P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
96回国会参議院1982/04/27

大蔵委員会 第12号

発言数
18
登壇者
8
会派数
5
開催日
1982/04/27

会議録

河本嘉久蔵自由民主党

○委員長(河本嘉久蔵君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。  委員の異動について御報告いたします。  去る二十三日、前島英三郎君が委員を辞任され、その補欠として野末陳平君が選任されました。  また、本日、和田静夫君が委員を辞任され、その補欠として青木薪次君が選任されました。     —————————————

河本嘉久蔵自由民主党

○委員長(河本嘉久蔵君) 昭和五十七年度の公債の発行の特例に関する法律案を議題といたします。  本案に対する質疑は前回終局いたしておりますので、これより討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。

穐山篤日本社会党

○穐山篤君 私は、日本社会党を代表して、昭和五十七年度の公債の発行の特例に関する法律案に対し、反対の討論を行います。  政府は、昭和五十年度に生じた歳入欠陥の穴埋めのため、財政法が厳に禁止している赤字国債を特例法によって発行いたしました。以来、特例に特例を重ね、今回の法案は、実に連続八回目の提案によるものであります。  このように、臨時異例であるはずの措置を恒常化させ、財政運営の基本法である財政法を無視し続けてきた政府に、財政再建を云々する資格があると言えるでしょうか。  本年度末の赤字国債の累積残高は三十七兆円を超え、国債全体では九十三兆円に達し、国債費の重荷は、五十年度の一兆一千億円から本年度は七兆八千億円へと、実に七倍となって、歳出額の六分の一にも及んでいるのであります。  そのため、財政に課せられました景気調整の役割りをすら果たすこともできず、さらに、五十三年度以来、五年連続しての物価調整減税の見送りによって、国民の実質可処分所得を減少させるなど、わが国経済並びに国民生活への圧迫は真に甚大であると言わざるを得ません。  政府は、昨年七月の第二臨調の一次答申に基づいて、ようやく行財政改革に重い腰を上げるかの姿勢を示しました。  しかし、五十七年度予算に具体化された、政府の言う行財政改革の内容は、実は福祉の切り捨てであり、防衛費突出以外の何物でもなく、地方公共団体や財政投融資へのツケ回しや後年度負担をいたずらに増加させるという、単なる目先の収支じり合わせにすぎないもので、国民が切望する真の意味の行財政改革とは全く異質のものであることが判明したのであります。  さらに、政府の言う財政再建そのものも、現に、足元から崩れ去りつつあります。財政再建に政治生命をかけると公言して、二兆円の国債減額を目玉に編成した五十六年度予算は、財政運営の失敗によって、補正予算において三千七百五十億円の赤字国債を含む六千三百億円の国債増発を余儀なくされ、さらになお、二兆数千億円の歳入欠陥が見込まれているではありませんか。  そして、本年度は急速に落ち込んだ三%前後の成長率がそのまま継続し、三兆ないし四兆円の歳入欠陥が、予算成立直後の現在においてすでに予測されているのであります。  赤字公債の発行は、本案によると、その発行限度額は、第二条において「予算をもって国会の議決を経た金額の範囲内」であることが明記されております。しかし、すでに現時点において、本年度の赤字国債の発行額が、予算で定めた三兆九千二百四十億円にとどまることはあり得ないことが明確になっている以上、そもそも審議に乗せる条件すら整っていないと言わざるを得ません。  公債は国の借金であり、歳出を賄うための歳入が不足する場合に発行するものであります。しかし、国民が、これをやむを得ないとして認めるのは、必要不可欠な歳出を公平な税金で賄うに不足が生じる場合であるはずであります。  ところが、法律で定め、その実施が決定されている税の公平化のための一手段であるグリーンカード制が、一部の閣僚や与党の大部分の手によって見直しが強く提起されております。  これら、税負担の不公正是正を否定をしながら、税収不足を補う特例法案を提案しようとする態度は、断じて許すわけにはいきません。  以上、本案に対する反対理由をもって、私の反対討論といたします。  以上です。

衛藤征士郎自由民主党

○衛藤征士郎君 私は、自由民主党・自由国民会議を代表して、ただいま議題となっております昭和五十七年度の公債の発行の特例に関する法律案に対し、賛成の意を表明いたします。  わが国の財政は、昭和五十年度以降、特例公債を含む大量の公債に依存せざるを得ない状況にあり、このため、社会経済情勢の変化に適切な対応力を発揮するなどの、財政に課せられた役割りを十分に果たし得ないという、重大な局面を迎えるに至っております。  したがって、今日の緊急かつ最重要な政策課題としては、まず、物価の安定を基礎として内需中心の景気の維持拡大を実現しつつ、貿易の拡大均衡を基本として調和ある対外経済関係の形成を図り、もって中長期の安定成長軌道に即した適切な経済成長を実現することであると考えます。そのためには行財政改革の基本路線を堅持して財政再建を強力に推進し、速やかに財政の適応力を回復することが肝要であると確信いたします。  そこで、昭和五十七年度予算に措置された政策について見ますと、歳出面においてはゼロシーリングを基本として、各種施策についての優先順位の厳しい選択が行われ、質的内容の充実と景気の維持拡大に配意しながらも、一般歳出においては前年度比一・八%の伸びという、昭和三十年度以来の低い水準に抑制しております。  その結果、公債の発行額につきましても前年度当初予算と比べて一兆八千三百億円の縮減を実現し、既定方針である五十九年度特例債依存の脱却に向けての真摯な政策努力が示されております。  しかしながら、本年度の税収動向について見ますと、財政運営に必要な財源を確保するにはなお不足する状況にあり、特例債の発行収入によってこれを補てんし、もって国民生活と国民経済の安定に資する必要があります。  本案は、そのための、まことに必要にしてやむを得ざる措置を定めたものであり、これまでの特例法と同様、発行限度額、借換債の不発行等々、厳しい条件を付した単年度限りの措置として、国会の議決を求めようとしているものであります。  もとより、本案は、あくまでも財政法の特例措置であって、昭和五十九年度を目途とする財政再建を、着実に実現し得るよう、いまや立法、行政の両府が一体となって努力しなければなりません。  このときに当たり、政府に対し、これまで以上に財政収支の改善に尽力されるよう要請するとともに、中長期にわたる国債の償還財源の確保、並びに国債管理政策の方針の確立について十分に配慮されることを切望いたしまして、本案に対する私の賛成討論といたします。

塩出啓典公明党・国民会議

○塩出啓典君 私は、公明党・国民会議を代表して、ただいま議題となりました昭和五十七年度の公債の発行の特例に関する法律案について、反対の討論を行うものであります。  反対理由の第一は、昭和五十七年度末で国債残高は九十三兆円に達することになるにもかかわらず、実現可能な償還計画が全くないからであります。  一般会計における公債依存度は、昭和五十四年より減少の方向にあるとはいえ、今年度二一%、国債残高のGNPに対する比率は三三・五%、いずれも先進諸国に比し飛び抜けて高い数字であります。結果、国債の利払い、償還のための国債費は今年度七・八兆円に達し、近い将来国債費が国債の発行による収入を上回ることは明らかとなっております。  このような深刻な事態にありながら、国債償還のための長期的な見通しは全く立っていないのであります。現行の制度で推移すれば、要調整額がこれだけになるという事務的計算を示した「財政の中期展望」ではなく、財政再建をこのように進めるという財政再建中期計画をつくることを私たちは強く要望してまいりましたが、政府は、財政は見通しが立てにくいことを理由につくろうとしません。このような行き当たりばったりとも言われかねない赤字公債発行には賛成できません。  反対理由の第二は、国民の強い要望である行政改革に十分なメスが入れられないままに、赤字国債発行に依存することは許されないからであります。  国鉄、医療等の三K赤字対策に見るべきものはなく、臨調中間答申に基づくさきの行革一括法も実質的節約額はわずか五百八十二億円にすぎません。打つべき手も打たず、問題を先に延ばし、赤字国債を発行し続けることは国家財政の破綻に通ずることになり、容認できません。  反対理由の第三は、新しい財源対策に十分な努力がなされず、国債増発に頼る姿勢は認められないからであります。  現在の財政の現状の深刻さから考えるとき、聖域を残すことは許されず、言われる既得権もこの際廃止すべきはやむを得ないと思います。  私たちは、新しい財源対策として、特殊法人の金融機関の貸し倒れ準備金の繰り入れ率の引き下げ、約三兆円の利益を積み立てている外為資金からの繰り入れの増額、一兆円余りの補助貨幣回収準備金の取り崩し、約十兆円を超す一般会計、特別会計からの出資金の見直し等を強く主張しましたが、政府の努力が十分なされていないことはまことに残念であります。このような点で十分な努力なく国債発行に頼ることは反対であります。  反対理由の第四は、政府の国債発行の計画は、客観的な裏づけのない政府経済見通しを根拠としたものであり、このような計画を認めることはできないからであります。  五十六年度実質成長率は、政府の見通しから大きくダウンし、結果、二兆円を超す歳入欠陥を生じることは明らかであります。さらに、五十七年度五・二%の政府目標も達成される客観的裏づけはなく、政治的に加算された数字であると指摘せねばなりません。このような数字のつじつま合わせに終始している財政計画は破綻することは明らかであり、かかる計画に基づく安易な発行はとうてい認めることはできません。  以上、四つの反対理由を述べ、反対討論を終わります。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 私は、日本共産党を代表して、昭和五十七年度の公債の発行の特例に関する法律案に対し、反対の討論を行います。  反対理由の第一は、このような巨額の国債発行が財政法の健全財政主義を形骸化し、平和憲法の精神を踏みにじるからであります。  昭和五十七年度予算は、福祉の切り捨ての一方で軍事費を異常突出させた軍拡予算であり、本法案は、その財源を確保するためのものと言わざるを得ません。第一次オイルショック後の予期せざる歳入欠陥を補うために、臨時、異例の措置として、昭和五十年度の補正で、戦後初めて発行された赤字国債は、翌年度からは毎年、当初予算の財源として当然のように大量発行され、今年度で実に八年間も発行され続けたのであります。  その結果、今年度末における赤字国債の発行残高は三十七兆円に上り、建設国債を合わせると、総計九十三兆円になんなんとするのであります。これは健全財政主義を掲げ、公債発行の原則禁止を定めた財政法の趣旨に明確に反するものであり、かつ平和憲法の精神を踏みにじるものであることは言うをまちません。  第二に、高度成長型の財政構造による財政破綻を、赤字国債で表面上だけつじつまを合わせても何の解決も得られないばかりか、事態をますます深刻にさせるばかりであります。日本経済が高度成長の時代から低成長、スタグフレーションの時代に入っているにもかかわらず、財政はその歳出、歳入両面において依然として高度成長型の仕組みが温存されているのであります。たとえば歳出面では、大企業向け補助金、エネルギー、経済協力費の名による大企業助成、大型公共投資など、他方歳入面では、大企業、大資産家向け優遇税制などが依然として財政の大きな比重を占めているのであります。  この財政構造を改め、GNPの最大の需要項目である消費需要を喚起し、あわせて国民生活基盤公共投資、日本経済のすそ野を形成する中小企業の設備投資を拡大するなどによって、経済を国民本位の発展軌道に乗せること、そしてその方向に財政構造を根本的に改めること、これ以外に解決の道は残されていないのであります。  第三に、このような大量の赤字国債のツケ回しは、いずれ国民の負担となってはね返るのであります。  現に、今年度予算においても国債の元利支払いのための国債費は、七兆八千二百九十九億円、予算の実に一四・二%を占め、これが福祉予算を圧迫しているのであります。しかも、過去の赤字国債の本格償還が始まる昭和六十年度以降は巨額の償還費も加わり、ピーク年次には十七兆円もの支出が見込まれているのであります。償還財源を確保すべき国債整理基金は数年もせずにパンクし、あとは国民大増税が待っているばかりであります。  いまこそ不公平税制の是正、軍事費削減を初め、税、財政構造を根本的に見直し、国民本位の民主的な行政改革、財政改革を実行することが緊急の国民的課題となっていることを指摘し、私の反対討論を終わります。

三治重信民社党・国民連合

○三治重信君 私は、民社党・国民連合を代表し、ただいま議題となりました昭和五十七年度の公債の発行の特例に関する法律案について、反対の意を表明し、討論をいたします。  一般会計における四条国債以外の歳入不足を補うため本法律案が毎年提出されております。五十九年度特例公債の発行をゼロにする財政再建計画のもとに、本年度予算において特例公債三兆九千二百十億円を発行し、五十六年度に対し一兆五千六百十億円減額されたところであります。  さて、本法律案に対する反対理由の第一は、一般財源の不足は、歳出のカットまたは節約で処理されるべきであります。また、不足が恒常化すれば増税で処理されるものでありましょう。増税には国民の納得が必要であることは当然であります。したがって、このような特例公債が毎年安易に特例法で歳入不足を補うことは財政の秩序を乱すものと言わなければなりません。さらに、政府は五十九年度に赤字国債から脱却するための機械的な国債減額の陰で、地方交付税交付金などの繰り延べや住宅金融公庫補給金の財投からの借り入れを行うなどによって、当初予定の国債減額を何とか果たしたのであり、まさに単なる見せかけの数字合わせによる国債減額と言わなければなりません。このような後年度へのツケ回しによる国債減額では何ら財政再建にならないことは明らかであります。  反対理由の第二は、財政法上許されている建設国債が、目的税となっているガソリン税等自動車税による道路財源を除き、公共事業のほとんどすべてを賄う実情で、弾力性を欠き、財政政策としての景気対策の機能を果たし得なくなっております。景気対策としてさらに建設国債を積み増しすることは、国債残高が累年増加し、利払いの国債費のために特例公債を発行しなければならなくなるおそれがあります。  反対理由の第三は、毎年のGNPに対する国債残高の割合及び増税と、所得税の据え置きによる自然増収等による租税負担率が毎年増加してとどまるところを知らないことであります。増税なき財政再建のキャッチフレーズが泣くというものであります。  最後に、政府は五十九年度赤字国債ゼロにこだわることなく、不公平税制となってきた所得税の一兆円減税、直間比率の見直し、不況による貿易摩擦対策、民間活力利用による内需拡大等大きな歳入欠陥を来さないよう総合的な諸施策をとられることを希望して私の討論を終わります。

河本嘉久蔵自由民主党

○委員長(河本嘉久蔵君) 他に御意見もなければ、討論は終局したものと認めます。  これより本案の採決に入ります。  本案に賛成の方は挙手を願います。   〔賛成者挙手〕

河本嘉久蔵自由民主党

○委員長(河本嘉久蔵君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  藤井裕久君から発言を求められておりますので、これを許します。藤井君。

藤井裕久自由民主党

○藤井裕久君 私は、ただいま可決されました昭和五十七年度の公債の発行の特例に関する法律案に対し、自由民主党・自由国民会議、日本社会党、公明党・国民会議、民社党・国民連合、新政クラブの各派共同による附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。   右決議する。  以上であります。  委員各位の御賛同をお願いいたします。

河本嘉久蔵自由民主党

○委員長(河本嘉久蔵君) この際、藤井君提出の附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方は挙手を願います。   〔賛成者挙手〕

河本嘉久蔵自由民主党

○委員長(河本嘉久蔵君) 全会一致と認めます。よって、本附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、渡辺大蔵大臣から発言を求められておりますので、これを許します。渡辺大蔵大臣。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましても御趣旨に沿って配意してまいりたいと存じます。

河本嘉久蔵自由民主党

○委員長(河本嘉久蔵君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

河本嘉久蔵自由民主党

○委員長(河本嘉久蔵君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————

河本嘉久蔵自由民主党

○委員長(河本嘉久蔵君) 次に、国際通貨基金及び国際復興開発銀行への加盟に伴う措に置関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。  まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。渡辺大蔵大臣。

渡辺美智雄自由民主党大蔵大臣

○国務大臣(渡辺美智雄君) ただいま議題となりました国際通貨基金及び国際復興開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。  国際復興開発銀行は、通称世界銀行の名で知られ、開発途上国の開発の促進を目的とする国際開発金融機関の中心的存在であり、わが国は、従来から、開発途上国の開発の分野における世界銀行の役割りの重要性にかんがみ、その活動に積極的に協力してきたところであります。  先般、世界銀行において、今後ますます増大する開発途上国の資金需要に応ずるため、総額三百六十五億協定ドルの一般増資について、総務会決議が成立いたしました。この増資により、世界銀行の融資能力はほぼ倍増され、今後も引き続き開発途上国の開発を促進するとともに、世界経済全体の均衡のとれた成長と安定の確保のために、貢献することが期待されます。  わが国といたしましては、この増資決議に従い、世界銀行に対して、十六億六千六百七十万協定ドルの追加出資を行いたいと考えております。  このため、本法律案により、世界銀行に対する出資額の増額に必要な規定を設けることとし、この法律の成立後、世界銀行に対し、わが国の割り当て額を引き受ける旨の通告を行いたいと考えております。  以上が、この法律案の提案の理由及び内容であります。  何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。

河本嘉久蔵自由民主党

○委員長(河本嘉久蔵君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。  なお、本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。  本日はこれにて散会いたします。    午前十時二十五分散会      —————・—————

国会会議録検索システムで原文を見る ↗