大蔵委員会 第9号
- 発言数
- 337 件
- 登壇者
- 25 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1982/04/20
会議録
○委員長(河本嘉久蔵君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 昭和五十七年度の公債の発行の特例に関する法律案の審議のため、本日の委員会に参考人として日本銀行副総裁澄田智君の出席を求めることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(河本嘉久蔵君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(河本嘉久蔵君) 昭和五十七年度の公債の発行の特例に関する法律案を議題とし、前回に引き続き質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○鈴木和美君 私は、きょう三十分の持ち時間しかないものですから、いま問題になっておりますグリーンカードの問題を中心に御質問したいと思います。 恐縮ですが、政府の方からグリーンカード制、つまり少額貯蓄等利用者カードが提起された背景と、その本来の目的について改めてお伺いしたいと思います。
○政府委員(水野勝君) 利子配当課税につきましては、わが国におきましては長い間分離課税が行われてまいったわけでございますが、昭和四十五年度の改正に当たりまして総合課税化の方向へ踏み出すということにされまして、四十五年におきましてそれまでの完全な分離課税から源泉選択課税に移行したわけでございます。原則は総合課税でございますが、一部二〇%の税率によりますところの分離課税を導入して総合課税化への第一歩を踏み出したわけでございます。 その後、源泉選択課税につきましては何回か税率の引き上げが行われてまいりましたが、その間、五十年代に入りまして税制の公平の確保という要請が漸次強まりまして、毎年いろいろな場所におきまして討議をされたわけでございますが、昭和五十五年に至りまして源泉分離課税の期限が到来したこととも関連しまして、税制調査会におきましてもいろいろ基本的に論議が行われたわけでございまして、総合課税に完全に移行されます場合には、一つは非課税貯蓄があり、非課税貯蓄の中に総合課税分がまざり込んでおるというところをどのように管理するか、また総合課税になりました際に、総合課税になりましたその利子につきまして適正な名寄せが行われて総合累進課税が確保をされるという方策をどういうふうに達成するか、その二つの点を中心にいろいろ議論が行われました。 その結果、現在のいわゆるグリーンカード制度、少額貯蓄等利用者カード制度が最適であるということで税制調査会の結論もいただき、昭和五十五年度税制改正におきましてこれを法案化いたしまして国会に御提案し、その御賛同を得まして五十九年一月分から総合課税の実施という経緯に至っているわけでございます。
○鈴木和美君 分離課税制度から総合課税制度に移行するということの本来の内容、趣旨、目的は一体何なんですか。
○政府委員(水野勝君) 所得税は本来総合課税であり、累進課税でございますので、本来すべての所得はそれぞれの所得者に総合されまして累進課税が適用されるというのが本来の姿でございます。 ただ、この総合累進税につきましては、いろいろな所得につきましていろいろ政策的な配慮が行われる場合がございまして、そういった意味でいろんな資産の、所得の種類によりまして原則としての総合累進課税の例外が適用される場合もあるわけでございますが、昭和四十年代から五十年代に至りまして、それまでの利子分離課税といったものの政策的目的というものがだんだんと変化してまいりまして、租税の負担の公平の確保という要請も強まってまいりました中で、利子所得、配当所得につきましては、総合累進課税の体系の方に入ってきていただくというふうな方向で現在の姿に至っているわけでございます。
○鈴木和美君 政策目的がつまりなくなったということで、税の負担の公平というような意見もあるのでそういうような総合課税の移行に踏み切ったと、こういうふうに理解していいですか。
○政府委員(水野勝君) おおむねそのとおりかと承知いたしております。
○鈴木和美君 大蔵省及び政府もその政策目的がなくなったということについて認めて、つまり税の不公平が行われている、税の不公平が現在存続しているということは、税の公平な執行とか適切な課税の対処を行うためによくないという意味で、政府並びに大蔵省もそれを了として提案をされたわけですね。
○政府委員(水野勝君) 基本的にはそういうことであると考えております。
○鈴木和美君 もう一度確認しておきますが、つまり、公平な課税を行うために、税制面における公平確保と執行面における公平確保の両面を目的にした現段階における最も有効な手段というものがグリーンカードであるというように、大蔵省も政府もそのことは認めたと、認めているというように理解していいですか。
○政府委員(水野勝君) 私どもとしてそのように考え、御提案し、御賛同を得たわけでございますが、私どものPRと申しますか、説明と申しますか、そういった点につきましていろいろ不足している部分もございましたためでもありますが、いろいろな誤解を与えておりますので、その点につきましてはできるだけ適正なPRをさらに一層推進することによりまして理解を深めてまいりたい、このように考えておるわけでございます。
○鈴木和美君 法案の通るまでの間において、国の最も英知をしぼった大蔵省並びに政府がPRが不足しておったとか、ないしは説明が不足であったということで法案が通ったと、そういう理解に立っているんですか。
○政府委員(水野勝君) その時点、法案を御提案し世の中にいろいろ御説明をしてまいりました段階で、私どもとしては十分なPRなり正しい御理解を得ていただくように努力したつもりではございますが、この当時、それから現在でも言われておりますように、源泉分離課税から総合課税に移行するということは何分にもかなり影響の及ぶ範囲の大きな変化でございますので、それにつきましてはなお一層より十分なPRをするべく努力する必要があるということをなお感じてはおるわけでございます。
○鈴木和美君 当時からそのことが的確に説明が行われていないとか、PRが不足であったということをあなた方自身が最近そのことを述べるということは、いろんな動きがあるものだから、つまり、自分の非を認めてある程度妥協を図るというようなことの意味にその言葉が最近使われつつあるんじゃないですか。当時皆さんが説明した、つまり国税庁がそのグリーンカードに移行するための準備期間がありましたですね、その準備期間の中ですべて解説が行われて、その準備が行われているわけですね。その行われている過程の中で最近言い方が、最近言い回し方が変わってきているということを私は率直に感じるのですね。本当にPRが不足し説明が不足しているということは、何がPRが不足していたのですか、何が。物の見方として客観条件が変わったとか何かというならまだ私はわかりますよ。PRが不足だと、何がPRが不足していたのですか、そのPRとは何ですか、何が不足していたのですか。
○政府委員(水野勝君) 私どもといたしましては、特別世の中への御説明ぶりを欠いておる、そういうことはないわけでございます。 しかし、グリーンカード制度、非課税貯蓄利用者カード制度に移行いたしますと、たとえばマル優の残高なり出入りが全部税務当局に通報されるのでありますとか、そういったたぐいのいろいろな解説なり理解を耳にするわけでございます。そういうことは法律なり仕組みを正しく御理解いただければ、ないのでございますが、そういういろいろな御見解が出てくるというところに、やはり私どもはもう少しさらに徹底したPRをすべき必要がある、そういうふうには感じておりますが、それだからと申し上げまして、それによって言い方を変えたり中身を変えていくということはあり得ないわけでございます。
○鈴木和美君 もう一度その部分。PRが不足しておった、説明が不足しておった、誤解があったということだからそれはそれなりに説明するけれども、中身を変えるとか時期をおくらせるとか、そういうことはないといういまのお話ですか。
○政府委員(水野勝君) 私ども大蔵省としては、法律に定められておりますところを正しいその仕組みと趣旨に従って実現に努力してまいるということでございます。
○鈴木和美君 大臣に答弁してもらう前にもう一つお尋ねいたしますが、最近、自民党のグリーンカード対策議員連盟及び民社党のグリーンカード制度についての対応について新しい動きがあるように報道されております。 そこで、政府としては、自民党グリーンカード対策議員連盟の動きはどういう動きであると把握していますか。
○政府委員(水野勝君) 私ども政府ベースといたしましては、与党なり各党がどういう御決定があり、それに基づいてどういう御要求、御要望があるかということにつきましては、私どもなお承知いたしてないわけでございまして、私どもとしては報道等を通じてお聞きするだけでございまして、それにつきまして正式にどうこうということはないわけでございます。また、そういった点について私どもからコメントを申し上げるという種類のものでもないように考えておるわけでございます。
○鈴木和美君 私は、いまどうコメントするかということを聞いているのではないのですよ。議員連盟の動き及びその中身がどういうふうに行われているのかということを把握しているのかと聞いているのですよ。あなたは承知してないと言うけれども、新聞報道にすべてこれ書いてありますよ。福田主税局長の名前も出ておったり、大蔵大臣の名前も出ておったり、たくさん出ているじゃないですか。私がここへ持ってきただけでも五十枚ぐらいありますよ。 どうコメントするかということは別にして、議員連盟がどういう中身で、どういう動きをし、何を主張しているのかということをどう把握しているかということを聞いているのですよ。
○政府委員(水野勝君) 私どもも新聞等におきましては承知はいたしておるわけでございますが、正式のものとしてそういったものをお受け取りし、あるいはそれに対してどのように対応しているということはないわけでございます。
○鈴木和美君 それでは新聞の報道のやつをまとめて言ってください。
○政府委員(水野勝君) 新聞につきましては、それを整理立てさらには分類して申し上げると、私どもとしての立場からそれをまとめたり、それにつきましてコメントするということにつきましては、御勘弁いただければと思うわけでございます。
○鈴木和美君 勘弁とか勘弁しないの問題じゃないですよ。私は何もいいとか悪いとか言っているわけじゃないんです。どういうように把握しているかということを聞いているだけなんです。コメントもへったくれもないでしょう、それは。福田主税局長はこう答えた、鈴木総理大臣と大蔵大臣は金丸さんと会ってこういう話をした、全部これは書いてあるじゃないですか、どういうことが言われているのかと聞いているんです。もう一遍言ってください。
○政府委員(水野勝君) それはあくまで新聞の報道でございますので、新聞の報道として私どもは読ましていただいて承知いたしておるわけでございまして、その実態がどうであるかにつきましては、もちろん新聞でございますのでそれなりの事実を伝えておるかとは思いますが、それ以上に私どもとしてそこを正式にどうこうということで把握しているわけではないのでございますので、御了承をいただきたいと思います。
○鈴木和美君 了承できません。とにかく新聞のことを、どういうふうに報道されているかということを、頭のいい大蔵省でしょう、知らないわけじゃないでしょう。これに対してどうコメントするかということは別だと言っているんです。はっきり言ってください。
○政府委員(水野勝君) 私どもとしては新聞に報道される事実等は承知いたしておりますが、大蔵省としてそれについてどう対応するかということは、そういった新聞報道記事ではなくて、正式にそれぞれの組織から御決定があり、御要求があればそれを受けて対応するべき性格のものであろうかと思われますので、新聞報道を土台といたしまして、それにつきましてどう対応するかといったことを決めるというものではないと考えておるわけでございます。
○鈴木和美君 あなた頭が悪いですね。私はその新聞報道のことについて大蔵省がどう対応するかなんて一つもいま聞いてないですよ。新聞報道はどういうふうに自民党のグリーンカード議員連盟はやっているかということを新聞が伝えているからと言うから、その中身を言ってくださいと言うんです。正式に言ってくださいよ、きょうは。そうでないとあなたがそう言ったって、私が言うてもいいんですよ。言うてもいいけれども、あなたがそう理解したんですと必ずあなたが言うんですから、大蔵省として言ってくださいよ。
○政府委員(水野勝君) 確かに新聞等によりまして私どもは承知はいたしておるわけでございますが……
○鈴木和美君 何をですか。
○政府委員(水野勝君) いろいろな動きが報道されているということは承知いたしておるわけでございます。ただ、それをどう理解するか、どう把握しているかということになりますと、それは差し控えさしていただきたいとお願いしているわけでございます。
○鈴木和美君 大蔵大臣、ここのところ答えてください。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 党の方でそういう動きのあることは新聞を通して知っております。知っておりますが、御承知のとおり、私はこれは毎日国会で朝から夜まで、全然交渉の余裕がありません。一度法案でも通ったらば、まだ先のあることだから皆さん方の言い分も聞かしてもらいましょうと、私どものいままで言ってきたことについても正しい理解を得るために話をさしてもらいましょうというところまでしか行っていないわけであります。
○鈴木和美君 時間がないですから、私は別の機会でもまた取り上げますけれども、それはきわめて不満です。また別の機会に追及したいと思うのです。 さて、その次は国税庁にお尋ねしますが、五十五年に法案が通って、五十九年の一月一日から実施をするということを前提に置いて、どういう切りかえや準備態勢が今日までとられてきましたか。
○政府委員(小山昭蔵君) お答え申し上げます。 このカード制度の本格実施は五十九年一月でございますが、まず五十八年の一月からカードの交付申請の事務が始まるわけでございます。そこで国税庁といたしましては、当面このカードの交付の事務が円滑に行われるようにということを念頭に置きながら鋭意準備を進めてまいっておるところでございます。 具体的に申し上げますと、まず電算処理のシステム開発でございまして、これを昨年の九月以来鋭意進めておりまして、本年の秋ごろには大体完成するというような目途で現在開発が進んでおるところでございます。 次に、コンピューターの入れ物でございます朝霞のADPセンターでございますが、これは建設省の官庁営繕費によって工事が行われているところでございまして、昨年の五月に建設に着工いたしまして、本年中には完成する見込みでございます。現在骨格がおおむねでき上がっておると、こういうような状況でございます。 次に、カード自体でございますが、この様式につきまして昨年の十一月省令でこれが決まりましたので、今後交付申請等の事務に支障を来すことのないよう、調達手続を進めることを考えておるところでございます。 さらに、この制度の周知広報を図りますために……
○鈴木和美君 簡単にお願いします。
○政府委員(小山昭蔵君) はい。さまざまな広報媒体等を使って、現在PRに努めておる、こういうのが現在までの状況でございます。 今後の主要な業務といたしましては、先ほど申し上げましたADPセンターの建物の完成をまちまして、来年一月にはコンピューターの据えつけを完了いたしまして、五十八年三月ごろからカードの交付を開始する、このようなスケジュールを念頭に置いて現在準備を進めておるところでございます。
○鈴木和美君 この切りかえのためにお金がどのくらい予算としてついていましたか。五十六年、五十七年含めて。
○政府委員(小山昭蔵君) 予算について御説明いたします。 まず、国税庁の予算でございますが、五十六年度は、先ほど申し上げましたシステムの開発関係の経費を中心といたしまして、これに一部広報経費等も加えまして一億八千八百万円、それから五十七年度予算でございますが、これはADP関係の経費、それからカードの交付に要する経費等が中心でございまして、百九億六千六百円となっております。 なお、このほかに先ほど申し上げましたADPセンター、官庁営繕費でございますが、この関係の予算が建設省に別途ついておる、こういう状況でございます。
○鈴木和美君 時間がありませんので、大蔵大臣にお尋ねしますが、過般の参議院の本会議で、私、総理と大臣にこの問題について質問いたしました。そのときに鈴木総理が、法律に従って対処したいというその言葉しか答弁にありませんでした。大蔵大臣も総理大臣と同じ見解ですというお答えでした。 渡辺大臣の法律というのは、どの法律を指して言うんですか。この法律によって対処するという、その法律とは何の法律を言っているんですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) それは現行法です。
○鈴木和美君 現行法律ということは、五十五年に通ったあの法律を指すという意味でいいですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) それは、現在規定されている法律ですから、政府が提案をして国会で成立している法律ですから、政府は忠実に履行の義務が法律のある限りあるわけです。
○鈴木和美君 自民党のグリーンカード対策議員連盟がいろいろ動きがあるということを新聞報道で見る限り、私の理解では、グリーンカード制実施を三年延期する、事実上これは廃止につながる。もう一つは、グリーンカード制とあわせて所得税率の最高税率を引き下げる。もう一つは、利子配当所得に対する源泉分離選択制度を存続させるというようなものだと私は理解しています。 さて、そう考えますと、国も大蔵省もこのグリーンカード制というものは不公平税制の一環として、三大不公平税制と言われた制度の改善を行うためにこのことが実施されたんだと思うんです。そうしますと、そのことは、もう少し突き詰めて言えば、PRとか説明の不足があったにせよ、分離課税状態で置いたんでは税の捕捉、つまり所得の捕捉とか利子の現状が把握できないから総合課税によって適正な税率を課したらいいという不公平税制の立場からこのことは提起されたと思うんです。 仮に、いま政府が、後ほどまた別の機会にお聞きしますが、私の言うような自民党の、つまりグリーンカード対策議員連盟の態度であるとするならば、政府の態度と自民党の態度とは全く相反するということに理解するんですが、そういう理解に立ってよろしゅうございますか、大蔵大臣。
○国務大臣(渡辺美智雄君) これは、自民党としてまだ動いているわけじゃありません。自民党有志でありますから、わが党は非常に民主的な政党でございまして、そういうようないろんな意見があっても別にそれをどうこうというわけではありません。党としては、また総務会で、私の聞く限り、総務会で今後の措置について三役一任ということになっておると聞いております。
○鈴木和美君 せっかくですから、法制局おいでになっているかどうか知りませんが、昭和二十年以降、一つの法案が可決決定されて、通過して、実施されなかったという法案は何で、何件ありますか。
○政府委員(前田正道君) 一たん法律で実施することが決められまして、その後実施されるに至らなかった例というものを全部承知しているわけでございませんが、一、二例を申し上げますと、昭和二十五年に制定されました地方税法におきまして、従来の事業税及び特別所得税にかえまして、昭和二十七年から付加価値税が実施されるということが決まりましたのですが、昭和二十七年、二十八年にそれぞれ一年ずつ延期がされまして、二十九年に至りまして結局付加価値税が廃止されたという例がございます。 また、医薬分業に関する規定に関連いたしまして、昭和二十六年の改正で三十年の一月一日から施行するということで定められましたものが、昭和二十九年の改正でその施行期日が三十一年四月一日に施行するというふうに改められたような例がございます。
○鈴木和美君 いま法制局からお話ししてもらったとおり、昭和二十年以降、国会で法案が通って実施されなかったというものは三つしかない。なかんずく、税制の問題に絡んでの分については付加価値税の問題だけです。シャウプ勧告以来大変な議論を呼んだものであります。 したがって、今回このグリーンカード問題について一たん通ったものを、まだ実施もされていないうちに修正をするというような動きに対しては、全く私としては納得できません。仮に、自民党のグリーンカードの議員連盟の中に五十五年に国会議員になっていなかった人がいろんな話をするなら、これは私はわかる。これはそれなりの意見があるからわかります。しかし、バッジをつけて、少なくとも国会の最高の権威の議員がそのことを審議して、何も実施しないうちに修正を図るというのは、国会議員としてどうですか、全く私は不見識だと思うんですね。そのことが客観条件が違うということの立場で申されるならば、それはそれなりにまた議論しましょう。 私が一番問題にしていることは、政府も、予算の通る前までにはグリーンカード問題についても、余りあなた方の方は積極的な議論をしなかった。なぜならば、変な議論をして自民党が言うみたいなかっこうになるのであれば予算修正をしなければならぬというようなものがあったものですから、そのためにじっとしておって、予算が通ったら、いま大蔵大臣は一応のことは述べられたけれども、私は不満足です、その答弁では。時間がないから言わないけれども。至るところで話をしていることは事実なんですから。そういうことを平然とやりながら、予算が通ってから今度やる。 ましてや、このグリーンカードがえらい議論を呼んでいるときに、これはまた別の問題として、貯蓄国債の問題が出ていますね。私は、貯蓄国債という問題は、国債の新しい品種の開発ということで、まじめな議論としてこれはいずれやらなきゃならぬと思っておる。ところが、グリーンカードの議論されているこの時期に、この貯蓄国債を議論し浮上させるということは、私から言わせれば、まことに政治的な配慮をしながら両方のつまり主張を妥協させるみたいな、そういう誘導するための方法として提起されているようにしか思えないんです。私は、その点については大変不満です。 再度大蔵大臣にお尋ねしますが、このグリーンカードの問題について、不退転の決意で臨むということはわかりますが、五十五年の法律に従って、全力を尽くして皆さんがこの法律の実施について努力されるのかどうか、もう一度見解を聞かせてください。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 私が言えることは、法律が決まっているんですから、政府が提案した法律なので、政府としては変える考えはないということでございます。
○鈴木和美君 最後にもう一問。 私も国会議員になってまだ若いですから、院のルールその他法規、慣例よくわかりませんけれども、大臣にお尋ねしますが、政府も大蔵省もつまり自分の法律に対して正しいということで、法律に従ってやりますというときに、たとえば議員立法で自分の考えと違うものが提起されたときに、政府それから大蔵省は議員立法に対して反対の立場で国会審議なされますか、いかがですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) これは出てみないものにはわかりません。政府としては、議員立法いろいろ出ますが、時としてやむを得ませんとか反対であるとかというような意見は、内閣としていつもつけております。
○鈴木和美君 もちろんそうでしょう、まだ出てないと言えばそうなんです。しかし、出てないと言うけれども、もうすでに自民党の動きの中には、この国会で廃案、つぶすというような動きが現にあるわけですよ。 それじゃ、そういう態度に対して、ただ広い政党であるからということだけで、大蔵大臣は漫然とそのことを見逃すことになりますか。それとも自分の正しいという見解を自民党に対して積極的にアプローチなさいますか、いかがですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 私はかねてこれは言っていることであって、総合課税の実施ということは画期的な税の大変革であると。したがって、そのための周辺整備、環境整備というものもやる必要があるということは言ってますよ。しかしながら、グリーンカードをやめてしまうとか延期をするという考えはございません。 私どもは、大いにこの問題についてはディスカッションもし意見交換もしたいんだけれども、残念ながら時間がとれない。毎日朝から晩まで国会にいるんですから、交渉も議論もしようがない。したがって、もう法案が通って多少時間的余裕ができれば、党三役を初め関係者とよく話し合いをしていくというつもりでおります。
○鈴木和美君 もう時間がありませんから、大蔵大臣、時間をかけて議論するということはある程度心情的にわかります。しかし、そのことをもっと政治的に私はとると、この通常国会ではっきりしなければ、次の秋の国会でということになれば、いま国税庁からお話があったように、五十八年の一月一日からもう申請を受けることになりますね。物理的に間に合わないですね。物理的に間に合わないということは、意図的に今度は時期を延ばすということにつながる公算が大変私は強いと思うんですね。そういう時間がないとかあるとかという問題じゃなくて、本当にこのことが正しいと思うのであれば、積極的にこの国会中に政府が自民党に対しても各政党に対しても働きかけを私はやるべきだと思うんです。 そういう意味で、時間がないからというようなことで逃げることのないようにきょうは要請をしておいて、私はきょう時間がありませんからまた別の機会に、二十二日に私の質問がありますから、その際にもう一回やらしていただきたいと思います。
○赤桐操君 まず、景気対策の問題から伺いたいと思います。 経済企画庁の方に伺いたいと思いますが、五十七年度の予算編成の基盤となっております財政制度審議会の建議の中で明らかにされておりますが、財政の力をもってしては今日の状態では下支えは困難であろう、したがって経済、金融各政策その他の面で内需の拡大を図って自律的な拡大基調の維持に努力すべきだ、こういうことが明らかにされております。 これに基づいて進められてきたと思いますが、そこで問題は、財政以外の内需拡大政策というものが効果を発揮することであるわけでありますが、一体どの程度それによって発揮することができるかどうか、こういう問題にかかってくると思います。十五日の日もこの委員会の中で同僚委員の和田委員からこのことについてはすでに質問がなされ、経済企画庁の方からも答弁がなされておりますが、その中の最終的な答弁の締めくくりとしては、いろいろの施策を発動をして、政策手段のミックスにより五・二%の成長を遂げたい、こういうことでございました。 私は、その答弁を伺って考えるわけでありますが、それならば一体どういうことがこれから考えられるか、公共事業の前倒しの問題もこの前出ておりました。あるいはまた長期金利の引き下げの問題、こういうものが考えられるわけでありますが、そのほかにどんなものが考えられるのか、この点をひとつ伺いたいと思います。具体的にひとつお願いいたします。
○政府委員(湯川宏君) 最近におきます厳しい景気の状況にかんがみまして、今後の経済運営につきましては、内外の経済動向を踏まえまして引き続き金融政策の適切なかつ機動的な運営を図っていきますとともに、財政につきましても公共事業等の思い切った前倒しを行います等、さらにまた災害復旧事業の促進にも努め、さらにまた住宅対策として公的資金住宅の建設を促進することといたしておるところでございます。特に、お述べになりました当面五十七年度の公共事業等につきましては、先般の閣議におきまして上半期において契約済み額の割合を従来の例のない七五%以上するというふうに決定されたところでございます。 いずれにいたしましても、政府としては今後機敏にかつ適切な経済運営を通じまして、特に御指摘の国内の民間需要を中心にした景気の維持拡大に努めたいということで進めておるところでございます。
○赤桐操君 公共投資の面で従来にない大変大幅な前倒しをやると、こういう御答弁を終始いただいておるわけでありますが、どうなんでしょうかね、金の方は従前のとおりに支払われますか。
○政府委員(湯川宏君) 金の方というのは金利のことかと存じますが、金利の政策につきましても、まあ五十七年度の年度は始まったばかりでございますから、これからの動向を特に注意いたしまして適切な措置を講じていくような態度で臨みたいということでございます。
○赤桐操君 いや、要するに公共投資の前倒しが行われている、その後後半が息切れするだろう、業界は恐らくそういうふうに見ていると思うんですね。それで公共投資の契約は行われるけれども、これに裏づけられる資金の支出については依然として従来どおりの形で行われていくということになれば、それは全体にわたるところの影響力というものは低下してくるということになりますね。また同時に、後半においてどういう結果になるかわからないということになってくれば、当然これを受けて立つ動きというものは非常に私は消極的なものになってくるだろうと、こう思うんですよ。そういう意味で伺っているんです。
○政府委員(湯川宏君) 公共投資の前倒しにつきましては、ただいま申し上げましたようなことで臨むわけでございますが、当面裏づけの資金ということにつきましては、今日の状況から言えば公共投資の前倒しを執行するについて大した支障はないというふうに考えておるところでございます。 なおまた、年度後半における御心配と申しますか、御意見につきましては、経済の状況は特に国際経済との絡みが非常に濃厚でございますが、アメリカまたはヨーロッパ等の景気の今後における推移等を見まして、いろいろの経済予測では各種の見通しがございますが、これらを十分に見きわめながら年度後半に対する措置の必要性の有無等々について冷静かつ機敏な対処をしてまいりたいと考えるところでございます。
○赤桐操君 御答弁の中で住宅の対策が出ておりますけれども、経企庁長官も住宅建設については昨年以来大変真剣に発言をしておられるようであります。 そこで、建設省、五十六年度いっぱいの着工の状況についてまず説明願いたいと思います。
○説明員(北島照仁君) 五十六年度の住宅建設戸数でございますが、一応いま統計が出ておりますのは五十七年二月まででございます。五十七年二月までの状況は百四万五千戸、昨年の同期に比べまして七万戸ほど落ちております。昨年が百二十一万四千戸でございますから、三月仮に昨年と同じ水準ということにした場合には百十四万戸ちょっとオーバーというところでございまして、それがどの程度三月なるかまだわかりませんが、まあ百十四万戸前後と、こういうことになろうかと思います。
○赤桐操君 どうですか、これで。そうすると三月末でせいぜい百十万戸ちょっと。当初の見込みから見るとどのくらいダウンしたことになりますか。
○説明員(北島照仁君) 建設省におきましては住宅建設の目標というものは特に定めておりませんで、どの程度かということを内々想定しておった数字はあるわけでございますが、この数字では百三十万戸前後というふうに見込んでおりました。
○赤桐操君 そうしますと、とてもじゃないが五十七年度いっぱいの状態を、これからの五・二%達成のためには少なくとも一〇%以上を伸ばさなくちゃならないという考え方で経済企画庁は考えているようでありますが、百二十万戸を超えるという状態を五十七年度の中で考えられますか。
○説明員(北島照仁君) 政府の経済見通しにおきましては、年度後半にかなり経済が回復するということを前提といたしまして、実質所得もその回復が見込まれるというふうに一応想定しておるわけでございますが、住宅関係の情勢といたしましては、建築費が現在安定しておるという状況にあるということ、それから地価も安定化傾向にあるということで、住宅建設を取り巻く環境というものはかなり好転するんじゃないかというふうに考えております。 これに加えまして、住宅建設を促進するために五十七年度予算におきまして住宅金融公庫の融資あるいは財形融資、年金融資におきまして貸付限度額を引き上げたと、あるいはその貸付戸数を増大させた等の措置を講じ、さらに参議院の方で御審議中でございますが、公庫融資につきましては既存住宅金利の引き下げ等の措置も図ろうというふうにしております。あるいは財形融資につきまして利子補給制度を創設するということにしておるわけでございます。 こういった予算措置以外に、住宅、土地税制につきまして、住宅建設あるいは宅地供給を促進するための住宅取得控除の拡充や、個人の譲渡所得税の課税の改善あるいは居住用財産の買いかえ制度の創設あるいは宅地並み課税の拡充等大幅な改正を行ったところでございます。 これらの措置に加えまして、さらに、これは大蔵省の方でございますが、民間住宅金融の充実につきまして金融機関を御指導しておるところでございますし、あるいは経済企画庁を中心といたしまして物価の安定とかあるいは的確な経済運営を図るということをしようとしております。 こういった政府の幅広い政策によりまして、住宅建設というものが促進されるというふうに期待しておるところでございます。
○赤桐操君 問題は、いまどのくらいの価格で一戸建て住宅が売買されているのか、あるいはマンションはどうなっておるのか。 要するに、公共住宅に重点を置いた政策ではなくて一戸建てなりマンションなり、そういった私的な、いわゆる国民個人の力にまつ政策でありますから、そうなってくるというと、問題はこれを取得する能力の問題になってくる、それから価格の問題になってまいります。いまどのくらいの価格で売買されていますか、平均で。
○説明員(北島照仁君) 住宅の価格というものは立地条件とかあるいは規模あるいは構造等によっていろいろばらつきがございます。しかしながら、一応平均的なものを見るために、これは民間の研究所の調査でございますが、首都圏のマンションの価格、これは五十六年の価格でございますが、二千六百十六万というふうになっております。それから建て売りの方でございますが、これも首都圏でございますが、三千四百五十三万円ということになっております。
○赤桐操君 一戸建てで三千五百万から四千万、ちょっと気のきいたものは五千万近い。マンションでは二千六、七百万から三千万、こういう状態になってきておるんですね。これがいろいろ手だてがなされて、促進しようということになってきておるわけでありますが、果たしてそういう金額のものがいまの庶民の手に届くものなのか、本当にあなたそう考えますか。三千万前後のマンション、四千万前後の一戸建て住宅、それが庶民の手に届くのかどうか、これはどうあなた考えますか。
○説明員(北島照仁君) 住宅を取得しようとします個人の力、いわゆる取得能力というものは非常にさまざまでございまして、給与以外に財産をすでに親御さんからいただいておるという方もおられましょうし、あるいはすでに自分でマンション等を持っておられるという方々もおられましょうし、いろいろさまざまでございます。したがいまして、二千六百万なり三千五百万という住宅が手が届くかということに対しましては、手が届く方もおりましょうし、手が届かない方もおられるということになろうかと思います。 しかしながら、政府全体といたしましてはできるだけ住宅の価格、これは宅地価格も含めてでございますが、安定させ、そして所得の方をできるだけ向上させていくと、こういう施策によってできるだけ国民の方々が住宅を取得しやすいという条件をつくり出していくということに努めているところでございます。
○赤桐操君 五十六年度、五十七年度、若干の政策に変わりがあると思いますが、そういう金利の問題があるとか、あるいはまた若干いろいろの対策が行われたからといってこれを買う方の側から見たときに、それほど大きな差があるというふうに受けとめることはできないと思います、この程度のもので。したがって、やはり一戸建て住宅なりマンションなり、いわゆる個人住宅に重点を置いたいまの政策でいくとするならば、それはやはりこれを買い取る能力が出てこなければできないでしょう。今度も、春闘の状態を見ておっても、これは大体、まあ余りいま予断できませんが、決して昨年から見てこれを上回るところのベース改定にはならないだろう、これはもう大体相場として出てきております。 そうなってくると、ますますこの種のものの取得ということについては後回しにせざるを得なくなってくる、まず生活が先になってくる、その他のいろいろの出費がありまするから、そういう形になってくる。そうすると、住宅建設あるいはまた住宅の取得ということは先へ先へ延ばさざるを得ない、こういうように私は思うけれども、この点はどうですか。
○説明員(北島照仁君) 国民の方々が住宅を取得するに当たりましていろんな要素を考えようかと思います。一つには、住宅の上物の価格、それから地価あるいは住宅ローンの金利、それから所得、こういったものがやはり住宅取得能力の要素になろうかと思います。現在のところ、住宅の上物の建築費の方は安定しております。それから地価も、先ほど申しましたように安定化傾向にある、住宅ローンの金利も若干ではございますが、この四月十五日から下げるということになっておるわけでございます。 したがいまして、問題は所得ということになろうかと思います。実質所得というものがこの一年半ぐらいの間でございますか、ずっと前年に比べてマイナスという状況を示しておる、やはりこの部分が基本的には解消しなければ住宅の建設というものもなかなか伸びないんではなかろうかというふうに考えております。 まず政府としましては、繰り返しになろうかと思いますが、住宅価格の方はできるだけ上がらないように抑えていきまして所得の方を何とか的確な経済運営等を通じて伸ばしていただく、それにプラスすることの公的住宅金融ということで何とか手の届くような方向に持っていきたい、こういうことでございます。
○赤桐操君 あなたの言うようなことでいけば、もう百四十万戸くらい突破していなきゃならない、正直言って。それがならないから私がいろいろお尋ねしているわけです。結局、それは大体いままであなた方が述べてきている理屈であって、現実には所得が伸びないところで、しかも土地は上がっていく、建設資材も事実上、上がっているわけだ、毎年毎年。そうした中で建てられていく一戸建て住宅に、一体庶民が自信を持ってこれを買い取るという力はないんですよ、現実の問題として。だから、毎年毎年着工件数が下がってきているわけです。これはもう統計で明らかになっているんじゃないですか。 そこでいま、五十七年度に入るに当たって、果たして一〇・四%の、経済企画庁が考えている五・二%の成長率を考えた基礎というものを果たしてこの住宅部門で背負っていくことができるのかどうか、そのことをお尋ねしているわけなんです。とうてい私はいまの状態では不可能だと考えるんです。恐らく百三十万戸どころではなくて百二十万戸も大変ではないだろうか、こういうように私は考えます。 経済企画庁の方に伺いたいと思うんですが、いま企画庁の方の考え方、この中では、正確に申し上げて何戸ぐらいを五十七年度で考えられておりますか。
○政府委員(湯川宏君) 五十七年度の住宅建設戸数につきましては、百三十万戸を目標にして進めておるところでございます。いろいろ御指摘の諸点を私どもも十分に腹に入れまして、関係省庁と詳細な詰めをしながら現実的に百三十万戸の建設が可能になるような方策を積み重ねておるところでございます。あくまでも百三十万戸を達成したいという努力を継続しておるところでございます。
○赤桐操君 この問題ばかり深く入っているわけにいきませんが、私は本当に経済企画庁なり建設省が一体となって住宅建設を景気回復の柱にしていきたいというならばやり方があると思うんですよ、現実の問題として。それは金利をやはり下げなければできませんよ、長期金利を。それからさらに言うなれば、土地政策についてもっと本格的な対策をとる、あるいはまた公共関連負担のいろいろ諸経費が大幅に受益者にかかっている、こういう問題をひとつ整理しなければ私は解決していくことはできないと思いますね。 その中で、特にいままで金利の問題であるとか一般的なものはもう述べられておりまするから避けたいと思いますが、関連公共費の比重というのは今日大変なものです。これを解決する方法が一歩進められない限り、私は百三十万戸なり百四十万戸の建設を実現することはできないのじゃないか、こう思う。それで、それには具体的にどういう内容になっているかということになりますが、いまたとえば一つの団地ができ上がったときに、半分以上のものは受益者負担で公共関連費になっているでしょう、現実の問題は。だから本当の有効宅地面積の実際の価格というものは半分以下なんですよ、造成されたものが。 したがって、この関連公共部門の費用について大体いろいろ積み上げがなされてきて、約一千億程度のものが現在あるようでありますが、これはもうとても焼け石に水でありまして、もっと本格的な対策をとる。たとえば政府の一般会計から出すことはにわかには困難でありましょうが、何らかの方法を講じて思い切ってこうした関連公共部門に対する肩がわりをしていく。これは民間の中ではすでに地方自治体に対して団地が造成される場合においては、その団地に対して関連公共の諸費用について十年間にわたって私どもの方で肩がわりをさせていただきましょうか、十年後に支払いをしていただけば結構です、こういう動きだって出てきておるんですね。それほどこの問題は大きな問題になっているわけです。本当に突っ込んで住宅政策の問題を解決するとするならば、このことを解決しなければ私は解決にならないと思います。 それで、私は率直に申し上げたいと思うけれども、これは諸外国の例でもそうでありますが、こういう関連公共の費用というものが受益者負担でもって賄わされているというのは、まずこれほどの費用をかぶせられているのは日本だけでしょう、実際問題として。外国へ行ってこの説明してもなかなか理解してもらえない、何で税金を払っておりますかという問いが逆に返ってくるのが関の山です。こういう状況で、いま日本の住宅建設は進められております。問題は、一番基本的なものは、単に家を建てさせて景気の振興に役立たせればよいという考え、ここに大きな問題がある。これは本来は景気振興対策の具に供さるべきものではない、本当の意味におけるならば福祉の基本的な理念に立って対策がとらるべきだと思います。 そういう考え方に立つならば、ただ家を建てればよいということではなくて、その基本となるたとえばいまの関連公共費の最も大きな問題になりまするいわゆる生活基盤の投資問題に私は発展していくと思うんですね。こうしたものに本格的な国の費用が投ぜられていく、そういう投じ方が行われていくならば、住宅問題についての基本ができてくる、したがって、いまのような大幅なものを個人個人が負担しなくてもこれはやがて将来払っていく税金の中で賄われていく、こういうことになるのであって、いまの現状をもってして、私はこれは考え方に基本的な差があると思います。 でありまするから、まずどうしてもそういう基本的な考え方に立った姿勢に政府自体が政策の転換を行うということでなければ、住宅建設の本当の促進はできないと思うけれども、この点は経済企画庁、建設省、どうお考えになりますか。
○政府委員(湯川宏君) 御指摘の金利の問題につきましては、経済全般に関連いたしまして最近特に議論されておりますアメリカの高金利、これに関連しましてわが国の金利政策の進め方が相当な制約を受けておるわけでございますが、それにもかかわらず、過般住宅金融関係につきまして〇・〇二%の引き下げを民間住宅金融につきまして進める等、可能な限りの対策を講じておるところでございますが、さらに進めてまいりたいと思います。 土地の対策につきましては、御指摘のとおり大変奥の深いむずかしい問題でございますが、今日の段階におきましてやはり土地政策に本格的に取り組まなければならないという気持ちは十分持っておるところでございます。 さらに、御指摘の公共関連の負担の問題でございますが、お示しのように予算につきましては一千億でございますが、これに関連しましてやはり市町村、地方自治団体におきます開発要綱等のむずかしい問題がございます。さらにまた、建設許可、開発許可に絡まるこれらの行政機関のさばき方等々にもいろいろ問題があろうかと思うところでございます。これらにつきましても、これをどのように現実的にと申しますか、実効の上がる方法になし得るかということで検討を進めておるところでございます。 御指摘のように、住宅建設はただ景気対策という意味だけじゃない幅の広さを持っておることは、私どもも十分承知いたしておるところでございまして、お示しのような諸点につきまして、なお精力的に進めてまいりたいと思います。
○説明員(高橋徹君) お答え申し上げます。 住宅宅地の良好なものを促進するための隘路の打開ということにつきましては、従前から建てかえ制度等もあったわけでございますが、御指摘のとおり五十三年度からは関連公共施設の整備促進事業これを計上いたしまして、地方公共団体等の負担軽減を図りつつ整備を促進すると、こういうことをいたしております。 五十三年度に、当初予算として国費三百億円、それから五十四年度六百億、それから五十五年度九百億、それから五十六年度は一千億と、それから五十七年度にも一千億円の計上が見られておるわけでございますが、この事業枠の拡大等によりまして、公的開発におきましても民間開発におきましてもこの隘路の打開が図られており、住宅宅地の供給促進のために相当有効に機能した安定的な制度になってきておるものと考えておりますが、今後ともこの促進のために有効適切に事業を推進し運営してまいりたいと思っております。
○赤桐操君 ちょっと、次官の御答弁の中で指導要綱の見直しの問題が出てまいりますので伺っておきたいと思いますけれども、指導要綱の見直しということはもっとダウンさせるということじゃないかと思います。指導要綱をもっと緩めるという意味でしょう、あなたのおっしゃったことは。そういうことは逆戻りになると思うが、その点はどうなんですか。
○政府委員(湯川宏君) 指導要綱をダウンとかあるいはルーズにするという意味じゃございません。あくまでも開発につきましての貫かなければならぬ基本的な線というのがございますから、それはそれで通しながら、しかし指導要綱及び開発負担等々につきまして各府県、市町村のこれに臨む対応が非常に区々でございます。これにつきまして実態に即した改善が加えられないかという角度で検討しているところでございます。
○赤桐操君 新聞の報道で私が認識しておる範囲では、指導要綱が強過ぎるのでこれを緩めるというように私は認識しておりますが、実際問題としてこれは国が幾らそう言っても地方自治体が、私の方は御免こうむりますと言えばそのままになってしまうことでありまして、依然としてこれは続く可能性があると思うのですね、私は。むしろそういう方向ではなくて、せっかくりっぱなそういう指導体制ができ上がってきて、そうした関連公共の諸策も進んでいるというならばその費用が問題なんだ。その費用が個人負担になるから住宅建設費にはね返ってくるわけなんです。それを国が肩がわりするなり地方自治体が肩がわりする、そういう方式をとればこれは解決する問題だと思う。むしろそういう形の進め方でなければ私はいままでの指導と相反することになると思いますが、この点いかがですか。
○政府委員(湯川宏君) いまの御指摘の負担の問題でございますが、市町村が相当学校関係の経費だとかあるいは公共事業、あるいは保育所、公園施設等々に必要だということでいろいろの数字を策定しておるところでございます。ですから、それがどの辺がそれぞれ分担するのが適当であるかという点につきましてはなかなかむずかしい問題でございますが、御指摘のように消費者といいますか、建てる者に必要以上に重くかかることのないような方策を見出してまいりたいと考えております。
○赤桐操君 いずれにしても、公共投資の前倒しの問題あるいはまた金利政策の問題、あるいはまた住宅投資の問題、建設の問題、一つずつ伺ってきましたけれども、住宅建設の問題もいまのような程度では残念ながら百三十万戸の建設、一〇・四%のこの伸びというものは期待するような状態にはなかろうというふうに私は考えます。これはいろいろと経企庁長官が新聞その他では大分大きく引き上げているようでありますが、実態は大変伴わないものであると、こういうように認識せざるを得ないわけであります。 続いて一つ伺いたいと思いますが、先般の十五日の委員会におきましてもこれは明らかにされておりましたが、まず最初に一つ伺いたいと思いますが、景気の問題と非常に大きな関係が出てくるわけでありますが、設備投資の動向についてひとつ伺いたいと思います。
○政府委員(湯川宏君) 設備投資の動向でございますが、各般の調査によりますれば、大手企業、大企業における設備投資についてはおおむね堅調に推移しておるところでございます。ただ中小企業の更新を含めました設備投資につきましては、御承知のように民間消費支出が比較的低調であった、あるいはまたいまの御指摘の住宅建設が昨年来予定どおり進まないというふうなこともございまして、民間の設備投資の関係が、いま申し上げました二つのことに非常に関連がございますのでやや低調な状況でございます。
○赤桐操君 大企業の方は比較的堅調に進んでいるが、中小零細の方の設備投資が非常にダウンしておる。 そこで問題は、そういう状況の中で去る十五日の委員会におきましても、この問題が取り上げられましていろいろ討論がなされておりますが、その際に鈍化傾向にある中小各企業の一番しかもこれは消費面におけるところの第一線の役割りを果たしているわけでありまして、そうした中小企業のこの状態は余りよくないということで、この鈍化傾向をひとつ大きく引き上げる必要があるというわけで、拡大のための環境づくりについて説明がなされたと思います。その環境づくりというのは一体どういうことなのか、具体的にひとつ御説明願いたいと思います。
○政府委員(湯川宏君) 説明員から御説明申し上げます。
○説明員(海野恒男君) 現在中小企業の設備投資が大企業に比べまして相対的に伸びが悪い、足踏み状態といいますか、低迷しておるという最大の原因は、何と申しましても設備投資のコストであります、資金コストであります金利と、それからそれが生み出す利益率との間に乖離が出ておるというところが大きな原因でございます。 と申しますのは、大企業も中小企業も現在金利と利益率との間に一%以上の開差が出ておりますけれども、大企業の方は大部分は自己資本で資金を調達するという状況でございますけれども、中小企業の方は大部分を銀行から、あるいはその他の他人資本に依存して設備投資をしておるということでございますので、金利が高く、利益に対して相対的に高いような状況ではなかなか設備投資が出てこない。 こういうことで、したがって中小企業の設備投資が回復する大きな要因は、分母と申しますか、利益率を高めるかないしは資金コストを低めるかというふうなどちらかの対策をとらなければならない。先般、長期資金のプライムレートが若干下がりましたんですけれども、そういう方向で今後も引き続き金融政策の弾力的な運用を図るとともに、利益率がだんだん上がってくるような、そういう内需拡大が一方で必要であるという双方の努力が必要であるというふうに考えておるわけでございます。
○赤桐操君 もう少し具体的に説明してください、だから具体的にどういうふうにやるのか。
○説明員(海野恒男君) 内需拡大につきましては、すでに政務次官の方から御説明があったかと思いますけれども、公共事業の前倒しあるいは公的資金の住宅建設というものの前倒し等の内需拡大策をとっておるわけでございまして、そういう意味で一つは利益率を上がる方向での努力をしておる。 そして、それとともに非常に大きな内需がおくれております要因として、五十五年来のいわば交易条件の非常に悪化しておる状況、それに伴いましていわば国内の購買力が海外に流出している状態が引き続き続いておるということが非常に大きな原因となっておりますので、交易条件の改善を図るべく——と申しますのは、具体的なあれとしては為替レートが少しずつ円高になってくることが交易条件を改善する一つの大きな要因でございますので、できるだけ円高が実現されるような、それに対して大きな阻害要因となっておりますアメリカの高金利等に対してアメリカの配慮を求めるといったような努力をするというようなことで、まず内需の拡大を図っていく。 それから金利の方につきましては、できるだけ弾力的な運用をしていくということで努力をしておるところでございます。
○赤桐操君 それでは先へ移りたいと思いますが、いろいろと対策を考えておられると思いますが、もう一つ、いろいろ今日まで戦後の景気の上がったり下がったりやってきておりますが、その中でその都度大きな役割りを果たしてきているのは資金運用部の資金であったであろうと私は考えています。これは歴史的に見ても大変大きな役割りを果たしてきていると思います。この資金運用部の現在の総運用資産、さらにまた大体の内容についてひとつ明らかにしてもらいたいと思います。
○政府委員(吉本宏君) ちょっといま手元に資料を持っておりませんが、資金運用部の総資産は約百兆でございます。百兆を若干超えたところであろうかと思います。 その中で、国債を大体十五兆程度持っておりまして、これは短期国債を含めた数字でございますが、国債を十五兆程度と、それから地方債を十四兆程度持っております。あと交付税特別会計に対する貸し付け、これは地方財政対策としてやっておるわけでございますが、これが約八兆ございます。あと、各種の政府関係機関に対して融資を行っているわけでございますが、その中で大きなものを申し上げますと、何と申しましても住宅公庫でございまして、住宅公庫の五十六年の三月末の貸付残高が十三兆円ということでございます。中小三機関が約八兆円、国鉄が八兆円、住宅公団が約五兆余と、そういうところが主な貸し出し先ということで御理解をいただきたいと思います。
○赤桐操君 この中で、百兆円使われている内容は大体そのとおりであろうと思いますが、この積立金のやはり一番大きな比重をなしているものは郵貯であろうと思います。この郵貯の関係が最近余りよくないということを聞いております。百兆円あるいはこれを超えるこの金は、何といっても現在日本の各種政策の基盤になっていると思いますが、問題はやはりこの金が伸びなくなってくればそういう方面にも投ずることはできなくなるわけでありまして、大変大きな問題を提起してくると思います。 いま、そのうちの一番大きな比重を占めている郵貯のぐあいがダウンしてきていると、こういう状況のようでございますが、郵便貯金の状態についてひとつ説明を願いたいと思います。
○説明員(舘義和君) 郵便貯金の近年の増加状況は、昭和五十三年度以降、五十五年度の一時的な急増を除きまして、伸び悩みの状況にあったところでございます。 昭和五十六年度の増加状況につきましては、純増加額と言いましてこれは窓口における預入から払い戻しを引いた額でございますが、これが三兆一千六百六十億円でございまして、前年度実績に対して五一%、前々年度の五十四年度実績に対しまして七六%となっております。また、この純増加額に元加利子と言いまして預入されている貯金につけられる利子額、これを加えたもの、すなわち総増加額と言っておりますが、これでは七兆六千三百八十七億円ということでございまして、前年度の実績に対しまして八一%、五十六年度の増加目標額、これが財政投融資の計画額になっておるわけでございますが、八兆九千億に対しまして八六%の数字になっているということでございます。結果的に一兆二千六百億円ほど不足したと、こういうことでございます。
○赤桐操君 資金運用部の内容がそういうことで、郵貯も昨年八兆円、ことしは七兆円と、こういう形でもって一兆円を若干超える金額がダウンしてきておるわけでありますが、これからの資金運用部の運営に当たりましてこれで問題は起きないのかどうなのか、この点ひとつ大蔵省に伺っておきたいと思います。
○政府委員(吉本宏君) 御指摘のように、郵貯の金額は五十六年度八兆九千億の目標額に対しまして約一兆二千億円ダウンしたと、また五十七年度は、これは目標額として七兆九千億と前年対比で一兆円減の増加目標額を郵政省において立てられておるわけでございます。私どもとしては、郵貯が資金運用部の大宗であることは言うまでもございませんし、この動向については深い関心を持っておるところでございます。 ところで五十七年度でございますが、そういうことで郵貯が一兆落ちると、財政投融資計画をどういうふうに組んだらいいのかということでいろいろ工夫をいたしまして、結果としては民間資金の調達ということで、特に政府保証債あるいは借入金、こういったものをかなりふやしまして、五十七年度の計画では前年対比で六千億円余こういった借入金を伸ばしておるわけでございます。そういうことで五十七年度の財政投融資計画、前年対比四・一%の二十兆二千八百八十八億ということでこの財投計画を作成したということでございます。 私どもとしては、今後も郵便貯金が他のいろんな金融資産とバランスのとれた形で、着実にかつ安定的に伸びるということを期待しておるわけでございまして、その他、厚生年金、国民年金、こういった資金に対しても今後伸びの鈍化が予想されることでもございますので、特に財投計画の運用につきまして、効率的な、かつ資金効率の高い、目的に即してやっていきたい、このように考えておるわけでございます。
○赤桐操君 当面はそういうことで、資金調達一応済まされたようでありますが、これからもいろいろ郵貯の関係が下がっていくようになるというと、これは資金運用部全体の大きな問題になってくるだろう、財投の基本的な問題になるだろうと思うのでありますが、今回のこの伸びが非常によくないということは郵政省はどういうように認識しておりますか。
○説明員(舘義和君) ただいま申し上げましたように、非常に低調に推移しているわけでございますが、この伸び悩みの要因といたしましては、まず第一に貯蓄の増加に影響を及ぼす最大の要素であります家計の可処分所得、この伸び率が経済の安定成長下において低下しているということが言えると思います。 それから、住宅ローン、進学ローン等、各種の消費者ローンの残高が年々増大しておりまして、この返済負担が大きくなっている。 それから、金利選好の高まりから、金融資産の選択が国債、株式、投信等へ多様化しているところでございますが、特に最近、民間金融機関におきまして、期日指定定期、それから新型貸付信託——ビッグですね、それからワイド、こういったような新型商品が開発されてきたことによりまして、一層この資産の多様化が進んでいる、こういったことなどが影響しているもの、このように考えております。
○赤桐操君 そういうことで下がってきているということであれば、これからもなかなかむずかしい問題があると思うんですね。 いま、安定した成長を理財局長は望む、こう言っておられたわけでありますが、安定した成長を遂げていくのにはなかなかこれは大きな問題がある、こう思うんですけれども、理財局長はどうお考えになりますか。
○政府委員(吉本宏君) ただいま郵政省の方からもお話がございましたが、貯蓄の内容が非常に多様化しているわけでございますね。従来は預貯金が中心で、貯蓄の中心になっておったわけでございますが、それに対して債券がかなり出てまいった。特に国債を中心として債券投資がかなり行われるようになった。そういう中で、全体として預貯金の金利が債券に比してやや低い。これは、債券の場合は市場金利と申しますか、流通利回りに即して金利が決定されるというようなこともございまして、一般に預貯金等の規制金利に比べて現在のところはやや高い、こういう現象がございます。 そういったことで、相対的に預貯金がやや不利な、いわゆる金利選好という立場から見ればやや不利な関係にあるというふうに私どもは理解しておるわけでございますが、しかし従来の傾向から見ますと、郵貯はやや残高対比で見ますと、他の預貯金、特に銀行預金等に比べればやや高い伸びを示してきた、こういうこともございますので、私どもとしては、先ほど申し上げましたように、安定的な伸びということで今後も伸びていただきたい、このように期待をしているわけでございます。
○赤桐操君 郵便貯金というものは、性格が性格でありますからね。これは、大体全国のエプロン姿の奥さん方が窓口で容易に貯金をしてやっていく内容のものですから、これは庶民のいわば福祉を兼ねた政策の一つだろうと思うんです。そういう意味合いからするならば、一般金融機関におけるところの金とは若干性格が違っておるし、そうした面については当然考えらるべきものだと思いますが、いずれにしても、積立金全体百兆の中の大体七〇%近いものは郵貯であるということであり、そうなってくるというと、これは相当本格的に考えていかなければならないだろうと思います。 いずれにいたしましても、他の積立金がだんだんと鈍化をしていくことは、これはこれからの社会構造の中で当然だろうと思いますから、こうした面で支えていく一つの力をつくっていく以外にないんでしょうから、したがって郵政省、大蔵省の間でもっと本格的なこの問題に対する考え方を決めていかなきゃならぬ時期がくるだろうと思いますけれども、いずれにしても、これは庶民の、大衆の金でありますから、これが庶民、大衆に還元されるように、そして身近なところで大きく効果を上げていくような使途で使われていくことを望んでおきたいと思います。 いまの状態を伺ってみまするというと、この郵貯の関係もよくないし、資金運用部資金の運営も将来なかなか困難なものがあるように感ぜられます。そうすると、一つ一つ伺ってきたもので、なかなか景気を支えていく具体的な目新しいものというのは出てこない、こういう状況にあるように思います。 ところで、一つ気になる問題なんでありますが、財界の方では余り景気の刺激を必要としないような論があるようでありますが、この点については経済企画庁はどうお考えになっておりますか。
○政府委員(湯川宏君) 財界、いろいろのところがございますが、稻山さんの御意見等も私どもは伺ってはおります。 しかし、全般的な御意見かどうかにつきましては、なかなかそのとおりと受けとめてよいかどうかと思いますので、私どもとしては、財界のいろいろの御意見を伺いながらこれに対して幅広く対処してまいりたいと思います。
○赤桐操君 大体、私はいま各界各分野でほとんど、景気を刺激してもっと活発な状態にしていかなければならないんじゃないかということが常識になってきていると思うのでありますが、財界だけがひとり景気刺激は不要だ、こういう論を大分出しておられるようであります。 したがって、非常に奇異に感ずるのでありますが、いろいろの状況等を伺ってみましても、大蔵省の法人企業統計等を見ましても、あるいはまた、国民所得統計、こうしたものを見て比較いたしましても出てまいりますが、法人の場合の置かれている立場と、一般の個人企業や勤労者の置かれている立場がここに歴然として出てきているように思うんですね。今回の不況の状態というものの圧力は法人企業の大きなところにはかからない、そしていわゆる個人企業や勤労者に大変強くかけられてきている、こういうふうに私は理解しますが、経済企画庁はどうお考えになりますか。
○政府委員(湯川宏君) 御指摘の点につきましては、非常に大きな問題でございますが、内需を拡大したいという政府の方針に従いまして、あらゆる御意見を尊重しながら適切な方針を、方策を見出していきたいというふうに存じます。
○赤桐操君 景気問題については、どうも具体的な力強い施策というものがついに明らかにされないできているわけでありますが、そういう状況の中で新しい五十七年度がいまスタートを切ろうとしております。 それで、私はここでひとつ特例公債の問題で具体的にお伺いしてまいりたいと思いますが、今回の特例法は、赤字公債を五十七年度において予算の定める三兆九千二百四十億円を発行するための法律として解釈していいのかどうか、この点まず一つ伺っておきたいと思います。
○政府委員(西垣昭君) 制度の問題でございますので、私からお答えいたします。 五十七年度の特例公債法案、俗称で言うことをお許しいただきたいと思いますが、この各条文の趣旨及び内容は従来からのものと同じでございます。財政法では公債の発行は非常に限定して考えておりまして、いわゆる建設公債以外のものは禁止しているわけでございます。したがいまして、投資的経費以外のものの財源に充てるための公債発行というのは財政法の特例として臨時的に許されるという構成で、私ども毎年毎年特例債の発行のための根拠法を国会に提出し、御審議をいただいているわけでございまして、五十九年度脱却を目指しておりますが、五十七年度にはなおかつ特例公債を発行せざるを得ないということで、従来と同じような法形式でこの特例公債法を御審議いただき、成立させていただきたいと、こういうふうに考えているわけでございます。 いま金額のことをおっしゃいましたが、特例公債法の立て方といたしましては、特例債を発行する根拠を法律に定めまして、金額につきましては予算で定める、こういう構成でございます。これは従来のとおりでございます。
○赤桐操君 そうすると、五十七年度の予算編成についてはすでに終わっております。その中で三兆九千二百四十億円という数字も出ておるわけです。われわれの解釈としては、いわば予算の問題について、この法律を可決決定をして承認を求める、こういうことになっていると思うんですが、どうなんですか。
○政府委員(西垣昭君) 特例公債による財源というのは五十七年度予算の歳入の相当大きな部分を占めますので、私どもといたしましてはできるだけ早く御審議をいただくということで、すでに二月に国会に提出をいたしまして、御審議をいただくことを予定いたしているものでございます。恐らく御質問の御趣旨は、予算と一体になっているはずではないかということでございましょうが、私どももそのように考えております。
○赤桐操君 五十六年度の税収をいま見てみまするというと、これは補正で四千五百億程度の減額補正が行われております。しかし、補正後の、したがって予算は、三十一兆八千三百十六億円、こういうことになっておる。ところが、これは五日の日に成立したんですね、この予算は。四月の五日に参議院を通過いたしました。それで衆議院の通過後成立をいたしているわけでありますが、その三日ほどたった八日の日に、大蔵大臣の方で明らかにされたのは、どうも二兆二千億程度の減収が五十六年度で見込まれると、こういうことが明らかにされたと思います。 したがって、五十七年度の税収見込みということになるというと、当然これは減収分については少なくなると見なければならぬでしょう。この点はいかがですか。
○政府委員(水野勝君) 現在の五十六年度の税収につきましては、二月末まで判明しているのでございますが、それまでの二けたの伸びが二月税収に至りまして一けた台に落ちて憂慮いたしておるわけでございますが、まだ三月、四月、五月とかなりな部分を残しておりますので、これが最終的にどうなるかにつきましては、なお今後の動向を見なければならないと考えておるわけでございます。 それから、五十七年度につきましては、現在の制度で申し上げますと、五月まではほとんどの税収が前年度税収になりまして、五十七年度といたしましては六月からがその収入となるのでございますので、まだ、五十七年度は始まっておりますが、税収としてはなお何カ月か後でございますので、現時点でこれにつきまして申し上げられる材料はないのでございます。
○赤桐操君 どうなんですか、二兆二千億は不足するのでしょう。この点いかがなんですか。
○政府委員(水野勝君) 現在の税収の動向から申し上げますと、先ほど申し上げましたように、二月分としては五%台の伸びに低下いたしたわけでございます。したがいまして、累計といたしましては一〇%の伸びになっておりまして、現在の累計の伸び率から、いろいろ機械的に試算したりいたしますと、お話しのような金額もあるのでございますが、何分にもまだ三割以上の税収を残しておりますので、公式にどの程度のものになるかということにつきましては申し上げがたい段階でございます。
○赤桐操君 私どもの判断では、それだけのものが足らなくなってきているということになるならば、これはやはり五十七年度の中で予算編成をしていく、予算の運営をしていくに当たっては、税収は当然それだけのものが下がったところから考えられていかなければならないだろうと、こう思います。 いま、そういう観点で考えてみると、三十六兆六千二百四十億円というこの数字、私たちが一番心配することは、この数字が果たして五十七年度で確保できるのかどうなのか、こういうことでしょう、もっと結論的に申し上げますというと。数字のあやはともかくとして、結論的に言ってことしの予算の税収の一番大きな数字である三十六兆六千二百四十億円という数字がきちんと五十七年度中に確保できるかどうか、こういうことになると思うのですが、この点どうなんですか。
○政府委員(水野勝君) 確かにその土台ともなるべき五十六年度につきましては、余り調子はよくないのでございます。ただ、これが五十七年度にどのように影響するかという点につきましては、五十七年度において経済が全体としてどのように推移するかということとも大きく関係するのでございますが、現時点におきましては五十七年度といたしましては内需の回復を中心といたしまして、全体として後半にかけて経済が回復するというような、全体としての見通しの中で見積もりが行われているわけでございまして、今後の経済の動向に注視する必要がある、このように考えておるわけでございます。
○赤桐操君 結局五十六年度の段階をよく調べてみると、補正を行って、しかも二兆二千億の赤字が出るということになるというと、全体では増加額としてこれは大変な数字になるのですね。四兆円を超えるものになってくるわけでありまして、果たしてそれが五十七年度中に簡単に期待できるかどうか、こういうことですね。
○政府委員(水野勝君) 五十六年度の現在の税収の動向からいたしまして、決して安心、楽観できる状態にないことはおっしゃるとおりであろうかと思われます。ただ、先ほども申し上げましたように、実質的に新年度の税収は六月からでございますので、なおこれからの動向を見てまいりたいというところでございます。
○赤桐操君 端的に申し上げますと、大体新年度で二兆円を超えるものを含めるというと、約七兆円くらいのものを加えていかなければ三十六兆何ぼですか、この金をもとにして今年度の予算編成というものは成り立たなくなるんじゃないのですか、五十七年度の。七兆円近いものが不足するのじゃないですか、数字から見ても。この点どうですか。
○政府委員(水野勝君) 五十六年度の補正後は三十一兆八千億でございますから、お話のように二兆円か何がしのものが減るといたしますと二十九兆円台になる。それに対しまして五十七年度といたしましては三十六兆六千億でございますから計算としてはそのように相なるかと思われますが、今後の経済動向を踏まえた税収動向がどのようになるかにつきましてはなお様子を見てみたいと考えておるわけでございます。
○赤桐操君 先ほど来お伺いした景気対策あるいはまた財投資金の状態、いろいろ話されておりますが、一つ一つ伺ってみても五十六年度を超えて目新しく大きく噴き上げるような状態には何もない。そうなってきてなおかつ七兆円近い不足分の穴埋めが果たして五十七年度中にできるんだろうか、私どもそう思うんですがね。この点いかがですか。
○政府委員(水野勝君) 戦後の税収の伸び率等ずうっと見てまいりますと、一〇%台のこともございますれば二割から三割近い伸びを示した例もないことはないんでございます。それは、もっぱらその背景となります経済動向いかんでございますので、いまの時点で最終的にどうなるかということはなかなかむずかしい問題でございまして、ここでどのようにどうなるかということを確定的に申し上げにくいのでございます。いずれにしましても、年度が始まったばかりでございますので今後の経済動向を見てまいりたいと、同じような御答弁で申し上げにくいのでございますが、そのように考えておるわけでございます。
○赤桐操君 そうすると大変税収見込みが不確定だと、きわめて見通しのない状態にあるように私は伺わざるを得ないんでありますが、この場合、今回の特例公債の中で求められておるものは三兆九千二百四十億円ですけれども、この三兆九千二百四十億円というのは一体この数字で動かないという確定あるいはまた自信を持つことはできないでしょう。
○政府委員(西垣昭君) 五十七年度予算編成時におきます最も正しい歳入見積もりというものを前提といたしまして、他方歳出の方は極力削減をするということで、不足額を建設公債で賄う分を除きますと大ざっぱに言えば特例公債でお願いをするということではじかれたものが三兆九千二百億の数字でございます。 税収がどうだということでございますけれども、これは主税局からもお答え申し上げておりますとおり、五十七年度入ったところでございまして、まだ何とも確たる見通しを立てることは困難でございますので、私どもはやはり三十六兆を前提として物を考えざるを得ないと、かように考えております。
○赤桐操君 いろいろの物の言い方あると思うんですけれども、少なくとも三兆九千億の今回のこの特例公債で提起してきているこの件については、この数字は動かない数字だとはもう言い切れない段階に来ていると思います。予算が成立した直後にすでに二兆二千億の不足が明らかにされておるわけでありまして、発射台そのものが二兆円もダウンしてしまっている、こういう状況の中で三兆九千億というものを特例公債としてこれをひとつお願いしたいと、こういうことになるだろうかと私はそう思うんですが、この点いかがですか。
○政府委員(西垣昭君) 同じことを繰り返して申し上げて恐縮でございますが、五十七年度の歳入の中の税収の見積もりといたしましては、先ほど主税局からお答えいたしましたように、三十六兆数千億の数字しかないわけでございまして、それを前提として物を考えざるを得ないと。実際にどうなるかというのはこれはもうよくわかりません。しかし、それは年度の進行を見ながら適切に対処していくより仕方がないのではないか、かように思います。
○赤桐操君 正直申し上げましてね、予算が決まったその直後に二兆二千億が足らない、それで予算の中の提起されてきている基本的な数字になっている三兆九千億についてはこれはひとつ特例で頼むと、こういうことでありますけれども、ちょっと私どもの常識をもって判断いたしましても、いささかこれはどうも提起の仕方に問題があるんじゃないか。もっと明確にすべきものは明確にして、その上で特例公債というものに対するきちっとした枠組みをして提起すべきものだろうと思いますが、その点はどうですか。大臣はどうお考えになりますか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 予算編成は御承知のとおり十二月、補正予算も十二月に決めるわけです。 その当時といたしましては、たとえば外需で十、十一、十二というようなものがかなり減ってマイナス成長になるというふうなことは、だれも実は考えていなかったわけでございます。物価の問題にしても、かなり鎮静化をいたしましたが、しかし当初四・一%卸売物価の上昇を見込んでおったものを去年の秋口には一・八%まで修正をしましたが、さらにそれが一・四%台に下がるというようには実は考えていなかったわけでございます。世界じゅう物価の高騰というものは非常に大問題にいまなっている中でございますから、そういうような中で日本だけがこれほどいい状態を出現するというようには思われない、その中での補正予算を組んだわけでございますので、実はそれだけへこむということは考えつかなかった。 しかし、物品税その他の売り上げ、物品税の収納状況、印紙税の収納状況等から考えて予定の数字は出ないということはある程度わかったわけでございますので、確実に不足が見込まれる。確実に見込まれると思う分だけを補正減をいたしまして、赤字国債の五十六年度追加発行を行ったというのが実情でございます。 したがって、それが二月に入り、三月に入ってまいりますと、いろんな速報値等が出て心配な面が多く出てきたということでございます。統計の数字が出てからそういうことがだんだんにわかってきたということでございます。
○赤桐操君 いろいろの御説明はなされておりますが、この特例法の審議決定の条件としては、これは何と言っても三兆九千二百四十億円、これが現時点における予算で定められた金額であるはずでありまして、これ以上のものではないと思うんですね。そういう意味で出されてきていると思うんですが、その三兆九千二百四十億というのは大変どうもいま伺ってみるというと不確定なものであると。こうなってくると、現実に一体これをもとにした、この数字をもとにした審議というものを進めることができるんだろうかどうだろうか、こういう疑問を私は持つんですが、この点はどうですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 結局赤桐先生の考えはこれじゃ足らぬだろうと、恐らく。もっとふやしておいた方がいいんじゃないかと、はっきり言えばですね。だけれども、これじゃ多過ぎるんじゃないかというニュアンスじゃありませんね。もっと赤字幅がうんと小っちゃくなるというんじゃないから、もう少し発射台が低くなれば税収も不足になるんだからもっとふえるじゃないか、だからもう少しふやしておいた方がいいんじゃないかというようなニュアンスとして私は受け取っておるんですが、そういう考えの方もあるでしょう。 しかしながら、これは先ほど水野審議官から言っておるように、来年の五月までの税収が五十七年には入るわけでございまして、三月までじゃなくて五月までのものが入ると、五十三年からそういう制度に変えたものですから、このことが非常に見通しを困難にしていることは一つあるんですよ、一年半分見通すわけですから。しかも、非常に世界の経済、激動期にぶつかって見通しを半年延ばしたというふうな問題もいろいろございますから、非常にむずかしい点もありますが、世界の景気がことしの後半からよくなるというのが大体OECD、アメリカを初め通説になっておるわけです。 しかし、だれもこれは断言できる人は一人もいないわけですね。通説としてそういうことが世界の会議等で言われておりますから、われわれもその通説に従うということになりますと、ことしの後半にはある程度の期待が持てるんじゃないか。日本の経済というのはもう世界の経済と連動しておりますから、日本だけを特別いいものにしようとしてもそれはもともと不可能に近いような話だと私は思っています。ただ、一時的に名目的な物価を上げて、名目的なことだけはそれはやってできないことはないけれども、そのことは決して国民生活のプラスにはならない。したがって、慎重にわれわれは対処していかなきゃならぬというような観点から内輪に見ておることも事実です。 それからもう一つは、これは五十八年度の予算との関係もございまして、臨調答申が出て、五十八年度のシーリングをどういうふうにおろしていくのか、それによって予算編成作業を進めるわけでございますけれども、やはりこういうような時期であるから、極力いままでは必要だと思っておったようなものであっても、こういう時代になれば極力歳出カットをしろという意見が強いんです。そういう時期に当たって、あらかじめ非常に心配があるからといって、特例公債を余裕を持って発行するということは、裏返しに言えば財源を余裕をちゃんとつけて目いっぱいとっておくということになりますから、そういう物の考え方だとどうしても歳出カットというものはむずかしくなってくる。赤字国債出せば幾らでも出せるんじゃないかという気持ちがどうしても出てくる。このことは将来に向かって非常に問題が多い。 そこで、三兆九千億円の赤字国債で足りるか足りないかといういま議論なんですが、足りないだろうという見方の人があったって私不思議ないと思うんですよ。しかし、私としてはそこに余裕は持たしたくない、余裕は。ぎりぎりその線で追い込んで、できるだけの来年に向かっての歳出カット、あるいはことしについても消費節約も極力やってもらうし、そういうようなことを考えると、ここでこれを余分にふやしていくということよりも、もうぎりぎりいっぱいというぐらいの財源しか与えないということの方がいいんじゃないかと。 しかし、その結果が仮にぎりぎりでやっても、まあ世界の経済は生き物でございますから、こっちの思うようにはそれはいかない場合もあるでしょう、思ったよりよくいくこともあるかもわからぬ。それはしかしそのときの段階になって最小限度のものは処置すると、そういう物の考え方でやっておるわけであります。
○赤桐操君 私が申し上げているのは、もし大臣が予算の審議の最中に、参議院予算委員会が開かれている最中に、もう三日、四日前にこれを、二兆円をちょっと超えるぐらい足りなくなりますと、こう言われたら一体どうなったんでしょうかね。三兆九千億という特例公債の数字ではなくなってくるでしょう。それだったら、その点もひとつ是正として入れるべきじゃないかと、こういうことになりゃしませんか。二兆二千億というのは大臣がおっしゃったことですよ、私たちが言っていることじゃない。大蔵省も明らかにしていることだ。その二兆二千億という発射台が下がった冷厳な現実を土台にして考えたときに、この三兆九千億という数字ではもうないんじゃないかと、この実態は。そうだとするならば、大蔵省は、大蔵大臣はこの事実を国民の皆さんに明らかにすべきじゃないか。 国民の側から見ていますと、あの予算書が出てきて新聞にも出ていますね、三兆九千億のなるほど今度は特例公債が出るのかと、こういうことに理解しておる。四月の五日に成立をした。三日たったら二兆二千億足らなくなりますと、こういう言い方が出てくる。この金はどうなるんだろうかと、こうすぐなるでしょう。なぜそれが予算委員会の中で論議されなかったんだろうか。当然それは国民の皆さん方の立場からすれば疑問に思うところだろうと思うんです。 この点について、私は冷静に申し上げておるわけだし、冷厳な現実の上に立ってこれはきちっとした所定の方式で処理すべきものではないのかと。事実は事実として国民の皆さんに明らかにしながら、まやかしの数字ということを言うわけじゃないけれども、本当の実態を明らかにしながら、余りやりくりをすることはないだろう、堂々と明らかにすべきものは明らかにして御審議をいただきたいと、こういう形で出るべきものではないだろうか、こういうことを私は普通に申し上げておるわけなんですが、大臣はどういうふうに受けとめていただいておるんですかね、私の申し上げていることを。
○国務大臣(渡辺美智雄君) それはごもっともな私は御意見だと思います。 ただ問題は、はっきりした数字がわからない。それは二月分の統計が出たのが四月八日でございますから、二月分の税の集計がですね。そうすると、そのきちっとした統計が出ない前には——想像としてはありますよ、想像としては。これはまあちょっと思ったようにいかないんじゃないかとか、部分的につまみ食いして速報値みたいな話では。しかし、事予算の問題でございますから、想像的につまみ食いしたところだけで予算修正して直しちゃうということもなかなか政府としてはできない。そこで、二月分の統計、本当は三月分が出て四月分が出て五月分が出なきゃわからないわけですから。だけれども、二月分の統計が出て、しかも景気の状況等についてまた十、十一、十二というGNPの発表があって、そこへもってきて二月分の統計が出て、そこでの議論が出たわけです。 議論が出た中で、もしそういうような場合、うんと世の中が変わらないでこのような伸び率でしかいかないとすれば、どれぐらいの開きが出るかという質問があったわけですよ。それを、公式答弁は先ほど水野審議官が言ったとおりでしてね。これはこういうわけで五月にならなきゃわかりません、こうであります、ああでありますと言っているわけですけれども、そんな公式答弁ぼかり言ったってしようがないんじゃないかという話になりましてね。そうして、まあそういうふうなお互いに本気になって本音で話しているべきなのに、そんなのは統計が出なきゃわかりません、統計が出なきゃわかりませんと言えば、それは何も問題はないんです、何も。 何にもないんだけれども、皆さんが心配をしていることも事実なんですから、そいつに全然答えないというのも、これも不親切な話でして、したがって二月分の統計のような状態で三、四、五といくとすれば、それは予算の見積もりに対して数%違いが出るかもしらぬ、数%といっても上の方であると。ということになると、計算すればすぐわかるわけですよ、計算すれば。三十二兆の数%ということになりますから、一〇%なら三兆二千億と、こうなりますし、数%というと、五か六か七かと、私もそれははっきりしたことわかりませんからね、そこらのところまでは。 だから、そういうような懸念が出てきたので申し上げたわけであって、あえてだまそうとかそういうふうな考えではないということだけは御了解願いたいと、こう思います。
○赤桐操君 私は少なくともこういう提案をされた数字を見ていろいろと考えているわけでありますが、まあ予算のことでありますし、二月現在における統計とかそういうものをもとにした推定ということになれば、多少の違いが出るのは、これは当然でありましょうけれども、まあ二兆円も三兆円も違ってくるということは、これはないと思うんですよね。やっぱりそんなばかげた話はないと、二兆二千億と言ったならば、やはりそれが一応の基礎的な数字になるだろうと思う。それだけは、私はやはり加えてみても余裕を持ったものにはならないと思うんです。最低のものだろうと思うんです。それより足らなくなる、実際問題としては。現実に私は足らなくなるだろうと思うんですが、大蔵省の発表されたことはある程度の含みを持ちながらの発表だろうと思います。 そうだとすれば、大臣先ほど余裕を持った物の組み方というものを避けたいと、こう言われておりますけれども、それは当然そうでしょう。別に二兆二千億加えて余裕のあるものにはならないと思うんですよ。最低の発射台です、これは。そうだとするならば、そういう数字で今回は提起されるべきものであったのではないだろうか。少なくともわかっている範囲内における最大の努力をして、明らかにしたものを中心として出されるべきものであったんではないだろうか。こう思うんですよ。 だから、事実は三兆九千億ではないんではないんじゃないのか、こう思うんですが、この点どうですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) それも先ほどの見積もりの話と裏表のことになります。 つまり、税収が予定よりもさらに減るということになれば、いずれにしても年度内に何らかの処置は講じなければならない。しかしそのときに当たって、仮にこれがもう法案を出したのは、御承知のとおり十二月の予算に基づいて不足分を赤字国債を発行するということでこの法案は出ているわけですから。予算の見積もりという問題については、非常にこれはむずかしい問題でございまして、年度間の税収の見込みというのは、もう狂乱物価のときのように二〇%余分な取り過ぎとか、昭和五十年のときのように二〇%も取り不足とか、二〇%前後開きがあるわけです。毎年五%から七%ぐらいの年が多い、いつでもですね。残念ながらそれはなかなか当たらない、見込みの問題というのは。 途中で経済の見通し変えちゃったら、予算だけはそのままになっているけれども経済見通し変えちゃっているということは実態が違っているということになるわけですから、だからぴしゃっと当たればいいんだけれどもなかなか当たらない。そういうときに当たりまして、結局これは予算とくっついておるので、さらにこれだけを直してしまうというわけにもいかぬわけですよ、現実の問題は。予算の方は税収の見込みがとってあって、不足分はこれで済むことになっておって、しかも、ここの部分だけをそれじゃ三兆九千億足らぬから四兆五千億とか何とかと直すというわけにも政府としてはいかないわけなんです。 そこで、結局これじゃ足らぬじゃないかという心配がないわけじゃありませんよ、ないわけじゃございませんが、しかし、じゃ何ぼ足りないんだと言われたときに、幾ら幾らというだけの数字を、根拠を持ってないわけです、今度は政府側は。幾ら足りなくなると、来年の五月までの税収を見込んであるわけですから。後半よくなるということも考えると、幾ら足りなくなると、じゃ足りなくなったらその根拠は何だと、こう聞かれた場合において漠然としては答えられるが、これくらいの数字という答弁ができないわけです、私の方としては。 したがって、やはり予算書と裏表になっておりますから、いずれにせよこの数字でやらしていただく。それで、これでうまくいくようにわれわれは努力をしますけれども、これはもう毎年補正予算というのはなかったというようなことは余りないわけでして、ことしも補正予算は考えてはおりませんよ、おりませんけれども、そのときにはそのときの実情に応じて対応して、実態に合わしていくという以外には方法がないんじゃないか、だれがやっても。そういうようなことでこれはお願いをしておるわけでございます。
○赤桐操君 大臣の大変真剣な釈明がなされておりますが、率直に申し上げまして、私は現時点におけるこれは提案でありまして、現時点における提案というのはこれはやはり三兆九千二百四十億円、この数字がいまお話のように大変不確定な状態にあるということであるならば、これを審議するということ自体が私はおかしいじゃないか、こういうように思うのでありまして、まことに不満の意を表明いたしまして、この質問を終わりたいと思います。
○委員長(河本嘉久蔵君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時再開することとし、休憩いたします。 午後零時五分休憩 —————・————— 午後一時二分開会
○委員長(河本嘉久蔵君) ただいまから大蔵委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、昭和五十七年度の公債の発行の特例に関する法律案の質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○塩出啓典君 それでは、最初にグリーンカードの問題につきまして、本日は日本銀行の副総裁にもお越しいただいておりますので、二、三お尋ねしたいと思います。 昨日の日本経済新聞に、グリーンカードの導入で金融市場にどういう影響があるかということで日本銀行が分析をしたという記事が載っております。また、そのずっと以前に、日経新聞に、グリーンカード実施に伴う資金のシフトについての有力金融機関の予測という記事が載っておりましたが、これは日銀が行ったものであると、このように言われているわけでありますが、そのあたりはどうなのかどうかお伺いします。
○参考人(澄田智君) 日本銀行はその職掌柄、日本銀行のいろんな部署で金融上の刻々の問題、たとえばグリーンカードが実施されるというような場合には、その場合の影響等について日ごろ検討し、あるいは勉強しているのは事実でございますが、新聞紙上に伝えられましたような資料につきまして、日本銀行の組織としてそういう資料を取りまとめたことはございません。 また、具体的にどういう影響があるだろうかということにつきましては、これは国民のグリーンカードに対する受け取り方や、関係機関の対応の仕方、この中には金融機関とか証券会社等も含まれるわけでありますが、そういう対応の仕方、さらには行政面におけるいろいろな御配慮、こういうことの有無などによって大きく異なるわけでございますので、いろんな推定を置いてはっきりした議論を行うというようなことは、推定を置いても、これは非常に困難であるというように考えております。 重ねてでございますが、資料につきまして、日本銀行の資料として伝えられたものにつきましては、これは決して日本銀行の見解というようなものでは全くございません。
○塩出啓典君 それでは、日本銀行の各部署でいろいろ研究をしておると、そういうものがどうも漏れたらしいわけだけれども、これは決して日本銀行としての正式な見解というものではない、こう理解してよろしいでしょうか。
○参考人(澄田智君) そのとおりでございます。 また、部署で検討しているということにつきましても、これはきわめて内部的な、その部署だけの検討というようなものであったわけでございます。
○塩出啓典君 私たちも、やはりグリーンカードを実施するということが、いろんな面に影響があるわけで、これを実施するかしないかということは、これは国会が決めることであって、日本銀行がやれとかやるなとか、そういうことは表向きにも、また陰で言うのもよくないと思いますし、ただ、もしこれが実施された場合には、金融市場にはこのような影響は考えられるということをいろいろ研究もし、また中央銀行の立場から、私はいろいろ意見を述べるということは決して悪いことじゃないと思うのですけれどもね。 そういう意味で、日本銀行としてはこのグリーンカード制の実施に伴ういろいろな動きについて正式に意見を述べたことはないのか。また今後そういうような意見を述べる考えはないのか、その点はどうでしょうか。
○参考人(澄田智君) グリーンカードの制度は、これは国会で成規の立法手続を経て法律として決定されているものでございますし、われわれとしてはもちろんこれが実施をされるというようなものとして受けとめているわけでございます。したがいまして、グリーンカードの制度そのものの是非等について、日本銀行として意見を申し上げる筋合いでは全くないと、かように考えております。 しかし、私どもとしましては、グリーンカードの実施によりまして国内におきます貯蓄資金の流れ、あるいは内外における資本の動きというようなものが、もし短期間に大きく変わるというふうなことがございますと、これはやはり金融的な影響も出るわけでございまして、そういう点については十分慎重に対処していかなければならない問題である、影響につきましてですね。そういうような点についての配慮は必要である、こういうふうに考えております。
○塩出啓典君 この資料、新聞記事でございますが、分離課税の対象となっておる課税預金、三五%の課税をされておる分離課税の預金、それが私たちは今日まで大蔵省の税務統計では約十四兆円と聞いておるわけでありますが、この日銀のある部署で検討した資料では十九兆円となっておるわけでありますが、これは何か根拠があるのか。これは大蔵省と日銀との両方にお尋ねしたいと思うのですが、その点はどうでしょうか。
○政府委員(水野勝君) 私どもでかつて十四兆円程度と推計の数字を申し上げたことがあろうかと思われますが、これは残高といたしまして源泉分離課税の元本の額につきましての数字は、直接にはないわけでございまして、私どもとして持っております数字は、源泉分離課税に伴いますところの利子の源泉徴収税額でございます。 これを元にいたしましてどのような利率で元本を推計するかということでございまして、それからまた、どの程度現時点までの増減があるかということでございますので、そういった点で、私どもとしては五十五年の数字から十四兆円というものを出しておるのでございますが、その後の推移あるいは利率の取り方によってはいろんな金額もあろうかと思われますが、私どもとしましては、五十五年の源泉徴収税額から大体六%程度の利率で推計をしたという数字でございます。
○参考人(澄田智君) 実は私どもの方は、まあそれぞれの部署におきましてというふうに先ほど申し上げましたが、全体が金融を扱っておるわけでありますし、関係のところがいろいろございまして、それぞれのところで検討しあるいは勉強したというような中に、あるいはそういう数字があったのかもしれないと思うわけでありますが、私自身そういう数字をよく承知いたしておりませんし、またその根拠と申しますか、どういうふうにして、いま十九兆とおっしゃいましたが、そういう数字が出てきたか、それについてもどうも承知をいたしておらない次第でございます。
○塩出啓典君 それから、いわゆるマル優あるいは郵貯の三百万の枠内に入っている預金、そういうものでいわゆる架空名義とか不正に預金をされておる、こういうものが当然マル優の中から逃げていくわけであります、グリーンカード制が実施されますと。その金額として銀行預金は九十兆円のうち約八兆円が逃げるであろう。郵貯は六十二兆円のうちの約十四兆円、合計二十二兆円もの金額が逃げる。ということは、まあある面から考えると二十二兆円もいわゆる架空名義とか名義を分散するとかして不正に預金をしているということで、これは私たちが考えているよりも非常に大きいなと、そういうことになると、なおさらこれはグリーンカードをやらなくちゃいけないなという感じもしたわけですが、しかも大体、銀行の場合は約一割がそういう不正な悪用による脱税であるが、郵貯の方は約二割、非常に比率は高いわけでありますが、このあたりは何か根拠があるんでしょうか、日銀にお尋ねしたいと思います。
○参考人(澄田智君) まあ同じようなことばかり申し上げて恐縮でございますが、日本銀行の立場上あるいは性格上、不正利用についてどのくらいというようなことを計算し、あるいはそれを根拠を持って申し上げるというようなことは、これはとうていなすべきことでもございませんし、あり得ないことでございます。いま言われました比率等も、日本銀行でそういう比率を検討したというようなことは全くないものと存じます。
○塩出啓典君 それから、この調査ではいわゆる銀行預金が約九兆円、郵貯が約十四兆円、信託銀行関係が四兆円、合計二十七兆円でございますか、それが金融機関から流出をして、そうして証券関係の方にそのうち二十三兆円が流れる、そのように予測をしておるわけであります。これも恐らく副総裁にお尋ねをしても、こういう数字も一つの日銀の責任あるデータではないわけで、明確な御答弁いただけないと思うんですが、ただ、そのように証券業界の方にお金が流れるために短期の金融市場が一時的に縮小をして、一つには金利を押し上げる、二番目には中小金融機関の中小企業向け融資や住宅融資に支障が出るおそれがある、こういうことが、これはきのうの日経新聞の報道では、日銀筋の話としてそう書かれておるわけでありますが、このような点はどのようにお考えでしょうか。
○参考人(澄田智君) そういうふうな資金の動きがあって、それが金融市場に影響を与えるというような場合には、それは短期の金融市場、コールあるいは手形の市場、そういうようなものに影響する、こういうことだろうと思いますが、コールあるいは手形といったような日々の短期の金融市場は、これは財政資金の受け払い等によって非常に大きな影響が日々あるわけでございます。増減があるわけでございます。そしてまた、市場自体の需給関係というようなことに影響を及ぼす要因はそのほかにもございまして、日々そういう出入りというものがあって毎日の市場が動いているというものでございますが、グリーンカード実施に伴ってそういう市場に影響がある、そして資金がそれだけ減って、そして金利を押し上げるというようなそういった想定は、これは理論上考えられることでありますが、いろんな動きによって動いておる市場でございますので、それを予想するということは全くできがたいことでございます。 それからまた、日本銀行としては、日々のそういう市場の状況を見て金融調節を行っているわけでありまして、そういう金融調節というような点によってそれに対処をしていく、日々の市場の動きに対処をしていく、こういうふうなものでございます。 それから、第二点の中小金融機関等に影響があるかというような点につきまして、確かに若干の中小金融機関等においては預金が減るのではないかという危惧の念を持っている、不安を持っているというようなことはあると思いますが、しかし、これはそのときの情勢いかんによるわけでありまして、決して中小金融機関全般あるいは住宅金融等に大きな影響があるというふうにいまから予想する問題では決してないと思います。 いずれにいたしましても、グリーンカード実施に伴いまして金融市場や金融機関の経営に大きな混乱が生じないように、引き続き関係の向きの慎重な御配慮を要望したい、こういうふうに考えております。
○塩出啓典君 確かに預金が減少するということが一つの心配だと思うのでありますが、まあしかし、預金が減少してその分たとえば国債を買う、あるいは国債の方に流れれば、いままでは国債はむしろ金融機関等が持っておるわけですから、そういうのが金融機関の国債が減ってそこにお金が入ってくれば、日本全体として企業の営業活動に支障を来すようなことはないんじゃないか。これは外国へ、スイス銀行とか、この間のゼロクーポンのようにどんどん外国へ金が全部行ってしまえば、そうすれば別ですけれども、日本の国内でのことであれば、もちろん急激な混乱を起こすようなことはいけませんけれども、そういう点を配慮すれば国全体としての、いわゆる企業に対する資金供給等には余り大きな影響はないんじゃないかなという、そういう感じがするんですが、その点はどうなんですか。そのように理解していいのかどうか。
○参考人(澄田智君) 預貯金等が流出をするというような場合に、そういうふうに想定されますその預貯金は、申すまでもなくこれは個人の預貯金でありまして、その預貯金がいまお話しのように国債に向かうあるいはその他の債券に向かうというようなことであれば、それはやはり広い意味で、あるいはまた、さらに回り回って金融市場に今度は法人の預金として戻ってくるとか、あるいは借入金の返済で戻ってくるとか、あるいはまあお話しのように金融機関による国債の引き受け、消化というようなものがそれだけそういう余力が増すというような、そういうようないろんな間接な影響を通じて金が流れるということは当然考えられるところであろうかと思います。
○塩出啓典君 それで、いまさっきお話聞きますと、いろいろ日銀関係の筋として報道されるデータについては余り根拠のない、個人がいろいろ研究するのはいいわけですが、それがいかにも日銀の発表のような形で流されるということは、これは非常に国民を惑わすものであり、何かそういうデータを流す人たちの心の奥に、やはりグリーンカードというものは大変なものだからやめた方がいいという、そういうようなために流されたというように誤解をされることもあるし、そういう点は日本銀行の姿勢としてよろしくない。 このグリーンカード制について、実施に当たってはこういう点を注意しなきゃいけないとか、あるいはこういう心配があるとか、そういうようなことをやはり堂々とまた根拠のあるデータに基づいた論を展開すべきであって、今回のようなこういうあんまりフェアでないやり方は、私は日銀としても好ましくないんではないか。今後はそういう点は私は改めていただきたい、このように思うわけです。その点はどうでしょうか。
○参考人(澄田智君) 先ほど申しましたように、私どもとしても全く日本銀行としてそういう資料をまとめたり意見を持ったり、あるいはこれを公表したりというようなことは全くなかったわけでございまして、今回のことがあたかも日本銀行の資料である、あるいは日本銀行がそういう懸念を持っているというような形で新聞に報道されましたことについては、私どもとしてもはなはだこれを苦々しいことだと思っておりますし、またこういうことが起こらないように、特に今後十分注意をしていかなければならないことである、かように思っております。
○塩出啓典君 それではちょっと、大蔵大臣がいま衆議院の本会議にいらっしゃいますので、国債の問題についてお尋ねをしたいと思います。 まず、建設国債を発行するに際しましては、財政法の第四条によって公共事業の範囲という枠があるわけであります。で、毎会計年度国会の議決を経るわけでありますが、ところが、この公共事業の範囲というものは、昭和四十七年度には、官庁営繕費を加える、あるいは官庁関係の施設整備費、社会福祉整備費が加えられておる。さらには五十三年度には、新たに警察庁とか水産庁、税関の船舶の建造費が対象経費に加えられる。こういうように、政策判断によって公共事業の範囲という概念がかなりゆがめられてきているように思うわけでありますが、政府として公共事業の範囲をどのようにとらえているのか。今後まだ拡大の余地があるのかどうか、これ以上はもうふやさないのかどうか、その点が一つ。 それともう一つは、いわゆる特定財源を一般財源化をしろ、これはいわゆる建設国債をより多く発行できるようにするためにですね。こういうような考えはあるのかどうか。 この二点についてお尋ねをします。
○政府委員(西垣昭君) 最初に、財政法四条の建設公債対象公共事業の範囲の問題でございます。 いま御指摘がございましたように、四条債対象経費は、財政法第四条によりまして公共事業費、出資金及び貸付金とされておりまして、そのうち公共事業費につきましては建設的または投資的な経費、つまり、経費支出の見合いが資産となって後まで残るものでありまして、その資産によって国民全体が利益を享受することができ、回り回って国民経済の発展に資するものを対象として選定をする、この基準に従いまして、予算総則の中で公債対象経費を列挙いたしまして国会の御承認をいただくということになっておるわけでございますが、この考え方につきましては、四十一年当時から一貫した方針のもとに対象を定めてきております。 ただ、年によりまして、十分検討の結果、四条債対象経費とすることについて問題のないものを加えてきていることは事実でございますが、その基本的な考え方は変わっておりません。先ほど御指摘がございましたように、四十七年に官庁営繕費、社会福祉施設整備費、五十二年に農林漁業構造改善事業費、五十三年に鉄建公団の事業助成費、船舶建造費、出資国債の償還費、このように従来三回にわたりまして追加を行ってきておりますが、いずれも、個別に検討を行った結果、先ほど申し上げました基準に照らしまして、四条債対象経費とすることにつきまして問題がないということで新たに加えたものでございまして、財政法第四条をだんだんとルーズに解釈してきたということではないつもりでございます。 今後ともこの基準を変更するつもりはございませんで、従来と同様、今後ともこの基本的な考え方に沿いまして、財政事情等も踏まえまして、公債発行対象経費とすることについて問題のない経費があるかどうか検討していくということになろうかと思いますが、基本的な考え方は変わっておりません。私どもはルーズにならないように十分気をつけたいというふうに考えております。 それから次に、特定財源の一般財源化の問題でございますが、特定財源制度につきましては、税制調査会の答申でも指摘されておりますように、資源の適正な配分をゆがめ財政の硬直化を招くおそれが固定化していきますとあることも確かでございますので、その妥当性につきましては常に吟味していく必要があると考えております。臨調の第一次答申あるいは財政審の報告におきましても特定財源制度のあり方については幅広く検討する必要があるという指摘がなされておりますので、私どもといたしましてはこれら答申等の趣旨に沿いまして今後幅広く検討していきたいというふうに考えております。 御指摘の特定財源というのは、自動車関係の特定財源のことだと思います。これは従来の例からいきますと、五カ年計画をつくります都度その財源も含めて検討されることになっておりますので、近く再検討の機会が参りますので、そのときに十分検討したいというふうに考えております。
○塩出啓典君 そうすると、公共事業の範囲は、考え方はいままでと一緒だと、けれども、もうちょっとほかに対象がないかいろいろあちこち探し回ってそして広げていくことはあると、そのように理解していいわけですね。
○政府委員(西垣昭君) 先ほど申し上げましたように、その年その年で十分慎重に検討をいたしまして対象を予算総則で御審議いただくということにしたいと思っております。
○塩出啓典君 今後償還を迎える国債が年を追って増加し、その円滑な借りかえの必要性が重要課題となっているわけでありますが、政府として国債の多様化を図るという点で、新型の短期国債の発行とか債務証書による民間資金の借り入れの話が出ているようでありますが、この点はどのように考えていますか。
○政府委員(吉本宏君) お答えを申し上げます。 御案内のように、現在国債の発行の種類といたしまして、長期の十年債、それから五年の割引国債、公募入札の中期債といたしまして二年、三年、四年と、こういうものを出しているわけでございます。最近の状況で申し上げますと大体円滑に消化が行われておりまして、五十六年度もすでに三千七百五十億円の追加分特例債を除きまして金額消化を終わっているわけであります。五十七年度も四月に長期国債十年債を一兆円すでに発行しておると、そういう状況でございます。 したがいまして、私どもとしては現在何か新型の国債というようなものを具体的に検討をしているわけではございません。しかし、御指摘のように将来特に昭和六十年度以降かなり多額の借換債が出てくる、こういったことに備えましていろいろ工夫をしなければいかぬだろうということで、特に借換債につきましては、借りかえの際に投資者のニーズに合った商品、やはり借りかえをする場合に借りかえをしたくなるような商品と申しますか、そういうニーズに合った商品を出していく必要がある。その場合、一年未満の短期国債というようなものもこれはひとつ検討に値するかなということも考えているわけでございます。 また、債務証書借り入れという御指摘がございましたが、昨年の八月でございましたか、当時アメリカの金利が非常に高騰いたしまして、債券市況が悪化いたしましてシ団引き受けの十年債が二カ月ばかり休債になったことがございます。その際に非市場性債券ということで、私募債といっていいかと思いますが、九千億ばかり金融機関にお願いをして消化をしていただいたわけでございますが、その際、私どもの頭の中にありましたのは、西独等で見られます債務証書借り入れというようなものを若干頭に置いて考えておったわけでございます。 公募方式の債券発行とあわせて、何かそういう借入方式というようなものも一つの検討課題かなということで、いろいろ昨年の予算の時期に検討をしてみたわけでございますが、何と申しましても昭和四十年以来公募債方式で市中消化を図ってきたということをやはり大事に考えるべきではないかということで、特に予算総則で借入規定をお願いするということは避けたというのが最近の状況でございます。
○塩出啓典君 シ団は、長期国債の発行条件について流通市場の実勢金利の尊重、あるいは期間六、七、八年の中長期の国債の公募入札での発行を要望しておるようでありますが、この点についてはどのようにお考えでございますか。
○政府委員(吉本宏君) 長期十年債の発行条件につきましては、私どもは常に市場の実勢と申しますか、市場の流通利回りを十分慎重に見きわめながら条件の設定を行っているつもりでございまして、まあ昨年の七月以降も数回にわたって市場の流通利回りに合わせて条件の改定を行っているところでございます。 最近、四月に〇・二%の長期金利の改定の一環として国債の発行条件もクーポンレートを引き下げましたが、幸いにして先ほど申し上げましたように四月も一兆円の消化が行われておるという実情でございまして、現在のところシ団との関係は円滑にいっているというふうに理解しておるわけでございます。
○塩出啓典君 来年の四月から国債の銀行での窓販が始まるわけでありますが、特にシ団から大蔵省へ出されておる要望事項の中に国債の引受手数料の増額を要望しておるわけでありますが、証券会社にだけ支払われている販売手数料を今度銀行に対しても新たに支払われることになるのかどうか、その点をお伺いします。
○政府委員(吉本宏君) 御指摘の国債の引受手数料でございますが、予算上額面百円当たり六十銭ということで定められております。 これを実際に販売しておるのは証券会社であるということで、販売手数料と申しますか、そういったものを加味いたして証券会社に対しては引き受け総額の一五%に達するまでは一円ということで手数料をお払いしております。金融機関の場合は若干複雑でございますが、五十二カ十七分の十六銭ということでやっておるわけでございます。 まあ来年の四月から国債の金融機関の窓販と募集の取り扱いが開始されるということになりますと、銀行と証券会社の立場はイコールフッティングということになるわけでございますので、この手数料の何らかの改定が必要になるということは御指摘のとおりでございます。これは来年の四月からということでございますので、それまでの間にシ団と十分協議をいたしまして具体案を得るようにいたしたいと、このように考えております。 それから先ほどちょっと御質問の中で六年ないし八年物の入札についてのシ団の要望があるんではないかという御質問がございまして、答弁が漏れておりましたので補足をさしていただきますが、私ども特に六年ないし八年というようなやや期間の長い国債の公募入札ということについて、シ団から具体的な要望として受け取っているわけではございません。現在のところ、先ほども申し上げましたように二年、三年、四年ということで中期国債の公募をやっておりまして、その発行額もこの五十七年度で約二兆八千億円とかなりの額に上ることでございますし、当面のところは中期国債二年、三年、四年の公募入札を円滑に進めてまいりたいと、このように考えております。
○塩出啓典君 OPEC諸国は最近非常に油の価格の絡みあるいは生産の抑制等で経常収支の黒字幅が縮小し、オイルマネーは先細りの傾向にあるわけでありますが、わが国における国債の消化先あるいは市場に流通する国債の売却先あるいは日銀の保有国債の直接売却先としてのサウジアラビア等のオイルマネーが占める割合はいまどうなのか。また、これからの見通しについてはどう考えておられるのか、お伺いをいたします。
○政府委員(加藤隆司君) OPECの残高が昨年の十二月で大体四千ぐらいということが言われております。それから黒字幅はいまお話にございましたように、八〇年が一番大きくて千百億ドルぐらい、昨年が六百とかというようなことで、本年は御指摘のようにいろいろな数字がございますが、OECDの十二月の数字で三百五十ぐらいでございますが、これが急速に減っておるわけでございます。 御指摘の日本の国債がどういうふうになっているかということでございますが、これは再三御質問がございますわけでございますが、先方との約束で公にしないということになっておりますので御容赦をいただきたいと思います。それで、こういうふうに減ってきておりますが、目下のところは従来どおり順調にきておるというふうに御理解いただければ結構だと思います。
○塩出啓典君 それでは大蔵大臣に、先ほどグリーンカードの問題について日銀の副総裁にお尋ねしたわけですが、それに関連をして一問だけお尋ねをしたいわけですけれども、大蔵大臣はいままでグリーンカードの実施にはいわゆる高額所得者の税率を下げると、そういうことをずっと当委員会でも言われてきておるわけでありますが、私は税率の変更というものを高額所得者のみにやるというのはなかなかいかないんじゃないか。 そうすると、やっぱり五十九年度グリーンカード実施までに税率の変更をやるということはこれは時間的にもちょっとむずかしいし、しかも財源的にも非常にむずかしい。だからといってグリーンカードをじゃ延ばせということでは、これはまたこの五年間営々として実質増税に耐えてきた何千万の善良なまじめな国民に対しても私は非常によくない。 そういう点で、ともかくグリーンカードはやはり実施をする、そうして税率の是正というものはやっぱりもうちょっと期間を置いて、その間高額所得者には高い税率をお願いしなきゃならぬわけですけれども、いまはこういう財政の非常に厳しいときですから、やはり三年なら三年間はこれでひとつがまんをしていただいて、それで三年後にこういう方向でひとつ税率を変更すると、そういうようなことを考えてはどうか。そうしないと、大蔵大臣の言うように五十九年度までにそういうものを全部やっていくというのはなかなかいろんな面で私は困難があるんじゃないかなと、そういうような気がするわけですが、その点はどうでしょうか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 塩出委員のような考え方もできないではありませんが、私は総合課税をするという以上は、総合課税らしい税体系につくるべきだと、そう思っております。 それで私は、それはそんなに時間を要しない、やり方でございますから金もそんなに要らない、財源は見つければいいんじゃないのかと、そういうことを税制小委員会等でもあわせて御論議をいただいたらいいんじゃないのか。 要するに、世界に例のないことをやると、またそれが思わざる反作用、副作用を呼んで日本経済に大きな影響を与えることも困る。したがって、やはり金利はつながっておるし、石油の値段もつながっておるし、世界の経済は連動するし、日本だけが過酷なことをやるとそれはじっとしておりませんから、かなりそれは急激な変化が起きる場合がある。結局はそういう場合はだれがその反作用をかぶるか。たとえば円安にさらに進むとかいうことになれば、結局はインフレという形で庶民大衆がまともに受ける話ですから、そういうことのないようにいろいろと工夫をして細心の注意をして、一種のこれは税の革命ですからね、税の革命ですから、ですから私はそういうところはきちんと注意をしてやった方がいいんじゃないのかと、そういう考えなんです。 したがって、その間何年間も、実施が三年も四年もずれるという問題は私は余り好ましいとは思いません。できることならば五十九年度の所得の申告から適用というぐらいなら、仮に二年ぐらいの時間があるわけですからできない相談ではないんじゃないのかなという気もしておるわけでございます。もしできないというときにはまた別なことが考えられますが、できるのじゃないか。 それから私は、高額所得者だけをやって下の方は全然やらぬとは言っておらぬわけですから、それは言ってないんですからね。どれだけできるかは別ですよ、どれだけできるかは別ですが、やはりそれはなだらかなヨーロッパ並みの、ヨーロッパ並みと言ったら下が上がっちゃうわけですから、それは上げるわけにはいきませんから、それはいまよりも不利にはもちろんできないから有利にするとすればどの程度できるか。その幅と額はまた別な問題だけれども、上だけで下は全然いじらぬという考えではないということも知っていただきたい。 それに対して財源の問題、財源がどの程度できるかということがこれの決め手と、結局はそういうことになるんじゃないか、そう思っております。
○塩出啓典君 そうすると財源が決め手ということになると、いま財源が非常に厳しいわけですがね、財源がないと結局はそれもできないと、できなければ結局グリーンカードもできない、そういうことになる心配がある。その点はどうですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) これは一遍相談をしてみないことには、私もこれは全然相談してないんですよ、内部でも。それから党との相談も、全然時間がなくてできないものですから、何とかこの法案でも上げてもらって、少し時間ができれば、これは大きな問題でございますので、まず私としては、党の御意向もどんな御意向なのかじかに聞いておりませんから、新聞で見ているだけで。じかに聞いて、いずれにしてもこういうようなことでいつまでも不安、動揺を与えておくというわけにはいかない。 私としては、やはり安心してもらう方法をちゃんと説明をして、そして考えていただきたい。納得をしてもらうという方向で話を進めていきたいと思っております。
○塩出啓典君 それでは問題を変えまして、臨調の土光さんは、増税なし、それと五十九年度までに赤字国債をゼロにすると、この二つが行革の根本である、これは臨調会長としての譲れぬ一線である、だから五十八年度の予算編成はマイナスシーリングでいけということを言っておるわけであります。また、経済団体連合会もこの方向には賛成であるとの意見書を採択をしておるわけであります。 そこで、マイナスシーリングについて、これは五十八年度の予算編成での問題になるわけですが、大蔵大臣としてはどう考えているのか。いままでこの数年間、予算の伸びをずっと抑えてきたわけでありますが、まだ切る余地があるのかどうか、まだ皮だけ切っている状態であるのか、そのあたりをどのようにお考えであるのか伺っておきます。
○国務大臣(渡辺美智雄君) これは、発想を変えれば切る余地はあるだろうと思います。しかし問題は、ふえるものもございますから、切れるところは切りましても——文部省の予算なんというのは切るところは私まだまだあると思うんですよ。 しかし、人件費なんというのはなかなか言うべくしてそう切るというわけには、どれだけ抑えられるかということが精いっぱいであって、現実には人件費も減らしちゃうなんということは一挙にはできる筋合いのものでもない。小中学校の先生の数だって減らすわけにいかない、ふやせと言っているんですから。だから、人件費はどっちかというと幾らかふえぎみ、ふえ方をどの程度抑えられるか。切った中でそれをはめ込むということになれば、それはゼロシーリングということですし、それ以上に大幅に切って、そういうふえるものをカバーしてもなおかつ余りあるということまで言うと、果たしてどれだけできるか。 これも、実は内部でまだ検討を、実は国会へ毎日出ておりますからやってないんです、実際。ですから、国会終了直前ぐらいから少し大蔵省で、この法案だけでも上げていただきますと少し手がすくものですから、内部でまず真剣に五十七年度予算の反省も兼ね、五十八年度に臨む構想についてもまず相談を一遍しなきゃならぬと、そう思っておりますので、できるだけ私としては臨調答申の御意向というものを生かすように最大限の努力はしたいと考えております。
○塩出啓典君 これは経企庁にお尋ねをしたいわけですが、よく財政再建と景気の問題で、いわゆる行革デフレと申しますか、やはり行政改革によって歳出削減をすると有効需要が減って成長率が下がる、だからその結果、財政再建の前提となる税の自然増収の確保が非常にむずかしい。こういうことが言われておるわけでありますが、確かに予算が一兆減れば、GNPが二百六十兆にしてもコンマ何%ぐらい影響があるわけで、そのことだけ考えれば確かに行革によるそういう成長率を抑える効果はあるわけですが、そういう点について経済企画庁としては何か試算なりあるいはそういう計算したものがあるのかどうか、その点はどうでしょうか。
○政府委員(湯川宏君) 行革と財政再建、また景気浮揚の問題、なかなかむずかしい問題でございます。 当面は、行政改革と財政再建はいわば政府の至上命令でございますし、それの効果のある、実効を期した成果を上げるための努力は各方面でやられておるわけでございます。 お述べになりました御質問の、行革と財政再建あるいは景気浮揚の数字の上での見解というものは特にございません。
○塩出啓典君 これは大蔵省にお尋ねをしたいわけですが、「レファレンス」の一月号にこういう記事が載っておるわけですが、政府の予算が結局余り肥大化をしていくということは、それは結果的には「民間経済の活力がそがれているのであって、財政が引っ込めば、それにも増して民間の需要は増える」んだと、そういうことで、最近アメリカにおいてはサプライサイド・エコノミクスという経済の立場があって、そういう点から考えれば歳出削減というものは必ずしも不景気の意味ではない、もっと大きな立場から考えなくちゃいかぬと。それで、「大蔵省は初の「供給重視予測モデル」を使って今年度中に歳出削減のプラス効果を算出する予定である」と、こういうような記事があるんですが、これは本当ですか。
○政府委員(西垣昭君) その記事については私、承知しておりませんが、いまも御指摘がございましたように、財政の効果というのはそのときそのときの経済、財政の状況によって違ってくるわけでございまして、一概にこうだということを言うのはむずかしいと思います。ただ、言えますことは、財政の活力が失われたようないまのような状態でいつまでもいくということは、長い目で見て日本の経済のプラスにはならないということでございます。 局面としていろいろなことが指摘されておりまして、先ほどもちょっと触れられましたように、限られた資源を国が集めてしまって民間に残さない、クラウディングアウトというようなこともございますので、私どもとしましては、財政の景気調整機能についていろいろと要求がございましても、その財政の再建、弾力化の回復という方向の中でなし得ることをやっていくというのが最も適当な道ではないかと、こういうように考えております。 なお、部内においていろいろなモデルを勉強していることは事実でございますけれども、いま新聞に伝えられているというふうに御指摘がございましたようなものがあるかどうかは、先ほども申し上げましたように私は承知しておりません。
○塩出啓典君 これは大蔵大臣にお尋ねしますが、きょうの新聞にも「下期二、三兆円追加 公共事業」自民党の公共事業執行特別委員会がきょうにも決議をすると。ことしは前半に公共事業の七七%の前倒しをするということで、けれども後期はどうなるんだということで、公共事業二、三兆円の公債を追加発行するという。これはやはりわれわれも一概にそれはいかぬということを言うつもりはないわけですけれども、それも全部借金になるわけですし、そういう意味でもうちょっと、いままでと同じようなやり方ではなしに何かいい方法はないかなという、そういう気がするんですけれども、公共事業二、三兆円をやるという自民党の中でのきょう決議のようですが、大蔵大臣としてはどう処理しますか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 結論から先に申し上げますと、私は公共事業の前倒しというようなことを、いま授けられた範囲内でできるだけのことをまずやってみたらいいでしょうという考え方なんです。 問題は、いつも言うように世界の経済と日本の経済はつながっておるわけですから、日本だけを特別に長く飛び切っていつまでもよくするということは非常にむずかしいと私は思います。思いますけれども、ことしの後半から世界の経済はよくなるというのも通説でございますので、そういうものにも期待をいたしております。問題は、政策の問題と何を最優先に考えるか。どんな政策でも必ずメリットとデメリットというものは多少くっついてくるわけです、どんなものでも。作用と反作用と同じでございますから。仮に深刻化をするということで失業がもっとどんどんふえるというような状態であるならば、もっともっといい手は私はないことはないと思いますよ。 何といったってもう貯金の量はふえているわけですからね。一年間に個人の金融資産が三十五兆円もふえちまう。個人の預金はふえている、現実の問題として。政府にはお金はない、税金は余り出したくない、政府は借金をすれば払い切れない、利息が高過ぎるということですから、何か利息が安くなる方法はないのか。それとも個人の預金をともかく使わせる方法はないか。何かちょっと薬をやればその薬の三倍も五倍も働いてくれるものはないのかということになりますと、細かい問題で感情論の問題を入れれば別でございますが、何を優先して、何を最大のそのときの課題にするかということになればおのずから私は道は開けると、そう思っております。 しかし、いまその段階ではない。いまはともかく前倒しをやっていけばそれでいいと、少し様子を見るということであります。
○塩出啓典君 これはいままで何回も論議がありましたいわゆる財政再建の中長期計画をつくれという、こういう問題ですが、いままで政府は余りそういうものはつくってこなくて財政中期展望という、そういうものをつくっておる。これは別に何ら意味のないものでありまして、まあ西ドイツが一九七五年に財政構造改善法という歳出削減、増税を一緒にして四十二本の法律をまとめたものを提出をして、それで財政再建に努めたそうであります。わが国も先般の行革国会でいわゆる行革一括法を提出をしたわけでありますが、それは実際には五百二十八億円の削減しかなかった、あとは借金を後回しすると。 それと大きな違いは、やはり財政再建計画というものが、西ドイツあるいはアメリカに比べてわが国はそういうものが全くない。毎年毎年行き当たりばったりと申しますか、こういうことで果たしていいのかどうか。財政の再建もこれは大変な状況でありまして、私はもっとそういう場合には率直に歳入欠陥でも——余り欠陥が出るというと大蔵大臣や総理の責任になるんじゃないかと思って何となく隠し隠し、隠してもいずれわかるわけですが、後に延ばしたり、もうちょっとやはり率直に現実はこうなんだと、しかも今度は年金の問題にしても、これからどんどん国民年金、厚生年金将来どうなっていくか、もっとそういうやはり長期展望に立って、そしてこのようにひとつ国民も負担してもらわなくちゃならぬという、こういうものが私はやっぱり必要じゃないかと思います。 新経済社会七カ年計画というのもあるわけですけれども、それは非常にマクロ的なものでありますが、しかしその計画の中にはこう書いている。「今後、財政について効率化、合理化を図る必要性が増大すること等に伴い、長期的な視点から財政収支の将来のあり方を展望し、これを毎年度の財政運営の手がかりとして役立てていくために、財政計画ないしは財政見通しの検討を進める。」こういうように必要性は非常に認めておるわけですね。だからもうちょっと、まあ予算編成における各団体からの圧力を防止するためにも必要じゃないか。 それで、「行く先も、道順も知らせずにけわしい道をただ歩けといわれても、いうなりにだまってついて行くものはいまの社会にはいないであろう。西ドイツでも、アメリカでも財政の再建に当ってはきちんとした「財政再建計画」を作成し、これを国民に示している。たとえその計画通りにいかなくとも、計画を作成して国民の理解と協力を得ようとする努力が大切である。」こういうようにこの人は言っておるわけであります。 私は、やっぱりいままでのような財政中期展望というものは、これは一つの数字的な計算であって、将来わが国の財政をこういう方向に持っていかなくてはいけない、そうしなければ国民の皆さんの負担がふえるし、この選択しかないからこの方向へ行くんだという、もうちょっとそういうものをやはり示していかないと、何となくこの数年間財政再建からだんだん遠ざかっていくようなそういう感じが私はするわけなんですがね。これはむしろ大蔵省というよりも国会がつくらなきゃならない問題かもしれませんけれどもね。そういうものが私は必要になってきたんじゃないかと、そのように思うわけですが、大蔵大臣の御意見を承っておきたいと思います。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 非常にいまの世界の経済情勢というものは変動の激しい激動する時代でございます。一つの図面を書くことは可能であります。可能でありますが、アメリカのように、これとこれと決めても、半年もたたないうちにがあっと変更しちゃって倍も赤字が出ちゃうというのを平気で発表するわけですから、向こうは。それでどこからもおとがめは余りないらしいです。 ですから、そういうふうなことならば大蔵省もできないことはないんです。できないことはないんですが、日本ではそういうものを出して急に変えるというようなことになると、また一つよけいな論争を起こしかねないような風土がございます。したがって、大蔵省も憶病になっているということも私は事実だろうと思いますね。実際は国会の議論というのは本当のことを言い合ってやればいいんですけれども、一言半句が問題になっていろいろ議事を妨害し、邪魔になったりなんかするということがえてしてあるわけです。したがって、どうしても公式論を言いがちだと、本当に本音の裸の議論といいますか、そういう議論が足りないんじゃないかと、私もそう思っております。 したがって、これはまあそういうふうな全体の中での話でありますから、実際はっきり見込みがつかないものを出して、一年半先の、経済見通しわからないわけですね。すぐ変えちゃうと、アメリカのように、どんどん変えるんだと、それでいいんだという前提があれば、私はできないことはないと思うんですよ。それが一つ。 それから、現実にはなかなかわからない。税収で八%ぐらいの見込み違い仮にあるかどうかわかりませんが、あってもこれは問題になるわけですから、アメリカみたく倍も違っちゃってそれで涼しい顔しているレーガン政権もあるわけで、そこは非常に国民性というか、そういうようなものの違いもございますから、一概にアメリカやドイツのまねが日本ですぐできるというふうには思っておりません。おりませんが、塩出委員のおっしゃるように、もっと本音ベースの議論が大いに行われるということは、大変私は望ましいことではないかと、そう思っております。
○塩出啓典君 五十六年度の税収の減は、いままで当委員会での御答弁で大体補正予算後の、補正後の見積もりよりは、大体二兆円ちょっとオーバーする程度の減ではないかと、このように私は理解をしておるわけでありますが、大体それ程度であるのかどうかですね。 それからもう一つは、当初の税収見通しと実績が大幅に狂った例は、高度成長時代や第二次石油ショック後の昭和五十年度にはあるわけでございますが、補正予算を組んでその後二兆円を超えるような税収欠陥を出した例は余りないような気がするんですが、その点はどうですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) そのとおりであります。
○塩出啓典君 前の方もいいんですか、そのとおりですか、二兆……。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 補正予算を組んでから二兆円も違ったことがあるかというんならそれはありませんと、皆さんのおっしゃるとおりでございますということを申し上げたんです。 二兆円出るかどうかわかりませんよ。ここのところまた本音ベースとかいろんなむずかしい話がございまして、やはり一応大蔵大臣としては、五月申告が出てみなければわかりませんということを一言言ってないとこれまた困る問題がありますから、私はそういうふうに申し上げますが、二月の収納状況を引っ張ってみれば、いまおっしゃったような数字が想像されないことはないということであります。
○塩出啓典君 二月の補正予算の審議で、予算委員会においてわが公明党の太田、大川委員が質問をしたわけですけれども、そのときに主税局長は、残り一月から五月までの間に前年度比二九・一%へ伸びればいいんだと、四十七年度には三一・六%、四十八年には四三・九%の例がある、こういう発言をしておるわけであります。四十七年、四十八年といえばもうインフレで狂乱物価のときだったと思うんですがね、そういう例を挙げて大蔵大臣も、専門家の主税局長が計算したものだと、こういうふうに言っておるわけですがね、いまから考えると私は非常に白々しいというか、これは、主税局長はきょうおりませんけれども、本当にそう思っておったのか。
○説明員(伊藤博行君) お答え申し上げます。 先生ただいまおっしゃいました二月十六日段階で私ども承知しておりました税収は十二月末の状況でございます。その当時の状況を振り返ってみますと、十二月税収の伸びが一三・八%ございました。これはウエートの小さい五月分税収を除きますと、今年度最高の伸びになっております。 それから二番目に、源泉所得税、それが従来その直前までは大体一〇%台でとどまっておったんでございますけれども、当時の十二月分では一六・四%、さらに法人税につきましても、一年決算大法人の伸率が、直前の十一月の二三%に続きまして、御答弁申し上げました十二月段階では二九・七%というふうに大変高い伸びになっておったわけでございます。そういったようなことで税収も当時としてもそれまでの実績は必ずしもよくはございませんでしたけれども、いま申し上げました個々の税目の動き等から見て相当持ち直すんではないかというふうな期待を持った次第でございます。 そういったような状況を踏まえて御答弁申し上げたことを御理解いただきたいと思います。
○塩出啓典君 日本の財政を預かる主税局長が本当にそう思ったとするならば、これは余りにも日本の経済の実態とかけ離れた考え方と言わざるを得ないし、そういうことを知りつつたてまえの答弁をしたとするならば、これは非常に残念である。そういうたてまえの論議が通るとすれば、本委員会のためにもよろしくないんじゃないだろうかと、そういうことを申し上げておきたいと思います。 それで、経済企画庁にお尋ねしますが、五十六年度は暦年では成長率が二・九%、これを五十六年度の場合は大体三%よりはむしろ下の方に行くんではないかという、こういう当委員会の答弁でございましたが、これは大体いつごろわかるのか、最終的には。大体いまのところはどの程度実質成長率が行きそうであるのか。 それともう一つは、いわゆる五十七年度の五・二%というものが、いままでの御答弁では三・八%が本当の計算した伸びで、かなり政治的な配慮で五・二にしておる、こういうような御答弁でありますが、私は五十七年度も五十六年度よりそう急激に成長率が高まるという要素は余りないように思うわけでありますが、その点どう考えているかお伺いします。
○政府委員(湯川宏君) 五十六年度の成長率がどれくらいかということがいつわかるかという御質問でございますが、大体六月中旬ごろと考えております。 なお、五・二%の経済成長率について政治的云々という御意見がございますが、私どもとしては、わが国の七カ年計画の趣旨でもあり、また、わが国の今後の経済成長の長期的な展望の中でどうしても五十七年度におきましても五・二%程度の成長を期したいということでございます。したがいまして、景気浮揚のためにあれこれの施策を精力的に講じまして、先ほど来いろいろ御意見がございますが、今年度、五十七年度の前半におきましても各種の施策を講じまして、外国の経済情勢のいろいろの今後の動きがございましょうが、それともにらみ合わせながら五・二%を達成したいという気持ちでおるわけでございます。
○塩出啓典君 五十六年度は、補正後二兆円以上の税収欠陥が出そうでありますが、この処理はどう考えておられるのか。 決算調整資金を約二千四百億、これを取り崩すことになりますと、資金運用部の方は問題ないのかどうか。さらに、その残りを国債整理基金から借り入れることになるわけですが、国債整理基金の現在の残高、いわゆる現在の運用状況はどうなのか。したがって、この国債整理基金から一兆数千億を出してもらうということになりますと、現在国債を保有しておるものを売るなり、そうしなきゃならぬと思うんですが、こういう点はスムーズにいくのかどうか、その点お伺いします。
○政府委員(西垣昭君) 決算につきましては、七月三十一日の主計簿の締め切りで確定するわけでございますが、それまでの間、税収だけではございませんで、税外収入の動向でございますとか、歳出の不用額がどうなるかということを見きわめながら、適切な決算対策ということになるわけでございます。 いま御指摘のございましたように、大きな歳入欠陥というような事態に備えるために制度として準備してございますものに決算調整資金の制度と、それがなお不足するような場合には、国債整理基金の繰りかえ使用という制度が準備してあるわけでございます。決算調整資金として使用可能な規模といたしましては約二千四百億というふうに考えております。 それから、国債整理基金の余裕残高の中でどの程度のものが使えるのかという点につきましては、これは私の方よりは理財局の方で御説明を申し上げます。
○政府委員(吉本宏君) 決算調整資金でございますが、ただいま主計局の方から答弁がございましたように、私どもがお預かりしているのは約二千四百億円でございまして、これの取り崩しをした場合に運用部の金繰りは大丈夫かという御指摘でございますが、私どもとしては資金運用部におきましてある程度の手元流動性と申しますか、短期証券を保有しておりますので、これを流動化することによりまして決算調整資金の手当てをいたしたい、引き出しの手当てをいたしたい、このように考えております。 それから国債整理基金でございますが、これは三月末残高で申し上げますと二兆五千三百億円でございまして、そのうち長期国債で約一兆八千億円、政府短期証券で約七千二百四十億円保有をしております。 なお、五月末までに五十七年度分の定率繰り入れといたしまして約九千四百七十億円、一般会計から繰り入れが予定されておりますので、これを合わせますと、政府短期証券の残高は一兆六千億円程度ということに相なるわけでございます。——失礼いたしました。定率繰り入れの分は五十六年度分でございます。五十六年度分の定率繰り入れとして、先ほど申し上げました九千四百七十億円の分は、五月末までに入ってまいります。そういうことで、手元の流動性と申しますか、政府短期証券として一兆六千億円程度を保有することになりますので、この程度のものであれば直ちに現金化が可能である、このように考えております。
○塩出啓典君 時間がございませんので……。 いままで政府としては、電電公社の納付金制度あるいは中央競馬会の納付金増額、あるいは五十七年度は外為資金からの繰り入れ、こういうような国債の増発によらない歳入増加策を考えてきたわけでありますが、私はこれをさらに努力すべきではないか、もっと大規模積極的な増収策を講ずべきではないかと思います。 そこで、一つは、臨調でも指摘されておる特殊法人の中の金融機関の貸し倒れ準備金の繰り入れ率をもっと引き下げてはどうか。それから、外為資金ももうちょっとふやしてはどうか。三兆円の利益が積み立てられているわけでありますから、為替評価損の問題もあるが、もうちょっと繰り入れることは可能ではないかと思います。それから、外為会計の特に金の地金が五十六年末は千九十九億円、五十五年末は千五百五十億円であったのが減っておるわけでありますが、なぜ減少したのか。再評価したときに減ったのか。この点もちょっとついでにお答えいただきたい。 それからもう一つは、私たち野党が、いわゆる減税財源として補助貨幣回収準備金一兆四千億円、これを取り崩してはどうかと。最近の新聞報道では、大蔵省は苦肉の穴埋め策として秋には全額取り崩しを考えておる。減税財源としては取り崩せなくても、こういう時期になって隠れた財源として取り崩すということも、私は、赤字国債の増発を防ぐためにもこれはやむを得ないんじゃないか。この点はどうか。 それともう一つ、これは日本銀行にお尋ねをいたしますが、日本銀行には、私の調査では約二兆円の金地金がある。ところが、この評価方法はどうなっているのか。いろいろ、決算等では千四百四億円ぐらいになっておりまして、これは外為の場合に比べて余り評価がえをしていないように思います。私は、これはやはり評価がえをして、日銀の納付金に上積みをして国庫に納付していただくわけにはいかないものかどうか。 それから、国庫から多額の出資金を政府は出しておるわけでありまして、こういうものが全部で一般会計五兆七千億、特別会計四兆七千億、こういうものを、まあ全部というわけにいきませんでしょうけれども、部分的にでも国庫に返納させるというようなことも検討すべきではないか。 こういう点について簡単に御答弁を願いたいと思います。
○政府委員(吉田正輝君) 最初の御質問の、政府系金融機関の貸し倒れ引当金の繰り入れ率を引き下げるべきではないかという点についてお答え申し上げさしていただきます。 政府系金融機関の貸し倒れ準備金繰り入れでございますけれども、すでに昭和五十年度からでございますけれども、従来の累積方式を改めまして、各年度貸し倒れ準備金を全額利益に戻入して、改めて一定限度まで繰り入れるという形で、全額洗いかえ方式に移行をしておりますほか、その限度でございますけれども、五十五年十二月二十九日に閣議決定がございまして、その閣議決定に従いまして、民間金融機関の繰り入れ限度の引き下げに合わせまして引き下げを行っておるわけでございます。 具体的には、五十六年度でございますけれども、輸銀、開銀の貸し倒れ準備金の繰り入れ限度は千分の五から千分の五に引き下げましたし、国民金融公庫、中小公庫、北東公庫等、輸開銀ほかの政府関係金融機関につきましては千分の一一・六ないし千分の一〇等の台にございましたけれども、千分の六に引き下げることとしておるわけでございます。 失礼しました。輸開銀でございますけれども、私、いま千分の五から千分の三と申し上げるべきところを千分の五と申し上げたようでございますが、千分の三でございます。 これはこのような数字でございますけれども、昭和五十年の下期ベースで見てみますると、輸銀、開銀は千分の一八から千分の六まで下げるということでございますし、国民公庫、中小公庫も千分の二六・四から千分の六というかなり思い切った引き下げを行っておるわけでございます。 こういうことでございまして、その政府関係金融機関の貸し倒れ準備金の仕組みとその繰り入れ限度につきましては、私どもといたしましては民間金融機関の動向と合わせまして適切な見直しを行っており、適正な対応ではないか、かように考えておるわけでございます。
○参考人(澄田智君) 日本銀行の保有しております金地金の評価の点について私からお答えを申し上げます。 日本銀行は、現在、簿価で申しまして三千五百七十七億円の金を保有いたしております。そしてこの評価方法は、これらの金を取得したときの取得価格によっているものであります。金の相場は御承知のように、かなり乱高下をいたしておりますので、この基準をどうとるかということはなかなか定めがたいわけでありますが、仮に最近の時価で評価いたしますと、先ほどお示しの二兆円というような数字が出てくるわけであります。 しかし、この金の再評価ということは、これは言ってみれば過去に金の価格がこれだけ世界において高騰したわけでありまして、いわば世界のそういったインフレーションに伴う金の価格の上昇分についてこれを再評価して、その評価益を国庫に納付するということになるわけでありまして、これは直ちにインフレによって生じたそういった金を国庫に納付する、こういうことになって、そういう意味において危険なものであるというふうに申し上げざるを得ないわけであります。 現に、外国の主要国の例を見ますると、再評価をしている国はございます。これは日本のように取得価格の国と、そして時価によって再評価をしている国とがございますが、再評価をしている国も、その再評価益はそれぞれ特別準備金とかあるいは特別勘定とかいうような形でそれを保有しておる中央銀行に凍結をしている、そういうことになっておりまして、これを国庫に納付して使ったという例は主要国に全然ございません。そういう意味から申しまして、これを評価がえをして、評価がえをすることも問題でございますが、仮にこれを評価がえをして評価益を国庫に納付ということはきわめて問題である、かように思っております。
○政府委員(加藤隆司君) 外為特会は二点御指摘があったわけでございますが、最初の方の運用益を五十七年度に二千億繰り入れたわけでございますが、この増額ができないかという点でございますけれども、それはたまたまアメリカの異常な高金利がございまして、外貨の運用益に特別な部分が出たということで、その分を計算いたしまして二千億ということで一般会計に繰り入れたものでございまして、これ以上の増額はできないということでございます。 それから第二点の、金の地金の問題でございますが、私どもの特別会計は半年に一回ずつ、前の六カ月の市場価格の平均で評価がえをいたしております。たとえば、五十七年の前半の六カ月は三千百六十三円でやっております。ちなみに昨日の市場価格が二千九百十円でございます、というようなことで、五十六年度で申しますと、四百五十一億円の評価損が出ているような状況にございます。
○政府委員(吉本宏君) 貨幣回収準備資金につきまして御質問がございましたので、私の方からお答えを申し上げます。 貨幣回収準備資金は、本年の三月末現在におきまして一兆一千八百九十九億円ということに相なっておりまして、そのうち九千七百五十六億円が資金運用部に預託されておりまして、財政投融資その他の運用をしておるわけでございます。現に運用をされておるということでございまして、これを流動化するということになりますと、先ほど御質問がございましたように、資金運用部の手元流動性という問題と関連がございます。私どもとしては、この制度本来の趣旨、貨幣の信認の維持を図るという本来の趣旨から申しましても、この制度につきまして余り軽々と手をつけることはいかがであろうかと、このように考えております。
○政府委員(西垣昭君) 特殊法人の出資金の一部を国庫に返納させたらどうかという御質問がございました。 特殊法人に対する出資はそれぞれの政策目的、たとえば科学技術の振興でございますとか経済協力の推進等、こういった政策目的を有効適切に推進するために行っているものでございまして、その政策目的なり出資にかわる政策遂行手段を検討することなく、単に政府保有の資産という見地からその返却を求めるというのは問題かと思います。また、出資金といいますのは、それぞれ有形無形の資産なり貸付金等に化体しておりまして、これを返却させるためには別途それらの資金手当を必要とするなど、現実的にもいろいろと問題がございます。 特殊法人で利益を計上しているものにつきましては、国庫納付金制度によりましてその利益を納付させているところでございますので、歳入増加策としてはこの制度によることが妥当だと思います。 五十七年度の歳入予算額の中で特殊法人からの益金納付額は一兆三百四十四億円でございまして、五十六年度の九千十七億と比べますと一千三百二十七億円の増額となっております。
○近藤忠孝君 最初に大蔵大臣にお伺いしますが、前回、多田委員の赤字国債を出してきた歴代内閣の責任という質問に対しまして、渡辺さんは歳出を抑えて赤字国債を出さずに済んだのではないか、そういう反省の上に立って財政再建に努めます、こういう答弁がございました。 そこで、どのような歳出が抑えられるべきだったのかということと、それから当然また歳入面でも不公平税制是正など反省すべき点もあったのではなかろうか、こう思うわけであります。そこでこれから二日間にわたって歳出面と歳入面反省すべき点について質問をしていきたいと、こう思っています。 最初に、歳入面ですが、ともかくも昭和五十年のころから大変な赤字国債が出まして、そのころ当然不公平税制の見直しの論議がやかましくなってきたわけであります。そこでお伺いしたいのは、その後毎年のように見直しをしてきて、それなりの見直しもされています。昭和五十一年以降毎年その税制改正による税額の、いわばよけい入ってきたんですね。それがどのぐらいになっておるかまず答弁いただきたいと思います。
○政府委員(水野勝君) ただいまお話しのございましたように、昭和五十年にかなりの歳入の不足を生じました。それからまた、五十一年以降はしたがいまして非常に厳しい財源事情にある、あるいはその中で、その周りでいろいろ行ってまいりました減税等も御勘弁いただくというような厳しい歳出歳入事情になりましたことを背景といたしまして、五十一年度以降基本的に特別措置を中心とした見直しを行ってまいったわけでございます。毎年それぞれ重点を置きましてずっとそうした見直しを続けてまいりました。 それによりますところの増収額を、単純に各年のものを合計いたしますと、大体八千億円程度になろうかと考えております。
○近藤忠孝君 私の方の調査によりますと、五十一年度が三千八百三十億円、五十二年度八百十億円、五十三年度四千八百四十億円、五十四年度六千二百七十億円、五十五年度三千九百二十億円、五十六年度一兆五千四百四十億円、五十七年度三千四百億円と、こういう数字が出てくるんですけれども、この数字間違いでしょうか。
○政府委員(水野勝君) 五十一年度以降はほとんど増減収のうち増税の方をお願いをしてきているわけでございますが、その増税の中身といたしましては、いわゆる不公平税制の是正と申しますか、そう言われておりますもので、私どもとしては租税特別措置の見直しによる増収額というのがまず根っこにあるわけでございます。そのほかにいろいろ歳入充実の面から一般的な増収措置をお願いしている部分もかなりあるわけでございまして、そういったものを、いまの先生の数字は増収額全体の数字ではないかと考えられますのでそのような数字になろうかと思われます。
○近藤忠孝君 そうしますと、これは大臣やればできたんですよ。毎年やかましく言ってきまして、私も毎年のように一つ二つずつ取り上げてはその是正を求めてまいったんですけれども、やればできたということですね。 問題は、さっき述べたとおり毎年少しずつやってきました。これをもし昭和五十一年にやっておれば、そうすればこの合計が三兆八千五百十億円なんです。そうしますと、これは単純計算ですけれども六倍にしますと、要するに五十一年にやっておれば毎年それだけの分がよけい入ってくるんですからその分だけ赤字国債出さずに済んだと思うのです。そうしますと、その合計は約二十三兆円、こうなるんですね。 私は、大臣が先ほどの発言の中で赤字国債を出さずに済んだのではないかという反省の中には、これは渡辺さんの時代ではないのですけれども、歴代内閣の責任ということですけれども、そういう反省もあってしかるべきじゃないかと、こう思うのですが、いかがですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) それは物の考えようでございまして、やはりいま言った時代は全部好景気時代ばかりじゃありません。五十三年のようないい時代もありましたが、五十年、五十一年というのは非常につらい時代もあって収益も減っていると。そういう中で租税特別措置といえどもやっぱり増税には間違いないわけですから、やはり企業の活性化、雇用の維持増大を図ることが先か税金を取ることが先かというような問題もございますので、税の問題だけからは論議できないと思います。 したがって、その都度見直しをしてきたが、まだ年限に達しないようなものとか何かについてはそういういま言ったような雇用を優先をすると。税金の方も必要だけれども、どちらが必要だと言えば失業者をつくらない方が大事だという判定に立ってある程度徹底的な見直しが行われなかったということも事実でしょう。ですから、一概に全部それをやれば日本の経済よくなったかどうか、それはわかりません、それは。早く増税しちゃっておいた方が赤字国債を発行しないで景気がどんどんうまくいったかどうか、これわかりません。だけれども、税金だけから言えばあなたのような理屈も、それは出るかもしれません。
○近藤忠孝君 私は、やっぱり財政再建を至上命令としている鈴木内閣のもとで、また渡辺財政のもとでは、やはりそのことを反省点の一つとして十分肝に銘ずるべきだと思うのですね。で、いまある程度徹底した見直しがなかったというのも、私は大臣のこれは反省の一つの率直なあらわれであろうと、こう思うわけであります。 そして、そうだとしますと、約二十三兆円という金額は、ちょうど今年度末の国債残高からそれを引きますと約七十兆円ですから、昭和五十五年の年度末の国債残高でありますね。で、さらに私たちはもっともっと徹底して求めておったわけですから、大体共産党の言うことを聞いておいていただきますとさらに約二、三十兆円残が少なかったんですね。そうして見てみますと、これは約三十二兆円から四十二兆円くらいです。これくらいの残額であれば財政再建も大分目鼻がついてくると思うわけです。 それは指摘にとどめておきますけれども、私は、そういう点でやはり税制、特に不公平税制の見直しというのは大変大事だと思うのです。いままでの体験からしますと、ここで質問していますとやはり局長連はなかなか見直すということを言わないんですね、すぐに。しかしやがて見直しているのですよ。だから私は、そういう意味ではここでの指摘は決してむだではないと、こう思っておりますので、ひとつこれからの私のいろいろな注文もそういう立場から聞いていただきたいと、こう思います。 そこで、まず税収不足の問題、先ほど来から論じられておるので重複は避けたいと存じますけれども、問題の一つは、この問題は大変前から、ずいぶん早い時期から指摘されておったということを言われます。これは新聞記事を見ましても昨年の十月、十一月段階に五十六年度で欠陥約一兆円とか、もっと超えるだろうというような指摘がありましたし、わが党でもこれがことしのもう初めに具体的に計算をしまして、そして約二兆七千億円ぐらい出るんじゃないかという計算をしておるんですね、これは補正前の問題ですけれども。大体ほぼ私たちの計算が合っているのですよ。当時二兆円超えると言ったら余りだれも本気にしなかったんですけれども実際そうなっているんです。 そこで問題は、こういう指摘があったのは昭和五十七年度予算編成の前だったという事実ですね。そして結果的にはそのとおりになったのですね。あるいはその指摘を上回って一番多く見積もっておった大体私たちのところにほぼ近づいているということは、いまになって考えてみますと、これも反省点の一つだと思うんですけれども、そういう指摘をその段階でもっと素直に受けとめて、そしてもっと十分厳しく税収の見通しをやっておれば昭和五十七年度予算でも、先ほど指摘されたような問題はまず起きてこなかったんじゃないかと、まず入るのをもとにして考えていけばもう少し違った予算編成になっておったんじゃないか。もっと基本的には、軍事予算その他で私たちと違いありますけれども、この税収あるいは歳入という面から見ればそういうことが言えたんじゃなかろうか、こう思うのですが、どうですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 私は必ずしもそうは思わないんです。確かに当時から歳入の見通しについて議論があったことは事実でございます。したがって、五十七年度においてはあらかじめ五十六年度の赤字問題を持ち出す前に、七千億円程度税収が不足するんじゃないかと。したがって、それに対応する増税をお願いしようということになったわけです。このこと自体も議論が実は党内でございまして、増税をするくらいなら歳出カットでそんなに一生懸命やらなくていいじゃないかという話が一つあるんですね。だから増税は審議はしないと。税調でかなりもめたと新聞に載っていますからね、みんな。私が別にここで言ったからどうということない。新聞に載っている話だ。 したがって、増税をなかなか受けつけなかった、歳出カットがたるんじゃうじゃないかと。しかし、それはぜひお願いしてもらいたいということは、歳入不足のある程度の見込みがついたからそれはお願いをしたわけです。 そこで、五十六年度のやつも、じゃそういう見込みがあるんならばもっと大幅に赤字国債を出して、四千五百億なんて言わないで、もう一兆円以上も赤字国債出してあの時点で直しちゃったらいいじゃないかという議論もなかったわけではありません。しかしそうなると、一兆円がいいのか一兆五千億がいいのかという議論にすぐなります。すると、これは根拠がありません、なかなか根拠が。ただ、全体の見通しとして危ないんじゃないかという論理はあるけれども、幾ら幾らという計数が出ない。 そこで、われわれといたしましては、確実に少なくなるんじゃないかと、五十六年度予算の中でですよ、印紙税とか物品税とか何とか、源泉所得税とか、いままでの統計から毎月月報で出てくるもの、法人税のようなものはわからぬわけですから、申告は皆三月に集中しちゃっているんですから、毎月出てくるものをとって、これだけは確実に減るだろうと思うものだけを減らすということにしたわけです。それでもえらいこれは党内で反発が出まして、増税をさしておきながら後から赤字国債を発行するとは何事だというおしかりを私はずいぶん受けました。 しかし、その時点で、いま言うたように、はっきりわからない部分まで赤字国債を出したらば、その反発はもっとひどくなるということと、五十七年度の予算編成のもう詰めの段階で、そんなに赤字国債がたくさん出せるんならば、歳出を切るということは非常に苦しいことですから、歳出を切るの反対という手があっちこっちから挙がる。五十七年度の予算というものは歳出カットがうまくいかなくなっちまうんじゃないかという心配が一つございます。 そういう諸般の問題を全部頭の中に入れて、それでともかくまあ心配が絶対なかったということを言っているわけじゃありませんが、確実に数字が押さえられないということ、いま言ったような別なデメリットの風鈴が幾つもくっつくということも考えた結果、五十六年度についてはあのような建設国債の増発、赤字国債の増発というようなことをやっておいたわけです。それ以上のものは見込めなかったし、そいつを仮に不安定な数字で見込めば、別な五十七年の歳出カットが緩んじまうという二つの問題があったからです。
○近藤忠孝君 いろいろなことがわかったと思うんですけれども、その問題はさておきまして、私はただそういう議論聞いておって、歳入問題について言いますと、渡辺さんの発言に大変疑問を感ずるんですね。 どこかと申しますと、大体歳入は見積もりであって、単なる見通しであって、正確にぴしっといったことはないとか、それから単にいけると思っておった見通しだったということで、大体狂うのがあたりまえだというようなことを言っておるわけですね。ところが、先ほど塩出委員からも御指摘がありましたけれども、いままで見てみますと、狂った中で、大幅に狂った中では大体ふえる方だけなんですね。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 下もあるよ。四十九年、五十年。
○近藤忠孝君 下回ったのは、そう、四十九年に下回ってますけれどもね、きわめて少ないですよ。大体上回ってる方が多いんですよ。それは私が言ってるのは補正後で言っています、補正後の問題で。 補正後で言いますと、たしか四十九年は二・八%違ってますけれどもね、ほかは大体ふえている方なんです。私は、ふえる場合と減る場合とでは大分考えが違うんじゃないかと思いますね。ふえる場合であれば、多少狂っても大抵、いままで私の見ておったところじゃ、多少抑え目にしておって経済成長で少し予定よりもふやしていこうというふうな傾向もあったように見えますけれども、ふえる分なら、一般の家計でも予定したよりふえればそれはうまくいくわけです、家計は。国家財政も同じで、問題は少なくなった場合の方の見通しの問題、そこが狂うということはきわめて大変だという自覚が私はあってしかるべきではないか、こう思うんです。 そこで、率直にお伺いしますが、いま問題の指摘があった昭和四十九年度の歳入欠陥、大きいのがあったんですが、その原因は何だったんでしょう。
○政府委員(水野勝君) 四十九年度は四十八年の暮れの第一次石油ショックの直後の年でございまして、石油ショックによりましてインフレ、それからまたその背景といたしましてかなりの金融緩和がある、かなり金融緩和、インフレ的な様相のところに石油ショックが起こったわけでございまして、そこで四十九年におきましては一斉に卸売物価、消費者物価も二割、三割上がるという状態であったわけでございます。 そうした状態でございますと、棚卸し商品の価格の上昇とかそういったものを背景といたしまして、法人税収がかなり一時的には伸びるわけでございます。それからまた、賃金もかなり大幅なベースアップが行われましたので所得税もふえたんでございますが、しかしそういったように一時的にインフレ利益が生じますと、しかし反面、賃金等の上昇がそれに続きますと、今度は法人税収が激減するわけでございます。 そこで、四十九年度といたしましては、なお石油ショック後の状況を受けまして一兆六千億円の補正増を立てさしていただいたわけでございますが、それが急速に、第一次石油ショックのデフレ局面があらわれ始めましたのが四十九年の後半でございまして、急速に税収の落ち込みが生じたわけでございまして、四十九年の年度末に至りますと、各月ごと前年の税収を下回るというふうな状況に相なったわけでございます。 この年といたしましては、結局、決算面では三千億円、二・二%の減収になっているんでございますが、その背景といたしましては、当時は現在のような決算調整資金制度とかそういったものがございませんでしたわけでございますが、税収を見積もりますと大体七、八千億円の減収になるんじゃないかと。そこで急遽、四月に至りまして、国税収納金の整理資金法の政令の手当てによりまして、四月分も前年に繰り入れられるというふうな手だてを講じました結果といたしまして、表面的には二・二%にとどまっておるのでございますが、その数字を調整いたしますと、この年もやはり五%程度補正後に対しまして減収になっているわけでございまして、オイルショック後の一時的なインフレとそれの急激な反動といたしましての法人税を中心とした大幅な税収不足、これが四十九年の実態であったかと思われます。
○近藤忠孝君 そのとおりだと思うんですが、ただこの場合には、オイルショックという予測しがたい事実、またあるいは外の関係ですね、政府に責任のある問題じゃない、その後のいろんな状況ということですが。 そのときの大蔵大臣は大平さんでしたが、この歳入欠陥についての大臣の責任についてどう言っておったか御存じですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 知らない。
○近藤忠孝君 知らないと言っておりますので、前々任者、前の先輩ですからひとつお教えしますと、こういうことを言っておるんです。「私は政治家として、また財政の責任を持つ者といたしまして、あなたに言われるまでもなく、もう私自身穴にも入りたい責任を人一倍感じておるわけなんでございます。」自分の政府の責任でない問題であっても、大蔵大臣として穴に入りたい、それくらいの気持ちだということを率直に述べておるわけですね。もっとも、それくらい責任を感ずれば、その後もうちょっと違った財政にしてもよかったと私は思うんです。 それは別としまして、私は先ほど申し上げたように、渡辺さんの違うのがあたりまえだという発言と、この穴にも入りたいというこの気持ちと、これは大分大蔵大臣の責任としては違うんじゃないかとこう思うんですが、恐らく尊敬する大平さんだと思うんですけれども、その言葉をどう受けとめますか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 私は、違うのがあたりまえと言ったことはありませんよ。違ったのはまことに残念でありますとは言っています。しかしながら、なかなか当たらないのもいままでの実情でございますと。特に日本の経済見通しというものが日本だけでは決まらないで、急激に貿易が落ち込むなどということは半年前にはだれも知ってないんです、これは。それは世界の経済の状況、貿易摩擦の問題もあるでしょう。それから去年の暮れあたりからアメリカあたりも景気がよくなるという見通しであった。これも大体のみんな通説であったわけです。そういうものが皆当たらない。途中で経済見通しが変われば、一方予算の方は、それは進んでいるわけですから、その違いが出てくる。 したがって、当初見積もりに五%か七%ぐらいの差というものは珍しい話でなくて、しょっちゅういままでもございましたということを申し上げたんで、当たらないのはあたりまえという話はございませんから、誤解のないようにお願いします。
○近藤忠孝君 直接あたりまえと言ったかどうかは別として、渡辺さんの、予算委員会以来ずっと狂うもんだというような話を聞いていますと、渡辺さん本気でそう思っているんじゃないか、こう思わざるを得ないからそういう指摘をしたのと、もう一つ、対照的に大平さんの言葉を引用したんですけれども、この大平さんの言葉についてはどう受けとめられますか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) まあ、残念であるというのも、穴に入りたいというのも、日本語にすれば大体似たようなことであると思いますがね。
○近藤忠孝君 ずいぶん調子の狂ってしまう答弁だと思うんですが、大分違うんじゃないかと思うんですね。残念と言って、またその調子で済ましてしまうのと、それくらいの反省点に立って進めるのではそれは大分違うということを指摘をしたいと思います。 問題は、そういう税収欠陥の上に五十七年度予算が組まれている、これはすでに指摘があったとおりです。これもすでに指摘があったとおり、五十六年度で二兆円を超える税収不足と、それに基礎を置く五十七年度のまさに粉飾予算ということにならざるを得ないし、さらに五十八年度は、恐らくもっともっと大きな、六、七兆円もの差が出てくるんじゃなかろうか、こういうぐあいに思うんですね。 問題は、これほど見込みが狂ってくるのはなぜかということ、それについては、いまの税収のあり方について問題があるとは思っておりませんか。
○政府委員(水野勝君) 税収の見積もりは、私ども事務当局が種々の資料を用いまして最大限の努力をいたしておるわけでございますが、結果としていろいろそごを来しておることにつきましては、大変どうも恐縮に存じておるわけでございます。見積もりの精度につきましては、今後なおいろいろ研究をいたしまして、その向上に努めてまいりたいと思います。 先生のお話では、執行の面からということでございますか。
○近藤忠孝君 ちょっと言葉が足りなかったので、問題は、私は税収見通しが困難になる理由の一つに、国税収納の年度所属区分が従来の四月を一カ月延長して五月までにしたということにあると思うんですよ。 〔委員長退席、理事藤井裕久君着席〕 これは、三月が四月になり、さらにそれが五月になったという点を見てみますと、三月期決算当時の納税期である五月、これはやっぱり年度間で最大の税収を上げる月ですね。それが一番最後にいっちゃっている。先ほど渡辺さんちらっとおっしゃったんですけれども、そういう仕組みの中に——ともかくもう狂ってしまうんですね。それで、つい狂うのも普通のような感じになってしまうんですけれども、そこのところに一つ問題がありはしないか、その点はどうですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) これは、直したときにいろんな理由があって直したんだと思います。 税収の問題もあったろうし、理屈を言えば発生主義ということですから、三月までの年度なら、税収は締め切っても入ってくるものはその年度のものだという考えもあったろうし、いずれにしても直したことは事実。そこへもってきて輪をかけたのが三月決算統一。商法の改正で、年一回決算になったものですから、大部分が三月決算になってしまった。それ以前は二回に決算を分けているところが多かったから、九月の実績が出て、そして今度は、その実績に基づいて六カ月間はそれは補正予算のもので、わかりいいですよ。それから今度は、三月締め切りの一番どかっと入るやつが明年度の予算に組めるから非常に見積もりしやすいという問題もあったでしょう。 しかし、今度は一年半を先に見越さなきゃならぬ、しかも三月に決算が集中しちゃったというような点は、確かに技術上から言うと税収の見積もりを非常にむずかしくしているということは言えるだろうと思います。
○近藤忠孝君 その点について、やっぱり反省なり見直していくという必要があると思うんですね。 というのは、一番大きなものが入るのが一番最後になって、それが不安定だ。となれば、これは当然やっぱり狂ってくるんじゃないんでしょうか。狂っちゃいかぬもんですよね。それは動きやすい経済ですから、渡辺さんの言うとおりの面があるけれども、そうであればあるだけに仕組みとしては狂わない仕組みをつくっておく、一番狂いを少なくしていくということによって、初めて健全な財政運営ができるんじゃなかろうか、こう思うんですね。 いまの制度ですと、一番金がたくさん入ってくるのは後ですからね。金は全部外に出ちゃうんでしょう。それで、後で帳じりを合わせるという、こういう関係になってしまうんですね。これは一般の家計でも、見通しが悪くなってくれば徐々に少しずつ財布のひもを締めていくものだと思うんですね。それが出す方は決まっていて、どんどん出してしまう、節約もしないで。できるところも節約しないでというようなことが、私が先ほどから指摘しているような、渡辺さんに対しては申しわけない言い方だけれども、そういうような安易なところに必然いってしまう。 だから、そこをきちっと変えていく必要があるんじゃなかろうか、こう思うんですが、いかがですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) これは、いま変えるとしても大変なことなんですよ。 それはなぜかというと、五月なら五月に何兆円という金がどんと入るわけですから、変えるということになれば、一回だけそいつを当てにしない予算を組まなきゃならぬ。したがって、いまのような財政事情のとき、さなきだに足りない騒ぎのときにさらに足りない数字が出てくるわけですから。だから、これは私は、将来非常に税の自然増収もよけいになって、景気も出て、財政健全化になっていったときには、何兆円かのやつが、国債減額がともかくもうなくなっちゃっているというような時代だったら、詰めることもあえてできないことはない。 したがって、三月決算に統一された、ほとんどがですね。年一回決算ということになると、九月の状況がわからぬわけですから、これは。制度が変わったわけだから、やっぱりそういうことになると、財政事情が許せば将来の問題として私は真剣に検討する必要があると考えております。
○近藤忠孝君 それはぜひ真剣に検討してほしいと思いますし、そうなってしまったのをもとに戻すのはむずかしいという点が、逆にある時期に安易にそうなってしまったという責任をここに十分に反省をして、そういういわば無節操な措置ということはやめていくということを、私は強く提言したいと思います。 そこで次に、今度は税収不足の問題をどうするかということで、これもすでに論じられているとおり、決算調整資金と国債整理基金からの借り入れ問題だと思うんですね。特に私は、この国債整理基金からの借り入れについては、これは基本的には安易に行うべきではないことだと思いますし、それからこれは決算調整資金の問題もそうですけれども、これは本来行うべき補正予算でやるというその措置を回避して、国会での審議や議決を不要のものにしてしまうという、そういう問題点がありはしないかと思うんですが、その点はどうですか。
○政府委員(西垣昭君) いま御指摘がありましたように、年度途中で明らかに歳入が大幅に不足するというようなことが予見されたような場合には、補正予算を組むのが通例でございます。 ただ、年度末間際あるいは年度経過後に明らかになりました避けがたい事情による決算上の不足に対処するということは、これまた必要でございまして、財政審でもさんざんに議論いたしました結果、こういう制度を創設することにつきまして、国会の審議を経て、立法措置を講じて現在に至ったわけでございます。 それから、決算調整資金に関する法律の附則で規定されております国債整理基金から決算調整資金への繰り入れは、資金に属する資金が決算上、不足額にそれでもなおかつ不足するというような場合に、国債整理基金の余裕資金で、当面国債の償還等に充てられる予定のない財源を繰り入れの翌年度までに返済することを前提として繰りかえ使用するものでございまして、特別会計の歳出を通じて基金を使用するものではございません。したがいまして、国債整理基金特別会計の設置目的に反するものでもないというふうに思っております。 それから、国会の議決主義、確かに財政法は健全財政を国会の強いコントロールのもとで確保しようという精神で貫かれておりますけれども、決算調整資金制度は、一般会計から資金に繰り入れる際にその所要額を予算で決めると、国会において決算上の不足を補てんするものとして十分かどうか審議されるものであるということ、それから資金の使途が年度末間際または年度経過後に明らかになった決算上の不足の補てんというやむを得ない事態の処理に限定されているものであるということ、それから、決算上の不足は七月末の主計簿の締め切りに間に合うように緊急に処理する必要があるということ、また、その金額が自動的に確定される性格のものであるというようなことから、法律に基づいて行政府に決算処理の権限を与えたものであるということ、といった性質のものでございまして、この制度による財務処理はもともと国会の議決に基づくものでございまして、財政処理権限の国会議決主義に反するものではないというふうに解釈すべきものと考えております。 それから、この資金で決算上の不足を補てんした場合には、調書を国会に提出して、国会の事後承諾を求めることとし、財政処理権限の国会議決主義の趣旨を一層徹底するよう配慮もしているということを申し上げておきたいと思います。
○近藤忠孝君 法律の規定からはそうだと思うんですけれども、私はもっと根本にさかのぼって、憲法の趣旨とそれから財政法四条の趣旨、さらにそれに加えて財政法十二条、「各会計年度における経費は、その年度の歳入を以て、これを支弁しなければならない。」として、収支の均衡を目指した年度独立の原則、これが私は基本的な制度だと思いますし、これを守って初めて健全財政が私は進むんだと思うんですね。 それを借り入れ——確かにそれは法律でできることになっておるんです。なっておるけれども、私は、なっていること自身に一つ疑問を感じます。と同時に、安易にこの措置を使いますと、当面の負担を先に繰り延べるわけですからね、一年以内に利子をつけて返済しなければならない。そのためにかえって将来の危機を一層これは拡大することになるわけだと思います。 そういう点で、私は、これを借り入れするかどうかということは間もなく問題になりますけれども、財政危機を新たな段階に進めることになりはしないか、そういう意味では、日本の財政史上一つの一時代ということで、これは後々重大な意味を持ちはしないか、こう思うんですが、そういう点の認識はありますか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) これはもともと、いま西垣次長から説明があったように、そういう不測の事態に対処できるようにつくってある制度でありますから、私はこの制度を使うことは差し支えないと。現実の問題としても、五十六年度の補正というわけにはいかない。いまさらいかないわけですから、ほかにどういう方法があるんですかと言われても、それ以外の方法は現在ないわけです。したがって、私はそういう場合にはそれが活用されることはやむを得ないと、そう思っております。
○近藤忠孝君 私が申し上げたのは、法律で可能だからそのままそれを運用するということについて、いま申し上げたような重大な問題があるという自覚を持ってこれは対処してほしいし、これを借り入れする前に、もっともっと追及すべき点を徹底的に追及すべきだと、こう思います。 時間の関係で次の問題に進みたいと思いますが、こういう歳入欠陥が起きてくることについて、私はもう一つ根本的に考え直す問題があろうと思うんです。というのは、これは巨額の赤字国債に依存した上で、その上で二兆数千億円といった歳入欠陥が出るというこの事態は、財政構造そのものに根本的メスを入れなければ解決できない深刻な問題ではないか、こう思うのです。 というのは、高度成長時代は終わって経済がスタグフレーションの時代に入っているにもかかわらず、財政の方は歳入歳出の両面において高度成長型の構造を温存しておるわけです。そのために必然的に生じた歳入欠陥を、毎年の赤字国債の発行と自然増収の全額財源化によって埋め合わせておるわけであります。その結果スタグフレーションと財政赤字の再生産となって悪循環を繰り返すのみで何の解決も得られないわけであります。 すなわち、歳出面では大企業の設備投資や輸出あるいはそれらの基盤整備のための大型公共投資を中心とした景気の回復ではなくて、GNPの最大の需要項目である消費及び日本経済のすそ野を形成する中小企業の設備投資、そしてそれらのための基盤、すなわち生活関連型公共投資の推進への転換を図る、そして歳入面では大企業の特権的減免税を抜本的に是正して、自然増収は大幅に所得減税に回して消費を喚起する、こういうような、私はこの機会に財政のあり方を根本的に変えていくというようなことを今回の深刻な歳入欠陥は教えていると思うのですけれども、それについての所見を伺いたいと思います。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 本当に歳出の構造について、いまおっしゃったような趣旨は私も本当に同感でございますから、徹底的に発想の転換をして、ある時代には必要であったかもしらぬけれどもこういう時代には御勘弁いただきたいというものもかなりあるんじゃないか。したがって、臨調答申を踏まえて、層一層歳出の効率化、節減合理化には努力をしてまいりたいと考えます。
○近藤忠孝君 それでは、ひとつ赤字国債を少なくしていくための財源をどうしていくかという問題でここで議論することが意味があるという前提に立って二、三指摘をしたいと思うのですが、一つは渇水準備金引当金それから原子力発電工事償却準備引当金、これについてどういう制度でどういう意味を持っているのか簡単に説明してほしいと思います。
○政府委員(水野勝君) 渇水準備金は電力会社の水力と火力なりによりますところの発電コストに大幅な差が生ずる、そういった点を調整いたしまして、電力の安定供給という目的に資するために設けられているものでございまして、これは税法以前の問題といたしまして電気事業法においてその積み立て義務が課されておるものでございますので、税法上もそれに応じた措置をとっておるわけでございます。 ただ、この制度につきましても、昭和二十七年に創設をされましたが、随時税制上の積立額につきましては縮減、合理化を続けてきておるわけでございまして、昭和五十五年度の改正におきましても、その累積限度額を五割カット、縮減をお願いしたところでございます。 それから、原子力発電工事償却準備金につきましては、これは制度といたしましては発電工事に伴いまして支出されるタービン等の機械の一六%相当を、稼働いたします前の工事期間中に損金に算入することを認めるわけでございまして、これは発電所の建設と申しますのは大変に工事期間が長く、投下資本も巨額でございますので、その場合の資金調達の円滑化に資するということを通じまして原子力発電の建設を推進いたしまして、これもやはりエネルギーの安定的供給に資する。そういう目的のために設けておるものでございます。この制度につきましても創設以来の財政事情に応じましてたびたびこの縮減もお願いしているところでございます。
○近藤忠孝君 まず原子力発電工事の関係ですが、これはともかく多額の資金が長期にわたるということで設けられたというのですが、ですから一つは資金調達を容易にするためという目的がありますですね。それからもう一つは、経営の平準化を図るということだと思うんですが、その点どうでしょうか。
○政府委員(水野勝君) おおむね先生のおっしゃるような趣旨であろうと思われます。
○近藤忠孝君 この経営の平準化を図るという点を通産省に聞いてみますと、結局はそのことによって資金調達、投資を容易にするためと、そうするとやっぱり結局は投資を容易にするためということなんですね。私に言わせれば、それはやはり電力会社という大企業の投資をむしろ保証する制度だと、こう見ざるを得ないんですが、結局そこに落ち着くんじゃないでしょうか。
○政府委員(水野勝君) 直接的にはそういった御指摘もあろうかと思われますけれども、何と申しましても今後のエネルギーの安定供給と、そこに最大の重点を置いて制度化されておるというふうに私どもは考えておるわけでございます。
○近藤忠孝君 エネルギーの安定的供給というのは、これはこの前の租税特別措置のときにも、私具体的に最近の代替エネルギー関係、その投資が減っていると、その理由はやっぱり石油価格の安定だと、だから石油価格が安定すれば税制上特に優遇しなくったってちゃんとやるべきことはやるし、やらないときはやらないんだと、企業はやっぱり自分の存亡の問題が出てくればおのずと自衛のために投資をし、やっていくものだということを指摘したわけです。やっぱりこれも基本的には同じ問題ではないかと、こう思うんです。 それからもう一つ。渇水準備金の方も、これは大体会計処理上料金の上に、渇水時期、要するに火力発電を主に使う時期ですね、それから水がたくさんある時期、それを大体ならして料金決まっているんですよ。一たんそれが決まった上でもう一度さらにこういうものを設ける必要がどこにあるのだろうか、その点どうですか。
○政府委員(水野勝君) この制度は、先ほど申し上げましたように昭和二十七年にできたわけでございますが、その当時からいたしますと、水力によりますところの発電ウエートというのはだんだん低下してきておるわけでございまして、そういった事情に応じまして再々縮減をしてまいっておるわけでございまして、いろいろな問題点の御指摘に応じまして、なお私どもとしては今後とも検討をしてまいりたいと思っているわけでございます。
○近藤忠孝君 ですから、私はこれは当然見直しの早急な対象にすべきだと思うんです。しかもこれは昭和二十七年以来期限がないんですから。このまま黙っていると未来永劫に続いちゃうわけですね。何か電力会社では、もうこんなものは当然あるものだと思っておる、そこに私は問題があると思うわけで、ひとつ税制上は十分に見直してほしいと思います。 次に、話を変えまして、これは渡辺さんの基本的な考えだと思いますけれども、所得のあるところに適正な課税をしていくということは基本的な方針だと思うんですね。ところが問題なのは、いわゆるブラックマネーであります。このブラックマネーにつきましては先ほども質問がありましたし、予算委員会において野末委員も質問しているんですが、どの程度あるかこの答弁見てもよくわからぬですね。大体どのくらいなものでしょうか。何か十四兆円という話が出てくるんですが、それが全額なのか、あるいはそのごく一部なのか。その辺はどうでしょうか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) だからブラックマネーと言っているんです。(笑声)わかればブラックマネーとは言わないんですよ。暗いところでわからないから。だから五兆円と言う人もあるし、三十兆と言う人もあれば十四兆と言う人もあれば、もうみんな根拠は何かには立っているでしょうが、はっきりしたことはわからない。
○近藤忠孝君 それでわからない答弁が出てきているんですね。野末委員に対する答弁を見ましても本当にわからないんです。 ただ、これはわからないと言っておっていいんだろうかという問題があるんですね。ここでいままで指摘されているのはグリーンカードとの関係ですから、いわば合法的に取得しそしてためられておるお金。ですが、それがブラックマネーのすべてではないわけでありまして、もっと大きくかどうかはこれもはっきりわからぬと思いますけれども、違法行為によって入手をした、こういう部分があるわけですね。 この辺に対して、日本の大蔵省はそれをどのように把握しておられますか、それを含めたブラックマネー全体です。
○政府委員(吉田哲朗君) いまお尋ねのブラックマネーにつきましては実はいろんな内容を含んでおると思いますが、お尋ねがいわゆる非合法な経済取引によるところの所得ということで、たとえば賭博とか麻薬あるいは売春、そういったようなことによる所得についてどういう課税をやっているかということでございます。 私どもとしましては、もちろん所得のあるところに課税するというのがたてまえでございますから、非常に関心を持っておるわけでありますけれども、なかなかその端緒がつかみにくい、また協力も得られないということで、実際は調査に当たっては非常に困難が多いわけであります。そういったことで、従来からも警察御当局なんかともいろいろ情報交換し、協力を得て資料、情報の収集に努めまして課税にいろいろ努力しているわけであります。 ただ、そういう非合法所得の規模がどれぐらいになるかということは、残念ながら私どもの立場ではわかりかねるわけでございます。
○近藤忠孝君 警察来ておりますね。警察でも一生懸命取り組んでおって、幾つか論文によりますと「暴力組織の威嚇力を背景に、さまざまな形で、暴力団員とその組織が獲得する「金」」、これが暴力団社会を支えている。だから暴力団社会にどのような形でどれぐらいの金が流入するかということはすべての暴力団対策の出発点であるというぐらいにしっかり位置づけられまして、いろいろ対処していることを私は多とするものです。 そこでお伺いしますが、暴力団の年間所得、これはどれぐらいとつかんでおりますか。
○説明員(森廣英一君) 警察では年間五万件ほどの暴力団犯罪を検挙しておるわけでございますが、その中で覚せい剤の密売事件であるとか競輪、競馬ののみ行為事件であるとか、あるいは賭博の事件とか、暴力団が収入を得たことが判明する事件もございます。そういうことを通じまして現実の暴力団の利得というものがわかる場合もございますが、いま御質問がございましたように、総体的な暴力団の収入ということは必ずしも証拠をもって明らかにできる事柄ではないわけでございます。 しかしながら、警察活動の面から部分的にわかっておりますそういったデータをもとにいたしまして、科学警察研究所の研究員が統計的な方法で推計したところを発表したものによりますと、昭和五十三年ごろの調査でございますけれども、大体一兆円ぐらいの収入を全国の暴力団で得ているんではないか、このようなものが発表をされております。
○近藤忠孝君 これも資料によりますと、ただいまの一兆円というのは暴力団員の平均収入から算出する方法とそれから獲得手段別に見た方法ということで、両方ほぼ合致したと、こう聞いてかなり科学性のあるものだと思います。もっともそれ以外のものもたくさんあると思うんですが、しかし確実に一定のものは出ておると思うんですね。 そうしますと、いまの数字ですと暴力団員一人当たり年所得どのぐらいになるんですか。
○説明員(森廣英一君) 大体現有の暴力団勢力といいますのは十一万人前後でございますので、年間一人当たり九百万円ぐらいに割り算で相当するということでございます。
○近藤忠孝君 渡辺さん、五十三年で九百万だから現在だと一千万以上の所得ですね。 そうなりますと、一千万所得というのは、これは大蔵委員会などでもずいぶん課税上の問題として議論の対象になってきた。そこでかなり一般庶民から見れば高額所得者、それが一人平均というんですから、これは見逃すはずはないと思いますし、十分な対処をすべきだと思うんです。 ただ、先ほどからわからないからブラックマネーだというところに私は一つ問題があるのじゃなかろうかと思います。この質問の準備の過程で、もう時間がないので端的に言っちゃいますけれども、いろいろ聞いてみますと、たとえば国税庁でも、法人税は法人税、所得税は所得税、自分の分野だけで個々に突っ込んでいますね。警察とは十分な密接な連絡をとり、そしていろいろ情報も交換しておるようです。もっともこれは守秘義務がありますから、私は限度があると思うけれども、そこはかなり工夫した情報交換をやっているということも、これも多とするものです。こういう情報交換が一般庶民に及んじゃいけませんけれども、私はその限りで多とするものですが、この機会に大蔵省全体としてこの問題にメスを入れていくということが必要だと思うんです。 これは一つは、先ほども引用したように、すべての暴力団対策の出発点であると同時に、そういう点ではまさに社会正義のためですね。と同時に、もう一つは税収上もばかにならないわけです、年間一兆円ですからね。ということで、それへも対応してほしいと思うんです。 私はなぜ申し上げるかといいますと、これはアメリカの雑誌ですけれども、ちゃんと全部ブラックマネー、合法的に入ったやつと違法に入ったやつを全部分けまして、おおよそつかむ努力がされ一定のものをつかんでおります。それによりますと、アメリカでは地下経済の規模は三千億ドルあるいは四千億ドルと言われて、GNPの十数%と言われていますね。これは恐らく日本経済でも、もっともっと追跡が進めばそれくらいになる可能性もあるんじゃないかと思います。内訳は違法所得関係では麻薬、賄賂、売春、詐欺、ポルノ、それから合法所得では自営、利子などとなっているわけです。 アメリカでは、これは歳入庁の報告をきっかけに地下経済の実態解明とそれへの対策が進められておって、会計検査院もまたアメリカ議会も調査に乗り出しているということであります。 となれば、日本でもこれだけの問題ということでしっかりとらえて、いままでばらばらのものをこの機会にひとつ総合的に研究し、警察とも十分な連絡をとり、暴力団絶滅とあわせて税収増大という方向を打ち出してしかるべきだと思うんですが、どうでしょうか。
○政府委員(吉田哲朗君) いまの御指摘ごもっともでございまして、こういった非合法所得であるからといって放置しておきますのは、課税の面ではもちろん公平云々という問題がございますし、社会的にも非常に大きな問題であろうというふうに考えられるわけであります。 そこで、それに対する対策の一つとして、かねて警察とか、そういった司法当局からはやはり課税を充実するということが、いわゆる資金の根を断つと申しますか、資金に打撃を与えるということで、最も有効な方策であるというような御要望がございまして、近年特に司法当局と税務当局との協力を緊密にし、中央レベルあるいは国税局、署のレベルで連絡を密にしているところでございます。もちろん、私どももかなりの情報を司法当局からいただいているわけであります。で、警察からの情報は、いずれかと申しますと特定の収入の部分にかかわる情報という形で入ってまいりますので、それがストレートに課税所得になるといったようなことにはなりかねるわけでありますけれども、しかしながら、税務調査の端緒としてはきわめて有力な手がかりということになっているわけでございまして、相当件数もいただいており、その事績も上がっております。 今後とも十分そういう資料情報の活用を図り、また私どももいろいろ情報収集に努めまして、そういった面の課税に力を入れていきたい、かように考えております。
○近藤忠孝君 そういう連絡態勢と対応でやってほしいんですが、ただ、現場の税務署員だってこれは大変なことだと思うんですね。場合によっては命がけでもやっぱりあろうかと思うわけで、これは私は、一国税庁あるいはそれぞれの担当の現在の対応に任しておくんじゃなくて、ひとつ、大臣の号令と決意でこれはもっと積極的にやろうじゃないかということになれば、現場の職員もこれは勇気百倍やるでしょうし、それから、私は態勢もいまのところはまだ不十分だと思うんです。せっかく一生懸命、国税庁と警察の連絡はあるようですけれども、それをもっともっとしっかりさせ、もう少し全体を見るように、先ほどから申し上げているとおりごく一部しか見てないんですね。 それから、この場合に、これが成功しますと、私は、合法的なブラックマネー、これも決して、渡辺さん、わからないからブラックなんていうことをもう言わないで済むようになるんだ、こう思いますので、ひとつそれを含めて最後に大臣の所見を伺います。
○国務大臣(渡辺美智雄君) そういう資金源を断つということが私は一番大事じゃないか。したがって、総会屋等に対して毎年何千万円とか何百万円とかいうようなところがあるというような風聞を聞いておりますが、こういうのは証券局なんかに対しても、五分や三分で総会を終わらすという根性が大体間違っているんだから、国会だって六カ月やってるんだから、六カ月総会をやれとは言わないが、一日や二日ぐらいあってもいいんじゃないか。だから、そういうようなものに金を出すから足りないわけだから、そういうことは今後とも十分いろいろな面で出さないように指導をしろということを言っております。 〔理事藤井裕久君退席、委員長着席〕 したがって、こういうような一種の知能犯ですな、暴力犯も中に入っているかもしらぬが、いずれにしてもよく連絡を密にして、やっぱりかなりの態勢でかからぬと、普通のやり方では課税はしたって徴収はできないという話になるわけですから、技術上どういう問題があるかを含めまして、大事なことなので前向きで検討させます。
○近藤忠孝君 終わります。
○三治重信君 日銀の副総裁に大変お忙しいところを御出席いただきまして申しわけございませんが、一つだけ御質問をさせていただきます。 総裁からたびたびわれわれは、本年のマネーサプライは一〇%をちょっとオーバーしていて最高限度のいま状態だ、これを過剰供給にならぬように配慮をしつつあるということを、これはたびたび聞くわけなんですが、片方、非常に景気が悪い、経済活動は悪い。こういうような景気が悪いと言われる中で、マネーサプライが日銀が大変だと考える天井を行きつつある。それで、これがさらにマネーサプライが増加することには警戒体制で臨んでいくというお話なんです。 そうすると、そういうふうな非常に最高限度のマネーサプライの現状が続いているということについての原因は何であるかということについて御説明願えればありがたいんです。
○参考人(澄田智君) マネーサプライとして通常検討の対象になっておりますのは、現金あるいは準通貨、それに預金、それを合わせましたM2と、それから譲渡性の預金のCD、それを合わせたものでございますので、その中には、流通している現金のほかに貯蓄性の預金も入っている、こういう性格のものでございます。それが昨年の九月以降は二けたになりまして、前年に比べまして一〇・幾つかという、一〇%台で推移をしております。 お尋ねの、景気の回復がきわめて緩慢である、いわば停滞ぎみである、こういうところでなぜこのようにマネーサプライの伸びが高いのかという背景でございますが、これは二つございまして、大きくいいまして二つに分けられると思いますが、個人の貯蓄率は高水準を続けているわけでありまして、そしてこれが金融機関の預金となって、預金が高い率で伸び続けているわけでございます。郵便貯金が非常に伸びたときにはそちらの方になって普通のM2に入らないというような、こういうようなことがあるわけでございますが、金融機関の預金の場合にはM2の方に入っているわけでございます。これが伸び続けているということ。 それから、金融緩和基調をずっと続けております。こういう金融緩和基調のもとで企業の手元流動性が、一時は金融引き締めの折にはその流動性が圧縮されたわけでありますが、それが回復しつつある、こういう状況でありますので、前年に比べますと、前年は手元流動性が窮屈であった、それが次第に回復してきていると、こういう差が伸び率になってあらわれると、こういうようなこともございます。 こういう二つの面からその原因が考えられるのではないかと、かように思うわけであります。
○三治重信君 わかりました。 そうすると、ことに企業の手元流動性が緩むというのは、景気が思わしくないから、もうかったけれども、また減価償却は手元にあるのだけれども、それをどこに投資しようかということについてまた判断に迷うと。最近の新聞を見ても、優良企業の方は非常に利子選好性を持って、短期、中長期に分けてこれ専門の運用係があって、それがむしろ普通の会社本来の営業利益よりかも相当の割合を示しているというようなことも出ているわけですが、これはほんの一部の優良企業だけだろうと思うんです。 しかし、日銀の方のトータルとして見ると、日銀の手元流動性が緩むということについてマネーサプライが多くなったと、こういうことになろうかと思うわけですが、そうするとこれが対策についてどういう手が考えられるかということです。
○参考人(澄田智君) 確かに名目の成長率の伸び等から比べてみまして、現在の一〇・幾つかというマネーサプライの伸びというのは高目であるわけでございます。 先ほども申しましたように、こういう金融緩和基調で景気ははかばかしくないというような時期にマネーサプライの伸びが経済成長率を上回るという、そういうパターンは過去のこういう局面においてもしばしば見られるところでございますし、そしてそういうことが一方においては景気の着実な回復を促していく、回復をもたらしていく上でそういうふうに金融が緩んでいる、手元流動性がそういうふうに回復してきていると、こういうことは必要なことでもあるわけであります。 したがって、そういう意味で直ちに現状が危険水域に入っているというようなことではないわけでありまして、注意深くこれ以上加速してマネーサプライが伸びていかないようにということを見守って注意していくということが一番必要な段階であろうと思います。 しかも、最近は円安でもございますし、それが輸入物価の押し上げになっているという傾向がじりじりと出ているわけでありまして、それが卸売物価に影響を及ぼし始めているというような状況でありますので、余りマネーサプライがふえてそういった過剰流動性というようなものが多くなりますことは、これは将来の物価に非常に問題を生ずるおそれがあるということでありますので、現在の水準を注視して、そして金融の調節その他の手段を持っているわけでありますから、そういう状況をよく注視をしていくということが現在のわれわれのとるべき態度であろうと、こういうふうに思っております。 それからなお、瞬間風速的に最近のマネーサプライの状況を見ますと、このところやや横ばい、伸びが若干鈍化をしているというような気配が出始めているというような感じでございまして、こういう状況は直ちにもって危険であるというようなものではない、むしろ経済の回復過程というようなものとして受けとめていかなければならない、注視しながらそういうふうに受けとめていくと、こういうところでございます。
○三治重信君 いま一つ、最近企業の手元流動性が緩んできたというのが原因だろうと思うんですけれども、いわゆるドル買いですね、個人の資産家並びに企業で余裕金を相当、ゼロクーポンというよりかドルで、アメリカの銀行や何かに預金をしたり、アメリカの短期証券を買ったりというふうな動きが非常に強い。それが円安の大きな原因にもなっているんじゃないかということがあるんですが、こういうような数字は日銀としては相当今後ともつかめていけるんですか。
○参考人(澄田智君) 現在アメリカの金利、あるいはヨーロッパの金利もアメリカの金利につられて高いわけでありますが、これに比べて日本の金利が最も低いと、こういう状態でありますので、そういう内外の金利差というようなものから資金が流出をするということがある程度目立っておるわけでございます。 これには、いまもお話がありましたようにゼロクーポン債のこともございましたが、外国の債券に対する投資が行われるというようなこと、あるいは一昨年の十二月から外国為替管理法が原則自由になりまして、居住者が外貨預金を持つこともできるような形になってきておりますが、そういう外貨預金等もあるわけでありますが、こちらの方は特に顕著にふえているというようなことは見当たりません。全体としてやはり内外金利差、そうして日本の国内においては金融が緩慢でありますし、国内の投資物件よりは海外の投資の方が証券その他の投資の方に引かれて国内の投資からそちらに回っていると、こういうような形で行われているわけであります。 これは、いずれも月々の外国為替と国際収支、なかんずく資本収支の統計等にあらわれてきて、いまおっしゃるようにその数字ははっきりしているわけでありますが、資本の流れというような現象でございますので、今後とも十分そういう環境に応じて注視をしていかなければならない。これ以上金利差が広がるというようなことは、どうしてもそういう意味から言ってもこれは避けなければならないところであると、かように思うわけであります。
○三治重信君 どうもありがとうございました。結構です。副総裁どうもありがとうございました。 企画庁にお尋ねしますが、非常に物価が鎮静をしてきた、これが大きな原因で、景気の沈滞とともに、将来の何といいますか不安も加味して、非常に貯蓄がふえているというふうなことも言われておるわけなんですが、元来経済の成長率、物価の上昇率それから貯蓄率と、こういうふうな三つをとったときに、この相互関係というのが、日本の現実において最近国債を抱いている財政、経済の中で法則的なものが見られるのかどうか。
○説明員(勝村坦郎君) お答え申し上げます。 ただいま御質問のありました件でありますが、これは非常にむずかしい御質問でございまして、ちょっと的確にお答えする自信がございませんが、先生御承知のとおり、日本の貯蓄率と申しますのは国際的に比較いたしますとこれは格段に高いわけでありまして、国際的に見ました場合はやはり日本の成長率の相対的な高さあるいは物価の相対的な安定度、こういうものが日本の貯蓄の高さにある程度プラス要因になっているとは思われます。 ただ、何が貯蓄の水準あるいは貯蓄率を決定するかということにつきましては、実は国際的にもまだはっきりした理論的検証はございませんで、まだいろいろ論争が行われている段階、日本につきましても理論的な検証というのはまだ十分行われていない段階かと思います。 ただ、一般に言われておりますのは、日本の経済成長率の高さというのが従来貯蓄率の高さにかなり寄与してきたんではないだろうか、それから日本の金融資産の所得に対しますストックが相対的に低かったために、貯蓄意欲が強かったんではないだろうかというふうに言われてまいりました。ただ、この第二の点は、最近は日本の金融資産の保有率というのもかなり国際レベルに上がってまいりまして、今後そういう要因が作用し続けるかどうかという点はやや問題があろうかと思われます。 そのほか、給与の支払いがボーナス方式であること、あるいは一部には税金が相対的に、何と申しますか税金の負担と貯蓄率の間にも何かの関係があるんではないかという説も一部にはございますが、これらはいずれも仮説でございまして、検証されたものとは申せません。 いま御質問の成長率と物価と貯蓄率がどういうふうに関係しているかという点につきまして、ちょっと最近の数字を簡単に申し上げたいと思いますが、五年区切りでまとめて申し上げますと、戦後の一番成長率の高かった時期でありました四十一年から四十五年、この間は平均経済成長率は一一・一%であります。消費者物価の上昇率が五・五%でありました。この間の平均貯蓄率は、これは国民所得ベースの家計の貯蓄率でありますので家計調査の数字とはちょっと違いますが、一六・四%でありました。 その後、四十年代の後半に入りまして、第一次オイルショックを挟む時期でありますが、四十六年から五十年の平均で申しますと成長率は御承知のとおり半減いたしまして四・七%になっております。逆に消費者物価はこの間石油ショックの関係もありまして一一・七%平均で上がっております。この時期に日本の貯蓄率はかなり上昇いたしまして、平均で二〇・二%まで上がりました。特に四十九年第一次ショックの直後でありますが、この時期には二三%という高い率になりまして、かなり家計が貯蓄の目減り等に対して防衛的な行動をとったんではないかと言われた時期であります。 いま申し上げましたのは四十六−五十でありますが、その後五十一−五十五になりますと成長率はほとんど変わっておりません。四・七が四・九になっておりますが、消費者物価の上昇率は第二次ショックを挟みましたが、平均いたしますと前の時期よりはかなり低くて、六・四%であります。貯蓄率自体はこの五年間の平均が二〇・〇%でありますから、まあかなり高い水準で推移しているということかと思います。ごく最近、五十六年あたりになりますとやや一ポイントぐらい貯蓄率が下がっているかというふうに家計調査からは見られますが、基本的には大きな変化はないと思われます。 日銀等の御調査でも、貯蓄の動機というのはやはり不慮の出費に備えるという件数が一番多うございまして、やはり日本人全体として安定した生活を守るためにかなり信頼できる水準の貯蓄を持っておきたいということが基本にあるんではないだろうかと思います。そういうことでございまして、成長率と物価との直接な関係というのはなかなかはっきり申し上げにくい点がございますが、大体の見方はいま御説明したようなことかと思います。
○三治重信君 どうも何といいますか、経済成長率が上がっても下がっても、また物価が上がっても下がっても、何だかんだ、後から考えると、景気が不景気になれば将来が不安だといって貯蓄をする。また物価が上がると将来の生活が心配だといってまた貯蓄をする。非常に勤勉プラス節約型の国民生活、市民生活が行われている。 これが私は、ちょっと歳入欠陥の、景気が不景気になってくると政府が安易に公債を発行して景気づけをやろうということで、公債発行が非常に容易にできることにつながっているかと思うわけなんですが、大体、貯蓄についてどれくらいの限度までぐらい公債を消化できるのか。またこれは、民間の資金需要とも関係あるんだけれども、一つの官民の分布、民間需要が全然なくなってきたときには政府が需要を、公債を出して、そして政府の事業をやって貯蓄を消化していくと、こういう発想が財政政策としていわゆる景気政策として行われているわけだ。 けれども、日本のように景気がこのごろよくなっても悪くなってもどんどん貯蓄していくということになると、景気がいいときには民間の資金需要があるから公債も下げてもいいということなんだろうけれども、まあ不景気が続くということになってくるとこれは貯蓄が高いと、その限りにおいてどんどん政府が公債を発行していかんとむしろ景気がどんどん沈下するというふうな理論につながりはせぬかと思うんですが、その点は企画庁はどういうふうにお考えなんですか。
○説明員(勝村坦郎君) お答えを申し上げたいと思いますが、大変むずかしい問題でございまして、確かにこういう特に民間部門の貯蓄率の高さということは国民経済バランス全体で申しますと、民間部門がどちらかと申しますと貯蓄超過型のバランスになりやすいということでありまして、その結果、国民経済バランス全体で申しますとある程度海外部門が黒字になりやすい、あるいは政府部門がバランスをとるといたしますと、これは中央政府、地方政府合わせました全体のいわゆる一般政府と呼んでおるものでございますが、これ全体で申しますとやはり民間部門の貯蓄超過をある程度吸収するような形になりやすいということはあろうかと思います。 ただ、いま御質問ございました公債の許容のキャパシティーはどれぐらいあるかという点につきましては、ちょっと私ども専門的に検討いたしておりませんので、大蔵省の方からお答えいただけたらと思いますが、いずれにいたしましても、この民間部門の貯蓄超過傾向ということを一応前提にいたしまして政策の問題も考えなければいけないということはあろうかと思います。 ただ、これは民間部門の貯蓄超過と申し上げましたが、第一次石油ショック以後の五十年から五十一年、このころは非常に民間投資が不活発になりまして、そのために民間部門の貯蓄超過も拡大したわけでございますが、最近は幸いなことに民間の投資活動というのがかなり高水準で維持をされているわけであります。それだけに民間部門の貯蓄超過の率というのは、当時の五十年前後に比べますと、かなり縮小はしているわけでありまして、それだけ政府部門の負担というのは相対的に軽くすることはできる、一般論としてそういうことは申し上げられるかと思います。
○三治重信君 企画庁はあんたが一人。
○説明員(勝村坦郎君) はい。
○三治重信君 じゃ余り、局長さんがいないから言ってもしようがないんで、どうぞ結構ですけれども……。 そこで、今度は大蔵省の方に御説明願いたいんですが、いまは一般論の貯蓄論なんですけれども、最近の具体的に言うと貯蓄の増加、各金融機関、市中銀行とかその他の金融機関、それから預金部資金別に、これは資料届けてもらうように言っていたんだが、まだ届いてないんだけれども、資料につくっていただいているだろうと思うんですけれども、そういう貯蓄機関別、金融機関別の最近の公債の消化割合、増加額に対する消化割合というものはどういうふうになっておりますか。
○政府委員(吉本宏君) 国債のシェアでございますが、五年割引国債はこれは全額証券会社で引き受けられまして一般に販売されております。中期利付国債は、これは公募入札でやっておりまして、御案内のように、証券会社が八割近くを応札して販売しておるという状況でございます。 問題は、十年利付国債ということになりますが、これはシンジケート団によって引き受けられまして消化が行われているわけでございますが、五十六年度のシェアで申し上げますと、都市銀行が三四・八%、長期信用銀行が八・四%、地方銀行が一六・三%、信託銀行が五・五%、相互銀行が四・一%、全信連——全国信用金庫連合会でございますが、これが四・六%、農林中央金庫が三・七%、生命保険会社が四・二%、損害保険会社が〇・九%、それに証券会社が一七・五%ということでシェアが構成されておるということでございます。
○三治重信君 この細かい方はいいんだけれども、都市銀行と長銀と地銀の、いわゆる貯金の増加額に対する割合はどのぐらいの割合になっていますか。
○政府委員(吉本宏君) 現在の国債は、ただいまも申し上げましたように、銀行が集めたお金を吸い上げる、間接金融方式と申しますか、そういった形でかなりの部分が消化されておるわけでございますね。 そこで、じゃ都銀、地銀がそれぞれの預金増加額に対しどの程度の国債を引き受けておるかという御質問かと思いますが、最近の例で申し上げますと、これは五十三年度が四二%、預貯金が八兆円でございまして、それに対して国債の引き受け額が三・三兆円ということで、四二%でございます。それから五十四年度は、これは預貯金の伸びが非常に少なかったのに対して国債の発行額が約十五兆円になんなんとするということで、一番国債の発行額がピークに達したときでございますが、このときが九一%、預貯金の大部分を公債で吸い上げたというかっこうになっております。 それが国債の発行額が漸減してまいりまして、その結果五十五年度は預貯金に対して三九%、五十六年度の上期は二二%ということになっております。五十六年の上期は休債というような若干特殊事情がございましたのでやや問題があると思いますが、大体都銀については預貯金の三割程度を国債の引き受けに充てているというのが実情ではないかと思います。 それに対して地銀でございますが、地銀は五十三年度について見ますと、預貯金の二四%、五十四年度が二八%、五十五年度が三三%、五十六年度が一六%ということでございます。ちなみに地銀は国債のほかに地方債をかなりを引き受けておりますので、そういったものを含めた公共債のウエートはもうちょっと高くなるのじゃないかと、このように考えております。
○三治重信君 この金融機関の集める貯金の増加額と政府の出す公債の金額の動きが非常にイレギュラーというんですか、でこぼこに相当なっていますですね。こういうことについて消化が容易なことになるのか。非常に割合を多くすれば消化がむずかしくなるわけですね。消化がむずかしくなると、金利を引き上げざるを得ぬというようなことであろうかと思うんですが、大体こういう、ことに五十四年は九一%ということになってくると、これは民間資金をシャットアウトするようなかっこうになって、非常にこれが公債発行による金利高をもたらすということになろうかと思うんです。 これはちょっと飛躍して申しわけないかもしれないんだけれども、研究されていたら言ってほしいんですが、どうもアメリカの金利高の原因が私はよくわからない。ことにアメリカは不景気だと言っていながら、インフレもおさまりつつある。こういう中で金利がちっとも下がらぬ、二けたのが下がらぬのは、アメリカの赤字が一千億ドルにも及ぶということが原因して利子が下がらない。 こういうことになってくると、日本も国債を発行する、またことしの、後でまた国債の追加発行になっていくと、また非常に、そういう貯金を政府がよけい国債によって吸収しなくちゃならないということになる。そうすると利子が上がる、こういう姿になるわけなんだろうと思うんだけれども、本当にアメリカの一千億ドルの赤字が金利の下がらない原因ということはどうも僕はまやかしのような気がするんだけれども、大蔵省の方でこの後国債を追加発行するというとシンジケート団が引き受けたくなくなる、もっと利子を高くしてくれと、こういうことになると思う。 それがそう急に、アメリカの金融市場と日本の金融市場とは相当違うといえば違うんだろうけれども、日本も国際的にオープンにしたわけなんだが、それがもろに今度は五十五年、去年オープンにしたわけだが、いままでもそういう国際金融的な利子の上下によって資金が動くことからはシャットアウトされていたやつがオープンにした。これから公債を増発するというと、アメリカのいわゆる赤字の増大、赤字の増大といっても全部が全部政府の短期証券だけでやっていくにしても何にしても、まあいわゆる一種の公債ですわな、借金なんだ。 今度はそうすると、日本のいまは非常に、この間の四−六月のやつは、この間の引き受けの新聞見ると、後でまた原因聞くんだけれども、利子を下げさせているわけでしょう。そして今度は後から予想される追加の赤字国債にしろ建設国債にしろ出してくると、今度はまたいまの利子が上がる可能性もあるんじゃないかと思うんですが、そういうふうなのは相当弾力的にやっていくつもりなんですかね。
○政府委員(吉本宏君) 国庫全体の姿を申し上げますと、五十六年度は実質四兆円ぐらいの払い超になっておるわけでございます。と申しますのは、これは一つは税収が必ずしも好調でないという点もございますし、それから郵貯が目標を一兆二千億円も下回る、こういう状況でございます。一方、支払いの方はかなり順調に支払いが行われるということで、五十六年度はかなり大幅な払い超になっておるわけです。 これは、国庫から払い出されたお金は民間の金融機関その他に入るということで、相当の金が民間にだぶついておるということはこれは否定できないんじゃないかと思います。現に私どもが長期金利の〇・二%の引き下げを行いましたけれども、これは決して無理をしたわけではございませんで、債券市場の実勢がそういった流通利回りの低下という形であらわれてきているわけです。それはやはり民間にはお金があって、しかもそれをなかなか運用できない、貸出先がないというようなことで、やはり債券の投資に回ってくると。 したがって、債券市況がそれだけよくなったということでございまして、結果として、私どもとしては流通利回りを見ながら〇・二%のクーポンレートの引き下げをやったということでございます。現に、その引き下げをやりながら、一兆円の引き受けをシンジケート団は了承をしておるわけであります。 そういうことで、お金は民間にかなりあるわけでございますから、それをどういうふうにうまく使っていくかということでございまして、先ほど九一%などということを申し上げましたけれども、これは非常に国債の発行枠も多かったあるいは民間の預貯金も余り伸びがよくなかったというような特殊事情でございまして、最近の実績から見れば都銀についてもまあ大体三割程度ということでございますので、余り国債発行のために民間資金を圧迫するというような形には必ずしもなっていないんではないかというふうに考えております。
○三治重信君 五十七年度の初めあるいは上半期の間は非常に、何というか金融が緩んでおって、投資対象もドル買い以外には余りないと、ドル買いの金額もそれほどでもない。こういうことから国債も非常に利子を下げてもシンジケート団が買ってくれる、こういう非常に赤字財政の予想されるところにおいては公債消化には環境が非常に恵まれているわけなんですが、そういうふうなことを考えると、これはなかなか、何といいますか景気の回復というのは非常にむずかしい、しかも、税収も大蔵大臣は八%ぐらいの不足になるだろうと、そうすると三兆五千億前後の不足となる。 こういうことになってくると、いまのそういう民間の金融緩和の状況からいくというと、二、三兆円の国債消化というのはそう金利を高めなくして消化できる態勢と考えておられるかどうか。
○政府委員(吉本宏君) 私どもまだ国債の増発というようなことを考えておりませんので、それが金融市場にどういう影響を及ぼすかというようなことも全く検討をしておりません。十兆四千億の当初予算に計上された国債の消化をまず着実にやっていくということで考えております。
○三治重信君 まあその十兆四千億はずっとやっていかなきゃいかぬ。いまの計画からいくというと、いまは非常に金利を下げてでも買ってくれるということになって、そういう売りさばくのを早めるということ、十兆四千億の消化の割り当てですね、四半期別の割り当てについては少し繰り上げるとかいうようなことは考えてないんですか。
○政府委員(吉本宏君) 大体私どもが国債の消化をする場合、上下で、大体上期六割程度を消化するということでおおむね考えておるということで従来やってきているわけですが、ことしも別に特に上期に前倒し発行をしようということを考えているわけではございませんけれども、先ほども申し上げましたように、かなり民間資金がだぶついておる。日本銀行が大蔵省証券あるいは外為証券を、政府短期証券を市中にすでに二兆四千億ほど売却するというようなことで民間資金を吸い上げるということに一生懸命になっておるという状況でございますので、私どもとしてもこの時期にできるだけ国債の消化をやっていきたいということで、四月一兆円ということでお願いしたわけでございます。 五月については、まだシ団と話し合いを進めておりませんけれども、できるだけ消化できるときに消化しておきたいと、このように考えております。
○三治重信君 まあ歳入欠陥も、だれの責任何だかんだと言ったって、これは自由経済の動きで一年先、半年先が見えないときだからどうしようもないということになろうかと思うんですけれども、しかし、経済の運営全体を考えてみた場合に、政府の税収不足あるいは景気回復対策という場合に、金をどういうふうに使うかというときには、やはり民間の資金の動きと対応して資金の出し入れ、対政府−民間のやつを、物を出すことの時期ばかり考えぬで、やはりそういうようなだぶついておるときには、十兆四千億も借りようとするわけなんだから、あるいはまた、しかも相当歳入欠陥が予想されるとなれば、相当先予定の公債を売りさばいていく。 アメリカが、ただですら日本は低金利をやってそうしてアメリカの足を引っ張っているというふうなことを言われぬためにも、景気刺激のためには利子は低い方がいいんだけれども、またアメリカや外国との関係からいくというと利子は余り相対的には下げぬ方がいいと、できれば下がっている現状維持を利子ではやっていく。それはまあ資金需給の関係で、国債を発行する効果とすれば利子は一つでも下がった方がいいと思って下げたんだろうけれども、そうしたらもう少したくさん売れば現行の利子で、わざと下げぬでも、大量に買ってもらえればそこで維持できるんじゃないかと。 こういうものは国際関係等も勘案して、生意気なことを言うようなんだけれども、考えたらどうかと、そういうふうに思うわけなんですが、公債と利子の関係、それから民間と対政府の資金のやりとりについて、やはり景気のことや穴埋めのことばかりやらぬで、やはり公債を発行をしたり景気というものをマネーフロー、いわゆる物の動きの半面、金の動きが伴っているわけなんですから、その金の動きと物の動きが実態が違ってくるとやはりそこに摩擦が起きる、こう思うんです。 そういう資金のマネーフローについて、やはり相当な公債を抱いたりあるいは非常に財政困難の中で、また国際経済の中で処理していくためにはそういう配慮が必要だと思うんですが、そういう意味において、今度の公債の利子を下げるのは、いま目前に、公債を相当なしでは済まされないときに、国際関係がなければいいんですけれども、ちょっと問題じゃないかと思っているんですが、そういうことについて大蔵大臣はどういうふうな指導体制をとっておられますか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) それも一つの正しい見方だと私は思います。 ただ問題は、景気の動向がどうなるかということについて確たる見通しがないということが一つです。それから仮に、仮の話ですよ、これはあくまでも。国債を増発して、建設国債のことでしょうが、景気対策をやるとした場合は、建設国債といえども借財であることは間違いないし、金利負担が後代に及ぶという問題が一つございます。しかし、それでも何でもやらなきゃならないときにはやらなきゃならぬ問題がございます。しかしながら、何とかもっと低い金利が考えられないかという問題もございます。 それからもう一つは、一遍ふくらんだ建設事業費というのはなかなか戻らない。そこに問題があります。景気刺激のために建設国債を使うのはいいんだけれども、景気がよくなったらば建設予算をどんと減らせばいいんだが、それをするとまた建設に必要が起きたの何のかんのと必ずこれは言う。膨張した歳出規模はなかなか縮まらないということを考えると、やはり安易に財政規模を膨張させるのは問題だ。それでもなおかつやるかどうかという問題があります。民間に資金がだぶついているんですから、これの活用方法は別に考えられないかという問題もあります。 しかし、いずれにせよ、いまのところはそういうような手段、方法を講じなければならないという状態ではないというように私は考えておりますので、もうしばらく実態を見た上で、現に建設事業といえども執行できないほど前倒しでしているわけですから、執行できないんだから、それ以上やれと言われても。ですから、まだ数カ月間の時間があるんで、そういうような世界の経済の見通しや日本の経済の動きを慎重に冷静に判断をしながらやっていきたい。 いま三治委員のおっしゃるようなことはいつでも常に念頭に置いて考えています。決して忘れている話ではありません。
○三治重信君 私は何も公共事業を景気対策としてやる必要があるとかなんとかいうことを言っているわけじゃなくて、そういう景気対策のためにやるという場合の公債消化の考え方というものを申し上げておるわけなんですが、その建設国債の問題はいまから御質問しようと思っていたところなんです。 これはまたそういう金融関係とは別に、財政政策として景気刺激対策のためにということになって建設国債が利用されているけれども、どうも日本の建設国債は、いま大臣がおっしゃったように、従来の公共事業費というものを財源が足らないために建設国債を出して肩がわりしているということ、そういうぐあいになってくると、いわゆる五十三年以降大蔵省が経常部門と投資部門とを分けて、そうして経常部門については、歳入不足については赤字国債を出す、投資部門についてはこれは建設国債は法制上許されているからこれは弾力的に考えていく。 そこで、歳出構造をぐっと大きく二つに分けて、経常部門と投資部門と分けて、そして経常部門をとにかく五十九年までにゼロにしていこうと、ここに目標を、焦点をしぼった形跡があるわけなんですが、しかし一面、不景気になってくるとすぐ公共事業、建設国債と、こういうぐあいになるんだけれども、どうもその建設国債の中身に一般的な、例年ルーチンとして補修だ、災害対策だ、まあ災害対策でも特別大災害とかなんかというのはこれはまた別ですけれども、そういう学校をつくるとか、経常的な投資部門についてこれを建設国債に依存して、これが景気対策というものは、いま大臣がおっしゃったとおり、これは減らすことができないやつになってくるわけなんです。 これはどうも経常部門、これだけの大きな赤字を建設国債と特例公債をやっていくとなると、どうも余り区別というものが、建設国債というものが経常的な公共事業にほとんど使われておって、特別な目標があって初めて、景気の浮沈に伴って、従来ならそういますぐやらぬでもいいけれども、景気の対策としてひとつ大きなプロジェクトをやろうということならいいんだけれども、そういうことでなく使われているところに根本的な欠陥があるんじゃないかと思うんですがどうですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 建設国債といえども国債であることは間違いありません。 したがって、やはりこれはいろいろ御指摘のあるところもございますが、何でも名目さえくっつければ建設国債で出せるんだということは、これは厳に慎まなきゃならぬじゃないか。やっぱり安易に流れますから、それは私はそのとおりだと。しかしながら、政策というのはそのとき最重点でやるものは何かということですから、いつでも。ほかのものは多少犠牲にしても最重点でやるものは何だということを考えながらやらなきゃならぬ。 国債については、国民個人が持っておるのは余り少ないわけですからね。したがって、私は、国民個人個人の家庭が持ってもらうということになれば、もう少し日本の経済力から見て国債は日本の経済のために利用されるということは可能だというふうにも考えています。
○三治重信君 それからもう一つ、公債がいままで長期、中期、短期で出していたわけなんですが、最近新聞の報道なんかから見ると、国債のほかに資金調達手段として直接資金、いわゆる企業が銀行から金を借りるように国も国債発行じゃなくて借用証でやって金を借りる、いわゆる相対で借りるようなことも一部ちらほら出ているんですが、こういうような借り方をやることができるか。あるいはそういうものは国債と並行してそういう借金をやることも可能であり、検討もし、またやろうと思っているのかどうか。
○政府委員(吉本宏君) 昨年、御案内のようにアメリカの金利が上がりまして、国債の消化が非常に難航したわけでございますね。五月、六月、七月と休債になったということで何とか局面を打開しなきゃいかぬということで私募債を出したわけでございます。九千億ばかり金融機関にお願いして非市場性債券ということで発行いたしたわけでございます。 私どもが私募債を発行する際に、西ドイツの債務証書借り入れというものが頭にあったと。これは西ドイツの場合は金融機関、まあ数行でございますが、そこから借り入れをするわけでございます。電話でネゴシエーションをして借り入れをする、そういう方式を日本に取り入れることが是か非かということで私どもいろいろ検討したわけでございます。法律上も財政法四条では「公債を発行し又は借入金をなすことができる。」と、借入金について財政法四条は認めておるわけでございます。 そういうことで検討を加えたわけでございますが、結論としては、昭和四十年度以来公募債ということでやってきたわけでございますし、特にこの段階で借入金の導入ということは差し控えた方が至当ではないかということで、五十七年度予算では特に借入金の発行権限というような借入金の規定を予算総則に入れることは差し控えたというのが実情でございます。
○三治重信君 それと、つい最近朝日に出たんですが、貯蓄国債を無記名のやつでやるということになるというようなものが一部出て、しかも大臣が検討を事務当局に命じたというふうなことになっているんですが、これは貯蓄国債という名がいいのかどうかわからぬにしても、これでもやはりいまの現行法でできることはできる。貯蓄国債というと一種の無記名の金融債みたいなことになるかと思うんですが、そういうことをやるのを検討を命ぜられたというふうに新聞に出ているんですが、大臣、それは本当でしょうか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 私は個人の人に国債をもっと持ってもらった方がいいと。いまグリーンカードの話が出ておりますが、みんな銀行預金とか郵便局とかいっぱい持っていますけれども、国債というのはほとんど持ってないんですよ、個人個人の家庭に聞いてみると。したがって、そういうものは三百万円を無税で持てるわけですから、非常に有利な蓄財方法として。ですから、そういう意味で個人がたくさん国債を持ってもらった方がいいということは申し上げております。 しかし、朝日新聞に出ておるようなことは、私も見てびっくりしたわけでありまして、これは考え方かもしれませんが、何でも大蔵省は研究していますから、研究はしておりますが、具体的にどれをどうするということを研究しているわけではありません。国債の多様化、中期債とか短期債、長期債とか、どういうものでも世界じゅうの例も集めて勉強はいろいろしています。しかし、私が新聞に出ているようなものを具体的に取り上げて、特別に日本のものとして検討するようにとは言っておりません。
○野末陳平君 郵政省に聞きますけれども、郵便貯金の減少がとまらないように聞いておりますけれども、大ざっぱな傾向と原因の分析、これを簡単にまずお願いします。
○説明員(舘義和君) 最近の郵便貯金の増加状況でございますが、昭和五十三年度以降、五十五年度の一時的な急増を除きまして伸び悩みの状況にあったところでございます。 昭和五十六年度の増加状況につきましては、純増加額で、これは窓口における預入から払い戻しを控除した増加額でございますが、三兆一千六百六十億円ということでございまして、前年度実績に対しまして五一%、前々年度、五十四年度実績に対しまして七六%となっております。またこの純増加額に、元加利子と言いまして、預入されている貯金につける利子額でございますが、これを加えた総増加額では七兆六千三百八十七億円ということで、前年度実績に対しまして八一%、五十六年度の増加目標額、財政投融資計画額でございますが、八兆九千億に対しまして八六%の推進となっているところでございます。したがいまして一兆二千六百億円不足したということでございます。 この原因でございますが、どういうことで伸び悩みになっておるかといいますと、私どもの分析では、貯蓄の増加に影響を及ぼします最大の要素である家計の可処分所得の伸び率が経済の安定成長下において低下していること、それから住宅ローン、進学ローン等各種の消費者ローンの残高が年々増大してきておりまして、この返済負担が大きくなっていること、さらに個人の金融資産選択が、民間金融機関において期日指定定期預金あるいは新型貸付信託、ビッグそれからワイド、こういった新型の商品が開発されまして一層多様化が進展しているということなどが影響をしているものと考えております。
○野末陳平君 だから、一説にはそれを郵貯離れなどとも言ったりしているんですが、いまは五十六年でしたね。五十七年の一月、二月、三月、この辺はどうですか、その傾向がどういうふうになってきていますか。
○説明員(舘義和君) ただいま申し上げましたのは五十六年度ということで、五十六年四月から五十七年三月までの数字でございます。
○野末陳平君 いまのは一年間でしたから、一月、二月、三月をそれぞれに分けていまのような傾向が相変わらずなのか、それとも極端に何か変わるところが出たのか、その辺をお聞きしたいわけです。
○説明員(舘義和君) この一月は預金金利の改定がございまして、それの駆け込み預入がありましたので比較的多くなったわけでございますが、二月、三月は、これは例年のことでございますが季節的に資金需要が高くなります。要するに入学とか就職等控えまして非常に資金需要が高くなるということで例年非常に落ち込んでいるわけでございますが、五十七年の二月、三月につきましても同じような落ち込みというか、例年にも増してかなり落ち込んだと、こういうことでございます。
○野末陳平君 例年にも増して落ち込んだんですが、四月はまだ日も二十日までですからね、この四月の傾向というのがもしわかったら教えてほしいんですがね。
○説明員(舘義和君) 本年四月の昨日までの増加速報でございますが、例年先ほど言いましたように三月は落ち込みますが、四月から回復に向かう傾向にあるわけでございます。本年四月も三月から見ましてふえてはいるんでございますが、例年に比べましてそれほど多くない実情にあります。ちなみにその数字を申し上げますと、純増加額と言いまして、窓口において預入から払い戻しを差し引いた額で、昨年の実績のおよそ半分ということになっております。
○野末陳平君 およそ半分であるというのは、かなり厳しい数字じゃないかと思うんですが、問題は、いま原因の分析の中にそれぞれなるほどと思うところがありましたが、グリーンカード問題の、これの影響をどう見ているかというあたりが出てなかったので、そこを改めてお聞きしますけれども、どうでしょうか、グリーンカードの影響というものが、郵貯のいまの減少傾向に出ているかどうか、それはどうですか。
○説明員(舘義和君) いわゆるグリーンカード制度につきましては、これが利子配当所得の総合課税への移行を前提としまして、その実効性を期するために実施されるということで、郵便貯金もこれに参入することとしたものでありまして、現在このことが郵便貯金の増勢にどのように影響しているかについてはつまびらかではないんですが、今後の増加に及ぼすもろもろの要因とその動向につきましては、十分関心を持って注視していきたいと、このように考えているところでございます。
○野末陳平君 じゃ、今後ですけれども、十分に注視はいいんだけれども、グリーンカードの実施が迫るにつれて郵便貯金というものが大幅に減るんじゃないかと、一説ではまあ十数兆というような金がよそに流れるんじゃないかとか、これは説ですから、もちろん全く根拠があるとは思えませんが、それにしても私個人で考えても、かなり減りそうだと、そういうふうに考えているんですが、どうでしょうかね。
○説明員(舘義和君) ただいま申し上げましたように、グリーンカードが郵便貯金にどのように影響しているかということについても、現在はっきりわかってないというか、つまびらかでないわけでございまして、それがまた将来どのように影響するかということについても、やはりその影響についてははっきりわからないというのが実態でございます。
○野末陳平君 一人一人の預金者に調査して原因を分析しているわけじゃありませんから、結果的にわからないという答えももっともらしく聞こえるんだけれどもね。だけれども、こういう増加傾向が芳しくないと、前年に比べてね。それに対してグリーンカードが何か影響があるんじゃないかということをもうちょっと踏み込んで考えてないのかどうか、そこですね。
○説明員(舘義和君) 先ほど言いましたように、私どもが郵便貯金が低調である理由としては、大きく言って三つあるということを申し上げたわけでございます。そういったことが非常に大きく影響しているということで、むしろ私どもとしては、グリーンカードはそれほど影響ないんではないかというように考えているところでございます。
○野末陳平君 影響があるということになると、限度管理の問題とかその辺が出てくるわけだから、超過分が多いということにもなりかねないからそういう答えしかできないように思うけれども、しかし、これは相当関心を持たないといけないところだと思っていますのでね。お答えはその程度でもいいんですが。 参考までに聞きますが、今後の限度管理の名寄せですね、前からこの委員会でも大分出ましたけれども、一つだけはっきりしてないところがあるんですが、今後オンラインによる名寄せで、これは貯金局ごとにやるつもりなのか、全国を一本化してやるつもりなのか、その辺はどうでしたか。
○説明員(舘義和君) 貯金局における名寄せの限度額管理につきましては、手作業の時代から全国一本ということでやっておりまして、したがって、コンピューターを使ってやる場合にも同様全国一本の構えでございます。
○野末陳平君 それからもう一つ参考までに、これも去年あたりから郵政省では老人向けのシルバー貯金の構想ですね、これを大分打ち上ておげられたようですが、これについてはどうですか。今後に向けて実施の、実施というか、内部ではどういうような取り組みをなさっていますか。
○説明員(舘義和君) まあ高齢化の傾向を強めておりますわが国におきましては、老後の経済生活の安定と充実が重要な国民的な課題となっていることは御承知のとおりでございます。 このような観点から、高年齢の人々が努力して蓄えた預貯金に貯蓄上の特別の優遇を加えるために五十五歳以上の世帯主の郵便貯金につきまして一般の預入限度額、現行三百万円でございますが、それとは別に一千万円の別枠を設けまして、非課税で預入できるようにする。いわゆるシルバー貯金を創設するということで五十七年度予算において要求したところでございますが、税制に関するものであり、現下の厳しい財政事情等から実現に至らなかったものでございます。 しかし、郵便貯金が国民の健全な資産形成に寄与し、その経済生活の安定と向上を図ることを目的としていることにかんがみまして、郵政省としては今後とも早期実現に向けて努力してまいりたいと考えているところでございます。
○野末陳平君 いまの構想をもう少し詳しいところを聞きたいんだけれども、五十五歳以上が従来の三百万円とは別に一千万円と、こうでしたね。そうすると、そのお金が五十五歳以上の人のものであるということはどういうふうに確認するつもりでこの構想を立てているんですか。
○説明員(舘義和君) 五十五歳以上の世帯主の確認につきましては、まず預入の際に健康保険証などの世帯主であること及び年齢を証明できる資料の提示を受けましてこれを確認するとともに、払い戻しの際にも同様の書類の提示を受けまして確認することによって不正利用の防止をすることが可能であると考えております。
○野末陳平君 ですから、預けに来たり払い戻しに来た人を確認するのはこれはできるんだけれども、息子がおじいちゃんに頼まれたからと言って持ってきたと、これをシルバーの一千万でやることもまたできるだろうから、その辺のところはこれは無理かもしれないし、だからそれはあってもやむを得ないということでこの構想を立てているのか、その辺なんです。金に一々これは五十五歳以上と書いてないから。 というのは、いまだって限度額についていろんな問題が出ているわけですね。そこへもってきて一千万の別枠、これは結構なんだけれども、別な意味の大変な不公平がここで出てきておかしくなるんじゃないかと思うから、それをもう一回聞きたいわけです。
○説明員(舘義和君) 現在の段階では、ただいま申し上げたようなことで確認しようとしているわけでございまして、なおこれで不十分な場合には今後また検討していきたい、このように考えております。
○野末陳平君 まあこの構想はなかなかいいように思えるんだけれども、ちょっと問題点が多過ぎるなという気もしますね。 そこで、大蔵大臣、いまの郵政省のシルバー貯金という、これについては大臣の意見はいかがですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 私どももいま野末委員が言ったようなことを指摘をしているわけです。しかし、完全に確実に限度管理が行われるということが保証をされれば、グリーンカードによって完全に確実に保証をされれば、まあ額はどうかわかりませんが、私どもは検討に値しないと言っているわけではありません。問題は、確実に完全に額が保証されるということが前提であります。
○野末陳平君 じゃ、まあそれは大蔵省と郵政省の間で詰めてもらうことにしよう。あなたにこれ以上いろいろ聞いてもこの際無理でしょう、結構ですよ。 そこで、話がシルバーになってしまいましたから大蔵大臣に重ねてお聞きして、その後国債の方にいきたいんですが、私この間ちょっと提案した銀行のシルバー・マル優ですね。これは、あのときは総理ともども私の提案も含めていろいろと勉強というようなことでお答えいただいたんだけれども、いかがですか。一説によればグリーンカードと引きかえにこれを検討しているなんという話もないわけでなさそうで、引きかえは別として、シルバー・マル優そのものの実現ということについてどのようなお考えをお持ちか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) これもまた私は、郵便局と同じじゃないかと。要するにいまでさえも非課税貯蓄がふえちゃって、去年一年間に推測するところ二十二兆円がところふえたと、分離の方は二兆円しかないと。十倍以上ふえている。果たしてそいつがみんないいのかどうなのか、私としては疑問があるんです。でございますから、やはりその限度管理が確実にできるということならばわれわれとしてはまあ相談に乗ってもいいんだろうな……、(笑声)乗ってもいいと思います。
○野末陳平君 限度管理じゃ確実にできるならばということでさらにお聞きしますが、額はともかくとして、もし郵貯にシルバー貯金を認めるとすれば、当然同じ額を民間の金融機関にもシルバー・マル優として認めなきゃならないと、こういうようなことになりましょうか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) まだ郵貯の話もしてないわけですから、してないうちに銀行の話もするというのはちょっと先走り過ぎることじゃないかと。まあしかし一方だけということもなかなかむずかしいんじゃないかという気もしますがね、いまの段階では。
○野末陳平君 そこで、先ほど私指摘した郵貯の場合、五十五歳以上と、これがお年寄りと、いわゆる高齢者というラインになるかどうかは問題もあろうかと思いますけれども、民間の金融機関の現在のマル優枠三百万と別にシルバーと称するマル優を仮に考えるとした場合、このグリーンカードになりますとさっき指摘した点のこの金は——この金はと言ってもお金にだれだれとついてるわけじゃないんだけれども、身分証明が、本人確認がグリーンカードであれば当然そこに、仮に名前と番号のほかに年齢でも入れば確実にこれは年寄りの金だという確認はもう間違いないと思うんですね。 同時に、これは息子が年寄りの名前使ってその特典を物にしたとしても相続の段階でこれは明らかになるわけですから、だからグリーンカードの機能がシルバー・マル優というものには非常に合っているんではないかというふうにも考えるんですが、とすれば、シルバー・マル優というのは郵便局の限度管理が確実に行われるという問題点と比較して非常にこっちの方が実現性が高いという気もするんですが、どうでしょうか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) したがって、グリーンカードですね、非課税のものは恩恵ですからね、一種の。これは税金払わぬというわけですからね、利息があっても。一円も税金は払わないというのが非課税貯蓄ですから。ですから、それはやっぱりある程度限度がないというと非常にそこで不公平が起きてしまう。ですから、非課税制度というものを持続するんだったら、グリーンカードといいますか、それはゴールデンカードでもなんでも名前はいいけれども、私としてはやはり現行法で書いてあるあのやり方、少額貯蓄利用者カード、俗称グリーンカードであります。
○野末陳平君 グリーンカードの実施とほぼ同じくしてシルバーというようなマル優非課税の枠を新設してほしいというふうに検討をお願いしておきます。 そこで、今度国債の関係なんですけれども、大蔵省からいただいた資料を見ますと、個人の金融資産の保有形態ですが、この推移を見ますと何となく傾向がわかる。資産選択の幅が広がったというのか、時代の影響でまたいろいろ好みが変わってくる。いろんなことがあるんでしょうが、この「個人の金融資産保有形態推移」ですね、これを見て大蔵省としてはどの部分に着目していますか、国民のニーズが変わってきたというような見方からいって。どういうことを分析していますか。
○政府委員(吉本宏君) お示しした「個人の金融資産保有形態推移」という表でございますが、たとえば五十六年末の数字で見ますと、貯蓄総額が、これは一世帯当たり六百五十万。これを一〇〇といたしまして、金融機関に預金されておるものは九六・八%、そのうち定期性預貯金が四八・一%、生命保険が二〇・七%、有価証券が一八・八%、そういうような数字が出ております。金融機関外が三・二%と、これは非常に少ない。 そこで、この表を見て感じられますことは、やはり何と申しましても預貯金のウエートが非常に高い、現在でも五割近くが定期性預貯金という形で保有されておるということであります。したがって、その反面有価証券の保有が少ない、有価証券の中でも最近債券の保有は若干ふえておる、債券の保有割合は五十四、五十五、五十六と横に並べますと、五十四年が二・八%、五十五年が三・四%、五十六年末が四・二%、若干でございますがふえてきておるということでありまして、私ども国債の発行当局といたしましてはもう少し個人の金融資産に占める有価証券、特にその中で国債を持っていただきたいと、このように考えられるわけでございます。
○野末陳平君 私も見ていて有価証券の保有はかなりなところまで来ているとは思うものの、債券はちょっと少ないなと。 しかしこれからは、もっともグリーンカードで株にまた移るとか、そんな話も聞くとわからないのだけれども、株はここのところ個人は非常に減っていると思っているわけです。でも債券はもっとふえてもいいような気がして、特に国債は個人消化が別の資料で増加しているけれども、それにしてももっと持たれるべきではないかと思うんですね。それは大臣の再々の答弁にもあるように余り持っている人がいないとか、あるいは特別マル優のよさにまだ気がつかないか、あるいはそこまでお金がない、そういういろいろ、わかりませんけれども、国債の個人消化を今後とも進めていく場合に、従来の推移をいただいた資料で見ますとまだ三割にいってないような感じですが、そういうふうに見ていいんですか。 国債の個人の消化は、証券会社のものはほとんど個人にさばかれるわけですね。でも法人もあるのかな、これはどうなんですか、もう一度伺います。
○政府委員(吉本宏君) ただいま証券会社の割合が二七%という仰せでございますが、これは五十六年の総発行額が十三兆三千九百六十二億でございまして、そのうち証券会社の取り扱い分が三兆六千三百八十一億円でございまして、二七・二%ということになっております。 この証券会社の販売分は全部が個人というわけでは必ずしもございません。事業会社とかその他の法人に売られる場合もあるわけでございます。ただ、その傾向として申し上げますと、かなり証券会社の取り扱い額が多くなっていることはもう明らかでございます。昭和五十年度で申し上げますと、証券会社の取り扱い分が三千五十七億ということでございますから、そのころに比べれば十倍以上になっておるということであります。 それから、国債の種類として、御案内のように十年利付国債のほかに中期利付国債とか割引国債があるわけでございますが、特に二年物、三年物、四年物という形で出しております公募中期債につきましては、九割近くが証券会社に落札されまして、その七、八割が個人によって買われておるというふうに私どもは見ておるわけでございます。割引国債につきましても、これは全額証券会社が取り扱いまして、これは割引債券の性格上ほぼ全額が個人に売られておるというふうに理解をいたしております。
○野末陳平君 じゃ、証券会社の扱った分で、個人にはめられたのはどのくらいかというのは正確なところではまだわからないわけですね、法人のもあるからね。
○政府委員(吉本宏君) この計数でございますが、残高で申しますと、これは私どもの統計では、大体五十六年の十二月末現在の保有状況を見ますと、個人等のウエートが四割になっておるわけでございます。総額が七十九兆八千五百四億と、そのうち個人等が三十二兆二千億ということになっておりますが、これは、いま申し上げましたように、事業法人に保有されているもの、あるいは外国人に保有されているもの、いろいろございまして、それが全部入って三十二兆ということでございます。 それじゃ、個人でどのくらい持たれておるのかということでございますが、国債は御案内のように登録債で出しておるものと、それから本券と申しますか、現物で出しているものとあるわけですね。登録債で保有されているものは大部分これは金融機関その他ということになります。現物で、要するに本券を出している分は、その相当部分が個人だというふうに言えるんじゃないかと思います。そう申しますと、本券の残高が約十五兆円ございまして、その半分以上が個人分ではないかと推定されますので、おおよそ十兆円程度かなということでございます。 大臣も申し上げておりますように、八十兆円のうちまだ十兆円ということで、まだこれは個人消化について一層の努力の必要があるということは私どもも考えております。
○野末陳平君 そこで、国債も商品的には結構種類があるわけですけれども、いままで発行されたそれぞれ額が全然違いますけれども、商品の中で、これはもう大蔵省も国債を売るという商売という意味に割り切って考えるならば、個人のニーズに合ったというか、個人に人気のあった商品といいますか、時代背景もあるとは思いますけれども、どういうのが一番人気があったかというような分析なんというのはあるんですか。
○政府委員(吉本宏君) どういう商品が人気があったかということでございますが、私どもとしては現在出しております十年債、それから中期債、割引債、それぞれ特徴がございまして、投資家のニーズに合ったそれぞれの消化の仕方をされているというふうに理解をしておるわけでございます。 特に十年債は、最初はどうも売れ行きがよくなかったわけでございますが、五十三年度ぐらいからはかなり売られておりまして、たとえば私どもの数字で申し上げますと、五十三年の二月には二千三百億円、五十三年の三月には二千五百三十億円というような売れ方をしております。それから五十五年のころも大体二千四百億から二千七百億円ぐらいの月中の消化額があると。最近で、五十六年の十二月の数字でも二千三百五十億と。ついこの四月の証券の割り当て額は二千五百億、一兆円のうち二千五百億円が証券分というようなことになっておりまして、これは傾向としてやはり金利の先安見込みと申しますか、金利が先に下がるぞというようなときにはかなり買われておると。 それから、金融逼迫時でも相当金利の高いときがございました。一番金利の高いときは利回りで八・八八八というのが、これは国債の一番記録的な高利回りだったんですが、この当時はかなりよく個人消化が行われたんではないかというふうに考えております。それから季節的には、四月はやはり退職金が出るとかそういうようなこともございまして、一般的に売れ行きがいいというふうに言えるのではないかと思います。 それから中期国債は、これもいろいろ経緯はございましたけれども、最近は個人商品としてかなり安定的に証券会社で売られておることは御承知のとおりでございます。これは預貯金との比較において若干この利回りが高いと。預貯金が六%に対して、中期債はクーポンレートで七%ぐらいついておるというようなこともございますし、金利選好が非常に敏感になっておる現代でございますので、中期債についてはかなり人気、人気と申しては何でございますが、評価をされているんではないかというふうに考えております。 割引国債は、ちょっと性格が、これはマル優の限度を突破したというような方が主としてお買いになっているんではないかというふうに見ております。
○野末陳平君 大体よくわかりましたが、その中で最後の割引国債ですね、これはどうなんですか、この計画は量を少しふやすとか、何かそんなようなことでもあるんですか、ここ一、二年で。
○政府委員(吉本宏君) 割引国債につきましては、これを最初に出しましたのは五十二年の一月だったと思いますが、非常に金融機関が反対をいたしまして、新たに出す際にこれが一般の金融商品、定期預金、預貯金等と競合するというようなことでかなり強い反対がございました。そういったことで発行額を三千億ということでやるということで発行を行ってきたわけでございますが、五十七年度につきましては五十二年に発行したものの借換債が出ておりますので、それを含めまして五十七年度は四千五百億という発行を予定をしておるところでございます。
○野末陳平君 しかし、どうもこれも私の予想だから何とも言えないんですけれども、グリーンカードになるとちょっと人気化するんじゃないかなという気がするわけですよね。だから、そうすると今度また証券会社で奪い合いとかになって、その辺の調整はややこしくなるんじゃないか。つまり、だから来年あたりどうなんでしょう。そんなこと考えながらの計画ですか。
○政府委員(吉本宏君) 特に私どもグリーンカードを意識しておりませんけれども、ただいまも申し上げましたように、発行額を新規財源債として三千億という枠をはめられたようなかっこうになっておりますので、したがいまして、需要が非常に出るにいたしましても、発行額を急増させるというわけにはまいらぬのではないかというふうに考えております。
○野末陳平君 そういうところは大蔵省に全部やってもらうとして、それで大臣、あれなんですよ、個人の消化、これからも特別マル優のよさがわかって、結果的にはグリーンカードによって国債が売れてくるようなことになると思うんですよ。 それはそれでいいんですけれども、しかし、これまた一説には、国債の特別マル優枠三百万円を拡大したらどうかという声もあるわけですね。大蔵省がそういう検討しているかどうかは知りませんけれども、国債を売るために特マルを拡大ということでいいのかどうか非常に疑問がある。だけれども、グリーンカードなどもいろいろありますと、やはり少し緩やかにしてやることも大事じゃないかと。だから国債の特別マル優枠の拡大というのは、ここでかなり真剣に検討するテーマではないかという気がするんですね。これについては大臣の御意見を聞いたことなかったので、ひとつこの場でお願いしておきましょう。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 目下まだ検討はいたしておりません。将来の問題だろうと思います。
○野末陳平君 さて、非課税の特典ですけれども、このマル優ですが、私が今度いろいろと、何といいますかグリーンカード絡みということでもないんですけれども、耳にするところでは、ちょっとした人はほとんどマル優の枠をかなり持っているわけですね。残高はそれぞれ別ですけれども、少なくも一人で三百万円という枠、あるいは合計すればそれをかなり上回るという、いわゆる非課税枠をほとんどの人が持っているんじゃないかという気さえするんですね、聞いてみると。 そうすると、みんなそんな罪の意識があるというわけじゃありませんが、勧められた、自分があちこちにやったというよりも金融機関が勧めるというんですね。勧める場合にも、いやもうみんなやっているからというような、実に安易な言い方で。だからこれはマル優の限度枠管理は当然必要なんですが、どうも金融機関が金集め、客集めでいままで実にルーズに、いいかげんにやってきている。その結果が現在じゃないかと、そういうことを痛切に最近感じるわけですね。 これは預金者から見れば、別に不正とか悪用ということではない。だけれども、勧められてあちこちに枠をつくって、結構それなりに枠を満たしていると、これはもう完全に一種の課税逃れになっているわけですがね。かといって、預金者を責めることもなかなかむずかしいんで、問題は銀行が、信託も含めて当然、銀行が故意にマル優の不正利用を客に勧め、そして枠をつくらせて預金を集めるという、こういうことがどうも一般的なような気がするんですよ。 で、銀行局にちょっと聞いておきたいのですが、どうなんですかこの辺の認識は。銀行局も当然知っているとは思うんですけれども、しかし手の下しようもなくきたのかどうか、その辺が非常に疑問で、だからグリーンカード必要でやるんだというのはいいけれども、それは先のことであって、いままで何をしてきたのかということもやはり聞いてみなくちゃいけないと思うんですね。 たまたま何回か先週の新聞にちょっと出ていたようですが、マル優の不正利用の実態ですね。個別のケースだったようですが、どういうような例があったのか。国税当局が把握している例でこういうのがある、あるいはこういうのが一般的な傾向だとか、そういうような内容で説明はできますか。
○政府委員(吉田哲朗君) マル優いわゆる非課税貯蓄の限度管理につきましては、正直申しましていろいろ問題のあるところであろうというふうに考えております。 私どもは、いわゆる源泉所得税の調査あるいは通常の所得税、法人税調査において限度が十分守られてない、そういう事例を見るわけでありますけれども、預金者の側から申しますと、たとえば最も多いのが非課税貯蓄申告書に記載された住所、氏名が架空のものである。架空名義というものが相当多いわけであります。そのほか親戚とか知人の名義を借用しているもの、あるいは家族名義でいろいろ分散を図っている、そういったものが通常の形であります。 問題は、そういう預金をやる動機でありますけれども、これもいろいろさまざまでございまして、そういう預金を分散いたしまして、いわゆる非課税貯蓄の恩典を違法に受けるというのは、預金者が意図的にやる場合もございます。それからいま先生お話ございましたように、銀行の担当者から勧められる、そういったケースもないわけではございません。 一つの例を申しますと、いわゆる得意先係といったようなものが、特定の大口預金者の依頼を受けまして相当多額の預金をいろんな名義で分散する、そしてマル優を利用しているということでございまして、はなはだしいものになりますと、いわゆる三文判をたくさん所持しておる、あるいは得意先係が自分なりその得意先係の家族の名前を貸してやって預金の分散をやっておる、そういったようなものも見受けられるわけでございます。 もちろん、そういった悪質なケースにつきましては、私どもは調査で発見の都度、厳正に処理をいたしておりますし、重加算税も取っているわけであります。ただ、数から申しますと、金融機関が全部そういうことをやっているということではございませんので、私どもも毎年毎年金融機関の一部についてしか調査できませんけれども、いわゆるたくさんある金融機関の店舗のうち、そういった仮隠蔽によりまして重加算税を取られているというものは全体の数%ぐらいではないかと思うわけであります。 なお、そういうものが税務調査のときに発見された場合、あるいは源泉の調査、監査をやって発見された場合には、私どもは金融機関にお願いしまして是正をお願いしているわけでありますし、一方きょうお見えになっていませんけれども、銀行局の方でもそういう仮名預金をなくするということについてはいろいろ苦心して指導をされているというふうに聞いております。
○野末陳平君 それではいまの国税当局のいままでぶつかったケースでどういうのがあるんですか。やっぱり小さい不正利用というよりも、大口の、それこそさっきから出ているブラックの方ですね。それがマル優の不正利用をしている、たとえば分離課税で架空名義をやっているところもこれもかなりあるわけですが、そうでなくて、マル優を不正利用やっているという、これが一番悪質なわけですね。それが大口にわたったらなおのことですから、その辺の事例というのがかなりあるんですか。
○政府委員(吉田哲朗君) 普通の源泉所得税の調査で申しますと、私ども金融機関の店舗を実地調査いたしますのは年間大体数百件といったようなところでございますから、そこから挙がった事例で申しますと、大口なものにつきましてはいろんな名義を使いまして、あるいは極端な場合、同一名義でもって何十口ないし何百口に分けて利用しているような例も間々ぶつかることがございます。
○野末陳平君 ちょっとはっきりしないから、一例を言ってみてくれればいいんだな、一例か二例をね。法人でもいい。
○政府委員(吉田哲朗君) 実は、過日、新聞等に一部出ましたので私どもも国税局から実情を聞いてみたわけでありますけれども、約一億数千万の預金を五十口以上に分けてマル優制度を利用しておった者がございます。この場合は、本税、不納付加算税、重加算税、合わせまして八百二十六万円ほどの税額を追徴いたしております。それからまた、別のケースでは、三百三口に分けておりまして、利子額だけで二千五百万ぐらいに上っておるようなケースがございます。これも本税、付帯税合わせまして六百四十万ほどの税の追徴を行っております。 こういったようなものがときどき発見できるというのが実情でございます。
○野末陳平君 いまのは個人ですか、それとも法人の話なんですか。
○政府委員(吉田哲朗君) いまのは個人であると思います。
○野末陳平君 そうすると、法人が自分のところの金を架空名義のマル優にしてという、そういうケースはどうなんですか。
○政府委員(吉田哲朗君) 法人の場合はいろいろ形態がございますけれども、たとえば同族法人等におきましてその会社の主宰者の意思が非常に強いといったような場合には、よく簿外の資金が個人の名義で預金されまして、それがいわゆるマル優の利用というところに結びついている、そういうケースが多いと思われます。
○野末陳平君 いずれにしても、大臣、マル優の広い意味の不正利用、これは実態がどの辺かなかなかわかりにくいわけですけれども、どうでしょう、マル優はいま全部でどのくらいありまして、そのうちくさいと、不正だというようなものがどの程度の額になっているかと、こういうようなのは見当つくものでしょうか、どこのセクションでやっているのかわからないんですけれども。
○政府委員(水野勝君) 現在の少額貯蓄の実績といたしましては百五兆円と、そういった数字はわかりますが、その中でどのくらいが限度超過で不適正なものであるかということについては、若干私どもとしてもわかりかねるわけでございます。
○政府委員(吉田哲朗君) 私どもの調査結果で申し上げますと、先ほど申しましたように、私どもの現在やっております金融機関の店舗の調査というのは全体の店舗数の大体毎年一%か二%ぐらいをやっておるわけでございます。したがって、非常にサンプル的な色彩が強いと思いますが、その結果を見てみますと、マル優の限度オーバーその他不正利用というのは口数から申しますとごく一部ということにとどまっております。非課税貯蓄口座のうち、不正に利用されている口数というのはきわめて少ない割合になっております。 ただ、これはあくまでも一つの店舗だけで名寄せした結果でございますので、今度、各種のいろんな店舗がございますから、それを通じたいわゆる名寄せをやってまいりますと、この比率は相当高くなるのではないかというような感じを持っております。 ただ、いわゆるマル優の不正利用の態様というのは金融機関によってさまざまでありまして、どういう種類の金融機関が多いとか、どういうのが少ないとか一概に申せません。私どもが調査した結果によりますと、一店舗でおおむね数十件から数百件ぐらいの不当事例が発見されるというのが多いようでございます。
○野末陳平君 それはかなり多いような気もするけれども、どちらにしても問題は口数よりもどのぐらいの額になっているかというところなんですから、いまのマル優の百五兆円ですか、それでその一割ぐらいは不正利用があるんじゃないかという見当をつける人もいるから、これはもうわからない、全く。いずれはこういうものはグリーンカードによってきれいになっていくんでしょうけれども。 しかし、いままでマル優の利用が適正かどうだったかというような調査をどの程度やったのかどうか、そんなことも、過去のことだから仕方がないんですけれども、大臣どうなんでしょうね、このマル優の不正利用というのはかなりあるという感触なのか、個人的なお答えでいいんですけれども、百五兆の一割やそこらはあるんじゃないかなという気がするんですがね、このさっきのブラックマネーや何かとを重ね合わせてみると。どうですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) これは主税局で調べたものかな、課税関係から個人の貯蓄残高を推計してみると、五十六年の十二月末で大体三百三十八兆ぐらいあるだろう。その中で非課税貯蓄が百八十五兆ぐらいあるんじゃないかと。その内訳は、十二月末の郵便局が六十七兆、それから去年三月末のマル優というのが百八兆ぐらいだから、これはもう少しふえているかもしれない、十二月にすると。 あとは、特別マル優も六月末で五兆八千とか、財形貯蓄が四兆三千というようなことになっていますから、まあ財形貯蓄なんというのはインチキがないでしょう。特別マル優はダブっているのがあるいはあるかもわからない。郵便局マル優というのは大体ダブりがあるかもわからぬし、ないかもわからぬし、実態を調べてみないとわからないということじゃないか。課税ですから、推計ですからね、百八十五兆というのは。きちっとこうなるかどうか知らぬが、しかし当たらずといえども大体近い数字じゃないかと、そう見ています。
○野末陳平君 まあいずれにせよ、今後の問題はグリーンカードとともにそういう金がどちらに流れていくだろうかとか、問題は別の方に行ってしまうと思うんです。 時間が来ましたから、このマル優の不正利用というものがちょっと目に余るのではないかなという気がしていますのでこれをお聞きしたわけですが、もちろんこの額がわかったところでいまさらどうなるものでもなくて、グリーンカードを早くきちっと実施してもらうということで解決ができるわけですから、ひとつこの辺はいままでのお答えどおりお願いしたいと思います。終わります。
○委員長(河本嘉久蔵君) 本案に対する質疑は本日はこの程度にとどめます。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時二十九分散会 —————・—————