大蔵委員会 第7号
- 発言数
- 316 件
- 登壇者
- 29 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1982/04/01
会議録
○委員長(河本嘉久蔵君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。 昭和五十七年度一般会計予算、同特別会計予算、同政。府関係機関予算中、大蔵省所管、日本専売公社、国民金融公庫、日本開発銀行及び日本輸出入銀行を議題といたします。 前回に引き続き質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○丸谷金保君 最初に、防衛庁にちょっとお聞きしたいんですが、実は帯広の旧空港跡地の問題ですが、前にも質問したんですが、記録を読んでみても答弁がちっともよくわからないんです。 それで、もう一回改めてお伺いしたいんですが、昭和五十四年の十一月八日に札幌防衛施設局の帯広支局長が、新空港開設に伴う現帯広空港——いまでは旧ですね、「空港ターミナル及び航大分校区域については利用計画はありません。」と、こう言っているわけです。こういう正式の文書が出ている。それで、利用計画が防衛庁側にないんなら、市民としては何とかこれを市民に利用させてくれという運動が起こりまして、四万人からの署名が取れて、これは渡辺大蔵大臣のところにも署名簿をつけて陳情が出ているわけです。ごらんになったかどうかわかりませんが、出ております。 ところが、その後五十六年の一月になりますと、管制用の問題としての一部借用、それから八月には、今度は全体的に防衛庁として旧跡地を、航人跡地等も含めて使いたいと、こういうふうな文書が同じように出ているわけです。これで地元では大変戸惑ってしまったわけなんですが、いつの時点からそういうふうに計画が変わったのからっともわからないんです。そして、五十八年度から使わせてほしいということですから、五十七年度ではそれを使うことについての予算措置が行われているかと思うんですが、一体そういう予算措置はどういう形で入っているか、ここら辺、ひとつ明らかにしていただきたい。
○説明員(南雲彬君) 旧帯広空港、現在十勝飛行場、陸上自衛隊の飛行場の利用につきましては、先生おっしゃいましたとおり、五十四年の十一月に、その時点ではターミナルと分校の跡地は利用計画がないという文書を市の方に出してございます。 それで、その後でございますが、その時点におきましてはまだ航空大学校の帯広分校の移転というものが決まっていなかったという時点でございますので、防衛庁としてはその利用計画ということを決定しておらなかったわけでございます。その後、分校の移転という構想が逐次進行いたしておりまして、私ども五十五年の五月ごろの時点で移転ということがだんだんはっきりしてきたようであると、ついては、それが移転するのであれば、自衛隊としてこれを跡地を使いたいということを内部的に決定いたしました。それで、その後五十五年中に財務当局の方にも御連絡いたしましたし、それから、お話のとおり、五十六年の八月にこれらの移転が確定したという時点の後でございますが、市長の方に御連絡を申し上げておると、こういうことでございます。
○丸谷金保君 それで問題は、いまも答弁あったけれども、五十五年当時に決定したと言うんですがね、何月何日どういう機関で決定したかということがちっともわからないということなんです。そこのところだけ。
○説明員(南雲彬君) この部内の決定でございますが、手続としまして施設の取得基本計画というものがございます。これは防衛庁長官が決定するものでございますが、その決定が五十五年五月二十二日でございます。
○丸谷金保君 そうすると、ここで取得計画ができ、決定した段階ではどういうふうに利用するかという利用計画にもちろん基づいてでしょう。
○説明員(南雲彬君) そうでございます。その内容といたしましては、まず現在防衛庁としてあそこの飛行場を運用します管制塔でございますが、従来の管制施設をいま利用してございます。その施設は建物施設が運輸省の財産でございます。それからその敷地が帯広市の市有地でございます。そういう関係で、その帯広市の市有地は帯広市の方で利用計画があるということでございますので、当方としてもこの借り上げということをいつまでも続けているわけにはまいらないということで、新しい、航大の跡に管制塔がございますので、これを利用してそこに展開したいという考えが基本計画になっております。
○丸谷金保君 市民が一番心配しているのはそこなんです。それに間違いございませんね。 実は、あそこは近隣に非常に人家があって、騒音が激しくなって、ものすごい市民の反対運動が出てきて空港を移転したわけです。移転してやれやれと思ったところに、また今度自衛隊の拡張計画が出てきたのでびっくりしてしまった。せっかくうるさいから移してくれと言って飛行場を移したのに、今度またもとのとおりに使われたんでは大変だ。しかし、あくまでも自衛隊としては従来の飛行場の利用計画の中にそういう要するに管制施設、これらを含めるという利用計画だけがこのとき決まったのですか、後のあれはないでしょうね。
○説明員(南雲彬君) 少し詳しく御説明いたしますと、まず管制施設、これがなくなりますものでそのためにいただきたいというのが一点でございます。 それから、いまの航大の校舎、学生舎等でございますが、この管制塔のほかに管制を預かります関係部隊、これらの事務室としてその校舎がまさに適当であるということで航空大学校の校舎というものをいただきたい。それから隊員の隊舎として学生舎等を利用いたしたいということでございまして、一般的に、自衛隊の帯広の駐屯地でございますが、施設の量というものが非常に少のうございます。そういうことでいまの航空関係部隊がいまの駐屯地の中に点在しておるようでございますので、これを航空大学校の跡施設に集中いたしたいということでございまして、機能的には全く同じものを維持するということでございます。
○丸谷金保君 実はそういうことならいいのですが、大体あそこはヘリの基地ですね。ところが輸送用の飛行機があってときどき飛んでくる、貨物輸送の。これは社会党の穐山調査団ということで調査に行ったときに節団長が、実はわれわれはそういうことで使っているけれども上の方から輸送用の飛来をしばしば要求されるけれども、いろいろな市民感情もありして、断わっているんだと、こういう発言があったんです。ですから、市民は心配するんですよ。いま防衛庁の方から答弁のあったとおりのことだと余り心配要らないんじゃないかということになるんですが、そうでないので、そういうことはございませんね。あくまで従来のとおりの計画で使うということですね。
○説明員(南雲彬君) 防衛庁といたしましては、いま現在ございます第五飛行隊、ヘリコプターを主体とする部隊でございますが、ここを、この航空機が主として利用する飛行場でございます。ただ道東地区におきまして、自衛隊が専用的に使用できる飛行場というのがこの十勝飛行場だけでございますので、その近辺におきまして大量の物を運ばなくてはいけないというような場合、あるいは災害などが生じた場合というようなときにおきまして、そこを利用いたしまして、災害派遣とか輸送業務であるとかということで、非定期的に輸送機などが離発着することも、これはありますというような使いぶりをいたしていくというのが現在の見通し得る計画でございます。計画というか現状でございます。
○丸谷金保君 従来は非定期的にというよりもきわめてまれなんですがね、これが常時的に非定期的に使われるという心配をしているわけです。それでざっくばらんに言いまして文教地区、周辺に学校たくさんあります。住宅地区の真ん中なんです。ああいうところの航空自衛隊の飛行場というのは場所的に見てどうですか、町の真ん中ですよね、いまや。率直に言ってどう思いますか。現地ではそのときも、率直に言えば余りいい場所でないというのが現地の責任ある人のそのときのお答えだったんですがね、防衛庁としてはどう思います。
○説明員(南雲彬君) 現在十勝飛行場の周辺の状況につきましては、北側に相当込みました市街地がございます。また南側の方もわりあいにすいてはおりますが、逐次住宅化が進んできておるというような状況が現状でございます。 従来防衛庁の方におきましては、航空大学校の分校の航空機と空域を使い分けるというようなことで、北側、市街地側の方を使っておったわけでございますが、その状態のもとにおきまして住宅の込んでおりますところ、あるいは学校、病院等をできる限り避けて飛ぶというコースを選定いたすこと、あるいは夜間におきましては市街地全体を外して、その外側を回るというコースを選ぶというようなことで工夫して運用してまいったわけでございます。現在の時点におきましては、航空大学校の分校の航空機が新しい帯広空港の方に移っておりますので、わが方としてはそれまでの運用に加えて、さらに市街地を避けていくというようなところを工夫しながらやっておるわけでございます。
○丸谷金保君 ヘリなら音は大きいけれども、避けてすっと来れると思いますね、まだとから。ところが、南北の飛行場でしょう。いまおっしゃったように南と北に密集した市街化区域があるんだよね。南北の滑走路に西や南からおりられるわけないでしょう。おりられないんだ、避けるたってそんなものは。どうやっておりますか、南北の飛行場に、おりられないです。避けるたって、いいですか、それだから輸送機その他がふえたら困るというの。その点いいです、そういうことなんで。なかなか第二問の方の場所としてどうかということにはお答えはむずかしいようなので、だれが見ても常識的に考えればあの場所はということですから、それはこの場ではよろしゅうございます。 それで、大蔵省の方にお聞きいたしたいんですが、国有財産として大蔵省に運輸省から返還になっている財産の問題でございます。土地等については、面積から言って地方審議会にかけることになろうかと思いますが、いかがでございますか。
○政府委員(小幡俊介君) ただいま先生おっしゃいましたとおり、本地の処分ということになりますれば、国有財産北海道地方審議会に付議をするという事案になるはずでございます。
○丸谷金保君 地方審議会、四月中に行われる予定ございますか。
○政府委員(小幡俊介君) ただいま先生お話ございましたような案件でございますので、いろいろ地元でも慎重に対処する必要がある案件でございますので、ただいまのところ、地元の北海道財務局の意向といたしまして、四月中に審議会を開催するというのは無理ではないかというふうに聞いております。
○丸谷金保君 地方審議会を開催するときには、地元の意見も十分参考として聴取していただけるんでしょうか。
○政府委員(小幡俊介君) 国有地の有効適切な利用を図っていくという観点から審議会にはお諮りをするわけでございますが、その際におきましては、どういう利用要望があるのか、また地元でどういうふうな御意向があるのかというふうなことを、その審議会におきましていろいろ慎重に総合的に判断をして適切な結論を出していく、こういうふうなことになろうかと思います。
○丸谷金保君 防衛庁さん、よろしゅうございます。 これは大蔵大臣にお聞きしたらいいのか、あるいは銀行局長さんと証券局長さんに先に聞いた方がいいのか、読売に、けさ、「すさまじい論戦」として「銀行」、「証券」と、こう大きく出ております。これはそれぞれ言い分があるんですが、銀行局長さん、銀行側の言うようにバンクディーリング早めてということはできないんですか、どうなんですか。
○政府委員(禿河徹映君) 大変恐縮ですが、証券局の方から先にお答えをさしていただきたいと存じますが……
○丸谷金保君 逆の方がおもしろいと思ったんだけれども……。
○政府委員(禿河徹映君) 何分にも従来、金融、証券両業界と申しますのは、金融分野とそれから証券の分野と二つの分野それぞれ分離いたしまして、専門主義という一線を貫いて今日に至ったわけでございます。 それに対しまして、最近の情勢の変化に即応いたしまして、たとえば国債等公共債の銀行部門におきますところのそういう業務の取り扱い、これが来年の四月から長期国債の窓販を開始するというふうなことにもう方針が決まったわけでございます。あるいは昨年の法律改正に基づきまして、それを受けまして、海外のCP、CDというものを金融、証券両業界が相互乗り入れの形で取り扱っていくというふうに、基本は分離主義、専門主義という基本ではございますけれども、両業界がいわば相乗りで取り扱っていく分野というものが開かれてきたわけでございます。そういうふうな状況のもとにおきまして、やはりどういたしましても両業界のいわば利害というものが衝突をする面がないわけではございません。そういう点からいろいろ世間の注目を浴びておるところだと存じます。 そういう全般の動きの中で、いま御質問がありました金融機関のディーリングの問題でございますが、これも御承知のとおりだと存じますけれども、去る三月の十一日にいわゆる三人委員会の結論というものが出まして、それを踏まえまして大蔵省の方針を決定いたしたわけでございますが、それによりますと、銀行等の証券業務の取り扱いの当面の認可の方針といたしましては、対象有価証券は、国債について申しますと長期利付国債に限りましてそれの募集の取り扱い、いわば窓販だけに当面限って、中期国債の取り扱いあるいはディーリングの問題につきましては今後さらに三人委員会としても検討していくと、こういうことになったわけでございます。私どもも、公正中立な三人の有識者の方に御意見を引き続き求めていきたいと考えておりまして、その辺の取り扱いにつきましては三人委員会の方が結論を出されまして、その方向に即して私どもも判断してまいることに相なろうかと、かように考えております。
○丸谷金保君 証券局長からお答えあったんですが、それじゃ銀行局長、別な質問の仕方をします、そちらの方でお答えやすいように。 実は、先日、予算の公聴会で京都へ参りまして、京都の銀行協会の方からいろんな説明がございました。そのとき、私は中期国債ファンドが通知預金に影響が出るんじゃないかと、こう私自身の考えだったんですがね、そういう可能性も考えられるものですから、聞きましたら、いや余り影響出てない、通知預金に対して余り影響出ていないと、こういうことなんで、その点はよかったなと思ったんですがね。きょうこの新聞を読んで考えてみますと、早めてくれということ、それからやっぱり中期債についても銀行に取り扱わしてほしいというのは、グリーンカードとの関係があるんじゃないかと思ったんですよ。というのは、グリーンカードが五十九年に——五十八年から実質的に動き出しますでしょう。そうすると、その時点から中期債の方に銀行預金がどんどこ肩がわりされる可能性があると思うんですよ。 そうならないためには、中期債も早くやらしてもらわないと銀行としては困るんじゃないかということが、この早くやらしてくれというこういう考え方の底にあるんじゃないかなと、けさ新聞読みながら思ったんですよ。通知預金の関係がそうないとすれば、考えられることとしてはその心配はどうなんですか。そういうことの心配は銀行側としてはあるんじゃないかと。考えられることなんですよね、どうなんですか。
○政府委員(宮本保孝君) 御指摘のとおり、銀行界といたしましては、あるいは分離課税分であるとかあるいは三百万をオーバーしているような部分につきまして、その部分がどこへ流れていくのかという点についての心配はしているかもしれません。 ただ、本件につきましては、私どもといたしましては、これは三人委員会のお立場でもございましたけれども、この問題をグリーンカードと結びつけては全く考えないということでございまして、今回、来年の四月から長期国債だけ認めたらどうかというふうな御結論を得ましたのも、これはグリーンカードの時期とは絡まってもいないわけでございまして、別の観点からディーリングなりあるいは中期国債の窓販という点につきましても結論を下していきたいと、こういうふうなことだと思うわけでございます。
○丸谷金保君 現場ではもう始まっているんですがね、そういう形の銀行に対する切り込みは。まあ、それでもそういうことは心配ないというならそれはそれで……。 ただ、大臣、こういう争いというか論戦が行われている、まことに日本の証券、金融業界としては平和な内輪争いなんですがね、いまいわゆる貿易摩擦中心にした外圧。で、まあ物の点では農産物に直撃していますよね、幾らにもならないところに何であんなに農産物だけ文句言われるのかと思うくらいね。 ところが、今度サービス面、サービス面もやはりアメリカ言ってきていますよ。これは国の中でこんなことでがたがたやっていたら、私大変じゃないかと思うのは、外人が日本で支店を持っていても余り成績が上がらないと。為替業務、貸出業務、出先支店の業務が主であって、預金業務等は広がらないということもありますけれども、非常に強く進出を要求してきており、これらが何となく日本の銀行の支店設置の許可基準が厳しいのでけしからぬというようなことを盛んに言っておりますわね。で、こういう外圧に対する国内の金融、証券業界としてもやはりごたごたしないでぴちっとした態勢とらぬと、この外圧を抑え切っていけないんじゃないですか、どうですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 二ついまの質問は中身があると思います。 一つは、証券と銀行のいわゆる新聞のような論戦ということですが、これは私は実態は新聞ほどじゃないと思うんですがね。問題は、この中期国債とか何かについて、あるいはディーリングの話、これについて、要するに銀行の方はディーリングもやらせろと、証券会社の方は、それは中期国債なんか銀行にやらせるのはとんでもないという争いですから。で、私としては、法律でもディーリングはやらせることになっているわけです。いつからやらせるかという問題について、まあすぐやらせろと言うんだが、それはだめだと。とりあえず、ともかく長期国債で政府保証債とか地方債とかそういうようなものをまずやってごらんなさいと、やりもしないうちから欲ばかりかいたって始まらない話なんですから、まずやってみて、それでともかく非常に調子がいいとかなんとかといって消化もいいということになり、またそのデイーリングの問題についてもいずれ借りかえ問題というのが昭和六十年先以降出てくるわけですから。一方において建設国債も何兆円か発行されると、いまの予定ではですね。少なくともいまぐらい、六兆何千億ぐらいまで発行されると、なかなか減らないかもしらぬと。そこへ持ってきてその消化が一つ。そこへ今度は借換債が出てくると、何兆というやつが。消化できない、いまの状態では。もう一遍それもまた借りるということですから、倍ぐらいにふくらむ話ですね、実際は。そいつを証券会社だけで全部消化できればまた話は別だが、現実の問題としてはそうなかなかいかないんじゃないかと。 したがって、われわれとしては期近物の国債が大量に出回る時期には考えるから、先のことまでぎゃあぎゃあ騒がぬで、とりあえずいまのことでやってごらんなさいと、五十年もやったことないんだからということを言っておるわけです。ところが、団体長とか何かになれば、腹の中はどうか知らぬけれども、やっぱりどこかで騒ぐのがいれば一緒になって騒がなきゃならぬと、銀行協会もね。そういう形。証券業界の方も既得権の侵害みたいなことで騒いでいるわけですが、これだって欲張ったって、それじゃ自分らたちだけで全部消化できるのかと。できるわけないんですよ、これは、現実には。銀行が引き受けなきゃ、証券会社で全部売れと言ったって売れっこないんだから。だから、実際は銀行に引き受けさしているわけですよね、現実には。だから、これも欲ばかりかかないで、ともかくのさばりほうだいいま国債出ているわけだから、もう少し様子を見たらどうかということで言っておるんですが、意見の違いがあることは事実なんですね。 したがって、それをセンセーショナルに取り上げると、新聞が。ということで私どもとしては、直接私は会って談判しているわけじゃないが、証券局長それから銀行局長などの意見を聞いてみると、大体これでうまく……、うまくいっているんだろう——うまくいっているということですから、もうしばらく見させてもらいたいと。特に、証券局が証券業界の代弁者になったり、銀行局がもう銀行協会の代弁者、全くそのとおりだというのでは困ると、これは。もしそういうようなことで局同士のけんかになるときには、直ちに私は局長両方連絡あるから、そのときにもし違ったこと、今度はきのう言ったことと違ったことを言ったときには、それは普通の頭ではないんだから、病気として診てもらわなきゃならないよということまで、実際は省内で言っておるんです。 ですから、もう少ししばらく時間をかしてもらいたいと思います。
○丸谷金保君 いや、そう言うけれども、たとえばこれはまあ新聞の記事ですが、証券業界の会長さんは、「「銀行さんのお手伝いを受けなくとも、十分わが業界でやっているので、手を出してもらいたくない」と反撃」しているというんだよ。 もう一つ、今度は逆に、今度金利の自由化の問題なんです。これも外圧としては相当大変なんでしょう。これを今度は、証券業界の方では、早くやれと言っているんだね。それから金融業界の方はもう少し慎重にと。こういうふうに外圧のかかってくるものについての国論が、国内が統一されてないと非常に僕は大蔵大臣としては困るんじゃないかと思うんです。今度これはどうなんですか、大臣、早くやれと片一方は言っているんです。外からも早くやれと、国内でも言っているじゃないかと。そうすると、日銀の総裁はきのうも、もう少しこれは慎重にやらなきゃならぬと。私もそう思うんですよ。金利の自由化なんていうのはそう簡単にどんどこ……、アメリカなんかとは違うんですから。 しかし、一方では、日本の銀行はカリフォルニアあたりへ行ってもベストテンに入るような、向こうにつくっている銀行ありますわね。そういう状態の中ですから、レーガンの地盤のカリフォルニアでもそういう大変な成績上げている日本の銀行があると。いろんな絡みの中ではもう少しそこら辺は、各業界の会長さんというようなトップレベルにある人たちが慎重な発言をするようなことにしておかないと、外圧の方が大変になってきている時期に困るんじゃないかと思いますので、その点についてのひとつ大臣の見解を。
○国務大臣(渡辺美智雄君) これは、大蔵省の基本的な考え方は、銀行法を改正したときにできるだけ銀行の自主的な行動というものについては、できるだけ自主性を尊重してやりましょうと。これは法文の中にも実はそういう意味のことを書き込んであります。しかし、口では銀行も金利の自由化とか言いますが、一皮むいてみると中はいろいろありまして、それはもう超大銀行はいいかもしらぬけれども、じゃ中以下の銀行はどうなんだと言ったら、一緒になって金利自由化と言うんですよ、言うことは一人前に。だけれども、裏に回ってはともかく勘弁してくれという話ですから、たてまえと本音とかなり違うわけです、これだって。 ですから、私としては方向はそうだけれども、それには手順も年月も必要だろうと。で、アメリカのように銀行が一万四千とがあって、しょっちゅうあっちがつぶれた、こっちがつぶれた、つぶれるのがあたりまえみたいな話で、そんなところに金を預けた方がばかだと言わんばかりの話ですよ、だれも責任持たないわけだから。そのかわり預金者保護のための今度は保険機構といいますか、そういうのは日本でもありますが、何倍という掛金を掛けて、それでやっているわけです。 ですから、そういうつぶれたときの対策もできて、ある程度預金者保護と。こっちはなるべく銀行とか信用組合に。至るまで、それは認可制でやって、監査をやっている以上つぶさないようにすると。それでつぶれそうになったやつはもう社長取りかえるとか、ほかと合併させるとか、いろんなことをやっているわけです、実際はね。アメリカと違うわけですから。だから、一概にアメリカと同じにしろと言われてもそれはできませんと。アメリカの方がむしろ日本のまねしてやればもう少しよくなるんじゃないのというぐらい、私は言っているんです、実は。
○丸谷金保君 はい、わかりました。まあしっかり頼みます。 それで、また同じ京都の公聴会で聞いたことで、その後私も調べてみたんですが、中小企業の相続関係の問題なんです。中小企業基本法では第一条で、とにかく「中小企業者の自主的な努力を助長」するために云々ということが言われておるんです。しかし、実際にいまの相続税法ですと、中小企業基本法の政策目標に付してきわめて逆行しているというような具体的な例が随所に出てきている。私もその具体的な例を京都で聞いてまいりました。なるほどなと、これは本当に大変だと思うんです。 それで第一に、いわゆる本当の零細な中小企業ですね、これについては相続税法では企業の解散、清算を前提として課税しているわけですよね、全部一遍洗い直して。特に株式の評価に適用されているところの純資産方式、これが相続の開始のあった日に会社が清算されたこととして税額の計算を行っていると、これは中小企業基本法の精神から見ると全くおかしいんじゃないかと。おかしいということを「中小企業事業承継税制について」ということで、ことしの三月四日に中小企業庁から大蔵の方に要望が出ておりますね。中小企業経営者の高齢化が進んできておって、特に土地価格等が高騰している。これに要するに時価評価してかけていくのはインフレ課税でないかと、こういう問題、これが出ておるのですがね。 この点についてひとつ、やはり中小企業庁の言うような方向でできるだけ早期にこれらをひとつ取りまとめていきたいと、何か税調でも取り組みにかかっているということを聞いているので、その点時間の関係もあるので、簡単に方針をひとつ伺いたい。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 私は、中小企業の人たちが言うことの一部についてはごもっともだなと思うところがあります。ありますが、実際この相続税というやつは公平でなきゃならぬという問題がありまして、同族会社だったら、それは要するに時価評価をもっとまけると、同じ規模のものを個人でやっていた場合はまけないということになりますと非常に不公平な問題がありますから、株価だけの問題というわけにはいかない、実際は。 問題は、私はやっぱり税率だと思うんですよ。だから、何十年も働いて毎年事業財産として残すのは二千億か三千億残ったって、税金払ったものの残りですから、これは。すごくなりますよ、すぐ。そういうものが仮に現行の税制から言えば、基礎控除を引いた後、それで二億五千万円を越せば七割取るというんだから、二億五千万超せば、現行税制というのは。五億超えれば七五%取りちゃうというんだから。だから、私はこれは非常に問題だと。 で、奥さんがいたら半分だっていいじゃないかということになりますがね。奥さんだってすぐ死ぬんですからこれは、普通の場合は。そんな十も二十も違う人というのは少ない。それからもう一つは、子供に分散するからみんなで持つというけれどもね、中小企業とか農村というのはそんなにみんなで共有財産にしないんですよ、どこでも、現実の姿は。したがって、長男なり何なり承継する人がかぶるということになります。 したがって、私としては、これは昭和五十年に変えたばかりだというんだけれども、現在の物価の状況あるいはその他から見て、それでも所得税を抜本的に直すときには、こういうものも、ともかく基礎控除後二億五千万円を超えたら七割取っちゃうんだといっても、それはいまの地価の値上がりからすれば、昔から比べたら何億と持っていますよ、工場の敷地だって。買ったときは百万だったけれども、いまはもう何億だと。それがてっきり全部いわゆる取引の時価で評価しないから助かっているようなものであって、これらについてはやはり私は実情に合うようにしないと、やっぱり騒ぎばかり起きてくる。いま相続税払っている人いないんだからいいじゃないかというような言い方もあるようだけれども、私は税率表を見てびっくりこいているんですよ、言うならば、実際は。 だから、そういう点も、これは財政再建との問題もございますけれども、どういうふうにするかという問題は、一遍私は、抜本的に考える必要があると、それでなければこの問題は解決しません。
○丸谷金保君 抜本的というとなかなか大変な面もあるんで、それはうんと遊休財産持っている人たちは別ですよ。店屋さんなんか底地まで時価主義でもって評価し直されたんではかなわないんで、少なくともある一定限度の、二百なら二百平米くらいまでの居住用財産も含めて、店屋さんだとかそういうものに対しては農業相続に準ずるようなこういう制度をつくること、とりあえずできませんか。それやらぬと、抜本的にと言って税率から何からまで言ってたら、またこれいつのことになるかわからないんです。
○政府委員(吉田哲朗君) 現行の相続財産の評価方式についてお尋ねがございましたので申し上げますが、いま先生御質問ございました居住用の財産あるいは事業用の財産につきましては、居住用または事業用の土地のうち二百平米までにつきましては、これは被相続人からのいろんな長い間の生活関係がしみついているというようなことで、そういった面からのこの処分困難性というものを評価しまして、通常の宅地の評価の二〇%減ということにやっているわけであります。ただこれは、相続税の評価が相続税法に時価評価という原則が決まっておりますので、そういうものを踏まえながら、それが本当にいわゆる正しい時価だと思われる範囲でなければ評価できないと、そういう問題が一つございます。 それから、先ほどの御質問の中に一つございましたけれども、現在小会社の株式は会社の解散とか清算を前提としているという、そういうお話ございましたけれども、実は私どもの考え方はそういうことじゃございませんので、いわゆる相続財産の評価はあくまでも相続税法に言うところの時価をたてまえにしています。したがいまして、サラリーマン家庭でありましても、個人事業者の場合でありましても、これはやはりそういう原則で時価評価をやっているわけであります。 ところが、その取引相場のない株式の評価という問題がありますと、いわゆる小さい会社でございますね、これは個人業者とほとんど変わらないと。したがって、個人業者と同じような考えで、純資産価額方式といって純資産をベースにした評価をやっておりますけれども、ただ、そういたしますと、その法人のそういう財産というのは個人に換算するときに法人の方に持ち出し分があるわけです。これは何かといいますと、法人財産を個人に移すときに税金を余分に払わなきゃいかぬ部分があると、それがいわゆる五六%ということで計算しているわけでありまして、私ども何も決して会社を解散させるとか清算を前提にしているんじゃなくて、いわゆる個人類似の小さな法人と一般の法人でない個人事業者との公平を図ると、そういう観点からやっているものであるというふうに考えておりますので、御理解をいただきたいと思うわけでございます。
○丸谷金保君 全然理解できないんだよ、それでは。そのことはあたりまえの話であって、しかし実際にはもう清算しなきゃならないような、たとえばいま全体で何ぼありますか、法人、百四十万くらいですか。あなたの言うように上場株だとか、そういういわゆるいろんな税の恩典を受けるような会社の方が数少ないんですよ。小さな、それこそ魚屋さんから八百屋さんから、そんなものあなたの言うようなその中に入らないのがたくさんあるの。私はそのことを言っているんで、りっぱな会社の、大きな会社のこと言っているんじゃないんだからね。だから、全然違うんだよ、僕らの言っていることと。 ですから、たとえば、それじゃ退職金の問題、これもちゃんと貸借対照表に載っていれば相続税の場合に引けますわね。ところが、実際にそれじゃそんなことになっているかというんだよ。これはなってないんだよ。なぜそれできないかというと、それで結局税引き後の利益留保金としてとってあるんです。これは就業規則だとか給与規則だとか規定だとか、いろんなそういうちゃんとした規定をたくさんつくらなきゃ認めないでしょう。そんなもの魚屋さんや八百屋さんたちができますか。そうすると、これらも全部もうそこで解散しちゃいたいと、もうとてもこれはやっていけないからというときでも退職金も払えないことになっちゃうんですよ。そういう会社のことを言っているの。 だから、たとえば退職手当引当金のようなものも、そういう場合には利益金の中から、利益の積み立てなりあるいは財産の評価の中から済ませると、新たに。そういうふうな方法でもしなければ、清算を目的としないと言っても清算しなきゃならぬことになっちゃうんだよ。どう思いますか。
○政府委員(吉田哲朗君) いまの退職給与引当金のところは、私どももおっしゃる意味は十分わかるわけでございますけれども、ただ、相続税の評価の考え方が、相続時における確定した債務という考え方にのっとりますために、労働協約なりあるいは給与準則、そういったものが仮にありました場合でもその時点で確定した債務と見ることができないという、こういう評価原則上の問題があるわけでございます。したがいまして、いまおっしゃいましたように、確かにそれは引当金を計上しているようなところとやってないところのバランスの問題というのはあろうかと思います。ただ、確定債務という考え方が非常に厳密な解釈をとらざるを得ないので、そういうようなことになっているわけでございます。
○丸谷金保君 それから、延納制度にしてもそうなんだ。これは仕方がないから延納制度に乗っていますよね。こういう場合の利子、少し高過ぎませんか。要するに、聞いたところ、公定歩合と連動して銀行並みで取っていくというんでしょう。原価ただの税金の延納に、銀行並みの金利をつけるということはおかしいと思いませんか、大臣。
○国務大臣(渡辺美智雄君) それは要するに、利息をつけないとすれば……。
○丸谷金保君 いや、つけるのはいいよ。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 先に払う人はなくなっちゃうわけですよ。結局、利息をつけることによって不公平をなくすためにやっているわけですから、じゃ銀行に預金をしておいて、それで納期いっぱい引っ張っちゃうかどうかという問題がありますから、そこらのところは、普通のやつより少し安くはなっておりますが、どれぐらいがいいかという問題についてはいろいろ御意見もあろうかと存じますが、事務当局から説明をさせます。
○政府委員(水野繁君) 相続税の延納が行われた場合の利子でございますが、これは原則は六・六%でございます。それから、先生の御指摘のような中小企業で事業用財産がもう大部分であると、そういった場合につきましては、さらにそれは五・四%まで軽減されているわけでございまして、それから公定歩合との連動云々につきましては、こういう場合には適用はないわけでございます。
○丸谷金保君 その現行の制度のとおり答弁されたらそのとおりなんですよ。現行の制度で困っている人がいるから、予算の公聴会あたりで、京都でも中小企業の団体の人たちから具体的な、時間がないから具体的に言えないけれども、切々たるいろんな要望があったんです。それで調べてみたら、なるほどこれは、小さな小売屋さんだとか小さな事業主というのはこれじゃ大変だと、死んだらおしまいだなというような制度なんですよ。だから、中小企業庁の方でもたまりかねて、制度をもう少し何とかしてくれと出てきているわけでしょう。それを、現行制度でこうなっていますからこうなんだというような、そういう答弁というのは僕は大変納得いかないんだけれども、またこの次これはやります。 少し時間とってやらなきゃ、どうももう時間が来ちゃったんで、あと本当は法務省に対して、税を払うための不動産処分とかいろんな問題もあるんですが、ぴっちり時間が来ましたので次回に譲って、きょうはここまでにしておきます。納得いきませんから。
○藤井孝男君 私は、限られた時間でございますので、要点だけを質問したいと思います。 最初に、景気の現状と見通し、そしてまたそれに対する対策について、基本的な姿勢を御質問したいと思います。そしてまた後段で、いろいろ大変話題になっておりますグリーンカードの問題につきましても触れてみたいと考えております。 まず、景気の現状とその見通しについてでありますけれども、第二次石油ショックに伴いまして世界は大変なインフレとまた異常な高金利ということで、欧米諸国におきましては消費の後退あるいは投資の減退ということで、したがってこれが生産性を減少してきて、とどのつまり失業率が非常に多くなってきた。これはきわめて憂慮すべき事態でございます。この悪環境と申しましょうか、最近、デプレッジョンシンドロームという、すなわち大不況症候群と言われるように、大蔵大臣はこのことにつきましては御存じと思いますけれども、こういった非常な厳しい国際経済の中で、わが国は非常に諸外国に比較いたしましてショックを最小限にとどめた。また、これはわが国の中小企業を含めた経済界の努力とまた国民の賢明なる対応、あるいはまた政府の財政金融政策の運営等によって忍耐強く対処をしてきたからだと思うわけでございますが、 また一方、わが国においても石油価格の高騰というものはもちろんあったわけでございますけれども、これも一時的には非常に物価が上がりましたけれども、輸入インフレを国内のインフレに転嫁することを食いとめることができたということで、いまの世界の諸情勢から比較いたしますと大変これは高く評価していいことだと思うわけでございます。 しかしながら、これはいままでの評価であって、これからはどうかということになりますと、いま申し上げましたように、大変厳しい経済環境である。在庫調整は国内的には大体終わったということで、生産出荷は基調としては伸びる傾向にありますが、一方、個人の消費は一進一退といったような状態で、また住宅建設の振興というのはことしに入りまして多少上向き傾向にありますけれども、相変わらず低水準を続けておる。また、中小企業の設備投資も全体として相変わらず低い、停滞しているといったことであります。さらに、御承知のとおり、欧米諸国との貿易摩擦ということでこれからの輸出の伸びというのは望めない。したがって、外需面で大きく期待することは無理だということであります。 かてて加えて、昨今の円安という問題があるわけであります。これは、輸入原料に大きく頼るわが国でございますから、原料のコスト高を呼ぶということで、ひいてはインフレを招くということも懸念されるわけでございますけれども、このように、これからのわが国を取り巻く経済の客観情勢というのは非常に厳しいんじゃないかと思うわけでございますけれども、大蔵大臣におかれては、この景気の現状と今後の動向について、どのように認識をされていらっしゃるか、お伺いをいたしたいと思います。
○国務大臣(渡辺美智雄君) いま藤井委員から現状と見通しについてお話がございました。私が繰り返して言えば全く同じことを言わなきゃならぬから、そのとおりだと思っています。
○藤井孝男君 ということは、きわめて厳しいということではなかろうかと思います。厳しい厳しいと言っていてはこれはいたし方ないんで、何かこれについては対策を講じなきゃいけないんだろうと思うわけでございます。 そこで、景気対策についてお尋ねをしたいわけでございますけれども、いま申し上げましたように、欧米諸国の不況あるいはまた貿易摩擦ということもあって、わが国は五十七年度予算において五・二%の経済成長を図るためには、外需が望めないということで内需中心の景気の維持拡大を図っていかなきゃならない、こういうことだと思うわけでございます。そこで、景気対策でございますけれども、その一つとして個人の消費が非常に伸びてないということで、これをまず喚起しなくちゃいけないんじゃないかということがあろうかと思います。そういった意味で、所得税減税を主張する向きもあるわけでございます。そして、この所得税減税で景気の速やかな回復を図るということが必要ではないかという意見があるわけでございますけれども、私、個人的な意見といたしまして、わが国は従来から大変貯蓄率が高い国であるわけでございますけれども、そういう国において、仮に所得税減税を行ったとしても、それが即、その規模にもよりますけれども、需要拡大にどれほどの効果があるのかなと、ちょっと疑問を感ずるわけでございます。 したがって、一般論として、私は、景気対策としてはやはり公共投資、いま政府が考えております公共投資というものがやはり必要ではなかろうかと思うわけでございます。端的にお聞きいたしますけれども、公共投資と減税ということを比較した場合、大蔵大臣としましてはどちらが景気に——私は公共投資の方が即効性があると思っておりますけれども、大臣としてはどちらが効果がより大きいと考えていらっしゃいますか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 御説のとおりであります。
○藤井孝男君 そこで、政府は五十七年度におきまして公共事業等につきましては前倒しを図っているわけでありますけれども、いわゆる七五%以上、約八〇%近い執行を上半期に行おうということでございます。これは大変そういった意味では結構なことだと思うわけでございますけれども、しかし、じゃ一体、これは予算委員会でもいろいろな委員から質問がありましたけれども、一体下期はどういうふうになるんだろうか。素朴な質問でございますけれども、息切れがしてしまうんじゃないかということでございますけれども、この点につきましてはいかがでございましょう。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 経済は生き物ですから、しょっちゅう動いておるのであって、その状況を見なけりゃならない。まずわれわれとしては与えられた予算の範囲内で、しかもそれを前倒しでやってみると。世界の景気の動向ということの関連がありますから、問題は、日本だけでいろんな手を打っても限界のある話でございます。余り変にアクセルを踏み過ぎて物価をばあっと上げたんでは、これは庶民、大衆が困るという問題がむしろ起きてまいります。したがいまして、それとの兼ね合いというような問題も眺めながら考えていく必要がある。 いずれにしても、有効な範囲で、物価を急激に押し上げることのないような形で最善の措置を講ずる。どういうことをするかということは、まだ半年あるわけですから、半年の間に前倒しをやってもなかなか消化し切れないぐらいの金額なんです、実際は。ですからそれをやってみて、その経過を見ながら判断をしていきたいと思っています。
○藤井孝男君 そこで、いま経済は生き物であるという、よく大臣がおっしゃられることがまたお言葉に出てきたわけでございますけれども、まさしく私も経済は生き物であると。これをもし死に体にしてしまったら大変なことになると思うわけでございます。そういう意味におきまして、いま有効的最善の努力をするといういうことでございますけれども、私はどうしても下期のことが気になってしまうわけでございますけれども、やはり最初私が申し上げましたように、公共投資というものをぜひとも継続していただきたいと私は思うわけでございます。 そこで、いま政府は財政再建ということで昭和五十九年度までに特例公債をゼロにするということでがんばっておられるわけでございますけれども、それに並行して建設国債というのがあるわけでございます。これもどちらかといいますと、いま横ばいからまた漸減のような状況で予算の中に繰り入れられているということでございますけれども、私はこの建設国債と特例国債というのをやはりひとつ区別をはっきりすべきではなかろうかと思うわけでございます。 これは皆さんもうよく御存じかと思いますけれども、たとえば、家を建てるときにも全部自己資金で建てる方というのはほとんどいらっしゃらない。やはりそこには何がしかの借金をしてローンでもって家を建てるわけでございますけれども、しかし、それは特例公債のようにただ一過性の使いっきりの借金ではなくて、そのことによって家が建ち、それがまた家族がその利益を享受し、またりっぱな家であれば子供が、また孫へとそれが伝わっていくということで、大変これは資産として残っていくということでございます。また建設国債、いわゆるこういった建設国債もやはり公共投資ということでございますから、道路、橋といったような、また公共施設として残っていくわけでございますから、これもやはりわが日本民族の子々孫々まで利益を享受することができるということでございますので、やはり公共投資というものを引き続き続けていってほしい。そのためにはどうしてもやはり建設国債の増発が必要ではなかろうかと考えますけれども、この点につきましての御意向をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(渡辺美智雄君) この建設国債と赤字国債とは性質が違います。したがって、われわれは赤字国債は発行しないという方向に向けて最大の努力をしなければならない。建設国債の問題につきましては、私は時と場合によってはそれはふやしたり減らしたりすることも必要なときがあろうかと思います。しかしながら、建設国債といえども国債で、借財であることは間違いないわけであって、それは借金を生むわけですから、何かもっとうんと利息の安い国債でもあるといいんですけれども、現在のように建設国債も赤字国債も別に利率は同じでございまして、そういう工夫が何かないかなと。 それからもう一つは、建設国債を発行する、安易に増発するということは、もう縄張り争いというか、おれたちの前のシェアがあるからシェアで分けてくれというような話になりますと、国債を発行してつくった施設がまた国債を発行しなければ払えないほど赤字を生んでいく。たとえば、新幹線なんというのは一番いい例じゃないかと私は思っておるんです、実際は。そういうものに増発して財源を与えて、またできたものが国民生活にプラスになるどころか財政悪化の方向へ拍車をかけていく、こういうことはもう絶対に私は困ると思っておるわけです。 したがって、必要に応じての発行ということはあるかもしれませんけれども、その使われ方ということについては慎重の上にも慎重を期して、本当に即効的になるべく国民経済に寄与し、財政にも寄与するという方向であることが必要である、そう考えております。
○藤井孝男君 よくわかりました。いわゆる必要に応じて即効的に、また国民経済に寄与する形でということだと思います。 これはいささか私の地元の話になってしまって恐縮なんでございますけれども、私の地元は岐阜県ということで、岐阜県は海のない県で、山と水が豊富な県でございます。したがいまして、非常に公共事業が必要なところ、昔から治山治水が大変必要なところであるわけでございます。 特に山の地域に参りますと、大変雪も多くて非常に長い間雪に埋もれてしまう。よく地元へ帰りますと、公共事業が減らされるということは非常に困るんだと。これは単にお金欲しさに言うということではないんですが、要するに、岐阜県のような山の中ですと、公共事業が即それが地域住民の生活につながっていく。長い間冬の雪に閉じ込められて、春になってたんぼを耕し、そして田植えが終わって一息つきますと、そこに、わが岐阜県では大きい産業もございませんし、どうしても何か仕事につかなきゃならない。そういったときに、やはり公共事業が安定的に来ていただけるということは、その町村にとっては大変助かるということでございますので、ぜひとも、有効的な使い方とおっしゃいましたけれども、ぜひともその点の御考慮を願いたいと心からお願いしたいと思うわけでございます。 さて次に、実は景気の問題ですけれども、景気の着実な拡大を図るためには、現状の厳しい財政事情にかんがみまして、金融政策の機動的弾力的な運営が一層要請されるところだと思います。で、先日、三月二十七日ですか、住宅ローンの〇・一二%の引き下げ、あるいは長期プライムレートの〇・二%の下げ等々ございましたけれども、民間設備投資等の拡大促進のために、金利の引き下げというのも必要ではないかと思うわけでございます。 この場合、他方、わが国の金利を下げることによって、いま米国が行っておりまする高金利政策が存続する限り、その金利差がますます大きく開いていってしまう。こういうことでございますと、さらに円安を促進するような形になってしまう。通貨当局といたしましても、米国に対して高金利の是正を求めるということと、各国の通貨当局と連携して為替レートの適正を強く図るべきだと考えておるわけでございますが、ことし六月にベルサイユ・サミットが開かれますけれども、大蔵大臣も総理とともにいらっしゃることと思いますけれども、この機会に、そのサミットにおきまして、強力に為替レートの適正化について強く図るべきだと主張すべきだと思いますが、その点についてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 為替レートの適正化ということは非常に重要なことであって、現在の円安あるいはマルク、フランの安というようなものの最大の原因は米国の高金利政策というものにあることは、もう間違いありません。したがって、これについては、各国と協調して、米国に対しては適正な金利水準にしてもらうように、これは共通の理解があるわけですから、強く要求をしたい。 それから、先週の円安の問題というのはかなり投機的なものでないか。それからもう一つは、 やはりマイナス成長とか、国内は悪い悪いと余りこうみんなが言うものですから、そういうふうなものが仕手筋なんかにむしろ逆用されている。日本のファンタメンタルズもいよいよおかしくなってきたんじゃないかとか、そういうふうにむしろ利用されているという点もあるんじゃないか。 それから、われわれとしては、日銀と協同いたしまして、必要に応じて為替の投機的な動きについては介入政策等も適切に進めてその安定に努力をする。同時に、何といっても日本は、物価の安定ということは非常にいいんですが、やはり成長の急激な落ち込みということは、これはもうレートに悪い影響を及ぼすに決まっておるわけですから、こういうものについても適切に対処をしていかなきゃならぬ、かように考えております。
○藤井孝男君 ぜひともサミットにおかれては、各国の通貨当局と協調されて、為替レートの適正化を図っていただきたいと思います。 あとまた、円安の問題、さらに、あるいはまた貿易収支の均衡化とか、中小企業対策等々ございますけれども、時間が余りないものですから、ここで問題を変えまして、グリーンカードの問題につきまして多少お伺いしたいと思います。 グリーンカードの制度につきましては、一昨日ですか、当大蔵委員会におきまして、鈴木総理に出席をしていただき、既定方針どおり実施すると言明されたわけでございます。しかし、昨今、このグリーンカード制度についてさまざまな論議があるわけでございまして、また国民も非常に関心を持ってきているような状況であるわけです。 実は、私は国会議員になりましてからまだ一年余りでございますが、この一年間の間につくづく感じましたことは、国会というところは全く思わぬことが起きるようなところだな、ハプニングの連続のところだなと思うわけでございますし、先日も大蔵大臣がどちらかに行かれてしまってわからなくなってしまったということもございますし、そういうような、つくづく一年間の間でもいろんなことが思わぬことが起きると実感として思うわけでございますけれども、このグリーンカードも私また非常に摩訶不思議なものだなとつくづく感じているわけでございます。 と申しますのは、この法案はもちろん見識ある国会議員の皆様方が議論を尽くされ、そして権威ある国会を通過して成立した法案でございます。しかしながら、実施までに、五十九年の一月ということでございますけれども、まだ一年半以上あるにもかかわりませず非常な論議をいろいろ呼んでいるわけでございます。大蔵大臣におきましては、このようなグリーンカード制度が大きく騒がれ論議を呼んでいる原因は一体何であるか、この点につきましてどのように受けとめられておられるかをお伺いしたいのでございます。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 一つは、グリーンカード制を正しく理解をしていない、国民の間によくわかっていない。そのために非常な誤解に基づいて恐怖感を持った人がいる、これが私は第一だと思います。それから第二番目は、やはりグリーンカードで総合制ということになれば、非常にいままでの分離課税を受けていた人にとってある一定の、七百万以上の人にとっては一定の金額三百万なら三百万を引いた以上の利息については増税になるという考え方、あるいはそれで自分の財産までみんなわかってしまうんじゃないかというふうな、相続税まで頭に入れて心配するような、まあこれは誤解に基づく人でしょうけれども、そういう人もいると。いろいろ入りまじっておるというように私は考えております。
○藤井孝男君 私は、この席でグリーンカード制度の是非を論議するつもりはありませんけれども、この制度を実施するに当たりまして、また実施された場合、いま大蔵大臣おっしゃられましたように、正しく理解されてない面とかあるいは誤解されている面があるといったようなことを言われましたけれども、私は、いろんな意味で問題点があり、またもし実施された場合に各分野に大きな影響があるんではないかというふうなことを非常に心配しているわけでございます。したがいまして、幾つかの基本的なことにつきまして御質問をさしていただきたいと思います。 まず、大蔵省は、たくさんグリーンカードの説明の必要性、メリットあるいは反論等々、いろいろ私も資料をちょうだいいたしております。そういう中から預貯金の意欲が減るんじゃないかという心配をいたします。日本の経済を支えてきた一面には高い日本人の貯蓄率があったということが言えるわけですけれども、このグリーンカード制度によってその貯蓄意欲が減るんではないかといった心配があるんではないか。これはつまり先ほど大蔵大臣おっしゃいましたように恐怖感と申しましょうか、この制度に対して何か不安を感じているのではないかということではなかろうかと思います。 そしてまた、このことはとどのつまりいま騒がれております。そういった不安からゼロクーポン債や金へのシフトが行われているんではなかろうかと思うわけでございます。大蔵省は、ゼロクーポン債、金などがふえたといっても大したことはないんだというふうにおっしゃっておりますけれども、私が心配しますのは、まだ実施が一年半以上も先なのにもかかわらずこのようにいまからそういった動きがあること自体に一つ問題があるんではなかろうかと思うんですが、この点についてはいかがでございますか。
○政府委員(矢澤富太郎君) まず最初の、貯蓄が減るのではないかという点でございますが、実は日本の場合非課税貯蓄、これが九百万ございますが、このように多種類高額の非課税貯蓄を持っている国は世界で日本だけでございます。私どもは、むしろこの非課税貯蓄を存続するために一部の不心得の方がいて乱用しては、法治国家でございますから非課税という特典をそのままにしておくわけにはいかないわけでございますから、非課税貯蓄を存続するために一回だけ恐縮でございますがグリーンカードをお持ちいただきたいとお願いしているわけでございます。 現に、貯蓄の増加額を見ましても、五十二年から五十六年までに約八十四兆貯蓄がふえておりますが、そのうち五十九兆、七割はマル優、郵貯による非課税貯蓄による増加分でございます。現在資金シフトがいろいろ起こるんじゃないかと。その源泉はむしろこの非課税貯蓄ではございませんで、いわゆる分離課税が総合課税になることによりまして公的に露見をするお金がうろうろしているというのが最近の議論でございますが、それは分離課税がその問題になるわけでございますが、五十二年から五十六年までの四年間で非課税貯蓄が約六十兆ふえたのに対しまして、分離課税はわずかに三兆しかふえておりません。したがいまして、そういう意味でむしろこれは非課税貯蓄を存続させるために必要な制度でございますから、貯蓄意欲を高めるために必要な制度だというふうに考えております。 それから次に、シフトの問題でございますが、昨年来金の輸入が非常にふえました。それから昨年の四月から——昨年一年は非常に小規模な規模で行われていたわけでございますが、ゼロクーポンが発売された。で、この二月には四社が一斉に売り出したということで非常に大きな金額になっております。ただ、これは両方合わせまして金額的に五千億円ということでございまして、この間国民金融資産の増加が三十五兆あるいは預貯金の増加が二十三兆と、その増加額に比べますとこのシフトの影響は経済的には非常に微少であるという評価を専門家の間ではすでにいただいているところでございます。 今後の問題につきましても、問題の所在が分離課税の一部のところにあるということでございますから、またそれにつきましては、先般、昨年十月政省令を出す際に当たりまして無用の不安や混乱を解消するための措置も講じておりますので、今後大きなシフトが起こるということを私どもは考えていないところでございます。
○藤井孝男君 時間が大分迫ってきましたので牛へ進みますけれども、金融界の動きについてちょっとお伺いしたいのですけれども、きのうの新聞で、大蔵省がいままで行政指導をしておった来年一月から——グリーンカード制度が実施される五十九年の一年前からカード交付申請の受け付けの予約を開始するということです。しかし、これは銀行、証券業界の激烈な競争が起こるということで行政指導をしてきたわけです。これを七月に解除するという新聞報道ですが、これが事実かどうかということ。また、解除した場合非常にまた競争が激化することがないかどうか。 時間がありませんので、続いて、最近大手銀行で定期積金というものを売り出そうという動きがある。この定期積金というのは私が知っている範囲では、信用金庫あるいは信用組合が主に中小企業向けに行っている商品と聞いているのでございますけれども、これは利率も非常に低い、定期預金に比べ低いわけでございますけれども、本来大手銀行がこれを見向きもしなかったものをこういったものにも目をつけてきている。これは一体なぜかと申しますと、その意図はどこにあるかと考えますと、やはりグリーンカード制度を意識してこの際顧客を獲得、維持するために何でもいろいろな商品を扱っていこうではないかといったもくろみがあるんではないかと思うわけでございますけれども、そういった点についてどのようにお考えでございましょうか。
○政府委員(宮本保孝君) まず、いま金融機関がやっております予約等の自粛措置でございますが、これは先生御指摘のとおり、最初三月までということでございましたが、現在では六月までということでいま自粛いたしているわけでございます。その先のことにつきましては現在のところまだ取り決めておりませんけれども、今後の関係業界との話し合いあるいは税制当局との話し合いの過程で七月以降についてどうするかということを決めてまいりたい、こう思っております。 それから定期積金につきましては、実はこれはきょうから施行になりました新しい銀行法にこの定期積金自体が預金とともに銀行の本業として書き込まれたものでございますから、これにつきましてこれをやっちゃいけないと言うわけにはいかないわけでございます。 ただ、御指摘のとおり、これがグリーンカード対策等で都市銀行等がこれを悪用するといいますか、どんどんふやしていくというようなことになりますとこれはまた非常な障害が起きるわけでございますので、私どもといたしましては、中小金融機関が営々として育ててきた商品でございますので、その点につきましては十分都市銀行等にも留意するように三月二十五日付で通達を発しまして、現在取り扱っております中小金融機関の定期積金の商品以上の商品をつくってはいけないとが、あるいは定期積金の取り扱いに際しましては厳正な本人確認を行う、あるいは行き過ぎた広告とか勧誘行為はやめるべきである、それから当分の間、毎四半期ごとにわれわれの方へその状況を報告しろというようなことで、厳重にこれを監視してまいりたいと思っております。 よろしくお願いいたします。
○藤井孝男君 よろしく御留意のほどをお願いしたいと思います。 最後に、これは要望としてお聞き願いたいと思いますけれども、グリーンカード制度に対してはいろいろな論議があって、またそこにはさまざまな思惑等も、また国民の間には不安というものが生じているということもこれは事実だと思うわけでございます。そして、大蔵大臣また大蔵省のおっしゃるように、それに対しましては多くは誤解がそのほとんどである、誤解に基づくものあるいは認識不足のものが大部分であるということは私も理解できます。なるほど、私がいろいろな大蔵省の担当官の方にも質問いたしましても、打ては響くような形で答えが返ってまいります。 しかし、私が心配しますことは、端的に言いまして、これは一足す一は二といったような形で、心配は全くございませんというふうにおっしゃられても、何か国民の心の底には一抹の不安をまだまだぬぐい切れないものが、また割り切れないものがあるんじゃないかということを率直に私、地元に帰りましてもいろいろな人からも聞かれるわけでございます。これはどういうことかと申しますと、私は税に対する日本の国民の、これはどこの国もそうかと思いますけれども、国民の税金に対する神経の過敏さにあると思います。 私は、数年前の一般消費税のときのことを思い出しますと、あのとき国民が一体どのくらい一般消費税の内容について理解していたのかというのは私は非常に疑問だと思います。あのときは、私は、むしろ国民は増税ということとそれから一般消費という言葉から、何だ自分たち庶民から税金を取るのかといったような心理的な面が非常に大きくあったんじゃなかろうかと思うわけでございます。したがって、今度のグリーンカード制度自体も、内容もまだ理解されてないということはもちろんでございますけれども、やはり私有財産の把握とか管理ということがされるのではないかといったような心理的な不安がやはり根づいているということがありますので、この点をやはり大蔵省はもっともっとやはり努力をしてやっていかなければ、理解を求めていかなければならないと思います。 また、この点につきまして三月二十七日の日経の社説で、私はよくまとめているなと思ったことがあるわけでございます。やはりその点、この社説には、もちろんゼロクーポン債や金への投資はほとんどそれは影響はないけれども、これから「金融・資本市場の自由化、国際化を考えると、もっと大きな資金移動を誘うような新しい金融商品が今後出現しないという保証はない。それに自由経済体制の在り方として、不安による資金移動を来す可能性を持つ措置を制度の中にビルトインすることが、果たしていいのかどうか。」というようなことが書かれております。 やはり言うまでもなく、グリーンカードも税制でございます。やはり税制全体の改革の一環として、政府の税調を初めいろいろな場で徹底的に検討すべきだと思いますし、極端な話でありますけれども、実施時期を延ばしてでも、やはり国民的な理解を得た上でぜひ実施すべきだと思うことを要望いたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
○多田省吾君 私は初めに、景気対策についてお伺いいたします。 昨年十−十二月期のマイナス成長、それから大幅な税収不足、それから景気の落ち込み、それから対外摩擦がますます溝を深めるという三重苦、四重苦にあえいでいる姿でございますが、大臣も御承知のとおり、企画庁の試算によりますと、成長率が一%下がると失業者数、十万人の増加につながると発表しております。昭和五十六年度の経済成長率はすでに二回下方修正されたわけですが、さらに最終的に民間調査機関の見方でも三%を切るというのが大方の見方でございます。それに対して五十七年度は、公共事業の上期七五%前倒し等の対策は考えられておられるという実情ですが、昨年の例から見ても期待薄だと思います。 こういう現状にかんがみまして、大臣はこれからの景気対策をどのように考えておられますか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) これももう返す返す、何回かここで答弁をしておることでございますから簡潔に申し上げますが、公共事業の前倒し、住宅政策等を中心としててこ入れをしていきたいと考えます。
○多田省吾君 財政制度審議会が五十七年度予算の編成に際しまして建議を行っております。その中で、「現在の財政には景気の下支えをする余力はない。」と明言して、財政再建を推進するためには、今後においてもその役割りは財政以外の経済、金融政策が担うべきであるとしております。 この建議を受けて編成された五十七年度予算は、景気に対しては中立的というよりはデフレ効果さえ生み出しかねない内容となっております。公共事業関係費の伸びをゼロに抑えて、一方では個人消費支出の低迷をよそに、国民大多数の願望を無視して五年連続して所得税減税を見送ろうとしております。これでは、五十七年度予算からは内需拡大の効果は何ら期待し得ない。 そこで、財政制度審議会の建議に言うところの財政以外での経済、金融政策でどの程度の内需拡大が可能だと思われておりますか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) これはまあ計数的に私は企画庁じゃないからきちっとつかんでおりませんが、いずれにせよ、ただいま言ったようなことを推し進めていけば、ある程度の効果は間違いなくあると考えております。
○多田省吾君 大変漠然とした御答弁しか返ってきませんけれども、先ほど大臣も住宅建設ということを申されました。なるほど政府は、公共事業の上期集中執行にあわせまして、五十七年度の五・二%成長のためには住宅建設は百三十万戸を見込んでいるわけでございますが、その一つは、住宅金融公庫の融資申し込み受け付け時期を早めるとともに、来年度上期に融資枠五十四万戸分を六〇%以上消化する。二つは、住宅整備公団による来年度住宅建設三万五千戸も上期に六〇%以上の着工を目指す方針のようでありますが、昨年は公庫融資枠三十万戸に対し、上期十六万四千戸であったが、五十七年度六〇%。三十二万戸達成は、この民間需要が冷え切っているということから、私は大変厳しいのではないか、このように思われます。 その上に、国土庁の土地鑑定委員会が四月一日付官報で報道をされましたが、土地公示価格を発表いたしました。その結果、公示地価の全国平均上昇率は七・四%で、四年続けて消費者物価指数上昇率を上回っております。特に住宅地では八三%と、庶民の手に届かないところまでいっております。 これでは私は、先ほどとあわせまして、この住宅百三十万戸の達成というものは非常に厳しいと、このように言わざるを得ませんが、これはいかがですか。
○政府委員(窪田弘君) 住宅建設の促進については、ただいま御指摘をいただきましたように、住宅金融公庫の貸し付けにつきまして、需要の動向に応じて年度の上半期に相当数の募集を行う。おっしゃいましたようないろいろむずかしい条件はございますが、建設省の方でいろいろ工夫をいたしまして、上半期にかなり消化をするように努力をするというふうに聞いております。また、住宅部門も含めた全体の公共投資の前倒しをするということはかねがね申しているとおりでございます。
○多田省吾君 この問題は何回も指摘されておりますが、私は住宅建設もあわせて非常に厳しいと、このように考えているわけです。 次に、グリーンカード実施について若干伺います。 グリーンカード実施を昭和五十九年一月から開始するために、いま着々と準備が進められておると思います。昭和五十六年度、五十七年度の予算を見ましても、国税庁所管を中心に建設省所管と合わせてコンピューター関係だけでも百七十二億九千四百万円計上されていると、このように計算できますが、現在までのこの準備の経過と、それから進捗状況、それから今後の予定を費用も含めて簡明にお答えいただきたい。
○政府委員(小山昭蔵君) お答えいたします。 カード制度の本格的実施は五十九年からでございますが、カードの交付申請は五十八年の一月から開始されるわけでございます。したがいまして、国税庁におきましては、現在カードの交付手続が円滑に行われるようにということに重点を置いて、その準備に鋭意力を注いでまいってきているところでございます。 まず電算処理関係についてでございますが、電算処理のシステムの開発を昨年の秋以来進めておりまして、これはことしの九月ごろにはおおむね完成するというような見込みを持っておるところでございます。また、コンピューターの入れ物でございます朝霞のADPセンターでございますが、これは昨年の五月工事に着工いたしまして、本年いっぱい、五十七年中に完成する予定でございます。現在おおむね骨格ができ上がっているというような現況でございます。 次に、カードの用紙についてでございますが、カードの様式につきましては昨年十一月の省令に上って定められたところでございまして、私どもといたしましては、今後交付申請等の事務に支障を来すことのないよう調達手続を進めてまいりたいと、このように考えております。 また、広報についてでございますが、制度の趣旨、内容を一般に広く理解していただくために、私どもといたしましては、その制度に関するチラシを各税務署の窓口で納税者の方たちに配布いたしておりますほか、テレビ、ラジオ、雑誌等さまざまな媒体を使いましてその広報に努めておるところでございます。 次に、今後の主要なスケジュールについてでございますが、まずADPセンターの建物がことしいっぱいで完成いたしますので、来年一月にはコンピューターの据えつけを完了いたしまして、五十八年の三月ごろからカードの交付が開始できるようにいたす予定でございます。また広報につきましても、引き続きまして制度の正しい理解を深めるための広報を続けてまいりますほか、今後はさらにカードの交付申請の手続等につきましても重点を置いて一層PRを実施してまいりたいと、このように考えております。 なお、予算面でございますが、まず五十六年度予算について申し上げますと、先ほど申し上げましたように、国税庁の予算といたしましては、ADP関係のシステムの開発の経費を中心にいたしまして一億八千八百万円が計上されておりますほか、建設省に官庁営繕費の予算といたしまして二十億二千三百万円が計上されておるところでございます。これは五十六年度予算でございます。 また、現在御審議をいただいております五十七年度予算におきましては、国税庁予算に要員の確保のための経費、あるいはカードの交付関係の事務費、さらにはADPの事務処理費等を中心といたしまして約百九億六千六百万円が計上されており、また、建設省に先ほどのADPセンターの建設関係の官庁営繕費として四十一億二千二百万円が計上されておるところでございます。以上でございます。
○多田省吾君 そうしますと、ざっといま予算状況だけ見ましても、五十六年度、五十七年度の総額は百七十二億九千九百万円ぐらいになると思いますが、それでよろしいんですか。
○政府委員(小山昭蔵君) 五十六、五十七、両年合わせまして、建設省の官庁営繕費も含めたところで申し上げまして百七十二億九千九百万円になろうかと思います。
○多田省吾君 国の準備に伴って銀行、証券会社など民間の金融機関でも広報などの準備を進めていると思いますが、その状況は把握しておりますか。
○政府委員(宮本保孝君) 金融機関におきましても着々準備を整えておりまして、特に職員に対する研修であるとか、あるいは事務手続等のマニュアルの作成、それからお客に対するPRでございますが、相談室の開設であるとかあるいは説明会の開催、全体的なパンフレットの作成等準備を進めていると聞いておるわけでございます。 ただ問題は、金融機関がたとえば住民票の代理受領であるとか、あるいはグリーンカードの交付申請とか、あるいはグリーンカード面への非課税枠の設定等、こういうことにつきまして、その予約を取りつけるというふうな動きが一時実は去年の暮れにあったわけでございますが、こういう点になりますと大変混乱いたしますので、こういうふうな予約面におきます自粛というものにつきまして、この六月まで現在自粛措置を続行いたしておるというところでございます。
○多田省吾君 おっしゃるように、銀行などでもこのようにパンフレットなどを相当発行して広報活動に努めているわけでございますが、念のために伺いますけれども、このまま行くと五十九年一月実施に間に合うかどうか、お伺いします。
○政府委員(矢澤富太郎君) 十分間に合うように諸般の手続を進めているところでございます。
○多田省吾君 先ほどお答えいただいたようにコンピューターセンターは着々と着工、また完成を目指しているわけでございますが、また広報活動もコンピューターシステムの状況も五十五年十月の政令、省令発効以来着々と進められているようでありますが、もしかの場合、万が一まあことしの五月中旬ごろ議員立法で中止になるとか、あるいは十一月ごろにもし臨時国会なんかあった場合に万が一中止になるとか、そうした場合、その損害額はどうなるのか、おおよその数字を示していただきたい。
○政府委員(矢澤富太郎君) 政府としては、確実にこれを実施していく方針で対処をしておりますので、なかなかお答えしにくい質問でございますけれども、先ほど先生が指摘されましたいままでの投資額、これがとりあえずどういうふうになるかという問題点であろうかと思います。
○多田省吾君 先ほども自民党の議員さんの質問に答えられておりますけれども、このグリーンカードの実施に伴い、資産隠しとか節税対策とか、いろいろあの手この手が考えられているようでございますが、その現状と今後の動きの見通しといいますか、そういうものに対して、もしそのほかにあるとすればひとつ簡明にお答えいただきたい。
○政府委員(矢澤富太郎君) 最近議論になっておりますシフトの問題でございますが、これは大きく言って二つに分かれるかと思います。一つは海外への流出でございます。一つは国内における他の資産へのシフトの問題でございます。 まず、国内における他の資産へのシフトのケースとしては、土地でございますとか株式あるいはダイヤモンド、こういったものが考えられるわけでございますが、これは御承知のように、株も個人株主が減少しているというようなことでございますし、土地につきましてはただいま大変需要が沈滞しているということでございます。ダイヤモンドにつきましても価格が低落する、あるいは輸入量そのものがほとんど横ばいだということでございますので、国内におけるそういったシフトについては全く現在は徴候すらもないというふうに考えております。 問題は、海外への流出でございまして、特に現象的には昨年来の金の輸入が非常にふえた、あるいはゼロクーポン債という新しい金融商品が出現したというところでいまの問題の発端が起こっているわけでございますが、これらは全部合わせて五千億円でございますので、その間個人金融資産の増加三十五兆、昨年中は増加しております。また、預貯金が二十三兆増加しております。この順調な国民貯蓄の増加に比べますと、この五千億というのは一・五%程度ということでございますので、きわめて全体的には微少なものであるというふうに考えております。 また、今後の見通しにつきましても、現在シフトしなきゃならないという資金は公的に露見を恐れる資金、こう言われておるわけでございますが、これは分離課税の増加額が大体年間一兆円ぐらいの規模でございまして、この分離課税がすべていわゆる裏金と申しますか、露見を恐れるお金ではございません。これは税金が安いからきれいなお金もそこに入っているということもございますので、規模自身が、これはなかなかむずかしい問題でございますが、それほど大きな規模ではないだろうというようなことでございます。そういうことで、今後ともそういったシフトが大規模に起こるというふうには私どもは考えておりません。
○多田省吾君 いまお答えいただいた中で、特にゼロクーポン債につきましては、証券会社二十九社に対しまして行政指導で現在販売禁止しておりますが、このような決定に至るまでの経過、理由、それから今後の解除の見通しについて簡明にお答え願います。
○政府委員(禿河徹映君) ゼロクーポン債は昨年の四月から欧米の市場で発行されてきたものでございますが、日本国内での購入の状況を見ますと、昨年の十二月までで払込金ベースで約二億ドル程度でありましたものが、この一月には一億五千万ドル、二月に入りますと七億八千万ドルということで、いままでの購入総額の十一億三千万ドルの約七割が二月だけで購入をされた、こういう状況でございまして、そういう状況から見まして、私どもといたしましてはやはり証券会社の営業活動が過熱しておると考えざるを得ない、そういう状況でございました。 また、その間におきましてゼロクーポン債を購入する投資家の範囲も拡大してきておりますので、証券会社の営業活動の姿勢というものとあわせまして投資家保護という観点からも、その鎮静化を図りまして今後の販売体制の見直しを図る必要があるんではないか、こういうところから三月の初めに当面その販売を見合わせてもらいたい、こういう要請を関係証券会社にいたしたところでございます。その後販売は行われておりませんが、現在私どもこの一、二月の証券会社の販売の実態をいろいろ調査いたしまして、さらに今後の販売のやり方、その体制の見直し等につきまして、現在検討を進めておるところでございます。 今後この取り扱いをどうするかということは、その検討の結果を踏まえて考えてまいりたいと思っておりますが、やはりこういう措置の性格上、あるいは内外の資本交流の自由化、こういう大前提のもとにおきましては、いつまでもこれを自粛、見合わせをお願いするというわけにはまいらない、こういう性格のものであろうと、かように考えております。
○多田省吾君 ゼロクーポン債の異常過熱の原因といたしまして、証券会社が十年間で四倍になるとか、それから償還日前に売却すれば非課税の節税商品になるなどという宣伝文句であおったことが大きな原因と言われておりますが、証券局はきょうまでの事情聴取によって行き過ぎた宣伝などの問題はなかったか、あるとすればどう指導されたのか御答弁願いたい。
○政府委員(禿河徹映君) 確かにこの商品の性格上、償還期まで保有いたしますと、払込額の三、四倍程度になったものが償還期に受けられるとか、あるいは現行の税制上は有価証券の売買益というものが原則として非課税であるということ自体は事実でございますけれども、為替変動によるリスクが伴うものであるそういう商品でございますし、あるいは完全に安全確実だと言い切れない面もあるわけでございます。そういうふうな商品の性格につきまして十分な説明がなされていたかどうかという点になりますと、必ずしも十分ではなかったと、こういうふうに考えられますし、あるいは税制上の取り扱いにいたしましても、現在の税制をそのまま償還期である十年先までいくようなそういう広告宣伝をしておった面もございます。 そういうふうなことで、そのメリットだけを強調していた面がこれはあったことは否定できないと、かように考えております。
○多田省吾君 主税局にお尋ねいたしますが、このゼロクーポン債に対して現行税制はどのように適用になるのか。満期の償還差益は当然雑所得となって総合課税になると思いますが、その支払い調書の義務づけ等どうなるのか。 また、今後税の公平という観点から対策を検討されているかどうかお答えいただきたい。
○政府委員(矢澤富太郎君) ゼロクーポン債は、御承知のように、日本の税法のすき間をねらってできた新しい商品でございますから、課税の適正化のために当然必要な措置を講ずることを考えなければいけないと思っております。 課税の問題といたしましては、ただいま御指摘がございましたように、償還時まで持っておりますとその償還差益は雑所得として総合課税になるわけでございますが、この総合課税を確実に担保していくために支払い調書をとることが必要であるかどうかというような問題、それから途中で法人に売り抜けますと、これはキャピタルゲインということで現在非課税でございます。この辺につきましては通常の株式と違いまして、ゼロクーポン債は証券会社の勘定を、口座を通じて金の出入りがあるものでございますから、そういう意味で本人確認は確実に行われるという点もございますので、この種のキャピタルゲインに課税をするというような方向、こういったことを将来の検討課題として検討してまいりたいということでございます。
○多田省吾君 いま御答弁があったように、このゼロクーポン債のうまみというものは、差益が非常に莫大なところにあります。利回りが最高が一七・七五%、最低でも一三・二五%もございます。いま一年定期が五・七五%、二年定期が六%ですから、二倍半から三倍もあるわけです。これが少々円安になっても十分割りが合うというような宣伝もございます。円高になれば膨大な差益金が得られる。ですから、一月、二月で九億三千万ドルも売れたのだと、このように思われます。この数字は五十六年の全体の対外証券投資額が六十億ドルの中で六分の一に当たります。しかも、たった二カ月で一商品のみによって起こっております。単純に私はブレーキがかかるとはとても思えないのでありますが、行政指導で販売禁止期間中にその対策の自信はあるのかどうか。 それから、いつまでも販売禁止というわけにはいかないと言っておりますが、大体いつごろをめどに対策を考えられているのか。
○政府委員(禿河徹映君) 確かに、資金のシフトと申しますのは金利差を求めて動くのが基本でございますが、それ以外にいろいろ投資家の動機というものもあろうかと思います。ただ、ゼロクーポン債につきまして、税制上の取り扱いとかあるいは為替リスクあるいは流通性というふうな点につきましての商品の性格につきましての投資家の認識というものも、かなり最近高まってきておるものと思われます。そういう点から申しますと、将来、仮に再開をいたしましても、この二月に見られたようないわば過熱した状況というものは私どもはないであろうと思っておりますし、またそのように期待をいたしております。同時に、それを取り扱います証券会社に対しましては、このような過去に見られた過熱した営業活動ということが起こらないように十分に指導をしてまいりたい、かように考えております。 その再開の時期につきましては、私どもまだ現在、確たるめどを持っておりません。ただ、外貨証券の取得は外為法上も原則自由でございますし、それから投資はあくまでも投資家の責任と判断において行われるべきものでございますので、そういう点から見ますと、いつまでもこれを販売見合わせというわけにはまいらないだろう、しかるべき時期にはその再開を認めざるを得ないのではないか、かように考えております。
○多田省吾君 このしかるべき時期でございますけれども、大体数カ月後とかもっと早くとか、おおよそのめどがあると思うんですけれども、どうですか。
○政府委員(禿河徹映君) 先ほども申しましたとおり、まだいつからというところまで私どもの検討も進んでおりませんけれども、何カ月も先まで延ばすというふうなことはいかがかな、こういう感触を持っております。
○多田省吾君 そうすると、何カ月も待たないという意味でしょうから、もうすぐ解禁になるようなお話でございますけれども、大臣におきましてもその点は十分御注意を払っていただきたいと思いますし、グリーンカード実施の目的はあくまでも高額所得者の資産隠しによる脱税防止という不公平税制の是正にあるわけでございまして、わが党でも一昨年、プライバシー侵害等の懸念はあったのですが、十分検討の上賛成したわけでございますが、ほかに不公平税制の是正になるものがない以上、やはり私どもは現在実施すべきだと考えております。 したがって、この原点に返って確固たる態度で臨まれたいと思いますが、その御決意をお聞きしてグリーンカードは終わりたいと思います。
○政府委員(矢澤富太郎君) 御指摘のとおり、総合課税への移行と、それから非課税貯蓄の限度管理、この二つで課税の適正化を図ろうというねらいでございまして、私どもとしては国会で御決定いただきましたとおり、確実に実施してまいりたいと考えております。
○多田省吾君 グリーンカード実施ということを総理も大蔵大臣も一応いまの段階でおっしゃっておりますけれども、大蔵大臣は最近、その言いわけのように一千万円以上の高額所得者に対して減税するのだとかあるいは分離課税も五〇%程度にして残したらいいんだとかおっしゃっているようでありますが、真意はどこにございますか。簡明にひとつ。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 私はその両方言っておりません。私の言っておるのは、グリーンカードを実施をする場合には総合課税移行だから、外国と同様にやはり税率はなだらかなものに直すべきであるということが一つでございます。それから、したがって下の減税をやらないと言っているわけでも何でもないのであって、外国と同じにするのだから外国並み国やったらいいじゃないですか、やるべきであるということを言っておるだけでございます。法律が決まっている以上は、政府は法律を守る、当然のことでございます。
○多田省吾君 じゃ、分離課税はたとえ五〇%といえどもこれは残さない、これでよろしいんでしょうか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 私はむしろ総合課税移行というのはやるべきだと思っているんですよ。しかし、そのためには税率区分は変更しなければならない。たとえば……
○多田省吾君 ですから、分離課税の方をお聞きしているのです。
○国務大臣(渡辺美智雄君) だから理由を言わなければちょっとわからない、じゃ、やめましょうか。
○多田省吾君 時間がなくなりますから……
○国務大臣(渡辺美智雄君) はい、わかりました。 分離課税の問題は、法律が来れば自然に消滅をいたします。
○多田省吾君 大蔵大臣は、物価調整減税やあるいは五年据え置きの課税最低限の引き上げについては、減税の余地なしの一点張りで通しておられるようであります。ただ、グリーンカード実施の際は高額所得者の負担軽減のために税率をなだらかにしたいとたびたび明言されているわけです。しかし一般庶民は、この大蔵大臣の言明に非常に懸念を抱いている、高額所得者優遇ではないか、庶民無視ではないかということ、確かに去年の税調でも課税最低限の引き上げを論ずる委員の方はあったわけです。答申にも出ております。ところが、この高額所得者に対する税率緩和ということは、私は一切そういう論議はなかったと思います。 まず、このことで確認してまいりたいと思いますが丁第一は、現在一千万円以上の所得者層は源泉所得者、申告所得者、階層別分布の割合はどうなっておりますか。
○政府委員(矢澤富太郎君) 源泉所得者につきましては、一千万超の所得者は二十六万人でございます。全体の納税者数が三千二百九十五万人でございますので、その比率は〇・八%でございます。申告所得者につきましては、一千万超の所得者は三十八万人でございまして、全体が五百九十四万人でございますから比率は六・五%でございます。 なお、階層別につきましては、源泉所得者につきましては、一千万から二千万までの方が二十四万人、二千万超の方は二万人、計二十六万人でございます。それから申告所得者につきましては、一千万から二千万の方が二十六万人、二千万から三千万の刻みの方が六万人、三千万から五千万の方が四万人、五千万超の方が二万人で計三十八万人となっております。
○多田省吾君 いまおっしゃった申告所得者について、五千万円以上は大ざっぱに二万人と申されましたが、正確に言えば一万八千人程度ではありませんか。
○政府委員(矢澤富太郎君) はい、御指摘のとおりでございます。
○多田省吾君 一割もここでサバを読まれると……(笑声) 私は、源泉徴収所得者について、階層別に把握してないというのはきわめて問題だと思いますし、把握してないのに税率をなだらかにというのは私はおかしいと思う。申告分につきましても、五千万円以上が一万八千人だということから推測いたしますと、源泉徴収の方はパーセントからいっても六分の一ですから非常に、もっと少なくなる。申告分につきましても五百九十四万人のうち、五千万以上は一万八千人でわずか〇・三%、千人に三人であり、しかも八千万以上の方は私は数千人にすぎないのじゃないか、このように思われます。私はやはりこの実態も正確につかんでいただきたい、このように思います。ですから、八千万円以上で所得税が七五%かかっているなんという人は、まさにこれは描かれた税率にすぎなくてほとんど適用されていない数字だと思うんです。 ですから、私は、この累進税率を見直すということをおっしゃる以前に両方の実態調査をすべきだ、このように思いますが、どうですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 私の話はまだ事務当局までおりておりませんから、具体的には。しかしながら、諸外国に例のないようなことをやって経済にプラスの影響はないと、私は自由主義経済体制下ではそう思っております。やはり自由主義経済というものは余り極端なことをやると必ず資金の移動というものが行われる。その結果は国民経済に悪影響を及ぼす、その結果は結局はそれは庶民階層に何らかの形ではね返ってくるわけですから。 だから、やはり日本だけが諸外国に例のない非常に超高率の課税をやれば、日本の経済が栄えるというふうには私は考えておりません。
○多田省吾君 私は、やはり生活実感から公平な課税が望まれているということを申し上げたいのです。特に、低所得者層におきましては、やはり五年間も課税最低限の引き上げが据え置かれたということで大変な生活難に陥っているわけです。ですから、二年間も続けて可処分所得がマイナスになっております。高額所得者の方は現在まで分離課税ということで相当優遇を受けてきた方々です。しかも、いまのお答えによりますと、八千万円以上の所得者というものは数千人いるかいないか、そういう程度でございます。それよりも、五年続けて課税最低限を据え置かれて、生活苦にあえいでいる庶民の減税を図るのが私は優先すべきだと思います。 そこで、時間もございませんが、若干私どもの計算でございますが、たとえば現在年間所得が八千七百二十五万円の人、それから一千万円の人、それから五百万円の人、夫婦及び子供二人の標準家族で所得税は幾らぐらいになりますか。簡明に。
○政府委員(矢澤富太郎君) 八千七百二十五万円の場合の所得税は四千五百七十六万円、それから一千万円の給与収入の場合の所得税は百三十二万円、五百万円の場合には所得税は二十八万円でございます。
○多田省吾君 そうしますと、税率から見ますと八千七百二十五万円の人は五二・四%、それから一千万円の人は一三・二%、それから五百万円の人は五・六%で、決して七五%というような姿にはなってないわけです。これから地方税を差し引かれるわけでありますが、これもやはりかえって残った所得の倍率は狭まるだけでございまして離れることはないと思うんです。 だから、収入の倍率と課税後の倍率を比較しますと、五百万円の収入の方は課税後収入が四百七十二万円、それから一千万円の方は課税後収入が八百六十七万円、それから八千七百二十五万円の収入の方は課税後収入が四千百五十五万円となりまして、それぞれ倍率は一対一・八、三対八・八、このようになっております。ですから、収入倍率が一対二対一七・四五ですから課税後収入の割合も相当広がったままなんです。ですから、八千七百二十五万円の収入の方は五百万円の収入の方の八・八倍もの課税後収入が得られていることになるわけです。したがって、働く意欲がなくなるなんということは私はとんでもない話で、こんなに収入に結びつくならばますます働く意欲が出てくるわけであります。 やはり八千七百二十五万円は一般税率で言いますと、これは八千万円以上になりますけれども、だからちょっと考えると七五%の課税になると考えられますが、実は七百二十五万円が引かれるわけです。給与控除で五百九十一万円、それから人的控除が百十六万円、社会保険控除で十八万円、合計七百二十五万円となりまして、差し引き八千万円になりますと最高税率は七〇%に落ちるわけです。八千万円を超えると七五%ですが、八千万円では七〇%です。そして、八千七百二十五万円に対して累進課税といっても五四・四%の税率になるわけでございまして、半分は残ることになります。決してこれは不公平ではない、税制を見直すのであれば課税最低限の引き上げで十分ではないかと、このように私は思うわけでございます。大臣の御意向をお願いいたしまして、時間ですから質問をやめたいと思います。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 私といたしましては、課税最低限を上げないとか減税をやらないとか言っているわけではないのです、私の言っていることは。したがって、全体としてそういう場合には見直すことが必要だということを申し上げているわけでございます。
○委員長(河本嘉久蔵君) 午後一時再開することとし、暫時休憩いたします。 午後零時六分休憩 —————・————— 午後一時二分開会
○委員長(河本嘉久蔵君) ただいまから大蔵委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○鈴木和美君 私の持ち時間の中で、私は通関及び税関の行政を中心にして質問をしたいと存じます。 まず最初に、貿易摩擦の問題で輸出入の産品についての議論がただいままで行われてきたんですが、産品の問題とは違って、通関の手続などについて貿易摩擦の中で何か話題になっておるところがあればお聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(垣水孝一君) いわゆる非関税障壁と申しまして、関税面ではなくて通関手続に、日本はいろいろなことを言って、たとえば通関日数がアメリカと比べて非常にかかるじゃないかと、あるいは化粧品とか動植物を通そうと思ってもその許可証をもらうのにかかるじゃないか、こういう批判がございました。
○鈴木和美君 多少細かになるかもしれませんが、貨物の輸入について中心にお尋ねしたいんですが、海上コンテナの場合で貨物の取りおろし、そして搬入と、そして他法令の承認などの申請をするまでの間に大体何日かかりましょうか。
○政府委員(垣水孝一君) これは大変早いものと比較的長くかかるものとございまして一概に申せませんが、三日から五日ぐらいかかっているんじゃないかということで、ちょっと平均は出しておりません。
○鈴木和美君 その次は、他の法令の規定により、輸入に関して許可承認などを必要とする貨物の手続に関して何日ぐらいかかりますか。
○政府委員(垣水孝一君) 早い場合は大体一日ないし二日でございますが、物によって、むずかしいものでは二、三週間あるいはそれ以上かかるものもございます。
○鈴木和美君 その次は、税関における輸入通関の手続に何日かかりますか。
○政府委員(垣水孝一君) これは私ども、比較的厳密に自分のところのことでございますのではじいているわけでございますが、従来大体一日程度と言っていたのが、現在非常に細かくやりますと〇・六日というのが五十六年の数字でございます。これは申告書を税関の窓口に出してから輸入許可の判こを押すまでの時間でございます。
○鈴木和美君 通関がそれで行われて、納税の輸入許可から貨物の引き取りまでの間に大体どれぐらいかかっていますか。
○政府委員(垣水孝一君) この点は、実は私ども全くわからないわけでございまして、たとえば自動車等は通関いたしましてから車両等の規則に合うように直させる、あるいは電気器具等は今度直すことになったはずでございますが、コードを取りかえなきゃならぬということで、ちょっと厳密な数字は承知しておりません。
○鈴木和美君 いま流れを全部お聞きしまして、かかる日にちもお聞きしたのですが、平均的にいまお伺いした日にちを足しますと、約十五日ぐらいであるというように平均的に見てよろしゅうございますか。
○政府委員(垣水孝一君) 大体そういう程度のこととして、厳密な数字ということでなければそういうようなことを言ってよろしいかと思います。
○鈴木和美君 ただいま御説明のあった十五日かかるぐらいの期間で、大変長いということが指摘されているという問題なんですが、その問題にされていることに対して、日本側としてどういう合理化または効率化というものの検討が行われているのか。まず、税関そのものについての効率化の問題についてお尋ねしたいと思います。
○政府委員(垣水孝一君) 実は、いまたとえば十五日と申しましても、初めにお断りしたいんでございますが、早いものについては二、三日で通るものがあるわけでございます。税関手続自体につきましても、〇・六日と申しましたが、たとえば中央分析所等に行って分析をしてみなければ税番がわからぬというようなものについては、もちろん二週間あるいは一月というような日数を要するわけでございますので、実は外国から指摘されているのは、そういう特異なものについてえらく長いじゃないかと、こういうことでございます。 そこで、私どもとしましては、いろいろ各省、外国等からの批判のあった九十九品目について六十七の改善をするということをいたしましたわけでございますが、その中で税関としては五項目ございまして、第一には事後審査制ということをとりました。第二に抱括審査制を採用するということをいたしました。それから第三に、添付書類を非常にやかましいことを言っていた向きがあるという点がございますので、その点を改めさせる通達を出しました。それから第四に、検査のやり方を変更いたしました。それから第五に、東京税関に分類センターをつくりまして、この分類で税関の窓口によって違う分類でトラブルが起きるということで、これをできるだけ早く統一できるということをする措置をとった次第でございます。
○鈴木和美君 後ほどいまの五つの問題についての具体問題は討論しますが、大蔵省としては税関のそういう合理的効率化を図ったということなんですね。 厚生省にお尋ねしますが、食品衛生法とか薬事法とか毒物取締法とかというような、法律にかかわる問題についての厚生省としての通関手続に関しての何か合理化効率化、そういうものを図った内容がございましょうか。
○説明員(竹内幹吉君) 監視指導課におきましては、薬事法、医薬品等でございますが、それから毒物劇物取締法を所管しておりますが、これにつきましては税関、輸入課ともいろいろ御協議いたしまして、この一部につきまして税関のみのチェックで通関していただくということを現在協議いたしております。
○鈴木和美君 農水省にお尋ねしますが、畜産物の伝染病予防法とか植物の防疫法などに絡んでの何か手続に関して効率化を図った内容がございましょうか。
○説明員(緒方宗雄君) 私どもは、家畜の伝染病が海外から侵入するのを防止するために、家畜伝染病予防法に基づきまして、動物あるいは畜産物の輸入検疫をやっておるわけでございますが、従前からこの動物検疫業務の迅速化あるいは合理化について努力をしておるわけでございますけれども、生きた動物の輸入に関しましては、やはり日本にある一定期間動物検疫所にとめ置きまして精密な検査をいたしませんと、病気を持っているか持ってないかの技術的判断が非常に困難でございますので、その最低必要期間の検疫を課しておるわけでございます。 なお、畜産物の方につきましては、なるべく簡素化をするということで努力をしておるわけでございますが、これも全量を検査するわけにはまいりませんので、代表的なサンプルについて検査をすると同時に、たとえば一部旅客が……
○鈴木和美君 従来までと今回何か改善したことがあるかという質問ですから、それだけ答えてもらえばいいです。
○説明員(緒方宗雄君) はい。携帯品として持ち込むものにつきましては、証明書の簡易化措置を講じております。
○鈴木和美君 通産省にお尋ねしますが、高圧ガス取締法、化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律、計量法、家庭用品品質表示法などについての効率化を図ったものはございますか。
○説明員(横山太蔵君) お答え申し上げます。 先生いま御指摘の諸法律に関しまして共通的に申し上げられますことは、一つはわが国の規格、基準をできるだけ国際的なものに統一させるという方向でございます。具体的には、高圧ガス取締法に基づきますエアゾールスプレーの肉厚につきまして、諸外国の規格、基準がわが国の規格、基準でも合格するようにこれを改めることにいたしております。 いま一つは、できるだけ外国での検査データを活用して、それをもってわが国の検査に代替していこう、こういう処置でございまして、それぞれの法規について外国の検査機関と協約を結ぶ等、各種の努力をすることにいたしております。
○鈴木和美君 大蔵省にお尋ねしますが、先ほど税関の手続そのものについて日本は長いとかそれからむずかしいとか、そういう指摘がアメリカ側からあるのですか、それとも全体の貨物が入ってきて荷主が引き受けるまでの期間が長いということを指摘されているんですか、どちらですか。
○政府委員(垣水孝一君) 一般的に言えば後者だと存じます。 ただ、わが国の税関制度とアメリカの通関制度とが異なりまして、アメリカにはわが国のような一種の保税倉庫に入れて、それから税金を納めてから通すという制度ではなくて、ボンドと称しまして、一種の根抵当のようなものを置いておきましてそれで通すものでございますので、実際にかかるところが通関ということで、税関、税関ということと若干制度が違うねと、こういう言い方でございますが、基本的には先生のおっしゃるように、むしろ全体の長さについて苦情があると思います。
○鈴木和美君 いま、厚生省、通産省、農水省から事情を聞いたんですが、私の調べたところによれば、それほど従来とは大幅に改善されたというようにはなっていないように受けとっています、私は。 税関の方そのものは、先ほど御説明がありましたように、五つ改善策が決定して、もうある程度実行に入っているんですか、これは、五つの問題。
○政府委員(垣水孝一君) すでに私名の通達を出しまして、本日から実行ということになっております。
○鈴木和美君 その通達の実施によって、貨物のいわゆる税関の手続に約一日ぐらいかかっておったものがどのぐらい短縮されることになりますか、この五つの効率化をやったために。
○政府委員(垣水孝一君) ちょっといまのところ算定が困難でございますが、まあ二割ぐらいは短縮できるんじゃないか、これは全くの勘でございますが。したがって、〇・六日という点が〇・五日とかもうちょっと少なくなるんじゃないかと思います。 ただ、先ほども申し上げましたように、問題は、非常に長くかかるものもあるものでございますから、この平均数字よりも非常に長いところをどうするかというところが一つの問題点かと心得て対処しようとしているところでございます。
○鈴木和美君 これは「日経ビジネス」の「輸入貨物及び通関手続きの流れ」というようなタイトルで、各流れに何日かかるかということを書いたものなんですが、従来税関は平均通関日数が約一日だと、申告から許可まで。今回こういう合理化がとられることによって〇・七日になったという論評をしているんですが、いま各省にずっとお尋ねをしてまいって、税関のお話をいま聞きまして、結局アメリカ側がいろんな指摘をしていることは、税関そのものに対する問題点よりも、ほかのところに問題があることを指摘しているんだと私は思うんですね。 だから、税関だけが五つの合理化案を四月一日から実施する通達を出すということ、そのこと自身は後ほどまた議論しますが、その出すのであれば各省庁間のつまり対応をどうするかということを統一的に考えて私はやるべきじゃないかと思うんですね。ところが、税関だけが先走りしているんじゃないかという私は感を持つんですが、いかがですか。
○政府委員(垣水孝一君) 各国からの指摘ということで、九十九事例でございますが、この点は非常に、それぞれ、一つ一つやったわけでございます。ただ、税関はそれをいわば、先ほどからおっしゃいましたように、総括して通関というと税関、これすべて各省の書類とも税関を通るものでございますから、そういう意味においては、やっぱり私どもが組織的な変更をしなきゃならぬということで対処したわけでございますが、先ほどたとえば厚生省からもお話ございましたように、厚生省と税関とのやりとりの書類の簡素化を図るというようなことで、現在さらにそれを進めているところでございます。
○鈴木和美君 問題の核心に触れる前に、もう一つ、これは警察庁だと思いますが、覚せい剤の乱用の現状をどのようにいま把握しているのかを聞きたいんです。 時間がございませんのでまとめてお伺いしますが、つまり、最近の覚せい剤、それから大麻、それから麻薬などに関してどのくらい傾向として押収数量があるのか。また、その傾向をどういうふうに見て、どういう対策をとろうとしているのか、お伺いしたいと思います。
○説明員(仲村規雄君) 最近は特に覚せい剤事犯が大変ふえておるわけでございますけれども、覚せい刑事犯につきまして申し上げますと、昭和四十五年以降大体一貫して増加を続けておりまして、昨年、昭和五十六年には二万二千人余りを検挙いたしました。これは前年に比べまして一〇・六%ほどの増加でございます。こういった覚せい剤なりあるいは麻薬、そういったものの押収状況でございますけれども、覚せい剤につきましては、昭和四十五年には約五キロほど押収したわけでございますけれども、それが昭和四十六年に二十五キロほどに急激にふえました。それがさらに年々ふえてまいりまして、昭和五十四年には百キログラムを超えたということでございます。昨年は昭和四十五年の約二十四倍にも当たります百四十キロほどを押収しておるという状況でございます。 なお、ヘロイン等につきましては、現在のところそれほど大した乱用の状況は見られませんで、大体毎年平均一キロ前後の押収というような状況でございます。 それからなお、対策でございますけれども、私どもといたしましては、現在覚せい剤が非常に乱用されているという状況でございますので、特に供給の遮断と需要を根絶する、この二つの面から強力な取り締まりをやっているというところでございます。
○鈴木和美君 いろんな文献を見てみますと、覚せい剤の問題については一般的には昭和二十年代後半のヒロポンの時代と、三十年代のヘロイン時代、そして三十年代は取り締まりの強化によって急激に低下をしたんだけれども、四十五年ごろから乱用者が再び高い数字を示しているというように言われていると思うんです。 そこで、そういう状況に絡んで、対策の方を、薬物乱用時代に入ったものですから、私がいろんな文献を調べてみたところによると、三つが対策指導要綱になっておるようです。一つは違反者に対する徹底した取り締まりと厳罰、二つ目は薬物中毒者に対する完全治療、三つ目は薬物乱用防止に対する国民的コンセンサスを得るためのキャンペーンを張らなきゃならないということがその対策になっているというように承知しておるんですが、これでよろしゅうございますか。
○説明員(仲村規雄君) そのとおりでございます。
○鈴木和美君 関税の方に特にお尋ねしますが、いま警察の方の関係は百四十キロ押収という数字が上がってきたんですが、これは関税局監視課課長補佐で西原政雄さんとおっしゃるんでしょうか、この人の文献を見てみますと、昭和五十五年で覚せい剤の押収数量の推移というのは七十八・二キロであるというように言われています。この七十八・二キロということは昭和四十五年から見ると最高の数字を示しているわけです。 そこで、お伺いしたいことは、このことが事実かということと、百四十キロ押収しているという数字と、七十八キロという数字は税関が押収した数量なのか。警察がやったのもあるし、海上保安庁もありましょう。それで、税関としてどのぐらいの覚せい剤の押収量があったのか教えてください。
○政府委員(垣水孝一君) ただいま先生のおっしゃいましたように、五十五年、七十八キロと申しますのは税関が関与して挙げたものと、こういう意味でございます。なお、五十六年は約六十キロでございます。
○鈴木和美君 税関の方にもう一つお尋ねしますが、拳銃の押収数量の推移はどうなっていますか。
○政府委員(垣水孝一君) 五十五年で百十一丁、五十六年で六十七丁でございます。
○鈴木和美君 警察庁にお尋ねしますが、税関が押収した覚せい剤が七十八キロ、それからいまの説明で百四十キロ、押収した数量がそういうことですね。押収できなくて回っているものがあると思うんです。そういうことを推定しますと、いまの国内にどのくらい覚せい剤の量があるんじゃないかと見込まれますか。
○説明員(仲村規雄君) 暗数がどのぐらいあるかということは大変むずかしい問題でございますけれども、私どもといたしましては、いろんな情報、あるいは過去の検挙した者からのいろんな情報、そういったものをあわせ考えまして、大体押収した数の十倍以上はあるんじゃないかというふうに考えています。
○鈴木和美君 ありがとうございました。厚生省、農水省、警察庁結構でございます。 いま各省から状況などを聞いたんですが、そこで今回税関がとられた五つの対策について、私の見解を含めてお尋ねしたいと思いますので、お答えいただきたいと思うんです。 まず第一は、事後審査制の導入ということを言われますが、これは一見簡略されたように見えますが、税関の職員は二重審査という負担が多くかかってくるのではないかと私は思うんです。いかがですか。
○政府委員(垣水孝一君) 確かに先生のおっしゃいますように二回審査をするものが幾つか出てくるわけでございますので、その点が否定できない面もあるかと思います。 ただ、私ども現場で聞いておりますと、ずうっと忙しいときには後ろに待っている、並んでいるときにいわば非常に焦りながら審査をしなきゃならぬというようなこともあって、むしろむずかしいものは後からもう一遍審査しますよという、実は事後審査制というのは仮に申告納税制度ですからこれで通しますが、後から直すことがございますよという判こを押して申告された税額を納めていただいたら通す、こういうことでございますので、ある意味では事務を平準化するという面もあって、必ずしもこれによって二重手間になるから非常に負担がかかるということではないということを、現場ともいろいろ相談いたしまして、これでいけるんじゃないかといって踏み切った次第でございます。
○鈴木和美君 「事後審査制の導入」という中で、処理内容を見てみますと、「輸入申告に係る審査を総て輸入の許可前に完了するという現行の処理方式を改め、他法令の確認等引取りにかかる事項の審査が終了すれば、特別の場合を除き、輸入の許可を行い」云々とあります。この「特別の場合を除き」という、「特別」とは何ですか。
○政府委員(垣水孝一君) 御承知のように、税関は輸入許可をするまで物を、現物を押さえていると、こういうことで、実は取りはぐれが、関税の徴収はぐれがないということが非常に特色でございます。 まあ、そういうことで、実はかなり、逆に言いますと、輸入者の方にある意味では心理的な負担を含めまして負担がかかっていた面もあるんじゃないかと、こういうことでございますので、今度は申告された税額を納めれば、もちろん他法令で禁止されているものは別といたしまして、納めれば通るわけでございますので、後、その申告が間違っていたときにはちょうど国税と同じように後から追っかけていって徴収をしなければならないわけでございます。 そこで、ただ輸入者というのは、原則として一回限りの輸入者というのは非常に少のうございますので、これは大体後、まあつかまえるといいますか、徴収漏れになることは少ないわけでございますが、一回限りの輸入者であるとかあるいは過去にしばしば脱税を犯したというような者で、これはちょっと取りはぐれになりそうだなというような者を頭に置きながら、特別の者、特別の場合ということを考えたわけでございます。
○鈴木和美君 次の「包括審査制の新設」ということについては、私の意見を述べる前に、昭和何年だったか忘れましたが、青行事件というのがあったと思うんですね、これはどういう事件だったんですか。
○政府委員(垣水孝一君) 青行事件と申しますのは、絹につきましては韓国だとか中国から入ってくるものには非常に厳しい枠をつけているわけでございますが、従来いわば余り入ってくる可能性のない——本件の場合にはスペインでございますが、そういうところから入ってきたものを大量に通したという事件でございます。それで、この点については国会でも問題になりまして、税関はもっと審査を厳重にすべきではないかというおしかりを受けたと承知しております。
○鈴木和美君 この包括審査制の導入が行われた場合、現在輸出の場合もマル包という取り扱いがありますね。私が聞いている限りにおいては、この利用者は少ないというように私は聞いているんです。したがって、輸出が余り利用されていないという場合に、輸入についてこういう制度が効果があるんだろうかと、一つは疑問に思います。 もう一つは、包括審査制ということをとると、税関の職員が一番最初の品物について大変な神経を使うわけですね、あとは見ないんですから。つまり、次からの審査が省略されるということになるんだと思うんです。そうすると、いま青行事件を前段に聞いたように、非常に悪徳業者がはびこりはせぬかということが非常に私は心配なんです。同時に、現場の職員がすべて責任を持たされやせぬかと思う。たとえば青行事件のときにも、税関は何やっていたんだと言って税関がしかられるわけですよ。そのしかられるというのは何がしかられるかというと、現場の、つまり審査のときに立ち会っておった職員が何をしていたのかというように責められるんですね。だから、ある意味では包括審査制の導入ということは職員が量的には軽くなるかもしらぬけれども、責任の度合いというものは結局また、軽く通したんだけれども、責任は後から問題になるとおっかぶされはせぬかという心配が私はあると思うんですね。この二つのことについて見解を聞かせてください。
○政府委員(垣水孝一君) 最初に、輸出の包括審査制について余り利用者がないんじゃないかというお尋ねでございますが、これは実は余りございませんでしたが、最近かなりふえてまいっております。五十四年の九月発足当時十八社であったのが、五十六年十二月には三十七社近くなって、九千八百四十一件、月当たりでございますが、まあこれでも手数としましてはかなりの節約になっているかと思います。 それから、本題の点でございますが、実は青行事件につきましては、むしろ包括審査というよりも、これは実は、税関を責めるのは純形式的に言うと酷だと。と申しますのは、その原産地証明のスペインからというのが偽造でありますけれども、要するに本当の判こが押してあったわけでございます。したがって、その原産地証明自体が客観的に誤りであったということではなくて、むしろ税関がそのときに責められたのは、スペインからそんなにたくさん入ってくるということになぜ疑問を抱かなかったかという点が実はまあ私どもの反省すべき点でございますが、確かに先生おっしゃいますように、むしろ税関を責めるというよりも関税行政全体として対処すべき問題であって、税関のその現場の職員になぜ気がつかなかったということを責めるのは、いままでの私どもの教育から見ますと若干酷だったかという点があろうかと思います。 そういう点を私どもも今回は十分配慮をいたしまして、現場の八千人の職員が安心してできるように責任をできるだけ上の者がかぶると、そして関税局自体が責任をかぶって、決して個々の職員に対しては——研修教育等は十分いたしますけれども、そういう研修の不足であり、いわばスペインからそんなにたくさんのものが大量に入るということに疑問を抱かなかった、そういうところに疑問を抱くような、いわば常識人としての研修教育が足りなかったということを反省いたしまして、今回の通達でも特にその点を関税局長といたしましては留意して、部長会議その他において注意を喚起しているところでございます。
○鈴木和美君 後ほど締めくくらしていただきますが、検査の簡略化及び輸入申告にかかわる添付書類の簡略化、こういう問題があるんですが、たとえば添付資料の問題についても「書類を必要最小限の範囲内にとどめるべく、提出基準を設ける」と、こういう内訳がありますね。しかし、私は税関の末端の職員は、いまお話しのように、関税局というか、上が責任を持つというように話ではおっしゃいますけれども、結局ずっと責任の所在をたどっていくと一番、末端の現場でおまえ何やっていたということになると思うのです。 たとえば、包括審査制の導入で私は悪徳業者というのがはびこるんじゃないかということをいまでも思うのですが、たとえば一つの品物だけ先に調べて輸入して、オレンジならオレンジでもいいですな、入れておった。後ろの方に何入っているかわからぬというようなことだってあり得るわけでしょう、一番最初だけ調査するわけですから。そういうことから見ると、どうも今回の効率化、合理化をやったのは現場の職員に非常に責任がかぶさるんじゃないのかなという気がしてならぬのです。 もっと細かに聞けば、その添付書類の最小必要限だというと何と何と何と何ですか。いま幾つぐらいの種類をとったやつを何ぼくらいにするということですか。
○政府委員(垣水孝一君) この添付書類がなぜとられたかということがまさに先生御指摘のとおりでございまして、これは常識的には通してもいい。たとえば非常に卑近な例を申し上げますと、品名の書き方が悪かったので書き直せと言う。そういうときに、それは正式な申告書だから社長の判をもらってこいというようなこと、もちろん基本的な事項にかかわる分についてはそうでございますけれども、そこで社長の判をもらいに行くためにはまた一日なりおくれるというようなことがある。そういうときに、たとえば念書をとって絶対に今後いたしませんというような書類を、しかしその窓口の使いの者の判ではだめで、やっぱり社長とまではいかなくても担当部長の判を押した念書を持ってこいというようなことを言って、まさに先生おっしゃるように、こういう念書をとっておりますからここは私の責任ではございませんというかっこうにどうしても末端職員はなりがちでございます。 そこで、それは部長なり税関長なり、そして最終的には関税局が責任を負うからそういうものは、たとえば日付を間違えたとか住所を間違えたとかというのは、そこの出先の、たとえば出張所長なりの判こを押せばあえて社長の判こまでは要らないというような、そういうきわめて何と申しますか、いわば区役所の窓口というとちょっとしかられるかもしれませんが、そういうところでいろいろ言われるようなことを改めて、もっと大局的な方に目を向けた審査をするようにというのが私どもの趣旨のつもりでございます。
○鈴木和美君 いまのお話しの問題を端的にお伺いずれは、現場の審査記録を信用するということであるというふうに理解していいですか。
○政府委員(垣水孝一君) そのとおりでございます。
○鈴木和美君 先ほど麻薬の問題や悪徳業者の問題やいろんな問題を取り上げたのですが、最近、いま局長から八千名という言葉が出ましたが、税関の職員の数は年々減っておりますね。そして麻薬は水際作戦と言われて、つまり国内に入らないようにすることが一番いいわけですね。いま警察のお話でも、押収している百四十が十倍ぐらい出回っているんじゃないかというお話ですね。最近、港のコンテナや、そして区域が広くなったものですから税関職員の港々、通関の場所においての働きぐあいというのは相当広くなっているわけですね。しかし、なかなかこういう問題についてきめ細かく押さえることができないというような問題がございます。 私は、どっちに力を入れるかということは言えないと思うのですが、つまり通関ですから、関税をかけるというそこのところに主眼があるのか、こういう麻薬みたいな密輸みたいな、そういうものを徹底的に取り締まらなければならねというような二つの私は側面を持っていると思うんです。ところが、最近税関と言うか関と言うか、そういう位置づけが非常にぼけてきているように思うんです。はなはだ私は遺憾だと思うんです。 そこで、もう時間がありませんから最後の質問になるかもしれませんけれども、ことしの税関の職員の概算の要求のときに、定員を何ぼふやしてくれというふうに要求されましたか。
○政府委員(垣水孝一君) 実は、要求の数字は正確には申し上げていないわけでございまして、一方において通関の迅速化、他方においてまさに先生のおっしゃいました関の強化ということで、この行政整理で一律削減の中にあって、できるだけ人員を確保するようにという要求をしてきたところでございます。
○鈴木和美君 私が聞いているのは、今日、非常に海外に出ていく人が多くなったとか、入ってくる人が多くなったとか、輸出輸入の量がふえたとかいうような、そういう量がふえたことと、それからこの麻薬の取り締まりというようなものも含めて、非常に税関の仕事が量がふえているんですから、一体何人おったら適正な仕事ができるかということを、当然役所ですからはじくはずですね。その数字を聞かしてくれと言っているんですよ。
○政府委員(垣水孝一君) これはやり方等もございまして一概に申し上げられませんので、お許しをお願いしたいと思うのでございます。
○鈴木和美君 やりくりがあるから言えないということでは了承できません、別な理由ならあれですけれども。私がいろいろなところから聞いている話では、その要求した、つまりこれだけおらなければならねという要求したものが、ゼロシーリングとか定員法とかいろいろなことがあって結局要求したことも取れない。また、要求しようと思っているのに、初めからもうゼロシーリングがかけられちゃって要求もできないというようなことがあって、いまの税関の職員の状態と関税局、税関がこれだけあったら何とかできるという数字と大変かけ離れているわけですよ。私はこれは遺憾だと思うんですよ。 なぜ遺憾かというと、ほかの仕事と違って、こういう密輸の問題というようなものは、そこのところでとめなければ大変なことになるわけですね。そういう意味でも税関の人の問題というのは、私は大変なことだと思うんですね。今後ぜひそういうものについての努力をしっかり私はしてもらわなければいかぬと思うんですね。いかがですか。
○政府委員(垣水孝一君) 私どもといたしましては、御趣旨のような点を十分心得て努力をしております。 ただ、もしつけ加えさしていただきますと、現在航空貨物の大部分は成田から通っておりまして、これはNACCSという電子計算機システムになっております。この点でかなり人間の節約がここ数年できましたために、これを監視取り締まりの方にいわば重点的に回すということをいたしております。今年度も強力に要求いたしまして、私どもとして必ずしも十分つけていただいているとは思いませんが、しかし、今後たとえば輸出についてもNACCSの制度に乗せることによって、監視取り締まりを中心にさらに輸出入貨物についても取り締まりに遺漏ないように、関(かん)といいますか関(せき)としての機能に遺漏ないようにがんばってまいりたいと思っております。
○鈴木和美君 最後に、大臣にお尋ねいたしますが、いま討論をさせていただきまして、私はいつも大蔵の職員の問題を取り上げるんですが、この税関の問題は、国税の職員みたいに定数において人をどうするとか、定数が何人ふえればこうなるんじゃないかというようなことには一概にいかないと思うのですね。そのために、税関は数字的にいかないものですからそのバランスを聞かれたときにいつも泣きが入ってしまうと、ここのところにばかりしわ寄せされる。たとえば国税職員の場合なら、どのくらいおるんだからどのくらい上がるというようにはじけるけれども、税関の場合にはなかなかはじけないというわけになると思う。 しかし、先ほどから言っているように、国民生活の安定や、麻薬がこれだけ出回っているという状況や、そして通関が、先ほど言ったように、各省は何の検討もしないのに大蔵の通関手続の方だけ先走っちゃっているんですよ。それで結局は職員泣かせみたいなことを私はやっていると思うんですよ。そこのところに何か税関がかっこいいことばかりやっているみたいに見えるんですわ。 ですから、そういう意味では、外から受ける、つまり厚生、通産、農水などなども含めながら、一つは大臣に統一的な対応をしてもらいたいということと、税関泣かせばっかりやってもらっちゃ困りますよということについての見解を聞きまして、私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(渡辺美智雄君) ただいま鈴木委員御指摘のとおり、税関は現物を直接扱いますからなかなか大変な仕事でございます。そこで、いろいろ限りある人員ですので、検査のやり方、コンテナの奨励、一カ所に荷物を集めるとかいろいろ苦労をしながら、一方手抜きがあって、先ごろあったように麻薬や拳銃が入り込んできても困るし、武器輸出になっても困るし、そういう配慮をしながら、他方、滞貨をなくすということで荷物をどんどん送り出さなきゃならぬと。 したがいまして、今後ともいろいろな中の通関業者の教育ですね、有能な通関業者というものを育てて、そういう者のお手伝いを経て、また機械化等の導入等も図って、円滑にやれるように層一層努力をしてまいりたいと存じます。
○鈴木和美君 終わります。
○矢追秀彦君 初めに大蔵大臣にお伺いをいたしますが、いろいろ議論をされておりますが、昨日で五十六年度が終わったわけですけれども、これからまだ五月分の税収等法人税を見なければわかりませんが、かなりの税収不足が言われております。一兆円とか一兆五千億とかいろいろ言われておりますが、まず、これは仮定の議論になって恐縮ですけれども、税収不足が多額に生じた場合補正予算を組む余裕もない、しかし財政法では、また二万において赤字決算というのは許しておりません。 これに対する対応ですが、予算委員会でも、大蔵大臣はわが党の中野鉄造委員の質問に対して、決算調整資金を使うということを挙げられましたが、税収不足に対応する対策として、順序立てて挙げていただけますか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) それは仮定の問題でございますからどうこうということはないんですけれども、これも考え方がいろいろございまして、いずれにいたしましても支払いはつけなきゃならぬということになれば、もう補正予算で間に合わないわけでございますから、与えられておるものは何か、そういうようなものの中でやはり限られた手段の中でそれに対応するということしか現実にはないのではないか、そう思っております。
○矢追秀彦君 総論じゃなくて一応具体的なことも言われたわけですから、まず第一番目には決算調整資金を使う、その次はこうする、それで足りない場合はこうすると、こういうのが順序立てて言えますか。またそれに対する金額。
○国務大臣(渡辺美智雄君) またこれは予算も上がっていない段階でございますのでいろいろなことは言えないのですが、五十六年度の話でございますが、これはやっぱり決算調整資金というのはそういうふうな事態が起きた場合の準備にあるわけですから、これは充当するというのは普通のやり方だと思います。後はどういうようなものを使うか、国債整理基金というのもないわけではありません。便法的にこれは借りるということはできますが、そのかわりこれはもしそれをお借りをすると一年間で返さなきゃならないという差し迫った問題が一つございます。 一年間に非常に財政事情がよくなって返せるかどうかということも考えなきゃなりませんし、そこらのところは正直言いまして、まだわれわれ内部で相談していないんです。実際ははっきりするのは六月過ぎ。結局不用額の問題も当然出てまいりますし、それから税収の問題も五月いっぱいまでに入るものについては、これは前年度の分は数えられるわけですから、これも今度の決算、五月決算というものを出してもらいますが、これもやり方で多少は御協力いただければ増収になる方法があるわけです。二カ月間ありますからね、法人は決算期は五月ですから。 棚卸しをいまからやったりいろいろなことをやっていくわけですが、手続上の問題もございまして、そういうようなものは、この間も何かに出ておったけれども、四十億円とか船会社が云々という話も出ておりますしね。ああいうのがほかにもあるかどうか知りませんが、そういうのは極力それは正規に計上していただきたい、逃げないで、後送りにしないで。というようなことを、いろいろこれも二カ月間ございますから、そういう点で歳入の問題等についてもまだ余裕があるんです。 したがって、そろそろ五月いっぱい、六月、七月になりますけれども、大体本当のところわかるのは五月過ぎないとわからないわけです、決算を締め切らないと。いろいろな想像があり、いや一兆五千だとか、やれもっと少ないとか、もっと多いとか、実際私もわからないので、どうして皆さんわかるのかなと思って私も感心をしておるんですが、私は実際のところなかなか……これは大変なことになっちゃ困ると思っているんです。 いろいろ勉強して、これから具体的な問題についてはまたお答えをしていきたい。まだ実際内部で相談していないんです、毎日国会ばかりやっているものですから。
○矢追秀彦君 いま相談していないと言われますが、事実予算委員会でもそういう答弁が出てきておるわけでして、まず大蔵大臣、これは順序立てて聞きますけれども、まだあと二カ月あるから、じゃまず歳入面について税収を上げる努力をこれからどうするのか。それでも仮に税収不足が出た場合、まずどこから手をつけるか。その前に節約というのがありますよね。それから不用額がまず第一番、その次に私の指摘した決算調整資金、その次は、それでもだめな場合には国債整理基金特別会計と、そういうふうな順序というものが私はあってしかるべきだし、それぐらいはもう確かにわからないことかもしれませんが、これだけ騒がれているし、経済の伸びから言いましてもなかなか厳しい。余りいいことじゃありません。私は赤字になって決して喜んでいるわけじゃないんです。 しかし、そういった場合の事態に備えて、国会が忙しいか知りませんけれども、大蔵省には有能な官僚がずらりといらっしゃるわけですから、私はもう検討されておると、だからこそ予算委員会でもそういう議論が出てきたり、また国債整理基金特別会計の問題も出てくるわけですから、私はまずこれだけの努力をしますと、仮に税収が不足ができた場合はこういうところ辺からこういうふうにやっていくと、やっぱり国民にある程度わからして、そうしないと、私こういうことを言ったらまた勘ぐって申しわけないんですけれども、何か政府はおどかしばかりやって、また来年税金上げることちゃんとやられるんじゃないかなんということを勘ぐりたくなるわけです、こういうことは言いたくありませんけれども。 そういうことでひとつはっきりしていただきたいのと、これは具体的には局長でも結構ですが、法的根拠、いまの二つ。決算調整資金と国債整理基金特別会計からの運用、これをお答えいただきたいと思います。
○政府委員(窪田弘君) 五十六年度の税収につきましては、何とか予定どおりいくんではないかという前提でお答えをしているものですから、こうなりますといういま御答弁はしにくいわけですが、仮にそういうことになった場合の一般論として申し上げますと、まず歳入歳出全体として決算見込みがどうなるかというのを見きわめるのが第一であろうと思います。これにつきましては、いま御指摘のような、たとえば歳出の不用、こういうものは五月末にならないと整理ができません。そういう歳出歳入両面で、あるいは税収はもっと後になるわけでございますが、なお不足する場合は御指摘のような決算調整資金による補てんという道があるわけでございます。 これの法的根拠は、決算調整資金に関する法律の第七条というのがございまして、「資金に属する現金は、各会計年度の一般会計の歳入歳出の決算上不足を生ずることとなる場合に限り、当該年度の翌年度七月三十一日までに、当該不足を生ずることとなる額を補てんするため、その全部又は一部を当該不足を生ずることとなる会計年度の一般会計の歳入に組み入れるものとする。」、つまり資金から組み入れる、一般会計の歳入に組み入れるというのが決算調整資金に関する法律の第七条にございます。 この資金の現在高は昨日、つまり五十七年三月三十一日現在で約二千五百億でございますが、これでなお不足する場合には、同じく決算調整資金に関する法律の附則の第二条というのがございまして、資金に属する現金が不足額に不足する場合は、当分の間不足する額を限り国債整理基金に属する現金を資金に繰り入れることができる、こういう規定がございます。国債整理基金から一たん繰り入れることができます。ただし、これはその繰り入れた年度の翌年度までに戻さなければなりません。したがいまして、約九カ月ほどの臨時的な措置になるわけでございます。
○矢追秀彦君 この国債整理基金というのは、実際のお金というのは積み立てとなっておりますが、これは余裕金と解していいわけですか。
○政府委員(吉本宏君) 国債整理基金でございますが、五十六年度末で二兆五千三百億円の資金を持っております。で、これを実際には運用をしておりまして、長期国債と短期国債に運用しているわけでございます。長期国債がそのうち約一兆八千億円でございます。それから短期証券が、これは政府短期証券でございますね、約七千二百億、こういうことになっております。 なお、五十六年度の予算で定められております定率繰り入れというのが約九千五百億円でございまして、これが五月までに整理基金に繰り入れられるということになりますと、合わせまして大体三兆五千億円程度の資金残高を持つと、こういうことに相なります。
○矢追秀彦君 それはいま私が申し上げたのが、言われているところの余裕金と解してよろしいですか、全部が。
○政府委員(吉本宏君) 余裕金と申しますよりも、整理基金の資金残高という言い方の方が正確ではないかと思います。
○矢追秀彦君 先ほど一年で返さなきゃならぬということでなかなか厳しいお金ですが、仮に先ほど言われた決算調整資金が二千五百億しかないと、不用額がどれぐらい出るかこれはわかりません。ある程度節約をやる、あるいは税収の伸びで一兆いくかいかぬかこれはわかりませんけれども、もし全部足しても足りぬ場合、国債整理基金の方に手をつけるということになれば、具体的にどうなるわけですか。来年度返さなければならぬ。ということは、五十八年度予算の中にその分を別途組み込むということになっていくのか、あるいはまた、それは別途返せる方法というのはあるのかどうか、この辺はいかがですか。過去にはどういう例がございますか。
○政府委員(窪田弘君) 過去と申しましても、この制度ができましたのが五十三年でございますから、そういう事例はございませんが、私ども現在そういう事態を想定しておりませんけれども、恐らく五十八年度予算で返すべき分は対処しなければならないと、こう考えております。
○矢追秀彦君 返すのはあたりまえなんですが、その返し方なんですね、どういうふうなルールになっているのか。
○政府委員(窪田弘君) 五十八年度予算でその分を計上して、返すお金を五十八年度予算で用意しなければならないのではなかろうかと思っております。
○矢追秀彦君 私の聞いているのは、返すお金をどこへ計上するかと、項目ですね。余裕金、いままで積み立てのお金を減らしておくのか、どこの項目でどうやるのか。
○政府委員(窪田弘君) それは一般会計の歳出予算に計上するわけでございます。それで国債整理基金に繰り入れるということになります。
○矢追秀彦君 過去に例がないし、私も余り詳しい勉強しておりませんので、簡単にそういうことができるのかどうか、こういうのちょっとむずかしいんじゃないかと思う。そういう項目、歳出で出すのはあたりまえのことで、私が聞いているのはどこのところへどう出すのか、それはいかがですか。
○政府委員(窪田弘君) 五十八年度予算の歳出に決算調整資金への繰り入れという項目を立てまして、そこに所要額を計上し、その決算調整資金から国債整理基金にお返しをする。資金から基金への繰り入れというのを別途立てると、こういう処理になろうと思います。
○矢追秀彦君 それは別に法律は要らないわけですね。そのままでできるわけですか。
○政府委員(窪田弘君) これが決算調整資金に関する法律の附則の二条に書いてあるわけです、そういうことが。
○矢追秀彦君 ただ、大蔵大臣、こういうことが私はあると非常に厳しいと思うのは五十八年度、まだ五十七年度はお金がある程度残っておりますし、いいんですけれども、これがずっと先になって、財政収支試算の五十七年度ベースの仮定計算等でいきますと、こういったお金も大体昭和六十一年で終わりで六十二年からゼロになるという仮定計算が出ておりますね、御承知のとおり。そういうふうなころになって、税収は伸びてこないわ、国債費はふえるわ、そこへ持ってきてそういった私もあえて余裕金と申し上げますけれども^そういったお金もなくなってきてしまうとなるとそれこそ大変なことになるわけでして、まだ、いまでは先ほど言われた三兆五千億ですか、これぐらいはありますから少々はという気もしますが、来年返せるということで何とかなるでしょうが、その次になると、また来年返すといってもそれだけの予算が組めるかどうかも非常に厳しい、こういうことになってまいりますので、私は、そういったものはなるべく使わないような手だてをやっぱりいまから、できるんだじゃなくて、そういうことはしないというぐらいの決意でやはりやっていかないと、今後のことを考えた場合大変なことになると思うわけです。その点はいかがですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) いずれにいたしましても、五十六年度の予算については、先ほど言ったように、税収あるいは不用額等に多少の工夫がこらせるとしても大勢を動かすほどの金額は出てこないだろうと思います。 したがって、これはもうある程度だんだん固まってくるわけですから、これはやはりいま言ったような、すでに法律であらかじめ万一の場合はというふうなことを想定してこれはできているわけですから、法律が。だからそういうような法律を利用さしていただくと。 それで、問題は来年以降どうなんだと。五十八年度以降の話にいま入っておるわけでございますが、これはなかなか大変です、実際は。そういうような場合にいろいろと考えられますよ。一方で公債を発行しながら公債をまた返済する場合に積み立てる必要があるのかと。積立金まで公債発行して積む必要があるのかと。返さなくても、いますぐ差し迫っていないものをという議論等もありますからね。そういう議論等をいろいろこれから詰めていかなければならない。これは経済情勢とのにらみ合いということになってまいります。どこまでもこれは議論の中の議論だけの話でございますから、そうするという意味ではございませんが。 いずれにしても、世界経済の動向、日本の現状等々の両方を両にらみで現実的に対処していく必要があると、こう考えております。
○矢追秀彦君 現実的対応も大事なこともよくわかりますが、五十九年に赤字国債ゼロという政府の大きな目標があるわけですから、やっぱり先の見通しもしていかないといけないと思います。これもしばしば議論をされて、政府の答弁は、そういうことはしないと、こう言われておりますが、いま言われた、確かに借金を返すためにまた借金をするというふうな事態が起こらないとは限らない。そこに、やはり赤字国債の借りかえの問題も当然出てくると思うんですね。しないしないと言っておられますけれども、しないで果たしてこれいけるのかどうか。五十七年度でも三兆二千七百億円の借換債というのは出てくるわけですから、しかも六十五年になりますと、もう八兆九千億円と、こういうふうな膨大な借りかえをしなきゃならぬ。 そういうことで、もう借換債自身も非常に厳しい。そこに赤字国債は絶対にしないと。またこれがすごい数字になってくることはもう言わなくても御承知のとおりで、この辺も結局、いまはそんなことをしないしないと言っておられますけれども、実際六十年、特に六十一年度あたりになってくれば、もうそれしなきゃ、借りかえやらなきゃもたぬようになってしまうんじゃないかと、こう非常に危惧をしておるわけです。五十九年赤字国債脱却、ゼロ、これは結構ですよ。これと六十一年から大量に返していかなきゃならぬ赤字国債の現金償還とはちょっと別な話になるんじゃないかと思いますので、まずその辺の対応はどうされるのか。 もう一つは、借換債ならいいではないかと言いますが、この借換債もただでは借りかえできないので、これも大きな問題になってくる。この二つあわせてお答えいただきたい。
○国務大臣(渡辺美智雄君) これは当面の話と先の話になるわけです。 当面の話は、先ほど言ったように、まず五十八年度予算をどういうふうに組んでいくか。これはもう極力歳出カットを大幅にやらざるを得ないという状態に私はなるだろうと思います。一方、景気をやはり浮揚させるための方法というものは総合的な手で効果のある範囲で私はできるだけのことはやりたい。 それから、ずっと先のことまでは私はここで申し上げられませんが、一般論から言えばなかなか、国債は借りかえのものがどんどん出てまいりますし、一方、建設国債を発行しないで済むという状態までなれるかどうか、これは非常に疑問でございます。したがって、借りかえということは大量に国債を発行する話と同じですからね、ある意味では。片方の国債がなくなっちゃうなら別だけれども。発行しながら、さらにまた発行するという話になるわけですから、どうしても長期のものを考えるとか、どうしたら金利の安い国債に乗りかえられるかとか、金利が安ければそう負担は大したことないし、金利の安い国際何かうまいのないかというようなことなど、これはやはり英知を集めて考えていく必要があると、そう思っておるわけでございます。 また、先ほど言ったように、まだ返済時期も来ないうちから国際整理基金に一・六幾つ残高は組み込んでいくという法律がありますが、返済の必要ないのに借金してまでそんな貯金する必要があるのかとか、そうなってくると法律改正の話も出てくるわけですから。 いずれにしても、いろんなことを想定をしてこれは真剣に対処していかなければなるまいと、そう考えております。
○矢追秀彦君 いま大臣言われた定率繰り入れの問題も、私もかつて予算委員会でも議論したことがございますが、これもなかなか非常に微妙なといいますか、いま言われたことよく私もわかるわけでして、じゃそのお金はどうなんだと、それもまたそうやっておいてもゼロになってしまうという問題もあるわけで、これはまたきょうは議論あれさせていただきますが、この財政の運営、特に、国債管理、これはただ形の上の議論だけではなくて、やはり真剣にお願いをしたいと思います。 次に、国債の窓販の問題ですが、すでに三人委員会の答申に基づいて基本方針を決められておりますが、この基本方針は今後の国債の消化、流通面にどういう効果をもたらすと考えておられますか。 また、広く債券金融市場にどういう効果をお考えになっておりますか。
○政府委員(吉本宏君) 昨年、銀行法並びに商取法の一部改正が行われまして、銀行の証券業務に関する規定が整備されました。その後、昨年の十月以来三人委員会の御審議が行われまして、三月の上旬に、十一日でございますか、答申、御報告をいただいて、それに基づいて大蔵省の方針が出たわけであります。 私ども国債管理政策の立場から、この窓販の新たな措置、これは実際に行われるのは来年の四月からということでございますが、それをどういうふうに考えるかという点でございますが、私どもとしては国債管理政策上、銀行が新たに長期国債を販売するということはかねての懸案でございますし、それがここで解決を見るに至ったということに対して高く評価していいんではないか、国債管理政策上からも望ましいことであるというふうに考えているわけであります。 特に、十年国債の問題につきましては、昭和四十年に国債が新たに発行されるようになりまして以来、シ団の立場としては金融機関、証券会社、それぞれイコールフッティングということでございましたけれども、シ団内契約ということで証券会社だけがこの窓口販売、個人に対する販売を行ってきたと、そういった問題が新たに金融機関も取り扱えるようになったということでございまして、個人消化の促進には前向きに対処できるんではないかというふうに考えておるわけでございます。流通市場等さらにどうかというような広い観点からすれば、まだ実際に窓口販売がどういうふうに行われてくるか、そういった実情も必ずしもまだ明らかでない面もございますので直ちにこの評価はできないと思いますけれども、長期的観点からしても非常に望ましい問題であるというふうに考えております。
○矢追秀彦君 結局、今回のこういう決定は銀行と証券の主張を足して二で割ったと、こういう結果になったと思うわけです。十年物の新しく発行された国債だけを売ると、こういう点で妥協といいますか、妥結をした。これはどこに理由があるのか。ディーリングや、中期国債あるいは割引国債、こういったものの販売を銀行は非常に強く望んでおるわけですね。それに対して証券会社というのはそういった業務分野を、いままでのシェアというものを死守したい、こういうことでそれにも反発をしておる。私はどっちの立場に立つというわけではありませんが、もう少し大蔵省ははっきりした立場をとられてもいいんじゃないか。何かあいまいなような気がしてならぬのですが、この二点についてお伺いしたいと思います。
○政府委員(禿河徹映君) さきの三人委員会の御意見、それを踏まえました私ども大蔵省の決定いたしました方針でございますが、当面はまず銀行の窓販は長期利付国債に限っていこうということにいたしましたのは、現在発行されておりますそれ以外の国債、中期利付国債、これは現在の発行量が前提でございますけれども、その大部分を現在証券会社が消化いたしておるわけでございます。それからまた、もう一つの割引国債につきましては、そのほとんど全部を証券会社が消化しておる。発行量との関係もございましょうが、そういう状況になっておるわけでございます。そういうことで、銀行等の窓販は証券業務への新規の算入であることは事実でございますので、その算入に当たりまして無用の混乱を起こすことは好ましくない、そういう観点から、当面長期利付国債から実施するのが妥当であろうということで当面の措置を決めたわけでございます。 それ以外の中期利付国債等につきましては、三人委員会の御意見でも引き続いて検討をすることとなっておりますし、また一般的なディーリングにつきましても、期近物国債が大量に出回る時期等を勘案しながら今後さらに検討を続けるということになっておるわけでございます。期近物国債が大量に出回る時期、あるいはその時点におきますところの国債管理政策上の必要性とか、あるいは公社債市場、さらには証券会社に与える影響とか、そういういろいろな問題を勘案しながら、客観情勢の進展を踏まえてそこで結論を出していこうと、こういう扱いになっておるわけでございます。
○矢追秀彦君 その辺を私もうちょっと実は聞きたいわけなんですね。 要するに、結局期近物がもっと出た時期、言われることはよくわかるんですけれども、現実問題として、いまは非常に流通市場というものはもう複雑多様化しておるわけですね。まあ流通も目まぐるしいし売買も目まぐるしい、また償還も目まぐるしいと、こう非常に変動しておるわけですよね。また、今後公募入札の中期国債もシ団消化分に比べると減ることはないと思うんですね、これからふえることはあっても。 そういうふうな非常にいま流動的な状況の中で、もちろんそれは時期あるいはどういうやり方というのも簡単に決められないかもわかりませんが、まあその際検討するとか、いま言われたような答弁では、これは非常に銀行側もあるいは証券側も、また国民の立場に立ってもなかなか大蔵省はずるいといいますか、よくわからぬといいますか、そういうことになるんじゃないかと、こう思うわけです。来年まで時間はあるとは言いますけれども、ただ、期近物が大量発生したそのときをとらえてやるんだだけでは、私はちょっとよくないんじゃないかと思うんですが、その点についてはこういう方向という方向面も出ないわけですか、現状では。
○政府委員(禿河徹映君) 法制上は、金融機関等の証券業務というものがその認可を得て行えるという道が開かれておるわけでございます。ただ、その実施の時期をどうするか、あるいはその方法をどうするかということにつきましていろいろこれまで検討を重ねてきまして、三人委員会の結論を踏まえまして私どもの当面の方針を決定したわけでございます。 そういう法制上の観点から申しますと、将来におきまして銀行等の証券業務の範囲が当面決定を見ました範囲からさらにふくらみまして、中期国債あるいは割引国債、そういうものの販売、あるいはその取り扱いとかいうものにまで拡大することも考えられますし、あるいは既発物の国債等の売買、いわゆるディーリングというふうなものに広がっていくことは十分考えられるわけでございます。 その時期をどういうふうに設定し、またそのやり方、その取り扱いの機関というものをどういうふうにやっていくかというのがこれからの引き続きの実は検討課題ということでございまして、三人委員会におかれましてもさらに検討を続けると、こういうことでございますので、私どももその検討の結果を十分注視しながら、それを受けて大蔵省としての方針を決定すべきことであろうということで、私どもがあらかじめそのタイミシグなり方法なりにつきまして、現時点で申し上げることは大変困難かと思っております。
○矢追秀彦君 現実問題として、まあそれは来年になってみないとわかりませんし、またその間どういうふうなことになって、また十年物だけではなくてそのほかのものも扱えるとなるかもわかりませんが、もしいま現在のままで銀行でも窓販ができた場合、果たして個人はどの程度買うのかなと、こう思うわけですね。現実に非常に十年物は評判が悪いわけでして、大体十年物を買った人は損した損したという人が多いのが現実であるわけです。もちろんこれは動きますから、それはいいことになるかもわかりません。それはわかりませんが、現実問題としてなかなかこれはそう評判のいいものでもないわけです。 極論をいたしますと、いままで非常に嫌がっていたシ団の一部である銀行が、将来損することをある程度わかっているようなものをたくさん国債を抱かされたと、それを個人に負担を負ってもらうんだと、そんな感じもないでもないわけですから、私はただ十年物だけを扱うのではなくて、証券界の立場もわかりますけれども、もう少しやはり銀行もまたいわゆる個人の人たちもある程度喜んでもらえるような、そういうふうなことも考えるべきではないかと、こういうことで質問をしておるわけでございますので、その点大臣率直にどうお考えになりますか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) いま証券局長からお話をいたしましたように、窓販をつくれば非常に窓口いっぱいになるわけですから、今度は。われわれ田舎の方におりますと国債なんか買っている人はめったにいないようです、聞いてみても。近間で買えるんなら話は別だと。一方、グリーンカードが実施されますと、定期預金で五百万とか七百万を持っている人はありますが、そういう人は国債を持っていない。しかし非課税は三百万だよと、厳格だよと、こういうことになれば、やっぱりこれは国債買いますから、そういう点で私はグリーンカード大変いいじゃないかという気もいたします。 いずれにしても、いろいろ取り合わせて国民に持ってもらわなきゃ、とてもじゃないがこれからはだぶつくということは間違いないし、国債が一番安全確実ですから、そういう点で大いにPRをしていきたいと思っております。
○矢追秀彦君 PRは私も結構だと思いますよ。国民として持つある程度の必要もあるかもわかりませんけれども、これが余り評判よくない。いまマル優の枠だからそっちへいくだろうと言っても、これが果たして十年債へいくのかどうか、その辺は非常に私はむずかしいんじゃないかと思いますので、その点はひとつよく現状を勉強していただきたいと思います。 時間がありませんので、そういったことで金利の自由化という問題、これをやっぱり検討されていかなきゃならぬと思うんです。そういった意味で、ひとつ国債発行金利の自由化、こういった問題を大臣はどうお考えになっておるか、これをお伺いして終わります。
○政府委員(吉本宏君) 国債発行金利の自由化と一口に申しましても、これはなかなかむずかしい問題でございます。現に私どもが発行しております中期国債は、これは公募入札でございますので、いわば完全に自由化されておるということでございます。シ団の引き受け分につきましては、やはり市場の自主性を尊重するという基本的な立場で流通利回り等を見ながら条件を適時に改定をいたしておりまして、その辺の金利の弾力化ということはかなり進んでおるのではないかというふうに考えておるわけでございます。 ただ、一般的に金利の自由化と申しましても、やはり金融制度の全体の姿もこれからどういうふうになっていくのかということも考えながらやっていきませんと、一概に自由化の推進と言うだけでは必ずしも適当ではないというふうに考えております。 それから、御指摘のことでもございますので、私ども国債の発行当局としてはできるだけ金利の弾力化の方向に向かって施策を進めてまいりたい、このように考えております。
○矢追秀彦君 大臣、いかがですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 理財局長と同じでございます。
○近藤忠孝君 今回は初めての委嘱審査でありまして、大蔵省所管の予算を審議するわけですが、最大の歳出である国債費は間もなく財特法の審議がありますのでこれに譲りたいと思います。 〔委員長退席、理事藤井裕久君着席〕 そこで、歳入の中心である租税については、税制度そのものについては租税関係法案の審議で、時間はきわめて不十分であって参議院の機能を果たしているかどうかきわめて疑問でありますが、一応審議がありました。そこできょうは、この三十六兆余の租税及び印紙収入を確保するための租税徴収執行の問題に焦点をしぼって質問をしたいと思います。 まず、先ほども指摘があった五十六年度の税収不足、これは六月にならないとわからないと言うんですが、予算が通ったらばこれは大体口にできるとおっしゃるんですか、予測は。
○国務大臣(渡辺美智雄君) いろんな見通しはある程度立ちますが、実際問題として幾らかということは、大体こうなるんじゃないかとかなんとかというようなことは、いまよりもある程度言えるかもしれません。言えるかもしれませんが、具体的数字は現実にはわからないというのが本当であります。
○近藤忠孝君 ここに写真があるんですが、これは去年の四月三日だと思うんです。予算の通った翌日ですね、渡辺さんに会ったんですね、一緒に写っているんですけれども、そのとき渡辺さん開口一番私に、近藤さん、金余らぬぞと言うんです。要するに去年は金余ったら減税するというんでしょう、その金が余らぬぞということは四月三日にわかったんです。予想どおり大臣の言うとおり超ミニ減税ということになりましたね。そうしたら、これはわかるんじゃないでしょうか。一兆大分超えるのが、いまは口に言えないけれども、大体そのころには大方の予測がつくんじゃないか、こう思うんですが、どうですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) それは税収とかなんかの後を追っていけば想定はつきますが、正確なところはわかりません。しかし、足りなくなるだろうとか、余るとか余らないとかというぐらいのことは、当然それはわかります。
○近藤忠孝君 じゃ、次に大蔵省関係の職務執行するに当たっての基本的な姿勢についてお伺いしますが、これたしか去年の秋の新聞記事ですが、金融界の「自民への献金凍結」という記事があるんですね。これはかなり大きな額で約十億凍結したんですが、その理由というのは、要するに郵貯紛争ですね。要するに郵政族に金がいくんじゃ金融業界としては渡せないというんで凍結したと。私はこの記事見まして、これはまさに大蔵省の政策を金で買ってしまうあるいは国の政策を金で買ってしまうことじゃないかと思うんですが、その点どうですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 私は聞いておりません。
○近藤忠孝君 しかし、この記事はごらんになったでしょう。見てないですか。せっかくこういう記事出てまして、私はこの記事見たときに、ははあこれは渡辺さんのさしがねかなと思ったんですよ。その少し前に、渡辺さんこう言っておったですね。郵政関係は大いに味方の議員をつくって、そのときに金融業界がちょっと足りないぞと、こういう話をしましたね。そこで、早速金融業界が渡辺さんに知恵つけられてこういうことやったのかと、こう思ったんですが、どうですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 私が申し上げたのは、いろんな末端の田舎に行っても農協とかそれから郵便局長などというのはよく陳情をいろいろします。しかし、銀行の支店長だとか何かから陳情を受けたという議員はめったにいないと。したがって、非常に議員に金融団体がよく理解されてない、接触する機会がないものですから。大蔵省とはそれは接触しているかもしらぬけれども、民主主義政治なんだから、やはり幾ら大蔵大臣がいいと言っても、議員の皆さんが理解をしていただけなければ法案など国会通るわけがない。 したがって、大蔵省も一生懸命PRはしているんだから、ほかの郵便局とか農協の何かがやるように、全国に金融機関はあるんだから自分たちの主張というものは、それは請願をしてもいいんだし、陳情してもいいんだから、だからもっと自主努力をやってもらいたいということは申し上げました。
○近藤忠孝君 その自主努力をした結果が、最終的にはここまでいったと思うんですね。渡辺さん自身はこのことは知らぬとおっしゃいますけれども、しかしこの記事に対して私自民党経理局長の話として、それはこういう話を前提にして、「郵政族にだけは金を流すな、というのはできない」と言っておるんですが、事実なんでしょう、こういう経過があったということは。それを前提にして、そういうまさに献金で銀行に有利な政策を求めるというようなことは大蔵大臣としてはどう思いますか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) これは献金でそういうことをやるということではいけないのであって、献金というのは一般的に、自由社会を守るためにみんなが与えられた法律の範囲内で行うことは何ら差し支えない。特定な目的のためにやることはいけない、そう思っております。
○近藤忠孝君 そうしますと、この経過は大蔵大臣として見ればやっぱりまずいことだと、こういうことですね。うなずいておりますので……。 そこで、次に移りますが、やはり業界と大蔵省の癒着の問題として、最近発表になった人事院の「営利企業への就職の承認に関する年次報告書」という中で、一番やっぱり大蔵省が多いんですね。しかも局長が一つあります。それはたとえば、大蔵省からの天下りのうち銀行などに天下りしている者が圧倒的に多い。三十二人を占めておって、しかも銀行局、財務局に在職しておった者が今度はやっぱり銀行や信用金庫に行くわけですよ。こういう事実が一つあります。それからもう一つは、税関から輸入業者、港湾運送会社へ、それから証券局、財務局から証券会社、あるいは国税庁から酒造会社、こういうんですと、たまたまそこの銀行を担当する職をしてなかったからということだけで、全体では銀行の業務をやっておる者がそうなるということ、これはやっぱり癒着ができてくるんじゃないでしょうか。しかも、大蔵省が一番多いということを指摘されていることについて、大臣としてはどういうふうにお考えですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) これは公務員全体の問題であって、大蔵省だけの問題ではありません。 よく談合問題なんかの中で批判をされているように、天下りをした人が、持参金といいますか、仕事を持っていくんじゃないかとかどうとかと国会で批判をされているわけです。そういうふうな批判を受けることは私はいけないと、そう思っております。 しかしながら、有能な人がやっぱり民間に引く手あまたで、そして押しつけるんじゃいけませんけれども、引く手あまたで、うちの方にも来てもらいたい、何してもらいたいというようなことは、私は、非常にそういうこと自体が悪いというふうには思っておりませんし、大蔵省は、大蔵省から天下りといいますか、かつて大蔵省におった人が就職した先の銀行検査を手抜きするとか、それから税金をまけるとか、そういうことは一切やっておりませんので、そういう点での利害というのは、私は癒着というのはない、そう思っております。
○近藤忠孝君 予算委員会等で指摘された建設省の場合は、目に見えるみやげ持っていったわけですね、明らかに。しかし、大蔵省の場合に、目に見えるものではないにしましても、たとえば東海財務局管財部次長がその地域の信用金庫に行くとか、あるいは東京国税局の間税部鑑定官室長それから醸造試験所長などが三楽オーシャン株式会社等へ行くとか、きわめて密着しておるわけですね。 となれば、形に見えないけれども、しかし、そこに何らかのみやげを国民が疑うのは当然だと思うんですが、全然大蔵関係のところへ行っちゃいかぬとは申しませんけれども、しかし、疑惑を避けるようなやり方というのは、必要じゃないかと思うんですが、どうですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 疑惑をなるべくだったら受けないようにすることが好ましいと思っております。
○近藤忠孝君 時間がないんで次に進みますが、交際費問題では大変、一〇〇%という課税強化をしたわけですが、そうであれば国自身もそれに対応した交際費に対する厳しい姿勢を持つべきだと、こう思います。 そこで、実際、交際費名目の大蔵省関係を見てみますと、本省あるいは財務局等、その関係で二千五百万、それから関連の金融公庫等で一千九百万、合わせて四千四百万であります。政府全体としては七億五千万であります。中身を聞いてみますと、花輪とか香典あるいは弔電等々が中心のようで、そのこと自身、私は決して多過ぎると言ってそのこと自身に異を唱えるつもりはありません。ある意味では必要な面もあるかもしれません。 ただ、しさいに見てみますと、花輪など、国会議員の親族が亡くなったときに行きますと、局長なんかの花輪が出ているんですね。国会議員もお互いに自粛してやめているのに、私、そんなの必要ないじゃないかと思いますし、たとえば国税局長なども相当多いんですが、中心はそういう花輪等々ですね。最近、大分一本当たり高くなっておりますんで、民間にそういう強いものを要求する以上、まず大蔵省みずから、その辺は大いに節約をして自粛をすべきじゃないかと、こう思いますが、どうですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 大蔵省でも非常に節約してまして、大臣なんというのは、大臣交際費というのは幾らかあると皆さん思っているんですね。何にもないんです。これ、一円も、実際は。したがって、大蔵省という役所は交際費がなくて、外国の人だとかいろいろな方が来ても、私なんかもずいぶん出しているんですよ。予算に載っていないけれども、これは。それぐらい非常に私は切り詰めている。恐らく国税局長なんか出しているのは、部下とかあるいは何かにも私の方も出しておりますから、そういうのは部下の親とか子、妻とかなんかはあるだろうと思います。しかしながら、これは、飲み食いの費用とか、そういうものは、本当に外国人の来たときの接待、夕飯を食わしたとか、外国の大臣とか何かが来て、会談があって、そういうところは多少ございますが、非常に少ないということはおわかりいただけると思います。
○近藤忠孝君 私の調べた限りでは、予算上交際費として計上されているところから飲み食い費用がたくさん出ているということは、ないようですね。そういう点では締めていると思うんですが、ただ、私、いま一つ指摘したのは花輪など、これは余り必要ないじゃないかなと思うんですね。民間に対して締めているんですからね。言ってみれば、たとえば国会議員の関係の葬式など、あれは税金だということにやっぱりなるんじゃないでしょうか、それが一つ。 それからもう一つ、たしか交際費名義からは飲み食いの費用は出ていないけれども、出ている場所があるんじゃないか。それは、一つは、内閣と外務省のこれは報償費、内閣の場合には十数億円、外務省でも四十数億円ですね。これはどう使われているか。報償費ですね、内閣や外務省。これは新聞記事によりますと、そこからたくさん領収書も要らずにふんだんに飲み食い費が使われているんではないか。確かに、外務省の場合に外国の関係がありますから全部を否定するつもりはないですけれども、しかし、内閣などについてはずいぶん疑問がある。 それからもう一つは、庁費ですね。庁費にはいろいろなものが含まれていますけれども、そこから飲み食い費をやっぱり出しているんじゃないかという記事が相当大きく出ていますね。そういうものがどんどん出ている一つのバックとしては、政治家の飲み食いが政治になっているんだ。政治家の飲み食い。特に政治献金の中から、たとえば自民党本部の会議費及び食糧費が五十五年度で一億七千万円、それから渡辺美智雄さんの関係の団体も二千二百万円出ている。そういう素地がありますから、たしか、交際費という名目上はきっちり締めているけれども、ほかのところから出ていると言われておるんです。その点、ないと断言できますか。先ほどの局長クラスの花輪を含めて、ひとつ交際費を締めるという意味で御答弁いただきたいと思うんです。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 政府の公金による交際費については、極力われわれも、そういうむだがあるかどうか、必要最小限度のものは仕方がございませんよ。だけれども、そういう点については十分締めていきたいと、そう思っております。 私のことはどこから出たのか、私の関係している政治団体か何かのあれでしょうが、それは、しょっちゅう会合をしておりますから出ておりますが、高級料亭はどこも使ってないはずでございます。
○近藤忠孝君 税務行政の問題に入りたいと思いますが、いま、われわれいろいろ現場で聞きますと、税収不足ということもあって税務署の徴税攻勢が大分強まっているのではないか。いままでの徴税に関する、たとえば、控除などについて、解釈などがだんだん納税者に不利に変わっているんではないか、こう言われているんです。 そこで、一つ指摘をいたしますと、還付問題で、いま、これは浜松税務署管内で問題になっているのですが、一つは通院費、これは、医療費による還付の費用ということで病院に通う費用にタクシー代を入れたら、タクシー代は認めないというんですよ。病院に行くには普通電車かバスで行くはずだというんですが、これは私は税法の解釈から言っても、これは通院に通常要する費用とこう規定されているのですから、そんなものまで排除するというのはおかしいじゃないかと思うんですが、どうですか。
○政府委員(吉田哲朗君) 浜松税務署の具体的事例につきましては、私ども実情をよく調査しておりませんが、医療費控除の一般的な考え方を申し上げますと、先生御案内のように、医療費の範囲につきましては、所得税法施行令二百七条に一応限定的な列挙がなされているわけであります。そしてこの二百七条の本文におきまして、これらの対価であっても、「その病状に応じて一般的に支出される水準を著しくこえない部分の金額」に限るということになっておるわけでございます。 そこで、通院のためのタクシー代につきましては、政令上明文の規定はございませんけれども、私ども現に、場合によりまして医療費控除の対象に入れているところでございまして、ただ考え方としまして、いまの政令の趣旨を踏まえて、病状から見てタクシーを使用することが通常必要であると認められると、そういう考え方でやっているわけであります。 そこで、いまの浜松の事例は、事実関係は存じませんが、納税者の方が通院のためにタクシーを使用したような場合であっても、それが社会常識から見て通常必要であるということが明らかでない場合には、事情をお聞きするということは、これはまあ当然のことながらあり得るわけでございます。一応税務署の方には電話照会はいたしましたけれども、還付保留しているものはある程度ありますけれども、その中にタクシー代が幾ら、何件含まれているかよくわかならいわけでございますけれども、非常識な取り扱いはやっていないというふうに考えております。
○近藤忠孝君 わずかなようですけれども、やっぱり大きいと思うんですね。交通事故で損害賠償請求すれば、保険会社はタクシー代は大体全部認めますよ、これはもう常識ですよね。それが還付を保留をされているなんて、私はやっぱり上からの指導できっちり取れと、そう言われているんで、現場の職員一生懸命タクシー代まで見直そうかと、そういうことだと思うんですが、私はタクシーで通うのは通常だと、病気の場合。やっぱりこれで医療費控除するくらいですから。そういう点では、まず原則としてそれは言うがままに認めて、もっとも一回何万円なんてタクシー代はいかぬでしょうけれども、恐らくそれは何千円ですよ、せいぜい。そうすべきだと思うんです。 じゃ、また次の問題もあわせて、もう一つ。夫婦にそれぞれ所得があった場合は、それぞれの医療費はそれぞれが負担するはずだから別々に確定申告しなきゃいかぬということで、ここの場合、妻か夫かどっちか知りませんけれども、家計一緒ですから、片方で配偶者の医療費を控除請求したんですよね。これもあかんというんです、いま言った理由で。しかし税法にはそう書いてませんよね。税法にはそういう限定何にもありません。扶養家族とか何とも書いてません。要するに同居する親族と、だけども、これだって限定解釈しているんですね。目に見えないようなところでずっと締めてきていると、こう見ざるを得ないんですが、さっきの問題とあわせて御答弁いただきたいと思います。
○政府委員(吉田哲朗君) 一般論で申し上げますが、私どもは税法を適正に執行するというのが仕事でございます。最近税務執行がどうであるかお尋ねございましたけれども、たとえばいろいろ国の財政が苦しいからといって、それだけでもって課税上どうこうということはないわけでございます。先ほど申しましたタクシー代の取り扱い等につきましても、特に従来と変わった取り扱いにはしていないはずでございます。 そこで、いまお尋ねの医療費控除をだれの所得から支払うかという問題でございますけれども、所得税法の第七十三条に、「居住者が」「自己又は自己と生計を一にする配偶者その他の親族に係る医療費を支払った場合において、」云々となっておりまして、その居住者のその年分の所得金額云云から控除するということになっておりますので、税法のたてまえと申しますのは、やはり医療費を支払った人の所得から当該医療費の額を控除するというのが基本の立場であろうと思うわけであります。したがいまして、いまお話がありましたように夫と妻とそれぞれの所得がある場合に、問題はだれが医療費を支払ったかということであろうと思います。夫が支払った場合に、それを夫の所得から控除し切れなかった場合に、それを妻の所得から控除するということは、これはできないというふうに私どもは考えております。 ただ問題は、夫婦間とかそれから家族間の場合に、実はだれが実際の支払い者か不明な場合がございます。たとえば領収書を示されましても、大体領収書のあて名というのは患者自身である場合が多いわけでございます。したがって、あて名をもって画一的な判断はいたしておりません。実際の支払い者がどうであるかわからない場合には、十分事情も伺いまして、実情を見きわめた上で処理をすると、こういうことにしているわけでございます。
○近藤忠孝君 この七十三条は「自己又は自己と生計を一にする配偶者その他の親族に係る医療費を支払った場合において、」ということですから、同居していればだれが払ってもいいのじゃないでしょうか。いまの解釈というのは、この条文の解釈を狭めた解釈じゃないでしょうか。
○政府委員(吉田哲朗君) 条文解釈につきましては、主税局も見えておることでもございますけれども、私どもは、「居住者が、」「自己又は自己と生計を一にする親族に係る医療費を支払った場合において、」ということでありますから、あくまでも支払った者がだれであるか、当該居住者が支払っておる場合にはその居住者の所得から控除する、こういうふうに読むのが最も正しいと、そういうことで運用しているわけでございます。
○近藤忠孝君 だからその場合、仮に配偶者としますね。配偶者のものを夫が払っておる。夫が払ったということであれば、それは別にあとそれが扶養とかなんとか問題にすることはないんですね。そう理解していいんですね。
○政府委員(吉田哲朗君) 夫が払った場合には夫の所得から控除できます。いまの生計を一にする親族云々ということにつきまして、たとえば夫に所得があり、妻に所得があるといったような場合に、それぞれ夫も支払い妻も支払っているといった場合には、その支払った額に応じまして夫の所得、妻の所得から控除できると、こういうことになっております。
○近藤忠孝君 しかし家計は一緒なんで、大体夫の方から控除するんです、普通、所得が多いから。そんなの一々目くじら立ててこれも保留されているんです。だから、私はいま現場ではここまで税務署員厳しく見ていると。厳しく見るのも大事だと思うんです、脱税なんかについて。でも医療費控除ということで、わずかなものについてここまで締めているというこの事態は大変なものだと思うんです。ですから、そういう点では少しこれは別の国民にもう少し親切な行政をしてほしいと思います。 時間がないので先へ進みますが、ミニ減税もそうなんですね。ミニ減税も減税自身が大変少かったんですが、それすら恩恵を受けられない者が大分出そうなんです。その辺の見通しどうですか。
○政府委員(吉田哲朗君) いわゆる御質問のミニ減税につきましては、昨年秋にその実施を国会でお決めいただきましてから、私どもは源泉徴収義務者あるいは納税者、そういったものを対象にしまして非常に広範な、パンフレットを送付するとかあるいは説明会を開催するとか、そういったことで周知に努めてきたわけであります。 そういうことで、本年二月から三月にかけての確定申告を迎えたわけでございますけれども、税務署の現場を回った感覚では、相当徹底しているというふうな感触を得ております。仮に当日税務署へ納税相談にお見えになりましたり、あるいは納税相談がなくても受け付けだけおやりに来られる納税者がおられるわけでございますが、そういう方につきましても、それぞれ窓口でそこの記載漏れがないかどうか十分チェックをしておるということは、私も現場に参りまして見てきております。
○近藤忠孝君 大企業の場合には、確かに年末調整できちっとほとんど行われているようです。ただ中小企業の場合にはそれが徹底しないで、大分それが調整されなかった。それを確定申告でやろうとしてもそれはできないんですね。そうでしょう。そういうふうに説明受けました。そうしますと、これをもう一度調整しろ、しかし、調整と言ったって四月以降もできるんですか、どうでしょうか。こういう問題が一つと。 それからもう一つは、一月以降にやめてしまった人、年末調整を十二月に受けずに一月以降にやめた人は、もとの雇用者に調整してくれと言ったって、これはできないと思うんですね。となると、一定の層は、これはもうわずかな恩恵だけれども、その恩恵さえ受けられない、こういう事態がいま起きているんじゃないでしょうか。
○政府委員(吉田哲朗君) 先ほど申しましたように、この特別減税の実施につきましては、私どもも十分周知徹底に努めたつもりでございますけれども、しかし、数ある納税者の中には、御指摘のようにその減税を受けることに漏れている者も中にはいるというふうに考えられます。 そこで私どもの今後の考え方でございますけれども、二つに分けて申しますと、一つは給与所得者といったような源泉徴収の対象となる者と、そうではなくて通常の確定申告によって税を精算する者と二つに分けて考えますと、確かに数ある源泉徴収義務者の中には、給与所得者に対する特別減税の処理を忘れている者も中にはあるということは十分考えられるわけでございます。そこで、今後私どもとしましては、改正税法が施行されますと、早速四月に各種の納税義務者につきましていろいろ説明書を送付いたしますし、それから四月から六月にかけましていろんな説明会もやるわけでございます。そういう機会に、源泉徴収義務者に対しまして特減の趣旨を一層徹底いたしまして、これは先生御指摘のように、やはり源泉徴収でけりをつける、年末調整でけりをつけるものはやはり年末調整でやっていかなくちゃいかぬわけでございますから、要するに、源泉徴収義務者にどこまでそれを徹底できるかという問題であると思います。私どもとしましては、いろんな広報媒体を使いまして十分一般広報に努めると同時に、具体的に各種徴収義務者に対してもあるいは給与所得者に対しても、源泉徴収の見直しの徹底を図っていきたいというふうに考えております。 それからもう一つ、一般の確定申告によって納税額が決められる納税者の場合でございますけれども、この場合は、制度上は今後一年間にわたりまして更正の請求ができることになっているわけであります。更正請求の請求書というものは非常に簡単なものでございまして、端的に申しますと住所、氏名と特減額と、それとあとはもう源泉徴収票とか、そういう簡単なものがわかっておればもういいわけでございます。 したがいまして、私どもは今後あらゆる機会をとらえましてそういう更正の請求——もし特減をお忘れになっている方は更正の請求を活用していただきたいということを、あらゆる機会をとらえて十分PRするとともに、納税者がそういうことで御相談にお見えになりましたときには、窓口で十分親切に応対し、お教えし、お助けする、そういうことで臨むことにしているわけでございます。
○近藤忠孝君 私は、いままでどれほど徹底して周知徹底させたかということをいま問題にしているのでなくて、むしろそれはやったけれどもやっぱりたくさんあるわけだから、現にその恩恵を受けられない人が一定数出てきている、それに対して確定申告ではできない仕組みになっている。そうでしょう。ここに特別減税の部がありますけれども、ここには書いてもだめだというんですね。そうなりますと、これもまずできない。しかも源泉徴収の年末調整もこれもできない人が出てくる。ここをどうするのかに対して全然回答がないんです。 だから私は、制度的にそこをむしろ確定申告の際にできる方法をとるとか、そういうことが必要でないかと思うんです。
○政府委員(小山昭蔵君) ただいま直税部長がお答えしたと思うんですが、私ども零細な源泉徴収義務者を含めましてすべての源泉徴収義務者に、この四月早々にも文書を出すことにしております。これは改正税法の説明のための文書を送付するわけでございますが、その文書発送の際に、昨年末の年末調整に際しまして特別減税をし忘れておられる向きがもしあれば、ぜひ早急にその是正措置をとってくださいという旨の文書を、同時にすべての源泉徴収義務者に送付する手続を早急にとらしていただくつもりでおります。
○近藤忠孝君 それはいつまでやればいいんですか。
○政府委員(小山昭蔵君) 源泉徴収義務者は、四月以降早急にそのような措置をとることができるわけでございます。
○近藤忠孝君 そこで救済される部分もありますが、それでもなおかつ一月以降やめてしまった人の場合救済できないですね。せっかく渡辺さんの——わずかだけれども、それさえもが恩典受けられないという部分がある。それに対しては制度的保証がないということはひとつ大臣、頭に置いてほしいと思いますし、それを私は何とかすべきだと思うんですね。金はわずかのようだけれども、実際は私はこれは税務行政の大きな問題だと思います。現に近畿の方では税務署内の連絡文書として五百円特減についてこう言っています。特減のみの還付申告の場合には原則として受け付けない。他の還付——医療控除でしょうね、がある場合、特減分は済んだものとして処理をする、こういうような連絡文書が実際行っておって、救済されてないと思うんです。 時間がないのでその点を指摘して次に進みたいと思いますが、そういう問題が一つまだあるということですね。 それから次に、さらに納税者全体に対して、昭和五十年の「税務運営方針」、一つは事前通知をする、それから反面調査はできるだけやらないようにするのを原則とする、それからさらに調査の理由については説明をする、そういったことが実際現場ではほとんど守られてない状況です。そして実際いきなり反面調査やっちゃう場合があるんですね。われわれよく行って問題に思うのは、特に納税者とたまたまその人と知り合い、その他の人がそばにおるというだけで立ち会いがあったというので、これは調査非協力というので直ちに反面に行って、それだけで推計課税をしてしまう、こういう事例がたくさんあります。 それを言いますと、その点おかしいじゃないかと言いますと、いやそれは守秘義務だと、いま守秘義務について余り議論する時間がありませんけれども、守秘義務というのは元来税務署側の問題ですからね。そこにたまたま人がおったからといって別に問題ないと思うんですが、仮に一歩譲って、その場合問題になるとしても、守秘義務にならないような問題についても、そこに人がおったというだけでさあっと行って、もういきなり反面調査やって推計課税やってくる。そうしますと、今度はもうそれに対して異議の申し立て等納税者にとっては大変な道を歩まなければいかぬのですね。実際行われておるんです。その辺、それは国税庁の指導でやっているんですか。
○政府委員(吉田哲朗君) 「税務運営方針」に掲げてある事前通知の問題あるいは反面調査の問題あるいは調査理由の開示の問題、この辺につきましては、「税務運営方針」の徹底には私どもも十分努力しているつもりでございます。ただ、この問題は一部でありますけれども、請願等でかつて採択されたことがございまして、そのときの内閣の処理意見といたしまして基本的にはそういう運営で臨みますけれども、特別調査の場合とかあるいは調査に当たって納税者の協力を得られないというふうに見受けられる場合にはやらないことがあるということを申し上げておるわけであります。基本的には私ども「税務運営方針」の趣旨を尊重しながら、同時にまた税務行政の公正確保あるいはその効率といったことにも留意しながら進めていきたいというふうに考えております。 それから、後段の第三者立ち会いの問題でございますけれども、確かに私どもは税務職員の守秘義務というものはございますから、そういったものに抵触するおそれが非常に強いといったようなことで、第三者の立ち会いをお断りしているわけであります。それ以外にも税理士法とか何とかいろいろな問題も起こってくる可能性がございますけれども、先生の御指摘は本人が納得しておればいいではないかということでございますが、実は本人だけの秘密でなくって、取引先とかそういった第三者の秘密というものが容易に出てくるような状況のもとで調査が行われるということを御理解いただきたいと思うわけです。 それからもう一つ、もともと守秘義務に関係ない問題を取り扱っている場合でも、なおかつ税務職員が立ち会いを排除するという問題でございますが、これは実は非常にむずかしい問題でございまして、税務調査の実際というのはいわゆる納税者の秘密に関することあるいは秘密に関係ないこと、こういったことがちょうど一枚のきれを織っていくように交互に交錯していろいろ出てくる関係ございますので、秘密に関係ないときはおっていただいても構いませんと、出てきたら出てくださいというわけにはなかなかまいりませんので、そういつた面をやりますといろいろ調査上も問題ございますので、基本的には第三者の立ち会いということをお断りする、そういうことを申し上げて御理解をいただいているところでございます。 〔理事藤井裕久君退席、委員長着席〕
○近藤忠孝君 この論争をする暇ないんですが、一例だけ、これは金沢であった例ですが、クリーニング屋さんです。店先に一連番号があって、品物があって、お得意さんの名前があって、店先にあるんですよ。それを見れば要するに仕事関係全部わかるんですよ。だからこれを見ていってくれと言っても、そばに人がいるからと言って見ないのですね。これは一切守秘義務に関係しないようなものですよ。いつもそこにあるものですから。それさえ見ないでさあっと打っちゃって、人がおったというだけで行ってしまって、反面調査、推計課税とこういう事例がたくさんあるんです。 それで私は、そういう点でもうずいぶん税務署回りしました。また、税務署長がなるほどと思ったですね。大体、私が行きますと、総務課長のところで私の持っている物を置いていけと言うんですよ。そこで置いていかなきゃ署長室へ一歩も入れない。これは私は、国民の代表たる国会議員に対してとんでもないことだと思うんですよ。なぜ置いていけかと言いますと、こっちがピストルとかなんかを持っていくなら別ですよ。そうじゃなくて、置いていけというのはカメラとそれからテープレコーダー。なぜテープレコーダーがいかぬのかと言いますと、国会議員の前でテープがあるとおどおどしてうまくしゃべれませんと。 私は、渡辺さんの部下である税務署長さんがそんなことでは、とてもこれは税務行政はできないと思うんですよね。それから資料を出せと言っても全然出さぬですよ。たとえば、その地域の青色申告者取り消されたのは何名かと聞いたら、それも出さないんですね。渡辺さんは資料は全部出しますという、とんでもないことですよ。そういう税務署長の指導のもとで、私がほんの幾つか挙げたけれども、もっとたくさんあるんですね。そういうことが行われていますけれども、これはちょっと異常じゃないでしょうか。たとえば私に対する扱い自身。それで私、当時の藤井政務次官に電話したんですよ。さすが藤井先生もこれはおかしいと。それで早速国税庁へ電話したけれども、全然言うことを聞かぬですよ。そんなこといいんでしょうか。ちょっと大臣に。
○政府委員(小山昭蔵君) その前に、ちょっと事務的にお答えさしていただきます。 私ども日ごろ第一線の税務署に対しましては、もし国会議員の先生が直接税務署にお越しいただくような機会があれば、これはその先生のお話を直接お伺いするまたとない機会であり、また税務署の側といたしましても、税務署の執行の現状について先生に直接御説明申し上げることのできる貴重な機会でございますから、署長は多少の都合は差し繰ってぜひお会いするようにと、こういう指導をいたしております。 ただし、その場合には、お互いに胸襟を開いてあるがままにお話しができるというような環境が非常に大切であろうかと思いますので、そういう場合に署長の判断で、たとえばテープレコーダーはひとつ御勘弁くださいというようなことをお願いすることはこれはお許しいただけるのではないかと、このように思っておるわけでございます。
○近藤忠孝君 さっきの写真ね、渡辺さんと写っておってね、この写真もいかぬと言うんですよ。追及すると、写真かテープかどちらかにしてくれと、どちらかというと写真の方がいいです、テープはあかぬと言うんですよ。じゃ、テープはなぜあかぬのかと、そうするとさっき言ったようなことを言う。これは全く理由にならぬと思うんです。われわれはやはり正確に、いわばメモのかわりですからね。そんなもの御遠慮いただきたいと言ったって、私が会う税務署長は公務員として国会議員に会うんでしょう。さっき言ったような趣旨で会うんだったら、胸襟を開くのにどうしてテープあったらまずいのか。一杯飲んで私事を話すならそれはしょうがないことですよ。それについての大臣の見解を伺いたいと思います。 と同時に、時間が来ましたのでもう一つだけ。なかなかいま税務署の現場では大変のようです。もうずいぶん仕事がふえまして、その中でまた、特に全国税職員に対する差別がまだまだ残っています。たとえばこれは十五期生から十八期生というのですか、三等級格づけが二十四人でこれは全員です。それに対して全国税組合員以外は全体の一七%だけが三等級で、あと特三等級あるいは二等級ということですね。全然差別が違うのですね。私は、国税の現場が本当に国民に奉仕する現場であるためにはそういうことがあってはならない、こう思いますが、それもあわせてひとつ御答弁いただきたいと思います。
○国務大臣(渡辺美智雄君) そのテープと資料の話ですがね、テープというのは、なかなかテープレコーダーをそばに置いて話をすると丸い話も四角になるし、本音の話でなくたてまえ論になっちまう。理事会で速記をとってテープを置いてやれというようなものじゃないかと私は思うのですよ。ですから、やはり本当に事前に話し合いをしてなにするというためには、そうテープがなくったっていいんじゃないか。 それから、資料を出せということは、これは私が税務署に行って出せと言ったってこれは出しません、大蔵大臣が言ったって指揮系統が違うわけですから。ですから、それはやはり国会議員に対する資料というものがあれば、あとは税務署に要求されるのは結構でしょうけれども、必要に応ずれば国税庁からそれは取ることができるわけですから。じゃ、国会議員ならば出して県会議員なら何で悪いという今度は理屈にもなってまいり奏すしね。一般に税務署がほかに公表しているPRの資料とか何か、そんな程度の話だったらいいでしょうけれども、そうでない特殊の内部資料を出せと言われてもそれはお断りすると、これは仕方のないことだと私は思います。 それから全国税労組が不利な扱いを受けていると、私はそういうことはないんじゃないかと思いますが、国税庁から説明させます。
○政府委員(小山昭蔵君) 国税庁におきましては、職員の管理、任用そのほかにつきまして、その所属組合あるいはいずれの組合にも属してないかどうかといったようなことによる差別は一切行っておりません。
○近藤忠孝君 大臣、なごやかな話とありましたけれども、われわれは税務署に行くときに遊びに行くのじゃないんですね。やっぱりまじめな話をしに行くのですよ。税金の話はかたい話なんです。問題は、こちらも何も言われなきゃ持っていきもしないのだけれども、あるものを置いていかなきゃ署長は合わぬと言うのですよ。こんな態度が許されるかどうか、これを私は聞いたわけです、もともとかたい話ですから。
○国務大臣(渡辺美智雄君) さあ、それは署長の判断でしょうね、何が何でも合えとも私も言えないし。ですから、いま話し合いをするということで皆さん頭もいいのだから、テープレコーダーなくたって話ができるのじゃないですか。だから、それはテープレコーダーをつけるかっけないかということはやっぱり署長の判断で、なかなか長官だって言えないだろうな。
○政府委員(小山昭蔵君) 格別指示しているわけではございません。署長の判断でございます。
○近藤忠孝君 わかっていればいいけれども、時間が来たからいいです。
○三治重信君 国際金融それから円の価値、円安対策、この二つについてお伺いをしたいと思います。 それで、大蔵省の「財政金融統計月報」の五十五年末の日本の純国際貸借というのですか、純資産の合計が百十五億三千四百万ドル、そして民間が百六十六億五千九百万円借り越しですね、借り入れの方が多い。それから政府は二百八十一億九千三百万円、外国へ貸しているのが多い。こういうことだと思うんですが、最近非常に日本の貿易収支が黒字だとかいろいろのことを言われておりますけれども、五十五年ですから八〇年ですね、八〇年末の世界の中における日本は一割経済といいながら、そんなに日本だけもうけている、百十五億ぐらいの、民間と政府で合わせてこれぐらいの黒字というのはそんなに大したことはないのに、いかにも日本だけもうけ過ぎているようにとられているのに対して、こういうような国際的な日本の貸借のポジションというものは、日本として大いに——日本はまだトータルとするとそんなに持ってない。 ことに、非常に民間企業が強いみたいなことを言われて、民間企業は日本の国の銀行から借りているばかりでなくて、外国からも非常にこんなに借り越してそして生産に励んでいる、こういうようなことの説明になろうかと思うんですが、そういうことについての御意見。
○政府委員(大場智満君) ただいま先生から御質問ありましたのは、日本の対外資産、負債の問題かと思います。 御指摘のとおり、日本の鈍資産、これは日本の総資産から総負債を引いた残額でございまして、御指摘のように百十五億ドルが五十五年末の数字でございます。これは御指摘のように、国際収支の状況によって非常に変動するわけでございまして、五十三年末にはいまの百十五億ドルに相当する純資産超過額が三百六十二億ドルという数字でございました。その後五十四年末に二百八十八億ドルになり、五十五年末に百十五億ドルになりましたのは、やはり第二次石油ショック後の変化でございまして、経常収支の悪化、それに伴いまして長資、短資の日本の借り入れがふえたということがその原因であろうと思います。
○三治重信君 そういうことだから、トータルの、五十五年は一番低かったときになるかもしれぬけれども、五十三年の三百六十二億ドルにしてみても、国際貸借から見れば大したことはないんですよね。だから、こういう資金ポジションというのですか、日本もそんなに金持ちじゃないんだ、それから、そんなに売りまくってエコノミックアニマル的にもうけてはかりいるわけではないんだということの説明にはなりませんかと、こういうことを言っているわけです。
○政府委員(大場智満君) 資産、負債貸借は、やはり全体としまして日本が持っている長期、短期の資産と長期、短期の負債との対比でございますので、やはりいま指摘されております貿易収支の問題についての直接的な反論の材料にはなかなかなりにくいんではないかというふうに考えております。
○三治重信君 常識からいくとそんなことかもしれませんけれども、余り悪口ばかり言われるとこういうことも利用したらどうかと、まあ猿知恵を出したわけですが、ひとつ……。 それで、日本はまだまだ貧乏だと思うんだけれども、大臣の所信にも、アメリカやECは大変な物価高と失業で困っている、日本はまだいい方だと、こういうことなんですが、確かにアメリカとECに対しては過去の貿易においても、過去十年間で日本の対米出超額は——これは日本の調査でこうだろうと思うんだが、アメリカだともっとえらい大きくなるかもわかりませんが、対米で五百三十七億ドル、対ECで四百三十八億ドルもの黒字を出している、こういうことから非常に日本に対する攻撃が貿易上強いんだろう。それだから、結局失業の問題が非常に日本の貿易と関連して言われるんじゃないかと思うんです。 そうすると、やはりこれを解消し、またはこれを緩和するにはどうしても、まだ日本は国際的な金持ちの部類からいくというとまだ非常に貧乏なんだけれども、やはり貿易関係からやアメリカやECの雇用、失業の日本に対する感情を緩和するということになってくると、こういうところへやはり輸出するばかりでなくて、日本の優秀な輸出品を現地生産する、結局そこへ対外投資をするということにしていかないとこの感情は緩和されないと思うんですが、そういうことについて政府、大蔵省は、事こういう非常な逆超な対米、対ECに対して対外資本投下の関係について対策をとるのか、これは民間だからほっておくんだ、こういうふうな考えか、できればこの対外投資の便宜を図る対策をとることが非常な経済貿易摩擦の緩和になろうかと思うんですが、これに対する御意見を……。
○政府委員(大場智満君) 確かにEC及びアメリカに対しましては貿易収支の黒字が大きくなっているわけでございます。 そこで、投資によりましてできるだけの協力ができないかということでございますが、投資には先生御承知のように、直接投資と間接投資とございます。いま御指摘のまず直接投資での協力ができれば一番よろしいわけでございますが、直接投資の場合には、何よりも企業の直接投資でございますので、利潤動機によって現地で製造業、生産体制をとる方がその企業にとってプラスになるという判断のもとに出ていくわけでございます。その際に必要な力は、一つは高い技術力、それからもう一つは経営手腕といいますか、マネージメントスキルと言っておりますが、そういう能力、それから三番目には資金調達力かと思います。 日本の企業、製造業を見てみまして、この三つの能力を備えた企業がかなり増加していることは事実でございますが、まだアメリカほどの能力を持ってはいないかと思います。しかし、私どもは直接投資につきましては完全に自由にしておりまして、できるだけ製造業投資が海外で行われることを期待しているわけでございます。 それから、間接投資につきましては、これは主としてポートフォリオ・インベストメントといいますか、証券投資でございますが、こちらは比較的足が速いわけでございまして、たとえば金利差その他の要因によってもかなりの移動が生じるわけでございまして、最近の数字で見てみましても、昨年の一年間の証券投資、居住者の証券投資でございますが、約六十億ドルでございます。これは前年の二十七億ドルに対しまして倍になっているという事情にあります。 それから、やや細かくなって恐縮でございますが、たとえば円建て債の発行とか、それから円建てシンジケートローンといいますか、一年超の円建て貸し付けにつきまして、私どもはたとえばECとか、あるいはEC関係の国際機関、あるいはこれはまだ実現を見ておりませんけれども、英国の輸出金融機関、あるいはアメリカの輸出入銀行等がファイナンスを、仮に円を必要とするというような場合にはそこまでも協力できると考えておりまして、これは相手方が関心を持ってくれないとできないことでございますが、そのような協力まで考えております。
○三治重信君 まだこの説明を聞くと、企業の自由のことで特別な対策というものもお述べにならぬようなんですが、やはりまだどうも全体とすれば、アメリカやECから日本の優良企業も向こうで金を借りてきて、国内の製造設備を改良して、そしてつくったものをアメリカやECに売っておる、これが逆超になっておる大きな原因だと思うんですが、それもこれだけぎゃあぎゃあ言われると、自動車なんかは半強制的に出てこいと、こういうふうなようですがね。 こういうことに対して、政府、大蔵省の方は、企業の自主採算だからしょうがないと、それは企業の責任ということなんだが、そういう海外投資、そういうことに役立つようなやつについての利益誘導というんですか、またそういう海外への進出についての損失について、ある程度の税法なりあるいは利益保証なりについて優遇措置というようなものは、日本はいままでこういうことにかかわったことないから考え及んでないんだろうと思うんですが、租税特別措置で一生懸命やるけれども、国内措置ばっかりなんです。対外措置についてもう少し何かアメリカ、ECに対して、こういう貿易摩擦についての日本の対策として、海外、アメリカやECに対する投資について、こういうふうな指導奨励、税法上、金融上の問題について少し考えるというようなことは言えないんですか。
○政府委員(大場智満君) 金融上の問題につきましては、海外投資の場合には輸銀の金融を利用できるわけでございまして、これはおのずから輸銀の融資に合致するようなプロジェクトであるということが前提かと思いますが、できるだけの金融的な支援はなされると思います。 税制上の問題につきましては、私、所管でございませんので申し控えさしていただきます。
○三治重信君 じゃ、その問題はまだこの次に聞きます。 その次に、次のサミットに対してECが十カ国欧州理事会の会合で次の三つのことを決めたという報道がされております。米国高金利の是正を求める。二番目に日米欧三極通貨の安定に努める。三番目に南北対話を進める。 この中で、円安対策として日米欧の三極通貨の安定に努める、こういうことはやはりEC諸国も対米の自国の通貨の安さに困り果ててきたんじゃないかと私は思うんですが、これは何か事前にもちろんこれは決めたという報道ですが、こういうのは事前に決める前に通報なり、あるいはまたこういうことについてわが国の方もやはりヨーロッパと一緒になってアメリカの高金利対策、また為替の低落、こういうことに対して共同部な対策を話し合わなくちゃならぬし、事前準備をしなくちゃならぬということで、ある程度の研究なり対策の素案があるんじゃないかと思うんですが、その点についての準備状況はどうなんですか。
○政府委員(大場智満君) サミットの準備会合はすでに行われておりますが、まだ大体議題をどういうことにするとか、あるいはまたその討議の方向をどうするかという、かなり大筋のラインで議論しているやに伺っております。ですから、いま御指摘のように非常に具体的な問題として取り上げられ、それに対して、たとえばコミュニケをつくるとかつくらないとか、そのような議論までは進んでいないというふうに理解しております。 ただ、御指摘の米国の高金利の問題につきましては、これはヨーロッパもそうでございますし、私どももそうでございますが、機会あるごとにいろいろなレベルで米国に対しては、金融政策といいますか金利を速やかに下げられるような状況になってほしいということを伝えでございます。
○三治重信君 じゃ、政策までの研究段階について何を言えないということになると、どうなんですか、やはり去年までは対米ドルの下落率については日本の方が非常に少なかった、最近では日本の方が二けたになってきた、ヨーロッパの方はそれほどでもない、こういう差の現象が出てきたんですよね。日本の方はまだ貿易黒字がある、国際の経常収支も黒字だと。ところがヨーロッパの方は経済が不況でさらに失業も増加する、西ドイツは国際収支が大分黒字になってきたようなんですけれども、対米、ドルに対する自国通貨の安定というんですか、むしろ米ドルに対して安くなっていくことについてどういうことが——どんどん安くなる、国際収支が黒字になってきていながらどんどん安くなっていくというのはどこに原因があるとお考えになっているんですか。
○政府委員(大場智満君) 御指摘のドル高問題、それはわが方から見れば円安の問題になると思いますが、やはり主たる要因は米国の金利の高さにあると思います。最近の円安、三月に円安になっておりますが、三月の一日で見てみますと、ユーロダラーの三カ月物の金利が一五%、これが昨日には一五・四三七五%、もちろん一高一低はございますが、引き上げぎみで推移しているということが昨今の円安の最大の理由だろうと思っております。 最近、日本のファンダメンタルズが少し変わってきたのではないか、それがマルクとのレートの違い、いま御指摘のようなマルクに対して、たとえば一マルク九十九円とか九十七円だったものが最近一マルクが百一円とか百二円とか、そういうことになっている理由ではないかという御指摘があるわけでございますが、私は、ドイツはいままで経常収支が赤字だったのが均衡恒なりつつある。それから日本の場合は、経常収支の黒字がかなり大きかったものが最近時点、ごく近い時点で見てみますと、まあ均衡といいますか若干の黒字になっているというこの動きが若干反映しているということはあるかもしれませんが、基調として見ますと、むしろ日本の経常収支の黒字の方がドイツを上回っている状況だと思っております。 したがいまして、マルクが最近時点で一マルクが百二円とか百三円とかということにつきましては、やや理解しがたい動きではないかというふうに見ているわけでございます。
○三治重信君 ひとつ、アメリカの高金利だけでまあやむを得ぬものということでなくて、やはり欧州通貨との関連も見て、またもう一つそのほかにも円安の原因を探していかないと、これはさらに円安は日本の経済運営を窮地に陥れる、こういうふうに考えられますので、ひとつ御注意して円高に持っていく方策を考えていただきたいと思うんです。 それから、それと若干違いますが、総理にも聞いたんですが、総理は努力するということなんだけれども、実務的なことを大蔵省にお聞きしたいんですが、対外経済協力や援助の予算化をどんどんしたり、三カ年に倍増したり五カ年に倍増するといっても非常にこれが使われていない。予算と、それから融資の関係の援助でどうなっているんですか。 それからまた、その実行が伴わないのは、もちろん相手方の計画がずさんで、それに対してその計画を修正したり、また実現可能のものでないのにそう簡単に金を貸したり援助したりするわけにはいかぬということは実情はわかるけれども、しかしそれだけの、もう三、四年前から三カ年で倍増するとか、福田内閣のときから三カ年で倍増するとか、今度鈴木内閣になってからも五カ年で対外援助協力、経済協力は倍増する、こういう基本方針を政府として高らかに掲げているわけなんだが、それを実行上相手国が計画がずさんだ、うまくいかない、なかなか事務手続がいかぬというのは、やはりこれは事務的に従来の態度が変わってないことになるんじゃないかと思うんですよ。日本でふやしていく、金を日本が積極的に倍増していこうというからには、外国に対してここはこういうふうでやってやろうという、何かそういうものを消化していくというんですか、効果あらしめていくプロジェクトなり働きかけというものが行政当局で、大蔵省だけの責任じゃないけれども、出先の外務省、それからあと関係各省にもう少し何か総合的なやつをやる必要があるんじゃないか。 もちろん、今度の貿易摩擦もアメリカやECから圧力を強くやられるとびっくりして対応策をつくって、飛び回る。そして、非関税障壁は六十七項目やめますというようなことで、何かそういうぐあいに外圧がかからぬとやらぬ。これは対外援助や経済協力は日本の自発的な力で倍増してやっていこうということになっていくと、どうも役人や役所に圧力がかからぬということの心配があるわけなんですが、それに対してどういうふうにお考えですか。
○政府委員(大場智満君) 御指摘のように、援助の場合に約束しました後、未使用額がかなりの額になっているわけでございます。たとえば、これは昨年の十二月末の数字でございますけれども、貸付契約を調印したもの、結んだものの金額が約三兆八千億ございますが、このうち未使用額が約一兆二千億になっております。ですから、三〇%をちょっと超えております。 その理由でございますけれども、やはり第一は、最近の援助といいますのはプロジェクト援助でございますので、どうしても長い期間が必要になるというプロジェクトの性格から来るところがまず第一かと思います。それからまた、たとえば中国——国名を挙げてはいけないのかもしれませんが、中国の場合にはかなりの未使用額が出ておりますが、これはどちらかといいますと、相手国の事情があったかと思います。 で、もちろん私どもも、実施機関である経済協力基金もできるだけ速やかなディスバースということで努力しておりますし、また、四省庁といたしましても、これはコミットを早くするという点に関してくるわけでございますけれども、四省庁の方の体制もできるだけ努力いたしまして、速やかなディスバースがなされるように今後とも努めていきたいと、こう考えております。
○三治重信君 それでどうなんですか、そういう政府の、これも対外経済援助、協力というのも、やはり直接的に国際貿易摩擦を緩和するということにはならぬけれども、世界経済の活性化といいますかあるいは世界経済の円滑な運営に対して、やはり経済大国としての責務を果たすということについては非常にいい効果があるんじゃないかと思うんですが、そういう問題についての、何と申しますか、これが本当に日本の信用を増加さずに大変役立つというふうな、自信といいますか、実例のいいものというのか、どの程度あるのか。
○政府委員(大場智満君) 私は、政府開発援助につきまして中期目標をつくって過去五年間の総額を今後五年間に倍増するというような努力をしている国は、先進諸国の中でほかには見当たらないのじゃないかと思っております。このために、年年私どもは、平均しまして一一・八%の伸び率でODA関連の一般会計の予算を組んでいるわけでございます。来年度は一一・四%の伸びになっておりますが、これは今年度がかなり高い実績になる見込みでございますので、来年度以降一一・四%でこの目標が達成されるわけでございます。 で、この目標額、中期目標額というのは、開発途上国にとって非常に大きなプラスになると同時に、まあそれが開発途上国の成長、安定に役立ちますならば、ひいては先進国を含めた世界経済、国際経済全体にとりましても大きなメリットを及ぼすことになるというふうに私は考えておりまして、日本の寄与力は非常に大きなものがあるというふうに考えております。
○三治重信君 まあ先日の総理への質問のときに答弁でちょっと出たんですが、最近はこの経済協力の中で開発途上国なんかは直接金を借りるのも結構だけれども、商品借款の希望が多いというようなことがちょっと出たわけなんですが、これはまあ韓国を頭に置いて言われたことなのか、あるいはそのほかにもあるのか。まあ対韓国には何か新聞では、たしかこの商品借款というのは日本は否定的だったはずだと思う。否定的に書いてあったと思う。 まあ商品借款は、種類によって違うかもしれませんけれども、私の了解では農産物とか何かというのは、これは商品借款というのは農産物でもやはり国際貿易に、輸出国に損害を与えるとか非常に国際的な貿易体制を壊すから、金の貸借はいいけれども物の貸借は好ましくないというふうに、何といいますか、国際的には言われているように感じているわけなんですが、日本でこういう円安であり、しかも不景気のときに商品借款ができるものなら、これはまあやったらいいかと思うわけなんですが、そういう部面についての国際慣習といいますか、またそういうものは相当やろうと思えばやれる問題なのか、御意見をお伺いしたい。
○政府委員(大場智満君) 商品借款につきましては、大きく分けて二つの場合に限って供与をしているわけでございます。 一つは、非常に所得の少ない、所得の低い開発途上国向けに国際収支援助として供与する場合でございます。その場合は、相手国はその借款によりまして必要とする物資を輸入し、その物資を国内で売ることによりまして国内的にまた資金が使用できる。ですから、国際収支対策と同時に国内的にもその金が使えるというメリットがあるわけでございます。 それからもう一つは、比較的所得の高い国について商品借款をやる場合でございますが、これはたとえばトルコのように債権国会議とかあるいは世銀が中心となりました協力国会議というようなところで、商品借款を供与した方がトルコにとって望ましいというような場合でございます。その場合には、そのような債権国会議等によりまして商品借款を供与することはあるわけでございます。しかし、一般的に申しまして、所得の高い国には商品借款という形でなしにプロジェクト援助中心で進めていくと、こういうことが基本的な方針となっております。
○三治重信君 企画庁も先日お伺いしたので一つだけ。 せっかくやってきて二十四件の苦情処理もしておられて、いませっかく各省と協力していいものはいい、研究すべきものは研究する、悪いものは悪いと、こういうようなことで仕分けをしてわりあいにスムーズといいますか、精力的に行われているようなのですが、これをさらに非関税障壁を日本が積極的に解消のためのあかしをつくるためには、これが中途半端にならぬために何というんですか、三カ月ですね、四半期に一遍ぐらいずつまとめて発表したり、ことに在外公館やジェトロヘその処理状況や、またさらにこういう苦情処理についての国内各省の意見をメモにしたり、そうしてひとつ継続的に非関税障壁の解消にまた努めるということが必要かと思うのです。 今度は苦情処理の機関をつくった、ただ受けるのを待つだけでなくして積極的に解消に具体的にやらないと解消できないから、せっかくここまで——僕から言わすとさんざん難癖つけられた非関税障壁なんだから、日本は積極的にこれだけやっていてもあなたたちは何も言ってこぬじゃないかというぐらいにまでやれるようにひとつ継続的に、企画庁が事務の担当らしいから——担当らしいんじゃなく担当なんだから、在外公館や日本の貿易関係機関、それから貿易商社等に情報提供を継続的にやれるようにやったらどうかと思うのですが、またそういうことの努力についてひとつ御意見を発表していただきたい。
○説明員(丸茂明則君) ただいまの件でございますが、苦情処理推進本部の活動状況につきましては、先生に前回御説明申し上げましたことでもございますので省略させていただきますが、いま先生の御指摘にございましたように、せっかく私ども政府にこの推進本部ができまして、また苦情処理のためのOTOという機構が設けられまして、海外でも新しい試みでございますOTOにつきましては、外務省を中心として広報活動していただいたこともございましてある程度の評価を得ていると同時に、たとえばアメリカの通商代表部などの人たちも今後に大いに期待したいというようなことを言っております。 私どもといたしましても、いま先生の御指摘のように今後、まだ始まって二カ月でございます。一生懸命やっておるつもりではございますが、今後ますます継続的に努力を続けていくということが必要であろうと思います。 また、国内だけでなく海外に対しまして、こういうことをやっているということと、それからその結果として、こういうような処理といいますか、進展があるということを十分に周知させる、PRするということも日本の市場の開放が本当に進んでいるということを印象づける上で大切だと思いますので、積極的にやってまいりたいというふうに思っております。
○三治重信君 この海外関係で、またさらに最後に一つ、大臣の所信表明には、「調和ある対外経済関係を促進し、」と、こういう中で関税の東京ラウンドの一律二年繰り上げというものと、もう一つはオイルマネーの還流について積極的に対策をやるということになっているわけなんですが、やはり円安に、もうせっかく去年なんか株や何かに相当入ったオイルマネーが最近出るようなことで、所信表明の方の還流というのは、日本が石油をうんと買ってたくさん何百億ドルというものを産油国に出しているからその金を日本へ投資してもらうと、こういうことが還流ということでしょう、ここに書いてあるの。それが還流が逃げ出すということに対する対策は何かやっておられるのか。こういうことと、いわゆるグリーンカードによる資本逃避、オイルマネーの還流、せっかく入ってきたものがまた出ていく。今度は積極的に金を持った余裕がある企業や金持ちがドル買いをやる。こういうようなことで非常な円安傾向が強くなってきている一つの原因になる。 こういうふうになって、大蔵省の方は大臣以下いわゆる有事規制の発動までやろうということも最近新聞に出ているわけなんですが、こういう部面について、やはり片方貿易がさんざんたたかれて貿易ができないようになる。それから片方は円安にどんどんなるとこれはまた輸出の促進になる。今度は輸入品が高くなると国内のせっかく落ちついた物価が高くなる。これはどうしてもやはり有事規制というものはやるぞというきちんとした態度を示した方がいいんじゃないかと、こういうふうに、早ければ早いほどいいんじゃないかと思うんですが、これに対する利害得失をひとつ述べていただきたい。 それから最後に、時間がなくなってきたからもう一つだけ一緒にお伺いしておきますが、私は沖縄特別対策委員も兼ねているんですが、前から問題になっている北方四島の、いわゆるこれは主に昆布らしいんですが、関税法百八条や関税定率法の二十三条に、この北方四島からのものは何と申しますか、「外国とみなす。」と、こういうこと。実際の取り扱いはとにかくとして法律上こういうのは外国とみなすとか、外国というのは、やはり北方領土対策をやる者としては非常にこれは不便でしょうがない。あした沖特でまたやるつもりでありますが、総理府総務長官に。 こういうような法律が、政府全体として何十とあるわけなんです、外国扱いにしているのが。これは、ひとつぜひ大蔵大臣、こういうようなものは、言葉はなかなか簡単に見つからぬと思うのだが、こういうのは外国とみなすとか、日本の国土でないような取り扱いのたくさんの法律を、これは戦後のときにつくったやつなのでいい悪いは別として、一日も早くこういうような法制上の、北方領土はわが国の領土じゃないというふうにとられるような規定を排除するのを大蔵省から真っ先にやってもらいたいと思うわけですが、どうですか。その二つを、ひとつお願いいたします。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 物は安い方から高い方へ、水は高い方から低い方へ、お金も金利の安い方から高い方へ流れる、これは自然現象でございます。やはり、余りいじめればかわいがる方へ行ってしまうと、これも抑えがたい自然現象。 したがって、われわれはある程度の外貨は持ってなきゃならないし、国内のお金が流れ出しても困る。したがって、オイルマネー等についてはこれは大事にしているつもりでございます、中身は余り申し上げられませんが。したがって、日本の金利は安くともやはり出してくれる人がある、非常にありがたいことで、これが大きな目で見ると国民全体の経済に大変なプラスになっております。 それから、有事規制の問題は軽々にこれはやるべきものではありません。やはりその前にいろいろな手があるわけでございますから、そういうようなことでまず為替の介入等も含めたことをやって、それでもともかく非常に問題が多いと、国際収支が非常に不均衡になるとか、為替相場に急激な変動を与えるとか、あるいは国内の金融資本市場に大きな悪影響が出てきたと、三つの事態が重なってくるということになれば当然に有事規制ということは考えられます。 しかし、いまのところそれほどとはわれわれは考えておりません。いろいろな事態の動きを見ながら、その発動が必要ということになればそういうことをいたしますし、その必要がないと思えはしないし、これはもういつでもできる態勢にはある。しかし、そういう事態になったかならぬかというところで最終判断は下されるべきものであると考えます。 それから、北方四島の問題につきましては、確かに関税の整理上これはわが国の領土であることは、歴史的にも法律的にも問題のないところでございます。現実に施政権が及ばないという現実の姿、これもあるわけでありまして、関税上本邦として取り扱えないというために、そういう事情がございまして外国とみなすということをやっておるわけであります。 関税上の北方四島を外国とみなさない場合には、北方四島を経由して行われる日ソ間の物品が移動するなど国内と同じ取り扱いにされてしまう。わが国経済社会に大きな影響があるということでやむを得ずやっておるものでございますので、御了解を賜りたいと存じます。
○野末陳平君 私は、予算委員会を通じまして行政改革、とりわけ補助金についてこれをカットするというのならば文教とか農水とか福祉という補助金御三家ですね、ここらに大胆なメスを大蔵省がふるわないことには思うような補助カットの実効は上がらないということを取り上げてきたわけで、きょうは、この文教、農水関係の補助金でも幼稚園に関する補助金とか給食に関する補助金とか余り触れたくないような部分ですね、ここを取り上げて大蔵省当局の意見を聞きたい。 それからもう一つは、広い意味の税の不公平感というものがあるわけですから、ここから発生する幾つかの問題、これについても大臣それから大蔵当局の意見を聞いてみたいと、こういうふうに考えます。 最初に税の方からやりますと、先日もこの委員会で赤字法人ですね、赤字法人に対する地方税などが取り上げられておりまして、それとともに三治委員からもちょっと出まして公益法人の税金問題、こういうものも一部不公平という視点から関心を持たれてきたような感じもするわけですが、まず公益法人ですが、国民の目に触れやすいとすればやはり学校法人とか宗教法人とかこういうものがあります。 これらの行う収益事業ですが、これは本来の活動であればもちろん非課税で当然なんですが、これらの行う収益事業について、これが一般の法人に比べてかなり優遇されているわけですが、その実情がどの程度のものか、これをまず簡明にひとつ伺いたい。
○政府委員(矢澤富太郎君) 収益事業につきましては、公益法人の行うものでございましても民間と競合するものにつきまして現在三十二業種定めまして、たとえば学校法人で申しますと、物品販売業あるいは不動産貸付業、出版業、保険代理業、飲食店業、旅館業、技芸教授業、こういったものにつきましては、現在法人税率の基本税率の四二%に対しまして二五%の軽減税率で課税を行うことといたしております。
○野末陳平君 これなんですが、確かに収益事業の規定がいろいろ法人税の基本通達にもありますが、この二五%というのが妥当かどうかということになりまして、何かこれは少し一般法人の事業に比べては低いのではないかなと、この辺を世間並みにせよとと言いませんが、若干の引き上げの余地が考えられるのではないか、こう考えますが、いかがでしょうか。
○政府委員(矢澤富太郎君) 一般の法人の基本税率と公益法人の税率の差が開いてまいりました原因は、かつて昭和三十年代に法人税率が引き下げられたときに、その引き下げ幅以上に公益法人の税率が引き下げられました。その後四十年代に入りまして何度か法人税率の引き上げが行われたわけでございますが、法人税の基本税率が引き上げられてもこの軽減税率につきましてはそれが据え置かれた結果、法人税の基本税率と公益法人の税率の間に乖離が出てきたところでございます。 税制調査会においてもこの点の御検討をいただきまして、先般の中期答申におきましては、この乖離をなるたけ縮めるような方向で検討すべきであるという御答申をいただいております。その結果、昨年法人税率の引き上げをお願いしたわけでございますが、基本税率を四〇から四二に引き上げました際に、しばらく法人税率は上がってもずっと据え置かれっぱなしてございました公益法人の軽減税率につきましても同じポイントだけ、つまり二三から二五まで引き上げまして、少なくともその乖離が拡大するということは阻止したわけでございます。 御指摘のように、今後さらにこれを上げるかどうか、これは重大な検討課題であろうとは思いますが、ただ、公益法人の中にはやはりまじめなと申しますか、本来の公益事業に資金を提供するために収益事業をやっているというようなものもございまして、それを税務当局で判断するというのはなかなかむずかしい点がございます。総理府に公益法人の監督のために公益法人監督事務連絡協議会というのがございまして、これは昭和四十七年でございますが、公益法人の収益事業につきましては、たとえば「本来の事業に比べて、その規模が過大でないこと。」「公益法人としての社会的信用を傷つけるような内容の事業でないこと。」「その他、本来の事業に支障を及ぼすおそれのないこと。」こういったことで監督をしていきなさいというお達しを出しております。 そういう意味で、片側におきましてやはり公益法人の監督そのものをどうするかという問題と、それから私どもとしては公益法人の実態を常に勉強しながら、いま御指摘のような公益法人の軽減税率をどうするか、これもやはり検討はしていかなければならない問題であると考えております。
○野末陳平君 たとえば、お寺が民宿などをやると、やっていいわけですね。そしてパンフレットなども出てくるけれども、お寺のやる民宿がいろんな事情があるにせよ世間の民宿と同じように行われていて、結果的に税金問題が格差がかなりある——かなりと言うと言い方があれなんですがね。そんなふうになるとちょっとおかしいなという気もしたりして、やはり乖離を縮めるという方向と、もう一つはいまの収益事業の中身に対する監督と、これをあわせてやはりもうちょっときちっというか、厳しくといいますか、そういう必要があるんではないかと思っているわけなんです。今後の検討課題であろうとは思いますが。 それと同時に、これら法人の行う収益事業の所得の中から当然本来の業に一部寄附をしていきますか、そのときにも損金扱いでかなり優遇があるということがちらっと出ましたが、これは具体的にはどういう優遇ですか。
○政府委員(矢澤富太郎君) 公益法人等が収益事業の部門から本来の公益事業の部門に対して寄附を行うわけでございますが、その場合には所得金額の三〇%を限度として損金に算入する特例が設けられております。一方、一般の法人の寄附金は資本の〇・二五%と所得の二・五%の合計額の二分の一が損金算入が認められておるわけでございますが、これに比べてこの三〇%がかなり大きな金額でございます。
○野末陳平君 そこで、収益事業と一口に言いましてもいろんな中身がありますし、私がたまたま言った学校法人、宗教法人といいましても、本業とはもうかなりかけ離れたようなものもあったりいろいろな実態があるわけです。 そこで大臣に、これは具体例をあれこれ言うような問題でないんで一般論としてお聞きしますが、ここまでこれら法人を一般に比べて優遇する、これが優遇し過ぎかどうかはむずかしいところですが、私はどうもちょっと甘いんじゃないか。今後これはやはり重要な検討課題であり、いま当局の答弁にあったような少なくも税率の乖離を縮めるという方向は必至でないかと、こういうふうに考えますが、大臣の御意見をお伺いします。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 収益事業につきましては、そこに所得があればこういう財政事情の折ですから検討課題にして結構だと思います。 また、莫大な金を集めて何に使っているのかわかりませんが、支出面についてもやっぱり何か研究の余地がないものかなとおぼろげに思っております。
○野末陳平君 同じく公益法人ですが、これらの法人の所有するあるいは取得した土地の問題とかそういうことから、今度は自治省の管轄になると思うんですが、私の知っている——知っていると言うとちょっと語弊がありますが、予備校などは景気がいい。景気がいいのは結構ですけれども、グラウンド用地と称してかなりな土地を取得する。しかしこれは未利用であって放置されたままだが、やはり法人の土地だからたとえば固定資産税は免れているんではないかとか、具体的にわかりませんよ、ただ彼らがそう言っているだけですけれども。 あるいは宗教法人などでも何十万坪というところを、いずれ予定地ということなんでしょうけれども空き地のままずっとある。こういうような、本来の用に供しているところは、これは構わないと思いますよ。しかし、そうでもないようなものまでもが固定資産税を免れている——免れているっていうんじゃないんですよね、固定資産税がかっていないというんですか。この辺の実情も何となく腑に落ちないという気もしまして、自治省、この実情はどうなっていますか。
○説明員(湯浅利夫君) 固定資産税におきます非課税措置につきましては、個々の固定資産の性格、用途に着目いたしまして非課税措置を法律で限定的に講じているわけでございます。 御指摘の学校法人について見ますと、学校法人の場合には、「その設置する学校において直接保育又は教育の用に供する固定資産、」に対しては非課税の措置を講ずるということ、あるいは宗教法人につきましても、もっぱらその宗教法人が事業の用に供する境内用地あるいは境内建物というものに対してのみ非課税の措置が講じられているわけでございます。御指摘のような未利用のものにつきましては、これは法律の解釈上は非課税ということにはなりませんで、直接本来の用に供しているという実態がなければ非課税にはならないというのがわれわれの法律の解釈でございます。 特に法律の規定の中にも、本来の目的以外の目的に使用している場合には課税をするということもはっきり書いておりますので、御指摘のようなことは万々ないと思いますけれども、十分地方自治体の方の指導をしてまいりたいと思います。
○野末陳平君 本来の目的以外に使っているところはこれはもう当然なんで、それは実態課税で問題起きてないとは思いますよ。しかし、予定ということになりますと、未利用にはいまのお答えだと当然課税があるというように聞こえますが、未利用で近々というようなことで、実態の判断がかなり微妙なのが個々のケースではないかと思っているんですね。 それで私は、地方税法のこの部分について、これはやはり未利用で長く放置されているものはやはり本来の用に供しているとは言いがたいんで、取得後期限を設けて、本来の用に伏せというような部分が必要でないかと。そこをはっきりさせておかないと、いまの自治省のお答えだと、実態によってはと言うけれども、なかなかこれは判断むずかしいと思うんですね。われわれ一般の取得するものは法人、個人を問わず、やはりきちっと期限つきであれこれ土地の利用についてあるわけですね。そうすると、やはりこれは実態によってというよりも、期限をつけた利用というのがはっきりしているかどうかと、この辺大事なところではないかなと思うんですね。どうでしょうかね。そこをはっきりしないと、遊休地というものが何となく固定資産税の対象外というのはおかしいんですがね。
○説明員(湯浅利夫君) 公益法人の使用する資産につきましては、現に直接本来の目的に供しているものに対して非課税だということでございますので、御指摘のような未利用のものはこれはすべて課税対象になるべきものでございます。 そして自治体におきましても、そういう取り扱いをやっているというふうに考えているわけでございますが、その方法といたしましては、御案内のとおり、固定資産税は毎年度課税するものでございますので、毎年度の現況の調査をそれぞれの市町村におきまして実施しているわけでございますので、その調査の段階におきまして、その利用状況を十分見た上で課税対象にするか、非課税対象にするかということで判断をするわけでございますので、その運用は十分適正なものというふうに私どもは考えているわけでございます。
○野末陳平君 課税対象になるべきものなんだけれども、なかなかそうはなってないということで、これは具体例が出ないんで非常に私ども困るんですけれども、あるんですが、そちらにお聞きしても守秘義務で実態を教えてくれないから、いずれ時間のたっぷりあるときには学校法人、宗教法人を通じて具体例でお聞きしたいんですがね。やっぱり守秘義務だからわからないと言われたら、これは非常に困る。かといって個々のケースで、そこだけをおかしいというような質問になっても当然いけないわけで、まあ一般論は非常によくわかりました。これからは、次の機会には具体例を通してやりたいと、こういうふうに考えます。 今度は補助金の方に入りますけれども、この補助金ですが、文部省からいきましょうかね。 先ごろの予算委員会一般のところで私、私立医大の助成金のことをちょっと質問さしてもらいましたが、きょうは、今度は大学でなくて幼稚園の方に行こうと思うんですね。幼稚園教育振興のために国が補助金を出す。これはこれなりに意義があるだろうとは思うんですが、この目的と額ということからやはりもう一度考えてみたいと。 そこで、まず幼稚園関係の、特に幼稚園教育振興のための補助金ですけれども、全部並べて一々その額と目的を聞きながら果たしてこれが必要かどうかと、この辺のことを考えてみたいんですが、まず公立幼稚園施設整備費補助金、こういうのがありますね。これはどういう目的でどのくらいの補助金になっているか、五十七年度ベースでこれをお願いします。ひとつ簡単にいきましょう。
○説明員(内田弘保君) 公立幼稚園施設整備費は、五十七年度予算では三十五億八千四百万円を計上してございます。
○野末陳平君 いまのは公立てしたね。今度は私立。私立幼稚園施設整備費補助金、これは。
○説明員(内田弘保君) 私立幼稚園施設整備費補助につきましては、三十五億八千五百万円を計上いたしてございます。
○野末陳平君 同じくこれは施設整備費と書いてありますから、目的はほとんど、公立、私立の違いだけで同じだろうと思いますから、簡単に言ってこれはどういうお金ですか。
○説明員(内田弘保君) これは、幼稚園が新設あるいは増設あるいは改築する場合に、一般の地域においてはその施設費の三分の一を国庫補助するというものでございます。
○野末陳平君 これはやむを得ないのかもしれないなと思ったりしますが、もう一つ、今度は私立高校等経常費助成費補助金、こういう中で幼稚園の分がありましたね、これはどうなんですか。
○説明員(内田弘保君) これは、私立幼稚園のうち学校法人あるいは学校法人になることを志向している幼稚園につきまして、その園児の教育に必要な経費のうちの一部を補助しているものでございます。都道府県がこれを補助する場合に、国がその補助金の一部を補助するというものでございます。
○野末陳平君 国から出す額は。
○説明員(内田弘保君) 国から出すお金につきましては、五十七年度は二百二億二千六百万円でございます。
○野末陳平君 まだあるんですよね。幼稚園就蘭奨励費補助金、こういうのがありますね。これは幾らで、この目的は何か。
○説明員(内田弘保君) 幼稚園就園奨励費補助につきましては、国費として百四十五億を計上いたしております。 これは、幼稚園に通っている保護者のうち所得の水準の低い保護者に対しまして、その幼稚園へ通うための経費の一部を補助するものでございまして、そのシステムといたしましては、地方公共団体がそういう方に就園奨励費を、事業を行う場合、国がその三分の一を補助するという制度でございます。
○野末陳平君 じゃ、これで幾らでしたっけね。
○説明員(内田弘保君) 総額国費として百四十五億を計上しております。
○野末陳平君 それぞれ目的があるわけですが、いま挙げた四つだけで見ても、この幼稚園教育振興に関する補助金が合計すると四百億を超えるんですね。これの多い少ないを言うわけではありませんで、最後に出てきた幼稚園就園奨励費というところなんですよ。 これはいまのお答えだと、所得の低い人に対して幼稚園にかかる費用負担、月謝というのか、授業料というのか知りませんが、この辺の負担を軽減してやろうと、結果的にこういうことですね、保育料とか入園料とかその一部を。ですから、これは父兄の負担が軽くなるんだから結構なんだけれども、所得が低い人というところ、どのくらいの人に対して幾らぐらいの補助金という形になるのか、負担軽減額ということになるんでしょうが、この辺公立と私立と分かれているでしょうから、公立の場合、幾らぐらいの所得であれば幾らの補助金をあげましょうと、まず、ちょっとそこから説明してください。
○説明員(内田弘保君) 幼稚園就園奨励費のうち公立の幼稚園に通っているお子さんにつきましては、まず市町村民税の所得割非課税世帯以下の家庭、すなわち基準としまして年収百八十八万五千円以下の家庭につきましては年額二万円、それから市町村民税の所得割課税額が五千円以下の世帯、すなわち年収二百万円以下の家庭につきましては二万円掛ける三分の二、それから市町村民税の所得割の課税額が一万円以下の世帯につきまして、大体年額の所得では二百二十七万円以下の鍋底につきましては五千円ということになっております。 私立につきましては、生活保護世帯あるいは市町村民税の非課税の世帯につきましては十万三千円、それから市町村民税所得割非課税の世帯につきましては八万円、それから市町村民税の所得割の課税額が十万円以下の世帯につきまして、標準にしますと年収四百二十二万四千円以下の家庭につきましては四万六千五百円を補助するという制度でございます。
○野末陳平君 そこですね、所得の低いということだったんで、たとえば市町村民税がほとんどもう払えないというか、その程度の家庭あるいはもうちょっとぐらいというならばまあまあだと思っていたんですが、いまの私立などを聞いても、年収が四百万円ぐらいあっても四万何千円かということですね、年額ね。それから中には八万円とか十万円というお金を補助してもらえると、幼稚園に行くということでね。これなんですがね、いま私立の場合。公立の場合は額は少ない。この補助金の一人当たりの額が多い少ないではなくして、幼稚園に子供をやるということがこういう補助金の対象になるというのは、これはありがたいことなんでしょうけれども、ちょっとひっかかるところがあるわけですよ。 一体、この幼稚園就園奨励費、この補助金を年に何万円かとにかく受けているという、こういう児童は幼稚園へ行っている中でどのくらいいるのかなと、この辺のことを。
○説明員(内田弘保君) 公立幼稚園では約七万人でございます。私立幼稚園につきましては約八十二万人がこの対象となっております。
○野末陳平君 全体のどのぐらい、対象になっているのは。
○説明員(内田弘保君) この対象となりますのは四、五歳の幼稚園児でございまして、公立には約五十七万人、私立には百四十六万人がおります。
○野末陳平君 そうすると、大体公立、私立をひっくるめますと大体どのくらいが——約半分ですか、約半分ぐらいの児童が四歳、五歳児でこの補助金をもらっているということになりますか。
○説明員(内田弘保君) 正確な計算をいまちょっとしておりませんが、半分以下になると思います。というのは、私立幼稚園が非常に圧倒的に多うございますので、その割りからいくと四五%程度でございます。
○野末陳平君 ですから、四歳、五歳児で公立、私立を問わず幼稚園に行くという子のうち半分はこの恩恵を受けているわけですから、ここの家庭はそれなりに非常に何というんですか負担が軽くなって喜んでいるだろうとは思うんです。 さて問題は、こういうものがあるということも実は私が勉強して知ったんじゃないんですね、偶然のことから投書が来まして、投書というかはがきが来まして、そんなことから知って勉強してみるといろいろな問題点が出てきたからで、ちゃんとはがきで、これは宇都宮なんですがね、栃木県ですから大臣と同じ。で、この宇都宮の父兄なんですけれども、幼稚園へ行っていて保育料が減免になっている。月当たり幾らくらい減免に、ことしもと。前回もそうで、ことしもというんだから二年ということですね、多分。 そこで、うちの人に言わせるとこんな金もらえない、これはおかしいと言っている、こういうふうなのも来ているんですよ。そうすると、もらう父兄が、ありがたいんだけれども、しかし何でこれがもらえるのかよくわからないというような部分もあるんですね。で、いまは半分ということですから、あとの半分はなぜもらえなかったかは知りませんが、申請をしなかったのかもしれませんがね。 そこで、一つ文部省にお聞きしたいんですが、こういう幼稚園に対して園児一人当たりに何万円かのお金を就園奨励だという名目で出す、この負担軽減が果たして補助金の対象としてふさわしいのかどうか、なぜこれがいま必要なのか、こういう素朴な疑問があるんですよ。どうしてもこれが必要だというなら、ちょっとその理由を説明してほしい。
○説明員(内田弘保君) 私どもといたしましては、幼稚園にはできるだけ多くの子供たちが、希望する子供たちが通園してほしい。といいますのは、幼児期の教育がきわめて重要であると考えているからでございます。 しかしながら、幼稚園は無償でございませんで、これは入園料、保育料というものを取るわけでございますが、五十六年度で申しますと、公立は約四万三千円、私立が約十六万円でございます。ただ、これはあくまでも学校に納める金で、直接納めるお金でございまして、それ以外これに附属するいろいろな教育費が必要かと存じます。しかるに、こういう幼稚園に子供を通わしている保護者の年齢は非常に低うございまして、三十前後というような感じでございますが、こういう方々にとってこの額はやはり相当の過重になるのではないかというふうに思われるわけです。いろいろな統計などを見ますと、小学校、中学校に入るとこれは無賃教育でございますので授業料、入園料は要りませんが、この世代の幼稚園へ通わしている父兄の生活費の中でも相当の割合が幼稚園に必要な経費にかかっているということが言われております。 こういうような意味で、私どもこの補助金はやはり就園奨励に大きく役に立っているのではないかというふうに思っておりますし、ひいてはこれが幼稚園教育の普及と充実に大変寄与しているものである、こういうふうに考えております次第でございます。
○野末陳平君 まあそう思わなければもちろんこれはとても出せないからね、こういうお金は。だけれども、さっきの四百万円の年収があって私立の幼稚園に子供を行かせて、それで四万何千円というのはちょっとどうかなという気がするんで、あえて必要でないと言いたいわけですよ。まあ幼稚園教育も大事なことはわかりますが、これはまた義務教育とは違うので、事実建物とかその他かなりのあれを出しているわけですから。生活が苦しい、あるいはこういう負担軽減が非常に喜ばれているんだというような面もあるかもしれないけれども、これはちょっと補助金としては不適当である。まあ僕の意見ですよ。 もう一つ、これがまずいと思う理由は、そういう文部省当局の親心というかそういう意図とうらはらに、末端でこのお金をもらう人たちというのは意義がわかってないんですね。そこが実は一番の問題。園児一人当たりにどのぐらい出るとか、そういう数字はもう出しませんが、たまたま、これは実は知られていない。文部省、それはおわかりでしょう。わりと知られていない。つまり、幼稚園によってはよく知らない、あるいは知っていて勧める、お金返ってくるからと。つまり、一たん納めた保育料は高いけれども後から返ってくるとか、こういう形、いろいろあるようですね。で、とにかくもらえば得であることは事実なんでしょうけれども、知られていない。この知られていないところでこういう話がある。 さっきのは、これはちょっとおかしいというもらっている父兄からのはがきですが、今度は、これはある雑誌に出ていたんですね。国と地方自治体が幼稚園への就園を奨励する目的で補助金を出している。これを知っているのは意外と少ない。私もこの申請書をもらったけれどもほっといた。ところがほかにもらっている人から、収入が幾らでも補助が出るから、得だから申請した方がよいとこういうふうに聞かされて申請した。まあこれはいいですよ、いいんですが、ここから役なんだね。 私の申請書を一日見た園長が驚いて、これは最高額の十万円が出る、こう言ったっていうんですよ。ということは、私の源泉徴収票の欄に地方税ゼロとこうなっていた。このゼロは収入がないんじゃなくて、前年末に外国勤務を終えて帰国したため、同年での国内の収入額がごくわずか、したがって地方税ゼロ——これは特殊ケースですよ。だからこれを言ってるんじゃない、この後の方ですからね。地方税がゼロだったから最高額がもらえるということでしてね。この方は、かくて思わぬときに七万円、ということになっていますが、どうして七万円になったのかわからないんですが、まあいいんですが、七万円なりが転がり込むことになって、家族会議の結果妻と仲よく山分けすることにしたと。それで私のふところの半分の三万五千円は臨時収入だからたちどころにアルコール代——まあこれはおもしろがって書いているわけでしょうけれども、実態はそんなところじゃないかと思うんです。妻の方は洋服代になった、こういうことですね。 これは、結果的には家庭で負担したんですからそれが何に化けようがとやかく言うんじゃありませんで、知らない。で、思わぬ臨時収入。これが本来は幼稚園の就園を奨励してなんていうことはほとんどわからずにお金もらっている。それで最終的にこの方はどう言ったかというと、これに味をしめた私は、近所の奥さんたちにみんな申請書は出せと入れ知恵して回って、幼稚園によっては十分説明しているがそうでない幼稚園もあって、比較的これは気がつかないで無視している人が多い事実がわかった。収入いかんにかかわらず——ここは違いますね、この人は間違っていますね。収入いかんにかかわらず必ず幾らかの就園奨励金が受け取れるので、毎年この申請を楽しみにする奥さんもふえてきたし、近所の奥方も私を見る目が違ってきた。(笑声)これはこれでほほ笑ましい話かもしれないんですよ。 しかしながら、この程度にしか認識をされていないというこの就園奨励費補助金、これがどうなんですかね、私はもうどう考えてもばらまき補助金の典型ではないかと、こういう気がしてくるわけよ。だからもっと意図がわかって、もらう方もそれを体して、そしてこれがあなたがおっしゃる幼稚園教育の振興に前向きにプラスになっているということであれば必要だと言われてもまあ余りけちはつけたくないんだけれども、配る文部省とそして受け取る幼稚園と父兄の間に必ずしもその辺の意義がわかってない、そういうものが百四十五億円がなんか国からも補助金で出ていると、こういうことはちょっとこれはいかに文教関係の補助金といえどもおかしいという気がしてくるわけですよ。 とにかく、文部省は当局ですから余り私の意見に対して言えないんでしょうが、大蔵大臣、こういうものを大蔵省がなぜ切れないんですか。なぜというと変なあれだけれども、これまたあなたに一つずつ言わなきゃならないから、幾つもある、私自身の勘でもあるんですよ。だけれども言えないから、一つずつ委員の先生方にも聞いていただきまして、どうかという判断を仰いでいる。私が間違っているならそれでいいですよ。ただこんなのが何で残ってくるのか、これが補助金なのかと、こういう気がしますので、当局のまずこれを延々と残している理由などを含めてちょっと意見を聞きたいですね。
○政府委員(窪田弘君) この補助金には確かにいろいろ問題があると思います。 いま御指摘のようなまずばらまきであるということ、それからかなり高額者にまで行っている、それから四十七年にこの補助金が始まりましてもうかなりの時間がたっているというふうないろいろな問題がございますが、いま学校教育がかなり普及しまして、今度は就学前の子供の教育というものが重要だというふうな観点から、この幼稚園の就園奨励費に対する補助の要請が非常に強いわけです。毎年毎年予算額の足取りをごらんいただきますと二〇%、三〇%という大幅な伸びをしてきました。 しかし、私どもとしては、もう十年もたって地方の事務に同化していろんならば地方がやるべきだし、必要ないものならやめるという一遍ここで頭を冷やす必要があるということで、ことしは不十分であるとおっしゃられるかもしれませんが、これを前年同額に据え置いたわけでございます。これも要望が非常に強いものですからかなりの問題になりましたけれども、私ども今後文部省とも十分相談をしてこの補助金のあり方については十分検討していきたいと思っております。
○野末陳平君 私、公立のことは余り知らないんですが、私立など聞きますとやはり結構経営が大変だというところもあれば、それからもうかっているところもありいろいろでしょう。しかし、こういう補助金があって、結果的に父兄の負担を軽減できるというこれに甘えて幼稚園の方も結構保育料など入園料などいろいろなものを取るいい口実になっているのも事実なんですね。 だから未就学、いわゆる小学校以前の教育が大事だということはよくわかりますが、この形は好ましくない。ほかの形はと言われるならば、先ほどの建物の問題とか設備の問題であったらまあある程度はという気もして仕方がないんでね。何かこういう不得要領の補助金をやって父兄を喜ばしたところで何になるかという気もしてならないということで、大臣にも御意見を伺って次の問題に行かないと。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 大変ありがとうございました。 これはもう本当に、先ほども言っておるように負担は国民がするわけですから、その負担の大部分をこれからは所得税と法人税でしなければならないという情勢でございます。したがって、結局財源問題、負担をするのが嫌ならばやはりどこかを見直していくかということに当然これはなってくるわけでございます。そればかりじゃございません。牛乳一本で五円の補助金もございますし、それからかつては育英資金というのもあったけれども、近ごろは育凡じゃないかなという悪口まで言われるところまで無利息で八百億も出しておるわけでありますから、そういうようなもの、あるいはきのうですか、何か医科大学で国家試験には卒業しても四割しか受からない、一人百数十万円補助金というようなもの等全部ひっくるめまして、これは本当に国会全体で考えなければ大蔵省だけ責められましても何とも仕方がない。結局は法案が通らなければ廃止もできない、何もできないというものもたくさんございます。 したがって、国会全体の問題としてこういう問題は減税問題ともあわせて御検討いただければ大変幸いであると思います。
○野末陳平君 もう時間がないから、農水省も来ていただいたのですけれども、細かくやれないのでちょっと私の考えだけ聞いてほしいのですがね。 これまた農水省も絡んでいるけれども、文部省も絡んで学校給食ですけれども、これももちろん父兄にとっては重要な意味を持つ補助金なんですが、これが学校給食関係だけで学校給食設備整備補助金二十一億円、学校給食用物資流通合理化促進費補助金一億五千万円、学校給食用小麦粉供給事業費補助金五億円とかいろいろあるわけです。農水省の方にも学校給食用牛乳供給事業費交付金百六十八億円とか、例の牛乳が五円とかそういうこともあるんでしょうが、百六十八億円、こうなっている。 そうすると、学校給食に関する補助金がこんなに多種多様で要るというのは果たしてこれは効率が上がっているのかどうか、これがなぜ一本化できないんだろうかと、こういう疑問を持つわけですよ。結果的にはさっきは幼稚園の就園が父兄に意義がわからずに幼稚園経営者の方にむしろメリットがあるんじゃないかということを私は触れましたけれども、こういういろんな名目の補助金は結果的には業界補助というか、業界も大変なんだけれども、しかし本当に税金が生かされていると言いがたいような気がしてくるわけですよ。 そこで、もう時間がありませんから、この問題、文部省と農水省に絡まって学校給食関係の補助金がかなりあるが、これについて今後どういうふうにしていくつもりなのか。まだ足りないからふやしてくれというのか、見直すべきところがあるというのか、その辺を当局からお答えをしていただいて、時間が来ましたのでまた次の機会にやりたいと思います。
○政府委員(窪田弘君) 学校給食の補助金は確かに多岐にわたっておりますが、まず農林省は牛乳が主でございますが、これは牛乳の需要喚起というふうな面もありまして農林省になっているわけですが、これにつきましては今後競争原理を導入して一層効率的な実施を図るとともに、受益者負担といいますか、厳しい財政事情ですから受益者負担の適正化等、いろんな面から合理化を図ってまいりたいと思っております。 文部省の方は、これは施設の整備でございますとか栄養職員の人件費でございますとか、そういった個々にそれぞれ目的がありますものですから、これを頭から一本化しても結局分けるときには細かく別の態様で分けなければいけないかもしれないので、必ずしも一緒にすれば合理化できるというものではないように思いますが、確かにいまはやや多岐にわたっておりますので、今後検討してまいりたいと思っています。
○委員長(河本嘉久蔵君) これをもって昭和五十七年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、大蔵省所管、日本専売公社、国民金融公庫、日本開発銀行及び日本輸出入銀行についての委嘱審査は終了いたしました。 なお、委嘱審査の報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(河本嘉久蔵君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時五十分散会