商工委員会 第13号
- 発言数
- 161 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1982/04/22
会議録
○委員長(降矢敬雄君) ただいまから商工委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 去る二十日、大森昭君が委員を辞任され、その補欠として瀬谷英行君が選任されました。 —————————————
○委員長(降矢敬雄君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 中小企業信用保険法の一部を改正する法律案並びに小規模企業共済法の一部を改正する法律案の審査のため、本日、中小企業信用保険公庫総裁谷敷寛君、中小企業事業団理事長齋藤太一君及び同理事倉部行雄君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(降矢敬雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(降矢敬雄君) 中小企業信用保険法の一部を改正する法律案並びに小規模企業共済法の一部を改正する法律案を便宜一括して議題といたします。 両案の趣旨説明並びに補足説明は、すでに前回の委員会において聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○高杉廸忠君 私は、ただいまの二法の審議に関連をいたしまして、景気の状況とその対策、深刻な中小企業の倒産状況、その施策並びに対策、以下二法について順次御質問を申し上げたいと思います。 まず、景気の状況と対策についてお伺いをいたしたいと思いますけれども、生産、出荷の伸び悩み、収益の悪化などから企業経営者の先行きに対する懸念が強まっている今日でありますが、このことが設備投資の慎重化や雇用の手控え等をもたらす結果となっている。企業経営者の経営マインドは冷え込んでいるのが実情であると思います。ただ、大企業と中小企業ではその様相を異にして、たとえば日本開発銀行が本年二月に行った調査によりますと、五十六年度設備投資実績見込みは、工事ベースで対前比一二・〇%増と、伸び率自体は低下するものの四年連続の増加となっています。また、五十七年度の設備投資計画では、五十六年度実績見込み額十二兆四千億円に対して一一・二%増と堅調であります。しかし、これは資本金十億円以上のいわゆる大企業についての調査でありまして、約四十兆円の設備投資のうち約三分の二近くを占める中小個人企業の設備投資意欲は冷え切っていると思うのです。昨年九月に中小企業金融公庫が行った中小製造業の設備投資動向調査によりますと、五十六年度設備投資計画額は前年度比五・一%増であり、また五十五年度の実績増加率は三・二%と低く、大企業のそれが二〇%だったのに比べまして低迷していることを示していますが、このような状況をどういうようにお考えになっておりますか。通産大臣のまず所見を伺います。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 中小企業の景気動向はやはりいまお話がございましたように、内需回復の弱さを背景といたしまして、各種の調査から見ましても停滞感が非常に強い、こういうふうに心配をいたしておるわけでございまして、中小企業の経営者の間にも設備投資に対するところの意欲が見られない、これはやっぱり今後の景気に対する不安感というものがあるのじゃないかと思います。中小企業全体としては設備の更新時期にはきておると思いますし、そういう気持ちは経営者は皆持っているわけですが、いま申し上げましたような景気に対する不安感から思い切りがつかないということであろうと思います。 したがって 金利も長期プライムに比べますと低い水準にあるわけでございますし、あるいはまた、政府関係金融機関のいわゆる融資の額も相当充実をいたしておるわけですが、しかし、それに対するところの申し込み等がわれわれが期待しているような情勢になってないということでございまして、十月−十二月の経済指標でも明らかなように、七年ぶりのマイナス成長を日本経済全体としてもしたわけでございますので、やはりここでは将来に対する一つの明るい展望といいますか、見通しといいますか、そういうものが出ないと動いてこないのじゃないだろうか、こういうふうに考えるわけです。それだけに政府として上半期に諸政策を集中して景気の回復を図っていく、そうして下半期につないでいくということがいま大事な時期にきておる、こういうふうに判断をいたしておるわけです。
○高杉廸忠君 企業では設備投資の老朽化が進んでいると考える経営者がふえているわけですね。中小製造業では設備の年齢が七年を超えている企業の数というのは六割にも達しているわけなんです。三年間に更新投資をしたという企業は八割を超えていると言われているわけですね。潜在的な投資意欲は旺盛であるとは言え、これをどう実行に結びつけていくかがその景気対策の一つのポイントになろうかと考えるんです。その設備投資の具体化、特に中小企業のこれをどうするのか、政府の考えをひとつお聞かせをいただきたいと思うのです。
○政府委員(勝谷保君) ただいまも大臣から御答弁がございましたが、中小企業の設備投資につきましては、中小企業経営者の業況見通しが非常に悪いということでございまして、先行きに対する見通し難ということを背景といたしまして、最近におきましても先生御指摘のように、設備投資は低迷状態を続けているわけでございます。 この設備投資の背景でございますが、先生もいまお話がございましたが、私どもが調査いたしたところによりますと、約七〇%が老朽化をいたしておる、さらに九〇%は更新投資の意欲があるということでございまして、これは悉皆というか聞き込み調査でございますが、情勢がよければ実施をいたしたいというのが五〇%ぐらいございます。情勢を見ながらできるだけ早くしたいというのが三五%ありますし、何が何でも近いうちぜひやりたいというのは七%程度でございますから、業況がよくなければ、やっぱり何が何でもやりたいというのは一割程度にすぎないということでございます。 先生も御存じのように、中小企業を取り巻く環境はまことに厳しゅうございまして、新しい事態に対応するためにはどうしても新しい設備の導入をいたしませんと、特に最近のメカトロ化といいますか、そういう新鋭機械の導入は、国内における同業他社との競争上もどうしても更新せざるを得ないようなひしひしとした状態があります。にもかかわらずいまのように一〇%程度ということは、どうしても先行きに対する見方が弱いわけでございまして、私どもとしては、先ほども大臣から御指摘ございましたような、先行きに対する内需を中心とする経済運営を積極的に遂行していただくことが先決だと思うわけでございます。 先般来、公共事業の上半期前倒しの契約目標を大幅に引き上げることを設定していただきまして、さらに住宅建設の促進についても各種の施策の効果が期待されるところでございますので、このようなこと、さらには、今後の世界経済が逐次好転に向かうであろうこと等々を背景にいたしまして、現在の内需、外需ともに沈滞しておる状態がよくなるという先行きの兆しがあるならば、中小企業者も先ほどのような実態を背景に、設備投資も顕在化してくるのではないかと期待をいたしております。 その場合に、十分資金的に裏づけができますための用意ということが必要でございますので、これも先ほど大臣御指摘のような金融枠を十分確保するということで、この第一・四半期には政府系の中小企業向けの金融の枠は前年対比二二%アップという枠を用意しております。金利につきましても、他のものに比べまして、中小企業向けは〇・二%の差を設けておりまして、そのような顕在化に対して対応できるような枠と金利を用意しておるというのが実態でございます。
○高杉廸忠君 半導体素子の製造設備の法定耐用年数は七年とされていますね。現実にはその半分程度の年数で有税償却していかなければ企業は競争に勝てないと言われているわけですね。たとえばアメリカは昨年資本費回収法は成立させて、一〇%の投資税額控除のほか、減価償却資産の耐用年数を短縮して設備の若返りを図って、国際競争に打ちかとうとしているわけですね。わが国はこの現体制で今後の国際競争に打ちかてるのだろうかどうか、こう思うのですが、またその景気刺激の一つの方法としても耐用年数の見直しをすべきではないか、こういうふうに考えるんです。どういうふうに考えておられますか伺います。
○政府委員(豊島格君) 半導体は先生御承知のように先端技術分野の中核をなすものでございまして、技術革新の非常に激しいものでございます。したがいましてその製造設備も技術的陳腐化が激しいということは言うまでもございません。 そこで、いま先生おっしゃいました七年という耐用年数でございますが、一応半導体は七年ということになっておるわけでございますが、耐用年数を定める省令の第二条で別表第五というのを定めまして、素子数が百以上——現在の半導体というのは大体まあ百以上でございまして、十何万というところまであるわけですが、百以上のものにつきましては、昭和四十五年度から暫定的に耐用年数を短縮しておりまして、五十八年の三月末まで五年ということでございまして、七年の半分とはいきませんが、特別の措置をいたしておるわけです。 それで、こんなことでアメリカその他に対抗できるかということでございますが、一応現在までのところ、日本の製造技術といいますか、品質管理技術というのが非常にすぐれているということもございまして、たとえばいま先端を行っております六十四Kランダムアクセスメモリーといいますか、そういうものにつきましては、アメリカの市場の七割にも達するというようなことで、日本は優位を示して、やや問題にもなっておるようなことでございますが、もちろん今後アメリカでもこれに非常に力を入れてくるということでございますので、今後の耐用年数の見直し、五十八年の三月末にはこの暫定措置が切れるわけですが、その機会をとらえまして御趣旨に沿ったような感じで業界の実態を調べて検討していきたい、このように考えております。
○高杉廸忠君 経済企画庁が先般発表しました二月の機械受注実績によりますと、民間設備投資の先行指標である船舶それから電力を除く民需は、前月比四・一%増となっています。最近は小幅な増減を繰り返しているようですが、この動向をどう見ていますか、まず伺います。
○政府委員(植田守昭君) 機械受注統計は毎月出まして、いろいろと増減を繰り返すわけでございますが、私どもは最近の設備投資の動向といたしましては、大企業は引き続き相当堅調であるというふうに見ておりますが、しかしその増勢はどちらかといいますと鈍化しているという傾向になっているように思われます。一方、中小企業につきましては、中小企業の特に依存度の強い個人消費とか住宅関係等の低迷を反映いたしまして、なかなか設備投資が出てこないという状況でございまして、このことは先般通産局を動員いたしまして私どもも調査してみたわけでございますが、大企業と中小企業の破行性あるいはまた地域による破行性とか業種による破行性とかいうふうなことが出ておりまして、設備投資は特に中小企業において必ずしも芳しくないという状況というふうに考えております。
○高杉廸忠君 中小企業金融公庫の中小企業の景況判断によりますと、販売価格、在庫状況、採算状況、資金繰り、これらのすべてにわたって悪化したとする企業の数が増加していることを示しているわけなんです。中小企業の景気は悪くなる一方でありますが、大企業と中小企業の規模の格差ですね、これをどのように考えているのか、またこれに対する適応の策というものがあるのかどうか、格差問題に対する対応策、これらについてできれば大臣からの所見をもらいたいと思うのですが。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 確かにいま跛行性の大きい問題としては、大企業と中小企業の格差というものがあるわけでございまして、大企業でもしかし全部一律にいいという状況ではありませんで、加工組み立て産業は、これは貿易によって支えられて非常に伸びてきたわけですが、しかしこの加工組み立て型産業も、最近では貿易の不振と輸出の不振ということで少し問題が出てきたわけでございますが、一方大企業の中の基礎素材産業は、これはまあ第一次、第二次石油ショック後のエネルギーの高騰、さらに需要の低迷、こういうふうなことから、大変厳しい状況にあることは御案内のとおりであります。 堅調な大企業は設備投資等も大変進んでおるわけでございますが、反面非常に大企業の中でも悪い産業は設備投資等の余力が全くない、大企業の中でも跛行性はそういうふうにあるわけでございます。そして、中小企業に至ってはほとんど設備投資に意欲が見られない、こういうことでございますので、全体的に総観をすれば、いまの状況が続けばこの跛行性というものはさらに激しくなるのではないか、こういう心配があるわけでございますので、これに対する対策をここで進めなきゃならぬ。 基本的にはやはり国内の景気を回復せしめて、そして個人消費をふやしていく、あるいは住宅の建設等が進んでいく、こういうことが大事なことであろうと、こういうふうに思うわけでございまして、全体的にいま公共事業の前倒しを初め、いろいろなことをやっておるわけでございます。全体的にはそうした景気対策を総合的に進めていくということがまず大要であろうと思いますが、中小企業自体につきましても、いま国会で御審議をいただいた予算も成立をしたものですから、この予算、さらに財投等もフルにひとつ機動的に運営をいたしまして、中小企業のてこ入れというものを、これはきめ細かくやっていかなければならない、こういうふうに考えておりまして、特に非常にピンチに立っておるような、そうした中小企業、関連企業、そういうものに対しては、いろいろと制度的にも相当な充実した制度ができ上がっておりますので、こうした制度も活用して対応をして、とにかくいまの中小企業は支える、そして前向きにこれを発展させるということについて全力を尽くしてまいりたいと考えております。
○高杉廸忠君 先ほども設備投資のことでお答えをいただいて、景気がよければ三五%の人たちが設備投資をするという調査の御報告もいただきましたし、どうしてもというのは七%というようなこともお答えいただいたんですが、中小企業の場合、売り上げが先行き伸びるという見通しさえ立てばすぐにでも設備投資に踏み切る、こういうことは明らかだと思うのです。現状では手詰まり状態が続いておりまして、好転する時期が、これはいつなのかかいもく見当がつかないというのが本音だろうと思うのです。中でも小規模零細企業の間に不況感が強まっておりまして、深刻さを増していると言っても過言ではないと思うのです。また、中小企業は生活関連業種に集まっておりまして、個人消費依存率が高いことから、内需が盛り上がらなければ中小企業の景気は一向によくならない、こういうふうに思うのです。この点について内需の拡大、こういうものについて具体的にどういうふうにお考えになっておりますか伺います。
○国務大臣(安倍晋太郎君) いまおっしゃるように、大事なことはやっぱり中小企業の経営者に対してこれから先の一つの明るさといいますか、そういう展望を示すということが大事なことではないか、そうなれば中小企業自体には設備投資等行いたいというふうな気持ちが非常にあるわけですから、ずっとそうした設備投資が進んでくるんじゃないかと思いますが、その気分をどういうふうに出すかということですが、いま世界の経済情勢は御承知のように非常に流動はいたしておるわけですが、しかしアメリカにおいてもこの下半期ごろになれば、アメリカの景気もよくなるだろうというのが大体世界のいま通説といいますか、一般的な見方になっておるわけでございます。 これはまあ異見はあると思いますが、私もアメリカでも物価がだんだん落ちついてきておりますし、高金利政策が続いておりますが、いつまでもこれは高金利政策を続けてはおれないのじゃないかと、こういうふうな感じもいたしておるわけでございますし、中間選挙等もありますが、そろそろアメリカの景気も持ち直すんじゃないかというふうに判断をいたしておるわけですが、そうした世界の経済が少しよくなる、そういうことになれば、やはり日本経済についても一つの明るさが出る。 そういう中に日本経済自体において、これからの経済運営として内需振興に力を入れる。その柱は、現在の財政の状況ですから思い切った財政的な施策を行うということは非常に困難でございますが、とにかく上半期に公共事業を集中する、七七%以上の公共事業の前倒しを行う、あるいはまた上半期に住宅について、特に公的住宅について、これまで準備しております施策を強力に推進をしていく。 金融政策としてはなかなかこれはいまのアメリカの高金利政策が続いている間は、私はそう簡単に金利をさらに下げるということはちょっと不可能であろうと思いますが、これはアメリカの今後の金利動向を見ながら機動的に対処していくべきであろう、こういうふうに考えますから、そういまここで思い切ったことはできない、こういうふうに思うわけでございますが、まあまずいまの公共事業前倒し、それから住宅政策の推進、さらに非常に公共事業の前倒しをするにしても秋口からが不安だということになりますから、やはり秋、第三・四半期以後も何とか政府としててこ入れをするんだと、こういうふうな空気といいますか、方向が出てくれば、私はある程度の見通しといいますか、政府がそこまで内需振興に力を入れようという気持ちがあるということを、考えがあるということが中小企業者の間にも世界全体の景気判断とともに出てくるんじゃないかと、こういうふうに期待しております。 私は、政府がそうした指導的な立場に立たなきゃならぬと思いますが、しかし民間の設備投資等につきましても、できるだけの努力をしていかなきゃならぬと考えまして、実は電力関係業界にもお願いをしまして、五十七年度の電力の設備投資、これは民間設備投資の約一割を占めておるものですから、設備投資をひとつ推進をしてほしいという要請を繰り返しておりますが、電力業界も五十六年に比べると五十七年度は一〇%程度実質的に設備投資をふやす、こういうふうな方向が出ておるわけでございます。 その他、今回の春闘等で物価が非常に落ちついておりますから、実質賃金、実質所得等もプラスにようやく転じておるわけで、そういう面で今後の個人消費にも多少の期待が持てるようになってきておると、こういうふうに考えております。 その他、いろいろとでき得る限りの施策は講じまして内需振興を進めていくということがこれからのやはり中小企業の設備投資等に対する意欲をかき立てることにつながっていくんじゃないか、こういうふうに思っておるわけでありまして、内需振興については政府としては完全に一致をいたしておるわけですが、秋以降をどうするかというふうな問題についてはまだこれからの大きな問題として十分論議を政府の中でもしなければならない情勢にあるわけでございます。
○高杉廸忠君 次に、円安対策、これについて伺いたいと思うのですが、御承知のとおり最近は円安が続いております。輸出入物価ともじりじりと上昇をしてきている状況です。輸出比率の低い中小企業では円安のメリット、こういうメリットというものがあるかどうか、あるとしてこれを受けずに輸入素原材料の値上がり等によって打撃を受けるばかりである、こういうふうに思うのです。現に卸売物価はここしばらく安定はしていましたが最近は上昇傾向にありますし、これも円安の影響であると考えるんですが、政府として円安の対策というものがあるのかどうか。円安はいま大臣からお話しのようにアメリカの高金利政策によるものと、こういうふうに言われる、それだけでは対処のしようがないのじゃないか、こういうふうに思うのです。したがって、具体的に円安の対策、こういうものでどういうようにお考えになりどういうような対応策があるのか、これをぜひひとつお聞かせをいただきたい、こう思います。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 円安がわが国の経済においていろんな問題を惹起していることは御承知のとおりでありまして、これが貿易摩擦にもつながってきておるわけでございますし、日本経済の正常な発展を考えるときに現在の円安の状況がさらに進んでいくということは私は非常に問題があるというふうに認識をしております。特に物価について、いま物価は非常に安定をしておりますが、しかし卸売物価が御承知のように消費者物価に接近をしてきておる、こういうことはちょっと異常じゃないだろうか、こういうふうに思うわけで、何とか円安のいまの状況が改まっていくということが大切である。それには、基本はアメリカの高金利が何といってもこれが最大の私は要因ではないだろうかと思っておりますし、アメリカ側がこの高金利政策を改めるということが何より先決ではないか、こういうふうに存じております。 したがって、日本だけではなくてこれはEC諸国も恐らくサミット等の問題にもなると思いますが、口をそろえてアメリカに高金利政策の是正を求める、こういうふうになると思いますが、これがいまお話しのようにアメリカの高金利政策が円安のすべての原因では私はないと思います。その他いろいろあると思います。たとえば日本の資本の流出ということが相当な大きな原因にもなっておるように思うわけでございます。これは為替の自由化政策をとっておりますから、なかなかこれに対する対策というものはそう簡単に行うということはできないかもしれませんけれども、日銀当局等もこうした資本の流出というものに対しては相当警戒ぎみな立場をとっておりまして、何とかこれに対処をしなければならぬというふうに考えておられるようにも見受けられるわけでありますので、私は、やはりアメリカでできることはアメリカでやってもらわなきゃならないですが、日本でできるいまの過度の資本流出というものに対しては何らかの手を打ってもらいたいものだと、こういうふうに考えております。
○高杉廸忠君 電子化の進展で下請企業が受注する部品点数というのは減少をしている。それから納入単価は厳しく抑えられて、しかもかんばん方式の流行で在庫負担は中小企業にとって大きなおもしとなっていると思うのです。その上、大企業の中には経営合理化によって余った人手を活用するために印刷会社とかあるいは旅行の代理店、こういうものまでも、中小企業の伝統的な従来の活動分野だったところまで子会社をつくって進出する動きというのが非常に見られるのですね。第一次、第二次オイルショック後大企業のツケが中小企業に回され続けて、その負担の中で中小企業は現在腰が立たない、こういうような状況だろうと思うのです。今後この状況が早急に改められると思えないのですけれども、総合経済対策といい景気刺激といい、これからは従来とは質的に異なったものにしていかなければならない、こういうふうに思うのですが、これはどういうふうにお考えになりますか。
○政府委員(勝谷保君) 先生御指摘のように、メカトロ化が進んでまいりますと親企業と下請企業との関係が変わってくるという御指摘はごもっともだと思います。私どもが調査をいたしましたところによりますと、おおよその傾向を申し上げますと、現時点でも高加工度化が進んでおります重化学工業分野等々におきましては相当のメカトロ化が進んでおりまして、近き将来の調査をいたしましたところ、今後三年ないし五年後には約八割近い中小企業の方々でもメカトロ化をして対応せざるを得ないという感じでございますし、従来はほとんどメカトロ化が進んでいません軽工業分野におきまして五割とか四割をメカトロ化しなければ対応できないという実態でございまして、このメカトロ化が大企業でも進む、そしてそれに対応して下請企業にもそういうメカトロ化の要請が進んでまいります。したがいましてこれを受けまして親企業と下請企業との関連が大いに変わってまいることが予想されるわけでございます。幸いなことに現時点までの調査を私ども全体として申し上げますと、一つにはメカトロ化が進むわりには大企業は特定の分野をメカトロ化して相当分野を依然として下請中小企業に任しているというのが実態でございます。ただそれが従来どおりの下請企業に任すのではなくて、メカトロ化が非常に進んでいる中小企業に一括発注する、これが従来の横の中小企業がさらにその下の二次、三次の下請にやっているというような実態が見られるわけでございます。もちろん先生のおっしゃったような個別の業種、企業におきましては中小企業の下請分野が減るという問題もあろうかと思いますが、全体としてはいまのところそういう実態でございます。 ここらの実態も踏まえまして私ども今後の政策におきましては、先ほど大臣御指摘がありましたように、五十七年度の予算では下請対策につきましてはゼロシーリングの中ではございますが、幾ばくかの予算のアップをいたしております。下請企業につきましてはきめ細かなめり張りのきいた施策を展開していかなくちゃいかぬ、御指摘のとおりだと思っております。
○高杉廸忠君 東京商工会議所が本年三月時点で行った調査、これは御承知のとおりに下請中小企業の取引動向調査ですね、これによりますと、最近の経済情勢の低迷状態のあおりをまともに受けた下請中小企業における経済状態は大きく悪化しておりまして、特に経営上の問題点として受注の不安定、受注の減少を指摘する企業が大幅に増加しているわけですね。これは輸出の鈍化により自動車、電機などの加工型産業が生産抑制に転じて下請への発注を減らしている結果だとされていますが、そのほか下請企業の資金繰りは悪化傾向が強まっているし、製品納入単価も低下傾向が強まっていると、こう思うのです。この調査でもはっきりとわかるように、大企業、中堅企業のしわ寄せが下請企業に来ているのが現状であります。 こういう現状で、これは特に大臣からひとつ所見を含め、中小企業向けの激励も含めて、こういう現状についての大臣としての対策も含め、お伺いをいたしたいと思うのです。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 経済界の中にはそういうような、いま全体的には日本の経済のパフォーマンスがいいのだから、これはしんぼうのしどころだ、こういう考えがありますが、やはり景気の低迷が続きますと、どうしてもそのしわ寄せが、下請といいますかあるいは中小企業に寄ってくる、こういうことが否めないのじゃないかと私は思うわけでございます。それだけにやはり全体の景気を回復していくということが、これはもう日本経済全体だけではなくて、やはり中小企業の安定ということからも、私はどうしても必要だという基本的な考えを持っておるわけでございます。いまの情勢では確かに加工組み立て型産業も抑制措置をとる、それがどうしても下請にも及んでくるという情勢もいまの状況から言えば生まれておるわけでございますし、特に基礎素材産業なんというのは悪いわけですから、これの影響は深刻にあらわれておるということでございますので、この現実の状況の中で何らかの下請産業あるいは中小企業を守るための対策は講じていかなきゃならぬことは、これはもう至極当然のことでありまして、政府としても、先ほど中小企業庁長官も申し上げましたように、現在、成立をいたしました予算あるいは財投資金等をフルに活用して、こうした下請企業あるいは中小企業に対する防衛措置をこれからとっていかなきゃならぬわけです。 そこで大事なことは、そういう中にあって公共事業等を進めるに当たっても中小企業の官公需の枠を堅持していく、さらにそれを伸ばしていくということが必要であろうと思いますし、あるいはまた政府が積極的に下請受注量の確保のために、各都道府県に設置されておるところの下請企業振興協会があるわけですから、そうしたものを活用して下請取引のあっせん事業を機動的に行うように政府が指導を強化していくということも今後、いまの状況においては非常に大事なことではないだろうか。とにかく中小企業に仕事が回るようにいろいろの角度から政府としても最大の努力をしていかなければならない、そういうふうに考えております。
○高杉廸忠君 先ほど大臣は私の質問に対して、景気のてこ入れをするために五十七年度上半期の公共事業の七七%以上の前倒しを行う、こうお答えになりました。上期に集中させますと心配がある、どうしても下期にかかわる問題に具体的になるわけなんですね。下期については、いまのままですと公共事業は減少することになるんですが、一部には建設国債発行などを考えているような向きもあるし、現に聞くところによりますと、きのう何か公共事業の三兆円実現に向けての申し入れもあったやに聞いているんですが、言うなら下期の公共事業に思い切った方向で取り組んでいかないと、これはいまあるものは全部前倒しで上半期に使いますと、下半期の問題をどうも心配するわけなんですね。こういうことがいま直ちにどうこうと言えないにしても、方向だけはやっぱり親切丁寧に国民にわかりやすく、しかも安心ができるような、そういう不安がいささかもあってはならないと思うのですが、こういうような方向性についてどういうように大臣はお考えになっておりますか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) この問題がまだ政府の部内では結論が出ていないということでございます。これから検討をして方向を出さなきゃならない私はまさに重要な課題の一つであると、こういうふうに存じておりますが、上半期に公共事業をこれだけ集中するといっても、下半期の不安が残ればなかなか契約はしても実際的には事業が安心して行えないということですから、いま一歩やはり空気が出てこない。こういうふうに私は思っているわけで、やはり下半期も何とか支えていくのだという政府が一つの判断といいますか、方向を示すということは私は大事なことじゃないか。 建設公債という案もあるわけでございますが、いまの財政の状況からストレートに建設公債と言えるかどうか、これから大いに議論をしなきゃならぬわけでございますけれども、しかし、私は上半期に集中しても下半期が不安ですから、下半期の不安を取り除くために政府としては何らかの方向を示す必要があるのじゃないかというのが私の考えでございます。これは主張をしたい、こういうふうに存じております。
○高杉廸忠君 大臣に、不安のないように、先行き不安のない動揺のないような国民に向けてのきちっとした施策についてお取り組みを、ぜひお願いをしたい。 同時に国債、公債の発行も一つの方法でありますが、内需の拡大で先ほどお話がありましたようにある程度の私は減税も行って、個人消費を伸ばす方法で考えることも一つの方策であると思うのです。もちろん減税した分がすべて消費に回るとは考えませんけれども、少なくとも幾分かの景気刺激効果があるとこう思うのです。減税論議はこれまでも何回となく行われてきましたが、中小企業救済の観点からも減税を行って、個人消費をふやしていく。ひいては中小企業の景気の立て直しになるのではないかと、こういうふうに考えるんですが、減税についてはどういうようにお考えになっておりますか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 減税問題については、今国会の最大の課題として論議が尽くされておるわけでございますが、確かに減税をすれば個人消費が拡大をしていくということは当然予想されるわけでございます。しかし、財源との関係もあって、なかなか政府としても踏み切ることがむずかしい。しかし、国会でこの辺は十分論議をしてもらいたい、こういうことになりまして、現在大蔵委員会等で減税問題、五十七年度の減税をやるべきかどうか、こうした問題について精力的に論議が重ねられる、こういうふうに承っておりますので、そのやはり論議の経過あるいは結果というものを踏まえて、政府としては対処していこうと、こういうことになっておりますので、この論議の行方を私も見守っておるところでございます。
○高杉廸忠君 減税につきましても、いろいろ衆議院における取り扱い、参議院における予算審議の取り扱い等々もありますので、ぜひひとつ実現ができますように一段の御尽力をいただきたい、このようにお願いをする次第であります。 次に、大変細かくなりますけれども、倒産防止特別相談室の活動状況、これについて伺いたいと思うのですが、経営の悪化や手形不渡りなどによって倒産のおそれがある中小企業から事前に申し出を受け、経営的に見込みのあるものについては再建の方途を講じまして、見込みのないものについては円滑な整理を図る。こういうようなことから中小企業の倒産に伴う社会的混乱を未然に防止するために、全国主要都市の商工会議所及び県商工会連合会に倒産防止特別相談室、こういうものが設置されておりますけれども、その活動の状況についてお伺いをいたしたい。
○政府委員(篠島義明君) 倒産防止特別相談室でございますが、主要商工会議所及び都道府県の商工会連合会に、五十六年度までに百五十七カ所設置してございます。これにつきまして五十七年度はさらに二十カ所増設をするということを考えております。 相談受け付け件数でございますが、五十四年度が千百六十三件、五十五年度が二千四百四件、五十六年は四月から十二月までに二千二百四十九件となっております。なお、処理済み案件につきましてその状況を見ますと、金融あっせん等によって一応の倒産回避ができたとするものが六割強ぐらいに達しておりまして、かなり効果的な相談指導実績が上がっておるものと考えております。
○高杉廸忠君 後ほどで結構でありますから、資料をいただければありがたいと思います、いまの状況ですね。 次に、中小企業倒産対策緊急融資制度、これについて伺いますが、昭和五十五年度にこれまでの緊急対策でありました中小企業倒産対策緊急融資制度を恒久化し、中小企業倒産貸付制度を発足させていますが、その実績についてお伺いをいたしたいと思います。
○政府委員(杉山弘君) ただいま先生からお尋ねのございました中小企業倒産対策貸付制度の貸付実績でございますが、五十五年度、それから五十六年度につきましては二月末までの数字がまとまっておりますのでお答え申し上げます。 中小企業金融公庫、国民金融公庫、両公庫におきまして実施をいたしているわけでございまして、五十五、五十六年度、両年度とも両公庫それぞれ二百億円ずつ、合計四百億円の枠を確保いたしておりますけれども、五十五年度は両公庫あわせまして二百十四億円の貸付実績でございます。五十六年度につきましては二月末までの数字でございますが、百四十六億円ということになっております。 両公庫の貸付実績で眺めてみますと、やはり最近の景気の低迷の状態が中小企業でも、とりわけ規模の小さい中小企業の方々に影響を与えているようでございまして、国民金融公庫の貸付実績は五十五年度百十七億円でございます。件数が三千三百九十二件でございます。これに対しまして、五十五年度中小企業金融公庫の方は九十七億円、件数が六百三十六件でございます。五十六年度に入りましてからは、国民金融公庫の貸付実績の方も若干金額が落ちてまいりまして、六十八億円でございます。件数は千九百七十九件でございます。中小企業金融公庫の方は、七十七億、件数が四百七十三件、このように相なっております。
○高杉廸忠君 これも後で結構ですから、資料をいただきたいと思います。 次に、倒産防止に対する姿勢についてお伺いをいたしたいと思うのですが、高水準で推移する中小企業の倒産に対して、中小企業庁では昭和五十四年八月に中小企業倒産対策委員会、これを設けて、中小企業倒産対策のあり方について総合的な検討を行い、昭和五十五年七月に倒産関連法の問題点と改善方向についてとして報告が行われておりますが、報告が行われて二年もたつというのに抜本策は講じられないままに、いまだにその倒産に対してはいわば急場しのぎの対策にとどまっていると、こういうふうに感じられるんですね。二年もたっているんですから、具体的に倒産防止に取り組む姿勢ですね、私は、少しのんびりしているんじゃないかなと、こういうふうに感じるんですけれども、具体策について、取り組む姿勢についても、どういうふうな取り組みをされていますか、伺いたい。
○政府委員(勝谷保君) 先生いま御指摘がございました問題でございますが、中小企業庁の長官の諮問機関といたしまして、御指摘のとおりに昭和五十四年八月に設置されました中小企業倒産対策委員会、この委員会は中小企業救済の立場から見た、特に会社更生法その他の倒産関連法の問題点と改善方向について検討を行ったわけでございます。昭和五十五年七月に報告を受けております。 〔委員長退席、理事野呂田芳成君着席〕 この報告におきます骨子でございますが、会社更生法の運用と中小企業の救済、企業倒産に関する税務、このような諸項目につきまして広範な改善策が提言されておりまして、中小企業庁といたしましても実は最高裁判所、法務省、国税庁等の関係省庁に対しましてその提言の検討方を依頼したわけでございます。中小企業庁独自でできない問題の法的処理でございますので、このような検討依頼をいたしておるところでございますが、特に昨年の七月に最高裁判所に対しまして、会社更生法等の運用につきましては下請との関連等もございまして、保全処分解除の弾力的運用及び更生計画等におきます中小企業債権の保護等を内容とする要望を行ったわけでございます。さらに、会社更生手続開始の申し立ての通知等につきましても、地方の各通商産業局長と裁判所とが協力してできるような形をとってもらうというような要望をいたしました。 さらに、会社更生法等の案件につきましては、地方裁判所の協力によりまして倒産企業及び関連中小企業の状況等について迅速に相互に情報を把握できるようにいたすということにして、それはできるようになったわけでございます。 今後とも、中小企業倒産対策委員会の報告書の趣旨を踏まえまして、実現可能なものについては関係省庁に働きかけまして、中小企業庁の倒産防止対策の充実に努めたいということでございまして、いまの先生御指摘の点は、現実に中小企業庁が、倒産が起きましたときに発動するもろもろの具体的な施策が展開されております。その一つが先ほどの倒産対策でございますが、いろいろな金融措置、税制措置等もあるのですけれども、こういう法的な、裁判所等に求めることについてはいまのような実態でございますが、なかなか裁判所等が一つのアクションを起こされるには時間もかかりますので、粘り強く御相談をいたしたいと思っております。 ただ、現時点の倒産の実態でございますが、私どもとしては決して倒産が低い水準であるという認識はいささかも持っておりません。要警戒ということで、中小企業庁としては対処しているつもりでございます。
○高杉廸忠君 対策の充実に向けてぜひひとつ御努力をいただきたいと思います。 御承知のとおりに、一月と二月と小康状態にありました倒産件数、これは三月になりまして、長官、危機ラインと呼ばれる千五百件、これを突破しているわけですね。増加した原因及び企業規模等その実情、これをちょっとお伺いして、またこれまでの景気の下支えをしてきた輸出について本格的に落ち込みが出始めまして、個人消費の低迷、一時持ち直しかけました住宅建設にも再び赤ランプがつくような状況ですね。私はこういう状況のときに、やはり事実上の金融対策として、この資金需要が振るわないのかどうかですね、あるいは資金余剰感が浸透をして、何といいますか、倒産の状況がこの程度でおさまったのもこの金融の融資状況、こういうものがあるからなんだと、こういうふうにお考えなのかどうかですね。 それからこうしたことから私はやっぱり深刻な状態ですから金融対策が大きなポイントになると思うのです。したがって、金融対策ですね、これについてはどういうようなことで具体的に取り組まれるのかどうかですね、この点もあわせてひとつ伺いたいと思います。
○政府委員(勝谷保君) まず、最近の企業倒産の実態を説明さしていただきます。 五十六年度の企業倒産件数でございますが、一万七千三百九十七件、これはしょうけつをきわめました前年に比べますと四・四%の減でございます。 原因別に見ますと、販売不振、これが全体の四五・二ということでやはり景気不振、内需不振というところに一番大きな原因がございます。次が放漫経営ということで全体の二一・二%、これは、放漫経営と申しますのは、遊びほうけて経営を放漫にしたということじゃございませんで、計画その他が必ずしも需要にマッチしなかったというようなことでございます。連鎖倒産、これが全体の一〇・五ということで、連鎖倒産の比率が減っておるのが一つの特徴ではないかと、こう思います。赤字の累積でとうとうやむを得ず倒産というのが全体の八・二%というようなことでございまして、いまの数字で御了承賜りますように、最近の需要低迷を背景といたしまして、販売不振による倒産の割合が高いというのが実態でございます。また企業規模別に見ますと、資本金の一億円未満の企業、これが九九・八%でございまして、非常に高いということでございます。 さらに、五十七年の一−三月期の倒産件数を月平均で見ますと、千三百四十一件、これを原因別に見ますと、販売不振というのが四五・八ということでございまして、先ほどの四五・二に対して上回っておるわけでございます。放漫経営というのは一八・九になりまして比率を低くしております。連鎖倒産等が全体の一一・九、赤字累積が八・七ということでございまして、依然として販売不振の割合が圧倒的に高いというのが実情でございます。また、企業規模別に見ましても資本金一億円未満の企業が今度は九九・九%ということで、下に行くほど高くなっていくという実態でございます。 このような倒産の実態、先ほど先生御指摘のとおりでございますが、これに対しては不況感というのは従来にも増して強いわけでございますが、その中で倒産の実態が五十六年度全体でそれまで史上三位であった、さらにことしの一月に入っては史上の四位とか五位というような実態、この三月も千五百件でございますが、史上三位というような実態で一応史上最悪の事態にならない原因は何であるかということでございます。 これは御指摘のとおりに金融が非常に働いているということは言えるかと思います。したがいまして私どもも、中小企業の倒産を防止するために従来から政府系の中小企業金融三機関からの資金供給の円滑化を図っていくというところが一つの大きな施策でございまして、所要の貸付枠の確保は五十七年度の予算で五十六年に比べまして、ゼロシーリングの時期ではございますが、貸付規模は六%のアップを確保しておりますし、先ほども申し述べましたが、五十七年度の第一・四半期につきましては前年度実績比で二二%という枠を確保しておるわけでございまして、特に関連企業の倒産によりまして経営の安定に支障を生じている中小企業に対しましては、中小公庫、国民公庫の倒産対策の貸し付けを通じまして必要な資金を優遇した条件で貸し付けるような体制が整っておるわけでございます。このほかにも、中小企業体質強化資金の経営安定貸し付け、さらに倒産関連保証の発動等の各般の金融措置を講じたところでございます。 今後も、本日御審議賜ります法案が成立いたしますならば、適確に迅速に発動いたしまして対応するということによって倒産対策を進めてまいる予定でございます。
○高杉廸忠君 次に、信用保証協会の保証承諾態度を含めてちょっと伺うのですが、全国信用保証協会連合会がまとめました三月の保証承諾、これは債務保証申し込みの応諾ですね、速報値は件数、金額ともに前年の水準を下回っているんですが、これは現在の中小企業の後ろ向き資金需要が強いにもかかわらず、協会の応諾の態度が厳しくなっていることのあらわれである、こういうふうに指摘されているところですが、これでは何のために保証協会があるのか、存在意義というものを問われかねないと思います。この点について各協会に対し保証応諾についての適切なる指導を行うべきではないかと、こういうふうに考えるんですが、どういうようにお考えになっておりますか。
○政府委員(杉山弘君) ただいま先生から御指摘のございましたとおり、三月の保証応諾件数、金額ともに前年同月を下回っております。五十六年度、年度を通して見ますと件数では対前年度比九八・四%でございます、金額ベースでは一〇〇・六%とほぼ五十五年度並みになっております。これは先生いま御指摘のように、保証協会側で収支改善のために保証に対して応諾する態度を厳しくしているためではないか、こういう御指摘でございますが、私ども考えておりますところでは、昨年の後半以降、景気の回復の伸び悩みといった状態からむしろ中小企業の方々における前向き資金の需要というものが減ってきたということがまず一つ基本的に大きな原因ではなかろうかと思っております。 これは中小企業金融公庫及び国民金融公庫の貸し付けの面でも同じような傾向があらわれておりますので、特に保証協会だけが厳しくしているということの結果では必ずしもないのではないかというふうに考えております。ただ、年度の後半から前年度に対する伸び率が落ちてきております。私ども信用保証協会等に対しまして、現在までの信用保証制度における収支の状況がおもわしくございませんので、そのための改善措置をお願いしましたのが昨年の九月でございますので、たまたま時期的に同じになっているために、いまお話しのような御指摘があるのではなかろうかと思います。 私どもがお願いをしております収支改善策は、むしろ最近までの信用保険制度の収支が非常に悪いものでございますので、一部には保険料率の引き上げでございますとか、てん補率の引き下げでございますとか、そういった制度面の改正を通じて保険収支のバランスを図ったらどうか、こういう意見もありますので、われわれとしてはそういう制度面での改正というものは行うべきではない、むしろ保険制度そのものを現在どおり、場合によってはさらに改善をする、そのためにも当面起こっております保険収支上のマイナスをできるだけ改善をしていく努力をする必要があるのではないか、こういう観点からとったものでございます。 したがいまして、中小企業の方々が資金面でお困りの場合、それを一律に枠で締めるということは私どもの本旨とするところではございませんので、もしそういった点について御心配がございますれば、私ども従来も信用保証協会をいろいろの面で指導をいたしておりますが、今後ともその面で十分気を配って指導をしてまいりたい、かように考えております。
○高杉廸忠君 先ほどお答えいただきましたように、倒産防止についても充実をしていくという方向でのお答えもいただきまして、しかもその対策の一つとして金融対策も重要な柱である、こういうようなお話もいただきました。したがって、いま申し上げましたことも含めて、保証応諾につきましてはひとつ適切な御指導をいただきたい、重ねて要望をいたしておきます。 次に、本法案について、中小企業信用保険法の今回の改正案について、改正の趣旨一これはどういうものなのか、まず確認の意味でお伺いをいたしたいと思います。
○政府委員(勝谷保君) 現下の厳しい経済環境の中にありまして、わが国中小企業が健全な発展を遂げていきますためには、先ほど来お話がございます金融面での十分な対策を講ずることが必要であると考えております。このために政府といたしましては、政府系の中小企業金融機関の貸付制度の拡充とともに、貸付資金量の大宗を占めます民間の金融機関の資金の円滑な導入、これがきわめて重要であると考えておるところでございます。今回の改正は、このような観点から、信用補完制度の一層の拡充を図るために行うものでございます。 その改正内容の第一の柱は、中小企業が今後も健全な発展を遂げるためにはエネルギーコストの低減を図ることがきわめて必要でございます。石油ショック以来、中小企業はエネルギーコストの低減のための努力をいたしておりまして、私どもの調査でも幾ばくかの改善の結果が見れるわけでございますが、大企業に比べますればまだまだ省エネルギー対策、代替エネルギー対策は十分進んでおりません。さらに、中小企業の中でもコストに占めるエネルギーの比率が非常に高いという業種がございまして、この業種が将来も国内において発展していくためにはエネルギー対策等々はきわめて重要な現下の問題でございます。各種の対策を講じておりますが、特に省エネルギー施設または石油代替エネルギー施設の設置につきまして多額の資金が必要となるわけでございます。生産に直結しない分野での資金等も必要でございます。このために、中小企業の信用力を補完するための従前の保険制度とは別枠に、新たな保険制度といたしましてエネルギー対策保険を創設するというのが第一でございます。 第二は、冷夏、豪雪その他の突発的事由によりまして特定の地域の相当部分の中小企業者の経営の安定に著しい支障を生じている場合に、通常の法限度額のほかに別枠で利用できるような倒産関連特例保険の適用を受けられる中小企業者の範囲を拡大するということでございまして、東北の冷夏がございましたけれども、残念ながら法的には対応が不可能でございました。このたびの改正でその対応ができるということになるわけでございます。 以上、第一、第二の点を中心といたしましてこの法律の改正をいたす所存でございます。
○高杉廸忠君 お答えのありましたように、中小企業が今後健全な発展を遂げるためにはエネルギーコストの低減を図ることがきわめて重要である、これは言うまでもないのです。 そこで、中小企業に対するエネルギー対策、具体的にどういうような対策ということをお考えですか。
○政府委員(尾身幸次君) 現在、中小企業のエネルギー消費量でございますが、製造業におきまして全体のエネルギー消費の約三四%と大きなウエートを占めておるわけでございます。 一方、石油情勢は今後とも不安定な要素がございますので、中小企業経営の安定的発展を図りますためには中小企業のエネルギー対策を強力に推進する必要があると考えている次第でございます。 このため、中小企業におきます省エネルギー及び代替エネルギー関連の設備投資を促進するため、金融、税制上の措置を講じますとともに、診断指導あるいは技術開発等、各般の施策を従来から講じてきているところでございます。 五十七年度におきましては、以上の施策をさらに一層拡充強化する一方、新たに今回御審議いただいております法律改正によりますエネルギー対策保険を創設いたしますとともに、石油代替エネルギー設備投資に対します中小企業金融公庫の貸付金利を七・三%から五・一五%へと大幅に引き下げ、また関連技術関発のための補助金を大幅に増額する等、中小企業に対しますエネルギー対策を拡充強化することといたしている次第でございます。
○高杉廸忠君 新たな保険制度としてエネルギー対策保険、これを創設することとしているんですね。そうすると、エネルギー対策保険の条件はどうなっているんですか。
○政府委員(杉山弘君) エネルギー対策保険の要件でございますが、保険の引き受け限度につきましては、一企業当たり、一億円、組合の場合には二億円を考えております。この引き受け限度でございますと、従来私どもが中小企業金融公庫等でやっております貸付制度の実績から見まして、中小企業の方々の省エネ設備ないしは代エネ設備の利用のための設備資金需要に対する保証としては十分おこたえできるというふうに考えております。 それから、てん補率につきましては八〇%を考えておりまして、これは先生御案内のように、普通保険の場合にはてん補率七〇%でございますが、現在の保険制度の中で最高のてん補率を適用するつもりでございます。 料率につきましては、法案を通していただきましたときに政令で決めさしていただきますが、これも財政当局との間で〇・五五%という年率を考え、了解に達しておりますので、普通保険の〇・五七%に比べると、若干でございますが、優遇をさしていただいている、こういう次第でございます。
○高杉廸忠君 いま伺った点で私も本当に中小企業者にとって大丈夫なのかどうか、ちょっと心配があるんですが、それが一つ。 それから、エネルギー保険の対象設備を定める基準、これはどういうようにお考えになっていますか、あわせてひとつお伺いをいたします。
○政府委員(杉山弘君) 先生御質問の第一点の、中小企業者のニーズに本当にこたえるかという点でございますが、先ほどお答え申し上げましたように、てん補率とか料率の面では精いっぱい優遇をさしていただいております。 唯一もし御心配、御懸念が残るとしますと、引き受け限度の方であろうかと思いますが、これも先ほど御答弁の中で申し上げましたように、私どもは中小企業金融公庫等で省エネ貸し付け、代エネ貸し付けをやっておりますが、その実績を見ますと、一企業当たり一億円を超えるという貸出件数はごく例外的でございますので、一般的な場合にはこの一億円という引受限度で十分対処できるものというふうに考えております。 それから対象設備の方でございますが、これにつきましても、ただいまお答えいたしました中小企業金融公庫等でやっております貸付制度の対象設備をベースにして考えたいと思っております。また、技術の発展に応じまして新しい省エネ設備、代エネ設備等も出てまいりますが、そういった状況の変化に対しましては、機敏に対処できるように、追加的な指定等も十分やれるような措置を考えていきたいと思いますので、この点でも中小企業の方々に御不便をおかけすることのないようにというふうに考えております。
○高杉廸忠君 倒産関連保証を拡大したと、こう言うのですね。じゃ、どういうケースを想定されているのかどうかですね、それを伺います。
○政府委員(杉山弘君) 先ほど長官の御答弁の中で若干触れさしていただきましたが、従来の倒産関連中小企業者に対します特例制度は、全国的な不況業種か、ないしは取引先の企業が倒産ないしは生産制限をしているというような場合だけでございまして、具体的な例で申しますと、昨年の初めの北陸地方の豪雪でございますとか、東北地方の冷夏、さらには、さかのぼりますと、北海道の有珠山の噴火とか、和歌山県の有田のコレラ騒動といった地域的な要因で地域の中小企業の方々が経営不安に陥るという場合には、従来対応のしようがなかったわけでございます。従来の運用の経験を踏まえまして、こういう場合にも中小企業対策上看過できないような程度の被害、経営の不安定が生じている場合には、信用保険面で対応し、資金面から中小企業の方々の経営安定をお助けしようと、こういう趣旨で今回の改正を考えた次第でございます。
○高杉廸忠君 説明のありましたとおりに、ここにあります冷夏とか豪雪ですね、そういう点も一つあると思うのですが、その地域指定というもの、それから中小企業者の認定ということですね、それはどういうふうな基準でこれを行おうとするのか、この点も一つ伺いたいと思います。
○政府委員(杉山弘君) 具体的な地域等の指定ないしは中小企業者の経営不安定の認定の基準をどうするかというお尋ねでございますが、これにつきましては、法律施行と同時にもし事態が生じました場合には、措置が発動できるよう現在関係省庁とも協議中でございまして、まだいまの段階で具体的にこういうふうにやるという的確なお答えができないでまことに申しわけございませんが、いずれにいたしましても、先ほど御答弁の中で申し上げましたような過去の事例というものを十分頭に置きまして、そういったものが遺憾なく救済できますようなことを念頭に置きまして、この基準を考えさしていただいております。 それから中小企業者の経営の安定が害されているということにつきましては、すでに現在までの倒産関連中小企業に関する特例制度でも具体的な認定の基準をつくっておりますので、そういうものを頭に置きながら、今回改正をお願いしております点につきましての中小企業者の経営の不安定というものの認定基準を考えさしていただきたいと考えております。
○高杉廸忠君 次に、小規模企業共済法の改正に関連をして伺いたいと思うのですが、この制度の加入者について、その数がまだ満足すべき状況にあるとは言えないとして、五十一年八月の中小企業政策審議会の意見具申では、第三次長期加入促進計画、これを策定して、五十二年から五十六年度までの五カ年間に加入率を二五%百十五万件まで引き上げる努力をすべしと、こういう方針が出されましたが、結果的には目標達成ができなかった今日の状況ですね、その理由、それから第四次計画の策定というものがこれからあるのかどうかですね、あわせて伺いたいと思います。
○政府委員(勝谷保君) 第三次の長期加入促進計画でございますが、先生御指摘のように、結果としては必ずしも満足すべき状態ではないということでございますが、実は加入実績自体は加入目標件数を上回ったものでございます。ただ、在籍の件数が第三次長期加入促進計画の目標を多少下回ったという結果になったわけでございます。これは、本来の共済契約の目的でございます共済金を受給いたしましてやめる、これが本来の姿でございますが、これを若干、そういう方もあったんですが、そういう方々を上回る共済契約者が任意に解約する、または掛金が滞納になりまして、規定によりまして事業団の方で解約せざるを得ないというようなことになったわけでございまして、この任意解約と事業団解約、これによりますものによりまして、結果としては先ほど申した目標を若干下回るということになったわけでございます。 今後のやり方はどうするのかという御質問でございます。昭和五十七年度以降の加入促進につきましては、中小企業政策審議会の意見具申を踏まえまして、昭和六十一年までの五年間を計画期間といたします新しい長期加入促進計画第四次、これを策定いたしまして、小規模企業共済制度の一層の普及浸透を図ってまいるということでございます。この第四次長期加入促進計画におきましては、昭和六十一年までの五年間における加入目標件数を六十五万件としたい、このように考えているところでございます。 なお、第三次の欠陥を反省いたしまして、従来契約の解除が多かったことにかんがみまして、今後は、掛金を滞納している人につきましては、従来も督促状とか解除を予告する通知書を発送して注意を喚起したところでございますけれども、このような共済契約の解約を極力減らすよう努めますための努力を今後も続けていきます。さらに、任意解約につきましては、その実情につきまして十分新たな調査分析をしていきたいということでございまして、この分析結果をもとにいたしまして改善策を考えるということでございます。 御指摘のように、できるだけ小規模事業者の加入率を高めまして、この制度の恩典といいますか、利用を図るための努力を続けてまいりたいと思っております。
○高杉廸忠君 現行制度では、一口の刻みですね、これを五百円としていますけれども、物価の上昇、口数別の加入状況、関係者の要望等を勘案して、掛金月額の刻みが千円となるよう所要の措置を講ずることが適当であるという指摘もあるようですが、今回改正案にこの点が盛られなかった理由というのはどういうことなんですか。
○政府委員(篠島義明君) 現在の加入契約状況を見ますと、五百円単位での加入契約者が約三万件残っております。この方たちが増額あるいは減額される場合には、やはり今度は千円単位あるいは五千円単位で行われますので、依然として五百円刻みの範囲のものが残るケースが多いということがございますし、それから、事務処理上は現在の五百円刻みでやっておりますけれども、これをむしろ千円刻みにそろえてしまうと、その調整のコストが多少よけいにかかるということもございまして、現在の五百円刻みで特に支障もないし、事務処理上はその方がむしろ適当かというような判断もございまして現行のままにしております。
○高杉廸忠君 共済制度の普及と相まって事業団の業務上の余裕金の額も大規模なものとなった今日、現在の貸付限度額、これを引き上げてもらいたいという強い要望が聞き入れられて、前回の法改正のときに、掛金積立額の三倍程度を限度とする融資制度の創設をされたところですけれども、この制度を運用しているのは全国の約半数程度の県にすぎない現状なんですね。こういう現状、それから半数程度の県でありますけれども、その理由、それから今後の見通し、これらについてあわせてお伺いをしたいと思います。
○政府委員(篠島義明君) 先生おっしゃいました預託融資制度でございますが、これは契約加入者に対して特別の貸付制度を設けるという一種の還元融資制度でございますが、県によりましてはこれによらなくても別の同様の制度があるというような事情もございまして、残念ながらまだ半数程度の県のこの制度の採用にとどまっております。ただ、先ほど長官からもお答えいたしましたように、今後加入者数をふやしていく上において、こういった預託融資制度を県が積極的に創設あるいは活用していただくことは、PRという観点を含めまして非常にまたそれなりの意義があると思いますので、今後とも県と折衝いたしまして、未設置の県についてこの制度の導入を促進していきたいというふうに考えております。ちなみに、五十七年度につきましては、福岡県が新たにこの制度を導入するということで現在準備を進めております。
○高杉廸忠君 次に、国庫助成制度の拡大について伺うのですが、この融資制度は私は重要な柱となっていると考えるんですね。その貸付金利はできるだけ低い、低廉なものになることが望ましいと思うのです。そのためにも所要の国庫助成の措置を制度化して、利用者の利益増進を図ることによって本制度が五百万の中小企業者にとって必要不可欠のものになるようにすべきである、こういうふうに思うのです。ただ、いま検討されている特別貸付制度ではようやく国庫助成の道を開きましたが、助成の対象は災害融資の一部に限られているわけですね。今後、国庫助成対策の融資制度の条件の拡充、こういうものの用意があるのかどうか。これをひとつお聞かせをいただきたいと思うのです。
○政府委員(勝谷保君) 従来から即日貸し付けとして行っております一般の共済契約者貸し付け、それとただいま御議論がございました二十四県で行われております共済預託融資、これにつきましては、貸付金利が現在でも一般の事業資金を貸し付ける制度といたしましては遜色のない実態でございますので、特にこの時点で国庫助成を導入することによりまして貸付金利を引き下げたりすることを急ぐ必要はいまのところないのではないか、そのような要望もないわけでございます。 ただ、先生御指摘のように、今回新たに設けます傷病災害時の特別貸し付けにつきましては、共済契約者に特段の困難な事情がある場合でございますから、この実態を十分勘案いたしまして、貸付限度額を引き上げ、さらに金利等貸付条件も緩和するということにいたしているところでございます。 これに伴いまして貸し付けリスクも発生いたしますし、また貸し付けを実行するための経費の捻出も困難になること等から、中小企業政策審議会の意見具申を踏まえまして、目下の財政事情のもとではございますけれども、給付に対する国庫助成の検討は見送ることといたしましたが、この程度の、五十七年度予算において小規模企業共済制度の基盤強化等のための三十億円、これを中小企業事業団に対する一般会計出資ということで行ったわけでございます。その運用益を繰り入れまして、貸し付けリスク対策、事務コストの一部補てん等に充てることにいたしたわけでございまして、国庫助成と言いながらも、その内容はいささか先生お話しの点とは異にするものでございます。 なお、中小企業政策審議会の意見具申におきましては、将来の問題といたしまして、小規模企業共済制度に対し一般的な国庫助成強化の検討について言及しているところでございます。これにつきましても今年度も検討が進められました。その結果、現下の財政事情では困難である、引き続き今後財政事情好転の暁に検討する、またその制度導入は抜本的な本制度の見直しにもなりますので、改めて国会の御審議を賜るということになるんではないかと思っております。
○高杉廸忠君 この国庫助成対策の融資制度の条件の拡充についても、ぜひひとつ積極的に取り組んでいただきたい、これを要請しておきます。 それから次に共済事由の改善について伺いたいのですが、現行制度における共済事由の改善については、現段階では脱退残存者を抜本的に見直すことは制度発足後まだ日も浅いことから、当面許容の範囲内で改善をする余地がありはしないか、こういうふうに思うのです。特に第一として、今回の改正における加入後半年未満の掛け捨てをさらに改めて、掛金相当額まで支給してはどうか、こういうふうに考えるんですね。それから第二として、六十五歳以上でかつ十五年以上となっている老齢の給付の要件、その要件緩和についても今後の取り扱い、これをぜひしていただきたいと思うのですが、どういうふうになりますか、ひとつ御説明をいただきたいと思います。
○政府委員(篠島義明君) 共済給付の内容の改善でございますが、今回中小企業政策審議会でいろいろ御検討いただきましたところで、現在の共済の収支のバランスでございますが、今後の資産の運用あるいは共済事由の発生等を総合勘案いたしまして、現在の段階ではほぼ収支バランスしておるということに相なりました。今後はさらに、これまでの共済事由の発生率がどうなるかということと関連して、特に老齢給付金がこれは加入後十五年間たちますと請求できるということになっておりまして、給付要件が出てくる可能性がございまして、その影響がどうなるかを見る必要もございますし、その両方の意味合いにおきまして、今回給付内容を具体的に変えるということにつきましては、さしあたって掛け捨ての十二カ月を六カ月に縮めるということにとどまったわけでございます。 なお、この掛け捨てを六カ月以内でも掛金の範囲内では支払ってもいいではないかという先生の御指摘でございますが、これにつきましては、現在ほかの同様の趣旨でできております国民年金あるいは厚生年金、国公共済等におきましてもいずれも掛け捨てということになっておりまして、その期間も、国民年金あるいは国公共済は一年ということになっております。ここら辺とのバランスも今後ある程度考えていかなくてはならぬのではないかというふうに思っております。 それから、老齢給付要件の緩和でございますが、これも国民年金の場合は二十五年、厚生年金二十年、国公共済二十年ということになっておりまして、これとのバランスで申しますと、本制度におきましては一応十五年ということで要件緩和されておりまして、したがいまして、今後この給付要件の緩和につきましては、こういった他の諸制度とバランスも考えながら考えていきたいというふうに思っております。
○高杉廸忠君 今後予想される高齢化社会を最近の人口推計で見ますと、六十五歳以上人口の占める割合が、現在の九・五%から十年後は一一・六%、二十年後は一五・五%、ピーク時の昭和九十五年には二一・八%、こういうふうになることが予想され、そういう社会であるとしているわけですね。そのような社会を予想しますと、国民の老後の所得保障等すべて公的年金に依存するということは今後はますます困難になることも予想されるんです。本案の対象となります小規模企業者は、公的年金制度の上では国民年金に加入していると、こういうふうに思うのです。この小規模企業共済の老齢給付を老後の所得保障の中でどのように位置づけているのか、これが第一。 それから、公的年金との関連で伺うのですが、国民年金、厚生年金、こういうものの格差があるわけですが、こういうものについての問題としてどういうようにお考えですか、まず伺います。
○政府委員(篠島義明君) 先生御指摘のように、この制度が対象となります小規模企業者につきましては厚生年金保険の適用ができないわけでございまして、国民年金保険に入っておられるわけですが、厚生年金保険と国民年金保険の間の格差がございまして、厚生年金保険の方が有利になっておりますが、この小規模企業共済制度の老齢給付は、まさしくその格差を埋める意義を持っておるというふうにわれわれは理解し、位置づけております。 そこで、具体的にどの程度の格差があり、それを埋めるのにどの程度の具体的な役割りを果たしておるかという点でございますが、これは前提のとり方がいろいろ問題がございますのでモデル的に試算してみますと、これは前提のとり方によって結果がある程度違ってくる場合があるかと思いますけれども、現在の厚生年金とそれから国民年金、この差額につきまして、厚生省のとっております厚生年金の標準モデル計算によりますと、加入期間三十年で月十二万一千五十円という年金額になっております。これに配偶者につきまして国民年金加入が認められておりますので、これを同じ加入期間三十年とりますと、月五万六千四百円になるということで、両方足しまして十七万七千四百五十円の月額になります。それに対しまして小規模企業者の場合の夫婦とも国民年金に入っておるという前提で計算いたしますと、月当たり十一万二千八百円になりまして、この格差が月当たり六万四千六百五十円ということに相なります。一方、この小規模企業共済制度によりまして、これも標準的なケースを想定いたしまして、平均加入時年齢の四十五歳で加入し、二十年間掛金を積み立てて、平均的な引退年齢と考えられる六十五歳で退業して共済金を受給するということにいたしまして、その後、これまた平均余命である十四年間にわたって受給した共済金を生活資金に充てるという前提で現在の価格に割り戻しまして現在価格で計算してみますと、最高限度月額三万円で、五十二年から三万円になりましたので五十二年以降三万円という前提で計算いたしますと、月四万六千円ということになります。で、今回の改正案でございます五万円に引き上げますと、これが月六万五千二百円になるということで、 〔理事野呂田芳成君退席、委員長着席〕 したがって、先ほど申し上げました厚生年金と国民年金の差の六万四千六百五十円、おおむねこれを補う程度の額になっておるというふうにわれわれは計算しております。
○高杉廸忠君 この改正の老齢給付と他の公的年金制度との考え方の上での関連を具体的にちょっと聞きたいのですけれども、今回の掛金の最高限度額を三万円から五万円に引き上げることと、それから老齢給付の額の引き上げ、それから引き上げ幅、これはどういうのを根拠にされているのか、これが一つ。 それから、もちろん小規模企業者の老後というものは、所得保障の上で、公的年金制度やこの制度だけで完全に所得保障をされるべきではない、こういうふうに思うのですが、少なくとも小規模企業共済の老齢給付、この制度、これは他の民間の個人年金等の諸制度と比較して私は非常に有利にしていく点がなければならないと、こういうふうに思うのです。この点についてあわせてお伺いをしたいと思います。
○政府委員(篠島義明君) ただいま具体的に若干詳細にわたって数字を申し上げましたが、もう一度繰り返さしていただきますと、現在の厚生年金を受給できる世帯、これは御主人が厚生年金、それから配偶者が国民年金ということでございますが、加入期間三十年ということで計算いたしまして月額十七万七千四百五十円になる。それから一方、小規模企業者につきましては、夫婦とも国民年金ということで十一万二千八百円になる。給付格差月六万四千六百五十円になるわけですが、今回のこの改正で五万円に引き上げますと、平均的なケースで六十五歳になりまして老齢給付金をもらいますと月に六万五千二百円程度を受給できるということで、ちょうどこの差額を埋める程度の金額になるということでございまして、まあ月額の約十八万円というのが現在の生活実態から申しまして果たして適当かどうかという点については議論もあるかと思いますけれども、一応モデル的な計算ではじきますと、いま申し上げましたように、厚生年金と国民年金との差額については今回の月限度額の引き上げでそれなりに十分補っておるというふうにわれわれは考えております。
○高杉廸忠君 時間も迫りましたから要約して最後にお尋ねをしておりますけれども、加入促進のためのニューモデル導入等について伺いたいと思うのですが、物価上昇に伴う共済金の目減りを補てんするいわゆる物価スライド制の導入ですね、これが一つ。それから導入制についてはどうお考えになっているのか。あるいはその第二として、加入後の経過年数が短い場合でも相当の額の共済金を受給できるように、たとえば、より短期の貯蓄性の強い、こういう言い方がどうかわかりませんが、掛けどめ保険的な創設。三番目として、掛金に廃業保険に見合う部分ですね、掛け捨て部分ですね、こういうものに保険給付を行うこと。それから廃業色を強めた保険制度の創設、こういうものも考えていいと思うし、全般的改善の方途として利用者からの要望がきわめて強いところであると思うのです。この点について今後も加入促進を図るためにも常時私は検討していく必要があると思うのです。こういうことについて、私の指摘しました点も含め、政府の考え方をお伺いする次第であります。
○政府委員(勝谷保君) 小規模企業は全国事業所の中で圧倒的多数を占めるものでございます。御存じのように八〇%は小規模企業者でございます。わが国経済社会の安定の基盤とも言うべき役割りを果たしているところでございます。ところが、この小規模企業はその大部分が家庭と企業活動が渾然一体となった生業的色彩の強いものでございます。その振興を図るためには経営能力の不足を補いますとともに、経営者とその家族の生活基盤の安定を図ることが不可欠でございます。したがいまして、小規模企業の活力を維持、育成し、国民経済の健全な発展を図りますためには、小規模対策の一環といたしまして小規模企業者の生活基盤の安定を図るための方途につき、さらに一層の拡充が検討される必要があると考えているところでございます。その検討に当たりましては、中小企業政策審議会の意見具申がございます。これによりますと、小規模企業共済制度の拡充強化をこの小規模対策の重要な柱とすべしということになっておりますので、私どもも先生御指摘のような方向で考えたいと思っております。 ただ、最近におけるような行財政事情のもとでは、新たな制度を設けるということは、その実施態勢を図ることもなかなか困難であるわけでございます。したがいまして、今回の改正におきましては、御指摘のような点は十分考慮されながらもいずれも見送りまして、本日御提案申し上げているような内容のものを提案しているところでございます。しかし、この点については十分認識をいたしておりますので、いま御指摘を賜りました物価スライド制の問題その他につきましても検討を続けていきたいと、かように考えておるところでございます。しかし、いずれにしても相当困難な問題を内包しておりますだけに、ことし取り上げられなかったということも御認識を賜りたいと思っておるところでございます。
○高杉廸忠君 最後になりますが、大臣から決意と所見をいただきたいと思うのですが、私は本二法案の審議に関して、景気の回復あるいは中小企業の深刻な倒産防止、この具体的な対策、そして円安対策等々を含めて、幾つかの要望、要請も申し上げました。特に二法律案の内容の充実に向けても指摘をし、その要請も行いました。最後になりましたが、以上の点で積極的な大臣の今後のお取り組み、こういうことについての姿勢、御決意、これを伺いまして、私の質問を終わります。
○国務大臣(安倍晋太郎君) だんだんの御指摘をいただいたわけでございますが、提案をいたしております中小企業関係二法案につきましては、今後の中小企業の、さらにまた下請企業の零細企業の安定、発展を図るためにどうしても進めなければならない措置でございまして、われわれとしてはこの法律の改正は現在の中小企業を取り巻く厳しい状況の中にあってはぜひとも必要であると、こういうふうに考えておるわけでございますが、ただ内容につきましては、いま御指摘もございましたように、まだまだこれから検討をしていかなければならない課題もあると思っております。これは財政等の状況で十分な措置を今回講ずることができませんでしたけれども、今後の重要なる検討課題として引き続いて取り組んでまいりたい、こういうふうに思っておりますし、全体的に中小企業の振興を図っていくためには、先ほどから申し上げましたように現在景気の低迷をいかにして脱するかということで、政府としても上半期に全力を挙げて景気の安定、発展を図っていくためにあらゆる措置を講ずるわけでございます。 なお、中小企業につきましては、これまでの制度等も十分活用するとともに、成立を見ました五十七年度予算、さらに財政投融資資金等も機動的に運営をいたしまして、きめの細かい施策を行いまして、何としても中小企業を守っていかなければならない決意を持って、これから取り組んでまいります。
○委員長(降矢敬雄君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時三十分まで休憩いたします。 午前十一時五十八分休憩 —————・————— 午後一時三十二分開会
○委員長(降矢敬雄君) ただいまから商工委員会を再開いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 本日、井上計君が委員を辞任され、その補欠として栗林卓司君が選任されました。 —————————————
○委員長(降矢敬雄君) 次に、中小企業信用保険法の一部を改正する法律案並びに小規模企業共済法の一部を改正する法律案を便宜一括して議題といたします。 休憩前に引き続き、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○馬場富君 最初に法案について一、二質問いたします。 最初に、共済制度法案について質問いたします。この小規模企業というのは、工業等では従業員が二十人以下、あるいは商業、サービス業では五人以下の規模のものを小規模企業と言われておるわけでございますが、これは全産業における事業所のうちの約八割を占めておるというような状況でございますが、中小企業の中でも企業倒産の多発とか雇用条件の悪化等の問題が多く見られるのもこの分野であると思うわけですが、その問題点についてひとつ御説明いただきたいと思います。
○政府委員(勝谷保君) 先生もいまお示しになりましたように、小規模企業はわが国中小企業の八割を占める四百七十六万という事業所数でございまして、わが国経済の活力のもととしてすそ野に展開しております中小企業の中で八割を占めております。さらに、その一番すそ野を形成しているわけでございます。したがいまして、マジョリティーの形成という意味では、中小企業の中でも最も私ども期待をしている分野でございます。さらに、この小規模企業と申しますのは、経済的な活動の一つの推進母体でありますとともに、あわせて生業的と申しますか、家族的と言いますか、そういう実態もございまして、まさに経済活動と生活基盤とが一体となった分野でもございまして、経済合理性の追求とあわせて、社会経済性といいますか、福祉的な面といいますか、そういうものをあわせ持った温かい行政を必要としておる分野ではないかと思っているわけでございます。特に経済がこのように沈滞化しておりますときにおきましては、残念ながらそのしわ寄せは、最も数の多い、最もすそ野を形成しております小規模企業の分野に大きな影響がということになるものだと私どもも認識をいたしております。しかしながら、今後の日本経済の活力の根源は、先ほども申しましたように中小企業にございますし、中小企業の八割の分野を背負っておりますこの小規模企業の分野にあるということで、この分野の活力を活性化する、さらにそのための経営基盤を強化するということは、私どもにとって最も重要な施策の一つであると考えておるところでございます。五十七年度予算におきましても、御存じのとおりにゼロシーリングではございましたけれども、この分野に対する予算は七%のアップということで手厚く対応をしておるというのが実情でございます。いかんせん四百七十六万という大世帯、大企業群でございますから、必ずしも末端まで浸透していないということでございます。地方通産局、各都道府県の中小企業関係の方々と一体となって、きめ細かい指導を今後も展開してまいりたいと思っておるところでございます。
○馬場富君 本共済制度の加入状況を見ますと、五十六年度の加入件数は九万余であります。それから解除件数が三万余、在籍件数は百万余となっておるわけでございますが、約五百万の小規模事業所があるのに対して約二割の在籍しかないというのが現状でございます。本制度が有用なればもう少しやはり加入者がふえなければならぬのじゃないかと、こう私は疑問を持つわけでございますが、この参加率が低いのはどのような原因なのか、またこの推進についてはいかにお考えかを説明願いたいと思います。
○政府委員(勝谷保君) 小規模企業者が置かれております状況は千差万別でございまして、先ほど来申しております百七十万になんなんとする小規模企業者が必ずしもすべてこの小規模企業共済制度を利用されなければならないということではないと思っておりますけれども、この小規模共済制度は小規模企業対策の、生業と言っておりますか、生活の基盤を確保するための一つの重要な施策でございますので、私どもこの共済制度へできるだけ多くの方が入っていただくということが必要であるという認識を持っております。したがいまして、先生御指摘のように、百万程度では少ないのではないかということはいたく感ずるわけでございます。このために、五十七年度以降も制度の普及浸透には一層努力をいたしてまいりたいと考えております。特に、都道府県によりまして普及率に相当の差がございます。さらに、大都市地域においての普及率が低いというのも一つの大きな原因でございます。さらに、業種によって制度の浸透が比較的おくれているということ等がございます。以上のような原因の追求をさらに行いまして、積極的なPR活動を実施してまいりまして、いまの御指摘に今後こたえていきたいと思うわけでございます。
○馬場富君 ここで、第一種と第二種の共済契約の解約理由別に解約件数の割合を一つは示していただきたいと思いますし、またあわせまして、脱退者のうちの共済金の支給対象となったもの、あるいは契約手当金の支給対象となったもの、それから一年未満の脱退で掛金を支給されなかったものの件数を過去三年間について説明願いたいと思います。事業団の方。
○参考人(齋藤太一君) この制度が発足いたしましてから今年一月までの加入者の累計が百三十三万九千件でございます。それに対しまして解除いたしました件数が三十万四千件でございます。三十万四千件の内訳でございますけれども、大まかに申しますと、共済金を支給いたしまして脱退されました方が約十万件、それから解約という形で脱退されました方が約二十万件となっております。その二十万件の中で、加入者の方が自発的に申し出られて解約をなさったのが約五万件、それから滞納等の事由によりまして事業団の方から解約をいたしましたものが約十五万件ということになっております。それから任意解約されました五万件と事業団が解約をいたしました十五万件、合わせました二十万件の中の手当金が支給されないで脱退されました方が合計で約十三万件でございます。これらは大半が一年未満の加入期間でございましたために掛け捨てとなったという関係のものでございます。
○馬場富君 中小企業政策審議会の意見においても、昭和五十七年度から六十一年度までの五年間で加入件数を六十五万件と提言しておるわけでございますが、一年にすれば約十三万件になるわけです。過去の実績から見てこれは決して実現不可能な数字ではないと思うわけですが、これに対して各年の解除件数を何件と見ているのか。また最終的には六十一年度の在籍件数を何件と読んでこの計画は立てられておるのか、御説明願いたいと思います。
○政府委員(篠島義明君) 今回の六十一年度までの五年間で六十五万件を加入目標件数として設定しておりますが、この積算につきましては、従来の加入実績をベースにいたしまして大体十三万件程度の加入を見ておりますし、それからいろいろ金融機関あるいは業界団体等、加入促進に協力をしていただいている方たちの見込みから申しましてもこの程度の新規の加入件数は可能であるというふうに考えまして、努力目標ではございますが努力を大いにする必要はございますが、設定した次第でございます。 なお、今後の任意解約あるいは事業団による解約件数の見通しにつきましては、これはわれわれとしてはできるだけ、せっかく掛けていただいたことでもございますし、減額の制度等もありますし、何とかこの件数を減らすべく努力をしていきたいというふうに考えておりますが、具体的にどの程度そういう種類の解約が行われるか、したがって五年後の六十一年度における在籍件数が幾らになるかといった点につきましては、必ずしもはっきりした具体的な数字は持っておりません。
○馬場富君 五十五年度は、掛金、その他収入が千二百億円余、それから共済金、あるいはその他支出が百十七億円余、それから資産残高は四千億円余となっておるわけです。五十七年一月末現在での共済資産は五千億円余であるわけですが、今後の資産運用をどう考えておるのかという点と、また、現在の指標は望ましいと考えているかどうかと、この点でございます。
○政府委員(篠島義明君) 基本的に、この共済資産の運用につきましては安定的なかつ効率的な運用をやるというのが基本的な原則でございます。 なお、この制度が中小小規模企業者の共済制度であるという趣旨にかんがみましてその掛金について貸付制度、まあいろいろな形、今回も新たな特別貸付制度の道を開いておりますが、こういった形で還元をするということも考えなくちゃいかぬということでございまして、ここら辺の兼ね合わせにつきましては共済の収支の状況を見ながら、それからこういう還元融資制度に対する契約者の要望等を踏まえ、全体の共済資産が安定的かつ効率的に運用されるように今後とも取り計らっていきたいというふうに考えております。
○馬場富君 事業団は、加入者から集めた掛金を運用して収益を一つは得るわけですけれども、この共済契約者に還元支給することにそれはなっておるわけですけれども、全体として何%の利回りというのを考えておられるのかという点ですね。 それから財政資金の利回りあるいは国債の利回り等によって決定されると、このように私たちも見るわけですけれども、この利息の決定の方法というのはどのような方法で考えられておるかということと、国が行っている他の共済制度と比べてみての利回りの点についてはどのような差があるのかという点説明していただきたいと思います。
○参考人(齋藤太一君) 私どもの運用資産はどういう方面に運用するかということにつきましては、通産省の方でお決めいただきました運用先が決まっておりまして、それによりまして運用いたしておるわけでございますが、現在五千億強の資産がございますが、そのうちの約八割を金融債に、具体的には商工中金債に運用をいたしております。これは一つは、この資金を中小企業者に極力還元する、こういった意味もございまして、約八割を商工中金債に運用しております。それから約一割強が政府保証債、これは中小企業金融公庫債券を購入いたしております。それと国債を買っております。残りの一割弱がこの加入者のための還元融資の財源等に使われております。その結果と申しますか、一応資金運用の目安といたしましては六・六%の運用利回りを予定いたしておりますが、現実の利回りはこれよりやや高目の利回りに実績はなっております。 なお、他の機関の予定利回り等でございますけれども、国家公務員共済とか、あるいは農林漁業者団体職員の共済でございますとか、そういったところは五・五%の予定利回りというように承知いたしております。 私どもといたしましては、極力予定利回りがもともとかた目に想定されておりますので、これが達成できますように資金の効率的な運用に努めたいと考えているところでございます。
○馬場富君 この法案の最後ですが、共済制度というのはやはり中小企業や小規模企業者を守るための必要な私は制度であると思いますし、またこれは強力に推進していただきたいと、こう思っておるわけでございますが、これの運用に当たってはいろんな問題点もあるのではないか。そういう点で、機動的な運用やら、効果をねらった活用というのが私は必要だと、こう思うのです。そういう点で、たとえばこれと同じような例に倒産防止共済制度がございますけれども、こういう面につきましても制度を運用していく場合にもっともっと小規模や中小のそういう方々に活用しやすいような方向に一つは持っていく、そういう点では特にこの共済制度の問題については金融措置というのがかなり多いわけですから、そういう点ではいまある市中の一般の市民金融機関というものの組織を徹底的に使った効率化というのを考えながら今後の運用の拡大を考えていくということが一つはポイントではないかと、こう思うのですが、この点についての長官の意見をお聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(勝谷保君) 先生御指摘のとおり、この小規模共済制度、倒産防止対策制度につきましても政策審議会で幾つかの問題点が指摘されております。 現時点の財政の実態等々を反映いたしまして、現時点でできることをこのたび国会で御審議賜ることにいたしたわけでございますけれども、問題としては長期に残るわけでございますので、粘り強く検討を続けてまいりたいと思っております。 特に、先生御指摘の資金の運用の問題につきましては、御指摘の点も配慮いたしまして検討いたしてみたいと思っております。
○馬場富君 次に、信用保険法の点について一、二質問いたします。 この信用保険法の運用によって中小企業、特に零細企業というのは大いに救われておるという点についてはこれはもう適法でございますし、増額や拡大等についても強力にひとつお願いしたい、こう思いますが、それに当たりまして一つは事務の合理化の問題については、相当数以上の保証件数を処理する場合には、一部機械化が非常に進んでおりますけれども、まだ全体的には一般金融機関等から比べてみて機械化というのはおくれているという点がずいぶんあるんではないかということを私たちは実は見るわけでございますが、そういう点について、今後の機械化推進についてどのようにお考えになっておるか、御説明願いたいと思います。
○政府委員(杉山弘君) 各地にございます保証協会の事務合理化のための機械化の現状でございますが、従来から限られた人員の中で累増してまいります保証案件を処理するため、信用保証協会はそれぞれ機械化について努力をいたしておりまして、現在、全国で五十二ございます信用保証協会の中でコンピューターの導入をすでにし終わっている企業が大半でございまして、まだコンピューターの導入をしておりませんのは五保証協会を数えるまでになっております。こういった設置の協会につきましても、あと数年内にはコンピューターの設置を完了する予定とも聞いておりますので、コンピューターの導入に関します限りは、保証協会単位ではほぼ目鼻がついているというふうに申し上げられるかと思います。 ただ、もちろんこれでは十分ではございませんで、保証協会相互間なりあるいは保険公庫とのコンピューターの連携と申しますか、そういった問題、さらには最近はやりのオフィスオートメーションといったようなことも各保証協会内部で考えていただかなきゃいかぬ問題かと思いますので、こういう点につきましては先生御指摘にもございましたように、私どもこれから引き続いて各協会を指導し、そういう方向で一日も早く進みますよう努力をいたしたい、かように考えております。
○馬場富君 次に、やはり同じく事務の処理の問題で、今後信用保証協会はいわゆる経営ノーハウを中心とする各種情報の収集体制をとらなければ、これはなかなか拡大というのはむずかしいのじゃないか、こういう面の一段と強化というのが必要だと思うが、この点、やはり現状では私たちが見る目ではおくれておるという状況ではございますが、この点どうでしょうか。
○政府委員(杉山弘君) 先生御指摘のとおりかと思います。 私どももやはり各信用保証協会におきましては最近の情報化に対応いたしまして、情報収集能力の向上というものを図っていかなければならないというふうに考えております。 そのためには、やはりまず先ほど先生御指摘がございましたように、機械化を進めましてできるだけ人的な能力の余裕を出していくということがまず必要かと思います。その上、各保証協会で情報収集に当たられる職員の資質の向上ということもあわせて必要かと思います。この点につきましては、現在まで中小企業大学校におきまして、経営診断関係の研修をしていただいております。これに各信用保証協会の職員も参加をしておりますし、信用保証協会連合会におきましても傘下の信用保証協会の職員を集めて研修制度等も実施しておりますけれども、こういった点につきましても、今後、従来以上に努力をしてまいりたいというふうに考えております。
○馬場富君 最近、貿易摩擦の中で、中小企業の海外投資ということがかなり海外で歓迎されている面があるわけですけれども、そういう中小企業の海外直接投資事業について、中小企業信用保険法による信用補完を適用し得る、こういう対策というのが早急に私は望ましいのではないか、こういうふうに思うわけでございますけれども、この海外投資の施策を推進するためには経済的裏づけがなければこれは進まないと思いますので、この点はどうでしょうか。
○政府委員(勝谷保君) 中小企業の海外投資につきましては、最近では先生もいま御指摘いただきましたが、件数では約半数に近い件数を出しておるわけでございます。しかも、その海外投資の失敗例というのも大企業に比べれば中小企業の方が多いわけでございます。その意味で中小企業の海外投資が必要であるという認識を私ども持っております。さらに私ども最近は、中小企業も国際的な関連なくしてわが国の中小企業の発展はあり得ないという観点から、輸出入はもとより、海外投資の問題を重視いたしております。したがいまして、中小企業の信用補完につきまして、海外投資の場合についてどうするかということをかねてから勉強をいたしております。したがいまして、これについては既存の制度でできる範囲はどこまでであるかということの勉強もいたしておりまして、現時点でやっておりますのは海外貿易開発協会、これが無利子でいたしております。さらには日本輸出入銀行、商工組合中央金庫等によりましても、一部海外投資資金の融資が行われているわけでございます。 さらに海外投資リスクの回避につきましては、輸出保険法に基づきます海外投資保険、税制面では海外投資等損失準備金制度等々がございまして、これらにつきまして一応どこまでカバーできるかということの検討もいたしております。しかし、痛しかゆしの点もございまして、ずばりといりところにいっていないことも御指摘のとおりでございますので、海外投資特に中小企業の海外投資にかかわる信用力の補完のための信用保険制度の創設ということの検討を取り組んでおりますが、技術的に種々問題があるわけでございます。 一つには、信用保証協会の現行のものには海外事業に関しましての審査実績がない、さらに審査能力もないという問題もございますし、書面審査でやる場合に現地調査主義という現在の保証協会の実態とどうなるか、さらに海外で取得した資産を担保することが困難であるとか、もろもろのことがございます。大小さまざまなことの検討をいたしておりますが、なかなかこの制度に踏み切るのは、本日出しておりますような法律の一部改正ということではなくて抜本的な仕組みが必要であるわけでございます。検討はいたしておりますが、直ちにどうということは申し上げられないのが実態でございます。今後も引き続きこの問題の検討をいたしたいと思っております。 先ほども申しましたように、わが国中小企業が国際的な関連なくして生きていけないという実態でありますし、今後もその実態がますます進むということも認識いたしておりますので、今後の問題として検討さしていただきたいと思います。
○馬場富君 ちょうど信用保険公庫の総裁も来てみえるようですが、ここで最後に、やはりこの信用保険制度によって多くの中小企業の方々が利益を得ますし、また企業活動に活力を与えておるという点については重要な一つは分野でございますが、やはりこの実施に当たっては不況という現状下に立たされて、中小企業の方も厳しい経済状況のもとでやっておりますから多々いろいろな問題点がありますけれども、そういう中を乗り越えて、一つは窓口の事務のサービスやあるいは事務のスピード化というのでひとつこの大変な苦境というものを乗り切っていただきたい、こう思うわけでございますが、この点についての御所見をお伺いしたいと思います。
○参考人(谷敷寛君) ただいまの御質問につきましては、私どもも全く先生の御指摘そのままの精神でやっておりまして、信用保証協会とも密接な連絡をとりまして、依頼者の中小企業の方方にできるだけ便宜を供与するようにという方針できておるわけでございます。ただ、私どもは非常に心配と申しますか、関心の深い問題が一つございまして、それは御指摘のように景気が悪くなりますとどうしても事故率がふえてまいりまして、保険公庫の収支が赤字になるという問題が出てくるわけでございます。これを赤字を減らそうと無理いたしますと、保証協会の保証の窓口がきつくなるんじゃないかというような非難も出てまいりますので、いかにしてそういうふうな中小企業に対して御迷惑をかけないような方法で、しかも赤字を極力減らして円滑な保険を行うかということに私どもは日夜心を砕いておるわけでございまして、今後とも先生の御指摘のような方向で進んでまいりたいと思います。
○馬場富君 次に不況状況について二、三質問いたします。 五十六年度の倒産状況というのは、前年度比に比べて倒産件数も負債金額も実は減っておるわけでございますけれども、これまでの倒産の状況と比較が違っておる点は、非常にいままで倒産の例が少なかった衣食住等の生活関連事業においての中小企業の倒産が目立ってきておるというのが、この時点に立っての状況でございますが、この点についてはどのように理解をしてみえるかお尋ねいたします。
○政府委員(勝谷保君) 繊維産業、食料品業、住宅建設業、建売住宅業、不動産業等の、いわゆる生活関連産業の倒産件数を見ますと、最近におきます個人消費とか、住宅建設の低迷等を反映いたしまして、五十六年では八千四百四十九件でございまして、全倒産件数の四八%と高い割合を占めております。個人消費あるいは住宅投資の先行きが不透明な現状でございます。これらの業種に属しておられます中小企業の状況は依然として厳しいものがあるわけでございまして、私どももこの対策を最重点の一つということにいたしておるわけでございまして、国全体として行います政策もそういう方向で内需中心の政策が進められておりますし、公共工事の前倒し等におきましてもそういう関連が入っておりますし、中小企業対策もきめ細かくそのような対応を進めることにいたしておるわけでございます。 ちなみに数字を申し上げますと、史上最高の五十五年に比べますと、繊維産業、食品業はいずれも五十六年の方が低うございますが、建設業は五十五年の五千二百二十三件に対しまして、五千三百三十四件と上回っております。さらに、建売住宅業は六百二十三件に対して、六百四十九件ということで上回っております。 したがいまして、この先生御指摘のような実態は五十五年、五十六年ということでございまして、ごく最近の第二次石油ショック後の倒産の一つの実態ということではないかと思うわけでございます。
○馬場富君 特に、衣食住の問題の中でも、倒産はいままで余り例がなかったレジャーサービス産業等にもその状況が広がりかけておるわけでございます。たとえば旅館業で見ますと、五十一年度以降宿泊者の数は減っておりますが、最近では横ばい状況であるということに対して、大資本のホテル進出等の問題がありまして、客室等は増加しておるというような状況が出ております。これは明らかに可処分所得の減少がはっきりと示されておると、こういうふうに見るわけでございますが、こういうレジャーサービス産業等の倒産増加はどのように理解しておりますか。
○政府委員(勝谷保君) 五十六年度の企業倒産件数を業種別に見ますと、建設業が五千百七十七件で全体の二九・八%でございます。次が製造業の三千二百二十七件で全体の一八・五%、さらに一番大きなのは商業でございまして、これは消費に直結いたすわけでございますが、六千百七十九件で全体の三五・五%、サービス業等というところで、いまの先生の御指摘のものが入るわけでございますが、二千八百十四件で全体の一六・二%ということになっております。さらにこの中で前年度に対して件数がふえたのはサービス業のみでございまして、サービス業分野にまで不況の浸透が最近は影響を及ぼしているということになろうかと思います。このような実態をシェアで見ますと、サービス業の倒産のシェアは五十四年が一三・三でございましたが、五十五年は一四・六、さらに五十六年は一六・二とシェアが高まっております。サービス業分野に対する倒産の実態は先生の御指摘のとおりでございまして、サービス業分野というのは比較的零細な企業も多いわけでございますので、分野調整の問題、それに対する金融の対応等々をきめ細かく私ども進めてまいらなければならない、こう認識をいたしております。
○馬場富君 それと、これに並行してまた目立っておるのは倒産件数においても地域格差が非常に拡大しておるという点がやはり特徴になってきておるわけです。関東、近畿等では倒産件数が減っているし、東北、九州などでは増加しておると。これらの現象に対してどのような措置を考えてみえますか。
○政府委員(勝谷保君) 最初に、まず実態でございますが、五十六年度の倒産件数のうち通産局別の割合を見ますと、札幌通産局管内で五十五年度が九・五%でございましたものが、五十六年度は九・九%に上がっております。仙台通産局が六・八でありましたものが七・四に上がっております。四国通産局が三・五でございましたのが、四・三に上がっております。福岡通産局が一一・三%から一二・四、さらに沖繩が〇・九から一・二ということでございまして、北海道、東北、四国、九州、沖繩がいずれも五十五年に比しまして、五十六年度は倒産件数で比率を高めております。いずれもこの地域は、御存じのとおりに冷夏等もありましたし、災害等もありましたし、さらに不況産業が比較的展開している分野でもあるわけでございます。その他いま申し上げなかった分野が比較的加工産業、輸出等々で潤ったところではないかというような気がいたすわけでございます。したがいまして、このような地域は以前から公共事業が重点的に行われていた地域でございますが、御指摘のとおり、公共事業の前倒しによりまして、この対策を練ることにいたしたわけでございますけれども、このほかに先ほども申しましたが、不況産業の展開している地域でもございますので、不況産業対策を今後もきめ細かく進めていくという必要があるのではないかと思っているところでございます。
○馬場富君 次に、ここでこの不況の影響というのは政府系中小企業三機関に対する融資申し込みが昨年末から激減しておると、こういう状況が出ておるわけでございますが、この原因をどのように分析しておられますか。
○政府委員(杉山弘君) 先生御指摘のように、政府系金融機関におきます融資の申し込みが昨年の秋以降減少しております。この原因でございますが、昨年も前半は、むしろ後半以降景気が好転するという期待のもとに設備投資、その他前向きの資金需要がかなり出ておりまして、こういう傾向がずっと永続するならば中小企業の景気回復についても明るい見通しが持てるかというふうに判断をしておったわけでございますけれども、それが後半になってまいりますと、先ほど申し上げましたように融資申し込みは前年比で減少すると、こういう状態になっております。これは年の前半に出てまいりました設備投資を初めとする前向きの資金需要というものが、景気の先行きについての不安感、見通し難といったものを踏まえてかなりしぼんできたということに基本的な原因があるのではないか、かように判断をいたしております。
○馬場富君 中小企業の設備投資がいわば低迷する中で、設備資金の需要が落ち込むというのはこれは当然だと思うわけでございますが、運転資金の需要も落ち込んでおるという点に特徴があるわけですね。ここらあたりはどのようにとらえてみえますか。
○政府委員(杉山弘君) 先生御指摘のように運転資金需要も落ち込んでおります。運転資金需要の中にもやはり前向きの運転資金需要と後ろ向きの運転資金需要とがあるわけでございまして、運転資金需要が最近政府系関係金融機関で落ち込んでおると申しますのは、やはり前向きの運転資金需要、長期運転資金というものに対する需要が設備投資を初めとする事業の将来に対する拡大の見通しというものが得られないということで減っているというところに特徴があるのではないかと思います。逆に後ろ向きの運転資金需要は最近若干ふえつつあるということで、これもやはり景気の一般的な低迷というものを反映しているんではないかというふうに判断しております。
○馬場富君 ここで大臣にお尋ねしますが、やはりこのような現象というのは従来の状況とは非常に違った異常な経済状況だと、こういうように私はとらえるわけでございますが、この点どうでしょうか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 中小企業でいろいろと指標が示しておりますようになかなか情勢は厳しい、こういうふうに判断をしております。このままの状況でいきますとさらに大変なことになるんじゃないか、こういうふうに思うわけでございますので、全体的にとにかく景気の回復を図っていかなきゃならぬ、同時にまた中小企業に対しましてはきめの細かい対策を講じまして何とかして中小企業を守っていかなきゃなりませんし、同時に景気回復を図って中小企業全体を押し上げる、こういうことが必要であろうと思うわけでございます。特に融資の状況に出ておりますように、中小企業の経営者にやはり先行き不安感がありまして、中小企業自体としては相当な設備投資をしなきゃならぬような状況に来ておるわけですが、一歩踏み切れない、こういうことにあるものですから、これを中小企業の経営者が設備投資に対して取り組んでいくという、そのためにはやっぱり先行きに対して一つの明るさと申しますか、そういう展望が開けてくる必要があるんじゃないか、そういう展望を開けさせるための今後の政府の考え方といいますか、対策というものが非常に大事になってきておる、こういうふうに考えております。
○馬場富君 この不況対策の一つとして四月二十一日の参議院の物特で河本経企庁長官が中小企業の設備投資を促進するには長期金利を下げる必要があることを述べておりますけれども、この点通産大臣としてはどのようにお考えですか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) これは景気全体を押し上げるためにもできれば大変いいことだと思いますし、そういう状況が客観情勢が生まれることを私たちも心から期待をいたしておるわけでございますが、何と言いましても現在ではアメリカの高金利政策が続いておる、こういう状況で円が安いということでございますし、ですから、ここでもっていま日本だけが金利をさらに下げる、特に中小企業を下げていくということは、なかなかいますぐ右から左に踏み切れる情勢に私はないのじゃないか。しかし、アメリカでも私はいま物価が落ちついてきておりますから低金利政策に移行する可能性は十分あるんじゃないか、そういうような情勢も踏まえて、そういう情勢が生まれれば機動的な対策はこれはやっぱり講じていかなければならない、こういうふうに考えます。
○馬場富君 ここで規模別製造工業の生産、出荷指数を見ますと、まず生産指数については五十五年の大企業一五〇・七に対して中小企業は一三四・〇です。五十六年は大企業が一五八・一に対して中小企業は一三四・九です。一方、出荷指数については五十五年の大企業が一四一・八に対して中小企業は一三一・二、五十六年は大企業が一四六・三に対して中小企業一三二・〇で、規模別跛行性が顕著に一つはあらわれております。さらに規模別設備投資について前年同期比で見ると、大企業が五十五年から五十六年にわたってはほぼ五ないし二五%の伸びを示しておるのに対しまして、中小企業はゼロ−マイナス一〇%の間で維持をしております。その跛行性はさらにこういう点では顕著になってきておるわけでございますが、こうした跛行性はやはり中小企業の生産が約六割を個人消費に頼っておることからしてもはっきりとうなずけるところではないか、こう思うわけでございますが、この跛行性解消のために政府としてはどのように考えてみえるか。 いままでこの対策についていわゆる公共事業の前倒しだとか金利政策の点が先ほども述べられましたけれども、やはりそれにも増して、先ほど大臣がおっしゃいましたように、そういう一つは中小企業の方々に意欲を持たせるようなかじ取りが必要だということを大臣は言われましたけれども、そういう点につきまして総合的な経済対策、景気対策をやはりここでしっかりと考えなきゃならぬ時期が来ておるんではないかと、こう思うわけでございますが、通産大臣のこの点についての見解をお願いしたいと思います。
○国務大臣(安倍晋太郎君) いまお話しのようにやはり中小企業の場合は一つは個人消費が非常に大きな影響を持つわけでございますし、もう一つはやはり内需が大きな影響を持つわけでございますので、この個人消費の増加を図っていく、内需の振興を図っていくということが中小企業の安定、振興を進める上においては大変重要な私は課題だと思っております。 政府といたしましてもその辺は十分考えておりまして、内需振興につきましては現在の厳しい財政状況の中ではできる限りのことをしようと、こういうことで五十七年度予算で公共事業費の七七%の前倒しを上半期にやる、あるいは公的住宅を前倒しに集中して建設を進める、場合によっては先ほど申し上げましたような金利も含めた金融政策の機動的な運営を進めていくと、こういうことでいろいろなことをこれからやろうというわけですが、全体的に財政がこういう情勢なものですから、なかなかそれ以上の思い切ったことをやるいま環境にないということがわれわれとしても非常に何かもう一歩足らないというふうな感じは率直なところしておるわけでございますが、私は、いずれ政府全体としてもまだ結論は出ておりませんけれども、公共事業の前倒しをするとしてもやはり下半期がどうなるかということが不安でしょうから、そこで前倒しをしてもなかなか事業が活発に進まない、また、秋以降に対する不安が中小企業の皆さんにあれば設備投資も進まないということになりますから、前倒しをするに当たってもやはり下半期に対しても何らかの政府としての前向きの方向を打ち出すべきではないだろうかと、そういうふうに私は考えております。 これは政府の部内においてまだ結論が出ていないわけでありますが、近いうちに貿易摩擦対策も打ち出そう、その中の一環として内需振興というものを打ち出すわけでございますので、そういう中でひとつ議論もしなきゃなりませんし、ぜひともそういう方向へ政策を大きく打ち出していく必要があるんじゃないか、私はそういうふうに考えておるわけでございます。
○馬場富君 ここで、やはり不況の問題に関連いたしまして大臣にこの不況対策とあわせて、経済推進のために行革が持たれましたけれども、これはかなり長期を要するために財政措置はなかなかむずかしいという点が、一つはここ半年、一年の運営の経過でもってはっきりしてきたんじゃないか、そういう点でややもすると行革に対する消極的な考え方が出つつあるわけですけれども、先般も財界あたりではかなり不況対策に対する財政措置よりも行革をしっかりやれという意向もあるように思いますが、非常に私は経済運営の中で考えるべき問題は、行政改革そのものが本当に小さな政府、そして行政のむだを省きながらその効果というのが財政のために大きく反映されていくと、こういうための初めは行革の取り組み方であったわけですけれども、この実施というものが非常に結局は財政再建に焦点を置いてしまったために、行政改革というのは何か引き締めで景気が悪くなることのように認識されてしまったという点は、私は政府のかじ取りは大いに失敗ではなかったかと。だから、やはりこれで行革をもっともっと行うことによって景気対策にもなり経済対策にもなるという本来の考え方からして、それを外れたんではないかと。そういう点で、財界等の言われる、行革だけをしっかり進めていくべきだという考え方は、われわれも最初はそう思ったんですが、この時点に至ってはそれだけでは無理じゃないかという点が非常に懸念されるわけです。 そういう点で、やはり不況対策としても、先ほどお話が出ました前倒しや金融対策以外に、私はこの時点では、何がしか中小企業やそういう経営者たちを救うためにも財政措置が今後必要ではないか、こう思うのですが、そこらあたりの考え方をお聞かせ願いたいと思います。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 行政改革は、これは政府与党としても最大の課題として取り組んでおります。いま臨調で進めておられるわけでございますが、大変むずかしい問題、課題でありますが、何としてもこれは実行しなきゃならぬ。ただ、行政改革の場合は右から左に即効薬的にそれが直ちに財政再建につながるものではないのではないかと、こういうふうな私は気持ちを持っているわけでございます。 一方において財政は大変厳しい状況で、五十六年度も二兆円以上というふうな税収の赤字が出る。そうなれば、五十七年度もこのままでいけば三兆以上の税収欠陥が生まれることは、これは当然のことでございます。そういういまの財政状況を判断すると、やはり私たちはただ歳出を切り詰める、こういうことだけでなくて、財源の確保を図っていく、自然増収を確保していくということが大事である。それにはやはり景気の安定といいますか、政府の当初目標にしている五・二%程度の経済の成長は何とか実現をする必要があるんじゃないか、財政再建のためにもその必要があるんではないかと思っておるわけでございます。 同時にまた私たちは、景気がこのまま低迷をしますと、どうしてもそのしわというのが中小企業にかかってくるわけでございます。中小企業はそれでなくてもいま大変厳しい状態にある。さらにしわ寄せが中小企業に一方に集まってくるということになると日本経済の根幹が揺らいでくるということにもなりかねないわけでございますから、そういう意味においても、中小企業のこの厳しい状況を克服していくためにも景気振興策を講じていく必要がある、私はそういうふうに基本的に考えておるわけであります。
○馬場富君 ここで質問の方向を変えまして、通産省工業技術院が高度先端技術の研究開発や技術交流については国際的な開放体制を確立する方針を固めたと報道等では言われておりますが、この理由と具体的な内容について御説明願いたいと思います。
○政府委員(石坂誠一君) 本日付の新聞記事についての御質問でございますが、通商産業省といたしましては、現在の世界経済の再活性化ということに貢献するために、あるいはその他の点も含めまして先端技術分野の研究開発におきまして、もし国際協力になじむような分野がございますればその促進を図ることが必要であるということを十分認識しておるわけでございます。そして、その線のもとに所要の検討を行っておるわけでございます。 ただ、新聞に出ましたような内容につきまして結論が出たというわけではございません。現在におきましても、たとえば外資系の日本企業について申しますと、もし、研究開発を行う実体的な能力があれば、政府助成プロジェクトといたしまして参加をさせるということについて特別の差別は行っていないと確信しておるわけでございます。 それから、国の持っておる研究開発の成果についての問題がございますのですが、これにつきましては従来から外資系の日本企業はもとよりのこと、外国企業に対しましてもすでに開放するということを原則にしておったわけでございまして、たとえば、私ども傘下の研究所の成果というものが、米国の企業で大きく実用化されたという実例もあるわけでございます。 もう一つの点といたしまして、政府助成のプロジェクトにおきまして外国企業との協力という問題でございますが、これは具体的なケースに即し、ケース・バイ・ケースで協力の可能性あるいは妥当な協力の形態だということを十分検討していく必要があるんではないだろうか、ただいまのところそういうような状況でございます。
○馬場富君 この報道等の内容からしまして、政府は、一つは、今度の先端技術の開放の問題については、ベルサイユ・サミットに臨む市場開放の第二段としての考えの中にもこの構想があるやに聞いておりますが、この点、大臣かどちらでも結構ですが御答弁願いたいと思います。
○政府委員(石坂誠一君) ただいま、世界経済の再活性化ということについて大ぜいの、先進国各国そろっていろいろと検討したらどうだろうかという考え方が一つございまして、その中にもちろんこの技術の問題も含んでおりますし、その技術をどういうような形で協力することができるかどうかということを検討することも非常に大きな問題だろうというように認識しておるわけでございます。
○馬場富君 この計画の中には、ファインセラミックスだとか高効率分離膜材料とか、あるいは遺伝子組みかえ利用技術とかあるいは耐環境強化素子などの研究開発にも外国企業の参加が一つは考えられるというような報道もなされておりますが、この点はどうですか。
○政府委員(石坂誠一君) その点につきましては、最初に申しましたとおり現在ケース・バイ・ケースに考えるということで、もしそういうプロジェクトが国際協力に妥当であるということであれば十分検討してまいりたいと思っておるわけでございますが、現在のところまだ結論が出ているわけではございません。
○馬場富君 いままでの開発というのはやはり国内企業を中心の技術研究開発であったわけでございますが、転換して外国企業や外国政府そのものにも開放しようということが今回の趣旨だと、こう聞こえるわけでございますけれども、わが国産業あるいは輸出面についてもやはりこれはプラス、マイナスがこの点で出てくるのではないかと、こういうふうに私は思うわけです。その点については特に技術の秘密の問題だとかあるいは特許の問題等についても問題点がかなりあるんではないか、このように思うわけですが、この点についてはどのように考慮されておるんですか。
○政府委員(石坂誠一君) 御指摘の点はなかなかむずかしい問題が多々あろうかと思います。一口に申しますといわば自然科学的な研究につきましてはこれは各国協力して勉強していくことは当然のことでありますし、その方向でいまでも行われているかと思います。また工業所有権がすでに確立したという分野におきましては、これはもしその工業所有権を持っている企業あるいは国が、それを欲する国といろいろ国あるいはその国の企業と相談をしてそれをいわば技術の移転をするということもこれは問題はないところかと思います。 ただ企業にとりましては、研究開発というものは一つの大事な戦略でもございますから物によりましては外には出したくないということもあろうかと思いますし、そういうこと並びに国のいろいろな国益ということをよく踏まえてケース・バイ・ケースに十分検討する必要があるのではないかというように考えている次第でございます。
○馬場富君 ここで、それに関連いたしましてIC等の先端技術産業の育成振興について一、二点質問をいたします。 先般の新聞で、日本の先端技術産業がアメリカやあるいはヨーロッパの諸国からかなり批判の声が強いということを言われております。その中で三月八日の読売新聞等に先端産業に対する各国の助成策についての記事が出ておりましたが、これを見ますとやはり日本の国がこの点が強くて外国の方が弱いというのではなくて、かえって日本よりもアメリカの方が十倍にも及んでおる、あるいはイギリスやフランスや西ドイツ等については大規模なこういう産業援助が行われておると報道されておるわけです。そうするとやはり諸外国の日本に対する先端技術開発に対する批判というのはこの点からくると外れてくるのではないかとこう私たちは理解するわけですが、この新聞報道の情報が正しいのかそれとも通産省はこの点について助成策、日本と欧米諸国との助成策についての認識はどのように理解してみえますか。
○政府委員(豊島格君) 技術開発につきましては、先ほど先生御指摘の電子産業中心の議論のみならず広い範囲でございますが、経済社会発展の源泉であるという基本認識は各国とも持っておるわけでございまして、特にアメリカあたりではもう少し広い意味でナショナルセキュリティーということもあろうかと思いますが、従来からコンピューター、IC等については技術開発の助成に非常に力を注いでおるということで、新聞にございましたようにたとえば米国においてはVHSICというのですか、超高速集積路の開発に五年間で二億ドルの政府助成が行われておるという情報もわれわれ握っております。そのほかの点につきましても、これはなかなか外に公表されておらない資料からの分析も入っておるようでございまして、本当の正確なところはなかなか把握できないわけですが、大体あそこに出ておりますような程度の助成は行われている、そういう意味で決して日本だけがこの分野について助成をしておるということではなくて、外国、欧米諸国は日本と同程度ないしはうんと多い助成をしている、こういうことは事実であろうと思っております。
○馬場富君 先般三月九日から十日に行われました日米貿易小委員会においては、日本の先端産業について通産当局とアメリカ側とはどのような話し合いがなされましたか、この点御説明願いたいと思います。
○政府委員(豊島格君) アメリカ側からは、この分野における市場アクセス、政府助成のあり方等について非常に関心を持っておるというそういう表明がございまして、日本側からは市場はすでに十分開放されているということ等、その現状についての説明をいたしたわけでございます。またアメリカ側からは、先般安倍大臣が米側に提案いたしましたハイ・スタディー・グループに関する日本側の進捗状況について言及いたしましたのに対して、日本側からは早期に話し合う用意があるということを回答いたしておるということでございます。
○馬場富君 これは同じく先端技術の中でセラミックス技術開発について二、三質問いたしたいと思いますが、このファインセラミックスの研究開発については通産側でも力を入れられておるわけでございますけれども、わが国の技術水準と欧米諸国と比較してどのような状況下にあるか説明願いたいと思います。
○政府委員(志賀学君) 先生御案内のようにファインセラミックスと申しますのは近年国際的に非常に着目されております新しい材料でございます。このうち電気的な機能に着目いたしましたエレクトロニックセラミックスというような分野につきましては、これはすでにIC基板等において実用段階に入っているわけでございます。この分野におきましては日本の技術レベルというのは国際的に見てきわめて高いというふうに思っております。 また、特に最近世界的に着目されて重要視されておりますのが構造材としてのセラミックスの研究開発でございます。御承知のように従来構造材といたしましては金属材料が使われているわけでございますけれども、このセラミックスは金属材料に比べましてもろいとかあるいは加工がむずかしいとか、こういうような欠点もあるわけでございますけれども、金属材料に比べて他方高い温度に耐えるとかあるいは高い温度の中で強い強度を保つあるいは耐腐食性があるというような点、あるいは耐摩耗性という点において非常にすぐれておる。さらに資源的に申しましても金属材料に比べてはるかに賦存量が多い、こういったような長所がたくさんございます。そういうことから構造材としてセラミックスを使っていくという面の研究開発が世界的に進められております。 一般的に申しますと、アメリカあるいはヨーロッパにおきましては構造材としてのセラミックスの研究のやり方といたしまして自動車用ガスタービンの開発といったような一つのシステムあるいは用途、そういった面に着目しての研究の進め方ということをやっておりまして、これはアメリカにおいても西ドイツにおいても国も絡みましてかなり多額の助成をやりながら進めております。それに対しまして日本の構造材としてのセラミックスの研究の推進のやり方でございますけれども、われわれといたしましては、こういう欧米でやっているようなシステム指向型の研究開発のやり方というのはややもしますと材料面の壁にぶつかって挫折するということが往々あるわけでございまして、そういう面に着目いたしまして、工業技術院の次世代産業基盤技術研究開発制度の中におきまして、この製造技術あるいは評価技術あるいは応用技術いろいろな面から、その材料そのものの開発というアプローチのやり方で、現在研究を進めております。一言で申しますと、研究のやり方が違うということあるいは評価技術そのものが確立していないというようなことから申しまして、構造材としてのセラミックスについての技術レベルの比較というのはなかなか困難でございます。
○馬場富君 やはりこの技術水準については、私たちの聞く範囲では、アメリカや西ドイツに比べて明らかに日本はまだおくれておるということが認識されるわけでございますが、これは、一つはこのセラミックスの開発というのは材料革命だと私は思います。そういう点について、やはりこれにおいて一朝、時を失ったならば日本の産業は徹底的な打撃を受けるということも私たちは考えるわけです。そういう点について、ほかの問題とは違ってこの問題はかなり緊急な一つは研究開発が望ましいと、こう思うわけでございますが、この点について、日本の低下の原因というのは、各国の状況を調べてみますと、日本は民間企業が独自に研究開発を進めるというのがわが国のやり方でございますけれども、アメリカ等についてはエネルギー省だとかあるいは国防省、あるいは航空宇宙開発局とか、こういうのが、政府が巨額の資金を投入して研究開発を行っておるのがアメリカの現状でございますし、また、政府機関の宇宙研究開発等が大規模な予算を組んで民間の技術と開発を助成してやっておるのが西ドイツのやり方なんですね。 このようなそれぞれ国によって違っておりますけれども、かなり日本とは違って、国がこの面において力を入れておるということについては、やはり外国の方が力の入れ方が違う。日本のおくれというのはここらあたりに一つは問題があると、こう見ておるわけですけれども、やはりこれからの産業でこの問題だけは私は見逃すことのできない大事な問題だ、こう見ています。そういう点で通産大臣、ここらあたりの考え方はどうでしょうか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) ファインセラミックス、この新素材は新しい製品や新しい生産プロセスの基盤となり、応用範囲が広く、波及効果も大きいので、その研究開発はきわめて重要であると考えております。このような新素材は一般に既存技術の単なる改良のみでは実現をされない、長期間にわたる基礎研究の積み上げが必要でございます。このために通産省としては、昭和五十六年度に創設をいたしました次世代産業基盤技術研究開発制度におきましても、御指摘のファインセラミックスのほか複合材料、高分子材料などの新素材六テーマを取り上げまして研究開発を推進いたしておるわけでありまして、今後とも本制度の拡充強化などによりまして、産・学・官の能力を結集し、新素材の研究開発を一層強力に推進をしてまいる所存であります。
○馬場富君 工業技術院の方からこの研究と、いま私が質問した点について現場の立場として、いまの点、アメリカや西ドイツの技術の差と、研究開発に対する取り組み方についての日本とアメリカ、西ドイツとの差なんというのをどのように理解しておりますか。
○政府委員(石坂誠一君) 先ほども答弁の中にございましたんですけれども、外国の新技術について正確にそのレベルを評価するというのは大変むずかしいと思うのです。ただ御指摘のファインセラミックスの分野につきましてはアメリカの自動車業界も相当早くからエンジンの材料として勉強を始めておるあるいはドイツでも勉強をしておるということで、私どもはスタートの時点においては若干おくれをとったのではないだろうかというように実は心配をしておったわけでございます。そういうことも含めまして、将来のたとえば十年、二十年先の新産業を担う新しい技術をできるだけ早く国の力で国がお金を出して、そして民間の研究活力とあるいは国の研究所の能力と大学の先生のお力を結集して進めようというのがこの次世代産業基盤技術でございまして、その一つの重要なテーマといたしまして、このファインセラミックスの問題も取り上げたと、こういうことでございます。私どもの感じといたしましては、大変研究者あるいは会社の技術者等も御熱心でございますので、いまやっているようなペースでうまくいけば必ずやかなり早い時期に、ドイツあるいはアメリカのレベルには到達するしあるいは追い越すことも可能だろうという確信のもとに勉強をしておるわけでございます。
○市川正一君 法案に即してまずお伺いいたしますが、今回の小規模企業共済法の改正は中小企業政策審議会の意見具申を受けて提案されたものと思います。その中に将来の検討課題として残されたものもあるわけでありますが、今日、長期にわたる不況の中で、小規模企業の経営が非常に深刻な状態になっておりますときに、この共済制度に期待されるところはきわめて大と言わざるを得ません。そこで残された課題として指摘されているところの共済金の分割支給、いわゆる年金化であります。また掛金月額の減少があった場合の共済金等の額の算定方法の見直し、高額医療費補てんあるいは財産形成等小規模企業者の家庭基盤の安定のための共済制度の新しい展開などがございますが、これらの課題はいま検討はどういう状況に至っておるのか、また法案は五年ごとに見直すことになっておりますけれども、次回の見直しまでに結論を見出すことになっているのか、ここらのところをまずお聞かせ願いたい。
○政府委員(勝谷保君) 先生いま御指摘がございましたように、今回の法案を提出するに当たって、中小企業政策審議会で御検討を賜りました。その意見具申の中には第一に共済金の分割支給の問題と、掛金月額が減額されたときの取り扱いの問題、さらには小規模企業共済制度の新しい展開の問題が指摘を受けております。したがいましてこれらの問題は、私ども今後この制度を中小企業、特に小規模企業政策の大きな柱として位置づけていきますためには、引き続いて検討をいたさなければならない問題だと考えているところでございます。 ただ、それぞれ指摘をされながら、このたび出せなかった意味がありまして、たとえば共済金の分割支給につきましては従来から要望があったところでございますけれども、他方、これを実施した際には、共済金の受給者を長期にわたって把握していく必要がありますので、事務処理体制の整備が不可欠でございます。したがいまして、このために必要な予算措置を伴う必要がございます。ここらが、果たして人員増とか機械化に必要な予算等々が十分確保される見通しが必要でございます。さらに分割給付に対する税制上の扱いが十分なされないでおきますと、これは小規模企業者にとって魅力のないものになってしまいますので、それに対する手当てについても十分やっておく必要がございますが、これらの二つの点については現在の行財政事情のもとでは、困難な問題が多いわけでございます。しかし、この共済金の分割支給への要請が、今後加入期間が増加してまいりますので、多額の共済金を受給される人が生ずる、また老齢給付の支給が本格化するというような状態になってまいりますので、この要請は強まります。したがいまして、今後ともその実施をどのようにするか、この実施体制をどうするかということを具体的にやらざるを得ない事態になることは明らかでございます。 そういう意味では、先生のおっしゃるように、五年後にやるのかということになりますと、そこらは受給者の状況等を見定めてやらなければなりませんが、五年後には必ずこの制度を新たにつくってお出ししますということを申し上げる実態にもないことを御披露いたしたいと思います。 減額の問題等につきましても、いま申しましたような幾つかの問題点がいずれも指摘をされておりますので、五年後の時点で改めてその時点の検討の経緯を御披露するか、まとまったものについては御提案申し上げるということになるのではないかと思うわけでございます。
○市川正一君 私の意見と要望としては、この必要性は肯定的立場でおっしゃっているわけですから、ぜひ実現の方向での具体化を一日も早く促進していただきたいということをこの際要望しておきたいと思います。 次に、中小企業の信用保険法の改正問題でありますが、拝見しまして、まず、エネルギー対策保険の対象機種の選定に当たって、中小企業者が広く利用できるようきめ細かくかつ前広に選定する必要があると思うのですが、この点はいかがでしょうか。
○政府委員(杉山弘君) 新しく新設をお願いしておりますエネルギー対策保険の対象設備についての御質問でございますが、先生ただいま御指摘になりましたような、中小企業のエネルギー対策を推進するという観点からはできるだけ幅広く、前広に指定をしたいというふうに考えております。 各地の信用保証協会等の仕事をやります上で、具体的に指定をするということが必要かと思いますが、一たん指定して、それにとらわれますと、新しく技術開発等が起こりましたときに、新しい対象設備が出てきて動きがとれないということになっても困りますので、そういうときには機動的に対象設備の追加ということもあわせて考えていきたいというふうに思っております。
○市川正一君 さらに、倒産関連特別制度の充実の問題が出ておりますが、災害等突発的な事由によって経営安定に支障を生じている中小企業を可能な限り広く対象にできるように、特定の地域の設定、また特定業種の選定に当たってはきめ細かい配慮が必要だと思うのですが、その基準設定の考え方ですね、これをちょっと伺っておきたいのですが。
○政府委員(杉山弘君) 先生ただいま御指摘になりました倒産関連中小企業者の特例制度の拡大について、対象となる特定地域ないしは特定の業種、どういう基準で指定するのか。またそういった突発的事由で中小企業者が経営に不安定を生じているかどうかというところの認定をどうするかといった基準につきましては、現在法律の施行に備えて鋭意その具体化のために内部で検討しているところでございます。こういった基準を検討するに当たりまして私ども頭に置いておりますのは、今回改正をお願いしております特例制度の拡大は従来幾つかの具体的な事例があるわけでございます。私どもが今回の改正をお願いしました際に頭に置いておりましたのは、五十六年初めの北陸地方の豪雪でございますとか、五十五年の東北地方の冷夏、さらには宮城沖地震とか有田のコレラ騒動とか、有珠山の噴火とかいったようなものでございます。一応、そういう過去の事例を頭に置いてそういうものを網羅的に指定できるような基準にしたいということでいま考えております。 それから、従来の倒産関連中小企業の特例制度の運用基準でございますと、中小企業者の事業活動に支障が生じているかどうか、経営が不安定に陥っているかどうかということにつきましては、たとえば過去の一定期間、三カ月の実績をとってみて、それが前年の同じ時期に比べてどうなっているかというような判断をしておったわけでございますが、今回私どもが考えております突発的な事由の場合には、そういった被害の実績が出るまで待つということになりますと、あるいはタイミングを失するというようなおそれもなきにしもあらずということでございますので、ある程度その突発的な事由の発生から期間をとって、その間の実績は当然参考にいたしますが、その影響が将来にわたってどの程度まで続くかという、ある程度の見通しも含めて判断をするということにしたいと思っておりますので、そういう点に関しましては、むしろ従来の倒産関連中小企業に関する運用よりは若干緩くなる、被害の判定、事業活動に対する支障の判定という意味では緩く運用するということになろうかと思いますが、そういう点を含めまして現在検討中でございます。
○市川正一君 わかりました。 この両法案との関連で、去年の九月に大蔵省の銀行局長と中小企業庁長官の連名で出されました「中小企業信用補完制度の健全な運営について」という通達がございますね。これについてちょっとお伺いしたいのでありますが、この通達が出された背景には、代位弁済率の上昇だとか回収率の低迷だとか、こういった中小企業信用保険公庫の保険財政の悪化があると、こう思うのでありますが、しかし、この保険収支が赤字になった原因は、七三年のいわゆる第一次オイルショック以降続いている長期的な不況で企業倒産が非常に高水準でずっと続いているということの反映であって、この中小企業の信用補完制度そのものの欠陥ということよりも、むしろそういう事態を引き起こしているところのいまの政府の経済政策にこそ問題があると思うのであります。ですから、保険料の引き上げとかあるいは保険てん補率の引き下げとか、こういう制度上の改悪を図るべきでないと、こう私は思うのでありますが、この点いかがでしょうか。
○政府委員(杉山弘君) 先生御指摘のとおり、昨年の九月、大蔵省と連名で通達を出しております。その背景も先生御指摘がございましたように、保険公庫の収支の悪化という事情がございました。五十一年度から五十五年度まで保険収支面におきまして中小企業信用保険公庫、二千億円を若干下回る累積損失を出しております。そのために、一部には保険料率の引き上げでございますとかてん補率の引き下げですとか、制度面をむしろこの際改めるべきではないか、こういう主張がございます。 私ども、保険収支と申しますのは、十数年にわたっての長期を要して判断をすべきことなのであって、短期的な赤字ということで軽々しく制度に手を触れるべきものというふうには考えておりませんし、最近収支が悪くなっております背景には、先生も御指摘になりましたような全般的な経済の不振、景気の低迷といったことがあるのも事実でございます。 ただ、一方では御存じのような最近の行財政事情もございまして、こういった事情がいつまでも続くのかという不安から、やはり制度面への改正といった議論もかなり根強いものがございますので、われわれとしてはそういった事態を避けるためにも、できる限りこの際保険収支の自主的な改善努力をしたいということを考えてこの通達を出したわけでございます。
○市川正一君 よくわかるんですが、しかし、確かに通達を読んでみますと、一見当然のようなことがずっと書いてあるわけですけれども、しかし、それを実際的、実務的に詰めていくと、非常に厳しい内容になっていく側面を持っているんですね。実際に詰めていくと、たとえば中小企業がなかなか保証を受けられない、そういうことになる危険性をもいわばはらんでいるといいますか、現にそういう声も聞くんですね。これは民間金融機関の融資担当者の間でも、通達をきっちり実施すると締めつけられるような運営になってしまうと、むしろ中小企業者への貸し付けが減退しないような方法をとる必要があるという声も聞かれます。余りシビアになると本末転倒になるおそれがあるんじゃないかという声も聞いております。そこで、通達が出されてから七カ月たつわけでありますが、各地の信用保証協会で具体化され、これが実施に移されつつある、こういう段階で、保険収支の改善のみに目が向いて、いまおっしゃったような真意が必ずしも酌み取られていない、そして中小企業の要求にこたえられない事態に私はならないように、この点はもう一度真意をしかと確めておきたいのですが、いかがでしょうか。
○政府委員(勝谷保君) 真意につきましては、先ほど来担当部長からお答えをしたとおりでございまして、私、過日全国の信用保証協会のうち、各地区の代表の専務理事の方々が東京に集まられたときに出席をいたしまして、いま先生の申されたような懸念が各地から寄せられておりましたので私からも十分申し上げております。いずれにいたしましても金融でございます、中小企業といえども一つの経済人として自主独立で生きていっていらっしゃいますから、私どもの真意は十分御理解をいただいているというように理解をいたしているところでございます。
○市川正一君 もう一つの問題であるこの代位弁済後の回収についてでありますが、通達は、求償権の「内容に応じた回収計画をつくり効果的な回収を図ること、あるいは担保の任意処分の積極化及び支払い命令、仮差し押さえなどの法的措置を強化すること等により回収の一層の促進を図る、こう述べております。いわば読みようによっては力づくで経営困難に陥っている中小企業からも取り立てようというようにも読めるんですね。またそういう意図があるんじゃないかともいわば下では見ているんですよ。これまでも各地の信用保証協会の、言うならば官僚的運営というものを再三指摘されておりますけれども、そういう中で回収計画をつくって取り組むということは、それ自身決して私否定はいたしませんけれども、結局協会職員に回収のノルマを課して、そしてしゃにむに追求するという可能性なきにしもあらずで、こうしたことは絶対にさせない、中小企業の立場に立って運用するよう各機関に指導する、こういうふうにお約束をいただいてひとつ安心させていただきたいのですが、いかがでしょう。
○政府委員(杉山弘君) 先生の御指摘、御心配もごもっともかと思いますが、そこの部分だけとって御理解いただきますといま御心配、御懸念のような点も出てまいるわけでございますが、私どもむしろ、担保処分ないしは回収に至る前に、単に期日に弁済が遅れたからといってそこですぐ代位弁済の請求になるようなことはできるだけ避けるというような、いわば期中管理の徹底と申しますか、合理化、適正化と申しますか、そういうことをまず前提として各金融機関と信用保証協会が連絡をしてやっていただいて、その上なおかつもし問題が起こった場合にはということでございますので、一様に保証先である中小企業の方々に力づくで担保を処分し回収をするというようなことを考えているわけではございませんし、保証協会のサイドに立ってみますと、やはりこの回収というのはどうしても手間と時間のかかるものでございますから、なかなか力を入れてやっていただけないという面もないわけじゃございませんので、そういう点につきましてあるいは計画をつくって回収に努力をしていただくというようなことをお願いしているわけでございますので、先生御心配の点はわれわれとしても十分そういうことがないようにこれから指導していきたいと思います。
○市川正一君 次に私、中小企業の倒産がいま激増していることと関連して、中小企業倒産防止共済制度の運用について伺いたいのであります。 御存じのように、中小企業等協同組合法に基づいて各地に企業組合がいまできております。この企業組合は一般に規模が小さく信用力なども低いとされている中小企業が組織化することによって自助活動といいますか、みずから営業と生活を守っていくという目的でつくられたものでありますし、いわば政府の近代化政策、組織化対策にのっとったものだとこう言えると思うのでありますが、ところが、この企業組合が中小企業倒産防止共済制度を利用する上で大きな制約を実際上受けているわけです。いろんな矛盾が出てきているんですが、それは、この共済制度は企業組合も利用することはできるんですが、多くの事業者が一つの企業組合として構成されているにもかかわらず、それぞれの構成員が一つの企業として扱われないために複数加入ができないという問題なんです。おわかりだと思いますけれども、たとえば京都で三百以上の事業を抱え業種も多種多様なものにまたがった企業組合が幾つかありますけれども、その中のある一つの事業所が共済金の貸し付けを利用しますと、企業組合に加入している残りの三百を超える事業所は肝心なときに全く使えないのですね。 この問題は私、去年の六月に質問主意書を出しました。答弁書もいただいたんですが、この答弁書では納得できないのです。いまのような時期にこそ企業組合でも事業所ごとに加入できるようにするとか、あるいは事業所数に比例した加入口数をふやせるというような実態に即したいわば改善措置、これをやっぱり講ずる必要があると思うのですが、私長く説明いたしましたが、ぜひ意を酌み取っていただいてこの点についての御見解を承りたいと思います。
○政府委員(篠島義明君) すでに先生御承知のとおり、この倒産防止共済組合の制度そのものの趣旨が、小規模企業者がお互いに資金を出し合いまして連鎖倒産等を防止するために問題が起きたときに金を受け取るという制度で、これを公平かつ有効に適用するという観点から、それからまたこういった小規模企業者が一体どの程度のそういった債権回収が困難になったときに負担に耐え得るか、あるいはどの程度の一般的に債権回収の困難な額が生ずるかといったようなことを考えながら、一中小企業者についての掛金の限度額を定めます。一方、企業組合の場合に、先生のおっしゃるような実態もございますが、企業組合そのものは本来ある意味では会社と同じような実態でございまして、そこに入り得る組合員もみずからの資産あるいは人的な能力、これを全面的に企業組合に投下いたしまして一体となって企業組合の中で勤労者的な報酬を受けながら仕事をやっていくというたてまえになっておりますので、したがって、以上の倒産防止共済制度の趣旨、それから企業組合の趣旨、両方総合的に勘案いたしますと、なかなかおっしゃるように企業組合の組合員についても倒産防止共済の契約者になり得るというような方向へ持っていくことはいろいろ問題があるというふうにわれわれは考えております。
○市川正一君 いま、公平性それから有効性ですか、この両面から言われたんですけれども、しかし考えてみると、加入数がふえることは共済制度を発展させる上でもむしろ歓迎すべきことだと言うべきだと思うのですね。私は、そういう点で公平な運用、有効なあるいは効果的な運用をやっていく上からも、多くの中小業者が加入するということはむしろ大いに奨励すべきだという見地に立つべきじゃないか。そして、企業組合は一つの会社とおっしゃっているけれども、実態的にはもう百も御承知のように、本当に弱小な中小業者が寄り集まって、そういういわば近代化の方向への過渡的体制ですよ、それを政府の施策に基づいてやっているわけですから援助するというのは私は当然だと思うのですが、そういう点で中小企業の倒産を少しでも防止するという立場にもし政府がお立ちならば、この点についていまここですぐにどうしろとは申しませんけれども、今後の積極的検討の対象にするという立場でひとつ御検討いただきたいと思うのですが、中小企業庁長官いかがでしょうか。
○政府委員(勝谷保君) 企業組合の結成をお願いしておりますのは私どもも同じ立場でございますので、企業組合に不利益になるようなこと、私どももともと考えていないつもりでございます。ただ、先ほど担当部長も申しましたように、倒産防止共済が個々の企業の方々を対象にしておるものでございますから、それらとの関連、さらにいま倒産防止共済が赤字続きであるという実態等々も含めまして、先生おっしゃったように、長期的観点ではいまの点を検討すべき一つの問題として私どもも十分留意したいと思っております。
○市川正一君 ぜひ御検討いただきたいと思います。 中小企業の直面する問題の一つとして、私この機会に特に欧米諸国との貿易摩探とも関連する皮革それから革靴の輸入自由化問題で大臣にもお伺いもいたしたいと思うのでありますが、先日私のところへ日本機械靴協会そして日本靴製造団体連合会の連名で「革靴輸入自由化反対声明」その他資料を私に届けていただきました。 それによりますと、こう訴えております。「もし革靴の輸入自由化が実施され、革靴に関して長い伝統を有する欧米先進国や、労働力の豊富な東南アジアの発展途上国から各種の革靴が大量に日本の市場に流れこんでくれば、日本の零細な靴メーカーはひとたまりもなく押し流されてしまのです。そして靴産業に従事する労働者と家族約三十三万人が生活の場を失ない路頭に迷う状況となるのです。」、こう述べております。 私も関西の出身でありますので、大阪あるいは奈良、和歌山、いわゆる未解放部落の人たちの地場産業としても実態もよく承知しておるのでありますが、そこでお伺いしたいのでありますが、わが国が牛、馬、ヤギ、羊の革とそれから革靴を非自由化品目としておるんでありますが、その理由は何か、それからわが国の皮革産業の実態はどうなっているのか、それから企業規模や労働者の問題、地域経済との関連などを、お時間はできるだけ節約していただいて、簡潔にちょっとお伺いしたいと思います。
○政府委員(志賀学君) お答え申し上げます。 ただいま先生からお話しのございましたように、革の関係、靴を含めましてIQ制度をとっているわけでございます。その理由といたしましては、一つは靴製造業あるいは製革業というものが、歴史的な背景もございまして、さまざまな困難な事情をはらんでいる、こういう産業であるということが一点。それから加えまして、たとえば製革業で申しますと約八割が九人以下の零細企業でございます。それから、靴の製造業で申しますと約七割が同じく九人以下の零細な企業でございます。あわせまして、これらの産業というのはきわめて地域性が強い、こういう業種でございます。恐らくこういったさまざまな問題をはらんでいる、そういう産業であるということからIQ制度をしいておるというふうに私どもは理解をしております。 それで、現在これらの産業の実態でございますけれども、製革業で申しますと、これは五十四年の工業統計でございますけれども、事業所数で千三百四十四企業、出荷額にいたしまして約二千億円でございます。それから、靴の製造業、革靴の製造業で申しますと、事業所数で申しまして二千二百七企業、それから出荷額で申しまして約三千六百億というような状況でございます。 最近の状況といたしまして、一般的な個人消費の伸び悩みが一つ、それからもう一つは一ころブーツブームというのがございまして非常に革の関係の需要も伸びたわけでございますけれども、そのブーツブームが過ぎたというようなこともございまして、最近は革のこれらの各産業は大変経営が苦しい、こういう状況でございます。
○市川正一君 わかりました。 いま志賀さんからお話があったように、非常に企業基盤の脆弱な産業でございます。私、大阪あるいは兵庫、奈良、和歌山などの産地を知っておりますが、そこでの地域経済をまた構成している実態にあります。こういう状況の中で自由化が実施されますと、本当に壊滅的打撃を受けるということは明白であります。 大臣にぜひお伺いしたいのでありますが、本日の昼のテレビニュースを見ておりますと、自由民主党の農水部会は農産物自由化断固反対を決議なすった、そして衆議院の農水委員会は超党派で同様の決議を行うというふうに報道をいたしておりました。皮革産業あるいは靴というのはもちろん農林水産物とは違いますけれども、事柄の性格上、非常に似通った共通性があるわけでありますが、この皮革あるいは靴の自由化の要求に対して断固としてこれを拒否し、国内の皮革産業を守るために十分な対策をとる必要があると思うのでありますが、大臣の御所見を、また決意をぜひ承りたいと思います。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 残存輸入制限品目、これは革もそうでありますが、この輸入制限の緩和につきましては、諸外国の関心品目に留意しつつ、適宜レビューを行うということを昨年十二月十六日の経済対策閣僚会議で決定をしておるところでありまして、今後とも残存輸入制限につきましては、適宜レビューを行うに当たりましては関係諸国との友好関係に留意しながら、各品目の需給動向等も踏まえまして、国内産業の健全な発展と調和のとれた形で行われることが基本的に重要であるというふうに考えております。その他の皮革製品につきましてもこのような考え方に立って対処してまいりたいと思います。
○市川正一君 最後に、スーパー問題で伺いたいのでありますが、私、本委員会で三月二十三日に、ここに会議録もございますが、大店法規制の新しい通達についてお聞きいたしました。その際に、大店懇の報告で第二種店舗も含めて方針を提起しているのに、通達はこれを対象外にしていること、また規制対象外の小型店の展開をスーパー業界の新しい戦略としてきていることを指摘いたしました。そして、植田さんにもいろいろお聞きして、その際に店舗主義と企業主義とを併用してはどうかということを私は提案いたしました。で、植田審議官は、ヒヤリングをして適切な指導をしていくということを答弁の中でお約束なさっているんですが、事態はその後全く逆の方向に進んでいる。 たとえば、ここに私持ってまいりましたのは朝日新聞の報道でありますが、 ダイエーグループのローソンは、三月中だけで十九店を新規出店。同グループのサンチェーンも同十八店を出店した。ともに、これまでの出店ペースを大きく上回っている、という。 ニチイも商品供給などで関連のあるデイリーマートの多店舗化を考えている。 こう報道しております。つまり、通産省の指導は、この点では現実には野放しになっていると言わざるを得ぬのであります。私、事は急を要すると思うのでありますが、通産省はこの際規制効果が上がるように通達を改善ないしは補強なさるべきだと、こう思うのですが、まずこの点をお伺いしたいと思います。
○政府委員(植田守昭君) 大型店問題につきましては、御指摘のような、先般新しい方針で対策を打ち出したわけでございますが、その中で特に幾つかの大企業につきましては、直接に個々にヒヤリングを行いまして指導しているわけでございます。今回の規制の中心がいわゆる大型店の規制であったということからよく言われますのは、大型店を規制すればその反射的な方向として、いわゆる小型店への進出が強まるんではないかというふうなことが言われているわけでございます。私どもといたしましては、そういうふうなことで急激なインパクトが出て、それが中小企業に大きな影響を及ぼすということになりますと、それは私どもの政策の趣旨ではございませんので、そういった小型店の出店につきましては、出店の形態なりスピードなりというふうなものは、よく注意して見守ってまいりたいという態度を持っているわけでございます。 新聞等で、かなり前でございましたが、一部報道にもございまして、幾つかの具体的な企業の出店についての記事もございましたので、私どもも早速ヒヤリング等も行いまして調べた経緯もございますが、概して申しますと、かねてからこういった小型店への進出というのは、かなりの企業が計画しているわけでございますが、その中にはいわゆる実験段階であるものとか、あるいはまた実験的に幾つかの店を出しながら、その実験の効果を見て、たとえばフランチャイズ店方式で多店舗展開していくとか、そういうふうなことを計画中というのがございますが、目下のところでは、短期集中的に非常な勢いでラッシュするというふうな傾向も、必ずしも全般的には見えていないというのが私どものヒヤリングの結果の感触でございます。 しかしながら、いずれにしましても、今後一挙にラッシュして非常に問題が出ると、あるいはまた中小企業、これは形態にもよるわけでございますが、御承知のように、直営によるもの、あるいは中小企業のフランチャイズによるもの等によりましては、形態によりましてこの評価も変わってくるわけでございますが、そういった点、きめ細かく見ながらこの問題には対処していきたいというふうに考えております。
○市川正一君 私は、現状認識は植田審議官はわざと目をそらしていらっしゃると、こう言わざるを得ぬのです。もしまともな目があるならば、たとえばこれは新聞の一例ですが、「小型スーパー出店の動き盛ん」、「規制対象外 着目の新戦略」、「大手系・地方競って」、「調整骨抜き」というのが、これが私はリアルな実態だと思うのです。 もう一つ、時間が参りましたんで、最後に伺いますが、大店法上は規制の対象外になっている大手スーパーの系列下にある小型店の問題です。これも私前回お聞きしました。 具体例を申し上げますと、東京の足立区で問題になっている長崎屋の系列店の御存じのサンバード関原店、この例です。このケースは、地元に直営店の出店計画をもともと長崎屋は表明していたんです。ところが、突然出店中止の通告をして、その翌日にサンバード関原店、この出店広告をばらまいて、十日後にはもう開店しているんです。報道によりますと、地元の話し合いが難航しそうなので切りかえたというのです。また、こうも言うておるんです。「フランチャイズ店の出店には規制はないはず」、こううそぶいているのです。 大臣、聞いておいてほしいのです。いま植田審議官は、実験的にというようなことを言うておりますが、実験的に人殺しをやられたらわやです。そういう脱法行為を公然と言うて出店しておるんです。これには地元の商店街が訴訟を行っておりますが、私は、スーパー業界のこうした動きは、新通達後にわかに出てきたんじゃないのです。それ以前から、大型店から小型店への多店舗展開によって、小さな商圏を、エリアですね、これをきめ細かく押さえていく方向に動き出しておったんです。だからこそ、いま多くのトラブルが激発している。これは御承知のはずです。 ですから私は、許可制の問題ももとよりでありますが、同時に、今日の新しい事態のもとで、前回提起いたしております店舗主義と企業主義と、この併用をどうしてもここで考える必要がある。ここをやっぱり押さえない通達というのは、規制というのは、結局肝心かなめのところを野放しにする結果になる、こう思うのですが、もう一度重ねて植田審議官の誠意ある御答弁を求めて、質問を終わります。
○政府委員(植田守昭君) 企業主義と店舗主義の併用ということでございますが、どこからどこまでを併用と言うかということもございまして、なかなかむずかしいのでございますが、率直に申しまして、今回の私どもの緊急対策の中には、一部企業主義的な観点が入っているわけでございます。つまり、大手の主なところにつきましては、企業ごとにヒヤリングをいたしましてこれを指導するという面が入っているわけでございます。ただ、お尋ねのようないわゆるこの小型店につきまして、全面的に企業主義という形でやるのが目下の段階として適当であるかどうかということにつきましては、なおいろいろと検討すべき点もあろうかと思います。 ただ私どもは、一言で言いますと、小型店につきましてはスピードと形態、この問題をどうとらえるかということが必要だと思うわけでございまして、こういった点から、この問題につきましては今後とも注視してまいりたいというふうに考えます。
○委員長(降矢敬雄君) 他に御発言もなければ、両案に対する質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(降矢敬雄君) 御異議ないと認めます。 これより両案について討論に入ります。 御意見のある方はそれぞれ賛否を明らかにしてお述べ願います。——別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 まず、中小企業信用保険法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(降矢敬雄君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、野呂田君から発言を求められておりますので、これを許します。野呂田君。
○野呂田芳成君 私は、ただいま可決されました中小企業信用保険法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党一自由国民会議、日本社会党、公明党・国民会議、日本共産党、民社党・国民連合、新政クラブの各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 中小企業信用保険法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、国民経済の発展と国民福祉の向上に大きな役割を果たしている中小企業に景気のかげりが集中的にみられていることにかんがみ、中小企業信用補完制度がこれら中小企業にとって真に有効な施策となるよう、次の緒点につき適切な措置を講ずべきである。 一、信用補完制度強化のため、各関係機関の財政基盤充実について引き続き配慮すること。 二、信用保証協会が保証を行う場合の担保徴求については、個々の中小企業者の実情を踏まえて適切に対処するよう指導すること。 三、信用保証協会が保証を与えるに先立って行う審査については、金融機関の行う審査を十分に参酌し、これを効率的に行い融資に要する手続期間の短縮が図られるよう引き続き指導すること。 四、新たに創設されるエネルギー対策保険及び対象が拡大される倒産関連保証制度の運用にあたっては、個々の中小企業者の実情等を踏まえ適切に対処するよう配意すること。 右決議する。 以上であります。
○委員長(降矢敬雄君) ただいま野呂田君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(降矢敬雄君) 全会一致と認めます。よって、野呂田君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、安倍通商産業大臣から発言を求められておりますので、これを許します。安倍通商産業大臣。
○国務大臣(安倍晋太郎君) ただいま御決議をいただきました附帯決議につきましては、その趣旨を尊重いたしまして、中小企業信用補完制度の実施に遺憾なきことを期してまいる所存でございます。
○委員長(降矢敬雄君) 次に、小規模企業共済法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(降矢敬雄君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(降矢敬雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後三時三十四分散会