどういう内容なんですか。この公表した基準としてはどういう内容なんですか。

石見隆三消防庁長官

○政府委員(石見隆三君) 今回発表いたしました二十一のホテルの中で、ビジネスホテルが六件、いわゆるラブホテルが十二件であります。ただ、この六件と十二件と申しますのは、一応そういう基準で分けられるであろうということでありまして、ここは非常に流動的であります。そこはひとつ御勘弁願いたいと思いますが、いずれにいたしましても、ビジネスホテルとラブホテルで十八件であります。それからシティーホテルが二件でありまして、団体旅館が一件ということに相なっております。  その中で、団体旅館一件でありますが、建築構造上の防火区画が不備であるということ、それから屋内消火栓が不備であるということ、自動火災警報装置が不備であるということ、それから誘導灯に若干の不備があると、こういう内容になっておる次第でございます。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 それは団体ホテルですか。

石見隆三消防庁長官

○政府委員(石見隆三君) 団体旅館でございます。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 ビジネスは。

石見隆三消防庁長官

○政府委員(石見隆三君) ビジネスにつきましては、ただいま申し上げましたように六件ございますが、大体内容的には——六件個々に申し上げるのもいかがかと存じますが、時間の関係もございますので。大まかに申し上げまして、建築構造上の不備というのが非常に多うございます。それから自動火災警報装置の不備、それから誘導灯が不備、それから屋内の防炎設備、すなわち、じゅうたん、カーテン等に防炎がない部分があるという、大体この四点が非常に多いという状況でございます。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 そうすると、三百十九の不交付ホテル、旅館の中で、二十一についてはそういう基準でやったんですが、その他のところはどういう基準で外したんですか。

石見隆三消防庁長官

○政府委員(石見隆三君) まだ「適」マークの交付を受けておりませんその三百十九の内容でございますが、ただいま申し上げました二十一も含めまして申し上げますと、大まかに申して建築構造が不備というのと、それから消防法令上の規制に適合していないというその不備さが二つに大まかに分けられようかと存じられます。建築構造が不備というのが三百十九件中二百八十八件ございます。それから消防法令上不備というのが百九十九件であります。したがってこの合計が三百十九件になりませんのは、いま申しましたようにダブっておりますのでそうなっておりますが、いま申しましたように大まかには建築構造上の不備が二百八十八件、消防法令上の不備が百九十九件という状況でございます。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 時間がございませんからそれ以上この問題であれしませんが、私はやっぱり各消防機関とも公表に当たってはいろいろ営業権の問題とか財産権の問題とか、そういうのがつきまとってきますし、それと立ち向かっていく態勢を含めて指導を求められておると思うんです。だから、そういうところは、やっぱりこの東京消防庁の今度の態度というのが、判定の決定というのが一つの先例というか基準になってくるのじゃないかと思うので、そこら辺やっぱりもっと消防庁自身が、東京消防庁だけに任せるのじゃなくて、全国的な視野に立った指導をきちっとしていくことが大事じゃないかと思うので、その点はひとつ注文をしておきたいと思うんです。  それから、警察庁来ていますか。——この事件について、まだ捜査の段階だと思うんですが、どの程度取り調べ中ですか。

中平和水警察庁刑事局長

○政府委員(中平和水君) 現在の捜査の段階を大まかに申し上げますと、現在までに大体ホテルの従業員とか宿泊者とかそのほか関係者、約五百名の者から一応事情聴取をほぼ終了いたしまして、警視庁の行いました現場検証との詰めを現在実施をいたしますとともに、さらにホテルの関係者等から必要な事項について重ねて事情を聴取をしておると、こういう段階であります。  その結果、出火の原因につきましては、九百三十八号室に泊まっておりました、これは英国籍の人物でございますが、一応この部屋から出火をしておる、ここに泊まっておった人物の火の不始末によるものであろうと、こういうことが推定をされるわけでございます。  なお、このことにつきましても、最終的に確定いたしますために警視庁の科学捜査研究所それから東京理科大学等に委嘱いたしましてモデル実験をやりまして、私どもの捜査上明らかになっている事項のとおり火を発するかどうか、こういうことの実験を近くやる予定をいたしております。  それから、宿泊客三十二名の死者を出すに至った原因につきましては、まず、火災のいわゆる初期的な段階における消火活動並びに宿泊客の避難誘導の措置が適切であったかどうかという問題、それから平素の防火、消火設備あるいは火災時の緊急の通報装置等の維持管理が適切に行われておったかどうか、さらに、平素における消防計画に基づく消火訓練等が十分に行われていたかどうかという点の、つまり管理が適切に行われておったかどうか、こういう問題があるわけでありまして、これらと刑事責任の有無との関係を明らかにいたしますために、現在、当日の火災発生時におきます炎と煙の速度、それから経路、それからさらに煙の毒性、こういうものを明らかにいたしまして、また、先ほど来議論になっております東京消防庁等の行政指導に従った措置が行われ、スプリンクラーとかあるいは防火の扉だとか、あるいは緊急の通報の装置だとか、そういうものが適切に作動しておったのであればこのような大きな災害が起こらなかったかどうかという点について因果関係があるかどうか、そういうものを科学的に証明いたしますために、東京理科大学あるいは警視庁科学捜査研究所でモデル実験を行っておると、こういう段階であります。  そういうことを踏まえまして、さらにこういう実験結果に踏まえ、さらに私どもが関係者の取り調べを通じて明らかにしてまいったこととあわせまして、管理者の本件の火災に対する予見可能性あるいは結果回避義務、これが注意義務の内容になるわけでございますから、こういうものを明らかにいたしまして刑事責任の所在を明らかにしてまいると、こういう方針で臨んでおります。  一般的なお考え方からいいますと、非常に捜査に手間がかかっているではないかと、こういう御印象も一般にはお持ちかと思いますが、私ども、あくまでもこれは証拠に基づいてその間の因果関係を明らかにしてまいるわけでございますから、これだけの慎重な手順と詳細な捜査を遂げなければ刑事責任は明らかにならない、そういうことで捜査を着実に進めてまいっております。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 捜査の途中ですから、これ以上はなかなか無理だと思うんですが、ただ私はやっぱり政府登録の、国際観光ホテル整備法ですか、それに登録したホテルであるということが一つと、しかも、その中には当然税の減免措置を含めて、また融資その他においても政府資金を投入する、考えてみればそういう至れり尽くせりの助成措置をとっておるホテル、そこで、遺族の方も言っておりますように、政府登録国際観光ホテルだから安心して泊まったと、そういうことは私はあると思うんですね、確かに。ですから、そういうことを全部裏切った——たとえば建築構造であるとか、消防法令に基づく必要な措置がとられていなかったとか、こういったことは私はやっぱり国民の素朴な気持ちから見ると、もっとしっかりここら辺を押さえてくれと、追及してくれと、こういった期待があると思うんですよ。そして、またそれをやらなければやっぱり、私はこのニュージャパンで横井英樹という名前をぽんと聞いたときに、こんなのがここにおったのかと、もしこんなのがここにおったということを知っていたなら恐らくだれでも泊まらなかったと思うんですよ。そのくらいの経営者ですからね。これは私はひとつしっかり調査した上で厳正な措置をとってほしい、今後のためにも。その点はひとつ要望しておきたいと思います。警察庁、結構です。  そこで、時間が余りございませんから、国際観光ホテルという問題についてちょっと聞いておきたいのですが、いま、この法律に基づくホテルというのが四百三十九、旅館が千六百四十九、こういう実態にあるということを御報告いただきましたが、この中で「適」マークを交付されておる旅館はどのくらいの数字になりますか。これはもし運輸省答えられなければ消防庁でも結構です。

高橋克彦運輸大臣官房観光部整備課長

○説明員(高橋克彦君) 「適」マークの交付は、消防庁所管の各市町村等における消防機関が交付いたしておりまして、私ども詳細な御報告をちょうだいしておりませんが、東京都の登録ホテルについて私ども承知している限りでは、東京都内に五十一登録ホテルがございます。そのうち「適」マークの対象にならないものが一件——これは二階以下でございますので、一件ございます。それを引きますと五十件ございますが、そのうち「適」マークを交付されていないというふうに私どもが承知しておりますのが四件ございます。  以上でございます。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 それは東京だけでしょう。全国でのことを聞いておる。

高橋克彦運輸大臣官房観光部整備課長

○説明員(高橋克彦君) 全国につきましては、最初に申し上げましたように、私ども現在のところ消防庁の方からお話をちょうだいしておりませんので、いまのは私どもが独自に東京都について調査した結果でございます。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 その四件はどことどこですか。  それで、中身はどういう点で「適」マークを受けていないんですか。

高橋克彦運輸大臣官房観光部整備課長

○説明員(高橋克彦君) 東京都内で、かつ登録ホテルで「適」マークをいまだに交付されていないと私どもが承知しておりますのは、一つは、先日公表されました上野にございますきぬやホテルでございます。それからホテル・ニュージャパン、それから都市センターホテル、それから雅叙園、この四件でございます。  なお、「適」マークを交付されない理由につきましては、私ども承知いたしておりません。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 消防庁、全国的にはどういうことなんですかね、国際観光ホテルの「適」マークの適用状況。

石見隆三消防庁長官

○政府委員(石見隆三君) 全国的な状況につきましては、結論から申しますれば、まだ私ども詳細把握をいたしておりません。と申し上げますのは、この「適」マークの制度が昨年五月から発足をいたしまして、かなりの準備期間をかけましてやっておるわけでございますので、まだ全国的に全部その作業が終わっていないわけでございます。私どもといたしましては、ことしの三月、すなわち今月末を一応のめどといたしまして各消防機関にその作業を終わるように昨年来ずっと督励をしてまいってきております状況であります。したがいまして、今月末時点では一応全国を悉皆調査をいたしましてその状況を把握いたしたいというふうに存じておりますが、その時点で、いま御指摘にございました国際観光ホテルであるかどうかというふうな区分も見きわめたいというふうに存じておるわけであります。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 それでは運輸省に聞きますが、この国際観光ホテル整備法に基づく登録ホテル、旅館というのはどういう優遇措置をやられ、税金の面ではどうなんですか。それと、融資はどのくらいの融資をやっておるんですか、政府資金は。

高橋克彦運輸大臣官房観光部整備課長

○説明員(高橋克彦君) 国際観光ホテル整備法の第七条で、登録ホテルにつきましては、「登録ホテル業の用に供する建物については、地方税法第六条第二項の規定の適用があるものとする。」と。これは、固定資産税の公益等による軽減という措置がとられることになっております。それから第八条で、「減価償却資産の耐用年数」につきまして、「所得税又は法人税の課税標準に関する登録ホテル業の用に供する減価償却資産で政令で定めるものの耐用年数は、租税特別措置法で定めるところによる。」、税の軽減関係はこの二つの条項がございます。  それで、第七条の固定資産税の軽減につきましては、具体的には市町村が、東京都は東京都でございますけれども、条例でこれを適用するか否かというふうなことを決めることになっております。現在東京都ではこの措置はとられておりません。それから第八条の「減価償却資産の耐用年数」につきましては、現行制度では租税特別措置法の政令で個々具体的に軽減率が決められておるわけでございますけれども、平均いたしますと、大体通常ですと耐用年数を一〇〇といたしますと六八ぐらいまで短縮できるということになっております。  以上でございます。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 政府資金融資は総額でどの程度やっていますか。

高橋克彦運輸大臣官房観光部整備課長

○説明員(高橋克彦君) 昭和五十五年の政府資金、いわゆる財投資金から出ております日本開発銀行及び北海道東北開発公庫の旅館、ホテルに対します融資、これは政府登録ホテルだけではございませんで、これに準ずるものも融資対象になっておりますが、百七十九億四千万円が五十五年の融資実績でございます。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 この法律は昭和二十四年にできて、そして次々改正をされていますね。その六条の二ですか、「遵守事項」というのが決められていますね。その「遵守事項」が守られていないときには、十一条で「登録を取り消す」と、こうなっていますね。そういう法律になっていて、その六条の二「遵守事項」の基準ですか、基準が別表にございまして、別表を見るといろんなことを書いておるんですが、その八、九、十、十一というのがありますね、別表一の。防災関係についての基準がございます。これは二十四年当時につくったのですか、それ以後に改正して挿入したんですか。

高橋克彦運輸大臣官房観光部整備課長

○説明員(高橋克彦君) これは、昭和二十四年、法律制定当時からございました。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 それで、それから全然、たとえば四十九年に消防法が改正になりましたね。その消防法の改正になった時点ではこれは当たらなかったんですか。

高橋克彦運輸大臣官房観光部整備課長

○説明員(高橋克彦君) 昭和二十四年にこの法律が制定されました当時の消防法は、いろいろな基準が地方公共団体の消防機関が定めるというふうなことになっておりまして、その後消防法あるいは建築基準法が非常に充実してまいっておるわけでございます。それで、当初、ホテル整備法で四項目防災関係については規定していたわけでございますけれども、防災関係はそちらの方で確保されるという基本的な考え方からホテル整備法の方は改正しておりません。  ただし、御承知のとおり、消防法、建築基準法等はすべて登録ホテル、登録旅館にはかかっておりますので、こちらの方を改正しなくても現行法令、消防法、建築基準法は適用されておるというふうに理解しております。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 ちょっとあなたの言う意味がよくわからぬのですが、これは政府登録観光ホテルということで、外国人の旅客に対しても安心して泊まってもらう、このことを前提にして法文をつくって登録制度をやっていますね。そのために別表一、二、三でもっていろいろ基準をつくって、これだけは守りなさい、こういうことをやっておる。言うならば政府が責任を持って、こういうホテルについては安心して泊まれますよと、もしくはサービスについても国際レベルにおいて決して劣るものじゃございません、そういうことを前提として経営者の側にも税の減免措置をとったり、もしくは政府融資についても特別措置をとったり、そういう優遇措置をとってやられてきておるわけでしょう。そのかわり規制も厳しいはずですよね。そういう登録条件がなくなれば当然これはやっぱり登録を取り消すというものがあるのは当然だと私は思うんですよ。  ところが、その基準が昭和二十四年につくったまま、これだけのずっと一連の事故が起こって、ホテル、旅館では大変な問題になってきておるときに、四十九年にそのために国会まで動いて法改正もやった、それがどうしてこれに取り入れていないんですか。それ以上にもっと厳しく政府登録の観光ホテルについてはすべきじゃないんですか。どうなんですか。

高橋克彦運輸大臣官房観光部整備課長

○説明員(高橋克彦君) 私どもは、ホテル、旅館におきます防火安全につきましては、基本的には建築基準法あるいは消防法で確保されるべきものというふうに考えております。ただし、いま先生の御指摘にございましたように、登録ホテルが安全でないというふうな状態にあるのは、好ましい、あるいは適切であるというふうには考えておりません。そういうことで、今回のホテル・ニュージャパンの事故を反省いたしまして、今後、登録ホテルが長期にわたり消防当局あるいは建築当局の方からいろいろ不備があると指摘されていながら改善しないというものについてそのままにしておかないというふうな法制を検討してまいりたいというふうに考えております。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 そうしますと、この別表一、二の基準については、四十九年の法改正に基づいてきちっと条件としてこれを入れる、もっと言いますと、消防庁が出す「適」マークのないところについては登録を取り消す、こういう方向で検討をするということで受け取っていいですか。

高橋克彦運輸大臣官房観光部整備課長

○説明員(高橋克彦君) どこに、どういうふうに入れるかというのにつきましては、これから私ども十分関係各省の御意見もお伺いいたしましたり、あるいは有識者の御意見もお伺いして検討してまいりたいと思っております。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 そこら辺はあなたが答弁できぬという点はわかるけれども、あなた担当課長でしょう。そういうことをすれば、やっぱりこれを立案をするいわば一番中心におらなきゃならぬ課長でしょう。あなた自身としては、やっぱり「適」マークのない政府登録ホテルということについてはあってはならぬ、こういう基本的な考え方を持って対処するのかどうかということを聞いておるんですから、そこら辺だけはきちっとしておいてくださいよ。それが大臣まで行く間とか、法案となって出てくるまでにいろいろ屈折があるかもしれませんよ。しかし、あなたは責任ある当事者として一体どうなのか、ここを聞いておるんですから。いかがですか。

高橋克彦運輸大臣官房観光部整備課長

○説明員(高橋克彦君) 現在、「適」マークという制度が消防機関において実施されております。これにつきまして私ども十分評価しておるわけでございます。十分に評価しているということでございますが、先ほど申し上げましたように、これを法律上どういうふうにするかというのにつきましては今後十分に検討し、制度の中に、私ども国際観光ホテル整備法を検討する上でどういうふうにするかというのについてはもう少し時間をちょうだいしたいというふうに考えております。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 おかしいじゃないですか。いいですか。五十六年一月二十四日の七省の「旅館ホテル防火安全対策連絡協議会における了解事項」というのがあるんですよ。その中の運輸省、何と書いてありますか。「防火安全の観点から消防法令及び建築法令を遵守し、十分な措置を講ずるよう指導する。」、こうなっているじゃないですか。さらに、検査済証の写し等の提出をしなければ許可しないとか、登録を差し控えるとか書いてあるじ中ないですか。これはうそなんですか。  もっとそこら辺をはっきりしなきゃ——なぜかというと、まだ時間があればどんどんお聞きしたいんだけれども、こういう欠陥ホテル、旅館というのが何千とあるわけだ、小さなところを含めて。さらに雑居ビルもあるし、病院もあるし、デパートもあるんですよ。これ時間があれば聞きたいと思ったんですけれどもね。そういう中で政府登録のホテルだけがこういう実態で許されるといってとは私はがまんならぬのですよ。それができなかったらこんな確認しなきゃいいじゃないですか。こんなものを出して、こうやりますと言って、プリンスホテルの事件があった直後に緊急に開いて、七省庁了解事項なんというこんな協定を結んでおってなぜやらないんですか。しっかり答弁してくださいよ。

高橋克彦運輸大臣官房観光部整備課長

○説明員(高橋克彦君) 七省庁会議で了解されて、先生がいまおっしゃいました、建築基準法の検査済証あるいは消防法令に適合している旨の通知書がないものは登録を差し控えるというふうにそこに書いてございますが、これにつきましては、すでに昭和四十三年にそういう了解が各省でございまして、それに基づきまして、昭和四十四年以降運輸省は、政府登録の場合、新規登録の場合及び増改築の場合は、建築基準法に基づく検査済証の写しの添付及び消防法令に適合している旨の通知書がない場合には登録を実施しておらないところであります。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 それは、あなたの方へ登録をそれ以後してないんでしょう。いまあなたが、東京だけでも「適」マークをもらっていないのが四件あるということを発表なさった。恐らく全国を見れば相当出てくるのじゃないかという気がするんですよ。私は別府ですけれども、別府は「適」マークを出しているところは一つもありませんよ、いまだに。あそこら政府登録ホテル、旅館というのはずいぶんありますよ、御存じのとおりに。そういう実態ですから、そこでもしまた事件が起こったら大変だという前提で私はいま質問をしているわけです。  だから、あなたに言わせれば、この建築基準法の部分は四十九年改正で遡及措置がしり抜けになったので云々ということを言いたいんだろうと思う。それが「適」マークの中に三項入っていますからね。そのために「適」マークをもらうということはなかなかむずかしいということを言いたいんだろうけれども、それは後で建設省にちょっと聞きたいと思いますがね。しかし、私が言うのは、政府でこれだけの財政的な措置をとり、税の減免措置をとって優遇している。それだけいわゆる模範的でなきゃならぬわけだ。そうでしょう。模範的でないもの係を登録する必要はないんですよ、逆に言うならば。すぐ登録を取り消すべきですよ。そういう厳しさがあってほしいんじゃないかと言っているんですよ。  すでにもう外人の遺族の皆さんの中では、政府登録だから国の責任じゃないか、日本国に賠償責任があるんじゃないか、こういうことすら言っておるんですよ。そういう問題だから、やっぱりきちんとしてもらいたい。いかがですか。

高橋克彦運輸大臣官房観光部整備課長

○説明員(高橋克彦君) 先ほど先生の御指摘がございまして、私の方から御説明申し上げましたように、私ども、今回のホテル・ニュージャパンの事故を反省いたしまして、今後国際観光ホテルが、建築当局あるいは消防当局の方から不備があるというふうに指摘されながら、長期にわたりそれに応じていないということがないように、ホテル整備法上の措置を考えてまいりたいというふうに思っております。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 もう端的に言えば、「適」マークのないところについては登録条項において取り消しをする、もしくはこういう条件がなければ登録しない、そういうことでこれからひとつ法令検討をやっていくということで理解していいですね。——いいですね。——まだ質問させるのかい。

高橋克彦運輸大臣官房観光部整備課長

○説明員(高橋克彦君) 「適」マークがないものの登録を取り消すというふうに法律を改正するということを、いまここで私が説明あるいははっき力と申し上げるのはいかがと思いますので、少し弁解をさせていただきますと、もともと登録ホテルあるいは登録旅館が本当に安全でないならば、消防法令あるいは建築基準法令でもって使用の停止あるいは使用の禁止の措置がとられるのがまず前提であろうというふうには考えております。ただし、なかなかこれが法律上のいろいろな制約がございまして実施しづらいという問題があるようでございます。そういうことで、そこに立ち至らないものであっても登録ホテル、旅館として安全上十分でないというふうなものについては、私どもホテル整備法の方でもって対処できないか、対処したいというふうに考えているわけでございます。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 あなたに言っても、それ以上なかなか答弁しにくいと思うけれども、しかし直接責任の担当課長だから、そういう姿勢でもって、そうして、いまあなたがおっしゃったように、登録取り消しの前に使用禁止であるとか、もしくは使用一時停止であるとか、こういうこともあるかもしれぬ。そこらを含めて少なくとも四十九年の法改正の趣旨に照らして、また、それに基づく各省了解事項に照らして政府登録のホテル、旅館については、きちっとした法体制をとっていくということをぜひ運輸省内部でもまとめて早急な措置をとるように、私としてもひとつ要請しておきたいと思うんです。  これは次官ね、先般の川治プリンスホテル事件で、この委員会だったと思いますが、時の安孫子自治大臣に私が同じような問題をやったわけですよね。そうしてこの問題は建設省と運輸省についてそういう措置を閣議でとってまいりたいという見解表明をいただいておるんですが、その後、見解表明どおりやってきたか、その効果はどうなのか、あなたにちょっと聞いておきたいんです。

谷洋一自由民主党自治政務次官

○政府委員(谷洋一君) ただいまのお話でございますが、各省庁の連絡会議におきましてただいま御指摘の問題は論議中でございまして、いましばらくその結論を出すための努力をしておるというふうに御理解いただきたいと思います。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 それで今度は、次は建設省、どうも諸悪の根源は建設省にあるようだね。建設省、衆議院段階でもかなり追及されておる議事録を読みましたが、この問題について衆議院段階の答弁を見ますと、対象のホテル、旅館が二百六十五棟、これを五十四年から五十八年までやるということでいま指導要綱に基づいてやっておりますが、済んだのが百三十二、済んでないのが百三十三、その内訳として工事中が十七棟、工事計画作成が六十二棟、計画なしが五十四棟、こういう実態にあるということを回答していますね。そこで、これらについては、社会党の佐藤敬治さんの質問に対する答弁として、五十八年度中には完了しますと、こういう約束をしておるようですが、その約束はできますかな。それと、計画なし五十四棟というのはどういう中身ですか。

梅野捷一郎建設省住宅局建築物防災対策室長

○説明員(梅野捷一郎君) お答えいたします。  ただいま先生から御指摘いただきましたように、ホテル、旅館につきましての要綱に基づきます指導については、対象が二百六十五棟ございます。このうち、いま内訳を御指摘いただきました数字のとおりでございまして、すでに改修工事が終わっておりますのが百三十二、いまだ終わってない一これは昨年の九月末現在で調査をした数字でございますが、百三十三がその時点ではまだ終わっておりません。そのうち工事中のものが十七棟、計画書を提出しておるものは六十二棟、あとの五十四というのがいまだ具体的な計画をつくっていない、こういう内訳でございます。計画書を提出しておりますというのは、こういう形で改修をいたします、いつごろいたしますというような具体的な計画を持っておるというものでございまして、最後の五十四棟、約二割でございますけれども、これについては、こういう形での設計で改修をするとか、いつの時期に工事をやるとか、こういう具体的な計画をまだ確定をしていないということでございます。  それで、これらの旅館、ホテルにつきましては、五十八年度いっぱい、五十九年三月までが期限でございまして、これまでに私どもはあくまで改修をさしていきたいというふうに考えております。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 この数字は、東京だけの問題ですか、それとも全国の数字ですか。それが一つ。  それから、ニュージャパンは、いま言う未の、百三十三の中の三つに分けた分類でどこに入るのか。  それから、いま運輸省から報告があったこの四つの国際観光ホテル、これはそのうちのどっちに入るんですか。

梅野捷一郎建設省住宅局建築物防災対策室長

○説明員(梅野捷一郎君) お答えいたします。  ホテル・ニュージャパンは、先ほど申し上げました計画書を出していない五十四の中に入っております。  それから、先ほど運輸省の方からお答えがございました幾つかのホテルについて、どれに該当するのかは、払いま手元では承知いたしておりません。  それから、先ほど二百六十五棟と申し上げましたのは、全国での対象物でございます。これは私どもの防災対策要綱が、五階建て以上、二千平米以上というものについての既存の建物について改修をさせようということで、具体的に二百六十五棟については何らかの改修をしろという対象物として拾い出したものでございます。

上條勝久自由民主党

○委員長(上條勝久君) ちょっと速記をとめて。    〔速記中止〕

上條勝久自由民主党

○委員長(上條勝久君) 速記を始めて。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 そうしますと、きょうは五十七年三月の二十三日ですが、いまだに計画なしで、五十八年の三月までちょうど一年しかないんですが、それが完了するという自信がおありなんですね。

梅野捷一郎建設省住宅局建築物防災対策室長

○説明員(梅野捷一郎君) 現在ちょうど三年ほどたっておるわけでございまして、残りは二年しかないということでございますが、この五十四棟という当初から改修を指導しております対象物については、いろいろな内容のものがあるというふうにそれぞれの行政庁から報告をいただいております。たとえば倒産という状態に近いようなものとか、いろんなものが含まれておりますけれども、私どもは、少なくともホテルとして今後とも利用していくようなものについてはあくまで期限内には改修をさせていきたいというふうに考えております。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 それでは、これはホテル、旅館が中心でしょうが、それ以外の、建築基準法の四十九年の改正案、その対象にしておりました、たとえば病院であるとか映画館であるとかデパート、これらは大体何棟あるんですか、対象は。

梅野捷一郎建設省住宅局建築物防災対策室長

○説明員(梅野捷一郎君) 五十四年の当初に、この要綱に基づきまして改修をやっていこうという対象物については、全体で千二百九十一棟でございます。このうち百貨店であるとか劇場あるいは地下街というようなものにつきましては三年間で改修をしていこう、こういうものが全体で八百三十九棟でございます。それから病院、診療所、それから、先ほど申し上げました旅館、ホテル、これが五十八年度いっぱい、五年間で改修していこうというものでございますが、これが四百五十二棟でございます。これらを合わせまして全体で千二百九十一棟でございます。  同じ時点の昨年の九月末現在でございますが、三年間で改修をしていこうというものについては、先ほどのその時点で未計画であったというものについては、全体の八%その時点で残っております。それから、五年物といいますか、五年間で改修をしていこうというものは、病院、ホテルでまだ何らの具体的計画も立っていなかったというものは、全体の二一%がその時点で残っておったという状況でございます。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 そうしますと、この三年物八百二十九、五年物が四百五十二というのがあるんですが、これを含めて見ましたときに、さっきの二百六十五棟はホテル、旅館だけですよね。これらの対象物を含めた場合の未実施の数、そうしてその内訳、これはどうなっていますか。

梅野捷一郎建設省住宅局建築物防災対策室長

○説明員(梅野捷一郎君) 先ほど申し上げました、百貨店等の三年間で改修していこうというものの未計画のものが六十五棟でございます。八百三十九棟のうちの六十五棟、八%が具体的な計画をまだその時点ではつくられていなかった。それから五年間でやっていこうというものは四百五十二棟のうちの九十六棟でございます。全体では千二百九十一棟のうちの百六十一棟が昨年の九月末現在ではまだ具体的な計画を立てるに至っていなかったという状況でございます。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 そうすると、これらは五十八年度までに全部終わる見込みを持っておるわけですね。

梅野捷一郎建設省住宅局建築物防災対策室長

○説明員(梅野捷一郎君) 先ほど申し上げました三年物というのは、実はこの三月いっぱいで終了するという期限でございます。したがいまして、昨年の九月以来、それ以前もそうでございますけれども、特に六十五棟を何とかこの期限内に完了させる、具体的な改修をさせていくということに最大の努力をしてきたわけでございます。  それから、今回の火災というようなこともございまして、特に旅館、ホテルについては五年でございますけれども、できるだけ早い時期に、期限いっぱいということでなくてなるべく早い機会にということで、この二つを特に重点的に指導しているわけでございます。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 この際、私は建築基準法の改正を、まあ五十三年に断念をしましたけれども、これは衆議院段階の質問を見ると、修正時に遡及に反対した党の方々もかなり反省なさっているようですね、やっぱりこれはやらなきゃいかぬと、こういう雰囲気で。いま私は建築基準法ここできちっとしなきゃいかぬのではないかというのが一つある。それから消防庁の方を見ても、「適」マークを出しても一番ひっかかるのはこの問題なんですね、諸悪の根源は。「適」マークを出して、建築基準法関係、ここが一番ひっかかっておる。それで、なぜひっかかるかといえば、法でなくて指導要綱でなかなか遅々として進まない。ここに諸悪の原因があると私は思うんですがね。これ、私はプリンスホテルのときにも現地へ行きましたが、あのときにあそこに防火壁があったならあれだけの惨事はなかったわけです。今度のニュージャパンも、ちゃんと防火壁を、鉄製のやつのところは火が入ってないんだから、明らかに構造上の問題が大きい。  こういう観点から見ると、私はこの際思い切って、四十九年当時に立ち戻って法改正をやるべきだと、そういうふうに思うんですが、これはあなたが答弁できるかどうか、答弁できないにしても、担当の課長としてはそう思うでしょう、この事態を見て。そういった問題について、あなたが担当課長という立場から答え得る範囲で結構でございますがね、決意があればいただきたい。  同時に、きょうは大臣がおられればあれだけれどもおられないから、自治政務次官として、いま私のやりとり聞いておったと思いますが、この問題で一番苦しんでおるのは消防庁ですよ、さっきから言っているように。所管省としてどういうお考えなのかお聞きしておきたいと思います。

梅野捷一郎建設省住宅局建築物防災対策室長

○説明員(梅野捷一郎君) 先ほども現在の進捗状況を御報告申し上げたわけでございますが、建築物防災対策要綱という要綱による指導に鋭意努めておるところでございます。これにつきましては、先生も御案内のように、遡及適用という方法も含めまして過去にいろいろな経緯を経て現在のような進め方にしておるわけでございます。そのときの最も大きな理由となりましたのは、既存の建築物に対する改修、これは設備を後から付加するというような改修ではなくて、多くの場合には相当大がかりに建物の内部に手を加えていかなくてはいけないというような、機械的な、現在の基準をすでにでき上がっているものに当てはめる場合には、相当そういう困難性があるというようなことが一番大きな理由として今日のようなやり方になってきた経緯があるわけでございます。私どもはそういう経緯でできております現在の対策要綱による指導を、先ほど申し上げましたけれども、何としてもそういう方法でやっていくということで決めましたので、期限内に何とかやっていきたい、そのことをまず第一に考えていきたいと考えているわけでございます。  法律そのものを過去の既存建築物についても適用していくべきではないかということについては、それももちろん一つの方法でございます。しかし、いま申し上げましたようなことで、既存の建物に対する適用でございますので、いろんなむずかしい問題がある。あれだけ長い間の経緯を経て今日のやり方になっているわけでございます。私どもの使命としては、あくまで先ほど申し上げました、いまだ終わっていないものを何とか期限内にやっていきたい、その気持ちでございます。

谷洋一自由民主党自治政務次官

○政府委員(谷洋一君) 先ほど来建設省に対する御質問を拝聴したわけでございますけれども、消防庁の悩み、苦しみというものを端的に御指摘いただきましてまことにありがたいと思っておるわけでございますが、われわれといたしましては、建設省の分野だということだけでなくて、先ほど来私もお答え申し上げましたように、今後ますます各省庁間の連絡を密にいたしまして、これらの問題を前向きで検討するという方向でいきたいと思っております。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 最後にひとつ消防庁長官に決意を含めて考え方を聞いておきたいのですが、たとえば東京消防庁の何課長ですか、これ読売新聞の三月三日ですか、そこで麹町消防署員、これは名前がないですね、それから東京消防庁の広田浩雄査察課長、こういう方々が発言をしていますがね。査察をやれと言ってみても東京都内だけで三千五百もあるし、そのすべてが査察の対象になる、やはりそういうことについては人員的に無理だと、こういう発言が新聞に出ていますね。それから先ほど紹介しました全国消防長会会報の中で、問い、答えの中に出ておりますが、この中でも、問いとして、予防査察をやりたいけれども人員不足でできない、こういう訴えが出されて、あなたの方は、都道府県を通じて善処をするよう云々と出されておりますがね。実際問題として、これだけのホテルから雑居ビルから病院からデパートから、そういうものを全部網羅して査察していこうとすれば、やはり消防職員の人員の問題なり、そういうものとか、勤務の実態というものが検討されていかないと実質はかけ声だけに終わってしまうんじゃないかと私は危惧するんです。そこら辺は一体長官としてどういう認識を持たれておるのか、それを聞いて、私の質問をやめたいと思います。

石見隆三消防庁長官

○政府委員(石見隆三君) ただいま御指摘がございましたように、最近予防査察を必要といたします防火対象物が大変な勢いでふえておりますことは事実でございます。とりわけ、都市におきましては旅館、ホテルに限りませず、このような要査察対象物がふえております。したがいまして、やはり私どもといたしましては人が足らないから手抜きというわけにはこれは当然まいらぬだろうと思っております。これはやはり法に命ぜられました査察というものは厳正にやっていかなきゃならぬわけであります。現時点におきましては、何分にも査察要員が、東京消防庁を含めまして、十二分であるとは私どももちろん考えておりません。やはり職員も大変なオーバーワークで仕事をしておることも事実でございます。今後私どもといたしましては、やはり査察のやり方というものをもう少し合理的と申しますか、システム的に何かやれないかということを全国消防長会とも相談をして研究をいたしておるところでございます、  今回のこの事故を契機といたしまして、ただいま申し上げましたように査察のやり方、たとえば非常に思いつき的でありますが、本庁におきまして専門の査察Gメンのような組織をつくりまして、大規模あるいは困難な査察は本庁直轄というようなことができないかというような問題、あるいは東京消防庁におきましては点数制で査察ができないかとか、いろんなことも検討もされている向きもあるようであります。私ども、このような査察のシステム的なやり方というものを今後研究開発もしていきたいと思っております。  一方、このような行政改革の大変厳しい中ではございますが、必要な職員というものはぜひ確保していきたいと存じております。ちなみに、昭和五十七年度におきましては、非常に厳しい中ではあったのでございますが、消防職員につきまして九百七十九名の増員が地方財政計画上認められることになりました。もちろんその千部は常備化に充てられるわけでありますけれども、このような増員をできるだけ近代化あるいは高度化に対応できますところに振り向けてまいりたいというような努力も一方私どもとして努めていかなきゃならぬだろうというふうに存じておる次第でございます。

佐藤三吾日本社会党

○佐藤三吾君 終わります。

後藤正夫自由民主党

○後藤正夫君 先ほど来、佐藤委員の御質問に対しまして、各政務次官並びに石見消防庁長官から、このホテル・ニュージャパンの災害を一つの教訓として、今後思い切っていろいろ研究、新しい体制づくりのために努力をされる御意思を表明されておりますが、それについても、私もぜひそうしていただきたいということを強く要望いたしたいと思います。  しかしながら、過去において、たとえば熊本の大洋デパートの昭和四十八年の火災、あるいは今回のホテル・ニュージャパンの火災を見ましても、再三にわたり計画を進め、工事の途中において事故が発生してしまっているというように、後手後手に回っているということを考えますときに、わが国のように都市の過密化が急速に進み、しかも道路の状況も必ずしもよくない、さらに、高層マンションやあるいは高層ビルができていくということを考えますと、今後も大規模な災害が起きる可能性というのは決してないわけではありません。したがって、今後の防災という問題について一層の努力を私からも重ねて望みたいと思います。  そこで、きょうは時間がございませんから問題を限定いたしまして、消防庁で所管されております業務のうちの、消防と救急のうちの救急の業務に問題をしぼりまして質問いたしたいと思います。したがって、関連して厚生省の御意見も聞きたいと思います。  現在、消防庁としては、救急車の配置の基準というのはどのように考えてお定めになっているのか。特に、東京都の消防庁の場合にはどういう状況になっているのか。そういう点について伺いたいと思います。

石見隆三消防庁長官

○政府委員(石見隆三君) 救急車につきましては、現在私の方で消防力の基準というものを示しておりますが、その中で、救急車につきましては人口を基準といたしまして定めるということに一応の基準を設けております。一例を申し上げますれば、人口五万ごとに一台ということになっておりまして、それが十五万人を超えます場合には、超える部分七万人について一台を配備するということを一応の基準といたしております。  なお、この基準につきましては、いま申しましたようにあくまで基準でございますので、各地方団体が地域の実態あるいは人口密度、産業構造等々によりましてこれを増減して適正な配備をしていただくということにいたしておるわけであります。  東京消防庁におきましては、現在救急車は百八十四台持っておりまして、いま申しました消防力の基準から見ますればその達成率は九五・三%ということで、かなり整備が進められておるということに相なっておる次第でございます。

後藤正夫自由民主党

○後藤正夫君 先般のホテル・ニュージャパンの火災のときには、消防庁の資料によれば救急車が二十二台出動をしているということになっておりますけれども、この救急車の出動については、火災に関連する出動の場合もありましょうし、それから一一九番による出動の指令が出ているということもあると思いますけれども、火災の出動の場合のやり方ですね、これはどういうやり方をおやりになっているのか。たとえば、ホテル・ニュージャパンの場合二十二台というのが出動しておりますけれども、それはどういう判断で二十二台出動されているのか、その辺を伺いたいと思います。

石見隆三消防庁長官

○政府委員(石見隆三君) 東京消防庁におきましては、二十四時間体制の災害救急情報センターというものを設置しておりまして、ここがいわば中央指令室になっております。ここでは、空きベッドの数でございますとか、あるいは医療機関でどのような診療ができるかということを絶えずコンピューターによって把握をいたしております。と同時に現場に出動いたしました救急隊、あるいは一一九番で入りました情報によりましてその場合の傷病者の症状等を確認をいたしまして、もちろん電話の場合は、一一九番の場合には一一九番をかけた方にその場合の状況を聞き、あるいは現場に出ております救急隊の場合には救急隊からの無電によって要救助者の状態を確認をいたしまして、これに基づきましてそれぞれの要救助者の症状あるいは負傷の程度に応じまして搬送する医療機関と連絡をして、救急隊に無電で指示をしてそこへ送り込むという手配をとっておるわけでございます。

後藤正夫自由民主党

○後藤正夫君 ただいまの消防庁長官の御説明を伺いまして、大体指令所のところでは病院の状態等についての把握をされているということでございましたが、先般のホテル・ニュージャパンの火災のときには、消防庁の資料によれば死亡者は三十二名、それから救急搬送者三十四名という数字が出ておりますけれども、この救急搬送者三十四名の中で死亡した方も出ているのではないかと思いますが、それはこの死亡という三十二名の中に入っているのかどうか、その点伺いたいと思います。

石見隆三消防庁長官

○政府委員(石見隆三君) 死亡なされた方三十二名は、現場ですでに死亡された方あるいは搬送後死亡された方すべて含めまして三十二名という数字に相なっておるわけでございます。

後藤正夫自由民主党

○後藤正夫君 そこで伺いたいと思いますのは、いわゆる救急救命センターですね、あるいは救急病院の現状等、いろいろ問題点があると思いますけれども、よく一般的に使われる言葉の中で、たらい回しであるとか、あるいは満床といいますか、ベッドが空いていない、満床というようなことを言われておりますけれども、先ほどの長官の御説明によりますといわゆる情報システムを使って病院の状況をかなり正確に把握しているように思いますけれども、先般のホテル・ニュージャパンの災害のときには、いわゆるたらい回し、まあたらい回しという中にもいろいろな意味があると思います。たとえば病院に運んでいったけれども、その病院の当直医が必ずしもそのけが人に対応できるだけの能力を持っていないとか、あるいは設備等の点から他の病院に回した方がいいということもあったかもしれないと思いますけれども、そういう状況はニュージャパンの場合はどうであったか、わかっている範囲で伺いたいと思います。

石見隆三消防庁長官

○政府委員(石見隆三君) 先ほど申し上げましたように、センターの方でいわゆる救急病院として指定されております病院の空きベッドの数でございますとか、当直専門医の状況でありますとか、そういうものをすべてコンピューターによって処理をいたしておりますので、かなり正確に把握をできる状態にございます。五十六年四月現在で都内の救急病院が四百九十九カ所指定をされておりまして、そこの状況というものは一〇〇%握っておりますので、状況に応じまして適宜搬送ができておるような次第であります。  なお、先ほどお話ございましたニュージャパンの場合、あるいはまたその翌日起こりました日航機の墜落事故によります搬送等につきまして、病院へ行って医者がいないとかベッドがないとかという意味でのいわゆるたらい回しはなかったというふうに承知をしております。ただ、状況に応じてセンターと救急車が無電で連絡をとっておりますので、途中で病院を変えるということはあり得ますが、行ってまた次というようなことはなかったと報告を受けております。

後藤正夫自由民主党

○後藤正夫君 先般のホテル・ニュージャパンのとき、あるいは日航機の墜落事故のときには、かなり東京都内の広い範囲にわたる病院に分散して収容されている。これは個々の病院の収容能力等の関係からそういうことになったと思いますけれども、本来は、原則的には、その災害の発生した場所に近い病院に収容されろことになっているんだろうというふうに思いますけれども、先般はいま私が言いましたような理由でかなり広い範囲に分散収容されたのかどうか、その点をお聞きしたいと思います。

石見隆三消防庁長官

○政府委員(石見隆三君) 救急車が搬送いたします場合には、ただいま御指摘ございましたように、できるだけ近い病院というのが最も好ましいことは、これはもう申し上げるまでもないと存じます。ホテル・ニュージャパンの場合には、十九病院に分散をして搬送いたしました、日本航空の墜落事故につきましても、かなり幅広く多くの病院に搬送いたしたわけでございますが、これはただいま前段申し上げましたように、受け入れ側の医療機関の空きベッドの状況でございますとか専門医の状況等を救急情報センターによって把握をして指示を出したものでございまして、一ヵ所の病院に患者が集中することのないように分散をして送り込んでおるという結果、このような次第になったわけでございます。

後藤正夫自由民主党

○後藤正夫君 救急センターで情報システムを使って病院の実情について把握をされているということは承知しておりますけれども、しかしたとえば個々の病院で診療科目等がずいぶん違っていると思いますけれども、そういう点に対する対応ということはどうされているのでしょうか。

石見隆三消防庁長官

○政府委員(石見隆三君) ただいまの点につきましても、情報センターのコンピューターで記憶装置が入っておりますので、そこで記憶をさせまして、また、具体の場合には病院とも救急センターが連絡をとるという方法をとっておる次第でございます。

後藤正夫自由民主党

○後藤正夫君 これは厚生省との関連になってくると思いますけれども、現在救命救急センターとして指定をされているというものはどれぐらいありますでしょうか。

小沢壮六厚生省医務局指導助成課長

○説明員(小沢壮六君) 救命救急センターというのは、私ども救急医療対策の総合的な整備の中で、特に重篤な患者さんを二十四時間体制で扱うための施設ということでございますが、五十六年度の末の見込みの数で全国で七十一カ所整備が終わる予定でございます。

後藤正夫自由民主党

○後藤正夫君 救命救急センターの詳しいことについて、私わかりませんので伺いたいんですが、官公立病院で救命救急センターとして指定されているものが余り多くないように思います。たとえば東京ならば日本医大のセンターなんというのは、かなりこれは整備されたものというふうに承知しておりますけれども、官公立病院がなぜ指定されているのが少ないのか、その点について厚生省はどうお考えなのか、その点伺います。

小沢壮六厚生省医務局指導助成課長

○説明員(小沢壮六君) 東京都の場合でございますと、救命救急センターが六カ所ございまして、その内訳といたしまして、国立第二病院が一カ所と、それから都立の広尾病院が一カ所、残りの四カ所が私的な病院、これは主として大学の附属病院でございますが、そういったかっこうになっております。  それから、全国的な七十一カ所の内訳、ちょっといま国立と公立の正確な内訳を持っておりませんが、そのうち国立が十二カ所受け持っておりまして、残るかなりの部分が公立の、たとえば県立の中央病院クラスの病院が受け持っておるというケースが少なくございません。救命救急センターというのは二十四時間体制で患者を収容いたしますので、それなりの設備と人員が必要でございますので、救命救急センターにつきましては比較的国公立てある程度受け持つというような体制に近づいてきているというふうに考えております。  ただ、一般的に国公立病院でもう少し救急をやるべきではないかという御指摘が常にあるわけでございまして、私どもも国公立の使命といたしまして、当然救急医療に積極的に取り組むべきであるというふうに考えておりますので、今後ともそういった方向で指導してまいりたいと考えております。

後藤正夫自由民主党

○後藤正夫君 国公立の病院が、救急患者等の受け入れについて満床その他の理由で断わることが比較的多いというようなことをよく聞くんですけれども、そういうことは一体事実あるかどうか、厚生省としてはどうお考えなんでしょうか。

小沢壮六厚生省医務局指導助成課長

○説明員(小沢壮六君) 先ほど消防庁長官のお話にございましたように、東京都だけでなく各県で、いわゆる救急医療情報システムというものを整備いたしまして、病院のベッドの状況でございますとか受け入れ体制について情報を提供しているわけでございますが、結果といたしまして満床ということでなかなか受け入れられないというケースがあることもこれは事実でございますので、まあ救急患者ですでに満床という場合はいたし方ないわけでございますが、やはり受け入れた救急患者をずっと収容しておくということじゃなくて、危険な状況を脱しましたらなるべく別の医療機関に移送するなりして、救急用の専用ヘッドを確保するようにというような指導は今後ともしていきたいと思っております。

後藤正夫自由民主党

○後藤正夫君 厚生省にはぜひひとつそういう指導を強化していただくように要望をいたしたいと思います。  厚生省にはまた後ほど伺いたいことがありますが、そこで今度は救急活動につきましてもう少し伺いたいと思います。  現在、救急隊員の教育訓練というのはどのようにおやりか、その点伺いたいと思います。

石見隆三消防庁長官

○政府委員(石見隆三君) 救急隊員につきましては、御案内のとおり医療行為を行うものではございませんので、医師に引き継ぐまでの間必要な措置をとるということが本来の業務でございます。  そこで、救急隊員の資格、訓練につきましては、先般政令を改正いたしまして、百三十五時間の訓練を受けた者に対して資格を与えるということにいたしまして、ずっと各消防機関ごとにその訓練を経てきたわけでございますが、一応今月末をもって全国の消防機関の救急隊員に対しましては、すべて百三十五時間の訓練が終わるという状況になってきておる次第でございます。

後藤正夫自由民主党

○後藤正夫君 ただいま石見長官の御答弁にもありましたように、医師法の関係がありますから、医師法による限界というものがあると思いますけれども、救急隊員が救急車の中で行う処置の中に、たとえばショック状況であるとか呼吸困難であるとかというような、本当に緊急を要する、病院まで早く運ぶ、その間に許されておる範囲内での処置をとらなきゃならないことはよくわかりますけれども、たとえば呼吸困難であるとかショックであるとかいうような場合に、よくテレビなどでも心臓マッサージをやったりするような光景も見られるわけでありますけれども、その辺の限界がどこにあるか伺いたいと思います。

石見隆三消防庁長官

○政府委員(石見隆三君) いまお話にございましたように、救急隊員が現場あるいは救急車の中で行いますのは、医療行為にはわたってはならないわけでありますので、一応救急処置としてやれますものとして考えておりますのは、気道の確保、それから人工呼吸、胸骨の圧迫によります心臓のマッサージ、酸素吸入、外傷の場合には止血とか、それから骨折に対しまする副子を用いましての処置、あるいは体位、保温その他ということがやっております大体主な内容でございます。

後藤正夫自由民主党

○後藤正夫君 そうしますと、たとえば心臓が失うとまりかけているとか、心臓の鼓動が停止しているというような場合に、たとえば注射をするとか、それはたとえば緊急避難——言葉は適当であるかどうかわかりませんけれども、緊急避難的な措置としては救急隊員には許されていないのかどうか。その辺を伺いたいと思います。

石見隆三消防庁長官

○政府委員(石見隆三君) 他人に対して注射を行いますことはこれは明らかに医療行為になりますので、救急隊員としてはできないわけでありますが、一面、ある面から見ますれば、いわば緊急避難として違法性を阻却するのじゃないかという御議論もあることは事実でございます。しかし、これはどこまでが緊急避難がということになりますと非常にむずかしゅうございます。と同時に、本来救急隊員は注射とか切開手術などはやることになっておりませんので、それをやりましてもし事故にでもなりましたときには、これまた別な意味での大きな問題が生じます。したがいまして、一般的にはそのようなときにもやはり注射は私どもとしては非常にむずかしい問題ではないか。やはり一刻も早く運ぶというのが先ではないか。でき得ますれば心臓マッサージということはいたしますけれども、注射となりますとそこはやはりもう少し問題点が残っておるのじゃないだろうかというふうに考えておる次第でございます。

後藤正夫自由民主党

○後藤正夫君 確かにいまの点は限界がありまして、どこまでが限界であるか、限界を超えた処置をやりたくても後からそれが問題になるというようなことがあればやれないというところでむずかしい問題であると思います。  それで、消防庁としては、たとえば大規模の災害、たとえば先般のホテル・ニュージャパンのような場合、あるいは大阪の千日ビルのときのように、飛びおりて負傷者がたくさん出ているような場合とか、そういう場合に、全部の消防署に配備をするということはむずかしいとしましても、たとえばドクターカーのようなものでお医者さん、つまり医師法により医療のできる者を常時ある程度の員数を確保しておく、あるいはそういうドクターカーの出動を常に求め得るような体制をつくっておくというようなことについては、現在、お考えになっておりませんでしょうか。

石見隆三消防庁長官

○政府委員(石見隆三君) 救急車に医者を乗せるという、いわばドクターカーの考え方というのは、私ども長い間ずっといろいろと検討を重ねてきておるところでございます。  ただいま御指摘にございましたように、ドクターカーは救急題者の救命効果を高めるという意味では一般的には大変効果の大きいものでございますが、反面、消防機関がこれをいよいよ実施をするということになりますれば、これまたいろんな問題があるわけであります。一つは、二十四時間体制で医師をどう確保するのかという問題もございましょうし、と同時に、ドクターカーは何分にもカー自身が大変高額なものでございます。そういうことで、現在、全国でドクターカーをやっておりますのは、いわば試験運用ということを進めておりまして、今後これをどう進めていくかはもう少し様子を見て検討したいと思っております。  現在ドクターカーをやっておりますのは、茨城県の筑南地方広域行政事務組合消防本部でドクターカーを導入しておりまして運用しておりますが、やはりいろんな問題点を出してきておるわけであります。と同時に、なお五十七年度から宇都宮市と松本市でこのドクターカーの導入を計画をいたしております。こうなりますと、大体三市でドクターカーが動くことになりますので、今後この三市におきます消防機関での試験運用を続けていただきまして、その問題点の把握と解明をいたしまして、私ども今後のドクターカーの導入についてのあり方の検討を進めてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。

後藤正夫自由民主党

○後藤正夫君 消防庁あるいは消防署がドクターカーを持つということについては、予算の問題もいろいろあると思うんですけれども、ドクターカーを常備している救急病院等からのドクターカーの出動を求めるというようなことは現在はやっておられませんでしょうか。

石見隆三消防庁長官

○政府委員(石見隆三君) 救急業務は消防法令の規定によりまして消防機関の責務とされておりますので、私どもその中でいかに対応するかということを研究しておるわけでございますが、別途、先生のお話にございましたように、病院がいわばボランティアと申しますか、自発的に救急車を持ち、そして医者を乗せるということをなさることはこれは別の観点からできることであります。しかし、これに頼りますことは非常に危険なんでございまして、いざのときに本当に出てもらえるかどうか、これはやはり相手次第でございますので、やはり責任を持って対応するのは消防機関でなければ最後の締めくくりはできないだろうという意味で、私ども検討しておりますが、ただ、先生おっしゃいましたように、そういうドクターカーを持っております病院というのが——ドクターカーと申しますか、救急車、病院持ちの救急車に医者が乗って出てくれるというようなこともやっておられる向きもございますが、私たちはそれはそれとして十分利用さしていただくと申しますか、使わしていただくということは結構だと思っておりますが、それを消防機関の中に組み込んでくることにはやはり問題があろうかと思います。

後藤正夫自由民主党

○後藤正夫君 救急隊員の活動については、先般のホテル・ニュージャパンのときの活動についても、あるいは日航機の墜落事故のときの活動についてもテレビ等で私どもよく見ておりまして、その活動については私ども大変、隊員の諸君の労に対して敬意を表したいと思いますし、また、JALの墜落事故のときなどは、報道機関の非常に熱心な取材活動のために少し救急活動を妨げられているのじゃないかなというふうに、お気の毒に思ったことさえありますので、その点については大いに感謝をしているわけでありますけれども、救急隊員の今後の訓練に際して、現在も恐らくそういうことについては十分な訓練をされていると思いますけれども、事故が発生した、あるいはけがをした現場の状況の確認等については、どういうような指導、訓練をされているのか。それはその後の処置の問題にも非常に関連してくると思います。そういう点について伺いたいと思います。

石見隆三消防庁長官

○政府委員(石見隆三君) 救急隊員につきましては、各署に待機をいたしておりますが、前段申し上げましたように、東京消防庁の場合には、東京消防庁の情報センターから連絡が参りますと直ちに出動をいたします。その際に、たとえば一一九番で確認をいたしました場合には、その状況をできるだけ詳しく聞くということをいたして——交通の事故の場合が非常に多いのでございますが、あるいはまた病気等の場合も一部あるわけでございますけれども、その状況をできるだけ詳しく聞くということをいたしますと同時に、救急隊が現場に急行中でも必要な情報は無電で送るというふうな措置をとっております。と同時に、救急隊が現場に着きましてからは、現場に着く前からその無電で受けました患者、搬送を必要とする方の状況に応じまして車内ですでに準備を整えていくというような訓練も重ねておるところでございます。

後藤正夫自由民主党

○後藤正夫君 救急車を出動きして救急活動をする場合に、後から考えてみて、本来それは救急車に乗せるような患者ではなかった、そういうようなことも私はあると思うんです。たとえば精神障害者であるとか、あるいはアル中であるとか、麻薬中毒患者であるとか、そういうようなこともかなりあるのではないかと思いますけれども、実情はどうであるか、わかっている範囲内で伺いたいと思います。

石見隆三消防庁長官

○政府委員(石見隆三君) ただいま御指摘がございましたように、最近救急車の出動要請が大変多うございまして、全国で年間二百万回でございます。二百万回と申しますと、大体十六秒に一回ぐらいの出動要請が出ておるということでありまして、その都度救急車は飛び出していくということになっておりまして、しかもこの数値は年間大体五%ぐらいの伸び率で、ここ数年間、ちょっととどまるところを知らない状況であります。  中身について確認をいたしますと、二百万人を搬送いたしまして、その約半分がいわゆる医師の診断によります軽症というものであります。軽症ということになりますと、入院を要せずして帰れるという方でありまして、結果的に申せば救急車で来なくても、自転車でも歩いてでも来られる方がおられることも事実であります。  しかし、それは結果論でありまして、運んでみなければ救急隊員としてはわからぬわけでありますから、一一九番が来ればとにかく選ばざるを得ない。運んでみると食べ過ぎでありますとか飲み過ぎとか、かぜ引きみたいなのも中にはあることもこれは事実であります。しれ、運びますと、救急隊員は医師からはこんなものをどうして連れてきたと怒られるわけでありますが、しかし、運ばなくて事故になりますとこれはまた大きな問題でございます。救急隊員はその辺わかりながらと申しますか、大変苦しい立場でありながら二百万回の出動をいたしておるわけでありまして、各消防機関ではそのような、非常に言葉は悪うございますが、タクシーがわりにお使いになることは困りますということをいまPRし、お願いをいたしておりますが、なかなかこれが減りそうにございませんのが実態でございます。

後藤正夫自由民主党

○後藤正夫君 もう時間がありますせんので、最後にもう一つ伺いたいのは、いま長官のお言葉の中にも「タクシーがわり」というお言葉がありましたけれども、そのタクシーがわりで来たような患者でも無料で、タクシー料も取らないという現行の制度ですね。この制度については、たとえば大きなビル災害であるとかあるいは航空機による災害だとかいうような場合はこれは私は現状の方法でいいと思うんですけれども、そういう軽症者の場合、何らかの新しい制度を考えられる必要があるのではないか。そういう点について検討をしていただきたいと思うんですが、どうでしょうか。

石見隆三消防庁長官

○政府委員(石見隆三君) ただいま申し上げましたような救急業務の実態を踏まえまして、まあ一部にと申しますか、そういう状態の中では救急を有料化してはどうかという御意見もあることも事実でございます。  外国の例を見ましても有料というところが非常に多うございます。料金も、たとえば医者が乗ってくれば大体五万円ぐらい、それから医者が乗らずに来ても大体二万円ぐらい、ヘリコプターが来れば八万から九万円を取っておるというふうな状況がわりあいあるわけでございます。このような外国の制度等も踏まえまして日本でも取ったらどうかということはございますが、これはやはり私どもといたしましては、救急業務を有料にするかどうか、とりわけいまお話にございましたように軽症患者は有料にするかどうかという御意見等につきましても、これは、先ほども申し上げましたように、結果として軽症でありまして、行くときには軽症かどうか本人も意識もございませんし、と同時に、もしこれを有料にするとするなら、救急だけを有料なのか、あるいはまた、市町村あるいは府県の行っておりまずその他の各種サービス行政をどこまでを有料にし、どこまでが無料であるかということの中で検討をすべき問題であろう。まあ若干タクシーがわりに使われる方がおられるから直ちに有料という結論は私どもちょっととりにくいのでありまして、そういう中で諸外国の例あるいはまたその実態等々を見まして、今後の一つの研究課題であろうというふうに存じておるところでございます。

後藤正夫自由民主党

○後藤正夫君 では、いまの問題の検討を含めまして、ひとつ今後の救急体制というものについて、新しい世の中の進歩発達というものに対応できる体制の整備のために一層の御努力をお願いしまして質問を終わりたいと思います。

上條勝久自由民主党

○委員長(上條勝久君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。    午後零時三分休憩      —————・—————    午後一時五分開会

上條勝久自由民主党

○委員長(上條勝久君) ただいまから地方行政委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、地方行政の改革に関する調査を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。

山田譲日本社会党

○山田譲君 最初に消防庁にお伺いしたいんですが、あのホテル・ニュージャパンの火事以来一月半近くたっているわけでありますけれども、その間に消防庁としてどういうことをなさったか。そして、現状はどんなふうになっているかということについて、まず最初にお伺いしてみたいと思います。

石見隆三消防庁長官

○政府委員(石見隆三君) 去る二月八日に発生をいたしましたホテル・ニュージャパンの火災以後、私どもといたしましては、各消防機関に対しまして、このホテル・ニュージャパンの火災の結果を踏まえまして、一つは、表示制度に基づきます立入調査を速やかに完了するようにということを各消防機関に強く指導をいたしますとともに、いわゆる悪質な防火対象物に対しましては、ハードの面あるいはソフトの面を通じまして、ちゅうちょなく措置命令を発するという厳しい態度で臨むことを指導いたしておるわけであります。と同時に、このような措置命令に従わないという対象物に対しましては、公表あるいは告発というふうな措置もこの際思い切ってとれということを非常に強く指示をいたしておるわけであります。  なお、今回の火災の原因調査なりあるいは結果を踏まえまして、消防行政全体としてもいろんな問題点が提起されてまいってきております。これらの問題点につきましては、私ども、ただいま申し上げましたように、現行制度の中でできますものは速やかにこの際所定の手続をとること、そうしてまた、問題として残されております事項につきましては消防庁の中にいろいろ研究会を設けますとか、あるいはまた、各消防機関との協議会を設けますとかいたしまして、今後これらの残された問題点の解決につきまして早急な結論を得て、改めて各消防機関に適切なる指導をしてまいりたいというふうに存じておるわけであります。

山田譲日本社会党

○山田譲君 刑事上のいろいろな問題点につきましては、先ほどもお話がありましたとおり現在調査中のようでありますから、お聞きしても仕方がないと思いますが、消防庁独自の立場からいろいろ御調査をなさったと思うんですが、そういう結果、この一月半のうちにこういう点はやっぱり法律上の問題があったとか、あるいは法律はともかくとして実際こういう指導のやり方に問題があったとか、そういう点で、いわばあれだけの大火災があった後の反省点といいますか、そういうものは一体どんなことがあるか、お聞かせ願いたいと思います。

石見隆三消防庁長官

○政府委員(石見隆三君) 今回の火災のあのような大事件になりました一つの原因といたしましては、やはり消防用設備が不備であったという点は、これは隠すべくもない事実だと思うのであります。したがいまして、第一点といたしましては、私ども今後特定防火対象物に対しましては、この消防用設備の法に基づきます、設置基準に基づきます設置ということを消防機関で強く指導し、あるいは警告を発し、さらにはまた、ただいま申し上げましたように悪質なものに対しましては断固たる措置をとるということをこの際ためらいなくやれということが第一点だと思うわけであります。  第二点は、日ごろの旅館、ホテルにおきます防火管理体制、たとえば訓練でありますとか、あるいは消防用の各種設備の適正な維持、保守ということにつきましてのやはり不備があったという点が第二点だと思うわけであります。  三番目は、やはり発災当夜の初期消火あるいは避難誘導、さるには消防機関に対しまする連絡、通報というのがこれきわめてまた不十分であったという点があろうかと思うわけであります。  これらの問題を含めまして、今後消防機関におきましては、各旅館、ホテルに対しましてさらにきめの細かい指導あるいは警告、状況に応じましては告発も辞さないという厳しい態度での対応を指導をいたしておるところであります。  一方、消防機関におきましては、これまた二エージャパンの例を申し上げますれば、五十四年三月三十一日以降、法適用の期限の終了以降、三回にわたりまして指導、警告を発し、あるいはまた昨年は措置命令をかけるというところまでまいったわけでございますが、その間このような大きな事故が発生をいたしまして、結果的には消防機関として余りにもこの間の時間がかかり過ぎたではないかという御批判も強くあるわけであります。この点は前段の御答弁とも絡むわけでございますが、このような御批判は私ども消防といたしましても厳しく受けとめなけりゃならないというふうに存じておる次第でございます。

山田譲日本社会党

○山田譲君 それから、今度の火災で消防士の方が非常に健闘をされたということで、私は非常に高く評価をしたいわけでありますけれども、とりわけ、けがをなさった方がいらっしゃるようでありますけれども、その方々は現在どのようになっているかお伺いしたいと思います。

石見隆三消防庁長官

○政府委員(石見隆三君) 今回のホテル・ニュージャパンの火災、さらに続きましての日航機の墜落事故で、消防職員、とりわけ救助隊員、救急隊員が大変よく活動してくれましたことは、私ども大変感謝をいたしておるところであります。  去る二月八日のホテル・ニュージャパンの火災におきましては、職員が六百二十七名が出動いたしましたが、そのうち七名が負傷いたしております。その内容につきましては、東京消防庁からの報告でございますが、七名のうち六名が幸いにも軽い捻挫、打撲というようないわゆる軽傷でございまして、直ちに治療を受けました後、休業をいたすことなく正常な勤務に服しております。残りの一名でありますが、これは救助隊の隊長でありますが、あの火災の現場からかなりの人を救出いたしておりまして、その際この隊長一名が気道と両耳に中程度の熱傷を負ったわけでございまして、二日間入院加療の後退院をいたしまして、現在正常な勤務に服しておるところであります。

山田譲日本社会党

○山田譲君 では、けがをなさった七人の方も皆さん全部元気で現在勤務していらっしゃるわけですか。

石見隆三消防庁長官

○政府委員(石見隆三君) 七名はいずれも第一線に復帰いたしまして、現在勤務中でございます。

山田譲日本社会党

○山田譲君 それから、この前地行で私がちょっと御要望を申し上げたわけでありますけれども、昭和五十六年一月二十四日付の了解事項がありますね。消防、建設、厚生、運輸、警察、労働、文部と、こういう省庁で取り交わされた了解事項がありますけれども、どうもこの了解事項程度では弱いんじゃないか、この程度じゃ弱い、体制的にもっとこれを強化すべきじゃないかというふうなことをお願いしたわけでありますけれども、その後何かこの点について進展がありますか。

石見隆三消防庁長官

○政府委員(石見隆三君) 一昨年の川治プリンスホテルの火災以後、関係七省庁の連絡会議を持ちまして、旅館、ホテルの防災対策につきましてそれぞれ所管事項について意思の疎通を図り、協力してまいったわけでございますが、先生ただいま御指摘ございましたように、さらにこの内容を強化をすべきじゃないかという御指摘もちょうだいしたところであります。  その後私ども七省庁と十分御相談を申し上げまして、御指摘のように、この協議会の実効性を高めますためにその構成を強化をしたいということで、七省庁のほかに内閣審議室も加わっていただきたいということ。それから第二番目には、委員を局長クラスとしたいということ。それからその下に幹事会を設けたいということ。そしてこれによってさらに協議会の内容を充実したいということで、現在設置要綱を作成中でございまして、大体関係各省庁の、あるいは内閣審議室も新たに入っていただくということも含めて御了解をいただいておりますので、近く発足をさせたいというふうに考えておるところでございます。

山田譲日本社会党

○山田譲君 早速要望を入れていただけそうで、大変嬉しく思います。  そこで、ひとつこの際お願いしておきたいんですが、これ、旅館、ホテルだけでいいものかどうか。たとえば大ぜい集まっている百貨店であるとか映画館というふうなところ、こういうところも何かあった場合には非常にえらいことになるという感じがするわけであります。したがって、いまの了解事項に基づいてできる組織なり、そういうものの中に、こういった百貨店とか映画館というふうなものも対象にしてお考えになる気持ちはありませんかということをお聞きしておきたいと思うんです。

石見隆三消防庁長官

○政府委員(石見隆三君) 旅館、ホテル以外のいわばたくさんな不特定多数の方が出入りいたします防火対象物の安全対策につきまして、この協議会と同趣旨のものを設けてはどうか、あるいはこの協議会の中でそういうものを取り上げてはどうかという御指摘であったと存ずるのでございますが、この点につきましては、私ども今後とも関係省庁とも十分御相談を申し上げたいと存じております。これはもうすでに御案内のとおり、私どもだけでやるといいましてもひとりではどうにもなりませんので、関係省庁の御理解を得、御協力を得て入っていただかなきゃならぬと思っております。  私どもはそういう方向で今後関係省庁とも十分御相談を申し上げたいと存じておりますが、当面、いま御指摘ございましたように、デパートあるいはスーパーマーケット等につきましてもやはり旅館、ホテルと同じようにその防災ということは大変重要なことでございますので、協議会が、将来と申しますか、これから十分相談いたしますが、それまでの間におきましても各省庁間の連絡は十分密にして対応してまいらなけりゃならぬというふうに存じておるところでございます。

山田譲日本社会党

○山田譲君 それから建設省にお伺いしたいわけですけれども、建築基準法の問題で、たとえば大きなホテルができるというふうなときに、まず建築確認とか何かとるんでしょうけれども、その手続を最初からずっと終わった後まで、どのような手続きがあるか簡単にちょっと教えていただけませんか。

梅野捷一郎建設省住宅局建築物防災対策室長

○説明員(梅野捷一郎君) お答えいたします。  一応ホテルというようなものを例にしながら、ごく簡単に御説明したいと思います。  ホテルでございますと、いわゆる特殊建築物と私どもは言っておりますが、不特定多数の方々が利用するというような性格の建物でございます。ホテルの場合には百平方メートル以上のものについては私ども特殊建築物という扱いをして、それが建築等を行います場合には、いわゆる御案内のような建築確認申請ということをいたしまして、建築主事の計画内容についての法令に対する適合状況を確認を受けて。それから工事に着手をするということでございます。この際には消防長あるいは消防署長さんの方に同意を求める、確認の際には同意をいただくという手続も含まれております。  それから、実際に工事をやっていく場合には、もともとの計画そのものを立てるのもそうでございますが、建築士が設計をし、あるいは現場の進行については工事監理をする、そういう制限のもとで工事が進められることになっております。それから必要に応じまして、一般にはいわゆる中間検査と申しておりますが、行政庁側の検査、現場の検査というものが必要な場合にはやれることになっております。  それから工事が終わりますと完了届を出していただきまして、それに基づいて完了検査というものを主事等が行うことになっております。その検査の結果検査済み証というのを交付をいたしまして、その交付を経て使用していくというのが通常の建築物をつくり、使うまでの手続でございます。  その後は、いわゆる定期報告というような制度がございまして、これは建物は適法な状態に維持管理しなきゃいかぬという考え方でございますので、それに対して常時適法な状態にあるかどうかということを定期に検査をさせまして、それを報告させるということもできるような仕組みになっておるわけでございます。

山田譲日本社会党

○山田譲君 この前焼け跡に行って皆さんお気づきになったと思いますけれども、壁にいっぱい穴があちこちにあいている、そしてまた、窓際のところが三十センチ以上もずっと向こうまで全然ふさがっていなかった、そのために一つの部屋から火が出て、それからその穴を通って、あるいはこっちの端の方を通って、ちょうど煙突みたいになっていっちゃった、こういうことなんですけれども、たとえば穴があいているというふうなことはどこでだれがチェックするんですか。

梅野捷一郎建設省住宅局建築物防災対策室長

○説明員(梅野捷一郎君) 先ほど申し上げました手続の中で、最初の設計計画をするのは建築士が建て主の依頼に基づいて設計をするわけでございます。その際に各種の法令、あるいは一般的に言われております建築技術に適合するような計画をつくっていくという段階がございます。それから、いわゆる確認以降の問題では、法令に適合しているかどうかということについては建築主事が確認の際に見るといったてまえでございます。  ただいま御指摘いただきましたような点については、実際の確認申請の図書の中に非常に細かい細部のところまで出てくるか、あるいはチェックの目が行き届くのかということについては、必ずしも十分行き渡らないという点がございます。これらについては先ほどちょっと申し上げましたが、現場の仕事の進みぐあいについては建築士の工事監理ということによって一定の技術者が進行状況に合わせて監理をしていくというのが一番中心になっておるわけでございます。  それから、先ほども申し上げましたように、必要な場合には、いわゆる中間検査という、工事の過程での主事等のチェックというものもやるという制度にもなっておるわけでございます。

山田譲日本社会党

○山田譲君 いまのことですから、周りにきれいな細かなんか張ってしまうと、そんなところに穴ぼこがあいているかどうか全然わからないわけですね。そうしますと、建築基準法に定められたとおりの施工がなされているかどうかということについて確認が非常にむずかしいと思うけれども、何かその辺はかなり形式的にやられているんじゃないか。もちろん破壊検査なんかできないとは思いますけれどもね。そうすると、いまのお話でいくと、そういう場合の第一の責任者としては監理に当たった建築士ということになりますか。

梅野捷一郎建設省住宅局建築物防災対策室長

○説明員(梅野捷一郎君) 建物の工事の過程で欠陥あるいは不備な点が出てくることについてのチェックでございますけれども、先ほど来申し上げておりますようなことで、確認あるいは完了検査というようなことをやっておりますので、必ずしも役所の側に責任がないということは言い切れないわけでございますけれども、実態上のことで申し上げますと、一番目の行き届かなければいけないのは制度上も建築士の工事監理、これが、常に工事の進行とともに技術者がチェックをしていくという行為が前提としてあるわけでございますので、その点は実態上の問題としては非常に建築士の工事監理というのは重要であるというふうに考えております。

山田譲日本社会党

○山田譲君 なお、何回も言うようですけれども、とにかくあんな、われわれ素人が見てもこんなところにこんなでかい穴があいているなんということ、焼けてみなきゃわからなかったわけですけれども、それが意外に火事をあれだけの大事故にするための要因になった。ですから、あるいはきちっと部屋が孤立されていれば、そう火もあちこち歩かなかったろうという感じがしてならないわけです。  それと同時にもう一つ、先ほどお話ししましたように、窓際が三十センチ以上もずっとあいているというふうな、あれは一体どういうことなんですかね。建築基準法上ああいうのはかなっていることと言えるかどうか。

梅野捷一郎建設省住宅局建築物防災対策室長

○説明員(梅野捷一郎君) 御案内のように、ホテル・ニュージャパンにつきましては、三十三年から三十九年にかけまして数次の増築等を行いながらつくられて現在に至りました建物でございます。現時点の基準法の規定ということからいいますと、いま御指摘のような点については、たとえば内装制限がかかってくるとか、いろいろなことで、あれぐらいのホテルの場合にあれだけ木製の仕上げ材が使われているというようなことは、現行の規定ではできないわけでございます。あの建物につきましては、その点についてはいわゆる既存不適格というような事態になっているわけでございます。  壁に対する穴等につきましては、今回のたとえばパイプシャフトに該当する部分の穴というような面については、明らかに先生も御指摘のように建築基準法違反ということで、焼失してしまった結果においてわれわれも発見をしたというような状況でございます。

山田譲日本社会党

○山田譲君 焼けてからでは遅いわけでして、事前に当然ああいうところは見つけられなきゃおかしいと思いますけれども、しからば、後になって明らかに建築基準法上違反であったというのが見つかった場合にはどう責任をとらせるわけですか。

梅野捷一郎建設省住宅局建築物防災対策室長

○説明員(梅野捷一郎君) 第一義的には、その基準法上の違反というものが後から発見された場合には、その点を極力まず直すというところから、実態を直すということが必要かと考えております。それから、そのような欠陥を生じた責任といいますか、原因になったものがどこにあるかということがもう一方では追及され、しかるべき責任者が明確になった場合にはそれぞれに対する責任の追及という、二つの観点から進められると考えております。

山田譲日本社会党

○山田譲君 もう火事から一月半たっておるわけですけれども、当然あなた方もそれを御存じだと思う。穴があいているとか、こっちの壁側がずうっと抜けているとかという話は当然お気づきになったと思いますけれども、それに基づいてそういった意味での何かの措置をとられたかどうか。

梅野捷一郎建設省住宅局建築物防災対策室長

○説明員(梅野捷一郎君) ホテル・ニュージャパンにつきましては、二月十七日と三月一日に、東京都、これが直接やっております特定行政庁でございますが、二回にわたりまして現地を調査をいたしまして、翌三月二日に使用禁止の仮命令あるいは是正に対する通知をいたしております。その後、三月十日に正式の是正命令あるいは二階以上の使用禁止の命令を出しておるところでございます。

山田譲日本社会党

○山田譲君 いや、そういう欠陥の建築物をつくって、その責任はだれがとるかということなんです。

梅野捷一郎建設省住宅局建築物防災対策室長

○説明員(梅野捷一郎君) 違反事項を持っておりますあの建物の第一の責任は、建て生あるいは現在そういう状態で使用をいたしておりました現在の所有者というのが第一義的な責任者でございます。

山田譲日本社会党

○山田譲君 その責任者に対してはそれを指摘しているわけですか。

梅野捷一郎建設省住宅局建築物防災対策室長

○説明員(梅野捷一郎君) 先ほど申し上げました命令については、違反事項を是正しろということを内容として命令を出しておるわけでございます。

山田譲日本社会党

○山田譲君 この問題はこれ以上申し上げませんけれども、いずれにしても、ああいう、われわれ素人から見ても明らかにもうおかしいと思われるような欠陥建築をしているわけでありまして、私としては、やはりもう少し厳しく、あれを施工した人、あるいはそれを監理した建築士というんですか、そういう人たちに対してもっと厳しく追及することが必要じゃないかというふうに思います。まあしかし、これはこれ以上言いませんが。  先ほども佐藤委員の方からお話しありましたとおり、前にそちらで法律を考えて、過去にさかのぼるというふうな形のものを考えられたところが、いろいろな事情でもってそれが実現できなかったという話がありました。私はやはり、この際もう一遍そのことを考え直す必要があるんじゃないかという感じがしてなりません。そしてそれが建築物防災対策要綱というふうなこの要綱になって、これで指導していけばできるんだというふうなお話のようでありましたけれども、先ほどのお話のように、たとえばの話ですが、三年なり五年たって、その間に改修しなかったとしたらどうしますか。

梅野捷一郎建設省住宅局建築物防災対策室長

○説明員(梅野捷一郎君) 現在、防災対策要綱に基づいて指導をいたしておるわけでございまして、三年間で終わるべきものについてはことしのこの三月で終わります。それから、問題のホテルを含んでおります病院、旅館、ホテル等につきましては五年間という期限で指導をしているところでございます。  これらについては、現在、いずれにしても直さなくてはいけないという実態を実現するために努力しているわけでございますが、仮にそういう期限を超えてもなおできないというような事態が生じた場合には、それらの状況に合わせまして、たとえば建築基準法の十条というところに、保安上危険な建物に対する命令措置というものがございます。そういう強い手段も考えながらあくまで改修をさしていきたいというふうに考えております。

山田譲日本社会党

○山田譲君 それは、行政指導でやれるところはやってもいいと思いますけれども、ぜひそういう強い姿勢でやっていただきたいというふうに思うのです。たまたまこういう大事故があったことでもありますから、二年三年のうちに、その間に事故があったのでは困るわけですから、できればこの際それを早めるぐらいの気持ちで強力な指導をやっていただきたいというふうに思います。  それから、国際観光ホテル整備法の関係でありますけれども、先ほどのお話によると、これは二十四年にできたものでそれ以降、登録の基準ですか、細かい設置基準がありますが、これは全然直されていないというふうな話であります。そうしますと、その後建築基準法なりあるいは消防法が変わっているのにもかかわらず、二十四年の当時の基準をずっとそのままにしてそれで登録をしてしまう。そうすると、明らかに消防法、建築基準法に違反していても、登録を申請すれば特別な欠格条項がない限りは登録になると、こういう体制ですか。

高橋克彦運輸大臣官房観光部整備課長

○説明員(高橋克彦君) まず、たとえば昭和二十四年に登録されたホテルがあるといたします。これにつきましては、消防法令は改正された時点で遡及されますので直っていなければならないということになります。それから、建築基準法は遡及適用されない部分があるわけでございます。そういたしますと、遡及適用されない部分については当然適法でございますのでそのままで登録がなされているということでございます。

山田譲日本社会党

○山田譲君 そうしますと、先ほどの佐藤委員の話のように、政府登録のホテルでありながら建築基準法上かなっていないというふうな事態になるわけですから、今後ぜひともこれを現状に合うように修正することをひとつお考えいただきたいというふうに思います。  それから、最後になりましたが、もう時間ありませんが、この前少しお話ししました例の従業員に対する基準法違反あるいは労組法違反といいますか、不当労働行為事件というふうなものはその後どうなっておりますか。  もう一つ、現在いる労働者に対する賃金債権といいますか、そういうものの確保については労働省はどの程度やっておられるか。お聞かせいただきたいと思います。

岡部晃三労働省労働基準局監督課長

○説明員(岡部晃三君) 前回の当委員会におきまして、一件の賃金不払い事案につきまして二月五日付をもちまして検察庁に送検をいたしたことは御報告済みでございます。  その後判明しました事項といたしまして、二件の退職金の不払い事案及びパートタイマーにつきましての休業手当の不払い、それから高田配膳会関係のアルバイト賃金の不払い等々の事案が判明をいたしましたので、これにつきまして三月九日付をもちまして是正勧告を行ったところでございます。その結果といたしまして高田配膳会関係のアルバイト賃金につきましては三月十五日に是正が行われたところでございます。  それから、二件の退職金の関係、それからパートタイマーの休業手当の問題につきましては、三月三十一日までに是正をさせることにいたしておりますので、これの是正方につきましてさらに監視を続けてまいりたいというふうに考えております。

齋藤邦彦労働省労政局労働法規課長

○説明員(齋藤邦彦君) ホテル・ニュージャパンに関しまして不当労働行為事件としまして中央労働委員会に一件、東京地方労働委員会に五件がそれぞれ係属をしております。  このうち、中央労働委員会に係属中の事件につきましては、三月の十日に中央労働委員会の担当の公益委員、それから労使委員三人の名前で和解の勧告がなされております。  すなわち、火災というような緊急事態が発生したので早急に正常な労使関係を樹立することが会社側、組合側にとって緊急の必要事である、したがって、会社側は解雇をしました組合役員七人は早急に復職をさせ、バックペイその他の復職の条件については会社と組合が協議しろ。それからもう一点、組合側は緊急事態の解決のために会社側に全面的に協力をしなさい。こういうような趣旨の勧告を三月十日にいたしております。それで、まだ労使からはこれについての回答は来ていないという状況でございます。  それから、地方労働委員会に五件係属しておりますが、これは現在調査中というふうに聞いております。

山田譲日本社会党

○山田譲君 終わります。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 それでは、初めに運輸省に関連する部分からお伺いをしてまいります。  先ほど、午前中からの質疑でもやりとりがあったんですが、三月十六日に東京消防庁が二十一社を発表いたしました。その中で台東区のきぬやホテルですか、これは国際観光ホテルの指定を受けておりますね。どうですか。

高橋克彦運輸大臣官房観光部整備課長

○説明員(高橋克彦君) ただいま御指摘のきぬやホテルは、国際観光ホテル整備法に基づきまして運輸大臣の登録を受けておるホテルでございます。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 このきぬやホテルの指定はいつなさったんですか。

高橋克彦運輸大臣官房観光部整備課長

○説明員(高橋克彦君) 運輸大臣の登録は昭和四十八年九月二十六日付で行っております。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 消防庁に伺いますが、東京消防庁で三月十六日に二十一社を発表いたしましたが、このきぬやホテルの欠陥については具体的にはどういう条件だったんですか。

石見隆三消防庁長官

○政府委員(石見隆三君) きぬやホテルにつきましては、消防用設備といたしましては屋内消火栓が不備であるということ。それから二番目は、自動火災警報装置が不備だということ。これは、不備と申しますのは、範囲といたしまして未警戒の地域であるという意味か、あるいはまた内容的に不備なのか、ちょっとそこは不明確でございますが、いずれにしても屋内消火栓と自動火災警報装置の不備が認められたということであります。それから、防火管理といたしましては、内部のじゅうたんとかカーテンとかいわゆる防炎をやらなければならないところの防炎がなされていないということ。それから、ホテル側におきます自主点検が励行されてい古いというのが主な内容であります。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 そこで、公表については、これらの不備はわかりましたが、やはり改善警告についても応ずる意思がないということもあるんですか。

石見隆三消防庁長官

○政府委員(石見隆三君) 今回東京消防庁が旅館、ホテル名を発表いたしました基準といたしまして、その中の一つに、違反是正について、防火区画とかあるいは屋内消火栓の改修にかなり時間がかかる、その他違反是正が早急に行われないと見込まれるもの、それからまた、警告あるいは命令等違反の処理基準に該当するものであることという基準を設けておりますので、これらに該当したものと理解しております。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 そこで、先ほどから論議になっておるのですが、この国際観光ホテルに指定ということになりますと、やはり海外の観光客等はかなりそれを安全度のよりどころみたいな感覚で受け取っていると思うわけで、しかも、いま消防庁の方の現場の検査、その他、それから改善命令に対する対応の仕方についても、これはかなり質の悪い方の印象を私は受けるわけです。この辺のそのすり合わせというか、両庁の監督の基準みたいなものがいつも違ったままで放置されているのではまずいというのがさっきから論議があるんですよ。これに対する対応は何か考える必要があると思うんですが、どう考えているんですかね。これはどこが答えるんだろうか、まとめてもらうかなにかしなければしょうがないと思うんだが。

石見隆三消防庁長官

○政府委員(石見隆三君) 東京消防庁といたしまして今回旅館、ホテル名を公表いたしましたのは、先生御案内のとおり、ニュージャパンの火災以後、二月の九日から二月の二十三日までに一斉査察を行いまして、いわば不備事項としてもかなり大きいということと、同時に、改善見込みがないということ、それからもう一点は、改善の計画書も出てきていないということで踏み切ったものでありまして、悪質と言えますかどうかわかりませんが、東京消防庁といたしましては、旅館業としてこれ以上続けさせるには防災上自信が持てないという判断に立ったものだというふうに理解をしております。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 そうしますと、消防庁側の判断がそういう深刻な心配をなさっているという中身から考えて、きぬやホテルについては——これ、具体的な名前を挙げてホテルの扱いをとやかくするのはいかがかと私は思いますけれども、このきぬやホテルの国際観光ホテルの認定をした条件は、四十八年九月二十八日の時点で指定をしたのですが、いまでもこの指定を解除するとか取り消すという条件は全く見当たらないということになるのか。その辺の判断はどうなりますか。

高橋克彦運輸大臣官房観光部整備課長

○説明員(高橋克彦君) ただいま消防庁長官の方から、きぬやホテルの公表した事情につきまして御説明がございましたが、私ども、新聞できぬやホテルが公表された事実を承知いたしまして、翌日直ちに立入検査をいたしました。そして、登録ホテル業者としてどういう対応をしたのかという調査をその際にいたしますと同時に、事業者の代表者を運輸省に呼びまして事情を聴取しております。  ホテル事業者の供述、事情聴取に対する答えは、東京消防庁の方から二月の末に警告書が出される前に、一部すでに事業者に対して発注をして改善の措置を取り始めていたところである。ただしこれが消防署の方にきちんと伝わっていなかったというふうな弁解をしておりました。現実の姿といたしましては、本日午前、再度事業者を呼びまして事情聴取をいたしております。それによりますと、今月末までにすべて指摘された事項については改善をいたします、すでに一部改善したところもあるというふうな報告も受けております。したがいまして、現在のところ、これに対しまして登録の取り消しというふうなことは現時点では考えていないところであります。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 それでは、公表したことの効果が出て、きぬやホテルの方も対応する動きを示したようだからそれはそれでいいとしまして、もう一つお伺いしておきたいのは、先般の地行の委員会で私もお伺いしたのですが、このホテル・ニュージャパンの場合は、保険金が一億五千万程度で大変低かったということが問題になっておりまして、実は国際観光ホテルの場合、別に法の規定はございませんが、この業界の組合と民間の保険会社との契約によって何か仕組みができているようでございますが、これは法に規定がないものですから、最低限で入っていれば国際観光ホテル業界に入れるというような規約になっているそうですけれども、これはやはり、宿泊客の定員数に応じて何%までは必ず掛けてもらいたいというような行政指導なり規定はできないものなんですか、どうなんですか。

高橋克彦運輸大臣官房観光部整備課長

○説明員(高橋克彦君) 今回のホテル・ニュージャパンの事故にかんがみまして、私ども反省することの一つといたしまして、いま先生の御指摘のございました、あれだけの大きなホテルであって損害賠償の保険には一億五千八百万しか入っていなかったというのが一つの反省点としてございます。それで、社会的に非常に、あのホテルの損害賠償に対する能力に疑問を持たれている、それについては私どもも反省しなければいけないというふうに考えております。  そういうことで、今後登録ホテル、旅館において大規模な火災等の事故が発生いたしましたときに、当該ホテル、旅館の利用者の損害賠償に応ずることが十分できるように、登録ホテル、旅館に対しまして損害賠償の付保の義務づけ等について検討をしてまいりたいというふうに考えております。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 ぜひ前向きで検討をしていただきたいと思います。  それからもう一点、これは所管の官庁がどこになるか微妙な問題だと思うんですが、ホテル・ニュージャパンの場合も夜間の従業員が非常に員数が少なかったということがやっぱり問題になっておりますね。これは労働条件なんかでもいろいろいま問題が起こっていることは先ほど明らかになっておりますが、この宿泊客の定員数に対する警備の問題ですが、これは人件費の問題もあるのでなかなかむずかしいと思うのですね、営業者側の立場を考えた場合には。しかし、避難誘導その他防火対策の上での必要人員みたいなものは宿泊客の定員数に対して対応するみたいなめどなり水準みたいなものはどこかでつくってもらえないんですか、どうですか。

石見隆三消防庁長官

○政府委員(石見隆三君) 確かに旅館、ホテルの、とりわけ夜間の従業員の数の何らか目安のようなものが必要ではないかという御指摘は、私ども非常に強く感ずるわけであります。ただ、先生御案内のとおり、旅館、ホテルと申しましても態様は千差万別でございまして、なかなかこの基準というのはつくりにくい問題であろうと思っております。しかし、そうは申しましても、旅館、ホテルの防火安全を確保いたしますためには、やはり適切な防火管理というものがこれはぜひ必要なことであります。とりわけ旅館、ホテルは不特定多数の方が夜寝られる場所でございますので、夜間の防火管理というのは大変大きな問題だろうと思っております。  そこで、私どもといたしましては、現在防火管理体制研究委員会というものを設けまして、夜間におきます防火管理のあり方、それから防火管理をたとえば委託をいたします場合の条件、さらには無人化対策というようないわば旅館、ホテル等におきますこのようなところの防火管理体制のあり方はどうあるべきかということを検討いたしておるわけでありまして、その中でこの問題も取り上げてひとつ専門家の手によって研究していただきたいということでお願いをしておるわけであります。  私ども、事が事でございますので、できるだけ早く結論をいただきますようにお願いをしておりますが、と同時に、もし仮にこういう何らかの基準ができましても、これはなかなか消防だけで対応というのも一つ問題がございます。旅館、ホテル等にかかわって行政をなさっておられますそれぞれの関係省庁とも御相談あるいは御協力を願わなければ、結論が出ましても実現がむずかしい問題がございますが、いずれにいたしましても、私どもは一応そういうことで全体を含めての防火管理体制がどうあるべきかという研究会の中での検討を進めておるところでございます。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 私の質問では運輸省さんこれまでで結構です。どうもありがとうございました。  そこで、この間、三月十六日に東京消防庁が「適」マークを交付されていない三百四十一件の対象ホテルのうち二十一件発表をなさいまして、これは大変勇気の要る決断だったと私は思って評価をしているわけです。ところが、せっかくの勇気ある決断なんですが、対象となった二十一社について、いろいろ法律上の問題もあるものですから、ほかにまだ危険なのが九四%残っている中で二十一社だけ公表されたということについては大変不満なり批判というものを持っているんじゃないかと思うんですが、具体的に東京消防庁あたりに文句は寄せられていないんですか。状況はどうでしょうか。

石見隆三消防庁長官

○政府委員(石見隆三君) 今回東京消防庁が、独自の基準を設けまして二十一の旅館、ホテルを公表したわけでございます。これは確かに先生おっしゃいますように、東京消防庁といたしましては相当な決心、決断をしたものと私ども受けとめております。この点につきましては、現在、とりわけ発表されました旅館、ホテルの関係者の一部から営業妨害ではないかというような非難と申しますか抗議と申しますか、そういうような申し入れを東京消防庁は受けておるというふうに聞いております。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 それは、非難とか不満だけで、訴訟になるとかそういうような心配な問題はないのですか。

石見隆三消防庁長官

○政府委員(石見隆三君) 現時点で訴訟が起こされるというような状況にあるとはまだ伺っておりません。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 そこで、せっかくの勇断で公表したんですが、実は、欠陥ホテルというか、「適」マークを交付されなかった三百四十一社ですか、このうち二十一社がやられた。このうち廃業が少しあるそうで、残った九四%のホテルについては、法改正以前の建物で目下改修計面があるというような条件、これで公表を免れたものもあるのでしょう。そういうのと比較すると、こうした公表された連中から文句が出るわけですわ。  ですから問題は、消防法の方は、昭和四十九年の消防法改正、あのときに決まって出発をしたわけですわな、スプリンクラーの設置等は。遡及条項もくっついたままで。問題は、先ほどから論議になっておりますけれども、建築基準法の方は二年間継続審議で、五十二年のあれは七十何国会か何かでようやく採択をされたわけですが、そのときに遡及条項についてはいろいろ経済的な条件があって——あの当時の新聞をひっくり返してみると、生命か金か、防災か営業がというようなことで大変評判の悪い報道がたくさん出ているのですよ。問題を指摘する前に、あのとぎに遡及条項を衆議院において外してしまった。参議院へ来てから参議院の建設委員会で私どもの党から、あの当時は日陰条例の絡みもあったりしたのでほかの党からは御賛成願えなかったと思うのだけれども、修正案を出したけれどもこれは否決をされて、全会一致の附帯意見か何かついてあれは採択されているんです。  この遡及条項を外した経緯と根拠について概要でよろしいですからここでもう一回念のため御説明をしていただきたいと思います。

梅野捷一郎建設省住宅局建築物防災対策室長

○説明員(梅野捷一郎君) お答えいたします。  ただいまの、ホテル等の既存建築物に対する遡及適用でございますが、四十九年の三月に、それ以前にございました大洋デパート等のビルの事故の後の検討を受けまして、四十九年の三月に遡及適用条項を盛り込んだ改正案を御提案したわけでございます。その後、七十三国会から七十六国会にかけまして継続審議ということで、繰り返し慎重な御審議をいただいたわけでございまして、五十一年五月に——当時の改正案には二つの柱がございまして、一つはただいま申し上げました遡及適用条項でございます。もう一つは日照関係の日陰規制の関係の問題でございますが、その遡及適用条項を五十一年の五月に削除いたしまして、残りの日照関係の改正の部分だけが可決成立されたという経緯でございます。  その間のいろいろな御審議の過程で大変議論になりましたのは、一つは技術的な問題と、それから資金的な問題、いわば技術上の問題と経済上の問題の二つの観点から繰り返し御議論があったわけでございます。  技術的な問題につきましては、当然のことではございますけれども、既存の建物であってそれぞれもうすでにでき上がっておるという条件を抱えた建物でございますので、それに対して、その当時提案いたしました、新規のものに当てはめておる基準がうまく当てはまるのかどうかという内容の御議論でございます。それと、いわばうらはらでございますけれども、そういう新規の建物に適用すべき基準を直ちに機械的に適用した場合には経済的な問題がどうなるか、こういう点が非常に議論になったわけでございます。そこで一たん削除されたわけでございますが、その後五十二年から五十三年にかけまして、改めてその問題だけを取り出した法改正があり得るのかどうかというような検討を進めたわけでございます。  その結果といいますか、その途中で、それでは具体的に対象になる建物について、いまの技術的あるいは資金的な問題がどうなるのかということを現実に個々に当たってみようという検討がされたわけでございます。それが特に五十二年の時点の検討でございます。  そういう検討をいたしまして、対象が、当時二千二百六十棟程度がその対象になったわけでございますが、一棟一棟具体的に改修のやり方等についての検証を進めたということでございます。その結果、従来から指摘されておりましたような個別の条件というような問題をいわば重視をいたしまして、最終的には五十四年の三月に現在のような指導要綱で改修を指導してまいるという方法に決めたという経緯でございます。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 何か大きな事件が起こると、そのときには世論も盛り上がるし国会も役所の方も前向きで何とか今後のそういう犠牲は根絶しようという勢いでやるのですけれども、時間がたつうちにだんだんほとぼりがさめるというか姿勢がおかしくなるので、そのころ、四十九年の提案以来ずっと考えてみますと、やはり経済的な条件や全部めんどうみたらえらいことになるというようなこともあったろうと思うのですが、理想的な姿で防災設備その他を全部準備するのじゃなくて、ひとつ消防法の方が、見切り発車じゃないが、建築基準法に先立って遡及条項をくっつけて、せめてスプリンクラーのことでもと始まった。建築基準法の方でも、段階的に向こう十カ年計画ぐらいで三年に一項目か二項目ぐらいずつ遡及条項を追加してやっていくぐらいの段取りはしておいてもらった方がよかったのじゃないかという点では、私は、せっかく建設省で提案したものを外した国会側も、今回謙虚に反省していい問題ではなかろうかと、こう思っているわけです。  その辺の論議はひとまずおくといたしまして、現在の監督指導に当たって、消防法による「適」マークが交付されていないところの、特に悪質なもの二十一社を発表したというようなことでいま運営しているわけですが、建築基準法の方は法を改めないで行政指導の要綱でやっておられますが、この二つのよりどころ、法的な根拠あるいは指導要綱によって、いまの危険ホテルなどのいろいろな判断をしておりますね、防災上安全かどうかという。この辺の執行についての不都合はないんですね。

石見隆三消防庁長官

○政府委員(石見隆三君) 私ども消防機関の方から申し上げますれば、たとえば今回東京都で発表いたしました二十一件の一番根っこになりました、いわば東京消防庁管内で「適」マークの交付の際の対象になりまする旅館、ホテルは九百六十一件であります。そのうち現時点までに改修が終わり、あるいはまた、この際もう改修ができないということで営業を廃止をするというようなものを除きまして、要するにまだ不適で、「適」マークがもらえずに残っております旅館、ホテルは三百十九件でございます。  これにつきましては、御案内のとおり「適」マークをもらいますためには、消防法令に基づきます消防用設備が整っておること。それから建築構造に消防防災上不適格な部分がないかどうか。    〔委員長退席、理事亀長友義君着席〕 それから三番目は、日ごろの防火防災訓練が十分行われているかどうかというこの三点でやってきておるわけでありますけれども、この残りました三百十九件の中で、建築構造が不適合で消防機関としては「適」マークが出せないというのが二百八十八件ございます。これにつきましては、東京消防庁といたしましては二百八十八件すべてについて現時点までに建築行政庁の方へそれぞれこのホテルのこの部分がまずいということを通知を発しております。  それから、消防法令違反がソフト面、ハード面入れまして百九十九でございます。この二つの数字の合算額がいませんのは、ダブっておりますので合いませんが、このような状態になっております。このような状態はこれは全国消防機関大体平均的にこのようなことであろうと私ども理解をいたしておるわけでありまして、消防機関といたしましては、先ほど建設省からも御説明がございましたように、現行建築基準法上は法律違反ではない、しかし既存不適格になっておるというようなきわめて扱いにくいものを扱っておるわけでありまして、消防機関は、やはり防災防火の観点上それも含めて「適」マークの対象にし、かつそれが整わなければ「適」マークを出さないという態度をとっておりますと同時に、いま申しましたように、それぞれ関係行政庁の方に不適部分を通知申し上げまして、一刻も早くこのようなことが解消され、「適」マークが交付ができるようにということで鋭意努力をしておるわけでございます。これは消防庁関係の実態でございます。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 そこで私が心配するのは、こういうホテル・ニュージャパンのような悲惨な事故が起こった、貴重な生命が失われだということで東京消防庁は勇気ある決断をして公表した。これに対する世論の批判はない。むしろ味方をするというか高く評価をする面が多いと思うんですよ。ただ、これが先へ行ってしばらく何にもない、いわゆる平時と言っていいかな、そういうときにどこかが公表したら、これはそこの発表したどこかの消防機関が袋たたきに遭う危険性だってあるわけですよ。  ですから、そういう点で考えると、この勇気ある東京消防庁のこうした決断が今後生かされるようにしてもらうことが最も望ましいんですけれども、いま長官から御答弁のあったように、違法ではないが安全ではないという建物ね、これが大ぜいの人が寝泊まりをするホテルで現在残っていること自体が問題なんで、先ほど要綱によると三年物と五年物、いわゆる五年物の方にホテルと旅館が入っていますわな。指導でこれが五年物のあれは五十九年三月末ですか、それまでにやらせるのを早めると言っていますね。その指導は強力におやりになって間に合わせるという約束ができるので言っているんですか、どうなんですか、それは。

梅野捷一郎建設省住宅局建築物防災対策室長

○説明員(梅野捷一郎君) ただいま御指摘の防災対策要綱によりますホテルの改修指導でございますが、これにつきましては、五年間、五十八年度いっぱい、つまり五十九年の三月末までに改修をすべしということで二百六十五棟のホテル、旅館について改修を指導しているところでございます。現在ほぼ三年が終わったわけでございますが、なお改修が完了していないものがかなり残っております。これにつきましては、先ほども申し上げたかと思いますが、ホテル・ニュージャパンの火災の後の点検等におきまして、さらにこういう事故にかんがみて一刻も早く、その期限といろことにこだわることなく一刻も早く改修をするようにさらに指導をしろということで、これらの対象物に対する個別の指導に当たらしているといろのが実情でございます。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 そこで、先ほどからやっぱり論議になっておったように、指導要綱でやっているんではいろいろな不十分な、心配な面があるから法改正をしなさいという御意見がたびたび出たわけ。ところが、指導をする建設省の方の立場でいうと、指導要綱でいまいろいろな条件を決めて押し込んでやっているところだから、五十九年三月じゃなくて五十八年の十二にでもやっちゃおうという御答弁があったんで、結構なことなんです。まあ指導要綱でやっているうちは法改正は恐らく立場上できないということでもあろうかと思う五ですよ。けれども、近い将来、消防法のいろいろな規制条件と建築基準法のいろいろな条件がほぼ足並みがそろうような状況にすべきことはいまから検討して考えておく必要はあるのではないか。  それから、もう一つ関連すると、運輸省さん帰ってもらっちゃったけれども、二十四年に決めた整備法の国際観光ホテルに対するいろいろな条件が、遵守事項を三項目か四項目決めでありますが、これなんかもすり合わせをちゃんとやって、各法令等が全部ぴしっとそろっていて、防災対策に万全が期せられる仕組みにしておくこと、これはいまから配慮しておく必要があるだろうと思うんで、建設大臣いないからなかなか答弁むずかしいと思うけれども、これはやっぱり七省庁なりなんかで集まったときには考えておいてもらいたい課題だと思いますけれども、どうですか。

梅野捷一郎建設省住宅局建築物防災対策室長

○説明員(梅野捷一郎君) お答えいたします。  ただいまの遡及適用の問題でございますが、現在実施しております防災対策要綱に基づきます指導については、先ほど来申し上げておりますような経緯を経て現在の指導をやっておりますので、あくまでこの指導要綱に基づく指導はやり遂げるといいましょうか、そういうことに専念をいたしたいわけでございます。  なお、先ほどの「適」マークの関係では、基準法関係の建物の構造関係のものも評価の基準の中に加えられておるわけでございまして、その際にも私どもにも御連絡、御協議がございまして、既存不適格部分といいますか、そういうものも含めまして実態上の防災上の不備事項がある場合には「適」マークを交付しないということについて、私どもも当然、基準法上の違法ではないけれども、そのことが評価されるということはあり得べしということで、御連絡をとりながらやっておるのが現状でございます。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 そこで、東京消防庁では決断をして二十一発表したわけですが、特に大都市を抱えていて、大きなホテルなどが多い地方公共団体の消防機関ですね、これらは、全国ではこのような公表の方向でいま御検討なんですか。方針はいかがなさいますか。

石見隆三消防庁長官

○政府委員(石見隆三君) 今回東京消防庁が、防災上、法令的にも、あるいは事実上も大きな問題があるという旅館、ホテルを公表いたしましたのは、これは、先ほどから御答弁申し上げておりますように、今回のホテル・ニュージャパンの火災を契機にいたしまして東京消防庁が一斉査察を行いました結果、やはり独自の判断に基づいて基準を設け、実施をしたところでございます。  それで、全国でこれをやるかどうかということにつきましては、私ども、とりわけ政令市十市を見ました場合、直ちに東京消防庁と同じような措置を今回とるという決断と申しますか、決定をした市はまだ聞いてはおりません。しかし、私どもは、それぞれの市の実態に応じまして、東京消防庁と同じような措置をとられるということは、それぞれの実態に即して、私は、おやりになっても当然構わないと申しますか、何ら支障のないことだと思っております。  ただ、私どもといたしましては、全体的な問題といたしましては、御案内のとおり、昨年五月から全国的に表示、公表制度を発足をさせておりまして、いま各消防機関を督励して何とかしてこの月末までには全国これをやりたいということで進めておるさなかでございます。この結果も待ちまして、私どもやはり、いまやっております表示、公表制度に何らかの問題点があるということでございますれば、十分各消防機関とも御相談をいたしまして、これの手直しをいたすということはあり得ようかと存じますが、東京消防庁の制度を全国的に直ちに普及させるということは現時点では考えておらないところでございます。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 大変慎重な御答弁なんですけれども、それだけむずかしい問題があるということなんでしょうが、念のため伺いますが、昭和四十七年に悪質なものについては公表するような制度を一回決めて準備をなさったんですが、途中でこれは中止というかさたやみのかっこうになっていますね。これは四十九年の法改正が出たりの、それらとの絡みか何かあるんですか。

石見隆三消防庁長官

○政府委員(石見隆三君) かつてそのような表示制度を全国的にやったことはございます。しかし、ただいまお話にございましたように、四十九年にいわば消防法の抜本的と申しますと語弊がございますが、スプリンクラーを初めとして新規建物に要求されます消火器あるいは自火報、消火栓等の適用をすべて遡及してつけさしたというような経緯もございまして、かつて発足いたしました制度は全国的に完全に行われていたという状況ではございません。しかし一部の市でなお引き続きやっておられた市はございますけれども、今回のように、去年の五月から発足いたしましたように、全国一斉にということにはなっておらないところでございます。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 そうするとあれですか、この四十七年の表示制度の中途でさたやみになったことについては、そうした具体的な状況等の変化もあったわけですけれども、やはり法改正との絡みがあって、時間的に余裕をおいて考え直さなきゃならないということであったわけですか。

石見隆三消防庁長官

○政府委員(石見隆三君) 当時発足をさせましたものは、今回ほどいわば厳重なものではございませんで、御案内のとおり旅館等でよく秀、優、良というのが、衛生状態が表示されておりましたと同じような、同じと申しますか、ああいう感覚で始まったと思うのであります。したがいまして、内容的にも不備であった、不備と申しますか必ずしも十分でないということもございましたし、と同時に、もともとそのような消防設備の主立ったものがまだ設置義務が完全になかった時期の問題点でございますので、その点では不十分であったのだろうと思っております。    〔理事亀長友義君退席、委員長着席〕 その後そういう制度改正も行われ、そして新たな事態のもとで今回のような制度を発足さしたということでありますが、前段申し上げましたように、たとえば一例を申し上げますれば京都市あたりではずっと引き続きやってきておられたということは事実でありまして、それなるがゆえに京都市では今回の表示、公表制度が非常にスムーズに進みまして作業も早うございましたし、しかも「適」マークを受けております旅館、ホテルが八十数%に及んでおるというふうなきわめて優秀な状況であります。これは、やはり京都市におきます、一つはああいう文化財が非常にたくさんあるということ、それから、戦災を受けておりませんので木造家屋等が多うございますので、やっぱり火災のときの大災害ということも心配されて、実態に応じて四十七年当時の制度をそのまま工夫しながら使ってこられにということかと思うわけでございます。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 いまの長官の報告を受けていても、やはりその気になって各消防機関でいろいろ実施することについて、基本的なことは全国大体一致してやっているんでしょうが、いまの四十七年度のこの表示制度についても、京都なら京都独自でやってきてそういう良好な状況が今日まで続いているということを考えますと、今回のホテル・ニュージャパンの火災にかんがみて、やはり行政指導上は全国的にある程度の水準はそろえておく必要があるだろう、公表するしないは別で。そういう点での努力をやはりしなきゃいかぬし、それについては、各市町村の規模の違い等、消防機関自体だって大きいところも小さいところもありますからね、市町村によっては。受け入れる方は大変かもしれぬけれども、ある程度の基準というか、そういうものを設けた上で、今後はずっと足並みを大体そろえてもらう。とりわけ観光地で国際的な他国の人々の出入りの多いところなんかについては足並みをそろえてもらうような方針で防災上の指導、これは徹底してもらいたいと思うんですが、何かお考えありますか。

石見隆三消防庁長官

○政府委員(石見隆三君) 現在すでに発足をし各市町村消防機関が鋭意作業いたしております表示制度と申しますのは、二十四の個所、六十五の項目につきましてかなり細かい基準を設けまして、これを前提にして各消防機関で実施をしていただくということで全国的なバランスをとっておるところでございます。  ただ、私どもといたしましては、消防、防災安全に軽重はございませんので、私どもが示しました基準を緩めるということは一切認めておりません。ただしかし、市町村のそれぞれの、いまおっしゃいましたように温泉地でありますとか観光地でありますとか、実態によって各市町村でさらにこれを強化するということは結構だろう。きつくする方は結構でありますが緩くする方は認めないということで指導しておりまして、これもまた一例でございますが、大阪市消防局におきましては私どもが示しましたよりもかなり厳しい基準をさらに上乗せをいたしましてこの「適」マークの交付事務を進めておるというふうな状況でありまして、これは少なくとも最低基準であるというふうに存じておるわけであります。  このような基準に合致いたしましたものにつきましては「適」マークは交付するということにいたしますと同時に、「適」マークのもらえない旅館、ホテルにつきましては、適切な指導、警告を行いながら、状況によって必要に応じ措置命令を適切にかけろということも指導いたしました。と同時に、この措置命令に従わない者に対しましては告発、公表をしなさいということも指導しておりまして、告発、公表等につきましてもばらつきのないように指導をいたしてまいっておるところでございます。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 ところで、この防火設備その他をホテル、旅館等が対応してやる場合に、あのころ、実施した当時、特殊建築等防災改修補助という制度を設けて、改修を行うところについては地方公共団体を通して補助をしたことがありますね。これは実施した当初とそれからその後の経過についてはどういう状況だったんですか。——あれは要綱と一緒に実施をするようにしたのかな。

石見隆三消防庁長官

○政府委員(石見隆三君) ただいま先生の御質問の件は建設省の補助のことだと存じますので、建設省の方からお答えしていただきます。

梅野捷一郎建設省住宅局建築物防災対策室長

○説明員(梅野捷一郎君) ただいま御指摘いただきましたのは、私どもの防災対策要綱で改修をする際の補助のことかと思います。それにつきましては、設計費の補助と、それからたな子さんがいらっしゃる場合のいわば休業補償的なものの二つを対象といたしておりまして、公共団体が助成をする際に国がそれの二分の一を補助するという仕組みでございます。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 ですから、その制度を実施したときには、今度は改修する方の側の経済的な負担が大変だったろうと思うんですよ。ですからねらったほどの効果は上がらなかったんじゃないですか、当時。どうなんですか、状況は。

梅野捷一郎建設省住宅局建築物防災対策室長

○説明員(梅野捷一郎君) ただいま申し上げました助成制度というのは、いま申し上げましたように、改めてむずかしい計画をつくって改修しなくちゃいけないというその計画作成費といいましょうか、設計費の補助であるという、直接改修工事費そのものを対象にしていないという点がございまして、当時どれくらいかかるのかというお話がいろいろございまして、相当大きな工事費が要るのではないかという議論もございましたけれども、ただいまの助成制度は、いま申し上げたような対象がそういう点にしほられているということでございます。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 ところで、現在政府関係金融機関等を通していろいろな融資制度が実施されていますね。たとえば通産省は安全並びに公害防止貸し付けですとか、それから大蔵省の国民金融公庫を通しての安全公害防止貸し付けの制度、これは全部中小企業対象ですが、あるいは環境庁の設備資金、そういう意味で言うと必ずしも防災オンリーではありませんが、それぞれ政府機関の制度で融資をいたしておりますけれども、今回、これは内定かもしれませんけれども、日本開発銀行を通して防火設備緊急融資を再開するというような報道をされておりますが、これは実施の予定の報道だろうと思うんですが、実施に踏み切られるのか、もし踏み切られるとすれば中身についてはどのようなものを具体的にお考えになっているか御報告願います。

石見隆三消防庁長官

○政府委員(石見隆三君) 今回のホテル・ニュージャパンの火災を契機といたしまして、スプリンクラー設備、屋内消火栓設備というこの二点がやはり初期消火、防火の上で大変大きな効果があるものでございますので、これを対象といたしまして、今回大蔵省とも話をいたしまして、特別の融資措置を設けるということで大体話は双方了解点に達しております。五十七年度からこれを実施をするという計画にいたしておりまして、今回二年間に限りまして開銀から特別融資を受けるということにいたしております。なお、融資機関は、開銀のほかに北海道東北開発公庫、沖縄振興開発金融公庫、これも含めてであります。  融資対象は、旅館、ホテルの屋内消火栓設備とスプリンクラーであります。  融資条件は八%の特利で貸す、償還期限は十五年以内ということになっておりまして、五十七年度から発足をさせるということに相なっておるわけでございます。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 それから、先ほども大体の報告があったので、改めて聞くまでもないかと思いますが、五年物のうちで、旅館、ホテルでまだ未計画のもの、五十四ですか、これはあれですか、五十八年ごろぐらいにずっと早めて実施をさせるということになると、この中で廃業したり、ホテル、旅館じゃなくて、どこか事務所に切りかえちゃうというような、どうしても改修が無理なのやなんかも入っているんでしょう、これ、五十四には。

梅野捷一郎建設省住宅局建築物防災対策室長

○説明員(梅野捷一郎君) いま御指摘のように、旅館、ホテルの系統につきましては、昨年の九月末現在で私どもが報告をとっておりますのは、二百六十五棟のうち五十四棟がいまだ何らの具体的な計画を立てるに至っておりません。この中にはただいま御指摘のような経営上といいましょうか、倒産その他に近いような、あるいは用途転換を図るようなものというようなものも含まれております。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 そうすると、残ったものについてはやはり何らかの商売を続けていくというか、営業を続けていく上ではやっぱり改修その他についても対応する姿勢はある人たちなんですね。

梅野捷一郎建設省住宅局建築物防災対策室長

○説明員(梅野捷一郎君) 現時点では、たまたまホテルにつきましては五年物ということでございますので、最終段階であくまでわれわれの指導に応じないかどうかというぎりぎりのところまで来ておりませんけれども、現在までのところはそれぞれ一応改修に対しての計画を何とか立てたいという考え方のようでございます。  また、今回のような事故あるいは「適」マークの消防庁における強い御指導等もございまして、さらにそういう機運が高まっているのではないかというふうに期待しておるわけでございます。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 ところで、三年物の中でちょっとお伺いをしておきますが、物販関係で三十五ですね、未計画のもの。それから劇場、飲食店等で二十七。それから地下街が三です。これはもう期限が来ちゃうんですけれども、間に合わないところもかなりこの数字でいうと出てきちゃうんじゃないかと思いますが、これに対する指導はどのように考えておられますか。

梅野捷一郎建設省住宅局建築物防災対策室長

○説明員(梅野捷一郎君) いわゆる三年物が全体では六十五というものが昨年、半年前の時点でございますが、何らの具体的な計画が立っていない。これについては先生御心配のような点で、期限を過ぎてもなお改修が終わらないというものも、現時点では当然予想されるという状況にすでに至っております。この中には、先ほども申し上げましたような廃業あるいは倒産というようなものも当然含まれておりますけれども、つい先ごろも各行政庁に指示をいたしまして、できないものについては来月早々にも一件一件具体的な状況に照らしてわれわれと相談をして、さらに強い方法で改修をあくまでやらしていこうということを指示したところでございます。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 具体的にどこどこと名前を挙げると差し支えがあるから御報告願えないかもしれませんが、たとえば地下街なんというのは、これ三カ所報告が出ています。それから計画提出が二あります。計画中のものを入れると五ですけれどもね。これ地下街なんというのは、この間の静岡の地下街みたいなあんな恐ろしいこともありましたからね。そういう点で考えると、人の出入りの大きいこうしたところを、これはどことどこかといって聞きたいところなんですけれども、この地下衛については廃止とか営業方針の変更ができないところだろうと思うんですけれども、この状況はどうなっていますか。

梅野捷一郎建設省住宅局建築物防災対策室長

○説明員(梅野捷一郎君) ただいま御指摘の公共性が非常に高いと思われます地下街につきましては、この中にはたまたまほかの工事計画がございまして、それとどうしてもすり合わせて改修をいたしたいというのが一、二例が入っておるわけでございまして、全体的には地下街については改修を実施させることができるというふうに考えております。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 ところで、消防力の強化とか、それからいろいろな体制の整備等は強力にやってもらわなきゃならないと私たちも思っておるわけですが、先ほども質問に対する御答弁の中でお話がありましたが、たとえば東京消防庁ではホテル、デパート、病院など、不特定多数の人たちが出入りをするような大規模建築物を対象に安全性について点数制で評価をするような方法を導入したいというようなことを聞きましたけれども、これは科学的ないろいろな基準なり条件を設けてコンピューター化して、こうした大規模建築物の危険性、安全性について判断ができる仕組みができればかなり能率が上がるのではなかろうかと思いますけれども、具体的な報告なり案の内容などを東京消防庁から報告を受けているんですか。まだ案の段階かな。

石見隆三消防庁長官

○政府委員(石見隆三君) 東京消防庁では、査察を効率的に行いますために東京都火災予防審議会に、ただいま先生御指摘にございましたように、特定防火対象物の防炎性能の評価方法について検討をお願いをしておるということは伺っております。その中で点数制という問題が出てきておるのだろうと思うわけでありますけれども、私ども、東京消防庁のこの審議会の中でどういう形で審議が進められておるかということは詳細まだ存じておりません。  防災性能の評価を点数制で行うということも確かに一つの考え方かとも存じますけれども、やはり設備とそれから管理、すなわちハードとソフトの面で、それをどのように配点をしてどのように組み合わしていくかというのは、これはなかなかむずかしい問題だと思うわけであります。御案内のとおり、交通違反につきましては点数制をとりまして、一定の点数になれば免許を取り消すとかいうようなことをやっておるわけでございますけれども、防災につきましてはあのような単純な方法ではちょっといかないのじゃないだろうか。したがって、その配点なり総合評価をどうするかというのは、これはやはりかなりむずかしい問題だろうと思っておりますが、私どもといたしましては、ただいま申し上げました東京都の予防審議会の結論を待ちたいというふうに思っておるわけであります。  なお、私どもといたしましては、消防庁におきましては、最近の防火対象物が大変高層化してまいってきております。あるいはまた建物構造自身が複雑化しております現状でございます。こういう現状を踏まえまして昭和五十七年度から複合用途防火対象物の危険度の評価の手法というものを開発したいということで新たな予算もつけていただいておりますので、これを使いまして東京消防庁とも、あるいは建設省ともいろいろ御協力を得ながち、私の方としても別途にこういう評価ができるのかどうか、評価をするとするならどのような手法を用いるのかということの研究は進めたいというふうに存じております。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 もう一つ、これも新聞報道ですが、大阪市消防局では、一一九番へ通報があった場合、火災現場に急行する消防車に、燃えている建物あるいは構造物の非常階段とか脱出シュートとか、そういうものの状況がわかるようなものを図面化して無線で送れるようなシステムをつくりたいというような案が報道されておりますが、これについても具体化の方向はどうなっておるのでしょう。

石見隆三消防庁長官

○政府委員(石見隆三君) 大阪市消防局におきましてそういうシステムを開発したいということでただいま研究を進め、そして予算化も一部されておるということは承っております。これは内容をまだ、これからシステムを開発いたしますので、詳細な点は私どもまだ承知はいたしておりませんが、一般的に都市、とりわけ大都市の消防局におきましては、もちろん大阪もそうでありますが、各消防署ごとに管内の主要な建物、大きな建物でございますとか、あるいは防災上問題があるすなわち防火、警防作戦のとりにくい建物とか、そういうものの構造図でございますとか、あるいはまた警防計画というものを建物ごとに消防署が持っております。これには建物の位置、構造それから建物の中の消火設備の場所あるいは避難口それから消防隊の突入口と、こういうものを持っておりまして、これを警防職員は絶えず見て訓練を繰り返しておるということになっております。  そこで、火災が発生しました場合には、それを見て飛び出すわけでございますが、今回大阪市消防局が計画しておりますのはファクシミリ方式と言っておるようでございますが、消防活動を円滑にいたしますために、大阪市の消防本部の管内でそういう建物が大体六万件ぐらいあると言われております。そのようなすべての資料を大阪市消防局の司令室のコンピューターにすべて記憶をさせておきまして、火災が発生しましたときには直ちに瞬間的にそういう情報をコンピューターで引き抜きまして、現場に急行しております救急隊あるいは消防隊に対しまして無電でファクシミリで送ってやる。そうすると、走りながらファクシミリでそれを受け取って現場へ到着するというようなことをやりたいということなのであります。  私どもといたしましては、確かにこの方法というのは今後そういう警防活動を効率化しますために非常に結構なことだ、いいことだと思っておりまして、今後大阪市消防局では、五十七年度、五十八年度二年間をかけて実施をしたいということを計画しておられますので、大阪市消防局とは十分連絡をとりながらそのようなことにつきましての指導あるいは助言等を行いながら効率的なものになりますように御協力申し上げたいというふうに存じておるところでございます。

大川清幸公明党・国民会議

○大川清幸君 それでは最後に、査察を行う場合、これは個人の住宅や事務所と違って、旅館とかホテルについては消防法の第四条の関連の規定もあるので、くまなく査察はできるだろうと思うんですが、先般のホテル・ニュージャパンのように、故意か作為か知らぬけれども、警報装置の裏に変なものをつけてあったりなどということがあると、どうしても査察の限界があるわけですわな。しかし、そうした不特定多数の人が出入りをしたり宿泊をするような施設についての査察をする上での不都合、こういうようなものは、今後も権限上、法律の規定上心配はありませんね。これが一つ。  それからもう一つは、そうした査察をした結果いろいろ欠陥が出て改善命令を出す。ホテル・ニュージャパンの場合は、先ほど話があったように八回も届けを出しておいては途中で取りやめてという、いわばこれは対応する相手方の方がずいぶん巧妙というかずるいというか、こういうことになっておるわけですが、その間にああした悲惨な事故が起こってしまったんですけれども、この改善命令の効果ですね。八回そうしたやりとりというか、継続的な経過があって今回の悲惨な事故になったんですが、この改善命令でも、強権発動なんということは穏やかじゃないんで、なかなか大勢としてはむずかしいと思うけれども、やはり営業停止なり何なり、悪質なものは早い時点でぴしっと指導するなり、実施をするというようなやっぱり決意を持ってやってもらうぐらいのことがないとまずいんじゃないかと思うんですが、その辺の考え方を聞いて私の質問を終わります。

石見隆三消防庁長官

○政府委員(石見隆三君) 第一点の御質問でございますが、確かに査察はたくさんな件数をこなすわけでありまして、しかも、それはまたたくさんな個所を見なきゃならぬわけであります。消防機関といたしましては、限られた人員の中でかなり苦労はしておることは事実だと存じますが、やはり何と申しましても、設備面それから管理面、この二点にわたりまするきめの細かい査察はやらなきゃならぬだろうと思っております。今後、このような査察につきましては、私どもといたしましては一段と査察の強化、しかもそれはきめの細かい査察、しかも不備事項を発見しました場合には、注意のしっ放しではなくして後必ずそれはフォローするということをやらなきゃならないと思っておりまして、この点、先般のニュージャパン以後も数度にわたりましてかなり厳しく通達を申し上げ、指導いたしておるところであります。  それから改善命令、改善命令と申しますか、最終的には措置命令のお話であったと存じます。措置命令は、これはいわば消防法令といたしましては最後の切り札であろうかと思っております。なかなか具体のケースに即しましてむずかしい問題はあろうかと思っております。しかし、やはり安全を確保いたしますためには、措置命令というのは、状況がくれば発動するというのは私ども当然のことだと思っております。  ただいまもお話にもございましたように、私は、消防機関が公権力をもって絶えず措置命令ばかりをかけるのが、これがすべてであるとは思っていません。やはり指導し、警告をして安全な設備をつけさせ、旅館、ホテルとして防災管理の十分行き渡った旅館、ホテルに指導をするというのが本来だろうと思っております。しかし、それにもかかわりませずやはり措置命令を発しなきゃならないという事態が来ますれば、それはもうちゅうちょなくやる。しかも、措置命令を発してもなお従わないというような悪質なものに対しましては、これはもう告発という手続を断固として行うということはけだし当然だろうと思っておりまして、その辺、消防機関が今後それぞれの実態に応じまして十分対応いたしますように指導を重ねていきたいというふうに考えておる次第でございます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 死者三十三名を出しましたホテル・ニュージャパンの事件は、事実が明らかになるにつれて横井社長らの経営管理者側の責任の重大性を浮き彫りにしてきていると思います。そして、人災であるということ、これも明らかにしたと思うんです。同時に、報道によりますと、遺族の方々に対する横井社長の対応というものは、これは遺族の方々はもとより、国民の間に新たな怒りを呼び起こしておるわけであります。私自身もその一人であります。  同時に、大洋デパートの火災とか川治温泉の火災等、いままで大きな被害を生んだ事故がありました。その都度、再びあの惨事を起こさないということで国会側も行政当局側も努力をしてきたはずでありますが、それでもなお今回のような痛ましい事故を再び起こしたという点について、大きな責任を感じているわけです。私は、この立場から若干の質問を行って、問題点を提起をしたいと思うんです。  まず、消防庁長官とそれから政務次官に、それぞれの立場からの責任についての認識ですね、これをお伺いしておきたいと思います。

石見隆三消防庁長官

○政府委員(石見隆三君) 今回のホテル・ニュージャパンの火災、さらにはその前の川治温泉のホテルの火災、続けて起こったわけであります。私どもといたしましては、川治温泉のホテルの火災以後各消防機関に対しまして、このようなことが再び起こることのないように、具体の行政指導、あるいは予防査察のあり方等につきましていろいろと指導をいたしてまいり、それぞれの消防機関も努力をしていただいたと存ずるわけでありますけれども、結果的には再びこのような火災が発生いたしましたことはまことに残念に存じておるわけであります。  今回のニュージャパンの火災を振り返りました場合、一つには、やはりホテル側におきます設備の不備、あるいはまた、日ごろの防火管理体制の不備、さらにはまた、火災発生時の初期消火なり避難誘導訓練がほとんど行われていないというソフト面での不備があり、さらにはまた、建築構造上の問題点もあったわけであります。このような火災の原因といたしまして、私といたしましては、やはりこのホテル側の対応のまずさという点が第一点ありますと同時に、片方消防機関におきまして、このような火災が発生いたしますまでの間、川治温泉ホテル以後もいろいろと指導はやってまいったわけでありますけれども、また、東京消防庁といたしましてもそれ相応の対応をしたとは私ども存ずるわけでありますけれども、結果的にはこのようなことが、設備の不備に基づきますものが非常に大きゅうございましただけに、これに対する徹底した指導というものにやはり東京消防庁として欠けるところがなかったかということを厳しく反省をし、率直に、謙虚に受けとめなきゃならないと同時に、前段申し上げておりますように、法改正以後約二年以上経過した今日であります。そのようなことがもう少し手際よくしかも厳しくやられるべきでなかったかという御批判に対しましては、私ども、この御批判も厳しく受けとめまして、今後の防災対策に十分生かしてまいらなきゃならないというふうに反省をいたしておるところでございます。

谷洋一自由民主党自治政務次官

○政府委員(谷洋一君) ただいま消防庁長官からもお話ししましたとおり、われわれといたしましては、特にホテル火災という現状、それは四十三年のあの有馬の満月城以来次々と起きておるわけでありまして、そのたびに二度と繰り返さないようにしたいという気持ちでいっぱいであったわけでございます。  しかしながら、次から次と起こってくる現状から見まして、われわれは、かつては表面装備といいますか、いろんな設備をホテル側にさせることによってそれを防ぐことができるという観念も強かったというふうに思うわけであります。しかし、今回の事件を振り返ってみますと、いかに表面装備をしてみたって、問題は、そのホテルの従業員、いわゆる社長以下ホテル側の皆さん方が消防署任せのような考え方ではとてもできないんだという感を特に今回の場合は深くしておるわけであります。避難訓練にいたしましても、当然やらなきゃならないことが、それがまことにずさんなやり方である、しかもわれわれとして唖然としますことは、政府側が次から次に建築法等の法の改正をわれわれの立場を考えずにやるというふうなことをおっしゃることは、まさに人命無視もはなはだしいというふうな感がするわけであります。  そういう点から、消防庁のみならず各省庁の連絡を密にして、きょうも御指摘をいただいておりますような、各省庁がばらばらの体制でなくて緊密な体制のもとにやるということをして、表面的に装備を充実すると同時に、それぞれの企業の立場で、立場はまたいろいろとあろうかと思いますけれども、それをまた内部的にも充実することによって、表裏一体の形で二度と繰り返さないようなことにしたい、こういう気持ちをいま持っておるわけでございます。  そういうことでございますので、今回のニュージャパンの火災というものを全国どの地域においても出さないようにするという覚悟を新たにしたいということを常々申し上げておるわけでございます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 三月七日の毎日新聞の報道によりますと、遺族の方々の方は、国なり都なりさらには東京消防庁などの行政責任を追及をする民事訴訟、損害訴訟、これを起こすという報道がされています。ところが横井社長の方はこれを逆手にとって、そうすれば裁判中補償問題は引き延ばしができるというようなけしからぬ考えもあるというような報道もまた一面されているわけでありますけれども、私は、この横井社長らの経営責任、これは厳しく追及されなきゃならぬと思うんですが、被害者の遺族の方々からのそういう訴訟の提起に対しては、あの惨事を未然に防ぎ得なかったやっぱり行政側の責任としてこれを謙虚に受けとめて対処するという姿勢が大事だというように思うんです。  いま御見解を聞くと、大体その点はそう受けとめられるんじゃないかと思うんですが、改めてお二人からお考えを聞いておきたいというふうに思います。

石見隆三消防庁長官

○政府委員(石見隆三君) 私どもといたしましては、今回の火災につきましての消防機関に対しまするいろいろな御批判、これにつきましては謙虚に受けとめ、かつ厳しく受けとめまして、今後このようなことが再びないようにこれに対応してまいらなければならないと存じております。  いま、お話にございました民事上の責任云々につきましては、私どもはまだそこまで、民事上の責任があるかどうかということについて具体の検討はいたしたこともございません。あるといたしますれば、国家賠償法の規定によりまして都なり国が賠償の責めを負うだろうかどうだろうかという問題だと存じておりますけれども、現時点ではまだ負うか負わないか、ちょっとこの時点でございますので、お答え申し上げますことは御容赦いただきたいと存ずるわけでございます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 次官の方はいいです。  まだ訴訟が提起されているわけではありませんから、その点での見解をお述べにになるのは大変むずかしいだろうというように思いますが、ただ行政自身もやっぱりみずから厳しく責任を追及するその姿勢が必要だろうという点だけは重ねて指摘をしておきたいと思います。  次に、労働省にお伺いしますが、横井社長は、退職金を手形を含めて支払うというような基準法違反問題を起こしたり、あるいは労働組合を敵視をして、合理化に名をかりて活動家を解雇して、都労委のみならず中労委の不当労働行為の命令も受けたりという、労働運動を認めないようなそういう態度を終始とってまいりました。これが今回の事故の被害を大きくした原因の私は一つになるというように思うんです。  その上に最近報道によりますと、全従業員に一方的に解雇予告を行うというような報道があります。これは労働組合側に聞きますと、実際にはまだ正式に労働組合の側に提起はされておらないようですが、いずれそういう方向ではないかということで労働組合側の働く皆さんの方は非常に不安を感じている状況ですね。  今日まで、こういうように憲法に保障されている労働者の権利のじゅうりん、あるいは労働三法を無視をする、そういう態度をとってきた経営者に対して、具体的に労働省としてはどのような措置をし、あるいは具体的にどういう指導を行い、あるいは今後どう対処をするお気持ちか。まず、この点をお聞きしておきたいと思うんです。

岡部晃三労働省労働基準局監督課長

○説明員(岡部晃三君) まず、お尋ねの労働基準法違反の問題につきましてお答え申し上げます。  ホテル・ニュージャパンにおきまして、かねてから退職金の不払いの問題がございまして、申告に基づきまして監督をいたしましたところ、違反の事実が明らかになりましたので、二月五日に検察庁に送検をいたしております。  その後、さらに調査を進めましたところ、二件の退職金不払の案件、それからパートタイマーについての二月九日以降の休業手当不払いの問題が明らかになり、さらにアルバイト賃金の不払いの問題が別途発生いたしました。これらにつきまして是正勧告をいたしたところでございます。  これは、アルバイト賃金につきましてはすでに三月十五日是正が終わっておりますが、先ほどの二件の退職金問題及びパートの休業手当問題につきましては、三月三十一日までに是正せよという命令を発しているところでございます。したがいまして、その是正の状況を見て所要の措置をとるということでございます。  なお、そのほか退職金につきまして手形で支払っている部分がございます。これは、現在のところ手形が落ちなかったという事実はございません。それぞれの日に落ちておりますが、これにつきましても、さらに今後全額支払いに至るまで監視をいたしますとともに、さらに五十五年夏季ボーナスの一部につきましても、手形支払いとなっておりますので、これについての支払いも監視を続けてまいりたい、かように考えております。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 遺族の方々に対する補償問題のみならず、今日まで給料も不払いになったり、いろんな悪い条件の中で働いてきた人たちを、今回の火災を契機に全員解雇予告をするというようなことは、私はこれは許すことはできない問題だというように思うので、そういう点ではひとつ労働省の方も十分監視をし、適切な指導をやってもらいたいという点を要望しておきたいと思うんです。  その次は、警察庁にお伺いいたしますが、報道によりますと、捜査当局では三十項目にわたる欠陥を具体的にリストアップをして、その因果関係を明らかにしながら刑事責任の追及を進めておられるようでありますが、現在までの捜査状況を、もちろん捜査中ですから限界があると思いますが、可能な限りひとつ報告をしてもらいたいと思うんです。  同時に、これらが一体刑法上のどの罪に該当する疑いがあるかという点についても、お答えいただけるならばお願いをしたいというように思います。

中平和水警察庁刑事局長

○政府委員(中平和水君) ホテル・ニュージャパンの火災事件の捜査につきましては、警視庁でも特別捜査本部を置きまして、鋭意その真相の解明に努めておるところでございますが、現在までに、ホテルの従業員とか宿泊客だとか、約五百名ぐらいの関係者の取り調べが一応終わっております。その取り調べに基づきまして、警視庁ですでに行いました検証の結果との詰めを現在やっておる、こういう段階でございます。  いままでわかっていることは、一つは、火を発した場所は九百三十八号室である。この部屋にはイギリスの国籍の人物がいたわけでございますが、この人物は死亡いたしております。しかしながら、これは被害者死亡で、法律の適用罪名といたしましては、これは要するに失火の罪が一応これに当たるわけでございます。  それから、この火災が起こったときの初期の消火活動、あるいは宿泊客の避難誘導等の問題につきましても、現在までの捜査の状況の中では、必ずしも十分な措置を尽くしていないではないか、こういう疑いもあるわけでございます。  それから、平素の防火施設あるいは消火の設備あるいは火災が発生した場合の非常警報の装置等々につきましても、その維持管理には問題がある、このように私ども理解しております。  それから、防火計画に基づく消防訓練等につきましても、必ずしもそれが適切に行われていなかったではないか、こういう疑いも持っているわけでございます。  しかしながら、これらのいわゆる注意義務を欠いたことが今回の火災事故との間に因果関係というものがなければ、これは刑事上の責任は問えないわけでございます。したがいまして、そうした立場から、現在警視庁の科学捜査研究所、あるいは東京理科大学、こうしたところに委嘱をいたしまして、当日の炎の、要するに火の立ち上がりの状況、火のスピードの状況、火がどのような状況で回ったのか、同様に煙がどのような形で回ったのか、煙の毒性はどうなっておるか、そうしてそうしたことがけさ来いろいろ消防庁の方から御説明があるようでございますが、消防当局のいろんな具体的な行政の指導、あるいは消防法規等を遵守しておったならばこのような事故は起こらなかったであろうと、こういう事実との関係に因果関係がなければいかぬわけでございまして、したがいましてそういう観点からの鑑定を遂げ、そしてその鑑定の結果と、現在まで私どもが取り調べ等を通じて明らかにした事実、そういうものを総合判断をいたしまして、関係者、特に管理者の今回の火災並びに火災の結果発生した事実に対する予見可能性、そして結果の回避義務を尽くしたかどうか、これがまさに過失責任の内容になるわけでございますから、そういう観点からの捜査を現在鋭意進めている、こういうことでございます。  したがいまして、その場合に適用される罪名といたしましては、これは業務上過失致死傷罪、刑法の二百十一条でございますが、これに該当する、こういうことになろうかと思っております。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 いまのお話でありました初期の消火活動、それから避難誘導の問題、こういった問題も当然重要な問題になります。ただ、これは後ほど消防行政のあり方の問題でただしていきたいというように思うんですけれども、現実には、たまたまその夜おった者が——しかもほとんどそういう避難誘導の訓練なんかも何もなかった、おれがその日に当たったら同じことになっているということでお互いに不安を持ち、そして、場合によったら強制捜査になるのか、あるいはまた罪に問われるのかというような、非常にそういう不安といいますか、動揺というのが起こっているんですね。私はこれから後いろいろ質疑を続けますけれども、そういう点では、実際に訓練もやっておったのに、みずからの過失といいますか、初期消火の失敗とか避難誘導の不備とかによって起こしたその結果ということではないようにも思うんでね。この辺は、いや、そういう強制捜査をやるつもりはない、あるいは罪に問うつもりはないというようなことはいま言えっこないと思いますから言いませんけれども、これから後の質疑も十分お聞きいただいて判断は適正にひとつやってもらいたいということを申し上げておきたいと思います。  そこで次に、いろんな問題があるんですけれども、これからは消防行政の責任の問題あるいは制度上の問題に入っていきたいと思うので、そのまず第一の問題として、自動火災報知機問題です。これは二月十八日の当委員会で私が質問をいたしました。そのとき、自動火災報知機がオフになっていた、そして地区ベルに連動していなかった事実を指摘をいたしました。これに対して石見長官の方は、現時点での東京消防庁からの報告では、地区ベルがオフになっておったことは東京消防庁は承知していたと申しておりますと答え、同時に、火災信号を受けたらベルを鳴らせるように絶えずその使い方なりを十分身につけておくよう査察、視察の都度指導してきたと、議事録を読みますとそう御答弁になっています。したがって、東京消防庁はオフにしておくことを認めておったということなんですね。しかし、これは消防法の施行規則の二十四条の五号、これに照らすと違反になるんじゃありませんか。この点いかがですか。

渡辺彰夫消防庁技術監理官

○説明員(渡辺彰夫君) 自動火災報知設備の地区音響装置は、原則としましては感知器の作動と自働的に連動して鳴動させることとなっておりますけれども、非火災報あるいはいたずら等により地区音響装置の鳴動がたび重なると第三者に不安を与え、警報を信用しなくなるような事態になったり、また建物の規模、用途によってはパニック状況になる可能性もあります。このようなことで現地の消防機関では個々のケースに即しまして、たとえば火災信号を受信した際、直ちに地区音響装置を手動で鳴動させることができる体系が確保できると認めた場合には、消防法の施行令の第三十二条の規定に基づきまして、地区音響装置の自動鳴動スイッチを断の状態にできることが認められております。  以上です。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 そのとき、この間二月十八日の地行の委員会での答弁の中で、長官は、警察の「犯罪捜査の観点からもこの問題を非常に重視しておられるようであります。」というようにお答えになっているわけです、議事録を見ますと。本来は消防法規上からいうとオンにしていなきゃ、連動するようにしていなきゃならない。オフにしておるということは、これはそうなりますと、消防法違反になりますからね。当然警察の捜査でも重視せざるを得ない問題。ところがいま御答弁にありましたように、これは四十四年の七月二十四日の「既存防火対象物に対する改正規定の適用について」というものを出して、「非常警報設備を、感知器の作動と連動して作動させるか又は受信機で火災信号を受信した際直ちに当該地区ベル又は非常警報設備を作動させることができる場合は、地区音響装置を設置したものとして」取り扱うみなし規定をつくって、いまおっしゃるように断にしておってもよろしい、こういうことになっていますね。これは四十四年に出ているんですよ。  私はこの間の質問の後、今度は京都の消防局に行きました。京都の消防局で話を聞きましたら、絶対にオフにすることは許していない、断にすることは許していない、京都消防局はオンで指導していると、こういうことです。その話を聞いた後、京都消防局の案内で、すぐ向かい側のロイヤルホテル、これは建設して十年ばかりの新しいホテルです。そこは消防局が見せるだけあって設備は全部整っているんです。そこで聞きましたら、そこの奥村常務が、いや、うちはオンじゃなしにオフにしています、オンにしておったんではしょっちゅう鳴ってお客さんはたまったものじゃないと。こういう事実が明らかになって、消防局の人はびっくりしているんですよね。えらいことになったなということになっているんです。  それだけでなしに、その後もまた、麹町消防署ですね、予防課長さんでしたか、この人に聞きますと、これはオフにしてもよいとは言えない、私が聞いたんですけれども、実際、そういうホテルとか旅館なんかの接客業者の場合に、夜中に誤報がしばしばあったんではたまったものじゃない。だから、現場へ査察に行っている、あるいは指導に行っている人たちは困っているんじゃないのか。そういう点についてはどうしているんですかと聞いたんですが、しかし消防法上はオンにしなきゃならぬことになっておるんだ、連動せないかぬことになっているんだ、だからオフにしておいてもよいとはしたがって言えませんと。ただ、四十四年か四十六年ごろに、一定の条件があれば認めたような形跡があるという話なんで、当時の人の話も聞いたり、あるいは文書を探したり、こういうことをしておりますという話なんですね。  ですから、いまの答弁の状態というのはもう一つ徹底してない。これは当然接客業であるホテルや旅館の場合には、現場ではそういうことをやらなければ実際の処置はできない、それじゃお客さんどうしてくれますかということになりますから。それに対していまの御答弁は、施行令三十二条で署長なり消防長の判断、これにゆだねると、こうなるんでしょう。同時に、出されているこれを見ますと、「直ちに」作動させることができる場合はいい、こうなっている。これがなかなかあいまいなんですよね。私はそこに一つ問題があるのではないかと思う。こういうことを痛感をしているんです。問題の一つは私はここにあるのではないかというように思うんですよ。だから、自動火災報知のシステムをオンにして地区ベルに連動をしておけば、当然、現在の感知器の性能からいいまして、誤報といいますか、非火災報が続出するということはいま避けられない、現状では。ところが、消防庁の指導というのは「直ちに」ということであいまいなものですから、現場はその責任を明確にすることができぬわけですね。だからあいまいになっておる。  そういうことで、どういう条件の場合には断にしていい、オフにしてよいという、こういう点を明確にしない現在までの消防庁の指導、そこに私は一つ大きい問題があるのじゃないかというように思うんですよね。だから、どういう場合にはいいんだということを私は消防庁は、消防研究所を持ってもおられるんだし、あるいは各現場の担当者からの意見も聞いて研究をして、この点はっきりさせたらいいんじゃないか。たとえば、昼間の場合にはどれだけの人員が防災センターには必要、夜間の場合にはどれだけが最低必要だと。この間の場合は二人ですよ。夜間二人では実際問題としては実効を上げることはできないですね。いろいろ現場で私聞きました。だから、その場合には最低人員は一体どれだけ必要かという基準を決めなきゃいかぬだろう。あるいは放送設備もちゃんと持たなきゃいかぬ。ニュージャパンみたいに放送設備が壊れておったんでは何の役にも立たぬわけですけれどもね。あるいは、その放送設備の場所ですね。防災センターと離れておったんでは、電話をするなり何なりしなきゃいかぬでしょう。だからその場所についてもはっきり特定をしなきゃいかぬだろう。あるいは、京都で見ましたロイヤルホテルの場合は、携帯の無線機を持たしていましたよね。これならば、現場へ走っていってすぐ無線を使って、戻らなくても作動するということができる。そうすると、これはこの間も言いましたように、ヒルトンホテルのケースでいくと、走って行って帰ってきて作動させるのに最低四、五分かかるといいますから、四、五分初期消火がおくれますと、これは大変なことになってくるわけでしょう。こういう問題ですね。  あるいはまた、防火区画あるいはスプリンクラーの設備の状態をどの程度まで特定の条件として設置するのかとか、こういったものを、私は、ひとつ早急に、現場の経験者を含め、そして学者なんかも含めたそういう研究機関というのをつくって明確にしてやらないと、政令三十二条でおまえら勝手に判断しなさいよ、こうなります。その根拠は何やというと、「直ちに」と書いてある。「直ちに」というのは何分とも書いてあらへん。五分以内ならええとか、三分以内にちゃんと作動できるようにせいとかいうようなこともないわけでしょう。だから、初期消火こそ消火活動の基本なんだということをしばしばおっしゃる消防庁の立場からいえば、この点をあいまいにしておった責任は私は大きいと思う。これは急いでこういうことをはっきりさせる必要があると思うんですが、この点の見解を長官から聞いておきたいと思う。

石見隆三消防庁長官

○政府委員(石見隆三君) 確かに、警報装置の中で非火災報は大きな問題でございます。いま御指摘ございましたように、非火災報が、断にしてあるということは、私どもは消防法施行令で現地の判断でやっていっておるわけでありますけれども、これにつきましては、私どもといたしましては、手動でもって地区警報装置、音響装置が直ちに鳴動させ得る場合というのはまあ三つだろうと思うのであります。一つは、防火対象物の実態に即したそのようなことが、そこを断にしてある、断にできるんだということを前提にした適切な消防計画というものがあるかどうかというのが一つの大きな要素だろうと思っております。それから二番目は、これに基づきます従業員のしかるべき配備が二十四時間体制でしかれているかどうかということが二番目だろうと思っております。と同時に、三番目は、ただいまもちょっとお話ございましたように、それが十分動かせる訓練ができておるかどうか。その一つの方法といたしましては、絶えず訓練をすると同時に、たとえばハンディトーキーを持たせるとか、いろいろな方法があろうかと存じますが、この三点が満たされた場合に地区音響装置を断にすることは可能であろうというふうに存ずるわけであります。もともと地区音響装置は、申し上げるまでもなくそこの宿泊客、すなわち出火を報じました場所並びにその一つ上の階の宿泊客に対しまして火災が発生したということを知らせるものでありますから、これはあくまで、いわば宿泊客に対する警報であります。これと、いまお話しございました別途の初期消火あるいは避難誘導というのとがうまくかみ合わさなきゃならぬだろうと思うわけであります。  いずれにいたしましても、このような非火災報に伴いますこの地区警報装置の扱いというものにつきましては、私どもとしては一応そういうような一定の基準をもちまして、この三つの場合には可能であるというふうに理解をいたしておるわけでございますけれども、御指摘ございましたように、今後、消防長会等もございますので、そういう中で十分この扱い、具体的に直ちに手動できる場合というのはどういうことを意味するのだということを十分趣旨の徹底も図ってまいりたいというふうに存じておるところでございます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 私は、京都だけでなしに東京でも、それから大阪の方も調べてみたんですが、現場の人に聞いてみたんですよ。そうすると、断にしてよいということを認めておりますと言った人は一人もいないんですよ、直接聞くと。現場のホテル側に聞くと、いや、消防署の人の了解を得て断にしていますと、こうなるんです。というのは、断にしてよいという承認を与えているんだけれども、それに確信がないんだ、いまおっしゃるような条件にちゃんと適合しておるという問題について。だから、そういう点を私はもっと具体化するというか、明記をしないと、そしてやっぱり確信を持ってこれはだめだとか、これはよろしいというように言えるようにしないと、私は消防行政上の責任は果たし得ないという感じがするんです。  それから次に、今度の事件で付随的に明らかになった問題ですが、警察庁に、ここにいらっしゃる方にお聞きしたいと思うんですが、当時ニュージャパンの防災センターにおったのは警備会社のガードマン五人で、三人が仮眠をしておって二人が起きておったという、われわれ視察したときの話でありました。しかし問題は、九階の煙感知器が感知をしたということで九階に点滅があり、そしてブザーが鳴った。しかし、地区ベルの操作は知らなかったということであったわけですけれども、そこで私どもいろいろ調べてみますと、このガードマンは中央警備保障株式会社の方々で、五十六年の六月一日にニュージャパンと契約をしていた。その契約内容を見ますと、いわゆる防火ですね、火災に対する対策、それから盗難、それから駐車場の警備、こういうものになっていたようですが、これは私どもの調査なんですけれども、間違いございませんか。

中平和水警察庁刑事局長

○政府委員(中平和水君) 契約の主な内容はそのとおりでございます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 そこで、警察庁に続いてお伺いしますが、この国会で警備業法の改正案をすでに三月中ごろにお出しになったようですが、当委員会でもいずれ審議をするということになるわけですが、いまも明らかになりましたように、警備会社の業務内容の中に防火問題も含まれているわけですね。ところが、盗難防止、あるいは防犯上の必要なそういう資格については今度の改正案にも含まれているけれども、防火上の問題についての規定というのがないというんですけれども、私は、実際の契約の実態から見れば、防火の問題についても同様にその内容に含める必要があるのではないだろうか。それがなぜ含まれていないのか。その理由について、まずお伺いしたいと思います。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) 警備業法におきます警備業務は四つの種類に分かれておるわけでございますけれども、ビル、工場などの警備、それから雑踏整理、それから輸送警備、それにボデーガードというあれでございます。このうちのビル、工場などの警備業務につきましては、防犯のみならず、防火についても担当していることは事実でございます。ただ、こういった警備対象施設、すなわち、いまビルだとかホテルとか大規模な建物につきましては、御案内のとおり消防法の規定によりまして、防火責任者というものを定めまして、その者が中心になりまして消防計画の作成あるいは訓練の実施、消防施設の点検整備等、いろいろな必要な業務を行うということになっておるわけでございますし、警備業者からの警備員につきましては、その防火責任者と協力してというか、補完するような形で防火業務を担当しておるということだろうと思うわけでございます。そこで、当然のことながら防火消火業務を所管するものは消防当局でございまして、消防当局が消防法あるいは各都道府県の条例等関係根拠に基づきましていろいろな指導をなされておられるわけでございます。その面で防火消火業務が適正に行われるということになっておるわけでございます。  先生御指摘の警備業法の改正法案につきましては、去る十六日に提出し、当委員会でも御審議をいただくことになっておるわけでございますが、改正の目的といたしましては三つあるわけでございます……

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 まあそこまででいいですから。防火を含まなかった理由は先ほどおっしゃった……

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) それで改正項目が三点ありますけれども、先ほど申し上げましたように、防火消火業務につきましては、消防当局の指導によって十分機能が発揮できるのではないかというようなことで、特にこの種関係の規定を盛り込まなかったということでございます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 消防庁として、この問題についてどうお考えか、お伺いしたいですね。本件の場合も契約事項の一つに防火問題がある。ところが実際には、地区ベルの手動のやり方も知らなかった、教えられていなかったということになるわけでしょう。しかし一般にはそういう契約を結んでいますから、いざ火災発生ということになればガードマンも一緒にやってくれるもの、あるいは有力な部隊として考えるのはあたりまえなんで、そういう点を考えますと、これはいかがなものかというように思うんですがね。この辺はひとつ消防庁の見解をまず聞いておきたいと思います。

石見隆三消防庁長官

○政府委員(石見隆三君) 今回の警備業法の改正は、ただいま警察庁の方からお話がございましたように、今回の改正の主な中身が、麻薬の中毒者でございますとか、あるいは暴力団との関係の深い者を警備業者あるいは警備員から排除しようというところを一つの課題として、今回改正をお願いされるようであります。  一方、私どもといたしましては、昨年設けました防火管理体制研究委員会というのを持っておりまして、この中で、最近のビルの省力化というのが非常に進んでおります中で、特に夜間の防火管理のあり方について現在研究に着手をいたしておりまして、多くの専門家に集まっていただきましていろいろ研究を進めております。私どもといたしましては、この中で今後この施設管理の無人化あるいは省力化からきますいわゆる人的な防火管理体制の確保をどうするのかという点を研究いたしまして早急に結論を得て対応いたしたいと思っております。  なお、内容的には防火管理業務の一部を委託、その委託すること自体が、やはり防火管理の第一義責任者は旅館、ホテルであるわけでありますから、それを委託する、一部委託か全部委託かという委託をすることの可否、それから委託を認めるとするならば、その委託先の業務内容の適正化をどうとらえていくか、それから一番大きな問題は、警備員の防火管理についての資質の向上のための教育、訓練というのはどういうふうにやっていくのかというような問題点がもろもろあるわけであります。  したがいまして、このような問題も含めまして、ただいま申し上げましたように防火管理体制研究会の中でこの問題を御審議願い、早急に結論を得て、この防火管理につきましての消防庁としての対応の結論を取りまとめたいというふうに存じまして、今回の警備業法の改正の中には含めていないというのが実態でございます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 消防庁長官の御意見はそういうことであろうと思うんです。しかし、東京消防庁やそれから京都市の消防局でもこの問題を聞きましたら、現場としてはやっぱりこの警備業法の改正の中に入れてやってもらいたいと。確かに消防計画の管理責任者、これはちゃんとありますね、それは消防法に基づいてあるだろうと思う。しかし、警備業法に基づいて契約されて、そしていままでのような暴力団や麻薬患者やということでない、ちゃんとしたそういうガードマンが配置されて防火に協力してもらえるとなれば、防火の教育を義務づけるといいますか、そういうことをやっぱり一本の法律の中でやらなきゃ、こっちは消防法を見なさい、こっちは警備業法を見なさいと。それは警備業者にしたら警備業法を中心に見ますから。だから、国民の側からいったら、そういう繁雑にするんではなしに、一本にして、ガードマンが一緒に消防活動に協力できる、戦力になるといいますか、そういう状態をつくってもらいたいというのが東京、京都の現場の強い意見です。  しかし、それが整わないままで出ている現在、いまさらということになるかしれませんが、私は、これはこの国会でどうせ審議をされるわけですが、審議を通じて、その中でできれば消防庁あるいは警察庁、相互に協議を早くしてもらって、この国会中に改めてまた同じ法案の改正を考えるということではなしに、修正をしてそれらを含めた警備業法にしていくということが望ましいのではないかというように思うんです。この辺はひとつ警察庁は提案者の方ですけれども、そういう点では謙虚にというか、寛大にというか、寛容にというか、そういう立場で臨まれる意思はありませんか。

谷口守正警察庁刑事局保安部長

○政府委員(谷口守正君) 一般に警備員に対する指導、教育というのが重要であることは間違いございません。今回御審議をお願いする警備業法の改正の主要課題の一つになっておるわけでございます。ちなみに教育訓練は、現行法では細かい点は総理府令すなわち警備業法施行規則で定めるところになっておるわけでございます。その中では、警備業務の実施の基本原則だとか警備業務の適正な実施に必要な法令知識だとか、あるいは事故発生時におきます応急措置あるいは護身用具の取り扱い等に関する事項を教育しなきゃならぬと、こうなっておるわけでございます。  そこで、具体的に申しまして、火災発生時の避難誘導、こういった問題につきましては私どももいままで指導をしておったのでございますけれども、若干それ欠くる点があったかもしれませんので、今回の火災事故を契機にしまして、こういった面での教育訓練を十分行うように指導してまいりたいと、こう思っておりますし、また、防火業務全体につきましては、すでに東京都などにおきましては消防機関と緊密な連携をとりながら講習の実施などをやってきておるわけでございますけれども、さらにその充実強化を図ってまいりたいと、こう思っております。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 この問題は、いずれまた警備業法の審議の中でさらに議論をしたいと思いますが、いずれにしても今度の事件では、特に夜間ですね、夜間に防災センターの管理を十分にそういうことを熟知していないガードマンに任せておったということも、これは重大な過失要因の一つになるんじゃないかというように思いますが、これはひとつ指摘だけしておきたいと思います。  次に、煙感知器の問題です。これは熱感知器並びに煙感知器の設置基準という規定がありますね。いろいろ細かい規定があります。これの説明を聞いておりますと時間がかかりますから省略をいたしますが、そういう規定はあるんですが、いずれにしても現在の技術では、この煙感知器自体を改良して信頼性を高めるというのは、非常に困難だというのがいろいろ聞いて回った御意見なんですね。鈍うしたのでは間に合わぬし、鋭くすれば今度は誤報が多くなるしと。だから、どの辺がいいのかというのは非常にむずかしいわけなんです。  そこで、日本防災システム協会で、都市建築防災委員会、委員長が星野昌一先生ですが、これをつくって二年がかりでイオン化式、光電式をそれぞれ蓄積型、非蓄積型、計四種類のそれぞれの特徴を生かして設置場所を工夫をすれば相当程度誤報を避けることができるのではないかというデータを明らかにされています。私どもの機関紙である赤旗の二月の二十三日号でも報道をしたわけですが、そして問題提起をしたわけですけれども、これは昨年中に恐らく消防庁あるいは消防研究所にも御報告をされているというように思うんです。こういうそれぞれの特性、これを生かした設置基準といいますか、こういう研究というのを、あるいはこの結果の活用、こういう点についてどういうようにお考えですか。

石見隆三消防庁長官

○政府委員(石見隆三君) 御指摘いただいておりますように、火災警報装置、特に感知器につきましての非火災報は大変問題なのでございます。いま先生のお話もございましたように、非常に鋭いものにいたしますと絶えず鳴っておるということになりますし、非火災報を避けようとすると鈍感になっていざ火災のときには働かないというふうな状況で、これは消防庁といたしましても研究所でいろいろ研究をし、あるいはメーカーの方でもいろんなものを開発したりしていただいておるわけであります。  いままでの非火災報の原因を大きく分けまして、ただいまお話にございましたように、一つは設置場所の問題があるのじゃないか。それからもう一つは、機器の構造なり機能そのものの問題。この二つが指摘されておるわけであります。設置場所自身の問題につきましては、いわばまさに適材適所と申しますか、その部屋の状況に応じた一番いい場所という、非火災報をなくし、しかも完全に作動する場所はどこかというこの問題だと思うのであります。これにつきましては、私の方で防火対象物の防災システム研究会という分科会を持っておりまして、ここで検討を重ねてもらっておりまして、きめの細かい運用基準が何かできないかということでいま鋭意検討を進めていただいております。何らか結論が出れば、完全でございませんでも次善の策でも出れば、ひとつぜひこの研究会の成果なり結果を踏まえまして基準をつくりたいと思っております。  それから二番目は、機器そのものの問題でございますが、これまでも規格省令を改正したりいたしまして、いろいろと非火災報防止をやってまいったわけでございますが、まだ非火災報があることは事実でございます。私どもといたしましては、たとえば感度を二段階ないし三段階に分けて報知ができるような設備の開発ができないかどうかというようなこと、あるいはまた煙の濃度によりまして数値をとらえまして、これをコンピューターでもって本当の火災なのかたばこの煙なのかということを感知できるようなシステムが開発できないかということにつきましても、これはただいま申し上げました研究会で技術的な研究を片方進めていただいておりまして、この両々相まって非火災報につきまして何らか対策を立てたいということで鋭意研究をいたしておる最中でございます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 しばしば言いましたが、私が見たロイヤルホテルの場合は天井が低い。大体日本のホテルは天井がわりあい低いですわね。ですから感知器の下でたばこを吸えば大体鳴るんですよ。外国みたいに天井が高ければ大分また違うんですけれども。だから、そういう構造上の問題も出てきますから、これはひとつできるだけ早く研究して、誤報といいますか、非火災報をなくす努力をしてもらわないとなかなかこの問題は解決しないという点で要望しておきたいと思います。  次は、スプリンクラーの問題に移りますが、ホテルや旅館でスプリンクラーの未設置、あるいは百平米ごとの防火区画を設けるという問題、それから配管部分の埋め戻しとか防火扉ですね、それからカーテンなどの防災対象物の不備の問題、こういったハード面での不備なものの件数というのはどのぐらいありますか。

石見隆三消防庁長官

○政府委員(石見隆三君) スプリンクラーの設置を必要とする特定防火対象物の数は、法令の規定にふりましていま申しましたようなスプリンクラーの設置を義務づけられておりますものが全国で七千百六件でございます。と同時に、百平方メーター区画によってこれを措置をするという代替措置も認められておりますので、この七千百六件のうちスプリンクラーの設置されておりますもの、あるいは代替措置によってそれを達成しておりますもの、合わせまして設置済みのものが六千六百三件でございまして、達成率は九二・九%、大体スプリンクラーは九二・九%設置をされておるわけであります。未設置が大体五百件ぐらいまだ残っておるという状況であります。  それから旅館、ホテルにつきましては、いま申しましたものが五百八十五件でございますが、設置されておりますものが四百七十二件、八〇・七%という状況でございます。  それから、カーテン等につきましての防煙でございますが、旅館、ホテルでカーテン等について防煙設備を設けるべきものが六万五千百四十八件でございますが、このうちすべて防煙製品でもって設置されておる、完成しておりますものが四万三千五百二十八件でございますので、六六・八%であります。残りの約。二万一千件、三三%余りは、一部ついておる。ないしは一部ついていない、全然ついていないというような、いわばまだ不備な状態で残っておるものでございます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 先ほどの御答弁がありましたからなんですが、いわゆる五十四年三月末までの特別期間が過ぎて、それまでの特別の金融措置はなくなったわけですけれども、先ほどの同僚委員の質問に対して、改めて大蔵省と協議をして五十七年度から特別の金融措置をつくるということですから、これらの改善もひとつ努力をしてもらいたいというふうに思うんです。  ただ私、これ京都で聞いたんですが、そういうスプリンクラーの設備をやるとどうしたって経費がかかりますわね。だからなかなか協力してもらえない、そういう面があって苦労をされておるわけです、第一線の方は。しかし、これをつけたことによって効用はまた同時に起こっているんですね。去年スプリンクラーがあったおかげでぼやで終わったというのが京都で四件あったんですがね。全国的にいうと恐らく相当数になるだろう。ところが、何といいますか、ニュージャパンみたいにああいう大惨事になると、報道機関もじゃんじゃん宣伝しますけれども、ぼやで終わって、スプリンクラーが非常に効果があったという方の宣伝というのはまあないですね。だからこれはやっぱり積極的に消防庁としても、実際にやってみると効果があったということは直接消防署、現場に行って聞きましたけれどもあるんですね。てんぷら油ではっと火が上がったときにすぐスプリンクラーが作動してぼやで終わっちゃったという例は何件か聞きましたし、そういった積極面といいますか、効果の面についてもこれはもっと消防庁としてもPRすべきじゃないかというふうに思うんですが、この辺ひとつお願いしておきたいと思うんです。時間の関係がありますから御答弁は要りませんが、ひとつそういう点をお願いしたいと思います。  その次の問題は、法規の運用上の問題です。いままでは個別の問題、事故に直接関係のある問題で若干お尋ねをしてきたわけですが、今回の火災に対して、国民、あるいはニュージャパンの労働組合側から指摘しておるのは大きく言って二つあるのじゃないか。一つは、悪質なホテルの営業停止ができるように法律を改正せよという問題と、第二は、実効ある法体系をつくれという、この二点が全体として考えてみるとあるんじゃないかと、こう思います。  しかし現行法をよく見ますと、若干の法改正が必要な点があるかもしれませんが、基本的には現行法規でこれらの規定はちゃんと規定を備えているというように思うんです。すなわち、消防行政に対心では法五条で使用停止命令が可能でありますし、過去に適用した例もあるし、現にニュージャパンに対して、証文の出しおくれぎみですけれども、三月の二日ですかに出しておられるわけです。それから実効という点でも、罰則で担保された命令権がそのほかに章あるわけです。たとえば八条四項で防火管理義務違反の場合。改善命令を守らぬ場合には四十二条で六カ月以下の懲役、二十万円以下の罰金。あるいは消防用設備違反の場合は十七条の四。措置命令を守らない場合、設置義務違反、これは四十二条。あるいは四十四条で維持管理違反と、それぞれ罰則があります。それから、防火対象物の構造、設備、管理上、人命に危険のある場合は改善ないし営業停止命令を出すという五条を守らない場合には一年以下の懲役、三十万円以下の罰金、これは四十一条というように、三重の権限が消防行政には与えられると思うんです。  これらの権限行使の具体的問題点についてはこれからお尋ねしたいと思いますが、最初に提起いたしましたように、現行法規を正しく適正に厳正に運用するならば、今回のような事故あるいは悪質業者を未然に防ぐこともできるし、今回のような事故を未然に防ぎ得る条件としては法規上は整っているのじゃないか、基本的に。こういうように思うんですが、御見解はいかがですか。

石見隆三消防庁長官

○政府委員(石見隆三君) ただいま御指摘がございましたように、消防法令といたしましては、私どもかなりよく整備をしていただいていると思っております。ただ問題は、これが厳格に守られ厳格に行われているかどうかというところにあろうかと思うのでありまして、法令自身としては相当精密にかつ厳格に法律はつくられておるというふうに考えております。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 そこで、まず法五条の問題ですが、全国的にこの五条を発動した具体例、これはいかがでしょうか。

石見隆三消防庁長官

○政府委員(石見隆三君) 五十五年度中に法五条の発動をいたしましたものが二十二件でございます。と同時に、具体の例として、告発され刑事罰が科せられましたものは、四十六年以降三件ございます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 これは具体的に刑が科せられたのは三件、告発をしたのは五十五年中に二十二件ですが、告発をして刑が科せられなかった主要な原因ということはどういうことになりますか。

石見隆三消防庁長官

○政府委員(石見隆三君) 二十二件と申し上げましたのは、法五条の規定によりまして措置命令を発したものが二十二件でありまして、このうち告発に至りましたものが、ちょっと資料を持っておらぬのですが、措置命令を発しましたものが二十二件であります。措置命令を発しますと次は告発手続に移行してまいりますのでかなりびっくりして直すということになっている例がありまして、いま申しました三件は、それでもついに措置命令に従わないということでございますので、告発して刑事罰を科されたわけでございます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 それで、ニュージャパンの場合これは非常に悪質で、問題は、少しずつ、ちょっとずつ直すような顔をしたということで、結果としては二年半も放置をされたということなんですね。そこに一番大きい国民の疑惑なりあるいは消防行政に対する批判が集中しているというように思うんです。  この点について東京都議会でも問題になりました。その中で、東京消防庁の曽根総監がこの法五条の問題についてこういう答弁をなさっているんです。具体的火災危険がなければ発動できないというのが一般解釈。現在、ただし書きを含めて、運用に関する具体的問題点を抽出して、国と密接な連携を図り、法制的な意見を徴していると、こういう答弁をなさっているんです。  この法五条の発動というのは、営業権といいますか、財産権等とも非常に関連をしていろいろ問題があるわけだし、しかもただし書きで一定の、何といいますかね、ろ過装置もあるわけです。こういった点についての現行法五条についての見解、これをまずお聞きしておきたいと思います。

石見隆三消防庁長官

○政府委員(石見隆三君) 第五条は、ただいまお示しにございましたように、非常に強力な権限を消防機関に与えられておりまして、その要件といたしましては、「防火対象物の位置、構造、設備又は管理の状況について火災の予防上必要があると認める場合又は火災が発生したならば、人命に危険であると認める場合」に発動できるということに相なっております。この場合の火災危険でありますとかあるいはまた人命危険の認定というのは、これは第一義的には、申し上げるまでもなく、消防機関の判断にゆだねられておるわけでございますけれども、やはりこの立法当時からの解釈といたしましては、一般的抽象的な危険の発生では足らないのであって、差しかかっての具体の危険、火災危険あるいは人命危険が必要であるという解釈がずっとなされてきたわけであります。これがこの使用禁止命令の発動例が少ない理由であろうかとも思うわけであります。  今後、私どもといたしましては、この五条の解釈につきまして、これは条文でございますので、どう書こうと、これ以上幾ら書いても、やはり解釈として問題は残ると思うのであります。結局は、個々の具体の事例の積み上げによってある程度の一つのめどというものを立てていく方法というのが一つあろうかと思っております。と同時に、もう一点は、やはりこの五条の解釈基準と申しますか、どういう場合に発動すべきかということを今後検討いたしたいと思っております。すでに全国消防長会ともお話し合いを始めておりまして、それぞれ具体のケースを各消防機関が持っておられますので、そういう具体のケースの積み上げによって今後のこの五条の発動基準というものをきちっと定めまして、ちゅうちょなく発動できるような、自信を持って発動できるような体制というものをつくってまいらなきゃならないというふうに考えておる次第でございます。  それから、五条のただし書きかどうかという問題でございますが、この点につきましては、このただし書きも非常に読みずらい規定だとは言われておりますが、私どもは余り読みずらいとは実は考えておらぬのでございまして、防火安全の観点からなされました他の法令によります許可、認可の効力を事情変更がない限りは保証してあげましょうというのがこの趣旨だろうと思うわけであります。消防法上の設備あるいは管理の不備を理由に必要な命令を発することまでただし書きが排除しておるというふうには理解をいたしておらないわけでありまして、他の法令によります許認可の保護をしてあげようということだけでありまして、消防法上の違法までをこれで排除してしまうという趣旨には読んでおらないわけでありまして、この五条のただし書きが五条の発動の大変大きな障害になっておる、法解釈上障害になっておるというふうには私ども考えていないわけでございますけれども、その辺の問題につきましても、ただいま申し上げましたこの五条全体の解釈の中で、今後各消防機関、全国消防長会とも十分お話し合いを申し上げ、適正な運用ができますように努力をしてまいりたいと存じております。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 これは簡単にお答えしてくださったらいいんですけれども、このいまの火災発生の具体的な危険性の判断基準の問題ですね、これの問題をめぐって、全国の消防長なり消防関係当局の方から問い合わせがあって、それに答える形で行政実例をずっと出してこられたという例はあるんですか。あるかないかだけでいいです。

石見隆三消防庁長官

○政府委員(石見隆三君) 行政実例はございませんが、消防法の解説書にその向きを書いてございます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 消防長会議でいろいろ御検討なさるということなんですが、私ども、消防庁の方に来てもらってその問題いろいろ聞いたんですよ、ただし書きの点ですが。結局、告発された三件も、建築基準法違反とかぶせて消防法違反を出しておる、消防法違反だけで告発した例というのはないと、こういう話も聞いているんですね。だから、建築基準法上の問題と消防法上の問題とが、現在は片一方は遡及していませんから、乖離がある状況の中では、実際にはこれが、おっしゃるように、消防法上ぐあいが悪いという場合に、停止の命令は出せても、告発まではいけるかどうかというのは、いろいろ理論上問題があるんではないかというように思うんです。  それからさらに、これは雑誌「防火」ですか、これを見ますと、神戸の消防局の森本さんが論文を連載しておられますが、この五条及び八条四項の活用を極力主張されていますね。それで同時に、したがって明確な基準を示すべきだということと同時に、これは直接触れておられませんが、言外には、したがって大胆に告発をして、一定の判例をどんどん積み重ねることによってまた明確にするということも含まれているかと読み取れるような主張も含まれているんですけれども、そこまでいっていいかどうかはちょっと私は疑問だと思いますが、いずれにしてもそういう検討機関ですね。消防署長いわゆる現場の人たちの意見を含め、あるいは学識経験者、法律学者の意見も含めて、至急この問題ではできるところからでも明確な基準というやつを示していくということを要望しておきたいと思うんです。  ついでにお伺いしておきますが、東京消防庁がニュージャパンの使用停止命令を出しましたけれども、あれ、二階以上になっているでしょう。一階は構わないと、こうなっていますわね。これについて、もう時間がないからちょっと、具体的には私どもまだ調査をしておりませんが、うわさによれば、ようはやっているキャバレーですか、あれの経営者に黒幕もおるし、それで遠慮したんじゃないかというようなうわさも流れているんで、これは本来なら調査をしてから明らかにして指摘をしたいと思ったんですが、そういううわさもありますが、この辺は、一階だけを除外したのは一体どういう理由ですか。

石見隆三消防庁長官

○政府委員(石見隆三君) 私どもは、東京消防庁から伺っておりますのは、一階の場合には避難誘導がきわめて簡単であるというところから一階を外したというふうに承知をしております。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 次は、法八条関係の問題です。  この問題では、消防計画のチェックがきわめて形式的ではなかったのかという点です。人的な面や組織的な面にわたって消防署側が十分チェックする必要があったんではないか。  それで、この問題は後に査察体制の問題で論じたいと思うんですけれども、現実は、実際見てみますと、麹町消防署にも行っていろいろ話を聞いていますが、そういう点ではどうもそう感じざるを得ないと思うんですが、まずとりあえず八条四項の防火管理義務違反に対して命令を出した例はありますか。

石見隆三消防庁長官

○政府委員(石見隆三君) 五十五年度中でございますが、法第八条第四項の規定に基づきまして措置命令を発しましたものが、旅館、ホテルで七十六件……

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 これは全国ですか。

石見隆三消防庁長官

○政府委員(石見隆三君) はい、そうでございます。  それから防火対象物といたしまして百二十七件でございます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 この消防計画に基づいて避難訓練も義務づけられているわけですね。規則の三条四項ですか、ホテルは年二回以上、それから避難訓練を実施をすれば通報義務が同五項で決められている。ところが、ニュージャパンは、五十五年度はゼロだし五十六年は一回しかやっていない。そうすると、どうしてこういう問題について、違反についての命令を出すというような措置はとられなかったわけですか。

石見隆三消防庁長官

○政府委員(石見隆三君) 確かにいまにして思えば私ども、東京消防庁としては八条の措置命令もかけておいた方がよかったではないかという考え方も十分成り立つと思うのであります。  ただ、この点につきましては、東京消防庁を初め各消防機関におきましては、避難訓練の実施というようないわば防火管理業務というのは、申し上げるまでもなく、言ったときだけ、一時期だけうまくやったというだけではこれはだめでありまして、絶えず継続して適正に行われる必要があるわけであります。これは十七条の四の設備の面とは、おのずとその指導内容が相当違っておるわけであります。二十四時間中、三百六十五日絶えずやってもらわなきゃならないという問題があるわけでございまして、個々のその時点の状況をとらえて措置命令を発するよりも、関係者にやはりそういうことを趣旨を徹底をしてやってもらうということにかなり力を入れてきた結果だろうというふうに私たちは考えるわけでございます。  しかし、そうは申しましても、いまお話がございましたように、回数にしましても五十六年中に一回というふうな非常に少ない回数でございます。そのような継続しての指導、警告とあわせまして、八条の措置命令というものをさらに上乗せしてかけておくということは、ため押しという面からも非常に有効であったんじゃないかというふうに私どもも感じておるところでございます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 東京消防庁で聞いたら、東京で一番避難訓練をよくやっているホテルはどこやと言ったら、あるホテルの名前をおっしゃいました。月一回はちゃんと必ずやると、こういうわけですね。それから先ほど言いました京都で私が見たところで、現場でいろいろ聞きますと、それは職場ごとに全部やるというのはなかなか困難ですからね、全部やるのは年に二回なり三回なりだけれども、職場ごとに月に一回訓練をやってきている。こういうことをやるし、新入社員には消火器の扱い方をまず教育するという措置もやっているというように、いいところはどんどんやっているんです。そういう訓練なしに、実際に火災が発生をしたときの初期消火やあるいは避難誘導というのは実際は困難である。特に夜間ですから、夜間の場合は特に困難であるというように思うんです。  査察関係者の方々に直接聞いたところでは、非常に多くの人はやっぱりこの八条の規定をもっと活用せよというのが非常に多かったですね。特に今回のニュージャパンのように、常軌を逸する合理化、人減らしが急速にやられる、その場合は、古い消防計画を何ぼ出されたって、これは人員がもうぐんと減っているんですから、だから全く絵にかいたもちにしかすぎないわけでしょう。そのことをわかりながらほったらかしですよ、消防署が。確かに何遍も催促したけれども、人事異動が激しくてなかなか計画がつくれませんと、こうなっている。それだったら経営者にばちっと命令を出せと。そこのところのけじめをきちっとしていないところに大きな問題が、消防行政上の問題であるのじゃないか。  こういう点で考えますと、消防庁の指導の面で、法改正に伴う消火設備ですね。スプリンクラーの設置やその他のいろいろな設備、これは法改正をやって、五十四年の三月までにやらせていくと。これは大事なことです。ですから、言うなればそこに重点が置かれ、あるいはそれに依存する傾向が強かったんではないか。  あるいは、もう一つは、たとえばこのホテル・ニュージャパンのような問題の場合は、労使紛争になっていましたから、そういう労使紛争には介入するわけにいかぬ、不介入ということを口実にして、結果として人命尊重ということを軽視をしたというそしりを受けても仕方がないような状態になっているんじゃないか。その点で、消防上あるいは火災を防止する点から、そんなむちゃな人員を減らすということはできませんよと、本当にこれは消防の面から命令もし、また指摘もするということがちゃんと行われておれば、ああいうむちゃくちゃなことは経営者自身もやれなかったんだと。この点は、一面では消防行政の枠以外には出ないと言いながら、しかし片面ではそういう労使紛争には介入しないということを口実にして、消防行政自身の責任を貫徹していなかったんではないか。まあ厳しい言い方ですけれども、そういうことも結果としては言えるんじゃないかと思いますが、この点はいかがでしょうか。

石見隆三消防庁長官

○政府委員(石見隆三君) 御指摘のように、ホテル、旅館、とりわけこのような夜間にたくさんな方が宿泊する施設につきましての火災予防といたしましては、まず第一番目に、やはり消防用設備を完全に設置するということ、二番目には、ただいま御指摘ございましたように、日ごろの防火管理体制、特に発災時におきます避難、誘導、初期消火ということがこれは両々相またなければ、私は火災予防の万全は期せられ狂いと存ずるわけであります。  確かに、お話にございましたように、消防用設備につきましては、東京消防庁としては設置についていろいろ指導をし、警告し、また措置命令まで発して努力をしてまいったわけでありますけれども、防火管理につきましては、ただいまお話しありましたように、いろいろとその都度、年二回の査察の都度、あるいはまた、その他機会を見ていろいろやってまいったわけでありますけれども、結果的にはあのようなことに相なりました現時点におきましては、やはり日ごろの防火管理に対する指導面というのが、若干消防用設備の設置に比べますれば対応として少しおくれておったではないかという御批判は、私は十分受けとめなきゃならぬだろうと思っておる次第でございます。  と同時に、いまございましたように、私ども東京消防庁からいろいろ聞きました状況の中では、両々相まってやってきたつもりではございますけれども、片方、いまたまたまお話しございましたように、人が足らない、それはふやせということになりますと、これはやはり労使の問題とひっかかるという向き、労使と申しますか、ああいう中で、労使関係が必ずしも円滑でなかったという中で、人をふやせふやせというようなことが非常に言いづらかったという点も、まあ若干言いわけめくのでありますけれども、ということも申すわけであります。もちろん私ども消防機関が労使問題に介入することは許されないことでありますけれども、その問題は別といたしましても、やはり今後必要な人員の確保、あるいはまた、それを機械なりあるいはコンピューターによってカバーし得るならば、そのカバーする方法というものを具体に今後やはり消防機関としては対応していかなきゃならぬ問題だろうと思うわけであります。  いずれにいたしましても、今後適正な防火管理が行われていないと見ました場合には、これはもうちゅうちょなく八条を適用するという乙とはけだし当然だろうと思っておりまして、その向きにつきましても、この火災以後法五条、八条、十七条の四、これは別にランクがあるわけじゃございませんので、違反の事実がありますれば適正な措置をとるように強く指導をしてまいっておる次第でございます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 いま長官おっしゃるとおりなんですが、私はやっぱり企業の利潤追求というのが無制限に許容されるものではない。その点では消防庁なり、公共といいますか国民の利益を代表する立場から、必要なときにはやっぱり必要なことは言わなければこれは公共機関の責任を果たすことはできないというように思うわけです。  なお、これは衆議院の地方行政委員会でわが党の岩佐議員が指摘をいたしましたが、昼間はもちろん夜間を含む防災体制の基準ですね、これを急速に新設をするといいますか、決定をするということが同時にまた必要になっているということもこれは指摘だけしておきたいと思います。  それからその次に、第三の問題としては、法十七条の四の問題がありますが、これは時間の関係がありますから、いま長官もちょっとお触れになりましたから、これはもう省略をしたいと思います。  以上、法規運用上の問題点について幾つか指摘をいたしましたが、指導、勧告、命令、それから公表、使用停止、こういったサイクルを早める必要があるだろうというように思うんです。その場合、問題になるのはやっぱり査察体制の弱さです。現実に麹町消防署で聞きますと、東京消防庁の方針で査察の効率化ということがこの数年来強調されてきているという話を聞きました。この査察の効率化というのは、これは消防庁の方針として全国的に指導なさっておるわけですか。

石見隆三消防庁長官

○政府委員(石見隆三君) 査察の効率化と申しますか、限られた人員の中で最大の効果を発揮いたしますように、機能的、有機的に査察を行うべきであるという方針は持っております。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 これは現場で具体的に聞きますと、たとえばニュージャパンの非常ベルの問題、これは一体どうなっておるのか、実際に消防署の査察員が査察をするのかと聞くと、これはホテル側が点検報告制度によって自主的にチェックをすることになっているわけです。消防署の査察というのは直接チェックしない。だから防災センターというのは建物から外のところにあって、実際にはもう夜は役に立たないという状況になっていてもほったらかしと、こうなっているわけでしょう。  なるほど防火体制というのは、管理者といいますか、経営者といいますか、これが自主的にやるべきものだと言うことはできます。しかし、理屈はそうだけれども、火災が出たとき初めて防火体制が効果を発するわけですね。それで火事にならなければ別にどうということはない。だから、それにどんどん金を使ったことはむだな投資のようになる。しかも、今日のホテル、旅館業界の業者間競争も激しい、厳しいというそういう場合には、お客さんに対する直接のサービスの面には投資はしても、いつ役に立つかわからぬようなそういうところにはなかなか投資をしないというのが現実でしょう。そこに私は消防行政の存在価値というのがあるんじゃないのか。そこをちゃんと、もし本当に火災が起これば大変な災害を起こす、不特定多数の人々が安全だと思って利用しているわけですから、そこにそういう事故が起これば非常に大きな災害を起こすということはもう明らかなわけです。だから、そういうことを未然に防ぐ点に消防行政の存在価値というのがあるのではなかろうかと思うんですが、こういう点について長官の御見解はいかがですか。

石見隆三消防庁長官

○政府委員(石見隆三君) この消防用設備の設置につきましては、法令に基づきまして、あるいはまた消防機関の指導、警告に従いまして非常にまじめに取り組んでいただいておりますホテルもあることも事実でございます。しかし一面、ホテル・ニュージャパンに見られますように、警告を無視し、あるいはまた措置命令に従わないといういわば悪質な旅館、ホテルもあるわけであります。防災設備がいわば収益につながらない投資というような考え方がありますといたしますれば、これは私どもといたしましては、やはり経営者のモラルという点で非常に大きな問題だろうと存じております。収益につながらないからやらないというだけではこれは済まない問題でございまして、消防機関といたしましては、今後それぞれの旅館あるいはホテルにつきまして、もちろんよくやっていただいているところは結構でありますが、どうしてもできないところにつきましては引き続き適切なる指導を行い、あるいは警告を行い、なおそれにも従わないという場合には、法に基づきます断固たる措置をとるということもやむを得ないというふうに私ども考えておりまして、その辺拱手することなく、呼吸を見計らって適正な措置をとるように指導をいたしておるところでございます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 そういう目標でやっておられるんだけれども、実際に現場の査察要員というのけ非常に少ないんですね。麹町消防署も係長以下七、八人ですか、それで麹町消防署管内のたくさんのホテル、旅館を対象にしてやっておられるわけです。消防庁提出の予防要員数の年度別一覧表を見ますと、全体の消防吏員数に対する予防要員の構成比は、五十一年度が九・四%、五十二年度が九・五%、五十三年度になりますと八・六%、五十四年度八・六%、五十五年度八・八%、構成比で見ると大体減少ぎみです。東京都の消防年表からその線を引き出しますと、五十一年が九・三%、五十二年は九・三%、五十三年も九・三%、五十四年は八・七、五十五年が八・九、五十六年度八・九とありますね。全体として火災発生のときに消火体制を、大事に至らないうちに鎮火をするというそういう体制を強化をするということも、これは重視しなきゃなりませんけれども、さらに一層また強化をしなきゃならぬ問題は、火災を発生しないこと、発生をしてもその被害を少なくするということが大事だという点から見ますと、これはちょっと検討すべき問題ではないかと思うんです。  それで、消防職員の増加のうち、この予防要員の増加というのが最近はなかったんじゃないかと思うんですが、どうです。

石見隆三消防庁長官

○政府委員(石見隆三君) 消防職員につきましては、毎年必要なものの増員をお願いをいたしてきて、また徐々に実現をいたしておるわけでございますけれども、ただいまお示しにございましたように、消防職員全体の伸びと比べますれば予防職員の伸び自身はそれには追いついていない、したがって構成比としては下がってまいってきておるわけでございますけれども、実数で見ました場合、予防職員は五十一年には九千九百人でございましたものが、五十二年には一万二百五十ということ、現在では一万四百二十四名となっておりまして、五十三対五十五で見ました場合、約八・九%の伸びを見ておるわけであります。  やはり予防につきましては、いまお示しにございましたように警防と並びまして、むしろ警防以上に私は大変重要な仕事であろうと存じております。今後予防職員の確保につきましては努力をいたしたいと存じておりますと同時に、予防のあり方と申しますか、有機的あるいはシステム的な予防のやり方につきましても十分検討してまいりたいというふうに考えておる次第でございます。

神谷信之助日本共産党

○神谷信之助君 おっしゃるように、全国的には五十一年九千九百人が五十五年の一万四百人、若干ふえていますね。しかし東京都二十三区を見ますと、五十一年は千三百五十一人が、五十四年以来千二百六十六名でふえてもいないですね。東京都というのはふえるわけでしょう、いわゆる防火対象物件あるいは延べ面積。ですからこういう点から言いますと必要なところにふえてない。  それで、東京消防庁でいろいろその点のお話を聞きますと、結局予防要員というか査察要員といいますか、その人員に合わせて一種、二種、三種の区別をする、一種の場合は年二回以上行かないかぬ、二種の場合は二年に三回ですか、というようにいろいろ区別してますわね。人員に合わして対象物を決めているんだという話をなさっています。これは東京だけの問題ではなしに、京都や大阪その他に個別にずっと調べて聞いてみますと、大都市の方ではそういう状況になっておる。  では、来年度、先ほどおっしゃったように予算で九百七十九名増員になったということになっていますけれども、これは広域消防化に伴う常設化の要員とか、あるいは化学自動車やはしご自動車の増加とかというように新規の必要に伴うやつですね。だから査察要員というのは、これは火事だからいってすぐ走っていくわけじゃなしに、言うたら火事を予防する方です。この点についてはなかなか大蔵省も認めない、こういう状況がある。しかも、臨調の答申によりますと、消防職員の増員抑制が指摘をされているんです。  長官、この点で私は特に消防職員は、第一線の皆様さんは、先ほどからいろいろな問題を指摘をしましたけれども、人数の少ない中で苦労をしてとにかく火災予防のために努力をなさっていること私はよく知っています。毎年大みそかにはよく京都市の消防署にも行っているわけですよ。そういう皆さんの努力の状態というのはよく知っているがゆえに、逆に私は長官に改めて決意を伺いたいんですけれども、この企業の利益を追求するそういう立場から、どんどんとビルは高層化する、消火活動というのは複雑化する。その点に対しては若干はしご車だとかあるいは化学消防車、こういったいろんな新しい面での補助制度というのは、補助率その他きわめて実態に合わない少ないものですけれども、一応は認められる。しかし、一般国民の生命に対する、あるいは生命、財産を保障するこういう査察、予防行政、これに対しては非常に軽視をしている、予算編成上の実際の姿を見ると、そういうように言わざるを得ないというように思うんです。だから、この国民の生命、財産を守る基本業務の一つである消防行政の中の火災予防の行政ですね、この点については要員の増加を長官としては毅然として要求すべきだと思う。火災のためにどれだけの人命がなくなり、またどれだけの国民の富が灰になってしまうか、このことを考えるならば、それを食いとめるところの予算をふやすということは、これは実際には非常に微々たるものなんですね、それに比べるならば。こういった点を私は考えなきゃならぬ。その場合、一般的に言ってもだめですから、その合理的な基準というものを私は現場の担当者の意見を十分取り上げて、消防庁としてもこれを検討して、そうして毅然として要求すべきだと、こういうように思うんですが、この点についての長官の御意見を伺いたい。  同時に、もう最後ですから政務次官にお伺いしますが、これは消防庁長官にがんばってもらわなければいかぬわけですね。そういう点で、きょうは大臣のかわりでお越しなわけですから特にお願いをしたいんですが、これはホテル、旅館のみならず、私の出身の京都なんかは神社仏閣あるいはいろんな旧跡を含め、民族の伝統や遺産、これらを維持管理をするというのは、後世に残すべきわれわれの重大な任務です。そういった問題も含めまして、こういう国民の生命、財産全体を守る観点から、政務次官の見解をあわせてお伺いしたいというように思います。

上條勝久自由民主党

○委員長(上條勝久君) 時間超過ですから、簡明にお答え願います。

石見隆三消防庁長官

○政府委員(石見隆三君) 御指摘がございましたように、予防行政は警防行政と並びまして消防行政上大変重要な問題でございます。私ども、ただいま御指摘をいただきました点を十分踏まえまして、今後予防職員の増員確保には努力をいたしたいと思っております。  なお、現在、消防力の基準の見直しと申しますか、消防力基準を絶えず見ていただきますために、調査研究会を設けましていろいろと御審議をお願いいたしております。その中で、消防力基準全体の中でこの予防職員はどうあるべきかということも含めて御検討を願う時期を持ちたいと思っております。と同時に、この研究会のメンバーには現地の消防機関の代表者も入っていただいておりますので、その際、そこでの意見も十分尊重して、踏まえて、審議の経過の中に反映さしてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。

谷洋一自由民主党自治政務次官

○政府委員(谷洋一君) 国民の生命、財産を守る上におきましても、また、われわれが後世に残すべき文化財の保護等々いろんな問題を考えてみましても、予防査察を徹底いたしまして今後やらなきゃならぬということは御趣旨はよくわかるわけでございまして、その上この御趣旨を十分に念頭において今後予算獲得等にがんばっていきたいと思っております。

伊藤郁男民社党・国民連合

○伊藤郁男君 建設省と厚生省の方に来ていただいておりますので、最初に建設省にお伺いをしておきます。  東京都が建築基準法違反として認めたのはニュージャパンの火災が起こった後ですね。この理由は何でしょうか。

梅野捷一郎建設省住宅局建築物防災対策室長

○説明員(梅野捷一郎君) お答えいたします。  東京都におきましては、火災後の調査でメインパイプシャフトの欠損、あるいは上下階のパイプシャフトの点検口周辺の欠損というようなことを具体的な建築基準法違反ということで、防火区画違反を問いまして命令等も出しておるわけでございます。これらにつきましては、既存の建物であったということもございますが、一定の、三十二年から三十九年にかけましての手続の経過の中では発見できずに、火災後に発見をした違反事項でございます。これらについては、いま申し上げました三十三年から三十九年までの各段階におきます手続の過程では、計画の確認あるいは完了検査というようなこともやっておりますが、その過程では残念ながら発見できなかった。この原因については、鈍技術的な問題でいえばいろいろ、たとえばパイプシャフトの点検口周りというようなことについて言いますと、点検上の死角に当たっている部分がかなりあったとか、いろんな点が原因かと思われますけれども、いずれにしましても、それまでの経過の中で発見できなかったのは大変遺憾なことだったというふうに考えておるわけでございます。

伊藤郁男民社党・国民連合

○伊藤郁男君 結局、建築基準法によると、建物が違反かどうかということは、工事が終了したときに外見を見てよろしいと、こういうことになればそれでパスする、こういうことですか。

梅野捷一郎建設省住宅局建築物防災対策室長

○説明員(梅野捷一郎君) 新築の場合について申し上げますと、設計ができましたもの、これは一定の資格を有する者が設計をするわけでございますが、その計画についての法律におきますいろんな基準に対する適合性をチェックをする。それで、確認が下りますと、それに従って工事が始まるということになるわけでございますが、最終的には完了届を受けましてその建物についての完了検査を実施する。この場合にはでき上がった状態での検査でございますので、目視によって行うということになるわけでございます。そのほかには基準法の十二条によります中間的な検査、報告というようなことも一応は求められることになっておりまして、それらを活用しながら検査を進めていくというのが実態でございます。

伊藤郁男民社党・国民連合

○伊藤郁男君 設計上不備がない、つくっている間も建築基準法違反をそう認められない、そうしてできた後は外見上見てよろしければよろしいと、こういうことになるんですけれども、しかし、ホテル・ニュージャパンのように、結局火災が起こってみて大変な欠陥があった、違反が大変だったと。まあもちろん法律によって遡及されない旅館ですからね、その辺のところは十分に検査をされなかったであろうけれども、たとえば、このような技術が発展をした今日におきまして、外見を見て中の部分の欠陥というのを発見できるような機器、そういうものは研究していると思うんですけれども、そういうものがあればああいうものも未然に防げる、こう思うんですが、その辺はどうでしょうかね。

梅野捷一郎建設省住宅局建築物防災対策室長

○説明員(梅野捷一郎君) お答えいたします。  技術的な問題でいろいろな、先ほど申し上げました完了検査時点、あるいは既存の建物については査察等も実施しておるわけでございますが、その段階での検査の実効を上げるということについては、いろんな立場からの検討が必要かというふうに考えております。  今回の事故の場合につきまして関連したことで申し上げますと、新しい基準ではやはりなかなかパイプシャフトの中というようなものが改めにくいというようなこともございまして、そういう事後の点検等のできるような開口部みたいなものを、点検口を基準の中に、直接それが基準そのものといいますか、安全性につながるわけではございませんが、点検するための方法としてそういうものをわざわざ組み合わせて要求をするというようなことで改善を図っているところでございます。  そのほか、工事の過程におきます記録をいかに残していくかとか、いろんな点で御指摘のようなことで検討していく余地がたくさんあるのではないかというように考えております。

伊藤郁男民社党・国民連合

○伊藤郁男君 消防の面では、防災上の見地から川治温泉ホテル以後一斉に全国のそういう関係のホテル、旅館などの総点検をやっていますね。今度の場合もやっぱり消防庁の方は再点検をやっていると、こういうことなんですが。建築の面で、こういう事件を契機にして全国一斉に再点検をやる、こういう体制が建設省にはないんですか。

梅野捷一郎建設省住宅局建築物防災対策室長

○説明員(梅野捷一郎君) お答えいたします。  ただいま御指摘の件でございますが、今回のホテル・ニュージャパンの火災を受けましてのさらに点検をするということにつきましては、私どもも二月の十二日付で全国に指示をいたしまして、特にその場合には緊急ということもございまして、昨年の一斉点検、川治の事故の後に実施しました一斉点検のフォローという性格も含めまして、特にそのときにいろいろな注意をいたしましたものを中心に一斉に再点検を行うように指示して、再点検を実施したところでございます。また、全体的には年に二回そういう点検等を行います特別の週間を設けまして、防災上の観点からの査察というようなものを実施しているのが実情でございます。

伊藤郁男民社党・国民連合

○伊藤郁男君 やっぱり焼けてから、あるいは壊れてから建築違反があったんだと、こういうことじゃ困るわけですね。積極的な方法をもちましてやっていただきたいと思います。建設省結構でございます。  それから、厚生省の方に御質問しておきたいんですが、ビル管理法というのがありますですね。これは、建築物における衛生的環境の確保に関する法律、こういうことになってるようですが、この法律及び同法の政令によりまして空気調整、特にああいう建物ですから空気調整をしっかりやらぬと乾燥してたらすぐに火がついちゃうわけですから、そういう意味でこの法律ができておると思うんですが、ところがホテル・ニュージャパンは大変おそまつなあれでございまして、電気代の月五万円を節約するためにこれとめていたというわけでしょう。まことにけしからぬ話だと思うんですけれども、この法律に基づいて厚生省は空気調整がうまくいっているのかどうかというそれを点検をしなければならぬことになっているわけですね。その点検は一体どのように行われておるのか、その点ちょっとお聞かせください。

花輪隆昭厚生省環境衛生局企画課長

○説明員(花輪隆昭君) お答えいたします。  ただいま先生御指摘のように、いわゆるビル管理法がございまして、この法律の中でビル内の空気環境等の調整を一定の基準に従ってすると、こういうことになっておるわけでございますが、事件後直ちに東京都からホテル・ニュージャパンに関しまする報告を求めましたところ、最近の状況把握といたしましては、ほほ一年に一回立入検査等を同ホテルに対して実施いたしておりまして、五十三年十二月、五十四年の三月、それから五十六年の九月、五十六年の十二月というようなことで立入検査ないし報告の聴取をいたしているわけでございますが、それによりますと、問題になるのは湿度関係でございますが、おおむねニュージャパンの湿度関係は環境基準に適合しておるという報告を東京都からいただいておるわけでございますが、十二月一日に行った定期測定結果におきましては、相対湿度につきましては最高六四%、最低四五%、平均で五四%というふうな数値が報告されております。  なお、新聞報道されましたとおり、空調設備の改造がニュージャパンで行われておりまして、これはいわゆる全外気方式と呼ばれておる外気を全部取り入れて、それから回して、そのまま外気へ放出するという方式から一部循環方式、全部を一遍に外へ捨てないで、中を回して、一定割合だけ外気から取り入れるというような方式、この一部循環方式に改造する工事が一月になされておりまして、一月の二十九日に空調設備としては改造が行われておるというふうな報告を受けておりまして、この改造によりまして省エネといいますか、燃費はかなり安く済む方式に切りかえられたということが認められるわけでございますが、この内部循環方式それ自身が直ちに湿度関係の基準が満足できないかということになりますと、そういうわけではございませんので、一応そういうふうな状況を把握して今日に至っているわけでございます。

伊藤郁男民社党・国民連合

○伊藤郁男君 その測定をやるのは、委託業者がやっているわけですか。

花輪隆昭厚生省環境衛生局企画課長

○説明員(花輪隆昭君) ビルの管理の仕方につきましては、具体的な測定は測定業者が実施いたしておりますが、ビルの管理につきましては一定の資格要件がございまして、その結果をビル管理技術者、これは各ホテルごとにそういう資格者を置くように義務づけられておるわけでございますが、ビル管理技術者が責任を持ってチェックをすると、こういうふうな仕組みになっております。測定自身は業者でございます。

伊藤郁男民社党・国民連合

○伊藤郁男君 そこで問題があるわけですがね。業者が測定をしていると。法律に基づくと、このビルの管理者というのは二カ月ごとにきちっと点検をして、それを報告しなきゃならぬということになっていますね。いまお話しのように、一年に一回ですか立入検査をしたらよかったと、こういうんですけれども、しかしそれは、一年たって報告書を見て、あるいは一年に一回行ったときには動いていた、これではまさに日ごろの実情がわからぬ、こういうことになると思うんですね。その点もう少し厳しくチェックする、こういう体制が必要だと思うんですが、その点どうでしょうか。

花輪隆昭厚生省環境衛生局企画課長

○説明員(花輪隆昭君) 先生御指摘のとおりでございまして、検査が行われておるときはよいというふうなことでございますればせっかくの環境基準が意味がなくなるわけでございますので、私どもホテルの管理に当たりましては、良好な衛生状態が保たれまして、人の健康に害を及ぼすおそれがないということを確保いたしたいということでやっておるわけでございますので、そういうことのないよう管理技術者あるいは関係の業者等を十分指導してまいりたいと存じます。

伊藤郁男民社党・国民連合

○伊藤郁男君 もう一つは、この法律は衛生上、健康上の観点からつくられている。しかし、湿度の問題というのは直接このように火災に結びつくわけですね。だから、本来ならば消防法の中にこの点を組み入れてきちっとやっていくということが私は必要だと思うんですが、そのような考え方があるかないか。厚生省のお立場からどうなのか、消防庁はどうなのか、お伺いいたします。

花輪隆昭厚生省環境衛生局企画課長

○説明員(花輪隆昭君) 消防庁とも十分御相談申し上げたいと思いますが、ビル管理法におきましては、浮遊粉じんの量でございますとか、一酸化炭素あるいは炭酸ガスの含有率、あるいは温度というふうなことで、いわば快適な環境基準を確保するということで運用をいたしておるわけでございまして、先生お尋ねのような場合につきましては、消防庁とも十分御相談申し上げたいと思います。

石見隆三消防庁長官

○政府委員(石見隆三君) ただいま厚生省から御答弁がございましたように、本来の趣旨は快適な環境、健康あるいは衛生上快適な環境でのビルの管理というところにあろうかと存じますが、これが防災上あるいは消防上、いろいろの問題点があるといたしますれば、私ども厚生省と十分御相談を申し上げ、今後検討をしてまいりたいと思っております。

伊藤郁男民社党・国民連合

○伊藤郁男君 それから、厚生省にもう一点お伺いしますが、先ほど後藤委員の方から救急医療体制のことで御質問がありましたので、それに重複するかもしれませんが、あのホテル・ニュージャパンと日航機の事故と続いて起こったということで、救急体制は大変だったと思うんですが、しかしその中で、これは両方で百五十三人のけが人が出まして、それをそれぞれの病院へ救急車で運んでいってけが人を収容したということですが、その中で、国立病院に収容された人はホテル・ニュージャパンの場合にはゼロ、日航機の場合は五人ということで、百五十三人の中で双方合わせて五人が国立病院へ収容されて手当てを受けたと、こういうことですが、私はきわめて、まあホテル・ニュージャパンの場合は夜間ですから、未明ですから、という条件もあったと思うんですが、非常に少ない。この現状は、なぜ少ないんでしょうか。

小沢壮六厚生省医務局指導助成課長

○説明員(小沢壮六君) ホテル・ニュージャパン、それから日航機の事故におきまして、国立病院での受け入れの数値はいま先生御指摘のとおりのような数値でございますが、私どもかねがね国立病院、それから公的病院につきましては、その公的使命にかんがみて、救急医療に積極的に取り組むようにということで指導しているわけでございますが、その結果といいましょうか、国公立病院合わせまして救急告示を受けている病院が全体で約五三%ぐらいが救急告示を受けておるわけでございますが、現にこの二回の事故につきまして患者の収容が少なかったということでございます。  この患者の収容につきましては、これは消防関係の官署におきましてどこに搬送するかということで決定するわけでございますが、原則として近いところからどんどん病院に運び込む、それからまた、その症状に応じまして、非常に重篤な症状でございますと高度な機能を持った病院に運び込むと、そういうようなことで、現場に近いところからだんだん周辺に及んでいくというふうに私ども理解しておりますが、いずれにいたしましても、結果として非常に少なかったというのは事実でございますので、今後とも積極的に救急に取り組むように私ども十分指導してまいりたいと思います。

伊藤郁男民社党・国民連合

○伊藤郁男君 消防署員やあるいは救急隊員、これはもういつでも、非番の人でも常時非常事態に応ずるようにきちっとなっておるわけですね。だからやはり国立あるいは都がつくっている病院とかそういうところでは、常に緊急時に応じられるようなそういう体制をつくるということは、私は生命財産を守る意味から、特に医者の立場から言っても絶対にこれはもう義務だと思うんですよね。そういう義務づけをして、そしてきちっとやる。時間外だからだめだとか、何かやかましいことを言っているやにも聞いておりますけれども、それは最もけしからぬことだと思うんですよね。  だから、まだいいんですよ、百五十三名程度ですから。しかし、これが大地震などが起こったら、とてもじゃないけれども大変だと思うんですよ。そういうことを考えて、国立並びに公立の病院の、特に夜間の救急医療体制というんですか、そういうものについてはもう積極的な対策が必要だと私は思うんですが、その点はいかがでしょうか。

小沢壮六厚生省医務局指導助成課長

○説明員(小沢壮六君) 私ども、休日それから夜間の診療体制を確保するということで、昭和五十二年度から救急医療体制の体系的整備を進めるということでこれまでずっとやってきたわけでございますが、そこにおける考え方というのは、患者さんの症状を、軽いもの、それから入院加療が必要なもの、さらにまた重篤なものというふうに一次、二次、三次というふうに分けて、それぞれの医療機関の対応を考えるというやり方でやってきているわけでございますが、特に問題になります入院を必要とする患者さん以上の、二次の医療あるいは三次の医療につきまして、たとえば二次の医療につきましては、広域市町村圏単位に管内の病院が毎夜間あるいは毎休日に輪番で当番を組んでいただいて、その日はどこの病院が当番である、その際は十分なお医者さんを確保しておくと、そういう約束事のもとに、休日、夜間の診療体制をとる。それからまた、重篤な患者を収容するための三次の救命救急センターと私ども呼んでおりますが、ここの施設につきましては二十四時間必要なスタッフをそろえておく、そういう形で指導し、各都道府県で計画をつくっていただいて、それに基づいて整備を進めておるわけでございますが、そういうような実態を通しまして、国公立病院に義務づけということではなく、これは管内の病院、民間医療機関も含めまして幅広い病院でそれぞれの受け入れ体制を確保していただくということがまず先決ではないかというふうに私ども考えておるわけでございます。  それから、私ども今回の痛ましい事故で特に感じますことは——いま申し上げましたのは、いわば通常の休日、夜間の受け入れ体制でございまして、いわゆる災害時といいましょうか、特に大規模災害の場合には、こういった一般の輪番制とかそういう形での受け入れではなくて、これは本当に全医療機関が職員を全部招集して全力で受け入れに当たらなければいけないというような性格のものではないかと思うわけでございますが、そういった災害時の医療体制は、先ほど申し上げました救急医療体制の整備とは別の考え方でそれぞれの県で災害時を想定して計画をつくっていただいて、それに基づいて、たとえば国立病院が医師の応援をするとか、そういったものも含めた計画をつくっていただいて、それに応じた国としての協力も十分いたしてまいりたいと、そのように考えておるわけでございます。

伊藤郁男民社党・国民連合

○伊藤郁男君 やはり、瀕死の重症者を抱えて救急隊員が夜中にあっちの病院こっちの病院といって、もう容体を気にしながら走り回っているということですから、ぜひひとつその点は将来のきわめて重要な懸案だと思うんですが、よろしくお願いを申し上げたいと思います。厚生省、結構です。  それで、消防庁にお伺いをするんですが、あの例の「適」マークの問題ですね。東京消防庁が二十一件の悪質なものを公表した。非常に結構なことだと私は思うんですが、東京都内の九百六十一件を昨年立入調査して、そのうちの三分の二に「適」マークを交付したと、こういうことですね。そうすると、残りの三分の一、これは「適」マークは交付されていない、こういうことになるんですが、私がお伺いをしたいのは、この九百六十一件の旅館というのは、三階建て以上で収容人員が三十名以上のものに対して立入調査、それが九百六十一件でしょう。そうすると、二階建てで収案人員三十人以下の旅館というものはどういうことなのか。「適」マーク対象のホテル、旅館といろものは一定のその規模とかそういう以上のものあ対象にしておるのか、全旅館、ホテルを対象にしておるのか、その点をちょっとお伺いをしておきたいと思います。

石見隆三消防庁長官

○政府委員(石見隆三君) 昨年五月から発足をいたしました表示制度の対象となります旅館、ホテルは、ただいまお話にございましたように、三階以上で収容人員が三十名以上のものを対象といたしております。したがいまして、二階または平家の旅館、あるいはまた三十人未満の旅館というものは、この「適」マークの対象には、現時点ではいたしていないということでございます。しかし、それぞれの地方の実態に応じまして、二階でありましてもやはり人命の危険に問題があるというふうな地域につきましては、それぞれの消防機関によりまして二階のものについても「適」マーク交付対象の旅館にすることも差し支えないという指導をいたしておりまして、現に三階以上ではなくして二階以上を対象にするというような扱いをしております市町村も若干あることは事実でございます。

伊藤郁男民社党・国民連合

○伊藤郁男君 私は、東京都のような場合にはそういう三階以上というのが多いでしょうけれども、たとえば温泉地とか、そういうところは二階が結構あると思うんですよ。そこにわれわれが行くわけですね。それで、一般国民は三階以上がどうのこうのというのはわかっていない、だから「適」マークがあれば安全だと思って行く、「適」マークのないところには行かない、こういうことになると思うんですよね。  だから、いま長官が言われましたように一部実施をしているとするならば、二階以下であって三十名以下の収容のところも「適」マーク対象の建物として、やっぱり実情調査をしながら、先ほど言いました二十何カ所、何十項目というあれがあるわけでしょう、交付基準が。そういう交付基準に基づいて、そういうものを査察点検をする契機にもなると思いますから、その点を積極的にやるべきではないか、こういうように思うんですが、もう一度お願いいたします。

石見隆三消防庁長官

○政府委員(石見隆三君) お示しのとおりでございまして、二階以下でございましても、ただいま申し上げましたように「適」マークの対象にしておるところはそれで「適」マークの対象としての査察調査をして「適」マークを交付しております。と同時に、二階以下の旅館につきましても野放しては決してないわけでありまして、当然旅館としての消防法上の、消防用設備の設置基準あるいはまた防火管理者の選定、避難訓練等をやらなきゃならないことは消防法上当然でございますので、二階以下でございましても当然消防機関としては査察をし、そのようなソフト面、ハード面からの指導はいたしておるわけでございます。ただいま申しましたように、三階以上についてはその中でも「適」マークの対象にしたということでございます。

伊藤郁男民社党・国民連合

○伊藤郁男君 そこで、時間がありませんので次に移りますが、消防計画と夜間の宿直体制との関連ですが、たとえば五階以上で千人程度収容できる、あるいはそれがもう満杯であるというようなときの夜間の消防体制というものは、通常どの程度の人員がいればいいものかどうかですね。

石見隆三消防庁長官

○政府委員(石見隆三君) 旅館、ホテルで夜間の警備体制がどの程度の人員が必要かということは、確かにそのような一つの基準なり目安が私どもとしても欲しいという気持ちはございます。ただ、もう御案内のとおり、たとえば五階の旅館、ホテルといいました場合でも、その構造でございますとか大きさ、あるいは地理的条件、収容人員、さらにはそのような防火システムがコンピューターによります集中管理システムをとっておるかどうかとか、いろんな条件がございまして、一律に何名がいいと、収容人員に応じて何人という基準を設けることは非常にむずかしいし、また、これは逆な意味で非常に危険だろうと思うわけであります。  そこで、私どもといたしましては、このような問題も含めまして、何人がいいという確定的な基準はできないにいたしましても、このような旅館、ホテルにおきます、とりわけ夜間の防火管理体制というのがソフト面あるいはハード面を通じましてどうあるべきかということをずっと検討を進めてきたわけであります。現在もこの研究委員会を設けまして、専門の学者先生など入っていただきまして、どの程度まででき得ますか、まだ最終結論は得ておりませんが、一つの研究課題として取り上げ検討をしていただいておりまして、何らか早い機会に結論をいただくようにお願いをいたしておるところでございます。

伊藤郁男民社党・国民連合

○伊藤郁男君 私は、ある程度基準があると思ったんですね。たとえば去る五十一年にホテル・ニュージャパンが東京消防庁に出した消防計画によりますと、夜間の自衛消防隊員は四十五人であります、その中の通報連絡班は五人おります、消防隊誘導班が四人であります、警備隊誘導班が一人でございます、避難誘導あるいは通報連絡が二十一人ですか、そして消火防護班、地下連絡消防班はおのおの七人であります。合計四十五人でやっております、こういう報告書を出しておるわけですね。だからその計画に基づいて消防庁がこれでよろしいとこう言ったんではないか、私はこう思ったわけです。ただ、ホテル・ニュージャパンの場合は当日はもうこれよりも、四十五名よりも物すごく少なかったわけですね、夜間の人員が。それと同時に、従業員に対しておまえは何係、何係だという徹底もしていない、日ごろの防火訓練もやってない、こういうことで欠陥が暴露されたわけでありまして、そういう意味で、いま長官のおっしゃいましたように、規模別あるいは条件、いろいろむずかしいと思いますよ、それはわかりますけれども、十分にそういうことを計算をしながら、最低これだけは夜間は用意しなきゃ危ないぞというところの基準をできるだけ早く出していただきたい、これを要望をしておきたいと思います。  それから問題は、先ほど来議論になっておりましたけれども、消防法第五条に私は欠陥があると見ておるわけです。先ほどは神谷委員の質問に対して、長官は、措置命令を出せる項目が五条だとか八条四項だとか十七条の四とかいろいろあります、非常に法としては整っているものである、要はそれを適正に的確に実行するかどうかと、こういうことを言われたわけでありますが、しかしこの五条は、どういう面を整えれば措置命令ができるのか、文言としては非常に抽象的に書いてありまして明確でない。その点については事例を参考にして明確な基準をつくりたいと御答弁がありましたので、それをぜひ実行をしていただきたいと思うわけでありますが、問題は、第五条に、これこれの条件によって措置命令を発することができる、こう書いてあるわけですね。だから、発しなくてもよろしいし発してもよろしい。しかも、この発する発しないは、現場の消防署長、これが実際は判断をすることになっておるわけですね、法律のたてまえは。要するに、現場の消防署長なりの自由裁量によって措置命令を具体的に出していく、あるいは出さない、こういうことになっていると思うんですね。そこに私は問題があるのではないか、こういうように思うんですが、いかがでしょう。

石見隆三消防庁長官

○政府委員(石見隆三君) 法第五条は、すでに御案内のとおり、防火対象物につきまして火災危険あるいは人命危険がございます場合に、消防長または消防署長が措置命令を発することができるという規定にいたしてございます。ただ、これは先生お話しございましたような、全くな意味での自由裁量、自由裁量と申しますか、やってもやらなくても勝手という意味での自由裁量ではないというふうに私ども考えておりまして、条件に該当いたしますれば必要に応じこの措置命令をかけるというのは当然のことであろうかと思っております。  問題は、この第五条の条件に具体のケースの場合が当てはまるかはまらぬかという判断の問題だろうと思うわけでございます。法律の条文でございますので、幾ら詳しく書きましてもやはり限度というものがあろうかと存じますが、一応この五条では、いま申しましたようにかなり詳しい規定は設けてはおりますが、ただいま御指摘ございましたように、具体のケースがこれにはまるかどうかという判断は現地としては非常に判断に苦しむところがあるのも事実でございます。そこで私どもといたしましては、この五条の発動につきましていままでの例もあるわけでありますから、そのようないわば判例法的な積み上げをやりまして、五条が発動できる場合、あるいはしなければならない場合の条件というものを消防長会の方とも十分相談をいたしまして、研究会を設けまして、具体のものについてこの実績を積み上げながら一つの成果を得ていきたいというふうに考えております。あわせまして、それぞれの消防機関におきまして五条が発動できるかどうかということが非常に判断に苦しみますときには、私の方に、消防庁の方に御相談をいただきたい、判断のつかないままいりまでも抱え込んでおりますことは、これまた次なる危険につながるおそれが十分あるわけでありますから、判断がつかないときには遠慮なく私どもの方に御相談をいただきたいということをお願いもし指導もしておるところであります。  このようなことと相まちまして、今後五条の発動基準といいますものをそういう形での積み上げによって明確にしてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。

伊藤郁男民社党・国民連合

○伊藤郁男君 先ほど長官も、東京消防庁が措置命令を出したのを遅きに失した、もっと早く十七条四項に基づく命令を出しておけばよかったがと、反省を込められて言われておったわけでありますが、本来ならばこの自由裁量部分と、そして、これだけの条件が整えば措置命令は出さなきゃならないという義務——義務ですね、義務的に出さなきゃならない。やっぱりその辺のところを十分検討をされて、そして義務ですから、現場の署長や何かが判断する裁量はその中ではなくなってくるわけですから、どこまでの条件が整った場合にはこれはもう義務として行政庁側が命令を出すと、こういうところまでいかないと、後追いの行政で、いつも起こってから反省をして後から何かをやると、こういうことになってしまうのではないか。そういうところを考えてこの五条というものを見直す必要があると私は思うのですが、いかがでしょう。

石見隆三消防庁長官

○政府委員(石見隆三君) 私どもといたしましては、直ちに五条の法令を改正する必要があるかどうかということにつきましては、これはもう少し研究しなければならない問題だと存じておりますけれども、この五条が発動されます際に、消防機関といたしましては一つの基準、目安といいますものがありますれば、非常に五条が扱いやすくなるであろうということもよく承知をするところでございます。ただ二の場合、基準をつくると申しましても、御案内のとおり防火対象物はもう千差万別でございます。したがいまして、それに当てはめればイエスかノーかという答えがぴたっと出てくるような、何かコンピューターではじくような基準というのは、なかなかこれはできないだろうと存じますが、やはり発動する場合の一つの基準と申しますか、そういうものはぜひこの際各消防機関とも御相談をして研究してつくりたいというふうにも考えております。  と同時に、もう一つは、やはりこの際各消防機関が今回見られますような悪質な防火対象物に対しましてはちゅうちょすることなく厳正な措置をとるという強い決意ということもぜひ促したいというふうに思っておるわけでありまして、この点、両々相まちまして、五条の発動につきましては今後厳正な措置をとるように重ねて指導をしてまいりたいというふうに存じておるところでございます。

伊藤郁男民社党・国民連合

○伊藤郁男君 時間が来ましたので、終わります。

美濃部亮吉一の会

○美濃部亮吉君 私は、ホテル・ニュージャパンの痛ましい事件を聞きましたときに、これは単にホテル・ニュージャパンの事件だけではなく、同じような事件が方々で起こる危険があるのではないかと考えました。そうして、きょうの御質問及び御答弁によりまして、ますますそういう感じを深くしたわけです。それからおとといですか、例の北海道の地震でございますけれども、これはマグニチュード七以上の烈震、大地震と言ってもいいような事件でございます。  この二つをあわせ考えてみますと、いつ東京都で地震が起こっても仕方がないという情勢だと思われますが、もし東京都に地震が、大正十二年のような大地震が起きたときには一体どうなるであろうか。私は十二年間知事でおりまして、その間一日として地震が起きたらどうなるだろうということを考えない日はなかったとも言えます。それだけに、北海道の地震とそれからホテル・ニュージャパンの火災の事件に遭いまして、地震が起こったときにどうなるだろうということを考えたわけでございます。  それで、東京都の防災会議の地震部会の推計によりますと、大正十二年ほどの地震が東京に起こったときに、およそ三百カ所において火事が延焼をする、初期消火も役に立たない、どんどんと燃え広がる個所が三百カ所あるということを推定しております。そういたしますと、火事が起こりますが、その際にホテル・ニュージャパンのようなホテル、あるいは百貨店、あるいは劇場、あるいはその他の高層ビルがどういう状況になるのか。私は、こういう一応防災の設備があると考えられるような建物が、こういう地震によって火災が起きた場合にどういう形になるのか、そこが実にわからないのでございます。大丈夫だと。大正十二年のころとは全く違って、防火防災が十分で、まあ十分とは言えないにしても相当の程度できている、だから火事が起こっても大丈夫なのか、あるいはホテル・ニュージャパンのような状況が各所に起こって大問題になるのか、どちらでしょうか。もしその推定ができますならば話していただきたいと思います。

石見隆三消防庁長官

○政府委員(石見隆三君) ただいまの御質問は大変むずかしい御質問でございまして、私ども、ひとり消防機関のみでその答えを導き出すことも実は困難な問題もあろうかと存じております。  お話にございましたように、関東大震災クラスの地震が東京に起こりました場合にどうなるか。一つは、お話もございましたように、最近の高層建築物等は非常に耐震性を考えてつくられておるようでございますので、同時に耐火構造のものが非常に多くなっておるという意味では関東大震災とは違った条件であるとは言われております。反面、やはり当時とは違って、石油を初めといたしまする各種危険物というものが大変蓄積されてきておるという面を考えれば、これは大変なマイナス面であります。それらがどのように地震の際にプラス面、マイナス面が働きますか、私ども直ちに即断をする技術も知識も持ち合わせていないわけでございますけれども、ただいま先生のお話にございましたように、五十三年に東京都防災会議が発表いたしました被害の想定概況によりますと、マグニチュード七・九では——これもいろいろ冬の夕食時でありますとか風速は何メーターとか細かい条件を置いておりますが、三百カ所ぐらいで火を発することになるのではないだろうかというふうなことも一応報告はされております。ただ、この報告につきましてもいろいろの見方もあるようでありまして、これをさらに上回る被害が起こるはずだという学者先生もおられます。いや、これは少しオーバーであってこうはならないと言われる方もあるようであります。  いずれにいたしましても、私ども消防を預かる者といたしまして、やはり地震が起こりまして最も警戒すべきは火災の発生というこの一点に尽きるであろうというふうに存じでおりまして、この火災の発生を何とかして未然に食いとめるということ、それから人命の救助をどうするかというところに消防行政の重点を置いて考えなければならないというふうに考えておる次第でございます。

美濃部亮吉一の会

○美濃部亮吉君 なかなかむずかしいことはもう十分わかるんですけれども、一般の住宅についてはほぼ防災会議も推定をしているんで、大正十二年の地震のときには、地震で直接出た死亡者は二千人で、それから火事によって死んだ方々が五万六千人で、焼失の家屋は三十二万戸という計算になっております。これは過去のことで、ほぼ確実であろうと思いますが、この三十二万戸というのはほとんど個人の家屋であろうと思います。そうすると、現在十二年の大地震程度の地震が起こったときには、個人の木造の家屋が四十七万三千戸焼けるという推定をしております。それでありますから、木造の家屋というところで、いまはもうほとんど大正十二年の木造とはいろいろの点において違って燃えにくくなっておりますから、四十七万三千戸が焼けてそうして死者が前のときよりもたくさん出るか出ないかということは非常に問題だと思いますけれども、個人のあれでもって大正十二年には五万六千人亡くなったというと、ほぼそれに近い、あるいはこれよりも少し大きいぐらいの死者が個人の家屋の焼失から出るということは考えられますけれども、推定することが非常にむずかしい。いまの御返事がありましたように、非常にむずかしいことは、ホテルとかなんとかの高層ビルが一体どうなるだろうと、そういうことだと思うんです。  それで、私にもわかりませんが、ホテル・ニュージャパンのような状況が方々で起こったとすれば非常な問題になるのではないだろうか。私は、消防庁長官としては、そういう可能性を考えてそのときにも大丈夫な体制をつくるという必要があるのではないだろうか、そう思っておりますけれども、いかがでございましょうか。それ以下であったらばそれほど幸せなことはないんで、最大限度に悪い場合を考えるべきであると思いますけれども、いかがでございましょうか。

石見隆三消防庁長官

○政府委員(石見隆三君) 重ねての御質問をいただきまして恐縮でございますが、私どもといたしましては、関東大震災程度の地震が東京に来ましたときに、どのような状況になるかといいますことを先ほどは東京都防災会議の結果を御披露申し上げただけでありまして、これにもいろいろな見方があるということも申し上げた次第であります。私ども、どのようなことになりますか、直ちにここで結論を申し上げますにはそれだけの材料も持っておりませんし、また不用意に大きなことになりますれば、いわば大変な民心不全安でございましょうし、あるいはまた、軽々しく大丈夫というようなことを申し上げることも非常にまた危険な面があろうかと思っております。  ただ、私どもといたしましては、ただいまお話ございましたように、一般の住宅を考えました場合、火災が起こりました場合にはまず何としても火を出さないということを住民の方々に強くお願いするのが第一だろうと思っておるわけであります。たとえば、申し上げますれば、先年の宮城沖の地震あるいは今回の北海道浦河の地震を見ましても、あれだけ大きな強い地震がまいりましても火災がほとんど数件、今回の場合にはゼロという状況であります。そうなりますと、若干倒壊いたしました家の下敷きになってけがをなさったという方もおられるわけでありますけれども、いわゆる火災による焼死というような方はゼロであったわけであります。私どもは一にも二にもとにかく火を出さないということを強く各それぞれの機関、それぞれの防火クラブあるいはそれぞれの団体を通じていろいろとPRをし、お願いをいたしております。と同時に、万が一にも火災が出ました場合には、各家庭でできる限りのそれぞれ初期消火に努めていただくということが第二番目であろうと思っておるわけであります。  なお、震災時の消防体制が大丈夫かということでございます。私どもといたしましては、あらゆる火災を含めまして災害に対処できますように各消防機関にそれぞれ装備を整え、あるいは訓練をしていただいておるわけでございますけれども、やはりすべてについて絶対大丈夫かというふうにぎりぎり詰めてまいりますと、これはなかなかどこまでできますか、一〇〇%というわけにはまいらぬ向きも出てくることも事実だろうと思っております。いかにして被害を最小限度、とりわけ人命の損傷を最小限度に食いとめるかというのが消防機関の大きな任務であろうかと思っておるわけであります。現在、私どもといたしましては、地域防災対策の強化地域、いわば東海地域でありますが、これを含めまして、全国全市町村に対しまして震災対策に係ります市町村の消防計画の見直しをしていただきますように、通達をして指導をいたしております。特に火災の警防面につきましては、この通達の中で、火災警防活動の基本を人命の安全確保と延焼防止、この二点に置きまして、消防力の効率的、重点的な具体の配備をしていただきますようにお願いをしておるような状況でございます。

美濃部亮吉一の会

○美濃部亮吉君 私は、くどいようでございますけれども、消防庁としては最悪の状態を前提としてできるだけの対抗措置をお考えになるのが本当ではないかということをもう一度申し添えておきます。  それから一番問題になるのは、私は最悪の状態を考えまして、火災が多発した場合に消防自動車が自由に行動できないのではないだろうか。つまり道路に自動車その他が横たわりまして自由に通行することができなくなるのではないだろうか。もちろんいまお話しのように、初期消火が非常に大切であるということは言うまでもございませんけれども、初期消火によってすべての火事が消せるものではございませんので、幾つかの、あるいは相当数の火事は延焼を続けるということを考えなければならない。その際に消防車が自由に行動できない、非常に局限される、そこに非常に大きい問題があるのではないかと思うんで、その点はいかがでございましょうか。

石見隆三消防庁長官

○政府委員(石見隆三君) 御指摘のとおり、消防機関といたしましては現有の勢力の中で最悪の状態を考えてその対策を練る、あるいはまた具体の訓練行動をするということばお説のとおりだと存じております。そういう方向で今後とも市町村を指導してまいりたいと存じております。  ただ、ただいま後段お話がございましたように、地震が発生いたしました場合、道路の損傷でございますとかあるいはまた電柱が倒れるというようなことによりまして消防車が自由に活動できにくくなるのではないかという御指摘はごもっともだと存じております。私どもといたしましては、このようなことを当然あり得るものという前提のもとでそれぞれの警防計画というものをつくらしておるわけでございまして、一つは、避難地あるいは避難路の確保、これは最優先にやっていただくということ。それから、その他火災現場に到着しますまでの間の各般の消防機関の対応ということを、いま申されましたようなことも前提として消防機関では対応いたしますように指導をいたしておるというのが実態でございます。

美濃部亮吉一の会

○美濃部亮吉君 恐らく警視庁の方の管轄に属すると思いますけれども、震災が起こった場合に、自動車はもう走ることをすべてやめて、そうしてできるだけ即時に左側に寄ってとまって、そうして逃げようと思うのならば自動車を出て自分で歩いていけと。それが完全に守られればある程度のスペースは道路の上にできまして、そうして消防自動車が自由に活動できる。そうして、もし走っている自動車があれば、緊急避難的に、暴力をふるうと言うと悪いですけれども、力をもってとめてしまう。つまり、何よりも必要なのは、地震が起こったらば自動車は走らせないということが一番大切だと思うんですけれども、いかがでございましょう。

石見隆三消防庁長官

○政府委員(石見隆三君) お説のとおりだと思っております。少なくとも走っております自動車はやはりとまるということが前提でございましょうし、それから避難に際して自動車を持ち出して逃げるということは絶対これは困るということを各消防機関でもいろいろ指導いたしておるところでございます。

美濃部亮吉一の会

○美濃部亮吉君 それで、最終的に最も必要であるのは避難場所を確保すること。つまり、全部民が、あるいは全国民が間に合うように避難場所に逃げ込むことができて、そうしてその避難場所はどういうふうな火事が起こってきても周囲から防衛できるという避難場所をつくることが最も必要であろうかと思うんです。  ところが、私の経験からいうと、この避難場所をつくるということほどむずかしいことはありません。それは防災会議地震部会で計算をしてくださいましたけれども、数字は忘れましたけれども、周囲から火が燃えてくる、その中にいて助かるというのには相当広い地面が必要でありますが、震災対策に避難場所をつくるということに対して何ら特権を与えられておらない。つまり、そういうふうな地面を土地の所有者と話し合いをして土地を譲ってもらう、それでなければできないという状況のもとにおいては、ほとんど絶望的であると思います。この間、朝日新聞、毎日新聞に書かれましたけれども、私は、隅田川の下町で、白髭橋のたもとで、最も火事の危険の多いところに一キロ余り、ああいうふうに高いアパート、都営住宅をずっと建てまして、それに水が外面にかかるようにして、そしてその内側に公園をつくって、そうして火を完全に遮断をして、中には七、八万人入れるだけのスペースをとって、平時は公園にしておくというのを計画をいたしまして、七、八年かかって最近にでき上がりました。これは非常にりっぱにできまして、ここに逃げ込めば大丈夫であるというほぼ確信が持てました。  しかしながら、これをするには大変な労力と大変な金がかかります。九百億円くらいかかりまして、そのうち二割だけが国の補助でございます。これは地方自治体の独力によってはほとんど不可能でございます。それですから、さらにそういうのを亀戸、それから大島、小松川地区、四つ木地区、両国地区、それから木場地区という下町の要所要所につくりまして下町の人たちの安全を確保するという計画を立てましたけれども、いまの白鬚東地区を完成することで精いっぱいで、そのためではございませんけれども、赤字をたくさんつくって非常に困ってしまったという状態になったのでございます。  それで、私が申し上げたいのは、この避難地、東京都は避難地区というのが一応できておりますけれども、これは地図の上でできているだけであって、本当に火事が出たときにそこまでみんな逃げられるかといえば、遠過ぎるところがたくさんありましてとても逃げられない。それだから東京都民の大部分が逃げ込めるような火事に大丈夫なほどの広い面積を持つ避難場所を備えるためには、地方自治体の権限と財政状況、それではほとんど全く建設不可能であって、この点においては政府が、国全体を考えて、そうして統一的な非常に強い、何といいますか、強制力を持った政策を打ち出してくださらないと私はとうていできないと思うのです。その点、自治省にお願いをするわけでございますが、何とかしてそういう強制力を持った、そうして地震が来るおそれのある地帯については避難地を十分につくるだけの財政的な援助をやっていただきたい。それがない限りにおいて、東京を初めとして大阪その他大都市に地震が起こったならば十万以上の人たちが死亡するということはほぼ確実ではないだろうか。いますぐにできるとは思いませんけれども、どうぞそういう対策を立てて、強制力のある、そうしてまた財政的な裏打ちのある政策が行われるように地方自治体を助けてやってほしい。いかがでございましょうか、政務次官。

谷洋一自由民主党自治政務次官

○政府委員(谷洋一君) ただいまのお話を聞きながら、これは関東大震災というふうな、われわれが現実に体験したことを十分に踏まえての理想的なお話でなくて、現実のお話だというふうに拝聴したわけでございます。  おっしゃるとおりに関東大震災当時よりも非常に近代化されたということは、むしろ火災等々の発生とか、あるいは電気、ガス、交通機関等々そういう問題を考えましても重大な問題がさらにさらに深まってきたような感じもするわけでございます。そういう点では、御指摘のとおり非常に強大な強制力をもってしなければならぬわけでもございましょうし、また、莫大なお金も要ることも事実でございましょうが、われわれは、いま指摘されておりますような静岡あるいは東京都等大震災の問題も現実の問題としてあるわけでございますので、そういうことを考えてみると、御指摘のとおり今後政府としてもそういう方向に向かってがんばらなきゃならぬと、こう考えておるわけでございます。われわれも力いっぱいの努力をしたいと思っております。

上條勝久自由民主党

○委員長(上條勝久君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後五時二十五分散会      —————・—————

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