大蔵委員会 第15号
- 発言数
- 102 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1982/08/19
会議録
○委員長(河本嘉久蔵君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。 貸金業の規制等に関する法律案、出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律の一部を改正する法律案、以上二法案を一括して議題といたします。 まず、発議者衆議院議員大原一三君から両案の趣旨説明を聴取いたします。大原君。
○衆議院議員(大原一三君) ただいま議題となりました貸金業の規制等に関する法律案及び出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。 近年、貸金業の業務の運営が、いわゆるサラ金問題を中心に大きな社会問題となっております。 これは、貸金業が届け出のみにより容易に事業を行うことができるため、業者が乱立し、資金需要者の返済能力を超えた貸し付けが行われていること。その二は、年利一〇九・五%までの利息の契約をし、または受領しても刑事罰が課されないこと。その三は、法律による業務の規制がないため、資金需要者の立場を無視した一方的な契約を行い、かつ、厳しい取り立てが行われていること。その他、貸金業者の経営基盤の脆弱さやモラルの低さ等によるものであります。 このように貸金業の業務の運営が、社会に重大な影響を及ぼしている現状にかんがみ、貸金業者に必要な規制、監督等を加えて利用者の利益の保護を図るとともに、処罰される金利の限度を引き下げて高金利による弊害を取り除き、貸金業に対する社会的批判にこたえるためには、新たに法律を制定する等の必要があると考え、両法律案を提出した次第であります。 以下、両法律案の内容について御説明申し上げます。 まず、貸金業の規制等に関する法律案について申し上げます。 第一に、この法律は、貸金業者に登録制度を実施し、その事業に対し必要な規制を行うとともに、貸金業者の組織する団体の適正な活動を促進することにより、その業務の適正な運営を確保し、もって資金需要者等の利益の保護を図ることを目的といたしております。 第二に、貸金業及び貸金業者についての定義を規定し、貸金業とは、金銭の貸し付けまたは金銭の貸借の媒介を業として行うものをいうことといたしております。ただし、国または地方公共団体が行うもの等を除外することといたしております。また、貸金業者とは、本法に基づく登録を受けて貸金業を営む者をいうことといたしております。 第三は、登録についてであります。貸金業を営もうとする者は、二以上の都道府県に営業所等を設置する場合は大蔵大臣に、一の都道府県のみの場合はその営業所等の所在地の都道府県知事に、申請書等を提出して登録を受けなければならないものとすること。登録は、三年ごとにその更新を受けなければ効力を失うものとすること。大蔵大臣または都道府県知事は、登録を受けようとする者が、登録を取り消されてから三年を経過しない者、禁錮以上の刑に処せられ、その執行が終わった後三年を経過しない者、この法律もしくは貸金業関係の法律に違反し、または貸付契約の締結、債権の取り立てに当たって刑法その他の規制法令に違反して罰金刑に処せられ、その執行後三年を経過しない者等である場合には、その登録を拒否しなければならないものとすること。その他、登録の失効、登録事項の変更・廃業等の届け出、無登録営業の禁止、名義貸しの禁止等について規定を設けております。 第四は、貸金業者に対する業務規制についてであります。すなわち、貸金業者は、顧客等の資力、信用等を調査し、返済能力を超えると認められる過剰貸し付け等をしてはならないものとすること。営業所ごとに顧客の見やすい場所に貸し付けの利率その他の貸付条件を掲示しなければならないものとすること。業務に関して広告をするときは、貸付条件について人を誤認させるような誇大な表示をしてはならないものとすること。貸付契約の締結をしたときは、遅滞なく契約の内容を明らかにする書面を相手方に交付しなければならないものとすること。弁済を受けたときは、その都度、直ちに受領金額及びその利息または元本への充当額等を記載した受取証書を弁済者に交付しなければならないものとすること。債権の取り立てに当たっては、人を威迫しまたはその私生活等の平穏を害するような言動により、その者を困惑させてはならないものとすること。その他、帳簿の備えつけ、債務者等からの白紙委任状の取得の制限、債権取り立てについて委託を受けた者の取り立て行為の規制、全部弁済の場合の債権証書の返還義務、標識の掲示義務等について規定を設けております。 なお、貸付債権を譲り受けた者は、転々譲渡される場合の譲り受け人を含めて、その債権について、取り立て行為規制等の業務規制の適用を受けるものとし、貸付債権を譲渡する者は、その旨を書面で譲り受け人に通知しなければならないことといたしております。さらに、貸金業者は、相手方が暴力的取り立て行為をするおそれが明らかな者であること等を知りながら、債権の譲渡または取り立ての委託をしてはならないことといたしております。 第五は、貸金業協会及び全国貸金業協会連合会の設立についてであります。現行の貸金業者の自主規制の助長に関する法律を廃止するものとし、従来の庶民金融業協会及び全国庶民金融業協会連合会にかわるものとして、貸金業者は、貸金業協会及び全国貸金業協会連合会を設立して、貸金業の適正な運営及び不正金融の防止に資するための指導、勧告、調査、苦情解決、業務研修、過剰貸し付けの防止等の業務を自主的に行うことができることといたしております。 第六は、貸金業に対する監督についてであります。大蔵大臣または都道府県知事は、登録業者がこの法律、金利等取締法等に違反したとき、または貸し付けの契約、債権の取り立てに当たり、物価統制令の抱き合わせ・負担つき行為の禁止規定に違反したり、刑法等に規定する罪を犯したとき、債権譲渡等をした場合に、相手方が暴力的取り立て行為をするおそれが明らかな者であることを知らなかったことを証明できず、かつ、現実にその者が暴力的取り立てを行ったときは、一年以内の期間を定めて業務の全部または一部の停止を命ずることができることといたしております。また、登録業者が欠格事由に該当することとなったとき、登録がえをしなかったとき、業務停止処分に違反したとき等は、その登録を取り消さなければならないことといたしております。その他、業者の所在不明のときの登録取り消し、監督処分の公告、業者に対する報告徴収、立入検査等について規定を設けております。 第七に、利息制限法との関係について、貸金業者に対して本法において各種の厳しい業務規制を課し、また、金利等取締法を改正して刑事罰対象金利を引き下げることといたしていること等にかんがみ、貸金業者との利息の契約に基づき、債務者が利息として任意に支払った金銭の額が、利息制限法に定める利息の制限額を超えるときは、その超過部分の支払いは、同法第一条第一項の規定にかかわらず、有効な利息の債務の弁済とみなすことといたしております。ただし、このみなし弁済規定は、契約書面を交付しない場合、受取証書を交付しない場合、業務停止処分に違反して貸し付けの契約が締結された場合、金利等取締法の高金利の処罰規定または物価統制令の抱き合わせ・負担つき行為の禁止規定に違反して契約が締結された場合における支払いについては、適用しないものといたしております。 第八に、無登録営業、書面交付義務違反等について必要な罰則規定を設けることといたしております。 なお、この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとするとともに、所要の経過措置を講ずることといたしております。 次に、出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律の一部を改正する法律案について申し上げます。 本案の内容は、第一に、現在、この法律の第五条第一項において、刑事罰の対象となる制限利率は年一〇九・五%となっておりますが、これを改め、業として金銭の貸し付けを行う者については、その制限利率を年四〇・〇〇四%とすることといたしております。なお、一般私人については、現行の年一〇九・五%の制限利率のままといたしております。 第二に、刑事罰対象利率の急激な条件変更を緩和するため、附則に経過規定を設けて、法施行後三年間は、制限利率を年七三%とすることとし、三年経過後別に法律で定める日までの間は、制限利率を年五四・七五%とすることといたしております。なお、別に法律で定める日については、この法律の施行の日から起算して五年を経過した日以降において、資金需給の状況その他の経済・金融情勢、貸金業者の業務の実態等を勘案して検討を加え、速やかに定めるものとすることといたしております。 第三に、質屋及び日賦貸金業者についての制限利率は、その業務の実情にかんがみ、現行の年一〇九・五%とする特例を設けることといたしております。 以上のほか、罰金の上限を引き上げることといたしております。 なお、この法律は、貸金業の規制等に関する法律の施行の日から施行することとするとともに、所要の経過措置を講ずることとしております。 以上が、両法律案の提案の理由及びその内容の大要であります。 何とぞ御審議の上、速やかに御賛成くださいますようお願い申し上げます。
○委員長(河本嘉久蔵君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 これより両案の質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○穐山篤君 大原先生、この法案大変な経過を経て立法されたわけですが、心から敬意を表する次第であります。 御案内のように、サラ金三悪という言葉がございます。一つには高金利、非常に構造的な問題です。それから、過剰貸付融資の問題があります。それから第三には強制取り立て。世に三悪と言われているわけですが、ここ十年ぐらい顕著な例が多いわけです。お互いに関心を持ち、また心配もしてきたわけですが、今回それぞれの法律をつくるに当たりまして特に、特別に配慮をした問題ということについて先生のお考えをいただきたいと思います。 なお、当然この法案を準備をしている段階でも検討されたと思いますが、最近信販を含め商品流通あるいは物的流通の分野でもクレジットというものがたくさん出ているわけです。したがって、庶民金融、小口金融の将来展望というふうなことも考えながら発案をされたと思うんですが、その二つにつきまして先生のお考えをお伺いしておきたいと思います。
○衆議院議員(大原一三君) 穐山先生の御指摘の二つの問題、われわれも大変腐心をしたところでございます。おかげさまで、衆議院大蔵委員会各党の委員の方々の大変な御協力を得まして、ようやくこの案が成案を得ることができました。 御承知のように、最初この案ができる前に、五年ぐらい各省庁が寄りましていろいろ検討した経緯がございます。ようやく五十四年に成案を得まして、各党からもそれぞれ提案がなされておりまして、まず第一は、一番腐心をしましたのは、御承知のように金利の問題でございます。利息制限法というものが一方にあって、さらに一方で出資法というものがあって、その二つの金利差が非常に大きく乖離しておる。その間に非常に紛争が絶えないわけでありますが、これを順次引き下げまして、利息制限法の金利に近づける方法はないものかどうかということをいろいろ検討をしたわけでございます。 後で大蔵当局からも話があると思いますけれども、現在の一〇九%をどのように下げていったらいいかということで、実効金利が大体、調査がこれいろいろございまして、七七%とか八〇%という数字も一方において出ておる。それをいきなり四〇%ぐらいの水準に下げるということは業界の混乱も招くわけでございますので、これを逐次下げていったらどうかということで、五カ年間で四〇%の水準まで下げてみたらどうかという議論が出ました。しかしながら、この四〇%の目標設定を六年目に置くということは、現在の実効金利の状況から見てなかなかむずかしいんではないかということで、この案にございますように、五年経過後は速やかに四〇%を目標にしてその実施日を定めようということにした点でございます。 それからもう一つは、それに関連しまして、最高裁判例とのかかわり合いでございます。現在、グレーゾーンということで裁判所へ持っていけば不当利得の返還請求ができる。任意に支払ったものでも利息制限法を超える金利は不当利得の返還請求ができるということになっておりますのを、業界に非常に厳しい、これも先ほども提案理由で申し上げましたように、登録とか、業務規制とか、暴力的取り立て、これにはすべて罰則が加重されることに相なっておりますが、厳しい条件を課すると同時に、その当分の間設けられるグレーゾーンにつきましては、一定の場合を除きまして、不当利得の返還請求ができないということにいたした点でございます。 この二点が各党間の折衝の中で一番問題になったところでございまして、一応こういう形で成案を得ることになりました。 以上でございます。
○穐山篤君 その点はわかりました。 それからもう一つ、私が先ほど質問をした中で将来の小口金融のあり方の問題ですね、この点について、この法律をつくりますと、ある程度業界は整理整とんをされるであろう。そのことは必然的に業界の体質、金利問題などいろんなものが整理整とんしてくると思いますが、先ほど申し上げましたように、各種の分野でクレジットが設定をされておりまして、競争が非常に激しくなると私は見るわけです。そうした場合に、この言うところの貸金業の社会的な地位というふうなものを含めた産業構造をどういうふうににらんでおられたのか、その点をひとつお伺いしたいと思います。
○衆議院議員(大原一三君) 大変むずかしい大事な点でございまして、私は、このサラ金というのは特殊日本的な金融構造だと思うんです。これは高度成長下に日本の金融機関が全部産業金融へ集中していったということ、一つは消費者金融が取り残されてきたということ、恐らく外国では類を見ない金融構造のあり方だと思うんであります。 ですから、どうしてもその消費者に対応するには、こういう金融の仕組みがやはり必要性があったから、したがってサラ金業界というのも出てきたんだと思うんです。いまのような低成長期に入りまして、いわゆる一般金融機関というものがもう少し消費者金融に目を開いてやっていかなきゃならぬ時期に来たんではないかという印象を強く持っております。 大蔵省の調査によりますと、この最初の三年間の金利七三%以上を超える金利で貸しているものが、貸金業者の大体五四、五%を占めているという、この人たちは当然これは整理の対象になるか、よほど合理化していかなければこの金利にも追いついていけない、悪徳業者というわけではありませんけれども、そういう業者は当然私は整理されていくと思います。将来四〇%金利が決まるようになれば、これは先ほど申しました法律問題も一方で解決されると同時に、やはり優秀なりっぱな貸金業が、いまのようなどっちかというと戦国時代と申しますか、混乱している貸金業界が漸次整理をされていくんではないか。 そういった状況の中で、先ほど申しましたように、全金融機関の住宅ローン、消費者ローンを含めまして一〇%そこそこしか貸してないという状況も、漸次いわゆる消費者金融の方へ目を向けていくというようなことになるんではないかというようなことでございまして、何とかわれわれとしては皆さんからもお知恵をいただいたのでありますが、将来の状況を見ながらできるだけ早い機会に金利も下げ、業界も、したがってそれについていけるような優秀な業界が残っていくように大蔵当局も指導してもらいたいと、かように考えております。
○委員長(河本嘉久蔵君) 発議者大原先生、結構でございます、穐山先生のところは。
○穐山篤君 次に、法務省にお伺いをします。 御案内のように、昭和三十九年十一月十八日、さらに昭和四十三年十一月十三日、最高裁におきまして御案内のような元金への繰り入れ、その点についての最高裁の判決が出て、それを契機にして借りた方々の中ではよりどころにして、問題の解決を図ろうとして努力をしている。それから各地で見られますように、簡易裁判所におきまして調停などを行われているわけですが、その調停作業でも時には最高裁の判決、判例というものを一つの材料にしながら調停を成立をさせる、こういうことが非常に多かったわけですが、さてそこで、最高裁の判決が出た後、具体的に利息制限法についてどういうふうに改正をしたならばいいのか、あるいは改正をしなくてもよろしいのか。さらには、出資法と利息制限法との間の金利の乖離の問題があるわけですが、当然トラブルがこれからも生ずるだろう。 そこで、法務省に、判例、判決が出た後、法務省としてはこの判決というものをどう法律の分野で生かそうと努力をされてきたのか。あるいはその考え方についてまずお伺いをしておきたいと思うんです。
○説明員(濱崎恭生君) 御指摘の最高裁の昭和三十九年と四十三年の二つの判例でございますが、これは現行利息制限法一条一項及び二項の解釈に関する判例でございます。 現行利息制限法一条の規定は、制限利率に超過する部分の契約は無効である、しかし、任意に支払ったものは返還請求をすることができないということになっておりますが、ただ、任意に支払ったものが有効な支払いになるのか、あるいはあくまでも無効な支払いであるのかということについては、条文上はっきり書いていないわけでございます。その点は解釈の問題が残っていたわけでございます。 そこで、解釈の問題につきまして、最高裁で御指摘の二つの判決で、超過部分の支払いはあくまでも無効である。したがって、元本が残っていれば元本に充当されるし、元本が充当の結果なくなった後の利息等の支払いについては、返還を請求することができるという判例を確立したわけでございます。したがいまして、民事法上の借り主の保護という観点から申しますれば、最高裁の判例、確定した判例によって十分に確保されているというふうに私ども法務省民事局としては基本的に考えておったわけでございます。 そういうことで、そういう観点、すなわち二つの最高裁判決が出たという観点だけから申しますと、そのために利息制限法を直ちに改正する必要があるとは考えられないというふうに私ども法務省民事局としては考えてまいったわけでございます。
○穐山篤君 いま解釈の問題はあったにしてみても、利息制限法を改正する必要はない、こういう説明がなされたわけですが、さてそこで、現実の問題として、利息制限法は厳然として存在をする。この法律が改正になるならないは、貸金業に関する法律が改正になるならないは別にしましても、現行の出資法との間に問題点が残っているわけですね。現にいま私も申し上げましたように、最高裁に飛び込んでいる人は数少ないにいたしましても、簡易裁判所に問題を持ち込んで、調停を受けている事案というのは非常に多いわけです。それだけ紛争がなお同種の問題で残っている。 言いかえてみますと、これは制度上、法律上の問題であるし、構造的な分野から何らかの方法を講じないと、将来にわたって問題を残す、そういうことについてはいささかも変わりがないと私は思う。また、皆さん方も多分そういうふうに思っているだろうと思いますが、その点はどうでしょう。
○説明員(濱崎恭生君) 出資法の制限利率と利息制限法の制限利率というのが非常に大きな格差がある、そのためにいろんな問題を生じているということは御指摘のとおりと思います。 そういう前提を踏まえまして、いわゆるサラ金問題についてどう対処したらいいかということにつきましては、数年前より問題提起がされまして、それに対応いたしますためにサラ金業者についていわゆる登録制を実施し、その貸し付けに関してさまざまの営業上の規制をする必要があるのではないかということで、そういう方向からの法律案を提出するように要請がされまして、関係省庁でいろいろ協議してまいったわけでございまして、その中には、私ども法務省民事局の方も参加いたしまして問題点の検討を行ったわけでございます。 その中の中心的な課題というのが、いま申しましたいわゆるグレーゾーンの問題をどうするかということであったわけでございます。その問題についてどういう解決方法が適切であるかということについて、関係省庁で成案が得られないまま推移いたしまして、そして各党から議員提出という形で提案がされるようになったわけでございますけれども、出資法上の制限利率と、利息制限法上の制限利率の関係をどうするか、そのグレーゾーンの取り扱いをどうするか、任意に支払ったものの取り扱いをどうするかというような点につきましては、いろいろ検討してまいったわけでございますけれども、これにつきましては立場によっていろいろな考え方、見解がございまして、きわめて政治的な判断に係る問題であるということで、いま申しましたように、関係省庁の連絡の段階では一定の方向づけをするということまでには至らなかったわけでございます。
○穐山篤君 今度の改正法四十三条で、ここの部分について定義が行われているわけです。先ほど大原先生からお話がありましたように、一番御腐心をされたところでありますね。最初の三年間が七三%、次が五四%、最終段階で四〇%、こうなったわけですが、この四十三条の立案に際して法務省としてはどういう見解を述べて、この問題についてよろしいと言われたかどうかよくわかりませんが、どういう態度を示されたのか、その点をお伺いします。
○説明員(濱崎恭生君) もちろん議員提出の法律案でございますので、法務省の方で正式にそれに対して御意見を申し上げるという立場にはないわけでございますけれども、事実上いろんな参考意見を求められたわけでございます。その中で、当然四十三条の規定というのは利息制限法との関係で法制度で可能なのかどうかということについても事実上御意見をいただきまして、事実上の御意見を申し上げた経過はございます。 その内容でございますけれども、現行の利息制限法の規定というのは、金銭消費貸借一般につきまして借り主の保護を図るという見地から、御承知のような規定を置いているわけでございますけれども、借り主をどの程度まで保護するかということについてはもっぱらこれは立法政策の問題でございまして、サラ金の規制に当たりまして四十三条のような利息制限法の特則を設けることが必要であるということであれば、それが許されないという理由はないのではなかろうか。サラ金利用者が不用意な高利の契約をしたりあるいは支払いをしたり、契約内容や支払いの内容について不明確であるために利用者が不利益をこうむったり、あるいは業者が不当な方法で取り立てをしたりというようなことを防止するために、その各種の営業規制の措置を講ずるということとあわせて、そのような四十三条のような特則を設けるということであれば、これは立法政策として一つの合理的な方法ではなかろうか。 ただ、そういう規制をするに当たりまして、四十三条のような特則を設ける必要があるかどうか、あるいは設けるべきかどうか、いずれの立法政策をとるかということは、これは借り主の保護ということだけではなくて、いわゆる庶民金融一般の問題全体の中で考えなければならないきわめて政治的な問題でございますので、この点の当否について、法務省民事局といたしまして最初に申しましたように、意見を申し上げる立場でもございませんし、またそのどちらがいいということについて当省として確定的な考え方を持っているわけではないわけでございます。 その点につきましては、立法府におかれまして慎重に御審議されまして、妥当な結論を出していただきたいというふうに考えているわけでございます。
○穐山篤君 なかなか慎重な答弁ですが、率直に申し上げて、一つには利息制限法という法律が厳然としてある。それから議員立法ではあるけれども、新しく四十三条というものが少なくともきょう現在では衆議院の本会議を通過をしたと、こういう事実が現実に残っているわけですね。それからその真ん中に、特に四十三年の判決でいきますと、消費者を保護するということを非常に前に押し出して最高裁判決が出ているわけです。これも厳然としてあるわけですね。 その三つの状況を見て、法務省として法律上の整合性の点はどうか。いつも皆さん方は法律の整合性ということをよく口にされるわけですが、今回この場合について、法務省としてはどういうふうにお考えですか。
○説明員(濱崎恭生君) 御指摘の最高裁の判例は、現行の利息制限法のもとで、すなわちいわゆるサラ金について特段の厳しい規制がされていないという状況について、貸し金一般につきまして利息制限法の解釈はこうあるべきだと、そういうことを前提にいたしまして、そういう判断をしなければ借り主保護の見地から適当でないという御判断に基づいているのだというふうに理解しております。 したがいまして、今回の法律案によって、先ほど来申しましたようないろいろな営業上の規制をかける、その前提として登録制を採用する、その登録を受けた貸金業者に限り、しかも所定の業法上の規制を遵守した貸し付けに限っていわゆるグレーゾーンの確保を認めるという法制度を採用しようということになっているわけでございまして、その限りにおいては合理性のある考え方であろうというふうに考えているわけでございます。
○穐山篤君 それからその次に、この法律が成立をしますと一年を超えない範囲で施行すると、こうなるわけです。この改正法律が施行になるまでの間は、従来の最高裁判決あるいは判例というものが一つの根拠になりまして、任意に支払った部分について裁判所に判断を求める、こういう事例がここ当分の間続いていくわけですね。 さて、施行になった過程を少し考えてみたいと思うんですが、仮に四十三条を含めてそのまま成立をしたと仮定をしましょう。その場合に、借りる人の立場から言いますと、四十三条の規定はあるけれども、過去の利息制限法あるいは出資法、自助法などのいろいろな経過を見ましても、裁判で争えば勝訴をするんじゃないかということで、再び同じような事案が出てくる可能性があると私は見るわけです。 言いかえてみますと、この法律が通りましても、借りました人が、いやこれはおかしいじゃないか、私の払ったものは元金並びにあらかじめ決めた利息以上に取られてもらっては困る、取っちゃあかんぞと、そういうことで駆け込みが当然あると私は思うわけですが、皆さん方の判断ではどんなものでしょうか。
○説明員(濱崎恭生君) 仮に成立いたしたといたしまして、それが施行されるまでの間の問題でございますが、施行されるまでの間は当然これまでの利息制限法が適用されますし、最高裁の判決が維持される、それに従って運用されるということになろうかと思います。 また、この四十三条の特則というのは、この法律案のもとでの登録を受けた貸金業者が貸し付けたという貸し金についてだけ適用されるわけでございますから、それ以外の貸し付けについては、もちろんこの四十三条の特則の適用がなくて、利息制限法がそのまま現在のとおり適用されるということになる。その限りでは利息制限法の解釈問題は依然として残るわけでございます。 それから、この法律案が成立しました場合に、四十三条の解釈につきましても、もちろんいろんな争いがあろうかと思います。これは裁判所の将来の判断の問題でございますから、一概にどうだということは申し上げられませんけれども、しかし、現行の利息制限法とこの四十三条の規定の根本的な違いというのは、現行の利息制限法では任意に支払ったものは「返還を請求することができない。」と書いてありますが、任意に支払ったものが有効な支払いになるのかどうかということについて、条文自体では何も書いてない。それに対しまして、この法律案の四十三条では、「有効な利息の債務の弁済とみなす。」というふうに言っておりますから、条文の書き方が基本的に違うわけでございますので、この法律案のもとでは、従来の最高裁の判例と同じような問題は生じないであろうというふうに私ども推測いたしております。 ただ、その適用につきましては、いろんな条件がついておりますので、その条件が当てはまるかどうかというような問題については、いろいろ紛争が生じる裁判事例も出てくるということは予想されます。
○穐山篤君 じゃもう一度、最後に法務省にお伺いしますが、今度の改正法と一応言っておきましょうか、新法と言いましょうか、これを通して考えられますことは、正規に登録を受けている者からお金を借りる、契約も十分書面をもって契約をすると、その場合には最初の三年間天井が七三と、こういうふうに書かれているわけです。それから営業停止を受けた者だとかあるいは登録をしてない者、そういう者から借りた場合には無効だと、こういうふうに整理をしますと新法に書かれておるわけです。 いろいろ考えてみますと、足して二で割るわけではありませんけれども、この新法の中にも少し目こぼしがあるわけです。幾つか調べてみますと目こぼしがあるわけですが、借りる人に知恵があって目こぼしのところを十分に承知をしながら書面の交換をしたといたしましても、実は争いが残るような契約を借りる方ができるような仕組みに新法は、新しい法律はなっていることに気がついたわけです。 いずれまた、細かくその点は申し上げますが、そういう場合には四十三条がせっかくありながらも、利息制限法第一条にひっかけて裁判所に駆け込むということは可能だというふうに新法をずっと読んでみて私は感じたわけです。皆さん方専門家ですから、もっと詳しく勉強されていると思いますが、そういう問題点があるということは御承知でしょうか。
○説明員(濱崎恭生君) 御趣旨は、この法律案の四十三条の規定に抜け穴があるということにお気づきかという御質問かと受け取ったわけでございますが、そういうことでございますれば、私ども明らかな抜け穴があるというふうには理解しておらないわけでございます。もちろん先ほど申しましたようにいろんな解釈問題がございまして、こういう場合にはこの一項の各号、二項の各号の要件に当たるのかどうかという問題が残るのかと思いますけれども、そういう問題につきましては、民事裁判に関します限りは、やはり民事の裁判というのは四十三条に規定が置かれました趣旨を考慮して、脱法行為と見られるようなものはやはり四十三条の規定を適用させないという方向で、極力そういう方向での解釈がされるであろうというふうに考えております。
○穐山篤君 法務省ありがとうございました。 次に、大蔵省にお伺いしますが、これから大蔵省の役割りというのは従来と変わりまして、非常に広範囲に監督をしなければならない。それも、いままで多少なりともつき合っていた業界であるならばともかくとして、初めてのことでありまして、いままで届け出制でありますので正確な数字もわからない、そういう中での監督行政になるわけですから、大変責任が重いと、こういうふうに思うわけです。 そこで、私が冒頭申し上げましたように、サラ金三悪というふうによく言われるわけですね。高金利、過剰貸し付け融資、強制取り立て、いずれもこれは連動をしている部分が非常に多いと思うわけですね。そこで、法律が成立をした場合に、本格的に皆さん方にすべての監督がいくわけですが、どうやってこの小口金融貸金業というものを十分健全なものにしていくのか。そのためには何も貸金業だけでなくして、その他の各種の金融の分野においても知恵を出さなきゃならぬところがあると思うんですが、基本的にこれからどういうふうに構えていくのか、その点をまずお伺いをしておきたいと思います。
○政府委員(宮本保孝君) 大蔵省といたしましては二つの視点があろうかと思います。 一つは、御指摘のサラ金地獄というのが非常に社会的な問題になっているわけであります。これは大蔵省だけではとても手に負えない問題でございますけれども、今回この議員立法を仮に通していただくというふうなことになりますと、この法律の趣旨に従いまして適正な行政を執行していくということによりまして、財政当局あるいは金融当局といたしましての大蔵省といたしましても、この社会的問題でございますサラ金問題というものに側面的な寄与ができるというふうに考えておるわけでございます。 もう一つは、御指摘の日本の個人金融を一体どうするのかという非常に大きな問題があるわけでございまして、私どもといたしましてはこのサラ金法の成立するとしないとにかかわらず、今後の個人金融問題を非常に大きな問題として考えておりまして、この秋からまた再開いたします金融制度調査会等におきましても、大きな議題として取り上げてまいりたいと思っておるわけでございます。 特に、機械化というものが非常に進展してまいりまして、いわゆる現在古い意味での大蔵省の所管しております金融機関だけの話ではございませんで、御指摘のいろんな信販会社、貸金業者あるいはスーパー、百貨店、いろんなサービス業界といわれる業界からも、金融問題、特に消費者金融問題というものが相当ウエートを占めてくるような状況でございます。 したがいまして、単に金融機関の消費者金融ということだけではなくて、金融を取り巻きます周辺業界を含めた個人金融というものを私ども考えていかなくちゃいけないわけでございまして、そういう意味におきましては、従来は貸金業者は預金を集めているわけでもないじゃないか、単に資金を融通するだけの一方通行の金融なんだから大蔵省の所管でなくてもいいというふうな見方もあったわけでございますけれども、これからはやはりそういう消費者金融全体をとらえてわが国の金融を考えていかなくちゃいけないということを考えますと、こういう法律の成立を契機にいたしまして、そういう消費者金融問題全般についても金融の問題としても真剣に取り組んでいきたいと、こう思っておるわけでございます。
○穐山篤君 これから広範囲に管轄していくと。もちろん大蔵大臣の場合には全国ネット、二つの県にまたがるということなんですが、大別しますと、純粋に資本金の少ない中小、まあ零細と言っちゃ語弊がありますが、そういう貸金業は都道府県でありますよね。アコムだとかプロミスだとか、そういう大手企業は大蔵大臣の方の管轄権が及ぶと。 そこで、お伺いをするわけですが、大手の貸金業につきましては、いままでいろいろな材料を調べたりあるいは現実の金融実態を見ておりましても、わりあいにトラブルが少ない。しかし、かなり利益率は高いという、そういう問題点を一つは抱えているわけですね。それから、地方の個人または法人の小さい事業のところは、率直に申し上げてわりあい問題点を抱えている店が非常に多い。金利につきましても、後ほど申し上げますが、かなり、大手に比べますと倍ぐらいの金利。非常に高い。それから、いうところの取り立てという問題もそういうところに発生をしている。 したがって、画一的に問題をとらえますと、非常にこれは問題が残ってしまう。だからといって、きめ細かくということになりますと、何万、十何万という店舗でありますので、それもむずかしい。なかなか知恵の要るところだというふうに思いますけれども、その点について特別に配慮をしていかなければならぬ、特別に指導を強化をしていかなきゃならぬというふうな点はいかがでしょう。
○政府委員(宮本保孝君) 確かに、いま届け出だけでも二十万件近いわけでございますので、とても一大蔵省だけの手に負えることではないかもしれません。しかし、一歩ずつ確実な行政を進めるように努力いたしたいわけでございますが、そういう意味におきましても、特に都道府県などとの緊密な連絡、これはすでに信用組合の行政におきましても実は都道府県に委任しているわけでございますが、そういう意味におきまして、信用組合行政でも都道府県とすでに密接な連絡をとりながら、統一的な考えのもとにやっているわけでございますが、そういう経験にも照らしまして、今後このサラ金問題につきましては、都道府県との緊密な連絡が必要かと思いますし、また、いま御指摘の、特に中小零細企業におきますいろいろ不適正な行為等につきましては、これはまた法務御当局などとの関連もあるわけでございまして、そういう意味におきましては、官庁間におきます緊密な連絡がまず必要かと思います。 もう一つは、法律にもございますように、協会というものをおつくりいただけるようでございます。この協会の機能を十分発揮できるように協会の指導といいますか、そういうものにつきましても十分配慮をいたしまして、私どもの手に負えない点につきましてもできるだけカバーをしていくというふうなことを考えていってみたいと思っておるわけでございます。
○穐山篤君 そこで、時間がありませんので余り細かくは申し述べられないのが残念ですが、いわゆる高金利という問題があります。これは法律上の高金利の問題と実際に借りた場合の高金利の問題、複利であるとか重利であるとか、そういう実際上の場面から生ずる高金利という問題があるわけですね。 一応この新法では、利率を示すとか返済期間を明示をするとか、条件としていろんなことを表示をすることになっていますが、やっぱり借りる人も知恵がありますけれども、貸す方がもっと知恵があるわけですね。借りる人の中には、非常に余裕があって借りるわけでなくして、緊急どうしても借りたい、気持ちの上では少々利息が高くてもやむを得ぬ、こういう気持ちがありながら借りるわけですから、細かい書類に目を通すあるいは返済の月々の金利を一々計算をして納得ずくで契約を結ぶ、あるいは利息を払って——従来あった事件ですが、利息を払っても、帳面に書いておきますからということで領収証を出さない、くれない。そのことがまた重利、複利の元凶にもなっているわけですね。そこで、高金利という制度上の問題と実際上の問題について、どういうふうにすれば問題が非常に少なくなっていくか、こういうことがあろうというふうに思うわけです。 それから私、けさも新聞を買って読んでみますと、スポーツ新聞の全部に御案内のとおりこういう広告が出ているわけですね。サラ金の広告であります。この中に、一見金利が安そうな感じの表示の仕方がしてありますが、実際は高い。それから、まあそれは取り決めではありますけれども、利息というものは元金があって利息がつくわけです。十分計算をして契約を結べば後払い、先払いでも結構でありますが、結局は逐次高い金利になっていく。途中の計算をしますと、時には利息制限法を超える違法金利も出てくるわけです。そういう問題についても、これから行政上の指導、監視、監督、こういうものがきめ細かくできませんと、この高金利という問題についての被害者は依然として後を絶たない、こういうことになるだろうと思います。 それから過剰貸し付けでも、「他店利用者OK」というふうにずっと書いてあるんです。意味は二つか三つぐらい書いてあるんでしょう。よその店で借りた人でもようござんすという意味もあるだろうし、しかし、そっちが払えないならうちの方で回してあげましょうという意味もあるだろうし、非常にこの広告につきましては他の業界の広告、広報に比べて弾力性があり過ぎる、誤解をしやすいというふうなことも手伝って過剰貸し付けになった。また、その過剰貸し付けが高金利の原因になる。 それから、新法によりますと、各県一を限りまして協会をつくろうと。従来の庶民金融業協会はなくなりますが、それにかわりまして新しいものができる。しかしこれも、弁護士連合会のように協会に全部入るわけではない。ですから、協会の分野から言いますとアウトサイダーというものが出てくる。それに対する指導監督というものも出るわけですが、どちらかと言いますと、大蔵省の管轄よりも知事の管轄下に入るアウトサイダー、協会から見るとアウトサイダー、正規の貸金業の登録をしたものでありますが、そういうものが出てくる。そのほかにやみ金融という全くのアウトサイダーが出てくる。こういうものが連動しておって、構造的であって、それをやるわけですから、整理整とんをしながら正常化するわけですから、相当きめの細かい、また、たとえば金利一つにしましても、契約書のことにつきましても、取り立ての問題にしましても、かなりきめの細かいことを考えざるを得なくなる、こう思います。 その点、まだ法律が通っていませんから準備をと言ってもそうはお答えができないと思いますが、しかしこれは容易ならざるものであるだけに相当深い研究をする必要があろう。すでに検討には着手していると思いますが、考え方についてお伺いをしておきたいと思います。
○政府委員(宮本保孝君) 御指摘のとおりでございまして、せっかく法律をつくっていただきましても実効が期されないのでは何ともならないわけでございまして、高金利の問題あるいは過剰貸し付け等の問題、徐々にではあろうかと思いますけれども、着実な実効を期するように努力してまいりたいと思いますが、現在でも、御指摘のとおり庶民金融業協会を通じまして通達等を出しまして、いろいろと行政指導をいたしているわけでございますけれども、この新法が成立いたしますと登録ということになりまして、より細かな指導ができる体制を整えていただけることになるのではないかと思うわけでございまして、従来の経験をも生かしながらよりきめ細かな指導をしていきたい、こう思っているわけでございます。 特に、私ども個人的なことで恐縮でございますけれども、いろいろ契約の問題、保険の契約一つにしましても、非常に厄介なことがいろいろ書いてあるわけでございますけれども、保険よりもはるかに一般の庶民が、しかも緊急に必要とする資金を融資するというふうなケースが非常にサラ金の場合に多いわけでございますので、もっとわかりやすく、しかもはっきりとそういうことがわかるように何とか工夫をこらしてみたいというふうに思っておるわけでございます。 なお、やはり協会を通ずる指導が決め手になると思います。したがいまして、都道府県等とも十分連絡をとりながら協会に対する指導というものに十分配慮しながら、いろいろと行政をやっていきたいと思うわけでございますが、ただ、施行までにいろいろ政令、通達あらゆるものを準備しなければいけません。ひとつぜひ、これはここで申し上げるのは恐縮でございますけれども、できるだけ早く成立をお願いしたいと思うわけでございます。
○穐山篤君 ちょっと話題が変わりますが、昭和五十二年、五十三年ごろから外資系の小口金融、これがわが国でも十社か十二、三社今日まで設立をされたと思うんですね。中に小口金融もあるし、それから信販、クレジットもあるわけですが、見たところ余り成績もよくない。そういうものについて大蔵省も分析をされていると思いますが、中には撤収をしたところもありますね。これはどういうふうに分析をされておりますか。
○政府委員(宮本保孝君) 一時、外資系の会社が消費者金融会社を出したいということで、比較的いろんな要請というものがございまして、かなり進出したケースがあったわけでございますけれども、結局わが国におきます消費者金融の実態というものを知らないで出てきたケースもあるようでございまして、結局は撤収していったということでございますが、やはりわが国の消費者金融の場合には、これは大手に属するかもしれませんけれども、大手の会社等におきましてはかなりお互い同士の緊密な連携といいますか、そういうふうなことがございまして、いろいろ信用力の調査といいますか、そういう信用情報というものがわりと整っている、意外にも整っているようでございまして、そういうふうな国内におきます協調関係等に外資系の会社がなかなか入りにくかったというふうな面もあるようでございまして、貸し倒れ等が、わが国の国内の金融会社に比べますと外資系の金融会社におきましては非常にかさんだというふうな面もあるようでございまして、余りわが国におきまして消費者金融をやってもうまみがないというふうなこともございまして、撤収したのではないかというふうに理解しておるわけでございます。
○穐山篤君 最後になりますが、気になりますのは、衆議院で小口金融関係の業界代表を呼ばれて、法案審議に際して、法案を立案をする立場からいろんな参考意見を聞かれたわけですね。 一言で言いますと、大手につきましてはほぼ全体を通して賛成意見が強かった。ところが、丸山さんを代表とするいわゆる庶民金融業協会、中小につきましては規制の部分は賛成をしましたが、金利の部分、グレーゾーンの部分については消極的反対というよりも頭から反対という感じが非常にしたわけです。現実に庶民金融業協会が全国に指導しております金利を見てみますと、三年前、四年前から大騒ぎをしていたにもかかわらず、依然として八〇とか、中には九一というふうな金利、百万円以上のところでようやく七三と、これが定着をしているわけですね。ほとんどもう変わらない。 そうしますと、やっぱり問題になるところは四十三条のところが気になって気になってしようがないと思うんですが、大蔵省として現実、実勢の中小零細の企業の金利の実態から考えてみて、これは何か方法を講じませんと、能力がないところはつぶれればいいんだというわけにもいかないと思うんですね。何らか方法があろうと思うんです。それはコストの安い金を、資本金を持つとか、あるいは借り入れをするとか、借り入れをさしてやる土壌を、環境整備をするとかいろんなことがないと、法律は通ったけれども、依然として高い金利の現実が残ってしまう。そうなりますと、また同じような問題が起きるわけです。そのことの問題点をどうしても指摘をしておかざるを得ない。 それからもう一つ、法律ができ上がってしまいますと、貸したやつが悪い、借りたやつが悪いというふうに言うわけにいかないと思うんです。いままでは環境なり法律というものが十分整備をされていなかったと。その弊害があったために、ある部分ではやむを得なかったところもあると思うんですが、今度はそうはいかない。しかしその過程では、依然としてサラ金被害、サラ金公害といいますか、そういうものも考えなきゃならないと思うんですね。そういうことについて大蔵省で何かお知恵があれば、この際ひとつ明らかにしておいてもらいたいと思うんです。 以上です。
○政府委員(宮本保孝君) いまのサラ金業者の実態でございますが、まあ千差万別だと思います。そんなに高くしなくてもやっていけるような形態のところもあろうかと思うわけでございまして、まあ七三とかあるいは五四とかというふうな数字自体について、私ども一律にこれはどうだということは申し上げられないわけでございますけれども、いずれにいたしましても、まじめに庶民金融のために努力しておるサラ金業者というものは、やはり金融的にも大切にしていかなきゃいけないわけでございまして、そういう意味におきまして金融的に申し上げますと、やはりいま御指摘のように、調達コストが低くなればおのずから貸出金利も低くなるということがあるわけでございます。 したがいまして、調達コストを下げるには、一番早い道は、金融機関から貸し出しがサラ金業者の方に流れる点であるわけでございますが、これがまたのべつ幕なしにどんどん流れることにつきましては、また社会的な問題もあろうかと思います。まじめに努力しておるサラ金業界への金融機関を通ずる資金の流れというものにつきましては、私どもといたしましても前向きにこれを考えていかなくちゃいけない問題だと思います。 同時に、サラ金業者自体も経営の効率化とか、経費の節減とか、適正利潤についての考え方とか、そういう面におきましても、十分われわれなりにできる範囲で指導に努めてまいりたいと、こう思うわけでございます。
○多田省吾君 ただいま議題になっております貸金業の規制等に関する法律案及び出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律の一部を改正する法律案の両案につきまして、若干の質問をしたいと思います。 一部のサラ金業者の悪徳商法による家庭悲劇が続発しておりまして、連日のようにマスコミでも報道されておりますから、だれでもが深く心を痛めている問題でございます。わが党も、この点真剣に検討を進めまして、昭和五十二年の五月に法律案を提出し、また五十四年再提出いたしました。そして早期規制を強く要請してきたところでございます。 本法律案は、わが党がかねてから提案してきた登録制、書面の交付義務、営業の停止などの条項につきましてはほぼ同じ内容になっておりますが、上限金利の引き下げ幅、それからグレーゾーン金利のみなし弁済規定の取り扱いに関しましては、私どもは全面的には賛成いたしかねるのでございます。しかしながら、現在のサラ金禍はいまもなお続々と発生していることを考えますと、この野放し状態をいつまでも放置することは許されません。サラ金規制の必要性、緊急性が強く要請されておりますことから、本法律案の成立は庶民のための健全な消費者金融を育成する第一歩ではないかということから、衆議院では賛成の意を表明したわけでございます。 そこで、今後さらにこれを充実するために、またよりよき方向に改正する観点から、順次伺ってまいりたいと思います。 初めに、出資法の上限金利の引き下げ幅につきまして提案者と大蔵省にお伺いしたいと思います。 本法律案は、刑事罰の対象となる制限利率を四〇・〇〇四%とすることとしております。この経過規定としまして、法施行後三年間は制限利率を年七三%、三年経過後別に法律で定める日までの間は五四・七五%としております。しかして、別に定める日以後、いわゆるこの法律施行後五年を経過した日以後におきまして、四〇・〇〇四%と上限金利の下げ幅につきましては明確にしておりますが、その実施時期が不明確でありますが、この点が実質的には棚上げされるのではないかということも危惧されているわけでございます。この点速かに実施するためにはどう対応して、どう努力していくのか、この点について提案者にお聞きしたいし、また大蔵省は、この点どう指導、監督していくのかもお伺いしたいと思います。
○衆議院議員(大原一三君) 先ほど穐山先生からもお話があったんでありますが、実際に業界で指導している金利が七〇%とか八〇%という水準に現状はございます。 最近の実態調査を大蔵省にやってもらったんでありますが、やはり平均七割から八割という貸出金利の実態がうかがわれるわけでありますので、これを一挙に四〇に持っていくということは、一方において非常に厳しい制限をしておりますわけでありますし、理想としては非常に四〇%に持っていくということは正しいんでありますけれども、この法案に書いてございますように、五年経過後貸金業者の実態、金利の動向、経済情勢等を勘案しながら速やかに実行に移すということでございまして、われわれ提案者といたしましては、できるだけ早く四〇%の水準に持っていきたいという気持ちで書いたわけでございます。 将来棚上げされる心配がありはしないかということでありますが、これはこの法律ができまして、大蔵省が強力にまた指導してもらわなければならないし、協会加入ですね、これを何とか行政的にも促進してもらいたい、アウトサイダーができるだけ少ないように、業界サイドの協会側において積極的にそういった面の指導もしてもらいたいというような考え方でございまして、われわれとしてはできるだけ早く四〇%ラインに持っていきたいという気持ちでございます。
○政府委員(宮本保孝君) いま御提案の先生のお話、私どももそのような感じでおるわけでございます。ただ、要するに五年後しかるべき時期に法律で定めるということにされておるわけでございまして、われわれとしてはあくまでも国会の御判断にまちたいわけでございますけれども、基本的にはやはりできるだけ早くという希望があるわけでございまして、そのためには、実際五年後とか六年後とかに実際の金利が下がっておることが、一番そういうことを決めやすい環境づくりになるんじゃないかというような気がいたすわけでございます。 そういう意味におきましては、法施行後の貸金業者の貸出金利が、できるだけ実際問題として下がるような方法を何とか私どもなりに考えていきたいと、こういうように思っておるわけでございます。
○多田省吾君 くどいようでありますが、提案者にもう一遍お尋ねしたいわけですが、提案理由の中でも「資金需給の状況その他の経済・金融情勢、貸金業者の業務の実態等を勘案して検討を加え」るとありますし、いまも提案者からそのことで御答弁もあったわけでございますが、そのときになってみますと、やはり貸金業者の中から相当の反対運動が起こってくるのではないかということが予想されます。この圧力に負けてしまって四〇・〇〇四%が見せかけのものになってしまうという心配もあるわけでございます。 この点、貸金業者の業務の実態等をどのように公平に判断するのか。また貸金業者の圧力に負けて政治的判断を加えるのではないかというような心配もありまして、時期を決するのに本当に勇敢であっていただきたいということを強く要請したいわけでございますが、くどいようですが、その点お尋ねいたします。
○衆議院議員(大原一三君) その点につきましては、衆議院サイドにおいて、公明党の御提案は、たしか四〇%に最初からするようにということでございましたが、しかしながら、参考人の意見等も幅広く聴取し、やはり一遍にいい法律をつくるというのもなかなかむずかしゅうございまして、私たちもこの法案が一〇〇%いいものとは思っておりません。しかしながら、現在のサラ金地獄と申しますか、サラ金業界の実態を顧みますときに、何とかして前進的にこの問題を解決していきたいということから、御納得をいただいたものと思っております。 ですが、四〇%ラインにいつ持っていくのかという議論でありますけれども、先ほども申し上げましたように、また、それぞれの各党の先生方の御意見等を集約しながら、できるだけ早い機会に四〇%ラインに持っていくように積極的に努力をしたいという気持ちでございます。
○多田省吾君 いま提案者から御答弁がありましたように、わが党といたしましては、本来施行後二年間は五四・七五%、それ以降は三六・五%と主張してまいりましたので、それから見れば当然四〇・〇〇四%は不満があるわけでございますが、それも早くやるべきだという考えでございます。 したがって、この四〇・〇〇四%は、本法律の施行後五年後直ちに実施してもらいたいと思いますし、また実施すべきであると思います。この法律で別に定める日ということは、私どもは五年後からすぐに実行するべきであるという強い意味を持っていると、このように理解しておりますが、提案者及び大蔵省はどう理解しておりますか。重ねてお伺いしておきます。
○衆議院議員(大原一三君) お答えいたします。 先ほども申し上げましたが、五年経過後直ちに速やかにということには法律の体裁はなっておりませんので、五年経過後、金融情勢や貸金業者の実態と申しますことは、日歩三十銭を二十銭に下げ、十五銭に下げ、いきます間にまた極端なやみ金融とか非常なもぐり金融等がはびこるようでは、これは何にもなりませんので、そういった状況も取り締まり当局に積極的に取り締まっていただいて、できるだけ現在のような七〇とか八〇という業界主導の金利水準をこの水準に近づけてもらうという努力を中間にいたしまして、その実行の過程を見ながら五年後速やかにその状況を勘案しつつ実行に移すというかっこうになっているわけでございまして、何しろこれは議員立法でございますから、また恐らく各党間の御意見を集約しながら、その点も配慮していかなければならないという気持ちでおります。
○政府委員(宮本保孝君) この問題はいま御指摘のとおり、われわれといたしましては国会の御判断にまつべき点でございますけれども、私どもといたしましては、そういう環境づくりに努力してまいりたいと思います。
○多田省吾君 現在、貸金業者の実態を見ますと、大手四社の平均金利は三九・六%となっておりまして、四〇・〇〇四%を下回っております。しかし、大半の中小の貸金業者は、五四・七五%から九一・二五%の金利の範囲で行っております。特に、施行後になる七三%以下五四・七五%以上の金利の貸金業者の利用者は、全体の七〇%を占めております。また、業者の数からして大変多くなっておりますが、いわゆるこの間の業者をどう指導していくかがこの四〇・〇〇四%施行の大きなポイントになると思いますが、これらの中小業者の実態及びその指導をどのように図っていくお考えか、提案者と大蔵省にお聞きしたい。
○衆議院議員(大原一三君) 大変むずかしい指導をしていかなきゃならぬのではないかと思うのでありますが、これは大蔵当局が各省と協力してやっていく話でございます。 現在二十万件届け出ておりますけれども、恐らく登録が始まればかなりのその中の数がはじき出されるんではないかというふうに想像されるわけでございます。大蔵当局としては、聞きますところ、できるだけ早くその登録を終えて、そして業界の整備を図っていきたいということでございますので、その点につきましては、ひとつ大蔵当局から御答弁願いたいと思います。
○政府委員(宮本保孝君) やはり一番のポイントは、何度も申し上げておりますように、実際のとにかく貸し出し金利が下がっていくことでございます。したがいまして、そこに焦点を当てまして私どもといたしましては努力いたしたいわけでございますが、基本的にはやはりそれぞれの事業者の企業努力にまたなくちゃいけない問題でございます。 ただ、一般論として申しますと、やはり資金調達コストを低めるにはどうしたらいいのか、あるいは能率的な事業運営というものによりまして各業者の経営の効率化を図っていくことが必要じゃないか。それからまた、与信判断というものを適切にすることによりまして、できるだけ貸し倒れを少なくするというふうな方策をとる必要があるのじゃなかろうかと思うわけでございますが、これらにつきましては、何せ非常に数の多い業界のことでもございます。また中小零細の企業の多い点もございますので、先ほど来申し上げておりますように、都道府県あるいは各府県にできます協会というものを通ずる指導、これの実効が上がるようにしたいわけでございまして、できるだけ協会への加入などにつきましても積極的な努力をしてまいりたい、こう思うわけでございます。
○多田省吾君 大蔵省にお尋ねいたしますが、最近の信販会社の金利は二七・六%から三三・七%、それから流通業界の金利は二七・〇%から三六%となっているようであります。また銀行系のクレジットカードは一五%から一八%、都市銀行は一〇・五%から二〇%、相互銀行は九・九%から一八%となっておりまして、サラ金と比較しますと大変低金利となっております。 この点、一般銀行が消費者金融の一層の促進に努める、あるいは消費者金利を低下させる、消費者金融市場を拡大させるというようなことに資するべきだと考えますが、行政当局といたしましてこれをどう考えておりますか。
○政府委員(宮本保孝君) 個人金融につきましては、高度成長時代を通じましてわが国の金融機関の融資が企業金融に偏っておったという点があるわけでございまして、ただ特に住宅ローンを中心にいたしまして、個人も単なる貯蓄者としてよりは、資金の需要者として昭和四十年代後半以降登場してまいったわけでございまして、最近は住宅ローンだけじゃございませんで、いわゆる一般の消費者金融というものの需要も大変高まってきておるわけでございまして、この十年間におきます金融機関側の対応も大変な努力をいたしておりまして、いろんな新型の消費者ローンの開発なども行っておるわけでございます。 ただ、実際計数的に見ますと、住宅ローンはさておきまして、消費者ローン自体の伸びというものは余り進捗していないような状況でございます。私どもといたしましては、一般の金融機関の消費者ローンにつきましても、積極的に一層の展開を図るように要請いたします。そのことが、また、金融機関以外のいわゆるサービス産業を通ずる消費者金融を適正に、かつ円滑にならしめるゆえんではないかと思うわけでございまして、先生御指摘のとおりでございまして、一般民間金融機関を通ずる消費者ローンの指導につきましては今後とも一層努力してまいりたい、こう思っております。
○多田省吾君 次に、グレーゾーンの返還請求権につきまして、二、三お尋ねしたいと思います。 貸金業法の中で、第四十三条の一項で「(任意に支払つた場合のみなし弁済)」規定を設けておりますが、その真意をお伺いしたいと思います。
○衆議院議員(大原一三君) 現在の法体系が出資法——これは保全経済会等の問題が起きてから一〇九%というふうに決められておりまして、一方これを超えたものは罰則を科せられる。ところが利息制限法の方では、最高が二〇%、それに賠償金を加えますと、その倍でありますから四〇%までということになっておりまして、その間にいわゆるグレーゾーンができておるわけでございます。 ところで、そのグレーゾーンといいますと結局、最後は四十三年でございますが、たしか四十三年最高裁判所の判例によりまして、任意に支払っても不当利得の返還請求ができるという判例が出たわけでございまして、非常にあやふやな金利地帯ができ上がっているわけでございます。一方において登録を義務づけ、さらにまた非常に厳しい規制を、私、これやる前はちっとも気がつかなかったのでありますが、あたりまえのことが書いてあるんだと思ったら、そうじゃないということでありまして、受取証書も出さない、契約書も渡さない、返還の条件も書いてないというような、そういう混乱した業界に対して厳しいメスをこれから加えていくわけでございますので、行く行くは四〇%に持っていけばグレーゾーンの幅はなくなっていくわけでございますから、その間、現在の業界の粛正と申しますか、行儀をよろしくしていただくために、過渡期ではございますが、その条件の中でひとつ不安定な経営形態、経営状況がないように、裁判所へ持っていったら返してもらえるというような不安定な経営条件をやはりこの際、先ほどのいろいろの規制との交換条件でこの法律で排除をしたわけでございます。 ただし、この場合も、先生御指摘の任意とは何ぞやという事実認定の問題が、これは錯誤あるいはまた詐欺あるいは強制、何らかの形で自由な意思を妨害された場合は、これは争えるわけでございますし、さらに先ほどの受取証さらにまた契約書の写しでございますとか、そういったものが交付されてない場合には、この任意ゾーンの適用はないんだというところまで、一応条件排除をしておりますので、そういった考えで、最高裁の判例を何と申しますか、排除したという規定になっておるわけでございます。
○多田省吾君 大蔵省にお尋ねいたしますが、大蔵省は昭和五十二年十月以降関係六省庁で検討してこられた結果、政府提案ができなかった理由といたしまして、いわゆるグレーゾーン金利の取り扱いで最高裁判例等の関係がありまして、各省庁間の意見がまとまらなかったと言っておられるようでありますが、その検討結果と理由を御報告いただきたいと思います。
○政府委員(宮本保孝君) 六省庁昭和五十二年十月以来検討してまいってきた点は御指摘のとおりでございます。 その過程の中で、実は今日の議員立法の中にございます四十三条というふうな内容についても、一つの案であるというふうなことであったわけでございますけれども、やはり行政府といたしましては、司法府が確立いたしました判例があるという現実を踏まえまして、政府提案ということはちょっとまあ無理だ、あるいは断念したということでございまして、国権の最高機関であります立法府の政治的な判断にまつというふうなことになったわけでございます。
○多田省吾君 法務省にお尋ねいたしますが、現行利息制限法におきましても、債務者が任意に支払った場合については返還請求ができないとしているにもかかわらず、最高裁の判決では債務者の利息超過分の返還請求権を認めた判決をしていることにつきまして、その根拠についてどのように理解されておりますか。
○説明員(濱崎恭生君) 裁判所の判断の問題でございますので、その判断がどういう根拠に基づいてされているのかということは、私ども判決文によってしか知ることができないわけでございまして、その範囲内で理解しているところを申し上げたいと存じますが、現行の利息制限法一条一項におきましては、制限利息を超過する部分の利息の契約は無効であるということにしておりますが、しかし御指摘のとおり二項において、任意に支払ったものは「返還を請求することができない。」というふうに書いてあるわけでございます。 しかし、この二項で、「返還を請求することができない。」と書いてある趣旨が、果たして任意に制限を超えて支払った部分は弁済として無効なのかあるいは有効になるのかということについては、条文上はっきりしていないわけでございます。したがいまして、その超過部分の支払いはあくまで無効な支払いであるというふうに解するか、そうではなくて有効な支払いになるというふうに解するのか。そしてその結果、任意に支払った場合の効果がどういうふうになるのかということは、条文上明らかにされていない。そのためにそれをどういうふうに解するかということについては、解釈の問題が残っていたわけでございます。 ところで、利息制限法の趣旨は、申し上げるまでもなく、超過部分の民事上の効力を否定するということによって経済的弱者である借り主を保護するということにあるわけでございますので、そういう解釈として二つの道がある以上は、そういう立法趣旨に照らして裁判所としては借り主に有利なような解釈をする、そういう考え方に基づきまして、任意に支払ったものもあくまでも無効な支払いである、したがって、元本がある限りは元本に充当されるし、その充当の結果元本がなくなった後に支払われたものにつきましては、元本がない以上、利息も損害金もあり得ないということで、利息制限法一条二項の規定が適用される余地はないという解釈をとったわけでございます。そのように私どもとしては理解しております。
○多田省吾君 法務省にもう一点だけお尋ねいたしますが、この場合、本法律案の貸金業法の第四十三条でみなし弁済規定を設けても、実質的には最高裁判決が優先されるべきだと思いますが、この点はどうお考えですか。
○説明員(濱崎恭生君) 御指摘の実質的にはという趣旨が、必ずしも不敏にしてよく理解できないわけでございますけれども、もちろんこの法律案の四十三条の規定の適用は、登録を受けた貸金業者がした貸付契約についてだけ適用されるものでございますし、また四十三条ではいろいろな制限が付されておりますので、その制限に該当するような場合は四十三条の適用がないということになります。 したがいまして、四十三条の適用を受けない、登録貸金業者以外のものの貸し付けに係る利息の契約あるいは四十三条でいろいろ例外が設けられております規制に該当する場合の利息の支払いについては、御指摘のとおり依然として原則に戻って利息制限法の規定が適用されますし、その適用に当たっては確定した最高裁の判例に従って処理されるということになろうかと思います。 ただ、その適用は四十三条の適用があるという場面に関します限りでは、先ほども申しましたように、現行の利息制限法の規定では、その支払ったものが有効になるのかどうかということがはっきり条文上書いてないというために、先ほど申しましたような解釈の余地があったわけでございますけれども、この法律案におきましては、そういう超過部分の支払いは有効な利息の弁済とみなすというふうに、その点の疑義がないようにはっきり書いてあるわけでございますので、この適用がある限りでは、これまでの最高裁判所の判断と同じ判断がされるということにはならないというふうに考えます。
○多田省吾君 提案者にお尋ねいたしますが、最高裁の判決もあることでございますので、弱者救済、保護という点でどういう考えでおられるか。 それからもう一つは、わざわざみなし弁済規定を設けることによりまして、貸金業者の取り立て行為がいままで以上に厳しくなるということが考えられるわけです。そうなればサラ金悲劇が今後も続発する危険性がありますが、この四十三条のみなし弁済規定を排除できないかという問題ですね、その点はどう考えますか。
○衆議院議員(大原一三君) おっしゃった点は一番腐心をした点でございまして、弱者救済といいますか、現在のサラ金のトラブルでございますが、裁判所へ行って争える方というのは、全体のサラ金を借りていらっしゃる方のパーセンテージからいうと非常に少ないと思うのです。大蔵省の数字によりますと、一万六千件がサラ金で簡易裁判所で事件になっておる。実際借りている人はどれぐらいいるんだろうかといいますと、先日も社会党の平林先生がお調べいただいて、五百万人とか六百万人という件数があるようでございます。したがって、裁判にも行けないで追っかけ回されて、とんでもない取り立てを受けて一家離散したりあるいはまた自殺をしたり、非常な不幸な事件が底辺にたくさん起きているわけでございますので、そこらにひとつメスをまずこの法律は入れていったらどうだろうかということで、皆さん方と御議論を申し上げたわけでございます。 ですが、裁判に行けるか行けないかは、これはまだ余地は、いろいろの問題点がたくさん残っておるわけでございます。先ほども穐山先生からおっしゃいましたが、いろいろまだ抜け穴があるんではないかというお話で、いろいろあると思うんですよ、この書き方の中で。「(書面の交付)」、書面とは何ぞやとか、交付の内容は一体どれぐらいのものが本当の書面だろうかとか、議論の余地はたくさんあると思うんでありまして、裁判事件に持っていくケースは、これは私はそれを全然この法律が排除しているということにはならないと考えております。
○多田省吾君 じゃ次に、貸金業法の規制について若干お伺いしたいと思います。 まず大蔵省にお伺いしますが、現在のサラ金業界の実態はどうなっているのかお伺いしたいわけです。簡潔に個人、法人別の業者数、それから資本金別、金利別実態はどうなっておりますか、お知らせいただきたい。
○政府委員(宮本保孝君) 私どもといたしましては、四半期に一回都道府県からの届け出数を聴取いたしておるわけでございますが、五十七年の三月末で届け出件数は二十万百五十件でございます。そのうち、個人は十六万三百十八件、法人は三万九千八百三十二件でございます。なお、この二十万のうち休止届、休業届が出ておりますのが一万五千四百六十七ございます。 それから、資本金でございますが、この資本金とか、いま先生御指摘の金利別等につきましては、実は実態調査が行われていないのでございますが、大蔵省がアンケート調査等によりまして把握いたしました数字から見てみますと、個人の場合の自己資金額、いわゆる元手でございますが、五百万円未満で商売をいたしておる件数が四二%になっております。なお、貸出金利につきましては、七三%超の事業者が約三五%でございます。それから、五四・七五%超の事業者が約五七%と、これは消費者向けの無担保融資でございますが、そういう状況になっております。
○多田省吾君 大蔵省にもう一点お尋ねいたしますが、本法律案が施行されることになりますと、上限金利が七三%、五四・七五%、四〇・〇〇四%と変わるに従いまして、業界の営業に与える影響についての見通しはどう思われているか、お伺いしたいわけです。 また、今回の業務規制によりまして、いわゆる悪徳業者といわれる者の追放にどのように効果があると思われておられるか、その辺のお考えをお聞きしたいと思います。
○政府委員(宮本保孝君) 上限金利が段階的に引き下げられていくわけでございますが、その過程で当該金利以上の契約をいたしますれば刑罰が科せられることになるわけでございますので、これは当然のことながら、低利で貸し出す事業者というものの割合がふえていくわけでございまして、暴利をむさぼる悪徳な業者は営業ができなくなるというふうに考えられるわけでございます。 なお、今後こういう登録制が施行になりまして、規制も強化され、だんだんその業界の営業姿勢も適正化されるということになってまいりますと、一般の金融機関等を通じますサラ金業界への資金融資の割合も、当然のことながらふえてくると思うわけでございますので、あれやこれや考えますと、やはりこのサラ金業界の中にも適正な競争原理というものがだんだん発揮されるようになりまして、業界全体が正常化といいますか、悪徳業者が追放されまして、徐々に正常化されてくるのではないかというふうに期待いたしているわけでございます。
○多田省吾君 次に、提案者に取り立て規制の問題で二、三お伺いしたいと思います。 特に、暴力金融の最たるものは、取り立て手段を選ばないことでございます。第二十一条で「(取立て行為の規制)」を規定しておりますが、この行為の範囲についてどのように考えておりますか、具体的にお伺いしたいと思います。 念のために、一般的に言われていることを二、三例を挙げますと、たとえば会社の勤務中に呼び出したりした場合はどうか、あるいは夜中に訪問したり電話で妨害したり、あるいは保証人でもないのに身内のところへ、親戚や親のところへ行く場合は、それぞれ業者への処分はどうなるのか。債務者は、これらの行為から守るためにどこの窓口に訴えたらいいのか、その辺お伺いしたいと思います。
○衆議院議員(大原一三君) いまおっしゃった各種の事案でございますが、ここに書いてございます二十一条の取り立て規制は、刑法の脅迫にいかないようなものでも取り立ての規制になりますとわれわれは解釈をしております。したがって、脅迫と書かないで「威迫」とこう書いたわけでございまして、さらにまた、「私生活若しくは業務の平穏を害する」と、夜中に何回も電話してたたき起こすというようなことは、これは当然この条項に該当すると思います。中には、玄関口で太鼓をたたいて金返せと言っているのがあるんだそうで、これも当然威迫の対象になると思います。それから、何時間も家に座り込んで奥さんの仕事をえらく妨害するというようなことも、われわれはこの取り立ての規制の対象になるというふうに考えております。
○多田省吾君 御答弁のように、「私生活若しくは業務の平穏を害する」となっておりますので、この取り立てにつきましては、私たちは取り立て額につきましても最低生活を確保した上で行うということを意味すると思っておりますけれども、この点どのように保護されるべきだと考えておられるのか。 それからもう一つは、簡易裁判所に債権の調停の申し立てを行う場合は、この点明確に保護されるのか。本法律案ではどう配慮をされているのか、その辺もあわせてお伺いしたいと思います。
○衆議院法制局参事(松下正美君) お答え申し上げます。 この法律案の第二十一条は、暴力的な取り立ての規制をされるものでありまして、取り立て額については直接何ら規制するものではございませんが、取り立ての額につきましては、現行法上におきましても強制執行の場合、最低生活の確保に必要なものは民事執行法の百三十一条で保護されておりまして、この法律案が成立いたしましてもこの点については変わるものではございません。
○多田省吾君 余り時間もありませんので急いで御質問しますが、過剰貸し付け問題があります。 過剰貸し付けの十三条の規定は、いわゆるサラ金地獄と言われる状況に落ち込むのを防ぐ重要な役割りを果たすものと思います。しかし、現在の中小業者が債務者の信用についての調査能力が十分であるかどうかは大変疑問でございます。この点、過剰貸し付けの防止のために調査能力を充実させる必要があると思いますが、大蔵省としてこの点はどう指導していかれる考えですか。
○政府委員(宮本保孝君) 貸金業規制法案の三十条におきまして、貸金業協会が信用情報に関する機関を設けまして、あるいは他の機関を指定して、業者にこれらの機関を利用させることなどによりまして、過剰貸し付けの防止を指導する義務を協会に課しているわけでございますけれども、大蔵省といたしましても、この全国貸金業協会連合会を通じまして、信用情報機関の設置または他の機関をそういう信用情報機関として指定するというようなことが円滑に行われるように最善の努力をしてまいりたいと、こう思っております。
○多田省吾君 提案者にお伺いしますが、貸し付けの身元確認のために保険証あるいは免許証、それから身分証明書だけで貸し付けているところも多いわけですが、これらはその人の資力を十分に証明するものでない方法で貸し付けするものについて、この法律案はどのように防止されるのか。特に、保険証などを盗んで借りている例もあるそうでありますけれども、写真も添付しておりませんので本人かどうかも明確ではありませんけれども、この辺はどうなのかあわせてお伺いします。
○衆議院議員(大原一三君) 非常にむずかしい御質問でございまして、過剰貸し付けというのは一体何が過剰かということでありますが、これにはいろいろ条件、環境、その人の所得等々によって総合的に判断すべき問題だと思います。 したがって、先ほど額の問題が先生から提起されましたけれども、額については、やはりその状況に応じていろいろ判断が違うものですから、われわれとしては特に、これに罰則規定をつくることを一応議論したんです。過剰貸し付けやったやつを罰したらどうだという議論があったんですが、何が過剰かというところで議論が行き詰まりまして、一応その人のそれぞれの条件に応じて過剰性を判断していただくということで、このような条文になったわけでございます。
○多田省吾君 これもちょっとお答えしにくいとは思うんですが、お客さんが複数業者から借り入れを行っている場合もございます。その場合は、返済能力以上の債務行為を行う危険性が大きいわけです。この場合、業者側から十分把握できる方法はあるのかないのか、その辺をどう考えてこの法案をおつくりになったのか。 それから、先ほどもおっしゃったんですが、過剰貸し付けについての罰則の適用を規定してないわけでございますが、これはむずかしいとは思いますけれども、その辺どう考えておられるのか、この二点お伺いいたします。
○衆議院議員(大原一三君) 複数業者の排除ということでございますが、いまも宮本銀行局長からもお話ございましたように、大きな貸し付け業界では情報交換システムがかなり整備されておりまして、お互いに情報交換をやっているようでございます。さらにまた、協会——現在庶民金融業協会でありますが、これが今度貸金業協会、県単位にできるわけでございますけれども、この法律で行政指導をしながら、これらの情報交換システムを整備していくことというような指導要領も書いてございまして、実際いろいろお聞きしますと、地方によってはよく情報交換をしていらっしゃるものもあるんですが、問題はアウトサイダーですね。こういった方たちも、これは当然今度はその協会の情報システムを利用できることになるわけでありまして、それでもやはりその協会に入っていただくことが先決だと思います。そういった形で大蔵当局としては積極的にその協会加入、強制になっておりませんので、任意加入でございますから、指導してもらって、その中で情報交換を十分やっていただくように行政指導でやるようになっていますので、その点大蔵当局ないし関係当局で積極的にその努力をお願いしたい、かように考えております。
○多田省吾君 最後に、大蔵省に一点お伺いいたします。 貸金業におきまして、一部の悪徳業者はその常套手段といたしまして、法の裏を巧妙に逃れて悪徳を働くというところに問題が多いわけでございます。この点行政当局の厳しい監督、指導を望みたいわけでございますが、どのようなお考えでおられますか。
○政府委員(宮本保孝君) この法律案におきましては、大蔵大臣それから都道府県知事に対しまして、貸金業者に対する報告の徴収権あるいは立ち入り検査権というものを付与されております。また、この法律案におきます業務規制事項がいろいろあるわけでございますけれども、こういう規制事項に違反した場合には、営業の停止とかあるいは登録の取り消し処分をする権限も実は与えられておるわけでございまして、この法律案が成立いたしました場合には、こういう悪質な行為を行う貸金業者につきましては、いろいろ権限を与えられておりますので、そういう権限に基づきまして厳正な態度で対処してまいりたいと、こう考えております。
○近藤忠孝君 この法案は議員立法ではありますけれども、わが党は絶対反対であります。 衆議院でもその立場と理由を示してまいりました。参議院の方にやってまいったわけでありますけれども、私は冒頭に委員長にお願いしたいのは、きわめて多岐にわたって、しかもきわめて深刻な問題を持っておりまして、これは、実態上もまた理論上もあらゆる角度から究明しなければならない問題をたくさん含んでおります。そういう点で、これは十分なそして慎重な審議をお願いしたいと思います。 それから、たとえば衆議院では業者側、要するに債権者側からの代表を参考人としてまる一日かけて質疑をしておりますけれども、問題になっている、要するにサラ金被害と言われている被害者側からの意見聴取はしていないのであります。となりますと、そのままこの法案を通してしまうことはやはり片手落ちになるのじゃないか。ですから、当委員会においては、被害者側からの意見聴取その他あらゆる角度からの慎重な審議が必要だと思います。 それからもう一つは、これは衆議院では五年来大原先生を中心にあらゆる角度から検討してきた結果の一つの案であります、だから議員立法だと言うんですが。私は、そこで議員立法だからといってそのままうのみにするのではなくて、やはり参議院のチェック機能、これを果たすためにはまた別な角度から慎重に審議をすべきであると。ですから、五年かけろとは申しませんけれども、またこれは時間の、日数の問題じゃないと思いますけれども、内容の充実した審議を冒頭にお願いしたいと思います。 そこで、提案者の大原先生にお伺いしますけれども、つかぬことをお伺いしますけれども、先生は、これサラ金問題について、債務者側の立場に立って業者と交渉された経験がおありか、あるいは逆の場合に、業者の側といいますとこれは取り立てということになりますけれども、そんなことはないと思いますけれども、そういう業者側の立場で行動されたことがおありか、その他、やはり直接サラ金問題と言われているその実態を経験されたことがおありか、いかがでしょうか。
○衆議院議員(大原一三君) 大変いい質問でございまして、われわれは債務者側でもなければ債権者側でもなく、先ほども申し上げましたように、これは外国に余りないんですね。これは、一つは、私ははっきり申しまして宮本銀行局長には悪いんですが、金融機関は怠慢だったと思うんですね。大体平均して一〇%しか——一〇〇預かって一〇しか個人金融はやってないということは、いままでの経済事情もあったのでしょうけれども、そういう状況の中で、特殊日本的に発達してきたサラ金構造、これはやはり必要性があって私はそうなったのだと思います。ですから、需要者、そういう資金需要があるからそういう業者も出るわけでありまして、この辺は、債務者側のことは金利でひとつ考えていこうということで、四〇%ラインに何とか早くこれを持っていって、現在の七〇%、八〇%という高い金利を下げていこう、これが一番債務者側に受益の大きい改正点だと私は思います。 そのほかに、暴力的取り立て、こういったものについて積極的に排除をする、そういう人間に債権の譲渡をしてはならない、そういった非常に厳しい条件をつけておりますので、これはもう債務者の利益になるだろう。 先ほど申しましたように、その業者が七〇%、八〇%の何と申しますか、私から言えばダーティーマネーかもしれませんが、借りてしまって、融通をするという現在のサラ金業界の実態、そういったものを見まして、いきなり四〇%へ持っていったら、恐らく現在の二十万件というのは半分以下に減ってしまうだろうという御意見もたくさんございました。その両々の接点でこの法律はでき上がったものというふうに私は理解しております。
○近藤忠孝君 債務者側でもない、また債権者側でもない、そういう意味では公正な立場と、そういう御意見だと思います。 私は、立法者としてはそれはそれで結構だと思うんですが、ただ、この法案の一番大事な点は、やはり債務者、そしてそれが債務者が被害者と言われているその実態だと思うんですね。それにつきましては、これ実際経験しませんと、本当の苦しみ、そして本当にどこがどのように問題になっているのかわからない分野もあるのではないかと、こう思うのです。私は、率直に申し上げて大変失礼ですけれども、債務者側に対する不当な侵害を守ろうという、こういう意図はわかるんですが、ただ、実態を直接体験されていないために、やはりその辺のところが落ちているのじゃないかということを私は率直に指摘せざるを得ないんです。 と申しますのは、私自身は弁護士としまして大分扱ってまいりまして、もちろんこれは債務者側の代理ですけれども。そこで、よく言われるのは、弁護士会がこれ反対しているのは、この仕事をここで取ってしまうと仕事がなくなるんじゃないかという、そういうことを言うんですけれども、それはとんでもないことですね。弁護士業務でこれほど採算に合わない仕事はないんですよ。大体三百万ぐらいの債務がたまったのが多いんですね。そうしますと、業者数にして十数件、多い場合には二、三十件、それを一つ一つ相手にしますと、計算から言いましても交渉から言いましても、また、時には身の危険も感じますから、これほど採算の合わない仕事はないんで、そういう立場ではなくて、まさに社会正義の立場から取り組んでいるたくさんの弁護士がおり、そしてその集約として弁護士会が反対の立場をとったんだと思うんです。 実際体験してみますと、これはものすごいんです。一、二だけお話ししますと、ともかくも十数件なり二、三十件ですね、こちらは時間を刻んで小刻みに時間を指定して事務所に来てもらう。そうなると、向こうは全部連絡して一斉にやって来るわけです、まさに団体交渉。しかも相手はものすごく口も達者ですし、口だけじゃなくて態度も大変威迫的態度で、これがもう一斉に押しかけて来るわけですよ。私自身は、労働、公安事件あるいは公害事件など法廷の場でもその他でも、大分、いわば闘う弁護士として法廷の場でのけんかは決して嫌いでない方でやり合ってきたのですけれども、それでも身の危険を感ずるような、そういう場面なんですね。これは債務者、しかも弱みのある債務者だったらとてもこれは応じられない。しかし、こちらが毅然としておるので向こうもあきらめていきますけれども、しかしその帰った後が大変なんですよ。嫌がらせ電話から脅迫電話から、もう数日間商売にならない。 そういう中で彼らが言うことは、大体弁護士の言うような金利だったら商売にならぬ、弁護士は営業妨害をするのかと、こう言って食ってかかるわけです。幾ら説得して利息制限法があってと言ってもわからないんですね。そこで、私が最後に言うことは、大体あなた方が利息制限法違反の金で商売すること自身が、それで営業をしていこうということ自身が間違いなんだと、そう言うと向こうもあきらめて帰っていくのですが、そういう中で起きている被害であるということを、ひとつこの機会に御認識いただきたいと思うんです。 そこで、私がいま申し上げた利息制限法を超えている金では商売をやること自身が間違いだというこの指摘ですね。私に言わせれば、それはやっぱり業者は反社会的な利息を取っている、違法な金を取っている、だからそういう意味で後ろめたい思いで商売をしてもらわなければ困るんですよ。ところが、今度この法案が通りますと、後ろめたさがなくなってしまうんですね。堂々と取るわけです。いままでですと、まさに裁判所へ行けば返還請求される、あるいは無効だということなんですが、それがなくなってしまいますと、まさに事前に被害者の被害を予防するとおっしゃいますが、その事前予防効果がまずなくなってしまうんじゃないかと思うんです。 ですから、私の質問は、一つは利息制限法を超える金は無効であり、反社会的な利息であるという御認識を持って立法されたのかどうか。そしてこの法案、要するに四十三条が通った場合には、彼らの後ろめたさの気持ちがなくなって、まさに公然と堂々と取り立てをされていく、そういう効果を発揮しやしないか、その辺の御認識を聞きたいんです。
○衆議院議員(大原一三君) 私はサラ金を借りたことがありませんので、どういう実態かその辺はわかりませんが、これはNHKのテレビでございましたか、弁護士さんが真ん中に入られていろいろ長時間にわたってこういう問題のおっしゃるような事案、私もそれを拝聴しました。さらにまた、先日ある、これは社会党の先生だったと思うんですが、名前を申し上げては悪いんですが、大原さん、あれはサラ金法はどうなっているんだと、このままずるずるやったらそれはもうとてもいつになるかわからないですよ、早くやってくれというお話がありました。実はけさ私の家の前の人が自殺をしてしまったので、自殺をしてしまったから早くやれという話であります。これも大変ショッキングだったらしいんです、御本人は。それはそうだと思うんです。前の方が死んでしまった。これは暴力的取り立てに追いかけ回されちゃって亡くなったというわけであります。 先生おっしゃることはよくわかるんでございますけれども、先ほども申しましたように、五百万とか六百万件という借り入れの中で、裁判に行ける、お願いのできる方というのは一万六千人ぐらい、その底辺でそういう社会的にゆゆしい問題が起きておる。そこのところをチェックしていこうじゃないかというのがそもそもこの法案の目的でありまして、私は一〇〇%いい法案とは思いませんけれども、やるにこしたことはないという考え方で皆さん方と御相談をしたわけであります。 それから、悪徳サラ金業者が堂々と看板をいただいてやれるとおっしゃいますけれども、そもそもこれは悪徳サラ金業者を排除しようではないかという法案でございますので、そんな人にまで看板を堂々と出すということは、これは登録要件その他見ていただければおわかりと思いますが、事前にやはりチェックをし、さらにまた、それが営業行為をしている場合だけ営業の停止行為、これは相当広範にわたっております。さらにまた、行き過ぎた、停止してもやらないやつについては登録の取り消しもできるというようなことになっておりますので、何とかこれを実行することによって、早く、そしていま申し上げたような所期の効果を上げたい。 さらにまた、先生おっしゃいますように、将来は四〇%へ持っていくんだと。グレーゾーンとの縮まりがあるわけでございまして、行く行くは、先ほどもどなたかおっしゃいましたが、銀行等の金利に近づいていけば、したがって裁判ざたにもならないで済むような一応目的、目標を志向しておりますので、その点をひとつ御評価願いたい、かように考えます。
○近藤忠孝君 私も、この業者規制はもちろん必要であると思いますし、この業者規制の限りでは不十分な点もあり、しり抜けだと思う面もありますけれども、それは賛成できるんですね。そこまでだったら議員立法で一緒に共同提案できたんだと思うんですが、その効果をむしろなくす、あるいはもっと前進の面で逆のマイナスの面があるという点で反対をしておるわけであります。 そこで、じゃ、業者規制の面で果たしてうまくいくのかという面で、ちょっと一、二具体的事例でお聞きしたいんですが、法務省にお伺いをします。 ここにこういうはがきがあります。取り立てです。督促状の中に「返済を怠ると」「下記の条項が適用される。」と。一つは、「借主が返済を怠ると親族に対して迷惑をかけることがある。」。それからもう一つは「債務不履行に逃走罪と刑事罪が適用される場合がある。」、こういうんですね。これ、一般の人が見ますと、本当に逃げた場合にすぐ取っつかまってひどい目に遭うんじゃないかと。それから、親族に対して迷惑をかける場合があるというと、それは親族にも危害が加わるんじゃないかと。これは、法律家が見ればこんなものは全くのインチキだということわかるんですが、そうでない人々、私は大学卒業した程度の知識でもこれ見てそれはびっくり仰天する人相当あると思うんですね。これが現行法に当たるとしたら脅迫ですけれども、当たるのか、当たらないのか、端的にお答えいただきたいと思います。
○説明員(東條伸一郎君) 端的に御返答を申し上げよということでございますので、端的に申し上げますと、非常にレアケースで、あるいは脅迫罪、あるいは恐喝、あるいは強要というような罪の成立が考えられないわけではないと思いますけれども、一般的に申しまして、いま御指摘のような督促状の文言が直ちに現行刑法が考えておりますたとえば脅迫罪における脅迫文言でございますとか、恐喝罪における害悪の告知というふうにはなかなかなりにくいんではないか、このように考えております。
○近藤忠孝君 レアケースというのは、恐らくその前に害悪の中身が具体的に示されておったような場合、それを連想して、そしてひどい目に遭うという場合だと思うんですね。一般的にはちょっとむずかしいと。私も、それは現行法上はそうかもしれぬと思うんです。 問題は、先ほど悪徳業者を排除できると大原先生おっしゃったんですね。この貸金業法の二十一条、とれに、「債権の取立てをするに当たって、人を威迫し又はその私生活若しくは業務の平穏を害するような言動により、その者を困惑させてはならない。」、罰則ついていますけれどもね、これに当たるかどうか、どうでしょうか。
○説明員(東條伸一郎君) 新しい法律でございまして、でき上がった法律が施行されました後の運用状況あるいはその実態を眺めませんと、なかなかどういう事柄がこれに当たるかということはむずかしい問題があろうかと思います。 これは一般的に申し上げまして、先ほどの程度の、仮に御指摘の督促状が一回だけ来たということだけを想定いたしますと、これは、「人を威迫し」ということに直ちに当たるかどうか、かなりむずかしい問題があろうかと思います。もちろん、これは具体的な事案によって違うと思いますが。それから「私生活若しくは業務の平穏を害するような言動」、これも、立法過程でいろいろ考えられておりますのは、先ほど提案者の大原先生の方からお話がございましたように、長時間座り込むとか、あるいは何といいますか、夜間何回も電話してくるとか、あるいは近所に張り紙を張りめぐらすとか、いろんな形の、いわゆる刑法では賄い切れない、しかし非常な嫌がらせ行為というふうな感じを私ども想定しておったわけでございまして、手紙一本が直ちに当たるかどうか、これはまたあれでございますけれども……。 要するに、具体的な事実関係を前提としませんと、なかなかイエスかノーか、答えにくい問題でございますけれども、あえて一般論を言いますと、一枚の紙が来ただけでどうかということになりますと、あるいはむずかしいのではないかと思っております。
○近藤忠孝君 その一枚の紙が、弱みのある、そして——大体どんどん借りてしまうのは無知な層ですよね。利息制限法の存在も知らない、契約書を取らなきゃいかぬということも知らない、領収証をもらわなきゃいかぬということも知らない、そういう人々がほとんどやっぱりこういう被害者になっていくわけです。それに対して、この一枚の手紙がものすごく心理的な圧迫になり、逃げようと思ったけれども、逃げてもだめだというとやっぱり自殺ということにこれなっていくと思んですね。 という点では、残念ながらこの二十一条、一定の限度で該当する面もあるかもしれぬけれども、かなりな部分がこれはざる法になってしまうんじゃないか。大体、これ巧妙な連中ですから、よう考えますわね、これに当たらないように。要するに、今度の法案に合った営業活動を続けようというので、相当研究していると思うんですよ。ですから、そういう面で私は、これはざる法になりかねない。もし、ざる法にしないためには、この規定をかなり緩やかに解釈しますと、これを余り緩やかに解しますと、私弁護士で、困るんですね。構成要件該当せずとか、これは余り緩やかに解してもらっては困るんで、人権問題が起きてくるとなると、どうもこれはざる法の方へ行きゃしないか、こう思うんです。 あと、まだたくさん紹介するために尼崎からこれ借りてきたんですけれども、(資料を示す)こんな大きなのを玄関に張りつけたり、これはもう無数にあるんです。ですから、私は、こういう無数にあるたくさんの中のかなりな部分が、残念ながら二十一条では処罰できないんじゃないか、こういうおそれを抱くものであります。 そこで、先ほどの利息制限法を超える利息の反社会性、無効性についての発議者の御意見を聞きませんでしたけれども、お答えいただけますか。
○衆議院議員(大原一三君) 何ですか。
○近藤忠孝君 利息制限を超える金利の、いわゆるグレーゾーンのお金が、私は先ほど反社会的な金であるということを申し上げたんですけれども、そういう御認識についてはどうですか。
○衆議院議員(大原一三君) 反社会的ということはどう解釈するかよくわかりませんが、いずれにしても、最高裁判所の判例のない時期は一〇九%と二〇%ないし四〇%の間に乖離があって、それが当然認められておったわけでございますね。最高裁判所の判例が出て、元本に充当したものにはそれが利子になって返還請求できる、こういうことになったわけでございまして、その法律が三つあるわけでございまして、そこのところをきちんと整理して、そして将来はだんだん下げていって、利息制限法は二〇%が最高金額でありますけれども、賠償金を掛け合わしたところで四〇%ラインへ持っていこうということでございまして、一挙にその問題を解決しろと言われましても、業界の実態等先ほど申し上げましたようになかなかできない。 したがって、反社会的かどうか知りませんけれども、そういう資金需要が現に日本の社会の中にあるということですね。それはやっぱり率直にわれわれは認めなければならぬと思います。その現状を踏まえながら、なお少しでもいいものに前進しようというのがこの案の考え方でございます。
○近藤忠孝君 直接お答えいただけないんですが、この認識、利息制限法を超える部分は無効であり、かつ、これは民事的には反社会的である。 たとえば、ちょっと例が悪いんですけれども、姦通罪ですね。男女の交わりでも合法な部分と、それから違法な部分というのはやっぱりあるんですね、民事的に。たとえば損害賠償を請求されたり、刑事罰はもうなくなったけれどもそういう部分はありますね。私はやっぱり、余り直接比較していいかどうかわからぬけれども、大体そこに当たるような部分だと思うんです。やっぱりそれは反社会的な行為であり責められるべき行為だと、その認識があるかどうか、私はこの法案に対するやっぱり基本的な態度だろうと、こう思うんです。 ただ、そのことをやっていますと時間がなくなりますので、さらに大事な問題、四十三条を設けた理由として、衆議院段階での議論を聞いていましても、一つは、いままでの最高裁判決はあくまでも事後の救済であって、事前の予防が必要であると、それが事前の予防になるんだというんですが、私は事前の予防問題につきましては、先ほど申し上げた反社会的な金であるにもかかわらず、それについての後ろめたさを業者が持たなくなるために、それからもう一つは高金利、やっぱり七三%というのはこれはかなりな高金利ですね。それがしばらくは続くという、そのことと関連し、かつ四〇%に行くか行かぬかどうもはっきりわからない、そういう状況のもとでは、事前予防の効果も余りないんじゃないかと、こう指摘をせざるを得ないんです。 この論争は、また来国会にしたいと思うんですが、私は、問題は、事後の救済が絶望的になるということについて、これはぜひとも指摘をしなきゃいけないと思うんです。事後の救済についてたしかいまよりは不十分になると、この点は実際お認めになっておるようです、やりとりを見ておってもそうですが。ところが、私は絶望的になると思いますのは、大体利息制限法を超える金利、それが実際上は業者の側から債務者に対して請求可能になってしまうんですね。そして、場合によると裁判を持ってもそれを請求することがあるんじゃないか、この四十三条ができますと。そういう懸念はお持ちにならなかったでしょうか。
○衆議院議員(大原一三君) 四十三条で利息制限法の金利を超える部分について任意の支払い、まあこの任意制、先生のおっしゃっていることと私の答弁ちょっとずれているかもしれませんが、任意制の判断はこれは事実認定の問題で、当然これは裁判に行ったら問題になるわけでございまして、それと同時に、やはり書面も交付していないような業者をこの条文によって保護する必要はない。しかも将来は四〇%に近づけるんだと、グレーゾーンをできるだけなくしていくんだという方向でございますので、そういう点で、この法律を御評価願いたいという気持ちでございます。 共産党さんはそこの点——あとの部分はもうほとんどわが方の案とこの案と余り変わらないんです。五時以降の電話はいけないとか深夜電話はいけないとか、いろいろ細かいことが書いてございましたが、余り変わらない。ただその点だけが御認識をいただけなくて、残念ながら賛成いただけなかったんでありますが、将来はこういう方向だということで、ひとつ御評価を願いたいということを申し上げたわけでございます。
○近藤忠孝君 その一点がきわめて大事なわけでして、要するに、先ほど申し上げたとおり、業者規制では私どももちろんこれは賛成できる部分もあるわけですから。問題は、四十三条が成立してしまいますと、ともかくも貸し主側がきわめて強い法的の立場になるわけですね。そして、実際に先生が言われるいろんな条件を満たす、いわば何といいますか、優良な企業、そういう業者でも実際無効な金利を取り立て、かつ請求する、またしてきた。 こういう事例があるんです。これは最近、五十七年八月十三日、金沢の裁判所で判決がありました。原告は株式会社武富士、被告は長谷川という人ですが、日本で一番大きなサラ金業者武富士が実際に請求をして、これはいまの最高裁判例が適用されて負けたんです。ところが、私中身を詳細に見てみますと、いま私が指摘したような、実際利息制限法を超える額が現在でも堂々と請求された。この場合には、うまくこれは最高裁判例を適用されて被害者が勝ったけれども、実際これは堂堂と請求されかねない。ということは、無効であるけれども実際は無効でなくなってしまうという、こういう例があるんです。 これはちょっと具体的事例で見ていただいた方がいいと思うんで……(資料を手渡す)この事例は、もう時間がないので簡単に申しますと、武富士が七十万貸して、部分的にしか返ってないからというんで七万二千円ばかり請求した事件です。ところが、七十万に至るまで、合計五回にわたっていわば借りかえ借りかえで七十万になったんです。 そこで、この表の計算書(二)を見ていただきます。(二)の一、これは五十四年の三月二十八日に十五万借りまして、その後約一カ月ごとに一万五千ずつ返したんです。ところが、これでは実際全部利息だということで元金には一銭も充当されないで、二回目、五十四年七月十六日にはその元金十五万と、またもう一回十五万借りて三十万になっちゃったんですね。その後もずっと返してはおるんだけれども、元金が全然充当されないまんま、二回、三回と重なって、とうとう元金には一度も充当されないまんま七十万に達しているわけです。で、合計百三十一万返しておるけれども、元金に全然充当されていないと、こういう事例ですが、なぜそうなってしまったか。 この一枚目の下の先ほど申し上げた五十四年三月二十八日のところを見ていただきますと、一万五千円ずつ一カ月置きに返しますと四万五千、これ実際に計算し直しますと百十何%の金利になるんです。しかし、これ元金に全然充当しないまんま、本来であれば利息制限法計算によれば残金は十一万一千四百円になるところを、全然充当されてないというんで十五万請求され、またそれが元金になってついに三十万になっちゃう。ここに雪だるまの一番の原因があるんです。となりますと、これがやがて請求されたわけですから、十五万とこの十一万一千四百円の差、約三万八千円ばかりはまさに利息制限法違反の金が請求されたんですよ。 ですから、まあ現在辛うじて最高裁判例適用されて計算し直したらば、逆にこれは四十五万ばかり払い過ぎたということになったんですが、今度は全然その救済の道がなくなる。まさに絶望的になり、先生方の意図を超えて、利息制限法を超えていわゆるグレーゾーンの金がもう全部有効になってしまう。こういう結果になってしまうんで、これはもう事後救済が絶望的であると、こう思うんですが、この指摘に対してどうお答えになります。
○衆議院議員(大原一三君) これは現行法制の中での貸し借りでありますから、一〇九%、それを超えたらこれは罰則が適用されるわけでありますから、中にはこういう事案もたくさんあったと思うんです。ところが、武富士さんは相当もうかっていますからね、こういう事案があるというのは私は認識しなかったんでありますが、しかし将来は四〇%に持っていこうというんでありますから、それが結局現在では野放し状態、その野放しにメスを入れようというんですから、私は後ろ向きではないというふうに考えております。
○近藤忠孝君 時間が来てしまったんで、ちょっとまだすれ違いがありますが、私がさらに指摘したかったのは、武富士なんというのは年間の利益は協和銀行をはるかに超える。資金量からいきますと五十分の一ですけれども、ものすごく利益を上げている、こういう実態、これは明確にする必要があるんです。まさに暴利の結果です。 それから、債務者側が果たして返せるのかという、こういう問題もありますし、これはあらゆる角度からひとつこれから慎重にこの委員会で審議をお願いしたいということで、まだまだほんの質問の一端でありますが、これで終わります。 しかも、その後の、衆議院を通って以来の各社の社説は全部批判的ですし、毎日新聞などは参議院で修正しろ、こうも言っていますので、ひとつ委員長、修正の問題についてもこれからいろいろお取り計らいをお願いしたいということで、きょうの質問は終わります。
○三治重信君 今度の法案について、きょう提案者に御質問はしない……、お見えにならぬだろうと思ったのですが、お見えになるものだから二、三御所見があったら答弁していただきたいと思うのですが、貸金業の規制というのは、やはり非常に善意で規制をやろうと。ところが、最高裁の判例があるために役所の中で決定ができなかった。で、議員立法ということになったわけですから、そこにむずかしさがあることなんですけれども……。 問題は、サラ金に集中されているようなんですけれども、もう一つ、貸金業の中には、正規のいまの日本のような金融機関は、金は集めるけれどもなかなか弱者には金を貸さぬということからいって、営業者も手形の割引なり、それから緊急に金を融通しなくちゃならぬのに、担保として銀行や正規な金融機関では取ってくれない。それでこういう高利貸しの貸金業者を頼る。そういう意味において、これは非常に金融機関の大衆性を補ってきた、こういうふうなことを言われているし、業者貸し付けをやっている人たちは、それで非常に、何と申しますか、自分たちはこういう金融機関のできないことをやっていて、実際の庶民の金融、いわゆる業者の信用には非常に貢献しているんだ、それをサラ金業者と一緒くたにされるのは非常に迷惑だと、こういう御意見が非常に強いわけなんです。 こういう問題について、この法律ができると、大蔵省は、同じ貸金業だけれども、また事実同じ貸金業者でも業者貸し付けとサラ金とほとんど二つをやっている。こういうことなんだけれども、しかし、それはやはり業者貸し付け、手形の割引とか担保貸し付け、こういうものとサラ金とは非常に区別して対応していかないと、この規制だけ一方的にやっていくことは私はどうかと思う。そうすると、かえってむしろいままでの庶民金融について金融機関が手の届かなかったところをやってきたということが、サラ金業者と一緒にされちゃう、こういうことについて非常に心配があるわけなんですが、その点についてどういうふうにお考えになりますか。
○政府委員(宮本保孝君) 確かに先生御指摘のとおり、今回のこの法律に基づきます貸金業協会ができるわけでございますが、この貸金業協会の会員には、まあいわゆる消費者金融会社というものも含まれまして、その協会を通じましてサラ金業者と一緒の監督に帰するということになるわけでございますが、特にサラ金業者が全くサラ金化を招来しているような悪徳な業者ばかりではございませんで、日本の社会におきます個人金融というものについて、かなり円滑融通というふうなことで機能をいたしているわけでございます。 その中には、多くの非常なまじめな会社も多々あるわけでございまして、今回の法律の趣旨は、そういう消費者金融一般について、その業界をすべてまじめな適正な業界にしていくということが主であるわけでございまして、何かサラ金業者が悪徳であり、いわゆるいま御指摘の消費者金融会社というふうなものと何か区別されているという認識には、なかなか行政上立ちにくい面もございまして、この法律を通じまして、個人金融業界全体を適正なものにしていくのが行政の役割りかなという感じがいたしているわけでございます。
○三治重信君 それはひとつ、いままで大蔵省が全然手を染めていないところのやつで、サラ金の問題が出てきて、こういうかっこうになったけれども、これを全部、一般の町の金融業者を全部サラ金的な考え方で見て指導していくと、非常に、何と申しますか庶民金融の業者貸し付けのやつについてはおろそかになってしまうというふうに思うわけなんで、ひとつその点は、特に個人の無担保の消費貸し付けときちんとした手形割引とか担保、質ぐさなり何なり取って営業で貸す。これは非常に採算に合うやつなんで、これにまで一々ちょっかいをかける、これが非常に金融の臨機応変的な部面の金融関係なんで、これはどっちかと言えば、一緒にやらぬで、できればこの二つを分けて指導体制でやっていくというふうに、ひとつぜひお願いをしたいと思っております。 もちろん、この貸金業協会というものを、できればそういう二つの機能に分けて協会をつくれということを私の方は希望したんですけれども、それは無理だ、いまの庶民金融業協会というものが、こういうふうな貸金業協会に編成がえになるということだろうと思うのですが、庶民金融業協会というのは各県ごとにほとんどできているわけでしょう。だから、そのときに両方を分けた指導体制というものをやってもらわぬと、何でも文書上もあらゆる言動がサラ金的なものとして指導すると、そこに非常に考え方として矛盾を生ずる、こういうことをひとつぜひ注意をしていただきたいと思うわけです。 以下は、いまから要望とともに御意見があれば伺いたいのは、もっぱらいわゆるサラ金、問題になってきた個人の無担保貸し付け、この問題についての貸金業者、貸金業についての問題点をひとつ取り上げてみたいと思うわけなんですが、消費者金融といいますか、庶民金融でも先ほど言ったような手形なり質ぐさを取っての貸し付けなら、何も貸付限度額といういものは要らぬと思うのですけれども、やはりサラ金、個人の貸し付けには、やはり貸付限度がこれは設けられてしかるべきじゃないかということ。 また、これが、そういうのが一般に各業者の今度の指導体制の中でも貸付金額、たとえば借りる人のいわゆる月給なりそういう一つの申告というものですか、ある程度の常識的な所得能力というものについて月給の二倍なりとか二・五倍とかいうふうな貸付限度額というものがやはり指導の中に入ってこないと、これは貸し付けちゃった、それは全然もう借りる能力のないのに貸し付けてしまって困る。これはまあ一人の人間が貸付限度額あるためにAもBもCもDも十も十五も借りるというのは、いまはブラックリストが大分できてきて、そういうことがだんだんできなくなってきているんだけれども、また貸付限度も今度はだんだん上がっていくだろうと思うんですが、個人についてのやつはある程度の限度を設けた方がいいんじゃないかという問題が一つあるんじゃないかと思うわけであります。 それからこの中で、貸金業協会の中で情報センター的なそういうものをやるように、一つの項目としてこの中に明文でもって規定してあるわけなんですが、やはり貸金業協会の中で一番指導といいますか、援助をしていただきたいのは情報センター機能、いわゆる借り主の不正的な借りを防止する。これはなぜかと言いますというと、いま労働組合でも一番困っているのは、いわゆるギャンブラー、自分の月給以上に借りて競馬、競輪、マージャンやって借金をして、そうすると苦肉の策でこのサラ金を借りて、そしてまた返せぬとこちらからサラ金を借りて返すためにまた新しくサラ金を借りる、これがだんだん膨張していくと。それで下手な悪いサラ金業者に遭うと会社まで乗り込んで来られると。会社に乗り込んで来られると勤めにならぬ、あるいは親戚まで行かれると親戚づき合いも変なことになるというようなことで、労働組合のいまの幹部でもこういう問題について非常に神経をとがらして、そういう問題が大きくならぬうちに組合のそういう幹部——幹部というんですか、が中へ入って貸金業者等の借りかえをやって、そして労働金庫なり会社なんかと立てかえて、そして本人の返済計画を立てさして直す。 これちょっとおくれると、みんな会社をやめてどっかへ行かざるを得ぬ。それからはもう今度はだんだんだんだん定職を失ってしまう、こういうことになるわけなんですから、業者ばっかし、もう確かに悪いんだけれども、借りる方も余り安易に借りるととんでもないことになるし、これは単に男ばっかしじゃなくて、月給が余り多くないために奥さんがちょっとのために借りた、それがだんだん多くなってまた借りるようになる。こういうことになって、両々相まって借り主の方もこのサラ金、サラ金というのか、本当の消費貸借による借り入れというやつは、やはり業界が過剰な貸し付けをしないように、特に協会を通じてまた業界の体制というものを整えてもらう、こういうことを貸金業協会の主要な最初の任務にひとつぜひ入れてもらいたいと思うわけであります。 それからもう一つは、これはひとつ、すぐといいますか、将来の問題になろうと思うんですが、結局、何と申しますか、十分な回収ができないということになると、強制的な取り立てとかなんかに非常になる。したがって、個々にいわゆる貸し付けをするときに、ある程度のいわゆる保険、共済的な救済基金、業界全体として貸し付けの割合に応じてある程度特別な損失について積み立てをしていく、これを経費として認めてやる、こういうふうな救済基金制度というものを、これは、基金をある程度出すのは、この業界の中堅以上のところでは、やはりそういう資金を出す分についてはそう異存はない。ただ、こういう問題を、救済基金を設立して、その運用について、結局大蔵が経営上そういうものについてのやつを損失といいますか、に認めてもらう、こういうことが非常に必要ではないかという問題があります。 それから、貸付金額とともにいわゆる回収期限というものも、ひとつぜひ標準的なものをつくる。一つは、そう長くもまた短くもなくて、最大限度二カ年ぐらいが限度、これはまたひとつ回収できない場合の損失をきちんとして認めてもらうためにも、この標準的ないわゆる回収期限、その期限最大限二カ年ぐらいでわずかの金が回収できない場合には、それは一応損金として認めるという、帳面がしっかりしておれば、その理由が確定すれば、なると、こういうふうな一つは無理な取り立てというものもやめるためには、業者として正当なまたは救済的な、共済的なものも経費として認めていくようなやつ、いわば貸金業協会に入るとこういう利益もありますし、めんどうも見ます。それが具体的に、運営上なるほどこうやればそう無理な回収をせぬでも済むし、余りめちゃくちゃな貸し付けをしない方がいい、こういうふうなことになろうかと思うわけなんで、ひとつこの法律が、今国会はだめらしいんですが、もしもできる場合には、いわゆる手形の割引とか担保貸しの方は少しわきへ置いて、サラ金というものを対象にしたひとつこの業界の指導体制、また加入の実施というものに全力を費やしてもらいたいと思うわけでありますが、そういうことを希望して、ひとつ御所見がありましたら御答弁願って、質問を終わります。
○衆議院議員(大原一三君) 先生御指摘の協会二本立ての議論でございますけれども、現在協会に入っていられる方々は、特にトップクラスというのは、ほとんどサラ金だけではなくて、不動産担保貸し、それから手形割引等をやっていらっしゃる方々がむしろ指導的立場で協会をリードしていらっしゃるようであります。 いまおっしゃったさまざまな御議論につきましては、これは当局から答えた方がいいと思うんでありますが、現在、貸し倒れ引当金の制度がありますので、それを超える部分については損失控除ができる仕組みになっております。 さらにまた、この共済問題は、先生御専門の退職金共済、中小企業の退職金共済というのがありますが、これは当然経費に落ちる仕組みに相なっております。そういったことも今後制度が完備していけば当然考慮していかなければならぬ仕組みだと思います。大変貴重な御意見でありますので、私からよりもむしろ事務当局に答えていただけばいいと思いますが、お願いしたいと思います。
○政府委員(宮本保孝君) 先生いろいろ御指摘ちょうだいいたしました。仮にこの法律通していただきました暁におきまして、法律の施行後の貸金業者の経営の実態とか、あるいは貸し倒れの状況とかいろいろあろうかと思います。将来の検討課題としてきょう御指摘をちょうだいさしていただきたいと思います。 —————————————
○委員長(河本嘉久蔵君) この際、お諮りいたします。 ただいま質疑を行いました貸金業の規制等に関する法律案、出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律の一部を改正する法律案につきましては、閉会中もなお審査を継続することとし、両案の継続審査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(河本嘉久蔵君) 御異議ないと認めます。 なお、要求書の作成につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(河本嘉久蔵君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(河本嘉久蔵君) 次に、請願の審査を行います。 第三号公立高校用地確保のため筑波移転跡地払下げ等に関する請願外千二百七十三件を議題といたします。 本委員会に付託されております請願は、お手元に配付の付託請願一覧表のとおりでございます。 理事会で協議いたしました結果を御報告いたします。 第三号公立高校用地確保のため筑波移転跡地払下げ等に関する請願外千二百七十三件は、いずれも保留とすることに意見が一致いたしました。 以上御報告いたしましたとおり決定することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(河本嘉久蔵君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(河本嘉久蔵君) 次に、継続調査要求に関する件についてお諮りいたします。 租税及び金融等に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(河本嘉久蔵君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 なお、要求書の作成につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(河本嘉久蔵君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(河本嘉久蔵君) 次に、委員派遣承認要求に関する件についてお諮りいたします。 租税及び金融等に関する調査のため、閉会中に委員派遣を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(河本嘉久蔵君) 御異議ないと認めます。 つきましては、派遣委員、派遣地、派遣期間等の決定は、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(河本嘉久蔵君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後三時五十三分散会 —————・—————